小さき世界
- 1 名前:模倣作家 投稿日:2003年08月21日(木)19時17分49秒
- 帰省した時、その昔読書感想文用に買った本をみつけた。
暇だったので、読んだらつまらないものでした。
いかに高名でも今では受け容れないものだと感じました。
ただ登場人物をハロプロのメンバーに置き換えるとおもしろい
かなと思ったので、二つの小説を組み合せて書いてみました。
初めて書くので変なところもあるでしょうが、お許しを。
それに時代設定は現在のつもりですが、元が・・・
その上話の展開が気に入らないところを変えたりしたので、
余計おかしなことになってます。
そこのところ大目に見てよんでください。
- 2 名前:第1章−1 投稿日:2003年08月21日(木)19時24分03秒
- 麗奈と祖母の裕子の二人だけの生活に、美貴という
十八歳の少女がやって来て同居するようになった
のは、麗奈が十三歳の春のことだった。美貴の名は
祖母の口から何度か聞いたことがあったが、彼女の
姿を見たのは、その時が初めてだった。
麗奈はなんとなく不可解なものが、静穏な祖母と
自分の二人だけの生活をみだしに来たような気が
した。そうした美貴への印象は、初対面の時に受け
たものか、美貴に対する村人のよからぬ噂からかは、
はっきりしなかった。あるいはその両方なのかもしれ
なかった。
その日麗奈が学校から帰ると、屋敷と小川に接して
いて、屋敷より一段低くなっているたんぼのあぜ道を
両肘を張るようにハーモニカを吹いて歩いている一人
の少女の姿が目に映った。少女といっても麗奈よりずい
ぶん年長だった。
- 3 名前:え? 投稿日:2003年08月22日(金)01時03分11秒
- それってパクリじゃん
- 4 名前:模倣作家 投稿日:2003年08月22日(金)18時07分50秒
- パクリでもいいじゃん
- 5 名前:第1章−2 投稿日:2003年08月22日(金)18時09分19秒
- 村では見かけない娘だった。まだ寒さの残る春の風に
茶髪をうしろに飛ばせている姿は、麗奈の眼には印象的
であった。
麗奈もあぜ道を歩いて来たが、その年長の少女と正面
からぶつかるのを避けて、途中から小川を越えて土蔵の
横手から屋敷へと駆け上がった。垣根の内にもぐり込む
と柿の木によじのぼった。少女は相変らずハーモニカを
吹きながらあぜ道を歩いていた。
麗奈がその少女を見続けているうちに、彼女はしだいに
近ずき、柿の木に登っている麗奈を見つけると視点を
据えてこちらを見た。その黒い大きな眼が麗奈を驚か
せた。一体この少女は誰だろう、もしかしたら美貴かも
しれないと麗奈は思った。
美貴という近くの港町の高校に通っている少女が祖母の
身内にあり、彼女のあまりよくない評判は、同じ高校に
通っている数名の生徒によって、この村に伝えられて
いた。
- 6 名前:第1章−3 投稿日:2003年08月22日(金)18時10分38秒
- 麗奈は柿の木から降りると、屋敷の縁側から中へ駆け
込んだ。あのように美しい少女は、美貴であらねば
ならないと思ったし、あのような不良は(あの茶髪
の少女はそう見えた)美貴以外にはないだろうと
思った。
居間のほうをのぞくと、祖母の姿は見えなかったが、
見慣れないかばんが一つ、北側の小さな窓のそばの
廊下の板の上に置かれてあった。麗奈はやはり美貴が
やって来たのだと思った。
麗奈はいくらか興奮していた。縁側から外へ飛び出す
と、まっすぐ村の子ども達が集まっている集会所の
図書室へ出かけた。
そこで漫画の本を読んだりして、夕方までの時間を
つぶしたが、心の中では「美貴が来た!美貴が来た!」
と叫んでいた。しかし誰にも口外しなかった。
- 7 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月22日(金)19時18分07秒
- >>4
開き直るのは正直見上げた態度だけど、
パクリがよくないっていうのは、根本的なモラルの問題では?
たとえ組み合わせていても、完全パクリに通じるなら、
著作権とか言い出す人もいると思うよ。
一字一句同じなら、自分で名前を脳内変換すれば済むだけの話だもの。
- 8 名前:第1章−4 投稿日:2003年08月24日(日)09時05分06秒
- 家に帰った。
居間に入ると、となりの食堂では美貴が祖母と夕食の
準備をしていた。
「これがお嬢様?思ったよりまともな子じゃないの!」
そんなことを美貴は初めて彼女の前に出た麗奈を見て、
祖母に言った。明らかに敵意のこもった言い方だった。
「歳はいくつ?」
「十三」
「ふん」
十三であることさえが、彼女にとって気に入らぬこと
のようであった。
「みんなあんたの事をちやほやしてるようだけど、
わたしもそうだとは思わないでよ」
そう言って、額のあたりで切り揃えた髪の下で、
ちょっと怖い目を見せ、それからやさしく笑った。
祖母の裕子は、そんな美貴の毒のある言い方に気
づいていなかった。五六年前から耳が遠くなって
いて、麗奈が祖母と話をする時は、いつも彼女の
耳元に口を近づけて、大きな声を出さなければ
ならなかった。
- 9 名前:模倣作家 投稿日:2003年08月24日(日)09時12分24秒
- >>7
完全にパクリではないです。
かなり丸写しの部分もありますが。
原作ハものすごく古いから著作権ないかも
と思うのだが、どうだろう?
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月24日(日)13時36分36秒
- 題名「小さき世界」って武者小路実篤のパクリか?
- 11 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月24日(日)15時07分21秒
- 著作権は作者の死後五十年
- 12 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月24日(日)17時04分10秒
- 丸写しじゃないからパクってもいいのか?
古い作品だからパクってもいいのか?
第一
>暇だったので、読んだらつまらないものでした。
>いかに高名でも今では受け容れないものだと感じました。
ってたまたまあんたがそう思っただけだろうが。
ちゃんと読んでもらえないのにかいてて楽しいか?自己満足のみか?
- 13 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月24日(日)20時39分29秒
- >>12
丸写しには問題あると思うが、
>>1は作品について個人的意見を述べただけだろ……何を怒ってるんだよ。
それと飼育で書く人間の大半は自己満足で書いてると思うが。
上2行以外は意味不明のレスだぞ
- 14 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月24日(日)21時19分04秒
- 丸写しはやめて自分の文章で書きなよ。
あと今更だけど、せめてochiでやったほうがいいんじゃないの?
板の空気を悪くするよ。
- 15 名前:12 投稿日:2003年08月25日(月)02時14分32秒
- >>13
2行を抜き出したのは、そうだったらパクっていいのか?
っていいたかっただけ。
あと、自己満足のことだけど、もちろんそうなんだけど
読んでもらったり感想もらったりとかあるじゃん。
それもなしにただ書きなぐるだけか?しかもパクリで、と思って。
だから自己満足「のみ」って書いたわけ。
・・・あまりに頭きてわかりにくい文章だったのは申し訳ない。
でも、やっぱりパクリはパクリだと思う、ちゃんと考えろよ。>>1
- 16 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月25日(月)08時09分04秒
- 小説板のこのスレでの議論は控えたほうが良いかと。
案内板の「雑談スレ」がちょうどこの話題を扱ってるので、
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/imp/1045555051/l100
以後は ↑ で続けたほうが良いのじゃないでしょうか。
- 17 名前:模倣作家 投稿日:2003年08月25日(月)09時37分12秒
- >>10
ある意味あたっていますが、
今書いているのは、それではありません。
>>11
死後五十年か!
まだ著作権は生きてるな。
密かに進行しなくては・・・
>>19
ochiでやれとのご指摘、ありがとうございます。
- 18 名前:第1章−5 投稿日:2003年08月25日(月)09時38分46秒
- 美貴の言うように、麗奈は村人から他の子ども達とは
区別されて「田中のお嬢ちゃん」と呼ばれていた。
このあたりの村々では田中家は昔から代々続く医家で
通っており、他の農家とは格式が違うものとされて
いた。しかし麗奈の父は医者ではあったが、彼は村で
開業せずと言うか、医者というよりは研究者として、
最先端の医学研究にたずさわっていた。それも自分が
その時最もやりたい研究課題を取り組めそうな研究
機関で仕事をするのであった。それで何年も各地を
転々としていた。
したがって三百年の樹齢を数えるという椎の老樹を
玄関口に持っている田中家の大きな屋敷は、麗奈が
生まれる前から営林署に貸してあり、署長官舎の
ようになっていた。その離れというか先代が妾の
ために建てた別宅に祖母と麗奈は住んでいる。
- 19 名前:第1章−6 投稿日:2003年08月25日(月)09時39分52秒
- 祖母の裕子は村人の間ではひどく評判が悪かった。
というのは、彼女はもともと田中家の人ではなく、
この離れを建てさせた張本人、先代の妾であった。
それが先代の死後、村の収入役と結託して、戸籍を
書き換えて、先代の後妻というかたちで田中家に
入り込んでしまったからである。
したがって麗奈の両親にとって、裕子は戸籍上では
義母になっていたが、家を乗取った仇敵と言って
よかった。裕子がこうした事情を知っている村人
からよく思われないのは、極めて当然の事だった。
- 20 名前:第一章−7 投稿日:2003年08月26日(火)07時39分48秒
- 裕子が麗奈を両親の手から引き取って離さないのは、
田中家の一人娘である麗奈を自分の手許に置くことに
よって、自分の生活の保証を得ているようなもので、
実際彼女自身そうした考えであったろうし、だれからも
そう見られていた。
村人が麗奈を「田中のお嬢ちゃん」と呼んでいたが、
裕子のことは「裕婆さん」と呼んで、多少の憎悪を
その中に込める事を忘れなかった。
ただし麗奈は六歳の時から裕婆さんに引き取られて
いたので、すっかり戸籍上の祖母になついていたし、
そぼもまた麗奈に親身の愛情を注いでいた。誰にも
判らなくても麗奈はそれが判っていた。
- 21 名前:第一章−8 投稿日:2003年08月26日(火)07時41分25秒
- 毎月都会の両親から、二人の生活費が送金されて
いたが、裕婆さんはその生活費を切り詰めて、
自分の酒代と、自分にとって唯一の血縁者である
半島の突端にある港町で飲食店を開いている妹の
もとに送るいくらかの金を捻出していた。その金は
妹の一人娘である美貴をその町の高校に通わせる
学費であった。
祖母は美貴の学費を負担して、自分の身内に肩身の
広い思いをしているわけだが、それでも村人の思惑
を考えて、美貴を自分のところに呼ばなかった。
ただし毎年夏休みに、遠縁の村人にたのんで麗奈を
都会の両親に送り、(これは麗奈の両親の要請に
よるもので、麗奈の希望ではなかった。と言うのも
空気の悪いところでは喘息の発作がでるからで、
そのため著名な避暑地である高原の別荘へ母とともに
むかうのだが、麗奈は母と向き合うと何か堅苦しい
窮屈な感じがして、体調を崩すのであった)自分一人
になると、わずかな肉親の住む半島の突端の港町に
行くのである。だから裕婆さんは自分の唯一の姪を
むらには呼ばなかったが、彼女とは毎年のように顔
を合せているのであった。
- 22 名前:模倣作家 投稿日:2003年08月26日(火)07時42分35秒
- 第二章をどうするか悩んでます。
最初は原作が一人の主人公の想いを中心に書かれて
あるのを、まわりの人間の想いを追加して書いてみた
のですが、どうもうまくいかない。
そこで第二章は原作そっくりにして、第三章で他の
人間からみたものを書こうとしてました。
しかしパクリに批判的な人々が多いので、第二章は
あらすじ程度の短いものにしようか考え中。
パロディになっていると言われる程のものでないので、
目下思案中。
- 23 名前:第一章−9 投稿日:2003年08月27日(水)14時31分04秒
- 麗奈は幹がまもなく、自分と祖母の二人の生活から
脱け出していくだろうと思っていた。それは望まし
くもあり、また望ましくないものにも思えた。
自分と祖母の二人のだけの平穏な生活が美貴に
よって乱される不安もあったが、一方反対に単調
な自分達の生活に飛び込んで来た華やかな色彩の
蝶のように思えた。失ないたくない気持ちが強
かった。
美貴が最初に麗奈に会った時、麗奈に邪険な言葉
を浴びせたのは、美貴が田中家に対してよからぬ
感情を持っているためで、もちろんそれは彼女の
伯母を田中家の犠牲者と思い込んでいるところ
からきていた。そして永年の田中家に対して自分
たち一族の肩身の狭さに対する反発は、かなり
