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メビウス

1 名前:みっくす 投稿日:2003年04月23日(水)12時38分50秒
はじめて書きます。
元ネタは、おもいっきりありです。
登場人物を娘。に変えて、書いて見たいと思います。
知ってる人がいるかもしれませんが、お付き合いください。
2 名前:みっくす 投稿日:2003年04月23日(水)12時47分37秒
巨大都市、東京。酸性雨が降りしきり、環境汚染もひどかった。
また、たくさんの奇妙な事件が多発するようになり、
人々は、地球上に住む怪物たちが動き始めたのだと恐れた。
警察は、それらを一連の事件として「第三種事件」となずけた。
今日、彼らはそれに対抗する組織を必要とした。
「対妖魔特殊警察」が誕生した。2023年のことである。
3 名前:みっくす 投稿日:2003年04月23日(水)22時25分10秒
CHAPTER:01  魔法陣都市―CYBER PSYCHIC CITY―

<警察署内>

『ID23地区の他殺体はその現場の状況からも、第3種事件とみられ・・・・』

「このニュースの場所なの?これからいくところは」
矢口が、面倒くさそうに聞く。

『現在、警察の現場検証が行われています』

「そうみたいですけど」
梨華がコートを羽織ながら答えた。
「さあさあ、早く出動してよ!スピナーは整備してあるわ」
飯田が怖い顔をして言う。
「麻琴!課長は?」
「あと10分くらいでもどれられると思います」
麻琴が丁寧に答えた。


『酸性雨注意報はただいま解除されました』
4 名前:みっくす 投稿日:2003年04月23日(水)22時52分51秒
なつみたちが出動して10分後、
裕子が疲れた顔をして廊下を歩いて戻ってきた。
「課長。お帰りなさい」
ちょうど廊下にいた飯田が声をかけた。
「なつみたちは?」
「10分前に現場に向かいました」
「そうか」
「今回も大丈夫だろうな?」
「おそらくは」
「開発局のほうはいかがでしたか」
「話にならんわ。とりあえずサンプルは今晩中にとどくが・・・」
「ではいよいよ実戦配備ですか」
「かもしれん」
「ひょっとして我々は用済みなるのでは?」
「あいかわらず心配性やな圭織は」
5 名前:みっくす 投稿日:2003年04月23日(水)23時06分47秒
ブィィィィン

2人が部屋に入ると中では麻琴が書類整理をしていた。
「あ・・おかえりなさい」
「課長。なつみさんから連絡が・・・あと、この書類に目を通しておいてください」
「麻琴。とりあえず書類はあとだ」

ピッ

裕子はモニターの電源を入れた。
「なつみです。現場に到着しました。」
「うむ」
「これから捜査を開始します。第2級報道管制しいてください。
 それから民間人を半径100mから退去させるよう軍にも協力を」
「わかった」

「妖魔ですね。おそらく」
現場に残っていた体液を見つけ、梨華が言った。
6 名前:みっくす 投稿日:2003年04月23日(水)23時37分55秒
現場では、ひとりの男が指揮をとっていた。
「これで第3種事件は今月で13件目か・・・ ふう」

(バケモンどもが人を殺すなんて事件はなかったわけではないが
ここ数か月前から政府機関の要人ばかり殺されている―――――なぜだ?)
(一体いつからだろうあんなバケモノどもが街に居ついちまったのは)

スタスタ・・・
梨華が小走りで彼の横を走り去る。
「ん!」
「おい!そこの女勝手に入るな!一般人は・・・・」

ぐい

「おっ?」
矢口が彼のコートの襟を掴み、持ち上げた。
「あぁら同業者に向かってその口のききかたはないんじゃない?」
「お・・・お前ら・・・」
「くそ・・とにかくおろせっ!!」

