光の向こうには。
- 1 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時17分30秒
- 紫板で書いているものです。
ちょっと違ったモノを書いてみたくなってスレ立てました。
まだまだ至らない部分がある者なので、指摘、感想、レス大歓迎です。
どうぞ、お付き合いのほどよろしくお願いします。
- 2 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時18分10秒
- ー今日は雨か・・・・−
ずっと、眠ってる。
私は、眠り姫なんだよ。
だって、あの人がいつも言うんだもん。
ーあんたはほんまに眠り姫やぁ。はよ目ぇ覚ましてやー
ってね。でもね、起きたくても起きれないんだよ。
いくらあなたが私の唇にくちづけても・・・・・。
- 3 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時18分48秒
- ________________________
いつもの時間、いつもの道。
あと何回通ればあの娘は目覚めるのか。
あと何回いつものいってきますのキスをすれば・・・・。
いつものように車で病院に向かう。
あの娘に会うために。
私の眠り姫に会うために・・・・・。
いつもの廊下を歩く。
すれ違うお医者さんや看護婦さんに頭を下げながら。
- 4 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時19分21秒
- 304号室。
軽くノックして入る。
ベットに寝かされた小さな身体。
握らされているタオル。
繋がれた点滴。
全てがいつも通りだ。
いつものように、少し話をして。
聞こえているかどうかは分からないけれど。
時間だ。
いつものように、いってきますのキスをして。
いつものようにアタシは会社に向かう。
ただ、それだけのこと・・・・・・。
- 5 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時19分52秒
- なにも変わらない、いつもの光景。
会社に着くと、皆が口をそろえて『おはようございます』と言う。
これもいつも通り。
それらに頭を軽く下げながら自分のデスクに着く。
いつものように、なっちがコーヒーをいれてくれる。
書類に目を通しながら、コーヒーを啜る。
あたしの好みに添ったいつもの味。
チャイムが鳴る。
もうお昼の時間か・・・・。
なっちは親切な事に毎日アタシの為にお弁当を作ってきてくれる。
二人っきりで、おんなじお弁当を食べる。
- 6 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時20分24秒
- 『裕ちゃん。どお?最近。』
『ん?あぁ、なんも変わってへん。いつも一緒や』
『そぉかぁ・・・・。もうどれくらい?』
『1年半かなぁ・・・・。もっと長く感じるけど』
アタシが、最愛の人と別々の世界で生きるようになって。
もう一年半。
彼女は、アタシの太陽やった。
太陽がないと、花も木も草も人さえも干乾びてしまう。
その影からここまで導いてくれたのは、今隣にいるなっちやった。
抜け殻やったアタシに潤いを与えてくれた。
ただ、アタシはこの娘になんにもお返しはしてやれん。
この娘を愛すことはでけへん。
どんなになっちが、アタシを想ってくれていても。
- 7 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時20分58秒
- 今から一年半前。
久しぶりに重なった休みに二人で買い物に来ていた。
いつものように楽しい時間は一瞬で地獄のような思い出に変化した。
周りから「あぶない」とか「早くそこどけっ」っていう声が聞こえて。
なんだろうと思ってみると、すでにすぐ近くに車が突っ込んでくるところだった。
避けきれずに、アタシと彼女は車に激突した。
つぎに目を覚ましたときにはアタシは病院にいた。
- 8 名前:ハルカ 投稿日:2003年08月31日(日)22時22分28秒
- 今日はここまでです。
ではでは。
- 9 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月31日(日)22時47分46秒
- もしや、やぐちゅー?(ドキドキ)
おもしろそうなんで楽しみにしてます。
がんばってください!
- 10 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月01日(月)18時18分11秒
- 身体を少しでも動かせば身体中に走る激痛。
声を出したくてもうまく出ない。
矢口はどうなったのか、自分はどうなっているのか、知りたかった。
結局、アタシが集中治療室から出れたのは、目覚めてから一週間後のことだった。
- 11 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月01日(月)18時18分53秒
- 聞けば、アタシは運ばれてから3日間も意識不明の状態だったらしい。
運ばれた病院には、昔からの友人の平家と保田と石黒が勤務していた。
アタシは、左腕、左足の骨折と頭や足の怪我で済んだらしい。
念のため、色々な検査をしたが異常は認められなかった。
車を運転していた奴は即死。飲酒運転だったそうだ。
彼女はまだ昏睡状態にあると聞かされた。
このまま、目がさめないかもしれないと平家は言った。
嘘をついているんだ。
そう思ったが、彼女の姿を見たとき嘘ではない事を知った。
- 12 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月01日(月)18時19分29秒
- 小さな身体に無数のチューブを繋がれて、大きな酸素マスクで顔を覆われていた。
顔にも大きな傷があるらしく、顔の半分をガーゼが覆っていた。
あんなに綺麗だった彼女の自慢の髪の毛もほとんど見えないくらい包帯で覆われていた。
泣き叫んだ。
まだ自由がきかない、動けば痛みが襲ってくる身体だったが彼女の痛みに比べればどうってことがなかった。
彼女に近づこうと車椅子を降りようとしたら、平家と石黒に押さえつけられた。
そんな泣き叫ぶアタシを見ながら、保田は涙を流していた。
- 13 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月01日(月)18時20分07秒
- 次の日から毎日彼女がいるところに通った。
その時はいつも石黒か平家か保田がそばにいたのだけれど。
名前を呼んでも返事はない。
そのたびにアタシはだれかの胸で泣いていた気がする・・・・。
- 14 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月01日(月)18時22分32秒
- きょうはここまでです。
>>名無しさま。
やぐちゅーかどうかは、もう少し先でわかると思います。
どうぞ、こんな駄文ですがよろしくお願いします!
- 15 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月01日(月)19時25分04秒
- 今回も痛そうな感じですね。
設定が面白そうなので、続き楽しみです。
- 16 名前:LOVE 投稿日:2003年09月02日(火)22時42分08秒
- やぐちゅーだぁ〜!!
今回も痛めなのかな??う〜ん、続きが気になります・・・。
なんか読んでて泣きそう・・・。裕ちゃん・・・
- 17 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月03日(水)20時33分59秒
- はっと現実に引き戻される。
もうすぐお昼が終わる。
『なっち、今日行こうと思うんだ・・・』
『どこに?』
『病院。最近全然行けてなかったからさ。裕ちゃんどぉするの?』
『ほんなら、一緒に行くか?』
『そうしようか・・・・』
久しぶりだ、なっちが彼女のところに自分から行くと言うのは。
いつからだろう、あんなに仲のよかった二人が遊んだりしなくなったのは・・・・・。
- 18 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月03日(水)20時35分14秒
- アタシと彼女が付き合い出してからだろうか。
かわいい妹から、愛しい恋人になった時、二人の間には一体何があったんだろう・・・・・。
会社から車で10分程度の道のり。
いつもなら一人だが今日ばかりは違う。
助手席に、ちょこんと座るかわいい後輩。
どことなくいつもより堅い雰囲気を醸し出している。
緊張しているのだろうか・・・・・。
いつもの病室の前。
朝と同じように軽くノックしてからドアを開ける。
いつも通りだ。
軽く、なっちの背中を押して中に招き入れる。
- 19 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月03日(水)20時35分51秒
- 事故当時よりだいぶ痩せてしまった身体。
顔の怪我はよく見ないと分からないほどまでに回復した。
傷は治った。だが彼女は決して目を開いてはくれない。
ー深い深い眠りの中にいるのだ。ー
アタシがリハビリをしている時、なっちはいつも「頑張れ、頑張れ」と言いながらそばにいてくれた。
どんなに辛くても、苦しくても、なっちが支えてくれてた。
包み込んで、アタシを癒してくれた。
心身ともにボロボロだったアタシを。
でも・・・・アタシの心の中にはいつも彼女がいた。
彼女も頑張っているんだから、アタシも頑張らな。
そう思って過ごしていた。
- 20 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月03日(水)20時39分41秒
- 今日はここまで。
>>名無し様。
そんなに期待しちゃダメですよ。
ほんとへっぽこ駄文なんで・・・・。ご期待にそえるように頑張りますっ!
>>LOVE様。
お久しぶりです。
今回も痛めです。あっちのよりかなり痛いです・・・・たぶん。
甘いのも書きたいんですけどねぇ・・・・・。
- 21 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月03日(水)23時03分03秒
- 一途に眠る彼女に想いをよせる裕子さん健気ですね。
なっちの気持ちも切ないですし…
痛いけどなっちゅーな感じがして結構好きです(w
- 22 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月05日(金)20時09分35秒
- ごめんな、なっち。
アンタを愛せなくて。
- 23 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月05日(金)20時10分08秒
- なっちをベットのそばの椅子に座らせる。
『ねぇ、いつまでこうしてるつもり?早く目ぇ覚まさないとなっち、裕ちゃん取っちゃうよ?』
ねぇ、早く起きなってば!
少し興奮してきたのかなっちは彼女を揺さぶりながら言った。
『なっち、点滴外れちゃうから止めて。』
『なんで?なんで裕ちゃんは・・・・・。もう起きないかもしれないのに・・・・・。なっちを見てよ!』
なっちよりそんなに・・・・・・・。
ーそんなに矢口の方がいいの?ー
- 24 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月05日(金)20時10分40秒
- 涙で顔を濡らしているなっち。
『なっち。ごめんな。裕ちゃん、まだ好きやねん。起きひんかもしれんって事はわかってる。でも、矢口はアタシにとって・・・・・。』
『もういいよ、裕ちゃん。分かった。なっち分かったから。ごめんね、迷惑かけて。ありがと。』
淋しそうな笑顔を残して帰っていったなっち。
それから数日後だった、なっちが地元、北海道に帰ったということを聞いたのは・・・・・・。
- 25 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月05日(金)20時12分30秒
- なっちが北海道に帰っても、時間は過ぎていくもので。
ただ、なっちがいなくなって、アタシは以前と同じ生活に戻っただけだ。
そして、矢口も以前と同じように眠っているだけだ。
ー何も、変わらない。ー
眠り姫は王子様のキスで目覚めるはずねんや。
それが本当なら、アタシは矢口の王子様じゃなかったって事なんかなぁ・・・・・。
アンタの王子様は一体ダレなん?
- 26 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月05日(金)20時14分53秒
- 今日はここまでです。
ちょこっとしか更新できなくて、ごめんなさいです。
>>名無し様。
なっちゅー・・・・・。
かなり期待を裏切ってしまったような気が・・・・・。
すみません・・・・。
でも、なっちもちょこちょこ出していくとは思います。
結構おいらの中では重要な人なんで。
- 27 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月07日(日)21時34分48秒
- いつものように会社から病院へと向かう。
廊下を歩いていると、昔からの友人の一人、石黒彩が声をかけてきた。
彩は、なっちと同じ北海道の人間だ。彩が19歳のとき北海道から妹のカオリを連れて東京へと出てきた。
カオリは彩と同じ病院の看護婦として矢口の世話をしてくれている。
- 28 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月07日(日)21時35分24秒
- 『久しぶりだね。こうやって、ゆっくり話すの。』
『そうやなぁ。最近どぉなん?』
『うん。順調だよ?カオリも私も。』
『そりゃあよかった。で、なんなん話って。』
『うん・・・・。みっちゃんがね、裕ちゃん最近なんか様子が変だから声掛けてやってくれって』
『変かなぁ・・・・?全然普通やで?』
『私も、裕ちゃん最近変だと思うよ。圭ちゃんもそう思ってるって。皆感じてるんだよ?もうちょっと弱み見せてもいいんじゃない?』
『なぁ、彩っぺ?アタシは普通やで。そんな心配すること』
『じゃあ、なんで裕ちゃん・・・・・・』
ーなんで、泣かないの?−
- 29 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月07日(日)21時36分03秒
- 『なっちがいなくなって淋しくないの?悲しくないの?』
裕子自身も分かっていた。自分が泣けない事くらい。
あんなに毎日の様に泣いていたのに、ある日まるで涙が枯れてしまったかのように一雫も涙が出なくなった。
良い事なのか、悪い事なのか、裕子には分からなかった。
『ねぇ、裕ちゃんにとってなっちはその程度の存在だった?違うでしょ?あんなに仲良かったじゃない?矢口と三人でいっつもバカな事ばっかりしててさ。本物の兄弟みたいだったじゃない。』
早口で言った彩の目には、涙が溜まっていて。
少しでも瞬きをすれば零れ落ちてしまいそうな程だった。
- 30 名前:名無し読者 投稿日:2003年09月07日(日)23時43分45秒
- 彩裕風味いいですね〜
つなぎっぽいし
みっちゅーもありそうだし・・・
続きが気になってしょうがないです。
頑張って完結してください。おねがいします。
- 31 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月08日(月)21時54分32秒
- 『じゃあ、どぉすればいいねん。アタシのもわからへんねん。なんで涙がでぇへんのか。悲しくないわけじゃない、泣きたくないわけじゃない。でも、でぇへんねん。』
苛立ったようにそう告げると裕子は俯いてしまった。
そんな裕子に彩はなんと言って良いのかわからなかった。
- 32 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月08日(月)21時55分08秒
- 裕子と別れて。
彩は裕子に何も言ってあげられなかった自分が腹立たしかった。
慰めの言葉・・・・?それとも、なんにも言わずに抱きしめてあげればよかった?