強いものらしかった。
- 24 名前:第一章−10 投稿日:2003年08月27日(水)14時33分01秒
- 「おばあちゃんは一生かわいそうだよ。お妾さんに
させられ、かわいそうに思わない?・・・」
美貴はある夜、勉強している麗奈に向かって言った。
「かわいそうだ」
麗奈は美貴の前では彼女の言いなりになるのが、
自分でも不思議だった。
「おばあちゃんもわたしも、あんたの家とはそれ
ほど家柄は違わないのよ。威張ったりしたら承知
しないから」
「威張ったりしないもの」
「じゃあ、いいけど・・・あんたは私の事美貴ちゃん
と言うわね。お姉さまとお呼びなさい」
「お姉さんって呼ぶの」
「お姉さんじゃない、お姉さまよ!」
そのお姉さまという呼び方だけはできなかった。
そんな上品な呼び方、こんな田舎では似合わない
と感じたし、上流家庭ぶることも想像できなかった
からだった。
- 25 名前:第一章−11 投稿日:2003年08月28日(木)14時04分18秒
- 数日後、麗奈は当分美貴が自分と祖母の生活から飛び
去っていかないことを知った。それは美貴が下級生から
金品を取り上げた事件を引起し、そのため半年間停学に
なり郷里の町に居辛くなって、ここに来てるのだという
噂がこの村はひろがったからである。それはもちろん、
村から美貴と同じ高校に通っている二人の女学生に
よって伝えられたのであった。
「知らないのは裕婆さんだけさ」
麗奈はそんな同じ事を村人が話しているのを聞いた。
しかし美貴がそんなことをする悪人とは到底思えな
かった。
- 26 名前:第一章−12 投稿日:2003年08月28日(木)14時05分27秒
- 美貴が麗奈の生活に入り込んでから数ヵ月程経った頃
新たな噂がたちはじめた。その年の始めに完成した
奇妙な建物は、世界的な大富豪の御曹司が建てた私設
天文台だというのである。そしてこの秋からその御曹
司の大学生とその妹が住む事になるらしい。
もともと病弱な妹が、あの半島の突端にある港町近く
の温泉地の別荘で療養していた。妹を見舞いに来た
精神を病んだ大学生が気に入り、もっと星の見える
ところと言う事で、この村のはずれというか人里離れた
高台に新しい別荘を建てたのである。こkは地面を
掘ればまず温泉が出てくるので、妹もここに住む事に
なるようである。
- 27 名前:第一章−13 投稿日:2003年08月29日(金)10時30分05秒
- 八月に麗奈は両親のもとですごし、九月の初めにこの
村に帰って来た時、あの御曹司が予定より早く村の
ほうに移って来たことを知った。
麗奈の頭の中では、再来年には都会の高校に行かなく
てはならないということで、いっぱいだった。そこは
中高大一貫教育のお嬢様学校であった。本来は中学の
時からそこへ行く予定であったのだが、喘息がひどくて
村の中学校に通っていたのだった。
それでも今年は都会にいてもずいぶん喘息の発作が
でないようになっていた。それに学校は郊外のかなり
空気のよい場所にあるので、問題無いと両親は思った
ようだ。そういうことで麗奈は入学試験のことも意識
するようになり、六時に起きて登校までの時間を受験
準備にあてるようになった。
- 28 名前:第一章−14 投稿日:2003年08月29日(金)10時31分20秒
- それから二ヵ月程してのこと、麗奈は学校から帰ると、
村外れの小さな神社の境内の裏手の山に登ろうと思った。
そこからの景色が好きで、時折そこから訳もなく眺めて
いたのだった。杉の木立を抜けると山裾に沿った観光
道路に出た。
路肩に一台のスポーツカーが停まっていて、そばには
二人の男女が海を眺めていた。二人は軽くキスをした、
その女性の顔を見て、麗奈は身を隠した、美貴だった。
その次の瞬間、車のかげから麗奈と同じ年くらいの
少女が立ち上がった。美貴はその少女ともキスを交わ
した。
麗奈は見てはいけないものを見てしまったと想いながら
も木蔭からその様子を凝視していた。
三人は麗奈に気づく事もなく車に乗り込むと、あの村
はずれの奇妙な建物のほうに走り去った。
美貴はどうやってあの御曹司の大学生に知り合ったの
だろうと思った。麗奈は男があの大学生以外に考え
られなかったし、あの少女はその妹にまちがいないと
思った。それにしても美貴はこの村の人々に最初から
憎悪に似た感情を持っていて、よほどの用事でもない
限り家から出歩くことはなかったのに、と言う事だけ
が頭に残っていた。
- 29 名前:第一章−15 投稿日:2003年08月30日(土)11時38分28秒
- それから十日程して同級生の絵里から美貴とその大学生
との何やらあやしげな関係にあるという噂を聞く事に
なる。その時麗奈は絵里に美貴が彼の妹とも怪しい関係
にあるのかもと口走ってしまった。この前のキスシーン
が思い出されたからだろうか。
絵里が「美貴ちゃんは女の子ともいけるのかな?」
と聞くので、麗奈は「私、キスされたことあるから」
と言ってしまった。
受験勉強を始めた時に、
「勉強するようになったんだ。しようと思った時には、
友達から何か言われてもやんなきゃだめよ。私は悪い
ほうにながされたけど」
と言って、美貴がいきなり麗奈の肩を抱き締めてきた。
麗奈はもがいたが、美貴の二本の腕に込められた力は
意外に強かった。やがて美貴の唇は麗奈のそこに触れる
と、すぐ身を離し、笑いだすと部屋を出ていった。
なぜか突然そのことを思い出したのであった。
絵里は麗奈に美貴のことをもっと聞きだそうと腕を
掴んできたが、それをふりはらい、麗奈は駆け出して
いった。
- 30 名前:第一章−16 投稿日:2003年08月30日(土)11時39分40秒
- どうしてあんなことを口走ってしまったのだろう。
絵里に話したら、あっという間に村中に尾鰭がついて
広まってしまうだろう。麗奈の頭の中で後悔の念が
駆け巡っていた。その時最近の出来事が思い浮かんだ。
深夜、麗奈が目を覚ますと、隣の部屋から祖母と美貴
の会話が聞こえた。
「どこへ行ってたんか、こんな時間に」
いつになくとがめている祖母の声があった。
「歩いていたのよ、眠れないから」
「うそをつくんじゃないよ」
ドアの激しく閉まる音がした。何も応えずに美貴は
自分の寝室に入ったようだ。
麗奈が家に戻ると、玄関に美貴が立っていた。
「ここに居辛くなったし、家に帰るね」
美貴は麗奈にそれだけ言うとバス停に向かって行った。
麗奈が追っかけようとすると美貴は、
「お見送りはいいわよ」
ふりかえらず、かばんを持った手を大きく振った。
その勢いに押されて、麗奈は立ち止まっていた。
その日祖母はいつになく寡黙であった。そしてその日
から二人とも美貴が最初からいなかったように生活を
していた。
- 31 名前:第二章−1 投稿日:2003年08月31日(日)10時37分08秒
- ハロー女学院はここのところあわただしかった。昨年
から初等科ができたこともあったのだろう。美海は
高等科の三年にいた。そして姉の瞳は大学の三年級に
いた。
美海はその姉の寮に向かっていた。中等科と高等科の
有志がボランティア活動をするということで、その
立ち上げの協力のために教職課程をとっている姉の
もとに来たという話を聞いたからである。もともと
中等科と高等科一年級の者で、大学科の方に協力を
求めるために高等科二年級とともに教職実習で中等科
のことを知っている姉のところに来たらしいのだが、
その確認をしたかった。
- 32 名前:第二章−2 投稿日:2003年09月01日(月)10時24分16秒
- 美海は怒りながら自分の寮に向かっていた。自分の聞いて
いた情報がほぼ正しい事を知った。
中等科の生徒が姉に奔走を頼むことに不快は感じなかった。
しかし彼女の級より一つ下の級に頼んでおきながら、自分
の級になんの音沙汰もないことを不快に思った。高等科の
最上級である自分の級があまりにおとなしいので、ばかに
しているのだ。
二年級か自分の級の勢力と義侠心を見せるのはこの時だと
いう顔をして、「三年級は無能だ、あんな級にたのんでは
だめだ。」と広言しているにちがいないと思った。
「見てろ、今にやっつけてやるから」
彼女は心の中で言った。
彼女の級は学校でおとなしい級だった。先生達から評判の
よい級だった。それに反して二年級は、学校のもてあまし
の級のように思われていた。実際いたずらは日常茶飯事で、
各年級の寮の食堂を襲撃してはつまみ食いをすることも
あった。その上理路整然と自分達の行為を正当化していて、
他の級を威圧することに興味を持っていた。その下の級の
人たちは恐れていた。そして下の級は彼女の級を無視し、
軽蔑していた。彼女の級はそれに不快を感じていない顔を
していた。
- 33 名前:第二章−3 投稿日:2003年09月02日(火)10時51分31秒
- 先生達は三年級を愛し、そして二年級をきらった。生徒達
ことに下は、三年級はだめだと軽蔑し、二年級を恐れながら
も尊敬していた。美海は前からそれを知っていた。しかし今
それを露骨に強く感じた。
「今に見てろ」と同級の松浦や高梁と話合った。三人は下の
級の生意気を怒っていた。
秋のある日、美海は学院の食堂で同級の何人かと一年級の
数人で話をした。みんなおとなしかったが、一年級の田中
麗奈という高等科に編入試験で入った人が、一人でしゃべ
っていた。
この時田中は二年級のことをほめた。学院であの級はほど
活気のある、有望な級はないといった。美海はそれを聞いて
何か言いたかったが、口を切りにくい雰囲気なので黙って
いた。
さらに田中は二年級の級長の紺野をほめた。あんなしっかり
した人は他の学校にはいないと言った。頭もよいし、人間が
できている。皆が心服している。あの級のどんな乱暴者も
紺野には一目おいていると言った。
- 34 名前:第二章−4 投稿日:2003年09月02日(火)10時52分45秒
- 「あれはばかですよ」
美海はとうとうこらえきれずに不意に言った。田中は今まで
言ってきたことをみんなが納得して聞いていると思っていた
時、伏兵が出たように反対のことばをかけられたことに驚き
同時に彼女にくってかかった。
「あなたはあの人をよく知らないでしょう」
「知らなくてもわかります」
「紺野さんはしっかりした人ですよ」
「うちの松浦のほうがよほどしっかりしてます」
「松浦さんとはくらべものにはなりませんよ。松浦さんの
ように話はうまくないかもしれませんが、人物では一枚上
ですよ、大きいところがありますよ」
「紺野をかいかぶってますね。あれは辻や加護のような
乱暴者をおだててようやく味方に付けて、なんとかやって
いるのです。松浦のほうが確かです」
「あなたは同じ級だから松浦さんをひいきにしてますけど、
公平に見れば、紺野さんのような人は他にいませんよ」
二人はかっとして言い合いを始めたので、他の人が話題を
かえた。
後で美海は田中が彼女のことをよくほらを吹く人だと言って
いたことを聞いた。ただ吹くだけの人間でないことを示して
やると、彼女は思った。
- 35 名前:第二章−5 投稿日:2003年09月03日(水)11時35分12秒
- 美海は姉とよく議論をしていたが、いつも公平で広い見識を
持った姉の発言に一目おいていたが、強情を張って姉の意見
に同意しなかった。そういう性格があの出来事を大きくした
のかもしれない。
初冬の学院総大会で、美海は下の級の頭を少し押さえようと
思った。それは演説で下の級の悪いところを告発しようと
いうのであった。
学院を我が物顔に振る舞って、腕白ではかなわなかった。
その級を罵倒するものは打たれることを覚悟しなくてはなら
なかった。しかし美海はそれを恐れることを恥じた。下の級
に対する不快が強かった、屈辱に対する怒りが強かった。
彼女は「粗暴と活発」という題で演説しようと考えた。
活発な人はむやみに騒いだりする人間ではない、弱い人を
いじめる人間でもない、無益な反抗をするものでもない、
徒党を組み雷同することを誇りにしない。彼女はそういう
口調で下の級を嘲笑しようと思った。そうして彼女は草稿を
つくりあげた、徹頭徹尾下の級の弱点にふれていた。
- 36 名前:第二章−6 投稿日:2003年09月03日(水)11時36分14秒
- 美海の演説は午前昼少し前だった。彼女は緊張しながらも
なんとか演説を終えた。演説の最中に反対の声が上がるのを
予期していた。しかしそういうことはなかった。そうして
彼女の演説をそっちのけにして話をしている人たちが目に
ついた。失敗したなと彼女は思った。
彼女の演説が終わると相当の拍手が聞こえた。しかしそれ
には興奮を覚えなかった。彼女は敗者のように壇をおりた。
そうして傍聴席に戻ろうとした時、下の級の人が二人待ち
うけていて、
「もし演説の草稿がありましたらお借りしたいのですが」
とていねいに言った。
「字が汚くて読めないかもしれません。それに演説と違う
ところもあります。それでもよければ」
と彼女は静かに言った。そうして草稿を下の級の人に渡した。
その後体調が悪くなってきた。そういう時に同級の人が美海
に対し、
「あなたの演説が下の級をおこらせたようで、今日のうちにも
何か行動を起こしそうだから、早く帰ったほうがよい。それ
から明後日のパーティは出席しないほうがよい」
と忠告を受けた。それで彼女は会堂を出て、自分の級の寮へ
帰って行った。
- 37 名前:模倣作家 投稿日:2003年09月03日(水)11時39分39秒
- あれ、ageてしまった!
