護り屋

1 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)02時51分36秒
ど〜も!!お初です!
初めてで、切磋な文章になるかも
しれませんがなにとぞよろしくお願いします!
2 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)02時53分33秒
ここはとある高級住宅街の一角。
今日も穏やかな空気がながれていた。
 
「ガッシャ〜ン!」
と住宅街の中でも一際目立つ家から窓ガラスの割れるような音がした。
 
「またですか・・・・」 
と嘆くのはここ「安倍家」の執事の吉澤ひとみだった。
 
「今月これで8枚目・・・そろそろなんとかしないとなぁ〜・・・
 でも早くしないとお嬢様が危ないしな・・・よし!旦那様に相談しよう!」
と、ひとみが向かったのは書斎だった。ひとみはドアをたたいた。

「失礼します」と、書斎で資料を読んでいたのはこの安倍家を一代で
築き上げ、さらに日本の経済業界のトップにまで上り詰めたという男だった。

「何かね?吉澤」 
「旦那様・・・これで今月に入って8枚目です。お嬢様の部屋ばかり
 石を投げられているところから考えると、今はお嬢様がいない時に石を投げていて、
 いたずらのようなものですが、お嬢様が狙われている
 のは明らかです・・・それに先ほど脅迫状のようなものも届きました。」
と吉澤は脅迫状をみせた。
3 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)02時55分33秒
「「社長を辞任しろ。さもないとお嬢様がこれからもっとひどくなるぞ」か・・・」
「旦那様。早急な対策を・・・」
 
と主は考えるような姿勢をとり、しばらくすると口を開いた。
 
「なつみはこの事を知らないからな・・放っておくと大学にいるときでも危なくなるな・・
 吉澤、ここに連絡しろ。」
と主は机の中から紙を取り出し、そこに電話番号を書いた。
 
「これは・・?」
「それは「護り屋」の電話番号だ。その護り屋の一人を雇え。」
「護り屋・・・しかしお一人で・・?」
「そこの人間に一人優秀な人物がいる。そいつはここのSPの100倍はできるやつだ。」
「やけにお詳しいんですね」と少し疑問に満ちた顔をして、ひとみはたずねた。
「なに、俺も一時期護ってもらっていたからな・・・」

とひとみは納得したような顔をして書斎を後にした。
4 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)02時57分15秒
なつみはお迎え用の車に乗って帰宅の途についていた。
最近までは一人で大学に行っていたのについ先日、父親に「車で通学しろ」と
言われてしまった。
友達と喋りながら歩くのが好きななつみにとって、「お嬢様通学」は好きにはなれなかった。

「ねえ圭ちゃん、なんで急に車で通学なんだろうねぇ?」
となつみが話し掛けたのは安倍家のなつみ専用の運転手の保田圭だった。二人は歳も近く、
二人きりのときはあだ名で呼び合ったりもしていた。

「なっち。旦那様はなっちが心配なんだよ。」
と保田は答えた。保田はなぜ車で通学するかは知っていたが、口には出せなかった。

「父さんも何考えてるんだろうねぇ〜?・・・あぁ〜!毎日同じ景色だよ〜〜」
「なっち、そんなにあたしと喋るのがつまらない・・?」
「そっ・・そんなことはないよ!圭ちゃんと一緒に喋っているのが
 唯一の学校以外の楽しみだよ!」
と弁解の意味も兼ねて、なつみは大声で言った。

そんなこんなで話をしていると、屋敷に着いた。
5 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)02時58分53秒
「ただ〜いま〜」
となつみが言うと、何人かのメイドがいっせいに、

「「「「「「「「お帰りなさいませ、なつみお嬢様」」」」」」」」

とオーケストラのように迎える。
なつみはあまり好きではなかったが、一生懸命やってくれてるんだと思い、
愚痴はこぼさないでいた。

「お帰りなさいませ!なつみお嬢様!」とかん高い声で後から言うメイドがいた。
彼女の名は石川梨華、でなつみが一番仲良くしているメイドの一人でもあった。

「ただいま。梨華ちゃん。」となつみは笑顔で言った。

すると後ろから「お帰りなさいませ」と低いハスキ―な声が聞こえた。ひとみだ。

「ただいま。よっすぃ〜。」
このよっすぃ〜と言うのは、なつみが名づけたあだ名だ。
ひとみはこのあだ名をきにいっている。
「なつみお嬢様。旦那様が書斎でお待ちです。」

と、ひとみはなつみに話した。
6 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)03時00分07秒
「何か用があるのかな・・・?」なつみは自分が何かしたのか考えていたが、ひとみに

「お嬢様のボディーガードのことですよ」

と言われ、

「はあ?ボディーガード?・・いらないよそんなの!!」

となつみは声を荒げて言ったが、

「とりあえず、書斎に行ってください・・」というひとみの言葉に
渋々なつみは書斎に向かった。

なつみが書斎に向かった後・・・
「ひとみちゃん!」
「り〜〜かちゃ〜ん!」
とこの二人は付き合っている。このことは屋敷中の誰もが知っていることで、
暗黙の了解になっている。

「ひとみちゃん・・きょうもす・て・き!」
「りかちゃんも・・・!」

と、玄関でラブラブモード全開の二人は横を通り過ぎた女に気づかなかった。
7 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)03時01分28秒
>本日は以上っす!
8 名前:jinro 投稿日:2003年08月09日(土)08時04分27秒
ボディガード誰なのかな…?

お嬢様のなっちとはなかなか新鮮ですな。
がんばってくださ〜い!
9 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)16時01分26秒
「あ〜なんかあったのかな〜?ボディーガードなんていらないよ〜!」」
安倍はぶつくさ文句をいいながら書斎へと歩いていた。
 
・・トントン・・

なつみは書斎のドアを叩いた。

「父さん。よっすぃ〜に言われてきたんだけど・・・」

と書類に目を通していたなつみの父は、なつみに今までの嫌がらせの事や、
脅迫状のことを説明した。

「そういうわけだから、なつみ、お前に私の知り合いの『護り屋』というものをつけることにした。
 もうすぐくるはずだから待っていなさい。」
 
となつみの父は強く言った。なつみはそんなことがあったのかと、
驚いていた。
10 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)16時05分35秒
なつみは脅迫のことを受け止めて父に気になっていることを聞いた。
「父さん。その人って男の人なの・・・?」
「いいや、女だ。歳は・・・17ぐらいかな・・」
「ふぇ?女の人なの?しかも年下?!」

とボディーガードは男だと思っていたなつみはボディーガードが女で
しかも自分より5つも年下だとは思っていなかった。まあ護ってくれるなら男より女のほうが
いいとなつみ自身も考えていた。

その時

「失礼します」

なつみは聞いたときのない女の人っぽい低い声にドアの方に視線を向けた。

・・・ガチャ・・・

とドアをあけて入ってきた人は黒服に身を包み、茶髪でストレートの綺麗な髪をしており、
そしてその目は、少し垂れていた。

「お久しぶりです。安倍様。今回は、そちらのお嬢様ということで・・・?」

その女はなつみの方へ目を向けた。
一方なつみは、

(この人が、私のボディーガードになる人・・?でも私より年上っぽいよねぇ・・)
とその女に詮索の目を向けていた。

「なつみ。その人がお前の『護り屋』として暫く一緒に行動してもらう人だ。」

となつみの父はなつみに言い放った。
11 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)16時06分51秒
「初めまして、なつみお嬢様。今日から暫くお嬢様のおそばで一緒に行動させていただく
 後藤真希というものです。」

と真希はなつみに手を差し伸べた。
なつみは、

(何かこの人かっこいいな〜この人に護られるのか〜・・・
 この人なら護ってくれそうだね。)
と想いながら、真希と握手をしていた。


これが二人の最初の出会いだった。
12 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)16時12分52秒

少量更新っす!今夜もう一回・・・いけたらいきます!

>jinro様
 こんな文章をみていただいてありがとうございます!
 ボディーガードはごっつあんでした♪
13 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月09日(土)16時39分16秒
なちごま〜な予感。
期待してます
14 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)23時11分04秒
その日から、真希はなつみの護り屋になった。

・・・居心地が悪いっす・・護り屋とか何とかいったこの真希ちゃんは、いつも私のそばにいてくれる
・・・いやいつもそばから離れない・・なっちがそんなにそばにいなくてもいいよって声をかけても、

「いいえ、これがわたくしの仕事ですから」

って営業スマイルを浮かべて、返されるからなっちも何もいえない・・・(泣)

ご飯のときも常になっちが見えるところにいてくれるし、部屋にいるときも部屋の前でいつもいてくれる・・
まあ、いいんだけどさ・・なんかねぇ〜?この娘はこんなかっこかわいいのにこんな仕事なんかしてね〜・・?
もっとフツーの女子高生みたいにマックとかにいそうなのに・・・ってなっちが考えていたら、

「なつみお嬢様」
15 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)23時12分08秒
声をかけられて一瞬肩がビクッってなった。

「なつみお嬢様。明日から、わたくしもお嬢様の大学に付き添わせてもらいます。
 ・・・・いちおうお嬢様の友達ということで大学の中で、常に行動させてもらいたいと思います。」

って言った。・・・・ふぇっ?!なっちの友達?!大学の中でも一緒にいるの?・・・ってか
どうやって入るんだろう?・・ってなっちが考えていたら、

「お父上様が、大学のほうに話を通してくださるようです。」

・・納得・・父さんはなんでもやるからねぇ〜・・でもなっちは気になることがあった。

「真希さんは学校で授業とかはどうするの?」
16 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)23時12分46秒
返ってきた返事は、

「途中転入という形で入ります。それに大学の授業くらいの知識は持っていますから・・」

って笑顔で平然としていった。・・・大学くらいの知識は持ってる?・何者なんだろう?
・・・そうだ!もうひとつ気になることがあったんだ!

「ねえ真希さん?あのね、私のこと『なつみお嬢様』とか『お嬢様』って呼ばないで欲しいんだ・・・
 あんまりその呼び方好きじゃないんだ」ってなっちが言ったら、

「・・・わかりました。でなどのようにお呼びになれば?」

「『なっち』って呼んでほしいかな・・・」

ってなっちが上目使いで頼むと、

「わかりました。なっち」

・・・・・なんか照れる・・・・
17 名前:tsumi 投稿日:2003年08月09日(土)23時19分53秒
今夜は以上です。
ちょっと早いけど
    なっち誕生日おめでと―!!
  (●´ー`)<22だべ
   (´Д`)<おめでとう。なっち!
  (●´ー`)<ありがとうだべ
   (´Д`)<んあ。


>名無しさん様
なちごまっす!一番好きなんで!
期待してくれてありがとうです。
18 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月11日(月)23時49分20秒
おもしろいです。
続きにすっごく期待。
このところ毎日チェックしてます(w
19 名前:みるく 投稿日:2003年08月12日(火)09時04分11秒
なちごま大好きです♪
楽しみにしてます。頑張ってください!!!
20 名前:tsumi 投稿日:2003年08月12日(火)19時29分34秒
月曜日。なつみは学校に行くため部屋で着替えをしていた。

・・・よいしょっと、朝起きたら背骨を鳴らしてっと、さあ、朝ごはんいくっっすか!

となつみは着替えを済まし、ドアをあけた。

「おはようございます。」

ドアの横に立っていた真希は、挨拶した。

「おっおはよう・・」

なつみは朝から真希の迫力に押されていた。

・・・今日から、一緒に学校にいくんだよな〜・・・ちょっと緊張するな・・・
21 名前:tsumi 投稿日:2003年08月12日(火)19時30分13秒

朝食を済ませなつみは家の前に止めてある一台の外車の前にたった。

「おはよう圭ちゃん!」

「おはよう。なっ・・なつみお嬢様・・」

いつもは「なっち」と呼ぶのだが、真希がいたためなつみお嬢様と言ってしまった。

「圭ちゃん!!なっちって呼んでくれなきゃだめって言ったっしょ!」

「しかしお嬢様・・そちらは・・」

と真希のほうに視線を向けた。

「ああ・・そうだった。この人は今日から私を護ってくれる人だから、真希さんってゆうの
 圭ちゃん真希さんにも「なっち」って呼ばせてるから、大丈夫だよ!」

と、なつみは笑顔を浮かべていった。  

「・・わかったよ。なっち。」

こうして真希も乗り込み、3人は学校へ向かった。
22 名前:tsumi 投稿日:2003年08月12日(火)19時31分04秒
なつみの通っている学校は「飯田女学園」という日本でも屈指のお嬢様学園で、なつみはそこの
大学部で、成績も1桁台にはいつもいる。なつみの屋敷からは徒歩で40分くらいで車なら15分くらいで着く。

「なっち着いたよ」

保田の声で、眠り姫になりかけていたなつみは、目をあけた。

「もう・・着いたの?」

目をこすりながらつぶやくと

「ええ、着きましたよなっち」

と保田が答えるのだと思っていたなつみは保田の数倍低い声の真希が答えたので、眠気が覚めた。

・・・真希さんも乗ってたんだった。・・・

なつみは目をこすりながら少し顔を赤らめながら、窓の外を見た。

そして二人は車を降りて、バカでかい門をくぐって学園に入った。
23 名前:tsumi 投稿日:2003年08月12日(火)19時31分49秒
飯田女学園は、小等部から大学部まであり、それぞれ1校舎ずつあり、
大学部だけ学部別なので2つの校舎がある。ただその一つの校舎はバカでかい。
それぞれの校舎は中庭でつながっており基本的にはどこでも自由にいける。
食堂も、中華、洋食、和食、そしてファーストフードという4つの食堂から成り立っており、
生徒は自由に選ぶことができる。


なつみは真希に職員室まで案内した。
そこで真希は手続きをすませ、なつみに学園の案内をしてもらった。

行き交う生徒は

「おはようなっち〜!」 「おっは〜!なつみ〜」 「なちなちおはよ〜!」
と次々になつみに声をかけていく。なつみは人気者のようだ。
そして、長身のモデルのような美女が近づいてきた。
24 名前:tsumi 投稿日:2003年08月12日(火)19時33分03秒
「なっち。おはよ」
「おはよ。かおり」

彼女の名は「飯田圭織」この飯田学園の理事長の娘で、神秘的な風貌に、頭脳明晰と
非の打ち所のないような美女だが、たまに交信してしまうという癖がある。
なつみとは小さいころからの親友だ。

「なっち今日も早いね・・・そっちの子は?初めてみるけど・・・?」

と真希のほうに視線を向けた。

「ああ、この娘は・・・後藤真希さんってゆうんだ!なっちとおんなじ学部に入るんだ。」
「へぇ〜めずらしいわね。こんな時期に・・」

と真希が

「後藤真希ですよろしくお願いします。」

と言ったが、返事が返ってこない。飯田をみてみると、

「・・・・・・・・・・」

・・交信していた。
25 名前:tsumi 投稿日:2003年08月12日(火)19時33分36秒
今日の更新はいじょうっす!
26 名前:tsumi 投稿日:2003年08月12日(火)19時36分53秒
>名無しさん様
 毎日チェックなんて・・・感無量です。
 できるだけ間隔をあけないようがんばります!

>みるく様
 なちごまが好きな人に悪い人はいない!
27 名前:チップ 投稿日:2003年08月12日(火)20時03分52秒
わぁなちごまだぁ〜(遅 頑張ってください。
28 名前:影のなちごまファン 投稿日:2003年08月13日(水)01時21分09秒
すっごい好きな感じなので楽しみです!
期待してます、頑張って下さい。
29 名前:tsumi 投稿日:2003年08月13日(水)16時03分01秒
>チップ様
 がんばります!

>影のなちごまファン様
 期待を背に受けがんばります!

今夜マシューで生告白をするらしいなっちを
見てから更新します!
30 名前:tsumi 投稿日:2003年08月14日(木)01時31分47秒
講義が始まり、なつみの横に座っている真希は何食わぬ顔をしてタヌキ教授の話を聞いている。
・・・すごい・・17なのに・・

なつみは真希の釈然とした態度が気になり、真希の方ばかりを見ていた。
すると真希がなつみと視線を合わせ、

「なっち、前見て勉強しましょう」

とまるでなつみを年下の子供みたいに真希はなつみに注意した。

・・・恥ずい・・・

講義が終わり昼休みになると、なつみに引っ張られ真希は食堂に行っていた。
31 名前:tsumi 投稿日:2003年08月14日(木)01時32分29秒
「真希さん、昼食は何がいい?」

となつみは聞くのだが、

「なっちに任せます。」

と自分の意見をいわずになつみに決めさせようとする。

・・・それが一番困るんだよなぁ・・・

とりあえず無難にファーストフードの集まる食堂になつみと真希と飯田はきていた。

生徒は行列に並んでいるが、この学園のマスコット的存在の二人がくれば、
モーゼのように道が割れて、順番がすぐにまわってくる。

真希が

「これは・・・すごいですね・・」

と思わず言うと、

「だよねー、あんまし特別扱いしてほしくないんだけど、みんなが押すんだよ・・」

となつみが少し元気が無いようにつぶやいた。
32 名前:tsumi 投稿日:2003年08月14日(木)01時33分14秒
そして、3人は適当にメニューを選び、席に座った。

すると他の生徒の、その座席の近くの席取りが始まる。

「ちょっと!!あんた、あっちいきなさいよ!」
「あんたがあっちいきなさいよ!私なんて、もう何ヶ月もゲットでてないんだから!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「===================」


「・・ごめんね真希さん・・」

となつみは申し訳なさそうにつぶやく。

でも真希は、

「・・・なっちはかわいいし、飯田さんはかっこいいし、そりゃあ集まるでしょう」

と平然と言った。
33 名前:tsumi 投稿日:2003年08月14日(木)01時33分55秒
なつみは

・・・・かわいいっていわれた・・・

顔が赤くなっていた。

すると向こうから2人の少女が走ってきた。

「あべさ〜〜ん!」

「いいらさ〜ん!」

とお団子頭をした双子のような二人が走ってきた。

そして飯田が未だ争っている座席から二つをとってきて、

「あいぼん、ののちゃん一緒にご飯たべよっか?」

と優しく微笑んで飯田は二人を座席に座らした。
34 名前:tsumi 投稿日:2003年08月14日(木)01時34分33秒
すると一人が

「あれ、この人誰や?」

と真希の方を指差して、言った。

「あっ、この人はね、後藤真希さんってゆ〜んだ。私の友達なの。仲良くしてやってね?」

となつみがいうと

「「は〜い!!」」

と声を合わせて言った。

「わては加護亜依っちゅーもんや、歳は15や、よろしゅうな後藤さん!」
「つぃは、つぃのぞみれす。あいぼんと同じ15れす!」

・・どうやら双子ではないらしい。

真希は関西弁が加護亜依、舌っ足らずが辻希美と理解した。
35 名前:tsumi 投稿日:2003年08月14日(木)01時39分29秒
この時真希は久しぶりに笑えていた。





だから気づけなかった。
  




なつみを見つめる人たちの“眼”の中で、









種類の違う“眼”が二つあったことを・・・
36 名前:tsumi 投稿日:2003年08月14日(木)01時42分34秒
今日の更新終わります!
今度から少しバトルが入ったりします。
そして真希の秘密もちょこっと・・・


それでは今日の夜また更新します。
37 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)00時42分56秒
そしてすべての講義が終わり、真希となつみは保田の待つ車が止めてある校門まで歩いていた。

「真希さん。どっかよるとこない?」

なつみが聞くと、

「いいえ、私は結構です。それよりなっちの方はどっかよりたいところは?」

とあくまでもなつみ中心主義を確立している。

なつみはもちろんこういうことは好きではない。


この時、真希は気づいた。

・・・誰か見てる・・・
38 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)00時44分19秒
真希となつみの後ろから視線が発せられている。真希はなつみに言った。

「・・・なっち。誰かに見られています・・・早く車に行きましょう。」

なつみは驚いて、少し早歩きになり、保田がとめてある車のところまで、かけていった。

真希はなつみの数メートル後ろから見守っていた。

なつみが車に乗り込み、真希を乗せるため奥の座席に移動したが、

「なっち、私は少し相手と接触してみますので・・・」

と保田に行ってくれと指示を出して、ドアを閉めた。
39 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)00時44分59秒
「ま・・真希さん!!」

となつみは叫んだが、保田は指示どうり、車を発車させた。

「圭ちゃん!!止めて!」

となつみは圭に要求するが、

「なっち、・・・ここはプロに任せよ。」

といわれてしまい、苦虫を噛み潰したような表情を作ったが、
仕方なく後ろを振り返り、心配そうに手を振る真希を見つめていた。

(真希さん・・・戻ってきてね・・)
40 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)00時56分47秒
・・・ふぅ、それじゃあ行ってみるか・・

真希は歩き出した。
行く当ても無く歩き出した、が確実に今自分以外の者が自分に対して
強い視線を浴びせていることに気づいていた。

真希は狭い路地に入っていった。

そこに響く足音は真希ともう一人の何者かのもの。
真希は振り返った。

「あなたの目的は、お嬢様?それとも・・・?」
41 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)00時57分37秒
その男は言った。

「あなたに会いに来たんですよ。後藤真希さん。」

と二十歳前後くらいのその男は言った。

「あなたの居場所を突き止めるのに苦労しましたよ。まさか護り屋とか何とか
 をやってるなんて・・・しかも『安倍家のお嬢様』とはねぇ・・・」

「あなたの目的は何?」

真希は冷ややかな目で男を見つめた。

「目的?・・愚問ですね。あなたの下を訪れる理由はその護り屋とかいう
 やつの依頼とこれくらいじゃないんですか?」
42 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)00時58分21秒
「・・・あたしを殺しに来たの・・?」

「もちろんです。あなたを倒せば名があがりますから・・・
 なんと言っても3年前あの・・・」

男がそういいかけた時、男は喋る能力を失っていた。
男はそれを理解はできなかっただろう、
その場に残ったのは、
男の命を失ったかたまりと、異様なオーラを持った
真希だけだった・・・・
43 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)01時09分39秒
なつみはそわそわしていた。

「お嬢様。玄関なんかにおらっしゃらずに、早くお部屋に戻られては・・・?」

と吉澤が言っても、

「だめ!真希さんを待つの!」

と今にも外に飛び出していきそうな感じであった。

「はあ・・・こうなると手がつけれないんだから・・」

吉澤はため息をつき、愛しの梨華を探しに行った。
44 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)01時10分11秒
暫くすると玄関が空いた。
なつみが見上げると、

「遅れて申し訳ありません。」

と真希がやってきた。

なつみは思わず飛びついた。

真希は受け止めた。

「真希さん!大丈夫だった!怪我ない?」

となつみは聞くが、

「大丈夫ですよ、なっち。それにそいつはストーカーで私が注意しておきましたから・・」

なつみは自分が真希に抱きついていることに気づいた。
45 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)01時10分54秒
・・・恥ずい・・・

離れようにも真希がしっかりと受け止めているので、何かもったいないよう
な気がして、離れられなかった。

「それではご主人様に報告してきます。」

と真希から離してくれた。

真希は書斎に歩いていった。

なつみは顔が赤くなり体温の上昇が止められなくなって、
部屋に駆け込み、ベットにダイブし、枕に顔を押し込めた。

「なんか・・・心臓がドキドキしてる・・・」

なつみがこれが「恋」と気づくのに時間はかからなかった。
46 名前:tsumi 投稿日:2003年08月15日(金)01時12分40秒
今日の更新は以上です!

22歳の私が2位だったらしいっすね!

47 名前:jinro 投稿日:2003年08月17日(日)15時48分30秒
ごっちーーーん!
かっけーよ、アンタ!
48 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)18時31分39秒
「失礼します」

真希は書斎に入っていった。
そこにはなつみの父が電話で誰かと話しているところだった。

「ああ・・・そういうことだ・・心配は無い。・・ああ」

そういって電話を切り、真希に向かい合った。

「今日はどうだったかね?」

なつみの父はたずねた。

「一人・・・お嬢様ではなく、私を狙ってきた者がいました。ただそれだけです」

「・・・それでその者は?」

「始末しました」
49 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)18時32分33秒
真希は低い声でなつみの父に言い放った。

「・・・なつみに害はなかったんだろうね?」

「もちろんです」

「ならばいい・・・しかし、君は今でも狙われるのかね?」

「・・はい・・3年前のあの事があってから、私は狙われるのは覚悟していました。」


「それは、私の所為でもあるからな・・」

なつみの父は机にひじを突いてつぶやいた。
50 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)18時33分47秒
なつみは火照った体を起こし、リビングに向かった。
そこには父と、吉澤と梨華を含むメイド数名がいた。

「なつみ。食事にしよう。」

主の声があってから、安倍家の食事は始まる。

「そういえば、明日愛が帰ってくるのだな。」

「うん。合宿からね。」

なつみには愛という妹がいる。今はなつみと同じ飯田女学園の
高等部の2年生で、一週間勉強合宿に行っているところだった。

安倍家の家族は父になつみに愛の3人だった。
母親は愛を生んでから静かに息を引き取った。
51 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)18時35分20秒
「愛にも真希さんのことを紹介しないとな。」

「うん。」

だが真希の姿が無い。

「そういえば、真希さんは?」

すると吉澤が答えた。

「何か用事があるとでていかれました。」

なつみは・・護り屋なんだから一緒にいつもいて欲しい・・と
思っていた。


「・・・今日は、あの日だからな・・・」

父が悲しそうにふと言ったので、問いただすことはできなかった。
52 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)18時37分03秒
夕日が沈みかけて、その灯火が消えかけようとしているころ
真希は花束を持って小高い丘に来ていた。
そこからは、青い海が臨め見渡す限り人の気配も感じられない。
そんなとこに一人真希は来ていた。

「今日で3年たったよ。」

「今ね、あの時の人の娘さんを護ってるんだ。」

「なんかね・・笑顔がどことなくあなたに似ているの。」

真希はそこにある石碑に花束を置き、手を合わせた。

「今日ね、私また狙われたんだ。」

「みんな私を殺したら、自分の名が上がるって思ってるんだよ・・・」

「ねえ、いつまでこんな事が続くのかな?」

「私が死ぬまでつづくのかな・・・」


「・・・ねえ?死ぬときって・・私に殺されたときどんな気持ちだった?」

「痛かった?悲しかった?・・・でも笑ってたよねあなたは・・」





「ねえ?・・・いちーちゃん・・・・」
53 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)18時51分40秒
真希は深夜、安倍家に着いた。
そしてそのままなつみの部屋の前で待機してようと、
なつみの部屋の前まで来ていた。そしてドアの前に椅子を置いて仮眠でも
しようかというとき、ドアが開いた。

「どうかしましたか?なっち。」

なつみは寂しそうな眼をして真希を見つめた。

「ねえ・・・中に入って・・一緒になんかお話しない?」

なつみの誘いに真希はにっこり笑って、

「ええ、何か暇でも持て余しましょうか」

となつみの部屋の中に入っていった。

なつみの部屋は、女の子にしてはさっぱりとした部屋で、
上品さが感じられる。
なつみはキングサイズのベッドに腰掛けた。
54 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)18時52分11秒
「真希さんも座って」

「それでは、失礼します」

「待って」

なつみは真希の動きを止めた。

「あのね・・・ずっとおもってたんだけどね、・・その敬語ってゆーのかな?
 なんかもっとなっちに気軽に話し掛けてほしいの・・・あっ!急に変えろなんていわないよ!
 ゆっくりでいいから・・・」

となつみがうつむきながら言った。

「わかり・・わかったよ。なっち」

真希は極上のスマイルをなっちに向けて見せた。

なつみは顔が真っ赤になった。

「・・・私からもお願いしていい?なっち」

「う・・・うん・・」

「なっちも私に敬語使わないでほしい」

真希がなつみの顔をのぞきこんで、言った。

なつみはさらに真っ赤になりついうなずいてしまった。

「おもしろいね。なっちは。」

なつみはそのまま気を失った。
55 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)19時00分18秒

朝。
なつみは目覚めた。
背骨を鳴らし、洗面所に向かうため、ドアをあけた。

「おはよう。なっち」

真希が声をかけたおかげでなつみ目がさめた。

・・・うあ・・真希さんの顔が見えない・・・どうしよう・・・・・
となつみが考えていると、

「どうかした?なっち」

と自分の顔を真希が覗き込んできて、なつみは走り去ってしまった。

「やっぱりおもしろいね、なっちは」


洗面所に着くと、自分の顔の赤みが鏡が映しすぎではないのだろうかと
おもうぐらい赤かった。

冷たい水で洗っても一向に赤みは消えない。なつみは
諦めて歯を磨き始めた。

真希と鏡越しに目が合った。



なつみは倒れた。













56 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)19時07分07秒
なつみが目を覚ますと、そこは自分のベットだった。

「ふあ?!」

と体を起こすと、

「目がさめた?なっち?」

と真希の顔がドアップでなつみの目に映りこんだ。

なつみはくらくらしたが、何とかもちこたえて

「あれ・・・なっちは・・・?」

「洗面所でたおれたんだよ、なっちは」

と真希の説明で先刻の事をなつみは思い出した。

・・・うぁ〜〜・・恥ずかしいところ見せちゃった・・・

「なっち、今日は学校を休む?」

真希は心配そうに言った、

「いんや、今からでも行くよ。」

と時計を見て答えた。


そして軽く朝食を済ませると、時間は10時半だったので、
保田の車に乗り、二人は学校へ向かった。

57 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)19時31分26秒
学校に着くと、飯田がよって来た。

「なっち〜〜どうしたの〜?今日は朝一人で寂しかった〜」

「ごめんごめん!!朝寝坊しちゃって」

まさか真希を見て倒れたなんていえない。

「寝坊なんて、珍しいね。でもさぁ〜後藤さんも一緒になんで来たの?」

・・・すっ、するどい・・・
 
なつみが言い訳を考えていると、

「私は、なっちのイトコなんだ。それで、なっちを起こしてたら
 間に合わなくって・・」

と言い訳をした。
58 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)19時32分09秒
「そっ・・そうなんだ!真希はイトコでさぁ〜・・」

としどろもどろになりながら言った。

すると突然

「カオにはわかる・・・」

とつぶやいてどこかにイッてしまった。

交信野郎をほうって置いてなつみと真希は
講義を聴き始めた。

59 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)19時34分04秒
昼休み

「真希さん。今日はどこ行く?」

「カオリ無視?」

飯田の訴えはなつみの耳にはとどかなかった。

「・・・うんとね、ちょっといいかな?」

「うん。なに?」

「真希さん、ってのもちょっとね・・・」

どうやら名前の事らしい・・・

「う〜〜ん・・じゃあね・・・」

と考えていると、

「おっ!噂の3人!」

と前から加護と辻以上に背が小さい少女が歩いてきた。

「矢口〜〜!」

というと、矢口と呼ばれた少女は、

「なっち〜!」

と二人は抱き合った。
60 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)19時34分58秒
真希は呆然と見ていたが、

「あっ、紹介するね。このチビッコはね「矢口真里」っていってねなっち
 の二個下なんだよ・・こう見えても・・」

「むっ、何気に失礼なこと言ったぞ!今!」

とムッとした表情で、なつみを見た。

「そういえば・・なんで噂の3人なの?」

「そりゃぁ〜さ〜、学園のアイドル二人組みに急にこの・・・
 えっと?名前は・・・」

「後藤真希です」

「そうそうごっつあんがついてきてさ、この学園の生徒は
 ごっつあんの事がみんな気になっててね・・・それにかっ・・かっこいいし・・」

ごっつあん?と真希は首をかしげていたが、

「ごっつあんっていい感じだよね!」

と飯田が言ったので、真希はごっつあんに決まった。

・・・ぶう・・せっかく「まきまき」とか「ゴマキ」とか考えてたのに・・・・

なつみはいじけていたが、真希がうれしそうにしていたので、まあいいかと思った。
・・やぐちなんか変だったな・・・
なつみはそう思いつつ4人は食堂に向かった。







61 名前:tsumi 投稿日:2003年08月18日(月)19時36分54秒
今日の更新は以上っす!

jinro様
レスありがとうです。
これから少し真希も本音をだしたりしますんで・・・
62 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月21日(木)22時36分22秒
おもしろい!!です。
続き、ごっちんの本音にも期待(w
63 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時08分12秒
食堂は混んでいた。

だが4人が着くと、自然に道ができた。
しかし今回はちょっと違った声が聞こえてきた。

「ねえねえ?あのひとカッコよくない?」

「クールっぽくてさあ、なんかいーよね!」

「話し掛けてみようかな?」


と真希のことに、生徒は興味を持っているようだった。

4人はなつみはカレー、飯田はオムライス、真里はスパゲティ
そして真希はハンバーグを選んだ。
64 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時08分56秒
昨日は真希の隣にさも普通のように座ったなつみだが、
真里に先に真希の隣を奪われてしまった。

・・・むう・・やぐちめ・・・

なつみは真里に嫉妬に近いものをしていた。

「ねえねえ、ごっつあんってどこすんでんの?」

「ねえケータイ教えて?」

「おいらはねぇ〜^^」

と、なつみを不機嫌にするには十分すぎる理由だった。

「やぐち、そんな早口じゃごっつあんも困るでしょ」

と真希に助け舟を入れたのは飯田だった。
65 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時10分12秒
・・・カオリナイス!・・・

なつみは少し笑みが戻った。

「なっち、カオにはわかる・・・・わかるよ・・」

笑みが消えた。

そして4人は午後からの講義にもでて
何事もなく時は過ぎていった。

日程が終わって、真希となつみと飯田は3人で町に繰り出そうということになった。
保田に連絡して車は来なくていいといっており、
町に繰り出そうと門を抜けようとしたら、

「お〜〜い!おいらをおいてかないで〜〜!!」

となつみの頭痛の種ともいえるなつみの親友がやってきた。
66 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時11分13秒
もちろん真希の隣を陣取って、腕を巻きつけて道を歩いていった。
なつみはもちろん面白くない。

・・・ごっつあんをやぐちにとられた気がする・・・

なつみはふてくされた表情をしていた。

「どーかした?なっち?」

真希が声をかけてきた。
急だったので、

「なっ・・なんでもない!!」

と急に真希に顔を覗き込まれ、仰け反ってしまった。

真希は仰け反ってしまいかけたところを自分に引き寄せて
なつみを護った。
真里のほうを見てみると、おもしろくない表情をしている。
飯田のほうを見ると、

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかるよ」

交信していた。
67 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時12分53秒
4人はショッピングをして軽く食事をとったりしてまったり過ごしていた。

夕暮れが近づいたころ、4人はまた遊ぼうと言い残し別れていった。
やぐちだけは何でなつみと真希が一緒に帰るのか不服そうにしていたが・・・

真希となつみは屋敷までの道のりを歩いていた。

「今日は楽しかったね。なっち」

「うん。そーだね」

「・・・・・・」

「・・・・」

・・・・話が続かない・・・
なつみはこれは気まずいと真希に積極的に話し掛けた。
68 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時14分19秒
「ごっつあんは、どーして『護り屋』なんかになったの?」

「・・・・・・」

真希は黙り込んでしまった。

なつみは聞いてはいけなかったのかなと思いつつ真希の顔色を伺っていた。

「・・・・うんとね・・・なっちのおとーさんのおかげかな・・・」

「えっ?!」

「ごとーね、生まれたときに親に捨てられたみたいでさ・・・
 孤児院にいたんだ・・
 それでね、6歳の頃ごとーを引き取ってくれた人がいたの
 それでその人の仕事はちょっと何でも屋みたいなやつでさ・・
 ごとーも10歳くらいになってちょっとしたお手伝いみたいなのもするようになってさ・・
 ・・・それでね、ある人がいてね、その人が私の世話みたいなのをやってくれていろいろなことも教えてくれてね。
 そしてさ、ある時になっちのおとーさんから依頼がきてね・・ボディーガードの依頼がきたんだ。
 3年前なんだけどね・・・ほらなっちのおとーさん屋敷を離れた時期あったでしょ?」

「う・・うん」

なつみはブルーな真希の話を聞きつつ頷いた。
69 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時15分25秒
「それでね、ごとーもなっちのおとーさんと一緒に行動していてさ・・
 ある時になっちのおとーさんが狙われたの、ごとーはそれを護って
 その犯人を追いかけてその犯人を追い詰めたんだ・・・
 そしたらね・・・その人はごとーの世話してくれてた人だったんだ・・」

「えっ?!」

なつみは驚いていた。
もちろん真希の話にもだが、




真希が泣いていた。
70 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時16分20秒
「ごとーはね、その人いちーちゃんってゆーんだけど・・
 何でって聞いたんだ。そしたらさ、『これが最後の私がお前に教えることだ』
 っていってねごとーを狙ってきたんだ」

真希の目から雫が流れていってるのをなつみは見ていることしかできなかった。

「ごとーはね、何がなんだかわからないうちにいちーちゃんのこと撃っちゃってたんだ・・・
 襲われたら勝手に体が動いちゃってさ・・・・」

なつみは真希を抱きしめた。
71 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時18分16秒
「うぇっ・・ひっく・・・いっ・・いちーちゃんがね・・
 そのっ・・ときにね笑ったんだ。『強くなったな』って
 そっ・・それでね・ごとーね・・・・うぐっ・・ひっく・・」

「・・もういいよ・・」

なつみは真希を抱きしめていた。
空が太陽から月にバトンタッチする頃
なつみは真希をずっと抱きしめていた・・・・・







この日なつみは初めて『17歳の真希』を見た気がした。






72 名前:tsumi 投稿日:2003年08月22日(金)20時20分35秒
今日の更新は以上っす!

