君の声が聞きたい。

1 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月17日(日)21時44分35秒
ありきたりなネタですが、よろしくどうぞ。
2 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月17日(日)21時45分12秒


いつからだろうか、彼女を意識し始めたのは。
いつからだろうか、彼女を愛し始めたのは。
いつからだろうか、彼女に誰も触れさせたくないと思い始めたのは。

でも、これは片想いだから。
美貴がどれだけ彼女を思うおうと彼女が気付くことはない。

だって、これは片想いだから。


3 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月17日(日)21時45分58秒
「みきたぁ〜ん♪おはよっ♪」

満面の笑みを向けられた。
この笑みが自分だけに向けられるのを願うけれど、
きっとそれは叶わない。

「おはよう、亜弥ちゃんっ」

美貴も満面の笑みで微笑み返した。
美貴はこの笑顔、亜弥ちゃん以外に見せたりしないよ?
4 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月17日(日)21時46分32秒
そこに亜弥ちゃんのマネージャーがやって来る。
美貴も顔見知りの人。
亜弥ちゃんの肩を軽く触って「早く楽屋に行け」って急かした。
その人は一言そう言うと忙しそうに打ち合わせ室に消えてった。
亜弥ちゃんは

「んなに急がなくてもいいじゃんねー?」

「そうだね、もう少し話してたいのにね・・・。」

最後の方が少し声が小さくなってしまった。
不審がられないだろうか?
と、いうか美貴はあのマネージャーが亜弥ちゃんに触れたことが気にくわない。
別に普段からそうしているんだろうから亜弥ちゃんは何も思わないんだろうけど、
美貴にとっちゃすんごい重大なわけで。
5 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月17日(日)21時47分07秒
やっぱり彼女には誰も触れさせたくない。
無理なことと判ってても、それでも美貴はそう願う。

「んじゃぁ、楽屋行くね。」

ある程度の世間話を終えて亜弥ちゃんは切り出した。

「あ、うん・・。」

「みきたん、そんな寂しそうな顔しないでよぉ。」

続けて、楽屋行けないじゃんって亜弥ちゃんは小さな声で呟いた。
そんなことを言ってくれる亜弥ちゃんが可愛くも愛しくも感じた。
でも、そんなことを言うのは「美貴が好き」とかじゃないわけで。
ただ、「親友とのしばしの別れ」を惜しむ。
きっとその程度のものだ。
そう考えると、嬉しさ半分少し悲しかった。

「だいじょぉぶ。じゃー美貴はモーニングの楽屋行くね。」

バイバイって手を振って亜弥ちゃんに別れを告げた。
6 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月17日(日)21時48分17秒
あの時の美貴はきっとは亜弥ちゃんが言った様に寂しげな顔をしていたと思う。
でも、表面上の顔は笑ってた。
そう、笑顔。
けど、きっと見透かされるだろう。
それでも美貴は承知の上で笑顔を作ったんだ。
だって亜弥ちゃんになら、美貴は見透かされてもいいから。
なんだって、見透かされてもいいんだから。

亜弥ちゃん、美貴の笑顔どう思う?
カワイイ?
ねぇ、亜弥ちゃん・・・。

なんてことを考えていたら後ろから、

「みきたぁ〜ん!メールするからねー!」

って大きな声で亜弥ちゃんが言った。
あえて振りかえらずに美貴は後ろを向いたまま小さく手を振った。

それは照れ隠し、それ意外の何ものでもなかった。
7 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月17日(日)21時49分46秒
お話の中軸はもう少し先で。
8 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月18日(月)03時20分13秒
あやみきキター----------!!!!!
9 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)01時51分23秒



モーニングの収録が終わって携帯をチェックしたら
「未読メールが3通あります」
との表示。



10 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)01時51分54秒
1通目、ママからだった。
元気にしてる?って内容
2通目、ごっちんからだった。
調子はどう?ってまたゴハン行こうねって内容。

そして3通目は・・・
予想通り、亜弥ちゃん。

『今日はウチに泊りに来て?お仕事終わったらすぐに来てね。待ってるよ♪』

一人で舞い上がっていた。
亜弥ちゃんに家に来ないかと誘われるのは珍しいことじゃない。
でも、今日は妙に嬉しくて。
美貴は舞い上がってたんです。
11 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)01時52分33秒
「藤本〜?ちょっとキショイよ?」

「え、何がですか?」

亜弥ちゃんからのメールを見てたら矢口さんに言われた。
他のメンバーも美貴をちょっと変な目で見てる。

「何がですかって・・・。携帯見つめてニヤニヤしてたらキショイでしょーがー。」

え?・・・美貴、ニヤニヤしてたの?

「た、確かにキショイですね・・・。」

美貴がそう言うとどっとみんなは笑った。
つられて美貴も笑う。
こういうのも悪くない・・・な〜んて思った。
12 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)01時53分34秒
全部の仕事が終わってから亜弥ちゃんに電話を掛ける。

『もしもし?みきたん?』

亜弥ちゃんの声が聞こえた。
美貴は末期かもしれない。
声聞いただけで胸がドクンって言うんだから。

「あ、今終わったんだ。すぐ行くね。」

でも、そんなのは隠して普通に話をする。

『ゴメン。』

小さな声で亜弥ちゃんは言った。

「へ?」

きっと美貴の声はすごく間抜けな声だったに違いない。
13 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)01時54分24秒

『思ったより撮影長引いて・・・。もぉ少し終わりそうにないんだぁ。』

「そ、そう・・・じゃ、じゃあ仕方ないね!今日は大人しくお家に帰るよ。」

よく言えたものだ。
仕方ない、大人しく家に帰る、なんてこと。
本当は会って食事したり、お話したりしたかった。
でも、美貴はそれを口には出来ない。

『怒ってる・・・よね?誘っておいて・・・。』

怒ってないと言ったらそれはきっとウソになる。
あれだけ舞い上がらせておいて、なんて思った。
でも、仕方ないじゃんね。
仕事なんだから。

『あ、あたしね、話したいことあるんだぁ。
ん〜・・・あたしが終わってからみきたんとこ行ってもいい?』
14 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)01時54分57秒
どうしても会って話したいことがあるらしい。
美貴はそう感じた。
だから、

「いーよ。じゃあ、ご飯でも作って待ってるね。」

って言って快諾した。
美貴に断る理由はなに一つないから。
亜弥ちゃんに会えるんだ、それでいいじゃないか。

話の内容が少し気になっていたけれど。

『え、みきたんご飯作ってくれるの?嬉しいなぁ〜。
じゃあ、お弁当は食べないでおくね。』

亜弥ちゃんの笑顔が容易に想像できて美貴の顔も綻ぶ。

「うん、じゃあ、またあとでね。うん、うん、バイバイ。」

簡単な時間を聞いて、電話を切った。
15 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)02時02分39秒
珍しいですかね、こういう藤本さん。
松浦さんに一方的に押されてるイメージありますから。


>>8
レスありがとうございます。
みきあやは大好きなので同士がいらっしゃるのは嬉しい限りです。

では、次回更新で。
16 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月19日(火)18時15分34秒
あやみき発見!!
こういう藤本さん好きです。
これからに期待してます!!
17 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)20時01分29秒


美貴んチに亜弥ちゃんが来るのは結構久しぶりのことだった。
最近はずっと美貴が行ってたから。

部屋を片付けなきゃなぁ・・・なんて思いつつ美貴はテレビ局を後にした。

18 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)20時02分03秒
家に着いてからはご飯を作りながら、部屋の片付けを済ませ
亜弥ちゃんを待っていた。