- 38 名前:第二章−7 投稿日:2003年09月04日(木)15時01分51秒
- 美海は自分の部屋のベッドに横になり、パーティーに出席する
かどうか考えていた。なぜだか今は事を荒立てる時でない気が
してきた。時はまだ熟していない、まだ自分の味方をしていな
いと感じた。よりよき時は来る、きっと来る。その時こそ卑怯
な人間でないことを示すので、今回は欠席しようと思った。
その夜、彼女は高橋の部屋を訪ねた。高橋は下の級は何をする
かわからない様子なので、欠席したほうがよいし、大学科の
ほうで収拾に乗り出してるようなので、しばらくはひいて様子
を見るほうがよいだろうという意見であった。
- 39 名前:第二章−8 投稿日:2003年09月04日(木)15時16分35秒
- そこに松浦が入ってきたので、事情を話すと、松浦は聞くか
聞かないうちに
「出席すべきだよ。しかけてくるほうが悪いんだし、逃げたと
言われるのもいやじゃない?」と言った。
「でも事を荒立てる必要ないよ。けんかが世間に知れてもおも
しろくないし。体勢を整えてからでもおそくないよ。軽蔑され
ても、後でそれを打ち消すだけのことはやるつもりだから」
「私もそれがいいと思う。斎藤が出席しないなら、下の級も
手まで出してこないはず。口論なら松浦と私で負けないから」
「そうだね、それなら高橋と私で先頭に立って、下の級が
生意気なことがあったら、許さないから」
- 40 名前:第二章−9 投稿日:2003年09月04日(木)15時17分11秒
- 松浦はそう言った、そして話をかえた。
「下の級はほんとうにたまらない、粗暴を鼻にかけ、徒党を
組んで威張っているのだから。昨日のあなたの演説は気持ち
がよかった」
「ほんとうに気持ちがよかった。何人かは聞いてるうちに
おこって外に出て行ったのだから」
二人は元気に話した。下の級が生意気なことをしたら、こら
しめてやろう、いざとなったら負けていないと言った。
パーティがすんで松浦や高橋が帰っていた時、美海は二人に
会った。そして下の級の人が彼女が来ていないことを噂して
いたことを聞いた、殺気立った感じであったが、無事に済んだ
ことも聞いた。
- 41 名前:第二章−10 投稿日:2003年09月06日(土)16時04分41秒
- その後下の級は彼女に何も言ってこなかった。
彼女は安心した反面、自分の演説が無駄に終わったのでは
と思った。しかし彼女の演説は以前よりさらに二つの級を
意識的に反目することを強いた。そして彼女の級をいくぶん
活気をつけた。
彼女はこれ以後、松浦や高橋となお親しくなった。そして
表面上は何事もなかったように見えても下の級が彼女を憎悪
の目で見ていることを感じていた。そしていつか彼女の級と
下の級とが衝突するのはさけられないと感じていた。下の級
の人が彼女の級にしかけないのは、自分を重く見ているから
だと思えて、案外下の級は組み易いと思った。
- 42 名前:第二章−11 投稿日:2003年09月06日(土)16時05分55秒
- 翌年すぐに新年パーティーがあった。美海は断固として出席
することを広言していた。パーティーの前日、彼女の寮に
下の級の一人が訪ねてきた。そしてパーティーに出席しない
ほうがよいだろう、出席したらどうなるかわからないと言って
いる人がいるから、と言った。
彼女は今回は必ず出ると言った。彼女の強い意志を聞いて、
下の級の人は帰って行った。
彼女は松浦や高橋に特に相談することなく、パーティーに
出席した。彼女の級と下の級は特に近づくこととなく、双方
ともさけるようにして、緊張を残して何事もなく閉会した。
- 43 名前:第二章−12 投稿日:2003年09月07日(日)15時26分58秒
- その後も表面上は何事もなく二三週間が過ぎた。
ところがある日、美海が図書館に行くと同級の人が、さっき
昼の時間に後藤が下の級の者に詰問され、こづきまわされて
いたと聞いたと告げた。どうも閉庫図書(いかがわしい図絵)
を無断で持ち出したことへの制裁らしい。
「保かにも大勢いるだろう?」
「皆やられたらしい」
「下の級に?」
「そうらしい、後藤をやった時、あなたの級の者は意気地が
ないので、かわりに制裁したと言ったらしいよそうしてその
ことを掲示までしたようだよ」
美海は時が来たと思った。そうして下の級の奴は、自分と
対決できないので、落第して彼女の級になってから人気が
なくなった後藤をやったのだと思った。
そして松浦がこちらに向って来るのを見た。それで彼女は
松浦に声をかけた。
「後藤が下の級の者に詰問され、制裁を受けたらしい」
「ほんとう?」
松浦に事情を説明すると予期したようにおこった。そして
高橋や後藤と同じく落第した吉澤を加えて協議しようと
いうことになった。
- 44 名前:第二章−13 投稿日:2003年09月08日(月)16時45分46秒
- 寮に戻ると四人でどうするか決めた。吉澤は後藤に二度と
あのようなことはしないように忠告し、改心下なら許す
ことになった。下の級に対しては、下の級が勝手に別の
級の者を制裁し、その上彼女の級の悪口ををし、掲示まで
したことを謝罪させることにした。
翌日には吉澤は、後藤に会った有様を話した。後藤は泣いて
謝罪したという。そして次に松浦は下の級との交渉について
話した。下の級は考えてから返事をすると言ったという。
けんかは避けられないと思われた。
こうして彼女の級の人はすべてけんかを辞さない顔をした。
中にはけんかをするのはばかげていると思った人もいた。
またけんかを恐れている人もいた。しかし誰もばかにした
顔をしなかったし、またけんかを恐れる顔もしなかった。
熱した人の意志にまきこまれているように見えた。
ただ下の級の返答がまたれた。それが無礼なものであれば、
潮のように下の級に攻め寄せようという勢いを見せた。
- 45 名前:第二章−14 投稿日:2003年09月08日(月)16時47分03秒
- 学校の授業がすんだ後に彼女の級の人はみんな残った。
下の級の人々も残っているようだった。しかし何の返答も
なかった。こうして三十分ばかりたつと、誰からだか下の
級の人は皆帰ったらしいと報告があった。それで彼女の級
の人も解散した。
翌日学校に行っても下の級からは返答がなかった。彼女の
級の人は昼も授業が終わった後も教室に集まって、下の級
からの返答を今か今かと待っていた。
しかし下の級の返答はなかった。下の級は二つに分れて
議論がまとまらないのだと誰かが言った。
下の級の人は帰って誰もいないという報告を得て、彼女の
級の人は力が抜けたように寮へ向った。
美海は下の級から早く返答がこないのを恐れた。彼女の級
の人の怒りがいつまで続くかわからないからだった。
- 46 名前:第二章−15 投稿日:2003/09/09(火) 15:11
- 翌日には彼女の級と下の級との争いは、学院中に知れ渡って
いた。そうして大学四年の学院最上級の人が二つの級の間を
調停しようということになり、美海は姉の瞳に学院総合ロビー
に呼び出されていた。そしていくつかの話をした後、大学四年
級で一番幅を利かせている保田という人が、松浦に昼休みに
学院総合ロビーに来て欲しいと言っていたと伝えてくれという
ことだった。それで昼休みに松浦だけでなく彼女の級の数名で
総合ロビーに来たのだが、保田という人は松浦一人だけを学生
会室に連れて行った。
美海はあぶないと思った。保田という人は気のきいた利口な
策士のように思えた。そうして松浦にきっとうまいこと言う
だろうと思った、そして言いくるめられるだろうと思った。
正義を唱えられると松浦はそれに抵抗することのできない人間
だと知られているだろうと思った。
彼女は何気なくその部屋に入った。そして黙って二人の話を
聞こうと思った。保田は彼女のほうをじろっと見た、嫌な人が
入ってきたと思ったようだった。自分はだまされないと思った。
- 47 名前:第二章−16 投稿日:2003/09/09(火) 15:13
- その人は話をちょっととだえたが、また話を続けた。
「そういうわけで学院も大変心配しているの。あなたがたが
おこるのを不当だとは誰も思っていない、もっともだと思う。
誰もあの級のふるまいには腹を立てているわ。特に辻は全寮制
なのに未だに自宅から通学している。今までにも中等科の間は
何人かいたが、高等科にあがっても自宅から通っているのは
彼女だけよ。自分は特別だと思っているし、何より彼女がわが
ままなのは、全校中に知れ渡っている。
今度のこともあなたがたが正しいことは誰でも判っている。
しかしどこまでもけんかをするというならば、あなたがたにも
罪がないとは言えなくなる。けんかで事を決するのはよくない。
どうしてもするというのなら、学院も黙ってはいないよ」
そうして保田という人は、このことは学院に任せるのが、学生
として最も美しく穏当な処置ではないかというような話をした。
その言い方はうまかった、そしてもっともらしかった。
- 48 名前:第二章−17 投稿日:2003/09/09(火) 15:16
- 松浦は最初は反論していたが、だんだん言いくるめられてきた。
そうしているうちに保田という人の言い分がもっともらしい気が
してきた。
美海は黙って聞いていた。ただ保田が調子に乗って得意になって
いることを感じていた。
「君たちは一時の怒りに学生の身分を忘れている」
保田は勝利を確信したように言った。そして続けて
「けんかをするなんて道理に合っていない。相手が不当だからと
いって君たちもいっしょになって不当なことをすれば、けんか
両成敗になって、不当なのは空いてだけでなくなる。学院もしかた
なしに断然たる処置をとるだろう。すれば君たちの得ている同情は
失うだろう。また学生として学院の名誉を傷付けたり、心配を
かけたりするのはよくない。このことは学院に任せるべきよ。
誓って我々は気味の級の人の名誉を傷付けるようなことはしない」
この時美海は不意に松浦に言った。
「だけど今となっては、学院にすべてを任せるわけにはいかない。
そうしたら下の級の人の言うことは判りきっているから。強そうな
ことを言っておきながら、いざとなったら逃げ出して学院に任せる
のだと言うに違いないよ」
- 49 名前:第二章−18 投稿日:2003/09/11(木) 14:53
- その言葉を聞いて、松浦は大きくうなずいた。保田はおこった
顔をしながらも、気を落ち着かせてから、美海に言った。
「あなたのお姉様も頑固だけれど、あなたはそれ以上ね。争い
ごとがすきな姉妹ね」
それだけ言うと部屋を出て行った。
松浦はほっとした顔をしていた。美海は保田という人の腹を
見抜いたような気がして、ひそかに得意だった。自分がいる
間はだまされない、彼女は心の中でつぶやいた。
姉からの情報によると保田という人は誠意を持って事にあたる
人のようだ。しかし彼女が頼ろうとしている大学二年級の二人、
飯田と安倍という人は、下の級の人、特に辻と加護を非常に
かわいがっているようだ。だから下の級に有利な裁定をだす
かもしれない。彼女はこの二人がいれば、うまく収めてみせる
という自負があって、学院にそれを誇りたくてやっているよう
に思えることもあって、美海は松浦に用心すべきだと、私達の
級の人に対して、個人ごとに今回の動きに参加しないように
言って来るかもしれないと言うと、うちの級の味方になって
くれるように、他の年級の人に積極的に協力を求めるべきだと
言った。
それで美海は自分の入っている乗馬クラブの先輩に相談しよう
と考えた。
- 50 名前:第二章−19 投稿日:2003/09/11(木) 14:56
- 昨年大学を卒業した戸田が所有する馬を持ち帰ったので、その
後は活動出来ない状態だった。もともとは卒業してもしばらく
は馬を学院に置いてもらえるはずだったが、あの辻と加護が
うまにいたずらをしかけていたので、戸田の卒業とともに馬を
引き上げてしまったのだ。
乗馬クラブの先輩で大学一年級の木村と里田に話をすれば協力
してもらえると思った。木村の姉は高等科の時に留学していて
人気があって人望も篤いので、味方に付けたかった。彼女の姉
と同級だけど、こういうことでは仲介してくれない姉には頼め
なかったので、乗馬クラブの先輩に頼ろうと思った。
彼女がそのように思案していると、松浦はもっともらしい口実
が与えられたなら、今回の出来事をよく思っていない人は賛成
するのをやめるだろうと言った。そして誰かが下の級と交渉を
しているのかと聞いた。美海はおそらく飯田と安倍だろうと
姉から聞いた情報を交えて答えた。
その時ふと松浦は尋ねた。
「木村先輩は乗馬クラブを犬ぞりクラブにかえようとしていた
ようだけど、どうなった?」
彼女は犬ぞりに使う犬は、そのへんにいるような犬ではだめ
だし、そりを牽かせるには相当の数が必要だから、まったく
進んでいないと説明した。
- 51 名前:第二章−20 投稿日:2003/09/12(金) 18:54
- 彼女の下の級の人はなんとなくかたまりだしていた。運動場
でもかたまって行動していた。そうして他の級の人々から注目
されていることを感じた。
彼女の級の人は昼休みも学課がおわった後も教室に集まった。
そうして下の級からの返事を待ったが、やはりこなかった。
下の級は二つに分れているという風評は間違いないように思
えた。また要領を得ずに彼女の級の人は下校した。
美海は木村先輩に会っていた。すると彼女は紺野と親しくて、
今度のことでも相談を受けてるようであった。下の級は紺野の
ように事を荒立てるのを避けようとする人と辻や加護に率いら
れた強硬派に分れているようであった。
- 52 名前:第二章−21 投稿日:2003/09/12(金) 18:58
- 翌日になるとがらりと様子が変わっている。今まで下の級と
けんかをすることに不満な顔を見せることのなかった人が、
以前から不平だったというような顔を公然としだした。そして
そういう人同士で
「いったい何のためにけんかをするの?」
「なぜあんなに松浦はムキになるの?」
と言った。そうして
「後藤がやられたのは、いい気味じゃない」
とさえ言う人がいた。
風向きが変わったと美海は思った。
松浦や高橋の前ではそういう話は避けているようだが、彼女の
前では平気で話をしている人が多かった。彼女は聞いても知らん
顔をしていた。
ホームルームで担任の稲葉先生が
「下の級とあなたがたの間にトラブルが起きているという噂が
あるようようですが、本当ですか?」
と言った。あいまいに肯定すると、先生はけんかをすることは
反対だとと言った。
- 53 名前:第二章−22 投稿日:2003/09/12(金) 19:01
- 「国家には法律がある、学校には規則がある。それを背くのは
学生の道ではない・・・不当な侮辱を恥じるのはかえって卑怯だ」
先生はそんなことを言った。
しかし松浦らは聞かなかった。