彩の頭はパンク寸前だった。
『彩っぺ。どぉしたん?なんか悩み事?』
聞き慣れた、裕子とは少し違うニュアンスの関西弁。みちよだ。
『なんだ、みっちゃんか・・・・。』
『なんやって何?なんでそんなに悩んでるんや?この平家さんに言ってみ?』
言っても良いのか?
みちよなら分かってくれるだろう。彼女は心の優しい人だから。
人の痛みも理解できる人だから・・・・。
- 33 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月08日(月)21時56分04秒
- 『ねぇ、みっちゃん。裕ちゃん、いるでしょ?今日、裕ちゃんと話したんだ。』
『そぉか。で、なんて言ってた?』
『裕ちゃん、苦しんでる。一人で全部抱えてる。なっちがねいなくなって、悲しいんだって、苦しいんだって。でもね、涙が出ないんだって・・・・・。』
『涙が出ない・・・・。』
さすがの平家も言葉が出なかった。
ーあんなに強かった裕ちゃんが?ー
信じられなかった。
確かに、事故当初はかなり取り乱したりしていたが、それは始めのうちだけだった。
いつも毅然とした態度で、何事にも冷静に対処していた裕子を平家は知っていたからなおさらだ。
しばらく二人は何も言わずに考え込んでしまった。
- 34 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月08日(月)22時01分37秒
- 裕子はと言うと。
彩と別れた後、いつものように矢口の病室へと来ていた。
コーヒーを飲みながら物思いにふける。
いつしか、これが裕子の日課と化していた。
思い出すのは最後に見たなっちの淋しそうな、悲しそうな顔ばかり。
ーアタシ、なっちに何もしてやれんかったなぁー
ダレに言うともなしにつぶやいてみる。
なぁ、矢口。アタシはどぉしたらええのん?
- 35 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月08日(月)22時08分10秒
- なっちを傷つけて、皆を巻き込んで、自分一人でもがいて。
一度でも、誰かに助けを求めてしまえばその誰かに頼ってしまう。
底が抜けたバケツのように、いくらでも求めてしまう。
だれにも頼れない。
そっと、矢口の頬に手を伸ばす。
触れた指先から矢口自身の体温を感じる事ができる。
この娘はまだ生きている。
こんな小さい身体で。
そう感じながら裕子は矢口の唇にキスを落として病室を後にした。
- 36 名前:ハルカ 投稿日:2003年09月08日(月)22時11分15秒
- >>名無し読者様。
ありがとうございます。
はじめた当初は、やぐちゅーだったんですけどねぇ。
なんか全然変わってきてます(苦笑)
放置はしませんよ!
中途半端は嫌いなんで。ちょこちょこ更新で申し訳ないのですが。
- 37 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/09(火) 23:15
- 安倍さん矢口さんのことはどーするのか
姐さん複雑ですね……
続き楽しみにしてます。
- 38 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/11(木) 22:18
- いつも通りの朝。
玄関に新聞を取りに行く。
新聞と一緒に何かが入っていた。
ー手紙だー
見なれた少し癖のある字。
なっち。
せかされるように封を開ける。
薄ピンクの便箋に並ぶなっちの言葉。
- 39 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/11(木) 22:19
- 裕ちゃんへ。
何にも言わないで、帰っちゃってごめんね。
なっちね、こっちで色々考えようと思うんだ。
今までのこと。
これからの事。
矢口の事、キライになったわけじゃないんだよ?
ただ、なっちちょっとだけ悔しかったんだ。
いつもなっちは裕ちゃんのそばにいて、裕ちゃんの事を一番に考えてるのに裕ちゃんは矢口が一番だったから。
裕ちゃんの一番になりたかった、それだけ。
ごめんね。
なっちは、頑張るよ。
次、裕ちゃんと矢口に会うとき恥ずかしくないように。
頑張るからさ、裕ちゃんも矢口をよろしくね。
矢口はなっちの大事な妹だからさ。
なっちより。
- 40 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/11(木) 22:20
- 言葉が出ない。
なんにも気がつかなかった自分自身に腹が立った。
ごめんな、なっち。
なっちも、矢口も、一生アタシの大事な妹やで?
血のつながりなんて関係ないんだ、そう思った。
なぁ、矢口。
アタシの想い、なっちに届いてるかな?
こんな気持ちのまま、仕事に行っても手が付かなそうなので、今日は休むことにした。
- 41 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/11(木) 22:20
- 病室には安らかに眠る矢口。
もしかしたら、矢口はこのまま起きる事はないんじゃないかと不安で眠れなくなる事もある。
裕ちゃん。そう言って笑った矢口の顔ばかりが瞼に貼りついてはなれない。
真夏の太陽に向かって力いっぱい伸びているヒマワリのような笑顔。
自分が矢口のいたところを歩いていれば。
そう考えたのも、もう数え切れないほどだ。
- 42 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/11(木) 22:20
- どうして自分だけ。
いっそのことなら二人で死んでしまえばよかった。
そう平家に漏らしたとき、平家は力いっぱいアタシの頬を打った。
『姐さんがそんなこと言ってどうするんですか?!』
いつも温厚な彼女がこんなに怒ったところは見たことがなかったからすごくビックリした事は、今でも忘れられない。
平家が、彩が、圭が、そして、なっちがいたからアタシはここまで一年半生きてこれた。
改めて、そう感じる事が出来た。
- 43 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/11(木) 22:21
- 矢口のちっこい手を握りながら改めて考えてみた。
そしたら、わずかだがアタシの手を握る力が加わったような気がした。
『矢口?矢口?聞こえる?裕ちゃんやで!』
ぴくっと動く指。
夢にまで見たこの瞬間が今、目の前にある。
ナースコールで看護婦さんを呼ぶ。
走って彩と平家がやってきた。
- 44 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/11(木) 22:24
- 今日はここまでです。
もうすぐ文化祭なので忙しくなってます。
まめに更新しますが、その旨をご了承ください。
>>名無しさま。
なっち・・・・。彼女がキーパーソンになるかもしれません・・・・。
まだ未定ですが(汗)
- 45 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/12(金) 21:05
- なっちの手紙切ないです。
てか‥‥矢口!?
すごいこの後の展開が気になります、続き待ってます。
- 46 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/13(土) 21:00
- うぁぁぁぁ矢口さん!?!?
面白いです、どーなるんだろ……
- 47 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/15(月) 00:39
- 二人とも矢口の名前を呼んでいる。
『やぐっちゃん?やぐっちゃん分かる?』
『矢口?起きたの?』
矢口の瞼が少し震える。
そして、ゆっくりと瞼が上がっていった。
ゆるゆると視線を動かしている。
まだ、自分のおかれている状況を把握できていないようだ。
口を開いて、何かを言おうとしているが、ほとんど声になっていない。
アタシは矢口の口元に耳を近づけた。
- 48 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/15(月) 00:40
- 『ここ、どこ?』
一年半ぶりに聞く矢口の声。
かなり掠れていたが、それはやっぱり矢口の声だった。
それだけで涙が出そうだったが、やはりあたしの目から涙は出そうになかった。
石黒と平家は安心したようにこちらを見ていた。
詳しい検査などは、もう少し矢口の体力が戻ってからになったそうだ。
一年半も寝たきりで筋力がかなり衰えているので、しばらくはリハビリを頑張らなくてはいけない。
平家からの説明を聞いてアタシは矢口のいる病室へと帰ってきた。
ドアを開けると、矢口は顔をこちらに向けた。
- 49 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/15(月) 00:40
- 懐かしい思い出が脳裏をかすめる。
しかし、次に矢口がアタシに掛けた言葉で世界は一変した。
ーあなた・・・・・ダレ?−
世界が真っ暗になった。
覚えてない?
アタシの事を?
あんなに楽しかった日々を?
ベットで二人で話したことも?
あんなに身体を交じらせた事も?
どうして?
そこでアタシの思考はストップした。
- 50 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/15(月) 00:41
- 次に目を覚ました時にはアタシは矢口の病室ではない病室にいた。
見渡してみると、やはりいつもの見なれた殺風景な病室。
アタシ、倒れたんやったっけ・・・?
そんなコトを考えていると、ドアがガチャリと鳴り開いた。
矢口・・・・・・?
違った。
入ってきたのは、平家だった。
- 51 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/15(月) 00:46
- ここまでです。
もっといっぱい更新したいんですけどねぇ。
すいません。
>>名無し様。気になりますか?
そう言っていただけて光栄でございます。
これからも、なにとぞよろしくです。
>>名無し読者様。
これ、おもしろいですか・・・・?
へっぽこ駄文ですが・・・。
へっぽこすぎて自分でもびっくり!みたいな・・・・。
少し、更新できないかもしれません。
紫板の方のことを考えたりしたいので。
学校も急がしすぎて目が回りそうだぁ・・・・。
紫板どうしよっかなぁ・・・・。
どうします?(笑)
- 52 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/15(月) 20:51
- 裕ちゃん切なすぎる……
裕子さんと矢口さんどーなってしまうんでしょ。
紫板の方も毎回楽しく読ませてもらってます。
作者さんの無理がない程度に続けてくれたら嬉しいなーと思うんですが‥‥
- 53 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/19(金) 22:22
- やっと、明日のは文化祭が終わるので復活できるかもしれません。
>>名無しさま。
紫板の方も読んでいただいて、二重にありがとうございます!
