あなたは天使
- 1 名前:ひぃち 投稿日:2003年09月07日(日)11時19分49秒
- 金版で「ソロデビュー!」書かせてもらってる者です。
こちらではアンリアルの話を書いていきたいと思います。
なお、感想・指摘は随時お待ちしております。
どうぞよろしくお願いします。
- 2 名前:あなたは天使 投稿日:2003年09月07日(日)11時24分49秒
- 彼女はその街をさまよっていた。
雨の降りしきる中、傘もささずにゆっくりと歩いていた。
服装はいたってシンプルなものだったが、首には不思議な形をした
ペンダントがぶらさがっていた。
ぬけるように白い肌で整った顔立ち。
少し高めの身長で、目立つといえば目立つかもしれない少女。
しかし、当然のことながら、通りを歩く人々は誰も彼女には目もくれない。
それが都会なのだ。
彼女がこの街に来て―2週間たった日のことだった。
- 3 名前:あなたは天使 投稿日:2003年09月07日(日)11時30分19秒
- 彼女は大通りからはずれた小道へと入っていった。
そして一軒の喫茶店の前で立ち止まる。
"Cafe Nacci"
変わった名前である。
少女は店の看板を見上げると、ドアノブに手をかけた。
ガランガラン。
少女がその店に入ると、マスターが顔を上げた。
他には誰も客はいない、ガランとした喫茶店のマスターは
少女を見ると言った。
「ど、どなた?」
- 4 名前:あなたは天使 投稿日:2003年09月07日(日)11時36分18秒
- スッ。
無言で少女は頭を下げた。
「あの、何にいたしますか?」
―
「あたしをここに置いて下さい」
少女はきっぱりとした口調でそう言った。
「え、ちょっと待って。あなた誰なの?ちょっと、ちょっと」
慌てふためくマスター。
歳は少女より少し上、といったところだろうか。
喫茶店のマスターには似合わない、可愛い顔立ちである。
押し黙ったままの少女に見かねてか、
「ねぇ、名前は?」
やさしい口調になってマスターが問いかける。
少女は顔を上げた。
- 5 名前:ひぃち 投稿日:2003年09月07日(日)11時37分03秒
- 今日の更新はここまでです。
宜しければ感想などお願いします。
書く励みになりますので。
- 6 名前:ひぃち 投稿日:2003年09月07日(日)11時37分49秒
- 失礼しました。
1の書き込み、「金版」でなく「白版」でした。
すみません。
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2003年09月08日(月)22時43分16秒
- 誰かな〜♪
これから楽しみにしてます。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/09(火) 10:24
- こっちも楽しみ♪
作者さん、がんばって!!
- 9 名前:第1部 吉澤ひとみの場合 投稿日:2003/09/09(火) 19:42
- その目に、マスターは一瞬たじろいた。
少女の目は独特の光を放っていたのだ。
その愛らしい顔からは想像も出来ないが、このマスターも
幾多の苦難を乗り越えてきた女性なのである。
その彼女さえもたじろかせた少女の瞳・・・
一瞬のマスターの表情も、少女は見逃さなかった。
途端におびえた子犬のような表情になり、うつむいてしまった。
その様子にマスターはため息をつくと、優しく言った。
「あたしは安倍なつみ。あだ名はなっちだよ」
少女が顔を上げる。
「あたしは・・・ひとみ・・・吉澤ひとみっていいます」
- 10 名前:ひぃち 投稿日:2003/09/09(火) 19:43
- 上、訂正です。名前のところ、「あなたは天使」です。
すみません。
続けます。
- 11 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/09(火) 19:45
- 「ひとみ・・ちゃん?そっか、よろしくね」
「・・・はい」
なつみは何故か「よろしくね」などと言っていた。
「ここに置いて欲しい」といった少女のことを受け入れる
心づもりは、もうすでに出来ていた。
さっきの瞳。
なつみはそこから、何かを感じた。
- 12 名前:ひぃち 投稿日:2003/09/09(火) 19:48
- 今日はここまでです。
>7さん はい、よっすぃーでした。一推しなので、主人公に
してしまうことが多いかも・・・。
>8さん 白の方にもいらっしゃる方ですか?