「まだかなぁ〜。」

時計は9時半を指している。
会いたい、早く会いたい、そんな気持ちは募るばっかで。
でも、亜弥ちゃんは来ない。
作ったシチューの匂いが部屋には漂っている。

「はぁ〜・・・。」

って溜め息をついたところで玄関のチャイムが鳴った。
瞬間、美貴は笑顔で玄関へ走った。
19 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)20時02分38秒
扉の穴を覗くと、ちょこんと亜弥ちゃんが扉の前に立っている。
確認すると、すごい勢いでカギを開けた。

「いらっしゃい、亜弥ちゃん。」

「ゴメンね、遅くなっちゃったぁ・・・。」

白い歯をのぞかせて亜弥ちゃんは申し訳なさそうに言った。

「いいよ、いいよ。気にしないで。さ、お腹減ったっしょ?」

そう言って亜弥ちゃんを部屋に招き入れる。
少しだけだけどまだシチューの匂いは残っていた。
亜弥ちゃんはそれに気付いて、

「みきたん、シチュー?嬉しいなぁ♪」

美貴に亜弥ちゃんは軽く抱き着いて言った。
嬉しくて、嬉しくてたまらなくて。
美貴の心臓はドクンドクンしっぱなしだった。
20 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)20時03分08秒

「へへ、亜弥ちゃんに喜んでもらおうと思ってさ。あ、座ってー。」

「うんー。」

亜弥ちゃんは荷物を床に置いてソファに腰掛けた。
美貴は亜弥ちゃんが座ったのを確認すると、台所に行って食事の準備を始める。
スプーンやサラダを並べるのはもうしてあって。
美貴がするのはお皿にご飯を盛ってシチューをかけること。

「はい、ど〜ぞ〜。」

それらを全部済ませると、お皿二つを両手で持って亜弥ちゃんに片方を差し出す。

「ありがとぉ〜。」

亜弥ちゃんは笑顔でそれを受け取った。

いつもは付いてるテレビが今日は付いてなくて
静かな食事が始まった。
21 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月19日(火)20時05分54秒
ん〜・・・・話が先に進まない。w
重要なとこはもぉちょい先だぁ。

>>16
発見されてしまった!w
自分はこういう藤本さんかなりスキなんですよね。
ありがとうございます。ガンバリマスっ♪

では、次回更新で。
22 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月20日(水)03時34分48秒
あやみきだ!
照れ美貴萌え
あややが話ってなんだろう?
期待してまぁす
23 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)01時32分05秒

「ねぇ、みきたん?怒ってないよね?」

「なに、いきなり。」

亜弥ちゃんはシチューを口に運びながら聞いて来た。

「美味しぃ〜♪みきたん、超美味しいよぉ。」

心から美味しいと言ってくれている様に聞こえた。
美貴は幸せな気分でいっぱいだった。

「ありがと。で、なんで美貴が怒ってるの?」

これは聞いておかないと、ね。
24 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)01時33分03秒
「ん・・・なんてかさ・・・。
あたしが誘っといて結局ダメになったし。
なのにみきたんチ行きたいっていうワガママ聞いてくれたでしょ?
しかもご飯まで作ってもらって・・・。」

なんだ、そんなことを気にしていたか。
可愛いヤツめ。

「ぜんっぜん怒ってないよぉ〜。
怒ってたらご飯なんて作んないよっ。
それにさぁ、そんなのワガママなんかじゃないよ。」

だからもう気にしないで?って言ったら、
少しだけ曇っていた顔に笑顔が戻った。

よほど気にしていたらしい。
25 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)01時34分19秒
美貴は亜弥ちゃんとの空間が存在するだけで嬉しいのに。
美貴は亜弥ちゃんの顔見るだけで嬉しいのに。
怒るわけがないんです。
違う。
怒る必要なんてどこにもないんです。

「あ、そうだ・・・。亜弥ちゃん、話って・・・?」

「う〜ん・・・ご飯食べてからでもいい?」

「い、いいけどぉ・・・。」

なんとなくいや〜な雰囲気が漂った。
美貴はそういうの好きじゃないから、
突拍子もないことを言って亜弥ちゃんを笑わせた。
それからさっきの「話」のことなど忘れていろいろ話して笑いあった。
26 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)01時37分41秒
短いけど、今日はここまでです。
次回からお話が少しずつ動き出します。

>>22
レスありがとうございます。
あややの話・・・なんでしょうね。
ご期待の添えるようにがんばります♪

では、次回更新で。
27 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月21日(木)22時40分44秒
大好きなあやみき、しかも甘い!いいですね。
松浦さん一体何を言うんでしょう。
妹的な藤本さんはいいポイントついていると思います。
応援していますので、がんばってください!
28 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時37分15秒

ご飯は終わった。
お風呂にも入った。
29 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時37分46秒
美貴と亜弥ちゃんはお風呂から上がって水分補給をすると
ゼミダブルのベットに二人して飛び込んだ。
洗ったばっかのシーツがとっても心地よい。

「みきたん、このシーツいい感じだねぇ〜♪」

「そだね〜。いい感じだねぇ〜。」

美貴はフーなんて息吐いて、亜弥ちゃんに聞いた。

「亜弥ちゃん、さっき言ってたヤツなんだけど・・・。」

「あ、あぁ・・・あれね・・・。」

寝転がっていたからだを起こすと亜弥ちゃんは話し始めた。
30 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時38分41秒


「みきたんさ、あたしのことどう想ってる?」

31 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時39分20秒
「え・・・?」

美貴が一番言いたかったセリフだ。
『亜弥ちゃん、美貴のことどう想ってる?』って。
でも、言えなかった。
この関係壊れるの怖かったから。
苦しくても辛くても美貴がそのセリフを言わない限り
美貴と亜弥ちゃんの親友という関係が壊れることはないと思ってた。
進歩はしないけど後退もしない。
だから、美貴はそのセリフを飲みこんで来たんだ。

でも、亜弥ちゃんはそのセリフを口にした。
だからそれがどういう意味かくらいわかるよ。
32 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時40分10秒
けど、なんで?
なんで亜弥ちゃんはそんなこと言うの?
だってこの恋は美貴の片想いなんだよ?
オカシイよ、なんかオカシイよ。
33 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時40分47秒

「みきたん、答えてよ。」

「・・・・み、美貴は・・・」

美貴は何も言えなかった。

「みきたん?・・・」

「・・・・・。」

何て言えばいいのかわからない。
美貴は、美貴は、戸惑っています。
美貴は確かにどうしようもないくらい亜弥ちゃんが好きだ。
でも、それをそのまま言えないよ。
心の準備が出来てない。

もちろん、

拒絶された時のね。
34 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時41分19秒

「じゃあ、みきたん聞いてよ。
あたしがみきたんのことどう思ってるかを。」

「亜弥ちゃん・・・。」

「どうしたの?聞いてよ。」

「あ、亜弥ちゃんは・・・美貴のこと・・・どう思ってるの?」

搾り出した声はものすごく小さかった。
こんな話をされるなんて思ってもなかったんだ。
美貴の心臓はある意味でドクドクしっぱなしで。
35 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月21日(木)23時45分28秒
さぁ、松浦さんなんて言うんでしょうか。w

>>27
レスありがとうございます。
甘い関係がいつまで続くかな?w
藤本さんは基本的に松浦さんには甘いんですよね。

さて、そろそろ本題に入れるかな?
では、次回更新で。
36 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月23日(土)12時52分36秒
むぅあ〜〜!!
始めからドキドキする展開!
あやみきは真実ですね!!
37 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月23日(土)13時45分57秒
亜弥ちゃんどう思ってるのぉぉー????