「そんなことは何度も考えた問題だ。それでもやらなくては
いけないのだ。一朝一夕の問題ではない。下の級はあやまら
なくてはいけないのだ」
と休み時間に言いあっていた。
松浦は次の休み時間に院長先生によばれて、平和的に解決
するようにたのまれた。そして学院内では、美海らの級が
あまりにもしつこく返答を要求するので、下の級もおこり
だして、けんかをする気になったとか、このままけんかに
なれば下の級が勝つにちがいないから、今の内に穏便に面目
の保つ方法で和睦するのが利口だという説が出回っていた。
- 54 名前:第二章−23 投稿日:2003/09/13(土) 17:33
- 昼食中に美海と松浦と高橋で話をした。
松浦は「つんくのおやじは平和的解決の一辺倒だよ。中澤先生
も偉くなりたいから稲葉先生に圧力かけてるみたいだし」
と発言する。つんくのおやじとは、院長先生のことである、
もっともらしいことをいつも言っているのだが、何も考えて
いなくて、都合が悪くなるとオヤジギャグでごまかしている
のを軽蔑してそう呼んでいるのだ。中澤先生とは下の級の担任
で、偉くなるために自分の級が不祥事を起こさないように丸く
収めようとしているようだった。
昼休みに彼女達の級は皆で集まって協議した。また下の級へ
談判する必要ができたのだ。松浦が行く事になり、他にもう
一人行ってはどうかということになった。美海は自分が行こう
かと言った。松浦は喜んだが、何人かがそれはいけないだろう
と言った。ねらわれているから危険だと言うのだ。他の人も
それに賛成した。それで高橋が行く事になった。
美海はやはり下の級では、一番きらっているのだな、自分が
陰で糸を操っていると思っているのだと感じた。
- 55 名前:第二章−24 投稿日:2003/09/13(土) 17:38
- 下の級からはやはり確答はなかった。そうして彼女の級は、
また学課がすんだ後残った。下の級も残っていることが報じ
られた。そうして誰言うことなく中澤稲葉両先生や院長先生
も残っていることが知れてきた。
今にも仲裁にでてくるだろうと言う人もいた。
そうしてけんかが始まるかも知れないという噂を聞いて、
見物する気の人やこの事態をおさめることに関係して名誉
を得ようと思っている学生もいると報じられた。
これらのことで興奮している人もいたが、中には困ったこと
になってしまったと話す人もいた。
「平家先生がいてくれたら、もう少し何とかなったかも」
「つんくのおやじが追い出したからね」
「先生は教育研究のために辞めたのでは?」
「それなら円華学園に研修に行ってて、ほとんど学院に
いない前田先生はどうなの?」
「そうだね」
等と話している姿もあった。
- 56 名前:第二章−25 投稿日:2003/09/13(土) 17:40
- 下の級から最後の返答を待っていた。大学四年の保田と村田
という人が、下の級に和睦を勧めているらしいという報告が
あった。しかしその日に返事はなかった。下の級の人はいつ
のまにかいなくなったことが知らされた。
「なんだ、ばかにしてる」
彼女の級の人はそう言って、教室から潮が引くように外へ
出ていった。
美海は落ち着く先が見えた気がした。自分は策士かなと
思った。しかしこうなるのは、自分の策略ではなく、なる
ようになったまでである。こちらに正義があったのだ。
下の級は言わなくてよいことを言い、しなくてもよいこと
をしたのだ。我々の力を軽く見ていたのだ。
けんかの時機ではない、仲裁が入るしかないことを感じた。
そしてその条件はこちらに悪くならない。彼女は勝利を
感じた。
- 57 名前:第二章−26 投稿日:2003/09/14(日) 17:19
- 翌日、人々はますますけんかをする意志がなくなっていた。
そうして毎日学校がすんでも無意味に会合を続けているのに
不平を言い出していた。
しかし下の級がいよいよけんかをすることに決めたそうだと
いう報告が伝わった時、再び勢いがでてきた。けんかをしな
けれべならないという人々の活気は燃え上がった。一方けんか
はやめようと言っていた人は不平そうな顔をして沈黙した。
下の級からは正式には何も言ってこなかった。
作戦計画が相談された、おもだったやつを集中してとっちめ
ようということが大勢となっていた。
けんかはさけられない方向に進んでいた。おとなしい人が不安
がっていると皆で護るから大丈夫打と励ましていた。異様な
緊張が人々を襲った。
昼の時間に皆教室に集まっていた、殺気立っていた。けんかは
ばかげていると行っていた人は沈黙していた。その時大学四年
の保田が松浦に会いたいと言ってきた。松浦はおこったような
顔をして出て行った。
美海は松浦といっしょに行こうかと思ったが、なぜか席を離れ
ることができなかった。
松浦はしばらくすると戻ってきた。そして静かに口を開いた。
しかし声は震えていた。彼女の報告は予想し得ないものだった。
下の級から和睦を申し入れてきた。
自分達が君の級に黙って後藤を制裁したことを謝罪する。その時
君の級を軽蔑するようなことを言ったことも悪かった。しかし
掲示板にだすことは許して欲しいという話だった。
- 58 名前:第二章−27 投稿日:2003/09/16(火) 14:41
- この報告は皆に異様な感動を与えた。人々はいっぺんに今
までの緊張が緩んだような気がした。怒った殺気だった顔の
後に喜びの顔があらわれた。ただ皆喜びを素直に見せること
に躊躇した。だが殺気は消えていた。
「下の級の人はここに来て、あやまるのね」
「そうだ」と松浦は言った。
「掲示はどうでもいいよね」
「そうだね」
「おもだった人が誤りにくるのでしょう」
「それはもちろんよ、下の級は全員納得したと言うから、
誰が来るかは問題ないと思う」
松浦は部屋の外へ出た。しばらくするともどってきた。
皆ほっとしていた。そして下の級から誰がどのように
謝りに来るかと待っていた。
美海も掲示を出すことをいやがる下の級の心がわかっても
別に気にならなかった。そしてこの事は正直うれしかった。
十五分程して大学の保田に連れられて下の級の代表が謝罪に
来た。今までやかましかった部屋が静まった。
下の級の級長の紺野と後藤に先頭に立って制裁を加えた一人
である加護が謝罪に来た。
紺野は平静であったが、加護は顔色が悪く、小さいからだを
もっと小さくして、目は充血させていた。
紺野は静かに「あなたがたの級の後藤さんを無断でこらしめ
たことを謝罪します。その時私達の級の人が発言したことは、
取り消します」と言った、そして二人は頭を下げるとすぐに
帰って行った。保田も松浦に一言ことばをかけた後、戻って
行った。
- 59 名前:第二章−28 投稿日:2003/09/17(水) 14:56
- 最もいい結果に終わった。学校で最ももてあましの級を
謝罪させたことが、また人々の自負心を満足させた。
美海も嬉しかった。皆が喜んでいるのを見てひそかに
得意にも思った。しかし彼女は慎まなければならないと
思ってもいた。
松浦や高橋とともに下の級との間に立ってくれた人のこと
を思った。そういう人がいなかったら、平和的に解決でき
なかったと思った。自分達の求めた華やかな勝利は得られ
なかったが、誰からも脅迫を受けずに言いたいことを言え
るようになった。誰も恐れる必要がなくなった。
彼女達の級はその後活発になった。そうして下の級とは
その後衝突することはなかった。
このことで彼女達の級は自信を得た。そして下の級は少し
自信をなくした。
美海と高橋との間が少し疎遠になる、いくつかの非公式の
クラブが活発になった、そんなこと以外は特に変化した
ようには見えなかった。
- 60 名前:第三章−1 投稿日:2003/09/19(金) 16:32
- 田中麗奈はハロー女学院の高等科に入学して、この学校は
学年級の結束の強い事を感じた。寮も学年級ごとになって
いた。学年級以外の人と会わずにおこうと思ったら、それが
実現できるように感じた。
学院は何かごたごたしていた。初等科ができたことに原因が
あるようだ。三年前に新たに初等科ができたのだが、初等科
が自宅通学なのに対し、中等科以上は全寮制である点が問題
となったようだ。今でも中等科の何人かは自宅通学している
が、 初等科から中等科に上がった時に入寮しない生徒が多く
でてくるだろうと予想された。
寮は完全に個室で、部屋にはシャワーが完備されている。
食事は食堂でおいしいものが食べられるのだが、それでも
親元がいいのだろう。
この動きが学院の雰囲気を変えてしまうと危機感を覚えた
先生がいて、いろいろもめたらしい。それで平家先生や石井
先生はやめたのだと噂されている。
田中はこのような話を中等科から上がってきた新垣里沙から
聞いた。
田中が校舎の屋上でかすかに見える山に故郷を思い出して、
祖母は今どうしているのだろうと考えていた。すると新垣が
声をかけたのだった。話しかけてオーラが出ていたのだと
いうのだ。話の内容は学院の環境整備をするボランティア
活動に賛同する署名をしてほしいというものだった。
「ボランティア活動に参加してとまでは言わない、署名だけ
でいいから、お願い!」
「いいよ、でもどういう事なのか話して」
新垣は色々話したが、くわしいことはわかっていないように
思われた。とりあえず田中は自分の名前を書いた。
- 61 名前:第三章−2 投稿日:2003/09/20(土) 13:29
- 数日後田中は新垣の紹介で一つ上の級の紺野あさ美と
会った。田中が高等科に編入試験で入ったと聞いて、
「ここは同級とばかり付き合っててはだめだよ。
いろんな機会を見つけては、上や下の級の人と付き合う
ようにしなきゃ」と言われた。
「でもクラブ活動は薦められない。ほとんどが休眠状態
だから。学院から予算がほとんどつかないからね。
でも根本的には、他に何かありそうだけど・・・」
それからしばらくして 紺野と新垣は、中等科三年の梅田
えりか、二年の村上愛、一年の中島早貴らとともに、大学
三年の斉藤瞳を訪ねていたことを田中は聞いた。
先日話をしたあのボランティア活動に対する協力と助言を
お願いしたのである。努力するけれど、あまり期待しない
でという返答であったようだ。
田中は紺野や新垣とすごすことが多くなった。紺野ととも
に辻や加護とも会うことがあった。
紺野と同級の二人は、悪戯好きで童顔であったが、どこか
危険な感じがした。事実この二人が学院内のほとんどの
騒動にかかわっていると言ってよかった。そんな乱暴者が
紺野の前ではおとなしく素直に思えた。そんな様子を見て
田中は紺野がすばらしくりっぱな人物に見えた。それと
ともにそんな二年級が一体となっていて、活気があるよう
に思われた。
- 62 名前:第三章−3 投稿日:2003/09/21(日) 09:23
- ある時、田中は高等科三年級の人と顔を合せることのできる
機会を得て、同級の数人と三年級の人とで昼食をとり、その後
話をした。いつの間にか田中が一人で話をしていた。
二年級は活気があって将来すばらしい級になるだろう。そして
級長の紺野をほめた。
すると今まで黙って聞いていた三年級の一人が突然口を開いた。
それは紺野たちが訪ねて行った大学の人の妹、斎藤美海だった。
「私から見ると紺野はばかですよ」
それに対して、田中は言い返した。
「口ではなんとでも言えますよ」
「今に押さえつけてやるから見てなさい。あの級なんてみんな
押さえつけてやるから」
「そんなことあなたの級にできますか?」
「きっと押さえつけてみせるから!」
かっかっとしている二人を見て他の人は話しをかえた。
その後に田中は新垣に言った。
「あの人はほら吹きなんですかね?」
「と言うよりがんこ者でしょう」
二人は笑った。
- 63 名前:第三章−4 投稿日:2003/09/22(月) 13:16
- 冬になるとすぐに学院総大会があった。そこで弁論会
がおこなわれた。そこで斎藤美海が午前の終わり頃に
弁論をした。
二年級の人の耳に逆らう言葉が出た。彼女は下の級の
人が持っている性質を何気なくあげて、それを粗暴だ
と断定し悪口を言った。
「活発な人は平和を尊敬し愛するが、粗暴な人は平和
を愛することを知らず、それを恥とする。活発な人は
他人を愛し、他人に不快を与えることを喜ばないが、
粗暴な人は他人を愛することを知らず、 他人に不快を
与えることを誇りとしている。
活発は愛し尊敬すべき性質だが、粗暴は憎み軽蔑すべき
ものだ。そんな粗暴を誇りにしている者がハロー女学院
にいる。こんな人間は恥ずべき人間である。」
そんなことを言って、彼女は弁論を終えた。
高等科二年級の人たちはひそかに集って、彼女の演説に
ついて怒り、議論していた。そして最後にある批評の
場で総がかりで彼女を詰問する計画を立てていた。
事によったらなぐりかかってしまおうということに
なったらしい。
しかし斎藤は体調が悪くなったと言って、午後すぐ
に寮に帰ってしまった。それを知って二年級の人は
意気地なしだな、口先だけだなと冷笑していた。
そして二日後のパーティーにも欠席したので、腰
抜けの卑怯者なんだと確認しあっていた。そして
そのことをふれまわる人もいた。級長の紺野は
「こんなやつは相手にしないほうがよい。無視しよう」
と言った。辻と加護はそれに不満な顔をしていたが、
口では丸め込まれると思ったのか、何も言わなかった。
- 64 名前:第三章−5 投稿日:2003/09/23(火) 16:00
- このころには田中は辻や加護の本性が判ったような気がしていた。
二人とも誰とでも親しくなれそうな素朴な笑顔を持っていた。年上
の人には人懐っこい態度で味方につけ、年下の人に対しては思い
切った言動で魅了していた。
しかしまた自分の要求を通すためには、力のある者に対しては泣き
脅しをかけ、自分より弱い者には腕力で従わせていた。そういう
ことがわかっていても、二人を完全に嫌っている人は不思議にも
いなかった。
翌年すぐに新春パーティーがあった。斎藤は今回は出席すると
言っていることを聞くと辻や加護は今度こそとっちめてやると
息巻いていた。紺野は斎藤に欠席するようにと人づてに警告した。
しかし彼女は今度は出席すると明言していることを知ると、大学
二年級の矢口に相談する。
「パーティー会場で騒動を起きると新聞に出るとも限らないし、
そうして騒動が大きくなるなら・・・」
と矢口はわずかに首を傾けると紺野に向って言った。
「わかった、まかせておいて!とにかくこちらから行動を起こさ
ないこと。辻と加護のことは飯田さんと安倍さんにたのんどく
から、あんたは心配しなくてよいから」
- 65 名前:第三章−6 投稿日:2003/09/24(水) 14:50
- そして実際パーティーは悪い緊張状態が溢れていながらも何の
事件も起きることなく、閉会したのであった。
しかし辻や加護はこのままではおさまらないと高等科三年級に
