ポンコツろぼっと

1 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月09日(水)17時54分38秒
どうも。雪板で活動中のポンコツろぼっとと申します。
今回は学園物で、主CPは泣きそうな位マイナーな『やぐぼん』、つまり『矢口×加護』で行きたいと思いまして・・・

あと他にも色々なCPが登場しますが、主成分はやぐぼんです。
鈍亀な上稚拙な文章で申し訳無いですが、良かったらお付き合い下さい。
2 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年04月09日(水)17時56分40秒
ぅわあああまた間違えてしまったぁ・・・!!
逆です。逆なんですタイトルが(泣
どうして慣れないんだ自分(涙
その前に気付け自分(鬱
3 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月09日(水)18時09分51秒


   矢口です!ピッチピチの二十歳です!


   ちっちゃい頃から『アノ人』に憧れて・・・


   勉強して勉強して勉強して!!


   ムカツク研修も、ウザッたい卒論も終わらせて!!


   今春から先生です!!


   ああぁ・・・早く叫んでみたい・・・!!


      3年B組!きーん○ーちせーんせぇ!!って・・・
4 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年04月09日(水)18時13分30秒
いきなりですがちょっと用事で中断します。
5 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月11日(金)16時55分54秒
 「ってか矢口名字きん○ちじゃないんだよねぇ〜」

 心の叫びに一人ツッコミ。

 「・・・しっかし、遠いなぁ・・・」

 今度から自転車で来よう。
 矢口の初の学校。

 今日和附属第2高等学校。

 先生に赴任先を聞いた時は本当変な名前だと思った
 だけど調べてみればお嬢様校。ついでに女子高。

 ・・・偉い人の考え方って分からん・・・
6 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月11日(金)17時06分42秒

 「ちょお!そこの人危ない危ない〜!!」

 「は?」

 「どくのれす〜!!」

 振り返れば、自転車。

 「はぁっ!?」

 「ぅわあ!!」

 自転車をこいでる本人は間一髪で避けたつもりだろうが
 後ろに乗ってる人物の足が思い切り矢口の足の脛を蹴りやがった

 「ご、ごめんなさーーい!」

 痛くて痛くて、泣きそうだった

 「・・・っムカツク・・・」

 赴任初日からツイてない。
 今日朝みた占いは3位で、なかなかツイてると思ったのに・・・

 占いなんて・・・今日から絶対信じない。
7 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月11日(金)17時18分05秒
 痛む足をズルズル引きずりながら頑張って歩いた
 赴任初日から遅刻するなんて出来ない。



 「・・・着いた・・・」

 長い長い外壁
 でっかい校門
 華やかな制服を身に包んだ生徒さん達
 なんか、いかにもそれっぽい。

 「っつ」

 取り敢えず、職員室に挨拶に行く前に保健室を探そう。
8 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月11日(金)17時25分30秒
 職員玄関で自分の下駄箱を探し、靴を履き替えた
 なんだか気分がシャキッとした気がした
 本当の本当に、矢口は先生になったんだ・・・!

 「ぇっとぉ・・・」

 職員室は、すぐソコにあったから分かった。
 問題は、保健室。

 「あ、ねぇ!そこの君っ」

 「んあ?」

 矢口の前をちょうど歩いた人に声をかけてみた
 サラサラのロングで茶パツ
 2年生か3年生ってトコかな?

 「ねぇ、保健室ってどこかな?」

 「ん〜・・・あっちぃ?」

 自信無さげに廊下の向こうを指差された

 「あ・・・ありがとう。」

 まぁでも、取り敢えず行ってみよう。

 「い〜えぇ」

 ふにゃっとした笑顔は
 女の矢口から見ても



 すっごい、可愛いと思った。
9 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月11日(金)17時31分22秒
 「ごっちん、今のちっさい人誰?」

 「ん〜?分かんない。新任の人じゃない?」


 ・・・・ちょっと、聞こえてるから普通に。
 最近の若者は失礼なヤツばっかだ。

 「はぁっ・・・」

 そんな事を考えると、フケるかなぁ・・・
 大人になった証拠ってヤツ?

 「あ、あった保健室」

 最近独り言も増えた気がするし・・・

  ―コンコンッ

 ・・・矢口、精神年齢いくつなんだろ

  ―ガラッ

 「おおっ?」

 「あ・・・ごめんなさい!!」
10 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月11日(金)17時36分45秒
 矢口の目の前を乱された制服の胸元を抑えた生徒がすれ違って行った

 「な・・・何?」

 おいおい学校でお楽しみかー?
 若いなぁ・・・・って矢口もまだ若いよ!?うん!!

 「ちょお、そこのちっさいの。入んの?入らんの?」

 「ちっちゃい言うな!!」

 薄暗い保健室にカッカッカと乾いた笑いが響いた

 「あ〜、ごめんなぁ」

 パチッと点けた電灯に照らされた、人
 根元がちょっと黒めの金髪と、たぶんカラコンであろう碧眼
 ついでに犬っ鼻。

 「あの・・・」


 あなた、本当に保健の先生デスカ?
11 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年04月11日(金)17時41分05秒
短いですが、今日は此処までです。
更新は亀で、初っぱなからやらかして申し訳ですが(汗

まだ矢口さんしか名前出てませんが、これから頑張って更新して色んな人を出そうと思います。
12 名前:サイレンス 投稿日:2003年04月11日(金)18時24分11秒
初めまして。
銀板で書かれていたころから読ませていただいて
いました。

作者様の作風めっちゃ好きです。
『やぐぼん』ということでど〜なるのでしょうか
続きもぜひ読ませてください。
13 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年04月16日(水)17時47分02秒
12> サイレンス様。 初めまして。
             銀板の時から読んで頂いてたんですか(照
             いしよし作者様からレスが来るとは思いませんでした(驚

             自分の作風を好きと言って頂けるのは有り難い限りです!
             続きも期待をそぐわない様に書かさせてもらいますね(w
14 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月16日(水)17時51分45秒
 「ぃちちっ!」

 意外と酷かった矢口の脛。
 青痣と、ついでに薄皮が剥けて血が滲んでた

 「アンタも赴任早々ツイてへんねぇ〜・・・」

 付け爪なんだろうか良く分かんないケド、長くてキラキラした爪が湿布をテーピングする

 「うっさいですよ」

 キツ系の香水に混じって、微かにヤニの匂い



 ・・・・・ほんっとーにこの人保健教師?


 人選間違ってんじゃねーの?
15 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月16日(水)17時59分20秒
 「ホイ、と出来たよ」

 「ぁいて!」

 なんだチクショウ!ケガしてるトコわざわざ叩くな!!


 「・・・ありがとうございました」



 だけど、矢口大人だもん。
 そんな事思ってもぜーったい口に出さないし!

 「そんなブーたれたお礼はえぇから!職員会議始まっとるで!?」

 「えぇ!?」

 驚く矢口を尻目に、金髪保険医はどっこいしょと立ち上がり
 さっさと職員室に向かってった。



 「ちょ・・・待って下さいよ!!」


 矢口もカバンを引っつかんで急いでその背中を追いかけた
16 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月16日(水)18時05分23秒

 「あ、そうそう」

 金髪保険医は軽く手をポン、と叩き回れ右してこっち向いた


 「あたし、中澤祐子言うねん。よろしくなぁちっさいせんせぇ」

 ニヤッと笑うと、頭をポンポン撫でられた


 「・・・・こ、子供扱いしないでくださぁあい!!」

 「だって、アンタちっさ可愛ぇんやもん」

 「ちっさい言うなぁあああ!!」



 「コラ!うるさいぞ!!何組の生徒だ!?」


 「ひっ!ごめんなさい!!」



 うぅ・・・先生に叱られるなんて・・・何年ぶりだろ・・・
17 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月16日(水)18時23分02秒
 「・・・怪我をして遅刻ならまだいいですが・・・が・・・に・・・」

 てーか息くっせーなコイツ

 「職員会議に遅れそうな中大声でフザけるとは・・・・・を・・・・で」

 ハゲじゃん頭。ハゲハゲ。

 「だから新卒の職員ってのは嫌なんですよ・・・・まったく・・・」

 あ、鼻毛出てる。 しかも先っぽ白い!


 「聞いてるんですか!?矢口先生!!」

 「聞いております。」

 聞く耳もたねーよ ハゲめ

 あーもー、早く説教終われよ

 「・・・たくっ、学生気分が抜けておられないようで・・・」

 あんたは毛が抜けておられるようで・・・・ぷぷっ



 「教頭先生、1限が始まってしまいます」



 柔らかい声


 「なんだ安倍君・・・まだ説教は終わっておらんのだよ・・・」

 「でも、授業の方が大事ですよね?」

 「っぐ・・・」


 何この人?救世主?
18 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月16日(水)18時27分20秒
 「しかし安倍く「教頭先生?」

 おおすげぇ!ハゲ弱い!!

 「・・・チッ・・・矢口君、早く教室に向かいたまえ・・・
 君の最初の授業は2−1だ。科目は英語・・・」


 「はーい」

 「返事はキチッと!!」

 「はぁい。」

 「・・・変わって無いべさ・・・」


 クスクスっと可愛い笑い方

 てーか『べさ』!?何人!?イモ!?イモ!?


 「さっ、行きましょう矢口先生」

 「あ、ハイ・・・」
19 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月16日(水)18時32分00秒
 しっかしデッケー学校だなぁ・・・

 「学校、おっきーでしょ?なっちも良く迷うんだー」

 頭を小さく掻いて、照れ笑い
 嫌に様になってるし・・・

 「えっと・・・安倍先生でしたっけ?」

 自分の事なっちって・・・どーよ?

 「はいはい?」

 ちょっと仕草オバちゃんポイし

 「・・・仲良くしましょうね!」


 でも権力者っぽいし、仲良くなって損は無い!!たぶん!!


 「えへへ・・・うん。仲良くしましょうね」


 ・・・なんか・・・矢口罪悪感が・・・・



 この天使な笑顔・・・・何かを責めてる・・・









 怖っ。
20 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年04月16日(水)18時34分48秒
はい、今日は此処までです〜
不良保険医なかざぁさんと謎天使なっち登場で矢口さんお疲れ気味な感じが・・・(w

余談ですが、説教食らってる時ってなんか相手の欠点を探したり罵ったりどーでも良い事考えますよね(w
(〜^◇^)<ハゲムカツク!!
21 名前:名無しさん 投稿日:2003年04月17日(木)22時02分36秒
おもしろそうですねー年齢はリアルなんですか?
期待してるので、がんばってください!!
22 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年04月23日(水)16時06分12秒
21> 名無しさん様。 だいたいはリアルですかな?うん。
            頑張ります有難う御座いますです
23 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)16時15分47秒
  ―キーンコーンカーンコーン


 緊張しながらも、初めての授業は滞りなく終了した

 「ぅお〜・・・緊張したぁ」

 教卓の上に両腕を伸ばして伸び


 「「せーんせっ」」

 「ん?」

 見上げれば、大きい瞳が印象的な女の子

 「えっとぉ・・・君は・・・」

 「2−1 32番 松浦亜弥でぃす!」

 「はいはい松浦さんね・・・で、どうしたの?」

 「えっとぉ、ココが分からなくてぇ・・・」

 「ん〜?」


 ぅおお!矢口なんだか先生してるよぉ!


 いぃねぇ先生って・・・
24 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)16時22分47秒
 松浦さんの質問もなんとか答えて急いで教務室に戻る

 ハゲ教頭から放送がかかって呼び出されたからだ

 「チッ・・・なんの用だよあのハゲ・・・」

 休み時間で、移動教室が多いのか、人で結構混雑してる

 しかし女子高ってなんだかなぁ・・・・本当女ばっか


 階段をキュッと靴を鳴らして曲がった瞬間・・・

 「キャッ!」

 「ぅおっ!」

 思いっきり人とぶつかった




 ・・・・何?今日は厄日なのか?
25 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)16時31分31秒
 「った・・・ゴメンね?大丈夫?」

 「あ・・・はい」

 おぉ、お団子頭・・・すげー自分でやってんのかな・・・って


 このお団子・・・どっかで見たぞ・・・?


 ・・・・・・・!!

 「あ――!!」

 「へっ?」

 「今朝の二ケツ!!」

 「あ・・・」


 思い出した

 今日矢口を轢き殺そうとしたヤツだ!!


 「ちょっと!アンタのせいで矢口怪我して保険医に馬鹿にされて
 ハゲ教頭に怒られたじゃんか!?」

 ちょっと関係無い事も混じってるケド・・・ま、いーやムカツクし
26 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)16時43分26秒
 「ご・・・ごめんな、さい・・・」

 「その前にまず!ニッケしちゃだめでしょーが!!」

   (おい、誰あのせんせー、加護怒鳴ってるよ・・・?)

    (マジ?命知らずだねー)

 「?」

 フッと耳に入った話し声

 振り返ったら、たくさんの視線

 「な・・・?」

 「せんせぇ・・・も、いーですか?」

 「え?えぇ・・・あぁ・・・うん」


 何?矢口なんかした?


  (お、加護離れた)

    (かわいそーにねーあの先生、絶対辞めさせられるよー)



 ヒソヒソボソボソ


 コソコソクスクス






 なんだよ!!言いたい事があんならハッキリ言えよ!!
27 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)16時51分47秒
  ―ピンポンパンポーン

 『え〜、矢口先生矢口先生・・・至急教務室に来なさい』


 あ!!忘れてた!!矢口あのハゲに呼ばれてたんだ!!


  (なに〜?もうお呼び出しぃ?)

 (はっやー!)

   (問題教師〜)


 ・・・くっそ・・・ムカツク・・・ムカツク!



 「・・・うっせーよ!コソコソコソコソ!!早く教室戻れ!!」

   (はぁ?何アイツー)

     (有り得ねー)

  (マジムカツクし)



 ムカツクのは矢口の方だ!!
28 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)17時00分14秒


 「遅い!!」

 「も・・・申し訳ありません・・・」

 「まったく・・・だから・・・・・この・・・・時間・・・・」


 あーあーもーもーまた始まったし


 ヤメテクレー!!矢口今すっごいイラついてんだから!!


 「教頭先生、何の用事で矢口さん呼び出したんやっけ?」

 あ!不良保険医!

 でもありがとう助け舟!

 「おぉ、そうだったそうだった・・・」

 うっすい頭をぺチッと叩いてウッカリ顔


 ・・・キショ!ハゲマジキショ!!



 「あー、矢口君、君は今日から1−3の担任になったから」

 「・・・・・は?」


 たた、担任!?

 「今朝言い忘れてね・・・用件は以上です。デスクの掃除でもしてなさい」


 や・・・・矢口が担任!?


 マジで!?


 これで金ぱ○先生にまた一歩近づいた!!










 ・・・・・・てーか、最後の絶対嫌味だよな・・・・うん。
29 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)17時05分36秒


 時間は流れお昼休み


 矢口は不良保険医に呼ばれて、しぶしぶ保健室でご飯を食べる事になった



 「・・・で、矢口先生いくつなん?」

 「二十歳です」

 「ほぉ〜若いねぇ」

 「そうですね」

 「なんやぁなんやぁ?もっとフレンドリーになろぉやぁ!」


 「・・・・ご飯くらいゆっくり食べさせて下さい!!」


 昼休みあと15分しか無いのにお弁当4/1も減ってないじゃん!!


 不良保険医のばか!
30 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)17時11分31秒
 「あはっはは・・・ゴメンなぁ」

 くそぅ!楽しんでる!絶対楽しんでる!!

 「中澤先生あのですねぇ・・・」

 「おっとおっとぉ?」

 「は?」

 「なんや矢口せんせー水臭いなぁ
 もっと親しく、『裕ちゃん』て呼んでやー」

 「なんでですか」

 「ほら、あたしと矢口先生の仲やん?」

 「どんな仲だよ!」


 カッカッカと保健室に響く笑い声

 だけどなんだか・・・矢口、この保険医嫌いじゃ無いかも知れない。
31 名前:私の先生。 投稿日:2003年04月23日(水)17時18分02秒
 「だいたい・・・!」

  「・・・あのぉ」


 今にも消え入りそうな声が聞こえた


 「おー、来たか石川ぁ」

 「こ・・・こんにちわ・・・」


 ちょっとどころか結構色黒くて


 印象的には薄倖の美少女だけど・・・・





 むしろ、薄黒の美少女・・・・・なんてね


 ナイス矢口!


 「ちょおソコ、下らん事考えてんなや」

 「な、なんで分かるんですか!?」

 「丸分かりやがな、矢口は」

 「しかも呼び捨て!?」

 「・・・・ふふっ」

 「笑うなソコぉ!」



 なんなんだよ皆して!!



