Redcandy bluecandy

1 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)18時58分22秒
はじめます。
 不慣れなんでsageの方向でよろしくです。
2 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)19時11分40秒
雨の音で目が覚めた。
 恋人のベッドは少し狭いので、ごとーは隣で気持ちよさそうに眠る恋人を
 起こさないように、ううんとのびをした。
「はあ」
 ごとーはごそごそと寝返りをうって、小さな体を更に小さくして眠っている
恋人の顔を覗き込んだ。
「なっちい」
 ごとーもそうだけど、なっちはそれ以上に朝によわい。
 そんなとこもかわいくてたまらないんだけど。
 でも、ごとーがこんな風に思ってることはなっちにはナイショ。
 だってなっちは、ごとーが可愛いとか言うと、真っ赤になって怒るから。
「なっち・・・」
 頭まで被っていたタオルケットをそっと剥いで覗き込む。
 可愛いなあ。子供みたいだなあ。
 ホント、子供みたい・・・。
「・・・?」
 なんか違和感。
 たしかになっちはこどもみたいだけど、ここまで幼い顔だったっけ??
 ここまでからだ、小さかったっけ???
 ごとーは頭に?をたくさん浮かべながら、なっちのタオルケットを一気に剥ぎ
とった。
3 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)19時21分23秒
 タオルケットを剥ぎとっても、なっちは気持ちよさそうに眠っている。
 かわいい。可愛いんだけど。
「・・・なっち!!!」
 ごとーは混乱してなっちの体を抱き起こす。
「・・・うにゃ?」
 なっちは無理やり抱き起こされて、不機嫌そうに目元ぐしぐしと手の甲で擦っている。
「・・・」
「ん〜」
 まだまだちゃんと目が覚めないなっちを、ごとーはおもむろに抱き上げる。
 ごとーがなっちを抱き上げる、なんてしょっちゅうなんだけど、今は。
 なっちの脇に両手を差し入れて、高い高い・・・。
「なっち!ちっちゃくなっちゃってるよお!?」
4 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)19時41分50秒
 小さくなってしまったなっちを抱き上げたまま、ごとーは条件反射で(?)本当に
高い高いをする。「ふあっ!?な、なんだべっ!?」
 さすがにそこまでされて、なっちも目が覚めたのか、慌てて足をばたばたさせる。
「なっちい。なんでえ?」
「・・・と、とにかくおろすべさあっ」



 で。
 ごとーとなっちはベッドの上で仲良く(?)向かい合って、難しい顔をしていた。
「・・・五歳くらい?」
「・・・この身長はそれくらいだべ」
「・・・なんで?」
「なっちが聞きたいべさ」
 んきっとなっちはごとーを睨みつけてくる。
 だぼだぼのピンクのストライプのパジャマに(あ、ごとーのパジャマは水色のストライプ
なの〜なっちと買いにいったんだよ)うるうるの上目遣い。ああ〜、普段のなっちだったら
そっこー押し倒していただきます!なんだけどお。
 ・・・なっちは今ごちゃいで。
 そんな睨まれたらねえ?なんかごとー、悪いことした人みたいじゃん・・・。
「でもさ、いきなりそんなんなるワケないじゃん?まんがじゃないんだし」
「・・・うん」
 あら?
 ごとーの言葉にうつむくなっち。
 なんかこころあたりあるのかな?
5 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)20時19分19秒
「あ、あのね。ごっちん」
「うん?」
 小さな指をもじもじとさせながら、なっちは言い辛そうに口ごもる。
「・・・あのお」
「うん?」
「や、やぐち、呼んでもいいかなあ?」
「は?」
 なんで〜!?
 なんでやぐっつぁんなの!?
 ごとーにには話せないのにやぐっつぁんには話せるの!?
 そんなごとーの心の叫びがわかったのか、なっちは申し訳なさそうに眉を八の字
にさげて。
「ごっちん、お願いだべ・・・。わけは後で必ず話すから」
「う〜」
 結局、ごとーがなっちのお願いモードにかなうはずなくて。
 なっちが携帯でやぐっつぁんに連絡してるのを納得いかないながらも後ろでみている
しかなかった。
6 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)20時33分52秒
 それから小一時間後。
 なっちの部屋にはごとーとやぐっつぁんと、この部屋の主であるはずの五歳のなっち。
 ごとーとなっちはやぐっつぁんが来る前にシャワーを浴びて身支度を整えて。
 そうそう、なっちったら見かけ五歳のくせに一緒にお風呂入るの恥ずかしがっちゃっ
て〜!一人で入るって言い張るから、最初に一人で入らせたら、シャンプーとかの棚に
手が届かなくってえ。
 まあ、結局ごとーと入ったんだけど。
 可愛かったなあ。あはっ。
「なっち」
「・・・やぐち」
 やぐっつぁんはじっとなっちを見つめて、なっちも神妙な顔で頷き返して。
「・・・やっぱ、アレが原因なわけ?」
「アレ以外考えられないっしょや!」
 ・・・アレって?
 もしも〜し。ごとーだけ話が見えないんだけど。
「まさかホントだったなんて・・・オイラ試さなくて良かった」
「なっ!?やぐちが無理やり試させたんだべっ!?」
 ・・・おーい。
 ごとー、放置ですか?
「どうどう、なっち。・・・でもさあ、ここでこうしててもしかたないしさ」
「むう。そりゃそうだべ」
「とりあえず、紺野を呼び出そう!」
7 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)20時58分02秒
 紺野がここに来るまでに、ごとーはなっちとやぐっつぁんになんでなっちが小さく
なっちゃったか話を聞いた。


 それは昨日の朝。
「おはよう」
「はよー」
 娘。の楽屋はいつもどおり、騒がしくごちゃごちゃしていた。
 めずらしく遅刻しないで来た安倍は、相変わらずの有様にため息をついた。
「まあったくう!朝からにぎやかだねえ」
 ぶつぶつ言いながら安倍はすでに来ていた矢口の隣のソファに腰掛ける。
「なっちはいつもギリギリだからねえ。大体こんなモンだよ」
「そおなの?」
 安倍は矢口の言葉に、呆れたみたいに笑う。
 そんなふたりのやりとりを見ていた石川が、つつつ、と側に近寄ってきて。
「安倍さんたらあ、おばさんみたいですよお?」


 ・・・がああああぁぁぁん!!!!


 おばさん・・・。
 なっちはおばさんなんだべか?
 確かに圭ちゃんが卒業してからなっちは圭織とならんで娘。の最年長だけども・・・
なっちは自分では童顔だって思ってたんだけど、実は老けてるんだべか?実はみんな
おばさんだと思ってるんだべか?
8 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)21時19分43秒
 安倍のそんな心のさ叫びが聞こえたのか聞こえないのか、石川は言いたいことだけ言って
ひらひらと吉澤の元へと戻ってしまった。
「・・・」
「な、なっち?」
 呆然とする安倍に、矢口がおそるおそる声をかける。
「き、気にすることないよ・・・?」
「・・・」
「・・・なっち?」
「・・・やぐち!!!」
「ひいっ!」
 安倍はおもむろに振り返り、矢口の胸倉をぐいと掴みあげる。
 基本的に安倍は非力のはずだが。
 いったいどこにそんな力があったのか、矢口のつま先は宙に浮いてしまっている。
「なっぢ、ぐるじい」
「やぐち!なっちは実はおばさんなんだべかっ?みんなが童顔だ童顔だっていうのは
嘘なんだべかっ!?」
「嘘じゃないって!嘘じゃないから離して・・・」
「嘘じゃないからって、そんないやいや言ってほしくないべさっ!」
「・・・ぐるじい・・・」
 いよいよ矢口の顔色がやばくなってきた。
 誰か止めないと・・・と、そのとき。
 誰かがとんとんと安倍の肩を叩いた。
9 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)22時09分32秒
「安倍さん、そのままでは矢口さんが死んでしまうのです」
 安倍の肩を叩いた紺野は、普段はかけていない眼鏡のフレームを指先でくいっとあげて
不敵に(?)微笑む。
「紺野・・・?」
「・・・た、助かった・・・」
 安倍に締められていた首をさすりながら、矢口はぐっとりとソファに沈み込む。
「ところで紺野、なんでそんな格好してんの?」
「これですか?」
 矢口の言葉に、紺野は着ていた白衣の襟元に手をやり、モデルばりにくるりと一回転する。
「これは私の研究用ルックです。完璧です」
「・・・研究?」
「なんの研究だべ?」
 紺野は変だ。
 矢口と安倍は同じことを思ったが、あえて口には出さなかった。
 ・・・口にしたらなにか恐ろしいことが起きそうな気がする。
「ふっ、よくぞ聞いてくださいました、お二方。実は私、中澤さんに頼まれて、とある
薬を研究していたのです。それで、今朝、その薬のサンプルが完成したのです!」
 ・・・マッドサイエンティスト。
 矢口と安倍の脳裏にそんな単語が浮かんだ。
「へえ」
「よかったねえ。早く裕ちゃんにあげておいで」
 関わらないほうがいい。
 ふたりは本能的に悟った。
10 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)22時24分43秒
「そこで安倍さん!」
 紺野は少し怯えた様子で視線をそらす安倍にずずいっと詰め寄る。
「ひいっ!なんだべっ!?」
「安倍さん、さっき嘆いてましたよね?」
「へ?」
「自分はおばさんなのかと」
「・・・ああ、そーいえば」
「実は安倍さん、私が研究していた薬とは、若返りの薬なのです」
 若返り?
「そ、それはほんとだべかっ?」
「ほんとです。完璧です」
 冷静だったら、ただうさんくさいなと思うだけだったのに。
 今の安倍の精神状態は普通ではなかった。
 生まれて初めておばさん呼ばわりされて打ちひしがれていたのだ。
「ちょっとなっち、かなり胡散臭いよ」
「矢口さん!」
「は、はいっ!」
「あなたは失礼です。この天才科学者紺野の研究に胡散臭いことなどありません!
完璧です!」
 完璧です・・・完璧です・・・完璧です・・・。
 そういえば・・・。
 ここんとこ、オイラも疲れやすいんだよな。
 オイラももう二十歳すぎてるし・・・。
 年なのかな・・・。
11 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)22時44分33秒
 そしてまんまと矢口と安倍は紺野の実験台になることになったのだが。
 基本的に要領の良い矢口はまず安倍に試させ、うまく効果が出たら自分も使おうとたくらんだ
のだ。


「つまり、なっちがちっちゃくなっちゃったのは、やぐっつぁんのせいなんだねっ?」
「ちっ、違うよ!紺野だよ、紺野!!」
 話を聞き終えたごとーは、やぐっつぁんがなっちを陥れたというとこだけに過剰に
反応しちゃって、やぐっつぁんに詰め寄る。
「落ち着くべさ、ごっちん!」
「んあー!なっちは腹がたたないの!?」
 ごとーの腕にすがり付いてきたなっちを、ごとーはついいつもの調子で振り払ってしまった。
 当然、今のなっちは五歳で、体もちっちゃくて。
「ひゃ・・・っ!」
 呆気なくカーペットに倒れこんでしまう。
 ああっ!!ごとーったらなんてことを!!!
「なっち、ごめえん!!」
 ごとーは慌ててカーペットに転がったなっちの小さな体を抱き起こす。
「大丈夫だべ・・・ごっちん、やぐちを攻めないでほしいべ」
「でもお」
「紺野の薬を飲んだのはなっちの意思だし・・・。紺野に言えばきっとなんとか
してくれるっしょ」
12 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)22時58分47秒
 にこっと微笑んだなっちは、いつものなっちの笑顔で、ごとーは堪らなくなってなっちの
小さな体をぎゅうと抱きしめる。
「なっちい〜」
「ひゃあっ!ごっちん・・・苦しいっしょ!」
 抱きしめたなっちの体はほんとに小さくて、ごとーが思い切り抱きしめたら壊れて
しまいそうだった。
「お〜い。オイラは放置かよ」
「あはっ。ごめえん。やぐっつぁんの存在忘れてた」
「いいけどね、べつに」
 ほんとにわすれてたよ。
 
 ピンポーン。

 そんなことをしてると、玄関のチャイムが鳴って、どうやら紺野が来たみたいだ。


13 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)23時34分35秒
「確かに若返ったんだからいいじゃないですか。完璧です」
 小さくなったなっちを見た紺野の第一声。
 ・・・そりゃね?確かに若返ったよ?でもね?
「若返り過ぎだっつーの!なんとかしてよ!!」
 紺野に掴み掛からん勢いのごとーをやぐっつぁんとなっちが後ろからどうどうと宥めて
いる。
「なんとかと仰られても・・・」
 ごとーの勢いにさすがに怯んだのか、ちょっとたじたじとなりながら紺野は
後ずさる。
「すぐには無理ですね」
「なっ!!?」
「若返りの薬をなくす薬は作る予定ではなかったので・・・一から作るとなるとかなり
時間を要します」
「なんだとーーー!!??」
「なんだとと仰られても、事実で・・・」
「いっ!今すぐ家に帰って作って来いーーーっ!!!」
 ものすごい剣幕で紺野を追い出して。
 ・・・なんだかすごい疲れた。
「ごっちん」
「な、なに?やぐっつぁん」
「オイラとなっち、そろそろ仕事行かなきゃなんないんだけど・・・」
 忘れてた。
 ごとーも仕事あるんだった。
「仕事って、なっちこんなじゃ出来ないよ」
 しょぼんとうなだれるなっちがなんだか可哀相で、ごとーは自分の膝に抱き上げて抱きしめる。

 


14 名前:jinro 投稿日:2003年06月28日(土)23時50分58秒
「やぐっつぁん、どーしよー」
「どーしよーっていっても」
 やぐっつぁんは腕を組んでうーんと考える仕草をする。
「今日の仕事はハロモニ。の収録だけだし・・・ごっちんも一緒だよね?」
「うん」
「ハロモニ。なら最悪なっちがいなくてもなんとかなると思うし、とりあえずスタジオ
行こうか」
「そーだねえ。もしかしたら紺野がなにか元に戻る方法考えてくるかもしれないし」
 そーいうわけで、ごとーとやぐっつぁんと五歳のなっちは仕事場に向かった。
15 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)00時09分48秒
「あはは!なんだよごっちん、どこの親子連れが来たのかと思ったよ!」
「きゃあっ可愛い!どこの子ですかあ?矢口さん!」
 ごとーがなっちを抱っこしたままやぐっつぁんと楽屋に入ると、よしこと梨華ちゃんが駆け寄って
来てそんなことを言った。
 そんなふたりを無視してごとーは奥のソファになっちを降ろす。
「後藤、まじでどこの子よ?」
「圭ちゃん」
 ハロモニ。の仕事は元メンバーも集まるから楽しいんだけど。
 ごとーはどうしようと、やぐっつぁんの方をみると、やぐっつぁんは仕方ないよという風に
肩をすくめた。
「どこかで見た顔ね?」
 ソファに腰掛けたなっちの前にしゃがみこみ、圭ちゃんはごとーを見上げた。
「・・・ちなの」
「え?」
「その子、なっちなの」
16 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)00時24分10秒
(●´ー`)sageろって言ったくせに自分でageちゃったべさ。
(〜^◇^)馬鹿じゃん。
17 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)01時25分20秒

 ごとーがわけを話すと。
「嘘お!?」
「まじで!?」
「信じられないですう!!」
 なっちの周りに集まって、みんな口々に叫ぶ。
 おかげで楽屋はとんだお祭り騒ぎだ。
「あー!!もう!!」
 ごとーは群がる野獣・・・もといメンバー達を蹴散らし、ちょっと怯えているなっちを抱きあげる。
「なっちが怖がってるじゃん!」
「・・・いや、信じられなくてねえ」
 メンバーを代表してか、圭ちゃんが近づいてきて、ひょいとなっちを覗き込む。
「なっちゃん?」
「・・・」
 こくん。
 なっちは頷いて伸ばされた圭ちゃんの手をきゅっと掴んだ。
 ・・・かわいい。
 半端なく可愛い。
 圭ちゃんも思ったのか、心なしか頬が緩んでるし。
18 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)01時36分02秒
「あたしの好物は?」
「・・・ナンコツ、白子、最近はアンキモにはまってるよね」
「・・・なっちゃん!!!」
「あっ!ちょっ!?」
 信じられない素早さで圭ちゃんはごとーからなっちを奪い取るとぎゅうと抱きしめた。
「けーちゃん、苦しい・・・」
 じたばたと暴れるなっちを圭ちゃんから再び奪い返すと、今度は後ろから近づいてきて
いた梨華ちゃんになっちを奪われた。
「・・・ひゃっ?」
「あっ!こらあ!!」
 なっちを奪った梨華ちゃんは満面の笑顔でよしこの側に戻ると。
「はい!ひとみちゃん!」
「へっ?」
 なにがなんだかわからない、という顔をしたよしこになっちを預けると、自分はカバンを
ごそごそと探り、べたべたとシールが張ってあるポラロイドカメラを取り出した。
「それじゃあ、飯田さんお願いしますね!」
19 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)01時48分56秒
 満面の笑顔のまま、圭織にカメラを押し付けると、梨華ちゃんはなっちを抱っこしたままの
よしこの腕に自分の腕を絡ませて。
「ハイ!チーズ!」


 パシャ。

「飯田さーん。ありがとうございますう」
 条件反射でシャッターを押してしまった圭織からカメラを奪い、梨華ちゃんはカメラから写真を
引っ張り出す。
 ごとーが後ろからこっそり覗き込むと、そこには笑顔の梨華ちゃんとやっぱり条件反射なのか職業病
というか、笑顔のよしこと抱っこされたなっちが写っていた。
「いやーん!ひとみちゃん、見て!まるで親子みたいじゃない?」
「り、梨華ちゃん・・・」
「んあー!!そんなことやってる場合じゃないでしょーー!!」
 馬鹿みたいに赤くなってもじもじしてる梨華ちゃんとよしこからなっちを再び奪い返して、ごとーはソファに座る。
「で、元に戻る目処はついてるの?」
 もっともな圭ちゃんの問いにごとーとなっちとやぐっつぁんは顔を見合わせて。
 ・・・そういえば。
「紺野は?」
20 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)01時58分52秒
「そういえば今日はまだ来てないわね。やっぱりさすがに後ろめたいのかしらね」
 それは困る。
 紺野のせいとはいえ、元に戻すことが出来るのも紺野だけなのだから。
「まさか紺野のやつ、逃げたんじゃないだろうな」
「うええ。それは困るべさ・・・」
「ところでごとー、思ったんだけど」
「「え?」」
「なんかトンでもないことを忘れているよーな・・・」


 バタン!!
「遊びに来たでーーー!!!」


 そう、ごとーたちはこの人の存在をすっかり忘れていた。
21 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)02時17分07秒


 小さくて可愛いものに目がない元リーダー、中澤裕子。
 今までもごとーが知っている限り、辻加護はもちろんやぐっつぁんやなっちもその毒牙に
掛かっている。
 なっちに関しては最近はごとーと付き合い始めたからかあんまりセクハラしなくなったみたい
だけど・・・。
「なんやーー!!どこの子やん!?むっちゃかわええ〜!!」
 うあっ!考え事してたら出遅れたあっ!!!
 気がついた時にはなっちは裕ちゃんの腕の中で。
「かわええなあ〜。お嬢ちゃん、名前は〜?」
 目じりをでれでと下げて裕ちゃんはなっちを高い高いする。
 んあ!なっちを高い高いしてもいいのはごとーだけだぞお!!
「裕ちゃん!!!」
「なんや、後藤、後藤の親戚の子かなんかか?・・・それにしても、この子」
 言いながら裕ちゃんは抱き上げたなっちの顔を見つめる。
「なっちにそっくりやなあ!なんかなっちをそのまま小さくしたみたいやん!」
「・・・そうだよ、裕ちゃん。その子はなっちがそのまま小さくなったの」
 だから返して。
 ちょっと無理やりな感じで裕ちゃんからなっちを奪い取る。


 
 
22 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)02時28分38秒
「なに言うてんねん!」
 負けじと裕ちゃんもごとーからなっちを奪い返す。
「ホントーだも!だから触んないで!!」
 なっちが裕ちゃんの腕の中にいるなんて許せないィ!!!
 無理やりなっちを取り返して抱きしめる。
「・・・ちょっ、ごっちん、痛いべ・・・」
「そんな嘘つかんと抱っこくらいさせてえな!」
 ぐい、と再びなっちは裕ちゃんの腕の中へ。
 むきー!!もお怒った!!!
「返してよおっ!」
 なっちの細い腕をつかんで力任せにひっぱる。
「いややっ!!」
「痛い痛い・・・っ、ちょっ、ふたりとも・・・っ」
 弱弱しいなっちの声が聞こえた気がしたけど、ここで引くわけにはいかないのだ!!!
「か・え・し・てーーー!!!」
「い・や・やーー!!!」
 ・・・ハイ。むきになりすぎました。
 

「ふたりとも、いい加減にするべさあっ!!!」


 ・・・なっちがキレた。
23 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)03時10分09秒
「…そりゃキレるわよね」
 ぽつんと圭ちゃんが呟いた。
「裕ちゃん!」
 抱きかかえられたままのなっちが、んきっと裕ちゃんを見上げる。
 …ああっ、だめだよなっちい。そんな上目で見つめたらあっ!!!
「降ろして」
「…ハイ」
 キレたなっちにびびったのか、裕ちゃんは素直になっちをソファに降ろした。
 その時、ごとーは確かに聞いた。
 裕ちゃんがぼそりと「なっちや」と言ったのを。
「裕ちゃん、ごっちん」
「「ハイ」」
「反省してる?」
 むすっとした顔のまま、なっちはごとーと裕ちゃんの顔を交互に見上げた。
「「してます」」
 そんな可愛い顔でそんな風に言われたらそう言うしかないっつーの。
 ごとーと裕ちゃんがきれいにハモッ返事をすると、なっちは天使の笑顔で。
「よろしい」
 ……可愛い!!!
 抱きしめたい!…けどそんなことしたら折角のなっちの機嫌が。
「なっちいー!!めっちゃかわええ!!!」
 …って裕ちゃん!そこで抱きしめたら苦労が水の泡でしょーが!
24 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)03時20分18秒
 …が。
 なっちはおとなしく裕ちゃんの腕に抱かれて。
「それよりなんで紺野は来ないんだべさ〜」
「なん、紺野が原因なん?」
「そうなんだべ」
 なんてほのぼのと裕ちゃんと会話を交わしてたりして。
 …なんだよなんだよ。
 なっちのばか。
 なんで裕ちゃんの腕に抱かれてマッタリしてるんだよお。
「ちょっと、なっち」
 文句を言おうとごとーが身を乗り出すと同時に、バターーン!!と楽屋のドアが壊れてしまうんじゃ
ないかという勢いで開かれた。
「ついに突き止めました!」
 そこに立っていたのは、眼鏡に白衣という怪しげな出で立ちのマッドサイエンティスト。
「紺野!!!」
「ふっふっふ。後藤さん、安倍さん。長年の研究の成果が出ましたよ」
 長年って、今朝からだからまだ半日も経っていないんじゃ…。
25 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)03時40分23秒
 そう突っ込もうと思ったけどやめた。
 夜中に忍び込まれて勝手に体を改造されるかもしれない。
「ちょっと紺野、ホントだべか?」
「本当です。安倍さんを元に戻す方法がみつかりました。完璧です」
「いやあ〜ありがとう、紺野〜。完璧だよ〜」
 なっちは実験台にされたことなんてすっかり忘れてるみたいで、満面の笑顔でお礼なんか
言ってる。
「で、どうしたら元に戻れるの?」
 なんとなく面白くなくて、ごとーはソファにどかっと腰を降ろした。
「ふっふっふ。簡単なことです」
「良かったぁ。オイラもちょっと責任感じてたんだよね」
 そーいえば、どう言ったのか知らないけど、やぐっつぁんがなっちをそそのかしたんだっけ。
「なにもしなくていいのです!」


 ……は???


「紺野…?どういうこと?」
 意味が分からなくて、ごとーは得意げに胸を反らしている紺野の白衣をつんつんと引っ張った。
 たぶんここにいる全員が同じ気持ちだったにちがいない。
「つまりですね。安倍さんの体を小さくしたのは、所謂『薬』です」
「そうだべ。なまら苦かったべ」
26 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)03時52分44秒
「よろしいですか、みなさん。一般的に出回っている薬はもちろん、安倍さんが飲んだ『薬』も
いつかは効果が切れるものなのです」
 …そりゃそうだ。
 え?なに、つまり。
「いつかは効果が切れて元に戻るから待っとけってことか?」
 ごとーが突っ込もうと思っていたことを裕ちゃんが言ってくれた。
 なっちは裕ちゃんに抱っこされたままなんだか複雑な顔をしている。
「その通りです。完璧です」
「…でえ、紺野?」
「ハイ?」
 得意になってるとこ悪いんだけどお。
「いつ薬の効果は切れるの?」
「知りません」
 即答。
「へえ、知らないんだ…って、ええっ!!??」
「当たり前じゃないですか。前例がないんですよ?いくら天才科学者の私と言えど、分かることと
分からないことがあります。完璧です」
 分からないことがあるんじゃ完璧とはいえないんじゃ…。
 多分ここにいる全員が心の中で紺野に突っ込んだはず。
「じゃあなに、三分後かもしれないし、三年後かもしれないってこと?」
27 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)04時05分22秒
 そんなあふぉな話があるかよ!!
 ほらあ、なっちの顔見てみ?泣きそうじゃん!
「いえ、そこまで極端に短かったり長かったりはしないと思います。多分、私の予測ですが
5日から一週間で切れるのではと…」
 
「ちょ、なっちっ?」
 裕ちゃんの慌てた声。
 ああ〜、なっちやっぱり泣き出しちゃったよ。
「なっちい、泣かんといてやあ」
「…う〜…。ごっちぃん…」
 裕ちゃんの腕からなっちは一生懸命こっちに手を伸ばしている。
「なっち…」
 ごとーは裕ちゃんからなっちを受け取ると、小さな体をぎゅっと抱きしめる。
「ふぇ…。ごめ…、泣くつもり、なか…っ」
 涙声で耳元に呟くなっちの背中をぽんぽんと叩く。
 分かってるよ、の意味を込めて。
「ごめん。なっち落ち着くまでちょっと外出てくるねえ」
28 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)12時31分18秒


 ごとーはなっちを抱っこしたまま、自分の楽屋に入った。
 普段だったらハロモニ。の収録のときは娘。の楽屋に入り浸ってて使わないんだけど、こういうときは
助かる。
 …実はナイショだけど、こっそりなっちを連れ込んだこともあるし。
「なっち〜」
 なっちをソファに座らせてごとーは持ってきていた紅茶のペットボトルを渡す。
「ありがとお」
 ごとーの手からペットボトルを受け取ったなっちは、ほっぺに残っていた涙をぐしぐしとシャツの
袖でぬぐう。
 それから小さな手でペットボトルのふたを開けようとして。
「…」
 開かなかった。
「あああっ!ごめんなっち!!これ新品だった…っ」
 いつものなっちだったら開けられただろうけど、今のなっちはごちゃいだった!!
 ごとーは慌ててペットボトルのふたを開けてなっちの両手に持たせる。
「ごめんね、ごっちん」
「なあんでなっちが謝るのお?」
 なっちの隣に座りながら俯いた顔を覗き込む。
29 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)12時40分37秒
 したらなっちは唇を噛み締めてまた泣きそうな顔しちゃってて。
「なっちぃ。泣かないでよ」
 なんだか堪らなくなって、ごとーはなっちの小さな体を膝に抱き上げて抱きしめた。
 なっちは甘えるみたいにごとーの首に腕を回してくる。
「ごめ…っ。ごっちん」
 なっちがこんな風に泣くなんて初めてで、ふきんしんだけどごとーはなんだか嬉しかった。
 いつもごとーがなっちに甘えるばっかりで、なっちに頼ってもらったことなんてなかった
気がしてたから。
「だいじょうぶだよお。ごとーが付いてるし」
「…うん」
 やっぱりなっちが一番不安だったんだよね。
「ほらあ、一週間位で戻るって紺野も言ってたし」
「うん」
30 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)12時49分08秒
 そっと体を離すと、まだ涙目ながらもなっちはにこっと笑ってくれて。
 …やばい。
 なんか変な気分になってきた。
「紅茶飲むべ」
 ごとーの膝の上で体を回転させて、なっちはぽすんとごとーの胸に背中を預けてきた。
 瞬間ふわりと香るのはやっぱり当たり前なんだけどなっちの匂いで。
 …やばいよ。なっちは今五歳なんだから。
 …でも、中身は21なんだし、オケーじゃない?
 …いやいやいや、そんな状況じゃないし!!!
 悶々と考え事をしていると、イキナリなっちがくるりと振り返って、満面のエンジェルスマイルで。
「ごっちんも飲むべか?」

 プッチーーーン!!!

 気が付いたらなっちの小さな体をソファに押し倒していた。

31 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)13時04分59秒
「ひゃあっ!?な、なにするべっ?」
 突然のことにびっくりしたなっちはごとーの腕の中で体を強張らせる。
 なっちの手から落ちたペットボトルが床に落ちて紅茶が零れたけど、そんなの構ってられ
なかった。
 怯えた顔でごとーを見上げるなっちは、いつものなっちとちっとも変わらなくて、ごとーは
なんだか頭のおくがひりひりと焼けるような感覚にくらくらした。
「…なっち」
 小さな手を掴んだまま、ごとーはゆっくりとなっちに顔を近づける。
「ちょ、ごっちん…っ、駄目だべっ」
 なっちは必死に顔を背けて抵抗するけど、腕力には自信があるごとーに、普段のなっちでも
敵わないのにごちゃいのなっちが敵うはずがない。
「や…ん、ん…っ」
 なっちの唇を自分のそれで塞いで口腔に無理やり舌を押し込む。
 怯えて固まったままのなっちの舌を絡めとって強く吸い上げる。
「…ふ、あ…っ」
32 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)13時19分59秒
 なっちは最初はなんとか抵抗しようとしていたけど強く舌を吸われるたびに力が抜けていって、
きゅっと握っていた小さな手も今では力なく開かれてしまっている。
「…ふ、あ…っ」
「なっち…好き…」
 すっかりおとなしくなったなっちの耳元に囁きながら、ごとーはなっちのシャツの中に手を
滑り込ませる。
 つるつるとした子供特有の肌の感触に一瞬ごとーの意識が浮上しかかるが、熱を含んだなっちの
視線と吐息にまた撃沈した。
「…っちん…」
「なっち…」
 シャツの中に入れた手でわき腹を撫で上げると、なっちは小さく声を上げて体を捩る。
 …小さいなっちも感度は変わらないんだなあ。可愛いぃ。
 ああ〜、もおだめ。ごとー、我慢できません。
 五歳のなっちをいただきます。
 神様仏様ごめんなさ…。
「いてっ!!!」
 さあ、いよいよシャツを脱がすぞ〜と手をかけた途端、ごとーの後頭部を激痛が襲った。
「なっ、なにい!!??」
33 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)13時29分18秒
 ひりひりする後頭部をさすりながらごとーが振り返ると。
「ぎゃーーー!!!出たあっ!!!」
 仁王立ちする赤鬼青鬼黄鬼!!!
 …じゃなくって裕ちゃん圭ちゃんやぐっつぁん。
「あんたナニやってんねん」
「ははは…。ナニって、ナニを…」
「あほっ!」
 …シュン。
 確かにまずかったかなあ。
 ごとーは素直に謝っておくことにした。
「ごめえん」
「ったく!なっち、こっちおいでえ。後藤は危険やからな」
 おいでえと言いながらちょっと無理やりなっちを抱き上げる裕ちゃん。
 裕子ずるいぞ!オイラにもなっち抱っこさせろよー!!などと言っているやぐっつぁんを無視して
ごとーは圭ちゃんにたずねる。
「でえ、三人は何しに来たの?」
「そうそう、そろそろ収録始まるから呼びにきたのよ」
34 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)13時44分00秒
 言いながら圭ちゃんは何かを後ろに隠した。
「圭ちゃん、今ナニ隠したの?」
「えっ!?な、なにも隠しちゃいないわよ」
「隠したよおっ!見せてっ」
「あっ!こら、後藤っ!!」
 だからごとー、力には自信あるって言ったでしょお?
 必死で隠す圭ちゃんの手から取り上げたもの、それは。
「…ダンベル」
 圭ちゃん、もしかしてさっき、これでごとーの後頭部殴ったの?
「あ、あはは」
 あははって、普通死ぬんじゃないの?こんなので殴ったら。
 ごとーはまだずきずきする後頭部をさすってみる。
 別にコブになってるわけじゃないからいいけどお。
「ねえ裕ちゃん、なっち一週間どうしよう」
 裕ちゃんに抱っこされたまま、なっちが不安そうな顔をする。
「せやなあ。まあ、幸いこれからしばらくは娘。はあんま忙しくないやろ?」
 裕ちゃんはなっちにではなくやぐっつぁんに意見を求める。
「うん。ハロモニ。とか雑誌のインタビューとかかな」
「したらなんとかなるやろ!マネージャーさんには圭織が話してくれてるみたいやし」
 裕ちゃんはヨイショ、となっちを抱えなおすと。
「なっちは楽屋で待っててえなあ」
 でれでれと目じりをさげた。
35 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)14時14分44秒


ハイ、こちら本日のハロモニ。の収録が終わった娘。の楽屋です。
 なっちはソファに横になって、待ちくたびれてしまったのか夢の中です。
 …それはいいの。それはぜんぜんオケーなわけ。可愛いから。
「だからあ、アタシが一番なっちと付き合い長いねん」
「付き合い長いかもしれないけど、オイラが一番なっちと気が合うと思うぞ!」
「ちょっと待ってよ!裕ちゃんはなんだか危険な感じがするし、やぐちは実家通いじゃない!だから
トータル的にみて家が一番だと思うわ!」
 裕ちゃん圭ちゃんやぐっつぁん。
 この鬼トリオがなにを揉めているのかというと。
「「「なっちは家で面倒見る!!!」」ちゅーねん!!!」
 そう。なっちが元に戻るまで誰が面倒見るかって話。
 …え?ふつうは恋人のごとーが面倒見るべきじゃないかって?
 うーん、ごとーもそう思うんだけど、ほらあ、さっきの、なっちを押し倒しちゃったのを
見られてるでしょお…?最初にごとーが面倒見るって言ったら、声をそろえてきれいなハモリで
『ダメ!!!』って言われちゃってえ。…シュン。
 
 
36 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)14時29分08秒
 あーでもないこーでもないと言い合う三人にごとーは小さくため息をついてなっちが眠る
ソファに腰を降ろした。
「…ん〜」
 ソファの揺れで目が覚めたのか、なっちがごそごそと寝返りを打ってうめき声をあげた。
「…ごっちぃ…ん…」
 うにゃうにゃとつぶやいてなっちが空に手を伸ばす。
 あはっ。可愛い。ごとーを探してるのかな?
「なっちー起きたあ?」
 そっとごとーが伸ばされた小さな手を握ると、なっちは安心したみたいにふにゃっと微笑んで
ごとーの手を握り返してきた。
「んん。ごっちんが来た気がして、目え覚めた」
 …かあわいいなあ、もう。
 ごとーは手を伸ばしてなっちを起き上がらせてあげる。
「収録終わったの?」
「うん。もお帰れるよ」
37 名前:jinro 投稿日:2003年06月29日(日)14時38分56秒
 寝癖のついてしまったなっちの髪を直してあげていると。
「な、なに!!??」
 後ろに立っていた裕ちゃんたちに気が付いて、思わずごとーは後ずさる。
「ええか、後藤!」
「へえっ!?」
「さっきみたいなことしよったら、まじで許さへんで!」
 ええ!?
 どういうこと!?
「なっちゃんはごとーの側がいいみたいだしねえ」
「まあ仕方ないかぁ」
 …なんだかよくわからないけど。
 どうやらごとーがなっちの面倒みてもいいことになったみたい!
 やったあ。
 ごとーは嬉しくてまだ目をしぱしぱさせているなっちを抱きしめた。
38 名前:カヲル 投稿日:2003年06月29日(日)17時24分20秒
…お邪魔させていただきます。
なちごまーーー!さいこうぅう〜!ですっ!
焼餅焼きまくりでなっちを愛する後藤さんがいいっす!
これから先の展開とか大変そうだけど、がんばってください。

あと至極余計な大きなお世話になりますが↓

なち:なっち…22…だったりして…。
石川:ああ〜!そういえば、一歳おばさんでしたねぇ〜!
後藤:モーマンタイッ!すべてLOVE!

ってな感じだったと思うんです、確か、ですが。
細かいとこ気にしてすいません。
39 名前:jinro 投稿日:2003年06月30日(月)06時58分59秒
>とりあえずレスだけです。
>38 カヲル様
 (●´ー`)なっちはまだ21だべ。
 (´д`)なっちー愛してる。
 (●´ー`)な、なんだべさいきなり!