襲撃をかけるべきだと息巻いていた。しかし数日後に彼女達は
急におとなしくなり、昼の時間なぜか図書室に入り浸るように
なっていた。
そして十日程後、事件が起きたのである。閉庫図書を無断で
持ち出していたとして、三年級の後藤ら数名を辻と加護そして
その手下の者が、詰問してこずきまわしたというのであった。
田中は制裁に加わった新垣からその事を聞いた。
その日の放課後、田中は学生会室に行ってみた、しばらく前
から入り浸っていたのだが。そこには大学一年の石川という
人がきょうの事件について怒っているようだった。
「後藤たちのしたことはたいしたことでない。気軽な動機と
いうか、好奇心からしたことなのだ。制裁を加えた奴だって
もっとひどいことをやっている。それに自分勝手に制裁行為
をやられては、学生会の存在意義がなくなってしまう。
こういうことは学生会でやめさせなきゃ」
石川が力説しても、他の人はあいまいな返答をしてあまり
反応を示さなかった。
- 66 名前:第三章−7 投稿日:2003/09/25(木) 15:47
- 翌日になると三年級から二年級に対して、今回の行動に対する
抗議と謝罪の要求がなされたという話が伝わってきた。
それに対して二年級はしばらく様子を見よう、どうせ最初は
勢いがよくてもすぐに尻すぼみになってしまうだろう、相手に
しなくても自分からこけてしまうだろうと考えているようだった。
しかし先制攻撃を加えて、決着を付けてしまうべきだと考えて
いる人もいた。紺野はそれをおさえようと動いているようだった。
この事件がどのように決着するのだろうと田中は前にも増して
学生会室に入り浸っていた。
大学四年級の保田という人が中心になって、調停に乗り出す
ことになったが、二年級はそれを受入れるかどうかでもめて
いるようだった。三年級も無条件では任せられないと返答して
きたようである。
- 67 名前:第三章−8 投稿日:2003/09/25(木) 15:49
- 田中は最初、紺野があの乱暴者の辻や加護を見事に操縦して
いるのをすごいと感じていた。しかしその上の級に対する制裁
と称する行動の無軌道ぶりを止めることができず、その行動に
対する抗議の対応の決断のなさにあきれた。
だけど見捨てることはできなかった。多くの学生がこの二つの
級の修復のために動いていた。
彼女はどうしてばらばらに動いているのだろう、まとまらなけ
ればうまくいかないとわかっているのに・・・と感じていた。
高等科に編入試験で入った彼女にとって、中等科からあがって
きた新垣はたよりになる存在であった。その新垣は
「各学年級ごとに行動することが多いから、急の結束は強い
じゃない。それにクラブ活動も盛んじゃないし、縦のつながり
意外とないのよ」と行っていたことを思い出した。数ヵ月前まで
友達といったら編入試験で入った亀井と道重くらいだったなと
思った。だからこれをきっかけに他の学年級の人とも仲良くなろう
と行動していたのだ。
彼女が学院の中を情報を求めて飛び回っていた時、美海が高橋に
「この感じなら我々のほうが有利になるね」
と話していたのを耳にした。勝利を確信しているようだが、裏の
動きに気づいていないのだろうかと思った。
- 68 名前:第三章−9 投稿日:2003/09/26(金) 13:23
- 数日後には田中はまわりの動きがだんだんと見えてきた。
ある一部の学生は平和的解決のために動き回っていることが
明らかになってきた。目立って行動していたのは、普段は
どんな活動をしているのかわからないクラブの連中であった。
乙女チックをきわめる『タンポポ』は、飯田、矢口、石川、
柴田、紺野、新垣などがメンバーであった。ダンディズムを
めざす『富士クラブ』は、保田圭、木村絢香のほか、後藤、
吉澤などがメンバーであった。『記念日を考える会』は、
斉藤瞳、村田めぐみ、大谷雅恵、柴田あゆみなどがメンバー
だった。
放課後そのような事を石川に話をしてみた。すると石川は
「実は半年前くらいに『富士クラブ』は分裂したというか、
後藤が保田先輩に反旗を翻したと言うか・・・やはり市井先輩が
からんでいると思うのだけど・・・」
と言う。市井という人は、理由はわからないが、高等科を中退
したのだが、中澤先生の後押しもあって、大学に聴講生として
入ったそうだ。『富士クラブ』では後藤が慕っていた、市井が
今の『富士クラブ』のありように批判的なって、後藤は藤本や
松浦と離脱して、新しいグループを結成したというのである。
彼女はいろいろ複雑なことになっていると感じた。
- 69 名前:第三章−10 投稿日:2003/09/27(土) 13:04
- 翌日三年級と二年級の級長が院長先生に呼ばれて、平和的解決
をするようにと言われたという話を聞いた。それで田中は昼
休みに学生会室をのぞいて、情報を得ようと思ったが、三年級
と二年級の代表と学生会の幹部が話合いをしているということ
で、近づくことさえできなかった。
話し合いは二年級が明確な話をしなかったので、うやむやに
終わったようであった。これでけんかは避けられないという
噂が広まり、夕方になってもそれを見物する気の人やこの事態
をおさめて、名誉を得ようと思っている学生が校舎に残って
いた。
田中は二年級の教場に様子を見に行くと、飯田と安倍が辻と加護
に小声で話をしているのが見えた。二人は神妙な表情でうなずき
ながら聞いていた。少し離れたところで紺野らは、その様子を
見ていた。しばらくすると安倍は小川を呼び、耳打ちする。すると
小川は紺野の顔を見ると微笑み、少し大きな透通る声を発した。
「今日はこれで解散する、みんなまっすぐ寮に帰るように」
- 70 名前:第三章−11 投稿日:2003/09/28(日) 13:55
- 田中は大学生の寮に安だを訪ねて行った。保田はロビーで数名の
人と話をしていた。保田は彼女の姿が眼に入るとちょっと待って
てという顔をした。しばらく隅にあるソファーに座ってそれを
眺めていた。
話が終わったらしく保田は彼女のもとへ来た。
「待たせたわね、どうしたの?」
「保田さん、すみません。・・・」
「あ、あのことね、 高等科の・・・」
「ええ、そうなんです。どうなるんだろうと心配で」
「何もあなたが心配することないよ。噂がいろいろ飛び交って
いるようだけど、もうすぐ決着するから」
「でも噂ってこわいです、人の行動を大きく左右するから」
田中は田舎での体験したあの出来事を思い出して言った。
「そうね・・・でも今回噂を利用したのよね。そういえばあなた
にも協力してもらったわね」
「石川さんからお聴きになってると思うのですが・・・」
口ごもりながら田中は話を切り出そうとすると、保田の方から
話をしてくれた。
「この学院の非公然クラブのことでしょう?」
- 71 名前:第三章−12 投稿日:2003/09/28(日) 13:56
- 保田によると一番重要で力のある非公然クラブは、ミニと通称
呼ばれているもので、メンバーはもともとは矢口と辻と加護で
あったが、留学生のミカ・トッドが加わったという。
「本当は交換留学ということで、まずこちらが五名の留学生を
受入れたのだけど、その後が続かなくて、結局彼女一人だけに
なってしまったみたい」
保田の話は続く。このミニは院長先生の指令を受けて活動して
いたが、矢口が抜けて高橋が加わってから方向性が変わった
らしい。
斉藤瞳、木村絢香、矢口真里、里田まい、石川梨華で新たな
秘密組織のようなものが組織されたらしい。こちらに院長は
隠密活動をまかせたらしい。
今回の騒動に何か関わっているように思われた。後藤たちの
閉庫図書の無断持出しは、いかがわしい図絵を見るのではなく、
学院のおかしな事というか不正をさぐっていたらしいとのこと
であった。
- 72 名前:第三章−13 投稿日:2003/09/29(月) 14:22
- 富士クラブによる学院改革運動とそれに対抗する保守勢力との
対立がこの事件?の裏の原因ということなのだろうか。
「富士クラブは必ずしも学院の改革にうごいていたわけでは
ない。ある意味今のミニのほうがそういうことをしてるのかも。
それにわたしが抜けたのも、単にまもなく卒業するからという
ことで、早めに辞めただけのこと。確かに後藤は松浦や藤本と
別行動をとったけれど・・・
市井はこのことにほとんど関わっていないのよ。聴講生として
戻ってきたから、後藤とそんなに接触していないし・・・
聴講生だから寮にも入っていないし」
保田はしばらく考えていたが、また口を開いた。
「市井にはあまり関わらないでね、彼女微妙な立場だから。この
学院で勉強したいから、聴講生になったの。だから行動も控えて
いるし、口も閉じているのだから」
「わかりました、市井さんのところには行きません。きょうは
どうもありがとうございました」
田中は保田と別れて、自分の寮に向った。
- 73 名前:第三章−14 投稿日:2003/09/30(火) 13:18
- その翌日の朝、けんかは避けられないという噂が伝わって
きたが、昼には二年級が折れて和解するようだという話に
なっていた。二年級の紺野と加護は三年級のところに謝罪に
行ったという話が伝わった。
田中は夕方に学生会室に行ってみた。保田は田中を見ると
微笑んだ。
「和解させたわよ!負けず嫌いの辻には苦労したけど、孤立
してもいいのかと脅し空かして、納得させたよ。
あのがんこ者の斉藤の妹には、細かな動向というか、交渉情況
が耳に入らないように松浦や高橋に指示したのがよかったよう
だね。これで一安心ね」
誰かさんは自分の行動が正しかったから成功したと言っている
ようだが、裏の動きを知ったらどう想うのだろうと考えてみる
田中であった。でも単純な人間ではないらしく、慢心している
ようではないようだった。
学院改革運動とそれに対抗する保守勢力との対立は陰に隠れた
ようである。この騒動の発端といわれているあのボランティア
グループは矢口が顧問になり、中等科の矢島、梅田、村上、
清水、嗣永らがメンバーになって活動を開始したらしい。
誰でもいくらかの名誉欲とか保身とか自分の利益とかがからんで
行動している。だからそれで問題を起きるだろう。その時は解決
に積極的に関わっていこうと田中は決意するのであった。
- 74 名前:模倣作家 投稿日:2003/09/30(火) 13:19
- いろいろあったけれどようやく終わった。実を言うと第三章は
もう少し色々と書くつもりだったのだけど途中で発想が続かなくて
こういう終わりかたになってしまいました。
まだ余っているので以前ある掲示板で書いていたものを載せよう
かと考えてます。
- 75 名前:模倣作家 投稿日:2003/10/01(水) 10:33
- 今年の2月下旬〜4月上旬にある掲示板に書いてた小説もどき
を多少リメイクしようと思ったのですが、書き直しの出来が
よくないので、そのまま載せようと想います。
- 76 名前:青い板(市井紗耶香) 投稿日:2003/10/01(水) 10:35
- 朝からずっと詩を考えていた。でもぜんぜん頭の中が整理でき
ない。いらいらしながらヘッドフォンをして、窓の外を眺める。
ず〜と青い空の下に街が広がっている。ここちよいリズムが
体に響く。これにことばを乗せなきゃいけないのだが、それを
考えるといらいらする。だからボーと音に浸ってしまう。ふと
気づくと陽が傾いている。
あっ昼食べてないよ。それよりまだ詞が出来ていない。
たいせーさんに急かされているから、急がなきゃいけないけど。
ふと机の上を見ると見知らぬ掌と同じくらいの青いプレートが
ある。赤い文字で
「人生は演じる者にとっては悲劇だが、
観ている者にとっては喜劇である。」
と書かれてある。ふとこの一年を振り返ってみる。
あまりうまくいっていないなと感じる。
裕ちゃんといっしょにフォークソングのCDを出し続けて行く
はずだったのに、...。
なんだか悲劇のヒロインみたいな気分になっている。
でも第三者からは喜劇に見えるのかもしれない。
とりあえずがんばろう。仕事を続けていけるのだから。
- 77 名前:黒い板(より子) 投稿日:2003/10/02(木) 11:06
- 都内のスタジオから家に帰り、自分の部屋のベッドに座り、肩にかけた
バッグを傍らに置く。疲れが全身をつつみ、おもわず寝転がる。ふと
バッグに目をやると、何か黒いものが見える。しばらくボーと見ていたが、
起き上がるとバッグを手に取った。ポケットから見える黒いものを引張り
出すと、手のひらに収まるくらいの金属?のプレートで、白い文字で、
「生きるも地獄、死ぬも地獄、
人は生きていても、
死んでも、迷惑をかける。」
と書いてある。
死か?過去の記憶をたどる。
死ぬかもしれないという恐怖が地獄だ。死んだ後は、何もない、
いや天国だよ、そう信じたい。死んで行った戦友達を想うとそうだと
強く信じる。一人よがりかもしれないけど、死の本当の意味を知らない
者が多すぎる。究極の言い方をすれば、生きている者は、死の本当の
意味を知らないのかもしれない。私を含めて死掛けた人でさえ本当に
死んだことはないのだから。
そういう意味でいえば、死なんて考えた事がないと言った方がよい。
簡単に死ぬと言う。バトロワと称して次々に人が死ぬ小説を喜喜として
読んでやがる。いやそれそれどころか自ら死を懸けて暴走しているやつら
も。死ぬような危険に遭遇しても、仲間を事故でなくしても、轢き殺して
も、死について真正面から向き合ってないんだ。
でもこんなこと考えるのはよそう。世に訴えてもわかる部分とわからない
部分があるんだ。
伝えられることは、十分ではないけれども、努力はしている。ムキになれ
ば空回りするだけだ。違う事だけど明日香も実感したと言ってたな。
明日も朝が早い、さあ寝よっと!
- 78 名前:黄色い板(後藤真希) 投稿日:2003/10/03(金) 11:43
- 独り楽屋でボーとしている。このごろいつも一人だな。以前は騒々
しい中にいたから、なんだか寂しい。
あのころがよかったような気がする。娘。全体の時はワイワイガヤガヤ
やれたし、プッチモニの時は三人で十分に話合いながらやれたし、ソロ
の仕事をするようになると自分の世界に浸れるようになった。この三つ
が調和していた。それがソロ一本になったとたん覚悟していたけれど、
寂しくてたまらなくなる。後悔しないと誓っていたけれども、独り涙
する自分を発見する。
そんな時ごまっとうの事をつんくさんから聞いた。ごまっとうでの活動
の時、あややとミキティが話の中心にいて、それに私が参加しているだけ
って感じになってしまう。しかたないよね。二人はいっしょに遊びに行く
仲好しだもの。でも....
あ〜、何考えてるんだろう?ふと目を下にやると緑色の床に黄色いものが。
そのプレートを拾い上げると、茶色い文字で
「人は独りでは生きていけない。
でも独りになることが必要である。」
と書いてある。
ソロの仕事をする事にこだわり過ぎたのかな?
