あなたの彼女

1 名前:綾香 投稿日:2003年04月01日(火)14時44分27秒
ヘタクソですが書かせていただきます。
よろしくお願いします。
2 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月01日(火)14時46分29秒




「よしこ!お願いだからやめて」


ごっちんは、さっきからあたしの腕を離そうとしない。


「吉澤さん!もう一度…考えて下さい!」


紺野もごっちんと逆の腕を取って、あたしを引き止める。



「ええ〜い、うるさぁい!」


「あ、よしこぉ!!」

「吉澤さん!」


後ろからする紺野とごっちんの悲鳴みたいな声。
何が悪いんだ!
もうあたしは、伝えるって決めたんだから!!



「あの、好きです」

「え?」

「付き合ってくれませんか?」



彼女は、難しそうな顔する。言っちゃうけど…そんな顔も果てしなく可愛い。


3 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月01日(火)14時47分11秒



「本気?」

「はい!」


本気っス!本気です!!マジです!!!
もう、貴方に会った時運命感じちゃったんですよ!ハイ!!


彼女はフッて笑って、俯いていた顔をあげた。
そこには、出会った時と変わりない…天使の様な笑顔。


「考えさせて、ね…?」

「はい!いい返事待ってます!!」

「…ええと、名前は…」



「高等部1年A組。吉澤ひとみです!!」
4 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月01日(火)14時50分21秒

「吉澤さん、ね…。覚えておくわ。私の名前は…」

「高等部2年C組、石川梨華先輩!大好きっス!!」

「…知ってたの」

「そりゃぁ、もう!!」

「明日には、返事返すと思うから…それじゃぁ」


彼女は、天使の様な笑顔を振りまきながら、手を振って教室に帰って行った。



「よしこぉぉぉ〜〜〜!!」

「吉澤さぁぁぁん!!!」


先輩が居なくなったと同時に、私はごっちんと紺野に引きずられながら食堂を後にした。



梨華先輩……可愛すぎる………。

マジで、やばいっス。可愛すぎっス。

…本気で好きっス。



5 名前:綾香 投稿日:2003年04月01日(火)14時51分39秒
とりあえず更新…最初長すぎました。(汗
早速ダメダメぶり発揮…。(鬱

見て分かる通りいしよしです。
6 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月01日(火)21時06分46秒
どうもこんにちはっ!!クロイツでっす!!
綾香様って、あの綾香様ですよねっ?お久しぶりです!(間違ってたらゴメンナサイ)

面白い始まり方ですねぇ♪先がどうなるのか、激しく楽しみです!!
梨華ちゃん大好きなヨッスィー…最高です。
果たして梨華ちゃんは、どんな返事を返すんでしょうか…うう〜ん、楽しみ過ぎる…。
そして必死こいて止めてるごっちん&こんこんに笑いました。
次回、楽しみにしております!!
7 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月02日(水)14時46分37秒
「よくも…よくも、石川梨華に…」

「私のデータを…疑っていたんですか?」

「そ、そんなに怒んなくたっていいじゃん…」


昼休み、あたしは紺野とごっちんに500m程引きずられ、第2音楽室に連れてこられた。
二人は物凄い形相であたしを睨みつける。


「分かってんの!?アイツはサ・イ・ア・クなんだよ?」

ごっちんはあたしに詰め寄る。

「過去30人に告白され、30人OKして、30人使うだけ使い、30人捨・て・た正に悪女です!」

紺野はデータの紙を、あたしの顔に押し付ける。


8 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月02日(水)14時47分28秒


「いやぁ、分かってるんだけどさぁ…」


紺野とごっちんから数歩後ずさり。
二人の顔は物凄いまま。


「なに?」

「なんですか?」


「…先輩、好きなんだもん」


ごっちんと紺野はあたしの言葉に顔を見合わせる。
そしてもう一度あたしに詰め寄る。


「あの、優しい〜笑顔に何人騙されたと思ってんの!?」

「あの、甘い声に何人騙されたと思ってんですか!?」


「「30人!!!30人!!!」」
9 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月02日(水)14時48分28秒
二人はあたしの両側から掛け声の様にデカイ声で張り上げる。


「そんなに30人、30人言わないでよぉ〜」


ごっちんと紺野は同時に頬を膨らませた。



「あ、よっすぃ〜〜ん!」

「あ、バイバ〜イ」

「はぁ……」


教室までに帰る途中、クラスメートや後輩、先輩に見ず知らずの人まで私に声をかける。
愛想と笑顔振りまいてるあたしの隣で、紺野とごっちんは溜息。


「何でさぁ!アンタ。可愛い子なら他にもいっぱいいるんでしょうが!!」

「そうですよ!この学校に吉澤さんの事を目で追っかけている少女が何人いると思います!?」
10 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月02日(水)14時49分17秒
「3、30人……?」


「「それ以上!!少なくとも100人!!!」」


「だぁ〜かぁ〜らぁ、耳元で叫ばないでって。それに100人は、無いでしょ。さすがにぃ」


紺野とごっちんはまた腕組んで、頬膨らまし星人。
何なんですかこの人達…息合いすぎ。


「有り得る。充分、有り得る。あさ美、データ」

「春の部活見学時、バレー部に見学しに来た人にアンケートを取りました。
 
内容は、「なぜバレー部を見に来たか?」です」

「100人の人に答えてもらいましたぁー」


いつの間にそんな事を…。

11 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月02日(水)14時51分37秒


「それの結果がコレですよ。「1位、吉澤ひとみを見に来た」100%です。中学の推薦で来て、入学と同時にバレー部に入った貴方を、先輩同級生後輩教師問わず見に来ていたんですよ」

「100人は確実によしこの虜ってわけ」

「でも、絶対それ以上いますよね」

「えーっと、中等部3年あややに、高橋でしょ?先輩だったらー…ええと、二年の柴田先輩それにぃ…保健の安倍先生も案外狙ってそうだな」

「うちのクラスにもたくさんいます」


恐い…この二人恐いよぉー。
教師は無いだろ!普通に有り得ないし!!


「でも、あたしが好きになったのは梨華先輩で…」


「「だから、何であんな最低を好きになるかって…」」

「ほらほら、授業始まるよ〜!!」


「あ、逃げるなこやつ〜〜〜!!!」」

「待ってくださぁい!」


これ以上色々言われたら…明日からのハッピーデイがぁ…。
12 名前:作者 投稿日:2003年04月02日(水)14時55分04秒
更新終了。
あんまり慣れないなぁ〜台詞はやっぱり変え行するべきですね…。

>>6
わわわ師匠!!
こんな奴にレスありがとうございます!!
そんなお言葉まで貰って、なんかもう頂点です(謎
返事は次回になると思います。
駄文ですが見てやってくだせぇ…。
13 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月05日(土)00時34分05秒
まさにいしよし、いしよし、これでもかいしよしってな芸風を感じます。
しかしこういうよしこ(女子校に典型のモテ)に
紺野(データ−魔)などの王道な感じ自分は結構好きだす。
がんばってくらさい。
14 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月07日(月)19時26分09秒
「梨華先輩♪梨華先輩♪」


次の日、あたしはメチャクチャ浮かれてた。ロマンティック 浮かれモード♪
アハハ〜何言ってるんだぁ、あたしは。
でもさぁ、狂っちゃうって。マジ、あの可愛さ。

振られたら、それはそれだけど…多分、振られても好きだし。
この想いはどうしようもないわけで。
でも、黙ってるのはストーカーみたいでキモイから、振られたらキチンと言うんだ!


「梨華先輩の事、好きでいてもいいですか…?」


うわぁ―――はずいっっ!


あたしは体育館裏で一人で呟いて、一人で顔を赤くしてた。



「放課後、体育館裏で待っててね」


15 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月07日(月)19時27分04秒

梨華先輩の言葉が頭の中で何回もリピートしてる。
そう、とうとう返事の時!!
紺野とごっちんにはバレない様に、こっそりと抜け出してきた。


「あの二人にバレると色々ヤバイんだよね…」



「何が、ヤバイの?」


目の前には…心配そうに覗き込む、あたしの天使。




「わわわわわっ!先輩!!!」

「そんなに驚かなくてもいいじゃない…」


先輩は頬を膨らまして、怒ってる。…んだろうけど、あたしにはそんな顔も可愛く見えた。

怒ってる顔も可愛いぃ…先輩……。


「吉澤さん?」


また心配そうに覗き込むあたしの天使。
あぁぁぁ―――!そんな顔で見られたら…いっちゃいます、あたし。


「い、いえ…何でもないです」

「そう……」
16 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月07日(月)19時27分49秒
何とか平常心っぽく答えたつもりなんだけど…あたしの心臓の音、聴こえてるのかなぁ。
先輩は俯き気味でクスッと笑った。

そんな、笑われちゃったよ…。
あたしは恥ずかしくなって、つい俯いてしまった。


沈黙が続く中…


「吉澤さん」


先輩があたしを呼んだ。


「は、はいっ!」


可愛らしい甘い声で呼ばれて、あたしの心臓は更にヒートアップ。
とうとう言われんのかぁ――…あぁ、振られたらちゃんと言えるかなぁ。

なんて、あたしの頭の中はもう「振られる」の四文字しか無かった。
けど先輩は「好き」とも「嫌い」とも言わないであたしの首に腕を廻してきて…
17 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月07日(月)19時29分16秒


「ひとみ、って呼んでもいいかな…?」


上目遣いでそう聞いてくる。あたしは、想像も出来なかった出来事に


「はい…」


としか言えなくて。んでもって先輩は、


「ひとみ……」


って呟いたと思ったら…あたしの…顔に…唇に…自分のそれを持ってきて…



キス――――――――――!!???

18 名前:作者 投稿日:2003年04月07日(月)19時32分35秒
更新しました。

>>13 名無し読者さん
レスありがとうございます!!
今めっちゃくちゃ暗いのを同時進行してまして…。
こういう王道甘々が書きたくなっちゃうんです。
頑張って甘々してくんで、読んでやって下さい!
19 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月07日(月)23時56分28秒
梨華ちゃんの小悪魔的微笑を思い出しながら読んでおります(w
にしても、ごっちんとコンコンのコンビがなんかいいなぁ

がんがってください!
20 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月08日(火)21時53分33秒
おおっと!!梨華ちゃん大胆だ!!
小悪魔梨華ちゃん、可愛いです!!このまま突っ走って頂きたい…
あまあまになるの、大期待です!!がんばってくださいねっ!!

