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Eternal 〜時間を超えて〜
- 1 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)03時06分06秒
- 永遠―――――――――そんなものはありはしない。
梨華はそう思う。
人間は孤独な生き物。
それなのに愛や友情などと言う形のないものを大切にしようとする。
―――なぜか?
それは努力をしたくないからである。
正しい事はなにかわかりきっているのに、それをやろうとしない人達。
自分が楽するために、他人を妬み、傷つけ、利用しようとする。
自分が努力しないことでさえ、平気で他人のせいにする。
結局、友情や愛などと口では言っていても自分が一番かわいいのだ。
梨華はそう思う。
- 2 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)03時20分19秒
- ―――――梨華はいじめられていた。
何も特別なことなどしていない。
なのに、気がつくと自分には優等生と言うレッセルがはられている。
普通の人間とは違うと言われてしまう。
普通に勉強して、普通に努力して、普通に他人に親切にしている
なのに他の人達は梨華を特別な目で見ている。
――――――それが、梨華の孤独。
梨華は普通にしているだけのはずなのに、それを気に入らないグループがいた。
同じ高校で、同じクラスのコギャルグループである。
梨華がクラスで優等生として扱われていることが気に入らなかったらしい。
- 3 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)03時33分47秒
- はじめは、口で脅されただけであった。
しかし、次第にエスカレートしていき、かつあげやトイレに閉じ込められたりもした。
だが、それだけではすまなかった。
いじめは伝染病みたいに広がる。
昨日まで仲良かったクラスメイトが今日は口も聞いてくれない。
教師達もあてには出来ない。教師は直接被害を被るわけではないからだ。
それに、卒業すればそこで縁は切れてしまう。
ずっと我慢していたが、もう…限界だった。
梨華は自殺をしようと考えていた。
嫌になったのだ、孤独が。
永遠に続く信じていたものが実は自分の思いこみだったと感じるのが。
- 4 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)03時47分48秒
- 梨華はふと足を止めた。
ガラス張りになったビルを下から見上げる。
30階建ての綺麗なビルだった。
(あそこから飛び降りれば死ねるかな?)
そう考えてしまう。
ふと、目の前のガラスに目をやる。
しかし、そこに自分の姿はうつっていなかった。
うつっていたのは、まったく知らない美少女だった。
恐らく、梨華と同じ位の年齢だろう。
しかし、少女の周りの建物が何かがおかしかった。
外見が綺麗なビルからは想像も出来ないほどの木造建て…
いやでも時代が違うと感じてしまう。
そして、ガラスの中の少女にも変化があった。
梨華を凝視しているのである。
まるで、この世のものではないものを見ている目だ。
そして、二人は同時に口を開いた。
「――――誰?」
言葉を発すると同時にガラスが光を放ち、梨華の体は光に包まれていった。
- 5 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)04時09分52秒
- 気がつくと、目の前に自分がいた。
否、自分の姿をうつした鏡があった。
そして、横にはさっきの美少女……
「ここ…どこ?」
梨華は反射的に口を開いていた。
隣の美少女が振り向いて言う。
「ここは私の家。そして今は昭和50年1月12日」
目の前の美少女は梨華がタイムスリップしてきたと思ったらしく、年月日まで言った。
無理もないだろう。
梨華が彼女の光景を見たように、彼女もまた梨華の光景を見たのだ。
平成15年の街並みを…
梨華は何とか冷静でいられた。
目の前の美少女が、常人みたく騒がなかったからかもしれない。
常人なら、間違いなく大騒ぎしているだろう。
彼女が落ち着いてたから、梨華も現状を正確に認識出来たのだ。
そう、梨華はタイムスリップしていた。
自らの年代から約30年前に……
特徴的な大きな瞳を輝かせながら彼女が聞いてきた。
「私は吉澤ひとみ。あなたは…?」
梨華は急なひとみの質問に、冷静に答えた。
「梨華。……石川梨華」
――――――こうして、二人は出会った。
- 6 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)04時27分23秒
- 皆様はじめまして。
たけトラマン(o|o)/と言います。
Seekは1年くらい前にはちらほらと違う名前で現れていたんですけど、この名前での投稿は初めてです。
見てもおわかりの通り、いしよし物です。
タイムスリップという方法を使いましたが、年が離れすぎた感じもします。
あまり近すぎるのもやだなぁって思ってたんですけど…。
でもきっと、楽しんでいただけると思います。
……楽しんでくれるといいなぁ(w
お気に召していただければ幸いです。
更新は2、3日の感覚でしたいと思ってます。
1日で更新する場合もあれば、HPの方で娘。ゲーを作っているので1週間かかるときもあるかもしれませんが、
なるべく皆様に早くお届けできるように努力しますので、暖かく見守ってください。
最後に…レスなんかを頂けると作者が喜びます(w
それでは、より多くの方に最後まで付き合ってもらえるのを願って…
たけトラマン(o|o)/でした。
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月25日(金)15時00分03秒
- おもしろそうですね!
