欲望〜追いかけられる日々〜
- 1 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月11日(月)23時20分39秒
- とりあえずエロいかもしれません。
苦手な方は読まないで下さい。
- 2 名前:_ 投稿日:2003年08月11日(月)23時21分23秒
人間には欲がある。
物欲とか、食欲とか、その量は数知れない。
人間には欲がある。
どんな聖人面した奴だって、きっと表面では否定しているだけで、心の奥底ではそれをしっかりと承知しているはずなんだ。
- 3 名前:_ 投稿日:2003年08月11日(月)23時22分07秒
「…んっ…あぁっ!」
最近の中一は発育がいいなぁ…なんて親父のような事を思いながら
あたしは柔らかな感触を手で楽しんでいた。
「あぁ……んぅっ……ふぁあ!!」
この子だって、まだ13歳。中一なんだってさ。
髪も金髪で着てる服とか、見るからにギャルなのに。
あたしがこの子の歳くらいだった時…っつってもまだ2年前だけど。
時代が変わったんだなぁなんてしみじみ思っちゃったりする。
あたしが今こうやってこの子を抱いているのだって、よく考えればおかしい事だし。
さっきまで二人普通に座って話してただけなのにさ。
ま、あたしが冗談で言った言葉もいけなかったけど、それを本気にしたこの子も充分問題アリだよね。
- 4 名前:_ 投稿日:2003年08月11日(月)23時22分43秒
『市井さん、何の本読んでるんですか?』
『…「上杉鷹山」 小説だよ』
『ふ〜ん。全然知りません。ってゆーか、市井さんがそれ読んでたら、後藤が暇じゃないですかぁ』
『そんなの知らないよ。あんたが勝手にあたしん家来ただけだし』
『ちぇー。 相変わらず冷たいですねぇ〜』
ブツブツ不安を言いながら、後藤はベットに座っているあたしの隣に寝転がる。
…いったい何をしに来たんだかコイツは。
- 5 名前:_ 投稿日:2003年08月11日(月)23時23分58秒
それにしても…
仰向けになっているにしては、やけに大きく張りがある後藤の胸に、自然と目がいった。
あたし自身、自分の胸は小さくないと思うけど、ここまでは大きくないと思う。
あたしは、つい本を読むのも忘れて、その一点だけを凝視してしまっていた。
『………』
すると、天井を見ていた後藤の視線がふいにあたしの顔の方へと向いた。
その時点で、あたしが後藤の首から少し下辺りを見ている事に、気がついたんだろう。
後藤は真っ赤な顔をさせて『市井さんッ!』と腰の辺りをパンチしてきた。
あたしが咄嗟に慌てつつ『ち、違うからっ』と意味もわからない言い訳をすると、後藤は拗ねたようにあたしから背中を向ける。
『後藤…』
何恥ずかしがってんだよ。
確かにそんなとこ見つめてたあたしも悪いけどさぁ。
娘。で風呂は入るときも一番先に真っ裸になって、どこもタオルで隠さずに風呂場に向かうような奴じゃん。
あたしはそれ以上後藤に話しかけても無駄だと思い、再び本へと意識を戻した。
- 6 名前:_ 投稿日:2003年08月11日(月)23時24分33秒
「…んあぁっ…あぁ!ああぁん!!」
忙しなく後藤の膣の中を動き回るあたしの指。
奥をグッグッと押したり、中をかき回したりすると、クチュっと音をたてて後藤の愛液がそこから溢れ出す。
片方の手は、そのまま下腹部の方へ添えておき、もう一方の方は後藤の胸の上に置かれた。
もうすでにしっかりと尖っているピンク色をした突起を、口に含んで舌で弄ぶ。
コロコロと舌先を上手く使いながら口の中でそれを転がすと、後藤は苦しそうな息をその間ずっと吐き続けていた。
- 7 名前:_ 投稿日:2003年08月11日(月)23時25分14秒
「ぐっ……んあぁっ、はぁあぁん…っ!」
「後藤…って、エロいね」
「…んぁっ…!!……っちー、さん……の……がッ!…あぁんっ!!」
「えっ、なに?」
休むことを与えずにその動作を続けていると、そのうち後藤の背中が反り返り、腰がビク!と大きく反応した。
「あぁああ!!いやぁあぁ!!あああっ!!!」
今までの中で一番大きな喘ぎ声を発して、後藤はベットに力なく沈んだ。
- 8 名前:_ 投稿日:2003年08月11日(月)23時25分52秒
※
今日が、初めて後藤とこの『行為』を交わした日だった。
これが初体験だった後藤にとって、この『行為』は相当気持ちのよいものだったらしく(あたしは痛かったけどなぁ…)これも時代の流れか、個人の差か。よくわからないけど。
次の日から執拗に求めてくる後藤を、あたしはうっとおしく思い始めた。
『欲』というものがどれだけ人を動かし、狂わせるか
この頃のあたしは何もわかっちゃいなかった。
少なくとも、まだあどけなさの残る笑顔をした「後藤真希」という存在に、
これからの生活をこんなにも変えられるかなんて、考えも出来なかった。
- 9 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月11日(月)23時27分24秒
とりあえず今日の更新はここまでで。
何か感想ありましたらどうぞ。
- 10 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時47分00秒
1・束縛
あれから後藤は、毎日のようにあたしの周りにべったりとくっついてくるようになった。
前だったら、それは別に苦痛ではなかったが、今回のは腕に絡んでくる手も、近くに感じる呼吸も、すべて別の意味でとらざるをえない結果になっているからだ。
- 11 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時47分30秒
そして、今日は38度を超える真夏日だというのに、後藤は相変わらずあたしから離れようとしない。
「市井さんっ」
「…後藤、 熱いよ」
「いいじゃないですかっ しばらくこうさせててくださいよ」
あまり身長の変わらないあたしと後藤は、ぴったりくっつくと顔と顔がものすごく近くなる。
今は後藤が甘えて肩に頭を乗っけたりしてるけれど、一旦頭をそこから離してあたしの顔を見たら、きっと10pほどの距離に後藤はいるだろう。
別に女の子同士なんだから、照れる事はない。
モーニングに入って、キスやハグは日常のようなものになっていた。
でもそれは、『恋愛』と『友情』や『仕事仲間』としての境界線をしっかり弁えているからであって。そこに関する不純な動機は見られない。
しかし、あたしと後藤はなぜかその一線を越えてしまった。
その日からだ。
少しずつだが、後藤があたしに不快感を持たせるような行動を取るようになったのは。
- 12 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時48分12秒
「後藤、もうすぐ仕事場着くから離れなって。変な目で見られたら嫌でしょ?」
ほんとは、あたしが嫌なんだけどさ。
「…後藤は別に、いいんですけど。 やっぱり…変な週刊誌とかには載りたくないし、離れますね」
以外に、後藤はあっさりとあたしの肩に置いていた頭と、凭れ掛かっていた体を真っ直ぐに直し、あたしから離れた。