次回も楽しみにしています!!
21 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月09日(水)18時11分18秒


実際それほど長くはなかったけれど…あたしの頭は一時停止。
心臓の動きとかまでスローモーションみたいになって…。


「ひとみの唇、柔らかいね…」


気づくと目の前には先輩の厭らしい笑み。
あぁ…そんな厭らしい笑みもそそります、先輩。
…そそりますなんて、あたしは一体どうしちゃったんだ。


「私、あなたの事…好きになっちゃったみたいなの。付き合って…くれる?」


さっきの大胆な行動と厭らしい笑みからは想像出来ないほどの照れぶり。
あたしの制服の袖ギュッて握って、俯いて…。
あぁ――!!!先輩、可愛すぎますっ!!
22 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月09日(水)18時12分01秒
「先輩………」


どこまでもついていきます。









23 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月09日(水)18時12分44秒




「「キスされたぁぁぁ―――!????」」

「ああっ、もう声でかいぃ!!」


これだから二人に言うの嫌だったんだよねぇ…。
けどもう言ったからにはしょうがない…今更離してくれると思わないし。


「で?で?」

「どうしたんですか!」

「え?付き合う事になったけど…」


「「付き合うぅぅぅ――――んぐっ!」」

「だから声デカイ!」


あたしは二人の口を押さえて小さな声で言う。
いくら屋上だからってこの二人の声量のでかさ。聴こえたらどうなるか分かんない。
24 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月09日(水)18時13分15秒


「やめて!やめてよ、よしこ!」

「吉澤さん、今からでも遅くないですっ。断りにいきましょう、ね!!」

「え?えぇ〜〜?」


二人はあたしの腕を両側から取って走り出した。
目的地は…2年C組!?


「すいませぇん!石川先輩!!」

「ちょっと、ごっちんヤメテよ!」

「吉澤さんがお話があるそうです」

「ちょ、紺野!!」


あーヤバイよ、ヤバイよ!先輩こっち来る…!

25 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月09日(水)18時13分45秒

「あ、ひとみ!」


なんて言いながら抱きついてくる先輩。
いやぁ―マジ可愛い。どうしましょう。


「話ってなあに?」


その首かしげて上目遣い。サイコーです。死なせる気ですか?あたしの事。
ってこんな事言ってる場合じゃない。そもそもごっちんと紺野が…。

ごっちんと紺野の方を見るとかなりお怒りのご様子で。
二人は目で合図してくる、「振れ!」って。


「ひとみぃ?」

「先輩…」

26 名前:作者 投稿日:2003年04月09日(水)18時18分30秒
ちょっと多めに更新です。

>>19 名無し読者さん
レスありがとうございます!!
梨華ちゃんは可愛いから許されます<小悪魔(w
ごっちんとこんこんコンビは自分もお気に入りですv

>>20 クロイツさん
レスありがとうございます!!
この話は大胆&小悪魔梨華ちゃんと書きたくてはじめたんで、
そう言ってもらえると嬉しい限りです(w
27 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月09日(水)21時46分46秒
ど、どどどどどーするんだ、ヨッスィー!!
前方の首かしげて上目遣いの小悪魔、後方のかなりお怒りのご様子の友人(笑)
どうするんだ〜!どうなるんだ〜!!き、気になるっ!!!

・・・・・・私だったら多分、前方の小悪魔取っちゃうなぁ…(爆笑)

次回も楽しみです!!
28 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月13日(日)09時14分46秒


振る?この可愛い天使を?
フッ…できるわけないじゃん。


「好きっス」

「え…それだけ?」

「はい…すいません。こんな事だけで呼んで」

「うーうん。私もひとみの事だぁーいすきぃ」


チュッ


頬に軽くキスされただけであたしの脳は天頂。


「梨華〜」

「あ、ごめんね。それじゃぁ…この辺で」

「はい、すいませんでした」

「ううん。…それから今度の日曜でもどこか行かない?」
29 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月13日(日)09時15分27秒

「え…」


それって…


「ひとみとデートしたいんだけどぉ…」

「ハイ!喜んで!!」

「良かったぁ。じゃぁまた明日ねっ!」


先輩、もといあたしの天使は笑顔で手を振り戻っていった。


…先輩。


可愛いぃぃ―――――――――――――!!!!!!!!!!!!


30 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月13日(日)09時16分24秒



「よしこ…?」

「吉澤さん?」


あ、忘れてた。二人の存在…。

二人は声だけでも分かるくらいすんごい怒ってる。…ふりむけねー。


「何?」


あたしは意を決して振り返る。


「今何て言った?」

「誰と誰がデートですって?」


「先輩に好きって言った。それと今度の日曜デートだって!アハハ……」
31 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月13日(日)09時17分01秒


恐い怖いこわいコワイ!!!
あースイッチ入るよ、スイッチ……3・2・1…


「よしこぉぉぉ〜〜〜!!!」

「吉澤さぁぁぁん!!!」


「ひぃっ!」


32 名前:作者 投稿日:2003年04月13日(日)09時19分57秒
遅くなってすいません…って待ってる人なんていんのかよ。
ってことで更新しました。
よっちぃおめ♪

>>27 クロイツさん
レスありがとうございます!
私も前方の小悪魔を……川o`-´)ノ( `Д ´)ギロ
ひぃ(汗
吉澤さんにはこれからも苦労してもらいます。w
33 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年04月16日(水)10時41分32秒
はじめまして。読ませていただきました。素晴らしいです!石川のキャラが良いです!これからも応援してるんで、頑張ってください!!
34 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月18日(金)19時06分52秒


「だってさぁ、しょうがないじゃん。好きなんだから」

「「誰が!!!!」」

「ひっ!あ、あたしがです」

「「誰を!!!!」」

「うっ!梨華先輩をです」


「「誰だって?」」


「り、梨華先輩」


あたしは放課後、教室で地獄の尋問にあっていた。
35 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月18日(金)19時07分23秒


「日曜日に何するんだっけ〜?」

「デ、デートです」

「「誰と!!!!」」


「り、梨華先輩」


あたしは二人に座らされたまま動けない。
さっきからあたしを睨みつけながらあたしの周りを歩く二人。
まるでヘビとウサギ。あれ、カエルだっけ?犬じゃないよね…。


ダンッ!

「あさ美、データ」

机を叩いてごっちんが言う。紺野はサッと紙を取り出し読み始める。
36 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月18日(金)19時08分00秒


「石川梨華の今までのデートコースをまとめてみました。
 1.原宿・渋谷・新宿でショッピング
 2.某有名遊園地で一日中遊ぶ
 3.ひたすら食べ歩き フランス料理 中華街 イタリア料理 …」


ったくこういう事どこで調べてくるんだよ…。


「で、その何が悪いのさ」

「代金は全て相手持ちです」


うっそ。


「全てって、全部…?」

「仮に吉澤さん。あなたなら何番のデートコースで?」
37 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月18日(金)19時08分30秒


何番って…何コレ。心理テストみたいじゃん。


「1…」

「フッ…でしょうね」

「な、なんだよそれ!」

「仮にショッピングコースでデートをしたとします。とすると服や小物アクセサリーに、昼食代、電車賃…」

「ざっと5万はいくよね」

「最高で15万払わされた人もいます」

「たった一回きりのデートで?」

「Yes I do」


「ふ、ふーん」

「どう?デートする気なくなった?」

「2…」


ショッピングコースの話でしょ。後は…そんなに高くは…。
38 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月18日(金)19時09分27秒


紺野とごっちんは顔を見合わせてまた話をはじめた。


「では次はテーマパークコースです。まず二人分のパスポート料金。プラス昼食、軽食、晩御飯、おみやげ代金…」

「全部×2でしょ?3万はいくよね」

「あの石川梨華です。おみやげにいくら費やすか分かりません」


二人はニヤリと笑ってこっちを見る。
な、なんだよ…そんなにあたしをデートに行かせたくないわけ?
ちっくしょぅ。諦めないぞ…けど。
残った3番はどう考えても一番高いわけで…。


「どうするぅ?」

「無理、って事、分かってくれました?」


二人は勝ち誇った笑みであたしを見る。
すんごい悔しい…あたしはにらみ返す。


「そんな怖い顔しないでよ!」

「吉澤さんの為を思ってやっているんですよ」
39 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月18日(金)19時10分02秒



…アハ。



「うん!分かった!!あたし、あんな奴と付き合おうなんて、バカだったよ!!」


「よしこぉ〜」

「吉澤さん!!」


「二人のお陰で目が覚めた!ありがとねっ」


許してね。先輩もごっちんも紺野も。
あたしの人生はあたしが決めるの。あたしが生きるの。



40 名前:作者 投稿日:2003年04月18日(金)19時15分56秒
遅くなったんで多め(?)に更新。っつか長い。
もう学校くたくたです…。
レスがきたのでageちゃいました。(キショ

>>33 ごんべぇさん
レスありがとうございます!!
素晴らしいなんて…そんないことねーっす。
これからも読んでやってください!
41 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年04月19日(土)06時24分52秒
紺野データその1!
この小説はとても興味深いないようである。
紺野データその2!
石川梨華は可愛いのである。
紺野データその3!
いしよしはとても面白い!
今回も面白かったです。次はどうなるのだー!?
42 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月19日(土)14時34分15秒
悪女梨華ちゃん素敵ー!!
オゴらせまくり、ナイスです!!つーか私も梨華ちゃんだったら貢いでも良い…!!(爆笑)
吉澤さん、わが道を行ってくれ。
おもしろいです!!次回も楽しみにしています!!
43 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月20日(日)17時52分05秒
「先輩っ」

「ひとみ〜!」

「あっ!ちょっ、くっつきすぎですよ…」

「…イヤ?」

「いえ…」


ぼかぁ、幸せだなぁ〜。


日曜日。晴天。デート日和!
あたしは先輩といた。

先輩は白のワンピース、一方あたしはジーンズTシャツ。
後ろから見ればどう見たって男と女。 まぁ何でもいいんだけどさ〜。
44 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月20日(日)18時02分16秒

「先輩、どこ…行きたいっスか?」


あたしは勇気を振り絞って先輩に聞いた。
あの日、紺野とごっちんに教えられたコースは、なるべく避けたかった。
けどそれってやっぱり先輩を信じてないって事。

お金かかるのはしょうがない。
だったらやっぱり先輩の行きたい所に行くのが一番いい。



「うぅんとねぇ、私はぁ…ひとみの好きなところでいいよっ!」

「え?」


予想外の言葉にあたしは戸惑う。
てっきり今日は一日先輩に付いていくと思ってたのに。
そういえば、あたしの行きたい所なんて全然考えてなかった。
45 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月20日(日)18時03分12秒


「いや、こういうのはレディースファーストで…」

「ひとみだって女の子でしょ?もぉ何言ってるのっ♪」


頬をツンツン突付かれてめちゃくちゃ恥ずかしい...。
先輩すっごいウキウキしてるよ。どうしよ。


「いやーあたしはいいですって。先輩の行きたい所で」

「えぇ〜」


えぇ、だなんて言われても…。そんな顔しないで下さい、お願いですから。


「とにかく、どっか行きませんか?」

46 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月20日(日)18時03分54秒
待ち合わせ場所の近所の公園は夏の日差しが凄くて、遊んでる子供なんて全くいない。
人目が付かないほうが良かったのか知らないけど、先輩のリクエスト。


「うん…暑いね」


服をパタパタさせながら眉間にシワを寄せる先輩。
そんな困った顔されたら溶けちゃいますよ、あたし。


「ひとみ、あそこ入ろう」

「え…?」


あそこ、って言って先輩が指差したのは土管の中。
公園でもあるのは結構珍しい。確かに暑さは凌げるけど…。


「行こっ!」

「え?うわぁ!!」


先輩ははしゃぎながらあたしの腕を取って走り出す。
土管へ、一直線。
47 名前:作者 投稿日:2003年04月20日(日)18時11分04秒
短いですが更新〜自分もこんな可愛い小悪魔ほしい…(壊

>>41 ごんべぇさん
有難いお言葉!!ありがとう、紺野さん!!
川o・-・)ノ<お世辞ってやつですよ、あなたバカですか
……次回も面白くしたいです。(w

>>42 クロイツさん
み、み、みみみつぐ!?
ちょちょちょ今の問題発言ですよー!!…………激しく同意(w
吉は大変な彼女と大変の親友を両方持ってしまったようです(w

次回は……土管デートってことで(w
48 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月20日(日)19時24分10秒
つーか予想に反してリーズナブルな(笑)
いや、でもこれからなんですか?石川さん(爆笑)
いやぁ、もぅ、可愛い!!石川さん可愛過ぎ!!