頑張ってください。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2003年04月25日(金)17時18分12秒
- もしかしてギネス記録を更新したあの有名な二人組のプロモのパクリですか?
- 9 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)18時07分24秒
- >>7 名無し読者様
ありがとうございます。
皆さんに楽しんでもらえるようがんばります
>>8 名無しさん様
ギネス記録を更新した二人組ってKinkikidsのことですか?
よく知らないんですけど、似たプロモがあるのでしたら違います。
Kinkikids自体をあまりよく知らないので
疑われて似たような作りでしたら謝罪します。
お騒がせしてすいませんでした。
- 10 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)18時11分58秒
- >>疑われて似たような作りでしたら謝罪します。
疑われてしまう程似た作りでしたら謝罪します。
書き方間違えました
すいません…
- 11 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)18時55分00秒
- 「ねぇ、未来ってどんな感じなの?」
梨華はひとみの部屋に連れて行かれ、自分の時代の事を色々聞かれた。
「どうって…最近はアメリカとイラクが戦争したり、朝鮮が核を隠してたりしてたけど…」
「えぇ、戦争!?それって日本も参戦してるの?」
「ううん、詳しいことはよく知らないけど、日本はお金を出したくらいじゃなかったかな」
「ふぅん…他には何かないの?めずらしいものとかさ」
「めずらしいものって言われても……携帯はみんな持ってるし…」
「けいたい?なにそれ?」
ひとみは目をより一層輝かせて聞いてきた。
(そっか、ここじゃ携帯なんてあるわけないもんね。)
そう思い、梨華は自分のバッグから携帯を取り出しひとみに渡した。
- 12 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)19時17分01秒
- 「うわっ、なにこれ!電話?かっけぇ〜!!」
ひとみはまるで子供のようにはしゃいでいる。
「ねぇねぇ!これで電話って出来るの!?」
よほど興奮しているらしく、ひとみは顔を真っ赤にしている。
「うん、出来るよ」
「うわぁ〜。ね、ちょっと自分の家に掛けてみていい?」
「いいけど……」
(電波届かないんじゃないかな?)
