不器用な天使

1 名前:炯至 投稿日:2003/09/14(日) 21:41
いちよしの吉受けを書かせてもらいます。
一応、案内板や初心者案内などすべて読んだのですが、
至らないところがあったら、遠慮なく指摘などしてください。
話のほうはアンリアルでいかせてもらいます。
感想などは随時お待ちしております。
あと、上にあると恥ずかしいので、sageでお願いします。
それではよろしくお願いします。
2 名前:すべてはここから。 投稿日:2003/09/14(日) 21:45
何で、何で!
何であたしがこういう状態に陥らなきゃいけないのよ!

今目の前に立っているのは、前あたしが住んでいた家と同じぐらいに大きい家。
腹立つ!
求人広告を見てやってきたあたしは、吉澤ひとみ。18歳の高校三年生。だけど、高校も退学。
あーショック…。
目の前の表札には、『保田』って書かれている。
もういや!あたしも親と一緒に海外に行けばよかった。
友達と一緒にいたいって言って、駄々捏ねなきゃ良かった。
後悔しても、もう無駄だけどね。
あたしって史上最悪のバカだ…。

そんな嫌な気持ちで、目の前のインターホンを押す。
3 名前:すべてはここから。 投稿日:2003/09/14(日) 21:46
――「はい?どなたですか」――
「えと、申し込んだ吉澤ですけど。」
――「吉澤さん?あーメイドの。開けますので入ってください。」――

大きな門が開かれる。
中に入ると、そこは楽園のような感じ。
花が咲き乱れて、そして緑も多い。
こんな風景、結構好き。
目をそこに止めると、木の陰に見える小さい金髪の女性とその女性より少し大きめのロングヘアの人。

「ダメだよ、ごっつぁん。これから仕事でしょ?」
「いいじゃん。撮影だけだし。」
「でも、遅れたら迷惑かかるよ。」

抱き合ってキスしてる。
あれってどう見たって女同士だよね。
そう言うことに免疫のないあたしは、目を逸らして前に歩を進める。
4 名前:すべてはここから。 投稿日:2003/09/14(日) 21:48
ヤッバイもの見たなぁ。
あのロングヘアの女性、あたしの見間違いじゃなかったら確かあの人は。
そう考えてると、大きな扉が目の前にあった。
もう少しでぶつかるところだった。

「すいません!」
「はいはい。」

中からパタパタと足音が聞こえて、大きな扉が開かれる。
目の前には、茶髪の人が出てきた。

「吉澤さんですよね?」
「あ、はい!」
「あたし、この家の一番上の保田圭です。」
「あ、あたし吉澤ひとみです。よろしくお願いします!」
「…住み込みって聞いたけど。」
「あ、ダメですか?」
「いいのよ。ここは全員女だし。あなた18歳でしょ?同じ歳の子もいるし。」
「そうなんですか?」
「うん。まぁ、入って。説明するわ。」
「あ、はい。失礼します。」
5 名前:すべてはここから。 投稿日:2003/09/14(日) 21:52
中に入る。目の前には大きな階段。
隣同士は、大きな部屋。

「どうかした?」
「いや、大きな家に感動して。」
「ちょっと待ってね。みんな集めるから。」
「けーえちゃん。腹減ったよぉ。メシぃ〜」
「紗耶香!あんた女の子なんだから、もっと女の子らしくしなさい!」
「ん?誰この子?」
「新しい家政婦よ。いつも、あんたが追い出すから。」
「だっておばさんばっかじゃん。よかった若い子で。
名前、なんていうの?」
「え、あ、えと、吉澤ひとみです。」
「へぇ〜可愛い名前だね。あたし、市井紗耶香。ただの大学生。よろしくね。
こっちは、圭ちゃん。あたしらの保護者。何やってるんだっけ…」
「企業をやってるの。あなたのお父さんも知ってるわよ。」
「え…?父をですか?」
「ええ。すっごくカッコよくて優しい人よ。仕事にも熱心で。」

知らなかった。
正直、家にいるときにお父さんはあんまり見ない。
いつもいつも仕事仕事ばっかりの人で、家族のことなんか見向きもしない最悪な父親。
母もあたしのことなんか結局何もしないで、ただ良い子に育てるだけの躾。
怒鳴りつけてるだけで、ほとんどは雇われた家庭教師に任せているだけ。
そんな親だった二人。
まぁ、離れてせいせいする。
それでも寂しがってる自分がいることに、否定はしないけど。
6 名前:すべてはここから。 投稿日:2003/09/14(日) 21:54
「そうなんですか…」
「…あなたのお父さんから聞いたわよ。結構も仲も良かったし、お互い愚痴とかも零してた間柄だったし。
『娘のひとみがだんだん冷たくなって来るんだ。やっぱり年頃なのかな。』とかね。」