あぁドキドキするぅ。
38 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時09分21秒
-------------
       
       -------------------

                   --------------- 
39 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時11分06秒



            「好き。」



40 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時11分59秒


亜弥ちゃん今なんつったの?
わからない、わからないよ。

頭も心もどこもかしこも亜弥ちゃんの言葉はわからない。


41 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時14分48秒


でもね、美貴の心臓の鼓動は間違いなく早くなっていた。

42 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時18分45秒

「・・・・・・・・・・。」

言葉は出ない。

「みきたん?なんか言ってよ・・・みきたん・・・。」

「・・・・・・・・。」

やっぱし、言葉は出ない。

「そっか・・・。気持ち悪いか、こーゆーの。」

ポツリと亜弥ちゃんは呟く。
その言葉に対して美貴は反射的にこう言うの。
43 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時19分37秒

「美貴も亜弥ちゃんが好き。」

って。
44 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時20分11秒
すっごい恥ずかしいけど、
自分の気持ちに素直になれた気がして嬉しかった。
それと同時に美貴の心臓の鼓動は少しづつおさまっていった。

「って、、、ええ!?亜弥ちゃん!?」

今まで顔が見れなかったから亜弥ちゃんの顔見なかったけど、
亜弥ちゃんは目にたくさんの涙を貯めていた。
下を向いて。
亜弥ちゃんをじっと見ていると、その貯まった涙は
亜弥ちゃんの頬を伝ってシーツにシミを作った。

ちょっと待てよ?
亜弥ちゃん、美貴の言ってることわかってる?
美貴は・・・亜弥ちゃんが好きって言ったんですけど?
なんで泣いてるの?

あ、嬉し涙?・・・いや、そうは見えない。
45 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時25分56秒
てか、まず謝らないと。
どんな理由であれ亜弥ちゃんは泣いてるから。

「ゴメンネ。」

しばらくの沈黙のあと、亜弥ちゃんはは口を開いた。

そのときの空気、雰囲気に美貴は押しつぶされそうで怖かった。

「みきたん・・・わかった・・・わかったよ。もう、寝よっか。」

「亜弥ちゃん・・・あ、あの・・・」

何も言わずに亜弥ちゃんは美貴の手をぎゅっと握り締めた。
そして、美貴の頬に唇を寄せて、

「オヤスミ。」

と言うと、亜弥ちゃんは布団をかぶった。
手は繋がったまま。
46 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時27分25秒
なんか変だ。
美貴の言ったこと、絶対亜弥ちゃん聞いてない。
最後の「ゴメンネ。」は聞いてたと思うけど、
美貴の告白聞いてないよ、あれ。
っていうか聞こえてない?
いやぁ、そんなことはない。
美貴、声どっちかっていうと大きい方だし。

なにか釈然としないまま眠りについた。
47 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月24日(日)22時36分42秒
あれ?ん?なんで?みたいな感じの藤本さんです。
さてさて朝、二人はどうなってるんでしょうか。

レスのお返事です。

>>36
藤本さんの独占欲を表してみました、冒頭のとこ。
みきあやは真実ですよ!もうヤヴァイ!w

>>37
亜弥ちゃん、↑こう思ってましたw
もう少しドキドキは続くかも・・・。

あまり長くはしないつもりですが、長くなる可能性はかなり高いですw
では、次回更新で。
48 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月25日(月)02時33分14秒
なぜだ!!??
両想いではないか
どした?あやや
49 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月25日(月)02時35分28秒
勘違いしちゃった?
んー…しかしそのまま朝迎えちゃうんでしょうか?
どきどきでつ。
50 名前:あやみき大好きっ子 投稿日:2003年08月25日(月)03時57分16秒
乗り遅れた〜!
あやみき大好きなんです。
更新待ってます!
51 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時19分48秒


朝、雨が降っている。


52 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時20分29秒
亜弥ちゃんより先に目覚めた美貴は繋がったまんまの手を見つめていた。

亜弥ちゃんの手はすごい温かい。
繋いだ手は離したくなかった。

「んっ・・・・みきたん?・・・起きてるの?」

繋いでない方の手で目をこすりながら亜弥ちゃんは聞いて来た。
53 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時21分46秒


『起きてるよ。』


54 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時22分32秒
そう言ったつもりだった。
だって美貴、口を動かしたんだもん。
でもね、亜弥ちゃんには聞こえてなかった。
55 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時23分03秒
「みきたん?なんかのクイズなの?声、出てないよ?」

『へ?そんなはずよないよ。美貴の声出てるよ?』

「みきたん?わかんないよぉ。どしたの?」

どういうことだ?
なんで?
美貴、口動かしてるよ。
あ、そう言えば自分の言った声、耳に届いてないかも。

あれ、じゃぁ美貴は話せてないの?
56 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時23分44秒
「マズイんじゃない?・・・今日もお仕事でしょ?」

言ってもきっと無駄だろうから、縦に首を動かした。

「・・・・みきたんのマネージャーにあたし電話するからね。いい?」

もう一度首を縦に動かした。
どうして亜弥ちゃんはこうも淡々としているんだろう?
きっと美貴が亜弥ちゃんの立場ならパニックものは確実。
57 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時24分16秒
亜弥ちゃんは美貴の首が縦に動いたのを確認すると、
美貴の携帯電話からマネージャーさんに電話をかけた。

「もしもし、松浦ですけど。え、あ、ちょっとお話があって。
みきたんですか?隣にいますよ。そのことでお話が。あ、ハイ。
あのぉ・・・みきたんですね・・・声、出ないみたいで。」

『ハァ〜!?』って声が電話から聞こえて来た。
きっと相当デカイ声でマネージャーさんは言ったんだろう。

亜弥ちゃんは電話を耳元から離して、美貴を見ながら小さい声で
「うるさいね」って苦笑い。
58 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時25分00秒
「あ、はい。はい・・・でも、まだ朝早いし・・・。
ん〜・・・じゃあ、9時にみきたんチに来てもらえます?
あ、松浦はちゃんと仕事行きますから。
ハイ、ハイ・・・じゃあ、失礼します。」

電話を切った亜弥ちゃんは美貴を見て

「だってさ。9時にマネージャーさん来るよ。」

『ありがと。』

伝わったかな?亜弥ちゃんに。

「どーいたしまして♪あ、みきたんお腹減ったでしょ?なんか作るね!」

繋がったままの手をを亜弥ちゃんは離そうとした。
でも、美貴はその手を離さなかった。
強く強く離れないように握り締めた。
59 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時25分54秒
昨日のことなんて亜弥ちゃんには関係ないの?
どうしてそう平然としていられるの?
美貴は亜弥ちゃんのようには出来ない。

ていうかなによりも

美貴の告白は亜弥ちゃんの耳に届いたの?
届いてなかったとしたら、
亜弥ちゃんは振られたと思ってるに違いない。
昨日最後の言葉「ゴメンネ。」は、
聞こえてたみたいだし。
もし、美貴の言葉をそれしか聞いてないとしたら
振られらたと思うのしょうがないよね。
もしかしたら、昨日からあの告白を受けた時から
美貴の声は出てなかったのかもしれない。
今思い返せば、自分の声が出てたどうかなんてわからない。
自分が口を動かしていることで喋っていると、話していると
美貴は思い込んでたのかもね。
しかも、亜弥ちゃんはずっと顔を下に向けたままだったし。
美貴の口が動いていることなんか見てなかったと思う。
60 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時30分13秒


美貴の声、なんで出ないの?