矢口さんと裕子さんはですね・・・・・。
まだ見えてきませんねぇ・・・・。
気長に待ってやってください。
- 54 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/21(日) 17:34
- 平家は裕子が目を覚ましているコトを確認すると急いでベットの傍らへとやって来て、裕子の額に手を乗せた。
『姐さん、大丈夫ですか?分かります?あたしのこと』
『みっちゃんやろ?分かるよ。アタシ、どぉしたん?』
『倒れはったんですよ?最近ちゃんと食べてはりますか?痩せたんやないですか?』
『うーん。食欲ないから。大丈夫や。』
大丈夫なはずがない。
つい最近まではなつみが弁当やらなにやらを作ってくれていたから食べていたが、なつみが北海道に帰ってからは、ほとんど食べていなかったのだ。
口にするのはアルコール類や水ばかり。
いつ倒れてもおかしくはないだろう。
そんなことはどうだっていい事だ。
それより、矢口。
彼女は一体どうなっているのかが一番心配だった。
- 55 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/21(日) 17:36
- 『なぁ、みっちゃん。矢口どぉしたん?なんでアタシの事分からんの?なぁ、みっちゃん答えてぇや・・・・』
平家の白衣を掴みながら、必死な血相で質問している裕子。
『姐さん。落ちついて。また、ゆっくり説明するから。今は自分の身体の事を一番に考えてくださいよ。
姐さん、このままやったらホンマに身体壊しますよ?そんなんなったら、やぐっちゃんの面倒誰が看るんですか?ね?ゆっくり寝ましょ?』
起こしていた裕子の上半身をベットに沈ませる。
ゆっくりと掛け布団を胸元まで引き上げて、裕子の瞼に手を置いて目をつぶらせる。
何の抵抗を示さない裕子に少し安心感を感じながら。
- 56 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/21(日) 17:37
- ゆっくりと裕子の柔らかい髪を撫でてやる。
それは以前矢口がよくやっていた、一種の癖のようなものだった。
それをやられている時の裕子の表情は、安心しきった子供のようなものだった。
矢口には敵わないけど、少しでも裕子を安心させてやりたい。
目元から手を離して、胸のあたりに持っていく。
そして、トントンと少しリズムをつけて叩いてやる。
しばらく続けていると、裕子の寝息が小さく聞こえてきた。
よかった。
これで少しは体調もよくなるだろう。
今日にでも石黒と、裕子の家に行って晩御飯でも作ってやるか。
ー矢口の事も話さないといけないからな・・・・・。ー
- 57 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/21(日) 17:38
- ここでいったん切ります。
また、夜か明日にでも更新します。
- 58 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/22(月) 02:05
- 更新されてる〜。(嬉
ムリせずに書きたい時に書いて下さい。
のんびりと待ってまーす。
でも完結はして下さいね〜(哀願
- 59 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/22(月) 21:12
- 二時間ほど経ったところで平家は裕子を起こし、車で今日は休みの石黒と共に裕子の自宅へと走らせた。
着いたところで、まずは食事の支度へ取りかかった。
が、予想通り裕子の家の冷蔵庫はビールと水以外は入っていなかった。
石黒は予想通りだと笑って持ってきた材料で料理をはじめた。
元々、料理が得意だった石黒は手早く料理を作り上げた。
何日もなのも食べていなかった裕子の胃のことを考えてリゾットとスープを作り上げた。
- 60 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/22(月) 21:12
- 何日食べていないか分からないくらい食べていなかった裕子には五感に染み渡るような感覚だった。
こんなにおいしい物は本当に久しぶりだったし、なつみが帰って以来、手料理を食べていなかったので、そのことも嬉しかった。
すごく和やかに食事は進んだ。
裕子も全部食べきってくれたし。
食事が終わって。
平家が洗い物をし終わると、石黒が切り出した。
『裕ちゃん、ちょっと話しがあるんだ。いい?』
『矢口の事やろ?いいで。聞かせて。』
平家と石黒が並んで座り、その目の前に裕子が座る。
矢口の担当医は石黒ということになっているので、石黒が話す事になっていた
- 61 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/22(月) 21:13
- 『矢口は今、記憶がなくなってるんだ。たぶん事故に遭った時に頭を怪我したでしょ?その事が原因だと考えられます。
この先、記憶が戻るかもしれないし戻らないかもしれない。
矢口は目覚めたコト自体が本当のこと言えば奇跡みたいなものだったから・・・・・。』
『なぁ彩っぺ。アタシはどぉしたらええのん?矢口はアタシとの思いで全部忘れてるねんで?どうやって接すればええのん?』
『また一から作りなおせばいいじゃない。日常のほんの些細な事で思い出す可能性もあるんだし。また色んな所に行って、色んな話して、色んな思いで作っていけばいいじゃん。
昔の矢口だけが矢口ってワケじゃないでしょ?』
そこで、アタシの脳裏に一つの考えが浮かんだ。
ー1から作り出す。−
- 62 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/22(月) 21:20
- 更新しました。ほんと、ちょっとずつしか更新できなくて申し訳ないです。
紫板の方の作品が一区切りついて、満足してるっていうか、放心してるっていうか・・・・。
ほんとは、やりたいこといっぱいあるんですけどね。
もっともっと文章力とか表現力とかつけたいって思うし。
自分のHPももってみたいって思うし。
皆さんに満足してもらえる、紫のほうのを超える作品を書きたいって思うし。
やりたいことばっかです。
ちょっと愚痴っぽくてすみませんね。
>>名無し読者さま。
前から言っている通り、放棄はしません。
悔しいんで。
自分に負けたみたいでね。
- 63 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/23(火) 00:21
- 好みな作品です。頑張って下さい。
更新期待。
- 64 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003/09/23(火) 03:18
- 更新お疲れさまです。
やりたい事があるのは良いことだと思います
これしか言えないですけど、頑張って下さい
- 65 名前:ちぃ 投稿日:2003/09/23(火) 16:31
- 自分もやりたい事はたくさんあります。
でもなにかをやろうとするとゆうのは裏返せば
他のなにかをやらずにおくということなんですよ。
時間は有限ですからうまくやりくりしないとね。
難しいもんです。
なにに対するレスかわからなくなって申し訳ないです。
以降、余計なことに口出しするのやめときます。
- 66 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:14
- 平家と石黒が帰って。
独りぼっちになった少し広めのリビングで膝を抱えて。
アタシ一人が苦しいわけじゃないはずや。
きっと、矢口も苦しんでいるにちがいない。
だって、自分が誰なのか。
周りにいるのは誰なのか。
分からない事だらけだろうから。
また、一から作りなおしていこうやないか。
アタシとの思い出を。
- 67 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:15
- ___________________________
翌日。
いつも通りに矢口の病室の前に裕子は立っていた。
コンコン。
ノックをすると、はい。
小さな声だけど確実に聞こえた矢口の声。
『おはよう。この前も来てんけど、覚えてるかな?』
『おはようございます。ごめんなさい、ちょっと覚えてないです・・・・・。』
『気にせんでいいよ。座ってええ?』
ベットの上で上半身だけ起こしていた矢口のそばにパイプ椅子を置いて座る。
- 68 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:15
- 『初めまして。アタシは中澤裕子っていうんやけど。一応、矢口・・・・真里ちゃんとは義理やけど、姉妹ってことになってるから。』
『姉妹・・・・・。お姉ちゃん?』
『そう。うちのお母さんと真理ちゃんのお父さんが再婚して。今は二人とも亡くなってもうてるけど。』
うつむいて、何かを考えている矢口。
きっと今、必死で思い出そうとしているんだろう。
ちょっといいですか?
そう言って、引出しからなにやらノートを引っ張り出してきた。
『もしかして、裕ちゃん?』
ドキリと心臓が音を立てた。
思い出したんか?
- 69 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:16
- 『平家さんが教えてくれたんです。ほら。』
そう言ってノートの1ページを見せてくれる。
そこには、色々な矢口の友達の名前が書いてあり、説明のようなものまで書いてあった。
中澤裕子ー裕ちゃん。
それだけだった。
説明なんてモノは呼び名だけだった。
みっちゃん・・・・・。
これから一杯書きこませろってことなんか?
ありがとぉな。
- 70 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:17
- それから。
以前のように毎日病院へと出向いては矢口と色んなコトを話した。
お母さんの事。
お父さんの事。
アタシの事。
矢口自身の事。
もちろん、平家や石黒、保田、カオリのことも。
けど、アタシは何故かなっちのことだけは話す事ができなかった。
自分でもなぜだかはわからないが・・・・・・。
胸の中に何かしこりが残っているかのように、なっちの名前が喉の奥に引っかかるように・・・・・。
- 71 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:17
- _____________________________
数週間後。
晴れて矢口は退院できる日となった。
病院の玄関にはいままでお世話になった看護婦さんたちが花束を持って見送りをしてくれた。
もちろん、平家や石黒や保田やカオリもだ。
黄色を基調とした花束を持って嬉しそうに微笑んでいる矢口。
それは以前とは変わらない笑顔だった。
アタシが回してきた車に乗って、走り出してもずっと後ろを向いて手を振る矢口がとても、とても、愛しかった。
しばらくの間手を振っていた矢口が前を向いた頃、アタシは矢口に聞いてみた。
『なぁ、矢口。なんか思い出した事ないか?』
『いきなりなんだよ。思い出せないよ。でもね、なんか忘れてる気がするんだ、最近。』
- 72 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:18
- 忘れてる事・・・・・。
分かっている。それが何か。
ーアタシと矢口が付き合っていたことー
言ってしまうのは簡単だ。
でも、今の矢口からすればあたしはただの姉。
恋人だったなんて言えない。
常識的に考えて、おかしなことだから。
矢口に聞こえないようにため息をついた。
- 73 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:18
- _________________________
アタシ達が前、住んでいたマンションに着いて。
矢口が使っていた部屋は事故に遭う前のまんまにしておいた。
おっきなプーさんのぬいぐるみも。
壁に貼ってある写真も。
並べられたCDも。
全て、前のまんまだ。
部屋に入った矢口は不思議なものを見ているような目をしていた。
壁に貼ってある写真をじっと見ていたり、部屋全体を見渡していたり。
それはそれで可愛かったが。
ほっておいては可愛そうになってきそうなので、リビングへと矢口を連れて行く。
二人の今後を話すために。
- 74 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/23(火) 17:27
- 更新しました。
>>名無しさま。
お口に合ってよかったです。
これからもよろしくお願いします。
>>やぐちゅー中毒者セーラムさま。
頑張らせていただきます。
そういえば、森板の方拝見させていただきました。
いやぁ〜裕ちゃんかわいいw
裕子「移るで?」
矢口「上等」
ここ!!ここです。めっちゃ好きっす。
かっこいい矢口さん・・・・・。
>>ちぃさま。
そうですねぇ・・・・。時間欲しいっす!
ほんと最近時間が経つのが早くて。
学校でも家でも、何もできないまま1日が終わる。
こんな生活変えたいんですがね・・・・。
ちぃさまからのレスかなり嬉しいですよ?
ちぃさまが読んでいると思うとドキドキしちゃいますが。
だめ出しでもなんでもしちゃってくださ〜い!
- 75 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/23(火) 20:58
- 安倍さんがやっぱりキーパーソンなんですね。
中澤さん矢口さんも気になるけど、安倍さんがどー絡んでくるか…
続き楽しみです、頑張ってください。
- 76 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003/09/23(火) 22:40
- 安部さんの存在が話の重要な部分ですね・・・
読んで下さってどうもです。あの部分はちょっとかっこいい矢口さんを
書いて見たくて(笑
続き、頑張って下さい
- 77 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/26(金) 22:59
- 『さて・・・・・。何から話そうかな。』
『何?裕ちゃん。なんか大事な事でもあんの?』
ごめんな、矢口。
もっと早くに話しとかなあかん事やのにな。
『アタシら・・・・前、矢口が事故に遭う前に付き合ってたんよ。』
言ってしまった。
もう後には引けない。
- 78 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/26(金) 22:59
- 『何言ってんの?矢口達、姉妹じゃん。』
『信じられへんやろ?でも、ほんまのことなんよ。アタシは矢口を愛してたし、矢口はアタシの事を愛してくれてた。』
『嘘だよ・・・。女同士だよ?成立しないじゃん?それに、それに・・・・・』
混乱しているだろう。
そうだろうな、無理もない話だ。
姉妹に告白されているんだから。
『矢口は・・・・今の矢口は裕ちゃんのことそんな風にみれないよ・・・・・』
その言葉だけを残して矢口は、自分の寝室へと消えていった。
次の日の朝には、テーブルに置手紙を残して矢口は出ていった。
- 79 名前:ハルカ 投稿日:2003/09/26(金) 23:03
- ちょっと更新しました。
>>名無しさま。
安倍さん・・・・。どう出そうかあれこれと悩んでいます。
可愛そうな娘で終わらせるには、もったいない感じがしますし・・・・。
>>やぐちゅー中毒者セーラムさま。
いつもありがとうございます。
かっこいいい矢口さん好きなんで、今後ともよろしくです(笑
オイラもかっこいい矢口さん書きたいっす。
- 80 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/27(土) 19:29
- あぁ裕ちゃん‥‥とことん切ないな(ノД`)・゜・。
やぐっちゃんの記憶は戻るのか、この二人はどうなるんだろ。
続き楽しみにしてます!!
