ずっと一緒に。

1 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月01日(金)21時27分15秒
はじめまして。
初めて書かせていただきますハルカと申します。

やぐちゅ〜大好きな人なので最近やぐちゅ〜がへってきたので書かせていただきます。
メインは中澤さん、矢口さんです。その他には、平家さん、石黒さん、なっち、カオリン、圭ちゃん
が出る予定です。痛い系の話です。
頑張りますのでよろしくお願いします。
2 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月01日(金)21時27分51秒
バタバタバタバタバタ・・・・・・。
廊下に響き渡る一つの足音。今日はここ、朝比奈女子学園の始業式なのだ。
『遅れてすいません!!』と言いながら教室に入った17歳なのに身長が約145センチしかない髪が金髪の少女、矢口真里は教卓に立っている人間を見てびっくりしていた。
3 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月01日(金)21時28分38秒
『おっ、おはようさん。ちょ〜っと遅刻やな。気をつけなあかんでぇ』
?????矢口さん、教室間違えた?!な分けないよねぇ。カオリもなっちも圭ちゃんもいるしねぇ。で、この明るい茶色の髪の深い緑色の目をした関西弁の人は誰ですか?
『あのぉ・・・ここの担任は平家先生ですよね?あなたは・・・・?』
『あぁ、うち?今日からここの学校で数学教えることになった中澤裕子や
。よろしゅうな。今日、平家先生は出張やから代わりにうちがホームルームしてんねん。質問は以上か?ほんなら、はよ席座り?』
4 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月01日(金)21時29分44秒
これがうちらのファーストコンタクトだった。
はじめは、ヘンな人だなぁくらいだったのに
授業中の真剣な顔とか、たまにしてくる眼鏡姿とか、矢口にちょっかいかけてくる時のいたずらっ子みたいな表情とかにいつのまにか惹かれていた・・・。
5 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月01日(金)21時30分51秒
今日はここまでです。なんか感想とかいただけたら幸いです。
ではでは。また明日できたら更新したいです。
6 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)10時59分18秒
『うちなぁ、今まではほんまにノーマルやってんけどな、なんか矢口の事好きになったかもしれん』
ほんとにいきなりだった。
いつもみたいに放課後、数学準備室で裕ちゃんと二人でお茶をしていた時だった。
7 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)11時00分26秒
嬉しかった。でも、不安だった。
もしここで付き合って、学校にバレてしまったら裕ちゃんとは確実に会えなくなる。
でも、自分の気持ちにウソはつけなかった。
8 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)11時01分17秒
だから、学校では今まで通りって約束。カオリ達は本当に信用できる友達だからちゃんと報告したけど。
圭ちゃんはすごい心配してくれた。絶対にばれちゃだめだよってなっちとカオリはお祝いしなきゃねって矢口以上にはしゃいでた。
裕ちゃん、矢口は今最高に幸せです・・・・・。
9 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)11時03分27秒
そんな幸せな毎日を過ごしていたある日水曜日のニ時間目。
この日の予定では裕子の担当の数学のはずなのだが、なぜか英語担当の石黒が教室に入ってきた。
『今日、中澤先生はお休みなので自習です。静かにしてねぇ』石黒がそう言い終わるとみな席を移動してお喋りに花を咲かせ始めた。
誰も石黒のことは気にしていないといった様子だったので矢口は石黒の所まで行った。
10 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)11時04分14秒
石黒は裕子の悪友だったので、二人の関係は知っていた。
『先生、裕ちゃんどうしたの?出張?』
『あれ、矢口。聞いてないの?裕ちゃんね熱があるから休むって。』
『えっ!?熱?風邪でもひいたのかな?裕ちゃん結構身体よわっちいからなぁ・・・・・。』
『お見舞いでも行ってあげなよ。裕ちゃん絶対喜ぶよ。』
そうかぁ・・・・お見舞い(ニヤリ)行こうっと!!
『じゃあ、あやっぺ!矢口、調子悪いから帰るわ!じゃあ。さようなら!』
そう言い終わると、荷物を持って野ウサギのごとく走って帰ってしまった。
後ろの方で『矢口ぃぃぃぃ〜』って聞こえたけど無視して、裕ちゃんの家まで行ったんだ。
11 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)11時05分05秒
ピンポ〜ン。しばらくして裕ちゃんの咳き込む音と共に足音が聞こえてきた。
ドアが開いて矢口の事を見た裕ちゃんは豆鉄砲をくらったような顔をしていた。
12 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)11時05分39秒
とりあえず家の中にいれてもらって、ソファーの上。
『矢口。学校は?こんな時間に学校終わってるワケないよな?』
いつも以上に鼻声なのに、赤い顔でしんどいはずなのにすごく真剣な顔で言われてしまった・・・。
『ごめん・・・ごめんなさい。あやっぺが裕ちゃんが熱あるって言うから心配になって・・・。ほんと、迷惑かけてごめんなさい。』
涙混じりの声で身体を震わせながら喋る矢口を裕子は無性に愛しく思った。
13 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)11時06分31秒
しかし、こんな時やっぱり身体は言うことを聞いてはくれない。
少しづつだが確実に上がってきている体温。思考の邪魔をする頭痛。
そんな身体に裕子はギブアップしてしまった。
『あのな矢口。こんな時に悪いねんけどな、ちょっと休ませてもらっていいかな?適当にくつろいでくれていいから』
そう言って立ち上ってみたはいいが、目の前が真っ白になった・・・・。
14 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月02日(土)21時36分02秒
姐さん倒れた…
痛い系の話結構好きなんで、続き楽しみです。
15 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)23時06分19秒
う・・・・ンぁ?ここどこや?あぁ、うちの部屋ね。
って、なんでうち寝とんねん?そんな事を考えていると矢口の話し声が聞こえてきた。
『矢口?』呼んでみると矢口は泣きそうな顔で走ってきた。
『裕ちゃん!大丈夫?どっか痛くない?倒れたんだよ?びっくりして、あやっぺ呼んじゃったよぅ・・・』
あぁ、もういっこの声はあやっぺやったん。
『裕ちゃん、大丈夫?アタシもビックリしたよ。矢口ずっと泣いてるし、裕ちゃんは顔真っ赤にして倒れてるし』

16 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)23時07分30秒
そう言いながらアタシの額に手を置く彩。
『まだ熱あるね。もうちょっと寝ときな。適当になんか作るから。』
あぁ、ありがとう。それより矢口大丈夫かなぁ・・・。
17 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)23時08分03秒
『矢口ぃ、心配かけてごめんな?』ほんとに申し訳なかった。
すると矢口はいきなり立ち上がり、『裕ちゃん心配だから矢口、泊まっていく!!!』と宣言した。
突然の事で驚いた裕子だったが、一人は正直、心細かったので素直に申し出を受け入れた。
18 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)23時08分41秒

矢口がお風呂に入っている間、裕子と彩は他愛も内話をしていたが裕子の身体を思い少し眠るように言った。
『彩っぺ、そこに置いてある薬取ってくれへん?』
19 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)23時09分33秒
そう裕子に言われて彩は裕子に薬を渡しながら心配そうに言った。
『裕ちゃん、まだ薬ないと眠れないの?』
『そうやなぁ・・・・。まだな、あの時の夢見るねん。毎晩毎晩。その事考えたら寝られへんくてな・・・・。
うちも早く忘れてしまいたいわ・・・』
『もう三年だよね・・・。みっちゃんもこの季節には体調崩してるし・・・。』
『みちよにはほんまに悪い事したと思ってる。みちよはなんにも悪くないのに・・・。』
そう言いながら唇をかみ締める裕子に彩は言葉を掛けられなかった。
20 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月02日(土)23時12分16秒
今日、二回目の更新です。
>名無しさん
ご期待に添えられるかはかなり不明なんですが、全力で頑張ります。
にしても、こんな駄文読んでくれている人っているんでしょうか?かなり疑問です(汗)
21 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月03日(日)10時50分00秒
やぐちゅー減って悲しかった一人です。
頑張って下さい〜!!
自分は書くことは出来ないけど・・・やぐちゅー大好きです。
あやっぺも登場でなんか嬉しいです。
22 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月03日(日)15時06分00秒
矢口が風呂からあがった時には彩はもう帰ってしまっていた。
そして裕子は深い眠りの真っ最中だった。
なんか、淋しい。裕ちゃんがしんどい事ぐらい分かってる。でもなんか・・・。矢口はそこまで大人じゃないんだ。
そんな事を思いながら矢口は一人涙していた・・・・・。
23 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月03日(日)15時06分31秒
ー裕子の夢ー
追いかけてくる、あいつらが。うちは必死になって逃げる。
転んでも、走り続ける。
靴が壊れて、裸足になって。それでも、掴まった。逃げないと。逃げないと・・・・・。
24 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月03日(日)15時07分06秒
目がさめた。よかった。夢やった。
三年前から見続けているこの夢。そのおかげで今は睡眠薬がないと眠れない。
じっとりとこびりついてくるような汗。夏になると悪くなる体調。
分かってる。ちゃんと受け止めて消化していかないといけない事くらい。
でも、それが出来ない自分・・・・。裕子は静かに涙を流していた。

25 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月03日(日)23時52分13秒
次の日、相変わらず体調は良くないが学校を休んでられないので矢口が止めるのを振りきって出勤する。
そんな裕子がすごく心配だった。まだ引いていない熱。蒼い顔色。さまざまな心配の種が渦巻いていた。
26 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月03日(日)23時52分58秒
矢口の不安は的中した。たまたま矢口達のクラスでの授業中だった。
始まる前からかなり具合が悪そうだったのだが、中澤は大丈夫だと言って聞かなかった。
しかし、授業が中盤に差し掛かった時、ふっと崩れるように中澤は倒れた。混乱しながら中澤に駆け寄るクラスメイト達を掻き分けて矢口はやっとの思いで中澤のもとにたどり着いた。
『裕ちゃん!裕ちゃん!』呼びかけても返事はない。
矢口は一番しっかりしている保田に保健室の平家を呼んでくるよう頼んだ。
矢を討ったように駆け出す保田を尻目に矢口は中澤に呼びかけ続けた。
27 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月03日(日)23時55分13秒
今日の更新おしまい〜。なんか自分で書いてて胸が痛い・・・。
どうしましょ(汗)
28 名前:名無し読者。 投稿日:2003年08月04日(月)00時18分30秒
痛めのやぐちゅーですね。
裕ちゃん&平家さんが体調を崩す過去が気になっています。
楽しみに続き待っています。
29 名前:LOVE 投稿日:2003年08月04日(月)00時19分41秒
同じ板で小説書いてるものです。
タイトルに惹かれて読んでみたら・・・かなり続きが気になります。
胸が痛いのに負けず更新がんばってくださいね。
30 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)17時54分59秒
>>名無し読者様。
その期待に答えられるのか、かなり疑問なんですが・・・。頑張りますね。
>>LOVE様。
私もLOVE様の小説、読ませてもらってます。お互いがんばりましょう!
31 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)17時56分19秒
2分もしないうちに平家が教室に到着した。
『姐さん?姐さん!』矢口と同じ様に呼びかける。
『あかん、意識ないわ。病院連れて行くで。石黒先生職員室におるから呼んで来て!』
切羽詰まった平家の言葉。
平家と同じように慌てて駆けつけた石黒が裕子をおぶる。

平家が回してきた車に裕子を乗せる。運転するのは石黒。後部座席には一緒に行くと言って聞かなかった矢口、裕子、平家が乗り込んだ。
車の中では誰も言葉を発しようとはしなかった。
心配そうに平家が裕子の顔を覗き込んだりしていた。
32 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)17時56分51秒
学校から一番近くの病院に駆込んだ。
お医者さんによれば、栄養失調と過労なんだそう。他にも気になる点があるらしいから、そのまま入院することになった。
33 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)17時57分52秒
石黒と平家はお医者さんに呼ばれてどこかへ行ってしまった。
矢口は裕子の病室へと向かった。大部屋が一杯なので裕子は個室になった。

ドアを空けると殺風景な部屋の中のベットに裕子が点滴に繋がれて眠っていた。
以前より痩せた体。蒼白い顔色。
裕ちゃん・・・。呼んでみても返事はなかった。
視線を下に向けると、裕子がいつも左腕にしているリストバンドが目に入った。
裕子はいつも大きめのリストバンドをしているか、夏で暑いはずなのになぜか長袖を着ていて右腕しか見たことがなかった。
34 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)17時59分09秒
なんか、中途半端な所でとめてしまいます。また、夜に更新できればしたいと。
35 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)23時44分02秒
なにがあるんだろう・・・。
矢口のなかの好奇心がムクムクと膨らんでいく。
意を決してリストバンドに触れる。と、同じに裕子が目を覚ました。
36 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)23時45分33秒
矢口はリストバンドに触れたまま固まってしまった。
そんな矢口に気づいた裕子は矢口の手を振り払い、ガタガタと震え出してしまった。
『見んといて・・・・』そうつぶやきながら涙を流し震えていた.
37 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)23時46分08秒
しばらくそんな唖然として見ていた矢口に対し、裕子はさっきよりもいっそう錯乱し、震えが大きくなり、
『ごめんなさい。ごめんなさい』とつぶやいていた。
38 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月04日(月)23時46分38秒
すると、そこに医者に呼ばれていた平家と石黒が戻ってきた。
錯乱している裕子を見るなり二人は、急いで平家は矢口の方へ。石黒は裕子の方へと駆けてきた。
39 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月05日(火)20時36分35秒
裕ちゃんどうしたんだろう…
過去に何があったかすごい気になります。
続き楽しみにしてます。
40 名前:LOVE 投稿日:2003年08月06日(水)15時59分50秒
裕ちゃんの過去には一体何が・・・
続きに期待!!です。
41 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003年08月09日(土)02時02分46秒
多板で書いているやぐちゅー好きです。
続きがきになる〜
期待して待ってます
42 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時20分16秒
平家は矢口に『姐さんに何があったん?』とかなり焦った様子で聞いてきた。
矢口は『リストバンドに触ったら・・・』と告げると『あんた、姐さんのリストバンドに触ったんか?!』と少し怒りを声を出した。

『あとでまたちゃんと話するから』と平家も矢口を置いて裕子の方へと行ってしまった。

43 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時20分48秒
一方の石黒は錯乱する裕子を宥めようと必死だった。
顔をこちらに向けさせながら『裕ちゃん?アタシの事分かる?』と聞いて見ても返事はおろか、目は完全に焦点が合っていない状態だった。
44 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時21分21秒
こちらへやって来た平家が『姐さん!姐さん?』といくら呼んでも同じだった。
どうしようもないので石黒はナースコールを押して看護婦に状況を伝えた。

