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約束

1 名前:カヲル 投稿日:2003年06月17日(火)05時54分01秒
はい。冬に失敗し、春に再チャレンジをめざします。
カヲルでございます。

今回は、メインCP、やぐごま。

なにを目的にしてるんだ、お前は、ってな感じに自分に突っ込みを入れながら
書いておりました。

改行めいいっぱい。

定番の警告:まっつん(松浦亜弥ちょむ)が好きな人は見ないほうがいいかな…
でも別にそんなでもないかな、と。

あ、感動物とか期待しないでくださいね?

それ目指して書いたけど玉砕しましたから。

ほんっと、くっだらない話になってしまいました。

でもわがままにより、出したくなってしまいました。
まぁ……軽く読んでくれればいいかなと。
んで、適当に感想なんぞをいただけるとうれしいかな、と。

本気で飼育へのカンパ考えようかなぁ…。

そうすっとバイト…しないとなぁ。

では。
2 名前:カヲル 投稿日:2003年06月17日(火)05時55分34秒
ごとー、ごとーまき、後藤真希。


アタシはここで生まれた。


このライトブルーの水の中で。


後藤はある子のために生まれた。

ある子と恋をするために生まれた。

そうして約束を果たすために。

だから後藤は生まれたんだって。


ごとー、ごとう、後藤真希。


アタシはこれから与えるものになる。


ささげ、愛し、与えるものになる。

与えて、そして、彼女の願いをかなえる物になる。


3 名前:カヲル 投稿日:2003年06月17日(火)05時56分10秒



約束







4 名前:カヲル 投稿日:2003年06月17日(火)05時56分46秒
「やぁ、おはよう。No.125。今日の気分はどうかな?」

水の中、水槽の外から後藤に話しかけてくる人。

笑顔、いつもこの人は笑顔。
楽しそうに後藤を見る。
だけど後藤は笑い返すことはしない、そういうのはこれから後藤が会う予定の人のためにだけとっておけという、
この人の言葉を守るために笑顔は返さない。
そうすることがある意味手になるという話だ。
そう命令されているから後藤は笑顔を返さない。
泣くこと、笑うこと、手を握ること、抱きしめあうこと……それはすべて
これから会う予定の人のためにとっておくべきもの。
そうとも言われていた。


5 名前:カヲル 投稿日:2003年06月17日(火)05時57分31秒
「博士、後藤は後藤真希という名前があります。名前で呼んでください」

後藤はそう答えた。
No.125、この呼び名は125番目にできたものという意味。
後藤は125番目にしてやっと成功した完成体。
だけど、こう呼ばれると、なんだか自分がいくつものなかから作り出された、ただの一つにしか過ぎないのだと
思ってしまうから、だから名前で呼ばれたい。

「そうだったね。キミは後藤真希だ。完璧な模写物。すばらしい出来だよ。私も誇りに思うんだ。」

「………そうですか…」

後藤がそうしてしゃべるたびに泡がたつ。
炭酸水のこの水槽の中、いつもよりもっと大きな泡が立つ。
水の中は心地がよい、いつも霧が立ってるみたいに視界がぼやけてて、なんだかいい感じ。

「…125番目の完成体、後藤真希。ふふっ。すばらしいね?なんて甘美なんだろうね」

「……そうですね」

6 名前:カヲル 投稿日:2003年06月17日(火)05時58分04秒
「…しかしキミはあまりしゃべることをしないね。感情が薄いのかな。」

「…薄くはないと思います。ただ…出すのはとっておけと博士がおっしゃったでしょう?」

「まぁそうなんだけど。ふーむ…そうだな。サーチによれば、これがおそらくあの人間の好みにはまるとのことだから、まぁ問題はないだろうけどね。ふふっ。あと一週間か、本当に楽しみだな。キミが…あの子をとりこにすることが…」

「………」

笑うべきなのかな…博士うれしそうだし。後藤も…。
でもやっぱりがまんしないと。
これから会う人のために用意しておかないといけないんだよね。
7 名前:カヲル 投稿日:2003年06月17日(火)05時59分52秒
あい。こんな感じです。
あ、タイトルにタイトル入れるのわすれた。
…ええと、まぁわかりますね。
んで、とにかくこんな感じではじまった割には、ギャグになってます。
なんだかなぁって感じです。
では。

8 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月19日(木)20時57分18秒
面白そう!!
会う予定の人が気になる!
9 名前:カヲル 投稿日:2003年06月19日(木)21時44分43秒
>>8 名無しさん。
おおうっ。ぜんぜん期待せずにチェックしたもんだからじゅわってきましたわ。
面白そう!サンキューです。
がんばりまっしゅ。
10 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月20日(金)06時20分16秒
やぐごま好きです。
楽しみにしてます。
11 名前:カヲル 投稿日:2003年06月20日(金)12時30分19秒
>>10名無し読者さま
    おいっすぅ。やぐごまお好きですかぁ?
    これはちと毛色が違うやぐごまかもしれません。
    多分。
    名無し読者様のツボにはまってくれるといいですがぁ〜?
    どーだろ?
    んではー。
12 名前:カヲル 投稿日:2003年06月20日(金)23時53分28秒
1週間後。月曜日、出会い。

後藤がガラスの中から出る日。
楽しみ…なのかな。わからない。
別に心はわくわくしないし。
博士は人間は期待感がうまれると、自然と笑顔になったり顔に出たりするものだと言っていた。
だけど…やっぱり顔には出ないや。
無意識に抑えてるのかな?
まぁいい。きっと彼女に会ったときには自然と笑うことになっているのだろう。
そうプログラムされているらしいから。
プログラムっていうか…そう作られているらしいんだ。後藤は。
13 名前:約束 投稿日:2003年06月20日(金)23時54分03秒
博士の用意したブラジャー、パンツ、服を着て、鏡の前にたつ…。

(ふぅん、後藤はこういう顔してるんだ…)

初めて見る後藤自身の顔。
やっぱり笑ってないし、無表情な顔。

口が少し大きいな。目も離れ気味だし、胸、これ…結構大きい方だって博士言ってた。
この顔と身体があの子の心を揺さぶるものになるのかな。

博士、とあともう一人以外の人とは、後藤は直接会ったことはないけど、テレビというもので知らない人
の笑った顔を何度かみたことがある。
口開けて楽しそうだった。
なんだか下品な笑いだなぁとか思ったこともあるけど、でも楽しそうなのはうらやましい。
後藤は楽しいって感情よくわからないから。
それも、あの子に会った時に出すために隠されているのかな。

14 名前:約束 投稿日:2003年06月20日(金)23時54分42秒
ともかく後藤は博士から渡された写真からあの子を探さないといけない。
あの子に対する情報は一枚の写真だけ、そこから彼女を探すのだ。
なぜか博士はそれ以外の情報を一切教えてくれなかった。
博士は完璧な人らしいから、多分それで十分なんだろう。


そして後藤は、研究所から外に出た。







15 名前:カヲル 投稿日:2003年06月20日(金)23時57分51秒
更新終了です。
今現在sageにしようか考えておる状況でございます。
素エロとちゃいますが、ただよぉーく考えてみたら設定がちと…あれかなと
思って。

んで、軽いと思ってましたが、あれ間違い、軽くないです。
ただ今回空白多いんで軽いのかと思ってただけです。
じゃあ重いの?って聞かれるとそこら辺自分でもよくわかりません。
少なくとも感動っていうのとは違うかな、と思います。

まぁ、なんらかの感情を与えらることができたらいいかなー、と。

んで今回出す前にしばらくずーっと考えたんですが、
今回はきっつい指摘もどうぞです。
ここが変だぞー!とかここ読みにくいぞーなどなど。
意味がわかんねぇーとか。

まぁともかく、なんでもいいんでなんかください。
場合によっては出すのやめて削除依頼だしますんで。

クローン(とは少し違うんですが)の問題ちゅうのはいろいろあるようなんで。

では。
16 名前:ブラッククロス 投稿日:2003年06月22日(日)00時02分43秒
気になる設定の話ですね。
こういうのはすごく好きなのでがんがってください。

続き期待してます。
17 名前:カヲル 投稿日:2003年06月22日(日)01時33分57秒
>>ブラッククロスさま
   設定はね、飼育で何気に誤読したのがきっかけです。
   そうですかぁ。お好きならがんばらなくては…!
   なんだかシリアスなんだかギャグなんだかわからないできになってますが。
   とりあえず、がんばります。
18 名前:約束 投稿日:2003年06月22日(日)04時35分56秒
「うぁ…!」

瞬間、ものすごい光が後藤の目を襲う。
太陽ってやつだ、これ。
太陽…これが本物の太陽か。
暖かい匂い…。

「くしゃんっ!」

くしゃみがでた。
太陽を見てたらでてた。くしゃみ…泡立たないんだな。空気に吸い込まれるみたいに…なんでもないみたいに、
自然に飛び出てた。鼻も苦しくない。

19 名前:カヲル 投稿日:2003年06月22日(日)04時36分27秒
そういえば空気ってやつも始めて吸う。
今までは水の中、ずっと泡を立てて、水に溶解した空気を吸っていたから。
こういうところ人間と違うよね。
後藤はやっぱり作られたものってことか。
だけど人間だって神様から作られたものっていうじゃない。
つまり、同じってこと、後藤も人間も違わないってこと。
だから問題ない。


20 名前:約束 投稿日:2003年06月22日(日)04時37分01秒
「はぁ〜すぅ〜はぁ〜」
しばらくそうして外の空気を吸い込んでいると、後ろから誰かの声がした。

「はい。後藤真希さんお久しぶりです」

「…(この声は…?)」



「完璧です。」


21 名前:約束 投稿日:2003年06月22日(日)04時37分40秒
「やっぱこんちゃんだ。」

振り返ってみてみたら、こんちゃん。自転車に乗った紺野あさ美ちゃんの笑顔があった。

こんちゃんは博士の助手。
なにかの理由で学会を追われた博士についていってずっと手助けしていた人。


「こんちゃん、おはようございます」

「はい。おはようございます。いかがですか?外の景色は。」

「うん。悪くないねぇ。なんかいい匂いがするよー。これ…なに?」

「…ん?ああ、これですかね。食べますか?」

こんちゃんは、お芋の蒸したの食べてる。
こんちゃんってお芋好きなんだよね。
いつだって食べてる。
後藤の教育係してたときもいっつもうれしそうに食べてた。
こんちゃんは後藤の教育係、後藤にいろんなことを教えてくれた。
だから後藤もお芋は好き。


22 名前:約束 投稿日:2003年06月22日(日)04時38分31秒
でも今はあんまり蒸したのは食べたくないなぁ。
それに後藤が言ったいい匂いっていうのはこれとは別のものなんだと思うんだけど。


「遠慮しとく。」


「そうですか?残念ですね。夏食べる暖かいお芋というのも、夏飲む暖かいお茶と同じく美味なるものなんですが。」

「ん、でもお腹いっぱい空気吸ったから」

「後藤さんはあんまり食べ物を食さないタイプですからねぇ。ですからそんなに痩せてらっしゃるんですよ」

「…ご飯ってあんまり好きくないんだよ。」

ご飯って食べるとあとでお腹ごろごろするんだ。
お腹がごつごつした感じになって、気持ち悪くなる。
なんでかな、まだ完璧じゃないのかな、後藤は。

「まぁ、それはそれで。そのうち恋をすればたくさんの食欲がわきますよ。
…紺野も恋をしてからお腹がすくようになりましたからね」

そう言ってこんちゃんはウィンクしてきた。
ウィンク、博士もよくやるんだよね。
これは勉強しておかないと、かな。

「ん!」

23 名前:約束 投稿日:2003年06月22日(日)04時39分02秒
だめだ。なんか両目閉じちゃった。


「……………あはははは」

こんちゃん口だけ開けて、目笑ってない。
んー、やっぱだめか。




24 名前:約束 投稿日:2003年06月22日(日)04時39分44秒
ちりんちんりんちりん。


「ん」

心地よい音。

こんちゃんが自転車のベルを鳴らした。
後藤は目をつぶってその音を聞き、そして息を吸い込んだ。

そうするとなんか、気持ちよさがもっといっぱいになると思ったから。
本当になんか気持ち良い、空気…良い気持ち。
目をつぶった後藤の耳にこんちゃんの声が響く。


25 名前:約束 投稿日:2003年06月22日(日)04時40分55秒
「さぁ、行きましょうか?」

「どこへ?」

後藤は目を開けて、そしてこんちゃんを見つめた。
こんちゃんは微笑んで、後藤にこういった。

「あなたの好きになる人に…運命の相手に会うんですよ?」


「ん、うん。」


そうか、運命の相手、やっと会うんだね。
後藤が作られて1年、やっと彼女に会えるんだ。


楽しみだよ。


「はい。この荷台に乗ってください。」

「わかった。」


後藤はそう答え、そしてこんちゃんの指し示した自転車の荷台に乗ることにした。
荷台はクッションがしばりつけられてて、ふわふわ。






26 名前:カヲル 投稿日:2003年06月22日(日)04時45分32秒
はい。今回の更新です。
皆さんの励ましをいただくたびに読み返して書き直していましたが、
んで、結果的に皆さんがどんな感情を抱くであろうか…それを考えた末、
痛い、と。
いう感じです。
そしてこの時点でわかるでしょうが、後藤さんがこれからどんどんカマトトになる、
そしてはっきりやっぱり松浦さんが好きな人には読んでほしくない、と。

どんどん読む人を少なくし、限定しておりますが、そんな感じです。

気楽にです。気楽に、では。

ああ、それからそのうちやばいところに行ったらサゲにします。

そのやり方に効果があるのかわかりませんが、とりあえずそう考えています。
27 名前:約束 投稿日:2003年06月24日(火)00時35分17秒
学校前。





ゲームセンターの前。





飲み屋の前。






28 名前:約束 投稿日:2003年06月24日(火)00時35分56秒
いろんなところを回る。

クッションつきの荷台はいごこちがよくて、お尻は十分痛くなかったけど。
こんちゃんが話しかけてくれるから退屈とかしなかったけど、

でも、なんかいろんなところ回るなぁ。



それになんだかこんちゃんは、いろんなところで自転車を止めるたびに、
「おかしいですね。」とか「困りましたね」とか言って頭傾げてる。


なにがおかしいんだろう?


おかしいのに笑わないの?こんちゃん。



29 名前:約束 投稿日:2003年06月24日(火)00時36分29秒
「困りました。」


「なにが?」


「どこにも見当たらないんですよ。」


「…見当たらない?あの子?」

後藤は荷台に乗ったまま、スカートのポケットに入れたままの写真をさがしだした。

写真、あの子の笑顔が写ってるやつ。




「ええ、困りました。はぁ〜」



それを見つめてたら、前でこんちゃんため息ついてる。


「はぁ〜はぁ〜」


後藤はまた真似をしたくなってそうしてみた。



「……後藤さん、さっきもやりましたね。それ」



「なにが?」



30 名前:約束 投稿日:2003年06月24日(火)00時37分10秒
「さっきはウィンク、今はため息。後藤さんあの人に言われているでしょう?」


「?…なにを?」



「すべての感情はこれからあなたが会う人のために残しておくもの。ですから、大変恐縮ですが、
がまんしておいてほしいんです」

「…うん。ごめん」


「…後藤さんの気持ち、すごくわかります。初めて外に出たんだから、ですからきっといろんなことを
学びたくなったんですよね。」


「?そうかな?わかんない」


「あなたがそうしていつもよりよくしゃべっているのを見ればわかりますよ。ですが…そうですね。
そんなあなたを早く見せるために、すぐにでも彼女を探さないと。」


「うん。」



「今は4時、あと2時間で薬の時間です、その前に見つけることを目標としましょう。」


「はい。了解です」




こんちゃんはそうして、自転車を走らせた。








31 名前:カヲル 投稿日:2003年06月24日(火)00時42分19秒
うぃーす。短いですが今日の更新っす。
もちっとこらえる心を持ちなさいよ、と思いつつ、まぁそれは私事。

某カマトトさんがどーっもうすら寒いボケかましてますがー、とりあえず
こんな具合です。

カマトト抜いた彼女をいちごまヴァージョンで書いて飼育に出させていただきたいのぉ、
と、うすらボケーっと思いました。

まぁ同じ設定で書いたらアイディア薄まるやろうけど。

つうわけで、おやすみなさい。
32 名前:カヲル 投稿日:2003年06月24日(火)00時46分44秒
ああ、言い忘れた。

期待されるといやなんで、言っておきますが。

次回!いよいよ運命のあの人との第一次接触!

いったい某彼女はどんなカマトトボケをかましてくれるのかっ!

夏間近の6月下旬!おこたを出して待ってたほうが無難だぜ!

チェックプリーズ!

では。
33 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時06分49秒
1時間後…。



「はぁ〜はぁ〜はぁ〜」


「大丈夫?こんちゃん」


「は、はぁい♪ぜぇはぁぜぇはぁはぁ…なかなかハードな一日です。
ですが、この紺野、最後の手段としてここにたどりついたわけです」

「最後の手段?笑ったの?」

「それは後藤さんの最後の手段です。ちなみに泣く…いえまぁいいですね。雑談はこのくらいにして、とにかく、
今私たちはこの場所にたどりついたわけですね」

こんちゃんの振り返ったその言葉に、後藤はあたりをきょろきょろと見回した。

なんか車ってやつががーがー通るすごい道の横に後藤たちはいる。
そして目の前にはでっかな建物。
灰色のビルってやつ。


そこへときおり人が入っていく。


34 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時07分23秒
「なぁかなか、豪勢なビルです。うちの研究所もこれぐらいだと寂しくないのでしょうが」

「3人で住んでるからねぇ。でも地下はこれぐらいだね」

「ええ、まぁ…さてと、乗り込む…必要もなさそうですね。しめしめ」

「んーあー?」



こんちゃんは後藤の前のサドルの席で、肩をゆらゆらと上下させてる。

後藤が後ろからこんちゃんの顔を覗き込むと、こんちゃんはなにかを指差した。


指差した先、そこには3人の人間がいた。


人間、後藤とちょっと違うもの、がいた。




35 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時07分53秒
「なぁかなか、豪勢なビルです。うちの研究所もこれぐらいだと寂しくないのでしょうが」

「3人で住んでるからねぇ。でも地下はこれぐらいだね」

「ええ、まぁ…さてと、乗り込む…必要もなさそうですね。しめしめ」

「んーあー?」



こんちゃんは後藤の前のサドルの席で、肩をゆらゆらと上下させてる。

後藤が後ろからこんちゃんの顔を覗き込むと、こんちゃんはなにかを指差した。


指差した先、そこには3人の人間がいた。


人間、後藤とちょっと違うもの、がいた。




36 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時08分31秒
「ったくさぁ〜最近の米事情もなによ?あいかわらずだよねぇ〜」

「矢口さん矢口さん、意味わかって言ってるべ?」

「カオリとしては、最近、オゾン層の切れ目が日本にあるんじゃないかとだね。まさに運命的だね」

「「意味わかんなーい!」」

「いや、酸性雨は恐怖の大王なんだとね。」

「「ますます意味わかんなーい!」」


「………」

37 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時09分05秒




「やぐっつあんってやつだ!」




38 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時09分41秒
やぐっつあんってやつ。
後藤の持ってる写真のあの子だ!

「あ、後藤さん!いきなりでは計算が!」

後藤は自転車の荷台から飛び降りて、後ろから聞こえてくるこんちゃんの言葉なんて
気にせずにやぐっつあんとかいうやつに近づいた。

走って走ってやぐっつあんとかいうやつに近づく。

だけど。

たったったっ…すべっ!!