 …もしかしたら今日の午後とか更新するかもです。
40 名前:まろんめろん 投稿日:2003年06月30日(月)09時55分23秒
まじおもしろそうなの発見!
なちごま最高!これからの展開がかなり気になります!
これからもがんばってください!
41 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)08時28分33秒



 とりあえずごとーは、マネージャーさんの車を断って、なっちを連れてデパートへやってきた。
 …え?何しに来たんだって?
 もちろん、なっちのおよーふくとかを買いに来たのよ。
 なっちはどーせ一週間で戻れるんだからいらないって言ってたんだけど、やっぱりさ、ホラ、
 洋服は良いとして、下着はさすがに大人用じゃマズイと思うのよ、ごとーは。
 仕事に出る前に二枚だけやぐっつぁんに買ってきて貰ってんだけど、それじゃ足りないし。
42 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)08時38分20秒
「ほらあ、なっち、コレ超可愛くない?」
 ひらひらのレースのたくさんついたワンピースを、なっちの体に合わせてみる。
 …可愛い。
 ちょっと犯罪?ってくらい可愛い。
 …ごとー、巷に溢れている(?)いわゆるロリコンと呼ばれる方々の気持ちが少しだけ
…いや、かなり分かってしまいました。
「…ごっちん」
 でれでれと鼻の下を伸ばすごとーに、なっちは呆れたみたいにため息をついて。
「ハイ?」
「早く必要なものだけ買って帰るしょ。…なんか見られてる気がするべ」
「え〜?」
 そういわれてみれば。
 店員さんはもちろん、一般のお客さんがチラチラこっちを見て何か囁きあっている。
 …さすがにサングラスも帽子もナシはまずかったかなあ。
43 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)08時52分12秒
 ごとーはなっちの手を引いて、いざ下着売り場へ。
「わあ。いろいろあるんだねえ。なっち、どれがいーい?」
 はっきりいって、子供の下着なんて今まで興味がなかった。
 そりゃ当たり前だよね、ごとー、ロリコンじゃないし。子供もいないし。あはっ。
 だから、正直こんなにいろいろ柄があるなんて知らなくてちょっとカルチャーショック。
「なっちー、すごいよ、豹柄とかあるよお!」
「…ごっちん」
 くいくいとシャツの裾を引っ張られて。
「なにー?」
 なっちを見ると、なっちは耳まで真っ赤にして俯いていて。
「すごい注目の的なんだけど」
 え?とごとーがあたりを見回してみると、どっひゃーー!!!すごい人だかりでびっくりした。
 …たしかに。
 あの後藤真希が子連れでデパートの子供服売り場にいて、それで子供用の下着見て喜んで大声あげてれば
注目も浴びるってもんよね。
 だから早く帰ろうっていったのに、とぶつぶつ文句を言うなっちの手を引いて、ごとーは手近にあった
無地の無難な下着を引っつかんでレジへ向かった。
44 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)09時05分40秒
 それからごとーはそのデパートで帽子を買って、一応変装。
 なっちは…まあだいじょーぶでしょ。
 いくら童顔だ小さいだって言ってもほんとのなっちは一応21歳なんだし、まさかこのお子様がなっちだ
とは誰も気づかないだろーし。
 …でもさあ。
 やっぱり洋服買ったほうがいいんじゃないかなあ。
 だって今のなっちの格好って、ごとーのちびTにハーフパンツ…パンツなんてベルトでウエストは
締めても裾とか折らなきゃだし…。
45 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)09時12分12秒
 とか考えながらなっちの手を引いて駅に向かう途中。

「アラ随分若いママねえ」

 ………。
 なんですと?とごとーが振り返ると、そこには二人連れのおばさんがにこにこ笑いながらなっちの
頭をなでなでしていて。
 なっちはどう返していいのかわからないのか、曖昧な笑みを浮かべている。
 ……若いママ?
 誰が?ごとーが?
 …誰の?
 なっちの??
「…ちっ、違うもん!ごとーはなっちの恋人だもん!!!」
 気がついたらおばさんたちに向かって怒鳴っちゃってた。
46 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)09時23分15秒


 ところ変わってここはなっちのマンション。
 で、ソファに座ったごとーの目の前には呆れたような怒ったような表情のごちゃいのなっち。
「まったく…なんであんなこと言ったんだべか?」
 頭上に?をたくさん浮かべたおばさんズと別れてから、ずっと口をきいてくれなかったなっちの呆れた
ような言葉。
「だってえ」
 ごとーは指先をもじもじさせながらちらとなっちをみる。
 …うあ。きっつー。
 なっちってたまにこーゆーメチャきつい目するんだよねえ。
 見た目五歳でもやっぱりなっちはなっちで。
 泣きたくなんてないのに、ごとーの目にじわーと涙が浮かぶ。鼻のおくがつんと痛くなって
くる。
「なあんで泣くかなぁ」
「…だってえ…おばさんたち、がぁ」
 なっちと親子に間違われるなんてヤだったんだもん。
 仕方ないのかもしれないけど、ヤだったんだもん。
47 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)09時36分49秒
「…ほんとに」
 柔らかい声がして、次の瞬間ごとーの体はふわりとなっちの小さな体に抱きしめられた。
「…なっち…?」
「こおんなおこちゃまなごっちんがどーしてママに見えたのかねえ?」
 さっきのきつい声とはぜんぜん違う声。
「ふぇ…なっちぃ」
 堪らなくなって、ごとーは自分を包んでくれるなっちをぎゅうと抱きしめた。
 なっちはやれやれといった風に小さく息を吐いて、ごとーの頭をぽんぽんと叩いた。
 それからそのまま手で優しく髪を撫でてくれて。
「あのおばさんたちだけじゃなくてさ、他の誰が分かんなくてもさ」
 なっちはごとーの耳元で一言一言かみ締めるみたいに呟く。
「なっちは…なっちだけはちゃんと分かってるから」
「…」
 ごとーから少し体を離すと、なっちは小さな両手でごとーのほっぺをそっと包んで。
「ごっちんが、なっちの恋人だって、ちゃんと分かってるから」
 照れてるのか、少しだけほっぺを染めたなっちは『ね?』と微笑んで、それからごとーにキスを
してくれた。
48 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)09時50分00秒
 なっちからのキスはいっつも触れるだけの軽いキスでごとーはそれが不満だったりもしたんだ
けど、今日はいいや。
 キスよりももっと甘い言葉をくれたから。
 ごとーはお返しになっちのほっぺやおでこや鼻の頭にキスの雨を降らせる。
 くすぐったいべ、となっちは首を竦めるけど、その顔はぜんぜん嫌がってる風じゃなくて。
 嬉しくてまたなっちをぎゅうと抱きしめる。
 …小さいけど柔らかいなっちの体。
 なっちの匂い。
 …普段だったらこのままベッドに雪崩れ込むんだけど、今日は体より心が満たされすぎて
いっぱいいっぱいです。
 …まあ裕ちゃんに釘を刺されたってのもあるんだけど…。
 なっちを抱きしめたまま、そんなことを考えていると。

 ピンポーーーン。
49 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)09時57分29秒


 いやな予感がした。
 こーゆーときのごとーの感って滅多にはずれないんだよね。
 やだなあと思いつつ、インターフォンの受話器を取ると。
『ハッピーーー!!!チャーミー石川でえす!!!』
 鼓膜が破れるんじゃないかというくらいの大音量の超音波ボイス。
 やな予感的中。
「…梨華ちゃん…」
50 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)10時13分50秒


 梨華ちゃんいるところにこの人あり。
 にこにこと部屋に入ってくる梨華ちゃんの後ろから、ちょっと情けない顔をしたよしこが
現れた。
「…ごめんごっちん。止めたんだけど、一応…」
 よしこからコージーコーナーのケーキの箱を受け取りながら、ごとーはいいよ、とよしこの肩を叩いた。
「尻に敷かれてるもんね、よしこ…。ところでさ」
 なにしにきたの、と聞く前にリビングから梨華ちゃんの黄色い悲鳴があがった。
「きゃーーー!!!可愛いっ!!!」
 びっくりしてごとーが慌ててリビングに戻るとそこには。
「あ、ごっちん、見て見て!超可愛いと思わないっ!?」
「なにを…!」
「…ごっちぃん…」
 なっちの情けない声に顔を向けるとそこには。
 いったいどうやってあの短時間で着替えさせられたのか、ふりふりのレースがたくさんついた
ワンピースを着せられたごちゃいのなっちがいた。
51 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)10時26分15秒
 …クラッ。
 確かに可愛い。
 めまいがするほど可愛い。
 梨華ちゃんが黄色い声をあげるのも分かる。
 …分かるんだけど。
「へっ、部屋の中でこんなの着てたら暑いし動きにくいでしょーがっ!」
「ええ〜?いいじゃない、こんなに可愛いんだからあ!」
「うるさいっ!!!」
 瞳をキラキラさせて喜んでいる梨華ちゃんをげしっと突き飛ばしてなっちのワンピースを脱がそうと
する。
「ねえ、ごっちん」
 ヒドイわぁとしくしく泣いているネガティブ石川をよしよしと慰めながら、よしこがごとーに
紙袋を差し出した。
「んあ、なにこれ?」
「一応あたしも安倍さんにと思って服買ってきたんだ」
「ほんとに?ありがとう!」
 よかったあ。
 梨華ちゃんよりはよしこの方がきっとセンスいいもんね。
 なっちもそう思ったのか、にこにこしながらよしこにありがとうだべ、なんて言ってるし。
 …あ!なに赤くなってんだよ、ばかよしこ!!!
52 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)10時39分54秒
 ガルルルとよしこを牽制しながらごとーはなっちの着替えを手伝ってあげる。
 ほんとーは着替えてるとこをよしこや梨華ちゃんに見られるのいやだったんだけど、なっちが
ぜんぜん気にしてないみたいだから…。
 たしかに娘。は大所帯だからメンバーに着替え見られるくらいどってことないんだろうけどお。
 …それにしてもこの服、ずいぶん変わったつくりじゃなーい?
 ああ、つなぎっぽくなってるんだ。
 それにしても全身キイロってどうよ。まあたしかになっちはキイロ似合うけど。
「…ごっちん…これって」
 なんだかなっち、不安そうな顔してるし。
 フードもついてるんだ。じゃあこれもかぶせてっと…。

「やりーー!かっけーー!!安倍さん!ピカチュウって言ってみてください!!!」
53 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)11時05分57秒
「…ピ、ピカチュウ」
 んあー!!!なっち言わなくていいから!!!
 …でも…。
 情けなく眉を八の字に下げた、黄色いカミナリネズミなっち。
 …文句なく可愛い。
 可愛すぎます。
「安倍さん、もっと元気よく!ホラ一緒に!!ピカチュ…いでっ!!!」
「よしこのあふぉ!!!」
「ってえ〜。なんでさごっちん。ピカチュウよくない?」
 ごとーに空手チョップされた頭をさすりながら言うよしこを放置してごとーはピカチュウなっちを
普通の人間なっちに戻す。
「アンタたちねえ、いったい何しに来たのさ!」
 とりあえずなっちにはパジャマを着せて、ごとーはよしことバタバタやってるうちに梨華ちゃんが用意してくれた
ケーキを頬張る。
「「安倍さんに洋服を持ってきたんだけど」」
 ごとーの質問に仲良くハモッて答える二人。
 んあ、梨華ちゃんとよしこのハモリ、結構いけてるんじゃない?
 …ってそーじゃなくて!!!
「てゆーか、ふたりともなっちをおもちゃにして遊んでるだけじゃん!」
「そんなことないよお。ねえひとみちゃん」
「ねえ?」
 …ったくこのバカップル!!!
「まあまあごっちん。ふたりとも悪気はないんだべさ」
54 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)11時10分53秒
 そおかあ?
 まあなっちがそういうならしかたないけどさぁ。
「梨華ちゃんによっすぃ〜。なっちのためにありがとうだべ」
「いえいえそんなあ」
「ホラ、ごっちん!安倍さんも喜んでくれてるじゃない!」
 …違うよ梨華ちゃん。
 なっちのそれは喜んでるんじゃなくて、社交辞令。
 なっちの笑顔、よく見てみなよ。
 …目だけ笑ってないから。こわっ。
55 名前:jinro 投稿日:2003年07月01日(火)11時22分16秒
>とりあえず更新しました。
 予定やぶってすみません〜。
 これからはちょっと不定期更新になります…。

>40 まろんめろん様
 (●´ー`)人(´ Д `)ありがとうです。
56 名前:カヲル 投稿日:2003年07月01日(火)14時29分01秒
お疲れ様です。
この前は勘違いバカまるだし行為をしました、ごめんなさい。
モームス小説書いてる人間として、やってはいけない勘違いでした…。

なっちさんを筆頭に、よしざーさん、いしかーさん、
そして後藤さん(ロ、ロリ…?)よかです。

ごちん:後藤はなっちオンリーロリコンなのさっ!
なち:…うれしい…と言っておくべ。

…すいません。
57 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月01日(火)22時22分37秒
二人ともかわいい..。
58 名前:名無し読者 投稿日:2003年07月01日(火)22時32分28秒
一気に読ませていただきました。すごくおもしろいです。&なちごまサイコー!

>「後藤、まじでどこの子よ?」
>「圭ちゃん」
激しく勘違いして大爆笑してしまいました。(^^;

Σ(●´ー`)<なっちは圭ちゃんの子供だべか!?
59 名前:jinro 投稿日:2003年07月02日(水)09時27分56秒
>56 カヲル様
 続けて読んでくれて感謝です。
 (´ д`)なっちオンリーロリコン〜。
 …笑いました。

>57 名無しさん様
 (´ д`)かわいい?んあ!!なっちはごとーのだからね!!!
 (●´ー`)…ごっちんもかわいいって言われてるべさ。

>58 名無し読者様
 そういう手があったかあ!…笑いました。
 ヽ(` д´)ノんあー!!圭ちゃんの子供なんて駄目え!!!なっちはごとーの!!!
 (●´ー`)…。でもごっちんはなっちと親子じゃヤなんでしょ?
 (´ д`)

 >ちょっと時間ないんでレスだけです。
 明日の昼間に更新できるかも…。
 確信ないくせにそーゆーこと書くなっての、自分。
60 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)12時49分44秒
なっちはもそもそとチーズケーキを食べながら、くいくいとごとーのシャツの袖を引っ張った。
「ごっちん。夕ご飯も食べないでケーキ食べちゃったべさ」
「んあ、そーいえば」
 ごとーが壁に掛かっている時計を見ると、もうすぐ六時になるところだった。
「せっかくだから何か食べに行こうよ」
「さんせ〜い」
 きゃるきゃると喜ぶバカップル…失礼、よしこと梨華ちゃん。
「ええ〜?」
 気が乗らないごとーはあからさまに顔をしかめる。
 だってさあ、このバカップルと一緒にご飯なんか食べにいってみそ?
 目の前でいちゃこらされて腹立たしいったらないから!
 なっちと付き合いだす前に三人で食事にいったことあるんだけど、はっきりいってごとー、
どーしたらいいのかわかんなかったよ。
 ほんとに人目もはばからず…一応アンタたち、国民的アイドルグループの一員なんでしょ?
もうちょっと人目を気にしなさいよ!…って怒鳴りたくなるくらいべたべたされて。
61 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)12時56分31秒
 いやね?今だったらごとーも対抗意識燃やしまくりでなっちといちゃいちゃすると思う
けど、なっちは今五歳なの!!!
 五歳の女の子といちゃいちゃしてたらごとー変な人みたいじゃん!!!
 …だからいやなの。
 よしこと梨華ちゃんとご飯食べに行くのは。
「せっかくだけど、なっち今日はちょっと疲れちゃったべさ」
 ごとーの気持ちを察してくれたのか、いやもしかしたらほんとに疲れてただけかもしれない
けど、なっちの嬉しい言葉にごとーはすかさず。
「なっちもこー言ってるし悪いんだけど…」
 今日は帰って、と続けるつもりだったんだけど。
 
 ピンポォォーーーン。

 神様。ごとー、なんか悪いことしましたか?
62 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)13時07分14秒
 さっきも言ったでしょ?
 …ごとーのいやな予感は当たるって…。
「…安倍さん、誰か来ましたよ?」
 なっちもなぜか複雑な表情をしていて。
「…なっちこんなじゃ出れないから…悪いけど梨華ちゃん、出てくれる?」
 一瞬なっちはちらとごとーを見たけど、結局梨華ちゃんに出てくれるように頼んだ。
 …んあ、ごとーそんなに嫌そうな顔してた?
 

「なんやー!石川、来とったんかいなー!!!」

 ……。
 ごとー、予知能力があるってテレビ局に売り出そうかな…。
 ぱんぱんのスーパーの袋をかけた裕ちゃんは部屋に入ってくるなり、ソファに呆然と座る
なっちを抱き上げて。
「なっちーー!なんやパジャマなんか着てえ!もうオネムなんかあ!?」
 裕ちゃん、なっち中身は21歳だから!
 いくらなんでも夕方六時に寝ないから!!
「ちょ…っ、裕ちゃん!苦しいべ」
 
63 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)13時17分19秒
 でれでれと目じりを下げる裕ちゃんにごとーはいらいらしながら、後から入ってきたやぐっつぁんを
睨み付ける。
「やぐっつぁん!」
「へっ?」
 やぐっつぁんは持ってきたお酒をよしこに渡しながらマヌケな返事を返してきた。
 よしこは受け取ったお酒を眺めて、安倍さ〜ん冷蔵庫開けますよ〜なんて言ってるし!
「何しに来たのよおっ」
「え〜?だって裕子が行こう行こうってうるさいからぁ」
「止めてよぉ!」
「でもホラ、食材買って来たしィ。どうせこんな状況じゃ買い物なんかしてないだろうと
思って」
「それは助かるけど…」
「それにさあ」
 やぐっつぁんはまだ裕ちゃんに抱っこされたままのなっちを見て、意味ありげににやっと
笑った。
「オイラ、ごちゃいのなっちを抱っこしたこと、まだなかったなあ、なんて」
64 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)13時26分02秒
 ……。
 ハイ?
 今、アナタなんて仰いました??
「なっちってなーんかオイラにはガード固くってさあ。今がチャンスかなあ、みたいな」
 ちょっ!?
「ちょっと待ってよよぐっつぁん!!!」
 ごとーはやぐっつぁんの肩を強引に引っつかんでベランダに出た。
 梨華ちゃんとよしこが不思議そうな顔をしてたけどかまっちゃいられない。
「やぐっつぁんは裕ちゃんと付き合ってるんでしょー!?なっちに手えださないでよ!」
「ん〜?でもなっちはオイラの永遠の憧れだから」
 けろっと言い放つやぐっつぁん。
 …やばい。
 どこまで本気で言ってるのか分からないけど。
 強力なライバル…出現。
65 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)13時36分09秒
 

「石川ぁ!夕飯の用意せえ!」
「わ、わたしがですかあっ?」
 やぐっつぁんの問題発言にまだくらくらする頭を抑えつつ、ごとーはリビングに戻った。
「…中澤さんだめですよ。梨華ちゃんに料理させちゃ」
「そーそー。焼きソバがトイレの味になるんだよね!」
 んあ…。キャハハと笑うやぐっつぁんの声が今は恨めしい。
 ……。
 アレ?
 なっちさん、なぜそんな不機嫌そうな顔してるんですか?
 裕ちゃんに抱っこされたまま、なっちは眉を寄せて不機嫌そうにこっちを見てる。
 …ごとー、なんかした?
「しゃあないなあ!皆で作るから来い!」
 裕ちゃんはなっちをごとーに預けると、梨華ちゃんと何故かよしことやぐっつぁんを連れて
キッチンにいってしまった。
66 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)13時45分15秒
 急にリビングになっちとふたりきり。
 ふつーだったら嬉しいんだけど…。
 なっちはごとーの腕の中で不機嫌なまま。
「…なっちぃ」
「……」
「ごとー、なんかなっち怒らせるよーなこと、した…?」
「……」
 うあ。怒ってるよ。
 なっちは無言のまま、体を捩ってごとーの腕から降りようとする。
 このまま暴れても落っこちちゃうから、ごとーは素直になっちを下に降ろしてあげる。
「……の?」
 なっちは俯いたまま小さくなにか呟いた。
「え?」
 それがあまりに小さな声だったから、ごとーは聞き取れなくて。
「ナニ?なっち、もっかい言って?」
 膝をついてなっちに視線を合わせる。
 正面からごとーに見つめられて、なっちは慌てて視線をそらす。
 それから何故かほっぺをちょっと赤くして。
「やぐちと…何話してたの?」
67 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)14時10分02秒
「ほえ?」
「いきなり…やぐちの肩抱き寄せて…ベランダでなに話してたの?」
「…」
 なっちさん。
 …それってもしかしなくても。
「なっち…。ヤキモチやいてるの?」
 ごとーの言葉になっちはこれ以上ないってくらい顔を真っ赤にして。
「ち!違うべさ!」
「ええ〜?じゃあなんで機嫌悪かったのお?」
 えへへぇ。
 なっちが妬いてくれるなんて嬉しー。
 だからごとー、ちょっと意地悪しちゃった。
「やぐっつぁんに嫉妬してたんじゃないのお?」
 したらなっちは、反らしたままだった赤い顔をこっちに向けて。
 …あ、やばい、泣きそう…。
 慌ててごとーがなっちを抱きしめようとしたら、それより早くなっちのほうからきゅっと
抱きついてきて。
「…ヤキモチ、やいた」
 なっちの声はちょっと震えてて、ごとーは苛めちゃったことをすごく後悔した。
「うん…なっちごめん」
「…ばかぁ」
 ハイ。ごとーはばかです。
 ヤキモチ焼いてくれたことが嬉しくてなっちを泣かせちゃうなんて…。
「もお、他の人と二人きりにならないで…」
「うん」
68 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)14時12分54秒
 よしこや梨華ちゃんや裕ちゃんややぐっつぁんが来たのは、正直最初はむかついた
けど。
 ごとーのことでヤキモチやいて泣いちゃうなっちが見れたんでヨシとしますか。
69 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)14時19分14秒
>番外編かきます。
 超ショートです。

 てかまた自分であげちゃってちょっと鬱。
(〜^◇^)<ばかじゃん。
70 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)14時26分34秒
 こんにちは。矢口真理です。
 あなたがいるから矢口真理です。
 セクスィ〜隊長矢口真理です。
 ミニマム矢口真理です。

 …って選挙運動じゃないっつ〜の!!!

 ただいまオイラは某アイドルの楽屋の前に来ています。
 え?なにしに来てるのかって?
 …それはもちろん。

 オイラはそーっと楽屋に忍び込み、ソファで眠る小さい人影を確認する。

 オイラの永遠の天使、安倍なつみの唇を奪うためであります!!!
71 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)14時36分13秒
 …詳しい説明はめんどくさいから省くけど、体が子供になっちゃったなっちの唇を
奪うために、わざわざオフなのにこの某スタジオにやってきた。
 なっちの恋人のごっちんは娘。を卒業して今や立派にソロアイドル。
 ちっちゃくなっちゃったなっちをひと時も離さないからオイラはこんな苦労をして
楽屋に忍び込んだんだけど。
 …なっちがごっちんと付き合い始めたって聞いたときはショックだったなあ。
 オイラだって裕子と付き合ってたけど、なんか…なっちはオイラの中で特別だったから。
 
 でもちょっとでも近づきたくて、冗談で(?)ちゅ〜しようって迫ったりしたけど、
結構マジで拒否られて。
 辻や加護にはされほーだいのくせになんでだよーって聞いたら、なっちいわく。
『年が近いと恥ずかしい』
 だそーで。

 …だったら!
 今はなっちはごちゃいだから、オケーってことだよね?
72 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)14時42分45秒
 五歳と二十歳だもん。15も離れてるしィ。
 オイラはわくわくしながらソファで眠っているなっちに近づく。
「…なっち」
 眠ってるなっちにちゅうしてもしかたないじゃん?
 すやすや眠ってるなっちには悪いけど、肩を揺すってなっちを起こす。
「…んにゃ?」
 強引に起こされたからか、なっちは不機嫌そうにオイラを見上げて。
「やぁ、ぐちぃ…?」
 ちょっと舌ったらずな声で呟いた。
 …可愛い。
 ごっちん、ごめんよ。
 一回ちゅうしたらあきらめるから。
 オイラは心の中で一方的にごっちんに謝ると、なっちの両手首を掴んで伸し掛かった。
73 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)14時51分08秒
「ひゃ…っ?なんだべ、やぐちっ」
 自分より小さいなっちを抱きしめてる…なんか感動。
「なっち、ちゅうするよ」
「なっ、なに言うべさ!?」
 混乱したなっちは暴れるけど、今はオイラの方が圧倒的に力は強いし。
 いつもだったらオイラとなっちの力はどっこいどっこいだったけど。
「やぐちっ!やめるべ…っ」
「やめないよ。だってなっち、オイラが前にしよーとしたら年が近いから駄目って言った
じゃん。今なら辻や加護より年離れてるし」
「そーゆー問題じゃないっしょお!?」
 オイラが顔を近づけると、なっちは必死に顔を背ける。
 …なんだよ、なっち!
 そこまで嫌がんなくてもいいじゃんかよ!!
「駄目だよ、やぐちっ!」
「なんでっ」
「…なっちは、やぐちとずっと仲良しでいたいんだべさ」
74 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)15時00分42秒
 なっちはぽろぽろと涙を零しながら。
「やぐちと…そんなことしちゃったら、なっちはきっとどーしたらいいか分かんなくなっちゃって
…。もしかしたらやぐちを避けちゃったりしちゃうかもしれないべ」
 なっちはやぐちといつまでも仲良くしてたいんだべ。
 ぐしぐしと泣きながらなっちは続ける。
 …なんだよ。
 そんな風に言われたらなんにもできないじゃん。
 オイラはそっとなっちの腕を掴んでいた手を離して起き上がった。
「…あ〜あ!」
「や、ぐち…?」
「これだからイナカッペはやなんだよ。冗談も通じなくてさあ!」
 オイラはなっちの顔はみないまま、出来るだけ明るく言った。
 その言葉に、なっちは慌てて起き上がって。
「なんだべさ!!やぐちのばか!!!」
 顔を真っ赤にして怒った。
 グーで殴ってこようとするなっちを笑顔でかわしながら、オイラは心の中で小さく
ため息をついた。
75 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)15時07分28秒
 まあいいか。
 オイラも冗談だったって、自分の心に言い聞かせるよ。



 でも。
 そんなオイラの気持ちも知らずに鈍感な天使は収録が終わって戻ってきたごっちんに。
「ごっちん〜。やぐちに押し倒されたべ〜」
「なんですとーーー!!?」
「や、ほら、冗談だから…」
 たじたじとオイラは楽屋から逃げ出そうとするけれど、それより一瞬はやくごっちんに
胸倉を掴まれてしまった。
「冗談ですむかあーーー!!!」
「ひええ!!!カンベンーーー!!!」
 じたばたしながらちらりとなっちを見ると。
 なっちはにっこりと天使(?)の笑顔で手を振っていて。

 小さいけど、なっちはなっちだ…。

 オイラはもうなっちに迫るのはやめよう、と心に誓ったのだった…。
76 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)15時11分29秒
>なちまり…?
 基本設定は本編どおりだけど、これは別物ってことで。
 本編でも矢口さんは安倍さんに迫るけど…。

>こんな感じの番外でよかったらリク受けようかな…。
 あ、安倍さん絡みじゃなくてもいいですよー。
77 名前:jinro 投稿日:2003年07月03日(木)15時12分48秒
>あ、番外にENDつけるの忘れた…。
 次から本編に戻りますです。
78 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月03日(木)16時19分26秒
ちびなっちかわいい〜(はあと
いきなリクりですがちびなっち×ののでお願いしますー。
79 名前:まろんめろん 投稿日:2003年07月04日(金)10時01分56秒
すごいおもしろいっす!
もしも願いが叶うなら、↑の方とおなじく『なちのの』とかみてみたかったり・・・。
これからもがんばってください!応援しています!
80 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月06日(日)03時22分43秒
ちびなっち・・・
凄まじい破壊力だな♪
KOされました!!
81 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)12時38分47秒


「安倍さーん、醤油がないんですけどお」
 リビングでなっちとマッタリしてたらよしこの声がキッチンから聞こえた。
「流しの下に買い置きがあるっしょ」
「え〜?どこっすかあ?ないっすよー」
 がたがたと何かを探している音。
 なっちは、やれやれとごとーの膝から降りると、ちょっと行ってくるべ、とキッチンに
行ってしまった。
 んあ、そーいえば夕ご飯って何作ってんだろ…。
 ごとーはちょっと気になってなっちの後を追おうと立ち上がる。
 したらなっちと入れ違いに裕ちゃんが来て。
「後藤、なっちと仲直りしたんか」
 なんて思ってもみなかったことを言われた。
 ごとーが不思議そうな顔をしてると、裕ちゃんは小さく息を付いて。
「後藤が矢口とベランダに出た時のなっち、スゴイ顔してたでえ?」
 なっちのあんな顔みたくないからな、とごとーにでこピンをして、裕ちゃんはにかっと
笑った。
82 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)12時47分21秒
「さっさと後藤に謝ってもらって仲直りしてもらいたかったんや」
 正直、ちょっとびっくりした。
 でもやっぱり裕ちゃんはスゴイ。
 見るととこちゃんと見てるし。
 で、さりげなくフォローしてるし。
 …かなわないなあ。


「さあ〜!食うでえ!!!」
 テーブルいっぱいに並べられた料理。
 …美味しそうなんだけどさ…。
「裕ちゃん、ちょっと鍋物は季節外れなんじゃ」
 ごとーの至極当然なツッコミに、裕ちゃんはいそいそと缶ビールをグラスに注ぎながら。
「なに言うてんねん!大勢人が集まったら鍋!こりゃ常識やろ!」
 ……。
 そうかな…。
 でもまあ、さっきは裕ちゃんのおかげでなっちとこじれずに済んだし、ごとーも鍋好き
だからいーかあ。 
83 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)12時56分23秒
 そして、どうしてこうなったのか、なっちの部屋での鍋パーティーが始まった。
「なっち〜。危ないから取ってあげるよお」
 適当に具材を見繕って取り皿に乗せ、なっちに渡してあげる。
 背も腕の長さも足りないなっちは、素直にごとーからお皿を受け取ると、ふわっと笑顔で。
「ありがとうだべ」
 なんて言ってるし!
 …可愛い!!
 さっきはごとー、なっちのママなんてやだーとか思ったけど、やっぱりなっちみたいな娘ならママでも
いーかも。
 熱い熱いと文句を言いながらおトーフと格闘するなっちを見て、でれでれと目じりを下げる。
 んあー、ごとー今、滅茶苦茶絞まりのない顔してんだろーなー。
 そんなこと考えながら、他のみんなを見回すと。
 ……やぐっつぁんと目があった。


 そーいえば、ごとーはすっかり忘れておりました。
 やぐっつぁんに宣戦布告されたことを。
84 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)13時05分38秒


 てゆーかさ、やぐっつぁんは変だよ!
 裕ちゃんと付き合ってるくせになっちがどうとかごとーに言ってくるし。
 しかもなっち今、五歳なんだよ?
 そのなっちをどうにかしようなんて、ヘンタイじゃん!!
 …。
 ごとーもどうにかしようとして押し倒しちゃったりしたけど!でもごとーはなっちの彼女だし!
 なっちも、そりゃ最初は抵抗されたけど、すぐに受け入れようとしてくれたし!
 …ぷりぷりと不機嫌に、気が付いたらお皿のおトーフを箸でぐちゃぐちゃにしちゃってた。
「ごっちん、百面相だべ」
 そんなごとーをずっと見てたのか、なっちがケラケラとこっちを見て笑ってた。
 …まったくもう、誰のために…。
 ふとやぐっつぁんに視線を戻すと、やぐっつぁんは知らん顔でビールなんか飲んでる。
「よっすぃーも飲めよー!」
 しかも未成年にお酒勧めてるし!
 んあ!なっち、ごとーが守ってあげるからね!!
 決意も新たに、ごとーはぐいっとグラスのジュースを煽った。
「…っ!うげ!なんだコレ!?」
85 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)13時14分05秒
「きゃー!ごっちんが間違ってサワー飲んじゃった!!」
 慌てた梨華ちゃんの声。
 …げげえっ!コレお酒だったの!?
「何言うてんねん!サワー位今時小学生だって飲んでるわ」
 いや、それはないんじゃ…。
 大丈夫だべか?と心配そうななっちからお水を受け取る。
 …なっちに心配かけちゃったよ…。
「だいじょーぶ」
 ごとー、これでも居酒屋の娘だからさあ、お酒は多少飲める方だと思うわけ。
 でも今日はなっちを守るって大事な使命があるから、お酒なんか飲んでる場合じゃないのよ。
「なんだよ、ごっちん、お酒飲めないの〜?」
 …なのにね?やぐっつぁんがちょっと馬鹿にしたみたいに言うからさあ。
「飲めるよ!居酒屋の娘だもん!!」
 頭来てごとー、言い返しちゃったよ…。
 
86 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)13時28分26秒


 ハイ、こちらは鍋パーティーも佳境を迎えようとしている、安倍なつみ邸のリビングです。
 唯一アルコールが入っていない梨華ちゃんと、ごちゃいのなっちが何やら後片付けに勤しんで
いる模様。
 …ごとー?
 ごとーは何故か裕ちゃん、やぐっつぁん、よしこと飲み比べ中。
 でもよしこはそろそろヤバそう。
 チューハイの缶持ったまま半分船漕いでるし。
「いやあ、後藤がこんな飲めるなんて意外やなあ。みんなでご飯食べに行っても飲まへんかった
から知らんかったわ」
「そりゃ未成年だし…」
「矢口が飲めるのは知っとったけど…」
 いったん言葉を区切って、裕ちゃんはちらりとよしこを見る。
「吉澤はもうアカンな。石川ぁ!」
「はあーい」
 なっちのエプロンをつけた梨華ちゃんがキッチンから戻ってくる。
「なっちになんか掛けるものないか聞いて、吉澤寝かしたり」
 はあーいと梨華ちゃんはなっちがいるキッチンへ向かう。
 …寝室の押入れにタオルケットがあったなあ。
 ぼんやりとした頭でそんなことを考えていると、やぐっつぁんがいきなり立ち上がって。
「オイラ、ちょっと水貰ってくる」
87 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)13時38分48秒
 そんなことわざわざ言わなくてもいいのに。
 あー、でもごとーもお水ほしーかも。
 ちょっとお酒休憩したーい。
「なっちは家でも飲まへんやろ?」
 急になっちの話を振られてちょっとびっくりした。
「うーん…そおだねえ、あんまり飲まないねえ」
「あんまりって、たまには飲むんかい?」
「うん…。たまに、ホラ、カクテルみたいのとか、甘いやつ飲んでるよ」
 ふーん、と裕ちゃんは何処か複雑な表情をして。
「あのなっちがなあ。ちょっと前までビールグラス半分で真っ赤になっちゃってたのになあ」
 …べつに裕ちゃんは悪気があって言ったわけじゃないと思うけど。
 ごとーがなっちと付き合うようになって、なっちん家に泊まったりするようになった時には
なっちは多少お酒が飲めるようになってたから。
 ぜんぜんお酒が飲めないなっちって、ごとー知らない。
 …ちえ。
 なんか今日のごとーは浮き沈みが激しいみたい。
「それにしても矢口遅いな」
 何やってんのやろ、裕ちゃんの言葉に、ごとーの沈んでいた意識が一気に浮上した。
 そーだよ!落ちこんでる場合じゃないっての!!!
88 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)14時01分27秒
 梨華ちゃんはぐでんぐでんのよしこを引きずって寝室に消えたままだし、今キッチンにはなっちと
やぐっつぁんの二人きり!!!
 なっちの貞操(?)の危機!!!
 ごとーはアルコールのせいで重い体を精一杯早く動かしてキッチンに向かう。
「…ぐち、やめるっしょ…」
「どーして?なっちだって、こーゆーの好きでしょ…?」
「好きだけど…よくないべ」
「黙ってたらわからないよ…ね?」
 ……。
 盗み聞きするつもりなんてなかったの。
 でも、聞こえちゃったんだもん!なっちとやぐっつぁんの怪しげな会話が!
「な、なにやってんだコラアーーー!!!」
89 名前:jinro 投稿日:2003年07月06日(日)14時14分22秒
>少しだけだけど更新しました。

>78 名無しさん様
 (●´ー`)<ありがとうだべ。

>79 まろんめろん様
 すごいおもしろいなんて…恐縮です。
 ( ´ д `)<んあー。ごとー以外となっちが絡むなんて…。
 (●´ー`)<ののは大好きだから楽しみだべ。
 ( ´ д `)

>80 名無しさん様
 (●´ー`)<なっちは最強だべ。
 (〜^◇^)<オイラもKOされました。

>次は番外のリクのあった『なちのの』書きます。
 ののは書いたことないんで不安ですが…。名無しさん様、まろんめろん様、期待に添える
ようにがんばりますです。
90 名前:まろんめろん 投稿日:2003年07月06日(日)14時55分29秒
おっ更新されてるぅ!
jinroさん最高っス!読んでて飽きないですもん。
番外の『なちのの』も期待しています!
次の更新もがんばってください!
91 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月06日(日)18時32分41秒
もーー!
読んでる間中、顔のニヤけが止まらないっス!!
92 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月06日(日)19時07分13秒
ヽ从●´ー`从人(´v` )ノ
93 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)09時41分36秒
>(●´ー`)<ねえやぐちぃ。
 (〜^◇^)<どーしたの、なちゅみ。
 (●´ー`)<…。
 (〜^◇^)<…?
 (●´ー`)<なっち、やぐちにずっと言いたかったことがあるの。
 (〜^◇^)<えっ?それって…。
 (●´ー`)<…。実は…。
 (;^◇^)<ドキドキ。
 (●´ー`)<作者ったらね、やぐちの名前、間違ってたの。『真里』なのに
       『真理』って。
 (●´□`)ノ<あ!やぐちっ!!    うわあぁぁぁーーーん!!!>。‥(ノ◇`)

 >てか、矢口さんごめん…。あなたのこと大好きなのに。
  えーと、今日の午後更新します〜。
94 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)11時58分11秒
>番外の『なちのの』…
95 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)12時06分18秒
「あれえ?のの、どーしたんだい?」
 

 紺野の妖しげな薬のせいで体が五歳になってしまったなつみ。
 今日は恋人の真希が仕事でいないので一人で留守番だったのだが。
「へへえ。遊びに来たのれす!」
 突然たずねて来た希美にちょっとびっくりした。
 そんななつみの表情に気が付いたのか、希美は途端に不安そうな顔になる。
「…迷惑だったれすか?」
「そ、そんなことないよ?」
 玄関に立ちっぱなしだった希美を部屋へ招きいれながら。
「ほら、今日ごっちんいないから、退屈だったんだあ。ののが来てくれて嬉しいよ」
「えへへぇ」
 なつみの言葉に希美は素直に嬉しそうにふにゃっと笑った。
 
96 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)12時13分46秒


 …やっぱりののは可愛いなあ。
 なつみはしみじみと思う。
「ところでその袋はなに?」
 希美がぶら下げているスーパーの袋に気が付いて問いかける。
「あ、コレはあ」
 希美は楽しそうに袋を持ち上げて。
「なちゅみとご飯作ろうと思って買ってきたのれす!」
「なっちと??」
「・・・ていうかぁ、お料理教えてもらいたいのれす」
 希美いわく。
 前になつみが作ってあげたオムライスの味がどうしても忘れられなくて、何度か自分で思い
出しながら作ってみたけど、どうにも上手くいかないらしい。
 それで今日、時間が空いたので食材片手に教わりに来たと言う訳だ。
97 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)12時20分12秒
 うーん…。
 教えてあげたいのはやまやまなんだけど、なっち流しとかコンロに手が届かないから
なあ…。
 だいじょーぶかなあ、と思いつつも、もうすっかり教わる気満々で自前のエプロンを
着けている希美を見たら断れるハズもなくて。
 
……まあなんとかなるっしょ!

 なつみと希美のお料理教室が始まった。
98 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)12時29分56秒


 でも実際に始めてみたら、お料理教室なんて可愛らしいものじゃなくて。
 フライパンと格闘する希美をなつみは後ろでハラハラしながら見守っていた。
 …言葉だけで料理を教えるのがこんなにタイヘンだったなんて…。
 キッチンのテーブルにはすでに幾つものオムライスモドキ(所謂失敗作)が並べられて
いて。
 なつみが最初から上手くは出来ないよ、と宥めても希美は、
「上手に出来るまでやるのれす!」
 と半ばムキになってるみたいで。
 実際にやってみせてあげればだいぶ違うのだろうけど、なにせなつみは今五歳なので片手で
フライパンを持つことが出来ないのだ。
「のの…ちょっと休憩するべ?」
「駄目なのれす!だんだんコツが分かってきたのれす!」
99 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)12時36分09秒
 しかたない。
 なつみはふうっとため息をついて、そっと苦笑い。
 
 ののが納得いくまで付き合ってあげるとしますか!