- 81 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/29(月) 18:18
- 一難去ってまた一難ですね・・・
裕子さん頑張れ
- 82 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/13(月) 16:14
- 矢口が出ていって一週間が経とうとしていた。
が、矢口からは一切連絡がないし、どこにいるのかさえも分からないままだった。
なんでこんなことになってしまったのか。
その事ばかりが裕子の頭を埋め尽くしている。
自分があんな事を口に出さなければ、ずっと一緒にいれたかもしれないのに
- 83 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/13(月) 16:15
- 後悔ばかりが浮かんでくる毎日を過ごしていた。
矢口が残した『ごめんなさい。』とだけ書かれたメモを見つめながら、矢口の帰りを家でじっと待っているのが今の裕子の生活の全てだった。
勿論、仕事などは手につかず、ずっと休んでいる。
平家や石黒から携帯に電話がかかってきたりしているが、留守電にしている。
矢口、矢口、矢口、矢口・・・・・・・・・・・。
それだけだ。
出来る事なら、もう一度あの日に戻してください、神様。
- 84 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/13(月) 16:18
- 更新しました。
遅くなって申し訳ないです。
まだ読んでくれる人、いるのかしら?!
>>名無し読者さま。
楽しみにしていただいているのに、こんなに遅くなって申し訳ありません!
最大限の努力をしていますので、どうか見捨てないでやってください。
>>名無しさま。
私も言いたいですね、裕ちゃん頑張れと(笑)
どうなっていくのか私自身分からないです・・・・・(汗)
- 85 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/13(月) 19:28
- 待ってました!
矢口さんの心境も気になりますし、どう展開していくのか……
頑張ってください。
- 86 名前:ハルカ。 投稿日:2003/10/18(土) 23:44
- 更新します。
- 87 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/18(土) 23:45
- 一方の矢口はと言うと・・・・。
裕子の家を出て、一日目はフラフラと町をうろついていたが、その時たまたま会ったカオリの家ーカオリと石黒の家に居候させてもらっている。
勿論、裕子には内緒にしておいてくれと頼み込んで。
カオリや石黒はすごく優しくしてくれる。
何故、裕子に内緒にしておくのかなどは一切聞かずに。
だけど、矢口の頭の中は裕子でいっぱいだった。
- 88 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/18(土) 23:45
- 目を閉じると自然と浮かんでくる裕子の表情。
自分を見つめる子犬のような目。
癖のある声。
裕子に抱きしめられたときに香るローズの匂い。
冷たい手。
こんなにも裕子のことを思っているなんて・・・・。
自分でもわからない何かを落としてきたような感覚。
一体自分はどうしたいのか。
どうするべきなのか。
答えはまだ見つかってはくれない。
- 89 名前:ハルカ。 投稿日:2003/10/18(土) 23:47
- >>85名無し読者さま。
待ってていただいて、ありがとうございます。
ご期待に添えられるよう、精一杯努力していきますので。
暖かく見守っていてください。
- 90 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/19(日) 00:41
- 俺も待ってます!!
最近やぐちゅー少ないだけに、よけいに期待してたりして(w
- 91 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/19(日) 19:21
- ___________________________________
だらだらと時間だけが過ぎていく。
矢口はいまだに答えを見出せないでいた。
姉としての裕子ばかりを見ていたものだから、恋人としてなんて見れるはずがない。
自分は女で、裕子も女だ。
女同士の恋愛なんて考えられない。
そう思っていた。
- 92 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/19(日) 19:22
- だが、今の自分を見ればどうだ?
裕子のことを考えてばかりだ。
まるで、恋人と離れ離れになってしまったかのように。
記憶さえ戻れば。
そう考えて眠れなくなる夜も少なくはなかった。
ある晩は夢にまで裕子が出てきて、起きれば涙が流れていた。
記憶では覚えていなくても、心が覚えているのだろうか。
会いたいなぁ、裕ちゃんに。
ポツリとつぶやいた。
- 93 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/19(日) 19:22
- ___________________________
どうして帰ってきてくれないんだ。
そんな思いが爆発しそうになっていた頃、携帯の着信音が響いた。
どうせまた、カオリか石黒だろうと無視していたが、留守電に変わり、メッセージを聞いたとき心臓が出てくるかと思うほどの衝撃が走った。
『矢口だよ。元気?一回会って話したい。じゃあ、また電話するからね。』
遠慮気味な、寂しそうな矢口の声。
- 94 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/19(日) 19:22
- でも、なぜか私は折り返し電話する事が出来なかった。
会って話して、今度は本当に拒絶されたらきっと私は生きてはいけないだろう。
拒絶される事の恐怖が私の行動を阻止していた。
- 95 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/19(日) 19:23
- _____________________________
久しぶりに裕ちゃんの携帯に電話した。
カオリに聞いたとおり、留守電だったけど。
メッセージを吹き込んだ後、電話かかってくるかもってほんのちょっと期待したけど、かかってはこなかった。
裕ちゃんの声を聞きたかったはずだけど、心の何処かで安心感を感じていた。
- 96 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/19(日) 19:23
- 『会いたくない。』
そう言われるのが怖かった。
『もう、矢口なんかいらない。』
その言葉を聞くのが怖くて怖くて堪らなかった。
でも、決めたんだ。
もう逃げない。
ちゃんと、矢口の気持ちを裕ちゃんに伝えるって。
不安で怖くて恐怖心に押しつぶされそうだけど、正面からぶつかっていくんだ。
だから、大丈夫。
- 97 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/19(日) 19:26
- 期待されているんですか・・・・。
あんまり期待されないほうがいいですよ(爆)
最近、めっきりやぐちゅー減りましたねぇ。寂しい限りです。
矢口さんのエッセイでは、やぐちゅー全開でしたけどw
- 98 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/19(日) 19:28
- いやぁ、失敗しました。
97は>>90名無し読者さまへのレスですので。
- 99 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/19(日) 20:07
- 二人ともじれったいですねーw
しかし、ここからどう安倍さんが絡んでくるんだろ(ワクワク
- 100 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/19(日) 21:43
- もどかしさがまたたまりません。(w
いや、マジで期待してますよ、ほんと。
- 101 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003/10/20(月) 01:03
- なんか、こんなもどかしさが好きです(w
頑張ってください。
あぁ、エッセイ欲しい・・・
- 102 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/22(水) 23:50
- _____________________________
その後、裕ちゃんと連絡が繋がったのはそれから一週間も過ぎた日だった。
一週間、毎日毎日電話したけど一度も取ってはくれなくて。
不安が募りに募った日だった。
2コールほどで聞こえた裕ちゃんの声。
でも、その声は記憶にあるよりも掠れた声だった。
聞けば、風邪をこじらせてしまったんだとか。
- 103 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/22(水) 23:51
- 『平気や、風邪うつってまうからもう少しそこにいなさい。ちゃんと治ったら会って話そう?』
掠れていて、ほとんど声らしい声になっていないのに懸命に喋ってる裕ちゃん。
電話を切った後、無意識のうちに矢口は走り出していた。
- 104 名前:ハルカ。 投稿日:2003/10/22(水) 23:52
- ほんとにちょっとだけ更新です。
ほんとに申し訳ないです。
- 105 名前:ハルカ。 投稿日:2003/10/22(水) 23:57
- >>99 名無し読者さま。
あ、あべさん・・・・・。
軽く存在忘れかけてました・・・・(汗)
すみませんです。たぶん出るはずなので。
>>100 名無し読者さま。
もどかしいでしょう(ニヤリ)
いやはや、期待しても何も出ませんよっ!?
へっぽこ駄文の代表みたいなものですから。
>>101 やぐちゅー中毒者セーラム
ぉ久ぶりですかね。
読んでくださっていたんですか、ありがとうございます。
頑張らせていただきますです、はい。
エッセイ、よかったですよ。
あれのおかげて、一つ短編が出来ました(笑)
- 106 名前:ハルカ。 投稿日:2003/10/22(水) 23:59
- なんで、私は風邪引き裕ちゃんがこんなに好きなんだろうと考えてみたり。
風邪ひきてるトキってなんかよくないですか?
なんていうか。こう・・・・。
お好みではない方にとっちゃあ、どうでもいい話しなんですがね。
- 107 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:26
- ___________________________
カオリの家から10分ほど走ったところに位置している裕ちゃんのー裕ちゃんと矢口のマンション。
そこまで全力疾走したものだから着いた頃には心臓なんてバクバクと矢口の耳に響いていたし、ちょっと痛いし、喉もカラカラで膝もガクガクになっていた。
なんとか呼吸を落ちつけて、マンションのインターホンを押す。
525号室。
5階の一番奥の部屋。
あぁ、ここに来たのは一体何日ぶりなんだろう。
なんて考えていたら、さっき電話で聞いた通りの声が聞こえてきた
- 108 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:27
- 『矢口だけど。裕ちゃん、開けてよ。』
しばらくの間、妙な沈黙が流れて。
ドアが開いた。
そこには赤い顔をした、一番会いたかった人がいた。
『なんで矢口、来たんよ?もぉちょっと向こういなさいってゆうたやんか。』
そこまで言うと少し背中を曲げて激しく咳きこみはじめた。
矢口は慌ててその、記憶にあるよりも薄くなった背中をさすってあげる
- 109 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:27
- ひとしきり咳きこんだ後、荒くなった息もそのままに矢口の顔を見ながら、微笑んだ。
『あんたは優しい娘やね。ありがとうな。』
そんな事ないのに。
さんざん、裕ちゃんを振りまわして、心配かけて、悩まして。
ごめんなさい。
- 110 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:27
- _____________________________
足元がふらついている裕ちゃんを支えながら。
とは言っても、壁づたいに歩いていく裕ちゃんの手を握っていただけだけど。
ベットルームに連れていって。
しっかりと毛布に包んであげて。
『裕ちゃん、寒くない?なんか欲しいものある?』
あぁ、お母さんってこんな気持ちだったのかな、なんて考えてみたり
- 111 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:27
- 矢口にはお母さんの記憶がほとんど残ってはいなかったらしい。
矢口が2歳になった頃に亡くなってしまって。
写真で見た矢口のお母さんはとっても優しそうだった。
目元は矢口にそっくりだと裕ちゃんが言っていた。
お母さんが亡くなった後、お父さんは裕ちゃんのお母さんと再婚したんだ。
裕ちゃんのお母さんはすっごく良い人だった。微かにだけど思い出した記憶の断片。
- 112 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:28
- 矢口?大丈夫か?』
心配そうな裕ちゃんの顔。
『ごめんね、ちょっと思い出してただけ。』
『なんか思い出したんか?』
『断片的にだけどね・・・。裕ちゃんの、矢口と裕ちゃんのお母さんのこと。』
嬉しそうな裕ちゃんの顔。
もっと、もっと裕ちゃんを喜ばしたい。
記憶が戻って欲しい。
- 113 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:28
- _____________________________________________________
裕ちゃんを寝かしつけた後、リビングに出てみた。
懐かしい。
ほんの二週間ほどぶりなのに、なぜか身体中から懐かしさがこみ上げてくる。
ふと、テーブルの周りに目を向けると、おびただしいほどの数のビールの空き缶。
きっと、悩んで毎日毎日飲んでいたんだろう。
ごめんなさい。
冷蔵庫をのぞいても、中にはビールと水しか入ってはいなかった。
一体この人は何を食べていたんだろうと心配になってしまう。
- 114 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/24(金) 14:29
- 痩せた体つき。
掠れた声。
悪い顔色。
全てが自分の責任に思える。
本当に、本当に、ごめんなさい。
冷蔵庫を閉めると冷蔵庫の扉に貼りつけられた手紙っぽいものが目に入った。
いいのかな?そう思ったけれど、やはり好奇心には逆らえなかった。
なっち。
誰?それ。なっち、裕ちゃんの事好きだったの?
ぐるぐるとらせん階段のように回り続ける。
- 115 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/24(金) 14:30
-
テスト終了しましたぁ!
また、ちょこちょこですが頑張っていきますので。
- 116 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/24(金) 21:28
- なっちキタ――!