39 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時10分13秒




「へぶしっ!」



40 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時10分54秒
「「「……あ?」」」

後藤は、やぐっつあんとかいうやつに走りよった途中ですっ転んだ。
顔が…ひたい。
口…打った。

ひたいひたい、ひたいよ〜。

で、でもやぐっつあんとかいうやつに近づかないと。

立たないと。

「あ〜、今まで何時間も歩かなかったのだから当然ですよ。しかも後藤さんの場合は…」


こんちゃんのそんな声が聞こえたけど、それでも後藤は懸命に足を使い、手を使い、立ち上がろうとした。

すべっすべっすべっ。

だけどなんか手がかくかく言ってちゃんと地面を押さえてくんない。

「手も同様ですよ。」

41 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時12分26秒
またこんちゃんの声。

なんだか後藤は情けないって感情がわかるって気がしてきたとき、
うつむいていた後藤の視界に変な靴が見えた。
後藤たちが履いてるのと違ってなんかでっかいやつ。


「はい。」

後藤は顔をあげる。
そうして顔を上げると、最初は足、次は手、そして一番上には金色の髪があった。

金色の髪の持ち主の顔は笑ってて、そして手は後藤に差し出されたものだった。

「………」

後藤はだまって差し出された手を見上げた。
そしてその金色の髪の持ち主、やぐっつあんとかいうやつの顔を見つめた。

「はい。」

「…やぐっつあんとかいうやつ。」

「ん?なんだ?」


後藤はその手をどうすればいいのかわからずにいた。
やぐっつあんとかいうやつ、笑顔、金の髪、小さな顔、唇。
なんか全部キレイ。


金の髪、夕方の太陽に輝いてる。

きらきらきら、輝いててとてもキレイ。

そうか、これがやぐっつあんとかいうやつ、写真で見るよりとっても魅力的。
やぐっつあんとかいうやつ、なんか見てるだけでドキドキする。

42 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時13分29秒
「後藤さん、手をとるんです。その場合は手をとれとの達しです。」

こんちゃんの声、手をとる…。

「どうやって…?」

手をとる…?どうやればいいの!?

どうやって!?どうやって!?

抜けないよ。抜けないよ!?

後藤はこんちゃんに言われたとおり、自分の手をめいいっぱいひっぱった。

でも抜けない。どうやれば手をとれるんだ!?

43 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時14分24秒
「なにやってんの?………顔がすごいよ。砂利だらけ」

「…?」

やぐっつあんとかいうやつは、後藤の顔に両手を伸ばしてそしてはらはらと砂利を取り払ってくれた。

「…うぁ〜…!」

やぐっつあんとかいうやつに顔を触れられた瞬間、後藤の頭はものすごいくらいにわけわかんなくなって…

そして目の前がピンクになって…そんで…。
44 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時14分56秒





「ひゅぅ〜るりぃ〜〜〜」




45 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時15分36秒




気を失った。


46 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時16分34秒
「なっ!?ちょ、ちょっとあんた!!」

やぐっつあんとかいうやつの声、かわいい声。

かっこいい声。

とっても…とっても…素敵。

「後藤さん!?後藤さん!?…ナイスです!ナイスチャンス機能到来です!
勃発クレイジーアフタヌーンデリシャスです!」


こんちゃんの興奮した声、後藤をなぜか褒めてるらしいその声。
相変わらずこんちゃんの言葉はわけがわからないなぁと思いながら、
それは後藤が人間とはやっぱり少し違うからなんだろうなって思った。


思いながら、目を閉じた。



47 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時17分04秒



………。







48 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時24分07秒
まぁ…生まれて初めて外に出たわけですし。

んなことはどうでもよく、今日飼育回って気づきました…。

冒頭の文句は……ぱくってました…………。

誤読かと思ってたらまんまぱくりでした…………。


すいません。

でもここんところ今後も表現の手段として使ってしまっているので
直すのは…ちと…すまそ。

ああ、ちなみに「ごとー、後藤、後藤真希」ってところです。
すいません、青板の…あのお方。
悪気はなかったんです!悪気以前に自信満々に
「へい。おいらはこんなことを連想したんだぜ!へい!ありがとうなぁ!」
などと思って書いておりました。
最低です。すいません。


49 名前:約束 投稿日:2003年06月25日(水)02時38分04秒
はい。35は二重投稿と…。
ごめんなさい。
50 名前:青の人 投稿日:2003年06月25日(水)02時49分18秒
初めまして、たぶん私のことだと思うんですが
言われて今気付いたといいますか…、カヲルさんの作品は
前から読ませていただいていたのでむしろ「おぉ!」と感動していたりします。
ですので全然お気になさらず、わざわざ言ってくださってありがとうございました。
続き楽しみにしてますんで頑張ってください。
51 名前:カヲル 投稿日:2003年06月25日(水)03時47分41秒
うぉっ、うれしいっ!
ありがとうございます。多分青の人さま、あなただと思います。
ほんまにすいません。あとで確認したつもりだったんですが、
書きたいっちゅうエゴが出て勘違いしてしまったんだと思われます。

でも本当に感謝しています。あの言葉で私は一つ話を思いつくことが出来たんですから。
それが…まぁどんなものだとしてもそれは私の責任であって気にしないでください。
気にしないっつうのと…すいません………怒らないでください。

ちなみに丁度さきほどまで、青の人さまの小説を読ませていただきました。
その後飼育の扉見た後、まっつんええ〜のぉ、これはあれやなぁ、
あのご作品のおかげなんやろなぁ〜と思いました。

あと、前の作品の反省により今回は改行を入れてみたんですが、
逆に青の人さまの作品を読んでて、改行入れないほうがよかったんじゃん?
とか思いました。

つまり…そっちのほうが読みやすいじゃん?

と…。

ころっころ意見が変わってますが、でも、とにかくお言葉ありがとうございます。

これからも読ませていただきたく思います。

では。
52 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月25日(水)15時55分15秒
やっばい!!かなりの勢いで萌えた!!
何から何まで萌えた!!
これからが楽しみです。
53 名前:カヲル 投稿日:2003年06月25日(水)17時54分31秒
>>52名無しさんさま
  え?マジ?
  …どこで?
  んー、いや、でもありがとうございます。
  何から何まで、ですかぁー、これからも名無しさんさまの萌えのツボに
  ぴったりくるといいんですが。
  では。
 
54 名前:ブラッククロス 投稿日:2003年06月26日(木)01時04分56秒
更新おつでした。
やっとあの人に会えたようで何よりです。
( ´ Д `)<…やぐっつあんとかいうやつ。
(〜;^◇^)<ん?なんだ?
このまがなんか好きw

次回も期待しております。
55 名前:カヲル 投稿日:2003年06月26日(木)02時07分06秒
>>ブラッククロスさま
   レスありがとうございます。
   ええ、やっとって感じかもしれません。
   その部分ですか?
   そういう風に箇所を指摘してくださると、勉強になっていいです。
   ありがとうございます。
56 名前:カヲル 投稿日:2003年06月28日(土)02時45分58秒
「……あれやな。事件のたびに呼び出されるうちのこの忙しさや…ってやつやな」

「しょうがないじゃん。さすがにこんな事態カオリも初めてでさぁ。」

「矢口がこんなことするのめずらしくないべか?」

「なんで?矢口そんなに冷たい子?カオリ矢口はやさしい子だって思うけど。」

「いんや、確かに矢口は優しい子だべ?だから目の前でこけた子に手をさしだすってのはありえるけど、
けど、わざわざ楽屋にまで運ぼうっていうのはおかしいと思うっしょや?ねぇ裕ちゃん?」


「んー、そうやねぇ〜」


57 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時46分39秒
…なにかの声。
何人かの声。


後藤の耳に届いてくる。

でもやぐっつあんとかいうやつの、あの声は聞こえてこない。

あの声、聞きたい。

あの鼻にかかったやさしい声、あの声を聞きたい。

後藤はうっすらと目をあけた。


「あ、気がついた…!」

目を開けた後藤の顔を覗き込むように見つめながら、やぐっつあんとかいうやつがほっとした顔してた。

58 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時47分19秒
「んー?っしょや?」

「…後藤真希、17歳。胸のサイズ…」

「っしょや?」

「違った…これはやぐっつあんとかいうやつにだけだった」

「っしょや?」

知らないみんなの不思議そうな顔。
そうだ。ここで言うのはまずいんだ、やぐっつあんとかいうやつが、
知りたいなって照れくさそうに言ってきたときだけ
後藤も照れくさそうな顔をしてそう答えるんだった。
博士の教えてくれたことだ、守らなきゃ。

「…と、とにかく、キミ大丈夫?」

59 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時47分55秒
「…やぐっつあんとかいうやつ。おはよう。」

「………とかいうやつ?」

「あんた、『とかいうやつ』はないっしょや?矢口はあんたを助けてくれたんだべ?」

「そうですよ。後藤さん、ありがとうを忘れています」

こんちゃん、こんちゃんの言うことも博士と一緒で正しい、聞かないと。

「ありがとう。やぐっつあんとかいうやつ」

「なんや、天然か?それとも何気にジャニファンってやつか?」

「ああ、矢口に敵意があるとか?それで『とかいうやつ』を?そうか、さすが元リーダー、カオリもがんばらないと」

「違うよ。……背の高いロンゲの人。」

60 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時48分59秒
後藤はやぐっつあんとかいうのに敵意はない。
だいたいジャニってなに?

「…じゃあ何だべ?あんたなんでなっちたちの前で転んだりしたべ?」

「……後藤は生まれてから今日初めて歩いたからだよ。だべだべっしょやとかいうやつ。」

「…ああ?だべだべ?っしょや?…なに言ってるべ!あんたなっちに喧嘩売ってるべか!?
その無表情が余計むかつくべ!!」

だべだべっしょやとかいうやつは、後藤に向かってすごい顔で腕まくりしてる。
そんなに怒ることないじゃん。
だってさっきから、だべだべ、っしょやって連発してるから、名前なのかと思ってさ。

「ま、待ちなって、なっち、きっとこの子頭打ってちょっと混乱してるんだよ。
『とかいうやつ』ってのは口癖なんだろ?」

「なんだべ?矢口この子かばう気だべか?だいいちどういう口癖だべかっ!」

「べ、別にそういうわけじゃないけどさ。あるかもしんないだろ、そういう口癖も…。」

「矢口さんは恋をしはじめているんですよ」

「「「「…は?」」」」
61 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時49分31秒
こんちゃん、やぐっつあんとかいやつは恋?恋をしてるの?
誰に?誰にしてるの?

「いえ、いや、このタイミングでは外してますね。いや、紺野ことベリーサイエンス紺野の先走りです」

「「「………」」」

「なんだべかなぁ?さっきから思ってたけど、この子誰なの?」

「ええ、先ほど申しました。紺野あさ美こと、ベリーサイエンス紺野あさ美です。
あ、これ名刺です。ちなみに裏を見てもらえればお分かりのとおり、私たちこと、
ベリーマッドサイエンティスト紺野あさ美と、ベリー無表情後藤真希は、住むと
ころが犬小屋となっています。かなしいですね?矢口さん」

62 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時50分01秒

後藤…ベリー無表情?

63 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時50分35秒
「…い、いや。悲しいっていうよりそれうそでしょ?」

「いいえ、犬小屋です…どう思いますか?矢口さん」

「や、いや…信じられないし。」

「悲しいですね………ですが……この犬小屋の住所、あなたのお隣の家に住む、
宮川要さんの住所なんです。…お近くですね?矢口さん」

「……げ、本当だ!?」

やぐっつあんとかいうやつは、こんちゃんから差し出された名刺を裏返しにして
その中の文字に目を走らせてからそう言った。

「つうか、犬小屋住まいに住所書くのもなんだと思うべ」

「ええ、どうかと思われます。それに犬小屋は鍵がつけられませんからね。空虚なドアらしきものがぽっかりと。
そんなところに若い子二人。どう思います?矢口さん。」

64 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時51分11秒
「い、いやマジなら危険…かな。」

「ええ。二人だとかぁなり窮屈でもあってねぇ。宮川さんも毎晩……後藤さん後藤さん…。」

ぼけーっとこんちゃんとやぐっつあんとかいうのの話を聞いていた後藤に、こんちゃんが肘鉄をくらわしてくる。

後藤は、はっとして…そのまま。

「んあー、冬は寒い、夏は暑い。クーラーが知りたい。泥棒は怖い。骨は硬い。宮川さんは実は犬が嫌い。」

なんか知らないけど、言葉が出てた。
こんなにいっぱいしゃべったの今日が初めてだ。

「と申しております。矢口さん」

「い、いやだから、なにが言いたいの?」

「端的に言います。あなたの家に住まわせてください!」

そしてこんちゃんは、やぐっつあんとかいうのの足にしがみつくようにしゃがみこんでる。
後藤もなんか知らないけど、その気はなかったのに同じようにしていた。
65 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時51分44秒



「「住まわせてください!」」


66 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時52分17秒
「こ、これは警察呼んだほうがいいんじゃないべか!?」

「そうだなぁ。これはなんかヤバイ二人だよ。とりあえずカオリの携帯から…!」

「警察は勘弁してくんろ!うちら二人経歴に傷がつくとあとあと困るねん。なぁ矢口さん助けてくんろ!!」

「やぐっつあんとかいうやつ助けてくんろ!」

「……い、いや、でも…」

「やぐっつあんとかいうやつ……!」

なんでか知らないけど、後藤はやぐっつあんとかいうやつの困った顔を見てたら、
悲しいって気持ちが湧き上がってきて、そして涙ぐんでいた。
目がうるうるしてて、なんかうっとおしいけど、なんかすごく悲しかった。
やぐっつあんとかいうやつに見捨てられるのがとても悲しかった。

67 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時52分48秒
「な、泣かないでよ。うーん…」

「や、矢口!?まさか!?あんた悩んでるんと違うっしょや!?」

「カオリ信じられない…こんな怪しい二人を…マジで!?矢口病気!?」

「……うーんうーん。裕ちゃんどう思う?」

やぐっつあんとかいうやつは、さっきから後ろで黙って腕組んでた裕ちゃんとかいうやつに話しかけてた。

「…まぁええんとちゃうの?」

「「は!?な、なんで!?どうして!?」」

みんなの声があわさってる。
だべだべっしょやさんが一番信じられないって顔だ。

68 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時53分22秒



「まぁええやろ。住んでんのが犬小屋ってのは信じられへんけど、
まぁ…なんつうの?なんやおもしろそうやん?」


69 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時54分10秒
「…な、なにをいいだすべ!!??裕ちゃん!そんなことして矢口の身になにか起こったら!!」

「…そやけど、この子ら女の子やろ?大丈夫なんやないの?やけどこれだけは教えてくれる?
ジャニファンってのはマジ違うんやな?」

「……ジャニファン?はっ、なんですか?ジャニというのは、ジャリガキの短縮形でございますか?!
おーほほほっ!」

こんちゃんは、手を広げて首を振りながらそう言ってる。
なんだろう…なんかこんちゃんってやっぱり頼もしいと思った。

「…ん、決まりやな。あのジャニファンに対してこんな危険な言葉吐くのは、ファンやない証拠や。
つうわけで矢口、お前頼んだで」

「……ん。」

「裕ちゃん!矢口!!」

「大丈夫やって、なっち。あんたの恐れてる展開にはならんて、こんなおかしな二人に矢口が…」

「うぁーー!裕ちゃんそれ以上言ったらなっち怒るべよ!」

70 名前:約束 投稿日:2003年06月28日(土)02時54分45秒
「わぁったわぁった。んじゃ、宮川さん家の犬っころ二人、とりあえず矢口にバカな真似したら…」

「…はい。それはもうはっきりと誓わせてもらいます」

裕ちゃんとかいうやつの、目がきらりと光ったのを見て、こんちゃんは震えながら深々と頭を下げた
…でも下から覗き込んでいた後藤の目には、なぜかこんちゃんの口元がゆがんでたような気もする。
なんでかな?ピースサインしてるのはなんでかな?

「裕ちゃんあれだよ。信じてないとか言ってるけど、犬小屋ってところにびびってきたんだ。
…この二人が捨てられた犬に見えたんだ。…ハナちゃんじゃないのに…。」

背の高いロンゲがなんか言ってた。




71 名前:カヲル 投稿日:2003年06月28日(土)02時55分54秒
はい。今回の更新終了です。
72 名前:カヲル 投稿日:2003年06月28日(土)03時05分25秒
皆さん口がお悪いです。すいません。
73 名前:カヲル 投稿日:2003年06月28日(土)03時18分20秒
い、言い方がまずかった。”ここ”の後藤さん方が、ですね。
周りの方々に喧嘩売ってるわけではないです。
74 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月28日(土)22時05分14秒
紺野さんの急激な態度の変化にやられ申した。
75 名前:ブラッククロス 投稿日:2003年06月28日(土)23時25分52秒
更新お疲れっす。
( ´ Д `)<だべだべっしょやとかいうやつ。
この流れ、いいですなぁ、ウチには考えつかへんです。
企む川o・ー・)も好きっす。
面白そうだからって許してしまう从#~∀~#从・・・

これからも期待いたしております。

76 名前:カヲル 投稿日:2003年06月28日(土)23時50分54秒
紺野さんの急激な態度の変化にやられ申した。

>>74名無しさんさま
  ここの紺野さんはいろいろな人格をかねそろえておるのです。
  とにかくいっぱい…。
77 名前:カヲル 投稿日:2003年06月28日(土)23時55分00秒
>>75ブラッククロスさま
(お互い)お疲れっす。

流れ…いいっすか?むー、これから後藤さんは更なる口の悪さに進む、かも。
まぁ、天然っすからぁ〜、許されるかのぉ〜?なんて…。
後藤さんだしぃ〜。

紺野さんはある人が出てくるまでこんな感じです。

中澤さんは今がんばっておりますねぇ(27時間TVにて)、もちっと発言してほしい!
って関係ないことやん!
中澤さんなら、おもしろさがすべて…とか思いそうだと、後やはり犬に見えた…と。

>これからも期待いたしております。
あい。がんばりまっしゅ。
78 名前:カヲル 投稿日:2003年06月28日(土)23時59分53秒
>>75ブラッククロスさま
はい!(お互い)お疲れっす。

流れ…いいっすか?子供っぽい発想ですけどねぇ。
後藤さんはこれから更なる口の悪さに…突入する、かも?

