屋根の下のベース弾き #5

1 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月01日(火)22時18分47秒
同じ海板の続きです。
よろしくお願いいたします。

http://mseek.xrea.jp/wood/1018614026.html(最初)

http://mseek.xrea.jp/sea/1020511804.html(その次)

http://mseek.xrea.jp/sea/1026291110.html(パート2)

http://mseek.xrea.jp/sea/1032237720.html(パート3)

http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/sea/1040300502(パート4)
(倉庫行きになりましたら、こちらになると思います→http://mseek.xrea.jp/sea/1040300502.html
2 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月01日(火)23時27分58秒
( ´D`)ノ<アーイ!新スレのごあいさつがわりなのれす


・「ね〜え?」


※迷うなぁ〜!

(`.∀´三`∀.´)
 
ホルモンなの?ハラミなの?
 
どっちが 好きなの?

迷うわぁ〜!

すっこしでもがっつきたい

( ´D`)ノマダマダヨユウノヨッチャンナノレス 川o・-・)ノ ワタクシモバッチコーイデス

純情な乙女心※

ね〜えってば ね〜え
お話 聞いて〜(泣)

(#T▽T)ネガ…

卵ばっか食ってないで〜(怒)

(^〜^0#;)ミ …エ?

3 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月01日(火)23時39分24秒
△迷うなぁ〜!

セクシーなの?キュートなの?

( ゜皿 ゜⊂ ウッフーン

どっちが タイプよ?

(〜^◇^)/コウシンバージョンデカヨ!

迷うわぁ〜!

こんな風に食っちゃうのは

川o´-`)アーゴクラク ゴクラクデス

あなたのおごりだからよ

川o・-・)ゴチニナリマシタ  ∬`▽´;∬ハ…ハハハ ←乾いた笑い
 
あなたが好きだからよ△

( ´D`)<あいぼん、ののにもおごってくれるんれすよね? (´д` )<…ハァ?

(以下 ※印 △印 適当に繰り返し)
4 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月01日(火)23時44分10秒
更新しました。

(ノ^▽^)ノ‥‥━━━━━☆新スレビーム!

(ノ^〜^)ノ‥‥━━━━━☆ビームカッケー!


( `.∀´)y−~~<またキリキリ逝くわよッ!

( ´ Д `)<んあ〜

という訳で、よろしくおながいします。  
5 名前:南風 投稿日:2003年04月02日(水)00時02分18秒
新スレおめでとぅございます☆
すげぇ、もう5スレ目なんですねぇ。
これからもついていかせていただきます!
新スレかっけ〜☆☆☆
6 名前:あおのり 投稿日:2003年04月02日(水)13時32分49秒
新スレかっけー&おめでとうござります。
川o・-・)さんの微妙な恋心の揺れ具合が読んでるこちらに伝わってきてドキドキです
∬ ´▽`∬さんの何気ない男前ぶりは(0^〜^0)さん同様に罪ですね〜

そしてAA劇場ラッシュキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
で喜びの舞をPCの前で一踊りしてしまいました。
なかでも
>ホルモンなの?ハラミなの?
>どっちが 好きなの?
には大爆笑でした。やすすは本当に言ってそうでリアリティーありすぎ。
あややのこの曲がかかったら脳内で自動的に歌詞が変換されるので
外出時にこの曲が聞こえてきたら笑いをこらえることができるのか不安です。
街頭でこの曲が流れているときにニヤニヤしている人を見かけたら
それはおそらく私なのでキショイと石とか投げないでください(w
7 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月02日(水)21時14分00秒
新スレおめでとうございます!!!
いや〜、『♯5』ですか〜すごーいっ
頑張ってくださいねっ!!

そしてAA劇場。
こんこんのこの顔→川o´-`)にどっきーん☆
か、かわええ…!!やっぱおなかいっぱいのこんこんが最高…!!
8 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月06日(日)23時48分20秒
・芸能人

―――ユ〇クロフリースバーゲン当日。開店10分前

      ガヤガヤ…
ZZZ…(´ Д ` )(`◇´ )(^〜^0)(・∀・ )

―――駅前の立ち食いそば

ハイ、きつねひとつね> と(`◇´ )<おおきに


―――閉店30分前のスーパー

□と(`◇´ )<今日はこれでエエわ ←賞味期限が近い刺身盛り合わせ。3割引き




从 #~∀~从ノ<オマエ、ホンマに芸能人か!?ホンマしみったれやな! (`◇´ )<エエがな別にぃ〜


みっちゃん、いい子なのにね。
9 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月07日(月)00時41分50秒
ラーメン屋を出た小川と紺野は、駅までの道を歩いた。
「そういやさ」
小川が思い出したように言う。
「ハイ?」
「おめー、明日もヒマ?辻ちゃんがクリスマスのイルミネーション見に行こうっつってんだけどよ」
「小川さん、辻さんに誘われたのですか?」
「ああ。加護とかも行くんだとよ」
紺野は少し考えた。
というか、加護は辻とふたりと行くつもりでは。
あの独占欲の強い加護が、クリスマスっぽいおでかけに、辻以外の人間を誘うとは思えない。
はっきり言って、ついて行ったらお邪魔虫だろう。
そこまで考え、小川の顔を見る。
「辻さんは…何かおっしゃってましたか」
「ん。大勢のほうが楽しいって」
やっぱり…。
紺野は納得した。
辻と加護の意識に、微妙なズレがある。
加護の苦労を思い、紺野は少し可笑しくなった。
同情に近い。

「うめーイタメシの店に行くんだと」
小川の一言で、紺野の気持ちが決まった。
「行きます。旅行に必要なものも買い足したいし」
紺野は強く頷いた。

いざとなったら、2対2に分かれて行動すればいい。
そうすれば、小川ともふたりになれる…。

自分も加護と大差ない。
紺野はハッと気づいた。
10 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月07日(月)00時43分47秒
「次『抱いてHOLD ON ME!』いくでェ〜!」

稲葉がマイクを通して叫ぶ。
飯田たちは食事の後、このカラオケルームに来た。
稲葉はどこに隠し持っていたのか、アフロのヅラ着用だ。
天井のミラーボールとヤケにマッチしている。
飯田もはしゃいで手を叩く。
平家は苦笑し、その様を見ていた。

間奏のラップ部分で平家も加わる。
「You Gatta!」
『恋とか愛とかわかんない
 だから 女の子だって泣かない
 恋して純情 愛して根性
 そして恋愛感情』
「Bye Bye!」
『なんていつでも愛してる』
「I love you!」
『私 それでも明日でもきかん坊 恋の劇場
愛全て勘定¥ たぶんこれでさよなら』

「みっちゃん、やっぱり歌ウマイなぁ〜」
歌い終わった後、稲葉がまたマイクを通して言った。
褒められた平家は、
「おおきに」
と苦笑いする。
11 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月07日(月)00時44分28秒
稲葉はその後、タンバリンを叩きまくってモータウンサウンドを歌って踊った。
平家がマイクを握ると、稲葉は飯田とふたりで
「イエー!ターダ!ターダ!」
と『プロの歌が無料で聴けるコール』をする。
平家は気にせず淡々と歌う。
たまに
「アンタら、ホンマ贅沢やで」
とぼそっと言う。
「みっちゃん、エエ子やのにな」
と言った稲葉は、グーで平家に殴られた。
軽くなので、アフロのヅラにぽふっとゲンコツが埋まる程度だった。

「あっちゃんって、いつもヅラ持ち歩いてんの?」
飯田が少し烏龍茶を飲み、素朴な疑問を口にした。
テーブルの傍らには、赤いチキンピラフがやや干からびて放置されていた。
何となく頼んだが、一口食べたら異様に塩辛かったのだ。
「フフッ。それは企業秘密や♪」
稲葉は自分のヅラを大事そうに撫でるのだった。
12 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月07日(月)00時56分25秒
更新しました。
レスのお礼です。

>南風さん
( `◇´)<おおきになぁ〜。がんがるワ〜。ウチの出番ちょっと多くてうれしいワ〜

ありがとうございます。ついてきてください(w どこまで逝くのか自分でも分かりませんが(ヲイ)。

>あおのりさん
川o・-・)<ええ…小川さんは罪な方です。完璧です。いつも面白いレスをありがとうございます

街頭で思い出し笑いしてる人がいたら、あおのりさんだと思い暖かく見守ることにします(w

>クロイツさん
川o´-`)<ギョーザも…ラーメンも最高でした。ハァ…←幸せの溜息

AAはいつも「キミもうエエ大人やろ」と自己ツッコミしながら書いてます(w どうもです、がんがります。

13 名前:南風 投稿日:2003年04月07日(月)09時23分30秒
辻は純粋に楽しみたいだけなんですね(苦笑)
加護!頑張れ!!
そして紺野!もっと頑張れ!!!!
14 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月07日(月)09時38分29秒
こんこんカワイイ…。どっきどきれす。
つーか加護さんと大差ないって…す、素晴らしい。おがこん一直線〜!!
そしてアフロ。携帯用アフロ(爆笑)すごいです。尊敬します。
タダコール、私もやりたーい!!たーだ!たーだ!!

次回も楽しみにしております!!
15 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月08日(火)23時24分08秒
―――吉澤視点

「―――ハァ。くたびれた」
ウチは夜遅く、帰宅した。
バイトの後、ライブの練習に行き、さっきやっと終わったのだ。
保田さんは友達の家に行くとひとり千葉方面の電車に乗り、他のみんなはめいめい帰って行った。

「…ただいま」
部屋に入り部屋の電気を点けようとすると、
「―――点けないで!」
甲高い声が聞こえた。
梨華ちゃん?
暗闇の中目を凝らすと、ベッドの中にいるのが見えた。
「梨華ちゃん…何してんの?」
ベッドに手をつき、彼女に近づくと…まっぱなのが分かった。
ハダカの肩が、布団からビミョーに出てる。
「ちょ…!そんなカッコでカゼひくよ!」
いや、ソコじゃないか。
てか、何で…!?
慌てて布団を彼女の肩からすっぽりかけ直す。
梨華ちゃんは鼻声で、
「…ヤだ!」
と自分で布団をはねのけた。
「どうしたのさ、一体?」
彼女のカラダからなるべく視線を外し、ベッドの脇に腰掛ける。
まともに見たら、り、理性を保つ自信が…ない。
16 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月08日(火)23時24分51秒
「だって…!ひとみちゃん最近忙しいって全然構ってくれないんだもん!」
彼女はベソをかいて、今度は頭からすっぽり布団をかぶった。
…まったく。この子は。
ホントに可愛すぎる。
言動がいちいちウチ的にツボっつーか。
「分かった。じゃ、梨華ちゃん目つぶって今からよっつ数えてね」
「…え?」
「いいから」
ウチはそう言うと、立ち上がった。
「いーち…にぃー」
インナーごとパーカーを脱ぎ、ジーンズも下着ごと脱ぎ捨てた。
靴下を脱ぐのももどかしい。
「さぁ〜ん…しぃー」
梨華ちゃんが数え終える頃には、ブラをそのへんにポイと投げ、そのままベッドにすべりこんだ。
「へい、お待ち」
笑って、彼女の体を腕にくるむ。
「…なんでよっつだったの?」
「ん?いつつだと待たせすぎだし、みっつだとウチが服を全部脱げないから」
「…そっかぁ」

―――その夜は。
梨華ちゃんにいっぱいキスをされた。

ウチも負けないくらい、彼女にいっぱい口づけた。
17 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月08日(火)23時25分42秒
翌朝。
朝ごはんを作ろうと下に降りてくと、ののとあいぼんがもう起きていた。
日曜日だってのに。
珍しいこともあるもんだ。
「おはよう、ひとみちゃん」
梨華ちゃんも、トーストにママレードのジャムを塗って食べていた。
「おはよっす。…もう起きてたんだね」
何だか恥ずかしく、何故か小声で言ってしまう。
「あ、うん…」
梨華ちゃんも少し俯いて恥じらった。
くぅ〜…!可愛いぜ、ベイベー。
「おめーらもはぇえなぁ」
ののたちの方を向くと、
「お若いひとらがゆうべうるそうてねえ、寝れんくて」
あいぼんがすまして言う。
「―――ゲ!おめー、ゆうべ起きてたんか!?」
あいぼんの部屋はウチとは少し離れてる。
…やっべぇ。声、漏れてたんかな…。
そう考えてると、あいぼんは
「なぁ〜んてな。焦った?」
…ニヤリと笑った。
く…!この小悪魔め!
「?あいぼん、睡眠不足なんれすか?」
ののが不思議そうに言う。
「フフン♪さぁ、どうでしょう」
鼻歌まじりに、トーストにバターを塗る。
ウチと梨華ちゃんは、俯いてただ真っ赤になった。
18 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月08日(火)23時28分19秒
更新しました。
小悪魔あいぼんの巻。

(‘д‘ )<♪〜  (#^〜^#;)<…

レスのお礼です。

>南風さん
( ´D`)<?みんな一緒だと楽しいのれす( TдT)<おおきに。がんがるワ

そうです(w 辻さん、ただ楽しみたいだけです。あいぼんの胸中、露とも気づいてません(w 

>クロイツさん
(∩`w´)∩(∩゜皿 ゜)∩ <<ターダ!ターダ!

どうぞご一緒に。稲葉先生は職場にもアフロを隠し持っています。ナゾの先生です。
19 名前:南風 投稿日:2003年04月08日(火)23時55分29秒
・・・ぶっ!!←鼻血が飛び出た音。

くはぁ〜寝る前に読んでしまうとなかなか寝つけないでぇす(w
南風の心臓は今バクバクです。
寝る前であろうとバクバクです。
いしよし最高!
20 名前:名無し香辛料 投稿日:2003年04月09日(水)01時15分51秒
いや〜〜〜〜〜〜
まったくめっちゃくちゃ可愛い二人ですねえ。読んでるこっちが照れちゃったり。
やっぱりこの人達はこうでないといかんですよね(w
更新、毎回楽しみにしてます。マイペースでがんがってください。
21 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月09日(水)13時54分28秒
か、可愛過ぎます、梨華ちゃん。
くそぅ。決めてくれますね。ヨッスィー!!!
そしてあいぼん。あなた素敵過ぎです!!

幸せ〜♪な気分になりますたYO!!ここのいしよしは、まさに理想…!!
頑張ってくださいね〜!!楽しみにしてますので!!
22 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月10日(木)10時48分36秒
辻と加護は朝食のあとすぐ出かけた。
今日はクリスマスのイルミネーションを見に行くのだ。
辻が終業式のあとにはもうオーストラリアに向かうので、少し早いクリスマスをふたりで
満喫しようということになった。
そう、ふたりで…。

加護は平静を装ってはいるが、内心ワクワクしている。
電車でつり革を握っていても、ドキドキ感は増すばかりだ。
何も知らない辻は、のん気に車内広告のホテルのデザートバイキングの宣伝に目をやる。
「あいぼ〜ん。ここのホテルのケーキバイキング、1500円だそうれすよ。
今度行くれす」
「エエよ」
いつもなら『食い放題かい!この放題野郎が!』とツッコミのひとつも入れるところが
あっさりOKが出たので、流石の辻も面喰らう。
それほど、加護は上機嫌だった。
23 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月10日(木)10時55分03秒
―――だが。

「…何で自分らおんの?」
渋谷のハチ公前で、小川と紺野を目の前にして加護のテンションは一気に下がる。
「うわ!ひっでぇ〜!まるでアタシらに来んなって言わんばかりだな!」
小川はゲラゲラ笑う。
加護が自分の予想通りのリアクションだったので、紺野はそっと苦笑する。
「え?みんな一緒のほうが楽しいじゃないれすか?」
辻はニコニコ笑う。
悪気なく。
その笑顔を目の前にして、加護はあきらめたようにそっとため息をついた。
「…分かった。行こか」
「おう!行こうぜ!」
小川が張り切って答える。

『心中…お察しします、加護さん』
加護の寂しい後姿を見つめ、紺野は心の中で呟いた。

クリスマスデートが…。
イルミネーションが…。
ロマンティックが…。
イタメシが…。

色んなものが、音もなく崩れていく。
加護の脳裏には、様々なものが渦巻いた。
24 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月10日(木)10時56分30秒
―――それから

一日ふてくされていてもしょうがないので、加護は気持ちを切り替えて楽しむことにした。
『プリクラを撮ろう』と誰かが言えば、やる気まんまんで『アイーン』のポーズを先頭切ってとったりする。

『加護さん…ムリが目に出てます。目が笑ってません』
紺野は少し離れたところから、加護の空回りぶりを観察する。
紺野が見たように、加護は気持ちは切り替えたものの、どうも心がついて行ってない。
辻と小川は何も知らずに、ゲーセンでキャッチャーに興じる。
加護も横でもんのすごいハイテンションではしゃぐ。
しかし目は笑っていない。

『あたしも…小川さんとデートすることになって、
もしも誰か自分が予想だにしていないひとがついて来たら…きっとヤだろうな』
加護の心境に思いを馳せる紺野。
ボクシングのパンチ力を競うゲームで最高点を軽く叩き出しながら、紺野はあることを思いついた。
普通の可愛らしい女の子がナニゲにもんのすごいハイスコアーを出しているので、
通りすがりの男子高校生たちが目を丸くして『すげぇー!』と過ぎて行く。

『イチかバチかですが…』
計画を大まかに頭の中でまとめ、紺野はもう一回、強力なパンチをぶつけた。
25 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月10日(木)11時02分43秒
更新しました。

クリスマス珍道中の巻。

         アーイ!イクレス!   モリモリクウゼ!
…>川o・-・)((( ´D`)((∬∬`▽´) (((  ´д`)<ほな、行こか

レスのお礼です。



>南風さん
(*/〜\*)<ひーちゃん、恥ずかしいッ! ←甲高い声で

ティッシュどうぞ(w つ□ おやすみになられる前に大変失礼いたしました。そうです、いしよしは最高っす!

>名無し香辛料さん
(*/▽\*) <キャッ

書いてるほうも少し照れます。読み返す時などに(w どうもです、がんがります。石ヲタ上等!

>クロイツさん
( *‘д‘)<いやぁ、そんなん照れるやん!

よっちぃ、たまにはキメてくれるんです(w あいぼんは無敵です(辻除く)。がんがります、どうもです。
26 名前:(黒^▽^) 投稿日:2003年04月10日(木)11時06分23秒
更新おつです。あと新スレおめです。
初レスですが、1のころから楽しみにしております。
リアル更新に遭遇したのでレスしますた。
これからもがんがってください。
27 名前:南風 投稿日:2003年04月10日(木)11時26分28秒
紺野すげ〜・・・。
一体どんな計画を(ワクワク)
鼻につめたティッシュごとワクワクしながら次の更新待ってまぁす☆
28 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月10日(木)12時04分42秒
あいぼん…!!
いや、あいぼんさんと呼ばせて頂きましょう。

素 敵 で す 、 あ い ぼ ん さ ん 。

異常なテンション…涙が出て来ますた…ぅおおおぅ…。
そしてこんこん!!何する気だこんこん!!
ああ、楽しみ過ぎます…!!
次回も楽しみにしております!!
29 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月15日(火)19時58分27秒
ゲーセンを出た4人は、いま評判のイタリア料理の店にランチを食べに行った。
加護は予めネットで調べ、目星をつけていた。

『ハァ…ののと来るはずやったのに』
加護はフォークでサラダを口元に運びながら、沈んだ気持ちになる。

「この名前のわかんねー魚、うんめぇ〜!」
魚料理を頬張って叫ぶ小川。
「モグ…このお肉も完璧です。焼き加減が絶妙で」
ゆっくり噛み締める紺野。
「はぁ〜。デザートまだれすかねぇ〜」
早々と全料理を平らげ、厨房の方を見る辻。

『…クリスマスデートなんて、ウチにはまだ早かったんかなぁ』
フォークを置き、加護はグラスのミネラルウォーターを飲み干した。
30 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月15日(火)20時08分57秒
昼食を済ませ、渋谷の街をブラブラする。
自然に、辻加護、小川紺野という組み合わせになり、それぞれクリスマスの飾りつけなどを見て歩いていた。

「小川さん」
ショーウインドウの洋服を見ていた小川に、紺野は背中越しに声をかける。
「あ?」
「あの…お聞きしたいことがあるのですが」
「うん?」
「小川さんはその…辻さんのことをどう思ってらっしゃるのですか」
小川はしばらくじっと紺野の顔を見ていた。
キレイな目だなぁ、と紺野は少し見惚れる。
「どうって…好きだよ」
「恋人になりたい、とかの好きですか」
「ん?う〜ん…どうだろ?」
小川は首を傾げた。
「確かに、好意?ってのはあるけど、恋人とかって言われると…」
「わたくしは…小川さんが辻さんに思いを寄せてらっしゃるのだとばかり…」
「そう?」
「はい」
ふたりはショーウインドウに背中をつけてもたれ、しばらく話した。
31 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月15日(火)20時09分48秒
「だってさ」
小川はぼそっと言った。
「辻ちゃんって、加護といっつも一緒にいるじゃん。なんてーの?そうするのが自然?みたいな」
「そう…ですか」
「アタシ的に加護の片想いって思ってたけど…勘違いだったんかな」
小川は俯いて、爪先でアスファルトの舗道をこすりだした。
紺野も黙って、小川の横顔を盗み見る。

少し離れたところで、辻と加護がクレープを食べている。
辻が加護のをねだり、少し食べさせてもらっている。
声は聞こえないが、「ハイ、あーん」というような様子で辻の口元にクレープを近づけている。

紺野たちは無言でそれを見ていた。

『言うなら…今かな』
紺野は、決意を固めた。

夕方5時を過ぎた。
そろそろ日が暮れる。
ぼつぼつと、イルミネーションが点きだした。

『わたくしに、考えがあります』
紺野は、そう言って小川に声をかけた。
小川は少しあ然としたが、結局誘いに乗った。

「いいですか、決行しますよ」
少し前を歩く辻加護の背中を見て、紺野は小川に宣言する。
「お、おう」
小川はつまりながらも、頷くのだった。
32 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月15日(火)20時12分29秒
更新しました。

∬∬;`▽´)<マジでやんの? 川o・-・)<女に…二言はありません(キパーリ)

レスのお礼です。

>(黒^▽^)さん

(白^〜^)ノ<初レスありがとYO!

リアルで見て頂いたのが、嬉しかったり恥ずかしかったり(w 初期から読んで頂いてるんですね。
ありがとうございます。これからもよろしくおながいします。あと、HNはツボですた(w

>南風さん
川o・-・)<いえそんな…たいしたことは

紺野先生の野望(?)は次回以降に分かるかと。。。作戦が無事成功するといいのですが。
とりあえず新しいティッシュをハコごとどうぞ つ□

>クロイツさん
川o・-・)<まあ、そんなたいしたことはないです

あいぼんさん、ヘコみながら豪華なメシ食ってます。うまいメシも不味くなりますのに。
紺野先生の壮大な企画は、次回以降に。。。
33 名前:南風 投稿日:2003年04月15日(火)21時32分05秒
箱ティッシュありがとうございます(ペコリ)
きっとしばらくはこれでもつことでしょう(w
紺野先生の計画(野望?)楽しみにしています。
更新おつです。
34 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月15日(火)21時38分04秒
何するつもりだ、こんこん!!
ああ、気になって今夜は眠れそうにありません…!!
くはー!!楽しみー!!わくわく☆

つーかあいぼんさん。今回のあいぼんさんは『ヲトメ』です。
素敵ですYO、あいぼんさん。

次回も楽しみにしております!!
35 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月16日(水)06時13分04秒
―――時間は少し遡る。

「フケる?」
小川は紺野の提案に、目を見開いた。

「て、何で?」
「よぉ〜く考えてみてください」
紺野はピッと人差し指を立てる。
小川もつられて顔を近づけた。
「今日は元々、辻さんと加護さんおふたりのお出かけだったはずです」
「へ?アタシ、辻ちゃんに誘われたんだけど?」
「…あの加護さんが、クリスマスデートにお邪魔虫を数に入れて計画を立てると思いますか?
絶対、あのおふたりのそれぞれの意識にズレがあります」
「て…ウチらは加護から見れば邪魔ってコト?」
「ぶっちゃけ、そうです」

『辻さんも、きっとふたりになれば加護さんの気持ちが分かるはずです』

紺野に説得され、小川は何か釈然としないものを残しながらも、作戦に同意した。


「―――あれ?」
辻は後ろを振り返って、キョロキョロした。
「どしたん」
加護も立ち止まって振り返る。
「まこっちゃんとあさ美ちゃんがいないのれす」
「あ〜、はぐれたんかな。ちょっと探そか」
加護は自分の携帯を開き、紺野に
『自分ら、今どこにおるん?』
とメールを送る。
「メールがすぐ返ってこんかったら、直接電話しよか」
加護の意見に、辻は素直に頷いた。
36 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月16日(水)06時14分26秒
すぐ返事がきた。

『わたくしは小川さんとふたりでイルミネーションを見ます。
お互い、頑張りましょう』
とあった。

またもう一通くる。
『アタシは紺野とフケるから。今日は悪かったな。頑張れよ』
小川からだ。

携帯の画面を見て、加護は何とも言えない気持ちになった。
37 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月16日(水)06時15分57秒
「…キレイですね」
「ああ、キレイだな」

それから約1時間後。
紺野と小川は、並んで夜景を見ていた。
電飾のクリスマスツリーが目映い光を放っている。

最初来た時、小川は『すげー!アベックだらけ!』と大ウケだった。

『結局、あたしは小川さんとふたりになりたかっただけかも…。
すみません、加護さん』
心の中で詫びる紺野。
多少は、罪悪感があった。

小川の横顔を見る。
穏やかな笑みを浮かべ、彼女は光の海を見つめていた。
紺野はイルミネーションよりも、そちらのほうに見惚れる。
小川は最近成績が上がったご褒美に買ってもらったという、淡い水色のコートを着ていた。
色白の彼女に、よく似合っていた。
38 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月16日(水)06時17分58秒
「なあ」
小川が口を開いた。
「ハイ?」
「おめー、冬休みオーストラリア、行くんだろ?」
「ええ。終業式が終わったら、行きます」
「この前言ってた、福井の人も一緒だっつってたよな」
「…ハイ」
「告白とかすんの?」
紺野は一瞬、言葉を失くした。
小川は優しい眼で、自分を見ている。
「頑張れよ。応援してっから」
「…ハイ」

紺野はいたたまれなくなって、そっと小川の手を握った。
小川はちょっとびっくりしたようだが、
「なんだよぉ〜!」
と笑い、つないだ手をぶんぶん振る。
紺野もつられて笑う。

『小川さん…あたし、ウソばっかついてる。ごめんね』

寒さに震え、紺野はピンクのダッフルコートの前を合わせ、白いマフラーに頬を埋める。
つながれた手のぬくもりに、それでも幸せを感じる紺野だった。
39 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月16日(水)06時18分38秒
――― 一方

「キレイなのれす〜」
紺野たちとは違う場所で、辻と加護はイルミネーションを見ていた。
光の洪水に、辻は目を輝かせる。
「あいぼんと見れてうれしいれす」
笑顔の辻に、加護は
「それは…どうも」
素っ気無く、礼を言う。

「さすが夜は冷えるれすね」
辻は自分の体を抱きしめ、ブルルと震える。
彼女は今日、手袋を忘れた。
見かねた加護が、自分のピンクのを片方貸してやる。
「あったかいれす〜♪」
はめた手を、はめてない手とこすり合わせ、辻は頬を紅くする。

「のの」
「へい?」
加護は一瞬だけ近づいて、辻の頬を、手袋をしてないほうの手で触れ、キスをした。
辻は冷え切った指のひんやりした感触と、唇のぬくもりを交互に感じた。

「…あいぼん」
「ごめん」
「謝らないでくらさい。怒ってないれすから」
それは辻の本意だった。
怒っているわけではない。

でも。
加護の気持ちが、分からなかった。
40 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月16日(水)06時23分39秒
更新しました。

( ´D`)<…   (;‘д‘)<……

レスのお礼です。

>南風さん
川o・-・)<このようになりましたが…ご満足いただけましたでしょうか

たいしたことのない野望でした(w あ然としながらも、それに付き合う小川です。
∬;`▽´∬<紺野の意外な一面を見たぜ!

>クロイツさん
川o・-・)<それはいけませんね。夜はゆっくりおやすみください

紺野先生、実行に出ました。小川さん、やや振り回されています。
( *‘д‘)<『ヲトメ』…昭和のかほりやな。おおきに
41 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月16日(水)06時25分24秒
・新学期

市井ちゃん、バンドに力入れ過ぎて、留年ケテーイ(w
                  
                    
このバカ娘が! (ガスッ)>ヽ母`∀´ノ==○));T∀Tノ・∴:∵カアチャン グーハイヤ

ヽ母`∀´ノ<まったく!誰が高い学費払ってると思ってんの!

ヽ#T∀Tノ<う…エグエグ。ずびばせんでしだぁーーー!

( ´ Д `)っっ<んあ〜。おばさん、もう許してあげて。ごとー、いちーちゃんと同じガッコ行くから、
         いちーちゃんがちゃんとマジメに授業出るように見張ってるからさ ←同じ大学に合格した

(母´ Д `)っ<そうよ〜、奥さん。今度はさやちゃんもちゃんとやるわよ

ヽ父´∀`ノy−~~ <まあまあ、母さん 从姉^∀^从<紗耶香も今年はちゃんとやるわよ ←母以外、末っ子には甘い

ヽ母`∀´ノ<…まあ、真希ちゃんたちがそう言うんなら

          
今年はちゃんとやりなよ>( ´ Д `) ヽ#T∀Tノ<ウン

2002年の春のことですた。
42 名前:名無しかも〜んな! 投稿日:2003年04月16日(水)19時20分40秒
最近観れなかったんですがようやく来れました
そしたらなんか新展開でドキドキしております
ののさん素敵です(謎w
43 名前:南風 投稿日:2003年04月16日(水)21時16分25秒
加護ちゃん・・・可愛いです。
本当可愛いです。
そして単純かつ最高の作戦を練った(?)紺野に拍手を送りたいと思います(w
44 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月17日(木)00時27分10秒
そういえば、このままいくとクリスマスの後は
いちーちゃんの誕生日があるんですね。
周りがどんどん幸せになっていく中、
いちーちゃんにも幸せは来るのかな?(w
45 名前:クロイツ 投稿日:2003年04月17日(木)09時44分00秒
あいぼんさん!!いや、今回は『あいぼん』って感じでしょうか(笑)
今回はなんだかすごいこんこんに感情移入してしまって、激しく切ない…(泣)
小川さーん!!気付いてお願い!!…無理でしょうか?(笑)
 次回も楽しみにしております♪
46 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月21日(月)20時54分23秒
―――吉澤視点

ウチはバイトの後、アヤカさんと渋谷に出た。
後からごっちんも来る。
ごっちんを待つ間、デパートのアクセサリー売り場とか行って、女の子が喜びそーなものを
色々見て回った。

クリスマス前のアクセサリー売り場は、カップルだらけだ。
ウチらは、よく分からない取り合わせの二人組だったと思う。
世間的に、どういうひとたちに見えたのだろう。

「ねえ、あのふたりデキてんのかな」
ひそひそ声が聞こえ、思わず振り返る。
アヤカさんは、指輪を店員さんに見せてもらっていた。
…つーか、ウチら、カップルに間違われてる?
「やだ!彼氏のほう、すっげーカッコいい〜」
噂話してたひとたちが少し離れて騒ぐ。
…あのぉ、ウチ、女なんスけどぉ。

どうしようもなく、ポリポリ頭をかいてアヤカさんが見終わるのを待つ。
さっきのひとたちは、すぐどこかへ行ってしまった。
47 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月21日(月)20時55分49秒

「おまたせ」
アヤカさんは店員さんにニッコリ会釈して、ウチのとこに来た。
「なんか、ウチらどっかのひとにカップルに間違われてたッスよ」
「ああ、そうみたいね」
アヤカさんは特に気にとめていないようだ。
「ウチ、フツーに男に間違われてましたが」
「気にしなくていいって。勝手に間違えてんだから」
「ハァ…」
行こ行こ、とアヤカさんは次の売り場へ向かった。


「―――んで、結局プレゼントは見つかったの?」
ごっちんが、眠そうに軽くあくびをしたあと言った。
デパートを出たウチらは、ハチ公前でごっちんと落ち合った。
今、ダイニングバーで軽く食べながら飲んでいる。

「いんやぁ〜、それがさぁ〜」
ウチは頭をかく。
アヤカさんも困ったように笑った。
「その様子じゃなかったんだね。いっそふたりとも、自分をプレゼントにしたら?」
「ハハハ…」
アヤカさんはまた困ったように笑い、ジンライムを口にした。
ウチはゆうべの梨華ちゃんを思い出し、サラダのゆで卵にむせる。
「ごっちんは?サヤカに何かあげないの?」
アヤカさんの質問は、非常にウチ的にも興味深かった。
ごっちんは『んあ?』というカオをした後、
「あ〜…もらったコトはあるけど、あげたコト…あったかなぁ〜?」
腕組みをして考え出した。
ごっちん…ウチちょっと感動したよ。カッケーよ。
48 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月21日(月)20時56分47秒
「お菓子はごとー、毎年焼くから、それを食わせてたカモしれない」
「おお!手作りだね!」
アヤカさんとふたりで手をグーにして感動してると、
「ごとーの家族と、いちーちゃんちの家族用に毎年ケーキとか焼いてるの。あ、今度のライブんときに
焼いてくるね〜。楽しみにしといて〜。あっは!」
ごっちんは楽しそうに口笛を吹きながら、早速カバンからメモとペンを取り出し、何やら書き出した。
後で見せてもらうと、お菓子の買物メモだった。
『小麦粉2キロ』とか、『バター(あのお店の業務用の)1キロ』とか書きつけてる。
ウチはアヤカさんと顔を見合わせ、
「…サヤカの春は、まだまだみたいね」
「…そうッスね」
と頷きあった。

市井さん、特別待遇の日はまだ遠い。
49 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月21日(月)20時57分29秒

まだお開きには早い時間だったが、アヤカさんは一足先にバイトに向かった。
深夜のカフェでバイトして、その足で柴っちゃんのお姉さんのとこに行くらしい。
まったくタフな人だ。

ウチはごっちんと一緒に帰った。
電車でつり革を持って、ぼーっと目の前の広告を見ていると、
「ヨシコ」
横にいたごっちんが、小声でウチを呼んだ。
「あ?なんじゃ」
「…梨華ちゃん、おとなしそーなカオしてすんごいね…」
最初、言ってる意味が分からなかったけど。
家に帰ってお風呂に入ってるとき。

…ごっちんの言ってるイミが分かった。

鏡に映るウチの首筋は。
紅いアトでいっぱいだった。
50 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月21日(月)20時58分22秒
煤i#;0^〜)| 鏡

更新しました。
レスのお礼です。


>名無しかも〜んな!さん
( ´D`)<?なんかよくわかんないれすけど、ありがとうれす
川*‘〜‘)||<カオの知らない間に、辻ったら…

ののさん、女心に揺れるの巻ですた。揺れてる、という自覚はないのですが。
新スレお祝いありがとうございますです。

>南風さん
川o・-・)<ぬかりない作戦だったと自分では思っております
(  ´д`)<そんならなんで最初っから来んの、キミは…マァ、エエケド

練った、というよりは紺野先生、単なる思い付きですね(w 
ののさんに加護さん、気持ちが伝わればよいのですが。

>名無し読者さん
( ´ Д `)<んあ、なんか欲しいモンでもあんの〜?
ヽ*^∀^*ノ<エ…ア、アイカナ?←超小声

いちーちゃん、大晦日が誕生日なんですよね。カポーだらけな中でツライ年末を
噛み締めてるのでしょうか(w? 彼女に幸多からんことを願います。

>クロイツさん
川*・-・)<恋とは…切ないものですね。完璧です
∬∬`▽´)<エ、気づくってナニを?

小川さんに気付け、というのは、ののさんに大食いやめろというようなモンです。
紺野先生、道のりはまだまだ遠いかとオモワレ。あいぼん、一歩リード?
51 名前:南風 投稿日:2003年04月21日(月)22時04分11秒
おぉ石川先生!!
かっけー☆☆☆
さらぁに気付かないよし子かっけ〜☆☆☆☆
クリスマスが何とも楽しみです♪
52 名前:あおのり 投稿日:2003年04月22日(火)13時08分47秒
アヤよしデートキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!(デートじゃないけど
このカップルはおねーさまとやんちゃな年下のカレって感じで非常に良いです。
吉澤さんふつーに男に間違われていますが、どうせ入り口で暇そうに憮然とした顔をして
ポケットに手を突っ込んで待ってたんでしょうね
それじゃー男に間違われるっつーの(w

それぞれが聖夜に向けて計画進行中。楽しみ楽しみ
53 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月24日(木)02時35分59秒
―――翌日。

アヤカは、バイトで村田の仕事場にいた。
自ら申し出て、部屋の掃除をしている。
少し片づけをしたら、止まらなくなったのだ。
村田はアヤカのイキオイにおろおろしながら、隅のほうで仕事していた。

「あの、適当でいいよ。適当で」
掃除機の音で、村田の声は消えてしまう。
「先生、何かおっしゃいましたか」
「あ、うん。適当でいいです…」
肩をすくめ、村田は更に隅に追いやられ、原稿ごと移動する。

「あら…?タンスの後ろに、何かひっかかってる…」
しゃがんで腕を伸ばし、アヤカはタンスの隙間からそれを抜き取った。
「先生、タンスからこれが出てきましたよ」
アヤカが手に取ったのは、写真立てだった。
ふっと息を吹きかけ、クロスで埃を拭う。
村田は最初いぶかしげにアヤカの手元を見ていたが、すぐ『あ!』と目を見開いた。
54 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月24日(木)02時36分48秒
「そんなトコにあったんだ…」
アヤカからそれを受け取り、しみじみと見つめる。
「写ってるのは…先生と…お友達、ですよね?」
村田の隣にいるのは、りんねだった。
どこか、牧場で撮ったもののようだ。
「あ、うん。いや、学生ん時、夏休みに北海道行ってさ、牧場に遊びに行ってそん時知り合った子。地元の子で、
そこでバイトしてたんだ」
りんねは、Tシャツにオーバーオールという格好だった。
「いやぁ…なくなったものと思ってたけど、よく探さないとダメだね…」
村田は、しみじみ言う。
まだ写真を見ていた。
「その人とは、今もお付き合いが…?」
「え、あ、いや。実は帰り際急いでてうっかり連絡先聞き忘れてさ、それっきり。他の写真も焼き増しして
送ろうと思って渡しそびれちゃって。ハハ、今考えたらその牧場あてに送ってもよかったんだね。
いま…どうしてるかなぁ〜」

『東京にいます。しかも同じ大学にいますよ』
アヤカは喉元まで出掛かったが、ふとあることを思いついた。

「先生」
「ん?」
「今度、あたしのバンドのライブ、見にいらっしゃいませんか」
村田は、きょとんとしていたが、すぐ了解した。
55 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月24日(木)02時37分37秒

『りんねさんをライブに呼べと?』
バイトの後、アヤカは市井に電話をかけた。
市井も塾講師のバイトが終わったばかりで、部屋で飲んでいた。
「そう。どうも、柴っちゃんのお姉さんの思い出のひとっぽいの、りんねさんが」
『ほう。なんだかオモシロそうだな〜』
携帯を肩と耳ではさみ、市井は冷蔵庫からもう1本ビールを出した。

『アンタ、最近お人好しさんじゃないの。自分が幸せだと、他人の世話もしたくなるもん?』
市井はニヤニヤ笑う。
アヤカも笑って、
「何よぉ〜。自分こそ、今年のクリスマスはキメるんでしょ?」
負けじと言い返した。
『キメるもなにもアンタ…』
市井は会話の合間で、ビールを呷る。
炭酸の刺激が、喉元をこすって流れ落ちていった。
『あ〜!うめぇ〜!』
「イヤだね〜、これだからオヤジは」
『何とでも言え。労働の後のビールは、自分へのご褒美なんだよ』
「とにかくー、今年こそごっちんゲットしなよ」
『ハハ…今年ももう終わるじゃん』
市井は暗い目をして笑う。
もうひと月もない。
ゲットできるモンなら、とうの昔にモノにしとるわい。
そのようなことを、市井は言った。

『ごっちんに、なんか欲しいモンでもリクエストしたら?クリスマスなんだしさ』

アヤカに言われ、なるほど、と思う市井だった。
56 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月24日(木)02時40分57秒
更新しました。

ヽ#^∀^□ゝアー、ウメー!  (‘.▽‘ ;川 ¶<オヤジ

レスのお礼です。

>南風さん

( ´ Д `)<ごとー、ちょっと梨華ちゃんソンケーしちったよ〜。あのベースバカヨシコをここまで
        育てあげたんだね… (^▽^)ヒトミチャンはあと

後藤さんは意外に目ざといんです(w クリスマス計画、着々と進行中です。

>あおのりさん
川;‘.▽‘)||<(0^〜^0)<女の人の買物って長いッスね  とか言うんだよ〜 

まさしくそんな感じで待っていたと思います。ビジュアル的にも、フツーにカポーですよね。
57 名前:南風 投稿日:2003年04月24日(木)06時42分09秒
更新おつです。
こりゃいちごまも楽しみになってまいりますた。
おやじ市井に自分も乾杯です(w
ライブにクリスマス、はぁワクワクです♪
58 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月29日(火)19時20分47秒
―――同じ頃。中澤家。

バイトから帰ってきた梨華は、食事のあと洗濯物を取り込んで、居間で畳んでいた。
こたつで裕子は、雑誌をめくっている。
「梨華、お茶飲むか」
「うん、ありがとう」
畳み終え、梨華も『よいしょ』とこたつに足を入れる。
お茶を淹れてもらい、受け取って静かに飲む。
「あの小川さんとかいう子、成績上がってんてなぁ。そこのお母さんが喜んではったって、
みちよが言うてたワ」
裕子が言う。
梨華は嬉しそうに、『うん』と笑った。
小川の家庭教師を始めたのは、平家の紹介からだった。
小川の母と、平家は以前ワインスクールで知り合った。
趣味が合うので、今でもたまに食事に行ったりしている。

「平家さんといえば、裕ちゃんクリスマスはどうすんの?」
梨華に言われ、裕子は怪訝な顔をした。
「クリスマスて…そんな若い小娘やあるまいに」
トシのコト言ったら怒るクセに。
梨華はちょっと可笑しくなった。
59 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月29日(火)19時22分29秒
「平家さんのコトだから、きっとなんかスッゴイプレゼント用意してると思うよ」
こたつに身を乗り出して、梨華は我がことのようにはしゃぐ。
「誕生日の時も、その指輪もらったんでしょぉ〜。あたしよく分かんないんだけど、保田さんがカルチェの
たっかいヤツだって言ってたよ」
裕子の薬指には、銀色の指輪が光っている。
裕子は『余計なコト言うてからに』とブツブツ言い、自分の分のお茶をまた淹れた。
「ね、プロポーズとかされたらどうする?」
「…もうされた」
姉の意外なひとことに、梨華は一瞬息を呑んだ。
「え…えええぇぇぇ!?」
「そないに騒ぎな」
さすがに照れくさく、裕子は軽く手を振った。
「う、うっそぉ!」
「ウソでこんなこと言うかいな」
「し、知らなかった…何で言ってくれなかったのよぉ〜」
座ったまま両手を後ろにつき、梨華は天井を仰ぐ。
裕子はうっすら頬を染め、黙ってお茶を啜った。
60 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年04月29日(火)19時24分03秒
「ね、それっていつ?」
「いつでもエエがな」
「よくないよぉ〜。あたし、妹なんだよ〜。たったふたりの姉妹じゃない」
「まあ、な」
「で、いつ?」
梨華があまりにも目を輝かせるので、裕子はついに観念して、
「…沖縄行った時や。
ウチが望むような形で、一生おろうな、って」
「ウチって…裕ちゃんよね?」
「そうや」
「うわぁ〜…最高の愛の告白だよねぇ〜。いいなぁ〜」
両方の指を組み合わせ、梨華はうっとりと宙を見上げる。
「おまえかて吉澤に言わせたらエエがな。せっかく相手おるんやさかい」
「え、ええ…?ひとみちゃんは照れ屋だから、そんなこと言ってくれる、か、な…」
赤くなった両頬を手で押さえ、梨華はニヤニヤ笑う裕子を見る。

「今年も色々あったなぁ」
「うん」
しばらくふたりは黙って時間を過ごしていた。
裕子はふと梨華のたたんだ洗濯物に目をやり、
「おまえ、着るモンのセンスようなったなぁ。前ほど、けったいな服買うてこうへんようになったし」
普通に言った。
「もう〜。まるであたしがセンス悪いみたいじゃん。ひどおい」
梨華はぷっと頬を膨らませる。
「…知らんかったんかいな」
梨華は膨れたまま、裕子の腕を軽くたたいた。
裕子は笑って、梨華としばらくじゃれていた。
61 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年04月29日(火)19時26分25秒
更新しました。

( `◇´)<『けったい』ってのは、『ヘン』ってことな

ミチャーソ、ワンポイントレッスン

レスのお礼です。

>南風さん
ヽ#^∀^ノつ□<ハイ、カンパーイ! ←かなりご機嫌さん

年末はイベント多くて楽しいですよね。
書いてて、そういや去年のクリスマスはケーキ食ってねえ、と今頃思い出しました。
62 名前:南風 投稿日:2003年04月30日(水)00時42分17秒
癒し系姉妹にノックアウト☆
クリスマスかぁ・・・自分何してたんだろう・・・?
いたって普通に過ごしていたような気が・・・(汗)
各カップルに幸せなクリスマスが来ますよ〜にお祈りさせていただきます♪
63 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月01日(木)09時51分14秒
―――中澤ハイツ。

保田は、飯田が風呂に入ってる隙に、こっそり今日買ってきたクリスマスプレゼントを、
寝室のクローゼットの奥に隠していた。

『ホホ!サスガアタシね!抜け目ないわ!』
ひとりほくそえんで、扉を閉める。
「圭ちゃぁ〜ん」
浴室から、飯田の大きな声が聞こえた。
「あ〜?なによー?」
寝室から顔を覗かせる。
「一緒にお風呂入ろうよ〜」
保田は一瞬どうしたものかと思ったが、
「…分かった」
いったん閉めたクローゼットをまた開け、着替えを取り出した。
64 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月01日(木)09時53分54秒
「…気持ちいいねぇ」
「…ん〜」

保田は、ネコのように目を細めて返事をする。
ふたりは、バスタブに身を浸けていた。
保田は飯田の足の間に座り、彼女の体に背中を預けていた。
飯田は保田の肩に腕を回し、同じように目を細めている。
後藤からもらった入浴剤で、湯の色はミルクがかったブルーになっていた。

「仕事、忙しい?」
「ん〜、まあねぇ。年末だし」
保田は飯田の胸に、頭をもたげて答える。
今日も、久しぶりに時間ができたので、いそいそと仕事帰りにデパートに出かけたのだった。
飯田に怪しまれないように、プレゼントを隠すのに苦労した。
「そっか。体、壊さないようにね」
「ん〜」
飯田に髪を撫でてもらい、保田はまた目を細めた。
65 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月01日(木)09時54分36秒
――― 一方。後藤宅。

「んあ。本はこれで揃った、と」
クリスマスのお菓子作り用に揃えた本をテーブルに並べて、後藤は満足げに頷いた。
大学図書館やら、近所の公共図書館やらでめぼしい本を借りまくってきたのだ。
近所の図書館には、妙な司書がいて、後藤が行く度に俯いて顔を赤らめるのだ。
『ごとー、何かヘンな本借りたのかな〜?圭ちゃんもあの司書さん、妙だって言ってたけど…。
ま、いっか』

傍らの携帯が鳴った。
市井から、メールのようだ。

『今年のクリスマスは、アタシひとりだけのケーキ希望』

「…ハ?」
画面を見て、後藤は首を傾げた。
今までそんなこと、特に言ったコトなかったのに。
一体、どうしたのか。

『分かった』

いたって簡潔に返し、後藤は
「さて」
腕まくりして、台所の整理から始めた。
66 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年05月01日(木)09時56分54秒
更新しました。

( ´ Д `)<(…まずはクッキーかなぁ〜)

業者のようにケーキを焼く予定の後藤さんの巻。

レスのお礼です。

>南風さん
おねえちゃぁ〜ん>(*^▽^)~∀~#从 <なんやねん

ヒサブリに、シスコン姉妹のツーショット書いてみますた。
ではわたくしめは、今年のクリスマスが、南風さんにとって幸せなクリスマスであるよう
お祈りさせて頂きます(早すぎ)。
67 名前:クロイツ 投稿日:2003年05月01日(木)12時23分52秒
いちーちゃん!!行動開始ですか、いちーちゃん!!!
つーか司書さん誰なんでしょう…わくわく。

そして抜け目ない圭ちゃん!!最高です!!
お風呂で甘えるケメ子…素敵過ぎます。

次回も楽しみにしておりまっす!!
68 名前:そういち 投稿日:2003年05月01日(木)14時27分25秒
某所で、恐れ多くも「ごまヲタ」宣言したたー○です。
今までは読むだけでしたが、最近、いちーちゃんがツボなこともあり
いちーちゃんの行動開始を見習って、思い切って投稿しました。
次回も楽しみにしています。
69 名前:(黒^▽^) 投稿日:2003年05月01日(木)19時02分14秒
更新おつです。
各所でいろいろありそうなクリスマス・・・
楽しみですなぁ。

果たしていちーちゃんは?
そして秘書とは?
楽しみにしております。
70 名前:(黒^▽^) 投稿日:2003年05月01日(木)19時04分32秒
あ、秘書もとい司書でございました。
失礼いたしました。
71 名前:南風 投稿日:2003年05月02日(金)01時16分21秒
更新お疲れ様です。
市井ちゃんきましたねぇ。
そして保田&飯田のアダルトコンビに思わず赤面です(//^〜^)
ごまべーぐる様にもお祈りしてもらったことだし、きっと自分の
今年のクリスマスはいいことあるでしょう←だといいなぁ。
72 名前:あおのり 投稿日:2003年05月02日(金)09時58分57秒
『今年のクリスマスは、アタシひとりだけのケーキ希望』ってことは
つ、ついに長い沈黙を破り、市井さん積極行動ですか?!
期待して良いんですよね?ね?ね?
しかし、あの”へたれ”市井さんがよくぞここまで…(←大きなお世話
ここは男(?)らしく”びしっ”と決めましょうよ(←さらに大きなお世話



でも…あの”へたれ”市井さんだからなぁ…(←ますますもって大きなお世話
73 名前:73 投稿日:2003年05月02日(金)21時41分43秒
この小説、みんなハッピーでいいですね。ほのぼの。

市井がいくら頑張ってもなあ。
相手がなあ。
盛大な空回りの覚悟をかためておけよ。市井。
あ、経験上わかってるか。よかったよかった。
74 名前:ごまべーぐる@東京 投稿日:2003年05月05日(月)09時53分51秒
今日はまずレスのお礼です。

>クロイツさん
ヽ^∀^ノ<そ、そうだな。ここはひとつ、バシッとキメてみるか!

いちーちゃんには、奮闘(?)してもらうことにします。
作者的には、「ホンマに大丈夫か、アンタ」(ベタな関西弁で)ですが。

>そういちさん
ヽ^∀^ノ<どうもありがとね。作者、照れてやんの!

初レスありがとうございます。ごまヲタという響きに照れてます(w
いちーちゃん、大きな賭けに出ますた。

>(黒^▽^)さん
( ^▽^)<あの司書さん、あたしが行っても、もじもじしてるの。

司書と秘書は聞く時も本当によく間違えます。丁寧なフォローありがとうございます。
みんな、クリスマスでそわそわしてます。

>南風さん
(* ^▽^)<ひとみちゃん照れちゃってカワイイ… モエー

いちーちゃん、きました。ヘタレを返上できるといいのですが。
アダルトコンビは交際3ヶ月なのに、すでに熟年夫婦の域に達してます。

>あおのりさん
ヽ;^∀^ノ<アタシ、そんなヘタレ?

彼、あ、いや彼女はひーちゃんとヤス以上のヘタレです。
強い決意が後藤さんに通じておればいいのですが。

>73さん
ヽ;^∀^ノ<ひょえー。そう言われるとそんな気がしてきた… ←ダメじゃん

初レスの方でしょうか。ありがとうございます。
レスの締めの言葉に爆笑しました。確かに相手がねえー(w



本日は保田卒業記念に、顔文字劇場スペシャルをお送りします。( `.∀´) y-~~
75 名前:Never Forget 投稿日:2003年05月05日(月)09時55分58秒
I'll Never Forget You
忘れないわ あなたの事
ずっとそばにいたいけど(#T▽T)ヤスダサン…
ねえ仕方ないのね
ああ 泣き出しそう 川oT-T)ナキマセン。エイエンノ オワカレジャナインデスカラ…

出会った日にカンパイだね(〜^◇^)つ□ …ゲンキデネ
あの頃よりも髪がのびた事
あなた知ってた?(〜T◇T)――テカ メチャ、ギャルギャルシテタヨナ…

出会ったのは偶然なの?
だからサヨナラさえも偶然なの)( ;´D`;)ノノモウワガママイワナイノレス。ダカラヤメチャダメレス

東京で見る星も
ふるさとでの星も
同じだと教えてくれた(・;´ー`;)…コレデオワカレッテワケジャナイベ


76 名前:Never Forget 投稿日:2003年05月05日(月)09時56分47秒

I'll Never Forget You
忘れないわ あなたの事
ずっとそばにいたいけど
ねえ仕方ないのね 川T〜T)|| ケイチャンノバカー!

You'll Never Forget Me
忘れないで あたしの事
もっとそばにいたいけど( TдT) オバチャンノクセニナマイキヤ!
もう旅立つ時間
ああ 泣き出しそう(0T〜T0)オトコハガマンッス!ナカネッス!
77 名前:Never Forget 投稿日:2003年05月05日(月)09時58分30秒
記憶なんて単純だね
だから悲しみさえも思い出だね( ´ Д `)ケイチャン…

きっとまた逢えるよね
きっと笑い合えるね
今度出会うときは必然 Wow Wow( TeT)マタカナラズアエマスヨネ!?



I'll Never Forget You
忘れないわ あなたの事
ずっとそばにいたいけど
ねえ仕方ないのね ∬∬;´◇`;) プッチハ ヨシザワサンヤアヤカサンタチト カナラズマモリマス!

You'll Never Forget Me
忘れないで あたしの事
もっとそばにいたいけど 川;’ー’;川 カナシスギテナニモイエネエダス




もう旅立つ時間(   `.)ソロソロイクワヨ

ああ 泣き出しそう
78 名前:73 投稿日:2003年05月06日(火)21時11分27秒
えと、前回のが初レスでした。はい。

保田、もう、いないんだなあ。
でもここの保田はかっこいいです。だから大丈夫。
いや、現実の保田もがんばってくれ(「現実の」っていうな!)。
「天城越え」あそこまで歌いこなせるんだから。
ここでは以前ジュディ・オング歌ってたけど、そのうち八代の亜紀ちゃんとか歌ったりして。

「忘れたくてもそんなキャラクターしてねえぜ…てめえはよ。元気でな……」――(by空条承太郎)
79 名前:南風 投稿日:2003年05月06日(火)21時22分22秒
圭ちゃん卒業してしまいましたね・・・。
しかし、ここでの圭ちゃんは自分の中で永遠に不滅です(握りこぶし)
がんがって下さい!!!!
80 名前:(黒^▽^) 投稿日:2003年05月06日(火)23時07分51秒
圭ちゃん卒業スペシャルおつでした。
Never Forgetを聞くと福田さんの時のことも思い出されます。

目覚ましテレビのキダムの宣伝の時に圭ちゃんがいなくて、
実感がわき切なくなりますた。

何があっても圭ちゃんを追うことを誓った昨日でした。
81 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月09日(金)23時46分39秒
紺野は学校の図書室にいた。
やはり、休みの間に読む本を借りようと思い立ったのだ。
幸い今は冬休み前の特別貸し出し期間中で、新学期過ぎまで普段の倍の6冊借りられる。

「「あ」」
紺野と加護は、同時に立ち止まった。
加護はしばらく紺野の顔をじっと見た後、
「よう。この前は気ィ使ってもうて、どーもぉ」
いかにも彼女らしい挨拶をした。
「いえ。…うまくいきましたか」
紺野も負けてはいない。
「…さぁねぇ。そっちは?」
「完璧です」
加護と紺野はしばらく見合った。
ハタから見たら、見詰め合う形となる。
しかし、中に渦巻くものはかなり、加護的には『…感じ悪』である。
「…ハァ、そうでっか。そりゃよろしおましたなぁ。わざわざフケはった甲斐があったっちゅうモンや」
加護は敢えて反論せず、そのへんにあった本を手に取った。
「あ、加護さん。予約されてた本が入ってるそうですよ」
紺野は掲示板の個人予約のお知らせを見て言った。
「サンキュ」
短く礼を言い、加護はカウンターへ向かう。
少したって戻って来た彼女の手には、ハリーポッターの最新刊があった。
「あ、それは最新のですね。何巻ですか」
紺野は興味深げに加護の手元を見る。
「4巻や。何やの、自分は今頃1巻借りるんかいな」
紺野が手に持っているのを見て、加護はフッと笑った。
「あ、ええ。一度読んでみたくって。原書では4巻まで読んだのですが」
「…ああ、そう」
加護はひどく顔をしかめた。
82 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月09日(金)23時49分34秒
―――石川視点

大学から帰ったら、台所で晩ご飯の支度をしていた裕ちゃんが手招きした。
「何?」
そのまま入って行くと、
「ほら、ロンドンからクリスマスカードや」
絵葉書を差し出した。
「…あ!明日香さんだね!」
「そう、今日届いたんや」
明日香さんは昔、ここに下宿していた。
あたしよりひとつ上で、バイトしながら単位制の高校に通い、卒業した後そのままロンドンに留学した。
時々こうやって手紙をくれる。
「ロンドンはすっごく寒いって」
葉書には、最近明日香さんがハマってることや、ロンドンの様子が綴られている。
水彩画の可愛い天使の絵から、明日香さんの今の生活が順調なことを感じられた。
「石黒さんも元気かなぁ」
「せやなぁ。二人目生まれてから、子育てでてんてこまいみたいやで。この前、電話してきょったわ」
「そっかぁ」
天使の絵をあったかい気持ちで見つめ、あたしはその葉書を壁のコルクボードに飾った。
83 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月09日(金)23時50分24秒
「たでーまです」
ひとみちゃんが帰ってきた。
今日は早いようだ。
それでも、10時過ぎてるけど。
あたしは、裕ちゃんと居間でテレビを見ていた。
「おう、吉澤。メシは食うたんか」
裕ちゃんが居間のドアから顔を覗かせる。
「あ、軽く食ってきました。…あの、まだ何か残ってます?」
「漬物で茶漬けでもし。梨華、支度したりや」
「あ、うん」
立ち上がって台所に行く。
ひとみちゃんは、
「スンマセン、お手数かけまして」
と頭に手をやり、大きな体を二つ折りにした。

「…うんめぇー!」
よほどオナカが空いてたのか、ひとみちゃんはほとんど息もつかずズルズル食べてる。
そんな慌てたら、喉にひっかかるのに。
「ぐ…げほ!」
「ほらぁ〜!」
あたしは彼女の背中を、軽く叩いた。
「す、すびばせん!う…げほ!」
しばらくさすってあげて、落ち着くまでそうしてた。

「前にも」
「え?」
「前にも、こういうことあったね」
ひとみちゃんはにこっと笑った。
「あ…」
そうだ。
いつだったか…まだひとみちゃんがこの家で下宿を始めた頃、裕ちゃんもののちゃんもあいぼんも出かけて、
ふたりだけになったことがあって。
晩ご飯にひとみちゃんのリクエストでオムライス作って、ひとみちゃん、慌てて食べてやっぱりむせて。
「オムライスだったね」
あたしも笑って答えると、
「うん」
ひとみちゃんは優しく笑って、頬にキスしてくれた。
84 名前:ごまべーぐる@ヤスラスコンで燃え尽きて灰 投稿日:2003年05月09日(金)23時53分52秒
更新しました。

「明日香さん」「石黒さん」は言わずと知れたこのお二方です。→(0°−°0)( ` ・ゝ´)

レスのお礼です。

>73さん
( `.∀´)っ♀<♪お酒はぬるめの 燗がいい〜

とりあえず『舟唄』お送りしますた。ジョジョ、カッケー(w!
わたくしめはいしよしヲタでありますが、ヤスヲタでもあります。ええ、ヤスは不滅です。
もっとカッケーヤスが書けるようにがんがります。ありがとうございます。


>南風さん
( `.∀´)y-~~<ホホ!ありがとう!

卒業は寂しいですが、ヤスヲタのひとりとして彼女の未来を見守ろうと誓ったラスコンですた。
ヤスは永遠に不滅です、お菓子のホームラン王です(何か違う)。
ありがとうございます、がんがります。


>(黒^▽^)さん
( `.∀´)<イシカワ、これからもキリキリ逝くわよッ!

私もあの曲は明日香卒業を思い出します。正直この前出たシングルで聴いた時は
そんな実感湧かなかったんですが、生で聴いたらかなりきて号泣しますた(恥。
私も何があってもヤスを追います。どうもです。
85 名前:南風 投稿日:2003年05月10日(土)00時59分54秒
久々にいしよしの甘い汁をすった気持ちになりますた(w
自分はヤスラスコン行ってないんで、今日(もう昨日?)出た雑誌買いました。
DVD出るのかなぁ・・・出るよねぇ・・・こんなことを願いながら日々過ごして
いくでしょう。
更新乙です。
次回の更新までまったりと待たせていただきますです。
86 名前:73 投稿日:2003年05月10日(土)03時07分45秒
やばい…まじに「舟唄」熱唱してる保田が浮かんできました。作者さまTNX!&おつかれさまです。

紺野ー、翻訳のおかしなところを丁寧に指摘してあげる投書とかしちゃだめよん。君は悪気なく人をヘコます素敵なやつだから、一応忠告しとくね。

いろいろとにぎやかに動き出しそうな予感で。ますます楽しみっす。
87 名前:クロイツ 投稿日:2003年05月10日(土)17時41分46秒
Never Forgetに涙し、あいぼんさんに拳を握り、いしよしに鼻血を噴きました。
ああ…圭ちゃん…!!卒業なんてしてほしくなかった…(泣)
 しかも雑誌買えないし(号泣)あおーん!!!

つーかいしよしッ!!いしよしッ!!
なんだか吉澤さんの食べっぷりに、私もお茶漬け食べたくなって来ちゃいました。
更に梨華ちゃんにちゅーとは…うらやまし過ぎる(笑)

次回も楽しみにしておりますっ!!
88 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月15日(木)10時41分05秒
―――吉澤視点

早いもので今年もあと僅か。
今日、ウチは商店街の福引会場でお手伝いをしている。
商店街の名前の入ったハッピをなっちさんに着せてもらったら、
『よっすぃ〜、背高いしやっぱり映えるねぇ〜』と言われウチは得意げに鼻をこすった。

「ハイ、おめでとーございまーす!三等のみかん一箱でーす!カッケー!」
鐘をガランガランと鳴らし、ふと人だかりの後ろのほうに視線を移す。
梨華ちゃんが一生懸命背伸びして、前を見ようとしていた。
彼女に見えるように、手を振った。

休憩時間をもらったので、そのまま梨華ちゃんとコンビニに行き適当に肉まんとかを買い、
すぐそばの公園に行った。
「あたし朝引いたけど、ポケットティッシュだけだったよ」
梨華ちゃんは照れくさそうに笑う。
ウチも自分で引いたら残念賞で、たまたまテイッシュが切れてたから「うまい棒」をもらった。
それを話すと、梨華ちゃんは可笑しそうに笑った。

「あ。あのさ」
「なあに?」
「クリスマス、何か欲しいモンある?」
じっと梨華ちゃんはウチの顔を見たあと、
「…30分、ううん10分でもいいから一緒にいてほしい」
「へ?それでいいの?」
ウチはこの時、かなりマヌケな顔をしてたと思う。
まさか梨華ちゃんが『ダイヤじゃなきゃイヤ』と言い出すとは思ってなかったけど。
89 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月15日(木)10時42分49秒
よほどイキオイづいてたのか、『え?それでいいの?』ってな心境だった。
梨華ちゃんはウチの手をきゅっと握って、
「好きなひとと一緒にいたいって、基本でしょ?」
ウチが一番弱い、上目遣いで言った。

その後、柴っちゃん家に行くという梨華ちゃんと別れ、ウチはそのまま福引会場に戻った。

『好きなひとと一緒にいたいって、基本でしょ?』

さっきの、梨華ちゃんの台詞を思い出す。

…ああ〜。仕事さえなけりゃ、ぎゅっと抱きしめてたのなぁ〜。
てか、何でしなかったんだ!
ウチのバカバカ!
自分で自分の頭をポカポカやってると、矢口さんとののが不審そうにこちらを見ていた。
「あのぉ〜、もしもし?よっすぃ〜、大丈夫?」
矢口さんがウチの顔を覗き込む。
「最近はあったかくても寒くてもヘンなひとがいるのれす」
「うわ!辻、いきなりアッパーな毒舌だな、オイ!」
のののひとことに、ウチはかる〜くヘコんでしまった…。

福引の当番を矢口さんとののにバトンタッチし(喫茶タンポポは今日は定休日なのだ)、
ウチはアベ楽器店へバイトに戻った。

「一緒に、いてほしいか」

寒いけどとてもいい天気だったので、うーんと伸びをした。
90 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月15日(木)10時55分10秒
―――石川視点

あたしはひとみちゃんと別れた後、柴ちゃんとの待ち合わせ場所に向かった。
柴ちゃんはバイトが終わって、そのまま来るらしい。
待ち合わせの店に入って行くと、柴ちゃんはもう来ていて、何やらごそごそとカバンから出した。
面白そうなので、そのまま声をかけずに見ている。
柴ちゃんはいそいそと、編み物を始めた。
何か、すっごい渋い色の毛糸だ。
大きさからしてセーターかな。
あれは前身ごろだろうか。それとも後ろ?

「キミねぇ、気づいてるんなら声かけたまえ」
不意に柴ちゃんが編み目から目を離さずに言って、ぎょっとなった。
「あ、気づいてたの?」
照れ隠しに笑ってごまかす。
「気づいとるっちゅーねん」
柴ちゃんは何だか、あいぼんのような口調だった。


柴ちゃんが編んでいたのは、セーターではなかった。
『特大座布団カバー』だそうだ。
「いんやぁ〜、マサオのヤツが冷え性だからさぁ。カワイイ彼女の手編みよ、手編み!
どうよ?」
どうよ、と言われても、『はぁ』としか答えようがない。
「そっちはどうすんのー?まさかベタに『アタシを食べて』とかやんのぉ〜?」
…柴ちゃん、オヤジ。
あたしが俯いてなんにも答えないのを肯定の意味に取ったのか、柴ちゃんはニヤニヤ笑って
肘でつついてきた。
「柴ちゃんはやんないの?」
「それはいざというときのために…て!なに言わすねん!」

柴ちゃんとあいぼんはメル友だったりするが、ふたりがなんで仲いいのか、なんとなく分かった。
91 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年05月15日(木)11時01分39秒
更新しました。

レスのお礼は帰ってきてからさせて頂きます。すみません。(実は寝坊して結構ギリギリ)
では、行ってきます。
92 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年05月15日(木)22時00分45秒
レスのお礼です。

>南風さん
( ゜皿 ゜)<カイジョウニ カメラハイッテタカラ タブンDVDモ、デル 
( `.∀´)<なんでアンタ知ってんのよ

雑誌まだ入手してません(汗。地方在住なもので通信販売のみです。
どうもです。マターリお待ちください(w


>73さん
φ(・-・o川<編集部気付、と \(`д´;) <いきなしかい!

ヤスには渋い演歌が似合うと思う今日この頃です。
紺野先生、上のAAの通りやる気まんまんです。加護さんに止めてもらうとしましょう。


>クロイツさん
(0^〜^)つフ<梨華ちゃんのチューはダメだけど、お茶漬けあげるYO!
( ´ Д `)<んあ…ごとーもオナカすいたよ〜

私も卒業なんてしてほしくなかったっす(号泣。ある意味、ヤスあっての娘。なのに。
吉澤さん、何か吹っ切れたようにいちゃいちゃしてます。
93 名前:73 投稿日:2003年05月15日(木)23時13分56秒
作者さま、更新おつかれさまです。えらいハイペースで、感服です。

柴田、いいなー。ここの中ではきみが二番目にいい(一番は保田。すまんのう)。
常にさりげなく石川をフォロー/サポートしてて、貢献度ではもしかしたら吉澤以上じゃないか。あんなヘタレよりぜんぜんステキだ。

…って ↑ なんてこと言われてるぞ。頑張れ吉澤。
いや、無理だな。無理しなくていいよ。君は君のままでいいさ(Jポップ風)。
94 名前:南風 投稿日:2003年05月16日(金)01時13分49秒
更新お疲れ様です。
『クリスマスに何欲しい?』と聞かれた梨華ちゃんの答え・・・素敵ですね☆
しかし柴ちゃん・・・何編んでたのさ(w
まさかの編み物に爆笑しちゃいましたYO!
皆のクリスマスかなぁり楽しみです!!
95 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年05月17日(土)05時55分51秒
初レスです。ふ〜(0^〜^)1週間読み続けてやっと追いつきました。
最近は寝るのを忘れるくらいこの小説にはまって気づけば今も朝です。
がんばってください作者さん。さて寝よう
96 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月21日(水)10時26分56秒
―――石川視点

その後、柴ちゃん家にお邪魔した。
今日はお父さんが出張に行かれてて、お母さんも用事でお留守らしい。
「姉ちゃんは帰ってくるから。ヤツ確か印税入ってリッチだから、豪遊しようぜ」
柴ちゃんはそう言いながらお茶を淹れてくれた。
お菓子がマンゴープリンだったので、それに合わせて中国茶にしてくれた。
「豪遊って…お姉さんのお金なのに」
「あー、晩メシ代くらいは出してくれるって〜。帰りに鍋の材料買い込んでくるってさ。メール来たし」
ほれ、と柴ちゃんは自分の携帯を見せる。

『( ‐ Δ‐) <今上野。鍋の材料は買ってく。姉ちゃんは今金持ちだ。オッホッホッホッホ』

「…ハァ」
「な?気がデカくなってるのがよく分かるっしょ?」
「そうだね…」
そういや、お姉さんはちょっと前にアシスタントのひとにお金とか盗られて、タイヘンな目に遭ったんじゃ…。
「ねえ、柴ちゃん」
「ん〜?」
流しでお鍋の支度を始める柴ちゃんに、背中越しに声をかける。
「お姉さん、その…お金とか前盗られたって」
「ああ、あれね。解決したよ。向こー、保護者つきでワビ入れてきたし」
「そう、なんだ…」
97 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月21日(水)10時28分43秒
「まあ、姉ちゃんも忙しくていつまでもヘコんでるどころじゃないらしいし」
「やっぱりお忙しいんだね…。漫画家さんって大変だね」
「ん〜、今めちゃ美人のひとが出版社から手伝いで来てくれてるから、姉ちゃん大ハリキリ。
美人愛好家だし。この前行ったら、部屋が死ぬほど美しくなってた」
柴ちゃんは白菜を刻んでおかしそうに笑った。
アヤカさん、バイトうまくいってるんだ。
よかった…。

「あ、あたしも何か手伝うよ。座ってるだけじゃなんだし」
そう言って立ち上がろうとすると、
「お客にさせるワケにはイカンでしょ。キミはそのへんで踊ってなさい」
柴ちゃんがそう言うので、あたしはその場で音楽を口ずさみながらちょっと踊ってみた。
「本当に踊ったよ!しかもトランスかよ!」
「だって…『踊れ』って言うんだもん」
さすがにちょっと恥ずかしくなって、あたしは消え入るような声で反論し、顔を赤くした。


「たっだいま〜」
お姉さんが帰ってきた。
「おっかえり〜」
「―――ム!見慣れない靴!このかほり…!梨華ちゃんが来てるね!」
「動物か、アンタは」
柴ちゃんはあきれたように、玄関に出てお姉さんの荷物を持ってあげた。
98 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月21日(水)10時29分38秒
「どうもお久しぶりです。お邪魔してます」
「おお…!おお…!」
ど、どうしたんだろう…。
お姉さんはまるで何十年と会っていなかったかのように体を震わせて、
「び、美人だ!ヒサブリの美人だ…!」
涙をこぼさんばかりにあたしを抱きしめた。
「あ、あの?」
「美人不足でね、最近」
お姉さんはしょんぼりとうなだれた。
「アヤカさんはどしたのさ?」
横から柴ちゃんがあきれて見てる。
「アヤカ嬢は最近バイトが主に出版社のほうになっちゃってさ。しばらく来てないのよ〜。
おのれ、斉藤め」
「そうかい、そうかい。ホラ、メシにしよぜ」
柴ちゃんに促がされて、お姉さんも台所へ向かった。


その夜は、大騒ぎしながら3人でカニ鍋を食べた。
カニを食べたら、身をほじるのに集中して静かになるはずなのに。
全然、そんなことはなかった。
99 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年05月21日(水)10時31分41秒
更新しました。


川*´〜`)||<あん、痛い〜

先日、テレビで足ツボマッサージされたいいらさんが、朝っぱらからこんなこと言うので
思きし弁当噴きますた(汗
(職場でコソーリハロモニを見るヤシ)
いいらさん、濃いひとときをありがとう。


レスのお礼です。

>73さん
川σ_σ||ノ<ヤッター!2番2番〜!!

柴っちゃんは結構隠れファン多いようです。柴っちゃん風に言えば『ヨ!お兄さん、お目が高いね!』
紺野先生は封書を投函しようとしたところを加護がヘッドロックくらわして止めた模様です。


>南風さん
川σ_σ|| っ□<今は腹巻き(ラメ入り)編んでるの

下書きでは『セーター』と書いてたのですが、更新時に魔が差して(wこうなりますた。
こっちのほうが柴っちゃんぽいかなあと思って。


>ヨッスィのタマゴさん
(0^〜^)ノ<初レスありがとYO!

どうもありがとうございます。可愛いHNですね。某ゲーム思い出しますた。
こんな駄文に本当にありがとうです。夜はゆっくり休んでくださいね。
100 名前:クロイツ 投稿日:2003年05月21日(水)13時41分57秒
めぐみさん…素敵過ぎます、めぐみさん…!!!
そしてアヤカさんを取り上げた斉藤さんも素敵。
ですが一番鼻血を噴いたのは、踊る梨華ちゃんです!!!
 いやーん!!かわいいー!!
吉澤さんにも見せてあげたかった…(笑)
次回も楽しみにしております!!

P.S.いいらさんの「あん、痛い〜」、私も思わずラーメン噴出しました。
 鼻から。
 痛かったれす。
101 名前:73 投稿日:2003年05月21日(水)21時09分12秒
騒ぎながらカニを食べる?! いったいどんなワザを使ってるんだこの三人わ。想像もつかん。

美人GETだ村田センセイ、今夜はカニ鍋のあとは石狩鍋よ♪ 妹と二人で「石」を「狩る」のよ♪(オヤジギャグだ…死んでしまえ)
102 名前:南風 投稿日:2003年05月22日(木)23時01分45秒
自分も飯田さんのあの一言にはやられました。
バイト終わった後に夜家でビデオ見てて、固まって思わずペンを落としちゃいましたよ(w
しかし本当に踊る梨華ちゃんいかなり萌☆☆☆
素直な梨華ちゃん最高だYO!
103 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年05月23日(金)03時48分58秒
今日うたばんでミニモニ。出てましたが、圭ちゃんの話を少ししてました。
( `.∀´)y-~~>最近どうなの?(バスローブ姿のCG)
あんな面白い人、芸人さんでもいないです。尊敬します保田姉さん。
あとのんちゃんはやはり食べ物の話ばっかでした。
タンポポのラジオでは紺ちゃんがよく食べてるので、
( ´D`) VS 川o・-・)の大食い対決がみたいです。
104 名前:名無しさん 投稿日:2003年05月23日(金)22時24分42秒
俺も飯田さんの言葉にはKOされました。
あれは、日曜の昼には濃すぎるよね?
105 名前:(黒^▽^) 投稿日:2003年05月24日(土)01時36分28秒
更新おつれす。
美人不足で体を震わせる。そして、匂いで誰だかわかる・・・( ‐ Δ‐)
かなり(・∀・)カコイイ!!
結構好きっす。4番目くらいに・・・
暇なんで1発ネタを・・・

(;O^〜^)<何食ってんの?なんかすごくまずそうなんだけど・・・
( ‘д‘)<えー、まずい訳ないやん。何なら、だまされたと思って食ってみるか?
(;O^〜^)<ほんとかよ!?じゃあちょっといただき・・・
(O^〜^)<モグモグ・・・
(;O^〜^)<・・・・だまされた!
(*‘д‘)<プ

スレ汚しスマソw
106 名前:73 投稿日:2003年05月24日(土)21時57分17秒
これからはレスつけるのにochi機能をつかったほうがよいですか作者さん、といまのうちに聞いてみる。(それだけです。すんません)
107 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月26日(月)21時19分26秒
―――石川視点

その夜は柴ちゃん家にお泊りした。
遅くまで、3人で飲んでいたのだ。

「コラー!梨華、アタシの酒が飲めねーってのかぁ〜〜。飲めー!飲まねーと乳揉むぞーー!!」
柴ちゃんの目は据わっていた…。
ウィック!などと言い、酒ビンを片手にあたしに顔を寄せてくる。
「柴ちゃん、カンベンしてよぉ〜」
あたしが眉をハの字に下げて困っていると、
「だーいじょうぶ。だーいじょうぶ。クチで言ってるだけなんだから」
これまた赤い顔をしたお姉さんが、笑って柴ちゃんの顔を押し戻した。
『むぎゅっ』という音が聞こえる。
…お姉さんも、目が据わってる。
「ジャマすんなー!めぐみー!」
「ねーちゃんの言うこと聞かないと、こうだよ?」
お姉さんはニヤリと笑ったかと思うと、柴ちゃんの後ろ頭をぐいっと引き寄せて…いきなりキスをした。
「…わぁぁぁぁ〜!ナニすんだよぉ〜!」
柴ちゃんはじったんばったん暴れてる。
「舌入れるなー!」
…エエエエエ!?し、舌!?
「アンタが言うこと聞かないからでしょー」
「だからって…オエ!」
柴ちゃんはお姉さんに頭をべしっとはたかれた。
「いったぁ〜い!」
「『オエ!』言うな!」
柴ちゃんは涙目でお姉さんにとっかかって行く。
あたしはその後ろで、どうしようかオロオロしてた。
「覚悟しろ〜、めぐみー!」
「おう!来い!」
どっしーんと大きな音が響く。
柴ちゃんは、お姉さんに乗っかって、そのままスースーと静かな寝息を立て始めた。
お姉さんも、柴ちゃんの小さな頭を抱いて眠りについた。
108 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月26日(月)21時21分10秒
…室内が、急に静かになった。
エアコンの運転音だけが耳に響く。

あたしはその辺りにあった毛布をふたりにかけ、ビールの空き缶とかを固めて、
部屋の電気を消した。
ソファに横になり、じっと床の柴ちゃんたちを見る。

…なんか、いいな。
当たり前のことだけど、ふたりはきょうだいだから生まれた時から一緒にいる。
あたしは物心ついた時にはひとりだった。
実のお母さんから『梨華にはお父さんが同じお姉さんがいるのよ』と聞いた時は、
どれだけ嬉しかっただろう。
お母さんが死んで、中澤の家に引き取られて、初めてあの家に行った時。
『ああ、お姉ちゃんだ』と裕ちゃんを見て何だか嬉しかった。
裕ちゃんは最初、不思議そうな顔であたしを見つめてたけど。

裕ちゃんは、あたしのことうんと可愛がってくれた。
でも、それは年が離れていたこともあって。
…こんなこと言うと贅沢でバチが当たるんだろうけど、柴ちゃんみたいな生まれたときから一緒にいる、
対等なきょうだいがたまにうらやましい。


…ああ、やっぱり贅沢だよね。

ごめんね、裕ちゃん。


あたしは毛布を胸までかけ、目を閉じた。
109 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年05月26日(月)21時22分22秒
翌朝。

「…おはよ〜」
目を覚ますと、柴ちゃんはもう起きてて朝ごはんの支度をしていた。
「おはよ…二日酔い、大丈夫?」
「ああ…頭はぼーっとするけどね」
柴ちゃんは顔をしかめて、頭に手をやった。
「お姉さんは?」
「風呂入ってる。じき上がるよ」
柴ちゃんがコンロにかけた土鍋の蓋を開けると、ふわっと湯気が上がった。
昨日のお鍋に、ゴハンを入れて雑炊にしたようだ。
「昨日に引き続いての雑炊だけどね。雑炊は二日目がウマイんです」
「だよね。うちもやるよ」
頷いてると、お姉さんがお風呂から上がってきた。
「ネギ入れた?」
お姉さんは間髪入れずに言った。
「あたぼうよ」
柴ちゃんは蓋を手に、ニヤリと笑う。

お姉さんが帰り際、
「そーそ。これ、ちょっと早いけど」
と柴ちゃんにキレイな包みを渡した。
「え?なにこれ?」
「いいから開けてみれ」
中身は、グッチのバッグだった。
よくは分からないが、とても高そうなことは分かった。
ベージュっぽい色の、おしゃれなショルダーバッグだった。
柴ちゃんは目を丸くしてる。
「ええ!?なんでなんで!?」
「クリスマスプレゼント。今年はクリスマスには死ぬほど忙しくて帰れんからね。今渡しとく」
お姉さんはそう言って笑った。
「…ありがとう」
「礼を言うなら斉藤にも言いな。頼んで、忙しい中探してもらったから」
「…うん。お姉ちゃん」
「あ?」
「もしや、アタシの体が目的?」
…柴ちゃんは、お姉さんにグーで殴られた。
110 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年05月26日(月)21時25分49秒

更新しました。
まったく!>(+ ‐ Δ‐)○゛ 川;σ_σ||<冗談なのに

トバしすぎなハイパー姉妹の巻。(で、いしかーさん、思い出に浸るの巻)


狩板のように新しくochi機能がついたんですね。
普段はsageで書いてますが、今回試しにochiを使ってみました。
スレが一番下までいくようなので、更新したことが分かりづらい等という
ご意見があればお知らせください。(73さん、ありがとうございます)

(*^▽^)ノ<ここはイシカワが面白いことを言って締めます!

(;〜^◇^)/<いや、その『オチ』じゃないし…

よろしくお願いします。

>クロイツさん
(0^〜^)<オイラも見たかったYO〜!ザンネンムネン

いしかーさん、トランスチャー〇ー仕様です。アヤカさんは出版社でキリキリパソコン打ってます。

>73さん
川σ_σ|| <誰かが身をほじってる間、残りが騒ぐの♪

自宅にいながら飲み屋のカウンターにいる気分になる、小粋なダジャレがステキです。どうもです。
何分駄文なので、sageかochiでレスして頂けると有り難いです。お気遣いどうもです。

>南風さん
川;σ_σ|| ノ<本当に踊るし!さすがにビクーリしたよ!

柴っちゃん的には、その素直なトコもツボだったり。飯田さん、あれ反則ですよね(w?

111 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年05月26日(月)21時27分10秒
>ヨッスィのタマゴさん
( `.∀´)←ブルガ〇のパーティーに行くアイドル

ヤスの本当に面白いところは、自分の面白さに気づいてないとこだと思います(w

>名無しさん
(;`.∀´)<ええ、昼間から濃かったわねぇ〜。 「アン」ッテ…

子どもも見てますがな、と思わずテレビに向かってツッコんでしまいますた。

>(黒^▽^)さん
( ‐ Δ‐)ノ<4番目!4番目!…て、1〜3がキニナル…

小ネタワロタ。ありがとうございます(w 村さんは私も結構好きです。存在自体が笑えるというか(w
112 名前:南風 投稿日:2003年05月26日(月)22時39分38秒
強烈な姉妹だぁ・・・何かいいですね。
ほんわかってかハードってか・・・う〜ん・・・
あぁ・・・仲良い。そうだ、仲が良いってことです。

最近のハロモニは最高潮ですね。
今回の吉澤一家にもめちゃ笑わされました(w
113 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年05月27日(火)04時04分43秒
( ‐ Δ‐) <メルヘン村田の顔文字はなんかおもしろくて一番好きです。
ちと古い話ですが
(0^〜^)っーo<ヨッスィ、卓球でサヨナラヒット(よくバットで打てたな)
矢口さん♪>(0^〜^)(^◇^〜)<ヨッスィ♪
114 名前:73 投稿日:2003年05月27日(火)05時25分30秒
あがってたので、試しにochiでレスしてみます。(お叱り覚悟)
>>113ヨッスィのタマゴさん、作者さんもおっしゃってることだしageでなくsage(or ochi)でレスした方が良いのでわ。(おせっかいであらゆる人にすんません)

し、舌を!!入れる!!! 想像したらコーフン…全然しないのはなぜだろう。ああ、姉妹のおふざけは微笑ましいだけだもんなー。石川さんは中澤姐さんにされ慣れてるだろうに、赤面することもあるまい。と決めつけてみる。
それにしても一足早く起きて(たぶん姉も起こしてやったか)朝の用意…ほんとうにいいなあ、柴田くん。惚れるって。
115 名前:名無しかも〜んな! 投稿日:2003年05月27日(火)18時23分23秒
兄弟って本当にいいもんですよね
姉妹の関係ってのはあまり知りませんがどんなに喧嘩をしても
きょうだいってなんとなく分かり合ってるんですよねぇ
116 名前:クロイツ 投稿日:2003年05月27日(火)20時13分15秒
めぐみさんとあゆみさんの姉妹…すばらしい。絆の強さを感じました!!
そして梨華ちゃんの想いが…くうううう!!
>「もしや、アタシの体が目的?」
爆笑しました。すばらしい。さすがは柴田さんッ!!!

次回も楽しみにしておりまっす♪

P.S.私もベロベロに酔った姉に唇を奪われた経験が(ry
117 名前:(黒^▽^) 投稿日:2003年05月28日(水)06時49分25秒
更新おつれす。今のところ1番川‘〜‘)||、2番( `.∀´)3番(* ´ー`)
ですかねぇ。よく変動しますけどw
なかなかいい気分にさせる姉妹っぷりでしたw
小ネタワロテ頂きありがとうです。調子に乗ってもうひとつw

( `.∀´)<ねえ、カオ?ちょっと吉澤のことをどう思ってるか、
       あいうえお作文の(か)の段で言ってみて。
川‘〜‘)||<ん?そうねぇ・・・

川‘〜‘)||<かっこよくて・・・
川‘〜‘)||<気合が入ってて・・
川‘〜‘)||<クールで・・・・・
川‘〜‘)||<健康的で・・・・・
(  ゜皿 ゜)<コシヌケ!
(  ゜皿 ゜)
(;`.∀´)<・・・
またもスレ汚しスマソw
118 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月04日(水)02時14分40秒
保田の一日は、恋人の甘い囁きで始まる。

「圭ちゃん、朝だよ」
今日も保田は、飯田に起こされていた。
「ん〜…あとごふぅ〜ん」
枕を抱きかかえ、寝返りを打つ。
「だーめ。ホラ、朝ごはん食べよ」
ここで頬にキスなどされ、眠い目をこすって渋々洗面所に向かうのがいつものコースだった。

「行ってらっしゃい」
「ん」

『行ってらっしゃい』『行ってきます』のキスをして、職場に向かう。
これがいつものコースだった。

「まったく朝からお熱いこって」
「んあ」
ご近所の平家や後藤も、ふたりのアツアツぶりにあきれたように笑う。
119 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月04日(水)02時16分04秒
―――クリスマスも近いある夜。

飯田は、自宅のベッドでまどろんでいた。
「ん…」
目を開けると、素肌にシャツだけ羽織った保田が、ペットボトルのミネラルウォーターを
飲んでいる。
「圭ちゃん…」
「飲む?」
保田は、水を差し出した。
飯田は頷いて受け取り、渇いた喉を潤した。

―――その日は飯田の家で夕食をとり、そのまま情事にもつれこんだ。
室内は、ベッドサイドのライトだけ点いている。
柔らかいオレンジの灯りが、ベッドの周りに満ちていた。
保田がひっかけていたシャツを脱いで、ベッドに入ってくる。
そばの壁に、大きな影絵ができる。
飯田は寝そべったまま、壁に映った保田の影をぼんやり観ていた。

「これも脱いでよ〜」
飯田はふざけて、保田のショーツのサイドに人差し指を入れて、軽く引っ張る。
「せっかく履いたのに、また脱げってっか」
保田はやれやれというように、注文に応じた。
飯田はそれを、くすくす笑って見ている。


「あ、そうだ」
保田は思い出したように少し体を起こした。
「何?」
「彩っぺから、メールがきてたわよ。
今度、裕ちゃん家に来るって」
「へえ、久しぶりだねえ」
「ん、いつ以来かしらね」
保田が考えてる間、飯田はふと思い出したことがあり、
口にしてみた。

―――そもそもは、それが発端だった。
120 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月04日(水)02時17分03秒
「圭ちゃん」
「ん〜?」
保田はのんびりと顔を上げた。
「カオねえ、昔、彩っぺと付き合ってたんだ」
保田の顔色が変わる。
飯田に、他意はなかった。
「…いつ?」
「ん、圭ちゃんと付き合うずーっと前」
「それは分かってる。…いつくらい?」
保田の声は、不思議と静かだった。
飯田は、少しずつ異変を感じ始めていた。
「え…まだ彩っぺが中澤ハイツにいた時だからホントずっと前だよ?
圭ちゃん、どうしたの…?」
飯田は体を起こした。
保田は眉間に皺を寄せ、考え込んでいる。
やがて、
「…悪いけど、今日は帰るわ」
立ち上がって、シャツを身にまとい、手早く他の衣類も着込んで部屋から出て行った。
「…ちょ!圭ちゃん!」
飯田は手を伸ばして、止めようとした。
だが、冷たく閉まったドアがそれを拒絶していた。

ひとり部屋に残された飯田は、さっきまで保田の影を映していた壁をまた見つめていた。
ぼやけた視界に、オレンジの光が滲む。
床に視線を移す。
保田が忘れて行った、キャミソールが脱ぎ捨てたまま、寒い部屋で冷え切っていた。
121 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月04日(水)02時18分12秒
翌朝。
保田は、腫れぼったい目で出勤した。
昨夜、あのまま家に帰ったものの一睡もできず、モヤモヤとしたものを抱えこんでいた。

どうにも気持ちが晴れず、バッド・パウエルのレコードをかけ、バーボンを呷って朝が来るのを待った。
運悪くと言うべきか、目にものもらいまで出来、眼鏡をかけて仕事に向かう。

「ご機嫌ななめやなぁ」
保田は局の窓口越しの、聞き覚えのある声に顔を上げた。
裕子が小さく笑って、そこに立っていた。
「裕ちゃん…」
書類をめくる手を止め、眼鏡のレンズを指で少し上げる。
「ケンカでもしたんか、あの子と」
「…まあ、あたしが悪いんだけど」
「分かっとるんなら、どないかしいな。
誰かさん、泣き腫らした目でさっきスーパーで買物しとったで」
「…うん」
「ほな、それだけや」
それだけ言うと、裕子はまた小さく笑って郵便局から出て行った。
保田はしばらく何か考えていたが、また仕事に戻った。
122 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月04日(水)02時19分01秒
「…ただいま」
保田は夜遅く、帰宅した。

部屋の電気を点けると、キッチンのテーブルに夕食が用意してあった。
コンロのキャセロールの蓋を開けると、ブラウンシチューがある。

『さっきスーパーで買物しとったで』
保田は、昼間の裕子の言葉を思い出した。

今日は職場の忘年会で普段より遅くなった。
昨夜飯田に言い忘れてたな、と記憶をたぐる。

『圭ちゃんへ

おかえりなさい。あっためて食べてね。
カオは、カテキョのバイトの後、大学で泊まり込みの作業があるのでそのまま行きます。

P.S. 今夜は冷えるそうだから、あったかくして寝てね 』

サラダの隣にあった置き手紙を手に取り、保田は何とも言えない気持ちでそれを読んだ。

「…忙しいんなら、ゴハンは作んなくていいって言ってんのに」
宴会ですすめられるまま飲み食いし、結構満腹だったが、コンロの火を点け、テーブルについて
バスケットのバゲットを千切って口にした。
123 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月04日(水)02時22分50秒
更新しました。


( `.∀´)っ□<……

レスのお礼です。

>南風さん
川;σ_σ||<いやぁ〜、マサオにどう言い訳すりゃぁいいんだか

フツーに仲良し姉妹です(爆。ただ、どちらもブッとびすぎなんです。
ハロモニ、いいですよね。ケメ子が司会だし(爆 ( `.∀´)<I'm back!

>ヨッスィのタマゴさん
( ‐ Δ‐) <起きてるのか寝てるのかワカラン…

よっすぃ〜、そういえばバットで打ってましたね。紺野にいたっては、ワンバウンドを理解してないし(w
レスはできたらsageかochiで( `.∀´)<お・ね・が・い (〜^◇^)<圭ちゃんキショッ!

>73さん
川σ_σ||<ホホ!と〜ぜん!

そうですね、いしかーさんは泥酔状態の姉にされまくってたでしょうね、多分(w (;^▽^)<ハハハ…
フォローありがとうございます。



124 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月04日(水)02時23分29秒
>名無しかも〜んな!さん
川σ_σ||<うちのねーちゃんは変わり者だったからねぇ〜 メルヒェンダシ

私自身は一人っ子なので、きょうだいっていう存在が単純にうらやましかったですね。
( ‐ Δ‐) <おやつは平等に、が柴田家のモットー

>クロイツさん
( ‐ Δ‐) <あゆみはからかうとオモシロヒ

妙に絆が強い姉妹なのです(w 柴っちゃんは別に狙うことなく発言したとオモワレ
クロイツさんの姉上様、ステキです(爆

>(黒^▽^)さん
( ゜皿 ゜)ノ<イチバーーーーーン!!

なるほど、オトナチームがお好みなんですね。「あいうえお作文」イカしてます(爆
どうもです。

では、私もひとつ。『あ』段で。ケメ子ネタです。

( `.∀´)<『あ』いくるしいから
       『い』いよってくるオトコたち
       『う』つくしさはつみね
       『え』になる
       『お』・ん・な

川‘〜‘)||ノ<オーイ山田君、ケメ子の座布団全部持ってって〜
125 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年06月04日(水)04時52分05秒
>73さん
川o・-・)<私はまだ右も左もわからぬネット素人なのでアドバイスがあればどんどん教えて下さい。
ありがとうございます。

作者さん
(0T〜T)ケメ子でお願いされたらイヤと言えません。僕の住んでる地域はハロモニが4月から始まりました。土曜12時〜です。
多分1週遅れです。
从 #~∀~从ノ<飯田チーム藤本、石川、矢口。前へ
ゝVvV丿( ^▽^)(〜^◇^)川‘〜‘)||
(〜^◇^)かおり。呼んでないよ。(゜皿 ゜;)え?

ぶら下がり対決
ゝVvV丿>(余裕〜♪)(〜;^◇^)>きつい〜(#T▽T)>もうダメ〜!