名無しさん様
レスありがとうです!
これからごっつあんは変わります(笑)
73 名前:jinro 投稿日:2003年08月23日(土)03時34分21秒
いいらさんがステキ。
頑張って下さい。
74 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月24日(日)11時01分03秒
何気にずっと読ませて頂いてます。
ごっちんが護り屋になった理由はそんなとこから…
悲しい過去があったのですね…。
とりあえずなちごまが大好物なのでこれからも応援させて頂きます!
75 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時12分40秒
次の日から、変わった。

真希が変わった。

「なっち〜!あさごはんだよ〜!」

この声を聞いたときなつみは?マークを10個以上並べた。

ドアを開けると満面の笑みをした真希がいた。

「なっち〜遅刻するよ〜」

屈託の無い真希の表情を始めてみたなつみは、


・・・か・・かわいい・・・

   
    真希にはまっていた




76 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時22分44秒
なつみは支度をして真希と共に食堂に向かった。

「ねえねえ、なっち〜」

ずっと他人行儀な接し方をしてきたのでなつみは戸惑っていた。

・・・かわいい・・でも、これが本当の「真希」なんだろうな・・・

朝食を済ませ圭の車に乗り込んだ。

圭が車を走り出して、1つめの角を曲がったとき、

「なっち〜、今日はお昼どうする〜?」

 事故りそうになった―
77 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時23分30秒
何かあったの・・・?」

圭は恐る恐るなつみに聞いた。

「えっ?べつにどうもしないうよね。ごっつあん」

「うん!ごとーはごとーだよ圭ちゃん!」

いきなり「圭ちゃん」と呼ばれた。昨日までは「保田さん」
何があったのだろう・・・?考えているうちに学園に着いた。

「じゃ〜ね〜圭ちゃん!」

真希が手を振った後も圭は真希の笑顔を思い浮かべていた。


78 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時31分40秒
道行く生徒はなつみに挨拶をするのが習慣のようになっている。
無論いつもくっついている真希にもするのだが、今日は

「おはようございます」

といえば

「おはよ〜」

と真希が返す。

生徒は驚いていた。誰ともかかわりたくないような雰囲気をかもしだして
いた真希なので、まさか挨拶が返ってくるとは思っていなかった。
 
飯田が2人を見つけこっちに走ってきても、

「カオリおはよ〜」

真希が当たり前のように返す。

一般的に見れば図々しいといえるのだが
真希の笑顔の前では常識すらかなわない。

「カオうれしい・・・ごっつあん、わかるよ・・・」

この人にも常識はかなわない・・・

79 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時38分27秒
なつみは思っていた。

・・・ごっつあん、かわいくなったな・・・本当に17歳みたい・・・
・・・・うん?!・・「17歳みたい」・・「じゅうななさいみたい」・・
・・「ジュウナナサイミタイ」・・・ここは大学部・・・・・・・・

なつみの脳の中での会議が終わった。

「ごごご・・ごっつあん?!」

「んあ?!」

なつみに引っ張られて真希は人気の無いところに連れて行かれた。

「ごっつあん・・ここでは17歳ってばれちゃあまずいよ・・」

「んあ、ばれないって!」

「でも・・・今のごっつあん・・・かっ・・かわいいから・・」

なつみは顔が赤くなっている。
真希も赤くなっている。

「なっち・・・ありがとっ!」

なつみのほっぺにキスをして真希はなつみをみんなのいるとこに引っ張っていった。




80 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時45分46秒
もちろんその後のタヌキの講義も何もなつみの耳には入らない。
頭にあるのは

・・・ごっつあん・・キスした・・ごっつあん・・キスした・・ごっつあん・・・・・・・

急に

「なっち?どうした?」

今現在の脳の中で、最重要項目になっている真希が覗き込んできたことによって
なつみの頭の終着駅の無い言葉の羅列にピリオドが打たれた。

「なななっ・・なんでもない!!」

顔をこれでもか!とゆうくらい赤らめたなつみは自分の声の大きさに
周りの生徒の目によって気がつかされた。

「なっち〜ど〜した〜?」

・・・これはやっぱり恋なのかな〜・・・

なつみの中は真希でいっぱいだった。
81 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時52分02秒
「なっち〜?ごはんどうする〜?」

「やっぱカオ無視?」

なつみは真希の顔を直視できないため

「ごご、ごっつあんがきめたらいいいいっしょ!!たまにはごっつあんの好みもいかないとだめだべ!」

つい口調が厳しくなってしまった&何かに真希は気づいた。

「んあ?なっち?「だべ」って??」

「!!!!!!」

なつみは父が昔「自然を愛してきなさい」という理由で
北海道の学校に少し転校したことがある。
今でも興奮したりすると、なまりがぬけない・・・
なつみは真希には隠すつもりだった・・・・
82 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)21時56分07秒
・・・やばいっしょ!やばいっしょ!・・ごっつあんに聞かれたっしょ!!!!

なつみがどう言い訳しようか考えているときに、


「なっちかわいい〜」

真希の声が天使のささやきのように聞こえた。

「なっち。なっちのなまりいいね〜^^」

・・・北海道の人々、なまりをつくってくれてありがとう・・・

なつみは初めて北海道の人々に感謝した。


そこに悪魔が2匹のしもべを率いてやってきた。
83 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)22時09分34秒
「ごっつあ〜ん!」

「「ごと〜さ〜ん!!」」

150cmに満たない悪魔がやってきた。
なつみにとっては悪魔だ。

「おお〜!やぐっつあ〜ん!」

真里は真希の変貌に驚いてはいたが、

「お昼一緒に2人で食べよ〜!!」

悪魔のささやきが天使にささやかれた。

「だだだだめっしょ〜!!ごっつあんはなっちと食べるんだべ!」

「ギャハハハハハ、なっちなまりすぎだよ〜!」

その場にいた生徒も笑っていた。
84 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)22時11分51秒
なつみは少し鼻の奥がツーンとしてきた。

なつみの表情に変化が現れてきたのをそのばにいた全員が気づいていた。

・・・わらわなくてもいいっしょ・・・
もう少しで雫がこぼれそうになるとき、

「なっち、2人でごはんだべよっか?やぐっつあん、今日はなっちと
 2人で食べるよ〜」

天使がささやきなつみを率いて席に座った。

「なっち〜なんにする〜?ごとーはうどんにするよ〜」

なつみは少しの悲しみをこらえて

「なっちもそれにするっしょ!」

と返事をした。
85 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)22時12分53秒
その光景を見ていた人々は、

「なっち、悲しそうだったな〜」

「なつみいいなぁ〜」

「今日は近づかないほうがいいかな〜」

「カオには全部わかってるよ・・なっち・・」

1人を除いて2人を2人きりにさせたほうがいいという結論に達していた。

一方取り残された悪魔は
「・・・・くそぅ・・ぜったいごっつあんゲットしてやる!!
 辻!加護!めしくうぞ!」

諦めてはいない。















「ねえ?カオは・・・?」
















    







86 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)22時13分51秒
今日に更新は以上っす!
87 名前:tsumi 投稿日:2003年08月25日(月)22時15分45秒
jinro様
 いいらさんはこういうキャラが
 自分は好きなんで。。。

名無しさん様
これからも応援よろしくおねがいしまっす!
88 名前:74 投稿日:2003年08月26日(火)08時35分08秒
(●´ー`●) < ごっつぁんが可愛いべさー!!
(〜^◇^〜) < なっちには譲らないよっ!

結局飯田は放置されてますね(w
何気に今回の更新は全体的にツボでした。

89 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)09時03分48秒
今自分で読み返したけど・・・


「間違いが多すぎる」
ことにきづきました・・・

以後気をつけます・・・
90 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)09時10分36秒
>74様
ありがとうっす!
この2人のバトル?にまだ参加予定者がいまっす!
 
 ( ゜皿゜)<カオには誰だかわかる・・・
91 名前:ハンチュコワ 投稿日:2003年08月26日(火)10時42分09秒
てゆーかなっち!高校生が大学の授業を
普通に受けていることに気付けよ(笑。
秀才なんだなぁ、いやはまったよコレ。
頑張れ、作者殿!
92 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時19分14秒
授業も進み真希は昨日と打って変わって机に突っ伏したまま幸せそうに寝ている。

・・・かわいいねぇ〜ごっつあん・・・

なつみは微笑みながら見ていた。
真希によると
「ごとーは勉強とかしなくてもわかあるんだよね。なっち勉強がんばって!」
らしい

・・・授業が終わった。=バトルの合図!!・・・

頭の中でそう変換したなつみは講義が終わると一目散に真希を起こしてかけていった。

「ねえ?カオは?」

もはや親友も会ったもんじゃない。
93 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時20分28秒
校門まで行き、圭の車に乗り込もうとしたとき、
悪魔が羽を広げてやってきた。

「ごっつあ〜〜ん!!待って〜〜!」

なつみは冷静に

「圭ちゃん。車出して。」

圭もなつみの雰囲気に気づいたのか車を発進させた。
一安心して携帯がなっているのに気づき、メールを見ると


 なっちへ!
  おいらはなっちに負けないぞ!(〜^◇^)
  絶対にぜ〜〜ったいにごっつあんをものにするぞっ!

・・・・望むところだべさ・・・・

真里に返事を返しているとき、また携帯がなった。

なっちへ
 このごろのカオのキャラっておいしいの?
 カオの意見、無視されてるよね?
 カオにはぜ〜〜んぶわかってるよ
  ( ゜皿゜)人( ゜皿゜)人( ゜皿゜)

迷わず消去した。
94 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時25分35秒
程なくして屋敷に着いた。
圭は車をいとおしそうに洗っている。


玄関に入ると、女の子がいた。

「あっ!愛!」

なつみの妹の愛だ。

昨晩帰ってきたのだが、なつみと真希は帰りが遅かったので会えなかった。
朝も遅刻しかけだったので会えなかった。

「あれっ?おねーちゃん、その人誰?」

真希は自己紹介した。
95 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時33分11秒
「えっと・・愛お嬢様。この度なつみお嬢様の身辺を護らせてもらってる後藤真希と申します。
以後お見知りおきを・・・」

真希の仕事用の挨拶をした後、
愛は部屋へ走っていった。

「「・・・・・?」」

なつみと真希は?だったが、なつみはいやな予感がしていた。

予感は的中する。
なつみが部屋に入って着替えていると、急に真希の声が聞こえた。
「んあ?!」

なつみは慌ててドアを開けた。

96 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時37分04秒
そこには「愛が真希のほっぺにキスをしている」という
なつみにはまったく価値の無い絵画のような光景が目に見えた。

「なっ・・なにしてるんだべさぁ〜〜!」

なつみは部屋の中へ真希を引っ張った。

「えへ!」

愛は顔を赤らめた。

・・・・思わぬところにライバル出現・・・

なつみはドアを閉めて、一息入れた。
そして真希に言った。
97 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時39分56秒
「ごっつあん・・・今日からなっちの部屋で護ってくれべさ・・・」

「んあ?いーの?」

「いいってゆーか・・そうしないと・・ごっつあんがあぶないべさ・・」

なつみは愛の「愛の攻撃」から,真希を護るため言った。
もう北海道弁は標準語のようになっている・・・。

98 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時48分48秒
ある場所にて

「後藤真希が確認されました。」
社長イスに座っている男に対して、秘書のような女が向かい合っている。

「どこだ?」

「安倍家で自分の任務を全うしているようです。」

「ふん・・・ちょうどいいな・・」

「いかがいたしましょう?」

「並みの相手では勝てまい・・・かといって、後藤真希に挑める奴といえば・・・」

「一人思い当たる人間がいますが・・・」

「ほう?誰だ・・・」

「・・・・・・・・・・・です」

「なるほど・・・だが奴は・・・」

「その点はぬかりありません」

「わかった。お前に任せよう。」





「安倍家長女『安倍なつみ』、護り屋『後藤真希』の抹殺を命じる」



99 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時52分58秒
更新いじょうっす!
 
 >ハンチュコワ様
  はまっていただきありがとうございます。
  がんばります。
100 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時53分47秒
100だね・・・
101 名前:tsumi 投稿日:2003年08月26日(火)18時59分07秒
少し更新のペースが不定期になるとおもいますが
なにとぞよろしくお願いいたします。

(●´ー`)人(´ Д `)<よろしくー!!
102 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月27日(水)01時04分57秒
いいですね〜なちごま。
続きがむっちゃ気になります!
がんばってください!
103 名前:tsumi 投稿日:2003年08月27日(水)20時59分00秒
それから穏やかな日々が流れた。
誰も襲ってこないし、おかしなこともない。

唯一あるとすれば、真希に近づいてくるミニな悪魔だけだ。
なつみは真里から真希を護るために日々がんばっている。
一体どっちがどっちを護ってるのであろうか?

また今日も学園に行けば、なつみと真里の争いが聞こえる。

「ね〜え?ごっつあ〜ん?この後2人でデートしよ〜?」

「だ・・だめだべさっ!ごっつあんはなっちとこの後一緒にいるの!!」

「な〜んでなっちばっかりなのさ〜、いっつも2人でいるじゃん」

「そ・・それは、なっちとごっつあんが仲良しだからだべさ!」

「じゃあおいらも仲良しになる〜♪」

「こらっまとわりつくな!」
するとそこに

「真希さんやよー!」

場所につりあわない福井弁が響いた。
104 名前:tsumi 投稿日:2003年08月27日(水)21時01分32秒
「あっ・・愛!」

「愛ちゃん!」

2人は即座に愛を「ライバル」と認識して、その対応にあたった。

「真希さん・・・このあと私とどっかいきませんかやよー?」

しかしそんなことを2人が黙ってるわけではない。

「あいっ!だめだべさ!ごっつあんはなっちの・・」

「そんなこといわんでもいいやよー、真希さん貸してくれやよー」
 
「愛ちゃん!ごっつあんはおいらが譲り受けるよ!」

「だべさ!」
「おいら!」
「やよー!」

でも真希は、

「んあ〜、ねむたい・・・」

と3人の争っている声を子守唄のようにして寝ている。

「ねえ?みんなカオのこと覚えてる?」

一番の被害者は彼女なのかもしれない・・・

105 名前:tsumi 投稿日:2003年08月27日(水)21時02分28秒
そして放課後

愛はなつみと違って、車で通学していない。
それはなつみの父が
「狙うとしたら長女だろう・・」

というありきたり的な展開を示唆していたからである。

なのでもちろんバトルが始まる。

「ごっつあ〜ん!今日こそは待って〜!」

「真希さ〜ん!待つやよ〜!」

悪魔が2匹になり、いっそう疲れる今日この頃だが、

「ね〜え!カオもカオも〜!」

次元が違う人も紛れ込むようになってきた。
106 名前:tsumi 投稿日:2003年08月27日(水)21時04分42秒
でもなつみは

「圭ちゃん!出して!」

というのだが今回は、

「なっち・・・愛ちゃんがいるしさ・・・」

と使用人モードで車を動かそうとしない。

真希は
「Zzzz・・・」

睡眠モードだ。

程なくして3人が車を押さえ込み、乗った。

助手席に飯田、後部座席に右から愛、真里、真希、なつみだ。

もちろん真希の腕には真里の腕が絡まっている。
反対はなつみだ。
出遅れた愛は

「にぎれんやよー」

と嘆いている。

「今日は大変だ・・・」

圭のため息が漏れる。

「圭ちゃん・・カオにはわかってるよ」

「圭織・・・どこみてんの・・?」

飯田ははるか上空を見上げながら言った。
107 名前:tsumi 投稿日:2003年08月27日(水)21時07分49秒
6人はショッピングを楽しんだ。
プリクラもとった。
この時真希の隣のトップシートでもめた事は言わなくてもいいだろう・・

夕刻になると、飯田がまず

「電波なくなってきたな〜・・・補充しよ、みんなじゃ〜ね〜」

と訳のわからないことを言って帰った。

次に

「今日はこれくらいにしといてやる!でもかならずものにするぞー!」

と真里がUFOキャッチャーでとったくまのプーさんのヌイグルミを抱えて帰っていった。

「んあ?何ものにすんの?」

「気にしなくていいべさ・・」
「やよー・・」
真希は鈍感らしい。

そして3人は真希の両腕に絡んで屋敷への道を歩いていった。

108 名前:tsumi 投稿日:2003年08月27日(水)21時09分25秒
「ターゲット確認・・・」

ビルの屋上から3人を見つめる一人の少女がつぶやいた。

「まずは厄介な後藤真希からいきましょうか・・・」

そのつぶやきは誰にも聞こえなかったが、
ほとばしる殺気に真希は気づいていた。

・・・んあ、この感じは・・・

真希は注意しながら屋敷への道のりを帰っていった。

「2人に手を出すなという殺気がビンビンですよ、後藤さん。
あなたを超えるのが私の目標だったんですから・・
そのためにあの時から今まで生きてきたんですから、
私を殺さなかったことを後悔させます」


・・・この殺気は・・・・・・・

・・・帰ってきたんだ・・・・


       ・・・・紺野・・・・
109 名前:tsumi 投稿日:2003年08月27日(水)21時11分07秒
更新不定期っていいましたけど
いろんな意味で不定期っす!

>名無し読者様
 がんばります!!
110 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月01日(月)20時13分59秒
あの人が・・・
いったい過去には何があったのでしょうか。

いくらでも待ちます。
作者様のペースでまったりと。
111 名前:つみ 投稿日:2003年09月04日(木)00時05分28秒
「それはどういうことかね?」

屋敷の主は真希に言った。

「明日から暫く、『護り屋』を中断させてください。」

「なぜかね?」

「・・・・ひょっとしたらお嬢様を狙ってる人物に心当たりがありまして・・」

「・・・・・・ほう?誰だ?」


「3年前私が安倍様のボディーガードをし終えた後に知り合った娘です。」

「なんという名だ?」

「紺野あさ美です。」

「紺野あさ美・・・そいつはどういった奴だ?」

「危険です。私が教え込んだ子ですから・・」

なつみの父は暫く考え込んだ後、

「わかった許可しよう。ただし期限は3日。そしてその間はなつみは学園には行かせない。
そして・・・キミも帰ってくること。それが条件だ。」
112 名前:tsumi 投稿日:2003年09月04日(木)00時06分37秒
真希は静かに首を上げた。
「ありがとうございます。」

そして部屋から出て行った。


次の日なつみは不機嫌だった。
いつも起こしに来てくれる真希が用事で3日いない。
そしてその3日間学園を休むこと。
これが父からの朝一番の伝令だった。

なつみは家では何もやることが無いので
執事の吉澤、メイドの梨華を部屋に呼び寄せ、暇を持て余していた。

「ねえねえ、よっすぃ〜。梨華ちゃんのどこにほれたんだべさ?」

「そうっすねぇ〜、全部かなっ!」

「いやぁ〜ん。よっすぃ〜ったら!」

すっかり夏模様のなつみの部屋で3人は恋の話をしていた。

113 名前:tsumi 投稿日:2003年09月04日(木)00時07分23秒
「どっちから告白したんだべ?」
なつみが聞くと

「私です。梨華ちゃんが働いてるところ見たら・・・ねぇ?」

「へぇ〜、じゃあ梨華ちゃんはよっすぃ〜のどこにほれたんだべ?」

「えっとですね、う〜〜ん・・全部っ!!」

「梨華ちゅぁぁ〜〜ん!」
「よっすぃ〜〜〜〜〜!」


「この部屋クーラー効かないだべさ・・・」

「そういえば・・・お嬢様は?誰かに恋なんて・・?」

吉澤のふとした質問に、なつみは顔を赤く染めあげた。

「そっ・・そんなだだだだれかに恋なななんて・・!!!」

「お嬢様・・してるね?」

「しないよ?」

「梨華ちゃんじゃなくて・・お嬢様に聞いてるの!
ひょっとして・・・ごっつあん?」

なつみのメーターがぶっ壊れた。

「なななっなんでだべさ!!!ごごごごっつあんのことなんてっ・・そそそんなことっ!!」

「「好きですね?」」

2人がユニゾンして問い詰めると、

「・・・好きだべ・・」

なつみも観念した。

114 名前:tsumi 投稿日:2003年09月04日(木)00時07分53秒
「やっぱりそうでしたか・・」
「最初から思ってたもんね〜」

「ばれてたんだべ・・・」

そんな時なつみのケータイが鳴った。
メールを読んでみると3件あった。

なっちへ!
 今日はどうしたんだ!ごっつあんは何でいないんだあ!
 まさか・・・そこにいるなんてことないんだろうなあ!
 抜け駆けは許せないぞ!!
 絶対においらがごっつあんの・・・(〜^◇^)

「やぐち・・・負けないべ・・・」

2件目を開いた。

なっちへ
 カオは今、シャーペンの芯が何回で全部出るかやっています。
 なっちも面白いからやってみ?
 ガガガッ・・あっごめん!電波が妨害した。
 なっち。カオにはわかってるよ・・・
 でもそろそろカオの意味に気づいてね!
 
 ( ゜皿゜)人( ゜皿゜)人( ゜皿゜)

「・・・・・・・・・・・」
115 名前:tsumi 投稿日:2003年09月04日(木)00時08分37秒
3件目を開いた。

なっちへ
 今日から3日間護れないけどごめんね?
 ごとーはちょっと用事である人に会わないといけないんだ。
 2年ぶりに自分の教え子みたいなのに会うんだ。
 ごとーは少し遅くなるかもしれないけれど
 ちゃんと3日間なっちもがんばってください。
 それじゃあまた・・・


「ごっつあん・・・・だべ」

なつみはメールを真剣に打ち返している。
吉澤と梨華はそれを微笑んで見ていた。
116 名前:tsumi 投稿日:2003年09月04日(木)00時11分33秒
少ないけど以上っす!
 
 <名無しさん様
  まっていただきありがとうございます。
  この2人の過去は次回わかるかも?


なにぶん最近疲れてるんで・・・・
週一ぐらいかなあ・・・
117 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:00
「またココに戻ってきた・・」
真希はあるアパートの前まで来ていた。
都心から少し離れたお世辞にも綺麗といえないアパートだった。

階段を上がり、一番奥の部屋の前まで歩いていった。
そしてドアを開けた。

「お久しぶりです。」

部屋の中に背を向けて正座をしていた少女が言った。

「紺野・・・帰ったんだ・・」
真希は少し悲しそうに、そして少しうれしそうに言った。

「ええ。私には帰るところなんてありません。かつてあなたと過ごしたこの部屋以外・・・」
「・・・・・・」

「・・わかっていますよね?後藤さん?」
「・・ああ・・」

「じゃあ始めましょうか。でないと私の部下がお嬢様を先に殺してしまうかもしれない」
「どういうことっ?!」

紺野は暫くして
「始めましょう・・・後藤さん。」

銃を抜いた。
118 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:01
安部家では

「ひとみちゃ〜〜ん!」
「りかちゅぁぁぁ〜〜〜ん!」
まだ終わっていなかった。

「疲れるべさ・・・・」
なつみはついていけていなかった。

そのとき

「パリーン!」

なつみの部屋に何かが投げ込まれた。

「きゃあ!」
「うわっ?!」
「だべさっ?!」

三人はドアの方へ後ずさった。
投げ込まれていたものは20センチほどの石だった。

「びっくりした〜」
といつものように吉澤が石を片付けようとしたとき、

「ガシャーン!!」
と窓からさらに大きな物体が降り注いできた。

119 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:02
「なっ・・なに・・?」
なつみがその物体を見ているとその物体はおもむろに起き上がった。

「ここのSPもたいしたことないね・・・」

15くらいだろうか?その起き上がった物体、いやその少女は。

「だっ・・だれだおまえ!」
吉澤が声を荒げていった。
がその少女は答えず、

「お嬢様は〜〜・・あなただね?」
となつみを指差し近寄った。

「あなたは一体誰?」
なつみが聞くと

「小川麻琴と申します。以後お見知りおきを・・っといってもここで死んでもらうんですけどね」
なつみはビクッとしてその少女から目が離せなくなった。
120 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:03
すると利華が
「だれか〜〜!!たすけて〜!!」
とカン高い声で叫んだ、

小川は
「うるさいな。眠ってろ!」
と梨華のみぞおちにこぶしを食らわし気絶させた。

「りっ・・りかちゃん!」
吉澤は梨華に駆け寄った。

「てめえ!よくも梨華ちゃんを!」
と吉澤は腕を振り上げた。があっさり払われ手刀をくらってしまった。

「お・・じょうさま・・おにげくだ・・さ・・い」
吉澤も気絶してしまった。

「さ〜て。残されたのは、あ・な・た・だ・け」
小川はなつみに30センチのところまで近づいた。

「あなたに恨みはないけれど、あさ美ちゃんのお願いだからね。」

なつみは意識がなくなった。


121 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:33
小川はなつみをどうするか考えていた。
「あさ美ちゃんは殺せっていっただけだしな〜。どうしようかな〜?」

「一回ぐらいしちゃってもいいよね?」
となつみをベットに運び、着ていた服を引き裂いた。

なつみはその音で目がさめた。

「な・・・なにするんだべさ〜!」
「なにって・・わからない?」

小川はなつみの唇にキスしようとした。
なつみは抵抗する。
が、抵抗なんて効くはずがない。

「や・・・やめて・・・」
なつみがもうだめだと思った瞬間。

「お・・ねえちゃん?」
愛が異変に気づきドアを開けてこっちを見ていた。

122 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:34
「だめ〜!!愛逃げて!」
となつみは叫ぶがときすでに遅し、

「か・・・・かわいい」

小川は愛に駆け寄った。
「愛ちゃんっていうの?何歳?彼氏いる?」

まるでナンパ師のようにまくしたてる小川に愛は困った顔をしていたが
吉澤と梨華が倒れており、窓も割れており、なつみも服を脱がされており、原因はこいつだと理解した。

「だれかきて〜〜!」
愛は叫んだ。
そして何十人もの使用人がやってきた。
小川はさすがにやばいと思い、窓から飛び降りようとした。

「今日は帰るけど、愛ちゃんま〜た〜ね〜!」
小川は飛び降りていった。
123 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:36
そしてすぐに安部家専属の医師の所に吉澤と梨華を運んだ。
なつみは大丈夫だといって、階段を下りて
浴室に行った。

なつみはシャワーで汗を流していた。
目からは違うものも流れていた。

「ごっつあん・・・・早く帰ってきて・・・・・」

なつみはずっと立ち尽くしていた。
124 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:37
紺野は発砲もせず「ついてきてください」といい真希もそれに従っていた。
2人はあるビルにきていた。

「ここが後藤さんと最後に仕事した場所でしたね。」
「そうだね・・・」

「一つ質問してよろしいですか?」
「何?」
「どうして私を殺さなかったんですか?仕事が終わったとき私は後藤さんに勝負を挑んだ。
 あなたは私の目標でしたから。両親を殺されて路頭に迷ってるときにあなたは私に手を差し伸べてくれ ました。そして親の仇もうって、私は感謝してました。後藤さんいいましたよね?『あたしを超えられたと 思ったらいつでもあたしに勝負を挑んでいい』と、だからココでの仕事が終わったとき、後藤さんに発砲 しました。・・でも勝負にはなりませんでした。私は殺されると思いました。しかし後藤さんは殺さずに『今 の紺野じゃああたしに勝てない』と言ってあなたは去っていきました」

「・・・・・」

「だから私はずっと修行しました。あなたに勝つために。そして私は今ならあなたに勝てると思っています。だからこの場所に来たんです。」
125 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:39
するとケータイが鳴った。

「はい。まこっちゃんどうだった?・・・わかった。戻っていいよ」

電源を切り真希に向かい合った。
「よかったですね。お嬢様は元気ですよ。色の黒いメイドと色の白い執事は
 元気じゃないみたいですけど・・・」

このことばが合図となった
「紺野・・・やろうか・・・」

「・・この殺気ですよ・・ずっとこのときを待ってました。
 あの頃を思い出しますね」

2つの発砲音がビルに響いた。
126 名前:tsumi 投稿日:2003/09/14(日) 15:40
今日は以上!

「あぁ」ですね・・
127 名前:つみ 投稿日:2003/09/18(木) 22:36
紺野は柱の影から真希に向けて発砲を繰り返していた。
真希はそれをよけ、紺野に近づこうとする。しかし紺野がそれを許さない。

「甘いですよ。後藤さん。」
紺野は真希の銃撃をかわし、何かを投げた。

「手榴弾?!」
真希はその場から少し離れ、柱の影にもたれた。
あたりは煙とホコリが舞い、視界がかなり悪くなっていた。
そのとき、ナイフが真希を襲った。

「ッ!」
真希の右腕にナイフは刺さり、暗闇の中で刃が月光を跳ね返していた。
「後藤さん。どうしましたか?あなたらしくない。私はあなたを超えるために修行をして地獄を見るような日々を過ごしてきました。でも・・・私はあなたを超えてしまったみたいですね。」

紺野は真希に向けてさらに銃弾を撃ちこむ。
真希の左足に弾丸はヒットした。真希は体を転がし少し遠ざかった。

「もう終わりですか?・・・なら終わらせましょうか。あなたを殺した後、
安部家の方々を殺させてもらいますよ」

「そんなことはさせないっ!」
真希は飛び出して紺野に向き合った。

128 名前:tsumi 投稿日:2003/09/18(木) 22:37
「紺野・・・ごとーは紺野にまだ教えてないことがある・・・」
「ほう?それは一体?」

「・・・ごとーは紺野にこの世界から足を洗って欲しくて
 あの時あんなことを言った・・・ごとーは間違ってたね。こんなことになるなんて・・」
「・・・私に足を洗ってほしかった?何を言ってるんですか?この世界に私を入れたのはごとうさんです  よ?!」
「紺野はこんな事より最初に出会ったときみたいに、好きな干しイモ食って笑ってるほうが似合ってるよ」

「か・・勝手です!後藤さんはっ。矛盾してます!」
「わかってる。だからもう終わりにしよう。ごとーも紺野がこれ以上やるんならホンキださなきゃいけない。
 ホンキ出してるとこ紺野には見せたことがないからできれば出したくなかった。」
「ホンキ・・・?後藤さんのホンキなんて・・・・!」

「少しだけおやすみ紺野。」

すでに紺野は真希の腕の中で意識を失っていた。
129 名前:tsumi 投稿日:2003/09/18(木) 22:37
その戦いをじっと見ていた少女がいた。
「どうしよう・・・あさ美ちゃんやられたよ〜、でもどうやったんだろう?見えなかった。」

真希はその少女の方を向き
「もうでてきたら?そこの人」
その声に体をビクッとさせてその少女は隠れていたところから出てきた。

「あなたは?」
「おっ・・小川麻琴」
「紺野の知り合い?」
「はっはい!えっと昔命を助けてもらって・・・」
「そう・・。ねえ紺野をどこかで休ませてくんない?」
「へえっ?」
「あたしが連れてくからさ」
「はっはい!」

真希は紺野を担ぎ、その横を通り過ぎようとした。
「あっそうそう」
小川の耳に顔を寄せて、
「なっちに手出してたら殺すよ?」

この言葉に小川は体を振るわせた。

130 名前:tsumi 投稿日:2003/09/18(木) 22:41
事件から一週間が過ぎた。
なつみは家から一歩も出ることも許されず、ストレスはたまっていた。
一番の心配事は

「ごっつあん・・・どこいったんだべさ・・・」
あれから一週間たつのに真希が帰ってこない。それが毎日なつみを玄関の前で待たせている原因だった。
あの事件の後吉澤と梨華はすぐに意識を取り戻し体も回復して業務に励んでいる。
SPもふやして警備も強化している。
後一つ足りないモノ、それは真希である。
3日間だけ誰かに会いに行くと行ったきり帰ってこない。まさか事故にでも・・?
なつみはずっとネガティブに考えていた。
その夜、父に呼ばれなつみは書斎に行った。

「後藤のことだが・・・」
父の言葉になつみは食いかかった。
「ごっつあんはどこにいるの?!大丈夫なの?!」
「落ち着け。」
「・・うん。」
「一週間前の夜に私のところにきて、3日間だけ時間をください,
 もしかしたらお嬢様を狙ってる者に心当たりがあるかもしれない。そしてそいつは自分の教え子だ,
 と言ってきた」
「えっ・・じゃあ・・・」
「後藤に何かがあったと考えるのが普通だろうな」
「そんな・・・」
「私が今探させている。すぐに見つかるはずだだから心配するな、それとなつみは明日から学園に行ってもいい、
 学園にSPを散らばせてあるから大丈夫だ。」

父の声も最後のほうは聞こえていなかった。


131 名前:tsumi 投稿日:2003/09/18(木) 22:41
更新終わり。
132 名前:みるく 投稿日:2003/09/18(木) 23:48
楽しみにしてます♪早くなっちとごっちんがくっついてくれたら…と願うばかりです。頑張って下さい!!
133 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 00:05
真希はその頃あのアパートにいた。
紺野を送り届けた後、目が覚ましたらここに来るようにと小川に伝えてあったのでずっと待っていた。
「んあ・・・さすがにやりすぎたかな・・・一週間だよもう・・」

また今日も来ないのかと思い、一人でご飯を作ろうとしていたとき、ドアが開いた。
「紺野・・・遅かったね。」
「はい・・」
「まあ座って・・」
「はい・・」
紺野は座部団に座り、緊張した面持ちで座っていた。
「はい、お茶。」
「ありがとうございます・・」

沈黙が流れた。
その沈黙を壊したのは紺野だった。
「後藤さん、あの!」
「紺野。もうなかったことにしよ。」
「え?」
「今回のことは全部なかったことにしよう。まあ未遂だったしさ」
「で・・でも・・」

「もうごとーにかなわないってわかったでしょ?」
「・・・・・はい」

紺野は真希に一瞬でやられ、その時の真希の動きがまったくわからなかった。
格が違う、と紺野は感じた。

「じゃあこの話はもうおしまい!」

真希の一言で、紺野は立ち上がりドアへ向かった。
「紺野」
真希が呼び止めた。
「またさ・・・ごとーに会いにきてよ、昔みたいにさ。」
「はい!」

紺野は初めて笑顔を見せた。
そして紺野は帰っていった。

「さあてごとーも帰んなくっちゃ!」
真希もドアを開けた。
134 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 00:06
学園ではやる気のない日々をなつみは過ごしていた。
真希がいない。
なつみにはそれが何よりも耐えがたいものだった。
本当なら今すぐにでも真希を探しに行きたい、が回りにちらほらいるSPはそれを許そうとはしない。
脱走を試みた。失敗した。飯田が交信してる。真里がごっつあんはどうした!と聞いてくる。学園生活はこれの繰り返しだった。
「ねえねえなっち〜ごっつあんは〜?」
また真里がやってきた。
「ねえねえ〜なっちったら〜」

「ブチッ」

「うるさいんだべさぁぁぁ!」
その場の空気が凍りついた。
温和として知られているなつみが顔を真っ赤にして怒っている。
これには真里も驚きを隠せず
「ごめん・・・」
と謝って、どこかへ行ってしまう始末だ。
そのとき、

「カオにはわかる。なっち、もう少しだよ。」
なんだか飯田のこの言葉がなつみには不思議に感じられた。
135 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 00:07
放課後になりなつみは圭の車に乗り込んだ。
圭もなつみの機嫌の悪さを知っておりできるだけ話さずに運転していた。

屋敷についてもなつみの不機嫌は止まらない。すぐに部屋にこもってしまう毎日を過ごしていた。
吉澤が
「お帰りなさいませ、お嬢様。」
といっても
「ただいま・・・」
とだけ返す始末で屋敷中の使用人はほとほと困っていた。

が、それももう気しなくてもいい、と吉澤や梨華やその他のメイドは知っていた。

なつみは部屋のドアを開けた。部屋に入っても一人きりの退屈な日々を過ごすだけの毎日を
繰り返すのだろうか、真希がいないとこんなにも自分はだめなんだろうか、そう考えつつベットに飛び込もうとした。

が飛び込めなかった。
なにかがシーツに包まっていたからだ。
136 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 00:08
「なに・・?」
なつみはおそるおそる近づいた。
この前入ってきた妙な奴なんだろうか?なつみはシーツをゆっくりとめくった。

「ただいま、なっち。」
そこには一番会いたい人がふにゃっとした笑顔で待っていた。

「ごっつあん・・・?」
「そうだよなっち。」

「ごっつあ〜〜ん!!」
なつみは真希に抱きついた。
真希はそれを受けとめた。
「ごっつあん、会いたかったべさ!」
「ごめんねぇ、なっち送れちゃって・・」
「うぇ・・んっ・・なっちね、襲われそうになったんだべさ・・」
「うん。」
「そのときねすんごく怖くて・・」
「がんばったね、なっち」
「もう離れないで・・?」
「うん。離れない。」
「うん・・・」


その後、真希はなつみに今回のことを話した。
「ごめんね、なっち・・ごとーのせいでなっちまで・・・」
「いんや、ごっつあんのせいじゃないべさ」
「ありがと。なっち」

吉澤と梨華はドアの隙間から覗いていた。

「後はごっちんの気持ちだね。」
「そうだね。」
「ごっちんが気づくかどうか・・」
「鈍感っぽいしね・・・」

「「う〜〜ん。」」

こちらも結構悩んでいるらしい。
137 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 00:11
今日の更新いじょうっす!