紺野さんは今後ある人が登場してくれるまでこんな感じです。

中澤さん今がんばっておりますねぇ(24時間TVにて)もちっと発言してほしいですが。
つるべえはん、そろそろ中澤さんを呆然とさせてくんろっ!
って関係ないことを…。

中澤さんは面白いことが大好き…!あとやっぱ犬に見えちゃったんですねぇ〜。

>これからも期待いたしております。
あひ。がんばりまっす。
79 名前:カヲル 投稿日:2003年06月29日(日)00時01分26秒
ばかん!二重投稿してしまいました。
しかも微妙に内容が違うやないの!
は、恥ずかちぃ…。

80 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時45分31秒
それから、後藤とこんちゃん二人は、やぐっつあんとかいうやつと一緒に楽屋を出て、
そしてタクシーでやぐっつあんとかいうやつの家に帰ることにした。



タクシーの席では真ん中をこんちゃん、左にやぐっつあんとかいうやつ、右に後藤、そういう順番で座っていた。
後藤は、タクシーの窓から見えるいろんな景色をぼーっと見つめてたんだけど、何分間かそうしてたら、
こんちゃんが後藤の服のすそをつかんでひっぱってきた。


「後藤さん、矢口さんの顔をさぁ見ましょう」

後藤は言われたとおりにやぐっつあんの顔を見つめる。

81 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時46分26秒

「矢口さん矢口さん。どうですか?」

「ん?どうって?」

やぐっつあんは、左側の窓から外を見てたけど、こんちゃんに呼ばれて顔を後藤たちに向けた。

「なかなかデリシャスな顔でしょ?矢口さんの好みのタイプといえますでしょう?」

「……………」

やぐっつあんとかいうやつは、後藤の顔をじっと見つめてる。

後藤はやぐっつあんとかいうやつの顔を見返していた。


「ほほぉ!なかなか良い空気ですね。どうなんですか?矢口さん。ずきゅうんときますか?」

「………ま、まぁ悪い顔じゃないと思うけど」
82 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時47分39秒


「!」

83 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時48分15秒

「おいっすぅ!つまり好みのタイプかと?」

「…や、ま、まぁそうかな。とりあえずタイプ…かもしんない。」

84 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時48分45秒


「!!」

85 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時49分21秒

後藤はその言葉に胸がぽぉわぁ〜んとした。
すごく幸せな気分が充満してくる。
なんだろう、なんだろうこれ!
すごく…すごく幸せな気分だ…。

話はそこで終わったけど、後藤はさっきよりももっと楽しい気分でタクシーの窓から外を見ることができた。
見てるとこんちゃんが手を握ってきて、それを後藤もぎゅって強く握り返した。



「やったね!後藤さん!」

小声でこんちゃんがそう言ったのが聞こえて、後藤も小さくうなづいていた。




86 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時50分17秒
やぐっつあんとかいうやつの家。



「はぁ〜。とにかくなんか飲む?」

やぐっつあんとかいうやつは、後藤たちに座布団とかいうやつを差し出してきたので後藤とこんちゃんはそこに座った。
やぐっつあんとかいうやつ自身はソファに座っている。

「はぁ。芋茶などを少しばかり」

「芋茶?…ってなに?」

87 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時51分36秒

「知らないんですかぁ?じゃあ芋ください。芋。それを茶にひたして芋茶にしますから」

「あ、ああ、そう。…あったかなぁ。…んでそっちの…ああ〜後藤さんだっけ?なにがいい?」

「水がいい。」

「水?んー、ミネラルウォーターは今切らしてるんだけど」

「後藤あれがないと死ぬ。」

「し、死ぬ!?ってなに?」

「死ぬってのは、息を…もがもがもが」

こんちゃんが後藤のほうに飛びすさってきて、そんで後藤の口をふさいできた。

88 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時54分03秒

「あいやいやー!死ぬほど水が好きって意味ですよー!」

笑顔だ…なにかごまかすときのこんちゃんの笑顔だ。

死ぬって単語はあんまり使っちゃいけないらしい。
気をつけよう。

「わ、わかった…んじゃ買ってこようか?」

「チャーンス到来、胸どきり!あなたの幸せまだ来ぬ気持ち!とりあえずお二人で買ってきてはいかがですか?」

「え?な、なに?今の?」

「いえ、単語です。それはともかく、とりあえず二人で買い物してきてください。ついでに芋を買ってきてください。
あれがないと私の場合も死にますから」

なんだよ。こんちゃんだって死ぬって単語使ってるじゃん。

じゃあ別に使っていいのかな?

「ほら、後藤さん!」

89 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時56分19秒

「んあ?…チャーンス到来、胸どきり…んあーんあー、なんだっけ?こんちゃん?」

「ちゃ、ちゃうちゃう。そっちやなくて、とにかく、二人で…!」

「んあー、つれてってくれる?やぐっつあんとかいうやつ?」

後藤は小首をかしげてソファにいるやぐっつあんとかいうやつにたずねた。

「ん、いいよ。んじゃ行こうか?」

「うん!」


後藤は、やぐっつあんとかいうやつのうしろについていくことにした。

「後藤さん、とりあえず手を握りましょう。いいですか?とるんじゃなくて握るんですよ?」

とやぐっつあんとかいうやつが、服を着替えている間にこんちゃんが言っていた。
とりあえず手を握るか……………寿司職人?






90 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)15時58分05秒





「ええと、とりあえずミネラルウォーターと…エビアンでいいよね?」

「炭酸入りがいい」

「炭酸入り?…マジ?」

「はい。炭酸入りじゃないと後藤死にますから」

さっきの死ぬって単語がまずいとすれば、敬語じゃなかったからだ。そう思って敬語にした。
それにあのころの水は炭酸入りで泡がいっぱいのやつだったから、だから後藤が炭酸入り飲まないと
死んじゃうのは事実だ。

「……っとに変な子だなぁ。まぁいいけど。お酒のコーナーにはあるからそれでね。んじゃとりあえず炭酸入り、
と。あと芋か。芋も食べないと死ぬんだよなぁ。やっばいよなぁ〜この二人。」

「やぐっつあんとかいうやつは、なにがないと死ぬの?」

「ん?おいら?んーそうだな。愛、なんつって。」

「愛…後藤があげるもの…」

そうつぶやいた。

「は?なに?」

「なんでもないよ。」

「ふぅん」


そうしてやぐっつあんとかいうやつは、お酒のコーナーに向かっていった。




91 名前:約束 投稿日:2003年06月29日(日)16時06分07秒
今回の更新終了です。
私のが一番長さ使っとる…………どないしよー。
92 名前:カヲル 投稿日:2003年06月29日(日)16時06分57秒
生意気にもレス流しをやってみる。
93 名前:カヲル 投稿日:2003年06月29日(日)16時08分50秒
レス流し2回目。
とりあえず次回はもちっと行をそろえるようにしてみます。
忘れてるかもしんないけど。
94 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時02分46秒
「蝉…も夜は元気なし、か」

「蝉?蝉ってなに?」

「え?知らないの?蝉ぐらい知ってるだろ?」

コンビニからの帰り道、やぐっつあんとかいうやつがつぶやいた言葉に後藤は質問した。
なんだか今はすごく蒸し暑い、太陽がないのになんでこんなに暑いんだろうって
思ってたときのやぐっつあんとかいうやつの言葉だった。

「知らない」

「…そう…まぁ蝉ってのは夏に一週間だけ現れるうるさいやつのことだよ」

「変な人だね」

「い、いや人じゃないよ。人じゃなくて虫。虫…ぐらいわかるよね?」

「…知ってるよ。虫、小さくて硬くて、なんか変なカクカク」

95 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時03分17秒
テレビで見たもん。

そんで博士にこれはなんですか?ってたずねたら、これは虫だよ…って。
そんで、かぶと虫ってやつを見せてくれた。
硬くて小さくて、そんでカクカクスベスベなやつを見せてくれた。

「そ、まぁそんなもの。矢口苦手なんだよねぇ〜」

「蝉も苦手?」

「ん、触るのも見るのも勘弁。」

「触る?…じゃあ後藤に触るのは?」

「え、だって…後藤さん………」

後藤は隣の、すぐ近くにあるやぐっつあんとかいうやつの手をそっと握った。
やぐっつあんとかいうやつは、その後藤とやぐっつあんとかいうやつ自身の手を少し見下ろしてからそれから、
頭をかいてた。

96 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時04分28秒
「………なんだかなぁ〜。今…」

「なに?やぐっつあんとかいうやつ。」

「いや…なんでもない。それよりさぁ、とりあえず」

やぐっつあんとかいうやつは、一瞬後藤のことをちらりと見て、
それから…真っ暗な空を見上げた。

「さっきから思ってたんだけどそのやぐっつあんとかいうやつ、
はやめてよ。矢口にしてよ。」

「…矢口?下の名前は、真里だよね?」

後藤知ってるよ?矢口真里さん。
でもやぐっつあんっていうやつ。

「ん、そう。真里。どっちでもいいよ?なによりとにかく『とかいうやつ』は抜いてくれる?
癖なのはわかるんだけどさ、なんか、気になるから。」

そうか、『とかいうやつ』はいやか。んじゃ抜こう。


97 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時05分13秒
「じゃあやぐっつあん。」

「よし。OK。」

そう言ってやぐっつあんは笑った。
だから後藤も笑った。
そしたらやぐっつあんは一瞬なんだか目を見開いてそして後藤を見つめた。

「……な、あぁんだかなぁ。さっきからなんかおいら…いや…なんか…」

やぐっつあんはじっと後藤の顔を見てる。

「んあ?なに?やぐっつあん」

「い、いや、別に。それより後藤さんそろそろ、行こうか…?」

「んーあー。あ、そうだ。」

「なに?」

「ねぇ、やぐっつあん、後藤に『さん』つけるのはやめて。」

98 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時05分49秒
「へ?」

「後藤に『さん』つけないで、なんか悲しいから」

「なんで?なんでそんなことが悲しいの?」

「うん。なんでかわかんないけど悲しい。だから『さん』つけないで」

「ん、…わかった。んじゃ後藤」

「はーい!なんだいやぐっつあん!」

後藤は笑顔を浮かべてそういった。

「いや。ただ呼んだだけ」

「?」

後藤は首をかしげてやぐっつあんを見つめた。
そしたらなぜかやぐっつあんはぷって噴出してきた。
後藤の顔がおかしかったのかな?

99 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時06分56秒
「あははははっ。ただ呼んだだけだよ。…よし、じゃ、芋も買ったし
炭酸入りミネラルウォーターも買った。早く帰ってクーラーつけよう?」

「…ん」

そうして、後藤とやぐっつあんは夜の真っ暗な道を歩いた。

本当は…暑くてもいいからやぐっつあんとこうしてしばらく
手を握っていたかったけど、やぐっつあんが暑いのはいやだって
言ったからやめにした。

やぐっつあんの嫌なことは決してしてはいけないって…博士が言ってたから。
それに後藤も…なんだかしたくなかったから。
100 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時08分56秒











2日目。火曜日、介入者。



ぴんぽーん♪ぴんぽーん♪

「…くぅすぅ〜くぅすぅ〜」

「芋…芋…芋…」

「んあーんあーんあー」

ぴんぽーん♪ぴんぽーん♪

「くぅ〜すぅ〜くぅ〜すぅ〜」

「芋はどこ!?芋はどこ!?」

「んあーんあーあんあーんあー」

がちゃ。

「…………」

とたとたとた。

101 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時09分27秒
「んあんああんあんあんー」

「ふぅん、こんな寝言言うんだ?な…ごっちんは。」

「……んあーんあんあんあんー。」

「喘ぎ声…まぁ似てるといえば似てるかな?んで、とりあえずやぐっつあんはどーかなー?」

「くぅ〜すぅ〜すぅ〜くぅ〜」

「相変わらず小動物的だねぇ。」

そろりそろり。

「すぅ〜くぅ〜すぅ〜。」

「やぐっつあんやぐっつあん、お鼻は痒くないですかー?」

こちょちょこちょこちょ。

「ん、んん、くしょんっ!」

102 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時10分56秒
「きゃははははっ!堰したどー!…っと、まぁ、とりあえず…作戦をいたしましょう。」

ぽ〜い。

こつんっ。

「…んあ?」

後藤は夢の中から目がさめた。
おでこになんかあたったからだ。

後藤は目の前で抱き合っていたこんちゃんの寝顔から顔をそらして、ソファの上から床を見た。

やぐっつあんの家には布団が一組しかないってことだから、こんちゃんとソファで眠ったんだ。
ソファとかいうやつは眠るためのものじゃないらしいけど、でっかいから抱き合えば二人で眠ることができた。
二人で下になって上になって寝た。「じゃんけんして決めますか?」ってこんちゃんは言ってたけど、
でも後藤のほうがでっかいんだから後藤が下になってこんちゃんを抱きしめて寝た。

103 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時11分54秒
こんちゃんは今、気持ちよさそうに眠ってる。
教育係のこんちゃん、こんちゃんとこうして寝るの初めてだ。
後藤はこんちゃんを起こさないように、そっと彼女をどけた。


んで、下にあるものは、と?
これ…小石だ。
ソファの下には小石が落ちてる。
誰かが投げて後藤のおでこにぶつけたんだなぁ。
やぐっつあんかな?


そう思ってやぐっつあんの眠ってるベッドのほうを見つめた…。

「んあー?」

104 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時12分31秒
…やぐっつあんは眠ってる、だけどその上に覆いかぶさるように誰かがいて、
そしてその人はやぐっつあんに顔を近づけて、そんで後藤のほうに指をくいくいとしている。

「………?」


後藤はその様子をしばらくじっと見つめていたけど…。

ピーピーピー!

「んあ!?」

頭の中からなんか変な音が聞こえてきた。

後藤はその音を聞いたとたん、

「やぐっつあんの危機です。やぐっつあんの危機です。今やぐっつあんに接吻しているものを削除せよ!」

と叫んで、やぐっつあんに走りよっていた。

105 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時13分38秒
ずどんっ!

「ったぁ〜!」

そしてやぐっつあんの上に覆いかぶさっているものをぶっとばし、やぐっつあんに近づいた。

「やぐっつあん、やぐっつあん。………んちゅー」

それからなぜかやぐっつあんに顔を近づけていた。


やぐっつあんが接吻されそうだったのを見て、そんでそいつを押しのけてやぐっつあんの顔を見たとたんそうしていた。

「…接吻………んちゅー」

106 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時14分37秒
ぱちっ!

「…ん?…ああ!?」

やぐっつあんが目を覚ましたらしい。
なんだかびっくりした顔をしてるみたい。
けど後藤はそのままやぐっつあんに顔を近づけた。

「んちゅー…」

「や、やめ!?なにするんだよ!?後藤!!」

やぐっつあんは後藤の顔を押しのけて暴れてる。

「接吻だよ。接吻をしようとしてるんだ。やぐっつあん…」

「そ、そういうことを聞いてるんじゃない!とにかく顔を離せっての!」

「いや?後藤と接吻するのいや?」

「うぁ…いや、そういうことじゃなくて、そ、そのうるんだ目やめてよぉ〜!」

「…いやじゃないなら、する…!」

「だ、だからやめ!まだ早…!」

パチパチパチパチィ〜!


107 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時22分41秒


「え?」

「んあ…?」

「すばらしい!すばらしいできだよ。ごっちん」

「んあ?あれ?博士?」

拍手してきたのは博士だった。
じゃあ後藤が突き飛ばしたのも博士なんだ。
博士はにこにこ笑顔で後藤たちを見てる…なんか…後藤恥ずかちぃ。

「ザッツオーライ博士だよ。ひさしぶりだね。やぐっつあん、
それにごっちん」

「なんで博士がここにいるの?」

そうだ、それが謎だ。
なんで博士はここにいるんだ?

「ん、まぁそれはつもる話になるからね。とりあえず居候しにきた」

「すでに言ってるような…いや、それはともかくあんたなんですか!?」

やぐっつあんが怒ったような声で博士に叫んでる。
やぐっつあん、つばかかるよ、でもかあいい。

「あれ?覚えてないの?っかしいなぁ。三つ子の魂100
までとかいうのはあれ、うそ?」

「なに言ってるんだよ!?人の家勝手に入ってきて!鍵閉まってたはずだろ!?」

やぐっつあん…かあいい…。

「ああ、あれは簡単なトリックだよ。金田一くんのような明智くん」

108 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時24分56秒
「なにを言ってるんだなにを!なんだ!そのあやしげな棒は!」

「これ?これは、さっ!かちかちかちーっ」

そうして博士は、やぐっつあんの前で棒をかちゃかちゃやるしぐさをした。
後藤とやぐっつあんの見てる前で、肩膝ついて、片目を閉じて、そんでかちかちかちーって言ってる。
そして次はかちゃって言ってから、開いたー!って叫んだ。

「な、なにしてるんだよ?」

「キミの心の扉を開けたんだよ?」

そしてパチッてウィンクした。

「き、きしょっ!だいいちそれピッキングだろ!?犯罪じゃないか!」

109 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時31分05秒
「まぁ、いいじゃないっすかぁ。とにかくこうしてひさしぶりの再開をしたんだからぁ〜」

「よくないだろ!?人の家に勝手に!」

「テスト成功!結果は良好!とにかく朝食だ!」

「人の話をきけぇっ!」

やぐっつあんは顔を赤くしてどなってた。
だけど後藤それはともかく…接吻…したかったんだけど。
110 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時33分54秒







後藤たちは朝からなんだかいろいろあったけど、とにかくやぐっつあんの用意した
朝食を食べることにした。
目玉焼き、ご飯、たくわん、鮭、さっき一つ一つやぐっつあんにこれはなに?
って聞いてみたからだいたいのことはわかる。後藤は食欲なかったけどやぐっつ
あんの作ったものだから全部食べることにした。

相変わらずお腹がごつごつするけど、でもやぐっつあんの作ったもの、おいしい。
そしてなによりやぐっつあんのエプロン姿、それがなによりかわいくてうれしい。
幸せな、食卓。

こんなの後藤が経験するとは思わなかった。
なのに、こんちゃんはまだ眠ってる。
もったいなくない?だってやぐっつあんこんなにかわいいんだよ?
抱きしめたくなる気持ち、抑えるの大変な後藤なんだ。

でも、だから今食卓にいるのは後藤とやぐっつあんとそれに博士だけだ。

111 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時35分52秒

やぐっつあんは、じと目でにこにこ笑顔の博士をにらんでる。

「んで、あんたの名前は?」

「亜弥、松浦亜弥だよん。懐かしい?」

「松浦?…覚えてないな」

「っかしいなぁ。これだけこの私がラブオンチュウしてる
相手が覚えてない?っかしいなぁ。」

「ラブオンチュウ?なんだそれ?」

「いーや、別に。それより、やぐっつあん、
元気な様子で安心したよ、あやや」

そう言って頬杖をついてやぐっつあんの顔を目を細めて見つめる博士。
なんかその二人を見てたら少しむっとするなんかがあったから、後藤は小さく
「んあー」と不満の声をもらした。でも聞こえてないみたい。二人はそんな
後藤を無視して見つめあって話をしてる。

112 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時36分51秒

「ほんと、よかった。ご飯ちゃんと食べてる?」

「ご飯は別に食べるに決まってるだろ生きてるんだから。」

「ふぅん。よかった。そんで?今日の夕食は?何作ってくれるの?」

「はぁ?」

「つまり…今日はあなたの家に泊めてくれるのですか?という意味ですな。あやや的揶揄表現です。」

「………意味わかんねぇよ。」

「あ。やぐっつあん時間だよ。仕事いかないと」

後藤はなんかおもしろくなかったから、二人の話を聞き流しながらぼーっとたくわんをかじってたけど、
ちらりと見た時計が9時になっているのを見てそうつぶやいた。
やぐっつあんが昨日そう言ってたのを覚えてたんだ。

113 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時39分35秒

「ナイス、ベリーナイス!妻のようなセリフ…!」

博士はなんか感動して涙ぐんでる。
よかったね。いいことあったみたいだね。博士。
後藤もなんだかうれしいよ。

「あ、ああ。そうだった。…って………」

「んあ?」

「なにかな?やぐっつあん。」


「…問題だな。」

やぐっつあんはなんか腕組んで考え込んでる。
なんだろう?なにが問題なの?