 矢口を馬鹿にするなぁあ!!
32 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年04月23日(水)17時21分23秒
今日は頑張って更新してみました
なんかだんだんアフォなテンションになりつつありますが・・・・
こんなもんです。自分の中の矢口さん。
(^▽^)も登場しましたが、今回はなんとか可哀相じゃない人にしたいもんです・・・

( ^▽^)<黒くないよ!
33 名前:サイレンス 投稿日:2003年04月24日(木)13時16分49秒
更新乙でした。
加護さん出ましたか。どんな裏があるのか。
気になりますね〜。

自分は作者様のテンション大好きです。
メール欄とかめっちゃ見てますから。

そして、矢口さん担任就任おめでと〜!!
34 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月24日(木)22時40分12秒
他のメンバーも出るんですか?
よしごまが早く出てほしいです!
35 名前:うり坊 投稿日:2003年04月28日(月)00時42分16秒
やぐ先生ィィ(・∀・)!!
具体的な名前でてなくても誰だか分かるのがぃぃ!
あと保健室のぉばちゃん(コラ)ィイ!!
てかィィ(・∀・)!!
次の更新待ってますぜ!
36 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年05月09日(金)13時22分45秒
33> サイレンス様。 加護さんの裏は書いていいのか自分の中で検討中です(汗
            じじ、自分のテンション大好きッスか(照
            メール欄まで見られて!(ヒィ
34> 名無し読者様。 他メンも頑張って出しますよ〜(w
             よしごまは・・・もう少し待って下さい(汗
35> うり坊様。   気に入って頂けて光栄です(喜
            もっと早めに更新しろ!っつー話ですがね・・・
37 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)13時30分50秒
 保健室に入って来た薄黒の美少女は『石川梨華』って名前らしい
 不良保健医がワザワザ教えてくれた

 その子はゆっくりお辞儀して

 いかにも『お嬢様!』みたいな雰囲気だった

 「ぇと・・・矢口先生は・・・今日来たんですよね?」

 「まぁ、新任教師だし?」

 「じゃ・・・じゃあ・・・」

 オドオド、ゆっくり
 ・・・この子と話してると夜になっちまうよ!!
 お弁当もまだ残ってるし!!

 「矢口、『加護 亜依』って子に気ぃつけな」

 矢口と石川さんの様子を見てた不良保険医が口を挟んで来た

 「は?誰?『加護亜依』って」

 「えぇから!気ぃつけときゃえぇねん!!」

 「ん〜・・・はぁい」



 そんなこんなでお昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ってしまった




 あーもー!!お弁当ーーー!!
38 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)13時35分04秒



 「くっそぉ〜・・・腹減ったぁ・・・」

 5限眠たい、6限腹減った

 矢口は人間の三大欲求の2つを何とかクリアして

 後は定時まで暇を潰すだけだった


 「ん〜・・・部活見学にでも行こっかなぁ」


 パコーン!とテニスボールが叩かれる小気味の良い音がした
39 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)13時40分48秒
 「矢口せんせっ」

 「ん?あぁ、安倍せんせー」

 チョコン、と後ろに
 ニッコリ笑顔の安倍先生

 「どうです?この学校」

 「ん〜・・・まぁまぁですかねぇ」

 まだ一日も経ってないし良く分かんないし



 あ、そうだ



 「安倍せんせー、『加護亜依』って子、ご存知ですよね?
 どんな子なんですか?」

 「え・・・・」


 ニコニコ笑顔だった安倍先生の表情が一瞬で曇った



 も・・・もしかして加護亜依って・・・・









 すげぇ問題児?
40 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)13時53分21秒
 「加護さんは・・・い、良い子よ、うん・・・?」

 「へー、どもる程イイコなんですか」

 「や・・・あの・・・成績良いし・・・ゆ、優秀です、し?」

 「それだけですか?」

 なんか違う気ぃするぞ?


 矢口の予想じゃ、ぜってー金パにピアス!そんでヤニとかエンコーとか・・・

 ・・・・・・つーか矢口、発想古い!?


 「コラ、なーになっちイジメてんねん」

 「ゆ、ゆ〜ちゃぁん」

 「ムッ、出たな」

 毎回毎回、どっから出てくんだか・・・仕事しろよ保険医!!

 安倍せんせーも保険医の後ろ隠れるし・・・



 何だよ!やっぱり矢口悪者系!?
41 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)13時59分38秒
 「矢口!なっちイジめんやないて!!こんな怯えて可哀相に・・・」

 不良保健医は後ろに居た安倍せんせーをギューっと抱き締める

 つかなに!?何ビアン!?

 「ちょ・・・ゆーちゃん苦しい・・・!」

 放してーと言わんばかりに保険医の腕をペチペチ叩いてるのに

 保険医はそ知らぬ顔

 「ゆーちゃんちがっ・・・違うの!だから放してぇ」

 「なーにがちゃうねん」

 「だぁからぁ、なっちはイジめられてたワケじゃなくて・・・」

 「じゃあなんやねん」


 「矢口が例の『加護亜依』について聞いてただけだよバーカ!」


 ついでにアッカンべーしてやる

 べーだ!べー!!
42 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時02分48秒
 「なんやぁ矢口ぃ、やる事なす事ちっちゃくてぇ」

 「ちっちゃい言うな!!」

 確かに舌出したのは幼いと思うけど・・・・

 「加護について知りたかったら本人に聞きゃえぇやん」

 「は!?」

 安倍せんせーをまだ抱き締めてる保険医の後ろから


 良く覚えているお団子頭が顔を覗かせた


 「あいぼん、どうしたんれすか?」


 精神年齢を聞きたくなるくらいの舌ったらずなオマケ付きで
43 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時09分02秒
 「あ・・・あの・・・何、か?」

 「加護、委員会の仕事はもーえぇから
 このちっこいの学校案内さしたってやー」

 「え?あ・・・ハイ。」

 加護亜依って・・・・今朝のニッケの奴だったんだ

 こんなフツーな奴、なんで気を付けなきゃ?


 「なかざぁさーん、のんは?」

 「つーじーは、あたしと一緒にお茶。」

 「お茶れすか!?お菓子は出るんれすよね!?」

 「おー、今日は確かクッキーがあったかなぁ」

 「くっきぃれすか!!」

 「そーそ。さっなっちも行くでー」

 「え・・・や、矢口せんせースイマセン・・・!」


 ズンズン去ってく三人に、小さくお辞儀する加護

 「つーか・・・勝手に話進めんなよなぁ・・・」
44 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時14分07秒
 「先生っ」

 ブチブチ文句言ってる矢口に加護さんの手が目の前を上下した

 「・・・何よ」

 今朝や廊下の事もあって・・・なんだかなぁ

 「あ、あの・・・今日はスイマセンでした」

 ぺコリっとお辞儀

 「・・・別に、気にしてないもん」

 すっげぇすっげぇ気にしてるケドね
 矢口顔に出さないもん
 矢口、オトナだもん


 「・・・ぷっ」

 「な、何で笑うかなぁ!!」

 「へへっ、スイマセン・・・さ、行きましょうか?」

 「は?行くってどこへ」

 暗がりに持ち込んでリンチか!?タイマンか!?

 矢口がファイティングポーズを取るのも気にしないで加護さんはニッコリ笑って


 「最初は吹奏楽部でも案内しましょうか?」


 なんて。
45 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時18分09秒
 矢口は加護さんに連れられて、学校見学・・・っつーより部活見学

 吹奏楽、パソコン部、科学部、漫研、テニス、野球、サッカー・・・・

 色々な部活を紹介してもらった
 色々教室とかも教えてもらった


 だけど矢口が一番気になったのは



 加護を見る生徒の目



 その後見る矢口への視線






 なーんか・・・・やーな感じ。



 「先生?最後はここです」

 「うーい・・・・って、ココ保健室じゃん・・・」


 時計を見ればもぅ定時はとっくに過ぎてて


 どちらかと言えば矢口は早く帰りたかった
46 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時23分09秒
 「おぉ、おかえりー」

 「あいぼんおかぃりー」

 「ただいま、のの」

 矢口を案内してる間、ずっと気になってた冷めた目は
 『のの』と呼ばれる生徒の前では呆気無く柔らかくなった

 「せんせー、せんせー、のの、このせんせーの名前知らないれすよ」

 「んー?このちっこいのはなぁ、矢口真里っつーんやで」

 『のの』を膝の上に乗っけてご満悦な顔してる保険医

 「だからちっこい言わないで下さい」

 矢口は溜息吐いて安倍せんせーの隣にドッカと座った
47 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時27分43秒
 「そうそう・・・矢口先生がちっこかったらなっちもちっさいべや」

 「ののもー」

 「・・・あたしも」

 矢口のために紅茶を入れてくれた安倍せんせーの意見にみんな賛同する


 よくよく考えたらこの保健室はちっさい奴らばっかだった


 でもやっぱり一番ちっさいのは矢口だった


 「・・・おぉきくなりたい・・・」


 でも中3で身長が止まってる矢口には無理な夢なワケで

 なんだか悲しくなってきた
48 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時31分24秒
 「・・・なんか・・・賑やかですね」

 一番奥のカーテンが揺れたかと思うと、昼間の石川さんが出てきた

 「おっ、石川おはよぉ」

 具合が悪くなって寝てたのだろうか

 何となくシャツが着崩れしてた

 「なっちー、石川にも紅茶入れたってやー」

 「はいはい・・・」

 「梨華ちゃーん」

 保険医の膝の上に居た『のの』が石川さんのトコにパタパタ走って抱き付く

 ・・・・この学校・・・HAGが挨拶?

 「おはよぅ、のの」
49 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月09日(金)14時36分21秒
 『のの』と手を繋ぎながらゆっくり保険医の隣に座る石川さん

 ・・・そー言えば加護さんはドコに座ってんだろ・・・

 「・・・?」

 キョロッと見回した保健室に、加護さんの姿は無かった

 「あっれー?安倍せんせー、加護さんは?」

 「え・・・?さ、さぁ」

 この微妙な動揺は、何か知ってるッポイけど


 保険医の目が怖いから聞かないでおこ


 「あいぼんは『お仕事』れすよ〜」

 「辻っ!」

 「ひゃっ・・・なんれもないれす・・・」

 「お仕事・・・?」

 なんだなんだなんなんだ?



 この学校には何かある



 それはきっと、みんなの共通の秘密。



 ・・・・・・知ったら、巻き込まれたりして・・・・・



 ぅあ!なんかヒューマンドラマちっく!!
50 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年05月09日(金)14時40分06秒
はい、毎回毎回遅更新(泣
もう開き直った方が早いですかね・・・
さてさて今回は問題の加護さんや辻さんが出てきてゴチャゴチャしてしまいました(汗
加護さんのお仕事とは?
共通の秘密とは?
辻さんの精神年齢は?
など色々ありますが、なんとかちゃんと書きたいですね。最後はともかく(苦笑
51 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月14日(水)19時19分40秒
更新乙です!
その調子でがんばってください!楽しみにしてますから!
52 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年05月24日(土)16時44分16秒
51> 名無し読者様。 頑張ります、有難う御座います!
53 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)16時48分52秒
   あたしが我慢すればあのコは傷つかないで済むんだ


   だから、あたしは敢えて汚れた



   だけど、今、こんなに苦しい







   「・・・・・・誰か・・・・・助けて・・・・・・・・誰か・・・・」





   あたしが望んだハズなのに・・・・
54 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)16時51分43秒

 矢口が赴任してもぅ一週間も経った

 もうトイレに行って迷子にならなくなった

 ハゲに怒られる回数も増・・・・減った。


 順調順調、順風満帆!!




 だけど・・・・あの加護さんはまだ全然謎だらけで


 しかもあの人矢口の受け持ちだし・・・・・・



 ん〜・・・・・・難しいなぁ、教師って
55 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)16時54分26秒
 「っふあっ」

 なんだか習慣になってしまった保健室でのお昼と談笑を済ませて

 矢口は5限の授業へ向かった


 学生時代もそうだったけど・・・やっぱり5限て・・・眠いなぁ


 中庭でサボりた・・・・・ん?


 あれは・・・確か二年の松浦と?




 誰だ?
56 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時00分48秒
 「ミキたんミキたん!ねぇねぇ5限始まっちゃうんだけどぉ・・・」

 「んー・・・眠いしぃ・・・サボんない?」


 「ダメデス!!」


 思い出した。あれは三年の藤本だ

 矢口にいっつもガンたれやがるヤツ

 「あ、せんせー」

 松浦はのん気にひらひらと手を振っちゃって・・・・

 まぁあの子は愛嬌があるからいぃんだけど・・・

 「・・・・・」

 「・・・藤本っ!なんか文句あるんだったら言えよ!」

 毎回毎回・・・コイツはチクショウ!矢口がチビだからってバカにしてんのか!?

 「ちょ、ミキたぁん!そんな顔しちゃダメだよ」

 「・・・美貴帰る」

 「え?ミキたん!」

 焦る松浦、帰る藤本・・・・・・帰る!?

 「ゴルァ!藤本ぉ!!先生の前でサボり早退だなんていい度胸してんなぁオイ!!」


 矢口の悪態も気にせず、スタスタ去ってぐ藤本


 キィィ!何様のつもりだーーぁ!!?
57 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時05分32秒
 「せんせー、ゴメンねぇ?ミキたんちょっと人見知りなのー」

 「その前に敬語を使え松浦っ!」

 「えー?」

 「えー?じゃない!!」

 上目使いに膨れっつら

 一昔前のアイドル並に、完璧な仕草

 「その前に5限矢口の授業じゃんか!ぜってー当ててやる!!
 P84の英訳しろよな!」

 「そんなぁ!!」

 ワイワイギャーギャーと、騒がしく二人で教室入り

 もぅ5限が始まって10分経っていた
58 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時09分19秒
 どうやら矢口は生徒に好かれやすかった


 きっと、この身長のせいでもあるんだろうけど・・・


 生徒にタメ語で話され

 やれ『やぐっつぁん』だのなんだのとあだ名が付いた





 なんだか嬉しいんだか悲しいんだか・・・・



 「嬉しい事とちゃうのん?」

 「だから!矢口の思考を読むな!!バカ裕子!!」

 「せやからアンタは分かりやすいんやってぇ」


 そしてこの、不良保険医にはコケにされてる毎日だ
59 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時13分24秒
 放課後の有り余った時間

 部活顧問にもなれない新米教師矢口はデスクワークもしないで

 この不良保険医、裕ちゃんとお茶する毎日


 「先生、書類打ち込み終わりました」

 「ん、ごくろぉさん」


 お茶をするのも他に理由があって・・・・

 加護さんが保健委員らしく、大抵ココにいるから素行調査みたいなのを・・・


 つったって、特になんら大した事はしない


 黙々黙々、仕事をこなして、たまに、フッとどっかに消える


 その消えた日は、裕ちゃんが少し、悲しそうな顔をする



 今分かってるのは、それくらい
60 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時18分25秒
 「どや?加護ぉ、ここで一服せぇへん?ちょっと疲れたやろ」

 「いえ、平気です」


 加護さんってのはまるでアンドロイドみたいで

 顔色も常に一定で

 無表情に、ただ無表情に

 何事もそつなくこなしてく

 「加護さん、無理しないでおいでよ?」

 「・・・・」

 そして、矢口が話し掛けると、どこか、表情が変わる


 なんとなく・・・ってよりは、矢口の気のせいかもしれないけど


 なんだか・・・・縋るような目付きになるんだ



 酷く・・・見詰めてると・・・・切なくなってくる、瞳
61 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時22分49秒
 「じゃあ・・・少しだけ」

 「なんや、矢口の言う事にゃ従うんかい」

 「そんなワケじゃありません」


 そんなワケ無かったらワザワザ矢口の隣に座るか?


 まぁ、微妙に距離あるけど・・・・


 「・・・はい」

 矢口が差し出したティーカップを両手で受け取る

 なんとなく、上品な、親のシツケの良さの分かる仕草

 「加護さん、中間の勉強してる?」

 「えぇ・・・まぁ」

 「大変よなぁ、学生は」

 「はぁ・・・・」


 適当な相槌を、一つ、二つ

 本当にロボットみたいで、無機質で自動的



 だけど、たまに流してくれる視線が・・・・なんだか有機的
62 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時28分38秒


 「あーもー、保健室閉めなアカンなぁ」

 「もぅそんな時間かぁ・・・」

 「あ・・・じゃああたし、帰ります」

 「ん、ほななぁ、気ぃつけて帰れぇ?」

 「はい」

 「さよなら」

 「はい、さよなら」


 加護さんを見送り、荷物をまとめ保健室を出て、教務室で帰り支度をする



 もちろん、ハゲ教頭のお小言なんて無視して



 「じゃ、お疲れ様でしたぁ」

 「ほななぁ矢口」

 「んー」

 「お疲れ様」

 「お疲れなっちー」


 ずいぶん仲良くなれたなっち事安倍先生は今日は残業みたい


 矢口も今日はうちでテスト作りで寝る時間遅くなっちゃうんだろうなぁ・・・
63 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時32分43秒
 チャリ置きまでトボトボ歩いてると、見慣れたお団子頭が見えた

 「加護さん?」

 振り返ったお団子は、酷く、疲れた顔をしてた

 「せんせぇ・・・」

 「今日も自転車?」

 加護さんは小さくゆっくり首を振った

 「いえ・・・いつもののの自転車ですから」

 「あぁ・・・辻さんの?いい加減ニッケ止めなさいよぉ?
 危ないんだから」

 コツッと額を叩くと、なんでか照れたように『へへっ』と笑った
64 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時35分57秒
 「先生は・・・自転車ですか」

 「おぅっ、夢と希望のママチャリだぃ!」

 2万ちょいした中々のシロモノ。結構気に入ってる赤いママチャリ

 「ママチャリ・・・」

 加護さんは矢口の自転車の後ろをジッと見詰めてる

 「・・・言っとくけど、乗せないから」

 「・・・・・」


 ちょっと、無言の訴えってヤツですか


 むぅ・・・や、矢口はオトナなんだからそんな手は通用しません!!