こちらもどうぞよろしくお願いします!声援ありがとうございます(笑)
- 13 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/11(木) 21:22
- 「あの・・・置いていただけるんですか?」
ややあって、ひとみがおずおずと尋ねた。
「事情聞かないとあれだけど・・・とりあえず上、行こ。
なっちこの喫茶店の2階に住んでるんだ。そこで話聞かせてくれる?」
ひとみは頷いた。
お店は臨時休業にする。
もともと誰も入ってこない店だったから、そんなことを律儀に
することもないのだが・・・
階段を上がる途中、なつみはひとみのことを考えた。
―とにかく、容姿は超美少女。目が大きくて、可愛さと
かっこよさ両方感じさせる。
背は高くて、堂々としていて、ストレートな言動が目立つけど、
おずおずとした、自信のなさそうな、寂しげな子犬のような
表情も見せる。
一口で言えば、不思議な魅力を持った子。
ひとみちゃんと暮らすのもいいかもしれないね・・・
なつみはそう思った。
- 14 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/14(日) 14:19
- 部屋に上がると、なつみはひとみと向かい合って座った。
紅茶をすすると、なつみは問いかけた。
「それで。わけを話してもらえるかな、ひとみちゃん」
ひとみの歳は知らなかったが、まぁ自分よりは年下だろうと思って
『ひとみちゃん』と呼ぶことにする。
「あたし・・・両親を亡くしたんです」
そっ、か・・・。
不思議となつみは衝撃を受けなかった。
両親を失った悲しみをたたえているように見えないともいえない
ひとみの目をしっかり見据えて、言った。
「大変だったでしょうね・・・でも、どういう事情なのか
話してくれるかな?辛いかもしれないけど」
「殺されたんです・・・ん・・・その・・・」
「大丈夫?いいよ・・・そのことは。それで?」
辛そうな表情を見せるひとみを思いやり、その話は省略させる。
「安倍さんっていう人のところへ行け、って親戚に言われて。
それで、居場所を調べてやってきたんです」
- 15 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/14(日) 14:26
- 「そうか。でも、なんでなっちなんだろ?
何か知ってる?」
ひとみは首を振る。
「ま、いっか。ひとみちゃん、うちで暮らしなよ。
なっちも一人は寂しいべさ」
「・・・べさ?」
「あっ、あ、北海道弁がまた出ちゃったよ。
なっち北海道出身なんだ」
「そうなんですか〜!あたし北海道行ってみたいなぁ。
綺麗なところそうだし。あ、あたしは埼玉生まれなんです」
急に明るい表情になったひとみに安心して、なつみは
ひとみと暮らす決心を固めた。
「今度行こうよ、北海道。なっちも里帰りしたいな〜
えっと、じゃぁ、ひとみちゃんの生活用品買いに行かなくっちゃね」
「・・・本当にいいんですか?」
「だって、ひとみちゃん可愛いんだもん」
「クスッ・・・」
「ほらぁ、行こう!」
「じゃ、ちゃんと自己紹介します。
吉澤ひとみ、18歳です。好きな食べ物はベーグルと卵でしたが・・・
今は何でも好きですよ!」
「18歳か〜若いねぇ。なっちは22だよ。
じゃ今日はベーグルと卵で夕飯にするか」
「へ?ベーグルと卵は好きですけど、それを夕飯にします?普通」
「いいでしょ〜好物で歓迎しなくっちゃ」
こうして二人はすっかり打ち解けた。
- 16 名前:jinro 投稿日:2003/09/14(日) 21:37
- なちよし?
期待してヨイですか?
- 17 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/15(月) 15:35
- もともとなつみは能天気な性格であったし、
(おおらか、と言ったほうが聞こえが良いのだが)
今までだって普通でない人生を送ってきたものだから
今日であったばかりのひとみと暮らすことに
何の不自然さも覚えなかった。
ただこの可愛い少女と暮らせるということに胸躍らせているだけだった。
「ねぇ、服とかなんとか、ある?買ってあげようか?」
「いえ、いいです。ちゃんと持ってきましたから。
身の回りのものもほとんど持ってきたんで、
買うものはないですよ。それより、夕飯の・・・っとベーグルと卵
買いに行きましょ?」
「そかそか。じゃ行こう!」
そして、ベーグルと卵で夕飯を済ませ、その夜は何事もなく
過ぎていった。
- 18 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/15(月) 15:42
- 次の日。
cafe nacciは早くから開店していた。
どうせ来るのは一人だけなのに。
開店するとすぐに、その一人だけの客―がやって来た。
「おぅなっち。おはよう」
「おはよ、裕ちゃん」
「い、いらっしゃいませ」
今日からお店を手伝うことになっていたひとみも
ひょっこり顔を出して挨拶した。
「ん?あんた誰?」
「吉澤ひとみっていいます。ちょっとわけあって
昨日から安倍さんの家に置いてもらってるんです。
それで、今日からお店手伝うことになりました。
あの、お客さん、安倍さんと知り合いですか?」
「へぇ。なっちの親戚かなんかか?