114 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時41分04秒
「ああ、なるほどね。」


博士も手と手をぽんとあわせてる。
そしてやぐっつあんの肩をぽんぽんと叩いた。

「安心したまえ!あややはキミの下着には興味がない。いまさらだね。きゃはっ」


「ああ、後藤も興味ないよ?」

後藤がそう言ったら今度は博士はこっちを向いて後藤の肩をぽんぽんと叩いてきた。

「うそをついてはいけないよ?ごっちん。興味あるんでしょう?」

「……え?」

うそ?…後藤うそついたの?今。

115 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時41分46秒

「興味があるんでしょう?ね?そうでしょう?」

博士はまだずっと後藤の肩を叩いてる。

「……ある、のかな?」

「そうでしょうそうでしょう。あるに決まってる。」

そうかな…後藤、やぐっつあんの下着に…

後藤も考え込んだ。

そんな後藤の顔をつかんで博士がそっとベランダに向けた。

「…ほら、あれをみてごらん…」

博士の指差す先…。


116 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時42分43秒
…ブラだ…やぐっつあんの下着…。

ブルーだ。

ブルー、マリンブルー、後藤の好きな色。
水槽ではおなじみの色。
後藤はちらちらと、そのベランダに干してある下着を見つめながら腕を組んだ。

頭上から博士のやさしいおだやかな声が聞こえてくる。

「……あれを取るには…あの窓をあけるだけ……さぁ、ごっちん…勇気を出して…!」

117 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時44分22秒

「やっぱつれてく。」

「はい?」

「んあ?」

今まで考え込んでいたやぐっつあんが顔をあげてそういった。

「やっぱこの2人およびあそこで眠ってる1人をここに
おいておくのは危険だと思う、矢口。だからつれてくしかないよ。」

なんか顔がとても…なんかあきらめた顔?してる。

「んー、それは遠慮しておくよ。少なくともまっつんとしては
ごっちん一人だけをつれていってほし…」

「あんたが一番危ないってんだよ!逆にあんた一人を連れてかないと!」

「あ、いや、そ、それはまずい!そんなことされたら意味がない。
わ、わかったよ。私もついていくよ。」

「はぁ〜……本当は連れて行きたくないんだけどなぁ。」

やぐっつあんはなんか顔を斜めにして困り顔。
後藤はその斜めの顔に合わせて顔をななめにした。


118 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時47分50秒


「矢口、なんか昨日からついてない。」

やぐっつあんは机につっぷしてしまった。
なんか落ち込んでるみたいだから
後藤は身を乗り出してそのやぐっつあんの頭を撫でた。

金の髪、ふさふさな、金の髪。
それが後藤の手のひらにすべりこまれるみたいに触れてくる。
出会ってからずっと惹かれていた金の髪が。

「なでなで、んあー?」

気分回復した?やぐっつあん。

「はぁ〜ったくもう!」

やぐっつあんは顔をあげて、そうつぶやいてる。
あんま回復してないみたいだ。

…でもやぐっつあん、うれしくない?
後藤はやぐっつあんと一緒にいれてうれしいんだけど。
やぐっつあんはうれしくないかな?
でもやっぱうれしく…なさそうだね。
119 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時50分51秒
楽屋。





「それでぇ?なんで3人に増えてるべ?」

「……いや…なんでか知らないけど、今日の朝突然に」

楽屋ってやつ、やぐっつあんとだべだべっしょやさん、
博士にこんちゃん、背の高いロンゲの人、5人。

博士とこんちゃんはにこにこしてて、だけどやぐっつあんは困り顔、
だべだべっしょやさんはむかつき顔、背の高いロンゲはなんか居眠り中。

後藤は…炭酸入りミネラルウォーターを
飲みながらやぐっつあんの隣に座ってた。

「あんた!あんたなにものだべ!?」

いきなりだべだべっしょやさんが、博士に食って掛かってる。

120 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時52分28秒

「なにもの?さぁ、なにものでしょう!」

ずさーっ!
博士は後ろに飛び退り、そしてにやりと笑った。
両手を胸の前で交差してなんかのポーズを取ってるみたい。

「…あんまさぁ、この人を刺激しないでよ、なっち。」

やぐっつあんが博士のそれを見てから少しため息をついて、
それからだべだべさんの顔を見てそういった。

「で、でも矢口の家に泊まるからにはちゃんと
所在を…もし矢口に危害を加えようとしてるなら…!」

「とりあえず、ジャニファンではないらしいよ?」

「ジャニファンなど、単なる集団催眠術にかかった群集…
あややには興味のない人々。」

「ほらね。すごく危険なこと言ってるだろ?だからジャニファンじゃない。」

「………け、けど!」

「ねぇ、だべだべっしょやさん。」

121 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時53分39秒

きっ!

「なっちはだべだべっしょやじゃない!なんだべ!?そこのベリー無表情女!」

「…後藤はさぁ、後藤って名前があるんだけど。下は真希で、
後藤真希っていうんだけど。」

「じゃあなっちのこともなっちとよぶべ!だべだべっしょや!?
そんな呼び方されたの初めてだべ!!」

「だってだべだべしょやっていつも言ってるじゃん」

「ああ〜?なっちのこれは北海道弁と言ってだべなぁ!」

「いいねぇ〜ライバル同士の闘争…嫉妬心からくる争い。
どう?やぐっつあん?」

「え?なにが?」

「喧嘩はやめてぇ〜私のためぇにぃ〜♪どうかな?」

「し、知らないよ。なにがいいたいんだよ?」

「へい。この鈍感なしぐさ。どうだろうねぇ〜。あさ美」

「そうですねぇ。まだ2日目ですし。そんなに簡単なら世話ないなぁと。」

「ほぉ〜、あさ美ちゃん?あややに反抗するの?そうなの?反抗するの?」

「し、してないですよぉ〜!反抗なんてしてないですよぉ〜!」

122 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時56分26秒

「ふぅんだ。もう手つないでやんない!」

「ええぇ〜!そんなぁ〜!」

「ああ〜!収集がつかねぇ!とにかくさぁ、もうそろそろ
収録だから矢口たち行かないといけないんだよ。お願いだから…!」

「おとなしくでしょ?わかってるよ。やぐっつあん。キミも心配性だね。」

「お芋さえあれば、紺野なにも申しません。」

「わぁってるよ。お芋だろ?そこの冷蔵庫に入ってるから好きに食べててよ…!
じゃあおいらたち行くから…後藤も炭酸入りミネラルウォーター飲んで…」

「後藤…やぐっつあんの仕事場が見てみたい。」

「「「「「………」」」」」」

後藤がぽつりと言った言葉、それにこの場が静かになった。
なんだかっしょやさんの顔のむかつき感がものすごくなってる。

123 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)12時58分29秒

けど。

パチパチパチィ〜!

博士が拍手してた。

「ナイス、ベリーナイスだよ。ごっちん。ナイスな甘え。かわいらしい恋人の…よう…」

「なにをいうべ!?このあま!!」

博士がそううなづいているのをさえぎってだべだべさんが
後藤につかみかかってきた。

「な、なっち…このあまってことはないだろ?」

「あんたなに考えてるべ!!あんたみたいなぼーっとしたベリー無表情が
収録現場にきたらくそ迷惑だべ!」

「……だめ?やぐっつあん。」

「人の話を聞くべ!このベリー無表情!」

124 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時00分45秒

「…だめかな?やぐっつあん?」

後藤はやぐっつあんの顔をじっと見つめた。
やぐっつあんの顔を見るときは大抵なんでか、目がうるむ。
ねぇ博士やっぱうっとおしいんだけど、これ。
前見難いしさ。なんとかならないかなぁ?

「…うっ…」

なんかやぐっつあんは、後藤の顔を見て困った顔してる。

「矢口!この女の言うことなんてきくでねぇだ!」

125 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時02分08秒

「いいじゃん。だべだべっしょやさん。仕事場…みせてくれてもいいでしょう?」

後藤はだべだべっしょやさんの顔を見ることにした。
だべだべさんの顔なら目がうるまないから別に見ても平気。

「だからなっちと呼べ、と言ってるべ!
なっちって名前かわいいべ!?なっちっていい感じだべ!?」

「…だめかな?やぐっつあん?」

なんかだべだべっしょやさんがなっちなっちって、
言ってるけどとりあえず今はやぐっつあんに了解を取ることにした。
だべだべっしょやさん、名前のことは後で聞くよ。
今は後藤やぐっつあんの仕事場を見たいんだ。だから、後で聞くからね。
そうして後藤はまたやぐっつあんの顔を見つめた。
目が…またうるんでくるのは…この際気にしないでおくことにした。

126 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時03分29秒

「…わかったよ。仕事場…逆にそのほうが安心かもしれないな。
いい?なっち。」

「………」

「いいかな?なっち?」

「………ふん。どうなってもなっち知らないべからな!」

「んじゃ、私はあさ美と留守番…」

「あんたも来るんだよ。」

「へい、なぜ?」

「あんたが一番やばいからってさっきから言ってるだろうが!!」

「へい、ショッキングシンキング真実。…しかたないね。あさ美行こう。」

「はぁ、はい。ですがお芋が…」

「しかたがないでしょう?お芋はまた後であややが買ってあげる。
行こう、あさ美、ごっちん。」

127 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時05分08秒

「んあーい!」

「はい…お芋…はい。」

「はぁ〜、しかたがないのはこっちだよ。」

そうして後藤たち4人は、収録場ってやつに行くことになった。

「カオリ…置いてけぼり…?」

背の高いロンゲは今やっと目が覚めたらしい。
128 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時06分34秒














「………はっ。これが収録現場!たいしたことありませんね!きゃはははははっ!」

「おい。こら大声でそういうこというなよ。」

博士はあたりをきょろきょろと見回してそういった。
それでやぐっつあんにひじてつ食らわされてる。

「……んあー、これがやぐっつあんの職場か…」

後藤もきょろきょろとあたりを見回した。
おっきな変な板。
裏は茶色なのに、前にいくといろんな色の舞台ってやつになってる。

「ここでなにやるの?やぐっつあん」

「ん、一応収録ってやつをやるんだ。今日は歌取りだから。大分ハード」

「歌取り?後藤も歌は好きだよ。」

ただテレビで聞いたことしかないけど、
水の中で歌ったことはないけど。
博士は歌うのが好きみたいで、そんでよく歌ってくれるけど。
そういやときどきこんちゃんに歌の指導してるとか言ってた。
129 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時08分05秒
「そう?後藤も歌好きなんだ?」

「うん。今度やぐっつあんの前で歌うね?」

「ん。楽しみにしてるよ。じゃあ、矢口行くから」

「うん。」
130 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時09分07秒










「うぁーーー!!」


後藤の前ですごいことになってた。

すごい人数、1、2、3…15人…!

その人たちが舞台の上を暴れ回るようにして踊ってる。
みんな笑顔で、そんですごく楽しそう!

「すごい!すごいね!博士!こんちゃん!」

とくにやぐっつあんが一番素敵!
一番かっこいい!

やぐっつあんがカメラに向かって笑うたびになんか後藤も手を振ってた。
別にやぐっつあんは後藤に向かって笑ってるわけじゃないけど、でも今のやぐっつあんはすっごく楽しそうだから。

そして後藤はなんども後ろにいる博士とこんちゃんのほうを振り返って指差したりしてた。
やぐっつあんの姿を追ってするする動く指、後藤いつまでも離さないで追っかけてるんだよ!


131 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時10分11秒


「……博士。」

「なに?あさ美。」

「あれは…本当に仕組まれたものなんですか?計算されたものなんですか?あの後藤さんの笑顔は…幸せそうな顔は。」

「そうだよ。計算されたもの。」

「………」

「なに?あさ美、そんな顔してさ?顔あげなよ。ほら、ごっちんがうれしがってる。やぐっつあんも気づいて
横目で見てる。笑顔だよ。二人とも。」

「……………そうですね」

132 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時12分34秒

「ねぇ見てみなよ。これが私が作り出した幸せ。これから続く幸せ。ふふっ。
幸せをこんな風に作り出せるのは私だけかもね。」

「そうかも、しれませんね。」


「これから私は…No.125はもっとたくさんの幸せを作り出す。
もっともっとたくさんの。私はその手助けをする。
キミも協力してくれるよね?あさ美」

「…………ええ、博士。私は博士についていきますよ。どこまでも」

例えそれが…。
だって私はあなたが好きだから。

「ふふっ。ありがとう。」



133 名前:約束 投稿日:2003年07月01日(火)13時14分13秒



後藤がもう一度振り返ったとき、こんちゃんと博士は手をつないでた。

手、手つなぐと幸せな気分になるんだよね。

後藤も昨日やぐっつあんと手をつないで、
それでとても幸せな気分になったんだよ?

だからきっと博士とこんちゃんも幸せなんだね。

「あはっ。やぐっつああーん!!」

後藤はもう一度やぐっつあんを見て、そしてまた手を振った。

ねぇ、博士、こんちゃん、今の見た?
やぐっつあん、後藤を見てウィンクしてくれたんだよ?

きっとあれ、後藤に向けてしてくれたんだよね!




134 名前:カヲル 投稿日:2003年07月01日(火)13時17分27秒
あい、大量更新の巻でした。
次回は少し更新が遅くなるやもしれませぬ。
135 名前:カヲル 投稿日:2003年07月01日(火)13時18分29秒
入れようか入れまいか迷っているところがあるので…。
136 名前:カヲル 投稿日:2003年07月01日(火)13時23分31秒
博士まっつんことここの松浦あややさんについては…どうぞ適当にうっぷんを晴らしてくらはい。
へこんでも書き終えてはあるので…どうぞ適当に。
ちなみに私は「見たくなければ見なきゃいいのさ、はん!」という考えの持ち主です。
喧嘩…売ってる?めずらしく強気だねぇカヲちゃん。

んではー。

137 名前:カヲル 投稿日:2003年07月01日(火)14時13分29秒
 
138 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月03日(木)00時40分26秒
ボケボケなごっちんがなんだか愛しい☆
初めまっつーがどんな役かと思っていましたが
全然気になりませんけどねぇ・・・
むしろどこか芝居めいた口調で面白いッス!!
139 名前:カヲル 投稿日:2003年07月03日(木)01時18分17秒
>>名無しさんさま
やったー!
後藤さんを褒めていただいたのがとってもうれしいです。
まっつー気になりません?…よかった。
多分最後まで見てもそれほど…大丈夫だと思います。
罪悪感沸いてそういう風に直しましたから。
現実のまっつーさんは人気者だし、やさしい人だと思いますからねぇ。
私も好きなんですが…。
ただ一部分だけの少しのイメージとして、この役にしてしまったんです。
私の勝手なイメージです。

レスありがとーございました!
140 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時30分49秒
3日目。水曜日、深まる親交…継続する罠。






「今日も暑いなぁー。」



「んあー、暑いってつらいねー」

いつもは水の中、汗なんてかかなかったから今とってもつらい。

汗って水とだいたい同じだって聞いたのに、でもなんか気持ち悪いなぁ。
汗って初めてかいたよ。これは後藤も人間に近いってことだけど、
でもなんかやっぱ気持ち悪いや。
初めても良いことばっかりとは限らないみたい。

クーラー、クーラーは今つけてない。お金を節約するため、
ってやぐっつあん言ってた。
4人分の食料とかそういうのでお金がかかるとかいう話だ。
だから後藤も文句は言えない。

141 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時31分52秒
「暑い時はプールに行きましょう!」

「ああ〜?」

博士の言葉に、やぐっつあんが眉をしかめてる。

「プールです。あややは自宅にプールを持っております」

知ってる。でもいっつもでっかい布かかってるんだよね?
あれ、なんでかかってるの?
前にビデオ撮影してくれたのテレビで見せてくれたけど、あれ、なんか変なの。
博士は後藤は見ちゃいけないって言うだけで教えてくれないんだよなぁ。

「あんたん家金持ちなんだ?そういえば後藤はいつもあんたを博士と呼ぶし、なんで?」

やぐっつあんが、Tシャツのすそをぱたぱたとつまんで引っ張りながらそう言ってる。

後藤も真似してやってみた。
おおっ、なんか風が入って気持ちいいよ。やぐっつあん。

「私が科学者だからですよ。つまり博士。」

「科学者?マジ?マッドってやつ?」

142 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時32分49秒
「まぁ否定はしませんけどねぇ。…あ、やぐっつあんの
そのTシャツから見える白いのは!!ごっちんチャンスだ!」

「んあー!!」

後藤は博士に言われて、そのままやぐっつあんの胸元に飛び込んだ。

「うぁ!な、なにをするんだ!!こら!後藤!」

「へい、脱がしにかかっております。ごっちんベリー突発的発情期。
やぐっつあんの白いのにずきゅんってやられちゃったのですね。いかが?」

「か、解説をするな!後藤を止めろ!うぁっひっぱるな!
余計なもんが見えちゃうだろ!こら後藤!」

「これなにー?これなにー?」

なんかやぐっつあんの肩にある白いのを見てたら後藤は興奮してた。

ブラジャーしてないのに、白いのあるよー?
後藤はやぐっつあんのTシャツを引っ張って、その白いのを見ようとする。

「それは夏にあることをすると現れる不可思議なものです。」

「いっ、いちいち冷静に説明するなっ!」

143 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時33分57秒
「不思議なもの?魔法なの?やぐっつあん魔法にかけられたの?」

「ま、魔法って…や、やめ!こら!こ、こんなとこで!!
やめっ!さ、触んないでよ〜…!」

「いや?いやだ?やぐっつあんいやだ?」

「…だ、だからそのうるんだ目をやめてってのっ!!
なんでそうやっていつも矢口を見るんだ!?」

後藤またうるんだ目してた?
ごめん…どうしても潤んだ目になっちゃうんだよ。
やぐっつあんが困るのはわかってるんだけどさ、なんかなっちゃうんだ。

「まぁそうインプットされているわけでして」

「は?インプット?」

「ええ、まぁ。…さ、やぐっつあん、
とりあえず二人でカキ氷などを食べにいってらしてはいかがかな?」

「あ?」

「私はあさ美と芋を食べることにいたしますゆえ。
やぐっつあんはごっちんとカキ氷を食べにいってらして?」

「いってらしてって…まぁ…暑いしいいけど。
って後藤を止めてからにしてよ!」

144 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時34分51秒
「ああ、それには簡単、あなたがいやだといいさえすればいいんですよ。」

「え?い、いやだ?」

「そ、いやだ。言ってみてください。後藤ハウスッ!と」

「…い、いやだ…からやめて、後藤。」

ぴたっ。

後藤はやぐっつあんのTシャツを引っ張るのをやめた。

「んあー、わかったよ。やぐっつあん。」

そしてやぐっつあんの上から降りて、やぐっつあんを見つめた。
…目が…うるむ…。
でもやぐっつあんがいやだって言うようなことをしたせいで、
やぐっつあん後藤のこと嫌いになったかなって不安で。

「あれ?すっげぇ簡単だ…?」

おっ?怒ってないぞ?
よかった。

145 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時35分28秒
「ね、やぐっつあん。ごっちんはあなたがいやがることはしないんです。」

「…ふ、ふぅん…」

「まぁすべてあなたのために動いているからってことだっす。
どう思われます?やぐっつあん。」

「べ、別に……不思議だなって」

「…そう。まぁいいや。んじゃ、二人ともいってらっしゃいませ」

「ん、ああ、カキ氷だったな。後藤カキ氷食べたいか?」

「んあー、カキ氷って…なに?」

146 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時36分19秒
「…いやカキ…」

「とおっても食べたいとさ。いってらっさいいってらっさい。
カキ氷は暑い日には最適だよー。」

「んあー、じゃあ行くー!やぐっつあんと一緒ならなんでもいいし。」

「そ、そうか。んじゃ、行ってくるか。後藤、着替えてきなよ。」

「後藤これしかもってない。」

「え?そうなの?だから3日前から同じ服着てるんだ?」

「うん。黄色いワンピース。これしかない。ね、博士」

「…そうだったねぇ。んじゃこのお金あげるから服も選んできなよ。
ごっちん」

「ん、うん。わかった。」

「……んじゃあ行って来ます。」









そして後藤とやぐっつあんは出かけることにした。







147 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時37分09秒
「出かけたんですか?お二人は?」

「ん、そうだよん。ああ、テレビに松浦亜弥が出てる。私そっくり。」

「……じゃあ二人っきりですね」

「んー、まぁうまくいくと思うよ。ああ、笑顔がベリーキュート、
やっぱ私に似てるだけある。」

「…違うんですけど。あの私…とはか…」

「んー?」

「いえなんでも、ないです。」

「んー?」

「手を…つないでくれませんか?博士」

「いいよん。手つなごー!」

148 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時38分47秒
「は、い。…いえ……やっぱり、いいです。」

今は…いいです。

「…?なんで?…手つなごうよー。
それともまっつんと手つなぐのいやになった?」

「……いいえ…ベリー…うれしいです。」

「ノンノン、そういうときはぁ、ベリーハッピー阪神巨人ですぅ!
って言うんだよー?ハッピとハッピーをかけてみたっ!」

「ふ、複雑ですね……」

「複雑?んーと、ハッピといえば、
阪神、阪神といえば巨…ってなに説明させんねんっ!」

「博士は…変わらないですね。昔からそうなんですか?」

私と会う前からずっと?