 こっち見んなーーーーーぁ!!!!!
65 名前:私の先生。 投稿日:2003年05月24日(土)17時44分09秒
  ―カシッカシカシカシ・・・


 「へへぇ、楽ちん楽ちん♪」

 「ゼェ・・・ハァ・・・・く、くっそぉ・・・・」


 結局後ろに乗っけちゃったじゃんか・・・・うぅ・・・


 「せんせー、その門右ぃ」

 「はいはい」

 ゆるやかなスピードで

 夕日に包まれ帰り道


 矢口の家とは正反対の道を


 必死こいて二人乗り


 「・・・矢口・・・何してんだろ・・・・」

 「あたし乗っけて走ってます」

 「んなこたぁ分からぃ!!」


 夕暮れ帰り道二人乗り


 腰にキツク回される腕は、思ったより心地良くて


 背中に当たる額の感触は、なんだかデジャ・ヴュを引き起こす


 「せんせーぇ・・・ゴメンね?」

 「謝るんならジュースおごれっ」


 そこの信号渡ったら、加護さん家らしい






 あー・・・喉渇いた
66 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年05月24日(土)17時47分19秒
はい、今回はここらへんで
なんだか少しだけ加護さんと距離を縮め始めたやぐ先生
二人乗りは青春ちっくて素敵無敵(w

(○`〜´)<うちらの出番はいつだYO!?
も・・・もぅちょっと待って・・・・(汗
67 名前:Silence 投稿日:2003年05月25日(日)17時18分32秒
更新お疲れ様です。
>二人乗りは青春ちっくて素敵無敵(w
おおっわかりますよそれ。(なんとなく(w
よっすぃの出番にも期待しとります。
68 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年06月07日(土)16時22分30秒
67> サイレンス様 おお!分かりますか!(喜
            二人乗りはいいですよねぇ・・・

            よしこさんも頑張って早く出したげたいと思います
69 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)17時42分46秒
 「ぅっぉ・・・・でけぇ」


 そこは正に『豪邸』とか、そんな言葉が似合う家

 「普通ですよ」

 さっきまで、ほんの少しだけ柔らかかったトーンが
 学校に居る時と同じ・・・いや、もっと低いトーンに

 「家・・・嫌いなんだ?」

 矢口の言葉に、ビクッと振るえる肩

 「そんなはず・・・無いじゃないですか」

 冷たい瞳に映る表札

 「じゃ・・・じゃあ矢口はこれでー・・・」
 「待って下さい!」

 チャリに乗ろうとしたら、掴まれた手首

 「・・・・何?」
 「ジュース、おごれって言ったじゃないですか」
70 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)17時47分09秒
 「あーあー・・・いーよ別に」
 「良くないです。」

 ねぇなんで、そんな縋るように矢口を見るのさ
 なんで、そんなに泣きそうな顔ばかりするのさ

 「・・・・しっかたねーなぁ」

 掴まれた手をゆっくり解いて、自販機のある場所まで歩く事にした

 「先生・・・」
 「何さ」
 「先生のコンプレックスって・・・なんですか?」
 「身長。」
 「ぷっ」
 「笑うなバカ!!」

 なんでだろぅ
 コイツの笑顔








 うそ臭い
71 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)17時50分49秒
 なんかもっと・・・いー笑顔持ってる気がするんだ
 矢口的に

 辻に見せるみたいな、柔らかい、普通の笑顔


 なんでこいつ、こんなに冷めた笑顔してんだろ


 矢口の知り合いには、こんな笑顔するやつなんて、絶対居ないから






 見てて、痛々しい。





 「あれ?やぐっつぁん?」
 「ん?」

 呼ばれて振り返れば
 見知った二人が笑ってた
72 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)17時56分44秒
 「おー、ごっつぁんによっすぃー」

 矢口が赴任した早々『ちっさい』呼ばわりしたこの二人
 でも今は『ごっつぁん』『よっすぃー』などと、あだ名で呼び合う仲


 ・・・・・つーか、ごっつぁん達が『あだ名で呼べー!!』って
 言ってきかなかったんだよね

 「ごっつぁん達、何してんのさこんなトコで?」
 「ごとーん家がソコだからさ、よっすぃに送ってもらってたの」

 ピッと指した指の先
 さっき見た豪邸

 「え・・・ソコって加護さん家じゃ・・・」
 「え?亜依?」

 矢口の後ろで申し訳無さそうに加護さんは立ってた

 「お・・・おねぇちゃん」
73 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)18時39分56秒
 は!?今なんつった!?

 「亜依、いつのまにやぐっつぁんと仲良くなったのー?
 ごとー知らなかったよぉ」
 「えっと・・・」

 よっすぃーは平然とした顔してるし・・・・

 「え・・・ねぇ、ごっつぁんと加護さんて・・姉妹、なの?」
 「うん。異母姉妹だけどねー」

 軽ッ!!

 「でもさ、ふつー名字一緒じゃないの?」
 「ごとーのママ、前の名字が好きだから
 知らないの?今の法律違う名字のまんまでもオッケーなんだよ?」
 「そ、それくらい矢口だって知ってらい!!」

 「せ、先生、ジュースはまた今度でっ!さ・・・さよなら!!」

 加護さんは青ざめた表情で走り去ってしまった

 「ごっちーん、まだ嫌われてんのー?」
 「仕方ないじゃん?あんなトコ見ちゃったらねー」
 「あんなトコ?」



 「よっすぃとごとーのキスシーン」



 だから軽いってーの!!
74 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)18時45分36秒
 2高は女子高だから
 そーゆー恋愛だってあるってなんとなく分かってた

 それを決定付けたのはコイツらなワケで・・・

 「亜依ねー?どぉやらよっすぃに惚れてたみたいでさー
 よっすぃはごとーのなんだからって事でちょっと意地悪したの」
 「ちょっとドキドキだったよねー?亜依ちゃんじゃなくてお父さんとかに
 見られたらどーしよーって思ったし」

 人前であろうがなんであろうがベタベタベタベタ

 バカップル

 って言葉がすっごい似合う二人

 「・・・てか待って?・・・もしかして、ワザとキスシーン見せたワケ?」
 「「ご名答〜」」
 「あ・・・アホかぁ!!」

 毎回毎回、この二人の思想はワケ分からん
75 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)18時49分45秒
 「でもねー、今、亜依ちゃん別の人にご執心みたいだし?」
 「別の人?」
 「そーそー、なんだか嬉しそうにしてるよねー」
 「いつよ?」

 二人は矢口を見てニヤッと笑うと

 「「がんばってねぇ」」

 なんて声を揃えてワケ分かんねー励ましを残して去ってった

 「頑張る・・・・?はぁ?マジ有り得ねーし・・・・」

 ちょっと頭抱えて
 ちょっとしゃがんで

 まぁいっか、って立ち上がって

 自転車に向った
76 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月11日(水)18時54分58秒
 「せんせっ」

 呼び止められた自転車の前

 「加護さん・・・」

 自転車の近くにしゃがんで
 矢口を待ってたのだろうか?なんだか嬉しそうに立ち上がって

 「これ、ジュースじゃないんですけど・・・」

 そう言って渡したのは小さなキャンディ

 「今度、ちゃんとお礼しますね」

 薄っすら笑って、家の中に駆け行って

 「・・・・まぁ、ありがたく頂戴しますか、ね」


 広げた包み

 放り込んだ小さな飴玉


 「アワ玉じゃんこれ・・・」


 シュワッと、懐かしい刺激のキャンディ



 矢口はなんだか愉快な気分で自転車を漕ぎ始めた
77 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年06月11日(水)18時57分53秒
はい、やぁっとよしごまコンビの登場です(汗
ちょっと無理ある設定でゴメンナサイ(泣

あいぼんさんにごとぉさんを『おねぇちゃん』て呼んで欲しかっただけなんです(爆

今後もバカップルよしごまコンビはちょくちょく出したいと思いますー
78 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月15日(日)00時48分57秒
よしごま!よしごまだ!最近めっきり少なくなりましたよね。
時々見つけると今みたいにものすごく嬉しくなります。
バカップル最高。むしろポンコツろぼっとさんが最高。
79 名前:きゃら 投稿日:2003年06月15日(日)16時11分33秒
どもっ。久しぶりです。
( ´ Д `)と(’д' )が姉妹だとは・・・!!
衝撃展開にビクーリしました。

ポンサンの吉後キタ━―━―━―(゚∀゚)━―━―━―!!
最強バカップルキタ━―━―━―(゚∀゚)━―━―━―!!
ポンさんの書く吉後のバカップルぶりがオイラは大好きでつ(^∇^*)
この先も頑張ってくださいなのれすヾ(´D` )
80 名前:おんな 投稿日:2003年06月15日(日)21時40分40秒
男×娘。の小説ってないですか?前に「幼なじみ」っていうのがあったんですけど
そんな感じの小説ないですかね?好きなんですよ。あとどうやったらいっぱいさがせるんですか?
81 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年06月18日(水)16時02分20秒
78> 名無し読者様。 そうですよねぇ・・・悲しいです(鬱
             自分も見付けると一気にテンション上がりますよ(w
             いやいやいや・・・・ありがとうございます
79> きゃら様。 お久しぶりです
           思い付き展開で申し訳ですよ(w

           よしごま!ちょっとしか出なかったけどこれからガンガン頑張りますよ!(w
           ありがとうございます。頑張ります
80> おんな様。 そんなの知りませんよ。
          ヘッドラインとか検索フォームでご自分でお探しになって下さい
82 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月18日(水)18時10分28秒
    痛くて苦しくて辛い



    助けて、助けて、誰か助けてよお願い








    冷たい瞳で見ないで







    あたしはそんなんじゃない










     あたしはもっと・・・・












       あたしは・・・・もっと・・・・・・
83 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月18日(水)18時18分22秒
 元気な健康な体が何よりの自慢だった

 だけど、ここ最近のハードスケジュールと教頭のお小言・・・・

 慣れない事や心労で、ついに矢口の体にもガタが来た



 「裕子ぉ・・・ゲホッ・・・薬・・・薬ちょ・・・だ・・・」
 「なんや矢口、風邪かいな?腹出して寝るからやでー?」
 「腹なんか出してッ・・・!!グホゲホゴホッ!!」

 「もー、裕ちゃん!矢口病人なんだから、イジワルしないのっ!」
 「はいはい・・・なっちは怖いなぁ」
 「裕ちゃん!」
 「あーもー、分かった、分かったから睨まんといてやぁ!!」


 いつも飄々としていい加減な裕ちゃんも
 どうやらなっちには弱いみたい

 ・・・・でも今はそんな事はどーでもいいから・・・・
84 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月18日(水)18時24分59秒
 「ぅ〜・・・裕ちゃん、ベット使っていー・・・?」
 「せやなぁ湯たんぽも貸したるわ・・・って、家帰りやそんなんやったら」
 「だってぇ・・・・」

 学校着くまでは、微熱くらいかな?って思ったんだよ

 でもSHR、1限・・・と時間が経つにつれてキツくなってきてさ・・・
 なっちの肩借りてやっとココまで来たんだよ

 「仕方無いべさ?裕ちゃん
 矢口も少し病気に鈍感だったのが悪いんさ」

 消毒液を含んだガーゼで矢口の体温を測った体温計を拭いてるなっち
 ちなみに今現在矢口は38.5℃
 立派な熱だ


 あぅ・・・体温が高いって分かると余計クラクラしてきた・・・・

 「あ!矢口ー!!」
 「ぅっわ!」


 もぉダメだぁ〜
85 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月18日(水)18時29分49秒
 グラッと視界が歪んで
 フラッと足の力が抜けて
 そのまま床に倒れる―・・・・と思ったら

 「っと・・・先生、大丈夫ですか?」

 間一髪のトコで、加護さんが助けてくれた

 「だいじょ・・・ケホッ・・・じゃない・・・」
 「中澤先生・・・・」
 「おー、加護、ちゃーどえぇわ、矢口そのままベットに連れてったってや」
 「・・・はい」

 くっそぉアホ裕子!どこまで適当なんだぁ!!
 訴えてやる!!治ったら絶対訴えてやる!!
86 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年06月18日(水)18時30分40秒
スイマセン中断です
87 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月19日(木)16時25分03秒
 加護さんの肩を借りて、重たい体をズリズリ引き摺りながらベットに

 気を使ったのかどうか分からないけど

 加護さんは3つあるベットの内、一番左端の

 窓際のベットに連れてってくれた


 「・・・ごめ・・・んね」
 「いえ、いいんです」

 保健委員ですから、と

 「あーくそ・・・・いきぐるし・・・」

 ヒューヒューと、自分する息が音を立ててる
 なんでこんな音するんだっけ?

 「風邪なら・・・休めば良かったじゃないですか・・・」

 おもむろに加護さんの手が矢口の胸元に・・・


 って、胸元!?


 「ちょ・・・ゲホッ!か、ごさ・・・」
 「じっとしてて下さい、ボタン外し難いじゃないですか」

 怒ったような、じれったいような声
 加護さんの指は矢口のYシャツのボタンを一つ、二つ、とゆっくり外してく

 「今氷ももらって来ますから」
88 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月19日(木)16時30分03秒
 氷を取りに行った加護さん

 なんでこんな優しくしてくれるんだろぅ・・・?


 「なんや加護ぉ、こんなに献身的なっちゃって珍しい」
 「別に、そんなんじゃないです」

 裕ちゃんのからかう声と加護さんの冷たい声が、遠くに聞こえる
 本当はもっと近くに居るハズなのに・・・

 「かぜの・・・ケヒュッ・・・・せいか・・・な」

 耳までヤられたんだろうか
 なんだかもー、どーでもいーや、寝よう

 寝りゃきっと・・・







 帰れるくらいには・・・・










 回復してる・・・・






















 は・・・・・・・・











































 zzz
89 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月19日(木)16時34分19秒


  ―え〜?あのやぐっつぁんが風邪ぇ?


  ―健康そうで、殺したって死なない感じすんのにねぇ



  ―・・・黙っててもらえない?・・・先生、寝てるし・・・


  ―あら亜依こわーい


  ―うちらって、もしかしてお邪魔虫系?





  ―いい加減にしてよ、おねぇちゃん、吉澤、さん・・・


  ―あれ?前みたいによっすぃーって呼んでてもいぃんだよ?





  「・・・!もぅいいから出てって!!」
90 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月19日(木)16時38分29秒
 「ん・・・・」

 ぼんやり、と目が覚めた

 まだ頭はズキズキゆってるし、喉はカラカラで熱い

 「せんせぇ・・・?」

 「あ、やぐっつぁんおはよぉ」

 ベットの傍に、加護さんに・・・アホバカップル


 「のど・・・・かわいた」
 「あ・・・じゃあ水もってきます」

 サッと立ち上がって、カーテンの奥に消えてぐ加護さん

 それをニヤニヤ見詰めるごっつぁんとよっすぃー

 「・・・なによぅ」
 「なんでもないよぉ?ね、よっすぃー」
 「ね、ごっちん!」
91 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月19日(木)16時41分47秒
 つーか・・・矢口何時間くらい寝たんだろ・・・

 部活やってる声がするから・・・・そーとー寝ちゃったんだろーなぁ・・・


 「んで・・・?ごっつぁん達は・・・何しきたのさ?」
 「うちがすっ転んで擦りむいたから、治療に」
 「でも裕ちゃん居なかったから、ごとーがやってあげたの」

 ねーっと、声を合わせ楽しそうに







 「・・・・帰れ」
92 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月19日(木)16時44分28秒
 「ひどーい!やぐっつぁんのばか!帰ろっよっすぃ」
 「ん、うん」

 プリプリ怒ったフリしたごっつぁんに手を引かれるよっすぃー
 ・・・こいつぁ将来尻に敷かれるなぁ・・・って考えてたら

 「お大事にぃ〜」
 「温かくして寝るんですよ〜?」

 なんて、からかい混じりのあったかい言葉

 「ありがと」

 小さく、手を振って



 ああ・・・・教師冥利に尽きるって・・・この事かなぁ?
93 名前:私の先生。 投稿日:2003年06月19日(木)16時48分13秒

 「先生、水持って来ましたよ」

 頃合いを見計らったように、コップに水を入れて加護さんがやって来た

 「ん〜」

 起き上がった反動で、矢口のおでこからタオルがハラリ、と落ちる

 「?」

 生温かいトコをみると、冷やしたのを乗っけてから、そんな時間は経って無いと
 思うんだけど・・・・・・誰が?