急いで医者が病室にやってきて裕子に鎮静剤を投与してしばらくすると錯乱していた裕子は眠りに入っていった。
45 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時21分54秒
裕子が寝入った事を確認すると、平家、石黒、矢口は裕子を一人にするのは気が引けるので、部屋のソファーで話をする事にした。
46 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時22分30秒
『やぐっちゃん、びっくりしたやろ?』という平家の問いに『うん・・・。ねぇ、なんで裕ちゃんあんな風になっちゃったの?』と矢口は答える。
率直な矢口の問いに平家は答えに困っている、といった様子だった。口をつぐんでいる平家の代わりに石黒が口を開いた。
47 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時23分30秒
『矢口、これはアタシの口から意っていい事かわからない。聞くのやめるんなら今のうちだよ。もし聞いちゃって裕ちゃんの事軽蔑したり、嫌いになったりしたらアタシ矢口の事許さないよ。』
真剣な石黒の態度に矢口は少し迷ったが、裕子の全てが知りたい。そんな思いに後押しされた。
『大丈夫だよ、あやっぺ。矢口は裕ちゃんを愛してる。その思いは絶対に変わらないから。』矢口の答えを聞いた石黒は安心したような顔をしたがすぐに顔を引き締めてゆっくりと話し始めた。
48 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時26分49秒
久しぶりに更新しました。
かなりの難産です・・・。ラストはかなり出来てるんですけど、真ん中のほうが・・・。
中だるみっぽくなるのは嫌やし・・・。なんせ、小説書くのは初めてなので・・・。
頑張ります・・・。
49 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月09日(土)13時33分32秒
>>名無し様。
裕ちゃんの過去ですか?結構、壮絶なんですよねぇ(遠い目)。もうすぐ、分かりますよ。
>>LOVE様。
あなた様の小説もかなり期待してます!なちまりも大好物!!なので・・・。
>>やぐちゅー中毒者セーラム様。
小説読んでましたよ!なんか感激しちゃにますねぇ(照)こんなへっぽこ駄文を
読んでくださってありがとうございます!
50 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月12日(火)23時25分06秒
ちょっと今煮詰まっているので、短編でも書いてみました。
かなりの駄文ですどうぞ。
51 名前:あなたがいるから矢口真里 投稿日:2003年08月12日(火)23時25分39秒
前向きな卒業。
うん。判ってます。それが、なっちにとっていい事だって。でも。矢口達、置いていかれる方はどうなるの?
『嫌ですよ。矢口は』
つい、さらっと本人を目の前にして本音が出てしまった。笑ってごまかしたけど、言われた後のなっちの切なそうな笑顔がまだ頭から離れない。
52 名前:あなたがいるから矢口真里 投稿日:2003年08月12日(火)23時26分12秒

反省会が終わって。ふと携帯を見るとメール。きっとアイツだ。開いて見てみるとやっぱりあの人。心配性の今一番会いたいあの人。
たった一行。『うちにおいでぇや』
素っ気無いけど、本当はめっちゃ心配してくれているんだろうな。
タクシーに乗って目的地を告げる。裕子。待っててくれてるんだろうな。

53 名前:あなたがいるから矢口真里 投稿日:2003年08月12日(火)23時26分49秒
マイキーで鍵を開けて。家に入ったら、裕子走って迎えに来てくれた。
抱きしめられて、そのまま軽い、触れるだけのキス。見つめ合って。恥ずかしくなって。手をつないで。そのままソファーに座る。
お互い、言葉はない。分かるから。
ふいに、なっちのあの笑顔が頭に浮かんで。涙が溢れてた。それに気づいた裕子は何も言わないで抱きしめてくれる。甘い匂い。暖かい身体。無条件に安心できるこの腕の中。次から次と溢れる涙。溢れ出る嗚咽。明日の事なんか知らない。
あなたさえいればどうにでもなりそうな気がするから。
あなたさえいれば・・・・・。       end
54 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月12日(火)23時32分19秒
はい。もう中毒です、やぐちゅ〜の。なちまりでのあなまりを聴いていてもでるのはやっぱ
やぐちゅ〜・・・・。重症です。

どうなんですかね。この駄文。見てる人なんていねぇよ。とちょっぴりネガ入ってます。
感想なんかを訊かせてもらいたいですね。率直な。
次からは本編に戻ります。sageでいくか迷ってるんですが。たまにこんな風に短編を入れつつ
やっていこうかな。
55 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月13日(水)02時19分50秒
矢中患者、ココにも居ますよ(笑)
矢口の一言、笑ってたけど何気に重かったですね。

私的な感想ですが、「改行」を使って書いたほうが
読みやすいかと思われます。でしゃばってスミマセン。
更新楽しみにしてます。
56 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月13日(水)20時40分59秒
続きがスゴク楽しみです〜。
ネガにならずに頑張って下さい。
57 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時11分33秒
 
ここからは、不適切な描写が含まれてきます。
不快に思われる方は、読むのをお止め下さい。
58 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時14分33秒
            ****
59 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時15分46秒
『この話し、ほんとはあたしの口から言う事じゃないんだけど、矢口の言葉を信じるから。

裕ちゃんはね昔、三年くらい前にレイプされの。
その事が原因で今も夜は睡眠薬がないと眠れないらしいのよ。
60 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時17分07秒
夢に見るんだって。
腕を隠してるのはその時つけられた傷があるから。
自分でやったのもあるけど・・・。
その傷見ると思い出すんだって。だから隠してるの。
これでもかなり良くなった方なんだよ。
始めは手がつけらんないくらい暴れたり、自殺・・・しようとしてたんだから。』

61 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時17分43秒
石黒は当時の事を思いだしたのか苦しそうな表情になっている。
62 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時18分37秒
そんな石黒の横で涙を流している平家が声を震わせながら言った。
『姐さんがあんなことされたんはアタシのせいやねん。
あの日、うちと裕ちゃんは飲みに行ってん。
二人ともほろ酔いになりながら近くの公園で喋っててん。
で、うちが飲み物買いに行って帰ってきたら裕ちゃん、3人の男に囲まれてて・・・。
自分がそんなことされてんのに、裕ちゃんうちに逃げろって・・・。
必死に走った。
やっとの思いで人呼んで戻ったらもう・・・。
裕ちゃんは悪くないねん!悪いんは全部うちや・・・。』
63 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時20分42秒
そこまで言い終わると平家はボロボロと涙を流し身体をひくつかせていた。
 
64 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時21分37秒

裕子を発見した時の状況は本当に地獄絵を見ているようだった。
まったく光を感じさせない瞳。
ビリビリに破れた洋服。
殴られた痕。幾筋にも続いている涙。
そんな裕子の姿が今でも鮮明に思い出される。
65 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月13日(水)23時22分08秒
自分のせいで・・・偶然だったのかもしれないが。
あんな事になってしまったのに全く自分の事を責めない裕子。
以前のように笑いかけてくる裕子の笑顔を見るたびに胸が締め付けられていた。

平家もまた、過去の呪縛から解かれていないのだ。
66 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時22分46秒
『みっちゃんも被害者なんだよ。
この事知ってるのはこの三人だけ。絶対に漏らさないで。』
真剣な石黒の顔と声。矢口はただうなずく事しか出来なかった。
67 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時27分44秒
ageでいこうか、sageでいこうか迷っていましたがsageで。

>>ミニマム矢口。様
ご指摘ありがとうございます。
今回は気をつけてみたんですがいかがですか?

>>名無し様。
ありがとうございます。
その一言がハルカのやる気の源です(さわやかにww)
68 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月13日(水)23時32分15秒
『改行』が『改心』に見えてしまって、思わず『改心』を読み出してしまった大ばか者のハルカです。
今回は、かなり刺激的な内容になっております・・・。
正直、書いてて辛くなって、甘甘なやつを書いてしまっている、こんな私はどうですか?
いいのかな〜?この文・・・・・(ネガ)
どうですか〜?お客さん・・・。
69 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月14日(木)02時25分13秒
sageらじゃーでやんす。
ゆうたんに そんな過去が う゛

改心…改行採用されて嬉しいっす。
「裕ちゃんのこども」(ANN−SS)貰えますかねw
オイラも改心数冊持ってます。お互い矢中患者ですね(爆)



ちなみに「↑」空欄改行も使うと
小説的にも文面的にもカッケーっすよ

作者様のストーリーの流れも有ると想うので
御気にさわりっていたら。。。ゴメンナサイ。


70 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)13時02分11秒
>>ミニマム矢口。様。
えっと・・・・。「↑」空欄改行も使うと小説的にも文面的にもカッケー
というのは、どういう事なんですかね??ごめんなさい!!アホなもので。
教えてください!!師匠。
71 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)13時04分08秒
また、夜に更新します。
72 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月14日(木)20時44分29秒
夜の更新楽しみに待っていま〜す。
73 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)21時26分09秒
医者に鎮静剤を打たれてから2時間くらい経った。
矢口達はまだ座ったままの状態を保っていた。
矢口は頭の中を整理することに没頭していた。
すると『ぅ・・・・・んん』と唸るような声が聞こえた。
平家と石黒、勿論矢口も声がした方向へと足を進めた。
74 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)21時27分00秒
裕子はここがどこであるかまだ分からないらしく、ぼぅっとした表情のままあちこちに顔を動かしていた。
『なぁ、ここどこなん?』という裕子の問いに石黒が
『病院だよ。裕ちゃん授業中に倒れたんだよ。気分悪くない?』と返した。
75 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)21時27分32秒
『なんか、頭ぼーっとしてる。』とだけ答えた。
裕ちゃん覚えてないのかな?
石黒がどうせこのまま入院するからもうちょっと寝ときな、と言ったので裕子は素直にそれに従った。
76 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)21時28分19秒
裕子が眠りについたことを確認すると三人は飲み物を飲みにやって来た。
時間が時間なのか、人通りはなかった。
それぞれ飲み物を飲んで一服しているとふいに矢口が口を開いた。
『裕ちゃん、鎮静剤打たれた事忘れてるのかなぁ・・・?』
77 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)21時28分54秒
それに対し、石黒が
『さっき言い忘れたけど裕ちゃんたまにそういう事あるのよ。
パニック起こして暴れたりしてもその事忘れてたりあやふやになったり。
最近はめったになかったのに・・・。』
石黒の表情が曇る。矢口の心は罪悪感で一杯になった・・・・。
78 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)21時29分38秒
今日は色んな事がありすぎた。
正直、身体的にも精神的にも容量がなくなってきている。
そんな矢口の様子を察して、石黒は今日は帰るよう言った。
裕ちゃんの事は自分がしっかりするから、と。
半ば,強引に家に帰された矢口だが、やはり裕子の事が心配でほとんど眠る事が出来ないまま朝を迎えた。
79 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月14日(木)21時31分08秒
更新しました。
う〜ん・・・・。短編の方をあげたいなぁ・・・。
だめっすね。はい。
まじめに頑張りま〜す。
80 名前:80 投稿日:2003年08月15日(金)01時54分29秒
それに対し、石黒が

『さっき言い忘れたけど裕ちゃんたまにそういう事あるのよ。
パニック起こして暴れたりしてもその事忘れてたりあやふやになったり。
最近はめったになかったのに・・・。』


石黒の表情が曇る。
矢口の心は罪悪感で一杯になった・・・・。


今日は色んな事がありすぎた。



正直、身体的にも精神的にも容量がなくなってきている。
そんな矢口の様子を察して、石黒は今日は帰るよう言った。
裕ちゃんの事は自分がしっかりするから、と。



半ば,強引に家に帰された矢口だが、
やはり裕子の事が心配でほとんど眠る事が出来ないまま朝を迎えた。




81 名前:80 投稿日:2003年08月15日(金)01時58分38秒

ダークな過去が明らかに……裕ちゃん…
やぐっちゃんの心情はどうなんだろ、すごい続きが楽しみです。


ハルカさん >>69さんじゃありませんが
今書いてる2レスぶんくらいの容量を、1レスにまとめて書いていったほうが見やすいんじゃないかと思います。

例えば>>77>>78の2レスを1レスにまとめて、
>>80みたいに感じに、きりがいいところで空欄改行を使ったりしたほうが読みやすいんではないかと…

作者さんの書き方・考え方もあるし、素人意見ですのでもし
お気になさって書く気がそがれたなら本当にすみません…
スレ汚し、さしでがましいことをしてすみませんでした。
82 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月15日(金)05時20分48秒
作者様、矢中いいね〜矢口が…かわい〜〜!
何気に登場してくる矢口さんツボです。
そして、お姉組2人。個人的に石黒さんが素敵(ポッ)
今後の「矢中」の展開に期待です。

>>69なんだか余波を残してしまってスミマセン。
基本的に良い作品なので、ツッ走って
作者さんのスタイルで書くのも良い手段です。
ただ、80さんのお書きになった、文面も参考にしてみると
より一層、深みの増す作品に仕上がると思います。
文庫本方式とは違い、ネット文ですと
読んでいる環境が、全員同じとは限らないしスレ節約にも…

ずるずると書いてしまいスミマセン。
読者としては、作者さまの「やる気を損なうのが一番恐い…」
ご立腹させてしまっていたら、謝罪致します。

「案内板」『名作集で…』に感想を寄せて頂くのも
一つの手段だと思います。(コレ以上書くと「スレ汚」なので)
オイラより、良いアドバイスが寄せられると思います。

当分ここの矢中、目が放せません。作者さんファイト!
83 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月15日(金)16時50分01秒
作者さんの文が読みたい〜!!!
どんな書き方でもいいので頑張って書き上げて下さい。
ついて行きます〜!!!
84 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月15日(金)22時54分54秒
一応、学校へと足を運んでみたのはいいが、授業の内容などまったく頭に入ってこない。
頭に浮かぶのは、点滴に繋がれて眠る裕子の顔であったり、苦しそうな石黒の顔であったり、体を震わせている平家の姿だった。

当たり前のように、休み時間になると、安倍をはじめとするクラスメイト達の質問責めだった。
それらの質問に曖昧に答えると矢口は荷物を持って学校をあとにした。

病院までの道のりを歩きながら、矢口は今の自分には裕子に何をやってあげられるのか、を考えていた・・・・・。

そんな事を考えているうちに矢口の身体は裕子がいる病院の前までやってきていた。



85 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月15日(金)22時56分03秒
裕子の病室までの廊下を歩いていると、必死な顔で走ってくる石黒に会った。

『彩っぺ、そうしたの?なんかあった?』
『あぁ、矢口。ねぇ、裕ちゃん見なかった?ちょっと目を離してたら自分で点滴抜いてどっか行っちゃったの』

石黒は本気で心配しているのだろう、涙目で早口になりながら説明した。

矢口は何か胸に嫌なものを感じていた・・・・。

携帯もなにも持っていない裕子を捜すのは並大抵の事ではなかった。
病院内はもちろん、平家と石黒は自宅周辺や裕子が行きそうなところをくまなく捜していた。


86 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月15日(金)22時58分23秒
一方の矢口は、何かに導かれるように学校へと来ていた。
石黒達が裕子を探しだしてから3時間ほど経っていたので、学校には部活動をしている生徒以外はほとんど残っていなかった。

自然に数学準備室へと向かう足。

以前、お昼休みは必ずここで二人っきりに時間を過ごしていた。
そんな記憶が蘇る。
     
なんだろう?この胸のモヤモヤ感は・・・・。
そんな気持ちを抱きつつ、勢い良くドアノブをひねり部屋入る。
87 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月15日(金)22時59分37秒
そこに裕ちゃんはいた。

いつものように入ってすぐにある長いすに座って。
窓を開けているのかさらさらと風になびく金色の髪。

なんかほっとした。
後ろから近づいていって裕ちゃんの肩に手をやった。
すると、ストンと横向きに倒れる裕ちゃんの身体。
      
   スローモーションのようだった。
ここに来る前に着替えたのであろう、黒いパンツに白いシャツ。
裕ちゃんのお気に入りの一つだったその白いシャツは裕ちゃん自身の血液で真っ赤に染まっていた。

右手にはどこにでも売っているカッターナイフ。
左手首にはいつものリストバンドはなく、代わりに、いくつもの切り傷に痕と、ざっくりと切られた真新しい傷があった。

無意識のうちに手で止血していた。
88 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月15日(金)23時07分36秒
>>80様。
分かりやすいご説明ありがとうございました!
今回の更新では気を使ってみたんですけど・・・いかがでしょうか?

>>ミニマム矢口。様
期待していただいて・・・照れるべさっ(パクリw)
石黒さん・・・どうなるんでしょうねぇ(ニヤリ)

>>名無し読者。様
ついてきてくれるんですか?!
ふるい落とされないように気をつけてください(笑)
89 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月15日(金)23時08分07秒
>>80様。
分かりやすいご説明ありがとうございました!
今回の更新では気を使ってみたんですけど・・・いかがでしょうか?