「んあー。なっちぃ?ただいまあ」
 夜の9時。
 仕事を終えて真希が帰ってきて、最初に目にしたのは。
「……なにこれ」
 テーブルの上の山盛りのオムライスらしきものと、キッチンの壁に寄りかかって仲良く体を
寄せて眠りこけるなつみと希美。
「…かわいい」
 その二人の寝顔に思わず真希は笑顔が零れる。
 なっちもののも癒し系だからなあ〜。見てると仕事の疲れなんか吹っ飛んじゃうよ。
100 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)12時45分03秒
 真希は暫くぼーっと二人の寝顔を眺めていたが、さすがにいつまでもこうしてるわけには
いかないので、取り合えずなつみの肩を揺すって起こす。
「なっち、…なっちぃ」
「…ん、う…?」
 なつみは暫く目をしぱしぱさせていたが、真希の姿を確認すると、にこっと微笑んで。
「ごっちん、おかえりだべ」
「ただいまあ」
 ところでさ、と真希はテーブルのオムライスモドキと床に散らばった卵の殻を見やりながら
なにがあったのかを尋ねる。
「いやあ〜」
 自分の隣でまだ寝こけている希美をちらりと見て、なつみはよっこらしょと立ち上がる。
 そしてコンロの脇に置いてあったきれいに形が整ったオムライスのお皿を指差して。
「アレを作ってたんだべ」
 真希はなつみが指差したそれを取り上げると感激した声をあげた。
「すごぉい、コレ!なっちがいつも作るのと一緒だよ!」
 確かにそのオムライスは真希も大好きななつみお手製オムライスそのもので。
101 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)12時50分47秒
「これはののの努力の賜物っしょ」
 なつみは真希が喜んでくれたのが嬉しくてにっこりと微笑んで、真希に希美を寝室に
運んでもらう。


 希美をベッドに寝かせて、五歳のなつみはそれでもまるで母親みたいな優しい顔をして希美の
頭を撫でた。
「のの、ごっちんも褒めてくれたべさ」
「ののスゴイよぉ」
 二人の声が聞こえたのか、希美は眠りながらもなんだか口元を綻ばせていて、なつみと真希は顔を
見合わせてクスクスと笑いあった。


「起きたら一緒にオムライス食べようね、のの」



                               END
102 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)13時02分08秒
>番外リク『なちのの』書きましたあ。
 でもやっぱりごとーさんが絡んでくるあたり、オイラは生粋の『なちごま』ヲタ。
 でもののって難しい…。

>90 まろんめろん様
 期待に添えたか心配ですが…。これからも温かい目で見守ってやってください。

>91 名無しさん様
 ニヤけてくださってありがとうございます〜。
 (●´ー`)ノ<一番嬉しい言葉だべ。

>92 名無しさん様
 なちのの、少しでも楽しんでもらえたでしょうか。
 (●´ー`)人(´D `)

>次から本編に戻ります。
 ち、ちょっとエロはいるかも…。
 苦手な方は飛ばしてください…。
 (♯´ー`)人(´д `♯)
103 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)13時24分54秒


 勢いよくごとーがキッチンに飛び込むと。
「ひゃっ、びっくりしたあ…」
「どーしたべ、ごっちん、そんなに慌てて」
 お皿洗い用の洗剤でシャボン玉を作って遊ぶやぐっつぁんとごちゃいのなっち。

 ……がくーーーーっ!!!

「な、なにやってんさ、ふたりともお!!」
 ごとー、一人で勘違いしてアホみたいじゃんか!
 情けなくてついつい大声になっちゃう。
 なっちはそれをごとーが怒ってるものと勘違いしたらしく、シュンと俯いてやぐっつぁんの服の
裾をくいくいと引っ張る。
「ほらあ…。だから怒られるからやめようっていったべ…」
 んあ…。確かになっちもやぐっつぁんも手とかべたべただし、なんだか床も洗剤が落ちたせいか
ヌルヌルしてて、普段だったら怒っちゃってたかもだけど。
 今はね…激しく勘違いした自分を叱りたい気分?
 
104 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)13時35分37秒
 なっちは何も言わないごとーを俯きがちの上目遣いで見上げていて。
 …可愛い…。
 ああっ、でもなっち、そんな洗剤いっぱい付いた手でパジャマ触っちゃ駄目だよお!
 ごとーが慌ててなっちの手を掴み上げると、なっちはびくっと怯えたように体を強張らせて。
 んあーっ!!!
 ごとー、なっちをびびらせちゃったよ…。
「…なっちぃ。そんな手でパジャマ触ったら駄目だよ」
 その言葉にようやくなっちは気が付いたのか、またシュンと俯いてしまう。
「ごめ…なさ…」
「あ〜あ〜。いーけないんだいけないんだ〜。ごっちんがなっちを泣かした〜」
 何事もなかったように手を洗っていたやぐっつぁんが妙な節をつけて言うから、ごとーは心底
焦って。
「まっ、まだ泣いてないでしょおっ?変な歌歌わないでよ!!」
 マズイ。
 なっちは涙腺まで五歳になっちゃってるのか、うるうるの瞳からは今にも零れそうな涙が
溢れている。
105 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)13時45分00秒
 後藤真希17歳。
 苦手なモノ『なっちの涙』


 どーしよーとごとーがわたわたと慌てていたら、ゾーキンで床を拭き始めていたやぐっつぁんが
思いもかけないことを言った。
「ここは片しておくからさあ、なっち慰めついでにおフロでも入ってきたらぁ?」
 なっち洗剤いっぱい付いちゃってるし。
 …アラ?
 やぐっつぁんアナタ、さっきごとーに宣戦布告もどきをしたよね?
 つまりライバルなのよね?
 …そのライバルにそんな塩を送るみたいなこと(ちょっと違う)言うなんて…。
 あやしい。
 …ごとーのその不振そうな視線に気づいたのかやぐっつぁんはまだネガティブモードのなっちの頭を
ぽんぽんと叩くと、にかっと笑った。
「オイラだってなっちのこんな顔みんのヤなんだよっ」
 でもオイラじゃどーにもなんないし。
 早く行った行った、と半分追い出されるみたいにごとーとなっちはキッチンを出た。
106 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)13時57分10秒
 リビングでは裕ちゃんが自分の腕を枕に眠っちゃってて、ごとーはなっちの手を引いていったん
寝室に着替えとタオルを取りに寄ってからバスルームへ向かった。
 寝室の床では梨華ちゃんとよしこが仲良くひとつのタオルケットに包まって眠っていたけど、気が
つかなくってごとー、危うく躓くとこだったよ。

 それからふたりとも裸になって、いつの間にかお湯が張ってあったバスタブにゆったりと浸かる。
「なっちー」
 まだごとーが怒ってると勘違いしたままなのか、俯いたままのなっちの柔らかいほっぺを両手で
むぎゅっとはさんで仰向かせる。
「…ふえ・・・っ?」
 急なことで目をぱちくりさせてるなっちのおでこと鼻の頭にちゅう。
「どーして落ち込んでるの?」
「……」
 なっちは暫く黙ったまま、ごとーをじっと見てたけど、不意に視線を反らして。
「だって…ごっちん怒らせちゃったべさ…」
107 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)14時06分29秒
 ちょっと唇を尖らせてすねたようななっちの顔。
 超!!!可愛いっ!!!
 抱きしめたい!そのままちゅうして抱いちゃいたい!!!
 …んだけどぉ。
 さすがに、ねえ…。
「なっち?ごとー別に怒ってないよ?」
 リビングと寝室には眠ってるとはいえ、裕ちゃんと梨華ちゃんとよしこがいるし。
 なによりまだ起きてるやぐっつぁんもいるし。
「…したっけなんで怒鳴ったんだべ?」
「んあ…あれは」
 まさかやぐっつぁんとなっちがイカガワシイことしてるって勘違いしたとは言えないし。
「どおして?なっちなまらびっくりしたんだべ。ごっちんがなっちに怒鳴ることなんて…今まで
なかったから」
 うーん。
 しかたないなあ。
 ごとー、なっちのお願いモードの目には敵わないんす…。

「あのねぇ…。なっちと、やぐっつぁんがふたりで仲良くしてたからぁ…」
108 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)14時14分20秒
 ヤキモチやいたの。
 ごとーが小さな声で呟くと、なっちはちょっとびっくりした顔になって、それからお湯に
浸かってるせいだけじゃなくほんのりほっぺを染めて。
「な…ぁんだぁ」
 満面の笑み。
 …クラッ。
 やばいです、なっちさん。
 この状況でそのスマイル100%は。
「なっちたち、ふたりともやぐちにヤキモチやいてたんだねぇ」
 やぐちは罪深い女だべさ、なんてケラケラ笑ってる場合じゃないよなっち。
 …ごとー、我慢が。
「でも、なっちはごっちんだけだからね?だからごっちんもなっちだけ見ててね?」
 んあーーー!!!
 ごとー、我慢できません!!!


109 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)14時26分20秒


 五歳のなっちの体はちっちゃくて、ごとーが力いっぱい抱きしめたら壊れちゃいそうで。
 でも、そんなこと気に掛ける余裕なんて吹き飛んじゃってて、ごとーは夢中でなっちをかき抱いて
キスをした。
「……ん、んん…っ」
 急なことでロクな抵抗も出来なかったなっちの唇と歯を強引にこじ開けて、舌を絡める。
「は…っ、ご…、ん・・・っ」
 呼吸を助けるために唇が重なる角度を変えるたびに、なっちから吐息混じりの声が零れる。
 それはいつもの、おっきいなっちと全然変わらなくて、ごとーは眩暈がするほど興奮した。
「…なっち…」
 なっちからの拒絶の声や抵抗がないのを良いことに、小さな体を抱き上げてバスタブから
あがる。
 普段だったら寝室に行くんだけど、今日は梨華ちゃんとよしこが寝てるし、リビングには
裕ちゃんとやぐっつぁんがいるし。
110 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)14時39分07秒
 ごとーはそのままバスルームの床に胡坐をかいて座り、なっちを後ろから抱っこするみたいに
抱き寄せる。
「…ごっちん…?」
「なっち…好き」
 耳元に囁くと、なっちは小さく声をあげて肩を震わせる。
 んあー、可愛い。
 なっち耳元弱いんだよねぇ。

 耳元にキスを繰り返しながら、ごとーはなっちの小さな体に手を這わせる。
 わき腹からなで上げて、そのまま胸へ。
「…ん…っ」
 もちろん五歳だからぺったんこなんだけど、中心は確かに感じてくれてるみたいでぷつっと
たっちゃってて、そっと触れると膝が頼りなく跳ね上がる。
 その蕾を指先で弾くと、なっちの膝がぴくぴくと続けて反応する。
「…なっち、声出して?」
「……っ」
 ごとーの言葉になっちは目をぎゅっと瞑って首を横に振る。
 でもなっち、声我慢するために指かんじゃっててさぁ…。
 なんか痛々しくてごとー、見てらんないよお。
111 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)14時48分22秒
 うーん…。
 どおしようかなあ…。
 …。
 ……。
 あ、そうだ!
 ごとーは思いついて、手を伸ばしてシャワーのコックをひねる。
 途端勢いよく流れ出すシャワー。
「なっち、これなら声だしてもだいじょーぶだよ」
 まあ確かに、なっちのえっちな声を他の人に聞かれるのがヤってのも事実なんだけど、それ
以上にごとーが聞きたいの。なっちが感じてくれてる声。
 ちょっと怯えた顔のなっちの唇からやんわりと指を取り上げる。
「…声、出して。ごとー聞きたい」
「…ッ、あ、あ…ッ」
 なっちの返事を待たずに放置気味だった胸の突起を指先で刺激する。
 油断していたなっちは唇を閉じることも出来なくて、ごとーの指の動きに合わせて可愛い
声を上げる。
 …そりゃ21歳の声とは違うケド…出し方とかやっぱりなっちはなっちで、ごとーは嬉しく
なっちゃって、どんどん指の動きを激しくする。
112 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)14時55分08秒


「ふぅ、ん…ッ、ごっち…ッ」
 甘えた声で名前を呼ばれて、いよいよ歯止めが利かなくなる。
 胸を弄っていた手をそっと足の間に滑らせる。
 …五歳でも濡れたりするのかな…。
 ちょっと…いやかなりドキドキしながらなっちのそこに触れる。
「ひゃんッ」
 悲鳴が上がって、ごとーの腕を掴んでいた小さな手にぎゅっと力が込められる。
 …スゴイ…ちゃんと濡れてる…。
 ごとーはなんだか感激しちゃったよ。
 だってこんなちっちゃな体なのに、ごとーの愛撫にちゃんと反応してくれてるんだよ?
 愛しくならないはずがないっての。



113 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)15時08分26秒
「なっち、ちゃんと感じててくれてるんだぁ…」
 嬉しくって耳元に囁くと、なっちは首まで顔を真っ赤にして。
「…ッ、はずかし、よぉ…」
「恥ずかしいことなんかないよ?ごとーはスゴイ嬉しい」
 それから指をちょっとずらして一番敏感なところに触れる。
「…あ、あッ」
 そこはまだ隠れたままだったけど、ごとーはゆっくり丁寧にそこを刺激する。
「ごっち、ん…っ、や、あ…ッ」
「ヤじゃないでしょ?」
 なっちは首を振りたくっていやがるけど、ごとーが触れてるとこは反対にどんどん硬くなって
きてて。
 ごとーは空いてるほうの手で胸の蕾を弄りながらなっちの耳たぶに唇を付けて囁く。
「胸もそーだけど…こっちもちゃんと気持ち良いってたっちゃってるよ?」
「ん、あ…、あ…ッ」
 ごとーの愛撫にこんな小さな体で一生懸命応えてくれるなっちが愛しくて堪らない。
114 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)15時20分14秒



「ふ…っ、ご、っち…ッ、なっち、も…ッ」
 ふるふると体を震わせてなっちが限界を訴える。
 ごとーはもっともっと愛してあげたいけど、なっちがホントに辛そうだから。
「なっちぃ…イッていーよぉ」
「あ、あ、んん…っ」
 指の動きを早めてイかせてあげる。
「……ッ、う、ぁ…ッ、ごっち…っ」
 

 イク時にごとーのこと呼んでくれたのが嬉しくて、荒い呼吸を繰り返すなっちの体をぎゅうと
抱きしめる。
「なっちぃ。大好き」
「…なっちも…好きっしょ」
 少しだけ落ち着いてきた呼吸混じりになっちも言葉を返して、自分の体に回っていたごとーの
腕を取ると、ちゅっとキスをしてくれた。



115 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)15時26分48秒


 それから体をきれいにして洗い立てのパジャマを着ておフロから戻ると、裕ちゃんとやぐっつぁんは
リビングで仲良く並んで眠っていて。
「ごっちん、なっちたちも寝るべ」
「そおだね。今日はいろいろありすぎて疲れちゃったし」
 裕ちゃんとやぐっつぁんにタオルケットを掛けて、リビングの明かりを落とす。
 それからなっちと手を繋いで寝室へ行くと、床にさっきの姿勢のままよしこと梨華ちゃんが
眠ってて。
 二人を踏まないように気をつけてベッドに入って、なっちをそっと抱き寄せた。

「おやすみ、なっち」
「おやすみだべ、ごっちん」

 触れるだけのキスをして、ごとーとなっちは寄り添ったまま眠った。




116 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)15時27分59秒
>予告どおりエロ。
 …ごとーさんロリコン確定ですな。

 
117 名前:jinro 投稿日:2003年07月07日(月)15時30分08秒
>(♯´ー`)人(´д `♯)
 てか、やっと一日目が終わったよ…。
118 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月07日(月)16時52分05秒
ごっちーん!
・・・・・・ナイスです(w

この小説を読んでる姿は人には見せられない・・・にやけすぎて頬が痛い(w
jinroさんありがとう。いいものをありがとう。
119 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月08日(火)08時11分03秒
今日初めて読みました。なちごまマンセー!(●´ー`)人(´ Д ` )
これからの展開にも期待します

…タイミング外しましたが、いつかいいらさんもとかボソッと言ってみたり
失礼しましたっ。
120 名前:とんぼ 投稿日:2003年07月08日(火)08時39分34秒
なっちは、このままやられっぱなしなんでしょうか。
といっても5歳じゃ反撃できないかな。
121 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月08日(火)10時45分27秒
なっちは元に戻ったら反撃
122 名前:jinro 投稿日:2003年07月08日(火)11時49分44秒
<レスだけですが。

<118 名無しさん様
 ヽ( ` Д ´)ノ<んあ!なっちみてニヤけていーのはごとーだけえ!!!
 ……いやいや、レスありがとうです。

<119 名無しさん様
 …ん?これは『かおのの』がみたいってことですか??

<120 とんぼ様 121 名無しさん様
 (;´ Д `)<…反撃…?
 (●´ー`)<なっちにごっちん襲えってことだべか?
 …一応次から安倍さん視点にねって、いろいろ引っ掻き回してもらうつもりですが…。

<えと。
 これから旅行なんで次の更新は二日後くらいに。 
123 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月08日(火)15時16分46秒
なちのの良かったよ&ごっちんのロリコンめっ!!
124 名前:まろんめろん 投稿日:2003年07月08日(火)21時28分04秒
更新お疲れ様でした!
『なちのの』かなりよかったです!
安倍さんと後藤さんのこれからどうなっていくのか気になります!
次の更新もがんばってください!
125 名前:ドーナツ。 投稿日:2003年07月09日(水)00時50分07秒
いつも楽しみにしてますー。
なちごま最高!安倍さんかわいい!
2人が付き合いだしたお話とかよにたいです(w
更新楽しみにしてます。頑張ってください!
126 名前:ドーナツ。 投稿日:2003年07月09日(水)00時52分27秒
よにたい・・読みたいの間違いです(汗
す、すいません。
127 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月09日(水)22時16分29秒
(・´ー`)←ちびなっち
128 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)13時38分28秒




「なるべく急いで帰ってくるからね?」
 なっちは外に出たら駄目だよ!…そう言い残してごっちんはさっき仕事に行った。
 昨夜からなっちん家に泊まっていた裕ちゃんとやぐち、よっすぃーと梨華ちゃんもごっちんと
一緒に仕事に行ったし。
「…暇だべ」
 テレビも面白くないし。
 昨夜がそーとー騒がしかったから、急に一人にされても困るべさ…。
129 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)13時47分22秒
 オフは大体ごっちんかやぐちといるし、一人でも洗濯とか掃除とか、やることはいろいろあった
けど、今日はなんもないべ。
 …買い物とか出たらごっちん怒るかなあ…。
 …。
 ……。
 ちょっと待つべさ。
 なっちは今、紺野のヘンな薬のせいで不本意ながら五歳になっちゃってるべ。だからきっと
今ならどこでなにしても『モーニング娘。の安倍なつみ』だってバレないんじゃないかい?
 …。
 ……。
 いや、駄目だべ…。
 ごっちんに怒られちゃうっしょ。
 ごっちんに心配かけたくないし。ただでさえ今回のことでごっちんには心配掛けっぱなし
だし…。
 なっちは悪い考えを追い出すべく、ふるふると頭を振って、ソファにごろんと横になった。

「あれえ?」
 …なんかごつごつした感触。
 …なんだべ?
130 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)13時53分00秒
 ソファとクッションの間に挟まってた物。
「こりゃ…、ごっちんのケータイでないかい?」
 悪いと思いつつもぱかっと開いてみると、なっちの待ち受け画面。
 …なんだべ…ごっちんたら恥ずかしいっしょ。
 そのまま後ろを見ると、この間一緒に撮ったプリクラが貼ってあって。
 間違いないべ、ごっちんのだ。

 …さてどうするっしょ。
 これ、ないとごっちん困るよねぇ…。
 普段あんましケータイいじってるの見ないけど、緊急のときとか!
 うんうん、やっぱりないとダメだべ!!!
 そうと決まったら。

「なっちが届けてあげるっしょ!」
131 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)14時01分21秒
 


 なんか無理やり正当化して、なっちはごっちんにケータイを届けてあげることにした。
「まずは…」
 着るものだべ。
 …いくら見かけ五歳でもパジャマってわけにいかないし。
 昨日着てたのは洗濯機の中だから、なっち届かないっしょ。
 てことは。
 なっちはリビングの隅に置かれた紙袋を手に取る。
 …梨華ちゃんが持ってきてくれたフリフリフリルのピンクのワンピース。
 …よっすぃーが持ってきてくれた黄色のカミナリネズミの…なんだべこれは、コスプレ?
着ぐるみ?

 ピンクのワンピースはカワイイけど動きにくそうだし。
 梨華ちゃんには悪いけど、よっすぃーのカミナリネズミにするっしょ。

 よし。
 着替えも済んだし、お財布も持った。あとケータイ…そうそうごっちんのケータイを忘れる
とこだったべ。
「出発だべさ!!!」
132 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)14時15分37秒


 午後から確かハロモニ。の収録があるはずだから、そこにいけばごっちんも来るはずだべ。
 …天気が良くて気持ちがいいっしょ。
 とりあえず駅まで向かうために、てくてくと歩いていると。
 
 突然〜だーい恋愛〜してみたーいと〜♪♪

 なっちのケータイがなった。
 着信は公衆電話から…きっとごっちんだ。
「もしもし…あ、ごっちん」
『なっちい、ごとー、ケータイ忘れちゃったんだけど』
「うんうん、気づいてるよ。なっちが届けてあげるっしょ!」
『ほんとお…って、ええっ!?』
「ハロモニ。の時渡すっしょ。今もう向かってるべ」
『ちょ、なっち外出たらダメだよ!ケータイなんかいいから戻って?』
「だいじょーぶだいじょーぶ。見た目五歳でもなっちは21だべ。大人だべ」
『…なっち…着るものなかったよね?何着てるの…?』
「ああ、よっすぃーが持ってきてくれた黄色のカミナリネズミを着てるべさ」
『……』
「…ごっちん?」
『やっぱりダメえーーー!!戻ってなっち!!!外は危険なの!!』
「なにワケわかんないこと言ってるべさ?あ、駅に着くから切るっしょ。あとで会おうねえ」
133 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)14時24分37秒
『んあーーー!!だめえーーー!!!』
「わがまま言わないでお仕事がんばるんだよ?したっけねえ」

 プツッ。ツーツー。

 …さてと。
 こっからがちょっとタイヘンそうだけど、まあなんとかなるっしょ!
 券売機の前まで行くと。
「お嬢ちゃん、ひとりかい?」
「へえ?」
 なっちが振り向くと、そこには上品そうなおばあちゃんが立っていて、にこにことこっちを
見てたから、なっちも釣られて笑っちゃってた。
 …同じおばあちゃんでも保田ばあちゃんとは大違いだべさ。
「ひとりです」
「おやおやエライねえ。いくつだい?」
「にじゅ…五歳でちゅ」
 やばいやばい。
 こーなったらかわもち君モードオンだべ。
「五歳!それでひとりで電車に乗るのかい?えらいねえ。たいしたもんだねえ」
 おばあちゃんは大げさに褒めると、なっちの手に飴玉を握らせて行ってしまった。
 …そうか…今あのおばあちゃん見て思い出したけど、メンバーに迎えに来てもらえば
良かったかも…。
134 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)14時36分37秒
 …でもま、ひとりで行くって決めたし。
 ごっちんはなんだか外は危険だとかなんとか言ってたけど、あんな優しいおばあちゃんとか
いるし、問題ないない。
 いざ出陣!!!

 …て、意気込んでみたけど。

 券売機に手が届かないっしょ!!!
 日本の券売機は子供に優しくないっしょ!!!

 ひとりでぷりぷりしててもしょうがない…。
「すみませんだべ」
 駅員がいる改札にてくてくと歩いていってちょっと怒った声で話しかける。
「え?」
 駅員はあれ?と言う顔をしてきょろきょろしてるし!
「こっちだべ!!」
「え?え??あ、ああ!」
「どこ見てるっしょ」
「ごめんねえ…お嬢ちゃん」
「まあいいっしょ…切符買いたいんだけど、手が届かないべ」

 最近の駅員も子供に優しくないべ。
 
 ふう。
 いろいろあったけど、なんとか切符も買えたし。
 ごっちん、もうすぐ届けにいくべさ〜。
135 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)14時47分20秒
>123 名無しさん様
 (●´ー`)人( ´D` )
 『なちのの』読んでくれてありがとうです。

>124 まろんめろん様
 (●´ー`)<ありがとうだべ。
 ごとーさんと安倍さんの今後…作者にも分かりません。アレ?

>125 ドーナツ様
 ふたりの馴れ初め…。
 (●´ー`)<ごっちん…なっちたち、どうして付き合うようになったんだっけ?
 ( ´ Д `)<理由なんかないの。This is 運命!!
 …だそーです。

>127 名無しさん様
 ( ・´ー`)人(´ー`●)
 レスありがとうです。
136 名前:jinro 投稿日:2003年07月11日(金)14時48分29秒
>時間あるときに更新更新。
 早ければ明日更新します。
137 名前:カヲル 投稿日:2003年07月11日(金)15時00分04秒
なんだかjinroさまの作品を読んでいて、安部さんをさらに好きなりそうな
予感がしてまいりました。
ブラックジャックのピノコさんを連想します。
子供なのに大人な精神を持ち合わせている…当たり前。

なち:あっちょんぶりけ…だべっ!
ごと&やぐい:かわぁいいいいいー!

ふっ。

すいません、またも勝手に…だってかわいいんだもん。
138 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)18時02分47秒



 平日の昼間ってずいぶん電車空いてるんだべな。
 なっちは空いてる座席には座らないで、扉のところに立って車内の釣り広告を眺めて
いた。
 ……ホントは外が見たいんだけども…。
 いかんせん背が足りなくて空しか見えないのだ。
 まあしかたないけど。

「ママー!!!ピカチューがいるよお」

 なんだべ?
 子供の声に振り向くと、そこには今のなっちと同じ位の背格好の男の子が立っていて。
「ぴかちゅーぴかちゅー」
 とこっちを指差している。
 ……電車で大声出しちゃだめだべ。
 母親らしき女性は、隣に座っている知り合いらしい女性とおしゃべりに夢中で男の子の方に
見向きもしない。

 …なっちは絶対あんな母親にはならないっしょ!

139 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)18時15分32秒
 これだから最近の若い母親は、とか言われちゃうんだべ。

 電車を降りて、スタジオまでの道のりを歩く。
 まだ10時だから…ごっちんは来てないかな。
「それにしても」
 背が小さくなって脚ももちろん短くなったのだから当たり前だけど。
「ずいぶん時間がかかるべさ〜」
 なっち、ちょっと疲れちゃったよ。
 ふうふう。
 普段は自分の身長が平均より少し小さいことに文句を言っていたけど、贅沢だったっしょ。
「ここから上り坂だべ〜」
 大人の足ならたいしたことないんだろうけど…。
 なっちは坂を見上げて思わずため息をついた。

 こんなことならタクシーでくればよかった…。

 後悔先たたずだべ。
 なっち、国語はなまら得意っしょ。
 ゆっくり行こう、と一歩踏み出したけど。
「ひょえっ!!??」
 踏み出した足は地面に着くことなく、なっちの体全体がふわりと宙に浮いた。
140 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)18時24分10秒
 なんだべ!?
 誘拐だべか!?拉致だべかっ!?
 
 イキナリ抱きかかえられて、手足をじたばたさせる。
「あのあの、なっちを誘拐してもいいことないべさ!!家にはお子供と嫁と亭主と旦那が
お腹を空かせて待ってるっしょ!!!」
 もはや自分で何を言ってるのかわからない。
 とにかく、この危機的状況をなんとかしないと、と必死になっていたのだけど。

「あははは!カミナリネズミ、ゲットだぜ〜!」
 頭上から聞こえたこの声は。
「安倍さん、おもしろすぎっす」

「…よっすぃー!!!」


141 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)18時37分40秒


「さっきごっちんから電話があったんす」
 黄色のカミナリネズミを保護してくれって。
 まだ笑いをかみ殺したような顔のまま、よっすぃーはなっちを下に降ろしてくれた。
「それにしてもダメですよ、安倍さん。そんなカッコで外でちゃ。マジで誘拐されちゃいますよ」
「…むう」
 ごっちんもよっすぃーもなっちを何だと思ってるべか。
 なっちはこれでも二人より四つも年上なのに。
「安倍さん?スタジオ行きましょう」
 なっちの不機嫌そうな顔には気づかずによっすぃーはなっちの手を握った。
 …あくまでなっちを子供扱いする気だべな。
 こーなったらとことん子供ぶって困らせてやるべさ!!!

「安倍さん?」
 立ち止まったまま動かないなっちに、よっすぃーは不思議そうになっちの顔を覗き込んだ。
「…ない」
「え?」
「ずっと歩いてて疲れちゃって歩けないべさ」 

142 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)18時45分29秒
 むう、となっちは上目遣いでよっすぃーを見上げる。
「……」
 したらよっすぃーは思ったとおり困った顔をして。
「…しかたないっすねえ」
 アレ?
 なんか急に絞まりのない顔になって…こんな顔ファンの娘には見せれないっしょ…ひょいと
なっちを抱き上げた。
 そのままスタスタ歩き出すよっすぃーの肩になっちは慌ててしがみつく。
 ……おかしいべ。
 ほんとならあそこで大人は困るはずじゃないべか?
 もっとこう…自分で歩きなさい、とか言って…。
 …???



143 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)18時57分12秒
>少ない更新でごめんなさい。

>137 カヲル様
 子供なのに大人…なんかアレな響きが。
 ヽ( ` Д ´)ノ<んあ!なに考えてんの!!!
 …いつも読んでくれてありがとうです。


144 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)19時00分29秒
>えと。
 今日の深夜、もう少しだけ更新します!
 (●´ー`)<小出しにしないでいっぺんに更新しろって感じだべ。
 (〜^◇^)<まったくだ。
 (○^〜^)<…いろいろいそがしーみたいだYO!

 …すみません(w
145 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)23時47分27秒


 途中でよっすぃーが買ってくれたアイスを食べながらスタジオに入り、娘。の楽屋に
向かう。
 あ、アイスはなっちが欲しいってねだったわけじゃないべ。
 よっすぃーが自分の分だけ買うのもあれだしって、なっちに奢ってくれたんだべ。
 …代わりに駅でおばあちゃんにもらった飴玉をあげたからおあいこっしょ。
「安倍さんがいないからハロモニ。もタイヘンですよ。いろいろ段取り変えたりして」
「…申し訳ないべ」
 てか、なんでなっちが謝らなきゃいけないんだっての。
 悪いのは紺野、紺野っしょや!
 …でもなっちを陥れたやぐちも悪いし。
 それよりなにより、今まですっかり忘れてたけど、紺野に怪しげな薬の製造を依頼してた
裕ちゃんが一番悪くないべか?
 …だべ。
 
「どーしたんすか、安倍さん?」
「なんでもないっしょ」
 なんかよく考えたらなっちばっかり貧乏くじを引いてる気がしてきた…。
146 名前:jinro 投稿日:2003年07月12日(土)23時54分14秒
 だいたいよっすぃーもなんだかこのなっちの状況を楽しんでる気がするし。
 梨華ちゃんと一緒になっておかしな格好させたり…。
 このカミナリネズミだってよっすぃーが持ってきたのに、こんなの着てたら誘拐される
とか言ってたし。

 …むう。

 ……決めたべ。
 紺野とやぐととゆうちゃん、それからよっすぃーと梨華ちゃんにはちょっとお灸をすえないと
ダメッしょ。
 なっちを怒らせたこと、後悔させてやるんだから!


 楽屋に着くと、まだ誰も来てなくて。
「ごっちんに頼まれたからアタシは早く来たんすよ」
 実際収録は昼から出し、暫くは誰もこないんじゃないすか。
 よっすぃーは続けるとなっちにお茶を入れてくれた。
147 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)00時03分26秒
 よっすぃーはイイコなんだけども。
 なっちはさっき復讐を誓ったばかりだべ。
「それにしても安倍さん、それ着てくれるなんて思いませんでしたよ」
「ふえ?」
「やはは、だって昨夜はあんまりいい顔してくれなかったから」
「…うん、でもせっかく持ってきてくれたんだし」
 着るよ、と答えると、よっすぃーは嬉しそうに笑顔を作って、ごそごそと自分のカバンを
探った。
「じゃあ、コレも着てくれませんかぁ?」
 と、広げたのは。

「なんだべ、コレは?」
「知らないんですか、安倍さん!これはドラエモンです」
「……」
 それくらい知ってるべ。
 カミナリネズミじゃ飽き足らずに今度はドラエモンをなっちに着せようってのかい?

「絶対似合うと思うんすよ!」

 …やっぱりよっすぃーもお仕置き決定だべ。

148 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)00時13分43秒
「着てもいいけど…」
「ホントっすか?」
 さてと。
 どーやってぎゃふんと言わせてやるべか。
 よっすぃーが一番されたら困ることってなんだろ。
 …やっぱり…梨華ちゃん関係かなあ。
「コレ、着替えにくいから手伝ってもらえる?」
 梨華ちゃんは集合時間の一時間前にはいつも来てるって話を前にごっちんからきいたことが
あるべ。
 したらそろそろ来るはずっしょ。
 よっすぃーと梨華ちゃん、二人一緒にお仕置きっしょ。
「いいっすよ!」
 嬉々としてなっちの服に手を掛けるよっすぃー。
「ねえ」
「なんすか?」
「よっすぃーってさ、子供好きなの?」
「え、ええっ!?」
 何故かうろたえるよっすぃーに、なっちは追い討ちをかける。
149 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)00時25分47秒
「だって、こんな格好させたりして…。そういう趣味あるのかな、なんて」
 ちょっとカマかけてみるつもりだったんだけど。
「ななな、なに言ってんですか…っ」
 予想以上の反応にこっちがびっくりしたべ。
 …ありゃ、よっすぃー顔真っ赤だよ。
「…冗談だって。でも、なっちちょっと嬉しかったから」
「え?」
「普段さ、よっすぃーとなっちってあんまし話す機会ないじゃん?だから、なっちがこんな風に
なったらさ、家とかにも来てくれて…」
 なっちの服に掛かってたよっすぃーの手が止まった。
「ごっちんもいたしさ、素直になれなかったけど、なっちなまら嬉しかったべ。この服も…」
 すこーし卑怯かな、とも思ったけど。
 なっちはぎゅっとよっすぃーの胸にしがみつく。
「あ、安倍さん…」
 うわずった声。
「よっすぃーはなっちのこと、キライ…?」
 ごっちんと裕ちゃんには効果抜群の上目使いで見上げると、よっすぃーはさっき以上に顔を
真っ赤にしちゃってて。

「…安倍さんっ!!!」
 思い切りなっちを抱きしめてきた。


150 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)00時36分50秒
「よっすぃー…」
 むぐぐ。
 ちょっと苦しいべさ。
 よっすぃーの馬鹿力っ!
 ごっちんも力持ちだけど、よっすぃーも力あるべ。
 なんて呑気なことを考えていたら。
「…アレ?」
 くるりと視界が回転してソファに押し倒されていた。
 …これはマズイっしょ!!!
「安倍さん…!」
 よっすぃーはまるで盛った男子学生みたいになっちの体を抱きしめてくる。
「…よ、よっすぃー…!」
 やっぱりよっすぃーってロリコンとかなの?
 普通五歳に迫られてもこんな風になんないっしょーーー!!??
 なっちの計画では、よっすぃーとちょっとイイ雰囲気(このあたりが微妙)になったところに
梨華ちゃんが来て、よっすぃーと言い争いになる筈だったのに。
「ちょ、ちょっと待つべ…っ。よっすぃー!」
「もうとまりません。誘ったのは安倍さんですよ。アタシは据え膳は食う主義なんです」
 据え膳って。
「…や、ちょ…っ」
 
151 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)00時47分39秒
 自分で蒔いた種とはいえ…。
 ここでよっすぃーにヤラレちゃったら洒落にならないっしょ!
 助けてえ、誰かあぁ!!!

「ひとみちゃん!!!」

 なっちの心の叫びが通じたのか、甲高い声によっすぃーの手が止まる。
「り、梨華ちゃん…っ!?」
「なにやってるの!?安倍さん押し倒して…」
 硬直したよっすぃーの腕からなっちはするりと抜け出して、ドアのところに立ってワナワナと
震えている梨華ちゃんにしがみつく。
「梨華ちゃん、怖かったべ…。急によっすぃーが襲い掛かってきて…」
「なっ!!??」
「ちが、安倍さんが」
 わたわたと言い訳しようとしたよっすぃー。
 だけど一瞬早く梨華ちゃんの平手がよっすぃーのほっぺに炸裂した。

 バッチーーーーン!!!