安倍さんがどんな風に二人に絡んでくるんだろ…
続き待ってます。
- 117 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/26(日) 23:21
- どうしようもない不安感が矢口の身体全体を覆っているような気がした。
ベットルームを覗けば、顔を真っ赤にした裕ちゃんが眠っている。
ベットサイドまで行って、額に手を押し付けてみる。
いつもなら冷たいはずの、その額は考えられないくらい熱かった。
慌てて、洗面器に氷水を作ってタオルを絞る。
手が痺れるくらい冷たかったけれど、今の矢口には冷たさなんて微塵も感じなかった。
ただただ、裕ちゃんの事だけを考えて。
裕ちゃんの事だけを考えるようにして。
- 118 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/26(日) 23:22
- タオルを額にのせると荒かった寝息がほんの少しだけ、穏やかになった気がした。
裕ちゃんの寝顔をぼんやり見つめていると、さっきの手紙の事が頭をよぎった。
なっち。
裕ちゃんとはどんな関係にあったのだろう。
ただ分かっているのは、なっちって人が裕ちゃんを好きだったって事。
裕ちゃんは矢口が好きだったって書いてあるけど、裕ちゃんもなっちって人が好きだったかもしれない・・・・。
マイナスな考えばかりが頭をよぎる。
いけないと思って、冷蔵庫まで水を取りに行く。
そこでもやっぱり目に付くのは、さっきの手紙で。
不安を跳ね除けるように、勢い良く扉を開けた。
- 119 名前:ハルカ 投稿日:2003/10/26(日) 23:25
- >>116 名無し読者さま。
待っていただいて、ありがとうございます。
ご期待に添えるよう、頑張ります。
もっと、さくさく行けるように頑張ります。
- 120 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/31(金) 23:34
-
水を持ってベットルームに戻って見ると、裕子が目を開いていて。
とてとてと歩いていくと、虚ろな目ながらも矢口を見つけ出して。
熱い息を吐いている裕子が心配で堪らない。
『裕ちゃん、水飲む?』
矢口の問いに、裕子は軽く微笑むと小さくうなずいた。
- 121 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/31(金) 23:34
- 額からすでにぬるくなったタオルと取って、傍らに置いてあった洗面器に放り投げて。
裕子が起きあがるのを手伝ってやる。
ありがとぉ。
掠れた声で裕子が言ったのを見て、ちくりと胸が痛んだ。
この人は一体、誰を想っていたのだろうと。
水を飲み終わった裕ちゃんの額の再び、タオルをのせて。
寝付くまでそばにいてあげたけど、裕ちゃんが寝付くまでそう時間はかからなかった。
すうすうといつもより熱い寝息を繰り返して。
さっきよりかは穏やかな寝顔を見つめていた。
- 122 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/31(金) 23:34
- 何分くらいそうしていたのだろうか。
ふと、耳に着信音らしき陽気なメロディーが入ってきた。
リビングに出て、音の発信源を探してみるとソファーにそれは転がっていた。
見るとそこには、矢口が悶々としている原因の名前が映し出されていた。
安倍なつみ。
- 123 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/10/31(金) 23:35
- 軽快なメロディーとは裏腹に、矢口の心はゆれていた。
出て、裕ちゃんの事を聞くか。
出ないで、裕ちゃんに直接聞くか。
裕ちゃんは、一体誰が一番なの?
私は、何も出来ないまま携帯をもって立ち尽くしていた。
- 124 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/11/02(日) 14:51
- _________________________________________
夢を見ていた。
矢口が泣いている。
なっちからの手紙を読みながら泣いている。
アタシは一体何をしてるんや?
なっちからの手紙なんかを大事に、矢口の目に付くような場所に置いておくなんて・・・・。
確かに、アタシがなっちのことを好きになりかけた時期もあった。
矢口がなかなか目を覚まさなくて、苦しんでいるとき。
でも、やっぱり一番は矢口やで?
アタシはどうしたらいいん・・・?
- 125 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/11/02(日) 14:51
- ___________________________
なっち。
そうポツリとつぶやいた。
不安で不安でたまらない。
矢口は捨てられるんじゃないかと。
裕ちゃんの眠っているベットまで戻ってみると、さっきとは違う苦しそうな顔をした裕ちゃんの姿が目に入った。
眉間に皺を寄せて。
悪い夢でも見ているように。
あんまり苦しそうだから起こそうと肩をゆすったら、裕ちゃんの口からぽつりとこぼれた。
『なっち・・・・』
- 126 名前:ハルカ 投稿日:2003/11/02(日) 14:54
- 遅れてしまいましたが、CP分類の所にこんな駄文を紹介してくださった方
本当にありがとうございました。
ぐだぐだしていますが、その辺は見逃してやってください(汗)
こんな駄文を読んでくれる人、いるのかしら。
と、不安になってきていますが。
- 127 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003/11/07(金) 11:17
- しっかり、読んでますよ〜
続きまってま〜す
- 128 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/11/24(月) 19:36
- _______________________________________________________
いつぶりかな?
以前ならかけ慣れていた電話番号。
いつ以来だろう?
何度もかけようとした番号を見ないようにして。
ガマンして。
一度かけてしまったら、もう二度と離れらないだろう、きっと。
決めたんだ。
裕ちゃんに胸を張って会えるようになるまではガマンするって。
矢口と裕ちゃんに笑顔で会えるように。
- 129 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/11/24(月) 19:39
- 変わって、裕ちゃんと矢口に会おうって。
変わったなっちを見てもらいたい。
変わったなっちを見て好きになってもらいたい。
変わったなっちを見てフッてもらいたい。
そう思っていたのに。
簡単に変われないよ。
ごめんなさい。
まだ諦められないよ。
- 130 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/11/24(月) 19:43
- 随分と間を空けてしまって申し訳ないです。
短編はいくつかできるんですが、こちらは・・・(汗)
中澤さんのエッセイや矢口さんのエッセイを読んで、日々考えて
おります(汗)
- 131 名前:ハルカ 投稿日:2003/11/24(月) 19:47
- >やぐちゅー中毒者セーラムさま。
ありがとうございます。
せっかく読んでいただいてるのにこんなに少ない更新ですみません。
セーラムさまも頑張ってくださいね。
楽しみに待ってます。
- 132 名前:ハルカ 投稿日:2003/11/24(月) 19:51
- ほんとうに申し訳ありません。
また、近いうちに更新します・・・(汗)
愛想を尽かしてしまってもかまいませんから・・・。
- 133 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/11/29(土) 00:13
- そう思っていたときにはもう、なっちは携帯を握っていた。
画面をスクロールさせて、以前なら見慣れていたはずの番号を探し出す。
何度か呼び出し音が鳴る。
お願い、出て。
一度で言いから声を聞かせて。
そしたら、また頑張れるから。
そう願いながら、長い長い呼び出し音を聞いていた。
- 134 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/11/29(土) 00:15
- 時間にすると短かったのだろうけど、なっちにしてみれば、何時間にも感じられた一時だった。
長い長い呼び出し音が途切れたと思ったら聞こえてきたのは、無機質な機械的なアナウンスだった。
なっちは、握っていた携帯を床に落として、そのまま座りこんだ。
あぁ、もうあの頃の関係には戻れないんだ。
なんてバカな事をしてしまったんだろう・・・・。
世界が真っ暗になるってこういう事だったんだと、初めて実感した。
- 135 名前:ハルカ 投稿日:2003/11/29(土) 00:16
- 更新は以上です。
- 136 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/29(土) 13:41
- このままなっちゅーになればいいなーとか思ってたりしてますw
なっちの心境複雑ですね、この三人どうなるんだろ…
- 137 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/07(日) 17:06
- ____________________________
机の引出しから新品のカッターナイフを取り出して。
新品だから切れ味は抜群だろう。
自然と不安はなかった。
裕ちゃんに拒絶された悲しみが心を支配していたせいかもしれない。
カチカチと無気味な音を立てながらカッターの刃を出す。
手首がいいのかな・・・・?
それとも首?
悩んだ結果、手首にした。
- 138 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/07(日) 17:07
- 刃を手首の血管のところに当てて。
勢いに任せてカッターを引いた。
- 139 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/07(日) 17:07
-
暖かいな。
バイバイ、裕ちゃん。
- 140 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/07(日) 17:07
- 更新は以上です。
- 141 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/07(日) 17:09
- >>136 名無し読者さま。
なっちゅーには・・・・。
どうだろう?なるかもしれないし、ならないかもです。
予定は未定ってことで。
- 142 名前:ミニマム矢口。 投稿日:2003/12/08(月) 00:17
- はじめまして。そして、宜しく御願いします!
さて、急展開・・・なって事に。。。どぅなるの??
- 143 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/14(日) 15:32
- _________________________________________________
意識ごと落ちていく感覚。
あぁ、死ぬってこういう事なんだと頭の何処かで冷静に思っている自分がいた。
裕ちゃん、泣いてくれるかな?
一番の心配だった。
それからしばらく経って、なっちの意識はストンと落ちた。
- 144 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/14(日) 15:33
- __________________________
次に、なっちが目覚めたときいたのは病院だった。
あれっと思ったけど、うでの包帯を見て、
あぁ、失敗したんだ。と思った。
死ねなかったんだなぁ。
こう思っていた。
ふと、周りを見渡してみると見なれた顔があった。
カオリだ。
- 145 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/14(日) 15:34
- カオリとなっちは、高校時代の友人だった。
高校を卒業して、なっちは東京でOLに。
カオリは看護婦になるために東京に出て、看護学校へと進学した。
たまに連絡を取ってはいたが、なぜカオリが・・・?
