短編短編短編です!
- 1 名前:神輿 投稿日:2003/09/19(金) 13:11
- 色々なCPの短編を書いて行きたいと思います!
感想なども頂けたら嬉しいです。
リクエストも受け付けたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します!!
- 2 名前:神輿 投稿日:2003/09/19(金) 13:12
- まずは私の大好きないしよしを♪
- 3 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:12
- 見てしまった。
日曜日のお昼。あなたに約束をドタキャンされてしまった日曜日のお昼。
友達もみんな空いてなくて、しかたなくじいに頼んで車を出してもらった…日曜のお昼。
車の窓から見つけてしまったの。
わたしじゃない子と、仲良く手をつないで歩いているあなたの姿を。
声が出なかった。呼吸の仕方さえ思い出せなかった。
ただただ、馬鹿みたいにあなた達を見つめていた。
…泣き出さなかったのが不思議。
愕然としながらも、頭の中では冷静に『あ、やっぱ二股かけられてたんだぁ』って分析してる。
だけどやっぱりショックで、腹が立って。
本当は二人の前に姿を見せて、文句の一つも言ってやりたい。
だけど…身体が動かなかった。
- 4 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:13
-
幼稚園から高校まで女子校育ちのわたし。
父とか親戚以外の男の人なんて、テレビ以外では見た事もない。
そんな私の前にあらわれた王子様が、彼女…吉澤ひとみちゃん。
高校からうちの学校に入って来た外部生で、中学までは共学に通ってたらしい。
中性的な顔立ちに、ちょっと低めの声。あっと言う間にうちの学校の『王子様』の座についた。
『ウチ、石川さんみたいな可愛い子初めて見た。』
一年生になりたての時、偶然同じ図書委員になって…初対面でいきなりそう言われた。
『王子様』にそんな事言われて、ときめかない女の子なんかいるのかしら?
ちょっとときめいちゃったわたしに、ひとみちゃんはどんどん迫って来た。
抱きついて来たり、ほっぺにキスして来たり。
…そうされる度、わたしはどんどんひとみちゃんが好きになって行って。
そして・・・・・・すぐに告白されて、付き合うようになった。
「・・・・・・なんでだろうなぁ。」
家に帰って部屋に一人きりになったら、急に涙が溢れ出して来て。
そのまま柴ちゃんに電話したら…ピアノのレッスンが入ってたのにキャンセルして、家まで来てくれた。
- 5 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:14
- 柴ちゃんといるとほっとする。
わたしはため息を吐いて、紅茶を一口すすった。
「…どうしよう。わたし、どうしたら良いのかな。」
「梨華ちゃんはどうしたいの?」
「・・・・・・わからない。」
それが本当に正直な気持ち。
ひとみちゃんの事は、大好き。あんな現場を見ちゃったけど…それでも変わらず大好き。
だけど、許せないの。わたしの誘いを断って、他の子と手を繋いで歩いてるなんて。
「…なんで、わたしと行くはずだった所に…他の子と行くのよぉ…っ!!」
「…ひどいってゆーか、迂闊だよね。」
柴ちゃんは呆れ気味に言った。
「夏休みまでは、もう『周囲なんか見えない!』ってくらいラブラブだったのにね。」
「どうだか。もしかしたら周囲が見えてなかったのは、わたしだけかも知れない。」
- 6 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:14
- 「梨華ちゃん、そんなに腐っちゃ駄目だよ。」
腐りたくもなるわよ。
…ああ、思う存分泣いたら…今度は腹立って来た。
「・・・・・・よし。わたし、明日ひとみちゃんと話してみる。」
「ええっ!?」
「だって、そうじゃなきゃ…わたし、一歩も前に進めないもん!!」
またしても涙がこみ上げて来る。
そんなわたしの頭を、柴ちゃんは優しく撫でてくれた。
「…ま、泣きたくなったらまた私を呼んで。いくらでも相手してあげるからさ。」
暖かい言葉に、わたしの涙腺はまたしても壊れた。
- 7 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:15
-
放課後。わたしは下駄箱でひとみちゃんを待ち伏せした。
そしてひとみちゃんを捕まえて、強引に人気のない廊下まで引っ張って行った。
「な、何?どうしたの?」
足を止めて、誰もいない事を確認して…わたしはひとみちゃんと向き合った。
「…ひとみちゃん。正直に答えてね。」
「え?」
「昨日のお昼、何してた?」
「…だから、両親出かけるから家で留守番…」
「正直に答えてって言ったでしょ!?」
驚いた顔のひとみちゃんに、わたしは言う。
「・・・・・・見たんだから。新宿で、他の子と手ぇつないで歩いてるの。」
「あ…。」
あきらかに気まずそうな表情になった。それがすごく悔しい。
「…なんで?」
「いや、あれはただの友達で。中学ん時の同級生で。」
「そんな事は聞いてないの!…わたしとの約束をドタキャンしてまで、会いたい人だったの?」
- 8 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:15
- 「・・・・・・。」
黙ってしまう。
正直者ね。それは肯定してるも同然。
「…誰、なの?あの子…。」
聞きたくないけど、聞かなきゃいけない。場合によっては許すから。
本命はわたしよね?暗にそう問いかけてる。
「・・・・・・中学ん時の…同級生で…。」
「…それで?」
ひとみちゃんは、苦いモノでも飲み込むような表情で言った。
「・・・・・・前の、彼女。」
その表情、その口調、その雰囲気。…感じ取って、目の前が暗くなる。
「…今は、わたしと付き合ってるのよね…?」
「うん。」
「なのに、なんで前の彼女と…わたしの誘いを断ってまで…っ。」
頭の中がぐちゃぐちゃ。胸の中で何かが大暴れしてる。
「・・・・・・前の彼女…ごっちんって言うんだけど…。」
話し始めるひとみちゃんも苦しそうだけど、わたしの方がもっと苦しい。
嫌な予感がする。気分が悪い。吐きそう。
- 9 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:16
- …いや、そうじゃなくて。想像がつく。これからひとみちゃんが話そうとしてる事。
だから聞きたくない。絶対にわたしにとって、良い話なんかじゃない。
「もともと、嫌いで別れたんじゃなかったんだ。
…ごっちんの親が転勤になって、高校に入る直前に北海道に引っ越す事になっちゃって。
それで…遠距離恋愛なんて耐えられないって事で…別れたんだ。」
やめて。もう聞きたくない。
そう思ってるけど、静止の言葉が出て来ない。
「…そのごっちんが、金曜日にいきなり『明日から東京行くから、遊ぼう』って言って来て…。
土曜日は、中学の時の友達と同窓会みたいにしてみんなでご飯食べたんだけど…。」
「・・・・・・それで?」
「…日曜日は、久しぶりに二人で遊ぼうって話になって…。」
「・・・・・・それで、土曜日の夜にいきなりわたしにキャンセルの連絡して来たのね。」
「あっ…でも、ウチもすっごい悩んだんだよ!?・・・・・・だけど…一年半ぶりに会ったんだし、せっかくだしって…。」
ぐっと、わたしは涙をこらえた。
駄目。泣けない。ここで泣くなんて無様な事はできない。わたしのプライドが許さない。
- 10 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:16
- 泣く代わりにひとみちゃんをキッとにらみつけ、わたしは言う。
「…高校入学直前に、別れたって言ったわよね?」
「うん。」
「…わたしに告白したの、入学してからちょっと経ってからだったわよね?」
「・・・・・・うん。」
「それじゃあ何?ひとみちゃんは、大好きな彼女と別れた直後に、わたしに告白したの?」
涙が出そうになったけど、拳をぎゅっと握り締めて押しとどめる。
「…普通だったら、どんなに前向きでもそんなにさっさと忘れられないんじゃない?」
「・・・・・・。」
ああ、やっぱり。わたしの想像通り。
「…わかったわ。わたしはその『ごっちん』って子の代わりだったのね。」
「違…」
「『ごっちん』って子がいない寂しさを紛らわす為に、わたしに告白したのね?わたしと付き合ったのね?」
「・・・・・・そ、そうじゃなくて…あの…。」
- 11 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:16
- しどろもどろになっちゃったひとみちゃんに背中を向ける。
「…本当、馬鹿みたいだわ。わたし。…両思いだなんて浮かれて。両思いなんかじゃなかったのに。」
「梨華ちゃん、でもね…!!」
「聞きたくない。」
惨め過ぎる、わたしの恋。…これ以上惨めになんかなりたくない。
背中を向けたまま、言い放つ。
「…さようなら。『ごっちん』と、お幸せにね。」
後ろも振り返らず、走った。
ずっと我慢してた涙が、頬を伝う。
・・・・・・最後だけは惨めじゃなかったよね?自分から終わらせられたんだから。
- 12 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:17
-
泣き過ぎると、頭が痛くなるモンなのね。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
お手伝いの矢口さんに言われて、首を横に振る。…ああ、その振動だけでもかなり辛い。
「…あ、矢口さん。これ、ありがとうございます。おかげで目の腫れ引きました。」
そう言って貸してもらってたジェルを返すと、矢口さんは胸を張る。
「ね?効いたでしょ?コレはヤグチの最終兵器なんですから!!」
ジェルはまぶたに塗ると、すっごくピリピリして痛かった。…でも、不思議とけっこうすぐに目の腫れが引いた。
良かった。今日はこれからお祖父様達と一緒にお食事だから。目が腫れたままじゃ、心配かけちゃう。
「便利なモノがあるんですねぇ。」
「えへへへへ♪ヤグチ、こーゆーの見つけるの得意なんスよ。」
年が近いせいか、わたしは矢口さんと仲良しだ。
それに矢口さんはすっごく頼り甲斐があるから、お姉さんがもう一人できたみたい。
「さ〜て、お嬢様。目の腫れが引いたら支度しましょう。旦那様も奥様ももう準備はじめてますから。」
「…お父様とお母様はいっつも、気が早過ぎなんですよ。」
- 13 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:17
- 「まあまあ、そう言わずに。…こっちのワンピースとこっちのスーツ、どっちにします?」
「あ、そのワンピースにします。この間お祖父様がプレゼントして下さったモノだから。」
「はいは〜い。…それじゃ、髪型どうします?」
「矢口さんに任せます。」
ため息を吐いてから鏡台の前に座る。
純白のワンピース…お祖父様の趣味って、わかりやすいんだかわかりにくいんだか。
「・・・・・・お嬢様、元気ないですね?」
髪をとかしながらそう言う矢口さんに、苦笑してみせる。
「…実は今日、ちょっと失恋しちゃったんです。」
「へぇ〜。」
右手で何かを叩くような仕草をする矢口さん。…トリビアなの?これは。
それから矢口さんは、その事については何も言って来なかった。ただただ、他愛ないおしゃべりをしてくれた。
それがすごく嬉しかった。
- 14 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:18
-
レストランに着いて、中に入ると。
「…あ!!『梨華ちゃん』だ!!!」
いきなり名前を呼ばれて、驚いて振り返ると…そこには長い髪の可愛い子がいた。
…間違えようもない。日曜日にひとみちゃんと手をつないで歩いていた…『ごっちん』って子だ。
「ねえねえ、ごめんね!!ごとー…」
何か話しかけて来たけど、ウェイターに止められた。
わたしは…無視して歩き出す。
会いたくなんかなかったし、喋りたくもない。
この子の代わりをずっとしてたなんて。…考えたくもない。
「待って!!ちょ、ごとーの話聞いてよ!!誤解してんだよ、梨華ちゃん!!」
ウェイターに止められながらも叫ぶその声が、あまりにも真剣で。
ウェイターに羽交い絞めにされてるその姿が、あまりにも可哀想だったので。
「・・・・・・すみません。お祖父様に、『少し遅れる』とお伝えください。」
そういい残して、わたしは『ごっちん』に近寄って行った。
途中で止める声が聞こえたけど…こんな子残して行ったら後味悪いじゃない…。
- 15 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:18
- 「・・・・・・わたしに話って、何ですか?あんまり時間がないから、手短にお願いします。」
『ごっちん』は、あきらかにほっとした顔でわたしを見た。
それを見て…わたしは胸に炎が巻き上がるのを感じる。…間違えようもなく、嫉妬だ。
「あのね、ごとーは…梨華ちゃんに『誤解してるよ』って教えてあげたいだけなの。」
「・・・・・・誤解?」
「そう。…よしこのヤツ、例にもよって何も言えなかったんでしょ?