うちはなぁ、なっちとはいろいろあるからな。
ま、あんたには関係ないことやけど」
「裕ちゃん・・・」
- 19 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/15(月) 15:44
- >jinroさん
レスありがとうございます。
今のところ、なちよしかもしれませんね。
これからもお付き合い頂けると嬉しいです。
- 20 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/20(土) 18:18
- 「吉澤さん。悪いけど、なっちと二人で話したいことがあるから
ちょっと席外してくれるか?」
「分かりました」
ひとみは静かにそう言って住まいの方に上がっていった。
「なっち、あの子・・・」
「そうそう裕ちゃん!なっちね、こないだ美味しいケーキ考えた
んだよ。裕ちゃんにも食べてもらいたいなーって思って
今日朝イチで作ったんだぁ。ね、今もって来るから。」
「おい、なっち・・・」
なつみのマイペースぶりは重々承知している裕子であったが
今日ばかりはあっけにとられた。
まったく、人が大事な話をしようとしてたところなのに・・・
ん?
わざとその話題を避けた?
そうだ。
「だからな、あの子、なっち知っとるやろ?な?」
カウンターの奥から戻ってきたなつみに声をかける。
「え?ひとみちゃん?やだー何言ってるの、裕ちゃん。
昨日初めて会ったんだよ。知らない子」
その口調は、嘘をついてるようには聞こえなかった。
本気で言ってるんだろうな・・・
- 21 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/21(日) 17:55
- まぁウチでさえ、よーく見なきゃ思い出せないほど
封じ込めてた記憶やし・・・まして、なっちはなぁ・・・
気づいてないのなら、こりゃ大変や。
吉澤ひとみ。
あの子何か目的があって来てるんやろな。
- 22 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/21(日) 18:02
- 数週間が過ぎた。
なつみとひとみはすっかり仲良くなっていた。
まるで昔からの友達のように。
いや、姉妹のようにといった方がいいかもしれない。
それとも母と娘のような・・・。
「あのさ。こんなこと聞いていいかなぁ。
ひとみちゃんがうちに来たのって、ご両親が亡くなってすぐ?」
「いいえ。随分、前です」
仲良くはなっていたが、以前としてひとみは敬語で話していた。
しかし、家族のことも、いろんなことを語るようになり、
なつみはそれが嬉しかった。
会ったばかりの頃のひとみは、どこか悲しげな表情をしていたから。
「そっか・・・。
なっちね、ひとみちゃんが大好きだよ!」
- 23 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/24(水) 13:30
- ストーリーが見えそうで見えないのがもどかしいです。
つまりは、続きを楽しみにしています。
- 24 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/24(水) 19:27
- その言葉を口にした途端、ひとみは驚きとも憔悴とも悲しみとも
つかぬ、何ともいえない表情を浮かべた。
しかし、それはつかの間のことで、何も言わずに
すぐになつみに抱きついた。
「今日はひとみちゃんに、なっちの秘密を打ち明けようと思うんだ」
急に立ち上がったなつみを、座ったまま見上げるひとみ。
ひとみの方が10センチほど背が高いので、普段はなかなか
見られない構図である。
「なっちはね・・・本当は男なんだよ」
いつもと変わらない、可愛い声で、そう言った。
- 25 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/24(水) 19:35
- ひとみは無表情だった。
ただただなつみを見つめているだけだった。
「身分証明書・・・これ。見て」
『安倍夏地』
「"なつち"だから、なっちって言うんですね」
到って冷静にひとみは言った。
そうなのだ。この少女はいつだって冷静なのだ。
・・・なつみ・・・いや、なっちが知る限り。
「ひとみちゃん・・・驚かないの?」
「別に。
両親が殺されたことに比べれば、なんでもないことですよ」
なっちの家に来てからしばらくして、その話題を自然と
口にするようになったひとみであった。
「そうだよね・・・あ、のね、なっちが言いたいのはつまりね、
なっちはひとみちゃんを好きになっていいんだ、ってことなの。
あの、なっちひとみちゃんのことが好きだから。
なんかね、前にも会ったことがあるような気がするんだ。
ひょっとして前世でつながってたりして?