- 13 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時48分45秒
- 14 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時49分27秒
- 15 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時50分17秒
しかし、予想外だったのはその事だけじゃない。
あたしから離れてすぐ、後藤はキョロキョロと辺りを見回すと、近くに細い路地がある道を横切ったところで、あたしの腕を掴んで強引にその細い路地に入っていった。
驚いて何も言えなくなっているあたしに、後藤は一回子供のような笑顔を見せて。
「市井さん、仕事の前に、1回で良いんで、キスしてください」
と、そうまるで普通に言い放った。
子供のような無邪気さに隠れた、大人の女の顔。
多分グロスが塗ってある、やけに艶のある唇があたしを誘っているかのように思えた。
- 16 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時50分47秒
「……ごとー…」
「早くしてくださいよぅ。 仕事、遅れちゃいますよ?」
首に腕を廻されて、クラクラするほど後藤の体につけられた香水の匂いが、鼻を刺激する。
気がつけば、あたしがキスする前に後藤から口付けされていた。
唇が何度も何度も重なり合い、後藤が入れてきた舌を無抵抗に受け入れて、ねっとりと絡ませあう。
頭がクラクラした。
今度は、香水のキツイ匂いではなく。
あたしはこの瞬間、体が後藤に支配されているように感じた。
- 17 名前:_ 投稿日:2003年08月12日(火)09時54分44秒
堕ちる。溺れる。歪んでいく。
薄っすらと目を開けて見た後藤の顔は、見るからに上気して、頬が赤くなっていた。
堕ちる。溺れる。歪んでく。
next 2・束縛
- 18 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月12日(火)09時55分35秒
更新終了です。
- 19 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月12日(火)10時24分11秒
あ、言い忘れましたが、時代的には後藤が13歳で金髪だった頃です。
4期メンバー以降はまだ加入しておりません。
- 20 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月12日(火)13時18分59秒
- 内容が痛そうだけど期待大!
- 21 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月13日(水)18時59分53秒
- 作者さんは、もしや…。
かなーり良さげですな。マジ、期待しとります。
- 22 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時24分57秒
2・束縛
今日も後藤はあたしを見ている。
- 23 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時25分35秒
祐ちゃんが矢口にキスを迫って断られてたり、なっちとカオリが仕事で行くハワイの海で泳ぐための、新しい水着をぎゃあぎゃあ騒ぎながら慎重に選んでいたり、彩っぺがクーラーボックスから勝手に矢口のジュースを取り出して飲もうとして、それが見つかって怒られてたり。
こんな騒がしいモーニング娘の楽屋の中で、
後藤は今日もあたしだけを見つめている。
こんな滅多に無い長時間の収録と収録の間の空きで、加入当時の後藤なら眠らないはずがなかった。つい最近までは、たった10分間の休憩でも、ここぞとばかりにスタジオ内のベンチの上で体を丸くして幸せそうに寝ていた。
- 24 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時26分15秒
しかし、それがここ数日。あたしから視線を外すことなく、後藤はあたしを目で追うようになっている。
移動中のバスでもみんな次の仕事に備え眠っていたが、あたしがふと視線を感じて目を開けると、前から3列目に座っていた後藤がじっと後ろの方に座っているあたしの顔を見つめていた。
あたしがびっくりして目を見開いた状態になると、後藤はおかしそうにクスクス笑い、それでもあたしから目をはなさなかった。
ここまで一緒にいる間中見られていると、流石に気味が悪い。
まるで動物園の檻の中にいる動物になった感覚で、あたしは気分が悪くなった。
「………」
誰にも何も言わずに、読んでいた雑誌を元の場所に置いてソファーの上から立ち上がる。
気分転換にトイレにでも行こうと思った。
少しの間だけでも、あの突き刺さるような熱い視線から逃れたかったから。
- 25 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時27分46秒
※
じゃーー。 ゴポゴポゴポ………
「……ふぅ」
あたしはトイレを済まして、鏡の前で手を洗っている頃に、後ろからトイレの扉が開いた。
あたしは特に気にはしなかったけど、髪の乱れを直そうと鏡に目を移した瞬間
後ろに立っていた人物を見て ガチリと体が硬直するのを感じる。
――― 無表情であたしの後ろに張り付くように立っていたのは………後藤だった。
- 26 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時28分41秒
「市井さん、トイレに行くんだったら、後藤も誘ってくださいよぉ」
甘えるように言われて、
あたしは一瞬戸惑ったような苦笑いの表情を浮かべてしまう。
「…別に。 あたしが、一人で行きたい気分だったから……」
なぜかどんどん語尾が小さくなって、体もカチカチと微かに震えていくのを、あたしは他人事のように感じてしまっていた。
なんで、 なんで。
あたしの後輩が、あたしより歳の若い後藤が、こんな肌に直接感じるような、威圧感溢れる雰囲気を出せるのだろう。…それとも、あたしの勘違いだろうか。
- 27 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時29分44秒
背中に感じるビリビリした感触にあたしは一度息を呑む。
その呑みこんだ音が、後藤の耳に聞こえてしまったみたいで後ろから笑い声が聞こえた。
鏡越しに後藤を見ると、やはり後藤はあたしの顔を見たままで笑っていた。
「あはっ、市井さん なんで緊張してるんですか?」
「………後藤」
「はい?」
「あたしの事、見るの、…やめて」
- 28 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時31分16秒
「…いいじゃないですか。
別に、好きなんだから見てるぐらい良いですよね?」
好きなんだから。
…好き?