まったく、昔から大事な局面に弱くって嫌んなっちゃうよ。」
まるで、身内の話でもするような口調。イライラが募る。
『よしこ』って言うのはひとみちゃんの事だろう。
「…それで?」
「そんなにあせらないでよー。まったり行こうよ。…つまりね、誤解なの。」
「だから、何が!?」
「梨華ちゃんが思ってる事、ぜーんぶが。」
「・・・・・・は?」
ワケがわからない。『ごっちん』はふにゃ、と微笑んだ。
- 16 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:19
- 「…あのね、確かにごとーとよしこは嫌いで別れたんじゃないんだよ。だけど、別れたくなかったワケじゃないの。」
「…どう言う意味?」
「もともとね、親友だったんだよ。で、『恋人ほしいね〜』って話してる間に付き合う事になって。」
「・・・・・・?」
「だけど付き合っても別に、親友だった頃と何も変わらなくて。キスとかしてみたけど全然ときめかなくて。お互い、超困ってた。」
『ごっちん』の笑顔が困ったように歪む。
「…だから、ごとーが北海道行く事になった時…正直、お互いほっとしたんだよ。
今まではずっと『別れちゃったら、親友って関係も壊れちゃうかも』って思ってたから別れられなかったし。」
「・・・・・・。」
「あ、梨華ちゃんの事はずっと、よしこから聞いてたんだよ。ご丁寧にも写メールまで送って来てさぁ。」
展開についていけないわたしに、ごっちんは喋り続ける。
「高校でマジ好きな子ができちゃったー、とか、どんな風に告ったら良いのかなー、とか…うっるさかったんだよ?
そんで、OKもらったらもらったで狂喜乱舞。今日は梨華ちゃんと何したー、とか。」
- 17 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:19
- 「・・・・・・嘘…。」
「んあ〜。まあ、ごとーも北海道で彼女みつけてノロケまくってたからお互い様なんだけど。」
絶句以外に、何もできなかった。
「…こないだの日曜日は、ごめんね?久々によしこと遊びたくてさ。…でもよしこもよしこだよね!!こっちを断れよ!!」
「・・・・・・。」
ぼろぼろと涙がこぼれた。
「でも、て、手ぇつないでて…。」
「いや、幼馴染だからさ。癖で。」
「・・・・・・それじゃ本当に、わたしの勘違いなの…?」
「んあ。そうだねぇ。」
『ごっちん』はふにゃ、と微笑んで言った。
「…電話してあげた方が良いよ。さっきまで吐く程泣いてたから。」
わたしは…レストランの外に飛び出した。
- 18 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:19
-
車の中で、電話する。
『・・・・・・も、もしもしっ!!?』
あせったような声。…今までこんな声、聞いた事なかった。
「…もしもし。わたし。」
『梨華ちゃ…っ!!』
泣いてるのかな?そんな気配がする。
「…『ごっちん』に、会ったの。」
『え…?』
「・・・・・・誤解だって。勘違いだって、教えてくれた。」
『梨・・・・・・梨華ちゃん!!!』
わたしは運転手に目配せしてから、車を降りる。
「…ねえ、本当?本当にわたしの勘違いなの?」
『決まってんじゃん!!!』
「・・・・・・実はね、わたし今…『思い出の場所』にいるの。」
運転手に合図する。すると車は、ちょっと躊躇しながらも…去って行った。
「…わかる?思い出の場所。…お願い。誤解なら今すぐ来て。そうじゃなきゃ、わたし…」
言いかけて、怖くなって電話を切ってしまった。そのまま電源まで切る。
- 19 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:20
- ぎゅっと、電源の入ってない携帯を握り締めた。
「…来てくれるかな。・・・・・・それよりも、この場所わかるかな。」
見回してみて、思い出す。
そう、あれは入学式の日だった。
初めて目が合って…初めて言葉を交わした。
ここはただ、それだけの場所。
初めてキスした場所でもないし、告白された場所でもない。
だけど、わたしにとって一番大切な場所。
一分間が、一秒が…永遠にも感じられた。
ひとみちゃんが来なかったらもう終わりにしようって思ってる。
…来てほしい。このまま終わるのは、絶対イヤ!!
「梨華ちゃん!!!」
背後の扉から、ひとみちゃんのアルトの声が響く。
「・・・・・・っ!!」
振り返ってその姿を確認して…涙が溢れた。
「…わかってくれたんだ。」
「当然…じゃん…。」
息を切らせながら、ひとみちゃんはよろよろとこちらに向かって来る。
- 20 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:21
- 「…来てくれたんだ。」
「当然だろ!?…あー、疲れた!!」
床にごろりと寝っ転がって、ひとみちゃんは額の汗を拭う。わたしもしゃがみこんだ。
「…でも、梨華ちゃんの思い出の場所が…ここで良かった。」
「え?」
「…だってウチも、ここが一番の思い出の場所だから。」
むくっと起き上がって、あぐらをかく。
「…この体育館で、梨華ちゃんに一目惚れしたんだ。」
「え・・・・・・っ?」
「梨華ちゃん、ウチが落としたリボンを拾ってくれて。『落としましたよ』って声かけてくれて。」
「・・・・・・!!!」
「で、ウチが『ありがとう』って言って。…同じクラスになれた時は、嬉し過ぎて死ぬかと思った。」
涙が止まらないわたしに、ひとみちゃんはそっと手を伸ばす。
- 21 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:21
- 「…最初のHRで…梨華ちゃんがどの委員会に立候補するか観察してて。
図書委員なんて興味なかったけど、梨華ちゃんとちょっとでも一緒にいたくて…ウチも立候補して。」
頬を流れる涙を、ひとみちゃんの指がそっと拭ってくれる。
「…イイ所見せたくて、図書委員の仕事真面目にやってりして。体育でも頑張ってみたりしちゃって。」
「ひとみちゃん!!」
もう、押さえ切れなくて…わたしはひとみちゃんに抱きついた。
「…ごめんね。本当に。だけど信じて。…ウチ、梨華ちゃんが一番好きだから。ううん、梨華ちゃんだけだから。」
「・・・・・・もう、不安になんてさせないでね…?」
「もちろん。もう、しない…。」
唇を重ねた。
- 22 名前:1 投稿日:2003/09/19(金) 13:22
- 「…ここ、更に思い出の場所になるね。」
「え?」
ひとみちゃんはにっこり笑って、言った。
「仲直りの思い出の場所。」
その言葉に、わたしは笑いがこみ上げて来た。
「そうだね。…でも、それだとこれから、喧嘩して仲直りする度に思い出の場所ができるんじゃない?」
「それも良いじゃん。それこそ、二人の歴史になる。」
もう一度、キスをしてから二人で笑い合った。
『仲直りの思い出の場所』で。
おわり
- 23 名前:神輿 投稿日:2003/09/19(金) 13:22
- 1つ目はいしよしでした〜。
いかがでしたでしょうか?こんな感じでこれからも頑張ります!!
- 24 名前:OGAフリーク 投稿日:2003/09/19(金) 16:51
- サイコーでした。
オロオロよっすぃ〜かわいいですね。
できれば小川さんでお願いします。
楽しみにしてます
- 25 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/19(金) 21:21
- ごまたか とかお願いします。
応援してます!がんばってください!
- 26 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/20(土) 20:16
- よしやすなんてだめでしょうか?