え、何、笑ってくれないのぉ?
だから・・・なっち女みたいだけど、本当は男だから。
恋人になれるんだよ、うちら。
えっあー!もう、なっち何言ってるんだか・・・
あぁもうダメ、こんがらがってきた」
客観的に見れば、ここでこんがらがるはずなのは
ひとみの方なのだが、慌てているのはなつみの方で、
ひとみはずっと冷静だった。
- 26 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/24(水) 19:37
- 客観的に見れば、ここでこんがらがるはずなのは
ひとみの方なのだが、慌てているのはなつみの方で、
ひとみはずっと冷静だった。
(ここまで省略された前レスの分です)
「一つ聞いていいですか?」
やっと興奮が収まってきたなつみに対して、
初めてひとみから声がかかった。
「なんでなんですか?」
もっともである。
- 27 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/27(土) 23:47
- はじめまして。
なっちとよっすぃーがどうなっていくのか楽しみです。
また、中澤さんは何を知っているのでしょうか。
まだまだ、先が読めませんが楽しみにしております。
- 28 名前:ひぃち 投稿日:2003/09/28(日) 20:57
- レスありがとうございます。
これから先、なっちは二人のよっすぃーと出会うことになる
予定です。(我ながら意味分からない文章ですが・・・
そのうち謎な部分は明らかになっていくと思います。
- 29 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/28(日) 21:00
- なつみは肩の力をフッと抜くと、話し始めた。
「なんでなんだろなぁ・・・
あえて言うならねぇ、自分を変えたかったんだ」
ポカーン。
はたから見れば、「それだけのためにそんなことを?」
といった状況である。
しかし、ひとみは答えた。
「そうですか。それで、・・・変えられたんですか?」
「うん、変わった。これで良かったと思ってる。
でもね・・・ひとみちゃんが好きなんだ。
だから・・・」
- 30 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/29(月) 12:12
- 「うーん。自分でもよく分かんないんだけどねぇ、
神のお告げみたいなものかな?
それで、ひとみちゃん好きになっちゃった」
「・・・・・・」
「わ、あっ、馬鹿だよねこんなの!
ごめんごめん、今のこと全部忘れて!」
「・・・がいます」
「えっ?」
「違いますっ。あたしも・・・なんか思うんです。
安倍さんのこと好きにならなきゃいけないような気がするんです!」
だから・・・お願いします」
それを聞いてなつみは『さんさんと降り注ぐ太陽の日差しを
受けた向日葵』の笑顔を見せた。
―なっちスマイル。
「ひとみちゃんからこんな言葉が聞けるなんて。
話して良かったべさ・・・あっ」
気を緩めると勝手になまってしまうなつみであった。
- 31 名前:あなたは天使 投稿日:2003/09/29(月) 12:17
- そして二人は恋人同士になった。
何故こんなにお互いに惹かれるのか分からないまま―。
なんで好きになったんだろう。
一緒に過ごした時間だってまだ短いはず。
お互いのことも余り知らない。
それでも。
なつみはただただ幸せだった。
しかし、ひとみは―。
ひとみの苦しみに、なつみはずっと―気づかなかった。
それが、この先の惨事につながったのかもしれない。
ナッチハナニヲシタノ・・・?
オシエテ、ヒトミチャン。
ユウチャンハダマッテテヨ・・・
ネェオシエテ・・・
- 32 名前:あなたは天使 投稿日:2003/10/15(水) 18:37
- 二人の間柄は、恋人というより友情の煮詰まったようなものだったのかもしれない。
お互いの結びつきを深く信じ、ぶつかり合うことも全くなかった。
中澤裕子は悩んでいた。
このままだと危ない。
あの二人は出会ってはいけないはずの・・・
なつみは気づいていないようだが、吉澤ひとみがなつみに近づいたのは、
明らかになんらかの意図があるはずなのだ。
吉澤がその目的を果たす前に二人を引き離さなければならないと思っていた。
――だが。
ここのところのなつみを見ていると、前と雰囲気が変わったような気がする。
何、と聞かれて言えるようなものではないが、
何かが変わっていた。
これが安倍なつみの本当の姿なのかもしれない。
そして彼女を覆っていたベールをはいだのは吉澤ひとみ・・・?