嘘だ。あの人があんなこと言う人じゃない。
でも、覚えてる。
あたしが小さい時にあんなにも可愛がってくれた父の姿を。

「まぁ入って。部屋まで案内するわ。
紗耶香。あんた暇でしょ。案内してあげて。」
「おう、暇だよ。さっきからずっとゲームしてたし。」

市井さんは右の奥の部屋に入っていく。
その部屋を抜けると、廊下に出た。
複雑だ。分かんなくなってきた。

「ここは、使用人専用なんだけど。あんまり使わないからね。ほとんど物置化してるんだ。
2階のいち―らの部屋と同じようにする?」
「いいですよ。そんな。雇われの身ですし。」
「そっか。ここだよ。今日からの君の部屋。」

扉を開けると、そこには丁寧に掃除された部屋。
ベッドとクローゼット。机。いろいろ置かれていた。

「ありがとうございます。」
「あ、片付けが終ったらいちーの部屋に来て。話があるから。」
「はい。」

市井さんはそう言って部屋を出た。
窓を開ける。
秋の澄んだ空気が部屋いっぱいに広がる。
これからここでの新しい性活が始まっちゃうんだ。
なんか、ドキドキだなぁ。
7 名前:すべてはここから。 投稿日:2003/09/14(日) 21:56
市井さんもカッコいいし、保田さんは頼りになりそうだし。
でもあの二人は何してたんだろう。

「吉澤さん。ちょっと来てくれない?あなたのこと、他のみんなに紹介したいんだけど。」
「あ、はい。分かりました。すぐに。」

窓を閉めて、扉を開ける。
そこには、保田さん。

「ほら来て。」

保田さんの後についていく。
本当に大きい家だよな。
前のあたしの家もこれぐらいあったけど。なんか、こっちの方が迷いそう。
掃除とか大変だろうな。

ま。これからだし、先に保田さんについていこうっと。
8 名前:炯至 投稿日:2003/09/14(日) 21:57
ここまで、更新しました。
感想お待ちしてます。
9 名前:TOY 投稿日:2003/09/15(月) 13:47
面白そうですね。
続き楽しみにまってます。
10 名前:炯至 投稿日:2003/09/15(月) 21:01
>TOYさん
ありがとうございます。
放棄は絶対しないんで、楽しみにしててください。
11 名前:6人の住人 投稿日:2003/09/15(月) 21:02
大きなリビングに着くと、ソファに座っていた金髪の小さな女性と茶色のロングヘアの女性の姿を見つけた。

「えーと。今日からここから家政婦をしてもらうことになった…」
「吉澤ひとみです。よろしくお願いします。」
「吉澤さん。こっちが、矢口真里。紗耶香と同じく大学生よ。
こっちが飯田圭織。彼女はイラストレーターをしてるの。
こっちが安倍なつみ。彼女は保育士。
彼女が後藤真希。あなたと同い年でモデルをしてるわ。」
「よろしくお願いします。」
12 名前:6人の住人 投稿日:2003/09/15(月) 21:03
金髪の小さな女性があたしのところにやってきた。
その身長はかなり小さい。

「おいら、矢口ね。家政婦が来るって聞いたから、またおばちゃんかと思ったよ。
ごっつぁんと歳一緒なんだ。仲良くしようね。歳も近いんだし。」
「はい。お願いします。」
「あたし、飯田圭織。可愛い顔してるね。今度モデルやってもらおうかな。」
「あたし、安倍なつみ。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
「後藤、あんたもなんか言ったら。」
「うん。
あたし、後藤真希。同い年だし仲良くしようね。」
「はい。お願いします、後藤さん。」
「やだぁ!後藤さんなんかダメ!同い年だしさ、『ごっちん』でいいよ。
そだね、吉澤さんは…」
「よっすぃーだ!今度から吉澤さんは『よっすぃー』に決定!!」
「おーいいね、やぐっつぁん。」

いつの間にか、あたしのあだ名は『よっすぃー』になってた。
そして、つけてくれたのは、矢口さん。
みんな、いい人そうだった。ちょっとだけ、安心した、かな。
13 名前:炯至 投稿日:2003/09/15(月) 21:05
ちょっとだけ、更新しました。
ってか、更新するの少な過ぎ、自分。
14 名前:企み 投稿日:2003/09/22(月) 23:05
「吉澤さん。ちょっと部屋に来てくれる?」
「あ、はい。」
「さやかぁ。初日から早々、セクハラすんなよぉ。」
「そうだよぉ、いちーちゃん。セクハラするとまた逃げられるよぉ。」
「なんだよ。すべて追い出したのはいちーだって言うのか。
だって家政婦は若い女の子が良いじゃん。」
「それ言えてる!キャハハハ!!」
「やぐっつぁん、耳痛い…」

矢口さん、耳痛いです。
あたしはその騒がしいリビングを抜けて、市井さんの後を追う。
15 名前:企み 投稿日:2003/09/22(月) 23:06
「なんですか?あたしに用事って。」
「来てくれたら分かるよ。」

部屋の中に入って、市井さんはあたしに紙袋を渡す。
その中は。

「えええ!?こ、これ着るんですか!?」
「そうだよ。だってさ、可愛い顔してるんだし、別にいいじゃん。メイド服ぐらい。
たいていの家政婦はこれ着るって言って逃げたからね。」