>>ミニマム矢口。様
期待していただいて・・・照れるべさっ(パクリw)
石黒さん・・・どうなるんでしょうねぇ(ニヤリ)

>>名無し読者。様
ついてきてくれるんですか?!
ふるい落とされないように気をつけてください(笑)
90 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月16日(土)02時49分48秒
『ぉぉ-ぃ 裕ちゃん〜〜』
更新お疲れ様です。
裕ちゃんどうなっちゃうの、矢口さん助けてあげてくれー
更新の妨げにならない様に以後ROMらせて頂きます。
☆作品愛好者より
91 名前:80 投稿日:2003年08月16日(土)16時58分57秒
ほんと偉そうなこと言ってすみませんでした…m(_ _)m

どんどん痛くなってきましたね。
裕ちゃん大丈夫かな、この2人がどうなっていくのか
すごい続き楽しみです。
92 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月17日(日)10時13分49秒
震えている手で携帯を出して救急車を呼ぶ。

その間にも裕ちゃんの腕からは血が流れている。

石黒にも電話した。
石黒は電話口で泣いている矢口に

『しっかりしなさい!裕ちゃんにはアンタしかいないのよ!』
と渇を入れ、タオルで傷口を押さえなさいなどと指示してくれた。

5分後。
救急車が来て裕ちゃんを運んでいった。
もちろん矢口も一緒だ。

救急車の中で応急処置されてる裕ちゃん。
酸素マスクを付けられたり、色んな機械をつけられている裕ちゃんを直視する事は出来なかった。
93 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月17日(日)10時14分26秒
病院に着いた。
裕ちゃんが最初に運ばれた病院だ。

そこにはもう、石黒と平家が待っていた。
裕ちゃんは救急車から下ろされると、ストレッチャ−で手術室の中に消えていった。

取り残された矢口達はどっかりとソファ−に座りこんだ。
94 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月17日(日)10時15分12秒
矢口は言葉が出せなかった。
ここにいる誰かが悪いわけではないのに、感じてしまう怒り。

今。口を開けばきっと石黒を責めてしまう。

罵声を浴びせてしまう。

なんで、裕子から目を離したんだ。

あんたのせいだ。って言ってしまう。

結局、そんな不安があって矢口が口を開く事はなかった。
95 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月17日(日)10時21分03秒
ちょこっと更新です。

>>ミニマム矢口。様
妨げなんてそんな事・・・・。
いいですよ、どんどん言っていただいて!そのほうが勉強になって良いですし。

>>80様
偉そうなんて、めっそうもないです!
どんどん意見してください!ちょっとの事じゃ凹みませんよ・・・!
96 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月17日(日)16時54分52秒
痛めのやぐちゅー...
目が離せないです。
頑張って下さい。
97 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月17日(日)20時40分27秒
裕ちゃん大丈夫だろうか…
矢口さんや石黒さんの心境はどんな感じなんでしょうか。
続き待ってます。
98 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月18日(月)23時57分15秒
1時間半くらい経った頃、手術室から裕ちゃんが出てきた。

ベットで眠っている裕ちゃん。
口元には酸素マスク。
色んな機械をつけられた裕ちゃん。

いつも以上に細く、小さく見える。
そのまま、前にいた病室に運ばれていった。
明日の朝には目がさめるでしょう。と医者は言っていた。
99 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月18日(月)23時57分50秒
シンと静まり返った病室。


裕子につけられている機械の音だけが響いていた。
100 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月18日(月)23時58分43秒
翌朝。
結局三人とも病院に泊まった。

裕子を見ると目が開いていた。

しかし、その瞳には光がまったく感じられない。
呼びかけても反応はない。

ナースコールを押して看護婦さんを呼び、機械を外してもらった。
医者にも診てもらった。

しかし、脳や身体、視力にはまったく異常はない。

今の裕子はただ、息をしているだけのよくできた蝋人形のようだった。
101 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月18日(月)23時59分18秒
裕子の心は壊れてしまった。

発作的に起こした自殺未遂のせいなのか、何のせいなのか、それはだれにも分からない。

一体いつ元の状態に戻るのか、だれにも分からないのだ・・・・。
102 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月19日(火)00時03分53秒
更新しました。

>>名無し読者様
ありがとうございます!そのお言葉を励みにがんばらせていただきます。

>>名無し読者様
こんなヘッポコ駄文を待っていただいてありがとうございます!

次でたぶんラストです。ではでは。
103 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時27分35秒
裕子がこんな状態になってから2週間が経った。

裕子は相変わらずあのままで、食事さえしない状態が続いたので今は
点滴に頼るばかりだった。

裕子は日を追うごとに痩せていった。

いつ治るか分からないので、学校は辞めた。
104 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時28分31秒
矢口や石黒、平家は学校を休んでばかりはいられないので今はきちんと出勤、通学していた。

ただ、やはり皆学校が終われば一直線に病院に来た。
まったく反応を示さない裕子に毎日毎日飽きることなくその日あった事などを話しかけていた。
105 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時29分23秒
矢口は考えていた。
裕子を治すにはそうすればいいのか。
環境を変える?
でも自分はまだ未成年だ。

お金は・・・。貯金ならある。
バイトしてた時のや、お年玉をずっと貯めていたからかなりの額になっている。

よしっ。決めた。なんとかなるよ!


数ヶ月後。
矢口と裕子は北海道は富良野にいた。
106 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時29分57秒
矢口は思いきって学校を辞めた。
裕子がいない学校生活はまったく意味がないものに感じていたし、裕子の治療のためにもゆっくりとした時間を過ごしたかった。

学校を辞めてしまったが、今でもカオリや圭ちゃん、なっちとは連絡を取り合っている。

親には全てを話した。
始めは話しすらまともに聞いてくれなかったが、矢口毎日根気よく説得を続け、やっとの思いで許しを得た。
107 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時30分30秒
医者は退院する事に反対した。
いつ死んでしまうか分からないのだから仕方がない。

でも、矢口には自信があった。
裕子を守る、治してみせる。

裕子を愛しているから・・・・。
108 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時31分06秒
住まいの方は石黒が用意してくれた。
少し小さいが一軒家だ。
二人で住むのには十分すぎる大きさだった。

お金はみちよが出してくれた。
何度も断ったのだが、みちよは譲らなかった。
その結果、矢口が折れたのだった。

月に一回は平家と石黒が遊びに来てくれた。
二人とも、ほんとに良くしてくれている。
二人が付き合っていると聞いた時、すごく嬉しかった。

なんだか安心できた。

109 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時31分50秒
裕ちゃんは始めは目に映るモノ全てを拒絶し、自傷行為をしたり
夜中に急に泣き出したりしていたがその度に矢口は抱きしめたり
時には一緒に泣いたりして裕子の心のケアをしていた。

食事も徐々に摂れるようになり、笑顔を見せる回数も増えていった。

あの夢を見ることも少なくなった。
110 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時32分30秒
矢口と裕子は、よく夜、散歩に出かける。
星を眺めたりながら、考える。

もし今。裕子がいなくなってしまったら・・・。
きっと、矢口は正気ではいられないだろう。

矢口は、裕ちゃんがいないとだめなんだ。

裕ちゃんが矢口のすべてなんだ。

ねぇ、裕ちゃん。

愛してる・・・。

これから一生。
ずっといっしょに、歩いていきませんか?
                     end
111 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月20日(水)23時34分50秒
おしまいです。
とは言っても、まだ石黒さんと平家さんの話が残ってるんですが、それを載せるかは
まだ分かりません。
読んでくれる人があってのモノなので。
112 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月21日(木)01時44分49秒
脱稿お疲れさんでした。
痛いところもあって切ない感じですが、
2人にとってはハッピーエンドなのかもしれませんね。

石黒さんと平家さんの話、もしよければ読んでみたいです。
113 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月21日(木)03時06分12秒
完結お疲れ様です。
切ない「矢中」ヒサブリに出会えました。
こんな二人もアリですね。矢中末期中毒です。
良かったら「石平」も有るのなら拝見したいです。
何をおっしゃる『作者あって』の『読者』ですよ!
続編・番外編も歓迎ですw
114 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月21日(木)08時32分12秒
ちょっと石平は置いといて・・・・。
短編を。
115 名前:あなたで私を満たして。 投稿日:2003年08月21日(木)08時33分55秒
裕ちゃんがハロモニの司会をやめて、アタシ達はほとんど番組で顔を合わすことがなくなった。
唯一、コントで会うくらい。
矢口はね。

そんな感じだから。他のメンバーはハロモニの収録のときは裕ちゃんにベッタリだ。

『辻ぃ〜。かわいいなぁ』
 
『加護ちゃん元気してたぁ?』

『なっちぃ〜♪久しぶりになっちのホットケーキ食べたいなぁ』

デレデレと目じりをこれでもか!って程下げてる裕ちゃん。

そんな裕ちゃんとメンバーを矢口は遠くから見てるだけ。
116 名前:あなたで私を満たして。 投稿日:2003年08月21日(木)08時34分55秒
ほんとはね。

裕ちゃんは矢口のだから。って言いまわって、裕ちゃんに触る手とかを払いのけたい気持ちでいっぱいなんだ。

でもでも。
矢口は皆が知らないような裕ちゃんをいっぱい知ってる。

だから。
皆にちょっとずつオスソワケ。

だから裕ちゃん。家に帰ったら、矢口だけの裕ちゃんになってよね。

矢口だけが知っている裕ちゃんをもっと、もっと増やしていってよね。

裕ちゃんで矢口の心を満たしてよね。

分かってる?裕ちゃん。
             end
117 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月21日(木)08時42分58秒
>>名無し読者様。
そうですねぇ・・・。
実は、もう一つエンディングがあったんですけど、そちらはかなり痛かったので
ボツにしたんです。こっちにして正解かもw

>>ミニマム矢口。様
これはこれは、我が師匠!
師匠に読みたいなんて言われたら・・・・。
出しますか?出しちゃいますか!?って感じになっちゃいますw
なにをおっしゃる!読者さんあっての作者ですよ!
読んでくれる人がいないとやる気もなにもなくなっちゃいますから・・・・。
118 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月21日(木)08時46分20秒
なんかねぇ、こんな駄文読んでくれる人はいないんじゃないか。とか、どうせつまんない
んだろうとかってかなりネガ入ってたんですよ。
感想がないと、悪いところなんて分からないんですよ。
直しようがないんです。
だから、いっぱい感想、指摘が欲しいなぁ・・・・なんて。

たぶん、また夜に更新します。
119 名前:LOVE 投稿日:2003年08月21日(木)15時28分18秒
完結お疲れ様です。
切ないやぐちゅーにグッときました。
短編は矢口さんが可愛すぎです(笑
石黒×平家の話、ぜひうpしてください!!楽しみにしてます。

120 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月21日(木)23時56分40秒
「彩っぺ、みっちゃんへ。

元気〜?矢口も裕ちゃんも元気でやってますよ!
そっちはもう暑い?こっちはね、まだちょっと寒いんだよ〜(涙)

裕ちゃんは、あいかわらずだけど最近は少しずつ話しが出来るようになったんだ!
ご飯も食べるようになったし。

ちょっとずつだけど、ちゃんと進んでいます。

みっちゃんと彩っぺ、これからも仲良くねぇ!
また、遊びに来てよね!裕ちゃんも待ってるからさっ。
じゃあね♪               中澤裕子、真里。』
121 名前:止まっていた時間。 投稿日:2003年08月21日(木)23時57分25秒
月に一度来る絵葉書。
それは、北海道の風景であったり、裕子と真里の写真であったり。

その葉書を二人で読んでいる時間は二人にとってかけがえのない大好きな時間だ。

みちよは彩がいなかったら、一生悩み続けていただろう。
一生自分を責め、呪い生きていただろう。

彩がいたから、今のみちよがいるのだ。

やっと、開放されたのだ。
122 名前:止まっていた時間。 投稿日:2003年08月21日(木)23時57分59秒
裕子には、矢口がいる。
自分には、彩がいる。

それだけで十分だった。

もう、なにも迷わない。
彩という存在に溺れてしまおう。

神様。幸せになってもいいですよね?
                    end
123 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月22日(金)00時01分11秒
平家さんと彩っぺ編でした。
>>LOVE様。
楽しみにしていただいて光栄です!
いかがですか?楽しんでいただけましたか?
124 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月22日(金)00時08分08秒
なんとなく、続編は出来ているんですが。

名付けて『平家さんと石黒さんが北海道に行っちゃいました』編です(笑)
また微妙なタイトルですけど・・・。
石平って言うより、みっちゅー色の方が強いかな?みたいな。

話し自体は出来ているので、早く見せられるかもしれないですね。
読んでくれる人がいればの話ですけど(苦笑)

125 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月22日(金)02時12分57秒
いやいや何をおっしゃる先生!やっぱ、矢中だすなぁ
短編「あなたで私を満たして。」やばい鼻血だw
これ続編行きましょう(密かにリク)

>『中澤裕子、真里。』
これ、オイラは見逃しませんよ!
何気に、お熱いじゃないですか(爆)

道産子北海道いちゃって、くんなまし。
126 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月22日(金)14時46分47秒
続きあるんですか、すげー楽しみです。
みっちゃんも姐さんのことふっきれたんですね。
みっちゃん切なかったんで、良かったです。
127 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月22日(金)15時08分39秒
ミニマム矢口。師匠からリクがあったので、『あなたで私を満たして』
の続きっぽいのを一つ。
128 名前:矢口専用。 投稿日:2003年08月22日(金)15時10分05秒
ハロモニの収録が終わって。

この後、矢口は久ぶりに裕子の家に行くんです!
ここんとこずっと、電話とメールだけだったからウキウキしちゃうよ。

最近の収録では裕ちゃん、小川がお気に入りらしくて。

もう矢口のことなんかいらないんじゃないか、とか思ってて。
129 名前:矢口専用。 投稿日:2003年08月22日(金)15時10分44秒
そしたら裕子。それに気付いたのか誘ってくれたんだ。

裕子と一緒にタクシーに乗り込む。
いつぶりなんだろう?

隣に裕子がいる。
それだけで安心できる。

相変わらず、なんにもない部屋。
でも、矢口にとっては居心地が良い部屋。
130 名前:矢口専用。 投稿日:2003年08月22日(金)15時11分54秒
矢口のものがいっぱい詰まった部屋。

矢口専用のコップとか、歯ブラシとか、パジャマとか・・・。
裕子だって矢口専用でしょ?