腕立て対決
1位 川o・-・)<スタミナなら負けません。
2位 (0^〜^)<パワーならオイラが1番。
3位 ( ´D`)<大食いなら負けないのれす。
126 名前:73 投稿日:2003年06月04日(水)20時30分08秒
おう、一気にアダルティーに。やっぱ保田が出ると違うっすわ。かっこよし。
しっかし飯田よ、他意がなくとも言っちゃいかんのだよ、そういうことわ。修行がたらん。
中澤姐さん、あいかわらず「他人への助言は」カッコよく完璧な人だ。自分もしっかりな。

>>125ヨッスィのタマゴさん。了解ってことで、メール欄を見てたもれ。お返事は不要です。
127 名前:南風 投稿日:2003年06月04日(水)20時55分55秒
ふあ〜息をつめて読んでました。
大人の世界にやられ、『クイズ ヘキサゴン』見るのもストップしてしまいましたYO!
飯田さんの心境を思うとうっすら涙が・・・。
圭ちゃんも複雑なんですね。
128 名前:クロイツ 投稿日:2003年06月04日(水)21時18分01秒
ハラハラしております…あああああ、どうなっちゃうんでしょう、カオリさんと圭ちゃんはっ(大汗)
…ハラハラしつつも、バーボンあおる圭ちゃんにドッキドキ(笑)
ヘキサゴンの可愛い圭ちゃんの後に、こんなかっけぇ圭ちゃん見ちゃったら…

 ヤ バ イ 。 K E M E K O に は ま り そ う 。

 飯田さんも可愛かったんですが…ああ、圭ちゃん!!
 どうなるんだか気になって、今夜は眠れません。
 次回も楽しみにしております!!
129 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月09日(月)23時24分35秒
―――その夜。

『ハァ…この部屋はこんなに広かったかしらね』
保田はやはり眠れずに、ベッドで寝返りを打った。

先程も、温かいシチューをとても味気なく食べた。
飯田が予め用意してくれていた夕食を、ひとりでとるのは初めてじゃない。
いつもはひとりでいても、飯田の不在を特に実感することなく、過ごしていた。

…こんな空虚さは初めてだった。
飯田の、泣き出しそうな顔を思い出す。

―――寝返りを打った先に、飯田の枕があった。
彼女の髪の匂いがする。
自分のとは違うシャンプー。
保田は枕をそっと撫でた。

付き合い始めてから、彼女の私物がこの家には増えた。
食器や歯ブラシ、いつの間にかこの枕まで持ち込んでいた。

気付かない間に、彼女が大きな存在になっていたことを感じる。

「…ホンットわがままで自分勝手でコドモでヒトのハナシ、ぜっんぜん聞かないし。
まったく…」
保田は、また飯田の枕を撫でた。

横になって寝て。
彼女の存在を、ひとりで感じていた。


―――翌日。
いつも通り仕事を終えた保田は、そのまままっすぐ帰宅した。
飯田が来ているかもしれない、という淡い期待を抱いて。

「…ハハ」
―――玄関のドアを開けた保田は、思わず笑う。
室内は、真っ暗だった。
保田は小さくため息をついて荷物を置き、バスルームへ向かった。
130 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月09日(月)23時30分11秒
―――その頃。中澤家。

「いや〜、ほんま久しぶりやなぁ〜」
裕子は、客人の肩を叩いた。
その客―――石黒彩は懐かしそうに中澤家の居間を見渡す。
彼女は今日この近くに用事があり、この家を訪れていた。

石黒は北海道から上京し、中澤ハイツで一人暮らしをしながら短大と専門学校に通っていた。
その傍らバンド活動もしており、それがきっかけで知り合った男性と結婚しハイツを出た。

「石川も綺麗になったね〜」
石黒にしみじみ言われ、梨華はお盆を手にしたまま、笑って照れる。

「ウオー!遅刻遅刻!」
廊下で、どたどたと足音がした。
梨華は
「ひとみちゃん、出かけるの?」
と居間から顔を出す。
「うん!あ、晩ゴハンはお願いするっす!」
「ハイ」
居間を出た石黒は、玄関先で靴を履く、吉澤のそばにあったベースケースをふと目にした。
「あなた、ベース弾くの?」
「あ、ハイ。バンドやってるんス」
「そう。ちょっと手、見せてくれる?」
「ハァ」
吉澤は言われるまま、掌を石黒に向けた。
彼女はしばらく黙って、吉澤の白い手を見ていた。
「ありがとう。忙しいのに引き止めてごめんね」
「いえ、いっす。ども」
吉澤は軽く頭を下げて出かけて行った。

131 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月09日(月)23時32分39秒
「やっぱり、同じ楽器やってたら気になるもんか?」
裕子は、居間に戻ってきた石黒にお茶のお代わりをすすめた。
吉澤とのやりとりを、居間から見ていたのだ。
「ああ、まあね」
石黒は長い髪をかきあげる。
「うちのベース弾きさんの腕前はどないや」
「うん」
石黒はさっき触れた吉澤の手を思い出す。
「職人タイプだね」
そうひとことだけ言い、お茶を飲む石黒を見て、梨華は目を丸くした。

『なんで分かったんだろ…』
梨華はまじまじと、石黒の横顔を見つめた。


―――ふたたび保田宅

バスルームから出てきた保田は、テーブルの携帯に、裕子からメールが届いているのに気付いた。

『彩っぺがうちに来とるで。ダンナが夜迎えに来るまでおるて』
バスタオルで乱雑に濡れた髪を拭き、保田は携帯を折りたたんだ。
132 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月09日(月)23時34分33秒
「圭坊が来おるらしいわ」
裕子は携帯に届いたメールを確認した。
「へえ。圭ちゃんにもメール送っといたんだけど、いきなり来たからね」
「仕事が早よう終わったそうや。…カオリにも連絡しといたけど、間に合うかな」
「カオリか。あの子も随分会ってないわ」
石黒は懐かしさに口をほころばせた。

「あ、保田さん」
玄関先で、梨華は保田を出迎えた。
「彩っぺは…」
「ええ、今裕ちゃんと…」
梨華が全部言い終わらないうちに、保田は
「お邪魔します」
と上がって行く。
保田が横を通り過ぎていくのを、梨華は訝しげに思う。
『保田さん…今日、何か様子が変』
その横顔は、かなり怒っていたのだ。

「おう、来たか」
居間の入り口に立っている保田を見て、裕子は振り向く。
「うん…彩っぺ久しぶり」
「元気だった?」
「うん…彩っぺ」
「何?」

「―――話が、あるの」
保田は、まっすぐ石黒を見据えた。
133 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月09日(月)23時39分04秒
更新しました。

CP分類板で「ベース弾き」を紹介してくださった方、リンク先をフォローしてくださった方、
どうもありがとうございました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

(*^〜^)<は〜ずかすぃ〜!でも、う〜れすぃ〜!


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・)<ご協力…ありがとうございます。完璧です。

いいらさん、呼ばれてもいないのに、フツーに前に出てますたよね(w
さすがオサブリオの人は違う。ハロモニが始まったそうでよかったですね。楽しんでくださいね。

>73さん
川o・-・)<またフォローして頂いて、ありがとうございます。恐縮です

「いいらさん、キミ素直すぎ」と自分で書いててアレですが思いますた(ニガワラ
姐さんは「我が事以外は」カッコええ姐さんなのです。

>南風さん
( ´ Д `)<んあ〜。今朝圭ちゃん見かけたら、すっげーキゲン悪いの ナンデダロ?

いいらさんはよくも悪くも素直なのです。ヤス的にもそこがツボなのでしょうけど。
「ヘキサゴン」、圭ちゃんすぐ負けたそうですね(w

>クロイツさん
( `.∀´)<勝ちに来ました! ←負けとるがな

「ヘキサゴン」まだ全部見てません。夜はゆっくり休んでください(w
ケンカしてもメシは作る世話女房ないいらさんなのです。
134 名前:南風 投稿日:2003年06月09日(月)23時48分38秒
更新乙です。
あぁ読んでて泣きそうですた(涙)
保田先生の気持ちが痛い程伝わってきましたよ・・・。
次がどうなることか心配で楽しみ(?)でしかたありません。
次回更新も楽しみにしています。

135 名前:登場人物紹介 投稿日:2003年06月09日(月)23時52分56秒

( ` ・ゝ´):石黒彩(25)。北海道出身。元中澤ハイツ住人。夫はドラマーで
        結婚後の苗字は『山田』。飯田の元恋人でもあるらしい。


―――ある日の平家宅

( `◇´)<なんや今度彩っぺが来るんやて? テガミキテタワ

从#~∀~从<おう。この近くに用事あって、ついでにこっちに来おるらしいワ

( `◇´)<そうか…圭坊とかには知らせたん?

从#~∀~从<まだ何も言うてへんけど、彩っぺが直接メールなりしとるんちゃうか。
      仲良かったし

( `◇´)<そうか…そうやな ←何故か遠い目



『そうか、そうか』てなんやねん>从#~∀~从 (`◇´;)<いや、別に… ←何故だか悪い予感がしている
136 名前:73 投稿日:2003年06月10日(火)03時40分30秒
おぉう! 修羅場か? 修羅場なのか!?
ちゃんと言うこと考えてきたのか、勢いだけなのか? 暴走してもいいことないぞ。
いや、大丈夫。保田は大人だからな。石黒も大人だ。二人とも大人だ。
大人同士、ちゃんと、リアルでシャレにならないケンカをしてくれるだろう。戦争だぞ、ラムズフェルドだぞ。やー、楽しみだ。

で。分類板で紹介させていただきましたっす。ご挨拶遅れましてすんませんです。(つーかあらゆる連載中のスレに挨拶してないや)
リンク貼るのにミスしまして面目ねっす。紹介文もアレでしたし。生まれてすみません。
…でも、あと何回か他のCPスレで紹介させていただくことになるかと。なにしろオール怪獣総進撃状態な世界ですもんね…。

これからも楽しみでございます。
137 名前:南風 投稿日:2003年06月10日(火)21時43分07秒
だがぁぁぁぁっ!!
またしても更新途中にレスを・・・

タイミング悪いやつで(涙)
本当にすみません
138 名前:あおのり 投稿日:2003年06月11日(水)00時05分00秒
圭ちゃんにいつの間にか侵入している飯田さん良いです。
そっとご飯を作って置いておくところなんぞ、
まだまだお子様の他カップル(含裕ちゃんみっちゃん(w)
にはおよびもつかない大人な技ですな。

あー切ない
139 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年06月14日(土)00時34分57秒
( ´D`):いいらさんとおばちゃん。この先どうなるのれしょうか?
(# `D´)<おばちゃん、いいらさんを幸せにしないとののが許さないのれす。

川o・-・):ついに6期始動のハロモニ。でしたが見逃しました。私、一生の不覚です。ここは潔く腹を…
140 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月15日(日)00時18分29秒
それとなく雰囲気を察した裕子は、『ウチはちょっと出てくるワ』と申し出る。
保田は首を振り、
「彩っぺ、外に出てくれる?」
と言った。石黒も頷いて保田に続いて出た。


その頃―――。

駅に着いた飯田は、中澤家への道のりを急いでいた。
『彩っぺがうちに来とんねん。圭坊も後から来るて言うてるわ』
裕子からもらったメールを電車に乗る前に見て、飯田は不安な気持ちで胸がいっぱいになった。

保田は大人だ。
石黒に何かするとは思えない。
だが、ひと波乱くらいはあるかもしれない。
自分の不用意なひとことが原因で、石黒にも迷惑をかけるかもしれない。
飯田は、気持ちばかりが焦っていた。

「いいらさん?」
本屋の前を通り過ぎようとした時、聞き覚えのある舌ったらずな声を耳にした。
「辻…」
「今、帰りれすか?」
辻はスーパーの袋を手にして、にこにこしている。
その姿に、飯田は、嘘でもひどく安心した。
「うん…裕ちゃん家に行くとこだよ。カオの古いお友達が遊びに来てるの」
「あ、ののが出掛けるまえに来たおねーしゃんれすか。鼻にピアスしてたれす」
辻は自分の鼻を押さえて、そう言った。
「うん、多分その人だよ…」
飯田は笑った。とても寂しそうに。
141 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月15日(日)00時21分31秒
彼女の様子がおかしいので、辻はそっとその長い腕に触れた。
「いいらさん…元気ないれす。どうしたんれすか」
飯田は何も言わなかった。
大きな目に涙をため、俯いて啜り上げる。
「どうしたんれすか。おなか痛いんれすか?誰かにいじめられたんれすか?」
辻は背伸びして、飯田の肩を揺する。
辻を抱き返して、
「カオね…イヤなこと言って大事なひとを傷つけたの。もう、許してくれないかもしれない…」
言い終わって、強く抱きしめた。
飯田の胸で、辻は涙交じりの籠った告白を聞く。
何とも言えない気持ちだった。
飯田に抱きしめられるのは初めてではない。
でも、それはいつも温かい気持ちになるものだった。
飯田は泣いている。
痛々しいくらいに。
自分まで、身を切られるように辛かった。


「…いいらさん、大事なひとって、オバチャンれすか」
飯田は黙って頷いた。
啜り上げながら。
「いいらさんにとって…オバチャンはなんれすか」
「た、からもの…宝物だよ」
「じゃ、失くしちゃだめなのれす」
「…え?」
「たからものは、大事に持ってないとだめなんれすよ」
飯田は黙って辻を見た。
辻はまっすぐ自分を見上げている。
分かってはいても、自分の気持ちを見失うところだった。
辻の目を見て、飯田は悟った。
「うん…そうだね、そうだね」
飯田はもう一度、辻を抱きしめた。
142 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月15日(日)00時24分54秒
―――中澤家。

保田と石黒は、門の外に出た。

「何?怖い顔して」
石黒は、保田に笑いかける。
保田はそれには答えず、切り出した。
「…古い話を持ち出して悪いんだけど。昔カオリと付き合ってたって…ホント?」
石黒は目を丸くする。しばらく保田の顔をまじまじと見て、頭をかいた。
「…ホンット古い話ね。今の今まで忘れてたわ。ええ、ホントよ」
「いつくらい?」
「いつ…いつだったかな。確か…ああ、4年くらい前かな」
4年前。自分もまだ大学生で、中澤家に下宿していた。
保田はその頃の飯田と石黒を思い出していた。

「で、それがどうしたの」
「……」
「寝たかどうか、って?」
保田は唇をキュッと結ぶ。
「…それだけを聞いてるんじゃ」
「ぶっちゃけ、そういうコトっしょ?自分のオンナの過去が気になるってことは」
「……」
「寝たわよ」
保田は俯いて、握りこぶしを震わせる。
頭では分かっていても、屈辱だった。
石黒はしばらく黙って、その様を見ていた。

「といっても途中までだけどね。あの子、誰かさんが相当好きだったみたいで、
あたし最初からあの子の眼中なかったし」
「…え?」
「大体、付き合ってたのも一週間だし。あの子、自分から付き合おうって言い出しといてさ」
石黒は髪をかき上げて苦笑した。
「…どう、して…」
保田はやっと声を絞り出した。
「カオリ、その頃地元の彼と遠恋してたじゃん。何か夏休み明けに『浮気された〜』って
泣いて帰って来て、相当ヘコんでてさ」
「うん」
「で、慰めようと飲みに連れてってたら『アタシをオトナにしてぇ〜!』とか絡んできてさ」
それがきっかけだけどね、と石黒は続けた。
143 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月15日(日)00時34分09秒
「きっかけはイキオイだったけど、あたしもフリーだったしあの子に興味もあったから、
しばらく付き合ってた。まあ…1週間が限度だったけどね」
「何で1週間だけ…?」
「あんたのことが好きって気付いたからよ、あの子が。しかもあたしと寝てる最中に
気付いてるし」
石黒は可笑しそうに笑う。
保田は息を呑んだ。
「それなら…どうして」
「どうしてとは?」
「あ、アタシのことが好きならどうして…」
「圭ちゃん、その頃彼女いたじゃん。あのなんとかいう可愛い子。バンドの追っかけみたいな」
「付き合ってたワケじゃ…」
保田は言葉を濁す。
「そう?あの子圭ちゃんとの関係誰かに聞かれた時『彼女』って言ってたよ」
「そう…」
「カオリも色々悩んだみたいで、なかなか言い出せなかったみたいよ?
その後もしばらく違う人とかと付き合ってたし」
保田は何も答えなかったが、石黒は構わず続けた。
「本当に好きなひとには、何も言えないってのもアリなんじゃないの?
自分だって、本命に気持ち残したまま、色々付き合ってたじゃん。
ヒトのことは言えないっしょ」
保田が更に何も言えなくなったのを見て、石黒は苦笑いする。
「ホラ、お姫様が迎えに来たわよ」
石黒が顔を向けた方には、暗闇の中でもはっきり分かる長身の女がいる。
息せき切って、走ってくる。
「げいぢゃん!ごめんなざい!彩っぺは責めないで!カオがわるいのぉ!」
泣きじゃくっているため、ところどころ不明瞭な発音だった。
保田は思わずあっけにとられる。
「いい女になったわね」
石黒は、笑って飯田にハンカチを手渡す。
飯田は頷いて、ハンカチで目を押さえた。
144 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月15日(日)00時37分41秒
「どうして…黙ってたの。彩っぺとの事」
ポツリと、保田は呟いた。
「黙ってたわけじゃ…」
「あたしとの過去より、誰かさんとの今の幸せの方が大事だからでしょ。
この子にとって」
「ごめん、カオリ。あたし、あんたと付き合ってたコト、忘れてた」
石黒は苦笑する。
「ごめんなさい…カオも」
「そういうコト。ウチらには、さして重要でもないことなのよ。なにせ、1週間の恋愛だしねぇ」
石黒は、保田の方に向き直った。
「カオリ、いい女になったじゃん。昔はガキくさかったのに」
「……」
「恋すると違うわねぇ〜。誰かさんのおかげかしらねぇ」
石黒がニヤニヤ笑うのを保田は憮然とした表情で見る。
それを見て、石黒は保田に近づき肩を掴んだ。
「ガキ」
一瞬だが、唇を重ねる。
保田は、大きな目を見開いた。
「少しはオトナになったかと思ったけど」
石黒は保田の耳元で
「相変わらずガキだねぇ、そういうトコ」
悪戯っぽく囁いた。
145 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月15日(日)00時40分32秒
「カオリ」
黙って見ていた飯田は、突然石黒に声をかけられ、ビクッとする。
「コイツがまたゴネたら、いつでも連絡しな。ブッとばしてやるから」
「暴力はダメだよ…」
「もののたとえよ。…じゃあね」
飯田の肩を掴んで、石黒は口づけた。
「…あ〜!」
保田は、情けない声を上げた。
「…ちょっと!彩っぺアンタ結婚してんのに…!」
「ウチのダンナはあたしが女とキスしたくらいじゃ、ビクともしないわよ」
「いい…ダンナさんなんだね」
飯田は啜り上げながら言った。
「だから結婚したのよ…ああ、来たわ」
黒いアルファロメオが、中澤家から少し離れたところで止まった。
石黒は『じゃあね』とひとことだけ言い、車に向かう。
運転席にいた男に、保田たちはその場で会釈する。
男も笑って軽く頭を下げた。
石黒を乗せると、車はそのまま走り去って行った。

146 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月15日(日)00時43分45秒
「…ハァ」
保田は、全身から力が抜け、その場にへたりこんでしまった。
「大丈夫?」
飯田もしゃがみ込む。
「…今も」
「え?」
聞き取れず、飯田は保田の方を見た。
「今もカッコ悪いけど…昔はもっとカッコ悪かった。何にもなくってさ。
…彩っぺと会って、ヒサブリに思い出したわ」
「圭ちゃん…」
「アンタがいないと…何にもないわ」
「うん…」
「…帰ろっか」
自分の膝をはらい、保田は立ち上がった。
飯田に手を差し伸べる。
それにつかまって、飯田も立ち上がる。
保田はしばらく飯田の腕を掴んで、見つめていた。
やがて、ポツリと言った。

「…ひとに依存しすぎるのはよくないって分かってるけど」

「そばにいてよ」
飯田は、頷いて保田を抱きしめた。


その夜は。

東京に、大雪が降った。
保田は恋人の腕の中で、心地いい夢を見ていた。


「…圭ちゃん、朝だよ。起きて」
「うん…あと5分」

保田の朝が、また甘い囁きで始まる。
147 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月15日(日)00時52分25秒
更新しました。

レスのお礼です。

>南風さん
从#~∀~从 <ホンマにもう〜。素直になればエエのになぁ ←アンタもや

保田先生、今回ガチンコ勝負です。大したことはないですが。
途中レスはどうぞお気になさらず。途中で電話かかってきたもので(wこちらこそスマソ

>73さん
(;^▽^)<な、なにかしら?表でタイヘンなことになってる… ←台所で晩メシの支度をしている

ガチ勝負(?)、とりあえずつつがなく(?)終えました。
紹介どうもですた。紹介文の『なぜか東北』ってのがツボでした。

>あおのりさん
(;`◇´)<ううむ。やっぱりウチの予感は当たったか…

侵入されてることに戸惑うケメ子なのです。
いいらさん曰く、ケメ子は放っとくとロクなものを食べないとか。

>ヨッスィのタマゴさん
(;^▽^)<保田さんの様子が変…

ハロモニ、残念でしたね。とりあえずヨッスィのタマゴさん、イ`。
辻さんの応援もあって、どうにかなりますた。
148 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月15日(日)02時04分36秒
辻加護に「おばちゃん」と言われて
「マジ殺す!」と言ってしまう飯田さんの話を思い出しました。

なんか「大人」に見られている人が
ふと見せるガキっぽい部分に、ホッとしてしまう部分みたいなモンを感じたりして。
149 名前:54 投稿日:2003年06月15日(日)02時30分34秒
大事なものは、掴んだら手放すな!
……かっこいいセリフだ。やつが言うとは思えないほどかっこいい。どっちがより大人なのか証明してるようだ。

それ以上に、石黒! かっこいいじゃねーか。『荒野の用心棒』級だ。イーストウッドだ。「そいつはやばいな…アディオス」とあっさり町を去っていった、みたいな。

しかし! 保田! あんたはもっとかっこいいぞ! 自分の弱さを見せられるってのは、ヒーローの条件だ。こっちはジョン・マクレーンだな。ビルからダイブはしないが。

いや、おめーら全員かっこいーぞ! 以上!!
150 名前:73 投稿日:2003年06月15日(日)06時20分59秒
>>149
54って誰だこいつ。ってぼくです。すんません。スレ違いどころか板違いぢゃねーか。

えーと。
そういえばケーキ職人とヘタレはどうしてるかなー、と気になってみたり。
ヘタレは自滅して、だから九州、だったりしてるのじゃなかろうか。やーいやーい。土産はかるかん饅頭にしてくれ。
151 名前:南風 投稿日:2003年06月15日(日)20時58分43秒
更新お疲れ様です。
読み終わった後にしばらくぽけーっとしてまた読み返してしまいました。
大人な世界です。
本当かっけーくらいに。
また眠りにつく前にきっと読み返します。
はぁ何とも素敵な気持ちですだ。
次回更新もまったり待っています。
152 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年06月16日(月)05時38分46秒
( ´D`)y−~~<ふ〜。ののは今回、いい仕事したのれす。愛のキュウピットれす。
(0^〜^)<のの、カッケー!

ハロモニ今週は見れました。新垣さん6期メンに教えるほど偉くなりましたなあ。
从*・ 。.・从 :新垣先生。質問があるんですけど。
( ・e・):道重ちゃん、何かな?
从*・ 。.・从 :中国の首都ってどこでしたっけ?
(; ・e・)<えっとね。(あ、あれ?ホントに分かんない)
(; -e-)<チャンポンチャンだよ。(も、いいや。)
∬∬;`▽´)つ□<どこだよ、チャンポンチャンて!(; -e-)<…まこっちゃんに言われたくない
勉強を教えたらこうなるかも?

川o・-・):私、強く生きます。レポーター紺野、完璧です。
川;’ー’川:あさみちゃん。この前は本当に楽屋に何しにきたの?
6期の3人も1年もすれば…
153 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月17日(火)07時32分57秒
―――時は少し遡り。

飯田と別れた辻は、その心細そうな背中を見送った。
自分は特に用事もなかったが、何故か帰る気が起こらず、駅前のアーケードの商店街をブラブラする。
中澤家に戻ったのも、夕食の時間が過ぎてからだった。

『いいらさんが悲しいのは、ののはイヤなのれす。
ののまで、悲しくなるのれす。
いいらさんのこと、ののは大好きだから、いつも笑っててほしい。
ののは…いいらさんがしあわせだから、オバチャンのことも好きなのれす』

白い息を吐き、夜空を見上げる。
手袋をしてもなお悴む指に、少しでもぬくもりをと息をはきかけた。
今まで、自分は恵まれていた。
家族に愛され、友達ともうまくやってきた。
学校も楽しかったし、不満なんて感じたこともない。
少なくとも、『切ない』なんて感情は知らなかった。
好きなひとの幸せを願い、本心からの願いなのは確かなのに、どこかで迷いがある。

『のの…どうしたらよかったんれしょうか』

辻は、とぼとぼと自分の影を引きずり、夜道を歩いて行った。
154 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月17日(火)07時34分14秒

「よう、おっかえり〜。遅かったやん」
帰宅した辻は、廊下にいた加護の顔を見たとたん、何だか抱きつきたくなった。
「…のの?」
辻のダッフルコートからは、夜露の匂いがする。
長い間外にいたのだろうか。
しっとりと濡れていた。
辻は
「…あいぼん、今日一緒に寝てくらさい」
それだけ言い、また加護の胸に顔を埋めた。

『これで…いいんれすね。いいらさんが悲しいのは、ののはイヤなのれす』
加護は黙って、辻の頭を撫でた。

その夜。
辻は自分の枕を持って、加護の部屋をノックした。
加護はすでに寝る支度をしており、そのまま勝手に寝るように言うと自分は早々に寝床に入ってしまった。
それでも、辻の場所はちゃんと空けてくれている。
辻はベッドに入り、そっと加護の手を握った。
ひとこと、
「甘えた」
という声が聞こえたが、特に振りほどこうとはしなかった。
少し安心し、辻は眠りについた。
155 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月17日(火)07時36分01秒
翌朝。

「―――雪れす!」
ゆうべから降り積もった雪を見て、辻は歓声を上げる。
布製のスニーカーに滲みこむのも構わず、表に出て控え目に積もった雪をその場でジャンプして踏み固める。
「あいぼん!雪れす、積もってるれすよ!」
玄関先のほうに声をかける。
「カンベンしてェなぁ。自分、いくつやねん。雪て…ゲッ!自分、寝巻やん!」
「へいっ、いても立ってもいられなかったんれす」
パジャマ姿の辻は、朝の明るい太陽の下、照れたように笑う。
雪に反射して、眩しかった。
加護は目を細めて、それを見ていた。

『まあ…なんにせよ、元気になってよかったワ。それにしてもさっむいわぁ』
加護が身を縮めて震えてると、雪玉が飛んできた。
「―――うわ!なにすんねん!」
「雪合戦するれす、せっかく積もったんだし」
「雪合戦て…もうぉ〜、カンベンしてェなぁ〜」
渋々、雪合戦に付き合う加護だった。

雪合戦は吉澤も加わり、熱い戦いとなる。
玄関から、梨華も笑って見学している。
加護も最初はふたりをバカにしながら参加していたが、従来の負けず嫌いな性格が出て、
最終的には一番燃えていた。
「いってぇ〜!アタシはオトナなんだから、手加減しろよぉ〜!」
加護に雪玉をぶつけられた吉澤は、腕をさすって文句を言う。
「オトナはそんな雪合戦嬉々としてせぇへんわ!」
「まあまあ、あいぼんもよっすぃ〜もおうちに入って朝ごはん食べるれす」
辻にうながされ、ふたりは渋々中に入って行った。
156 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月17日(火)07時37分21秒
―――朝比奈女子高校

テストが終わってから終業式までは、テスト休みなので基本的にクラブのある生徒以外は、
登校することはない。
加護は『職員室に用がある』という辻に付き合って、学校に来ていた。
ちょうど昼時なので、学食で昼食をとることにする。
加護はまだ用事が終わらない辻と後で落ち合うことにし、一足先に向かった。

「あ、加護さん」
トレイを持った紺野が声をかけてくる。
トレイの上には、かぼちゃのグラタン、かぼちゃスープ、かぼちゃの煮つけ、かぼちゃのムース。
かぼちゃだらけである。
『コイツ…ウケ狙ってるワケやないんやろうなぁ』
きっと天然な行動に違いない。
加護はひそかに確信した。
「今日はメニューにかぼちゃが多くてうれしいです。完璧です」
紺野はうっとりと、踊るような足取りで席に向かう。
頬を紅潮までさせ。
「よかったね…」
とりあえず、簡潔にリアクションしてみる。
「ハイ…幸せです」
紺野が別の世界にいってしまってるので、加護はふと入り口の方に目をやった。
小川が、誰か別の生徒と話している。
今日は珍しく、ジャージ姿ではなかった。
「おや、猪木や。珍しくジャージやないで」
紺野はテーブルにトレイを置き、
「あ、あ…小川さんですね」
何故かしどろもどろになる。
その様を見て、加護はフッと笑った。
157 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月17日(火)07時38分46秒
しばらくたって、辻も合流した。
辻はA定食(ライス特盛)とチャーシューメンを注文し、ガツガツ食べ始める。
「気持ちのいいくらいの…食べっぷりです。完璧です」
さすがの紺野も、そのイキオイに押される。
「負けて…られません」
席を立って、早速天ぷらうどんを注文しに行った。
「オオーイ!張り合う意義はナニ!?勝ってうれしんかい!」
箸片手に、加護はキッチリ突っ込む。
「さて、コショウをかけるれす」
辻はいそいそと、コショウの容器を手にし、ラーメンにかけようとした。
だが、運悪く、蓋がゆるんでいたようで。
お約束で蓋が外れ、ありえねえくらいコショウがどばどば溢れ出てきた。
「ふ…ふぇ!」
コショウ特盛りラーメンを目の前にし、辻はすでに泣きそうになってる。
「…あ〜あ。分かった、コレと替えたるワ」
加護はためいきをついて、自分のコーンラーメンの鉢をスッと押し出した。
「えぐえぐ…ごめんれす」
辻は涙目になりながら、加護のラーメンを受け取った。
158 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月17日(火)07時40分03秒
「…まったく。あなたは辻さんには無条件に優しいんですね」
食事が終わって食器を片付けた後、紺野は言った。
そばの自販機に寄り、ジュースを選んでいる。
加護は少しムッとしたように、
「なんやの。まるでウチがのの以外には優しゅうないみたいやん」
軽くにらみつけた。
「ぶっちゃけ、そうです。辻さん限定です。ある意味感心します」
「ふぅ〜ん…」
加護は少し考え、あることを思いつく。
ニンマリ笑って、切り出す。
「へぇ〜…じゃあ、仮にやで」
「ハ、ハイ」
「ウチが小川さんと仲良うなって、いつもベタベタしてたら自分どうする?」
わざと小川さん、と言うところがポイントだった。
紺野は明らかに不機嫌になり、
「…正直、ひっじょうに」
「不愉快です!!」
…紺野は、買ったばかりのファンタオレンジの缶を握り潰した。

『亜依…友達とは仲良うせなアカンで』
加護は亡き母の言葉を思い出していた。
『お母ちゃん…わかっとる。わかっとるけどな。このヒト…ちょっとキてるワ』
加護は呆然と、
「ハァ、制服も濡れちゃいました」
と言いながらハンカチでブレザーの袖を拭く紺野を見ていた。
159 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月17日(火)07時43分33秒
更新しました。

ヽ(´D` )へノ( ´D`)ノ♪〜 <お誕生日なのれ〜す♪

本物は16だそうで。いい女になってくらさい。


レスのお礼です。

>名無しさん
(+ ゜皿 ゜)ノ<カオハオバチャンダトハ ミトメナーーーーイ!!!

いいらさんの魅力はオトナな割には中身がコドモっぽいとこだと思います。
確かにそういう部分を見るとホッとしますよね。

>73さん
( ´ Д `)<んあ〜、ヘタレね。どうしてるんだろね サイキンアワナイ…

ヘタレは、きっとどこかで飲んだくれていることでしょう(w
ケンカはあまり泥沼にならないように、という風に書きますた。

>南風さん
煤i0^〜^0)<アラ!オイラがおでかけのときにそんなタイヘンなことが!

オトナのケンカは、まず相手と向かい合うことがマナーだったり。
何度も読み返してくだすって嬉しいです。作者冥利に尽きますです。

>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・)<ガキさん…あなどれません

ガキさんの各国首都、オリジナリティ溢れすぎですよね(w。
キューピッド辻さんは今回ちょっとメインっぽいです。誕生日祝いも兼ねて。
160 名前:南風 投稿日:2003年06月17日(火)23時12分23秒
更新お疲れ様です。
優しさ溢れる辻さんに今回もまた心癒されました。
そして恐るべきパワーを持つ紺野も(w

雪合戦なんてあまりやっていないなぁ・・・。
最近はめっきり雪が少なくなったと改めて思い、何だか少し寂し気です(苦笑)
今年、雪が降ったら思いきり雪合戦するぞ〜〜〜〜〜!!!!
と意気込んでみたくなりますた(w

次回更新も楽しみに待っています☆
161 名前:あおのり 投稿日:2003年06月18日(水)01時45分53秒
中学生チームはほのぼのしてますね〜
最近やすかおの大人チームの濃厚な話だっただけに
恋の味もほのかにピーチ、さわやか微炭酸です(謎

でもその中学生チームの中に混じっても(精神的に)違和感のない吉澤さん(w
…それも含めて梨華ちゃんは好きそうだから良いんですけど(萌

雪合戦のシーンはハロモニコントの一徹家族を思い出してしまいました。
情景が浮かんでくる名シーンだと思います。作者様グッジョ!4期グッジョ!

でも同時に「いーぬは喜び庭駆け回り」という歌が即浮かんできたのは秘密
(0^〜^)<カオリさんちの犬になりたい!わんわん
( T▽T)<ひとみちゃん
162 名前:クロイツ 投稿日:2003年06月18日(水)15時20分10秒
あああっ!!しばらくこなかった間にかなり進んでるっ(大汗)
いや〜、圭織さんよかったですねー!!(←遅い)
なんか読んでて、うるっと来ちゃいました。特にののたんの台詞なんかもぅ!!
そしてこんこん。そんなこんこんが大好きです。
ファンタの缶握りつぶすなんて…素敵過ぎます。ある意味、最高の男前(笑)!!
 ののたんが風邪をひかないよう、祈っております!!

 次回も楽しみにしていますねー!!
163 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月20日(金)01時37分01秒
後藤はゆうべの大雪で真っ白になった街を、好ましい気持ちで見ていた。
朝の太陽で照り返しが少し眩しかったが、雪が積もるのは滅多にないことなので嬉しい。

さっき、出勤前の保田とハイツの階段下で顔を合わせたが、何故か焦点の合わない目で
幸せそうに自分の腰をさすっていた。

『んあ…昨日とかメチャキゲン悪そーだったのはナニ?』
首を傾げたが、まあ、いいかと思い直し大学へ向かった。


大学に行くと、ほとんどの授業が休講になっていた。
大雪で来られなくなった講師がいるようだ。
後藤は自分の受ける授業は休講になっていなかったので、ちょっと残念に思い
教室へ向かう。


164 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月20日(金)01時38分36秒
―――その夜。

バンドの練習を終えて帰宅した後藤は、入浴を済ますと早々に寝床についた。
明日は早朝バイトを入れている。
5時起きなので、飲みに行くという他のメンバーと別れひとり帰ってきた。

枕元の携帯が鳴った。
一瞬アラームかと思ったが、設定してる音と明らかに違うので布団からごそごそ手を出し、通話ボタンを押した。
「…もしもし?」
『こんにちは、ぼくドラえも…』
ブチッ。
後藤は速攻切り、また頭から布団をかぶった。
そこへまた着メロが。
後藤は今度は何も言わずに出た。
『後藤!テメ、あんで切るんだよ〜!』
通話の相手…市井はろれつの回らない舌で絡んできた。
明らかに泥酔している。
ちなみに、さっきの電話も市井である。
「…カンベンしてよぉ〜。いま、何時だと思ってんのさ…」
『いまか?オ〜イ、アヤカ!いま、何時だぁ〜?』
つき合わされてると思われるアヤカの、
『3時48分。いい加減にしときなよ』
とヤケに冷静な声が横から聞こえてきた。
できたら、自分に電話するのも止めてほしかった。
後藤は心底そう思った。
165 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月20日(金)01時39分40秒
『3時48分だとよ。後藤、分かったか?』
「うん…分かった。どうもありがとう」
そんなもん、横の目覚ましでも見れば分かる。
イヤミで言ったつもりが見事に履き違えられ、脱力する。
『なんだよぉ〜。おめー、ノリ悪ィなぁ。そうだ、歌を歌ってやろうか?』
「…いい」
『おお、そうか。そういや、終電まで圭ちゃんが一緒だったんだけどよ、何か最近カオリさんとケンカ
して、んで、仲直りしたらしく、何か酔って愛について熱く語ってたぜ』
「…そうなんだ」
酔っ払いの話し相手でかなりうんざりしていた後藤だったが、その話を聞いて眠気が少し覚めた。
ここのところ、朝ハイツの階段下などで顔を合わせても、保田が機嫌悪そうだったのが納得いった。
『何かかなりノロけられただけって気ィするけどなぁ。なー、アヤカ?』
そうだね、と簡潔な答えが聞こえる。
アヤカもいい加減眠いのだろう。
少し、同情した。
「ごとー、もう切っていいでしょ?明日、あ、もう今日だ。バイトあるんだよね…」
『まだだ!』
「…なんなのさ」
『ドラえもんのひみつ道具を5つ言ったら、カンベンしてやる』
ヤケにエラそうに言う市井に、後藤は
『…殺ス』
と心の中で呟いた。
「殺す」の「ス」はカタカナである。怒り倍増である。
166 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月20日(金)01時42分29秒
「あ〜、いくよ?ウマタケ、アンキパン、おざしきゲレンデ、コンピューターペンシル、ドンブラ粉、
アベコンベ、Yロウ」
挙げる道具がビミョーに古い後藤だった。
しかも、5つ言えと言われたのにすでに7つ。
『…だぁ〜!なんでタケコプターとどこでもドアーがねーんだよ!タイムマシンすらねー!オメー、ドラに
申し訳ないと思わねーのか!』
解答は市井の気に入るものではなかったようで、ワケの分からない理屈で怒っていた。
「…ドラも夜中の4時前にひとん家に電話かけてくるヤツはヤだと思うよ」
ぼそっと言い、後藤は枕元の充電器に携帯を置くと、あとは放置することにした。
『…ごとー、聞いてっかぁ?これからアタシが美声を聞かせてやる!
♪あったまテッカテ〜カ さーえてピッカピーカ!』
枕元から何か聞こえたが、一切無視して眠りにつく。


「…ふぁ」
明け切らない街を歩き、後藤は大きくあくびをし口元を押さえた。
―――あれからどうにか起きれたが、かなり睡眠不足だ。
「…いちーちゃんのせいだかんね」
ブツブツ言い、まだ星が瞬く空の下をずんずん歩いて行った。


―――5時前にアヤカに起こされ、市井は飲み屋を出た。
携帯の発信履歴を見る。
「…なんじゃ?『3時45分・後藤』?なんでこんな時間に電話してんだろ?
あれ、すぐあとにもっかいしてる…」
全然覚えがなく、首を傾げた。
「…ホンットに覚えてないの?」
アヤカが心底あきれたように見る。
「…ああ」
「…あとでごっちんに謝っときなよ」
「うん?何かワカランけど」
アヤカはそれ以上は何も言わず、
『どっかでコーヒー飲もう』と提案し、先に歩いて行った。
167 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月20日(金)01時45分25秒
更新しました。

     〔〕    
  人 |||o   
(0^〜^|||<S・A・G・A 佐賀!   
(  つ/|||ゝ         
 > / へ゜>          
 し´し´´ 


(;`.∀´)<アンタ埼玉でしょ! 


※上記のAAと本文は何ら関係ございません


レスのお礼です。

>南風さん
∬;`▽´∬<なんか自販機のほーからすげー音したけどなんだろ?

相手のことを思って悩む優しい辻さんです。そして紺野さんはハンパじゃない握力です(爆
私も大阪出身なんで雪合戦はほとんどしたことないんです。

>あおのりさん
ミ``"""彡 チャブダイカッケー!
(ノ^〜^)ノミ ┻┻・:∴  ←うれしそう

ちびっこチームは大人チームの濃さを中和してくれるので(w有り難いです。
一徹家族はテレビで見て爆笑しました。ちゃぶ台ひっくり返し、ビミョーに失敗してるし(w


>クロイツさん
川*‘〜‘)||<ありがとう…圭ちゃん、最近前にも増して優しいんだ

雨降って地固まるというようなケンカですた。バンドメンバーはヤスにノロケられたようですが。
紺野先生は最強です(w こんこんはコーラよりはファンタかなーと(ソコかよ)。
168 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年06月20日(金)04時53分33秒
娘のコンサートに行ったことないですが、初めてごっちんのコンサート行きました。
2003年6月17日 (雨)  大分グランシアタ
( ´ Д `)<お〜いた〜!!いくぞ〜!!(気合入ってる顔)

メロン記念日のGOLDあいうえお作文
川σ_σ|| <G ごっちんが…
(`_´)<O お風呂で歌う…
 ( ‐ Δ‐)<L ラ〜ラララ〜大嫌い 大嫌い 大嫌い…
(0⌒ v.⌒0)<D ダイナマイトバデェ〜〜♪

川;σ_σ|| (;`_´) (;‐ Δ‐)<…おい。    (0⌒ v.⌒0)<♪
大谷さん本当にマサオって呼ばれてるんですね。僕はメロンの中では大谷さんが一番好きです。(^〜^O)といい僕はカッケー女の子が好きですね。

その日は辻さんのお誕生日でした。MCで
( ´ Д `)<のの、誕生日おめでと〜。
多分、東京では。
(´D`#)<後藤さんありがとうなのれす。・・・照れるれす。てへてへ。
( ‘ д‘)<(ええな〜のの。師匠に遠くから祝ってもろおて)

( ´ Д `)(`_´) この二人に改めて惚れ直しました。そんなライブ初体験の感想でした。
169 名前:クロイツ 投稿日:2003年06月20日(金)15時14分50秒
ごっちんには申し訳ないが…いちーちゃん最高です!!
爆笑いたしました。『オメー、ドラに申し訳ないと思わねーのか!』の言葉に、スゲェ勢いで笑いました!!
しかも覚えてないし。アヤカさん冷静だし。…素敵ィィィィィィ!!!
 ちなみに私も先日、夜中の三時過ぎに酔っ払った友人から電話を頂きました。
 その時の友人の第一声は、『ねぇ、かまって。』でした。ちなみに非ヲタです。
 そして私も翌日(当日?)、早朝五時から出かける用事がありました。
 …ごっちん、他人事とは思えません(爆笑)

 次回も楽しみにしております!!
170 名前:(黒^▽^)改めブラッククロス 投稿日:2003年06月20日(金)21時28分24秒
更新おつです。
いちーちゃん、そしてごっちん最高っす。
ごっちんが出した7つ渋いですなぁ。
Yろうとか・・・なつかすぃw

酔うと訳わからんことよく言うことありますが、いちーちゃん・・・。
『オメー、ドラに申し訳ないと思わねーのか!』って・・・ビールふきだしますた。w
次回も期待しとります。

あ、ついでに同じ海板で小説始めますた。
稚拙な文章ですが暇がありましたらお願いいたします。
171 名前:南風 投稿日:2003年06月21日(土)00時35分49秒
酔っぱらいおやじの臭いがぷんぷんする市井選手。
自分は大好きですね(爆笑)
んなことばっかしてるからごっちんに怒られるんだYO!とつっこんでみること
約十秒。
さすがです。市井選手、最高です。

そういえば塙さん『うたばん』で埼玉バージョン唄ってましたよねぇ。
あれ聞いて自分的にかなりビクーり。
すげー度胸です。
172 名前:あおのり 投稿日:2003年06月21日(土)03時07分32秒
おまけのAAのツノヘアーの吉坊キャワ!
ライブで他面が水飲んだり着替えたりして裏に引っ込んでる間
ステージのつなぎで一人でやってたりするんでしょうか?
  人    
(0^〜^)<S・H・I・G・A 滋賀!
(;`.∀´)<アンタ微妙にパクッてんじゃないわよ!
173 名前:73 投稿日:2003年06月23日(月)00時45分42秒
うあ、随分進んでる…!
でも二人はまったく進んどらん。いや、進んでるのか。
紺野は一人でどんどん進んでるみたい。おめでとう。
次回更新、楽しみにお待ちします。
174 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月23日(月)22時57分43秒
―――翌日。

後藤は大学の部室にいた。
市井は音楽雑誌をペラペラとめくりながらスナック菓子をつまみ、アヤカは
ノートパソコン(保田のお古のVAIO。ちなみにこの部の備品でもある)で
部費やバンドの経費の入力をしていた。
後藤は市井と世間話をし、勝手に菓子をつまんでいる。

昨日飲みに行った話で、市井は保田のことに触れた。
保田は年末で疲れているのか酔いの回りがいつもより早く、テンションも妙に高かった。
疲れは飯田との『オトナの仲直り』が主な原因なのだが。
吉澤に『カッケー!カッケー!』と連発されながら、保田はでれでれと
飯田とのケンカのあらましを話して聞かせたのだった。

「んあ〜、そうだったんだ…昔のカノジョかぁ」
後藤は感心したように言った。
保田とはちょうど3年ほど前に知り合ったが、それ以前は知らない。
まして飯田とは、この春に自分が中澤ハイツに入居してから顔を合わせた。
色々あるんだね、みんなと後藤はまた勝手に菓子をつまんだ。

「圭ちゃんはカノジョいたの?」
後藤の素朴な問いに、アヤカもキーを打つ手を一瞬止めた。
市井もちょっと困ったような顔をする。
「ん〜、アヤカを除いても常に2〜3人は女の影がつきまとってた、と思う。
カノジョとかはよーワカランが」
隠すのもヘンだし、本人を目の前にして遠慮するのもかえっておかしいし、
思い切って市井も言う。
175 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月23日(月)22時59分24秒
「んあ…圭ちゃん、やっぱモテんだね」
後藤はまた感心したように目を丸くした。
「もっとも、自覚はないようだけど?」
アタシと違ってさ、と市井はニヤニヤ笑って付け加えた。
「自分では『モテない』って思ってんだから、タチ悪ィよなぁ〜」
市井は何故か楽しそうに言い、そのへんに置いてあったドラムスティックで
テーブルの端を叩きだした。
「いちーちゃんはさ」
「あ〜?」
「ごとーがカオリみたくいちーちゃんの知ってるひとと付き合ってたらどーする?」
「…どーするも何もおめー昔付き合ってだろ。ナニ言ってんの、今更?」
「…そんなんじゃないもん。いちーちゃんのハゲ」
「またハゲて…」
後藤は席を立ち、アヤカのほうに向かい
「ごとーコンビニ行くけど、何か買ってくるモンある?」
と尋ねた。
「あ、それじゃおいしそうなゼリーあったらお願い。あと、ペットの紅茶と」
小銭を渡すアヤカ。
「んあ、紅茶とゼリーね」
アヤカから500円玉を受け取ると、後藤はさっさと部室を出た。
「てオイ!アタシにはナンも聞かねーのかよ!」
市井は怒鳴った。
「ハゲには何にも買ってきてやんない」
後藤の声が、扉越しに聞こえてくる。

「…いいよ。笑いたければ笑えば?」
市井は憮然とする。
肩を震わせていたアヤカだったが、やがてこらえきれなくなって派手に吹き出してしまった。
176 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月23日(月)23時00分25秒
その夜。
バイトを終え、帰宅したアヤカはポストに何通かクリスマスカードが入ってるのを見つけた。
大半がエアメールで、その中にミカからのものもあった。
部屋で封を開ける。

『I Wish you a Merry Cristmas and A Happy New Year!』

文面はいたって普通のものであったが、隅にごくごく小さく『I miss you 』と付け足してある。
実はまだミカはクリスマスプレゼントの件でゴネており、アヤカはちょっと様子を見ようと最近
連絡を控えていた。
隅に書かれていた本音に、くすっと笑う。
今目の前にいたら、何も言わず抱きしめたい。
彼女の香りを思いっきり吸い込んで、ぬくもりを分け合いたい。

「ハワイはやっぱ、遠いわね。当たり前だけど」
カードをひらひらと揺らし、改めて距離の遠さを思う。
何かあった時、そばにいてやれない。
自分がツライ時も、ひとりで耐えなければならない。
こういう時、保田たちのようにいつでも会える関係がうらやましい。
昨日飲んだ時も、保田は『今、幸せよ』と酔ってうれしそうに言った。

「…電話でもしよっかな」
ベッドに寝転んで、アヤカはミカのカードを上にかざした。
177 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月23日(月)23時03分14秒
―――中澤家

「へい、これ使ってくらさい」
辻が洗濯したばかりの自分のエプロンを、加護に渡していた。
居間でテレビを見ていた裕子は、
「なんや、料理でもするんかいな」
と言った。
「ううん。バイトするんです、タンポポで。ののが旅行する間」
加護が答えると、辻もコクンと頷いた。
「へえ、ピンチヒッター?」
ちょうどお茶を淹れてきた梨華も興味を示す。
「そうや。ウチもちょっと社会を知ろうと思て」
「それはエエけど、お母さんは大丈夫なんか。大変なんちゃうん?」
加護の母は今、妊娠している。
そのことを裕子は言っていた。
「はい、お腹の赤ちゃんも順調みたいやそうですし。あ、ウチもクリスマスとか忙しいピーク過ぎたら
実家帰りますんで」
「頼りになるピンチランナーれす」
辻はニコニコ笑う。
「走るんやないで」
加護はあきれたように見、渡されたエプロンを丁寧にたたんだ。

178 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月23日(月)23時04分26秒
「あいぼん、どうしてバイトする気なったんだろうね」
辻加護が出て行った後、梨華はそれとなく裕子に言った。
「さあ…まあ、エエ勉強になるんちゃうか。矢口のトコなら心配することないやろし」
ナンなら、ウチかみちよが時間あるときに様子見に行ったらエエし。
裕子はそう続けた。
それを聞いて、梨華はくすっと笑う。
「ナニがおかしいねん?」
「うん、やっぱ裕ちゃんもなんだかんだ言っても、お人好しだなぁと思って」
裕子は苦笑いし、早よ寝えや、と言い残して部屋を出て行った。


―――時は遡り、その日の夕方。喫茶タンポポ

「辻の代理でバイト?」
矢口は伝票から顔を上げた。
加護は
「ハイ」
と頷く。
「まあ、こっちは助かるけど…お母さん、大丈夫なの?帰ってあげたほうがいいんじゃ」
矢口も辻から加護の母のことを聞いていたので、いたって当然の意見を述べた。
「ののもそう言ったんれすけど、あいぼんがどうしてもって言うんれす。
矢口さん、ののからもお願いれす。あいぼんをののがいない間、雇ってあげてくらさい」
辻も加護の横で頭を下げた。
ぴょこんとツインテールが揺れる。
「う〜ん…はっきり言ってキツイよ?体力いるし」
腕組みして矢口は言う。
「覚悟してます」
「お客さんに怒鳴られることとかあるかもしれないし」
「ハイ」
矢口はしばらく考えていたが、奥からごそごそと大学ノートを取って来て
「了解。これに来れる日、書いてくれる?」
加護にペンとともに手渡した。
辻はうれしそうに八重歯をのぞかし、ポンと加護の肩をたたいた。
179 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月23日(月)23時06分28秒
更新しました。
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ´ Д `)<んあ〜、作者もライーブ行きたくなったって〜

ゴチーンライブ楽しかったようでよかったですね。大谷嬢は本当にマサオと呼ばれてます。
自分でも言ってるし。私もメロソはマサオ推しです。1.5番が柴っちゃんという具合で。

>クロイツさん
( ゜皿 ゜)¶<ネェ カマッテ

酒は人間から理性を失くしますよね(ニガワラ お友達、イカしてます。(死語)
いちーちゃんの暴走に、横で眠気に耐えていたアヤカ嬢もさぞかし呆れていたかと。

>(黒^▽^)改めブラッククロスさん
( ゜皿 ゜)ノ<ウエートレスノゴトウニモエーーーーー!!!ガンガレー!!!

ゴチーンの言った道具は、ドラヲタの方に「ソレかよ!」と突っ込まれるような渋めのものを
チョイスしますた。ドラサイトで検索までして。市井はまるで記憶にありません(Yロウは使ってません)。

>南風さん
(;`.∀´)<アタシは早目に帰ったけど、紗耶香は相当飲んだくれてたみたいね

暴走した市井は誰にも止められません。ヤスがグーパンでもしない限りは。
てか、誰も止めようともしないんですけどね(w 塙氏の埼玉バージョン、確かにすごいですよね。

180 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月23日(月)23時07分29秒
>あおのりさん
(0^〜^)ノ<彩の国、彩ガールひとみでぇーす!←裏声

はい、ライーブのつなぎでベンベン弾きながらやってます。よすこワンマンショーです。
AAは試行錯誤の末、ああなりますた。喜んでいただいてアリガタキシアワセ。どうもです。

>73さん
川*・-・)ノ<ハイ…進んでおります。完璧に

2人とは…の〇あいでしょうか、い〇ごまでしょうか。どちらとも大した変化はないのですが…(w
確かに紺野さんがひとりでずんずん進んでますね。どうなる、小川!?
181 名前:ブラッククロス 投稿日:2003年06月24日(火)21時16分15秒
更新乙です。
( ´ Д `)<いちーちゃんのハゲ   ヽ;^∀^ノ<またハゲて…
最高ですた。このからみはたまらないものがあります。
( ‘д‘)さんのバイトの行方は・・・
次回も楽しみにしてます。

あと、稚拙な私の文章読んでいただきありがとうございます。
よろしければこれからもどうぞよろしくおながいします。
182 名前:73 投稿日:2003年06月25日(水)04時00分31秒
わーい更新だー。

保田は…そうか、タチ悪いのか。かっこよくてうれしい。
紺野はもう、小川を殺人ベアハッグなんでしょうな。小川、かわいそうに。

えーと。
「二人」とは、まあその二組どちらも、のつもりでございましたが…
やっぱり加護はちゃんと進んでるなあ。オトナだわ。
くらべて市井、君にはね、ちゃんと覚悟決めて進もうという気合が感じられんよ。
シャラガムあげようか?
183 名前:南風 投稿日:2003年06月25日(水)11時21分27秒
更新お疲れ様でした。
なんかいちーちゃんある意味カッケ−(苦笑)
そしてそんなことを聞いたごっちんもまたカッケ−YO!

話しは全然違うんですが、やすラスコンのDVD見ました。
もう涙が止まりません。
ここのと合わせてさらに圭ちゃんファンになりまし!!
184 名前:クロイツ 投稿日:2003年06月25日(水)17時31分32秒
ハゲないちーちゃんが素敵です。ごっちん…最高…!!
そしてあいぼんのバイト!!初、になるんですかね?わくわく。
心配性でやさしい裕ちゃんに、思わずホロリとしてしまいました。

 次回も楽しみにしております!!
 がんがってくださいねー!!
185 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年06月27日(金)04時16分58秒
いいですね喫茶タンポポ。ミニモニの3人( ´D`)( ‘ д‘)(〜^◇^)がいる喫茶店なら毎日珈琲を飲みに行きたいです。
川’ー’川<あの〜今のミニモニはあたしもいるんですが。
(;´D`)(;‘ д‘)(〜;^◇^)<あっ!(忘れてた。)
川;’ー’;川<福井にいるから出番少ないし、あさ美ちゃんはまこっちゃんにお熱だし…
川;・-・)∬∬;`▽´)<ギクッ!
川;’ー’;川<里沙ちゃんはペリーのことを、ピン・チャポーて書くし!
(; -e-)<…いや、関係ないじゃん。
とにかくがんばれ愛ちゃん。

先日楽器店でグレッチを見ましたが、目が飛び出そうな値段でした。さらにネットでホワイトファルコンを見たら…(; ゜皿 ゜)
僕の愛器はCASIOのキーボード(6万)ARIAのアコギ(1万5千)です。好きなアーティストは槇原敬之、KAN(アップフロント所属で現在パリで語学勉強中。確か1曲娘関係で曲を提供してた。)この二人に憧れてキーボード・ピアノを弾きながら歌うスタイルを現在練習してます。
好きなバンドは(´ー`・)の大好きなJUDY AND MARYのファンでした。解散したので今は好きなバンドはないです。
186 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月28日(土)04時37分24秒
いちごまは進展しないのでせうか・・・・・・。
マ、マターリ待つさマターリ・・。
187 名前:紅屋 投稿日:2003年06月30日(月)18時56分27秒
はじめましてです。
今までずっとROMってたんですが自分もスレを立てた記念にカキコさせて頂きました。
黄板でやっております。ペコリ
なんというか文とか雰囲気とかが暖かくてついつい来てしまうところです。
もちろんAAも楽しみで楽しみで・・・。
これからもがんばってください!
188 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月30日(月)23時15分11秒



アヤカはバイトを終え、帰宅した。
シャワーを浴びる前に、電話の留守電ランプが点滅してるのを見つけ、再生してみる。

『アヤカ?ミカです。また連絡するね』

自分が帰ってくるほんの10数分前の電話だったので、すぐかけてみた。

『もしもし?』
「ミカ?ごめん。あたしだけど、電話くれたんだね」
『うん…いいよ。大した用事じゃないから』
「そう?あ、カード届いたよ。ありがとう」
『あたしも、カードのお礼言おうと思って。ありがとう』
「うん」
そこで会話が途切れた。
アヤカはミカが今多分困ったような、複雑な顔をしているだろうな、と考え、小さく笑った。
やがて、
『アヤカは、あたしがいなくても平気なんだね』
ポツンとミカが言った。
「なに言ってんの?…どうしたのよ」
さすがに、アヤカも冷静でいられなくなる。
しかしいつもの『妹をなだめるクセ』が出て、笑いながら、
「おねーちゃんがいなくてさびしいのぉ〜?」
とふざけて言う。
言った後、
(あ…またコドモ扱いしちゃった。怒るだろうな〜)
と『あっちゃ〜』という感じで後悔する。
『あたしたち…恋人だよね?』
ミカは怒ってはいない。
しかし、努めて冷静な声を出そうとしてるのが電話越しでも分かり、アヤカは『マズい…』と思う。
ストレートに『妹扱いしないで!』と怒鳴られるほうがまだマシだった。
189 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月30日(月)23時25分38秒
「うん…あたしにはたったひとりの恋人のつもりだけど?」
『なんか…信じらんない。アヤカは…本当にあたしが好き?』
「もう〜。どーしてそんなコト言うのよ〜。誰かさんがクリスマスのことでゴネるから
こっちも困ってんのにぃ〜。嫌ってたら、こんなにどうにかしようって思わないわよ」
『従妹っていうのを別にしても?』
「…ミカはあたしにどうしてほしいの?」
電話の向こうが沈黙に包まれる。
やがて啜り上げる音が聞こえてきた。
『もう切るね』
と一方的に切れてしまった。

「…カンベンしてよ」
受話器を握ったまま、アヤカは脱力した。



バスタブのふちに腰掛け、アヤカはタバコをふかす。
艶消しの金色の蛇口から、ほとばしるようにお湯が出てくるのをじっと見ていた。

『アヤカは本当にあたしが好きなの?』

「…ひとをここまで困らせといて、『好きなの?』もなにもないでしょーが」
手の平をお湯に入れ、ぱしゃぱしゃ音をたてかきまぜる。

『ミカはあたしにどうしてほしいの?』

自分の言ったことが、ミカに何も言えなくなって電話を切らせるくらいの波紋を与えたようだ。
寂しい思いをさせてるのは充分すぎるくらい分かってる。
だから、子供の頃からずっと妹のように可愛がってきた。
190 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月30日(月)23時27分53秒
『アヤカ、おとなになったらハワイでいっしょのおうちにくらそうね』

ミカが子供の頃言ったことを思い出して、アヤカは天井に向かって大きく煙を吐いた。

翌日。

その日は夕方からライブの練習だった。
ゆうべの電話が尾を引いているようで、アヤカはいつになく失敗が多い。
普段なら、まずないような凡ミスばかり。
アヤカの不調に、他のメンバーは顔を見合わせた。
「圭ちゃ〜ん」
裏声を出し、市井はギターを置いて保田にじゃれに行く。
「あ〜?なによぉ〜?」
「アタシ、アイス食べたぁ〜い」
「ごとーもぉ〜」
「よすこもぉ〜」
後藤と吉澤もそれに続いて、じゃれに行く。。
市井の気持ちをそれとなく察したようで、保田は自分のエルメスの財布から千円札を出し、
「ホラ、これで買ってきな」
と背中にまとわりついてる市井に手渡した。
「千円だけ?」
市井は保田が静かに自分の拳に息を吹きかけてるのを見て、
「あわわわわ…行ってきます!後藤、吉澤。行くぜ」
慌ててスタジオから転がるように出た。
「んあ」
「合点っす!」
ふたりも走って出て行く。

191 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年06月30日(月)23時29分06秒

「さて」
保田はパイプ椅子の背の方に向かって座り、アヤカのほうに向き直った。
アヤカはじっと保田の顔を見る。
「…ことばってさ、難しいね」
アヤカはぽつんと言った。
「それがケンカの原因?」
保田はタバコをくわえ、そのへんにあった市井のZippoで火をつけた。
「まだなんにも言ってないのに」
アヤカはちょっと笑った。
「アンタ、普段そんなこと考えないじゃんよ」
「そっか…そうだよね」

「アタシさ」
やがて、アヤカは口を開いた。
「うん?」
「今まで、ちゃんと恋愛してこなかったのかも。色んなひとと付き合ったけど、
イヤなこととかぶつかってこなかったし。相手が年上ばっかだったのもあって、
自分からぶつかるっていうのもしなかったし」
圭ちゃんをのぞいてね。
付け足しのひとことに、保田は思わずタバコにむせそうになる。
アヤカは悪戯っぽく笑う。
保田はタバコを消した。
アヤカと顔を見合わせて、苦笑いする。

「圭ちゃんはいいよなぁ〜。寒いときはあっためてくれる奥さんがいるからぁ〜」
「奥さんて…まあ、悪い気はしないけどね」
市井たちがコンビニから戻ってくるまで、保田はアヤカから冷やかし攻撃を受けていた。
192 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月30日(月)23時33分21秒
更新しました。

川‘.▽‘)||<で、圭ちゃんって受けなの?攻めなの? (`.∀´;)<ぶつよ?

レスのお礼です。

>ブラッククロスさん
( ´ Д `)<いちーちゃんのクセにナマイキだよね〜 

いちーちゃんはハゲハゲ言われ続けて早や十何年、てな感じです。
あいぼんはバイトを何かのステップにしたい模様。市井と違って(w、大人になりつつあります。

>73さん
ヽ;^∀^ノ<が、がんばってるつもりなんだけどね…

高校生に負ける市井って一体(w。シャラガム噛んだら、間違った方向にヤツはガムシャラに
なるとオモワレ 保田は昔から鈍いんです。昔は他人の色恋沙汰にも気付かなかったようで。

>南風さん
( ゜皿 ゜)ノ<ヤスヲタ ハケーーーーーン!!

ええ、いちーちゃんはある意味カッケーんです(苦笑)。そしてもっとカッケーゴチーン。
ヤスラスコンDVD、実はまだ買ってません(汗。給料出たら買おうと思ってます。

>クロイツさん
( ‘д‘)<ウン、バイトは初めてやねん

姐さんのことだから、ミチャーソをパシらせてでもあいぼんの様子を見に行くことでしょう。
それにしても( ´ Д `)<いちーちゃんのハゲ はなんでこんな食いつきいいんでしょう(w?
193 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年06月30日(月)23時34分08秒

>ヨッスィのタマゴさん
川’ー’川<作者がベンジーヲタやから、市井さんはグレッチ使いなんやよ〜

タンポポはマターリなごみ系喫茶店なのです。楽器が弾けるっていいですね。
私は歌も楽器もてんでダメなのでうらやましいです。あ、マッキーは『北風』が好きです。

>名無しさん
ヽ;^∀^ノ<ホント…発展すんのかな〜。シンパイナッテキタ…

マターリお待ちください(w 三歩進んで二歩下がるって歌にもありますが、市井の場合は
二十歩進んで三十歩、四十歩下がってる気が…(汗。

>紅屋さん
( ´D`)<初レスありがとうなのれす〜

どうもありがとうございます。自分では分かりませんが、なごんで頂けてるのなら幸いです。
小説今度読ませて頂きます。おたがい、がんがりましょう。
194 名前:南風 投稿日:2003年07月01日(火)01時23分11秒
更新お疲れさんでした。
相変わらず圭ちゃんカッケ−!!!!
ってかここのバンドのメンバー最高ですYO!
優しさ満点愛満点。
いや〜いいですねぇ。
ここの小説読んだ後は安眠しやすいです(w
次回更新も楽しみに待っています☆
195 名前:クロイツ 投稿日:2003年07月01日(火)15時22分53秒
オトナ全開な保田さんが素敵過ぎて…もう、叫びだしたいくらいれす(爆笑)
おこづかいもらってアイス買いに行く三人も可愛過ぎるっ!!
そしてミカちゃん!!何気に大好きな彼女の可愛らしいすね具合に、ニヤニヤしてしまいますた。

次回も楽しみにしてます!!
196 名前:わく 投稿日:2003年07月01日(火)22時18分35秒
もぉ〜〜!!
この作品ずっと読んでますが、だだだだだだだいすっき♪♪
いっつも更新楽しみにしとりますよ!!
ごまべーぐるさん、これからも頑張って☆
いしよしの甘々も久々にみたい♪
それと、いちごまの展開がめっちゃ気になるわくでした!!
197 名前:73 投稿日:2003年07月01日(火)22時46分19秒
ageられてたのでochiでレス。

更新お疲れさまです、
ああ、このカップルが一番遅れてるかなあ。まーなにしろ遠距離だし。
いや、違うか。両方悪い。
「本当にあたしが好き?」
「どうしてほしいの?」
はどっちも究極の禁句だって。答えようがないじゃんか。

そこにさすがの保田。かっこいいなー、つくづく。頼れる姉貴がいて良かったね、アヤカ。
グーパンくらわないで良かったね、市井。でも気合入れてもらうのもいいかもよ。

>>196わくさん、レスはageまたはochiをおすすめします。>>110参照ね。
198 名前:73 投稿日:2003年07月02日(水)20時06分08秒
>>197
「ageおすすめ」ってなに真逆言ってるんだー。「sage」です、もちろん。
汚してしまった…作者さん、みなさん、本当にごめんなさい(土下座)。
199 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年07月03日(木)01時44分31秒
更新おつかれっす。いつもおもろいです。
そろそろ(0^〜^)(^▽^ )にも修羅場がくるのでしょうか?

27時間TVで見たほのぼの風景
9:00頃、折り鶴の折り方を教える梨華ちゃん。
うんうん。>(0^〜^)(^▽^ )<ひとみちゃん、こうやって折るんだよ
深夜、漫才を見て笑う2人
(^〜^0)(^▽^ )    川‘ー‘)||( `.∀´)
なっち&矢口で〜す。>(〜^◇^)(´ー`・)<緊張したべ。
小説のカップルがそのまま2ショットで映ってたのでなんかうれしかったです。特にヨッスィと梨華ちゃん。
あと、心配なのは…
∬∬;`▽´)<あいたたた。(ぎっくり腰)
200 名前:紅屋 投稿日:2003年07月05日(土)13時37分25秒
圭ちゃんかっこええ・・・(ぽつり
なんかさりげない動作がいいっす。
財布からお金出すとか、タバコに火つけるとかぁ。
バンドメンバーもいい感じでした。
201 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月06日(日)20時54分49秒
―――中澤家

加護は今日一日、辻とともに喫茶タンポポのバイトに入り、色々仕事を教わった。
慣れないことばかりでへとへとになる。
矢口や辻のフォローもあり、元々加護自身も機転が利く方なのでどうにか仕事をこなせた。

「ハァ…疲れたわァ〜」
夜、加護は自分の部屋で冬休みの宿題を片付けていた。
ちなみに、まだ冬休みは始まっていない。
面倒なので、今から片付けているのだ。
一段落ついて、台所でホットココアを入れてくる。
以前梨華が、ディズニーシー土産に買ってきてくれたマグカップを愛用しているのだ。

『ホンマサービス業ってタイヘンやわ。
忙しいときは立ちっぱなしやし。
のの、ぜんぜんそう見えへんけど、結構体力使っとるんやろうなぁ〜。
ちょっと見直したワ』

辻はお客には常に笑顔を振りまいていた。
『お嬢ちゃん、また来るワ』
一見強面の男性客も、辻に笑いかけ機嫌よく帰って行った。
加護は老婦人から何故かアメ玉をもらい(手伝いの小学生と思われたのだ)、
礼を述べたものの何か釈然としないものを感じながら、休憩時間に辻にも分けてなめた。
202 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月06日(日)20時56分39秒
「冷えるな…エアコンの温度上げるか」
母に縫ってもらった綿入れの半纏の前を合わせ、ぶるっと震える。
机の携帯が鳴った。
紺野からメールのようだ。
『 川*・-・)<今日、小川さんと一緒に帰りました。コンビニで肉まんを買って食べました。
        その後、マックでハンバーガーを食べて、追加でまたハンバーガーを食べてそれから…』

「そうですか…」
画面をスクロールして、加護はためいきをついた。
デートの報告なのか、ただの食い放題レポなのか。
どうにも返事に困るメールだった。

『よかったね』

すぐ送信し、パタンと携帯を折りたたんだ。

『〜♪』

「早ッ!もう返事きたんかい!」

『川*・-・)<小川さんはマックのセットでコーラを召し上がり、
       わたくしはミルクティーにいたしました。それから…』

「いや…もうエエて。好きなん飲んでェな…」
加護はぐったり疲れ、携帯を放り出し宿題の続きにとりかかった。
203 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月06日(日)21時04分46秒
疲れているのか、いまいち宿題がはかどらない。
シャーペンもさっきから芯が折れてばかりいる。

「ここでこのXが…ああ!また折れた!」
舌打ちし、黒くなったところを消しゴムでこする。
余計黒くなる。
「消しゴムかけてよけえ黒なるてどないやねん!怒るでしかし!」
かけていないがメガネのふちを指で上げるようなマネをし、加護はひとりでツッコむ。
いまいましい思いをしながら、またゴシゴシかける。

「やぁだ〜、ひとみちゃぁ〜ん」
あの声は。
吉澤が帰ってきたようで、廊下で梨華とじゃれている。
「もうぉ〜」
梨華の甘ったるい声に、吉澤も嬉しそうに『カッケー!』と笑う。

ボキッ…。
また折れる。
加護は大きなためいきをつき、カチカチとノックし芯を出そうとする。
「…出ェへん」
どうやら、シャーペンごと壊れたようだ。
芯を入れ替えたばかりなのに、中で詰まって出てこない。

「『やぁだぁ〜、ひとみちゃぁ〜ん(はあと)』」
「『カッケー!』」
ひとりでそれぞれ声色を変えて小芝居をし、加護は
「…エエねぇ〜、お若い方は」
頬杖をついて壊れてしまったシャーペンをくるくる回した。
「♪ポキポキポッキー シャーペン芯折れまくってポキキキキー」
疲れのあまり、キワモノな替え歌まで作る加護だった。
204 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月06日(日)21時05分55秒
その頃。平家宅。
裕子は平家に肘枕されて、ウトウトしていた。
久しぶりに会った平家はいつにも増して情熱的で、裕子はさすがにくたびれてぐったりした。
「姐さ〜ん」
「ん〜」
呼ばれた裕子は薄目を開ける。
「姐さんさ、クリスマスとかちょっと時間ない?」
「えー…なんやの?」
少し頭を上げて、平家の腕から外れる。
「いやホラ、ウチ、25の夜以降カラダ空くからさ。
ドライブでもせえへん?イルミネーションでも見に行こうな」
「…なんや、デートみたいやな」
そうやね、と平家は少し笑った。

付き合い始めて半年になるが、裕子はまだ自分に「好き」とは言っていない。
多分、生涯ない台詞かもしれない。
『まあ、そばにおられるだけエエか』
平家は髪をかき上げ、毛布から裸の薄い肩を出している裕子を抱き寄せた。
「風邪ひくで。いくらみっちゃんがぬくめてるからて」
「…あほ」
裕子は、目を閉じて平家の胸に頬を寄せた。
205 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月06日(日)21時09分04秒
更新しました。
27時間テレビ深夜のお笑い録画見ながら更新。
深夜はあのグダグダ感がたまりません(w

レスのお礼です。

>南風さん
( `.∀´)y-~~<フ…『世界のヤスダ』だもの

さりげに優しいメンバーなのです。アヤカが不調って滅多にないことでもあるので。
安眠ですか(w どうもです。恐れ入ります。

>クロイツさん
( `.∀´)y-~~<ホホ、叫んでもよくってよ?

でもよく考えたら5人分で千円て結構ギリッだったり。
ミカはやっぱり妹ってのが抜け切れなくて、おねーちゃんに甘えてるんです。

>わくさん
(0^〜^)ノ<オイラも甘々したい〜

楽しみにしてくだすって、有り難いです。どうもです。何分駄文なので、レスはsageかochiで
おながいします。いちごま…がんばります(w

>73さん
川;‘.▽‘)||<ついあんなこと言っちゃって…
 
「私と仕事とどっちが大事なのよ」レベルのワガママです、どっちも。
フォローどうもです。頭を上げてくだされ。いつもありがとうございます。

>ヨッスィのタマゴさん
(0^〜^)っ¶<ツル、折れるようになったYO!

いしよし折り鶴は見逃してしまいますた。てか、そこは録画してません(泣
いしよし修羅場…うう〜ん、どうでしょう(w?

>紅屋さん
( ´ Д `)<んあ…不思議な雰囲気のオハナシ…

ヤッスーはカッケーんです。男子チーム代表だし(w
紅屋さんの後藤さん、かわいいっす。おたがいがんがりましょう。
206 名前:紅屋 投稿日:2003年07月06日(日)22時47分58秒
メニューの報告かつ返信のめっちゃ早い紺野さんに笑いました。
っていうか食いすぎですw
苦労人加護ちゃん最高!
207 名前:南風改め匿名匿名希望 投稿日:2003年07月07日(月)09時38分36秒
更新お疲れ様です☆
HNを一時変えたらこっちの方が自分の中で定着してしまった模様・・・なので今後はこれで
いきますです。
何だか2重生活送ってた気分で落ち着かなくて・・・(汗)

>「消しゴムかけてよけえ黒なるてどないやねん!怒るでしかし!」
普通に笑いました(w
本当私も同じこと思ってましたYO!!
消したいのに何でお前は黒くなるんだよ〜〜〜(号泣)
って感じで。製図の時とかまじ泣き寸前でしたもん(爆笑)

さりげないいしよしに激しく萌たのは私だけでしょうか(w
次回更新も楽しみにまってまぁす♪
208 名前:クロイツ 投稿日:2003年07月07日(月)12時42分22秒
ああ、学校だと言うのに、あいぼんさんの言動ひとつひとつに爆笑しております…。
爆笑こらえて小刻みに震えてるモンだから、隣に座ってる人(知らない人)にめっちゃ不審がられてます。
いやぁ、あいぼんさん最高…!!!
こんこんからのメールも、すっごくこんこんらしくてナイス!!

次回も楽しみにしております!!がんばってください♪
209 名前:73 投稿日:2003年07月07日(月)22時05分15秒
平家さん、中澤さん…あんたらがやっぱベストカップルだ!!
きれいでかっこよくて可愛げがあって、落ち着いてるのにドキッとして、
幸せで充実してて…隙がない。
高校生だの大学生だののガキども、オトナってのはこーゆーもんだ!
シャーペンの芯折ったりカッケーとかジャレてないで、見習うように。
210 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年07月09日(水)01時49分01秒
(0^〜^)ノ<メールで照れてる顔がかわいかったYO!
川*・-・)<いや、照れるだなんて。
結局500字に入らなかったのでメール2通送ったんですね。
( ´ Д `)<んあ〜。加護えらいね。いち〜ちゃんみたいな夏休みの宿題31日にやるお馬鹿さんにみならわせたいよ。

最近は新垣塾がおもろいです。
( ・e・)<道重ちゃん。石川さんと吉澤さん。吉澤さんを選んだ理由は?
从*・ 。.・从<この前のダンス練習のとき…

从*; 。.;从<オロオロ、ダンスワカンナイ。 (^〜^O)
(O^〜^)<オイラガオシエテアゲルYO! 从*・ 。.・从<ヨシザワサン
(^〜^0三0^〜^)
三三三(0^〜^)))
从*・ 。.・*从<だから…(ぽっ)
( ・e・)<なるほど。(さすが吉澤さん。もう新メンをオトスとは。)

( ・e・)<石川さんのジャンルは?A女優、B歌手、Cバラエティ
6期メン<C。バラエティと思います。
別室モニター( ;^▽^)<なんでよ〜?
(´ー`・)<じゃあナッチはどれだべか?
6期メン<ABC全部。だって安倍さんは完璧です。娘の顔です。エースです。
(´ー`・)<じ〜ん…(完璧。娘の顔。エース。完璧。娘の顔。エース。)
(´ー`●)<ナッチ、娘やっててよかったべ。この子達、すごくいい子だべ。
(;・e・)<(安倍さん結構単純なのね。)
211 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月09日(水)20時49分00秒
>♪ポキポキポッキー シャーペン芯折れまくってポキキキキー
爆笑です(w
( o^〜^)ノ<あいぼん、おちけつ
212 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月15日(火)00時13分51秒
加護は漢和辞典を本棚から出そうとし、辻に貸していたことを思い出した。
「のの、もう寝とるかなぁ。まあ、またネットでもしとるかもな」
辻は最近特に、オーストラリアに関するサイトを熱心に見ていた。
紺野と情報交換もしているようだ。
家族と会えるのも嬉しいし、初めての国に彼女は胸を躍らせている。

「の〜の」
一階の辻の部屋に行く。
ドアをノックしても返事がなかった。
そっと開けて入ると、辻はスーツケースに荷物を詰め込みながら、寝てしまったようだ。
床に横たわり、口を開けて爆睡している。
「あ〜あ…風邪ひくで」
とりあえずベッドから毛布を持って来て、そっとかけてやる。
辻のそばに何か紙切れがあったので取り上げてみると、
『おみやげリスト
あいぼん…あいぼんが喜ぶもの
あさ美ちゃん…オーストラリアのおかしとぬいぐるみ
まこっちゃん…Tシャツ(リクエスト)とおかし
飯田さん…キレイなもの』
という感じに、色々書いてあった。
「…びみょ〜。ウチのみやげ抽象的すぎ…」
「飯田さんにいたっては、『キレイなもの』て…」
保田の項目を見ると、ひとこと
『酒』
とあった。
具象的すぎる。
213 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月15日(火)00時15分42秒
裕子も同様だった。


失くさないように、机の上に置いてやる。
飛ばないよう、ペン立てを重しにした。
ふと机にあった書類に目をやる。
何処かの学校のパンフレットのようだった。
何となく、手に取ってめくってみる。
「これ…」
オーストラリアの高校の学校案内だった。
日本人向けに作成されたもののようだ。

「のの…」
辻は何も知らず、無邪気な顔で寝ている。
『何かの間違いやんな、旅行で行くだけやんな』
加護は慌ててパンフを閉じ、そのまま部屋を出て行った。

214 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月15日(火)00時16分35秒
翌朝。
裕子は早朝平家の家を後にし、そのまま帰って来た。
いつものように、朝食の支度をする。
帰るとき、平家はまだ眠っていた。
簡単な食事を用意し、起こさず家を出た。

「おはよ〜♪裕ちゃん」
梨華が上から降りてきた。
ヤケにニコニコしている。
「おう、おはようさん」
「もっとゆっくりしてきてもよかったのにぃ〜♪」
後ろから裕子の両肩に手を置き、梨華はニヤニヤと姉の顔をのぞきこんだ。
「あほ言いな。ホラ、食器出してんか」
「はぁ〜い」
梨華が裕子から離れて食器棚のほうに行くと、裕子の携帯が鳴った。
平家からメールのようだ。
『姐さ〜ん。何で起こしてくれへんかったん〜(;_;)
せっかくおはようのチューしようと思ったのにぃ〜。
PS 朝ごはんアリガト。コーンフレークに塩ジャケがシブイわ』
裕子はチラと一瞥すると、そのままエプロンのポケットにそそくさと携帯をしまった。
「平家さん、何て?」
「別にエエがな」
裕子は顔をしかめる。
「『愛してる』とか書いてる?」
「あほ」
ゲンコツで軽く小突くフリをして、裕子はまた食事の支度に戻った。
215 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月15日(火)00時36分11秒
アヤカは昼過ぎに村田の仕事場に向かった。
ここのところ出版社の編集部で雑務を片付けていたので、村田の顔を見るのも久しぶりだった。
「ふぁ…ひしゃしぶりだね〜」
村田は寝起きのようで、大きなあくびをし、伸びをする。
「ええ、あゆみちゃんはお元気ですか」
「ヤツは殺しても死なないよ」
「ハハ…すっごく仲いいんですね」
村田に淹れてもらったコーヒーを飲んで、ひと休みする。
その合間にも、村田は熱心にアヤカの横顔をスケッチしていた。
「何か悩みでもある?」
「え…」
唐突に言われたので、アヤカは面食らう。
村田はスケッチブックから目を離さない。
「どうして…分かるんですか」
「表情がね、少し」
村田はう〜んと唸る。
「憂いを帯びた美女ってのもモロあたしのストライクゾーンなんだけど、やっぱ悩みを抱えてるってのは
精神衛生上、よろしくないんでは?」
「ええ…」
「次のうちどれでしょう。A・恋の悩み B・恋の悩み C・恋の悩み」
「先生…選択の余地がありません」
アヤカは苦笑した。

全部話したわけではないが、アヤカは遠距離恋愛していること、相手は従妹だということを控え目に
言った。
「子供の頃から見てるから、やっぱつい妹扱いしちゃうんですよねー」
アヤカはまた苦笑する。
村田はそれをじっと見て、
「ホントに好きなんだねー」
としみじみ言った。
「え、ええ」
アヤカは少し照れた。
「姉の顔っていうより、オトナの女の顔してたよ。いいねえ、ホレたハレたってのは」
サラサラとスケッチを仕上げ、村田はサインをつけてアヤカに手渡した。
216 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月15日(火)00時39分12秒
はぁ…>川;‘.▽‘)||   (‐ Δ‐ )<モロストライクゾーン!


更新しました。
レスのお礼です。

>紅屋さん
(  ´д`)<おおきになぁ〜、ホンマ苦労してんねん ハァ…

紺野さん、マイペースに超早打ちでメールしたとオモワレ。はい、食いすぎです(w
いつぞやの『FUN』でガキさんが( ・e・)<あさ美ちゃんのメールはその日食べたものが全部書いてます
と言ってますた。

>匿名匿名希望さん
(; ‘д‘)<あの話の作者さんやってんな〜

今まで知らなかった…スマソ(汗)。面白いHNの人がいるな、とは思ってたのですが。( ´ Д `)ンア…
ここで言うのもアレですが、いつも読ませて頂いてます。いしよしはサービスです(w
 
>クロイツさん
川o・-・)<そうですか…わたくしらしいですか?メールも完璧です!

あいぼんさんは狙ってるワケではありません。素です(w 私も筆圧が強く、よく芯を折るのですが(汗
紺野さん、デート報告なのか食い倒れルポなんだか分かりません。(  ´д`)<…肉ばっか食ってんな
217 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月15日(火)00時39分56秒
>73さん
( `◇´)<ベストカップルやて ヽ从~∀~# 从<みちよのくせに!

ミチャーソのただならぬ努力のもとに成り立ってるところもありますが(w、理想の取り合わせなんでしょうね。
姐さんは好きだとか意思表示のことは言ってないんですが、居心地がいいようでそばにおります。

>ヨッスィのタマゴさん
川*・-・)<加護さんにお返事を頂いて…すぐお送りしました。早いお返事は礼儀のうちです

新垣塾、面白いですよね。私も楽しみにしています。そういや、ガキさんはなっちヲタだったなと思い出しますた。
(0^〜^)ノ←6期にも大人気 細かいネタまで覚えててくだすってて嬉しいです。どうもです。


>名無しさん
(  ´д`)<結構気に入ってたシャーペンやったのになぁ …ハァ

私も見たことあります、しかもつい最近(w 賞味期限は大丈夫なんだろうかと小一時間(ry
くだらない替え歌に受けて頂いてありがとうございます(w( o^〜^)<♪ポキキキキー
218 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年07月15日(火)20時54分33秒
更新お疲れ様です。
いや、こちらこそ何か中途半端に使い分けていて申し訳ないです(汗)

のの、気になります・・・何だろう・・・切なくなってしまうんでしょうか・・・
そして憂いを帯びた美女。
私も見事なストライクゾーンです(w
219 名前:クロイツ 投稿日:2003年07月15日(火)21時38分54秒
どどどどど、どうするつもりなんだ!!ののたん!!
なんかあいぼんの気持ちを考えると泣けて来ます…。がんばれあいぼん!!
 村田さんのストライクゾーンなアヤカさん。すっかり「オンナ」なアヤカさん。
 …素敵過ぎます
 ミカちゃんの事をどうするのか、激しく気になります。
からかいまくりの梨華ちゃんに、「オマエんトコはどうなってんだYO!!」と訊いてみたいです。激しく(爆笑)

次回も楽しみにしております!!
220 名前:あおのり 投稿日:2003年07月16日(水)18時43分40秒
姐さん朝ごはんメニュー渋すぎ、朝起きたときの平家さんの反応が見てみたいです
これも姐さん流の愛情表現なのでしょうか(w

まあ、某うたばんぐみでMCから「オメーはなに焼けんだよー!」って突っ込まれ
从#`∀´#从 <さかなっ!
って切れながら叫んでましたから、魚を焼くのは得意なんでしょう
221 名前:73 投稿日:2003年07月16日(水)19時19分38秒
村田さん、なんかかっこいいぞ。素敵だぞ。
もうベスト3入りのかっこよさだな。保田・柴田・村田で三強。
前に出すぎず鮮烈。コンドルのジョーだな。
222 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年07月20日(日)02時30分00秒
更新おっつ〜です。いつもおもしろいですが、今回はハラハラします。特に、ののとあいぼんが。
( ‘д‘)<のの…      ( ´D`)<ZZZZZ…

ハロモニでのシャッフル対決後の食べる娘たちがおもろかったです。
( ‘д‘)<ぷはぁ〜!ラムネうまいわ〜!
%川’ー’川<石川さん。そっち焼けちょるよ。  %(^▽^ )<お肉〜
%(´ー`・)<肉、うまいべさ!
从‘ O‘从<はぐはぐ。ん〜〜 (トウモロコシをカメラ目線でかじるあやや)
そのころ外では、何も食べれない11WATER
張り紙<何も取れなかった組は立入禁止
(# `D´)ノ川#・-・)ノがしっ(2人で剥がす)
(# `D´)ノビリビリ(破る)
(# `D´)ノ<まったく!やってらんね〜のれす!!
川#・-・)ノ<同感です!!
キレる大食いコンビ。(特にのの)
223 名前:紅屋 投稿日:2003年07月21日(月)01時15分34秒
辻加護の行方が気になる今日この頃。
幸せになってくれー!!
224 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月21日(月)10時42分00秒
紺野は学校で担任に通知表をいち早くもらい、体育館のそばで見ていた。
終業式の日はオーストラリアに出発し、ホームステイ協会の集合時間も早いため、やむを得ず欠席する。
そのため、終業式に配布する書類などを今日もらいに来た。
休み中の注意書きのプリントなどもカバンに入っていた。
辻は個人旅行で、終業式のあと行っても充分搭乗時間には間に合うので出席する。

通知表を見るとは言っても、いつもの通りオール5だった。
特に感慨なく眺め、所見欄にも目を通し、パタンと閉じる。
「「あ」」
ちょうど出てきた小川と目が合った。
「よう、休みじゃねーの?」
小川はジャージ姿だった。
部活のようだ。
「ハイ…休みですが担任の先生に用があったので…。
小川さんは、部活ですか」
「おう、今日はもう終わり。あ、それ通知表か?見ていい?」
見て楽しいものなのかどうか甚だ疑問ではあったが、紺野は頷いて手渡した。
小川は『よいしょ』と言い、体育館前の階段に腰掛けた。
紺野も続いて、制服のスカートの裾を気にしながら腰を下ろす。
「…すっげ。オール5…」
小川は小さく呟き、目を丸くする。
「なになに…『大変物静かで控え目ですが、とても芯は強く、真面目な努力家です』」
「声に出さないでくださいよ…」
所見欄を読まれた恥ずかしさに、紺野は頬を赤くして小川の手にある通知表を閉じようとする。
「ハッハ、アタシのも今度見せてやるよ。4とか3とか2とか、バラエティーに富んでるけどさ」
小川は屈託なく笑う。
彼女は自分の成績をさほど気にしてないようだ。
紺野は少しうらやましくなった。
225 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月21日(月)10時42分59秒
「いよいよだな、オーストラリア」
紺野は言われて、はっと我に返った。
「あ、ハイ。お、おみやげ…買ってきますね」
「そんなんいいよ。それよりー」
「ハイ?」
「うまくいくといいな」
小川は笑顔で紺野の肩をポンと叩く。
高橋のことを言っているのだ。
紺野は何故か罪悪感に囚われた。
「練習しよっか。紺野が本番でアガらないように」
「練習って…」
「決まってんじゃん。告る時のだよ」
紺野はカッと赤くなり、小さく震えだした。
小川はなんにも分かっていない。
意思表示していないのだから、当たり前なのだが。
それにしては鈍すぎる。
小川の何の迷いもない真っ直ぐな瞳に、紺野は怒りと嫉妬の両方を覚えた。
「アタシをそのタカハシさんと思っていいからさ。言ってみ」
小川に言われて、紺野はしばらく黙って俯いていた。
「…紺野?」
声をかけられ、紺野はようやく顔を上げる。
しばらく向き合う。
紺野の頭に、高橋のことはなかった。
それに気付いて多少の罪悪感はあった。
それでも、自分は今目の前のこのひとのことしか考えていない。
熱が上がるような、周囲の空気が変わるような圧倒的な緊張感の中で、
「…好き」
やっとひとこと、絞り出す様に口にした。
226 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月21日(月)10時44分26秒
「言えたじゃん、その調子その調子」
小川は、嬉しそうだ。
誰に向かって言ったひとことか、気付きもせずに。
「そろそろ…帰ります。部屋も片付けないと…」
「おう、アタシもダチと待ち合わせしてっから着がえて行くワ。
向こーで何かあったら電話しろよ、いつでもいいから」
また肩を叩いて、小川は行ってしまった。
叩かれた肩にそっと手をやり、
「…鈍感」
素直な感想を述べた。

彼女ものろのろと立ち上がり、歩き出した。
前から、加護が歩いてくる。
「加護さん…」
加護は挨拶せず、
「誰に向かって言った台詞なんか、多分気付いてへんと思うで。まあ、ウチが言うまでもないか」
不躾に言った。
「…見てたんですか」
紺野は大きな目を見開く。
227 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月21日(月)10時46分59秒
「あんな目立つトコおったら、誰でも分かるっちゅーねん。まったく」
加護は顔をしかめ、肩をすくめた。
「で、どーすんのよ。タカハシさんとやらに告るん?猪木アゴのほうがウェイト大きいのに」
「…分かりません」
紺野の俯いた顔を見て、加護は
「まあ、なるようになるんちゃう。ウチにはソレしか言えんけど」
じゃあな、と背中を向けて手を振り、すたすたと歩いて行った。


「ホラ!うまく撮れてんじゃん!」
女の子のはしゃぐ声に、紺野も加護も振り向いた。
携帯を見せ合っているようだ。
「これ送ったら、大ウケだろうね」
「紺野さんと小川さんだしね」
紺野はビクっとなる。
加護は無言で彼女たちに近づき、携帯を取り上げた。
228 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月21日(月)10時48分00秒
「ちょ!何すんの!」
彼女たちの非難の言葉は無視し、加護はディスプレイをしかめっつらで眺めた。
画面では、紺野と小川が見つめ合っている画像が出ている。
『熱愛発覚!』などとメールタイトルには打ってある。
幸い、まだ未送信のようだ。
素早くボタンを操作して削除し、彼女らに手渡した。
「…次やったら分かってるやろね」
加護は無表情だった。
それが相当怖かったようで、そそくさと彼女たちは去って行く。

「あ、あ…ありがとうございます」
紺野は力が抜けたのか、その場にへなへなと崩れそうだった。
「べっつにー。自分のためにしたんやないで。ウチはああいう無責任なウワサを流すヤツが一番
好かんからな」
加護は興味なさそうに、空を仰ぐ。
「それでも…ありがとうございます」
紺野はちょっと微笑んだ。

「カッコいい…」
その様子を見ていた、ある女生徒が加護に熱い視線を送っていた。
「絵里、行くよ」
友人に促がされ、彼女は
「うん。今行く」
と走って行った。
229 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月21日(月)10時50分27秒
更新しました。
レスのお礼です。

>匿名匿名希望さん
( ‐ Δ‐)ノ<ガツンとストライク!

ご賛同頂き、誠にありがとうございます(w 美女の憂い顔もまたオツなのです。
辻さんは…いずれ判明します。

>クロイツさん
川;‘.▽‘)||<どこから絡まった糸をほぐせばいいのか…

アヤカ姉ちゃん、どうやって修復しようか、思案中です。ハワイの彼女も気にしてるとオモワレ
いしかーさん、自分を棚に上げてからかってます。
 
>あおのりさん
( `◇´)<…姐さんのコトやから素やろうなぁ 

ミチャーソ、上記のような反応だったかと。ああ、そういやありますたねー。
>从#`∀´#从 <さかなっ!
某うたばんぐみで(w ヤスがよくCGで登場するあの番組で。

>73さん
( ‐ Δ‐) ノ<♪誰だっ誰だっ誰だーオレの弁当食ったヤツ

>保田・柴田・村田
すごいメンツですね(w 向かうところ、敵なしです。
村さんはひょろひょろで美少女ヲタですが、「分かってる」ひとなのです。

>ヨッスィのタマゴさん
( ´D`)<ハ!いけねーのれす!また床でうたた寝したのれす

辻さん、あいぼんさんの気持ちに気付いてればいいのですが。
シャッフル対決、笑いました。FUNでもご褒美が肉なのに笑いますた。

>紅屋さん
川o・-・)<センエツながら…わたくしもおふたりの幸せを祈っております

辻加護…どうなるかはいずれ…。
この前ハタと気付いたのですが、本物ももう高1なんですよねー(遠い目)。蛇足スマソ
230 名前:紅屋 投稿日:2003年07月21日(月)21時01分17秒
ついに六期が!?
亀井ちゃん可愛いですよね。正統派な感じで。
でも加護ちゃんとの身長差が・・・。先輩の方がちっちゃいんですよねw
231 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年07月21日(月)21時15分26秒
更新お疲れ様です。
あいぼんカッケ−YO!(0=〜=)<ウチの知らない間に成長したんだね・・・
何だか紺野を見ていてこっちまでどきどきしてしまいますた。
海外組がドラマを起こしそうな予感(どきどき)
次回の更新も楽しみに待っています♪
232 名前:クロイツ 投稿日:2003年07月22日(火)10時39分34秒
 鈍感なマコ!!鈍感なマコ!!鈍感なマコぉぉぉぉぉ〜!!!
 こんこんの告白に、どーゆー反応を示すのか…PCにかじりついて見守ってしまいました(笑)
 鈍感なマコに、釘付けです。
 かっこいいあいぼんにもときめいたのですが…やっぱり私は鈍感なマコが…(笑)
 さて、私は『鈍感なマコ』と何回言ったでしょうか?(爆笑)

 次回も楽しみにしております!!
233 名前:73 投稿日:2003年07月22日(火)18時30分02秒
更新お疲れさまです。
小川はいったいなんの教科で「4」を稼げたのか三日三晩問い詰めたい気分。
まあこんな「いいやつ」に惚れた弱みだ紺野くん。
紺野には悪いと思いつつ、高橋登場を心待ちにしてしまうワタクシ。
次回も楽しみです。
234 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年07月23日(水)01時43分25秒
( ‐ Δ‐)ノ<大人の美女もいいが、純愛してる女子高生の姿も美しい。

川*・-・)<ド・ン・カ・ン       ((∬∬`▽´)<♪
(女生徒)<紺野さんと小川さん『熱愛発覚!』だ。
( ‘д‘)<…
エンジェルチャーミー( ^▽^)<あいぼん、紺野ちゃんを悪い噂から助けるのです…助けるのです…助けるのです。
( ^3^)<エンジェルキッス。
(+ `д´)<ゴルァ!!まったく!最近の若者は良心っちゅうもんがないんかい!!メール消去と。
???<加護さんス・テ・キ!
从*・ 。.・从<そーいえば、あたし以外の2人の顔文字は出来てるのかな?
235 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月26日(土)07時22分09秒
「はぁ」
その頃。
後藤は授業を終え、帰路についていた。
少し離れたところで、市井が携帯をかけている。
「よう、待たせたな」
「んあ、いーよ。電話終わったの?」
「おう。行こぜ」
市井は携帯をコートのポケットにしまい、ギターケースを担ぎ直した。

「さむ…」
後藤が首をすくめ、ブルッと震えた。
風の強い日で、首元に冷気が容赦なくやってくる。
「おめー、マフラーどしたんだよ」
「部室に忘れた…んあ〜、寒い。寒すぎる…」
ジャケットの襟を合わせ、後藤はブルブルやっている。
「しゃーねーな。ホレ」
市井は自分のマフラーを外し、後藤の首に巻いてやる。
「あっは…あったかい」
後藤はふんわり巻かれたマフラーの感触を楽しんでいた。
「そっかそっか」
市井は上機嫌だ。
ふと横の自動販売機に目をやり、
「ココアでも飲むか。あったまるぞ」
ジーンズの後ろのポケットからごそごそと財布を出した。
ペーパーカップのココアを受け取り、後藤はふうふう言いながらゆっくり飲む。
「いちーちゃんは、たまーにオトナだね」
後藤は何とはなしに言った。
「そ、そっか?そうか、そうだよなぁ〜」
調子に乗る市井。
すぐ様追い討ちをかけるように、
「たま〜にね。たま〜に…」
後藤はそう言ってふにゃっと笑った。
「ソコ、強調しなくても…」
情けなさそうな顔をし、市井は自分の分のココアに口をつけた。
236 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月26日(土)07時23分24秒
保田は夕食後、リビングで本を読んでいた。
コンタクトを外したあとなので、メガネをかけている。
タイトルは『近代の復権 マルクスの近代観から見た現代資本主義とアソシエーション』。
ちなみに彼女は大学では経済専攻だった。
「おもしろい?」
後ろから、風呂上りの飯田がバスタオルで髪を拭きながら、ひょいと覗き込んでくる。
首を上げてちょっと振り向き、
「ん?うーん、趣味で読んでるワケじゃないし、面白いってのはないけど」
少し笑った。
「圭ちゃんって難しい本読むよねぇ。カオにはさっぱりだわ」
と言い、飯田は後ろから保田の首に両手を回す。
「てか、アンタは興味がないだけでしょうが」
「まあね。でも、自分のカノジョが読んでるものは興味があるかな」
飯田があまりにもさらっと言うので、
「―――ハァ。それはそれは」
保田は普通に照れ、うっすら染まった頬を本で隠しそそくさと読書に戻った。
237 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月26日(土)07時26分28秒
「圭ちゃーん…」
夜。
ベッドに入ってからも、保田はサイドランプを点け読書していた。
飯田は保田のパジャマの袖を引っ張る。
「もう寝る?消すわね」
メガネを外し、保田は本も置いて灯りを消そうとした。
「ううん、いいんだけど…。圭ちゃん、今なんか欲しいモンある?」
「え、あ。いや、別に…」
保田は言いかけて、
「…あると言えばある」
思い直してニヤっと笑う。
「何?」
「当ててみな」
「分かんないから聞いてんのに」
「ホホ!早速降参?アンタもまだまだねッ」
飯田はむーと口をへの字にし、保田のほっぺたを両方引っ張った。
「て、オイコラ!アンタ、コドモじゃないんだから!」
軽くぐりぐりし、飯田はやっとのこと解放する。
『まったく、アタシの美貌が…』と保田は頬を押さえぶつぶつ言っている。
「もう寝る。おやすみ」
布団を頭からかぶり、飯田は横を向いてしまった。
保田は苦笑いし、飯田の頭のあたりを布団の上から軽く叩く。
「カオー。拗ねてんの?」
「違うもん」
中から、くぐもった声が聞こえる。
238 名前:SILVER 投稿日:2003年07月26日(土)07時28分39秒
「アタシの欲しいモンは、いつだって決まってるわよ。てか、アンタも知ってるクセに」
肘枕をついて、保田は楽しそうに言う。
隣は変わらず布団の端から手だけ覗かせていた。
「…何?」
「そんなに言わせたい?」
「ん〜…」
ここで飯田は布団から顔を出した。
「…カオの欲しいモノは知ってる?」
「何?」
「…圭ちゃん、分かっててすっとぼけてるでしょ?」
保田はくすっと笑う。
飯田は背中から抱きつき、
「…誰かさんがいれば、それでいいよ」
耳元で囁いた。
背中側の感触と台詞に、保田は妙な気持ちになる。
「…あのぉ〜、飯田さん?」
「なにさ」
「こんなコトされると…ソノ気になるじゃん」
「え?」
「…アタシ、アレも近いし、その…クリスマスもじきだから禁欲中なのよね、今」
保田がボソボソ言うのも無視して、飯田は面白がって更にぎゅっと抱きつく。
「…スルーかよ。てか、わざとやってるでしょ?」
「カオ、何もしてないじゃん」
飯田はあくまでくすくす笑う。

…保田は溜息を吐いて、飯田のほうを向く。
禁欲は、あっさり破られた。
239 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月26日(土)07時30分57秒
更新しました。
レスのお礼は帰宅後させて頂きます。( ´D`)ノ<行ってくるれす

240 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月27日(日)08時38分28秒
川o・-・) <大将…味噌チャーシュー、味噌抜き、替え玉特盛りでひとつ

   ___
 c2___ヽ
  ∬∬`▽´)ノ<誰が大将や!ソリャタダノチャーシューメンダロウガヨ!カエダマハクッテカラタノメ!


※本文とは何ら関係ございません。

レスのお礼です。

>紅屋さん

ノノ*■ー■)<まだ名前しか出ていないので、音声も変えております

そうか、加護のほうがちっちゃいのか(w 6期は道重嬢が前スレの最後あたりでヒソーリ出てたりします。

>匿名匿名希望さん

(0^〜^)<(0=〜=)の顔文字、かっけ〜!