そう思う梨華を尻目にひとみは必死になってボタンを押している。
「…2、3っと。……………あれ?」
ひとみが不思議そうな顔をする
「どうしたの?」
「ずっとプーって音がなってるんだけど……」
「ちょっと貸してみて」
ひとみから携帯を渡された梨華はディスプレイを覗いてみた。
(やっぱり……)
画面の左上には圏外という文字が出ていた。
そのことを確認した梨華はひとみに携帯を渡した。
「ほら、ここに圏外って出てるでしょ?これだと電波が届かないから電話が出来ないの」
「電波?なんで電波がないと電話出来ないの?」
ひとみが本当にわからないと言った顔で梨華に聞いてくる
これは説明が難しいかも…と思い梨華は苦笑したが、ひとみにわかりやすく丁寧に教えていった。
- 13 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)19時50分08秒
- 「…だから、電波がないときは電話やメールが出来ないの」
全ての説明を終え、梨華は「ふぅ」っとため息を吐いた。
「へぇ、梨華ちゃんって物知りだね」
「り、梨華ちゃん…」
いきなり、ひとみに梨華ちゃんと呼ばれた梨華は少し驚いてしまった。
「あっ、ごめん。嫌だった?なんとなく呼んだんだけど…」
「い、嫌じゃないけど…」
嫌ではない。この言葉に嘘はなかった。
だが、梨華ちゃんと呼ばれると思い出してしまう。
学校のクラスメイトを……
いじめられている自分を助けてくれない。
それどころか、自分に被害を被りたくないと言う理由で自分から離れていった人達。
そのクラスメイトが呼んでいた梨華のあだ名が梨華ちゃん…
「ほんと!よかった〜。嫌がられたらなんて呼べばいいかわからなかったよ」
梨華の心中にはまったく気づいていないひとみが笑う。
そのとき、ふと梨華は疑問に思う。
(なんでだろう…なんかこの笑顔に引かれちゃう…)
- 14 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月25日(金)19時52分15秒
- 更新です。
もしかしたらまた夜中に更新するかもしれません。
いきなり、みなさまにご迷惑をおかけしましたがちゃんと続けていくので暖かく見守ってください。
それでは、みなさまに楽しんでいただけることを願いつつ…
たけトラマン(o|o)/でした。
- 15 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月27日(日)18時14分47秒
- 「梨華ちゃん?」
「えっ!?あっ、ごめん。ボーっとしてた。」
「大丈夫?本当は嫌じゃないの?」
「全然。ただ私が梨華ちゃんだから、私はひとみちゃんって呼ぼうかなって考えてただけ」
―――とっさに嘘をついた。
―――本当は彼女の笑顔に見惚れていたのだ。
「う〜ん、ひとみちゃんでもいいんだけど……よっすぃ〜の方がいいかな?」
「よ、よっすぃ〜?」
「うん。ほら、私ってどちらかと言うとボーイッシュじゃない。
だから、ちゃん付けで呼ばれることあまりなくてさ…」
確かにひとみは美少女でもあるが、どこかボーイッシュな感じもする。
「それじゃ、あらためてよろしくね。よっすぃ〜」
「こちらこそ!梨華ちゃん!」
こうして二人は少し遅い自己紹介し終えた。
- 16 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月27日(日)18時16分05秒
- 「ところで・・・」
自己紹介を終えたあと、ひとみが突然切り出してきた。
「梨華ちゃん、この後どうするの?」
「えっ?」
梨華はギクリとした。
この時代にどうやって来たのかはまったくわからないのであった。
「・・・」
押し黙ったままの梨華を見てひとみが少し笑いながら言った。
「あはは、ごめんごめん。いきなり未来からこんなところに来て、この後のことなんか考えてるわけないか」
「う、うん。」
ひとみの明るい言葉にも梨華は暗い反応を返した。
仕方ないと言えば仕方のない事だった。
この時代で、梨華はあまりにも無力すぎる。
お金は少ししかないし、未来に帰る知識もない。
自分一人では何も出来ないということを改めて思い知らされた。
(やっぱり、私は特別なんかじゃない。普通の弱い人間よ・・・)
クラスメイトが自分を特別と言うことを心の中で批判した。
それと同時に自分がこの時代に来たのをどこかクラスメイトのせいにしている自分に気づき、梨華は激しく劣等感を抱いた。
(何やっているんだろう・・・私・・・)
- 17 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月27日(日)18時17分06秒
- このようなことを梨華は過去に何度も繰り返した事がある。
いじめを受けるたびにクラスメイトが自分を特別扱いするからいじめられるんだ。と思い、後になって責任をクラスメイトに押し付けている自分に気づく。
その度に梨華は後悔してきた。