「ひとみちゃんの馬鹿!ヘンタイ!!!」


 ひえ〜〜。
 ちょっとやりすぎちゃったかな…。
 阿修羅の形相の梨華ちゃんに攻め立てられてたじたじのよっすぃーが少し気の毒になった
けど、まあなっちに本気で襲い掛かってきたのは事実だし。

 リベンジその一、完了だべ。
152 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)00時59分30秒



 よっすぃーと梨華ちゃんの修羅場にいるのもなんだか気が引けたので、とりあえずなっちは
娘。の楽屋を出ることにした。
 
「あれ、なっちゃん?」

 聞きなれた声に振り向くと、そこには圭ちゃんと圭織が立っていて。
「ごっちんはまだだよね?ひとりで来たの?」
「うん」
「ふうん。で、こんなとこで何やってるの?楽屋で待ってれば?」
 圭織の不思議そうな声に、なっちは視線を泳がせる。
「あ〜、今、よっすぃーと梨華ちゃんが、その、なんだか取り込んでるみたいで」
 二人ともまだケンカしてるのかな?
 もししてるならそこに圭ちゃんや圭織が行くのは、非常にマズイ。
 何せケンカの原因は他でもない、なっちなのだから。
「ああ…またあいつら楽屋で」
 なっちの曖昧な説明が逆に良かったのか、圭織はヘンな勘違いをして顔をしかめた。
 ほえ?
 また楽屋で…なんだべ?
「じゃあ暫くあたしの楽屋で時間つぶそうか」
 圭ちゃんはなっちの手を取ると苦笑いで圭織と目を合わせた。


153 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)01時18分07秒


「なっちはいつも遅刻かギリギリだから知らないかもしれないけど」
 圭ちゃんの楽屋は当たり前だけど、娘。の楽屋よりこじんまりしてて。
 …なっちもソロデビュー決まったけど、こういう楽屋になるのかな
 そんなことを考えながら、圭ちゃんが入れてくれたお茶に口をつける。
「あいつら、いつも楽屋でイチャイチャしてるんだよ」
「ぶーーー!!!」
「うわ、なんだよ、なっち、汚っ!!!」
 思わずお茶を噴出してしまったなっちに圭ちゃんの抗議の声が飛ぶ。
「ご、ごめん」
 だって、楽屋でイチャイチャって。
 …なっちとごっちんもたまにしてるべ…。
 圭織が差し出してくれたティッシュで口元を拭きながら、なっちは自分のほっぺが赤く
なってるのを感じた。
『楽屋でもどこでも、ごとーはなっちとイチャイチャしてたいの』
 ふにゃふにゃの笑顔で言うごっちんを思い出し、ますます顔が赤くなる。
 …ふや〜。
 まいったまいった。
「リーダーとして一度そういうメンバーに注意したほうがいいんじゃない?」
「そうだねえ…。吉澤と石川とお」

154 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)01時26分20秒
 ちらり。
 圭ちゃんと圭織の視線がなっちに刺さる。
「なんだべ?」
「なっちもね、楽屋でイチャイチャしてたらダメだよ?」
「うえっ!?」
「うえ、じゃなくて。後藤の楽屋で…してたことあるでしょ?」
 ぼかん!!!
 なっちの顔が火を吹いた。いや、例えだけど。
「ダメだよ、誰が見てるか分からないんだから」
 圭ちゃんの声なんかほとんどきこえてなかったべさ。
 そりゃそうっしょ。
 ごっちんとの、見られてたなんて…!!!
「まあ、そんな落ち込みなさんな」
 ぽんぽんと圭ちゃんが肩を叩いてくる。

 そんな簡単に立ち直れないべ…。
 なんか…。
 帰りたくなってきたべさ……。


155 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)01時31分04秒
>安倍さん後藤さん
 恋人にしたいアーティスト一位、二位おめでとう(w
 (●´ー`)人(´Д ` )
156 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)01時40分08秒
>ありゃ、勘違い。後藤さんは四位でしたね。二位はあやや。
 でも(●´ー`)人(´ Д ` )
157 名前:jinro 投稿日:2003年07月13日(日)01時43分58秒
>あれえ?
 やっぱり後藤さんは二位…?誰か真意をおしえてくだ(ry
158 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月13日(日)02時22分16秒
1位なっち2位ごっちん4位あやや
159 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月14日(月)00時35分13秒
初めて読みました、最高っす。
160 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月14日(月)07時44分00秒
おもしろいです
161 名前:jinro 投稿日:2003年07月17日(木)07時48分19秒



 コンコン。
 ノックの音に俯いていた顔をあげると、そこには気まずそうな顔をした小川と新垣が立っていて。
「あれ、ふたりともどうーしたの?」
 圭織が不思議そうに尋ねる。
 したらふたりはちらとお互いの顔を見合わせて。
「娘。の楽屋に行ったら吉澤さんと石川さんがなんだか取り込み中で…」
「なんか邪魔できない雰囲気で、どうしようって思ってたらこっちから声がしたんで、向こうが
落ち着くまで待たせてもらおうかと思ってきたんです」
「まーだイチャイチャしてんの?アイツら」

 イチャイチャ?
 どーゆーことだべ。
 ついさっきまでケンカしてたはずなのに…。
 これじゃあ復讐にならないっしょ。

「ちがうんです」
162 名前:jinro 投稿日:2003年07月17日(木)07時55分53秒
 小川の言葉に圭織よりも圭ちゃんよりも早く聞き返した。
「違うってどーいうことだべ?」
「あの…イチャイチャしてたんじゃなくて…なんかケンカしてたみたいです」

「「ケンカ!!??」」
 圭織と圭ちゃんが素っ頓狂な声を上げた。
 そりゃそうだ。
 よっすぃーと梨華ちゃんは自他共に(?)認めるラブラブバカップルなのだから。
「どういうことよ?」
「雪でも降るんじゃないの?」
「あ、でもケンカっていうか、石川さんがなんか一方的に吉澤さんを怒鳴ってたっていう感じ
で…」
163 名前:jinro 投稿日:2003年07月17日(木)08時06分14秒
 ふむふむ。
 なっちのリベンジはどうやらうまくいったみたいっしょ。

「ふーん?なんにせよ珍しいことにはかわりないね」
「でもまあ、あの二人だって冗談で付き合ってるわけじゃないだろうし、そのうち仲直り
するでしょ」



「ねーねー!よっすぃーなんかしでかしたの?ペコペコ梨華ちゃんに土下座してたけど!」
 やぐちは朝から元気だべ。
 大声で圭ちゃんたちに娘。の楽屋でのことをはなしたあと、漸くなっちの存在に気がついた
やぐちは「なっちじゃん!」とにやにやしながら近づいてきた。
 ずんずんと近づいてきたやぐちに見下ろされるなっち。
 …むう。
 やぐちに見下ろされるってなんかくやしい。
164 名前:jinro 投稿日:2003年07月17日(木)08時19分28秒
 気に入らなくて立ち上がるけど、やっぱりやぐちの方がおっきい。
 そりゃなっちは今五歳なんだから当たり前なんだけど。
「なんだべ!」
「なんでもないけどお。…いやあ、自分より背の低いメンバーがいるってのがなんか
不思議…てか嬉しくてえ」
 にやにや笑顔のまま、ぽんぽんとなっちの頭を叩くやぐち。
「普段のなっちはやぐちより7センチ高いっっしょ!」
「でも今はオイラのが高いじゃん」
「むう〜〜〜」

 納得いかないべ!
 もお怒った!やぐちはよっすぃーや梨華ちゃんよりも重いお仕置き決定!!

「…やぐち」
「ん〜?なんでちゅか、なちゅみちゃん〜?」
「やぐちにはキチンと反省してもらうべ!」
「…なにを?」
165 名前:jinro 投稿日:2003年07月17日(木)08時26分30秒
 …なにを!?
 いうに事欠いてなに言ってるべか、この虫は!
 まず最初に紺野の怪しげな薬を手八丁口八丁でなっちに飲ませたクセに!
 でもって、ベランダでごっちんとイチャイチャ(このあたりが微妙)してたクセに!!
 最後にさっきのなっちへの暴言!!!

「…まあいいべ。とにかくやぐちにはぎゃふんと言ってもらうっしょ」
「キャハハ!ぎゃふんなんて言うヤツいるかよ!!」
 むきー!!
 またなっちを馬鹿にしたべ!!!
 ぷんすか怒ってるなっちをまだにやにや笑顔で見つめてるし!

 やぐちには地獄を見てもらうべさ!

166 名前:jinro 投稿日:2003年07月17日(木)08時29分01秒
>時間なくて少ない更新でスミマセン。
167 名前:jinro 投稿日:2003年07月17日(木)08時32分24秒
>158 名無しさん様
 おお、教えてくださってありがとうございます。

>159 名無しさん様 160 名無しさん様
 (●´ー`)<レスありがとうだべ。
 励みになりますです。
168 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月18日(金)07時52分59秒
か、可愛(ry
更新お疲れ様です。
169 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月18日(金)15時28分02秒
か、可愛いけど・・・怖。
矢口どうなるんだろう・・・。

期待して(w まってます!
170 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)15時22分01秒



「なっちい〜」
「…ひゃあっ!?」
 どうやってやぐちに復讐しようか考えていたら、いきなり抱き上げられた。
「ごっちん…びっくりしたっしょ」
「びっくりしたのはごとーの方だよ〜。ひとりでこんなとこ来るなんて…」
 情けない顔のごっちんは、なっちを抱っこしたままペタンとソファに座った。
 それからぎゅうって抱きしめられる。

 ホントに心配かけちゃったべさ…。
「ごめんなさい」
 心配かけちゃったことが申し訳なくて、なっちもぎゅうとごっちんに抱きつく。
「うん…。ケータイも出てくれないし…」
「あ、電車に乗るからマナーモードにしたままだったっしょ」
「だからよしこに電話して頼んだんだあ」
171 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)15時28分13秒
 あ、そーいえばよっすぃーと梨華ちゃん、どうなったんだろ。
 …復讐なんて、よっすぃーには悪いことしちゃったべ。

「ごっちん、実はよっすぃーと梨華ちゃんケンカしててね」
「ケンカぁ?でもさっき娘。の楽屋覗いたらなんか抱き合ってたよ?だからごとー、邪魔しちゃ
悪いかと思ってこっち来たらなっちがいたから」
 …ふえっ!?
 抱き合ってたって…仲直りしたのかな?
 …。
 ……。
 まあいいっしょ。
 よっすぃーはごっちんのお願いきいてくれてなっちを保護してくれたし。
 これで許してあげるべ。

「でね、ココに来る途中に買ってきたんだけどお」

 ニコニコしながらごっちんがなっちに差し出したのは洋服だった。
172 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)15時37分29秒
「なっちがそんな格好で外いるなんていうから焦っちゃった」
「そんな格好って…」
 やっぱりカミナリネズミはヘンだったんだ。
「でえ、ごとー服買ってきたから」
「ありがとうだべ」
 ごっちんがくれた服は、普通のTシャツにハーフパンツ。
 ようやく普通の服が手に入ったっしょ。
「なっち似合うよ〜」
 着替えるとごっちんがなまら喜んでくれて、なっちも嬉しくなった。
「なっちはこういうシンプルな方が似合うと思うんだ」
「そうね〜?」
 ごっちんの言葉に後ろから見てた圭ちゃんが。
「確かにそうよね。ホラ、あの四角さんと歌ったヤツのジャケ写なんかなっちゃんの魅力
を完璧に引き出してるわよね」
「そうそう、だって某作者なんか、曲にはぜんぜん興味なかったくせに、あのジャケ写の
ためにシングル買ったくらいだし」
「あーあー、でもそういう安倍ヲタたくさんいそうよね」

 ごっちん、圭ちゃん…なんの話だべか。

173 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)15時49分43秒

「それにしても、娘。が全員ココに集まられたらとんでもないことになるんだけど」
 圭ちゃんが圭織に言う。
「確かに…」
 今、この十畳くらいの圭ちゃんの楽屋にいるのは、なっちとごっちん、圭ちゃんと圭織に小川と
新垣。それからやぐち。
 七人もいるっしょ。
 それで結構楽屋は飽和状態。
「じゃああたし、娘。の楽屋みてくるよ」
「あたしも行くよ」
 圭ちゃんと圭織が出ていってから、なっちはさっき思い出したやぐちを見た。
 したらやぐちはさっき散々なっちを馬鹿にしたことなんか忘れたみたいに雑誌なんかめくってる
し!
「ねえごっちん」
「なあに?」
「やぐちには貸しとかないよねえ?」
「うん…?」
 もしごっちんがやぐちに借りとかあったら復讐は出来ないっしょ。
「別に…」
「それは良かったべ」
 不思議そうな顔のごっちんに、なんでもないっしょ、と告げて。

 これで心おきなくやぐちにぎゃふんと言わせてやれるべ。

「やりましたよ!!安倍さん、後藤さん!!!」
 どうやってやろうか、と考えていると、ドアが勢いよく開かれて、マッドサイエンティストルックの
紺野が現れた。
174 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)15時59分31秒
「やったって…なにを?てかなんで圭ちゃんの楽屋に来るわけ?」
「あちらは何か立て込んでるようでしたので、こちらに来ました」
「でも、うちらがこっちにいるとは限らないじゃん。もしかしたらごとーの楽屋にいたかも
しれないし…。それなのに紺野、今躊躇いもせずに勢いよくドア開けて、安倍さん後藤さん
って叫んだよね?」
 むう、いつものごっちんらしからぬ洞察力。
「そんなことどうでもいいじゃないですか。それより」
 なんと、ごっちんの追求をどうでもいいで終わらせたべ、紺野は!
「ついに完成したんです!」
 白衣のポケットから紺野が得意げに取り出してみせた物。
 …赤と白の小さなカプセルが三つ。

「「「「「ナニこれ?」」」」」
 
 いつのまにか側に集まっていた楽屋にいた全員の声がきれいにハモッた。
「アハハハ!今のハモり、完璧です!!」
「紺野っ!笑ってないで教えろよ!!」
 やぐちの言葉に、紺野は失礼、とコホンと咳払いをして。
「コレは中澤さんに頼まれた例の薬です!」
175 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時07分21秒
 …へ?
 裕ちゃんが頼んでた例の薬って。

「もしかして、若返りの薬!!??」

「その通り!ついに完成したのです!…多分」
 多分。
 今多分っていったべか?このマッドサイエンティストは??
「紺野ぉ。そんなのごとーとなっちに嬉々として見せに来てどうすんのさ?なっちとごとー
は元に戻れる薬なら喜んだけどぉ」
「確かにそうですよね」
「確かに…」
 ごっちんのもっともな意見に小川と新垣が頷く。
「それはそうなんですが…」
 ふう、とため息をついて紺野は眼鏡をくいっと持ち上げた。
「私のデータ上では完璧なんです。ただ…」
「「「「「ただ?」」」」」
「データ上だけでは不安なので」
 …嫌な予感がするべ。

「もう一度安倍さんに実験台になってもらおうかと思いまして」

 …。
「はあ!!??」
 なっちが何か言う前に、ごっちんが素っ頓狂な声をあげた。
「何言ってんのさ、紺野!そんなのダメに決まってるじゃん!!!」
「そ、そうだべそうだべ!」
176 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時19分53秒
「紺野、自分で試せばいいじゃん!これ以上なっちを巻き込まないでよ!!」
「そうだべそうだべ」

「でも、もし!万が一!また失敗していたら…私が小さくなってしまうんですよ?安倍さん
ひとりいないだけで収録はタイヘンだし、ひとりならスケジュールの都合とかで誤魔化しが
きくかもしれませんが、さすがに二人も一緒にいつまでも不在はオカシイと思います」
 うあ、なんて最もな意見を更に最もらしく言うんだ、コイツは!
「それなら、すでに小さくなってしまっている安倍さんなら、もし失敗しても娘。の負担
は今までと変わらずに済むのですよ」

「でもさ、もし失敗作だったらなっち、どうなっちゃうの?」
「多分、あくまで推測ですが、赤ん坊になるんじゃないかと」
 …。
 ……。
 赤ん坊?
「…っ、ダメダメ!絶対ダメ!!」
 なっちの思考が停止してる間に、ごっちんが激しく拒否してくれた。
「だって、赤ちゃんなんて喋れないし自分でなんも出来ないし、えっちだってでき…いだっ!!」
 何を言うんだべか、ごっちんは!
 ここには中学生もいるのに!!
 ひどいよお、なっち、とごっちんはなっちがつねった太ももの辺りを擦ってる。
177 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時28分19秒
「でもさあ、紺野の言うことも一理あるよね」
 む、やぐちなに言うべさ!?
「やっぱこれ以上仕事に負担かけるのはマズイし…大丈夫大丈夫!薬はいずれ効果が切れ
るんだから!!」
 なっち犠牲になれ、とやぐちはニヤニヤ笑いながらなっちの頭をぽんぽんと叩いた。

 …じょーだんじゃないっしょ!!!
 誰がそんな得体の知れない薬…。
 
 その時。
 なっちの頭に悪魔が囁いた。
 …いーいこと考えたあ。
「…そう言われればそうだべな…」
「へえっ!!??」
「確かにこれ以上仕事に負担かけれないし…。なっちが五歳になっちゃったのも、元はと
いえばなっちの不注意だし…」
「ななな、なっち!!?」
 ごっちんの焦った声。
 ごめんね、ごっちん…なっちは悪魔に魂を売るべさ。
「紺野」
「は、はい」
 紺野もまさかなっちがこんな簡単に了承するとは思ってなかったらしい。
「なっち…それ、飲むよ」
178 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時35分18秒
「なっち〜〜〜!!!なんで、どーしてえ!!??」
 泣きそうだよ、ごっちん…。
「ごめんね、ごっちん」
 屈んだごっちんの頬をそっと両手で包んで。
「なっち、娘。が好きなんだべ。だからこれ以上みんなにも負担かけたくないんだべ」
「なっち…」
「だから…ごっちん、もしなっちが赤ちゃんになっちゃったら…迷惑かけるけど」
 そうだよねえ…。
 よく考えたら赤ちゃんになるなんて無茶苦茶イヤなんだけど。
 だって、自分で何も出来ないんだよ!?
 ご飯もたべらんないし、トイレだって…おむつとか…。
 ごっちんに替えてもらったり…。
 …うわあぁ!イヤだあ!
「大丈夫!なっちがどんな姿になっても好きだし!!ごとーが何もかも面倒みるよ!」
「……ごっちん…」
 なんか…なまらジーンとしちゃったべさ…。
179 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時43分57秒
 ぎゅうと抱きしめてくるごっちんを、なっちも精一杯腕を伸ばして抱きしめ返す。
「いい話だぁ」
「涙がとまらないですう」
 小川と新垣はハンカチで目元を拭ってるし。
 なっちはいい後輩をもったべさ…。

「紺野」
「はい」
「信じてるからね?」
 嘘だけど…。
 紺野の薬なんか信用できるわけないっしょや。
 …でも紺野もいつにない真剣な眼差しでなっちを見つめ返してくる。
「…完璧、です」
 なんか、ちょっとだけ紺野を信用してもいいかな、なんて思ったよ。
「でもさ…ホラ、もし赤ちゃんになっちゃったらタイヘンだし…いろいろ準備とかしたいから
…明日の朝までに飲むよ。いいかな…?」
「そうもそうですね…。わかりました」
「したっけ飲んだら紺野に電話するっしょ」
 にこっと笑うと、紺野はなにを思ったのか、なっちの手をきゅうと握って。
「ほんとにありがとうございます、安倍さん」
 なんて言うから。
 なっち、少しだけ罪悪感感じちゃったっしょ。
 ごめんね、紺野。
 なっちはこの薬飲まないよ。
180 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時50分17秒
 掌のカプセルを見つめる。
 この薬は…。

「なっち、エライなあ!オイラ感動しちゃったよ」
 なんて相変わらずヘラヘラしたままのやぐち。
 またなっちの頭をぽんぽん叩いてくるし!
 そんなに自分より背の低いメンバーが嬉しいのか。
「なっちい、仕事終わったらいろいろ準備しなきゃだねえ」
「うん」
 ごっちん…。
 騙してごめんね。
 この薬は。

 やぐちに飲ませるから。
 …これ以上にない復讐だべ!
 もし成功してたらそれはそれでいいし、失敗だったら…ま、なんとかなるっしょ!
 
 やぐちにリベンジ開始だべ!!!

181 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時57分10秒
>168 名無しさん様 169 名無しさん様
 (●´ー`)<可愛いなんて…嬉しいっしょ。
 (〜^◇^)<でも怖いとも言われてるよ!
 (●´ー`)!!…いーんだべ。なっちは悪魔になるんだから。

 ( ´ Д `)<デビルなっち…。
 (#´ Д `)<ポワワ。

182 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時58分08秒
>明日…更新します。
183 名前:jinro 投稿日:2003年07月19日(土)16時59分10秒
>隠しついでにせっかく更新したんだからageようかな…。
184 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月19日(土)17時40分12秒
ちび悪魔なっち最高!
185 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月19日(土)20時53分37秒
うはは〜!ちび悪魔だ(w
矢口ちっちゃくなるのかな?楽しみ♪
186 名前:小野妹子 投稿日:2003年07月20日(日)10時44分33秒
もし矢口さんがちっちゃくなったら
安倍さんとの絡みもみてみたかったり・・・。
187 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)01時04分42秒


「これからスタジオライブの収録なんだぁ」
「頑張るっしょ」
 いってくるねえ、とふにゃふにゃと笑うごっちんを見送る。
 今日は娘。の仕事はハロモニ。の収録だけだったから、皆はそれぞれ帰り支度を初めて
いる。
「…やぐち」
 鏡の前で髪を整えているやぐちに後ろから話しかける。
「え?」
 やぐちは鏡越しになっちを見返して。
「どったの、なっち」
「…話があるべさ…。ちょっと時間いいかなぁ?」
「うん?構わないけど」
「ここじゃあれだから…外でよう」


188 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)01時15分07秒
 やぐちを誘って廊下に設置してある自販機に向かう。
「なんだよ、なっち。めずらしくマジな顔しちゃって」
「うん…座って?」
 自販機の側に置いてあるベンチにやぐちを座らせる。
「…まあ座るけど。…オイラに話って?」
「…ん、とね…。あ、やぐちポカリ飲む?さっき新垣に貰ったんだけど、なっちこういうのって
あんまし好きじゃないから」
 手に持っていたペットボトルを差し出すと、やぐちは。
「んん?ありがと…」
 不思議そうな顔をしながらもなっちから受け取った。

 ちょっとやり方が汚いけど、上手くいったべ。
 それには例の薬が溶かし込んであるっしょ…。

「で、話って?」
「……」
 まずい。
 話なんか考えてなかったべさ。
 やぐちに薬を飲ませること考えるのでいっぱいいっぱいだったよ。
189 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)01時22分58秒
「なっち?」
 不思議そうにやぐちがなっちを覗き込んでくる。
 …ヤバイっしょ…。

「そんなに話しにくいこと?」
「うん…」
 とりあえず早くそれを飲むっしょ!
 したらなっちは指をさして笑ってやるべさ!!!
「オイラで良かったら相談にのるよ」
 言いながらやぐちはペットボトルのふたをあけた。

「実はね…」
「うん?」
 やぐちがゆっくりとペットボトルを口元に運んだ。
「……!」
 いよいよだべ!
 …手に汗を握ってやぐちを見つめる。
「なっち、なんかヘンだよ?なんか汗かいてるし」
 やぐちはペットボトルに唇を付けただけで離してしまった。
「これ飲んだら?好きじゃないってだけで飲めるんでしょ?」
「うえぇっ!?」
 それはマズイっしょ!
「ほらあ」
 焦るなっちの手にやぐちはペットボトルを無理やり握らせる。
 
190 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)01時29分29秒
 ピンチだべ…。
 でもここで断るのもなまら不自然なカンジだし。
 …でもでも!なっち、赤ちゃんになんてなりたくないっしょ!!五歳になっちゃっただけで
タイヘンなのに、赤ちゃんなんて…冗談じゃないべさぁ!!!
「いや…なっちはいいっしょ」
「いくないよ!貧血かもしれないし…そういうときはスポーツ飲料とかいいんだよ」
「や、でも…」
 なんだべやぐち!
 さっきまで散々なっちを馬鹿にしてたくせに急に優しくしないでよ〜〜!

「なに廊下でジャレてんねん?」

 後ろから聞き覚えのある声。
「裕ちゃん!」
「裕子!…きいてよー。なっちが具合悪いのに言うこと聞かないんだよぉ」
 むうぅ!
 裕ちゃんを味方につけるつもりだべか!?
191 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)01時36分36秒
「ホンマか?なっち具合悪いって…」
「べ、別に悪くないべさ!」
 慌てて否定する。
 ふたりがかりで無理やり飲まされたら大変だべ。
「ホンマに?…ならいいけど…。ん?なんやなっち、ええもん持ってるやないの」
「ふえっ?」
 収録後ってめっちゃノド乾くねん、と裕ちゃんはひょいとなっちの手からペットボトルを
奪うと。
「一口貰うわ」

「あーーーーーっ!!!」

「な、なんやねん、なっち!急にでかい声出して…」
「そ、それは飲んだらダメだべさ!」
 必死に裕ちゃんの腕にしがみついてペットボトルを取り戻そうとする。
 けど。
「コラ、なっち危ないって…!あ!」
 裕ちゃんの手から滑り落ちたペットボトルは無残に床に落ちて、フタが開いていたために
中身がほとんど零れてしまった。
192 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)01時43分23秒
「ああ〜、もったいないべさ…。三つしかないのに…」
「三つって何?」
 …しまった…。
「え?なんのコトだべ?」
「そんな可愛い顔して誤魔化してもダメだい!なっちまさか…」
 やぐち、怖いっしょ…。
 こんな真剣な顔のやぐち、久しぶりに見るべ。
「ひゃあっ!?」
 なんて考えてたら、イキナリやぐちに抱き上げられてしまった。
 やぐちに抱っこされるなんて…ありえないっしょ!
「紺野のヘンな薬、オイラに飲ませようとしたでしょ?」
「そそそ、そんなことない…」
「嘘付けぃ!なんかおかしいと思ったんだ!話があるなんて言ってたくせになかなか話
始めないし、アレ飲むのスゴイ躊躇ってたし!!」
 甲高い声でまくし立てられる。
 むう〜。
 こうなったら仕方ないべ。
193 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)01時49分13秒
「バレちゃあしょうがないっしょ。そうだべ。なっちはやぐちにあの薬を飲ませるつもり
だったべさ」
「な、なんでだよ!」
「やぐちがなっちを馬鹿にするからっしょや!なっち怒ってるんだべ!」
「馬鹿になんてしてないよ!」
「したべさ!!」
「してない!!」
 抱き上げられた格好のままやぐちと睨み合う。
 自覚がないのが一番始末に負えないっしょ!
 ぽんぽんぽんぽん気安く人の頭叩いておいて、アレが馬鹿にしてないってんなら何やっても
許されるべ!!!
「とにかく!やぐちが馬鹿にしたって認めて謝ったら許してあげるっしょ」
「だって馬鹿にしてないもん。可愛いと思っただけだもん」
194 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)02時00分30秒
 あくまで認めない気だべな。
「…わかったから降ろすべ」
 やぐちの腕から降りると、なっちは二、三歩後ろに下がって、びしいっとやぐちを指さす。
「戦線布告だべ!」
「な、なっち?」
「これから明日の朝までに、なっちはどんなことをしてでもこの薬をやぐちに飲ませて
みせるっしょ!!」
「なに言ってんだよ、なっち…」
「ただ、やぐちが認めて謝ってきたら許してあげるべ」
 なっちの言葉に、やぐちはむっとした顔をして。
「謝らないよ!オイラ別になっち馬鹿になんてしてないし!」
「…やぐちの気持ちはよ〜くわかったべさ」
 もう謝ってきても許してあげないんだから!
「なんだよ、なっちの分からずや!」
「それはなっちのセリフっしょや!!」
「なんかアンタらの言い合いって子犬が吼えあってるみたいでかわええなあ」
 再び睨み合ってたなっちとやぐちを傍観してた裕ちゃんが的外れなコトを言った。
「とにかく仲良うせんとアカンよ」
「「裕ちゃん(裕子)は黙ってて!!!」」
 ふたり同時に怒鳴ると、裕ちゃんは、お〜怖っとか肩をすくめて行ってしまった。
195 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)02時05分06秒
「やぐち…夜道には気をつけるべさ」
「ごちゃいに襲われるほどマヌケじゃありませんよ〜だ」

 重ね重ねなんて失礼なチビッコなんだべ!
 そりゃ今はなっちの方がチビッコだけども。
 とにかく、なっちを馬鹿にしたことを後悔させてやるべ。
 もうコソコソしなくいいからある意味やりやすいというか、逆にやりにくいというか。
 しかも薬はあとふたつしかないし!!


 全面戦争開始だべ!!!




196 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)02時13分49秒
>184 名無しさん様 185 名無しさん様
 (●´ー`)<ホントのなっちは天使っしょ。
 (〜^◇^)<…。
 (●´ー`)<天使っしょ?
 (;^◇^)<…ハイ。
 …なっちは天使だそうです。

>186 小野妹子様
 (●`ー´)☆(`◇´〜)
 …小動物ズ対決です。

>レスありがとうございます。励みになります!
197 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)02時14分50秒
>折角だからageます。
198 名前:jinro 投稿日:2003年07月21日(月)02時16分53秒
>基本は
 (●´ー`)人(´ Д ` )ラブラブ。
 です。
199 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月21日(月)11時03分49秒
マンセー
(●´ー`)人(´ Д ` )
200 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月21日(月)14時57分59秒
失敗かぁ(w
でもこの二人(〜^◇^〜) (●´ー`●) を見てると心が和む。
201 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)10時32分07秒


「ごっちん、今日外でご飯食べて帰らない?」
 
 ライブの撮りが終わったごっちんに聞いてみると、ごっちんはにこおっと笑って了承
してくれた。
 なっちは帰ろうとするやぐちの服の袖をむんずと捕まえて。
「でねえ、やぐちも行きたいんだって」
「うええっ!!??オイラ別に…」
 慌てて否定するやぐち。
 ココでやぐちに逃げられたらチャンスがなくなるべ!
「…逃げるの?やぐち」
 小さな声でごっちんに聞こえないようにやぐちに言う。
「…な、そういうコト言う?」
「さっきはごちゃいになんか云々言ってたくせに…いざとなったら逃げるんだ、やぐちは…。
卑怯だべ〜」
 伊達に5年以上の付き合いじゃないっしょ。
 こういえば間違いなくやぐちは。
「ごっちん!オイラも行っていいかなあ!?」
 そー言うと思ったんだ…。
「いいよお?じゃあどこ行く?」
「オイラいい店知ってるし!」
「したっけそこにするっしょ」

 
202 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)10時40分46秒


 やぐちオススメのお店は、なんか高そうな料亭だった。
 やぐちがお店の人に一言二言告げると、お店の人はにこやかに笑ってなっちたちを離れの
個室に案内した。
 …高そうな店だべ…。
 なっちがきょろきょろしてると、なっちの手を引いて隣を歩いてたごっちんが小さな声で。
「ごとー、こういう店初めてだよぉ」
「なっちも」
「え〜?なっちはそんなことないでしょ」
「初めてだべ。なんかこういう店は入りにくいし…」
 ごっちんとぼそぼそと話しているうちに、やぐちが勝手に料理を注文しちゃってて、お店の人
はいなくなってた。

「やぐっつぁん、こういう店良く来るの?」
「んん〜?ココは良く裕子につれて来てもらうんだ。個室で落ち着けるからって、裕子は
気に入ってるみたい。モチロン料理も美味しいけどね」
203 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)10時51分26秒
 暫くすると、なんとジュースと一緒にビールが運ばれてきて、なっちとごっちんは目を
丸くする。
「やぐっつぁん…。昨夜アレだけ飲んだのにまだ飲むの?」
「うん。ごっちんも飲めよ!」
 これは…完全に酒好き元リーダーの影響だべ。
 やぐちはその酒好きと付き合ってるんだからばしばし感化されまくりみたいだ。
 無理やりごっちんにグラスを握らせて、やぐちはビールを注ぐ。

「んじゃ、戦闘開始〜〜〜!!!」

 カチン、とグラスを合わせてやぐちがそんなことを言うから、なっちは慌ててジュースの
グラスを落っことしそうになった。
「んあ…せんとうかいし?なにそれ?」
「ななな、なんでもないっしょ!ほら、料理が運ばれてきたべ!」
 不思議そうな顔のごっちんをなんとか誤魔化して、ニヤニヤ笑いのやぐちを睨みつける。
 
 …ごっちんには…バレたくないべさ。
 やぐちを陥れようとしてるなんて知ったら…ごっちんはなっちを軽蔑するっしょ…。

 お店の人の料理の説明に相槌を打つごっちんの横顔を見上げる。
204 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時00分27秒
 なっち、他の誰ならどう思われてもいいけど…ごっちんには嫌われたくないんだべ。
 
 え?
 それなら復讐なんてやめれば?

 …そうはいかないっしょ。
 ここまできたらやぐちにあの薬を飲ませるしか道はないんだべ。
 だって、じゃないとなっちが飲まなきゃならなくなるんだもん…。

「なっちぃ。美味しそうだよ、食べよ?」
「あ、う、うん」
 テーブルに並べられた料理はどれも美味しそうで…アレ?
 なんか魚と野菜ばっかりだべ。
 …もしかして、ごっちんがお肉食べれないから…。

 なっちはハッとして向かいのやぐちを見る。
 やぐちはコレが美味いんだよ、なんてごっちんと話してるし。
「……」
 もしかしたらなっちは、間違ったことをしようとしてるんじゃ。
 やぐちはこんなにイイコなのに…。
「どーしたの、なっち?」
 ごっちん、ごめんなさい。
 なっちは…ホントに赤ちゃんになっちゃうかも。
「なんだよ、なっち〜」
 だってこんなイイコのやぐちに復讐なんて出来ないよ。
205 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時09分42秒
「ハハ〜ン、肉がメインじゃないから拗ねてるんだろ〜?」
 こんなイイコの…。
「ダメダメ、なっち最近やっとへそ出しとか着られるようになったんだから、肉なんか
食べたらまた戻っちゃうよ〜?」
 復讐なんて。
「だから仕方ないから、オイラとごっちんはなっちに付き合ってヘルシーメニューなの!感謝
しろよー。キャハハ!」

 やっぱりやぐちもリベンジ決定だべ。

「んあ、でもごとーお肉食べれないから…」
「あ、そーいえばそーだっけ!」
 少しでもやぐちをイイコだなんて思ったなっちがバカだったべ。
 …絶っっっっ対に薬飲ませてやるぅ!!!

「ちょっとお手洗い〜」
 大半お皿を空にした頃、ごっちんが席を外した。
 なっちはハーフパンツのポケットに入れていたカプセルをそっと取り出して。
「…やぐちはどこにも行かないんだべか?」
「行かないよ。だってなっちにヘンな薬盛られるもん」
 むう。
 そう上手くはいかないか。
 どうするべか〜。
206 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時20分59秒
 なっちの計画では、途中でやぐちが席を外したらこっそりビールに薬を入れるはずだった
んだけど…。
 やぐちはトイレには行かなかったし。
 …むむむ。
 困ったべさ〜。
「なっちぃ、諦めたらぁ?オイラは絶対そんな薬飲まないよ」
「そういうわけにはいかないべ」
 諦めたらなっちの気が済まないっしょ!
「飲んだからかな、眠くなってきちゃった…ふあ〜」
 
 やぐちが大あくびをした。

 …今だべ!!!

 なっちは自分でも信じられない速さで手に持ったカプセルをやぐちの口の中目掛けて
放り投げた。

「…んげえ!!!な、な!?」
 やぐちは急に口に異物が飛び込んできて目を白黒させている。
 …やったべ…!
 やぐちに薬を飲ませたべ!!!
 …って、ありゃ?

 次の瞬間、なっちの体はくるんと回転していて、その次の瞬間には目の前に不敵に笑う
やぐちの顔。

「なな、なんだべぇ!!??」
「ムッフッフ。引っかかったね、安倍くん」
 やぐちは楽しそうに笑うと、もごもごと口を動かして。
「カプセルはすぐには溶けないんだよねえ〜」
 と、唇の間から赤と白のカプセルを覗かせた。

 
207 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時28分37秒
 や。
 やられた〜〜〜〜!!!
「ちょ、ずるいべ、やぐちっ!」
「ずるくなぁ〜い。なっちの負け。だからコレ、自分で飲んでね」
「やだやだやだやだ〜!」
 冗談じゃないっしょ!
 慌てて暴れるけど、なっちの両手はやぐちの片手に簡単に押さえ込まれちゃってて、
ぴくともしない。
「子供に暴力振るうんだべか〜」
「こんなときだけ子供ぶっても無駄だいっ!!」
 やぐちは口からカプセルを取り出し、なっちの口に無理やり押し込もうとする。
「…んん…っ!」
 絶対飲まないんだから!
 ぎゅっと唇を結んで首を左右に振る。
 したらふっとやぐちの顔が緩んで。
「仕方ないなあ。なっちが素直に飲まないからだよ?」
 カプセルを自分の唇に挟んで、空いた方の手でなっちの顎を掴んできた。
208 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時36分04秒
 そのまま力ずくで唇を開かされる。
「やぐ…っ?ちょ、やめ…」
 やぐちの意図をようやく理解して、力一杯暴れるけど、所詮なっちはいま五歳で。
 大人に力で敵うはずがなくて。
 近づいてくるやぐちの顔に、観念して目を閉じたら。

「やぐっつぁん!!!」

 ごっちんの声がして、なっちはごっちんの腕の中にいた。
「なっち、だいじょうぶ?何もされてない?」
「ふえ…?ごっちん?」
 助かったんだ。
 安心して、なっちは途端に涙腺が緩んじゃって、ぎゅうとごっちんに抱きついた。

「いてて…。ごっちん、ひでえよ、突き飛ばすなんて!」
 打ったらしい腰を抑えてやぐちがうめきながら起き上がる。
209 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時42分46秒
「ひでえじゃないでしょぉ!?なっち押し倒してなにしようとしてたのさっ?」
「それはなっちが…!」
「なっちがなに!?」
「…いや、その」
 やぐちは俯いてもごもごと口ごもる。
 …やぐちはどーして言わないんだべ?
 なっちに紺野の例の薬飲まされそうになったからだって、なんで言わないんだべ?
「…黙ってたらわかんないじゃん!」
 ごっちん。
 ごっちんがこんな風に怒るの、初めてみた。
「…理由なんかねーよ。ただ、なっちが可愛かったから」
「……っ」
 ごっちんの右手が振りあがった。
 やぐちは避けもしないで目をぎゅっと瞑った。
 なっちは…。
 
「ごっちん、駄目え!!!」

 ごっちんの振り上げた右手にしがみ付いていた。

「なっち、なんで…っ」
「違、違うんだべ、ごっちん…!」
210 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時50分31秒


 なっちはすべてをごっちんに話した。
 やぐちに薬を飲ませようとしたこと。
 その理由も全部。

「…なっちは…最低だべ」
「……」
「…ごっちんに好きでいてもらう資格なんてないんだべ」
「……」
 ごっちんは何も言ってくれない。
 ほんとに呆れられちゃったのかな。
 嫌われちゃったのかな。
 …そんなこと考えたら、また涙がじわって出てきて。
「…なっち」
 ふわっとごっちんの膝に抱き上げられて、ぎゅっと抱きしめられた。
「ごっち…」
「ごとーに言ってくれればよかったのに」
「え…」
「したら一緒によしこたちにリベンジして、やぐっつぁんにぎゃふんって言わせてやれ
たのに」
 見上げると、ごっちんはいつものふにゃふにゃの笑顔で。
「…なっちのこと、キライにならない…?」
「ならないよぉ」
 そっとほっぺに残ってた涙を拭ってくれた。
211 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)11時58分02秒
「ふえ〜」
「ああ、また泣く〜」
 だってなっち、ごっちんも騙したのに。
 それでもなっちを好きでいてくれて。
 涙でないわけないじゃん。
 
 ごっちんはなっちが落ち着くまで抱っこしたまま背中をポンポンと叩いてくれていた。
 やぐちはちょっと面白くなさそうにチビチビとビールを飲んでいた。
「でえ?やぐっつぁん?」
「な、なんだよ…」
「これはお互い様…ケンカ両成敗ってことでいいのかなあ?」
 ごっちんの笑顔に、やぐちは一瞬、ぐうっと言葉に詰まって。
「ちえ。やぐちは結構面白かったんだけどな」
 なんて言うから、なっちはごっちんと顔を見合わせて思わず噴出しちゃったよ。
 …まったく、やぐちは。
 なっちがあんなに真剣だったのに面白がってたなんて。
 悔しいけど、まあやぐちらしいっていったらそうなのかな。

「でもさあ、実際薬はどうするわけ?やっぱりなっちが飲むの?」
「うえっ!?」
「駄目ダメダメ!絶対だめ!」
212 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)12時06分05秒
「じゃあどーすんの?紺野にああ言った手前、結果を出さないと…」
 確かにねえ…。
 でもなっち、やっぱり飲みたくないべさぁ…。
「思ったんだけどさ」
 やぐちがビールのグラス片手にこちらにずるずると這いずってきて。
「よくよく考えたらさ、今回の事件の元凶に復讐すべきじゃない?」

 元凶?
「それって紺野?」
「違うよ、紺野は頼まれて薬作っただけだろ」
「じゃあ…」
「そうだよ、裕子だよ!!!」

 確かに、一番の発端は裕ちゃんが紺野に若返りの薬製造を依頼したからなんだけども。

「だから、これは裕子が飲むべきだろ?」
 それにしてもやぐち、なんか楽しそうだよ?
「そ、そうかなあ?」
 ごっちんはあんまし乗り気じゃないみたい。
213 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)12時20分34秒
「そーだって!いいの?ごっちん、裕子のせいでなっちがこんなタイヘンな目にあってる
んだよ?こんな姿じゃえっちだって出来ないでしょ〜?」
「え〜?出来る…もがっ」
 何言うんだべ、ごっちんは!
 なっちは慌ててごっちんの口を手で塞いで。
「そういわれればそうだべな…。なっち、怒りの矛先を向ける相手を間違えてたっしょ」
「むが…なっち?」
「ほらあ、なっちも乗り気だし!ごっちんも協力してくれるよね」

 あらあ…。なんか話が思わぬ展開になってきたべ。
「うーん…確かに裕ちゃんが始まりだからねえ」
「でしょ?もしこのまま裕子を野放しにしておいたら、今度はどんな薬を紺野に依頼するか
わかんないよ?で、そのたびになっちがモルモットに…」
「んあーーー!!!それは駄目!もうだめ!」
 突然大声をあげて、ごっちんはなっちを膝に乗せたままやぐちの手を握った。
「裕ちゃんに飲んでもらおう!んで、こりてもらおう!!」
「よっしゃ!面白くなってきたぞぉ!」
 でもやぐち…裕ちゃんの彼女なのに…。
「裕ちゃんがもしちっちゃくなっちゃったらどーすんだべ?」
「ん〜?ムフフフ」
 なっちの質問に、やぐちは気味悪い笑いを浮かべて。
214 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)12時25分38秒
「別にどーもしないけどぉ。…ただ」
「「ただ?」」

「裕子のヤツ、いつもオイラのこと小さい小さいってバカにするからさ、オイラも小さいって
からかってやろうかと思って」

 がくーーーーーっ!!!
 