あいぼん、成長してます。いちーちゃんは相変わらずですが(w 海外組、どうなるでしょう?

>クロイツさん

川o・-・)<6回…でよろしいでしょうか?

マコ、鈍感すぎます(ニガワラ あんな熱い告白をされていながら…。鈍感なマコ、萌えてくだすったようでよかったです。

>73さん

∬∬`▽´)<え?家庭科と音楽は4だったぜ

あくまで5教科以外です。体育は5でしょうね、多分。紺野の進む道は果てしなく遠いとオモワレ

>ヨッスィのタマゴさん

川σ_σ|| <ねーちゃんはホント美少女ヲタだね〜

从 `,_っ´)が田中、ノノ*^ー^) が亀井だそうです。田中は从 ` ヮ´)←などもあるようです。


241 名前:クロイツ 投稿日:2003年07月27日(日)11時13分34秒
こんこん正解です。六回です。
 今回、かっけぇ〜いちーちゃんに「おお!?」とか思ったりもしたんですが…
最後の最後で保田さんにトキメキまくり。ごめんねいちーちゃん(笑)
 誘い受けな飯田さんにもドッキドキですつーか色っぽいのに可愛いってどーゆー事ですかっ!(爆笑)
(ちなみに石川さんは「色っぽい」んじゃなくて「エロい」んです。微妙に違うのれす。)

次回も楽しみにしてます!!
242 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年07月27日(日)19時52分53秒
( ´ Д `)たま〜にね。たま〜に・・・。
このごっちんに激しく萌たのは私だけでしょうか?
そしてその後のアダルトコンビ・・・(ブッ・・・←鼻血噴出)
もう読みながら萌まくりです。
いしよしじゃなくても萌まくりです。
ごまべーぐるさん最高ですYO!
更新お疲れ様でした。
次回の更新も楽しみに待ってます☆
243 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年07月29日(火)01時53分11秒
おつかれさま〜ずです。
( ´D`)<濡れた髪を拭くいいらさんは絵になるのれす。いいらさんは昔から長くてきれいな髪なのれす。
最近、シャンプーのCMも決まっていっそうきれいになったのれす。

うたばんのポーカー、おもしろかったです。
この2枚(0^〜^)( ^▽^)は組が違いますが、ある意味1ペアです。
この2枚从‘ 。‘从ゝVvV丿も組は違いますが残したいタカさんの気持ちもわかります。
(´ー`・)从‘ 。‘从ゝVvV丿川σ_σ||
娘。ソロ、メロンから集めたエースの4カードです。これにシャッフル外にある1枚を加えると。
(´ー`・)从‘ 。‘从ゝVvV丿川σ_σ||( ´ Д`)
ハロプロエースの5カードです。1回でいいからこんなポーカーしてみたい。
244 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月29日(火)23時53分00秒
翌日。

朝早く(といっても9時過ぎだが)、加護は裕子に起こされた。
「なんですのん、こんな朝早よう…ウチ、今日は朝ゴハンも予約してませんのに」
ねぼけまなこをこすりながら、加護は下に降りる。
半纏を着直し、『ふあ…ぁ〜あ』と大きなあくびをした。
「なんや、アンタのガッコから電話や。緊急らしいで」
裕子は眉を顰めた。
電話の相手の男が、ヤケに尊大でムッとしているのだ。
『どっかで聞いたような声なんやけど…どーしても思い出せん。ハテ?』
首を傾げながらも、裕子は加護に受話器を手渡した。
「ハァ、ガッコですか…なんやろ?もしもし、加護です。お待たせして申し訳ございません」

―――これが、加護のタイヘンな一日の始まりだった。



―――朝比奈女子高校。

「…失礼いたしました」
加護は職員室のドアを静かに閉めた。

『ハァ…2時間か。たっぷり絞られたな』

廊下の壁時計を見上げ、小さく溜息をつく。
245 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月29日(火)23時54分06秒
朝、学校からの電話で教師から詰問された加護は、思わず抜けた声で聞き返してしまった。
横で心配気に聞いていた裕子も『ハァ?』という顔になる。
教師の話ではこうだった。
加護が下級生を暴力で脅し、携帯を取り上げ、相手が抵抗したにも拘らずまた殴って携帯を壊した、
という疑いが挙がっている。
何人か証人もいる、とのことだった。

『ちょっと待ってくださいよ。その相手って誰ですか』
加護は大半の教師に対しては標準語を使っているが、この時は思わず関西弁で聞き返してしまった。
それがどうも相手のカンに触ったようで、
『とにかく、至急学校に来るように』
否応なく言い切られ、一方的に電話を切られてしまった。

「…ウチにできることやったら、力になるで」
裕子はぐしゃぐしゃと加護の頭を撫でた。
「…おおきに。すんません」
加護は情けない顔で電話を切った。

『ハラが減っては戦はできん、て言うからな』
裕子はそう言い、加護が着がえたり支度してる間、ヤケに豪華な朝食を作ってくれた。
そのことをのちに辻に話すと、『あいぼんだけずるいれす!』とムクれたくらいだ。
「こんなようさん食べれませんて」
温泉旅館や一流ホテルに張れるくらいの品数のおかずに、加護は唖然とする。
「食え!食って力出して勝って来い!」
裕子は力強く言い、ぐいっとデザートの林檎と蜜柑を突きつけた。
246 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月29日(火)23時57分52秒
『中澤はん…すんません。ウチ、ビミョーに負けましたわ』
朝の出来事を思い出し、加護は心の中で詫びる。

早々と処分は決まった。
自宅謹慎3日。
あくまで停学ではない。
一方的な通告に、加護は開いた口が塞がらなかった。

『君は将来有望な生徒だし、今回は初めてのことだし温情処分ということで…』
中澤家に電話をかけてきた国語教師が、ネチネチと回りくどい言い方で緩めの処分に感謝するようにと
言葉の裏に匂わせた。
『ウチが有望な生徒やなかったら、退学とでも言うんかい』
加護は内心『ケッ』と毒づき、それでも表面上は神妙にしてみせる。
「ありがとうございます…今後注意いたします。ご寛大な処分、本当に心より感謝しております」
誰にも知られないように、加護は棒読みで言いペコリと頭を深く下げ職員室を後にした。

「加護さん!」
廊下を歩いてると、後ろから理科教師に呼び止められた。
加護のクラスの副担任である。
担任の英語教師は昨日から出張で不在のため、代わりに今日の緊急会議に呼び出されたのだ。
「加護さん、君は理由もなく暴力なんて振るわないよな?何かの間違いだと信じてるよ」
「暴力は振るってませんが…携帯を取り上げて勝手にメール削除したのはホンマです」
「どうしてそう言わなかったんだい…今からすぐ行こう。僕も一緒に行くよ」
「…さいっしょから暴力振るたて決め付けてるひとらに、どう言うても一緒ですよ」
加護は自嘲気味に笑った。
「ありがとうございます。かばってくれて嬉しかったですよ」
「加護さん…」
「じゃ、よいお年を」
くるりと振り向いて、加護はまた歩き出した。
247 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月29日(火)23時59分53秒
加護が自宅謹慎になったというニュースは、すぐに広まった。
紺野が知ったのは昼過ぎだったが、そのときにはもう、
『加護さん、下級生を病院送りにして退学処分だって』と
メールの内容もとんでもないものになっていた。

『〜♪〜♪〜♪』
「ハイハイ…ピーマコはお昼寝中ですよぉ…」
小川は自宅のベッドにつっぷして、携帯の着メロを完全無視していた。
心地よい眠りに包まれ。
一旦切れ、また鳴る。切れる。また鳴る。
まるで怒っているかのように続く音に、小川は顔をしかめ、
「…もしもし?」
不機嫌きわまりない声で出る。
『小川さん!いるんなら早く出てください!』
電話の相手、紺野は物凄い勢いで怒り出した。
「…紺野?どしたんだよ?」
寝起きでボサボサの頭をかいて、ベッドに座り直す。
のん気な声にハラを立てたのか、
『よくそんな悠長にしていられますね!加護さんがあたしたちのせいで大変な目に遭っているというのに!』
「…へ?」
『とにかく、今すぐ学校まで来てください!』
いつもの三倍くらいのスピードでまくしたて、紺野はさっさと電話を切った。
「…なんなの?」
携帯を手に持ったまま、小川は呆然となった。
248 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月30日(水)00時05分23秒
更新しました。

∬∬;`▽´)¶<???   (`-´o川¶=3

レスのお礼です。


>クロイツさん
(#;0^〜^)<(#´▽`)エ、エロい…エロい…フンガッフッフ ←注:夥しい鼻血

色っぽいのに可愛い…そこがヤスのストライクゾーンでもあるのです(爆。


>匿名匿名希望さん
( ゜皿 ゜)っ□<テイッシュ アゲルノ

女子チームは小悪魔が多いと書いてて気付いたり…男子達は単純つーかなんつーか…いやはや(w


>ヨッスィのタマゴさん

( ^▽^)(0^〜^)( ´ Д `)川‘.▽‘)||川 ‘∀^儿

85年組とココナッツでフルハウスて、どでしょ? いいらさんCM、いいですよね。
249 名前:クロイツ 投稿日:2003年07月30日(水)10時30分40秒
こ、こんこんってば…こんこんってばかっこいい…
 しかし、あいぼんさんの潔さには頭が下がります。
 私も高校時代、今回のあいぼんさんとおなじよーな事があったんですが…
 色々と手を尽くして、逆に相手を自宅謹慎に追い込んだりしちゃいましたから…。
 あん時は、若かった…。
 あいぼんさんは大人ですね。見習え、高校時代の私(爆笑)

 次回も楽しみにしております!!ピーマコがどう出るのか…超楽しみです!!
250 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年07月30日(水)18時39分36秒
更新お疲れ様です。
そして( ゜皿 ゜)さんティッシュありがてう。
鼻血、無事止まりました。
クリスマス前、何だかあいぼん大変なことになってきましたなぁ。
高校生軍団がぞろぞろと動きだした感じで(w
そして唖然としているマコを想像し萌でした♪
251 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年07月31日(木)01時50分56秒
( ;´D`)<紺野ちゃんついに大爆発なのれす。
次回,あいぼんを救うのは?ノノ*■ー■)

ごまさん、特にアヤカさん川‘.▽‘)|| が気に入ってるようですね。
美人が好きな村ちゃん( ‐ Δ‐)ですが、僕は村ちゃん本人もかなりの美人と思うんですがね。
(0^〜^)川‘〜‘)|| ゝVvV丿川‘.▽‘)|| ( ‐ Δ‐)
僕の美形5カードです。
252 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月31日(木)22時11分30秒
紺野に携帯で起こされ、小川は慌てて学校へ向かった。
『わたくしは一足先に向かってます。駅に着いたら、連絡ください』
電車に乗り込む前、紺野からメールが来た。

『紺野…すっげー取り乱してたな。
あんな紺野初めて見た。
アタシも加護のこと、怒ってなくはないけど、なんだろ…紺野が何であんな怒ってるかって方が気になってる』
車内でつり革につかまり、窓の景色を見ながら小川は考えた。

駅に着くと、メールを送るよりも先に改札で紺野を見つけた。
「悪ィ!待ってた?」
息を切らせ、小川は走って駆け寄った。
「いえ…あの、先程は本当に申し訳ありませんでした」
紺野はペコンと頭を下げる。
「え、なにが?」
「電話で…怒鳴ってしまって」
紺野は泣きそうな顔をし、眉間にも皺を寄せる。
「気にすんなよ。いやぁ〜、びっくりしたな〜。紺野があんな早口で喋るなんてよー」
わざとヘラヘラし、小川は紺野の背中を叩く。
「ハイ…」
か細い声で答え、紺野はそれっきり俯いてしまう。
「とりあえず、行こぜ」
小川が声をかけると、紺野はハッと思い直したようで、
「ハイ!」
声は小さいが、力強く頷いた。
253 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月31日(木)22時13分15秒
「どーして加護さんが退学なんですか!」
「せんせー勝手すぎ!」
「てか、加護さんが殴るわけないじゃん!バカじゃない?」
ふたりが学校に着くと、職員室に付属中学の生徒も混じった一団が教師たちに詰め寄っていた。
「里沙じゃん」
小川は、眉を吊り上げて怒っている新垣を見て、声を上げた。
「あ!まこっちゃん!紺野さんも!」
ふたりに気付いた新垣は少し離れた場所で手を挙げる。
周りにいた生徒も、ふたりに目を向けた。
生徒達に押しかけられ、教師達はほとほと困り果てていた。
紺野は静かに一歩前に進み出て、
「退学というのは…デマだと思いますが、何故このような事態になったのでしょうか。
詳しく…お聞かせ頂きたいのですが」
その場にいる中で一番信頼できそうな、体育教師に言った。
「いや…それが」
教師は、学年主任の方を気にしながら口澱んだ。
学年主任は、朝中澤家に電話をかけた国語教師である。
何となく微妙な雰囲気を察した紺野は、
「そうですか…申し訳ございません。出過ぎた真似をいたしました」
深々と頭を下げ、後ろに下がった。
254 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月31日(木)22時17分18秒
「とにかく、加護亜依は退学じゃない。自宅謹慎処分だ。君たちもいい加減なデマを信じて勝手な噂を流さないように!」
学年主任が言うと、
『…勝手な噂を鵜呑みにして、一方的な処分を下した方のセリフとはとても思えません』
紺野は俯いて唇を噛み締める。
小川も、
『なにをぉ〜?ネゴトは寝て言えよ!』
目を見開き、呆れて何か言いたげに口を動かした。
他の生徒も不満なようで、何も言わないが一様にムッとしている。
「ホラ!用が済んだら出て行きたまえ!テストが終わったからと浮かれてる場合じゃないぞ!」
主任に大声で怒鳴られ、全員渋々と職員室を出る。

「てか、アイツマジムカつく!」
中学の生徒のひとりが、職員室を出るなり言った。
ムカつく〜、と他の生徒も同意する。
「あの先生、高校の先生だよね、まこっちゃん」
新垣は小川の方を向いた。
「あ、うん。国語の先生だよ。アタシは習ってないけど」
「…わたくしも習ってませんが、あの先生に美しい国語を習いたくないです」
小川にかぶさって、紺野は思いっきり毒を吐く。
「あ、ああ…そ、そうですね」
新垣はそのセリフに冷や汗をかく。
その様子を見て、
『ガキさんが…引いてる。いつも前に前に出るガキさんが…』
加護ヲタ仲間の同級生が目を丸くした。

とりあえず、その日はお開きとなった。
小川と紺野は他の生徒が文句を言いながら去って行くのを、無言で見送っていた。

「ウチらも…帰ろっか」
「ハイ…」
紺野は、彼女たちの遠ざかる背中を見つめたまま答えた。
255 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月31日(木)22時19分44秒

ふたりは何となく学校の近くの公園に向かい、どちらからともなくベンチに腰掛けた。
まだ4時過ぎだが、冬の陽はすでに穏やかに光を弱めていた。
「なんか…疲れたな」
小川はぽそっと言った。
「ハイ…」
「なんつーか…ウチら、非力だよな」
「ハイ…」
「小川さんって美人だよな」
「ハイ…かなりどさくさまぎれですね、完璧です」
「だってー、『ハイ』しか言わねーからさぁ」
小川はわざと口をとがらせ、ふざけた。
それを見て、紺野もくすっと笑う。

「あのさー」
「なんですか」
「紺野さ、何で今回のことでマジ切れしたん?いや、ウチらがああいうアホなことしたんが原因だって
わかってっけどさ。なんか…なんだろ?アタシ的にフシギっつーか…」
「加護さんを好きだからです」
「え…!?マジで!?…ふたまた?」
「…その好きじゃありませんよ」
紺野は小川の早とちりに苦笑する。
「『好き』にも…色々あります。恋愛の『好き』、友情の『好き』」
「あ、ああ。そうだよな。そっか…ビックリした」
小川は胸を撫で下ろす。
それを見てまた紺野は、『素直というか…ウソのつけないひとだなぁ』と思う。
「加護さんは…わたくしが初めて勉強で負けた相手なんです。とても尊敬してるんです」
「はぁ」
「初めてでした…自分より、実力のあるひとに巡り会ったのは。
分かります?負けたことが…すっごくうれしかったんです」
「へ?負けてうれしいの?」
『天才の考えることはわからねェ…』
紺野があまりにも目を輝かせて言うので、小川は頭の中が『?』だらけになる。
256 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月31日(木)22時23分06秒
「そうですね…例えるなら、小川さんが…チアリーディングですっごく強いライバルが現れて、
正々堂々と試合で戦って、負けたけどとてもすがすがしい気持ちになったような感じというか…」
「あ、あ!それならわかんぜ!そうだよなー、自分より強ェ相手ってナンカ燃えるよな!」
小川は『そっか、そっか』と頷く。
その嬉しそうな横顔を見て、紺野は微笑んだ。

「わたくしは…今まで自慢に聞こえるかも知れませんが、勉強では誰にも負けたことはありませんでした。
いえ…『勝つ』とか『負ける』とかいう次元で考えるのはとてもバカバカしいので、そういうこともあまり
考えないことにしてるのですが…。
とにかく、いつも一番だったんです。加護さんに出会うまでは」
「ほ、ほう〜」
『充分自慢だって…』
心の中で小川は軽くツッコむ。
「加護さんはわたくしにとても刺激を与えてくれるんです。正直、何のために勉強してるのか分からなくなることも
ありますから…」
「ふうん…そうなんだ」
意外な紺野の告白に、『優等生も色々あんだな』と小川は思う。
257 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年07月31日(木)22時24分17秒
「だから、そんな大事なひとに迷惑をかけてしまって…後悔してます」
『大事』という単語に、何故か小川は反応した。
『いや…紺野は加護をそんけーしてるっていってるんだし…ハァ、なんだかな、アタシは』
小川は目まぐるしく頭を働かせたため、疲れてしまう。
「小川さん…?」
不意に斜め下から顔を覗き込まれ、小川はギョッとする。
「あああああ、ああ、ハイ!なんざましょ!」
「とりあえず、何か食べて帰りませんか。正直…オナカがすきました」
「そうだな、うん。そうだ」
頷くと、紺野はにっこり笑って立ち上がった。

「そこコート…かわいいな。この前、イルミネーション見に行った時も着てたヤツだろ?」
紺野のダッフルコートを見て、小川は言う。
「ハイ…母が買ってくれたんです。とても気に入ってます」
「へえ…」
恥ずかしそうに笑う紺野を見て、
『何だ…この感じは?』
小川は自分の心に首を傾げた。
258 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月31日(木)22時33分11秒
更新しました。

∬∬`▽´)ノ゛<5時までよ、牛乳パック安いの! ←足立区鹿浜のオバサン(ダレ?)

※本文とは何ら関係ありません

今日、〜アート&カラー〜2003展を見てきますた。
いいらさんのイラストの他にメンバーの私物も展示してました。
( ^▽^)は中学の部活で使ってたテニスウェアーとラケット、
(0^〜^)はモーニングタウンの台本です。
ひーちゃんは台本の表紙に、縦書きで『吉男のバか』(原文ママ)と書かれてますた。

川o・-・)ノ <わたくしは、小4の時の作文です!ペットのハムスターについてです!
       作文も完璧です!

ざっと見ただけなのですが、小学生時代の紺野って子供ながらに、
結構理詰めで作文書いてたんだな、と思いますた。


レスのお礼です。

>クロイツさん
川*・-・)<大変…取り乱してしまいました。お恥ずかしい…。怒ったらオナカがすきますね…

理不尽な事には諦めない方がよいです、ハイ。もがくのも大事かと。ピーマコ、とりあえず寝ぼけてます(w

>匿名匿名希望さん
∬∬;`▽´)<いや、マジびっくりしたよ!紺野がすっげー話すの早いし!←ソコかよ

クリスマス前なのに、エライ目に遭ってるあいぼんです。小川さんは寝起きにいきなり怒られてるし(w

>ヨッスィのタマゴさん
( *´D`)<アヤカしゃんが好きれす。でも、いいらさんはもっと好きれす(by 松〇引越しセンター)

村さんも加護しく美形だと思います。紺野さん、我を忘れてます。いつもの優等生ぶりも吹っ飛ぶくらい。

259 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年07月31日(木)22時34分36秒
前回更新分に訂正があります。

>>245
>朝、学校からの電話で教師から詰問された加護は(略)
の前に、

>『…ハ?わたしが…暴力、をですか?』

がきます。(コピペが抜けてました)

>>246
「…さいっしょから暴力振るたて(略)」
→「さいしょっから(略)」
260 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年08月01日(金)01時10分24秒
夏休みなので更新が早めでしょうか?夏休みのない僕にはうれしいです。
しかしこのまますんなり終わるとは思えません。
( ´D`)<紺野ちゃんはまだ切れなかったれすね。大爆発したら回し蹴りをだすはずれすから。

∬∬`▽´)ノ゛<5時までよ、牛乳パック安いの!
さっきビデオでみました。このままやる気0キャラでもおいしいかも?
(0^〜^)<吉澤は丑年ですから、赤見ると興奮して突っ込んじゃうんですよ
( ^▽^)(じゃあ、もしあたしが赤い服を着たら…)
妄想中
( ^▽^).。oO( (赤^▽^)<ひとみちゃん。)
クルッ
(^〜^0 )ミ<ハイ、なんざんしょ?
(^〜^0;)<あ!(赤…ドックン、ドックン…)ダ〜〜〜〜シュ
( ^▽^).。oO(  (赤^▽^)  (^〜^0))))))))))))))))))<梨華ちゃ〜〜〜〜ん!!!)
( ^▽^).。oO( キャッ!>((#^▽^)^〜^0#))ピタッ)
( ^▽^).。oO(もう、ひとみちゃんたら((*´▽`)´〜`0*))<梨華ちゃ〜ん!
ハフン
(*´▽`).  (´D` )<梨華ちゃん?顔が赤いれすよ。
261 名前:73 投稿日:2003年08月01日(金)02時12分13秒
更新お疲れさまです。
そうか、目まぐるしく頭を働かせることもできるのか、小川。えらいえらい。
とりあえずその「感じ」がなんなのか考えると煙が出るだろうからよしとこうね。
新垣…?
ああ、いましたね。ひさしぶりだなー。元気そうでなにより。
怒涛の急展開、次回が楽しみでっす。
262 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年08月01日(金)09時53分04秒
∬∬`▽´)∬∬`▽´)∬∬`▽´)∬∬`▽´)
マコ!マコ!!マコ!!!マコ!!!!
自分の中ではマコ祭りです(w
うたばんでのへたれ具合といい、私の中でマコ祭りが始まっております☆
しかし加護は皆に愛されてますねぇ。
ガキさんも元気そうだったし、高校生軍団は元気一杯でなによりです。
更新お疲れ様でした。
次回の更新も楽しみにまっています☆
263 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月03日(日)14時13分55秒
紺野と小川は駅前のドーナツショップでお茶をし、改札で別れた。

「じゃ、次会うのは多分年明けだろうな。空港まで見送りは行けねえけど」
小川は笑って言った。
「いえ…とんでもないです。クラブ…頑張ってくださいね」
「おう。なんかあったらいつでもいいから電話しろよ。待ってるから」

『待ってるから』
この言葉を聞いて、紺野は一瞬ドキッとする。

『小川さんは…意識せずにこの言葉を仰ってるんでしょうね…ハァ、完璧です』

じゃ、と軽く手を上げ、小川は改札を通って行ってしまった。
「…あたしも、帰ろ」
ぽそっと言い、紺野もカバンからパスケースを出した。


―――中澤家

「あいぼん!あいぼーん!」
親戚の家にいた辻は、加護自宅謹慎処分のニュースを紺野のメールで知り、慌てて帰宅した。
玄関先で靴を脱ぐなり、大急ぎで階段を駆け上がる。
「なんやの。そんなデカイ声出さんでも聞こえてるて」
シャーペンを耳に挟み、加護は自室のドアから顔を覗かせる。
ヒマなので、勉強していたのだ。
「自宅謹慎って本当れすか!?あいぼん、ののがいない間に何があったんれすか!?」
両肩を掴み、辻は加護を揺する。
その勢いで、加護のシャーペンが落ちてしまった。
加護はそれを拾い上げると、
「…ウチが下級生を暴力で脅して、ケータイ壊してんて」
何故か静かに言った。


264 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月03日(日)14時16分31秒
「ウソれす!あいぼんはぜーったいそんなことしないれす!」
「…なんでそう言いきれるん?」
加護があまりにも落ち着いているので、辻は言い様のない不安に襲われる。
それでも、
「あ、あいぼんは暴言は吐いても暴力は振るわないれす!ののがいちばん知ってるれす!」
強く言いきった。
「『イチバン知ってる』て…。アンタはウチのなんやねん」
「親友れす!」
「……」
加護はフッと笑った。
「しんゆう、か。エエ響きやなぁ〜」
「なんれすかなんれすか!今日のあいぼん、いつもよりヤなヤツなのれす!」
「親友はキスするん?」
不意に、加護が言った。
さっきまでのふざけた様子はない。
「…わかんないれすけど、ののは…あいぼんが心配だから」
辻はうなだれて、廊下の床板の筋をじっと見ていた。
「だから早よう帰ってきたワケね。おおきに。どうぞ、ご心配なく」
加護がドアを閉めようとするのを引き止め、
「あいぼん、お部屋でなにしてたんれすか」
辻は半ばムリヤリ入って行く。
「なにて…宿題や。冬休みの。ついでに2学期の復習と3学期の予習と」
「冬休みはまだ始まってねーのれす」
「エエがな、別に。めんどーやから、ちゃっちゃと片付けたいんや」
265 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月03日(日)14時17分16秒
「長期のおやすみの宿題は、おやすみの最終日に泣きながら片付けるのが、よいこのおやくそくなのれす」
「アンタやあるまいし。ほな、用はすんだんかい。ウチは勉強したいんや」
「ののはここにいたいんれす」
辻はそう宣言し、勝手に床のクッションを抱え上げ、勉強机の椅子を陣取り、背に向かって座った。
加護はあきれて目を見開き、
「…新手の嫌がらせかい」
大きくため息をついて、ボスっとベッドにつっぷした。
辻も笑って立ち上がり、加護の上からベッドにダイブして
「ぐえ!シバくぞ!」
そう言われながらも、くすくす笑って加護にじゃれつくのだった。

その頃、台所で裕子は梨華相手に怒っていた。
朝ここに電話もかけてきて、加護を謹慎に追い込んだ教師の名を聞いて、やっともやもやとした記憶がハッキリしたのだ。
「アイツ、忘れもせんわ!ウチがオマエのことで学校に怒鳴り込んだやっちゃ!」
裕子は頭から湯気を立てている。
「いや、裕ちゃん…今の今まで忘れてたじゃん」
梨華はちょっと冷や汗をたらした。

梨華は朝比奈女子高校の卒業生である。
付属中学に通っていた頃、その問題の教師に授業中に名指しされ質問に答えられず、
『まったく胸ばかりデカくなって』というようなことを言われたのだ。
家に帰って梨華が泣きながらそのことを話すと、裕子は大爆発し、
『学校に怒鳴り込んだる!』と有休休暇まで取って本当に実行に移した。
266 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月03日(日)14時18分44秒

『オマエかい!ウチの妹にセクハラまがいなこと言うたんは!』
教師の襟首を掴み、裕子は周りの人間に羽交い締めされながら詰め寄った。

「…あのときは、恥ずかしかったよ」
遠い目で、梨華は言う。
付属高校にいた矢口が、制服姿で『裕ちゃんガンバレー!』と野次馬に混じって
声援を送っていたことを思い出す。
「なんやねん、大事な妹守るんは姉の努めやないかい」
裕子はちょっと大人げなく、ムスッとする。
「うん…そうだよね」
梨華は恥ずかしさ半分、嬉しさ半分な気持ちだった。
「とにかく、処分を取り消させる方法はないもんやろか」
「うーん…そうだねえ」
ふたりが考えこんでいると、居間の電話が鳴った。
267 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月03日(日)14時23分24秒
更新しました。

いいらさんと握手してきました。いいらさんは、マスカラが濃かったです。
手がデカかったです。そして、ありえねえくらい、べっぴんさんでした。
カオリママ、カオリを生んでくれてありがとう。


レスのお礼です。


>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・) <作者も…夏休みはございません。お盆休みもアヤしいものです

紺野先生、回し蹴りで済むのならいのですが…(ニガワラ よしざーさんの赤がダメな理由、笑いますた。

>73さん
∬∬;`▽´)<アレ?なんか、頭がぐるぐるマワってきた…

一応できるんです、一年に一回あるかどうかですが。ガキさん、思い出したように出てきます。

>匿名匿名希望さん
∬∬`▽´)ノ<マコ祭りサンキュー!

マコ4連発に笑いますた。茶ァ噴きますた。加護は愛されすぎです(w モテモテです。


誤字の訂正です。

>>257

そこコート→そのコート
268 名前:オガマー 投稿日:2003年08月03日(日)20時07分22秒
お久しぶりのレスです(w
オガコンすげーいいす。
あいぼんがんがれ。
クソ教師に負けるな。
269 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年08月03日(日)22時08分13秒
辻加護祭り!!!
違くても辻加護祭りです!!!
( ´D`)<間違いないのれす!!!    ・・・・>(‘д‘;)

( ´D`)といい∬∬`▽´)といいまったく罪つくりな奴らです(w
ほのぼの姉妹愛も見え、さらに気になる終わりかた。
次回の更新も楽しみみまっています♪
270 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年08月04日(月)03時08分35秒
川‘〜‘)||<ごまさんおつかれさま。
いいらさんで言ってみました。ののちゃんみたいにごまさんはいいらさんが大好きなのですね。
(((#0`〜´0)ノ<梨華ちゃんにセクハラは,オイラが許さないYO!
怒りが収まらないので、( ゜皿 ゜) とりあえずいいらさんの呪いをかけておきますね。

地方のため1ヶ月遅れのHEY*3を見てやっと大将∬∬`▽´)の意味がわかりました。
( ´D`)<紺ちゃん、北海道なら味噌コーンバターれすよ。
僕は九州人なんで、とんこつ派です。福岡の有名なラーメン屋に行くと定員さんはみんな
   ___
 c2___ヽ
  ∬∬`▽´)   このように頭にバンダナしてます。
それよりあいぼんとののの禁断のくちづけが(*‘ д‘)(´D`*)
( *‐ Δ‐)ノ<も〜タマラン。
もしこの2人なら(#^▽^)^〜^0) …放送できないか。
271 名前:水海 投稿日:2003年08月04日(月)10時34分28秒
んげーヒサブリにカキコ(いえ、ずっとコソーリ読んでますた…)。

あの握手会会場に ごまさんいてたんですね、、
ワタクシも握手はできないものの、会場近くにおりました、、
いいなぁって指咥えて見てました、、えぇ、、。

お話、いしよし安定期に入っちゃっててちょっぴり寂しい気もしますが、
これからも拝見するの楽しみにしていますので、
ごまさん がんがってくらさいね。
272 名前:クロイツ 投稿日:2003年08月04日(月)11時24分49秒
>「長期のおやすみの宿題は、おやすみの最終日に泣きながら片付けるのが、よいこのおやくそくなのれす」
この台詞に、大爆笑しつつも同感いたしました。…そーよね、ののたん!!お約束よねっ!!
 そして姐さんがかっけぇぇ〜!!!
 また怒鳴り込んだりするんですかねっ!?今度は平家さんも付いて来ちゃったりするんですかねっ!?
 それから意地悪なあいぼんさんに胸がときめく…(笑)

 次回も楽しみです♪がんばってくださいね〜♪
273 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月06日(水)21時25分25秒
―――吉澤視点

「よ〜お。たっだいまー」
ウチは一旦中澤家に戻ってきた。
荷物を置いて、ゴハン食べたらまた出かけるんだけど。
自分の部屋に荷物を置いて、ちょうどゴハン前に2階の洗面所で手を洗っていたあいぼんに、
後ろからハグした。
「なんやの、ホンマデカい体やな」
あいぼんがうっとーしそーに、横目でにらむ。
「ガッコ、自宅謹慎になったんだってー?今、下で梨華ちゃんにきーたんだけど。何したん?」
「別に…なんもしてへんわ」
「ヒマならひーちゃんが遊んじゃる♪」
笑いながら頭をぐしゃぐしゃかきまぜると、あいぼんは
「離さんとシバくぞ!」
と体をじたばたさせた。
「ふぁ〜あ。よく寝たのれす」
あいぼんの部屋からドアを開けて、ののが目をこすりながら出てきた。
「あ、よっすぃ〜。おかえりれす」
「たでーまー」
ののにも、前からハグする。
「あいぼん、学校謹慎処分になったんれす。おやすみなのに、あいぼんったらマジメに勉強してるれす。
どうれすよ?」
「そいつぁ、いけねーなぁ。コドモは外で元気に遊ばんと」
「…ハナシにならんわ。ほなな」
あいぼんは、ウチらを見捨てて下に降りてった。
274 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月06日(水)21時26分34秒
「よう、調子はどないや」
ウチらも下に降りてくと、平家さんが来ていた。
あいぼんとハナシをしているようだ。
「いえ、まあ。ボチボチですわ。平家さんは何で?」
「姐さんに仕事終わったらすぐ来いてメールもうて、来たんや。
あのひと、放っといたらひとりでガッコに乗り込んでムチャしかねんからすぐ来てん」
…目に見えるようだ。
学校で先生に文句つけて暴れる中澤さん。
ウチの瞼の裏に、リアルにその姿が浮かんだ。
「平家さんまで…おおきに。でも、もう心配せんといてください。ウチ、大丈夫ですから。
謹慎は冬休みの分入らんから、新学期もウチ、休みなんですワ。人よりホリデー、楽しんできますから」
あいぼんは笑ってみせた。
…特に、ムリしてる、というようでもなかった。
ウチとののは、思わず顔を見合わした。
「そうか?何でも言うたらエエねんで。ひとりでなんでもしょいこんだらアカンで」
…かっけ〜。平家さん、オットナー。
ほう〜と感心してると、
「加護ー!加護ぉー!」
居間から、中澤さんの大声が聞こえた。
「なんや、姐さんが暴れてるな」
平家さんはあくまで冷静にさらっと言った。
ウチとののは、おかしくて思わずプッと噴きだす。
あいぼんも、少し笑ってた。
「ウチも行くわ。多分、頭から湯気立ててるやろうし」
平家さんに続いて、みんなゾロゾロ居間に行った。
275 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月06日(水)21時28分07秒
「加護!アンタのガッコから電話や!」
中澤さんは大きく手招きし、あいぼんを呼び寄せた。
「はぁ、どうも。もしもし…?ハイ、加護です」
みんなはしばらく黙って、事の成り行きを見つめていた。
ウチは梨華ちゃんの隣に行き、彼女の両肩にそれぞれ手を載せた。
あいぼんは『そうですか』とか『ハイ』とか言ってる。
「…分かりました。どうも、ご心配をおかけしまして申し訳ございませんでした。
ハイ…では、失礼いたします」
あいぼんが受話器を置くと、みんな異口同音に、
「どうだった?」
と詰め寄った。
「はぁ…謹慎解けましたワ。なんや知らんけど」
「よかったやないの」
中澤さんが言うと、みんな頷いた。
「エエのかワルいのか…なんか権力使ったっぽい」
あいぼんが眉をしかめる。
「ハ?権力?」
中澤さんが顔をしかめると、
「…なんや、生徒の保護者ってのが動いてガッコに働きかけたようですワ」
あいぼんは後ろを向いて言った。
「先生も、『加護は優等生だから』って動いたようです」
更に、こう続けた。
「何にせよ、よかったれす」
ののが笑顔で言うと、
「…ウチが。…ウチがもし勉強できひん子ォやったら、先生もこんな肩、持ってくれはったやろかね」
あいぼんはポツリと言った。
ウチと梨華ちゃんは思わず顔を見合わす。

『こういう時は、何て言ったらいいんだろう』
彼女は何も言わなかったが、目でそうウチに伝えてきた。
276 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月06日(水)21時31分16秒
更新しました。
レスのお礼です。

>オガマーさん
(;‘д‘)<う、う〜ん。ウチひとりの力ではどうしようもないけど…がんがるワ。おおきになぁ〜

お久しぶりです(w オガコンいいですか。どうもです。あいぼん、クソ教師とどう対峙するか?

>匿名匿名希望さん
( ´D`)<あいぼんは、心のやさしい子なのれす!

ののさんのこういうところが、きっと罪作りなのでしょうね(ニガワラ 姐さんはトバしすぎですが妹思いです。

>ヨッスィのタマゴさん
( ´D`)<いいらさんにゆってもらってるみたいで、うれしいれす〜♪

オリメンでは一番好きです(照。それにしても『大将』とは松っちゃんもウマイこと言うなと。


>水海さん
( ´D`)<さくしゃはテンパりすぎて、『水分ヘアパック買いました』とゆったんれす

どうもオヒサスブリです。ずっと読んで頂いてたんですね。有り難いです。がんがります。

>クロイツさん
(; `◇´)<もし姐さんが出向くんなら、ウチもついてかなアカンやろうなぁー

磯野カ〇オのようなののさんです。あいぼんさんはたま〜にイヂワルです(爆 小学男子ですね。
277 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年08月07日(木)00時16分39秒
・・・あいぼん、何だかオイラは目に涙だよ。
こういった時、本当何て言ったらいいものか・・・。
さりげない夫婦はいしよし。
こんなにも温かい人達に囲まれてるあいぼんも悩むお年頃ですね(あれ?ちょっと違う??)
この後はどうなっていくんでしょうか・・・(気になる気になる)

更新お疲れ様でした。
次回の更新も楽しみに待っています。
278 名前:クロイツ 投稿日:2003年08月07日(木)10時02分15秒
あいぼんさん…なんだか涙が止まりません…。とりあえず、謹慎解けてよかったですねぇ…。
つーか保護者って。誰が手ぇまわしたんでしょうか…。き、気になる…。
そして、意外と(←オイ)大人な平家さんに安心(爆笑)関西弁二人に乗り込まれたら、学校パニックでしょうねぇ…
とか言いつつ、見て見たかったりもするんですが(笑)

 次回も楽しみにしております!!
279 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年08月08日(金)02時15分03秒
(妹・´ー`)<更新お疲れ様です。いつもおもしろいです。これからも応援しています。
ハグハグ>(0^〜^)*‘ д‘)<はなせ〜。
ハグハグ>(0^〜^)´D`*)<いや〜ん!なのれす。
ハグってなんですか?口で噛んでるイメージがあるんですが。

九州の情報番組Domoで、なっちの妹、あっちの福岡のイベントが放送されてのを偶然見ました。
(妹・´ー`)<外ではなっち姉ちゃん。家ではナーシー、アーシーて呼び合ってます。
以上、九州限定?情報でした。
(・´ー`)<そういえば、なっちの妹なのにアーシーは訛りがでないべさ。
やっぱ顔は似てるなあ。(妹・´ー`)(´ー`・)
280 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月08日(金)23時57分48秒
加護は一足先に自室へ上がり、夕食までの時間をつぶしていた。
暗闇の中電気も点けず、ベッドにつっぷす。
…疲れた。
今日一日、色んなものに振り回された気がする。
自分が直接関与したことからこうなったのは分かっているが、目には見えない大きな力のようなものに、
引っ張り回された。

『詳しくは言わないが、ある父兄の方が主任の先生にお話をしてくださったようで、先生も考え直してくださったんだよ』
電話の向こうの副担任の声は、晴れやかだった。
『父兄の方て…どなたですか』
加護は自分が冷静な声を出していることに驚いた。
『いや…それは』
さすがに彼は口ごもる。
『折角私のために骨を折ってくださったんですし、お礼のひとつも言わないのは失礼だと思います。
うちの両親にも今回の処分のことは学校から連絡がいってるでしょうし、どなたか分からないままでは、
私も父に叱られます』
加護は作り笑いで言う。
相手がどう出るか、一歩引いて様子を伺う。
彼はしばらく無言だった。
5分ほどたった頃だろうか。
『…他の生徒には、言っちゃだめだよ』
とやっと口を開いた。
281 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月08日(金)23時58分40秒
付属中学3年の亀井絵里。
彼女の伯父という人物が、学年主任に直接交渉してくれたらしい。
カメイ、カメイ…。
頭の中で反芻する。
どこかで聞いた気はするのだが、頭の中でひっかかって出てこなかった。

『♪〜♪〜』
ベッドの、自分の体のそばにあった携帯が鳴った。
億劫だったが、出てみる。
「ハイ?」
『もしもし、加護さんですか?紺野です』
「ああ…ナニ?」
『謹慎処分が解けたと伺ったのですが…よかったです』
「ダレから聞いたん?のの?」
電話に耳を当てて、うつぶせの姿勢から仰向けになりちょっと体を起こした。
『あ、イエ。辻さんもですが…小川さんからメールを頂いて』
「ふうん…イノキのヤツ、ナニ言うてんの?」
『…言ってもよろしいんですか?』
「ああ」
紺野は少し遠慮したようだったが、やがて
『加護さんが、亀井さんという方とお付き合いすることを条件に、今回の処分を取り消してもらったとかなんとか…。
…デマですよね?』
「…ナニ?その、アタマ割れそーなアホなウワサは」
加護は少し泣きそうになった。
282 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月08日(金)23時59分32秒
『小川さんも信じてらっしゃいませんから』
こう言って、紺野は携帯を切った。
小川が信じていなくても、小川に連絡した生徒が信じているかもしれない。
芋づる式に、どこまでも広まっていく。
明日になったら、自分はその亀井とかいう生徒と、同棲していることになっているかもしれない。
加護は自分で考えて、あまりのバカバカしさにフッと笑った。

「あいぼん。あいぼーん」
辻の声がした。
小さくノックする音も聞こえる。
「入りーや、開いてんでェ…」
ベッドに寝っ転がったまま答え、加護は携帯の待ち受け画面を特に意味なく見ていた。
「わ!なんれすか、電気も点けないで!」
辻は入ってくるなり、壁にある灯りのスイッチを入れた。
いきなり視界が明るくなり、加護は手をかざし顔をしかめる。
「あのさ」
「なんれすか?」
「うちの下の中学の、3年…やったかな。亀井ってコ、知ってる?」
加護はベッドに上体を起こした。
「亀井しゃん、れすか…?んーと…」
人差し指をアゴに当て、辻はしばらく考える。
そして、
「えと…多分小学校から一緒だった子だと思うれす、ののの知ってる亀井しゃんなら」
ツインテールを揺らして、こくこく頷いた。
「しょうがっこう〜?まったく、世の中オカネもちが多いねんなぁ〜」
加護はまた顔をしかめる。
辻の言ってる『小学校』は、朝比奈女子の付属小学校のことだった。
辻は幼稚園から、エスカレーターで高校まで上がってきた。
小学校までは共学だが、中学から上は女子のみだった。
「…のののおうちは、そんなオカネもちじゃないれす」
辻は唇をやや突き出して、少し拗ねた。
283 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月09日(土)00時00分58秒
「まあ、そのハナシは今エエわ。その亀井さんてヒトの伯父さんっつーのがウチのピンチを救ってくれたワケよ」
「よかったれすね」
「で、問題は」
「へいっ」
「何で、亀井さんは余計な手助けしてくれたんか。あんま、いや、かなりメリットなさそーやのになぁ」
「なんで…う〜ん。…あ!あいぼんがいい子だかられす!」
辻は嬉しげに人差し指を立てて言った。
得意げに、『どうよ?』と加護をフフンと横目で見る。
「…却下。辻さん、ワンランクダウンです」
「ええ!?のの、不正解れすか!?パリには行けないんれすか!?」
例えるクイズ番組に、やや食い違いがあるふたりだった。
284 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月09日(土)00時01分50秒
「ぶっちゃけ、亀井さんてナニモノ?」
「え…ナニモノて…。うーんとれすねぇ」
「うん」
「詳しくはののも知らないれすけど、おうちがすっごいお金持ちみたいれす」
「アンタん家もやがな」
「ののん家はちがうれすってば。ビミョーにケチれす」
「ああ、そう。で、亀井さんはカネモチやと」
「へいっ。学校に、たくさん寄付もしてるみたいれす」
「…ほぅお〜。ナゾがアッサリ解けたな。いや、ウチに何で関与してきはったんかはワカランけど。
少なくとも、何でガッコが言う事聞いたんかは分かったワ」
加護はニヤッと笑うと、辻のほうを見た。
「…のの、思うんれすけど」
辻は珍しく真面目な表情になる。
「なに?」
「あいぼん、たまにかわいそうれす」
「…なにが」
「かしこすぎて、かわいそうれす」
加護は目を大きく開いて、辻のほうを見た。
辻の口から出たことが信じられなかったのだ。
辻は変わらず、自分を見つめている。
辻の目にうつる自分は、いかに愚かか。
加護は悟った。
「…もっと、いっぱい信じてもいいと思うれす」
加護は顔が熱くなるものを感じた。
285 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月09日(土)00時19分03秒
更新しました。

いいらさん、誕生日おめ。川‘〜‘)||<♪いつも変わらぬ言葉なのに
バラ色の人生、カッケー!
いしよしたちをこれからもよろしくおながいします。

レスのお礼です。

>匿名匿名希望さん
川‘〜‘)||<加護ももちょっと素直になってもいいのにね〜

あいぼんさん、考えすぎなキライもあるのですが…。いしよし、ヒソカに夫婦愛を育んでいます(w

>クロイツさん
川‘〜‘)||<う〜ん…過程はどうあれ、結果的にはカオ、よかったと思うな

平家さんが止めないと、姐さん暴れてしまいますから(爆。平家さんは多分キレません。だから却って怖いんです。

>ヨッスィのタマゴさん
川‘〜‘)||<ハグは『抱っこ』ってことだよ〜。ギュッと抱きしめるってカンジ?

あっち、この前イベントで関西にも来たようです。そういや、彼女訛ってませんね(w
286 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年08月09日(土)01時06分15秒
愛されすぎっていうのも大変なんですねぇ(遠い目)
今回のののには私やられました。
純粋。
優しい娘です。
シャボン玉のPVといい、ここのののといい、最近はやられっぱなしです(w

更新お疲れ様でした。
次回の更新も楽しみに待っています。
287 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年08月09日(土)03時26分47秒
交信( ゜皿 ゜)じゃなくて、更新お疲れ様です。
川;・-・)<う〜ん、これで一件落着なのでしょうか?まだ一波乱ありそうな?ちなみに九州はやっと台風が去っていきました。
ハグの意味教えてくれたお礼に、いいらさんで
ハグハグ>川‘〜‘)|| ´D`*)

FUNで梨華ちゃんがヨッスィに怒ってました。
( `▽´)<オヤジサンダルが許せないんです!
(^〜^0;)<ナンデダヨホ!
たぶん梨華ちゃんに言わせれば、
( `▽´)<ひとみちゃんはかわいいのに、なんでかわいい格好してこないのYO!
ということでしょうか?
あと、垣さんを脅かすイタズラ好きなヨッスィもおもしろかったです。
(((0^〜^)つ  (;・e・)<ドキドキ!
チョン!>(0^〜^)つ( TeT)<ウヒャアァァァァ!!!
288 名前:クロイツ 投稿日:2003年08月09日(土)11時59分24秒
あいぼん…。なんだかあいぼんを見てると、切なくなる今日このごろ…。
てゆーか、ののたん。あどけない顔してスゲェ事を…(汗)冷や汗が流れてしまいました。
平家さんはキレませんか…そうですか…。
た、確かに怖い。それは怖い。しかし姐さんがキレるのは見てみたい…(笑)

次回も楽しみにしております♪
289 名前:あおのり 投稿日:2003年08月09日(土)23時21分50秒
今回は辻姐さんにやられてしまいました、深い深いよ辻姐さん。
案外いつも真実に近いところにいるのはやすすやあいぼんではなく
ののかおコンビなのでは、と思います。
天然系師弟恐るべし!
あいぼんさんが辻姐さんにはまってしまうのも無理ないですね


でも、ちょっとかめぼんのカプにも期待しているのですが…スイマセンスイマセン
( `D´)<ナンニー!
290 名前:オガマー 投稿日:2003年08月13日(水)08時33分15秒
のの…(ジィーン
ヤバイ。
ちょっと泣きそうなのれす。
291 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月18日(月)23時04分21秒
「…『かわいそう』?」
加護は俯いて、拳を握った。
「怒ったんならごめんれす。でも、ののホントにあいぼんのこと心配で…」
辻が全部言い終わらないうちに、
「…アンタに、何が分かんねん」
加護は唇を震わせた。


―――吉澤視点

「そろそろごはんにしましょうか。あいぼんとののちゃん、呼んで来ないと」
梨華ちゃんがそう言うので、ウチは頷いて立ち上がった。
呼んできちゃるか。
「―――出てけ!」
二階の廊下から、でっけー声が聞こえる。
…あ〜あ。アイツら、まーたケンカしてんな。
「オマエなんか大嫌いじゃ!」
ウチと梨華ちゃんは顔を見合わせて、二階に向かった。
どうも、タダごとではなさそーだ…。
292 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月18日(月)23時05分33秒

二階に上がると、あいぼんがののの腕をつかんで、何やら喚いていた。
ののは、ぼろぼろ泣いている。
「コラおめーら!何やってんだよ〜」
あきれて止めに入ろーとすると、
「ジャマすんなや!」
あいぼんにドンと押された。
「なんだよ、いってぇなぁ…」
「あいぼん、ののちゃん。何があったの?」
梨華ちゃんがウチの腕をさすってくれながら、ふたりに事情を問おうとする。
「ののが…ののが悪いんれす」
ののはそう言って、ただ泣いていた。
「なんやねん!いっつもそーやっていい子ぶりやがって!マジムカつくわ!」
あいぼんのあまりな捨て台詞に、ウチは
「ちょっとそれは言い過ぎ…」
口を挟もうとした。
だが。
「…ののみたいに、なんでも持ってるヤツにウチの気持ちが分かるかぁー!」
あいぼんは悲鳴のように叫んだ。


ののはしゃくりあげて、ウチの胸に顔をうめて泣いていた。
黙って、頭を撫でてやる。
「あいぼんは、のののことキライなんれす。ののはあいぼんのことらいすきなのに…ののはあいぼんを
きずつけてばかりいるのれす」
「そんなこと…」
「あいぼんのそばに、ののはいちゃだめなんれす。きっとそうれす」
「…ちがうって」
ウチはただ、そう言うことしかできなかった。
293 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月18日(月)23時07分53秒
―――石川視点

あいぼんは泣きながら、家を出て行こうとした。
平家さんが気付いてくれ、止めてくれた。
居間に連れて行き、あえて何も言わずソファーに座らせた。
「…ウチは」
「うん?」
「ウチは…なんでこんなイヤな子ぉなんやろ…」
「あいぼん…」
「ののを泣かしてばっかしや…」

…神様。
どうして、求めるものが同じはずなのに。

すれ違ってしまうんでしょうか?

あいぼんを抱きしめて、あたしはしばらく泣きじゃくる背中をさすっていた。


―――吉澤視点


「…あいぼんは?」
しばらくたって、二階に梨華ちゃんが上がってきた。
「うん。泣き疲れて眠ったみたい。下にお布団敷いて寝かせてきた。ののちゃんは?」
「ウチの部屋で寝てる。もーめっちゃくちゃ泣いてさあ。…なんか、疲れたね」
「うん…ひとみちゃん」
「ん?」
「今夜…そばにいてほしい」
梨華ちゃんはウチの胸に顔をうめた。
…ウチは不謹慎かもしれないケド、単純に彼女のワガママが嬉しかった。
梨華ちゃんはギリギリまで自分の言いたいことを抑える。
だから。
心細さをウチに預けてくれたのが、ホントに嬉しかったんだ。

「…スンマセン、市井さん。今夜、行けません」
寝静まった梨華ちゃんの横で、ウチはこっそり携帯をかけた。
今日は、みんなで飲みに行く予定だった。
電話の向こうで市井さんは、
『しゃーねーなぁ、オンナ絡みじゃぁなー』
と苦笑いしてる様子だった。

ただ抱きしめただけなんだけど、梨華ちゃんは満ち足りた顔で眠ってる。
ウチは携帯を切って、暗闇の中でその寝顔を見つめていた。
294 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月18日(月)23時09分47秒
更新しました。

レスのお礼です。

>匿名匿名希望さん
( ´D`)ノ<優しいのは、あいぼんれすよ

私は『岡女未公開シーン』の、ののにやられますた。『雨降って』→『傘をさした』って…(w
加護さん、大事にされてることに気付くかどうか。愛とは難しいもんなのれす。

>ヨッスィのタマゴさん
( *´D`)<いいらさんにハグされたら…もう死んでもいいれす

ひーちゃん、作務衣にジャージが粋です。すでにアイドルの枠を超えてます。超えすぎです。
その上オッサンサンダル…ひーちゃんはどこへ向かっているのでしょう?一波乱…どうでしょうか。

>クロイツさん
(;`◇´)<姐さんキレたらキレたで、また厄介やでぇー

姐さんがキレたら、止められるのは恐らくミチャーソかいしかーさんだけでしょう。
私も見てみたいですが(w ののたん、あいぼんを思っての発言なのです。

>あおのりさん
( ゜皿 ゜)<ツジ、カオヨリモモットジュンスイ

純粋師弟です。ヤッスーやあいぼんはハマってしまって抜け出せない模様。
あいぼん、青春です。オトナになるための試練です。
 
>オガマーさん
(;´D`)ノ□<な、泣かないでくらさい。ハイ、ハンカチれす

岡女を見て、ぶりんこ好きにちと拍車がかかってしまいますた。流石はツートップです。
辻さんには、今回もかなり活躍して頂きますた。
295 名前:73 投稿日:2003年08月18日(月)23時24分31秒
更新お疲れさまです。そしてお久しぶりです。
そうだ、加護、お前が正しい!
正論吐く親友なんか、とりあえず泣かしとけ!
そして大反省。ケンカするほどいつも雨降り。なんだそりゃ。
296 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年08月19日(火)01時49分56秒
更新お疲れ様れす。
(0^〜^)<あいぼんはちょっとひねくれてるけど素直に「ごめんなさい。」って言えるいい子だYO!
一番最初のあいぼんの家出事件で、木から落ちるあいぼんをヨッスィが受け止めて最後4人で帰る場面(*‘ д‘)(0^〜^)(* ^▽^)( ´D`)僕のなかで最高の感動シーンです。
でも今回は…ののちゃんが心配なのれす。

ハロモニ。娘に100の質問でヨッスィがまたモテモテでした。
(0^〜^)<え?オレ普通だYO!
(*‘ д‘)<よっちゃん。 LOVE! ヨッスィは普通にかわいい。
(*‘ д‘)(^〜^0)))<え、ほんと?
ウソだよ!>(*‘ д‘)つ((0^〜^)
( `.∀´)<ライバルはヨッスィだ!……1人
(0^〜^)<え?誰? (* ^▽^)<…
(・´ー`)<梨華ちゃん、顔が「わたしです!」って書いてあるよ。
(*/▽\*)<……
(0^〜^)ノ<照れる梨華ちゃんが最高にかわいかったYO!
川o・-・)<私も吉澤さんに1票入れました。コメントはカットでしたが。やはり吉澤さんはモテモテの罪な男です。
297 名前:クロイツ 投稿日:2003年08月19日(火)11時04分53秒
ああ、あいぼんとののたんがどうなるのかもすごーく気になるのですがッ!!
それよりも先に

 梨 華 ち ゃ ん 可 愛 い ! !

 とか思ってしまった私。ごめんよあいぼん、ののたん…。
 でも、あいぼんの想いが痛いですね…胸にぐっと来ます。
 次回も楽しみにしております!!
298 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年08月19日(火)15時58分15秒
更新お疲れ様です。
打ち合わせナシのガチンコであそこまで出来るのはもはや神業。
『岡女』未公開ではそう思いました。
そしてそんな後だからそこ余計に・・・(泣)
お互い優しいんですよね。
どっちも傷ついて・・・あぁ・・・悲しいでち。
だうぅ・・・
どうなっていくんでしょうか。
次回の更新も箱ティッシュ抱えて待っています。
299 名前:紅屋 投稿日:2003年08月19日(火)22時11分14秒
市井さん・・・。
>『しゃーねーなぁ、オンナ絡みじゃぁなー。』
あんたも女ですがな。
すいませんあえてつっこまさせて頂きました。w
300 名前:オガマー 投稿日:2003年08月20日(水)17時49分02秒
あいぼん…(涙
岡女見逃した。・゚・(ノД`)・゚・。
すさまじいケンカ(二人にとっては)してるはずなのに
>「オマエなんか大嫌いじゃ!」
とか言っちゃうアイボンがかわいくてたまりません(ww
ケンカしててもかあいい(w
けど、今回の問題はちょっと難しそう?
はやく仲直りできることを願ってます。
301 名前:新参者ですが 投稿日:2003年08月21日(木)21時58分33秒
感動しました!

願わくばさやりんにmore出番を
302 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月21日(木)21時59分15秒
ぐばー あげてすいません
303 名前:73 投稿日:2003年08月21日(木)22時10分21秒
このスレはageてしまったらochiしましょ。
でよかったですよね、作者さん。
304 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月22日(金)00時13分16秒
ごぼ、すいません×2
305 名前:わく 投稿日:2003年08月23日(土)01時09分02秒
アーーーーーーーーーーーーーーー!!
りかちゃん か わ い す ぎ 

よっちぃ・・・君のさりげない男っぷりがまたイイっ(・д・)!!
306 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月25日(月)03時36分35秒
辻は、浅い眠りから目を覚まし、泣き腫らした目をこすって下に降りて行った。
廊下の時計は9時を回っている。
「起きたか?」
居間に行くと、裕子が振り返って言った。
その横で、平家も無言で自分を心配そうに見ている。
辻は黙ってコクンと頷いた。
「支度したるワ。台所おいで」
辻はそう聞いて、改めて空腹なのを実感した。

その日はカレーだった。
皿まであっためてもらい、ちょっと満ち足りた気持ちになる。
「…あいぼんは?」
辻は心細そうに聞く。
「まだ寝とる。メシなら梨華がなんや支度しておいたったようや。心配しな」
「そうれすか…」
俯いて、ぼそぼそとカレーを匙で掬っては口に運ぶ。
「んあ、ごめんくださーい」
インターフォンが鳴ったか思うと、聞き覚えのある声がした。

「んあー、遅くにごめんねー。裕ちゃん、梨華ちゃんいるー?」
「ああ、寝とるワ。起こしてきたろか?」
「んあ、寝てるんならいいよ。本、返しにきただけだからさー。これなんだけど」
後藤はカバンからごそごそと少し大きめの本を取り出した。
表紙には、いかにもおいしそうなケーキの写真があった。
裕子の横にいた辻は、思わずゴクンとノドを鳴らす。
「ごっちん、こんな遅までバイトか。体壊しなや」
平家が気遣うように言った。
307 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月25日(月)03時39分20秒
「あっは、これからタンポポ行ってケーキ焼きに行くんだー。…ん?辻ちゃん、どしたの。目、赤いじゃん」
後藤に言われ、辻は慌てて目をこすった。
「なんや、相方とまたケンカしょってなー。ホンマ、ケンカするほどなんとやら、やワ」
裕子は苦笑して言う。
「んあ…辻ちゃん、これからちょーっと、ごとーに付き合ってくんない?」
後藤は自分を指さして言った。
辻はキョトンとしながらも、頷くのだった。

後藤と連れ立って、辻は喫茶タンポポに向かう。
夜道で、辻はチラっと後藤の方を見た。
アーガイル柄でモスグリーンの暖かそうなマフラーをしている。
辻の視線に気付くと、後藤は黙って笑い、マフラーを外して辻の首に巻いてやった。

タンポポは営業時間はとっくに終わっているが、店内に灯りが点いていた。
店を開けると、ふんわりと焼き菓子の匂いが漂っている。
それだけで幸せな気持ちになれた。

「よ、おふたりさん。遅いよー、ごっつぁん」
矢口は腕まくりして、タルト生地をこねていた。
「あっは!ごめん、ごめん!やぐっつぁんひとり?」
「いや、常連さんがひとり来てる」
矢口が言うと、すぐ
「うんしょ、うんしょ…ハァ、ホントに人遣い荒いっしょ!」
奥から、やはり腕まくりをした安部がオーブンの大きな鉄板を持って現れた。
大きなパウンドケーキが3つも載っている。
今焼きあがったようだ。
「ありがとうー。なっち、それそこに置いといて」
矢口は人差し指でテーブルを指す。
安倍は文句を言いながらも、言われたところに置いた。
308 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月25日(月)03時41分03秒
「後藤しゃん、バイトれすか」
辻はエプロンをつけたり、支度している後藤の方を見た。
「んあ?ああ、クリスマスも近いのに、ごとーん家のオーブン壊れてさー。やぐっつぁんに頼んでここでケーキ
焼かせてもらうことにしたの」
「オイラの手伝いしてもらうことを条件にね」
矢口はそう言って笑う。
「…なっちはなんでだべ」
安倍が言うと、
「まままま!カワイイ彼女のためにと思ってさぁ」
矢口は悪びれずウィンクして言うので、安倍は苦笑した。

辻はエプロンを借り、粉を混ぜたり、生クリームを泡立てたりして手伝った。
安倍も文句を言っていたが、ケーキの飾りつけなど、楽しそうにやっている。
後藤は黙々と、職人のようなデコレーションを自作のケーキに施していた。

加護のことを忘れていたわけではないが、体を動かすうちに辻はさっきまでの重い気持ちが少し晴れたのを感じた。
それを後藤に伝えて礼を言うと、ニカッと笑い、
「ごとーは何にもしてないよー」
と頭を撫でてくれた。

休憩になり、矢口はコーヒーを淹れてくれた。
辻は今日の出来事をみんなに話した。
加護が理不尽な目に遭ったことも。
ケンカしたことも。
話を聞いた矢口は、
「あー!ソイツ、国語のオカモトってヤツだろー!てか、マジムカツクよなー!」
物凄い勢いでテーブルを叩く。
309 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月25日(月)03時42分18秒
「んあ?やぐっつぁん、知ってんの?」
後藤は眠そうな目を少し開いた。
「オイラ、辻と同じガッコ行ってたし。石川もだよ」
矢口は更にこう続ける。
「何か、そのオカモトが石川にエロいこと言ってさー、裕ちゃんガッコに殴り込みに来たことあるもん。
『オマエかい!うちの妹にセクハラまがいなこと言うたんは!』って両手でこうー襟首掴んで。めちゃカッコよかったよー!」
「矢口はその時どうしてたんだべ」
安倍の疑問に、
「オイラ?野次馬と声援送ってたよ。『裕ちゃんガンバレー!』って」
悪びれず、サラっと答えた。
「…ハァ、目に浮かぶようだべ」
安倍は少しこめかみを押さえる。
「だってさー、そのオカモトってマジムカツクの!オイラのパツキンは校則違反だから染め直せって
卒業までずーっとうっさいたら」
矢口はぷくっと膨れた。
「いや、それは普通っしょ…」
矢口のことだから、『地毛でーす!』とか『ヤグチはぁ、実はお母さんがアメリカ人なんでーす!』とか
言ってのらりくらりとカワしてたんだろうな、と安倍は思った。
事実、その通りなのだが。
「なにー?なっちはヤグチのパツキンキライなのー?」
矢口がまた頬を膨らませた。
辻と後藤は顔を見合わせて笑う。
「いや、誰もそんなことは言ってないっしょ…」
安倍はまいったなぁ、というように頭をかく。
その様子を見て、みんな笑った。

外は冷え込むが、店の中はとても暖かだった。
辻は今日焼いたケーキを、加護にあげようとコーヒーを飲みながら考えた。
310 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月25日(月)03時45分45秒
更新しました。

レスのお礼です。

>73さん
(;‘д‘)<た、正しいんかなぁ?ののに、あんなコト言われるとは思わへんかったけど…

正論ってまっすぐ言われるとキツイんですよね。ヘンにひねるよりかなりキますね。ふたりの
雨が降り止めばいいのですが。フォローありがとうございます。

>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・)<加護しく同意です。加護さんは…愛情表現がニガテなだけなんですね

あいぼん家出事件…かなり前のですね。ありがとうございます。そのハロモニ、私も見ましたが、
加護ってかなりひーちゃん好きですよね。

>クロイツさん
(*´〜`0)<そう…梨華ちゃんかーいいんだ…ハフン

吉澤さん、非常事態でも萌えていらっしゃいます。石川さんはとりあえずおやすみ中です。
加護さんは泣きながら寝てますし、どうなることでしょう?

>匿名匿名希望さん
川o・-・)っ〔クリネックス〕<スーパーで…まとめ買いをいたしましたので、よろしければどうぞ

さすがぶりんこ、さすが『辻加護』と間に「・」を入れずにまとめ呼びされるだけはある(by 河童の花道)。
お互い優しいんです。ただ、お互い相手の気持ちを考えすぎるだけなんです。
311 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月25日(月)03時47分04秒
>紅屋さん
( ´ Д `)<んあ〜、ホントにねぇ…。オンナってこと忘れてるんかね、アノヒトは…ホントニ

どんどんツッコんでください(w 多分、受け狙いとかでもなく、フツーに言ったものと思われます。
そんで、横にいたアヤカとかに『自分は?』とか言われたと思われます。

>オガマーさん
( ´ Д `)<加護ちゃん、小学生みたいだね〜。『大嫌いじゃ!』かぁ〜

確かに怒りセリフが加護さん、小学生レベルですね(w 今回はいつものケンカとは違ってこじれてる模様。
岡女は『ヤグチvsイシカワ』などがありますた。そしてぶりんこは最強ですた。

>新参者ですがさん
ヽ^∀^ノ<応援あっりがと〜!がんがるよ〜!よろしく!

初レスありがとうございます。市井推しなんですね。
ageたことはどうぞお気になさらず。何分駄文ですので、sageかochiでおながいします。


>わくさん
(0^〜^)ノ<イエーイ!ホメられたー!カッケー!

かわいすぎるいしかーさんに、ひーちゃんもメロメロです。そうです、ひーちゃんはさりげに
優しいんです。そこがまたいしかーさんのツボだったり。

312 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月25日(月)03時52分13秒
『愛の種』


さあ 出かけよう きっと 届くから
髪を切って 夢をみがく
好きな空を めざすために

  ハァ マケテモタワ…
((从 #~∀~从 (((・´ー`)(( 川´〜`)|| ((( ` ・ゝ´)(((0°−°)

ねえ 風にのり もっと 輝いて
愛の種を まきちらしたい
    
  ナンデマタアツマサセラレタンヤ? サァ…?
从 #~∀~从   ( ´ー`・)

いつのまに 涙はかわいた なにかを 残して
何度でも笑顔になれるよ
地球が 回るから 予感を超え 始まるから

 ゴ、ゴマンマイテ…  マジ?                  
从;#~∀~从(;・´ー`)川;‘〜‘)|| (;` ・ゝ´)(;0°−°) 
313 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月25日(月)03時54分59秒
新しい季節は 少しいぢわる
指先に 想い出をつめて
マニキュアぬるから

   ギャー!ユウチャンガカオノクリームパンフンダーーー!!!
ノ川;゜〜゜)||ノ

从 #~∀~从ノソンナトコニオイトクカラヤ!


从 #~∀~从ノソンナトコニオイトクカラヤ!

ほら 気づいてようんと 光る街
靴を選び かけだしたら
不安はもう解けてるから

(0°−°0)ゴメン…

柏;‘〜‘)||ナ、ナンデ…?

もし 迷ってもそう 進もうよ
自分の道
さぐりだすから
こわれそうな 瞳の中
ふるわせてた想い 強さに変えよう

( ` ・ゝ´)ヤリタイコトガデキタンダ

( ・´ー`)…シカタナイベ
314 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月25日(月)03時56分23秒
さあ 出かけよう きっと 届くから
髪を切って 夢をみがく
好きな空を めざすために
ねえ 風にのり もっと 輝いて
愛の種を まきちらしたい

从 #~∀~从ノヒトリデガンバッテクワ!

ほら 気づいてよ うんと 光る街
扉あけて とびこむとき
不安はもう 解けてるから

   フタリダケニナッタッショ  ウン…
( ・´ー`) 川´〜`)||
315 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月25日(月)03時57分26秒
もし 迷ってもそう 進もうよ
自分の道
さぐりだすよ

( ・´ー`)…サキニイクッショ

川T〜T)||…

さあ 出かけよう きっと 届くから
髪を切って 夢をみがく


( ・´ー`)<またおんなじ病院に生まれて、おなじオーディションを受けるっしょ

川;‘ー‘;)||<うん…


好きな空を めざしてるから


(‘ 川川(`・  )
316 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年08月25日(月)20時24分56秒
両手にクリネックス抱えてます。
しばらくはティッシュに困ることはなさそうです(w
紺野さん、ありがとうございます(ぺこり)

AA劇場、泣きそうになっちゃいました・・・
娘。に歴史有りですよねぇ・・・。

辻&加護の行方を静かに見守りつつ、いしよし夫婦を見つめています(w
しかし本当にどうなっていくんでしょうか・・・?

更新お疲れ様でした。
次回の更新も楽しみにしています
317 名前:クロイツ 投稿日:2003年08月25日(月)22時23分52秒
の、ののたん!!可愛いッ!!!
ビジュアル的に、もありますが、ひとつひとつの行動がすごく可愛い…。
そして矢口さん。

 愛 し い … 。

なんだかすごく愛しいです(笑)なっちと一緒にいる所、脳内で想像してみると…
・・・・・・ああ、鼻血噴きそう…(爆笑)
次回も楽しみにしております!!がんばってください!!
318 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月26日(火)16時33分12秒
自分もAA劇場に泣きました・・
さっき、( ` ・ゝ´)が「ジェスト」に出てました。すっかりいい
お母さんですねぇ。
この小説はオールスターキャスト登場なので、読んでいて本当に娘。って
いろんなことがあったよなぁと思い出してしまいます。

ごっちんのさりげない優しさがイイです。
早く仲直り出来ますように。
319 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年08月27日(水)02時47分40秒
エグエグ川T〜T)||(;´D`; )イイラサンニハノノガツイテルノレス。ダカラナカナイデクラサイ

愛の種、よかったです。見てるとすこしさみしい気分になります。この5人が蒔いた種は今じゃこんなにすごい花になりましたな。
((从 #~∀~从 (((・´ー`)(( 川´〜`)|| ((( ` ・ゝ´)(((0°−°)
この子たちの勝ちですよ。もしこれがなければ、いしよし、辻加護、あややはなかったんですから。
( ` ・ゝ´)ジャストであやっぺの元気な姿はとてもうれしかったし、スタイル抜群でした。(0°−°)福田さん元気ですかね?あとの卒業したメンバーはとても元気ですから。
CUBIC−CROSSヽ^∀^ノ<戻ってきたよ〜!
ソロツアー( ´ Д `)<手を握ってぇ〜♪
ハロプロワイド((从 #~∀~从ノ<おまえら〜!  ((∬∬`▽´)川o・-・)<おじゃ〜まるしぇ〜!
そして… シュパン コロコロ…ピタッ
ゴルフを始めた( `.∀´)/.。 o O . o . 。1   キャディ<ナイスショット!(1は旗です)
心理学を勉強中( `.∀´)ノ☐<フムフム
あややをチェック( `.∀´)<松浦、見てたわよ。なかなかよかったじゃない。
从;‘ 。‘;从<はっ、はい。(ミキスケ〜助けて〜!)
川o・-・)<保田さん元気すぎます。完璧です。てゆうか少しは大人しくして下さい。
320 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月31日(日)22時04分07秒
―――その夜。

紺野は、小川と携帯で話していた。
メールで小川から、加護の自宅謹慎が解けたという連絡をもらってから、
どうにも引っかかることがある。

加護の処分が解けたきっかけとなった、『亀井』という人物の名に、
何となく聞き覚えがあった。
「亀井さんという方…ご存知ですか」
『いや、アタシ高校からこのガッコ入ったし、正直中学のコは里沙と
クラブの後輩くらいしかわかんねーよ。
あ、あと体育祭の応援団で一緒だった連中とかくらい?』
「そうですね…わたくしもそうですし」
紺野はどちらかと言うと、亀井絵里より、彼女の伯父の方に覚えがあった。
「どうも…夜分に失礼いたしました」
『いや、悪ィな。役、立たなくて』
「いえ、とんでもないです。それでは」
電話を切ってから、紺野はしばし考え、
「お父さん、今、パソコン使っていい?」
居間の父に声をかけた。


―――喫茶タンポポ。

辻と後藤はその夜は遅くなったので、タンポポの2階に泊めてもらった。
1階奥と2階部分は住居部分で、矢口の自宅になっている。

「お、辻。ごっつぁん今入ってるから、次お風呂入れよ。オイラはもう寝るから、
ガスと電気だけ頼むわ」
居間でテレビを見ていると、バスタオルで髪を拭った矢口が通りかかった。
321 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月31日(日)22時05分18秒
「へいっ。矢口さんは、なっちさんと寝るんれすか」
辻の他意のない質問に、矢口は一瞬ポカンとする。
キッチンで冷蔵庫からミネラルウォーターを出していた安倍も、思わず振り向く。
「な、なんだよ…そんなの、付き合ってんだからさぁ〜」
普通に照れ、矢口はがしがしと髪を拭き、
「じゃ、おやすみ」
と寝室に消えた。
「辻ちゃんも早く寝るっしょ」
安倍も辻の頭を撫で、居間から出て行った。

辻が風呂から上がり客間に行くと、後藤はもう豆球だけ点けて布団に入っていた。
「後藤しゃん、もう寝てるれすか」
そっと辻が声をかけると、
「んあ?起きてるよ」
意外にも、起きていた。
「あのれすね」
「んあ」
「さっき、矢口さんに『なっちさんと一緒に寝るれすか』って聞いたら、矢口さんなんでか照れてたれす。
のの、なんかヘンなこと言ったんれすかねぇ」
後藤は仰向けで天井を見つめたまま、小さく笑った。
「梨華ちゃんとヨシコに『今日は一緒に寝ないの』って聞くのといっしょだよ。あっは!」
「そうれすか。のの、ぶすいなんれすね」
『無粋』の意味を知ってて言ったんだろうか。
後藤は可笑しくて、また笑った。
322 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年08月31日(日)22時06分35秒

「後藤しゃん」
「ん〜?」
「あいぼん、まだ…のののこと怒ってるれしょうか」
「どうだろうね〜」
「あいぼん、のののこと、『大キライ』って…。もうお話してくれないれしょうか」
「んあ、ホントにダイキライなら、そう言わないと思うけどなぁ〜」
「…なんでれすか?」
「加護ちゃんってキライだったら、眼中になさそーじゃん。だから」
「…そう、れすか?」
後藤は少し体を起こし、辻の方を向いた。
「ホントは好きなのに、相手とうまくいかないとかで、自分のことを見てほしい、とか思って
『大キライ』って言っちゃうのかもよ?」
「……」
「ごとーもつい言っちゃうんだけどね〜」
後藤はふにゃっと笑う。
「後藤しゃんも、お友達とケンカしたら、謝るれすか?」
「ごとー?んー、友達による」
「へ?」
「幼なじみでいちーちゃんっているんだけど、いちーちゃんにはごとー、絶対謝んないもん。
だって、いちーちゃんだしさぁ」
ケラケラと可笑しそうに笑うと、後藤は布団を肩までかぶり直し、
「おやすみ。ごとー、寝るね」
早々と、寝息を立て始めた。
その寝つきの早さに感心しながら、
「…ののも、あいぼんのこと見てるれすよ」
誰に言うとでもなく、呟いた。
323 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月31日(日)22時09分36秒
更新しました。
ヽT∀Tノ<『いちーちゃんだもん』ってアンタ…

レスのお礼です。

>匿名匿名希望さん
( *^▽^)<ふ、夫婦だなんてそんな…デモウレシイ
本当にこれだけ変化し続けてきたグループはないと思います。辻加護…見守ってやってください。

>クロイツさん
( *´D`)<いやん、可愛いなんててれるれす〜
なちやぐ、ツボだったようで何よりです(w 文句を言いながらも、カワイイ彼女には弱いなっちなのです。

>名無しさん
( ´ Д `)<んあ…辻ちゃん、ケーキ好きだからいっかなぁって思ったんだ〜
手売りで5万枚て新人に無茶言うわ、て当時テレビの前で思ってますた。辻加護、仲直りできるでしょうか…?

>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・)<メロン記念日さんも恐らくはいなかったでしょう。本当に娘。に歴史ありですね
保田さん、ますます絶好調なようですね。何か車の免許も取ったとか。当時は娘。がここまで増えるとは思ってもみませんでしたね。

324 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年08月31日(日)22時31分59秒
・終わらない夏休み

―――8月30日

( ´ Д`)<ハァ、さすがにプールから上がるともう寒いね(後藤・小4)

ヽ^∀^ノ<もう夏休みも終わりだもんなー(市井・小6)

( ´ Д`)<…夏も終わりだねぇ

ヽ^∀^ノ<おう

( ´ Д`)<…宿題やった?

煤R;^∀^ノ<!


つづけ
325 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月01日(月)00時14分33秒
加護は、夢を見ていた。
昔の出来事が、断片的に浮かんでは消える。

『おかーちゃーん!亜依、またテストで百点とったでェー!』
『ホンマかいなー。亜依は賢いなー。誰に似たんやろかね』
『へへ!おかあちゃんや!』
『またウマイこというてからに…今日は亜依の好きなモンにしよか』
『ウン!』


お母ちゃん…お母ちゃんが褒めてくれるのが嬉しかったから、ウチ、頑張って勉強してんで。
お母ちゃんがおらへんようになったら、ウチ…どうしたらエエの?

『皆も加護を見習って勉強するように』

またか…このセンセー、うっざいわ。
何でテスト返すとき、点数言うねん。
おかげで、ウチがどんだけイヤな目に遭うてるか、分かってるんやろか?

『加護、オマエいい気になってんちゃうん?』

放課後にわざわざ校門の前で待ち伏せて。
ホンマ、ヒマな連中やな。
雨で濡れた地面を、ウチはうざく見つめた。
空もはっきりしない色やった。
シカトして通り過ぎよーとしたら、肩掴まれて、門に叩きつけられた。
引っ繰り返るウチを、笑って見てる連中の後ろに、親友やと思ってた子が、傘を持ち直して、
見て見ぬフリをして帰って行くのが見えた。
その傘の色が、鮮やかな水色やったのを、今も何故か覚えてる。
326 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月01日(月)00時18分32秒
…忘れもせんわ。
古い校舎の使ってない倉庫に、放課後クラスのヤツに呼び出されて、閉じ込められたんや。
ウチの親友―――あの日、ウチを見捨てて帰った子が呼んでるって言うてな。
外からカギかけられて、ウチは丸二日、そこで過ごした。
二日目の昼過ぎ、
『離さんかい!自分らが探さんなら、オレが探すワ!』
…ああ、お父ちゃんの声がする。
ウチは朦朧とした意識の中、最後の力を振り絞って中からドアを叩いた。
『…亜依!』
ウチはぐったりとして、お父ちゃんに肩を揺すぶられてた。

『人ん家の娘をなんやと思てんねん!』
ああ、オトンが頭から湯気たてて怒っとる。
あんなコトあったし、ウチがガッコ行くのイヤやって言い出したからやな。
オトンはどこからかそれまでのイジメの実態を聞き出してきて、幾度かガッコに乗り込んだ。
…ゴメンなぁ、お父ちゃん。
お父ちゃんはお父ちゃんで、ホネ折ってくれててんなぁ。
若い女のひとと再婚したから、ウチのことなんてどうでもエエんやと思ってたワ。

…ウチのことなんか、ジャマなんやと思ってた。

東京のガッコ行けとか言い出したしなぁ。



327 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月01日(月)00時22分29秒
『加護さん、入学式に新入生代表で挨拶してくださいね』
高校の合格発表の日、ガッコから連絡があった。
『え…ウチ、いや…わたし、入試で一番やったんですか?』
『はい、当日までに考えて原稿用紙に書いておいてください』

…ひとケタの手ごたえはあったけど、首席やったとはな。
外部受験やったし、まさか一番とは思わんかったワ。

…勉強とか、ホンマはどうでもよかったんかもな。
田舎やし、他にすることもなかったし。
自分の身を守る手段やってことに気付いてから、ますます目的が分からんようになっとった。

…あの日。
冷え切った倉庫で、ウチは寒さに震えながら長い夜に耐えていた。
窓がないから、腕時計でしか時間の経過が分からへん。

…お母ちゃん。ここは、暗くて怖い。
ウチの中にも、ここと同じような真っ暗な闇があって、いつか自分もそこに呑み込まれてまうんやないやろかって、
それが怖ぁて、しょうがない。

…のの?
なんで、ののがおんねん?

『あいぼん、早く!』

『早く』て、ドコ行くねん。
ののは笑って振り返る。

…なぁ、のの。
ウチは、のののそばにおってエエんか?
いつか、取り返しがつかんくらい、アンタを傷つけてしまうかもしれへんのに。

…ウチ、こわいねん。
どうやって、説明したらエエのか分からんけど。

一緒におったら、自分もアンタも傷つけてしまうかもしれん。
…それでもエエんか?

…のの。
328 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月01日(月)00時27分12秒
…ここで、加護は目を覚ました。
ひどく喉が渇いていた。
悪夢から解放された安心感と、夢に振り回された疲労感で、ぐったりとなる。
しばらく、体を起こして座り、うなだれていた。
額の夥しい汗を拭うと、自分が仏間に寝ていることに気付いた。
すぐそばのローテーブルに、ラップのかかった皿がある。
加護は布団から出て、サイドスタンドを点けた。

『あいぼんへ
起きたら食べてね。あんまり、おいしくないかもだけど。梨華』

そばに、手紙があった。
おにぎりが数個あり、レトルトの味噌汁とポットも用意してあった。
ラップをそっとめくって、加護はおにぎりを掴んだ。

「…泣いても悲しんでも、ハラが減る。人間とは因果な生き物やで、しかし」
加護はおにぎりを頬張ってしゃくり上げ、鼻を啜った。
329 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年09月01日(月)00時36分17秒
更新しました。

330 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年09月01日(月)00時38分29秒
・つづき

8月31日、朝11時…

ヽ母`∀´ノ<まったく毎年毎年!ガミガミ!

ヽT∀Tノ<ごめんなざい〜(市井・小6)

( ´ Д `)<こんちは〜。いちーちゃーん、宿題手伝いに来たよ〜(後藤・小4)

ヽ母`∀´ノ<ホラ!年下の子に手伝わせて、恥ずかしいと思わないの!?

ヽT∀Tノ<…おぼっでまず トホホ…

( ´ Д `)っ□<算数はさすがにごとー、6年生のはわかんないから、漢字やったげる

φ(´ Д ` )<♪〜

ヽ母`∀´ノ<何ぼーっとしてんの!アンタの宿題でしょ!

ヽT∀Tノ<ハイ…(アタシって、尻に敷かれる運命?)


ビシビシしごいてやってね!>ヽ母`∀´ノつ日 ⊂ (´ Д ` )<んあ
331 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003年09月01日(月)02時49分52秒
8月最後の更新お疲れ様です。
( ´ Д `)<んあ、いじめられっこは絶対いい子になるよ。だって人の痛みを誰よりもわかるはずだもん。
僕も恥ずかしながらいじめられっこだったので。ちょっと読んでて泣きそうになりました。あいぼん素直になってののと仲直りするのれす。
あと、いち〜ちゃん。普通は2、3日前から慌てるのになんで前日まで気づかないかな?

30日の福岡のごっちんの握手会に行ってきました。雨がドシャ降りでずぶ濡れになりましたが、ごっちんと握手できて幸せでした。
近くで見るごっちんは、かわいい!!肌きれい!!指きれい!!顔ちっちゃい!!髪サラサラ!!笑顔が…も〜か〜わ〜い〜い!!
すいません、取り乱しました。
332 名前:クロイツ 投稿日:2003年09月01日(月)10時20分38秒
あ、あいぼん…!!ああ、あいぼん!!!
ののたんサイドでなんだかほんわかとした後に、あいぼんサイドですごく切なくなりました…。
あいぼーん!!大好きだぞあいぼーん!!
 そしてやぐなちにウットリ☆ああ、矢口さんが愛しくてたまらない…。

 あいぼんとののたん、仲直りできますように…。
 次回も楽しみにしてます!!
333 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003年09月01日(月)21時15分01秒
更新お疲れ様です。
あいぼん...(涙)
何だかどうやって言葉にしたらいいのか分からないんですけど、無性にあいぼんを
抱きしめたい感じでし(0´〜`0)
私も皆様同様、早く仲良くなってもらいたいです...。

次回の更新、じっくりと待っています。
334 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時45分35秒
翌朝。
梨華が目を覚ますと、吉澤はもういなかった。
『おはよう。朝イチで授業があるから、先に行くね。何かあったらすぐ連絡して。』
枕元の吉澤のメモを手に取り、
『ひとみちゃん…ゆうべ約束あるって言ってたのに、悪いことしたなぁ』
少し罪悪感にかられ、ベッドから起き上がった。

「…ん?」
部屋を出ると、ドアの下にミスドの袋が置かれてあった。
『ゴメン』
袋に貼られてあるメモの、見覚えのある丸字に、梨華はくすっと笑った。

「…ふぁ。さすがにねっむいワ」
電車をホームで待ちながら、加護は口を押さえてあくびする。
朝早く駅前のミスドでドーナツを買いに行き、一旦中澤家に戻り支度して出かけた。
梨華はまだ眠ってるようだったので、これ幸いと部屋の前に無造作に袋を置いてきたのだ。

今日は付属中学の生徒の登校日だ。
亀井絵里に直接会って聞きたいことがある。
そのために、わざわざ早起きした。

辻は朝いなかった。
朝食の席で裕子に聞くと、タンポポへお菓子を作りに行き、遅くなったので泊まったらしい。
今日はバイトなので、そのまま働くのだろう。
『まあ…帰りにでも寄るか』
加護はトーストを千切って口に運んだ。

『さて、そろそろHRも終わる時間やな』
腕時計で時刻を確認し、加護は中学に入って行く。
講堂からは、クリスマス礼拝で歌う、ヘンデルのハレルヤ・コーラスを練習する声が聞こえる。
HRを利用して、合唱曲の練習をしているクラスもあるようだ。
335 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時47分17秒
「全能の神、か…」
ハレルヤの歌詞を聴いて、加護は呟く。
『神サンがホンマに全能っやちゅーんなら、ウチのことも、もうちっとあんじょう都合してや、しかし』
加護は心の中で文句を言い、
「まあ、とりあえずあんじょう頼むワ」
チャペルのほうを一瞥して、加護は校舎に向かった。


『クラスを聞き忘れたのは不覚やったな…さて、どうしたモンか』
すでにHRを終えたクラスから、ぞろぞろ生徒たちが出てくる。
加護が手持ち無沙汰に3年生の教室のあたりをウロついてると、
「あ、加護さん!」
見覚えのある生徒が加護に気付いた。
「あ、えっと。新垣、さんやっけ。久しぶり」
「お久しぶりです!あの、なんか色々大変だったようですけど、元気だしてくださいね!」
新垣はテンション高く喋った。加護は少々面食らいながら、
「あ、うん。どうも。あの、さ」
「はい?」
「自分と同じ3年の、亀井さんって知ってる?どこのクラスか知りたいんやけど」
「あ、亀井さんですね!あたし、同じクラスですよ。まだ帰ってないと思うし呼んできますね!」
「ああ、あの…」
加護が止める間もなく、新垣はダッシュで自分のクラスへ消えた。
『まあ、えっか』
加護は小さく溜息をついた。

亀井は新垣に連れられて、すぐやって来た。
『…デカッ』
加護は亀井を見て素直に思う。
亀井が特別高いのではなく、自分より年下なのに自分より背が高い者に対しての、
正直な気持ちだった。
「御用とは、何でしょうか」
亀井はにこやかに聞いた。
礼儀正しいが、紺野とはまた違う品のよさだった。
「わざわざごめんね。ちょっと、いいかな?」
亀井はやんわり頷いた。
336 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時48分19秒
駅前の喫茶店にふたりは向かった。
ここは中高生が入るには少々値段が貼るが、余計な音楽もなく静かなので落ち着いて話すにはいい。
加護は財布の中身を気にしながら、席に着いた。
「あなたの伯父様に、今回お世話になったそうですね」
めいめい注文してから、加護は話を切り出す。
「ええ、今回の件はあまりにも理不尽過ぎましたから」
亀井は答えた。
「…どうして?」
加護は知らず知らず、険しい顔をしていた。
彼女があんまりメリットのなさそうな行動を取ることが、甚だ疑問だった。
「どうして、とは?」
亀井は首を傾げる。
そう聞かれることが逆に不思議だったようだ。
「あなたに何のメリットもないことなのに、どうしてなのかってね。私たちは友達でもないのに」
「メリット、ですか」
亀井は意味あり気にふっと笑った。
加護は不審そうな顔をする。
「うちの伯父が以前学園の理事だったことはご存知ですか」
「それは初めて聞いたけど、あなたのお家がとてもお金持ちだというのは聞きました」
言って、加護はひとこと余計だったかなと反省する。
だが、亀井は小さく笑っただけだった。
「私の家はともかく、伯父は付属の女子大で教鞭を取っておりますので、今でも理事会に対して発言力があります」
「そうですか」
あんまり興味のない話なので、加護はあと必要なことだけ言って、伝票を掴んでレジに行こうとした。
長居は無用だ。
「とにかく、伯父様にお礼をお伝えください。ご迷惑をおかけしましたと」
加護は立ち上がってスカートを直し帰ろうとした。
「加護さん」
「はい」
「あと少しだけ、お付き合いください」
亀井はあくまで丁寧だった。
337 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時49分39秒
――― 夕方。喫茶タンポポ。

辻は矢口に休憩してもいいと言われて、店の奥のソファーにつっぷした。
普段なら店内の空いてる席に座るが、今日は満員なのでここに来た。
『あいぼん…今日は学校に行ってるんれしょうか』
ズボンのポケットから携帯を取り出して、意味もなくスクロールする。
『〜♪』
急に着メロが鳴り、びくっとする。
加護専用のだ。
『今駅着いた。ソッチ行くワ』
「ソッチって…ここれすか?」
画面を見つめ、辻は体を起こして座り直した。

しばらくして、加護がやって来た。
やはり学校に行っていたようで、コートの中から制服が見えている。
加護は憮然としていた。
照れくさそうな、決まり悪そうな顔だった。
「よ〜!なんか、タイヘンだったみたいだな〜」
矢口が気軽に声をかけると、
「どうも」
と苦笑して頭を下げた。
「気にすんなよ。あのセンセー、ヤグチもさんざん手こずったからさぁ」
手こずったのは、どっちかというとその先生のほうでは?
辻は胸に浮かんだ疑問をあえて閉まった。
338 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時51分16秒
辻がバイトを上がるのを待って、ふたりは一緒に帰った。
「ちょっと寄るとこあるんれすけど、いいれすか」
辻がそう言うので、線路向こうの小さな雑貨屋に向かった。
狭い店だったが、趣味のいい雑貨が所狭しと並んでいた。
「ああ、やっぱり高いれす…」
少し離れてこの店オリジナルの絵葉書を手にとって見ていた加護は、辻の声のするほうに視線を向けた。
「何?」
近づくと、
「これれす」
プラスティックの、透き通った指輪を自分の手の平に載せた。
「指輪やん」
「へいっ。この前来たとき、すっごい欲しかったんれすけど、高いからあきらめたんれす」
「ふうん。確かに、ちょっと高いな」
これのどこが3600円なのか、加護にはさっぱりであった。
辻は笑って元に戻し、
「帰ろ、あいぼん」
先に店を出た。

電車通りを並んで歩く。
もう日は暮れた。
時折、電車の通過する音が響く。
「あいぼん、今日学校行ってたれすか」
「うん」
「またお勉強しにれすか」
「いや、今日は違う。例の亀井さんに会いに」
「い、いじめたれすか!?」
なんでやねん、と加護は呆れ顔になる。
「ちがうっちゅーに。今回の件で礼言うたんや。家知らんし、ガッコで言おと思てなぁ」
「そうれすか。よかったれす」
辻は安堵の溜息をつく。
加護は少しムッとしたが、そのまま続けた。
「で、亀井さんの伯父さんってこの学園の理事してはってんて。それもあって、
ウチの処分、あっさり解けたみたい」
339 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時52分11秒
加護は話しながら、昼間の亀井との喫茶店でのやりとりを思いだしていた。
亀井に引きとめられた加護は、一旦浮かした腰を仕方なくまた下ろした。
「まだ何か?」
「単刀直入に言いますね。うちの伯父が今回動いてくれたのは、加護さんだったからです」
「…ハ?なんで?」
加護はあっけにとられ、敬語を忘れてしまった。
「うちの付属の大学が、飛び入学できることはご存知ですよね」
「うん。それが?」
「伯父は理工学部で電子工学を教えてるんですが、優秀な人材を欲しがっています。
将来、伯父の研究室に入ってくれて、ゆくゆくは未来の電子工学界を背負って立つような」
「ちょーっと待ってーや。それとウチとどないな関係があんのん?」
「加護さん、ご存知ないんですか」
亀井は不思議そうな顔を向けた。
「何を」
「加護さんは、今から付属大学の教授たちが来年、2年生修了時に飛び入学させようと虎視眈々と
狙ってます。うちの伯父もそのひとりです。
「そんなん初めて聞いたワ。なんでまた…」
「学園始まって以来ですよ、校外模試で全国5位なんて。理数系教科だけなら2位を取ってる科目もあるじゃないですか」
「別にあれは…」
単に紺野に誘われて、ヒマだったから受けたのだ。
ちなみに、紺野は全国3位だった。英語だけ1位だったようだ。
「とりあえず、今回のことは礼を言うワ。どうも」
加護はそそくさと伝票を掴むと、そこから退散した。
なんだか早く辻の顔が見たくなった。
340 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時53分37秒
―――近くの民家の、穏やかなオレンジの室内灯を見つめながら、
加護は今日のできごとを簡潔に語った。
辻は目をぱちくりさせて聞いている。
話し終わると、
「すっごいれす!あいぼん、やっぱりすごいれす〜!」
興奮気味に言った。
「べっつにー。つーか、まだ1年やのに、青田買いやん、ぶっちゃけ」
加護はさも感心なさそうに呟いた。
「それでもすっごいれす!」
辻は加護の袖を掴んだ。

踏み切りでしばらく待つ。
警笛が響き、忙しげに電車が通り過ぎていく。
車内の窓の黄色い光が、断続的に流れていった。
341 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003年09月08日(月)16時54分32秒
なかなか遮断機は上がらない。
辻は鞄の隙間から携帯を落とした。
すべり落ちて、少し離れた場所に着地した。
加護は黙って拾ってやる。
礼を言って受け取ろうとして、目が合う。

切ない、というのは、こういう感情をいうのか。
辻は心の中で思う。
辻の携帯を手に持ったまま、加護は辻のコートの袖を掴んだ。
どちらからとかでもなく。
辻も目を伏せた。
加護のマフラーのぬくもりを間近に感じる。
電車の通過する音、警笛の音。
窓からの光が、口づけるふたりの顔を時々黄色く照らしていた。


神様―――うちはもう、他に何もいらん。

だから、ののだけは、取り上げんとって―――。


加護はまた、目を伏せた。
342 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003年09月08日(月)16時56分13秒
更新しました。

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( *´ Д `)<あっは!そんなに言われたら照れるよお〜

ゴチーン、かわいかったですか。雨が降ったそうですが、楽しかったようで何よりです。
いじめは乗り越えたらすごく強くなりますよね。


>クロイツさん
(〜^◇^)<お!オイラの魅力にメロメロなひとがいるよ!

ヤグチさんは教師に注意されたくらいではビクともしません(w。肝据わってます。
なっちもそこにメロメロ?

>匿名匿名希望さん
(*^▽^)<ふふっ。あいぼんったら

とりあえず、こうなりますた。ご心配おかけしました。あいぼん、一歩成長?
辻さんもちょっと女心を知るの巻ですた。
343 名前:登場人物紹介 投稿日:2003年09月08日(月)17時03分23秒
川*^ー^):亀井絵里(14)。中3。新垣と同じクラスで生徒会の元副会長。
      加護に関心があるらしい。

(((川*^ー^)

( ・e・)<(…亀井さんはいいなー。お家はお金持ちだし、成績もいいし)

∬∬`▽´)<よう、里沙。どしたんだよ?

( ・e・)<ううん、べつになんでも…

∬∬`▽´)<よっしゃよっしゃ!アタシがラーメンおごってやっからさぁ

煤i ・e・)<ホント?


∬∬`▽´)<おめー、なに食う? (^e^ )<チャンポンチャン!
344 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003/09/09(火) 19:45
更新お疲れ様です。
何だか落ち着いた感じなのに、妙に切なくなるのはなんででしょうか...。
でも、あいぼん、だんだんと大人になっていってるんですね(w
今後の2人も楽しみに見守っていこうと思っています♪
345 名前:オガマー 投稿日:2003/09/10(水) 22:45
ギャー!!のんたんとあいぼんがぁあああ(爆
346 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/09/11(木) 02:45
お疲れ様です。ごっちんで返してくれて、すげーうれしかったす。
( −▽−)<ZZZZZ……
( ;´▽`;)<ふぁ〜〜〜あ。あら?……
( ^▽^)<ふふっ、これでののとあいぼんは一件落着ね。
あと∬∬`▽´)(^e^ )結構この二人の関係が好きです。垣さんは今回、あいぼんのために1番に抗議したり、亀井さんに会わせるなど影で大活躍でしたな。ところでチャンポンチャンて食えるの?