「ふう」

「さあ!ここからは私たちの管轄よ!あなたたちはでていって下さいな」
梨華も遠くのほうで笑っている。

「ラルフさん。彼女らは一体?」
ラルフと呼ばれた彼は、本名:ラルフ・ボーマーズ
警視庁特捜班所属。
「ATTACKED MYSTIFICATION POLICE DEPARTMENT
 通称A・M・P{アンプ}対妖魔用の特殊警察さ」
「彼女達が!」
7 名前:みっくす 投稿日:2003年04月23日(水)23時49分44秒
「どう?梨華」
「・・・・・」
梨華は神経を集中させてあたりの気配を探っている。
「まだ・・・いますよ」
「やっぱりね」
「それにしても遅いなァなっちは!時間かけてやってるな・・」
「ん!梨華どうした」
梨華が引きつった顔をして矢口の方を見ている。
「うしろです。矢口さん」
「わかってる!!」

ビシ

矢口が手刀で一蹴する。

「リバイバー(活死体)か!」
「私達をためそうとしているみたいだな」
「下級妖魔のやりそうなことです」
8 名前:みっくす 投稿日:2003年04月24日(木)00時17分08秒
ヴン ドッ

「あっ」
矢口と梨華が振り返ると、後ろにいた妖魔に鉄パイプ直撃していた。
「何、ぼーっとしてんのよ」
「なっち、おそいよ」
「なつみさん!」

ゴボゴボ ブシュブシュブシュ 

「再生しはじめたべさ」
「矢口!梨華!今のうちに結界の中へとりこむわ、となりの部屋にこいつを」
「ふ!」
「この!はあっ」
矢口が力一杯に妖魔を投げ飛ばす。
「はっ」
梨華がその隙にお札を貼る。

ヴァァァァァァァ

妖魔の雄叫びがこだまる。
「へえー梨華のお札もなかなか・・」
ヴッ
「!」
ゴン
突然動きだした妖魔の触手に矢口はおもいっきり吹っ飛ばされた。
「うっ、聞かないじゃない」
「矢口さん!」
「あっ!」
バッ ドオオオオン
「きゃっ」
「よし、上出来だべさ」


9 名前:みっくす 投稿日:2003年04月24日(木)00時28分40秒
「さて・・あとは仕上げをのこすだけだべさ」

タン

なつみは結界を形成するための最後の魔法石をおいた。
そして右手をひろげ、念を送り始めた。

ヴァァァァァァァ

「あっ」

パシ ピキ

魔法石にひびがはいる。

「結界を破る気か・・・まだこれだけの能力がつかえるなんて。
 おーじょぎわがわるいわね」
「な・・・・なっち」
「なつみさん」
「ふ・・一気にいくべさ」
10 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月24日(木)02時34分37秒
サイレント・メビウスよりヴァグランツのほうが好きだな〜
11 名前:みっくす 投稿日:2003年04月24日(木)13時46分37秒
「わが前方にラファエル
 わが後方にガブリエル
 わが右手にミカエル
 わが左手にウリエル」
なつみがスペル(呪文)を唱え始めると、
妖魔の下の地面に魔方陣が光を放ちながら浮かびあがった。

ウォォォォ

妖魔はなんとか脱出しようとしている。

なつみはかまわずスペルを続ける。
12 名前:みっくす 投稿日:2003年04月24日(木)17時26分01秒
「わが四囲に五芒星
 炎をあげたり
 光柱に六芒星
 輝きたり
 アテーマルクトヴェ・ゲブラー」