これで拒否をしたらあたしは確実に行くところがない。
決めた。これしか手段は残ってないんだ。
16 名前:企み 投稿日:2003/09/22(月) 23:07
「分かりました。」
「じゃ、いちー部屋出るから、その間に着替えてね。」
「はい。」

市井さんは部屋から出て行った。
紙袋から出した、白と黒の清潔感が溢れるメイド服。
こんなの去年の学園祭に来た以来だよ。

「…市井さん。入ってきていいですよ。」

声をかけて、市井さんが顔を覗かせて中に入ってくる。
17 名前:企み 投稿日:2003/09/22(月) 23:09
「お、結構可愛いじゃん。やっぱりいちーが見立てたとおり!これからその格好で頼むね。」
「あ、はい。」

って、ええ〜!?

「そんな…」

飯田さんあたりバカにされそうな予感がする。確実に。
こんな服着てたら、ただのコスプレ野郎になっちゃうよ。

「メイドでしょ?やっぱりその服が必要でしょぉ?」
「…そう、ですけど…」
「それに。
こうやって、可愛く頂けるしね。」

市井さんは近くのベッドにあたしを押し倒す。
市井さんのその目が、とても真剣であたしは一瞬目を奪われた。

「ごめんごめん。ちょっとした冗談だよ。話はこれだけだし。
まぁ、その服はいちーと二人っきりのときに着てね。」
「はい。」

脱いで、自分の服に着替える。
その紙袋を持って、部屋を出て行く。

部屋に着いて、はぁっとため息をつく。
なんか、前途多難だなぁ…。

こうして、あたしの長い一日は過ぎていった。
だけど、本当の試練はこれからだった。
18 名前:炯至 投稿日:2003/09/22(月) 23:10
ここまでです。
なんとか、一日が終った感じです。
まだまだこれから…。
19 名前:TOY 投稿日:2003/09/23(火) 12:20
これからどうなるのか、楽しみにまってます!
20 名前:炯至 投稿日:2003/10/04(土) 22:56
>TOYさん
ありがとうございます。
ご期待に応えられるように頑張ります。
21 名前:初仕事 投稿日:2003/10/04(土) 22:57
「よっすぃー!これ、洗濯しといて!」
「よっすぃー、今日あたし遅くなるからご飯いいよ。」
「吉澤ぁ、あたしの部屋散らかってきたから片付けといて!」

頭が混乱する。眩暈がする。
それほどまでに、次の日から忙しかった。
次々に言われる言葉。それはもうあたしの頭の中に入る容量をゆうに越えてしまっている。
すべての言葉にこたえる言葉は、「はい、分かりました。」

「忙しそうだね。」
「…そう思うんだったら手伝ってください。飯田さん。」
「ダメダメ。それが家政婦なんだから。」

こんな馬鹿でかい家、あたし一人じゃ無理がありすぎる。
毎日すると思ったら、頭が痛くなってきた。
22 名前:初仕事 投稿日:2003/10/04(土) 22:58
「ふぅ…やっと終わった…」

汚すぎる。特に、1階の奥の方は。
綺麗好きの性格のせいか、隅々まで磨いてしまった。
もう、時間は4時。
大学にいっている矢口さんや市井さんも帰ってくる時間だね。

机にへばりついて、そっと目を閉じる。
考え事が、意識を手放さなかったようだ。
だけど、一瞬気が抜けて、あたしはそのまま眠りについた。

23 名前:初仕事 投稿日:2003/10/04(土) 22:59
「ねぇ、よっすぃーは?」
「あたしに聞かれたって。」
「部屋は見た?」
「ごとー、よっすぃーの部屋知らないもん。」
「知ってるの、圭ちゃんと紗耶香だけだべ。」
「んじゃ、いちーが見てくるよ。」

紗耶香が部屋に行こうとすると、キッチンの方から声が聞こえてきた。

「いたいた!」

ダイニングのテーブルにへばりついて、ひとみは寝ていた。
スピーカーのように響く真里の声も届かないようだ。
24 名前:初仕事 投稿日:2003/10/04(土) 23:00
「よっすぃー!」
「吉澤!」

真里や圭が起こしても起きない。
この子はもしかして後藤タイプなのか。

「寝てるんだから、そのまま寝かしといたら。疲れてるんだよ、きっと。」
「じゃ、後藤。あんたが今日の夕飯作る?」
「…それはいや。」
「だったら起こしなさい。」

「よっすぃー!」

ぐらぐらと真希がひとみを揺する。
すると、「う〜ん」という声が聞こえてきた。
頭を上げて、目をこすると、ひとみの目の前にはみんなの姿。
25 名前:初仕事 投稿日:2003/10/04(土) 23:01
「どうしたんですか?みなさん、揃って。」