もしよろしかったらお願いします。
- 27 名前:神輿 投稿日:2003/09/21(日) 21:09
- リクエスト、ありがとうございました!!
2は、OGAフリーク様のリクエストの『小川さん』から、おがこんを書かせて頂きます!!
- 28 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:09
-
「おっがっわっさん♪」
声をかけられて振り向くと、そこにいたのは…
「…おおう!田中ちゃん!!」
五月に合流したばっかの新メンバー、田中れいなちゃんが笑顔で立っていた。
こっれが、可愛いコなんですよぉ♪私にすごーくなついて来て♪
「実はぁ、田中は小川さんにご報告したい事があるけん、いっそいで来たんです!」
「ほぉほぉ。それは、どんな事かね?」
田中ちゃんはにっこぉっと笑って…背中に隠してた両手を私に見せた。
「じゃっじゃーん!!ウチの近くのケーキ屋さんで見つけました!かぼちゃシュークリーム!!です!!」
「おおおおおっ!!!」
う、うまそう!!それはうまそうだ!!
「かぼちゃシュークリーム…すっごいねぇ…ッ!!」
「えへへっ。田中、小川さんの為に買って来たんですぅ。」
「マジ!?」
田中ちゃんはもじもじしながら、シュークリームの入った箱を差し出した。
- 29 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:10
- 「…どうぞ☆田中の気持ちですから…受け取ってくださいっ!きゃっ!!」
「ありがとう田中ちゃんっ!!嬉しいよ…!!」
なんとなく、すすすすっと寄って来たので…抱きしめてみた。
すると。
「・・・・・・まこっちゃん…?」
細くて小さくて、今にも泣き出しそうな声が聞こえて来た。
「ん?」
小さ過ぎて、どこから聞こえて来たんだか特定できなかった声を探して周囲を見回す。
すると。
「・・・・・・うおっ!?」
いた。
ソファーの陰からこっちを覗いてるあさ美ちゃんが。
「…あ、あさ美ちゃん、怖いよ。」
「・・・・・・まこっちゃん…。」
涙が、今にもこぼれ落ちそうなくらいに目に溜まっている。
「ちょ、どうしたの?あさ美ちゃん?」
田中ちゃんを離して駆け寄ろうとしたけど、田中ちゃんが離してくれなくて…私は引き戻された。
「…紺野さん、何か言いたい事あったら、ハッキリ言ってください!!」
- 30 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:10
- 「ちょ、田中ちゃん!?」
ビックリする私にかまわず、田中ちゃんは言う。
「まぁ、どっちにしろ小川さんは私のモノですけどね!!」
「は!?」
「だって小川さん、受け取ってくれたじゃないですか!!」
「え?」
「私の気持ち!!」
・・・・・・よーく思い出してみると…確かに受け取ってるよ、私。
「…だから、今更そんな顔したって駄目なんです!!小川さんは私のなんです!!」
「・・・・・・。」
あさ美ちゃんの顔が、ゆがんだ。やばい。本当に泣いちゃう…!!
「あ、あさ美ちゃん!!」
「駄目です!!小川さんは、田中のなんです!!」
「いや、その…そんな事言われましても…。」
引き止められてる内に、あさ美ちゃんは走り去って行った。まずい!!追いかけなきゃ!!
「だから、駄目ですってば!!」
「離してってばー!!」
「てゆーか!!」
田中ちゃんは、涙目で叫んだ。
「なんで追いかけるんですか!?」
言われて、はたと気付く。
そうだ。…なんで、追いかけるんだろう。
「だって…な、泣いてたし…同期だし…。」
- 31 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:10
- 「こないだ新垣さんが泣いてた時は何もしなかったじゃないですか!!」
「いや、里沙ちゃんは干渉し過ぎると嫌がるから…それに、あさ美ちゃんが泣くのってけっこう珍しいし…。」
あさ美ちゃんが泣いてる。
自分でそう言った言葉に、なんだか…すごく胸が痛くなる。
「・・・・・・行かなきゃ。」
「何で!?」
「・・・・・・だって…!!」
そうだ。結論が出た。
「…涙ってのは、溜めておくよりも出しちゃった方が楽だって…わかってるけど…。
それでも私、あさ美ちゃんが泣いてるのは嫌だから。」
「・・・・・・私が泣くのは?」
「・・・・・・ごめん。」
私は田中に背中を向けた。
「なんか…さ。あさ美ちゃんは…放っておけないんだ…。」
「小川さん…。」
田中ちゃんを振り切って、私はあさ美ちゃんを追って部屋を出た。
- 32 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:10
-
さーて、どこ行ったんだか…。
大抵の所は探したんだけど、みつからなかった。
「…どこだろどこだろ、どこでしょね〜…。」
ヤケクソ気味に口ずさみながら、物置みたいな部屋に入った。
ここにいるとは思わないけど…ちょっと、休憩。
「…ったくぅ。」
頭をかく。何なんだよ、コレは。
胸が痛いような、痒いような。こうやって休んでるのももどかしい。すぐにでも走り出したい気分。
…だけど、ずっとここでボーっとしてたいような。
ワケわからん…。
「ふぅっ。」
私は立ち上がり、こきこきと首を鳴らした。
早く見つけ出さなきゃ、お仕事にも影響が出るだろうし。
と、その時。
がさ。
「え!?」
ゴキブリか!?ネズミか!?それとも幽霊!!?
そう思って、音のした方を見てみれば…そこにいたのはあさ美ちゃん。
「あ、あさ美ちゃん!!」
急いで駆け寄るけど、あさ美ちゃんはまた走り出そうとしてるみたい。
- 33 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:11
- …ヤバい。走られたら負ける。こう見えて、意外とあさ美ちゃんって足速いから…。
「待って!!」
思わず腕をつかんで、言った。
「な、なんで逃げるの!?」
「まこっちゃんこそ…なんで追いかけて来るの…?」
「いや…だって…。」
泣いてると思って。
正直にそう言おうと思ったけど、なんかすごく恥ずかしいんでやめた。
「田中ちゃんと、仲良くしてれば良いじゃん…。」
細くて高い声でそういわれて…なんかすごく傷付く。・・・・・・なんで?
「べ、別に…仲良しだけど、そんな親密な関係じゃないし。」
「でも、気持ちを受け取ったんでしょ?」
「…なんてゆーか…こ、断って来た。…のかな?」
「何それ…。」
顔を逸らしたままのあさ美ちゃんに、やりきれないモノを感じる。
・・・・・・ここまで来ると、流石の私も気付きますよ。ええ、そりゃーもう。
「・・・・・・私さぁ、あさ美ちゃんが好きだ。」
あさ美ちゃんの身体が、びくんと震えた。
「多分…けっこー前から好きだったと思う。」
「・・・・・・。」
「だから…その、泣いて欲しくないし…なんてゆーか…。」
- 34 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:11
- しどろもどろになってしまった。…カッコ悪。
「…あーっ!!と、とにかくぅ!!私は、あさ美ちゃんが好きだからッ!!」
「・・・・・・。」
我ながら、何が『とにかく』なんだか…。
そう思ってると、あさ美ちゃんが…涙に濡れた顔をこちらに向けた。
「・・・・・・もん…。」
「え?」
細くて響かない小さな声の為、聞き取れなかった。なので聞き返すと…あさ美ちゃんは睨み付けて来る。
「だからぁ!!わたしの方が先だもん!!」
「へ?」
「わたしは前からずっと、まこっちゃんが好きなんだもん!!!」
「・・・・・・。」
あんぐりと口を開ける以外に、私は何もできなかった…。
そんな私に、あさ美ちゃんが抱き付く。
「鈍感だよね。まこっちゃんって…。」
「・・・・・・いや、だってそんな…ぜ、全然そんな事…見せなかったじゃん。」
- 35 名前:2 投稿日:2003/09/21(日) 21:11
- 「見せてたよ。まこっちゃんが気付かなかっただけだよ。」
恐る恐る、抱き返してみる。
華奢な肩に、心臓が更に跳ねた。
「…まこっちゃんの心臓、すっごくドキドキ言ってる。」
「そりゃー…で、でも、あさ美ちゃんこそ…。」
そのまま、私達は…お互い、生まれて初めてのキスを交わした。
初恋に気付いたその日に初キスとは…我ながら、ちょっとスピード速過ぎるかとも思うけど。
だけど、恋の切なさと両思いの幸せとキスの気持ち良さを、同時に知れたなんて…ちょっと得した気分♪
「…あのさ。」
「ん?」
「…大切にするから。」
「・・・・・・うんっ!!」
- 36 名前:神輿 投稿日:2003/09/21(日) 21:15
-
エンドマークつけるの忘れちゃった(汗)
次回は>>25名無し読者様のリクエストのごまたかでっす!!
>OGAフリーク様
いかがでしたかー?喜んで頂けたら何よりです!!
>>>25名無し読者様
了解しました!次回の『3』はごまたかを書かせて頂きます!!
>>>26名無し読者様
了解しました!『4』はよしやすを書かせて頂きます!!
- 37 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/22(月) 02:20
- >1
ごとーさんの相手って誰だったんだろう。
ところで、リクってまだ受け付けてるんでしょうか?
良かったら、小高をおながいしたいんですが。
- 38 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/22(月) 18:32
- リクしてもいいでしょうか?
圭圭(圭織×圭)をお願いしたいのですが・・・・だめでしょうか?
- 39 名前:神輿 投稿日:2003/09/25(木) 13:11
- 今回は>>25名無し読者様のリクエストの『ごまたか』です!!