土 管 の 中 で 、 何 か 起 こ る ん で す か ?

すばらしく期待してしまいます。
次回も楽しみにしてます!!頑張ってくださーい!!
49 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年04月20日(日)21時09分16秒
ど、土管…。土管の中で何をする気なんだ…。(やばい妄想をしてしまう奴)おぉー!吉沢ー羨ましいぞー!
50 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月21日(月)21時44分36秒



「先輩」

「ん?」

「こんなんでいいんですか?」

「うん!さっきから何回も同じ事聞かないでよっ」


ブーッて頬膨らます先輩。


だってさぁ…あんなんまで言ってたんだもん。紺野とごっちん。
あまりに違すぎる先輩。悪女の「あ」の字も出てこない。


「つまんない?」

「いえ」
51 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月21日(月)21時45分48秒
本当につまんなくない。
何となく学校じゃ見られない様な先輩が見れるから。


「少なくとも学校の授業よりは…」

「なに言ってんの〜?」


先輩はあたしの肩に頭を乗せる。
沈黙。

けどまわりのセミはミンミンミンミンうるさく元気に鳴いてる。



「先輩?」

「ん〜?」

「眠たいんですか?」

「ん〜」

52 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月21日(月)21時46分46秒

返事になってないよ…。
まぁいいや。先輩がこうしていたいならそれで。


ミ―ン  ミ―ン  ミ―ン  ミ―ン



あたしは土管からずっと外を見てた。
いつも見る事のない低い視点からの景色。
景色っていうほどのものじゃないけど…。なんかいいかも。楽しい。


「んん」

「?」

「ん〜」
53 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月21日(月)21時47分32秒



あたしは気づかれないように溜息をつく。


先輩はやっぱり眠かったらしく、もう数十分寝息を立ててる。
確かにここは風通しもいいし、涼しいから眠くなるとは思うけど…いくらなんでもデートで寝るか?


「んんん〜〜」


先輩はあたしの方に体を摺り寄せてなんか言うとまた寝息を立て始めた。


まいっか。お金を使わずして先輩の寝顔を見れたという事で。



54 名前:作者 投稿日:2003年04月21日(月)21時57分28秒
更新しました。小悪魔ブレイクタイム(w

>>48 クロイツさん
えー今日のところは、なにも起きていません(w
あ、大丈夫です。小悪魔の快進撃はこれからも凄いので。(爆

>>49 ごんべぇさん
今のところよっすぃーは理性を保てているようです(w
自分だったら迷わず(自主規制

次回は土管デート中編…の予定です。
注※予定では18禁ではありません(w
55 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年04月22日(火)22時26分28秒
なんか平和的だ…。よっすぃ〜は幸せ者だ…。羨ましいぞ!ただで寝顔を見れるなんて!では、次回も楽しみにしています!
56 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月24日(木)17時29分36秒
更新、お疲れさまです。

土管デート・・
自分も子供の頃、近所にあった工事現場の土管で遊ぶのが好きでした。
夏はひんやり、冬はあったかで超お勧めですw
まさかいしよしがデートするとは・・何だかうれしくてニヤけてます。
小悪魔な姫はいつ目覚めるのか、ワクワクです。
57 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月25日(金)14時47分16秒


「んえ?」


気づくとあたしも先輩と一緒に寝息を立ててた。
あーあぁなにやってんだ。あたし達…。
デートじゃないじゃん、こんなの。


「先輩、先輩」

「ん?ん〜。だぁれぇ?」

「起きてくださいよ、先輩!」

「ひとみぃ…?何やってんのぉ」

「何やってんのじゃないですよ!もう3時間もたってますよ!!」

「え?えぇ―!!!!!」



ゴツッ

58 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月25日(金)14時47分51秒

「いったぁぃ…!」

「あーあぁ…」


先輩は勢い良く飛び上がると同時に頭をぶつける。
よくある事だ…けど、すごい痛がってる。異常な程。


「何やってんスか!ほら、出ましょう」

「痛いよぉ…ひとみぃ…」


今にも泣き出しそうな顔して言う先輩。何やってんだ、この人。
涙が溢れそうな瞳。そんな目で見ないで下さいよ…。


「大丈夫、こぶは出来てないっス!!」

「でもいたいぃ」
59 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月25日(金)14時48分21秒


子供みたいに駄々こねてる先輩。
はぁ〜しょうがない…。



「いたいのいたいの飛んでけ〜!」

「え?」

「いたいのいたいの飛んでけ〜!」


先輩の頭を撫でながら、何回もお祈り。
一方先輩は呆気にとられてる。そりゃぁこんな事しないよね、普通。
そうだよ!こんな事しないよー…ったく、何やってんだろあたし…。



「ひとみ」

「はい?」


私が勝手に心の中でブツブツ呟いてると、先輩はなにか言いたげな目で呼んだ。
60 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月25日(金)14時49分58秒
あ〜…可愛すぎます。本当に。


「あのね、痛くなくなった。ありがとう」


ニッコリ笑って言う先輩。
そんな笑顔で見られると、こっちが恥ずかしくなってきちゃいますよ…。



「さ、帰りましょうっ。もう暗くなっちゃいますよ」


本当はもっと先輩といたかった。けど…怪しまれるのも嫌だし。
実を言うと…かなりヤバイっすよ、さっきから!
もう寝顔なんか見せて、襲えって言ってるんですか?先輩。


「ひとみっ!」

「はいっ…」

61 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月25日(金)14時50分50秒

呼ばれたので振り返ると、服の袖引っ張られて軽くキス。
先輩…結構大胆なんだよね〜。
嬉しいっちゃ嬉しいんだけど…その…恥ずかしい。


「今日、ありがとね!」

「いえ…こちらこそ」

「あのねぇ…楽しかったぁ!」


子供みたいに無邪気に笑う先輩。
そんな笑顔も向日葵みたいっス……こんな可愛い人、この世に居ていいんだろうか?


「そうですか。良かったです」


照れ隠しに目を逸らしてしまった。
けど先輩はこっちを真っ直ぐ見ている。
そこがまた恥ずかしい……。
62 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月25日(金)14時51分35秒


「それじゃぁ……」

「うん…バイバイ」


先輩はちょっと悲しげに手を振って帰っていった。
あたしもあたしで、少し寂しかった。
…一人になるのってこんなに寂しかったっけ。

先輩との初デートの帰り道。
あたしはそっと自分の唇に触れて、さっきのキスを思い出していた。
先輩の唇、かなり柔らかかった。

あー好きっス、先輩……。


63 名前:作者 投稿日:2003年04月25日(金)14時55分52秒
遅くなってすいません。ちょっと多めに更新です。

>>55 ごんべぇさん
世ではこういうのをほのぼのorマターリというんですよね…。
寝顔を見れたのはよいですが、これはデートといいません(爆
(;O^〜^)

>>56 名無し読者さん
レスありがとうございます!!
近くに土管あったんですかぁ〜…って工事現場!?やんちゃさんだったんですねw
自分はもう卒業してしまった学校にありますた。
本当に夏は涼しくて最高でした。
64 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年04月25日(金)20時48分52秒
デートか…。自分も好きな人としたいなぁ‥。ちょっとっていうかかなり吉沢は羨ましい!もう襲っちゃえ!
65 名前:56 投稿日:2003年04月27日(日)02時12分02秒
更新、お疲れ様でした。

>いたいのいたいの飛んでけ〜!
最高です♪自分もやってほすぃ〜!ついでに「チチンプイプイ」もw
石川先輩の行動が読めませんねぇ。
ごまこんコンビの統計データと違うのは何故でしょうか?
次回も期待してますです。
66 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月28日(月)22時37分31秒
「ごっちん、紺野、オハヨ♪」

「お、おはよ……?」

「吉澤さん、なんかハイテンションですね……」


紺野声聴こえてるから。普通に。
でもまぁいいや♪今のあたしだったら、きっと何でも許しちゃうんだろうなぁ。


昨日の夜、先輩からメールが来た。
また今度デートの約束を取れてしまった。
バンザァァァイ!!!!!



先輩とデェト♪ 先輩とデェト♪
67 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月28日(月)22時38分01秒


「よしこー昼、行こう?」

「うん行く行くー!」


いつもの様に三人揃って昼食。
食堂はいつもの通り、わんさか賑わってる。
なのに、どうして………。
あの人の背中を見つけてしまうんでしょーか。



「ねーよしこ、何にする?」

「私はA定食と、サバ煮込み定食と、きつねうどんと、デザートは……」

「あさ美、食べすぎ」

「今食べないでいつ食べるんですか!」

「なにワケの分かんない事言ってんの!!ねぇ、よしこ……?」

「吉澤さん?……あ」




68 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月28日(月)22時39分01秒




「ひとみ〜今からお昼?」

「はい」


先輩はいつもの様に、天使みたいな笑顔を振りまきながら私に抱きついて来た。
なんてクサイ事言ってるけど……本当にそうなんだから仕方ないよねー。


「そっかぁー。もう私食べちゃったの。残念ね……」

「そうっスね…」


あ゛ぁぁぁそんな目で見ないで下さい。お願いします。


「いつか、一緒に食べようね。私、お弁当作ってきてあげる!」

「マジっすか!?」

「うん!!楽しみにしてて……今日はぁ、これで我慢だゾォ」

69 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月28日(月)22時41分05秒


ヤバ。




「よしこぉぉぉぉ!!!!!!!!!」

「ひとみぃぃぃ!!!!!!!」

「吉澤さぁぁぁぁぁぁん!!!!」

「よっすぃーぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」


「ちょっ、皆さん落ち着いて……」


「「「「「「「「「「「「「「「落ち着いてられるわけないでしょ!!!!!?」」」」」」」」」」」」」」」


「そ、そうですよね〜…」

70 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年04月28日(月)22時41分47秒


「ねぇ、今のどういうこと?」

「石川梨華と付き合ってるの!?」

「なんで早く言ってくれなかったの!!」

「弱み、握られてるの?」

「私に相談して!!」

「よっすぃーの事助けてあげられるのは私だけよ!」



「「「「「「「「「「「「「「「石川梨華なんか、やめて!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」




71 名前:作者 投稿日:2003年04月28日(月)22時50分49秒
更新しました。かなり遅くなってゴメンなさい…って待ってる人なんていねーYO!