ぐしぐしと目をこする。

「吉澤。今何時か知ってる?」

真里が、近くにおいてあった時計を持ってくる。
今は、午後8時。

「な、何でこんな時間なんですかぁ!?早く起こしてくださいよぉ!」
「起こしてたけど、あんたが起きないんでしょっ!」

その通り。
圭や圭織に混ざって、真希が顔を出す。
26 名前:初仕事 投稿日:2003/10/04(土) 23:01
「でも、相当部屋は綺麗になってたけどね。」
「あ、はい。勝手に部屋入っちゃいましたけど。」
「いいよ。めっちゃ綺麗になってたし。
なんでもいいけど、ご飯にしよーよ。ごとー、仕事やってきてすんごくおなか空いてるんだよ。」
「あ、はい。すぐに。」

がたんと立って、キッチンに向かうひとみ。
どうやらもう出来ているらしく、入れるだけ。

「圭ちゃん、大変な子、雇っちゃったね。」
「そうね。」

圭織と圭がそう呟いた。
本当に大変な子を雇ってしまった。
27 名前:炯至 投稿日:2003/10/04(土) 23:04
>23
ageてしまった。
バカン、自分。最悪やん、自分。

感想、待ってます。
28 名前:友達 投稿日:2003/10/07(火) 10:47
「梨華ちゃんに電話しよ。」

充電器にさしてある携帯をとって、親友の梨華ちゃんに電話をする。
無機質なコール音の後に、いつもと変わりないあの可愛い声が聞こえてきた。

――「どしたの!?よっすぃー!何かあった!?」――

普通でもすっごく高いのに、大声だと余計高くなる。
そんなところでも、可愛いと思うけどね。

29 名前:友達 投稿日:2003/10/07(火) 10:48
「何もないよ。ただ、梨華ちゃんの声が聞きたかっただけ。」
――「そっか。よっすぃー、いじめられているから電話してきたのかと思っちゃったよ。」――
「いじめられてないよ。みんな、いい人だし、楽しくやってる。今日からだけどね。」
――「そっか。よかった。よっすぃー、時間ある?」――
「あるよ。」
――「久しぶりに、会わない?いっぱい、お話したいこともあるし。」――
「うん。ちょっと頼んでみるよ。」
――「んじゃ、後でね。」――
「うん。」

電話を切る。
久しぶりに梨華ちゃんに会えるんだな。
まだ一週間ぐらいしか経ってないのに、すごく懐かしく感じる。
30 名前:友達 投稿日:2003/10/07(火) 10:49
中学校の時、昔から内気だったあたしに声をかけてくれたのが梨華ちゃんともう一人の親友、柴ちゃんだった。
いつの間にか、仲良くなっていたあたしたち。
二人がいつの間にか、かけがえのないものとなっていた。

「あれ?吉澤。どこかに行くの?」

出て行こうとしたら、保田さんが声をかけてきた。

「ちょっと親友に会ってくるんですけど、ダメですか?」
「いいけど。明日も仕事あるんだから、今日中には帰ってきなさいよ。」
「はい。じゃ、行って来ます。」
「ちょっと待って。」
31 名前:友達 投稿日:2003/10/07(火) 10:50
保田さんは、持っていたマフラーをあたしの首に巻いた。

「秋だって言っても、もう冬に近いんだから。そんな薄着していくと風邪引くわよ。
あなたは、うちの大事な家政婦なんだから。」
「はい。ありがとうございます。」

マフラーを首に巻いて、あたしは家を出た。
マフラーつけてきてよかった。すっごく寒い。
32 名前:友達 投稿日:2003/10/07(火) 10:51
「よっすぃー!!」

夜なのに、あたしを大声で呼ぶ梨華ちゃん。

「あれ、柴ちゃんも一緒なんだ。」
「そう。よっすぃーに会うって行ったら来たの。」
「何、梨華ちゃん。あたしがいたら不満?」
「しばちゃぁん、久しぶり〜会いたかったよぉ〜」

ぎゅうっと柴ちゃんに抱きついた。
柴ちゃんだぁ。わ〜い。

「よっすぃ、久しぶり〜。寂しかったよぉ〜」

三人でぎゅうと抱き合う。
やっぱり、親友はいい。最高だ。
33 名前:友達 投稿日:2003/10/07(火) 10:51
「今日中には帰って来いって言われたから。」
「そっか。じゃ、あまり話せないね。」
「うん。」
「よっすぃ、あの保田家で働いてるんでしょ?」
「そうだけど。みんないい人だよ。」
「保田って家、すっごい資産家なんだよぉ。二年前に、社長が死んで一人娘が継いでるんだよ。
確か、名前は圭だったかな。」
「そんなにすごい家なの?」
「そうだよ。結構、昔からよっすぃーってついてるからね。」
「そうそう。」

柴ちゃんと梨華ちゃんが、声をそろえてうんうんと頷く。

34 名前:友達 投稿日:2003/10/07(火) 10:52
「でも、よっすぃーが元気そうでよかったよ。それで、好きな人とか出来た?」
「出来るわけないじゃん!まだ二日だよ。気になる人はいるけど…」
「誰っ!?カッコいい?」
「カッコいいっていっても、女の人だよぉ。保田さんの従妹の市井さんって人。」
「女ぁ?男はいないの?」
「いないよ。あ、でもモデルの後藤真希はいたよ。」
「マジでっ!?サイン頼む!あたし、大ファンなの。」
「柴ちゃん、がっつき過ぎ。」