更新遅くて申し訳ない…(汗)
- 40 名前:3 投稿日:2003/09/25(木) 13:11
- このDVDを見ると、いつもとっても機嫌が悪くなる。
圭ちゃん卒業の時のDVDだ。
…内容はもう、前から知ってた。後藤は見に行けなかったんだけど、インターネットとかでも話題になってたし。
緊急特別雑誌、みたいなのも出てたし。それ買ったし。
本当はDVDもその雑誌も買う気なかった。
…それなのに圭ちゃんがさぁ。
『感動モノよ!泣けるわよ!!見てちょ−だい!つーか見ろ!!』とか言って無理矢理押し付けて来るからさぁ。
「・・・・・・。」
まぁ、後藤としても愛しいあの子が出てるDVDだから、捨てたりはしない。埋もれさせるのも可哀想。
ってなワケで、今日も一ヶ月ぶりにそのDVD見てるんだけど。
「・・・・・・。」
ああ、やっぱり腹が立つ。どうしようもなくイラつく。
…確かに感動的。確かに永久保存版レベルの内容。
だけどさ。
高橋、泣き過ぎじゃない?
何度見ても思う。何度見ても腹が立つ。
後藤の時も泣いてくれたけどさぁ。…あんなには泣いてくれなかったじゃんか。
- 41 名前:3 投稿日:2003/09/25(木) 13:12
- 「んあぁ…。」
DVDを止めて、ベッドにごろりと横になる。胸がむかむかして来た。
…こんなにムカつくんなら、見なきゃ良いんだろうけど。
だけど…なんだか、定期的に見てしまう。
「・・・・・・高橋ィ。」
愛しいその名を呟いてから目を閉じ、記憶の海に意識を投げる。
最初は、『何言ってるんだかわかんない子だなぁ』としか思わなかった。
…それが今や、テレビの中の彼女を見るだけでもときめくくらいハマってんだもんなぁ。
本当、人生って何がどうなるかわからないモンだね。
気になり始めて、好きだって自覚して、告られて。
付き合い始めて、不安になって、嫉妬して。
ソロになって、高橋といられる時間が少なくなったせいだろうなぁ。こんなに不安なのは。
娘。だった頃は、高橋が誰とどれだけくっついてても気にならなかった。
自信があったから。高橋の恋人は後藤なんだー!って。
目に見える範囲に高橋がいたから。高橋が絶えず、誰といても視線をくれたから。
『後藤さん、大好きです』って、そう感じさせてくれたから。
- 42 名前:3 投稿日:2003/09/25(木) 13:12
- 「・・・・・・あああああっ!!」
叫んで起き上がると、携帯を掴んだ。
勢いに乗ってメモリーから高橋の番号を呼び出す。
そうだそうだ。ごちゃごちゃ細かい事を考えるのなんて、後藤には無理なんだ。
シンプル・イズ・ベスト!ストレート・イズ・ベスト!!
『…もしもしっ!!後藤さんですか!?』
飛びつくように出た高橋に、後藤は思わず笑みをこぼしてしまった。
「んあ、そうだよ〜。…高橋、今どこにいんの?」
『え?あ、あ〜…まだ、スタジオです。』
「まだ仕事終わってないの?」
『はい。もうすぐ終わりそうなんですけどぉ…。』
電話の向こう側で、かおりんが『休憩終了まであと五分ー!!』と言ってるのが聞こえた。
『あっ…あの、またかけ直します!!』
「んあ、いいよ。…切る前に一つだけ答えて。」
『え?』
ぽかーんとした顔してんだろうなぁ。想像するだけでも、愛しさが込みあがって来る。
「…高橋は、後藤の事…付き合い始めた頃と同じくらい好きでいてくれてる?」
『え?』
- 43 名前:3 投稿日:2003/09/25(木) 13:13
- ちょっと沈黙した後、高橋はぽつりと言った。
『…変わらず、では…ないです。』
「・・・・・・。そ、そっか。」
ちょっと傷ついたなー…。やっぱ、付き合って一年以上も経つと、気持ちも変わるのかな。
そんな事を考えた後藤に、高橋は震える声で続ける。
『・・・・・・付き合い始める前よりも、付き合い始めた頃よりも…
今の方が、ずっとずっとずぅぅぅぅっと…後藤さんの事、愛してます。』
独特のイントネーション。だけど、普段はほとんど聞く事のできない…熱っぽくかすれた声。
緊張の為か、それとも照れの為か・・・・・・ちょっと震えてる声。
『…あ、も、もう切らなきゃ…それじゃ、また後でかけ直します。』
「高橋。」
『は、はいっ?』
駄目だなぁ、高橋。
あんな可愛い事言われて…電話で済むわけないじゃん?
- 44 名前:3 投稿日:2003/09/25(木) 13:13
- 「仕事終わったら、後藤じゃなくてお家に電話して。『今夜は後藤さんの家に泊まります』って。」
『え…っ!?』
「今日、家に後藤しかいないんだよね。迎えに行くから。…ねえ、高橋。」
きっと電話を握り締めて、真っ赤になっているであろう彼女に言った。
「今夜は…後藤だけの高橋になってよ。駄目?」
『・・・・・・行きます。だけど、後藤さん?』
愛しい彼女は、最高に色っぽい声で言った。
『…高橋は、いつだって…後藤さんだけの高橋ですよ?』
その言葉を最後に、電話は切られた。まるで逃げるように。
「…ずっるい、高橋!」
後藤の返事も聞かないで切るなんて!!
「・・・・・・今夜は、覚悟してろよ?」
そう呟いて、後藤は家を出たのだった。
愛しい彼女を迎えに行く為に。
愛しい彼女に、返事をする為に。
おわり
- 45 名前:神輿 投稿日:2003/09/25(木) 13:18
-
ごまたか、いかがでしたでしょうか?
次回は>>26名無し読者様のリクエストの『よしやす』です。
更新遅くて申し訳ないのですが、リクエスト頂いたものは時間かかっても書きますので、どうぞよろしくお願いします!
>>>37名無し読者様
なっちです(w
決めていたのですが、出せなくて…おかげで出しました!ありがとうございます!!
リクエスト、了解いたしました!『5』はおがたかを書かせて頂きます。
>>>38名無し読者様
了解しました。『6』はかおけいを書かせて頂きます。
- 46 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/25(木) 15:05
- かなりマイナーなのですが
『松浦×高橋』お願いします。
- 47 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/25(木) 21:28
- どのお話も面白いです。
あの,リクエストいいですか?
後藤の誕生日が23日にあったので,ごまやすなんてお願いできないでしょうか。
・・・・・別に誕生日の話でなくていいのですが,もしよかったら誕生日の話を書いてはくれないでしょうか,お願いします。
- 48 名前:ティモ 投稿日:2003/09/25(木) 22:49
- うわ〜いごまたかかなり最高でした!!
高橋かわいすぎる!リク者じゃないですがごまたかファンとして大満足です☆
もしよろしかったら、自分が最近はまってる田亀をお願いしますぅぅ!
- 49 名前:神輿 投稿日:2003/09/26(金) 10:25
- 今回は、>>26名無し読者様のリクエストの『よしやす』です。
- 50 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:26
- 吉澤ひとみ、十八歳。高校三年生。
あたしは今、圭ちゃんと言う大大大大好きな人を試す為に、公園のブランコに座っている。
圭ちゃんって言うのは、あたしの恋人。
幼馴染で、最初は『なんて怖い人だろう』って思ってた。
だけど…遊んでもらってる内に、その優しさにも気付いたんだ。
それに気付いちゃってからはもう、駄目。あたし、全然駄目だった。
惚れちゃって惚れちゃって。ずーっとあたし、『圭ちゃんのお嫁さんになる!』って決心して、今まで生きて来たんだ。
あんなステキな人をゲットしないなんて、ありえない。
優しくて厳しくて愛情深くて。
だけどたまにちょっと弱い所もあって。
…つまり、最高なワケよ。あたしの圭ちゃんは。
でも、付き合い始めたのは本当に最近の事なんだよねー。最近まであたしが『好き』って言うの、冗談だと思ってやがってさ。
- 51 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:26
- 冗談じゃねーっつの。だから、思いっきり唇奪ってやったんだ。
そしたらあたしの想いの深さを実感してくれたみたいで。
『付き合って!』って言ったら、『・・・・・・別に、良いけど』って返事してくれて。
それで、ラブラブになったんですよー!!いいでしょー!?
圭ちゃんはねー、すっごく優しい。手をつなぐ時も抱きしめてくれる時も、キスする時だって優しい。
「…圭ちゃん、遅いなぁ〜。」
ブランコをキコキコとこぎながら、ため息を吐く。
「…大丈夫だよ。圭ちゃんは必ず来てくれる。」
自分を勇気付けるように、そう言ってみる。
…そんな優しい圭ちゃんを、なんで試してるかと言うと。
事の起こりは二日前。
朝、圭ちゃんが一人暮らししてるマンションに乗り込んだ。これはあたしの日課。
駅まででも、一緒に行きたいじゃん?恋する乙女としては。
だけどその日に限って圭ちゃんは、寝坊してた。珍しい事もあるモンだ。
いつも圭ちゃんは、あたしが行くまでに支度を整えてるのに。
- 52 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:26
- だけど、そんなウッカリ圭ちゃんも可愛いっ!と思って、あたしは起こしにかかった。
やっぱり、旦那様を起こすのは妻の役目でしょ?
そしたら圭ちゃん、起こしにかかったあたしにこう言ったんだよ。
『…待って、イシカワ。今起きるから…。今度は何を…』
…固まったね。てゆーか、普通固まるでしょ。
で、固まってるあたしの背後で電話が鳴り始めて…圭ちゃんはその音で目覚めて。
…だけど、自分が口走った事は全然覚えてないみたいで。
・・・・・・怖くて、その場では聞けなかった。『イシカワって誰?』って。
だって圭ちゃんは、嘘吐けないから。
もしもうろたえたりされたら…どうして良いのかわからないから。
一昨日は一日中悶々としてて、昨日は葛藤した。問い詰めるべきか、聞かなかった事にするべきか。
だけど…やっぱりあたしはまだコドモで。
圭ちゃんに、キス以上の事はしてもらえないコドモで。
今日…てゆーかさっき、圭ちゃんの家でまったりしてる時に訊いちゃったんだよね。
そしたら…圭ちゃん、マトモにキョドってて。
訊くんじゃなかった、って、すっごい後悔した。
- 53 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:27
- んで・・・・・・あたし、キレちゃってさ。
『この、浮気者ー!!』って叫んで…飛び出して来ちゃったんだよね。
それで、この公園に来たってワケさ。…我ながら、青春してるなぁ。いや、ラブコメ?