「うん。あややはずっと前からこんな感じ。常に持ちキャラキープ!
…ま、相手によるけどねぇー。できない相手もいるんだぁ。これがぁ〜
…ほら、んなことはいいからとりあえず手をつなごう。
つなぎたくないなら別だけどね。」

「…はい。手つなぎたいです。」

149 名前:約束 投稿日:2003年07月04日(金)05時39分25秒
「そそそそ。自分の気持ちに正直に!さて、そんじゃ一緒にあやや見よー。
あややがあややを見る!きゃははははっ!」

「くすっ」

そういう博士、やっぱり好きです。

好きだけど…でも…。
150 名前:カヲル 投稿日:2003年07月04日(金)05時42分56秒
>>140-149
更新終了っす。
151 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時39分51秒
「じゃあとりあえずどうする?先に服買う?それともカキ氷食べる?」

「んー、やぐっつあんはどうしたい?」

「そうだなぁ。カキ氷食べようか?暑いし」

「んじゃそれでいいよ」

「んー。」




152 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時40分27秒
後藤とやぐっつあんは駄菓子屋さんの前で、カキ氷ってやつを食べることにした。

やぐっつあんは、イチゴ味。後藤はレモン味。


レモン、とってもすっぱいかと思ってたレモン味。

でもなんか甘い味のレモン。

「んー、きーんっとくるねぇ」

やぐっつあんは、後藤の隣で長いすに座って目をぎゅってつぶってそう言った。
後藤は首をかしげてやぐっつあんを見つめる。

「きーんってなに?」

「ん、頭にくるってことだよ?」

「頭に?なにが頭に来るの?」

「頭痛だよ。頭痛。」

「ふぅん。そか。でもおいしいよね?」

「ん、まぁうまいな。」

153 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時40分57秒
しゃくしゃくしゃく。

カキ氷。
おいしくて甘いかき氷。

「あ、舌が黄色いぞ。後藤」

「んあー?黄色?」

やぐっつあんに言われて後藤は自分の舌を見ようとした。
だけど見えない。

「あはは。自分の舌は見えないだろうー?んじゃどうだ?矢口の舌は赤いか?」

やぐっつあんが、後藤に向かって舌を見せてきた。
赤い赤い、赤いよー、やぐっつあん。


「赤いよーやぐっつあん」

154 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時41分41秒
「ん、カキ氷食うとこうなるんだよなぁー。」

「あはっ。なんかおもしろいねぇ」

「…ん、そうだな。なんかおもしろいかもなぁ」

「うん。おもしろいおもしろい」

後藤たちはそれからにこにこしながらカキ氷を食べた。

笑顔、笑顔、今は自由に出せる笑顔。
そうか、好きな人に向ける笑顔。
これ、本当にとっておいてよかったね。
博士の言うとおりだったね。

155 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時42分32秒
「なんで矢口が服着てるんだよ。後藤の服選びに来たんだろ?」

やぐっつあんの声、試着室ってやつから聞こえてくる。

なんか不満げ、でも後藤はその声を聞きながらわくわくしながら待ってた。

やぐっつあんのたぶん腕とか腰とかに当たってもこもこしてる試着室のカーテン
なんか中でどうなってるか気になって覗きたく
なるけど、さっきやぐっつあんに「絶対覗くなよ?」
って言われたからがまんしてるんだ。

「まだー?やぐっつあん?」

「んー、ちょっと待って」

「わくわくわくわくぅ〜!」

後藤はわくわくしながらやぐっつあんを待った。

「えいしょっ!この!なんだぁ?この服ちと…くそっダイエットしてるのに。」

「…わくわくわくわくぅ〜!」

「よし、着れた!見せるぞー?後藤」

「んあー!待ってました!」

156 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時43分06秒
さーっ!

試着室のカーテンが開けられると、そこにやぐっつあんの顔、姿、青いワンピース。

「あはっ!かわいいよ!やぐっつあん!」

「そ、そっかぁ?矢口こんな女の子なのめったに着ないからなぁ」

「ううん、すっごくかわいいよ!やぐっつあん大好き!」

「わ、バカ!こんなところで抱きつくな!」

後藤はやぐっつあんに抱きついてた。
ちっこいやぐっつあん、抱き心地がとってもいいね?

「おい!ここはデパートなんだからそういうことしないもんなの!」

「あはっ。ごめんごめん。後藤ムラムラきちゃった」

「…ム、ムラムラ?…どこでそういう言葉覚えたんだ?こいつは」

「んあー?」

157 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時43分38秒
「んー、でもさぁ、なんかこれ胸ががぼがぼなのに、腰周りが…きっついんだよなぁ。それにこれ少し長くないかぁ?」

やぐっつあんは青いワンピースの裾をつかんで自分の足を見ながら、ばたばたしてる。
後藤はやぐっつあんの首根っこに手を回して青いワンピースのリボンをつかんでひっぱった。

「どうかな?これで長くないよ?」

「……おいらは犬か?」

犬?どうして?やぐっつあんは人間だよ?
でも気に入らないのかな?

「んあー?気に入らない?」

「いや…うん。あんま」

158 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時44分48秒
「よし!んじゃんじゃ!別の選んだげるよ!
そうだなぁ〜やぐっつあんにいいのはー!」

「おいおい。後藤の服を選びに来たんだぞ?」

「あはっ。だって後藤やぐっつあんのこともっと見たいもん。
いろんな格好のやぐっつあんもっと見たいんだもん!」

「そ、そっか?…んー、まぁ今日は時間もあるし、それもいいか。」

「あはっ。じゃあ今度はこれー!」

「あはは…、そ、れか…ん、まぁいいよ。じゃあ、いろいろ着てみようー!」

「んあー!着てみようー!」

後藤はそれからいろんな服をやぐっつあんに着せた。
やぐっつあんは試着室から出るたびにいろんなポーズを取ってくれて、
後藤を笑わせてくれたり、そんでドキドキさせてくれたりした。

かわいい格好、かっこいい格好、セクシーな格好、抱きしめたくなる格好、
いろんないろんなやぐっつあん、これからもいろんなやぐっつあんを見せてね!

159 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時45分39秒
帰り道、あれだけ試着したのに、やぐっつあんは一着も服を買わないで、
そんで後藤だけたくさんの服を買った。
やさしいやさしい、やぐっつあん。

後藤とやぐっつあんは、両手に袋を持ってそんでよろよろ歩いた。

遠くで風鈴屋さんの声。

ちりんちりんって音。

きれいな夕闇。


後藤の隣で目を細めるやぐっつあん。

とても幸せ。

「好きだよ…やぐっつあん…」

「ん?なんか言ったか?」

「ううん。なんも言ってないよ?」

160 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時46分30秒
後藤は首を振った。
両手ふさがってるから、だから手はつなげないけど、
でも幸せはいつも胸にある。

やぐっつあんと出会ってからの幸せ、ずっと三日間胸にある。

「後藤ね。やぐっつあんと会うまでずっと笑わなかったんだ」

「へ?なに?それ?」

「やぐっつあんと会うまでずっと笑うのとっといたの」

「…どういう意味?」

「そのまんまの意味だよ。後藤は笑わないようにしてた。博士がそうしろって、
とっておけって。やぐっつあんのためにって。」

「……変なの。笑うのは普通いつだってするもんだろ?」

「やぐっつあんはそうなの?」

「うん、おいらはいつも大抵笑ってる。楽しいことたくさんあるからね。」

「そか…んじゃ恋はしてる?」

「え?」
161 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時47分25秒
やぐっつあんは後藤のその言葉に立ち止まって、それから後藤を見つめた。

後藤は、ちょっと先を歩いてそれから振り返った。

「やぐっつあん恋はしてる?」

「……な、なんでそんなこと聞くんだよ?」

「………わかんない。」

「は?わかんないって?」

「わかんない。ただ、聞きたいから」

「…じゃ教えない。」

「なんでー?教えてよー?」

「後藤ハウス!」

「がうっ!」

後藤はやぐっつあんの差し出した手にかみつくしぐさをした。
でもやぐっつあんは良いタイミングでその手を引っ込めた。
後藤の歯と歯がかちっていう。

「あははははっ。うまいじゃん。そういうノリもできるんだ?」

162 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時49分03秒
「…プログラムだねぇ。」

「ん?プログラム?」

「博士がそう言ってた。インプット、プログラム。
博士は完璧な人だから、だから博士の言うことは確か」

その博士が言っていた言葉、インプット、プログラム、
後藤に与えられたもの。

「…よっぽど博士ってやつのこと尊敬してんだな。なぁ、後藤。後藤とあの松浦ってやつ、
それに紺野の関係、それってなに?」

「んあ?なにって?」

「3人の関係だよ。後藤の親代わりとか?にしちゃあ年が近いし。後藤のほうが年上に見えるしなぁ。
少なくとも外見上は、だけどさ。」

「うん。違うよ。親代わりって言うのとはちょっと違う」

「じゃあなに?」

163 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時49分45秒




「神様だよ」




164 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時50分25秒
「神、様?」

「二人は神様だよ。後藤の神様」

「神様…………」

やぐっつあんは唇に手を置いてじっと考え込んでる。
後藤はそれをじーっと見つめた。
やぐっつあんの答えを待ったんだ。
ただなんとなく…多分やぐっつあんが博士とこんちゃんをどう思っているのか知りたかったから、
かもしれない。

「………恩があるってこと?」

「恩…あるよ。後藤が笑顔を浮かべられるチャンスをくれた、神様。」


後藤を作ってくれた、神様。
もし人間を作ってくれた存在を神様というのなら、あの人たちは後藤の神様だ
後藤という存在を作ってくれた神様だ。

165 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時50分58秒
「……よっぽどの恩なんだな。」

「そうだね。すっごい恩…だからやぐっつあんと出会えた。良い人だよ?二人とも、
だってやぐっつあんに会わせてくれたんだから、ね。」

それ以外にもたくさんお世話になってる。
たとえ、それが…後藤への愛情だけではなかったとしても、それでも育ててくれた。
いろんなことを教えてくれた、だから神様…。

「………」

166 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時53分31秒
「やぐっつあん、好きだよ…」

後藤はやぐっつあんの顔を見つめた。
夕闇に照らされたやぐっつあんの金髪はとってもきらきら輝いていて、そしてもちろんやぐっつあん自身の顔もとてもキレイだった。
きっと後藤は笑顔を浮かべてたんだと思う。だってやぐっつあんの瞳に後藤の笑顔が写ったから。

「………」

後藤の言葉、今度はやぐっつあんに聞こえたみたい。
やぐっつあんはこっち見たあと、うつむいてた。

「やぐっつあんも、後藤のこと好き?」

それともこんな変な子嫌い?
人間とは少し違うものと恋をするのはいや?
人間とは少し違うもの…後藤真希、それと恋をする矢口真里…か。
167 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時57分04秒
「………」

やぐっつあん困ってるみたいだ。
だけど後藤はやぐっつあんの答えを聞かずにそのまま接吻をしていた。

やぐっつあんは抵抗せずに、そのまましばらくしてから目を閉じてた。

二人の間の小さな沈黙。

やぐっつあんの唇。

ぽにゃっとしてて、そんで甘い。

イチゴ味。



後藤が唇を離したあと、やぐっつあんはこっちを少し見つめてからそして
うつむいた。
後藤はそのやぐっつあんをじっと見つめながら…なぜか胸の奥にちくりとした痛みを
感じ始めていた。
なんだかわからない胸の痛みを…。
168 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時58分56秒



………。





169 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)12時59分39秒
「………。」

ぼーっとしてる後藤。
窓から見える真っ暗な闇からはさっきまでの雰囲気はまったくなくて、
ただずっと闇が広がっているだけ。

朝は白、夕方は赤、夜は黒。
そうしてただ変わっているだけなのにそれだけで、
気持ちが変わってくるのって不思議だ。

全部好きになったけど、でもなんか…今は夜で真っ暗で、
少し、悲しいって思うのはどうしてだろう?

そばでこんちゃんがお芋食べてるし、博士だってテレビ見て笑ってるのに。

「………」

170 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時00分21秒
ジュージュージュー。

後藤がそうしていたら、台所から食べ物の匂いと一緒に音がした。
振り返って台所を見ると、やぐっつあんが背中を向けながらゆらゆら腰を動かしてる。

後ろから見るエプロンもいいなぁ。

やぐっつあんならなんでもいいなぁ。

そう思ってから後藤は台所に近づいた。
立ち上がったとき、博士がこっち見てにこって笑ったのは…なんでだろ?



171 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時01分23秒
「…やぐっつあん、良い匂いだね?」

ちょっと食べ物の匂いが邪魔だけどやぐっつあんに近づくと
やっぱり甘くて良い匂いがするよ。

「ん、ハンバーグだよ。後藤好きか?」

「ハンバーグ?うん。」

ハンバーグ…………匂いがあんまり。
でもなんかそう答えてた。

「そうか、んじゃ後藤のはでかいのにしてやるな?」

……いやだ。

「うん。ありがとう。」

でも笑顔で答えてた。

「よし、んじゃなるべく早く作るからな?」

やぐっつあんの笑顔………やぐっつあんの作ったものを残しちゃうのもいやだし、
でもハンバーグってやつを食べきれる自信もない。
笑顔……どうすればいいんだ?

172 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時02分16秒
「………」

「さ、もう良いかな?」

やぐっつあんがそう言ってフライパンを持ち上げてる。
フライパンがなくなって、別のものが見えてきた。

………。

ゆらゆら揺れる……火?
青い、中心が赤い……。

「なんだ?……?」

後藤はつぶやきながらその火に釘付けになっていた。
目が離せない、なんか…身体が……だんだん熱くなってくる。
中心だけ、少しだけだけど熱い。

そういえば前に冬にテレビで焚き火ってやつを見てたときは、身体が痛くなってた。
いつもはくすぐったいだけの炭酸が、なんだかそのときはちりちり痛かったんだ。

173 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時02分51秒
「ん?どうかしたのか?後藤。」

「…………え?」

やぐっつあんの下からのその声に後藤はやっと火から目をそらせた。
やぐっつあんは後藤を見上げて、不思議そうな顔してる。

「自分で身体抱きしめてさ。どうかしたかぁ〜?」

「なんでもない。」

「ん、そか。」

「そういうときは、やぐっつあんの身体を抱きしめること!」

「え?」

「は?」

174 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時05分11秒
後藤が火を見つめていた間にいつのまにか博士も台所に来てたみたいだ。
机に出されたお皿や茶碗を眺めながら、そう言ってる。

「…新婚さん♪あやや見たいなっ!」

そしてこっちを見てにかって笑った。

「ボケ」

「……新婚さん、やぐっつあんとの未来。」

そうつぶやいた。

「ポテトはぁ〜、揚げ方が問題です。」

ひょいっ。

「あ、こら!まだご飯前だろ!」

博士が机の上のポテトってやつをつまんで
口に入れたのを見てやぐっつあんが注意してる。

「ちなみにポテトはハンバーグを焼く前に揚げるものです。
そうしないと熱々のポテトが冷えておいしさダウンです。
あややのクッキングワンポイント講座!
やぐっつあんポテト好きなんだから気をつけないと。」

「うっさい、大きなお世話だ。んなの知ってるよ。けど、たまたま、さ。
だいたいおいらの好きなのはマックのポテトなんだよ!」

「口が悪いやぐっつあんキュートォ〜。あやや抱きしめてあげるぅ〜。」

ぎゅっ。

175 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時06分12秒
「わっ、こらっ、バカ!火の前でそういうことすんなっ!」

やぐっつあん博士に抱きしめられてる…やぐっつあん。

「やぐっつあん……」

「………紺野も………抱きついていいですか?」

こんちゃんも来てた…こんちゃんもやぐっつあん好きなの?
確か博士が好きなんだよね?
やぐっつあんかわいいから、やぐっつあんも好きになっちゃったのかな?

「いいよぉーカモン♪」

ぎゅっぎゅっぎゅっ…。

こんちゃんは博士の言葉に笑顔を浮かべて、
でもなんか遠慮がちに博士の後ろに抱きついてた。
赤い顔してる、うれしそうだ。
博士の背中に顔をうずめて笑顔を浮かべてる。

176 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時06分46秒
「勝手に了解とかすんなっ!は、離れろ!こらっ!料理ができないだろ!」

やぐっつあんはなんか叫んでるけど、でもなんか楽しそうな雰囲気。
少なくとも博士とこんちゃんは笑顔だし。
後藤一人ぼっち…。

「………」

でもやぐっつあんが困ってるみたいだから、抱きつけない。

「…新婚さんになりたい。」

やぐっつあんと新婚さんになれば、きっと抱きついても悪いことじゃなくなるのに。
やぐっつあんが後藤のこともらってくれればすぐになれるのになぁ。
やぐっつあんが奥さんになりたいなら、後藤は旦那さんになるし。

新婚さん…素敵。

後藤は3人が連なってるのを見ながら、ずっと新婚さんのことを考えていた。

177 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時07分49秒
もしも後藤が家を建てたなら、やぐっつあんみたいな小さな家を建てたでしょう。
真っ赤なバラとやぐっつあんについてたやつみたいな白いパンジー、
やぐっつあんみたいな子犬の横にはやぐっつあん、
あなた、あなたがいてほしい…………やぐっつあんだらけだ、いい感じ。

後藤たちがしばらくそうしてたから料理は冷えちゃってたけど、
でも新婚さんのことを考えるのは楽しかった。

皆で机に並びながら「ああいう場合は誰かが止めるもんじゃないの?料理してたんだよ?矢口は。」
ってやぐっつあんがポテトを口に入れながら言ってて、多分後藤が止めるべきだったんだろうなって
思ったからなんだか不甲斐ない気分にもなったけど。

178 名前:約束 投稿日:2003年07月05日(土)13時08分43秒
でも博士もこんちゃんも楽しそうだったし、後藤…新婚さんのこと考えるのすごく楽しくて。
ごめんね、やぐっつあん。
マックのポテト…どこで売ってるのかな?
マックがなんなのかも知らない。
不甲斐ない後藤だ。
だからせめて、ハンバーグってやつだけでも全部食べることにした。
ハンバーグ………ごつごつする。




179 名前:カヲル 投稿日:2003年07月05日(土)13時12分15秒
更新終了ー。
>>151-178
180 名前:カヲル 投稿日:2003年07月05日(土)13時13分46秒
レス流し目的の雑談ー。
後藤さんフィギアが発売されるそうで…。
181 名前:カヲル 投稿日:2003年07月05日(土)13時15分17秒
ファンクラブ限定だそうで…。
…うれしい限りです。
182 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月06日(日)00時44分26秒
あな〜た〜♪あな〜た〜♪
自分も結婚したくなりました。
183 名前:カヲル 投稿日:2003年07月06日(日)01時00分26秒
>>182名無しさんさま。
ごちん:結婚…やぐっつあんとの夢…。
なち:名無しさんさまと結婚しとけばいいべっ!
ごちん:…名無しさんさまとやぐっつあんと後藤の夫婦生活…
    とりあえずやぐっつあんは旦那さん。
     でもエプロンはやぐっつあんが着るんだ…。
なち:ああ、そうかいそうかい〜んで名無しさんさまはどうするべ?
ごちん:…………だべだべっしょやさんはビターが利いてる。
なち:いぃいみわかんないべっ!てかだべだべっしょやって呼ぶなっしょっ!

すいません、名無しさんさまを勝手に使わせていただきました。
うれしいレスありがとーございます!

184 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時02分55秒
夜。

「すぅ〜くぅ〜すぅ〜」

「やぐっつあん…」

後藤は一人、やぐっつあんの蹴飛ばした布団を直した。
そして博士、こんちゃんの布団も元に戻してあげる。

「………」

博士とこんちゃんの寝顔…とてもおだやかなもの。
そしてやぐっつあんも、時折眉をしかめて何かつぶやいたりはするけど、
でもそれはおだやかなもの。

185 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時03分26秒
後藤また一人ぼっち…皆が近くにいるのに、こうして寝顔を見ることもできるのに。
それは多分幸せなことなのにだけど寂しいって思ってる。
一人でいたときの寂しさよりは、怖くないけどでも…なんか寂しい。

「…やぐっつあん…」

なんだろう…胸がもやもやする、
この気持ちなんだろう。

なんだか後藤、あの時接吻をしたことを今になって後悔している。
あんな風にやぐっつあんの気持ちを引いたこと…それ…なんか…。


後藤は接吻をしたくて…そしてして…だけど…してから後悔している。

186 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時03分57秒
博士、水の中はとても退屈で、それでだけどその退屈な1年間、
それがあったから後藤は幸せも手に入れられたんだね。

博士、この幸せ続くんでしょ?
後藤の身体…完成体…なんでしょ?