- 33 名前:あなたは天使 投稿日:2003/10/15(水) 18:41
- 「一人で考えていてもしょうがないな。
カオリと圭坊に相談するか・・・。
あの二人ぐらいしか相談できる人もいないわけだし」
飯田圭織と保田圭。
彼女達は安倍なつみ、中澤裕子の共通の知人である。
―いや、「あった」というのが正確かもしれない。
なつみは2人のことを覚えてはいない。
- 34 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/09(日) 08:07
- 放置?
- 35 名前:jinro 投稿日:2003/11/13(木) 18:06
- 待ってるよ!
- 36 名前:つみ 投稿日:2003/11/26(水) 17:09
- 書かんかい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!このボケ〜〜〜〜!!!
- 37 名前:つみ 投稿日:2003/11/26(水) 19:00
- ず〜っと待ってます♪
- 38 名前:エンフコ〜 投稿日:2003/11/27(木) 17:18
- なんでつみってそんなに36と37の書き方が違うの?
- 39 名前:んあ 投稿日:2003/11/27(木) 18:59
- メル欄見てみなさいって
- 40 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/30(日) 13:41
- つみってどこでも現れる糞固定
- 41 名前:あなたは天使 投稿日:2003/12/30(火) 13:23
- その夜、裕子は圭織と圭に連絡を取り、繁華街の喫茶店で会うことにした。
「裕ちゃん、話ってさ…あのこと?」
あいさつを交わすとすぐに圭織が尋ねた。
圭も真面目な顔つきで裕子を見つめた。
「あぁ…なっちのことで、な…」
「やっぱりそうか」
そう言いながら圭はグラスをくぃっと持ち上げた。
「どうかしたの?」
「なっちがやったやつの娘が、今なっちのとこにいる」
- 42 名前:あなたは天使 投稿日:2003/12/30(火) 13:29
- 「え!?何でっ!?え、ちょ…」
驚き、慌てふためく圭織とは対照的に圭は表情を変えずにいた。
「あの娘が来たのは、いつだったっけな、あぁあの日だ………」
裕子はこれまでのことを二人に話した。
圭織は話の一つ一つに驚き、ぶるぶると震えていた。
圭は無言で聞いていた。
「なっちは気づいとらんのや。しかも、あの娘…吉澤ひとみの
ことを好きになってしまってる」
「このままやとなっちが危ないかもしれへん」
- 43 名前:あなたは天使 投稿日:2003/12/30(火) 13:34
- 「つまりはなっつぁんに両親殺された吉澤ひとみが
憐れな少女の顔を装って復習しに来たってことでしょ。
なっつぁんの記憶がなくなっているのを知ったんでしょうね、
どこかで。
だからあんなことしなきゃ良かったのよ。
…アタシ帰るね」
バタン、と乱暴に椅子を蹴って圭は出て行ってしまった。
「な、ちょっと圭ちゃん!」
- 44 名前:あなたは天使 投稿日:2003/12/30(火) 13:40
- 圭が出て行ったあと、圭織は先ほどよりも慌てふためいていた。
「どうしたのかな圭ちゃん。圭ちゃんらしくなかったよ。
なっちのこと見捨てたみたいにさ…」
既に少し涙ぐんでしまっている。
裕子は困惑していた。
こんなときにしっかりと的確な意見を言ってくれるのが
いつもの圭であり、先ほどのように急に感情をむきだしに
するようなことは今までになかった。
(圭ちゃん、何か知ってるのか?)