…だけど、冷静になってよーく考えて見れば…もしかしたらあたしの方が『浮気』かも知れないんだよね。
だって、そうじゃない?付き合い始めてけっこー経つのに、キス以上の事しようとしないなんてさ。
デート中に携帯の電源切ってる、なんて事はないけど。…よく仕事の電話は来るなぁ、とは思うし。
あたしはふと顔を上げた。
この公園…二人の思い出の場所。
小さい頃からここでよく遊んだし、あたしが告って圭ちゃんにキスしたのもここだった。
「・・・・・・追いかけて来てくれてるとも限らないし。」
あたしらしくもなく、弱気になって来た。
だって、なんか寒いし。日が暮れて来て、だんだん暗くなって行くし。人気もどんどんなくなって行くし。
…駄目だ。泣いたら。カッコ悪いじゃん。
やっぱり圭ちゃんは、大人だからなぁ。
- 54 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:27
- あたしみたいなコドモは、釣り合わないかなぁ。
涙も自分で止められないようなコドモなあたしは、圭ちゃんに相応しくないのかなぁ。
・・・・・・そうだ、旅に出よう。
高校なんぞやめて、パスポート取ってどっか…アメリカかなんかに渡って。
そして徒歩で大陸横断とかしてみようかね。
バイクとかヒッチハイクだったら聞いた事あるけど、徒歩のみっつーのは世界初じゃない?
そうしたらしばらくは日本に帰って来なくても良いワケだし。
そうだそうだ。そうしよう。
そう決意しかけたあたしの目に、圭ちゃんの姿が見えた。
「吉澤!!」
・・・・・・一瞬、幻かと思ったよ。
「圭ちゃん…?」
「や、やっぱり…、ここだったのね…。」
あたしの前まで来て、圭ちゃんは膝に手をついて呼吸を整える。
- 55 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:28
- 「…もう!!いきなり飛び出して、アタシがどんだけ心配したか…!!!」
「だって、そもそもは圭ちゃんがいけないんじゃん!!…二股かけたりするから!!」
「だから、かけてないって言ってるでしょーがッ!!」
「嘘だ!!圭ちゃん、嘘吐いてる!!」
ああ、どうしよう。
徒歩のみで大陸横断の決意が揺らぎ始めてる。てゆーか確実に崩れ落ちてる。
…駄目だ。やっぱりあたし、圭ちゃんが好き過ぎて…きっと一歩も歩けない。
「嘘じゃないってば!!…石川ってのは、会社の後輩よ。アタシが教育係してるの。」
「・・・・・・どんな子?」
「ドジでネガティブで空回りしまくる子でね。…目が離せないのよ。
で、いっつも会社で仮眠取ってたりすると、ミスした石川が泣きながら起こしに来るの。」
「・・・・・・顔は?」
「ん?んー。可愛いんじゃない?会社の男どもの間では大人気で…」
…ようやく圭ちゃんは、あたしがニラみつけてるのに気付く。
「…いや、その。別にアタシはどうも思ってないからさ。」
- 56 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:28
- 「圭ちゃんがどうも思ってなくても…そのイシカワさんがどう思ってるかわかんないじゃん!!
駄目だよ圭ちゃん、あたし以外の人にそんなに優しくしたら!!みんな惚れちゃうよ!!!」
「・・・・・・あのねぇ。」
圭ちゃんは呆れたように肩を落として、言った。
「アタシの恋人になりたいなんて物好き、アンタくらいだって。」
「物好きって…。何かすごい自虐的なようで実は超けなされてるような感じがするんだけど…。だ、だけど!!」
「それにね。アタシの気持ちはどうなるの?」
「・・・・・・。」
顔が赤くなる。
「…アタシは、吉澤だけが好きなんだけど。その気持ちはどうなるのかしら?」
「・・・・・・でも圭ちゃん、押しに弱いじゃん。」
圭ちゃんは、そっとあたしの顔に触れた。
「…押しに弱いのは、アンタにだけよ。」
「え?」
「…何とも思ってない相手にどれだけ言い寄られたって、ウザいだけでしょ?」
「・・・・・・うん。」
「アタシだってずっと、アンタが好きだった。…言わなかったっけ?」
「…言われた、けどさ…。」
- 57 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:28
- なんだか、夢の中の出来事みたいで。…信じられなくて。
もしかして雰囲気的に言わなきゃいけないよーな感じだったから、口からポロっと出ちゃったホラではないうかと。
圭ちゃんは、あたしのおでこにキスしてくれた。
「まったく。男前が台無しよ?」
「…圭ちゃんの前では、乙女でいるって決めてるんだもん。」
「それは嬉しいわね。」
釈然としないまま、あたしは圭ちゃんをじっと見つめた。
キスしてほしいな。
口には出さない。でも、伝わって欲しい。
…通じたら、きっと…信じられるから。
「ん?何?」
- 58 名前:4 投稿日:2003/09/26(金) 10:29
- 「・・・・・・。」
しばらく見詰め合った後…圭ちゃんはくすっと笑った。
「わかったわ。」
唇が、重なる。
…ああ、圭ちゃん。わかってくれたんだね。
・・・・・・そうだそうだ。わかったわかった。
昔から圭ちゃん、どれだけ忙しくてもあたしの相手はしてくれたよね。
…で、あたしは圭ちゃんがあたしを特別に扱ってくれてるのが嬉しくて。
なーんだ。今も全然変わってないだけなんじゃん。
そうだ、唇が離れたら言ってみよう。
『今夜、あなたのモノにして下さい』って。
…圭ちゃん、どんな顔をするかなぁ。
すっごく楽しみだ♪
おわり
- 59 名前:神輿 投稿日:2003/09/26(金) 10:29
-
連日更新〜♪よしやす、いかがでしたでしょうか?
次回は>>37名無し読者様のリクエストの『おがたか』です!
>>>46名無し読者様
了解しました。『7』は松浦×高橋を書かせて頂きます!
>>>47名無し読者様
ありがとうございます!!すっごく嬉しいです!!がんばりますね〜♪
了解しました。『8』はごまやす(誕生日ネタ)を書かせて頂きます。
ちょっと誕生日から遠ざかってしまうかもですが…頑張りますので!!
>ティモ様
ありがとうございます!!喜んで頂けたようで、すごく嬉しいです!!
高橋さん、可愛くなってましたか♪よかった〜。
了解しました。『9』は田亀を書かせて頂きます。
- 60 名前:Y 投稿日:2003/09/26(金) 16:59
- いしよしのお話好きです♪
すみませんが、リクエスト良いですか?
「いしたか」お願いします。
- 61 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/26(金) 17:21
- よしやすリクエストしたものです。
吉澤が浮気と勘違いをして疑った相手が石川だったのが笑えました。
で,リクエストがいっぱいなので無理でしたかいいのですが,UKを書いてくださると嬉しいです。
- 62 名前:龍虎王と虎龍王 投稿日:2003/09/26(金) 19:58
- はじめまして.
流行って欲しいのと読みたいという気持ちをこめて
「やすおが(保田×小川)」をリクお願いします.
- 63 名前:虎 投稿日:2003/09/27(土) 23:53
- 初です。
リクしていいっすか?
やぐよしか、なちよしお願いします!!
- 64 名前:神輿 投稿日:2003/09/30(火) 14:35
- 今回は>>37名無し読者様のリクエストの『おがたか』です!!
