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AとBの関係

1 名前:フィジーの小人 投稿日:2003年05月03日(土)16時00分30秒
石川視点の若干曇り気味?な話です。    ROM専でしたので文章力が微妙ですが宜しくお願いします。   
2 名前:フィジーの小人 投稿日:2003年05月03日(土)16時28分11秒
少しさがってから書こうかと思います。放置はしませんので。
3 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)16時43分38秒
夜の海は虚無を流し込んだような艶のない闇に支配されていた。 空に月は見えない。 口の中が塩辛いのは、胸いっぱいに吸い込んだ潮風のせいだろう。頬を流れる滴の味だとは思いたくなかった。泣いていることを認めたくはなかった。  
4 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)16時46分53秒
一度でいいから笑わずに言ってほしかった言葉。         『好き』                膝を濡らす海水はちょっと冷たくて。   でも、あなたよりずっと暖かいよ。    おかしいね。どうしてだろう、まだその声をききたいだなんて。
5 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)16時52分43秒
********            「石川さん」    それはとても細い呼び掛けだったけれど、私の耳に真っ直ぐに届いた。        伏し目がちだった顔を上げて振り返る。切ったばかりの前髪が、春風に揺れた。    「石川さんて歩くの早いんですね」    そこには、ちょっと風変わりな帽子を目深に被った少女が一人。 
6 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)16時57分56秒
「一緒に帰ってもいいですか?」     「え?あ、うん」  隣に並ばれて、帰ってもいいですか?って言われたら頷くしかないじゃない。     こうゆう時、とっさに巧い嘘がつけない不器用な性格は損だと感じる。        「迷惑ですか?」  持ち上げた帽子から心もち見える大きな瞳。ジッと答えを待つ。 
7 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時01分34秒
白々しいよ。    私が首を縦に振らないと分かってるんでしょう?        「そんなことないよ。一人より二人の方が楽しいもん」     「良かった。じゃあ、行きましょうか」  「うん」      半ば強引に押し切られたような。私はその後をついて行く。   だけど。      足どりは重い。   
8 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時03分29秒
「そういえばさ、柴ちゃんたちと先に帰ったんじゃなかったの?」「途中まで帰ったんですけど〜」     彼女はジャケットのポケットに手を突っ込み、数枚の写真を取り出すと、中から何枚か抜いて私に差し出した。「どうぞ。こないだの打ち上げで撮った写真です。これ渡すの忘れてて」       
9 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時07分56秒
そこに写っていたのは、私と彼女の二人。 「明日のハロモニ収録の時でよかったのに。紺野ってたまに律儀だよね」       紺野とピースサインをして笑い合う私の目は、銃口をつきつけられているように強張っていた。    
10 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時17分20秒
コンサートでの盛り上がりの熱がなかなか冷めなかった夜。   安倍さんの部屋にメンバー全員で集まり、ジュースでコンサート成功を祝しての乾杯した後、お菓子やら何やらを食べながら同じ時を過ごしていた。   時計の針が一周、また一周すると、話は必然的にアンダーグラウンドなものに変わっていく。        
11 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時20分42秒
好きな人。恋人。  アイドルにとっては命取りなタブーな話題。 年下メンバーは、飯田さんや矢口さん、その他の大人組の口から発せられる言葉ひとつひとつを興味津々たる様子で聴いていた。  私もまあその内の一人なのかもしれなかったけれど。      頬を紅潮させて聴いてる子もいて、なんだか可愛らしかった。  
12 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時22分15秒
「5期は、どうよ?」あらかた喋り終ってから、不意に矢口さんがソファに窮屈そうに座っている四人に話題をふった。      「最近の子は小学生でも彼氏とか普通にいるらしいからねー」  「なんか矢口の言い方ババくさーい」   場の雰囲気に酔った安倍さんがケタケタと笑う。        「うっさいなぁ。で、なんかないの?」  
13 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時28分16秒
身を乗り出して尋ねる矢口さんは、噂好きのおばさんみたいだ。  五期は恥ずかしそうなむずがゆそうな笑みを浮かべて互いの出方を伺っていた。    話したいけど、自ら進んでするのも…といった感じなのだろう。 そんな中で、一人だけ何のリアクションも起こさないメンバーがいた。        
14 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時30分16秒
「紺野」                そう、紺野だ。   矢口さんにドラフト一位指名された紺野は、周囲にあまり関心を注がない黒いガラス玉の瞳を瞬きさせた。  「最近どうなの?」 その言葉は、私の目線を保田さんに向けさせてしまい、思わず吹き出してしまう。   「なに、石川?」  「あっ、いえ…なんでもないです」    
15 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時36分35秒
慌てて紺野と矢口さんに向く。      「好きな人はいますよ」         か細くて、感情が必要程度にだけ込められた声。        部屋の温度が下がったような息苦しさ。  でも、私の体温は上がった。        「学校の奴?それともコッチ?」     「身近な人です。みなさん、良くご存じな…」
16 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時40分35秒