>>64 ごんべえさん
毎度レスありがとうございます!!
自分なら確実に襲ってますね、ハイ。(←変態)私も彼女が欲し(ry

>>65 56さん
ヘボ作品にレスありがとうございます!!
あーチチンプイプイもありましたね…入れれば良かった(ガックシ
石川先輩は悪女じゃなくて魔女ですかね(w


72 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月29日(火)05時52分12秒
いや〜、いつも楽しみに待っているよ
73 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年04月29日(火)16時32分10秒
みんなが石川を否定している…。そんなにひどい悪女なのか…。でもあの可愛さなら全て許せますね!では、次回も期待しております
74 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月01日(木)21時52分18秒



「はぁぁ〜……」

「よしこ、あんな奴の為になに落ちこんでんの!」

「そうですよ、吉澤さん!」

「はぁぁ〜〜〜」


後藤と紺野は、溜息をついてどうしようもない、といった感じだ。


「先輩……可愛すぎぃ」

「「はぁ?」」


あの食堂事件の後、先輩は追い回されているあたしを見かけたらしい。
……そりゃあそうだよね。だって学校中走り回ってたもん。
やっと逃げ切れたと思って、屋上でコソコソしてたら……メールがきた。
先輩から。
75 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月01日(木)21時53分04秒


[ひとみへ
 
 私のせいで、なんか凄い事になっちゃったみたいだね。
 本当にごめんなさい。
 でも、ちょっと嫉妬もしてるんだよ。だってひとみ、モテるから…。
 こんな事言うのもなんだけど、あんまり追いかけ回されないでよ。
 ゴメン…なんか私変。なに言ってんだろう...。
 代わりっていうのも変だけど、今日良かったら一緒に帰らない?
 部活終わったら、裏門で待ってます。 
 
                    梨華]



「可愛いぃぃぃぃ〜〜〜〜〜」

「「はい?」」



早く部活授業終われ〜部活終われ〜先輩と会わせろ〜〜。
神様、本当にあんな可愛い子があたしなんかの彼女でいーんですかぁ?

76 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月01日(木)21時53分48秒


「ひとみ?ねぇ、ひとみ?部活行こう?」

「部活?ヨッシャー!!!」


パパッとやってスグ終わらせてやる!
この天才吉澤にまかせろぉ!!
誰もなんも言ってないけど……。


「ちわーっス」


「ちょっとひとみ!」

「石川梨華と付き合ってるって本当なの?」

「なんで一言も言ってくれなかったのよ!」

「私の断りも無しに付き合うなんて……」

77 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月01日(木)21時54分23秒


「部長!レシーブとアタックの練習お願いします!!」


「ちょっとよしこ!?」

「ひとみ?」

「よっすぃー!!」


あとちょっとで先輩と帰れる♪
先輩に会える♪
先輩と……アハハ。

78 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月01日(木)21時55分00秒



「ねえ、紺野」

「Yes Boss」

「よしこ、変。だよね?」

「Yes Boss」

「おかしい。よね?」

「Yes Boss」

「壊れた。よね?」

「Yes Boss」

「原因は石川梨華。だよね?」

「Yes Boss」

「その呼び方変えないと殺すよ?」

「Yes Boss」

「………殺す」



紺野の悲鳴なんて、あたしの耳には届いてなかった。

79 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月01日(木)22時00分22秒


「ちっくしょぉ!」


先輩、怒ってるかな…?
もう帰っちゃったかな…?

なんでこんな日に限って、帰してくれないんだよ!顧問先生&部員達!!
紺野もごっちんもヒドイよな〜。
あたしが先輩と帰るって知ってて引き止めるんだから…。


おかげでもう7時過ぎちゃったし……。
暗いし…泣きたくなって来たよ。
先輩いないし…どこだよぉ……先輩!!!!




80 名前:作者 投稿日:2003年05月01日(木)22時03分49秒
明日からちと出かけるので、多め…?に更新です。

>>72 名無し読者さん
レスありがとうございます!
これからも続きが読みたいような展開に、頑張ってしていきたいと思いまっす。

>>73 ごんべぇさん
いつもレスありがとうございます!
あの可愛さも悪女の中の一部分として入ってるんですね、犯罪的可愛さって事で(w
81 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年05月01日(木)22時14分08秒
石川ぁ、どこだよぉ!?よっすぃ〜が探してっぞー!さて、私の地域では今日がハロモニの日。しかも1ヶ月遅れで。それをみながらこの物語を思い出して楽しみたいと思います。
82 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月04日(日)22時15分23秒



「ひとみ?」

「先輩?」

「よかった〜帰っちゃったかと思った…」

「なんか皆に捕まっちゃって…すいません」



言ってからハッとした。
先輩、メールで嫌だって言ってたばかりじゃないか…。
馬鹿だよ、あたし本当に。


「色々、聞かれたんでしょ?」

「…?まあ」

「ゴメンね……」

「え?って先輩!?」

83 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月04日(日)22時16分33秒


先輩は俯いたと思ったら泣きだした。
顔は見えないけど…声で分かる。


「私、ひとみと付き合っちゃいけなかったのかなぁ…?」

「はい?」

「やっぱり、ひとみは私と次元の違う人なんだ…ぁ」

「なに言ってんスか…」


オロオロするあたし。
おい!どうした吉澤ひとみ!先輩の事慰めてやれよ!
なにオドオドしてんだよ!

だっていきなり泣かれたから、どうしたらいいかわかんなくて…。
あーもう!!!


グイッ

84 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月04日(日)22時17分27秒


「ひとみ?」


無意識にあたしは先輩を抱き寄せていた。
どうしたらいい…どうしたらいい……。


「好きです…から。先輩の事。大好きですから……」


なに言ってんだよあたし!
意味分かんないじゃん!っつーか会話になってねーし!!!
先輩、困るよな〜意味分かんないあたしに。


「私もひとみの事、大好きだよ」


あたしの想像と反対に、先輩は笑顔で答えてくれた。
良かったぁ〜。

85 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月04日(日)22時18分13秒


「ゴメンネ…いきなり泣いちゃって」

「いえ…」

「……帰ろっ?」


手を繋いで、先輩を家まで送った。
まだ、手には温もりが残ってて…すっごく愛しくなって。
なんか……手が羨ましい。

86 名前:作者 投稿日:2003年05月04日(日)22時21分35秒
更新しましたー。これからちょっと暗くなってくかもしれません。

>>81 ごんべぇさん
1ヶ月遅れですかー。自分のとこも今日ありました。
どうやらミニ祭があった模様ですが、見事にさいたまにいました。(ニガワラ
87 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年05月06日(火)19時35分42秒
暗くなる!?それは楽しみですねぇ。
88 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月08日(木)21時55分23秒


日曜日。

最近いっつも先輩と居る。
けどはっきり言って……先輩冷めてる?飽きてる?


「ひとみ!早くぅ〜」


楽しいんならそれでいいんだけどさぁ…。


「次これ買って!!」


なんか、ごっちんと紺野の言ってる事は本当だったなぁ〜とか考えたり考えなかったり。


「あ!あれ可愛いね!!」


これが恋人同士なわけ…?



分かんないよ…。

だって、初恋だから。
89 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月08日(木)21時56分16秒



「ひとみ〜帰り、アイス食べてこっ」

「わり、パス」

「えー?最近付き合い悪いよ」

「ゴメンゴメン」



「まーた、先輩?」

「あぁごっちん」

「マジ付き合い悪いよ。よしこ」

「しょーがないっしょ」


ごっちんはスゴイ形相であたしの事睨んでる。
そこまで悪い事言った?
確かに付き合い悪いけどさぁー……。


90 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月08日(木)21時56分52秒



「よしこ…おかしいよ」

「え?」

「先輩、先輩って……そこまであの人が好き?」

「ごっちん?」

「ばっかじゃないの!!!あんな奴にそこまでくっついて…見れば分かんじゃん!あいつは金目当てだよ!?」

「ごっちんこそ…おかしいよ?」

「言ったでしょ?使っては捨てる奴だって!!!」

「先輩はそんな人じゃない!」

「馬鹿!!!!」


バシ―ン


「いってぇな……」
91 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月08日(木)21時58分24秒

「おかしいよ!よしこもあいつも…!!!皆おかしい!!!あたし…分かんない!あたしには分かんない!!!!」

「ごっちん!?」


ごっちんは教室から走り出て行った。
さっきまでの言い争いは消え、残ったのは寂しいくらいの静寂だった。

あたしは机を蹴飛ばした。


なんでこんなにイライラしてるんだよ…。



「机にあたるのはいけないと思います」


声がした方向を見ると、教室のドアの所に紺野が立っていた。
92 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月08日(木)21時59分28秒

「紺野か…」

「後藤さん、泣いてましたよ」

「知ってる…あたしだって、自分がおかしいと思ってるよ?けど、好きなんだよ…やっぱ。先輩の事」


なんか妙に腹立たしい。
机にあたるなといわれたので、しょうがなく自分の足を思い切り殴る。


「自分にあたるのもいけないと思います」

「……紺野、あたし間違ってる?」

「吉澤さんが間違ってないと思うなら、いいんじゃないですか?」

「お前、優しいね」

「吉澤さんは鈍感ですね」

「は?」

「なんでもありません……」


紺野はどこかへ行ってしまった。


1人の愛しい人の為に、あたし、誰か傷つけてる…?
先輩は、あたしの事……愛してないかもしんない。
愛してるのはあたしだけかもしんない…。
93 名前:作者 投稿日:2003年05月08日(木)22時01分34秒
遅くなってすいません。あーコレが毎度の挨拶代わりですね。(ダメじゃん

>>87 ごんべぇさん
あんまり暗くないかもしれません。(汗
ただ、少し雰囲気変わるゾということで……期待しないで下さい(涙
94 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年05月09日(金)07時12分53秒
にょほほ〜。面白いことになってきましたなぁ。次回も楽しみにしています。それではこれから昨日の深夜に放送されたハロモニをビデオに撮ってあるのでそれを見ます。グッチャー☆
95 名前:クロイツ 投稿日:2003年05月09日(金)13時25分57秒
おやおや〜?小悪魔梨華ちゃん、本領発揮ですかー?(笑)
それはそれで萌えてしまう、骨の髄まで石ヲタな私☆
あの涙も作戦の内なんでしょうか…ううーん、そうだとしても、そうじゃなくても、素敵過ぎる…(爆笑)