「後藤……それ…どうゆう意味で?」
後藤は数秒間う〜んと唸りながら考えて、少し頬を赤く染めてから
あたしの顔を潤んだ目で見つめて、言った。
「好きです。 誰よりも一番、市井さんの事が好きなんです。
………きゃーっ!! もう、何言わせるんですかぁ〜!」
後藤は言いながらあたしの背中に抱きついた。
ギュッと首に巻きついた腕は思ったより華奢な腕で、どうやったらあんな力(この頃から後藤の馬鹿力は公認されていた)がこの腕から出されるのかと不思議に思い、そっと手で触ってみてもやはりプヨプヨした筋肉質ではない感触だった。
後藤はあたしの顔に頬を擦り付けて、ネコのように喉をきゅんっと鳴らしている。
鏡越しに映る後藤の顔は、誰が見ても幸せそうに緩んでいた。
- 29 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時32分13秒
「…市井さん」
「ん?」
「…好きです」
「………ん、」
首に巻きついていた腕の力が抜け、後藤はあたしの頬に手を添えて後ろからこの前のような、熱い口付けをしてきた。
- 30 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時33分31秒
『好きです。 誰よりも一番、市井さんの事が好きなんです。』
後藤の言葉の意味。
深く考えれば、この言葉はとても重大な意味を持っていた。
「告白」という単語での、中学生が感じるような甘い意味ではなくて。
後藤の言葉の魔力。 事の重大さ。
あたしが感じるようになったのは、まだ先の事―――
- 31 名前:_ 投稿日:2003年08月14日(木)11時35分09秒
『好きです。 誰よりも一番、市井さんの事が好きなんです。』
next 3・束縛
- 32 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月14日(木)11時40分28秒
更新終了です。
レス有難うございます。
>>20 名無しさん
期待してくださって有難うございます。
期待を裏切らないように頑張らせていただきます。
>>21 名無し読者
えっ?誰と勘違いなさってるんでしょうか(w
まさか○版の××××様だったり…
まぁ、ご想像にお任せしますw レス有難うございました。
- 33 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月15日(金)23時08分49秒
- 最近、後藤がこーゆう役割なの少ないからかなり新鮮
今後の展開も期待
- 34 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月16日(土)03時55分39秒
- 黒ごまですね〜
追い詰められていく市井・・・
更新期待してます。
- 35 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時37分23秒
3・束縛
後藤があたしの事を見つめだしてから5日目。
さすがにこの状況に少々異常を感じたのか、様々なメンバーがあたしに声をかけてきた。
「紗耶香、あんなぁ…?」
一番初めに遠慮がちに声をかけてきたのは祐ちゃんだった。
振り返ったあたしの顔を見て、驚いた顔をしたのもよく覚えている。
「なんや、なんでそんな疲れた顔してるん?」
そう言われて、そういえば最近あんまり寝てないや、と答えると
祐ちゃんはびっくりした顔から怒ったような表情に変わって、あたしに説教をし始めた。
その説教も、ただ睡眠を取らないことを怒ってるだけじゃなく、あたしの体調をも気遣ってくれているのがよくわかる。 祐ちゃんの叱り方は、メンバーに対する愛情も含まれているって事を 感じられずにはいられなかった。
- 36 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時38分15秒
祐ちゃんになら話しても大丈夫かもしれない。
祐ちゃんなら、わかって、くれるかも。
あたしは意を決して、後藤の視線を背後に感じながらも「こっち」と祐ちゃんを楽屋の外へと連れ出した。
ドアを閉める瞬間、後藤がもしかしてついてくるかもなんて考えてしまったけれど
どうやらそんな心配はしなくても良かったらしい。
メンバーがあたしを気遣って、祐ちゃんを話してる間だけは後藤をあたしに近づけないようにしてくれたみたいだ。 あたしが閉まる直前に見た後藤の周りには、笑顔で話しかけるなっちと矢口の姿があった。
- 37 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時40分05秒
※
…パタン
そんな乾いた音がして、
閉まった扉はよくマネージャーさんが使用している楽屋のドアの音。
幸い今はみんな打ち合わせに行っているからか、誰もその中にはいなかった。
- 38 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時40分44秒
「……とりあえず、そこにあるソファーに座っとき」
祐ちゃんはあたしの後から楽屋に入って、後ろ手でドアの下についている鍵をカチャリと閉める。
これから人に聞かれてはならないような話をするってことが、やけにあたしの心をキツク締め上げた。 今まで、こんな事が無かったって事が余計につらい。
もともと楽観的なあたしはシリアスに物事を考えることがどうも苦手で、だから加入当時に色々思い悩んだときは本当に苦しくて、誰にも言えずに一人ホテルの部屋で泣いたりしていた。
同期のメンバー同士で愚痴を言い合ったりしたりはしたけど、真剣に思い悩んだ自分を、弱い自分を人に見せるのが嫌で、とにかくそっち方面の話は出来るだけ避けて、代わりに悩みなどを打ち明けられてはそれに真剣に答えていた。
「「この子は、自分でなんでも出来る、強い子だ」」
そんな風に大人は、あたしの事をわかりきった口調で言う。
でも、それはただ単に『強い』んじゃなくて、『自分でなんでも出来る』でもなくて
『誰にも頼りたくない』或いは『頼れない』といった弱い自分がいるからだ。
あたしは、強くなんてない。
- 39 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時41分26秒
「紗耶香?」
目の前に、突然祐ちゃんの顔がドアップで現れた。
物思いに耽っているときのあたしの悪い癖だ。
カオリ的に言うならば、『交信中』って感じになってしまうらしい。
ボーっとしてる時とか、一点を見つめて目が死んでしまっているような、あの状態。
「魚みたい」とメンバーに笑われた事がある。
魚だったら後藤だろー、なんて、あの頃は軽口を叩いていたけど。 今となってはそれがとても懐かしく感じる。
「祐ちゃん……」
- 40 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時42分08秒
祐ちゃんに、あたしのこの状態から、これがあたしから向けられるSOSだって事に気づいてほしい。
口では多分、上手く言えないからさ。
「祐ちゃん…それで、話なんだけど…さ」
「うん、なんや。 なんでも言ってみぃ 」
大人の余裕みたいな、そんなものを感じられるその表情。
そう言って微笑んだ祐ちゃんの顔は、あたしにとって、とても頼もしく見えた。
- 41 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時43分34秒
ピリリリリリリリ……
ピリリリリリリリリリリ……
あたしが口を開こうとした瞬間に、ポケットの中に入れっぱなしだった携帯が音をたてて震えた。
無視しようかと思ったけれど、もしかしたら仕事の人からかもしれないし、「なんやねん」と唇を尖らしている祐ちゃんを「ごめんね」と軽く手で制して、口に手を添えながら電話に出た。
「もしもし、」
『…………』
無言?