>みるく様
 くっつきましたです・・・
138 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 00:13
HEY×3はよかった・・・
139 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:26
翌日なつみが暖かい何かに包まれている感じがして目を覚ますと
真希が笑顔で出迎えた。
「おはよう、なっち。」

昨日は真希に抱きついたまま寝てしまい、真希もそのまま眠りに着いたので
朝からなつみには幸せな贈り物が届いていた。
「おはようだべ・・ごっつあん」
「んあ。早くしないと学校あるよ?」

時計を見ると、あら不思議。タイムアウトまであと30分。
・・やばいっしょ・・・
なつみはすぐシャワーを浴びて、着替えてパンを口に入れ、圭の車に乗り込んだ。

「おはようなっち。遅刻だよ。」
「わかってるべさ・・・」
「じゃあ、飛ばしますかね」

「んあ?待って〜〜」

圭は車を勢いよく発進させた。2分後あることに気づいたなつみは
「圭ちゃん・・ごっつあんは?」

4分間の無駄な時間を過ごして真希を乗せて車はいざ学園に向かった。

140 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:26
圭の違反じゃないのかと思われるスピードの運転でなんとか間に合った真希となつみは
校庭をのんびり歩いていた。
生徒たちは、久しぶりの真希の姿に
「見て見て!後藤さんじゃないあれ?!」
「あっホントだ!」
「今日もかっこいい・・・」
「まじヤバイ!」

なつみは軽く嫉妬を覚え、真希の腕に自分の腕を絡ませた。
すると
「きゃ〜〜!!早く写真写真!!」
「うあ・・まぶしい・・」
「いいなぁ〜」
「うらやますぃ〜」

声の種類が変わってきた。

そしてそのまま教室に入っていった。
するとそこには飯田がぽつんと座ったいた。
「ごっつあん、おひさ〜」
「んあ、久しぶりかおりん」

なつみは「かおりん?!」と不機嫌な顔を示した。
141 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:26
「ごっつあ〜ん、この一週間とちょっと良くがんばったね」
「んあ。」
「カオはその間何にもすることがなくて暇だったからずっとごっつあんを
 見てたんだよ」
「んあ・・?」
「がんばったねごっつあん・・・でもまだ、終わりじゃないよ・・・」
「んあ・・・・?」

そこになつみの横槍が入った。
「ごっつあん。かおりの相手しなくていいよ・・・頭が痛くなる」
「んあ・・・」

「ねえ、カオの存在って何?」

142 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:27
そのまま講義も始まり真希は机にダラッっとして寝ており、
やがて昼を迎えた。
なつみは真里に昨日のことを謝ろうと思い、真里を探していた。
探さなくても良かったことになつみは数分後に気づかされた。

「ちょっと〜〜!ごっつあんが来てるってのはホントー?!」
「んあ・・やぐっつあん、久しぶり。」
「ごごごごっちゅあ〜ん!!おいらは寂しかったんだぞ〜〜!」
「ごめんねぇ〜」

・・・こいつは・・・
なつみは真里に謝るのを辞めて、真ん中に入った。
「やめるべやぐち!」
抱きついていた真里を離して、なつみは真希の腕に腕を絡めた。
「ちょっと!!なにしてるんだ〜なっち!」
「だめっしょ!ごっつあんが迷惑してるべ!」
「迷惑はそっちだろ〜?」
「んあ・・・腕痛い。」

真希は二人に腕を引っ張られ案山子のような格好になっていた。
そこにありえない声が響いた。

「辞めてください。後藤さんが痛がってます。」

143 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:28
その声を発した少女は黒髪で頬がポテッとしていて
その少女の後ろには目が少し細くて、口がいつまででも半開きになっている少女がいた。
「こここっ紺野?!」
「はい!後藤さん」
「何してんのっ?!」
「何って・・・学校ですよ。」
「えっ?!」
「まこっちゃんとわたくし紺野は今日からこの学園の生徒です。」
「んあ?!」
「ですからみなさん今後ともよろしくお願いします。」

なつみは後ろの少女に驚いていた。
「あっ!あの時の・・」
真希の後ろに隠れたなつみにその少女:小川は
「す・・すいませんでしたっ!あの時は仕事で・・あのその・・」
と土下座をして涙ながらに訴える小川になつみは
「もう・・・二度としないだべか?」
「もっもちろんです・・・!」
「なら、もういいべ・・」
「ありがとうございます!」

144 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:28
そして紺野は
「さあ行きましょう後藤さん。」
「んあ?!」

真希の腕を引っ張りそそくさと食堂へ行ってしまった。

残された真里となつみと小川は
「「「待って〜〜」」」

足早に追いかけていった。







「ねえ?カオは・・・」

さらにみんなに気づかれずに取り残された人もいた。
145 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:31
食堂について真希と紺野は二人でご飯を食べていた。
「こらあ!おまえは何なんだ!おいらとごっつあんの愛の昼食を!」
「愛の昼食ってなんだべ・・・じゃなくて!紺野ちゃん?は強引だべ!」
「強引って・・・モグモグ・・ただご飯を食べてるだけじゃないですか」
「でも・・・」
「それに私と後藤さんは三年ほど前からの付き合いで、一夜を共にしたことも・・・」
「「?!」」
「んあ・・・紺野。それはただ紺野がごとーの胸に抱きついてずっと離れなかっただけじゃん・・・」
「「・・・それもうらやましい・・・」」
「まあまあ、じゃあファーストキスは私がいただいたということでいいんですよね・・?」
「んあ・・・まあね・・」
「「「?!」」」
「それはどういうことやよー!」

愛が声を頼りにやってきていた。
「だだだだべさっ?!」
「ななななな・・・ごっつあんのキスが・・・」
「私が一号です」

三人は崩れ落ちた。
「「「強敵出現」」」
声を合わせて三人は言った。


そのころ食堂の端っこでは
「カオは、一体何?」
「いいらさん。いっしょにごはんたべるのれす」
「のんちゃん・・・ありがとう・・・」
「いいらさん?ないてるんれすか?」
「心の汗だよ・・・?」
「?????」

少し癒される?場面もあった・・・。


146 名前:tsumi 投稿日:2003/09/23(火) 19:32
更新おわりれす
147 名前:tsumi 投稿日:2003/09/28(日) 17:46
今日は日曜日。一日中真希といられる日。
なつみはベットから起きた。
昨日から計画していたことで、今日は真希と遊園地に行く約束をひそかに取り付けていたのだ。
ベットから出て、ソファーの方を見るとタレ目の天使がこっちを見ていた。
「おはようなっち。」
「おはようだべごっつあん。」

なつみも少し真希に対して免疫のようなものがついてきており、朝一番に真希の顔を見ても
ぶっ倒れることもなくなった。
なつみは支度を済ませ、圭の車を使わずに少し混んでいる電車で少し離れたところにある遊園地へと向かっていた。
「んあ〜遊園地なんて久しぶりだよ〜なっち!」
「なっちも久しぶりだべ」
「んあ、初デートだねなっち!!」

なつみは真希のこの言葉に胸にこみ上げるものを感じていた
・・・・初デートっしょ・・ごっつあんにこの気持ちを伝えようかな・・・・

なつみの顔が赤くなりつつ2人は遊園地に向かっていた。
148 名前:tsumi 投稿日:2003/09/28(日) 17:52

「ふふふ・・・後藤さんもさすがに満員電車では気づきませんね・・・」
「やよー」
「愛ちゃん・・・かわいい」
「なっちめ・・・おいらをさしおいて・・!!」
「師匠も楽しそうやん」
「いいらさん、おなかすいたのれす」
「のんちゃん、アロエだよ・・・」
「「「「「「??????」」」」」」
「わけわかんねーよかおり」
「カオにはわかる・・・」
「いいらさん、ののもわかりません・・・」
「のんちゃんはわかんなくてもいいよ」
「のの・・世の中には知らんほうがええこともあるねんで?」
「はいれす・・」
「わかりますよ、飯田さん。」
「紺野・・・わかってくれてると思っていたよ。カオの一番弟子だね。」
「YES.飯田さん」
「「「「「何だこれは?」」」」」

一つの師弟関係ができた7人の怪しいグループが少しはなれたところから観察していた。





149 名前:tsumi 投稿日:2003/09/28(日) 17:53
今日もう一度できれば更新を・・・
150 名前:tsumi 投稿日:2003/10/03(金) 22:50
「んあー!ゆうえんちぃ〜!!」
「だべっしょ!」

真希となつみは最近できた遊園地にほどなくして着いた。
「ねえねえなっち〜。あれのろ〜?」

と真希が指差したのは、絶叫モノの代名詞、地上何十メートルから急降下するアトラクションだった。
なつみは高所は得意ではない。
「い・・いきなりは・・・」
「ダメ・・・?」

真希の上目づかいの視線にかなうものなんてこの世にあるのだろうか?
なつみは問答無用に
「やるっしょ・・・」
地獄への切符を手に入れた。

幸いというかなんというか人は少なくすぐに乗ることができた。
「楽しみだね。なっち!」
真希の楽しそうな声とは裏腹に
なつみの声は、
「そ・・そうだべ・・・」
深く沈んでいた。

係員さんにベルトを締めてもらい。
準備完了。

『それではみなさん!良い旅を!Good Luck!』
なつみの数分間の地獄は始まった。

「だべ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「んあ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
151 名前:tsumi 投稿日:2003/10/03(金) 22:51

数分後ベンチにはぐったりとしたなつみが真希に介抱されていた。
「んあ・・・なっちごめんね・・なっち絶叫モノ苦手だったんだ。」
「だべっしょ・・・ごっつあんが謝ることはないべ・・」
「んあ・・・少し休もう?なっち横になって?」

なつみはなすがままになって横になった。
途端に頭に感じる柔らかな感触、真希のふともも。

「べさっ?!」
「んあ、どうしたのなっち?」
「ど・・どうもしないべ」

なつみは考えていた。
・・・絶叫モノも捨てたもんじゃないべさ・・・
152 名前:tsumi 投稿日:2003/10/03(金) 22:51
それを見ていた7人の怪しい影。

「キィー!なっちめ!ごっつあんのひざまくらを!!」
「安倍さんもやりますね・・・これは使える」
「あっしもやってほしいやよー・・・」
「あ・・愛ちゃん、わたしのモモだったら・・」
「のの、入ってすぐに焼きそばて・・・」
「おいしいれすよ?あいぼんも食べますか?」
「いやわいはええわ・・・最近やばいからな・・・」
「「「「「うん」」」」」
「なんや!みんなして!」
「あいぼん。唐辛子だよ」
「「「「「?????」」」」」
「なんや、飯田さん?」
「私がせんえつながらご説明いたしましょう。
飯田さんは加護さんの見るに耐えないほどの体を見かね、
唐辛子をたべろとおっしゃったのです。唐辛子には
カプサイシンが多く含まれています。
カプサイシンは体に取り入れると発汗作用があり、非常にダイエットなどには効果
があると言われています。ですから唐辛子を使った料理。つまりマーボードウフや
四川料理のようなものは非常に発汗作用があります。ですが、四川料理などは
油を良く使うのであまりダイエットにはおすすめできません。
ここで私の一押しは、じやがいもとヒジキを煮て唐辛子をちりばめた『ぼんぼんスペシャル』です。
発汗作用だけではなくヒジキの取り合わせは毛髪にも最高なので、髪が薄くなりつつある加護さん
にはうってつけの料理です。あしからず」
「よく言ってくれたね。紺野」
「はい。飯田さんの電波をキャッチしました」
「流石だね」

153 名前:tsumi 投稿日:2003/10/03(金) 22:53

「おい。そこのタヌキ」
「はい?タヌキとは私のことですか?」
「お前以外に誰がおるっちゅーねん。さっきからぎょーさん余計なこといいやがって
・・・太ってるのは認めるけどなあ、まだ禿げてへん!!」
「「「「「「いや、禿げてるよ」」」」」」
「うっっさいわ!!ボケ!」
「あいぼん、カロヤンれす」
「おう!ありがとう・・ってなんやねん!お前ら!!」

それだけやかましくしていたらいくらなんでも真希は気づいた。
「んあ?みんないるよ」
「だべ・・?」
「呼んでこようか?」
「う・・・うん・・・」

なつみはデートをぶち壊しにされた感があった

「んあ〜〜みんな〜〜!」
「ごごごごっちゅあ〜ん!!」
「後藤さんやよー!!」
「後藤さん。お久しぶりです。」
「んあ。やぐっつあんも愛ちゃんも紺野も元気だね」
「おう!」
「やよー!」
「はい!」
「で、みんななんでいるの?」
「「「「「「う・・・・」」」」」
「それはね、カオがみんなと信頼を深めるために計画したんだ。なっちにも連絡したんだけど
何かごっつあんと用があるっていったから7人で一緒に遊園地いこうってことになってね。」
「んあ・・そうだったんだ」
「(かおりナイス)」
「(とっさのはんだんやよー)」
「(流石飯田さん。電波ですね)」

「ねえごっつあん皆で遊ぼうよ?」
「んあ、そうだね」
「じゃあなっちのとこ行こ?」
「んあ」

真希を含めた6人は少し離れたところのなつみのところに向かった。
154 名前:tsumi 投稿日:2003/10/03(金) 22:59

「わいかて苦労しとるんや・・・」

「あいぼん・・・」

「おう、のの・・・」

「アポジカシグマれす」

「・・・・・・・・・・」

「戦わなきゃ毛髪と、れす」

「・・・・・・・・」

「あいぼん?」

「・・・なあのの?」

「何れすか?」

「わいってそんなにはげてるか?」

「はいれす!もうすぐリーブ21れす!」

「・・・・・・・・・・」

「てへてへ、ののは大丈夫れす」





「なんでやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「なんでれしょうねえ?」


155 名前:tsumi 投稿日:2003/10/03(金) 22:59
更新おわりれす
156 名前:んあ 投稿日:2003/10/12(日) 00:54
んあ
157 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/15(水) 14:25
待ってます
158 名前:んあ 投稿日:2003/10/15(水) 16:05
んあ
159 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/16(木) 14:57
待ってるよ〜
160 名前:んあ 投稿日:2003/10/17(金) 16:55
んあ
161 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 15:36
「なっち〜!」
真希の声が聞こえる。気分の悪いなつみにとっては天使のような声だ。
が、すぐ後ろからぶち壊しにする声が聞こえてきた。
「なっち〜!」
真希と同じ言葉を発したのに真里が発するとこうもうれしさが違うのだろうか?
なつみはだるい身体を起こしてみんなを見上げた。

「なんでみんないるの?」
その場にいた真希以外の人間が凍りついた。
「「「「「「「裏なっち」」」」」」」
その声の感じからなつみは機嫌が悪い。とその場の人間は認知した。

少し機嫌の悪いなつみに何とか説明をした7人はなつみと真希を
仲間に引き入れて、9人で行動をしていた。

(なんだべさ・・・ごっつあんとのデートが・・・)
なつみは終始不機嫌で真希の右腕につかまっている真里に視線を向けていた。
162 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:35
「ごっちゅあ〜ん!次はあれのろ〜!」
真里が真希の腕に絡みつきぶりっこしている。


「なんだべ!あれ!」
「やよー!ずるいやよ!」
「あ・・あいちゃん、私の腕なら・・・」
「少しやりすぎではないかと思われますが・・」
「あいぼん。元気出してくらさい。」
「・・・・・・どうせ・・・・」
「@%&+*?>*}#$?>}」


若干一名壊れているのもいるが9人は遊園地を楽しんでいた。


日も落ちかけてみんな帰ろうということになった。
たっぷり真希の腕に絡まっていた真里は機嫌がいい。
せっかくのデートをブチ壊しにされたなつみはもちろん機嫌が悪い。
9人で最寄の駅まで歩いていると、見覚えのある2人の姿が目に飛び込んできた。

「梨華ちゅあ〜ん。今日は楽しかったね〜!!」
「よっすぃ〜!楽しかったね〜」

平成のバカップルがいたので声をかけることにした。
163 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:35
「よっすぃ〜と梨華ちゃんは今日はデート?」
いきなりなつみに声をかけられた2人は、
「はっ?お嬢様?!」
「お・・お嬢様!!」
焦っていたが、後ろのほうに真希がいるのを見て、少し安心した。
「私たちは今日デートですけど・・・もしかしてお嬢様も・・・?」
「そうだったんだべ・・・でも途中で邪魔されたっしょ・・・」
後ろのほうにいる7人をみて梨華とひとみは納得した。


9人で帰ろうかとしていると、ホームに酔っ払いがいた。


「ど〜せ、あたしは誰も遊ぶ友達がいないわよっ!出番も少ないしっ!軟骨だけよっ!あたしをわかってくれるのは・・・」
この酔っ払いも引き連れて電車に乗った。


10人で満員の電車に乗るのはきついのはわかっていた。
加護や辻や紺野たちはシートに座っていたが、大人はつり革に突っ立っていた。

(きついべ・・・)
なつみはみんなから少しはなれたところにいってしまった。
真希は真里に引っ張られてしまっていて、なつみは出遅れてしまっていたのだ。
飯田はあみだなの上に乗っている。
そいつは他人のフリをするしかないと決めて、なつみは一人で押しつぶされていた。
164 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:36
すると突然
「なっ?!」
なつみのおしりに手が這ってきた。
その手はなつみの尻をなめまわしている。なつみは声を出そうにも声が出せない。
少し首を傾け振り返ると中年の禿げ親父が触っていた。
なつみは誰かに助けを呼ぼうにもドアのほうに押し入れられていて、身動きが取れない。
そうこうしているうちに手がスカートの中に入りそうになってきた。
「!!!」
なつみはビクッとして、涙が瞼にたまってきた。
(ごっつあん・・・たすけて・・・)
そして手がなつみのスカートにかかった。


「ねえ。何してんの?」


その手を横から伸びてきた手がつかんだ。
なつみは声でわかった。
なぜなら一番助けて欲しかった声だったからだ。
真希は、そのおやじの手をつかむと、
「この人痴漢でーす!」
とそこにいた全員に聞こえるようにいった。
「なっ・・?!わたしはそんなっ!」
言い訳をしているおやじも周囲からの強烈な視線によってちじこまってしまっている。


そのまま駅に着き真希はそのおやじを駅員にあずけた。
そしてすぐになつみの元へとかけよった。
165 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:38

「なっち・・?大丈夫?」
なつみは真希に周囲の目など気にせずに抱きついた。
「うぇぇぇぇん!!こわかったよ〜!!」
「ごめんね・・・ごとーがいながら・・・」
となつみの頭をなでてなだめていると、みんながやって来た。

「どうしたのっ?!」
真里が聞いてきた。
「ちょっと・・痴漢に会っちゃって・・・」
真希が申し訳なさそうに言う。
すると酔っていた圭が急に真希に平手打ちをかました。

「あんた!何やってんの!あんたはなっちを護るために雇われたんでしょ!」
圭は鬼のような形相をして、真希に詰め寄った。

まわりは呆然としている。
圭はいつもはお姉さんといった感じで皆に接している。たまにしかってくれることもあるが
今日みたいに圭が感情的になるのは初めてだった。
166 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:39
「圭ちゃん・・・もういいよ・・・ごっつあんは悪くない・・・」
なつみがなだめようとしても圭は止まらない。
「あんたはなっちを命をかけて護るんじゃなかったの!あんたは・・・あんたはあの時の過ちをもうしないために・・・!!」

とそこまで言いかけてここで圭ははっとなった。
「ごめん・・・言い過ぎた・・・」
そして真希に謝った。
「ううん、圭ちゃん。悪いのはあたしだから、圭ちゃんは悪くないよ・・・それに昔のこともね・・・」
真希の顔から光が消えた。

ここで突然真里が
「ねえ、護るとかなんとか言ってたけどそれなに?」
と聞いてきた。
圭はしまったという顔をしたがなつみはみんなに打ち明けた。


「ふ〜ん、ごっつあんが護り屋ね〜」
「師匠!すごいやん!」
「ごとうさんかっこいいれす。」
「カオはわかっていた・・・」

真希は最後に隠してたことを謝ってその場を治めた。


167 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:40

屋敷に帰りなつみはベットに横たわった。
真希はなぜか部屋の前からはいってこない。
今日のことを気にしているのだろうか。となつみは真希の事を気にしたが、なんとなく今日は触れないほうが言いと思い、なつみは触れなかった。
それより気になることがなつみにはあった。






「圭ちゃんが言ってた『あの時の過ち』て何なんだろ・・・?ごっつあんと圭ちゃんは昔からの知り合いだった・・・?」



こうして夜はふけて行った。
168 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:41
更新終わりれす
169 名前:tsumi 投稿日:2003/10/18(土) 16:42
>んあ様
 んあんあんあ

>名無し読者様
 待たせてすいません・・・
170 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/18(土) 17:23
かおり…ウケル。最高!
171 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/19(日) 13:20
網棚…ワロタ。
172 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 14:59
その日から真希は変わった

「おはようございます。お嬢様。」
朝、なつみが起きて部屋から出るとそこには昨日までののほほんとした笑顔の真希ではなく
最初の頃に出会ったあの頃の真希に戻っていた。

「ど・・・どうしたんだべ・・ごっつあん・・?」
「私がどうかしましたか?」
真希のその迫力になつみは言い返せられなかった。

そしてそのまま朝食をとり、車に乗り込んだ。

「おはよう、なっち。」
「・・・おはようだべ圭ちゃん・・」
「・・・どーした?なんか元気が・・」

と圭が言いかけたとき、真希が乗り込んできた。
「おはようございます。保田さん。」
「ああ・・おはよう・・」
こういうことか・・・と圭はなつみの元気がないことがわかった。

(でも・・・こればっかりはな・・・・)

無言のまま車は学園まで走っていった。
173 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 15:00
学園に着き車を降りると真希がとんでもないことを言った。
「お嬢様、わたくしは今日からお嬢様とは一緒に行動しません。」


「な・・・なんでだべっ・・!」
「ご安心してください。お嬢様のことは必ずどこかで見ておりますので・・・」

そういい残し真希はどこかへ行ってしまった。

ぽつんと残されたなつみ、
なつみは今の真希の行動によって母親に見捨てられたような気持ちになってしまい、
その場に泣き崩れた。

(ごめんね・・・なっち・・・)

飯田が通りがかるまでなつみは泣き続けた。



「どうしたの?なっち。」
「・・・・ぐすっ・・・」
「なっち〜〜」
「・・・ぐすっ・・・」
「・・・・・・・・」
174 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 15:00
飯田は手がつけられないと真希を探したが真希がいない。
ひょっとして・・・
「ねえなっち・・・ひょっとしてごっつあん?」
なつみの体がビクッとした。
「やっぱそうなんだ・・・なっちこのかおり様に言ってみ?」

今ほどなつみにはこの電波が電波に見えなかったことはないだろう。

「ふ〜〜〜ん・・・そんなことが・・」
「・・・・・・」
「何かねぇ〜」
「・・・・・・」
「でもやっぱり何か理由があるんだよ。」
「・・・・・・」
「今もどこかで見てるんでしょ?ごっつあん。」
「・・・・・・」

飯田はなつみを人気のない裏庭まで連れてなつみの話を聞いていた。
ここはちょうど中等部と高等部の間に位置しており、授業中の今は生徒なんていない。
だから飯田は泣いているなつみを都合のいいそこに連れてきた。
今おそらくこの場にいるのはこの2人となつみを心配している一人の護り屋だろう。
「ねえ、カオ思うの。なんで割り箸に爪楊枝がついてるのかなって、」
「・・・・」
「だってあれ、邪魔でしょ?ふくろ破るときに落ちちゃったり指にささったり・・」
「・・・・」
「でもさ〜いっつも割り箸と爪楊枝はセットになってるんだよ。」
「・・・・」
「割り箸は食べるときに使って、爪楊枝は食べ終わったあとに使う、二つとも意味があるんだよ。」
「・・・・」
「だからごっつあんも爪楊枝なんだって!」

無理やり何を言い出すんだこの電波は、となつみは思ったが、何か少し心が楽になった感じもするので、なつみは気を取り直した。
「うん・・・わかったかおり・・・」
「そうそう!なっちはやっぱり笑顔が大事だよ!」
「うん!」
なつみは満面の笑みを浮かべ、2人はその場から去っていった。
175 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 15:01
やがて木の陰から一人の少女が出てきた。







「ごめんね・・・なっち・・・でもこうしないと・・あの娘となっちをおんなじ目にあわせちゃいけないから・・・」









少女は去っていった二人を追った。
176 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 15:02
そしてさらにその場面を見ている少女がいた。












「クスクス・・・・やっぱりあなたはあのことを引きずってるんですね・・・これは面白いことになったね・・
あの後藤真希にも弱点は存在するんだな〜・・・お嬢様とあいつを重ねあわしてるなんてねぇ〜・・・いいことを聞いたな・・・・」













その少女は笑みを浮かべた。
















「これで、あなたに最高の復讐が出来る・・・・ねえごっちん?」









その少女は学園を去った。
177 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 15:03
更新おわり!
178 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 15:05
170
<名無し読者様
  飯田さんは自分の中でこんなイメージがあるんで・・・

171
<名無し読者様
  網棚に乗ってる飯田さん・・・
  ホントにそんなことしてるんじゃないかと思って書いてみましたv
179 名前:tsumi 投稿日:2003/10/25(土) 15:06
週一更新を目指します!
180 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/06(木) 12:04
読んでるよ〜待ってるよ〜作者さん!
181 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 21:41
その少女はいつも夢を見ていた・・・



いつかここからでたい・・・・



あの鳥のように自由に空を飛んでゆきたい・・・



あの人と一緒に・・・




その少女は恋をした




自分を護ってくれる人に



年上で少し無口な彼女に




でもその彼女には大きな傷があった





少女はその傷を癒そうとした







しかし少女の願いはついえた・・・・・






それは皮肉にも彼女が自由になれた時だった・・・・


182 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 21:42
すいません!
↑の最後の行彼女→少女でした・・・
183 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 21:53
真希がなつみと関わらなくなってから1ヶ月が過ぎた。
なつみは真希に会おうとするのだがどこにいるのかわからない。
きっとどこかで見ているんだろうかといつも真希を目で探している。

朝の送り迎えにも真希は同乗しなくなった。
そのかわりいかにもSPという感じの男を2人車に乗せていた。
真希はどうやら朝早くに学園に行っているらしい。
屋敷はさらに強化したSPたちによって囲まれているし心配はないだろうということで
なつみの父も許したのであった。

なつみはもちろん元気はない。
真希に会えない。愛しい人に会えない。
なつみは考えた。
あの時から・・・痴漢にあって真希が助けに来てそこに圭が真希に言った言葉

『あんたはなっちを命をかけて護るんじゃなかったの!あんたは・・・あんたはあの時の過ちをもうしないために・・・!』

この言葉を圭が言ってから真希が変わった。
人を寄せ付けない初めの頃に会った真希のように・・・

なつみは圭と真希は昔からの知り合いだろう考えた。
そして圭に話を持ちかけた。
が圭は
「なっち・・・それは後藤の口から聞いて・・・」
と言うので、真希を探すのだが見つからない。

なつみは悶々とした日々を送っていた。
184 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 22:12
学園に行けば
真里が
「ねえねえごっちゅあんは〜?」
紺野が
「失礼ですが後藤さんは?」
愛までもが
「後藤さんはどこやよ〜?」
と聞いてくる始末だ。

なつみは大きな喪失感に浸っていた・・・
185 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 22:12
屋敷に帰るとなつみの父が書斎になつみを呼んだ

「最近元気がないようだが?」
「・・・・」
「・・・・後藤のことか?」
「・・・・・」
なつみは俯いたままだが明らかなことだった。

数秒間沈黙が続いた。
するとなつみの父が口を開いた

186 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 22:57
「・・・・昔々あるところに少女がいた。その少女の家は大金持ちで、世界でも有数の企業主の娘だった。」

「その娘は学校に行かせてもらえなかった。過保護すぎる両親は娘を部屋に閉じ込めた。
 娘は毎日退屈な日々を過ごしていた・・・自由になりたい、そう思っていた」

「そんな娘にある日脅迫状が届いた。」

なつみは顔をあげた

「娘を殺す・・必ず殺す。そう書かれていた脅迫状が屋敷に投げ込まれていた。両親はSPを雇って
屋敷の警護に就かせた。」

「だがある日一人の男が屋敷に侵入した。その男は体中にダイナマイトを巻いていた。
それにはSPもたじろいだ。そして娘の部屋に行き娘を捕まえた。」

「後からわかったことだがその男はある企業のトップだった男で、その屋敷の主人に潰された会社の男だったらしい」

「男は娘にナイフを突きつけた。そして言った。『死んでやる・・死んでやる・・・お前も道連れだ!』
そう言って男は導火線に火をつけようとした。」

「するとそこに窓を突き破りある少女が入ってきた。その少女は男を取り押さえダイナマイトを外し、
そして娘を救出した。」

「その彼女は言った。『今日からあなたのおそばを護らせていただく後藤真希です』と・・・」
187 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 22:58
なつみは驚き、目を見開いた。なつみの父はそのまま話を続けた。
「その娘は彼女に抱きついて泣いた。凄く泣いたらしい・・・
そして彼女と後藤はお嬢様と護り屋としてスタートした。」

「2人はすぐに仲良くなった。もともとその娘は明るい子だったからすぐに後藤も馴染んだらしい。
娘は学校に行くことを許された。もちろん後藤を同伴でな・・・」

「しかしその娘は気づいてしまった・・・自分の気持ちに・・・・
自分はこの護ってくれている後藤が好きなんだと・・・」

なつみはずっと父親の話を聞いている。
そして自分より早く真希に出会ったその娘に少しの嫉妬が生まれていた。

「そしてその娘は後藤の過去について知ってしまった。お前も知っているらしいが
後藤にはつらい過去があった。」

なつみは思い出していた。
市井という人物のことを・・・
188 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 22:59
「その娘は後藤を癒そうとした。傷ついた後藤が放って置けなかった」

「しかし後藤の傷は深く娘は悩んでいた」

「そして事件が起こった」

なつみは息を呑んだ

「後藤の目を盗み娘は消えてしまった。」

「後藤は娘を探した。必死になって町中を・・しかし見つからなかった。」

「見つかったときには、娘はすでに息を引き取っていた・・・」

なつみは再び目を見開いた

「娘は交通事故だった。トラックに引かれて即死だった。手には花束が握られていた。
メッセージカードつきで・・・後藤は震える手でそれを開いた。」
189 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 23:00
『後藤さんへ
今日は後藤さんの誕生日ですよね!前に後藤さんが言ってた好きな花を見つけました!
結構苦労したんですよ〜?
いつも後藤さんにはありがとうの気持ちでいっぱいです!!
そして・・・私は気づいたら後藤さんのことが好きになっていました!!
付き合ってとかいいません・・・でもこれからも私を護ってください!
今はそれだけで十分です!今日は心配をかけてごめんなさい。
でもこれだけは自分で買いたかったんです。
お花屋さんの場所もみきたんに聞いていたから、すぐに買えました!
初めて外に出たけれどやっぱ楽しい!
おとーさんとおかーさんに怒られるだろーけどまた遊びに行きたいな〜
そのときは後藤さんよろしくおねがいします!!
                       Happy Birthday 後藤さん!
                             
from Aya 』

190 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 23:01
「後藤も自分を忘れて泣いたらしい。そして自分を責めたらしい・・・なぜ自分は見落としたのだろう。なぜ見つけられなかったのだろう後藤はすぐにそこから姿を消した・・・その後屋敷の主人の会社もすぐに潰れた。そして後藤は再び裏の世界に戻っていった・・・」

話をし終え、なつみは泣いていた。

「痴漢に会ったことは聞いている。後藤はかつての過ちを繰り返さないためにも、お前に冷たく接している。後藤の気持ちもわかってやってくれ。」

泣いているなつみを部屋に返しなつみの父は一息ついた。

191 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 23:01
「これでよかったのか?保田?」

すると奥から圭が出てきた。

「はい。ありがとうございました。ご主人様から申してくださって・・・」
「お前の口からは言いづらいだろう・・・」
「そうですね・・・お嬢様には知ってほしかった・・・このままだとお嬢様はどんどん弱られてしまうから・・・」
「そうだな・・・」


「しかし、お前たちはよく他人の振りをしていられるな・・・」
「ええ、それが仕事ですから・・・」
「表の顔はある屋敷の運転手、そして裏の顔は・・・」





「伝説となっていた市井紗耶香の姉であり、そしてその市井を殺した後藤真希を拾った女・・・」
192 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 23:02
「・・・・そっちの名前を知っているのはご主人様だけですよ・・・」
「今でも市井の行動はわからないか?」
「ええ・・・なんで紗耶香は後藤を狙ったのかが、そして何でご主人様を殺そうとしたのか・・・」
「俺は何となくわかってきたぞ」
「え?」
「おそらく市井は後藤に伝えたかったんだろう・・・松浦家のことがあって人を見境なく殺していたからな・・・あのとき護られていた私も少し怖かったからな・・・フフッ・・
市井はおそらく後藤に自分を殺させることで命の重みを教えたんだろうよ・・・それが最後の師匠からの弟子への教えだったんだろう・・・」
「・・・・そうかもしれませんね・・・」


保田は穏やかな表情になった。

「どうだ保田?今日は飲もうじゃないか?」
「ええ・・・お付き合いさせていただきます」


2人はずっと酒を酌み交わして朝を迎えたらしい・・・・





「殺す・・・殺す・・・後藤真希を絶対殺す・・・・」

その少女は闇にまぎれていた


「亜弥ちゃんの気持ちをもてあそんだ上に見殺しにして・・・・」

「絶対許さない・・・」

「殺してやる・・・!!」

闇の中で少女の声が響いていた

193 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 23:02
更新おわりれす!
194 名前:tsumi 投稿日:2003/11/06(木) 23:04
手紙のとこミスった・・・

>名無しさん様
 待たせてすいません・・・不定期なもんで・・・
  (´ Д `)<ごめんね
195 名前:名も無き読者 投稿日:2003/11/07(金) 14:31
ごっちんにはそんな過去が…
次も期待して待ってます。
196 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:12
なつみは部屋に戻りそのままベットにダイブした。
真希の過去を知った。
なつみは自分がどうすればいいのかわからず布団をかぶりそのまま寝付いてしまった。


「後藤。」
朝方、酒臭い圭がなつみの部屋の前に立っていた真希に声をかけた。

「何ですか?保田さん。」
「・・・今は誰もいないわ・・」
「・・・何か用?圭ちゃん?」

圭は真希を自分が貸してもらっている部屋に連れ込んだ。
基本的にすべてのモノがそろっており、圭らしい殺風景な部屋であった。

「・・・あんたはどうしたいの?」

急に圭が真剣な顔をして言った。
「・・どうって?」
「お嬢様を護りたいのか、それとも悩ませたいのか、どっちがいいの?」
「そんなの・・・前者だよ。」
「ならあんたの今の行動は何?お嬢様をあの子のような目にあわせたくないのはわかってる。
だから冷たく接してるけどあんたはそのせいでどれだけお嬢様を悩ませてるかわかってる?」
「それは・・・」
真希は圭のするどい目に自分の目を合わせられず俯いてしまった。
197 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:13

「あんたが冷たくすればするほど、なっちは悲しむ。それがあんたの望み?」
「そんなことない!」
「・・・じゃあもっと別のやり方探すんだよ。あんたもなっちも幸せになれる方法をね。」
「幸せになれる方法・・・」