≪ギ・・・キサマ≫

「ヴェ・デドゥラー・ル・オーラム・エイメン」

ブシューーーー

妖魔が煙をあげて爆 発した。

「やったあ!!」
矢口と梨華が声をそろえて言う。
13 名前:みっくす 投稿日:2003年04月25日(金)12時22分17秒
「いや、まだだべ」

白煙が消えかかってくると、中にまだ妖魔の姿があった。

≪シュウウウウウウ ギソ≫

バキン

結界を作っていた魔法石のひとつが、割れてしまった。

「まだそんな力が・・・・
 結界が、くそあと少しだったのに」

≪シュウウウウウウ≫

妖魔が一気に力を解き放つ。
14 名前:みっくす 投稿日:2003年04月25日(金)12時35分27秒
ガガ バキバキ

回りの壁などが、崩れ始める。

「矢口!グラビトン(荷重力弾)だ!!」
「わかってる!!」
矢口が、妖魔に向かってグラビトンを放つ。

ズシン

見事に命中し、妖魔は跡形もなく消え去った。

「すげぇ・・・」
近くで見ていた刑事が驚きの声をあげた。

「さあ、終わったし帰るべ」
「ああ」

3人は出口に向かって歩いていく。

「おつとめご苦労さまです」
「あとはよろしくね」
矢口と梨華は、現場に残っている警官たちに、笑顔で声をかけた。

「ラルフさん。俺、彼女たち噂には聞いていましたがはじめて見ます」
「オレもさ。妖魔事件の他にどんな事件にも首つっこむことできるというが・・・」

ラルフは上空を飛び去っていく、なつみ達の乗ったスピナーを見上げな
15 名前:みっくす 投稿日:2003年04月25日(金)12時37分03秒
ラルフは上空を飛び去っていく、なつみ達の乗ったスピナーを見上げていた。
16 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)19時39分57秒
<警察署内>

一仕事を終えたなつみが帰り支度しながら、下着姿でうろちょろしている。

「あれ!?圭織今日夜番なの?」
「そう課長のおともでね」
「ふ〜ん。じゃ例の結界兵器のことで・・・」
「一般警察にでもほしいらしいですよ。対妖魔用に」
一足先に帰り支度を終えた麻琴が更衣室からでてきた。
「ふーん・・・まったくだれのおかげで普通の仕事ですんでるとおもってるのかしら?」
なつみはちょっと怒った顔をしている。
「私たちみんな女性ばかりだからおもしろくないんじゃないですか」
それを見た麻琴が笑顔で答えた。
17 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)19時45分33秒
!!!

麻琴が身体に一瞬なにかを感じた。
「なつみさん。今日は家に帰らないほうがいいと思います」
「麻琴・・・それどういうこと?」
「え・・ただそんな予感がしたもので・・・」
「あんたの能力がそういってるの?」
「はい」
「でもやっぱり帰るわ。せっかく今日買ったメロン記念日のツアーDVD見たいし」
「そうですか・・・でも気をつけて」
「あ・・・うん」
「それじゃお先に」
「ほいおつかれさん」
18 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)19時56分10秒
「ふう」
なつみは窓際の机に腰掛けてひとつ溜息をついた。

(麻琴ってばたまに不安になるよーなことゆうんだもんなぁ・・
 もっとも麻琴の場合は善意から言ってくれてるんだけどね)

「ねえ、なつみぃ・・矢口は?」
圭織がなつみの方を覗きこみながら声をかける。
「調整中よ。あと、2,3時間かかるってさ」
「ふ〜ん・・・でもあんたいつまでそのカッコでいるつもり?」
「あ・・えへへへへ。でもいいーよ。誰が見てるわけでないし」
「あっそォ」

(いやな雨)

外は、なにか不吉な感じを漂わすほど、雨が激しく降っている。

「いったい・・・いつになったらやんでくれるの」
なつみは外を見ながら、悲しそうな顔で呟いた。

19 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)20時11分34秒
***************************

「ふう、やっとついたべ」

Pi
ブシュン

なつみがIDカードを通すとマンションの玄関のドアが開いた。

「ん!!」
なつみは誰かにつけられている感じがし、振り返った。
「誰もいないか。やっぱつかれんてんおかな私・・・」
20 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)20時13分38秒
そのころ麻琴は傘をさしながら、帰路についていた。

!!!