あたしは怪訝そうに眉を顰めて、強く携帯を握り締める。
『…………』
「あのー…、
切りますよ?」
電話の受話器が置かれている絵の描かれたボタンを押そうと、ゆっくり指に力を込めたその時、電話の向こうから涙声とすすり泣きのような音が届いた。
- 42 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時44分13秒
『………っちー…さん…』
- 43 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時45分40秒
「っ!?」
確かに聞いたことのあるこの声。
まさか。
慌てて携帯を耳から離し、番号と名前を確認してみると…
馬鹿 だ
何をしてるんだあたしは…。
ろくに画面を見もしないで、携帯に出たことが間違いだった。
普通だったらちゃんと相手を確認してから電話に出るんだけど、今日は、頼りになる祐ちゃんといるせいか少し警戒心が緩んでしまっていたようだ。
何も考えずに携帯に手を伸ばし、受話ボタンを押してしまったことで。 もう、取り返しはつかないんだけれど。
『今…どこにいるんですか?』
聞きなれた後藤の声。
耳に響く甘い声は、最近ただの不協和音に変化しつつある。
『どこにいるんですか?』
『そこで、何してるんですか?』
- 44 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時46分57秒
「…なんで、そんな事いちいち言わなきゃいけないの」
振り絞ってやっと出た声は、蚊の鳴くようなか細い声で。
自分的にはすこしキツメに言うつもりだった所が、なぜか必要以上に怯えている雰囲気を醸し出してしまった。
『祐ちゃんと………二人で、どこ…行ったの……』
怖い。
『探しに行く…』
- 45 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時48分35秒
プツっという音がして、あたしの握り締めている携帯はただの機械の塊に変化した。
耳に響く ツーツーツーという虚しい効果音。 電話が切れたという事を知らせる音。
後藤はあたしの言葉も聞かず、一方的に電話を切った。
切れる寸前に聞こえた後藤らしからぬ低い男のような声 「探しだしてやる」
「…ぅあぁ……あ……」
「さ、紗耶香?」
「うあぁあぁあぁぁっ……!!」
いやだ。怖い。嫌だ
イヤダ 嫌だ 怖いよ…逃げたい。
「どうしたんや!紗耶香!!」
祐ちゃんの手を振り切って楽屋の鍵を素早く開けると、あたしは外へと飛び出した。
あんな所にいたらすぐ見つかってしまう。
逃げなくちゃ。 逃げなきゃ。
どこか遠くへ…
- 46 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時49分14秒
「!!」
歪んだあたしの視界の隅に見えた人影。
携帯電話のストラップを指にかけ、クルクルと回している。
あたしの顔を見つめ、ニヤッと頬の筋肉を歪ませて笑顔を作る。
いつからここにいたんだ。
いつからここにいたんだ。
- 47 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時50分00秒
ピリリリリリリ……
あたしの携帯が震える。
震える手で、折りたたみ式のそれをゆっくり開けて耳につけた。
それは数メートル先に立っている相手からの電話で。
あたしは口元をぎゅうっと引き締めて、楽しそうににやついている後藤から目を逸らした。
『見ぃ〜つけた♪』
クスクスと笑い声が聞こえる。
祐ちゃんの引き止める大きな声。 あたしの頭の中でぐちゃぐちゃ混ざり合う。
…ぐるぐるぐるぐる…
目眩がする。
倒れそうだ。
- 48 名前:_ 投稿日:2003年08月16日(土)16時52分04秒
後藤を抱いてから10日目で、後藤がおかしくなり始めてから10日間で、
あたしは病院に運ばれた。
next4・恐怖
- 49 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月16日(土)16時52分38秒
更新終了です。
- 50 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月16日(土)16時58分57秒
レス有難うございます。
>>33 名無し読者
そうですね。最近は見ないですね。
それにしてもエロを書こうと思っていたのになかなか書けない…(w
展開早めですが、これからもこの駄文スレを覗いてやって下さいw
>>34 名無しさん
黒いですw
こういった後藤書くのけっこう楽だったりします。
市井って、加入当時は繊細なイメージがあったから、『元気』だが『少しひ弱』な市井ちゃんを想像して読んで頂ければと思います。
- 51 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月16日(土)18時11分02秒
- 裕ちゃん
- 52 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月16日(土)20時56分36秒
- >>51
ご指摘有難うございます。以後気をつけます。
- 53 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月16日(土)21時25分00秒
- ・゚・ヾ((Д`≡´Д))ノ・゚・怖いー
- 54 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時48分23秒
4・恐怖
追いかけられる 逃げる 追いかけられる 逃げる
――――――――そして、ついに追い詰められる――――――――――
- 55 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時50分14秒
『とりあえず安静に』
医者が診断した結果は、精神的疲労の限界からくる「疲れ」
あたしが2・3日の入院を強いられたのも事務所のハードなスケジュールのせいだという事になっていた。
「……お母さん………」
「何? どうかした?」
あたしがTV局の廊下で倒れたという話は、目撃者によって次の日には大きく報道され、事務所から実家に電話がいく前に事件を知ったあたしの両親は、家からすぐにやって来てくれた。
『……芸能界に入ったんだから、こんな事もあるでしょう』
『でも体調管理には気をつけなさい。 無理はしないこと!』
少し怒りながらこんな事を言われても、なんだかんだいってあたしを大切にしてくれる親にあたしは感謝している。
「…ありがとう」
「ん、何か言った?」
「ううん。なんでもない。 あっ…喉渇いたなぁ」
「わかった。ちょっと自販機で買ってくるわね………何がいい?」
「午後ティー。もちろんミルクのだかんね」
- 56 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時51分13秒
「はいはい」
お母さんは小さく笑いながら病室から出て行った。
「…はぁ」
病室の窓は外から菌が入ってきたりするからあまり開けたりはしちゃいけないんだけど、ベットに寝っころがってるのも暇なので、体を起こして少しだけ窓を開いた。
窓から見える元気な緑色をした葉を付けた木々が揺れて、サワサワと爽やかな風が入ってくる。
あたしはその心地よさに目を細めた。
あたしが倒れた日。
意識が戻って薄っすら開けた目に飛び込んできたのは、病院の白い天井と、メンバーの心配そうな顔だった。
矢口・圭ちゃん・カオリ………そして、裕ちゃん。
この四人のメンバーがあたしの顔を覗き込むように見ていた。 泣きそうだった矢口の顔にも、あたしが意識を取り戻したことによってはじけるような笑顔が戻る。
後藤は…部屋を見渡しても、どこにもいない。
- 57 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時52分03秒
『裕ちゃん……後藤は?』
『おぉ!紗耶香!やっと眼ぇ覚ましたんか!!
後藤…?後藤は他のメンバーと一緒に外におるよ。 それより、体は大丈夫なんか?』
『……うん、平気。……ごめんね心配かけちゃって………』
『ざやかぁああーーーーーー!!!良がったー!うあ゛ぁあーーん!!』
『ちょっと!矢口!あんた、紗耶香は病人なんだからいきなり飛びついたりするの止めなさいよ!!』
あたしは、あたしの胸の中で泣きじゃくっている矢口の頭をそっと撫でると、誰にもばれないように心の中で深い溜息をついた。
(良かった…後藤が傍にいなくて)
- 58 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時52分55秒
- 59 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時53分29秒
『それで、何が原因で倒れたん?