どうしてだろう?
幸せになってからずっと芽生えてきた不安。
やぐっつあんに接吻してから、大きく膨れ上がった不安。

後藤は人間じゃなくて、博士に作られたもの。

それは別にいいんだ。
でも、後藤の、博士の目的は、やぐっつあんと恋をすること。
やぐっつあんを幸せにすること。
もしやぐっつあんが後藤を好きになってくれるのだとしたら…。
それはうれしいことだけど。
後藤は…ずっと生き続けないといけない。
後藤はやぐっつあんのそばにずっといないといけない。
一人は寂しいものだから、好きな人がそばにいないのはつらいものだと思うから。

187 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時05分45秒
そして後藤はやぐっつあんが好きで、だからやぐっつあんとずっといたい。
だから…後藤は死にたくない。

博士は前に水槽越しに言ってた、「今までの後藤たちはすべて短い時間
しか意識を保っていなかった。すべて、しばらくしたら目を閉じて起きる
ことがなかった」って。

その博士の言葉が、今後藤の中で大きくなってる。
目を閉じて無表情な顔をしている後藤たち…。
見たことのない後藤たち、仲間というもの以前の自分たち。
そのイメージが…頭の中に浮かんで後藤は首を振った。

消えるのは怖い、消えてしまうのはとても怖い。


ねぇ博士、後藤…この体…ずっと…?
ごとー、ごとう、後藤、後藤真希。
この体…ずっと……、ねぇ?博士。



188 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時06分30秒



なんだか後藤はそう考えてたら眠れなくてずっと…窓の外から月を見ていた。

189 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時07分32秒
あのころは見れなかった月。
初めてやぐっつあんの家で眠る前に見た月。

『月って言うのはね、いろんな風に形を変えて、そしていろんな風においら
たちを照らしてるんだよ?太陽とは違う形、だけどとても温かな、そんな
やさしい月なんだ。愛情っていろんな形があるってことかな?』
ってやぐっつあんが言ってた。

この月を…後藤はずっと見続けていることができるんだろうか…。




190 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時08分26秒




「後藤さん眠れないんですか?」

「こんちゃん…。」

後藤の背中にこんちゃんの小さな声がかかる。
ごめんね、こんちゃん、起こしちゃった?

「なにか悩み事でも?」

「………別に」

「おっしゃってください。紺野はあなたの教育係ですよ?」

こんちゃんはそう言って後藤の顔を見つめた。
後藤は少し考えてから、こんちゃんの瞳を見つめ返して答えた。

191 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時09分03秒
「……後藤さ。間違ってない?」

「え?」

「後藤…やぐっつあんと接吻したんだ。…だけど、してよかったのかなって。」

接吻は好きな人との大切な接触、触れあい、それが博士の言葉。
だけど後藤の場合は…したことに疑問を感じてる。

「……………」

「こんちゃん?どうしたの?」

こんちゃんは眉をしかめて、なんだか少しつらそうな顔をしてからこう言った。

「間違ってないですよ。前に博士も言ってたでしょう?恋っていうのは、いろんな風に行動して得るものだって。」

「………」

192 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時12分42秒
そうして得た恋を……なんでだ?なんで後藤はこんなに不安を感じてるんだ?
博士は言ってたじゃないか、後藤は完成体だって。
うれしそうに言ってくれてたじゃないか。
おかしいよ、今までこんな不安感じなかったじゃんか。
ただこれから会うための人を想像しているだけで楽しかったじゃないか。
そして会えたんだよ?なのになんで…?

「……そう。間違ってはいません。ですから、博士の言うとおり矢口さん
にたくさんの幸せをあげてください。
そして博士も…幸せにしてあげてください。」

「博士も幸せになるの?」

「っ………………ごめんなさい。眠ります。」

「……ん。そうだね。おやすみ。」

「後藤さんも早く眠ってください。博士に言われたでしょう?
忠告されましたよね?」

「……?…ん。うん。」

193 名前:約束 投稿日:2003年07月07日(月)05時13分18秒
忠告…なんだっけ?
なんか、言われてた気がする。
だけどなんだかこんちゃんはそれ以上話をしたくなさそうだった。
なんかつらそうな顔をしてる。
だから、忠告がなんだったのか聞くことができなかった。


「おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」

そして後藤は…またずっと月を見てた。
194 名前:カヲル 投稿日:2003年07月07日(月)05時21分35秒
>>184-193
195 名前:カヲル 投稿日:2003年07月07日(月)05時22分18秒
更新終了です。
196 名前:カヲル 投稿日:2003年07月07日(月)05時25分13秒
…後藤さんの「なんでやねん!」(セクシー女塾)は、なかなかうまかったですね。
かわいらしさとテレのなさがでており、私としてはよかでした。
では。
197 名前:カヲル 投稿日:2003年07月08日(火)08時34分07秒
4日目。木曜日、彼女の一番与えたいもの。



楽屋、博士とこんちゃんは研究所に行くって言ってた。
だから今日やぐっつあんの仕事場について行くのは後藤だけ。
後藤は楽屋ってやつの中で、やぐっつあんの仲間ってやつをじっと見詰めていた。

「なぁ、矢口。昨日はどうしてたんだべ?」

「ん、えと、後藤と一緒に…」

「矢口!後藤と一緒になんだべ!?」

「だ、だから後藤と一緒に…買い物だよ。買い物。」

「…本当だべか?」

やぐっつあんとっしょやさんは、さっきからついたての後ろに隠れて話てる。
なに話してるんだろう?

「やぐっつあん……」

198 名前:約束 投稿日:2003年07月08日(火)08時34分43秒
「どうしたんれすか?後藤さん、なんかうかない顔というやつをしていますが?」

「ん、なんでもないよ。舌ったらずちゃん。」

「舌ったらずとは…のののことれすか!?」

「あひゃひゃひゃっ。舌ったらずちゃんやてぇ〜おもろ!」

「なんれすか!あいぼん!笑うことないれすよ!」

「後藤はん、後藤はん。うちはなんてあだ名?」

「あだ名?」

「安倍はんはだべだべっしょやさんやろ?飯田はんは、背の高いロンゲ、したらうちはなに?」

「…やてやてあっひゃっひゃちゃん」

「…ひゃひゃひゃひゃっ!やてやてあっひゃっひゃやてぇおもろ!」

199 名前:約束 投稿日:2003年07月08日(火)08時35分37秒
「なんれすかねぇ?そんなののなにがおもしろいんれしょうか?」

「おもろいやぁん。そやったら、あっちの二人はなに?」

そう言って、やてやてあっひゃっひゃちゃんは、でっかい鏡の前にいる色白のほくろがいっぱいの人と、色黒でかわいい子を指差してる。
二人はなんだか楽しそうにくすくす笑いながら話してる。
後藤はそれを見てからやてやてちゃんのほうに向き直って
それから頭に浮かぶままこうつぶやいた。


「…いろじろちょうほくろくん、いろぐろちょうかわいいちゃん」

「それ…あだ名やないやぁん。ただ『ちゃん』とか『くん』とかつけてるだけやってぇ〜。
ひゃひゃひゃひゃっ!」

「…んあー」

なにがおかしいんだろう?
お腹抱えてるし。
わかんないや。

それよりなんか、だべだべっしょやさんとやぐっつあんのことが気になる。

200 名前:約束 投稿日:2003年07月08日(火)08時36分34秒
「矢口、矢口は…なっちの気持ち…!」

「え?…?」

「な、なんでもないべ。ただ…後藤のこと…」

「え?」

「……なっちの布団、歯ブラシ、残ってるべか?」

「…残ってるよ。ちゃんと。」

「後藤に使わせてないべか?」

「うん。使わせてないよ?なっちが嫌だって言ってたから使わせてない。」

「…じゃあいいべ。でも…」

布団?…そうか、だから後藤はずっとソファで、こんちゃんと一緒で、
そんで博士は、床で寝てるんだ。
布団…だから使えないんだ。







201 名前:約束 投稿日:2003年07月08日(火)08時38分05秒
>>197-200
202 名前:カヲル 投稿日:2003年07月08日(火)08時38分39秒
短いけど更新終了です。
203 名前:カヲル 投稿日:2003年07月08日(火)08時44分15秒
sageしなくてもいいよーな気がしてきたので、
これからもsageなしでいきます。
エロじゃないしだいじょぶでしょう、かと。

204 名前:つみ 投稿日:2003年07月08日(火)21時43分23秒
一気に見させていただきました!!少し謎ですねえ・・
果たして博士は何者なんでしょうか?楽しく更新待ってます!!
205 名前:カヲル 投稿日:2003年07月09日(水)02時43分55秒
>>204つみさま
一気読みしてくださったんですかぁ。
ありがとーございます。
博士ねぇ、何者なんでしょー!

なち:ただのヴォケって話も…。

ここの安部さんはお言葉がきついです。
そういう役回りなんですね。
206 名前:カヲル 投稿日:2003年07月09日(水)02時44分31秒
 
207 名前:カヲル 投稿日:2003年07月09日(水)02時46分46秒
「……ぁああ!?そぉいつぅはいぇねぇなぁ〜!」

スタジオ…ってやつ。
やぐっつあんが、なんか制服ってやつを着てそんで首振り回しながら
セリフってやつをしゃべってる。

今日はハロモニってやつのコーナー内のハロモニ劇場ってやつの収録なんだそうだ。
やぐっつあんはなんか信じられない驚いたー!って顔して、
んで口への字にまげて…今回の役は歌舞伎役者みたいなもんだよ、って言ってた。

歌舞伎役者ってのもよくわからないけど、でもとにかくああしてるのはお芝居ってやつで、
本当のことじゃないとかいう話。
ああしていろんな演技をして笑ってもらうのが目的なんだって。
確かに後藤も何回か笑った。


208 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時47分45秒
「お疲れ様。やぐっつあん。」

「ふぃい〜、さむいー!」

やぐっつあんが後藤の元にやってきた。
なんかぶるぶる震えて自分の体抱え込んでる。
さむい?そういえば寒いね。ここ。

「クーラー効きすぎなんだよなぁ。」

がたがた言って後藤の隣に座り込んだ。
後藤は今机みたいなひっろくて長いやつに座ってる、これは使わなくなった
大道具ってやつで、つまり。

「やぐっつあん。おいで」

「ん?なに?」

209 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時48分29秒
「ここ。後藤のここ、おいで」

後藤は自分の膝のところを指で指し示した。

「え?後藤のそこに座れっての?…いいよぉ〜!そんなの恥ずかしいじゃん。」

「なんで?後藤のここあったかいよ?すっごくあったかいよ?」

「でぇもさぁ〜。」

「おいでよ。抱きしめててあげるからさ」

「…………」

「……接吻はしないからさ」

そう、しない。あれはしてはいけないと思うから。
こんちゃんはああいったけど、やっぱりなんかしてはいけないと思ったから。

「…………」

「白いのも見ないよ?」

でもこれはちょっと謎だから見たかったりするけど。
なんか興奮したし。
だけどやぐっつあんいやだって言ってたからなぁ。

210 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時49分22秒
「………ん」

やぐっつあんはちらりってこっちを向いて、しばらく、数分間考え込んでから
それから後藤の膝の上に乗ってきた。

「…あったかい?」

後藤はやぐっつあんをつつみこむようにしながら、後ろからそうつぶやいた。
やぐっつあんは後藤のその耳元の言葉に少しだけ身体を震わしてる。

「ん、あったかいけどさ。なんだかなぁ〜、まぁよくメンバー同士では
こういうことするけど。なんか…辻になった気分」

やぐっつあんは、お尻をもぞもぞしながらそう言った。

「辻?」

「後藤の言う舌ったらずちゃんのことだよ。あの子になった気がする。」

「あの子もかわいいね」

モーニング娘。って人たちは、それぞれみんなかわいい。
個性的で、楽しそうでなんかかわいい。

「……ふぅん。」

「なに?」

211 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時50分42秒
前にいるやぐっつあんがなんか口とんがらしてるからそうたずねた。
後藤はやぐっつあんの前にある両手を握ってる状態。
とくん…って心臓の音、聞こえないね。

「いや、別に…」

「?………?」

「そういや、後藤ってクーラー知らないって言ってたけど、あれうそだろ?冗談だろ?」

しばらく沈黙ってやつが続いてからやぐっつあんがそう言った。

「んーうそじゃないよ?後藤やぐっつあんの家に行くまで
クーラーって知らなかった。」

「マジ?…やっぱ後藤って変わってる…人と違うって言うのかな?」

どくんっ。

後藤の心臓がなった。
やばい、聞こえたかな。
人と違う…やばいよ。やぐっつあん、そう感じてるの?
どう違う?なおさなきゃ。やぐっつあんに後藤の本当のことがばれたら…。

「あ、んあ。えと…やぐっつあんは…お芋好き?」

212 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時51分12秒
「は?」

「んあ、んあ、…えと…ご、後藤のいたところはね」

「うん?」

どくんって言ってる心臓の音がやぐっつあんの背中を通して彼女に伝わってしまわないように、
後藤はごまかしで話を始めた。
後藤の話なんて、こういうのぐらいしかない。
でも運良くやぐっつあんも興味を持ってくれたみたいだ。

「後藤の…いたところは…とても…泡がしゅわしゅわしたところ」

「は?なんだそれ?」

変、かな?
やぐっつあんの金髪が後藤の目の前で斜めに傾げられたけど。
だって後藤のいたところ水槽の中は本当に泡がしゅわしゅわで、さ。
炭酸入りだったからずっとしゅわしゅわ言ってて、そんで後は何も聞こえないところ、そんなところだったんだ。

「そんで、後藤の…いたところは………さびしいところでもあった。」

213 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時53分21秒
「さびしい?後藤…複雑な家庭で育った…んだよな。親代わり、みたいなもんなんだもんな。
とにかく親と離れて、あの松浦とか紺野とかと暮らしてるんだよな?」

「ん、まぁ、そう。後藤のところには博士とこんちゃんがいた。
だからさびしいって気持ちもうれしいって気持ちになった」

「?なに、それ?」

「こんちゃんと博士が会いに来てくれる時…後藤はそれまでの寂しいって気持ちの分、
うれしいって気持ちをもらえることができた。あの二人から、そういうのを貰った。」

「…そうか。よかったな」

「うん…よかったよ。」

それでね、やぐっつあん、そこは静かな後藤の寝床でもあるんだ。

214 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時54分15秒
しゅわしゅわ…って音が子守唄になって、後藤はそこで寝息を立てる。
誰もいないところで浮かんで寝るのって結構寂しくて、自分がどこにいるのか
どこでなにをしているのかぜんぜんわからなくなったりするんだ。
そんなの決まってるのにね。後藤は1年間ずっと…あの研究室の地下の、
地下室の水槽の中にいたんだから。
機械がいっぱいの灰色の壁と時々ピーッて鳴る赤いランプ。
そのピーって鳴るのが大きいときは博士かこんちゃんが地下に降りてきてくれる。
だから、後藤はなんとかしてそのピーってのを大きく鳴らそうとするんだけど、
でもあれの鳴らし方はわかんなかったなぁ。

「でもね。やぐっつあん。」

215 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時55分14秒
目の前で揺れるたびに後藤の鼻先にふわふわ漂うやぐっつあんのシャンプーの匂い。
やぐっつあん震えてるの?まだ寒いの?後藤にもっと近寄って、
そうすれば、ほら、暖かくなる。

後藤がもしあんまり長く生きられないんだとしても…それでも少しでも
やぐっつあんの役に立ちたいんだ。

周りではがやがやとうるさいぐらいに人がいきかってるけど。
でも誰も後藤たちのことを気にする人はいない。
みんな忙しそうでただ大声をだしたりして、ときどきやぐっつあんの声が
聞こえなくなったりして、それが少し残念なだけだ。

「なに?後藤?」

「後藤はそこを出てからも、ちゃんと幸せ、もっとでっかな幸せを感じることができたんだよ?」

216 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時56分07秒
後藤は水槽の中、やぐっつあんはこのスタジオってところで、それぞれ二人は生活してきた。生きてきた。
流れた時は違う。やぐっつあんは20才で20年間いろんなもの見てた。
後藤は1年間、ただ機械ばっかりを見てた。
でもさ、そういう違いにも壁を感じないんだよ。後藤は。
壁なんて感じない、だってこうして二人は出会えたんだから、こうして二人は出会えて
…そんで後藤はやぐっつあんに恋をしたんだから。
恋をして、近づいて、笑顔を見て、触れることができるようになったんだから。
…手をつなぐことができたんだから。

だから壁なんて無意味なもので、ずっと透明ですぐに越えられるもの。

そんなものだよね?

「………」

やぐっつあんが黙ってるので、後藤は両手をやぐっつあんの手から離して金髪を撫でた。
相変わらず触るとやっぱり心地が良い金髪のきらきらふわふわ。
後藤は目を細めてから、それからささやくようにこう言った。

「やぐっつあんと出会えて、そんでうれしくて、
幸せな気持ちを持つことができたんだよ?」

217 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時56分48秒
そう、だから、あれの鳴らし方を暴く必要はもうない。
あれとどうにかして戦って大声を出させる必要もないんだ。

前を向いてなぜだかうつむいているやぐっつあんの顔を覗き込んで、
そして接吻しそうなくらいに顔を近づけた。
やぐっつあんはうつむいたまま、小さく言葉をつぶやいた。
それはがやがやしたこのスタジオってやつでは聞き取れないぐらいに小さな声。
ささやくような小さな声、悩んだような小さな声。

「……なんだろう…なんて言えばいいんだろう」

「ん?なに?」

「…わっかんないや。でもなんか時々、後藤がそんな風な言葉を言うとき、矢口は…」

218 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時57分45秒
「「あー、矢口さん!ラブラブー!」」

「なっ!?」

「んあー?」

舌ったらずちゃんとやてやてあっひゃっひゃちゃんだ。
二人はお芋を食べながら、こっちを向いてなんか変な笑顔浮かべてる。

「なんだよ!?なにがラブラブなんだよ!?」

「そぉやかてぇ〜!そんな風に抱っこされてるなんてぇなぁ?のの?」

「怪しいれすねぇ〜?なんなんれしょうかぁ?」

「ぺっぺっぺぇ〜!なんやなんやぁ!?この雰囲気ごっつ甘いでぇ〜!」

「ののは胸焼けしそうれす。」

「な、なんでもないよ!矢口はただ…さ、寒いからこうしてるだけだよ!!」

219 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)02時58分36秒

さっ。

あ、やぐっつあん離れちゃった。
寂しいなぁ。
やぐっつあんは腰を上げてから立ち上がってそんでやてやてちゃんたち
二人に向かっておっきな声を出してる。

「そやったらその赤い顔はなんですのぉん?」

「テレてますー、てれてるんれすよー?矢口さんはぁ!」

「て、照れてない!こ、これは…その…ばかやろう!」

「ばっかやろう!?でぇすってぇ〜!?なんなんざましょやろ?」

「安倍さんに報告するべきれないれしょうか!?」

「や、やめ!それは!なっちが怒っちゃうよ!」

「「じゃあ交換条件ですー」」

「あ、黙って…!」

「あ、欲しかったらぁ…!」

「「なにかを差し出すのでぇす!」」

220 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時00分16秒
「わ、わぁったよ。なにがいいんだ?」

そう言ってやぐっつあんは、やてやてちゃんたち二人に近寄って
そんで二人の間に入って真ん中で二人の肩を組んでる。

「…やぐっつあん」

そういえばやぐっつあん前に言ってたね。
『笑うのは普通いつだってするもんだろ?』、『楽しいことたくさんあるからね。』って。

本当にやぐっつあんはいつも、いつだって楽しいこといっぱいなんだね。
だってほら、今だってさっきまで困ってた顔はどこにいったの?ってぐらい
楽しそうに笑ってる。

やぐっつあんは今幸せなんだ…。

仲間、仲間ってやつがいるんだ。
14人ものたくさんの仲間がいるんだ。

221 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時01分12秒
やてやてちゃんはなんだかいつも笑ってる、だべだべっしょやさんはなんか
いつも怒ってるけどそれがなんかかわいかったりする、背の高いロンゲは、
いつも眠そうにぼーっとしてるけど美人で、裕ちゃんとか言うやつは大人なほそっこいやつ、
舌ったらずちゃんはのんきな雰囲気、他のみんなもいろいろ楽しそうで元気で…。



後藤…なんだか自分の存在に意味があるのかって…不安になっちゃってるよ。

ねぇ、やぐっつあん、その笑顔…素敵だね。

やぐっつあん。キミのその笑顔は、きっと誰かを幸せにするためにある。
誰かを幸せにするために…存在するんだね。
誰かを幸せにして、そして笑顔を浮かべさせるためにあるんだ。
君はそういう力を持った子。

だけどなんでだろう?そう思うと余計…後藤の存在は必要がないんじゃないかって。

222 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時02分08秒
後藤がそう思いながらやぐっつあんを見つめていると、
やぐっつあんは後ろを振り返ってそして後藤を見つめてニカッて笑ってきた。
ピースサインしてきた。
やてやてちゃんたちには気づかれないように。

そんなしぐさがなんだかおかしくて、後藤はいままでのなんだか悲しい気持ちがなくなって、
今度は笑顔を浮かべてやぐっつあんに投げ接吻をした。

うん。愛してるよ!やぐっつあん!
投げ接吻ぐらいならいいよね?