「そ、そんなことだろーと思ったべ」
「まあとにかく!」
 やぐちはほんとに楽しそうになっちにはジュースのグラスを、ごっちんにはビールのグラスを
握らせた。
「裕子にぎゃふんと言わせよう会発足!かんぱーい!!!」
「「…かんぱーい」」


「どーなるんだべ、ごっちん?」
「…さあ…ねえ…?」


215 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)12時29分55秒
>199 名無しさん様 200 名無しさん様
 (●´ー`)人(´ Д ` )レスありがとうです。
 次から(〜^◇^)が暴走開始です。
216 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)12時32分09秒
>えーと、諸事情により、更新のスピードが遅くなります。
 それでも週一、出来たら週末の金曜か土曜に更新したいなぁ、と。

>読んでくれてる人がいたら申し訳ないです。
217 名前:jinro 投稿日:2003年07月25日(金)12時34分51秒



(〜^◇^)人(●´ー`●)人(´ Д ` )<裕子をぎゃふんと言わせよう会
218 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月25日(金)13時20分47秒
ここのなっちはホントーにかわいい。
誘拐したい、かも。

219 名前:つみ 投稿日:2003年07月25日(金)16時14分37秒
↑ヽ(` д´)ノ「んあー!!だめえー!!
           なっちはごとーのもの!!」っていいそう・・・
               
220 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月26日(土)18時28分05秒
(〜^◇^〜) (●´ー`●) ( ´ Д `)
この三人が組んだってだけでワクワクするね。
なちごま最高どぇす!!
221 名前:つみ 投稿日:2003年07月27日(日)20時49分18秒
なっちも卒業か〜〜(泣)
222 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月27日(日)22時06分48秒
正直、精神的ダメージが一番デカイ卒業だ・・・
223 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月28日(月)02時12分07秒
>>221-222
気持ちはわかるけど、ここでその手のレスは辞めてくれ
小説の感想にもなってないし、某大型掲示板でやってください
224 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)09時40分54秒


「でもさあ、どーやって裕ちゃんに飲ませるの?」
 一夜明けて娘の楽屋。
 ごとーとなっち、それからやぐっつぁんは集合時間よりかなり早くここへやってきて
いた。
「裕ちゃんはまだ来てないよね?」
「まだ。でも今日は裕子はハロモニ。以外にもここで収録あるからもうすぐ来るよ」
 娘。は午後からだから、紺野が来るまでに薬を飲ませなきゃならないんだ。
 …うーん。
 相手はあの裕ちゃんだしなあ…。
「やっぱり飲み物に混ぜる?」
「うーん…。でも昨日それでやぐちに飲ませようとしたとこを裕ちゃんに見られてるべ」
「でもさ、やぐっつぁんが差し入れ〜とか言って持ってったら飲むんじゃない?」
225 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)09時50分48秒
「ああ〜、ダメダメ!!だってオイラ、裕子にそんなことしたことないもん!」
 不自然だって、とやぐっつぁん。
 確かに普段しないことしたらヘンか。
「「「う〜ん」」」
 三人で考え込んでしまう。

「したっけさ、なっちが差し入れるのはどーかな?」
 ぽん、となっちが手を叩いて言った。
「なっちが?」
 うん、となっちは楽しそうにごとーを見上げて。
「なっちなら裕ちゃんに何度か差し入れしてるし…。飲み物は見られてるからマズイけど、
食べ物なら大丈夫じゃないかな?」

 ……ということで。
 コンビニで買ってきたサンドイッチをいかにもなっちが作ってきた風にお弁当箱に移して、
あ、お弁当箱も買ってきたんだよ。
 普段同じスタジオでお仕事あるときは、なっちがごとーの分もおっきなお弁当箱に一緒に
作ってきてくれるんだけど…。
 なっちは今五歳だから…。

「よっし、どうみても手作りっしょ!」
「「おお」」
 なっちが詰め直したサンドイッチは確かにどこからどう見ても手作りそのもので、ごとーと
やぐっつぁんは思わず感嘆の声を上げた。
226 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)09時59分29秒
「これなら裕子は絶対食べるよ!」
「だしょ〜」
 いいなあ。
 コンビニのだって分かってても美味しそうに見えるよ。
 ごとーも食べたいなぁ。
 じっとそのザンドイッチを見つめてたら、その視線に気づいたのか、なっちがふいっと
視線をあげて。
「なっちが元に戻ったらごっちんにはちゃんとサンドイッチ、作ってあげるべさ」
 にこっと天使の微笑み。
「なっちぃ〜〜〜!!!」
 がばぁ!!!
 嬉しくてぎゅうと小さな体を抱きしめる。
「ひゃあっ、ごっちん苦しいっしょ…」
「なっちぃ〜」
「ズルイズルイ!なっちオイラにも作ってよ〜!」
 と、やぐっつぁんがなっちをサンドイッチ状態でごとーに抱きついてくる。
「く、苦しーって…。分かったから…作る、か、ら…」
 だんだんとなっちの声が掠れていって。
 …んあ?
「なっち?」
 ふと腕の中のなっちを見下ろすと、なっちはきゅうっと目を回していて。

「んあーーーー!!!なっち!!!」

227 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)10時12分40秒


 その後、ごとーとやぐっつぁんは軽くなっちにお説教されて。
 そろそろ裕ちゃんも来ただろうってやぐっつぁんが言うから、三人で裕ちゃんの楽屋に
向かった。

 取り合えず、三人揃って行くのは不自然だから、なっちだけが中に入ることになった。
 …心配だなぁ。
 裕ちゃんなっちにヘンなことしたら承知しないんだから。
 ちょっとだけ疑心暗鬼になりながら、楽屋に入るときになっちが開けていってくれた
ドアの隙間から中を覗き込む。

「なんやなっち、ひとりかあ?」
「うん」
「めずらしいなぁ。ごとーは?どーしたん」
 んあ…。
 なっちとごとーってそんなにいつも一緒にいるイメージなのかな…。
「う、うん。なんかマネージャーさんに呼ばれて…つまんないから裕ちゃんに会いに来ちゃった。
…迷惑だった?」
 …むう。
 なっちぃ、そんな可愛い声出しちゃ駄目だよぉ。
「いやいや嬉しいわ。まあ座り」
「ありがとう」
「なんや久しぶりやな」
「え?」
「なっちとこうやって二人きりになるの」
「ああ、…そういえばそうだねえ」
 裕ちゃん!
 なっちに手ぇ出さないでよ〜!!!
228 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)10時24分41秒
「あのね、裕ちゃん、コレ、差し入れ」
「なん?…わざわざ作ってきてくれたんか?」
「う、うん、まあね」
「いや〜、むっちゃ嬉しいわ〜」
 ごとーたちの位置からは裕ちゃんの顔は見えないけど、きっとデレデレな顔してるに
違いない。
 なっちぃ、そんなにこにこしてちゃ駄目だよぉ。
 なんか裕ちゃんが狼に、なっちが赤頭巾ちゃんに見えてきた…。

「したらなんか飲み物いるか?なっちも食べるやろ?」
「んえっ!!??」
 げげっ!!!
 ヤバイ、ヤバイよなっち!
 薬、どこに仕込んだか覚えてる?
「や、なっちはいいよ」
「?なんで?」
「…えっと」
「ひとりで食べるのもつまんないし…つきあってや」

 ピンチだよ、なっち〜。

「なっちはさっき食べたし…これは裕ちゃんの為に作ったんだべさ。だから裕ちゃんだけに
食べてほしいっしょ…」
 可愛い声に、意識してるんだかしてないんだかわかんないけど、必殺の上目使い。
 んあーーー!!!なっち、そんな誘うような目で見つめちゃ駄目だってば!!!
 やぐっつぁんがおちつけ、ってごとーの服の袖を引っ張ってるけど、これが落ち着いて
いられますかっての!
229 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)10時32分53秒
 やぐっつぁんがなんか落ち着けってごとーの服を引っ張ってるけど、これが落ち着いて
いられますかっての!!!
 だって自分の恋人が、演技とはいえ他の人に色目(?)使ってるんだよぉ!?
 しかも相手はあのセクハラ大臣の裕ちゃんだよ!?

「なっち…なんて可愛いねん!!!」
「ふえ…っ!?」
 ごとーの目の前で、裕ちゃんがなっちを抱きしめた。

 んあっ、裕ちゃ…!
 アレ?
 楽屋に飛び込もうとしたけど、体が動かない。
 見ると腰のあたりにやぐっつぁんがしがみついてて。
「ごっちん、落ち着け」
 なんて小声で言うからごとーも釣られて小声で返す。
「何言ってんのさ?このままじゃなっちが危ない」
「だいじょーぶだって!なっち今五歳なんだから!いくら裕子でも五歳児に手は出さない
って!」
230 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)10時40分25秒
 五歳児には手は出さない?
 んあーー!そんなの信用できるか!!
 だって裕ちゃんだよ?なっちはもちろん、やぐっつぁんにもセクハラ大好きな裕ちゃん
だよ!?
 なっちとやぐっつぁんが好きって時点でロリコン確定じゃんかーーー!!!

「なっちが赤ちゃんになってもいいの?」
「んあ」
 しがみ付くやぐっつぁんを無理やり振りほどいて楽屋のドアノブに手を掛けた。
「このままじゃなっちがあの薬飲まなきゃならなくなるんだよ?」
「んあ…」
 …それはいやだ。
 赤ちゃんじゃさすがになんにも出来ないじゃん。
 それどころか喋ることも出来ないんだよ?
 …赤ちゃんでもなっちなら愛せるけど…。
 なっちが可哀相だし…。

 黙りこんでしまったごとーの肩を、やぐっつぁんは慰めるみたいにぽんぽんと叩いて。
「ほんとにヤバくなったら飛び込んでいいから」
 もう少し様子を見よう、と言ってまたドアの隙間から中を覗き込んだ。
231 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)10時42分02秒



>少ない更新でごめんなさいです。


232 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)10時52分07秒
>218 名無しさん様
 (●´ー`)<可愛いなんて照れるっしょ。

 なっちは可愛く、を目標に書いてるんで。たまに悪魔になりますが…。

>219 つみ様
 ヽ( ` Д ´)ノ<んあー!なっちはごとーの…
 (●´ー`)ノごっちん、もうバレてるべさ。
 ( ´ Д `)!!

 笑いました。

>220 名無しさん様
 (〜^◇^)人(●´ー`●)人(´ Д ` )

 自分、ラブマ三銃士大好きなんで(w
233 名前:jinro 投稿日:2003年07月28日(月)10時56分05秒
>221 つみ様 222 名無しさん様 223 名無しさん様

 自分もびっくりしました。
 ずっとそのことばかり考えていましたけど、結局結論は、自分はなにがあっても
安倍さんが好きだということです。

 なので、これからもお話を書き続けるので、読んでくれている方はこれからも
よろしくおねがいします。

 (●´ー`)
234 名前:つみ 投稿日:2003年07月28日(月)12時34分04秒
しっかし・・・よく考えると
ホントにLOVEマシーンのジャケットの
順番どうり辞めていくな・・・
235 名前:んあ 投稿日:2003年07月31日(木)21時00分59秒
      \ヽ ぶ り ん こ 保 全 隊 見 参 や で! //

  \ヽ 極悪なのれす! //

          , -ー- 、         , -ー- 、
        ∋0.ノハヾ.0∈      @.ノノハヾ.@
          ( ▼D▼)       ( ▼д▼)
          ("O┬O        ("O┬O
       ((  ())`J())-))       ())`J())-))    キコキコ


           \ヽ よ っ し ゃ 次 の 保 全 ま で 待 機や ! //

   \ヽ 極悪なのれす! //

          , -ー- 、           , -ー- 、
         ∋0ノノハヾ0∈       @ノノノハヾ@
          (... . .  )         (... . .  )
          (... . . つ         (:. . . つ
   ((      (()-(()`J(()        (()-(()`J(()   キコキコ



236 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)12時52分46秒


「ちょ、裕ちゃん苦しいべさ…ッ」

 なっちは相変わらず裕ちゃんにぎゅうぎゅうと抱きしめられている。
 …もーーー!!裕ちゃん、なっちはなしてよぉ…。
「ああ、ゴメンゴメン」
 裕ちゃんはなっちを解放すると、サンドイッチを手に取った。
「なっちの手作り食べんの、久しぶりやなあ」
「そうだね」
「娘。時代はなっちがよくみんなに色々作ってきてくれてたからな」
「…うん」
 なっちの顔が緊張で強張った。
 いよいよだ。
 ドアの隙間から覗いているごとーとやぐっつぁんもゴクリと息を呑んだ。

237 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時00分27秒


「いただきまーす」
 裕ちゃんがサンドイッチを口元に運んだ!
 その時!!!

 苦や〜しなみ〜だ ポロリ ポロリ♪


「なんや、電話や」

 ズコーーーーー!!!
 ごとーとやぐっつぁんはコントみたいに廊下に倒れこんでしまった。
 見るとなっちもカクンと左肩をおとしてた。
 なんなのよ、もう!!!
「もしもし〜?なんや、ええ?」
 裕ちゃんはサンドイッチをお弁当箱に戻してケータイで喋りだしちゃった。
 なっちが困った顔してこっちをみた。

「なっちい、ごめんなぁ。急に打ち合わせが入ってん。このサンドイッチは後でゆっくり食べる
から、裕ちゃん行かなあかん」
 裕ちゃんはなっちに言いながら立ち上がり、こっちに、ごとーたちのいるドアに向かって
来て。
「…アンタらなに何やってんねん?」

238 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時08分46秒
 廊下に這いつくばるごとーとやぐっつぁんを見て一言。
「や、あの」
「たまたま通りかかって!!!」
 やぐっつぁん…こんな格好で通りかかる人いないよ。
「ふーん?まあいいけど…」
 いいんだ!?
「そうや、アンタらお腹空いてへん?ちょっと入りィ」

 裕ちゃんは楽屋に戻ると、サンドイッチのお弁当箱を取り上げて。
「コレ、なっちの手作りやって。裕ちゃん貰ったんだけどこれから急な仕事でな」
 言いながら一番端のタマゴサンドを手にとって。
「うん、うまい!」

 …食べた。

 食べちゃったよ、裕ちゃん…。
 ごとーは呆然としてやぐっつぁんとなっちを見ると、二人とも心の準備が出来てなかった
のか、唖然としてた。
「だからアタシの代わりに二人で食べたってぇな!なっち、うまかったでぇ。また作って
なあ!」
「…う、うん」
 なっちの頭をぐりぐりと撫でると、裕ちゃんは楽屋を出て行ってしまった。
239 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時15分41秒


「食べたね」
 暫くの沈黙の後、最初に口を開いたのはやぐっつぁんだった。
「食べたべ」
「食べた」
 同じコトを繰り返して、ごとーとなっちは頷いた。

 …んあ…なんかスゴイ複雑な気分…。
 ごとー、裕ちゃんを陥れたんだよね…。
 
 なっちもやぐっつぁんも同じ気持ちみたいで、神妙な顔をしている。
 ……でもさ。
 なんか引っかかるんだよねぇ。
 なんだろ…??
 ごとーが密かに頭を捻っていると。
「でもさ、裕子が食べたヤツに薬は仕込んであったわけ?」
 それだ!
 さすがだよ、やぐっつぁん!!
「なっち、なにサンドに薬仕込んだの?」
「う〜〜ん」
 したらなっちは顎に手をあてて考える仕草。
 可愛い…。
 抱きしめたい衝動を堪えつつ、なっちの言葉を待つ。
240 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時23分32秒
「忘れたべさ!」

 半日二度目の、ズコーーーーー!!!


「駄目じゃんなっち!」
「だってぇ〜。手作りっぽくみせるのに必死だったんだも」
 うるうるの上目使い。
 んあ…これ以上怒れません…。

「じゃあさ、ひとつずつめくって確かめてみる?」
「え〜?でもさぁ」
 やぐっつぁんの提案に、ごとーは試しにハムサンドを手に取って片方のパンをめくって
みる。
「あちゃあ〜。これじゃわかんないか…」
「カプセルの中の粉薬仕込んだらねえ…。水分で溶けちゃってるよ」
「失敗だったなあ」

「…ぐす」

 やぐっつぁんと顔を見合わせていたら、なっちがごとーの服をきゅっと掴んできた。
 んあ?なっ…
「なっちっ?何で泣いてるの!?」
 なっちは顔をくしゃくしゃにして泣いちゃってて焦った。
241 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時31分56秒
 ごとーは慌ててなっちを膝に抱き上げて抱きしめる。
 なっちはそのままごとーの首に両手を回してぎゅってしがみ付いてきた。
「ふえ…ごめ、なさ…っ」
「なあんでなっちが謝るんだよ〜」
 さすがにやぐっつぁんも焦ったのか、なっちの頭を撫でながら。
「だってぇ…なっちが、ちゃんと覚えてない、からぁ…」
「なっちのせいじゃないよお〜」
「そーだよ!オイラだって覚えてないもん!」
「あはっ、ごとーもだよぉ」
 確かにサンドイッチ詰め替えてる時、ごとーとやぐっつぁんはなっちに任せっ放しだった
もんねえ。
 覚えてるわけないよ。
「したら三人とも同罪じゃん!」
 やぐっつぁんがどこか楽しそうに言う。
「…同罪?」
 なっちはごとーからちょっとだけ体を離してやぐっつぁんを見た。
 ごとーはなっちのほっぺに残ってた涙を拭ってあげながら、やっぱりどこか楽しく
なっちゃってた。
 ヘンなの。
「同罪同罪。それ以前にオイラたち共犯だろ!!」
242 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時43分13秒
「んあ…共犯ってなんかかっこいいねえ」
「だろー?」
 やぐっつぁんとケタケタ笑ってたら、ようやくなっちも笑ってくれて。
「かっこいいべさ」
 なんて言った。
 悪いことしてるのに可笑しくて楽しいなんて、やっぱりヘンだね、ごとーたち。
 

「でもさ、結局どーする?」
「裕ちゃんが薬入りのサンドイッチ食べててくれたら問題ないんだけど…」
「分からないしねえ」
 しかも目の前には薬がはいってるかもしれない危険なサンドイッチが残ってるんだよ?
 これどうすんのさ…。
「やっぱり誰かに犠牲になって残りのサンドイッチを食べてもらうしかないか」
「まあね…紺野に言った手前誰かしら飲まないとマズイべ」
 
「よし!決めた!!!」

 ごとーとなっちが困った顔で相談してたら、やぐっつぁんが急にデカイ声をあげた。
「決めたって…やぐちが食べるんだべか?」
「ちげーよ!」
 やぐっつぁんはサンドイッチのお弁当箱にそっとフタをして。
「ロシアンルーレットやろうぜ」
「「ロシアンルーレット???」」
 仲良く聞き返したなっちとごとー。
 あはっ、息ピッタリだねぇ。
「コレをさ、ひとつずつメンバーに食べさせるんだよ」
243 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時48分46秒


 はい?

 矢口さん…アナタいったいなにを言って

「ごっちんの差し入れ〜とか言ってさ。あと五つしかないから早く来たヤツからとか」
「そ、そんなの出来ないべ!」
 慌ててなっちがごとーの膝から降りてやぐっつぁんに詰め寄る。
 んあ、五歳のなっちの後姿可愛いなあ。
 ペンギンみたい…って、そんなこと考えてる場合じゃないって!
「そうだよ、やぐっつぁん」
「みんなを巻き込むのはよくないっしょ!ののとか…ちっちゃくなっちゃったら可哀相
だべ…」
 む。
 いいなあ、のの…。
「じゃあなっちが食べる?」
「う」
「それは駄目だってば!」
「じゃあごっちんが食べる?」
「う」
244 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)13時54分28秒
「じゃあオイラの作戦しかないじゃん!」
 …でもさぁ…。
 別に恨みがあるわけじゃないのに…。
「なっち思ったんだけど」
「なに?」
「全部、紺野に話したほうがいいんじゃないべか?…ああ言ったけど、やっぱり怖くて
飲めなかった、とかさぁ」
 そうだよ!
 そうしようよなっち!!!
「駄目だって!」 
 ごとーがなっちに賛成するために口を開きかけたら、それより一瞬早くやぐっつぁんの駄目
だしが入った。
 なんでだよーーー!
「なんで駄目だべ?」
「思い出してみなよー?なっちが薬飲むって言った時のみんなの…特に五期メンの反応
をさ!」

245 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)14時02分58秒


小川『いい話だなあ』
新垣『涙がとまらないですう』

紺野『完璧、です』

「特に紺野!あれは完全になっちを信頼、尊敬してる目だったよ!?その紺野の期待を
裏切れるの!?」
「う〜」
 やぐっつぁん…なんか違うよソレ。
 それならなっちが薬飲まない時点で裏切りなんじゃ…。
「裏切れないでしょ!?」
「…裏切れないべさぁ」
 それを言ってあげようかと思ったんだけど、ごとーは黙ってることにした。
 だってやぐっつぁんは多分そんなこと百も承知だろうし。
 気づかないなっちは超可愛いし。
 …それよりもなによりも。

「よっしゃあ!!決定ーーーー!!!オイラたちは共犯だからな!!!!」

 ごとー自身が今のこの状態を楽しんじゃってるのだ。

「「「おーーーー!!!」」…トホホだべ…」





 
246 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)14時06分43秒
>234 つみ様
 (●´ー`)ノ<卒業してもなっちはなっちだべ。
 
 
>235 んあ様
 (●´ー`)<これは…保全ありがとうなんだべか?
 ( ´ Д `)<きっとそうだよ〜。

247 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)14時09分19秒



>(〜^◇^)人(●´ー`●)人(´ Д ` )<共犯♪


248 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)14時10分03秒


>更新したんでage


249 名前:んあ 投稿日:2003年08月01日(金)17時14分24秒



 >更迭したんでochi
250 名前:jinro 投稿日:2003年08月01日(金)19時12分04秒


>あらぁ?なんかochiされちゃった…ま、いいか。



251 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月01日(金)23時36分25秒
age
252 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月02日(土)00時02分53秒
いつも楽しみに読んでいます。
誰かがちっちゃくなっちゃうのか。
しかも、ヤグチに簡単にだまされちゃう、なっちかわいすぎ。

これからも楽しみにしています。
253 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月02日(土)09時56分16秒
薬誰が飲むんですかねぇ。
続きかなり気になるぅ!
254 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)07時55分00秒


 三人で娘。の楽屋に行くと、すでに梨華ちゃんが来ていて、まさかまだだれもいない
だろうと思ってたごとーたちはびっくりした。

「おはよう。三人でどこ行ってたの?」
「いやいや、ちょっと裕ちゃんトコ〜」
「でも急な打ち合わせとかで行っちゃったから戻ってきたの」
「ふうん」
 よしよし、なんとか巧くごまかせたみたい。
「ねえねえ梨華ちゃん」
 やぐっつぁんが手に持っていたお弁当箱のフタを開けて梨華ちゃんに差し出した。
「これ、ごっちんが作ってきてくれたんだ。差し入れだって」
「ごっちんが?」
「う、うん。梨華ちゃんも食べてよ」
 んあ…、さすがにちょっと罪悪感を感じるけど…。
 梨華ちゃんはありがとーと言ってサンドイッチを手にとって。
「いただきまーす」

 食べた。

「うん!ごっちんおいしいよ」
「そ、そう?ありがと…」
 
255 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月07日(木)08時03分11秒
「どうしたの?三人とも…梨華の顔になんかついてる?」
 やばっ。
 どうやら三人そろってじっと梨華ちゃんを見つめていたらしい。
「んーん、なんでもないべ!…ところで梨華ちゃん、よっすぃーと仲直りしたんだよね?
良かった良かった」
 ごまかすためになっちが昨日のよしことのケンカの話を持ち出すと、途端に梨華ちゃん
の表情が曇る。
「うん…」
 あら?
 久々のネガティブ石川じゃん?
「あの、安倍さん!」
「ほえ?」
「その、昨日のことなんですけど…」
 そこまで言って、梨華ちゃんは言い辛そうにごとーとやぐっつぁんを見た。
 あ、これってごとーたちは席を外した方がいーのかな?
「あ、ごっちんたちは大丈夫っしょ。大体のことは知ってるから」
 
256 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月07日(木)08時11分21秒
 知ってるって…ただなっちがよしこと梨華ちゃんにリベンジしたってことをちょろっと
聞いただけで…具体的にどうしたかは知らないんだけど。
 いいのかなぁ。

「昨日…ひとみちゃんと安倍さん、なんであんなことになってたんですか?」
 あんなこと?
 あんなことってどんなこと?
「…へ…梨華ちゃん、よっすぃーに聞いてないんだべか?」
 戸惑ったなっちの声。
「はい…なんか、それだけは言えないって…。でも自分には梨華ちゃんだけだから信じてほしい
って…」
「ひゅーひゅー。ラブラブじゃーーん!」
 んあ!やぐっつぁんうるさいよ!!
 ごとーはなっちとよしこがどんなことになったのか知りたいの!!!
「で、でででも、仲直りしたんだべ?ならそんなこともういいっしょ」
 なっちどもってるし!
 これは絶対に聞き出さなければ!!!
257 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月07日(木)08時24分17秒
「でも…昨日はあまりにひとみちゃんが真剣だったからいいかなって思ったんだけど…
やっぱり気になっちゃって」
「え、えと、その…ひゃっ!?」
 ごとーはなっちを後ろから羽交い絞めにして、逃げられないようにする。
「な、なんだべ、ごっちん!」
「梨華ちゃん!よしことなっちがあんなことってどんなこと!?」

「…え?」
「さっき言ってたじゃん」
「ご、ごっちん、なんでもないべさぁ!!!」
「んあ、なっちはちょっと黙ってて」
 腕の中でじだばたするなっちを片手で押さえ込んでもう片方の手で口を塞ぐ。
 なっちが今五歳だからこんなことできるんだよね…。
 いくらごとーでも片手でおっきいなっち押さえ込めないもん、多分。
 やったことないからわからないけど…。
「安倍さん?ごっちんに話してないんですかぁっ?」
「むぐぐ」
「聞いてないよ、ごとーは!」

 梨華ちゃんは困った顔してごとーとなっち、それから横で楽しそうな顔してるやぐっつぁんを
順番に見てから、諦めたみたいにため息をついた。

258 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月07日(木)08時29分05秒




「ごっちん!なっちの話も聞くべさ…!」
 んあ!聞く必要ないよ!!!

 よしこがなっちをソファに押し倒してた?
 でもなっちはリベンジだって言ってたよね?
 梨華ちゃんとよしこをケンカさせたのは自分だって言ってたよね?
 それってつまり、なっちから仕掛けたってことだよね…?

 んあーーーーーーー!!!!!
 そんなの許せるわけないじゃん!
 ごとーだってなっちから誘われたことなんかないのに!
259 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月07日(木)08時42分57秒
 完全に頭に血が昇ったごとーは、さっき打ち合わせに行っちゃった裕ちゃんの楽屋に
なっちを抱えたまま飛び込んだ。
「…ひゃっ」
 ぼすんとなっちをソファじゃなくて鏡の前の畳のスペースに降ろして、そのまま押さえ
つけるように圧し掛かった。

 五歳児の誘いに簡単に乗っちゃうよしこにも頭来たけど、今はなっちの方にもっと頭きてる。
 いくら復讐だからって、ごとー以外にそんなことするなんて許せないよ。
「な、なに…ん、ん!」
 乱暴にまるで噛み付くみたいになっちにキスする。
 ごとーが掴んだ細い手首に力が入ったのがわかった。
「んぅ…や、だぁっ」
「や?…でもだめだよ、なっち。よしこにそんなことしたお仕置きだから」

 抵抗するなっちの腕を片手で押さえ込んで、空いた手でシャツを捲り上げる。
「だめだよ、ごっちん…!」
 わかってるんだけど。
 頭の隅ではわかってるんだけど。
 ごとー、ヘンなスイッチ入っちゃったみたいだよ。
「…やだ…あ…!」
 あーあ。
 
 後で絶対なっちに怒られるよ…。

260 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)08時53分16秒



 んあ…。
 でもなっちに怒られなかったよ、ごとー。
 え?なんでかって?
 それはぁ…。

 ごとーがなっちを抱っこしたまま娘。の楽屋に戻ると、もうほとんどのメンバーが揃って
いて、その中にニヤニヤ笑いのやぐっつぁんと赤い顔して俯いてる梨華ちゃんとよしこの姿
があった。
 ごとーたちを素早く見咎めたやぐっつぁんがつつつ、と寄ってきて。

「なんだよ〜思ったより早かったじゃん…って、アレ?」
「…」
 ごとーの腕の中のなっちを見て、やぐっつぁんの顔が一瞬固まった。
 それからさっき以上にニヤニヤしながら、しかも大声で。

「ごっちん、なっち気絶しちゃうほど攻めたんだーーー!!!」

 その言葉に、お茶を飲んでいた圭織はきれいにそれを吹き出した。
 じゃれていたののとあいぼんはそのまま床にスライディングした。
 本を読んでいた圭ちゃんはそのまま本を真っ二つに引き裂いた。
 五期面は一瞬なんのことかわからなかったのか、顔を見合わせていたけど、すぐに気づいて真っ赤に
なった。
 あ、でも新垣はまだわかんないらしくて不思議そうな顔してる。
261 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)09時02分44秒
梨華ちゃんとよしこは…ごとーと目をあわさないように明後日の方向いてるし。
「な、なんだよ、やぐっつぁん!大声でそんなこと言わないでよ!」
「あーあ、なっちかわいそ〜」
 なんて言いながらやぐっつぁんはごとーの腕のなっちの頭をヨシヨシと撫でた。
 んあ、触んないでよ。
「こーんなヤキモチヤキが恋人なんて…なっち体持たないじゃん」
 確かに…。
 ごとーはソファに座っていた高橋と小川に場所を譲ってもらって、なっちをそこへそっと
降ろした。
 確かにごとー、ヤリ過ぎました…。
「しかもこんなにアトつけちゃって…」
「う、うるさいなー!やぐっつぁんにはカンケーないじゃん。それより!」
 ごとーはやぐっつぁんに顔を寄せて小声で例のことを尋ねる。
「サンドイッチは?誰に食べさせたの?」
「よっすぃーと、圭ちゃんと、小川と辻だよ」

 ふむふむ。
 なかなか個性的なメンバーで…。
 …って、あれ?
 ごとーは楽屋を見回してあることに気がついた。
262 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)09時08分33秒
 そーいえば。
「紺野は?」
「まだ来てないね。どーせまたへんな研究してて寝不足とかじゃん?」
 そんなことをぽそぽそと話してると。

「おはようございまーす」

 マッドサイエンティストルックではない紺野が現れた。
「あ、後藤さん」
 紺野はすぐにごとーたちに気づいてこっちに来た。
「おはよー紺野」
「おはようございます。矢口さん、後藤さん」
 紺野はちらとソファで眠るなっちを見てからごとーを見上げた。
「後藤さん、安倍さんは薬を飲んでくれたんですか?電話待ってたんですけど…」
 あ、そういえばなっち、飲んだら電話するとかなんとか紺野に言ってたっけ。
263 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)09時20分50秒
 うーん。
 やっぱり紺野には話しておいた方がいいのかなあ。
「ごっちん。やっぱ紺野には話したほうがいいよね」
 考え込んでいたら、やぐっつぁんがごとーの服を引っ張ってきて、小さな声で言った。
「そうだねえ。紺野、ちょっと話があるから来てくれる?」


「つまり…誰が飲んだかわからないってことですか?」
 所変わって再び裕ちゃんの楽屋。
 …なんかさっきまでココでなっちと…っていうかなっちにえっちなことしてたって思い
出すと恥ずかしいね…。

「そういうこと。誰が飲んだって一緒じゃん?」
「それはそうですが」
 紺野はアゴに手を当てて考える仕草。
 
 むむむ。
 なんかごとー、いやな予感がしますぞ。
「後藤さん!矢口さん!ありがとうございます!!」
 へえ?
 なにが?
 わけが分かんなくてやぐっつぁんを見たら、やぐっつぁんも不思議そうにこっちを見て
首を左右に振った。
「ここはひとつ、パーティーを開きましょう」
「「ぱーてー???」」
 わけ分かんない…。
 わけ分かんないよ、紺野。
「薬を飲んだと思しき人を全員集めて宴会をしてください。そうしたら…」

264 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)09時29分55秒
「「そうしたら???」」
「どんな過程を経て薬が作用するのか観察できます!」

 …。
 ……。
「「はあっ!!??」」
 なにソレ!
 結局紺野のモルモットじゃん。
 そんなごとーの胸のうちを読んだのか、紺野はエラソーに腕を組んで。
「いいですか、後藤さん」
「な、なによ」
「薬を研究することでより早く安倍さんを元に戻す薬が出来るかもしれないんですよ?」
「えー?でもあと三、四日で戻るんでしょ?」
 今更そんな薬作ったって無駄じゃん、無駄。
「ねえねえ、ごっちん」
 ごとーがしぶってると、やぐっつぁんがまた服を引っ張って来た。
「もし紺野の若返りと戻す薬が完成したらさ、なっちを自由にちっちゃく出来るんだよ」
「……」
「ごっちん、何気〜にごちゃいのなっちとえっちすんの好きでしょ?」
「……」
「大人のなっちと子供のなっち、楽しめるんだよ〜」
 
265 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)09時38分12秒
 不思議だ…。
 やぐっつぁんの囁き、最初は悪魔の囁きに聞こえたのに、だんだん天使の導きに聞こえて
きたよ。
「さっきだって失神させちゃうくらいしちゃったくせに〜」
 モヤモヤモヤ〜〜〜。
 ごとーの脳裏にさっきのなっちの姿と声が甦る。

『ふ…ッ、も、ごっち、…ぁんっ』
 汗ばんだ滑らかな肌。
『…だめ、もぉ、なっち、あ、ああ…ッ』
 頼りなくごとーの服を掴んでくるちっちゃな手。

「んあーーーー!!!紺野っ!!!」
「は、はいっ!」
「宴会はなっちン家で。オケー?」
「オケー。完璧です!」


 完全に理性を失ったごとー。
 まさかあんなことになるなんて…考えてもみなかったの、この時は。



266 名前:jinro 投稿日:2003年08月07日(木)09時47分43秒
>252 名無しさん様
 (〜^◇^)<なっちは単純だから。
 (●´ー`)<ふーん。
 (〜;^◇^)<!! なちゅみ!ウソだよ!
 (●´ー`)<ふーーーん。
 (〜;^◇^)<…。

>253 名無しさん様
 ( ´ Д `)<んあ…。誰が小さくなるんだろうねえ。
 (●´ー`)<…小さくなるって決定なんだべか?


>レスありがとうです。
 銀板は週末更新します。

267 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月07日(木)16時30分37秒
おぉー!!
今回の更新は全体的にツボでした。ってか萌えました(w
ごっちんの計画(?)はちゃんと叶うんでしょうかね。
268 名前:つみ 投稿日:2003年08月07日(木)16時59分54秒
よっすぃ〜、圭ちゃん、まこっちゃん、のの、梨華ちゃん
誰が若返る?のかな〜
269 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月07日(木)18時47分35秒
♪赤いキャンディ、青いキャンディ、知ってるかい♪
270 名前:jinro 投稿日:2003年08月08日(金)18時29分42秒
>これだけは言っておかなければ!

 カオリ誕生日おめでとーーー!!!

271 名前:質問です! 投稿日:2003年08月09日(土)01時04分02秒
ピンクのハートってどうやったらでるんすか?
FAQとか見てもわかんないんで・・
272 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月09日(土)01時11分56秒
自分に正直な後藤さん、最高! それでいいんだ、犯罪だけどなー。
作者さん、アリガトウ。
この小説が大好きなので、勝手ながら分類板で紹介させていただきました。
これからも大期待です。

>>271 ヲイヲイ。人の小説スレでなに聞いてんのよ…案内板で聞きなさい。そして削除依頼出しなさい。
273 名前:LOVE 投稿日:2003年08月09日(土)02時18分05秒
ただいま一気に初めから読ませていただきました。
イイ!!かなりイイっす!!!!
やばいくらいここのなちごまにハマリました・・・。

>「大人のなっちと子供のなっち、楽しめるんだよ〜」
矢口さんのこのセリフ、かなりツボです!!!
子供のなっちに萌えるおいらは、矢口さんの言葉が天使の導き聞こえる
後藤さんと同類なのかもしれません。

続きに期待してます!!
274 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)10時38分45秒


 は、皆さん。こちらは安倍邸です。
 この部屋の主であるなっちは今、すこぶる機嫌が悪いようで…。
「なっち〜?」
「……」
 ごとーと口をきいてくれません。ぐすん。

 だってさあ…。
 なっちが悪いんだよ?
 よしこのこと誘惑するから…。
「なっちぃ…」
「……」
 ソファに座ったなっちの前に膝をついて顔を覗きこむ。
「……」
 ふいっと視線をそらされてしまった。
 そんなぁ。
「怒ってるの?」
「……」
 そりゃ怒るかぁ。
 気絶するほどされちゃったんだもんね…。
「別に怒ってないべさ」
 んあ、いつもより2オクターブくらい低い声。
「怒ってるじゃん」
 やばい。
 なんかごとー泣きそうだよ。
275 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)10時46分19秒
 じわ〜っと涙が出てきて鼻の奥がつんとする。
「ちょ、なんでごっちんが泣くのさ!」
 そんなごとーを見てなっちが慌てた声を上げる。
 そうだよね、泣きたいのはなっちだよね。
 でもごとー、なっちに嫌われたと思ったら、勝手に涙が。

「もお〜。ごっちんが悪いんだべぇ」
「…うん」
「なっち、別に怒ってるわけじゃないんだよ?」
「うん」
「ただ…なまらビックリしてさ…今までごっちんにその、あんな風に、されたことなか
ったから」
 言いながらなっちのほっぺはどんどん赤くなってくる。
 多分ごとーも一緒。
「気ぃ…失っちゃったのも…初めてだったし」
「…ごめんなさい」
「や、でもね?…なっちも、よっすぃーにしたこと…やっぱり良くないことだったし」
 おあいこっしょ?
 赤い顔のまま、にこっとなっちは笑った。
276 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)10時51分16秒
 んあ…良かった。
 なっちに嫌われたらごとー、生きていけないよ。
 
 そんな想いをこめて、小さな体をぎゅうと抱きしめる。
「…なっちもそうっしょ」
 あれ?
 ごとー、声に出してないのに…。
 ま、いっか。これも愛のなせるワザってこと。


「ところで、帰り際にやぐちが言ってたことだけど」
 薬を飲んだらしいメンバーが全員ココに来るってホントなのかい?
 なっちはごとーの腕に抱っこされたまま思い出したように言った。
 そういえばなっちにはちゃんと話してなかったよね。
「あのね……」



277 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)11時02分17秒

「で、先にやぐっつぁんと紺野が食材買ってきてくれるはずだから」
「ふうん」
 
 ピンポーーーーン♪

「あ、来たかな?」
 なっちをソファに降ろして玄関に向かう。
「…お待たせー!買ってきたぞ」
「完璧です」
「す、スゴイ量だね、コレ…」
 やぐっつぁんと紺野が両手に下げてきたスーパーの袋を見てびっくりした。
 だって、四つもあって、みんなぱんぱんなんだよ…。
「今日は人数多いからさ、コレくらいあっという間になくなるって!」

 それにしても…多すぎやしない、コレ?