医者にはただの「疲労」って聞いたんやけど。あたしは絶対、そう思わんのや』
裕ちゃんが真面目そうな顔をしてベットに横たわるあたしの姿を見て言う。
矢口と圭ちゃんは、もう遅いし明日も仕事があるという事でしぶしぶ病室から帰っていった。
『お医者さんの言うとおりだよ。あたしほんとに最近疲れ溜まってたし…
事務所も休みくれたんだから、すぐ良くなるって』
そのあたしの答えに、裕ちゃんの眉間に何本もの皺が浮かぶ。
『……紗耶香は倒れる直前まであたしと話してたやろ? 途中で、急に様子がおかしくなったやん。電話がかかってきた後らへんに…突然叫んで楽屋から出て行ったやんか』
- 60 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時54分25秒
『あきらかにあの時の紗耶香は、おかしかった。
すぐ後から追いかけて楽屋飛び出したら、紗耶香床に倒れてん。肩揺らしてもなんも反応が無かったから、携帯でマネージャーと救急車呼んでな。
救急車の中でも、紗耶香はうわ言でなんか喋ってんねん。めちゃめちゃつらそうな表情でな。ほんま、あたしこのまま紗耶香いなくなってしまうんかと思ったわ……』
『…ごめん……裕ちゃん………ほんとにごめん』
あたしが体を起こして下を向く裕ちゃんの肩に手を置こうとしたら、
「えぇんや」とその手を軽く牽制されて、代わりにその手をギュッと強い力で握られた。
『もう何も言わんでえぇから。言えないような事なら、もうあたしも無理に聞きはせんよ』
裕ちゃんの声は、今まで聞いた中で一番弱くて静かな声だった。
- 61 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時54分57秒
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――
―――――――――
・
・
・
・
・
- 62 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時55分44秒
強い風が吹いて、花瓶に飾ってあった花から一枚の花びらが飛ばされた。
それはあたしの鼻にくっつき、風が止むと服を伝ってゆるゆる下へと落ちていく。
あたしはその花びらを拾って、目の前に持ってきた。
日の光りに当てて見ると、透けた向こうから太陽の光りがまぶしく見えた。
ジーワジーワジーワ 蝉の鳴く声。
病院の前にある公園から聞こえてくる子供の笑い声。
(もう夏も終わりだな…)
あたしが感傷に浸っていると、後ろからドアが開く音が聞こえた。
「お母さん?」
呼びかけても返事は無い。
少し不審に思って振り返ると、そこには深く帽子を被り、マスクという
このくそ熱い中でそんな異様な姿をしている人物が立っていた。
まぁ、あたしがここに入院してるって聞いた悪質なファンか、メンバーの誰かだとは思っていたが。
あたしの予想はもちろん後者にある。
- 63 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時57分07秒
「…入ってもいいですか?」
「いいよ」
その声を聞いて、あたしはすぐに誰かは気づいたが。
今までの表情を変えることなく中へ入ることを承諾した。 「後藤、だよね?」
規則的に叩いていた心臓の音が、ドクンと一回大きく高鳴り、早くなる。
「そうですよ」
- 64 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時57分46秒
帽子とマスクを取って、二カッと笑った後藤の笑顔は優しいものだった。
もう充分に外の空気を堪能したので、そのまま窓を閉めて。
あたしは苦笑しながら歩いてベットまで戻る。
ベットに上り、モソモソとシーツを膝までかけている間に、後藤はさっきまで母親が座っていた椅子に座っていた。
「外、暑いですね」
だるそうに鞄からうちわを取り出して、服の裾を引っ張りパタパタと自身に風を送る。
「夏だからね」
あたしは後藤の方へ視線を持っていかず、シーツを摘む自分の指を見ていた。
意識せずにはいられない。
- 65 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)16時59分29秒
「あっ、おみやげ買ってきたんです」
後藤はまた鞄の中を探り、中から小さな箱を取り出した。
「なに、これ?」
「開けてみればわかります」
「変なもの……じゃないよね?」
「大丈夫です。食べ物ですから!」
その言葉に安心して蓋を開けると、中には綺麗に包まれた小さなケーキが入っていた。
シンプルだが、あたしの好きなクリームがふんだんに使われている見るからに美味しそうなショートケーキだ。
「すっごいおいしそうだね……まさかこれ、後藤が作ったの?」
「はい♪」後藤は、あたしの言葉に満足したのか満面の笑みを浮かべた。
- 66 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)17時01分01秒
「そっか…あたしの為に作ってきてくれたんだね。 ありがと。」
あたしは始めてここで後藤と視線を合わせ、すると後藤は嬉しそうに頷いていた。
その細められた目は澄みきっていて…一点の濁りも見えなかった。
(…おかしい、な…)
…あたしは、もしかしたら後藤のことを誤解しているかもしれない。
後藤がおかしくなったなんて。
…昨日の事だってもしかしたら夢かもしれないじゃないか。
ありえない事はない。
あたしがそう思い始めたとき、ふと自分の母親の存在を思い出した。
飲み物を買いに行くだけだったら、もう戻ってきてても良いんじゃないか?
不安が心を過ぎって、ショートケーキが入った箱を無意識に握り締めていた。
「ちょ、っと。市井さん!