「一週間以内になっちに笑顔を取り戻せさせないと仕事から外すよ?」




この一言は真希にとっては死刑宣告のようなものだった。
真希は自分でなつみの笑顔を護りたいと思っていた。
が、なつみの安全を心配するあまり笑顔を奪っていた。
そのアンバランスな真希の望みがなつみを苦しめていた。
それが真希にはわかっていた。しかしどうすればいいかわからない。
だから真希も悩んでいた。





「もう紗耶香の事は忘れなさい。過去にとらわれてちゃ前へ進めない。」

圭の言葉が部屋と真希の心に響いた。

198 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:15
真希は再びなつみの部屋の前に足を向けた。
ドアを開きベットに音を立てずに近寄った。
なつみを見る。なつみは眠っている。
しかし頬には涙の後があった。
真希はいたたまれない気持ちになった。
自分がこの天使のような少女から笑顔を奪ってしまったんだと思うと罪の意識を感じられずにはいられない。




「ごめんね・・・なっち・・」
真希はそう言い、頬にキスをした。
199 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:15

朝なつみが太陽の光で目覚めると、手に暖かい感触があった。
ふと横を見ると真希がいた。

「っ?!」
声をあげそうになったが、真希はベットに突っ伏して眠っている。
起こさないようになつみは横を向いて真希の顔を見ていた。

頬には自分と同じように涙の後がある。
真希も泣いたのだろうか、なぜだろう・・・
暫くなつみは真希の顔を見ていた。

「んあ・・・」
真希が目を覚ました。
すぐにこちらを見ているなつみと目が合った。
「んあっ?!」
「べさっ?!」

2人とも自分たちの声に驚いた。
思わず握っていた手を離した。なつみはぬくもりがなくなり残念な顔をしたが、
真希が起きたので話そうと思っていたことを話した。
200 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:16
ねえ・・・ごっつあん・・・なっちね、ごっつあんの過去を聞いたよ・・・」
「・・・」
「でもね、なっちはね思うんだ。ごっつあんはね笑ってるときの方が強いんだよ?
いっつも笑ってるごっつあんを見るとね、なっちも力が湧いて来るんだ!
だからね・・・その・・いっしょにいてほしいなあって・・」

言っている途中でなつみは真希に抱きしめられた。
「ごっつあん・・?」
「ごめん・・ね・・なっち・・」
真希は涙ぐんでおり、なつみをきつく抱きしめたまま話した。
「ごとーはね、多分怖かったんだ。また誰かをなくすのが・・・
だから人に冷たく接したら、もしいなくなっても怖くないんだろうなぁ〜って思ってたんだと思う。
・・・でもそれは違うんだよね。ごとーは『護り屋』だからそんなことは考えちゃいけないんだよ、
ネガティブに梨華ちゃんみたいにね・・・だからねごとーはこれから、自分に正直に生きていこーとね、そう決めたんだ。」
「うん・・・それがごっつあんっぽいべさ・・」
「うん・・・冷たくしてごめんね?なっち」
「もういいべさ・・」

2人は少しの間抱き合ったままでいた。

201 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:17


真希が突然なつみに顔を向けた。目はなつみの目を見つめている。
「なっち・・自分に正直になるよ・・・」
「ん・・・?!」


なつみが返事をする前にその口は真希のそれによってふさがれていた。
なつみは急に何が起こったかわからずに少々パニックに陥った。
数秒間が経ち真希は唇を離した。




「なっち、ごとーはなっちが好きです。」

202 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:18

真希から放たれた一途な言の葉。


その言の葉はなつみのパニックにあった心をまっすぐに貫き、なつみにこの言の葉を話すように仕向けた。



「・・・なっちもずっとごっつあんのことが好きだったよ・・・・。」




涙ぐみながら言ったこの言の葉が2人の唇を再び出会わせた。
唇を押し付け、今までの気持ちをぶつけるようにそれとそれは熱をもった。
先ほどと違いそれはただただ甘かった。
203 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:20








幸せと不幸は波のように訪れる











それはさながら初めから決められていたかのように













これを運命というのならば














 

神は何を考えて運命を決めたのだろう










幸せの波が高ければ高いほど













不幸の波はそれに比例して高くなる













幸せは不幸に行き着くための誰にも逆らえない運命のキップでもあるのかもしれない












204 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:22
更新終わり
205 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:23
この時間は眠い・・・

>名も無き読者さん
 レスありがとうございます!ごっつあんには過去がねえ・・・
 次回から少し雲行きがあやしくなるかも・・・・
206 名前:tsumi 投稿日:2003/11/15(土) 06:24








207 名前:jinro 投稿日:2003/11/15(土) 09:19
せっかくなのに…まだ波乱がありそう…
てかあるんですよね?
ううっ…。なちごま、幸せにしてあげてください…
208 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/23(日) 19:00
切ない!?
なんだー。一体なにが…
209 名前:モテごまlove 投稿日:2003/11/24(月) 16:03
なちごまなんか切ないですね…
ごっつぁんを狙ってるのはもしかして…
次に期待です。
なちごまの前はあやごまだったんですね…
なんか悪くないかも<あやごま
210 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:28
そこにいた生徒のすべてが持っていた荷物を落とす、ぐらいほぼ全員が目を点にしていた。



「なっち〜♪」
「ごっつあ〜ん♪」



2人が手をつなぎ学園に入ったときから、時が止まったかのように二人の声は響いた。
最近はずっとなつみは落ち込んでいた。誰が見ても落ち込んでいたが、今日はいきなり
これだ。まぶしすぎるなつみの笑顔はまさに太陽だった。
このことは10分程度で学園に広まった


211 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:29
もちろんなつみにとっての悪魔だった人が来るのも時間の問題だった。
ガタンッと音が響いた。
そちらを見ると、背が低い虫のような女。矢口真里だった。


「ど〜〜いうことだよぉ〜?!なっち!なにごっつあんと手つないでんだよぉ〜?!」
それに対しなつみは考え、思いついたことを行動に移してみた。

「チュッ」


真希の唇にふわりと口付けた。

「これでわかった?やぐち?」

この行動だけで十分すぎるダメージを真里は負った。

「なんでなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ドアを突き破り真里は学園から町に出て行ってしまった。
この日真里は帰ってこなかったらしい・・・
212 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:32
すぐに第二陣が駆けつけた

「ど〜ゆ〜ことかの〜?なち姉!!後藤さんとつきあっとるっちゅう噂は〜?」
「少しそこをお聞きしたいですね。完璧じゃないです。」
「あ・・あの私は付き添いでぇ・・」

第二陣にも一陣と同じく攻撃をしてやった。

「うわ〜〜〜!!!!なち姉なんか〜〜!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ」
「ま・・まってよ〜愛ちゃ〜ん!」

愛はその日、屋敷に帰りソースカツ丼をやけ食いしたらしい・・・
小川は途中で愛を見失いそのままかぼちゃケーキを買いに行った・・・
紺野は無表情でそれを見て、何も言わずに去っていった。


213 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:32
昼休み

「は〜い!ごっつあんあ〜んして〜♪」
「あ〜ん♪」
「おいしい?」
「おいしいよ〜!なっち♪」
「えへへ・・・」
「ごとーが今度なっちにあ〜んするぅ〜。なっちあ〜ん♪」
「あ〜ん♪」
「おいしい?」
「おいしいよ〜ごっつあん♪」

もはや半径10mには誰も近づけない。

「あんな後藤さんはじめてみるのれす!」
「『恋に溺れると人は変わる』・・・あいぼん心の一句・・・」
「????あいぼん???」
「は〜あうちもあんな恋が・・・」
「鯉はおいしいのれす!」
「ちがうわっ!」

「カオにはわかる」
214 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:33
「うわっ!びっくりした〜。飯田さんいきなりでてこんといてくださいよ〜!」
「いいらさ〜ん!」
辻が飯田の背中に抱きついた。

「カオにはわかる・・・これから2人には試練が来る・・・
その試練を乗り越えないと二人は幸せになれない。
その試練につまずいたら・・・永遠に・・・」
「いいらさん?」
「・・・なんでもないのよのんちゃん?」
「れす!」

辻の頭をナデナデしてやり、飯田はそこから離れていった・・・



「過去の恨みは人間を変える・・・ごっつあん・・・気をつけて・・・」




こうしてなつみと真希の恋人一日目が終わった・・・


215 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:35
ねえ覚えてる?









キミが彼女に言った事










キミが彼女にしてあげた事











私はただそれを見てきた
216 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:36
何も言わずに見てきた














そして






彼女は死んだ






誰のせい?
217 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:39
あんたのせいだよ後藤真希





あんたが彼女を殺したんだ





あたしの一番大好きだった彼女を
218 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:39


だから




今度は







あたしがあんたの一番大事な彼女を殺してやる









安倍なつみを・・・・・美貴が・・・・・
219 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:40
更新おわりれす!
220 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:47
>jinro様
   波乱・・・今回でだいたいは・・・
   なちごまは今後はねぇ〜・・・
   それは最後に出てきたあの人に懸かってます

>名無し読者様
   それはのちのち明らかになっていくと思います。 
   切ない路線まっしぐらです・・はい・・

>モテごまlove様
   期待してくれてありがとうございます!
   はい・・あの人でした・・・
   一度あやごま編も書いてみようと思ってますんで楽しみにしててください!
221 名前:tsumi 投稿日:2003/11/26(水) 14:49
次回の更新は2週間後くらいかなあ・・・
よろしくおねげ〜します!!
 
  ( ´ Д `)<よろしくぅ〜♪>(´ー`●)
 
222 名前:名も無き読者 投稿日:2003/11/26(水) 18:18
ひぇ〜
怖いよミキティ…(汗
怖い展開にならないよう祈りつつ、次回に期待してます。
223 名前:モテごまlove 投稿日:2003/11/26(水) 21:51
やっぱりミキティでしたか…(泣
また紺野の時みたいに、ごっちんの言葉で
心を入れ替えてほしい…
あやごま期待してます!
もちろん、なちごまも(w
224 名前:たか 投稿日:2003/11/27(木) 17:01
上から全部読ませて頂きました!!素晴らしいですね。 
こうゆうタイプの小説は見たことなかったから、とても新鮮でいい気分になりました。
試練は次々に起こるんだけどそのたびに乗り越えていくなっちと後藤さん。すごい
好きです!!強そうな後藤さんだって普通の人間だから、こんな気持ちは持って
るんですよね!!良いと思います!!
そして美貴さんの気持ちが... また試練がきそうですね。
でもとても期待してますよ!!頑張ってください。
225 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:35

それはとどまる事を知らなかった。
「なっちゅぃ〜♪」
「ごっちゅあ〜ん♪」

一時は学園内の七不思議に認定されていたこの2人のバカップルも
2週間も経てばもう恒例といった感じで生徒も過ごしている。

「ねえねえ・・・」
「ああ・・・やってるねぇ〜」
「「うらやますぃ〜」」

「そういえばやぐちさんって知ってる?」
「ああ二週間前から行方不明なんでしょ?」
「う〜ん、そんなにショックだったのかねぇ・・」
「ドア破ったぐらいだから・・・安倍さんの妹の愛ちゃんも毎日いつも横にいる
 口が半開きの女の子→∬´◇`)に必死に慰めてもらってるけど元気ないらしいよ」
「うそー・・そういえば紺野って子も授業中ぶつぶつ何か言ってるらしいよ・・・」
「そっちのほうが七不思議じゃん・・・」
226 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:36
「ねえねえなっち〜、ごとーは今日おべんと作ってきたんだぁ〜!」
「うそぉ〜?!ホントに〜?ありがとう〜!」
「えへへ・・なっちの為に作ったんだよ・・・」
「・・・・(照)・・・・・」

それをお団子シスターズが見ていた。
「しっかし後藤さんも昔のあの冷ややかな目っちゅーかあのクールな姿はどこに行ったんやろうなぁ〜?」
「そうれすねぇ〜でも今の後藤さんのほうが近寄りやすいのれす!」
「まあな・・・しっかしあのラブラブ光線はえげつないで、あんなもん見せられて普通にいられる人間なんておるんかな?」
「それは・・・」

「カオには効かない」

「「ひゃっ?」」
「カオには効かない」
「飯田さん・・・だからいきなり出てこんといてください・・」
「いいらさんはなんできかないんれすか?」
「のの・・それは普通の人間にゆうことや・・・」
「???」

「カオにはわかる・・・ごっつあんは浮かれてる・・・だから見落としてる・・『不幸』を・・」
「また意味深な発言ですねぇ・・・」
「どういう意味れすか?」
「さあ?」

「現にもうすぐそばまで来ている・・・すぐそこまで・・・」
「今日の学食はそばれす!」
「なんでやねん!」
227 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:37

そして放課となった。
無論2人は一緒に手をつないで家までの道を散歩して帰っている。

「ごっつあん・・・幸せ?」
「うん!幸せだよ〜なっちは?」
「なっちも幸せだべさ・・・あっ!」
「あは。久しぶりに出たね北海道弁。」
「うぅぅ・・気をつけてたのに・・・」
「別に直さなくていいのに・・・」
「だって・・・恋人がこんな言葉ってなんか嫌じゃない?」
「ごとーはそんな事でなっちを嫌いになったりしないよ?むしろ好きかな〜かわいいから。」
「もう・・・」
「・・・・それに北海道の人とは昔友達だったから・・」
「だべ?誰っしょ?」
「んあ・・・昔護ってた人の親友でね・・・ごとーとも凄く仲良くなったんだけどね・・・」
「けど・・・?」

「亜弥ちゃんが死んでから、会ってないんだよね・・ってゆーか行方がわからないだよね・・・結構探したんだけど。」
「あの時の・・・ごっつあん、悲しまないで?」
「んあ?」
「ごっつあん何かさびしそうな顔してるから・・・あれはごっつあんの所為じゃないから、ごっつあんは悲しまないで?じゃないとなっちも悲しくなるっしょ?」
「んあ・・・わかった・・・ほら!もうすこしで屋敷につくよ!」

「うん!ごっつあん・・・その人見つかるといいね・・・北海道弁ならいい人ばっかりだべさ。」
228 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:38

屋敷が見えてきたとき、そいつは闇から姿を表した



「そうかねぇ〜?北海道弁なんか捨てたからわからないな〜?」

急に背後から聞こえてきた冷ややかな声に2人は振り向いた。
「いまどき訛りなんてはやらないよ。そこの人。」
「なっ・・なんだべさー!!訛りがはやるとかはやらないかの問題じゃないっしょ!」
「くすくす・・」
「むかつくだべ・・・」

「ねえ、あんたはどう思う?ごっちん?」

「だべ・・・?ごっつあん知り合いだべか・・・?」
真希は目を見開いたまま口を開けない。いや驚いていて何も出来なくなっているようだった。

「ごっつあん・・・どうしただべか?」
「何その態度〜せっかく久しぶりに会ったってゆーのにさ〜。」
「・・・キ・・・」
「ごっつあん?」
「ミ・・・キ・・・」
「ほれほれもうちょっと!」

「・・・・・・ミキティ・・・・・」
229 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:38
「よく言えました〜パチパチ。びっくりしたよ〜まさか美貴の名前忘れられてるんじゃないかと思ってひやひやしたよ〜」
「ごっつあん・・・だれだべ?」

「ごっちんが言ってた昔友達だった北海道弁の女の子で亜弥ちゃんの親友だった女の子、でいいよね?ごっちん?」
「えっ?!」
「まあ昔友達だっただけどね・・・今は知ったこっちゃない。」
「ずっと・・ごとーは探してた・・・ミキティを・・・」
「あらあら探してたくれたんだ。ごめんね〜見つからないようなとこにいたから。」
「どこに・・いたの・・?」
「う〜〜ん・・・具体的な場所は言ってもわかんないだろうからこういえばわかるかな?」




「あんたを殺すためにずっと闇に近づいてたんだよ。後藤真希。」
230 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:39

「えっ?!」
「・・・・・・」

「ふん・・・あんまり驚かないって事は少しは予感してたんだ。」
「・・・」
「黙秘かよ・・・、まあいいや、とりあえず自己紹介に来ただけだから美貴はもう帰るかな。
それじゃあお二人さん。あと少しの恋人をたのしんでくださいね〜♪」

美貴はそこから姿を消した。
なつみはその方向を見ていたが、すぐ後ろから鼻をすする音がしてきたので振り向いた。

真希が泣いていた。

「ごっつあん・・・」
「・・んぐっ・・みっ・・・き・・てぃ・・・」

なつみはただ真希の頭を抱きしめていた
願わくばこの子の悲しみも自分にわけてくださいといわんばかりに
闇が光を飲み込むまでただただ抱きしめていた・・・・

231 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:39

光が見えればかならず闇も見える












それは自然の摂理











しかし











闇が見えれば光が見える








それは必ずしも正解ではない

232 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:39


闇を照らすのは光





光を照らすのは闇













じゃあ光と闇を持った彼女を照らすのは













いったい何なのでしょう
233 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:41






この答えは誰ならば知っていますか













その答えを知っている者がいれば













わたしはすべてを捨ててもそれを追い求めるだろう











ごっつあんの光と闇を照らすためなら・・・なっちは・・・・・


234 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:41
更新終わり♪
235 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:48
>名も無き読者様
  祈ってもらってすいません・・・ですが・・・
  すいません怖い展開になりそうな・・・
   ( ´ Д `)<ごめんね

>モテごまlove様
  はい・・ミキティでした。
  今度は紺野さんのときみたいに言葉で納得できるような
  相手じゃないんで・・・川o・-・)<何か?
  あっあやごま編はもう少しお待ちください!

>たか様
  こんなにほめてくれるなんて・・・
  ありがとうございます。
  ただただありがとう・・・
     ( ´ Д `)<ありがと〜♪>(´ー`●)

236 名前:tsumi 投稿日:2003/12/10(水) 17:49
次回は気が向いたらですかね・・・
お待ちください。
237 名前:たか 投稿日:2003/12/11(木) 19:43
おもしろいですっ!!美貴さんの心の深い闇があるのが文章を読んだだけで
かなり伝わってきました。tsumiさんが上手いからのことなんだけど優しい口調
に恐怖を覚えました。\´〇`/ひぇ〜〜。でもほんとに楽しみにしてます。
とってもいい感じです。頑張ってください!!
238 名前:モテごまlove 投稿日:2003/12/12(金) 08:38
ミキティ恐!!
ごっちん&なっちは…どうなっちゃうんだ!?
ミキティは紺野みたいにはいかないのかぁ…
239 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:39
〜another story〜


毎日退屈な日々外を体感できるのは窓からのほんの少しの景色だけ

でもあなたはそんなわたしに翼をくれた

空もみせてくれた

でもわたしは

あなたと2人で飛びたかった



ずっと・・・
240 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:40

「ひまだよぉ〜!!」
あたしは松浦亜弥。
顔良し、声良し、スタイル良し、家良くない。
昔からずっと大事にされてきた。
親は何だかわかんないけど大企業?とかのトップらしい
だからまあお金には不便とかそんなものは無かった。
お金で買える欲しいものはだいたい手に入った。



でも両親はわたしを檻に閉じ込めてた。
広い広いおそらく世界一贅沢な檻
まあ自分の家なんだけどね。
だから私は学校に行ったことが無い
義務教育?そんなの私には関係ない。
どうせ親がなんとかしてるんでしょ。
241 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:41
でもわたしには一人友達がいる。
藤本美貴
あだ名は「みきたん」
私がつけたんだけど、気に入ってくれてたみたいでうれしかった。
みきたんは最初なんと「泥棒」だった。
ある満月の夜、ゴソゴソと言う音がしてベットから身を起こすと
月明かりに何かが動いているように見えた。

「だれぇ〜?」
「!!!」

私は誰かメイドの一人だと思った。
でも違った。
その影は私に詰め寄り言った。
「・・・静かにしろ・・・お嬢様・・・」
242 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:41
顔は見えなかったけれど女の人だとはわかった。
わたしはその声にしたがって静かにしていた。
するとその泥棒さんは
「おい・・・金庫はどこだ?」
と聞いてきた。

「そんなのしらない。」
私は当たり前に答えた。

「言え!」
泥棒さんは私にナイフのようなものを突きつけた。

私はもう限界だった。

「ふぇっ・・・うぇぇぇぇぇええん!!!」
泣いてしまった。

するとその泥棒さんはあせあせしていた
「あああ・・わっ・・わかったから泣き止んでな?何もしないから?ね?亜弥ちゃん。」
「ふぇ?」
私は急に自分の名前を言われてびっくりした
私をそういうのは一人もいなかった。
両親は「亜弥」
その他は「お嬢様」だったからだ。

廊下から足音が聞こえて、私はなぜかその泥棒さんに言っていた。
「早く!そこのクローゼットに隠れて!」
「えっ?・・うっ・・うん!」

243 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:42
泥棒さんは素直にクローゼットに隠れた。
同時にうちの執事やらなんやらご一行様が到着した。
「お嬢様!いかがなされました!」
すごい剣幕でみんなが私を見ていた。
「怖い夢見ちゃって・・・ごめんなさい。」
ともっともらしい理由をつけて謝った。

するとそのご一行様は安心したかのように去っていった。
「もういいよ。」
するとクローゼットから女の子が出てきた。
顔は今ならライトがついているので見えていた。
かわいい
わたしには勝ってはいないけど、かわいかった

「ねえ・・・なんでなの?」
「?」
「なんで助けたの?」
「ん〜〜・・・なんでだろ〜?」
「あのねぇ・・・」
「悪い人じゃないから・・・あなたは」
「はあ?あんた私が誰だかわかんない?泥棒だよど・ろ・ぼ・う!」
と少し強めに言われたので私も言ってやった。
「あ〜どうしようかな〜私がここで大声あげたらどうなるんだろ〜な〜
あっという間に人が来て、あなたなんてすぐに捕まっちゃうんだろうな〜?」
「・・・それ脅し?・・・」
「さあ〜?」
「あんた・・・わたしよりタチわるい・・・」
「えへへ・・・ほめ言葉としてもらっときます。」
244 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:42
それから私は泥棒さんとお話をした。
泥棒さんの名前は「藤本美貴」
なんか孤児院?とかで育って身寄りが無くてその孤児院も脱走して
今は一人で泥棒して食いつないでいるとか・・・
私の名前を知っていたのは、みきたん(私がつけたあだ)は
泥棒するときに、その家の事を下調べしておくらしい。
計画的なんだよ、といっていたけどだったら今わたしにばれてるのは何?といいたかった。

私ははじめて同世代とお話をしてうきうきしていた
みきたんにここから出たことが無いといったら「うそぉ〜?まじでぇ〜?」
と驚かれた。
それからみきたんのお話を聞いているうちに私も外へ出たくなってきた。
そしてついわたしは言ってしまった。
「そとへ行きたいぃぃぃぃぃ!!!」



10秒後には私の部屋にはずらりご一行様勢ぞろい。
245 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:43

「お嬢様!!そいつは一体なんですか?!」
「うあっ・・・」
「・・・・・・」

みきたんはどうしようもできなくなってしまっていた。
何せ銃を持ったSPがいるのだ。
流石にこれは逃げられない。
私はどうしようかと考えていた。
「お嬢様!!そいつは泥棒ですか?!」
当たりです。ともいえないから私は言ってやった。

「ううん・・・み・・彼女は私の命の恩人なの。この屋敷にだれかが壁をよじ登ってるのが見えて、それを追いかけてきてくれてそして私の部屋に入ってきたその泥棒さんをおいやってくれたの。命の恩人だよ?」
やった松浦。と自分は思った。
女優になれんじゃないと自分でも思って横を見ると案の定みきたんも口をポカンとあけていた。
するとそこにいた人間の態度が変わった。
「こっ!!これはこれは!!どうもしつれいいたしました!お嬢様の命を救ってくれたとは・・・」
私はさらにいいことを思いついた。
「あ〜あ、このことがお父様にしれたらどうなるだろうな〜?やっぱりみんなやめさせられるのかな〜?」
この言葉にそこの部屋の温度が急激に下がった。
みな顔青し。
にゃは
笑ってやった。
「まあ・・・ひとつあるんだけどねぇ〜お父様にも隠しておいて言い方法が・・・」
その言葉に引き寄せられ全員がこっちを見た。
「にゃはっ♪」
246 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:44

「なんでかな・・・」
「すごぉ〜〜い!!似合ってるよ!みきたん!あたしの次にかわいいくらい!」
「それはどうも・・・ってなんでだよ!」
「だってこうでもしなきゃあの場は収まらなかったじゃな〜い?なんなら今からでもホントの事お父様にいおうか?もし逃げても松浦家のネットワークですぐみきたんを見つけるよぉ〜♪」
「・・・やっぱあんたたち悪い・・・」
「あんたじゃなくて!」
「・・・おっ・・お嬢様・・」
「じゃなくて!」
「へ・・・?」
「あのときみたいに!」

みきたんは少し考えて何かを思い出したかのようにいった

「あ・・亜弥ちゃん・・・」

「にゃはっ♪」



こうして初めてわたしに友達・・・いや親友が出来た。
名前はみきたん
職業は「松浦家亜弥専用のメイド」

にゃは♪
247 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:44
ねえ


ひょっとしたらこのときから運命はすでに始まったたんだね


みきたんとの出会い




そしてあの人との出会い




そして私が知らない




未来でのみきたんとあの人との出会い




そして








みきたんと、あの人の大切な人との出会い







それこそがひょっとしたらわたしの運命だったのかもしれない






わたしは







みきたんとあの人の大切な人とを







出会わせる橋だったのかもしれない

248 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:45
更新おわりれす!
249 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:49
<たか様
  藤本さんの怖さが伝わったようで安心しています。
  でも藤本さんも最初は・・・ 川VvV从<怖いのかよ
  上手いなんてそんな・・・ありがとうございます!

<モテごまlove様 
  あやごまというより今回はあやみきですがどうでしたか?
  もう少しであやごまも・・・
  レスありがとうです!
 
250 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 16:50
次回もいつになるか・・
今夜かも知れないし
一ヵ月後かも・・・・
お待ちくださいです
251 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 23:58

それから私は少しさびしくなくなった。
みきたんがいつもそばにいたからだ。
みきたんはいろいろな事を教えてくれた。
外の事や自分の育った北海道の真ん中らへんとか
それはすべてが新鮮だった。

どうして私は外へ出られないのか
私は父親に何度も頼んでいたが、再び頼んだ。

「お父さん・・・私外行っちゃ・・・」
「だめだ」
私が言い終わる前にお父さんは言葉を遮った。

「お前を危険な目にはあわせられない。それでも最近はいろいろと私の周りで危険な事が多いからな・・・・・」
「でも・・・」

252 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 23:59
お父さんは何かを考え込んでしまった。
「むう・・・そういえば・・・『護り屋』というのがあるらしい・・・主人を護るというまあボディーガードのようなやつだが、そこにいる一人の優秀な少女がいるらしい・・・そうだな、亜弥の為に雇ってみるか・・・」
「なっ?!何それ!私に個人的にボディーガードをつけろって言うの!」
「すべてはお前の為だ亜弥。」

その『護り屋』とかいうのは一週間後に来るらしい。
そのことをみきたんに話した。

「あ〜〜・・・一週間後〜?私ちょっといないんだよね・・・」
「なんで?」
「その・・・たき・・北海道の真ん中らへんに行って孤児院に仕事についたってゆう報告をしにいこうと思ってるんだよ。」
「うん・・・それは仕方ないね。」
「でもその人亜弥ちゃんとおんなじくらいなんでしょ?」
「うんそうらしいけど・・・」
「まあがんばんなって・・・」
「うん。」

そして流れるように時間は過ぎていき一週間後となった。
253 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 23:59
最近なんかSPの人が多い。
みきたんに聞いても
「私はあんまり他の人と話しない。」
といわれ、他の人にも聞いたが何にも言わなかった。

みきたんは北海道の真ん中らへんに旅立っていった。
私はいつものようにベットの上でいねむりをしていた。

廊下が騒がしい・・・
私は目を覚ました。
時間は5時
たっぷり寝た。

それにしても何が騒がしいのだろう
ドアを開けるためにベットから起き上がると
ドアが開いた。

「はあはあ・・見つけた・・・」
254 名前:tsumi 投稿日:2003/12/13(土) 23:59
それは中年の男だった。
わたしは見た事が無い男だったが、そんなことよりその男の体に巻かれているものに目がいった。
「ダ・・・ダイナマイト・・?」
「ほう・・・お嬢様でも知ってるか・・なら話は早い・・・お嬢様・・死にましょう。」

ナイフを突きつけられた。
ふとみきたんのことを思い出した。
みきたんともこういう出会いだったな〜とふと懐かしんでいる自分がいた。
が、すぐに事態は変わった。
「来るなっ!!来たら爆発させるぞっ!」

SPたちもこれには対処ができない。
右手でナイフを私に突きつけて、左手でライターを導火線に近づけているからだ。
私は震えていた。
みきたんとは違う
この人は優しくない
それは本当の意味での恐怖だった。
255 名前:tsumi 投稿日:2003/12/14(日) 00:00
じりじりとそのままの状態が続いたけれど、その男がついに涙を流し始め言った。
「もう・・・俺には何も無い・・・だからもう・・・死んでやる・・死んでやる・・・お前も道連れだ・・・道連れだ!!!」
導火線にライターを数センチのところまで近づけた。
私はもう本当に走馬灯のようにみきたんとの思い出が駆け巡った。
(外にでたかったなあ・・・・)

そして導火線に火が触れるかどうかといったとき変化は起こった。

『ガシャン!!』

窓が割れる音がした。
みんながその音の方向を見た。
その男も
だがすでにその音を作った人はもうそこにはいなかった。

「ぐわっ!」
急に私の横にいた男が悲鳴をあげて床に突っ伏した。

「大丈夫ですか?」


私はななめ後ろを振り向いた。
256 名前:tsumi 投稿日:2003/12/14(日) 00:00
栗色のストレートヘアーで、すこし垂れている目
闇にまぎれるような、漆黒のコート
かわいい、じゃない
私が見た事無いくらいキレイな女の人がいた。


「あっ・・・」
彼女はライターを手に持っており、私にぎこちなく微笑んで言った。


「今日からあなたのおそばを護らせていただく後藤真希です。」

257 名前:tsumi 投稿日:2003/12/14(日) 00:01
・・・・
一瞬頭が回らなかった。
えと・・・整理してみよう。
私は男の人に捕まってて
そしてその人が導火線に火をつけようとして
そして窓から入ってきたこの人に助けられた
この人の名前は後藤真希
私のそばを護らせていただく・・・『護り屋』?

私が顔をあげるとそのひとは私を抱きしめた。

「もう大丈夫だよ・・・怖くないから・・ね?」

私は泣いていた。
涙なんかだれにも見せた事が無い
みきたんぐらいだ。

でも・・・・私はそのぬくもりが・・・
そのぬくもりがとても心地よかった。
私は泣いた。
その人の胸の中で
その人はずっと頭をなでてくれていた。
私はまるで雲に抱かれてるかのようだった・・・
258 名前:tsumi 投稿日:2003/12/14(日) 00:01
このときにもう私にはあなたしかいなかった






でもあなたには私じゃなかった








この時わたしが少しでも







みきたんの気持ちに気づいていたら







未来は変わってたのかな







みきたんの『想い』に
259 名前:tsumi 投稿日:2003/12/14(日) 00:02
本日二回目あっ・・もう0時過ぎたか・・・
更新終わりれす!
260 名前:tsumi 投稿日:2003/12/14(日) 00:02
隠し
261 名前:tsumi 投稿日:2003/12/14(日) 00:08
 ( ´ Д `)人从‘ 。 ‘♯从
262 名前:モテごまlove 投稿日:2003/12/14(日) 07:18
おわぁ!!あやごまだぁ!!!
でも少し暗め?
263 名前:たか 投稿日:2003/12/14(日) 08:49
過去が見れて良かったっす。亜弥さんとてもかわいいけどとてもこれからが
気になりますねぇ。今の美貴さんと過去の美貴さんのギャップがすごいんで
よっぽどのことがあったのかなァ。でも良かったっす。楽しみにしてます。
264 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:06
「大丈夫だったの?!」
「うん!」

みきたんが北海道の真ん中らへんから帰ってきた。
私はすぐに事件のことを話した。
するとみきたんは凄く目をま〜るくして驚いていた。

「何でよりによって美貴がいない時に・・・」
なんかぶつぶつ言ってるみきたんにあの人を紹介したかった。

あの人―後藤真希さんはドアの前に立っている。
どうぞ中に入ってくださいといっても、「私はここで・・・」と返されてしまう。

「まっ・・・後藤さ〜ん!」
「何でしょうか?」
すぐに入ってきた。

「あの・・・もう会ったかも知んないけど・・・私専用のメイドの、みきたんです・・・」
「・・・どうも、藤本美貴です・・・」
「後藤真希です。」
何かみきたんはうっすら機嫌が悪かった。
後藤さんは無表情で対応していた。

「それでお嬢様、ご用件は?」
「あっ・・みきたんを紹介したほうがいいかと思って・・・」
「そうですか、それでは・・・」
そう言ってすぐ部屋から出て行ってしまった。
265 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:07
「何アレ?」
みきたんは気に入らなかったらしい。
無表情が気に入らなかったらしいけど、みきたんも十分冷ややかな目をしていたと思う。
言ってたら怒られてただろうけど。

それから一つうれしいニュースがあった。
なんと・・・・
学校に行けるのだ!!
後藤さんがお父さんを説得してくれたらしい。
そのかわり四六時中後藤さんがそばにいるのが条件らしかったけど・・・
まあ・・・ずっと願ってた『学校』に行けるのだ。
ずっと檻に閉じ込められてた自分が少し空に飛び立てるのだ。
私はずっとそのときが来るまでうきうきだった。

みきたんはこのニュースを聞いてもあまりうれしそうじゃなかった。
でも私が喜んでいると、ぎこちなく喜んでくれた。
266 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:07
そして学校へ行く日が来た!
指定の制服を着た。みんなと同じ服が着れてとてもうれしい。
鏡の前で回っているとドアの外から後藤さんの声がした。
「お嬢様。時間です。」

私はすぐに返事をしてドアを開けた。

・・・・・・・・・・え?