梨華ちゃんは、身を乗り出して聞いてくる柴ちゃんを押さえる。

「柴ちゃん。がっつき過ぎだよ。よっすぃーも困ってるしさ。」
「あぁ、ごめん。」
「いいよ。別に。今、何時?」
「もう、11時前。あたしら家近いし、よっすぃーは大丈夫?」
「うん。大丈夫だと思うよ。んじゃ、また今度ね。」
「バイバイ。よっすぃ。」

公園から出て、あたしは最寄りの電車に乗る。
寒いよ…保田さんからマフラー借りてきてよかった。
あたしが、家についた頃にはもう、11時をゆうに過ぎていた。
35 名前:炯至 投稿日:2003/10/07(火) 10:54
「友達」を更新しました。
梨華ちゃん&柴ちゃん登場。

感想は随時お待ちしております。
36 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/07(火) 19:36
おおぉーー!!いちよしですかぁーー!!!
めっちゃ嬉しい!!
この組み合わせで小説書いてくれる人、ずっと待ってました!!(マジ

37 名前:炯至 投稿日:2003/11/02(日) 22:19
>名無し読者さん
感想ありがとうございます。
自分も待ってたんですけど、なかなかいないので行動に出ました。
これからもがんばって書き続けます。

38 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:21
忙しくて時が経つのは早いです。
あたしがこの保田家にきたのは10月の暮れだったはずなのに、
今はもう12月のはじめです。
本格的な冬がやってきました。

その今年一番の寒さがやってきたある日のこと。


「吉澤。あたし、会議とかいろいろあって帰れないから。夕飯いらないわよ。」
「分かりましたぁ。」
「吉澤、カオリも。仕事とかいっぱい残ってるしご飯いらないよ。」
「はい。」

じゃ、今日は飯田さんと保田さんはいないのか。
39 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:22


「よっすぃー、矢口となっちも夕飯いらないよ。」
「何でですか?」
「合コンさ。」

合コンって、あなたたち恋人がいるでしょうが。

「何気にすることはないさ。頭数合わせの合コンだしさ。なぁ、なっち。」
「うん、そうだべ。」
「はい、分かりました。」

矢口さんと安倍さんもいないのか。
じゃ、今日は3人か。


「よっすぃー、後藤も今日遅くなるから夕飯いらないよ。」

ご、後藤さんもですか?
じゃ、今日は2人。

「いちーちゃんと仲良くね。よっすぃ。」

後藤さんに耳元でそう囁かれ顔を真っ赤にしてしまう。

「じゃ、いってきまぁす。」

いつもの笑顔のまま後藤さんは家を出た。
あたしの顔はまだ真っ赤だった。
40 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:23
昼、あたしは冷蔵庫の中が空っぽなのに気付いて買い物に出かける。
今日の夕飯、何にしようかな。2人だからってあまり気は抜けないしね。
だって、あの市井さんだし。後藤さんとかなら大丈夫そうだけど。味にうるさそうだもん。あの人って。

そうだ。今日はあの市井さんの大好物を作ろう。
だって、こないだ言ってたし。
そうしよう。

思い立って、あたした売り場を歩く。

そして、いつの間にか買い物袋は膨れ上がっていた。


「重〜い。」


買いすぎた。つい、いつもの癖で。
両手には食材がいっぱい入った買い物袋。
正直、重い。こんなに重かったら家まで持たないよぉ。

すると、いきなり左手が軽くなった。

41 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:24
「持ってあげる。重そうにしてるし。」
「…市井さん…」


目の前には、あの市井さんの顔。
な、何でここにいるの?

「い、市井さん!何でここにいるんですか?まだ講義の時間じゃ…」
「うん。サボった。家で吉澤が一人で頑張ってくれてると思ったら、いてもたってもいられなくなって。
大丈夫。重要なのは午前中だけだし。」
「そんなのダメです。あたしはそれが仕事なんです。市井さんは大学に行って、勉強することが。」
「吉澤もうちの母親と同じこと言うんだな。」


母親?


「…何でもないよ。帰ろうか。」
「はい。」
42 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:24
帰り道、すごく気まずかった。雰囲気が。
あんなこと言わなきゃよかった。
だったらこんなにも雰囲気が暗くならないのに。


家に着いても、市井さんは無言で手伝ってくれるだけ。
何も言わない。大好物を見ても何も声を上げない。
あの明るい市井さんが何も言わない。
正直、すごく怖かった。
あたし、とんでもないことを言ってしまった。
あたし、嫌われたかも知れない。
そんなことが頭の中をぐるぐる回っている。
分からなくなってくる。