石ヲタとしてのツボを、ことごとくくすぐられてる感じです!!先が楽しみだー!!
がんばってくださいませ☆応援してますー!
96 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月10日(土)18時19分16秒



「そろそろ、離れてもらえませんか?」

「え?」

「好きじゃないんでしょ?よしこの事」

「好きだよ…ひとみの事」


石川は後藤に背を向け、ゆっくり歩き始める。
今日は風が少しあるかもしれない…。
石川の揺れる髪を見て、後藤は心の中で呟いた。


「私の事知らないよね…」

「知りたくありません」

「知ってもらわなきゃ困るかもね…」


後藤は石川の言葉の理解に苦しんだ。
この人は何を言っているんだろう。
後藤は吉澤の事を話しに来た。
けれど、話題は即に石川の話しへと変わっていた。
97 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月10日(土)18時20分53秒

「私の事、酷い奴だって言ってたよね…」

「はい」


後藤は少しも失礼だと思わず、胸をはって言った。


「確かに、そうかもしれないね。…ひとみの事、振り回して……」

「だから離れて下さいって言ってるんです…。よしこ、優しいから。そう簡単に嫌いとか口に出せる性格じゃないから」

「あなたは…すぐ嫌いって言える性格みたいね」


石川の優しい笑みに後藤は少しドキッとした。
たった1歳違いなのに、大人の女性がそこに居た。
吉澤が惚れるのもしょうがない…と少しばかり考えた。


「私…初恋で捨てられた」


いきなり始まった石川の過去。
後藤は捨てられたという言葉に、驚きを隠せなかった。

98 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月10日(土)18時21分38秒


「尽くしたよ…その人に。そうね、今のひとみみたいに」

「…………」

「それは反対だった…相手にはうざったいとしか思われてなかったみたい」

「先輩…もういいです。これ以上聞いたら、あたし先輩の事許しちゃう」


後藤は胸が締め付けられる様な思いだった。
金縛りにでもあった様に俯いたまま、動けなかった。


「相手は二股だった。私は…仮の方だったの。別れた後、知ったわ」

「今でも、好きですか?その人の事」

「…好きよ。けど…ひとみの方が、好き」


後藤はもう一度驚いた。
てっきり、彼女は過去の相手が忘れられずに…付き合い、別れを繰り返していたのかと思っていた。
99 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月10日(土)18時23分20秒


「なんで、縛るんですか…ひとみの事」

「縛らないと…ゆるい縄は今にも解けてひとみは私から離れていく」

「…………」

「辛いの。ひとみを見ていると…昔の私を思い出して……」

「だから、縛るんですか…」

「あんなに…昔の私以上に、ひとみは優しい。騙されたら嫌なの……」

「それは、好きっていう感情と違います!!」


後藤は金縛りから解放された様に大声を出した。
自分でも、何故そんな大きな声を出したのか分からない。
吉澤を想う気持ちをが、そうさせたのだと感じた。


「好きっていうのは…一緒に居たいとか……なんていうか、相手の幸せ願ったり…」

「ひとみと一緒に居たいし、幸せになって欲しいとも」

「先輩は?先輩はそれで幸せなんですか?」


後藤は自分の発言に戸惑った。
いつの間にか、石川の幸せまでもを願っている自分はどうしてしまったのだろう。
100 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月10日(土)18時26分16秒
確かに、石川に惹かれたかもしれない。
彼女の魅力に、どこまでもはまっていく自分がいた。


「幸せ…かぁ。分からない。どれが幸せなのか分からないから」


石川の寂しそうな微笑みに、またドキリとした。
彼女にドキッとさせられるのは2回目だ。
このままじゃ…自分は絶対にはまってしまう。


石川梨華から抜け出せなくなる。



「よしこじゃないと幸せにできないんですか?」

「私は…ひとみの事好きだから。ごめんね」

「べ、別にそういう風に言ったんじゃなくて…!!!」



なにを言ってるんだ。
私は石川梨華なんて好きじゃない…。ただ、嫉妬してただけ……。

後藤はなんだか悔しくなった。
目の前で笑みを浮かべる石川は、自分の事を見透かしている。
101 名前:作者 投稿日:2003年05月10日(土)18時37分13秒
決していしごまじゃないです。悪魔でいしよしです。

>>94 ごんべぇさん
そう言っていただけると嬉しいです。
えぇっ!?ハロモニ。深夜なんですか…祭がある回は確かに昼にやるものじゃないですけどね(w

>>95 クロイツさん 
小悪魔さんにも色んな事情があるようで、石川さんの過去大暴露です。(爆
骨の髄まで石ヲタなんて…素晴らしい!
オイラも石ヲタになっちゃおうかなぁ…。  …(`〜´O)

頑張りまっす!自分もクロイツさん応援してます。
102 名前:クロイツ 投稿日:2003年05月10日(土)20時20分47秒
そ、そんな過去が…!!
小悪魔の手口も魅力的だけど…こっちも(・∀・)イイ!
そしてごっちん…ククク。あなたもハマりそぉですね…クククッ。
ああ、どうなっちゃうんだろうー!!先が楽しみ過ぎです!!

がんばってくださいね♪私も頑張ります(笑)
103 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2003年05月11日(日)01時29分28秒
おもしろ〜い
先が読めませんねドキドキ
深読みするともしかして過去の話すら魔性の梨華たんは同情を誘うために嘘をでっち上げているのかも…とか疑ってしまいますね
104 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年05月11日(日)22時28分27秒
凄い面白い展開じゃあ!なんか喉の奥がじれったいっす(意味のわからん日本語)。早く続き読みたいっす!
105 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年05月11日(日)22時37分20秒
おっと、言い忘れてました。100スレおめでとうございます!!
106 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月11日(日)22時37分39秒


「私はただ…よしこの事好きなの、先輩だけじゃないんですから!」

「え?」

「先輩以外にも、よしこの事狙ってる人、この学校だけに100人以上いるんですから!!」


石川は目をパチクリさせている。
後藤の顔は耳まで真っ赤だ。


「それを…忠告……しようと思って……」

「そっか…優しいんだね、あなた」


後藤は石川が自分だけに見せた笑顔に酔いしれていた。
人はどうやったらここまで綺麗に、華麗になれるのだろう。

けれど数秒して、なんだかとてつもなく恥ずかしくなった。
私は負けている。石川梨華は私よりもずっとずっと上をいっている。


「後藤さん…だっけ?」

「はい…」


呼ばれて顔を上げると、そこには先ほどと変わらぬ石川の優しい笑み。
107 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月11日(日)22時38分42秒


石川は後藤の肩に手を置き頬に軽く口付けた。



「忠告、ありがとう」

「いえ………」


屋上を去ろうとした石川の背に、後藤は呼びかけた。


「先輩!」

「なに?」


石川の所まで駆け寄ると、後藤は石川を抱きしめた。


「なんか、先輩の事、許せちゃいました」

「え?」

「よしこの事取って、ズルイとか思ってました…けど、なんか先輩の事好きになれました」
108 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月11日(日)22時39分22秒


後藤は自分の言った事に恥ずかしくなって、石川の胸に顔を埋めた。
石川もそっと後藤の背に腕を廻すと、優しく包み込んだ。

緩やかな温かい風が吹き、石川の髪を揺らした。
後藤はその風にのった石川の匂いで極上の気分にいた。



その光景を見ている人物が居るとも知らずに。




109 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月11日(日)22時40分02秒




「あ、吉澤さんいたんですか?」

「紺野…屋上、行くの?」

「はい。後藤さん探してるんです。いましたか?」

「……………」


紺野は吉澤の表情を見て、なにかを感じ取った。
屋上で、一体何がおきているのだろう。

屋上へと一直線で駆け寄りたかったが、吉澤の事が心配になった。



「ごっちんの………ばか」


擦れ違う間に聴こえた音は蚊が飛ぶ様な小さな音だった。
紺野は、一瞬言葉だと分からなかった。
110 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月11日(日)22時41分09秒


「吉澤さん…!」


紺野は慌てて振り返ると、吉澤は即に消えていた。
何処へ行くつもりなのだろう………。

吉澤の顔は、血の気が引きその白い肌は真っ青だった。
目に光っていたものは…おそらく涙だろう。
紺野はただならぬ予感に体を震わした。
そしてその震えから逃げるように、屋上へと階段を走り登り始めた。



「っ…………」

太陽が姿を見せた時、紺野は予想もしなかった現状を目の当たりにした。



石川先輩と後藤さん……………………?



紺野は、言葉を失い、絶句した。
当たり前だろう。
111 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月11日(日)22時43分20秒




今すれ違った人の彼女と、自分の想い人が抱きしめあっているなど、誰も考えまい。



「な、んで……」


紺野の漏らした言葉に、後藤がこちらを向いた。



「あ、あさ美………」

「なんで………」


112 名前:作者 投稿日:2003年05月11日(日)22時48分54秒
更新終了でつ。イェーイ修羅場修羅場(w

>>102 クロイツさん
ごっちんは見事にハマって修羅場状態です。(イェイ
小悪魔は大悪魔へと(ry

>>103 ラヴ梨〜さん
はうっ…ラヴ梨〜さんからレスがもらえるなんて……・゚・(つД`)・゚・
すっすごい深読み…。作者の自分でも考えていませんでした(爆笑

>>104=105 ごんべぇさん
ありがとうございます!!いや、ごんべぇさんに支えられてここまで…(涙
喉の奥がじ、じれったい?わ、わ、分かります!!

もう一度言いますが決していしごまじゃぁ(ry
113 名前:クロイツ 投稿日:2003年05月12日(月)11時54分26秒
修羅場だー!!修羅場になってるぅぅぅぅ〜〜〜〜!!!
ククク…ハマりましたねごっちん…ククク…ッ(←アヤシイ)
 しっかしもー、梨華ちゃん!!大好きだ梨華ちゃん!!
 石ヲタ魂くすぐられっぱなしれす(笑)
 そしてこんこん!!こんこぉぉ〜ん!!!