ついつい圭までも疑うような心が芽生えてしまっている裕子で
あった。吉澤ひとみにしても、あんな笑顔で、
何食わぬ顔をして、なつみに近づいているのだ。
(人を信用しすぎていいことはないな…)
- 45 名前:ひぃち 投稿日:2003/12/30(火) 13:41
- かなり久しぶりの更新になります。
長い間お待たせしました。
少しずつですが、書き上げていきたいので
よろしくお願いします。
- 46 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/31(水) 22:47
- お帰りなさいませ、待っていました。
最後までがんばって下さい。
- 47 名前:あなたは天使 投稿日:2004/02/02(月) 17:04
- なつみの家にて―
「ひとみちゃん?なっちもう寝るねー。おやすみ〜」
「おやすみなさい」
確かに、なつみとひとみはこの時一緒にいた。
喫茶店のマスターとそこに転がり込んできた少女。
ただの少女二人だった。
- 48 名前:安倍なつみ視点 投稿日:2004/02/02(月) 17:12
- ん〜良く寝たぁ。ってうんっ?あれっ?
なっち昨日ベッドでねたはずなのに!
ベッドがない!!
しかもうたた寝の姿勢!
そんなことの前にここどこだべ!?
「お、なっち。お目覚めかい?
珍しく熟睡してたじゃん」
金髪の、ちっちゃな少女が気軽そうに話しかけてきた。
誰、この子?
「ちょ…あなた誰?ここはどこ?」
「へ!?なっちどうかした?矢口だよ矢口!
や・ぐ・ち・ま・り。忘れたわけじゃないよね?」
少女は高い、よく響く声で叫んだ。
その声を聞いてか、部屋にいたらしい何人かの少女たちが
なっちの周りに集まってきた。
10人ぐらいいるだろうか?
やぐちまり?誰?この人たちも。
おかしい!
「矢口ー?なっちがどうかした?」
別の女性の声がした。こちらは背が高くて驚くほど綺麗で長い
髪をしている。しかしそんなことはどうでもいい。
「ここ、どこなの?」
- 49 名前:安倍なつみ視点 投稿日:2004/03/23(火) 16:50
- 「あの、ここどこですか?」
「は!?」
10人ぐらいの少女達がいっせいになっちの顔を覗き込む。
「なっちー?ふざけてないでよぉ。ぜんっぜん面白くないぞ」
さっきの金髪の少女が、なっちのほっぺたをペチペチたたきながら言う。
どうしよう。
何が何だか分かんない。
「イヤーーッ!!」
――――。
「ん…?」
眠い。すごく眠い。すごく疲れている。体を起こすのも億劫だ。
「さっき、起きた時はなんだかいっぱい女の子がいる部屋にいて…
それで…」
少女達はなっちのこと知ってるみたいな言い方してて、
金髪の背の低い女の子は叩いてくるしで怖くなって
叫んじゃったんだった。
その後の記憶はない。
「夢だったのかなぁ」
- 50 名前:あなたは天使 投稿日:2004/03/23(火) 16:57
- 朝。
なつみとひとみが暮らす部屋にまばゆい光が差し込んでいる。
「おはようございます」
「ひとみちゃん…おはよ。良かった、ひとみちゃんがいて」
「へ?」
「なっち今怖い夢見たの。ううん、別に怖いわけじゃないんだけど
なんか変な感じで、うーんやっぱ怖くって」
「どうしたんですか?」
なつみは夢の内容を話して聞かせた。
ひとみは大きな目を見張って、最後に一つうなずいた。
「なんか、嫌な感じがする部屋だった。なんか、感じた。
なっち、知らない人に囲まれてるのがすっごく嫌で…
だから、ひとみちゃんっ…」
「大丈夫ですよ。あたしはここにいますから」
- 51 名前:ひぃち 投稿日:2004/04/02(金) 18:30
- ちょっと休憩して、別の話を書きたいと思います。
すでに構成は出来上がっているので
そんなに時間はかからず出来ると思います。
更新頻度は少ないかもしれませんが宜しくお願いします。
- 52 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/02(金) 18:30
- 私には憧れの人がいます。
すっごーくかっこいい人なの。
背が高くて、イケメンみたいなんだけど、何だかすごく可愛い人で
あとー、私より学年で3つ年上で、あとそうっ、すっごく面白い人!
いっつも周りを笑わせられる、素敵な雰囲気を持った、優しそうな人!
あ〜もう、文章じゃ言い表せないくらい素敵な人なの。
それは誰かって言うと…
モーニング娘。のよっすぃー!
実は私、モーニング娘。が好きでして、その中でも
よっすぃーこと吉澤ひとみちゃんのファンなんです。
学校の友達もそのことを知ってて、このあいだの誕生日には
よっすぃーのグッズをもらいました。
でも、その友達も知らないことがあるんです。
今、私はモーニング娘。のオーディションを受けてるんです!