この時代にくる直前の梨華はクラスメイト全てが自分からはなれて、影で自分達が勉強したりしないのはクラスに梨華みたいな頭のいい奴がいたら勉強しても敵うわけないと言っていたのを聞き、他人に絶望したからである。
それでも、自分がクラスメイトを批判しているのに気づくと後悔してしまうのは、梨華が心の底で誰かに助けてもらいたがっている証拠なのかもしれない。
「じゃ、ウチに泊っていく?」
梨華が悩んでいるのを知ってかひとみが切り出してきた。
- 18 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月27日(日)18時18分01秒
- 「えっ、でも・・・」
いきなりのひとみの発案に梨華は戸惑った。
「大丈夫。ウチの親はそういうの気にしない人達だから。むしろ、梨華ちゃんのこと気に入って養女にしちゃうかもよ。じゃ、ちょっと親に言ってくるね」
「ちょ、ちょっと、よっすぃ〜!?」
梨華の呼び止めには応えず、ひとみは笑いながら部屋を出ていった。
「はぁ・・・」
ひとみが出ていった後、梨華は小さくため息を吐いた。
それは、何でこうなったんだろう?と言う思いとひとみの優しさによる安堵感から出たため息だった。
(でも、いつまでもここにいるわけにもいかないし・・・何とかして元の時代に戻る方法を探さなくっちゃ)
梨華はそう決意した。
- 19 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月27日(日)18時22分10秒
- 更新です。
なぜか、物語後半の話はポンポン浮かんでくるのに前半はまったく浮かばないので困ってます(w
だらだらとした文章は書く気がないんですが、もしかしたら書いてしまうかもしれません(w
昨日、色々な人の小説を読んでやはり上手いなぁと感心してました。
こちらも負けないように(無理)がんばりたいと思います。
みなさんのお声を聞かせてもらえると幸いです。
それでは。
- 20 名前:ヴィンセント 投稿日:2003年04月27日(日)20時31分33秒
- 以外なとこでたけトラさんみ〜っけ!(爆
ボケボケな二人がイイ!って事でageときます。
- 21 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年04月28日(月)03時27分54秒
- >>20 ヴィンセント様
あらら…見つかっちゃいましたか
ヒソーリやってたのに(w
また見に来てくださいね
- 22 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年05月07日(水)00時52分35秒
- 数分後、ひとみが笑顔で戻ってきた。
「梨華ちゃ〜ん、しばらく泊まっていいって」
ひとみの歩調はほとんどスキップ状態だ。
よほど嬉しいらしい。
「ありがとう。それじゃ、少しの間だけお世話になるね」
ひとみの笑顔を見ると、なぜか梨華も嬉しくなる。
二人は夕食まで雑談して過ごした。
- 23 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年05月07日(水)00時54分35秒
- 夕食時、私は初めてよっすぃ〜の母親に会った。
「あなたが梨華ちゃんね、ひとみから話は聞いてるわ。冬休みに旅なんて、なか
なか面白い事をしてるのね」
「えっ、旅?」
私はおばさんに聞き返すと、よっすぃ〜が慌てて入ってきた。
「そっ、そうそう。だから梨華ちゃんいろんな事知ってるんだよ」
「えっ?よっすぃ〜」
私がよっすぃ〜の方を見るとよっすぃ〜は私の方を見てウインクした。
その時、私はよっすぃ〜のウインクの意味を理解した。
私が未来から来たと言っても信じてもらえるわけないのだ。
「へぇ、すごいのね。それでどこから来たの?」
「おっ、お母さん!そんなことは今度でもいいでしょ?それより、ゆでたまごは
ないの?」
「ハイハイ。本当にゆでたまごが好きなんだから」
そう笑いながらよっすぃ〜にゆでたまごを渡すおばさん。
仲…いいんだ。
私はあまり親と話とかしないので、なんだか羨ましくなってしまう。
(お母さん……心配してるかな?)
- 24 名前:たけトラマン(o|o)/ 投稿日:2003年05月11日(日)14時40分32秒
- (梨華ちゃん?)
私が梨華ちゃんの異変に気付いたのはお母さんがゆでたまごを私に渡した直後だった。
梨華ちゃんは何か遠くのものを見ているような感じだった。
(やっぱり、帰りたいのかな……)
そうは思うもののひとみもどうやって梨華がこの時代に来たかはわからないのだ。
助けになってあげようと思ってもどうすることも出来ない。
(私には何も出来ないけど…困ってるなら相談してほしいな…梨華ちゃんのそんな辛そうな顔見たくないよ…)
- 25 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月21日(土)08時54分51秒
- ほぜーん
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