『カオリ・・・。なんでいるの?』
掠れてはいたが、声にはなっていた。
『なんでって。連絡つかないし、急に北海道に帰ったって聞いて。なんで、なんでこんなコトしたのよ!』
- 146 名前:光の向こうには。 投稿日:2003/12/14(日) 15:35
- カオリが怒るところなんで見たことがなかったから、驚いた。
怒鳴ったのと同じに座っていた椅子から立ち上がったから、椅子がガタンと派手な音を立てて倒れた。
静寂。
二人の呼吸音しか聞こえない空間。
『なっちは・・・なっちは寂しかったんだ。』
そう告げた。
- 147 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/14(日) 15:36
- >>ミニマム矢口さま。
こちらでは初めてでしたっけ・・・。
よろしくお願いします。
ゆっくりではありますが。
- 148 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/14(日) 15:36
- 今日の更新は以上です。
- 149 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:15
- 『寂しかったなら、言ってくれればよかったのに・・・』
俯いたまま、カオリが静かに言った。
『寂しいって言ってくれなきゃわかんないでしょ?カオリじゃなくても、もっと他の人にでも話し聞いてもらえばよかったんじゃないの?』
泣いていた。カオリが。悲しくてもガマンしてしまう娘なのに。
その時、あぁ大変な事をしてしまったんだなと初めて自覚した。
- 150 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:15
- _____________________________
ぽつりと呟かれた裕子に一言によって体が硬直してしまったかのように動けなくなった。
しばらく、動けないでいると裕子が目を開いた。
真っ赤な顔で、息が荒いまま裕子は手を伸ばすと矢口の頬を撫でた。
熱い裕子の手を感じながら矢口が口を開いた。
- 151 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:16
- 『裕ちゃんは誰のもの?』
静かな口調だった。
『真里・・・・真里のもんやで?ずっと』
肩を上下させながらも、はっきりとそう告げた。
『矢口のものでいいの?なっちはもういいの?』
泣きそうな顔で。
『なっちは、関係ない。アタシは矢口がいいねん』
- 152 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:18
- 今日の更新は以上です。
- 153 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:19
- やっと終わりが見えました。
おそらく次の更新で終われるかと。
- 154 名前:ハルカ 投稿日:2003/12/28(日) 22:22
- こんな駄文を読んでいただいた皆様。
もうしばらくなので、辛抱してやってください。
では、よいお年を。
- 155 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003/12/29(月) 02:32
- 来年も楽しみに待ってます。頑張って下さい
(^.^)ノシ
- 156 名前:光の向こうには。 投稿日:2004/01/02(金) 21:05
- 『愛してる』
熱い唇。
その時、頭の中で何かがはじけた。
唇が離れたとき、矢口は涙を流した。
『ただいま、裕ちゃん。』
『矢口ぃ?』
『思い出したよ。全部。』
ちゃんと思い出したよ。裕ちゃんの事。
何を迷ってたんだろう、何に迷っていたんだろう
- 157 名前:光の向こうには。 投稿日:2004/01/02(金) 21:06
- 矢口は、裕ちゃんを愛してる。
それでよかったのに。
遠回りしたけど、ちゃんとたどり着けた。
その時、裕子の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちていくのを矢口ははっきりと確認した。
- 158 名前:光の向こうには。 投稿日:2004/01/02(金) 21:06
- _________________________
あれから、裕ちゃんが入院したり、北海道までカオリとなっちに会いに行ったり忙しい毎日を過ごした。
カオリとなっちは、北海道で一緒にのんびりと暮していくそうだ。恋人として。
会いに行ったとき、なっちは本当に穏やかな顔をしていて。
カオリはすごく恥ずかしそうな顔をしていたけれど。
- 159 名前:光の向こうには。 投稿日:2004/01/02(金) 21:07
- 裕ちゃんも、矢口も、二人を心から祝福した。
裕ちゃんはなっちには色々迷惑かけたけど、心から感謝しているって。もちろんカオリにも。
うちら二人は今、一緒に暮している。
姉妹として、恋人として。
遠回りしたけど、やっぱりお互い信じられるし。
うちらなら大丈夫、そう胸を張って言える。
二人の左手の薬指に光るシルバーリングがその事を証明していた。
end
- 160 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/02(金) 21:07
- あけましておめでとうございます。
- 161 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/02(金) 21:08
- やっと終わりました。
- 162 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/02(金) 21:12
- 途中、スランプに悩まされたり、書いててワケわかんなくなったり。
いろいろありましたが、完結できました。
今後のことについては、未定です。
短編を上げるか、このまま放棄してしまうか。(放棄はいけない事ですが)
なんせ、短編を書ける腕がないですからね・・・。
どうしましょう?w
- 163 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/04(日) 14:18
- ochiってことで。
- 164 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/07(水) 16:45
- なかよし。
- 165 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/07(水) 16:46
- 『真夜中弐時』
- 166 名前:真夜中弐時。 投稿日:2004/01/07(水) 16:46
- ピンポーン。
こんな時に誰やねん。
そう思って、玄関に向かう。
あっ。
慌てて玄関を開けた。
『どうしたんや?こんな時間に。』
俯いたまま、何も話そうとはしない。
『とりあえず、中入って?風邪ひいてまうから。』
握ったその手は、いつもより冷たく感じた。
- 167 名前:真夜中弐時。 投稿日:2004/01/07(水) 16:46
- 彼女をソファーに座らせて、紅茶を入れる。
かちゃかちゃと響くコップの音が、ひどく耳障りに聞こえた。
暖かい紅茶を持ってソファーへ。
『で、どうしたん?こんな時間に。なんかあったんか?』
『黙ってたら分かれへんやん?なんでもいいから話してみぃ?』
『中澤さん・・・・。』
いつもの、ブラウン管を通して見る彼女からは想像できないくらい頼りない声。
『どうしたら・・・。私、どうしたらいいんですか・・・・?』
見上げた彼女の、綺麗な瞳は涙で濡れていた。
- 168 名前:真夜中弐時。 投稿日:2004/01/07(水) 16:47
- 『どうしたらって?あんたは、あんたのまんまでいいやないの?アタシはそう思うで?』
『私のままって何ですか?もう分からないんです・・・』
ひどく取り乱した彼女を、アタシは抱きしめてあげる事しかでけへん。
『判らなくても大丈夫やで?いつかきっと、判るはずやから。わからんようになったら、こうしてあげるから。抱きしめててあげるから。』
子供のように声を上げて泣いている彼女を、アタシは愛しく想う。
一生、こうしてあげたいと想う。
アンタは、アンタのままでいいやないの。
無理せんと、ゆっくり考えていこうや。
なっ、吉澤。
end
- 169 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/07(水) 16:48
- 最近、なかよしがブームです。
かなり好き、この二人。
- 170 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/09(金) 00:34
- なかよしイイ!!
- 171 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:16
- なかよし。
- 172 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:17
- 『涙。』
- 173 名前:涙。 投稿日:2004/01/10(土) 13:17
- いつからやろ。
吉澤がアタシの腕の中で泣くようになったのは。
ー最初は嫌われてるかと思ってたー
なかなか、喋りかけてくれへんし。
返事とかも、素っ気無かったし。
アタシが威嚇してたってのもあるかもしれんけど。
どうも、あの娘だけは本当のアタシを出せんかった。
そんなアタシと吉澤が付き合ってる。
不思議なもんやで、人生って。
アタシが卒業して、あの娘も成長して。
たまに垣間見える大人なしぐさに何回ドキっとさせられたことか・・・・・。
- 174 名前:涙。 投稿日:2004/01/10(土) 13:17
- 好きやでって。
もちろん、アタシには言う勇気がなかったから。
待ってた。
やっと付き合えた。
大人っぽくて、天才的な美少女は。
本当はすごく繊細で。
弱いところがあるって。
悩み事なんてしょっちゅう。
そんな彼女を、アタシは守ってやりたい。
誰よりも、好きやで。
end
- 175 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:18
- もう一個。
なかよし。
- 176 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:18
- 『以心伝心。』
- 177 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:19
- 足りない。
ここんとこ、吉澤に会ってない。
足りない。
すこし前なら、ハロモニで会えていたはずなのに。
今はほんとに接点がない。
収録がいっぱいあるから、会う暇もない。
ぎりぎりコントで一緒やけど、そんなんじゃあ足りない。
話す暇もない。
メールしたいけど、あの娘は忙しい。
そんな事を考えて、一人悶々としながらビールをあおっていると聞きなれて着信音。
・・・吉澤やん。
- 178 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:19
- 『もしもしぃ。』
『中澤さん?こんばんはです。』
妙にテンション低くないか?
疲れてるんか?
『お疲れさん。どないしたん?』
『中澤さぁん・・・・』
甘えた声。くらくらする。
『どないしたんや?ん?』
『中澤さぁん・・・・。会いたいです』
最後の方なんか独り言みたいな声になっとるで?
『会いたいんですよ。吉澤、電池切れなんです。充電したいんっすよ。ずっと、中澤さんの事ばっかり考えてるんですよ。』
- 179 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:19
- この娘は・・・。ほんまにもぉ。
そんな直球で来られたら、避けられへんでしょうが。
『しゃあないなぁ。ええよ、おいで。』
『ほんとっすか?じゃあ今から行きますんで!待っててください。』
うわ、めっちゃテンション上がった。すごいなぁ。
自惚れしてまうよ?そんな事されたら。
ほな、暖かいものでも作って待ってよかな。
はよ来てくれへんかなぁ・・・・。
end
- 180 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/10(土) 13:21
- >170名無し読者さま。
なかよし、いいですよねぇ・・・。
ホントに急にハマってしまいました。
これからも、よろしくです。
- 181 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/11(日) 22:16
- なかよし。
『欲望。』
- 182 名前:欲望。 投稿日:2004/01/11(日) 22:16
- あなたが私のくれたもの。
それは、あなたに対する欲望の固まり。
『中澤さん、吉澤のこと好きですか?』
『中澤さん、今何してるんですか?』
『中澤さん・・・・』
私がこんなに、あなたの事を愛しているのに。
もっとあなたを支配したい。
全部自分のものにしたい。
いつしか私はそう思うようになっていた。
そう。
全てが、狂い始めた。
end
- 183 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/11(日) 22:17
- 続いて。
やぐちゅー。
『不安。』
- 184 名前:不安。 投稿日:2004/01/11(日) 22:17
- 『矢口、うちの事好きぃ?』
いつも強気のはずの裕ちゃんが、珍しくこんな事を聞いてきた。
読んでいた雑誌から思わず顔を上げて彼女を凝視してしまう。
『なぁ、どぉなん?』
はぁ。
思わずため息が漏れる。
『どぉしたんだよ。いっつも言ってるじゃん、好きだよって』
毎日、朝晩好きだよって言ってんじゃん。
・・・・・・・あっ。
『ごめん。今日言ってないね。』
- 185 名前:不安。 投稿日:2004/01/11(日) 22:17
- 恥ずかしそうに俯いている彼女を覗きこみながら。
真っ赤になってんの。
もぉ、かわいいなぁ。
『裕ちゃん。』
呼びかけても顔を上げようとしない彼女のあごを持ち上げて。
無理やりに目線を合わせる。
『好きだよ。世界で、ううん。宇宙で一番すきだよ。』
彼女は、愛なんて永遠ではない事を知っていて。
だから、いちいち確認しないと不安で。
『うちも、好きやで』
そう言った彼女の目から、ポロリと涙がこぼれた。
end
- 186 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/17(土) 15:06
- なかよし。
黒い吉澤さんです。
『絶望。』
- 187 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:06
- 傷つけたい。
こんなことを思う自分って、結構やばいなぁって思うけど。
傷つけることで、自分を残せたら。
傷ついた分、心に刻めるなら。
私はいくらでも、悪役を演じきってやるよ。
- 188 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:06
- 中澤さん。今日遊びにいいですか?』
『なんや、よっさん。
珍しいなぁ。家、何もないけど。いいんか?』
『中澤さんさえいればいいです。じゃあ、終わったらメールしますね』
『おう。待ってるわ。』
彼女を誘うのは簡単だった。
そりゃそうだろう。
彼女は何も知らないから。
- 189 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:06
- 仕事が終わって。
中澤さんに終わったと告げる。
気を付けて来るんやで。
いつも優しい中澤さん。
もう、私には優しくしてくれないかもしれないなぁ。
なんて思ってみたり。
でも、もう止まれない。
マンションに着いて。
エレベーターに乗りこむ。
もうすぐ、彼女はもう私のことを忘れる事が出来なくなる。
そう思うと自然に口角が上がっていた。
- 190 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:07
- ピンポーン。
能天気な音が響く。
ガチャリと鍵を開けて出てきた彼女は、いつもの通り綺麗だった。
『お疲れさん。突然やったからビックリしたで』
いつも通り話しかけてくる彼女。
しっかり目に焼き付けておきたい。
そう思った。
『すいません。急に中澤さんに会いたくなって』
私も、懸命に『いつも通り』を演じきる。
『嬉しいこと言ってくれるやんかぁ。』
そう言いながら、中澤さんは私に抱き付いてくる。
その事が自分の中での合図となった。
- 191 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:07
- 抱き着いてる中澤さんを、そのまま壁に押し付ける。
ドンッと音が響いたが、気にしない。
そのまま、両腕も壁に押し付けて。
ふと、中澤さんの顔を見ると。
驚いた表情。
私と目が会うとジタバタと、もがくような動きをして。
『よ・・し・・ざわ?』
小さく唇を動かして。
その唇に自分のそれを押し付ける。
首を振って抵抗される。
- 192 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:07
- スルリと舌をこじ入れると、中澤さんの身体はビクリと波打った。
かまわずに、口の中で隠れている中澤さんの舌を追いかける。
舌同士が触れたとき、また中澤さんの身体が波打つ。
ぎゅっと目を瞑って、必死に耐えている中澤さんを見ているとガマンできなくなった。
唇を離すと中澤さんが、涙で濡れた目で見上げながら。
『なんで?なんでこんなことすんの?』
そう言ってきた。
『欲しいんですよ、中澤さんが。もう止まれないんです。』
そこまで言うと、私は中澤さんの太ももに手を伸ばした。
『いやや・・・。やめて。』
涙を流しながら必死に抵抗する中澤さんを見ても、私の心には響かなかった。
- 193 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:08
- 少し眺めのスカートをめくりながら。
頬を伝う涙を舐め取る。
片手が自由になった中澤さんは、さっきよりも大胆に抵抗してくる。
必死に私から身体を離そうと。
ふいに私の頬を叩いたその小さな手を、片手でいとも簡単に拘束する。
『いややぁ・・・もぉやめて』
とまだ言っているその可愛らしい口を塞ぎながら。
太ももを撫でまわす。
この態勢では、と思って。
壁をつたって、床にゆっくりと押し倒す。
- 194 名前:絶望。 投稿日:2004/01/17(土) 15:08
- さっきまで在った抵抗の色がなくなって。
中澤さんを見ると、その目にはもうなにも映ってはいなかった。
ぐったりと手足を投げ出して。
全てを拒絶するかのように。
それから、私は中澤さんにむしゃぶりついた。
何度も何度も。
反応がなくても。
満足だった。
やっと手に入れた。
頭では、何も手に入っていないと知りながら。
私はこれからも演じきるだろう。
悪役を。
end
- 195 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/17(土) 15:09
- 訂正。
>193
少し眺め→少し長め。
- 196 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/18(日) 00:17
- なかよし暗いですねw
吉澤さんが切なくて、すげーイイ!!