自身への問い掛けには当然のことながら誰も返事はしてくれなかった。

61 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時34分53秒
さぁ・・・どうなるんでしょう?
松浦さんにわかってもらえるかな?

レスのお返事です。
>>48
両想いなんです。
でも、松浦さんにはみきたんの告白は聞こえてないんですねぇ。

>>49
ある意味勘違いですね。
普通に朝を向かえてしまいましたw

>>50
50getおめ〜です。
自分もあやみきは大好きデスw
期待に添えられてるでしょうか?

藤本さんの気持ちは届くのか〜?
では、次回更新で。
62 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時35分36秒


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63 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月26日(火)01時36分08秒


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64 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月26日(火)04時30分09秒
おーぅ
伝わってなかったのか
届け!メケテの想い!
65 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時10分26秒

ぼーっと考え事してたら亜弥ちゃんにそれをストップさせられた。

「みきたん?・・・どしたの?」

「おーい!みきた〜ん?」

気付けばそう口が動いていた。
66 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時11分12秒

『好き。亜弥ちゃんが好き。』

だと。
声は出ない。
でも、口は動かせるよ。
67 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時11分42秒
だから美貴は昨日とは違って亜弥ちゃんの目を見て言う。

「へ?わかんないよ。」

美貴に握られたままの手と、
美貴が口にした言葉が
わからずに亜弥ちゃんは困った顔をしていた。
68 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時12分12秒
美貴は亜弥ちゃんがさっきまで使っていた携帯の
メール作成のところに

【ミキがなんて言ってるか当ててみて。】

そう打ち込んだ。
それを亜弥ちゃんに見せる。

「わかったよ。じゃぁ、もう一度言ってみて?」

首を縦に振ると、

『好き。亜弥ちゃんが好き。』

そう、口を動かした。
声はやっぱり出ない。
69 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時13分00秒
「・・・・ウソでしょ?冗談は止めてよね。」

え、・・・亜弥ちゃん、わかったの?
ちょっと早いんじゃないの?

亜弥ちゃんの目は軽く怒ったような嬉そうな判断つきにくい目だった。

「みきたん昨日の夜、あたしのこと振ったじゃん。」

違う!美貴は振ってなんかない!
声が出てなかっただけだよ。

さっきの打ち込んだ文章消して

【多分、ミキの声さ亜弥ちゃんに好き。
って言われたときから出てなかったと思うんだ。】

こう打ち込んだ。
相当時間がかかったけど。
70 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時13分39秒
「どういう意味なの?わかんない、わかんないよ。」

もう一度携帯を手にしたけどまた時間がかかりそうだったから、
亜弥ちゃんにベット脇にあるペンとメモ帳を指差して取るように目配せした。

「はい。これでいい?」

美貴に手渡すと亜弥ちゃんは聞く。
美貴はコクンと頷いた。

手は繋いだまま。

片方の手で必死に文字を綴った。

<美貴ね、亜弥ちゃんに言ったんだよ。
好きって。美貴も好きだよって。>

書き終える前に亜弥ちゃんは反論した。
71 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時14分36秒

「言ったって・・・聞いてない。そんなの・・・聞いてない。」

<だから、美貴の声出てなかったんだってば。
美貴はその時気付いてなかったんだよ。
声出てないことにさ。
それにさ、亜弥ちゃんは下向いてたじゃん?
美貴の口が動いているかどうか、気付かなかったでしょ?>

アハッ・・・超長いや。
でも、亜弥ちゃんは書き終えるまでじっと美貴の指先を見ていた。

「で、でもでも・・・みきたん・・ゴメンって言ったじゃん。
ゴメン、付き合えないって意味じゃなかったの?」

『違うよっ!』

声は出ないのに美貴は口を動かした。
それを亜弥ちゃんはすぐに読みとってくれた。
72 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時15分09秒

「じゃ、じゃあ・・・両想い?」

小さく美貴は頷いた。

「なんだぁ・・・そっか・・・そうなんだぁ・・・。」

はぁ〜〜〜って深い溜め息を亜弥ちゃんはついた。
73 名前:ぺてん 投稿日:2003年08月30日(土)02時20分18秒
伝わった・・・みたいですね。

>>64
届きましたよ〜。藤本さんの想い。

んでは、次回更新で。
74 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月30日(土)11時20分29秒
はぁ、一安心。ペンで書く時も手を離さないあやみきに萌え。
これからどうなる事やら、期待です。
75 名前:まる 投稿日:2003年09月03日(水)23時36分26秒
 続きが気になります!
あやみきは個人的に大好きなんで期待してます。
頑張ってくださ〜い!
76 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/12(金) 17:45
おや、みきあやだ
なんだなんだ?なんで声でないんだろう?
ゴメンネは聞こえたのか?
うーん、不思議だらけです。続き待ってます。
77 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:22





 
78 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:23


「でも、待って。」
79 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:24

亜弥ちゃんは急に溜め息を止めると、
緩ませていた顔を真剣なものへと変えた。

美貴は軽く首をかしげる。

「なんで?みきたんの言ってることが本当だとしたら・・・
ゴメンネ。ってなんでそれ聞こえたのさ?」

『そ、そんなの知らないよっ!』

聞こえてないのに反論をする美貴。
でも、亜弥ちゃん、意味はわかったみたいで・・・
黙り込んでしまった。
不安げな表情を浮かべて。

「・・・・・・だよね。」
80 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:25
そんな亜弥ちゃんを手が繋がったまま抱きしめた。

気持ちが通じ合ったんだ。
これぐらいいいよね?

「たん・・・。」

甘い声で亜弥ちゃんは呟く。

美貴は抱きしめた手を離すと目を閉じて亜弥ちゃんに口付けた。
そうすることが自然の流れのように美貴は感じていた。

唇を離すと美貴は笑顔で亜弥ちゃんを見た。
亜弥ちゃんにしか見せない特別な笑顔。
81 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:27
『美貴ね、』

亜弥ちゃんにわかるように口を大きく開けて単語一つ一つを確認しながら
ゆっくりと話し始めた。
声はもちろん出ないよ?
でも、きっと亜弥ちゃんはわかってくれる。

そう信じて疑わなかった。

亜弥ちゃんは始めの単語を理解したのか小さく頷く。

『かなり前からさ、』

亜弥ちゃんはもう一度頷く。

『亜弥ちゃんがね、』

亜弥ちゃんが頷く前に美貴は続ける。

『好き・・・、』

『だったよ・・・。』

改めて言われた事が恥ずかしかったのか亜弥ちゃんは顔を真っ赤にした。
そして、小さな声で・・・

「ありがとう、みきたん。」

そう言って美貴の唇を奪った。
触れるか触れないかというようなキスだったけど、すごく嬉しかった。
だって、美貴からしたんじゃないんだもん。
亜弥ちゃんが顔真っ赤にしてしてくれたんだもん。
嬉しくないわけない。
82 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:27
「んじゃぁ、ご飯作るね。みきたん、手ぇ離して?」