そこで間を入れて紺野が私を見て笑った気がした。        「ネガティブな頑張り屋さん…ふふ」   ううん、気のせいじゃない。       「それって――キショイ奴?」       「ええ」       「会話が寒い人?」 「ええ」       質問を風を受け止めるように軽く答える紺野は楽しそうだ。
17 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時44分16秒
「コレのどこがいいわけ?」       肩をポンと叩かれた。矢口さんの指す『コレ』とは、やはり私なわけで。       みんなの好奇の視線はもちろん私に集まってくるわけだ。    でも、でも、    「ちょっと待ってくださいよぅ!まだ紺野の好きな人が私って決まったわけじゃ…」   私以外のなにものでもないと分かってるけれど。
18 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時49分42秒
「決まってますよ、石川さん」      はっきりとした響き。「な、なにが!?」 我ながら間の抜けた台詞だ。        声が裏返ったし。  それに比べて紺野は落ち着いている。    告白は、突然だった。                    「私の好きな人が、石川さんだとゆうことが…です」      
19 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月03日(土)17時52分47秒
「え…っ。なに?」 何を言われたのか、すぐに分からなかった。目の前にいる紺野は、照れとか本気とかでもない、どこまでもイタズラな微笑みを浮かべていた。      声をうわずらせながら聞き返すと、紺野は「そうゆうところも好きなんですけどね…」と答えになってない呟きを吐いた。
20 名前:フィジーの小人 投稿日:2003年05月03日(土)17時57分30秒
訂正。なかなか下がらなそうなので一回目は書くことにしました。 ダブソデスマソ
21 名前:名無し娘。 投稿日:2003年05月03日(土)19時16分25秒
素晴らしいです。
面白いです。
頑張ってください。
22 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月03日(土)21時35分24秒
まず間違いなく誰かに言われるだろうこと。

「改行しろ」
23 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月03日(土)22時45分27秒
携帯から書いてる、とかじゃないよね…
24 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月03日(土)23時00分09秒
携帯でしょう(w
すっごい文章が上手なんで、パソコンからでも書いて欲しいなぁって…ふと(w
頑張って下さい。
25 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月04日(日)02時36分57秒
おもしろいです。
だけど改行してください^^;
頑張ってください〜
26 名前:フィジーの小人 投稿日:2003年05月06日(火)21時37分35秒
たくさんのレスありがとうございます。皆様がお察しの通り、携帯から書いております。まさか改行が出来ないとは…。お恥ずかしい話、つい最近うちのポンコツ(PC)あぼーんな状態になりまして。買い換えればいいのですが、某娘。メンバーと同じくらい雑草通で貧乏人な自分。とうぶん無理なわけで…。読みずらいとは思いますが、暫く携帯更新でお許しください。
27 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)21時48分27秒
この写真は、みんなに冷やかされた挙げ句に無理やり撮らされたものだった。     あの夜の事を思い出すと、全身の血が地面に吸い取られて空っぽになるような浮遊感で胸が苦しくなる。   からかわれてるのか、本気なのか、その真意を知るのが怖くて私はそれ以上は口をつぐんでいた。       
28 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)21時52分25秒
何故怖いのかと問われたら、困ってしまう。自分自身でも理由が分からないのだから。 紺野に好意を抱かれることに脅えている。 紺野に好意を抱かれていないことに傷付くのが怖い。      よく分からない。  本当は知っていて目を背けているのかもしれない。       
29 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)21時54分11秒
「どうかしましたか?」         「あ…ううん、別に。よく撮れてると思って」         「ええ。これなんか特にいいですよ。披写体がいいからでしょうか」         紺野のが示したのは、大口を開けて笑っている私の写真。    「……からかわないの」         見られているのが恥ずかしくて乱暴に呟く。
30 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)21時56分18秒
紺野は覚えているのかな。あの夜、私に言った言葉。      『私の好きな人が、石川さんだとゆうことが…です』      そう言って見せたイタズラな微笑みを。  「からかってなんかないです」      ほら、またそうやって笑う。       なんだか悔しいよ。 私ばっか気にしちゃってて。       
31 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)21時59分19秒
目指していたバス停にバスがあと少しで停車するのが見えた。  まだ歩いていても余裕で間に合う。    けれど、紺野は私の手を掴んで走り出した。強くもなく、弱くもない力で掴まれた右手。紺野の足取りは軽やかだ。ついでにスキップでもしそうな。   紺野の顔は見えない。どうせまた笑ってるのだろう。イジワルに。
32 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時03分48秒
「全然間に合ったじゃん。いきなり走り出すんだもん。びっくりしちゃった」     バスよりも先に着いてから恨みっぽくそう言うと、紺野はちょっとだけ肩で息をしながら私に向き直り、「すみません」悪びれた風でもなく言う。     すました顔しちゃってる。
33 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時05分17秒