「なっち〜!体調どう?調子よくないなら寝ててもいいよ!」
「…へえ?」
 なっちは最初、やぐっつぁんが何の話をしてるのかわかんなかったみたいで、きょとん
としてたけど。
「な、なに言うべさ、ばかやぐちッ」
 すぐに気が付いて、真っ赤になって悪態ついてるし。
 んあ、可愛い。

 ごとーとやぐっつぁんと紺野でメンバーが来る前に下ごしらえして。
 なっちはやっぱり調子があんまり良くないみたいで、ソファでまったりしてる。
278 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)11時11分18秒
「でもさ、誰が小さくなるんだろーね?」
 野菜を切りながらやぐっつぁんが面白そうに言う。
 あ、ちなみに本日のメニューは焼き肉です。
 でもごとーはお肉食べれないから、焼き野菜かな。
「矢口さん。今回の薬はデータ上では完璧なんです!若返るだけで小さくはならない
はずです」
「ええ?でも紺野だって小さくなったら面白いって思うだろ?」
「な、なにを」
「一、二歳若返ったって大差なくてつまんないし」
 やぐっつぁんは悪魔だ。
「オモロイからカケしようぜ!」
「「カケ?」」
「そう。誰が薬飲んでるか。オイラはやっぱり裕子だな!」
 誰が飲んでるか…?
 たしか、裕ちゃんと梨華ちゃんとよしこと、ののと小川だったよね。
 個人的には…梨華ちゃんあたりが飲んでたら面白そうだな。
「じゃあごとーは梨華ちゃんで」
「紺野は?」
「私は…同期のよしみでまこっちゃんいきます」
 なるほど。
 たしかに小川が小さくなったら面白いかもねぇ。
「で、何をカケるんですか?」
「うーーーーん…そうだな…」
 やぐっつぁん…料理の手、止まっちゃってるよ。
279 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)11時15分54秒
「それはまあ、それぞれ考えておこうぜ」
 んあ?
「それぞれ負けたふたりにやってもらうことをさ。ランチとかじゃつまんないし」
 それはそうだけど。
 やぐっつぁんは面白いか面白くないかで行動するんだね…。
 ごとー、最近になってようやく分かってきたよ。


 ピンポーーーーン♪♪♪


 来た。
 ああ〜。
 ごとー、気が重いよなんか…。



280 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)11時26分40秒
>267 名無しさん様
 ツボ…ありがとうございます。
 これからもツボっていただけるように精進します。
 (●´ー`)ノ<でも今回の内容はツボれないべさ。
 …スミマセン(w

>268 つみ様
 (●´ー`)<誰が若返るのか…
 ( ´ Д `)<作者にも分かりません。
 …ヲイ。


281 名前:jinro 投稿日:2003年08月14日(木)11時32分08秒
>269 名無しさん様
 (〜^◇^)<年がバレるよね!キャハハ!!

>272 名無しさん様
 ぎゃーーーー!!!
 こんな話を分類板に紹介だなんて…大好きだなんて…ありがとうございます!
 (●´ー`)<ありがたいっしょ!
 ( ´ Д `)<神だね。
 
>273 LOVE様
 ( ´ Д `)<んあ…ごとーと同類なの?
       でもなっちはあげないよ!!


>レスありがとうございます。
 少ない更新でスミマセン…。


282 名前:つみ 投稿日:2003年08月15日(金)23時36分46秒
だ〜れが若返るのかな〜?
283 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月17日(日)01時53分11秒
食べる人・食べられる人が完全に分けられている、そんなパーティー。
284 名前:jinro 投稿日:2003年08月17日(日)14時24分26秒
>255から259まで名無しになってる…今気づいた。
 ガーン。
285 名前:himajin 投稿日:2003年08月19日(火)05時37分36秒
まあ今日の深夜にあるとっかえ娘
を楽しみにしながら待つか・・・
286 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月19日(火)19時18分04秒
>285
sageで待ってくれるともっと良い。
287 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)08時41分44秒
 よしこと梨華ちゃんと小川、それからののがやって来た。
 ののはなっちの家に来れて嬉しいのか、安倍さ〜んとか言ってリビングに走っていった。

「んあ…裕ちゃんは?」
「後から来るって。まだ仕事みたいだよ」
「先に始めててくれって」
「ふぅん」
 コレ差し入れ、とよしこから渡された袋の中を覗くと、アイスクリームだった。
 んあ、これ絶対ののが選んだんだ…。
「じゃあ準備もできたし始めようか!」
 やぐっつぁんの一声で欲望渦巻く(?)宴が始まった。


「それにしても後藤さん」
「んえ?なに、小川?」
「なんでこのメンバーなんですか?安倍さん家にお呼ばれされたって言ったら里沙ちゃん
いいなー!って大変だったんですよ」
 ああ…新垣、なっち大好きだもんねえ。
288 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)08時47分26秒
「んん、なんでだろうねえ?」
 まさか実験台だからなんて言えないし。


 ピンポーーーン♪


 ん?誰かきたよ。裕ちゃんかなあ?
 箸とお皿をテーブルに戻してごとーは玄関に向かう。
「誰ですかー」
「誰ですかじゃないわよ!」
「んあっ!?圭ちゃん!?」
 慌ててドアを開けると仏頂面の圭ちゃんが立ってて。
 ちょっと恐いよ…。
「なんか良いにおいがするんだけど…まさかもう始まってるの?」
「や、ははは」
 ごとーたち、すっかり圭ちゃんの存在忘れてたよ。
 でもまあ、小川の質問ごまかすことができたから圭ちゃんには感謝だね。
289 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月20日(水)08時58分35秒
「差し入れ」
 んあ…圭ちゃん、塩辛にイカの沖漬けに剣先あたりめって…イカにはまってるの
かなあ?

「あ、圭ちゃんじゃん!オイラすっかり忘れてたよ」
「あんたが呼んだんでしょうが。まったく!」
「まあまあ。今日はお酒はないけど楽しんでってよ、遠慮なく」
「やぐち…ここはなっちン家だべさ。まるで自分の家みたいに…」
 しかし狭いなあ。
 八畳のリビングに大人七人と子供一人は多いよ。
「なっちぃ、狭いからここおいで」
「ふぇ?」
 なっちは箸をくわえたまま首を傾げる。
 お行儀悪いけど…可愛い…。
「こーこ!」
 ぽんぽんとごとーは自分の膝を叩く。
 したら漸く気づいたのか、なっちは赤くなってきょろきょろする。
「え、でも」
「なんだよ、なっち、今更恥ずかしがるなよー」
 やぐっつぁんが早く乗れとなっちを促す。
「べ、別に恥ずかしいわけじゃないべさ!ただ、ごっちんが食べにくくなると思って
…ひゃあ!?」
 実力行使ってやつだよね。
 ごとーはやぐっつぁんにキャンキャン言ってるなっちを抱き上げて自分の膝にぽすんと
収めた。
「あはっ。なっちちっちゃいから邪魔なんかじゃないよぉ。むしろ嬉しいし」
「ごっちん…」
290 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時06分44秒

「ラブラブじゃん!」
「ひゅーひゅー」
「いいなあ、大っぴらにいちゃいちゃ出来て」
 うるさいよ、みんな!
 折角いい雰囲気だったのに…しかも梨華ちゃん、いいなあって…。
 あんたたちはいつもおおっぴらにイチャコラしてるじゃないさ!
「あさ美ちゃん、お肉焦げちゃうよ」
「ありがとう」
「あ、こら!豚トロはオイラのだから食べるなよ!」
「まだまだあるじゃない。やぐちはケチね」
「あんだと、ケメ子〜」
 あーウルサイ。
 娘。の楽屋のノリだよ、これじゃあ。

 ピンポーーーーーン♪♪

「あ、裕ちゃんかな?」
「なっちが出るべさ」
「んあ、ごとーも行く」
 ごとーはなっちをそのまま抱っこして玄関に向かう。
 

291 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時13分27秒
「今日はお酒なくてよかったねえ」
「ほんとだべ…圭ちゃんもいるし、お酒なんか飲んだら大変っしょ」

「お邪魔するでぇ」
「いらっしゃい、裕ちゃん」
「待ってたんだよ」
「なんや、自分ら可愛いこと言ってくれるなあ」
 裕ちゃん…自分らとか言いながら視線がなっちにロックオンだよ。
 抱っこしてきてよかった。
 裕ちゃん、なっち一人だったら何するかわかんないもんねえ。
「で、コレ何?」
「何って酒に決まってるやん!今日は飲むぞ〜!!!」

 今日も…でしょ?

 ごとーとなっちは顔を見合わせて。
「「はぁ〜〜〜」」
 同時にため息をついた。



292 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時21分19秒


「んう〜。ごっちん、なっちもう眠いべさ…」
 宴会が始まって早四時間。
 11時を回った頃になっちが眠そうに目を擦り始めた。
「んあ…」
 そうだよねえ…今日は疲れさせちゃったもんね…ごとーが。
 ごとーの膝に乗ったままなっちはもううとうとしちゃってる。
「後藤、もうなっち寝かせたり」
「片付けはやっとくから」
「ありがとう、裕ちゃん圭ちゃん」
 まだお酒を飲んでるふたりにお礼を言って、なっちを抱っこしたまま立ち上がる。
 いきなり揺れてびっくりしたのか、なっちのちっちゃな手がきゅうっとごとーのシャツ
を掴んだ。
「だいじょうぶだよ。もう寝よう?」
「…寝るべさぁ」
 ふにゃっと笑うとなっちはそのままごとーに抱きついて来た。
 可愛いなあ、もう。
 これが無意識だからたまんないんだよね。
 今はなっち五歳だからこういうことしても可愛いのは当たり前なんだけど、大人の
なっちがやってもきっと可愛いよ。
293 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時32分00秒
「しっかし…」
 立ち上がって改めてわかるけど、リビングすごいことになってるね…。
 裕ちゃんと圭ちゃんは、圭ちゃんが持ってきたあたりめを食べながらまだ飲んでる
し、よしこはそれに付き合わされてたけど、今はもう撃沈。
 梨華ちゃんもよしこを膝枕したまま舟こいでる。
 んあ、そういえば今日は梨華ちゃんも圭ちゃんに飲まされてたっけ。
 小川とののは…とっくに夢の中だし。
 ひとつの毛布にくるまって可愛いねえ。

 んでマッドサイエンティスト紺野は。

 やぐっつぁんとトランプしてるし。
 最初はののと小川もやってたみたいなんだけど…なんかふたりとも意地になってる
みたい。ほっとこ。

「なっち、お風呂はいる?」
「ん〜。朝はいるべさ…。夜はいるとごっちんがやらしいことするし」
「うぐっ!」
 ヒドイよなっち…。
 そりゃ昨夜はお風呂でしちゃったけど、今はぜんぜんそんなつもりなかったんだよ?
「ごっちん?嘘だべさ〜」
 ごとーがしょんぼりしちゃったのに気づいたのか、なっちが慌ててフォローする。
294 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時36分01秒
「昼間あんだけしといて、いくらなんでももうしないっての。ねえ?」
「うぐぐっ!」
 なっち…眠くてご機嫌ナナメなの?
 いつも以上にキツイっす。


 パジャマに着替えて仲良くベッドに入る。
 リビングの連中は…毛布とか適当に置いておいたから眠くなったら適当に寝る
でしょ。
「おやすみ、なっち」
「…ん、おやすみだべ、ごっちん」
 そういえば…薬誰が飲んだんだろ…。
 カケに勝ったら…やぐっつぁんと紺野に何してもらおうかな…。






295 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時43分42秒



「なんだこれーーーーー!!!」
 おはようございます。
 ごとーまきです。
 なっちがちっちゃくなっちゃってから四日目の朝でございます。
 普段だったらケータイのアラームで目が覚めるんだけど、今日の目覚ましはよしこの
悲鳴だった。
 …よしこがちっさくなったの!?
 一気に眠気の吹っ飛んだごとーはベッドから飛び出してリビングに駆け込んだ。
 そしてそこで見たのは。

「どぉしてぇ〜〜〜?」

 よしこに抱き上げられてる五歳児相当の梨華ちゃんがいた。
 …ご愁傷様…チーーーーン。


「すばらしいです…完璧です!」
 白衣を着た紺野が感激した声をあげた。
 んあ…白衣、持って来てたんだ。
 うわ、紺野すごいよ、目の下のクマ!
「完璧って…梨華ちゃんがちっちゃくなっちゃったの、紺野のせいなの?」
296 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時51分02秒
「私のせいって…失礼ですよ!」
「だって薬は安倍さんが飲むはずじゃなかったの?」
 梨華ちゃん、泣きそうだよ。
「これには深い深い、海よりも深いわけがあるんです。…ね?後藤さん、矢口さん」
「げっ」
 なんでイキナリこっちに話ふるんでよぉ。
 やぐっつぁんも焦って明後日のほう向いてるし。
「ごっちん?矢口さん?どういうこと?」
「話によっちゃあ…」
 ちちち、ちょっと落ち着こうよ、ふたりとも…。
 小川とののまで責める視線でごとーたちを見てるし…たーすけてー!!!

「な、なんだべさぁーーーー!!!」

 今朝二度目の悲鳴。
 寝室からなっちの悲鳴がしてみんな飛び上がった。
「な、なっち!!??」
 ごとーを先頭に寝室にみんな駆け込むと。
「〜〜〜ごっちぃん…」


 中学生位になったなっちが半泣きでベッドに座り込んでいた。



297 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)09時58分21秒
>282 つみ様
 この人が若返りました。予想は当たりましたか〜?

>283 名無しさん様
 (〜^◇^)ノ<パーティーじゃなくて宴会だよ!
 (●´ー`)<宴会じゃなくて公開実験だべさ。
 (〜^◇^)<…

>285 himajin様
 お待たせしてしまってすみません〜。
 (●´ー`)<なっちもあやまるべさ〜。

>286 名無しさん様
 そうですね。レスはsageてくれるとありがたいです。
298 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)10時01分09秒
>レスありがとうございます。
 予定守れなくて申し訳ないです〜。

>えっと、青板の短編スレに短編『なちみき(?)』書いたんでよかったら
 呼んでください。

299 名前:jinro 投稿日:2003年08月20日(水)10時02分39秒



  (●´ー`)人(´ Д ` )<ラブラブ


300 名前:つみ 投稿日:2003年08月20日(水)10時08分11秒
り・・・梨華ちゃんっすか〜^^
よっすぃ〜の我慢の生活も始まりそうっすね。。。
なっちが中学生くらいに?!・・・いい・・・
301 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月20日(水)19時12分15秒
>>300
ネタバレレスはやめましょう。

いつも拝見させていただいてます。
おもしろいです。想像するとたまらないです。
なちみきの方も良かったです。あやみき以外のミキティのCPを沢山見たいですね〜。
302 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月20日(水)20時44分52秒
状況は更にドロ沼に・・・(w
そして楽しさ倍増♪
303 名前:LOVE 投稿日:2003年08月21日(木)15時42分57秒
梨華ちゃんが・・・なっちが・・・
一体どうなっちゃうんでしょう・・・。
もう楽しみで楽しみで。
それと、マッドサイエンティスト紺野さんのキャラがかなりツボです。

っていうか・・・・
ごっちん、やっぱおいらになっちをください!!(爆
もぉ、かわいすぎです!!

304 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)06時20分49秒


 一瞬元に戻ったかと思ったけど…。
 んあ、やっぱりちょっと幼い感じ。
「ど、どぉしてぇ〜?なっち〜」
 ごとーはベッドに上がってなっちの手を握る。
「分かんないよぅ。騒がしくて目ぇ覚めたらぁ」
 一瞬戻ったかと思ったけど違かったべさ、となっちはうるうるの上目使いでごとーを
見上げてくる。
 …コレって、なんか、五歳よりやばい感じ。
 なんか生々しいって言うか、犯罪って言うか…いや、五歳児にそういうことする方が
犯罪なんだろーけど。
「でも、身長とか元と大して変わんないよね?なんで戻ってないって分かったの?」
 ごとーの後ろからやぐっつぁんがなっちを見つめながら言った。
 したらなっちはなんでか、白いほっぺを赤くして俯いてしまった。
305 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)06時28分54秒
「?なっち?」
 そう言われればそうだよね?
 鏡があるわけじゃないし…でも、顔はもう元のなっちと変わんないなあ。
 それでも中学生に見えるってことは…なっちってやっぱりスゴイ童顔なんだ。
「だって、ね?」
「うん?」
「……っ…だべ…」
「んあ、なっち、聞こえないよ」
 俯いたままぽそぽそと話すなっちの声が良く聞こえるように、ごとーは顔を近づける。
 したら後ろにいたやぐっつぁんはおろか、ドアの付近にいた他のヤツラまでわらわら
と寄ってきて、ちょっとビビッちゃった。

「…ちっちゃかったんだべ」

 …
 ……???
 どういうこと?
 ごとーが振り向くと皆不思議そうなリアクションをしている。
 よしこに抱っこされた梨華ちゃんまで首なんか傾げてるし。
 あらら、梨華ちゃんも可愛いねえ…。
 こりゃよしこもタイヘンだあ…。
306 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)06時35分13秒
「ちっちゃかったって、何が?」
「…だからあ…なっちの、胸、ちっちゃかったんだべ!」
 なっちは開き直ったのか、最後は怒鳴り声になっちゃってた。
「胸?」
 その場にいた全員の視線がなっちのパジャマの胸に注がれる。
 確かに…元のなっちはもうちょっと胸、おっきかった気がする。

 …ホントに無意識だったの。
 ごとー、気がついたら右手でなっちの胸触っちゃってたよ。



「紺野〜。コレってどういうことだべぇ?」
 寝室からリビングに移動したなっちは半泣き状態。
「なんとかしてよ〜」
 ついでに梨華ちゃんも。
 んあ…よしこはなんだか嬉しそうだね。
307 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)06時47分06秒
 ごとー?
 ごとーも半泣き状態。
 くっきり手形のついたほっぺを撫でながらなっちの隣に座る。

「安倍さんの場合は…多分薬の効果が切れ始めているのだと思います」
 紺野は手に持ったデジカメをいじりながら話し始める。
「効果が切れ始めたって…もうちょっとかかるんじゃなかったっけ?」
 不思議そうにやぐっつぁんが紺野に尋ねる。
「多分、徐々に切れ始めているんだと思います。多分…後、二、三日で元に戻れるはず
です」
 紺野はそこで話を区切って、なんだかでっかい…なんていうのこれ?シルバーのケース
…からノートパソコンを取り出してさっきいじってたデジカメを接続した。
「石川さんは…おかしいですねえ?今度こそ完璧だったハズですが…」
 カタカタとキーボードを打ってなんか操作しながら紺野は首を傾げる。

 ハズですがって…紺野。
「出ました」
「出るって…何が?」
「昨夜の石川さんです。眠っている最中に薬は作用するようなのでデジカメで記録したんです」
308 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)06時57分53秒

「な、…」
 皆同じように表情が変わった。

 なんだよそれ!ぷ、プライバシーの侵害ってやつジャン!
 ごとーが文句言おうとしたら。
「しっ!静かに…!!!」
 スゴイ剣幕で怒られちゃったよ…。
 紺野…目の下のクマが迫力満点でごとーマジでびびりました。ハイ。

 パソコンのモニタには薄暗い部屋が映ってる。
「んあ…暗いねえ」
「仕方ないです」
 次はリビングで眠ってるメンバーのアップ。
 最初はのの、それから小川。
 まあこのふたりは一番最初に寝ちゃったからね。
「これ紺野が撮ったの?あ、オイラだ」
「あたりまえです。完璧です」
 続いてやぐっつぁん、裕ちゃん…圭ちゃん。
「てかオイラはかんけーないじゃん」
「暗くていまいち誰が誰かわからなかったんです。
「なんか寝顔って恥ずかしいよ、オイラ」
「安心してください。矢口さんはもう映りませんから」
 続いて…梨華ちゃんと…よしこ。
「うわ、よっすぃー口あけて寝んなよ!」
「な、仕方ないじゃなっすか!」
309 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)07時07分16秒
「ここから先は少し飛ばしますね」
 カタカタと紺野は再びキーボードを叩く。

 しっかし、紺野一晩中ビデオ撮ってたのかなあ…。
 ある意味ビョーキだよね。
 なんでアイドルなんかやってんだろ、紺野は。
「ここからです」
 紺野のキーボードを打つ手が止まった。
 とたんに後ろでモニタを見てた連中が騒ぎ出す。
「ちょっと見えへんて!」
「いたた、中澤さん痛いですぅ。腰に圧し掛からないでくだ(ry」
「ののはお腹がすいたのれす〜」
「見えないわね」
「いやぁん!」
「保田さん!ドサクサに紛れて梨華ちゃんのへんなこと触らないでください!!」
「うるさいなあ、静かにしろよぉ!」
 んあ、やぐっつぁんもうるさいよ…。

『…ぅん…っ、んん…』

 シーン。
 突然皆黙り込む。
 なに?今のいやらしい声は?
 ごとーがびっくりしてモニタを覗き込むと、そこには薄暗い部屋に横たわる梨華ちゃんが
映ってて。
310 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)07時20分34秒
『…は、あっ、んッ』
 なんか寝苦しそうに寝返りをうってる。
 ちょっとコレって…。
『ん、う…っ、はぁ』
 エロいよ。

「ちょっと待ったーーーー!!!」

 いきなり叫ぶと、よしこは片手で梨華ちゃん抱いたままパソコンを取り上げた。
 おお、スゴイ力。
 てか、よしこ顔真っ赤だよ。
「なんだよコレ!」
「なんだよって…石川さんがどんな過程を経て小さくなったのかが記録されている映像
ですが」
 紺野、さすが…。
「こんなん必要ないじゃん!梨華ちゃん、もぉ小さくなっちゃったんだから!」
 まあねえ…確かにあの映像は無駄にエロいよ。
 AXみたいだったよ。
 梨華ちゃんも真っ赤だねえ…当然か。

「いいえ、とても重要な資料ですよ、これは」
「どこが…!」
「この映像の中に完成形を作れるヒントが隠されているかもしれないんですよ?一コマ
とて無駄にはできません!吉澤さんだって早く石川さんを戻してあげたいでしょう?」
「…っ、…」
 どうかなあ?それは。
 よしこ、何気にロリコン疑惑があるからなあ。
311 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)07時34分49秒
 なっちにマジで襲い掛かっちゃったくらいだし…。ホントの彼女なら合意でできるし
ねぇ…なっち?
 そんなこと考えながらちょっと放置気味だったなっちを見ると。
「なっち?」
「……」
 なんでか真っ赤になっちゃってた。
「どーしたの?梨華ちゃん主演のAX見て恥ずかしくなっちゃった?」
「違うべさ」
 そりゃそうか。
 ん〜?じゃあなんだろ…?
 顎に手をあてて考えてみる。
 その間にも紺野とよしこの討論は続いてるみたいだけど、なっちのが大事だかんね。

「…なっちも、あんな感じだったんだべか?」
「あんなカンジって?」
「だからぁ…あんな、今の梨華ちゃんみたいな…」

「安倍さんのもありますよ」

「うぇっ!?」
「ど、どーゆーこと?紺野!?」
 なっちのもある?
 あのAXもどきのなっちバージョンがある!?
「石川さんを撮り終わって、さあ寝ようと思ったら…寝室から安倍さんの声が聞こえたので
覗いてみたら…酷くうなされてて…まさかと思って」
「な、ホントだべか!?今の18禁みたいななっちのが映ってるんだべか!?」
「いえ…所詮五歳児ですから…」

 18禁みたいななっち。
 18禁みたいななっち!

312 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)07時42分32秒
 18禁みたいななっち!!!

 んあーーー!なっちごめん!!!
「じゃあさ…関係者だけで見ようよ!」
 ごとー、その映像むちゃくちゃみたいです…。

「どういうこと?」
 不振気な視線を向けてくるよしこ。
 梨華ちゃん真っ赤なままプラス涙目。
 安心して、よしこ。
 よしこもその18禁みたいな梨華ちゃんみたいでしょ?

「だからさ、梨華ちゃんのは梨華ちゃんとよしこと紺野で、なっちのはなっちとごとーと
紺野だけで見ればいいんじゃん?」

「「そんなのだめ!」っしょ!」
 
 息の合ったハモりの後。
「いでで…なっひ、いひゃいいひゃい」
 ごとーはなっちに思い切りほっぺをつねられて。
「うぐっ!梨華ちゃん…ナイスキック…」
 よしこは抱っこした梨華ちゃんに鳩尾に膝蹴りを食らってしまった。
313 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)07時48分53秒
「なぁんでよっすぃーやごっちんがみなきゃならないの!?」
「そうだべ!関係ないっしょ!」
 関係ないって…なっち、そんなぁ。
「とにかく!そんな変な映像は即刻始末するっしょ!」
「そうよ!!」
「だ、だめです!コレは貴重な実験データで…!」
 普段あんまり怒らないなっちと梨華ちゃんに責められて、さすがの紺野もたじたじ
らしい。

「なっちは…」
「わたしは…」

 やばい。
 ごとーとよしこはこれまた同時に耳を塞いだ。
 よしこは片手に梨華ちゃん抱っこしたままだから片方しか塞げないね。


「「モルモットじゃなーーーー!!!!」」



「ごっちん…うちらも帰るよ」
314 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)07時57分03秒
「うん…明日ね…」
 今日がオフで良かった…。
 玄関で情けない顔のよしことプンスカ怒ってる梨華ちゃんを見送って部屋に戻る。
 んあ?他の連中はどうしたって?
 もちろん…キレたなっちと梨華ちゃんが追い出しちゃいましたよ。
 そりゃあものすごい剣幕で。
 梨華ちゃんの超音波ボイスは鼓膜に響くし、なっちの北海道弁はところどころ聞き
取れないし…とにかくタイヘンだった…。

「なっち…よしこたち帰ったよ」
 リビングのソファで膝を抱えているなっちに報告。
 なっちはぶすっとした顔のままそっぽ向いてるし。
「…怒ってるの?」
「別に」
「怒ってるじゃん!」
 ぼすんとなっちの隣に座ってちょっと無理やり細い体を腕の中に閉じ込める。
「何…離してよぅ」
「やぁだ」
「…ごっちん、キライ」
「ごとーはなっちスキ」
 うん、やっぱり抱き心地も元のなっちと少し違うや。
 胸も…小さいみたい。
315 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)08時02分17秒
「ダイキライ」
「ダイスキー」
「……」
 あくまで楽しそうなごとーに、なっちはむうっとなって黙り込んじゃった。
 ごめんね?だって可愛いんだもん。

「…見たかった?」
「ん?」
「紺野の…映像」
「…ん〜。そりゃ…見たかったよ?だってなっちだし」
「……」
 なっちは恥ずかしがりやさんだからな。
 ふつーにじっと見つめただけで照れて俯いちゃうし。
 そーゆーとこも可愛くて大好きなんだけどぉ。
「…恥ずかしいっしょ」
「そーだね」
 でも見たかったなあ。
「なっちは…多分、ヤキモチ妬いちゃうべさ」
316 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)08時09分26秒
 どういうこと?
 よく分からなくて、ごとーは聞き返す代わりにちょっと体を離して正面からなっちを
見つめた。
 したらやっぱりなっちは恥ずかしそうに自分からごとーの胸に顔を埋めてきた。

「映像ののなっちばっかりごっちんが見てたら、なっちは映像のなっちにヤキモチ妬い
ちゃうかもしれないべさ…」
「ええ〜?でもなっちはなっちじゃん」
「そおだけど!」
 可愛いなあ、なっち。
 ふつー、映像の中の自分にヤキモチ妬くかなあ?
「…ヤなの」
 ごとーの背中に回った腕にぎゅうっと力がこもる。
 ごとーもぎゅうっとなっちを抱きしめ返す。
「ごっちんは…このなっちだけ見てて」
 どこか切ない声で呟くと、なっちは顔を上げてじっとごとーを見上げた。
「なっち…」
 んあ…それは誘ってるの?
 なっちからの初めてのお誘いだと思っちゃっていーの?
 ごとー、良い方に解釈しちゃうよ。
317 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)08時16分05秒
 13歳位のなっちは。
 体は半端に発育してて、瞳は大人で。
 五歳だったときよりなんか…危うい色気があって。
 どうしたらいいのか、軽くテンパッちゃったごとーを暫くじっと見つめてたなっちは。

「…しよ?」

 小さく呟くと、そっとごとーの首に腕を回してきて、自分からごとーをソファに引き
倒した。
「ごっちん…」
「…なっち」

 梨華ちゃんのこととか、紺野の薬のこととか、考えなきゃいけないことはたくさんある
んだけど…こんななっちに誘われたら、ごとーは我慢できません。


 今日がオフでよかった……。


318 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)08時28分12秒
>300 つみ様
 (●´ー`)ノ<中学生だべ。
 (〜^◇^)<…まだまだ犯罪だね。
 ( ´ Д `)<んあ…関係ないよ殻。
 (〜^◇^)。○(そうでもないかな…

>301 名無しさん様
 青板の方、読んでくれてありがとうです!
 また短編思いついたら書きます〜。

>302 名無しさん様
 (●´ー`)<泥沼…。
 ( ´ Д `)<それは銀板担当だから〜。

 こっちはポップなカンジで。
 でもオイラが混乱しそうな…。

>303 LOVE様
 (●´ー`)<中学生なっちでもいいだべか?
 ヽ( ` Д ´)ノ<んあ!チビなっちも中なっちも大人なっちも全部ごとーの!

 だそーです(w

>レス大感謝です。
 
319 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)08時29分48秒


>銀板は今日か明日…多分。
 

320 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)08時31分02秒


  (●´ー`(´ Д ` )ラブラブ♪


321 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)08時33分02秒


>318
 ( ´ Д `)<んあ…関係ないよ〜。

 デス。ガーン。

 ついでにageとこう…。

322 名前:つみ 投稿日:2003年08月23日(土)08時37分16秒
じゅっ・・13のなっち・・・
犯罪だぁ〜!!
323 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月23日(土)08時40分27秒
なっち、かわいすぎる..。
このお話のなちごま大好き!
暑さに耐えきれずに早起きしたら、ジャストで更新。ラッキーでした。
いつも、いつも面白いお話、ありがとうございます。




324 名前:LOVE 投稿日:2003年08月28日(木)00時43分52秒
遅くなりましたが、更新お疲れ様です。
ここのなちごまワールドはかなりイイっす!!!!

ってか、なんだかなっちが急に積極的・・・
可愛すぎるので逮捕(笑

ごっちん・・・うらやましいよ、おいらは・・・。
>「…ごっちん、キライ」
>「ごとーはなっちスキ」
>「ダイキライ」
>「ダイスキー」
↑こういうやりとりが・・・
なっちの独り占めはずるいぞっ!!(爆
325 名前:LOVE 投稿日:2003年08月28日(木)00時44分45秒
↑ageてしまいました。ごめんなさいです。
326 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)00時15分11秒



「…ごっちん、安倍さんは?」
 ごとーの目の前に座ったよしこはズズッとアイスコーヒーを飲んだ。
「寝てる」
「ふーん」
「梨華ちゃんは?」
「寝てる」
「ふーん」

 …よしこ、もしかしてごとーたちと同じことしてた?
 よしこも同じこと思ってたみたいで…んあ、目があったらお互い逸らしちゃったよ。
「ところで呼び出しておいて紺野が来ないってのはどうなのさ」
「まったくだよ」
「なっちが起きるまでに帰りたいのに」
「アタシだって梨華ちゃん起きるまでに帰らないと」
 気が合うねえ、よしこ。
 てかお互い元気だよね、朝から。
327 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)00時21分56秒
 んあ…またなっち怒らせちゃうかなぁ…。
 ごっちんのバカぁって言いながら半分気絶するみたいに寝ちゃったもんねぇ。
 でもでも、なっちがあんな可愛く誘ってくるからいけないんだよ!
 ごとー、若いから…我慢できなくなっちゃうよ。
 
「お待たせしました」
「んあ、紺野」
 モヤモヤとさっきまでのなっちを思い出してたらいつのまにか紺野が隣に座ってて
ビックリした。
「お忙しい中お呼びたてして申し訳ありません」
「「……」」
 お忙しいって…確かにお忙しかったけど。

 しかし平日の昼間でよかったよ。
 さすがに混んだファミレスで芸能人が三人集まってたら目立つよね。
 
328 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)00時37分31秒
「ここでは話辛いので外に出ましょう」
「んあ?そんなに混んでないから大丈夫じゃないの?」
「普通の話ならいいのですが…多分お二人とも大声を出されると思うので」
 大声?
 そんな大事な話なの?
 ごとーがよしこを見ると、よしこも不思議そうに首を傾げてた。



 ごとーとよしこは紺野に連れられて近くの公園に来た。

「わざわざ呼び出してすみません」
「それはいいからさ、話って何?」
 よしこはよっぽど早く帰りたいみたいで紺野を急かしてるし。
 まあ、確かに五歳の梨華ちゃん一人ほっぽっておけないよねぇ。
「例の薬なんですが」
 ああ〜、なんかもういいよ、その話は。
 このまま放っておいたら後2,3日でなっちは元に戻れそうだし。
 大きいなっちと小さいなっちを思うがままなんて考えたごとーがバカだったよ。
「安倍さんと石川さんが飲んだ薬は明らかに成分の比率が違うのに、どうして同じ
結果になったか不思議じゃありませんか?」
 ごとーが頭の中でいろいろ考えてるうちに紺野が話し出しちゃった。
「…それは不思議だね」
 ねえ?とよしこが同意を求めてきたから、取り合えず頷く。
329 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)00時43分03秒
「そこで相談なんですが」
「「やだ!!」」
 んあ!よしこ気が合うね!
「もう紺野に関わるのはごめんだよ」
「なっちもうすぐ戻れそうだから、ごとーはここにいないものと思って」
「吉澤さん、そんなこと言っていいんですか」
「え?」
 うわ、紺野怖いよ。
「先ほども言いましたけど、安倍さんと石川さんは明らかに薬の効果の現れ方が違う
んですよ?それはつまり…安倍さんが一週間で戻ったからと言って石川さんも一週間
で戻れるとは限らないということです」

「え、えええ!!!???」
 ありゃりゃ、よしこ真っ青だよ。
 確かに…紺野の言うとおりだよねえ…。
330 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)00時50分47秒
「ホラ、大声あげましたね?」
 いや、紺野今はそんなことどーでもいいんじゃ。
「そんなことどーでもいいよ!紺野!なんとかしろよぉ!!」
 涙目でよしこは紺野の肩を揺すってる。
 うんうん、よしこの気持ちわかるよ。
「分かってますよ、吉澤さん。この天才科学者紺野に任せてください」
 うわあ…なんかまた嫌な予感がするぅ。
 ごとーはかんけーないじゃん。巻き込まないでよ〜。

「元に戻す薬作ってくれるの!?」
「完璧です。早速ですがおふたりとも…」
 来た!!!
「今日の午後、安倍さんと石川さんを連れてココに来てください」
 ぴらり、と紺野はよしこの手に小さな紙切れを渡した。
 横から覗いて見ると、どこかの住所が書かれてるみたい。
「必ずですよ!」

 バサッッ!!!

 どこから出したのか、紺野は白衣を翻して走り去って行った。

331 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)00時56分49秒
「ちょっと!ごとーまだオッケーしてな」
「もう行っちゃったよ」
 ポンとよしこに力なく肩をたたかれた。

「もーごとー知らない。行かないから」
 冗談じゃないっての!
 これ以上なっちを好き勝手されてたまるかい!
「ちょ、ちょっと待ってよごっちん!」
「んあ」
「り、梨華ちゃんのために頼むよ!安倍さん連れてきてよ」
 …。
 ……。
 そーだよねえ…。
 なっちは戻れそうだけど、ハッキリ言って梨華ちゃんはどーなるかわかんない
んだもんねぇ。
 なんか必死に手を合わせるよしこがかわいそうになってきた。
「でもさ…多分、なっち嫌がるよ」
 冗談じゃないべさ!なっちはもうモルモットになんかならないっしょ!…とか真っ赤に
なって怒りそうだな。
「そこをなんとか説得してさ…頼むよ〜」
「なっち、結構ガンコだからな…」
332 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)01時06分59秒
「ごっちん〜〜〜」
「あーもお、分かったよ!」
 こんな情けない顔…ファンの娘が見たらガッカリするよ。
「ほんと!?」
「なんとか…連れてくよ」
 他ならない…親友の頼みだし。
 なっちだってよしこたちが困ってるって言ったらオッケーしてくれそうだし。
 でもでも!もし紺野がヘンなことしようとしたら必ずごとーが守ってあげるからね!


「んあ…なっちぃ?」
「ごっちん?どこ行ってたべか?」
 ごとーが帰ると、なっちは今起きたのか、ベッドの上で眠そうに目を擦ってた。

「あのね…よしこに会ってたの」
「よっすぃー?」
「うん」
 取り合えずなっち、怒ってないみたい…。
 ていうか…まだ寝起きで頭が働いてないだけ?それなら今のうちに。
「よしこね、なんか困ってるんだって」
 言いながらベッドに座ってだるそうななっちをそっと抱き寄せる。
 なっちは逆らうことなくごとーの胸にもたれ掛かって来る。
「それで、ごとーとなっちに助けてもらいたいんだって」
 曖昧すぎるかな、と思ったんだけど。
「なっちに助けてあげれるなら…助けてあげたいべ」
 なんてごとーにもたれたままなっちは言った。
333 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)01時10分15秒
 んあ、なっち優しいねぇ。そーゆーとこ大好き。
 …てかごめんなさい。
 ごとー、嘘はついてないよね。
 
 大丈夫!ごとーが必ずなっちを守るから!!!