「痛っ…」


考え事しながら包丁を持つんじゃなかった。
やっばぁ〜、指切っちゃった。

「大丈夫!?吉澤。」
「あ、はい。大丈夫です。」

大丈夫なわけがない。あたしの指からたらぁと血が流れる。


「大丈夫じゃないじゃん!血いっぱい出てる!」
43 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:25
あたしの切った指を、そのまま市井さんは口に入れた。
身体が熱い。指を切ったことじゃない。
市井さんがあたしの指を口に入れてるからだ。
市井さんの舌があたしの指を舐めていく。
ゾクゾクする感覚があたしの身体に走る。

「よし、これで消毒は終わり!大丈夫。あ、でも絆創膏貼っときなよ。
傷口開いたらまた大変だしさ。」
「あ、ありがとうございます。」


顔が見れないよ。恥ずかしい。
勇気を振り絞って、顔を見ると市井さんは満面の笑み。
あれ、何でそんなに笑顔。


「怒ってたんじゃないんですか?」
「怒る?何で?」

疑問を疑問で返さないで下さいよ。

「あたしが、あんなこと言ったから。」
「あんなことって?」
「大学に行って勉強することが仕事って。」
「当たり前のことじゃん。別にいいよ。そんなこと忘れてたよ。」

忘れてたって。市井さんにしたらどうでもいいことなんだ。
あんなに悩んでたあたしって。
44 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:26
「なら、いいんです。」
「ん?どうしたの?」
「いや…」


もしかして嫌われたなんて口が裂けても言えないよ。


「何でもないんです。気にしないで下さい。」
「あぁ、うん。」


不思議がってるよねぇ。
そりゃそうだよ。おかしいもん、今のあたし。
絶対挙動不審だ。
鈍い市井さんは気付かないけど、鋭い矢口さんや保田さんあたりには気付かれそうな感じだし。

2人きりって、すごく辛いんだけど。


45 名前:二人きり 投稿日:2003/11/02(日) 22:27
2人きりの夕食。何も会話がない。
そりゃそうだよね。ムードメーカーの矢口さんも安倍さんもいないんだもん。
あたしたちも好んで喋るほうじゃないし。


「吉澤。」
「あ、はい。」


不味かったのかな。失敗かな。
嫌味の一つや二つ言われれるんだろうな。



「今晩11時、裏庭のベンチで待ってる。」



へっ?
裏庭のベンチって、あたしのお気に入りの場所。
市井さん、知ってたんですか?


「はい。分かりました。」


一応返事は返しておく。

だって、裏庭なんて滅多に人来ないし、絶好の場所だと思ってたのに。
なんだ、市井さんは知ってたのか。

その前に、何で知ってるの?
あたしのことずっと見てた?
そんなはずないよね。
そんなはずない、そんなはずない。
そんなはずがあるわけないじゃん。
46 名前:炯至 投稿日:2003/11/02(日) 22:28
「二人きり」更新しました。
ほとんど更新してなかったんですが。
次も更新させてもらいます。
47 名前:告白の瞬間 投稿日:2003/11/02(日) 22:29
「さむっ。」


11時前、あたしはその場所で一人空を見上げている。
あれから、後藤さんも矢口さんも安倍さんも帰ってきた。
どうやら、飯田さんと保田さんはもう会社に泊まるらしい。
2人とも忙しいもんなぁ。


「あ、あれさそり座かな。」

いっぱいある星を指差してみる。


「さそり座は夏の星座だよ。こんな冬に見れるわけないじゃん。」

「い、市井さん!?」


びっくりした。そりゃ驚くよ。いきなり現れるんだもん。
48 名前:告白の瞬間 投稿日:2003/11/02(日) 22:30


「よく知ってますね。」
「伊達に教育学部通ってないしね。」
「そうですね。」


あたしみたいな、高校中退とは違う。
あれは家の事情でそうなったわけなんだけど。
本当はしたくなかったんだけどね。


「それで。」
「ん?何。」
「こんな夜遅くに、何であたしを呼び出したんですか?」
「呼びたかったから。」
「そんなの理由になりません!」
「大声出してると、疲れて眠っている後藤が起きちゃうよ。」


起きるはずないと思います。あの人が。


「そもそも、何であたしがよくこの場所に来ていることも知ってるんですか?」
「見てたから。」
「誰を?」

「吉澤を。」
49 名前:告白の瞬間 投稿日:2003/11/02(日) 22:31


はぁ?


「ずっと吉澤だけを見てきた。初めて会ったそのときから。」


これって愛の告白なの?