美貴は首を横に振る。

「でもぉ・・・。」

口を尖らせて亜弥ちゃんは抵抗する。

「ねぇ、みきたん・・・?」

ん?って顔して亜弥ちゃんを見る。

「あ、あのね・・・今日もお仕事早いんだぁ。
だから早くご飯作ってシャワー浴びたいなって思うんだけど・・・。」

究極の上目遣いで見てくる。
美貴が敵うはずない。
83 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:28


ゆっくりと握り締めた手を離した。
84 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:29
「じゃ、じゃあ作ってくるからね。
みきたんもボーっとしてないでシャワーでも入って来なよ。ね?」

一気にまくし立てて亜弥ちゃんは寝室から出て行った。

『はぁ・・・』

声にならないため息がもれる。

もう一度ため息をつくと、
亜弥ちゃんが居なくなって広くなったベットに大の字になった。

ふと窓の外を見ると雨足は先程より確実に強くなっていた。

雨にでも打たれれば声は出るかも、なんていうバカな考えが頭を巡った。

娘。の仲間たちは美貴の声が出ないことになにを思うんだろう?
可哀相なんて思われるんだろうか。
それとも美貴がいなくなって美貴の加入に肯定的じゃなかった人は、
口には出さないにしろ喜ぶんだろうか。

どっちにしてもそんなのイヤだし、・・・なにより悔しいじゃないか。
85 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:36
藤本さん大丈夫?な感じで。

>74
きっと安心するんでしょうね、手を握るって言う行為は。
これからどうなるんでしょー。

>75
頑張りますよぉ。
自分もあやみきは好き過ぎます。w

>76
このお話は不思議イパーイでお送りします。
今後ともごひいきに♪
86 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:37


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87 名前:ぺてん 投稿日:2003/09/15(月) 18:37

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88 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/15(月) 19:16
気持ちは無事通じたみたいだし
今後どんな展開になるのだろう?

>今後ともごひいきに♪
もちろんですよろしくお願いします。
続き楽しみにしてます。頑張ってください。
89 名前:ばかっち 投稿日:2003/09/21(日) 09:13
ああ〜リアルタイムで読んでしまいました〜

でも、…

すごい!
素晴らしいッス!

こんな藤本さんって本当にかわいい〜〜

気持ちが伝わっててよかったあ〜
これからはどうなんだろう?

続き楽しみに待ってます。
頑張ってください!
90 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/03(金) 10:46
あの、更新お願いします。
アヤミキ大好きなんで。
91 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/03(金) 19:51
更新、楽しみにしてます♪

でも、そろそろ…
我慢できなくて、死にそうです(笑)
92 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:21
今の時間は8時30分。
亜弥ちゃんは8時を少し過ぎたくらいに美貴の家から出掛けていった。

なんていえばいいのかな。
言いようのない不安。
亜弥ちゃん一人いないだけでおかしくなりそう。
それでなくても声が出なくて不安なのに・・・。
出かける前に亜弥ちゃんは、

「今夜も出来るだけ早く来るからね。」

と、言ってくれた。
それだけが今の美貴の支えになっていた。
93 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:22

9時にはマネージャーが来る。
どうやって説明すればいいかな?
やっぱ筆談でいいよね?
まぁ、それはいいとして・・・だ。
なんでかって聞かれたらどーいえば良いんだろう。
『急に出なくなったんです。』
って言って信じてもらえる?
普通信じないよね、美貴なら信じない。
じゃあ、どう言えば・・・

『はぁ・・・。』

ため息が誰もいないリビングに漏れる。
もちろん声は伴わない。

あぁ、やめたやめた。
もう考えるのやめよう。
もういいよ。
信じてくれなかったとしても、出ないんだよ。
どうしようもないんだよ。

一人用のソファに膝を抱えて座りなおし、
何も考えずに9時を待つことにした。
94 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:23
そして、9時12〜3分頃にマネージャーはやってきた。

慌てた様子で来るのだろうかと思っていたら
妙に落ちついてて、こんなことを美貴に言った。

・しばらくの休業。
・病院で見てもらう。

まぁ、これは予想出来たこと。
なんの驚きもない。
少し、悔しいってだけ。
でも、最後の一つには驚かされた。

・休業中は家から出るな。

なんでよ?
という声にならない問い掛けに対し、マネージャーは答える。
95 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:23

「声が出なくなった、ということ自体を隠し通すの。
つまり、アナタは過労で休業ということにするから。
ヘタに外に出てバレでもしたらアナタだって大変なのはわかるでしょ?」

『そうだけど・・・』

威勢よく質問したのに完璧な返答が返って来てしまい、
俯いて美貴は口篭もった。

「ま、そういうことだから。わかったわね?」

あえてマネージャーは見ずに軽く頷いてみせた。

「じゃあ、病院へ行きましょうか。」

座っていたソファから立ち上がってマネージャーは言う。

「さ、早く着替えてきなさい。」

何も言わずにゆっくりとした歩調で寝室へ入った。
適当に服を選んで髪を梳かし、軽くメイクを施して
寝室を出る。

「OKね?じゃあ、行きましょう。」

出て来た美貴を確認すると、マネージャーはそう言って玄関へ向かった。
美貴もそれに続く。
96 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:24

考えていたこととはいえ、病院へ行くのは少し気が引けた。
病院が怖いわけじゃない。
むしろ、なんで声が出ないのかわかればそれはいいことだと思う。
でも、原因がわかるということは
心の内を誰かに知られるということのような気がして
怖い、とは違うよくわからない感情が芽生えていた。

美貴の心の内を知っているのは亜弥ちゃんだけでいい。
そんな考えが病院へ向かう車の中でフト頭の中を過った。
97 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:31
更新完了ー。
随分とお待たせしてしまい、申し訳ないです。
散々待たせてあやや登場ナシ。w
ホント申し訳ないです。

ではレスのお返事ー。
>>88
展開は今回あんましかわんなかったですねー。
期待に添えるよう頑張りま〜す。
>>89
おっ。リアルタイムだぁ〜
カワイイっすか?みきたん
ここのみきたんは少し、小難しい人のようですw
>>90
スイマセン、ホント。
あやみきマンセーですな。
>>91
更新しました〜。
死んじゃダメですよぉーw

さてさて、みきたんどーなっちゃうの?
98 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:31


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99 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:31


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100 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/04(土) 10:32


100get.
101 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/04(土) 16:30
うわっ、みきたんどうなっちゃうんでしょうか?!

どうして声が出なくなったのか、病院に行けば分かるのでしょうか…。
私は亜弥ちゃんではないのですが、みきたんの心の内が知りたいですw

本当に、続きが楽しみです。
更新、頑張ってください♪
もちろん、無理をしない程度でいいんですけど…(汗)
102 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/05(日) 11:16
おもろいっす
103 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:25

結局病院へ行っても答えは出なかった。
一過性の失声症だと言われただけ。
原因として思い当たることはないかと聞かれたけれど、
なんにも思い当たらなかった。
いつ声が出るんですか?
というマネージャーの問い掛けに医者は
「現状では全く予想が出来ない。」
とだけ答えた。

美貴はその会話を人ごとのようにしか感じられなかった。
104 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:25
病院を出ると家まで送ってもらった。
車の中で、マネージャーはこう釘を差した。

「絶対に家を出ちゃダメよ?
それと・・・・メンバーには過労って説明だからね。」

言うな、ってことね。
まぁ、言えないけど。

「あ、松浦にもちゃんと言っときなさいよ。」

美貴はコクリ、と大きく頷いた。

「じゃあ、部屋に戻りなさい。
なんかあったらすぐにメールして。」

もう一度大きく頷いて車を出た。
105 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:25

部屋に入ると、大きくため息をついてベットに寝転がった。
もう、誰の温もりも持たないベット。
その冷たさがなんだか少し心地よかった。

気付けば、瞼が閉じかかっていた。
そういや少し眠いかもしれない。
何も考えずそのまま瞼を閉じた。
106 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:26
「・・・たん?みきたん?寝てるの?」

ん・・・?誰の声・・・?