また麻琴は身体に一瞬なにかを感じた。

「はっ!!なつみさん・・・・」
21 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)20時30分18秒
麻琴が何かを感じていた頃、なつみは買ってきたメロン記念日のツアーDVDを
ビールを飲みながらみていた。
「やっぱり、柴ちゃんが一番だべ。今度はお休み貰って見に行くべ」

そんなことをいいながらなつみはくつろいでいた。

ピシッ パン

なつみがくつろいでいるといきなり部屋の窓ガラスが割れた。
振り返るとそこには妖魔が浮かんでいた。

≪希代の超魔術師・安倍ギゲルフ その魔道の血を引くものよ。
フ・・・わが母体にふさわしい≫

「おまえは!!」
「くっ」

なつみは部屋を飛び出し、車に乗りおもいっきり走らせた。

(ばかな!? 邪精霊・・・・死霊と精霊の融合体・・・中級妖魔だ!
まさか私を狙ってくるなんて!! 何で?)

!!

なつみの車の前にいきなり妖魔が姿をあらわした。
「きゃあああああああぁ!!」
22 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)20時33分46秒
そのころ麻琴は不安を感じなつみの部屋を訪ねていた。

「なつみ・・・さん?」
「・・・・・・・・・」
中にはいると、無残な姿になった部屋があった。
「あ・・・あ・・・」

麻琴は急いで引き返した。

(みんなに知らせないと・・・ なつみさん!みんなに!!)
23 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)20時38分36秒
「道路の一部が隆起しています。車に突き刺さって・・・」
「事故車のドライバーは見当たりません」

なつみが妖魔と遭遇した現場では、警官達が集まっていた。

なつみは左わき腹から血を流しながら、路地を逃げていた。
「う・・くっ」
激痛に耐えられず膝をつくなつみ。
それを、妖魔はビルの屋上でみつめていた。
24 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)20時48分09秒
******************************

「なつみが!?」
飯田が麻琴からの連絡に信じられないといった表情で答える。
「はっ・・はい。とにかくなつみさんに何かあったことはたしかで・・・」
モニターの向こうでは麻琴が息をきらし、いまにも泣きそうな顔をしていた。
「課長!」
飯田が裕子に指示を求める。
「かおり。全員を召集しろ。なつみをさがし出して救出する」
「しかし・・・救出するといっても一体どこに・・」
「なつみが妖魔に襲われたことは確かだ・・・
いずれわかるよ。それもむこうから教えてくれる」
「?」
「それから矢口と梨華は本署にくるように伝えろ!」
25 名前:みっくす 投稿日:2003年04月26日(土)21時05分31秒
なつみは廃ビルの中を逃げていた。
「うっ」
わき腹に激痛が走る。

ドッ

なつみの行く手の天井が崩れてきた。

「ちくしょう!!」

なつみはまだ崩れいないほうへ逃げる。

(何で・・・何で私がこんな目にあわなくちゃいけないの!)

≪ふふ≫

「!?」

≪おまえ達がじゃまになった・・・≫

妖魔がなつみの脳に直接話しかけて来た。

≪まさか・・・まさか29年前我々が犯した行いがこのようなことになろうとは
我々の行動をはばむ組織をつくろうとは・・・・≫
「何いってんだかさっぱりわかんないわよ!」
≪じきにわかるはず。いえわからせてあげましょう。ふふ・・・・≫

タタタタタタ・・
なつみが階段を上がってくると屋上にでた。

(罠だ・・・しまった! ああ・・・私ってバカ!)