太陽に照りつけられたアスファルトの焦げたような匂い。    熱気に揺れる景色。 道路の向こう側に見えるビルの群れは、まるで蜃気楼。      額にじわりと滲んだ汗をそっと拭った。  「暑いですね」   「ねっ。もうTシャツでも平気そう」   「それで…」    「なぁに?」 そろそろ離しませんか?」 「あ」       
34 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時08分03秒
繋がれたふたつの手。あまりにも自然で、ごく普通で。     だけど、意識しちゃうとダメ。すっごくどきどきしてくる。   しかも、いつの間にか自分から紺野の手を掴んでるし。     「ご、ごめんっ。暑苦しいよね」     するりとほどける指。なんだか離れ難い。 「そんなに慌てなくても」        バスがタイミングよく滑り込んできた。  
35 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時09分11秒
車内は思ったよりも混んでて座れそうにないないことが外から見ても分かった。    それでも一向に構わない。今はただ、一刻も早くこの熱から逃れたくて。
36 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時21分57秒
なのに神様。    もしかして意地悪してるの?       普段は楽々と道路を走るバスが、今日は渋滞につかまって、バスを取り囲む車のボディがはね返す太陽の光の中でもがいている。  車内のじっとりとした熱気と渋滞に苛立つ乗客。        そのいらいらが暑さに拍車をかけてることに気付いてない。   
37 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時24分17秒
「なかなか進まないね」         「ええ」      「喉乾いちゃった」 「今日のラジオもテンション高くとばしてましたもんね」    「そんなにとばしてたぁ?昔より喋るようにはなったけど」   「確に」      信号が青になった。 また少しづつのろのろ運転で動き出す。  
38 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時26分09秒
「前に比べたらすごい違いですね」    「そんなこと言っちゃって、二代目タンポポの時のやつ紺野聴いたことないでしょ」  「ありますよ。石川さんのファンですから」「な…っ」     そんな真面目な顔して言われても。    いつもみたいに冗談ぽくニヤケてよ。   じゃないと私、困る。「嘘でしょ」    
39 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時29分05秒
「ほんとです」    「オールナイトニッポン、矢口さんが聴けって言っても聴かなかったくせに」     「そうですけど。興味があるものは別です」もう。やめて。   今なら間に合うから。早く冗談だと言って。「嘘だぁ…」    私は小さな声で繰り返す。        窓ガラスに映る紺野の表情は崩れない。  
40 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時30分42秒
でも、排気ガスで薄汚れてるガラスの表面に映し出された紺野の姿はとても不安定。  落ち着いてるのか、不安定なのか。    どちらが本当の紺野なのか。どちらも本当の紺野なのだろうか。 会話はそこで不自然にプッツリと切れてしまった。       お互いに他に何も話題がないらしい。   そもそも、私と紺野はユニット外ではあまり会話を交さないのだ。
41 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時37分10秒
小川や高橋、新垣とはそれなりに話すし、相談事を持ちかけられたりでそれなりに親交がある。       人懐っこくて可愛い。紺野は……、    「今度の土曜日、ご予定ありますか?」  紺野は、クールで、心の内をむやみに人に見せないで、正直、なに考えてるのか見当もつかない。      今もその状態。   「土曜かぁ…なんで?」        
42 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時38分35秒
なんで?って口グセに反応して紺野が含み笑いを溢す。     「えっと、もし何もなければ遊園地でもどうかなぁと思って」  「あ〜、行きたいかも」         「チケットはもうありますので。一日遊び放題のパス」     「うーん…。じゃ、行こっかな」     不器用な上に貧乏性な私のバカ。あっさり承諾したものの、後悔。      
43 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時40分56秒
紺野がちらつかせたパスは二枚、つまり二人分しかない。    私と紺野…だけ?  「決まりですね」  紺野はにこりと笑う。「実は、写真を渡すのは口実で、これが本命だったから断られなくて良かったです」  その一言に唖然とする私をよそに、紺野は土曜日の待ち合わせ時間などを話してく。  それも既に決めてあったものなようだ。  見事にはめられた。
44 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時46分15秒
バスはやっと駅前の雑踏付近に到着した。 降り立った私たちを、熱風がお出迎え。  あまり好ましくない。「お疲れ様でした」 「おつかれ〜。気をつけて帰りなよ」   「ええ。石川さんもお気をつけて」    紺野の声は涼しい。この風より好ましい。 「それじゃ、また明日」         「ん。また明日ね」 軽く会釈して背を向け合う。    
45 名前:AとBの関係 投稿日:2003年05月06日(火)22時48分47秒
不思議なこと。一歩進むごとに頭の中の熱が段々と、簡単に冷めてくこと。      今日の私はなんか変。紺野といる私はなんか変。        何気なく、惹かれるように振り返ってみた。人混みを隔てて紺野が私を見送ってくれているのが見えた。   視線がぶつかる。  「あ…」      なんで?      それはすぐさま逸らされた。
46 名前:名無し娘。 投稿日:2003年05月07日(水)17時37分04秒
う〜ん面白い。
改行は気になるって言ったら正直気になりますけど、
話の内容が面白いんで自分的にはALL OKです。
47 名前:nanasi 投稿日:2003年07月03日(木)08時21分45秒
まじで、携帯からでも改行くらいできるだろう。
それぐらいお勉強ください。
できないのなら、その空白作るの見難いの倍増なのでやめて下さい。
あなたのディスプレイ上ではそれで改行されているかもしれませんが
こっちは、まったくもって改行されていません。

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