- 53 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/02(金) 18:31
- 1次審査は合格しました。
何度か審査があって、とうとう私はお寺合宿に行けることになりました。
なんということでしょう!
嬉しくてたまりません。
この合宿には私を含めて3人参加するそうです。
頑張らなきゃいけません!
最初はダメモトで応募したものでした。
歌には多少の自信はありましたが、まさかここまで来れるとは
思っていませんでした。
期待と不安。
ありきたりですが、今の私の気持ちはこの2つの言葉に尽きています。
- 54 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/02(金) 18:31
- そして。
ここからのことは少し話を省かせてもらいます。
だって皆さん良くご存知でしょうから。
なんと!
私はモーニング娘。になることが出来たのです!
一緒に合宿をした2人もです。
今まで生きてきた中で一番嬉しかった瞬間です。
それから私たち新メンバーはモーニング娘。の先輩方に
挨拶することになりました。
どうしたって心臓の鼓動が早くなります。
だって…これから会いに行くメンバーの中には、
憧れのよっすぃーが!!
- 55 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/02(金) 18:32
- 私は半年ほど前のことを思い出していました。
友達と渋谷に遊びに行った時のことです。
私たちはいつものように、109やその周辺のお店に行きました。
「ねーねー、これ良くない?」
そう言って友達が広げたTシャツは、ワイルド?ロック?
…そんな感じがして、かっこよかったけど私の趣味ではありませんでした。
そもそもこのお店自体、私の趣味じゃなくって友達の趣味で…
「ん〜私には似合わないけど、かっこいいじゃ…え!?」
言いかけて私は目を見開きました。
「ん?どしたの?」
「はっ、あっ、よよよよよ!!」
そうです。驚きまくる私の視線の先にはあの人が…
大好きなあの人―よっすぃーがいたのです!
- 56 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/02(金) 18:45
- よっすぃーはごっちん―後藤真希と一緒でした。
帽子をかぶって変装しているようでしたけど、
よっすぃーファンの私にはすぐ分かりました。
どうしよう。声をかけたいけど、そんなことしていいのか
どうか分からないし、だいいち何て言えばいいのか分かんないよう!
「あっ」
そんなことを考えているうちに、よっすぃーが
私のそばに来ました。さっき友達がとったのと同じ服を
見始めました。
バクバク。
心臓の音が聞こえてきます。
人生史上、最高に興奮してます!
- 57 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/02(金) 18:45
- 「あっあのっ!」
気が付けば私は声に出してました。
「よ、吉澤ひとみさんですよねっ?」
声が上ずってしまいました。
恥ずかしい…私はとっさに下を向きました。
それから私の中では何時間もの時間が流れました。
え、もちろん本当は1秒ぐらいなんですけど。
「はい、そうです〜」
憧れの、大好きな彼女の声が聞こえて
私はやっと顔を上げました。
「は、あ、えっとっ、ファンなんですっ。あのぉ、そのぉ…」
- 58 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/02(金) 18:46
- パニクってしどろもどろになってしまった私を
庇うようにして友達が前に出ました。
「あの〜うちらファンなんです!もし良かったらサインもらえますか?」
「いいよ」
サラっと言って、よっすぃーは二人分サインを書いてくれました。
そして最後に握手して、よっすぃーは「じゃぁ、これからも
宜しくお願いしまーす」って言って、さっきの服を買っていきました。
はぁ…やっぱかっこいい!
「ありがと」
私は友達にそう言って、さっきの服―よっすぃーとお揃い♪―
を買いました。
- 59 名前:ひぃち 投稿日:2004/04/02(金) 18:47
- 今日はここまでです。
- 60 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/08(木) 10:57
- ―あれからもう半年たったんだなぁ。
私がモーニング娘。のオーディションを受けるきっかけに
なった出来事でした。
よっすぃーを生ではじめて見た時。
彼女から出ている「輝いている人だけが出せるオーラ」を
感じました。だから…
そういうわけで私は今、モーニング娘。との対面に
向かっているのです。
「緊張するなぁ…」
こんな時は歌でも歌おうかな。
よーし。
♪ファッション雑誌を開いたらっ
あなたに似た人探してた
- 61 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/08(木) 10:58
- 「へっ?」
「どーした?もう歌の練習しちょるん?」
私と同期になる同じ新メンバーの二人に驚かれてしまいました。
でも、私は構わず続けます。
♪渋谷のあたりを歩いたら
あなたに偶然会えるかな
「へっ?」
「替え歌じゃー!何っ何っ?」
相変わらずの反応のおとぼけさんと、訛りのきつい博多っ子さん
が驚いています。
♪あ〜片思いしてる〜
あ〜あこがれのあなた〜
今度は二人とも何も言わずに私の方を見ています。
聞きほれてるのかなぁ?