 「ねぇ・・・このタオル・・・加護さんが?」

 水を受け取り、一口

 「保健委員ですから」

 そっけない

 「ありがと、ね」

 力はそんな出なかったケド、一応、笑って

 「・・・・いえ」


 照れたんだろう少し赤くなった頬は


 なんだか普通で



 結構笑えた
94 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年06月19日(木)16時51分54秒
はい、今日はこんな所です
よくよく考えたら、あいぼんさんは書類打ちしか保健委員の仕事してないじゃないか・・・!!
と思ってこんなありきたりネタ(苦笑
(〜^◇^)<こんなダラダラやってねーで、もっと展開広げろよ!!
あぅ・・・申し訳ぇ・・・

嗚呼しかし、よしごまは書いてて楽なコンビだなぁ(w
95 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月20日(金)20時54分29秒
うお!更新キタ!
加護はすっごくいい子ですね。相手が矢口だからでしょうか?
それと、最初の方で触れられていた加護の秘密(?)も気になる…。
96 名前:タケ 投稿日:2003年06月23日(月)16時16分59秒
同じ板のタケです。
矢口さんの前での加護の態度がいいですね。
続きが気になります!
97 名前:きゃら 投稿日:2003年06月30日(月)18時42分19秒
相変わらずな遅レスでスマソ(汗
吉後・・・この二人はほのぼのしてて本当扱いやす(ry

てか、ポンさんのやぐぼん・・・やばいです。
自分もう少しでやぐぼんが推しカプになっちゃいそうでつ。
最近(〜^◇^)推しになってきたんで余計に・・・
やぐぼんもよしごまも頑張ってください〜
98 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年07月04日(金)15時37分59秒
95> 名無しさん様。 毎回遅くて申し訳です(汗
             あいぼんさんはね、イイ子ですよ、うん。やぐさんの前だけやもですが
             あいぼんさんの『秘密』については追々分かります・・・?
96> タケ様。 初めましてー
          そんなコントラストを書いてるのが楽しいです(w
          頑張りますんで、またお暇があったら読んでやって下さい
97> きゃら様。 本当に扱いや(ry
           やぐぼん、ずずぃっと推して下さいよぉ(w
99 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)15時44分50秒
     誰とも、誰とも比べないで




     だってあたしはあたしじゃない








       あたしは誰とも違うの





















        あたしはちゃんとあなたの子供なのに

























            なんで認めてくれないの?
100 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)15時49分09秒
 「う〜・・・ちくしょー病み上がりに夜風はキツイ・・・」

 風邪もそこそこ治って
 なんとかくしゃみ、鼻水だけになった

 それを狙ってかなんだかよく分かんねーけど
 あのバカ裕子め・・・




 「残業押し付けんなっつの」



 真っ暗な帰り道に、矢口のくしゃみだけが派手に響く
101 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)15時56分29秒
 「・・・ん?」

 よたよた漕いでたチャリンコのライトの先に
 良く見慣れたお団子が・・・

 「加護さんっ」
 「ひゃっ・・・!」

 矢口が声をかけた瞬間
 ビクッ!!って肩が

 「・・・せんせぃ?」

 恐る恐る振り返る顔

 涙ぐんだ瞳
 口の端から血
 押さえてる頬は・・・きっと赤い

 「ちょ・・・どぉし「先生っ!!」

 どうしたの?って聞きたかったのに
 矢口の言葉を待たずに飛び込んで来た加護さんは
 酷く震えていて

 矢口はバランスを保ちつつ、そのまま受け止めてるしか出来なかった
102 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時00分51秒
 「・・・〜・・・っ!」

 声も出さずに、肩を引くつかせて
 きっと泣いてんだろう


 どうしたんだろ
 何があったんだろ



 聞きたい事はグルグルしてるけど


 今は聞けない
 聞いちゃいけないよな雰囲気


 「・・・どっか移動しょっか」


 だけど一応ココ道路だしさ
 車も来て危ないし

 「・・・・」

 小さくコクッと頷いた加護さんをチャリの後ろに乗っけて
 どこか、二人になれるとこを探した
103 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時09分11秒
 「っとと・・・」


 危うく通り過ぎそうになった薄暗い小さな公園
 加護さんの手を繋いであげて
 ベンチが無かったから
 ちょうど二つあったブランコの片方に座らせて
 なんだか古びた自販機にジュースを買いに走った


 「・・・って、ほとんど売り切れじゃんか・・・」

 辛うじてあったポカリを2本買ったら
 ボタンがポツン、と赤くなって
 どうやらポカリも売り切れになったらしい

 「つーかこのポカリ大丈夫かよ?」

 暗くて賞味期限が読めないし・・・


 『風邪の次はハラ痛か?』

 うぅっ、裕子とハゲ教頭の嘲笑が目に浮かぶ・・・
104 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時14分13秒
 「加護さんっ」

 俯いてた加護さんの頬にポカリを押し付ける

 「っつ!」
 「あ、ごめ・・・」

 そう言えば、頬が赤かったっけ・・・

 「大丈夫?」
 「・・・」

 力無く、首を縦に

 「・・・慣れて、ますから」

 慣れて?
 って事はそんな殴られてんのか!?

 「い、イジメ・・・?」
 「いえ、違います」

 さっきの感情的な顔や声はドコに行ったんだろう
 今は落ち着いたのか、いつもの起伏の無い声

 「っでも!」
 「家庭の事情ってヤツですよ」
105 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時19分18秒
 吐き捨てるように
 まるで、他人事のように

 「親御さんに・・・?」
 「・・・」

 それ以上言わないとこや、外した視線が
 正解を示していた

 「・・・だからなんだって言うんですか」

 いまさら、珍しく無い、と
 確かに家庭内暴力とかで死んだ子や捕まった親の事とかよくニュースで見るけど・・・


 それとこれとは話が別だ


106 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時27分10秒
 しゃがんで、視線を合わせた
 冷たい目・・・

 孤独が?寂しさが?諦めが?

 良く分からないケド

 恐らく、言葉じゃ収まり切らない程の『負』が、宿ってる


 そんな目


 「・・・お父さん、とかに?」
 「・・・!なんでそんな事聞くんですかっ!!
 関係無いじゃないですか!!
 それとも先生には家庭の事情に口を挟むほどの権限でもあるんですかっ!!」

 急に、火が点いたように捲くし立てる加護さん
 その様子から、お父さんに殴られた事と
 ・・・上手く言えないケド


   『助けて 気付いて 助けて』


 そんな加護さん必死なSOSが聞こえた気がした
107 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時34分14秒
 「・・・関係無くないよ・・・心配じゃんか・・・」

 そのSOSが本当なら
 矢口は助けてあげたい。

 「っ、どうして・・・」

 だって苦しそうじゃんか
 だって痛そうじゃんか


 だって、そんなに泣きそうじゃんか


   『助けて 助けて』


 空耳かも知れないケド

 強く、強く聞こえるSOS


      『助けて・・・せんせぇ』


 ねぇホラそんなに痛そうに
 ねぇ、泣いてんじゃんか


 「助けたげるよ、矢口が。」
 「!!」
108 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時37分12秒
 驚いたように
 勢い良く上げた顔

 安心出来るように、ちゃんと笑って、もう一回言ってあげよう



 「矢口が、助けてたげるよ」



 だからねぇ、笑ってくんないかな?



 子供は笑うのがお仕事よ?
109 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時48分09秒
 「っせんせぇ・・・!!」

 クシャッと顔を崩して
 ブランコから、矢口の胸へ

 「あた・・・あたしっ・・・!」


 ―痛かった、痛かったよ凄く

   助けて、誰か助けてって

   あたしはずっと言ってたのに

   誰も気付いてはくれなくて・・・―


 「よしよし・・・」
 「ぅ・・・ッううーー!!」

 優しく撫でた髪
 スイッチが入ったように泣き叫ぶ加護さん

 先生、先生、と縋る指


 あぁ、これが加護さんに感じてた違和感なんだろうか


 ずっと、助けてって言ってたんだね


 矢口は薄々気付いてたかもなのに




 シカトして、ごめんね・・・?
110 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時52分58秒



 「・・・落ち着いた?」

 ヒッヒッと引きつりながらも
 どうやら涙は止まったみたいで

 「・・ごめんなさい」
 「ちょっ、なーんで謝るのさー」

 きゅうっと、背中に回される腕

 「ごめんなさい・・・」
 「加護さん・・・?」

 泣いて腫らした目
 真っ直ぐ、矢口を見詰める

 「ごめんなさいぃ・・・」

 眉が歪んで、また、涙

 「ちょ・・・ワケ分かんないし・・・」
111 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月04日(金)16時59分36秒
 「せんせぇ・・・先生に、あたしを話してもいい、ですか?
 あたし・・・もぅ・・・苦しくて・・・」

 ・・・その意味のごめんなさいなんだろうか
 だったら矢口は大丈夫だと思うけど・・・

 「いーよ、矢口で良かったら、話てよ?」

 加護さんは一回、唇を舐めてキュッと端を合わせると
 すぅっと息を吸い込んで、震えた声で話し始めた


 「あたしの・・・お義姉ちゃんは・・・血が繋がって無い、って知ってますよね?」


 まるで、犯罪を告発するかのように、息を潜めて
112 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年07月04日(金)17時07分59秒
はい、今日は此処までです。
やっとこさ話に起伏が付き始めたんですが、ちょっとディープな方向に・・・
(●´ー`)<それを言ったらもっとディープなのはどうなるべさ?
うぅ・・・・

さて、ほんの少しだけ加護さんの『秘密』が謎解けていきますが・・・
ちょっとネタバレすると『秘密』は之だけじゃ無い・・・みたいな(w
113 名前:タケ 投稿日:2003年07月05日(土)00時23分37秒
更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
待ってました!
読みました! やっと加護の『謎』が解けましたね〜
続きが気になりますね。
114 名前:タケ 投稿日:2003年07月05日(土)16時52分02秒
>やっと加護の『謎』が解けましたね〜 訂正します。
やっと加護の『謎』が少しずつ解けてきましたね〜 です。

まだ全部なぞとけてねーっつーの!(自爆)
と言うことで失礼しました。
115 名前:きゃら 投稿日:2003年07月05日(土)19時00分47秒
いきなりの急展開にビクーリでつ。
思わずパソの前で暴れだしちまいました(汗
続きが気になって歯が・・・(以下略。←ポンさんなら理解してくださるはず・・

自分、やぐぼんをずずぃっと(w 推 し た く な り ま し た。
116 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年07月09日(水)12時17分14秒
113 114> タケ様。 スイマセン遅くてスイマセンいや、スイマスイマセン(w
               やっとこさちょっと荒波立ててみました。こっからもっと頑張ります!
115> きゃら様 はうう、申し訳(謎 
           あんまダラダラさせたくなかったもので・・・
           歯はクレアラシルで(ry
           ず ず ず い っ と 推 し と い て 下 さ い
117 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時22分00秒
        わたしはあなたに、少しだけ秘密を話しました。










            ずっとずっと、ひたすら隠してきた秘密を
























               あなたはわたしを助けてくれると言いました













































                     わたし、あなた信じていいですよね?
118 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時25分28秒
 わたしのお父さんは、おっきな会社に勤めてます。

 社長さんです。

 お父さんは毎夜毎夜遅くに帰ってきます。

 休日出勤も当たり前です。


 お母さんはお父さんがずっと帰って来なくて、寂しくて死にました


 でも亜依は寂しいって言っちゃいけません


 現状に満足しなきゃいけません


 誰にも助けを求めちゃいけません


 全部、全部自分の力でやり遂げねばなりません


 お父さんは厳しい人です




 わたしのお父さんは、わたしがとっても嫌いです。
119 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時31分31秒
 お母さんが居なくなって、わたしは影でコソコソ泣きました


 クラスのみんなは誰もわたしのお母さんを弔ってはくれません


 クラスのみんなもわたしが嫌いだからです


 みんなより、頭一つ飛び抜けてるから。


 偉い先生に、認めてもらってるから。





 でもある日、わたしの家に知らない女がズカズカ入って来ました


 お父さんの『愛人』です


 お父さんの書斎で見た事あります



 お母さんには内緒にしてた人です



 お父さんの『愛人』は図々しくもわたしに『私が新しいママよ』と言いました


 言い知れない怒りがふつふつ沸いてきました





 なんだこんな女、死んでしまえ。








 わたしのお母さんは、たった一人だけです。
120 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時35分18秒
 『愛人』は、連れ子が居ました

 わたしよりいくつか年上の女の人でした


 『後藤真希』


 それが愛人の子供の名前でした


 お父さんはわたしより愛人の子供の方が好きみたいです


 愛人達はまたしても図々しく


 『名字は別々にしましょ』


 と役所に届け出ました


 それはそれで良い



 わたしと同じ『加護』を名乗るなんて



 一族の恥さらしも良いトコです
121 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時37分28秒
 愛人達が来てから


 お父さんはもっとわたしが嫌いになりました


 『接待』に連れて行かれる数も増えました


 その『接待』については今は触れたくもありません


 『接待客』の一人には教頭先生も居ます


 だけど今はどうでも良い事です
122 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時42分24秒
 わたしは家がますます嫌いになりました


 帰るのが凄くおっくうです



 でも学校は好きです


 憧れの先輩が、わたしの頭を撫でてくれるからです


 『吉澤ひとみ』


 バレー部のエースで、凄く背が高くて気さくでカッコ良い人です


 わたしの憧れの先輩です。




 だけど直ぐ学校が嫌いになりました


 愛人の子供が編入して来たからです



 しかも








 在ろう事に









 愛人の子供は入ってすぐ、吉澤さんと付き合いだしたのです





 意地悪にも







 わたしの部屋でキスをしてるのを見てしまいました







 ・・・お母さん、わたしは愛人達のお陰で何度絶望を味わえばいいのでしょうか
123 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時47分48秒
 愛人の子供は非の打ち所の無いくらい完璧な人でした


 頭も良く、スポーツも出来て、綺麗で、料理も上手くて・・・


 吉澤さんがオちるのも時間の問題だったでしょう



 その点わたしは、愛人の子供に絶対的に勝てませんでした


 中間も期末も、合計点を聞いてみたらわたしよりはるかに上でした


 スポーツテストの成績を聞いたら、聞いた事も無い点数が飛び出しました



 お父さんが愛人の子供を好きになるのも仕方ありません




 わたしとは比べ様の無いくらい、完璧な人なんです。




 勝てっこないかけっこにいつも負ける鈍亀なわたしは



 お父さんに口答えすると、酷く叩かれます



 前歯近くが抜けた事もあります



 口答えもしたくなります



 あの人と比べたって、どうせわたしが劣っているのだから
124 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時51分54秒
 お父さんはどんどんわたしが嫌いになります


 叩く回数も増えます


 『どうしてこんな事も出来ないんだ』『なんでお前は出来そこないなんだ』



 お父さん、お父さん?




 思い出してください







 出来そこないの遺伝子を、お母さんの中に押し込んだのは誰ですか?



 『私の面子も考えろ』『もっと勉強しろ』『口答えするな』




 お父さん、お父さん?