そこには後藤さんがいた。
うん・・・いた・・・
でもなぜか見覚えというかなんというか、明らかに昨日までの後藤さんじゃなかった。
「あの・・・なんでそれを・・・」
「ああ、これですか?」
「はい・・・」
「今日から私とお嬢様は同じクラスに転校という形になりました。」

もちろん驚いた。
正直思ったことは、
「絶対中学生に見えない」だった。
色っぽすぎる。絶対に。こんな中学生いない。
いろいろと思っていることはあったが、自分が認めたきれいさに見ほれたので口に出さずにいた。
267 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:08
朝食を済ませて、玄関に行った。
お母さんは心配なのか見送ってきた。

そして玄関を出ると一台の車が目に付いた。
学校に行けるとはいえ送り迎えは車だ。
それは仕方ない。今はとりあえず学校に行けるだけでもよしとしよう。

車に乗り込むと後藤さんが私の横に座った。
「保田さん。お願いします。」

後藤さんに保田さんと言われた人は運転手で、まだ若そうな女の人だった。


私は学校に行くまでが楽しかった。
見た事無い物の連続だった。
信号、ミラー、建物、お店、そして『人』が見れた事がうれしかった。
268 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:08
そして今学校についた。
まず後藤さんに職員室に連れて行かれた。
後藤さんはすべて手続きはお父さんが終わらせているといって
とりあえず担任に挨拶ということで挨拶をした。

そしてその担任に連れてかれて、教室まで連れて行かれた。
教室に入ると、私と同じくらいの女の子がいっぱいいた。
何か・・・うれしかった。

担任が簡単に紹介をして、私と後藤さんは簡単な挨拶をした。
そして席についた。後藤さんの席は私の隣だ。
これもお父さんの差し金だろう。
でもうれしかった。

すぐに私のところに人が来た。
俗に言う「質問タイム」ってやつだ。

いろいろ私も質問をされた。
なんて呼べばいい?好きなものは?とかたわいも無い話だが、私は凄くうれしかった。
普通の会話がうれしかった。

ふと隣を見た。
後藤さんのところには人がいなかった、というより寝ていた。
私は一人の女の子に聞いてみた。
「ねえ、なんで後藤さんのところに行かないの?」
するとその女の子は
「だってぇ〜、なんか・・・かっこいいから・・近寄りがたいというか・・」
と少し顔を赤らめていた。
他の人たちもそんな感じだった。
ここはお嬢様女子高。かっこいいという言葉が何で使われえるのだろうと私は思った。
このときは私もまだ自分の気持ちに気づいていなかった。
269 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:09

その日はすぐに授業も無く終わった。
後藤さんと一緒に廊下を下駄箱まで歩いていると、
やはりみんなの視線が後藤さんに行っていた。
すこしひそひそ声も聞こえていた。

「ねえねえ、かっこよくない?あの人。」
「え、どれどれ・・うわホントだ!マジでかっこいい!」

これは後藤さんのことを言っているのだろう。
私はかわいいならわかるがかっこいいは言われたためしがない。
・・・なぜがむかついた・・・

そんなこんなで校門まで行くと保田さんの車が待っていた。
ああこれでまた屋敷に帰るんだなと思っていると、ふと後藤さんが言った。

「保田さん。少し行ってもらいたいところがあるんですけど。」

その言葉を聞いて少し保田さんが怪訝そうな顔をした。
「どちらへ・・?」

すると後藤さんはどこかの場所を言った。
わたしにはわからなかったが、保田さんは何か不機嫌だった。
270 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:10
私は感動していた
目の前に広がるのは青
上の青と下の青が溶け合っているところも見える。
海だ

初めて私は海に来た。
保田さんと後藤さんは何かを話している。
でも私は目の前にある海に心を奪われていた。
そして知らぬ間に自分で海に駆け出していた。
靴を脱いで砂浜を走った。
砂って暑いんだ
そんな事も感じられた。
海に足をつけてみた
冷たい。
そしてずっと向こうを見た。
あの果ては何があるんだろう
ふと思った。
空を見た
青かった。
ずっと部屋からしか見れなかった空
それが今は見渡す限り見える。

ずっといろんな感動に浸っていると声がした。
「これを見せたかったんだよね〜」
271 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:11

びっくりした。この声は間違いなく・・・
後ろを振り向くと後藤さん。
あの声は後藤さんだったのだ。

「お嬢様はさ、ずっと閉じ込められててもったいない人生を歩んでいたんだよ。」
急に口調が変わった後藤さんに驚いた。
「世の中にはいろんなことがあるんだよ。空や海、山や川、森や木々、
みんな生きてる。でもお嬢様は生きてるんじゃなくて生かされてるんだよ。だからこれを見て欲しかったんだ。空と海っていう生きてるものをね。空も海も生きているんだよ、生きているから空にいる鳥も海にいる魚も生きていけるんだよ。まあ・・・ごとーも昔ある人に教わった事だけどね。でもすっごいきれいでしょ?」

後藤さんはにっこり笑ってこっちを見た。

私は初めて後藤さんのホントの笑顔を見た。
太陽みたいな、私が見た事無い笑顔。
そして、初めて認めた。
自分よりきれい
自分よりかっこいい
自分よりかわいい

そんな人なんていないと思っていた。
でも目の前の笑顔に打ち砕かれた。
私は恋をしました
初めてでした
相手は私を護ってくれる人
そして私を檻から出してくれて、空を見せてくれた人です。
272 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:11


顔が赤くなっているのがわかった。
後藤さんの顔が見られない。
何でだろう、人を好きになるってこんなに・・・
胸が苦しくなるのですか?



保田さんが声をかけてくれて、とりあえず顔が赤いのはばれなかった。
そして屋敷に帰った。
車の中?
そんなのもちろんばれなかったよ。
だってずーっとミラーに写る保田さんの顔ばっかり見てたから。

273 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:14
更新おわりれす!
少し訂正が・・・
268の最後から二行目の
お嬢様女子高→お嬢様学園の中等部
でした・・・間違えてすんません・・・
274 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:20
>モテごまlove様
  今回は松浦さんの心境の変化についてでした。
  少し暗くなるのはもう少し・・・

>たか様
  よっぽどの事っていうのは昔ちょこっとあの事ですけど・・・
  186から190ぐらいの・・まあもう一回あやや視点でやりますんで
  まっていてください。
     ( ´ Д `)<私待つわ〜♪
275 名前:tsumi 投稿日:2003/12/20(土) 00:23
 ( ´ Д `)人从‘ 。 ‘*从
 

(`.∀´)<久しぶりよ!
276 名前:モテごまlove 投稿日:2003/12/20(土) 09:32
あやごま〜〜〜vvv
こういった感じの
あやごまってなんかいいですね(w
なちごまとミキティvsごっちんも
気になるとこです。
277 名前:たか 投稿日:2003/12/20(土) 22:54
面白いです!!空とかを見た亜弥さんの可愛さがとても
伝わってきました。上手です!!だけどこれからどうなる
のか考えるととてもつらい・・。でもいいあやごまを
ありがとうございました。続きも気になるところです。
278 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:10
「ねえ・・・なんか怒ってない?」
「別に・・・」

みきたんに後藤さんのことを話した。
恋をしちゃったこと、空をみせてくれたこと
話をしていくうちにみきたんが不機嫌になっていった。
「絶対怒ってる・・・」
「・・・怒ってないってば。」
「・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・怒ってます・・・」

みきたんに上目使いをした。
みきたんはこれに弱い。頼むときにはこれをする。

「なんで?」
「・・・みきが空を見せてあげたかったしそれに・・・」
「それに・・?」
「・・・・・・・」

みきたんはそのままドアから出て行ってしまった。
279 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:10
入れ替わりに後藤さんが入ってきた。
「亜弥ちゃん藤本さんどうしたの?」

後藤さんにはお願いして「亜弥ちゃん」って読んでもらう事にした。
「亜弥ちゃん」と呼ばれるたび、心臓のビートが早くなっていく自分がいる。

「えっと・・みきたんがどうかしたんですか?」
「なんかねぇ〜「亜弥ちゃんのこと・・・お願いします。」って言われたんだけど、護り屋なのにね〜?ごとーは何かしたかな?」

なぜか私はさびしくなった。
みきたんが離れていく気がした。

「亜弥ちゃんどこ行くの?」

私は立ち上がり、みきたんのへやに行く事にした。
後藤さんも後ろからついてきてくれている。
280 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:11
みきたんの部屋についた。
ノックした。
「は〜い。」
みきたんの声がした。
ガチャ
ドアが開いた。
乗り込んだ。
後藤さんも。
みきたんを座らせて、私も座った。
後藤さんも私の後ろに座った。

「えっと・・・これは一体?」
「いや。」
「え?」
「みきたんが離れてくのは嫌。」
「え?」
「このままだったらみきたんがどっかいっちゃう・・・・北海道の真ん中らへんの滝川とか・・・」
「えっ?!みきどこにも行かないよ?ってか何で滝川の事・・・」
「みきたんは・・・わたしに・・・はじめて・・できた友達なのに・・」

涙が流れてきた。
みきたんはオロオロしている。
するとその場で冷静だったその人が口を開いた。
「んあ・・・なんかよくわかんないけど、とりあえずミキティはどこにも行かないみたいだよ、亜弥ちゃん?」
「み・・ミキティ?」
「だからね?落ち着こう亜弥ちゃん。ね?」

後藤さんは頭をナデナデしてくれた。不思議と涙が止まった。
そしてみきたんに向き直った。

281 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:11
「みきたんがいなかったら、私は何にも知らないかわいい女の子だったんだよ?」
「自分でかわいいって・・・」
みきたんの突っ込みは放っておいた。
「みきたんは・・・ずっと私の一番の親友だよ?」
「・・・・」
みきたんは微妙な表情をした。
でも私に言った。
「みきも・・・亜弥ちゃんのこと大事だよ・・・」

私はうれしかった。みきたんも私もお互いが大事だって思えてることがうれしかった。
するとふわりと空気が流れた。
「んあ!これで亜弥ちゃんとミキティの仲直りも終わったし、どっか行こっか?3人で。」
「「え?」」
私とみきたんは驚いた。
いきなりの提案に。
今までは学校の送り迎え、それとたま〜に後藤さんが保田さんに頼んで連れてってくれる、
空や星がきれいなとことかしかダメだったからだ。

「えと・・・どこに・・?」
「んあ〜・・・とりあえず遊園地でもどう?」
「「遊園地?」」

282 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:11
私はもちろん遊園地に行った事が無い。
みきたんはわかんないけど。
もちろん行ってみたい。

「でも・・・お父さんがなんて言うか・・・」
みきたんも思っているだろう、そのことを口に出した。
「んはは・・まかせなさい!」
キャラが変わってない?
わたしとみきたんは同時に首をかしげた。
でも・・・かわいい・・・
キレイでかっこよかった後藤さんもよかったけど・・・
今の後藤さんも・・・

後藤さんはどこかに電話をかけていた。
「もしもし圭ちゃん?うんとね〜依頼主に言っといて?「少し屋敷に不穏な影があるのでお嬢様を離れたところに連れて行きます」って、えっ?聞こえないな〜電波が・・・・」
そう言って電話を切ってしまった。
283 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:12
「行こっか?」
私とみきたんに微笑んだ。
「はい!」
私は頷いた。
「ミキティは?」
「いやだからミキティって・・・」
「行くの行かないの?」
私が上目遣いで言った。

「行きます・・・」




勝った


284 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:28

遊園地ももちろんおもしろかった。
見た事無い乗り物
見た事無い食べ物
聞いたこと無い音
聞いたこと無い人の声
感じた事の無い空気
感じた事の無い流れ

すべてが新鮮で、おもしろかった。
なんていったかジェットコースター?とかいうのはおもしろかった。
おもしろくて3人で何回も乗った。
3回目でみきたんがギブアップしたけど・・・

あたしはふとしたときに後藤さんの横顔を見た。
きりっとした目、そして唇に目がいった。
ぷるぷる震えていて、笑うたびにぷるぷるが増える
見惚れてしまった
みきたんを見るとあいまいな笑顔だった。

でも私はあることを感じていた。
それは時折みせる後藤さんの表情だった。
何かを悲しんでいるような
過去をふりかえっているような
後悔しているような
ずっと何かを考えているような

時折みせるその表情の意味するものは何だろうか
「どうかした?亜弥ちゃん。」
「いえ!別に!」
「亜弥ちゃん何あせってんの?」

考えていた事も忘れてしまった。
こうやって3人で笑えてるのがうれしかった。

285 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:33
でも
私は後藤さんが好きです
恋してるんです
いつも考えているんです
離れないんです
心が苦しくなるんです
止まらないんです

この病を治すにはこの関係を壊さなくてはならないのでしょうか
この3人の関係をこのままにはできないでしょうか
でも私のココロは伝えられないんでしょうか

壊したい
壊したくない
伝えたい
伝えたくない



でも



壊したい
壊して欲しい
伝えたい
伝えて欲しい

少しづつ考えも変わってきました
ねえ神様?こんな私は罪ですか?


人を愛するために今一番大事なものを犠牲にしないといけないのですか
286 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:34
更新終わり!
287 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:39
>モテごまlove様
   あやごまは私も大好物です!
   藤本さんと後藤さんの対決は今しばらくお待ちを・・・ 
       从‘ 。‘从<後藤さんとの愛をもう少し・・・

>たか様 
  空のところはわたくしも好きです。
  上手なんてほめ言葉・・・・
   ( ´ Д `)<ありがと〜!!>从‘ 。 ‘从
  これからは松浦さんの葛藤ですね・・はい・・・
288 名前:tsumi 投稿日:2003/12/21(日) 00:40
川VoV)<・・・亜弥ちゃん・・・
289 名前:モテごまlove 投稿日:2003/12/21(日) 08:44
ミキティってごっちんが勝手に
付けたんですね(笑
微妙な三角関係が…
後←松←藤って感じ?
290 名前:たか 投稿日:2003/12/26(金) 09:52
この回だけを読むととても幸せな気分になるんですけど、
この先のことを考えるとちょっと怖いです。
でも3人の仲の良い姿、とてもよかったです!!
291 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:29

「んあ〜。」
後藤さんのうなり声で今日も目がさめた。
後藤さんには仲良くなってから、部屋の中にいてもらう事にした。

「おっ・・はようございます。」
目の前にドアップでやってきた後藤さんの顔にドキドキしながら返事をした。

「それじゃあ行ってくるね!」
みきたんにそう言って、今日も後藤さんと一緒に保田さんの車に乗り込んだ。
「おはようございます。お嬢様。」
「おはようございます。」
一通りの挨拶を済ませた。
それにしてもこの保田さんはいつからこの屋敷にいたのだろう?
ここ最近になってみるようになったな・・・

車の中は楽しい。
後藤さんがいろいろなお話をしてくれるからだ。
たまに保田さんもお話に入る事がある。
そんな時ふと思う
後藤さんと保田さんって知り合い?
2人は昔からの友達みたいに感じるときがある。
保田さんと後藤さんがふと視線を合わせたりするときだ。
そんなときに場の空気が変わる。
張り詰めたような、それでいて穏やかのような
そんな空気
292 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:30
そうこうしているうちに学園に着いた。
一緒に他愛もない話をして後藤さんと歩く。
周りにいる生徒の視線は後藤さん。
・・・・なんかいや・・・・
だから私は後藤さんの腕に自分のそれを絡ませた。

「んあ?どうかしたの亜弥ちゃん。」
「いいえ・・・・」
やってみてわかった。
なんて恥ずかしい事をわたしはしてる?
でも周りの目は明らかに変化した。

「うそぉ〜?!」
「あの2人って・・・」
「いやだ〜!!」

にゃは♪
笑ってやった。

教室に着くと
後藤さんの変化に気づいた女の子たちがよってたかって後藤さんのところにやってきた。

293 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:30
「あっ・・あの!後藤さんと松浦さんって・・そのおっ・・お付き合いしてるんですか?」
「んあ?」

何を聞くんだこの女
でも後藤さんの返しがきになる・・・
耳を済ませてみた。

「ごとーと亜弥ちゃんが?んはっ!ありえないよ〜!」

傷ついた
これは仕事上で言った事かもしれない
後藤さんが私とただの友達とみせることによってまわりの目をわたしに向けないように・・・
とか考えてしまう。
いやそうであってほしい。

授業中もずっとさっきの言葉がリフレインする。

『ごとーと亜弥ちゃんが?んはっ!ありえないよ〜!』
『・・・んはっ!ありえないよ〜!』
『・・・ありえないよ〜!』

それが私の中ではこう聞こえた。

『亜弥ちゃんのことなんて好きでも何ともないよ』

目の前がブラックアウトした。
294 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:30
目がさめた。
ここは・・・保健室・・?
すると横から声がした。
「んあ?亜弥ちゃん起きた?」

後藤さんはなぜか保健室の先生がいない部屋で、コーヒーを飲んでいた。
「亜弥ちゃんどうかしたの?急に倒れるからごとーびっくりしたよ。貧血みたいだけどさ。」

倒れてしまったんだ・・・
後藤さんのことを考えていたら倒れましたなんていえないから寝不足だとごまかした。
「んあ・・・よく寝たほうがいいよ。」
と後藤さんは私を横に寝かせた。

時間はお昼休みだった。
なのに人は誰も来ない。
「後藤さん。なんで誰も来ないんですか。」
「ああ・・先生がいないってゆうプレートかけといたし鍵もしといたから・・・」
つまり密室ですか後藤さん・・・
密室という空間で私は熱が上がっていくのがわかった。
するとそんな私を見てまたこの人はやってくれた。
「亜弥ちゃん熱あるの?どれどれ・・・」
後藤さんのおでこが私のおでこにくっついた。
目を開けると目を瞑った後藤さんがドアップで見えた。
後藤さん・・・わたしで遊んでるんですか?
そう言いたくなった。
「熱はないみたいだけどね〜とりあえず今日は寝てよっか。」
そう言って後藤さんはイスに腰掛けた。
無論寝ろといわれてこんな状況で寝れるバカはいない。
目がますますさめてきた。
後藤さんは目を閉じているが寝てはいない。だから聞いてみた。
あたしの知らない後藤さんのことを
295 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:31

「あの・・・後藤さんて、何で護り屋になったんですか・・?」
後藤さんは何の反応も示さなかった。
聞いちゃいけないことなのかな?と思い、次の話をだそうとした。

「うんとね〜まだ護り屋になったってゆ〜かまあ・・護り屋じゃないんだよごとーは。」
「えっ?!」
「うんとね。ごとーは捨て子だったみたいなんだ。んでね、ごとーを孤児院から引き取ってくれたひとがいて、その人がなんでも屋みたいなことやってて、それでごとーもちょくちょく手伝ったりしててね。
それでボディーガードみたいなやつもあるわけよ。それでね、ごとーはちょっとした力みたいなのがあって、よくボディーガードっていう依頼が来るんだ。だからごとーは特別に『護り屋』ってのを名乗ってるんだ。だから今はまだ仮なんだよ。」
「へえ〜・・・後藤さんもつらかったんですね・・・」
「んあ・・でもつらい事ばかりじゃないよ?拾ってくれた人は厳しいけど優しいし。それにその人の妹のひともいてその人がごとーにいろんな事を教えてくれて、あの海の話もその人から教わったんだよ。」
「・・・後藤さんはその人のことが好きですか?」
「・・うん好きだよ・・・ごとーの初恋かな・・?」
296 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:31
ショックを受けた。
後藤さんの過去は凄いものがあったんだ。
でもショックを受けたのは後藤さんの初恋の人がいたなんてということだ。
私はさらに聞いた。
「その人は今は・・」
「わかんない。」
「へ?」
「行方不明ってゆーのかな?姿をくらましてる。」
「な・・なんで?」
「さあ?いちーちゃんの考える事はわかんない。」
いちーちゃん。これがその人の名前か・・・
「いっつも一緒にいてくれたのに急に消えちゃった。」
後藤さんの顔はひどく悲しそうだった。
後藤さんには大きな心に傷があるんだ。
そしてその傷をなおせるのは私じゃ無理なんだ・・・
その『いちーちゃん』って人じゃないと・・・
私は思わず涙が出てきそうになった。
それを隠すように、ふとんに顔を隠した。

願わくばこの声がそばにいる人に聞こえないように

「後藤さん・・・好きです・・・。」



297 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:32
更新終わりれす!
ああなんか内容がごっちゃになってきた・・・
298 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:34
<モテごまlove様
   後藤さんにはいつも驚かされます(笑) 
   三角関係も藤本さんは最後まで・・・
<たか様
   ありがとうございます。
   少し内容がシリアスになってきました・・・
299 名前:tsumi 投稿日:2003/12/26(金) 15:35
次回であやごま編は完結します。
そのまた次回からようやく本編に復帰です!
それでは・・・
300 名前:モテごまlove 投稿日:2003/12/27(土) 08:04
まっつー切ないなぁ…
続きが気になるばかりです。
301 名前:たか 投稿日:2003/12/29(月) 11:00
松浦さんちょっとかわいそうですね。
でもあやごまは微笑ましいのがいっぱいあって面白いです。
松浦さんがとても可愛くかけていていいと思いました。

302 名前:tsumi 投稿日:2004/01/02(金) 23:58
私の好きな人は後藤さん
後藤さんには好きな人がいる

朝日が差し込み私は目がさめた。
「ふにゅ・・・」
そしてベットから起きて、横を見た。
・・大好きな笑顔がそこにあった。
「おはよう。まっつー。」

このごろ後藤さんは「まっつー」と私のことを呼ぶ。
何か特別でいい感じ・・

また今日もいつもどうり顔を洗って、歯を磨いて、朝食を食べる。
みきたんに見送られ保田さんの車に乗って学園に行く。
もちろん後藤さんも・・・

後藤さんには消せない『過去』がある。
後藤さんをそこから救いたい。
後藤さんは私を救い出して、空を見せてくれた。
私は後藤さんのために何か出来ないだろうか。
303 名前:tsumi 投稿日:2004/01/02(金) 23:59
学園についてからもその事ばかり考えている。
周りの人には何考えてんの?とか言われるけど気にしない。
後藤さんと目が合った。
にこっと笑いかけてくれる。
この笑顔が好きだ。
できるならずっとこの笑顔を見ていたい。

いやこれは『笑顔』ではないのだろう
本当の笑顔は、好きな人、そのいちーちゃんとか言う人の前でしか見られないのだろう。
見てみたい・・・
その笑顔を少しでも見てみたい。


今日も一日が終わった。
夕食も食べ終え、みきたんの部屋にでもいって、この悩みを聞いてもらおう、
そしてみきたんの部屋に押し入った。

「・・・すると亜弥ちゃんはごっちんのことを癒してあげたいと?」
「うん・・・」
みきたんは後藤さんのことをごっちんと呼んでいる。
後藤さんがそう呼んでくれといったらしい。
私はおそらく頼まれても呼べないだろう。
だって・・・恋人みたいだから・・・
だからみきたんがそう呼び始めたときすこし嫉妬した。
まあもう慣れたけど。

「うーん。ごっちんもいろいろあったんだろうけどねぇ〜。つまりそのいち―ちゃんって人を探したらいいんじゃない?」
「でも・・それじゃあ・・」
「ごっちんがいちーちゃんにときめいてしまうと・・・美貴はむしろ・・」
「むしろ?」
「いっいや!なんでもないよ!」
「でも、いちーちゃんって人見つかるかな?だって後藤さんはずっと探してたのに見つからないんだよ?」
「・・・・・・」
みきたんは何かを考え込んでしまった。
304 名前:tsumi 投稿日:2004/01/02(金) 23:59
「よし!美貴が探してみるよ!いろいろ当てもあるし!」
「えっ?!ホント?」
「まかせなさ〜い!美貴を誰だと思ってんの?元・泥棒だよ?」
だから何なのだろう。と言いかけて辞めた。なんかみきたんはノッてるからだ。
「よ〜し!それじゃあ美貴は明日くらいから情報を追い求めるかな。久しぶりに!」
「うん!がんばって!みきたん!」

みきたんに教えてもらいたかった事を教えてもらって、自分の部屋に帰った。
部屋に帰ると後藤さんは眠っていた。
近づいて顔を見てみる。
かわいい・・・
かっこいい・・
それを足して2で割った感じだった。
唇をみると、ぷるぷるしていておいしそうだ。

頭の中に天使と悪魔があらわれた。

悪魔:キスしちゃえよ!その唇にブチュッっと!!
天使:いけません。そのひとはあなたの事を好きだとは思ってません。
    二人の気持ちを確認していないのにキスはしてはいけません。

色白の悪魔と色黒の天使がぶつかっている。
「うぅ・・・」
考え込んでしまった。
キスしたい
だめだ
抱きしめたい
だめだ

悩み始めて数十秒。追い討ちがきた。

「う・・・う〜ん・・・」

後藤さんが寝返りを打った。
その姿を見て誰が抑えられる人がいるだろう?いたら会ってみたい。
悪魔が勝った。
305 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:00
「ふわぁぁ〜」
目覚し時計は7時を指していた。
「まっつーおはよ〜。」
後藤さんが起こしにきた。
すみません・・顔をまともに見られません・・
昨日はその唇に・・・
だめだ。どうしても唇に目が・・・

後藤さんの顔を見ずに、顔を洗いに行った。
どうも頭から昨日の感触が離れない。
ぷるぷるとした感触が
なんともいえない甘い蜜が

暫くは顔をまともに見られない。

みきたんはもういなかった。
後藤さんにその事を聞かれたけど、滝川に里帰りと言っておいた。
車に乗って窓から景色を見る。
昨日みきたんに教えてもらった事を思い出しながら

『屋敷をでて5個目の信号を右に曲がったところにあるから』

信号が5個目に来たときにふっとみた。
あった・・・・
よし!確認OK!
そのまま学園に着いた。
306 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:00
学園に着くと一人の女の子が何かいろんな人からプレゼントをもらっていた。
私はその人に声をかけた。
「ねえねえ何かあったの?」
「えっ?ああ私今日誕生日なの!」
ほう、誕生日か・・・それで・・・
そういえば前の誕生日はみきたんと祝ったな・・・
今までで一番楽しかった誕生日だった。
「そうだ!」
思わず声に出してしまった。
後藤さんは「んあっ?!」と身を起こした。
「後藤さん!誕生日っていつですか?!」
少し鼻息荒く聞いてみた。
「んあ・・・誕生日は〜9月23日かな・・・確か。」
「9月23日・・・って明日?!」
「んあ・・・明日なのかな・・・?」
「そうですよぉ〜!なんでもっと早く・・・」
「んあ・・祝ってくれる人なんていないしね・・・」
「そんな!わたしが祝います!」
「んあっ?まっつーが?う〜ん・・ありがと。」
何ですかそのリアクション・・・
突っ込むみきたんはいないしその場はそのままにして、
とりあえず考えた。
みきたんに教えてもらった所へ行かないと・・・
どうやって行こう・・・?
一人で・・・?
何を買おう・・・・?
そうだ・・・自分の気持ちを・・・・
307 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:01
学園から帰ると部屋にこもった。
いまのうちに初めての手紙を書こう。
・・・何度も失敗した・・・
書き直して、クシャッっと丸めたりして・・・
書けたとき、時計は11時を過ぎていた。

ふう後は・・・
みきたんにもらった地図を見た。
あの店ともう一つ、みきたんが住んでたところ・・・鍵ももらった・・・お金も・・・
後藤さんが昔言ってたこと
『そうですね・・私は花が好きですね。自分の誕生花なんていうのもいいですね』
あの時はまだ後藤さんも他人行儀だった。
後一つ、調べないと・・・

私は後藤さんがトイレに行ったときを見計らい、一番年老いたメイドさんのところに行った。
ドアをノックし中に入った。
「あの〜。」
「これはお嬢様!どうなさいました?!」
「あの、聞きたいことが・・・」
「はい!何なりと!」
「その・・誕生花とかわかりますか?」
「は?」
「その日の誕生花が載っているのないですかね〜?」
「ええと・・・探してみましょうか?おそらく書庫なんかに・・・」
「お願いします!」

すぐにそれを頼んで部屋に戻った。
数十秒後後藤さんがきた。
「まっつー。もう寝よっか?」
「え・・・」
寝られない・・・
機転を利かそう・・・
「えっと〜、すこしメイドさんに本を借りに行かないといけないんで・・」
「んあ。だったらごとーが」
「だっだめです!私が行きます!」
「んあ?そう・・・」

こうして無理やり納得させて、再びメイドさんの部屋に行った。
308 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:02
部屋に入ると、メイドさんがいた。
「ありましたよ。お嬢様。」
と渡されたのは、図鑑のようなもので、誕生花が記載されているものだった。
すぐに調べた9月23日・・・
あった!
ヒヨドリバナ ・マンジュシャゲそして3個目に

「イチイ」

驚いた。
なんだろう?すこしむかむかした。
後藤さんの好きな人はいちーちゃん。
後藤さんの誕生花はイチイ
これって運命だったのかな?
少し悲しくなった。
そしてふとページがめくれた。
6月25日
私の誕生日
誕生花は
アサガオ
花言葉は
「はかない恋」

これも運命なのだろうか?涙がでてきそうなのをこらえた。
メイドさんが心配していたが、笑顔を取り繕ってありがとうと言って部屋に戻った。
309 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:03
後藤さんは起きてたが、私が戻ると隣の部屋に行った。後藤さんはそこに寝ている。
私もすぐに寝た。すこし悲しかった事があったし、それに明日は早く起きなきゃいけないから
そう。後藤さんが起きる前に・・・


目がさめた。
外は薄暗い。
後藤さんは隣の部屋に寝ている。
私はすぐに着替えた。
そしてお金と、手紙を持った。
隣の部屋に行った。
後藤さんが寝ていた。
近寄ってキスをした。
甘かった。
ただ甘かった。
玄関に向かう。
幸い誰にも会わなかった。
ドアを開けてそとにでた。
門を少し開けて、初めて一人で家から一歩を踏み出した
310 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:03
みきたんの地図に従ってその場所に行く。
地図はわかりやすかったから、すんなり行けた。
そこは高そうなマンションだった。
鍵を使い3階にある部屋に入った。
モノは何も無かった。
でもとりあえずベランダに出て、朝日を見た。
キレイだった。

今ごろ騒ぎになっているだろ〜な〜。
どれだけ怒られるだろう?
すこし床に寝そべって眠った。

「ふにゅ・・・」
目がさめたら、太陽の光が差し込んできた。


ベランダに出て手を上にかざしてみてみると太陽は真上に来ていた。
もうお昼か・・・行こう!
マンションを出た。
目的地は屋敷をでて5個目の信号。
いちおう地図にもその場所・お花屋さんは書いてある。
屋敷からより、ココからのほうが近い。
町を歩いていった。
人がいるのが新鮮だった。
おじいちゃんに挨拶したり、野良猫がいたり。
そうこうしていると、花屋に着いた。
すこし年配の店員さんにたずねた。
「あの〜イチイって花はありますかね〜?」
「イチイ?そんなめずらしいのは今すぐには・・・」
「ええ?!ないんですか?」
「う〜ん・・・今すぐに欲しい?」
「はい!絶対に!」
「・・・わかったわ。少しまってて頂戴。知り合いに聞いてみるから。」
「お願いします!」
そうして店員さんは奥に入っていってしまった。
311 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:04
数分後その店員さんが
「あなたラッキーだわ。近くの花屋が偶然に仕入れてたんだって!運命だわねぇ〜。」
その店員さんの運命、という言葉に少し戸惑いを感じた。
運命か・・・
運命って何なのかな〜
空を見上げ物思いにふけっていた。
すると一台の軽トラが店についた。
「あら!もう来たわ!」
軽トラから出てきた人は花を持っていた。
「あなた、あれがイチイよ。」
店員さんは教えてくれた。

イチイという花を手に取った。
何か花というおりは、枝から細長い葉がついていて、そしてちらほらと赤い実がついているというものだった。
その実は食べられるらしい。
そして店員さんにこれだけではさびしいので、いろんなほかの花を取り繕ってもらい、花束が完成した。
キレイだった。
お金を払い店を出た。
目立つかもしれないけれどどうでもよかった。
信号を一つ渡った。
二つ目も渡った。
歩く速度は自然に速くなる。
後藤さんに早く見て欲しい。
気持ちを伝えたい!
そして三つ目に差し掛かった。
花束を抱えていたから見えなかった。

気づいたら私は道路に叩きつけられていた
312 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:04
体中から血が出ている
体中から痛みがでている
「いたっ・・い・・・」

ふとあっちをみるとトラックのようなのが見える。
ああ、あれが当たったんだ
冷静に見ている自分がいる

なんだ・・?
後藤さんの顔が目に浮かぶ
「ご・・とうっ・・さ・・ん・・」
目に涙が溜まってきた。

「ごとうっ・・さ・・んっ・・」
手をポケットに伸ばして手紙を出した、
それを花束に差し込む。

死ぬのかな・・・?
これも運命とかゆうのなのかな?

周りから悲鳴やいろんな声が聞こえる
でもそんなのなんて聞こえなかった
ホントに聞きたい声はそんなんじゃなかった
313 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:07
『んあ〜』
間延びした声
『う〜ん・・・』
眠っているときの声
『まっつー』
あだ名で呼んでくれるときの声

『これを見せたかったんだよね〜』
初めて海を見たときのあの喜んでいるような声

そしてなぜか笑顔が見えた
こんな笑顔は見たことが無い
これがホントの後藤さんの笑顔・・?
太陽みたいだった
手を伸ばした
触れない
でも目の前に後藤さんの笑顔が見える

これって奇跡っていうのかな
314 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:09
走馬灯ってこーゆーことをいうのかな・・・?
あれ?なんか頭がぼーっとしてきたよ・・・




でも・・・最後になるのなら言っときたいなやっぱり・・・






「ご・・・とうさん・・・だっ・・いす・・・き・・です―――」




そして私の意識はこの世から無くなった
後藤さんと同じ誕生日に
これも運命ってゆーのかな・・・?
 



こうして私のはかないアサガオのような恋は終わった

315 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:13
私の知らないところで後藤さんとみきたんが再び出会った










その出会いは











もう一人を巻き込んで終わりへの序曲となった











後藤さんと私の話は終わりへの序曲の










ただの一小節にしか過ぎなかった
316 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:14
今年初更新終わりれす!
あけおめ!ことよろ!
317 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:16
>モテごまlove様  
   ようやく終わりました。はい切ないです松浦さん・・・
   その意思はなっちに継がれるのでしょうか・・・

>たかさま
   毎回お褒めの言葉をありがとうございます。
   松浦さんは少し悲しくなってしまいました。
318 名前:tsumi 投稿日:2004/01/03(土) 00:19
次回から本編に復帰です!
(●´ー`)<待たせすぎだべ
319 名前:rina 投稿日:2004/01/03(土) 16:16
うぅ…まっつー…
最後のごまあやなので、予想はついていたのですが
泣いてしまいました。ごまあやの部分を最初から
最後まで読み通してまた泣きました。
涙腺弱まったのかな…
320 名前:tsumi 投稿日:2004/01/10(土) 15:00
「すーすー。」
横では真希の寝息が聞こえる。
なつみはずっと真希の頭をなでていた。
先ほど会った「ミキティ」という少女。
かつての真希の護っていた少女の親友であり真希の友達でもあった少女。

そして放たれた言葉――
 『あんたを殺すためにずっと闇に近づいてたんだよ。後藤真希。』

この言葉の後、真希は暫く泣き止まなかった。
ずっと探していた友達から放たれたその言葉は今の真希を幸せの絶頂から振り落とすには十分な材料だった。

屋敷に帰ると、真希が泣いている事に吉澤も梨華も驚いていたが、なつみはやんわりと通り抜け自室のベットに真希を横たえた。
そして今に至る。

真希を殺す――
この言葉はおそらく真実だろう。
そしておそらくその藤本美貴という少女はその松浦亜弥という子のことが・・・
なつみはこのめぐり合わせに頭を抱えた。
やっと幸せになった
想いが通じ合った
恋人になれた
そんな矢先の出来事で、なつみもこころがつらくなってきていた。
321 名前:tsumi 投稿日:2004/01/10(土) 15:00
これからどうすればいい?
私はこの傷ついた少女をどうすればいい?
守る?
護られる?
どうやって?
自分には何が出来るのだろうか。
なつみはそのままベットに寄りかかり寝入った。


その姿を見て圭はドアを閉めた。
そしてその足で書斎に向かった。
「失礼します。」
「何だ?保田。」
「少し予期せぬ事態が起こりました。」
「ほう。それは何だ?」

少し間をおき保田は口を開いた。
「後藤真希を護り屋から手を引かせます。」

静寂が訪れた。
しかしすぐに破られ、言葉が続いた。
「なぜだ?」
その声は低く、娘を心配している気持ちでもあった。

「今の後藤真希は危険です・・・あのころの紗耶香をなくした後のような、あの松浦亜弥をなくした後のような危険な状態になりつつあります。」
「・・・・」
「ですから、今の後藤をお嬢様の近くにおいとくわけにはいきません。」
保田は言い放ちそして再び静寂が訪れた。
322 名前:tsumi 投稿日:2004/01/10(土) 15:00
数秒後、主が口を開いた。
「なあ保田?お前はもちろん知っているだろうな。」
「何をですか?」
「なつみと・・・後藤の事だ。」
「・・・・お気づきで・・・?」
「私を誰だと思っている?これでもなつみの父親だ。娘の事ぐらいすぐにわかるさ。」
「はあ・・・」
「私は、なつみを悲しませたくない。だがなつみを傷つけたくも無い。」
「はい。」
「後藤がなつみの前から消えれば、なつみは傷つくのは目に見えている。」

「かといって、このまま危険にさらすわけにも行かない。
だからこうしてくれ。」




「いいのですか?本当に?」
「ああ・・・」
「ですが・・・」
「無論やつにも伝えておく。」
「・・・・」
「決定だ。」





なつみが目を覚ますと、真希は消えていた。
323 名前:tsumi 投稿日:2004/01/10(土) 15:01
短いれすが更新終わりれす!
324 名前:tsumi 投稿日:2004/01/10(土) 15:02
>rina様
  泣いてくださってありがとうです!
  ごまあやは終わりましたが今からはなちごまです。
  つらい場面も多々あるとおもうんでまた泣けるかも・・・?
325 名前:tsumi 投稿日:2004/01/10(土) 15:03
ようやく本編復帰!
326 名前:名も無き読者 投稿日:2004/01/11(日) 13:04
更新お疲れです。
こ、これからどうなってしまうのでしょうか…?
続き期待です。。。
327 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:07
なつみが目を覚ますと、真希は消えていた。



「ごっちん・・・?」
ふとよりかかっていたベットから身を起こすと
昨夜までいた眠り姫は姿を消していた。
「ごっちん!」
なつみは屋敷中を駆けずり回った。
メイドの部屋、食堂、風呂場・・・
そして最後に一つだけ開けていない部屋に来た。

「失礼します。」
なつみは最後の部屋―書斎のドアを開けた。
「ああ・・なつみおはよう。」
主はありふれた挨拶をしてなつみを迎えた。
「おはようございます。お父さん。」
「後藤のことか?」

今自分が口に出そうとした名前を先に言われなつみは少し驚き
すぐにつめよった。
「ごっつあんは・・・どこに行ったの?」
「・・・・」
「答えてください。」
「・・・・・」
主は沈黙を続けた。
そして口を開いた。
328 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:08
「私はお前が大事だ。」
「え?」
「だからお前を傷つける者からはどんな手を使ってもお前を護るつもりだ。」

「だから、後藤をお前につけた。」
さらに主の低い声は続く。
「お前に脅迫状が届いた、だからお前に護り屋として後藤をつけた。」
「え・・?」
「お前には知らせてなかったが、少し前からお前がいない時に屋敷にどこからか
石が投げ込まれていた。お前の部屋にな。無論お前は学園に行っている時間だ。」
「そんな・・・」
「そうだろうな・・・お前はただ後藤をボディーガードとしてつけたと思っているだろう。
名前は何だったか忘れたが、後藤のかつての教え子のその友もこの屋敷に入ってきた事があるだろう?」
「うん・・・。」
それは麻琴のことだった。
「その後藤の教え子に依頼して、お前と後藤を暗殺しようとした組織ももう後藤がすぐに処理した。
本来なら、そこで後藤を護り屋から外すはずだった。がその組織は脅迫状や石の事など知らないという。」
さらに続けた。
「だから後藤をずっとお前につけていた。まだ危険があるからだ。だが私は考えた。
 後藤がお前を危険にしているのではないか、と。」
「えっ・・?!」
「正直、何度も後藤を外すつもりだったが、なつみ・・・お前の笑顔が日に日に良くなっていく様を見てるととても言い出せなかった。」
「もしかして・・・」
「ああ・・・知っている、お前と後藤のことを。」
「え・・あっの・・・・。」
「それについてどうも思わない。なつみが幸せなら俺は誰でもいい。
 しかし、ここに矛盾ができてしまった。」
なつみの父はイスから立ち上がった。
329 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:09
「後藤は危険だ。過去のことがあり、今でも後藤を付け狙うやつはいる。
 だが、後藤しかお前を幸せに出来ない・・・だから私は決断した。」
「なに・・・?」

「犯人を処理してもらいに行った。」

なつみは何の事だかわからなかった。
犯人?何の?
そんななつみを見かね、父は言った。
「すべての犯人だ。脅迫状を送り、屋敷に石を投げるということをした犯人だ。
そしてそれは後藤をこの屋敷に呼び寄せるものだった。」
「え?」




主人はなつみの背を向けた。
「少し話が変わるがこのことはもはや知っているのは私だけだ・・・単刀直入に言う、お前と愛は姉妹じゃない。」
330 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:10
時が止まった。
沈黙が続いた。
確かに関係ない話のように思えたが
なつみの目は見開かれている。
それはそうだ。ずっと妹としてかわいがってきた。ずっと・・・
「昔、私の秘書がいた。その男には一人娘がいてな、そいつは男で一つでその子を育てた。
が、ある日そいつが死んだ。病気だった。」

「一人娘が残された。そのときお前は5歳だっ、北海道に長い間行っているときだったか・・・
お前が帰ってきて愛を見ただろう?」
「・・・うん・・・」
なつみは放心状態だったが軽くうなづいた。
「母さんとも相談して、愛を引き取る事にした。そして愛が18になるときに打ち明けようと話した。」

「そしてお前たちは姉妹になった。」
「そんな・・・。なんで私には言ってくれなかったの?」
「ああ・・・言いづらくてな・・お前は愛のことを凄くかわいがっていたからな。」
「そんなことって!」
「それについてはすまないと思っている、がまだ話がある。こちらの方がお前にとっても少しショックな事だ。」
なつみは固唾を飲んで聞き入った。

「お前には妹がいる。」
331 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:11

妹―愛のことが浮かんだ。
父は何を言ってるんだろう。
なつみは口に出した
「妹って愛?」
「違う。」
「じゃあ・・・」


「血のつながった、妹だ。」

今日はもう何度驚いたのだろう、なつみは再び心臓が波打った感覚を覚えた。
だが少し冷静に聞けていた自分がいた。
「その子は・・?」
「それだ。」
「え?」

「その子は生まれてすぐに孤児院に預けた。そのころからお前は北海道に行かせていた理由と同じでな。」
「・・・預けた理由って何?!娘を・・・」
「命を狙われていた。だからお前とその子は暫く私のもとから離した。納得行ったか?」
「・・・・(コクリ)・・・」
少し腑に落ちなかったがなつみは頷いた。
332 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:12
「危険がなくなれば引き取ろうと思っていた。だが危険が少しなくなったと思ったときにはその子はすでに孤児院を脱走していた。探したが無理だった。」

「だが・・・その子はずっと私のことを探していたらしい。いろいろ裏の世界にも通じて。」

「そしてついに私を見つけた。そして復讐を考えた。捨てられたと思ったんだろう。」

「そしてもう一つの復讐の対象も見つけた。それは過去に好きだった少女を死なせてしまった女。」

「その女と私がつながっているのを調べて、そして女をおびき寄せようとした。脅迫状を送りつけ、石を投げておびき出そうとした。そう『護り屋』のその女を。」
「護り屋・・・じゃあまさか・・・?!」
「そうだお前の思っている通りだ。」


「お前も会ったらしいな・・・妹の『藤本美貴』に。」
333 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:12
息が止まった。
すべてがつながった?
じゃあごっつあんは?
今ごっつあんは?