- 62 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/08(木) 10:58
- おっと。
こっから先はとてもじゃないけど、この二人の前
では歌えない。だって、だって…
(♪モーニング娘。に入ってる
少し背の高い男前
友達みんなの協力で…)
私は心の中で続きを歌いました。
「へっ?」
「なんとねー。もう終わりぃ?」
私はあいまいに笑ってごまかしました。
もうすぐよっすぃーに会えるんだ。
あ、娘。に入ったら「よっすぃー」とは呼べなく
なるんだね。「吉澤さん」かぁ。
うっかり「よっすぃー」なんて呼んじゃったらどうしよう。
高橋さんや小川さん…あれぇこっちも「さん」付けって
変な感じだけど―だってまだ「吉澤さん」って呼んでるし。
- 63 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/08(木) 10:58
- そして、とうとう着いてしまいました。
あぁ、もうすぐモーニング娘。の皆さんと
対面するんですね。
連れられて、何だか分からないうちにある部屋の前に来ました。
この部屋で皆さん待機されているそうです。
緊張してきました。
隣にいる二人も緊張しているようです。
ついに。
対面です。
「亀井絵里ですっ。14歳の中2ですっ。宜しくお願い、しますっ」
は〜っ。緊張しまくりでした。
- 64 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/04/08(木) 10:59
- 「道重ぇさゆみでぇす」
「タナカレイナです」
「これからよろしく」
先輩達からの挨拶も終わって、一息つきました。
えっと…私、亀井絵里は今、幸せです。
生で見る吉澤さんは、もう、言葉では言い尽くせない
ほど素敵でした。
私、吉澤さんに弟子入りしたいです。
え、訳分かんないですか?
吉澤さんみたいになりたいんですよ!
あぁでも私はどちらかというと引っ込み思案。
早速先輩達に話しかけてるれいなとは違うんです。
- 65 名前:ひぃち 投稿日:2004/04/08(木) 10:59
- 今日はここまでです。
- 66 名前:ひぃち 投稿日:2004/07/12(月) 14:15
- 3ヶ月近く放置してしまいました。
これからは更新したいと思います。
すみませんでした。
- 67 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/07/12(月) 14:17
- まずは何をしたらいいか、私は考えました。
自分からは声かけられない。
じゃぁ吉澤さんが声かけてくれるようになれば…
う〜む。
吉澤さんが興味持つようなキャラ?
石川さんなんか良くイジられてるけど、どうなのかな?
- 68 名前:あこがれのあなた 投稿日:2004/07/12(月) 14:27
- 合宿を共にした二人の仲間―道重さゆみちゃんと
タナカレイナちゃんのことは、「さゆ」「れいな」と
呼ぶことにしました。
二人は私より1個年下ですが、私のことを「えり」って
呼んでくれます。
れいなはすっごく大人っぽくて、…ちょっとヤンキーっぽい
です。
さゆはおっとりしてて可愛いんだけど、ちょっと自惚れしてる
ようです。いっつも鏡を見てうっとりしてるんです。
先輩たちもそんなれいなやさゆのことを面白がって
いろいろ話しているようです。
「なっちびっくりしたべ!田中の格好、すごいんだなぁ最近の子
は。」
「キャハハ!なっちそれごっつぁんのときも言ってた。」
「道重もさぁ変わった子だよねぇ。今度の新メンは個性的だな。
まぁあたしと入れ違いになるわけだけど」
「いやぁそれでもあの3人全員足しても圭ちゃんのキャラにはかなわないって!」
- 69 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/12(月) 22:59
- 吉亀かな?
期待してます
- 70 名前:ひぃち 投稿日:2004/08/06(金) 11:06
- もう少ししたら更新再開する予定です。
なかなか仕上げられなくてすみません。
Converted by dat2html.pl v0.2