でもひとりになる時間が増えただけ、いろいろと考えることが多くなった
ような気がする。そういう事って、人生にとって必要なのかな?
・
・
・
あっ、マネージャーさんが呼んでいる。本番だ!
- 79 名前:赤い板(藤本美貴) 投稿日:2003/10/04(土) 14:16
- ダンスレッスンが終わり、スタジオの外の休憩室で後藤さんと
会った。
「ミキティ久しぶり。顔を合わすたんびに言ってるけど、
娘。に入るんだよね。...
こんなことば知ってる?『人は独りでは生きていけない。
でも独りになるんだ。』だっけ?」
「何それ、ことわざ?じゃないよね、格言かな。
それがどうしたの?」
「え〜と、あれどこにいったかな?この前の歌収録の時、
控室の床で拾ったんだけど、それに書いてあったんだ。
たしかポケットに入れたはず...消えてる。」
「へ〜、なんだろうね、それ。」
「気にしないでね。」
みたいな会話をした。
別れてタクシーで家に向かう。これからどうなるんだろうと
また思う。まったく知らないグループに入るわけでないのに
不安が強くなる。ごまっとうでの経験もあるから大丈夫だと
自分に言い聞かせる。
でも新人の面倒をみなければいけない。飯田さんと安倍さんは
全体を纏める役に徹して、矢口さんはキッズとのユニットに
全力を投入するため、五期メンバーが教育係になり、私と四期
メンバーがそのサポートをすることになったのだ。
ふと上着のポケットに手を入れる。手帳ほどの大きさの薄っぺら
いけど硬い物が手にあたる。取り出してみると赤いプレートで
黄色い文字で
『がんばっている君のためにエールを贈る。
がんばらないやつらは、笑うだろうけれど。』
と書いてあった。
私を含めてまわりはみんながんばっているけど、それを他人は
笑っているんだろうか。がんばっているってどういうことだろう。
でも我々みんながんばっていないと人気がなくなると信じている。
でもどうなんだろう?
あすスタジオでモーニング娘。のみんなと顔を合わせる予定に
なっている。保田さんか飯田さんに聞いてみよう。
- 80 名前:白い板(保田圭) 投稿日:2003/10/05(日) 10:56
- スタジオに入ると藤本がいた。
「保田さんちょっとお話いいですか?」
「別にいいけど、休憩室に行こうか。」
自動販売機で暖かい飲み物を買うと腰をかけ、
「藤本、何?」
「ちょっと不思議な事が会って、考えてるんですけど...」
「不思議な事?」
藤本はきのうごっつあんとのやりとりとその後自分に起きた事を
話し、「私は誰かと違いなくさないように...」
とポシェットから手帳を取り出したが、
「あれ、うそ〜!色が変わってる。」
と声が高くなる。
「何言ってるのよ!」
それに合わせて声が少し大きくなる。
「赤いプレートが白くなっている。」
「見間違いじゃないの。」
「そんなことないよ。あっ、書いてある事もちがうよ。」
白いプレートに青い文字で
『人間は孤独を好む社会的生物である。』
と書いてある。
「私が見たのは、
『がんばっている人にエールを贈る。
だけどがんばっていない人は笑うだろう。』
みたいなことが書いてあったんだよ。」
「それって中島みゆきの詞みたいだね。」
[あの中島さんですか、『地上の星』だっけ?」
そこにカオリが通りかかったので、声をかけてこれまでの
いきさつを説明する。
「で〜、藤本は何が知りたいわけ?」
「私達はがんばりすぎてるんじゃないかと。」
「カオリが思うに、体力的精神的にだめだと感じていない
のなら、このままがんばっていいと思うよ、」
「あっ、なっちだ。ちょっと〜!」
と声をかけたけれど、すぐには気がつかなかったみたい。
- 81 名前:白い板(保田圭) 投稿日:2003/10/06(月) 11:04
- 「何やってるの。」
目が合うと笑顔でこちらに来てくれた。毛糸の帽子を取ると
耳当てだと思ったのはヘッドフォーン、音楽を聞いていたみたい。
「なっち、それは部屋で使うやつじゃないの。」
「冬はこれが一番だべさ。」
藤本がなっちにこれまでのいきさつを説明する。
「ところで変化したプレートはどこよ?」と聞かれて、
「あれ、消えている。テーブルに置いたはずなのに。」
と藤本が言うと、
「確かにここに置いたよね。」と私も答える。
「カオリは見てないよ。」
「何が書いてあったかは覚えているよ。
『人間は孤独を愛する社会的動物である』
だったはず。」と私が言うと、
なっちは「何よ、それ?」と考え込む。
そこにマネージャーさんが藤本を呼びに来た。
「それじゃ、また後で。」
「カオリもそろそろ準備しないと。」
「なっちも...。
圭ちゃん、さっきのことばの意味考えといて。」
とふたりまで去っていく。
社会性動物? どういうこと?
こういうことかな。何か前に読んだことがあるな。
犬と猫の生態の違いを例に挙げて、集団生活をする動物と
孤独生活?をする動物の違いを述べていたような。それに
夜と犬というのは仲間に甘え、弱みをさらけ出し、喜びも
苦しみも共有する互いにもたれあう世界に生きている。
その中では力による順位とルールが厳守されている。規律
第一主義ということ。
猫というのは、自分勝手の裏返しに自分だけですべてを
解決していく、他者に自分の弱みを見せない強い精神力を
持つ。つまり自分第一主義ということ。
なんとなく人間というものは、犬と猫の性格を併せ持って
いる矛盾している存在ってことかな。
そろそろ私も準備しなきゃいけないナ。
- 82 名前:茶色い板(飯田圭織) 投稿日:2003/10/07(火) 10:45
- 窓から初春の光が射している。オフだから朝から絵を描いていた。
ずっとこうしていたいなあ。ふと圭ちゃんの絵が頭に浮かぶ。
滅茶苦茶だと貶されているけど、誰にも表現できないすばらしい
素敵な絵だと思う。なぜ突然こんな想いが出てきたのだろう。
今ちょっとした不安がある。我らのおとめ組はさくら組に勝てる
かなっていうこと。タンポポの時の屈辱は味わいたくない。でも
歌では負けないはず。こちらの二枚看板の石川、藤本の方が向うの
なっちと矢口より断然よいもん、ただ高橋はこれから恐いかも。
だけど私と辻、小川で完璧、新人がどれだけやってくれるかヨネ。
ただこのメンバーでミュージカルをやるとしたら、向うがよいかも
しれない。こちらは完全な主役やれるのは誰もいないみたい。全員
準主役って感じ。
向うはなっちは主役って感じだし、矢口や紺野の演技も非常によいし。
舞台ではちょっとていう感じの二人がいるけど。慣れるとなまって
くるのと毎回演技が違ってくるのがね。
テレビや映画だと勝負にならないかな、新垣は表情豊かだし。でも
二つに分れてやることはないヨネ。
くだらないことに考えが行ってしまって、少し苦笑する。
次の瞬間、朝新聞を取ってくるのを忘れたことに気が付く。
玄関に行ってポストの中を覗くと新聞とともに掌大の淡い茶色い
プレートが目に入った。黒い文字で
『人生に勝ち負けはない。
満足できるかどうかである。』
と書かれてあった。これって圭ちゃんがこないだ言ってたのは、
これなのかな?
- 83 名前:茶色い板(飯田圭織) 投稿日:2003/10/07(火) 10:46
- 今までライバルに対して、いつも勝負してきたのかな。
CDの売上がどちらがおおかったとか...。
本当はどれだけ人の心に感動を与え、長い間人々に歌っって
もらえるかということだよね、カオリ自信がいい歌に出会え
たんだと思い、それを人々に長く刻み込まれるように歌う事、
自分がその創り上げたものに満足できて、いいものだと感じる
ことだよね。アーチストだと胸を張れるような作品を創るんだ
と強く思う。
- 84 名前:愛と麻琴 投稿日:2003/10/08(水) 10:05
- 控室で高橋愛と小川麻琴がふたりだけでいる。飯田と安倍と
保田はこの春からの体制に関しての会議。矢口はキッズとの
番組の収録。石川、紺野、新垣はタンポポの新曲の打ち合せ。
辻と加護は雑誌の取材。吉澤はラジオの公開録音。そういう
ことで、しばらく待っているのだった。
飯田が部屋を出る前にボソボソと語ったことが気になっていた。
「無理した元気よくがんばっているというようなこと、ない
よね。何事も勝負とかじゃなくて、満足いく納得いくように
目指さなきゃ。」
誰よりもモー娘。を愛している小川、それは新垣のような単なる
あこがれではなく、身も心も尽くそうという意思を持っている。
そして誰よりも誠実であろうとする高橋、それは紺野のような
知的なというより、感覚的なものかもしれない。そういうふたり
だから将来の事について重めに話をしていた。しかしすぐに軽め
の話になる。
「コンコンとニイニイはこのごろいつもいっしょの仕事になって
るよね。」
「そやねぇ、どないなってんやろ。...
何かふたりだけになると寂しゅうなんねんな。」
「愛ちゃんはまだいいわよ、ミニモニの仕事がはいってるから。
私なんて、ちっともプッチモニが本格的に動かないから...」
ふたりは自然と唇を重ねる。寂しくなるとキスをしている。
- 85 名前:愛と麻琴 投稿日:2003/10/09(木) 11:00
- 辻と加護から伝授された元気になる方法である。おたがいに口を
吸いながら、服の上から胸をそっと触り始める。ふっと唇を離す
と透明な糸が二人の口を繋いでいる。顔が分れると糸は切れる。
ふたりは見詰めあう。そして微笑みが甦る。
ノックの音がして、ふたりははっとして身なりを整えると、
「どうぞ。」と座り直す。
マネージャーに連れられて三人の少女が入ってきた、
「おはようございます。」と小さめの声がする。
「おはようございます。」と大さめの声で応える。
マネージャーは、「全員揃っての撮影があるから。」と言うと
すぐに部屋を出て行く。
「亀井さんは東京やってなあ。」と高橋、
「はい。」と亀井はぼそっと応える。
「そんで田中さんと道重さんは地方やってな、東京は慣れたん?」
「どげんかなあ、慣れたような、慣れとらんような。」と道重。
田中も「そうやねぇ〜、なかなか馴染めんです。」と言う。
その先話が進まずに押し黙ってしまう。
- 86 名前:愛と麻琴 投稿日:2003/10/10(金) 10:42
- ノックもなしにドアが勢いよく開く。
「来てたんだ。元気でしゅか?」
「もうかってまっか〜?」
辻と加護が入ってくる。どうも新人が来てるのをあらかじめ知って
いたみたい。
「お姉さん達がいろんなことをみっちり教えたげるからな。」
と先輩がいないものだから、許されるかどうかギリギリの悪戯の
数々を喋繰り出す。
「加護さん、そんなこと教えちゃいけんのぉ〜。」と愛が言うと、
「そうですよ。だめですよ。」と麻琴も言う。
辻さえもが、いっしょになって言ってたのに、
「たしかにいけないのら。反省しないとらめです。」と発言する。
「なんでうちだけ悪者になるんや。」とむくれてしまう。
その時、ノックとともにドアが開き、吉澤が入ってくる。
すかさず、「みんなが加護をいじめるんです!」
と飛びついてくる。頭をなでなでして、
「そうか、そうか。」と無表情で抱きしめる。
「辻はおんぶして!」と背中にしがみつく。
「重いよー。」と吉澤は加護におもわずヘッドロックをかます。
「よっすぃー、痛いよ!」ともがいて抜け出すと、吉澤は辻を
背負たまま床に倒れこむ。そこにタンポポの面々が登場。
「よっすぃー、またののとあいぼんをいじめたでしょう。」
と石川が現れる。
「梨華ちゃん、冗談はよしてよ。」と応じる吉澤。
「助けて!]と石川に駆け寄る加護。足を掛けようとする紺野と
新垣。その足を踏む加護。おもわず鉄拳を繰り出す紺野、みごと
に加護の顔数ミリ手前で寸止め。ビビル加護に対して、
「ごめんなさい。おもわず手が出てしまいました。」と
涙目になっている。というか普段と表情変わってないのでは?
「でも私、茶帯だから完璧に止めたでしょう。」とすぐ自慢。
- 87 名前:愛と麻琴 投稿日:2003/10/10(金) 10:45
- この騒動の中、矢口が入ってくる。加護に拳を突きつけている
紺野を見て、
「アイドルは打撃系格闘技をやってはだめ。関節系じゃなきゃ。」
とバックをとると、脇をくすぐって体勢をくずし、胸をつかんで
揉み揉みする。すると中澤姐さんから特訓を受けた技能により、
紺野はエクスタシーにいたって、喘ぎ声をあげる。それを見て、
吉澤と石川は抱き合ってディープキスをやっている。辻と加護も
同じくアヘアへ状態。そういうことで愛と麻琴も先輩に遅れては
ならじとキスを始める。新垣も負けてはならじと、矢口の背後
から腕をまわし、服の中に手を入れて、胸を揉み始める。おもわず
紺野をつかんでいた手を緩めると『やられたらやり返す』という
中澤姐さんからの訓えに従って、矢口のスカートをめくると、
股間に舌を這わせる。田中、道重、亀井はこの状況に冷凍、
それでも手はスカートの中。
そこに保田、飯田、安倍がもどってくる。
「いったい何やってるの?矢口、あんたは何よ!裕ちゃんにやら
れたことを後輩にやらすんじゃないよ!