そう言うと裕子は笑って、当たり前やんか。
って言ってくれて。

矢口の事抱きしめてくれてるこの腕も。

矢口の髪の毛を撫でてくれるこの手も。

すべすべで気持ち良いこの肌も。

きつく見えちゃうけど、本当はすごく優しい瞳も。

挙げたらキリがないよ。
全部、矢口専用なんだもん。
      end
131 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月22日(金)15時22分21秒
>>ミニマム矢口。様
どうでしょう?お気に召しましたか?
痛いの書いてると、その反動でめっちゃ甘いのが書きたくなるんですよ。

オイラも甘いやぐちゅーは大好物なんです・・・(照)

>>名無し読者様。
楽しみにしていただいて光栄です!
平家さんはふっきれたと言うより、昇華した。
とでも言うのでしょうかね。

また、夜に更新します。
ではでは。
132 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月23日(土)00時02分41秒
裕子と矢口が北海道に引っ越してから、一年半が経った。

ここしばらくは、彩もみちよも忙しくて会っていなかった。
ひさしぶりの再会だった。

空港につくと、すでに裕子と矢口が待っていてくれた。

『みっちゃん、彩っぺ!ひさしぶり〜!元気だった?』

弾丸のように話し出す矢口。
相変わらずだねぇ。
133 名前:再会。 投稿日:2003年08月23日(土)00時03分18秒
その隣でニコニコと穏やかな笑顔を浮かべている裕子。
以前に比べ、かなり調子が良さそうだ。

初めて、矢口達の元を訪れたときは、まだ裕子がパニックを起こしたりしている時だった。

話す事はもちろん、目も合わしてくれなくて、みちよと彩の顔を見るなり
逃げて行ってしまった。

あの時はショックだったなぁ・・・・。

と昔を思い出していると、目の前で手が振られた。

『大丈夫?どっか行ってたよ?』
心配そうな彩の声と裕子と矢口の顔。
134 名前:再会。 投稿日:2003年08月23日(土)00時03分53秒
『あぁ、ゴメン!ちょっと三重まで帰ってたわ』
遠っ!!!!
みんなからのつっこみの洗礼を受けた後、矢口達の家に行くべく、車に乗った。

裕子が運転席、矢口が助手席。みちよと彩は後ろに乗り込む。
何ヶ月ぶりかの風景。

にぎやかな車内。むろん、その発信源は矢口だが。

あっという間の時間。
矢口と裕子の家。

外壁が塗り替えられたようだ。
温かみがある色。

今の裕子の雰囲気にそっくりな色だ。
135 名前:再会。 投稿日:2003年08月23日(土)00時04分39秒
家の中に通されて、リビングへと向かう。
みちよはクリーム色の落ち着いたソファーに腰を下ろした。

彩は矢口とキッチンでお茶を入れながら笑い合っていた。

ぐるっと見渡してみると、リビングの様子もかなり変わっていた。

所々に裕子と矢口の写真が飾ってあったり、自分たちが送った手紙が飾ってあったり、
プーさんのぬいぐるみがあったり。

数ヶ月前はほとんどモノというものがなくて。
淋しさを感じてしまうような部屋だったのが、今はこんなにリラックスできる空間になっている。

あぁ、裕ちゃんの止まっていた時間はちゃんと動き出しているんだ、と感じる。
136 名前:再会。 投稿日:2003年08月23日(土)00時05分24秒
みちよがそんな感傷に浸っていると、裕子が自分の隣に腰を下ろした。

みっちゃん。

何ヶ月ぶりだろう、この声を聞いたのは。

妙な安心感を覚えて、涙が出そうになる。

『みっちゃん、元気してたか?裕ちゃん心配やったわぁ』

ふにゃっと笑うその笑顔は、以前のモノとは360度違うものに見える。

『裕ちゃん・・・・・。元気やったで。彩っぺ、料理上手やから太ってもうてな。今日もなんや張切ってたで。』

ふわっと裕子は笑う。
137 名前:再会。 投稿日:2003年08月23日(土)00時06分20秒
裕子の白く、細い腕がみちよの髪の毛をなでる。

子供の頃に母親にしてもらっていた記憶が蘇ってくる。

いつのまにか、みちよは裕子の肩にもたれ掛かるような態勢になっていた。
それでも裕子は文句も言わずに、撫でていてくれる。

さっきまで嬉しそうにはしゃいでいた矢口と彩も手の動きを止めてこちらに目を向けていた。

二人の視線は決して嫌なものではなく、逆に心地よいものだった。

よかったね、みっちゃん。

そんな風に言っているように感じる矢口の視線。
138 名前:再会。 投稿日:2003年08月23日(土)00時06分55秒
やぐっちゃん、ありがとうな。
裕ちゃんの事救ってくれて。
そして、彩。
アタシの事、救ってくれてありがとう。

『んもぅ。みっちゃん!あんまり裕ちゃんばっかりにかまわないで矢口もかまってよぅ』

そんなことを言いながら笑っている二人。

全てが、心地よかった。
139 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月23日(土)00時08分40秒
今日はここまでです。

ご覧になった方、よかったら感想ください。
今後の参考にしたいので。
140 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月23日(土)13時55分34秒
みんな幸せそうですね。
みっちゃんと裕ちゃんの関係がいい感じで、
優しい雰囲気がよかったです。
141 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月25日(月)05時35分00秒
先生!申し上げます。リク採用有り難うございます。
短編「矢口専用。」申し分無く良い感じです。(まこちゃんに魔の手がw
最近オイラも「ゆうちゃん、とうとう5期にまで手だしちゃった」
と思ってたんで、ナイスタイミング。まるで心が通じてるみたいw

ここ好きなんで、このままで良いと思います。
もしご参考になればですが、気づいた点を書いてみました。
人物描写・季節・背景を少し増やしても良いかも知れませんね。
一行で済むものも、あえて2行にして 話を伸ばしてみたり
読んでると、先が知りたくてそれだけでドキドキ。
「ある所からを引用してみました。」パクリでごめん。
【大雨が降った=南の島にふるスコール。冷たいジュ−ス=持つ手が痛い程の冷えた缶。
秋が来る=街路樹は一枚残らず葉を落す。セミが鳴く=子供がわざと虫篭をふって遊ぶようにセミが鳴き出した。】
こういったのも如何でしょうかね?感想じゃなく、御節介でしたね。ごめんなさい。
じゃ、「自分で書けよ」と突っ込まれると大変困るんですが…婆のたわ言と思って流して下さい。
またスレ汚しちゃった。。。ぁぅぁぅいつかオイラココから追放されそうだ(泣)
142 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月27日(水)22時20分45秒
久ぶりです!いやぁ、学校が始まってしまいまして・・・。
ちょっと前よりかは更新のペース、変わってきちゃうかもです。

ここで、大ニュースですね!
CP分類のところに、名無し様がこの駄文を紹介してくれたみたいですね。
今日発見したんですが(遅っ!)かなり嬉しかったです、紹介文が。
どちらの名無し様か、はちょっと不明なんですがありがとうございました!!!
143 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月27日(水)22時21分49秒
ここに着いたのは、昼過ぎだったのがもう空は赤く染まっている。

なっちとカオリが付き合ってるとか、圭ちゃんがカウンセラーになりたいって言ってるとか。

本当に他愛もない話をしていた。

晩御飯はみちよが言っていた通り、彩が自慢の腕前を、惜しげもなく披露していた。
もともと、好き嫌いが激しかった裕子の事を考えてパスタのすることにしたらしい。

パスタなら食欲がなくても、スルスル食べれそうでしょ?
後で彩がこっそりと教えてくれた。
144 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月27日(水)22時23分15秒
ありがとう、彩っぺ。
裕ちゃんの事を十分に理解してくれて。
そして、裕ちゃんのことを考えてくれて。

こっちにきて、色んな人に色んな心無い言葉を言われた。
それは、お医者さんであったり、裕ちゃんの事をまったく知らない人であったり・・・・。

あんたに裕ちゃんの何がわかるんだ、って言ってやりたかった。

悔しくて、悔しくて、悔しくて・・・・・。

なのに、何も言えない自分がいるんだ。
その事が一番腹が立った。

裕ちゃん、良い友達がいてよかったね。

145 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月27日(水)22時23分49秒
久しぶりに2人以外で食べる料理はいつも以上においしく感じた。

裕子は皆の半分以下しか食べれなかったが彩の努力が実ってか、矢口曰く、今日はいつもの倍くらい食べたらしい。

順番にお風呂に入った後は、各自好きなように過ごすことにした。

アタシはいつものように夜の散歩に出掛けることにした。
いつもなら矢口も一緒なのだが矢口は彩と楽しそうにアルバムを見ている。

邪魔したらわるいな。

そう思って一人で行くことにした。
146 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月27日(水)22時26分34秒
『矢口ぃ、アタシちょっと散歩行ってくるわ』
『あぁ、そんならさぁ。みっちゃんと行ったら?景色最高だよ?』

あぁ、みっちゃんかぁ。話したい事もあるしなぁ。

『あっ、行きたい行きたい。』
ほな行こか。

いつもの散歩コースをみっちゃんと歩く。

ソラという大きなパレットの上に、まるで自分はここにいるんだ。
とアピールするように光っている星達。

『ほら、みっちゃん見てみぃ。お星さまやで。きれいやろ?』
『ほんまやぁ!めっちゃきれいですねぇ。東京の空とは大違いや・・・』

その後はしばらく沈黙が続いた。
147 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月27日(水)22時27分11秒
やがて、小高い小山のようなところまで来て二人で腰を下ろした。
『なぁ、みっちゃん。ほんまごめんな。』
裕子は空を見つめながら言った。

『なんで姐さんが謝るんですか?姐さんはなんもわるくないでしょう?』

そりゃあ、アタシも苦しまんかったって言ったら嘘になるけど・・・。
結果的には皆、幸せになってるでしょう?
アタシも彩といれてるし、姐さんもやぐっちゃんといれてるじゃないですか?
だから、姐さんにはむしろ感謝してるんですよ?

今にも泣き出しそうな裕子の顔。

苦しかった。
自分自身も辛かったが、自分以上にみちよが苦しんでいる事がわかっていたから。

裕子はみちよに抱きしめられながら、久しぶりに涙を流した。
148 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月27日(水)22時36分20秒
今日はここまで。
ちょっとずつしか更新できなくてごめんなさい。

>>名無し様
感想、ありがとうございます。
自分も、みっちゃんも裕ちゃんも好きなんで、こんな感じだったらいいなぁ〜って思いながら
書いてます。こんな私の勝手な妄想をよかったと言ってもらえて感激です。

>>ミニマム矢口。様
師匠がROM専になるんならハルカもROM専になるっ!!
師匠のレス、なにげに楽しみなんですよ?

師匠、ご指摘ご苦労様です!
難しいなぁ〜。まだまだ技術的に(?)力がないのにこんなのを書いてて良いのか
心配です・・・・・。ない脳みそを振り絞って、絞りきって頑張ってみます。
149 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月27日(水)23時22分50秒
家族のようで、4人の団欒いいですね。
4人とも深いところで繋がってる感じがしました。
小説の書き方は深く悩まず、ハルカさんの書きたいように書いていいと思いますよ。
書いてるうち上達すると思うし、自分はどんな書き方でもいいんで作者さんの話を読みたいです。
150 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年08月28日(木)03時27分49秒
>CP分類
先生、おめでとう御座います!前から乗ってましたがねw
ROMは困ります〜誰が書くんゃぃ 放置されないように登場しました…
アドバイスよりリク書いてる気がして来たんですが?今回の更新素敵っす。
裕ちゃん編食児やさかいタンとたべなぁあかんでぇ
心の闇に光が差込まれる日を願い・・・☆我侭裕子もチュキ
151 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月28日(木)21時42分57秒
家では彩と矢口がアルバムを見ながら昔話をしていた。

『矢口、最近の裕ちゃんどぉ?』

『うん。前みたいに暴れたりしなくなって今は結構安定してるよ』
まだカウンセリングとかには通ってるんだけどね。

『こっちに来てね、ほんとよく笑うようになったし、少しずつだけど食べる量も増えてきてるし。ほんと、来て良かったよ。色々ありがとね』

152 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月28日(木)21時44分01秒
始めは不安だらけだったよ。
みっちゃんも彩っぺも圭ちゃんとかカオリ、なっちもいなくて。

ほんと二人っきりだったでしょ?
裕ちゃん、こっち来てすぐも頃はほんと人形みたいだったしさ。
ご飯も一苦労でさ。汚い話しだけど、口移しで食べさして。

話もしてくれないし。
裕ちゃんが何をしたいのか、さっぱりわかんなくて。
急に泣き出したり、暴れたり。
153 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月28日(木)21時44分34秒
直、このまま二人で死んじゃおうかなとか考えたりしてさ。
そういうこと考えてたらさ、裕ちゃんがね矢口って言って手をね握ってくれたの。初めて。
感動したねぇ。
そっからかな、良くなっていったのは。
たぶんね、矢口の気持ちがわかったんだと思う。
そういう人じゃん?裕ちゃんって。
人の気持ちに敏感っていうかさ。
大事なとこでは鈍感なのにねぇ。

すっかり泣き笑いの表情になっている矢口。
そんな矢口の隣で静かに涙を流す彩。

それぞれの涙達が、過去を洗い流してくれているような気がする。

涙の数だけ、強くなれたのかもね。
154 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月28日(木)21時45分11秒
出会えた事を幸せに思う。
どんなに辛い事があったって、お互いがいれさえすれば進んでいく事ができるだろう。

この先、なにがあっても離さない。
愛してる。
155 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月28日(木)21時47分47秒
間違い発見(汗)!
>>153
直、このまま二人で死んじゃおうかなとか考えたりしてさ。
→正直、このまま二人で死んじゃおうかなとか考えたりしてさ。
です。すいません。

156 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月28日(木)21時55分33秒
次でおしまいです。

>>名無し読者様。
ありがとうございます。
この4人はハルカが大好きな4人なので、こうあって欲しいという願望の固まり
で書いています・・・(汗)
ハルカの書き方でいいとおっしゃってもらって、ハルカの話を読みたいと言ってくださって
ありがとうございます!

>>ミニマム矢口。様
いつもレスどうもです。
次でおしまいということで、ミニマム様とはお別れになるかも!?
だれか、ネタ提供してください・・・・・。
157 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月29日(金)23時03分18秒
矢口さんも姐さんも悩み苦しみ、
だからこそ今の幸せがあるんですね。
あーなんか、矢口カッコイイです!!
158 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)18時08分25秒
程なくして、帰ってきた裕子とみちよ。

その顔は、出ていったときよりも心なしか、すっきりとした晴れ晴れとした表情になっている。
一方の矢口と彩も、すでに涙を収め暖かいココアを飲んでいるところだった。

しばらく、4人で話をしていたのだが、なんだか裕ちゃんが眠そうな表情になってきたので、きょうはお開きにすることにした。

みちよと彩は客間を使う事になっていた。

159 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)18時08分58秒
フローリングの木の香りが鼻をかすめる。
窓からは、溢れんばかりの星達が共鳴していた。

少し大きめのシングルのベットが二つ。
『なぁ、彩っぺ。』
『なぁ〜に?』
『今日・・・・・一緒に寝てええか?』
『なんだよ。裕ちゃんと矢口のアツアツっぷり見て淋しくなっちゃったの?』
『そんなとこかな。な、一緒に寝よ。』
自分のベットから彩のいるベットに移ったみちよは彩の腰に腕をまきつけた。
まるで、一生離さないとでも言わんばかりに。

そして彩も、そんなみちよの気持ちを察してか、みちよが眠るまでの間、髪の毛を撫で続けて、今ある幸せをかみ締めていたのだった・・・・・。
160 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)18時09分48秒
彩達が眠る部屋の上に位置する、裕子と矢口の部屋。

ふかふかで大きい、ダブルベット。

上を見上げれば、天窓から夜空を眺める事ができる裕子のお気に入りの部屋。

すでにベットの中に入っている裕子は電気やガスの確認をしている矢口の帰りを待っていた。
『裕ちゃん、お待たせ』

そう言いながら、部屋の入ってきた矢口。

ベットの中から手を振る裕子。

その姿は矢口にとって、母性本能をくすぐるものであった。
矢口と同じシャンプーの香り。

裕ちゃん特有の甘い香り。
161 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)18時11分00秒
『裕ちゃん、今日はいっぱい食べたねぇ。彩っぺ、喜んでたよ?』
『おいしかったぁ。でもな、矢口のんもおいしいで、うん。』

必死になって弁解する裕子はかなり滑稽であったに違いない。

『さっ、裕ちゃん。明日はお出かけするんでしょ?早く寝ないとね』

もうすでに裕子の手は子供のようにポカポカしているから、きっと眠いに違いない。

いつものように、おやすみのキスを裕子の唇に落とすと手を繋いだまま、眠りの世界へと導かれていった。

  ーねぇ、矢口達がこうなるのってきっと、運命だったんだと思うよ。ー
  
−出会えた事が奇跡ならこうなる事は運命だったんだー
  
−だからさ、生まれ変わっても矢口達は出会わなきゃだめだよねー
  
−そのときは、どうぞよろしくー
           end
162 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)18時16分00秒
終わりました。
まだ容量が残っているので短編をあげていこうかなぁ、と思っています。
リクがあれば受け付けます。書ける範囲内の限定になってしまうかもですけど。

>>名無し読者さま
矢口さんかっこいいでしょ?(ニヤリ)
かっこいい矢口さん、弱い中澤さんが好きなんです。
163 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月01日(月)00時15分45秒
脱稿お疲れ様でした。
ヤバイ、子供みたいな裕ちゃんが可愛すぎ
母親みたいなたぐっちゃんもいいし、痛い話だったけど面白かったです。
164 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003年09月01日(月)01時33分39秒
ANN−S矢口ネタ
其の壱:ノースリーブの腕を見ると、噛癖有。
其の弐:酔うと陽気になり、記憶を無くす事も有。甘いお酒が好き。
其の参:楽屋では静か。そして本や漫画を読んでいる。
其の四:朝は楽屋に集合時間より早目に入る。