もしやぐっつあんに後藤が必要ないとしても、もう幸せは十分でお腹いっぱいなんだとしても、
そのせいでお腹ごつごつしちゃってるとしても、それでも愛してるよ!

あなただけをずっと…愛してるんだよ?
それだけは、覚えておいてね?
そういう存在がいるってこと…それだけは覚えておいて。

223 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時02分42秒
後藤が投げ接吻をしたらやぐっつあんは驚いた顔してそのままさってすぐに
顔を元に戻しちゃった。

「……あはっ」

やぐっつあん、今顔が赤かったね。
顔が赤いとさ、人間は…うれしいの?
そうかな?人間はうれしいときも顔を赤くするのかな?
後藤顔を赤くしたことないから、わかんないや。
後藤…人間じゃないからよくわかんない。
けど…けど、幸せ、やっぱり幸せ。

あなたに少しでも幸せを、あげたい。





224 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時07分42秒
自動販売機ってやつ、飲み物がいっぱい買えるとかいうのに水がない変な機械と、長い椅子。
今やぐっつあんは仕事中。後藤はなんか頭がふらふらしてきたのでここに来ていた。
ひどく眠い。
眠いのと、そしてやぐっつあんから離れたせいなのか、後藤はなんだかすっかり気が抜けていた。

「なにしてるのー?」

一人でぼーっとしてたら、誰かが話しかけてきた。
これは…いろぐろちょうかわいいちゃんだ。

「確か後藤さんだよね?あなた」

いろぐろちょうかわいいちゃんは、後藤の隣に座ってきてにこって笑顔を浮かべてきた。
テレビで見た女子高生ってやつが着る制服ってやつを着ている。
この子…なんか後藤と違う匂いがする。

225 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時08分13秒
「ん?なに?匂いかいでるの?トイレネタはもう古いぞっ!」

鼻をちょこんとつつかれた…。
後藤と違う…この人…違う。

「ん?なぁに?なにか悩み事かな?」

「…悩み事?かかえてるみたいにみえる?」

さっきので解消したはずなんだけどな。
まだ残ってるのかな?

「うん。なんかねぇ、落ち込んでるように見える。それに…なんか震えてる?」

「え?」

226 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時08分48秒
後藤…震えてる?

「気のせいかなぁ?んーでもなんかぁ、瞳がおびえてるっていうかぁ〜。なんか怖いことあった?」

「……怖いこと…ないよ。」

なんでこう答えたかわからない。
けど…こう答えてた。
だってさっきやぐっつあんに投げ接吻して解消したもん。
解消したはずだもん。

「んーそっかぁ。んじゃしかたないね。でもね、なんでもなにかを考え込むといけないんだよ?」

「………考え込んでないよ。」

「うん。そっか。でもね、うーん、そうだね。んじゃいいや。」

「うん。」

227 名前:約束 投稿日:2003年07月09日(水)03時09分31秒
「あ、恋の悩みなら聞くぞーっ?うふふっ。」

胸叩いてる。

「だからないよ。」

即答した。
ないって言ってるのに。

「そっかぁ。んー梨華の千里眼もあんま利かないなぁ。」

それからいろぐろちょうかわいいちゃんはずっと後藤のそばにいた。
なにを話すんでもなく、鼻歌歌ったりただにこにこと後藤の顔を見ているいろぐろちゃんは…
…後藤とはやっぱり違うと思った。
でも、彼女が「仕事だから」って言って立ち上がったときは、なんだか寂しい気持ちになった。

228 名前:カヲル 投稿日:2003年07月09日(水)03時12分25秒
>>207-227
229 名前:カヲル 投稿日:2003年07月09日(水)03時13分37秒
更新終了です。
230 名前:カヲル 投稿日:2003年07月09日(水)03時20分48秒
書くことないので、次回予告!

次回!後藤VS安部!
なつかしのトゥートップの争いはいかに!!

では。
231 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時23分48秒
楽屋、だべだべっしょやさんと二人っきり。


「はぁ〜。」

やぐっつあんは、取材。

やてやてあっひゃっひゃちゃん、舌ったらずちゃんは、
夜9時を過ぎたからってことで家に帰ってる。
いろじろちょうほくろくんと、いろぐろちょうかわいいちゃんも、
手つないで一緒に帰宅した。

んで、今はだべだべっしょやさんと後藤。

っしょやさんも後藤もやぐっつあんを待ってるんだ。
だから楽屋にはやっぱり後藤とだべだべさんの二人っきり。

また怒りだすかな?
後藤今調子が悪い、だからそれは少し困る。
なんか不安だし。
そう思ってるんだけど、

232 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時24分26秒
でもだべだべさんはずっとため息ばっかり。

「ねぇ、だべだべっしょやさん?」

「はぁ〜。だからなっちはなっちだべって。」

「ああ、ごめん。そう、なっち、ね。」

なっちなっち、覚えておかないと。
やぐっつあんの名前はすぐに覚えて変えられたんだけど、
なっちさんの名前はすぐには覚えられないんだよなぁ。

「はぁ〜。んで?なんだべ?後藤さん。」

「やぐっつあんのこと好きなの?」

「ぶっ!」

「ぶっじゃなくて、やぐっつあんのこと好きなの?」

好きならやぐっつあんに幸せあげられるよね?

「な、なんでそういうこと聞くべ!?」

233 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時25分00秒
「知りたいから、なっちの気持ち。」

「…そ、それは…別に」

だべだべ…いや違った。なっちは、そう言って視線を宙に浮かしてる。
後藤は立ち上がってなっちの顔を見た。

「…なんだべ?」

「やぐっつあんは、なっちのこと好きなの?」

「し、知らないべ!なんでそんなこと聞くべ!?」

「…後藤はやぐっつあんのこと好きだよ。」

「………だろうべな。」

「やぐっつあんと手つないだことある?」
234 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時25分53秒
「手?あるべ?キスもしたことあるべ?」

「…ん、接吻だね。後藤もしたことあるよ?」

「っしょや!?」

「っそうや。」

「…な!!うそだべ!!」

「…したよ。でも後藤から一方的にだけど」

やぐっつあんは困ってた、だけど後藤は接吻してた。
したことを後悔している、だけど後藤は接吻してた。

「そ!?あんた無理やりしたべか!?」

「無理やり…じゃないと思う。ただ…返事聞く前にした。
やぐっ…つあんは困…ってたみたいだった。」

「………あんたー!なんてことするべ!そういうのは返事を聞いてからするべ!!
困ってた!?なのに無理やりしたんだべか!?」

235 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時26分32秒
「でも…したか…った、んだもん…」

「したかったらする!?なぁにを言ってるべ!キスとかそういうのはそういうもんじゃないんだべ!
もっとちゃんと…」

「………でも…したか…っ…た」

うーっ、なんでだろう。さっきからなんか調子悪いな。
言葉がうまくでないんだよ。

「はぁ〜呆れた常識はずれだべな。そういう無理やりはなっち好きくないべ、
だいたいフェアじゃないっしょや」

「フェ、ア…?」

「…そうだべ。そういうのはだべなぁ〜」

「ねぇ、だべだべ…っしょやさん…」

「だぁからだべだべっしょやじゃない…ってなんて顔してるべ?」

236 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時27分22秒
「ご、めん。な…な…なち……ねぇ……えと……ご、とう。
前に…炭酸飲んだのいつ…だっけ…?」

「は?なに言ってるべ。なっちがそんなこと知ってるわけ…」

「っかしい…な。たんさん…朝…飲んだ…はず…薬…も…」

目の前がぼやけてた。
なんか体がくずれそうになる。
後藤を保っていられなくなる。

どうして?薬飲んだよ?後藤ちゃんと博士やこんちゃんの言うとおりの時間に薬飲んだよ?
ちゃんと炭酸入りのやつで飲んで……もしかして、昨日眠らなかったから?
後藤の身体…その程度のことで壊れちゃうの?保てなくなるの?

「な!?ご、後藤さん!?後藤さんどうしたべ!?顔色がものすごく悪いべ!?」

237 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時27分57秒
「ポ…ケット…見て…」

後藤は昨日やぐっつあんに買ってもらった服、その中のポケットを指差した。
手が震える。手が…震える。

「ポケット?…」

だべだべさんは、ポケットの中をさぐってる。
確か…薬が…この中に。

「くす…り…ある…?はぁはぁ…」

「薬?ないべ?ないべ?なんにもないべ!?」

「だ…薬…たりない…研究所…行かないと…ない…くず…れ…る…」

238 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時28分30秒
「なに言ってるべ!?その顔色しゃれにならないべ!!」

…あんま大きな、声、ださない、で。
音の振動で…後藤…くずれちゃい、そうだよ。

「研究所…い、かないと…後藤…壊れる…くず…れ、る。」

「研究所!?ど、どこにあるべ!?どこに…!?」

そこで、後藤、はだべだべっしょやさんの胸…に倒れこんで顔をうずめた。

239 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時29分11秒




やぐっつあん、やぐっつあん、これどういうこと?
後藤なんで…こんなになってるの?
おかしいよ。後藤、なんで?

博士…後藤は完成体じゃないの?
後藤、125番目、完成体…違うの?
たった一週間ももたないの?
後藤の身体、一週間ももたない不完全なものなの?
薬…飲んだよ。飲んだはずなのに…

なんで?…どうして…?



240 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時30分01秒
ユラユラ揺れる車内の中で、後藤は…目をつぶりながら博士の言葉を思い出していた。

博士はこう言ってた、「いいかな?No.125、いくら眠れなくてもちゃぁんと
眠らないといけないよ?そういう努力をしないといけないんだキミの身体は。
いい?そうしないと…キミが壊れちゃうからね」って、そう。

それは博士が後藤のことをまだNo.125と呼んでいたころの言葉。
やぐっつあんと出会う前、そのずっと前に言っていた言葉。

なんで…忘れたんだろう…?
ただ後藤は…やぐっつあんと接吻をしてからずっと不安で、
だから眠れなくて、ただそれだけだったのに。

もろい、もろい後藤の身体。

でもなに?これ…身体と言えるものなの?
後藤は人間とは少し違うんだ…少し?少しだけ?そうなの?

241 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時30分53秒
違う…人間とは違う…だって人間は薬を飲まなかったからって、炭酸入りの水を飲まなかったからって、
一晩眠らなかっただけでただそれだけでくずれちゃうなんてことないもん。
後藤はもう自分の身体を身体とはいえない状態で、ゆらゆら揺れる自動車の中で息をしていた。
博士の忠告をどうして思い出さなかったんだろうって、
あの時こんちゃんに聞いておけばよかったって後悔していた。

「後藤さん…もう少しだべからな?」

ゆらゆらゆら…後藤の身体が揺れる…身体…意味のないもの。
後藤にとって存在しないもの。
ただの物体。今後藤のこの血や心臓やそうしたものを覆っている
これは…ただの物体にすぎないのかもしれない。
242 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時31分44秒
深夜0時1分過ぎ、つまり5日目、金曜日。







「つ、ついたべ。ここだべな!?」

後藤はだべだべっしょやさんにつれられてタクシーで
研究所の前にたどり着いた。

「松浦研究所。あの変な人、有名な松浦博士だったべな。」

だべだべっしょやさんは博士のことを知っていたらしい。
後藤が一言松浦研究所に連れて行ってと頼んだら、すぐにタクシーを呼んで、
ここまで連れてきてくれた。

だべだべっしょやさん…本名なんだっけ?
また…忘れちゃった…。

243 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時33分02秒
「…だべだべっしょやさん、ご…めんね。」

「だぁからなっち…っていいべ。とにかくこの中に入ればいいべな!?」

「…ん、うん…。」

そしてタクシーを置いて、後藤たちは、研究所の中に入った。







244 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時33分35秒
「それで!?どこに行けばいいべか!?」

「博士…は、かせを探して…はかせが…薬…持って…」

「わかったべ!松浦博士を探すべな!」




「…う、ん」

後藤はだべだべっしょやさんに寄りかかったまま、ずるずると廊下を歩いた。

博士…どこ…後藤…壊れる…くずれる…博士…怖い…やぐっつあん……どこ…?
やぐっつあん…会いたい…やぐっつあん…カキ氷…おいしい…プール…行きたい…

「やぐっつあん…プール…」

245 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時35分12秒
1年前、丁度後藤が作り出されてすぐに、初めてテレビを見た日。
その日は今日みたいな暑い夏の日だってことで、テレビの中の人たちはプール
でわいわい遊んでた。
それで言ったんだ。後藤は「この水が入ってるのはなんですか?
みんな楽しそうですね」って、
そこで見せてくれたのが、地上にある博士の研究所のプール。

テレビの中のプールでは、でっかい丸いビーチボールってやつをぽんぽん跳ね上げてて、
そしてみんな楽しそうだった。
後藤は水が好き、炭酸入りじゃなくても水は後藤の故郷。

だからその故郷で、後藤はやぐっつあんと遊びたいと願った。
博士もその提案を笑顔で受け入れてくれて、「きっといつかそうなるよ?キミが
ここを出るのはあと1年後、また夏がめぐり、そしてそのときがくればキミは
会うべき人間に会うんだから。」
そう言っていたんだ。
246 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時35分44秒



「プール?プールにいるべか!?」

「ちが、う。やぐっつあんと、プールに…」

行きたい…。

「とにかくこれだけ探してもいないってことはそこにいるかもしれないべ!行ってみるべよ!後藤さん!」

「やぐっ、つあん…」





247 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時36分29秒
プールに、ついた…。

「なんだべ?夏だっていうのにもったいないべなぁ。布かけてるべ?」

頭の上からだべだべっしょやさんの声。

「あ、松浦博士じゃないべか!?おーい松浦博士ー!」

「じゃああさ美、よろしく頼むよー!」

「本当にやるんですかー?」

「当たり前でしょー?もうこれは必要のなくなったものなんだからー!」

ウィーン、ウィーン、ウィーン!

248 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時37分27秒
「なんだべ。二人もいるのに、聞こえないべか?だいたいなんでプールに
あんなでっかいの…あれのせいで聞こえないべな。…もうちょっと近くに
行くから、後藤さん待っててっしょ?」

「う、ん」

外にあるプールの近くには、でっかいクレーンがあった。
だべだべっしょやさんの声はそのクレーンの起動音のせいで
博士のところまで届いてないみたいで、
後藤たちは二人の近くまで行くことにした。


「じゃあ、行きますよー!」

近くまで…近くまで来たとき、後藤たちの足元の、
でっかくて黒い布が取り払われた…。



「!!!!な、な…な!?」

頭上からだべだべっしょやさんの驚いた声。
後藤も顔をあげて…その視線の先を見る…。


み、た……!



249 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時38分11秒
「な!な!?死体!?…これ…!全部…ご…!うそ!?うそ…だべ!?」

だべだべっしょやさんは驚愕に震えた声をだし、後藤の身体から突然離れた。
当然後藤はプールの横の床にほおり出される形になる。

だべだべっしょやさんの呼吸がだんだん激しくなって、震えてきているのを
目の端に止めながら…後藤もそのプールの中のものに視線が釘付けになっていた。

「…ご、とう、だ…。」


プールの、布を取られた中にはたくさんの後藤がいた。
後藤真希、後藤、ごとう、ごとー。

ごとー…。

250 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時38分47秒
全部無表情、全部目を閉じてて、全部…死んでた…。
違う、生きてなかったんだから最初から目を覚ましてなかったんだから
これは死んだんじゃない。

ウィーンウィーンウィーン。

「んじゃガソリン巻いてー!」

「はーい!」

目の前で、クレーンにつままれたタンクからガソリンが落とされる。

毒々しい真っ黒なガソリン…それがたくさんの後藤たちに垂れ流される…。

博士のいる右端から、後藤たちのいる左端に向かって。

全部で…きっと124体…125番目の後藤はここにいる…。

251 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時39分36秒
「これでいいですかー…はか……!ご、後藤さん!?」

クレーンをこちらに向けたこんちゃん、そのこんちゃんの大きな目が見開かれて
こっちを向いてた。
後藤はうずくまって、きっと情けない顔でそのこんちゃんを見つめ返してた。

「ご、後藤さん!?どうしてここに!?どうして!?博士!待ってください!はか…!」

「んじゃ行くよー!えい!」

驚いてるこんちゃんに気がつかずに、博士が遠くでマッチの火をすって
そしてプールの中の後藤たちにほおりこむ。


ジュッ!ボォーーーーッ!!


博士の投げ込んだマッチの火、それはあちらからこちらへ
…すごい勢いで進んでいった。
目の前の真っ赤な炎、それに後藤は目を離せないでいた。

焼ける…焼けてる…後藤たちが…焼けてる…!

252 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時40分17秒
悲鳴をあげて!悲鳴をあげてよ!!後藤たち!
そうしないと、後藤が…!
後藤、後藤…誰か…!

やけ…っ。

「あ…ああ…あああああ〜!うぁあああああああ!!」

後藤は一人叫びだしていた。
なんの声も上げない、泣きもしない、おびえもしない、
そんな目をつぶったままの後藤たちの変わりに。

近くでだべだべっしょやさんが、こっちを見てた。
おびえた顔して後藤を見てた。

253 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時40分53秒
「後藤さん!後藤さん!博士!後藤さんが!!」

こんちゃんの叫び声、だけど後藤の耳にはなにを言っているのかそれすらもわからない。
博士も気づいてこっちを見てる。

「え…ごっちん?…No.125!?どうしてここに!?」

後藤…やけ…後藤!

「うぁあああああ〜!!」


後藤はそこから走りだしていた。





254 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時41分46秒
涙…涙…博士がとっておけと言っていた涙。

もう止まらない。これは…やぐっつあんのために…だけど止まらない。

止まらないんだ!やぐっつあん。

どうしよう!?怖いよ!怖いよ!体が熱いよ!!



体が…あつ…い!


涙が…出る瞬間から乾いてて、じゅわって言ってて…!

助けてよ!助けてやぐっつあん!
あつ…あつい…!





255 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時42分25秒
ガチャッ!

やっとやぐっつあんの家。

やぐっつあん、どこ!?
どこにいるの!?
怖いよ怖いよ!

後藤が焼ける!後藤が焼ける!

焼けたら灰になって死んじゃうよ!!
怖い怖いよ!焼けるのはいや!

死ぬのはいや!死ぬのはいや〜〜〜っ!


「後藤?どうしたんだ!?泣いてるのか!?」

ベッドのある部屋の扉が開いて、やぐっつあんの顔。
やぐっつあん…会えたね。やぐっつあん、会えたんだね!

後藤は泣きながら笑顔を浮かべてやぐっつあんに走りよってそして、抱きついた。

256 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時42分59秒
「あっち!な、なんでこんなに熱いんだ!?後藤!?」

「!!ご、ごめん!ごめん!」

後藤はやぐっつあんのその言葉に身体を離した。
そして遠ざかって、水を探す。

炭酸入り、炭酸入りの水を飲めば、後藤はまだ大丈夫。
後藤はまだ大丈夫。



冷蔵庫!あった!あったよ炭酸入り!