- 197 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/18(日) 10:14
- なかよし。
『満足感。』
- 198 名前:満足感。 投稿日:2004/01/18(日) 10:15
- ベットで重なり合う二人の影。
あの日以来、私は中澤さんを手に入れた。
私に抱かれている中澤さんはどこか諦めきった表情をしていた。
その表情が、私の心を激しく煽って。
また今日も、抱くんだろう。
キスをして。
首筋を舐めて。
鎖骨のキスをする。
- 199 名前:満足感。 投稿日:2004/01/18(日) 10:15
- 始めはゆっくりと味わって。
中澤さんの腕が私の首にまわってくると。
それが合図だ。
一気に貪りつく。
行為をしている時。
中澤さんは一切、声を上げなかった。
私がどんなに気持ちのいい、テクニックを駆使しても。
ただ、天井を見つめているだけだった。
かまわない。
私は、かまわない。
- 200 名前:満足感。 投稿日:2004/01/18(日) 10:15
- 行為を終えると。
快感の余韻に浸ることなく、気だるげな表情でベットを出て。
シャワーを浴びる。
まるで、私との事も洗い流すかのように。
シャワーから出た彼女が最初に言う事は決まって。
『満足か?』
一言だけだった。
その一言以外、話そうとしないし、私と目も合わせようとはしない。
『満足ですよ。』
いつも決まって私は答える。
だって、私は悪役だから。
一生、悪役だから。
そう答えるしかないんですよ。
end
- 201 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/18(日) 10:16
- もう一個。
やぐちゅー?
『不安。』
- 202 名前:不安。 投稿日:2004/01/18(日) 10:16
- ハロモニの収録日。
二週間ぶりに裕ちゃんに会えるってすっごい楽しみにしてた。
二週間ぶりに会った裕ちゃんは、心なしか顔色が良くなかった。
目の下に、前は見たことがなかったクマがあったり。
心底疲れている表情だったんだ。
『裕子ぉ・・・。元気ないの?』
『おぉ、矢口やん。元気あるで、大丈夫。』
そんな事を言って笑ってたけど。
二本撮りだから、色々時間が空くわけで。
そんなとき、矢口はセットの隅の方でよっすぃーと裕子が話してる所を見たんだ。
- 203 名前:不安。 投稿日:2004/01/18(日) 10:17
- セットにもたれて、よっすぃーと目も合わせない裕子。
それとは対照的に、裕子の目を見て話すよっすぃー。
なんか変だなって。
釘付けになって見ていると。
よっすぃーが裕子に何かを耳打ちして。
裕子は悲しそうな表情で頷いて。
二人に何があったんだろう。
なぜか、胸の中がざわざわしていた。
よっすぃーがどこかに行って。
矢口は裕子の元へと駆け寄っていた。
- 204 名前:不安。 投稿日:2004/01/18(日) 10:17
- 『裕ちゃん。どうしたの?よっしぃーに何言われてたの?』
『矢口。何もないよ。心配すんなって。』
そう言って、僅かに笑った裕子の顔は明らかにいつもとは違って。
『なんかあったら言ってね。矢口、なんでもするから』
『ありがとうな。やぐちは優しいな。』
でもな・・・。
知らんほうがいいことって、絶対あるから。
そう小さく呟いた裕子の言葉や表情が脳裏に焼き付いて離れなかった。
end
- 205 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/18(日) 10:20
- 短編として書き始めたのに、なぜか続きものになってるって・・・。(謎)
最近は、黒い吉澤さんのなかよしが好きです。
>196名無し読者さま。
いいと言ってもらえて安心しました。
こういうの書くのは初めてなもので。
当分、こういうのが続くかもです。
- 206 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/18(日) 18:20
- 三角関係?
よすぃーの悪役を抜ける日は来るのか……
- 207 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/22(木) 18:06
- 更新します。
『破壊。』
- 208 名前:破壊。 投稿日:2004/01/22(木) 18:06
- ハロモニの収録が終わって。
アタシと吉澤はその後、アタシのマンションへと来ることになった。
あの時、耳打ちされた『逃げないでくださいね』って言葉がまだ頭に残っている。
着替えをしていると、一足先に終わった吉澤がアタシの楽屋へと足を運んできた。
『中澤さん。用意できましたか?』
『まだや。もうちょっとやから待ってて。』
あたしは自分でも驚くほどの冷たい言い方であしらった。
カバンに荷物をつめていると、吉澤が口を開いた。
『矢口さん。矢口さん、心配してましたよ?』
『矢口?心配って・・・?』
- 209 名前:破壊。 投稿日:2004/01/22(木) 18:06
- 『中澤さんと何するのって。愛されてますね。』
『で?アンタはなんて言ったんよ。』
『もちろん、中澤さんの家に行くって言っておきましたよ』
『余計なこと言うなや。用意できたで』
『そうですか。じゃあ行きましょうか。』
局の前でタクシーを拾って。
- 210 名前:破壊。 投稿日:2004/01/22(木) 18:08
- タクシーの中では驚くほど静かだった。
アタシは窓の外ばかりを見ながら、矢口のことを考えていた。
矢口とアタシは、恋人とかそんな関係ではなかった。
アタシが一方的に好意を持っていただけの関係。
でも、言い出せなかった。
矢口の気持ちを聞けなかった。
今の関係が壊れる事が、怖かっただけで。
だからアタシは、吉澤に抱かれているときは矢口のことを考える。
- 211 名前:破壊。 投稿日:2004/01/22(木) 18:08
- 快感とか、感じるはずがなくて。
吉澤のイイナリになってるだけの自分への嫌悪感ばかりで。
矢口のことだけを考えて。
矢口のことを考えていれば、少し気が紛れていた。
気がつくと、もう外の景色は見慣れたものへと変わっていた。
吉澤を見ると、ただ前だけを見ていた。
厳しい表情で。
一体、アンタは何を考えてるん?
アンタはどういう思いでアタシを抱いてるん?
end
- 212 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/22(木) 18:13
- 以上です。
>206 名無し読者さま。
三角関係っちゃあ、三角関係です。
どうしても、矢口さんを出したかったので・・・。
黒い吉澤さんが好きなんですよね。
なので当分、悪約は脱出できませんw
紫の方が終わったので、こちらだけに専念します。
なかよしだけってのもあれなんですよね・・・。
なんかいいのないですかね?
- 213 名前:ハルカ 投稿日:2004/02/01(日) 21:19
- 矢口視点。
『もしも。』
- 214 名前:もしも。 投稿日:2004/02/01(日) 21:19
- 裕ちゃんの様子が変だ。
そう思い始めたのはいつ頃からだろう。
メールしても返事がないし、電話してもいっつも留守電に繋がってしまう。
ハロモニの収録のとき、久しぶりに顔を合わしたけどどうも様子がおかしかった。
肌のハリも以前とは比べ物にならないほど、なくなって。
顔色もちょっと悪かったり。
目の下のクマ、痩せた身体・・・・。
他の人は気がつかないかもしれないほど細かい事も、矢口には手に取るように分かってしまう。
ずっと、見てきたんだから。
- 215 名前:もしも。 投稿日:2004/02/01(日) 21:19
- よっすぃーとは付き合ってるの?
ちゃんと夜眠ってる?
ちゃんとご飯食べてる?
聞きたい事は山ほどあるけど、裕ちゃんはいっつも矢口と目が合うと、曖昧な笑顔を顔に貼りつけて目をそらしてしまう。
裕ちゃんが矢口に見せる笑顔の裏に何があるかなんてわからなかった。
裕ちゃんが矢口に信号を送ってたことに気がつかなかった。
あの時、気がついていれば何かが変わっていたかもしれない。
end
- 216 名前:ハルカ 投稿日:2004/02/08(日) 15:04
- 更新します。
『拒絶。』
- 217 名前:拒絶。 投稿日:2004/02/08(日) 15:05
- 最近、体調が優れない。
勿論、吉澤と関わるようになってから。
夜、なかなか寝つけない夜が増えた。
そのせいでお酒の量も増えた。
アタシ、アル中なってまうかも。
そう思いつつも。
お酒へと伸びる手を、止める術はない。
どんどん、深みにはまっていく自分を止められない。
なっちやカオリ、そして矢口が。
心配してくれていることも分かっている。
- 218 名前:拒絶。 投稿日:2004/02/08(日) 15:05
- でも、これはアタシと吉澤の問題や。
あの娘らを巻き込む事なんてできひん。
矢口が何度も、メールや電話をくれていることも知っていたが。
一度、助けを求めてしまえば。
二度と、一人で立っていくことが出来なくなるような気がして。
手を伸ばす事は簡単やけど、その後が一番しんどい。
建前だ。
そんなもの。
- 219 名前:拒絶。 投稿日:2004/02/08(日) 15:06
- 本当は。
どんどん吉澤と身体を交じり合わせる度に、自分が汚く汚れていっているような気がして。
矢口がこの事を知ったら。
吉澤に、何度も抱かれたアタシ自身を軽蔑されるのが怖かった。
拒絶できたはずなのに。
なぜかできなかった自分。
なによりも、今。
自分自身が憎い。
end
- 220 名前:ハルカ 投稿日:2004/02/08(日) 15:09
- 更新しました。
スランプです。
ホント、申し訳ないです。
こんな駄文を晒してしまって。
なかよしなのに、絡んでないし。
ホント、すみません。
それしかないです。
- 221 名前:TAKU 投稿日:2004/02/18(水) 14:25
- 更新お疲れ様です。
スランプなんですか?
こういう、なかよしもありだと思いますよ!
頑張ってまた書いてくださいね!
- 222 名前:ハルカ 投稿日:2004/03/09(火) 13:29
- これで完結です。
『終結。』
- 223 名前:終結。 投稿日:2004/03/09(火) 13:29
- 朝一番にテレビをつけると目を疑うニュースが飛び込んできた。
『モー娘。吉澤ひとみ、元モー娘。中澤裕子、死亡!』
冗談かと思った。
ふらつく足を踏ん張りながら、携帯を見つけ出した。
携帯には山ほども着信とメールが入っていた。
大半はカオリやなっちだった。
- 224 名前:終結。 投稿日:2004/03/09(火) 13:30
- 頭の中に裕ちゃんの笑顔やよっすぃーの顔が浮かんできて。
パニックになりそうになって。
大きく深呼吸をすると、手の中にあった携帯が軽快な音楽を奏ではじめた。
見ると、カオリだった。
とりあえず電話に出て見るとカオリは泣いていた。
どうしよう、どうしようって。
矢口は、思いのほか冷静だった。
- 225 名前:終結。 投稿日:2004/03/09(火) 13:30
- 深呼吸する前はパニックになりそうだったけど、泣いているカオリの声を聞くと胸の中にあった不安とか悲しみとかがスーっと流れていってしまったかのように。
まだ、事実を受け入れていないのかもしれない。
- 226 名前:終結。 投稿日:2004/03/09(火) 13:30
- _____________________________
二人は。
裕ちゃんとよっすぃーは裕ちゃんの自宅マンションで亡くなっていたそうだ。
裕ちゃんを迎えに来たマネージャーさんが部屋まで来たが、裕ちゃんからの応答はなくて。
不審に思ったマネージャーさんがドアのぶをひねると鍵が開いていて。
ベットで二人は重なって、死んでいた。
胸を真新しいナイフで突き刺して。
- 227 名前:終結。 投稿日:2004/03/09(火) 13:31
- 死亡推定時間からして、裕ちゃんを刺してからよっすぃーが自殺したんだろうと。
二人の間に何があったかは誰も知らないままとなった。
矢口さえも。
- 228 名前:終結。 投稿日:2004/03/09(火) 13:31
- 全ては深い深い闇の中へと。
end
- 229 名前:ハルカ 投稿日:2004/03/09(火) 13:35
- やっと終わりました。
長い間、放置してしまい申し訳ありませんでした。
なんだか狂気に満ちた吉澤さんが書いてみたくなったので書き始めたんですが失敗しました。
これからのことは未定です。
またひょっこり帰ってくるかもしれないし。
このままROM専の戻るかもしれないし。
>211 TAKUさま
アリだと言っていただいて、すごく嬉しいです!