うたばんのロマンスの色っぽさは梨華ちゃん、アヤカさんがよかったです。
( −▽−)<ZZZZZ……
( ;´▽`;)<ふぁ〜〜〜あ。
( ;^▽^;)<おはよう。
(‘ 川川<♪♪♪……… アヤカさ〜ん。>(○?○ )
クルッ
川‘.▽‘)||ミ<なぁに?
特にあのアヤカさんは、反則的な色っぽさですた。
347 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/16(火) 18:33
―――吉澤視点

ウチは朝早く、大学に向かった。
梨華ちゃんの寝顔を見て、このまま何も言わずに出かけるのはとてもしのびなかったけど、
単位を落としたらヤバイ授業なので、かなり未練を残しながら部屋を出た。

置き手紙を枕元にそっと残しては来たけど。
やっぱりなんだか気になる。
そんなもんで、授業もいまいち身が入らなかった。
一応、板書はしたけど。
いつメールがきてもいいように、シャツのポケットに携帯をしのばせといた。

「こんちゃーす」
部室に向かうと、奥の壁に、『部室内Hな本持込禁止』という張り紙がデカデカと掲げられていた。
この字は…アヤカさんだな。
わざわざ『Hな本』のとこは朱書きだ。
つーか、エロ本なんか持ち込むの、アノヒトしかいないじゃん。

「よ〜う。吉澤ちゃん、元気ィ?」
アノヒトがやってきた。
「あん?『Hな本持込禁止』?誰だ、そんなコトすんの?」
…あなたしかいませんよ、市井さん。
348 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/16(火) 18:34
バン!

急に大きな音がしてドアが開いた。
「んあ!」
ごっちんが大荷物で現れた。
アンプとなんだかやたらとでかいボストンバック持参で。
ごっちんは部屋に入るとき、チラと例の張り紙に視線をやったが、特に何もコメントせず、荷物を置いて
また出て行った。
誰のための張り紙か、十分分かってるからなんも言わないんだろーなー。はぁ、カッケー。

そのとき、ウチの携帯がブルった。
『連絡遅くなってごめんね。
ゆうべはありがとう、ムリ言ってごめんね。
市井さんたちにも、悪いことしたね。ごめんね。
ごめんなさいって伝えてね。
今日は、ひとみちゃんの好きなおかずにするね。梨華』

梨華ちゃん、ほんっとらっしいなぁ。
謝ってばっかだ。
梨華ちゃんが悪いワケじゃないのに。
画面をスクロールさせて、ウチはニマニマした。

349 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/16(火) 18:35
「どれどれ、嫁からメールか。
『あなた、早く帰って来てね』とか書いてんの?」
「勝手に見ないでくださいよ」
市井さんから自分の携帯を遠ざけ、閉じてポッケにしまった。
「ハァ…周りはバカップルだらけなのに、アタシひとり寒い冬だよ」
市井さんはわざとらしくため息をつき、背中をしょぼくれた感じで丸め、パンツのポケットに手を入れた。
「エロ本探求するヒマがあったら、姫にアプローチしたらどうっすか」
市井さんは一瞬ポカンとあたしの顔を見た。
「あーら、言うようになったじゃないの、吉澤ちゃーん。
ん?どのお口がソンナコト言うのかな?」
じりじりとにじり寄って来て、顎をつかまれた。
あわわわわ…。
「んあ!もーお!市井ちゃん、手伝ってよー!」
ごっちんが、また大荷物で現れた。
ドアを少し開けて文句を言っている。
「わーったよ。どりゃ、どれ持つんだよ」
あー、助かった。
ウチの美しい顎が。
大事にさすって、梨華ちゃんにメールの返信を打った。
350 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/16(火) 18:36

―――夕方。

『こりゃまたどうしたものか…』
買い物袋片手に、飯田は考えあぐねていた。
スーパーからの帰りに辻と加護を踏切で見かけ声をかけようとしたら、キスをしていた。
邪魔するのもなんだし、と彼女はそそくさと退散したのだ。

『んー…なんだろ、ヘンな感じ』
袋をがさがさいわせ、飯田は家路についた。

家に帰って保田が来てからも、飯田はぼーっとしていた。
交信はいつものことだが、今日は様子が違うので、保田は
「どしたのよ、ぼーっとして」
ごはんを食べながらそれとなく声をかける。
「あ、や…辻と加護も大人になるんだなーって」
「結論からいきなり言われても分かんないわよ、そのとーりだけどさ」
「あ、うん」
飯田は、さっきの出来事を話した。
保田は「ほう」と一言言い、
「やるじゃん、ふたりとも」
ニヤっと笑った。
「あー、うん。別にキスしてもおかしかないトシなんだけどね…でもなぁ」
飯田は首を傾げる。
「ははぁ、さては」
「なに?」
「大事なののちゃんを取られて、カオリおねーちゃんはさびしいワケね」
「…うん、多分、そう…」
飯田はうつむいて、ごはんを口に運んだ。
「アンタは辻の中では特別よ。アンタだってそーでしょうが」
「うん…」
「いつかはみんな、大人になるわよ」
「うん…」
「まあ、アタシら年寄りは悪ガキどもの成長を見守ろうじゃないの」
「ヤだ」
「あ?」
「だって、カオ年寄りじゃないもん」
「…そこ反応かよ」
保田はあきれて、黙々と箸を運ぶ飯田を見ていた。

「圭ちゃん」
「ん〜?」
「圭ちゃんは、ずっとカオのそばにいてね」
「…言うまでもなくいるじゃん」
猫を撫でるように、保田は飯田の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
351 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/16(火) 18:37
更新しました。

レスのお礼です。

>匿名匿名希望さん
( ^▽^)<いつかはみんな、大人の女性になるんだろうなぁ…サビシカッタリ

本物の加護嬢も、最近髪下ろしたりしてとみに大人になってますよね。

>オガマーさん
(;´D`)<た、たいへんれす!オガマーしゃんがばくはつしたのれす!

爆発されながらも、ネタバレはしないお心遣いに感謝します(w どうもです。

>ヨッスィのタマゴさん
∬∬`▽´)<おう、里沙はいいヤツだぜ!

ガキさん、今回影の主役?まこっちゃんとはご近所なのもあって、仲良しです。
352 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/16(火) 18:48
やすかお久しぶりにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
ごまべーぐるさんのやすかお大好きです。
萌え萌え(*´Д`)
もっとやすかおを!(;´Д`)ハァハァ
ストーリーも好きです。これからも頑張ってくだせぇ。
353 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/16(火) 18:50
上げちまった…。
すいませんすいません。
354 名前:73 投稿日:2003/09/16(火) 19:10

更新お疲れさまです。
なんかひさびさに「ベース弾き」なシーンが出てきましたね、懐かしく嬉しいです。
うん、彼女ら、バンドやってたんですよね……。吉澤はベース弾きでした、そういえば。
ヤスがドラム叩くシーンが好きなワタクシ。
355 名前:クロイツ 投稿日:2003/09/16(火) 23:04
Hな本禁止…い、いちーちゃん!!いちーちゃぁぁぁぁぁん!!!
カノジョからのメールにニヤニヤするヨッスィーも素敵です。
 かおけいに…ちょっとどころじゃなくどきどき(笑)
 圭ちゃん、妬いたりしないんれすか?(笑)

次回も楽しみにしております!!
356 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/09/17(水) 03:13
更新お疲れ様です。いいらさんはこんな感じだったんでしょうか?
(* ‘д‘)´D`*)…………………………オロオロ>(゜皿 ゜;三;゜皿 ゜)

ハロモニのハワイSPは全員の水着姿に悩殺されまくりでした。
僕的に1番見惚れてたのは、川’ー’川、愛ちゃんです。クラシックバレエと、ソースかつ丼で作られたナイスバディでした。いち〜ちゃんのエロ本よりも過激だと思います。(ていうか、いち〜ちゃんいったいどんな本を?)
あと14日愛ちゃん誕生日おめでとう。僕は18日なので愛ちゃんとごっちんの間です。
357 名前:オガマー 投稿日:2003/09/18(木) 22:30
あ〜、いいなぁ〜、カオケイ(?)
なんか癒されますた。
前回のレスは取り乱しましてすみません。
まさにカオたんのような心境です。
ののとアイボン、大人になったのね(感涙
358 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/22(月) 21:48

―――吉澤視点

家に帰ったら、もう晩ゴハンだった。
みんなすでに食べ始めている。
「あ、ひとみちゃん。おかえりなさい」
梨華ちゃんが立ち上がって、ウチのかばんを持ってくれようとする。
「あ、や。いいよ。座ってて。…お、今日はスコッチエッグだね。カッケー!」
ウチの好きなおかずを作るって言ってくれてたしなー。
サラダにもさり気にゆで卵スライスが入れられていた。
ふと横を見ると、ののとあいぼんが黙々とごはんを食べている。
「おめーら、もう仲直りしたんかぁ?」
座りながら尋ねると、
「へいっ。心配ご無用れす」
ののがうなずいて言った。
「まぁ、自分にも迷惑かけたな。堪忍な」
…ののはともかく、あいぼんまで素直に謝ってる。
ウチは一瞬虚を突かれたが、すぐ気を取り直してお箸を手に持った。
「そっか。よかったよかった」
「ののたちは天下無敵の仲良しれす」
「いや、天下無敵の使い方間違ってるし」
あいぼんが即座にツッコむ。
ああ、いつも通りだな。
そう思って普段どおり食事を始める。

「ああ、やっぱりアカンわ」
中澤さんが、ぼやきながら台所に来た。
「裕ちゃん、やっぱりダメ?」
梨華ちゃんが聞くと、中澤さんは『ああ』と頷いた。
「どしたんスか」
「風呂がな、沸かへんねん」
中澤さんは首を傾げて頭をかく。
「故障っすか」
「分からんけど、業者に電話かけてみるワ。
今日のとこはどうしよか?銭湯でも行くか?」
「お風呂屋さんれすか!」
ののは箸を持った手をグーにする。
「なんやスーパー銭湯いうのが隣町にあったやろ。車で行ってきたらエエやん」
「裕ちゃんは?どうすんの」
梨華ちゃんが聞くと、
「ウチはみちよが迎えに来るから、そのままアイツん家に行くしエエ」
中澤さんは少し照れたように答える。
あらま、アツアツで。
梨華ちゃんもそう思ったのか、ウチらは顔を見合わせて少し笑った。
359 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/22(月) 21:54
ごはんのあと少し休憩して、梨華ちゃんの運転で銭湯に向かった。
ののは後部座席ではしゃいでる。あいぼんはののに洗面器をかぶらされ、
「カッパれす〜♪」とからかわれて、とほほというような顔をしていた。

「…ウオ。ひっれ〜!」
初めて来るトコだけど、そこはちょっとした健康ランド並だった。
そんでもって値段は安い。
ちなみに、銭湯代は中澤さんが持ってくれた。
ウチはオトナだしバイトしてるからいいです、と丁重に断ったのだが、
『ゆうこと聞かんと、チューすんぞ?』とニヤリと笑われ、震えながらコクコク頷いた。
「へぇ、ようさん来てはんねんな」
あいぼんの言う通り、風呂上りのひとたちがロビーで飲み物を飲んだり雑談したりして、
思い思いにくつろいでいた。

女湯ののれんをくぐろうとすると、
「自分、アッチちゃうん?」
とあいぼんが『男湯』のほうを指差すので、軽く小突いた。
「もう〜、あいぼーん」
梨華ちゃんも笑ってる。
…しっかし。
みんなで銭湯来んのも初めてだけど…梨華ちゃんとオフロってのも。
海にみんなで行ったときも、梨華ちゃんは柴っちゃんやごっちんと固まって
湯船に浸かってたし、ウチも市井さんに飛び蹴りされたり、保田さんに
ヘッドロック喰らったりしてたから…ちゃんと梨華ちゃんのカラダ…見てない。
いや、もう『一線を越えた』仲ではあるが…やっぱり、ねぇ。
360 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/22(月) 21:58
遅ればせながら、こそこそとタオルで隠し、浴室に入って行った。
ののとあいぼんは、背中の流しっこをしてる。
そばでどこかのおばさんが微笑ましそうに見ていた。
空いてる洗い場を探してると、
「ひとみちゃん、こっち!」
梨華ちゃんに呼ばれた。
いきなり胸が視界に入ったので、慌てて目をそらす。
しかもタオルで中途半端に隠れてるし。
「あ、お邪魔します」
そそくさと椅子を引いて腰掛け、手早く洗い始めた。
ひー。
つーか、拷問っすよ。
こんなエ、エロいカラダを横目に体洗えって。
あ、そうだ、頭洗えばアワで見えなくなる。
そう思って頭を濡らしてシャンプーのボトルを手探りで取ろうとすると、
「ハイ」
…優しいカノジョは、わざわざ体を伸ばして取ってくれた。
モロ、胸を見てしまいました。

「あ、よっすぃ〜!おっそいでー!」
すでに上がっていた辻加護チームから苦情が出る。
ふたりはもう上がって、着替えも済ましていた。
梨華ちゃんもドライヤーで髪を乾かしている。
「わりぃ。すぐ服着るな」
着がえてると、後ろで
「のの、もっとよう頭拭かなアカンがな。風邪ひくで」
あいぼんがののの頭を自分のバスタオルでごしごしこすってた。
ののはくすぐったそうにくすくす笑ってる。
361 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/22(月) 22:01
ロビーに出て、飲み物を買う。
飲み物代まで、中澤さんは梨華ちゃんにこっそり持たしてたらしい。
『これで何か飲み』って言って。
何か、悪いなぁ。
「気にしなくていいよ〜。あ、ひとみちゃんなんにする?」
お言葉に甘えて、ウチはフルーツ牛乳にした。
腰に手を当てて、オヤジのように飲む。
梨華ちゃんは笑って烏龍茶にむせてしまった。
別にウケを狙ったワケじゃないのになぁ。
「オヤジや!オヤジがおんで!」
「まったくれす!」
辻加護コンビはコーヒー牛乳を飲みながら、はやしたてた。

「それにしても銭湯には、なんで聞いたこともないよーなアヤしいメーカーのサイダーがあるんやろな」
駐車場まで歩いてるとき、あいぼんが言い
「あ、それ、ののも思ってたれす」
ふたりで頷きあっていた。
梨華ちゃんが少し寒そうにしてるので、ウチのマフラーを巻いてあげた。
「ふたりで巻こうよ」
梨華ちゃんがそう言うので、ウチも笑って、自分と彼女の首に巻きなおした。
寒いけど、静かに星が輝いていた。
中途半端な長さになってしまってほどけそうなマフラーを何度も笑って巻きなおし、
手を握って車まで歩いて行った。
362 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/22(月) 22:08
更新しました。
おとめのシングル買いますた。娘。の曲でほーじんの高速スラップが聴けるとは思わなかったので、
おトク感いっぱいです。
間奏でいいらさんがチューブトップ直してるのは仕様でしょうか。(;゜皿 ゜)ノ ヒー!

レスのお礼です。

>名無し読者さん
キタ━━━━(* ゜皿 ゜(`.∀´* )━━━━!!!!!!

どうもありがとうございます。これからもやすかおで(;´Д`)ハァハァ して頂けるようがんがります(w
ageたことはどうぞお気になさらず。すぐochiにしてくだすってどうもです。

>73さん
( `.∀´)<♪おっいらはドラマー やっくざなドラマー

そういえば、この話はバンドものでした。そして吉澤はベース弾きですた。(;〜^◇^)/<オイ!
それは冗談ですが、かっけードラマーヤスが書けたらいいなと思います。

>クロイツさん
ヽ^∀^ノ<まったく!この神聖な部室にエロ本とは! ←張本人

あまりのエロ本の多さに、アヤカさんはキレ気味になって貼り紙をした模様。
ヤスは苦笑しながらも、ののたん命ないいらさんも受け止めてます。( `.∀´)y−~~タクショウガナイワネ

>ヨッスィのタマゴさん
( ´ Д `)<んあ〜。カナーリ遅れたけどヲタんじょうびおめ〜

高橋はソースカツ丼でできてたんですね(wワロタ 同性から見てもあのスタイルの良さは
うらやましいっす。川’ー’川ヤヨー いいらさんは頭では分かっててもカナーリ衝撃だったようです。

>オガマーさん
川´〜`)||<いつかオトナになると分かってるんだけどね…ハァ

そうです、大人になったのれす。複雑な心境ながらも、しっかりヤスに甘えるいいらさん。
その夜は、うんとヤスに甘えた模様。煤i`.∀´*)<こ、ここで言うの!?
363 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/22(月) 22:49
・細腕繁盛記

バンドの経理等を一手に引き受けてるアヤカ…

川;‘.▽‘)||<ん〜。ギリっで赤字は免れたカナ
      つ□

ヽ^∀^ノ←ザル( `.∀´)←結構ザル(0^〜^)←小銭ケチ( ´ Д `)←締まり屋だが細かい計算がめんどくさい

(0^〜^)ノ□<アヤカさーん。領収書っす!

川‘.▽‘)||<ご苦労様。よっすぃ〜はいつもちゃんと持って来てくれるから、助かるわ

(0^〜^)<領収書のオニですから!

川´.▽`)||<誰かさんたちにも見習ってほしいわぁ〜 ハァ

( ´ Д `)ノ□<んあ〜、そうだね…ハイ、ゴトーモ

ヽ;^∀^ノ<なな、なんだよ!?アタシのことかい!


川´.▽`)||¶<圭ちゃーん、この前の分のレシート(`.∀´;)¶<アレ?渡さなかったっけ? ←うっかりさん
364 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/22(月) 22:50
・手作り

―――昼休み

   
♪〜>( `.∀´)つ□

( ´∀`)<アラ、保田さん今日はお弁当?

( `.∀´)<ええ、たまにはと思って

↓実際はこう

―――朝

ハイ、カオの分とついでだから>川‘〜‘)||つ□と(`.∀´*)<サンキュ

………………………………………………………………………………………………………

( ´∀`)<保田さん、お料理だいぶ上達したのね〜。この煮物なんておいしそう

(;`.∀´)<え、あ、あはは…(い、言えない。今更ひとに作ってもらったなんて…)

( ´∀`)<私にも今度教えてくれる?

(;`.∀´)<い、いいですよ。私も大したコトないですが…あ、あはは


―――彼女は思い出していた。小学校の頃、『ヲレんちにはテレビが30台あるんだぜ!』とホラを吹き、
次の日学校に来られなくなったA君のことを―――



――自宅

どーしてそんなウソつくのー。シラナイヨー>川;‘〜‘)|| (`.∀´;)<言うタイミングを逃したのよ
365 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/09/23(火) 01:41
更新お疲れ&ありがとうです。24になりました。圭ちゃんの1個上です。
( ´ Д `)<手を握ってぇ〜♪ ((((((*^〜^)*^▽^)
BGMはこんな感じで。
あとアヤカさん、経費で落とす物ってピックとか弦ですか?(これだけじゃ安いか。)
たまにいち〜ちゃんヽ^∀^ノの私物を経費で落とそうとした領収書がありそうです。

そしてごっちんお誕生日おめでとう。( ´ Д `)
この前のハロモニ、ピンクゴマキペンギンでは
お姉ちゃん!>(0^〜^)(´ Д ` )<妹よ〜!
となってましたが、実際は5ヶ月ヨッスィがお姉さんですね。
366 名前:クロイツ 投稿日:2003/09/23(火) 11:38
ヨッスィーの幸運(?)に萌えながらも、やっぱり幸せそうな吉澤一家に癒されました。
世話焼きあいぼんが愛しい…。そしてやっぱり梨華ちゃんはエロい(爆笑)
しかし、ポワワとした所に来た顔文字劇場にヤラれました。
しっかり者のアヤカさんとか、かおりんの手作り弁当とか…すっごくすっごくすっごぉぉ〜く良かったんですが…
何よりも誰よりも私は

A君に死ぬほど笑わされました。

母が心配して見に来るくらいの爆笑でした。
呼吸困難で死ぬかと思いました。
まだ腹筋がぴくぴく言ってます。
…きっと私、あと一週間は思い出し笑いに気をつけなきゃいけないでしょう。

ああ!!ほとんどA君に持って行かれてしまいました(泣)!!
ごめんなさい〜!!次回も楽しみにしております!!
367 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003/09/25(木) 15:43
更新お疲れ様でした。
以前こんちゃんからいただいた〔クリネックス〕←コレ、一気に3箱くらい使いました(w
ほのぼの、素敵ですねぇ(ほくほくです)
マターリとした気分でほのぼのほのぼのしておりまし。
次回の更新も楽しみにまっていますです。
368 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/28(日) 01:50
―――中澤家

「ふう」
辻は、旅行用の荷物を点検し、スーツケースを閉めた。
いよいよオーストラリアだ。
自分は終業式を終えてからその足で成田へ向かうが、紺野はホームステイ協会の集合時間が早いため、
欠席する。
彼女の友人の、福井に住んでる女の子は、時間的にムリなので前日から空港のそばのホテルに泊まるらしい。
「すっごく…早口で、ヒアリングに苦労しますがいいひとです」
紺野は福井の友人について、こう語っていた。
同じ飛行機で行くので、そのひとに会うのがとても楽しみだった。

ふと、部屋の隅の姿見に目をやる。
自分の顔を見て、辻は夕方の出来事を思い出し、そっと指で唇に触れた。
『あいぼん…』
以前、飯田とふざけてキスしたことがある。
それは少し恥ずかしかったが、楽しいものだった。
加護とのキスは、いつもそれとは違った気持ちになる。
子供の頃、遅くまで遊んで空に星が瞬く中帰ったことがある。
いつもとは違うところで遊んだので、迷子になった。
心細くて、元来た道を何度も行ったり来たりしながら、やっと見覚えのある十字路に出た。
ホッとして、気が緩んでわんわん泣いた。
彼女とのキスは、それに近い気持ちだった。

『…なんで、胸がひりひりするんれしょうか』
加護の顔を見ていたら、泣き出しそうな気持ちになった。
触れたい、とも思った。
自分の気持ちが、正直分からない。
辻はスーツケースのそばにへたりこんで、はぁ、と溜息をついた。
369 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/28(日) 01:53
―――その頃。紺野宅。

『やっぱり…』
パソコンに向かっていた紺野は、自分の直感が正しかったことを確信する。
亀井絵里の伯父について、調べていた。
ゆうべは妹が急にパソコンが必要になったので、今日改めてネットで検索した。
「亀井教授の姪御さんだったのですね、完璧です…」
誰に言うとでもなく、紺野は呟いた。
机のそばに置いていた携帯が鳴った。
「はい?」
『あ、紺野?たびたび悪ィけど』
小川だった。
紺野は椅子に椅子に座りなおす。
『あのさぁ、昨日言ってた亀井ってコの伯父さん?だっけ。里沙のダチってコが教えてくれたんだけど…』
「あ、私もちょうど調べてたトコだったんです」
『あ、そうなんだ。じゃ、同じネタかもしんねーな』
「ハイ…ノーベル賞の候補に挙がった方が親戚にいらっしゃるってすごいですね」
『だよなぁ』
小川も同意した。

少し話してから電話を切って、紺野はまたネットの続きをする。
『どうして気付かなかったんだろう…お父さんのあの雑誌に載ってたのに』
父がいつも購読してる雑誌に、亀井の伯父の論文が載っていた。
いつだったかそれとなく眺めていたが、たまたま用事ができたのでそれっきり読まなかった。
『亀井さんの伯父様は…学園の理事もなさってたとか』
小川もさっきの電話で、
『金持ちってすげーなー』
彼女らしい感想を述べていた。
『ウチの大学の教授で、加護さんにあえて接触されたということは…飛び級入学させようと狙ってますね。
他の学部も狙ってると噂で聞きましたが…』
画面をスクロールさせ、紺野はしばし考える。
『先生の中に、優秀な生徒を現役で国公立大に合格させて合格率を上げようという派と、付属大学にスキップで
入学させようという派がいるようですが…なんにせよバカげたことです。受験するのは本人なのですから』

『加護さんが、面倒なことに巻き込まれなければよいのですが…』
紺野は、友人のことを心から案じた。
370 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/09/28(日) 01:57


―――喫茶タンポポ

「―――できた!」
矢口は、ケーキの飾り付けを終え、満足そうな声を上げた。
「どれどれ、なっちにも見せて」
皿洗いをしていた安倍も、うれしそうにこちらにやってくる。
閉店後のタンポポで、またふたりはケーキを焼いていた。
「じゃーん!ヤグチスペシャルクリスマスケーキ2002年バージョン!なっち専用仕様!ヒューヒュー!」
矢口につられ、安倍もヒューヒュー!とはやしたてる。
「わ〜、これなっちのだべか…」
真っ白な雪のようなデコレーションを眩しそうに眺め、安倍は頬を緩ませる。
「そうそう。どうよ?これなんか、めちゃ苦労してさ〜」
矢口はケーキの飾りの、天使の砂糖菓子を指す。
「サンタさんじゃないだべか」
「ちっがうよー。なっちだもん」
「え?」
「ヤグチの天使は、なっちだもん」
自分で言って照れ、矢口はそそくさと
『コーヒー淹れてくるね』とカウンターに引っ込んだ。
安倍も真っ赤になって、ケーキの可愛い天使をずっと見つめてた。


―――平家宅

「…ウチの親が、正月に来んねんやんか」
ベッドでまどろんでいた裕子は、「え?」と聞き返した。
平家は、
「親がウチのライブ観に、正月こっち来んねん。
よかったら、会ってくれへん?」
裕子の髪を撫でた。
「会ってくれへんって…エエんか?」
裕子は少し眉を寄せる。
紹介される立場なのだろうか。
平家の両親には、何度か顔を合わせたことがある。
彼女が三重から上京してきた時や、その他の時も。
こうして改めて『会ってほしい』と切り出すということは、両親に正式に自分とのことを申し出るのだろう。
裕子は小さく息を漏らした。
「姐さんがイヤならエエけど、せめて自分の親にはちゃんと言っときたいって思てさ。
ウチも親元離れて、好き勝手させてもろとるし」
「うん…」
平家はしばらく裕子の顔を眺めてた。
「まだ…早かったかな。とりあえず、これは保留でエエわ」
少し笑って、平家は裕子の頬に軽くキスした。
371 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/28(日) 02:00
更新しました。

∬´▽`∬<えー、アタシ柔道なんてできませんからー。

できたら出場するのか、マコ。


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
川;‘.▽‘)||ノ□<サヤカー!またやった!←前科アリ

その通り、市井ちゃんはよく領収書ごまかしてます(w ゴマキペンギン、ヒサブリに見られて嬉しかったです。

>クロイツさん
( A君)ノ<ヲレは給食を一秒で食うぜ!

狙ったつもりはありません(w えー、お母様にもスミマセン(w ワロテいただいてありがたいことです、ハイ。

>匿名匿名希望さん
川o・-・)<それは…藤本さん並の消費量ですね、完璧です

いえ、こちらこそいつもマターリほのぼのさせて頂いております。あちらの、なっちとヤグの関係が好きです(ここで言うヤシ)。


372 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/09/28(日) 03:59
お疲れ様です。今回は4シーンあるので場面ごとに楽しめました。
なっちは天使…どうしようもない僕にこんな天使が降りてきてほしいです。
こっちの天才、川o・-・)にも飛び級のお声がかからないのですか?

今月号のCDで〜たより(0^〜^)<秋はやっぱり食欲の秋!でも吉澤は1年中食欲旺盛です。やっぱりパンが大好きです。最近そばが好きで、とろろそばにはまってます。
( ^▽^)ノ□<ふ〜ん、とろろそばか…メモメモ。今度作ろう。
(*^▽^)<今月号のひとみちゃんは、ボーイッシュでカッコイイていうのもあるけど、少年みたいなかわいさもあるのよね。また女性ファンが増えちゃうわ。
(;0^〜^)<オイラは女の子だYO!
今月号のCDで〜たのヨッスィの表情に惚れました。
373 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/29(月) 22:08
・ファンサービス


川σ_σ||<ねーちゃんって、サイン会になるとメガネかけるよね。どして? ←サイン会の手伝いをしている

( -〇Δ〇) <ヲタが喜ぶ ←注:村さん

川;σ_σ||<ヲタ言うな

( -〇Δ〇) ノ<じゃーん!今回のコンセプトは女教師風!髪はひっつめ!中途半端な丈のタイトスカート!

川;σ_σ||ノ<コスプレかよッ

( -〇Δ〇) <次は『昼休みに財布だけ持って弁当買いに行くOL(事務)』にするよ

川;σ_σ||<…どっからツッコもうかな〜


ξξ “ З.“)<コレなんて似合うんじゃないかしらね〜♪ ←企画担当(このひとのせいでもある)
      つ□
374 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/29(月) 22:10
・ムダ知識


・吉澤ひとみが初めて弾いたベースは、不燃ゴミの日に拾ったものである。

( ^▽^)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー

・矢口真里は喫茶タンポポの2代目店主である。(ちなみに初代は母)

(0^〜^)つ〃∩ ヘェーヘェー

・アベ楽器店の地下は、ギター工房になっている。

( ´D`)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー

・中澤家には、洗面台が1階と2階両方にある。

( ‘д‘)つ〃∩ ガッテンガッテンガッテン

(;0^〜^)<…え? こっちが元祖や!>( ‘д‘)つ〃∩ガッテン
375 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/09/29(月) 22:18
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・)<わたくしなど…まだまだ加護さんにはとても及びません

>なっちは天使
芸能界に6年もいて、あんなに素朴なのはすごいなと。
本人は色々人知れぬ苦労もあったと思いますが。
CDで〜た情報ありがとうございます。明日書店に寄ってみます。

376 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/09/30(火) 02:16
柴田姉妹のボケ( ‐ Δ‐) とツッコミ川;σ_σ||はいつもおもしろいです。
OLの次は逆にセーラー服というのはどうでしょう?

( -〇Δ〇) ノ<おっほっほ!X参上!
川o・-・)<後藤さん?と思いきや、村田さんでした。確かにメルヘンらしい変なボケ連発でした。
川*^ー^)<楽勝です。 (`▽´;∬∬(何もできなった)
(;‐e‐)<まこっちゃん、後輩に軽くあしらわれてどーすんの。
377 名前:クロイツ 投稿日:2003/09/30(火) 21:16
ヲトメな辻さんが素敵…!!
矢口さんのケーキ、私も食べたい…なっち、一口ください(爆)
そして村田さん。…ファンの心を、よくわかっておられますね(爆笑)
しかも次のテーマ、素晴らし過ぎです。

そしてA君。姉はA君のような子が大好きだそうです(爆笑)
次回も楽しみにしております!!
378 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/06(月) 14:16
―――中澤家

自宅に帰ってからも、裕子は平家が言ったことを考えていた。
朝食の支度のとき、ふと手を休めハァとため息をつく。
「裕ちゃん、どしたの?眉間に皺寄せて」
支度を手伝っている梨華が顔を覗き込んだ。
「いや、なんでもあらへん」
「平家さんとケンカでもしたの?」
「そんなんや…」
ケンカというよりは、ちょっとした行き違いのようなものなのだが。
自分は考え込んでいるが、平家のほうはどうなのか。
菜箸を握ったまま、裕子はぼんやり考えた。
「おはよーれすー」
辻が起きてきた。
タンポポのバイトがあるので、早目に起きたようだ。
加護も今日はシフトに入っているので、少しあとに眠い目をこすりながら現れた。

『ちゃんと話さなアカンな、いつかはぶつからなアカンことやし』
朝食の終わったあとの席で、裕子は決心した。

携帯を前に、しばらく躊躇する。
居間で梨華は家庭教師の準備をしながら、姉のその様子を見ていた。
傍目にも、裕子はそわそわしていた。
「裕ちゃん、思い切ってかけたら?電話…。平家さんも待ってるかもよ?」
「な、なんやねん。誰もみちよにかけるって決まったワケじゃ…」
「何があったか知らないけど、たまには自分から行動起こしなよ」
裕子はしげしげと梨華の顔を眺めた。
いったいいつの間に、こんなことを言うようになったのだろう。
「あたしは席外すから」
と、梨華は教材一式を持って居間から出て入った。
379 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/06(月) 14:18
梨華が出て入ったあとも考えこんで、ようやっと電話した。
平家の携帯は留守電だった。
今日はオフのはずだから、家にいるかと思ったのだが。
メールで『帰ったら電話ください』と送り、溜息をついて携帯をパタンと閉じた。


『裕ちゃん…ホントに平家さんに甘えてばっかなんだから』
電車のなかで梨華は、窓の外を見つめて姉のことを考えていた。
これから、家庭教師のアルバイトで小川麻琴の家に向かう。
小川も今日は昼過ぎにクラブを終え、家で梨華を待っている。
『まこっちゃん、最近やる気になってるみたいだから、もうちょっと宿題増やしてもいいかなー』
小川が聞いたら、きっと『ゲーッ!』と言うだろう。
そう思い、梨華はちょっと微笑んだ。


―――小川家

「いらっしゃーい」
梨華が部屋に入って行くと、小川はもう既に机に勉強道具を広げていた。
どうしても分からない問題は置いてるが、予習もしてある。
「すごい、すごい」
梨華に褒められ、小川は『ヘヘッ!』と得意そうに笑った。
「まこっちゃん、頑張ってるね。あたしも鼻が高いよ」
「つーか、加護とか紺野見てたら、勉強もそんな言うほどつまんないモンじゃないかもって思ってきてさ」
でも、アイツらにはぜってーかなわないけどさ、と小川は屈託なく笑う。
「勉強はかなうとかそういうのじゃないと思うな」
「ああ、紺野もそんなコト言ってた」
「へえ、紺野ちゃんも?」
「うん、なんかアイツおもしろくってさー。紺野が転校してきてちょっとあとに、中間テストあって、
アイツ加護に負けたらしいんだ。でも全然悔しがってなくて、『加護さんに負けて嬉しいです』とか
言ってんの。今までずーっと勝ってきて、自分より賢いヤツが現れて嬉しいんだって」
「へえ、そうなんだ」
そんな風に思えるなんて、ホント賢いんだな。
年下ながら、梨華は感心する。
「じゃ、あたしたちもそう思えるように勉強しよっか」
「えー、ぜったいムリ」
小川の即答に、梨華はプッと吹きだした。
380 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/06(月) 14:20
―――その頃

アヤカはハワイのミカに電話していた。
彼女の母がすぐ出る。
「あ、アヤカです。ミカは…」
『さっき大学から帰ってきたけど、すぐ出かけたわ。何でも、空港へ行くとか』
「空港?旅行でも?」
『分からないわ。誰かお友達でも迎えに行ったのかも』
「そう、ですか…」
あきらめて、お礼を言ってすぐ切った。
『タイミング悪…』
あれから少し冷却期間を置いて、再度トライしてみたが、本人がいない。
ミカの母は『伝えておくわ』と言ってくれたが、ミカはかけてくるだろうか。
コードレステレフォンを元に戻し、アヤカはタバコをふかした。

携帯が鳴った。
手に取って見ると、飯田からだった。
「もしもし?」
『あ、アヤカちゃん?今、いい?』
「あ、うん。久しぶりー」
『あのね、今日圭ちゃん経由でCD受け取ったから。ホントにありがとうね』
「ああ、そんな。わざわざありがとう」
飯田がずっと探していた輸入物のCDをアヤカがたまたま2枚持っていて、1枚を譲った。
時期的にクリスマスなので、カードも添えた。
それから、ふたりは少し世間話をした。
後ろで保田がふざけている声が聞こえる。
その度に、飯田が『も〜』と文句を言う。
アヤカはそれがおかしくて笑った。

『あのね』
不意に、飯田が言った。
「うん?」
『カオ、思うんだけど、クリスマスには奇跡が起こると思うんだ。だから、アヤカちゃんもあきらめちゃダメだよ』
アヤカは一瞬黙ってしまう。
保田から、ミカのことで事情を聞いてるのだろうか。
それを問うと、
『余計なことは言ってない、断然言ってない』
と勝手に電話に出た保田が言った。
どうも彼女は酔っているようで、どこまでホントかは分からないが。
そんなに深くは言ってないだろうな、とアヤカは思うことにした。
『うん、クリスマスには奇跡が起きるんだよ』
飯田はもう一度繰り返して言った。
381 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/06(月) 14:22
( ^▽^)<お肉すきすき〜♪

更新しました。
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ‐ Δ‐) ノ<アイさが大喜利女王参上!

稲葉さんが判定員で登場した段階で、『もしや村さんも…』とか思って見てますた(w
まこっちゃん、フツーに負けてましたね。

>クロイツさん
(〜^◇^)つ〔 〕<ん〜、試作品でよかったらあげるよ!

天使ケーキはなっち専用なので(w 村さんは斉藤さんプロデュースにより、
ますますおかしな方向へ逝ってます。
382 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/06(月) 14:51
・ヒーローインタビュー

―――朝比奈女子高校1年E組体育の授業にて


((( 川o・-・)(((( ´D`)←移動教室の授業が早目に終わり、渡り廊下を歩いている

( ´D`)<あ、まこっちゃんのクラスが体育してるれす ホラ、アレ

川*・-・)<あ、ホントですね… ハシリタカトビデスネ

ピーッ

ε===∬∬`▽´)<おっしゃ、いくぜー!


==∬∬`▽´)ノ<そりゃっ ←背面飛びをかます

( ´D`)<わ!まこっちゃん、背面飛びしたれす!

川*・-・)<…ええ オガワサン…

ピーッ!
<コラー小川ー!背面飛びは危ないからやめろって言っただろ! (`▽´;∬∬<すんませーん

( ;´D`)<ありゃ

川*・-・)<…ボケも完璧です
383 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/06(月) 14:53
・聖夜の思い出

川‘〜‘)||¶<カオのママが、カオが子供の言ってたんだー。『クリスマスはみんなが幸せになる日なのよ』って

川‘.▽‘)||¶<カオリちゃんはロマンティストなんだね

川‘〜‘)||¶<ロマンティスト…

川‘.▽‘)||¶<?

( ゜皿 ゜)¶<ピーガー…タダイママイクノテストチュウ、デンパジュシンカイシ…

川;‘.▽‘)||¶<…電波障害?(てか、カオリちゃん自ら出してるのか…)

( ゜皿 ゜)¶<クリスマスハ!バカップルガイチャツクヒ!ダカラノープロブレムッッ!

川;‘.▽‘)||¶<ハァ(バカップルて…)

( ゜皿 ゜)¶<18バンイイダカオリ、アイノウタヲササゲマス!♪コヨイナミダコラエテサレネィーー!

川;‘.▽‘)||¶<…もしもし〜?圭ちゃーん、いるー?


ノ("`.∀‐)ノ凸 <♪12がつはクリスマスで酒がのめるっぞ ←呼ぶだけムダ ヨパラーイ
384 名前:73 投稿日:2003/10/06(月) 20:56
更新お疲れさまです。そしてお久しぶりです。
おおお、しばらく読めてない間になにやらいろいろ動いているぢゃないですか。
亀井さんの氷の微笑も気になりますが、しかし!
自分的にはやはり中澤ねーさんいよいよ年貢の納め時?が気になって気になって…
あっちこっちで波乱含みでこれからがいよいよ楽しみですな。

…そうだ、そういえばこの世界は2002年なんでしたねえ。
385 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/10/07(火) 01:27
更新お疲れです。
(・´ー`)<19番安倍なつみ。JUDY AND MARYでクリスマス♪
(・´ー`)<1番の喜びを〜♪あなたと2人わけれるように♪
ろうそくに火を灯して〜♪2人だけの白いMerry X’Mas♪
目が覚めるまで そ〜ばにい〜て〜…♪
アヤカ・ミカ、裕ちゃん・みっちゃんが幸せになれればいいのですが…

ハロモニ。ひさぶりに帰ってきた。ヒトミ・ヨシザワの世界のジョークショー!
ルーシー!>(0^〜^)´Д `*)<ひと〜み〜!
ひと〜み〜!>川*’ー’川(^〜^0)<スージー!
川*’ー’〜^0)<チュッ!
チュッ!>(0^〜’ー’*川
何か愛ちゃんちょっと照れてたような?ひさぶりにヨッスィが普通の女子高生の衣装が、すごくかわいくてよかった。今月のCDで〜たといい、やっぱヨッスィは普通にしてればかわいいんですよね。
386 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/12(日) 18:04
裕子は平家と連絡を取り、夕食の支度を終えてから出かけた。
平家の家に行くと、彼女も帰ってきたばかりのようで部屋がまだ冷えている。
「ごめんな、出かけてて遅なってもうて」
「いや、構へん」
裕子はそう言うと、『食べるか?』と持参したタッパーを紙袋から出した。
平家が頷くと、裕子は台所に立った。

裕子が持参したおでんと、平家が買ってきたデパ地下の惣菜とで夕食となる。
「話いうんは?」
食事のあと、お茶を入れて平家は言った。
裕子はしばらく黙っていたが、
「…考えたんやけど」
と口火を切る。
「うん」
「ウチは…いつかアンタの足枷にならへんやろか」
「何をまた」
平家は眉を顰めた。
裕子は手を組み、目を伏せる。
「ずっと考えてた…アンタはまだ若くて才能あるし、ウチがいつか邪魔になるようなコトあっても、
人がいいから言われへんのとちゃうやろかって」
「エライ先走って考えてからに…つーか、アンタを失ってウチが立ち上がれんくらいショックを
受けるってのは考えにないんかいな…不安なん?」
裕子はぎゅっと顔を歪ませる。
387 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/12(日) 18:05
「ウチ…ウチのお母ちゃんは長いことお父ちゃんの妾やった」
「そうらしいな」
「立場こそ複雑やったけど、今考えたらオトンもオカンもようしてくれた。でも」
「寂しかったんか?」
平家に言われ、裕子は唇を噛んだ。
「ウチはもしかしたら、アンタの欲しいモンの代わりもあげられへんかもしれん」
「…そんなコト分かっとる」
「ウチも毎日朝出掛けて晩には帰ってくるような仕事やないから、もっと寂しい思いさせるかもしれへん。
それでもガマンできひんかったら、ウチのなんぼでもぶつけてエエ。ウチは打たれ強いんや、それくらいではヘコたれへん」
「嘘つき…」
「何でや」
「いつか…ウチから離れていくくせに…」
泣かれてしまってはどうにもできない。
平家は両手で裕子の頬を包んだ。
「ウチは…アンタしかおらんねん。ちょっとでもウチを必要と思ってくれてるんなら、ウチのこと信じてェな」
「みちよの嘘つき…」
裕子は子供のようにしゃくり上げた。

しばらくたって、裕子が目覚めると、平家の腕の中にいた。
そのまま、ベッドに運ばれたようだ。
「ウチ…寝てたんか?」
「うん、よう寝てはったで」
すぐそばに平家の優しい眼がある。
そっと手を伸ばして、存在を確認するように平家の腕に触れた。
「なっかなか泣き止んでくれへんから、ずっと抱っこしててん♪」
平家はニヤニヤ笑う。
「『抱っこ』て…。服は…着てるんやな」
裕子の無意識の一言に、さすがの平家も少しぎょっとする。
「もー、イヤやわー、このヒトー。エロイことばっか…」
最後まで言い終わらないうちに、平家は真っ赤になった裕子にしばかれた。
「やっといつもみたいに怒ったな。それでこそ姐さんや」
「何やねん、アホ」
今度は枕でばしばし叩いた。
388 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/12(日) 18:06

「なあ、みちよ」
「ん?」
「ウチの…何処を気に入ってんねん」
「そうやねえ…」
人差し指をアゴに当て、うーんと平家は考えた。
「ワガママで暴君で心優しいみっちゃんを虐げてばっかやけど、ウチには世界一の女や」
「褒めてへんぞ!」
「褒めろとは言うてへんがな、どこにホレてるかっちゅう話ちゃうん」
「もうエエ!」
布団を頭からかぶり、裕子はふてくされた。
平家はくすくす笑って、その上から軽く叩いた。

それから長い時間、ふたりは色々な話をした。
平家は裕子とのことを、既に両親に話している。
様々な事情を承知の上で、彼女の両親は裕子をちゃんと紹介するようにと言っているのだ。
「まあ、緊張するような人らやないし」
心なしか、平家は少し照れているようだった。

『この先一緒におったら、アンタのこの先の未来を奪うと思う。それでもエエ?』
平家は真面目だった。
じっと自分を見つめている。
裕子は黙って頷いた。
そして、恋人の頬にキスをした。
389 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/12(日) 18:08
更新しました。

レスのお礼です。

>73さん
从 #~∀~从<いやまあ、どうなんやろね…

( ^▽^)<フフッ、裕ちゃん照れちゃって♪

そうです、ここではまだ2002年なんです(ニガワラ。いつまで2002年やねん、てハナシですが。
よろしければ今しばらくお付き合いください。

>ヨッスィのタマゴさん
川‘〜‘)||<恋人のことはまず信じないと

川‘.▽‘)||<だよねぇ…

世界のジョークショーヲタとしては、あの寒さがヒサブリに味わえ、たまりませんでした(w
制服の吉澤さんは普通に可愛いです。一徹と同じ人物とは思えません。
390 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/10/13(月) 01:25
∬∬`▽´)<あさみちゃん、おやすみ。 おやすみ、まこっちゃん>(・-・o川
∬∬-▽-)<ZZZZZZZZ>(´-`o川
朝…
∬∬´▽`)<ふぁああ…あ!! ZZZ>(´-`o川(浴衣がはだけている)
∬∬*`▽´)<ドキドキしちゃいました。
川*・-・)<お恥ずかしいです。

更新お疲れ様です。
(・´ー`)<本当に目が覚めるまでそばにいたみっちゃんに感動したべ。めでたしめでたし。

( `◇´)<アンタの未来、ウチがもらうで。
从#~∀~从<…好きにせえ。
(0^〜^)<平家さん、チョーカッケーYO!
さて、今度はどこのカップルが幸せになるんでしょうか?次回も楽しみにしてます。
391 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/13(月) 12:37
保田は仕事のあと、いったん帰宅し車で出かけた。
途中で市井と後藤を拾い、目的地に向かう。
後藤の知り合いのバンドのライブを見に行くのだ。
助手席に後藤、後部座席には市井。
車のナビが調子が悪いので、後藤が口頭で道順を指示していた。
「―――んあ?」
爪先に何か当たったのを感じ、上体を曲げて後藤はそれを拾い上げた。
「ボタンだ」
ベルベット生地の、チャコールグレーの小さなくるみボタンを手の平にのせる。
「何かこの色、どっかで見たよーな…圭ちゃんのじゃないよね?」
「うん」
いったん答えたあと、保田は
「…あ」
思いだしたように言った。
「何?」
「それ…カオリのだわ。ずっとボタンがない、ボタンがないって言ってたし」
「んあ、そーいやこういう色の服着てるの見たことある」
「きっと取れたのね」
「ボタンが取れるようなことしてたの?」
それまで音楽を聴いていた市井が、意味あり気にニヤニヤ笑う。
保田は一瞬ハッとし、
「な、何をよ!」
と慌てる。
見るからに大慌てなので、余計アヤしかった。
392 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/13(月) 12:38
「ホホ、圭ちゃんもお盛んねー。車の中でなんて♪」
だんだん赤くなる保田に、追い討ちをかけるようにからかう市井。
後藤も、
「家までもたなかったんだね」
うんうん頷く。
「ラブホかもな」
後藤は市井のほうを向いて、ニヤニヤ笑った。
「し、してない!最後まではしてない!」
保田のひとことに、ふたりは一瞬シーンとなる。
―――だが。
「最後までは、かぁ〜」
意味あり気に市井は顎に手を当てる。
「きっと圭ちゃんがヘタレだったんだよ」
「『ここじゃイヤ!』とか言われたんカモなぁ〜」
ふたりは大盛り上がり。
保田は頭痛がしてきた。
そのあとも散々、
「ヤだ…圭ちゃんのエッチ!」
と、市井が飯田のモノマネをしたりして、保田をからかっていた。
393 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/13(月) 12:39

―――保田は考えていた。
『…あの時のだわ』
以前紺野が遊びに来たとき、車で家まで送った。
飯田も一緒だった。
その帰りドライブしようということになり、途中サービスエリアに寄る。
駐車場で『そういう雰囲気』になり、飯田の腕を取った時にどうも外れて、
そのまま転げ落ちたらしい。
『あー。ボタンの糸が緩んでるー。いったん取ってつけなくちゃ』
ドライブの途中で、飯田が自分の袖口を見て呟いていたのも思い出す。

「…あーあ。まったく圭ちゃんわっかいねぇ」
まだ市井は言っていた。
「うん、まったく」
後藤も頷く。
「まったくな」
ふたりに散々冷やかされ、保田はだんだん小さくなった。
394 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/13(月) 12:41

保田が帰宅すると、飯田が頭にバスタオルを巻いてテレビを見ていた。
「カオ。これ」
さっきのボタンを渡すと、
「どこにあったの!?」
目を丸くした。
「ん、アタシの車ん中」
「ウソ、この前掃除したときはなかったのに」
「ん、すっごい奥にあったみたい。後藤が見つけてくれたのよ」
「そっか…」
「散々冷やかされた」
保田は上着を脱ぎながら、ボソッと言う。
「冷やかす…なんで?」
「…『ボタンが取れるよーなコトしてたんだなー』って」
「え、あ…まさか」
「そう、あの時だと思う。多分」
飯田も赤くなって黙ってしまった。
あの時の恐ろしく色っぽい保田を思い出していたのだ。
ホテルに行くことを自分が提案しなかったら、多分そのままだっただろう。
「と、とにかく、ありがとうね。予備のがなくて困ってたんだー」
「え、あ、うん。礼なら後藤に…」
恥ずかしい気持ちが移ったのか、保田も照れてうつむいてしまった。
395 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/13(月) 12:44
更新しました。


…>(* ゜皿 ゜)(,,,  #`)<…

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(0^〜^)<オイラもバシッ!と決めたいYO!

( `◇´)<アンタもあんじょう頑張りや!

「キミがドキドキしてどうするよ(w?」とテレビの小川に思わずツッコんでしまいますた。
ミチャーソ、決める時は決めてくれます。今度は…どこのカップルでしょう?
396 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/13(月) 13:47
やすかお(・∀・)イイ!めっちゃ萌えました〜っっ!!!
ごまべーぐるさんの文章ははんっと良いです。
読んでて胸が締め付けられるくらい萌えます(爆)
やすかおを見つけると飛びつくようにレスをしますがw、もちろん他のCPも全部好きです。
それでは失礼しました。
397 名前:クロイツ 投稿日:2003/10/13(月) 18:05
圭ちゃんのエッチ!エッチ!!
だけどそんな圭ちゃんが大好きです。…L・O・V(ry
平家さんと中澤さんも素敵でしたが、やすかおすごいドキドキしちゃいましたよー!!
つーか圭ちゃん!!惚れ直しそうです(笑)
次回も楽しみにしてます!!
398 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/10/14(火) 02:04
影のリーダー
…!!!>((((+゜皿 ゜)ノゝVvV丿<……。
…>( ゜皿 ゜)ゝVvV+丿)))<……!!!
…>(;゜皿 ゜))))ゝVvV+丿<……!!!……!!!
川;‘〜‘)|| ゝVvV+丿<……!!!……!!!……!!!
川;〜;)||<負けた。 (((((((((((ゝVvV丿
イイラサン>( ´D`)川;〜;)||<!
ヨシヨシ、ゲンキダシテクラサイ。>( ´D`)ノ||T〜T川<ノンチャン。

体育の日なんで更新が早めでしょうか?もうすぐ試験の僕にとって安らぎができてうれしいです。
んあ〜!カオリー!!>( `.Д´)ヽ^皿^ノ<ヤだ…圭ちゃんのエッチ!(,,,  #`)
(0;^〜^)<保田さん。気づかれた相手が悪かったすね。オイラモリカチャンニツイテハ、イツモコノフタリニヒヤカサレタYO。
いつもは強い圭ちゃんも、今回はなすすべなしです。
399 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/14(火) 03:55
 ハロモニ。でのいいらさんの
 「ケメ子が車でひかれた!」を見て思わず、
 「ベース弾きやん!」と言う自分が。

 これ読んでる人は倍笑えてんだろうなあ。
 設定真逆やし、そのギャップが。
 ケメ子役のいしかーさんに「死ね、死ね」と囁いているいいらさん、
 そん時は間違いなくロボでしょう。(笑)
400 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/19(日) 22:47
その頃。

柴田はバイトを終え、帰宅した。
「―――ただいま」
家は静まりかえっている。
いつもならこの時間大抵いる母も、留守のようだ。
「お母さーん、いないのー?」
台所の電気を点け、居間をのぞいてみる。
「―――わっ!」
柴田は心底びっくりする。
床に、姉のめぐみが死体のように横たわって爆睡していた。
しかも胸のところで手を組んで、薄目を開けている。
「怖っ!まぎらわしい寝方すんなよ!」
「ああ…おかえり」
姉・村田(柴田)めぐみは、点けられた明かりの眩しさに顔をしかめる。
ぼさぼさの頭をかき、ふぁ〜あと大きなあくびをした。
「姉ちゃん、帰ってたん?お母さんは?」
「知らん。あたしも母に呼び出されて、来たら『留守番しとけ』って置き手紙だけ」
村田はテーブルの紙切れをつまみ、ひらひら揺らす。

「お、メールだ」
村田の携帯にメールが届く。
「母からだよ。なになに…。『お父さんとクリスマスデート中』…うわー、イルミネーションの前で写メール撮ってるよ。
『今夜は帰りません。2人で留守番しててね。ペニンシュラに泊まるの、いいでしょう?』」
「…あたしもまったく同じメールが届いたわ、今」
柴田も携帯の画面を見つめ、ぼそっと呟く。
「『いいでしょう』言われてもね」
「きっとこの後、ホテルの部屋で自分のバスローブ姿を撮ったメール送ってくるよ?あの人のことだから」
「そだな」
姉も妹の意見に頷いた。
401 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/19(日) 22:51
「あゆみ、ゴハンは?」
「まだ」
「よしよし、姉ちゃんが作っちゃる」
村田は満足気に頷き、腕まくりまで始めた。
「―――え!?」
『キケンだ―――!!寝起き状態の姉ちゃんにメシを作らせるなんて―――!!』
柴田は心の中で叫ぶ。
何としても阻止しなくては。
柴田の気持ちを知ってか知らずか、村田は
「着替えといで、すぐできるから」
自信満々に胸を叩いた。

―――10分後

「…姉ちゃん」
「何?」
「これ―――何?」
「煮込みラーメン」
「作って時間たってる?」
「何を、今できたとこだってば」
村田は少しムッとする。
台所のテーブルに、土鍋に入った得体の知れないものが置かれていた。
「ハァ―――」
柴田は鍋の中を箸でつつく。
できたてなのに、メンはすでにのびている。
どうやったらこんなまずそうなラーメンができるのか。
姉に小一時間問い質したかった。
402 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/19(日) 22:55

『魚介類は一切入っていないのに、なんでこんな生臭いんだろ。肉か?肉が悪いのか?』
柴田はドロドロに溶けたオレンジ色のものを掴んで口に運ぶ。
「かぼちゃだ…」
しかも、コーヒー風味。
『…冷凍室に放置してたのだ。コーヒーの匂い、移ってるし』
柴田は泣きそうになる。
どうも大量のメンが鍋からはみ出した状態で煮たようで、メンもところどころ固いままだった。
他の野菜(らしきもの)と肉も恐らく冷凍室のだろう。
解凍せずそのまま鍋に投入したようだ。
メンがのびのびなのも、納得がいった。

「姉ちゃん、これインスタントだよね?ラーメン、何入れたの?」
「エー〇コックワンタンメンとうま〇っちゃん」
「ワンタン見るカゲもないじゃん!しかもさっきからハシ止まってるし!」
姉はそそと立ち上がり、電話のところの来来軒のメニューを取りに行く。
「出前、取ろう」
妹は一気に脱力した。

『もうラーメンはイヤだ』という妹の強い意見により、その日の出前はピザになった。
ぐったりと柴田が居間でへばっていると、また携帯が鳴った。
市井から電話だった。
「もしもし?」
『よう、今いい?』
「あ、ハイ」
『あのさー、アヤカから聞いてる?おたくの姉さん、ライブに呼ぶって計画』
「あ、聞いてます…あの、りんねさんに会わすんですよね?」
姉がいないのを確認し、小声で言う。
『そそ。年末で忙しいと思うけど、できたら来てほしーなーってね』
「了解です。市井さんもごっちんをモノにできるように頑張ってくださいね」
『…ハハ、どうだろね』
市井は何となく遠い目で笑っているようだった。

電話を切り、風呂場に向かう。
中からは、何も知らない姉がのん気に湯船で歌う声が聞こえた。
403 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/19(日) 22:59
更新しました。

川σ_σ||¶<…    ( ‐ Δ‐) <♪〜 

レスのお礼です。

>396の名無し読者さん
( `.∀´)y−~~<ホホッ!ありがとう!

どうもありがとうございます。以前にもレスを頂いた方ですよね?またやすかおに萌えて頂けるよう
がんがります(w

>クロイツさん
( ´ Д `)ノ<エッチ!エッチ!!

ヤッスー、いいらさんの誘い受け状態にガマンできなかった模様(w 彼女も若いんです。

>ヨッスィのタマゴさん
( ゜皿 ゜)ノ<サクシャ、レンキュウデヒマダッターーー!!!

>( `.Д´)ヽ^皿^ノ
この顔文字、爆笑ですた。ごまにはちゃんと右顎にホクロあるし。どうもです。試験がんがってください。

>399の名無し読者さん
( ゜皿 ゜)<シネ、シネ(コソッ)

いいらさんは確か『タケシさん』とかいう役ですたね(w 遠距離恋愛モノで。あの小芝居はほんま笑いますた。

404 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/10/20(月) 02:16
雑誌WOよりミニモニ。( ‘ д‘)( ´D`)川 ‘∀^儿川’ー’川
( ´D`)<そうれすね、大人といえばののは梨華ちゃんが大人だと思うのれす。いつもののが元気がない時は気にかけてくれるのれす。
(*^▽^)<フフッ、ののったら♪
( ´D`)<あとやっぱり筋肉れすかね。同じ武闘派のヨッスィと美貴ちゃんには負けられないのれす。
ゝ;VvV丿(0;^〜^)<いや、あたしたちは武闘派じゃないって。
川o・-・)<む!辻さん。わたくしを忘れてもらっては困りますね。
ののは最近痩せたような、筋肉でガッチリしたような?力強そうです。

更新お疲れです。試験も終わり落ち込んでいます。
( ‐ Δ‐) <……
川;σ_σ||<ね〜ちゃんが死んでる!!葬儀屋に…いや、とりあえず109に電話を。
あ〜ゆ〜み〜!>( ‐ Δ‐)ノ川;σ_σ||<ぎゃ〜!!
村さん、あんた最高におもろいよ!これからも1クッション柴田姉妹の活躍がみたいです。
405 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/20(月) 14:57

「あいぼーん」
加護が部屋で髪にブラシをかけていると、辻がドアをノックした。
「なんや、入りィや」
「開けてくらさーい、ちょっと手がふさがってるれす」
加護はベッドのふちから立ち上がって、ドアを開ける。
辻がお茶や小さい箱を載せたトレイを持っていた。
「どしたん?」
「へいっ、ちょっと早いけどあいぼんにののからクリスマスプレゼントれすっ」
「クリスマス?」
「へいっ。あ、今お茶入れるれすね」
返事を待たず、辻はローテーブルにトレイを下ろし、お茶の支度を始める。
加護は床に腰を下ろし、それを見ていた。
「プレゼントて?」
「その箱れす」
「開けてエエの?」
「へいっ」
加護は白い箱のフタを上に上げた。
チョコのケーキが現れる。
いかにも手作りな、デコレーションに小さく吹き出す。
「どうれすか?のの、一生懸命作ったんれすよ。矢口さんに特訓受けて」
「へえ…『あいぽんダイスキ』て」
『ぼ』の濁点がどうにかなって『ぽ』になっている。
チョコプレートに描かれた加護の似顔絵も、かなりキワかった。
「それが手作りのアジとゆーものれす。矢口さんが言ってたれす」
「ふうん…まあ、ありがとう」
「どういたしまして」
辻はケーキを切り分けようとする。
加護はふと思いついて、携帯を自分たちに向け、記念に写メールを撮った。
ケーキも何枚か撮る。
辻のヘン顔まで、データに収められた。
406 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/20(月) 14:59

「あいぼん」
「あ?」
ケーキを食べる手を止め、加護は辻の方を見る。
「もしね」
「うん」
「もし、サンタさんがプレゼントをくれるなら、あいぼんは何をお願いするれすか」
『まだ自分、サンタを信じてるんかい』って言おうとしたが、あえてやめる。
しばらく考え、こう答えた。
「そうやな…サンタに会ってみるとか」
「サンタさん本人に会うれすか」
「ああ」
「いいれすね、ソレ」
「6歳のときリクエストしたおもちゃが届いてへんかったこととか直接クレームつけたる」
「…とってもロマンティックれすね」
あいぼんらしい…。
辻は心の中で思った。
「なーんてな。そうやなー、雪を降らしてくれってリクエストすっかなー。雪が降るのと降らへんのとでは
大違いやん?」
「そうれすねー、あさ美ちゃんが『雪の降らないクリスマスはクリスマスじゃない』って言ってたれす。
いいらさんも」
「北海道はエエなー、雪降ってもなんやロマンティックやないの。ウチなんて奈良やしなー」
「心静かに大仏を拝むのれす」
「宗教バラバラやがな」
くだらない話をしながら、ケーキを食べる。
ミルクティーのおかわりをし、加護は
「…うまかった。ありがとう」
静かに辻の手に触れた。
「…来年は、一緒にクリスマスしたいれすね。のの、オーストラリアから電話するれす」
「エエで。電話代かかるのに」
「ううん、いいんれす」
407 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/20(月) 15:01
来年。
加護は心の中でくりかえす。
来年も、辻が隣にいるのだろうか。
それを思うと、途方もないくらい、心細くなった。
「のの…」
「へいっ」
「…なんでもない」
加護はふっと目を伏せる。

「ののは…サンタに何を頼むんな?」
「そうれすねぇ…」
辻は顎に指をあて、うーんと考えた。
「ののの大事なひとたち、お父さんやお母さん、お姉ちゃん、おじいちゃんおばあちゃん、
親戚のみんな、学校のお友達、いいらさんや矢口さん、後藤しゃんにオバチャン、梨華ちゃんによっすぃ〜に
中澤しゃんに平家しゃん、あいぼん、みんなと仲良く暮らしたいれす」
「ウチ…すっごい後の登場やね」
加護は素直な感想を漏らす。
「あいぼんは特別れす」
「…え」
「親友だから、特別れす」
『特別ねぇ…』
加護は思わず苦笑いする。
自分の『特別』と、彼女の『特別』が微妙に違うことを実感する。
「口のハタにケーキついてるれす」
辻が手を伸ばし、加護の口元のケーキくずを拭いそれを口に入れる。
何気ない行動に、らしくなく照れる加護だった。
408 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/20(月) 15:07
更新しました。

( ・e・)<誕生日なのだ

ガキさん、未だに娘。のトレカ買ってるというヲタっぷりがステキです。
ガキさん、キてるよ、ガキさん。(BY 岡女)


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ´D`)<くれいじーあばうちゅー(激しくひらがな読み)はいい曲れすね
( ‘ д‘)<試験残念やな。またがんがってな

辻さん痩せましたね。最近ヘソ出しがデフォのようですし。
村さんが出てくるとコントになってしまうのは気のせいです。
409 名前:わく 投稿日:2003/10/20(月) 18:45
あいぼん・・・・笑←意味不明
りかちゃんファンのわくは今日のガキさんのBDと同じなんです☆
ガキさん15歳・わく23歳・・・・
お互いおめおめ♪
410 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/20(月) 18:55
ochiスレをageてはだめです…
411 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/10/21(火) 01:54
ガキさん誕生記念、トレーディングフィギア
( ・e・)<加護さん来いっ!( `.∀´)ケメコ
( -e-)<チッ、ハズレか。(`.∀´;)<ゴルァ!!誰がハズレよ!!
僕は飲茶楼のタグを集めるのに22本かかりました。以外と圭ちゃんが最後から2番目に出なかったので、僕にとっては当たりです。1番最後になったのはごまさん大好きのこの人です( ゜皿 ゜)。逆に1番に出たのはのので全員そろうまで( ´D`)( ´D`)( ´D`)( ´D`)( ´D`)( ´D`)6個まで増えました。

(0^〜^)<更新お疲れさまっす。オイラがんばります!ごまさんも無理をなさらずがんばってくださいNE!
ののは癒し系なのでみんなに愛されますね。ほのぼのします。
あいpoんケーキついてるのれす>( ´D`)ノ‘。д‘*)
(・´ー`)<のの。矢口とナッチはセットだから忘れちゃダメだべ。
(・´ー`)( ´D`)マロンメロン。別名、ほのぼの天使。(勝手に命名)
412 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/27(月) 18:11
―――石川視点

大学に行くと、
「梨華ちゃん!」
廊下で、声をかけられた。
「あ、里ちゃん!」
会うのは久しぶりだった。
里ちゃんは冬なのに、ショートパンツだ。
元気だなぁ。
「元気してた?」
そんな話をしながら、並んで歩く。
「なんかさぁ、すっかりクリスマスだよねぇ」
「うん、里ちゃんはパーティーとかするの?」
「カントリーのみんなで石狩闇鍋大会すると思う」
「石狩…闇?」
「そう。ヘタすると味噌味のモンブランケーキを食べるハメになるんだー。鮭なんかも入ってて」
里ちゃんは遠い目で笑った。
ここは…笑ったほうがいいのかしら。
「お、しまった。待ち合わせしてるんだった」
腕時計を覗き込んで、里ちゃんは
「じゃ、またね。今度カラオケ行こ!」
と手を振って去って行った。
あたしも手を振って見送っていると、
「あー、若いモンはいいねぇ」
と、いつの間にか背後にりんねさんが立っていた。
「うわ!りんねさん、いつの間に…!」
「ハハ…久しぶりー」
「ど、どうも」
「なんかさー」
「ハイ?」
「里田とあさみがラブラブでさー、りんねちょっとロンリー?なのね」
「そ、そうなんですか?」
「そう、学祭終わったくらいからだったかなー」
里ちゃん、あさみさんと付き合ってたんだ。
「今日もデートだってさー。石狩闇鍋大会の材料買出しって名目でさー」
「そう、ですか…」
よかった…うまくいってるんだ。
何となく安心し、あたしはりんねさんに、
「これでも食べて元気出してください」
さっき柴ちゃんからもらったイチゴあめをあげた。
「りんねさーん」
廊下の向こうから、ポニーテールの女の子がぱたぱたと駆けてきた。
「ああ、どしたの?」
「今日、一緒に買出し行く約束ですよぉ」
「ああ、ごめん。りんね、ボケてたわ。ごめんごめん。じゃ、梨華ちゃんまたね」
りんねさんも女の子と一緒に行ってしまった。
女の子はりんねさんにじゃれて腕に抱きついていた。
りんねさんはちょっと戸惑っている。
それが微笑ましくて、あたしはちょっと笑ってしまった。
413 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/27(月) 18:21
実家に泊まった翌朝、妹の朝ごはんを食べてから村田は仕事場に戻った。
朝のラッシュは過ぎていたが、電車の席が空いていないので立っていた。
隣のサラリーマンが縦に折りたたんで読んでいるスポーツ紙が目に入る。
『人気漫画家失踪?』と見出し記事にあった。
『誰だろ…誰か消えたって聞いてないけど』
村田は一生懸命記事を読もうとするが、持ち主が鞄の中に新聞をしまったのであきらめて
窓の外に目をやる。
『失踪か…正直、消えたくなることもあるけどなぁ』
村田は小さくためいきをついた。


電車を降りて、家路につく。
まだ10時を過ぎたところで、よく行くコーヒーの量り売りの店も開けたばかりのようだ。
いつもの豆を買い、大事そうに抱えて帰る。

さすがにああいう記事を見たあとなので、ヘコんではいる。
自分の心の中の不安を見た気がする。
家族もいるし、失踪こそしないだろうが、どうしても描けないときなど
『生まれてこなければよかった』と正直苦しむこともある。

『あたし、いつまで漫画描いてられるだろ、とか、今は運良く普通に生活できてるけど、とかって
しょっちゅう考えるけど…考えてもラチが明かないしさぁ。
ただ描くだけだわさ、まったく』

ふと立ち止まり、空を見上げた。
今日は良い天気で、さほど寒くもなかった。
『生きてるだけでもありがたいって思わなきゃね』

「なんかいいことあるかなぁ〜♪」
気を持ち直し、口笛を吹いて帰る。

414 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/27(月) 18:22

マンションのそばまで来たとき、
「村!」
見覚えのある金髪が大きな声で叫んだ。
「ひとみん…どしたん?」
村田はその場に突っ立って呆然とする。
「よかった…よかった」
村田の友人兼担当の編集者―――斉藤瞳は村田にしがみついて泣き出した。
「あの…話が読めないんだけど…。何かあったん?」
村田は泣きじゃくる友人の頭を撫でながら事情を尋ねる。
「何かあったんじゃないわよ!締め切りおっぽり出してどこほっつき歩いてたのよ!たく、連絡もつかないし!」
「…へ?原稿、送ったじゃん。バイク便で」
「いつ?」
「昨日。実家帰る前。午前中だったけど」
斉藤は携帯を取り出し、編集部に電話を入れる。
原稿は確かに届いていた。
手違いで出版社の受付のところに置いたままだった。
「…ごめん。ゆうべ出張から帰ってきたとこでよく確認もしないで、悪かったわ」
「いや、あったんならいいよ。てか、なんで泣いてんのさ?」
斉藤は赤い目をこすり、
「テレビ、見た?」
とだけ言った。
「何の?」
「今朝のワイドショー」
「ワイドショーは見てないわ…あ」
村田はさっきの新聞記事を思い出す。
「『人気漫画家失踪?』とかってヤツ?詳しくは知らんけどさ、誰なのかも」
「…上がっていい?」
村田は頷いて、肩に鞄をかけ直した。
415 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/27(月) 18:23

斉藤の話では、失踪したのは村田も面識のある女性漫画家だった。
ジャンルが違うので同じ雑誌に掲載されることはなかったが、出版社主催のパーティーでも何度か顔を合わせたこともある。
最近結婚が決まり、幸せそうだと人づてに聞いていた。
「…元カレにカネ、持ち逃げされたんだそうよ」
窓辺に立ち、斉藤はタバコの煙をくゆらす。
「結婚の支度金だとかなんだとかね。ちょっとシャレにならない金額みたい」
「うん…」
ソファで膝を抱え、村田は俯く。
「あの」
「あ?」
「もしかしたら、今日来てくれたんは、あたしも前、お金盗られたから?」
「まあ、それもあるし。連絡つかなかったのもあるしね」
「へ?メール送ったんだけどなぁ。『実家帰ります』って」
「いつよ」
「昨日の夕方」
斉藤の携帯が鳴った。
『実家帰ります。村』
メッセージを見て、斉藤は脱力する。
「…タイムラグありすぎ。どうなってんのよ」
「いやまあ、何か心配かけたみたいで、ごめんね?」
「村」
「はい?」
斉藤はソファまで行き、村田の頭を抱きしめた。
「…あんたは、黙っていなくならないでよ」
「あー、ソレ考えたんだけどねぇ」
「…な!」
「まあ、聞いてよ」
村田は斉藤から離れ、顔を見上げた。
「あたしは捨てないから、漫画」
「漫画だけかよ」
「他のものは分かんない。この先、色んなものを捨てたり捨てられたりすると思う。
でもあたしは、漫画だけは捨てない」
斉藤はあきれたような感心したような複雑な表情で、村田を見る。
「…分かった」
斉藤は、また頭を抱きしめて村田から苦情が出るくらいぐしゃぐしゃと撫でた。
416 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/27(月) 18:25
更新しました。

レスのお礼です。


>わくさん
( ・e・)<ヲタんじょうびおめでとうなのだ

私は( ゜皿 ゜)と一日違いです(誰も聞いてないか)。
えーと、何分駄文なのでsageかochiでおながいします。 从 #~∀~从<夜露死苦!

>名無し読者さん
( ´D`)<フォローありがとうなのれす

どうもありがとうございます。お礼にケメ子の熱い口づけをば( `.3´)ンー!

>ヨッスィのタマゴさん
( ・e・)<作者はポッキー買ったら、我輩のシールばかり出てきたのだ

これもある意味運命でしょうか?飲茶楼もありますたねー。2、3回買っただけですたが(w
辻さんは書いてて楽しいです、ハイ。
417 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/10/28(火) 01:37
Mステよりミニモニ。カラオケの話。
( ´D`)<ののは美貴ちゃんのモノマネができるのれす。
( VvV)<気持ちは変わらないわ♪愛の園〜♪
ゝ;VvV丿<辻ちゃん。気持ち悪いからやめて。
从‘ 。‘从<でも歌い方、美貴たんそっくりだよ。似てる似てる!

更新お疲れさま
むら〜!>ξξ “ З.“);‐ Δ‐)<は〜な〜せ!
あまり見れないメロンの組み合わせでしたね。マサオさんは元気でしょうか?

PS やっと背面飛びを書いた理由がわかりました。エンジェルハーツの2枚看板ですから運動神経はよいです。∬∬`▽´)川‘ー‘川
418 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/29(水) 17:32
すごーい。
おもしろいです。
初めから全部読みました。
疲れた〜
419 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/30(木) 18:00
「まったく、後藤のヤツは」
市井は文句を言いながら車を運転する。
さっき出先で後藤から電話があり、
『ごとー、電器屋さんでオーブン買って持って帰るのね。迎えに来て』
と市井が口を挟む間もなく切れた。
「アタシはアシかい!」
今更なことを思い、とあるショッピングセンターの駐車場に入って行く。
隅のほうで、大きなダンボール箱を足元に置いて手を振っている、後藤の姿があった。
「んあ〜、ご苦労」
さくさくと箱をトランクに積んで、助手席に乗り込む。
市井は開口一番、
「オマエな〜。自分で持って帰れねーなら配達頼めよ」
と口を尖らせた。
「だってー、『自分で持って帰るからまけて』って言っちゃったんだも〜ん。それに配達頼むと家にいなきゃいけないから面倒じゃん」
「そんなら最初から車で行けよ、圭ちゃんに借りるとかして」
「んあ、たまたま買物に来たら安売りしてたんだもん」
「まったく」
後藤は『あ、ちょっと待ってて』と言い、車を降りた。
しばらくして戻って来た後藤の手には、スタバの袋がある。
「コーヒーくらいはおごっちゃる。ホラ、いちーちゃん」
「おう」
カップを受け取ってそのままコーヒーを飲む。
日差しがよく入り、いい天気だった。
「んあ、いいお天気だねぇ」
「おう」
後藤は手をかざし目を細めた。
それがネコのようなので、市井はふっと笑う。
「それにしてもアンタ、なんでこんな年の瀬にオーブンなのよ」
「だって、ごとーん家のオーブン壊れちゃったんだもん。元々お古のだったし」
「だからってねぇ…」
アタシも買物してたんだけど、と市井はブツブツ言う。
420 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/30(木) 18:01

「だって、夜中にいきなりグラタンが食べたくなったりするかもしれないじゃん」
「だったらコンビニに行けよ」
夜中にグラタンて、と市井は続けた。
「いきなり作りたくなるときとかあるかもしれないじゃん」
「はぁ、そうなの?」
あきれて、残り少なくなったコーヒーを飲み干す。
「分かんないよ?いちーちゃんがうちに来るとするじゃん?」
「うん」
「そんで、真夜中なのに、どーしてもアツアツのグラタンが食べたいって言い出すかもしれないし」
「…ほう」
それは悪くないな、とアシにされてちょっと不機嫌だったのがニヤケ顔になる。
「悪くないな」
「だしょ?」
後藤は屈託なく笑った。

「いちーちゃん、このあと時間ある?」
「あー、夜まで空いてる」
「じゃ、うちおいでよ。グラタン作ってあげる」
「お、いいねぇ」
そういや、今朝見たテレビの占いで山羊座は恋愛運好調とか言ってたな、と思い出す。
『うっしゃぁー!』
市井は心の中でガッツポーズを取る。
「スーパーに寄ってね、マカロニと生クリームを買うから」
「ほいきた」
楽しげに運転する市井。
「てか、さっきのトコで買ってもよかったんじゃ?確かスーパーも入ってただろ」
「だって、あのスーパー高いんだもん」
「あ、そ」
何でだか笑いがこみあげてきて、市井は肩を震わせて笑う。
後藤は少しムッとして軽く小突いた。


信号待ちのとき、
「あ、あれ。りんねさんじゃねーの」
見覚えのある人物が歩道にいた。
後藤も
「うん、そうだね」
と同意する。
りんねは女の子と一緒で、そばのカフェで買ったと思われるテイクアウトの飲み物を飲んでいた。
隣の女の子が自分の飲み物をりんねに飲ます。
それを見て、市井は何か引っかかるものを感じる。
「市井ちゃん…?」
「いや、何でもない」
青になり、またアクセルを踏み込む。
『…まさかな』
市井は自分に言い聞かすように呟いた。
421 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/30(木) 18:03
小川は部活で登校していた。
何だかおかしな日で行く先々でお菓子だとかを貰う。
『…別にバレンタインとかじゃねーよなぁ。しっかし、こんなたくさん、どうしよ』
小川のスポーツバックはすでにパンパンだった。
「小川さん、あの」
下駄箱で靴を履き替えようとすると、付属中学の生徒に呼び止められた。
「あ、アンタ確か里沙のトモダチの」
「ハイ、道重です」
「ああ、何かこの前亀井さんの伯父さんのこと教えてくれたんだよな。里沙から聞いたよ、ありがとうな」
「いえ…あの、今日はお願いがあって」
「何?」
道重は何でかもじもじしていた。
小川は怪訝な表情をする。
そのふたりから少し離れたところから、
『あれあれあれ、シゲさんが何か行動を起こそうとしている』
新垣がこっそり様子を見ていた。
「あの、道重さん?具合でも悪いんか?」
あまりにも道重が何も言わないので、小川が口を開く。
「あ、あの!小川先輩!」
「うん?」
「クリスマスを、わたしと一緒に過ごしてください!」
『オオオオオー!』
ひとりで盛り上がる新垣。
『マコっちゃんがどう答えるか!』
興味深く見守っていると、
「あ、ごめん。アタシ、イブも25も部活なんだわ。ごめんな」
『マコっちゃん!あっさりしすぎ!』
小川の淡白さに、思わずツッコむ新垣。
「そうですか…クラブ、頑張ってくださいね」
道重もあっさり引き下がった。
「サンキュ。じゃ、またな」
笑顔で手を振り、すがすがしいほど爽やかに小川は去って行った。
道重はまだ何かその場で考え込んでいるようだ。
『ハァ…なんだかな。汗、かいちゃったよ』
制服のポケットからハンカチを取り出し、新垣は自慢の眉毛を拭った。
「里沙?」
「ひゃっ!?」
いきなり声をかけられて、新垣は腰を抜かしそうになる。
「ナニやってんの、おめー?」
小川は不思議そうな顔をし、スポーツバックをかけ直した。
「い、いや、別に…」
「クラブは終わったんか?一緒に帰ろーぜ」
「う、うん」
頷いて、スカートの後ろを軽くはたいた。
422 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/10/30(木) 18:06

「まこっちゃん」
「あ?」
「なんで、そんなカバンふくらんでんの?」
「ああ、なんか知らんが『もうじきクリスマスだから』って色んなコからプレゼントもらった」
「…はぁ」
まこっちゃんはなんでもらえたのか分かってないだろうな。
新垣はそう思い、足元の小石を蹴った。
「さっきさ」
「うん」
「シゲさんに誘われてたでしょ」
「なんだ、おめー見てたん?」
「たまたま通りかかっただけだよ」
たまたまふたりを見かけて物陰で行方を見守っていたので、まったくウソではない。
小川は、
「今日だけで10人くらいに誘われたな、そういえば」
何の気なしにサラっと言う。
「て、エエ!?」
ナニついでみたいに思い出してんのよ!このひとは!!
新垣は更にツッコんだ。
「まこっちゃん…モテモテだね」
「そうか?」
分かってない…。
新垣は心の中でためいきをつく。
「そういや、クリスマス、里沙ん家のおばさんがケーキ焼いてくれるんだよなぁ、楽しみ〜」
小川は頬を緩ませた。
「うん、ママは昔ケーキ屋さんで働いてたらしいし、すっごいうまいよ」
「楽しみ楽しみ〜♪」
日も暮れかけた中で、小川の横顔を見つめる。
『まあ、モテるのも分かる気がするけどなぁ』

『ガキさんは小川さんのご近所だからいいよな〜』
小川ファンの友人たちから、新垣はよくこんなことを言われている。
「小川さんひとりじめできるしー」
イヤ、してないし。
する気もないし、とまで考えて、『ん?待てよ?』と思い直す。
『普通に一緒に帰ったりするのも、あの子たちにしてみればひとりじめなんだろーなー』
その横で、
「ハラへったよなー」
小川は相変わらず色気のないことを言っている。
「あ、そういやドーナツの割引券がまだ残ってるんだった。里沙、食って帰ろうぜ」
「分かった」
新垣は笑顔で頷いた。
423 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/10/30(木) 18:11
∬∬´▽`)<休業中なんです

マコバースデーSPにしようとしたらガキさんSPになっている罠。
そんでもって、アヤカとボスもおめ。


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( `_´)<出番が少ないのは、恥ずかしいことではありません

マサオは元気です、年末で色々忙しいようですが。のののミキティマネ、似てますたよね。
加護のCoccoは正直どうかと思ったのですが(ニガワラ( ‘д‘)<トゥルラッタ トゥルトゥル ラッタ
愛すべき〜あなたとぅ〜♪


>名無し読者さん
( ´D`)<初レスありがとうなのれす〜

どうもありがとうございます。そして、お疲れ様でした(w
これからもどうぞよろしくおながいします。( ‘д‘)<よろしゅうになぁ〜
424 名前:73 投稿日:2003/10/30(木) 18:35
更新お疲れさまです。
おおお! ガキさんに光があたろうとしている!
よかったなー、ガキさん。といいつつさりげなくオガー中心に…いやいや。
なんかガキさんもいいやつっぽそうで、嬉しいです。
425 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/10/31(金) 01:33
从*・ 。.・从<今日の私もかわいいです。
(+゜皿 ゜)ノ<あんた生意気よ!
(〜;^◇^)<先生、落ち着いてください。
ハロモニコントはいいらさんのこのセリフが大好きれす。

更新お疲れさまです。
( ‘д‘)<ガキさん。こんな猪木アゴのどこがええんやろね?
( ・e・)<女の子っぽくないとこじゃないっすか?
娘。の女性ファンはダントツで(0^〜^)( `.∀´)この2人が占めてました。
確かに∬∬`▽´)はケメコの穴をすべてにおいて埋めてるかな?
∬∬`▽´)( ・e・)この2人がくっつくことはなさそうですが、どうでしょう?
426 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/02(日) 22:21
「ん、んんー」
柴田は恋人の家で膝にクッションを抱えて、考えこんでいた。
「ナニうなってんの、アンタ」
その横で大谷が、パソコンを打ちながら横目で見る。
「いやさぁ、ウチのねーやんのコトよ」
「めぐみさん?どうかしたん?」
「いやねぇ、あのヒトはいったいダレが好きなんかなーって」
そう言って柴田はうーんと伸びをする。
「ああー、そういやあんま浮いたウワサ聞かねーなぁ」
「漫画がコイビトみたいなヒトだからねぇ」
「なんかカッケーな、それ」
「さっきからなにしてんの〜?」
柴田は大谷の後ろから、ひょいっとパソコンの画面をのぞきこむ。
「年賀状書いてんの」
「へえ〜、律儀だね〜」
「オマエ、もう書いたん」
「当然まだ」
「威張るなよ」
「だってアタシ絵、ヘタだもん」
「そうだよな〜」
「なにさ〜」
大谷は膨れっ面の柴田に頬をつかまれた。
427 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/02(日) 22:24
吉澤たちはバンドの集まりで渋谷にいた。
そろそろスタジオを出ようというとき、
『今日はお好み焼きでいい?』というメールが保田の携帯に届く。
「けいちゃ〜ん、今日はお好み焼きでい〜い?」
市井がくねくねしながら保田にじゃれつく。
「ちょっと!勝手にひとのメール見るんじゃないわよッ」
保田は赤くなり、自分の携帯をかばう。
「んあ、お好みかー。ごとーも食べたいなー」
「ウチもっす♪」
と吉澤。
「アタシも〜♪」
アヤカもにこやかに保田にじゃれつく。
「…分かったわよ。いまカオリに電話するから」
大きなためいきをつき、保田は
「もしもし?」
と交渉を始める。
興味深く見守る一同。
「豚肉とか買ってこいって。酒も」
携帯を切って、保田は他のメンバーを見て言った。
「よっしゃ!じゃ、スーパー行こぜ!」
保田をよそに、盛り上がるメンバー。
買出しに行く車の中で、保田はこっそり
『急にムリ言ってごめん』というメールを恋人に送るのだった。
428 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/02(日) 22:26

「わあ。たくさん買ってきてくれたんだね〜」
スーパーの大きな袋をたくさん持って現れたバンドメンバーを見て、飯田は目を丸くする。
「いやいやいや、突然お邪魔したせめてもの罪滅ぼしっす。
さ、どぞ」
缶ビールを差し出す市井。
飯田は笑って、缶を開けた。
「「「カンパーイ!」」」
まだお好みが焼けてもいないのに、すでに乾杯。
保田は飯田に気を遣って、皿を運んだり手伝いを進んでする。
「圭ちゃんも飲んでなよ、あと焼くだけなんだし」
「いや、ほらさ、悪いじゃん」
台所の奥で、飯田とそのような会話を交わす。
「カオリちゃーん、何か手伝おうか〜?」
そこにアヤカが現れる。
「いいよ〜、座ってて」
『圭ちゃんにさせるから』と飯田はにっこり笑った。


最初の一枚が焼ける頃には、あまり酒に強くない吉澤はもうできあがっていた。
「そんでですねー!梨華ちゃんってマジカワイイったらないんスよ!いや、マジで!!」
「でけー声で言わなくったって聞こえてるよ!」
ポカリと殴る市井。
「なんスかー、アタシのノロケは聞いてくんないんスかー」
不満気にブツブツ言い、ソファに移動する。
吉澤はその大きな体を丸め、ひとり寂しく飲むのだった。
「ホラー!ひーちゃんもこっち来て食べなよー」
アヤカに呼び戻され、吉澤は犬がしっぽを振るように一同の元に戻る。
429 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/02(日) 22:28
「んあ、コレ、ダシが効いててオイシイね〜。カオリ、コレどうやって作るの〜」
「あ、ソレね。裕ちゃんに教わったんだ〜」
女子チームはレシピの教え合いで盛り上がり、男子たちは保田イジリとなる。
「いいよな〜、メシうまくってカラダもウマイカノジョ」
「カ、カラダとか言うんじゃないわよッ」
余計なことを言った市井は、真っ赤になった保田にしばかれる。
耳に挟んだ飯田は、大笑いする。
「圭ちゃんって週何回くらい〜?」
ニヤニヤする市井。
「バ…!ぶつわよ!」
「いや、ブってから言われても…」
市井は涙目で頭を押さえた。
「う〜ん、するときはまとめてするかな〜」
飯田は飯田で女子たちから同様の質問を受け、素で答えていた。
「週何回って日?それとも全体の回数?」
飯田の素朴な疑問に、後藤とアヤカは手を叩いて大ウケする。
大喜びだ。
「するときは朝までとか…」
朝まで!と、吉澤は目を丸くする。
そして女子チームの輪に入り、飯田の体験談を有難く拝聴するのだった。
「で、日の回数は?」
眠そうな目がキラリと光る後藤。
あくまで追求の手を緩めない。
保田はすでに魂が出ていって、真っ白になっていた。
「う〜ん?1週間とか2週間に1回?あ、この前は3日連続だったなー。連休だった
しー」
普通に考える飯田。
オオーと感動する一同。
ウチも見習わなければ、と心ひそかに張り切る吉澤。
「3日連続だと!アタシでもそんなにしねーよ!」
市井はゲラゲラ笑った。
「もう〜、ヤダわ〜。このヒトったら」
アヤカにバシッと肩を叩かれ、
「ちょっと!なんでアタシばっかイジられるのよッ!」
抗議の声を上げる保田。
「えー、だって。ねぇ?」
アヤカは全員の顔を見渡した。
「そそ、だって」
市井も頷く。
「「「圭ちゃんだもんねー」」」
保田以外、全員一致で決定した。
430 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/02(日) 22:32
( ゜皿 ゜)<シュウナンカイッテ、カイスウ?

更新しました。
レスのお礼です。

>73さん
( ・e・)<微妙なスポットだったのだ
∬∬`▽´)<でもおめー、おいしいトコ持っててねェか?

ガキさんから見たモテ小川、というところでしょうか。ガキさん、いいヤシです。

>ヨッスィのタマゴさん
( ・e・)<まこっちゃんに恋愛感情はないなぁ〜
( ゜皿 ゜)<カオ、キョウハ ハロモニケッセキ

ガキさんはどっちかつーと、情報好きです。誰と誰がアヤしいとかいう類の。
431 名前:sage 投稿日:2003/11/03(月) 03:05
 やすかおエロっ!!
 それとも全体の回数?て。
 素で答える飯田さん、あんた最高。
 メシ何杯でも喰えるわ。(笑)
 
432 名前:431 投稿日:2003/11/03(月) 03:08
 ああ、やってもーた。
 メール欄と間違えました。
 デフォルトが下げだったんでよかったんですけど。
 スレ汚しスイマセン。
433 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/03(月) 03:20
喫茶店で働くコギャル3人集(黒〜^◇^)(黒^▽^)( ´ Д `)
(黒〜^◇^)<い〜じゃん!(ガングロコギャルメイク)
これ僕の電話番号。>(0^〜^)ノ□(^◇^〜)
从;~∀~从<デカ長、何してるんですか!
(黒^▽^)<あたし、かわいい?(コギャルメイク。肌は元々地黒)
(0;^〜^)<あっ、はい。かわいいと思います.
(*^▽^)<ウッソ!マ〜ジ〜!(キャッ、ひとみちゃんたら…うれしい!)
( ´ Д `)<この人ありえな〜い!(普通のギャル)
なんやと〜!撃ち殺したる!>从~∀~#从(^〜^;O))))<落ち着くんだ中澤くん。(コレジャア、イッショウケッコンデキナイゾ。)ボソッ。
今「一生結婚できない」ゆうたやろ!>(((从#~∀~ノ;0^〜^)<え?いや、その…
ヨッスィに「かわいい」と言われた梨華ちゃんは、すごくうれしそうな顔をしていた。

更新おつかれさまです。
なにさ〜!>川σ_σ||ノ*`_´)<いててて。
マサオさん久々の登場でしたね。マサオファンとしては嬉いっす。
川*´〜`)||<あ、この前は3日連続だったなー。
(*´〜`)川*´ ▽`)||ヽ*^∀^ノ(*´ Д `)<やだ〜!圭ちゃんのH!
( T.∀T)<なんであたしだけイジられんのよ。
みんな酔ってたんでしょうか?すごいおもしろかったです。ひ〜ちゃんのノロケ話ももっと聞きたいっす。
434 名前:オガマー 投稿日:2003/11/04(火) 02:23
柴マサ!!萌えたぁ〜。
マコとガキさんが微笑ましい(ww
りんねと一緒にいる子が気になる…
そだ、村斉も(w(;´Д`)ハァハァ でした。
更新がんがってください!
435 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/04(火) 19:30

柴田が年賀状を書く大谷にもたれかかって過ごしている頃。
柴田の携帯から、マリリン・モンローの映画主題歌の着メロが流れた。
「あ、斉藤さんだ」
体を離して、すぐ『もしもし?』と出る。
『あ、あゆみちゃん。ごめんね、遅くに。今いい?』
「ああ、はい。お久しぶりです」
電話なんて珍しいなと思い、柴田は座りなおした。
『あのさ、村、どうしてる?』
「どうしてるとは?」
『あ、いや。大したアレではないんだけどさ…。気になって』
電話口の斉藤の声は遠慮がちだった。
「姉がなんかやらかしたんですか」
『あ、ううん。そうじゃないの。ただ…ついこの前漫画家さんが失踪したっていうニュースは知ってる?』
「ああ、ワイドショーとかでもやってましたね。姉なら大丈夫だと思いますよ」
『分かるんだ』
「ええ、殺しても死なない女ですから、ヤツは」

かなりの憎まれ口ではあるが、斉藤はそこに自分は入っていけない絆のようなものを感じる。
柴田の横で誰かプッと吹きだしているのが聞こえた。女友達か誰かだろう。
『そっか…よかった』
「わざわざありがとうございます。斉藤さんは」
『ん?』
「クリスマス前後はお休み取れそうですか」
『あ〜、取れても半日弱とかだろうねー。夜とかはムリっぽい』
「そうですかー。いえね、あたしの知り合いの人がバンドをやってて、斉藤さんにもよかったら観に来てほしいなあって」
『なんてバンド?』
「CUBIC−CROSSってトコです。ご存知ですか」
『ああ〜、キュービックね。アヤカちゃんのいるトコでしょ?たまにバンド雑誌とかに載ってんの見るし。
有名だよね』
「ええ、姉もいい機会だから今度連れて行くんですよ」
『へ〜。まあ、お利口さんで原稿仕上げたから、少しの外出はカンベンしてやろうかな』
…さすが担当。柴田は冷や汗をたらす。
「何か姉の思い人みたいな人がいて、その人とライブ会場で運命の再会みたいなコトを企画してまして」
『え…?』
斉藤の声が一瞬遠くなった。
436 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/04(火) 19:32
電波が悪いのかと思い、柴田はアンテナを伸ばそうと携帯に手を伸ばす。
『そう…村、好きな人、いるんだ』
…斉藤さん、分かりやすすぎ。
柴田はさっきのは電波のせいではない、と確信する。
「好きかどうかは、姉にももしかしたら分かんないかもしれないですけどね」
『どうして?』
「ヤツは漫画のことばっか考えてるからです。昔っから」
昔っから、の部分を柴田は強調して言う。
その横でまた笑う大谷。
会話を聞きながら楽しげに、画像の編集をしていた。
「斉藤さん、気になるんですか」
『て、え!?』
「押すなら今ですよ」
『ちょ!あゆみちゃんねぇ〜!…あ、分かった』
斉藤は電話を少し離し、誰かにに二言三言、言っている。
『ごめん、一緒にいる連れが用事あるみたいだから切るわ』
「はい、おやすみなさい」

満足そうに携帯を切った柴田に、大谷はニヤニヤして
「オマエ、軽ぅ〜くヤなヤツだな〜」
声をかける。
「なんでっ」
少し眉間に皺を寄せて膨れる柴田。
「まあ、冗談はさて置き、どうすんのー。フツーに三角関係じゃん、コレ」
大谷はいったん年賀状作りの手を休める。
「いや、そうでもないかもよ」
「分かんの?」
「分からん」
「…ヲイ」
「いや、なんかさー。まあ、人生楽ありゃ苦もあるさ、って黄門様も歌ってるでしょ」
「歌ってるのは助さんと格さんだ」
「そこかよ」
くだらない話をしながら、柴田は内心『…はぁ。この先どうするの』と各人の運命に思いを馳せた。
437 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/04(火) 19:33
「お疲れー」
飯田はテーブルを拭き終えた保田に声をかける。
保田宅で催されたお好み焼き大会兼飲み会はつつがなく終えた。
大会、と言いながら単にバンドメンバーが練習帰りに保田たちの夕食に勝手に転がりこんだのだが。

「ありがとね、圭ちゃん。大分助かった」
飯田はエプロンで手を拭き、ニッコリ笑う。
保田はでれでれと
「そんなことないわよ」
と否定した。

他のメンバーはというと。
アヤカと後藤は食器を台所に運んでから片づけを申し出たが、保田に『アタシがやるわよ』と背中を
押され、飯田のすすめもあり仕方なく風呂に入っている。
吉澤は早々に酔いつぶれて寝てしまった。
ときどき、『りかちゃん…』と頬をゆるめている。
たまに『ベーグル、かっけー』というのもある。
市井は割にシャンとしていたが、練習の疲れが出たのか、台所にグラスの類を二つ三つ運んで床にダウンした。
「まったくこのヤロウどもは」
床に転がっているコンビを、保田は足でうりうりする。
飯田はかわいそうだよー、と後ろで笑う。
吉澤は『…リカちゃん、卵入れてね』とまだ言っていた。
「なんか、圭ちゃんのおかげでカオ、友達増えた気がする」
「そう?」
保田は――酒はさすがにもうたくさんなので――グラスに烏龍茶を注いで笑った。
飯田の分も『ハイ』と手渡す。
438 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/04(火) 19:35
「東京出てきたとき、カオ、みんなに『気持ち悪い』って言われて悩んでるって相談したの覚えてる?」
「覚えてるわよー。誰かさん、『カオ、北海道帰るー。東京キライー』ってメソメソ泣いてさー」
保田は床にあぐらをかいて、『まったく慰めるのに苦労したわー』と冗談で文句を言う。
「うん、圭ちゃんだから相談できたんだよ」
「ほほう、それはそれは」
保田はニヤニヤし、自分の分の烏龍茶を注ぎ足す。
「あのね」
「うん?」
「カオ、昔付き合ってた人にフラれたとき、圭ちゃんに『次は圭ちゃんみたいな優しいひとにする』って
言ったの覚えてる?」
「うん」
「カオね、間違ってた」
「…え?」
「『圭ちゃんみたいなひと』じゃなくて、『圭ちゃん』がよかったんだよ」
「…ナニ言って」
保田は赤くなり、恥ずかしさから顔をそむけはしたが、嬉しそうな飯田を片手で抱き寄せた。
ふたりの顔が近づく。
と、そのとき。
「…わぁっ!」
背後に視線を感じた保田は、その場から飛び退いた。
飯田も『キャ!』と声を上げる。
「てか!アヤカに後藤!アンタら頭にバスタオルのせて、ナニフツーに突っ立って見物してんのよッ。
そっち電気消えてるからマジ怖いわよッ」
長いクレームだ。
後藤はアヤカと顔を見合わせ、
「だってねえ」
「うん、部屋の真ん中でやってるしー」
頷きあった。
「アヤカちゃん、ごとーのうちおいでよー。床はオッサンらが寝てるし、どっちみちお布団も足んないだろうしー」
「うん、ありがと、ごっちん♪」
ふたりは手をつないで、仲良く退散した。
残された保田たちは、顔を見合わせて苦笑した。
439 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/04(火) 19:37
更新しました。

ムニャムニャ(0´〜`0).。oO(ハイッ( ^▽^)つ◎と(0^〜^0)カッケー!)