そんな握ったらケーキが潰れちゃいますよぉ」
不安がどんどん大きくなってくる。
箱を握っていたあたしの手を制止させようと伸びてきた後藤の手を掴んで、まるで小さい子供が大人にものを聞くような、情けない声を出した。
- 67 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)17時01分52秒
「あのさ…ここ来る途中。うちのお母さんに会わなかった?」
「会いましたよ」
即答。
後藤の顔からなぜか、笑みが消える。
あたしはその瞬間
嫌な予感が的中したような気がした。
「はい、これ…」
後藤の手には紅茶の缶。確かにあたしが母親に買ってくるように促したミルクティーの飲み物。
- 68 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)17時03分24秒
「渡しといてくれって、頼まれました」
「あたしの……お母さんに?」
「はい」
現に、あたしが頼んだ物と同じものがちゃんと届いているわけだし。
後藤も嘘をついているようには見えない。
「それで、お母さんは………?」
「なんか、用があるみたいで、そのまま帰っちゃいましたよ。
『お忙しいのに、わざわざお見舞いに来てくれて有難う。紗耶香のこと宜しくね』…って、言ってました」
- 69 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)17時04分05秒
肩から背中にかけてゾクリとした冷たいものが走る。
まるで、氷で冷やされたナイフを貼り付けられたように。
お母さんが突然帰った。手には握られたショートケーキの入った箱。
後藤がお見舞いに来たこと。お母さんが後藤に紅茶の缶を渡してそのまま帰った。
この空間にはあたしと後藤の二人きり。見計らったように部屋の中も外も静まり返っている。
後藤と二人きり。
不自然すぎる出来事。これは自然なのか?考える力も、もう無い。
後藤と二人きりの空間。
無表情だった後藤の顔に再び宿る笑顔。
検診も検温も、昼食もさっき済ませたばかり。
(もう、駄目だ)
あたしは込み上げてくる何かを抑えて、全身から力を抜いた。
- 70 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)17時04分53秒
「市井さん」
「……っ!!」
無意識に体がビクッと揺れる。
ゆっくり目の前に上げられた後藤の右手……そのまま頬に触れて、キスされるかと思った。だって、顔が近かったから。 …それだけではないけれど。
「ケーキ、食べないんですか?」
「えっ?」
ケーキ、とあたしの手の中にある箱を指差された。
心臓が飛び出すくらい高鳴って、頭の中は信じられないくらい熱くなっていたけど
あたしは平静を装って「……折角だからケーキ、食べようかな。そこにあるフォーク取ってくれる?」と言える事が出来ていた。 額に薄くかいた汗をグイッと左手で拭う。
- 71 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)17時05分55秒
後藤がフォークを持ってきて、あたしはそれを受け取ってケーキを食し始めた。
ケーキは見た目どおりとても絶品で、普通にお店に置いてあっても違和感の無いような味。
後藤の最近の趣味はお菓子作りだとは聞いていたけど、ここまで出来るとなると本当に凄いなぁと感心しながら食べた。 あたしは料理が出来ないから、余計にそう思った。
「おいしいですか?」
後藤が不安そうな表情であたしの食べるところを見つめている。
「うん、おいしいよ」 あたしは笑顔でそう答えた。
「おいしいですか。良かったぁ。変な味になってたらどうしようかと思って………」
「んーん、全然美味しいって。ほんと、あたし尊敬するもん」
- 72 名前:_ 投稿日:2003年08月23日(土)17時08分43秒
「良かったぁー♪」
後藤は言いながら、ケーキを食べてるあたしの唇にキスをしてきた。
「…っぅ……ん!?………」
押し付けるような強引なキスに戸惑っている間にすぐ唇は離され、後藤の口の周りにはショートケーキのクリームが纏わりついていた。
鞄から静かにティッシュを取り出し、口の周りを拭く。
あたしはその後藤の行動をただ呆然として見ているだけしか出来なかった。
「市井さん、ケーキおいしいですか?」
「お、い、しいけど……?」
フフッと笑った後藤は、あたしがケーキを食べ終わるまで傍でじっとしていた。
その眼には、あたしが食べているケーキと、唇だけに注がれていることにあたしが気づくはずがなかった。
next 5・最恐
- 73 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月23日(土)17時09分47秒
更新終了です。
- 74 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月23日(土)17時12分27秒
レス有難うございます。
>>53 名無しさん
( ´ Д `)⊃ < 恐いですかぁー!?
これからもっと恐くなります。
- 75 名前:53 投稿日:2003年08月26日(火)12時56分40秒
- やばい・・・怖いのにこの二人から目が離せなくなってきました。
これからもっと恐くなるそうなのに更新が気になり始めてます。
- 76 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時14分04秒
5・最恐
「……っ………!!」
床に転がるミルクティーの缶。自分の手から零れ落ちたそれは、ドクドクと薄い肌色をした紅茶をこぼしながら病室の壁まで転がっていき、端まで来たときにコンと一回音をたてて止まった。
いったい何が起こったんだろう。
あたしはぼんやりとした瞳で自分の右手を見つめている。
(……なんで……?)
- 77 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時14分53秒
突然体に受けた衝撃。全身から甘い痺れるような感覚を受けてから、あたしの手からすべての力が抜け落ちた。
まったく力が無くなった手からは、ケーキを食べ終え喉が渇いたので飲んでいた紅茶の缶が、一口飲んだところで手から離れ、無残にも床へと転がり落ちていった。
―――力が―――――抜ける――――?
試しに、ギュッと手を握ろうとしても、体が反応してくれない。
あたしがしたいと思う事が出来ない。 頭で受けた命令を、体がするのを拒否しているみたいだった。(みたいじゃない。そうなんだ)
「なに…? これ……」
ダラン、と蛸のようになった体をまるで他人事のように見つめる。
あたしはパニくった頭を何とかしようと、まだ動く眼と口で後藤に助けを求めた。
「ねぇ、ごとう…」
あたしは泣きそうな声を出しながら後藤を見た。
瞬間、ハッとする。
後藤は、笑っていた。 蛸のようになったあたしを、あの優しい笑顔で見つめていた。
- 78 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時15分27秒
(何がおかしいんだよ……)
チッ と舌打ちしながら心の中で悪態をつく。
後藤は座っていた椅子から立ち上がり、ふやけた笑顔を保ったまま、あたしの顔を覗き込んだ。
しかし今、この状況であたしを助けられるのは後藤だけだ。
「市井さん、どうしたんですかぁ?」
「あの…体に、力が………」
「あぁ。」
後藤は何かを思い出したかのように、ポンと手のひらに拳を乗せる。
あたしはその行動に、微量のわざとらしさを感じた。
「薬、やーっと効いてきたみたいですねっ」
そう言った後藤の表情は、
まるで悪戯が成功した後の子供のような顔だった。
- 79 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時16分08秒
その言葉の意味を理解するのに、あたしの混乱した頭は少し時間がかかった。
実際、その混乱した頭は、ますますわけが分からなくなってしまった。
薬。 クスリ。 く・す・り
この三文字が頭の中を駆け巡る。
――後藤、あんた、あたしの体に何をした?
声に出したくても、恐くて聞く事が出来ない。
だって、もし後藤があたしの事を陥れるために薬を使用したとしたら?