- 65 名前:5 投稿日:2003/09/30(火) 14:36
- 喧嘩した。
原因は、本当に些細な事。
本当に大した事ない事。
『目玉焼きには、ソースか醤油か』から始まって、『かぼちゃとじゃがいも、どっちが美味しいか』に続いて、
最後は『宝塚は、宙組か花組か』に終わった。
そんな些細な事。
笑いながら話したって、全然かまわなかったような事。
だけど、喧嘩になっちゃった。
そうなっちゃったのはきっと、お互いすっごく欲張りだから。
何でも同じように感じて欲しいって…お互い、そう思っちゃったから。
だから、些細な事にすっごく腹が立った。
一歩たりとも譲れなかった。
- 66 名前:5 投稿日:2003/09/30(火) 14:36
- 雨に濡れてびしょびしょになった身体を、家の玄関に滑り込ませる。
傘は持ってた。お気に入りの、折り畳み傘。
だけど、開きたくなかったからカバンから出さなかった。
だってあの傘は、麻琴が褒めてくれた傘だから。
『可愛いね。愛ちゃんにぴったり。』
そう言った麻琴の顔が、鮮明に思い出せる傘だから。
…それだからこそ、大好きな傘だから。
思い出したら、駄目。そのまま麻琴に電話して、謝りたくなっちゃう。そんなの駄目。
思い出したら、駄目。意地張って麻琴に電話して、更に喧嘩売っちゃうかも。そんなの駄目。
「…矛盾してる。」
そんなの自分でもわかってる。
謝りたい。仲直りしたくない。でも、謝りたくない。…仲直りなんて…。
雨に濡れて、冷たくなった頬に…暖かい涙が流れた。
その暖かさが、私の心に『涙が流れてるんだぞー』ってリアルに教えてくれる。
「ごめんなさいぃっ!!」
しゃくりあげながら、私はそればっかりを繰り返す。
そうだよなぁ。そうなんだよなぁ。
本当は謝りたくてしょうがないんだよなぁ。
- 67 名前:5 投稿日:2003/09/30(火) 14:36
- 抱きしめてもらいたくて、また微笑んでもらいたくてしょうがないんだよなぁ。
ドラマだったら、ここで麻琴が追いかけて来てくれて。
お互い謝りあって、ハッピーエンドになるんだろうね。
「麻琴ぉ!」
だけど現実は、ドラマみたいにはならなくて。
そうそう私の都合の良い方には流れなくって。
私はただただ、ずぶ濡れのまま泣き続けるだけ。
あと十分、待ってみよう。もしかしたら麻琴が追いかけて来てくれるかも知れない。
あと二十分、待ってみよう。もしかしたら麻琴から電話が来るかも知れない。
あと三十分、待ってみよう。もしかしたら麻琴からメールが来るかも知れない。
来ない彼女を待ちながら、私は泣き続けた。
- 68 名前:5 投稿日:2003/09/30(火) 14:37
-
どれくらいそんな事をしてたんやろ。
「…やっぱ、現実は厳しいわぁ。」
重いまぶたを無理矢理大きく開いて見せて、重くなった胸の中から大きなため息を出して。
そんな事をしてたら、ふと気付いた。
そうだ、私の方がお姉さんやった。
「・・・・・・。」
そう考えたらおかしくなった。
そーやそーや。
麻琴ってかなーりかっこつけだから忘れてたけど、年下で実はすごい甘えん坊なんだった。
だからこそ、あんな些細な事で喧嘩しちゃったりしたんやった。
「・・・・・・。」
ぎゅっと握り締めて、熱くなった携帯を開く。
もしかしたら、私からの電話を待ってるかも知れない。
私みたいに泣きじゃくりながら。私みたいにいじいじしながら。
『なんでかけてくれないの!?』って怒ってるかも。
- 69 名前:5 投稿日:2003/09/30(火) 14:37
- …そうやった、そうやった。
私は、麻琴の番号を呼び出して…かけてみる。
『…もしもし!!?』
ワンコールもしない内に、麻琴が出た。
…やっぱり、まってたんやね。さっきまでの私みたいに。
「…本当に、もう!」
『あ、愛ちゃん!!ごめんね、ごめんね!!』
麻琴の泣き声を聞きながら…私は、笑ってしまった。
「まったく、麻琴!本当だったら麻琴がかけて来るべきなんやよ?」
『だ、だって…!!出てくれなかったらどうしようって…思って、か、かけられなくて…!!』
しゃくりあげてる麻琴の声。
…まったく、可愛いったらありゃしない。
「…麻琴?」
『うん…?』
- 70 名前:5 投稿日:2003/09/30(火) 14:37
- 「目玉焼きはソースでも醤油でも、どっちでも良いよね?」
『うん。』
「かぼちゃもじゃがいもも、どっちも美味しいよね?」
『…うん。』
「宙組も花組も、どっちも良いよね?」
『うんっ!!』
「・・・・・・それじゃ、喧嘩する原因がなくなったよね?」
『…うん!!!』
そしてその後、しばらく笑い合った。
甘い会話なんかしてない。気持ちを確かめ合ったワケでもない。
だけど、すごく『繋がった』って実感できた。
「…っくしゅ!!」
『愛ちゃん?』
「ズブ濡れのままじっとしてたから、寒くなって来ちゃった。…お風呂入って来るわ。」
『えぇっ!?』
電話の向こうで、麻琴がおろおろしてるのがわかる。
- 71 名前:5 投稿日:2003/09/30(火) 14:37
- 「…あの、麻琴?」
『う、うん!!』
「…今から、きっかり一時間半…お風呂に入ってるから。」
『うん。』
顔が熱くなって来た。だけどこれは風邪じゃない。
「・・・・・・ウチに、来て。」
『えぇっ!!?』
「私がお風呂出た時には、ウチにいて。」
『・・・・・・。』
麻琴はちょっと黙った後、小さく言った。
『…わかった。すぐ行く。』
たったそれだけ。たったそれだけの言葉で、死ぬほど幸せになってしまった。
「ぜ、絶対やよ?いなかったら、怒るからね!?」
『わかったよ!ちょっぱやで行くから!!』
私は電話を切って、お風呂場に向かった。
…お風呂から出たら、麻琴がいる。
冷たくなった身体の、胸と身体だけがすっごく熱くなった。
おわり
- 72 名前:神輿 投稿日:2003/09/30(火) 14:38
-
おがたか、いかがでしたか〜?
ああ、もう!!更新遅くて、本当にすみません!!
リクエスト溜まりまくりだし、頑張らなくては…。
次回は>>38名無し読者様のリクエストの『かおけい』です!!
>Y様
ありがとうございます!!
了解しました。『10』はいしたかを書かせて頂きます。
>>>61名無し読者様
ありがとうございます!!笑って頂けてよかったです。
了解しました。『11』はUKを書かせて頂きます。
>龍虎王と虎龍王様
はじめまして!
了解しました。『12』はやすおがを書かせて頂きます。
>虎様
はじめまして!!
了解しました。『13』はやぐよしを書かせて頂きます。
- 73 名前:OGAフリーク 投稿日:2003/09/30(火) 15:30
- サイコーデス!!!
オガ絡みでさらにさらにお願いしMAX!!!
- 74 名前:37 投稿日:2003/09/30(火) 21:03
- 小高キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
ホントありがとうございます。
お姉さんな川’ー’川さん(・∀・)イイ!!
そして入浴後の小高が激しく気になります(*´д`*)
ケンカの後の(ry
- 75 名前:リエット 投稿日:2003/09/30(火) 22:54
- 更新お疲れ様です。
この話を読んで思わず、小川さん可愛いなぁ、と思ってしまいました。
次回作もがんばってください。
- 76 名前:神輿 投稿日:2003/10/02(木) 10:37
- 今回は>>38名無し読者様のリクエストの『かおけい』です。
- 77 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:37
- 圭ちゃんは、優しい。
「…あ。圭織、もうそろそろ出かける時間でしょ?」
「んん〜…あと五分〜…。」
そんな事言ってるけど、カオリは別に寝てるワケじゃない。
完璧に起きてるし、洋服だって着替えてるし、お化粧だって口紅以外は終わってる。
ただ、圭ちゃんとイチャついてるだけ。
「…もうちょっと、抱きしめててよ。キスしてよ。」
「・・・・・・あのねぇ、圭織。あんた今日、十時に集合なんでしょ?
リーダーだから、十五分前には着いてなきゃなんでしょ?
…その為に、七時に目覚ましセットしたんでしょ?」
「わかってるけど…。」
ベッドの上で、まだパジャマ姿の圭ちゃんにぎゅっと抱きつく。
「…もうちょっとだけ。あと五分だけ、イチャイチャさせてよ。…そうしたらカオリ、また今日も一日頑張れるから。」
「・・・・・・仕方ないわね。」
苦笑してから、優しい圭ちゃんはカオリにキスをしてくれた。
- 78 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:37
- …優し過ぎる。
圭ちゃん、優し過ぎるんだよ。
キスも、抱きしめる腕も、その心も、全部。
だからカオリは…圭ちゃんと一緒にいる分だけ不安になっちゃうんだよ。
もっと激しくても良いんじゃない?
…恋愛感情って、もっと激しいモノなんじゃないの?
カオリ、知ってる。
・・・・・・石川と付き合ってた時は、圭ちゃんってもっと激しい人だったよね。
「…圭織?どしたの?」
「なんでもない。」
昔、見てしまった光景。
まだ誰も帰って来てなかった楽屋で、キスしてた圭ちゃんと石川。
カオリは、その激しさに…声も出なかったんだよ。
本当は邪魔したかったのに。手も声も出せなかった。
…圭ちゃん。実はね、カオリはね。
「…だから、どしたの?」
「・・・・・・なんでもない。」
石川が入って来る前からずっと、圭ちゃんが好きだったんだよ。
- 79 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:38
-
圭ちゃんと石川が別れる原因となったのは、やっぱりよっすぃーだった。
よっすぃーの猛烈アタックに、最初は『わたしには圭ちゃんがいるの!』とか言ってた石川もまいっちゃったみたいで。
圭ちゃんは笑ってたけど、実はすごくヘコんでたんだって…圭織は知ってる。
「おはようございまーす♪」
とってもタイムリーに、石川の声が聞こえて来た。
「飯田さんっ!おはようございまーっす♪」
「あ、ああ…おはよう石川。」
どうしよう。なんだか今、すごく石川の顔が見たくない。
違う。今の石川は、違う。カオリが見たくないのは…昔の石川。
「…やっぱり飯田さん、元気ないみたいですね?」
「え?いや、そんな事ないよ。…『やっぱり』?」
その言葉にひっかかって、問い返してみる。すると石川は困り顔で携帯を指差した。
「さっき、保田さんからメール来たんですよ。『カオリ今日元気ないみたいで心配だから、よく見といてあげて』って。」
「・・・・・・け、圭ちゃんが。」
「はい♪まかされちゃったんで、石川全力で頑張ります!!」
- 80 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:38
- 「・・・・・・べ、別にいらないけど。」
「いやーん!そんな事言わないで下さいよぅー!」
何故かその辺にあったハリセンで、石川の頭をぽこっと叩く。
うふふふふ。
石川に頼むなんて。
圭ちゃん。
あんたって人は。
「・・・・・・なんもわかってないんじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃ、きゃー!?どしたんですか、飯田さん!!?」
「やかましいっ!!」
ぽこぽこ石川を叩き続けながら、思った。
・・・・・・苦しいなぁ。
両思いのはずなのに、まるで片思いみたいじゃん。こんなの。
- 81 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:38
-
「…そうか。そうだよね。」
ソファーでくつろいでる時に、いきなりそう言い放ったカオリに、圭ちゃんは驚いた顔を見せる。
「な、何が?」
「いや、だから。カオリわかったの。」
頭の中で整理がついた。
てゆーか、無理矢理つけたってゆーか。
…だって今日のお仕事、けっこーボロボロだったんだもん。
いけないよね。リーダーがこんなんじゃ。
「だからね、わかっちゃった。やっぱりさ、はっきりさせなきゃ。」
「え?」
「なんてゆーの?…そう。
お湯は置いとくと冷めて超冷たくなるけど、お水はだんだんぬる〜くなって行くんだよ。」
「・・・・・・は?」
圭ちゃんはぽかーんとして、カオリの顔を見る。
…む。これは『さっぱりわからん』って意味だな。
「だからぁ、お湯って冷めると超冷たくなるでしょ?だけどお水はぬるくなって行くじゃん。」
「・・・・・・ごめん圭織。サッパリわからん。」
「なんで!?」
これ以上わかりやすい例えはないってくらい、適切な例えなのに!!