>431さん
( ´ Д `)<カオリフツーに聞くし、さすがのごとーもびっくりしたよ〜 オモシロイケド

今回はエロくないやすかおです(多分)。( ゜皿 ゜)つフ<トリアエズ、オカワリドウゾ
メール欄と間違えるのは、私もたまにやります(w 丁寧なフォローありがとうございます。

>ヨッスィのタマゴさん
( ´ Д `)<作者はあの喫茶店の名前はいちいちベタでおかしいって思ったんだって〜

ひーちゃんはノロケ話全快モードになる前に、酔いつぶれた模様。(‐▽‐)<ヒトミチャン…ZZZ ←その頃のいしかーさん
ヤスは酒が入ってても入ってなくても、いつも集中的にイジられてます(w

>オガマーさん
ξξ “ З.“)<ハァハァしてくれたの?ありがと♪

どうもです。マコとガキさんはご近所のなかよしさんな感じです。
それにしても斉藤さんのAA考えた人ってスゴイですよね(w ( ‐ Δ‐)<ドラエモンニデテキソウ
440 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/05(水) 01:27
更新お疲れさまさまです。
(0⌒ v.⌒0) ξξ “ З.“)確かに後の顔のほうが斉藤さんらしいですね。斉藤さんと村さんもついに恋の展開が…。それを尻目に幸せな2人。
マサオ〜!ピトッ>川σ_σ*`_´)<…

川´ ▽`)||<じゃああとは若いもの同士で。
( ´ Д `)<んあ、そだね。
( ;゜.∀ ゜)<(ああっ、またイジられる〜。)真っ白け。
川*‘〜‘)||<今さら隠すことないじゃん。
ごと〜…ZZZ>ヽ*´∀`ノ´〜`*)<梨華ちゅわん。ムニャムニャ
こっちは幸せそうでいいですね。
441 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/09(日) 12:50
初めてレスする者です。多くの登場人物が出てきて、楽しく読ませてもらって
います。それより、6期メンバーがまだ一人登場してないようですが…
442 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/09(日) 13:32
柴田との電話を切った斉藤は、連れの友人――前田有紀にあきれられていた。
ふたりは料理屋の個室で飲んでいた。
「あんた、分かりやすいねぇ」
前田に言われ、斉藤はなによ、と軽く睨む。
今日は担当してる音楽雑誌で、前田の取材だったので、その足でそのまま一緒に飲みに出た。
前田は演歌歌手で、斉藤の元恋人でもある。
色々あり恋人関係は終わりにしたが、友人としての付き合いは続いていた。
「あれ、自分で好きって言ってるようなもんじゃん」
「いや、そんな。別に…」
斉藤は口ごもる。
「まったくだらしないねえ。いまフリーなんだから、ガンガンいけばいいのにー」
前田はそう言って、水割りを呷った。
斉藤は何とも言わず、グラスの中のビールをじっと見ていた。
「あたしに遠慮してる?」
前田はあえて尋ねてみる。
ひどい別れ方をしたわけではなく、きちんと大人の話し合いをし、合意の上で恋人関係は解消した。
別れて間もないので、無理もないのだが。
「いや、遠慮とかそういうのはさ」
「怖くて手が出せないんだ、村に」
斉藤は俯いていたが、表情が変わったのが分かる。
それを見て、彼女の心がもう自分にないことを前田は悟った。
「…ごめん!」
急に、斉藤、がばっと頭を下げた。
「なんで謝んのよー」
前田は苦笑する。
そして、この子のこういうところが好きだったんだな、と今にして思う。
443 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/09(日) 13:33

「まー、村田はあの通りの子だからねー。怖くて手が出せないってのは分かる気がするわ。こわれものに触れるようなもんだし「
「ヤツはそんな繊細なタマじゃないよ」
「ホレてるくせに」
テーブルに片肘ついて、前田はニヤッと笑った。
「大学ん時は、あんなに嫌ってたのにねー」
「も、そのことは忘れてよ…」
斉藤は眉をハの字にし、テーブルにつっぷす。
3人は同じ大学で、前田と村田が同期、斉藤が1年上だ。
学部も違ったが、仲がよかった。
と言っても、斉藤は前田と村田が仲がいいので、仕方なく一緒にいる感じだったのだが。
斉藤は新潟から単身上京し、大学に入った。
物書きになりたいという夢もあり、文芸学科に入る。
東京に出てから来る日も来る日も小説を書き、あらゆる賞に応募したり、友人のつてで編集者のところに
持ち込んだり、あらゆることをした。
それでもうまくいかず夢は遠ざかっていくばかり。
卒業して普通に就職したが、学生時代は間近にある才能に嫉妬していた。
それが村田だ。
彼女は在学中にその才能を認められ、早々とプロの漫画家としてデビューする。
表現形態こそ違うが、村田の存在と描くものは、「自分には才能がない」と少し疲れ果てていた
斉藤にはひどくまぶしかった。
そして、憎かった。
444 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/09(日) 13:35

「…あんた、ある意味、あたしにより村に興味あったと思うよ、昔から」
前田は昔を思い出し、くっくっくと笑う。
村田の顔を見ると、斉藤は人知れず顔をしかめていた。
それも毎度毎度。
悪口こそ言わなかったが、『大嫌いなんだろうなー』と前田は思っていた。
ふとしたきっかけで在学中に斉藤と付き合うことになったのだが、卒業してからどういうわけか
斉藤の村田への態度は柔軟化する。
社会人になって丸くなったのかと思ったが、どうもそれだけではなさそうだった。
「村に抱きつかれたら、その気になる?」
いきなりの質問に、斉藤は水割りを噴く。
「編集が漫画家に手出せるわけないでしょ!」
「えー、作家と編集がデキちゃうのっていくらでもあるじゃん」
「商売人が商品に手つけるようなもんでしょ!」
「そういうとこカタいねぇ、相変わらず」
前田を軽く睨みながら、斉藤は水割りのついた口元を拭いた。
445 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/09(日) 13:39
更新しました。
覚えておいででしょうか。「いちーちゃん、失踪するの巻。〜〜ごま、追いかけて雪国〜〜」で登場した彼女のことを。

(丼`ー´)<きりぎりす〜♪

更新しました。
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ゜皿 ゜)<ケイチャン フツーニテレヤ

床に寝っ転がってるお二方は、このうえなくしあわせそーな寝顔だったとオモワレ
斉藤さんAAはどちらも口元のホクロが決め手ですよね。彼女が金髪にしたとき、
マリリン・モンローを意識してるのだろうか、とか考えますた。

>名無し読者さん
( ´ Д `)<初レスありがとう〜

どうもありがとうございます。6期のあの彼女は、実はもう本文に出てたりします(あえて名は出してませんが)。
それもまたいずれ…。何分駄文で板の一番上にくると恥ずかしいので(w、申し訳ありませんが
sageかochiでお願いします。( ‐ Δ‐)<よろしく〜
446 名前:オガマー 投稿日:2003/11/09(日) 15:44
ゆきどん!覚えてたよゆきどん(ww
あれ?あれ??前に出てなかったけ?って一瞬わけわかんなくなりました(爆
あの時の記憶が随分薄れているもので・・(汗
てかメロン記念日キテル―――――――(゚∀゚)――――――――!!!!
ひとみんかわ(゚∀゚)イイ!
ひとみん、がんがれひとみん。
前回の柴マサも堪能させて頂きましたよほ(w
447 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/10(月) 01:46
(0^〜^)ノ◎<パン大好き!梨華ちゃんはケチじゃないっすよ。この前ジュース奢ってもらったから。
ひとみちゃん奢ってあげる。>( ^▽^)ノ□(^〜^O)<サンキュー梨華ちゃん。
川o・-。・)つ◎.。oO(吉澤さんには特に気前がいいんだよね。)モグモグ←試食品を食っている

更新お疲れ様です。
ξξ “ З.“)<編集が漫画家に手出せるわけないでしょ!商売人が商品に手つけるようなもんでしょ!
(丼`ー´)<そういうとこカタいねぇ、相変わらず
ヽ^∀^ノ<君、かわいいね。今夜は君のためだけに歌っ…
(+` Д ´)<市井ちゃん。な〜にしてんの?
ヽ;^∀^ノ<あ、いや。そのファンとの交流をより深く親密に…
(*`.∀´)¶<カオリ。今日は早く帰るわよ。
(*^〜^)¶<梨華ちゃん今日はオムライスがいいな!
川;´.▽`)||<サヤカもこの2人のバカップルぷりを見習いなさい。
商売人が商品に手つける。真っ先にこの人ヽ;^∀^ノが思い浮かびました。
448 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/10(月) 11:50
―――石川視点

―――夜。
お風呂に入る前、居間で電話が鳴った。
台所でお茶を入れてた裕ちゃんが出ようとしたけど、あたしのほうが近かったので、
そのまま出る。
電話は保田さんからで、『うちで飲み会してたら吉澤が酔っ払って爆睡しちゃったから、
今夜は泊めるわ』
とのことだった。
市井さんと一緒に床に転がって寝てるらしい。
保田さんはおかしそうに笑って教えてくれた。
「寝言で『りかちゃ〜ん』とか言ってるわよ。たく、幸せそうに」
保田さんはあきれたように笑う。
それを聞いて、あたしはちょっと恥ずかしいような、嬉しいような気持ちになった。

「吉澤、泊まってきおるんか」
電話を切ると、裕ちゃんが本から顔を上げた。
ここのところ裕ちゃんは時間があると、お茶を飲みながらこたつで読書してる。
「あ、うん。保田さん家でみんなで飲んでたんだって」
「そうか」
「うん」
あたしもこたつに入って、ちょっと冷えた手足をこすってあったかくした。
「ねえ」
「んー」
裕ちゃんはページに目を落としたまま答えた。
「平家さんのおうちの人に会うんだよね」
「ん」
「何て言うの?」
「なんて…『よろしくお願いします』って言うんかなぁ、やっぱり」
裕ちゃんは首をひねる。
「平家さんのことだから、ちゃんとフォローしてくれるよ」
「そやな」
返事が素っ気無いのは、照れてるんだろうか。
裕ちゃんは、相変わらず読書に耽ってる。
449 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/10(月) 11:53
「なあ、梨華」
「なに?」
「おまえ、家族がほしいって思たことある?」
「へ?裕ちゃんがいるじゃん?」
突然なに言い出すんだろう。びっくりした…。
「ああ、なんてーか…」
裕ちゃんは本を置いて、頭をかいた。
「ウチらって立場的に『愛人の子』やったやん?うちのオトンはカネはくれるけど、
ふだんほったらかしやったやろ。
だから…なんていうか、両親がちゃんとそろってて、『愛人の子』って
いじめられへん家に生まれたかったっていうか…」
「裕ちゃんはそうなの?」
あたしがそう言うと、裕ちゃんは一瞬止まってしまった。
裕ちゃん…やっぱり気にしてたのかな。
強く見えても、とても寂しかったんだろうか。

「あ、や…なんていうかなー。『完全な家族』がほしかったっていうか…」
「『完全な家族』?」
「ウチも高校卒業したくらいに、やっとこさオカンと一緒にオトンに東京呼ばれてんな」
「うん」
「家族が一緒になんのは、やっぱ遅すぎたんかなーって」
「そんなことないよ」
「…うん」
裕ちゃんはそれっきり黙ってしまい、妙にそわそわしながら湯飲みをいじったりしてた。

「そのとき裕ちゃんがお母さんと東京出てきてくれなかったら、あたしのお母さんが死んだとき、
お父さんのとこ行けなかったかもしれないのに」
「それはないやろ、オトンは絶対おまえを引き取ったはずや。所帯持ってても持ってなくても」
「ねえ、裕ちゃんはお父さんとお母さんのこと好きなんでしょ?それでも不安なの?」
「……」
「ごめん…言い過ぎた」
「いや、おまえが悪いんやない」
おまえも食べ、と裕ちゃんはみかんを持ってきた。
ふたりで黙々とむいて、房をはがして食べる。
450 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/10(月) 11:55

「あたしね」
「うん」
「お父さんも、あたしを生んでくれたお母さんも、中澤のお母さんも、大好きだよ。あたし、ずっと
きょうだい欲しかったから、裕ちゃんってお姉ちゃんができて嬉しかった」
「…うん」
「死んだお母さんも、怒ると怖かったけど、あたしのことうんと可愛がってくれた」
「そうやな」
「お父さんも、お母さんも優しくしてくれたし…。いっぱいつらいこともあったけど、
あたしは幸せだよ」
「…そうか」
裕ちゃんはためいきをついて、手のひらのみかんの房を皮の中に置いた。
「裕ちゃんは…幸せじゃなかった?」
言ったあと、あたしはしまったとすぐ後悔した。
裕ちゃんは顔をゆがませ、静かに立ち上がって窓際に行った。

「…この話はしたことあったか」
「え…?」
「ウチが子供の頃、オトンを京都の駅までオカンが迎えに行ったことあって、
ちょうど台風で駅で足止め食って、帰れんようになったことがあるんや」
「うん」
「ウチは今はもう平気やけど、嵐とか雷が好きやなかった。ひとりで留守番することも多かったから、
夜とかよけい不安になるしな」
「そうだよね、子供がひとりでお留守番するんだし…」
「ウチはなんでか、その日に限ってごっつ不安になって、電話してきたオカンに泣いて『帰ってきて』
って言うたんや。『ムリ言いな、しっかり留守番しとき』って電話切られて…、オカンはウチのこと必要な
ないんやってごっつ悲しかった」
「裕ちゃん…」
「あほやな、もう20年以上も前のことやのに」
裕ちゃんはあたしのほうを見て、笑った。
悲しいくらいに。
451 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/10(月) 11:58
「そのときの台風は亡くなったひともいはったんや。だからあのときオカンが
ムリして帰ってきたら、どうなってたか分からん。オカンはウチがひとりでも
強くなれるようにってあえて突き放すトコあったしな、
こっちは子供やから、自分のわがままで精一杯で親の心なんて分かれへんしな」
そういうモンや、と言い、裕ちゃんはまたこたつに入ってきた。
「…梨華、泣いとんのか?」
「…だって。ごめんなさい…裕ちゃんのこと…そんな寂しい思いしてたなんて、
ちっともあたし分かんなくて…」
相変わらず泣き虫やなぁ、と苦笑いして、裕ちゃんはティッシュを箱ごと渡してくれた。
「しあわせか、って聞いたな」
「うん」
あたしは紙を引き出して鼻をかんだ。
「本当の幸せがなんなんか、ウチは分からん。でも、あ…さっきの話、みちよにしたことあるんや」
「台風の日のこと?」
「うん…そしたら」
「うん?」
「…『心細いときは、いつでもいたるから』って」
裕ちゃんはそこまで言うと真っ赤になった。
「なんだー、のろけかぁー」
真っ赤な顔のまま、裕ちゃんは
「ち、違うわい!」
と今更な否定をした。
「裕ちゃん、真っ赤♪カワイイ〜」
「うっさい!ベソかいてハナたらしとるヤツに言われとうないわい!」
「照れなくていいじゃ〜ん」
「うっさい!シャクレ!」
「もう〜!」

その夜は、しばらく裕ちゃんとじゃれていた。

今日の裕ちゃんを見て、改めて気付いたことがある。
ずっとそばにいたつもりでも、あたしは裕ちゃんの心の中にある寂しさに気付いてなかった。
あたしは甘えてばっかりで、裕ちゃんが本当は誰よりもぬくもりがほしい人なんだって知らなかったんだ。
平家さんは気付いてたんだろうな。
本当に、頭が上がらない。

「おやすみ」
裕ちゃんはこたつの上を片付けると、一足先に部屋を出て行った。
おやすみ、裕ちゃん。
あのね、あたしね。
『おやすみ』って言えるひとがいるってことが単純に嬉しいんだ。

分かってくれるか、わかんないけど。
452 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/10(月) 12:01
更新しました。
なんだかんだでシスコンな姉妹の巻。

鼻かめ!>从#~∀~从つ□ と(T▽T )<ウン!…ぐすっ


レスのお礼です。

>オガマーさん
(丼;`ー´;)<覚えてくださってて、うれしいですー
ξξ;“ З.“)<お恥ずかしながら元カノでして…

斉藤さんはかわいいんです、ボスだけど(w でも、髪型元に戻ったんでしたっけ?
そして元カノの前田さんには頭が上がらないのです。
しばまさはそういや、ふたりだけで出したのは初めてでしたね。


>ヨッスィのタマゴさん
川;‘.▽‘)||<昔は手、つけまくりだったからねぇ〜 ヽ^∀^ノ
( ´.∀`)<違うバンドのアタシらにも悪名轟いてたしねー ヤレヤレ

マシューネタワロタ。「『パンステーション』て…」て、ビデオ見てかなりウケますた。
マコはヤス2世の道を歩むんでしょうね、多分。
AAの(+` Д ´)の状態の後藤さんに萌えますた、はい、かなり。
453 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/10(月) 16:02

紺野は買物に出ていた。
母に頼まれたものと、自分のものを買いに。
一通り買い終えて、帰路に着く。
地元のショッピングセンターを出てくると、見覚えのある人物と出くわした。
「あ」
向こうも、紺野に気付いて立ち止まる。
「あ…こんにちは」
すぐにあいさつしてきた。
紺野もぺこっと頭を下げた。
「田中さん、でしたっけ」
「ああ、はい。覚えててくださってたんですね」
「はい」
彼女―――田中れいなは、以前紺野に告白してフラれた。
田中は付属中学の生徒だが、高校に紺野が編入してきたとき、一目で好きになった。
確か、学食ですれ違ったとき、あんまり可愛いので目を奪われたのだ。
告白するべきかどうか考えていたとき、ちょうど自分が通ってる進学塾に紺野が見学に来た。
千載一遇のチャンス。田中は友人たちの協力を得て、紺野に声をかけ、告白した。
そこに何故かクラブの先輩の小川が現れ、田中は小川に自分が紺野を集団で取り囲んでいじめていると
勘違いされてしまう。
紺野がすぐ弁解してくれ、誤解は解けたのだが。
454 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/10(月) 16:04
紺野は何を言うべきか悩み、おろおろした。
友達でもないし、まして一度振っている。
田中は無表情だったが、
「買物、ですか」
紺野の手元の袋を見て言った。
「ああ、はい。お母さんとかに頼まれて…きゃあ!」
中身の重さに耐えかね、袋が破れてしまった。
中からオレンジなどが転げ落ちる。
田中はちょっと待ってて、と言い、スーパーの中に消えて行った。
すぐ戻ってきて、
「袋もらってきたから、これに入れてください」
拾うのを手伝ってくれ、新しい袋に無事荷物は収まった。
「あ、あ…ありがとうございます」
紺野はうろたえて頭を下げる。
田中の外見は少し怖いので、紺野は正直敬遠していた。
『いい人だったんだ…見かけで判断しちゃいけないな』
心の中で反省する。


「お礼ならいいっちゃ」
「…へ?」
「あ、いいです。あたし、福岡出身なんですよ。今、東京の親戚の家に下宿して学校通ってるんですけど、
つい博多弁出ちゃって」
「そうなんだ…」
田中が笑ったので、紺野はちょっとほっとする。
「あの」
「え?」
「紺野さん、この前言ってた好きなひとって誰ですか」
「……」
紺野は黙ってしまう。
「あ、ごめんなさい。言いたくないことだってありますよね…」
「いえ、そんな…」
「あたし」
田中はまっすぐ紺野を見た。
「紺野さんのこと、好きです。紺野さんが誰を好きでも」
それだけです、と田中は『さよなら』と去ってしまった。
ひとり残された紺野は呆然とする。
そして、小川の声が今すぐ聞きたい、と心から思った。
455 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/10(月) 16:05

その夜。
福井の高橋から電話があった。
彼女もホームステイの荷造りに苦労したようで、『やっと終わったわ』と屈託なく笑った。
『あさ美ちゃん、どうかした?』
「え?」
『元気ないがし、風邪でも引いたかの?』
「ううん…あのね」
紺野は夕方の出来事を、なるべくかいつまんで話してみた。
高橋は茶化さず、ふんふんと聞いている。
紺野が一通り話し終えると、
『悪い子じゃなさそうやね』
と感想を述べた。
「うん…いい人だと思う」
『それにしても、あさ美ちゃん好きなひとって誰がし?』
「え…」
『言いたくないんなら、いいやよ』
高橋は少し笑った。

「…ふう」
電話を切って、紺野は携帯を握ったままベッドにつっぷした。
『オーストラリアでコアラ見たら、写真撮ってきてー』
ちょっと前にもらった小川のメールを思い出す。
「小川さん、今頃何してるかな…」
紺野は目を伏せた。

「―――びえっくしょん!」
「まこっちゃん、風邪?」
新垣はそばのティッシュを小川に渡した。
彼女らは新垣の母がケーキを焼くので、エプロンをして手伝っていた。
「なんか…誰かうわさしてんのかな」
「きっと猪木のモノマネ似てない、とか言われてんだよ」
「なんだこのヤロー!」
アゴをより突き出し、片手を振り上げる。
そのイキオイで、振り上げた手に持ってた泡立て器からケーキ生地がぼとっと落ち、ふたりで
テーブルを大慌てで拭くのだった。
456 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/10(月) 16:14
从 `,_っ´) :田中れいな(14)。福岡県出身。朝比奈女子中学2年。小川のクラブの後輩。
       紺野に一目ぼれし、以前告白したが今でも気になってるらしい。


ハァ…>从 `,_っ´) つ□ ←紺野の写真

∬∬`▽´)ノ<よ!田中、なに見てんだ?

从 ;`,_っ´)<あ、や!センパイ!なんでもないっす!!

∬∬`▽´)<ためいきとかついて、恋わずらいか〜?

从 ;`,_っ´)<いえ、別に…(この人、この前あたしが紺野さんに告ったの忘れてる…?)

∬∬`▽´)<困ったことがあれば言えよ。相談のるぜ!

从 ;`,_っ´)<どうも…(なんとなく、このひとには言いづらい。なんでだろ?)

|
|;・e・)<ニブッ

|


从 ;`,_っ´)<…いいひとなんだけど、う〜ん  ∬∬`▽´)<♪〜
457 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/11(火) 02:29
川’ー’川<お疲れ様がし。電話で久々の登場やよ。
う〜ん、福井弁を使うのは難しい。あんましわかんないし。
れいなちゃん从 `,_っ´)恋する乙女ですね。これで6期メンバーもそろいましたね。

うっさい!シャクレ!>((从 #~∀~从ノ( ^▽^)<ヒューヒュー!みちよお姉さん。こんな姉ですがよろしくお願いします。
( `◇´)<仲のええ姉妹やなあ。
中澤姉さんをひやかす梨華ちゃんおもしろいです。こっちもいいですね。

岡女完全版で仲良く手を繋いでいる5期メンがよかったです。
川o・-・)人川’ー’川 ∬∬`▽´)人( ・e・)
この2組のカップルもありだなあ。でもやっぱこの2ショット(0^〜^)( ^▽^)は最高にいいなあ。
458 名前:オガマー 投稿日:2003/11/11(火) 14:21
れいなキタ――――――(゚∀゚)―――――――!!!!
ぐぉお・・・紺野なのかぁー。オガコン応援してんだよ。・゚・(ノД`)・゚・。
AA劇場のマコかあいすぎ(ww
459 名前:川o・-・)ノ 投稿日:2003/11/11(火) 14:57
「〜っちゃ」は山口弁だと思うのですが
福岡でも言うんでしょうかね? もし言うのならすみません
460 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/12(水) 20:42

辻は荷物の最終点検を終え、スーツケースのふたを閉じた。
いよいよ明日は機上の人となる。
生まれて初めてのオーストラリア。
両親や姉と会えるのがとても楽しみだ。
紺野や彼女の友人も飛行機で一緒なので、気持ちも弾んでいた。
「のの」
加護が部屋のドアをノックした。
辻はすぐ出て行く。
「へいっ、なんれすか」
「これ、明日渡し忘れんように…」
加護は手のひらのお守りを、辻に持たせた。
「お守りれすね。ピンクでかわいいれす。ありがとう、あいぼん」
「いや、安全第一やからね」
「なんらか道路工事みたいれす」
「はは、そやね」
じゃ、と加護はドアを閉めて出て行こうとする。
「あ、あいぼん」
「なんやの」
「あのね…ののがいないからって」
そこまで言いかけて、辻は飲み込んだ。
「いないからって、なんやの?」
加護もさすがに怪訝そうな顔をする。
「いないからって…黙ってひとりでおいしいもの食べちゃダメ、れす、よ…」
こんなことが言いたいんじゃないのに。
辻は自分の気持ちに困り果てた。
「なんやのー、アンタの許可がいるんかいー」
加護はあきれて笑う。
「ええ、そうれす。ののの、にんかが必要れす」
「ああ、『認可』ね。ののの口からそないなことばが出るたぁなぁ」
はよ寝えや、と加護は辻の肩をたたいて部屋を出た。
「あいぼん!」
「あ?」
そのまま振り返る。
「あの、おやすみれす」
「うん?おやすみ」

…胸が苦しいれす。
なんでれしょう。

それがどういうものなのか、辻自身にも分からなかった。
461 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/12(水) 20:45
紺野も最後の点検を終え、家族と食事の支度をしていた。
ホームステイ先の方にご迷惑をかけないようにと、さっきから母は何回も繰り返し紺野は妹と苦笑していた。
父が仕事から帰ってくる。
父も交えて、一足早いクリスマスのごちそうを並べた夕食が始まる。
紺野は両親から欲しかった腕時計をもらった。
妹も色違いのおそろいのを。
姉妹は喜んで自分の腕にはめて、お互い見せ合っていた。

『いま成田のホテル。明日は寝坊せんようになあ』
高橋から、こんなメールがきた。
『愛ちゃんも寝坊しないようにね。おやすみー』
返事を打って、ベッドに入る。
ベッドサイドの灯りだけ点けて、ぼんやり天井を見上げる。
高橋に本当の気持ちを言うまいか。
でも、自分の心の中にはもう小川が占めている。
それは抗いようのない事実だ。
『どうしよ…』
顔の上で腕を交差させて、紺野は目を伏せた。
また携帯が鳴る。
保田からだった。
『気をつけて行ってらっしゃいね。真夏のクリスマスもいいわね!By Kei
いいなー、カオも行ってみたいな。体に気をつけてね。KAORI』
後半は飯田が打ったようだ。
それを見て、紺野は思い切って電話をかけようとする。
すぐ躊躇する。
しばらく思い悩んだあと、
「―――もしもし!」
物凄い勢いで電話をかけた。
『わ!びっくりした!どしたん、紺野?』
電話口の保田は驚いていた。
隣で飯田が何か言っているようだ。
「あ、あの。メール、ありがとうございます」
『あ、うん。起きてて大丈夫なの?明日早いんじゃ』
462 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/12(水) 20:49
「あ、はい。…その、あの」
『どしたの?』
電話は飯田に替わった。
「あの、あ、あたし…」
『うん?』
「好きな人に…好きって言うかも、しれ…ません」
『ほう!がんばれよー』
保田の声が明るく響いた。
「分かったんです…誰を一番好きなのか」
『そうか、そうか。そいつぁ、いい』
圭ちゃん、オヤジ、と横で飯田が言っている。
「あ、あの。わたしが勇気が出せるように、その、こんなことをお願いするのはなんですが…祈っててください」
『オッケオッケ!いくらでもお祈りするよ。もー、神様にあきれられるくらい』
飯田が言った。
保田たちは電話口で笑う。
それを聞いて、紺野は気持ちが少し軽くなった。
『おやすみ!吉報を待つ!』
飯田がそう言うと、
『キリキリ逝きなさいよ!』
と保田が続き、電話は終わった。

布団を肩までかけ直し、紺野はほっと安心して溜息をついた。
463 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/12(水) 20:50
―――その頃。

小川は両親が留守なので、新垣の家で夕食をよばれていた。
食事のあと、新垣の部屋で、宿題を少し見てやっていた。
「で、これがこうなるだろう。したら、ココが…」
「まこっちゃんでも分かるんだー、すごーい」
軽く失礼な新垣だった。
「あたりめーだ。アタシは高1なんだぞ」
ちょっとにらみつけ、小川はさっき新垣の母が持ってきてくれた紅茶を飲んだ。
「ねえ、まこっちゃん」
「あ?」
「まこっちゃんは、好きなひといるの?」
「…なんで」
「なんでって…別に深い意味はないよ。ちょっと聞いてみたかっただけ」
小川の様子に、新垣はちょっとびっくりする。
小川はらしくなく真面目な顔をし、しばらく考え込んでいた。
『マジなってるし!』
宿題のノートを閉じ、しばらく小川を観察する。
「なあ」
しばらくたって、小川は口を開いた。
「なに?」
「好きなひとって、どういうの?」
「どういうの、とは?」
「どういうのが『好き』で、どういうのが『愛してる』とかっていうんだ?』
「あたしに言われても…困ったなー」
新垣は顔をしかめ、頭をかいた。
「よく…分かんないけど、まこっちゃんがその人を大事にしたいと思ったり、守りたいとか思ったら、
それが『好き』っていうことだと思う」
「そっか…」
小川はそれっきり黙ってしまった。
『て、なんでまたそんなことを言い出すんだろうね、このひとは』
新垣はそれからもしばらく、小川を見ていた。
464 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/12(水) 20:53
∬∬`▽´)<???  (・e・;)<…う〜ん

更新しました。

レスのお礼です。


>ヨッスィのタマゴさん

川’ー’川<福井弁も難しいけど、博多弁も難しいやよ〜

難しい上に、高橋は早口だから余計分からない罠(w
6期そろいました。田中は紺野に夢中です。川;・-・)<…どうしよう

>オガマーさん

キタ――――――从 `,_っ´)―――――――!!!!

田中、きました。小川さんが今後どう出るか…?(でもてんで気付いていない罠)
おがこん応援ありがとうです。∬∬*`▽´)ノ<カワイイなんて照れるぜ!

>川o・-・)ノさん

川o・-・)<語尾に『〜っちゃ』とつけるのは、福岡でも小倉のようです

山口も言うようですね。博多は『〜たい』とかのようです。
ご指摘ありがとうございます。川o・-・)ノ<勉強になりました!完璧です!



465 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/13(木) 00:22
更新お疲れ様です。
川o´-`)<小川さん…ZZZZZZZZZ…あいぼん>(´D` )
こんこん、のの、揺れる恋心でしたが、ついにこんこんの腹が決まったんですね。思いっきりいっちゃえこんこん!
∬∬`▽´)<…う〜ん???
マコ…とりあえず自分が好かれてることくらい気づけ。
( ;-e-)<先が思いやられるなあ。

田中さんがこんこんの写真を持ってる経緯を考えてみた。
加護さんかわいいなあ。>(*・e・)つ?( ‘ д‘)(´D` )?−34番
从 `,_っ´)<新垣先輩、小川先輩見ませんでした?あっ!
まこっちゃん?見なかったけど。>( ・e・)つ?−35番?
从*`,_っ´)<新垣先輩、その写真焼き増ししてくれませんか?
( ・e・)<え?加護さんファンなの?それとも辻さん?
从*`,_っ´)<いえ、そうじゃないんですが…お願いします。
( ・e・)<500円だけどいい?
はい。喜んで!>从*`,_っ´)ノ○(^e^ )<毎度あり!
( ・e・)つ□<でも辻加護ファンじゃないのにどうして…ん?
A−35番?( ‘ д‘)川o・-・)(´D` )?
( ・e・)<…なるほどね。  ((((从*`,_っ´)ノ□<♪
∬∬;`▽´)<ていうか一枚500円はぼったくりだぜ。(過去に辻の写真を買った。)
466 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/16(日) 02:32
翌朝。
紺野は両親と妹に見送られ、自宅前からタクシーに乗り込んだ。
トランクには父から借りたスーツケースを積んで。
期待と幾許かの不安に胸を膨らませ、彼女は後ろのシートに深々と沈み込んだ。

辻はコインロッカーにスーツケースを預け終業式に向かう。
授業が終わったら、そのまま私服に着替え見送りの加護に制服と通学用のカバンを預け、飛行機に乗り込む。
辻はとにかくわくわくしていた。
一緒に登校した加護は、始終浮かない顔だった。
それでも辻に心配をかけまいと、ふたりで話してるときはなるべく明るく振舞っていた。

その頃、吉澤は特に予定がなかったので辻の見送りに成田まで行く事にした。
途中で辻にメールを送り、辻加護と合流して一緒に空港へ向かう。

「辻さん!」
一足先に空港に到着していた紺野がロビーで手を振る。
隣には、ポニーテールのくるくると大きな目の少女がいる。
彼女が友人の高橋だろう。
そう思い、辻は
「こんにちはれす、ののは辻希美というれす。よろしくれす」
とぴょこんと頭を下げた。
「はじめましてー、たかはすあいですー」
高橋は物凄い早口でまくしたてた。
本人は普通に喋ってるつもりだが、十分早い。
「あ、えっと。たかはしあいちゃん、れすね?」
「はいー、よろしくー」
早口に圧倒された辻だったが、すぐに笑顔で差し出された手を握った。
467 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/16(日) 02:34
―――加護は少し離れたところから、彼女らを見ていた。
吉澤はそんな彼女を見て、
「なんだよー、元気ねーぞー」
頭をぐしゃぐしゃ撫でる。
「な、なんやねん。べっつにいつもどーりや!」
「ほほおぅー。ののがおらん間さみしーんならひーちゃんが遊んじゃる」
「いらんお世話や!」
「あっそ」
しばらくふたりはつまらないケンカをする。
吉澤は加護にぽかぽか殴られていた。

「あいぼーん」
辻が手招きして加護を呼ぶ。
加護は一瞬顔をしかめ、それでも辻のそばに行った。
「なんやねん」
「あのれすね」
「おう」
「のの、もう出発するれす」
「もうそんな時間か」
吉澤とじゃれてる間にいたずらに時間が過ぎたことを知る加護だった。
「気ィつけてな」
「へいっ、今日はわざわざありがとうれした。よっすぃ〜も」
「おう、かっけーみやげ待ってるぜい!」
「へいっ。あいぼん」
「あ?」
「ののの帰り、待っててくらさい」
「うん?まあ、そうしよか」
「じゃ、行ってくるれす」
手を振って、辻は行ってしまった。
途中、振り返ってまた手を振る。
その後姿を見送って、加護は黙り込む。
吉澤はその隣で、やはり黙って立っていた。
コートに手を入れて。



「辻さん」
紺野は飛行機に乗り込む前、声をかけた。
「へい?」
「加護さん、淋しそうでしたよ」
「…そう、れすか?」
「はい、完璧に」
「…そうれすか」
辻はもう一度、後ろを振り返った。
468 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/16(日) 02:35
「辻さん、元気ないのう。これでも食べて元気出すがし」
機内で、特別に紺野たちの隣の席にしてもらった辻は、高橋に袋ごとサキイカをすすめられる。
「スルメソーメンまである…しかも袋開いてるし。ワンカップ、持ち込んでないよね?」
紺野は高橋の機内持ち込みカバンを見て、目を丸くする。
「グラフも入れてきたがし」
高橋はそのカバンから「宝塚グラフ」を取り出し、いそいそと読み始める。
「相変わらず…好きだね」
紺野は少しあきれたように笑う。
ふたりのやりとりを見て曖昧に微笑みながら、辻はさっきの加護の表情を思い出していた。

吉澤は空港からそのままバイトに行った。
駅前で別れ、加護は中澤家に重い足を引きずって帰る。
途中、辻から預かった彼女の制服を、商店街のクリーニング屋に預けて、帰宅した。

「…ただいま」
日の傾きかけた部屋で、加護は自分と辻のカバンを床に放り出した。
ベッドに制服のままダイブして、うつぶせになる。

「う…ひっく」
こらえていた涙が、後から後から流れてくる。
「のの…ののぉ」
布団をつかんで、ずっと泣きじゃくっていた。
469 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/16(日) 02:39
ののが帰って来うへんかったらどないしよ。
お母ちゃん、ウチどないしたらエエの?
…どないしたら。

夕陽が差し込む部屋で、加護はただ泣いた。



―――その夜。

「あいぼんが部屋から出てこない?」
バイトから帰ってきた吉澤は、戻るなり梨華からそう聞いた。
「うん、帰ってきてから部屋に閉じこもったまま出てこないの。もうとっくにご飯なのに」
梨華は眉の端を下げて困り果てた顔をする。
時刻はもう9時を過ぎていた。
「どうしよう、ひとみちゃん」
「わーった、ウチ行ってくるわ」
カバンを下ろし、吉澤は2階に上がる。
「あーいぼん」
ドアをノックしても返答ナシ。吉澤は構わず、開けて入る。
「…オーイ。電気も点けないでナニやってんだー。しかも寝るんなら布団かぶって寝ろよー。風邪ひくぞー」
「…ほっとけよ」
吉澤が加護の下から布団をひっぺがしてかぶせようとすると、低い声で返答があった。
「ほっといてほしーんなら、『ごはんはいりません』くらいのことは言えよー。梨華ちゃんたちも心配してんぞー」
「…食べたない」
「あいぼんさー」
吉澤はそのままベッドのふちに腰掛けた。
「ののが戻ってきたとき、アンタが具合悪くしてたらメチャ心配すると思うよ?『のののせいれすー』とかってベソかくかも。そんなん、イヤじゃろ?」
「…戻ってこうへんかもしれへんやん」
「…何言って」
470 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/16(日) 02:40
「ののが、ののが…オーストラリアを気に入って帰ってこうへんかもしれへんやんか!」
加護は顔を上げて叫んだ。
吉澤は何も言えず、ただ加護の顔を見る。
「…本人に聞いたんかよ」
加護は泣きながら首を振る。
「そんならさー、勝手に思いこむのはよくねーぞ?ホラ、とりあえずメシ食え」
また頭をぐしゃぐしゃと撫で、吉澤は小さな背中を抱きしめた。

泣きはらした加護は、ふらふらと階段を下りて行く。
後から吉澤もついて行った。
「ハラ減ったやろ」
台所に行くと、開口一番、裕子は言った。
加護は黙ってコクンと頷く。
「鍋焼きうどんや、今ぬくめたる」
吉澤はテーブルに着いていた梨華と顔を見合わせて少し微笑んだ。

加護は鼻をすすり上げながら、あったかいうどんを食べた。
「…ぬくいな。ハラにしみるワ」
「そやろ。裕ちゃん特製の鍋焼きうどんやさかいにな。おかわりするか?」
「ウン、お願いします」
「よっしゃ」

『よかったね』
吉澤と梨華は、小声でそう囁き合っていた。
471 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/16(日) 02:45
更新しました。

(´D` )<…… ((川o・-・)<…


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
∬∬`▽´)<…気づく?

小川さん、本気で分かってません(爆。先が思いやられます。
田中が持ってるこんこん写真は、こんこんがピンで写ってるものもあります。
入手ルートは( ・e・)です(多分)。


472 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/17(月) 01:17
CDで〜たかな?メロンの新曲紹介で斉藤さんがストレートヘアー、川“ З.“)||に変わって、なんと村さんが( -〇Δ〇)眼鏡をかけてました。柴ちゃんも川σ_σ||髪が肩にかかってたくらいに少し伸びていました。( `_´)…あいかわらずです。

川’ー’川<こうすぃん〜、お疲れ様でぇす〜↑
ついに3人はオーストレイリアに出発しましたね。間違いなくここまでは「たかはすいあい」ちゃんペースです。
元気ねーぞ!グシャグシャ>(0^〜^)ノ‘ д‘)
なんやねん!イランお世話や!ポカポカ>(+`д´)ノ0^〜^)<あっそ。
エグエグ!ノノガ、ノノガ…>( T дT(^〜^O)<ヨシヨシ!
( ^▽^)<あいぼんとひとみちゃんは、いつも喧嘩してるけどひとみちゃんがいい兄貴…じゃなくていい姉貴をしてるから仲良しなんだね。
3人とも無事に日本に帰ってきてほしいんですが…
473 名前:オガマー 投稿日:2003/11/18(火) 04:21
あいぼん…大人になったと思ってたけどやっぱまだまだ子供だな(ww
よっすぃ〜とあいぼんのやりとりがかあいかったです。
鍋焼きうどんくいてぇ!!(w
474 名前:クロイツ 投稿日:2003/11/18(火) 07:41
書き込むのはお久しぶりでっす。しかし毎回読んでおりましたYO!
…ああ、あいぼん…君の一途さにはいつも泣かされます…。
これから学校行くってのに…くすん。
そして高橋さん。グラフ持って行くんですか、高橋さん(笑)

ののたん、頼むから『永住するのれーす!!』なんていわないで下さいね…。
次回も楽しみにしてます!!
475 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/18(火) 16:38
―――吉澤視点

朝起きて下に降りて行くと、あいぼんはもう出かけたあとだった。
今日からののの代理で、タンポポでしばらくバイトするらしい。
大丈夫かな。
昨日の今日なのに。
朝食の席で梨華ちゃんにそのことを聞くと、
『なんかあいぼんやる気だったよ。大丈夫と思う』
とのことだった。

ウチも今日はライブなので、荷物を持って出かける。
朝バイト入って、そのまま終わったらライブハウス行って。
リハ、しばしの休憩、本番。
忙しい一日になりそうだ。
朝の空気の中、ウチはうーんと伸びをした。


―――11時3分

保田は車を出し、一足先にライブハウスに向かう。
途中アヤカのマンションのそばを通り過ぎると、見覚えのある女の子を見かけ、クラクションを鳴らした。
彼女は保田の車に気付き、少し驚いたようだった。
保田はいったん車を降り、女の子に近づいていった。

「ミカちゃん、だよね?アヤカの従妹の」
「ハイ…」
彼女―――ミカはおずおずと保田を見た。
476 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/18(火) 16:40
―――11時半

村田は急ぎの原稿をバイク便で送ったあと、いったん実家に帰るため支度を始めた。
そこで妹や大谷と合流する。
『やれやれ…原稿も無事上がったよ。年内締め切りはあと1本か。これもあとちょっとだし』
コーヒーを飲み、腕時計を見て荷物を手に取った。

―――同じ頃

「へえ。アヤカに会いに来たんだ」
保田は車にミカを乗せてライブハウスに向かう。
「ハイ…あのご迷惑じゃないでしょうか」
ミカは恐縮して言った。
「いやいや、どうせ今日はライブだし帰れるか分かんないから、
マンションの外で待ってても風邪引くだけだよ。それにしても」
「はい?」
「ハワイからわざわざ来るなんてねー。やっぱ似た者同士だね」
以前アヤカが最終便でハワイまで行ったことを差し、保田はおかしそうに笑う。
ミカは赤くなって、
「…はぁ」
とそれでも嬉しそうに少し笑った。


――――12時9分

「なんか保田さんからメールがきてる」
柴田の家にいた梨華は、携帯を確認する。
『アヤカのかわいこちゃんを見たい?ホホ!当然見たいわよね!見たくば協力するよーに!』
「…なんなのかしら」
梨華はメールを柴田と大谷にも見せ、首を傾げた。
477 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/18(火) 16:41

―――12時17分

飯田は買物をすませたあと、家庭教師のバイトのため出かけた。
その足で、今夜のライブに向かう。

電車の乗換えで駅を出たとき、
「あ」
保田の車を信号で見かける。
手を振ろうとして、すぐにその手を降ろした。
助手席に、知らない女の子。
ふたりでなんだか楽しそうに話している。

「…まさかね」

先を急ぐので、飯田は早足で駅に向かった。


―――13時26分

先にライブハウス入りした市井と後藤は、コンビニで買い込んできた弁当を楽屋で広げ、
少し遅い昼食をとっていた。
「圭ちゃんまだなんか」
「んあ、もうすぐ来るって。さっき、メールきた」
「そっか」
烏龍茶を流し込み、市井はほーっと長い息をつく。
「いちーちゃん、お疲れ?」
「いや…なんつーか。今年も色々あったなーって」
「ああ、アヤカちゃんとよっすぃ〜加入とか」
「おう、おめーも正式メンバーなったし」
「あっは!そうだったそうだった」
市井は楽しそうに笑う後藤の横顔を見て、しばし小さな幸せにひたった。


―――13時37分

保田が楽屋入りする。
知らない女の子を連れて。
「―――あの、圭ちゃん。そちらのおじょーさんは…?」
市井はしげしげとミカを眺めた。
「紹介するわ。アヤカの従妹のミカちゃん」
「は、初めまして。アヤカがいつもお世話に…」
「んあ、どっちかつーと、お世話されてるけどね。特にコノヒトがぁ〜」
後藤は市井のデコを叩き、
「よろしく〜。ごとーでーす!」
とミカに手を差し出した。
デコを叩かれた市井は面白くない。
「アヤカは2時半入りだわよね。バイトのあとチョクで」
「んあ」
保田は確認するように聞くと、
「じゃ、とりあえずコレ、チケットね」
と今日のライブのチケットをミカに手渡すのだった。
478 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/18(火) 16:43
―――14時32分

村田が実家に帰ってくる。
遅い昼食を食べたあと、梨華たちは柴田家を後にした。
「時間あるからさー。ちょーっと遊んでこか」
「さんせーい」
大谷の提案に、全員が同意する。

―――14時33分

『ハァ。なんかイキオイで来たのはいいけど…』
ミカは保田の車の中で、待機していた。
車のキーも、預かっている。
『どうせなら、つれない従姉をびっくりさせたくない?』
保田は提案を持ちかけてきた。
アヤカのライブを一回観てみたかったのですぐ同意したが、
『…大丈夫かな』
どうしたものか、と考え、少し目を閉じて物思いにふけた。


―――14時47分

「『電話してね♪KEI』…」
保田から恐ろしいメールを受け取った梨華は、すぐ保田の携帯に電話した。
「保田さんですか?石川です」
『ホホ!待ってたわよ!悪いけどー、すぐ今日の会場まで来てくんない?
用事を頼まれてほしいのよ、すぐ終わるし」
「はぁ、なにか忘れ物ですか」
『いや、どっちかつーと、お届けもの?』
「はぁ、分かりました…」
首を傾げながら、石川は電話を切った。
479 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/18(火) 16:45
―――15時16分

吉澤が楽屋入りする。
アヤカは2時過ぎに入り、もう大方の準備を終えていた。
「ちょい出てくる」
保田はそう言って、携帯片手に楽屋を出た。

「保田さーん」
駐車場で梨華が手を振る。
柴田たちも一緒だった。
「ホホ!来たわね!全員一緒ね!」
「どうもうちの妹がいつも。柴田あゆみの姉でございます」
村田は一応年長者なので、オトナの挨拶を始める。
「アラ!お噂ではかねがね。いつも読んでます〜」
「こりゃこりゃどうもどうも」
ふたりは握手を交わす。

「ちょっとこっち来てくれる?」
梨華の腕を取って、保田は自分の車まで連れて行く。
「あ…あれ?」
車内で、ミカは眠っていた。
旅の疲れが出たようだ。
保田が何度か窓をコンコンと叩くと、ミカはあわてて起き上がった。
「す、すみません!いつの間にか寝ちゃってて!」
「ホホ!いいのよ!アタシがなんせ勝手なことお願いしたんだから。石川」
「はい?」
「彼女、ミカちゃんっていってアヤカの従妹なのね。そんで今日ハワイから
会いに来たらしいのよ、アヤカにはナイショで」
「そうなんですか!」
梨華は目を丸くした。
「で、アヤカをびっくりさせようとゆーナイスなアイデアを
思いついたわけだけど…協力してくれる?」
「ええ、なんですか…?」
保田と梨華は打ち合わせを始める。
その横で、ミカは『なんか大変なことなってきた…』と内心おろおろするのだった。
480 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/18(火) 16:49

―――16時29分

りんねはバイトを終え、帰り支度をしていた。
そのまま市井に招待されたライブに向かう。
『はぁ、りんねひとりだけいいのかなー』
招待されたのは、なぜかりんねだけだった。
理由を問うと、
『牧場同好会の部長の接待です』
と後藤は大真面目に言った。

「『クリスマスライブ』か…」
財布からチケットを取り出して眺める。
段々わくわくする気持ちが盛り上がってくるのだった。

―――17時4分

「へー、ずっとハワイにいるんだー」
大谷の言葉に、ミカは照れたように『ハイ』と答える。

渋谷のカフェで、ミカも交えた梨華一同はライブまでの時間をつぶしていた。
ミカは保田の車から無事脱出(?)し、梨華たちとライブを見ることになる。
『頼んだわよ!お礼はこの保田圭のあっつ〜い口づけよっ!』
梨華にミカのことを頼むとき、保田はそう言って濃ゆいウィンクをかました。
梨華はライブを見るときのクセか条件反射で『オエー!』というリアクションをし、
保田に『キーッ!』と言わしめた。

「あ、あのね!」
たまりかねたように、村田は言った。
「はい?」
「スケッチ、させてくんないかな〜?すぐ終わるんで…」
言うが早いか、村田はカバンからネタ帳を取り出し、物凄い勢いで
ミカの似顔絵を描き出す。
「でたよ」
姉の様子を見て、柴田はあきれたように苦笑する。
「ごめんねー、うちのねーちゃん、漫画家なのよー。おまけに美人ダイスキだから
もう〜、ミカちゃんみたいなカワイコちゃん見たら、見境なく似顔絵描き始めてさー」
「人を変態みたいに言うなー!」
シャーペン(これもネタ書き用にいつも持ち歩いている)を持った手を振り上げ、
村田は異議を申し立てる。シュプレヒコールのように。

『梨華ちゃん、調子どう?こっちは今リハ終わったとこ』
梨華の携帯に吉澤からメールがくる。
ミカは最初は遠慮がちだったが、だんだん打ち解けてきたようだ。
今も楽しそうに笑ってる。
村田の天然ぶりに大ウケするミカたちを見て、
『楽しい一日になりそう♪』
そう、返事を送った。
481 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/18(火) 16:52
更新しました。

?>川‘.▽‘)||  ( `.∀´)¶<♪〜  


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(0^〜^)<意地張っちゃって。まだまだコドモだぁね

斉藤さん、普通の髪型に戻りましたよね。村さんは新曲でメガネにテンガロンハットです。
( ^▽^)<あいぼんとひとみちゃん、仲良しなのね♪

>オガマーさん
从 #~∀~从つ〔鍋〕<冷めんうちに食べ!

あいぼん、まだまだ子供です(w 鍋焼きうどんは姐さんの得意料理だそうです。
( T дT)<ぬくうてウマイ…しみるわ

>クロイツさん
川’ー’川つ〔グラフ〕<旅には欠かせんやよ〜

高橋さんはどこへ行くのにも「グラフ」持参です(爆 あいぼんさん、一途です。
(0^〜^)<あいぼんビービー泣いて大変だったYO!

482 名前:おぃ 投稿日:2003/11/18(火) 20:28
アヤカの反応がどんな反応をするのか非常に楽しみです。ワクワク
ここのめぐみにも是非テンガロンハットを(ゴニュゴニョ
483 名前:まるまる 投稿日:2003/11/18(火) 21:33
長丁場ご苦労様です。えっと、この話は登場人物の1年間(4〜3月)という
時期なのですか?ハロプロ勢ぞろいですね。
484 名前: 投稿日:2003/11/18(火) 22:01
はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます。
って言っても、読むのがとろとろしているので、ココまでくるのに
3ヶ月くらいかかってしまいますた(汗
自分はいしよし好きですが、今は辻加護がすっごい気になって気になって…
次も、もんのすごい楽しみにしてます!!がんばってください。
485 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/19(水) 00:08
( `.∀´)<ふっふっふ、アヤカ。覚悟なさい!
更新お疲れ様です。いつもいじられるケメ子がアヤカにドッキリをしかけるんでしょうか?逆襲のケイ、といった感じでしょうか?
朝―
いってらっしゃい。>( ^▽^)ノ (((( ‘ д‘)<♪
よっちゃんのおかげであいぼんが元気になってよかったです。ひ〜ちゃんは誰にでも優しいです。それでも梨華ちゃんには特別ですが。

久振りの美人だ!カキカキ>(* -〇Δ〇)ノ□ 川 ‘∀^;儿<え?…
…村さんはあいかわらずです。
486 名前:オガマー 投稿日:2003/11/19(水) 03:17
姉さん、こりゃこりゃどうもどうも(爆
マサオ結構しゃべってるよマサオ
なんか嬉しいよマサオ(ww
487 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/19(水) 14:32
―――17時6分

飯田はバイトを終え、一足先にライブハウスに向かった。
『…大分時間あるな。ま、いっか』
昼過ぎからどうにも引っかかることがあり、差し入れを渡すついでに楽屋へ向かう。
『…まさか違うとは思うんだけど』
楽屋へ行くと、メンバーがリハを終え休憩しているところだった。
保田は
「よ、早いじゃん」と片手を上げる。
「うん。これ、差し入れ。みんなで食べて」
「おっほ!やりーィ!今日は豪勢だなー」
市井は大喜びで差し入れを受け取る。
中身はマドレーヌとクッキーだった。
今日は後藤もクリスマスケーキを焼いてきたので、早目のクリスマスパーティーのようだった。
「アンタもどう?いけるわよ」
保田がケーキを勧めようとすると、
「うん、圭ちゃん。ちょっと…いい?」
飯田はじっと保田の顔を見た。
保田は
「ちょっと出てくるわ」
と飯田のあとに続いて出て行く。
488 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/19(水) 14:34

ふたりは駐車場まで来た。
「どしたん?」
保田は笑って、飯田の顔を見る。
「うん…あのね」
「ん」
「圭ちゃん、今日のお昼、女の子と一緒だった?」
「お昼…何時頃?」
「12時…過ぎてたかな」
ああ、と保田は笑った。
「車で知り合いの女の子とライブハウス行く途中だわ、その時間だと」
「知り合い?」
「そ、アヤカの従妹のミカちゃん。この前話したっしょ?」
「そっか…カワイイ子だね」
ここで飯田はわざと視線を外した。
「まあ、ね。アヤカがメロメロなだけあるわ」
飯田の前に回り、保田は
「ごめん、誤解させるような行動取って」
素直に頭を下げる。
「…も〜お。どうして先に謝るのよー。…謝れないじゃん」
飯田が膨れっ面をするので、保田は
「…ヤキモチ焼かれるのは悪い気はしないわよ」
ニヤッと笑い、飯田の腰に両腕を回した。
そのまま耳元で、
「…アタシがこうしたいのは、アンタだけよ」
低く囁き唇にキスを落とした。


―――その様子を他のメンバー数名は柱の影から温かく(?)見守っていた。
アヤカと後藤は楽屋に残っていた。
「…カッケー。保田さん、カッケー」
手をグーにして、感動する吉澤。
「どうなった?」
そこへ現れるアヤカと後藤。
やはり気になったようだ。
保田たちはまだキスの途中だった。
「んあ、仲直りしたんだね」
「あ、圭ちゃん、片手でこっちにピースしてる。気付いてるし!」
アヤカが小さく叫ぶ。
「チェッ!余裕こいてさ〜!」
保田たちはまだ名残惜しく、唇を触れ合わせていた。
489 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/19(水) 14:36
―――18時23分

梨華たちはライブハウスに到着し、入場しようとしていた。
「すっごいひとだね…」
客の多さに、梨華は目を丸くした。
「ん〜、クリスマスライブだしねー。今年は特に多いカモ。新生キュービック初のクリスマスライブだし」
「そっか。柴ちゃんはやっぱ詳しいね」
「オホホホホ、なんでも聞いて頂戴」
村田は人ごみの中に、思ってもみなかった顔を見つけて、
「あ…!」
叫ぶやいなや、走り出した。
「ちょ!オーイ姉ちゃん!どこ行くんさー!」
「悪い!すぐ戻る!」
妹が止めるのも聞かず、村田は走る。

「…りんね!」
村田は声の限り叫んだ。
「…村っち?」
りんねは目をしばたたかせ、しばし立ち止まる。
「そ、そう…ひ、久しぶり」
全力で走ったので、息切れする村田。
りんねは『大丈夫?』と背中をさすってやる。
490 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/19(水) 14:37

ふたりはひとごみを逃れ、立ち話する。

「あっと…久しぶり」
とりあえず、口を開く村田。
「うん、村っち、このバンドのファンなんだね」
「いや、なんつーか。妹の友達とかがメンバーなもんで」
「そうなんだ。誰?」
「よっすぃ〜とか、アヤカちゃんとか」
「へえ、りんねも友達だよ。世間ってせまいねー。今日、りんね市井さんって人にチケットもらって来たんだよ」
「そっか…あのさ」
「うん?」
「りんね、いま…幸せ?」
何聞いてんだ、あたしは!
村田はひどく後悔した。
「うん、幸せ。村っちは?」
「しあわせ、かな…?」
ここで何故か斉藤の、例の派手な金髪巻き毛姿の画像が浮かんだ。
幸せからなんで思い浮かんだのか、まるで分からない。
「りんね、いまね、年下の女の子と付き合ってるんだ」
「…え?」
予め可能性として考えられていたことなのに。
村田は一瞬呆然とした。

「…あ!戻ってきた!」
十数分後、村田は妹たちのところに戻った。
姉の姿を見つけ、妹は背伸びして叫ぶ。
『いまドコよ?』
というメールもきたので、さすがに戻った。
『またね。元気で』
りんねとは笑顔で別れた。
相手が笑顔なのに、自分がヘコんでるのはおかしい。
そう思い、村田はムリに笑ってみせた。
「もー!ねーちゃん単独行動禁止!」
「スンマセン…」
「あの、どうされたんですか…?」
ミカが村田を気遣うように言った。
「ん、アハハハ…ちょっと、失恋?っぽいかなーって」
「まさか…りんねさんに会ったの?」
「ん、なんで知ってんの?」
「ああ、いや、その…」
うっかり口をすべらせた柴田は、さすがに慌てる。
大谷は横で『あっちゃー』という顔をする。
「と、とりあえず中に入りましょう!もう始まります!」
梨華のとりなしで、全員会場に足を踏み入れた。
491 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/19(水) 14:42
更新しました。

(;`_´)川;σ_σ||       ( -〇Δ〇)<……


レスのお礼です。

>おぃさん
( -〇Δ〇)ノ<初レスありがとうございまする〜 メガネマテンロウ〜

「スターどっきり」とかいう番組がそういやあったなーと何故か思い出してしまいますた。
被害者(?)アヤカの反応や如何に?そしてめぐみは当然メガネです。川;σ_σ||<ヲタシヨウ?

>まるまるさん
( ´D`)<初めてのかたれしょうか?ありがとうなのれす〜

一応話の中と現実の時期を合わせて書いてるのですが、すでにズレまくってます(w
気がついたらえらく登場人物の多い話になってますた。どうもです、がんがります。
あと、何分駄文ですので、レスはsageかochiでお願いいたします。( ゜皿 ゜)ノ<オナガイシマース!

>京さん
( ^▽^)<初レスありがとうございまーす!がんがります!

私が言うのもなんですが、長いですよね(w お疲れ様です&ありがとうございます。
どこかでお見かけしたHNなのですが、どこかで書かれてませんでしょうか?( ´ Д `)<ドコカデミカケタキガ?

>ヨッスィのタマゴさん
川;‘∀^儿<な、なんかしきりに『モデルになってほしい』って…

初手から村さんはトバしてしまい、ミカに普通に引かれてます。そうです、相変わらずです(w
ヤッスー、アヤカに逆襲しようと大張り切りです。( `.∀´)y−~~<オホホ!

>オガマーさん
( `_´)<頑張りました

マサオ脇役でごめんね、マサオ。ここの村さんはヘンなひとですが一応一般常識はあります。
大人の挨拶も欠かしません(w そしてメガネです。( -〇Δ〇)<テンガロンイル?
492 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/19(水) 18:18
みんなクリスマスに向けて着々と進行しているようでヨカタ
しかしヤスのいいらさんおあしらい方は余裕だなぁー
これも重ねてきた年齢が高い(ry
( `.∀´) <キーッ!
493 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/20(木) 03:12
[柱]0^〜^)´ Д `)‘ ▽‘)||     v( *`.∀´(`* 川川

更新お疲れ様です。やすかおは少し気にはなりましたが、まあ大丈夫だろうと思い気にはしませんでしたが、何もなくてよかったどころかさらに甘々になりましたね。それとは逆に村さんが失恋とは…
( ;‐ Δ‐;)<思いきり泣いて〜♪(森高千里で「雨」)
村さん、応援してますから元気出してくらさい。
494 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/21(金) 20:54
―――18時48分

本番までのあとわずかな時間。
キュービックのメンバーは最後の調整に入っていた。
市井の携帯が鳴る。
柴田からメールだった。
『ごめんなさい!今日のりんねさんのこと、うっかり口をすべらせて言ってしまいました。
どういうことか詳しくは分かりませんが、姉は『失恋した』と言ってます。
本当にすみません!』
慌てて打ったのだろうか、せっぱつまった様子が文面から伺えた。
市井はじっと画面を見詰めたあと、
『これでいいと思うよ。すべてはいい方向へ向かうと思う。柴田が悪いわけじゃない。案外こうなる風に、
神様が仕向けたんカモよ?』
と返事を送った。
「なに?またオンナからメール?」
保田がニヤニヤ笑う。
「まあね〜」
市井もニヤけ返す。
「んあ…そうなん、だ」
後藤はそう言って、ギターをいったん下ろした。
それを見て市井は
「柴田からだよ。『がんばってくださいねー』だと」
内容だけウソをついたフォローをする。
本番前に本当のことを言って余計な動揺を広めたくない。
市井なりの判断だった。

「…柴っちゃん、なんかあったの?」
保田は舞台裏の隅で他に誰もいないのを見計らって、市井に声をかける。
「さっすが圭ちゃんね…りんねさんにもう遭遇しちまったみたい、村田さん」
「あら」
「なんか…うまくいかなかったみたいよ?失恋したとかなんとか」
「…う〜ん、サンタさんは違うプレゼントをくれようとしてるんかねー」
顎に手を当てて考える保田を見て、市井はある種の不思議な感動を覚えた。
「変われば…変わるモンだね」
「ん?」
「カワイイ彼女ができたら、考え方までかわいくなっちゃって」
「ホホ!うらやましかったら、アンタも押せ押せ状態で逝くのね!」
今日の保田は開き直ってる。絶好調だった。
市井も笑顔で一瞬引いてしまった。
『まったく、キスのパワーはすごいねー』
市井はチラっと後藤の方を見た。
本番前のテンションの上がる中、彼女は凛とした横顔でステージを見据えていた。
495 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/21(金) 20:57
―――18時52分

梨華たちは客席の前のほうにいた。
「よ」
飯田がすでに来ていて、片手を上げる。
「あ、飯田さん。早いですね」
「ん。カテキョ終わってからチョクで来たし。…あれ?」
村田のほうを見て、飯田は『どこかで見たような…』という顔をする。
「あ、こちら柴ちゃんのお姉さんのめぐみさんです。漫画家さんなんですよ」
梨華が紹介すると、村田は軽く会釈した。
飯田も頭を下げる。
「あの、もしかして村田めぐみさんですか」
「ああ、ハイ。そのような者でございます」
「こちらは飯田圭織さんです…あ、お姉さん!」
村田はまた物凄い勢いでネタ帳をめくり、
「あの、あまりにもお美しいので、似顔絵なんか描いちゃったりなんかしちゃったりしてもよろしいでしょうか?」
飯田に近づいていく。
すでに筆は動いている。
「あ、あはは…光栄です」
さすがの飯田も引く。
梨華も困惑して固まった笑いを浮かべている。
「あの、村田さん。あたし、村田さんと大学同じなんです。いま、院にいるんですが」
気を取り直して飯田が微笑みながら言うと、
「マジで!?いや〜、奇遇奇遇!なんで在学中にこんな美女に気付かなかったんかな〜」
村田は頭をかいた。飯田はにこやかに続ける。
「専攻が違いましたから。学年もあたし、一年下ですし」
「ほんとに〜」
そのやりとりを見て、大谷は
「ホレ、元気出せよ。見た感じ、そんなヘコんでないじゃん」
柴田の背中をポンと叩いた。
「ウン…あ〜、アタシとしたことが」
柴田は自分の頭をコツンと軽く叩く。
「なるようになるさ」
大谷は、ステージを見つめて言った。
496 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/21(金) 20:59

―――18時56分

「さて、今日もいっちょやりますか」
市井が促がすと、メンバーはそれぞれ頷いた。
全員円陣を組んで、片手を出す。
「さーて、本日はクリスマススペシャルライブ。キュービック今年最後のライブでもありまする。
今年もご愛顧ありがとうライブ、てめーら、ガンガンいけよ!」
「いちーちゃん先トバしすぎないよーにね」
後藤のツッコミに、全員ゲラゲラ笑う。
「うっせー!…ま、いっか。じゃ、がんばっていきましょーい!」
「「「しょーい!」」」
かけ声をかけ、全員いやが上にもテンションが上がる。
上がりすぎて、吉澤はベースを担いだままステーンとこけそうになった。
アヤカがあわてて肩をつかみ、事なきを得た。

―――18時57分

開演3分前。
ステージは少し前から照明を落として暗くなっている。
村田はあっという間に飯田の似顔絵を仕上げ、一枚は自分の観賞用、もう一枚は
飯田にサイン入りで渡した。
紙の隅に村田のサインと『フレンチロリータ万歳!』と意味不明なひとことが
添えてあり、飯田は苦笑する。

『…アヤカが歌うの見るのって…何年ぶりだろ』
ミカは客席で思いにふける。
子供の頃からピアノにバイオリン、フルート、声楽、ついでにクラッシックバレエと、
お嬢様一直線な習い事をアヤカは極めてきた。
それをハタで見てきたので、中学生になってパンクバンドを始めたと聞いたときは
あ然とした。
『…驚くまでもなかったか。アヤカ、昔から不良だし』
成績いいくせに遊びまわっていた時代を見てきたので、それを思い出し、
ミカはくすっと笑う。

どこからかアヤカコールが起こる。
それをミカは不思議な気持ちで聞いていた。

『…さっき愛してるって言ったよね?いいの…?アタシ、それ以上好きになるかもよ?』
かつて愛し合ったとき、アヤカは熱い吐息混じりで囁いた。

『…どうして、疑ったんだろ。アヤカはいつでもあたしのこと考えてくれてたのに』

ミカが顔を上げると、低いベースの音が流れてきた。
497 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/21(金) 21:07
(;−Θ ΔΘ)<―――ム!前方に美人ハケーン! (‘〜‘;川

ナ?キニスンナッテー( `_´)  川σ_σ;||ウン…

更新しました。

レスのお礼です。


>492の名無し読者さん
川*‘〜‘)||<もう、圭ちゃんたら…

川´.▽`)||<カオリちゃんが泣いたら、本気でうろたえるくせにね〜

いいらさんが拗ねてるうちはヤス、まだ余裕です(w 
泣かれたら、かなりめにオロオロする模様。ヘタレですから。

>ヨッスィのタマゴさん
(−Θ ΔΘ)<…ありがとう。美人→川‘〜‘)||もまた見れたからがんがる

川;σ_σ||<ほんとに大丈夫かな〜 アタシガヨケイナコトイッタバッカリニ

村さん、とりあえず美人に遭遇(?)して少し気が紛れた模様。
やすかおはヤスの素早いフォローで解決?です

前回更新分にコピペ漏れがありました。訂正分は下記の通りです。

>>488
「チェッ!余裕こいてさ〜!」
市井はポケットに手をつっこんでやさぐれる。
保田たちはまだ名残惜しく、唇を触れ合わせていた。

( ´ Д `)<んあ〜、いちーちゃんがノゾかないワケないモンね〜 ヽ^∀^;ノ<オマエに言われたくねー!
498 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/22(土) 00:23
いしよし焼きそば屋(梨華ちゃんの面白い話つき)
あのですね…>(^▽^ )(0^〜^)ノ□ジュージュー(焼きそばを焼いている)
…というわけなんですよ。キャハハ、おもしろくないですか?>(^▽^ )(0;^〜^)ノ□ジュージュー
やったあ!ひとみちゃんウケたよ!>(*^▽^)(^〜^;O)<う、うん。よかったね梨華ちゃん。
久振りのいしよしコンビがすごくよかったです。時々梨華ちゃんがひ〜ちゃんの肩に手を置いたり(^〜^O(^▽^*)

更新お疲れ様です。村さん元気になってよかったです。あとマサオさんのフォローがいいですね。惚れ惚れしちゃいます。久々のライブ楽しみです。とくに圭ちゃんが、カオENERGY全開で大暴れしそうです。
499 名前:まるまる 投稿日:2003/11/22(土) 13:44
もうすぐ500レスですね。6スレになっても、引き続き頑張って下さい。
500 名前:わく 投稿日:2003/11/22(土) 22:14
初500☆
これからも頑張って!!!!
市井ちゃんとゴマの恋愛がどうなるのかが今すげ気になりまする・・・
501 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/23(日) 17:17
―――同じ頃

喫茶タンポポ。
「お疲れー。加護、今日はもう上がっていいよー」
矢口に言われ、加護は
『ハイ』と返事する。
今日は、冬休みの間オーストラリアに行っている、辻の分のバイト代理初日だ。
一日中忙しく立ち働いたので、くたくただった。
「ほい、どうぞ」
矢口はホットココアを出してやる。
「あ、すみません」
「飲んだら流しに浸けといて。オイラ、今からお菓子の仕込みやるから」
「ハイ」
客が大分減った店内に、静かな時間が流れる。
加護はカウンターに座り、ふうふう冷ましてあったかいココアを口にした。

カップを洗い、加護はタンポポを後にした。
日はとっくに暮れている。
加護はなんとなく、中澤家にまっすぐ帰らずに、この前辻と行った
踏み切り向こうの雑貨屋に向かった。

502 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/23(日) 17:27
『よかった、店、まだ開いてた』
営業は8時までだった。
この前より店内にクリスマスの装飾が増えている。
まだ若そうなオーナーらしき女性が、『いらっしゃいませ』と笑顔で声をかけた。
しばらく色々見て回ったあと、ふとこの前辻が欲しがっていた指輪に目をやる。

『う、ううーん…』
加護は散々悩み、こそっとカバンの中のサイフを覗き、千円札の枚数を数える。
『しばらく、買い食いを控えたらエエか…。タンポポは賄いつきやし、なんとかなるやろ…』
意を決し、加護は
「すみません、これ、ください」
指輪をレジに持って行った。

店を出て、加護はほーっと長い息を吐く。
『家族のプレゼントはどうしよ…しゃーないな、帰ってからケーキでも焼こか』
カバンの中には、クリスマスラッピングされた指輪が入っている。
真っ赤な包装紙が、小さなカバンから少し顔を覗かせていた。
503 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/23(日) 17:28
携帯が鳴る。
上着のポケットから出して確認すると、梨華からメールだった。
『バイト初日おつかれさま☆あたしは、柴っちゃんたちといまライブハウスにいます。
寄り道しちゃダメだよ!気をつけて帰ってね』

「…ほんっま、おせっかいやなー」
メールを見て、加護は苦笑する。
中澤家で下宿を始めたとき、自分の世話をなにくれと焼く梨華が、正直、
加護はニガテだった。
『うざいねーちゃんやなー』と思ったこともしばしば。
しかし、今は何かにつけて頼っている。
母親を早くに亡くした自分に、同じ経験を持つ梨華が気を遣って世話を焼くのが
鬱陶しかったな、と思い出し、加護は小さく笑った。

『加護、今どこおんねん?今日は鍋やでー。早よ帰ってこな、裕ちゃんひとりやないの』
裕子からもメールがくる。
今日は土曜で本来は自炊日だが、梨華たちも出かけてふたりなので、
裕子が特別に食事を用意してくれてる。

「いま帰ります。なんか買ってくモン、ありますか?」
直接裕子の携帯に電話し、加護は駅前の道を急いだ。
504 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/23(日) 17:30
「…うーむ、ふたりで鍋は多かったかなー」
居間のこたつで加護と鍋をつつきながら、裕子は言う。
加護は
「おいしいですよ」
と箸を運ぶ。
「平家さんは来はらへんのですか」
「アイツはいま、日本におらん」
「へ?仕事?」
「そうや、みちよのクセにナマイキや」
ジャイアン…。
加護は心の中でこそっと呟いた。
「へえ。じゃ、クリスマスも別々ですか」
「なんや、明日の晩帰ってくるらしいワ。
クリスマスは…」
「クリスマス、は?」
加護は取り皿と箸を持ったまま、ニヤニヤと顔を近づける。
「なんでもあらへん。デザートにアイスどないや?ミカンもあるで」
「やった!いただきます!」
裕子と加護は、テレビを一緒に見ながらお茶を飲んだ。
テレビを見て、
『最近の若い子ぉは、けったいなカッコしとるなー』と呟く裕子に、
オバハン、とうっかり言ってしまった加護は、無言で裕子に軽くヘッドロックを
かけられるのだった。
505 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/23(日) 17:32
更新しました。

( ‘д‘) <…オバハン(ボソ)  曝ク#~∀~#;从


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(・´ー`・)<なっちは給食屋さんだべ!

個人的には、小川のうさんくさいヨーヨーつり屋も捨てがたいです。
ヤスはただでさえムダにパワフルなのに、更にいいらさんからもパワー補給しますた。

>まるまるさん
( `.3´)<ホホ!応援ありがとう!

ありがとうございます。これでスレ半分、折り返し地点ですね。最近スレ容量が増えたようなので、
新スレはもうちょっとあとだと思います。(てか、いくのか!?)どうもです、がんがります。

>わくさん
ヽ;^∀^ノ<ホ、ホントにどうなんの!?

市井ちゃんのがんばり具合にかかってますが、相手が何しろ後藤なので…(w
キリ番おめでとうございます。ありがとうございます、がんがります。
506 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/24(月) 02:40
ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ル!!!
やったあ!ひとみちゃんは入ったよ!>2(*^▽^)人(^〜^O)5<梨華ちゃん、ナイスシュー!

更新お疲れ様です。
(*‘ д‘)ノ。<やっぱウチはののには弱いんやな。
あいぼんホントにののに関してはかわいいんですよね。

158より川o・-・)<「…まったく。あなたは辻さんには無条件に優しいんですね」「ぶっちゃけ、そうです。辻さん限定です。ある意味感心します」
川o・-・)<その上加護さんは意地っ張りで、素直じゃないですし…
あさみちゃん、さっきから何1人でぶつぶつ言っとるがし?>川’ー’川つ〔グラフ〕 川;・-・)<あ、いや別に…
( ´)D`)ノ〔サキイカ〕<モグモグ、たかはすさん、イカおいしいれす。
オーストラリア行きの飛行機内を想像してみました。
同じころの日本行きの飛行機内はきっと…
( `◇´)<…ZZZ.。oO(みちよのクセにナマイキじゃ!>从#~∀~从ノ(`◇´ )<なんやのー、もう〜)
507 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/24(月) 13:46
関西人は二人よると漫才になるを地でいく二人最高
昔のハロモニ番宣での
( ‘д‘)<いたいがな!いたいがな!そんなんありですか?
を思い出してしまった
508 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/25(火) 21:44
―――石川視点

―――19時

ライブの開演時間となった。
ステージは照明が落ちたままで、ベースの音だけが静かに響いてる。
やがて、それもやむ。

「When you wish upon a star
Make no difference who you are…」

どこからか、アヤカさんの歌声がした。

「Anything your heart desires
Will come to you…」

『星に願いを』だ…。
歌が終わると、ステージにピンスポットが差した。
アヤカさんが現れるのかと思ったら。
いつもの白いグレッチを抱えた市井さんだった。
驚くべきは、その衣装で。
真っ白な女の子らしいノースリーブのニットのワンピースだったので、
客席がどよめいた。
「いちー!おめー反則ー!」
ファンの声も嬉しそうだ。
509 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/25(火) 21:45
市井さんは照れ笑いしながら、日本語歌詞の『星に願いを』を歌いだした。

『輝く星に 心の夢を
祈ればいつか 叶うでしょう
きらきら星は 不思議な力
あなたの夢を 満たすでしょう
人は誰もひとり
哀しい夜を過ごしている
星に祈れば 淋しい日々を
光照らしてくれるでしょう』 


だんだんステージが明るくなって、やがて他のみんなの姿が見えた。
ひとみちゃんは、何か嬉しいのか、笑いをこらえてる顔でベースを弾いてる。
ごっちんや保田さんも、ニヤけてる。
アヤカさんは市井さんと目が合って、ウィンクしてた。
アヤカさんはバックコーラスの殆どを担当してて、市井さんとキレイにハモってた。
みんな、雪のように白い衣装で。
ステージも全体に白っぽい感じだった。
510 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/25(火) 21:47
曲が終わると、市井さんはちょっと咳払いして、
「こんばんはー!キュービック年内最後のライブへようこそー!」
MCを始めた。
「ちゃむー!」
「サヤカー!」
市井さんは、相変わらず声援が多い。
「てか、なんでいちーちゃんオンナノコみたいなカッコしてんのさ」
ごっちんの疑問に、ステージも客席もみんなゲラゲラ笑う。
「るせー!アタシはオンナだっつーの!」
「ホホ!それなら普段からオンナらしくするのね。ア・タ・シみたいに!」
保田さんが口を開けて例のウィンクをし、客席は『オエーッ!』となる。
飯田さんもオナカを抱えて笑ってる。
めぐみさんもなにか感じいるところがあったのか、熱心にネタ帳になにか書き込んでた。
ちらっとミカちゃんのほうを見た。
…よかった。
楽しそうだ。

「2曲目いくよ〜」
ごっちんがいつもの調子で言い、演奏が始まった。

2曲目と3曲目はバンドのオリジナルだった。
ひとみちゃんも今日はかなりテンション上がって弾いてる。
『ウチ、今日かなりトバすよ』
と言ってた通りだ。
ミカちゃんはずっとアヤカさんを見てる。
横にいたマサオさんが小声で何か話しかけると、小さく頷いていた。
511 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/25(火) 21:48
いったん客席が暗くなり、メンバーはその間奥に引っ込んだ。
衣装替えのようだ。
ライトが点き、すぐひとみちゃんが現れて、
「おいっす!」
大きな声で叫んだ。
「「おいーっす!」」
あたしも笑いながら、一緒に叫んだ。
「元気がないな!もう一度!おいーっす!」
「ドリフかよ!」
誰かのツッコミに、ひとみちゃんは下唇を突き出して
「ダメだこりゃ」
とオチた。
また笑いが起こる。

「さてさてー。次はー、もー死ぬほどかっちょい〜いダンスを見せるからお・た・の・し・み・に〜」
ひとみちゃんはそのまま下手にハケた。

「ダンスだってさ」
と柴ちゃん。
「なんか盛りだくさんだな」
マサオさんも頷く。
512 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/25(火) 21:52
どこからかジャズっぽい音楽が低く流れてきた。
また照明が暗くなる。
「SPEAK LOWだ」
ミカちゃんが言うと、
「だね」
マサオさんも頷いて言った。
「スピークロウ?」
柴ちゃんが首を傾げた。
「そ。ジャズの定番曲」
「ほほお〜」
マサオさん、物知りだなぁ。
ミカちゃんも曲に合わせてスィングしてる。
お父さんがジャズミュージシャンだって言ってたけど。
ミカちゃんもジャズが好きなんだな。
すっごく生き生きしてるもの。


「キャー!」
突然の歓声に、あたしはぎょっとした。
明るくなったステージには、ダブルのスーツにソフト帽という衣装のメンバーがいた。
ごっちんやアヤカさんも、同じ衣装だ。
ひとみちゃんも、いつの間にか着がえてた。
…ひとみちゃん。
カッコよすぎ…。
ぼーっと見惚れてると、あたしに気付いてくれてにこっと笑ってくれた。
グレーのスーツに黒いシャツがよく似合ってる…。
「ヤッスー!抱いてェ〜!!」
びくっとして、恐る恐る飯田さんのほうを見てみる。
…ハハ、固まったまま笑ってる。
…保田さん、なんてフォローするんだろう。
保田さん、ウィンクなんかしてるし。
知りませんよー、どうなっても…。
「ヤッス〜!」
保田さんはもう一度、声のほうにウィンクした。
513 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/11/25(火) 21:54
「…宝塚でもないし、なんつーか、全員女の子の劇団四季みてーだな」
ステージのダンスを評して、マサオさんが言った。
「たとえ分かりにくいよ」
と柴ちゃん。
「あ、や、違う。『フォッシー』とかが近いかな」
「OH!あたしもそう思います!」
ミカちゃんとマサオさんは、さっきからよく意見が合う。
めぐみさんは、食い入るように舞台を見ている。
「…美女のソフト帽…!」
なんか、感極まっているようだ…。

みんな、ダンスうまいなぁ。
ひとみちゃん、最近やたらと家の中でターンしてたのは、このためだったんだ。
『見てて目ェ回るワ!やめい!』
って裕ちゃんやあいぼんにさんざん言われてたけど。
でも…カッコいい!


「保田さん、カッコいいですね」
飯田さんにこそっと声をかけると、あたしのほうを見て
「吉澤もね」
と小さく笑った。

シアターダンスというのか、そういうダンスが終わると、一瞬静かになり
急にサイレンの音が響いた。、

「…いくぜ!『BABY!恋に KNOCK OUT!』」
ひとみちゃんが叫ぶ。
客席から歓声が沸いた。
514 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/11/25(火) 22:12
更新しました。

    ウンウン    デスネ
( `_´) 川-〇∀〇儿←アヤカにバレないようにダテメガネ着用

ミョーに音楽の意見の合うふたりの巻。


『フォッシー』とは…

ブロードウェーミュージカルの演出振付、映画監督のボブ・フォッシーの手がけた
ミュージカルの、「いいとこどり」集大成なダンスレビューです。
数年前に日本でも上演されましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
帽子のふちをつまんで、独特のステップを踏むのを『フォッシー・スタイル』というそうです。

川o・-・)<ライザ・ミネリ主演の映画『キャバレー』もこの方の作品です。
      「シカゴ」モワスレテハイケマセンネ

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(*‘ д‘)<イ、イヤやわ〜。照れるやん…
川o・-・)<加護さんったら…分かりやすい方です。完璧に

夢の中でも虐げられてるミチャーソに笑いますた。ここんとこ、本物のいしよし名場面が多いので
ヲタとしては嬉しいです。あいぼんさんは、ののさんに関しては乙女です。


>507の名無し読者さん
从#~∀~从ノ<ホンマにこのガキは〜
( ‘д‘)<『若い子ぉ』とか言うからですやん!

京都と奈良はまたビミョーに違うのですが、やっぱり漫才になってしまいますね(w
あ〜。そんな番宣もありますたねー。加護のごくごくたまーに出る関西弁が好きです。


515 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/11/26(水) 03:18
のののイタズラ
うりゃ!バサッ>( ´D`)ノ*´ー`)<わっ!ののなにするべさ!
ほいっ!バサッ>( ´D`)ノ*^▽^)<キャッ!も〜のの〜!
隙あり!バサッ>( ´D`)ノ从*`,_っ´)<ヒャッ!(あ?あれ?フリがっ…)
よっちゃん!バサッ>( ´D`)ノ0^〜^)<…♪
(あれ?じゃあこれなら…)ガシッ>(;´D`)つ0^〜^)<…♪
(0^〜^)<さわるならさわれば。
そっか、ひとみちゃん受けがいいんだ!リカ、ガンバルYO!>(*^▽^)ノ0;^〜^)<え?いやそうじゃなくて。

更新お疲れ様です。
( `_´)マサオさん、いつもクールな突っ込み役でJAZZにも詳しいなんて、かっこよすぎます。
(*´▽`)<ひとみちゃん、かっこいい…
とりあえず「梨華ちゃん、ヨスコにKNOCK OUT!」です。
516 名前: 投稿日:2003/11/26(水) 17:16
女の子らしいヽ^∀^ノかっけー!
スーツ姿の(0^〜^)かっけー!!
口開けウィンクの( `.∀´) かっk…
あの後いいらさんと小ゲンカするんですかねぇ(笑

あと、自分は小説は書いてません。てか、書けません(泣
でも書きたいなーとは思ってます
517 名前:オガマー 投稿日:2003/11/30(日) 15:30
マサオ(;´Д`)ハァハァ
マサオ好きだ(爆
やたらとターンするよっすぃ(wwかあいい。
518 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 13:43
―――石川視点

『BABY!恋に KNOCK OUT!』は楽器ナシで、歌のみだった。
伴奏というのか、音はオケで。
楽器がない分、みんなハジけて踊ってる。

『だってだってBaby
 愛愛会いたいわ
 Baby Baby Baby
 秘密のデートしたい』 

『Ah !!』

客席のテンションは最高潮に上がってる。
ステージのメンバーも言わずもがな。

さっきのカッコいいスーツを、ひとみちゃんや市井さんやタイを緩めて着崩してる。
シャツのボタンもふたつぐらい外して、もうもう、ファンがこれ以上増えたら困るくらいカッコよかった!
アヤカさんにバレないように、マサオさんに借りたダテメガネ、めぐみさんに借りた
テンガロンハットをつけてる
ミカちゃんも、眩しそうな目でステージの恋人を見つめてた。
アヤカさんは何も知らずに笑顔を見せている。
519 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 13:45
『まったくまったくまったく
 やる気が無いって
 みんなはみんなはみんなは
 言うけど
 本当は本当は本当は
 ただ恋に夢中
 なんにもなんにもなんにも
 手につかない』

『後悔とか したくない
 出来る事を 今したい』


『Baby!恋にKnock Out!』

「「「Knock Out!」」」

客席が一体となって叫ぶ。
もちろんあたしも叫んだ。

『全てがLOVEね』

「「「LOVEね!」」」

「クリスマスのせいかな〜?」

ひとみちゃん、アドリブで言ってにへっと笑った。
両手を広げてくるりと一回転。

他のお客さんから
「ひーちゃーん!」
と歓声が上がる。

『止まんない!』
『Baby!恋にKnock Out!』

『口づけしたい
 正直に言うわ「I LOVE YOU」』

『だってだってBaby
 愛愛会いたいわ
 Baby Baby Baby
 秘密のデートしたい Ah !!』
520 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 13:48
『こんなにこんなにこんなに
 愛したことって
 まったくまったくまったく
 はじめて
 電話が電話が電話が
 1日12回
 メールもメールもメールも
 20回』

「ありえねえ!そんなに電話すっかよ!」
とマサオさん。
「マサオはケチだもんね!」
すかさず柴っちゃん。
「ケチゆうな!」
夫婦漫才だ。
しかも大声で(笑)。
横のミカちゃんもちょっと笑ってた。

『あなたに会って 変わった
 強くなれた 気がする』

ひとみちゃん、あたしの方を見て言ってくれた気がする。
なんて、うぬぼれだろうか。
うん、あたしもだよ。ひとみちゃん。
ひとみちゃんと出会わなかったら、あたしはきっと今も意気地なしのままだ。
521 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 13:51

『Baby!恋はEndless!
 全てがあなた』

「「「あなた!」」」

保田さんはマイクを客席に向けて、片手をぐんぐん回して煽ってる。
汗だくだ。
飯田さんは口に両手にをかざし、『あなた!』と叫んでる。
なんか、他のより声が大きい気が。
やっぱり、思い入れが違うのね。
あたしもひとみちゃんパートは特別だし。
522 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 13:57
「お正月になったって〜」

今度のアドリブはごっちんだった。
にぱっと笑って、いい笑顔を見せた。 

『止まんない!
 Baby!恋はEndless!』

「「「Endless!」」」
 
『家 抜け出したの
 こないだバレてやばいよ〜!』

『aiaiaiai!』

「「「aiaiaiai!」」」

ステージのみんなは、客席を煽りまくってる。
お客さんはメンバーのテンションに負けまいと、声を出す。

『aiaiaiai!』

「「「aiaiaiai!」」」

それにしても、保田さんって意外にダンス上手いんだ。
大学の時、『体育で生涯初めて『優』を取ったわ…』って遠い目で語ってたから、
てっきり…だと思ってたのに。
キレのいいダンスっていうのか。
あ、隣の市井さんに汗のしぶきが飛んでる…。
市井さんは目をとっさにこすってた。
523 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 14:02
『Baby!恋にKnock Out!
 全てがLOVEね』


「ホホ!アンタたちのせいかしらねッ!」

保田さんは客席に向かっていい笑顔を見せた。
保田さん、言ってて自分で照れてる…。
飯田さんも声を殺して笑ってた。

『止まんない!』

市井さんは歌いながら噴出しそうになるのをこらえてる模様。
うっすらと浮かんだ涙を拭いてた。

『Baby!恋にKnock Out!
 口づけしたい
 正直に言うわ「I LOVE YOU」』

『だってだってBaby
 愛愛会いたいわ
 だってだってBaby
 すきすき好きだから
 Baby Baby Baby
 なんにも怖くない! Ah〜!!』


「…よっすぃ〜!」
すぐそばの女の子が、大声で叫んだ。
この子、ひとみちゃんファンなんだ。
気持ちは分かるわ。
だって、優しくてカッコいいもの。
おまけにカワイイし。
でも、でも。

ハァ、あたしって心がせまいのかなぁ。
524 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 14:20
「…アヤカ!」
叫んだ声の主に、驚いた。
ミカちゃん…。
ミカちゃんは『しまった!』と自分で思ったのか、真っ赤になって自分の口を押さえてた。
ステージのアヤカさんは、固まってた。
素に戻って、声のした方を見てた。
他のメンバーはニヤけてる。
保田さんはニヤっと笑ってアヤカさんの肩を叩く。

『…バカ』
そう言ったかどうかはさだかではないけれど。
アヤカさんはとても優しい眼をしてた。

「なんかさ」
柴ちゃんが小声で言った。
「なに?」
「今日、クリスマスライブだよね?クリスマスの歌ってやったっけ?」
そういや、そうだ。
あたしも、さっき一瞬ちらっと考えたんだけど。
「まあ、クリスマスなのにあえてクリスマスの歌をやんないのもキュービックらしいっちゃらしいけどね」

「ホホ!アンタたち!満足してくれたかしら?」
他のメンバーが袖に引っ込み、保田さんがひとりステージに戻った。
「ヤッスー!」
「ダーヤスマンセー!」
「圭ちゃん抱いて〜!てか、むしろ抱きたーい!」
最後の歓声にどっと笑いが起こる。
保田さんも苦笑いしてる。
「さて、ちょーっと衣装替えも兼ねて休憩をもらうわね。ホホ!次も絶対見逃しちゃ」
保田さんはここで、横を向いた。
「ダ・メ・よ♪」
そこでウィンクと投げキッス。
…軽く引かせて去って行った。

「…いやー、保田さんのアレはクセになるなー。なんつーの?こわいこわいと分かってても、オバケ屋敷に入っちまうのと一緒で」
マサオさんは両腕を組んで、うんうん頷いた。
「保田さんは、いつもあんな感じですか?」
ミカちゃんの素朴な疑問に、
「すっごい照れ屋。どっちかつーと無口だし」
飯田さんはちょっとはにかむ風に笑って答えた。
彼女ならではの情報だ。
今度、このネタで保田さんをからかってみようかな(笑)。
多分、怒られるだろうけど。
525 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/01(月) 14:23
更新しました。

奈良までおとめコン逝ってきますた。
石ヲタのくせについ「カオリー!」と叫んだことは内緒です(w
前の方の席だったので、つい興奮してしまって…。
いいらさんに限らず、みんなかわいかったです。
間近で娘。さんが見れたので、この先どんなつらいことがあってもやっていけると思いますた(w

( ゜皿 ゜)ノ<キョウシンデモコウカイシナーーーーイ!


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
川-〇∀〇儿<マサオサン、JAZZトテモ詳シイデス。ハナシガヨクアイマス

マサオはナニゲにカッコよかったりします。そこに川σ_σ|| もメロメロだったり。

>京さん
( `.∀´)<『かっk…』なにかしら?ホホ!(ここで例のウィンク)

ヤス、いいらさんには小言くらいは言われるかもしれません(w (+ ゜皿 ゜)ガミガミ!


>オガマーさん
ヨセヨ…ヒトマエデ>(*`_川σ_σ||<マサオはあたしのぉ〜!

柴田さんが所有権(?)を主張なさってます。がんがってください。



・おまけ

ヒーはこんな感じでマワってますた。↓

ヒーチャンターン━━\(0^〜^0)/━\( 0^〜)━\(  0)━\(  )/━(0  )/━(〜^0 )/━━\(0^〜^0)/━━━!!!!!
526 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 18:27
―――石川視点

「それにしてもー」
マサオさんはニヤっと笑った。
「さっきは、カッコよかったよ。ミカちゃん」
ミカちゃんは赤くなる。
「あ、いえ。つい…ゴメンナサイ」
「アヤカさんへの思いがつい出ちゃったワケね」
柴ちゃんはうんうん頷き、ミカちゃんの背中をぽんと叩く。
飯田さんも優しく笑ってた。
「アヤカ、迷惑なんでしょうね、やっぱり…」
「違うよ」
飯田さんは優しく否定する。
「照れてるだけだよ」
「照れてる…?」
「そう、ずーっと心の中で大事に思ってる子が突然目の前に現れたから、びっくりしただけだよ」
「ハイ…」
ミカちゃんはまた赤くなって俯き、ダテメガネをかけ直した。
527 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 18:30
―――その頃。ステージ裏。

「…卑怯だよね」
保田の格好を見て、市井は呟く。
「うん、卑怯だよ」
頷く後藤。
「アンタたちがさせたんでしょ!」
卑怯と言われた保田は、顔を真っ赤にして怒る。
ちなみにこのときの保田の格好は、小学生女子御用達の人気ブランドのような(ここがミソである)
カラフルな子供服。
上はピンクのカットソー、下は真っ赤なミニスカート。
ほっぺには赤い渦巻き。
頭には黄色い学童帽。
髪はすそを上げた三つ編み。
前髪には可愛いでかいピン。
背中には真っ赤なランドセル。
サイドにはキャラクターもののピンクの給食袋がぶら下がり、中には竹製のものさしが差さっていた。
ケメ子のでき上がりである。
ちなみには手には縦笛(無論ソプラノリコーダーである)。
保田圭。齢24歳。
かなりイタイ格好である。

「ぶ…ごめん!アタシ、もうがまんできない!」
アヤカはもう限界に達したようで笑い出した。
保田はわざと挑戦的に顔を近づける。
アヤカはここで撃沈した。
おなかを押さえてほぼ痙攣状態だった。
「イヤ〜、保田さんにしかできないっす!このケメ子は!」
吉澤はベースを抱えて言った。
「ホホ!アンタにもいつか頑固親父みたいなコスプレをさせてやるワ!名前はそうね…『頑固一徹』!
ホホ!決定よ!」
ケメ子の格好で言っても、ちっとも迫力がない。
吉澤はただ小さく笑ってた。
528 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 18:32
「さあ、圭ちゃん。一足お先に出番だよ」
市井に促がされ、
「…分かってるわよ」
保田はしぶしぶ頷き、グリーンと黄色のしま模様のハイソックスのずれを直した。


―――石川視点

メンバーがいない間、音楽が静かに流れてた。
やがて、ぷつっとやんだ。
なんでか、笛の音が聞こえる。
曲は『赤鼻のトナカイ』だ。
ステージの袖から現れた人物を見て、みんな固まってしまった。
保田さんが…小学生の女の子のような格好(いや、こんな小学生いないけど)をしていたから。
ランドセルしょって、ほっぺには赤いうずまきだった。
「ケメ子でちゅ♪」
ここで、膨張してた笑いの我慢が破裂してしまった。
みんな発作のように笑い出す。
メンバーのみんな、これを見て大変だっただろうな。
これを見て、『笑うな』というほうがムリだもの。
「次の曲は、もうすぐだよー」
保田さんはそれだけ言って、また『赤鼻のトナカイ』を吹きながら去って行った。
袖に引っ込むとき、心なしか顔が赤かった気がする。
『なんでアタシが』とか言ってるのかな。
「なんか最近、小学生の女の子のファッションを研究してた気がする。
なんか新しい趣味でもできたのかなって思ってたけど」
飯田さんは「あー」とか言いながら、笑いすぎで出た涙を拭って言った。
飯田さん、『新しい趣味』って…。
どう解釈すればいいのですか。

『サンタさーん!』
あ、ひとみちゃんの声だ。
『ジングルベル』のサビの部分のメロディーが流れてくる。
鈴の音だろうか。メロディーがそんな音だった。
キーボードにいつの間にかアヤカさんがいて、『ジングルベル』を弾いてた。
他のメンバーもスタンバってる。
保田さんだけいない。
普通に考えて衣装チェンジだろうな。
529 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 18:35

「よっしゃ!クリスマスメロディーいくぜー!」
市井さんが宣言すると、みんな一斉に上に着てるコートみたいなのを脱ぎ捨てて
サンタの衣装になった。
保田さんもサンタの衣装でドラムに戻った。
ほっぺのうずまきも消えている。

改めて、『ジングルベル』のメロディーが流れた。


『Dashing through the snow, in a one-horse open sleigh
 Over the fields we go, laughing all the way;
 Bells on bob-tail ring, making spirits bright
 What fun it is to ride and sing a sleighing song tonight 』

『Jingle bells, jingle bells, jingle all the way!
 O what fun it is to ride in a one-horse open sleigh
 Jingle bells, jingle bells, jingle all the way!
 O what fun it is to ride in a one-horse open sleigh 』

ケーキ屋さんのような真っ赤なサンタコートを着た市井さんは、ノリノリでギターを弾いてる。
横でごっちんも嬉しそうだ。
530 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 18:38
「んあ〜、次はごとー行くよー」
ごっちんはノースリーブで超ミニの真っ赤なワンピースだった。
首元とかに白いファーがついてて、すっごく可愛い。

『真っ赤なお鼻のトナカイさんは
いつもみんなの笑いもの
でもその年のクリスマスの日
サンタのおじさんは言いました』

『暗い夜道はぴかぴかの
おまえの鼻が役に立つのさ』

『いつも泣いてたトナカイさんは
今宵こそはと喜びました』

ごっちんは、歌い終わってウィンクした。
ああ、ごっちんも舞台映えする子だな。
ギターもうまいし。
お客さんをノセるのもうまい。
市井さんはごっちんを見て嬉しそうだ。
ちゃんと、キレイな足もしっかり見てるけど(笑)。
531 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 18:39
曲は『We Wish You a Merry Christmas 』『Santa Claus is Coming to Town』
『Joy To The World 』と続いた。
途中、保田さんが前に出てきて、ちょっと『サンタがママにキスをした』を
市井さんとデュエットしてた。

アヤカさんのソロになる。
『Have Yourself a Merry Little Christmas 』をしっとりと歌う。


『If the Fates allow,
 Hang a shining star
 On the highest bough,
 And have yourself
 A merry little Christmas now…』

最後のほうで、アヤカさんはミカちゃんのほうを見てフッと笑った。
恋人にしか見せないような。
ミカちゃんにちゃんと届いてるだろう。
彼女は黙って、ステージの愛しい人を見上げてた。

「次はウチだよ〜ん」
ひとみちゃんはおどけて笑う。
「『Silver Bells 』」
曲名を言い、歌い始める。

『City sidewalks, busy sidewalks
 Dressed in holiday style
 In the air
 There's a feeling
 of Christmas
 Children laughing
 People passing
 Meeting smile after smile
 And on ev'ry street corner you'll hear 』
532 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/01(月) 18:41
『Silver bells, silver bells
 It's Christmas time in the city
 Ring-a-ling, hear them sing
 Soon it will be Christmas day 』

他のメンバーがコーラスに回る。
ひとみちゃんの歌が聴けるってだけで嬉しいけど。
サンタの衣装で歌うひとみちゃんがカッコいいし、可愛い。
ひとみちゃんの声は、低くて優しい。
たまに高音のところで甘くかすれるのもゾクッとくる。

『Strings of street lights
Even stop lights
Blink a bright red and green
As the shoppers rush
home with their treasures 』

『Hear the snow crunch
See the kids bunch
This is Santa's big scene
And above all this bustle
You'll hear 』

『Silver bells, silver bells
It's Christmas time in the city
Ring-a-ling, hear them sing
Soon it will be Christmas day 』


「「「メリークリスマス!」」」

ステージのみんなと客席が叫んで、この日のライブは終わった。
533 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/01(月) 18:55
更新しました。

(0^〜^)ノ<サンタさ〜ん!