ほら、紺野もいつまでスカートの中に入ってるの?」
こんな毎日が続いている。
- 88 名前:続・愛と麻琴 投稿日:2003/10/12(日) 09:43
- 高橋と小川は仕事場でまたふたりきっり。
「マコチャン、またふたりだけ残されてんなぁ〜。」
「愛ちゃんはいいよ。この後、ミニモニのレコーディング
があるから。わたしのほうはまだプッチモニ動かないよ。
つんくさんからセンターの指名を受けても、実際にできなきゃ
話にならないよ。その上マシューさんからまだ呼ばれてないし。」
と涙ぐむ。
高橋いろいろなぐさめるが、小川は俯いたまま。
そこに中澤登場。
「よっ、おはよう!」
「おはようございます。」
「ふたりだけ?まあ、ええか・・・」
一度入りかけたのをやめて、戸を開けたまま外に出て、
「あんたたち、こっちにきい。」
と招き寄せる。
「いいんですか?」
とカントリーのあさみとまいが入ってくる。
- 89 名前:続・愛と麻琴 投稿日:2003/10/12(日) 09:44
- 「あんたら東京での生活馴れたか?」
「中澤さん、以前から頻繁に来てるんですよ。そんなこと、
聞かないでくださいよ。」
「そーかぁ・・・そやなぁ。それはそうと、りんねとは連絡
しあってる?」
「えっ、時々ね。でもハロプロまで卒業するなんて・・・
わからないです。」
「そうだね、まいちゃん。交通事故で柳原さんが死んで、
小林さんは牧場生活に、戸田さんは芸能活動に情熱を失って・・・」
結局、芸能活動の目処が立たなくなって、小林さんは
やめちゃって....
戸田さんもカントリーやめようと思ったんだけど...
日記だっけ、それで柳原さんがカントリーに懸けていた
のかを知って、感動して、とりあえず自分ができるだけの
事をやってみようと思ったんだってネ。」
「そう、それであさみちゃんが入り、石川さんの力を借りて
メジャーデビューを果して、わたしが入って....
カントリーが順調なので、役割は果したと感じたって、
言ってました。」
「そうやね、自分がいたんでは、これから本格的に活動
できないからって、言ってたネ。」
と裕子は遠くを見つめる。
「次の曲から新人が入ってくる予定なんやろ。」
「そう聞いてますげど...」
「心配そうな顔をして...なるようにしか、ならないんだから。」
「そうでしょうか?でも稲葉さんの時のように、結局だれも
いないってことが、ありえますよね?」
「塞翁が丙(火の兄)午というやろ。」
「それって癸(水の弟)子じゃないですか?」
「巽琢郎かもね?」
「それは干支や方角やろ?草木も眠る丑三つ刻とちゃうん?」
と突然、稲葉が参戦。それから延々と高尚なようだけど
でたらめな話が続いて、愛と麻琴は口をポカンと開けて
聞き入っていた。
- 90 名前:新・愛と麻琴 投稿日:2003/10/13(月) 12:20
- 久しぶりに高橋と小川は、二人きりになることがなかった。仕事で
二人きりで待つ事が多いと、仲好しでも何か嫌な雰囲気になって
しまう。だけどそういう機会がなくなると、何か変に寂しい
と感じる。
今は二人以外に飯田と安倍がいる。
「いわゆるシンガーソングライターにはなれないのかな。」
と飯田が呟く。
「えっ、いきなりなんなのさ!」
と見つめる安倍。
「あのね、本当に人の心を打つ感動的なことばは、自分の中で
熟成させ発酵させなきゃだめだって、聞いたことがあるんだ。
でもこんなことしてたら、思い浮かんだことばのほとんどは
消えてしまうものなの。シンガーソングライターを職業とする
には、思いついたことばを書き残していって、それを基に詞に
していくんだよね。私そんな粗雑な作り方したくない。だから
仕事としては作詞することはできないと思うんだ。」
「なっちもそれに同感。っていうか、前にもそんな話しなかっ
たっけ?」
「あの時は、曲の方じゃなかった?」
などと話が続いている。
そこに藤本が現れる。
「何を話してたんですか?」
「シンガーソングライターになるのは、難しいけど、自分達で
曲とか詞とか出来たらいいね、みたいなこと。」
と言う飯田に、藤本は
「自分の思いを曲とか詞とか出来た素敵ですね。」
と少し感動した表情。
「高橋と小川はどうよ?」
と安倍に聞かれて、
「私もできるなら、やってみたいんやけどのぉー、ほやって
でけんやろう、無理やざ。」
と考え込む高橋。
「今は無理でも、いつかはやりたいです、」
と小川はずばり断言。
- 91 名前:新・愛と麻琴 投稿日:2003/10/14(火) 10:25
- そこにマネージャーが現れると、飯田、安倍、藤本が呼ばれて、
部屋を出て行ってしまう。
「またふたりだけになったね。」
小川は高橋を見つめる。顔が近づき、唇が接する。しばらく
舌の出し入れしていたけれど、
「そろそろうちらも呼ばれるんとちゃうんかぁ。」
「そのへん、ブラブラする?」
「そうしよか。」
と部屋を出て行く。
壁に耳あり、障子に眼ありと言われるように、隣の部屋から
盗聴を試みていた中澤は、
「なんであのふたりが、最後まで残ってんねん。カオリと
なっちの喘ぎ声を聞きたかった。」
と愚痴を言っている。
ロッカーの中では矢口が
「このふたりは駄目だ。見てても興奮も何もしないよ。」
とぼやいている。
さらに天井裏に潜んでいた辻と加護は、
「んー、今一つやな。もっと激しくやらんといかんな。後で
注意しとかな。」
「まったくれす。これならあややが、ごっちんとよっすぃーの
絡みを盗撮したのを見てた方がよかったれす。」
と話をしていたのであった。
- 92 名前:新続・愛と麻琴 投稿日:2003/10/15(水) 11:35
- とあるスタジオの控室にひとり考えながら、何かを書いている少女が
ひとり。小一時間、時々立ち上がってペットボトルに口を付けそして
ぶつぶつつぶやいて、うろうろと歩き回る。そしてまた椅子に座ると
筆を走らせる。
そこに三人の少女が入ってくる。
「小川さん、おはようございます。」
「おはようございます。」
「小川さんだけですか?」
「そう、なぜかね。」
「何をしとったんですか?」
「あっ、これ?さくら組とおとめ組に二つに分れて活動することに
なったでしょう。その時のあいさつ文を考えてた。」
「あいさつするとですか?」
「そう、どこかの名もなき放送作家のなれの果てが、年少のメンバー
にも何かあいさつさせたほうが面白いからって、暇な私がやらされ
てるわけ!」
「大変ですね。」
三人は同情している口振りだが、本心はどうなんだか・・・。
「だいたい文章を書き上げたので、おかしくないか聞いてて。」
と言いつつ、時計を気にしてる。
- 93 名前:新続・愛と麻琴 投稿日:2003/10/16(木) 12:01
- 「もうすぐ戻ってくるはずだけど。」
ここで都合よく来るはずもなく、
「誰ですか?」
と聞かれると、
「いや、別に・・・」
ちゃんと言ってもよいのに、ことばを濁してしまう。それでも
約束は成就するもので、紺野と新垣が入って来る。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
きっちりあいさつをかわした後、小川はふたりに訊ねる。
「愛ちゃん達は?」
「別々だよ。ミニモニは鮎がどうの、こうのって・・・」
「あゆって、柴田さんのこと?」
「さあ?でも普通は浜崎さんでは?」
「でもハロプロ用語飛びかってるから。」
「確かに。HPって書いてあったら、ハロプロのことだしね。」
などと話をする。
- 94 名前:新続・愛と麻琴 投稿日:2003/10/16(木) 12:02
- そうしていると話題になっていた高橋、辻、加護が入って来るので
ある。あいさつもそこそこに小川は発言する。
「例のあいさつ文、できたので聞いてもらえるかな。」
それには関係なく辻は、
「AYU Ready?で浜崎さんと歌たんだけど、ひきつってたみたいだね。」
と言うと加護はそれには関係なく、
「新人の皆さんは、びびりながらダンスレッスンしてたけど、夏先生
の要求にまともに応じていたら大変だから。」
などと話し始める。
それは無視して小川は原稿を読み始める。
皆さん、元気ですか!
モーニング娘。は私にとってあこがれであり、命以上の
ものです。それが仲間内のいがみあいで分裂し、先輩達に
見捨てられた、ではなくて、喜ばしくも二分割して二度
おいしくなるということに、私達は嬉しくてたまりません。
私は幼い時から歌手を目指して...(この後十数分
幼い時の思い出を語る...その後十数分地元の自慢
をする)...コシヒカリはササニシキを打ち破り全世界
制覇したように、小川も天空に輝くモー娘の星として輝ける
ようになるために...(泣)
モー娘は永遠に不滅です。
自信満々で周囲を見回す。
「まこっちゃん、これ長すぎない?」
「そやのぉー、いらんことまで言ってんのぉー。」
「そうだよ、変なギャグやめたほうがいいよ!」
めいめい好き放題、言いたい放題、批評を加える。あまりに
ひどい言われように麻琴は涙をこらえていたが、ついには
頬へ溢れ出してしまう。それを見て、
「悪かったのぉー、いっしょに考えるから、怒らんといて。」
などと慰めるが、よけいに居た堪れなくなり、麻琴は走り
去ってしまう。
負けるな、小川麻琴!プッチのキャプテンは君しかいない!
- 95 名前:模倣作家 投稿日:2003/10/17(金) 11:35
- 以前ある掲示板でリレーしりとり小説を企画したんだけど、
誰も乗ってこなくて、大半を自分で書いてしまった。
だけど意外とスムーズに書けたので、一行ごとにしりとり
して書いてみたいと思います。
ただこの構想を実行に移しつつある時に「笑う犬の太陽」
でしりとりドラマをやっているのを見て、やる気が失せて、
それから筆がまったく進んでいませんが、とりあえず
ふんばってみます。
- 96 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/10/17(金) 11:37
- すばらしく晴れた秋の日、ひとりたたずむ加護亜依。
石川梨華、悲しみをこらえて、その肩を後ろからそっと抱く。
苦しみをこらえて、夢を描く。
悔しさが心を埋めて、涙が零れた。
たまらない・・・
いつまで自分の人格をおとしめる事や情欲を煽る事をやら
なきゃいけないんだろう?
うまく言えないけれど、媚を売っているのだろう。
うまく言えないけれど、こうして生きているのは、なぜ?
全部うまくいくとは、想っていないけれど。
どこかで別のやり方があると考えるけれど・・・
「どうして、新曲が・・・」と小川麻琴はつぶやく。
くだらないと他人から見ると感じるかも・・・
もうどれくらい待てば、プッチモニは新曲を出せるの
だろうか?
考えても解かる問題ではない。
いや、考えなければいけない、ユニットの存在意義を!
終わってしまわないように。
逃げててはいけない、目を背けてはいけないんだ!
- 97 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/10/20(月) 15:32
- 誰もがみんな悩みを抱えて生きているんだよ。
よ〜く考えよう、お金が大事だよ。
よくよく考えてみるとお金のために生きているわけではない。
いやはや、何を考えているのか判らなくなるもので・・・
でもこれはどうしようもないと想ったりして・・・
手に手を取って努力する事、とても重要な事に思えていて。
天に私達の努力に報いて、手を差し伸べる神のような人がおられるなら。
来月には、いや来年には、よき知らせを聞く事ができますようにと、
ともに祈っているべき吉澤ひとみは歌に対する熱意が消えてしまったように見え、
笑顔ですごせるかと想うこともあるけれども、
もうすぐ勇気づけてくれる人に会うのだと思うと元気の出る小川麻琴。
とにかく少し離れたところから見守ってくれる人に相談するということは、
はっきり言って、いいことなのかもしれない。
イメージからは、中澤裕子には相談しずらい感じがするし、
しかも以前なら平家みちよ、今なら保田圭に相談するのが一般的だろうが・・・
がんばっている人にやさしい裕ちゃんは、特に非常に若い子達には、
はっきり言って、経験豊富で知的な頼りになる先輩なんだね。
ネオン輝く夜には別の顔を見せるかもしれないけれど、
どっしりとした態度は信頼を呼び起こす。
- 98 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/10/21(火) 14:10
- 素敵と言うには、何か違うような気もするけれど・・・
どうしてもきょうは話をしなければと考えている小川がいた。
高橋と話をしている中澤が目の前にいた。
ただその事だけで、行動出来ない自分がそこにいることに気づく。
暗い心になりそうになりながら、中澤に声をかけた。
「大変申し訳ないんですけど〜」
「どうしたの、小川?」
「私、相談したい事があるんですよ」
「よ〜く判ったから、ちょっと待っとき」
「きげんが悪いですね、中澤さん」
「んって、言ったら終わってしまうやろ、しりとりが!」
「ガ〜ン、中澤さん、愛ちゃんとしりとりしてたんですか?」
「勘で判らんか?」
「関係ないですよ、中澤さん!それより私の話は?」と
突然高橋が割り込んできたけれど、
「どうして私の話を聞いてくれないんですか?」
かなり必死な顔で訴える小川を目にすると、
突然どうしようもなく、中澤は二人の顔を見合わせて、
「てっことは、まず高橋からやな!
なあ、小川はそのあとでいいよな?」
などと胃ってその場を収めれたのであります。
- 99 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/10/25(土) 18:36
- 素直にその案に納得してもらえたことを嬉しく思う中澤は、
「はあ〜、最近いろいろと問題がおきてるなあ」と感じる事があり、
理由はなんとなく判るのだが、どうすることもできない自分に・・・
にしても中澤と稲葉はふたりだけ他のメンバーと年が離れ過ぎている。
留守番程度の役目の稲葉と違い、
一応中澤には高い存在価値があるとはいうものの、
ノリノリの若手に比べると衰えを否定出来ない。
いけない、本筋から離れてしまった。
たとえばさくら組とおとめ組の編成にしても、中のよい者を離して、対決させてるような、
何というか、特徴があるようではっきりしない感じというか、
かなりそれぞれのユニットに特色を持たせる気があるのかないのか?