 無理な注文をしたって無駄です






 だって、あなたの劣性遺伝子を受け取って産まれてきてしまったんです









 あなただって昔、0点のテストを取ったじゃないですか




 おもらしだってしたじゃないですか







 お爺様に沢山怒られて育ったじゃないですか








 ホラ、ちゃんとわたしはあなたの血を継いでいる
125 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)12時56分17秒
 ねぇ、わたしはちゃんとあなたの子供です




 認めて下さい






 認めて下さい







 他所で作った子供ばかり見ないで






 たまにはわたしの顔を見て下さい







 なんで、『接待』の時だけ手を繋いでくれるんですか








 知らない人のご機嫌取りなんてもぅまっぴら





 そんな事を溢したら










 お父さん、そんなモノで叩かないで下さい








 また、歯が欠けるじゃないですか







 お父さん、お父さん








 わたしを見て下さい










 わたしは畜生じゃありません









 わたしの身体はもぅボロボロなんです











 もう医者にかかりたく無い










 もうあの薬なんて飲みたくない














 お父さん


























 わたしはあなたの娘。たった一人の娘なんですよ?
126 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)13時02分18秒


 「・・・・そっか」

 加護に話された『秘密』は
 ニュースで流れる現実より生生しくて

 矢口は吐きたくてしょうがなかった


 「せんせぇ・・・あたし・・・ちゃんと・・・お父さんの子供なんです」
 「・・・うん」


 どうして、どうしてこの子は・・・そんな目にあってるのに
 父親に認められたいんだろう

 今時の若者なら逆キレて、プチ家出かましたっておかしく無い

 「せんせぇ・・・せんせぇ・・・・も・・・やだあ・・・」

 縋る指に篭る力、必死な瞳、止まらない涙

 「あたし・・・ちゃんと・・・娘・・・なのに・・・!!」

 認めて、認めてお願い


 加護さんの言葉に、矢口の脳裏にフッと


 『アダルト・チャイルド』


 と言う、現代の子供に急増する症状を思い出させた
127 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)13時06分29秒
 すれ違いや、家庭の事情によってもたらされる心の病気

 たまに、カウンセリング教室が設けられたりしている

 加護さんも、きっとそうなんだろう

 「ひっ・・・ぐぅ・・・・!」

 矢口の胸で泣き続ける小さな頭をゆっくり撫で、矢口は小さく溜息を吐いた
 ・・・・こんな時、金○先生はどうするんだろう・・・・

 っこんばかちんがぁ!!とか言ってお宅に押し入って道徳的な説教でもするのだろうか

 ・・・でも、道徳なんてあまりない矢口にはそれは無理。

 教育って・・・難しいなぁ
128 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)13時12分43秒


 「せんせぇ・・・せんせぇは、あたしを見てくれてますよね?」

 泣き声が落ち着いてきて、嗚咽を引き摺りながらも、加護さんは必死に口を開いた

 「・・・うん。見てるよ」

 ずっと見てたのは確か

 目の付くとこに、コイツはずっと居るから

 「あたし・・・もぅ・・・せんせぇ存在を認められてるなら・・・いーや」
 「え・・・?」

 なんだろうどうしたんだろう
 急に、こんなに、柔らかく笑って

 「せんせぇ?」

 なんだろうどうしたんだろう
 あのわだかまりが、違和感が無い

 これが・・・・コイツの笑顔?



 本物の・・・・・笑顔?
129 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月09日(水)13時16分46秒
 幼い、なんて幼い笑顔

 曇りも、何も、一点も無い

 綺麗な、笑顔


 無邪気?


 面妖?



 難しいけど・・・なんか、そんな感じ


 「ぇへへ・・・せんせぇ・・・あたし・・・もう一つ、秘密、あるんです」
 「もうひと・・・」


 そっと、ゆっくり感じたのは


 唇のやわっこい、感触










 「あたし、せんせーが好きです。」
130 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年07月09日(水)13時22分01秒
よしゃー、今回は一回も手違いageは無かった!(w

さて、加護さんの家庭の事情を、ソコだけ加護さん視点で
ごとぉさんは・・・わ、悪い人では無いですよ?きっと・・・・
(○^〜^)<個人的に悪者にはしたくないからね
『接待』についてはまだまだ秘密です。もちょっとしたら触れたい・・・
(●´ー`)<また痛くなっちゃうべさ・・・
ああう書いていいものやら(汗
131 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月09日(水)21時38分40秒
痛いっすねー。やぐぼん(・∀・)イイ!!なんて呑気に言ってる場合じゃないっすね(w
でも、加護にとって矢口が救いになっているようですね。
そこがまた読者にとっても救いであります。
132 名前:きゃら 投稿日:2003年07月11日(金)19時06分14秒
うぁ〜・゚・(ノД`;)・゚・
ぼん、辛かっただろうなぁ・・・でも本当(〜^◇^)がいてヨカッタ。
(〜^◇^)がいなかったら( ‘ д ‘ )は今頃どうなっていたことやら・・・
『接待』・・・気になりますねー(0^〜^)<痛くなりそうな予感が・・又はエ(ry


オイラも個人的には( ´ Д `)さん悪者になってほしくないでつね(汗

(〜^◇^)人(‘ д ‘ )←この回を読んで、激推しに な り ま し た
133 名前:タケ 投稿日:2003年07月13日(日)13時41分21秒
やぐぼんキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
続きは痛くなりそうだけど気になる!
続き期待です。
134 名前:タケ 投稿日:2003年07月13日(日)13時42分08秒
ageてしまいました。
スマソ・・・
135 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月13日(日)16時47分44秒
禁断の愛キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ドキドキしますです。
136 名前:ウリ坊 投稿日:2003年07月16日(水)03時12分52秒
ごとぉーさんがヤなキャラに・・・・!
ぼんの謎の『接待』とか・・・・!
いい感じにひっぱりますね(w 憎いです(w
なんてゆーか、ドキドキして、画面に釘付けでした。はぃ。
飼育のカキコはやはり気使って書いてまう;
そゆことで、また来ますんで、続きがんばー!
137 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年07月26日(土)12時46分42秒
131> 名無しさん様。 う〜ん痛くてすいますいません(w
              そうですね、ぼんにとって、やぐは救いです。
              そんで、自分も救われてます(爆
              あとメル欄のアレですが、そんなスレがあったとはいざ知らず
              即行探してお気に入り直行しました(w
132> きゃら様。 やぐが居なかったらぼんは・・・・いや、触れないでおきましょう
           『接待』、そうですね、黒いとゆーよりェ(ry
           やぐぼん激推し万歳(w
133> タケ様。 毎回遅くて本当すいますいません(え
          続き・・・はい暫くはsage進行になってしまうやも・・・
135> 名無しさん様。 禁断の愛だった―――(;´Д`)―――!!!
             (〜^◇^)<気付くの遅っ!!
136> ウリ坊様。 ヤなキャラと言うかなんと言うか・・・(滝汗
            引っ張るのは得意です。でも引っ張りすぎな気もします
            続き頑張りますよぅ!
138 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)12時52分18秒


 ・・・・・え?


 矢口はゆっくり、自分の唇を撫でてみた


 「せんせー、迷惑・・・でしょうか?」


 迷惑?


 「ぇ・・・と」


 ヤバイ



 頭がショートしそう



 グラグラする







 ヤバイ
















 こんな












 こんなストレートに















 こんな























 こんな真っ直ぐに















 「せんせぇ・・・?」
































 マズイ
































 心臓が痛い
139 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)12時56分41秒
 ヤバイって


 落ち着けよ矢口の心臓



 女同士だろ?





 しかも教師と生徒だぞ?






 ヤバイって






 問題だって







 「・・・・・ダメ、ですよね」



 そんなワケ無い





 「や・・・矢口も・・・・好き、かも」
 「え・・・っ?」



 抱き締めた体が




 何かに震えてて




 でも、それすらも
140 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)13時00分47秒
 「せんせ・・・痛ぃっ・・・」


 顔が熱い
 顔が熱い
 顔が熱い


 「せんせぇ・・・!」


 心臓痛い
 心臓痛い
 心臓痛い


 「・・・ヤバぃ」



 あんな単純な
 あんな率直な
 あんな簡単な


 告白とキスだけで
 告白とキスだけなのに








 落ちた












 えぇ、もぅどうしようも無く。
141 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)13時06分33秒
 「せんせぇ・・・これって・・・オーケーって思っても・・・いぃんですか?」

 おずおずと首に回った腕

 「オーケーとか・・・」


 そんなもんじゃない

 お前は矢口をオとしたんだ

 たった一言で
 たった一瞬で




 「今好きんなっちゃったんだよ・・・・・・責任、取れ・・・・・ばかっ」
 「ぇへへ・・・はぁい」

 嬉しそうに揺れる肩
 矢口に触れる加護さんの体温
 微かに震えてる、吐息


 「・・・・でも、具体的にどー取ればいいでしょう?」
 「知らない」
 「なんですかそれ」

 クスクス笑って
 鼻を擦り合わせて




 なんだか、幸せだった
142 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)13時14分23秒

 「・・・せんせぇ、ワガママ言っても、いいですか?」
 「何?」
 「さん付けで呼ばないで下さい」
 「うん」
 「もイッコ」
 「は?」

 上目で見詰められたら
 なんだか窒息しそうな気分

 「もっかい・・・キス、したいです」
 「ぇ・・・」

 頬を染める熱が
 潤んでくる瞳が


 矢口の心を鷲掴み

 「ぃ・・・いよ」

 息苦しい
 本当に窒息しそう
 普通に喋れない
 顔が熱い
 心臓痛い

 「目・・・つむって下さいよ・・・」


 重なった柔らかな感触は
 夢でもなんでも無い証拠で
 心臓が痛くて泣きそう
143 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)13時18分08秒
 舌も絡めない
 強引に押し付けてこない
 重ねるだけの

 本当、優しい、キス


 ・・・・女の子って・・・こんな唇やわっこいんだ・・・



 当然だけど
 今まで『普通』の恋愛をしてきた矢口にとっては
 女の子とのキスはこれが初めてで
 男のゴワゴワして、ちょっと痛いキスとか違って


 なんだかほの甘くて
 上質なスポンジみたいにふわふわで


 それをもっと感じたいって思った


 抱き締める腕に力が篭る
144 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)14時28分41秒
 「せんせぇ・・・凄いドキドキゆってる」

 意地悪にニヤッと笑うと、頬に軽く

 「うっせー」

 頭を小突くフリをして、そのままクシャクシャと撫でる

 「・・・へへっ」

 頬を染めて幸せそうに

 「くっそぉ・・・」

 なんだか手玉に取られてる気がする
 でも憎めない
 むしろ嬉しい気までしてくる

 良く分かんないけど

 恋の力って強力で


 さっきまで本当『生徒』として接してたのに
 今は『生徒』じゃなくて一個人『加護亜依』が


 どうしてか愛しくて

 声を大にして『好き』と言ってしまいたい
145 名前:私の先生。 投稿日:2003年07月26日(土)14時33分58秒
 「せんせぇ、せんせぇ・・・あと、イッコだけ、聞いて?」
 「はぁ?」

 口では否定形を発してしまっても
 もう心は準備オーケー
 なんとでも言ってくれ状態。


 なんかもぅ、単純だなぁ・・・・矢口












 「あたし・・・・・今日、帰りたくない、です」 
 「えぇ!?」


 こればっかりはどうしていいのか



 告ってイキナリお泊り宣言だなんて・・・・



 最近の子は進んでるなぁ


















 なんて、人事じゃないし!!




 「せんせぇ・・・お願い」

 だけどさ

 必死なんだもん目が


 叶えなきゃって思っちゃうじゃん



 「ぅ・・・分かったよ」


 惚れた弱みって・・・この事なのかなぁ
146 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年07月26日(土)14時39分29秒
惚れっぽい矢口さんに完敗れす(w

単純で純粋な告白ってのはまぁ、簡単なようで難しい。
その威力はどんな偉大でも、移せなきゃ意味が無い

その勇気を持たせたのは矢口さんやもしれません。

お泊り宣言は出ましたが、sageに突入するかどうかは未定です(爆
147 名前:つみ 投稿日:2003年07月26日(土)14時48分34秒
ますます『接待』が気になる今日この頃・・・
148 名前:きゃら 投稿日:2003年07月26日(土)21時53分11秒
告白→お泊り宣言
なんてこったー!!!!(○□○;)
最近の子は進んでるなぁ・・・。

(0^〜^)ノ<このままエ(ry に突入しちゃいまつか??
自分的には最後までいってほしいです(殴
(〜;^◇^)<さ、最後ってなんだよ!!何もしないよっ!!!
本当かなぁ・・・(w
149 名前:んあ 投稿日:2003年08月07日(木)14時12分15秒
   ▼ハヽヽ▼
/|\(〜^◇^) <やぐやぐ♪
⌒⌒''(U 保 )  
  ▼〜し'~し'
150 名前:タケ 投稿日:2003年08月08日(金)09時48分17秒
も・・・萌えた「やぐぼん」
両方可愛い・・・
続き期待してますよ!
151 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年08月17日(日)12時50分34秒
147> つみ様。 ああぅすいません、もう少し・・・もう少しだけ引っ張らせて下さい
          (〜^◇^)<つーか引っ張りすぎだろ!!
145> きゃら様。 なんてこったー!!(w
            個人的にも最後までイきたいんですけどねぇ・・・
146> んあ様。 やぐやぐ保全キター!!(・∀・)!
           なんだか嬉しい(w
147> タケ様。 可愛い二人に萌え萌えして頂けて有り難い限りです♪
           でも毎回更新遅くて申し訳・・・・
152 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)12時57分04秒
 「なんか、せんせーの匂いがします」

 「なんだそりゃ」


 物珍しそうに矢口の部屋をグルグル見回る加護

 それを見て苦笑してる矢口




 ・・・つい最近までは・・・有り得ないって思ってたのになぁ・・・


 『女の子同士』 『先生と生徒』


 二つのタブーを一気に破って


 それでもなんだか嬉しい自分が居る



 罪悪感でさえ




 幸せのスパイス
153 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)13時04分53秒
 「加護ー?お風呂入っといでー?」

 部屋の奥に消えたアイツにかけた声

 だけど返事は無くて

 しょーがないから消えた部屋に入ったら



 案の定



 矢口のベットで寝てやがった



 「・・・なんだかなぁ・・・本当」


 コイツには、ペースを崩されっぱなしだ


 「んんぅ・・・せんせぇ・・・」

 もぞっと身動ぎして
 幸せそうにニヘラと笑って
 矢口を呼んで

 「なんだよ、ばーか」

 なんだかくすぐったい

 それでいてあったかい

 今まで色んな人と付き合って来たけど
 こんなに可愛い恋人と付き合えるなんて

 矢口はちょっと果報者?


 でもおかーさんゴメンね


 この先ずっとコイツと付き合うとしても


 きっと一生紹介なんて出来ないね


 きっとずっと、孫の顔を拝めず終いになっちゃうかもね


 ゴメン、おかーさん




 でも今矢口



 なんだすっごく、浮かれてる
154 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)13時07分45秒
 「しょーがないなぁ」

 口ではそんな事言っても

 口が緩んで揺るんで仕方無い


 「・・・お風呂はいろ・・・」

 くしゃっと前髪掻き揚げて

 チラッとアイツの寝顔を見た


 「ダメだ・・・」



 口が緩む
155 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)13時12分18秒
 ―ザアアアアア


 シャワーを顔に直撃させて

 緩んだ口元をなんとかしようとしても

 アイツの顔

 アイツの感触


 思い出すだけで


 顔中ダラしなく、緩む



 「くっそぉ・・・」



 突然、大恋愛してみたいと


 友達が言ってたけど



 ゴメン、矢口のが早くしちゃったみたい




 あんな即行落ちて


 こんな即行ハマって




 なんだかもぅ自分じゃ無いみたい
156 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)13時18分33秒
 あんまり時間をかけてもアレだから

 そこそこ早めに上がって

 濡れた髪そのままに


 いそいそアイツの元に


 「あ、せんせーお帰り」

 さっきまで寝てたヤツが

 今は腰掛け微笑んでる

 「起きたんだ・・・?」

 「あたし、あんまり深く寝たくない人なんですよ」

 自嘲気味にヘヘへッと笑って

 「よくうなされるんで」

 夢、見たくないんです

 悲しそうに

 辛そうに


 「そっか・・・」


 深くはあんまり聞かない方がいいよね?


 傷口をエグるマネなんてしたくないし


 「せんせー、一緒に寝てくれます?」





 その瞳に


 矢口だけ映れば


 少しは楽になれますか?
157 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)13時24分21秒

 少しでも安心出来たらなと思って

 指ごと絡めて手を繋いだ

 「・・・っ」

 驚いて矢口の顔を覗いた間抜けな瞳

 「なんだよ、ばかっ」

 いいじゃんか、こんくらい

 「せんせぇっ」

 嬉しそうに笑って

 ちょっと身動ぎして

 距離を縮めて


 「・・・勇気出してよかったぁ・・・」

 長く吐き出される溜め息に

 首元胸元擽られる

 コツっとぶつかった顎とデコ

 視線がちょっとだけ絡まって


 ゆっくり、唇だけが重なった
158 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)13時31分06秒
 夢じゃないのに


 まるで夢みたいな感触


 やわっこくて甘くて


 それをずっと感じたいと思わせる感触



 「・・・っ!」



 急に夢から現実に戻すように


 なんだかヌルリとした感触


 歯列を丁寧に舐めて

 矢口のソレに絡められて


 何度も味わった事のある


 でも無理矢理感は何にも無くて


 流されそうなくらい


 覚えてる


 これは『オトナのキス』だ


 「ちょ・・・ッ・・・ぅ」



 話す事すら許してくれない


 吸い付くように絡まる



 開きっぱなしの口の端から、ヨダレ垂れるし


 なんだかヤバイ気持ち良くて


 息が出来ない
159 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月17日(日)13時37分15秒
 「ちょ・・・マジ・・・?」

 優しく撫でられる脇腹とか

 重なって重なって、恥ずかしい音までしてくるキスとか


 ・・・なんでコイツこんなに巧いんだよ・・・


 「せんせぇ・・・・ダメ、じゃないですよ・・・ね?」


 え、断定形?