自分自身を、これから起こるであろう現実に身を投じさせるわけにはいかない。
危険な肉食獣のいる檻の前で、入らずにウロウロしている方がまだ安全だっていうことだ。
それが、この後起こる避けようの無い現実に、みっともなくあがいているだけに過ぎなかったとしても。
「…………」
黙っているあたしに、じっと見つめる後藤。
あたしが何か言ってくるのを待っているのだろうか、後藤の表情からは何も読み取れない。
- 80 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時17分11秒
「市井さん」
三日月のように曲がっていた目が、通常通りの大きさに戻って。
ニコッと笑った後藤の口からはキラリと小さな八重歯がのぞいていた。
…何を言われるんだろうか。 後藤がキュッと口を噤んだので八重歯もその中へと隠れる。
あたしの心臓は16ビートを刻み、ドックドックドックと激しく運動をし始めている。
何を言われるんだろうか。
あたしは天に祈りを捧げるかように、そっと静かに目を閉じた。
ギシッとベットの軋む音。
恐らくは後藤が上に乗っかってきたからだろう。
あたしの顔の前らへんに、後藤の顔がゆっくりと近づく気配を感じる。
ここで目を開けたら、ここで後藤の顔を避けられたら。どんなにいいだろうか。
(…………)
いくらあたしが普通の15歳より大人びているとはいえ、ここでどんな風に対処していいかなんて分かるはずがなかった。
こんなプレッシャーに包まれた恐怖の中で、あたしは自分を保っていられるかさえ自信がなかったんだから。
大声を出して助けを呼べばいいだろうに。
しかし、あたしの口は渇きっぱなしで上手く動いてくれなかった。
きっと、声も出ない。
- 81 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時17分55秒
あまりの緊張に唾をゴクリと飲み込んだ瞬間。
やけに乾いたあたしの唇の上に、後藤の湿ったそれは重なった。
「んっ……」
何度目かに感じる後藤の唇は、プニッとした弾力があり柔らかかった。
滑らかな曲線が、あたしの乾いた唇に口付けてゆく度に潤っていく。
しばらくすると、後藤はあたしの首に腕を廻し、あたしの唇を求めて何度も何度も角度を変えて
固く閉じた唇に舌をつっつくように押し当てている。
ぬるり、とナメクジのような気持ちの悪いものが口内に侵入してくるとあたしは反射的に舌を奥まで引っ込ませた。
- 82 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時18分46秒
「ごとぉ…っ…んぅ、……や、めてぇ…っ!」
あたしが嫌がって苦しげな声をあげても、後藤は鎖を切った猛動物のようにあたしの口に貪りついた。
唾液を絡めて歯列を舐め回し、口の中で忙しなく動く後藤の舌は、
口内をすべて舐め尽してから、引っ込んでいるあたしの舌を見つめるため一気に奥まで突っ込まれた。
その行動には、なんの迷いもみられない。
あたしに食べさせる為持ってきたケーキに薬を盛って
疑いもなく食べて体が動かなくなったあたしをこんな風に辱めてゆく。
これが13の人間がやることなのか。後藤は狂い始めている。
「…嫌ぁっ!」
顔にかかる後藤の吐息や、口を離す毎に聞こえる小さな唾液音がやけに艶めかしくあたしの頭の中に響き渡り。
ぼぉっとした頭で荒い息をはいている自分を恥ずかしく思った。
目を閉じているせいかいつもよりそのキスは長く感じた。
- 83 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時19分35秒
「……ご、とぉ………っ」
「…はぁっ……はぁっ………いちーさんっ……」
唇が離れて、細い透明な糸が二人の唇の間に架かるのを、やっと開けられた目でじっと見つめていた。
後藤の手が動かないあたしの下半身へと伸びる。
(嫌だ…っ、止めてよ。後藤っ!)
病院にいる時用にお母さんが家から持ってきてくれたブルーのズボンが、ゆっくりと膝から下へ下ろされていくのが分かった。
体は動かないけど、体は何をされているのかを敏感に感じる。
(イヤダ…イヤダ…イヤダ……)
膝下までズボンがずり下げられた時、後藤は一旦手を止めて
すでに霞がかかったあたしの瞳を覗き込んだ。
何をしたいのかは分からないが、視線を合わせると後藤の目は悲しそうで。
眉間に小さな皺を寄せて、唇をアヒルのようにツンと尖らせている。
こんな泣きそうな顔しなきゃいけないのはあたしの方だろ……?
- 84 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時20分07秒
疑問に思ったけど、後藤はそのままあたしから視線を離してあたしの短くなった髪の毛をくしゃっと柔らかく撫でた。
あたしが、普段「可愛いなぁ、お前は」って後藤にやってあげてたみたいに。
こんな状況でおかしいぐらいにその手つきは優しかった。
「市井さん……そんな顔、しないでください……
…ごとー、ほんとに市井さんの事が、好きになっちゃったんです。」
一応セットしておいた髪が、後藤に撫でられる度乱れていった。
「…こんな事するの、イケナイ事だって分かってるんです。
でも、ごとーは市井さんの事……真剣に愛してるって伝えたくて………」
「伝えたくて…?」
(…それで?こんな事するのが、後藤の愛情表現なの?)
そう突っ込みたいところだけど、あたしにもうそんな気力は残っていない。
虚ろな目をしながら後藤の言っている言葉を理解するのだけで精一杯だった。
- 85 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時20分37秒
後藤の手が、
自分の上着まで脱がしにかかっているのにも抵抗する気はなかった。
抵抗するだけ無駄だと思っていたから。
後藤の瞳の先にはどんなあたしが映ってる?
- 86 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時21分13秒
―――あたしは気づかなかった
もう自分が後藤の罠に少しずつ少しずつ嵌っていっていることに
- 87 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時21分44秒
- 88 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時22分18秒
- 89 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時22分53秒
※※※※※※
「……っく!」
下から這い上がってくる後藤の手を、感覚の痺れを受け止めるだけで、
あたしの意識はどこかに飛んでいってしまいそうになる。
「くうぅ……はぁっ!…ああぁ!!」
「気持ち…いい…?」
見るからに苦しがっているあたしの喘ぎ声にも、後藤はそんな言葉を投げかけてくる。
右手は胸の先端を摘んでぐりぐりと指の腹で刺激を続け、
もう一方の手はあたしのパンツの横から侵入して、指で膣の周りを擦るように往復させていた。
もう、あたしは感情のコントロールさえも出来なくなっていた。
「……んぁあっ…ああっ……いああぁあぁ………っ!!」
後藤の薬の効果は、―――『身体運動の制御』―――『多量の淫欲を沸かせる事』――――
あたしの心と体を繋ぎとめているのは、唯一残っている自制心、そして後藤に対する憎悪。
- 90 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時23分33秒
後藤はあたしの後ろにまわって、背中にぴったり寄り添うようにして体を包み込み
胸と下腹部への愛撫を、あたしが声を出し続ける限り執拗に続けた。
「くぁっ……ぅあっ…ん、ああぁぁ!!!」
今まで出した事の無い、空間を割くような叫び声をあげてあたしはベットの上に倒れこんだ。
バタバタバタッと忙しそうな音をたてて病室の廊下を駆けて来る足の音が聞こえる。
あたしの声を聞きつけた看護婦が、焦った顔をして病室に駆け込んできた。
「何かあったんですか!?」
- 91 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時24分11秒
後藤が、あたしをイカせるまで一分程度。
「いや〜。市井さん、恐がりだから後藤の恐い話聞いて失神しちゃって……」
あたしの体を起こさせて、上着と下着を穿かせるまで30秒。
自分がベットの上から下りて席へと座る。
そこで、看護婦が駆け込んでくる。
「ちょっと!病人にそんな話をするなんて何を考えているんですかっ!!