「後藤は今・・・藤本美貴のところに行っている・・・自分の過去、そして私たちの過去のすべての因果を断ち切るために・・・」


世界がブラックアウトした。
334 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:13
声が聞こえる





誰?





聞いたこと無い声






甘ったるい声





「・・・・・・すけて」






え?








「・・・・・・・たすけて」







「みきたんをたすけて。」
335 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:13
更新終わり!
336 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:14
>名も無き読者様  
   こうなっちゃいました・・・
   少し厳しい展開かな・・・ 
   
337 名前:tsumi 投稿日:2004/01/18(日) 00:15
センター試験!やばい!
338 名前:rina 投稿日:2004/01/18(日) 09:21
更新お疲れ様です!!
み、みきてぃが!?とPCの前で大声を出してしまいました;
あの声は、もしや… 続きが気になります!
今更ですが、ごっちんてモテますね(w 安に松に矢に高に紺……
ミキティvsごっちんどうなるんでしょう…
339 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/18(日) 10:27
意外な展開!!
おもしろいっす
340 名前:tsumi 投稿日:2004/01/22(木) 22:21
センター試験疲れで・・・
明日更新します。
341 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:45
光と闇が混ざっている時刻
真希は昔の記憶をたどりながら、ある場所へ向かっていた。
なつみの家からはかなり離れた所にある場所へ
なつみの父親から聞いた事実
自分の過去と彼らの過去をつなぐ事実
それは真希を突き動かすのにじゅうぶんな事実だった。

辺りは気味が悪いほど静まり返っており、人の気配はない。
そして真希は目的地を目指す



保田に起こされて、真希は目を覚ました。
ベットのふちではなつみが眠ったままである。
そして真希はなつみの父の書斎に行き、話を聞いた。
それからすぐに部屋に戻り、真希はなつみの寝顔を見て考えて考え抜いた。

(ミキティがなっちの・・・どことなく似てるし・・これもやっぱり運命なのかな?ごとーがまっつーと知り合ったのもなっちとミキティを出会わせるために用意した一つのコマなのかな・・・?)

真希は自分がもしかしたら神サマに遊ばれてるのではないかとさえ思った。
生まれて捨てられて拾われて仕事をして初めての恋をして

そしてその相手を殺して悲しんで出会って友情してそして出会って再び恋をしてそして―

そして再び試練を与えようとする

目の前で眠っている天使のような寝顔をみながら真希は心に決めた。
試練が再び訪れるのなら、その試練さえも乗り越えて幸せを手に入れよう。
もう離してはいけないこの幸せを
離すわけにはいかないこの幸せを
試練が再び来るのなら
そのときに乗り越えればいい
それが自分に課せられた「運命」なのだから
342 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:46
真希は歩みを止めた。
目の前には一つのくたびれた洋館―
真希は敷地内に入った。
雑草が生い茂っている玄関を抜け、大きなドアが目の前にそびえ立った。

ギィィ.....

ドアはまるで招き入れるかのような不気味な音をたて、客人を招きいれた。
そこには闇が広がっていた。
真希は歩みをさらに進める。
あの場所へ
あの部屋へ

その部屋に近づくにつれ闇がさらにうごめいていた。
その中心にあるものを必死に守るように

その部屋にはプレートが掲げられていた

―Aya―

ガチャ.....

その部屋には闇がいた
決して光が届かぬそこには
一人の少女がたたずんでいた。



「ようこそ、ごっちん・・・?」



闇でもわかるその冷酷な笑み
すべてを切り裂くような殺気
凍りついた声

藤本美貴は闇にいた。

343 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:46
なつみは自室のベットで目を覚ました。
何だか夢を見ていた気がする。
なにか・・・こう甘い声が聞こえたような・・・

なつみは目をこすり起き上がった。
もちろんそこには愛しい人はいない。
彼女は今試練に向かっている。

私はどうすればいいのだろう
何もせずに彼女の帰りを待つことが
私の試練なのだろうか
それならばなんて割に合わない試練だ
彼女は命をかけている
なのに自分はのうのうと屋敷で待っている
なつみは屋敷を飛び出した。


屋敷を飛び出てなつみは学園に向かった。
今日は日曜だから、生徒はクラブ以外はいない。
ただ屋敷にいる事が出来なくてなつみは学園に来た。

校舎に入る
もちろん教師が何人かいる。
軽く会釈して、なつみは中庭に入った。
花がたくさん植えられている。真ん中には大きな木がそびえている。

「きれいだなあ・・・」
なつみは花を手にとってながめていた。
344 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:47
「ごっつあんが試練を乗り越える、乗り越えない、乗り越える、乗り越えない・・・・」
花占いをなつみは始めた。
タンポポを手に取りなつみはずっと占っていた。
「乗り越えない、乗り越える、乗り越えない、乗り越える・・・乗り越えない。」
乗り越えない、で花びらは散ってしまった。
涙がでてくる。
占いなのにそれなのに涙が出てくる。
「うえっぐ、ひっく・・うぇっ・・・」
泣いてもココには人が来ない。
恥ずかしがる必要はなかった。

「乗り越える。」

ふと聞こえたその声の主はなつみの手からタンポポをとりつぼみの部分をとった。
「ほら。これで乗り越えられる。そうでしょ?なっち。」
345 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:47
その声の主はなつみの横に腰を下ろした。
「や・・・ぐち・・?」
「へん!おいら以外にちびっこいのなんているのかよ!」
真里は声を大きく張り上げて言った。
「いつからここに・・・?」
「いつって・・なっちが学園に来たときだよ。ごっつあんがいないって思ったけど、何かなっち悲しそうな顔してたから後ついてったら、今時はやんない花占いしてるし、しかも泣いてるし・・・・」
「はやんないって・・・」
「・・何かあったんでしょ?ごっつあんに。」

真里のこういうときのカンはよくあたる。
なつみは包み隠さず離した。
自分の過去、そして真希の過去もこの小さな親友に
346 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:49
「それはすごいね・・・。」
「・・・」
「じゃあごっつあんは今頑張ってるんだ。」
「うん・・」
「ふ〜ん。かっこいいな〜。」
「え?」
「なんかさ〜、愛するなっちのためにって感じじゃん?ごっつあんは。」
「そんな言い方って・・・」
「ああ、ごめんごめん。言い方が悪かったね。おいら口悪いからさ〜。
でもこっつあんはなっちのために戦ってるんでしょ?」
「そうなのかな・・・?」
「そうだよ!自分の過去とその藤本美貴だっけ?そいつとの因縁を断ち切ってそしてなっちの過去ともケリえお付けに行ったんだから。」
「うん。」
「なっちは応援してなきゃダメだよ?ごっつあんを信じなきゃ。」
「そうだね・・・うん!やぐちありがとっ!」

「そうそうなっち。これなんていうかわかる?」
真里は一つの植木鉢を手に取った。
「何これ?」
「これは『ルコウソウ』っていうんだ。この花は強いんだ、なっちみたいに。」
「なっちは強いかな?」
「なっちは強いよ!でねこの花の花言葉は『常に愛らしい』なんだって、まるでなっちみたいだね。」
「なっちはそんないいもんじゃないよ。」
「ふふふところがどっこい。この花はなっちの誕生花なんだよ?」
「誕生花?」
「8月10日のね。まあちなみにおいらは『キンポウゲ』ってゆう花なんだけどね、花言葉は子供らしさ・・・」
「あははははっ!やぐちにピッタリだ〜!」
「うるさい!・・・まあいいけどさ・・おいらはもっとセクシーになってやるんだから・・・それより、おいらでもわかったでしょ?花言葉は当たってるんだよ。だからなっちも常に愛らしい、ってゆうので当たってるんだよ。だから常に愛らしいなっちでごっつあんを待ってないとごっつあんがおいらのモノに・・・」
「だめだよ!」
「だからなっちはそのまま待ってたらいいんだよ。信じて待ってたら。」
「うん・・わかった!やぐち。なっち信じてみるっしょ!」
「おう!それでいいんだ!じゃあ腹減ったからどっかいこうぜい!」
347 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:49
なつみはこの言葉にわずかな笑みを浮かべ言った。
「うん!でもやぐちはお腹がすいたんなら別にココでご飯食べたら?」
「はあ?おいらは何も食べ物持ってないぞ?」
「ここは花とか植物がいっぱいあるんだよ?」
「だからなんだよ!」
「・・・・虫・・・・」
「なっ・・なんだとぉ〜!!」
「あはははは!」
「このやろ〜待て〜!」
「ほ〜ら、飛んでこい!」
「ゴルァ!」

なつみと真里は走り去っていった。

真ん中にある大きな木にいた少女が笑っていた。
「なっち・・・ようやく乗り切ったね。やぐちのおかげで、これでカオも一安心かな?
後は・・・・ごっつあん、最後の試練だよ。」
数秒後その木から一人の少女が落下した。

「いたっ!カオリ久しぶりに出たと思ったらこんな・・・」
348 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:50
更新終わりれす!
349 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:52
>rina様
  はいごっちんモテモテですね(笑)
  ミキティとごっちんの勝負は次回かそのまた次回で・・・
  すいませんひっぱってしまって・・・うぅぅ

>名無し飼育さん様 
  ありがとうです!これからもがんばります!
350 名前:tsumi 投稿日:2004/01/23(金) 23:53
なちまりが無性に書きたくなってきた・・・
351 名前:名も無き読者 投稿日:2004/01/24(土) 01:12
更新乙彼サマです。
ごっちん、頑張って試練を乗り越えて欲しいですな。。。
でも久々登場の飯田さん、ちょっとオモロイw
続きも期待してます。
352 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/28(水) 23:55
今日初めて一気に読ませてもらいました。
作者さんのごっちんはメチャメチャかっこいいですね、
それに、モテモテなのに鈍感な所がまた良いです。
あやごまは読んでいて、自分でも気付かないうちに涙が出ていました。

これからも更新がんばって下さい!!
353 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:40
闇に藤本美貴はいた。
「こうやって2人っきりで話すのも久しぶりだね〜」
「・・・そうだね。」
「あのころは楽しかった・・・亜弥ちゃんがいてミキがいて、そしてごっちんもいた。」

美貴は闇のなかで立ち上がりライトをつけた。
「でも・・・亜弥ちゃんは死んだ。いんや、あんたに殺された。」
「・・・」
「ごっちんは知ってたよね?ミキが亜弥ちゃんのこと好きだったのを。」
「うん、知ってた。」
「亜弥ちゃんが実は好きだったってことも少しは感づいてたんじゃないの?」
「・・・そうかもしれない。ごとーは気づかない振りをしていたのかもしれないね。」
ミキは口を開かなくなり俯き震え始めた。そのまま少しのときが流れた。

ミキは震えていた。いや、笑っていた。
「アハハハッ!何いってんの?気づかない振りをしていた?・・・あんたがそんなんだから亜弥ちゃんは死んだんじゃねえのかよ!」
ミキは怒りだし真希につかみかかった。
真希はそれを左によけ、ミキの右腕をつかんだ。
「確かにごとーはあの時亜弥ちゃんを護れなかった・・・だから今ごとーはなっちを護っている。そう・・ミキティのお姉さんを。」
「・・・・やっぱ知ってたんだ・・・」
「ごとーも最近知った・・・まさかと思ったよ・・なっちとミキティが実の姉妹だなんて・・・ホントに運命ってものがあるのかもしれないね・・」
354 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:40
「軽軽しく運命なんて口にするな!」
ミキはそういうと真希から手を振り解き、真希を突き飛ばし離れた。
「運命なんて、口にするものじゃねえんだよ!だったらなんだ?!亜弥ちゃんもその運命とやらに殺されたってゆうのかよ!ふざけんなっ!」
「それも運命かも知れない・・・ひょっとしたら亜弥ちゃんはなっちとミキティを出会わせるための一つのコマにすぎなかったのかもしれない・・・もちろんごとーも・・」
「そんなはずはない!亜弥ちゃんは・・・亜弥ちゃんは・・・!」
「ねえ?ミキティ、もう終わりにしようよ?もうこんな争いは誰も望んでいない。そう、亜弥ちゃんも多分のぞんでいないよ?」
「うるさいうるさいうるさぁい!」
ミキは持っていた銃を抜き真希に向けた。
「もしあんたなんていなかったら!そしたら亜弥ちゃんも死ななかった。すべては上手くいってたんだ!」
「それは結果論だよ、ミキティ?歴史にもしなんてない・・・もし、というのがあるのならごとーは亜弥ちゃんも・・・そしていちーちゃんも助けたいよ・・」
真希が言い終えた瞬間、銃声が鳴った。
355 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:41
「なんで・・・?」
「・・・・」
「なんで・・・・なんでよけないんだよ!」
真希の胸からは血が流れ出ている。口からも吐血しており
真希の下には血の池が出来始めていた。
真希はよろめきながら、ミキにつかみかかった。
「ごっ・・とーは・・ミキティとは戦えないよ・・・だってミキティと亜弥ちゃんは初めての友達だったんだから・・・ぐはっ!」
「ごっちん!」
「あはは・・・さすがにごとーもやばいかな・・・?血が出すぎてるや・・・」
「・・・・なんなんだよ・・・・いったいなんなんだよ!」
「ホントはミキティはなっちを殺すつもりはなかったんでしょ・・・?だってやり方がまわりくどいもん・・。
いつでもなっちを狙えたのに、狙わなかった・・・まだミキティはやりなおせるんだよ・・・?なっちの妹として、そして・・・ごとーの『友達』として・・・」
「ごっちん・・・ばかだよ・・・ミキはずっとごっちんのこと恨んで・・・」
「亜弥ちゃんのことはごとーのミスだよ?だから今しっぺ返しがきてるんだから・・・でもミキティ?ホントはミキティも心は優しい一人の人間なんだよ。運命がミキティをそうさせただけ・・・だから・・ミキティはやりなおしてよ、自分のホントの運命を自分で見つけてみてよ?」
真希はよろめきながらもドアに向かっていった。
「ごっちん!どこ行くんだよ!」
「・・・・」
「ごっちん!」
「今のごとーは・・・・」
「えっ?」
「いろんな意味でやばいから・・・」
ドアを開け真希は部屋を出て行き闇に消えていった
ミキは動く事が出来ずずっとその部屋で体を震わせていた。

356 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:41
「今日で一ヶ月・・・」
季節は冬、街はもう冬景色が広がっている。
真希がいなくなってから一ヶ月、なつみは今日も窓から空を見ていた。
「ごっつあん・・・どうしてるの・・?もうなっちの前には現れてくれないの・・・?」
一つの雫が少女の頬をぬらし、やがてそれは雨になった

「保田。後藤の居所はまだわからないのか?」
「はい・・・今手をつくしていますが・・一向に見つかりません。」
「そうか・・・藤本美貴はどうなんだ?」
「そちらもいまだ・・」
「そうか・・・」

「ひとみちゃん?真希ちゃんはまだなの・・?」
「うん・・・ごっちんはまだ帰んないんだ。」
「大丈夫かな・・・?真希ちゃん・・」
「大丈夫だよ!なんてたって護り屋だよ!」
「うん・・・・あっ誰か来た!」
357 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:41
インターフォンが鳴った。
梨華はその映像を見てみる。真希を期待したがそれとは違った。
しかし写っていたのは、若い少女だった。
「あのー?どちらさまでしょうか?」
「・・・・・」
「あの・・・?」
「藤本美貴・・・」
「藤本様ですか?ええとどのようなご用件で・・?」
「屋敷の主に伝えて欲しい。『藤本美貴が来た』といってくれればいい。」
「はい、わかりました。」
梨華はこんな少女と主がどうして知り合いなんだろうと思いつつ主を呼びに向かった。
「失礼します。」
「なんだ?」
「ご主人さまに『藤本美貴』様という方がいらっしゃっています。」
「なに?!」
主はすぐに走り出していった。
「な・・・なんなの・・・?」
梨華は呆然としていた。
358 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:42

ミキはすぐに応接間に通された。
目の前にはなつみ、なつみの父、保田に吉澤と梨華もいる。
ミキはその面々からの視線を一身に浴びていた。
口を最初に開いたのはなつみだった。
「ねえ・・・ごっつあんは・・?ごっつあんはどうしたの・・?」
「・・・・・」
「ねえ!ごっつあんはあなたの所に行ったんしょっ?!だったらなんであなたがいてごっつあんがいないんだべさ!」
「落ち着けなつみ。」
「でも・・・ごっつあんは・・・」
「キミも知っていると思うが、私はキミの父親だ。そしてこのなつみはキミの実の姉だ。」
「・・・」
「今までのことは、キミにも謝りたくても謝り足りないくらいの事をしてきてしまった・・・だが、こっちにも事情があった・・・キミはいろいろなところから狙われていた・・・だから私とキミの母親は、いったんキミを孤児院に預けて、安全になればひきとるつもりだった・・・だがキミは脱走して行方知れずだった・・・必死に探したが見つからなかった・・・でも今見つかった・・運命ともいえる・・」
「運命なんて言葉を言うな!」
ミキが初めて口を開いた。
そしていきなり怒声を浴びせた。
「ミキは・・・許せなかった・・・あんたたちを!・・・でも・・ごっちんがあたしに言ったんだ。
自分のホントの運命を自分で見つけてみてよ、って!ミキはだから・・ここに来た!あんたたちを許せると思ったから・・・ごっちんの命をかけたメッセージを果たしたかったから!」
359 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:42

この言葉になつみは目を見開いた。
「ごっちんの命をかけたメッセージ・・・?」
「そうだよ・・・ごっちんは・・・多分もう・・・」
「・・な・・にいってんの・・?ごっつあん・・・は・・・だって・・・帰って・・・」
「ごっちんはミキの前から姿を消した。あんなからだで人間が生きていられるはずが無い・・・」
「そ・・んなっ・・・う・・そでしょ?・・ごっつあんは・・・」
「・・・」
「ごっつあん!ごっつあん!」
「なっち落ち着いて!」
「お嬢様!」
「なつみ!」
暴れ出したなつみを周りの人間は押さえ込もうとした。
「ごっつあん!ごっつあん!どこ?!何処にいるの?!」
「保田!なつみを!」
圭はそういわれると、おもむろになつみの背後にまわりなつみのうなじのあたりを叩いた。
するとなつみは崩れ落ちていった。

「ご・・・っつあん・・・」
その言葉を残して・・・

360 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:42
更新おわりれす!
ああ誤字脱字が多い・・
申し訳
361 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:46
>名も無き読者様
   試練は・・・こんな感じになってしまいました。 
   いいらさんは久しぶりだったんで忘れ去られてるかもしれなかったんで・・

>名無し読者様 
   ありがとうございます!あやごま編で泣いていただけるとこちらとしても
   がんばった甲斐がありました!がんばりますっ!
362 名前:tsumi 投稿日:2004/01/30(金) 22:46
少し暗い展開・・・
次回も・・・
363 名前:rina 投稿日:2004/01/31(土) 08:22
ごっちんカッコイイ!!
ごっちんの言葉は説得力があるというかなんというか…
ミキティも紺野のときのようになってよかった!
でも…ごっちんどこに行ってしまったのでしょうか…
364 名前:名も無き読者 投稿日:2004/01/31(土) 15:46
おぉ・・・
こういう試練ですか。。。
ネタバレになるからあんま言えませんが、
二人が心配。。。
では次回もマターリお待ちしてます。
365 名前:tsumi 投稿日:2004/02/14(土) 15:18

「・・・やく・・・・」

え?

「・・・・はやく・・・・」



なに?









「はやく後藤さんを助けてあげて。」







「ごっつあん?!」
目を覚ました。なんだか首の後ろが痛い。
それに変な夢を見た気がする。
一度聞いたことのあるような声
甘ったるい声
・・・思い出せない

366 名前:tsumi 投稿日:2004/02/14(土) 15:18
そんなことよりごっつあんは!となつみはベットから体を起こし目をこする。
誰かいる。
ごっつあん?
違う
それは保田だった。

「おはよう、なっち。」
「けーちゃん・・・」
保田は優しい目でなつみを見つめていた。
この部屋には保田だけだった。
「ねえけーちゃん・・・」
「後藤のことならわからない。」
「っ・・・!」
「今・・あたしの知り合いやらなんやらが探してる。でも後藤は簡単には見つからないと思うわよ。」
「・・・・ごっつあん・・」
「・・・あの子は不器用なのよ。」
「え?」
「ホントならこんな仕事してるよりもフツーの女子高生とかやったるほうが似合ってんのに、あの子はあたしに恩があるからこんな仕事をしてる。」
「恩?」
「ああ・・・なっちは知らないんだったか・・・あたしなんだ。後藤を拾ったのは。」
「え?じゃあ・・・」
「そういうことかな。あたしの本来の仕事は車の運転手じゃなくて裏の稼業なのよ。」
「・・・」
「そして・・・市井沙耶香の姉でもあるのよ。」
「市井沙耶香・・・ごっつあんの・・・」
「そう。あの子がいちーちゃんって呼んでたやつよ。」
なつみはそして俯いた。
「じゃあ・・・ずーっと知ってたんだ・・けーちゃんは・・・」
「ええ。旦那様とも昔からの知り合いでね。だからあたしはここの運転手してるってわけ。」
保田のこの言葉を残し部屋からでて行ってしまった。
なつみは一人残され虚空感に襲われていた。
そしてそのままなつみはずっと動かなかった。
367 名前:tsumi 投稿日:2004/02/14(土) 15:19

保田はすぎに別の部屋入っていった。
「さて・・次はあなたね?藤本美貴さん。」
「・・・」
そこにはイスに座って美貴がいた。
「で?うちの後藤はどこ行ったかホントにわかんないの?」
「・・・・知らない。」
「はあ・・・ホントになっちに似てるわね。顔といい性格といい・・・」
「似てない・・」
「まあそんなことはどうでもいいわ。本題はあなたのこれからよ。この家にすむか、それとも一人で生活するか、愛ちゃんがいるから3人姉妹になるのかな?」
「ミキは・・・家族なんて要らない・・・。」
「じゃあどうするの?」
「・・・」
「人は一人で生きていけないのよ。それはあなたが身を持ってわかってるんじゃないの?松浦亜弥と出会う前と出会った後では世界が違って見えたでしょ。」
保田は美貴を見つめ言った。
「それに・・・なっちも多分許してくれる。あなたはなっちの知らない後藤を知っているから・・・だから今のなっちに少しでも力になってあげて欲しいの。」
そう言って保田は出て行った。
美貴は出て行ったドアを見つめていた。
368 名前:tsumi 投稿日:2004/02/14(土) 15:19
少なっ!
更新おわりれす。
369 名前:tsumi 投稿日:2004/02/14(土) 15:21

>rina様
  ありがとうございます。藤本さんは少しまだ迷っています・・・
  ごっちんは・・・・次回かその次で・・・

>名も無き読者様
  またーりありがとうです。少ないですがまたすぐに更新します!
370 名前:tsumi 投稿日:2004/02/14(土) 15:22
近々更新したいと思います!
371 名前:スコール 投稿日:2004/02/27(金) 19:40
更新お疲れさまです!
ごっちんは大丈夫なのでしょうか?
続きがますます気になります。
頑張って下さい!!
372 名前:rina 投稿日:2004/03/01(月) 15:13
更新お疲れ様です!

( ●´ ー `)<ごっつぁん何処行ったんだべ・・・

なっちと同じくおいらも気になります!!
女の子の声は、もしやあの子・・・??
続き期待して待ってます!!
373 名前:tsumi 投稿日:2004/03/05(金) 17:39
コンコン

「・・・どうぞ・・・」
なつみは来客者を招いた。
ガチャ
「あなたは・・・。藤本さん・・・」
「・・・どうも・・」
美貴は俯き加減に部屋に入りなつみの目の前に腰を下ろした。
「あなたはなっちに似てるべさ〜、やっぱり姉妹だからね。」
「・・・似てない。」
「したっけ似てるべ・・・ところで何か用かい?」
美貴は言葉をつまらせた。
唇を噛み、震えながら言った。
「あなたは・・・ごっちんのことがすきなの?」
「えっ?!」
「ごっちんのことがすきなの?」
突然の質問になつみは顔をボンッと赤らめ、どもっていた。
「ななな・・・なっちはごっつあんのことが好きだべ・・・!」
「そう・・・・」
「・・・なんで・・・?」
「確かめてみたかったのかな?」
「え?」
「ごっちんを好きになる人はどんなひとなんだろうって、亜弥ちゃんみたいに心がキレイな人なのかなって。」
「はあ・・・」
「やっぱり・・・心がキレイだった・・・ミキなんかとは違う・・・」
「・・・・そんなことはないんでないかい?」
「え?」
なつみの言葉に俯き加減だったミキは顔をあげた。
「なっちは・・・あなたの話もごっつあんに聞いたし、いろいろな人に聞いた・・・
最初に会ったときはひどい人だと思った。でも・・・話を聞いてくうちになっちは思ったわけさ。
あなたはいろんなことを知らなさ過ぎる。
楽しい事もうれしいことも悲しい事も怒るようなことも、あなたはまだ知らなさ過ぎるんだよ。」
374 名前:tsumi 投稿日:2004/03/05(金) 17:41
「だから・・・まだあなたは迷子なんだよ、まだ迷ってる。自分に。だから・・・・ゆっくりでいいからいろんなことを知りながらゴールにつけばいいんだよ?」
「・・・・」
何かの音がした。
水の音のような音がした。
それは迷子の子猫がはじめて流したホントの意味での涙だった。



「さあ!こんな辛気臭い話は終わりっしょ!」
「え・・・?」
美貴はなつみの急な変わりように戸惑った。なつみは一体・・・
そう思わずにいられなかった。
「なっちは・・・聞きたいことがあるっしょ・・・ミキティの知らないごっつあんのことを教えてほしいべさ・・・」
「・・・・」
美貴は俯いて震えていた。なつみは美貴が泣いているのだと思いそっと肩に触れた。
「ミキティ・・・どうしたんだべ・・・・?」

「ふははははははっ!!もうダメ〜!!」
「は?」
「なんで?なんで、訛ったりしてんの?真剣なときは普通なのに急に訛ったり・・・しかもミキティって・・・・
ごっつあんのあだ名と同じじゃん・・・ふふふっ!!」
美貴は純粋になつみに興味を持った。何者だ?こいつは?といったかんじなのだろう。
美貴はお腹を抑えて転げまわっている。なつみは急に恥ずかしくなった。
「そんなに・・・笑わなくてもいいいっしょ・・・」
いじけた。
「でもやっぱり・・・心はキレイだね・・」
「え、何か言った?」

「べっつに〜!・・・それより話してあげるよごっつあんのことを・・・『おねーちゃん』・・・」
「・・・ミキティ・・・」
今度はなつみが泣き美貴がおろおろする始末だった。
そしてなつみは自分でも気づかないうちに美貴との話に夢中になり笑顔を取り戻していた。


「・・・これでもう大丈夫だな・・・」
「はい・・・」
ドアの前にはなつみを心配した2人が歩いていった。
375 名前:tsumi 投稿日:2004/03/05(金) 17:41
「次はどうしますか?」
「紺野あさ美も藤本美貴もだめか・・・」
「藤本美貴の場合はわれわれの思惑通り動いただけですから。」
ある一室に男と女がいた。
「もういい!手当たりしだい屋敷に向かわせ・・・!」
男の声を遮らせたその人物はひそかに笑っていた。

「やっと見つけた・・・紺野に聞いた場所にくるまで時間がかかったよ。」
「なっ?!」
ゴキッ
突然入ってきた黒いコートの栗色の長い髪の少女によって秘書のような女は首がありえないことになっていた。
「ままま・・・待てっ・・・!」
「なんでなっちを狙ったの?」
「それは・・頼まれて・・・」
「誰に・・・?」
「えええええっと・・・!」

「どういうこと・・・?」
「だだだだからっ・・・」
「なんで・・・そんなことを?」
「さあ・・・?あのとりあえず離してくれませ・・・」
パァン!
「・・・離したよ・・・」
376 名前:tsumi 投稿日:2004/03/05(金) 17:43
少女―後藤真希はその場を後にした。
その部屋から出口につながる道にはいくつもの肉塊が転がっていた。
「ごめんね・・・」
それにあたまりつつ・・・
「今のごとーに近づいたらだめだよ・・・?病気が始まってるから・・・」

ドアを開け空を見た
「なんで・・・あの人が・・・」
空は青かった
「すべて・・・わかってて・・・・ごとーとなっちを・・・殺そうとした?」
雲ひとつ無かった
「じゃあ、ずっとあなたは何食わぬ顔でみてたんだね。」
足音が聞こえる
振り向いた

















「やぐっつあん・・・?」


背が低く茶色い髪。悪魔のような笑みを浮かべた少女が、いた。

377 名前:tsumi 投稿日:2004/03/05(金) 17:44
更新終わりれす。
378 名前:tsumi 投稿日:2004/03/05(金) 17:48
長い間空けてしまってすいません・・・

>スコール様  
   ごっちんは少し謎がまだあります。何回かでてきましたが裏ごっちんです。今は

>rina様
   女の子の声・・・まああのひとですけど・・・その方はあまりもう・・
   ・・・すいません
   从#‘ 。‘)<すいませんですむかっ!
 