 返答しようにも

 間髪入れずにキスしてくるし


 だけど繋いだ手だけは離れなくて


 ぎゅっとぐっと痛いぐらい




 「せんせぇ・・・あたし・・・寝るのが怖いんです・・・・」



 だからってイキナリこれは無いでしょ?



 「あたし・・・真剣なんです」



 ねぇ、でももうちょっと待とうよ




 ホラ、やっぱ恋には手順とか色々あんじゃん?





 「せんせぇ・・・」



 「っの・・・ば、か・・・・ぁ」




 撫でられる手つきに




 上ずった声しか出ない、出せない












 ヤバイ
















 流される
160 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年08月17日(日)13時39分20秒
( ^▽^)<しないよ!

はい、自分が言えるのはこんだけです

夏コミに逝って来て、老体に鞭打って書いてるんでなんか変だったら申し訳・・・
161 名前:タケ 投稿日:2003年08月17日(日)16時33分00秒
更新お疲れ様です
甘め、痛め、エロが入ってて凄いなぁ〜全然変じゃないですよ!
さて次の更新ではどうなってしまうんでしょう?
やっぱこのままエッ(ry)まで・・・?
162 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月19日(火)21時25分56秒
ぼんに迫られて、どうする矢口先生!(w
163 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年08月22日(金)12時31分41秒
161> タケ様。 どうなんでしょうこのまま逝くのか逝かないのか・・・(w
           (〜;`◇´)<これから書くんじゃん!
           そうなんですけどね
162> 名無しさん様。 どうなる矢口先生!!(w
164 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)12時35分12秒
 ふわふわ触られる手の感触


 優しく優しく重ねてくる唇


 矢口の事をちゃんと想って



 好きだ、大切だ、って気持ちが伝わってくる






 でも












 「ちょちょちょ・・・ちょ、待って!」



































 やっぱり絶対まだ早い
165 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)12時39分50秒
 「待ちません」

 器用にブラのホックまで外されて


 だからなんでコイツはこんなにテクニシャン

 「あたし、せんせーが好きです。大好きなんです。」
 「だからってぇ・・・」

 ねぇ、こんなに急かなくてもいいじゃん

 「せんせぇ・・・」

 ねぇそんな切ない目で見ないでよ

 「せんせぇっ」

 ねぇ、そんな痛くも苦しくも無い

 でも必死に抱き締めないで

 「おねが・・・・します」

 ねぇ、なんで泣くのさ

 「あたし・・・真剣、なんです・・・」

 ねぇ、涙が口に入るんだけど
166 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)12時46分29秒
 だけどやっぱり恋には順序とかさ、色々あるから
 あっさりヤるのは簡単だけど
 その後、ナニが残るわけ?


 「ぬわ〜〜〜!!!もぅ!!ばか!泣くな!!寝ろ!!」
 「ひっ!は、はい!!」

 真剣でもなんでも

 こんなソッコー手ぇ出されちゃ信用なんて出来ないよ

 「ほら、手ぇ繋いでてあげるから」

 だからその手をのけなさい

 「・・・うぅ」

 そんな名残惜しそうに矢口を見詰めない!!

 「まだ、告ったばっかじゃん?焦んなよそんなにぃ・・・」
 「で、でもあたし・・・!」

 ねぇ、なんでそんな必死なのさ


 これから先、まだまだ長くなるハズなのに



 まるで『最期のチャンス』みたいに
167 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)12時51分13秒
 「ほれほれ、おーやーすーみー」
 「・・・・はい」


 悲しそうな吐息に気付きたく無くて

 繋いでない方の手で

 加護の首に腕回して


 抱え込むように抱き締めた



 それでもやっぱり何かに震えてて








 矢口はそれに気付けなかったのを




















 後で嫌なくらい後悔した
168 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)12時53分52秒



 加護と付き合うと決めた夜









 起きたら加護は居なかった















 丸つけの終わってない机の上のプリントに










 『ごめんなさい』と一言だけ


















 なんだかワケ分かんなくて














































 なんだかザワザワ胸騒ぎがした
169 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)12時56分50秒


 異変に気付いたのはその一週間後


 その一週間加護の無断欠席が続いて


 加護の『義姉』でもあるごっつぁんに聞いてみても『知らない』の一点張り


 だけど絶対何か隠してる







 こっちには飛び道具が居るんだ






















 ごっつぁんの最愛のアホ彼女
















 『吉澤ひとみ』
170 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)13時09分22秒
 「裕ちゃん、保健室貸して」


 矢口の突飛なお願いも、裕ちゃんは大抵叶えてくれる


 「しゃあないなぁ・・・あんま変な事に使うんやないでぇ?」

 ポリポリ頭を掻いてチラリと目配せ

 「裕ちゃんじゃないんだから、しないっつーの!」

 むしろ、変な事してんのは裕ちゃんのみじゃん!!

 こないだだってまーた女生徒連れ込んでたし

 「はいはいすーいーまーせんね。ホレ石川!帰るでぇ」

 いつもの一番奥のベットからか細い返事が聞こえた

 保健室の梨華ちゃんはやっぱり今日も寝てたらしい


 「ゴメンね、裕ちゃん。今度なんか奢るね」
 「んー、別に奢らんでも・・・あ、せやったらやぐ「嫌です。」

 まだ何も言ってへんがな・・・とブツブツ文句を言う裕ちゃん

 つーか裕ちゃんの考えてる事なんて丸見え特捜部だよ

 この変態めぇ・・・




 「てーかさー裕ちゃん早く帰ってよ」
 「はいはい・・・全く保健の先生を邪険に扱いよってに・・・」


 お前が悪い。お前が
171 名前:私の先生。 投稿日:2003年08月22日(金)13時21分01秒
 裕ちゃん達が帰ったと同時によっすぃーが来た

 グッタイミン、てヤツだね

 「あの・・・うちに何の用、ですか?」
 「んー、ちょっとね、聞きたい事があってさー・・・ごっつぁん連れてきて無いよね?」
 「ごっちんは今日は家の用事で早退しました」
 「あーっそ」

 そっちの方が好都合だ



 「さてよっすぃー。矢口ちょーっとよっすぃーに聞きたい事あるんだわ」
 「?はい」
 「あのね、加護の事なんだけど・・・」
 「・・・はい」

 やっぱり体育会系は分かりやすい
 加護の名前出した途端、顔色声色変えやがった



 よっすぃーは、少なくとも何かしら知ってる。


















 絶対聞き出してやる。
172 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003年08月22日(金)13時24分32秒
( ^▽^)<しないよ!

はい、宣言通り?シませんでした
その代わり、これからちょっと事態が急転するやも?早すぎかなぁ・・・
(〜^◇^)<むしろ遅いんじゃねーの!?
そうかもしれません、はい。

(○´〜`)<どーせうちは体育会系さ・・・
( ´Д`)<そんなよっすぃが好きだよ?
(*´〜`)<・・・・えへへ
173 名前:つみ 投稿日:2003年08月22日(金)17時16分22秒
加護の秘密が明らかになるんでしょうかねぇ〜?
174 名前:名無子 投稿日:2003年08月23日(土)00時34分32秒
とてもせつないけど、幸せになれるといいなあ・・・
ピースの梨華ちゃんのセリフの後ろのかごやぐが好きなんです。BSライブではちょっとエッチぽくてドキドキしました。
175 名前:タケ 投稿日:2003年08月24日(日)01時56分21秒
結局しなかった矢口さん
学校にこなくなった加護
このあと何が起こるんだろう?
176 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/09/09(火) 16:20
173> つみ様。 明らかになりますね。断言します。はい。
174> 名無子様。 幸せにしてやりたいですが・・・これからの展開を考えると・・・
           BSライブ・・・何時のBSライブでしょう(泣
175> タケ様。 何が起きても、ブーイングだけは勘弁してください(苦笑
177 名前:私の先生 投稿日:2003/09/09(火) 16:24
    あの人が泣いてる夢を見ました




      それはもぅグチャグチャに






        鼻水も垂れてて、ちょっと笑えました













          泣かないで下さい
















         そう、言いたいのに




































         わたしのからだはうごかない
178 名前:私の先生 投稿日:2003/09/09(火) 16:30

 「・・・なんか言えよ」


 加護の名前を出してからかれこれ30分
 よっすぃーは押し黙ったまま

 「・・・よっすぃー!!」
 「知りません!!言いません!!」

 知らない、だけならともかく言わないって事は、絶対知ってるって事

 「嘘吐くな」
 「吐いてないです」
 「単位下げるぞ」
 「矢口さん、うちのクラス関係無いじゃないッスか」
 「ばーか、色々ヤり方ってのがあるんだよ」

 なかなか強情だ・・・・


 でも、なんとか吐かせなきゃ・・・・



 あ。




 「・・・・・・接待?」
 「!!?」



 ビンゴ。



 思いっきり反応しやがった
179 名前:私の先生 投稿日:2003/09/10(水) 15:29
 やっぱ体育会系は単純だ

 「・・・なんで先生が知ってるんですか」
 「色々。」

 あ、悔しそう

 「・・・うちらだけの秘密だったのに・・・」
 「残念」

 まぁ『中身』は知らないケド。

 悔しそう悔しそう



 イイから早く吐けよ
180 名前:私の先生 投稿日:2003/09/10(水) 15:37
 「ぜっっっったい言いませんよ!!」
 「なんで」
 「先生に言う必要なんてありません!!」

 熱くなってるよっすぃーを尻目に、オイラはなんだか冷静で

 だって絶対口割らせられるもん

 だって顔で語ってんだもんよコイツ


 「じゃあ、ごっつぁんに直で聞きゃ、早いね」

 お、表情固まった

 「ご、ごっちんを引き合いに出さないで下さいよ!!」
 「ごっつぁんでもよっすぃーでもいいんだよ矢口は。
 矢口の大事な生徒の安否が解れば、さ」

 そう、とってもとっても大事な人

 「ひ、卑怯じゃないですか!!」
 「なーにがよ」
 「何がって・・・ぜ、全部ですよ!!」
 「よっすぃーが教えてくれれば早いじゃない」

 その顔に書いてある事、全部話してくれれば。
181 名前:私の先生 投稿日:2003/09/10(水) 15:41
 「〜・・・・嫌です。」
 「あっそ」

 もういいよ、矢口をこれ以上焦らすでない!

 「ど、ドコ行くつもりですか!?」

 「決まってんじゃん」


 立ち上がって、向かうとしたら



 大事な人が居る、あの家に。


 「ダメです!!お願いですから!!」


 後ろからもの凄い勢いで近づいて来る気配がする

 だけど捕まるもんかっ


 矢口は小さいだけじゃない


 すばしっこさなら誰にも負けないつもり
182 名前:私の先生 投稿日:2003/09/10(水) 15:46
 「先生っ!!」
 「うるせー!!」

 廊下を右に左に
 足の速さじゃきっと負けるから、体力を減らさせる作戦の方向で

 あの道を曲がったらチャリ小屋だから

 なんとかあの体育バカを振り切らなきゃ



 「あ!松浦!!」

 と藤本。

 なんっかガン垂れてるケド、気にしない

 「せんせー?どうした」
 「藤本ゴメン!!」

 「はぁっ!?」

 矢口は藤本のほっそい腕を掴むと、よっすぃーの進行方向に思いっきり



 投げた。



 もう、読んで字の如く。


 「うわわ!美貴!どけよ!!」
 「はぁあ!?」

 「キャー!!みきたーん!?」


 ゴメン、松浦藤本、ついでによっすぃー





 矢口は一刻も争いたいんだよ
183 名前:私の先生 投稿日:2003/09/10(水) 15:49
 松浦の悲鳴と、ぐえ、とかうお、とか良く分かんない単語を背に

 矢口はチャリ小屋に急いだ

 「〜・・・最初からこーしてれば良かった・・・!!」


 そうだ。矢口はこんなまどろっこしい事しないで
 直球でアイツのトコに行けば良かったんだよ


 「バカっ!ちくしょぉ・・・」



 不器用過ぎる自分が大嫌いだ





 そー言えば、チャリのカギはドコにあったかな?
184 名前:私の先生 投稿日:2003/09/10(水) 15:56


 チャリのトコまで走ったら


 見慣れた笑顔が矢口を迎えた



 「なまら忙しいねぇ、矢口?」
 「・・・なっち」


 くっそぉ・・・急いでるっつーのにぃ・・・

 こーしてる間にもよっすぃーが・・・ついでに藤本が追っかけて来たら・・・


 「なーにやってんべさ?本当。早く乗るしょや」

 ・・・乗る?

 パッとなっちを見たら、クルクル人差し指でカギを回して

 なっちの愛車、黄色い小さな軽の『スバル君』がちょこん、と待機していた


 「さ、早くするしょや。車のほーが、早いっしょ?」

 ニコニコ、いっつもこの笑顔に助けられてる気がするよ、なっち。

 「恩に着るよ」

 にっこり、天使のように

 「なんもだ」
185 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/09/10(水) 16:01
はい、何週間ぶりでしょうか、更新(汗
色々と身の回りが忙しくて・・・

イザとなったら生徒まで巻き込む、結構身勝手やぐ先生。
これも愛の所業でしょうか?(w

でもってなっちは天使(●´ー`●)<なんもだ。

さて、加護さんの秘密にもっそい迫って来ましたが・・・
sageとか出来ないんですかね?
久々で解らない・・・(滝汗
186 名前:一人一殺 投稿日:2003/09/10(水) 21:06
正義の鉄槌が下るのですね。
187 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/10(水) 22:50
メール欄にsage記入でsageれまふ。
ochiもできたはず。
188 名前:名無子 投稿日:2003/09/11(木) 15:14
更新されてる(^¬^)
続きを読みたいけど、つらいことが待ってるようで複雑です。
今年の夏のハロプロライブのことです。ハイタッチして抱き合ってぐるぐるというのをよく見ますが、今回は矢口さんのおへそを二人で覗き込んでたのが、何かをかきたてられます。
189 名前:タケ 投稿日:2003/09/13(土) 18:42
加護の為に頑張る(?)矢口さんが素敵です・・・

そう言えば久しぶりの安部さん登場ですね!
加護はどうなったんでしょう? そして「接待」とは!?
後藤さんはなんて答えるんだろう?
期待しております
190 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/16(火) 02:21

191 名前:みるく 投稿日:2003/09/20(土) 12:38
やぐっちゃん頑張れ〜加護ちゃんを早く救ってほしいです。。。
ごっちんは悪者のままてすか?(:_;)
192 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/09/27(土) 11:12
186> 一人一殺様。 鉄槌、なんて大それたもんでもないんですよ
187> 名無し読者様。 脳味噌おじーちゃんな自分に教えて頂いて有難う御座います
189> 名無子様。 スイマセン自分も複雑です(泣
            今年の夏・・・今年の夏のハロ紺V、見てないんですよ・・・
            某巨大イベントでイッパイイッパイでして・・・見たかったなぁ
189> タケ様。 愛は偉大です(w
           そうなんですよ久し振りに安倍なちこ!
           これからどんどん分かるかと思うんですが・・・・ハァ(滝汗
191> みるく様。 ごとぉさんは色々検討中です?
193 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:24
 「矢口、車ん中で地団駄したって無駄しょや
 ついでに、なっちのスバル君も怒るっしょ」

 なっちがムスッと矢口をチラリ

 だってだってだって!!



 早く加護に逢いたい


 今、どうしてるのか知りたい



 そんな気持ちで、焦って仕方無いんだ



 「ほら、怒っちゃったぁ、スバル君」
 「は?・・・・ぁあああ!?」

 くん、っと前につんのめるような感覚に襲われた
 シートベルトして無かったら絶対どっかぶった


 「ちょ・・・なっちぃいい!!」

 ヒー!とちっちゃく叫んでシートベルトを握り締めた

 高速でもなんでもない

 制限速度も40とか

 いつ子供が飛び出してくるか分かんない住宅街



 「べ・・・ベタ踏みし、しちゃダメじゃんなっちいいい!!!」


 ぐんぐんぐんぐんスピードは上がる

 だけどなっちはなんか嬉しそう


 「なーんもだ、矢口」


 なんて、鼻歌混じりヤメテクレ
194 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:28
 「進め〜♪」
 「ちょっとぉ!なっちバカぁ!!」

 カーブや細道、なんだか危なっかしいんだか神業なんだか分かんない紙一重に
 矢口はヒーとかギャーとか叫びっぱなし

 「やっぱ軽はこーゆーのが有利だべ」

 改造したばっかのエンジンの調子もいいし、なんて


 ななな、なっち!!



 き、君は走り屋ってヤツかぁ!!?