「みきたんってばぁ・・・服着たまんまじゃんよぉ・・・。」

瞼が少し重い。
けれど、誰かに呼ばれているみたいだ。
ゆっくりと重い瞼を開いた。

「あ・・・やちゃん・・・?ってわぁ!!」

目を開くと至近距離の亜弥ちゃんが目に入った。
よくよく見ると、ベットに肘を付いて美貴の頬を突ついていた。

「へへっ。勝手に入ちゃったぁ。ゴメン、怒った?」

何の反応もしない美貴に悪びれる様子もなく謝る亜弥ちゃん。
107 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:26
フト・・・なんだか無性に彼女が欲しくなった。

「ちょ、ちょっと?みきたん?」

起き上がって、亜弥ちゃんを抱き締めた。
亜弥ちゃんの首筋に頭を埋めてキツク、キツク抱き締める。
すごい温かくて、ちょっぴり涙が出そうになった。

「よしよし。寂しかったぁ?」

少しだけ首を縦に動かした。

「そっかぁ。でも明日はほら、お休みだからさ。ずーっと一緒だよ?」

そういえば、プリクラ取りに行くって約束してたっけ。
美貴は休みじゃないんだけど、午後から時間があったんだ。

「わかってる。外へは連れてかない。みきたんのマネージャーさんに釘差されたし。」
108 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:27
「ねぇ、みきたん?」

ん?って顔をして亜弥ちゃんに見せる。

「もう少しだけ、こうしてて?」

弱々しい小さな声で亜弥ちゃんは言った。
美貴は「うん」と口を動かしてまた亜弥ちゃんをキツク、キツク抱き締めた。

「・・・・みきたん、大好き。」

さっきよりも小さな聞きとるのも難しいような声で亜弥ちゃんは呟いた。

「美貴も大好き。」

彼女には届かないけれど、美貴も小さくそう呟いた。
109 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:27

こんな時間がずっと続けばいい。
声なんか出なくても、別にいいじゃないか。

沈みかけていた心が少し軽くなっているのがわかった。


110 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:31
甘くいってみました。
さてさて、そろそろ物語を展開しないと。

>>101
ありがとうございます。
期待に添えられていれば幸いでございます。

>>102
ありがとうございます。

お休みのお二人どーなるの?

111 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:31


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112 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:31


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113 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/07(火) 22:31


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
114 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/08(水) 01:28
た、たまらん…(激萌)
休日のあやみきも砂糖多めでお願いします!
115 名前:たか 投稿日:2003/10/08(水) 11:43
サイコーです。続きみたいですね〜。
アヤミキ大好きなんですよ。美貴ちゃんどうなるんだろう。
気になります。
116 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/08(水) 19:08
毎日チェックしてましたw
更新お疲れ様です〜♪

甘甘になりそうで、嬉しいです
117 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/10(金) 19:07
お疲れ様です。
毎日必ずチェックしてます。
あぁ〜気になります。
118 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 15:56

昨日降っていた雨からは考えられないくらい太陽が輝いていた。
外に出て、散歩でもしたい。そんな天気。
でも、美貴は外に出ることは出来ない。
一瞬だけ苛立った気持ちが心の奥から出てきた。
だけど、隣で眠っている亜弥ちゃんを見るだけでそんな苛立った気持ちはすぐに消え失せた。

『好きなんだ。もうどうしようもないくらい、・・・好きなの。』

亜弥ちゃんを起こさないように髪をゆっくりと撫でながらおでこに唇を落す。

「んっ・・・・。」

小さなうめき声をあげて亜弥ちゃんは寝返りをうった。
スースーと寝息を立てて眠っている。

こういうの見ると、純粋に可愛いって思う。
なんていうか普段とは違うっていうか・・・
どっか無防備なんだよね。
119 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 15:56
な〜んて考えていたら・・・

「・・・・んー・・・ふわぁ・・・。」

亜弥ちゃん起きたみたいです。

「みきたぁん、おはよぉございまぁ・・・す。」

どっか気の抜けた声で美貴に言う亜弥ちゃん。

『オハヨ。』

目を擦りながら亜弥ちゃんは美貴をマジマジと見つめる。

『どしたの?』

「ふぇ?や、可愛いなぁ・・・って。」

サラっとこんなことを言っちゃう亜弥ちゃん。
恥ずかしくないわけがない。
顔が真っ赤に染まっていくのがわかった。

「アハッ。みきたん照れてるぅー。」

『ち、違うよ!亜弥ちゃんの方が・・・カワイイし。』

「ん?わかんないよー。なになに?紙に書いて、書いて。」

首を横に振る。
書けるわけないっしょ?んなこと。
120 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 15:57
「えー。なによぉ〜。意地悪ー。」

後ろを向いて頬を膨らませて拗ねる亜弥ちゃん。
そんな彼女の身体を後ろから抱き締めた。
肩に顎を乗せて頬にキスをする。

「ご機嫌取ってるの?」

首を縦に振る。

「じゃあ、許す。」

亜弥ちゃんは美貴に振り返って唇にキスを。

「へへ。不意打ちー。」

してやったり、という表情を浮かべて亜弥ちゃんは微笑んだ。

『もぉー。』

これで彼女からのキスは2回目だ。
121 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 15:57


結局お昼までベットに入ったまんまずっとイチャついてた。
そんな時間は怖いくらい幸せだった。
122 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 15:58
「みきたん、言葉が通じない分甘えん坊になったね。」

ふにゃっていう笑顔を浮かべて亜弥ちゃんは言った。

『そう?』

ダイニングで昼食を取りながら話す。

「うん、そんな気がする。」

そうかなぁ?美貴、甘えん坊?

「でも、甘えん坊のみきたん嫌いじゃないよ。」

お味噌汁をズズっと啜ってから亜弥ちゃんは言う。

美貴もなんか言った方がいいよね?

食卓に置かれた携帯電話に

【じゃあ、もっと甘える。】

そう打ち込んで亜弥ちゃんに見せる。

「もぉー。何言ってんのよー。」

口ではそう言うけれど、顔はすごく嬉しそうってか幸せそうな感じがした。
亜弥ちゃんのこういう顔は美貴も幸せになるね。
123 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 16:07
スゴイ短いですが、一応更新。
もう少し書いてから・・・とか思ってたんですが
ちっとしばらく先に進めなさそうなので更新しときます。

では、レスのお返事を。
>>114
どうでしょ?お砂糖多めになってますかね?