あんまりひどいともう病室に立ち入り禁止にしますよ!!」
「は〜い。ごめんなさぁい」
悪びれもなく白い歯を見せる後藤に、看護婦はふぅっと大袈裟な溜息をついてから
もう一言だけ注意をして、病室から出て行く。
「一応、先生呼んできますからね」
- 92 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時24分49秒
パタン。
ドアが閉まり、また後藤とあたしだけの空間になる。
看護婦に見せていた子供のような顔が、急にあたしを攻めたてていた時の表情に変わって、ぐったりとしたあたしの体にそっと手を置き、当然のように唇にキスを落とすと
「また来ます。」と、いう言葉だけを残して後藤は病室を出て行った。
「…また……来るの…?」
あたしは誰もいなくなった部屋に、ポツリと情け無い小さな声でそう眩いた。
- 93 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時25分27秒
- 94 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時26分01秒
※※※※
見せてよ 見せてよ 愛を見せて
見せてよ 私に愛を見せて
見せてよ 見せてよ 愛を見せて
見せてよ 私に愛を見せて
それが私の毛穴にしみこむまで
見せてよ 見せてよ 愛を見せて
見せてよ 私に愛を見せて
私が「もっと」と叫びを上げるまで
愛を見せてよ 私に愛を見せて
私の求めてるものをみんなちょうだい
- 95 名前:_ 投稿日:2003年08月27日(水)14時28分17秒
狂ってるのは後藤?
――――――――それとも、あたし?―――――――――――
next 6・崩壊
- 96 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月27日(水)14時29分05秒
更新終了です。
( ´ Д `)< あ痛たたた……
- 97 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003年08月27日(水)14時32分50秒
レス有難うございました。
>>75 53さん
この二人からは少し目を離した方がいいかもしれませんよ。
それこそ、指の隙間から読むような感じで(w
レス有難うございます。とても励みになってます!
また感想頂けたら嬉しいですな。
それではまた来週(予定
更新は不定期です。
- 98 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月31日(日)11時42分51秒
- 段々壊れていく市井…ラストがどうなるのか今から気になってます。
- 99 名前:53 投稿日:2003年09月04日(木)21時25分16秒
- 好きという想いの純粋な行動・・・
いやぁまさかこうくるとは思いませんでした。
ホント更新が気になってきちゃいます。
- 100 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003/09/16(火) 20:59
- すいません。
一応生存確認だけでも……。
仕事の方が忙しくなかなか更新出来ない状態です。
ちょくちょく話は作っているのですが、まだ手直しは済んでおりません。
もう少し待って頂ければ幸いです。
>>98 名無しさん
大体ラストはこんな感じ…と頭の中では出来てますが、なかなか更新出来なくて申し訳ありません。
>>99 53さん
気になって頂いているのにすでに更新が停滞しておりますm( )m
『好き』な気持ちで、こうゆう行動を取るのは人間の本能ですからね(w
これからも宜しくお願いします。
- 101 名前:_ 投稿日:2003/11/08(土) 08:57
-
5・崩壊
胸の辺りが苦しい。
なんだか呼吸をするのも困難な感じ。
病室の窓から差し込む緩い光りに目を覚ますと、ベットの傍には後藤が椅子に座って寝ていた。
スースーと規則正しい寝息が聞こえる。
こんなに毎日あたしに会いに来たりして、体は大丈夫なのだろうか。
「…後藤?」
呼びかけても返事は無い。
熟睡しているのか、やはりここから家まで往復するので疲れているのか。
後藤は軽く肩を押して揺すってみても、まったく起きる気配が無かった。
- 102 名前:_ 投稿日:2003/11/08(土) 08:58
-
今日で入院も5日目を迎える。
後藤の事より、自分の事を心配した方が良いのに。
まだ『教育係』としてのプライドが、少しだけあたしの心の中に残っていた。
・・・・・・
あたしは後藤がはじめて来たあの日、精神的な理由で自ら入院を引き伸ばすようにお願いしていた。
あのままあと2日程で仕事に復帰できるか分からなかったし、何より自分の精神が崩壊していくのが恐かった。
なるべく異常だと思わせないように、ゆっくり落ち着いて話しかける。
薬が抜けきらない体で医者と話すのは少しつらかった。
体のソコがじんじんと疼き、後藤が帰ってから数時間はその状態が続いていた。
- 103 名前:_ 投稿日:2003/11/08(土) 08:58
-
「…っちーさ…ん…」
ムニャムニャと寝言を言いながら
後藤はベットの上に放り出した指をピクリと動かした。
起きたの?と耳元で囁いても、どうやらまだ夢の中らしく、ゴロリと頭だけ右へと倒した。
うつ伏せだった顔があたしの方へ向き、まるで小さい子供のような寝顔があたしの目に映る。
「………」
メンバーの前でも、こんな顔をして寝ているのだろうか。
まるで無防備なその姿に、あたしは苦笑ながらそっと頭を撫でた。
金色をした髪の毛が風に揺れる。
そこで初めてあたしは病室の窓が開いていることに気がついた。
外はもう日が傾いて、空も茜色に変わっていっている。
夕方頃に吹く風は冷たいので、あたしはベットから体を下ろすと急いで窓を閉めた。
- 104 名前:_ 投稿日:2003/11/08(土) 08:59
-
後藤があたしに卑劣な行為を行った理由。
「好きだから」と言っていたけど。
あたしは後藤に対して恋愛感情は持ってはいない。
あたしを苦しめるものが後藤の愛情だとしたら、間違っているとも言えないが、正しいとも言い切れない。
でもあたしはただ、そうゆう風にしか人を愛せないのであったら
それは悲しいことだと思う。
「後藤」
頭を撫でていた手は、自然に頬へと移った。
その答えは後藤にも、あたしにも、誰にも分からない。
この屈折した後藤の気持ちの『なにか』あたしを愛する『なにか』
出口は、まだどこにも見つからない。
- 105 名前:_ 投稿日:2003/11/08(土) 09:01
-
- 106 名前:魚魚雷2003 投稿日:2003/11/08(土) 09:03
-
5・崩壊
の前半部分ちょこっとUPしました。
読んで下さっている方がいれば、本当にマタ―リ待っていただければと思います。
- 107 名前:53 投稿日:2003/11/14(金) 22:42
- 読んでますよ〜。
いつまでもマターリお待ちしています。
- 108 名前:S 投稿日:2003/11/24(月) 01:16
- 私もマターリお待ちしています。
- 109 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/20(土) 22:05
- 保全
- 110 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/16(金) 17:29
- hozen
- 111 名前:名無しさん 投稿日:2004/03/14(日) 19:46
- 保
Converted by dat2html.pl 0.1