379 名前:tsumi 投稿日:2004/03/05(金) 17:48
今回はもの凄い爆弾を最後に落としてしまった・・・
380 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/06(土) 01:45
ううぇあーい
凄いことなってるぅ。
381 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/07(日) 23:12
うわーそうくるかってかんじですね。
更新おまちしております
382 名前:名も無き読者 投稿日:2004/03/09(火) 08:59
空襲警報〜!!!(汗)
ほのぼのしたてきたと思ったら。。。
作者さんの鬼!!…って冗談ですけども、
続き気になるので早く更新してほしいけど
でも作者さんのペース崩すのもアレなので
まぁそんな感じで頑張って下さいw
383 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:09



『ねえねえ、まただめなの〜?』









『悪いなやぐち、ちょっと野暮用でな・・』










『ぶぅ・・・早く帰ってきてよ・・』












『ああ』






これが最後の言葉だった。
384 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:10
「ずっと、何食わぬ顔で見てたんだね、やぐっつあん。」
真希は強い視線で目の前にいる少女―矢口真里を見据えていた。
空は青い。だが、その空の下は青いとは限らない。

「最初に気づくべきだった。あの時・・・ごとーがなっちと初めて学園に行ったとき強い視線を感じた。
 ごとーはなんか後ついてきてた男だと思った。その男を処理してから今度は紺野の視線を感じた。
紺野はずっと一緒にいたから紺野だってわかった。でも・・・最初の学園での視線、あれはやぐっつあんだった。」
真希は話を続けた。
「ごとーに近づいてきてたのはごとーに自分のことをわからせるため、自分はいつも味方だと印象付けるため。」

「ずっとやぐっつあんは知ってた。紺野のこともミキティのことも・・・なんでかはわかんないけど・・・
でも、なんでなっちを狙うの?それにごとーはなんで狙うのかな?」
すると小悪魔は口を開いた。

「何で?なっちが・・・ごっつあん・・・いや、あんたの彼女だからだよ。」
「え?」


「ずっとあんたを探してた。でもあんたは闇にいた。だから見つかんなかった。でも、あんたは闇から出てきた。『護り屋』として・・」
「・・・」
「なっちはずっとおいらの親友だった。学園に入ったときから、ずっと優しかった。おいらは心が癒された。でも・・・あんたが来た。」
今度は真里が強く真希をにらみつけた。
「驚いたよ・・・あんたが学園に入ってきたときは・・・すぐに護り屋だとわかった。それで消えかけていた復讐心がよみがえってきた。」
「ねえ・・・教えて・・・やぐっつあんは一体・・?」
385 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:11
真里は背中を向けた。
「少し、昔話をしてやるよ・・・あるときそこには女の子がいました。女の子は背が低く、いつもいじめられていました。その女の子は公園でいつもひとりで遊んでました。
 ある日一人の少女がその女の子に近づきました。
『ねえねえ、何してんの?』その少女は、黒い髪のショートカットのかっこいい女の人でした。」

真希の眉が動いた。

「その日からその女の子にとって、たった一人の親友ができました。その少女は時々来てくれました。
悲しそうな顔のときもあった。楽しそうなときも。ある日聞いてみました『何かお仕事してるの?』
その少女は言いました。
『なんでも屋・・・かな?』」
「え・・・?まさか・・・・」

真里は振り返り言った。










「そうだよ、その女の子・・・おいらのたった一人の親友だった少女は・・・さやかだよ。」

386 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:11
「いちーちゃん・・・?」






真希は自分の胸が苦しくなっていくのがわかった。
まさか沙耶香の名前が出るとは思っていなかった。
そんな心を察してか真里は続けた。
「ずっと、遊んだりしておいらは気づいた。さやかに恋してた。おいらは言ってみた。さやかのこと好き、ってね。もちろん振られたよ・・・あたしには護らなきゃいけないやつがいるって言って・・・」
「護らなきゃいけないやつ・・・」
「そして、さやかは次の日から来なかった。デートに誘ったけど仕事があるとかで・・・そしておいらは一度言った事のあるさやかの家に行った。」




「だれもいなかった。でもなぜかドアが開いてた。だから入った。そしていろんなものを探した。さやかについてのものを。そして日記を見つけた。最後のページにはこう書いてた。」
辺りが静かになった。
387 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:13
『今日、あたしは後藤に勝負を挑む。死ぬかもしれない。
後藤は天性の素質がある、これは教育係としてのあたしからの最後の試練だ。乗り越えたらあたしは死んでもいい。未練は無い・・・といったら嘘だろう。
未練はある・・・やぐちだ。やぐちがまた一人になってしまうかもしれない。でも・・あたしは知っている。あの子の明るさを。その明るさがあればきっとやぐちには友達だってたくさんできる。
もうひとつの心残りといえば・・・後藤にあたしの気持ちを伝えたかったな・・・「好きだ」って・・・』









「・・・うそだ・・・そんなの・・・!」
「嘘じゃない・・・おいらはまだそれを持ってる。さやかはずっとあんたが好きだった。
でもあんたはそのさやかを殺した。そしておいらはさやかの言うとおりできるだけ明るく振舞った。
そしてなっちが親友になった。かおりも。でも・・・またあんたはおいらから奪った!なっちを!」

「不思議と殺意が芽生えたよ・・・なっちにも・・・そしておいらはずっとあんたのことを調べてた。
さやかの部屋からいろいろ盗んで、そのとき写真も盗んだ。あんたの顔を確認して・・・そして松浦家のことや、紺野の事も知った。あの2人があんたに恨みを持ってるってことも・・・そしておいらはずっと見てた・・・でも誰も殺せなかった。おいらが頼んだそこに死んでるやつらでもね。」

真里は一息ついた。
「さて・・・昔話はこれで終わりかな?じゃあそろそろ・・・」
ポケットに手を入れ銃を取り出した。真希はそれを見て銃を取り出した。
「この銃はさやかのものだ・・・見覚えあるんじゃない?・・・さて・・・・・おいら一人で勝てる相手じゃないし・・・」



真里は手を上げた。

「もういいよ。話は終わった。」
388 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:14

パアンッ!!








「っ?!」
真希の右肩から血が噴出した。
真希は辺りを見渡す・・・
そして自分が出てきたドアを見た。







そこには少女がいた
知っている
その少女には見覚えがあった
銃をこちらに向けているその目は
赤い





今まで会ったやつのなかでも一番殺気だっている
なんで?
この人も?
真希は頭が混乱していった















「あんたの相手はおいらじゃない・・・頼んだよ・・・」




















「よっすぃ〜」










少女は再び銃を撃った。

389 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:14
更新終わりれす!
390 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:18
>名無し飼育さん様
    今回もまたすんごいことに・・・ありがとうございます。

>名無し読者様 
    こんなんなっちゃいました。
    まだ驚く事が残ってますんで・・・次回もお楽しみに・・・(w

>名も無き読者様
   確かに自分でも鬼だと思います(w
   しかも今回はまた空襲警報二発めです。何発まであるのか・・・

    
391 名前:tsumi 投稿日:2004/03/11(木) 18:19
明日かあさってにもう一度・・・

今回は今まで目立ってなかったあの人が遂に・・・!
392 名前:dada 投稿日:2004/03/12(金) 02:08
あの人も関わってたなんて…
二人はどういう関係なんでしょう?
気になるんで早めの更新待ってます。
393 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/12(金) 12:23
またまたそうきたかー!!いや作者様のいけずーってかんじです。
更新お待ちしております。
394 名前:名も無き読者 投稿日:2004/03/12(金) 12:31
…鬼。
ぐすっ…そこまでせんでもええやないですかぁ〜(泣)
彼女の目の色が気になったりしてるんですが、待ちます。
395 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 16:16
誤字脱字が多いな・・・
夜に更新しまっす!
396 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 16:19
>dada様
  早めの更新を今日やります!2人の関係は少し悲しく・・・

>名無し読者様
  そうきちゃいました・・・(汗
  いけずーですねもうここまでくると・・・
  
  さらにいけずーなことが・・・あったりなかったり・・

>名も無き読者様   
  鬼・・・ですよ・・・(w
  
397 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 18:25


いつもあこがれていた












あのとき泣いていた人に














それはいつしか恋心になった














彼女が悲しんでいる











なぜ?













私には何が出来る?
















ねえ矢口さん?


398 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 18:26
パアンッ

その瞬間真希はとっさに体を屈ませていた。
これこそ天性のものなのだろう。
そして上体を起こし、ありえないくらいの殺気を放つモノに目を向けた。

「よっすぃ〜・・・?どうして・・・」

その少女は言葉を発せようとしない。
その代わり殺気だけが強くなっている。
その時後ろにいた少女が声を発した。
「ずっと、あんたのことを聞いてたよ。よっすぃ〜に。なっちとのことや、いろんな秘密も、あの屋敷で保田だっけ?さやかの姉ちゃんもいて、そいつとなっちの父さんとの話もよっすぃ〜に盗み聞きしてもらっていたからね。ありがとねよっすぃ〜。」

「いえ・・・」
ひとみはやっと口を開いた。
「何で?何でよっすぃ〜がやぐっつあんの味方なの?!」
少し声を荒げて真希は言った。

「矢口さんに頼まれたから・・・矢口さんに・・・」

「え?」

「ごっちん・・・死んで・・・?」
「なっ?!」
ひとみは勢いよく飛び出し真希の懐にすんなりと入った。
そして肘で鳩尾にくらわし、そしてその手を伸ばし真希の顔面に拳を入れた。
「ぐっ・・・!」
まともに喰らった真希からは、口から血が出ていた。
真里はそんな2人を遠くからみていた。
「さっすがよっすぃ〜!」

ひとみは釈然とした態度で真希を見ていた。
399 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 18:26
「そんなものなの、ごっちんって?もっと強いって聞いてたけど・・・よくお嬢様を護ってたね。」





その時ひとみは見た。
真希の目を
自分のように赤い
いや
紅い目を

「同じ目だね。よっすぃ〜と・・・」
「そうだね・・・」

「教えてもらっていい?何でよっすぃ〜は目が赤くなるの?」
「昔から・・・小さいときから感情が高ぶったりすると赤くなる・・・」
「そう・・・ごとーとは違うんだ。」
「え?」

ひとみの目にはその時、空が見えていた。
なんで
いつのまに?
今自分が地面に叩きつけられてる事に気づくのには時間がかかった。

「ごとーが目が赤くなるのは・・・感情が高ぶったときじゃない・・・人を・・殺したくなるときだけ・・・」

ひとみは起き上がり銃を構えた。
「無駄だよ。よっすぃ〜。今の状態のごとーは病気だよ?人を殺したくてたまらない・・・」
真希も懐から銃を取り出しひとみに向けた。
「でも・・・まずは、あなたからだね。」
真希は後ろを振り向き言った。
「やぐっつあん・・・死んで?」
400 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 18:27


パアンッ







バタッ









「や・・・ぐち・・・さん・・?」


ひとみが真里に駆け寄った。
「やぐちさん!やぐちさん!しっかりしてください!やぐちさん!」
「・・・よっすぃ〜・・・ごめんね・・・いろいろとつき合わせちゃって・・・」
「私はそんな・・矢口さんがいたから私は・・・」
「よっすぃ〜・・逃げな・・・今のごっつあんは・・ゲホッ・・バケモンだよ・・」
「そんな・・・やぐちっ・・!」
真里は血を吐き、瞼を閉じた。

「後は、よっすぃ〜だけだね。」
真希はひとみの背後に立ち銃を構えた。
「いろいろ教えて欲しい事があったけどもういいや。」







「そこまで。」









凛とした声が響いた。







パンッパンッ









真希は手から銃を落とした。








一人が真希の銃を狙って、もう一人が自分の腹ごと真希を狙っていたひとみの銃を撃った













青空の下



















すべての運命が集まった。
401 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 18:29
夜更けに
吉澤編を更新します!
少しの間本編は休みです。すいません・・・

(* ^〜^)<おいらの時代だよ〜
402 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 21:40
隠し
403 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 21:40
もういっちょ
404 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 23:01


私の名前は吉澤ひとみ
小さなときに両親に捨てられた
孤児院の前に捨てられたから、そこの職員の人が気づいてくれたから良かった
二月のことだった






孤児院では楽しい思い出がいっぱいだった
その中に仲良くなった女の子がいた
名前は・・・思い出せない・・・なにかのキャラクターのようなあだ名だったような気がする
その子とは性格も合って、とっても楽しく遊んだ
でもある日
「あたし、明日ここでてく。」
その子は次の日出て行った



私は急にひとりになってしまった
だから私も孤児院を出た



だが、やはり少女には社会は冷たく厳しすぎた
公園で夜を過ごし、ごみをあさり食をつなぐ
そんな日々だった
405 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 23:01
ある日私は昼にいつもの公園に行った
すると女の子が二人いた
一人はショートの黒髪のかっこいい女の子
もう一人は背の小さい女の子
2人は仲良さげにいつも遊んでいた

でもある日から背の小さい女の子だけになってしまった
私はずっとその子のことを見ていた
気づかぬ間に
好きになっていた

でも、女の子は急に来なくなった。
その前日はその子は泣いていた
探した
でも見つかんなかった


また空虚な日々が始まった
金を得るためいろんなことをした
いろんなことを試した
万引き、窃盗、恐喝
でも一番はやはり、自分が女の子だからということもあって
隙を見せて相手を倒し金を奪う方法だった
昔から喧嘩は強かった

ずっとそうして金を稼いだ
喧嘩も強くなった
誰も私には勝てなかった
406 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 23:02
そんな時出会った






金が手に入るようになり私は安いラブホテルに宿泊するようになっていた
今日も行こうと近くまで来ると声が聞こえた

「やめてくださいっ!!いやっ!!」
ひどく高い声だった。
私はその茂みのほうへ目をやった。
女の子が男数人に襲われていた。

見過ごそうとも思ったが、後味が悪い。
だからそこにいた男達を追い払った。

「あ・・・りがとう・・」
「・・・別に・・・」
その女の子は暗くてわからなかったが、明るいところに出ると肌の色が少し黒いが
かわいらしい女の子だった。

・・・男がすきそうな感じだ・・・・


「じゃ。」
私はラブホテルに一人で入ろうとした。

「ま・・待って下さい!」
振り向いた
「なに?」
「あ・・・あの・・・お名前はなんていうんですか・・・?」

その時自分の名前が一瞬なんだったか忘れそうになっていた。
「吉澤・・ひとみ・・」
「吉澤・・さん・・・」

「もういい?それじゃあ・・」
「あっ・・あのっ!」

またかと思いまた振り返った。




「まだ何か用?」
少し強めに言ってみた。




「石川・・梨華・・です!」
「は?」




「私の名前は石川梨華です!」





それだけを聞いて私はホテルに入っていった。











これが私の運命の始まりだった


407 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 23:02
とりあえずこんだけ
408 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 23:03
あと2、3回です。吉澤編は・・・
409 名前:tsumi 投稿日:2004/03/12(金) 23:03
明日いけたら頑張ります!
410 名前:名も無き読者 投稿日:2004/03/14(日) 11:16
こんな過去が・・・。
>>401
あなたの時代ですw
次も気になります。。。
411 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:25
それからというものことごとくつきまとわれた。




「あっ!あのっ!」
「なに?」
「えっと・・・」
「・・・」
「あ!まって・・」






「ひ・・・とみちゃん・・?」
「・・・・・は?」
「あのう・・・ひとみちゃんのことがし・・りたい・・な・・」
「あたしは別に知りたくない。」
「あっ・・・」





どっからわいてでてくるのか、石川さんはいつもあたしの行く先々に現れた。
一体あたしが何をしたのだろう?
はあ・・・つかれた・・・
412 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:26
ある日、いつものように中年のおっさんを誘った。
いつものように路地に連れ込み興奮してるおっさんの隙を見て眠らせた。
そして金を取って、逃げるつもりだった。
でも
「コラ!そこで何をしてる!」
警察に見つかった



逃げて走って転んでそれでも走った。




「はあ〜!びっくりしたー!」
住宅街のようなところに逃げこみ難を逃れた。
「それにしてもここどこだよ〜?」
初めて来る場所に戸惑いを私を見せていた。
その時、例の声が聞こえた。




「ひとみちゃん?」
413 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:26
夜色にまみれて、買い物袋を持った少女が声をかけた。



「やっぱりひとみちゃんだ〜♪色の白い子がいると思ったんだよぉ〜」
「はは・・・」
あたしは笑うしかなかった。
何処まで逃げたとしても、この子に会ってしまう。
こりゃ運命か・・・?
ばかげてる


「ねえひとみちゃん?ちょっと・・・よってかない?」
そう言って石川さんが指差したのは、見たことも無いくらいのでかい屋敷だった。
「えっと・・・ひょっとしてお嬢様とかだったり・・・」
なんとなくマンガのようなことを言ってみた。
「違うよ。私はそこの屋敷でメイドをしてるの。」
そんなに上手くいくわけが無い
でもとりあえずお茶とかだしてくれそうな雰囲気だったので
お言葉に甘えた。
414 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:27
広い
でかい
大きい
どれも当てはまりどれも当てはまらないだろう
そんな屋敷だった。
あたしなんかがこんなとこにいていいのか?
そんなことを感じつつ石川さんに誘われついていった。



十分ほど歩き、やっと一つの部屋の前に着いた。
「ここが私の部屋。」
石川さんがドアを開けた

・・・・・・・



あたしは入るのをやめてドアを閉めた。



「ちょ?!どうしたの、ひとみちゃん?!」
中から石川さんが出てきた。
「入らないの・・・?」
上目使いで言われても困る。
入りたくないのは入りたくないのだからしょうがない。
「あの・・その・・・目が・・・」
「目が・・?」
「痛い」
「え?」
415 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:28
そりゃそうだ
何しろ全部そうだった。
全部がピンクだった。
ホントに全部。
家具、ベット、机、ソファー、小物・・・・
ピンクだった。





「気持ち悪い・・・」
無理やり入らされて座らされたが、何処を見たらいいんだ?
目を瞑っていると、紅茶の香りが漂ってきた。
「紅茶しかないからごめんね?急にひとみちゃんがいたから。」
知ってたらこんなとこ来ない。
石川さんはベットに座った。
・・・・パンツ見えそう。





とりあえず目を出来るだけ開けずにがんばった。
そして夜もふけ、そろそろおいとましようと思い立ちあがると、
「ねえ・・・泊まってかない・・・・?」


少しドキッっとした。
上目使いで言われ、潤ませながら言われて、自分の中の男心に少し火がついた。
だが一方ではこの部屋で練るのは危険じゃないか?
ピンクに侵されるのではないかという気持ちもあった。
416 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:28
「でも・・・石川さんがそんな事決めちゃっていいんすか?」
「そうだ!頼んでこよ!」
と疾風のごとく走り出してしまい、ピンクに吉澤ひとみ、が完成した。



・・・・数分後石川さんが帰ってきた。
「ひとみちゃんが私の子と助けてくれた人だって行ったらご主人さまもいいって!」
おいおい・・・いちおう見ず知らずなんじゃ・・・
まあ・・いいか・・こんな日があっても、
私は今日はピンク色に染まる事になった。
417 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:29
馬鹿でかい風呂に入らせてもらい、着替え(白を探してもらった)を借りて石川さんがベットに
私は床に布団を敷いて電気を消した。
「ねえ、ひとみちゃん・・?」
「ん・・・」
「・・・助けてくれてありがとね。」
「もう50回くらい言った。」
「そっか・・・でもどんだけ言葉にしても足りないくらい感謝してる・・・すっごく怖かったから・・」
「あんなとこは一人で出歩かない事だね。」
「うん・・・ねえ・明日はもうどっか行っちゃうの?」
「・・・うん・・・当ての無い人生を送る。」
「・・・寂しいな・・・なんかひとみちゃんに恩返ししたいな・・・」
「そんなのいい。」
「でも・・・・・」
そのまま石川さんは寝入ってしまった。
今は一時の休息だ。
明日からはまた汚い世界に飛び込むんだ。






・・・・朝になるまではそう思ってた・・・・

418 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:29
更新おわりれす!
419 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:30
>名も無き読者様
   こんな過去が・・・次回は遂に吉澤さんが彼女と・・・
   次回も楽しみにしてください。
420 名前:tsumi 投稿日:2004/03/18(木) 00:31
次回は週末くらいにできたらなと・・・
421 名前:名も無き読者 投稿日:2004/03/18(木) 12:43
更新お疲れサマです。
次回は遂に・・・気になりますね。
楽しみにしてますw
422 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/20(土) 14:11
まってますよー。がんばってくださいね
423 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:46
「は?」

「いや、だから!」

「なんで?」

「さあ・・?」

「えっと・・・」

「うん!」







「あたしがここの執事・・・?」





わけわかんない。
朝起きて、石川さんを起こさないように玄関までを迷いながら歩いてたら
男の人が出てきた。
そして言った。
「吉澤ひとみさんかね?」
「は・・はい。」
「そうか。君が石川を助けてくれたそうだな。」
「いえそんな・・」
「少し小耳にはさんだんだが、君はようするに住むところも無くて当ての無い生活をしてるそうじゃないか。」
「ま・・まあ」
「どうかね。」
「は?」



「うちの執事でもやってくれないか?」
424 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:47

・・・・






「はあ〜〜??」
「ちょうど君みたいな人が欲しかったんだ。」
「でも、あたしは・・」
「あたしは・・?」
「でも・・・」
「・・・決まりだ。」
「ええ?」
「お〜い、石川!」
するととてとてと石川さんがこっちに来た。
「はい。あっ!ご主人様!」
ええええ?!この人がご主人?!

「紹介しよう。今日からこの屋敷の執事の吉澤ひとみ君だ。」

・・・・・・・なんでこの屋敷の人は皆おかしいんだ・・・・・


「えええええ?!」
屋敷に超音波が響いた。
するとそのやかましさに屋敷中の人々がやってきた。
多い・・・・
何人いるんだ・・・?
するとご主人様が高らかに言った。

「今日からこの屋敷の執事の吉澤ひとみ君だ。みんな仲良くしてやってくれ。」
425 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:47
パチパチパチパチパチ・・・・・



なぜ拍手が起こる・・・?







すると人の波を割って、こちらに女の子が歩いてきた。

「よろしく。」
手を差し伸べてきたので
「ああ、どうも・・」
とりあえず握り返した。

「なっちはなっちだべ。」
「は?」
何言ってんだ?
「だ〜か〜ら〜なっちはなっちだべ。」
「???」
すると横から石川さんが教えてくれた。
「ここのお嬢様。」
「ええ?!」
こんなちっこいのに!
あたしより年下だよな・・・
すると横には目がくりっとした女の子もいた。
「あの子が愛ちゃん。お嬢様の妹さん。」
ほう・・・美少女姉妹ってか?
ん・・・?妹・・・
あっちが妹?
ってことは・・・・そっちが姉?!
七不思議どこじゃないなこの家は・・・






こうして『安倍家執事吉澤ひとみ』がここに完成した。
426 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:48
特に忙しい事も無かった。
客がくれば応対をして、後はご主人様の手伝い。
それなのに部屋は広い。
梨華ちゃん(そう呼んでっていわれた)の部屋は一色だったからわかんなかったけど広い。
流石だと思った。




ここには特徴のある人が多かった。
梨華ちゃんは言うまでも無く、
なつみお嬢様は、興奮すれば北海道弁になり
ときどき腕に何かを話し掛けている。



愛お嬢様はよくなついてくれる。
でも何言ってるかがわかんない。
早いし、息継ぎをしないから聞き取れない。




そして運転手の保田さん。
なつみお嬢様の専属らしいが、
おかしなことを言われた。
「似てるわね・・・あいつに・・・」
バスローブを着ている保田さんに説教された事もあった。



そして、鬼と呼ばれるメイドの中澤さん。
関西弁でカラコンをいれておりぱっと見ヤンキーだ。
でも、本当は優しい、
悩みもよく聞いてくれるし、姉御肌なんだろう。
ただメイド服は似合っていない。
427 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:48
あたしは結構充実した日々を送っていた。
少し気になることは、いつでも梨華ちゃんがそばにいることだ。
最初は苦痛だったが、不思議となれてきた。

そんな日々が続いて、ある日言われた。

「ひとみちゃんのことが好きなの。」

梨華ちゃんはあたしの部屋に押しいって、抱きつきそう言った。
「返事聞かせてもらえるかな・・・・」
「えっと・・・んと・・・」
「・・・・・・」
上目使いをされた
すると首が自然と縦に振っている自分がいた。


「ひっとみちゃ〜〜ん!!」
次の日の朝、梨華ちゃんは大声であたしに抱きついてきた。
いやでも噂は広まった。
最初はからかわれたりしたが、そのうちに慣れてきた。
あたしも梨華ちゃんのことが好きになっていた。
女の子っぽいけど以外にがさつで、やきもち妬きで
甘えん坊で・・・・
好きになっていた

でもある日再会した
あの人に
出会わなければ良かったのか
それも運命なのか
それはわからない
428 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:49
「なっち〜!!」
お嬢様の友達が来たみたいだ
あたしは玄関までその客人を迎えに行った。
飯田さんだろうか?
前にあの人は確か迎えに行ったら
あたしを見て、30分くらい動かなかった。
そしていきなり
「カオにはわかる・・・あなたは運命のひとつのコマになる・・・」
そう言って屋敷に入ってしまった。
また飯田さんかな・・・?でも声が・・どっかで聞いたことあるような・・・
あたしは玄関に行った。




門の前に女の子がいる
金髪の小さな



あたしはリモコンで門を開けた。
その人が入ってきた。





震えた
心が
あの日々を思い出させた


そして
何かが心の奥で
熱く燃えた







それはあの公園にいたあたしの初恋の女の子だった






429 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:49
更新おわりれす!
430 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:51
>名も無き読者様
    遂に出会ってしまいました・・・・
    ここからは吉澤さんの苦悩が続きます。

>名無し読者様  
    がんばりまっす!
    
     (* ^〜^)<おいらもがんばる!

431 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:51
次回は近日中には・・・
432 名前:tsumi 投稿日:2004/03/20(土) 16:56
小悪魔矢口さん降臨します・・・
433 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/22(月) 05:37
更新きましたね。乙です。小悪魔矢口さん・・・
434 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:09

「なっちいる?」



戸惑っていたあたしはどもりながら
「は・・はいっ!お嬢様は今お部屋でお休みになっておられますっ!」
「ははっ!元気いいね。」
「いえ・・ありがとうです!」
「じゃあ上がらせてもらうね?」

そう言ってその人は玄関に入り靴を脱いで屋敷に入っていった。




お嬢様のお部屋に飲み物とお菓子を持っていった。
「失礼します。」
中に入るとあの人はベットの上でだらっとしていた。
「お飲み物とお菓子をお持ちしました。」
「ありがとうね。吉澤さん。」
お嬢様はそれを受け取った。

「新しい人だよね?」
「はっはい!吉澤ひとみと申します。」
「硬くなんなくていいって!おいらは矢口真里ってゆーんだ!よろしくな!」
「はい!よろしくだす!」
「だす・・?」
ああっ・・つい名前が聞けてうれしくて「だす」なんて・・・

「きゃはははは!だすってよっすぃ〜!おもしろすぎるよ!」

顔が赤くなっているな多分・・・
でもあのときのような笑い声が聞けてよかった。
矢口さんか・・・・
やっと名前が・・・・
よっすぃ〜?

「あの・・よっすぃ〜とは・・」
「ああ、おいらとなっちがさっきよっすぃ〜のこと話してたんだよ。それであだ名を考えようって二人で考えたんだ。よっすぃ〜。かわいいでしょ?」
「それがいいべ!」
お嬢様が絡むと何もいえない。





「はあ・・・いいっすね・・」

今日からめでたくよっすぃ〜になりました。
435 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:10
矢口さんと再会して自分の中にはある感情が生まれた。
それは名前を付けられないような・・・そんな感情だった。
梨華ちゃんと付き合っている今はそのことは考えなかった。
考えるのが少し怖かった。





最近やけにいたずらがひどくなってきていた。
いたずらとはなつみお嬢様の部屋の窓にどこからか石をぶつけて
窓を割るというだけの平凡ないたずらのようだが、それも多くなってくると
やはり不安になる。
ご主人様に相談をした。
脅迫状も届くようになってきた。
なつみお嬢様を狙うような・・・
そこでご主人様は「護り屋」とかいうのに依頼するといった。




二日後なつみお嬢様の横にはきれいな女の子がついていた。

「護り屋」後藤真希とだけ名乗った。
436 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:11
その日から毎日お嬢様の警護をしていた。
最初は氷のように冷たい雰囲気だったが、そのうちにやわらかな感じになってきていた。
するとなつみお嬢様にも変化があった。
明らかに後藤さんに対する態度が変わってきていた。
触れただけで顔を真っ赤にして気絶したりするし、チラチラ横目で見たりと・・・
梨華ちゃんは「恋よ!」と高らかに言っていた。

これが恋している人の顔か・・・あたしは梨華ちゃんに対してこんな顔してる?
いや、してない。あたしは梨華ちゃんのことが・・・
梨華ちゃんは好きだ。
でもその「好き」のベクトルはどこを向いているのだろう?
うわべだけ梨華ちゃんに接しているんじゃないのか。
梨華ちゃんが喜んでくれるなら、バカップルのようにイチャイチャするのも別に嫌じゃない。
でもこれは恋なんだろうか?
梨華ちゃんを「愛」しているんだろうか?
自分の気持ちがわからなくなってきていた・・・



ある日後藤さんは急に
「君がよしこか!」
と声をかけてきた。こんな感じだったっけ?
ギャップが激しい・・・よしこ?

「吉澤ひとみだからよしこなのだ!」

今日からめでたくよしこも追加です。
437 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:14
ごっちん(あたしが付けた)も少し変わってきた。
お嬢様に接するうちにお嬢様の事を優しい目で見るようになっていた。
ただ護ってるんじゃなく、何か大事にしているような・・・

ごっちんがいなくなった。
何か用事があるらしい3日間くらいいないらしい。
お嬢様は不機嫌になりあたしと梨華ちゃんを部屋に呼びどうして好きになったのかいろいろ聞いてきた。
あたしは嘘をついた。
梨華ちゃんが悲しまないように嘘をついた。




バレナイヨウニ





とりとめも無い話をしている部屋に何かが投げ込まれた来た。
大きな石だった。
あたしはそれに近づいていった。
すると、さらに大きなものが降ってきた。
人間?!
女の子が急に降ってきた。
そいつは小川麻琴と名乗った。
そして助けを呼ぼうとした梨華ちゃんを殴って気絶させた。
「てめえ!」
あたしは怒りにまかせてそいつに殴りかかった、が
ブランクがあったせいか、あっさり手刀を喰らってしまった。
438 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:15
目がさめたら医務室にいた。
横を見ると梨華ちゃんも寝ていた。
中澤さんが付き添っていてくれて、小川とかいうやつは逃げた事がわかった。


その日は休み次の日からまた執事を始めた。
でもあたしは、その日からトレーニングを始めた。
昔の勘をとりもどすように、昔以上になるように・・・
夜も寝ずに走り回った。
梨華ちゃんは心配していたけれど、大丈夫といってほほにキスをしておとなしくさせた。
モウダレニモマケナイヨウニ





なつみお嬢様を迎えるために玄関に行った。
ごっちんはまだ帰ってきていない。
だからすこぶる機嫌は悪かった。
でもそれも今日で終わりだ
なぜなら部屋を開けたらお嬢様のまっていた人がいるだろうから。


そしてあたしと梨華ちゃんは部屋をこっそり覗いた。

「後はごっちんの気持ちだね。」
「そうだね。」
「ごっちんが気づくかどうか・・」
「鈍感っぽいしね・・・」



いつか気づくだろう
そう梨華ちゃんと笑いあった。
439 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:15
お嬢様がごっちんと遊園地デートをする事になった。
だからその日はあたし達も休みになって、梨華ちゃんとデートをする事になった。




ショッピングをしたり映画を見たりと普通のデートっていうのかそんなのをした。
梨華ちゃんは終始ご機嫌だったからよしとしよう。
もう帰ろうと梨華ちゃんに言ったが渋っていたので強引に駅に連れて行った。
するとお嬢様に声をかけられた。
お嬢様たちもこの駅だったんだ・・・
でも後ろのほうに大勢見覚えのある顔があった。
邪魔されたんだな・・・梨華ちゃんと顔を見合わせ笑った。

でも・・・そこに矢口さんもいた・・・
なんだろう・・・変な気分だ。
前にお嬢様から矢口さんがごっちんの事を好きだと聞いてから
なんかイライラしていた。

事件が起こった。
電車内でお嬢様が痴漢にあった。
すると酔っ払っていた保田さんがごっちんに平手打ちをかました。
そして何か変な事を言ったがそれはあたしにはわからなかった。

そして矢口さんがふと疑問にしていた事を言って
ごっちんが「護り屋」という事が知れ渡った。









このときの矢口さんの目に気づいていたら
私はごっちんと戦わなかっただろう
440 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:16

ごっちんは変わった。
また誰にも冷たい態度をとるようになっていた。








そんな時だった








あの人があたしに近づいたのは














ある日あたしに友人が来たということであたしが玄関に行った。
そこには矢口さんがいた。

「よっすぃ〜!」
「ああっ今開けます!」
あたしは門を開け矢口さんを招きいれた。
話があるらしいのであたしの部屋に矢口さんを招きいれた。

「どうぞ。こんなものしかありませんが・・・」
「いいよおかまいなく〜♪」

そう言って矢口さんは紅茶を飲み始めた。
自分がぼーっとしていた。
ふと矢口さんの唇を見つめていた。
「ねえよっすぃ〜?」
あたしはハッっとなって視線を合わせた。
「はっはいっ!何ですか!」
次の一言はあたしに沈黙を与えるのに十分な一言だった。










「おいらのこと好きだよね?」
















441 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:16
更新おわりれす。
442 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:19
>名無し読者様
   最後のほうに少し頭だけ小悪魔さんが・・・
   次回は本領発揮です。
   
   (〜^◇^)<おいらのじっだい♪
443 名前:tsumi 投稿日:2004/03/30(火) 17:21
次回で吉澤編最後です!
(0T〜T)<おいらの時代が・・・
444 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/31(水) 08:14
作者さまお疲れでございます。次回楽しみですねー
445 名前:名も無き読者 投稿日:2004/04/01(木) 11:20
お疲れサマです。
おわぁ〜、小悪魔だ〜・・・。(汗
じったい?気になりますねw
次もお待ちしてます。
446 名前:名無飼育 投稿日:2004/04/02(金) 09:56
お疲れです
矢口め〜・・・
(〜^◇^)<おいらのこと好きだよね?
わー気になる・・・

いちーちゃんは沙耶香じゃなくて紗耶香です。。。
447 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 22:58

>名無し読者様
  間があきました・・・すいません・・

>名も無き読者様
  小悪魔を発揮してもらおうと・・・待たせましたすんません。

>名無飼育様
   ご指摘をありがとうです。気づかなかった・・・

448 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:22
今なんて言った?





「だからさ・・・よっすぃ〜おいらのこと好きだよね?」



すき、好き、スキ、suki・・・・・


なんで?なんで?なんで・・・・・



「よっすぃ〜の目でわかるよそんなの。」



今あたしはどんな顔してるのだろう?
赤いのかな?それとも青いのかな?

449 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:22
「ねえ、よっすぃ〜?」




矢口さんが近づいてくる




「あのさあ・・・」




さらに近づいて








「矢口もよっすぃ〜のこと好きだよ?」




唇に暖かいものが触れた




熱い、甘い、キモチイイ・・・・
そのすべてでもありすべてでもない
この感触を形容する言葉なんてあたしは持ち合わせていない。

450 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:23
「ねえ、よっすぃ〜?相談があるんだけど・・・」
矢口さんが唇を離しながら言った。
息が顔に当たるキョリで、甘美な誘惑はあたしを甘く酔わせる。




「手伝って欲しいんだ。おいらの復讐・・・」











それからすべてを聞いた。
矢口さんの過去
ごっちんとの過去
市井さんとかなんとかとの事


そして矢口さんは
「よっすぃ〜にはこの屋敷でいろいろ探って欲しいの。」


でもあたしは・・・
「すいません・・・あたしは・・」
この屋敷の人があたしは好きだ。
ご主人様もあたしを雇ってくれた恩人だ。
それに・・・梨華ちゃんもいる。
451 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:24

ふと顔を上げた
矢口さんの頬から涙がこぼれていた。
「よっすぃ〜・・お願い・・よっすぃ〜だけが頼りなの・・・わかってる・・悪いことだって・・・でもでも・・!」
小さくなり肩を震わせ泣いている姿に不謹慎ながらも心がときめいた。
そして
「よっすぃ〜が好きだから・・・よっすぃ〜にしか頼めない。よっすぃ〜?お願い・・・」

このときのあたしの選択は間違っていたのだろうか
正義なんてわからない
悪なんてわからない
でもあたしは後悔はしない




「・・・・・わかりました・・・・」


あたしはわかっていた。
矢口さんはあたしを利用しているだけだと。
でもそれだけでよかった。
あなたをすこしだけでも感じられれば
452 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:53
それからあたしはいろいろ探った。
書斎に探りを入れたこともある。
いろいろわかった
ごっちんの過去
松浦亜弥という少女との事、
そして驚いたことは・・・
保田さんが市井さんの姉だったという事だ
あたしはそのすべてを矢口さんに話した。




「へぇ〜・・・運命だね〜・・」
「・・・・」
「やっぱいろんなことがわかるね〜ここは!よっすぃ〜今日もありがとう!」
唇にちゅっとキスをされまた矢口さんはなつみお嬢様の部屋に行く。
するとノックがあった。

「どーぞ」
「ひとみちゃん・・?」
梨華ちゃんだった。
一番会いたくなかった。
この屋敷にいてもどこか波長をあわせないようにしていた。

「ひとみちゃん・・・矢口さんと仲いいんだね。」
「え・・・ああ・・まあね」
「・・・・」
「・・・・・・」
「うらやましいな・・」
「え?」
「最近のひとみちゃんはなんかおかしい。何かにおびえてるような何かにとりつかれているかのような気がする・・・」

とりつかれている・・・それは矢口さん・・・?
あたはつい声をあげてしまった。
「なんだよっ!梨華ちゃんになにがわかんだよっ!」
そういうと急に体をびくっとさせて梨華ちゃんはちじこまってしまった。
「ごめんね・・ひとみちゃん・・・」
そして出て行った。
453 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:54
イライラする・・・
何に?
自分?矢口さん?梨華ちゃん?
わからない
イライラする




ごっちんとお嬢様が付き合いだした
矢口さんはみんなの前ではくやしい振りをしている
でもそれは嘘だ
あたしを好きなのも嘘だ
矢口さんは暫く姿を現さなかった
どっかで何かをしてるんだろう
そう思っていた。





454 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:54
藤本美貴

そいつが現れた
これも書斎で聞いた話だ。
ごっちんが護っていた松浦亜弥の友達だったらしい。
そいつがお嬢様とごっちんに復讐をするといっているらしい。

そしてものすごいことがわかった
藤本美貴はお嬢様の妹
つまり・・・この屋敷の人間になる・・・
運命かな・・信じてみたくなってきたよ・・・

ごっちんは姿を消した。
その藤本美貴に会いに行ったらしい。
お嬢様は元気が無い
梨華ちゃんも元気が無い
あたしも・・無い

でも久しぶりに彼女がやってきた


「よっすぃ〜!」
振り向くと矢口さんがいた。
「矢口さん!」
「ひさしぶりだね〜。」
「今までどこ行ってたんですか?!」
「怒んなよ〜・・・これをよっすぃ〜にあげる。」

そういって出したのは拳銃だった。
「これは・・・矢口さん・・」

「よっすぃ〜にはごっちんを倒して・・殺して欲しいの・・」
455 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:55

いつか言われると思った
でも考えないようにしていた
矢口さんはごっちんを恨んでいる
でもそれはごっちんが悪いんじゃない
誰も悪くない
でもそれをあたしは言えなかった


「できませんよ・・・ごっちんを殺すなんて・・・」
それだけは・・・・
そういいかけた時唇をふさがれた。



・・・
何分経っただろう
矢口さんはキスとまだキスをしている
離そうとはしない
離れたくない


舌も絡めて矢口さんを味わった
刹那、唇を離し見つめあった。
456 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:56
「これが最後のお願い。」




「これが終わったら一緒に逃げよう?」




「ずっと2人でいよう?」





一体どの言葉が本当でどの言葉が嘘かなんてわからなかった。
でもリアリティだけがあった。
目の前にいるのは矢口さん
それだけは不変だった



「ねえよっすぃ〜?」


まだ何かを言うのだろうか?
そしてあたしの心を狂わせるのだろうか






「おいらを・・・・抱いて・・・・?」






もう後戻りは出来ない
457 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:56
更新終わり!
458 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:57
約1ヶ月ぶりでした・・・
459 名前:tsumi 投稿日:2004/04/28(水) 23:58
次回は吉澤、矢口編ラストに
本編も少し・・・
460 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/29(木) 05:47
更新きてたー!!作者様おつかれ様でございます。いよいよ
という感じですね。また次回楽しみにしております
461 名前:名も無き読者 投稿日:2004/04/29(木) 09:59
更新お疲れ様です。
ひゃ〜、完全に降臨しちゃってるよ、、、
これからどうなっちゃうんでしょうか?
続きも楽しみにしてます。
462 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:50
>名無し読者様
    ありがとうございます。あと少しですんでどうぞよろ。



>名も無き読者様
    降臨しちゃいましたね〜こうなっちゃいました。   
463 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:52
ごっちんは1ヶ月帰ってこなかった
その間もお嬢様や梨華ちゃんもごっちんの事を心配してた。
特にお嬢様は手が付けられなかった。
矢口さんからはとりあえず何も言われていない。
あの日、矢口さんを知った日。
その日から・・・

そんなとき屋敷に女の人が訪ねてきた。
「藤本美貴」
彼女が一人でやってきた。
一人・・?じゃあごっちんは?