 それからなっちにお風呂入ってもらって出かける支度して。
 よしこと五歳の梨華ちゃんと待ち合わせをして、四人で紺野が指定した住所に
向かった。



334 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)01時18分20秒
>322 つみ様
 (●´ー`)<犯罪…?
 ( ´ Д `)<んあ〜、犯罪的に可愛いってことだよ♪
 (〜^◇^)<13のなっちにヘンなことするごっちんが犯罪者ってことじゃなの?
 ( ´ Д `)<!!

>323 名無しさん様
 ( ´ Д `)<んあ、可愛いでしょ?でもなっちはごとーのだから♪

>324 LOVE様
 (●´ー`)<たまにはなっちも積極的になるべ。もう大人の女だし。
 ( ´ Д `)<…

>レスありがとうございます。
 今回少ないんでなるべく近いうちに更新したいです。

335 名前:jinro 投稿日:2003年08月31日(日)01時19分29秒


 (●´ー`)人(´ Д ` )〜♪


336 名前:つみ 投稿日:2003年08月31日(日)07時02分01秒
紺野が指定した場所が気になってみたり・・
しかし紺野にいいようにふりまわされてませんか?
お2人とも・・・
337 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月31日(日)18時35分04秒
はじめて書き込ませてもらうのですが、、、
ずっと読ませてもらっています。
いやー、おもしろすぎです!
紺野のキャラがツボに入りました。(笑)
338 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月03日(水)20時18分25秒
いったい何が起こるの・・・


>337さん

>不慣れなんでsageの方向でよろしくです

ageないように。
339 名前:タモ 投稿日:2003年09月05日(金)22時51分57秒

いつも楽しみに読ませて頂いております。
なっちが5歳の時に、あぁ!萌え!って感じてしまった自分をそろそろ危険に感じました(w
なちごまに影響されたのはこの小説を読んだからだと思います。
これからも頑張って下さいね。

340 名前:337 投稿日:2003年09月06日(土)01時42分27秒
すみません、今気がつきました。気をつけます。
341 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)15時21分14秒


「ここは…」
 紺野に渡されたメモを頼りにたどり着いたところは。
「「「「お化け屋敷?」」」だべか?」
 なんか、昔のホラー映画とかに出てくるみたいな怪しげな洋館。
 レンガの壁には蔦とか絡まりまくってるし、庭は草ぼーぼーで荒れ放題だし。
 しかもなんだか昼間なのにここの上空だけ薄暗いし…。
「ごっちん…なっちこわいべさ」
 怯えた顔でなっちがごとーの手を握ってくる。
 んあ、ごとーもこわいんだけど…。
「よしこ、ほんとにここで合ってるの?」
「間違いないよ」
 よしこはメモと門に表示されている住所を見比べて頷いた。
「よっすぃー…」
 梨華ちゃんもよしこに抱っこされたまま不安そうな顔してる。
 てかみんなそんな顔してるけど。

「ここでこーしてても仕方ないし…入ろうか?」
342 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)15時30分23秒
 なっちがごとーを見上げて言った。
 なっち…いざとなったら強いんだね。

「…よっすぃーが先頭だべ」
「ええっ!!??」
 なんでアタシなんすかーって、よしこ泣きそうだよ。
「あたりまえっしょ!なっちとごっちんはよっすぃーの為にわざわざ出向いたんだべ。
ここはよっすぃーが先に行くべきだべ」
 うわ、裏なっちだ。
 きっぱりと言い放ったなっちに、よしこはごくっと息を呑んで。
「分かりました」
 門に入って行った。
 おお、さすがヘタレでも男前。
「なっちたちも行くっしょ」
 

「呼び鈴とか…ないね?」
「叩いてみたら?」
 やたらデカイ観音開きの扉にはインタフォンらしきものはなくて。
 よしこは扉を控えめにコンコン叩く。
 んあ…よしこまだビビッてるね。

「よっすぃー、もっと強く叩かなきゃ聞こえないべ」
 なっちは裏のままだし。
 梨華ちゃんがこっち睨んでるよ…。
343 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)15時39分33秒
 そーだよねぇ。よしこに抱っこされてる梨華ちゃんも必然的に先頭行くことに
なるんだもんね…。

「ごめんくださーーーーい!!!」
 ゴンゴン!!!

 うおっ、びっくりした。
 よしこ、どうやら開き直っちゃったみたいだよ。
 力一杯扉叩きながら叫んでるし。
 
 暫く叩き続けてると、イキナリ扉が音もなく内側に開いた。
「すみませ…うわあっ!!?」
「きゃあっ!」
 勢い余って家の中によしこと抱っこされたままの梨華ちゃんは倒れこんじゃった。
 あ〜あ…。
「だ、だいじょうぶだべか?」
 これにはさすがの裏なっちも驚いたのか、心配そうに倒れた二人に続いて中に駆け込む。
「いてて…」
 梨華ちゃんをかばって背中から倒れたよしこは腰をさすりながら起き上がった。
 よしこ…アンタかっこいいよ。
「ごめんね、だいじょうぶ?ひとみちゃん」
「だいじょうぶだよ。それより梨華ちゃんは怪我ない?」
「わたしはへーき。ひとみちゃんがかばってくれたから…」
「良かった」
「ひとみちゃん…」
「梨華ちゃん」
 ちょっとちょっと!こんなとこでムーディにならないでよ!
 ごとーたちがいるのに。
344 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)15時47分11秒
「エヘン!エヘン!折角中に入れたんだからさっさと紺野を探すっしょ!」
 なっちの咳払いに見詰め合ってたよしこと梨華ちゃんは慌てて離れた。
 それにしても…大人と五歳児がいい雰囲気で見詰め合ってる図ってのは傍から
見ててなんだか落ち着かないね。

「取り合えず…ここは手分けして探すべ」
 さすがに見た目おこちゃまでも最年長、なっちがテキパキと支持をだす。
 んあ、こーゆーなっちって、普段あんまし見れないけどカッコイイなぁ。
 ごとー、ホレなおしちぃそう。
「なっちとごっちんは二階を探すから、よっすぃーたちは一階を頼むっしょ。紺野を
見つけたらケータイですぐ連絡するってことで」
「分かりました」
 よしこと梨華ちゃんが頷くのを見て、なっちはごとーの手を引いて玄関ホール
から二階に続く階段を上がり始めた。
345 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)15時54分54秒

「でもさぁ、ココって紺野の家なのかね…?」
「……」
「ぜんぜん人が住んでる気配しないけど…なっち?」
 どーして返事してくれないのー?
 やっぱりヘンなとこ連れて来られて怒ってるのかな…さっきから微妙に裏なっち
だし…。
「なっち?」
 おそるおそる隣を歩くなっちを見ると。
「…っ、なっち!?」
 なっちは汗流しながらなんだかめちゃくちゃ苦しそうに肩で息してて。
 軽くテンパッちゃったごとーは慌ててなっちの肩を抱き寄せる。
「どーしたの?具合悪いの?」
 まさかさっきごとーが気絶するくらい攻めちゃったから?
「…ごっち、ん…っ」
 苦しそうになっちは息を吐いてごとーの肩にしがみ付いて来る。
 膝に力が入らないのか、座り込みそうになるなっちを抱き上げる。
「ごめ…、さっきから調子、良くなくて…」
「ごとー、どうしたらいい!?」
「ちょっと…横になりたいべさ…」
346 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時01分57秒
 横になれるとこ!!!
「わかった!」
 ごとーはなっちを抱えたまま、急いで手近の部屋に入る。
 どーやらそこは客間みたいで、ボロイけどベッドがあったから、そこになっちを
そっと降ろした。
「なっち、苦しいの?」
 おでこに浮かぶ汗をハンカチで拭いながら声を掛ける。
 したらなっちは苦しそうな顔のまま、それでも無理矢理笑顔を作ってくれて。
「…いじょーぶ…さっきより、楽…っ」
「でもスゴイ苦しそうだよぉ…きゅーきゅーしゃ、呼ぶ?」
「そんなん…、へっきだから…」
 なっちは笑顔を作るのも辛いみたいで、また顔をゆがめてハンカチで汗をぬぐう
ごとーの手をきゅっと握ってきた。
 そのなっちの手はびっくりするくらい熱くて、ごとーは慌てて握られていない
方の手をなっちのおでこにあてた。
347 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時14分34秒
 触れたおでこは握られた手よりずっと熱くて、ごとーは泣きそうになった。
「なっちぃ!スゴイ熱だよ!!」
「…っ、く…っ」
「なっち、なっち!?」
 どうしようどうしよう。
 なっちが、なっちが死んじゃう…!
「う…、ん…っ」
 苦しそうな声。
「そ、そーだ、きゅーきゅーしゃ…」
 慌ててケータイを取り出して開いてみると、画面の右上に無常にも表示される
『圏外』の文字。
「なんだよ、もぉ!」
 むかついて思わずケータイを床にたたきつけちゃってた。
「…っち、ん…っ」
「…なっち!」
 苦しそうななっち。
 ごとーが手を握ると、なっちはうっすらと目をあけてこっちを見た。
「側に…ここに、いて…?」
「いるよ!いるから…」
 こんなになっちが辛そうなのに、ごとーなんにも出来ないよ。
 側にいることしか出来ないなんて…。
 それが悔しくて、なんだか涙が出てきた。
 ごとーのばか。これじゃなっちに余計な心配かけちゃうじゃんか。
 辛いのはなっちなのに。
「ごっち、…な、っち、だいじょぶだから」
348 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時21分59秒
 こんなに苦しそうなのに、大丈夫なんていわないよ。
 このままじゃほんとになっち、死んじゃうかも。
 縁起でもないことを考えて、全身に鳥肌が立った。

 冗談じゃない!
 絶対死なせないんだから!!

 ごとーはさっきほーり投げたケータイを拾うと、なるべく負担が掛からないように
なっちを抱き上げた。
「…っちん…?」
「なっち。ごとーが助けるよ」
 そのまま部屋を出て、階段を下りて玄関に向かう。
 入った時のまま、開けっ放しだったはずの扉がしまってて嫌な予感がした。

「…あかない…なんでぇ!?」
 閉まった扉はパッ見鍵なんかないのに押してもうんともすんとも言わなくて。
 ごとーは頭来て両手で力一杯扉を叩いた。

 ガーーーン!!!

 ものすごい音。
 なっちを驚かせちゃったかと思って、壁を背に座らせていたなっちを見る。
「…なっちぃ!!!」
349 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時30分03秒
 座っていたなっちはそのまま床に倒れちゃってて。
 そのなっちの体から煙が出ていた。
「…っ、なっち、なっち!」
 煙、っていうかこれ、水蒸気みたいだ。
 シュウシュウって音するし、煙たくないし。
 なっちはさっきの苦しそうな顔がうそたいに穏やかな顔して、まるで眠ってる
みたいだ。

 だんだん、シュウシュウって大きくなっていって、スゴイ蒸気も出てきて。
「なっち…」
 
 完全になっちの体を覆いつくしちゃった。



「……ちん」

 どれくらいそうしてたのかわかんないけど。
 なっちの体を覆ってた蒸気がだんだん薄れてきて、そこからなっちの声がした。
「なっち!!!」
 あわててまだ蒸気に少し覆われている小さな体に手を伸ばすと、応えるみたいに
ごとーの背中に腕が回された。
 
350 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時35分45秒
 よかった…なっち、生きてる!!!
 うれしくて力任せに抱きしめる。
「……?」
 あれ?
 抱きしめたごとーの胸にあたる、このむにゅっとした感触。
 なつかしいこの感触は…。
「……」
 そっと体を離して正面からなっちを見つめる。
 蒸気は完全に消えてて、変わりにはにかむなっちの笑顔。
 ごとーは確かめるみたいになちの頬を両手で包んで、視線をそのまま下に向けた。

「…なっち」
 間違いない。
 顔は13と変わらないけど。
 Tシャツを持ち上げてるふたつのふくらみの大きさは。

「なっちぃーーー!!!」
「ごっちん!戻ったべさ!!!」
 まちがいなく21歳のなっちのだった。
351 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時40分47秒
 うれしくてぎゅうぎゅう抱きしめる。
 なっちもぎゅうぎゅう抱きしめ返してくれる。
 なっちが戻った!
 ごとーが大好きな、21歳のなっちに戻った!

「なっち…」
「ごっちん…」
 ふと体を離して、見詰め合って。
 なっちがふわっと笑って目を閉じたからそれが合図。
 久しぶりの21歳のなっちとのちゅう……

「はいはいはーーい!おふたりともそこまででーす!!!」
 パンパンパン!!!

「「!!!!」」
 声と同時に手を叩く音。
 ごとーとなっちは慌てて体を離した。
 んあ!誰だよ!かんどーの再開を邪魔するのはぁ!
 人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られるんだぞ!
352 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時46分50秒
「そういうことは二人きりになってからしてください」
 む。この声は…。

「「紺野!!!」」

 ごとーとなっちは仲良く振り返り、仲良く声をそろえて叫んだ。
 なんで紺野がいるんだよ!
 いや、そりゃ紺野がここを指定したんだからいて当たり前なんだけども。
「ごっちん…安倍さん戻って良かったね…」
「んあ、よしこ…、え、ええええ!?」
「梨、梨華ちゃん!!?その姿はいったい…!」
 はあ〜。
 なんだかごとー、今日驚いてばっかりだよ。
 でも、この梨華ちゃん見て驚かないやつぁいないと思うよ?
 だって…中学生くらいになっちゃってるんだもん。
 しかも半端に成長した体にピチピチのシャツに超ミニスカートはいてるんだもん。
そりゃさっきまで幼児服着てたからだけど…それに。
 極めつけにその上に…白衣着てるんだもん。
353 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時53分02秒
 …なんていうかコレは…。

「「エロいよ」」
 あは、またなっちとハモっちゃった♪
 …。
 ……。
 じゃなくて!!!
「紺野!どーゆーことか説明してよね!!!」
「説明もなにも…皆さんが場所を間違えたんですよ」
「え!?そ、そんなはずないよ!ちゃんと地図の通りに指定された住所に、ここに
きたんだよ?ねえ、よしこ!」
 納得いかないぞ、こりゃ!
 よしこを見ると、なんだか曖昧な顔してごとーに例のメモを渡してきた。
 ごとーはそれを受け取ってもう一度確認する。
「ほら、間違ってないじゃん!ここだよ!」
「よく見てください、後藤さん」
 呆れたみたいに紺野はおでこに手をやって頭を振った。
 なんかバカにされてる?ごとー。
354 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)16時59分53秒
「…ごっちん、ウラになんか書いてあるべさ」
「ウラ?」
 言われてメモをひっくり返してみると。

『表の住所の三軒右隣』


 …。
 ……。
 ……はあ???

「なにこれ」
「これからはちゃんと最後まで読んでくださいね」
「……」
「ごっちん、落ち着くっしょ」
 キレかかったごとーに気が付いたみたいで、なっちがそっとごとーの手を握って
きた。
 んあ、そーだよね…これくらいでキレちゃ駄目だよね。
「…じゃあここはなんなの?」
「ただの廃屋ですね。みなさん不法侵入ですよ」
「……」
「ごっちん、落ち着くっしょ…」
 わかってる、わかってるよなっち。
 無理矢理笑顔を作ってなっちを見る。
 …アラ?なんかなっちのがキレそうだよ…笑ってるんだけど、目が、目が怖い。
「とかさ、紺野はどっから入って来たの?さっき出ようと思ったら開かなかった
んだよね」
355 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)17時05分56秒
「あの扉は内側に開くんですよ。後藤さん、押してませんでしたか?」
「内側に…」
 ごとーは急いで記憶をたどる。
 んあ、そーいえば…。押してた気が、する…。
「それで開かなくてムカついて扉叩いて」
「そうですね。その音でみなさんがこちらにいらっしゃると気づいて迎えに来た
んですよ。感謝してくださいね」

 プチ。

 …ん?なんの音?ごとーじゃないよ?
「……べさ…」
 まさか。
 ごとーがおそるおそる隣のなっちを見ると。
「ふざけるんじゃないべさーーーー!!!!」

 なっちがキレた。

「なっち、落ち着いてぇ!」
「ごっちん、離すべさぁ!!」
「やつあたりはやめてくださいよ」
「紺野、安倍さんに謝れーーー!」
「な、なんで私が…」
「いいから、命が惜しかったら謝ってーーー!!!」
「紺野ーーー…」
「……」

356 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)17時15分47秒
>336 つみ様
 (●´ー`)<ある意味…。
 ( ´ Д `)<紺野が最強かもね…

 川 ・ ∀ ・ )<ニヤリ。

>337 名無しさん様
 ヤバイ、紺野人気あるなぁ。
 なちヲタの作者としては少々複雑…。
 (●´ー`)ノ<がんばるっしょ!

>338 名無しさん様
 ( ´ Д `)ノ<んあ、もうすぐ終わりだよ。
 (〜^◇^)<もうオイラはでないのかな…。
 ( ´ Д `)<ここの作者が何気になちまり気になってるから短編書くかもね。

>339 タモ様
 (●´ー`(´ Д ` )マンセー♪

>レス大感謝です。
357 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)17時20分14秒
>レス返しでも書きましたが、今度の更新で終わります。

>でもこのスレが少しあまっちゃいそうなので、短編リク受けます。
 えーと、とりあえず先着3名様までで…娘。か後藤さん、中澤さん、保田さん
限定でお願いします。

>そこで、どんなカンジのお話がいいかも教えてくださるとありがたいです。
 ラブラブとか、痛めとか…エロとか。

>以上踏まえた上でよろしくお願いします。


358 名前:jinro 投稿日:2003年09月08日(月)17時21分38秒

 (●´ー`)人(´ Д ` )〜♪



359 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月08日(月)18時32分00秒

(0^〜^)人(^▽^)
360 名前:つみ 投稿日:2003年09月08日(月)18時33分52秒
なっちが戻った〜〜!!
次回が最後・・・紺野は謝るんでしょうかね^^

リクします・・・ (●´ー`)人(´ Д `)人(〜^◇^)

こんな感じで・・・
なっちとやぐっつあんががごっつあんを取り合うみたいな的で・・
ほのぼのがいいなあ・・・(w
361 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月08日(月)18時42分53秒
一体、どんなラストになるのか…

なちまりのエロハァハァキボン。
362 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月08日(月)19時54分37秒
>>360ネタばれレスはやめて。

更新お疲れ様です。
なっちって切れると恐そうですよね。
リクお願いして良いですか?
よしとなっちが( ´ Д `)を取り合う感じが良いです。
そして最終的にはなちごま。エロありキボン
363 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月08日(月)21時09分49秒
うっ、先着3名に間に合わなかった。
ぐっすん。
364 名前:jinro 投稿日:2003/09/09(火) 08:36
>おはようございます。
 なんか模様替えされててびっくり。

>えと、リクですけど…。
 なちまりは最初から書くつもりだったんで、なちまり以外で3つ…。
 359いしよし、360なちごまり、362なちごまよし、ということでとりあえずいき
たいと思います。

>で、359いしよしをリクしてくださった方、コレ、どんなお話がいいですかね?
自分いしよしあんまり書かないんで分からないんですよ。出来たら細かいリク
お願いします。ペコリ。

>それと、362なちごまよし、ですけども。
 これ、ちょっと書きたい設定できちゃったんで新しくスレたてるかもしれないです。
 そのときはご了承ください。
365 名前:359 投稿日:2003/09/09(火) 15:50
リク受け付けて頂きありがとうございます。
吉澤と五歳児の石川で、お願いしたいと思います。
石川にちょっかい出しすぎて怒られるんだけど、結局甘甘…みたいな感じで
お約束ですがお願いします。

次回更新がんばってください。
366 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/10(水) 00:03
紺野の人気よりも、なっ乳の人気の方が凄いと思うぞ。
367 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 22:57
「でもさ、元に戻るのにホントは一週間くらいはかかるハズだったんでしょ?
どーしてこんな早くなっちは戻っちゃったの?」

 場所を怪しげな洋館から紺野邸へ移したごとーたちは紺野を囲んで勉強会。
「…安倍さん、石川さん」
「「はい?」」
「つかぬ事をお聞きしますが…お二人とも、ここに来る前になにか特別なことを
なさいましたか?」
「「特別なこと?」」
 んあ、さっきから同時に答えるなっちと梨華ちゃん。
 梨華ちゃんは中学生くらいのくせになっち、同い年くらいに見えるよ。
 でも今の梨華ちゃんよりなっちのが胸あるなぁ…。
「ええ。…たとえば、なにか運動とか」
「「……」」
 ここに来る前に?
 …なっち、ごとーと…。
 紺野、もしかして感づいてて言ってるのかな?
 なっちも梨華ちゃんも真っ赤だよ。
「運動は…その、したっしょ」
「わたしも、したけど…」
 やっぱりよしこもしたんだ!
 五歳の梨華ちゃんと!
368 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:03
 むむむ。なんかイケナイことを想像しそうになって、ごとーちょっと
焦っちゃったよ。
「それが原因ですね、多分」
 紺野はなんかノートパソコンのキーボードをかたかた叩きながら難しい
顔をしている。
 娘。の仕事の時もそれくらい真面目にやればいいのに、と思ったけど
黙ってることにする。
「どーゆーこと?」
「つまり、大量の汗をかくことによって薬の効果が早く切れたんだと思い
ます」
「汗と一緒に出たってこと?」
 んあ、さっきのなっちから出た蒸気みたいのは体に残ってた薬だった
のかな?
「そうですね」
「じゃあ汗をかけば早く戻れるのね?」
 ぱあっと表情を輝かせて梨華ちゃんが立ち上がった。
369 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:10
「確信はありませんが…間違いないと思います」
「ひとみちゃん!」
「は、はいぃ!?」
 よしこ、声裏返ってるよ。
「早く帰りましょ!それからスポーツジムよ!!」
「ええ?汗かくならもっといい方法が」
「ばか!」
 もたもたしてるよしこの腕を引っつかんで梨華ちゃんは怒涛の勢いで
紺野邸を去っていった。
 てか…梨華ちゃんあの格好で電車乗って帰るんだ…。

「ごっちん…なっちたちも帰るっしょ」
 くいくいと服の袖を引っ張られた。
「そーだね」
「紺野…もうヘンな薬作るんじゃないよ」
 じっとパソコンに向かったままの紺野に一言告げて、なっちは先に
立ち上がったごとーの手をきゅっと握ってきた。

 そーだね!早く帰ってかんどーの再開の続きしようね、なっち♪


370 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:17
 それから2日後。
 娘。と同じ仕事があるスタジオへ向かいながら、ごとーはあることを
思い出した。
 すっかり忘れてたけど…ごとーとやぐっつぁんと紺野でカケをして
たんだ。
 誰が小さくなるかってヤツ。
 ごとー、見事に正解したんだよね♪

「おっはよー」
 ごとーが娘。の楽屋に入ると、元に戻った梨華ちゃんとよしこが
手を振ってくれたからふたりの側に座る。
「梨華ちゃん戻ったんだね。ジム行って汗かいたの?」
「えっ、その…」
 ぼかん、と音がするくらい真っ赤になって俯く梨華ちゃん。
 ははーん。
 ちらっとよしこを見るととぼけた顔してるし。
 ごとーと目が合うと、にっと白い歯を見せて笑ってVサインなんかしてるし。

 でもあれから考えたんだけど。
 確かになっちが成長したのって、結構激しいえっちした日の夜なんだ
よね。
371 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:24
 小さくなっちゃってもえっちしたら元に戻るって…紺野、また薬
作ってくれないかな…。
 
 …ン?
 ……そうだよ!
 紺野にはあの薬をまた作ってもらうことにしよう!
 …でも、なっち怒っちゃうよなぁ。
「あれ?なっちは?」
「まだ来てないよ」
 昨日はお仕事の都合でなっちン家泊まれなかったからな。
 ちゃんと寝坊しないで来るかな。

「ごっちん、おーっす」
「おはよう、やぐっつぁん」
 そうだ。
 やぐっつぁんにもなんかしてもらわなきゃ〜。
 どうしようかなぁ…。
 あ!そーだ。紺野には例のなっちの18禁みたいな映像貰おう!
 せっかくだから梨華ちゃんのも貰ってよしこにあげようかな…。
372 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:30
 やぐっつぁんには…二度となっちに近づきませんって念書でも書か
ようかな。

「皆さん、おはようございます」
「おはよー、紺、野…!」
 楽屋に入ってきた紺野を見てビックリした。
 よしこも梨華ちゃんもやぐっつぁんもビックリした顔をしてる。
 当たり前だよね…だって紺野、白衣に眼鏡…そう、例のマッドサイ
エンティストルックだったから。

 ごとー、嫌な予感がしますぞ。
「ついに完成したんです!」
「「「「若返りの薬はもういいよ」」」」
 ほんとに…紺野がこの格好してるとロクなことないんだから。
 関わらないことにしよう。
「若返りの薬じゃありません」
「え?違うの?」
 んあ!よしこ聞かなくていいから!
 
373 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:38
「コレです!」
 紺野はバサリと白衣を翻してひとつの小さなビンを高々と掲げた。
 ビンの中には…青と白のカプセルが…何個か入ってる。
 若返りのは赤だったよね?
「またなんの薬〜?」
「コレは前回の若返りの薬を応用して作った成長薬です!」

「「「「成長薬〜!!??」」」」

 またまたぁ。
 若返りの薬で5歳になっちゃうんだから、そんなの飲んだらおばーちゃん
になっちゃうんじゃないの?
「どーゆーこと?」
 紺野からビンを受け取ったやぐっつぁんは興味深げにカプセルを
見つめる。
「背が伸びて大人っぽくなります」
「…へえ〜」
「ちょっと、やぐっつぁん、胡散臭いよ…」
 紺野の薬なんか信用できないって。
374 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:43
 とにかく関わらないことにしよう、とごとーは同じことを考えてる
のか、椅子に座ってしまったよしこたちの側に戻る。

「ま、間に合ったべさ!」
「んあ、なっちおほよう」
「おはようっしょ…」
 やっぱりなっち、寝坊しちゃったんだ。
 なっち寝坊助さんだからなぁ。
 なっちは走ってきたのか、肩で息をしながら一番近くにあった椅子に
座った。
「なっち、おっはー」
「おはよう、やぐち」
「なっち、いいものあげようか?」
「いいもの?なんだべ?」
「あーんして」
「あーん…」

 止める間もなかったの。
 ごとーが振り返った時には青いカプセルはなっちの口の中で。
 しかもなっちは椅子に座ってたから上を向いてて。

375 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:51
「やぐっつぁんーーーー!!!!」
「うわわ、タンマタンマごっちん!」
「タンマじゃなーーい!なんてことしてくれたのさ!」
「やはは、だってホラ、なっちって子供っぽいじゃん?だからこの薬
飲んだらちょっとは大人っぽくなるかな…なんて」
 神様。
 ごとーたち、なんか悪いことしましたか?
「てか、まさかほんとに飲むなんて思わなかったんだよーーーー!!!」
 楽屋から逃げ出したやぐっつぁんを見送って。
 何が起こったのかまったく理解していないなっちをそっと抱き寄せる。
「ごっちん?さっきのはなんだったんだべか?」
「なんでもない…なんでもないの…」
 ごとーはきょとんとしてるなっちの頭をナデナデして、にっこり笑った。

「ごっちん、矢口さん戻ってきたよ?」
「!」
 よしこの言葉に楽屋のドアを見ると、やぐっつぁんがそーっと隙間から
中を伺ってるのが見えた。
 飲んじゃったもんはねえ?
 しょうがないんだけど。
 わかってるんだけど。

「一発殴らせろーーーーーー!!!」
「ひええっ!カンベンーーー!!!」
「ふたりとも、ケンカはやめるべさぁ!」

 ごとーとなっちに平和な日は戻ってくるんでしょうか…?

 …くすん。

                          ヲワリ。
376 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:53
>終わりです。
 ご愛読ありがとうございました。

 (●´ー`)人(´ Д ` )
377 名前:jinro 投稿日:2003/09/13(土) 23:54
>次はなちまり書きます。
 少しエロっぽくなるんで苦手な方はご注意を。

378 名前:つみ 投稿日:2003/09/14(日) 08:45
えがった♪えがった♪
次回もなちまり楽しみにしてます!
379 名前:LOVE 投稿日:2003/09/15(月) 00:23
更新お疲れさまです。
なっちとごっちんに平穏な日々は・・・
紺野さんがいる限り無理だったりするのかな・・・??(笑
でも、そんな紺野さん素敵です(笑

なちまりかなり期待してます!!
エロっぽく・・・楽しみにしてます!!!!
380 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/16(火) 00:43
お疲れ様でした。
とても面白い作品をありがとうございました。
ほぼ毎日、楽しみに見させていただいておりました。

次回のなちまりもかなり期待させていただきます(w
381 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/16(火) 00:44
ageてしまいました、すみません
382 名前:うまい棒メンタイ味 投稿日:2003/09/17(水) 22:52
お疲れ様でした!!!
なちごますっげぇ良かったです。
笑いあり、涙あり、エろ(ry

ネタバレになるので具体的なことは書けませんが本当に楽しませてもらいました。
次回のナチまりも期待してます。
また機会があればなちごま書いてください、

ホントに面白かったです。
では、読み直してきます。
最後に本当にお疲れ様でした。
383 名前:jinro 投稿日:2003/09/20(土) 13:43
『お願い、すぐなっちン家来て!』


 なっちからの突然の電話。
 オイラはタクシーの中で顔がニヤニヤするのを止められなかった。

【恋はクエスチョン】



 なっちと恋人同士になってから三ヶ月。
 オイラからなっちの部屋に行きたいって言って行くばっかりだったのに、
今日はなっちから誘われた。
 …しかもお願いって!
 お願いされちゃったよ、なっちに!!!
384 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 13:49
 …今日は用事があるとか言ってたのに…。
 タクシーのメーターの上に付いている時計を見ると丁度今日が
終わろうとしてる時刻だった。

 用事は終わったのかな?こんな時間に呼び出すなんて。
 …もしかしたら怖い夢でもみたのかな?
 それでひとりでいるのが怖くなっちゃって…。
 ベッドの上で毛布に包まって怯えているなっちを想像する。

 きっと…カワイイんだろうな。


 タクシーを降りてなっちの部屋を見上げると、電気がついているのが
見えた。
 オイラは急く気持ちを抑えながら玄関ホールからエレベーターに
乗った。

385 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 13:54
 ピンポーン。
 
 …。
 ……。
 あれ?

 ピンポーーン。
 もう一度インタフォンを鳴らす。
「…は、ハーイ!」
 すると中から返事がして、かちゃりと鍵を開ける音。

「なっち?」

 オイラがドアを開けてる間にリビングに戻ったのか、なっちの姿は
玄関にはなかった。
「なっち〜?」
 なんどよぉ…いつもだったら玄関で出迎えてくれるのに。
 …ん?なんだこれ。
 オイラの視界に入ったものは、今までのなっちの部屋にはなかったもの。
「…なっち、猫飼うのかな?」
 
 それは猫用のトイレだった。

 
386 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:00
「なっち、ニャンコ飼うの?」
 言いながらリビングへ入る。

「…どしたの?」
 なっちはリビングのテーブルとソファの間に毛布に包まってペタンと
座り込んでいた。
 …やっぱりコワイ夢でも見たかな?

「オイラが来たからもう大丈夫だぞ〜」

 包まったままの毛布ごと、なっちを抱きしめる。
 オイラの腕の中でなっちの体がびくんって強張った。
「なっち、何があったんだよ〜」
「…やぐち」
「んん?」
「何があっても、なっちのことキライにならない?」
「ならないよ!」
 即答して抱きしめる腕に力を込める。
 したらなっちは、恐る恐るってカンジで毛布から頭を出した。
387 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:06


「……やぐちィ」
 情けない顔をしたなっちの頭には。

「…なにこれ?」

 真っ白な猫の耳が付いていた。



「か、カワイイじゃん!なに、コスプレ?」
「違うべさ…本物」
「なん、冗談やめてよ、取りなよ」
 なっちの顔が事実を語ってたんだけど。
 オイラはなっちの猫耳を摘んで引っ張った。
「イタタタ…!痛いよ、やぐちィ」
 
 なんとなくそんな気はしたけど…取れない。

「…ど、どーして!?なんで!?昼間仕事ンときはなかったよね!?」
「やぐち、あとね」
 なっちは開き直ったのか、毛布を自分から取っ払うと。
「…こんなのもあるの」
388 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:14
 と、後ろを向いたなっちのオシリには…耳と同じ、真っ白の長い
シッポがあった。



「夕方にね、アミが来たんだけど」
 アミ?
 ああ、麻美ちゃんか、なっちの妹の。
「仕事でしばらく部屋に帰れないからって、面倒見てほしいって言うから
いいよって言ったんだけど」
 猫耳とシッポの生えたなっちと仲良くソファに座って話をきく。
「真っ白い仔猫を預かったんだけども」

 なっちの話を簡単に説明すると。
 麻美ちゃんから預かった仔猫と遊ぼうとケージから出したのはいいけど、
この仔猫がとんでもなくワンパクで、なっちと追いかけっこになって
しまったらしい。
 なっちも夢中になって追いかけてて、目の前に壁が迫っていることに
気づかなくて、仔猫もろとも激突。
 しばらく気を失ってて、気が付いたら耳とシッポが生えていた。

「ありえないでしょ…」
 マンガじゃないんだから。
 そんなでき過ぎたハナシ。
389 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:18
 やっぱりオイラからかわれてるんじゃ?
 そう思って目の前のなっちを見る。

「やぐち〜。どうしたらいいんだべ〜」

 なみだ目のなっちの猫耳はぺたんと怯えたみたいに寝ちゃってて。
 シッポは不安そうにあっちこっち動いてて。

 …ヤバイ。

 …むちゃくちゃカワイイんだけど。

 …そうだよ、これは夢なんだ。
 オイラの都合のいい夢なんだ!
 だってありえないよ。なっちに猫耳が生えるなんて。

「…やぐち?」
 急に黙り込んだオイラの顔を不安そうに覗き込んでくるなっち。
390 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:24
 夢だ。
 きっとこれはオイラの都合のいい夢。
 だから。

「なっちぃ!!!」
「ひゃあッ。や、やぐち!?」

 オイラの都合のいいように進めていいハズだぁ!!!



「ちょ、こんなことしてる場合じゃないっしょぉ!?」
 ソファに押し倒したなっちはちょっと怒った顔をしてる。
 威嚇する仔猫みたいで逆になんかいじめたくなる。

「黙って…ね?」
「やぐ、…ん、んんっ」
 暴れるなっちを押さえつけてキスで唇を塞ぐ。
 無理やり唇と歯を舌でこじ開けて絡める。
「ん、んんぅ!」
 絡めたなっちの舌はなんかザリザリしてて、やっぱし猫みたい。
391 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:31
 キスしたままなっちの寝ちゃってる猫耳を撫でると、びくって体を
強張らせて急におとなしくなった。

 …コレってオッケーだよね?
 駄目言われてももうオイラ止まらないけど。

 首筋にキスしながらなっちのパジャマを脱がす。
 なっちは抵抗らしい抵抗もできずにオイラのなすがままで。
「や、やぐち、やぁだぁ…」
「ダメ。オイラがとまんないし」
 お願いをあっさり却下して、なっちの体をうつ伏せにひっくり返す。

「コレ、どうやって生えてるのか気になってたんだよね」
「…ッ、や、触んないでよぅ」
 なっちの体から生えてるシッポ。
 やっぱり本物にしか見えない。
392 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:39
「なんで?カワイイ」
 白い背中にキスしながら前に手を回して胸に触れる。
 見かけによらずおっきい胸。
「ん、ん…ぅ」
「なっち、スキだから…」
「……ッ」
 スキだからこういうことするんだよ。
 分かってほしいな。

 怯えて寝ちゃってる猫耳を見て、少しだけ心が痛んだ。
 …なんかオイラ、悪いことしてるみたいじゃん。
 や、嫌がってるんだから悪いことか。

 でもコレって夢でしょ?オイラの。
 夢じゃなくてもやめるつもりないけど。

「んっ、やぐち、や、あ…っ」
 胸を弄ってた手をお腹の方へ滑らせて、一番感じるとこに触ったら
小さく悲鳴が上がった。
「あ、あっ、んんっ」
「なっち…」
393 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:47
 今、なっち抱いてるのオイラだから。
 耳元に名前を囁きながら、指を奥まで進める。
「…あぁ…ッ」
 入り込んだ指になっちの白い背中が反り返る。
 さっき脱がしたパジャマを小さな手がぎゅっと握るのが見えた。

「……?」
 するり。
 オイラの足になにかまとわり付いてきた。
 なんだろうと思って見るとそれは、なっちの長いシッポだった。
 辛そうななっちとは裏腹に、甘えるみたいにオイラの足に絡まって
くる白いシッポ。

「なっち…シッポは気持ちいっていってるよ?」
「…ば、かぁ…」

 ちょっと嬉しい。
 こんなことでもなければなっちの気持ちなんて分かんなかった。
 だってなっちはえっちのとき、いつも辛そうな顔するから。

「…は、ッ、や、ぐちぃ…!」
「スキだよ。ほんとにすき」
「…や、も…、なっち、なっち…っ」
394 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 14:54
「いーよ。ガマンしないで」
「ふぅ…ッ、ん、んんっ!」

 オイラの足に絡まったなっちのシッポに力が篭った。



「んん?」
 頬になにかが触れて目が覚めた。
「なんだ…ぁ?」
 ぼんやりと目をあけると、目の前に真っ白の仔猫。
 …麻美ちゃんが連れてきたニャンコ…?

 この子がここにいるってことは。

「なっち?」
 隣にいるはずのなっちを慌てて見る。
 なっちはオイラに背中を向けて、まだ眠ってるみたいだ。
「……耳は」
 そっと覗き込む。
 さらさらの茶色の髪。
 そこには猫耳はなかった。
「シッポは」
 そっと毛布を捲ってみる。
 白い背中、腰。
 やっぱりそこにもシッポはなかった。

「……」
395 名前:恋はクエスチョン 投稿日:2003/09/20(土) 15:00
 …やっぱり、夢だったのかな…?
 狐につままれたような気分ってこーゆー気分かな。

 オイラとなっちの間にちゃっかり入り込んだ仔猫は丸くなって
寝の体勢。
 それを見てたらなんかオイラもまた眠くなってきちゃった。

 夢でもなんでもいいや。
 世の中にはいろいろ不思議なことがあるだろうし。
 起きたらなっちに聞いてみよう。

『なに寝ぼけてるんだべか?てか、やぐちヤラシイ!』
 って真っ赤になるかな?
 それとも
『不思議なこともあるもんだねぇ』
 って笑うかな。

 でもその不思議な出来事も、きっと恋が生み出すミラクル。


                          ヲワリ。
396 名前:jinro 投稿日:2003/09/20(土) 15:03
>なちまりですた。
 自分の趣味まるだしで、しかもあんまりエロくなくて申し訳。

 (●´ー`)人(^◇^〜)

397 名前:jinro 投稿日:2003/09/20(土) 15:05
>えと。
 完結おめでとうレスくれた方、ありがとうです。
 完結できたのも皆さんのあたたかいレスのおかげです。

>次は…なちごまり、か、いしよし書きます。
398 名前:つみ 投稿日:2003/09/20(土) 16:27
ねこなっち・・・
やばいですねぇ〜^^
399 名前:つみ 投稿日:2003/09/20(土) 16:28
ねこなっち・・・やばいですねぇ^^
400 名前:LOVE 投稿日:2003/09/22(月) 15:12
ネコなっちが可愛すぎる!!!