 「なっちは走り屋とかじゃなくて、車が好きなだけだべさ」
 「似たようなもんだ・・・っつーか矢口の考えを読むな!!」
195 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:31


 「ほい、着いた早ーい」

 なんだかスカッとした笑顔を満開にさせてなっち
 矢口はすんごぉい死にそうな気分なんですけど・・・

 「ま、帰りは安全運転したげるべさ」
 「のぉっ!?」

 じゃ、なっちはたーいき、っと矢口を助手席からほっぽりだして
 なっちは窓からのん気にヒラヒラ手を振った


 目の前には、例の豪邸

 「いてて・・・なっちぃ・・・」

 腰辺りを擦って立ち上がる


 「・・・加護」


 今行くよ
196 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:38
 デッカイ門の割には、なんら警備設備っぽいの無し

 インターフォンも普通のご家庭使用

 でもってドアが普通に開く

 「・・・どんな家だよ」


 「やぐっつぁん」


 正面玄関
 聞きなれたのんびりした声


 「あはっ、元気ぃ?」


 少しやつれてるのは気のせいかな

 「ごっつぁん・・・?」

 目の下黒いよ

 「どした・・・」

 なんで泣きそうなんだよ


 「・・・・・・・せんせぇ」


 ぺタッと地面に座り込み、顔を覆った

 「ごっつぁん!」

 勝手にお邪魔しマス

 「やぐ・・・・先生・・・・あい・・・・たすけて・・・」

 擦れた声、痣の残る体、震える肩

 「あたし・・・むり・・・・・たすけ、て・・・」


 首を悲しく横に振って、あとはただ泣き続けた
197 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:41
 「加護は!?加護はドコ!?」

 ゆさゆさ肩を揺すって、所在地だけ聞く

 「ごっつ「ごっちぃん!!」

 ヤッバ、と瞬時に思った

 「よっ・・・ぅ」

 パッと顔を上げればなんだか救われたような顔して

 「先生このやろっぉ!!」

 うおおおおお!!!と叫びながら突進してくる様はまるでラグビー選手


 「よっすぃ!ヤメテぇ!!」


 ごっつぁんが止めてくれなきゃ



 きっと矢口、死んでた
198 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:47
 「ちが・・・違うのぉ・・・よっすぃ!
 せんせぇを・・・やぐっつぁんを・・・あい・・・トコ」
 「ごっちん!!」

 細い糸がプッツン、と切れたようにごっつぁんはふらぁっと倒れた
 さながらスローモーション
 王子様よっすぃーはそれを意とも簡単、と言いたげにごっつぁんを抱き留めた


 「・・・っ」


 悔しそうに矢口を睨むよっすぃー


 「先生・・・上・・・二階・・・・一番奥・・・
 行って!!早く!!!」


 今にも泣き出しそうな情けない顔を見せないように俯いて
 場所だけ叫んで泣き出した


 「ごっちん・・・ゴメン・・・・ごっちん」


 すすり泣く、悲しい声をバックに


 矢口は土足のまま階段を駆け上がった
199 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:53
 「加護・・・・・加護・・・・・・」

 ボケた爺さんみたいに

 壊れたレコーダーみたいに

 なんかの呪いみたいに


 必死に必死にその名を呟きながらキョロキョロ動き回った


 どこだ・・・・どこ・・・・・・



            せんせっ





 「・・・加、護?」

 呼んだ、呼ばれた、呼んでる、一体誰に?

 決まってる


 たった一人だ決まってる


 「加護ぉ!!」


 走り出した廊下の奥


 厳重な南京錠がいくつも床にバラバラ転がってる

 ドアノブの下、これまた厳重な鍵に、重々しい鍵が刺さってる

 躊躇いも無くノブを捻る

 「か・・・・!」




 開けた途端、異様な光景が、目に焼き付いた
200 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 11:58


 そこは本当に不思議な空間だった




 真っ白




 壁も、床も何もかも



 白白白、真っ白



 真昼の太陽みたいに




 無駄に眩しい・・・白






 そこに、違う色




 髪の黒





 肌の白





 涙の跡





 兎のような目の赤




 間抜けに開きっぱなしの口の奥赤黒











 澱んだ黒目がちな瞳の、黒
201 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:03
 そこには、矢口が好きになった人を構成するイロが存在していた



 今は生気の無いあの顔にドキドキした



 だらしなく開いてるあの可愛い唇が矢口の名前を呼んだ




 あの瞳、あの瞳は矢口だけのモノになるハズだった






 「っ、かご・・・加護ぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!」




 ねぇ、そこに居たんだよ
202 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:09
 加護の身体中に、殴ったような跡や、目を覆いたくなるような切り傷

 投げ出された四肢、いや、身体中。狂ったようにキスマーク

 顔、腹、それから・・・・そこら中

 見慣れた、白濁色の液体

 独特の匂いが、矢口を不快にさせる



 ・・・涙だって出るよ

 鼻水まで出て来やがった



 なんだこの光景







 いっそ、死んでてくれた方がまだマシだよ加護・・・・・
203 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:15

 「・・・ぅ・・・・ぁぁ」

 「加護ッ!?」

 目にゆっくり、と灯りが燈る

 だけど焦点は合って、無い


 「・・・・ぅ・・・・だぇ・・・・?」


 呂律も回らない、回ってない


 「あたら・・・ひぃ、ひぉ?」

 首をゆっくり傾げて、見詰める

 「ぉうな・・・・やぇ」

 クスクス、妖しく笑う

 「まぁぇぇわ・・・・・きぇよ・・・・『せっぁい』・・・れほ?」


 「ぅち・・・うぁいから・・・・すぐ・・・ヤミツキんなるぇ・・・」




 狂ってる、壊れた、矢口の人



 「あんで・・・・ないれんねん・・・・」





 悲しくもなるよ












 どうしたらいぃんだよ
204 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:19
 「だから・・・・教えたくなかったんですよ・・・・」

 後ろから、フッとよっすぃーの声が降って来た

 「ごっつぁんは毎日・・・・こんな状態の亜依ちゃんの世話して・・・」

 ギッと布を強く握る音がした

 「亜依ちゃん・・・・毎日・・・・先生、呼んでた・・・・」

 声がだんだん潤んでく


 「せんせぇ・・・せんせぇって・・・スッゴイ・・・痛い、声で・・・」
205 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:26
 「加護・・・・」

 クスクス笑い続けてるあの子に近寄った

 「先生・・・その・・・・噛まれますよ」

 その言葉通り、距離が後1mもしなくなると
 加護の身体がビクッと振るえた


 「いやや・・・いややぁ!!おかぁさん・・・おかあさん!!」

 真っ赤な目から、新たな涙

 「加護・・・矢口、分かんない?」

 それでも、近寄る


 近寄る度に、加護の身体がもっと露わになる


 あの独特の匂いも、強くなる


 「いややぁ!おかぁさん!おかぁあさあん!!」


 下がる程距離も無いのに

 加護は必死になって後ろに逃げようとする



 「加護・・・ッ!」


 壁に当たっても、まだ後退し続ける加護にゆっくり近寄り


 「いやや!いやや!もういややぁ!!」



 その幼くキレイな身体を、ゆっくり包んだ
206 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:30
 「うあ!うああ!!あああああああああああああああ!!!!!!」

 狂ったように暴れだす加護をシッカリ抱き留める



 矢口にこれすら出来ないなら




 そもそもあの時断れば良かったんだ




 あの時、単純に惚れなければ良かったんだ




 「っぐ!」



 暴れる加護の手が矢口の顔を殴る



 加護の足が矢口の腹を蹴る




 「はぁへ・・・・はなぇえええ!!!」



 思いっきり齧り付かれても

 どんなに爪を立てられようとも




 離さない、離さないよ加護
207 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:36
 「先生!もうイイ!!もう止めて!!亜依ちゃん嫌がってる!!!」

 「うっせバカ!!黙ってろ!!」

 嫌がってても何でも


 加護、大丈夫だよ加護


 「い、やぁ・・・・!せんせ・・・・・せんせぇ・・・・」


 ひっひっと引き攣りだす

 うっうっと嗚咽を漏らす


 「ぅうう、うあっ、うあああせんせ・・・・せんせぇ・・・・」


 矢口を見ないで遠くを見る


 矢口を抱き締めないで遠くに手を伸ばす


 「せんせぇ・・・ヒッ・・・・・せんせぇ・・・・」


 加護の目に矢口はどんな風に映ってるんだろう


 怪物のように見えるのかな




 「せんせぇ・・・・・好き・・・・・・せんせぇ、せんせぇ」




 神様、アンタ本当は居ないんでしょ?
208 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:42
 「はなせ・・・・・せんせぇ・・・・はなしぇ・・・」


 思い出したように身動ぎする加護


 手は相変わらず空を切っている


 「なんやぇんアンタ・・・・・なんでうちのじゃますんのや・・・・
 せんせが・・・せんせぇがソコにおんねん・・・・うちにはわかんぇん・・・」


 せんせぇ、せんせぇ、やっと来てくれたね先生


 お前幸せそうに夢見てんじゃねーよ


 現実の矢口はもぅ見てくれねーのかよ




 「せんせ・・・・うちね、せんせぇ、だぁいすっきやねん・・・・」




 矢口も大好きだチクショウ
209 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:50
 「せんせ・・・・せんせ・・・・キス、しちぇ・・・・・せんせ」


 現実で良かったらシてやるよ


 「ちょ・・・・なんやのアンタ・・・・アンタやぉて・・・・せんせ・・・
 やぁ・・・・せんせぇ!」


 だから、矢口も、加護の『せんせぇ』なんですが


 「いやや・・・・もぅ・・・せんせぇ以外は・・・・」



 「可愛い事言い過ぎだバカッ」


 「え・・・」


 強引に重ねて、空を切る手に矢口を触らせた


 「ばかっ、なんで分かんねー、なんで見えない
 矢口、居るじゃん。こんな近くに」


 「あ・・・・・」


 「見ろ、見てよ、ココにも居る。矢口は居るんだよ」
210 名前:私の先生。 投稿日:2003/09/27(土) 12:55


 向こうの矢口が良すぎて



 こっちの矢口が見えなくても





 矢口は一生こうやってるよ









 どんなに嫌がっても






 どんなに拒否って暴れても


















 加護はもぅ矢口のモノ決定なんだよ。








 ドゥユーアンダスタン?








 「・・・はい。」
211 名前:ポンコツロボット 投稿日:2003/09/27(土) 13:00
落ちなかったらどうしよう・・・・(滝汗


あー・・・・えーーーーー・・・・・・・・・御免なさいですますがす。
なんだかもぅ、どうしようも無い、みたいな
こ、これでも一生懸命抑えたつもりなんです・・・・

あいぼんさんファンの方々。夜道で出待ちは勘弁して下さい(必死


んで、あいぼんさんがなんでか関西だったのは・・・・まぁ、精神的に幼くなってしまったカンジで・・・・精神年齢5歳くらいで・・・

ああもう本当どうしてしまおう(鬱
212 名前:つみ 投稿日:2003/09/27(土) 13:46
今までで一番『痛い』ですね・・・
やぐちさんには早くあいぼんを家から引っ張り出して
救って欲しいです。
『接待』はこういうことだったんですか・・・
213 名前:タケ 投稿日:2003/10/01(水) 16:06
しばらく呆然と見るだけでした・・・
ホント・・・痛いです・゚・(ノД`)・゚・
加護への愛を貫く矢口さんが素敵過ぎますよホントに
2人が幸せになるといいですね・゚・(ノД`)・゚・
214 名前:ポンコツロボット 投稿日:2003/10/16(木) 11:36
212> つみ様。 はうぅ・・・スイマセンスイマセンスイマスイマセン(鬱
          『接待』・・・こう言う事だったんです
213> タケ様。 自分も書いてから暫く呆然・・・と言うか凹みました
           やぐたん先生の健気な姿で中和されて欲しい・・・
           幸せにしたい・・・
215 名前:センリ 投稿日:2003/10/16(木) 19:00
やぐぼん好きなんですよ〜。でもなかなかなくてやっと見つけました(^^)
これからもやぐぼん系!書いていってほしいですネ〜
216 名前:ポンコツロボット 投稿日:2003/10/25(土) 13:42
215> センリ様。 これからもやぐぼん系は書いて逝きたいですね
            頑張りますんで見守って頂けたら幸いです
217 名前:ポンコツロボット 投稿日:2003/10/25(土) 13:54
 ―お知らせ―

どうやら『やぐぼんスランプ』です。自分。
先生の続きを何度思い描いても何も見えなくなってしまいました
接待の局地的な場面に想像力を使い過ぎた事が原因かと。

なのでほんの少し『私の先生。』をお休みさせて下さい
リハビリに励みたいと思います。
実に勝手で申し訳ありませんが、本調子に戻るまで待っててやって下さい
その間、短編で充電したいんで、リクを頂ければ書きたいと思います
基本的に書く事しか脳の無い自分ですから(苦笑
私の先生。の続きは書きます。絶対に。
だからほんの少し自分に時間を下さい
218 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/10/25(土) 14:06
取り敢えず、リハビリ短編第一弾は『たなみき』です
今ちょっと自分の中でこの二人がフィーバー中なので(w
反応が良かったら続きを書きたいかな、とか思ってみたり・・・


  『メル恋』

 ―聞いてよミキ!今日されいな体育でドジやっちゃってさ
  みんな笑うんだもん、酷くない?

 ―へぇ、どんなドジ?

 ―高飛び、飛ぶ前に思いっきりコケた

 ―(笑)


 「笑ったし!ミキのバカ・・・」

 カタカタ、カタカタカタ

 何にも無い部屋に携帯のボタンを押す音だけが響く

 最近流行りのパウダービーズのクッションに顎を乗せて
 れいなは恨めしそうに携帯を見詰めた

 カタカタ

 ほんの少し言葉を作ると直ぐ送信

  ―ばか!

 ボフッとクッションに顔を埋めたと同時に返信が
219 名前:メル恋 投稿日:2003/10/25(土) 14:15
  ―めんごm(_)m

 「謝る気あんのかなぁ・・・」

 メールの内容に独り言を漏らしクスクス笑う

  ―もうイイよ

 カタカタ音を鳴らしてはパチンと勢い良く閉じる
 そうすると直ぐに最新の着メロが流れて
 れいなは嬉しそうに携帯を開く
 その度その度れいなのストラップが忙しく揺れる

 お気に入りの映画のキャラ

 ナイトメア・ビフォア・クリスマスの主役『ジャック』だ


 13歳がそんな骸骨キャラを揺らしてるのもどうかと思うが


  ―お、怒った?

 顔の見えない相手なのになんとなく表情が分かるかのように
 れいなはゆっくり唇の端を持ち上げた

 「怒ってないけん・・・」

 打つ言葉を口にしながら指を動かす
 買ってもらったばかりの携帯なのに
 れいなの手に馴染んでるソレは
 短い時間で『ミキ』と多くの会話を交わした証拠
220 名前:メル恋 投稿日:2003/10/25(土) 14:30
 送って閉じたと同時に先程とは違う着メロ

 「・・・なんじゃけん絵里は」

 打って変わって面倒くさそうに携帯を開くとメールが2件着ている事に気付く

 「早いなぁ」

 嬉しそうにポツリ

  ―そっか・・・でもミキも苦手な事ってあるし、気にするな!

 「えへへ・・・だね」

 忙しく指を動かし、『ミキ』に返信すると、『絵里』からのメールを開く

  ―明日英語あったっけ?

 「そんなんれいなに聞かんでよ」

 つまらなそうに一言

  ―あるかもね


 送るとまた『ミキ』専用の着メロ

 れいなはいそいそとメールを開く


 そうして夜はずっと更けて行く・・・
221 名前:メル恋 投稿日:2003/10/25(土) 14:31


  ―またミキと話してたらこんな時間だ〜


  ―明日もガッコじゃん?平気?


  ―ミキは?


  ―ミキは昼間寝てるから☆(笑)



  ―ダメ18歳〜



  ―うるさいダメ13歳〜



 顔は見えないケド

 声も知らないケド

 れいなを1番知ってる親友『ミキ』


 小さな小さな箱から送る電波に乗せて


 毎日毎日他愛ないお喋りを




            ツナガッテル?