>>115
最高だなんて、作者調子乗りますよ?w
美貴ちゃんホントどーなるのー?w

>>116
毎日チェックですか?
すんごい嬉しいですっ∬∬´▽`)ノ サンクスです。
こりゃ、のんびり書いてる場合ではないですなw

>>117
おっと、こちらも毎日チェックですか。
いやぁ、嬉しい限りでございます。
( ´D`)ノ さんきゅうれす。

では、次回更新で。
124 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 16:08


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
125 名前:ぺてん 投稿日:2003/10/19(日) 16:08


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
126 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/19(日) 16:27
更新お疲れ様です。
短いですが、甘甘でいいですね〜♪ 甘えん坊藤本さん最高!
ぺてんさん頑張ってください! 応援してます!
127 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/20(月) 15:26
癒されますた。
128 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/28(火) 23:18
甘える藤本さんめちゃくちゃ可愛いです!
相手が松浦さんだからこそここまで甘えられるんでしょうね。
ああ、もう改めてあやみきって最高!^^
129 名前:たか 投稿日:2003/10/30(木) 18:09
面白すぎッすよ〜。美貴ちゃん声出てなくても元気のとこがいい!!!
はぁ〜面白い。作者さん!!前の作品とかありません?
初心者なもんで、あまり知らないんです。作者さんも亜弥も美貴もサイコ=。
130 名前:りんりん 投稿日:2003/11/05(水) 20:09
面白いです☆
続き待ってます。
作者さん、頑張ってください!
131 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/09(日) 15:08
更新まだかな・・・
132 名前:あやみき教信者 投稿日:2003/11/10(月) 17:27
あやみき小説ハケーン!
最初から一気に読んじゃいました。
更新楽しみにしています
133 名前:にゃー 投稿日:2003/11/10(月) 19:59
待ってますよ(汗)
134 名前:あやみき最高! 投稿日:2003/11/15(土) 09:25
更新待ってますよ(泣)
135 名前:ぺてん 投稿日:2003/11/15(土) 15:03
たくさんのレスをありがとうございます。
どどーんっと更新したいとこなのですが、PCに触れる時間がほとんどありません。
ストックもほっとんどありません。
なので、しばらく更新は出来ません。
申し訳ないです。
しかし!しかし!
放置というわけではないので、必ず更新はいたします。
それまで気長に待って頂ければ・・・と思います。

では、その日まで・・・。
136 名前:あやみき信者 投稿日:2003/11/18(火) 22:43
まってます!
いつまでも〜〜☆☆
137 名前:たか 投稿日:2003/11/20(木) 08:20
作者さんがんばってください!!
いつになっても待ってますから安心してください!!!
138 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/09(火) 00:38
待ってます。
139 名前:青羅 投稿日:2003/12/15(月) 18:45
更新するまでいつまでもまってます

140 名前:ベル 投稿日:2003/12/16(火) 17:37
待ってますよ。頑張ってください。
141 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/18(木) 23:05
我慢するんで更新はドヴァーーっと頼むぞ。
142 名前:ベル 投稿日:2003/12/25(木) 22:31
メリークリスマス!

のんびり待ってますよ。
143 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/11(日) 12:56
作者さんを信じてもう少しいや、いつまでも待ちます!
甘甘なみきあやが見たいので・・・。
更新がんばれーーー!!
144 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/31(土) 13:57
保全!!
145 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/03(火) 20:39
私も保全!!
146 名前:こう 投稿日:2004/02/08(日) 19:56
帰って来て〜(涙)
147 名前:名無しの存在 投稿日:2004/02/27(金) 23:43
は、はやく更新を〜
148 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/03/06(土) 14:15
もう、終わりだね
作者が小さく見える・・・(泣)
149 名前:名無しの存在 投稿日:2004/03/20(土) 21:49
小さい、作者が小さく見えるよ〜
150 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2004/03/20(土) 23:09
あげてる人は
メール欄に半角でsageと書こう
151 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/21(日) 13:49
気長に待ってるつもりなんですけど、いつ更新なんですかねぇ。
でもまだ待ちます!!
152 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/30(火) 12:15
お〜い、待ちくたびれてきたよぉ。。。
ずっと待ってるんですけど、いつか報われる時がくるんでしょうか・・・。
153 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/06(火) 17:38
毎日チェックしてまだ待ってます。
154 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:00
ようやく仕事が片付き、PCに触る環境が戻って来ました。
少しづつ書き溜めた分を更新しようと思います。
待たせたわりに物凄く短いですが、ご勘弁下さい。
では、どーぞー。
155 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:00
「ねぇ、みきたん」

『ん?なになに?』

見終わったDVDを片付けていたら、
小さな子供みたく亜弥ちゃんが美貴の服の袖を引っ張ってきた。
表情もすごく幼い感じ。

「晩御飯どうしよっか?」

『え、どう・・って?』

「あー、えと・・・・外に食事に行かない?」

探るようなそんな目で美貴にたずねる。

『いや、でも・・・ダメ・・・じゃん?』

「ダメなのはわかるよ?でも、・・・退屈じゃない?家にばっかいて。」

『それは・・・そーだけどさ。でも、ダメだよ。』

「え?わかんないよ。ダメ?」

深く深く頷いて見せた。
156 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:01
そりゃ、行きたくないわけないさ。
けど、事務所やメンバーに迷惑をかける訳にはいかない。
美貴が外に出なければその心配はないんだし。

「そっかぁ・・・あーあ。」

『ゴメン。』

服の袖を持つ亜弥ちゃんの手に指にキスをして謝った。

「優しいんだから、もう。」

ガバって音がするくらいすごい勢いで亜弥ちゃんは美貴に抱きついた。
二人してソファに倒れ込む。
お互いの顔が物凄く近くて、顔は真っ赤になる。
吐息なんかもちょっとかかってたりして。

「みきたん、しばらくこーしててもいい?」

軽く頷くと亜弥ちゃんはゴソゴソを動いて、美貴の首筋に顔を埋めた。
首に掛かる些細な吐息が何故か凄く心地いい。

そういや、昨日もこんなことあったっけ。
きっと美貴の温もりを感じている事が彼女の精神安定剤でもあり、愛情表現なんだろう。
そんなことを美貴はボーっと考えていた。
157 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:01
夜、ベットに入って二人で話をする。
どうでもいいことだったり、結構マジな話だったり。
まぁ、話っていうか美貴は頷いたり首振ったりしてるだけだけど。

「みきたんさ、なんとなく・・・わかってたりしない?」

『へっ?』

「声が・・・出ない原因。」

『そんなの・・・わかんないよ。』

「そっか。」

ゆっくり深く頷く。

「・・・・もぉ、寝る?」

もう一度深くゆっくり頷いた。

しらばくすると、寝息が聞こえて来た。
眠る彼女の唇にキスを落として美貴も眠りについた。
158 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:01
次の日、目が覚めると亜弥ちゃんはとなりいなかった。
ベット脇の棚にメモが1つ。

【まだ時間が早いので起こさずに行きます。
今日も夜来るからね。でも、少し遅くなるかも。
では、行ってきます。
                   亜弥】

なんでだろ。
亜弥ちゃん一人いないだけで胸にぽっかりと穴が開いた感じがする。
すごく、寂しい。

また、雨が降っている。
また、大雨。

雨は嫌い、心底そう思った。
159 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:02
声が出なくなって一週間が過ぎる。
案外早いもんだ。
朝亜弥ちゃんを見送って、昼テレビを観て夜、亜弥ちゃんを出迎える。
それだけの日々だけれど、退屈ってわけじゃなくて。
旦那さんを待つ奥さんみたいな感じだ。

そして、1週間目の出来事。



「じゃあ、もう行くね。あ、今日は早いかもしんない。」

『あ、うん。わかったよ。』

「それじゃあ、行ってきます。」

上着とカバンを手に、コーヒーを一口口に含んで亜弥ちゃんは美貴の家を出た。
いつものように、食事した食器を流しに運んで洗ってソファに腰掛ける。
テレビをつけた。
と、急にベット脇にある携帯電話がけたたましい音をたてて鳴り響いた。
この着メロは・・・マネージャーか。
寝室へ向かい、携帯を開く。
160 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:02
【なにか欲しいものでもある?話あるからそっち行くわね。】

なんだ、話って?
まさか・・・引退って運びになったとか?