藤本さんいわくごっちんの所在はわからないらしい・・・
正直今は8割方心に決めていることがある。
ごっちんに勝てるかわからない。いやおそらくは・・・
でも・・・ごっちんを殺すのはいやだ。
だから・・・なんとかごっちんを殺さず矢口さんに死んだように見せかける方法はないだろうか?
矢口さんに満足してもらう方法は無いだろうか。そんなことを考えてた。


そしてついに矢口さんがあたしに接触をしてきた。
464 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:53

「ごっつあんを殺すよ?」





その一言だった。
ごっちんは今矢口さんが前々から頼んでいた組織みたいなところに行ったらしい。
紺野さんとやらに聞いたとか何とか・・・
だから今あたしと矢口さんはその建物の近くに来ていた。


空は雲ひとつ無く澄み渡っていた


あたしは建物の中に待機しているらしい。
合図をしたらすぐに出てくるようにと・・

「矢口さん。」
「ん?」
「一体誰が幸せになるんでしょうね。」
「・・・・・・」


「空青いっすね。」
「・・・ああ。」



あたしは建物の中に隠れた。
そして暫くすると発砲音や叫び声がこえた。
あたしは息を潜めて気配を絶った。
465 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:53
あたしが入ってきたドアが開く音がした。
あたしはそれがしまるとそのドアの前に立った。


話声が聞こえる
ごっちんと矢口さん。


ごっちんの悲しそうな声が聞こえた。
今のごっちんはおそらく普通の状態でない。
あたしは感情が高ぶっていくのがわかった。
ごっちんには悪いけど・・肩とか狙おう・・・
そして倒れたら近くまで行って殺したように見せかけて・・・
脳内シュミレーションをしていたら不意に聞こえた。



「もういいよ。話は終わった。」



あたしはドアを開けた。
466 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:54

右肩を打った。
銃の反動が凄かったけど撃てた。
心の中でごっちんに謝った。
(ごめん・・・ごっちん・・)
そしてもう一発左肩を狙った。

とっさに伏せてごっちんはよけた。


「ずっと、あんたのことを聞いてたよ。よっすぃ〜に。なっちとのことや、いろんな秘密も、あの屋敷で保田だっけ?さやかの姉ちゃんもいて、そいつとなっちの父さんとの話もよっすぃ〜に盗み聞きしてもらっていたからね。ありがとねよっすぃ〜。」

「いえ」

矢口さんにばれないように殺気は出しておかなくてはならない。

「何で?何でよっすぃ〜がやぐっつあんの味方なの?!」


「矢口さんに頼まれたから・・・矢口さんに・・・」

「え?」

「ごっちん・・・死んで・・・?」

少し我慢して・・・!

懐にもぐりこ鳩尾に肘を入れ顔面を強打した。
(少し血がないと・・・矢口さんにばれるから・・・)
467 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:55
あたしは少しおかしかった。
なんか拍子抜けしたからだ。
一方的にやられてるごっちんに対して少し変な気持ちが湧いてきた。


「そんなものなの、ごっちんって?もっと強いって聞いてたけど・・・よくお嬢様を護ってたね。」

なぜか挑発をしていた。




変化は一瞬だった
ごっちんの目が赤く、いや紅く血の色になった。
あたしはこれが本気のごっちんだと思った。
手足が震えている
こいつは危険だと動物的な本能がサイレンを鳴らす。

「同じ目だね。よっすぃ〜と・・・」
「そうだね・・・」
本当の意味では違う

「教えてもらっていい?何でよっすぃ〜は目が赤くなるの?」
「昔から・・・小さいときから感情が高ぶったりすると赤くなる・・・」
「そう・・・ごとーとは違うんだ。」
「え?」

その瞬間空が見えていた。
468 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:55

何が起こった?
今自分はどうなってる?
それを理解し、体を起こすと
銃を構えた。

ごっちんも構えている。
確かに病気だ。
ごっちんがいっている通り今のごっちんは死神だ。
そして死神は絶望の言葉を述べた


「人を殺したくてたまらない・・・でも・・・まずは、あなたからだね」
後ろを振り向いた。その先には、



「やぐっつあん・・・死んで?」



銃声があたしの心まで打ち抜いた。
469 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:56
「矢口さん!!」
あたしはすぐに矢口さんに駆け寄った。

「矢口さん!矢口さん!しっかりしてください!矢口さん!」
「・・・よっすぃ〜・・・ごめんね・・・いろいろとつき合わせちゃって・・・」
「私はそんな・・矢口さんがいたから私は・・・」
「よっすぃ〜・・逃げな・・・今のごっつあんは・・ゲホッ・・バケモンだよ・・」
「そんな・・・やぐちっ・・!」

矢口さんは血を吐いた
目が閉じられた


「後は、よっすぃ〜だけだね。」

「いろいろ教えて欲しい事があったけどもういいや。」



ごっちんが何か言って近づいて来ている。
でもあたしには聞こえない。わからない。
耳に聞こえるのは鳥の鳴き声と風の流れ。
わかるのは矢口さんが眠っている事。

470 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:57
もう何も考えられない
自分の手が勝手に腹に向けられた
ははっ!これであたしの腹ごとごっちんを射抜くのか?
自嘲にも似ている感じだった。

もう、どうでもいい
全部運命だ
くそったれ

引き金を引こうとした




「そこまで。」






どこか聞き覚えのあるような凛とした声が聞こえた。

471 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:57




二発の銃声





一発はごっちんの銃、もう一発はあたしの銃を打ち落とした
472 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:58


あたしは打ってきた方を見た
二人の女性がいる


太陽がまぶしい
顔が見えにくい


こっちに近づいてくる
太陽が背になって二人の顔が確認できた






やっぱ運命なんてくそったれだ


473 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:58
更新終わりです
474 名前:tsumi 投稿日:2004/05/29(土) 17:59
落としてみよう
475 名前:名も無き読者 投稿日:2004/05/30(日) 14:25
更新お疲れ様です。
おひゃ!?また殺生な切り方をなされますねぇ〜w
でも、矢口さん・・・。(汗

引き続き楽しみにしてます。
476 名前:つみ 投稿日:2004/05/30(日) 15:16
打つ→撃つ

でしたね・・・今まで気づきませんでしたすんません
477 名前:tsumi 投稿日:2004/07/13(火) 23:25





いったいいくつ涙を流せば進めるのだろう?





いったいどれだけの罪を見過ごせばいいのだろう?





いったいどれだけの嘘をつけば救われるのだろう?





いったい―――――









青空の下倒れている少女
その少女のそばで目を丸くしている少女
少し離れてしびれた手を抑えている少女



そして
このカタストロフィーに終止符を打つ二人



青空はそれをすべて知っていた
478 名前:tsumi 投稿日:2004/07/13(火) 23:41



「あんたたち二人が争う必要なんて無い。」
凛とした声
「もう・・・終わったんれすよ。」
少し舌っ足らずな声




「飯田・・さん・・・?」
「のの・・・・?」
真希とひとみはお互いつぶやいた。
目の前にいるのは、いつも何を考えているかわからない女と
舌っ足らずでいつもてへてへ笑っていたあどけない少女

この場所にはふさわしくないはずだった。



「何が罪だったか、何が罪じゃなかったかそれは今ではわからない。いろいろ絡みすぎた・・・カオはそれをずっと傍観していただけだけど、矢口のこともあるしちょっとその運命の輪に割り込ませてもらう事にしたわけ。」
「ののは付き添いれす。」


飯田は矢口の元へと向かった。
「・・・うん・・・やっぱりごっつあんは矢口を殺そうとしていたわけじゃないんだね。まあ致命傷じゃないよ。それでも早く手当てしたほうがいいけど・・・」
飯田は矢口を抱きかかえ
「矢口を手当てしよう。とりあえずなっちの家に行こう。そこですべてを話す。あんた達二人もそのままついてきなさい。」

飯田に強く言われ、渋々真希とひとみは飯田と辻の後について行った。


479 名前:tsumi 投稿日:2004/07/13(火) 23:51


「お嬢様!後藤様がっ」
屋敷にメイドの声が響いた。
美貴と話していたなつみは血相を変えて玄関に走り出した。

「ごっつあん!」
なつみが見たものは、親友の真里を抱えている飯田と
その横でのほほんとしている辻と
後ろに腑に落ちないような顔をしているひとみと真希であった。

真希に抱きつこうとしていたが、真里は怪我をしている様子であり、
そんな雰囲気ではなかったのでなつみは自粛した。
「どっどうしたんだべっ?!矢口は・・・ってなんでカオリ?のの?よっすぃ〜まで・・・」
「とりあえずなっち、矢口の手当てを先に・・・」
「わっわかったべ!」
なつみは屋敷の人間に真里を運ばせて医務室に連れて行かせた。

そして改めてなつみは
「いったい何がどうなってるんだべ?」
すると飯田が
「なっち・・・皆集めて?」
「みんな?」
「そう・・・この運命に関わったすべてのみんな。」






480 名前:tsumi 投稿日:2004/07/14(水) 00:03

安倍家の屋敷の中でも一際大きな部屋にみんなが集められた。
真希、なつみ、ひとみ、梨華、保田、愛、紺野、小川、加護、美貴
そして辻と飯田
そしてなつみの父
みな、何が行われるのか戸惑った表情だった。

そして飯田が切り出した。



「みんなが知らないこの物語のもう一つの物語をお話します。」




それは、はかなく悲しい姉妹の物語
それは、本来必要の無かった物語
それは、運命に嫌われた物語






この物語が話された時、もう一つの物語は崩れ去り
新たな物語と運命が一つになった





481 名前:tsumi 投稿日:2004/07/14(水) 00:04
遅くて申し訳・・・
しかも少なくて申し訳・・・
482 名前:tsumi 投稿日:2004/07/14(水) 00:05
>名も無き読者様
  矢口さんはちょっとぐだぐだと・・・(汗
  次回少し・・・

483 名前:tsumi 投稿日:2004/07/14(水) 00:05
次回ラストっす!
484 名前:rina 投稿日:2004/07/15(木) 08:50
更新お疲れ様です!!
な、なんですか・・・物凄く気になりますっ。
次回がラストですか。寂しい感じもしますが・・・。
ラストも頑張ってください!
485 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/15(木) 16:10
次回ラストですか。お疲れ様です。楽しみにまっております
486 名前:名も無き読者 投稿日:2004/07/15(木) 16:23
更新お疲れサマです。
いやん、気になるぅ・・・。(キモッ
次回がラスト、、、寂しいですな。。。
でも期待して待ってます。w
487 名前:tsumi 投稿日:2004/07/16(金) 12:31
今月中には・・・
488 名前:son 投稿日:2004/07/19(月) 20:15
こんにちは! 韓国に住んでいる son て言います。
まだ日本語が上手くないので理解してください。
1週の前から読みました。
最近なちごまが好きになって読むようになりました。
ここに 出る 後藤の キャラクター、 すごい 好きです。
次回がラストですか… 淋しいですね…
待ってます! ラストもがんばってください!
489 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 14:26

あるところに幸せな姉妹がいました





お姉さんは優しく美しく正義感があり

妹はいつも元気いっぱいの女の子でした



そして姉妹はとても仲良しでした――――




490 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 14:27
かおとのんちゃんには親というものがいなかった
血のつながりは無い
でもかおとのんちゃんは姉妹になった





わたしは親を早くに亡くした
3歳のときだった
親戚もいなく、わたしは孤児院に入れられた
その時の思い出はあまり無い
いつも空を見てたから・・・

孤児院に入って7年たったころ
一人の女の子が来た
いまでもその自己紹介は覚えている

『つぃののみれす』

聞き取りにくい舌っ足らずな声でおどおどしてた
この子も親を亡くしたか捨てられたかどちらかだろう
当たり前だ
ここにはそんな子しかいないから
別に気にも留めなかった

ある日事件がおきた
二人の女の子が続けて脱走した
名前は『ミキティ』と『ひとみちゃん』だった
あまり話したことは無いが、ミキティの名づけ親はいちおう私だ
なぜ脱走したか、そんな事はわからなかった


でも・・・・
私もひそかに思っていた
空に飛ぼうと

491 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 14:27
すぐに計画に移った
二人のこともあってか、院の警備は少し厳しかった
でもそこは7年間住み慣れた住処だったから、抜け穴くらいはしっていた

夜中の2時半くらいに私はベットから抜け出て
抜け穴に向かった
ここをぬければそこには何かはわからないが『自由』と言う名の『空』があるのだろう
そう思って抜け穴の前にやってきた

仕切りをはずしいざ抜け出そうというとき声が聞こえた

「だれかいる・・・んれすか・・・?」

ガサッっと物音のほうを見ると舌っ足らずのあの子だった

「何・・・してんの?」
私は聞いてみた


「ののは空を見てたのれす」

492 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 14:28
少しビクッとした
空を見ていた?
自分と同じように?
でも今は夜中・・・

「なんでこんな夜中に?」
するとにこにこ笑ってその子は言った


「ののはよるの空になりたいんれす」


「きらきらかがやくおほしさまとまんまるいおつきさまといっしょにいたいんれす」


「おほしさまとおつきさまとよるの空はいつも仲良しれす」


「ののもそうなりたいのれす」






わたしはこのとき何を思ったのだろう
何も思っていなかったのかもしれない
でもわたしは確かにこの子の手を握って
孤児院を抜け出していた
493 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 14:31

494 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 16:50
10歳と5歳の女の子が二人きりで受け入れられるほど世の中は甘くない
わたしはのんちゃんと途方にくれていた


お金も無いし、食べ物もほとんどのんちゃんに食べられてしまった
てへてへ笑うと怒れないわたしがいた
でも実際問題すこしまずいと思っていた
いちばん避けたい事―警察の厄介だけにはぜったいなってはならない
捕まったらおそらくまた空を奪われるのだろう
それだけは避けたかった


のんちゃんはいつもわたしについてきてくれた
わたしもあどけなく笑うこの子に心を開いていた
同時にこの子だけは絶対護らなくてはならないと決意していた


公園で寝泊りをしていた
食べるものはコンビニの裏に捨てられる賞味期限の切れた弁当
底辺の生活を送っていてものんちゃんはいつもわたしに笑っていてくれた

495 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 16:50
しかし
わたしたちは女の子だからいろいろと危ない目にも会った
男の集団に襲われそうになったり、警察にもいろいろと追いかけられたり・・・
もうこの町には住めないと思い始めていた
そんなある日だった

「君は何をしているのかね?」
白いひげを生やした老人がわたしとのんちゃんがベンチに座っているところに
偶然通りかかった

「何って・・・何もしていません」
「ほう・・・そちらの娘は妹か?」
初めてのんちゃんとの関係を誰かに聞かれた
わたしはどう答えようかと思った
こんな見ず知らずの人なんだから何も答えずどこかに行ってしまったらいいのにと思いつつ
わたしはなぜか言ってしまっていた

「のんちゃんは・・・わたしの・・かおの妹です」
わたしは何を言っているのだろう

「こんな場所でこんな時間に姉妹そろって一体どうしたんだ?」
やけにしつこい・・
めんどくさいから言ってやった
「あなたには関係ありません」
そう言ってののちゃんの手を引き連れてわたしは駆け出した

496 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 16:51
それから一週間くらいたってまたあの老人が現れた

「君達は帰るところが無いのかね?」
ズンと胸に響いた
帰るところが無い
その言葉はのんちゃんとの生活の中で考えないようにしていた言葉だった
老人は続けた
「・・・君達に少し用があるんだが」
そう言って、どこから現れたのか、黒服の集団はわたしたちの抵抗空しくわたしたちを連れ去った

連れてこられたところは大きな見た事もないような屋敷だった
そして屋敷の中に入らされて大きな部屋に通された
しばらくすると、あの老人がやけに着飾って現れた

「手荒なまねをすまなかった」
老人は頭を下げた
わたしは不可解な顔で老人を見ていた
497 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 16:51
「君たちの事を調べさせてもらったよ。辻希美さんと、・・・圭織さんだね」
「・・・・」
「そうれす」
ののちゃんは少し興奮していた
こんな屋敷は初めてだからね・・・
「君達は孤児院を脱走したのはなぜだい?」
ののちゃんが答えた
「空が見たかったんれす」
「空?」
「どんな空かはわからないけろ、星を見つけたいんれす」
「星?」
「そうれす。もう月は見つかりましたけろ、星を見つけたいんれす」
月を見つけた?わたしには初耳だった
「ほう、月というのは何かな?」


「かおりさんれす」
「え・・・」


のんちゃんは続けた
「かおりさんはののを飛び立たせてくれました。そしていつもののを見守っててくれました」

「だからののとってかおりさんはよるの空に輝くお月様なんれす!」


わたしはふと泣いていた
こんなに誰かに慕われたことも無い
こんなに愛された事も無い
わたしにはのんちゃんがすべてだった
498 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 16:51

「そうかい・・・少し驚くかもしれないが私の話を聞いてくれるかな?」
老人は突然話を始めた
自分には娘がいたが病気で亡くなってしまい
今はこの家には一人きりで住んでいるらしい
自分には大きな学園がありそこの理事長であると
親戚もいなくて近寄ってくるのは金の亡者ばかり

そして話終えた後にこう付け加えた

「私の娘にならんかね?」


わたしはその亡くなった娘さんに似ているらしい
いつもあの公園の近くを通って私たちを見ていてくれたらしい

私は迷った
この人はいい人だ
でもこの屋敷に娘に入ったら空は閉ざされてはしまはないだろうか?
そんなわたしにのんちゃんは言った
「かおりさんはのののお月様れす。ののじゃかおりさんのお月様にはなれないれすか・・?」
わたしはこの言葉の重みを感じていた
もちろんのんちゃんはわたしの命をかえてもいいくらいの大事な妹
でも・・・
のんちゃんは言った
「星を見つけるのは簡単れす!だってお星様はいっぱい空にあるから。でもお月様はひとつしかないれす!ののはもうお月様を見つけました!お月様は夜空の近くにいなきゃだめれす!ずっと離れてはいけないのれす!」

わたしはもうこの気持ちを変えなかった
499 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 16:52

飯田圭織
これがわたしの新しい名前だ
のんちゃんは辻という名前を残したいらしい
だから辻希美でいくらしい
わたしたちはそれぞれ学園に入学した

安倍なつみ
わたしは最初にであった友達だった
見た瞬間に天使に思えた
そしてすぐになっちと呼ぶまでの仲になった



のんちゃんにもお友達が出来た
加護亜依という関西弁ののんちゃんに似たかわいい女の子
二人もすぐに親友になっていた
加護ちゃんが屋敷にやってきてわたしとののちゃんが姉妹という事に驚いたらしい
わたしは加護ちゃんにこの事は内緒にと言っておいた
苗字が違うからのんちゃんがいじめられたりするかもしれない・・・
そういう想いだった
彼女ならのんちゃんの星になれるだろう

500 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 17:23
ある日お義父さんが葬式に出かけた
なんでも松浦とかなんとかいうところの娘さんが事故でなくなったらしい

その日からわたしたち姉妹も本当に運命という輪に入っていったんだろう
少しずつ干渉はしていたんだろうけどこの日から・・・


わたしは翌日ある少女に街でであった
市井紗耶香
ボーイッシュな女の子でかっこよかった
公園から出てくるところをわたしとぶつかってお互いを認識した
最初はなれなれしくなんだこいつと思っていたが
次第に話していくにつれて、いろいろと紗耶香のことも聞いた
同じように親とはなれて
何でも屋のような仕事をしている
そして妹みたいな子がいて
そして、背の小さな女の子とも友達だと

「かおりってさぁ〜なんかあいつに似てるんだよねぇ〜」
「あいつって?」
「あたしの妹みたいなやつ」
「ああ、後藤だったっけ?」


思えばこのとき気づくべきだった
自分にはまったく関係ない世界だと思っていたから
だから気づけなかったんだ

501 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 17:23
紗耶香がいなくなった
死んだのかな?
紗耶香は命をかけて教えることがあるって言ってたし
やはり自分には関係ない話だと高をくくっていた

屋敷に手紙が届いた
紗耶香からのものだった

『かおりへ
 この手紙を見てるんだったら多分あたしはもう死んでるかな?まあ最後に弟子に教えたい事があったからさ命をかけて。そこでかおりに頼みがある。あたしはいろいろ調べた。後藤のこともかおりのことも・・・そしてある事実に行き着いた。それを話す前にいろいろ知っていて欲しい事があるそれは・・・・・・・』
松浦家でのことやその子後藤真希のことについていろいろ書いてあった
そして最後に
『・・・・・・・後藤をよろしく頼む。あいつにはかおりが必要になるときが必ず来る。二人は運命だから、ひょっとしてあたしはかおりと後藤を会わせるためだけの布石だったのかもしれないね。だってかおり
と後藤は・・・・・』
凄い事実だった
言葉では言い表せられないくらいの
はじめて私はこのとき運命を呪った
涙を流した
嘘だと信じたかった
それなのに空は私には青かった
502 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 17:28

503 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 17:28

504 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 17:46
「そしてその後紗耶香から荷物やいろんなものが送られてきた。
 もし必要なときが来るのならと銃とかも・・・練習できる場所とかも書いてあった」

「そしてごっつあんは護り屋としてなっちのところにやってきた。このとき私は運命に対して怒ったよ。
そして矢口の事や藤本さんの事も全部後ろから見てきた。でも今回の事は見過ごせなかった」

「だからかおはしゃしゃりでてきた。やぐちの身にも一応危険はあったわけだし銃も一応は使えるから・・・のんちゃんには最初からばれてたけど・・」
「いいらさんのことはすぐにわかるのれす」
「最強の姉妹だからね」
「そうれす」

「これがもうひとつの物語ってとこかな?何か質問とかあるかな・・?」

505 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 17:46
その場にいた全員が黙っていた
運命というものの皮肉さを感じていた
誰も質問はしなかった
なつみの父以外は
「・・・少し聞きたい事があるのだが・・・」
「何ですか?」
「君と後藤には・・」
「ああ・・そのことですか・・・」

後藤は飯田をじっと見つめていた


「ごっつあん。今からはなすことは真実だからちゃんと聞いていてね」
「うん・・・」



「わたしの本名は『後藤圭織』っていうんだ」
「「「「「えっ・・・」」」」
その場にいた全員が驚いた顔をしている
「そう、飯田家に入る前、孤児院のときからわたしは後藤の姓だった」
「じゃあ・・・まさか・・・」


「ごっつあんとかおは正真正銘血のつながった姉妹なんだよ」



506 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 17:57


「嘘でしょ?かおり?!」
「嘘なんか言うわけ無いじゃんこんなところで、なっち」
「でもでも・・・!」
「わたしも初めて会ったとき交信してしまったよ・・・びっくりして」
「じゃあ・・・・かおりんは・・・おねーちゃん・・・?」
「そうだよ・・・ごっつあん・・・わたしも後藤だからごっつあんはおかしいね。真希ちゃん」

真希の目から涙が出ていた
「わたしたちの親は捨てたわけじゃないんだよ。私はあんまし覚えてないけどかおが3歳のときに事故で亡くなったんだけど母さんは自分の命をかけてそのとき真希ちゃんを産んだんだよ」
なつみに抱きしめられている真希は呆然としていた
「ああそうだ・・・圭ちゃん今まで真希ちゃんのこと育ててくれてありがとう」
「まさかそんなことがあったなんてね・・・まあこっちも紗耶香がお世話になったようだしね」


「もうこんな争い終わりにしよう?運命なんて自分から抜け出せばいい」
「みんな涙を流しすぎたんれす」
507 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:04
その時ドアを開けて少女が入ってきた
「矢口さん!」
吉澤は駆け寄った
「矢口さん!大丈夫ですか?!」
「よっすぃ〜・・・おいらは大丈夫・・・でもよっすぃ〜にこんなつらい事を頼んでしまっておいらは・・・」
「あたしが望んだんですよ!だから矢口さんは・・・」
「ありがと・・・・。ごっつあん・・・」
「やぐっつあん・・・」
「なんていうか・・・紗耶香は確かに死んだけど・・・それはごっつあんのために死んだってゆうか・・その・・・えと・・・」
「もういいよやぐっつあん・・・それより撃っちゃってごめんなさい」
「いやもういいよ!そんなこと・・」

「そうれす!喧嘩両成敗れす!」
「のの意味がちゃう」
「てへてへ・・・」
「はぁ・・・」


「かおはうれしいよ。すべてが終わって・・・さて!辛気臭い話は終わりにしておなか減ったからなっちのお父さん、ごちそうを用意してください!!」
「・・・ふふっ・・・そうだな・・・全部終わった・・・メシにするか!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おおっ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
508 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:20


するとみんな食堂のほうへ歩いていってしまった
この場に二人を残すかのように


「ごっつあん・・・」
「なっち・・・」
「心配したんだべ・・ホントにずっと・・」
「うん・・ごめんなさい」
「ずっとずっと苦しかった・・・もうごっつあんは帰ってこないんじゃないかとか思ったりして・・」
「うん・・・」
「神様に祈ったりもして・・・運命の神様にも・・・」
「うん・・」
「もう・・・なっちから離れないで・・・ずっと・・・」
「うん・・ごとーはもうなっちからずっと離れないよ?なっちがいやだって言っても」
「嫌だなんて絶対言わないっしょ・・・」
なつみは真希を抱きしめ真希もなつみを抱きしめた
そして、存在を確かめるように、今の約束を交わしたしるしのようなキスをした
509 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:23

運命が邪魔をするんなら自分達がその運命を壊せばいい
そして自分達の手で運命を作り直せばいい





後悔してしまったのなら空を見ればいい
空が嘘をついていたら後悔してしまっていい






空が青くなければ青くすればいい
心が嘘をついてもホントを成し遂げればいい








「ずっと、なっちのそばにいてね・・・」
「ずっとそばにいるよ・・・だってごとーは・・・・・・」





















      「なっちだけの護り屋だから・・・」
       
            今日も空は青い  



               完
510 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:30
( *´ Д `)人(´ー` *)
 
 
ちょうど510で終われた・・・
511 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:35
今まで本当にありがとうございました!
下手な文章力でみなさまに読みづらくさせてしまい・・・うぅぅ
なちごまにめんじて許してください
( ´ Д `)(●´ー`) <ごめんね

本当に約一年間ありがとうでした!
エピローグ的なものは考えていませんがどうしよう・・・
何はともあれありがとうございました!
またどこかで!
    



512 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:36

513 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:36

514 名前:tsumi 投稿日:2004/07/30(金) 18:36

515 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/30(金) 18:58
お疲れ様でした
次の作品を首を長くして
待っております。
516 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/30(金) 19:13
完結お疲れ様でした。
上手く感想をまとめられませんが良い作品に出会えて幸せです。
終わってしまうのはちょっと寂しい気もしますが、
また新作があるようでしたら楽しみにしていますので。
517 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/31(土) 09:25
完結おめでとうございます。
まさかここまで複雑に糸が絡まってるとは思いませんでした。
読むごとに謎が増えたり不思議な感じで、
更新されるのを楽しみにしてました。
ドキドキものでしたよ〜
すばらしい作品をありがとうございました。
518 名前:名も無き読者 投稿日:2004/08/05(木) 21:39
完結お疲れ様です。
このようなもう一つの物語があったとは・・・。
読めませんでしたw
続々と増えていく謎、それが解けていく感覚はなんとも楽しかったです。
今までありがとうございました。
次回作などあったらその時はまた。。。

519 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:20
あれから3ヶ月がたった
美貴がこの家に来てから3ヶ月が

いろいろあった

人生のすべてを使ったかのような運命の輪廻
それらがすべて終結したとき

残るものは何?






美貴はずっとひとりぼっちだった
生まれたときからずっと
でも、亜弥ちゃんとごっちんに出あった
それもつかの間の休息だった


でも今、美貴は新しいスタートを迎えた

520 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:21
〜Restart〜




「お姉ちゃ〜ん!」
美貴には実はお姉ちゃんがいた
安倍なつみ。
顔は確かに似てる・・・けど性格は全然似ていない
鈍くさいし、いもだし・・・
「だれがいもだべさっ!」
「うわっ!!姉ちゃんいたんだ。」
「ずっといたべさ!」


訛りが激しすぎるが優しい姉ちゃんだ
「んあ〜ミキティ、なっちをいじめちゃだめだよぉ〜」
ごっちん。
いろいろあったけど今はとても仲良し
ごっちんはこの屋敷に仕えることになった
お姉ちゃんとはもちろん・・・
「ごっつあ〜ん!おはよ!」
「んあ!」
あ〜あ、抱きついちゃってるよ・・・こんなとこで・・
ほっとこ・・・



そして美貴は朝食を食べて学園へ向かった
どうせなち姉はいちゃいちゃしてまた遅刻するんだ
通学路を歩く
もう秋だなぁ〜・・・
木枯らしも吹き荒れて、なんとなく雰囲気を変えたこの道ももう慣れてきた
こうして美貴は毎日を過ごしていくのかな・・
今までがハード過ぎたからイマイチ感覚がつかめないや・・・
521 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:22
そうこうしている内に学園に着いた
「おはよう。ミキティ」
振り返ると飯田さんがいた
飯田さんはこの学園の理事長のお嬢様
いろいろ絡み合った運命にいた人
まあ美貴もいたんだけど・・・
「またなっちは遅刻?」
「ええ、多分・・・」
「しょうがないね・・・あの子は・・」
飯田さんと一緒に歩いていくと前のほうに見知った顔があった


「「「「「おはようございま〜す」」」」」
小川ちゃんに、辻ちゃん、加護ちゃん、こんちゃんにあたしの妹となった愛ちゃん


「おはよ〜みんな元気だね〜」
「おはようれす!」
ののちゃんは飯田さんの義妹さん
いつも加護ちゃんと一緒にいる
そして実は・・・
「まこと〜!遅刻するからはよいくでぇ〜!」
「まってよぉ〜愛ちゃ〜ん!」
この二人は実は付き合ってたりするんです
ずっと小川ちゃんが惚れててようやく愛ちゃんも骨が折れたみたいになって・・・

522 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:22
「おはようミキティ。」
「あ、おはようございます矢口さん。」
この人は矢口さん
うちの執事のよっすぃ〜の恋人さん
怪我もすっかりいえて、元気に登校している





そしてまた一日が過ぎていくはずだった

523 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:23

あなたが一番大事な人は?






この質問に本当の意味で答えられる人は世界に何人いるだろう
誰かに聞けば恋人、他の人に聞けば家族、友人、自分・・・
この質問に答えられる人は本当にその人を大事にしているのだろうか
真の意味で、『大事』なのだろうか



授業が終わりかえる途中、こんちゃんがいた
というか、絡まれていた
こんちゃんはもちろん、そんじょそこらのヤローどもには引けを取らない
だから安心してみていたけど・・


バシッ!!


「え?!」
ほほをはたかれていた
こんちゃんは抵抗はしたが、危害を加える事は無くなすがままだった
もちろん美貴は助けに行った
「何してんだこのやろう!」
「なんだテメーは!」
ボカッ!!ゴスッ!ドスッ!


甘い


そして美貴はこんちゃんを抱き寄せた
「こんちゃん・・どうしたの?こんちゃんだったらあんなやつら・・」
「・・・・」
こんちゃんは涙を浮かべて俯いていた
仕方なく美貴は屋敷へ連れて帰った
524 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:24
屋敷につき、自分の部屋に入って鍵を閉めた
こんちゃんを座らせて温かい飲み物でももってこようと立ち上がったとき彼女はつぶやいた


「・・・わからないんです・・・」



そのつぶやきは一体どういう意味なのかわからなかった


「私は・・・ずっと・・・一人でした。でも今はまこっちゃんや愛ちゃんやののちゃんやあいぼんや・・・
いっぱいいい友達も増えて、ずっとあこがれてた世界になったのに・・何かがわからないんです。
人を殺して生きてきて、それが当たり前だったときとは違いすぎるこの世界が・・」

思わず絶句した

こんちゃんは美貴と同じ悩みを抱いている
亜弥ちゃんが死んだときからずっと思ってたことも、いまになっても風化できずにいる
こんちゃんは美貴と同じ悩みをずっと持ってたんだ・・・

美貴は抱きしめた
その震える肩を抱きしめた
壊れそうになる肩をぎゅっと
525 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:25
「こんちゃん・・美貴もそれで悩んでたよ?ずっと・・・そして多分ずっと答えは出ない。何がわからないのか
何で苦しいのか・・本当の意味での答えなんて何処にも無いんだよ?そしてその答えはたぶんふとしたとき気づくんだ。
どうしてこんなことで悩んでたんだろう?ってね。大丈夫だって!美貴がいるから、ね!こんちゃん!」


そういうとこんちゃんは俯いていた顔をあげた




キレイだった
泣いていたけど少し微笑んで
顔は赤らめて
美貴はこの顔に心を奪われた
なぜか知らないけれど世界の色が変わった
なぜか知らないけれど、それ、が欲しかった



だから美貴はこんちゃんの唇に自らのそれを重ねた
526 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:25
ねえこんちゃん?
答えがでなくても、ずっと悩んでいても
それが『答え』なんじゃない?
美貴もわからないけれど、一つの答えは見つけたよ


うん、たぶんそれは間違っていない
真の意味で間違っていない
たぶんこっからがスタートなんだよ
美貴もこんちゃんも
だからさ・・・・とりあえず抱きしめたい
その答えが正解かどうかを確かめたい



その答えを美貴はこんちゃんと一緒に確かめたくてたまらない
ね?だからキスしよう
そして抱きしめあってみつけよう




そこにその『答え』はあるのだから・・・
527 名前:tsumi 投稿日:2004/10/20(水) 19:26
なんとなく衝動的に書いてしまった・・・
528 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/21(木) 13:15
その後キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

Converted by dat2html.pl v0.2