正面には妖魔が待っていた。

ドーーーーーーッ
なつみの回りの床が一気に崩れ、逃げ道がなくなった。

「あっ、くそっ」

26 名前:みっくす 投稿日:2003年04月27日(日)09時09分57秒
「!!」

妖魔が一気になつみに近づいてきた。
≪私に選ばれた喜びをその体で思い知るがいい≫
そう言うと妖魔はなつみに口付けした。
「ぐ!!」
≪ヴ・・・体内に入り込むことはできぬか・・・さすがは魔女のはしくれ・・
ならば・・・私のほうでお前を取り込んでくれるわ≫
そう言うと妖魔はなつみを触手で自分のほうへ手繰り寄せた。
27 名前:みっくす 投稿日:2003年04月27日(日)09時17分05秒
≪おまえの父親の罪を、おまえの体と力でつぐなうのだ・・・
さあ・・私の中に入りなさい・・・≫
妖魔はなつみを体内に取り込んだ。

(お父さん・・・!!)
なつみは心の中で叫ぶと、父の形見のペンダントを握った。

キン
ぺンダントからまばゆい光が解き放たれる。

ドヴァ
それと同時に妖魔は爆発し、ちりじりになった。

≪父親の力をかりたか・・・ふふふ・・・ははは・・・≫
28 名前:みっくす 投稿日:2003年04月27日(日)13時53分51秒
*******************************

<警察署内>

「麻琴早く!!」
飯田が出動の準備を終え、麻琴が終わるのを待っている。

(そんなこといったってェ・・・身に着けるものいっぱいあるし)

「急いで!!」
「は、はい」
まだ、全部装着が終わってないが、麻琴は急いで部屋からでてきた。

そのころロビーでは、機動警官たちが仕事からもどってきてくつろいでいた。

「なんか俺ら毎日毎日、暴動鎮圧ばっかりでやになりますね、ロイさん」
「しょうがねえだろう。それがいまの俺らのしごとだかんなー」

ロイと呼ばれた男は、警視庁機動警官隊所属で、なつみの恋人である。
29 名前:名無し読者1 投稿日:2003年04月29日(火)00時57分30秒
をを、サイメ○ですな(w
スキだったんでがんがってください

楽しみだなぁv
30 名前:みっくす 投稿日:2003年04月29日(火)09時17分12秒
>29名無し読者1さん

レスどうもです。
がんばりますので、よろしくです。
31 名前:みっくす 投稿日:2003年04月29日(火)09時26分17秒
(うえ・・・2時間の遅刻だ。なつみのやつ怒ってンだろーなぁ・・・)

ロイがそんなことを考えていると、その横を飯田が勢いよく走っていった。

「ん!!アンプの飯田じゃねぇか?どうしたんだあんなに血相変えて?」
さらに麻琴が走り抜けていく。
「待って下さいよぉ〜〜飯田さん!」
「・・・・・・・・・」

飯田が一足はやく屋上スピナー待機場につき、麻琴を待っている。
「ほら早くっ!」
「すいません!!」
「行くよ!」
「はっ・・・はい」

ドゴォーーーーーー
飯田がスロットルをにぎると、スピナーは勢いよく飛び立って行った。

32 名前:みっくす 投稿日:2003年04月29日(火)09時30分50秒
一方、署内では、裕子に呼ばれた矢口と梨華がやっと到着していた。

「私はなつみをさ捜す。梨華、例の部屋が何の干渉も受けないようにシールドはってくれ」
「はい、中澤課長」
「矢口、開発局に連絡して結界兵器を運ばせろ!!」
「わかりました」
そういうと裕子は、ひとり部屋に入っていった。
33 名前:みっくす 投稿日:2003年04月29日(火)09時36分31秒
10分後、飯田と麻琴はやっとなつみが襲われた現場についた。

「まちがいないわ。なつみの車よこれ・・・」
現場には無残な姿になったなつみの車が残されたままだった。
「じゃ・・じゃあなつみさんはこの近くに!?」
「うん・・・」
「ああ・・あのとき私がちゃんとひきとめておけば・・・」

(それにしてもいくら中古車とはいえ、買った3日後にだめになるなんて不幸ななつみ)