そんなこと・・・あるはずないよ。
自分に言い聞かせるだけで精一杯だった。

【なんか新しいDVDかゲームか欲しいです。】

メールを送信してパタンと閉じる。

数分後

【わかった】

と一言だけきた。

リビングのイスに座ってさっき淹れたコーヒーをすする。
マネージャーの話、怖くて胸騒ぎがしてどうにも落ち着かなかった。

そして、20分後玄関のチャイムが鳴った。
161 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:03


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162 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:03


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163 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:03


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164 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/07(水) 01:06
ゆっくりではありますが、完結させようと思っていますので
末永くよろしくお願いします。
では、また次回更新で。
165 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/07(水) 06:21
うわ、わわわ〜!!
こ、更新キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ぺてんさん、おかえり。
いつでも待ってますよ。頑張ってください。
166 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/07(水) 08:34
こ、更新ありがとうございます!
やっと報われる事が出来てほんとよかったぁ。
甘えん坊ミキティめっちゃ可愛いです。
それに亜弥ちゃんが旦那さん、なんか(・∀・)イイ!かもw
それとマネージャーさんは一体何を話しに来たんだろうか。
次回も待ってます!
167 名前:名無しの存在 投稿日:2004/04/07(水) 10:05
更新きましたねー。お待ちしておりましたよ、ぺてんさん
168 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/08(木) 17:34
あやみき大好きですー、これから良い展開を
待っています。では頑張って更新して頂く事を
望んでおります!
169 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:54

そして、20分後玄関のチャイムが鳴った。
170 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:56

カギを開けて家に招き入れると、マネージャーはリビングのソファに座った。
美貴にも座るように言い、話は始まった。
171 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:57
「・・・・実はね、・・・・昨日松浦が倒れたのよ。」

『へっ?たお・・・れた・・・?』

「過労。まぁ、大した事はないんだけど・・・その・・・あのね・・・」

『美貴のせいですか・・・?』

人差し指で自分を指して言った。

ゆっくりとマネージャーはうなずいた。ように美貴には見えた。

「いや、アナタのせいだとは言わない。でも、原因である事は確かだと思うの。」

美貴は・・・ただ唇を噛み締めることしかできなかった。
172 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:57
「夜遅くまで働いて、自分の家に帰ることもなくアナタの家にやって来て、・・・・
本人はなんてことないと思ってたんだろうけど、やっぱり疲れてたみたいね。」

『ゴメンナサイ・・・ホント・・・迷惑ばっか・・・ゴメンナサイ・・・』

急に溢れ出した涙を美貴は止める事が出来なかった。
ぽたぽたと床を濡らしながら「ゴメンサイ」と美貴は言いつづけた。

マネージャーは美貴の言うことがわかったようで、涙を流す美貴の肩を抱きながら、

「大丈夫、アナタだって辛いんだもの。大丈夫。・・・大丈夫よ・・・。
わたしこそゴメン、キツイ事言って・・・。」

そう言い続けていた。
そう言われたのが嬉しかったのか悲しかったのか美貴の涙はより一層多くなっていた。
173 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:57
涙が落ち着くと、マネージャーはゆっくりと話し始めた。

「今日、松浦はここには帰って来ない。強制的に家に帰らせるわね。
しばらく、・・・ここへは来ない事になると思うわ。
昨日も帰らせるはずだったんだけど、松浦が絶対イヤって言い張っちゃってね。
でも、今日は・・・そういうわけにはいかないの。わかって・・・くれるわね?」

『・・・ハイ』

少し間が開いたけれど、美貴は頷いた。

「・・・わかってるのよ?アナタを・・・こんな状況になったアナタを救っているのが松浦だって事は。
でも、でもね・・・」

『わかってますから。・・・大丈夫です。』

微笑んで見せた。
誰が見たってただの強がりだったけど、今はそれでもよかった。
顔だけでも、明るいんだから。

「そう・・・。ならよかったわ。それとね、・・・」

まだなにかあるんだろうか。
まだ美貴を苦しめるんだろうか。
174 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:58
「アナタ自身のことなんだけど、もう1週間になるわよね?
そろそろ過労っていうのには限界なのよ。
それで・・・ね・・・。」

この人はいつも口篭もる。
時にムカついたりするけれど、今はなにも言って欲しくなかった。

「・・・・本当に・・・いえ、止めましょう。今日はもう帰るわね。
明日、また来るから。いい?」

コクリと美貴は頷いた。

美貴の心の声でも通じたんだろうか。

マネージャーはDVD数本を置いて帰って行った。
175 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:59

なんなんだよ、いろいろありすぎて美貴おかしくなっちゃうよ。
亜弥ちゃんが倒れた?なんだよ、それ。
もう一週間になる?そんなことわかってるよ。
どうすりゃいいのさ、美貴に何が出来る?
もうわかわかんないよ。

頭が割れそうに痛くなったあと、なにもする気が無くなって美貴はソファで死んだように眠りこけた。
176 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/17(土) 23:59
目が覚めると、開けっぱなしのカーテンの窓からオレンジの光が射していた。

そう・・・もう、夕方なんだね。
起きあがってみても、やっぱり何もする気にならなかった。

と、テレビの横の本棚が光ったように見えた。
漫画を大量に並べてある本棚のそばに駆け寄ると美貴は一冊の本を手に取った。
パラパラと捲っていくうちに1枚の紙が挟まっているのに気がついた。

あれ?こんなの挟んだかな?

手に取って見てみると、内容は衝撃的なものだった。
いや、意味がよくわからなかったと言った方がいいかもしれない。

その紙は美貴の手を自然に滑り落ちてカサっという音と供に床に落ちた。
177 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/18(日) 00:00

『君の想いの深さが声を消したんだ。』
178 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/18(日) 00:00


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179 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/18(日) 00:00


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180 名前:ぺてん 投稿日:2004/04/18(日) 00:02
更新してみました。
しばらく、個々のみなさまへのレスは控えたいと思います。
スイマセン。
では、次回更新で。
181 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/19(月) 20:00
ななななんだ!?
最後のが一体どういうことなのかひじょうに気になる。
次回も待ってます。
182 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/09(日) 13:24
今初めて読みました。読みやすいから思わず一気に。
同じく気になるーーーー!お待ち申し上げてますm(_ _)m
183 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/09(日) 16:19
わっ、更新されてる! 
待ちに待った続きを読ませてもらいました。
>181さん、>182さん、私も気になります!
一体この後どうなっていくのか楽しみでなりません。
ぺてんさん、更新待ってます。
                応援してます!!
184 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/22(土) 23:29
うー気になるです!!甘さ控えめにならない事を願います。
185 名前:仕事中 投稿日:2004/05/31(月) 20:31
続き期待!!
186 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/31(月) 22:14
↑上げないでっ!!自分も更新たのしみにしてます〜
187 名前:名無し読者 投稿日:2004/06/21(月) 02:46
お待ちしています。
188 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/27(水) 21:39
待ってますね!
189 名前:あれ〜?? 投稿日:2004/11/26(金) 20:18
はじめてみました。
すげ―続きが気になります!!
作者さん、お願いします。。。

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