ANN-SS中澤ネタ
其の壱:人見知り・キス魔・偏食児
其の弐:外で飲むと、直ぐ家に帰りたくなる。ビール好き。
その参:健康ヲタで読書がおスキ。
其の四:早目に集合場所に行く。相手に遅刻さてると不機嫌。

二人とも映画が好きで虫嫌い、そして視力も弱い。
こんなんで参考になったかな?
さて、「156」オイラ捨てられちゃうんだ…凹
新作・板移動は教えてけくれないんだ ガーン 
165 名前:名無し読者 投稿日:2003年09月01日(月)15時33分46秒
完結お疲れ様でした。
最初は暗く痛い感じでしたのでどう話が展開するかと
思っていましたが、幸せなendを迎えてよかったです。
生まれ変わっても出会わなきゃだめ……やっぱ矢口さんカッコイイっすね。
自分もカッコイイ矢口さんに弱い中澤さん好きです(笑
166 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月01日(月)15時47分36秒
学校が始まってかなり鬱入ってるハルカです。

今日はハルカが夏風邪をひいていることにちなんで(つっこまないで、そこ)
中澤さん、風邪ひいちゃったよ話でも・・・・。
167 名前:微熱。 裕ちゃん視点。 投稿日:2003年09月01日(月)15時48分43秒
今日はハロモニの収録日。
すごく楽しみな日なのに、この日の裕子の体調は最悪だった。

昨日の晩から、だるいなぁ〜とは思っててんけど・・・・。
なんでこの日に限って熱出るかなぁ・・・・。
頭痛いよぅ・・・・。

いつもなら、娘の楽屋に顔を出すのだが、皆に移ってしまうとだめなので今日はやめにした。

段々と上がってきているであろう熱を感じながら、裕子は自分の楽屋で身体を休めていた。
168 名前:微熱。 裕ちゃん視点。 投稿日:2003年09月01日(月)15時49分23秒
コンコン・・・・。
少し控えめなノック。

はい。そう返事した声は掠れていた。

ひょっこりと顔を出したのは、やはり矢口だった。

『裕ちゃん。どうしたの?』

心配そうな矢口の問いに、けんっと一つ咳をしてから掠れた声で言った、

『ちょっと調子悪いねん。移ったらあかんから自分とこ戻り?』
『だめだよ!裕ちゃんちょっと待っててね!』

そう言って楽屋を飛び出していった彼女。

数分後、冷えピタと薬、体温計にポカリを持って帰ってきた。
169 名前:微熱。 裕ちゃん視点。 投稿日:2003年09月01日(月)15時50分06秒
体温計を渡されたのでおとなしくそれに従う。

矢口は何も言わない。

だからうちも黙っとく。

少し気が遠くなり始めた頃、ピピッ。
無機質な電子音が楽屋に響く。
即座に矢口に取られる。

『37.9℃かぁ・・・・・結構高いね。しんどいでしょ?』

そんな優しい言葉を掛けながら、うちのおでこに冷えピタを貼る。
170 名前:微熱。 裕ちゃん視点。 投稿日:2003年09月01日(月)15時51分01秒
『はい、これ飲んで。まだ時間あるからちょっとでも寝ときなよ』
『あぁ・・・ありがとう。んじゃあ、お言葉に甘えて・・・』

そう言って楽屋の中にある畳に寝転ぼうとしたら・・・

『あぁ、裕ちゃん。畳、痛いでしょ?矢口、膝枕してあげるよ?』

まじでかい?そりゃ嬉しいなぁ・・・・。

おとなしく矢口のひざに寝転んでみる。

うちの髪の毛を撫でてくれる。
自然と瞼も重くなってくる・・・・。

おやしゅみ、矢口・・・・・。
 
 ー矢口がこんなに優しくしてくれるんなら、風邪ひくのもいいかもしれんわ・・・−
    end
171 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月01日(月)16時00分29秒
>>名無しさま
面白いと言ってもらえて光栄です。
こんな駄文を読んでくださってありがとうです。

>>ミニマム矢口。さま
ネタ提供ありがとうございます。
矢口さんネタの其の壱は使わせていただこうかなぁ・・・・。

いや、ミニマムさま?あなた様を捨てるわけないじゃないですか!
番外編をあげたらもうおしまいにしようと思ってたんですけど、もったいないから
短編も、って事ですよ!

新作、見つけるの早いですね。こっちのとは感じが違うのでお口に合うかは微妙ですが。
師匠、これからもご指導お願いします!!!

>>名無し読者さま
ハルカも始めはどうなるかと思ってました。
離しが暗すぎて。
もっとかっこいい矢口さんを書きたいのですがハルカには文才がなさすぎて、書けませんねぇ。
これからもよろしくです。
172 名前:膝枕。矢口視点。 投稿日:2003年09月02日(火)18時56分50秒
矢口のふとももには裕ちゃんの頭がある。
いわゆる、膝枕ってやつだ。

いつも来るはずの裕ちゃんが来ない・・・・・。
なんか心配になって、裕ちゃんの楽屋までちょっとお出かけ。
収録が始まるまで、まだまだ時間あるから大丈夫だろう。

ちょっと控えめにノックしたら裕ちゃんの声が聞こえた。
ちょっと掠れてる・・・?
ドアを開けたら、ちょっとしんどそうな裕ちゃんを発見した。

風邪かな・・・・?
顔赤いし。熱あるんじゃないかい?
173 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月02日(火)18時57分26秒
裕ちゃん、移ったらあかんから帰りなさいって。
いいもん、移っても。裕ちゃんの風邪なら矢口、大歓迎だもん。

ちょっとくらいは、心配させてよ。

裕ちゃんの楽屋を飛び出して、スタッフさんに冷えピタと薬と、体温計を借りる。自販機があったから、そこでポカリを買う。

楽屋に戻って、体温計で熱を測らせる。
37.9℃かぁ・・・・。ちょっと平熱が低い裕ちゃんにしてみれば、かなりしんどいんじゃない?

ポカリと薬を裕ちゃんに飲ませる。
裕ちゃんのちょっと広めのおでこに冷えピタを貼ってあげる。
174 名前:膝枕。矢口視点。 投稿日:2003年09月02日(火)18時58分20秒
まだ時間あるな・・・。
ちょっとでも眠れば、すこしは楽になるだろう。

寝ときなよ、って言ったらやっぱり、かなりしんどいのか珍しく素直に従ってくれた。

あぁ・・・・・畳。痛いだろうなぁ・・・・。
よしっ!今日はやぐっちゃん、膝枕してあげよう。特別だぞ?

さらさらの裕ちゃんの髪の毛。
好きだなぁ・・・。

あれ?もう裕ちゃん寝ちゃったんだ。
おでこに掛かってる前髪を流して。

ふいに指先に触れたおでこからは正常ではない熱さを感じて。

175 名前:膝枕。矢口視点。 投稿日:2003年09月02日(火)18時58分53秒
やっぱ疲れてるのかなぁ・・・。
赤いほっぺを撫でながら、考える。

しんどいんなら、しんどいって言ってよね。

静かに上下する胸を見ながら思う。

収録終わったら上がりだから、裕子ん家で看病してやろう。


   end
176 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003年09月02日(火)23時50分45秒
風邪引き裕ちゃんですね〜
自分、風邪シリーズは書いたこと無いんで・・・(ヘタレ)
甘いの好物なんで次も期待してます。
177 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月03日(水)20時25分56秒
ミニマム様が提供してくださったネタで一つ書いてみました。
矢口さん・・・・噛み癖あったんやなぁ・・・・・。
178 名前:また今度。 投稿日:2003年09月03日(水)20時26分41秒
ノースリーブの服から見える裕子の腕・・・・・。

やらかそうだなぁ・・・・うまそっ。

本人はプヨプヨしてるの気にしてるみたいだけど。

あのプヨプヨ感がたまんねぇなっ。

う〜ん・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・あぐっっ。
179 名前:また今度。 投稿日:2003年09月03日(水)20時27分12秒
『いたっ!痛いな、矢口!なんで噛むの?』
『だって・・・・うまそうだったんだもん。』
『はぁ?あんたは犬か?!うちのはなちゃんでも噛まんで?』
『おいら犬じゃないやいっ!』
『じゃあ噛みなさんなっ!』

あ〜あ。裕子怒っちゃったよ・・・・・。

いい弾力だったなぁ・・・・・。




また今度噛んでみよっ♪
 end
180 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月03日(水)20時30分28秒
>>やぐちゅー中毒者セーラム様。
お久しぶりです。復活おめでとうございます。
読んでますよ、セーラム様の。
続きが楽しみです。

今度、風邪ひき裕ちゃん書いてみてくださいよ!
ハルカも甘いの好きなんですけど、ハルカが書くと暗くなる・・・・・謎。
181 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月03日(水)20時32分19秒
失敗失敗っ。名前入れるの忘れてた・・・・。
バカなやつですみません。

また、ネタ提供してくれると助かります。最近ほんと絡みがないんでっ。
182 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/10(水) 21:13
久ぶりです。
微熱、膝枕の続きです。
では、どうぞ。
183 名前:添い寝。 投稿日:2003/09/10(水) 21:13
収録が終わった裕ちゃんを連れてスタジオを出る。

矢口の膝枕が効いたのか、収録は順調に進んだ。

でも、時折見せるしんどそうな表情や、けんけんっと続けてする咳に、収録を終えて裕ちゃんの様子を見ていた矢口は心配しっぱなしだった。

タクシーを捕まえて、裕ちゃんの家の住所を告げる。
ここからだったら15分くらいだろうか。

収録で疲れたんだろう裕ちゃんは、矢口の肩に頭を乗せてしばしの眠りの世界に入っていった。

184 名前:添い寝。 投稿日:2003/09/10(水) 21:15
『裕ちゃん、裕ちゃん。着いたよ?起きて。』
『う・・・・・んぅ?あぁ着いた?』
かなり掠れている声。

独りでは歩けそうにない裕ちゃんを支えながら、部屋までやって来た。

手を洗って、コンタクトを取って、うがいをさせる。
今日はお風呂は入れないからね。

楽な格好に着替えて、もう一度熱を測らせる。
その間に矢口も着替えてしまう。
185 名前:添い寝。 投稿日:2003/09/10(水) 21:16
ピピッ。
体温計を覗き込んでビックリした。

38.8℃。
裕ちゃんは人より平熱が低い。
普通の人でもかなりしんどい体温だ。
それなのによく収録なんかできたねと感心してしまった。

慌てて裕ちゃんをベットに寝かせて。

『裕ちゃん、大丈夫・・・・じゃないよね?』
『矢口がおってくれてよかったわぁ。裕ちゃん一人やと心細いから。』
かわいいこと言っちゃって♪
186 名前:添い寝。 投稿日:2003/09/10(水) 21:17
『手ぇ、握ってて?矢口ぃ・・・・』
甘えた裕たんだねぇ。
やっぱ熱があると弱気になるってほんとなんだねぇ。

裕ちゃんの要望の通りに手をつないであげる。
いつもより熱い手。
矢口と同じくらいの大きさの手。

ーやっぱ矢口、裕ちゃんがいないと生きていけないわ。ー

そんな甘い事を考えていると、裕ちゃんの咳が聞こえてくる。
けんけんっと続く咳。

慌てて背中をさすってあげる。

白い顔を真っ赤にして咳をしている裕ちゃん。
変わってあげたいよぅ。
187 名前:添い寝。 投稿日:2003/09/10(水) 21:17
しんどいよね、辛いよね。

矢口、裕ちゃんに何にもしてあげれない・・・・・。

咳がおさまっても、しばらく背中をさすってあげる。
それで安心したのか、裕ちゃんは夢の世界へと行っていた。

起こさないように、頭を上げさせて氷枕を入れる。
苦しそうだった表情が少し穏やかになった。

しばらくの間、裕ちゃん観察をしておく。

次にいつこうやって裕ちゃんを眺められるか分からないから、しっかり焼き付けておかないとね。
188 名前:添い寝。 投稿日:2003/09/10(水) 21:18
うっすらとオデコにかいた汗を拭いながら、空いている方の手を裕ちゃんの手に絡めてみる。

すると、きゅっと握り返される。

やだぁ。ほんとかわいいなぁ、裕ちゃん。

ほんとに、好き好き好き好き好き・・・・・・・。
何回言っても足りないくらい好き。

ー好きだよ、裕ちゃん。この世で一番ー

end
189 名前:末期。 投稿日:2003/09/13(土) 11:33
ねぇ、裕ちゃん。
もし、もしだよ!もし矢口が別れたいって言ったらどぉする?

うーん・・・・。
そんなことになったら、たぶん生きていかれへんやろなぁ・・・・。

今の生活から矢口がおらんようになったら、裕ちゃん何もできひんようになるやろうから。

なんかいいね、そういうん。
矢口もそうだよ?きっと。

お互いがお互いを必要としてる。

裕ちゃんは矢口がいないとだめで。
矢口は裕ちゃんがいないとだめで。
190 名前:末期。 投稿日:2003/09/13(土) 11:34
支え合ってるってコト。

裕ちゃんがいるから、分かった事がいっぱいある。

時間には気を付ける事。
健康に気を付ける事。
読書の素晴らしさ。
お酒の楽しみ方。

・・・・・・・・上手なキスのやり方。

他にもいっぱい。

もうきっと矢口は末期なんだ。
裕ちゃんがいないと生きていけません病。
そんな病気あったら、どぉするんだろう?
治療法あるのかな?

ー矢口は、末期なんだから裕ちゃんが責任もって看病してね。ー

end

191 名前:なんで。 投稿日:2003/09/14(日) 23:06
なんで裕ちゃんはあんなにキス魔なんだろう・・・・?
キスなら、矢口にいっぱいしてるじゃん?

矢口だけじゃ不満なのかな?

矢口の唇、キライなのかな?

なんで裕ちゃんはあんなになっちが好きなんだろう・・・・?
抱きつくなら、矢口にいっぱいしてるじゃん?

矢口の身体じゃ不満?

矢口がちっちゃいからかな?
192 名前:なんで。 投稿日:2003/09/14(日) 23:06
なんで裕ちゃんはあんなに・・・・・・。

まだまだいっぱいあるよ?

やぐちじゃダメ?