- 82 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:39
- 「…圭織?なんかちょっと変よ?」
「へ、変って何さ!!」
胸のなかに、嫌な感じの熱い塊が生まれる。
どうしよう。暴走し始めたら止まらなくなっちゃいそう。…落ち着け、カオリ。
「・・・・・・カオリ、どうしたのよ?ここん所、ちょっと不安定よ?」
「だ、誰のせいだと…ッ!!」
自分で言ってから気づいた。
そうだ。圭ちゃんと石川のキスを目撃しちゃったのって、二年前のこの時期だった。
それで、無意識の内に敏感になってるのかも知れない。
「・・・・・・圭ちゃんが。」
「え?」
「カオリが変なのは、圭ちゃんのせいだよ。」
「え!?」
「圭ちゃんが、優し過ぎるせいだよ。」
不安と怒りが、涙になってぼろぼろこぼれて来る。
どうしよう。明日もお仕事あるのに。
「…圭ちゃんが優しいから、いけないんだよ。」
- 83 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:39
- 「や、優しいのの何がいけないの!?」
「・・・・・・知ってるもん。カオリは…圭ちゃんが実はすっごく暑苦しい人だって…。」
「…け、けなしてる?ほめてる?」
「だから…こんなに優しいはずないんだもん!!本当にカオリの事好きなら、こんなに優しいはず…!!!」
そこでカオリははっと我に返る。
…カオリ、何て事を…っ!!
「・・・・・・何だってぇ?」
圭ちゃんを見ると…やっぱり、呆れ顔をしてた。
こうなったらもう、観念するしかない。
カオリは床にヘナヘナと座り込んだ。
「…カオリ、知ってるよ。石川とのキスは、そんなに優しくなかったでしょ?」
「はぁ!?」
「・・・・・・知ってるんだもん。」
ずっと見てたから。
圭ちゃんがどのタイミングで石川に惚れて、どのタイミングで両思いになって、どのタイミングで付き合い出したか、も。
どのくらい石川を愛してて、どのくらい石川に愛されてて、どのくらい周囲が見えてなかったか、も。
- 84 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:40
- 「・・・・・・だって、ずっと見てたんだもん。ずーっと、ずーっと…。」
「か、カオリ?」
「ずーっと、大好きなんだもん。きっと…もう、何年も前から。」
「…カオリ…?」
フローリングの床に、涙の水溜りができてる。
…ああ、もうそんなに泣いてたのか。
「…両思いになれて、付き合い始めて…カオリ、そうなれればどんなに幸せかってずっと思ってた。
だけど実際そうなってみたら…圭ちゃんは、カオリをすっごく不安にさせる。」
「何で!?…石川とはもう完全に終わってるって、圭織だってわかってるでしょ?」
「だけど!!…圭ちゃん、石川の時ほどカオリを愛してくれてないでしょ!?」
「な…っ!?」
涙でにじんで、圭ちゃんの顔が見えない。
「大好きなんだもん。ずっと見てたんだもん。…それくらいわかるよ…。」
「わかってないわよ。」
・・・・・・。
即答されてしまった。
「わ、わかってるよ!!」
「いーや、わかってないわ。あんた。」
圭ちゃんは深いため息を吐く。
- 85 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:40
- 「まったく…勘違いでそんな沈んでるんだったら早く言ってよ。」
「か、勘違い!?」
「そうよ。」
圭ちゃんの手が、カオリの頬に触れる。
「…どう触れて良いのかわからなくて困ったなんて、初めてだったわ。」
「は?」
「…圭織は繊細で、すぐに壊れちゃいそうで。…乱暴に扱えないけど、どうしても触りたいなんて。」
だんだん、圭ちゃんの顔が近付いて来る。
どきどきどきどき、心臓がうるさい。
「激しくなんてしたら、壊れちゃうかも知れない。嫌われちゃうかも知れない。
そう思ったら、優しくしかできないでしょ?」
「・・・・・・圭ちゃん…。」
涙の通り道を、圭ちゃんの唇が伝って来る。
優しい感触がくすぐったくて・・・・・・嬉しくて。
- 86 名前:6 投稿日:2003/10/02(木) 10:40
- 「圭ちゃん。」
「ん?」
「カオリは、そんなに簡単に壊れたりしないよ。」
今度はカオリから、引き寄せてキス。
「…カオリは、もっと…圭ちゃんの熱が欲しいな。」
「圭織…。」
ソファーに倒れこんで、見詰め合う。
どうしよう。初めての時よりどきどきしてる。
「・・・・・・圭ちゃん。」
震える手で、圭ちゃんの頬に触れた。
圭ちゃんの目に、炎が点った。
おわり
- 87 名前:神輿 投稿日:2003/10/02(木) 10:41
-
かおけい、なんて中途半端な所で…(汗)しかしこれ以上は書けない、いくじなしな私(w
いつかエロも書いてみたいものです。
そして次回は>>46名無し読者様のリクエストの松浦×高橋です!!
>OGAフリーク様
喜んで頂けてよかったです♪
了解しました。『14』はおが絡みを書かせていただきます!
>37様
いえいえ、喜んで頂けたのなら何よりです♪
入浴後のおがたか…書こうとも思ったのですが…いくじなしでごめんなさい(w
またリクエストくださいませ♪
>リエット様
ありがとうございます♪
小川さん、可愛くなってましたか。それはよかった。
頑張ります!!リクエストも、お待ちしております♪
- 88 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/02(木) 20:37
- いつも楽しく読ませていただいてます!今回もよかったです!すみません、リクいいですか?田紺を読んで見たいです!無理にとは言わないんで、出きればお願いします!これからも頑張ってください
- 89 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/02(木) 21:03
- かおけいありがとうございました。
2人の雰囲気がとっても暖かく感じられてみていてこちらも和む作品でした。
リクがいっぱいでお忙しそうなのですが,アヤカ圭なんてお願いしてもいいでしょうか?
- 90 名前:37 投稿日:2003/10/03(金) 01:34
- ( ゚皿゚)さん、こういう切ない雰囲気合ってて(・∀・)イイ!!
そして( `.∀´)さん相変わらず激(ry
ってか、二話続けてじらされっちゃった ハァ━━━(;´Д`*);´Д`*);´Д`*) ━━━━ン!!!
こうなったら(何小高で入浴後書いてください!神輿さんのペースでマターリで良いので。
それでも無理だったら切ない系の小高で。
おながいしますm(_ _)m
- 91 名前:神輿 投稿日:2003/10/04(土) 19:15
- 今回は>>46名無し読者様のリクエストの松浦×高橋です!!
- 92 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:16
- 彼女はとぉぉっても遠慮深い。
「…あの、キス…とかしちゃって、大丈夫ですかね?」
キスする時には必ず、福井弁で恐る恐るそんな事言われちゃう。
「…だからぁ、いちいち断んなくても良いってばぁ!!」
「はぁ…。で、でも…やっぱ、その…。」
もじもじと言いよどむ。
…もう、何て言うか。
「・・・・・・ねえ、愛ちゃん?」
「はいっ!!」
はっきり言わないとわからないのね、この『同い年の後輩』は。
…まあ、そんな鈍い所も可愛いんだけど。
「私、愛ちゃんと付き合ってるよね?」
「はっ、はいっ!!」
緊張したような、それでいて照れてるみたいな顔。
…本当に、まったく。反則だよ愛ちゃん。
私ばっかりどきどきさせて。反則なんだからね?レッドカード物なんだからね?
- 93 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:16
- 「…だから、いちいち断る必要ないのっ!」
「…は、はぁ。」
「だから、断る前にぶちゅーっとしちゃって良いのっ!!」
「・・・・・・はぁ。」
真っ赤になった愛ちゃんは、ごくりと一回唾を飲み込んでから…決意したように言った。
「そ、それじゃ…い、いただきます。」
・・・・・・何よそれは。
まぁ、突っ込まないでおこう。…いい加減、私も早くキスして欲しいから。
いつも唇が重なる直前に、愛ちゃんは急に『男前』になる。
強く強く唇を求められて…私は何も考えられなくなった。
- 94 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:17
-
楽屋に、美貴たんが遊びに来た。
「もー、本当に愛ちゃんって、礼儀正しすぎて困るよぉ。」
「あっははは!高橋ちゃんらしいねっ!!」
ああ、懐かしいなぁ。
同じソロ同士だった時はよく隣の楽屋同士になったから、お互いの楽屋を行き来したりしたのに。
モーニング娘。さんに加入になってからは、めったに来てくれなくなっちゃったんだよね。
私よりも石川さんとか吉澤さんの方が年が近いし、話も合うんだろうけど。
『芸能界での美貴たんのお友達第一号』としては、ちょっと寂しくもある。
…まぁ、私にも愛ちゃんってカノジョができたし。良いんだけど。
「あーあ。たまには強く求められたいな〜。」
「え?『キスしてる最中は強く求められてる』っつってたじゃん。」
「そーじゃなくってぇ!…なんてゆーの?もっと普段の生活でさぁ。
…だって愛ちゃん、いまだに私の事『松浦さん』って呼ぶんだよ?」
「あー。それはちょっと悲しいかもねー。」
- 95 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:17
- 「でしょぉ!?だから、ほらぁ。たまにはさぁ。もっとさぁ…。」
唇を奪われたり、急に強く抱きしめられたり、してみたいってワケ。
…だけど、いくら親友の美貴たん相手でも…こんな事恥ずかしくて言えない…。
だけど美貴たんは『全部わかってます』って顔でニヤニヤしてる。
「ほほぉ〜。松浦さんは青春してるんですねぇ〜。」
「・・・・・・はいはい、してますよ〜。めっちゃ青春真っ只中ですよ〜。」
同時に噴出して、しばらく大声で笑う。
ああ、久しぶりだなぁ。美貴たんとの時間。
…だけど、愛ちゃんといる時みたいなドキドキはない。
「亜弥ちゃん、『愛ちゃんと会いたいなぁ』って思ってるでしょ?」
さすがは親友。やっぱりわかっちゃう?