               続い・・・たら嬉しい個人的に(爆
222 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/10/25(土) 14:32
こんな感じでグダグダやって逝こうかと
書いてて本当不調なんだな、って思い知ります(泣

でも自分は書いて書いて書きまくらないと元に戻らない人なんで・・・
223 名前:つみ 投稿日:2003/10/27(月) 23:22
いつまででも先生のほうは待ってますよ〜!
どれだけでも充電してください!!
短編を栄養にしてますんでv

(〜^◇^)<待ってるぜ!
( ‘д‘)<待ってるわ〜
224 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2003/10/28(火) 11:44
ココのやぐぼん大好きなんでずっとずっと続きを待ちますYO!!
リクってしても良いんですか?出来れば私の先生の続きをリクしたいです!!
でもスランプ中なんですよね・・・だからリハビリ短編のたなみきが読みたいです
なんだかこう・・・イイなぁって思って。
ポンコツろぼっと様、頑張って下さい!!
225 名前:センリ 投稿日:2003/11/04(火) 20:59
ポンコツろぼっと様・・・頑張って下さいッス!
ずっと待ってるッス(^_^)
226 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/11/06(木) 16:52
223> つみ様。 ああもぅ本当にスイマスイマセン(死
           続き、気長に待っててやって下さい(ヒー
224> 名無し募集中。。。様 大好きって言ってもらえて凄く光栄です
                 なるべく早く復活したい・・・です。
                 たなみき続きをリクまでして頂いて!頑張ります本当
225> センリ様。 頑張ります・・・スイマセン本当
227 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/11/06(木) 16:53
さて、更にお知らせをしなければいけません
自分何気に就職予備軍なんですよ(汗
現在も実は学校のPCからの書き込みなんですが・・・
暫く腰を据えてPCに触れる、なんて時間は多分無いです決まるまで(泣
なので続きを書くのもリハビリ短編を書くのも難しくなりました
でも携帯からはオケィなんでいっその事メルマガ始めちゃいました(爆
http://cgi.merumo.ne.jp/cgi-bin/search_key_6_nf.pl?keywordField=%82O%82O%82P%82V%82W%82P%82P%82U&andor=and&keywordField1=&keywordField2=&object=0&sub_object=0&hit_num=0&offset=0&limit=10000&narrow=0
興味があったら登録してやって下さい
表示されない場合はヤフでメルモに飛んでで『まいなー』と検索して頂ければ自分のメルマガが表示されます。

でわ、これから面接指導なんてモノがあるので・・・・
228 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/07(日) 05:47
がんばってください
229 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/12/12(金) 11:26
228> 名無し読者様。 頑張ります有難う御座います
230 名前:私の先生。 投稿日:2003/12/12(金) 11:38
 「せん、せぇ・・・?」

 輪郭を辿るようにゆっくり加護の手が動いた

 「せんせぇ・・・・・?」

 手のひら、指先

 頬の形、目の窪み、前髪の先、鼻の頭

 「せんせぇっ・・・!」 

 その手が離れないようにゆっくり顔を寄せて、頬に落とした

 「・・・ん?」
 「うわ・・・・・っ」

 涙やなんかで色々と曇ってた目が急に澄んだように
 加護の目が輝きだした

 「お前学校サボんなよ」
 「せんせぇ!!」

 押し倒される一歩手前ぐらいの勢いで抱きつかれる

 「痛って!バカ!!」
 「せんせぇぇぇ・・・」
231 名前:私の先生。 投稿日:2003/12/12(金) 11:55
 グリグリ加護を押し付けられる
 まるで猫が甘えてくるみたいに
 まるでマーキングみたいに


 「やっぱ・・・やぐっつぁんには敵わない、ね」
 「ごっちん!休まなきゃ・・・」
 「大丈夫。よっすぃ」

 振り向く
 ドアに寄りかかってごっつぁん
 ドコが大丈夫だよ顔真っ青じゃん

 「お、ねぇ・・・ちゃ」

 加護がおずおずとごっつぁんを見上げる

 「ごめんねぇ、亜依」

 「おねぇちゃん・・・」

 ゆっくり近づいて来るごっつぁん
 加護もゆっくり手を差し伸ばす

 「助けらんなくて・・・・・ごめん、亜依」

 ぺタッと座ってギュッと手を握って
 祈るようにおでこにくっ付けた

 「ごめん・・・」
232 名前:私の先生。 投稿日:2003/12/12(金) 12:00
 「ごとーさ、おねぇちゃんらしー事ひとっつもしてなくてさ・・・
 本当はもっと亜依に近づきたかったんだよ?
 だから・・・今回の事は・・・・一人で・・・・・がん・・・ばるって」

 言葉がだんだん潤んでくる

 「ごとー、おねぇちゃん失格だよ、ね・・・」

 パタパタっと涙が床に染みを作る

 そんな事無いよ

 「そんな事無いよごっつぁん」


 君は立派なお姉さんさ
233 名前:私の先生。 投稿日:2003/12/12(金) 12:06
 「「せんせぇ・・・」」

 ハモるなハモるな

 「ごっつぁん、自信持ちな?」

 握った手を見詰める

 「ホラ、こんなに近づけたじゃん」

 にぃって笑って、なぁホラ笑えよ

 喜べ

 こんなに縮んだじゃない



 「矢口なまらカッコいいねぇ」

 「なっち」

 いつの間にかなっちまでやって来てた

 なんだよ野次馬か?

 「ホラホラ、いい事言うのは好きだけど、そろそろお暇するしょや
 なっちのスバル君のエンジン冷めちゃうべ」


 理屈は良く分からなかったケド

 まぁ早いトコ逃げないとヤバイのは分かった

 「じゃ、行きますか」
234 名前:私の先生。 投稿日:2003/12/12(金) 12:12
 加護とごっつぁんを立たせると何か着る物を探しす

 「先生、ホラ」

 そうすると丁度良くよっすぃーが制服を

 「いいチームワークだべうちら」

 バレーチームなら春高優勝もんだね、なんてのん気な

 「加護、早く着てっ行くよ?」
 「え・・・?」
 
 加護はキョトン、と矢口を見詰める

 「出てくんだよ、こんなトコ
 住むトコとかは心配すんな。よっすぃーが何とかしてくれるさ」
 「はぁっ!?」

 こんくらいしなさい、王子様

 「よっすぃ・・・嫌?」
 「・・・嫌じゃないっす」

 いや、むしろヘタレ様?

 「ずっと住むって訳じゃないよ。二人で住めるアパートでもマンションでも見つけたら移ればイイ
 こんなトコに居るよりかはよっぽどマシだ」

 キュッと一回加護を抱き締める




 大丈夫。





 守るよ。
235 名前:私の先生。 投稿日:2003/12/12(金) 12:17
 「ほらほら急ぐべさ」
 「あ・・・はい」

 「ごっつぁん、なんか必要なん直ぐ詰めてもらってよっすぃーに」
 「んあ」

 テキパキテキパキ
 大人が二人も居ると楽なもんだ

 実行力ってのがあるからね




 なっちが持って来たタオルで全身を拭いて
 制服に身を包む

 「・・・へへっ」

 照れくさそうに笑う加護


 「なんか、10年ぶりに見る気がしてくるよ」
 「そうしたらせんせーはオバチャンですね」
 「うっわ最悪お前」
236 名前:私の先生。 投稿日:2003/12/12(金) 12:20

 クリーニングに出してたのか、サッパリ綺麗な見慣れた制服

 うっすら赤みの差してる顔が愛しい




 「加護ッ」

 「はい?」



 クッと引き寄せて、抱き締めて、キスして





 「お帰り」






 矢口にも加護にも流れる涙は




 ただただ、温かかった
237 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2003/12/12(金) 12:22
ほんの少しですが更新。

半ドン万歳。


明日は面接本番だー(緊張
238 名前:つみ 投稿日:2003/12/12(金) 18:18
おお・・・
良かった〜^^やぐぼんが幸せになってくれて・・・
これからの二人が楽しみです!
明日は面接ですか・・・がんばってください!
(〜^◇^)<がんばれよ!
239 名前:MIRAI 投稿日:2003/12/14(日) 22:18
ポンコツろぼっとさんのこの話、今日初めて読みました!
(今までは、HPと違う板の話しか知りませんでした・・・)
一気に読ませてもらいすっごいハマりました。
あいぼん・・・、痛いですね・・・。
でも、これからは幸せに向かう・・・のかな?
ごっちんも、いいお姉ちゃんですね!これからは、姉妹仲良く・・・?
これからも、頑張って下さい☆
240 名前:名無し読者・・・ 投稿日:2003/12/14(日) 22:40
頑張って下さいね!
241 名前:翡翠 投稿日:2004/01/09(金) 09:50
待ってます!
242 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/30(金) 21:01
続き待ってます。
頑張って下さい。
243 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2004/02/03(火) 11:48
て言うかまだ職が決まりません。娶って下さい。
ポンコツろぼっとです

>238 つみ様。 なんとかもぅ幸せ方向に持って行きたいかと思います。
           面接頑張りました!・・・・駄目でした(凹
>239 MIRAI様。 スイマセンいつも痛くて(苦笑
            なんとか悪者を避けたお姉ちゃん・・・・多分、仲良く?
>240 名無し読者・・・様 スイマセンいつもいつも・・・・
>241 翡翠様 スイマセン有難う御座います
>242 名無し読者様 お待たせしてしまいまして本当申し訳無いです・・・
244 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 11:58

 まだ足元のフラつく加護をシッカリ支えて玄関に向かう

 溢れる涙で前が霞むがゆっくりと階段を一段ずつ


 加護は加護でぐしゅぐしゅと鼻やら涙やらを拭ってる

 矢口に擦りつけんなよ、ソレ、頼むから




 「・・・・・・?なっち?どうし―・・・」

 階段を降り切って前を向いたら全員立ち往生


 原因はすぐ解った










  ラスボスが




















       そこに立って居たから
245 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:03
 ドア口にパリッとした真っ黒なスーツを着込んだスラッと真っ直ぐ立っている人

 細身で、清潔そうな顔。その眼鏡から見える瞳はパッと見『イイヒト』に見える




 だけど騙されるな矢口真里。







 コイツのせいで矢口の加護は・・・・・・・




 「・・・・お父さ・・・」





 そうだ。








 コイツが加護を・・・・・・
246 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:08
 スゥッと息を吸い込む

 涙で震えてくれるなよ、矢口の声よ



 「・・・行こう。」


 シッカリしてくれ


 手足よ動け


 眼光よアイツを刺せ



 手を出したら終わりだ






 「なっち!!」




 よし、偉い偉い



 ビクッとフリーズしてた体がノロノロと動き出す



 なっちを先頭に


 よっすぃーがガンを飛ばして


 ごっちんが軽く会釈して



 さ、次はうちらだ




 「行こう。加護・・・平気、だから」



 キュッと今一度手を繋ごう





 もぅ絶対離さない
247 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:14
 加護は一回小さく頷くと、ゆっくり歩き出した

 それに合わせて矢口も


   距離は数メートル

  数センチ

 数ミリ




 「・・・お邪魔しました。」

 ギンッと睨みながら皮肉たっぷりに嫌味もトッピングして

 『彼』の顔が急に鋭くなる


 「亜依」


 ビクッと加護の体が揺れる


 振り向くな

 平気だよ


 言葉にしない思いを手の力に代えると


 縋るような目付きが矢口を見詰めた


 「亜依!」


 泣きそうな顔にニィッとスマイル


 平気だっつの


 信じろよ









 大丈夫。
248 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:17
 「加護ちゃんっ」


 パンッと背中を軽く叩いて外へと促した

 ヨロヨロと一歩、二歩


 矢口も外に踏み出す三歩、四歩




 チッと舌打ちが耳の裏に届いた



 「勝手にしろ!!」




 もぅしてますが、何か?
249 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:25
 夕日が一気に視界を襲った


 そうかもぅこんな時間なんだね



 後ろで荒々しくドアが閉まる


 「お父さん・・・・」


 寂しそうに切なそうにそのドアを一瞥すると


 一回だけギュッと抱き付いてきた

 ゆっくり髪を梳く

 なんだか震えが、止まった気がした


 「矢口ー」


 のんびりとなっちの声


 「うし、ホラ行くよ加護ちゃん」

 パスパス、と頭を軽く叩くとほんの少し擦り寄った

 「はいっ」


 にっと笑って手を繋いで夕日でやけに光る道を歩く

 



 なっちのスバルに寄っかかりながらごっつぁん達も笑ってた
250 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:34
 
 「さて矢口にココで問題です」
 「は?」

 「なっちのスバル君はパッと見何人乗りでしょうか?」

 ちょこんとしたちっちゃな軽

 まぁ簡単に見積もって4人でしょフツー・・・


 ・・・・4人?




 ・・・・・・・・・よにん?





 「ば、番号!」

 「なっち!」

 「あ、あいぼん!」

 「よっすぃー!!」

 「ごと〜」

 「お前等『番号』つってんじゃねーか!!」


 現パーティは5人・・・

 1人多い・・・・


 「な・・・なっち・・・気合で乗れない、かなぁ?」
 「無理っしょ捕まるべさ」

 そ・・・そんな自信満々に言われても!!


 「ど、どーすんのさ!?」
 「問い2」
 「はぁ?」
 「アレはなんでしょう?」





 アレ?
251 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:38

 なっちの指差す方向に何か見える




 そして果てし無くなんか嫌な予感がする




 「あ・・・あれって」




 夕日が反射して更に真っ赤に



 「そ。ちょっと拾って来たべさ」

 「ま、やぐっつぁんにはお似合いだよねぇ」
 「もーバッチリだね」

 こ・・・コイツ等・・・



 「せ・・・せんせぇ・・・」

 ぷくくって隣から含み笑い


 「じゃ、先に行ってるべさ」

 「どこに!?」


 「決まってるっしょ?学校だべ」
252 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:42
 じゃ、頑張ってね〜なんてお気楽な言葉を残して遠くなって行くなっちのスバル

 「ち・・・・ちくしょぉ・・・・・・」



 残されたのは矢口と加護と




 Myスーパーカー


 真っ赤なママチャリ矢口君2号




 「せんせっ、学校行こうよ」

 ニコニコ笑いながら後ろに乗ってスタンバってる加護


 つーか矢口が漕ぐのかよ・・・・・



 「しょーがねーなぁもぉぉおお!!」

 「いえーい♪」
253 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:48
 サッと跨ってグッとペダルを足に馴染ませる

 「よっしゃ!ちゃんと掴まってろよ加護ぉ!」
 「へいっ親びん!」
 「誰が親びんだよ!!」


 ギャーワー騒ぎながらペダルを踏み込む

 2回目の二人分の重量はなんだか無駄に重くて


 それでも嬉しかった


 顔が自然にニヤける



 「学校着いたらジュース奢れ!」
 「パック牛乳でいっスかぁ?」
 「死んでしまえ!!」


 夕日に向かって真っ直ぐ走る

 うへー金○みたいダヨー!!なんて笑いながら

 笑いながら

 
 笑いながら、ずっと
254 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:52
 「・・・・せんせぇ?」

 「んー?」


 ギュッと腰に回る手に力が入って、コツン、と額が背中に当たる


 「あたしね・・・・」


 えへへって笑い声

 背中に振動が伝わる


 「なんだよ〜」


 矢口もニッカと笑って軽く後ろを向く


 真っ赤んなった耳が見えた



 「えへへへ・・・」





 なんだか良く解らないケド


 きっと加護は今幸せなんだ





 だって矢口もなんだか幸せだから
255 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 12:57
 「せーんーせーぇー」

 「だからなんだよって」


 トンッと顎が肩に乗る


 「なんだよば―」




    ―先生で良かった―





 フゥッと小さな吐息と言葉を残して顔はまた背中に埋もれる



 「〜!!」



 全くコイツは何狙いなんだよ



 「・・・・ばか」


 「えへへ・・・・ばかです」
256 名前:私の先生。 投稿日:2004/02/03(火) 13:02
 ほんの少し背中を反る


 負けじと押し返してくる頭


 何も喋んないケド喋れないケド



 嬉しさも恥ずかしさもキチンと伝わってて





 「・・・・・矢口もだよ」





 小さく、小さく、告えてから




 また学校に向かって少し薄暗くなった道を見据えて




 ペダルを勢い良く踏み込んだ











           貴方に出逢えた


            この、喜び。




                       私の先生。完
257 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2004/02/03(火) 13:11
はい、そんなワケでなんだか消化不良な感じが否めないですが完結の形とさせて頂きます。
本当はもっと色々とサイドストーリーを考えてたんですが、まぁそれはまたいつか書いてみたいかと?
自分の見解で見る『矢口×加護』のカタチは正に依存性。
そんなゴリゴリの依存では無く、なんと言うか・・・精神的に?
お互い身を寄せ合って成り立つ、片翼の鳥。そんな風に感じています。
今回の話でそんな二人がキチンと描写出来ていて、其が読んで頂いている方々に伝わっていてくれれば本当、幸いです。


滅茶苦茶な文を最後まで読んで頂き、有難う御座いました。
258 名前:つみ 投稿日:2004/02/03(火) 16:10
完結お疲れ様でした!
やぐぼんをはじめてみたのはこの作品で以来かなりはまってました!
最後には幸せになれてよかったよかった・・・
サイドストーリも楽しみにしてます!
259 名前:MIRAI 投稿日:2004/02/04(水) 17:32
完結お疲れ様です!!
父が出てきた時は、ドキッとしましたが
面白かったし、ハッピーエンドだし。
サイドストーリーも、待っています。

260 名前:まめ大福 投稿日:2004/02/06(金) 10:44
完結お疲れ様でした!
途中ぼんが痛々しくもありましたが、ハッピーエンドでよかったです。
サイドでも素敵なやぐぼん期待してまつ。

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