「麻琴、あなたの能力で捜せない?」
「そんな無理ですよ。私の能力はまだ・・・」
34 名前:みっくす 投稿日:2003年04月29日(火)09時40分57秒
「やっぱり課長くらいの能力がないとォ・・・」
「課長か・・・たしかに不思議な女性ね・・」
「課長の過去もあまり知っている人いないみたいですし・・」
「そうね。誰よりも早く妖魔の存在に気づき・・アンプを組織したのもあの人」
「ここにも手がかりはなしですね。飯田さん」
「早くなつみの場所を見つけてください・・・課長・・・」
35 名前:みっくす 投稿日:2003年04月29日(火)09時47分30秒
そのころ、裕子はひとり部屋の中で、精神を集中させなつみの居場所を探っていた。

(妖魔め。自分の気配を殺しているつもりか・・
ある一定段階をこえた上級妖魔でないかぎり自分の妖気を完全に消すことは不可能なのに)

・・・・・・・・・・

(!D−35−201か!!)

「梨華!D−35−201だ!!かおりに連絡!」
「はいっ!!」

(D−35−201・・ここは・・・!)
36 名前:みっくす 投稿日:2003年04月29日(火)10時02分47秒
「飯田さん。なつみさんのいる場所がわかりました」
飯田のスピナーに梨華から連絡がはいる。
「D−35−201地区です!急いで下さい」
「了解」
「しかし、なんでまたD−35地区なんかに・・D−35地区といえば飯田さん」
「うん!閉鎖地区よ」

飯田は勢いよくスロットルを握った。
スピナーはD−35地区に向けて勢いよく飛んで行く。

5分後、D−35地区入り口に到着。
あたりには警備システム機が飛んでいる。

(はっ!警備システムが!!)
麻琴がそれを見つけ、ヤバそうな顔をしている。

ヴン

飯田は、かまわず警備システム中にスピナーを突っ込ませた。

「!!」
「警備システムがはたらいてない。侵入者に対して何の攻撃もしてこないなんて」
「飯田さん。それを覚悟でつっこんだんですか?」
「・・・システムくらいかわす自信があったから・・・」

37 名前:みっくす 投稿日:2003年05月08日(木)01時04分14秒
「はあ、はあ、はあ」
「どうしたの!?」
飯田が心配そうな顔をして聞いた。
「・・・いえ、ここに来てから急に気分が・・・悪くなったんです・・吐き気が」
麻琴が苦しそうな顔をし、口をおさえている。

「空気が重いなぁ・・・」

!!

麻琴が何かに気づいた。
「飯田さん!!見つけましたっなつみさんです!!」
「えぅ」
飯田がブレーキべダルを思いっきり踏んだ。

「いた!!」
飯田がなつみを発見し叫ぶ。
「なつみさん!!」
麻琴がなつみに向かって力いっぱい叫んだ。
38 名前:みっくす 投稿日:2003年05月08日(木)01時12分09秒
キィィィィィィィン
シュゥゥゥゥゥゥゥ

飯田はゆっくりスピナーを、なつみの横につけた。
「なつみ!!」
飯田がスピナ―から飛び降りなつみにかけよった。

なつみは破壊されたビルの中で、1ヶ所だけ残っている柱の上にいた。
なつみの身体には、ゲル状の奇妙な物体が付着していた。

(あれ・・なつみさん体についている物は一体?)
スピナ―から降り、なつみをみた麻琴は何か胸騒ぎを覚えた。

「麻琴!なつみをもう少し安全な場所に移すわ手伝って!!」
飯田がなつみを抱え起こし、麻琴に言った。
39 名前:みっくす 投稿日:2003年05月08日(木)01時18分08秒
「課長!なつみさんを救出したそうです」
飯田から、本署で待機している梨華の元に連絡が入った。

「うむ・・・」

(・・・・・・・・)

「梨華、かおりに伝えろ。ひょっとするとなつみは・・・」
「??」
梨華が不思議そうな顔をしている。
その時モニターの向こうから悲鳴がしてきた。
「きゃああっ」
「!?」

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