 次回も楽しみです!!がんがってください!!
114 名前:ごんべぇ 投稿日:2003年05月13日(火)18時55分35秒
いえーい!場羅修(逆楽しいっす!魔の四角関係!石川は悪魔じゃー!でもそこが美しいー!
115 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月15日(木)22時18分38秒


後藤と石川は慌てて体を離した。
紺野は頭の中が整理出来ず、何故だか泣きたくなって来た。



「何で?何でなんでなんで………」

「あさ美、落ち着いて……」


なんでとしか言わなくなった紺野の肩に後藤は手を置いた。



「嫌です!触らないで下さい……」


紺野は後藤の手を振り払った。
戸惑う想い人の表情……紺野はどんどん目頭が熱くなってきた。


「紺野、さん…?」


石川の呼び声に紺野はハッとする。


「私達…別に変な事してたわけじゃないのよ?」

「彼女が居る人が別の人と抱き合ってて、変じゃないっていうんですか!?」
116 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月15日(木)22時19分44秒



紺野は先ほどの吉澤の顔を思い出していた。
なにがあってもめげずに弱音も吐かなかった吉澤が、あんなに悲しい顔をしていた。

途端に紺野は2人が憎らしくなった。



「後藤さんも後藤さんです……さっき、吉澤さんの事平手で殴ったのはどこの誰ですか!?」


紺野の言葉に石川が仰天して、後藤を見る。


「石川先輩だって……あそこまで吉澤さんを振り回して…」

「紺野さん…」

「あさ美、聞いて?」


必死に説得しようとする2人だが、今の紺野の耳に憎い人物の声など入るわけがなかった。

117 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月15日(木)22時20分34秒


「2人で、ずっと企んでたんですか?」

「なに、言ってんの…」

「そうだよ、紺野さん。私は今でもひとみの事、大好きだし…」


「じゃぁ、なんでそこまで吉澤さんの事傷つけるんですか!?」


紺野の目からはとうとう涙が溢れていた。
充血したその目は、2人を睨んでいた。

2人は紺野の言葉が理解できないようだった。
そして、紺野は知った。



2人は先ほどの出来事を、吉澤が見ているのを知らなかった事を。



「分からないなら教えてあげます…吉澤さん、先輩と後藤さんの事を見てました」


石川と後藤は顔を見合わせた。
あの時、屋上には誰も居なかった、と。


「私よりずっと前から……」


2人はとんでもない誤解を、計2名に招いてる事を知った。
118 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月15日(木)22時21分55秒


「あさ美!違うの!!」

「私達、別に付き合ってるとかそんなんじゃ……」

「私より吉澤さんに謝ったらどうなんですか?」


紺野はもう何もする気が出なかった。
早くここから逃げたかった。
もう2人なんて見たくない。


「吉澤さん、泣いてましたよ……」


紺野の言葉に2人は驚いた。

石川は後藤よりも驚き、そして後悔の色を見せていた。


「最低ですね……2人共」

119 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月15日(木)22時26分21秒
短いですが更新でつ。まだまだ修羅場。(w

>>113 クロイツさん
石ヲタ魂をくすぐるような作品を狙ったわけではないのですが、
なんか嬉しいです。(w
石川さんはもうちょい先で、やっと本性らしい本性g(ry

>>114 ごんべぇさん
魔の四角関係!ってか綺麗な四角だな〜(w
それ以上に石川さんが綺(ry
120 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月31日(土)21時29分26秒


そう言って、紺野は屋上を去ろうとした。



あれ程好きだった想い人が、たった数分で世界で一番憎たらしい人物に変わるなんて思ってもみなかった。


紺野は涙を拭いた。
が、それは止め処なく溢れ紺野の制服をビショビショにしていた。


紺野はもう諦めたのか、出てくる涙を放っておいた。


121 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月31日(土)21時30分02秒



「先輩…」

「…………」

「あさ美は、私がどうにかするんで。先輩はよしこの所に行ってあげて下さい……」

「…分かった。ごめんね、後藤さん」

「いえ」



後藤は涙を隠すように紺野を追いかけた。
このままでは自分は大切な人物を2人手放す事になる。
なんであんな事したんだ。


後藤は数分前の自分を、酷く憎んだ。



122 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年05月31日(土)21時30分54秒


[ひとみ?話があるんだけど…]

[丁度いいです。あたしも先輩に用がありましたから]


用事とは、なんだろう。
石川は酷く怯えていた。

もう全て言おうと思った。先ほど後藤に話した事も、そうじゃない事も全て。
そして一番言いたかった、「ごめんなさい」を。


123 名前:作者 投稿日:2003年05月31日(土)21時32分25秒
sageでいこうと思ったのに……ageちまった(泣
しばらく時が止まってましたが、放置は絶対したくないんで書かせてもらいます。
まあ相変わらず待ってる方なんていませんでしょうが。
次回は後紺メインになると思います。
124 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月01日(日)01時01分36秒
待ってますよ〜
久々の更新にワクワクでした。
マターリがんがってください。
125 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月04日(水)22時09分45秒



「あさ美!待ってよ!!話聞いてっていってんじゃん!!!!」


紺野は後藤にされるがままだった。
まるで生気の入っていない。人形の様だった。

面倒くさい。

そう思い、紺野は全てを話す事にした。



「数分前の私。後藤さんをこの世で一番好きでした」

「え…?」


紺野の思わぬ発言に驚きを隠せない後藤。
先ほどの石川の笑顔と同じ驚きだった。
少し、嬉しいとも思った。


「今の私は…。後藤さんがこの世で一番憎いです」

「あさ美………」

「まさか数分で…こんなに嫌いになれると思いませんでした」


紺野は力無く笑う。
後藤は改めて自分がしてしまった事の重大さを知らされる。
126 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月04日(水)22時10分39秒


「本当に…嫌いになっちゃったの?」

「ええ」


後藤は無償に紺野を抱きしめたくなった。
そうすれば紺野は自分の元から離れないとでも思ったのだろうか。
すぐにその思いは打ち消した。
馬鹿馬鹿しい。


「あの、私悪い事したと思ってる。だけどね、本当に石川先輩とはなにもないの。信じて、くれる?」

「いえ」


いつもの紺野らしい態度だったが、今の後藤には氷よりも冷たく感じられた。


「私よりも吉澤さんに謝って下さい、って言った筈です」

「よしこにも…謝るよ。だけど今はあさ美…」

「やめて下さい。こんな時に優しくされたって、私おかしくなるだけですから……」

「え?」

「私がどれだけ…後藤さんの事を好きだったか知らないくせに」
127 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月04日(水)22時11分28秒


後藤は紺野の言葉でハッとした。
これ程自分の事を愛してくれているからこそ、紺野の傷は深くなってしまったのだ。
自分をこれ程愛してくれていた者が、こんなにも近くにいただなんて…なぜ分からなかったのだろう。


「それに…いいんです。どうせ、叶わない恋って分かってましたから」

「え…?」

「吉澤さんの事、好きなんでしょう?」


体内に風が吹いた。

そのぐらい後藤は紺野の一言にヒヤリとした。



「な、んで……知ってるの…?」





128 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月04日(水)22時12分07秒



「来てくれて…ありがとう」

「はい?」

「来てくれると思わなかったから…」

「そういう事ですか」



石川は酷く恐れていた。
吉澤の一言、一言に体がビクビク反応する。
今日ここで別れを言われたら、自分はどうする?どうなる?

沈黙が重く続く時、吉澤が口を開いた。



「先輩」

「なに?」

129 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月04日(水)22時12分59秒


石川は体を震わせ、声を震わせ返事をした。
吉澤は深呼吸すると石川の目を真っ直ぐ見て言った。



「別れましょう」

「!!……」



やだ やだよ 置いてかないで……………―――――――――――




恐れていた事は、あまりにも呆気無く現実になってしまった。



130 名前:作者 投稿日:2003年06月04日(水)22時14分54秒
少しですが更新です。まったりまったりですいません。

>>124 名無しさんさん

ありがとうございます!凄く励みになります。
頑張ります。
131 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月12日(木)16時32分34秒
はじめまして。面白いです。これからも
がんばってください。応援してます。
132 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月13日(金)01時28分03秒
面白いですね。マターリでも構いません。
作者様のペースで頑張って下さい。
133 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月21日(土)18時02分29秒



「私の頭、なめない方がいいですよ?」


紺野は自分の頭をポンポン叩いた。


「何時から気付いてたの…?」

「結構前…でもないですかね。吉澤さんが石川先輩に告白する辺りです」

「ひょっとして、さぁ…」


後藤は口を閉じ、言葉を飲み込んだ。
聞きたい。けれど聞けない…聞いてはいけない事だ。
仮にもしそうであれば、自分は紺野に100回謝っても足りないだろう。


「その頃から好きでしたよ」


紺野は後藤の頭を読んだ様に、スラスラとその答えを口に出した。
後藤は自分の愚かさを知った。
134 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月21日(土)18時03分41秒


「後藤さん、異常なまでに吉澤さんと先輩の事気にしてましたから…」


後藤はその時の自分の姿を思い浮かべ、そして顔を赤く染めた。


「誰でも見れば分かりますよ…そうですね、1ヶ月ぐらい見てれば」

「え?」

「私は少し、皆より気付いちゃうのが早かっただけです」


気付いちゃうという言葉に、やはり紺野は自分の事が好きなんだと感じた。


「あさ美」

「はい」

「どうしたら許してくれるの?」


後藤の縋る様な目に、紺野は一瞬動揺した。
135 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月21日(土)18時04分17秒


「どうも、しませんよ。私が勝手に、憎んだだけの事」

「あさ美……」

「私が勝手に好きになった様に、勝手に……」


そう 勝手に――――――――――――――




136 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月21日(土)18時05分34秒





「あたし先輩の事信じてました」


吉澤の言葉は石川に重く圧し掛かった。


「でもやっぱり…先輩はあたしの事なんて好きじゃなかったんですね。ただ好きになったのはあたしの方だったんですね」

「違う!違うの!!」

「今更無理しないで下さい。これ以上傷つくの…流石のあたしも嫌なんで」


石川は傷つくという言葉に動揺した。
あんなに強かった吉澤。
自分の事を守ってくれた吉澤。

そして、そんな吉澤を傷つけている自分。


ごめん…ごめんね。


何回も心の中で呟いてるその言葉、口に出せない。
137 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月21日(土)18時06分20秒



「ショックでしたよ…ごっちんも先輩も」


後藤の名が出て石川はハッとした。


「ひとみ、聞いて。私…実は昔に……」

「初恋で捨てられたんですよね?あたしみたいに尽くして」




分からないなら教えてあげます


吉澤さん、先輩と後藤さんの事を見てました


私より、ずっと前から……


吉澤さん、泣いてましたよ……



紺野の言葉が頭を巡る。


138 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年06月21日(土)18時07分03秒



「大丈夫です。あとの甘い会話は聞いてないんで」



皮肉にも、石川の吉澤への思いは、吉澤の耳に届かなかったらしい。


「あたし…おかしいですね。ここまで嫉妬してるなんて……」

「ひとみ…」

「ごっちんみたいなキス、されたことないし。あんなに優しく抱きしめられた事だって無いのに……」

「ごめん。ごめんね…」

「今更…なにが心残りなんでしょうね。こんなに嫌いなのに…先輩もごっちんも」




こんなに こんなに好きなのに―――――――――――――――――
139 名前:作者 投稿日:2003年06月21日(土)18時11分43秒
自分マターリしすぎだYO!
待って頂いてくれた方、本当に本当にすみませぬ。m(_ _)m