『Silver bells』はジェイ・リビングストン作詞、レイ・エバンズ作曲のクリスマスソングより。  
1951年のボブ・ホープ主演のパラマウント映画「The Lemon Drop Kid 」主題歌でもあります。
ビング・クロスビーなど多数のアーティストがカバーしてます。

( ´ Д `)<んあ〜、前スレの解説(?)をまた載せるね〜。
        一度機会があったら聴いてみて〜。スプリームスのカバーもいいよ〜



534 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/02(火) 01:10
(ノ0`〜´)ノ□◇○<ばっかも〜ん!!
亭主に口答えするか!>(0`〜´)=○( T▽T)<イヤー!
…>(0`〜´)=○ピタッ( T▽T)<?殴らないの?
ごめんYO!迷惑ばかりかけて…>(:`〜´;O)(T▽T )<あなた…
さあ、帰るYO!>(^〜^O))))(^▽^* ))))<待って〜あなた〜♪
川’ー’川<先輩よかっただすね。
从#~∀~#从<そやな。(まあよっさんに石川は殴れんやろ)

更新お疲れ様です。
なんか久振りに『BABY!恋に KNOCK OUT!』が聴きたくなりました。
川‘.▽‘)||<好〜き♪
(0^〜^)<好〜き♪
ヽ^∀^ノ( ´ Д `)<僕はケメ子が好きなんだ♪
(0^〜^)川‘.▽‘)||( ´ Д `)ヽ^∀^ノ<ララララ〜♪
(@`.∀´)<ケメ子でちゅ!
確かケメ子の歌もありましたね。次回はケメ子の歌で出てきてほしいです。
マシュマロ君( ´ Д `)、かわもち君(・´ー`・)はかわいいですが、ケメ子はちょっち…
(@`.∀´)<ん〜?な〜〜に〜〜?ギラリ
…あっ、いや…とてもかわいいです(汗)。ほんとにおもしろいライブでした。
あと僕は洋楽にはうといのでぜひ聴いてみます。
535 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/02(火) 22:10
―――石川視点

終演後、みんなで楽屋に行った。
ひとみちゃんたちは、着替えも終えくつろいでいる。
その中で何故か保田さんだけが、さっきの『Baby!恋にKnock Out!』の時の
スーツを着ていた。
グレーの細い縦縞のスーツで、黒いシャツに黄色いタイといういでたちだ。
「よう、お疲れー」
保田さんはタバコをふかして笑った。
「…ねえ」
あたしの後ろにいた飯田さんが前に進み出た。保田さんに近づいて、
座ってる背中に後ろから腕を伸ばしてじゃれつく。
「この格好のまま、お持ち帰りしてもいい?」
アヤカさんのほうを見て聞いた。
「そう言うと思って、着替えさせたのよ。きっとカオリちゃんが好きだろうと思ってー」
アヤカさんはニヤッと笑う。
保田さんは『なんだかねー』と苦笑してる。でも、悪い気はしてないようだ。
「んあ、梨華ちゃんたちも食べなよー」
ごっちんが、手作りのパウンドケーキをくれた。
ちょうどおなかが空いてたので、ありがたく頂く。

「ホラ」
マサオさんが笑って、入り口で誰かの背中を軽く押してた。
わずかに開いたドアの隙間からそれが見える。
アヤカさんは入ってきたミカちゃんを見て、また素になった。
「…いつ来たの?」
アヤカさんは何とも言えない表情をする。
「今日…朝、成田に着いた」
「そう…」
ふたりのやりとりを見て、市井さんや保田さんはぷっと吹き出した。

536 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/02(火) 22:12
「ぷっ…アヤカさっき、ライブ中素で固まってたし」
と保田さん。
「あん時のアヤカの顔ったら!ホント素でびっくりしてるし〜」
市井さんは吸ってるタバコを灰皿に置いて、ゲラゲラ笑う。
そんなふたりを、アヤカさんはちょっと拗ねたように見た。
保田さんはひとしきり笑ったあと、
「まーまー、これもクリスマスプレゼントと思ってさー。…会いたかったんでしょ?」
とフォローした。アヤカさんは、
「…うん」
と小さく頷いた。
「…ごめんなさい!」
ミカちゃんは涙目でアヤカさんに謝った。
市井さんは気を利かすように
「ホラー、恋人たちの夜はもう始まってるしー、帰った帰った」
アヤカさんとミカちゃんの背中を押して、楽屋から追い出した。
「ハイ、ミカちゃんの荷物」
柴っちゃんがミカちゃんのボストンバックを手渡す。
ミカちゃんは、それと引き換えにメガネとテンガロンハットを慌てて渡して出て行った。
537 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/02(火) 22:14
―――9時5分

楽屋にりんねがやって来た。
村田は思わず、体をこわばらせる。
「こんばんはー。今日はどうもありがとうございます〜」
いえいえ、と市井が笑って応対に出る。
「村っち、どのへんで見てたの?」
急にりんねに話しかけられた村田は、
「あ、ああ。前のほう…前から6列目くらい?」
笑顔を作って答える。
「そうなんだー。わかんなかったよー」
「うん、アハハ」
『姉ちゃん…ムリがミエミエ』
柴田は心の中でこそっと思う。
「あ、そうだ。あたし、今日のところはこれで失礼するね。
帰って仕事しないと…」
村田はそそくさと去ろうとする。
保田は
「大変ですね。お忙しいのに、すみませんでした」
立ち上がって、送ろうとする。
「あ、や、いえいえ。そんな。あの、カオリちゃん」
「ハイ?」
飯田は、マドレーヌを頬張ったまま、振り返った。
「今度は、ヌード描かせてね」
しっかり手を握り、村田は熱くうんうんと頷いた。
飯田は笑って
『ええ、是非』と冗談で答える。
保田も仕方なく苦笑した。
538 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/02(火) 22:16
―――10時18分

アヤカとミカのふたりはタクシーで帰宅した。
車内で、
「…どうしてまた急に」
アヤカは前を向いたまま、静かに言った。
「…着いたら話すよ」
「うん」
それっきり会話は途絶えた。

アヤカのマンションについて。
「…もらいに来たの」
ミカは、アヤカに抱きついた。
「え…?」
「クリスマスプレゼントを、受け取りに来たの」
「何を?」
ミカは少し顔を上げる。
「直接、声が聞きたかったの。電話とかじゃなくて」
アヤカは黙って、しばらくダッフルコートの上からミカの背中を抱きしめた。
「なんにも、用意してなかったのに。直接聞いてプレゼントしようと思ってたから」
アヤカの言葉に、ミカは首を振った。
「いい。これが一番欲しかったから」

「…あたしも、プレゼントもらっていい?」
しばらくたって、アヤカは言った。
じっと見つめて、冬の冷気で少し乾いたミカの唇を指でなぞる。
「あ、あたし今日…」
ミカは少し赤くなって、もじもじする。
「分かってる。カラダだけ欲しいわけじゃないよ」
「…うん」
ミカはまた、アヤカの背中に両腕を回した。
539 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/02(火) 22:18
―――10時23分

村田はコートの襟を立て、マフラーをしっかり巻いて夜道を歩く。
『この格好でテンガロンはおかしかった…でもまあ、美人に貸したし、よしとするか』
なんとなく納得する村田だった。
「…はぁ〜あ」
マンションに向かう道で、溜息をつく。
道に、うっすら雪が積もっている。
電車に乗ってる時から、空から白いものが降ってきたのが窓から見えていた。
「ハハ…ホワイトクリスマスか。つーか、まだ24日じゃないしー」
天を仰いで、雪を顔に受ける村田。
「…つべてー」
メガネの中にも入ってくるので、すぐやめた。

そばを、ノラネコが通りすぎようとする。
「…おーい、キミもひとりかい?」
しゃがんで触れようとすると、ネコは走って逃げていく。
「ハハ…ネコまでスルーか」
さすがに寂しくなり、ヘコみながらマンションまで歩く。
「…村?」
覚えのある声に、顔を上げる。
マンションの前で、真っ赤なコートを来た斉藤が白いケーキボックスを持って立っていた。
村田は、走って抱きついた。
そのはずみで、帽子が落ちる。
「ちょ!何?どしたん?」
慌てる斉藤。
「…来てくれたんだ」
「…うん?あ、この前、あたし原稿の件で勘違いしてミスしたじゃん。そのお詫びも兼ねてさ、
ケーキの差し入れを、ね」
村田は、黙って顔を上げた。
「…そっか」
笑ってはいたが、明らかにがっかりした様子だった。
「何?ゴハンのほうがよかった?」
村田は首を振る。ひとこと、
「一瞬、期待した」
斉藤は目を見開いた。
540 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/02(火) 22:27
ξξ;“ З.“) ...((((; ‐ Δ‐)

更新しました。
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん

(;@`.∀´)y−~~<ホンット何やらせるんだか

(;0^〜^)<結構ノッてたじゃないッスか

摩周麿くんも好きですが、文麿さまもバカバカしくて好きです。
ライブシーンはほんとにいつも苦労してます(ニガワラ 今回はわざわざ
セットリストまで書いて(汗。楽しんで頂けて嬉しいです、どうもです。
541 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/02(火) 22:54
・PROJECT−K

―――ライブ1ヶ月半前。ある日のミーティング。


( ´ Д `)<んあ〜。ケメ子に欠かせないものはなんだと思う?

(0^〜^)ノ<ハイ!ランドセル!

川‘.▽‘)||ノ<ぱっつんぱっつんの子供服!

ヽ^∀^ノ<ぎゃはは!やっぱ、縦笛?

( ´ Д `)つ□<ごとー的には、給食袋は欠かせないと思うのね コウイウノ

(;@`.∀´)<すでに用意してんじゃないわよッ ←すでに化粧されてる

( ´ Д `)<ランドセルは〜、ごとーの親戚の子のを借りて、子供服はアヤカちゃんが知り合いの人に
        頼んでくれるっていうからおまかせするね〜。圭ちゃん、今度実家帰った時縦笛探して来てよ。
        なかったら、またどっかから調達するし。なんなら、経費でなっちんとこで買ってもいいし〜
        ヨシコ、そんときは頼むね〜

(0^〜^)ノ<まかせておくんなさい!

(;@`.∀´)y−~~<……

(;@T.∀T)y−~~<なんか泣きたくなってきた…タテブエデモナンデモサガスワヨ、モウコウナッタラ!



―――自宅にて

こういうのも最近はあるのね…>( `.∀´)つ□ ←子供服のカタログなんか見て研究してる

川;‘〜‘)||<(…自分で着るのかな、それとも…)




(;`.∀´)<普段で着るワケないでしょ ||(‘〜‘;川 <いや、ま。カオは別にいいんだけど…

542 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/03(水) 02:25
ノノ〃^-。^)つ蜜柑<ムシャムシャ
ノノ〃^-。^)つ煎餅<パリッ、ボリボリ
ノノ〃^-^)つお茶<ズズズ…
ノノ〃^o^).。oO<ホッ…
ノノ〃^-^)<更新お疲れ様です。
亀井ふうにお茶しながら読みました。(〜;^◇^)<おばあちゃんだよ。

(* ‐ Δ‐)<今度ヌード描かせてね。 ええ、ぜひ(冗談よね?)>||(‘〜‘;川
村さんは多分本気でしょうな。そして次のターゲットは…
(* ‐ Δ‐)<今度ヌード描かせてね。 え、いやちょっと。(^▽^* )(^〜^O)<む!
そういわずに…>((((((*‐ Δ‐)ノ ダメです!リカチャンハオイラノ>(`〜´O)))(^▽^* )<ひとみちゃん!
とりあえず家に来て。ズルズル>(‐ Δ‐*)つ^〜^;O)))))<エ?オイラハ、ソノ… (^▽^;)

#3の36より
(* ‐ Δ‐)つ□<この隣の水色ビキニの美少女…イイ!

川σ_σ||<姉ちゃんは、梨華ちゃんよりヨスコがタイプみたい。
たしかに、普通にしてればヨスコは美少女です。
543 名前:オガマー 投稿日:2003/12/04(木) 19:23
村っち!!!!!
何やってんだおまいら(;´Д`)ハァハァ
544 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/06(土) 04:56
今日のやすかおが非っ常〜に気になる。
ま、やるこた一つしかないか。(笑)
545 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/06(土) 21:22
>>544
(;´Д`)ハァハァ
546 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/06(土) 22:19
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん

川;‘〜‘)||<あの〜、冗談…ですよね?

(−Θ ΔΘ)<フフッ、どっちでしょう〜?

村さんは多分、いしかーさんも狙ってるとオモワレ。無論ひーちゃんもいいと言えば
描くでしょう。それにしても亀井嬢はお茶に煎餅て若い割には枯れてますよね(w


>オガマーさん

(−Θ ΔΘ)<ハテ?なにやってたっけ?

ξξ;“ З.“)<アンタが聞いてどーすんの

村さん、つい寂しさが出てしまいますた。周りがカポーだらけで失恋(?)直後で
仕方ないといえば仕方ないですが。斉藤さんがどう出るかですね。


>544の名無し読者さん

(*/.∀\*) <キャッ!ケメコはずかしいッ

( ゜皿 ゜)<ケイチャン、キモイ

ま、それしかありませんよね(w 前夜祭と後夜祭ももれなくついてるかもしれません。
本物ももう23ですよね、まったく時の経つのは早いもんです。
547 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/06(土) 22:25
>545の名無し読者さん

( ゜皿 ゜)<ヤスカオヲタ、ハケーン

(;`.∀´)y−~~<あらやだ。期待されてる?

ケメ子は責任感が強いので、きっとみんなの期待に応えてくれるものとオモワレ
というか、いいらさんに丸め込まれてる可能性もあったりなかったり。



本日ヤス生誕記念につき、顔文字SPをばうpします。
548 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/06(土) 22:36
・ヤスレボリューション23

逝こうぜBABY!
東雲でYEAH! いいじゃない
OH YES マットが大事 ( `.∀´)ジャスコデマ(ry♪
唄おうぜBABY!
へたくそで YEAH! IN THE NIGHT ボエー♪>( ^▽^) (`.∀´;)
                      
OH YES 愛情で勝負 ( ゜皿 ゜)<GO!

マク〇ナルドで TELL ME TELL ME
スマイル5個頼んだら BABY BABY (;`.∀´)スデニジアマリジャナイ!
5回微笑まれた TELL ME TELL ME
微笑み返せば いいのかな?  
超超超 いい感じ 超超超超いい感じ( ゜皿 ゜)ノノ
超超超 いい感じ 超超超超いい感じ ヽヽ( ゜皿 ゜)

              23テオバチャンレスネ   ユウタリナ
(Woo ヤス Revolution)( ´D`)(´д` )

恋をした(Woo Baby)カオノコトスキ?( ゜皿 ゜)(   #`.)
寝坊した(Woo Baby)ロクジ━━(゚.∀゚)━━!!!

("T.∀T)キョウハゴジオキナノヨー!

すべて見てきたみちよ ( `◇´)ゴキンジョヤシナー

愛ゆえに(Woo Baby)
抱きしめた(Woo Baby)
ヤス REVOLUTION 23 ( `.∀´)/YEAH!

この星は
美しい
2人出会った地球 (0^〜^0)ヨシザー、デバンネッス

ALL TOGETHER NOW!(All Together Now)
ALL TOGETHER NOW!(All Together Now)
みんなで ケメぴょん革命 (;@`.∀´)ヤダソンナカクメイ

ALL TOGETHER NOW!(All Together Now)
ALL TOGETHER NOW! (All Together Now)
ヤス REVOLUTION 23 

( ^▽^)<ほ…      ( `.∀´)<ほいっ 
     つ              つ

(#T▽T)ネガ

(;´ Д `)アリャマァ

 
(Woo ヤス Revolution…)

( `.∀´)y−~~キリキリイワイナサイヨッ!
549 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/07(日) 03:33
ヤスレボおもろかったです。元の歌詞がわからなくなるほどおもしろかったです。というわけでキリキリ祝いさせてもらいます。
圭ちゃん、誕生日おめでとう。僕はあまりお酒は飲まないですが、最近は新発売のアップルチューハイにはまってます。これでよければ祝杯をあげてください。軟骨も付けて。
オメデトウゴザイマス(0^〜^)つ□( ^▽^)つ□(`.∀´ )サンキュー
ナンコツデス川o・-・)つ□(`.∀´ )キガキクワネ
カンパーイ( `.∀´)つ□□ヽ||(‘ー‘川ケイチャン、オメデト
550 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/08(月) 00:39

―――22時24分

保田は飯田と1時間ほど前に楽屋を後にし、ドライブに出た。
他のメンバーにさんざん冷やかされ、アヤカからも途中『もうトシなんだからムリしないようにね。
カオリちゃんによろしく』というメールがきて苦笑する。

「雪だよ」
助手席の飯田が、小さな声で言った。
「ああ、でもあんまり積もらないだろうね」
保田は答える。
東京の雪は、本当にはかなく消える。
風に白い欠片が、ひらひらと舞っていた。
「願えば、かなうかも」
飯田は前を向いたまま言った。
「ほう」
保田はカーラジオのボリュームを絞る。
飯田は『降りて雪を見てもいい?』と保田を見た。

「さむ…」
保田はコートの前を合わせて、背を丸めた。
飯田は少し離れたところで手の平をかざし、雪を受けている。
「カオリー、風邪ひくぞー」
コートのポケットに手を突っ込み、声をかける。
広場のような所に車を止め、雪を見ていた。
「ねえ」
飯田は保田の方を見る。
「何?」
保田はタバコに火をつけた。震えながら。
「カオのこと、好き?」
「…知ってるくせに」
答えながら、またコートの前を合わせる。
とにかく、寒かった。
「カオがバカなことしても?間違ったことしても?」
「したの?」
「してないけど、この先したら?」
「解決方法を一緒に考えるわよ、その時は」
保田はタバコの煙を吐き出す。
細い煙が、暗闇に吸い込まれていった。
「…信じて、いいんだね」
保田は飯田に近づいて行く。
「て、オイ!…泣いてんの?」
顔を覗き込む。
さっき、飯田の声が震えていたのは、寒さのせいではなかったらしい。
「…好きだよ」
「うん」
「圭ちゃんが、カオのこと好きじゃなくても」
「ありえねー」
くすっと笑って、保田は飯田を抱き寄せた。
「ママの言ってた通りだ」
涙で赤い目をこすって、飯田は笑顔で保田の顔を見上げた。
「ん?」
「クリスマスには、奇跡が起きるんだね」
保田は優しく微笑み、無言で頷く。
ふたりは寒空の下、口づけた。
551 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/08(月) 00:42
―――22時31分

村田は斉藤を部屋に上げ、お茶の支度をしていた。
やかんの湯が沸くまで、ケーキに合うようなお茶を探す。
「…コーヒーしかないなー。紅茶も買っとくんだった」
「ホラ、これも買っといた」
斉藤はカバンからフォションのインディア・ダージリンの缶を出す。
「おお!さっすが!」
顔を輝かせ、すごいすごいと連発する姿を見て、斉藤はさっきの村田を思い出す。

『…来てくれたんだ』
単純な言葉なのに、胸が疼く。
その理由は、もう自分で分かってる。
特別だから。
斉藤は、目を伏せて新しいタバコに火をつけた。

「ひとみんー」
「んー」
「ミルクティーにする?」
「いや、あたしはどっちでも」
「じゃ、ミルクは用意しとくね」
「サンキュ」
湯が沸いたようだ。
リビングから、村田が丁寧に紅茶を淹れるのを見ていた。

「ゆきどんとイブに会ったりしないのー?」
リビングにお茶を運んできて、村田はティーカップを手渡した。
「有紀とは別れたよ」
意外な言葉に、村田は『え…』と呆然となる。
「い…つ?」
「別れようって話は結構前から出てたけどね、ちゃんと話し合って別れたのはつい最近。
えーっと…アンタが有紀と温泉行ったときはもう終わってた」
「嘘!?ゆきどんそんなこと一言も…」
「有紀は大人だからね、余計な気を遣わせないようにって思ったんじゃない?」
「そう…」
村田は脱力する。
ショックだった。
大学時代から、ふたりの関係に憧れていたから。
気丈な斉藤とそれを陰で支える前田。
自分もそんな関係を誰かと築きたいと密かに思っていたのだ。
村田は切り分けたケーキを、泣きじゃくりながら口にする。
甘いはずのケーキがしょっぱくて仕方ない。
「村。村は純愛とか永遠って信じる?」
斉藤の声は優しかった。
「そんなの信じるような年じゃもうないけど…ふたりにはいつまでもずっと一緒にいてほしかった」
「そっか」
斉藤は立ち上がって、タバコをくわえた。
「ごめんね、村。
アンタの理想、壊したんだね。ごめん」
斉藤は悲しそうに笑う。
村田は首を振り、またケーキを口にした。
552 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/08(月) 00:43

―――22時37分

アヤカはバスタブのふちに腰かけ、お湯が溜まるのを見ていた。
ミカはシャワーブースにいる。
自分はライブハウスでシャワーを浴びたので、化粧だけ落とした。
「なんてカッコしてんの?」
シャワーを終えたミカのあきれたような顔が、洗面台の鏡に映ってる。
アヤカはキャミソールにショーツで、タバコを吸っていた。
「そっちこそ、髪、洗わなかったの?」
「シャンプー切れてたヨ。リンスしかなかった」
「あ、そうだった。ちょっと待ってて」
アヤカは灰皿にタバコを置き、いったんバスルームの外に出て、買い置きを取りに行く。
バスルームに戻って、ふとあることを思いつく。
「おねーちゃんが髪、洗ってあげる♪」
「…え?」
ミカは、上機嫌のアヤカに怪訝な顔をする。

「お客さん、かゆいトコないですかぁ〜?」
ミカはわざわざ取って来た丸椅子に座らされ、美容院ごっこに付き合わされる。
アヤカは楽しそうに洗ってる。
ただコレがやりたかったんだな。
ミカはされるがままで思う。
リンスも丁寧にしてもらい、バスタブに浸かる。

「…ねえ」
「ん?」
「なんで、ここにいるの…?」
ミカは赤くなり、バスタブの中で膝を抱える。
アヤカは特に用がないのに、さっきの椅子に座ってまたタバコをふかしていた。
「ちょっとでもそばにいたいから」
「そう…」

「アヤカは不良だよね」
お風呂につかったまま、ミカは声をかける。
「そう?」
「スケベだし」
アヤカはソレには反応した。
「まったく」
大袈裟に溜息をつく。
「この子はどこでそんな日本語を覚えるのかなぁ」
立ち上がってバスタブのそばに行き膝をついた。
お湯に手を入れて、軽くかき混ぜる。
「女の子がお風呂入ってるのをわざわざ見てるあたりがスケベだよ」
「くう〜。小さい頃おねーちゃんがお風呂に入れてやった恩も忘れて」
「またおねーちゃんぶるー」
文句を言いながらも、ミカはアヤカの瞼に軽くキスをした。
アヤカはちょっと笑って、ミカの首に両腕を回す。
お湯に濡れるのも、厭わずに。
553 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/08(月) 01:27

―――22時41分

吉澤は梨華とカフェにいた。
今日はライブの打ち上げがないので、楽屋を出たあと柴田や大谷と軽く食事をし、さっき別れた。
市井や後藤は、市井の車でドライブに行ったようだ。
保田も飯田と帰って行った。

「なんか、こんなゆっくりするのも久しぶりだね」
梨華はカフェオレを飲んで、ほーっと長い息をつく。
吉澤は頷いて、コーヒーを口にした。
「しっかし、土曜の夜だけあって、アベックだらけだね。カッケー!」
梨華が吉澤の言葉に小さく笑う。
あたしたちもそのうちの一組だよと。
アベックという古風な単語も、ツボだったようだ。
「それにしても」
梨華は話を切り替え、顔を上げた。
「うん?」
「柴ちゃん、大丈夫かな…」
姉が失恋したのを、自分のせいだと冗談にして笑っていたが、自分を責めているのは明らかだった。
梨華の表情が沈む。
「梨華ちゃんってさ」
「うん」
「ほんとに、柴っちゃん好きだよね」
「だって、大事な友達だし。あたし、柴ちゃんにいっぱい助けられてるんだもん。初めて会った時から」
梨華はそこまで言ってハッとなる。
「あ、でも一番大事なのはひとみちゃんだよ?」
「うん。ありがとう」
吉澤は笑って、手を伸ばして梨華のそれに重ねた。
554 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/08(月) 01:29
―――22時42分

大谷と柴田は公園にいた。
柴田はブランコに腰かけ、漕ぐでもなくただ揺れている。
「アンタ、寒くないの?」
カーキ色のジャケットのファスナーを上まで引き上げ、大谷はかじかむ指に息を吹きかける。
「…寒い」
視線を落としたまま、答える柴田。
「なら、帰ろーぜ。普通に寒いわ。いや、マジで」
「…うん、先帰ってて」
大谷ははあ、と溜息をつき、柴田に近づく。
顔を上げる柴田。
大谷の上着についてる、フードのふちの薄茶色のファーが目についた。
立ち上がり、それにそっと触れる。
大谷はそのまま、小さな頭を抱きしめた。
柴田は声を殺して泣き出す。
「声、出していいぞー。なんも見とらん」
抱きしめて、大谷は目を伏せた。
「泣いてなんかないもん」
「ハイハイ」
「泣いてなんか…」

しばらくして柴田が離れると、鼻が真っ赤だった。
大谷はププッと笑う。
柴田は膨れた。

「めぐみさんも、これでよかったんかもよ?な?あゆみのせいじゃねーって」
「うん、分かってる…」
「うち、来るか?会社の人に、人生ゲームもらったんだ。一緒にやろうぜ」
「ソフト?プレステだっけ」
大谷はチッチと人差し指を振った。
「コレが違うんだなー、ナント古式ゆかしくボードだ!」
「ええー!?今時ー!?」
「あ!コレがハマるんだぜー。ほら、帰ってルーレット回そうぜ」
「分かった。おかーさんに電話する」
「うん」
大谷はうんうん頷いて、柴田の頭を撫でた。
555 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/08(月) 01:31

更新しました。

(`_´)<人生ゲームにハマるのは、恥ずかしいことではありません \川σ_σ;||<ツラまで切って言うことかよッ

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん

( `.∀´)つ□<ホホ!ありがとう!頂いてるわよッ!アップルチューハイッテ イイカンジネ

元の歌がなんだか分からなくなるくらいのくだらなさに自分で脱力しますた(ニガワラ
軟骨まで付けて頂いて、ありがとうございます。カオリときっとふたりで乾杯してることでしょう。
556 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/08(月) 02:41
梨華ちゃん!パス>(0;`〜´)___________○−(`▽´; )<え〜い!シュート
ゴ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ル!!!
やったあ!ひとみちゃん入ったよ!>(*^▽^)人(^〜^O)<梨華ちゃん、ナイスシュート!
ひとみちゃ〜ん!ギュウウ>(((*^▽^(^〜^O)))<やったね梨華ちゃん!ギュウウ
数日後…速報!スポーツフェスティバル 石川梨華歴史的GOAL!! 吉澤ひとみアシスト MVP後藤真希 辻希美
表紙…(*^▽^(^〜^O)
( ;´D`)ノ□<ごと〜しゃん、MVPはのの達なんれすけどね。
( ´ Д `)ノ□<あはっ、ま〜い〜じゃん。
川*・-・)ノ□<お二人の仲の良さ…完璧です。ポッ!
( ‘ д‘)ノ□<ほんまに確信犯やで。
( ゜皿 ゜)ノ□<イシヨシヲタ、オオヨロコビ!

更新お疲れ様です。
ヨシヨシ>( `_´)ノ;σ_σ;川<マサオぉ〜!
(0^〜^)<マサオさんカッケー!柴ちゃんは幸せ者だよ。柴ちゃん早く元気になってまたオヤジ的発言をしてほしいです。アト、リカチャンガシンパイシテルカラ。

カオリ>(*`.∀´(`* 川川<圭ちゃん
かゆいとこありませんかあ?>川‘.▽‘)||ノ川*‘∀^儿<…
ひとみちゃんが1番大事だよ。>(*^▽^)人(^〜^O)<梨華ちゃん…
( `_´)<アツアツカップルは恥ずかしいことではありません。
これからは村っち、ひとみんと海外組に注目です。
まあいちごまは市井ちゃんがヘタレなんでまだまだでしょうヽ^∀^;ノ
557 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/09(火) 22:00

―――23時

カーラジオのニュースが正時を告げる。
後藤と市井は、車を走らせてあてのないドライブに出ていた。
イルネーションも車内から見た。
「きれいだねえ」
素朴な感想を述べる後藤に、市井はああ、とくわえタバコで返事した。
「いちーちゃん、いいの?ファンの女の子に誘われてたじゃん」
誘いに乗ればまた文句を言うクセに。
ハンドルを切り、市井は苦笑する。
「ねえ」
「あ?」
「りんねさんさ、やっぱ彼女いたんだね」
「…知ってたんか」
後藤は『ん』と小さく頷いた。
「ガッコでその子とたのしそーにゴハン食べてるトコとか見たことあるし…」
「そっ、か…」
市井はタバコを灰皿に落とす。
生真面目な顔をして、赤信号を見つめる。
「いちーちゃんは、知ってたの?」
「いや…なんつーか、予感?は、してた…」
「そっか」
「なんだ、あっさりした感想だな」
「いや、柴っちゃんとかお姉さんがあんま落ち込んでなきゃいいなーって」
「そうだな」
「アヤカちゃんはまだ知らないんだよね」
「うん。先帰ったしな」
「…そっか」
後藤はんーと伸びをした。
「ファミレスでも行く?ごとー、たまにはおごってあげる」
「お!いいねえ〜」
市井は素直に喜んだ。
558 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/09(火) 22:01
―――23時6分

村田はケーキをふた切れ食べ、胃袋のほうは満ち足りた。
しかし、心のほうはなんだか物足りない。
泣くだけ泣いたら、少しは落ち着いたのだが。
「村」
「…ん」
「その…原稿、どれくらい進んでる?」
話につまり、斉藤は仕事の話を持ち出す。
「うん、あとペン入れするとこが少し残ってるだけ」
「そ、そっか」
「ひとみん、今日は仕事あるのに来たんだね。ごめんね、忙しいのに」
村田はソファから立ち、わざと斉藤の顔を見ずに言った。
斉藤も思わず立ち上がり、
「村、今日はどしたん?おかしいよ、アンタ」
村田の肩を揺する。
村田はそのまましがみついた。
斉藤の肩先に、顔を埋める。
「…ごめん」
「…いや」
正直、斉藤は動揺している。
このまま気持ちを吐き出せば、楽になるのに。
村田の細い体を抱きしめて、斉藤は目を伏せた。
「…ごめん、ちゃんと仕事するから」
そのまま離れ、村田は仕事部屋に向かう。
斉藤の横を過ぎて、スリッパの音を軽く立てて行ってしまう。
抱きしめた感触が、斉藤の体にまだ残っていた。
559 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/09(火) 22:03
―――23時14分

保田と飯田は、あれから帰宅した。
冷え切った保田の部屋で、お互いを温めるように愛し合う。
床に、スーツや飯田の着ていたファーのついたベルベットのワンピースが脱ぎ捨てられている。
ふたりともブーツだったので玄関先で脱ぐのももどかしく、ベッドに沈み込んでから脱いだ。
ふたり分の靴が服に重なるように、床に転がっている。
寒い部屋に、ふたりの吐息が響く。
飯田は途切れ途切れに、保田の名前を呼んだ。
それに応えるように、口づける保田。
部屋の壁に、ふたりの重なる影がゆらめいて映っていた。


―――23時23分

「あ、数字が並んだ」
枕元の携帯を見て、ミカは無邪気に喜ぶ。
「どれ」
アヤカは携帯の時計を見て、ふっと笑う。
時刻はすぐに23時24分に変わった。
明日も早いので、ふたりはもうベッドに入ることにした。
ハーブティーを飲んで、ベッドサイドのテーブルにティーカップを置いた。
「子供は早く寝なさい。明日も早いんだから」
アヤカの携帯を楽しそうに弄くるミカ。
アヤカは肘枕をして、母親のように言った。
「子供じゃないもん」
予想通りの答えが返ってきて、アヤカは逆に安心して吹き出してしまう。
「なに?」
ミカはぷっと膨れた。
「いや、予想通りだなーって」
「子供扱いしてー!」
ミカはアヤカに飛び掛っていく。
不意打ちだったので、アヤカは肘枕のバランスを崩し不利な態勢になる。
「ちょ!痛いって!」
ミカはアヤカの両腕をつかみ、熱く口づけた。
最初は受け入れることに抵抗があり、唇を合わせるのもためらいがちだったが、
やがてミカの背中に腕を回し応えるようになった。
560 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/09(火) 22:05
「…子供のクセにー」
唇が離れると、軽くミカを睨みつけた。
「反応してたクセに」
ミカの余裕の笑みが面白くなく、自分でも大人気ないと思うのだが背中を向けて
毛布をかぶり直した。
「アヤカ…?」
途端に、心細そうな声。
「ねえ、怒ったの?」
慌てる声を聞いて、アヤカは背を向けたまま笑いをこらえる。
「アヤカ〜」
声が情けなさそうなものに変わった頃、アヤカはスキを見て、
「スキあり!」
ミカの顔に枕を押し付けた。
枕が離れたミカは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたが、すぐにアヤカに
枕をぶつけ返す。
ほとんど修学旅行の夜状態だった。
ひとしきりぶつけ合いが終わったあと、肩で息をし、ふたりはベッドに倒れこんだ。

「まったく、大人げないったら」
ミカは額の汗を拭って言う。
「そっちこそ子供じゃん」
「愛してる?」
不意の質問に、アヤカは一瞬素になる。
「あー、えーと」
英語でなら割に恥ずかしくなく言えるんだけど、どうして日本語だと恥ずかしいんだろう。
アヤカは心の中で思う。
「I…」
英語で言いかけて、アヤカははたと気付く。
…英語でも恥ずかしい。
気を取り直し、
「あ、ねえ。ミカはサンタさんに何をお願いしたの?」
いきなり話題を変えた。
「え…んーと」
「アタシってのはナシね」
アヤカはニヤニヤ笑う。
ミカはむくれて、またアヤカに枕をぶつけた。
「そういうアヤカはどーなのよー」
「アタシ?決まってんじゃん、ミカが幸せに暮らせますようにって、もー願い続けて
早や何十年ってカンジ?」
561 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/09(火) 22:06
「…ホント?」
「…うん、これはホント」
返事を聞いて、ミカはアヤカの胸に顔を埋める。
アヤカは髪に指を埋め、抱きしめてやった。
「アヤカは」
「ん」
「いつも、あたしのこと考えてくれてたんだね。…ごめんね、ワガママばっかり言って」
「ハハ、まあね」
アヤカはおどけて笑う。
「不安だったの、いつ妹扱いされてて。あたし、アヤカの恋人にはなれないんじゃないか…って」
全部言い終わらないうちに、アヤカはミカの唇を塞ぐ。
「妹に」
アヤカは苦笑する。
「こんなキスはしないでしょ」
「フツーに犯罪だし」
と続ける。
「…もーう、いつもはぐらかすんだから」
「さっきのお返し」
アヤカはまた唇を落とした。
負けじと、ミカも自分から口づけるのだった。
562 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/09(火) 22:10
更新しました。

今更だよ、アヤカねーさんの巻。

ア、I…>川;´.▽`)||  川*‘∀^儿<…

レスのお礼です。


>ヨッスィのタマゴさん
( ‐ Δ‐)<ほんとーに、家で人生ゲームしてただけなんかい?

(;`_´)<なんで尋問されなきゃならんのですか

村さんとひとみん、ビミョーな距離です。柴っちゃんは珍しく気弱になってたり。
まあ、マサオの前だからなんですが。
サンスポの増刊号はついいしよし表紙に負け(苦笑)、買ってしまいますた。
563 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/10(水) 01:14
(0^〜^)<あたしバカですYO。
笑う犬でのこんな素直なよっすぃ〜がすごくかわいく思う今日このごろ。

更新お疲れ様です。
やすかおとアヤカミカは熱い夜をお過ごしで。次回は…(*^▽^(^〜^O)
いしよしの熱い夜に期待。いや〜楽しみだ。…いかん、柴ちゃん的オヤジ発言になってる。
564 名前:オガマー 投稿日:2003/12/11(木) 04:46
いやー、ごちです(ww
みんな幸せそーでいいなぁ〜(w
村っちとひとみんどーなるんだー!!
楽しみにしてます!
565 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 14:36
―――オーストラリア。午前2時。

紺野はホームステイ先の家で、眠れぬ夜を過ごしていた。
時差があまりないので時差ボケということはないが、慣れないベッドはぐっすり眠れなかった。
『なんだろ、日本のポテトチップスが食べたくなってきた。こんな夜中なのにやだなあ』
額に手をかざし、暗闇の中で色々なことを考える。
小川のこと、高橋のこと。
自分のこと。
「羊でも数えようかな…」
紺野は目を閉じて、ゆっくり数え出した。


―――再び日本。午前0時。

「あ、もうこんな時間か」
ラジオの深夜放送を聴きながら勉強していた小川は、正時を知らせる音で
日付が変わったことを知った。
「オーストラリアっていま何時頃なんかな」
なんとなく、居間にあった父の旅行ガイドを広げてみる。
父は仕事で以前、メルボルンに行ったことがあるらしい。
「2時間くらいか。じゃ、向こうは2時だな」
『もう寝たかな』
机の前のカーテンを開けて、小川は遠い空の下の彼女のことを考えた。

566 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 14:38
―――中澤家。午前0時2分

「加護、起きとるか」
風呂から上がった裕子は、居間でテレビを見てる加護に声をかけた。
「ああ、はい」
「一杯、付き合わへんか」
裕子はちょっと笑ってグイッと一杯というジェスチャーをする。
「いや、明日バイトですし」
「バイトがなかったら飲むんかいな。冗談や、さすがに高校生には飲ませへんわ。
お茶でも付き合ってえな」
「はい」
裕子はいったん台所に行き、ロシアンティーを淹れてきた。
「エエ匂いですね」
深夜に淹れる紅茶は、また格別だった。
加護は大きく息を吸って、芳しい香りを楽しむ。
裕子はそんな加護を見て、ふっと笑った。
「ウチの死んだオカンが、よう淹れてくれたんや」
「へえ、思い出の味ってわけですね」
「まあな」
加護はふとあることを思い出し、裕子に尋ねてみた。
「前、ウチがガッコのテストんとき、夜中勉強してたら、梨華ちゃんがココアと
蒸しパン持ってきてくれたんですよ」
「ああ」
「中澤さんが作ってくれはったんですね」
「うん、ウチも梨華もテストで夜、勉強いうたら、オカンが決まったように
蒸しパン作ってくれたからな」
「コーンの入ったヤツですよね」
「そう。抹茶のときもあったけど」
裕子を見て、加護はそういうお母さんやったから、中澤さんも梨華ちゃんも
お人好しなくらいエエ人なんやろうなあ、とお茶を飲みながら考えた。
「エエお母さんなんですね」
「まあ、な。つーか、怒ったら鬼かいな思うくらいごっつ怖かったけどな。
梨華もよう怒られて泣いとったわ」
「それは長女にしっかり受け継がれてますね」
「なんぞゆうたか」
また余計なことを言った加護は、満面の笑顔で肩を掴まれ、心底怖い思いをするのだった。
567 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 14:40
―――0時5分

大谷のアパートにやって来た柴田は、テレビを見ながら大谷がコーヒーを
淹れるのを待っていた。
「ミルクいるか」
「いる。砂糖はいいよ」
「なんだ、ダイエットでもしてんの」
「夜中だし」
「ほう」
テレビは音楽情報番組をやっていた。
柴田は特に見るでもなく、ぼんやりと画面を追っていた。
「なんか落ち着いたみたいだな」
ハイ、と大谷はマグカップを渡す。
柴田が勝手に持ち込んだ彼女専用のである。
「うん」
チラッと大谷を見上げ、あったかいコーヒーを口にした。
「あゆは、めぐみさんがほんと好きなんだな」
大谷はしみじみ言う。
ひとりで納得したように腕を組んで。
「好き、ねえ。まあ、嫌いじゃない。ヘンだけど、あたしにはたった一人の姉ちゃんだし」
「いやー、特別だなと」
「子供の頃、あたしのおやつとか晩ご飯のコロッケを勝手に食べてくさった時は、
マジムカついたけどね」
「オマエはきっとその倍以上してるだろう?」
柴田は大きく目を見開く。
図星だった。
「『きっと』って…」
ぶつぶつ言い、そのへんにあったクッションを抱えた。
「マサオ」
「うん?」
「なんでもない」
大谷は少しあきれたように笑う。
そして、柴田の頭をぽんぽんと軽く叩いた。
568 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 14:42
―――0時7分

「あー、ハラいっぱい」
市井は満足したように、自分の腹をさする。
深夜のフェミレスで、ふたりは遅い夕食をとっていた。
「いっぱい食べたね」
後藤は珍しく、優しそうに言う。
いつもなら、『も〜、ヒトのオカネだと思ってさ〜』とか『行儀悪いよ』だの、
文句のひとつも言うところだった。
なんか今日、ツイてる?
市井はのんきに考えた。
「お待たせいたしました」
「食後で」と頼んだ、セットメニューの飲み物が運ばれてくる。
市井は何も入れずにそのままコーヒーを啜った。
「オマエ、なんか今日やさしーな」
「ごとーはいつもやさしいよ」
「プッ」
後藤はなにさ〜、と少し拗ねた。
「いや、アタシに優しいのは珍しいんじゃねーの?」
「何?ごとーがいつもいちーちゃんに優しくないみたいじゃん」
「ぶっちゃけ、そうだ」
「はあ」
後藤は大して気に留めず、紅茶を飲む。
こいつ少し痩せたかな、と市井は頬杖をついてそんなことを考えた。
「しっかし」
「なに?」
「見事にカップルだらけだな」
市井は周りを見渡して苦笑する。
クリスマス間近の週末だ。
ましてやこの時間帯。
隅のほうの禁煙席の、かなり遅めの夕飯の家族連れが、店内で浮いていた。
市井たちと通路を挟んで隣の、一人黙々とパフェを食べている青年も店内の空気に
辟易してるようだった。
「フツーにトモダチとかもいるんじゃない?」
後藤はやはり大して気にせず答えた。
ごとーたちみたいにさ、と続ける。
「トモダチ?」
「んあ」
トモダチ、か。
市井は眉をしかめ、タバコに火を点ける。
最後の1本だったので、箱が空になる。
569 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 14:42
「終わったの?」
「ああ」
市井が箱を握りつぶすのを見て、後藤は自分のタバコをハイと渡した。
「どうせまた吸うでしょ」
「サンキュ」
市井はちょっと機嫌が直り、嬉しそうに笑った。
「ハイライトじゃないんだね、今日は」
「ちょっと気分転換」
市井が吸っていたのは、メンソール入りのものだった。
保田がたまに吸っている銘柄だ。
「知ってる?メンソール入りを吸うとエッチするとき困るって」
「それは男だろ」
「女の子もらしいよ」
「マジで?」
市井はふと、
「圭ちゃんは例外か?いつも吸ってんじゃん」
保田の顔を思い浮かべて言った。
「んあ、特殊だね」
「特殊…」
ツボに入ったようで、市井はゲラゲラ笑い出す。
つられて、後藤も笑った。
570 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/12(金) 14:48
更新しました。
    
ンア       トクシュ?
( ´ Д `)ヽ^∀^ノ.。o ( ( `.∀´)y−~~
 
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん

( ‘д‘)<不倫の音ってどないな音やねん

( ´D`)<?それはプリンみたいにあまいんれすか

言ってましたね(w 小川のチームが負けて足ツボでしたっけ。
アヤカミカはちょっと姉妹ゲンカ入ってますが(w、一応熱い夜です。

>オガマーさん

( ‐ Δ‐) <どうなんの?

ξξ;“ З.“)<いやだからアンタが聞いても…

どうなるんでしょうね(w ふたりとも、お互い相手にミョーに遠慮してますし。
強く出るトコは強く出ないと、なかなかうまくいかなかったりするのも色恋だったり。
571 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 20:21
―――午前0時12分。喫茶タンポポ

「はあー、疲れたー」
風呂から上がった矢口は、居間のソファにひっくり返り、伸びをする。
矢口家のソファは大きめなので、小学生のように小柄な彼女が膝を抱えて座ると
すっぽり埋まる。
一人がけ用のソファに座ってテレビを見ていた安倍は、
「真里っぺ、髪はちゃんと拭くべさ」と矢口の頭のバスタオルの上から手で押さえ、
「真里っぺ言うな」とツッコまれる。

ふたりは大体、週2〜3回はこうやってどちらかの家で過ごしていた。
今週はタンポポがクリスマス前で忙しいので、安倍が閉店後の手伝いも兼ねて来ている。
「矢口、マッサージしたげよっか」
「おおー、いいねえ」
矢口はそのままソファにうつぶせになって、安倍に腰や背中を揉んでもらう。
「タオルまでかけて、本格的だねえ」
「気分でるっしょ?」
矢口はうつぶせのまま、「あー、極楽極楽」と呟く。
「お客さん、凝ってますねえ」
台詞までお約束な安倍だった。
「あいぼん、バイト頑張ってるかい」
背中を揉みながら、臨時バイトの彼女の様子を尋ねてみる。
「うん、よくやってくれてるよ。滅多に同じミスしないし。やっぱ賢いんだね」
「へえ、そりゃすごいね。よっすぃ〜とかののちゃんから『あいぼんはすっごく
勉強できる』って聞いてるけど、ほんとなんだね」
「うん。でもオイラ、ちょっと心配なんだね」
「なんだべ?」
安倍はマッサージの手を止めた。
矢口は腰にかけられたタオルを取って、そのまま起き上がる。
「オイラが辻とか加護の学校の出身ってのは言ったよね」
「パツキンを染め直さない問題児だべ」
「ハハ、まあね。…それはいいとして、加護、勉強できすぎて厄介なことに
なんないかなあって」
「なんで?」
「うん…ウチのガッコ、割に校則もうるさくないし、伸び伸びできるんだけど、
一部の先生がやたらとウエの大学に成績いいコを特待生で入れたがるのね」
「特待生だと学費が援助してもらえるとかじゃないんだべか?」
「そうなんだけど…んー」
「言いにくいことだべか?」
572 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 20:24
「いや、昔さ、矢口と同じクラスだったコがいるんだけど、そのコ、本命は国立の
大学だったらしいのね。
めちゃ勉強できたからストレートで受かったんだけど、その前にウチのガッコの
大学に内部進学決まっててね」
「うん」
「本当かどうか分かんないけど、先生がそのコの親にお金積んで、国立蹴って
内部進学するように勧めたんだって」
「…それ、本当だべか」
「分かんないけど…そのコ、自殺しちゃった」
「……」
安倍は淡々と言う矢口の顔を凝視した。
「親も先生も信じられないって周りの友達に言ってたんだって。すったもんだが
あったけど、結局本命の大学行くことになったのに」
「矢口」
なに、と小さく矢口は答えた。
悲しいときはムリしなくていいべさ、と安倍は矢口の両頬を手で挟む。
矢口は嗚咽を漏らした。
「だって、合格祝いにみんなでカラオケ行ったんだよ?色々あったけど、
行きたい学校に行けるからよかったねって。カラオケ終わって駅で別れて、
また時間できたら会おうねって、手ェ振って…どうしてその帰りに電車の
ホームに飛び込むのよ…」
矢口は声を上げて泣いた。
安倍は黙って、腕の中に矢口を迎え入れる。
「矢口、いっつも宿題写させてもらって、でもそのコにはなんにもしてあげれなくて、
オイラは専門でパテシエのコースに進んだからいつか自信作のケーキできたら、
一番に食べさせてあげるって言ってたのに…」
「なんにもしてあげれてないっていうのはウソだべさ」
矢口を抱きしめたまま、安倍は静かに言う。
「どうして…」
「なっちは、矢口のこと好きだべさ」
「う、うん」
「矢口はちょっとやんちゃだけど、いっつも周りを明るくしてくれるよ。
だからみんなタンポポにお茶しに来るんだよ。その子も、矢口のこと好きだったと
思うよ。どうでもよかったら、いつも宿題写させないっしょ」
「でも」
「でも、なんだべ」
安倍はまた矢口の頬を挟んだ。
「矢口、本当に何にもしてない…」
「してるよ」
安倍は優しく笑った。
「その子のことちゃんと覚えてる。忘れてないっしょ」
「うん、うん…」
安倍の腕の中に飛び込んで、矢口はまた泣いた。
573 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/12(金) 20:26


―――午前0時14分

吉澤と梨華はこのあとカラオケに行こうかどうか話し合っていた。
「んー、梨華ちゃんどうする?ウチはどっちでもいいんだけど」
ふたりきりにはなりたいが、カラオケという気分でもない。
それは梨華も同じだった。
繁華街では、カラオケはどうだとか、割引券もありますよ、と様々な客引きがあった。
声をかけられても適当に流して、特に目的もなく歩く。

「…あのね」
「うん?」
「行きたいとこが、あるの」
梨華はまっすぐ前を見たまま言った。
特に疑問を持たず、吉澤は頷くのだった。


―――午前0時23分

「…寒くない?」
保田は腕の中の飯田に尋ねる。
飯田は笑って、ううんと首を振った。
「圭ちゃんは、ホントにモテモテだね」
少し離れて、飯田はからかうように言う。
『ヤッスー、今夜は離さないでェー』
わざと高い声を出してファンの声援を真似、保田を苦笑させる。
「別に、ステージにいるアタシを好きなんであって、普段を好きなワケじゃないんだから」
「両方好きな場合は、どうすればいいの」
保田は答えに詰まる。
答えに困ったわけではなく、反応が体の方にダイレクトにきてしまったのだ。
「…せっかく火が鎮まったと思ったのに…また」
保田は顔をしかめ、起き上がろうとする。
「また?」
「…分かってるくせに」
保田は恨めしそうな顔をする。
「言ってよ」
「…アタシ、今日はかなりキてるわよ。いいの?」
「どうキてるのかこちらで確認しますので」
飯田はニッと笑って、保田を押し倒した。
574 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/12(金) 20:31
((((0^〜^)ドコユクノ? (((*^▽^)<…

更新しました。
575 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/13(土) 00:29
リカマコ見事勝利( ^▽^)人(`▽´∬∬マコは好きな物に南瓜がでなかったですね。
(・´ー`)<小川はなんであんな泥みたいな物が好きなんだべ?ナッチ、ウナギハダメダベ。

更新お疲れ様です。
∬∬`▽´)<もう寝たかな?.。oO(川o・-・)ノ<完璧です。)
ついにマコが…恋に…なるのかな?( ・e・)<ニブイカラドウダロ?
ナイテイイッショ(・´ー`(T◇T〜)ナッチ
いいですね。やっぱりナッチはやさしい天使です。
コチラデカクニンシマス。ガオー(((( ゜皿 ゜)ノ(*/.∀\*)キャッ!ケメコハズカシイ
ここはまだまだアツアツなようで…
576 名前:まるまる 投稿日:2003/12/13(土) 11:17
登場人物の展開が、激しくなってまいりました。さあ、どうなるのでしょう!?
577 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/15(月) 01:40
―――吉澤視点

『行きたいとこがあるの』
そう言う梨華ちゃんについてきて、何の気なしに繁華街をずんずん歩いて行く。
「あ、あの…梨華ちゃん?」
彼女の足は、この界隈では有名なホテル街に向かった。

「…ダメ?」
あるホテルの前で、彼女は何かを決意したようにウチを見た。
ウチはとっさに首を振る。
「イ、イヤとかじゃないけどさ。その…びっくりして」
梨華ちゃんはじっとウチのこと見てる。
うう…その目に、弱いんだよな。
「よし…!行こう!」
ウチも勇気を奮い立たせて、彼女の手を握ってホテルに入って行った。

もう、どういう部屋がいいかなんて選んでる余裕なんてなかった。
ただ、ウチと梨華ちゃんでも大丈夫そうな値段のとこにはしたが。

部屋に入り、担いでたベースを床に置くと、梨華ちゃんを心臓破裂しそうな思いで抱きしめた。
ああ、顔が赤くなってるのが自分で分かる。
ダメだなあ。
何度…しても未だにテンパってるし。
て、ほとんどして…ないんだけどね。

「梨華ちゃん…」
「ひとみちゃん…大丈夫?」
「え…?」
「すっごい、カラダが熱いよ?」
「あ、そう…かな」
この熱さの原因は分かる。
今抱きしめてるこのコゆえだ。

「…好きだよ」
気の利いた口説き文句とか、そんな器用なことは言えない。
ウチは彼女を傷つけないように、それだけでいっぱいいっぱいになりながらベッドに倒れこんだ。
コートすら、どちらも脱いでなかった。
ドキドキする気持ちを押さえながら、彼女のロングブーツのファスナーを下ろし、床に置いた。
自分のワークブーツは、適当に脱いで転がしとく。
うわ…梨華ちゃん良く見ると網タイツだったんだ。
コート着てたし、気がつかなかった。
そっと脱がして、ミニのスカートもするりと落とす。
下着だけになった梨華ちゃんを見て、もう眩暈がしてきた。



578 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/15(月) 01:42
しゃにむにキスを繰り返し、思いを伝える。
「…や!」
カラダへのキスを繰り返すうち、彼女のショーツの上からキスしてしまった。
とても、口では言えないようなトコへ。

まだ下着のままだというのに。
彼女になんか、悪い。

「ずるいよ…」
彼女は、うわごとのように言った。
「え…?」
「自分ばっかり…」
パーカーの裾を握り締めて、彼女は潤んだ瞳で見上げる。

…だから。

その目は、反則だよ。


…こんな夜が、この先何度も訪れるのかな。
永遠に続く、夜だった。

…愛してるよ。
腕の中の彼女に、微かに囁いた。
579 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/15(月) 01:43
―――午前1時5分

ファミレスを出た市井と後藤は、そのまま車で堤防へ向かった。
海はもう見たので、川原で夜を明かすことにする。
ラジオからはクリスマスソングが流れていた。
「Last Christmas I gave you my heart, but the very next day you gave it away…」
市井はラジオに合わせて歌う。
「いちーちゃん、ワム!好きなの?」
「うん、結構好き」
「この歌って…おもっきし失恋の歌だよね」
「まあな」
市井はタバコをくわえて笑う。
「『心を捧げたのに次の日すぐ君は放り出した』って、イタイね」
「うん、明るい曲調にだまされがちだがな」
後藤は『A face on a lover with a fire in his heart 』と小声で歌った。
「なあ」
「んあ?」
「おめーは、もし告られるとしたら、クリスマスがいいか?」
「別に、いつでも」
「そ…っか」
女遊びが激しかった割には、市井は『イブはロマンティックに』と小娘のようなことを考えているフシがある。
「いちーちゃん、イブに告ったことあんの?」
「ねーよ。告られたことはあっけど」
「んあ、そっか」
市井はすぐしまった、と後悔する。
つい、いつもの調子で言ってしまったが。
今日は慎んだほうがいいことを今更ながら悟った。
580 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/15(月) 01:45
「ごとーはね」
「うん?」
「星に、なりたいな」
は?
あまりにも唐突な発言だったので、市井はタバコをくわえたままポカンとした。
「星?空の星か?」
「他に何があんのさ。もしサンタさんが願いをかなえてくれるんなら、ごとーは星になりたい」
「なんで」
「ん、星ってさ、いつどこで見ても穏やかな気持ちになれるじゃん。だから、ひとりぼっちで寂しい人とか、希望を失いそうな人とか、
照らしてあげたいの。どんなちっちゃくて見えにくい星でもいいから、ごとーは星になりたいの」
「…ほう」
「ごとーを見上げて、明日もがんばろって思ってくれたら、それでいい」
市井は黙って、タバコを灰皿に置いた。
星を見て希望が湧くのかどうかは分からんが。
オマエを見て、希望とか、勇気とか、口に出したらクサクなりそうな気持ちが持てるのは確かだ。
市井は考えた。

「…東京は星がほんと見えないねえ」
「しゃーねーだろ。都会の宿命だ」
「んあ」
後藤は市井にもたれかかり、いつの間にかまた降りだした雪を見つめていた。


―――午前2時1分

斉藤は村田の原稿が上がるのを、リビングで待っていた。
彼女の家に来たけれど。
とても気まずくなった。
村田は、いまどうしてるだろうか。
彼女のことだから、ちゃんと仕事はしてると思うが。
ノートパソコンを広げて自分の仕事を片付けながら、時々村田のことを考えた。

―――仕事が一段落ついて、ソファに横になった。
夢うつつで、スリッパの足音を聞く。
ソファから、白く華奢な足首が見える。
斉藤に毛布をかけると、踵を返して行ってしまった。
立ち去るときの、足首の後ろのスッと切れ上がった部分が目に入る。
斉藤は、薄く目を開けて夢のような気持ちでそれを見ていた。
581 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/15(月) 01:48
更新しました。

ンア( ´ Д `) ヽ^∀^ノホシ?


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・)<小川さん…アスパラが出なくてよかったですね

なっちはうなぎ、美貴様はネギでしたよね。いしかーさん、お肉好きなのに豚足はダメなんですね。
マコは…どうなるんでしょう?∬∬`▽´)<?

>まるまるさん
( ゜皿 ゜)<ドコガイチバンハゲシイノカナー

どうなるでしょう!?激しいでしょうか?動きが特に見られるのは村斉とかいしよしあたりかなーと。
やすかおはまあ、いつもの通りですが(爆 (;`.∀´)
582 名前:匿名匿名希望 投稿日:2003/12/15(月) 09:23
更新お疲れ様です。
朝からごちそうさまですた。

ンア( ´ Д `) ヽ^∀^ノホシ?

↑これすごい好きです(w
583 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/16(火) 03:06
FUNにて、アンケート( ´ Д `)つ□←親友は誰?
( ´ Д `).。oO((0^〜^)<ごっちん!)
φ(´ Д ` )<よっすぃ〜。と       (‘д‘ )
( ‘ д‘)<ごと〜さん。ウチも親友な!  あはっ、いいよ。>(´ Д ` )
φ(´ Д ` )<よっすぃ〜、あいぼん。と
ははっ、あいぼんかわいいですね。

更新お疲れ様です。
(*/〜\*)<梨華ちゃん積極的でひーちゃん、恥ずかしいッ!
(*^▽^)<ウブなひとみちゃんかわいいんです。
もうとことんいっちゃってください。でもあそこまで恋人にメロメロな人もめずらしいです。
584 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/17(水) 20:04

―――午前2時7分

アヤカはベッドサイドの灯りだけ点け、ミカの寝顔を見ていた。
明日、いやもう今日の飛行機でミカは帰ってしまう。
『どうしてそんなメチャクチャなスケジュール組むのよ〜』と呆れ顔で言うと、
「だって、すぐ帰ってくるっていうのを条件にママたちに許してもらったんだもん」
とミカは反論した。
確かにイブには親族の集まるパーティーがハワイであるというのに、この時期に日本に来るのは
かなり無謀だ。
よく飛行機のチケットが取れたな、とアヤカは素直に感心する。
「おばさんたちは何て言ったの?日本に行くって言って」
「『そ。行ってらっしゃい』って」
ケロッとした顔で答えるミカに、アヤカは少し頭痛がし、こめかみを押さえた。
すぐ帰ってくるのよ、って送り出された、と続けるミカに、それ以上何も聞く気がしなかった。
どうして近所のスーパーに買物に行くように送り出すんだろ、娘の無謀を止めてよ、と独り言を言う。

「アヤカ…」
パジャマの袖を軽く引っ張られた。
幼い頃から、一緒に寝るとミカがよくしてきた。
「…愛してるわよ…maybe 」
最後の一言を聞いたら多分怒るだろうなあ、とアヤカは幼い寝顔を見つめ微笑んだ。


―――午前2時14分

「ふあ〜あ。そろそろ寝るべーか」
大欠伸をし、大谷は寝巻代わりのジャージに着替えようと立ち上がった。
「もう寝るの?」
「まだ起きてんの?」
柴田と大谷の声が重なる。
「あゆみは眠くないの?」
「ん…コーヒーが効いたのかな」
「ふうん、じゃ、ここで寝っかな」
大谷は襖を開け、隣室から毛布と枕を持ってくる。
「どうよ?あゆみと交流もできて、カラダも休められる!カーッ!我ながらナイスアイディーア!」
「…ありがとう、マサオ」
一緒の毛布にくるまり、柴田は口では例えようのない幸せを感じ目を閉じた。
585 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/17(水) 20:05
――――2時23分

「えー。『新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします…』
よし、担任のセンセーはこんでいいか」
勉強を終えた小川は、眠れないので何となくまだ書き終えてない年賀状を認めていた。
『小川先輩、紺野先輩と付き合ってるって本当ですか?』
何故か、以前付属中学の後輩に言われたことを思い出す。
確か道重と言ったか。
どういうつもりか分からないが、クリスマスを一緒にと誘われた。
部活があるので、普通に断ったが。

どこで聞いた噂か知らないが、まったく事実無根な噂を流すものだ。
自分はともかく、紺野にまで、迷惑をかけた。
「だいたいさー、紺野みたいな頭いーヤツがアタシなんか好きになるわけねーだろー。
なんでみんなそう思うんかなあ」
大体紺野、好きなヤツいるんだからさ。
前に彼女に見せてもらったプリクラ。
大事そうに、携帯に貼ってあった。
紺野は恥ずかしそうに、その女の子と写っていた。
小川は正直なところ、紺野みたいな超がつくような優等生が、携帯に好きな子と撮ったプリクラを携帯に
貼るという、普通の子がするような事もしているのが新鮮だったのだ。
何だか紺野が身近に感じられた。
「紺野、うまくいくといいな…」
小川は心の底から、そう願った。

――――2時37分

『真っ赤なお鼻の トナカイさんは
いつもみんなの 笑いもの』

市井は後藤からもらったタバコに愛用のZippoで火をつけた。
後藤は市井の肩にもたれかかったまま寝てしまった。
その重みが心地よい。

『でも今年の クリスマスの日
サンタのおじさんは いいました』

小声で口ずさみ、普段吸わない種類のタバコの香りを楽しむ。
「コイツもキッツイの吸ってんなー。カラダに悪ィぞ」
人の事は言えない市井だった。
「おめーに今キスしたら、このタバコみたいな味すんのかな」
可笑しそうに笑って、市井はまた新しいタバコに火をつけた。
586 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/17(水) 20:07
――――2時38分

保田はベッドに腰かけ、タバコを吸っていた。
すぐそばで飯田が熟睡している。
なるべく起こさないように、煙を吐き出すのも声を出さないように気を配った。

『今日、いつもと違うタバコ吸ったでしょ?』
家に帰ってベッドに沈み込んだとき、飯田は悪戯っぽく笑って言った。
『分かんの?』
『だって、いつもとキスの味が違うもん』
くすくす笑う飯田。
敵わないと保田は思い出して苦笑いする。
まあ、あの飯田の台詞が、あの時の自分により火を点けたのだが。
飯田は毛布にくるまって、すやすやと眠っている。
体をねじって振り返り寝顔を覗き込んだ。
透き通るような色白の肌に、しばらく見惚れる。
「いつものタバコだけど、やっぱ分かる?」
本人は寝ているというのに、笑って口づけた。
587 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/17(水) 20:08
――――2時42分。

さっき見たデジタル時計はそう表示していた。
ウチと梨華ちゃんは、お見合いのようにお風呂の中で正面向いてつかっている。
興奮が一通り過ぎたあとは、恥ずかしさが残る。
梨華ちゃんはさっきから何も言わない。
ウチも、照れすぎて言葉少なだった。
「あ、あのさ」
「ひとみちゃん、怒ってる?」
「へ?なんで?」
「だって…あたし、なんか強引だったかなーって」
「い、いや強引なんてそんな…」
ああー!
ウチが大人でもっと包容力あれば
「そんなことないよ」
とか気の利いたこと言って、キスのひとつもできるだろうに!
不甲斐ない自分がじれったく、思い切ってお湯の中に潜った。
あ。
潜ったら…梨華ちゃんの…が丸見え。
「ぶげごほげほがほ!」
慌てて顔を上げようとしたため、ヘンなとこにお湯が入りおもいっきしむせてしまった。
梨華ちゃんが慌てて背中をさすってくれる。
しかし、ふたりきりでオフロって初めてだ。
前に銭湯行ったことはあっけど。
ウチは彼女の家に下宿してるから、普段は別だし。
「なんや、フロくらい裕ちゃんはうるそう言わんで?」
って中澤さんはニヤニヤして言うけど。
そのへんはちゃんとケジメをつけないと…。
は〜あ。こういうとき、一人暮らしのコがうらやましいよ。
て、ウチは下宿しなかったら梨華ちゃんと出会うことなかったかもしんないし、
これはこれで満足してる。
「ひとみちゃん?」
梨華ちゃんが不思議そうにウチの顔を見た。
「ん、あ?何?」
別に意味はなかったんだけど、手の平で浴槽のお湯を掬ってばしゃばしゃと顔を洗う。
「さっきから、ひとりで百面相してるよ?」
―――ウチがこのとき赤くなったのは、お風呂のせいだけじゃなかった。
588 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/17(水) 20:17
更新しました。

ちなみにごとーさんのタバコはセブンスターです。
んあ〜。健康のため吸いすぎには注意しようね〜>( ´ Д `)つ〔★〕
( `.∀´)y−~~ ←はジタンだったり

いちーがファミレスで吸ってたのはマルメンあたりでしょう、多分(自分で書いててアレですが)。

レスのお礼です。


>匿名匿名希望さん

(* `.∀´)y−~~<アラ!吉澤ったら

(;0^〜^)<自分もじゃないッスか

ごちそう、だったらよかったんですが(w 美味しくいただけるよう、精進します。
AAに気付いてくだすって嬉しいです(w しかし後藤AAの横幅の大きさよ(爆



>ヨッスィのタマゴさん
(; ´ Д `)<んあ〜。作者見逃しちゃったんだって〜。ネタありがとう〜

( *‘д‘)<親友て…照れるやん!


この前はうっかりチャンネル間違えて「ナイトスクープ」なんか撮るし、私は最近FUN運がありません。
お若いふたりはとことんいっちゃったようです。でも、まだまだ夜は長いです(謎)。
589 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/18(木) 01:39
(0゜皿 ゜)<♪〜♪   (´ー`・)(^◇^〜)(‘д‘ )<キャハハハッ、似てる。
ヨシザワー!カオハソンナコワクナイ!((((+゜皿 ゜)ノ  ((((;0゜皿 ゜)
最近、今更ながらオサヴリオ、パラディノメにはまってます。
川‘ー‘)||<♪〜♪
綺麗で神秘的な魅力のいいらさんにぴったりです。でもよっすぃ〜がモノマネしてる曲は何だろう?

更新お疲れ様です。(*^〜^)(^▽^*)
ひ〜ちゃんの百面相
(*−〜−*).。oO(メイワク?( ´▽`)(^〜^O)ソンナコトナイヨ。)<気のきいたこと言えればなあ
(*゜〜゜).。oO潜って頭冷やそ…オワッ! (^▽^*)ドウシタノ?
(*´〜`).。oO(从*~∀~*从<混浴してもええで。)イヤ、シカシ…
(*/〜\*)<も〜、ど〜したらいいの?ひーちゃん、恥ずかしいッ!
(*^▽^)<も〜、ひとみちゃん恥ずかしがりやさんなんだから。
お姉ちゃんな梨華ちゃんがグイグイ引っ張ってもOKだと思います。
590 名前:Ray 投稿日:2003/12/18(木) 02:05
ハジメマシテ!同じ板で書かせて頂いてるRayと申します。
今日一気に全部読ませて頂きました!!もぉ最高です!!(w
更新が早いのが凄く尊敬しております(w
それに内容も大好きなんです!(* ̄m ̄)

遅くなりましたが、更新お疲れさまです。
次回も楽しみにしています。
591 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/19(金) 22:26
―――オーストラリア。午前5時

辻は朝早く目が覚めた。
つい数日前まで真冬の日本にいたので、真夏の気温に最初戸惑った。
オーストラリアの両親の家は、特に自分と姉の部屋はない。
ゲストルームを適当に使いやすくして、夜も休んでいた。
普段は学校の寮に入っている姉も、今日帰ってくる。
クリスマスにはその日特に予定のない紺野をこの家に招待し、パーティーをする。
両親からも、是非家に招待するように言われているのだ。
『はあ。お姉ちゃんも帰ってきたらせまくなるれすね。
あさ美ちゃんもクリスマスのときはお泊りれすし、もうちょっと片付けないと』
部屋の中は、すでにみんなのために買ったおみやげが幅を占めていた。
「なんだか自分の家って感じがしないれす…」
カーテン越しに入ってくる朝の光をベッドに入ったまま見つめ、辻は小さく呟く。
東京でかつて住んでいた家は、今は人に貸している。
両親はすぐ売却する気はないようで、そのままにしてあるのだ。
「自分のおうちがないのは、なんだかさみしいれす…」
辻はためいきをついて、また布団をかけ直した。

―――ふたたび日本。午前4時

後藤は浅い眠りから目を覚ました。
車の中で寝たので、体の節々が痛む。
「いたたたた…こりゃ今日は筋肉痛だね」
腰を押さえて、顔をしかめた。
市井は横で口を開けて寝ている。
ラジオもつけっぱなしで。
「プッ。マヌケな顔…」
ほっぺたを引っ張ったりいたずらしようとかと思うが、ふと手を止め、いたずらするはずだったほっぺたに
一瞬だけキスをした。
それでも市井は目を覚まさない。
後藤は頬杖をついて夜明けを待った。
592 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/19(金) 22:28
―――午前4時2分

飯田は自分の横で爆睡している保田を、半身を起こして見ていた。
灰皿に消したあとのタバコがあるので、自分が眠ってる間に起きていたようだ。
「…ずーるーいーよー。勝手に寝顔見てさあ」
文句を言って、えい、と人差し指で彼女の頬を押さえる。
もっとも、今は自分が勝手に見ているのだが。

『カオリ…いいの?』
どういう訳か分からないが、保田はたまに自分を抱くとき上からじっと見つめて尋ねる。
いいも悪いもねえ…。
飯田は思い出して苦笑した。
まあ、そうゆうとこが好きなんだけど。
あどけない寝顔を覗き込んで、小さく笑う。
「でもー、いったんOK出すとスッゴイよね。もーあのテンションはどこからってカンジ?」
自分も横になり、保田の腕に触れた。
「好きだよ」
抱く時、ちゃんと向き合ってくれるから好き。
いつかそう言ったら、素で照れてたっけ。
飯田は点けていた灯りを消し、また毛布にくるまった。

―――午前4時47分

斉藤は寝起きのはっきりしない頭で昨日のことを思い出していた。
室内は、ひとつだけフロアスタンドが点いている。
知らない間に村田が他の電気は消したようだ。
エアコンが控え目な音を立てて運転している。
斉藤は乱れた髪を手櫛で直し、起き上がって村田の仕事部屋へそっと足を運んだ。
「村?」
念のため、ドアをノックしてみる。
返事はなかった。
「入るわよ」
声をかけ、ドアを開けた。
村田は机につっぷして眠っていた。
すぐそばにあった毛布を肩からかけてやり、床に散らばった原稿をかき集める。
手に取って、しばらく目を通した。
ゆうべはあんなに泣いていたというのに、原稿は完璧な仕上がりだ。
直したあともほとんどない。
「…さすがだわね」
斉藤は、改めて彼女のすごさを目の当たりにした。
593 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/19(金) 22:30
―――午前5時59分

吉澤と梨華は、ホテルのベッドで寄り添って眠っていた。
風呂に入ったあと、照れながらまた抱き合った。
吉澤は梨華を傷つけないように、いつも気を配る。
それが梨華には言葉にできないくらい嬉しかった。

『あの…保田さんにとても強く抱かれることってありますか』
以前、飯田に梨華はこんな質問をした。
言われた飯田は、一瞬ポカンとし、元々大きな目をより見開いた。
梨華は真剣だ。
その本意を汲み取って、飯田は
「あるよ」
と正直に答えた。
「どんな…ときですか」
やはり恥ずかしいのか、梨華は俯き加減になる。
「どんな…んー、圭ちゃんが多分カオのことやばいくらいカワイイとか思ったときじゃないかね」
自分で言って照れ、『やだ、もう!』と梨華をばしばし叩いた。
圭ちゃんは照れ屋なくせに、いったんスイッチ入ったらスゴくてね、と市井あたりが聞いたら
また保田をイジるネタになりそうな情報を飯田は漏らす。

夕べ梨華は、強く吉澤に抱かれた。
『梨華ちゃん、イヤだったら言ってね』
優しい囁き。
梨華は吉澤に身を任せ、素直に感じた。

「ひとみちゃん…」
梨華は寝言で名前を呼び、吉澤の背中に腕を回した。
594 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/19(金) 22:32

―――午前7時2分

夜が明けようとしている。
「いちーちゃん、朝だよ」
後藤は市井の肩を揺する。
起きるのを待って、後藤は車外に出た。
朝日が徐々に昇ろうとしている。
朝の空気は凛として爽やかだった。
後藤は腕を曲げたり伸ばしたりして軽い体操を始める。
起こされた市井は不機嫌そうな顔で軽く欠伸をし、自分もタバコを持って外に出た。
「朝焼けってさ」
「あ?」
タバコに火を点けようとしたら、後藤に急に声をかけられる。
少し離れていたため、市井は大きな声で聞き返した。
「朝焼けってさ、ホントにお日様が焼けてるニオイするね。文字通りに」
朝の空気を思い切り吸い込んで、後藤は伸びをする。
市井は今度はゆっくりタバコに火を点け深々と吸った。
「ごとーは、太陽になりたいな。でっかいの」
「星んなったり、太陽なったり、忙しいヤツだな」
市井はケラケラ笑った。欠伸まじりで。
「いい天気だよ」
後藤はすぐ上の陸橋を見上げた。
電車がせわしなく走っていく。
今日もまた、1日が始まる。
市井は昇りたての朝日に照らされる後藤を、眩しそうに見ていた。

―――午前7時5分

アヤカとミカは朝食をとっていた。
トーストにバターを塗り、ミカに手渡してやる。
「あ、半分はジャムがよかったんだっけ」
渡してから、アヤカは思い出して言った。
「いいよ、これで」
「あたしのまだ塗ってないから、こっち食べなよ」
「なんかやけに優しいね」
「いつも冷たいみたいじゃん」
「たまーにすっごいイジワルだよ」
しばらく見合う。
アヤカはミカの満面の笑みに怒る気になれず、
「ハイ」
と自分のトーストにバター半分、ブルーベリーのジャムを半分塗って手渡した。
「食べたら、送ってくから」
「いいよ、バイトあるんでしょ」
「いいから。昼過ぎからだから間に合うよ」
アヤカはそれだけ言うと、ベーコンエッグを黙々と食べ始めた。
「成田は遠いよ」
ミカが言うと、
「いいって」
アヤカは顔を上げてそっけなく答えた。
「なんで」
「ちょっとでもそばにいたいからよ」
今度は、顔を上げずに答えた。
「う、うん」
ミカは照れてしまい、ホットミルクを慌てて飲みむせてしまった。
595 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/19(金) 22:36
更新しました。

( ´ Д `)タイヨウモイイナ ヽ^∀^ ノタイヨウッテアツソーダナ

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
ノ(0゜〜゜)ノ<も〜〜なむ〜〜る♪ 注:『〜』部はシャンソンの『タメ』の部分です

ヒーちゃんが物真似していたのは『シェルブールの雨傘』です。『バラ色の人生』もやってたかも。
似てて笑ってしまいますた。そして(0゜皿 ゜)の顔文字に爆笑しますた。
いしかーさんは年上なので、『あたしがしっかりしなきゃ!』と考えているようです。

>Rayさん
( ‘д‘)ノ<初レスありがとうな〜。ウチがエスパーってすごいな〜

どうもありがとうございます。一気に読まれたそうですが、疲れませんでしたか(w?
お疲れ様でした。Rayさんの作品では、中澤姐さんが好きです。(ここで言うヤシ)
おたがいがんがりましょう。楽しみと言って頂けて嬉しいです。どうもです。
596 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/20(土) 02:06
初代ケメコ    コウソクターン(汗)(`.∀´;三;`∀.´)(汗)(汗)(((( ;^▽^)ヒー。
2代目ケメコ   オリャー(汗)(`▽´;∬三∬;`▽´)(汗)(汗)(((( ;^▽^)ナンデマタアタシナノ?
とくばんで…
(O^〜^)ヽ(^▽^ )<麻琴とこんな風に肩を組むんですけど…すごい汗なんです。
川’ー’川<石川さん。さりげなく吉澤さんの肩に手を置く…見事だす。トナリデミトッタガシ。

更新お疲れれす。
( ´D`).。oO(ハグハグ(0^〜^)´D`*)イヤーン)
( ´D`).。oO(ノノチャン、オミヤゲノクッキー( ^▽^)つ□(´D`*)アリガトウレス。)
( ´D`).。oO(キョウハ、ヤキニクヤ从#~∀~#从( ´D`)ワーイ)
( ´D`).。oO(ツジハ、イイコダヨ。川‘ー‘)||ノ(´D`*)イイラサン)
( ´D`).。oO(ノノ、ソノミドリノヒヤムギウチノヤ!( ‘ д‘)(´D` )ハヤイモノガチレスヨ、アイボン)
ちょっとののちゃん寂しそう。ホームシックかな?いや、家に帰ってきたんだった。
597 名前:オガマー 投稿日:2003/12/20(土) 22:57
あったかくなりました。
598 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/22(月) 19:14
後藤と市井は都心まで出て朝食をとることにした。
「おめー、なんにする?」
「んあー、なんでもいいけど。できたら安いの」
「吉牛でも行くか」
「んあ、いいよ」
まだ朝定やってるよな、と市井は携帯の時計を確認して言った。

「…オイ。あれ、吉澤じゃねえ?」
ふらふらと信号の向こうの吉野家に入って行く人物を見て、市井は手で指し示した。
「うん、そだね…やつれてない?」
「ああ…」
ふたりはそのまま信号を渡り、目標の店に向かった。

吉澤はやつれた様子でふらふらと席について注文した。
卵星人なので、当然生卵もつける。
店員はさっさと調理を始めた。
隣の若い男は、脇目もふらずねぎだくをがっついている。
吉澤はベースも持参なので、周りに気を遣ってなるべく邪魔にならないようにした。
用事があるという梨華と駅前で別れて、ひとりここにやって来た。

「…うわー。アイツ、特盛注文しやがった。しかもつゆだくだよ、卵つけてるし」
市井は店の外から吉澤の様子を伺い、冷や汗をたらす。
「んあ…エネルギー補給かね」
「石川って…すげーんだな」
「ごとーたちも入ろうよ、オナカすいたよ〜」
「おお」
ふたりが入って行くと、吉澤はつゆだく・特盛をがっついてる最中だった。
連れ立ってやって来た見覚えのあるふたりの姿を見て、箸が止まる。
ほっぺたには、卵をかぶった飯粒がついていた。
599 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/22(月) 19:15
「よお、いい朝だな。アタシ、鮭定ね」
「んあ、大盛だくだくで。生卵も」
「…だくだくかよ」
市井はちょっとうんざりしたように幼なじみを見た。
でも特盛ではなかったことにはやや驚く。
「あ、あはは。どもども」
あまり見られたくないところを見られた吉澤は、笑ってごまかして丼を置いて熱い茶を口にした。
「朝からよく食うなー。よっぽどゆうべは激しかったんだな」
お約束通りからかい、市井はテーブルに頬杖をついてニヤニヤする。
「こ、こんなトコでよしてくださいよ」
小声で言い、吉澤はむぐっと茶を飲み込みむせた。
「大盛だくだくです」
後藤は『ありがとー』と受け取り、箸を割ったと同時に摂取を始めた。
早くはないが、確実にぐんぐん減っていく。
その食べっぷりは見ててすがすがしいくらいだった。
「おめー、このあとバイト?」
市井は定食がまだなので、茶を飲んで吉澤のほうを向いた。
「ハイ」
「そっか。タイヘンね、ライブ明けでカノジョの相手もして」
「…だから、やめてくださいってゆってんのに」
吉澤は軽く市井を睨むと、最後の一口を口に放り込み、『ごっそーさんした』と席を立ち上がった。
「お先っす。ごゆっくり」
「おお」
「市井さん」
「あ?」
『ごっちんと、ずっと一緒だったんすか?』
吉澤は市井の顔のそばで囁くように尋ねた。
「まあな」
市井、余裕の表情。
吉澤は晴れやかな顔をして、
「じゃ、また!」
と店を後にした。
600 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/22(月) 19:19
―――成田空港はかなりの人だった。
見送ったり見送られたり、様々な人たちがロビーにひしめきあっている。

アヤカはミカの見送りに来ていた。
大晦日にハワイで会うので、今回はふたりともさっぱりした顔をしている。
「じゃあ、おばさんたちによろしく」
「うん」
「いきなり気温変わるし、体調崩さないようにね」
「ニッポンは…やっぱ寒いね」
さすがにダッフルコートは脱いだが、この寒さはさすがにハワイ育ちのミカには慣れない。
「今度寒くなったら」
「うん?」
アヤカはミカの耳に顔を近づけて、
『おねーちゃんがあっためてあげる』
いつものように、本気かからかってるのか分からない笑みを浮かべて言った。
ミカは赤くなり、『もう!』とアヤカの腕を叩く。
「…見送りに来てくれて、ありがとう」
「うん」
ふたりは抱き合って、短い別れを惜しんだ。

アヤカはその足で村田のマンションに向かった。
「…おはよー」
村田は寝起きでぼーっとしている。
「おはようございます、完徹ですか」
「いや、寝たよーな寝てないよーな」
村田は首を傾げた。
コーヒーでもと、アヤカはキッチンに立つ。
支度を済ませ、次は掃除の準備をする。
その間、村田は洗顔を済ますためバスルームに向かう。
601 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/22(月) 19:20
村田は歯を磨こうとして、歯ブラシに歯磨きではなく洗顔フォームを練り出していた。
慌ててアヤカが止め、事なきを得る。
早朝に原稿を斉藤に渡したところまでは記憶がある。
だが、以降の記憶が飛んでいた。

掃除を手早く済ませ、村田とテーブルに向き合って熱いコーヒーを飲む。
「斉藤さん、いらしてたんですか」
村田から昨日の話を簡潔に聞いて、アヤカは少し目を丸くする。
どうも自分が考えていたのとは違う展開のようだ。
斉藤のゴージャスな巻き毛を思い出しながら、アヤカは考えた。
「それよりー」
「ハイ?」
「…熱い夜だったみたいね」
両腕を組み、うんうん頷く村田。
ミカにゆうべいつの間にかつけられた、首筋のあとを見られたようだ。
「いや、アハハ」
笑ってごまかすアヤカ。
「可愛いじゃん、ハワイから会いに来るなんてさー」
「いや、あたしもまさかそこまでするとは…」
ミカの無鉄砲さを改めて見せ付けられた1日だった。
自分が大晦日にハワイに行けば会えるというのに。
しかし、あの瞳を見てると怒れなくなったのだ。
腕にまだ、ミカの感触が残っている。
アヤカはじっと、自分の腕を見た。
「あ、えっちなこと思い出してる」
「ち、違います!」
「しかも珍しくうろたえた」
村田の指摘に、アヤカは本当に珍しく真っ赤になった。
602 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/22(月) 19:25
カンベンシテクダサイヨ川;#´.▽`)||ノ (‐Δ ‐*) <ホホを赤らめた表情も萌え

更新しました。
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(;´D`)<関西はその部分カットだったのれす

( ゜皿 ゜)<トクバンナノニイツモドオリヨルハチジカラ

子イシ〇ワスレでそのネタがあって何か分からなかったのですが、謎が解けました。ありがとうございます。
辻さんは逆ホームシックみたいな状態です。日本が恋しいようです。

>オガマーさん
( ‐ Δ‐)ノ<まだまだぬくくするよ!

( `_´)<とりあえずあゆみのサムイギャグを封印しないと

こないな駄文であったまって頂けてまことにもってありがたいです。
で、自分のクリスマスは今年も何事もなくつつがなく終えるなという事に、ハタと気付きますた(w
603 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/23(火) 01:42
ハロプロワイドより
从*~∀~*从<愛ちゃんてほんと〜〜〜に、かわいいよね〜!川*’ー’*川テレルガシ。
(T▽T∬∬))))<ウェ〜〜〜ン…あさみちゃ〜ん
ガンバロウ! ヨシヨシ川o・-・)ノ(;´▽`;∬∬ウン。
ヨシヨシヨシヨシ川o^-^)ノ(´▽`∬∬
川o^-^)\(´▽`∬∬ヨシヨシヨシヨシ
いい友情でした。( ・e・)<あたしも入りたいな。

更新お疲れ様です。
( ´ Д `)<おやおや梨華ちゃん、刺激が強いのお求めですね♪
( ´ Д `)<ヨ〜シコは困った♪   ヒトミチャーン、モット!!(ノ*´▽`)ノ^〜^o;)エ?マダ!!
ヽ^∀^ ノ川‘.▽‘)||<ですねっ♪ですねっ♪ですねっ♪ですねっ♪ですねっ♪
( `.∀´)∬´▽`∬<ですねぇ〜♪
ゲッソリ(o´〜`)<特盛つゆだくで、タマゴもつけて。
(o´)〜`)ガツガツガツガツ
(0^〜^)<ごちそうさまでした。
いろんな意味で、ごちそうさまでした。も〜、梨華ちゃんのH!
604 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/23(火) 10:51
おっ!ついに600レス突入ですね!私は、今日から冬休みなんで、レポートの
宿題でパソコン使う時は、できるだけここを覗きますので、よろしくお願いし
ます。ハロプロメンバーの顔文字ってどれもこれも可愛いですね。
605 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/24(水) 17:05
そろそろエンディングが近づいていると思うのは、私だけでしょうか?
606 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/25(木) 20:25
朝。
11時過ぎに保田が目を覚ますと、飯田はもういなかった。
「…カオリ?」
ゆうべ床に脱ぎ捨てた服もない。
椅子にかけてあったバスローブを羽織ってキッチンへ行く。

『おはよう。カオは先に出ます。
ごはんはあっためて食べてね。
圭ちゃんの衣装はカオの名前で駅前のクリーニングに出しておくね。
P.S.うんとおめかしして来てね』

テーブルの手紙を手に取って読み、保田は頭をかいた。
今日は飯田とクリスマスデートする予定だ。
用意してくれてたミルクがゆを食べ、支度して出かける。
バンドメンバーからの例のバースデープレゼントもしっかり身につけている。

『…おめかしったってねえ…』
つり革につかまり、電車に揺られて待ち合わせ場所に向かう。
保田は無意識のうちに飯田のリクエスト通り、張り切った格好をしてることにはたと気付く。
その照れくささに人知れず俯いた。
607 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/25(木) 20:28

裕子は壁の掛け時計を見上げ、時間を気にしていた。
昼食の支度をしながら、何となく携帯も気にする。
「ただいまー」
梨華が帰ってくる。
「なんや、早いやないか」
「うん、ごはん食べたらまた出かけるよ」
「そうか、ラーメン炊いてるけど食うか?」
「ありがとう」
テーブルに向かい合って、インスタントラーメンをすする。
「そういえば」
梨華は思い出したように言った。
「なんや」
「今日、平家さん帰ってくるんだよね。仕事で海外行ってたんでしょ」
「ああ、そうやっけな」
待っているくせに、裕子は今気付いたという顔をする。
姉の作為に気付いて、梨華はそっと笑った。
「成田まで迎えに行かないのぉ〜?」
「入れ違いになるかもしれんし、あいつのことやから自分の車で行ってるはずや」
「ほう、なるほど」
梨華は食べ終わると、器を洗いまた慌しく出かけて行った。
またひとりになった台所で、裕子は
「…やれやれ」
と呟いた。
608 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/25(木) 20:29

保田は六本木で飯田と合流し、遅い昼食をとった。
六本木ヒルズに行き、適当に時間をつぶした後、予約してるホテルに行くという
ベタなプランを立てている。
『ゆうべあんだけ…燃えて、昨日の今日、ホテルって…』
ランチのパンをちぎって食べながら、保田は考える。
「圭ちゃん、聞いてるー?」
飯田に言われ、
「ああ、うん」
と我に返る。
「昨日はごめんね」
と唐突に言われ、
「へ…?」
すっとんきょうな声を出す。
「なんか、カオ…激しすぎたかなーって」
さすがに周りに人がいるので、飯田は声のトーンを落とした。
「いや、それはほら、おたがい…さまだし」
保田はうっすら頬を染めて俯く。
ふたりとも黙ってしまう。
飯田は顔を上げ、
「今日、楽しみだね。ずっと行きたかったんだー」
明るく振る舞った。
「あ、うん。そうね」
保田はまた顔を上げて笑う。
ふたりともゆうべを思い出して照れ隠しにぎこちなく笑うのだった。
609 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/25(木) 20:32

「…よっすぃ〜?」
安倍はギターを抱えたまま魂が飛んでる吉澤の顔の前で、ぱらぱらと手を振った。
「あ、ハイ。すんません」
はっと我に返り、慌てて、てきぱきとまた動き始める。
さすがに今日のバイトはキツかった。
「今日、帰り空いてるべか?」
「特になんもないっすけど、なんすか」
「いやね、加護ちゃんがタンポポでいまバイトしてるっしょ。なっちおごってあげるから売り上げ
協力に行かないべか?」
「ああ、いいっすね。行きましょう」
矢口がクリスマス特製メニューを用意してるっしょと安倍は声を弾ませる。
「すみませーん」
お客がやって来た。
吉澤はエプロンの肩ひもを直し、
「ハイ、いらっしゃいませ」
と応対に出た。


―――中澤家

夕方、平家から電話があった。
『今、成田着いた』
裕子はふと
「自分、車なんか」
と尋ねた。
『いや、行きしなは事務所の人に送ってもうたし、帰りはタクシーでも使おうかと思てる。
なに?迎えに来てくれんの?』
「別に…エエけど」
電話の向こうの平家の声は嬉しそうだった。
610 名前:SILVER BELLS 投稿日:2003/12/25(木) 20:35
裕子が出かける支度をしていると、梨華が帰ってきた。
「あれー。裕ちゃん出かけんのー?」
「ああ、ちょっとな」
「成田?」
梨華は裕子に顔を近づけニヤニヤする。
「成り行きや。ほな、留守番頼むで」
裕子は少し赤くなり出かけて行った。
「もう〜、素直じゃないんだからー」
梨華は鼻歌混じりで、コンロにケトルをかけお茶の支度をした。

大渋滞には遭わなかったが、成田で結構平家を待たした。
空港の中で時間をつぶすと言っていたが、喫茶店でお茶をおかわりしてもなお余るくらいは待たせた。
「めっちゃ待ったんちゃうん」
「いやー、姐さんが振り向いてくれたときまでの時間に比べたら全然」
「…なに言うてんねん」
旅行帰りの平家は、さすがに疲れが見えた。
どこかで食事でもということになる。
「空港は高いからどっか別なとこで」
「自分ほんまビミョーにケチやな」
ハンドルを握りながら裕子はあきれる。
「倹約家って言うてえな。姐さんとの夢のスィートホーム達成のためにいま貯めてんねん」
「初耳やな」
「今日初めて言うたからな」
ふたりともしばらく黙る。
「中澤の家があるし、踏み切れんのは分かる。
毎日帰ってこんでもええから、同じ家に住みたいねん」
「…考えとく」
裕子の声は少し震えていた。
夜の闇に灯りが、何故か滲んで見えた。
611 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/25(木) 20:38
更新しました。メール欄をごらんいただくと、なにかよいことがあるかもしれません。

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(*/▽\*) <……恥ずかしい

色んな意味で、どうもでした。名曲ちょこラブにのせたいしかーさん暴走記がステキです。
キュービックと思いきや、マコがちゃんと加わってオールプッチなのがポイントですね。


>604の名無し読者さん
( *^▽^)つ旦<宿題がんがってくださ〜い。オチャドウゾ

冬休み、宿題という単語に若さを感じ、一瞬眩暈がしたのは内緒です。こちらこそよろしくです。
おかげさまで600いきました。顔文字、いいですよね。(^▽^)←これなんかいしかーさん以外の
何者でもないですし(w


>605の名無し読者さん
(0^〜^)ノ<まだつづくYO!

まだしばらくは続く予定です。よろしければお付き合いください。( ´D`)<よろしくれす〜
いったいいつ終わるのか書いてる私も疑問だったりするのですが(汗
612 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2003/12/26(金) 02:27
(・´ー`)(ー○▽○)<Merry X'mas更新お疲れ様です。(クリスマスのドラマより眼鏡の梨華ちゃん)

从*~∀~*从<わたしが〜おばさんにな〜っても♪(♪森高千里)
(0^〜^)<中澤さんえらいご機嫌だね。
( ^▽^)<平家さんとうまくいってるみたい。
( ‘ д‘)<…にしても、今も十分オバハンやで。
( ´D`)<あはは、そうれすね。
(;0^〜^)(;^▽^) ((((从#~∀~#从ノ<マテ、コラ! (((((((;´D`)((((;‘ д‘)<アカン、キコエテシモタ。
裕ちゃん、よかったね。

メール欄の方もおもしろかったです。「君の瞳に恋してる」は、あのアイ ラーヴュー ベイーベー♪のCAN'T TAKE MY EYES OFF YOUのことですか?
613 名前:Ray 投稿日:2003/12/26(金) 03:04
更新お疲れ様です!
びみょ〜にケチな平家さんが面白いっすw

一気に読んだんですが、全然疲れるコトもなく楽しまさせていただきました(w
自分の作品で中澤姐さんが好きって言ってくださる方が多かったので意外なんですが、
読んでくださってありがとうございますm(__)m
かなりヘタクソな文でお目汚ししてしまい、申し訳ないです。・゚・(ノД`)・゚・。
更新頑張ってください!
614 名前:605 投稿日:2003/12/26(金) 19:23
そうでしたか、失礼しました。

ただただ、いちごまの関係発展を祈って展開を見守らせていただきます。

ずっと友達のまま、というのもこの物語のごとーらしい気もしますが。
615 名前:ごまべーぐる 投稿日:2003/12/31(水) 22:27

今年最後のレスのお礼です。
本年も『ベース弾き』をご愛読頂き、本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

>ヨッスィのタマゴさん
(0^〜^)ノ<そうだYO!CAN'T TAKE MY EYES OFF YOUのことだYO!

( ´D`)<あーいらびゅーべーいべー

あちらもありがとうございます。あの歌、子供の頃から好きなんです。
あいぼんの素の毒舌がオモロイです。裕ちゃんに小さな幸せです。

>Rayさん
从 #~∀~从<ホラ、おもろいゆうてはるで

(;`◇´)<ビミョーなケチて…まあ、エエけど

みっちゃんは倹約家なんです。結構お金持ってるのに家は未だに賃貸の中澤ハイツだし(w
Rayさんもどうぞご無理なさらず勉強と更新、がんがってください。

>605さん
ヽ;^∀^ノ<ら、来年こそはバシっとキメるよ!

(;`.∀´)<アンタここ数年ずっとそれを言い続けてない?

幼なじみって難しいんでしょうね。なまじっかお互いのすべて知ってるし。見守ってやってください。
ありがとうございます。


(0^〜^)ノ<今年一年あっりがとう〜!YO チェケラッチョ!

(*^▽^)ノ<来年もひとみちゃんとがんがりま〜す!

( `.∀´)y−~~<ま、来年こそはこの『世界のヤスダ』が主役を乗っ取るわよ!ホホ!

( ゜皿 ゜)ノ<ケメコノクセニ ナマイキダーーーーーー!! 

( ´D`)<あいぼん、来年はフグをオトナ食いしたいれす!

(  ´д`)<アンタ、量だけやったらいつもオトナ食いやで

( ´ Д `)<♪つーかれーはーてたあーなた わたしの〜

ヽT∀Tノ<…なんかワケもなく泣けてきたんだけど

∬∬`▽´)ノ<1.2.3ダー!来年もバリバリいくぜーーー!