教えてよ、裕ちゃん。

end
193 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/14(日) 23:10
これ、読んでる人いるんですかね?
今、一番の疑問です。

これからのコトなんですが。
こっちを少しの間お休みするか、ここで完結とするか。
まだ、未定なんですが。
白板だけに没頭するか・・・・。
悩んでます。
また、決まったらお知らせでもしようかな。
194 名前:ちぃ 投稿日:2003/09/15(月) 00:10
読んでます。見つけるとうれしくなるんで。
いちゃいちゃしてる話でもいた〜い話でも好きですよ。
でも無理はしないようにしてくださいね。
195 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/15(月) 00:19
>>ちぃ様。
嬉しくなって速攻レス付けちゃいます!
ちぃ様からレスいただけるなんて・・・・・。
夢や、きっと夢や。

いやぁ、興奮しちゃいますね!
読んでますよ、ちぃ様の!
好きっす!神様っす!
いやはや、取り乱しちゃいますねぇ(汗)
196 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003/09/16(火) 02:42
自分も読んでますよ、両方とも。
名前通りやぐちゅーに目がないんで・・
やぐちゅーに関しては雑食ですから
痛いのも甘いのも両方いけます!
     ↑
 自慢にならないような・・・

ちぃさんの言うとおり無理だけはなさらないでくださいね。

どうもヘタレのヘタレレス。略してヘタレスでした
お目汚しスンマセン
197 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/16(火) 22:00
>>やぐちゅー中毒セーラム様。
いやはや。レスありがとうございます。
こんな、やぐちゅーでいいんですか!?
満足していただければ、幸いです。
198 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/16(火) 22:05
色々、考えてます。
ちぃ様や、やぐちゅー中毒者セーラム様といった大御所の方にレスをいただき、
裸踊りしそうになりつつ(笑)

書いて上げても、感想とかがなかったら不安になるし。
だれも私のなんて読んでないんじゃないかとか。
読んでくれても感想があるような作品でないんじゃないかとか。
不安を紛らわせながら書いてるというのが今の状況です。

もう少し、悩む事になりそうです。
こんなときに思いついたのが、『弱み』です。
これが最後になるかどうかは分かりませんが、どうぞお付き合いください。
199 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:06
別れた。裕ちゃんと。

原因は・・・・わかんない。

お互い時間がなくて。
会えなくて。
淋しくて。

別れを切り出したのは矢口からだった。

『好きな人が出来た』

そう言った。勿論嘘。

付き合いが長かった裕ちゃんには、きっと矢口が嘘ついてるって分かったはずなのに何も言わなかった。

200 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/16(火) 22:06
『そぉか。分かった』

そう言って笑ってた。
すこし悲しそうな、苦笑いと言った方がいいような笑みだった。

自分の部屋に帰って。

裕ちゃんと撮った写真や思い出のモノをダンボールに一つずつ入れながら、泣いた。

本気で別れたかったわけじゃないのに。
まだ心の中には裕ちゃんがいるのに。
分からない、自分が。

裕ちゃんを想って、一晩中泣いていた。
201 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:07
_____________________________

裕ちゃんと別れて、ニ週間。

やっぱり矢口達は目が回りそうなくらい忙しくて。
でも、その忙しさが今の矢口には有難かった。

ー裕ちゃんの事を考えなくて済むから。ー

ハロモニの収録日。
矢口達が唯一、裕ちゃんと接する機会。

正直、この日が来るのが怖かった。

前みたいに笑えるか、不安だった。

収録がはじまる少し前に楽屋入りした矢口達は各自、自由な時間を過ごす事になった。

矢口はなっちと二人で雑誌を見ながら、あれやこれやと話しをしていた。
202 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:07
コンコン。

少し控えめなノック。

裕ちゃん?そう思ったが、違ったみたいだ。

いつもの顔なじみのスタッフさんだった。
なんでも、裕ちゃんが少し遅れるからもう少し待っていてほしいとのコトだった。

ー珍しいなー

時間にはすごく厳しい人だっただけに皆、疑問に思っていた。

なつみとトイレに行った帰り、裕子が慌てた様子で廊下を歩いていた。

二週間ぶりに見た裕子の顔には、はっきりと疲れが出ていて。
覚えているより、痩せた身体。
白いと言うより蒼白い顔色。
203 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:08
『裕ちゃん、どぉしたんだろうね。』
なっちが矢口に問いかける。
『さぁ・・・・。わかんない』

分からないはずが、知らないはずがないのに・・・・・・。

予定より30分ほど遅れてスタートした収録。

収録中の裕ちゃんは、さっきのような疲れた表情ではなくいつもと変わらない表情だった。
でも、たまに垣間見える表情や、メークで隠されている生気が感じられない顔色。
なにより、今までに見たことがないような目の下のくまが気になって仕方がなかった。
204 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:08
_____________________________

セットチェンジやら衣装チェンジやらで、また30分ほど時間が空いてしまった。

ーこれだから二本撮りは嫌なんだよー
そう誰かがつぶやいていた。

その通りだよな。
素直にそう思う、特に今日は。

時間が空けば、嫌でも裕ちゃんと顔を合わせなければいけなくなる。

予想外に今日の裕ちゃんはこっちの楽屋には来ない。
皆、不思議に思っていた。

ー矢口、なんか聞いてない?−

そうか、まだ言ってないんだっけ。
別に言う事でもないし、いいか。

205 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:09
知らないよー、と適当に返事をしたら、圭ちゃんが矢口の傍に来た。

『矢口、ちょっといい?』
真剣な顔でこんなこと言われたら、断れないよ。

二人で静かに楽屋を後にした。
_____________________________

やって来たのは自販機があるあ、あまり人気がないところだった。
ミルクティーを買って近くのソファーに腰を下ろす。
隣には真剣な顔つきの圭ちゃん。

『ねぇ、矢口。裕ちゃんとなんかあった?』

裕ちゃん、この単語に胸がチクリと痛んだ。

『ん?なんもないよ?なんで?』
うまく言えていただろうか。

『裕ちゃん、見たでしょ?あんな裕ちゃん見るのはじめてだよ。』

矢口だって初めてだよ。
206 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:10
『圭ちゃんには関係なくない?裕子と矢口の問題だし。』
『関係ないって何?!あんなに参ってる裕ちゃん見てなにも思わないわけ?矢口は。』

なんにも思わないはず、ないじゃん。

『圭ちゃんにうちらの何がわかるんだよ・・・・・』

圭ちゃんをにらみつけてそう言い放つと、圭ちゃんはビックリしたように目を見開いていた。

その時だった。

なっちが慌てた様子で、矢口達を呼びに来たのは。

ー裕ちゃんが倒れたー

なっちは、収録前に見た裕ちゃんの様子が気になって楽屋にやって来た。
相変わらず、疲れたような表情の裕ちゃんになっちは何も出来なくて。

ただ、裕ちゃんのそばにいる事しか出来なくて。

ちょっとトイレに行ってくると言って裕ちゃんが席を立った。
次の瞬間、裕ちゃんがふらっと崩れるようにして倒れた。

名前を呼んでも反応がない裕ちゃんを見て、気が動転したなっちは急いで矢口を呼びに来たそうだ。

三人で裕ちゃんの楽屋に戻ってみると畳には寝かされた裕ちゃんの姿があった。
207 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:10
ほっぺを軽く叩きながら名前を呼ぶ。

反応はない。

圭ちゃんはマネージャーを呼びに走った。

数分後、マネージャーと数人のスタッフと共に帰ってきた圭ちゃん。

そのまま、裕ちゃんはスタッフに抱えられて病院へと運ばれた。

裕ちゃんがいないと収録が出来ないので仕方がないので今日のところは解散となった。
この後オフだった圭ちゃんとなっちは病院へと向かうみたいだ。

矢口も半ば強制的に病院へと連れていかれた。
208 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:11
____________________________

裕ちゃんへの診断は栄養失調と過労、貧血。

最近ほとんど食べているところを見てないとマネージャーが言っていた。
目の下にくまができているあたり、寝てもいないんじゃないかな?

寝てない、食べない。
これじゃ、誰でも倒れるよ。

なんで?
あれほど、体調管理には厳しかったじゃん?
なんで?
209 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:12
___________________________

病院の個室。
部屋中が薬品くさい。
まるで、身体中が薬品で満たされてしまうかと思ってしまうほど。

裕ちゃんは大事をとって3日ほど入院となった。

ベットに横たえる裕ちゃん。

こんなに弱弱しかったっけ・・・・・?

それは今にも崩れてしまいそうなガラス細工のような雰囲気を醸し出していた。

真っ白で、血管が透けて見える腕。
幾分、顔色は取り戻したように見えるが、通常と比べればまだまだだ。

そんなに参ってたの?

それは、矢口のせいなの?

答えてよ、裕ちゃん。

210 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:12
圭ちゃんに、ゆっくり考えなさいって言われて今は裕ちゃんと二人っきり。

布団から出ている皮膚と骨だけとなった細い腕に震える手で触れてみる。

二週間ぶりの裕ちゃんの腕。

ほんの少し、冷たくてゴツゴツした腕。
あぁ、ほんとに裕ちゃんなんだと確認できた。

途端に、視界がぼやけ始める。

なんで矢口が泣くんだよ・・・・・・・。
自分でもわからなかった。

何で涙が出るのか。

なんで嘘、ついちゃったのか。

なんで、まだ裕ちゃんが好きなのか。

211 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:13
裕ちゃんの腕に矢口の涙が落ちていく。

裕ちゃんの瞼が少しだけ震えて、開いていく。

パシパシと何度か瞬きをして焦点を合わせていく。
やっと、焦点が合ったところで、裕ちゃんの瞳は矢口の存在を確認できた。

すこし、驚いたように見開かれる瞳。

いつものようにカラコンは入れていないが、色素が薄いためか茶色い瞳の色。

驚くのも無理もない話しだ。

元恋人が目の前にいて自分の腕を触りながら泣いているのだから。

それでも彼女は、目の前の元恋人に優しく問いかけてくれる。
212 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:14
『どないしたん?矢口。なんか悲しい事でもあったんか?』
『ゆ・・・・・ちゃん。ごめんな、さい。』
『どないしたん?なんでごめんなん?ちゃんと言って?』

優しく、子供に話すような言い方。
優しく腕を撫でてくれている手。

『あの、ね。矢口。嘘・・・・ついた、んだ。ほんとはね、別れたく、なん、かなかった。』
しゃくりを上げながら、言葉に詰まりながら懸命に説明した。

『不安、だったんだ。ゆ・・・・ちゃんが離れて行っちゃいそう、で。会えなくて。淋しくて。』

『そっか・・・・。不安やったんか。ごめんな、裕ちゃんのせいやんな』
『違うくて。どっちが・・・・悪いとかじゃなくて。』

そうだ。裕ちゃんも矢口も悪くないんだ。

ーただ、上手く口に出せなかっただけ。ー

213 名前:弱み。 投稿日:2003/09/16(火) 22:14
愛してる。とか。

好きだよ。とか。

淋しい。とか。

会いたい。とか。

『じゃあさ、これからはちゃんと言うから。矢口を不安になんかさせへんから。』

ーだから、矢口の傍にいさせてくださいー

『矢口もさ、ちゃんと言うから。ワガママも言っちゃうかもしれないけど、頑張るから。裕ちゃんを信じるから』

ーだから、裕ちゃんの傍にいさせてくださいー

end

214 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/16(火) 23:00
『弱み。』 かなりツボですw
自分の気持ちをうまく出せない不器用な矢口さんがいいですね。
弱々しくなる裕子さんが切なくて良かったです。

>不安を紛らわせながら書いてるというのが今の状況です。
そんなに深く悩まなくてもいいと思いますよ?
書くも書かないもハルカさんの自由ですし、もっと気楽にしたほうがいいと思いますが…
215 名前:ちぃ 投稿日:2003/09/17(水) 01:26
ハルカさん
えらく下り坂な気分ですね。お疲れですか?
落ち込んでるとき話の中の人の気持ちもそうなりがちです。
でもこれ悪いことじゃないんちゃうかな。
消化しにくい気持ちを代わりに消化してもらうってことで。
そのときしか書けないものができますしね。『弱み。』好きですよ。

まぁしかし楽しく書けるのが一番ですが。


あっ!あと様をつけるのやめません?
うあぁ・・・って落ち着かなくなります。
216 名前:ちぃ 投稿日:2003/09/17(水) 02:16
すいません。

上の最後で意味わからんことゆうてますね。
個人的に様って漢字が硬くてなんとなく。
いや・・・でもやっぱりハルカさんの好きにしてください。
わけわからんなぁごめん。
217 名前:名無しの作者 投稿日:2003/09/17(水) 12:21
初めまして、いつもこっそり読ませてもらってます。
僕も、某板で書かせてもらっているのですが。
ハルカさんの文章を読んでいると、日に日にレベルアップしてるなって
関心します。最初から上手な人もいますけど、書きながら成長していく
アナタの小説を僕は楽しみに読んでます。

えらそうなこと言って申し訳ない。
ですが、今回の「弱み」はすごくよかったのでガンバレと一言が言いたくて。

人がどうこうより、書きたいものを書くのが一番じゃないかな。
218 名前:名無し読者。 投稿日:2003/09/17(水) 23:33
ハルカさんの小説大好きです。
何より・・・中澤さんを主とした小説を書いてくれるだけで感激です。
しかもこんなに短期間でどんどん読みやすく、
登場人物の心情も、生き生きと分かりやすくなって尊敬です。

風邪っぴきシリーズ&「弱み」&「光の向こうには。」・・・好きで楽しみに読ませて頂いてます。
頑張って下さい。応援しています(w
219 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003/09/19(金) 04:00
はぃ。ROMらー登場
矢中。ねぇ〜いいね〜!ぃぃね〜♪素敵だべさぁ。
作者さま、なぁんも心配すんでねぇ。
回り道・遠回り・立ち止まってたり・振り向いたりしても良いんだベさぁ
自分の時間で歩いてくんなぁまし
オイラは、何処までもついて行くべさぁ。<勝手にねw
220 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/19(金) 22:51
さまざまな方からレスがあって驚きつつ、喜びでいっぱいです!

>>名無し読者さま。
ツボにヒットしたみたいで・・・・。
気に入っていただいて光栄でございます。

>>ちぃさま。
疲れてます。
学校も忙しいし。大変です。
でも、この忙しさがあったから『弱み。』ができたので、これはこれでよかったんですかね?

様。を付けるのは、こんな駄文スレにレスしていただいた方への敬意を込めたものです。
こんな甘ちゃんの小娘ですし。
ちょっとひらがなに変えてみたので、堅さは薄まったかなと思うのですが・・・・。

>>名無しの作者さま。
こんばんは。レスありがとうございます。
そして、お褒めの言葉をいただいて嬉しく思います。

私がここまで成長できたのは、周りの方々からの指摘やアドバイスのおかげです。
本当に感謝しています。

>>名無し読者さま。
私は中澤さんが大好きですから、きっと中澤さんが出ないモノは書けないでしょう(笑)
同じ女として、すごく魅力的な人です。
もしかして、名無し読者さま。も中澤さん好きですか?w

さっきも書きましたが、今の私がいるのはレスをしていただいた方々、温かく見守っていただいた
方々のおかげです。
本当に皆さんがいるから私がいると言っても過言ではないです。

>>ミニマム矢口さま。
なっ〇ばりに、なまってますねぇ。
なまりつついい事書きますねぇ。

何処までもついてきてくれるんですか?!
振りきられないように気を付けてください!
221 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/19(金) 22:58
考えました。
最近では、中澤さんと矢口さんの絡みがまったくないので書こうと思っても書けないです。
バカな事言ってんじゃねぇよ、と思われる方もいられるかもしれませんが、この事が私の
最大のネックとなった事も事実です。

私にとって『弱み。』が最高の作品です。
なので、今は書きたいものがないという状況です。
無理に書いても、きっと自分自身が満足できるモノはきっとできないと思うので、
しばらくこっちはお休みにします。
でも、きっとふらっと戻ってくるのでその時はよろしくお願いします。
222 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003/09/20(土) 10:41
『弱み。』すごかったです。
確かに現在二人の絡みが少なくて少し厳しいですよね?
自分もそれには、厳しいと思うときが何度もあります。
無理に書くのは確かに自分も満足できないですから・・・
自分の満足できるものを書くから楽しいのです。
そして、こちらに戻られてくるのをお待ちしてます

長々とスイマセンでした
223 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003/09/21(日) 02:36
お疲れ様です。良い作品でした。(マジデ)
張り詰めても割れてしまうし、空気が足りなくても前には進めない。
余裕の在る気持ちが大事あるよ。ちょっと遅い夏休みがきたと思い
気長にお待ち致します。ハルカさまに 幸あれ!
224 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 20:35
出戻り娘。参上です。

いやぁ。しばらく休みます宣言したのに戻ってきました・・・・・。
文化祭の打ち上げで、ちょっと飲んだ時に思いつきまして・・・・。
かなりネガティブなものですが・・・・・。
では。どうぞ。
225 名前:ちっぽけな私。 投稿日:2003/09/23(火) 20:36
ー小さい矢口に一体何ができるんだろうー

ある日突然考えた。

今、矢口に一体何人の人を幸せにする事ができる?

こんなちっぽけな私に。

今まで何人の人に元気を与える事ができた?

これから先、何人の人を元気にできる?