>>131 名無し読者さん

ありがとうございます!レスとっても嬉しいです。
応援して下さっているのにろくに更新も出来ずにすいません。(汗

>>132 名無しさんさん

ありがとうございます!
マターリしすぎですいません…これからはもっと真面目に頑張ります。
140 名前:名無しマグロ 投稿日:2003年06月21日(土)18時41分37秒
ウルウル・・・
これから4人はどうなるのかな・・・

141 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月25日(水)17時12分55秒
みんな苦労してんなぁ
142 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月25日(水)17時13分31秒
すいません!ageてしまいました。
143 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月18日(金)22時38分05秒



「あさ美」

「はい」

「私と付き合って」

「……はい?」

「私と付き合ってっていってんの」


後藤は半分やけ気味に紺野の腕を引き寄せる。
そして腕の中に閉じ込めると、できるだけ優しく言った。


「あさ美、好き」

「え?なに言ってんですか…!!」


紺野は一瞬嬉しそうな声を出したが、後藤の腕を振り払うと背を向けた。
144 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月18日(金)22時38分52秒


「遊ばないで下さいよ…本気なんですから、私」

「私だって本気だよ?」


もう一度そっと後ろから抱きしめる。


「だ、だって…後藤さん吉澤さんの事が…」

「振られたも同然だしね」

「石川先輩の事…」

「あーさー美ー?」


石川の笑顔にドキッとした事を後藤は思い出した、がそれはこれから先誰にも言わないだろう。
動揺を隠すように紺野をギュッと抱きしめる。

145 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月18日(金)22時39分37秒



「今はあさ美が好きっつってんでしょ?はい、つべこべ言わずに私の彼女になりなさーい」

「だって……だって…………」

「あさ美が勝手に私を好きになったよーに、私も勝手にあさ美の事好きになったの」

「…………」

「でも私、あさ美みたいないい子ちゃんじゃないから好きだけじゃ物足りないんだよねー」

「後藤さん……」


紺野はゆっくり振り返る。
その目には先ほどの様に涙が溜まっていた。
零れ落ちる涙をそっと拭い、後藤は紺野に優しく微笑んだ。

146 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月18日(金)22時40分51秒


「あさ美に好きって言って欲しいし…」


紺野の顎をそっと持ち上げると、その桜色の唇に自分のそれをそっと重ねた。


「キスだってしたくなる…」


顔を離した時の紺野の顔は、唇よりも真っ赤に染まっていた。


「なってくれる?私の彼女…そーだね、あさ美を傷つけた分癒すからさ。なーんつって」

「……………」


紺野は涙を止められないのか、言葉を発さない。


「もー泣くなっつーの」


それを後藤は微笑ましく思う。
147 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月18日(金)22時41分54秒


「……ま…す」


「え?」


「あなたの彼女に……なります」



「……ありがとう」








148 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月18日(金)22時44分38秒




「帰ります…ね」

「え?」

「これ以上先輩といると…はっきり言って諦められなくなりそうだから」

「ひとみ、何言って…」

「ごっちんとお幸せに…」


吉澤は笑顔で言ったつもりだった。
だが本当は、気を緩ませば今にも涙が出てきそうだった。


これでいいんだ―――――――――――――――






149 名前:作者 投稿日:2003年07月18日(金)22時48分17秒
時を止めていてて、すみませんでした。
放置だけは絶対にしませんので、よろしくお願いします。

>>140 名無しマグロさん

レスありがとうございます。
取りあえず後紺はハッピーなようで(w

>>141 名無しさん

レスありがとうございます。
そのコメント、思わず噴出しました(w
150 名前:名無しマグロ 投稿日:2003年07月21日(月)06時05分54秒
ごまこんは一段落ですね。
でも、いしよしは・・・
151 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月28日(月)10時49分08秒




そう思い玄関へと歩き始めた瞬間、後ろから石川が抱きついてきた。


「やだ!!ひとみ行っちゃやだよ!!!!」

「先輩…?」

「私、本当にひとみの事好きなの!だから、誰にも取られたくないから…あんな酷い事した」

「嘘、つかなくてもいいっていってるじゃないですか」

「嘘じゃない!ひとみ、優しいから…誰かに騙されちゃうんじゃないかって……それだったら私と居て欲しいと思ったの。

 でもそれは本音じゃなくて、言い訳だったの。私、本気でひとみの事好きになっちゃったの。

 だから、恐かった。好きになればなる程、振られるのが恐くて……私…」


石川の叫びに、吉澤は振り返る。
石川は次の瞬間、吉澤の首に腕を廻し唇を重ねた。


「先輩…」

「ごめん、ごめんね。ひとみ…」

「分かりましたから、泣かないで下さいよ……」

152 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月28日(月)10時50分16秒


吉澤は思いもしなかった石川の行動に、やはり自分は石川が好きなのだと感じさせられた。
そしてそれをしっかり自覚し、石川の涙を優しく拭った。



「ちゃんと、言って。好きって…私はひとみの彼女だって……」


吉澤は石川の言葉に照れてしまう。
今までに見た事の無い石川。
そんな石川を見て、吉澤は思わず顔を緩ませてしまう。


「あなたの彼女だって………」

「先輩は、私の物です」


なにも言わずに更に強く吉澤を抱きしめる石川。
石川の涙で吉澤の服の色は変わっている。

153 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月28日(月)10時50分49秒


「好きですよ…誰より」

「私も好き…ひとみの事、誰より好きだからぁ…」

「分かりましたってば…」


前の石川の好きは今の石川の好きとは違う、吉澤はそう感じた。
そして自分も前よりも石川の事が好きになってると知った。


「先輩」


いつまで経っても止まらない石川の涙を吉澤は拭った。
そして頬を両手で包むと優しく口付けた。


「私の事、好き?」


涙目の石川を見て、吉澤は思わずニヤける。

154 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月28日(月)10時54分14秒



「好ーきーでーす!!」

「どのくらい…?」

「かなり」

「かなりって?」

「うーん…そうとう」

「そうとうって?」

「先輩こそ!」


吉澤が石川に尋ねる。


「私はね…」


何を考え付いたのか、吉澤に先ほどより強く抱きつくと強く口付けた。
155 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月28日(月)10時55分33秒


「このくらい!」

「えー小さいっすよ」

「じゃぁね」


角度を変えて、2、3回唇を重ねる。


「このくらい!!!」

「えーまだまだっス」

「なによぉう!」



2人は顔を見合わせて笑うと、もう一度強く抱きしめあった。



156 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年07月28日(月)10時57分30秒



[あ、よしこ?本当…ゴメン…]

[もういいよ…紺野とラブラブなんでしょ?]

[え、なにいって…?]

[今先輩といんの。切るよ]

[え?ちょっ、待ってよ…!]


プチッ ツーツーツーッ
157 名前:作者 投稿日:2003年07月28日(月)10時59分42秒
最後の数行…余りっぽくて凄く微妙です。(苦笑

>>150 名無しマグロさん

後紺はなんだかはちゃめちゃでした、すいません。(笑


あと2、3回で終わると思います。(終わるかなぁ…)
早く次回作を完成させなきゃ。
158 名前:名無しマグロ 投稿日:2003年07月28日(月)14時44分02秒
よかった、よかった・・・一安心・・・
次回作の制作もがんがってください。

159 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時41分50秒


「いいの?」

「…先輩退屈そうだから」

「だってやっとひとみと想いが通じ合ったと思ったら、後藤さんだもん…そりゃぁ」


石川は言って後悔した。


「ふ〜ん…そうなんだぁ」

「ずるいーカマかけたんでしょ?」

「どうだか?」

「バカァ………」


石川は笑って吉澤に抱きついた。


「どっちがですか……」


そんな石川を見て吉澤はなにより愛しく思った。
160 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時42分52秒



「昨日本当に電話あんなに短くてよかったの?」

「はい…あ、今日朝ちょっとごっちんと会うんですけど、いいですか?」

「うん、いいけど…。いいの?私と一緒に登校して」

「なんでですか?」

「分かって聞いてる?」

「?…いえ」


吉澤は本当に分からなかった。
石川もそれは承知で聞いた。これはあまり言いたくなかったからである。

161 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時43分42秒


「だって…ひとみモテるから。また石川梨華?って…」

「先輩は、嫌ですか?私と学校行くの」

「ううん!…嬉しいよ」

「ならいいんですよ〜それにそんな悩みも今日で…」

「なに?」

「いえ」

「なんか企んでるでしょ?」

「なにも」


石川はその吉澤の笑みは怪しい物以外の何にも見えなかった。



「あ、よしこ〜!」

「おっ、早速連れてるね?」


吉澤は紺野を顎で指し、ニヤリと笑う。


「よしここそ」

後藤も石川を見て笑う。
162 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時44分34秒


「ねえ紺野さん」

「はい」

「これから何するつもりなの?あの2人」

「分かる事は…あまり良い事ではなさそうです」

「そうね…あの2人だからね」


「先輩!」

「あさ美!」

「「あ、うん!」」


なんかひとみ…どうしちゃったんだろう。手なんか繋いでくるし……。

後藤さん…いきなり手繋ぐなんてビックリするじゃないですかぁ。


ちょっとばかり変だと思った2人だったが、それ以上に嬉しかった。


163 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時45分15秒



「行くよ!」

「行きますよ!!」

「「え?えぇぇ〜〜!?」」


吉澤と後藤に連れられ、石川と紺野は何も知らずに朝礼台まで走らされた。


「ちょっと、ひとみ!」

「後藤さん…はぁ…こんなとこ来させて何するつもりですか?」

「「いーから いーから」」

「「(こわっ!…」」


「はぁ〜い皆さぁん」

「え?ちょっ、何やってんの?」


後藤はどこから持ってきたのか、マイクを使って話し始めた。
只今登校時間真っ只中な為、大勢の生徒が校庭に居た。
そして、後藤の声に気付き朝礼台を見て、後藤と吉澤の姿を見ると黄色い声をあげる。
164 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時47分57秒



「皆さんにー後藤と、吉澤から大事なお知らせがありまーす」


あっという間に人は集まってきた。
ざっと500人といったところだろうか。
教室に居る生徒も、窓から身を乗り出して後藤と吉澤に釘付けである。


「えーっと、まず後藤から〜」


後藤は一度朝礼台を降りると、すぐ下に居た紺野を連れもう一度朝礼台を登る。


「後藤はですねー同じクラスの紺野あさ美と付き合う事になりましたー」


「えー!?」

「うそっ!!!!」

「なんでぇぇぇ〜〜〜〜????」


女子生徒の悲鳴があがる。
当たり前だ。後藤はこの学校では吉澤の次にモテる生徒なのである。
それをよりによって紺野に奪われたほぼ全校生徒はかなりのショックを受けたらしい。