「今日呼び出したのは、いちーの気持ちを伝えたかっただけ。聞いてもらえればそれでいいんだ。」
「市井さん…」
「迷惑だったら断ってくれてもいいんだ。ただ、伝えたかっただけだから。」

「迷惑じゃないです。」


こんな告白に、酷く冷静でいる自分に驚いた。
前だったら、すっごくあたふたしていたと思うんだけど。
今は、心が落ち着いている。
答えが決まっているかのように。
50 名前:告白の瞬間 投稿日:2003/11/02(日) 22:31


「あたしも、初めて会ったときから、市井さんを見てました。市井さんだけを見てました。」
「吉澤。」

「どう言ったら市井さんによく伝わるか分かんないけど、あたしはとにかく市井さんが好きなんです。」


沈黙。
お互いに何も言わない。
その沈黙を破ったのは市井さんだった。


「そっか。うん。そうなんだ。いちーらってはじめから両想いだったんだ。」


「ありがとう。あたしの気持ちに応えてくれて。」


「嬉しいよ。」



にっこりと笑顔になる市井さん。
笑顔が素敵な人だと思う。
思わず目を逸らしてしまう、あたし。
51 名前:告白の瞬間 投稿日:2003/11/02(日) 22:32



「夢のような気分。だって、あの吉澤がいちーの気持ちに応えてくれるんだもん。めっちゃ嬉しいよ。
今絶対、いちーが世界一幸せな野郎だよ。」


勢いで、あたしを抱きしめてくれる。
この腕の感覚。ずっと、あたしが憧れていた感覚。
あたしだって、世界一の幸せ者ですよ。市井さん。


「吉澤。ずっと、いちーのプリンセスでいてね。」
「はい。」



ご主人様と家政婦だった二人。

この夜からは、恋人同士になりました。

52 名前:炯至 投稿日:2003/11/02(日) 22:33
更新終わりました。

感想を随時お待ちしております。
53 名前:つみ 投稿日:2003/11/02(日) 22:51
おおっ!!
いちよしは初めて見ます!何か斬新でいいっすね^^
最後の二文がステキ・・・
54 名前:春雷 投稿日:2003/11/06(木) 01:09
ついに恋人同士になりましたね〜。続き、楽しみにしております。
H.Nが某板の作者様と重なっていたので変更しました。
55 名前:炯至 投稿日:2003/11/09(日) 21:24
>つみさん
斬新ですか。それはどうもありがとうございます。
最後の二文はたまたまひらめいたために書いたようなもんです。
うちのダメダメないちよしでよければ楽しんでってください。
たぶん、めっちゃいちよしの良さ分かりますよ。

>春雷さん
TOYさんでしたか。一瞬誰か分からなかったです。
やっと、恋人同士になりました。グダグダですが。
遅すぎやしないかい、というのはご勘弁ください。
続き、楽しみにしていてください。

今回は返事だけになっちゃいましたが、
今、頑張って執筆中です。
今週中にも更新できると思います。
56 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/02(火) 17:15
待ってます
57 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/04(木) 12:26
おなじくまっております
58 名前:炯至 投稿日:2003/12/10(水) 22:30
付き合い始めて1か月。何ら変わりもしないこの保田家。
月日はいつの間にか年末。



「もう年末だべ。なっちも北海道に帰らないと。」
「そうだね。カオリも北海道に帰らないとパパとママが心配しちゃう。」
「ごとーも。いくら同じ都内だからって言っても、家に帰らないとね。」
「矢口も。たまには帰って思いっきり休みたい。」


年末か。
あたしも、たまにはパパとママの顔見に行こうかな。
だけど、アメリカだしなぁ。お金がないし。
59 名前:炯至 投稿日:2003/12/10(水) 22:31


「圭ちゃんは帰らないの?」
「帰るわよ。家のお母さんが帰って来いってうるさいし。
どうせお見合いでもさせられるでしょうけどね。」
「圭ちゃん、くれぐれも返事しちゃだめだべ。」
「分かってるわよ、なっち。」


いいよな、安倍さんと保田さん。
あんなに堂々といちゃつけて。
あたしも、市井さんといちゃいちゃしたいけど。


「あれぇ、みんな年末帰っちゃうの?」
「そうよ。紗耶香は?」
「みんないなくなったら、吉澤一人になっちゃうじゃん。いちーは残るよ。
一人じゃかわいそうだからね。それに、家に帰ったって面白くないしさ。」


市井さん、そこまであたしのことを考えてくれてるんですか。
やっぱり市井さんです。惚れ直しました。
60 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:32


「紗耶香も帰らないと、叔父さんだって寂しがってるわよ。」
「いいよ、別に。帰ろうと思えば、すぐに帰れるしさ。実家、そこだし。」
「でも、あんた、しばらく帰ってないんでしょ。」
「だけど、こんなでっかい家で吉澤を一人にするつもり?年末だけど、吉澤は帰るとこないじゃん。
だからさ、一日ぐらいは帰るけど、何日も一人にするとさ、かわいそうだしさ。」
「でも、紗耶香…」
「圭ちゃんらは心配することないよ。ほら、いちーもいるしさ。大丈夫。」
「そう。でも、ちゃんと三箇日の一日ぐらいは家に帰るのよ。分かった?」
「へいへい。」


去年だったら、こんなこと有り得なかっただろうな。
もしかしたら、一生あのままだったかもしれないな。
61 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:33


「吉澤は帰らないの?」
「帰るにしても、海外ですし。それに、そんなお金もないし。」
「そっか。それじゃ仕方ないね。」

でも、市井さんがいるから大丈夫ですよ。そんな言葉は心の中に飲み込んだ。


「けーちゃん。でもさ、大晦日はいるよね?」
「いるに決まってるでしょ。みんなで除夜の金聞くんでしょ?」
「そうそう。あれ聞くのなっちの習慣だよ。大晦日の。」
「カオリもー。」