テレビに出て、歌ってるだけなのに。
テレビに出て、笑ってるだけなのに。

もっともっと、やるべきことがあるんじゃないか?
226 名前:ちっぽけな私。 投稿日:2003/09/23(火) 20:36
歌ってるだけじゃだめ。
笑ってるだけじゃだめ。

ちっぽけな私だけど、できる事はたくさんあるんじゃないか?

だから私は探し続けるんだ。

底が抜けてしまったバケツのように。

自分ができる事を探し続けるんだ。

end
227 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 20:37

続けてもうひとつ。
228 名前:向日葵の笑顔。 投稿日:2003/09/23(火) 20:37
時々、眠る事が怖くなるトキがある。

目をつぶって、眠りの世界に足を踏み入れれば、底無し沼に入ったように足が抜けなくなるんじゃないか。

こう考えてしまう。

そんなトキ、目に浮かぶのは小さな小さな女の子。

ひまわりのように笑うあの女の子。

裕ちゃん。
そう言って微笑んでくれる、小さな小さな女の子。

矢口。
アンタがおるから、アタシは眠れるねん。
229 名前:向日葵の笑顔。 投稿日:2003/09/23(火) 20:38
眠る事が怖くなったとき。
アンタがおるから、夢の中やったらアンタに会えるから眠る事ができるねん。

アタシは矢口、アンタがおらな何にもでけへんねん。

眠る事も。

歌う事も。

笑う事も。

だから、ずっとアンタは向日葵みたいな笑顔でおってや。

アタシの元気の源の、その笑顔で。

end
230 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 20:45
>>やぐちゅー中毒者セーラムさま。
いつもありがとうございますです。
あまりお待たせはさせませんでしたが・・・・(汗

もっと、ハロモニでも絡んでくれればいいんですがね・・・。
コントも最近はどっちかしか出てませんし。

書けない。
でも書かないと、忘れられてしまうんじゃないか。
こんな不安感が襲ってきます。
もっと気楽に書ければいいんですが。

>>ミニマム矢口さま。
やっぱりミニマムさまのお言葉はなんか重みがありますね。
今の気持ちを風船で表すなら、きっとパンパンに膨れ上がっているでしょう。
もっと余裕が欲しいです。

文化祭も終わったし、真剣に何かをはじめて見たいっす。

あ〜、HP作りてぇ〜!
231 名前:ひとりぼっち。 投稿日:2003/09/26(金) 23:24
久ぶりの二人そろってのオフ。

ハワイから帰る飛行機の中ではこの日の事しか頭になかったと言ってもいいくらい楽しみだった日だ。

『なぁ、やぐちぃ。どっか買い物でもいかんでよかったん?うちの家なんかおってもなーんもおもしろいことないやん?』

なぁに言ってんだか。
裕ちゃんの部屋こそ矢口のお気に入りの、くつろげる場所なのに。

『いいんだよ。裕ちゃんがいればどこだっていいよ。』
『う〜ん・・・やぐちぃ。裕ちゃん嬉しいわぁ』

こらっ。ドサクサにまぎれてちゅーすんなよっ。
232 名前:ひとりぼっち。 投稿日:2003/09/26(金) 23:25
『やぐちぃ。裕ちゃん寂しかってんで?一人ぼっちやってんから』

よちよち。
甘えたゆうたんかわいいからいいよ。

『そっかぁ、。寂しかったんだぁごめんね?』
『矢口。おいで?裕ちゃんにだっこさせて?』

隣に座っていたのを裕ちゃんの膝の上に移動して。
膝の上で向かい合わせになって抱きしめられた。

いつもなら嫌がるフリをするんだけど、今日は思いっきり甘えさせてあげよう。

これからまた、忙しくなるから・・・・・。

そう思うと、途端に寂しくなって。
ギュッと裕ちゃんを抱きしめる腕に力を加えた。
233 名前:ひとりぼっち。 投稿日:2003/09/26(金) 23:26
『裕ちゃん、矢口も、ほんと寂しかったよ。毎晩裕ちゃんの夢見てたもんっ』

『そぉか・・・・。ありがとうな。夢にまで出るまで裕ちゃんのこと想ってくれて。』
ちょっと涙声なのは気付かないフリをしておいてやろう。

『寂しかったよ。だからさ・・・・・。』

今夜は寝かさないから。
次に会う日まで裕ちゃんの温もりを忘れないために。

end
234 名前:ありがとう。 投稿日:2003/10/05(日) 15:26
今日も矢口は歩き続ける。
まっすぐ、前だけを見つめて。

この先、なにがあるのかは分からないけど。
それでも矢口は歩き続けるんだ。

先に歩いていった裕ちゃんの背中を見つめながら。
裕ちゃんの背中に憧れを抱きながら。

ありがとう。裕ちゃん。
歩く続ける意味を教えてくれた裕ちゃん。
裕ちゃんがいなかったら、今の矢口もいないはずだよ。

今まで、ありがとう。

end
235 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/05(日) 15:37
軽く、放置っぽくなってしまっていました・・・。
なんだか最近、前ほど書きたいっ!思えなくなっている自分に気が付いたんです。

確かに、書いて読んでくれている人がいるって事には正直に嬉しいのですが、
読んでる人が満足しているのだろうか、とか。
レスがあまりなかったりすると、やっぱりつまんなかったんだ、とかいう考えが頭をよぎってしまいます。

案内板の感想スレでここの感想を発見しまして。
焦りすぎている、あらすじのようだ。というご意見が上がっていました。
自分でもそうだと思います。
早すぎた、とでも言うべきでしょうか。もっとじっくり時間をかけて実力をつけてから
書けばよかった。

後悔ばかりが残ってしまいましたが、読んでレスをくださった皆様。
ROMってくださった方々。
ほんとうにありがとうございました。
      ハルカ
end
236 名前:ちぃ 投稿日:2003/10/06(月) 00:08
お疲れさんです。
読んでる人がどうとかより楽しみながら書くことが第一やと思います。
遊びなんやから楽しくやれんことを無理に続けることないしね。
現実世界の自分は人を笑わすのが好きでね。笑ってくれるだけで楽しい。
ここでも書くこと自体が楽しくて読んでくれる人がいるだけでいい。

読む側の趣味ってものもあるじゃないですか?
人によってツボが違うから同じ文でも刺激のされ方が違うんです。
楽しめる人だけが楽しんでくれたらいいと思ったららく。
笑いのツボが違いすぎる人なんか笑わせんのしんどいもん。
「狭く深くピンポイントに」それが自分の行き着いた結論です。
中澤さんもゆうでしょ?「わかってくれる人がわかってくれたらいい」
そうゆうことじゃないですかね。

あ・・・また長々とすいませんね。
つまりは書きたいときに書けばいいってことです。
ではでは。
237 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/07(火) 19:34
落とします。
238 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/02(火) 10:22
待ってみる。
239 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/02(火) 15:54
>238
何を待ってるんだ?
240 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/06(土) 17:10

『運命』
241 名前:運命。 投稿日:2003/12/06(土) 17:11
生まれ変わっても、恋人同士でいようね?

「人生、一体何があるか分からない。」
この言葉が本当だった事を、私は20歳になった今、初めて実感した。
242 名前:運命。 投稿日:2003/12/06(土) 17:12
_____________________________

本当に突然だった。
いつものように大学へ行く途中、私は倒れて病院へと運び込まれた。

『余命、一年半』
突然、突きつけられた事実。

目の前が真っ暗になった。
なんで私が?とか考える暇なんてなくて、涙が次から次へと流れていった。

やっとの思いで涙を止めて。
私の担当医から話があるらしい。
243 名前:運命。 投稿日:2003/12/06(土) 17:12
『これから矢口さんの担当医をさせていただきます、中澤裕子です。よろしくお願いします。』

これが私と裕ちゃんの出会いだった。
244 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003/12/06(土) 23:23
!!たのしもだ。患者になりたぃ
245 名前:運命。 投稿日:2003/12/07(日) 14:47
_____________________________

『一回きりの人生やねんから自分が後悔せんように生きたらええねん』

裕ちゃんが私に言ったのはそれだけだった。

ぶっちゃけ、この人バカじゃないの?って思ったんだ。
後悔しない人生なんてあるワケないしって。
ましてや、あと一年半。ううん、もしかしたらそれ以下かもしれない私の人生でなにができるんだろうって。
246 名前:運命。 投稿日:2003/12/07(日) 14:47

でも違ったんだね。後悔しない人生、あったよ。
247 名前:運命。 投稿日:2003/12/07(日) 14:48
その日から私は入院生活を送る事になった。
着替えや日用品は、一緒に暮していた友達のカオリに頼んで持ってきてもらった。

カオリはひどく慌てた様子でこの娘の方が病人みたいだ、と思うほどの顔色だった。
カオリには全部話した。
綺麗な、純粋なカオリ。
涙を流しながらも、その包容力のある腕で抱きしめてくれた。
『頑張るんだよ』って。
248 名前:運命。 投稿日:2003/12/07(日) 14:48
神奈川の田舎の方にすんでいる私の両親にはカオリから連絡してくれるらしい。
いくらなんでも、今の私には出来そうにない。

きっと、お母さんは取り乱すだろうとか妹ののぞみは泣き喚くだろうとかお父さんも静かに泣いちゃうんだろうとか。
考えるだけで涙が出てきた。
だから代わりに頼んだんだ。
249 名前:運命。 投稿日:2003/12/07(日) 14:49
____________________________

入院生活四日目。
毎日毎日、私の嫌いな注射や検査ばっかりだった。
食事も検査のため、食べていない。
点滴ばっかりだ。
よりによってなんで個室なんだよ?
大部屋なら、気分が紛れていたかもしれないのに。

イライラし始めたとき、コンコンっとドアをノックされた。
返事をすると入ってきたのは、あの中澤とか言う先生だった。
250 名前:運命。 投稿日:2003/12/07(日) 14:49
『どうですか?気分は。』
関西のほうのイントネーション。

『最悪です。』
ぶっきらぼうに答えてしまうと、彼女は困ったように笑いながら
『なぁ、敬語やめへん?アタシ、苦手やねん。』

何を言い出すかと思えば。
患者が医者にタメ口ってどうなんだ?
やっぱりヘンな人だなってのが感想。
251 名前:運命。 投稿日:2003/12/07(日) 14:50
それから、毎日裕ちゃんは私の病室へと足を運んでくれた。
医者としてではなくて、中澤裕子として。
色んな話をした。
もちろん、私の病気についても話してもらったけど。
裕ちゃん自身のこと。
私、矢口自身の事。
お互いの事を話して、聞いて。

いつかしら、矢口は裕ちゃんに惹かれていった。
252 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/07(日) 14:52
>>244 ミニマム矢口。さま
お久しぶりです。
また読んでくださって嬉しい限りです。
またしばらくお付き合いよろしくお願いします。
253 名前:運命。 投稿日:2003/12/10(水) 22:47
_______________________

入院して早二週間。

やっと、矢口は個室から大部屋へと移る事が出来た。
大部屋と言っても矢口のほかには二人しかいなかったのだけれど。

二人とも、矢口と同じ病気だって。
254 名前:運命。 投稿日:2003/12/10(水) 22:48
一人は、ごっつぁん。

後藤真希って娘。

始めはクールなのかな?って思っていたけど、違ったみたい。
すっごく活発で、病気とは思えないくらい明るい娘。

矢口の妹みたいな娘だった。

255 名前:運命。 投稿日:2003/12/10(水) 22:48
もう一人は、なっち。

安倍なつみって娘。

北海道から出てきたらしく、上京して七年も経つのにいまだに北海道訛りが抜けない、かわいらしい娘。
年上だけど、童顔のせいで全然見えない。

太陽みたいな笑顔が印象的だった。
256 名前:運命。 投稿日:2003/12/10(水) 22:49
二人とも長い事入院しているらしかった。
ここだけの話し、二人は付き合っているらしい。
少し、ネガティブになっていた矢口にとって、二人の笑顔はいい気分転換の薬になっていた。
257 名前:運命。 投稿日:2003/12/10(水) 22:49
『ねぇ、なっちぃ』
ごっつぁんが検査のため、二人でぼーっとしているとき矢口は思いきってなっちに相談してみた。
『裕ちゃん、中澤先生ってさ彼氏いるのかな?』
矢口と同じように窓の外をぼーっと見ていたなっちは驚いたように矢口の方を向いた。

『矢口、あんた裕ちゃんの事好きなの?』
なんでそんなに驚くの?
『うん・・・・。ダメなのかな?』

少し、考え込むような表情のなっち。
しばらくして、矢口にこう告げた。
258 名前:運命。 投稿日:2003/12/10(水) 22:49
『裕ちゃんはやめといたようがいいよ。矢口が傷つくから』

その言葉の意味がさっぱりわからなかったが、聞けるような雰囲気ではなかった。


259 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/10(水) 22:50
今日の更新は以上です。
260 名前:shion 投稿日:2003/12/12(金) 16:45
切ない予感が、ひしひしと迫ってきます。
中澤さんの謎も、楽しみと言ったら失礼かも知れませんが、
想像を掻き立てられるので、大人しく待つ事にします。
261 名前:運命。 投稿日:2003/12/14(日) 15:15
_________________________

なっちとはその日以来、裕ちゃんの話しはしなくなった。

裕ちゃんは裕ちゃんで忙しいらしく、会えない日々が続いていて
矢口は、精神的に少し落ちこんでいた。

ー矢口が傷つくからー

そう告げたときのなっちの表情には、なんとも言えない、影のようなものが見えた。

どうしたらいいんだよっ!
そう叫びたくなって、慌ててフトンの中に頭ごと入れた。
262 名前:運命。 投稿日:2003/12/14(日) 15:15
目から暖かいものが流れてきて。
枕に顔を押し付けても、流れは止まる事はなかった。

どれくらいそうしていたのだろう。
ふと、頭の当たりにわずかではあるが重みを感じた。

怖くなって、フトンを少しまくって見ると裕子が矢口の頭に手を乗せていた。

矢口と目が合った裕子は少し微笑んで、子供に質問するような優しい口調で話し始めた。
263 名前:運命。 投稿日:2003/12/14(日) 15:15
『久しぶりやね。大丈夫か?なんか嫌な事でもあったんか?
それとも、怖いことでもあったんか?ん?』

あぁ、裕ちゃんだ。
そう感じると、現金な事にさっきまで心にあった不安がすーっと消えていくのを感じた。

慌てて涙を拭うと、矢口はにっこりと微笑んだ。
矢口の笑顔を見て、裕子も安心したのかさっきとは違った笑顔のなった
264 名前:運命。 投稿日:2003/12/14(日) 15:16
『裕ちゃん、久しぶりじゃん。なんでもないんだよ、気にしないで。』
そう言うと、裕子は少し心配そうな顔をして矢口の頭を撫でた。

『なんかあったんやったら、すぐ言ってな?矢口はなんでも我慢してしまうんやから。話しだけでも聞いてあげられるから。』

裕子の優しさが嬉しかった。
が、逆に辛かった。

少しの沈黙の後、矢口は思いきって裕子に聞いてみた。

265 名前:運命。 投稿日:2003/12/14(日) 15:16

『ねぇ、裕ちゃん。裕ちゃん、好きな人っているの?』
266 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/14(日) 15:17
今日の更新はここまでです。
267 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/14(日) 15:19
>>shionさま。
レスありがとうございます。
待っていていただいてありがとうございます。
ちょうど、モチベーションが下がりかけていたので、すごく嬉しかったです。
これからも、ゆっくり待っていただけたら幸いです。
268 名前:運命。 投稿日:2003/12/18(木) 23:08
その場所の空気が張り詰める感じ。

妙な緊張感が流れる感じ。

時間がゆっくりながれるような、息苦しい感じ。

矢口の言葉の後、眼を閉じて眉間に皺を寄せて苦しそうにしていた裕子が、ゆっくりと言葉を紡いだ


『好きな人はおらん。でも・・・・もう一生、誰も好きになれへんって決めたんや。』

心の何かと葛藤しているような、そんな表情。

震える唇を悟られないように、悟られていたのかもしれないが。
269 名前:運命。 投稿日:2003/12/18(木) 23:08
なんで?
そう言うのが精一杯だった。