周りの反応がすごく気になっていたので。
自分もTAKUさんのような、なかよしが書けるようになりたいです。
- 230 名前:TAKU 投稿日:2004/03/11(木) 04:31
- 完結、お疲れ様でした。
いやぁ、こういう結末でしたか!
私はこういうの書けないんで、読んでて新鮮でしたよ!
なかよし・・・私のなかよしはまだまだです^^;
日々、修行ですね(苦笑)
また戻ってきて書いてくださいね!待ってます^^
- 231 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/02(日) 15:48
- 更新します。
やぐちゅーです。
- 232 名前:愛しい。 投稿日:2004/05/02(日) 15:49
- 寂しくて、寂しくてたまらないのはどうしてなんだろう?
今から行ってもいい?
女の子らしさなんて、これっぽちもないような一通のメール。
そのことに気がついたのは、仕事が終わった夜遅くの事だった。
受信時間を見てみると夕方だった。
まさか、待ってるなんて事はないだろうと内心考えたが、すぐにそんな考えは頭のどこかへと消えていった。
- 233 名前:愛しい。 投稿日:2004/05/02(日) 15:49
- あの娘ならやる。
なんの根拠もない、考えだったけど。
人一倍、人に弱みを見せるのを嫌うあの娘だけど。
本当に弱ったとき、アタシに会いに来るのだ。
それは、仕事の事だったり。
私生活の悩みだったり。
さまざまだったが。
弱ったときは、必ずと言っていいほどやって来るのだ。
やって来て。
でも、なかなか話したがらないで。
ポツポツと話していく。
俯きながら。
静かに涙を流しながら。
- 234 名前:愛しい。 投稿日:2004/05/02(日) 15:49
- そんな彼女の話しをただ聞いているだけなのに。
いつも頼ってきてくれる。
そんな彼女の事を想うと、胸が締め付けられてくる。
ちっこくて。
泣き虫で。
いつも元気で。
でも本当は弱くて。
しばらく会わないと、寂しくて寂しくて仕方がないほど愛しい存在。
待たせてごめんな。
今帰るから。
待っててなっ!
end
- 235 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/02(日) 15:50
- もう一つ。
矢口さん視点です。
- 236 名前:優しさ。 投稿日:2004/05/02(日) 15:50
- 膝を抱えながら。
人を待つことがこんなに苦しいことなんて忘れていたよ。
メールを送っても。
返事がなかった。
仕事中なんだろうと思って、しばらく待っていたけど。
やっぱり、迷惑なのかな。
なんて。
- 237 名前:優しさ。 投稿日:2004/05/02(日) 15:51
- イッパイイッパイになるといつも、裕ちゃんを頼っていた。
これじゃいけない、って思ってるけど。
やっぱり頼ってしまう自分がいて。
裕ちゃんに話を聞いてもらうだけで、随分とすっきりするんだ。
「ゆぅちゃぁん」
声に出して呼んでみても。
「なんやぁ?」
そう返してくれる声はない。
- 238 名前:優しさ。 投稿日:2004/05/02(日) 15:51
- 彼女はいつも優しい眼で見つめてくれる。
優しく撫でてくれる。
優しく抱きしめてくれる。
不安の中で埋もれて、動けないでいる時。
そっと腕を差し伸べてくれる。
何回、その腕に助けられたか。
もう一度。
小さな声で彼女の名前を呼んでみた。
end
- 239 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/02(日) 15:52
- 久しぶりに書いてみました。
やぐちゅーは久しぶりです。
最近、なかなか読み機会がないので。
- 240 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/02(日) 15:54
- >230 TAKUさん。
レスありがとうございます。
戻ってきました。まだ、待っていただけてますか?
最近は専ら、読み専に戻っていたので、不安でイッパイですが。
また、なかよし書きたいです。
- 241 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/02(日) 15:55
- 戻ってきました。
やっぱり、スレを使い切らないとなと思いました。
また、ぼちぼち書いていきます。
- 242 名前:TAKU 投稿日:2004/05/03(月) 23:52
- おかえりなさい!
待ってましたよ^^
やぐちゅー・・・久々に読みました。
切ない感じがいいですね。こう、ぐっときます。
最近、なかよしとよしごましか読んでないので新鮮でした!
そして、更新お疲れ様でした。
- 243 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/04(火) 19:47
- 更新します。
なかよし。
- 244 名前:終末。 投稿日:2004/05/04(火) 19:47
- 終わってしまった。
今更ながら、彼女を手放してしまった自分に。
彼女の心に気が付けなかった自分に。
腹が立った。
「もう、終わりやと思おうねん」
こう切り出した彼女の顔は。
ひどく苦しそうだった。
うちらが付き合って。
一年が過ぎようとしていた。
- 245 名前:終末。 投稿日:2004/05/04(火) 19:48
- 「どうしてですか?うち、なんかしましたか?」
必死だった。
今、彼女を手放してしまったら。
一人っきりになってしまったら。
立っていられる自信がなかったから。
それほど、大きな存在だった。
確かに。
忙しかった。
でも、三十分でも。
会いに行く時間はあったはずなのに。
忙しい。
そう理由付けて。
彼女からのメールさえも返さずにいた。
- 246 名前:終末。 投稿日:2004/05/04(火) 19:48
- 逆の立場から考えれば。
不安に思うだろう。
別れを考えるだろう。
「アンタはなんも悪くないよ。悪いんはアタシの方や。」
彼女は大人で。
私は子供だった。
彼女は笑った。
ひどく綺麗な顔で。
でも。
一瞬、くしゃりとそれが崩れたとき。
涙が溢れて。
- 247 名前:終末。 投稿日:2004/05/04(火) 19:48
- 「ごめん」
掠れた声で。
「あんたの事、ほんまに好きやった。愛してた。」
そう言った。
もう、戻れない。
そう直感した。
「今まで、ありがとう」
そう聞こえた後。
唇に、何ヶ月ぶりだろうか。
この柔らかい感触。
さよならのキスなんてされたら。
忘れられない。
自分の愚かさを実感した。
end
- 248 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/04(火) 19:53
- >TAKUさん。
レスありがとうございます。
待っていただいて、心から感謝します!
まだリハビリ状態なので、まだまだ本調子にはなりませんが
読んでいただければ幸いです。
- 249 名前:TAKU 投稿日:2004/05/07(金) 14:41
- うおぉ!!なかよしきたー!!!
しっぽ振りながら読んでしまいました(笑)
切ない・・・特に最後の3行が・・・。
これからも、どんどん書いてくださいねー!
自分も頑張りますので、またサイトへも遊びに来てください^^
更新、お疲れ様でした!
- 250 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/26(水) 17:41
- 更新します。
やぐちゅー。
- 251 名前:変化。 投稿日:2004/05/26(水) 17:41
- がんばってね。
そう、周りから言われるのには正直、もう慣れてしまった。
この日も、マネージャーさんから何度も何度も言われた。
変わることが悪いことじゃない。
なんて。
頭ではわかってるんだけど。
やっぱり。
置いていかれてる。
そんな思いは、拭いきれなくて。
一人ぼっち。はイヤだよ。
- 252 名前:変化。 投稿日:2004/05/26(水) 17:41
- ____________________________
裕ちゃんと会う。
きっかけは、番組の収録中。
どうも、裕ちゃんから見ればオイラが参ってるように見えたらしく。
全然、そんなことないのに。
全然、まだ頑張れるのにな。
がんばってるよ。
そう裕ちゃんに、胸を張って言えるのにな。
帰り道。
最近、歩くのが好きな裕ちゃんは少しだけ、歩いて家に行くことを提案してきた。
目的地はもちろん、裕ちゃんの家。
ホント、久しぶりだな。
裕ちゃん家。
- 253 名前:変化。 投稿日:2004/05/26(水) 17:42
- ふと。
見上げた空には。
満月がひっそりと存在を表していた。
「最近、がんばってるか?」
さっきまで。
なんにも言わなかった裕ちゃんがふと口を開く。
「がんばってるよ」
当たり前じゃん。
「そうやと思ったわ。すごい頑張ってるなって。」
「ありがと」
「でもな、心配になってん」
心配?
驚いて見上げた裕ちゃんは、相変わらず。
空を見ながら。
横顔が月に照らされてきれいに光っている。
- 254 名前:変化。 投稿日:2004/05/26(水) 17:42
- 「すーごい心配になった。頑張ってるんやろうなって。」
「頑張りすぎてるやろなって。」
「アンタは、頑張りすぎる子やから。」
「無理してるんやないか?」
見ててくれたことに。
気付いてくれたことに。
心配してくれてることに。
涙が出そうになった。
「もっと、肩の力抜いてもいいんやで?」
「頑張らんでいいんやで?」
「矢口は矢口やん?」
そう言って。
そっと手を握ってくれた。
END
- 255 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/26(水) 17:47
- 以上です。
これは、彼女たちの脱退が発表される前に出来上がっていました。
想定としては、辻ちゃん加護ちゃんの脱退後という設定で。
書き終わってから飯田さんと石川さんの脱退を聞いたので。
また、少し手を加えてみました。
まさかこの文がこんな形で変化するとは。変わることが悪いことではないのですがね。
どうも、憤りを感じてしまいます。
- 256 名前:ハルカ 投稿日:2004/05/26(水) 17:49
- >249 TAKUさん。
レス、ありがとうございます。
なかよし、読んでいただいて。
TAKUさんに読んでいただいてると思ったら、緊張しますよ(笑。
TAKUさんも頑張ってくださいね!
- 257 名前:ハルカ 投稿日:2004/07/21(水) 18:42
- 「思い出。」
- 258 名前:思い出。 投稿日:2004/07/21(水) 18:42
- 彼女との出会いは。
偶然なんて、軽いものではなくて。
きっと。
運命だったんだろう。
そう思う。
なんの変哲もない。
ただ。
時間が流れていくだけの毎日が。
くだらなくて。
変えたくて。
でも。
変えれなくて。
もどかしさでいっぱいだった。
- 259 名前:思い出。 投稿日:2004/07/21(水) 18:42
- いつもどおりに、渋谷に行って。
ぶらぶらしていたら。
4,5人のチャラ男っぽいのが、女の人を囲んでた。
女の人は、明らかに困っている表情で。
周りも、巻き込まれたくないから。
見てみぬ振りする。
それがここの日常。
いつもなら、見てみぬ振りをするのに。
その時はなぜかできなかった。
まっすぐ、その人のところまで行って。
気がつくと。
走っていた。
後ろで。
男たちの声が聞こえたけど。
無心に走っていた。
- 260 名前:思い出。 投稿日:2004/07/21(水) 18:43
- 世界には、うちら2人しかいないんじゃないかって。
そんな気分になりながら。
ひとしきり走って。
彼女の足がゆっくりになる。
それにつられて、アタシの足もゆっくりになる。
はぁはぁ、と。
息を切らしながら。
立ち止まる。
あたりを見渡すと。
かなり走ったせいか、人は見当たらなかった。
彼女を見ると。
ようやく落ち着いたのか。
こちらに目を向けている。
- 261 名前:思い出。 投稿日:2004/07/21(水) 18:43
- 彼女は。
大人っぽい、落ち着いた服装で。
少し明るめの、パーマをあてたロングヘアー。
薄めのメイクを施した顔には、少し特徴的な鼻。
「お姉さん、名前は?」
無意識のうちに、口を開いていた。
「中澤裕子。アンタは?」
特徴的な声。
- 262 名前:思い出。 投稿日:2004/07/21(水) 18:43
- 「吉澤ひとみ。」
また。
無意識のうちに、声を出していた。
これがうちら二人の出会いだった。
- 263 名前:ハルカ 投稿日:2004/07/21(水) 18:44
- 少し、続くかもしれません。
またお付き合いよろしくお願いします。
- 264 名前:TAKU 投稿日:2004/11/18(木) 16:09
- なんかいいですね。
次がどうなるかドキドキしますよー!
出会いのその後は?って感じで(笑)
ゆっくりのんびり頑張ってくださいね^^
期待してますよ♪
えーと、私は一読者にすぎないので・・・緊張なんかしないでください(苦笑)
ただのなかよし好きですから(笑)
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