川*・-・)<来年…来年こそは


では皆様よいお年を!
616 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/01(木) 01:38
(0^〜^)( ^▽^)<明けましておめでとうございます。
この小説は何度読み返してもすっごくおもしろいです。ずっと応援してますんで体に気をつけてがんばってください。

紅白よかったですね。
(0^〜^)<ごっち〜ん!
(0^〜^)( ´D`)( ‘ д‘)川o・-・)∬∬`▽´)川’ー’川( ・e・)ゝVvV丿从*・ 。.・从ノノ〃^-^)从 `,_っ´)<がんばって〜〜〜!!!
川‘〜‘)||( ^▽^)   ♪( ´ Д `)ノ♪  (´ー`・)(^◇^〜)
ごっちんの衣装も娘の衣装もかなりセクシーでした。やっぱよっすぃ〜の肌白〜い。そして梨華ちゃん肌黒〜い。
EDでは( ´ Д `)(O^〜^)(^▽^ )85年トリオが並んで歌ってました。
617 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/02(金) 21:46
―――吉澤視点

「あったかいねえ」
なっちさんは店内を見渡して顔をほころばせる。
『喫茶タンポポ』は静かにクリスマスソングが流れていた。
照明も、いい感じに点いている。
冬のこの時間に、あったかい店でお茶をするのはなんとなく嬉しかった。
あいぼんはさっき出て行ったお客さんのお皿を下げ、流しに持って行く。
「このオリジナルムースってのもうまいっすね」
アールグレイの二種類のムースが半分ずつお皿にのってて、上からほんのり甘い
クリームソースがかかってた。
飾りはミントの葉とくし型に切って房から出したオレンジで。
なんともオトナな味だ。
「あー、それね。辻がアイディア出して、オイラが形にしたの」
矢口さんはそう答えた。
「ほう。なかなかいいんでない?」
なっちさんがお皿に目を戻して言うと、
「だしょ?辻、将来ソッチのほう行けばいいってマジ思うんだけどなー」
矢口さんは手放しで褒めた。
おお!最大級の賛辞じゃん。のの、カッケー!
「食いしん坊で料理上手かったら向いてるよ。それにサービス精神があれば
もーカンペキよ」
あいぼんが皿を洗う手を止めて、チラッとウチらのほうを見た。
なんかまた考えてんなー。
あれはそういう目だ。
またなんか悩んでなきゃいいけど。
「加護ちゃんは?将来なんかなりたいもんあるかい?」
いきなりなっちさんにフラれ、あいぼんは
「え、ええ?」
明らかに慌ててた。
「あ…ハイ。とりあえずどっかで手に職つけるか食べていけるような資格取って、
早く自活できるようにって考えてます」
「あいぼんカッケー!」
「かぁ〜!オトナだね!」
「や、やめてくださいよ!なっちさんも!よっすぃ〜も!」
「加護!オイラマジ感動したよ!ホラ、さっき焼いたケーキの切れ端やる!食え!」
「切れ端て!まあ、いただきますわ…」
大人たちにからかわれて、かわいそうにあいぼんは真っ赤になった。
618 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/02(金) 21:47

保田と飯田は六本木ヒルズにいた。
正式なオープンは来春らしいが、クリスマスのイルミネーションが施され、公開されていた。
「結構見に来てる人いてるね」
「ん」
飯田はこっそり手をつなぐ。
手を握られた保田は一瞬飯田を見た。
「来年も来ようよ」
「うん」
保田の返事は簡潔だったが、その代わりにぎゅっと握り返した。



「マサオー」
いったん家に帰って着替えを取りに行った柴田は、大谷家のドアを叩いた。
大谷は洗濯機を回して、掃除機をかけているところだった。
「おお、入れよ。家事中だけど」
「うわ。マサオのパンツ干してるの見ながらクリスマス祝うわけ?」
「そこダイレクトに言わなくても。風呂場に干すってば」
「マサオのパンツ見ながらお風呂入るのね」
「いい加減パンツから離れろよ」
30分ばかしたった後、掃除を終え、公約通り(?)見られたらイヤな洗濯物は風呂場に干し、
クリスマス会(柴田命名)の準備を始める。
「ケンタ、結構空いてたよ。予約しなくても買えた」
「まあ、まだ22日だからな」
柴田はここに来る途中で買ったケンタッキーの大きな箱を取り出す。
大谷は自作のケーキをいそいそと冷蔵庫から出してくる。
「うおー。なに?オンナノコみたいなコトしてー」
「オンナノコだもん」
大谷はウィンクをして、しなを作って足をそろえ投げ出すように座る。
それを見て柴田はゲラゲラ笑った。
「さてー、2002年度クリスマス会を始めます。まずは開会宣言を実行委員長のワタクシ柴田あゆみから」
「いよ!待ってました!」
「本日はお日柄もよく。おうちに帰るまでがクリスマス会です。以上です」
「短ッ」
「はい、次はプレゼント交換です」
なぜか『雪や こんこ』と歌いながらプレゼントを回す。
回すと言っても二人しかいないのだが。
619 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/02(金) 21:48


「はい、ここで終わりです」
無事自分の持参したものが回らず、手元にプレゼントが渡る。
「あゆ…これ、なに?」
袋から毛糸で編んだでかい正方形のものを出し、大谷は目を丸くする。
「ん?特大座布団カバー」
「座布団かぁ〜。こりゃやられたな」
「マサオ冷え性じゃん。だから」
「そっか、ありがとな」
大谷は大事そうに袋にプレゼントを戻し、柴田が箱を開けるのを見守る。
「わ」
中から皮製のテディベアーが出てきた。
買ったものではなさそうだ。
「これ、作ったん?」
「おおよ。ほんとにねえ、あゆみに見つかんないように苦労して作ったワケよ」
大谷はオヤジのように言い、自分の肩を自分で揉んだ。
「ありがとう〜!」
『名前はマサオ2号ね』
柴田はそう言って大谷に抱きついた。
620 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/02(金) 21:50
―――ふたたび吉澤視点


家に帰ると、梨華ちゃんが台所でお茶漬けを食べていた。
「あ、おかえりなさい」
「あいぼんは?」
「うん、矢口さんにゴハンおごってもらうらしくって、まだ。ひとみちゃん、ごはんは?」
「なんか適当に食べよっかな」
「待って。ラーメンくらいならできるよ」
「あ、ウチやるよ」
「いいのいいの」
ウチが止めるのも聞かず、梨華ちゃんは支度を始めた。
ぼーっと待ってるのもあれだし、横でちょこちょこ手伝う。
丼をお湯であっためたり、ネギ刻んだり。
「中澤さんも出かけてんだ」
「うん、平家さん迎えに成田行ってる。ごはんも食べてくるって」
「へえ。珍しいね」
「やっぱり思う?」
梨華ちゃんはいたずらっぽく笑った。
平家さんが迎えに行くことはあっても、その逆ってホント珍しい。
「裕ちゃん、口には出さないけど平家さんのこと大事みたい」
「うん」
梨華ちゃんは嬉しそうだ。
ウチも静かに笑って彼女が卵を割ってお鍋に落とすのを見ていた。
「はい、月見ラーメンお待ちどうさま」
「いっただきまーす!」
もうすぐ今年も終わる。
来年の今日も彼女とこうやって過ごせたらいいな、なんて思いながらウチはラーメンをすすった。
621 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/02(金) 21:53
更新しました。

新年明けましておめでとうございます。
今年もこやつらとともによろしくお願いします。(^▽^)(0^〜^0)

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ´ Д `)<ジャスミンティーは〜♪

明けましておめでとうございます。私は紅白ソロ初出場のごっちんに、ごっちんの親でもないのに目頭を
熱くしてました。どうもありがとうございます。今年もマターリやっていきます。

622 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/03(土) 01:31
訂正です。

>>619

無事自分の持参したものが回らず、手元にプレゼントが渡る。

→自分のところには持参したものが回らず、相手の手元にプレゼントが無事渡る。
623 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/03(土) 02:27
かくし芸の娘のイカサマ、逆ギレがめちゃおもしろかったです。毎年恒例になりそう。
(〜#`◇´)<不成立芸人でぇ〜す!!
川#`〜´)||(#・`ー´)(#`▽´)(0#`〜´)( #`D´)( #`д´)川o`-´)∬∬#`▽´)川#`ー´川( #`e´)ゝ+VvV丿从*` 。.´从ノノ〃`-´)从#`,_っ´)<不成立芸人でぇ〜す!!!!!!!
特にこの3人がここまで言うとは…从*` 。.´从ノノ〃`-´)从#`,_っ´)
う〜ん…マコとミキティの怒った顔は難しい。なっちはゆきどんに近い顔文字になるし…

更新お疲れ様です。
柴ちゃんのマサオさんのパンツに対するツッコミが大爆笑でした。
では幸せな夜をお過ごしください。川*σ_σ(`_´*)
624 名前:オガマー 投稿日:2004/01/03(土) 06:06
明けましておめでとうございます。
柴マサきたーーーーーーーーーっ!!!(w
初(;´Д`)ハァハァ はこの小説です(爆
今年も楽しみにしております。頑張ってください!
625 名前:604 投稿日:2004/01/03(土) 14:20
明けましておめでとうございます。メンバー全員の顔文字並んでると、改めて
人数の多さを実感しますね。
626 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/03(土) 20:45
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(〜^◇^)<オイラオチ担当?

『不成立芸人』は私も笑いました。辻の『ミスターかくし芸ってなんですか』とか。
しかし改めて読み返すとなんとも地味なクリスマスですね、柴マサは(w

>オガマーさん
(`_´)<柴マサで初ハァハァするのは、恥ずかしいことではありません

柴マサきました。ここのふたりにとっては初めてのクリスマスだったり。
会場自宅でプレゼントは手作りとなんとも地味ですが(w

>604さん
(0^〜^)ノ<15人カッケー!

おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
歌ってる時とか素直に「多っ」って思います。デビュー時の3倍ですからね。
627 名前:お正月特大号(でもない)顔文字劇場 投稿日:2004/01/03(土) 20:48
・酔い覚まし

♪とーしーのはーじめーの>从 #~∀~从つ〔酒〕

(;^▽^)<もう裕ちゃん、飲みすぎだよー イクラオショウガツダカラッテ

おお梨華かわいいのお!チューしたろチュー!>从 #~3~从^▽^;)ヤダモー

(〜^◇^)<あーあー、もうしょうがねーな、裕子は ←年始回りに来た

矢口もチューしたろ!>从 #~3~从^◇^;)ヤメロッテ

( `◇´)<姐さんもーやめなはれ

( `.3´)<ホホ!なんなら裕ちゃんアタシとみっちゃんがチューしてあげるわよ?

从 #~∀~从<あ、今のふたりので一気に酔い醒めた

煤i;`◇´)煤i;`.∀´)
628 名前:その2 投稿日:2004/01/03(土) 20:49
・羨望


健康ランドに出かけたアヤカと飯田…


((川‘.▽‘)|| ((川‘〜‘)||

脱衣所にて

川‘〜‘)||←恥ずかしいので隠しながら脱いでいる

川‘.▽‘)||<……

川*‘.▽‘)||<(…わー)

(…こんな綺麗な裸が毎日見れるんだー)>川*‘.▽‘)||  ((川‘〜‘)||

                    ムキー!
(圭ちゃんのクセにナマイキよ!)>川+`.▽´)||=3  ||(‘〜‘;川<?
629 名前:その3 投稿日:2004/01/03(土) 20:51
・諦観

川σ_σ||<ねーちゃん

(−Θ ΔΘ)<なんじゃ ←実家で仕事中

川σ_σ||<おかーさん出かけるから夕飯は出前取れって

(−Θ ΔΘ)<出前なんてもったいない。ねーちゃんが作っちゃる

川;σ_σ||<いやマジ勘弁してくださいって

(−Θ ΔΘ)<まあまあ

それから1時間後…

   ズルズルズル
川σ_σ||<……

   モグモグモグ
(−Θ ΔΘ)

川σ_σ||<ねーちゃん

(−Θ ΔΘ)<なんじゃ

川σ_σ||<出前のラーメンっておいしいね

(−Θ ΔΘ)<うん
630 名前:その4 投稿日:2004/01/03(土) 20:52
・初夢


(((0^〜^)((( `.∀´)

煤i0^〜^)(((;`.∀´)<あ!

ノ(;0^〜^)ノ ジャボーン!

  ザッバーン
(^▽^)

(^▽^)<あなたが落としたのは、綺麗な保田さんですか。そうでない保田さんですか。

(;0^〜^)<へ?そうでない保田さんですけど?

(^▽^)つ(`.∀´)<あなたは正直な人です。ごほうびにこの綺麗な保田さんをあげましょう

(;0^〜^)<見た目変化ないんスけど…

つ<;`.∀´)<ゴルァ吉澤ァ!覚えてなさいよ!←そうでない保田さん


………………………………………………………………………………………………………………………
               チョイチョイ
(本物かな?)>(;0^〜^)つ(`.∀´;)ナニヨ!
631 名前:その5 投稿日:2004/01/03(土) 20:54
・大人の階段


中澤家風呂場脱衣所にて

(0^〜^)<♪〜
 
ガチャッ
( ‘д‘) 

(  ゜д゜) 

(; ゜д゜)<ギャー!キタナーイ!

(+0^〜^)<オイ!キタナイッテ!

(;^▽^)<なにごと?

( ;д⊂<うっっ、うっう… ←年頃の娘には相当ショックだったらしい

(+0^〜^)ノ<勝手にヒトのハダカ見といてキタナイはねーだろー!ナキタイノハウチダッチューノ!

从 #~∀~从<まあまあ、加護。裕ちゃんの女ざかりのハダカみて相殺ってことでどないや?

(  ゜д゜) 

(;^▽^)<…あいぼん?あいぼん!!
632 名前:その6 投稿日:2004/01/03(土) 20:57
・楽しい夕餉


川‘〜‘)||<後藤はお肉嫌いなんだっけ

( ´ Д `)<んあ、お魚のほうがスキ ←ごはんをよばれに来た

川‘〜‘)||<了解 

( ´ Д `)<なんか圭ちゃんも留守なのに悪いねえ、ごちそーになって

川‘〜‘)||<ううん、ひとりだと寂しいし、いいよ

( ´ Д `)<カオリは圭ちゃんのドコ好き?

川*‘〜‘)||<え、何?急に…

( ´ Д `)<なんとなく

川*‘〜‘)||<そうね…頼れるトコかな ホカニモアルケド

( ´ Д `)<ほほう。なるへそ

川*‘〜‘)||<後藤は?好きな人いるの?

( ´ Д `)<……

( ´ Д `)<……わかんない

川‘〜‘)||<そっか


何か手伝うよ>( ´ Д `)||(‘〜‘川<ありがと。圭ちゃんよりずっと役に立つよ
633 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/04(日) 00:39
カレンダー
( ^▽^)<ひとみちゃんの三つ編みかわいいね。
(0^〜^)<梨華ちゃんも頭にのってるものがお姫様みたいでかわいいYO!
ひとみちゃんの方がかわいいよ。>( ^▽^)(^〜^O)<梨華ちゃんの方がかわいいYO!
はいはい。わかりましたから。>从 `,_っ´)ノ(((( ^▽^)(^〜^O))))
1,2月はのの達れすから。>( ´D`)ノ从 `,_っ´)ノ(((( ^▽^)(^〜^O))))
さっさとひっこむべさ。>(・´ー`)ノ( ´D`)ノ从 `,_っ´)ノ(((( ^▽^)(^〜^O))))

更新お疲れ様です。
ひ〜ちゃんの初夢は何か不吉な予感がします。
にしても、あいぼん大丈夫かな?梨華ちゃんはひ〜ちゃんのを毎晩見てるのにね。
634 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/05(月) 00:58
「…すっごーい」
飯田は歓声を上げる。

保田が予約してたラブホテルにチェックインして、部屋のドアを開けたらシンプルながらも
豪華な内装だった。
「どうぞ、姫」
手を取り気取ってエスコートしようとする保田。
澄ましてはいるが目が笑っているので、飯田も笑って『ありがとう』と澄まして手を差し出した。
「キレイな部屋だねえ」
ソファに座り、飯田は天井を見上げる。
「うん、色々みんなに聞いて予約取ったし」
「へえ、そうなんだー」
立ち上がってベッドの端にちょこんと腰かける。
その様が可愛くて、保田は思わず頬を緩ませた。
「ねえ」
「何?」
「おフロ、入ろっか」
ニッコリ笑う飯田につられて、保田はコクコク頷く。


「あれー」
市井は携帯から保田に電話をかけていた。
後藤と朝いったん別れてから夜待ち合わせ、バーで飲んでいた。
『電波が届かないところにおられるか、電源を切っておられます』
というアナウンスが流れ、すぐに切る。
特に急ぐ用でもなかったので、メールを送ることにする。
「圭ちゃん出ないの?」
メールを打つのを後藤が横から覗き込む。
「ああ、電源切るくらい頑張ってんだな」
くすっと市井は笑った。
「やれやれ。あの圭ちゃんがメロメロになるよーな彼女が出来るとはなー」
バーボンのグラスを呷って、市井は言う。
「んあ、圭ちゃんの女かんけーって長年のナゾだったんだけどね」
「けっこーモテてんだぜ、コクられて付き合ったことも何回かあるし」
「へえ〜」
「長続きはしてねーみたいだけど」
「アヤカちゃんとはどういう知り合いだったの?」
「ああ、飲み友達」
「ふう〜ん」
後藤は自分のグラスをじっと見つめて、考え込んでいた。
「あのさ」
「うん」
「カオリが前言ってたんだけど、カオリはずっと圭ちゃんのこと好きだったらしいのね」
「ああ」
「圭ちゃんの好みって自分の腕の中にすっぽりおさまるくらい華奢で小さい子だと
思ってたらしくって、カオリはデカイからっていう理由もあって躊躇してたんだって」
「はは、そうなんか?」
市井は苦笑する。
635 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/05(月) 01:00

「圭ちゃんの彼女ってどんな子だったん?ごとー、全然知らないんだけど」
「う〜ん…言っていいのか。本命だけ知ってるけど、すっげーカワイイ子。ちっちゃくて。
この界隈のバンドやってる連中の間では有名な追っかけの子でさ」
「追っかけ?圭ちゃんが?」
追っかけの子と付き合ってたのか、という意味で後藤は驚く。目を見開いて。
「マジボレだったみてーだよ。圭ちゃん、大学の同級生と付き合ってたから、すんげー悩んだみてー」
「うっわ〜…なるほど。『本命』ね…」
「同級生の子とはめちゃめちゃむこーから押されて付き合ってたみたいだし」
「圭ちゃん、押しに弱いの?」
「人肌恋しかったんじゃねえの?」
「いちーちゃんじゃあるまいし」
市井はブツブツと小声で文句を言った。
後藤は構わずジントニックのおかわりを頼む。
後藤の横顔を見て市井は続けた。
「圭ちゃん、高校んとき近所の幼なじみの男が好きで初体験もくれてやったんだって。
ところが速攻失恋して、その初体験も結構トラウマな思い出らしくって、その男と顔合わすのイヤだし
東京出たかったから大学こっちのほう受けたっつってた」
「そう…」
「トラウマを忘れたかったのもあるんじゃねーの、特に好きでもない子と付き合ったのって」
「カオリは知ってるの、昔の彼女とかトラウマとか」
「まあ、知ってんじゃねーの。現彼女だし」
「ふうん…」
「無事大学に入った圭ちゃんは、ジャズバンドを始めます。
そこでサックス吹きの男と知り合います。
いいな、と思って付き合いました。で、寝ました。
ところがそのサックス吹きはさっき言った圭ちゃんの本命のオンナノコとも関係を持ってました。
あとで知った圭ちゃんはかなりショックを受けました」
「…泥沼じゃん」
「おおよ」
「さっきの同級生のオンナノコってのは?」
「もうその頃には終わってたと思うよ?なんか相手が『本命』に勘付いたらしくって」
後藤はまた考え込んだ。
636 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/05(月) 01:02
「その男とはバンドのみの付き合いって割り切って吹っ切ったみたいだけど、
相当ツラかったみてー。なんせ、ライバルは自分の本命のコだしさあ」
「そうだね…」
後藤はそう言って、すぐ
「あ、でも。その追っかけのコと付き合ってんじゃ…」
思い返した。
「そ。そのあと向こうからコクられて期間限定で付き合ってた」
「期間限定?」
「5日間だけってので」
「…は?」
「5日間うまくいったらそのまま、うまくいかなかったらジ・エンド」
「5日でそんな分かんの?」
「知らねーよ。そういう条件出されて付き合ってたんだからさあ」
「うまくいかなかったんだね」
市井の言葉にかぶせるように後藤は言った。
「そ。捨てられたんだって。『卑怯者』って」
「んあ〜…そうなんか〜」
自分の知らない保田を垣間見て、後藤は思わずためいきをつく。
「ごとー、圭ちゃんと結構前に知り合ったのに、ぜんっぜん知らなかった…」
「まあ、おめーには言わんと思うよ」
「なんでさ」
「圭ちゃんはおめーの前ではカッコつけてーんだよ。おめーの前では
『カッコいいおねえちゃん』でいたいの。分かる?」
「わかんない」
「アタシもかなり酒入ったときに聞いたくらいだから、まあそういう機会がなかったら
今も知らないままかもだし」
「うん…」
「気にすんな」
市井はタバコをくわえ、後藤の頭をがしがし撫でた。
「アヤカちゃんは知ってんの?」
「さあなー。圭ちゃんが冗談半分とかで話したかもしれんけど、
アヤカもバンドやってたから噂は耳にしてるかもな」
「…うん」
「なんだ、シケたツラして」
「なんでもないよ」
「『かわいい妹』でいてやれよ、おねーちゃんのために」
「妹?」
「そ」
「そっか…」
後藤は市井のグラスを手にし、バーボンを喉に流し込んだ。
637 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/05(月) 01:06
更新しました。

…>( ´ Д `)つ□ ヽ^∀^ノy−~~


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(;`.∀´)<吉澤本人から話を聞いた時は脱力したわよ!後藤たちは爆笑だったけどね!

(*^▽^)<ま、毎晩は見てませ〜ん…キャッ!

ひーちゃん初夢は昔『ドラえもん』で読んだネタからです(笑)。確か『きこりの泉』とかいうタイトルですた。
ドラえもんの方では綺麗なジャイアンが出てくるんですが。あいぼんはようやく立ち直ったようです(笑)。
638 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/05(月) 01:09
・それすらも日々の果て


よっすぃ〜、カルピスあげるのれす>( ´D`)つ□ と(^〜^0)<おお、さ〜んきゅ〜!

(0^〜^□ゝゴクゴク

(0^〜^□ゝ<…

(;0゚ 〜゚□ゝブハーッ! ←米のとぎ汁に砂糖少々

コラー!ののー!>(+0^〜^)ノ   三三(;´D`)


もう〜!あいぼん!>(;^▽^)つ□←コーラトイツワッタショウユ    三三( ‘д‘)


まったくエエ年して…>从 #~∀~从 (`◇´ )<まあまあ。エエがな、エエがな
639 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/05(月) 01:20
海やね。このヤッスーは。
なんか、生活排水やら工業排水やらも受け入れて、
それでも生命を育んでいる、みたいな。

思わす「魅せられて」を歌ったシーン、読み返してきました。
640 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/05(月) 03:33
更新お疲れ様です。
まさか圭ちゃんにこんな過去があったとは!でも圭ちゃんは小説でも実物もすご〜く綺麗でいい女ですよ。

僕も覚えてますよ。いいジャイアンが「ドラえもん君、のびた君。一緒に学校に行こう。」てすごくおもしろかったです。だから圭ちゃんは、
( `.∀´)<じゃあ市井さん、後藤さん、吉澤さん、アヤカさん。練習を始めましょう。
ヽ;^∀^ノ(;´ Д `)(0;^〜^)川;´.▽`)||<…

でももしこんな初夢だったらどうなったでしょうね?
(((0^〜^)((( ^▽^)

煤i0^〜^)(((;^▽^)<あ!

ノ(;0^〜^)ノ ジャボーン!

  ザッバーン
(´ Д `)

(´ Д `)<んあ、あなたが落としたのは、白い梨華ちゃん?黒い梨華ちゃん?

(;0^〜^)<へ?黒い梨華ちゃんですけど?

(´ Д `)つ(^▽^白)<んあ、あなたは正直だね。ごほうびにこの白い梨華ちゃんをあげる

(;0^〜^)<え…白い梨華ちゃん?

つ<(T▽T黒)<いや〜!ひとみちゃ〜ん!

……………………………………………………………………………………………
                       チョイチョイ
(やっぱ黒い梨華ちゃんの方がいいな>(;0^〜^)つ(^▽^*)<ヤダ、アサカラドウシタノ?
641 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 21:48
12月23日―――

柴田は朝食を食べてから大谷に送られて駅まで出た。
「んじゃ、次はクリスマス終わってからだね」
「おお、元気でな」
「マサオ2号ありがとね」
柴田は手に持ったカバンを軽く叩いた。
大谷も頷いて笑う。
「じゃ」
柴田が改札を通って姿が見えなくなるまで見送る。
大谷はそのまま、食料品の買出しのためスーパーに向かった。


「ののー、こっち早く片付けなさいよー」
「わかってるれすー。おねーちゃんも手伝ってよー!」
辻は朝から大掃除だった。
25日は紺野が家に来るので、それまでに彼女が泊まれるようなスペースを
作っておかなければならない。
ばたばたと掃除機をかけ、大きなカバンにつまずきそうになったりした。


「やれやれ、三連休最後の日か。どっこも行くあてねーけどなあ」
小川は休日にしては早く目が覚めたので、なんとなく散歩に出かけた。
「あーあ、ヒマだなー」
てくてく歩いて、駅まで向かった。
642 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 21:51
紺野はホームステイ協会のクリスマスパーティーに参加していた。
高橋を人ごみの中見つけ、『愛ちゃん』と声をかける。
「わあ、あさ美ちゃん大人っぽい格好だねえ」
紺野はクリーム色のちょっとフォーマルなツーピースを着ていた。
ワンピースの上に揃いのボレロを羽織り、母に借りた真珠のネックレスをつけた。
高橋も黒いノースリーブのワンピースと大人っぽい格好だった。
首もとのラインストーンのついたチョーカーを、指で触れてしきりに気にしている。
「愛ちゃんも…綺麗だよ」
紺野は眩しそうに目を細めた。
「わあ、おだててもなんにも出んて!」
高橋は照れて真っ赤になり、紺野をばしばし叩く。

パーティーはそれなりに盛況だった。
紺野は踊りませんかとか、どこから来たのとか何人かの男女に声をかけられたが、
食べるのに一生懸命でそれどころではなかった。
高橋も同様だったが、彼女があまりにも早口なので会話についていけず挑戦者は
次々リタイアしていた。
「あさ美ちゃん、あんまし食べたらお腹こわすがし」
高橋は食べるのに必死な後姿に声をかける。
「だって…日本食久しぶりだもん」
握り寿司のようなものもテーブルに並んでいたので、紺野は我を忘れてしまったのだ。
「服が苦しくなるって。せっかくええ服着せてもうたのに」
「そうだね…」
紺野はとても名残惜しく、まだ余ってる寿司に悲しそうな視線を注いだ。
643 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 21:59
「ああ、ここはひゃっこくてエエなあ」
会場を抜けて、廊下にふたりは出た。
会場の熱気がすごかったので、少し涼みたかったのだ。
「あさ美ちゃんなあ」
「うん?」
「好きな人おる言うたやろ」
いきなりの質問に、紺野は目を丸くする。
「うん…」
「どないな人?」
高橋の目を、紺野は見られなかった。
小川と出会う前だったら、『愛ちゃんだよ』って言えただろうか。
『もしこうだったら』って仮定をするのはあまり意味がない。
紺野は小さくためいきをつき、
「愛ちゃんは…好きなひといるの?」
小さな声で聞いた。
「あっし?おるよ、今も付き合っちょる」
紺野は思わず顔を上げた。
「…誰?」
「ああ、あさ美ちゃんは知らんと思うわ。
あっし、去年ロンドンに短期で語学留学したんよ。
そんとき知り合った日本人の子」
「…そっか」
後悔と解放感。安堵と寂寥。
色んな感情が紺野を襲う。

その後高橋と何を話したかは覚えていない。
うわの空で話しながら、幼い恋が終わったことを何故か冷静な気持ちで悟っていた。
644 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:03
12月24日。クリスマスイブ当日―――

『ありえないくらい忙しいんだけど』
保田は朝からキリキリ働いていた。
今日は残業確定だろう。
『カオリがヘソを曲げないくらいに終わればいいんだけど…』
端末を打ち込んでいると、
「すいませーん、これ別納郵便で」
大量に郵便物を持った客がやって来、
「はい、どうぞ」
気持ちを切り替え、保田は笑顔で受け取った。

「おや、ご馳走の買出しか」
飯田は聞きなれた声に振り向く。
裕子がカートを押して、ニヤニヤしていた。
スーパーの店内はクリスマスソングが賑やかに流れている。
「ああ、圭ちゃんとちょっとだけお祝いしようって言ってるから」
飯田のカートにはかなりの食品が入っていた。
「まったく仲がよろしいこって」
「裕ちゃんだって、みっちゃんとラブラブじゃん」
飯田は赤くなり、裕子を肘で小突く。
「ちょっとだけ言うワリにはえらいようさん買わはるねんなあ」
裕子はまたニヤニヤ笑う。
「だって、あのひとほっとくとロクなもの食べないんだもん。
ここんとこお正月が近いから仕事忙しいし、せめてごはんだけでもって」
「すっかり世話女房やなあ」
しみじみ言い、裕子は
「ほなな」
と違う売り場に向かった。
「イシカワによろしくね」
「おう」
裕子は軽く手を挙げた。



645 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:05
「はあ、まったく」
吉澤は浮かない気持ちで商店街を歩いていた。
さっき、雑貨屋で梨華に似合いそうなピアスを見つけたが微妙にお金が足りない。
『はあ、もっとお金持ちだったらなあ』
そんなことを考えながら、バイトに入る。

『まったく昼ごはんが食べれただけでも奇跡だわ。去年はバイトの子が急に倒れて
晩まで何も食べれなかったし』
パンをかじりながら、保田は思い出にひたる。
携帯にメールが届く。
『( ´D`)<オバチャンは飯田さんとクリスマスなんだね。おみやげはお酒でいい?』
小さく噴きだして、
『( `.∀´)<そうよ!おみやげなんて気にしなくていいわよ!自分の好きなものを買いなさい!気をつけて
帰ってくんのよ!』
と返事を送る。
と思ったらまた来た。
『川o・-・)<ホームステイ協会のパーティーがありました。お寿司をいっぱい食べました。よいクリスマスをお過ごしください』
『(;`.∀´)<おなかこわさないようにね。楽しいクリスマスをね!』
『ヽ^∀^ノ<よ!エロ大臣!今日は何連戦?』
『(+ `.∀´)<殺ス』
『( ´ Д `)<圭ちゃん、カオリに『火垂るの墓』のビデオ返してってゆっといてー』
『(;`.∀´)<(なんでアタシに言うかね…)
         アタシもまだ『アイズ・ワイド・シャット』返してもらってないのよ』
『(0^〜^)<大晦日は猪木ボンバイエあるそうっすよ!』
『(;`.∀´)<アタシ格闘技は特に…でも、情報アリガト』
『( ゜皿 ゜)<ケーキハチョコ?イチゴ?』
『(;`.∀´)<いや、アンタの好きなんでいいから(てかなんで交信バージョン?)』

「…だああ〜!律儀にメール返してたら昼休み終わりかけじゃん!」
保田は大慌てでパンを口に詰め込んだ。
646 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:07
加護がバイトを終え中澤家に戻ると、かなりのご馳走がテーブルに並んでいた。
「うお!すごいですやん!」
「おお、早かったな。手ェ洗ってき。冷めんうちに食べ」
裕子はエプロンで手を拭いて、加護の頭を撫でる。
「つーか、これ明らかに500円越えてますやん」
中澤家の夕食は、下宿人は一食500円である。
加護はちょっと申し訳なさそうに言った。
「子供はそんなん気にせんでエエ、ハラいっぱい食べな大きいなれんぞ」
「そうよ、あいぼん。ほら、手洗ってきて」
梨華にもそう言われ、加護は小さく頷いた。


―――アベ楽器店

「ありがとうございましたー」
最後の客が帰って行く。
大事そうにギターケースを抱えて。
彼女にプレゼントするのだという。
うまくいくといいな、と思いながら吉澤は見送った。
「よっすぃ〜、ちょっとこっち」
「なんスか」
安倍に手招きされ、吉澤はてくてく近づいて行く。
「ハイ」
手渡されたのは、『大入り』と思い切り手書きな封筒だった。
「少ないけどね、特別手当てという名のボーナス?今年一年ご苦労様でした」
「え、あ、いやそんな…」
「ほんとに気持ちだよ?そんな恐縮されるとなっち、逆に恥ずかしくなるっしょ」
安倍は赤くなって笑いながら、ぶんぶん手を振った。

マフラーを翻し、息を弾ませて吉澤は走る。
目当てのピアスを買おうと雑貨屋に閉店ギリギリで飛び込むと、すでにそのピアスはなかった。
店員に聞いてみると、さっき売れたばかりだと申し訳なさそうに言われる。
吉澤は笑って頭を下げ、店を後にする。
647 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:08

「はあ…どうしよっかな」
取り置きでも頼んでおけばよかったな、と今更ながら思う。
夜道をとぼとぼと歩いて行くと、ふと露天のアクセサリーが目に入った。
「うおー…カッケー」
かなり凝ったシルバーアクセで、かなり自分好みだった。
しかもハンドメイドっぽい。
吉澤はしばらくそれに見入っていた。
「…あ」
その中のひとつに、ペアのピアスがあった。
『これ…!梨華ちゃんでもできる!そんなゴツくないし!』
吉澤は目を輝かせ、
「あ、あのー。コノピアスイクラデスカー?」
アヤしい日本語で店主に値段交渉を始める。
「あの、おねーさん。オレおもきし日本人なんだけど」
「ひゃ、スミマセン…」
「いや、よく間違われるから」
店主の若い男は苦笑した。
「このピアスね、ペアで6800円」
「6800円スか…」
払えないことはないが、結構ふところが傷む値段ではある。
吉澤はアゴに手を当てて考えた。
「5000円くらいなら払える?」
「え…?」
「おねーさん美人だし、今日はイブだから5000円でいいよ。そのかし袋とかはないよ」
「いいんスか?」
「はい、毎度あり」
男は吉澤の手にピアスを握らせた。
648 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:09
「チキンの丸焼きなんて、アメリカ人みたいやなあ」
加護は感心したように言う。
料理の本を見ながら、梨華が2日がかりで作った。
「鶏肉ならひとみちゃんも食べられるしね」
梨華は嬉しそうに壁時計を見上げた。
そろそろ吉澤が帰ってくる頃だ。
「たっでーまー。クリスマスかっけー!」
よく分からない帰宅挨拶である。
とりあえず、吉澤の脳内ではおめでたいことらしい。
「ひとみちゃん、おかえりなさい!」
「メリークリスマス!」
「きゃあ」
梨華が小さく声を上げる。
吉澤は玄関先で天井に向けてクラッカーを鳴らした。
「コラー!ちゃんと掃除せいよ!」
裕子は口では怒っているが、顔は笑っている。
「うっまそ〜!」
立ったままつまみ食いをし、吉澤はまた裕子に怒られた。

「圭ちゃん遅いな…」
飯田はテーブルにつっぷして、保田の帰りを待っていた。
さっき、
『ごめん!あと2時間はかかりそう!先食べてて』
というメールが届いた。
プレゼントの小箱を大事そうに撫でて、飯田は目を閉じた。
649 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:10

吉澤は自室でごそごそと着替え、先に眠った梨華の枕元に立つ。
「メリークリスマス…ホーホーホー」
「ひとみちゃん?」
あっさり目を覚まされてしまい、吉澤は飛び上がる。
ライブの時のサンタの服を着、つけひげまで入手し、なりきっていた。
「サンタさん?」
目をこすって、梨華は起き上がった。
「そうそう!サンタざます!よいこの梨華ちゃんにプレゼント!」
吉澤はさっき大急ぎで包んだ紙の包みを手渡した。
梨華はゆっくり丁寧に包装を開ける。
「…ピアス?」
「そ。ホラ、ココ注目」
吉澤は自分の耳元を見せる。
微妙に違うデザインのピアスが光っていた。
「おそろいなんだね…」
「そ。かっけーっしょ?」
「うん、かっけー」
梨華は吉澤の両手を握って、微笑んだ。

「あいぼんはもうおやすみの時間かなー」
『すぐに戻るよ』と梨華に言い、吉澤は加護の部屋の前に来た。
ドアに手をかけるともうカギがかかっている。
「…しゃーねーなあ。ドアノブにでもかけとくか」
「…なんやの?」
すぐドアが開いて、眠そうな加護が出てくる。
上から下まで吉澤のサンタの格好をじーっと視線を往復させて見、
「…どしたん、自分」
冷ややかに言い放った。
「なんだよお〜、ちっとはノってくれよ〜。ひーちゃんさびしッ」
「…わー、サンタさんだー」
吉澤は涙目で加護の両肩を掴む。
「サンタさんだー、わーい」
加護は思い切り棒読みで言い、
「ほなな」
とドアを閉めようとした。
「あ、ちょい待ち!」
「なんやの、サンタさんはプレゼント配るんで忙しいんやないんかい」
「あいぼんにも」
これまたさっき大急ぎで包んだ包みを渡す。
「なんやの?」
「欲しいって言ってたCD。やる」
「わあ」
加護は小さく驚き、
「サンタは日本語しゃべんねんなあ」
ニヤっと笑って吉澤に抱きついた。
650 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:14

保田は郵便局を出ると、腕時計を見ながら猛ダッシュで帰宅した。
「カオリ怒ってるかな〜」
電話をかけても出なかったので、少し拗ねているのかもしれない。
『今日ばかりは拗ねられても仕方ないしなあ』
付き合い始めて初めてのイブなので、保田は焦っていた。
それに今日は、飯田に必ず伝えたいことがある。
今日言わなければダメになるわけでもないが、今日が絶好のチャンスなのだ。
保田はマフラーを巻き直し、夜道を急いだ。

「たっだいまー」
帰ってきても、返事がない。
「カオリ?」
キッチンに行くと、待ちくたびれたのか飯田はテーブルに顔をふせて眠っていた。
「あ、おかえり…ごめん、寝てた」
少したって、ぼうっとした様子で起き上がった。
「いや、こっちこそごめん。食べずに待っててくれたんだね」
テーブルの上の料理を見て、保田は言った。
「作りながらちょこちょこ食べたから大丈夫。それより、圭ちゃんこそおなか空いたっしょ」
「うん」
コートを脱いで、保田は着替えに行くついでにクローゼット隠してるプレゼントを取りに行った。
651 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:17
食事のあと、飯田が
「ハイ」
と小さな包みを差し出した。水色の包装紙で銀の細いリボンがかかっていた。
「おお。開けていい?」
頷くのを見てから開けてみる。
中には、ブルートパーズの指輪が入っていた。
「指輪?」
「うん。カオね、アクセサリー教室に通って一生懸命作ったんだよ。
圭ちゃんに誰も持ってないようなたったひとつのものあげたくて」
「…そっか。じゃ、アタシも」
保田は紙袋を持ち上げ、ごそごそと中から出す。
「これは欲しがってたストール」
デパートの包みを先に渡す。
「こっちは」
「まだあるの?なんか悪いね」
保田はそれには答えず、ワインの瓶を出した。
「こっちは、アンタの生まれ年のワイン。ちょうど飲み頃よ。で、こっちは今年の。
まだ飲むには若いわ。
…こっちは20年後の今日にまた飲もう」
「え?」
「…アタシが何を言いたいのか分かるわね?」
ふたりはしばらく見合っていた。
「ハハ、やっぱ指輪とか用意すればよかったのかしらね」
保田はコーヒーを飲んで苦笑する。
飯田が何も言わないので、内心ヒヤヒヤものだった。
「…いいの?」
飯田はしばらくして口を開いた。
「いいも何も、ねえ。
…結婚してください」
「『してください』なの?」
「ああ〜!なんて言えばいいのよ!」
「圭ちゃんが思ったように言ってよ」
「カオリが好きでしょうがないのよ!」
「なんで怒んの?」
「自分でじれったくてしょうがないからよ、アンタのせいじゃな…モガガ」
保田は強く抱きしめられ、唇を塞がれる。
「カオに一生ついてきてね」
唇を離したあと、飯田は言った。
「ついてくのかよ」
保田は苦笑いしていたが、
「分かった」
もう一度、今度は自分から口づけた。
652 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:20
( `.3´)<ホホ!オチ隠しよ!
653 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/11(日) 22:26
(0^〜^)<オエッ



(+ `.∀´)ニ〇)T〜T)ノ
654 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/11(日) 22:27
更新しました。

レスのお礼です。

>639の名無し読者さん
( `.∀´)<アラ!カッコいい意見だわ!

(0^〜^)ノ<オットナー!カッケー!

読んで「う〜む」とうなりますた。大人なご意見ありがとうございます。
>思わす「魅せられて」を歌ったシーン、読み返してきました。
私も思わず読み返してしまいますた(w どうもです。

>ヨッスィのタマゴさん
川*‘〜‘)||<圭ちゃんが綺麗なのはカオだけが知ってたらいいもん…

(*`.∀´)<なに言ってんの…(←まんざらでもない)

色んな過去を乗り越えて今のヤッスーがあるのです。
今回彼女はある重大決意をしますた。
655 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/11(日) 23:54
あとから気づいたんですが…
♪とーしーのはーじめーの>从 #~∀~从つ〔酒〕
おお梨華かわいいのお!チューしたろチュー!>从 #~3~从^▽^;)ヤダモー
矢口もチューしたろ!>从 #~3~从^◇^;)ヤメロッテ
(;0^〜^)<似てるなあ.。oO(ひとみちゃん、愛を確かめ合おうね>(*^3^)´〜`*)<ちょっ…梨華ちゃ…んんっ)
海の家より、梨華ちゃんビール500mlを10本飲んでひ〜ちゃんを押し倒す場面
結構この姉妹、似てますよね。

更新お疲れ様です。
( ´д`)<わ〜さんたさんだ〜。ネムイ
(0^〜^)ノ◎<欲しがってたCDやる。
(*‘ д‘)ノ◎<わあ…
サンタは日本語しゃべんねんなあ>( ^д^)^〜^O;)<ゲンキンナヤツ
なんだかんだ言っても、あいぼんはひ〜ちゃんが大好きなんですね。
656 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/12(月) 05:24
( ´D`)<続けてすいません。肝心なこと忘れたのれす。オバチャン、飯田さんよかったれすね。幸せになってね。
657 名前:匿名匿名希望 投稿日:2004/01/12(月) 11:55
更新お疲れ様です。

(*´Д`)<んぁ、圭ちゃんにチューハイプレゼントするよ。
  つ日

ほくほくです。
ニヤニヤです。
圭ちゃんカッケ−なぁ。

658 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/12(月) 12:12
やばい・・・
この話の登場人物大好きです。読んでいて思わず涙が・・・
ほんと皆幸せになってほしいです。
659 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/12(月) 13:10
圭ちゃんとカオリが今回が初二人だけのイヴとは…
最初からずっと読んでいるはずなのに
読んでてここが一番驚いてしまいました
それにしては醸し出す雰囲気が…


(+ `.∀´)<はっきりいいなさいよ!
660 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/13(火) 21:09
明けて25日。クリスマスの朝。

紺野は公衆電話から日本の小川に電話をかけた。
『よう、ヒサシブリだなー』
そんなにたっていないのに、声を聞いてひどく懐かしく感じる。
「ごめんなさい、朝早くに」
『いいっていいって。クラブも昼からだしよ』
小川は屈託なく笑った。
「あの…小川さん」
『あ?』
「あたし…失恋したようです。愛ちゃん、付き合ってる人がいるって…」
電話の向こうの小川はしばらく無言だった。
少しして
『…そっか』
とだけ返ってくる。
『その、アタシが言うのもなんだけどさ、元気出せよな。
そうだ、またラーメン食べに行こうぜ。
言ってたマンガも貸してやるからさあ』
明るく振る舞って自分を元気づけようとしてくれるのが分かる。
紺野は胸が詰まった。
「はい…ありがとうございます」
『またモノマネも見せちゃる』
「はい…ありがとうございます、五郎さん」
『純、ほたーる。父さんは…オイ!何やらすんだよ!』
五郎調で喋っていたかと思うと即ツッコミ。
ゲラゲラ笑う小川につられて、紺野もくすくす笑う。
『おめー、辻ちゃんと会うんだろ?』
「ハイ、今日お家のクリスマスパーティーにご招待して頂いております。これから伺います」
『そっか。辻ちゃんによろしくな』
「ええ。小川さんもお元気で」
受話器をかけて、紺野はホウッとためいきをついた。
『あたし、イヤな子だなあ…』
ちょっと自己嫌悪する。
高橋に直接自分の気持ちを伝えたわけでもないのに、彼女に恋人がいてホッとしてる。
まったくウソをついたわけでもないが、小川に対して後ろめたい気持ちがあるのは確かだった。
小川は優しい。
その気持ちにずるずる甘えてる。
『強く…ならなきゃ』
紺野は電話ボックスのドアを押して、辻との待ち合わせの駅に向かった。
661 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/13(火) 21:11

辻は姉と一緒に車で迎えに来てくれた。
「お父さんもお母さんもあさ美ちゃんが来るの、楽しみにしてるれす」
辻は車内ではしゃいでいる。
辻の姉は
「この子、あほみたいに食べるでしょう?」
とハンドルを握りながら、あきれて笑う。
「もー、おねーちゃんはー!のの、これでもちょっとやせたれすよ!」
後部座席で紺野は、微笑ましくその様子を見ていた。

「こんにちは。今日はお招き頂いてありがとうございます」
紺野は玄関先で辻の両親に深々とお辞儀した。
「まあ、可愛らしいお嬢さんね。
いつも希美がお世話になってます」
辻の母は中に入るように、促がす。
「いえ、わたくしこそ。転入してから希美さんにはお世話になりっぱなしです」
「いやれすよ、照れるれすよ」
おばさんのように、辻は赤くなって手を振った。
それが本当にオバチャンのようだったので、みんな声を上げて笑った。

「あさ美ちゃんのお洋服、かわいいのれす」
ご馳走をさんざん詰め込んで、コーヒーで一服してる時、辻は紺野のノースリーブのワンピースを褒めた。
「そう…ですか。従姉のおさがりなんですが」
薄いライムに近いグリーンの、体にフィットした感じの服だった。
前髪をかなり左側で分けてワックスをつけ、すそは軽くハネさせた。
「学校のみんなが見たら、またファンが増えるれす〜♪」
ソファに腰かけ、辻は楽しそうに足をばたばたさせる。
「辻さんこそ…加護さんが見たらきっと危機感を抱きますよ」
「なんでれすか?」
辻は本当に分かっていないようだった。
きょとんと紺野を見ている。
彼女は今日は髪を下ろし、バーバリーのブルーレーベルの服を着ていた。
母か姉にしてもらったのか、うっすら化粧もしている。
「いえ…完璧です」
『…本当に分かってない。加護さんが今の辻さんを見たら、きっと嫉妬に苦しむわ』
ライバルが多そうで大変ですね、と紺野は加護に心の中で言って苦笑した。
662 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/13(火) 21:12
「こんちはー」
クラブから帰った小川は、家で着替えたあとすぐ新垣の家に行った。
新垣の母に手作りのクリスマスケーキを食べさせてもらうのだ。
「ああ、まこっちゃん!ちょーどいいトコに来た!」
エプロン姿の新垣が、大きなステンレスのボールを抱えて出てきた。
またケーキを作るのか、薄黄色の甘い匂いのするタネが手にした泡立て器にくっついている。
「あれ?また焼いてんの?」
「今度はお正月のお客さん用!ママ、張り切っちゃって」
台所には、小麦粉やらバターやらが広がっていた。
すでにオーブンからは香ばしい匂いがしている。
「今日食べるのもさ、まだ仕上げとかしてないのよ。
ママ材料足りなくて買物行ってるから、まこっちゃん好きに飾りつけてよ」
「マジ?いいの?」
小川は腕まくりし、大張り切りでクリームを泡立てた。
「あんまり泡立てたらダマになるからね。塗る用はちょっと控え目にね」
「へいへい」
小川は左官業の人のように、クリームをスポンジに塗りつける。
「あとは絞ってデコレーションするだけ♪」
鼻歌混じりで、上部や側面ににょろにょろ絞り出していく。
「まこっちゃん」
「ん〜?」
「紺野さん、元気かな」
小川はなぜか手元が狂い、ものすごくブサイクなデコレーションを施してしまった。
「がー!せっかくうまくいってたのに〜!」
小川は半泣きだ。
新垣はいたって冷静に、
「そこだけ削って絞り直したらいいじゃん」
的確なアドバイスを与える。
「てか、なに動揺してんのさ」
「だって、いきなり聞くしよー」
「元気かな、って言っただけじゃん」
「そうだな…」
「気になるの?」
「いや、別に…そういうんじゃ」
「紺野さんってお人形みたいにかわいいから、海外でもモテるかもね」
「あ、そう、かな…うん、そうだよな」
小川はあははは、などと乾いた声で笑い、何か思いに耽った表情で手の甲についたクリームをぺろっと舐めた。
663 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/13(火) 21:16
更新しました。

(;・e・) がー!>∬∬;`▽´)つ▽

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
川*‘〜‘)||<ありがとう、辻。辻にも幸せになってほしいの

中澤・石川姉妹は酒癖悪いんです(w 遺伝でしょうか。オバチャンはついにハラをくくりました。

>匿名匿名希望さん
(*`.∀´)<ありがとう後藤!キリキリ飲むわよ!
     つ日

チューハイありがとうございます。ヤッスー、いいらさんには一生尻敷かれそうです(爆

>658の名無し読者さん
( ´D`)<これで涙をふいてくらさい
    つ□

そう言って頂けて作者冥利につきます。ありがとうございます。見守ってやってください。

>659の名無飼育さん
川*‘〜‘)||<うん、付き合いだしたのって9月の終わりなんだ〜

実はふたりはまだ交際3ヶ月な罠(w どう見ても熟年カポーなんですけどね(爆
664 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/14(水) 02:52
川o・-・)<小川さん。ご自分のアゴを持って何していらっしゃるんですか?
∬∬;`▽´)つ▽<…え?

更新お疲れ様です。
おおっ!マコがノリツッコミをしている。さらに動揺している。こんこんの作戦でしょうか?
( ・e・)<(ふ〜ん…おもしろくなってきた。)
職人ガキさんの冷静なツッコミがさえています。
665 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/16(金) 00:50
その日の夕方。

「プロポーズ!?」
アヤカと喫茶店でお茶をしていた市井は、素っ頓狂な声を上げた。
「て、カオリちゃんに?」
「他に誰にすんのよ」
アヤカは苦笑して熱いコーヒーを飲む。
今日飯田から、

『川*‘〜‘)||<圭ちゃんに、『結婚してください』って言われたの。
        今胸がいっぱいでうまく言えないけど、嬉しかったよ』

というメールをもらった。
すぐに
『おめでとう!今度お祝いしようね』
と返事を送った。

「うっわー。
結婚とは予想外だなー」
市井はかぶっている帽子を取り、指でくるくる回す。
「そう?考えてたより早かったけど、何となく予想はついてた」
「アラ。なんで」
「圭ちゃんの性格を考えたら、多分そうするだろうって思ってた」
「ほお〜」
「圭ちゃん、カオリちゃんの生まれ年のワインとか探してたし。
力の入れようが違うなーって」
「なんか事故に遭った時かばった子の親御さんに頼んで安く買ったとか?」
保田はちょうど紺野が転入した頃、事故に遭った。
その時男の子をかばい、彼の両親に大層感謝された。
男の子の両親はワインなども扱う輸入業をしており、それ以来たまに買物している。
今回も特別にお願いして、生まれ年のシャトーマルゴーを取り寄せてもらったのだ。
「生まれ年のワインねえ…キッザだよなー」
市井は苦笑する。
「サヤカこそどうなのよ」
後藤とどうだったのか暗にアヤカは聞いている。
「アタシ?まあ、ふだんどーり」
「ライブのあとずっと一緒だったんでしょ」
「ああ、オールした」
「なんにもなかったの?」
「いいんだよ」
市井は穏やかに笑って、コーヒーカップに口をつける。
無理とかヤケクソというわけでもなさそうだった。
アヤカは
「そう…」
とだけ言って自分もコーヒーを飲む。
666 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/16(金) 00:54
「あのさ」
アヤカはずっと気になってたことを口にする。
「なに」
「村田先生…りんねさんとうまくいかなかった?」
「誰かに聞いたんか」
「ううん、なんとなくなんだけど。先生、ここんとこぼおっとしてること多かったから」
市井はしばらくアヤカを黙って見ていた。
やがて
「りんねさんに彼女がいたらしいよ。同じクラブの後輩らしい」
静かにだが、力強く言う。
そしてライブの日の一部始終を話した。
「あたし…余計なことしたんだね」
「気にすんな。こうなるめぐり合わせだったんかもしんないじゃん」
「柴っちゃんとかにも謝んないと」
「まあ、柴田も自分のせいだとか落ち込んでたけどな。でも、アンタらのせいじゃねーって」
「サヤカ」
「あ?」
「ありがとう」
アヤカは微笑んで、腕を伸ばし市井の手に触れた。


裕子は自宅で平家が迎えに来るのを待っていた。
「アラアラ。お姫様は朝からそわそわしっぱなしですねー」
梨華は夕食の支度を手伝いながら、ニヤニヤする。
「誰が姫じゃ」
「姫じゃん。張り切った格好しちゃってさー。お化粧も」
妹にそうからかわれても仕方のないくらい、今日の裕子はより綺麗だった。
「平家さん、またホレ直すかもねー」
「……」
「明日帰り遅くなってもいいからね♪ごはんの支度、あたしがするし」
「…はぁ」
裕子は何も言い返す気が起こらず、脱力する。
667 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/16(金) 00:55
『ゴメン。今いったん帰って荷物置きに行くワ。すぐ行くから』
平家からメールが届き、携帯の画面を見てると、
「さ!もうあとはあたしがやっとくから!」
梨華に背中を押されて、裕子はムリヤリ台所から追い出される。

平家は仕事帰りで特別着飾っていなかった。
裕子の格好を一目見て、
「あちゃー。ウチも着替えてくるんやったな」
と額を叩く。
「別にエエで。ウチが勝手に…着ただけやさかい」
車に乗り込んで、裕子は恥ずかしさからちょっと俯いた。
梨華は玄関で、お玉片手のエプロン姿で
「行ってらっしゃーい」
と手を振る。


「なんかさ」
「なに?」
裕子は運転する平家のほうを向いた。
「なんか…嬉しい」
「なにがやねん」
「え?だって、今日のために綺麗なカッコしてくれたんやろ?」
オフホワイトの、雪のような服をミラー越しに見て、平家は目を細める。
「…今日はどこ行くねん」
「うん、うちのスタッフに教えてもうたトコや」
車はそのまま、夜の道を進んだ。
668 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/16(金) 00:57
「おーおー。どこもかしこもアベックだらけや」
車内からイルミネーションの周りにいる恋人たちを見て、裕子はぼやく。
「姐さん、今日び『アベック』て…」
平家は苦笑いした。
「で、このあとどうすんねん。メシでも食うんか?」
「ああ、一応予約してるけど。行くか?」
裕子が頷くのを見ると、平家はまたアクセルを踏み込んだ。

ところが。
店側の手違いで、予約の日時が明日になっていた。
今日はもう閉店まで空きがないとのことだった。
平家は店員と交渉してみたが、どうにもならなかったので、そのまま店を出た。

「行こっか」
待っていた裕子を促がして、平家は車のところまで歩く。
「うん。あかんかってんな」
「いやー。まさかなこないなるとはなー。どうする?なんか食べたいモンでもある?」
車にとりあえず乗り込んで、暖をとる。
外は結構、冷えていた。
「ウチは別に…みちよは?」
「姐さんらしいない。どしたん?ワガママ言うてエエねんで。今日はクリスマスやん」
「うん。一緒におれたらそんでエエ」
平家は一瞬自分の耳を疑った。
思わず裕子のほうを反射的に向いてしまう。
「なんやねん」
「いや…なんか姐さんが女の子なこと言わはったから、ウチの耳がおかしなったんかなーて」
「恋人に言う台詞やないな」
「すんません」
裕子は笑いをこらえる。平家は所在無さ気に頭をかいている。
「とりあえず」
裕子は口を開いた。
「あったかいモンでも飲もか」
平家は返事はせずに、裕子の手を握った。
669 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/16(金) 00:59
コンビニで適当に飲み物やパスタだとかを買い、そのまま車内で食べる。
「なんか、予定と違たけどこれはこれでエエなあ」
平家は満ち足りた表情で、食後の缶コーヒーを飲む。
「うん。悪うないわ」
「来年はちゃんと予約日時を確認するわな」
「来年、か」
裕子は小さく呟いて、俯いた。
「来年はどうしてるやろうな」
「ウチは間違いなく、姐さんにベタぼれやと思う」
「なんやねん」
「そんで今日みたいに、姐さんに見惚れてる」
ニヤニヤ笑い、平家は裕子を見る。
「さて、どうします。お姫様。うちでまったり飲む?」
「エエで。今日は車やし外やったらどっちかが飲まれへんしなあ」
「そうと決まれば」

裕子は途中、『みちよ、もしかしてシャンパンとか買うてへんやろうな』とカマをかける。
平家は
「あんで」
とさらっと答える。

平家からのプレゼントはサイズがぴったりな皮の手袋だった。
「綺麗な手が寒ないようにな」
とはめてくれた。
裕子はカバンから黙ってプレゼントを出し、ちょっとつっけんどんに渡す。
平家の欲しがっていたクリスタルのロックグラスだ。
「晩酌がもっと楽しなるわ」
平家は嬉しそうにキャビネットに新しいグラスを飾るのだった。
670 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/16(金) 01:01
更新しました。

レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ・e・)<まこっちゃん、わかりやすいのだ
∬∬;`▽´)<バ…バカ何言ってんだよ

ガキさんは結構冷静なのです。こんこんは特に作為はないようです。
声が聞きたいのもあったのでしょう。
671 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/16(金) 03:37
リカマコに続き、食わず嫌いよしめし別名「デカモニ」勝利川‘ー‘)||人(^〜^O)
ユッケを食べてるいいらさんの目は(;゜皿 ゜)明らかにこんな感じでした。
この二人身長もでかいけど、目もでかい( ゜皿 ゜)(0゜〜゜)
( ‘ д‘)<せやから目がちっちゃいウチよりもよっすぃ〜の方が飯田さんのマネうまいねん。

更新お疲れ様です。
( `◇´)<姐さんは好きな人と一緒にいられるだけでええ。そういうことやね。
( ^▽^)<平家さんの前ではお姉ちゃんかわいいんだよね。
大人チームはいい雰囲気ですね。中・高校生世代は大変そうですががんばってください。
でも大変になればなるほど、ガキさんの目が光りそうです。( ・e・)<ワクワク
672 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/18(日) 19:24
小説の世界では、2002年のクリスマスという段階なのですよね?ハロプロ
メンバーもうある程度全部出ているみたいですが、カントリーが一人出ていな
いような気がするのですが…。りんねさんの付き合ってるクラブの後輩なのか、
愛ちゃんがロンドンに短期留学してた時にできた好きな人なのか、それとも…
まだまだメンバーでるのですか?
673 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/19(月) 18:39
「加護さんにお電話するのですか」
紺野が尋ねると辻はダイヤルしながら頷いた。
中澤家の電話にかけたので、最初は梨華が出る。
『ののちゃん?元気にしてた?』
「へい、元気れす。梨華ちゃん元気れすか」
『うん。あいぼんと代わるね』
何も言ってないのに、梨華は加護を呼んだ。
『よう、オーストラリアからご苦労』
加護はオッサン風小芝居で電話に出る。
「あいぼんクリスマスは楽しいれすか」
『まあ、ぼちぼちやね』
その言い方がおかしかったので、梨華は横で小さく笑う。
「あ、いまあさ美ちゃんに代わるれす」
受話器を手渡され、紺野はサイドの髪を上げ耳に近づけた。
「加護さんですか。どうもお久しぶりです」
『どうも。自分、お泊りなん?』
「ハイ、お世話になります」
『ふうん』
またヤキモチ焼いてる、と紺野は可笑しくなった。
「辻さんに代わりますね」
すぐ受話器を返す。
「あいぼん?あのねー、あさ美ちゃん今日すっごいカワイイカッコしてるれすよ」
『はぁ、そうなん?そんな情報寄せられても、どうしようもないんやけど』
「まあまあ、写真撮ったからまた見せるれすよ」
『そりゃどうも。…のの』
「へい?」
『電話、ありがとうな』
辻はうふふと笑って、サービスで受話器に音が出るくらいのキスをした。
674 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/19(月) 18:40
その日。
飯田が自宅でパソコンを開くと、辻からメールが届いていた。

『( ´D`)<オーストラリアはとてもあったかいです。
        海がとてもきれいです。
        飯田さんにも見せてあげたいです』

自宅で撮ったのだろう。紺野とふたりでピースしてる写真が添付ファイルでついていた。
飯田は微笑んで、返事を打ち始めた。


アヤカと別れた市井は、後藤との待ち合わせ場所に向かった。
10分ほど早かったが、後藤はもう来ている。
「よ。早かったな」
「あ、うん…」
後藤はバツが悪そうに笑う。
市井は不思議に思い、
「どしたんだよ?」
と顔を覗き込む。
「あ、や…怒んないで聞いてくれる?」
「ああ…」
市井は、何となく読めてきて遠い目で笑う。
675 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/19(月) 18:41
「実は…ケーキ、甥っ子たちに食べられちゃって…あっは」
市井は脱力し、『やっぱりなー』という顔をする。
クリスマスに、後藤は市井にケーキをあげようと実家で仕上げてそのままキッチンに置いた。
それが運のつきで、待ち合わせ1時間前にはもう跡形もなく消えていた。
「あはははは…」
「ごめん!埋め合わせはするから!」
後藤は両手を合わせて、ひたすら詫びる。
「あ、なんならどっかで買ったげる。どこのがいい?」
「ちーがーうー!」
市井は大きく腕を振り払う。
後藤は『んあ…』と不思議そうな表情を浮かべる。
「作ったのじゃねーとイミねーの」
「なんで?」
「なーんでも!」
「だって、もうクリスマス終わっちゃうよ?今からだとかなり遅くなっちゃうし」
「じゃ、アタシのバースデーケーキと一緒でいい」
「はぁ?」
「オマエのケーキが食いたいんだよ」
市井はかなり真剣だった。
676 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/19(月) 18:43
アヤカがバイトで村田のマンションを訪れると、斉藤が来ていた。
「あ、ご苦労様」
斉藤は別の用で来ていたようだ。
差し入れもあったようで、
「ちょうどご飯どきだし、食べなよ」
とサンドイッチとスープをすすめてくれた。
村田はコピーを大量にとっており、一段落ついてから食事に加わった。

「やれやれ。クリスマスだっちゅーのに、仕事とはねー」
食後のコーヒーを飲んで、斉藤は笑う。
「ひとみん、約束ないの〜?」
「あ、コイツ。フリーなの知ってて、マジムカつく」
斉藤が軽く村田にヘッドロックをかける。
村田はなぜか嬉しそうだ。
「そっちはー?クリスマスくらい休めばいいのに。若いんだからさあ」
斉藤にフラれて(村田はまだヘッドロックをかけられていた)、
アヤカは困ったように笑う。
「あ、遠距離恋愛中のカワイコちゃんと年明けにラブラブな予定なんだって」
村田の余計な解説に斉藤は『ほう』とニヤリと笑う。
「村はー?仕事ばっかしてさー」
「あたし?うん、あたしはいいんだよ」
「なにが」
「なんか、これでいいんだなって」
「はぁ?ワケわからんし」
「だから、案外近くにサンタさんはいたの」
「…ふうん」

『このムードって…』
アヤカはじゃれ合うふたりを興味深く見つめた。
677 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/19(月) 18:46
更新しました。

いしかーさん、誕生日なのに出番少なくてごめんね更新の巻。

(;^▽^)<イシカワ、一応ヒロインですよね?


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(; ゜皿 ゜)<ユッケ、エイガニデテキタニンゲンノオニクニニテル…ミタメモヤダ

ヒーがいいらさんのモノマネしてくれるかと思ったのですが、なかったですね。
軟骨絡みか( ■.∀■)と思われる方のネタはありますたが。
中高生チームはガキさんの監視の目がキラリと光ります。


>672の名無飼育さん
(;^▽^)<はいー。まだ2002年のクリスマスなんです〜

例の新メンバーの彼女は実はもう出てるのですが、いずれ名前も出す予定です。
ハロプロメンバーは恐らくほとんど出てると思います。
まだまだ増えるかどうかは未定です。書いてるそばからメンバー増えてますし(w
678 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/20(火) 00:53
おがこんはやっぱいいですねー!すっごくイイ感じです
679 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/20(火) 03:46
ごめんなさい。ドスッ!>川o・-・)=○???<ウッ!ガクッ

梨華ちゃんの家
( ^▽^)つ箱<あら?何この箱は?
川o・-・)<石川さん誕生日おめでとうございます。 紺野より
ありがとう紺野。何が入ってるんだろう?>(*^▽^)つ箱 ガサガサ
(;^▽^)つ(0´〜`0)ZZZZZZ

更新お疲れ様です。
(0^〜^)<梨華ちゃん誕生日おめでとう。
1コ梨華ちゃんがお姉さんになりました。
( ´D`)¶<あいぼん。
( ^д^)¶<のの〜!
川o・-・)¶<どうも紺野です。
( ´д`)¶<どうも。
( ´3`)¶<あいぼん。チュッ、チュッ!
(*‘ д‘)¶<…
川o^-^)<ふふっ、加護さん。かわいいですね。
こんこんは他人のことになると冷静ですね。あいぼんはほんとにかわいいです。
680 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/21(水) 03:46
レスのお礼です。

>678の名無飼育さん

∬∬`▽´)<?なんかわかんねーけど、ウチらいいんだって

川*・-・)<…完璧です

イイ感じですか。ありがとうございます。マコがとにかくニブイので書いてて困ってます(ニガワラ

>ヨッスィのタマゴさん

(0^〜^)ノ<誕プレカッケー!

( ‘д‘)<いやアンタ詰められとるし

こんこん、犯罪と背中合わせが素敵です(爆 紺野さんは恋愛以外は冷静です。




681 名前:Wバースデー 投稿日:2004/01/21(水) 03:49
―――正月も明けたある日の午後

(・´ー`)<矢口はなにを喜ぶかね〜 ←地元の店で誕プレ考え中

( ^▽^)ノ<なっちさーん

(・´ー`)<あれ、梨華ちゃん。買物かい?

( ^▽^)<ええ、晩ご飯の買出しです

(・´ー`)<いつも感心だねえ

( ^▽^)<なっちさんもお買物ですか

(・´ー`)<いやね、もうすぐ(〜^◇^)の誕生日っしょ?だから、プレゼント見に来たんだよ

( ^▽^)<20日なんですよね、矢口さん

(・´ー`)<梨華ちゃんは19だよね。なんかリクエストあるかい?

( ^▽^)<お気持ちだけで嬉しいです。矢口さんのお祝いをしてあげてください

(・´ー`)<そうだべか?
682 名前: 投稿日:2004/01/21(水) 03:51
―――アベ楽器店


(・´ー`)<ふむ…

(・´ー`)<ねえ、よっすぃ〜

(^〜^0 )ミ<はい、なんスか?

(・´ー`)<矢口と梨華ちゃん、もうすぐ誕生日じゃない?なっち、ふたりのお誕生日会
       開いたらって考えたんだけど、どう思う?

(0^〜^)<カーッケー!やりましょうやりましょう!

(・´ー`)<タンポポ貸し切ってさ。ふたりにはヒミツにして

(0^〜^)<あれ?タンポポ貸し切ったら、矢口さんにバレないっすか?

(・´ー`)<違う口実で借りるんだよ。たとえば、ちょい遅めの新年会とかさ

(0^〜^)<な〜るほど!
683 名前: 投稿日:2004/01/21(水) 03:52
そんなこんなで1月18日の夜―――

―――喫茶タンポポ


ガヤガヤガヤ…
        コレ ソッチモッテッテー     リョウカイ
((( ´ Д `)      ヽ(‘.▽‘ 川         
       つ○
                    ヒック!
( ゜皿 ゜)ノイマカラヨッパラウナー! (`.∀´#)ノ凸 ヽ^∀^#ノ



( `◇´)<梨華ちゃんは何時頃来んねん?

从 #~∀~从<バイトあるから7時過ぎに吉澤が駅まで迎えに行く言うとるわ。柴っちゃんも来てくれるそうや

(〜^◇^)ノ□<これちょっとソッチ頼むねー オードブルトカ ←あくまで新年会と知らされている

( ´D`)<あいぼんは、プレゼント何を用意したれすか?←バレないように小声

( ‘д‘)<梨華ちゃんにはピアス、矢口さんにはヒモパンや!←やっぱり小声

( ´D`)<ひもぱん?ひものパンれすか?

( ‘д‘)<例の、えっちくさいパンツのことや!シカモヒョウガラヤデシカシ!

(;´D`)<れいのって、ゆわれてもれすねえ…マア、イイレスケド

(・´ー`)<そろそろいい時間だべ

川σ_σ|| (0^〜^)( ^▽^)<こんばんはー

(〜^◇^)<お!来たな、アゴン!

( ^▽^)<遅くなってごめんなさーい

( ´ Д `)<んあ、ちょーいとやぐっつぁんと梨華ちゃん外出てくれる?ゴトーニツイテキテ

(〜;^◇^)<は?なして?

  ???
▽^;)^◇^;)))ヽ(´ Д ` ))) イイカライイカラ
684 名前: 投稿日:2004/01/21(水) 03:54
(0^〜^)<さあ、始めましょうか!

ヽ#^∀^ノ<ホイきた!

(`.∀´#)<キリキリめくるわよ!ヨイショ!


ヽ#^∀^ノ〔  【喫茶タンポポ常連一同遅すぎる新年会】 〕ヽ(`.∀´#)ヨイショ

オウ!ヽ#^∀^ノ【喫茶タンポポ常連一同遅すぎる新年会】ヽ(`.∀´#)ハガセル? 

ヽ#^∀^ノ〔リカちゃん・やぐっちゃんお誕生日おめでとう!〕ヽ(`.∀´#)ソレッ
                                      
煤R;#^∀^ノ〔リカちゃん・やぐっちゃんお誕生日おめでとう!〕ヽ(`.∀´#;)))ア!

ヽ;#´∀`ノ〔リカちゃん・やぐっちゃんお誕生日おめでとう!〕ズッデーン…

(  ´д`)<さすが…オバチャンは期待を裏切れへんな…アリャ、カナリウットルデ

(;´D`)<へい…


ズッデーン ドッスーーン ギャー!


(;^▽^)(^◇^;)<な、なんだ?  (´ Д `;)<(中でなにか収集のつかないことが起こってるな、こりゃ)

685 名前: 投稿日:2004/01/21(水) 03:57
―――8分後

|
|;^〜^)<お、オマタセしました。入ってくだせえ


( ´ Д `)( ^▽^)(〜^◇^)<はいよー

(^▽^)(^◇^)

 アレ?マックラ?  ツーカ ゴッツァンハ?  ササササ…
(^▽^)(^◇^) ((( ´ Д `)

パーン!

煤i^▽^)煤i^◇^)


∩( ゜皿 ゜)∩<ディアアアアアアーーーーー!

(;`.∀´)/<て、違うでしょ!コシ、イテテテ…

梨華ちゃん!>(0^〜^)つ▼←クラッカー

(・´ー`)<ヤグチ!

  \  誕生日おめでとうー! /


川σ_σ|| (0^〜^)(・´ー`)( ´ Д `)( ‘д‘)( ´D`) 川‘ー‘)||( `.∀´)

( `◇´)从 #~∀~从 川‘.▽‘)|| ヽ^∀^ノ


(^▽^)(^◇^)<……

(〜^◇^)/<どっきりかよ!

( *^▽^)<うっそ!?新年会じゃないの!?

(・´ー`)<だまして悪かったべ。みんなで計画立ててやったっしょ

(0^〜^)ノ<言いだしっぺはなっちさんでーす!

(〜^◇^)<アーラ!

( *^▽^)<みんな…

(・´ー`)<梨華ちゃん、そしてヤグチ。ふたりがいまここにいることがみんなうれしいっしょ

(〜^◇^)<…なっち

从 #~∀~从ノ<さ!飲もうや!ビールもぬるなんで!

(〜^◇^)/<キャッハ!びっくりWバースデーパーティー、成立でーす!

( ‘д‘)ノ<不成立やありませーん!

(〜^◇^)/<て、ヲイ!
686 名前: 投稿日:2004/01/21(水) 04:01
〔リカちゃん・やぐっちゃんお誕生日おめでとう!〕

  ギャハハハ!            ノミスギ!  ウィック!
(0^〜^)(^▽^ ) 川;‘〜‘)||(`.∀´#)



|
|;‐ Δ‐)
|;`_´)<す、スイマセーン。遅くなりましたー シゴトガナガビイテ…

|

(;‐ Δ‐) <まったくもってスミマセン オワビハコノカラダデ

川σ_σ|| <おそーい!姉ちゃんも! イヤイラナイシ

(^▽^ )<おふたりともいらしてくれたんですね。ありがとうございます

(〜^◇^)<お、柴っちゃんのカノジョとお姉さんだね!さ、入って入って!

( *‐ Δ‐) <まったくもって手前味噌ですが ヤグチサンノモ
    つ□

(〜^◇^)<お!プロがオイラたち描いてくれた!すっげーすっげー! ドレドレ…
687 名前: 投稿日:2004/01/21(水) 04:02

(;0^〜^)<あ…

ヽ^∀^ノ<んお!

川;‘.▽‘)||<先生…

(;〜^◇^)<ヌ、ヌード!? シカモヒモパンチャクヨウ!?

(*/▽\*)<キャー!

(;・´ー`)<あんれまあ…シカシソックリダベ イイシゴトシテルッショ

( *‐ Δ‐) ノ<おふたりの写真をもとに、ワタクシのプロとしてのプライドをかけて
        全力を尽くして描かせていただきました!

(;0^〜^)(;・´ー`)<<はぁ…(てか、カラダのサイズに一部の狂いもないんだよね(ないっしょ))


川;σ_σ|| <あっちゃー…まさか本当にやるとは

川;‘.▽‘)||<最近死ぬような勢いで描いてらしたのはそれだったんですね

( ‐ Δ‐) <うん。あ、カオリちゃん

川;‘〜‘)||<は、はい?

( *‐ Δ‐) <次は… ポッ

Σ(`.∀´#;)




つづ…かない


注:この話は村さんが主役ではありません。



688 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/21(水) 04:34
つづ…いてほしい。次回、カオ危うし!てなかんじで。
村さんいい仕事しますなあ。やぐっつあんも誕生日おめ。

( ^▽^)<村田さん。
( ‐ Δ‐) <うん、何かな?
(*^▽^)つ□<この写真でまた描いてください。
( ‐ Δ‐) ノ□<どれどれ…
( *‐ Δ‐) ノ□<… ポッ
任せなさい!>( *‐ Δ‐)人(^▽^*)<お願いします。
写真の内容、水色ビキニの(0^〜^)
689 名前:オガマー 投稿日:2004/01/22(木) 15:28
村っち!!!!!!!
クリスマスになにやってんですか(;´Д`)ハァハァ
やべぇかわいすぎる(www
690 名前:Nさん 投稿日:2004/01/24(土) 04:53
ごまたん久々だね♪\(^▽^)/ あえて言わんけど。
久々に一気に読ませてもらったよ〜★
やっぱごまたんの小説は最高だね!! 
娘。世界から遠ざかってたけど思わず久々にレスしちゃった♪(*/▽\*)
この前20(;`.∀´)で賞とった子いたけど、ごまたん全然負けてないし!
ついになっちも卒業みたいだね。
私はもうあの頃みたいに娘。にハマってないけど、
あなたの事はどこにいてもずっと応援してるからね♪\(^▽^)/
以上、梨華好きのナッチと同名のんNっつぁんでした〜☆ 久々に〜〜
(^▽^ 三<書き逃げダーッシュ♪
691 名前:Nさん 投稿日:2004/01/24(土) 04:59
ごまた〜ん、ごめん!! 
ネット自体が久々で暗黙の『sage』のルール忘れてた。m(_)m
マジごめんね〜〜!!(T▽T)
692 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/24(土) 07:16
ochi
693 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/25(日) 00:39
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ‐ Δ‐) ノ<美人はノーギャラでも可!

村さんはきっといい仕事をしてくれるはずです(w カオリエピソードはまた後日…。
村さんの中でカヲリブームが起こってる様子なので。

>オガマーさん
( ‐ Δ‐)<カワイイ?…テレルヨ

本人たちは単にじゃれてるとオモテルだけでしょうが、そうは見えない罠(w
しかし斉藤さんにヘッドロックかけられたら、村さんは…(w

>Nさん
( `.∀´)<アラ!ヒサブリね!

お元気そうで何よりです。何か色々娘。も変わってきましたが、とりあえず応援していこうと思ってます。
すぐsageてくだすってどうもです。またおヒマな時にでも読んでくだされ。

>692の名無し読者さん
( `.3´)<ホホ!ありがとう!お礼に熱〜い口づけよ!

ochiにしてくだすってありがとうございます。そのさり気なさがニクイです。


本日なっち卒業につき、なっちSPです。(・´ー`)
694 名前:夢の階段 投稿日:2004/01/25(日) 00:42
(〜^◇^)<なっちおやすみー

(・´ー`)<おやすみ。今日は冷えるからあったかくするっしょ

(〜^◇^)<うん。さすがにまっぱはやめとく

(;・´ー`)<いや、そういう問題じゃ…まあ、いいべ
    zzzzz
(〜‐◇‐)

(・´ー`)<ムニャ…

(〜‐◇‐)<う…ーん

…………………………………………………………………………………………………………………

(;〜^◇^)<ハァ…ハァ。なっちー!まだそのお寺着かないのー?

(;・´ー`)<がんばるっしょ。あと少しだべ



(〜^◇^)<いやー、すんごい階段だね!もうかれこれ1時間は上がってんじゃない?

(・´ー`)<今は乗り物があるから便利になったけど、昔のひとはここに来るまでにも
       家から何日もかけて歩いて来たべ

(〜^◇^)<願掛けも楽じゃねーな
695 名前: 投稿日:2004/01/25(日) 00:43

(〜^◇^)<なっちは何をお願いすんの?

(・´ー`)<…ひとりでも、しっかりやっていけますようにって

(;〜^◇^)<へ!?

(・´ー`)<ハハ、冗談だべ。そうだね、健康でも祈願しようかな

(〜^◇^)<ねえ、なっち。いきなりいなくなったりすんなよー。約束な

(・´ー`)<うん、約束するよ。…ねえ、ヤグチ

(〜^◇^)<うん?

(・´ー`)<階段ってさ、あんまり長いと上がっててうんざりするっしょ。
      連れがいたら、話しながら行けるし、気がまぎれていいね

(〜^◇^)<キャハハ!確かにね

(・´ー`)<でも、階段にはみんなと上がれる階段と、自分ひとりだけで上がってかなきゃ
       いけない階段があるっしょ。なっちは…ひとりでも上がっていけるかな

(〜^◇^)<またー。ムリならヤグチが一緒に上がってやるしー

(・´ー`)<そうかい?よろしく頼むべ

  ハイハイ     ホラナッチ、イクヨー
(((・´ー`)(((〜^◇^)

…………………………………………………………………………………………………………………

(〜´◇^)<ん…

(〜^◇^)<…夢か

(・´ー`)<…ヤグチ、まっぱで寝ると風邪ひくべ…ムニャ

(〜^◇^)<…なっち、ありがとう
696 名前:22歳の私 投稿日:2004/01/25(日) 00:44
悪くないよ 孤独な時間も      ムシ!    イモ!
悪くないよ 誰かとはしゃぐ夜も(・´ー`)(^◇^〜)

恋を決めたのも キスしたのも   ゴメン…   オタガイサマッショ
全部許すのも 自分で決めた 川‘〜‘)||(´ー`・)

地下鉄は 複雑すぎるわ        
迷ったり 乗り継ぎでミスしたり(;・´ー`)ヒビヤセンノツモリガ チヨダセンノッテタベ
それでもいつかは たどり着くわ
そう 青春も 同じ たどり着く 

Ah 小さい頃に Ah 描いてた ナチュミ〜♪   ノノハアマエタダベ
理想の大人とは 違うけど ( ´D`)(´ー`・)
あの頃よりも 自信がある  |‘д‘)・e・)<…
22歳の夢に(・´ー`)<?
697 名前:22歳の私 投稿日:2004/01/25(日) 00:46
わかってるよ みんなは違うよ    ビミョーダベ
わかってるよ 兄弟でもそうだよ(;・´ー`)(`ー´○)

だから信じたい 誓いあった    ウン!   マロンメロンケッセイスルベ
涙の出来事 忘れないよね  ( ´D`)(´ー`・)
 
太陽は まぶしいけれども  (0^〜^0)マブシイッスカ? 
たまには 雲とか 邪魔もされる \(^▽^)/ チャーミーガスズシクシマース!
それでもまだまだ燃えているね
そう 青春も 同じ 燃えている  (;・´ー`)…バカフウフダベ

Ah 小さい頃に Ah 夢見てた (;゜皿 ゜)トウキョウコワイ ←デビュートウジ
憧れの都会(まち)じゃ もうないよ (;゜皿 ゜)ゴウトウコワイ、サツジンコワイ
だってこの街は 私がいる
22歳の私(;・´ー`)デモマドクライハシメテネルッショ

Ah 小さい頃に Ah 描いてた
理想の大人とは 違うけど |‘д‘)・e・)<…
あの頃よりも 自信がる  (・´ー`)コッチクルッショ
22歳の夢に(*‘д‘)( *・e・)(´ー`・)フタリトモメンコイネエ

Ah 小さい頃に Ah 夢見てた ウン(((・´ー`)((川‘〜‘)|| トウキョウハホントヒロイネエ
憧れの都会(まち)じゃ もうないよ
だってこの街は 私がいる
22歳の私 (・´ー`)サテ、ソロソロデカケルベ

22歳の私 (ー`・  )
698 名前:伝言 投稿日:2004/01/25(日) 00:49
(‘-‘)(´ー`)同じ病院で生まれて…

川‘〜‘)||つ¶<♪〜  同じオーディション受けて
    
( ●´ー`)川‘〜‘)|| 同じアイドルグループで活動して

川‐〜‐)|| 気がついたら、ここにいた…

川‘〜‘)|| なっちを嫌いなワケじゃない。ただ、なっちは私が持ってないものをいっぱい持ってる
       子供だった私は、あるがままを受け入れられずに、彼女に嫉妬した。
       なっちはそのことについてどう思ってたか分からない。ただ。お互い傷つけ合ったのは確かだ

そんなある日…


( `.∀´)<なっち!話あるんだけど、いい?

(・´ー`)<なに?もうすぐ本番っしょ

(((・´ー`)⊂( `.∀´)))<いいからいいから!

(・´ー`)<あ…

川‘〜‘)||<何?もうすぐ本番よ

( `.∀´)<卒業前にひとつだけアタシのワガガマを聞いて!ふたりとも、お願いだから仲直りしてよ!
        アンタたち、本当は気にしてたんでしょ?

(・´ー`)<うん…そうだね

川‘〜‘)||<うん…

( `.∀´)<じゃ、握手!


…>川‘〜‘)||(´ー`・)<…
       ⊃⊂  

…>川*‘ー‘)||(´ー`*)<…

…フフ>川*‘ー‘)||(´ー`*)<…ヘヘ

…なんか照れくさいね>川*‘ー‘)||(´ー`*)<…うん

( `.∀´)<やれやれ!これでアタシの役目も終わりね!ふたりともしっかりやんのよ!


そう言って去って行った圭ちゃん…

時は過ぎ、なっちが今度は去ろうとしている
699 名前:伝言 投稿日:2004/01/25(日) 00:50
        ナッチー! ナッチー!

(・´ー`)¶<みんな、本当にありがとう!これからもモーニング娘。と安倍なつみを応援してください



川‘〜‘)|| でも私は泣かない。なっちがステージを降りるまでは。なっちが娘。でなくなるのを
      この目に焼き付けておきたいから。なっち。私のライバル。私の相棒。運命。青春。
      …言い出したらキリがない。そう、彼女は戦友なのだ。どんなことがあっても
      ともにくじけず戦ってきた。そう、どんな時も…     
      
      さよなら、私の戦友。
700 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/25(日) 04:25
うたばん
(((((0^〜^)ノ花( ^▽^)ノ花( ‘ д‘)ノ花( ´D`)ノ花 (´ー`・)<のの、あいぼん、梨華ちゃん、よっちゃん…
(;0^〜^)ノ花(;^▽^)ポトッ(;‘ д‘)ノ花(;´D`)ノ花 (´ー`・;)<!
リカチャン、オチツイテ(;0^〜^)ノ(^▽^;三;^▽^)オロオロ、オトシチャッタ   (‘ д‘;)(´D`;)(´ー`・;)
MステED
安倍しゃん、チュッ( ´3`)*´ー`*)のの、恥ずかしいべさ。
FUN
(0^〜^)<○T○T「マルイ」を、「オイオイ」と読む安倍さんが大好きです。 吉子
(*´ー`)<あはは、よっちゃんありがとうだべ。
なっち、卒業おめでとう。

更新お疲れ様です。
ちょっとさみしいですが、ごまさんの小説を読むと元気が出るんでがんばってください。でも、ののが一番なっちに甘えたがりですよね。やっぱりなっちのやさしい笑顔は天使みたいでした。がんばれなっち。
701 名前:雪ぐま 投稿日:2004/01/27(火) 12:34
いつも楽しく読ませていただいておりまする。
今回は……ひとりの階段、ちと泣きました。
愛あふれるストーリーに脱帽しつつ、陰ながら応援いたしております。
702 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/29(木) 03:31
―――石川視点

ひとみちゃんが帰ってきてごはんになった。
裕ちゃんは着飾っておでかけ。
心なしか、声も弾んでるようだった。
さっき、ののちゃんから国際電話がかかってきた。
元気そうでよかったわ。
「中澤さん出かけたんだ」
「そ。聞いて、す」
「す?」
あたしはここでいっぱいためた。
ひとみちゃんも顔を近づけてくる。
「…っごく、キレイだったんだよ!今日の裕ちゃん!」
「ほうほうほう!クリスマスデートって感じだね」
「明日は帰んなくていいって言っといたし」
ふたりで顔を見合わせて、ニヤニヤした。
「あー、オナカ空いた。おまたせー、ゴハンにしよ」
手を洗いに行ってたあいぼんも加わって、みんなで「いただきます」する。
「オムライスか。うまそやね」
あいぼんはスプーンを手にとって、口元をほころばせた。
「フフ、矢口さんのには敵わないけどね」
「うっめー!スープもうんめーよ!」
「ホント?おかわりあるからね」
「うっす!」
「ウチもおかわり予約な」
あいぼんもフフっと笑った。

ののちゃん、おうちでごちそうたくさん食べたかしら。
紺野ちゃんも来てるって言ってたけど。
ふたりともたくさん食べるから、ののちゃんのお母さん、支度大変だっただろうな。
『なんや、辻がおらんと静かなや。
あいつがよう食いおる分、作りがいもあるわ』
って裕ちゃん言ってたな。

「おかわりー、梨華ちゃん」
あいぼんがスープとオムライスのお皿を差し出した。
「梨華ちゃん、ウチもっす」
「ハイハイ」
フフ、なんかお母さんになった気分。
あいぼんとひとみちゃんは、
「ウチはもう一杯スープおかわりすんで。自分には負けん」
「望むところよ」
となんか牽制しあってた。

今年のクリスマスは。
そうしてゆっくり過ぎていった。
703 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/29(木) 03:32
「辻からメールだって?」
保田はパソコンの前にいる飯田に、後ろから近づく。
今日は飯田の家にごはんを食べに来ていた。
風呂上りで、バスタオルで頭をがしがし拭いている。
「うん、オーストラリアの海の写真とかも撮って送ってくれたよ」
ホラ、と飯田は添付ファイルを見せる。
中には、自宅で紺野と撮ったものもあった。
「へえ、キレイねー」
保田は素直に声を上げた。
「うん。カオも行きたいなー」
「新婚旅行ででも行く?」
市井あたりが見たら『バカップル…』とでも呟きそうなくらい、ふたりは甘いムード全開だった。
ひとしきりいちゃつき終えたあと、玄関のチャイムが鳴った。
「んあー、カオリー」
後藤だった。
「あれー、どしたん?こんな時間に」
「すんごい悪いんだけどさあ、お風呂貸してくんないかなあ。ごとーん家のお風呂、なんか壊れてるっぽい」
「おう、いいぜ。上がれよ」
「おじゃましまーす。あれ?圭ちゃん来てたんだ」
「よっ」
保田は片手を上げた。
「後藤先に入んな、圭ちゃんが入ったあとそのままだから。…ケメ子汁出てるかもしんないけど」
「ギャー!」
後藤は笑いながら叫んだ。
保田は無言でふたりの頭を順にはたく。
「おっふろ♪おっふろ♪」
後藤はご機嫌でお風呂に向かう。
手にはお風呂グッズ一式。
底に『ケロリン』と書かれた黄色い洗面器に、シャンプーや石鹸を入れてきていた。
「あ!すっかりしくった!バスタオル持ってきてタオル忘れた!」
「いいって、カオの使いな。使ったら洗濯機のなか放りこんどいて」
「すまないねえ」
ババくさいことを言い、後藤はバスルームに消える。
704 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/01/29(木) 03:34

風呂から上がると、飯田がを小鍋でココアをコトコト炊いていた。
その匂いで後藤は一気に空腹だったことを思い出し、ググーとお腹を鳴らす。
「デッカイ音ねえ。アンタ、ごはん食べてないの?」
保田はおかしそうに笑う。
「うん。いちーちゃんと会ってたんだけど、バタバタしててお茶すらしなかった」
「カレーでよかったらすぐできるけど。この前の残り冷凍したし」
「あっは、ありがとカオリ」
カレーを解凍してる間、後藤は幸せそうにココアを飲む。
飯田は冷蔵庫の中から適当に材料を見つくろい、サラダを作ってやった。
「後藤、カレー、お肉入ってるけどいい?」
「んあ、全然全然」
「誰かさんが肉入れないと明らかにガッカリするからさあ」
「誰かさん、ね」
誰かさんはさり気に視線をそらし、口笛など吹きだした。
ごはんも冷凍保存のものであったが、それなりにおいしそうなカレーができた。
後藤は黙々と平らげていく。
「おかわり」
「早っ」
飯田は目を丸くし、皿に注いでやる。
「んあ、ごとーもおいしいゴハン作ってくれるひと欲しいなあ」
「紗耶香がいるじゃん」
保田はさり気に名前を出した。
「んあ、いちーちゃん、料理はするけど後片付けとかズボラじゃん。
カレーの残りを冷凍するとか、絶対計算してやんないって」
保田と飯田はそっと顔を見合わせる。
名前を出しことに、否定はしなかった。
自分たちだけしか分からないように、ふたりは微笑んだ。
705 名前:SILVER BELLS   投稿日:2004/01/29(木) 03:35
平家が目覚めると、裕子はもう帰り支度をしていた。
「もう起きてたん」
平家はそばにあるニットを頭からかぶって、起き上がろうとする。
裕子はまだ寝とり、と手で制し、
「朝メシ作らなアカンしな」
と上着を着た。
「じゃ、またな。時間ないから自分の分のメシは作らんで」
「いやまあ、それはエエけど…」
「なんやの」
平家はニヤっと笑い、
「せめて『おはようのチュウ』くらいさせてェな」
しかめっつらの裕子の唇に軽くキスを落とした。

「アラ、アラアラアラ!」
裕子が帰って朝食の支度をしてると、梨華が大仰なジェスチャーを交え台所に入ってきた。
「なんやねん」
おはよう、と言い、裕子は怪訝な顔で振り向く。
大方、言われることは分かっているが。
「遅くなってもいいって言ったのに〜」
「そんなワケにはイカンやろ。加護と吉澤はおるんやし」
「あたしが作るって!」

「おまえにまかせっぱなしにできんやろ」
「だってクリスマスのお泊りだよ?甘〜い朝をゆっくり過ごしたいじゃん?」
「別に、そういうのは…」
味噌汁の味見をしながら、裕子は柄にもなく頬を染める。
「平家さん、なんか言ってた?それともまだ寝てた?」
「ちょうど帰るとき起きおったけど、特には」
「来年はもっと遅くなっていいからね。平家さんにも言っとく、帰らせなくていいって」
梨華は勝手に使命感に燃え、両手をグーにし誓う。
「余計なことしいな」
裕子はあきれた声を出し、梨華の頭を軽くはたいた。
706 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/01/29(木) 03:38
更新しました。

オカワリー( ´ 。Д `)つ〔  〕 培|(‘〜‘;川 煤i`.∀´;)

レスのお礼です。


>ヨッスィのタマゴさん
(*´ー`)<見せパンまで見られてなっちちょっと恥ずかしかったべ〜

なっち関の引退セレモニーは笑いながらもちょっと寂しさが残りました。
で、○T○Tについて、私も彼女と同じ読み方をし『東京にはけったいな名前のデパートがあんな』と
思ってますた(恥)。ありがとうございます、がんがります。

なっちありがとう(●´ー`●)

>雪ぐまさん
( ^▽^)<♪三年目の浮気くらい大目に見ろよ〜 って誰かが言ってた

初レスありがとうございます。\(^▽^)/陰ながらの応援もありがとうございます。
雪ぐまさんの甘いいしよしでムハッといしよし補充させて頂いております。
なっちにはがんがってほしいと思います、私は元々オリメンヲタなので。

なっちありがとう(●´ー`●)

707 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/01/30(金) 01:11
ハロモニウルトラクイズのミキティ
( ^▽^)<イカ、ホタテ、海老GET!
ゝ+VvV丿<何ものってな〜い。イライラ(ロマンティック イライラモード)
( ´)D`)<わ〜い。おいしいれす。ガツガツ
((ゝ+VvV丿))<……イライライライラ(ロマンティック かなりイライラモード)
(〜^◇^)<ミキティ、オイラとやろう。
ゝVvV丿<え〜〜〜!いやですよ〜!……ん〜じゃあやります?
(;〜^◇^)<え?ホントにいいの?
(・´ー`)<問題。……は?
ゝVvV丿<え?〜〜〜!…… ピンポンピンポンピンポン
ゝ*^v^丿<やった〜!!(ロマンティック 超浮かれモード)
(;O^〜^)<あやや、ミキティっていつもこうなの?
从‘ 。‘从<うん。ひ〜ちゃんもそのうち慣れるよ。
ミキティ、ものすごく喜怒哀楽がわかりやすいです。

更新お疲れ様です。
(O^)〜^)つ□<梨華ちゃんのオムライスうめ〜!ガツガツ
( ‘。д‘)つ□<まったくやな〜!ガツガツ
また梨華ちゃんは
(*^▽^)つ□<♪(オムライスにケチャップで『HITOMI』)
としたんでしょうか?オムライス万歳です。
( ´ Д。`)つ□<いいね〜ガツガツ、ごと〜もガツガツ、梨華ちゃんとカオリみたいな人欲しいなあ。カオリ、オカワリ!
708 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/30(金) 01:40
更新、お疲れ様です。
なっちSPのAA劇場、泣けますた・・
なっちありがとう、そしてこれからも陰ながら応援してます。

こんな時間なのにオムライスとスープ、カレーと時間差攻撃で来たもんだから
おなかが空きましたw
(0^〜^0)<梨華ちゃん、料理最高だYO!
ごっちんのご飯つぶつけた( ´ 。Д `)つ〔  〕が可愛いですねぇ。
709 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/04(水) 11:52
後藤はその日は平家の家にもらい湯に来ていた。

「んあ、風呂上りの牛乳はサイコーだね」
コップの牛乳を一気飲みする後藤を、平家はおかしそうに見ていた。
「腰に手ェまで当てて、オヤジやな」
「んあ、だっておいしーんだもん」
「ごはんにしよか。アンタの持って来てくれた煮物もあるさかい」
「んあ」
平家が買って来た刺身も並べて夕食の準備は完了。
後藤は
『なんか足んない』
と首をひねり、ツイと立ち上がって味噌汁を作り出した。
「おう、さすがやなー」
「このお味噌裕ちゃんが買ったんでしょう」
「…分かる?」
平家はバツが悪そうに笑った。
「一人暮らしだと、よっぽど好きでないと作んないからね。ごとーのカンってヤツ」
「やっぱ女の子やなー、そのヘンは」
後藤は手早く白菜の味噌汁を作り、温かい湯気の立ったお椀を『ハイ』と平家に差し出した。
「どう?」
「んー、おいしいで」
「裕ちゃんとどっちが?」
後藤はニヤニヤ笑い、『オトナをからかいな』と平家に軽くはたかれる。
「しかし年の瀬やのに風呂が壊れたて不便やね」
「明日業者の人が見に来るってゆってるけどね。ごとー、そろそろ実家帰んないと」
「ああ、アンタは都内やっけ?」
「うん、大して遠くないんだけど。お正月に家にいないとおかーさんが怒んの」
「ハッハ、どこの親御さんも一緒やろ、それは」
「平家さんは?お正月はライブでしょ」
「逆にこっち来てくれんねん。そんとき、姐さん紹介しよ思てる」
「…それって」
平家は特に照れることもなく、
「うん、ウチらのこと認めてもらおうってね」
普通の会話のように淡々と言った。
710 名前:SILVER BELLS   投稿日:2004/02/04(水) 11:56

「おうちの人は何て言ってるの?」
「うちか?早う会わせろってうるさいくらい言うてる」
「んあー、前もって言ってたんだね」
「ああ、ハタチでコッチ来て好き勝手してるから、ケジメっちゅーかね」
「ふうん。平家さんは歌手になる前は何してたの?」
「高校出てから音楽の専門学校行って、ずっとオーディション受けてた」
「へえ」
「ちょうど専門卒業する頃、今の事務所からデビューの話来たんや」
「順風満帆だね」
「最初は事務員と大差なかったで。電話番やらお茶くみやら」
平家は苦笑する。
「まあ、ええ経験にはなったけどな」
「裕ちゃん好きになったのもそんくらい?」
「またその話かいな」
いつだったか、保田が事故に遭ったときに後藤にぽろっと聞かれたことがある。
「裕ちゃんって結構人見知りするじゃん。最初からうまくいったんかなーって」
「ああ」
意外に他人をよく見てるんだな。平家は素直に感心した。
「親父さん―――姐さんらのお父さんにウチは紹介されてんけど、別に『今度飲みに行こや』ってフツーに
言われたで?」
「へえー。裕ちゃんも案外一目ぼれだったりして」
あっはと笑うと、後藤はマグロの刺身を口に入れた。
「それはナイ。絶対ナイ」
「分かんないよ?今度ごとーが聞いてあげよっか〜?」
「ウチが後でシバかれるからカンベンしてえなあ」
平家は本気で情けない声を上げた。
711 名前:SILVER BELLS   投稿日:2004/02/04(水) 11:59
翌日。

風呂が無事直った後藤は、その足で実家に帰った。
「んあー、今から間に合うかなー」
実は明日から姉たちとスキーに行く。
夜行バスで行き、大晦日の朝帰ってくる予定だ。
その前に市井と待ち合わせ、一足早い誕生日プレゼント(兼遅すぎるクリスマスプレゼント)を
渡すことになっている。
「ケーキになんでそんなこだわるんだろ?そんな甘いもんずきでもないのに」
考えるのも時間の無駄なので、後藤は腕まくりして材料の準備を始めた。

同じ日。
喫茶タンポポ

「加護ー、ちょい休憩しよ」
「はーい」
忙しい時が一段落終え、タンポポに静かな時間が訪れる。
矢口は加護にココアを入れてやる。
「ああー、矢口さんの入れるココアは最高ですワ」
「ほめたってなんにも出ねーぞ」
キャハハと笑い、さっき焼き上げたクッキーの残りを出してやる。
加護も目を細めて、
「いただきます」
と手を伸ばす。
「加護、明日実家に帰るんだっけ」
「ハイ。夕方上がらせてもらってから帰ります」
「そっか。んじゃ、ちょい早いけど」
矢口はいったん奥に引っ込み、すぐ戻って来た。
茶封筒を手渡される。
「給料は年明けになるけど、これはオイラから特別ボーナスな。新幹線のキップの足しにでもしなよ」
「え、悪いです。そんな…」
すぐに返そうとして、首を振って押し止まれる。
「いや、マジ助かったよ。
加護、案外サービス業向いてんじゃない?
自分ではニガテだって思ってんのかもしんないけどさ」
「なんでですか」
「あんた、人が何考えてるか読むのすごいうまいよ。
そのへんはオイラ、マジ感心した。
入り口とかで迷ってるお客さんとか、さっとフォローしてたし」
「…そう、ですか?」
「辻には色んな意味でかなわないって思ってるかもしんないけど、あんたも大したモンだよ。
まあ、とりあえず色々ありがとうでしたってことで」
矢口は笑ってココアのおかわりは?と手を差し出した。
「…ありがとうございます、矢口さん」
加護は封筒を大事そうにぎゅっと握った。
712 名前:SILVER BELLS   投稿日:2004/02/04(水) 12:03

―――同じ頃

「さて、年内はこれで終了ね」
出版社の編集部で、斉藤は原稿をそろえて満足気に頷いた。
アヤカは『ありがとうございました』と頭を下げる。
「年内の予定が年越しの採用になったけどよかった?」
「ああ、ハイ。少しでも長く雇って頂けると有り難いです」
斉藤は『正直ね』と笑い、
「飲みに行こっか?」
と肩を叩いた。

「さ、じゃんじゃん飲みな。今日はアタシの奢りだから」
雑誌に載っていそうなこじゃれた居酒屋の個室に連れ込まれ、じゃんじゃん飲まされる。
アヤカは酒は強いほうなので、
「すみません」
と笑いながら、ラクラク乗り切る。
「酒、強いねー。村なんかほんのちょっとでつぶれるのに」
「ああ、雑誌社の忘年会があった時も『頭イタイー!』って泣いて帰ってらっしゃいましたね」
「ムリして飲むからよ。しょうがないねー」
斉藤はタバコをくゆらせ、水割りのグラスを持つ。
斉藤が新しいタバコをくわえると、アヤカは自分のライターで火を点けた。
ムダのない優雅な動作に斉藤は目を見張る。
「ソッチ系のバイトしてる?」
「してませんよ。よく言われますけど」
アヤカは苦笑してライターをテーブルに置いた。
「カルティエのメンソールか。上品なの吸ってるね」
アヤカの手元のタバコに斉藤は目をやった。
「アハハ、これは不純な動機で吸い出したんですけどね」
「へえ?」
713 名前:SILVER BELLS   投稿日:2004/02/04(水) 12:04
ニヤニヤし、話の続きを促がす。
「好きな人が吸ってたんですよ」
「ほお〜」
「で、ちょっとでもその人に近づきたくてこっそり吸ってたんです」
「こっそり?」
「その人の目の前で同じタバコを吸うの、恥ずかしくないですか?」
それを聞いて女の子だねえ、と斉藤は笑う。

「で、その人とは?」
「ああ、ハイ。…フラれました」
未練とかはないですよ、タバコはなんかやめられなくて、とアヤカは続ける。
「そっか。でも村が言ってたけど…」
「ええ、ちゃんと彼女いますから」
アヤカはいたずらっぽく笑う。
この子は本当にモテるだろうな、と斉藤は自分のタバコを吸いながら考えた。
こうやって向かい合ってると、手を伸ばして触れたくなる。
美人ってことを除いても、魅力的だった。
「その人の香りに包まれるようでその時は幸せでしたよ」
アヤカはボソッと言った。
「察するに、酒の席でのデートが多かったでしょう?」
「ええ。どうして分かったんですか」
「いや、あんまし健康的なとこでデートしてなさそうだから」
ひどいなあ、と笑い、アヤカはまた新しいタバコに火を点けてやった。
714 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/04(水) 12:08
カルティエメンソールは今は輸入廃止になったそうです。蛇足ですが。

( `.∀´)y−~~<ほどよく軽くて好きだったんだけどねえ

更新しました。
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん

(;‘д‘)<うわー、ベタやな!ケチャップで『LOVE HITOMI』やて!ショウワノセンスヤデシカシ

(* ^▽^)<イヤーン!