考えてしまう、曲調からそれぞれ別の色を付けようとしている感じだけど。
どうにもこの頃ユニットを創り過ぎて、前からのユニットは忘れ去られたような・・・
なんだか目新しいことばかり行なうというのは、
はっきり言って衰退期に苦し紛れに、人気を挽回しようとしている感じで・・・
『でもロマンスには入りたかったな、
なんといっても、それぞれのグループの代表によって構成されたユニットだし、
しかもセクシー集団だから、ソロ代表としてこの中澤が加わるべきだと思ったりするけれど、
どうもひとりだけ年が離れ過ぎているのはね。
年齢的には、後藤が適任なのかな。』
などと考える今日この頃。
- 100 名前:模倣作家 投稿日:2003/10/26(日) 17:02
- >>98 最終行
誤:などと胃ってその場を収めれたのであります。
正:などと言ってその場を収められたのであります。
- 101 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/10/31(金) 11:59
- ろくでもないことに思えた。
ただハロプロというか、モー娘。の企画で、ハロプロキッズが15人なので、それぞれ組んで何かやらせようという話があるらしい。
いやはや、何を考えているのか?
かなりおかしなことになりそうな・・・
なかなかうまく逝きそうな気がしなくて・・・
てんで話にならないように思えるのだが・・・
がんばってここらで人気回復の秘策をと、
ともに考える亜依と愛。
いったい何を思いつくのやら。
ラーメンを啜って様子を伺う辻と紺野には、さっぱり判らぬことでした。
ただ言えることは、最近の動向からすると幼児を対象とする新ユニットが必要だろうということ。
とにかくハロプロキッズから選出されるだろうが、果してうまくいくのやら。
ラーメンを食っているふたりや
やや無理なことを考え込んでいるふたりには、関係ないだろうということ。
ともに考えなければならないのは、自分を今以上目立たさせることだと、
とにかく中澤裕子は幼い四名に伝えるのであった。
- 102 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/02(日) 10:07
- 確かにそれはそうだけど、どうしてそうなるのかな?
何もかもがおかしくなっているこの世界にあって、
手を携えて仲間でがんばる姿を多くの人に見せるのがいいのかもね。
寝ずに考えて、いい案が想いついたといって、企画を創作し、
してからお偉方の前で発表してもダメ評価になってしまうまことのようなやつもいれば、
バカみたいに遊びほうけても、ダメ評価になった他人の企画をネタにして出したもので高い評価を受け、
けして他人がまねできないものだと実行されては、
ハッとおどろくように売れてしまうつんくのようなやつもいるんだ。
だけどはたけのようにお偉方からは「いいね」と言われても、
もうどうしようもなく売れないものばかり創作してしまって、みんなから忘れ去られてしまってはおしまいかましれない。
いやはや世の中は厳しいものだ。
だけど辻のつまらない言葉から企画を立案し、このことにはセルフプロデュースをきどった矢口は、
はりきりのめりこみすぎて体調を崩して、遠ざけられてしまう。
うまくいかないものであるが、辻のほうは密かに数名の人物にそれぞれ呼ばれては、ご馳走を食べながら言葉を授けているという。
ウソかホントか知らないけれど中澤裕子を進行役に高橋愛と加護亜依でハロー!プロジェクトをこんごどうしていくべきか対談するという雑誌の企画がおこなわれているのだが・・・
「がなりのまねをしてみたい」などとマニアックなことを言う高橋。
知らないことをさもよく知っている風にしゃべる加護。
「ごまかされへんで」と発言する中澤。
訳の判らない雰囲気が全体を包み込んでいた。
从#~∀~#从 < 対談するゆうても、高橋と加護とで何話していいんやろか?
(‘д‘) < 加護としては、中澤さんがどうしたら結婚できるかということにしましょう?
从#~∀~#从 < ウルサイ!高橋はまともなこと言ってや。
川 ’ー’川 < やだな〜、中澤さん!どうしたらいいんでしょう?
(‘д‘) < うそでもいいから「すぐにでも結婚できますよ」ていえばいいですよ。
从#~∀~#从 < よう言うわ!あんたたちにふったんが間違いやったわ。
- 103 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/08(土) 12:51
- 川 ’ー’川 < 私、何か変なこと言いました?
从#~∀~#从 < 高橋、そう深刻に考え込まんでいいから!それよりきょうは「娘。の将来について」を論じるにゃから、加護。
(‘д‘) < 胡麻菓子ましょう、中澤さん、どうでしょうか?
从#~∀~#从 < 加護、それは本当に御菓子いで〜!
川 ’ー’川 < え、そうなんですか?中澤さん、ミニモニ・ザ・ムービーだったんですか?
仮にそうだとして、何を話せば・・・
从#~∀~#从 < バカみたいに悩んでてどないすんのや!
(‘д‘) < やっぱり元気が一番ですよね?
从#~∀~#从 < 猫も杓子もファイトや!
川 ’ー’川 < やっぱり元気が一番やて!
(‘д‘) < 天才加護ちゃんにまかせとき!
川 ’ー’川 < きまりましたね。
(‘д‘) < 猫も杓子もファイトと言っても、そろそろ本題に入らないと・・・
从#~∀~#从 < とにかく本題に入るか。
(‘д‘) < 加護ちゃん的には、今のままでいいんだけど・・・
从#~∀~#从 < どうしてそういうことを言うんや!
やっぱりあんたたちには、まかせられんな。
川 ’ー’川 < 何を言ってるんですか?中澤さん、りっぱな後輩にまかせてください。
从#~∀~#从 < いかんな〜、このままでは話が進まんやないか?
仮にも年長者やからきっちりと仕切らせてもらうから、文句は言わせへんからな!
川 ’ー’川 < 何を言ってるんですか?中澤さん、りっぱな後輩にまかせてください。
从#~∀~#从 < いいかげんにしいや!こんなことやから娘。卒業しても心配なんやで〜!
川 ’ー’川 < え、そうなんですか?中澤さん、安心してくださいよ、みんなしっかりやってますって。
(‘д‘) < 天才加護ちゃんにまかせとき!
川 ’ー’川 < きまりましたね、こうじゃなくっちゃ。
从#~∀~#从 < ちゃんとやろう!娘。がこのごろ伸び悩んでるのはなぜか解るか?
(‘д‘) < 考えて観たこともないです。
川 ’ー’川 < すみませんけど、中澤さん!娘。は伸び悩んでるんですかねえ?
从#~∀~#从 < ええか、加護に高橋、あんたたちに一度言わなきゃいかんことが・・・
- 104 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/08(土) 13:25
- >>103
上から3行目
×それよりきょうは「娘。の将来について」を論じるにゃから、加護。
○それよりきょうは「娘。の将来について」を論じるんやから、加護。
- 105 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/12(水) 14:26
- (‘д‘) < ガミガミ言わんで下さい。
从#~∀~#从 < いいかげんにしい!いつまでもそんなことではすまへんで〜!
川 ’ー’川 < え、そうなんですか?
从#~∀~#从 < かなり繰り返してるな、高橋!真剣に聞かなあかんからな!
(‘д‘) < なっちゃんはな、なっちと言うんや、ほんとうはね♪
川 ’ー’川 < ね、加護さん違いますよ!なっちゃんはね、れいなと言うんですよ。
(^:〜.^) < よっちゃんはよ、チェケラッチョ♪よしこと言うんよ、本当はよ〜う♪
从#~∀~#从 < 吉澤!横から入ってくるなよ!仕事の途中やろ、早よ行き!
川 ’ー’川 < きまりましたね、中澤さん!こうじゃなくっちゃ。
从#~∀~#从 < ちゃんと聞くんやで、今あんたたちに必要なのは、ソロ歌手になるんだという強い野望よ。
川 ’ー’川 < よくわからないんですけど?
从#~∀~#从 < どう言ったらええんかな?あんたたちは娘。に憧れて入ってきて、その中で活動しているだけで満足しとるんやないか?
考えてみ〜、娘。はたかが5年くらいの歴史しかない。
いいか、そんなものに憧れて伝統を守って逝こうというのは、おかしいんとちゃうか?
(‘д‘) < かなりきついお話です、私達にとっては。
川 ’ー’川 < はっきり言って、モーニングを汚すような言葉を中澤さんから聞くとは思わなかったです。
- 106 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/12(水) 14:28
- 从#~∀~#从 < すぐに解ってくれとは言わないが、オリメンや二期メンはみんなソロをめざしてたから、いいものができたと思うんや!
やっぱり歌手はソロが一番やから、団結して認められて、娘。を踏み台にして次のステップに進もうとしてるんやからな。
なぜあんたたちが娘。にこだわるのかも解るけど、娘。にいつまでもおられるんやないで!
川 ’ー’川 < でもモーニングを卒業するなんて、考えられないですよ。
从#~∀~#从 < よ〜く考えよう、自分が大切やろ♪
ろくでもない事と想うやろうけど、娘。もいつかは消滅するんやからな。
(‘д‘) < なんでそんな縁起の悪いこと言うんですか?悲しいですよ。
从#~∀~#从 < よく聞くように、いいか・・・悲しんでる場合じゃないから。
楽にしてきくように。誰かさんはまた引退するようや。
やっかいな話だが、このようにいつどうなるか解らんということを胸に刻んどくように。
川 ’ー’川 < 人間いつどのようになるか解らんということは、よ〜く心得てます。
(‘д‘) < すぐに中澤さんが何を言いたいか解りますよ。
よくありますよね、恋人に去られて寂しくなって、よく知らない人とデートして、ツーショットの写真を撮ったりしたのを、後にその写真を発表さ手閉まったり・・・とかね。
从#~∀~#从 < ねっとりしたスキャンダルの話をしてるんじゃないよ。
よく聞け、加護に高橋!知ってるか、なぜ藤本が娘。に入ったかを?
- 107 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/13(木) 10:50
- >>106 下6〜3行 訂正
(‘д‘) < すぐに中澤さんが何を言いたいか解りますよ。
よくありますよね、恋人に去られて寂しくなって、よく知らない人とデートして、ツーショットの写真を撮ったりしたのを、後でその写真を発表されてしまったり・・・とかね。
- 108 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/16(日) 14:03
- 川 ’ー’川 < ヲタ対策?ってわけないですよね。
(‘д‘) < ネタふりしてくれて、ありがとう。
うそでもいいからおもしろいって、言ってくださいよ、中澤さん!ってか?
从#~∀~#从 < 関係ないこと言うんじゃないよ。
(‘д‘) < よくわかっております。
川 ’ー’川 < すみません、いったい何が言いたいんですか?
(‘д‘) < 加護もわかんない!
从#~∀~#从 < いいかよく聞け、皆の者!のんきな顔をしてるんじゃない。
川 ’ー’川 < いったい中澤さん、どうしたんです?
从#~∀~#从 < すまん、とりみだしてしまったよ。
よく聞けよ、藤本からソロ歌手の雰囲気が伝わればということや。
(‘д‘) < やっぱりそうかい
从#~∀~#从 < いいかい、そして無地元を「真のソロ歌手」をこれから目指していくということで、その姿勢を感じ取って欲しいということや。
やがて対談の時間も終わり、それぞれ帰路に就く。
くたびれはてた中澤であったが、日課の居酒屋に立ち寄って、いつもの仲間と一杯引っかけることは欠かさない。
いつものようにほろ酔いで家に帰ると、寝酒と称して泥酔状態に飲みふけっていくのであった。
- 109 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/22(土) 13:44
- たらふく酒に飲まれると静かに寝息をたてて、そのまま朝になります。
すると当り前のように目を覚ますのだが、昨晩のことはほとんど覚えていないが、二日酔いの彼女にはそんなことはどうでもよい。
いやはやきのうの記憶があやふやであった。
確かほろ酔いで家に帰った後、後輩が相談があると訪ねてきたとうな気が・・・
がんばって思い出そうとするけれども、思い出せない。
イカンと思いながらも、ふとMの女神がどうのこうのと言ってたような・・・
何なんだろう、そう「Mって何?」と想う。
う〜んと首をひねりながら考えるに、頭文字ではと推測すると、モーニング?娘。?
メロン記念日?ミニモニ。?みちよ?前田?真里?美帆?美和?ミカ?真希?村田?めぐみ?雅恵?
えーと松浦?美貴?舞美?桃子?雅(みやび)?茉麻?愛(めぐみ)?舞波?舞?道重?みうな?三好?と頭に浮ぶけど・・・
どこのどいつのことだろうと考えてみるものの、はたしてそういうことだろうかと、頭の痛みに耐えつつより深く考えてみようかと・・・
突然無理だと気づいて、なぜこんなことをしてるのだろうと腹立たしく感じた。
ただふと思い浮かんだことが・・・
「がんばってる君たちに対して、笑うやつらがいるだろう」という文字の書かれた小さな板が突然現われて、
てもって、いつの間にか消えてしまったという話を圭ちゃんから聞いたことがあった。
たぶんこれは、Mの女神からの預言ではないかと想ったりした。
- 110 名前:亜依&裕&愛 投稿日:2003/11/22(土) 13:46
- ただね、他に思い当たることがあるように思え・・・
えーと、と考えるとそういえば、紺野が番組で暴走した後に、「おとなにまた騙されました」なんてことを言ってた事が記憶に残っているのだが・・・
我を張れば角が立つ、情に棹をさせば流される、とかくこの世は住みにくい。
いったいこの世は何なんだ?
誰がこの世を動かしてるんだか?
考えたこともないのだが・・・
「がんばちゃえ」とか言っても、いつまでもがんばっているわけにはいかないわけで・・・
でも人間がんばちゃうわけで、やはり私達は馬車馬のように働き続けるわけで・・・
ですから自転車操業になってると感じるんだな。
「なんだかな〜」なんて言ちゃってるわけであるけど・・・
どうしても日本においては過労死とかあるんで、それを心配せなあかんと思っとるんです。
すばらしき未来のために今何ができるか考えねばならんと想っておるのであるが・・・
がんばれ、中澤!未来に向っていざ進まん!
- 111 名前:模倣作家 投稿日:2003/11/22(土) 13:48
- こんなくだらないものを最後まで読んでいただいて、誠にありがたいことです。
「愛と麻琴」〜「新続・愛と麻琴」のアンリアルな出来事の大半は
花坂『美貴帝物語』内「好色童女連伝記」の内容と微妙に関連させた
のですが、気づいてもらえたでしょうか?
他にも関連させてるところもあるので、読んでみてください。
Converted by dat2html.pl 0.1