これで後藤は…。

手を伸ばして冷蔵庫の中の炭酸入りの水をつかむ。

そして震える手で口に運んで、全部一気に飲み干した…だけど…。

「…どうしてっ!?」

257 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時44分02秒
相変わらず後藤の身体は熱いままで、それどころかますますその熱がひどい
ものになっている。

薬!そうだ、薬だ!あれを、やぐっつあん、薬…。
博士、薬…薬がないと…

…壊れちゃうんだよ!!

燃えて…くずれて!それで…!やぐっつあん!

「後藤!落ち着け!落ち着いて!」

「やぐっつあん、助けて!助けて!薬…!薬がないと!!」

「…わ、わかった…わかったから…泣くな、ごと……!?」


「やぐっつあ…ん!…あつ…あつ…!うぁああああ〜!!」


ボッ!!



258 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時44分49秒
目の前が真っ赤だった。
真っ赤で熱くて痛くて、怖くて、


やぐっつあんがおびえてて…やぐっつあんが


「後藤!!」


「ち、近寄らないで!!」

やぐっつあんが後藤に近寄ってきた。
だから後藤は火の中でそう叫んだ。


「だ、だって後藤が!!」


「燃えちゃうよ!やぐっつあんが燃える!そんなの耐えられない!だから!
だからやぐっつあん!近寄らないで!!」

「後藤!!後藤!!」

「あつ、い!あついよ!やぐっつあん!やぐっつあん!うぁあああああああ〜!!」

「後藤!後藤!!」



259 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時45分31秒
手、手をつなぎたい

やぐっつあんと手をつなぎたい。

またあんな幸せを手に入れたい。



やぐっつあん燃えないで、でも手をつないで。
やぐっつあん後藤に近寄らないで、でも手を…。


「手を…!」

やぐ、つ、あ、ん。


260 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時46分38秒

……。


おいらが後藤の差し出してきた手を握ろうとしたとき、
その熱気はものすごいことになっていてとても近寄れるものではなかった。
そうして、矢口が手を出せないで躊躇しているうちに後藤は燃え盛る炎の
中で灰になっていった。

灰、真っ黒な消し炭みたいな後藤の灰。

彼女の白い肌の色、そんなのわかんなくなるぐらいに、後藤っていう
人間を作り出していたはずの足も胸も顔も全部黒いこげた物体になっていった。

泣きたいのに、泣けない状態。
それってわかる?

ねぇ、今の矢口がその状態なんだ。
わけがわからなくて、呆然としてて、なんなの?これ?なんなの!?


なんで後藤は燃えたの!?

後藤は…なんで!?




261 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時47分25秒
朝…いつもの楽屋。


「え…?燃え、た?」

「ああ、燃えた。後藤、矢口の目の前で燃えちゃった」

おかしな会話だ。
なっちが目を見開くのが顔を見なくてもわかるぐらい、変な会話。
だけど泣きたいほどつらい。

「………」

「……」

ショックだった。
それと…なにより恐怖と痛みで泣き叫んでる後藤の手を握ることが
できないで躊躇していた、そんな矢口が一番いやだった。

「後藤…なんで燃えたんだろう…なんで…?」

なんで矢口はあの時あんなだったんだろう?
あんな風にただおびえてみてるしかなかったんだろう。
もっと…ちゃんと後藤を救える道があったかもしれないのに。
でも…怖くて、怖くて、体が動かなくて。

「……ご、後藤………人間じゃなかったんだべよ」

262 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時48分05秒
なっちが矢口の手をぎゅって握りながら、そうつぶやいた。
なっちの右手も震えてた。

「…………え?」

「人間じゃなかったんだべ。松浦博士の作り出した…化け物…」


「やめろよ!なっち。」

「………ごめん。」

「後藤はぜんぜん化け物じゃない。後藤はちゃんとした、
ちゃんとした…一人の女の子だよ。」

「めん、ごめんなさい。ただ…なっちあんなの見てショックで…ごめん」

「…信じられないな。矢口。松浦ってやつは確かに博士らしいけど、
でも……人間なんて普通作れるもんか?なんなんだ、あいつ…普通じゃないよ。」

263 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時48分43秒
「……松浦博士はアメリカで生物学を研究していた人だべ。16にして博士号
を取って、だけど17で何かの理由で学会を追われたらしいんだべ。
その学会を追われる前のそのころに…彼女は後藤を作り出していたんだべな。」

「………後藤を…作り出していた…」

矢口は泣きたい気分を抑えて、なっちの顔を見つめた。
なっちは…悲しい顔して矢口を見つめ返してる。

Prurururururu♪



「………携帯だべ?」

「………ああ」


矢口の携帯、それを手にとって、そして耳に当てた。


264 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時49分21秒
『松浦だよ。』

「…!あんた!!」

『話があるんだ。明日の土曜日、来てくれる?』

「え?」

プッ…ツーツーツー。

「待っ…!…切れた。」

「……誰だったんだべ?」

「松浦博士だ……明日の土曜日こいって…話があるって。」

「矢口…行くんだべか?」

「…………」

「行かないほうがいいべ。もう忘れたほうがいい、あれはもう終わったことだべ。
忘れてしまったほうがいい。すぐには無理でも、だけど忘れるように努力したほうがいいべ」

「………」

265 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時50分01秒
「な?そのほうがいい…」

「でも…!矢口はまだ後藤のこと…。」

「………矢口…。」

「たった一週間、そんな短い期間でさえも後藤と過ごせなかった。
矢口は…後藤に…まだ…。だから松浦博士と話たほうが…。」

「…じゃあ行くべな。」

なっちは静かな声でそう言った。
矢口はそんななっちを見つめ返して、そして顔をゆがめた。
情けない顔、泣きそうな顔でなっちを見つめた。

「………」

「じゃあ行くべ?」

「…………なっち?」

「はぁ〜。しかたがないべなぁ。でもそうすることが…矢口の気持ちを少しでも
落ち着かせることになるんなら、しかたがないべよなぁ。」

なっちはまた悲しそうな顔をして、少しだけ天井を見上げてそう言って笑った。

「……………うん。矢口…松浦博士と話をしてきたい…。」

266 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時50分52秒
「…ん、でも戻ってくるべ?松浦博士と話をして、自分に決着がついたらなっちのところに…戻ってくるっしょ?」

「………」

矢口は答えなかった。
そしたらなっちはまたため息をついて、
そして首を振ってから笑顔のままこう言った。

「ちょっと、言ってみただけだべ。」

それから…矢口の顔を引き寄せてそして顔をうずめる場所を与えてくれた。
そのなっちの胸の中で矢口はこみ上げる気持ちを抑えきれなくなってしば
らく声をあげて泣いて、
そしてなっちの心臓の音を聞いていた。

「まぁ…泣きたいだけ泣いて少しでも回復して、んで…松浦博士と話してくるべ。
元気になってからじゃないとあの変態博士と話しをするのはつらそうだからっしょ」

「…うん。」


267 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時51分31秒



6日目、土曜日…終わり、そして始まり。

研究所。
焼けた後藤が…生まれた場所。
焼けちゃった後藤が作り出された場所。
そこに矢口は来ていた。

そして松浦博士と対面し、彼女をにらみつけていた。
そうしないと、なんだか気をしっかり持っていられないような気がしたから。
おいらと会う前に後藤が過ごした場所、そう思うと後藤の存在がはっきりと心に浮かんで、
震えだしてさえいる。
情けないね。やっぱりショックがさ、大きくて。

「コーヒーでも飲む?やぐっつあん。」

「いらない。」

「そう。」

268 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時52分24秒
松浦博士はそう言ってからうつむいた。
その彼女の態度に矢口の怒りが少し薄らいで、そしてそんな彼女を見つめているうちに
次第に震えも収まっていた。
だけど逆にその雰囲気に暗いものを感じる。
ただ、少し後ろで紺野がパソコンに向かって何かを打ち込む音がカタカタ
と響いているのが聞こえてきてる。

「………なんで、あんなことしたんだ?」

「…そうだね。その話はあとで。とりあえず、やぐっつあんに提案があるんだ。」

「提案?なんだよ?」

「見てほしいものがあるんだ。No.……おいで、ごっちん。」

「ご…とう…?」

「やぐっつあんとかいうやつ!」

閉まっていた扉が静かに開いて中から出てきたのは、後藤だった。
後藤真希……矢口は目を見開いて口をバカみたいに開いた。

269 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時53分08秒
「会いたかったよ!やぐっつあんとかいうやつ!」

後藤は矢口の驚きに気づかず、走りよって抱きついてきた。
矢口は、後藤に抱きつかれながら松浦博士の顔を見る。

「…な、なんだよ…?なんだよ、これ?………もしかして…おまえっ!!」

「…そうだよ。また作ったんだ。もう一度…作ったんだよ。彼女、後藤真希を。」

「もう一度作った!?なに言ってるんだよ!!お前まだこりてないのかっ!?」

「こりる?なんで?こりるわけないよ。」

「ふざけんなっ!!あんなことがあったんだぞ!反省するだろう?普通!
人間なんて………あんたは神様じゃない!」

神様…後藤は松浦博士のことをそう言っていた。
後藤に幸せをくれた神様なんだよって…だけどそれは違う。
確かに後藤は幸せそうだった。だから後藤は松浦博士のことを神様だって思ったんだ。
だけど、結局後藤はあんな風に燃えちゃった、だから…神様じゃない。
少なくとも後藤が思っていたような神様じゃない。

270 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時54分08秒
「神様?なにそれ?当たり前でしょ?私は神様じゃないよ。ただ言うんだよ。頭の中で、何度も言うんだ。」

「言う?頭の中?なにが?」

「さぁ、多分ごっちん。それがね、何度も言うんだ。『また生まれたい、
やぐっつあんに会いたい』って」

「………」

「やぐっつあんだってまたごっちんに会いたいって思ってたんでしょ?」

「…………思っ……」

そう言いよどんでると、後藤が心配そうな顔をしてかがみこんでおいらの顔を覗き込んできた。
矢口はその後藤から目をそらし、そして黙ってうつむく。

「…幸せは、続いていないと意味がない。そう思うんだ。だって終わっちゃった
あとに思い返しても、楽しい思い出が悲しい記憶に変わってしまうから。
だけど、今度の後藤は大丈夫。きっと長くやぐっつあんのそばにいられるよ?
彼女が気をつけていさえいればね。」

271 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時55分00秒
「…だけど!前の後藤が!それにずっと気をつけなくちゃいけないままなんて、
つらいじゃないかっ!」

いつも死の恐怖におびえてないといけないってことだろ?つらいよ、そんなの。
それになんか間違ってる。
松浦博士の言ってること、違うよ。

「……そういう人はたくさんいる。でも好きな人と一緒にいられること、
それが幸せ。その幸せがあるなら人の人生は楽しいものになる、そういうものでしょ?」

「………」

矢口は何もいえなかった。
後藤が今そばにいること、後藤を見た瞬間にうれしいと思ってしまったこと、
それが…矢口に次の言葉を言えなくさせていた。

「初恋、だったんだよね。」

272 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時57分12秒
松浦博士は、両手を後ろに回して少し顔を上げてからそう言った。
今まで聞こえていた紺野のパソコンの音がはたりと止まるのが耳に入る。

「初恋?」

「そう、初恋。あややは初恋の人の願いをかなえたんだ。ずっと頭に残ってる彼女の言葉、
『おいら好きな人が欲しい!ずっとずっとおいらを好きでいてくれる人、そんな
人が欲しいんだ!』って、その時の笑顔も今でも心に残ってるよ。二人で
芝生に寝転がって、私はその子の横顔をずっと見てた。ちっとも飽きなかった。
それで思ったんだ、この子の笑顔をもっとずっと見ていたいって、元気でやさ
しいこの子の笑顔をもっといっぱいにすれば、私は幸せになれるって本当の意味で
自分に自信を持つことができるってね、そう思ったんだよ、やぐっつあん。」

「……おいら…?おいらって…もしかして………矢口のこと?」

273 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時58分16秒
矢口、そんなこと言ってたの?
そういえば松浦博士はそんなことを言っていた、「久しぶりだね」って…でも…覚えて、ない。

「君は覚えてないって顔だね。だけど……片思いだったから、好きだったから、
それからずっとがんばって勉強して、そして私は後藤を作った。すべては君を幸せにしたかったから、
それだけだよ。1日で作るのは大変だった。でも、できるだけ君に
つらい思いをさせたくなかったから。だから…作りあげることができた。」

「…………ご、めん」

おいらのせいだ。
松浦博士が後藤を作っちゃったのも。
そして後藤があんな死に方しちゃったのも。
全部おいらのせいだ。

「どうして謝るの?やぐっつあんのせいじゃないよ。それに願いかなったんでしょ?」

「……………」

「やぐっつあんとかいうやつ、なんでうつむいてるの?なにかつらいことがあったの?」

274 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)01時59分07秒
「………後藤。」

まだ矢口の顔を覗き込んでいる後藤、その後藤の不安そうで悲しそうな顔に矢口は目を向けた。
彼女は……。

「とりあえずごっちんをどうする?つれて帰る?そうでなければ…」

「…つれて帰る!」

松浦博士の言いかけた先の言葉に不安を感じて矢口は言葉をさえぎった。
まさか…「必要ないから…」とか言い出すんじゃないかって、そんな不安
を感じたんだ。
考えすぎかな、でも、そんなのがまんできない。

「そう。じゃあ今度また。そのときにごっちんが守らなきゃいけないことを
やぐっつあんにも教えるから。」

松浦博士のその言葉に矢口はうなづく。

275 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)02時00分11秒
「…やぐっつあん、今でも大好きだよ。」

…皮肉に、聞こえた。
そう言った松浦博士は笑顔だったけど、でも素直に受け止めることはできなかった。

そして矢口は自分の家に帰ることにした。
おいらと腕を組んで楽しそうにしている後藤を連れて…。



………。








276 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)02時01分05秒
矢口は後藤を家にいれ、そして…後藤の頭を撫でながら前の後藤の話をした。

「前の後藤はね、後藤。…とっても変な子だったんだ」

後藤に呼びかけ、そして前の後藤の話をする。
だけど後藤は首をかしげてる。

「ふぅん。でも前の後藤って、後藤だって後藤だよ?アタシも後藤真希だよ?」

そんな風に言う後藤、だけど矢口はずっとずっと後藤の頭を撫でながら前の
後藤の話をした。そのままにしていた前の焼けちゃった後藤、その後藤を
見つめながら彼女の話をした。今矢口のそばにいる後藤は「これが焼けちゃった後藤かぁ」
って言いながら灰を手にとってその匂いをくんくん嗅いだり、さらさらと指で流したりしていた。

「カキ氷食べたんだ。舌が黄色くなってね。それで…彼女ね。
キスのこと接吻っていうんだよ?おっかしいよなぁ?なぁ後藤」

277 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)02時01分59秒
なんだか、目の前がぼやけてる。
目がぼやけてて、前の後藤…彼女。

矢口が…一番悲しいのはね、後藤。前の後藤ともう会えないってこと。
前の後藤がかわいそうだってこと。

前の後藤はね、後藤?矢口のこと好きだってやさしい顔してね。

「ひっく…ひっく…ぐすっ…」

「やぐっつあんとかいうやつ、なにがつらいの?泣かないで?…そうだ!後藤
歌を歌ってあげるよ!後藤の歌、初めての歌。…聞いてくれる?」

「ひっく…ひっく…うん、歌を歌ってよ、後藤。矢口…後藤の歌が聞きたいよ」

278 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)02時02分29秒
そしてあの後藤のために矢口と一緒に泣いてよ。
後藤、そんな無邪気な顔しないでよ。
後藤、前の後藤はね…とっても…。

「拍手は忘れないでね?」

そう言って後藤は微笑んだ。




悲しいぐらい無邪気に、微笑んでた。









後藤の静かな歌声が聞こえる…矢口、前の後藤に好きだって言ってなかった。
前の後藤がくれたもの返してなかった。



279 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)02時03分20秒
矢口はこれからあの研究所に行って松浦博士の説明を聞いて、今の後藤をずっ
とずっと守り続けないといけない。もうあんな風に目の前で後藤が燃えちゃう
のはいやだから、だからずっと…矢口は後藤のそばにいるんだ。


そうすればきっと前の後藤も笑顔を浮かべてくれると思うから。

きっとどこかで……………笑顔を浮かべてくれると思うから。


短い時間でたくさんの思い出をくれた後藤、彼女の笑顔を…もう一度見たい。







280 名前:約束 投稿日:2003年07月10日(木)02時03分59秒
終わり
281 名前:カヲル 投稿日:2003年07月10日(木)02時04分40秒
はい、最後まで改行がうまくいってませんが、とりあえずんな感じで終わりです。
282 名前:カヲル 投稿日:2003年07月10日(木)02時10分02秒
これをハッピーエンドと取るのか、そーでなく取るのかっつうのは…
どっちかよーわかりませんが。まぁやぐっつあん次第よー、かな。
んでレスがあまったんで、もしかしたら別の短いくだらないやつを載せさせて
いただくやもしれません。
とりあえず今考えているのは「いしごま」です。
石川さん攻めです。
私の場合石攻めにした場合石川さんの人格が代わってしまうためもしかしたら
松浦さん並にもしくは安部さん並に違和感があるやもしれませんが、
更新した場合は読んでくれる方どーぞよろしくです。
では。

283 名前:カヲル 投稿日:2003年07月10日(木)02時11分58秒
忘れていました↓
>>231-279
284 名前:カヲル 投稿日:2003年07月10日(木)02時39分45秒
やっぱここはこれだけにして、石攻めはサイトだけ出します。
怒られるのいやですから。
285 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月10日(木)21時00分26秒
ぬはー!
いきなりこんな展開になるとは……面白いです。
これ読んでたら『グレムリン』を思い出しました。
286 名前:カヲル 投稿日:2003年07月11日(金)01時09分45秒
>>285名無しさんさま
   よっしゃ、反応ないから不安だったです。
   「グレムリン」?
   わかるよーな…わかんないよーな。
   それはとにかく一応面白かったということで、ありがとうございます。
287 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月11日(金)19時30分38秒
カヲルさんの作品は後半になるにつれてどんどん引き込まれていく
作品が多いですね
後藤がエ○ァの綾○っぽくて切なすぎるよ
次の石攻めのいしごま楽しみにしてます
288 名前:カヲル 投稿日:2003年07月11日(金)20時10分07秒
>>名無しさんさま
  そうなんですか?後半になると引き込まれるタイプが多いんだ。
  知らなかったです。
  でも今回は確かに最後書くために中盤書いてたようなもんですしねぇ。
  不安だったのは退屈感でしたし。それを回避する意図で博士を松浦さんに当てたんでしたと。
  おおー、エ○ァの綾○ー。確かにそれに影響されてるかもしんないっす。
  あと菅野さんとかもそれ系だしー。
  石攻め?…こ、ここでは、出さないのですよ。
  もし直せたとして、まだここが残ってたら飼育に出すかもしれませんが。
  可能性0.1%っす。
  でもそう言ってくださってありがとーございます!
289 名前:ブラッククロス 投稿日:2003年07月15日(火)17時08分32秒
完結お疲れ様です。
やっと読むことが出来ました。
焼けたごっちん・・・炭になったごっちん・・・
想像して見るとこわいですねぇ。
その後の後藤さん。綾○さんとだぶりました。
次回作も期待しておりますね。
では。
290 名前:カヲル 投稿日:2003年07月15日(火)20時08分33秒
>>289ブラッククロスさま
  レスありがとうございます。
  ご出張からのお帰りお疲れ様です。
  そうですねぇ、想像しちゃうとこわいですよねぇ。
  ブラッククロスさまはその後、の方がだぶったんですか?
  そうですか。
  ブラッククロスさまもエ○ァ見てたんですねー。
  
291 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月19日(土)01時41分19秒
やっばい、涙で画面が滲んだよ…
292 名前:カヲル 投稿日:2003年07月19日(土)07時53分25秒
>>291名無しさんさま
   ありがとうございます!
   今後もがんばりまっす!

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