「はいはーい皆さんお静かにぃ。それじゃー証拠をぉ、見せたいとぉ〜思いまぁす」

165 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時49分11秒


後藤の言葉に一瞬にして静まり返る校舎。校庭。
そして、次の瞬間。

後藤が紺野を引き寄せると唇を重ねた。



「「「「キャァ――――!!!!!」」」」」



女子生徒の悲鳴は先ほどより、いっそう凄いものだった。
そりゃ、いきなり交際宣言をされたと思ったら次には「証拠」のキス。
驚くのも無理はない。



「次はよしこに変わるよー」


後藤は驚きもせずに紺野の手を握り、朝礼台の端に寄った。


「えっとーあたしからもお知らせがあります」
166 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時52分23秒


吉澤の登場に、辺りはザワザワとどよめきはじめる。
さっきの後藤の知らせを見れば、大抵の生徒は分かるだろう。
それにこの間即に食堂で見てしまった生徒もいるのだから…。


「知ってる人もいると思うんですけどー、2年の石川先輩と付き合う事になりましたー」


「えぇぇぇ〜〜〜〜!???」

「やだぁぁ!」

「嘘でしょ???」

「よっすぃぃぃぃ!!!!」


食堂に居た生徒は……予想を遥に通り越して少なかったようだ。



先ほどの後藤の行動をなぞるように、吉澤も朝礼台を降りる。
167 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月02日(土)18時53分12秒


「先輩…」

「やだぁ、行きたくない!」

「何言ってんスか!あたしの事…嫌いなんですか?」

「嫌いじゃないよぅ…好きだよぉ」

「じゃ、決まり」


吉澤は石川を抱き上げるとそのまま朝礼台を登った。


168 名前:作者 投稿日:2003年08月02日(土)18時56分07秒
更新しました。あと少しなので最後までお付き合いお願いします。

>>158 名無しマグロさん

毎度レスありがとうございます。(感謝)
次回作、物凄いスピードで進んでおります。またいしよしなんですがね…汗
つーか……いしよししか書けねーよ、自分。。。

169 名前:WHO『いしよし』コンソーシアム 投稿日:2003年08月02日(土)20時30分23秒
作者殿

貴女を『いしよし』病患者と認定します。

なお、ワクチンは有りません。
170 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月07日(木)22時19分40秒



「嘘でしょ、とか言われるんでーあたしも証拠を見せちゃいたいと思います〜」


吉澤が石川お抱き上げてるのを見ただけで、数人の生徒は泣き出している。
この2人がキスなどしたらどうなるのだろうと後藤は少しワクワクしていた。


「ちょっ、ひとみ!何する気な……ん」


石川の言葉を遮るように、吉澤は唇を重ねた。
それは2人がした中で一番熱いものだった。


171 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月07日(木)22時20分36秒








「「「「「「「「キャァァァァァ――――――――――――!!!!!!!」」」」」」」







172 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月07日(木)22時21分27秒



女子生徒の悲鳴が響く。
後藤の倍の大きさだ。


吉澤は角度を変えて、数回石川にキスをした。
そして最後に石川の唇を舐め、


「先輩、好きです」


と、甘え声で囁いた。


173 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月07日(木)22時22分00秒







「「「「「「「イヤァァァァァァ――――――――――――!!!!!!!」」」」」」」







174 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月07日(木)22時22分47秒



悲鳴と共に、女子生徒が一人…二人…三人……と倒れていく。



「って事なんでーあの、邪魔、しないで下さいねー」

「以上、後藤と吉澤からの」

「「お知らせでしたー。さよ〜なり〜」」


後藤は紺野を連れ、吉澤は石川を連れ、体育館へと走り出した。
その手は固く握られており、その手は誰が何をしようと決して離れない……筈だった。


「よっすぃ―――――――――!!!!」

「ごっち――――――ん!!!!」


学園の吉澤と後藤のファンクラブの会員を除けば。



四人は全速力で体育館まで走ると、中から鍵を閉めた。

175 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月07日(木)22時23分28秒


「「はぁ〜」」


後藤と吉澤は体育館の真ん中に大の字で寝転がると顔を見合わせ笑った。


「「ちょっと!!!!」」


吉澤は石川に、後藤は紺野に起こされた。


「ねぇ、今のなに?なんだったわけ?」

「説明して下さいよ!」

「あのねー今のは…あさ美の」

「先輩の…」


「「ライバルを減らそうと思って」」


「「はい?」」


吉澤と後藤の話しでは、こうすれば嘘だと言って信じなかった生徒が諦めるという。
二人共二人なりに自分の彼女の事を心配しているのだ。
紺野と石川はその話にすっかり感激し、思わず自分の恋人を抱きしめた。


………これが逆効果になるとも知らずに。


176 名前:作者 投稿日:2003年08月07日(木)22時25分22秒
更新しました。ほんとのほんとにあと少しです。

>>169 WHO『いしよし』コンソーシアムさん

とうとう来てしまった宣告……ワクチン無いんですか?(w
えっとー…どうやったら治るんですか?治さなくてもいっか。(w
177 名前:WHO『いしよし』コンソーシアム 投稿日:2003年08月08日(金)05時49分23秒

死んでも治りません、あきらめてください。

患者の会に入れます。(^_^)
178 名前:クロイツ 投稿日:2003年08月09日(土)12時16分52秒
どうもっ!実は毎回ROMらせて頂いておりました、クロイツです。
実はHPの方も毎日ROMらせて頂いてるクロイツです。
うーむ、ヨッスィーもごっちんも、なんて男前っ!!
かっけぇ〜ですねぇ。甘いし、最高です

次回も楽しみにしております!!
179 名前:名無しマグロ 投稿日:2003年08月10日(日)17時37分03秒
よっすぃ〜、カッケすぎます(w
よっすぃ〜がこーゆーことやると決まるんだよなぁ
180 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時51分06秒



「まただ…」


石川は下駄箱に入った手紙を取った。日に日に増えている気がする。
これはラブレターではないのは持ってのほかだった。
これがラブレータであったら、石川の苦悩はどれだけ減るのだろうか。


「はぁ…」

また、それは紺野も同じだった。
手に抱える程の手紙。それは全て果たし状。
紺野の苦悩もまだまだ続くようである。




その頃あの二人はというと。


181 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時52分25秒



ドサッ


「ごっちん…相変わらずだね」



ドサドサッ


「よしここそ」



2人も2人で色々と大変らしい。
下駄箱に収まりきらなくなったのか、最近ではロッカーにまでラブレターが入っている。


「ごっちーん何枚?」

「24…よしこは?」

「38……先輩に殺されちゃうかなー」

「あさ美変な薬とか作ってなきゃいいんだけど…」


182 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時53分02秒



「誰が殺すって?」

「薬がなんですって?」


「「…………………」」


「ひとみ、来て」

「後藤さん話があります」




2人も2人で苦労しているらしい。

183 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時54分38秒


「あ、石川先輩負けませんからね」

「石川先輩…吉澤先輩は私が貰いますから」



廊下を歩けば声をかけられる。 
…内容が良ければ嬉しいのだが。



「あのね、ひとみ…」

「だって先輩喜んでくれるかなって思って…それに、先輩いっつも私はダメとか言うから…」

「嬉しいよ?嬉しいけど……」

「あたしは先輩しか好きじゃないって事、知って欲しいと思ってたんです」

「うん、ありがと……」



石川は優しく吉澤を抱きしめた。


184 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時55分12秒


今でも2人はたまに目立つ所でラブラブぶりを発揮する。
石川も紺野も決して嫌なわけではないが、あの果たし状が毎日ともなると流石に困る。
自分の彼女がモテるのも嫌なわけではないが、それといって嬉しくなかったりする今日この頃である。



「好きです…先輩」

「うん…私も好きだよ。」

「じゃ、していいですか?」

「え?」

「キス」

「…ここ、どこだと思ってんの…?」

「校庭のド真ん中」

「だーめっ!」

「いいじゃないっすか!」

「あ…だめだって……ん」


185 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時55分44秒


「また石川先輩とよっすぃーがキスしてるよ!!!!」

「うわぁん…私のよっすぃー!!!!」

「よっすぃーは渡さない……」

「私もう石川先輩狙おうかな…」

「ダメじゃん、それ」


生徒の声が石川の耳へと入る。




ひとみは私の物なんだから――――――――――――――――




最初は拒んでいたにも関わらず、自分から吉澤の首に腕を廻した。


そして吉澤の口付けに身も心も酔いしれていた。







186 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時56分18秒




が、唇を離した途端。



「石川先輩!よっすぃーを取らないで下さい!!!!!」

「よっすぃー!!!!いつまでも抱き合ってないで!!!!」


2人の世界はぶち壊された。



石川梨華。まだまだ苦悩が続きそうです。―――――――――――――――



















187 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)19時59分05秒





















――――――――――――――でもひとみがいるからいっか♪

188 名前:あなたの彼女 投稿日:2003年08月15日(金)20時00分10秒










<END>









189 名前:作者 投稿日:2003年08月15日(金)20時01分45秒
終わりましたー。最後の方少しゴチャゴチャしてて見にくいかもしれません。ごめんなさい。
えっと、まだまだレス数があまってるんで、続編or番外編でも書こうと思ってます。
その前に、別の板で新スレを立てるかもしれません。
そっちもよろしくお願い致します。
190 名前:作者 投稿日:2003年08月15日(金)20時06分50秒
最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

>>177 WHO『いしよし』コンソーシアム様

患者の会入会ですか?やったー。(喜んでいいの?

あなカノ終了記念に、会員カードを下さい。(w


>>178 クロイツ様

ご無沙汰してます。ありがとうございます。

っていうかサイトみてるんですか!ギャァ!止めて下さい(ぇ

最近甘いのが書けなくなったんですが…そう言っていただけると嬉しいです。

クロイツ様も頑張って下さい。


>>179 名無しマグロ様


最後までカッケーよしこで通させてもらいました。(爆

今までありがとうございましたぁっ!


とか言って…近いうちに番外編なんぞを……(ボソボソ
191 名前:WHO『いしよし』対策会 会長 投稿日:2003年08月16日(土)06時35分08秒

めでたく末期症状になられた様で、おめでとう御座います。
患者の会、会員番号、1444番を送ります。

亜種のウィルスが発生する様なので、楽しみにしています。
192 名前:クロイツ 投稿日:2003年08月16日(土)10時52分11秒
完結、お疲れ様&おめでとうございます!!!
いやー、最後の最後まで楽しめましたっ!!つーかヨッスィーかっけぇぇ〜!!!
まごうことなき石ヲタですが、こーゆーヨッスィー大好きです(笑)
 もう、この作品には萌えまくりでした。
 小悪魔梨華ちゃんとか、追いすがる梨華ちゃんとか…その他諸々。(梨華ちゃんばっかかよ!!)

スランプだそうですが、無理なさらないでくださいませっ!!
HP、今度書き込みさせていただきますね♪
193 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月16日(土)11時17分49秒
ochi
194 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2003/10/20(月) 22:42
番外編待ち。。。
195 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2003/12/08(月) 02:39

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