大晦日に何かあるのかな。
なんかみんなの笑顔が除夜の鐘じゃないみたいな感じ。
62 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:34


「まぁいいや。ごとー、あんた仕事でしょ。いってらっしゃい。」
「はぁい。ちぇっ、何でごとーだけ年末も働かなきゃいけないんだよ。」
「それはまだあんたが正月休みってないからでしょ。今日行ってとってきなさい。」
「はぁい。」


後藤さんはのろのろと家を出て行った。


「ごっつぁんも大変だなぁ。年末なのに仕事なんて。」
「仕方ないわよ。あれがあの子の生き方なんだから。」
「そうだもんなぁ。」


矢口さんが遠い目で見る。
やっぱり、矢口さんって後藤さんのこと好きなんだなぁ。



とにもかくにも、大晦日の日がやってきました。
63 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:34


「おはよーございまぁす。」

朝8時半に目覚める。
いつもなら7時半ごろに目覚めるんだけど、今日は遅い。
だって、昨夜は市井さんと…。


「おはよう、よっすぃー。朝ごはんならなっちが作ったよ。」
「え、え、そ、そんな。ありがとうございます。」
「いいよいいよ。たまにはゆっくり寝るといいさ。圭ちゃん、ご飯できたよぉ〜」


安倍さんって優しいよなぁ。
いい人だし。保田さんと付き合ってるのは無理ないよなぁ。
64 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:35


「おはよう、吉澤。」
「おはようございます。市井さん。」

ぼーっと保田さんと安倍さんのやり取りを見てると、
後ろから市井さんが声をかけてきた。


「…身体、大丈夫?」
「へっ…、あ、はい大丈夫です。」


思わず、顔を赤らめてしまう。
初めてじゃないのに、何かすっごく恥ずかしい。


「何よぉ、二人でいいムードになって。」
「な、何もないよ!圭ちゃん。ほら、なっちが作ってくれた朝ごはん食べよ、ね?」
「そうね。」


ひとまず納得してくれた。
だって、顔見るとすっごく恥ずかしいんだもん。
65 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:36


「吉澤。後藤、起こしてきたら?あの子起きるの、あんたと矢口ぐらいだしさ。」
「はい。」

席を立つ。
よかった。ちょっと開放された気分。
だって、恥ずかしいし、保田さんにばれたら。


「ごとーさん。」
「………」
「ごとーさん!」
「…やぐっつぁん…」


矢口さんの夢でも見てるんですか?
矢口さんならもう下で、朝ごはんを食べてますよ。


「後藤さん!」
「…ふぇ…?よっすぃ…?」
「そうです、起きてください。矢口さんも下ですよ。」
「え!?やぐっつぁん、もう起きてるの?」


起きてるに決まってるじゃん。今10時だよ。
この人、相変わらず何時間寝たら気が済むんだろう。


「みんな下ですから、早く着替えてきてくださいね。」
「ほぉ〜い。」


後藤さんの部屋を出る。またあそこに。
仕方ないよ。いい加減慣れろよ、ひとみ。
66 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:37


「どう?後藤、起きた?」
「はい。着替えて下に来るように言いました。」
「そ。あの子って、ホントあなたの言うことよく聞くわね。
こないだなっちが起こした時、なかなか起きなかったのに。」


あれにはちょっとしたテクニックが…。


「御馳走様。さてと、いちーはやりかけのゲームでも。」
「…御馳走様。」
「あれ、よっすぃーに紗耶香。なっちのご飯不味かった?」
「ううん。美味しかったよ。っていうか、いちーはもうご飯二杯も食べたし。」
「よっすぃーは?」
「美味しかったですよ。朝ごはんはあまり食べない方なんで。」


やんわりと理由を言っておく。
早く洗濯、洗濯。また七人分洗わなきゃ。
あたしたちが席を立ったときに、丁度後藤さんが降りてくる。
大きな欠伸をしながら。
67 名前:年末年始の大計画 投稿日:2003/12/10(水) 22:38


「…さてと、紗耶香も吉澤もいなくなって、後藤も降りてきて。あの話の続きするわよ?」
「「「オッケー。」」」
「んぁ…?」



どうやら、2人がいない間にとんでもない計画が立てられているみたいです。
68 名前:炯至 投稿日:2003/12/10(水) 22:40
間違いを訂正。
>58、59は「年末年始の大計画」です。
どうもすみませんでした。

69 名前:炯至 投稿日:2003/12/10(水) 22:40
UPしました。
約1か月ぶりですが。

感想は随時お待ちしています。
70 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/11(日) 17:54
待ってます
71 名前:春雷 投稿日:2004/01/22(木) 13:19
お久しぶりです。
みんながなにを企んでいるのか、非常にきになります。
72 名前:マルタちゃん 投稿日:2004/03/26(金) 14:27
やぐごま大好きです。期待してます。
頑張ってください。

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