当然いしかーさんはやってます(w 細かいネタを覚えててくだすってて嬉しいです。
ミキティは分かりやすいですよね(爆


>708の名無飼育さん

(;`.∀´)y−~~<ホントによく食べるわねえ

( ´ 。Д `)<んあ〜、だっておいしいんだもん

なっちにはソロになってもがんがってほしいと思います。
オムライスにカレーは書いてる私もおなかが空きました(w で、後藤さんは今日は平家宅へ。
715 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/02/05(木) 02:51
更新お疲れ様です。
祝、ベストジュエリー賞10代の部( ´ Д `)ノ゜
(0^〜^)<宝石つけても綺麗だけど、ごっちんは料理が上手で家庭的なんだYO!いいお嫁さんになりますよ、市井さん。
ごっちんの味噌汁おいしそう。ちなみにうちは白味噌です。

( ‐ Δ‐)<じ〜っ……    ( `.∀´)
( ‐ Δ‐) .。oO(アヤカちゃん川‘.▽‘)||みたいな綺麗な子を振って、さらにあんな美人のカオリちゃん川‘〜‘)||と付き合っているとは…)
うお〜!許せん!>((((+ ‐ Δ‐)○゛ ((((( ;`.∀´)<何ですか?いきなり?
村さんはモテるケメちゃんにジェラシーを感じるんでは?
716 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/11(水) 10:39
●昨日の「CDTVスペシャル」より
 恋人にしたいアーテイストBEST100では、ハロプロ勢が多数占めていました。(あややの2位が筆頭)
これは、一大勢力といっても過言ではないでしょうか。
 また、歴代ラブソングコーナーでは、98年「抱いてHOLD ON ME NIGHT」99年「LOVE
マシーン」がランクインされていました。元メンの皆さん懐かしかったです。当時からのメンバーは、現在川‘〜‘)||(〜^◇^)
のみなのですよね。私より年上のメンバーもこの2人のみになりました…。モー娘。の歴史を考えさせられました。
717 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/11(水) 20:42
翌日。

加護はタンポポでのバイトを終えたあと、矢口に挨拶をし駅に向かった。
どうにかギリギリで新幹線に乗れ、ふうっと一息ついて席に着く。

「すいません、ちょっと失礼します」
「あ、ハイ」
加護は携帯から顔を上げ、目を丸くした。
窓際の席に自分の担任の先生が座った。
「先生…」
「おう、なんや。加護か。おまえも実家帰んのか」
「ああ、ハイ。先生もですか」
「先生はこれから嫁さんの実家に里帰りするんや。名古屋までな」
「そうですか…」
先生はコーヒーの缶を開け、うまそうにごくごくと飲んだ。
あー、ウマイわと満足そうだ。
彼は加護と同郷らしく、大学のとき東京へ出てきたといつだか言っていた。
学校の授業では標準語だが、こうして話すと関西弁が出てくる。
「この前はすまんかったな、先生が出張中やったばっかりに」
一息ついたあと、彼は言った。
加護の自宅謹慎処分騒ぎの時のことを言っていた。
それからすぐ冬休みだったので、ちゃんと話す機会がなかったのだ。
「いえ、こちらこそご迷惑をおかけしました」
「俺が出張で東京離れてる間にごちゃごちゃあって、悪かった。
もしそこにおれたら、そこまでややこしいならんかったものを」
「いえ、いいですよ。もうすんだことですから」
加護が慌ててそう言うと、彼は感慨深げな表情になった。
718 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/11(水) 20:43
「そっくりやな、そういうとこお母ちゃんに」
「お母ちゃん、ですか?」
加護はきょとんとする。
「おお、俺はお前んとこのお母ちゃんの担任持ったこともあるんや。
初めてクラス持ったんがそやったなあ」
「そう、なんですか…」
「いや、まだお前がちっちゃいときやと思うわ。
クラスの同窓会あって、そこでお母ちゃん言うてんで。
『亜依が高校生になって、本人が望んだらあの学校に入ってほしい。
自分が学生時代、あの高校で幸せな時間を過ごせたから、
亜依もそこで一番楽しい時期を過ごしてほしい』ってな」
「そんなん…初めて聞きました」
「お母ちゃんに頼まれたんや。『亜依があの学校に入ったら、よろしく頼む』って。
…あれがあいつに会った最後やったなあ、まだ若かったのに」
彼はためいきをつく。
急すぎて葬式にも顔出せんかった、と呟くように言った。
加護の母は彼女が小学生の時、病死した。
そのときのことを加護は思い出していた。
719 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/11(水) 20:45
「お母ちゃんに頼まれてたのに、すまんかったな。お母ちゃん天国で怒っとるやろな。
『先生しっかりしてえな!』て」
彼は苦笑しながら言った。
「またこないなことが起きんように俺もできうる限りのことはする。心配すんな」
「…ハイ」
「ほなな、また新学期に」
名古屋に着き、彼は降りて行った。


『亜依は大人になったら何になりたいねん?』
『んーと、お母ちゃん!』
『なんや、お嫁さんになりたいんか』
『ちがう、お母ちゃんになりたいねん』

高速で過ぎていく窓の夜景を見て、加護は涙を零した。

お母ちゃん。
ウチはお母ちゃんが死んでからずっと一人ぼっちやと思ってた。
いっぱいイヤな目にもあったけど、ウチが心を閉ざしてただけやったんや。
お母ちゃん。
ありがとう。

加護は泣いた。
今までつかえてたものが、剥がれ落ちるくらいに。

列車は夜の闇を切り裂いて走って行った。
720 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/11(水) 20:47
更新しました。
レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ‐ Δ‐)<アヤカちゃんは『カオリちゃんを守る会』っての作ってるんだって〜

ジェラシーは感じてませんが、( ‐ Δ‐) <どうやってカオリちゃんが脱ぐのを説得しよう
とか考えてると思います。本物ごっちんも料理得意らしいですね。

>716の名無飼育さん
煤i;〜^◇^)<え!?オイラより若いの?ビクーリダヨ!

いやお若いんですね。ビックリしますた(汗。
「CDTV」見ました。恋人にしたいランキング、ガキさんとリーダーが順位並んでたのが
印象的ですた。
721 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/11(水) 21:44
―――吉澤視点

あやゃからメールがきた。

『从‘ 。‘从<ひーちゃん、11月の連休以来だけど元気〜?
        もうすぐお正月だけど帰ってくるんでしょ。
        あたしは美貴が29日の夜に北海道帰るから、見送りに羽田まで行きます』


29日って…明日じゃんねえ。
これは羽田まで出てこいってことか?
しばらく考えてると、今度はあやゃ本人から直接電話があった。
『ひーちゃん、明日バイト入れてる?』
久しぶりとか元気、もなくいきなり予定を聞かれる。
「入れてるけど、夕方までだよ。美貴ちゃんは何時の便で帰んの」
『んー、8時くらいだったかなー』
「じゃ、大丈夫だね。あたしも行くよ」
『梨華ちゃんも連れて来てね♪』
「へ?なんで」
『あたしが会いたいから!』
…まったく。
あやゃにはかなわない。
「都合聞いとくから」と返事し、とりあえずいったん電話を切った。

梨華ちゃんが帰ってきてから事の次第を伝えたところ、快く了解してくれた。
『梨華ちゃんも一緒に来てくれるって』
寝る前にメールを送り、明日も早いので眠りについた。
722 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/11(水) 21:48
―――保田はシャツを肩からひっかけ、タバコに火を点けた。
そばには飯田が幼い顔をして眠っている。

「ん…う〜ん」
タバコの香りに気付いたのか、彼女が目を覚ました。
「いい鼻ね」
保田は感心したように笑う。
「またこっそり吸って〜」
飯田はむくれて保田の腕を軽く叩く。
膝枕して、と甘えた声で言い、飯田は返事を待たずに保田の腿に頭を載せた。
タバコをそばの灰皿にもみ消して、飯田のくしゃくしゃになった長い髪を
綺麗に指で直してやる。
「ねえ」
「ん?」
「どうして、消すの?」
「頭の上で吸われたら煙いでしょうが」
危ないし、と保田は付け足した。
「灰皿持って吸えばいいじゃん」
「それでもよ」
「圭ちゃんさ」
飯田は少し頭を上げた。
723 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/11(水) 21:51
「カオとエッチしたあと、カオが寝てる間によくこっそり吸ってるでしょ。なんで?」
「いや、別に意味はないけど」
なんとなくよ。
保田は困ったように笑った。
明日は飯田が北海道へ里帰りする。
1週間は会えない。
「…今年ももう終わりだね」
保田の腿に顔を埋めて飯田は呟いた。
「明日帰るんでしょ?気をつけて」
仕事がなかったら空港まで送るんだけど。
保田の呟きに、飯田は首を振った。
「ううん、こうやってくれるだけでいい」
彼女は目を閉じた。

「このタバコってさ」
残り少ないパッケージを手に取り、飯田は言った。
「今度輸入やめるから吸えなくなるんだよね」
「よく知ってるわね」
「カオの友達が同じの吸ってるから」
へえ、と保田は言った。
「アヤカちゃんだけどね」
「アヤカ?あの子コレ吸ってんの?見たことないけど」
「圭ちゃんと同じのだから吸ってたんだって」
「…はあ」
飯田はじっと大きな目で見上げた。
「なに?」
「ニブチン」
「なによ」
「知らない」
飯田は保田の腿から頭を外して起き上がり、勝手にタバコをくわえ火を点けた。
保田は一連の動作をあきれたように眺め、やがて静かに笑い出した。
「そこ笑うトコ?」
「タバコやめたんじゃなかったの?」
「そっちこそ、やめるやめるつってやめないじゃん」
「その割にはアンタから『やめろ』って言われたことはないけど?」
だってさ。
くぐもった声で飯田は言う。
「圭ちゃんのタバコ吸ってるトコ、見るの好きなんだもん」
カッコいいから、と飯田は俯いた。
「タバコより好きなモノはあるけどね」
飯田から細身のタバコを取り上げ、その細い腕を取って唇を奪った。
724 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/11(水) 21:55
更新しました。

725 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/02/12(木) 01:19
CDTVは( ‐ Δ‐)が入ってたのが印象的でした。
川σ_σ||<姉ちゃんも飯田さんも普通にしてればきれいなお姉さんなんだけどね。
私の記憶が確かなら以前まで(・´ー`)が5回連続(2年半)の1位でした。この記録はCDTVではそれまでの3回連続1位のアーティストを超える新記録です。

更新お疲れ様です。
(OT〜T)<ほんとにあいぼんの話はいつも涙なしでは語れません。
あいぼん、やっぱり両親に愛されてましたね。

ヽ^∀^ノ<うわ〜このエロ大臣!このあと何連戦だよ?
という市井ちゃんの声が聞こえそうな甘甘のやすかおでした。
726 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/15(日) 20:09
新垣里沙は学校で社会科の補習を受けていた。
『たく、もうすぐお正月だってのに。つーか今日日曜だし!』
ぶすっとした顔で、くるくるとシャーペンを回す。
あまつさえお昼を食べた直後なので、眠気も催してくる。
「したがって、ここでは…ガキさん?」
教壇上の担任に声をかけられ、新垣は
「あい?」
と慌てて返事する。
「ガキさん聞いてた?」
「あ、はい…」
隣の席ではクラスメートの道重がしきりに前髪を気にしていじっている。
新垣は半分寝ぼけていた。
担任が教卓をばんばん叩く。
「ガキさん!しっかり!」
「あい!」
「ガキさん!」
「はいってば!」
道重はやっぱり前髪を気にしていた。

「ふあーあ。眠いったら…」
「ガキさん、半分以上寝てたでしょ」
道重が笑って言う。
補習を終えたふたりは、下駄箱で靴を履き替えていた。
「シゲさんこそ、なんで補習受けてんのさ」
道重は中学入学以来、どういうわけかほとんど首席だった。
『ほとんど』というのには理由があり、
「あのね」
「うん」
「さゆ、今回の社会のテスト、半分以上解答欄ズレてたの」
「…はぁ」
というのが主たることだった。
「でも、総合では亀井さんの次の次だったの」
やはり同じクラスの亀井絵里の名を彼女は挙げた。
亀井も中学に入ってからはほとんど次席だった。
繰り上がって首席になる時は大抵道重が先述のようなヘマをする時だ。
727 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/15(日) 20:10

「3番か…すっごいね」
「ううん、4番だよ。亀井さんは今回2番だったの」
「へ?そうなの?」
「うん、調子悪かったのかな」
急に強い風が吹いてきた。
道重は慌ててカバンからとてつもなく大きな鏡を出し、
「やーだ。髪の毛がヘンになっちゃう」
といそいそと直し出した。
『デカッ!』
いつものことだが、道重の顔以上は軽くある鏡に、新垣は引いてしまう。
「はぁ、これでよし。ね、さゆカワイイ?」
「あー、カワイイカワイイ」
「やけくそで言ってない?」
「んなこたあない」
「もー、ガキさんマジメに答えてよお!」
ふたりが騒いでいると、
「よう!」
制服姿の小川が軽く手を挙げた。
「あ、まこっちゃん」
「こ、こんにちは」
道重はうっすら頬を染め、新垣の後ろに隠れるように立つ。
「えっと、シゲさんだっけ?この前はごめんな」
「い、いいえ。あたしこそすみませんでした、急に」
「また遊ぼうな」
小川はあくまでさわやかに笑う。
『この天然タラシ…』
新垣は心の中で呟いた。
「まこっちゃん、新潟いつ帰んの?」
「今日の晩だよ。なんか欲しいモンあるか?」
「お米」
「それはおめーん家のおばさんがリクエスト済み」
「じゃ、笹だんご」
「オッケ。じゃ、今日は急ぐからまたな。シゲさんも」
「あ、ハイ」
バイバイ、と手を振り、小川は帰ってしまった。
後姿を見送って、道重はとろけそうになっている。
「あのさ」
「なに?」
「まこっちゃん、どこがツボ?」
「え、だってカッコいいじゃん」
「はぁ、カッコいい、か…」
ご近所さんだけあってヘタレな場面も数々目撃しているため、新垣は首をひねった。
728 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/15(日) 20:12

―――吉澤視点

夕方。

梨華ちゃんと駅で合流し空港へ向かうと、あやゃはもう着いていた。
美貴ちゃんも『よっちゃんさん!』と手をぶんぶん振っていた。
「あれ…」
ロビーで思いがけない人に会う。
飯田さんだった。
「よー、旅行でも行くのー?」
「いえ、見送りっす。飯田さんこそ」
「カオは今から実家帰んの。…あれ?」
「ご無沙汰してますー。えと、確か飯田さんでしたよね?夏にお会いした」
「ああ、吉澤の幼なじみの。どうも。えーと、あやゃちゃん?」
「あはは、あやゃで結構ですよー」
「いやいや偶然」
飯田さんも交えて軽くお茶がてら食事することになった。
話から美貴ちゃんと飯田さんが同じ飛行機だと分かる。
世の中というのはすごくて、しかも席まで隣同士だった。
「やだー。家どこー?」
「あ、滝川です。飯田さんは?」
「札幌だよ」
「そうですか、しかし席まで隣とはー」
ふたりはしばし地元トークで盛り上がっていた。
美貴ちゃんの横にいたあやゃが、ちょっとムッとしている。
拗ねてるのだろう。
その様子を見て、梨華ちゃんはフフッと笑った。
「可愛いね、亜弥ちゃんって」
「あー、うん。美貴ちゃんもタイヘンだと思うけど、ヤキモチやきだし」
ジュースを飲みながらふたりでこそっと話してると、
「ごめんごめん、美貴ちゃん独占しちゃって」
あやゃに向かって、飯田さんが笑って謝った。
あやゃはハッとしたように
「あ、や、いえ。たんが悪いんですから」
ぶんぶん首を振った。
「なんじゃ、たんって」
ウチが口をはさむと、
「美貴たんのたん」
とあやゃが美貴ちゃんの肩にもたれかかって簡潔に答えた。
もたれかかられた美貴ちゃんは決まり悪そうに笑ってる。
「さて、そろそろ出るかね」
飛行機の時間が迫ってるので、飯田さんはそう言って立ち上がった。
729 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/15(日) 20:14

「はぁーあ。行っちゃった」
飛行機を見送ったあと、あやゃはうーんと伸びをした。
「亜弥ちゃん、今日はこのあとどうするの?」
梨華ちゃんが言った。
「んー、今日は家帰っても誰もいないし、せっかくこっちまで出て来たから漫画喫茶とかで時間つぶして
明日ちょっと遊んで帰ろうかなーって」
「じゃ、今日はうち泊まる?お布団もお客様用のがあるし」
「え、いいの?」
あやゃが目を丸くする。
梨華ちゃんの申し出にウチもびっくりした。
「うん、何もおもてなしできないけど、寝るとこくらいならあるし」
「つーか、突然泊めて迷惑でない?」
「大丈夫だよ、裕ちゃんにはあたしから電話しとくし」
梨華ちゃんは携帯を取り出し、さっそく電話をかけた。


「わー…」
あやゃが中澤家の中を見て、なんか感動してる。
「広ぉーい…大きいおうちだねえ」
「だしょ?」
自分のでもないのに、ウチは無意味に胸を張った。
「なにさ、ひーちゃんのじゃないじゃん」
案の定、あやゃにゲラゲラ笑われる。
中澤さんはまだ帰っていなかった。
あやゃを泊めることは電話で快諾してもらえたので、とりあえず梨華ちゃんは
居間に通してくれてお茶まで入れてくれた。
「あやゃ、ウチの部屋で寝な」
「うん。ひーちゃん、部屋はキレイそうだもんね。ガサツだけど」
「うっせ」
「ひとみちゃんのお部屋にお布団運んどくね」
「あ、ウチがやるよ」
いいのいいの、と言って梨華ちゃんは2階にパタパタとスリッパの音を立てて上がっていった。
昨日あいぼんも実家に帰ったから、今日は本当に静かだ。
730 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/15(日) 20:16
風呂を借りていざ寝る段になったら、あやゃは
「ひーちゃんの部屋、むさくるしくってやだー」
ワガママを言い出した。
「なんだよ!むさくるしいって!ちゃんと片付けてるじゃん」
「片付いてるけど、なんてーの?女っ気?が足りない、圧倒的に」
「悪かったねー」
「しかもホラ」
あやゃは押入れをスラリと開け、
「殺風景なのに、宅録の機材は充実?みたいな」
ウチの大事な機材たちにケチをつけた。
「梨華ちゃんのお部屋はどんなの?」
入り口でウチらの小ゲンカをおろおろと見ていた梨華ちゃんは急にフラれて、
「え!?普通の…部屋だよ」
うろたえた。
「見せて♪」
「コラ!あやゃ!」
「いいじゃん、ね?」
あやゃにニッコリ微笑まれて、梨華ちゃんは困ったように笑って頷いた。

「やーん、可愛い!これぞオンナノコのお部屋ってカンジー!」
あやゃははしゃいで、梨華ちゃんのベッドに座ったままぽんぽん軽く飛び上がった。
「オンナノコのお部屋でなくて悪うござんしたね」
ウチはブスッとして入り口で腕組みした。
梨華ちゃんは隣で困ったように眉をハの字にしてる。
「ね!梨華ちゃん今日一緒に寝よ!」
「へ!?」
「て、オイ!」
「いいじゃんいいじゃん!ねー、ひーちゃん1日くらい梨華ちゃん貸してくれていいでしょー!」
「どうする?」
梨華ちゃんの顔を見ると、
「ん…いい、よ?」
ただしあたし寝相悪いよ、と梨華ちゃんは苦笑いした。
731 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/15(日) 20:19

はぁ。
あやゃのヤツ、ワガママ言って結局こうなったけど。
自分の部屋でベッドに横になってると、
「ひーちゃん、なんでこないのさー」
ドアの外から、声をかけられた。
「あ?」
「こっちに布団敷いたからおいでよー」
梨華ちゃんの声が続く。
「つーか、ウチだけ床っすか(笑)」
お嬢様がたがそう言うので、ひょこひょこと梨華ちゃんの部屋に戻った。

梨華ちゃんとあやゃはシングルのベッドに身を寄せ合うように横になってる。
ウチは床に敷かれた布団でひとり寂しく体をぬくめていた。
「あー、梨華ちゃんすっごいイイ匂いするー。オンナノコってカンジー」
「コラー!ウチに無断で嗅ぐな!堪能するなー!」
「やだー、ひーちゃん独占欲強ー」
「飯田さんと話し込んでる美貴ちゃんにヤキモチやいてるアンタに言われたくねーっつの」
「ね、ふたりとももう寝よ…」
梨華ちゃんが暗闇の中、眉をとほほと下げているのが分かった…。


翌朝。
起きると、中澤さんが朝ごはんの支度をしていた。
ゆうべは遅く帰ってきたようだ。
梨華ちゃんとあやゃも起きて手伝っている。
「中澤さぁーん。これはここでいいんですかぁ?」
「ああ、おおきに。そこでエエで」
あやゃはウチの知らない間に、すっかり中澤さんと打ち解けている。
「わー、このお味噌汁おいしー。この煮物も。うちのママが作るのに似てるー」
「お母さんは関西の人なん?」
「ええ、姫路出身なんです」
「へえ、ウチは京都やねん」
「そうなんでかぁ」
ウチはもくもくとごはんを頬張りながら、ふたりの会話を聞いていた。
「亜弥ちゃん、おかわりは?」
梨華ちゃんが手を差し出して言うと、
「いただきます♪」
あやゃは遠慮なくお茶碗を渡した。
相変わらずよく食うなー。
それなのにこの体型。
奇跡だ。
732 名前:SILVER BELLS   投稿日:2004/02/15(日) 20:21

「それじゃ、お邪魔しましたー。ありがとうございますー」
ごはんのあと、バイトに出かけるついでにあやゃを駅まで送ることにする。
商店街にお正月の買物に行く梨華ちゃんも、パタパタと走って玄関まで来た。
「あー、もうお正月だね」
早々と門松を外に出してる家を見て、あやゃが呟いた。
「そうだね」
「また遊びに来てね」
「うん!梨華ちゃんまた一緒に寝ようね〜」
まったく、調子いいなー。
そう思ったのがカオに出てたのか、
「ひーちゃんがヤキモチやかない程度にね」
あやゃがふふんという風に笑った。

『いきなりのお泊まりごめんねー。中澤さんと梨華ちゃんにもよろしく。
また遊んでね、ひーちゃん♪』

夜。
あやゃからメールがきた。
それを梨華ちゃんに見せに行くと、彼女は部屋でアルバムの整理をしているところだった。
「これ、保田さん?」
一枚の写真を指すと、梨華ちゃんは頷いた。
「あ、うん。保田さんが今のひとみちゃんの部屋で下宿してるときの。隣にいるのは福田さん。
あいぼんの部屋に下宿してたの。裕ちゃんの隣にいるのが石黒さん」
「あ、この前遊びに来た…」
「そう。中澤ハイツにいたの。ごっちんが今住んでるトコに」
「へえ」
写真の中ではちょっと若い保田さんや中澤さんたちがベッドに座ってじゃれついてる感じで
写っていた。
髪が黒くて前髪が何故かぱっつんな飯田さんが、畳に笑いながら転がり落ちそうになってる。
みんな楽しそうだ。
梨華ちゃんがいないのは、撮影担当だったためらしい。
「…保田さんの部屋って、すっげーオサレ?」
バックに写ってる額に入ってるポスターとかも、なんかこじゃれた感じだった。
ウチのいまの部屋とは大違いだ。
「あ、うん。カーテンとかも凝ってるのつけてたよ」
「…はぁ」
むさいのは畳のせいじゃない!
心がけだ!
ちょっとインテリアに凝ろうと思った年末のある日の夜だった。
733 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/15(日) 20:25
更新しました。


川‘〜‘)||の握手会になんばHatchまで行ってきました。
『アターレ飯田の扮装で赴き、握手のときカヲリの失笑を買う』ということも考えましたが、
一応まっとうな社会人なので思いとどまりました。
で、カオリは可愛かったです。いや、マジで。笑うとタレ目になるし。


レスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
( ´D`)<あいぼんはみんなのにんきものなのれす

あいぼんさんほど両親に愛されてる人はちょっといません。やっと本人もそこに気付いたようです。
やすかおはムダに甘甘です。


訂正です。
>>723
仕事がなかったら→用事がなかったら
734 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/15(日) 20:42
ひさぶりに、よしの出番が沢山でうれすぃ〜よ。
735 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/15(日) 21:04
・傘がない


それぞれ部屋でマターリするふたり
 
 (^▽^ ) | ( ‘д‘) 


♪じゃかすかじゃかすか…

(^▽^;) | (‘д‘;) 


♪とかいでぇーはぁ じさつすーる 

(^▽^;)<な、なにごと!?

自分ら、なにやってんの?>( ´д`)つ|ドア

(;0^〜^)<あ、うるさかった?

(;´D`)<よっすぃ〜にギター教えてもらってたれす、ごめんれす

( ´д`)<…なんの歌?

( ´D`)<ようすいの「かさがない」れす

( ´д`)<(…ようすい?『井上陽水』か。本名は確か陽水で『あきみ』やねんな)へえ…

( ´D`)つ□<オバチャンにおんげんもかりたれす。「だんぜつ」れす ←CDなんてものでもなく、
                 LPをダビング(死語)したカセット(MDですらない)

(0^〜^)<かっけー歌なんだYO!

( ^▽^)<もう一度聴かせて?

(0^〜^)<合点だ!

 ♪じゃかすかじゃかすか…
( ´D`)(0^〜^)

( ´D`)(0^〜^)<<♪都会では〜自殺する〜若者がぁ増えているぅ〜

(;´д`)<(これでもかってくらいのフォークやな)

( ´D`)(0^〜^)<<♪行かなくちゃ〜君に〜会いに行かなくちゃ〜

( ^▽^)<♪会いに行かなくちゃ〜

(;‘д‘)<ハモってるし!しかもその声でフォーク!ある意味ロックやで、しかし!


アンドレ・カンドレってなに?漫才師?>( ´ Д `) (`.∀´;)<違う!


『傘がない』はアルバム『断絶』他に収録されてます
736 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/15(日) 22:19
更新乙です。
ブレーメン良かった!次回はののたんでてくるんですかね?
期待しつつお待ちしております
737 名前:わく 投稿日:2004/02/16(月) 00:31
お久しぶりのレスします!!
いつも読んでまっす☆
そろそろやすかおに負けず、いしよしのアダルティー(死語?)なラブラブっぷり見たいっす☆
これからもがんがってくださ〜い!!
738 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/02/16(月) 02:44
ハロモニ、デビルよっすぃ〜
いっしょに遊ぼう。>ゝVvV丿(^◇^〜)<うん。
ゝVvV丿(^◇^〜) (^〜^O))))))
ゝVvV丿(^◇^〜)(^〜^O)<やめとけ。そいつはライブ中に鼻をかみすぎて鼻血を出したり…
ゝ;VvV丿(^◇^〜)(^〜^O)<焼肉でレバー3人前食うやつだぜ。お前の肝臓も食われちまうぞ。
よっすぃ!そんなの台本に書いてないでしょう!>(((((ゝ+VvV丿  (((((((0^〜^)
从‘ 。‘从<じゃあ、あたしも美貴たんに肝臓食べられちゃうんだ。
ゝ;VvV丿<あやちゃん…

更新おつです。
久々のあやみきでうれしいので、上のミキティネタです。
あと、デカイ重さんがちっちゃいガキさんに隠れないと思いますた。
ブレーメンはこの小説のためにあるようなもんだと思いながら見てます。
739 名前:はれ 投稿日:2004/02/16(月) 15:57
日曜から大学も春休みに入り、バイト以外では家でまったり過ごしています。ここに来て、ようやく話の中の
時期が動いてきたみたいですね。
740 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:48

市井は部屋でケーキの箱を目の前にしてそわそわしていた。
2日前にスキーに出かける後藤を見送りに行き、そこで念願の手作りケーキをもらう。
ちょっと箱を開けて見せてもらったが、市井のグレッチを模したかなり凝ったケーキが姿を現した。
「すっげー!ちゃんと弦が6本だよ!」
市井ははしゃいでチョコペンで書かれた弦を嬉しそうに数える。
スポンジの上に着色したマジパンをかぶせ、かなり本物に近づけてある。
「これ作るの大変だったんじゃねーの?」
「うん。何度も失敗して、ハラたつからいちーちゃんに『死ね死ね』って呪いながら作った」
「ハハハ…」
渇いた笑いを浮かべ、市井はそっとケーキの箱を閉じた。

―――それから2日。
市井の誕生日は明日だ。
明日までガマンしようかと思ったが、『ちょっとだけならいいかな』とこそっと箱を開ける。
「…ぎゃぁぁぁぁー!」
ケーキ箱のフタを持ち上げたまま、市井は腰で後ろに仰け反った。
『( ´ Д `)<たんじょーびまでもたないカモだから、さっさと食べちゃいなよ〜』
別れ際に後藤が言った一言を、今更ながら思い出す―――。
この2日―――。
ガンガンに効いたヒーターのそばにケーキを近づけていた。
暖房の熱気をモロかぶったケーキは。
チョコは溶け、ところどころかび、目も当てられないくらいの惨状を呈していた―――。
741 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:49
「ふあーあ」
仕事場で、村田は椅子に座ったまま伸びをした。
気分転換に、リビングのテーブルでエッセイの原稿を書いていた。
「先生、コーヒーでも淹れましょうか」
「おながいします」
おながい?とアヤカはふと疑問に思ったが、コーヒーを淹れにキッチンに立つ。
「ブルーマウンティンとモカ、どっちがいいですか」
「えーと。缶に『オリジナルブレンド』ってシール貼ったヤツないかなあ。それがいいです」
「ハイ」
しばらくして、湯気とともにコーヒーの香ばしい匂いが漂ってくる。
コーヒーの香りは美少女と美女の香りの次にいい。
村田は強く頷いた。
「明日ハワイ行くんだよねえ」
「ああ、はい」
今日は泊まりになるので、アヤカは旅行カバン持参だった。
「先生は?まっすぐ実家に帰られるんですか」
「ああ、うん…」
村田は言葉を濁した。

『明日から新潟に帰ります。4日に帰る予定。何かあったら携帯にお願いします。
午前中までは会社にいます。斉藤』
今朝携帯に届いたメールを、村田はずっと気にしていた。
「斉藤さんも明日実家に帰られるんですよねえ」
「なんで知ってんの?」
村田は思わず体を起こした。
「ああ、ご本人からお聞きしたからです」
「あ…そっか」
「気になります?」
アヤカはにっこり笑って、コーヒーの入ったマグカップを手渡す。
「いやいや…まあ、それはあれだ」
村田はメガネをかけてもいないのに、
「メ、メガネはどこかな」
とテーブルの上をごそごそと探り出した。
742 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:51
そんでもって大晦日―――。

加護は朝早くから身重の母に代わって正月のものの買物に来ていた。
財布を出そうとし、鞄に出し忘れた封筒が入ってるのに気付く。
「あ…しもた」
辻にクリスマスプレゼントを面と向かって手渡すのが照れくさく、封筒に入れて中澤家宛に出そうと
鞄に入れていた。
実家に帰る前にポストに投函するつもりが、ばたばたしていて結局そのままにしてしまった。

『どうしたモンかね…まあ、ええか』
ちょうどそばに郵便ポストがあったので、そのまま封筒をすべり落とす。
差出人の名がない封筒は、静かに落ちていった。

オーストラリアでは―――。

紺野はホームステイ先でパーティーの準備を手伝っていた。
高橋もこの近所でお世話になっており、合同でホームパーティーをすることになっている。
「あさ美ちゃん、つまみ食いばっかしとらんと」
後から手伝いで訪ねて来た高橋に言われ、紺野は真っ赤になった。

一方。
辻は朝からチキンを捌いたりケーキを焼いたり大張り切りだった。
「ののは食べることだけは熱心よね」
キッチンで後ろから姉に冷やかされ、
「そんなこと言うんだったら、おねーちゃんにはあげないれすぅ」
顔をしかめてイーッとする。


―――日本では

市井は自室で呻いていた。
そこへ携帯が鳴る。
「も、もしもし?」
『さやー?あんた帰ってくるんじゃなかったのー?』
姉だった。
一足先に実家に帰ってるらしい。
「ね、ねーちゃん…は、ハラがいたい」
『はぁ?なんかくさったモンでも食べたんじゃないの?』
「く、くさってはいないけど…カビてた」
『…バカ』

姉は『迎えに行くからおとなしくしてな』と言い、そのまま電話を切った。

「イテテテテ…」
顔をしかめて、市井はまたうずくまった。
743 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:52
吉澤はためいきをついてバイトに向かう。
どことなく元気がない。
その理由は、ゆうべまで遡る。

昔のアルバムを梨華に見せてもらい、ふたりで楽しく眺めていた。
梨華の昔の写真なども見て、何となく盛り上がり、そのままベッドにじゃれながら入った。

『…ぐおー。ぐおー』
連日のバイトで疲れていた吉澤は、まっぱで梨華に乗っかり、そのまま途中で爆睡した―――。

『ひとみちゃん、疲れてただろうしいいよ。気にしないで』
梨華は朝そう言ってくれたが、吉澤はちょっと自分が情けなくなった。

「いやー、悪いね。大晦日だってのに」
安倍が気遣うように言うと、吉澤は
「イエ」
と小さく笑った。
大晦日なのでそんなに客入りはないが、細々とした仕事を片付けることになっていた。
午前だけ入り、昼過ぎには実家に帰る。
開店前の静かな店内を吉澤は何となく見渡した。

『ひとみちゃん、今日バイトお昼までなんだよね。
あたしもお昼から裕ちゃんのお使いで出かけるから、よかったら駅前で何か食べない?』
梨華からのメールに
『うん。終わったら電話するね』
と簡単な返事を送り、黙々と仕事に励む。
しかし横顔はどことなくニヤけていた。
744 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:53
後藤は早朝にスキーから帰ってきて、休む間もなくおせち作りや大掃除を手伝い、
一段落つくと風呂に入ってそのまま電池が切れたように眠ってしまった。
家族はいつものことなので、夕方まで放っておく。
「いちーちゃん…ケーキちゃんと食べたぁ?」
そんな寝言を言いながら、幸せそうに寝返りを打った。

吉澤はバイトを終え、即、梨華に電話をかけた。
『駅前の本屋さんにいるの』
吉澤は『そこで待ってて』と伝え、すぐ向かう。
本屋で合流し、そのままケンタに行った。

「あのさ、梨華ちゃん」
ビスケットを齧って吉澤は口を開く。
「うん?」
「その、ゆうべ…ごめん」
梨華は困ったように笑い、
「もう気にしてないって」
吉澤の口のはたについたビスケットのカスを取ってやる。
「あ、その…年、明けてウチが実家から帰ってから…」
吉澤が全部言い終わらないうちに、梨華は赤くなって俯く。
つられて、吉澤も赤くなる。
「あ、その…うん、れ、連絡するから」
「うん…待ってる」
ふたりは俯いたまま、ビスケットを黙々と齧るのだった。

「じゃ、ここで」
吉澤と梨華は途中まで一緒に電車で出た。
ふたりとも乗り換えがあるので、ここで別れることになる。
吉澤は梨華が乗り換えるホームまでついて行き、彼女が電車に乗るのを見送った。
「ひとみちゃん、よいお年をね」
梨華が電車の中から声をかける。
「あ、うん。梨華ちゃんも」
「じゃ」
そこで扉が閉まる。
ゆっくり動き出した電車の中から、梨華が小さく手を振ってるのが見える。
吉澤もその場で振った。

電車が見えなくなると、吉澤はそのままゆっくり自分の乗る電車のホームに向かった。
745 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:55
「はぁ」
村田は今日何度目になるか分からない溜息をついていた。
斉藤が上野から新幹線で帰る情報は掴んだが、どうにも二の足を踏んでしまう。
「先生、それじゃあたしはそろそろ…」
アヤカは鞄を持って、帰ろうとする。
「あ、待って。上野まででよかったら送ってあげるから。タクシー呼んだし」
「いいんですか」
「うん」
「斉藤さんの新幹線の時間は大丈夫ですか」
「な、なにもヤツを見送りに行くとは言ってないじゃん。そう!アメ横に行くのよ!アメ横に!
あゆみの好物のマグロのアラも買おうかってね」
かなりムリのある言い訳だったが、アヤカは笑って聞き流した。

タクシーは上野に向かう。
アメ横で大量に買物をしたと思われる人たちがぞろぞろ信号を渡っている。
「アタシが言うのもなんですが」
信号待ちのとき、アヤカは言った。
「うん?」
「チャンスは前髪の先ほどしかないって言いますよね。
あれ、ホントだと思います」
「そう」
「タイミングを見逃さないでくださいね」
くすっと笑って、アヤカは村田のほうを見た。
村田はなんとも言えない気持ちで見返す。

タクシーを降りたふたりは、丸井の前で別れる。
「じゃ、ここで」
「ハイ」
「グッドラック」
村田がそう言って腕を上げたので、アヤカも手を上げた。
手をぱちんと叩き、村田はそのまま人ごみに消えた。
746 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:56

仕事を終えた保田は、そのまま千葉の実家に戻る。
母に言われ自分が昔使ってた部屋の掃除を済ませ、風呂に入りぼんやりとこたつでテレビを見る。
携帯にメールが届く。

『北海道は、ハンパじゃない雪です』
写メールには、雪だるまと一緒に写っている飯田の姿があった。
近所の小学生なのか、こどもたちとピースしている。

携帯の画面をしばらく優しい目で見ていた。
何か自分も送ろうと思い、こたつの上にあったカラつきのピーナッツにレンズを向ける。

『( `.∀´)<正真正銘の千葉産よ!中国産じゃないわよ!』

しばらくたって返事がくる。

『ぎゃははは!圭ちゃんも正真正銘の千葉産なんだ〜』

『そうよ!北海道産には負けないわよッ!』

自分にレンズを向け、( `.3´)こういう顔をしてシャッターを切る。

「大晦日だってのに、まったくねえ…」
保田は苦笑いする。
母が年越しそばができたと声をかけるまで、飯田とメールを送りあっていた。
747 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:57
市井は実家の自室でおとなしく寝ていた。
下のリビングから、家族の楽しそうな笑い声が聞こえる。
レコード大賞が始まったようだ。
ちょっと、いや、かなり寂しい思いをしながらさっき姉が持ってきてくれたおかゆを啜る。

後藤がくれてそのままカビさせてしまったケーキを、カビを取り除いたりしてムリして食べた。
案の定ハラを壊し、姉に病院に連れてってもらう。
軽い食あたりと診断され、帰ってそのまま横になった。

「た、頼むから後藤には黙っててくれ…」
事情を話し、ハラを押さえながら姉に『後生だから』と頼み込んだ。
姉は『分かった』と言ってくれたが、思わぬ筋から情報は漏れてしまった。

「んあ〜、こんつわー。具合、ど?」
一番来て欲しくない人間が見舞いに来た。
片手にはコンビニの袋。
大きなスポドリが袋のふちから見えた。
「後藤…」
市井は背中を向けて寝ていたので、向き直りちょっと体を起こす。
「年の瀬におなかこわすなんてね。いちーちゃんらしいね」
「うっせ」
ムクれて、また背中を向けようとする。
市井はベッドマットを床に直に敷いて寝ているので、後藤はそのまましゃがんで
「拗ねないの〜。ごとー、怒ってないからさあ」
市井の顔を覗き込もうとする。
「でも、あきれてるんだろ?」
「まあ、ね」
「はぁ…」
市井は溜息をついて、腕を頭の下に敷き、天井を見つめる。
急に、視界が暗くなったと思った。
キスされてる、と脳が理解するまで時間がかかった。

「後藤…」
「ほんっと、バカなんだから」
後藤は市井の頬から手を離し、
「お誕生日おめでとう」
小さな声で囁いた。

「ね、もうすぐ紅白始まるよ。いちーちゃん、起きれるんだったら一緒に見ようよ。
ホラ、おかゆのお盆持っててあげるから」
「お、おう」
「今年はミキティ出るんだよ、松裏アヤも」
「アタシは前川清が見れたら…」
「もー。ホラ、行くよ」

『…生きててよかった!』
市井は後藤に分からないように勝利のガッツポーズをとった。
748 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 21:59
柴田の家では、リビングのこたつで姉がでろーんと伸びていた。
台にアゴを載せ、焦点の定まらない目で紅白を見ている。
「ねーちゃーん。生きてるー?」
妹はぱらぱらと手をかざす。
「ん。生きてるよ」
「あのさ、マグロのアラ買ってきてくれるのは嬉しいんだけど、尋常じゃない量だし。
うちは寿司屋かっつーの」
「食えばいいじゃん」
「はぁ…」
何を言っても通じず、『ダメだこりゃ』と妹はサジを投げる。
「はぁ…4時間36分前に別れたばっかなのにもう会いたい」
「なんですと?」
妹に揺すぶられ、姉ははっと正気に戻る。
「あ、や。アヤカちゃんよ、アヤカちゃん!斉藤ってことはないから、ハハハ!」
「そうですか」
母がちょっとどっちか手伝って、と台所から呼ぶので、妹は姉の頭をぽんぽん軽く叩いて
『はーい』と返事して行ってしまう。
姉は叩かれた頭を手で押さえ、じっと考え込んでいた。
749 名前:SILVER BELLS 投稿日:2004/02/22(日) 22:00
―――吉澤視点

昼間梨華ちゃんと駅で別れてから、実家に帰った。
自分の部屋の掃除したりお母さんがおせち作るの手伝ったりして、時間が流れて行った。
今日は地元の連れと初詣に行くことになってる。
日付が変わるくらいに、車で迎えに来てくれる。

紅白が終わって、「ゆく年くる年」が始まるくらいに電話があり、
「家の外で待ってて」と言われる。
家族に行ってくると言い、外に出た。

外は雪がちらついていた。
どうりで冷えるはずだ。

かじかむ指に息をふきかけると、上着のポケットの携帯がブルった。
連れからだろうと思い出ると、
『ひとみちゃん?』
梨華ちゃんだった。
「あ、梨華ちゃん」
『うん、ごめんね。いま、時間いい?』
「あ、うん。連れがもうじき来るんだけど、少しなら」
『あのね、特に用と言うのではないんだけど、何となく声が聞きたくなったの』
「うん」
『あのね、色々ありがとう』
「え?なに?」
少し笑ってしまう。
『あ、ひとみちゃんにいっぱい助けてもらったから。ありがとう』
「そんな、ウチはなにもしてないって」
『ううん。いっぱい助けてくれたよ』
「ソレ言うなら、ウチは梨華ちゃんにいつもお世話になりぱなっしッスよー」
クラクションが鳴った。
連れが迎えに来たようだ。
「あ、ごめん。来たみたい。またかけるから」
『あ、うん。おやすみなさい。よいお年を』
「うん、おやすみ」

電話を切って、車のそばまで行く。
暗闇の中、雪が散っているのが見える。
凛と冷え切った空気のなか、東京の梨華ちゃんのことを思う。

空はあとからあとから、白い破片を散らす。
上を見上げて、ウチは静かな気持ちで冷たい雪を受けた。
750 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/22(日) 22:05
更新しました。

で。柴っちゃん、誕生日おめ。

川σ_σ||<♪純潔のAh〜赤いフリージア

( ‐ Δ‐)<―――純潔?

川+σ_σ||=3<いいじゃん!

(`_´)<三日違いなのは、恥ずかしいことじゃありません

マサオもおめ!


レスのお礼です。

>734の名無飼育さん
(0^〜^)ノ<オイラもうれすぃ〜!

今回もひーちゃん結構出てます(wちょいラブラブで。最後は吉澤さんで締めました。

>736の名無飼育さん
(* ´D`)<のの、ちょっとしか出番なかったれすね

すみません、本文では少しでした(w ブレーメンの辻さん、可愛いですよねえ。

>わくさん
(0^〜^)<保田さんには負けねっす!

オヒサスブリです。今回はちょいラブラブだと思います。どうもです、がんがります。

>ヨッスィのタマゴさん
( ‘д‘)<ウチの出番はそろそろやなあ

シゲさん急にデカくなりましたよね(w 私はあのネコの時代くらいに生まれたので
設定とか懐かしいです。

>はれさん
( ゜皿 ゜)<ハルヤスミ ウラヤマシイ

初レスの方でしょうか。ありがとうございます。話がようやっと動きだしました(ニガワラ
これからもよろしくです。




751 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/02/22(日) 22:15
・世代差


この白いギターかわいいのれす>( ´D`)つ□←ギターのカタログ

 从 #~∀~从<なんや、白いギターやったら「TVジョッキー」出たらもらえるんちゃうんかい

(;`◇´)<若者は誰も知らんて←ギリッで知ってる

( ´D`)<TVジョッキーってなんれすか。スーパージョッキーなら知ってるれす ネットウブロ

(0^〜^)<オイラもそれならわかるYO!

 从 #~∀~从<みちよ、そのジーパンエドウィンやけど、番組でもうたんか?

(;`◇´)<そんなわけないやろ

 从 #~∀~从<えーと司会は土井まさるやったよな。平日の昼間にもなんや番組やってへんかったっけ

(;`◇´)<そっちはおかず作るほうの土井勝や。別人や!

  ???   ???
(;´D`)(;^〜^)

(  ´д`)<…若者が誰ひとりとしてついていってへんわ


「白いギター」と聞いて「奇人変人コーナー」と反射的に思い出す自分がイヤです。



752 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/22(日) 23:41
更新、お疲れです。
う〜ん、年の瀬のほんわかとしたムードが漂ってて、あったかくなりました。
いちごま、イイっすね!市井ちゃんと同じで、自分もガッツポーズw

そしてAA劇場に爆笑w てか、分かる自分がちょびっとかなすぃ・・
自分も白いギターって言うと、TVジョッキーかチェリッシュしか浮かびませんw
(;`◇´)<姐さんより古いわ!
753 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/02/23(月) 00:48
妻 川σ_σ|| 夫(`_´) 姉( ‐ Δ‐)
柴田家は全員うお座である。(マサオは婿養子という設定です。)

更新おつかれっす。
いち〜ちゃん、アホでよかったね。(笑)
ひ〜ちゃんは年明けはおそらく足腰が立たないくらいの梨華ちゃんの愛情が…その…
まあそういうわけで。次回も楽しみにしてます。
754 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/23(月) 01:38
おおっ!やったねいちーちゃん!

白いギターの話に笑った後、自分のおっさん度に気付きブルーに。
どうしてくれるんですか。(笑)

頭に浮かんだのは
ヘビ登場で逃げ出す土居まさるの代わりに場を仕切る相本久美子…

755 名前:オガマー 投稿日:2004/02/25(水) 11:01
村っち・・(w
いちーちゃんよかったね、いちーちゃん。
命知らずだねいちーちゃん。・゚・(ノД`)・゚・。
756 名前:はれ 投稿日:2004/02/25(水) 21:23
さっき、日本テレビ「速報!!歌の大辞テン」を見ていたら、モー娘。「memo
ry〜青春の光」が平成11年の第3位でしたね。私が、高校に入る直前の時の
歌で、懐かしかったです。メンバーの皆さんの初初しい姿が久しぶりに見られ
ました。私個人の意見ですが、今の娘。も良いけれど、また当時のメンバーが
集まって、再結成みたいな形になって欲しいです。元メンの皆さんもそれぞれ
違う道で頑張っているみたいで、ほぼ同世代の私も元気づけられています。
757 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/01(月) 04:57
本編に入る前に短い番外編を2つ3つ、書かせて頂きます。

では。

758 名前:Over Drive 投稿日:2004/03/01(月) 05:18
―――保田視点

駅前の商店街の、アベ楽器店の大将が亡くなった。
このまま店も畳むのかなーとみんなで噂してたら、大将のお孫さんだという若い女の子が
北海道から上京して店を再開させた。
この新しいオーナーに、最近アタシの親友がご執心だ。

「聞いて聞いて、圭ちゃーん!」
いつものように近所の居酒屋に行くと、先に来てた矢口がアタシの服の袖を引っ張った。
「なに?どしたん?」
「なっち!もーマジでかわいいの!いやマジで!」
「つーかさ、そんなに好きなら本人に言えよー」
「いやだってさ…」
矢口は人差し指と人差し指をくっつけ、ぐりぐりと押し合い、いじいじして見せた。
たく、日頃ヒトにツッコミまくってる割にはダメねえ。

アベ楽器店の新しいオーナー、『なっち』こと安倍なつみ嬢は北海道出身らしい素朴なキャラと
愛らしい童顔でアタシの親友のハートを鷲掴みにした。
見かけによらず(?)、楽器とか音楽のシュミがマニアックで、先代の大将の血を確かに感じさせる。
たまたまアタシは知り合いに頼まれて学童用のリコーダーを買いに行ったのだが、ちょっと喋っただけで
彼女と音楽の趣味がかなり似てることが分かり、驚くばかりだった。
759 名前:Over Drive 投稿日:2004/03/01(月) 05:19

「圭ちゃん、あのさー…ビートルズのCDとか持ってる?」
矢口の恋心に気付いたのはいつだったか。
ある日、タンポポにコーヒーを飲みに行くと矢口がもじもじしながら尋ねてきた。
「持ってるわよ。なに?聴きたいの?」
「うん…ヤグチも何枚か持ってるんだけど。ホワイトアルバムってある?」
「ああ、あれね。今度来るとき持ってくるわね」
「うん、ありがとう」
ホホッ!恋をすると名うてのツッコミもしおらしくなるわねッ。
今思えば、あのときすでに矢口は恋の病にかかってたのね。

「だからー、なっちマジかわいいんだって!もーヤバイって!」
「それはもう百万回くらい聞いたっつーの」
もー、やーね。酔っ払いは。
矢口はご機嫌で『なっちヤバイくらいカワイイ』を熱く語る。
「おーいおねーさん!芋焼酎おかわりねー」
「ハーイ」
矢口がちっこい手をぶんぶん振ると、バイトのお姉さんは元気よく答えた。
760 名前:Over Drive 投稿日:2004/03/01(月) 05:22

あるとき。
中澤家で焼肉をみんなで食べた。
そのときは下宿人のアタシや中澤ハイツの住人みっちゃん、カオリのほか、矢口やなっちも来た。
「もー!圭ちゃんカオのカルビ取ったぁー!」
「それなら先に言いなさいよ。名前が書いてるワケじゃあるまいし」
「圭ちゃんキライー」
「あーあ、圭坊嫌われおった」
裕ちゃんがビールを飲んでニヤニヤ笑う。
カオリはムクれたままだ。
たく、しょうがないわね。
「分かったわよ。アタシの分のデザートも食べていいから」
「やった!」
現金な子ねー。
あきれて笑ってると、石川が
「保田さんと飯田さんは、仲いいんですねー」
とニコニコして言った。
「まあ、悪くはないけど?」
「う、うん。悪くはないよ」
カオリが何故だか落ち着かない様子で答える。
なんだろう?
「矢口はちっこいのに、よく食べるっしょー」
なっちが感心したように言う。
「キャハハ!ちっこい言うな!」
アラ。いつもの様子でツッコんでるじゃない。その調子よ。
「みちよー、冷蔵庫からビール持ってきてんかー。冷えたヤツやで、キンキンに」
「まったく客使いの荒い管理人さんやなー」
いや、どっちかつーと「みっちゃん使い」だと思う…。
みっちゃんはそれを自覚してるのか、『よっこらしょ』と腰を上げて律儀に取りに行った。
「もー、裕ちゃんはぁ。お客さんにー」
なんて石川が小言言ってるわ。
裕ちゃんは澄ました顔で飲んでるし。
761 名前:Over Drive 投稿日:2004/03/01(月) 05:26
「あ、ね。圭ちゃん」
廊下に出ると、たまたま矢口と会った。
「あのさ、圭ちゃん」
「ん?」
「ジュディマリのCD、持ってる?」
「ジュディマリ?あー、あのへんはカオリとかが持ってんじゃないかな?
…つーかさ、なっち本人に借りたらいいじゃん。せっかくだし」
なっちはジュディマリが大好きで、店でもたまにギターで弾いているようだ。

アタシは相当ニヤニヤしてたのだろう。
矢口はかーっと赤くなって、
「そ、そだね」
うつむいて答えた。

いじらしいねえ。
好きなヒトに近づきたいって女心は。

「よしっ!」
矢口は気合を入れて焼肉会場の居間に戻っていく。
ホホッ!
一歩前進ねっ。


そろそろお開きという頃、カオリが
「ねー、圭ちゃん。家まで送ってー」
と言い出した。
「へ?みっちゃんと帰ればいいじゃん」
「いいからー」
「ウチはこのあと寄るトコあるから、悪いな」
みっちゃんはそう言った。
762 名前:Over Drive 投稿日:2004/03/01(月) 05:31
仕方なく、石川にチャリを借りて二人乗りして中澤ハイツに向かおうとする。
「押して歩こうよ」
カオリはそう言うと荷台から降りた。
「ハァ?乗ってくほうが早く帰れていいでしょーが」
「あ、その。おまわりさん…そう!おまわりさんが今日このへんパトロールしてたから、二人乗りすると
見つかって怒られちゃうよ」
「ふうん?」
カオリの言う通り、チャリを押して中澤ハイツに向かう。
つーか、コイツは今日はどうしたというのだろう。
ワケわかんないのはいつものことだけど。

「ね」
「あ?」
「圭ちゃん…好きなコいる?」
「なんでよ」
「いいじゃん」
「別に…そういうのは」
「いるんだ」
「決め付けなくても」
「だって、いなかったら、はっきり『いない』って言うっしょ」
「……」
「そのコ、かわいい?」
「…うん」
「圭ちゃんに優しい?」
「…うーん」
「圭ちゃんを幸せにしてくれそう?」
「ちょい待ち」
何?とカオリは立ち止まった。
「なんか、受身なシアワセばっかりじゃん。
アタシはなにもしなくてもいいっちゅーんかい」
「そうは言ってないよ。
圭ちゃんは優しいから、好きな子に優しくするでしょ?
だから、圭ちゃんが好きな子が圭ちゃんに優しくて幸せにしてくれそうな子なら、
カオ的に安心?つーか」
「はあ…」
「うまくいったら紹介してね」
「ムリだよ…」
呟くような声がカオリに聞こえたのかどうか知らないが、カオリはのんきに
『月が綺麗だねえ』と言っていた。
763 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/01(月) 05:37
更新しました。

ちょっと若かりし頃の彼女たちのおはなしですた。
今の設定よりマイナス2歳でお読みください。

(〜^◇^)<キャハハ!圭ちゃん昔からオバチャンだね〜

(+`.∀´)<うっさいよ!

タイトルはジュディマリの曲からです。

書き忘れ。
本編「SILVER BELLS」は前回で終わりです。次からは新章になります。


レスのお礼です。

>752の名無飼育さん
( ´ Д `)<♪あなたーとわたしがゆめのくーに

昔白いギター流行りましたよね。チェリッシュ…なつかすぃ〜!
いちーちゃんカラダを張って、栄冠(?)を手にしました。

>ヨッスィのタマゴさん
(`_´)<しかも3人ともO型なのです!

柴田家は示し合わせたかのようにダブるんですよね、誕生日もやけに近いし。
いちーちゃん、アホなのが今回はうまい具合に作用しました(w

>754の名無飼育さん
( ^▽^)<市井さん…よかったですね ←陰ながら応援してた

いちーちゃん、がんがりますた。ハラも壊すくらい(w
私も土居まさるというと『ヘビ嫌いのおっちゃん』というイメージが(爆

>オガマーさん
(;‐ Δ‐) <む、村田はただ買物に行っただけだよ〜

いちーちゃん、命知らずです。病院に連れてってくれた姉にもあきれられ。
村さんはバイト嬢にも妹にもバレバレです。

>はれさん
(・´―`)<作者もあの歌は好きっしょ!

「memory〜青春の光」、いい歌ですよね。たまにPVを見返してます。
そうですね、限定期間とか一日でいいので再結成してほしいですね。 


764 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/03/02(火) 01:13
愛しい日々も〜恋も〜優しい歌も♪コラー!(((((#・`ー´)ノ (((((( ‘ д‘)( ´D`)イモ!イモ!
泡のように消えていくけど〜♪イロイロアッタベ。(・´ー`)川‘〜‘)||ウン。
あ〜夢は〜痛みと引き換えに〜♪ムスメヲタノンダベ。(・;´ー`;)(T◇T〜)ナッチー!
歌う風のように〜♪(((((・´ー`)ソロデガンバルッショ!!

更新おつかれです。
僕もナッチに負けないジュディマリ好きです。CD全部あります。
(0^〜^)<矢口さんかわいいっすね。で?どうやって付き合うようになったんすか?
またその番外編も読んでみたいです。では、がんばってください。
765 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/02(火) 14:00
番外編、とても良かったです。
初々しい恋心が…あぁ素敵だなぁ〜。
更新が待ち遠しいですw
766 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/03(水) 08:58
ま、市井は後味悪く消えたわけだが
767 名前:雪ぐま 投稿日:2004/03/03(水) 11:02
矢口さんがかわいーですねぇ。
すっごいニヤニヤしてしまいました。
そしてなんとなくノスタルジックな気分になりました。
モ娘。のみんなと、作者様の幸せをお祈りしております。
768 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/04(木) 02:41
更新前にレスのお礼です。

>ヨッスィのタマゴさん
(・´ー`)<ジュディマリはいいよね〜。なっちもヘビーローテーションで聴くべ

実はこのCDレンタルが第一歩だったり(w なっちもヤグチに気があった模様。

>765の名無飼育さん
(・´ー`)<なっち、勝手になっちの片想いだってカンチガイしてたっしょ!

なっちとヤグは実は…だったのです。いいらさんは完全に片想いですたが(w 続きというかなっち視点で後日談みたいなのを。

>766の名無飼育さん
( ´ Д `)<んあ、びっくりしたね〜

ネットニュースで見て私もびっくりしましたね。幸せになってくれたらって思います。

>雪ぐまさん
(〜^◇^)<キャハハ!オイラに惚れるとヤケドするぜい!

ワタクシめの幸せまで祈って頂いて恐縮です。で、私は雪ぐまさんのキショくて可愛いトメっちがツボなのですが。

769 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/04(木) 02:43
先日書いた番外編の後日談のような話をなっち視点で。短いです。

(・´ー`)
770 名前:ひだまり 投稿日:2004/03/04(木) 02:44
お天気のいい日はお布団を干す。
なっちがお休みのときに、欠かさずやってることだ。
今日はヤグチも休みで。
ゆうべはなっちの家に泊まったから、シャワーを浴びていま縁側で缶ビールを開けている。
「コラー!朝から飲むひとがいるべか!」
「いいじゃーん。休みなんだからさあ」
ぷっはーとオヤジくさい声を出し、ヤグチは美味しそうにビールを飲む。
「カァーッ!フロ上がりのビール最高!マジ最高!」
「もー、ヤグチはー」
「なっちも飲む?」
「なっちはそんな不良みたいなことしませんー」
「あ、ムカつく」
ヤグチは口ではそう言いながらケラケラ笑ってるよ。
「ホラホラ、そこの洗濯カゴ取っておくれでないかい」
「へいへい」
ヤグチは頭にバスタオルを巻いた格好でよっこらしょと立ち上がり、洗濯カゴをよこした。
771 名前:ひだまり 投稿日:2004/03/04(木) 02:45

午前中さっと干しただけでお布団はふかふかになった。
「あー…最高。マジ最高…」
茶の間に干したお布団を置くと、ヤグチはそのままずぼっと埋まるようにお布団を抱えて倒れこんだ。
「もーこの酔っ払いはー。風邪ひくよ」
「いまこのささやかな幸せを奪わないでぇー…」
「それはいいけど、もうすぐお昼だよ。
昨日の魚の残りでいいべか?」
「あ、そんならヤグチがちょっとしたモン作っちゃる」
ヤグチはすたっと立ち上がり、とっとと台所に向かった。
ヤグチは喫茶店を経営してるだけあって、料理上手だ。
なんつーか、器用だし。
専門学校でケーキ職人のコースを専攻してただけあって、お菓子も次々と店のイメージにあった
かわいらしいのを作る。
なっちも料理には自信あったんだけどな。
ま、カワイイ彼女の手料理が食べられるのはいいモンだべ。
772 名前:ひだまり 投稿日:2004/03/04(木) 02:46
ヤグチが作ってくれたのは、昨日のタラの残りを使った、白身魚のフライ入りのサンドイッチだった。
ちゃんと厚切りのパンをトーストして。
タルタルソースまでついて(モチロン、このソースも手作りだ)、ちょっとしたごちそうだ。
なっちだったら、そのまんまフライパンで焼いてたかも。
「なっち、おいし?」
「おいしいっしょ」
「昨日のヤグチとどっちが?」
ぶっ。
ベタに噴いたっしょ!
もー。なに言い出すんだろね、この子は!
「なっち、いまどきマンガでもそんなベタなリアクションするひといないよ」
ヤグチはおかしそうにケラケラ笑う。
そうやって笑う顔がカワイイから…怒れないっしょ。
773 名前:ひだまり 投稿日:2004/03/04(木) 02:46
ヤグチと付き合いだして、もうどれくらいたったっけ。
最初はお互い店に行き来するくらいで。
なっち、お酒全然ダメだから一緒に飲みに行ったりとかもなかったし。
付き合ったきっかっけってなんだったかなー。
…ああ。
ジュディマリのCDだったかな。
ヤグチに貸す約束して、そんでタンポポまで届けて。
ちょうどクリスマスとカブったから、お礼にってヤグチがなっちにケーキ作ってくれて。
嬉しかったなあ。
なっちもお菓子は作るけど、やっぱこういうプレゼントもらうのって特別っしょ?

ヤグチは初めて会ったときから気になってたよ。
ちっこくてめんこいなあって。
「ちっこいいうな!」ってヤグチはいつもキャハハハ笑うけど。
だから、ヤグチもなっちのこと好きって分かったときは、すごく幸せだったよ?
モチロン今も。
774 名前:ひだまり 投稿日:2004/03/04(木) 02:48
後から聞いた話によると、ヤグチは周りのひとに
「なっちカワイイよね」
って言いまくってたらしい。
この話を教えてくれたのは圭ちゃんとかみっちゃんなんだけど。
いやだよ、このコは。
なっち本人に早く言ってくれたらよかったのに。
なんてね。

圭ちゃんは
「なっち、ヤグチの気持ち全然気付いてなかったでしょー」
ってからかうけどさ。
圭ちゃんこそ、カオリの気持ちに気付いてなかったんでないかい。
その頃ふたりはそれぞれ付き合ってる人いたからしょうがなかったんだけどね。
でもいま、ふたりはとても幸せそうでよかったべ。
カオリは年は1個違いだけど、同郷だし、なんとなっちと同じ病院で生まれたらしいから、
なんか他人とは思えないんだべ。
なっち、未だに訛ってるから「いもなっち!」ってよくからかわれるんだけど、
ここだけの話、カオリはキレるとなっちより訛るんだよ。
一番被害に遭ってるのは勿論圭ちゃんだけどね。
775 名前:ひだまり 投稿日:2004/03/04(木) 02:48
お昼のあと、少し買物に行った。
家に帰ってくると昼寝がしたいってヤグチが言い出した。
さっき干したお布団にふたりでくるまってうとうとまどろむ。
「あ…この布団」
「ん?」
「なっちみたいな匂いがする」
「なに?」
「なっちは、おひさまみたいな匂いがするね」
「…そうかい?」
「うん、ヤグチの好きな匂いだよ」
ヤグチはうれしそうに笑った。
なっちはそのちっこい頭を抱いて、心地いい夢の中に入っていったよ。
776 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/04(木) 02:51
更新しました。
タイトルはルクプルの曲より。

不良!>(・´ー`)  日と(^◇^〜)<いいじゃ〜ん
777 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/04(木) 10:58
あたたかいですね。
もう涙が出そうになるくらいあたたかいです。
778 名前:わく 投稿日:2004/03/04(木) 14:01
ほのぼのしましたw
あったかいです。
779 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/03/05(金) 00:04
(+゜皿 ゜)<カオが買ってきたアカフク…ベツニイイヨ。ムリニタベナクテモ。
从;*・ 。.・从从;`,_っ´)<いいえ!食べました!おいしかったです!
シゲさんとれいなちゃんのビビり具合が最高でした。

更新お疲れ様です。
川`ー´川<お〜し、おまえらの気持ちはよ〜くわかった。その前に好例のタカさ〜ん…
川`ー´川つ<チェッ〜ク!
めんこいべ。>(*´ー`)(^◇^*〜)<すっげ〜かわいい!
川’ー’川<第一印象い〜もん同士!
川;・-・)<愛ちゃんさっきから何1人でやってんの?
川;’ー’川<やってみたかったんやよ〜。
何が言いたいのかというと、二人は最初から相思相愛でよかったですね。また思いつきでこんなのレスですいません。タカさん役は単純に名字で決めました。
780 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/05(金) 11:47
( ´ Д `)<いちーちゃん、結婚、妊娠オメ
781 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/06(土) 21:57
更新前にレスのお礼です。

>777の名無飼育さん
(・´ー`)<いや、うれしいっしょ

どうもです。ちょっとでもあったかくなって頂けたら嬉しいです。
そんでもってキリ番おめです。

(0^〜^0)ノ<777!フィーバーかっけー!

>わくさん
(〜^◇^)<キャハハ!サンキュー!

ほのぼのコンビでお送りしますた。ふたりともベタボレなんです。

(・´ー`)<最近は冷えるけど、ヤグチとなら寒くないっしょ

>ヨッスィのタマゴさん
川o・-・)<ねるとん…ですね。懐かしいです

(;〜^◇^)<カオリ赤福のことで本気でヘコんでたよな〜

ビビッてる後輩ズに私も笑いました。食いしん坊のマコも食べなかったとは…。

>780の名無飼育さん
( ´ Д `)<こっちのいちーちゃんは、妊娠させるってカンジだよね〜

ヽ;^∀^ノ<アタシは女だっつーの

アイドルに興味のない同僚ですら今回のことを知ってましたね。20歳か…若いですね。
782 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/06(土) 21:59
今日は明日との二回に分けてある短編をお送りします。
783 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:01
―――吉澤視点

『アヤカからおすすめの雑貨屋さんを教えてもらったから、前言ってた
ホワイトデーのプレゼント、そこで探さない?』
保田さんからこんなメールが来たので、ある日曜日、連れ立って出かけた。
もちろん、お互いの彼女には『ギター見に行って来る』って誤魔化して。

「ああ、ここね」
保田さんはドアを押して入って行った。
そこはそんな大きなお店ではないけれど、照明も落ち着いてて、商品が並んでる棚とかも
木製でイイ感じだ。
入り口の扉には『 OPEN 』の札がかかってる。
「アンタは何すんの?」
「いや、決めてねっす」
ふたりともそれぞれ別な場所に移動し、探し始める。

『ガツッ』
いかにも痛そうな音が、すぐそばで響いた。
「アイタッ!」
段ボール箱を抱えた長身の女の人が涙目っぽい感じで額を押さえてる。
そこの棚にぶつけたようだ。
ヒー、痛そう…。
「大丈夫っすか?」
思わず、声をかけてしまった。
「ああ、ハイ。スミマセン…大丈、夫…」
その人はなんでか一瞬固まってしまった。
やっぱりまだ痛いのだろう、手は顔を覆ってる。
その人はそそくさと去って、別の棚で商品の整理を始めた。
784 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:02
「何かさっき大きな物音がしたけど」
保田さんのところに行くと、カットソーを見ているところだった。
「あ、や。店員さんが棚にぶつかったんですよ」
「そう。大丈夫だったの?」
「多分大丈夫だと…」
「そっか。アタシ、ちょっとレジんとこのアクセ見てくるわ」

保田さんはそう言ってレジへ向かった。
しばらくたって、
「…あのさ、吉澤」
不思議そうな顔をして戻ってきた。
「ハイ?」
「石川って…カテキョの他は確かバイトしてないよね?」
「ええ。それだけっす」
「そう…」
保田さんはそう言いながらもなお首をひねる。
「なんスか?」
「いえ、あのレジにいた店員さんなんだけどね…」
その時、ウチの携帯が鳴った。
「あ、スンマセン。…もしもし?なんだ、市井さんスか。へ?いま原宿にいるから来い?
イヤっすよ。今日は保田さんとデ・エ・ト(はあと)なんスから」
うひゃひゃひゃと笑うと、保田さんに無言でぽかりと殴られてしまった。
785 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:06
帰り道、ウチらは駅まで並んで歩く。

「保田さん、いい感じのが見つかってよかったっすね」
「いやまあね、アンタはいいの?」
「んー、またの機会にします」
お店自体はいい感じだったのだけど、ウチは迷いすぎて結局何も買わなかった。
保田さんはピアスを買ったそうだ。
そのあと、しばらく壁に飾ってる絵とか見てたらしい。
「しかし、あのレジにいた人、ほんと石川に似てたわ」
「そうなんスか?」
「うん。本人かと思ったくらい」
ウチはよく見てなかったけど、やっぱりその人も声はアニメ声だったりするんだろうか。

「メシでも食ってく?奢らないけどね」
「エエー?そんなあ〜」
クネクネして保田さんに甘える。
「キショッ!」
保田さんは笑ってまたウチをぽかりと殴った。
786 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:07
―――保田視点

「石川にそっくりな子?」
アタシは帰ってカオリに今日の出来事を話した。
楽器屋さんに行くと言って出たので、途中アヤカに教えてもらった雑貨屋さんにも
寄ってみた、と付け加えて。
あくまで、プレゼントのことは隠してね。
「そう。そこでバイトしてんのかと思った」
「へえ、かわいかったんだ」
「うん、まあね」
「へえー」
カオリは言った。
「で、ギターはいいの見つかったの?」
「うん、特にいいのなかったから帰ってきた。そっちは?」
カオリは今日、友達と映画に行くと言って1日出てた。
だから、今日は晩ご飯も別々。
それでも、ミックスナッツつまみに、ビールで晩酌だけはしてる。
「うん、前評判の割にはイマイチだった」
「そりゃ残念ね」
「圭ちゃんと観に行ったらまだ楽しめたカモ」
「…ほう」
まあ、それは置いといて。

世間は広いようで狭いから、また会うかもね。
と思ってたら、案外あっさりその日は訪れたわ。
787 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:08
――― 矢口視点

今日もモーニングはよく出るなあ。
天気いいし、お客さんもよく入る。
中には「オールだね」ってカンジの若いふたりもいたりして。
いやー、若いっていいねえ。
キャハハ、オイラもオバチャンくせーなあ。
なっちや圭ちゃんのこと言えねーなあ。

「いらっしゃいませ」
カップルっぽいふたり連れのお客さんがやって来た。
「…おぅ?や、矢口?」
男の人のほうを見て、オイラは…固まってしまった。
「あぁ、えぇっと…AセットとBセット、両方コーヒーでお願いします」
連れの女の人のほうを見て、またびっくり。

―――圭ちゃん、実は男だったとか?
いやいやいや、いくら食べ物の好みがオッサンくさくても。
いくらオイラのハタチの誕生日に『ヤグチに似合うカクテルを』ってレストランで
キメてくれても。
圭ちゃんは女だから。

それにしても、連れのお姉さんもカオリそっくりだな。
髪型はビミョ〜に違うんだけど…。

そんなことを考えながら、オイラはトーストを焼いたりサラダを盛ったりしてた。
788 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:10
…なんか、視線を感じる。
さっきのお兄さんだ。
チラチラッと、オイラのほうを見てる。
それにしても、なんでオイラの名前知ってんだろ。
実はオイラが忘れてるだけでどっかで会ってたとか?
最近は来なくなってた、かつての常連さんとか。
どうにも釈然としないモノを残し、
「おまたせしました」
モーニングセットをさっきのお客さんとこに持ってった。
…今度は、お姉さんのほうが固まってる。
いやー、目のデカさといい、カオリにマジ似てるわ。
「あのぉ…」
あんまり見られるので、思わず言ってしまった。
「あ、ご、ごめんなさい。すごく知り合いにそっくりだったもので」
お姉さんが言うと、お兄さんのほうもうんうんと頷いた。
あ、そういうことか。
オイラにそっくりな人ってやっぱミニマム(笑)?
で、牛乳キライ?
「いや〜オイラもそっくりな人知ってるんですよ」
って返すと、ふたりは目を丸くした。
789 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:11
『♪カランカラン』

「「おはよー」」
「よー、おふたりさん。オール?」
ナイスタイミング!
例のふたりがやって来た。
「オールじゃないけどね。夜更かしはしたさ…ふわぁ〜あ」
デカイお姉さんはあくびをし、大きな手で口を押さえた。
「ヤグチ、アタシいつものね」
「カオは今日はBにする。コーヒー濃い目で頼むね。卵はゆで卵で」
「ほいきた」

常連さんのおふたかたは、いつものように指定席に向かおうとする。
そこが埋まってることにすぐ気付いて、ついでにもうひとつ大きなことに気付く。
『バンバンバン!』
カオリが物凄い勢いで、圭ちゃんの腕を叩く。
まだ半分寝てるっぽい圭ちゃんはしかめっ面で
「なによお〜」
と腕をさすりながらカオリが示すほうを向く。
オイラは笑いをこらえながらその様子を見ていた。

「「「「あ」」」」
―――そっくりさんたちは、お互いの顔を見て固まってしまった。
790 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:12
「いや、マジでー?」
「そうなんですかー」

そっくりさんたちはさすがそっくりなだけあって(?)意気投合するのも早かった。
特に男圭ちゃん(驚いたことに圭ちゃんそっくりなお兄さんも『保田圭』と
いうらしい)と、女圭ちゃんが酒の話でウマが合ってるのが可笑しかった。
圭ちゃん、一応年頃の娘さんなんだから。
お兄さんとオッサンつまみで気が合ってるバヤイじゃないでしょ。

「よく飲むんですか、そちらの圭ちゃんも」
「そうなのよ、ダイエットがはかどらないって本人言ってんだけどね」
カオリコンビ(言わずもがな、こちらも同姓同名だった。尤も、向こうのお姉さんの
ほうは結婚してて、『飯田』は旧姓、今は『保田圭織さん』というらしい)はお互いの
『圭ちゃん』の苦労話(?)に花が咲く。
カップルっつーか、夫婦だったんかー。
なんかやっぱアツアツだなー。

「そろそろ来るかな?」
お兄さんがニヤッと笑って言った。
「どなたかいらっしゃるんですか?」
「いや、ね。俺らの連れがね」
何か企んでるんかな。お姉さんのほうもフフッと笑った。
791 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:15
「あの、おふたりのお友達って…」
圭ちゃんは恐る恐る尋ねた。
「ああ、ウチらの年下の連れなんだけどね」
とお兄さん。
「そうそう」
頷くお姉さん。
『♪カランカラン』
軽やかにドアベルは鳴る。


「「キタ━━ヽ(;`.∀´)ノ ━━ノ(;゜皿 ゜)ノ ━━!!!!! 」」


「よ、吉澤!?」
「いしか、わ…?」
圭ちゃんとカオリは、めっちゃベタに驚いてる。
オイラだって…びっくししたよ!
この世にアゴンとうりふたつ(しかもこのおねーさんもヤケにピンク好き?)の人が
いるとは!
隣のデカイ兄さんもよっすぃ〜そっくしだし。
あ、なんつーか、よっすぃ〜が男だったらこうだろう、ってカンジ、って言えば
伝わるかなあ。
792 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:16
「あ、この前の―――!いつかうちに来てくだすったお客さんですよね!?」
アゴンに似たおねーさんは圭ちゃんのほうを見て叫んだ。
…やっぱアニメ声なんだ。
オイラは妙なトコで感心した。
「ど、どうも。その節は…」
圭ちゃん、混乱のあまりめちゃ堅苦しい挨拶してるし。
「…ケイちゃん、妹さんいたの?カオリさんも双子のご姉妹が…」
よっすぃ〜に似たおにーさんは、うちの常連の圭ちゃんとカオリを見て
やはりボーゼン。

「いや。つーか、俺らは単なるそっくりさん」
「いやー、カオリもびっくりしたっしょ」
「…なんか、あちらの店員さんもどこかで見かけた気が」
おにーさんがヤグチのほうをチラッと見た。
「あ、やっぱり?」
男・圭ちゃんは愉快そうに笑った。
793 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:18
―――保田視点

吉澤にそっくりなヨシザワさん(男性)、石川にそっくりなイシカワさん
(雑貨屋さんの店員さん・女性)は目を丸くしてこの事態を見ていた。
一方、ウチら(カオリやヤスダさんご夫妻)は最初は驚いたものの、この事態を
楽しんでいる。
「そういやさ、カオリ前ヨシザワにそっくりな子見たって言ってなかったっけ?」
ヤスダさんが思い出したように言った。
「うん。保田さんと一緒にいた子がね、そっくりだったの」
とカオリさん。
「あ、うんうん、アイツも吉澤って言うんですよ」
ホホ、吉澤今頃くしゃみしてるわねッ。
「圭ちゃんが言ってた石川にそっくりな子ってこの子のことだったんだ」
カオリがイシカワさんのほうを見て言った。

「やっぱし…呼び出すしかないよね?」

アタシは携帯を持ち上げてニヤリと笑った。
これは呼ばずにいられないっしょ。
みんな頷いてるわ。
ヨシザワさんもつられたように頷いてる。
794 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:20
早速電話をかける。
『ハイ?なんすか保田さん』
ヤツののん気な声が聞こえてきたわ。
「今すぐタンポポに石川と来るのよ!来ないと熱い夜を強制的に味わわせるわよッ」
『はぁ?』
「キリキリ来なさい!」
ホホ、これでOKでしょう。
通話ボタンを切ったら、なんか心なしかヨシザワさんの怯えた顔が見えたのはきっと
気のせいねッ。


しばらくすると、転がり込むように石川と吉澤がやって来たわ。

「ちょっと、アンタら必死すぎよ!」
「あんな電話もらったら必死になるッスよ」

吉澤は膝に手をついてぜーはーと肩で息してる。
アラ、ベース持参なのね。
今日はバンドの練習ないのに、自主練でもするつもりだったのかしら。

「み、水…矢口さん、お水下さい」

石川も息絶え絶えだわ。また今日もピンクづくめね、この子ったら。
でもまあ、吉澤と付き合いだしたり柴っちゃんっていう友達ができたりして、
多少はファッションセンスましになったかしら。
アタシが中澤の家で下宿してるときはそれはもう(略)。

石川と吉澤、ふたりを見て目を見開いてるわ。
まあ、気持ちは分かるわよ。

「は、はは、はじめまして」

振り返ると、ヨシザワさんが緊張のあまりなのか、かなり噛みまくった挨拶を
していた。
で。
みんな、大爆笑。
795 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:21
「じゃぁイシカワさんが保田さんの言ってたイシカワさんだったんスか」
「多分、そのイシカワさんだと思うよ」
頷くと、吉澤は『すっげー!』と興奮気味に声を上げた。
イシカワさんと石川が並んでるのを見て、『カッケー!』だって。
しかし、ウチら営業妨害じゃないかしら。
そう思ってチラッとカウンターのほうを見ると、矢口はニヤッと笑った。
フッ。さすがアタシの親友ねッ。
分かってんじゃない。
ありがと、矢口。
感謝の意をこめてウィンクすると、矢口からも返ってきたわ。

「ヨシザワ〜ちょっと眼鏡取ってみてよぉ」

ヤスダさんがニヤニヤしながら言った。
ああ、やっぱり。
みんな、考えることは一緒ね。

「べ、別に取らなくたっていいじゃないですか」
「ケチケチすんなよぉ、いいじゃん。ほら、イシカワも楽しみにしてるみたいだしさ」

イシカワさんも期待に満ち溢れた目をしてるわ。
カオリを見ると、やっぱり横のカオリさんとニヤニヤしてた。
796 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:23
「…石川さん、目が輝きすぎです」
ヨシザワさんはちょっとためいきをついた。
「何照れてんのさ。なんだ?ひょっとしてヨシザワが吉澤さんに惚れそうとか?」
ギャハハハ!
ヤスダさんの言葉にアタシらはツボに入って爆笑した。
「な、な、何言ってるんですか!!」
「吉澤とヨシザワくんのカップルかぁ…いや、それもおもしろいかも」
「保田さん…何言ってるんすか」


同じような顔した二人が同じような顔して項垂れてて、私の隣では私と同じような
顔をしている石川さんが私と同じように苦笑いを浮かべている。

Wヨシザワは項垂れて困ってる。
石川はこの事態に困ったように笑ってる。

「ひょっとして、そちらの吉澤さんもヘタレ気味だったりします?」
とイシカワさん。
「あ、ひょっとしてそちらのヨシザワさんもですか?」
アラ、石川、言うようになったじゃない!

「ケイちゃん、最近体だけじゃなくて言うことまでオヤジっぽくなってきたよね…」

カオリさんは小さく呟いた。
横でカオリがきゃははと笑ってる。
ヤスダさん、言われてますよ。
797 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:25
「ほら、吉澤くん、パーッと眼鏡取っちゃいなって」

イシカワさんは色々なだめすかして、ヨシザワさんをソノ気にさせようとする。
カウンターでお皿を拭きながら、矢口も興味津々で見てる。

ヨシザワくんのメガネ取った顔好きだなー、とか。
大丈夫、大丈夫とか。

フフ。ここのヨシザワさんも尻に敷かれてるんだ。


「イシカワも大変だねぇ」
「将来ヨシザワは尻に敷かれるタイプだな」

アタシやカオリ、ヤスダご夫妻はガハガハ笑った。
ヨシザワさんの耳にも届いたのか、耳まで赤くなってる。

「やっぱり、似てるんですね」

ヨシザワさんがついに諦めたようにメガネを取った。タメイキついて。

「「「「「「「おぉ…」」」」」」」

感嘆の声が重なる。矢口も入れて7人分。
ああー。
確かに性別は違うから骨格とかで差が出てくるけど。
双子の兄妹って通じるくらい似てる。
あ。アタシもヤスダさんとこんくらい似てるのかしら。


「…似てるんですかね」
「…似てるんスよね」
お互いの顔を見て首を傾げあうふたり。
「「似てるよ」」
ウチらはほぼ同時に言った。

で、ウチらがあんまりジロジロ見ることに困り果てたのか、ヨシザワさんと吉澤が
同じようなタイミングで困った顔をしてみせたから。
また爆笑してしまった。
つーか、ウチらのツボ狙ってんの?としか思えないタイミングだった。

798 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/06(土) 22:27
(0´〜`)(´〜`0)

更新しました。

タイトルはCoccoの曲より。

( `.∀´)y−~~<ホホッ!これを読んでピン!ときたアナタはなかなかの通ねッ

( ゜皿 ゜)ノ<アスモツヅクヨ!

「ん?」と気付かれた方もいらっしゃると思いますが、明日の更新まで生暖かく見守ってください。
799 名前:ヨッスィのタマゴ 投稿日:2004/03/07(日) 05:48
コンサート楽屋裏で、新ユニットその名は
从‘ 。‘从ゝVvV丿<親友コンビ「まっとう」(松、藤)で〜す。
(((川‘〜‘)||     从‘ 。‘从ゝVvV丿<飯田さん?
从;‘ 。‘从川‘ー‘)||ゝ;VvV丿<「いまっとう」(飯、松、藤)で〜す。
川;‘〜‘)||==ヽ从‘ 。‘从ゝVvV丿<「まっとう」で〜す。
从;‘ 。‘从川‘ー‘)||ゝ;VvV丿<「いまっとう」で〜す。
川;‘〜‘)||==ヽ从‘ 。‘从ゝVvV丿<「まっとう」で〜す。
(+゜皿 ゜)ギラッ! 从;‘ 。‘从ゝ;VvV丿<…え〜と、飯田さんも入ります。
川‘ー‘)||<え、いいの?それじゃあ… 从;‘ 。‘从ゝ;VvV丿
从;‘ 。‘从川‘ー‘)||ゝ;VvV丿<「いまっとう」で〜す。
新ユニット「いまっとう」結成?
从;‘ 。‘从ゝ;VvV丿<あんな顔(+゜皿 ゜)されたら断れないよ。
(+゜皿 ゜)この状態の飯田さんは、中澤姉さんより恐いです。第2次、飯田さんブーム到来でしょうか?

更新お疲れ様です。
すいません。勉強不足でピンときません。明日を楽しみにしてます。
800 名前:はれ 投稿日:2004/03/07(日) 11:25
とうとう800レス目ですね。世の中には、自分と似ている人が3人はいるって
聞いたことがありますが、この小説みたいな状況を想像したでけで吹きだしそう
です。顔の似ている人は、やはり同じような人を好むのでしょうか。(笑)
801 名前:ごまべーぐる 投稿日:2004/03/07(日) 22:28

更新前にレスのお礼です。


>ヨッスィのタマゴさん
川;・-・)ノ<あの私の「次に」可愛いあやゃをビビらせるとは、飯田さん完璧です

あのいいらさんは本気で怖かったです(w そらあ、ユニットを組まざるを得ませんな。
えー、この2日分の短編については今日の更新のあとご説明いたします。

>はれさん
( ´ Д `)<んあ〜、やっぱそうなんかな〜?

さり気にキリ番おめでとうございます。おかげさまで800です。どうもです。
どういう根拠で3人なんかはナゾですが、実際あったら大爆笑でしょうね(w
802 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/07(日) 22:30
―――吉澤視点

ウチらそっくりさん一行は、とりあえず河原へ大移動した。
ウチはウチに似たおにーさん(名前までヨシザワさん…本当に親戚かなにかだろうか?)
と、しばらくお互いの顔を見合っていた。堤防に腰をおろして。
「背、高いですね」
ヨシザワお兄さんがウチのほうを見てぼそっと言った。
「あ、ハイ。165、くらいかな」
「僕は183かな。…それ、ギターですか」
ウチのそばにあるベースケースを見て、お兄さんは言った。
「あ、ベースっす。バンドやってるんで」
「カッコいいな」
ヨシザワお兄さんは爽やかに笑った。

梨華ちゃんはあちらのイシカワさんと、なんか雑貨談義をしてるようだった。
イシカワさんは飯田さんそっくりのヤスダカオリさんの雑貨屋さんで働いてて、
カワイイものが好きらしい。

飯田さんは、ヤスダカオリさんと互いの伴侶について語ってる。
ちょろっと聞いたトコによると、
「もー、酒ばっか飲むしー」
とかそんな声が。
ハハ、保田さんってば。

「やだー、カワイイー!」
梨華ちゃんそっくりのイシカワさんがウチのところにやってきて、
ウチの顔をのぞきこむ。
ウチはなにげに後ろにのけぞった。
梨華ちゃんもヨシザワお兄さんも困ったように笑ってる。
「ヨシザワくんが女装したらこの吉澤さんみたいになるのかな」
「…勘弁してくださいよ、イシカワさん」
お兄さんはとほほ、という顔をした。
803 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/07(日) 22:33

―――保田視点

「いやー、まさか自分に似た女の子と出会うとはねー」
ヤスダさんはフッと笑った。
アタシも不思議な気分だ。
男顔だとは言われてたけど、ホントに自分に似た男性に出会うとは。
「あのカオリちゃんはキミのカノジョ?」
「あ、ハイ」
世間的に、ウチらの関係は全ての人に肯定されるものではない。
他人に問われる時、アタシたちはどうしても神経質になってる。
でも、このヤスダさんは心から信用できた。
自分に似てるからとかは別として。
「そっか。あ、うちのカオリもそーゆーの全然気にしないから」
「いい、奥さんなんですね」
「だから結婚したの」
ヤスダさんはタバコをくわえて笑う。
「というか、どうしてアタシとカオリが、って分かったんですか」
「ん〜?なんでだろうねえ。トモダチにしてはアレだし、それはやっぱ」
「俺ら女のシュミ似てんのかね、そっくりなだけあって」
ヤスダさんはそう言って苦笑する。
くわえていたタバコに火を点けた。

「アタシ」
「うん?」
「カオリと結婚しようと思うんです」
「そう」
「法的に夫婦にはなれないでしょうけど、カオリもそれでいいって言ってくれてるんです」
「若いのに、偉いな」
アタシには、あの子しかいませんから。
アタシはそう言って笑った。
「俺らやっぱシュミ似てんのね」
ヤスダさんはニヤッと笑った。
心地いい風が吹く。
タバコの煙が、薄く棚引くように空に上がって行った。
804 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/07(日) 22:35
―――飯田視点

「カオリさんは、じゃ、ずっとヤスダさんのこと好きだったんですか」
「ん。むこーも気付いてるんだかいないんだか、なっかなか進まなくて
イッライラしたけどね」
カオリさんはいたずらっぽく笑う。
カオたちはW圭ちゃんについて語り合っていた。

「カオリちゃんは?圭ちゃんと最初からラブラブだったの?」
カオリさんは優しく笑う。
カオ、圭ちゃんのこと恋人って言ってないのに、やっぱ分かるのかな…。
「ずっとカオの片想いでした。圭ちゃん、付き合ってるひといたし。
カオも北海道にいるひとと遠恋したりしてたし」
「そう」
「でも、ずっと好きでした」
「じゃ、カオリとおんなじだね」
「え?でも、お互い付き合ってるひといたんですよ。
しかも圭ちゃん、ニブチンだからなっかなか気付いてくれなかったし」
確かにカオ、『好き』って口にはしなかったけど、普通気付きそーなアプローチしても
圭ちゃんは気付かなかったよ…。
「ニブイのはあっちのケイちゃんも同じ。
ウチらカオリンズにメロメロなとこまでそっくしじゃん」
ケラケラとカオリさんは楽しそうに笑った。
カオもつられて、笑ってしまった。
なんかカオが思うのはヘンだけど、ヤスダさんがカオリさんに惹かれてる理由が
分かる気がする。
お姉さんみたいに頼れるもん。
カオと圭ちゃんの関係について同情したり否定したりしないし。
…『オンナノコ同士のエッチって気持ちいいのかな』ってさらっと尋ねられたときは
さすがにカオも引いたけど。
「まあ、好きなひととするエッチが気持ちよくないワケがないしね」
「そうですね」
「カオリちゃんはリードするほう?されるほう?」
「ん〜?カオ的にはたまには最初からリードしたいんですけど、なにせむこー照れ屋
だし、おだてたり持ち上げたりしてやっと言う事聞いてくれるみたいな…」
「コラ」
そこまで言うと、後ろに圭ちゃんが立ってて、赤い顔でカオの頭を軽くこづいた。
横でヤスダさんもタバコを吸いながら笑ってた。
805 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/07(日) 22:36
―――吉澤視点

みんなで堤防でまったりしてると、
「んあ〜、ちょい早いってー」
物凄く聞き覚えのある声が近づいてきた。
「ごっちん…?」
ウチが立ち上がると、
「おう、よしこ。散歩?…え」
犬を連れたごっちんは目の前に広がる光景を見て、固まってしまった。
「ゴ、ゴトウ?」
男のほうのヤスダさんは大きな目をさらに見開く。
「ん、んあ。あたしは確かにごとーです…圭ちゃん?」
「アタシはここよ」
ヤスダさんの隣にいる女のほうの保田さんが自分を指さす。
「んあ!どゆこと!?…わッ!り、梨華ちゃんとよしこもふたりいる!
カ、カオリまで!?」
ごっちんはカナーリ混乱してるようだ。
ムリないよね。
こんなそっくりさん集団に出くわしたら、誰でもこうなるよ。
しかしさっきのヤスダさんのリアクションからすると、きっとごっちんそっくりの
『ゴトーさん』ってひとも存在するんだろうな。そのひとは男かな、女かな。
806 名前:幸わせの小道 投稿日:2004/03/07(日) 22:37
「あ、どっから説明したらいいかな」
保田さんがこの事態についてごっちんに説明してくれ、彼女は納得したようだった。
さらにヨシザワさんから、ヨシザワさんの幼なじみでそっくりなオンナノコもいると
聞いて、眠そうな目を見開いた。
「んあ〜、驚いた。しかし世の中には自分にそっくりなひとが三人だっけ?
ホントなんだね〜」
ごっちんはそう言うと、肩に提げてたトートバックからデジカメをごそごそと
取り出した。
「写真撮ったげるよ。こんなオモシロイこと、ちょっとないよ」
ごっちんがそう言うと、みんなめいめいそっくりコンビでポーズなんかとって
写真に納まった。
ごっちんも入ってるバージョンも絵として欲しかったので、たまたま
通りかかったひとに頼んで撮ってもらう。
ごっちんは梨華ちゃんの隣に行き、なんでかアイーンのポーズを取った。
写真を撮ってくれたおねえさんも吹きだす。

「んじゃ、ごとーバイトあるからまたねー」
ごっちんはすぐに帰って行った。
「すっげーな。口ぐせまで似てる…んあ〜とか」
ヤスダさんが感心するように呟いた。
「あの、そちらのゴトウさんはよく食べて眠たがりだったりします?」
飯田さんの疑問に
「ハイ、僕の部屋でよく勝手に寝てます」
幼なじみのヨシザワさんがうんうん頷いて答える。
顔が似てると性格とかも似るのだろうか。
梨華ちゃんに似てるイシカワさんもピンク好きだそうだし。

Converted by dat2html.pl 0.1