>「なっち…シッポは気持ちいっていってるよ?」
>「…ば、かぁ…」
↑この部分にかなり萌えです。

おいしいなちまりご馳走様でした(笑
次作も期待してます!!がんばってください。

401 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/22(月) 23:28
ねこキャワ!
402 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/14(火) 08:37
新作期待age
403 名前:jinro 投稿日:2003/10/25(土) 21:09

>プチ放置スミマセン

>えーと…『なちごまり』書きます。

404 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 21:19
「「なっちぃ、卒業おめでとー!」」
 
 やぐちとごっつぁんの声が響く。
 そしてパン!クラッカーの音。

 なっちの卒業が決まったって言う話をしたら、どうやらふたりは
こっそりと打ち合わせをしていたらしく、小さなパーティーを開いて
くれた。
 
 お仕事が終わったとたん、やぐちに腕を捕られて半分誘拐される
ようなかたちでタクシーに乗せられて。
 どこに行くんだって尋ねても、やぐちはニヤニヤ笑うだけ。
 いたずらを企んでいるコドモみたいな顔して。
 だめだこりゃって諦めたら、けっこうすぐ目的の場所に着いたらしく
てまたやぐちに腕を捕られてタクシーを降りた。

 あれよあれよと言う間に小奇麗なレストランの個室(っていうのか
な?)に通されて。
「なっち〜、ひさしぶり〜」
 そこにいたごっつぁんにいきなりクラッカーを鳴らされた。

405 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 21:25
「……」

 びくりしすぎて声も出ないなっちからやぐちはクラッカーの紙テープ
とかを取ってくれた。
「ささ、なっち座って」
 やぐちは気取った仕草で椅子を引くと、エスコートするみたいになっち
の手を取って椅子に座らせる。

「…なん、どーしたの…これ」
 
 丸テーブルに所狭しと並べられた料理に目をまるくする。
「なっちのね、お祝い」
 なっちの斜め右隣に座ったやぐちはワインをグラスに注ぎながら
いたずらっぽくごっつぁんを指差した。
「しようって、ごっつぁんが」
「…ごっつぁんが?」

 少し意外だった。
 だって、こういうビックリ箱みたいなことを考えるのはいつもやぐち
も担当だったから。

 やぐちが突拍子もないこと言い出して、それからごっつぁんが乗って
きて、最後になっちが巻き込まれるのがパターンだった。
406 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 21:32
「やぐっつぁんにね、相談して、お店とか予約してもらったんだぁ」
 ごっっつぁんは相変わらずのふにゃふにゃした笑顔でやぐちから
グラスを受け取る。

「それじゃあなっち、一言」
 やぐちがレポーターのマネしてなっちに握ったこぶしを突き出して
くる。
「えっ?え…?」
 改めて一言なんて言われても…。
「なんでもいいからぁ!今日の主役はなっちなんだよ!」
「…う、うん…」
 やぐちに急かされ、仕方なく思いを言葉にしてみる。

 なっちが喋ってる間、ごっつぁんは穏やかな顔で、時々頷きながら
聞いていてくれた。
 やぐちも、さっきまでのおちゃらけた雰囲気はどこへやら、いつに
なく真面目な顔をしてて。

 なっちもらしくなく、真面目なことを言ってしまった。
407 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 21:39

「それじゃあ!」
 やぐちが立ち上がったから、なっちもごっつぁんも釣られて立ち上がる。

「安倍なつみの前途を祝して!」

 まるで打ち合わせでもしたみたいに三人のグラスが同じ速度で中央
へ寄っていく。

「「「かんぱーーーい!!!」」」

 カチン!
 グラスがきれいな音をたてた。



「もお〜。やぐちが飲ませるからだよぉ」
「うっさいな〜。おいらだってこんなにお酒弱いなんて知らなかった
んだよぅ」

 なっちはもともとお酒が苦手だったからほどほどにしてたんだけど、
ごっつぁんはやぐちが進めるままにガブガブ飲んじゃって、今はなっち
とやぐちに両脇から抱えられて撃沈。
 なっちもやぐちもごっつぁんより背がちっちゃいから結構大変。
408 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 21:45

 タクシーを拾おうにも酔っ払いってわかるとそのまま素通りしちゃう。
 その度にやぐちと、
「ざけんなー!」
「乗せろよー!」
 って騒いだ。
 もしかしたらなっちもやぐちも少し酔ってるのかも。
 だってごっつぁん抱えながら歩くのってタイヘンだけど、なんだか
楽しい。

「もー!置いてこぜー!」
「もうすぐなっちン家だからがんばるべさぁ」
「キャハハ!久しぶりになっちの『べさ』って聞いたよ!!」
「なんだべぇ!」
 『べさ』がつぼに入ったのか、やぐちは大笑いしながら、だべって
言った〜!とか言ってる。
「むう〜!やぐち笑いすぎっしょ!」
 あ、また方言でちゃった。
 東京来てずいぶんたつけど、油断するとだめだなぁ。
 なんて考えてたら、やぐちはますます大笑いして、普通に立ってる
のもあやしくなってくる。
409 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 21:52
 やな予感がしたけど、今手を離したら間違いなくやぐちとごっつぁんは
すっ転ぶ。

 …そう思ってがんばって支えてたんだけど、やっぱりなっちひとりじゃ
ふたりは支え切れなくって。

「うわぁっ!」
「アハハ…って、ぐえ!」
 やぐちを一番下敷きにして三人ともアスファルトに倒れこんでしまった。
「いててて!おもーい!どけー!!!」
「なんだべさぁ!なっちだって痛かったよ!」
 打った腰をさすりながらまずごっつぁんをやぐちのうえから退かす。
 眠ったままだったごっつぁんはそのままごろん、と転がり道路の
真ん中で大の字。

 …アイドルなのに…ありえないっしょ。

 そう思いながらやぐちの手を引いて起き上がらせる。
「大丈夫だべか?」
「…ぷっははは!だべかって!だべかって!!!」
 まだ笑いのツボから抜けきれないのか、再びやぐちは大笑いする。
 そして勢いあまってまた道路に倒れこんでしまう。

「やぐち〜」
 もう!今日はなっちが主役じゃなかったのかい?
 なんでなっちが一番苦労しないといけないのさ!
410 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 21:58
 ぶつぶつ思いながらやぐちのそばにしゃがみ込む。
 そして起き上がらせるために手を掴む。
「ほらぁ、起きて」
 したらやぐちは急に笑いをとめ、真剣な顔でなっちを見上げてきた。

「なっちさ」

「な、なに…?」
 握られたままの手は解かれない。
 そのままやぐちは一度、なっちから視線をはずして、それからもう一度
なっちを見つめた。

「おめでとう」

 びっくりした。
 まさかこのタイミングで言われると思ってなかったから。
「はやく…おいらも並びたいな」
 独り言みたいに続けて、やぐちは隣で大の字で寝こけるごっつぁんを
みた。
「なっちとごっつぁんに、おいらもはやく並びたい」
411 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 22:05
 しっかりとした口調で言うと、やぐちはいきなりニッと、あのいたずら
をしでかす前の子供みたいな笑顔になって。

「ちょ…!?」

 抗う間もなく握られた手を引かれて、なっちもアスファルトに転がっ
ちゃってた。
「そんでさ、また三人でバカやりたい」
 握られたままだったやぐちの手にぎゅっと力がこもる。
 反射的になっちも握り返す。
「…で、怒られるの?」
「誰にィ?」
「ん〜?そっか…ソロになったら怒るひともいなくなるんだ」
 それがひとりになると言うこと。
 思い知らされて胸がぎゅっとなった。

「怒る人なんかいらないじゃん!」
 いきなりあがったやぐちの明るい声にびっくりする。
 やぐちは右手になっちの手を、左手にごっつぁんの手を握ったまま
自分の手を大きく空にかざした。
412 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 22:11
「お互いがお互いを叱ればいいんだよ!ごっつぁんがぼーっとしてたら
おいらが叱って、おいらがハメ外し過ぎたらなっちが叱って!」
 やぐちはそこでいったん言葉を区切る。
 しばらくの沈黙の後、やぐちは再び大きな声で言った。

「なっちが無理しすぎたら、おいらとごっつぁんが叱る!」

 やぐちの声は、夜の空へ吸い込まれて消えて、そしてなっちの心に
吸い込まれて、残った。
 それから起き上がって、再びぐでんぐでんのごっつぁんをやぐちと
抱えて部屋へ向かう。

「なっちぃ…」
 眠ってるとばかり思っていたごっつぁんが不意に顔をあげたのは
マンションのすぐ目の前だった。
「ごっつぁん、目、覚めた?」
「…幸せ?」
 思いもかけない言葉。
 なっち、今日はびっくりしてばっかりだね。
413 名前:HAPPY?…YES! 投稿日:2003/10/25(土) 22:17

 幸せ?
 そう聞かれたら、昔のなっちは多分、少し考えてから頷くことしか
出来なかったと思う。
 でも今は違う。
 たくさんの仲間に支えられて、だいじな人たちがいて。
 幸せじゃないはずない。

「うん。幸せだよ」
 
 答えたら、ごっつぁんは見てるこっちが幸せになれる笑顔をして、
そのまままた寝てしまった。
「なんだよー!ごっつぁんーーー!!!」
 文句を言うやぐちもどこかうれしそうで。
 それを見たやくちもなんだかうれしくて。
 こんな気持ちになれるのに、幸せじゃないはずない。


「なっち…幸せ?」


「もちろん!」


                            ヲワリ


414 名前:jinro 投稿日:2003/10/25(土) 22:18
>ガーン!間違えた…
 413「それを見たやくち」…
 だれやねん。「それを見たなっち」だべ…。
415 名前:jinro 投稿日:2003/10/25(土) 22:31
>360、398 つみ様
 (●´ー`)<ねこなっち、かわいいべか?
 (〜^◇^)<っていうか…なっちはネコあたりまえだし。
 (●´ー`)<…なんの話だべか。
 
 えっと、なちごまり…どうですかね?ごとーさんを取り合うんじゃなくて
 ただのほのぼのになっちゃいましたが…。

>400 LOVE様
 (;●´ー`)<尻尾はなっちの意思とは無関係に動くんだべ。
 (〜^◇^)<ションナ!

>401 名無し読者様
 ( ´ Д `)<ねこなっち大人気だねぇ。
 (●´ー`)<てれるっしょ。
 ( ´ Д `)<んあ…。ごとーもねこねっちとしたいなぁ〜。
 (〜^◇^)<!!!

>402 名無し読者様
 新作書きました…どうですかね…?

>レスありがとうございます。
 次は『いしよし』書きます。
416 名前:jinro 投稿日:2003/10/25(土) 22:32

 (●´ー`)人(〜^◇^〜)人(´ Д ` )

417 名前:つみ 投稿日:2003/10/26(日) 00:21
ああ・・・
何かこの三人がバカ騒ぎしているのが目に浮かびます^^
ねこなっち・・・略して『ねっち』もかわいかったですけど
今回のなっちもいいですね〜^^
やっぱこの三人が今日のトリオですね!!

  (●´ー`)人(〜^◇^〜)人(´ Д ` )
418 名前:LOVE 投稿日:2003/10/26(日) 00:52
なちごまり!!最強!!
前回のなちまりもかなりおいしく頂きましたが、
今回のもかなりいいですね。
>>410-412あたりの矢口さんの心境はまぢでありそうな感じ。

ごちそうさまでした(笑
419 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/26(日) 11:01
なちごまり有難うございます。
いい感じでした!
(●´ー`●) <また暇なときにでも書いてください
420 名前:jinro 投稿日:2003/11/29(土) 13:19
リクのあった「いしよし」書きます。
本編の番外編みたいな感じですが。
421 名前:アイカワラズナ僕ラ 投稿日:2003/11/29(土) 13:28
 アタシは可愛いものが大好きだ。

 本当は可愛い洋服とか小物とかも大好きだし、もちろん可愛い女の子
も大好きだ。

 だから今の仕事は本当に毎日楽しい。
 メンバーはみんな可愛いし、面白いし。
 
「ねーねー!梨華ちゃん、これにしなよ!絶対似合うから!」
「ひとみちゃん…」

 しかもそのメンバーの中でモロ好みのタイプだった梨華ちゃんと恋人
同士になれるなんて最初は夢にも思ってなくて。

「うーん…こっちのがいいかな…?いや、梨華ちゃんにはやっぱりピンク
だよなー」
「ひとみちゃん」

 可愛い梨華ちゃんが彼女になってくれただけで信じられなかったのに。

「両方買っちゃおうか?梨華ちゃん!」
「もう!ひとみちゃん!!!」

 その梨華ちゃんがますます可愛くなってしまうなんて…。
 アタシの理性が崩壊してしまいそうです。

422 名前:アイカワラズナ僕ラ 投稿日:2003/11/29(土) 13:34
 梨華ちゃんはどうしてかむすっとしてアタシのジーンズのベルト通しを
ぐいぐいと引っ張った。
「どーしたの?」
「ひとみちゃん…なんでさっきからそんなに楽しそうなの?」
「え」
 
 五歳児相当にちっちゃくなってしまった梨華ちゃんと安倍さん宅を後に
してから、アタシたちはデパートの子供服売り場に来ていた。
 安倍さんの家で軽く(?)キレてか梨華ちゃんはどうやらあんまし機嫌
が良くないみたいだ。

「だってさ、梨華ちゃんメッチャ可愛いんだもん」

 素直なアタシの感想に、梨華ちゃんは少しだけ表情を緩める。
「そんなノンキなこと言ってる場合じゃないじゃない〜」
「でも今はどうにもならないし」
「それは…そうだけどぉ」
423 名前:アイカワラズナ僕ラ 投稿日:2003/11/29(土) 13:41
「ね?できることからしよう?」
 そう言ってアタシは結局悩んでいたピンクのワンピースと色違いのクリーム
色のワンピース、両方買うことにした。



 他にも買い物を済ませて梨華ちゃんの部屋に戻っても梨華ちゃんはやっぱり
元気がない。
「梨華ちゃん…そんなに落ち込まないで、ね?これ、着てみてよ」
 買ってきたピンクのワンピースを袋から出して梨華ちゃんの小さなカラダに
合わせて見る。

 ――思ったとおり…いや、それ以上に可愛い。

 やっばいなあ。
 アタシ実はほんとにロリコンなのかなあ…。
 五歳の安倍さんにも欲情しちゃったし…。

 そんなことを考えながら梨華ちゃんが着ていたサイズオーバーなシャツ
を脱がせようと手を掛ける。

「ひとみちゃん…」

 すると梨華ちゃんが消え入りそうな声をあげてこちらを見上げた。
「…っ…」
 上目遣い…可愛すぎる…!
424 名前:アイカワラズナ僕ラ 投稿日:2003/11/29(土) 13:49
 思わず抱きしめたい衝動に駆られるが、なんとか自分を抑える。
「なに?」
「…ひとみちゃんは、子供が好きなの?」
「へえっ!?」
 梨華ちゃんの思いもよらない言葉に思わず間抜けな声をあげてしまった。

「なに言ってるの」
 ばくばくする心臓を沈めるために小さく息をつく。
 そして梨華ちゃんの細い肩に手を掛けて目線を合わせるために床に膝を
ついた。
 顔を覗き込むと、梨華ちゃんはなんだか泣きそうな顔をしていて。

「だって…ひとみちゃん、もとのわたしといる時よりも楽しそうなんだもの」
「…梨華ちゃん…」

 そんなことないよ、と言ってあげたかったけど、言えなかった。
 確かに自分は今の状況を楽しんでいた。
 でもそれは。

「ひとみちゃん、子供のわたしの方が好き?」
「……」

 この状況が楽しいのは梨華ちゃんだからで。

「…このまま戻らないほうがいいのに、とか…思ってる?」
「そんなことないよ。絶対ない」

 浮かれていた自分が情けなくなった。
 こんな風に梨華ちゃんを不安にさせてしまうなんて。
425 名前:アイカワラズナ僕ラ 投稿日:2003/11/29(土) 13:59
 アタシは今度は躊躇わずに梨華ちゃんを思い切り抱きしめた。
 片腕でも余ってしまうその小さなカラダにびっくりしながらも、そっと
良い香りのする髪に頬を寄せる。

「アタシは梨華ちゃんが好きだよ。小さくても大きくてもおんなじ。梨華
ちゃんは梨華ちゃんだから」
「…じゃあ、なんで嬉しそうだったの?」
 大人しくアタシの腕に抱かれながらも、梨華ちゃんは不安そうにアタシの
背中に腕を伸ばしてTシャツを掴んだ。

「それはね…デパートでも言ったけど、梨華ちゃんがあまりに可愛いからだよ」
「…もとの梨華は?可愛くない?」
 梨華ちゃんが自分を『梨華』と名前で呼ぶのは甘えている証拠。

 そっとカラダを離して額、瞼、頬と順番に唇で触れていく。

「元の梨華ちゃんも可愛いよ。可愛いし、キレイ」
「…ほんと?」

 ――石川さん…だからその上目遣いは…反則…。

「ほんと」
「…良かったぁ…」
 はにかんだ笑顔にこっちも釣られて笑顔になる。

 こんな些細…でもないか。
 でもまあ、こんな風にすぐに不安になってしまう彼女。
426 名前:アイカワラズナ僕ラ 投稿日:2003/11/29(土) 14:08
 こんなにもアタシは愛情を注いでいるのに、どうして上手く伝わらない
んだろう?
 前にごっちんに相談したら、スキンシップと愛の言葉だよ〜と笑顔で
のろけられちゃったっけ。

 スキンシップも愛の言葉も、これこそ溢れるくらい与えてるのに…。

 そんなことを考えながらアタシの手は無意識のうちに梨華ちゃんの小さな
ヒップをスリスリ。
「ひとみちゃん!ほんとにエッチなんだからぁ!」
「いてっ」
 ぎゅっと手の甲をつねられてしまった。

 ――ごっちんのうそつき…トホホ。
 
 つねられた手を擦りながらごっちんに心の中で恨み言を言う。
「でもぉ…」
「え?」
 
 するり、と梨華ちゃんの腕がアタシの首に回ってきて、耳元を柔らかい唇
がかすめて、それから。

「大好き」

 元の彼女と変わらない、甘い甘い愛の言葉。


                          ヲワリ
427 名前:jinro 投稿日:2003/11/29(土) 14:17
>>417 つみ様
 『ねっち』はただの打ち間違いなんですけど…
 ( ´ Д `)ノ<カワイイからオケー!
 …だそうです。

>>418 LOVE様
 おおう。なちまりの神のLOVEさんにほめていただけるなんて…
 (●´ー`)ノ調子に乗らないで
 (〜^◇^)ノこれからも精進しろよ!
 …ハイ。

>>419 名無し読者様
 時間ができたので書いてみまつたw
 (○^〜^)人(^▽^)

428 名前:jinro 投稿日:2003/11/29(土) 14:18

 初のなっち絡みじゃないオハナシ…まじ精進します。

429 名前:jinro 投稿日:2003/11/29(土) 14:19

(●´ー`)<一応隠すべ。

430 名前:つみ 投稿日:2003/11/29(土) 14:58
おお!
短編おつかれれす。久しぶりに本編読み返して短編を見ました!
よっすぃ〜はやはりロ○リコン・・・?
・・・ロリ○ンだな・・・やっぱり・・・
431 名前:LOVE 投稿日:2003/12/01(月) 22:55
遅くなりましたが、更新お疲れ様です。
もぉ、よっすぃ〜ったらロリ・・・(略
でも、よっすぃ〜の気持ちが良くわかるおいらはそれ以上に・・・(略
ここのいしよし好きです。ステキです!!

>jinroさま
なちまりの神だなんて・・・どうもです。
でも、おいらなんかまだ未熟者ですから・・・
432 名前:なつ 投稿日:2003/12/04(木) 14:19
お初です
今日初めて見つけて一気に読んでしまいました!!
ロ○コンよっすぃー&ごっちんいいです!
もしよかったらまたロ○コンなちごま、いしよしおねがいしますね
(こちらに書かせていただくのは初めてなモノで
緊張しております(^_^;)
文の書き方など失礼なところがありましたら
どうぞご指導下さい…)
433 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/04(木) 19:59
やー、ちっちゃい石川さんが見事に浮かんできてにやけてしまいましたよ。
吉澤くん、お幸せに。
続きを楽しみにしてますよー。

>>432
とりあえず感想はsageませう。
(sageをご存じないならFAQなり案内板自治スレなりをどうぞ)
434 名前:jinro 投稿日:2003/12/06(土) 14:36
>>430 つみ様
 ずっと読んでいてくれてありがとうございます。

>>431 LOVE様
 いえいえ、LOVEさんは神ですよ、神!

>>432 なつ様
 こちらに…?どこかでお会いしましたっけ…?
 スミマセン、もの忘れ激しくて…。ホムペかな?

>>433 名無し読者様
 ちっさい石川さん…。
 ちっさい安倍さんとセットで売ってないかな…。

>えっと。皆様のあたたかいレスのおかげでなんとかリクも消化させる
ことができました。ありがとうございます。
 「なちごまよし」は長編で書きたいので近々スレたてます。
 その際はこちらでお知らせするので、まだオイラの小説に飽きてない
方はぜひ読みに来てください。

>それでは、ありがとうございました。(●´ー`)ノ~~
435 名前:jinro 投稿日:2003/12/06(土) 16:56
>えーと、いきなり花板で新作始めました。

>「トラブルメーカー」ごとーさん中心の社会人物。
 なちごまよしが絡んできます。
436 名前:jinro 投稿日:2004/02/02(月) 15:54
>他所でコソーリ名無しで書いたなちまりエロ載せてみたいんですが…いい?
 いいや〜載せちゃえw
437 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 15:57
「ほらあ〜、やぐちのせいだべぇ」

 渋谷駅のホーム。
 帰宅ラッシュのこの時間、ホームは人で溢れ返っている。
 引っ切り無しに滑り込んで来る山手線は、すでにすし詰め状態で、その上更に人が無理やり乗り込むのだからたまったものじゃない。

「やぐちがのんびりしてるから電車込み始めちゃったっしょー」
 はぐれないように真里の上着の裾をちょいと摘んで、なつみは後ろからぶつぶつ文句を言う。
「元はと言えばなっちが一時間も遅刻してくるからじゃんかよ!だから時間なくなっちゃったんじゃん」
「それとこれとは話が違うべさ」
「違くない!…てか、どーすんだよ。乗るの、コレ?」
 比較的空いてそうな車両を指差して真里がなつみを振り返る。
 
「むーん…仕方ないべさ」
「よっし!死ぬときは一緒だぜ!なちゅみ!」
「何言うべさー。なっちは死なないっしょ!やぐちは虫だから踏み潰されるかもねー」
「なんだとう!」
 ぎゃーぎゃー言い争いをしながら、ふたりは満員の電車に乗り込んだ。


「なんとか乗れたけど…」
 ドアに張り付いた格好の安倍が小さく声を出した。
 そのなつみの背中に、コバンザメよろしく張り付いた真里は目深に被った帽子を少しだけあげてなつみを見上げた。
「苦しい…」
「てか、なんでやぐちがそっちにいるのさ?やぐちのがちっさいんだからこっちにいた方がいいっしょ」
「だって…」
 なつみの言葉に、真里は唇を尖らせて視線を外した。

「なっちの体がヘンなオヤジと触れ合うのがいやなんだもん」



438 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 15:58
 真里のその言葉に、なつみは少しだけ驚いたような顔をして、それから薄っすらと頬を染めた。
「…ありがと…」
 そんななつみの様子に、真里は途端に満面の笑みを浮かべて、
「それにさ」
 ちょっとだけ背伸びをしてなつみの耳元に唇を寄せて囁く。

「後ろだと…こんなことも出来ちゃうしぃ…」

 後ろから両手を回してなつみの胸に触れる。

「ちょ…っ、やぐちっ?」
 慌てたなつみに、真里は片手の人差し指をなつみの唇にそっと当てて声を封じる。
「声だしたらだめだよ?周りの人にばれちゃうかもよ?」
「そーゆー問題じゃないっしょ…」
 薄っすらと染まっていたなつみの頬は今は耳まで赤くなってしまっている。

 真里は舌先を伸ばしてその真っ赤な耳たぶにちょんと触れる。
「…っ、あ…ッ」
 ぴくんとなつみの体が小さく跳ねたのが密着した背中から伝わってきた。




439 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 15:58
 これ以上はヤバいかな、と思いつつ、真里はあたりの様子を伺う。
 丁度自分たちの左側にいる人はこちらに背中を向けている。
 右側の人はヘッドホンで音楽を聴きながら文庫本を読んでいるようだ。

 ――これならオッケー♪

 ニヒッ、と真里は笑って舌先で突付いていた耳たぶを唇に挟んで甘噛みする。
 プニプニと噛むたびにぴくぴくと跳ねるなつみの肩。

 前に回した両手はすでになつみの上着の中に進入してブラ越しに胸をゆっくりと揉み始めている。
「…やぐ、ち…っ。だめだよぅ」
 真里にしか聞こえないような小さな声でなつみが制止をを乞う。
 しかし蒸し暑い車内で頭がぼうっとしてしまったのか、変なスイッチがはいってしまった真里の手は止まらない。


440 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 15:59
「お願いだからぁ…っ」

 ドアのガラスに映るなつみの顔はすでに泣きそうになってしまっている。
 ガラス越しにウルウルの瞳で見つめられて、真里の加虐心にますます火が灯る。
 
 ブラ越しでもなつみの乳首が主張し始めているのを感じた真里は、耳たぶから唇を離して囁く。
「気持ちいーでしょ?乳首、勃っちゃってるじゃん」
「…っ、やぐちがぁ…こんなこと、するから…っ」
「直接触っていーい?」
 なつみの返事を待たずに真里は器用にブラをたくし上げて直接柔らかな胸に触れる。
 一際大きくなつみの肩が振れた時、電車が駅に滑り込んだ。

 反対側のドアが開いたのに気づいたなつみは首だけで真里を振り返った。
「やぐち…降りようよ…。降りてどっかはいって、しよ?」


441 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 15:59
 そんな顔でお願いされても…。

 真里はため息をついてなつみの乳首をきゅっと摘んだ。
「――ひゃ…っ」
「だぁめ。おいらがそれまで我慢きかないし」

 なつみのお願いも虚しく、プシューっと音を立ててドアは閉じられてしまう。
 再び走り出した電車に、なつみはきゅっと唇を噛んだ。
 そしてぽそっと、真里にも聞こえるか聞こえないかの小さな声で。

「…虫…っ!」

 と呟いた。
 それをしっかり聞き逃さなかった真里は、再びなつみの耳元に唇を寄せる。
「そーゆーこと言うんだ?…なつみちゃんは」
 摘んだ乳首を転がしながら耳元に吐息を吹き込む。
「お仕置きけってーい♪」

 胸を弄っていた両手のうち、右手をなつみの下半身へと滑らせる。
 珍しくミニスカートにブーツといういでたちのなつみの太ももをさわさわと撫でながら、左手は乳首を攻め続ける。
「本当に…声だしたらアウトだからね?」
 言うと同時に真里の指先がなつみの下着に触れた。
 


442 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 16:00
 びくっと大きく体を震わせてなつみは慌てて脚を閉じようとする。
 しかし、すでに真里が間に自分の脚を割り込ませていてそれは叶わない。

「…っ、…ん、ふっ」
 
 鼻から抜けるような吐息が漏れる。
 真里は下着の上からゆっくりとなつみのソコを撫で付ける。
 布を濡らしている感触に、真里はまた意地悪く言葉で攻める。
「電車の中でアソコ濡らしちゃってるんだ、なっちは…」
「…っ、ちが…っ、んん…っ」
 ふるふると首を振りながら否定するなつみ。

 なつみの秘裂を擦り付けていた指を、真里はおもむろに前に滑らせ、一番敏感な突起を捉える。
「…っ!ふ…う…っ、んっ」
 指が触れたとたん、なつみの体全体が大きく跳ねた。

 と、ほぼ同時に電車はゆっくりと次の駅に入っていく。
 ふたりが降りる駅まであとふたつ。


443 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 16:00


「やぐちぃ…。これ以上は…、あっ、ヤバいよぅ」
 下着越しにクリトリスを弄られ、腰を小刻みに震わせながら、なつみが車内アナウンスに紛れるように真里に言う。
「だいじょーぶ。ちゃんとイかせてあげるから」

 なつみのこれ以上の言葉を封じるように、真里は下着の脇から指を入れて直接クリトリスを弄る。
「んく…っ。…うっ!」
 すっかり大きくなってしまったソレを指先で弾きながら、なつみの耳の裏に舌を這わせる。
 左手は相変わらず乳首を扱き続けている。
「指はいれられないからさ…クリちゃんでイッてね?」

 電車の中でイくのに躊躇いがあるのか、なつみの手が真里の手を止めようと重ねられる。
 しかし的確に動いて与えられる快感に力が入らない。

「…ん、…ふぅ…っ、ぅんっ」

 電車がスピードを落とした。どうやら駅が近いらしい。

 


444 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 16:01
 そろそろ終わりにしないとヤバいかな。

 真里は指先で勃起したなつみのクリトリスを摘んでくりくりと嬲りだす。
「…っひぁ…っ!あ…っ!はっ」
「なっち…声出したら駄目だよ」
 真っ赤な頬を両手で押さえて、なつみは頭を左右に振りたくる。
 懸命に我慢しても、ここまで直接的な刺激にどうしても声は漏れてしまう。

「…はぁう…っ、も、だめぇ…」
 ぶるぶると膝が震える。
「いーよ。イっちゃいなよ、なっ…」
 ――その時、凄まじいブレーキ音を立てて電車が急にスピードを落とした。
「うわわわっ!?」
 途端にたたらを踏んでしまった真里は、なつみのクリトリスを摘んだまま思い切り引っ張るかたちになってしまった。

「――ふあっ!?や、ぁぁああうっ!!!」

 一番敏感なソコを引っ張られては一溜まりもない。
 なつみは声を抑えることも出来ずに背中をびくんびくんと仰け反らせて呆気なく達してしまった。

「…っん、…ふぅう…っ」
 そのままその場にぺたんと座り込んでしまう。


445 名前:恋の[帰宅ラッシュ]電車 投稿日:2004/02/02(月) 16:02
 必死で呼吸を整えるなつみ。

 そうこうしているうちに、急ブレーキを詫びる車内アナウンスが入って、電車は何事もなかったように駅に到着した。
 大きな駅なのでだいぶ空いた車内に真里はほっとしてなつみの前にしゃがみ込む。

「なっち…だいじょぶ?」

 顔を覗き込むと、なつみはウルウルの瞳で真里を睨み付けた。
「だいじょうぶなわけないっしょや!」
「うおっ…。ごめん…」
 謝りながらなつみの手を引いて立ち上がらせてあげる。
 そしてドアに凭れて真里の影で下着を直す。

「でもさ、急ブレーキの音うるさくてよかったねえ!なっち、すごい声あげてイッちゃったでしょ?」
 耳元に冗談ぽく囁いてみるけれど、どうやらなつみには冗談にならなかったらしく。

「やぐちのばか!虫!ヘンタイ!!!」
「いでーーーっ!!!」
 
 怒鳴り付けられてブーツで脚を思い切り踏まれてしまった。

                             オワリ。


446 名前:jinro 投稿日:2004/02/02(月) 16:03
>あはは、こういうのも書くんだよってことで…。なっち卒業記念ー!

(●´ー`)<卒業記念がエロなんだべか…。

447 名前:つみ 投稿日:2004/02/02(月) 16:13
エロイ・・
でもいい・・
エロは久しぶりに見ました・・・
作者さんのエロはポイントをついてきました。
なちまりは永久に不滅です!
448 名前:jinro 投稿日:2004/04/04(日) 05:04
自分のサイトに載せたやつを手直ししたやつです。

微妙に続くかもしれませんが・・・。
449 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:05
 行為が終わったあと。

 うっすらと汗ばんでいるなっちの項に指を這わせたら、クスクスと笑い声と共に細い肩が小刻みに揺れた。

「なぁにィ」

 寝返りを打って、あたしを見上げてくる。
 そのまま指先で前髪をすくっておでこにキスをする。
 クスクスと笑ったままのなっちの両手を掴んで人肌で温まったシーツに押さえつけると、ぴたっと笑い声がやんだ。

「もお、だめだよ」

 じっと真下から見上げられる視線に何故か煽られて、そのまま唇を奪う。
 舌先でこじ開けようとした唇は意外なほどすんなりと開かれて、ほんの少しだけ拍子抜けする。
 抵抗はないけれど、応えてもこない柔らかい舌を貪ってゆっくりと唇を離す。
450 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:08

「…だめって言ったっしょ」

 蔑んだような目で見られて体が強張る。
 そんなあたしに気づかずに、なっちはあたしの体をぐいと押しのけると、裸のままバスルームへ消えた。

 シャワーを使う水音が聞こえて、あたしは漸く体の力を抜いてベッドに顔を埋めた。

 ――今日、行ってもいい?

 突然の電話。
 なっちのこの言葉を心待ちにしているあたしは、二つ返事で了承した。

 息が苦しくなって枕に埋めていた顔をあげて息をつく。
 そしてふっと視界に入った、あたしが脱がせたなっちのシャツを引き寄せて抱きしめる。

 枕の替わりに顔を埋めて息を吸い込むとするなっちの匂い。
 きゅうっと胸が締め付けられて、涙が出そうになった。

451 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:08

「――なっちのシャツなんか抱きしめて楽しいかい?」

 あがった声に顔をあげると、大きなバスタオルで濡れた髪をがしがしと拭いているなっちがいた。
 あたしのパジャマの上着だけ羽織って、喉渇いたべさ、なんて言ってベッドのそばに置いてあったペットボトルを取り上げようとする。

「なっち」

 その手を掴んで引き寄せて三度ベッドに押し倒す。

 …また、あの蔑んだようなような瞳で見つめられるのだろうか。

 けれど、なっちは一瞬びっくりしたような顔をして、でもすぐに、

「…元気だねえ」

 なんてクスクスと笑った。

 上から二つ目までボタンが外されているパジャマに手をかける。
 すると、不意になっちの手があがってその手を阻まれた。
452 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:09
 そのままなっちは悪戯っ子のような顔をして、自らボタンを四つ目まで外して、胸元を大きく拡げた。
「見てよこれ。アト、つけちゃだめって言ったっしょー?」

 なんでつけるのさー、なんて言いながらも笑顔のままで、あたしはなっちの白い胸元についた赤い印をそっと指でなぞった。

「…もう…つけたらだめだからね…?」

 吐息のような声で囁きながら、なっちの腕がするりとあたしの首筋に回った。
 それを合図に、ゆっくりとなっちの耳たぶや首筋、胸元に唇を落としていく。

 ――その時、急に場違いな音楽が部屋に響き渡った。

 これはなっちの携帯の着メロ。
 あたしが今、最も恐れていたもの。
453 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:10
 その音にすぐに反応したなっちは、あたしの腕を解くとベッドを降りて、自分の鞄から携帯電話を取り出した。
 どうやらメールだったらしく、あたしがいることなんてすっかり忘れたみたいに、返信文を打っている。

「ごめんね、なっち帰んなきゃ」

 メールを打ち終わったなっちは、すでに着替え初めていて、その顔は嬉しさで一杯に見えた。

「あー、髪濡れたままじゃヤバイかなぁ…でも歩いてるうちに乾くかなぁ」
 
 ――この子とこういう関係になってからこういうことは初めてじゃない。
 
 でも、今日のあたしはどこか感情が昂っていたみたいで、気がついたらベッドのそばのテーブルに置いてあったピアスを取りに来たなっちの腕を掴んでいた。
454 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:11

「…なに?」

 不思議そうにあたしを見下ろすなっち。

「今日は…帰らんでくれん?」

 搾り出すような声に、なっちは一瞬きょとんとした。

「なに…だめだよ。お仕事、早く終わったんだって。なっちご飯作って待ってなきゃ」

 今まであたしに抱かれてて、今度は違う人のためにご飯を作りに行く彼女。

 分かってたのに、止まらなかった。

「…ばらすで?」
「……え?」
「行ったら、あたしとのこと、あの子にばらすで?」

 卑怯だと思う。
 承知でこういう関係になったのに、ずるいと思う。
455 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:12

「……」

 暫くなっちは大きな目をぱちくりさせてあたしを見ていたけれど、やがてその愛らしい唇と声で
あたしにとどめを刺した。

「――いいよ。ばらせば?」

「…なっち…」

「ばらしてもいいけど…したらなっち、裕ちゃんキライになっちゃうし、、二度と口利かないし…。それでもいい?」

 ――分かっていた。
 あたしは、なっちに嫌われることがなによりも怖い。



456 名前:ウラオモテ 投稿日:2004/04/04(日) 05:13


 ベッドに横になったまま、なっちが出て行ったドアの方をぼんやりと見つめる。
 
『なんかね…最近お仕事忙しいみたいで、なかなか会えないんだぁ』

『ね…裕ちゃん、なっちのこと好き?』

『なっちとしたい…?』

 切っ掛けになったなっちの声が頭に蘇る。
 どうしてあたしはあの時、あの子を抱いてしまったんだろう。
 一度だけ、そう割り切っていたはずなのに、いつの間にか嵌っていた。

『…またさ、ここに来てもいい?』

 またあの子はここに来る。
 あたしはその時を待つしかないのだ。

 まだ微かに残るあの子の匂いを探して、あたしは冷たくなったシーツを抱きしめた。



457 名前:jinro 投稿日:2004/04/04(日) 05:14


裏なっちバンザイ!!!

458 名前:jinro 投稿日:2004/04/04(日) 05:14


裏なっちマンセー!!!


459 名前:jinro 投稿日:2004/04/04(日) 05:15


(●´ー`)<なっちは天使だべさ


460 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/04(日) 14:48
趣向の違ったなっち、いいかも!
ところでjinroさん、銀板の「死ぬほどあなたが好きだから」の更新は、
いかほどでしょうか?
461 名前:つみ 投稿日:2004/04/04(日) 21:55
裏なっち・・・いや裏天使というべきでしょうか・・・
続きもあるんですか?
少し怖いですけど微妙に待ってます。
462 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/09(金) 01:50
jinroさんのサイトが見つからないよー。
誰か教えてくださーい。
463 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/09(金) 19:11
>>462
私も知りたい!
464 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/16(金) 02:59
恋の[帰宅ラッシュ]電車ってどっかでみたことある…

Converted by dat2html.pl v0.2