矢口の問いに、裕子は寂しそうな表情のまま笑みを浮かべて、

『そのうち。時期が来たら話すわ。ほなな。』
そう残して病室を去っていった。

残された矢口は、涙を止める方法がわからなかった。
270 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/18(木) 23:08
今日の更新は以上です。
271 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/21(日) 16:15
続き早く!
272 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/28(日) 21:50
____________________________

二人で散歩に出ていた真希と、なつみが帰ってきても矢口は泣いたままだった。
泣いている矢口に二人は理由を尋ねたが、矢口が、かろうじて言った、『裕ちゃんが・・・』というのを聞いて二人は何も聞かなくなった。


ただひたすらに感情のおもむくままに涙を流し、ようやく感情の波が収まったのは、空がすっかりオレンジ色に染まり始めた頃だった。
273 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/28(日) 21:50
____________________________

その日から矢口は精神的に不安定な状態が続いた。
不機嫌な日だったり、ご機嫌な日だったり。
ニコニコと笑っていると思えば、急に泣き出したり。

同室のなつみと真希はどうすればいいのか分からず、ただただ見守る事しか出来なくて。

そんな矢口の事を見かねてか、何日振りかに病室へと足を運んできた。
274 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/28(日) 21:50
ちょうどその時の矢口は深く落ちこんでいるときだった。
『久しぶりやな』と裕子が矢口の頭をくしゃくしゃと撫でても相変わらずの矢口の様子。

『ちょっと散歩しよか』
そう言いながらおもむろに矢口の手を引く裕子になすすべもなくついていった。
275 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/28(日) 21:51
いつもと変わらない風景の中。
病院の中庭を歩く裕子。
裕子2、3歩後を歩く矢口。
相変わらず、矢口の表情は硬い。
でも、しっかりと繋がれた手。
自分と同じ位の大きさのその手に、すこし安心感を覚えながら裕子は静かに佇んでいるベンチに腰を下ろした。
276 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/28(日) 21:51
さて、何から話そうか。
ぼんやり考えているとふいに、矢口が口を開いた。
『裕ちゃん、何で誰も好きにならないの?ねぇなんで?』
すがるように聞いてくる矢口に裕子はしばらく黙ってしまった。

『昔な、彩って人と付き合っててん』
ゆっくりと静かに話し出すと、さっきまで俯いたままだった矢口が顔を上げた。
『その人のこと愛してた。誰よりも、何よりも。』
277 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 21:52
今日の更新は以上です。
278 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 21:53
>271 名無し読者さま。
更新遅くてすみません。
早く出来るように努力しますので。
申し訳ありません。
279 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 21:56
もう今年も終わりですか。
早かったような、遅かったような。
来年はどうなるんでしょうね。

それでは、良いお年を。
280 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:17
題名が間違ってましたね。
申し訳。あっちのほうとごっちゃになってました(汗)
281 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/28(日) 22:23
こんな事言えた義理ではないですけど、短い!
もっと続きが読みたいです。
282 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:38
>281 名無し読者さま。
申し訳ないです。もうこれしか言えません。
ちっぽけな頭なので。
283 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:28

愛なんてものは永遠のものだって思ってた。
勘違いしてた。
284 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:28
彩が倒れたって連絡を受けたのはうちがまだ研修医をしている時やった。

うちが処置室へ行ったときにはもう彩は、虫の息だった。

その時に言われたんや。
『忘れないでね』って。
その言葉を残して彩は・・・・・。

彩の身体は前からかなり危なかったらしい。
それやのに彩はうちにはそんな事、これっぽっちも感じさせへんかった。
285 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:29

研修で忙しかったとはいえ、気づいてあげられへんかった。

苦しかったやろうし、寂しかったやろう。
だから、うちは彩を忘れへんために、彩の言葉通りにもう、誰も愛さへんことに決めた。
286 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:29
そこまで一気に言い終えると、裕子は矢口の顔を見た。
それに気がついた矢口も顔を上げて、二人はしっかりと目を合わせた。

悲しそうな表情の矢口が口を開いた。

『裕ちゃん、裕ちゃん間違ってるよ。彩さんは裕ちゃんに誰も好きにならないでって意味で言ったんじゃないと思うんだ。』

『じゃあ、どういう意味なんよ?』

『たぶん・・・自分を裕ちゃんの心の端っこでもいいから置いておいてってことじゃないかな。矢口、なんとなく分かるから』
287 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:30
裕子ははっとした。

この娘も、もうすぐ彩と一緒のところへ行ってしまう。

好きになってはいけない。

裕子は分かっていた。
少しずつ、矢口に心が奪われていることを。
だから、矢口と距離を置いた。
でも、止まらない自分の心。
彩の病気に気がついてやれなかった自分への戒め。

この二つの間で、裕子はもがき苦しんでいたのだ。

『もぉ、ええやろ。うちは、誰も愛さへん。決めたんや。うちには彩だけや。』
そう言い残すと足早に裕子は去っていった。
288 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:30
残された矢口は、静かに涙を流し続けた。
すると突然、激しい胸の痛みを感じ、そのまま倒れた。


そこで、矢口の意識は途切れた。
289 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:30
真っ暗な闇の中に矢口は一人、立っていた。

すると、向こうの方から一筋の光が見える。
その光に吸い寄せられるように、歩いていくとそこに一人の女の人が立っていた。

金髪のような、明るい髪の色でパーマをかけた、穏やかな雰囲気醸し出している人だった。

『矢口さん、裕ちゃんの事好き?』
いきなりなんだよ、と思ったが矢口は直感的にこの人は彩さんだと感じた。
『はい・・・好きです。だれよりも。』
290 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:31
『そっか・・・・。』
そう言いながら、笑顔を浮かべた。
矢口には、なんだかほっとした笑顔のように見えた。

『じゃあさ、裕ちゃんの事頼むよ。あなたになら、裕ちゃんを救えるから。過去に、アタシに囚われてる裕ちゃんを助けてあげてよ。』
そう言って、彩さんは矢口に手を差し出した。

『まかせてください。きっと、裕ちゃんを幸せにしてみせますから』

二人はしっかりと、強く手を握り合った。
291 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:31
目の前がぱっと明るくなった。


目を開けたら、そこはいつもの病室だった。
そこには、裕ちゃんがいた。

矢口が目覚めた事に気づいた裕ちゃんは、矢口の手を握って
『ごめんなぁ、ごめんなぁ』と繰り返していた。

聞けば、あの後矢口はかなり危険な状態になったらしい。
裕ちゃんは、自分のせいだと泣きながら矢口に許しを問うた。
292 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:32
『ねぇ、裕ちゃん。矢口、彩さんに会ったよ。』

『えっ?彩に?どこで?』

『夢の中で。彩さん、裕ちゃんを救ってあげて?って言ってた。
彩さんがいなかったら矢口、死んでたかもしれないよ。』

『そっかぁ・・・・。彩が矢口を助けたくれたんやぁ。』

『裕ちゃん、もういいんじゃないかな?彩さんのためじゃなくて、自分の為に生きてみても。』

293 名前:運命。 投稿日:2004/01/04(日) 20:32
彩、もういいんかなぁ。

アタシ、矢口を好きになってもいいんかなぁ。
そう、心の中で呟くと『いいんだよ、もう』と彩の声が聞こえた気がした。


そしてアタシは、矢口の唇を奪った。
294 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/04(日) 20:33

あけましておめでとうございます。
295 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/04(日) 20:35
今回は頑張ってみました。
なんせ、新年最初の更新ですから。
296 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/04(日) 20:35
今年も、のんびりと待っていただければと思います。
読んでくれる方がいればの話ですが(苦笑)
297 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/11(日) 21:28
更新します。
298 名前:運命。 投稿日:2004/01/11(日) 21:29
_____________________________

吹き荒れる風が冷たくなってきた季節。

矢口は慣れ親しんだ病室を後にして、個室へと舞い戻ってきた。

ー半月ほど前−
同室だった真希が、この世を去っていった。
突然だった。
そして、その後を追うようになつみも。

最後まで、幸せそうな顔をしていた二人。
その日は、腹が立つほど晴れた日だった。
299 名前:運命。 投稿日:2004/01/11(日) 21:29
裕子と矢口が結ばれた事を自分の事のように喜んでくれた二人。
裕子は自分の不甲斐なさを責めた。

助けたかった。
二人とも。
300 名前:運命。 投稿日:2004/01/11(日) 21:29

そんな事があって、矢口の身体は一段と衰弱していた。

裕子が病室へと出向いても、窓の外ばかり見ていたり。
深夜に、裕子が様子を見に来ても寝ていなかったり。
あまりにも、その姿は痛々しかった。

『なぁ、矢口ぃ。』

いつものように窓の外ばかりを見ている矢口。

『なぁ、人の命ってさ永遠のものじゃないやんか』

こちらを見てくれなくても、話は聞いているだろうから裕子は続ける。

『なっちもさ、ごっちんもさ、幸せやったと思うねん。』
『そりゃあ、悲しかったよ。でも・・・・』
301 名前:運命。 投稿日:2004/01/11(日) 21:30
平然を装っていたけれど一番、二人の死を悲しんで、悔やんでいたのは、ほかでもない裕子だった。

なんで助けられへんかったんか、とか。

助けたかったとか。

もう少し、生きさせたかったとか。

後悔ばかりが頭に浮かんでは消えていた。
302 名前:運命。 投稿日:2004/01/11(日) 21:30
気がつけば。
裕子の目からは涙が溢れていた。

小さく聞こえてくる、低い嗚咽。

引きつる呼吸音。

震える肩。

少しでも力を入れてしまえば壊れてしまいそうな身体を矢口は自分でも気が付かないうちに抱きしめていた。

『もぉ、いややねん』
『誰も失いたくなかってん。』
『助けたかった。』

裕子の心からの叫びに、矢口もまた涙した。

外は、あの日のように腹が立つほど晴れていた。
303 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/11(日) 21:31
今日の更新は以上です。
304 名前:運命。 投稿日:2004/01/13(火) 22:32
矢口の容態が安定し、精神的にも持ちなおした頃。

裕子はカンファレンスルームで矢口の両親と話をした。
矢口の事は自分に全てを任せる。
そう矢口の両親は裕子に言った。

『最後まで、真里の事よろしくお願いします』
そう涙ながらに言った母親の顔がずっと忘れられなかった
305 名前:運命。 投稿日:2004/01/13(火) 22:32
___________________________

静かな朝。
裕子は矢口の病室へときていた。
最近はずっと矢口に付きっきりだ。

随分と痩せてしまったが、矢口は以前と変わらない明るさを取り戻そうとしていた。

矢口はいつものように窓の外を眺めながら、裕子に髪の毛を梳かしてもらっていた。
少しパサつきがきになってきたらしい。

時間がゆっくりと流れる感覚とは、まさにこういうことを言うのだと実感するひととき。
306 名前:運命。 投稿日:2004/01/13(火) 22:32
あと、何日生きれるのか。
そんな不安に押しつぶされそうになる事だって少なくはない。
でも、そんな時いつも裕子はそばにいて。

まるで心の中まで感じているかのように。

矢口、矢口。
そう呼ぶ声が聞こえて矢口はいつのまにか閉じていた瞼を開いた。

『寝てるんかと思ったで。そんなに裕ちゃんの手が気持ちいいか?』
意地悪そうに聞いてくるその言葉さえも愛しい。

矢口は視線を下にし、点滴が刺さっている手の甲を見ながら。
『裕ちゃん、好きだよ』
そう呟いた。
307 名前:運命。 投稿日:2004/01/13(火) 22:32
もう、矢口自身も分かっていたのかもしれない。
このひとときが、そう長くは続かないことを。

308 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/13(火) 22:34
更新は以上です。

需要のないこのスレとももうすぐ、お別れかもしれないですね。
需要と供給のバランスは大切ですから。
309 名前:名無し 投稿日:2004/01/13(火) 22:49
レスが無いからって拗ねるなよ
見苦しい
310 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/13(火) 23:02
>309名無しさま
じゃあ読んでいただかなくても結構ですよ。
ただの自己満ですからね。
311 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/13(火) 23:19
ochi
312 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/13(火) 23:33
自分は読んでますよ、レスが苦手なのであまり書かないですが……
文章の書き方もすごく上達したと思いますし、
最後まで頑張って欲しいです。
313 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/14(水) 00:48
自己満ならレスなかろうがなんだろうが書きたいように書けばいいじゃん

結構レスきてる方だと俺は思うけど、作者さんはそうは思わない?
314 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/14(水) 01:04
もうお別れでいいよ
315 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/14(水) 02:15
自分も最初から読んでますよ!
自己満足でもいいんで、これからも続けてください☆
316 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/14(水) 06:23
口調が荒くなってしまい申し訳です。

ただ、私はレスを煽ったわけでも、レスがなくて拗ねてたわけでもないです。
もうすぐ完結する、という意味です。
レスしていただいてくれる人にはものすごく感謝していますし、嬉しいのでですが
私の態度、作品が気に食わないのであれば無理してまで読んでいただかなくてもいい
ということが言いたかったんです。
言葉足らずなものの言い方をして申し訳なかったと反省しています。
317 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/18(日) 10:50
更新します。
318 名前:運命。 投稿日:2004/01/18(日) 10:55
一月の半ば。
矢口の容態は思わしくなかった。

日に日に弱っていく矢口を、もうどうする事も出来なかった。
助けたい。
でも助けられない。
そんなジレンマが裕子を包んでいた。

裕子は時間を見つけては、矢口の病室へと足を運んでいた。
話をする元気がなくても。
矢口のそばにいれればいい。
そう思っていた。
319 名前:運命。 投稿日:2004/01/18(日) 10:56
矢口の21歳の誕生日の日。

容態が急変して、集中治療室へと運ばれた矢口を裕子はぼんやりと見つめていた。
裕子と出会って、一年。
色々な矢口の顔を見てきた。

笑った顔。
拗ねた顔。
怒った顔。
照れた顔。

全部が愛しくて、大好きで。
全部を愛してた。

彩との過去に別れを告げて。
矢口だけを見つめて。
もっと一緒いたかった。
320 名前:運命。 投稿日:2004/01/18(日) 10:56
心からそう思っていた。

『中澤先生!矢口さんが!』
看護婦が叫ぶのが耳に入る。

集中治療室の中には家族や友人達がいた。

なのに。
なのに矢口は裕子を呼んでいた。

もう虫の息となった矢口の声は、口元に耳を傾けないと聞こえないほどだった。

『裕ちゃん・・・・。』
掠れた声で呟くように。

『なんやぁ?矢口』
触れた矢口の頬はまだ、暖かかった。
321 名前:運命。 投稿日:2004/01/18(日) 10:56
『矢口ね、幸せだったよ。裕ちゃんに出会えて。裕ちゃんを愛して』
心底嬉しそうに言った矢口の顔は僅かだが笑ったように見えた。

『アタシも・・・幸せやったよ。』
もう、涙なんて堪えられない。
ボロボロと溢れ出てくる涙もそのままに。

まわりも。
誰も泣いてないものはいなかった。
矢口を惜しんでいた。

『ありがとね・・・。矢口を・・・あい・・してくれて。』
最後は声になっていなかったが。
裕子には聞こえた。
矢口の心の声が。

ピーと矢口の心音をあらわす音が響いた。

裕子の嗚咽が止まらなかった。
322 名前:運命。 投稿日:2004/01/18(日) 10:57
葬儀が終わって。
矢口の死を自覚した頃。
矢口の病室から手紙が出てきた。
そこにはただ、ありがとうと一言だけ。

ありがとうやって。
アタシはなんにもしてないのに。

矢口の事は絶対忘れへんから。

アタシは一人じゃない。
待っててな。
アンタに胸張って会えるようになるまで。

end
323 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/18(日) 10:58
終わりです。
レスしてくださった皆様。
読んでくださった皆様。
本当にありがとうございました。

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