「…楽屋で、どうしてた?」
「いつも通り。小川ちゃんと遊んでたよ。」
「・・・・・・。」
「あ、嫉妬してるね?」
「…してないもん!」
まったく。言い当てて欲しくない事だってわかって言ってるでしょっ!
だけど、久しぶりのそんな時間も楽しくて。
顔を見合わせて、くすくす笑った。
- 96 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:17
-
夜、仕事が終わって家に着いて、ちょっとまったりしてたら。
『・・・・・・あの、高橋です。』
…愛ちゃんが、家に来た。
これはすっごく珍しい事。愛ちゃんはいつも三日前には、来るって言ってから来るから。
どうしようどうしようどうしよう。
どきどきしながら愛ちゃんを家に上げて、お茶を入れる。
「ちょっと、待っててね。もうすぐお茶、入るから…」
「松浦さん。」
すぐ背後で、愛ちゃんの声が聞こえた。
「え?」
驚いて振り向こうとすると…突然、後ろから
抱きすくめられた。
「え・・・・・・っ?」
心臓が、普段よりも百倍は早いペースで動き出す感じがする。
「…松浦さん…。」
首筋にうずめられた愛ちゃんの顔。
うなじを揺らす、愛ちゃんの吐息。
「…あ、愛ちゃん…。」
「・・・・・・松浦さん。」
ただ、それだけのやり取り。
どうしよう。それだけなのに…ときめいてときめいてしょうがない。
- 97 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:18
- どのくらい、そうしてただろう。
「・・・・・・すみません。」
愛ちゃんの体温が、離れる。…それが寂しくてどうしようもない。
「愛ちゃん…?」
「ごめんなさい、私…ちょっと、どうかしてたみたいで。」
「え…?」
「すごく不安でどうしようもなくて…。」
愛ちゃんは、目に涙を溜めていた。
「どうしたの?愛ちゃん?」
「・・・・・・あの、松浦さん。」
今度は、前から…抱きしめられた。
「なんて言うか…私のが、後輩で…。」
「うん?」
「私のが…頼りないんですけどぉ。」
「…うん?」
愛ちゃんの身体が、小刻みに震えてる。それを止めたくて抱きしめ返した。
すると愛ちゃんは、ほろりと涙を流す。
「・・・・・・あの、大好きなんです。」
「・・・・・・え?」
「松浦さんが、好きで、好きで…どうしようもないくらいなんです。」
- 98 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:18
- 愛ちゃんの香り。
やわらかくて暖かい、腕の感触。
触れ合った部分の、熱さ。
ああ、なんだか酔っちゃいそう。意識がふわふわして…。
「…だから…どこにも行かないでください…。」
「は!?」
その愛ちゃんの言葉で、酔いみたいなのが一気に冷める。
「私が、どこに行くって!?」
「だ、だってぇ!!今日、藤本さんとすっごい仲よさそうに話しててぇ!!」
「…そりゃー、友達だもん。話すでしょ。」
「嫌なんですぅ!!」
ぎゅっと、抱きしめる力が強くなる。
「…なんか、すごく不安になっちゃったんですよ…。
本当は私より、藤本さんの方が好きなんじゃないかって…。」
「何、それ?」
「だ、だって!なんかすごく仲良いし…!!」
「それを言うなら、愛ちゃんだって小川ちゃんとすごく仲良いでしょ?」
「それとは違うニオイがするんですよ!!」
ニオイって…。
私は思わず笑っちゃった。
- 99 名前:7 投稿日:2003/10/04(土) 19:18
- 「・・・・・・ねえ、愛ちゃん?」
「は、はい。」
「不安なんだったら…もっと、離さないぞってアピールしてよ。」
「・・・・・・アピール、ですか…?」
「そう、アピール。」
そうよ、そう。それが一番大切な事。
愛ちゃんはちょっと戸惑った後…おずおずしながら、唇を重ねて来た。
…ふふふ。
初めてだね『断り』を入れないで、キスしてくれたの。
唇が離れてから、愛ちゃんは言った。
「・・・・・・あの、『亜弥さん』って呼んで…良いですか?」
もちろん、良いですとも!
だけど私は、答えの言葉の代わりにキスをした。
前よりも、一歩前に進んだね、愛ちゃん♪
おわり
- 100 名前:神輿 投稿日:2003/10/04(土) 19:19
-
あややはやっぱり、積極的でないと…しっくり来ません(w
次回は>>47名無し読者様のリクエストのは『ごまやす(誕生日ネタ)』です!!
>>>88名無し読者様
ありがとうございます!!
了解しました。『15』は田紺を書かせて頂きます。
>>>89名無し読者様
ありがとうございます!寸止めでごめんなさい(汗)
了解しました。『16』はアヤカ圭を書かせて頂きます。
>37様
保田さんは激しくなくっちゃ(wううう、寸止めごめんなさい(大汗)
了解しました。『17』は小高で入浴後を書かせて頂きます。…が、頑張りますっ!!
- 101 名前:kamyu 投稿日:2003/10/05(日) 00:40
- 松高キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
もう最高です!!!
高橋さんのちょっと弱気なトコが…。
たまらん!!
神輿さん…ありがとう!
また『松×高』書いてください!
この松高すっごい好きなんで…。
私的にこの二人の告白シーンが読んでみたいです☆
- 102 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/05(日) 01:31
- 松高イイすねぇ〜。 はまりそうです!!
リクなんですが 飯高なんぞやってもらえないでしょうか?
- 103 名前:リエット 投稿日:2003/10/05(日) 03:50
- すごいよかったです!
前から結構松高好きだったんですよ。
リクエストは、落ち着いた頃にでもさせていただきます。
落ち着くことなさそうですがw
- 104 名前:神輿 投稿日:2003/10/05(日) 17:39
- 今回は>>47名無し読者様のリクエストのは『ごまやす(誕生日ネタ)』です!!
- 105 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:40
- 明日は九月二十三日、火曜日。
「…さーて、どうしたモンかしら。」
アタシはカレンダーを前にして、頭を抱えていた。
何でそんなに悩んでるかっつーと…そりゃー、愛しい彼女の誕生日だから。
その日は祝日だから、『朝からずーっと一緒にいようね♪』なぁんて約束させられちゃってるんだけど。
で、どこにも行かずにアタシの部屋に来るって事になってるから、念入りに掃除なんかもしちゃったりしてる。
まぁ、いつもそれなりに片付けてはいるんだけど…やっぱり、ねぇ?付き合い始めて、初めて家に上げるんだし。
それはともかくとして。
…問題は、プレゼントなのよね。
もちろん、用意はしてある。後藤が前から欲しがってた指輪。
だけど・・・・・・ちょっと心に引っかかってる出来事があんのよね。
『…わかった。じゃあ、十八になるまで我慢する。
約束だからね!?十八歳の誕生日に…絶対だからね!?』
ぼろぼろ泣きながらそう言ってた、後藤の顔が思い浮かんだ。
あれは、いつの事だったかしら。…そうだ、半年前。
- 106 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:40
- なんだか知らないけど、後藤がいきなり『抱いてくれ』とか言い出して…服を脱ぎ始めた時だ。
その頃はまだ付き合い始めて間もない時だったし、何がなんだかわからなかったから当然拒否した。
…いや、抱いちゃっても良かったんだけど。むしろ抱いちゃいたかったくらいなんだけど。
だけど、ケジメってモンがあるじゃない?
その時言ったのよ。
『後藤が十八になったら、ね?』って。
・・・・・・十八ってのは、一応ある程度大人の年齢だし。
十七よりかは、抵抗少ないでしょ?
だからそう言ったのよ。そしたら後藤、納得してくれたんだけど。
「・・・・・・だけどなぁ。」
ため息が漏れる。
誕生日に、どこにも行かないでアタシの家に来たいって言い出したのは後藤。
…それってやっぱり、あの時の約束を実現して欲しいって事なのかしら?
だけど、もしかしたら半年前のそんな約束なんて忘れてるかも知れない。大体において生理中とかだったら、無理だし。
- 107 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:40
- ・・・・・・アタシはバッチリ、平気なんだけど。…って、それはさておき。
ため息が漏れる。
もしも後藤がそのつもりなら、アタシはどうしたら良いんだろう。
もしも後藤が忘れてたら、アタシはどうしたら良いんだろう。
・・・・・・どっちに転んでも、ヤバい気がする。
アタシだって…したくないワケじゃないのよ。
だけどね。いざする事になったら、アタシは自分がどうなっちゃうのかわからない。
…そして、後藤がキレイさっぱり忘れてたとしたら。
自分の部屋を見回して見て、思う。
こんな狭い所に、二人きりでいて。しかも一日中。更に後藤は必要以上にくっついて来る癖があるから。
・・・・・・果たして理性が保てるのか。
知らず知らずの内に、ため息が漏れた。
- 108 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:41
-
「おっじゃまっしまーす♪」
いつもと全然変わらない様子で、後藤はアタシの部屋に入って来た。
「うわ〜♪やっぱり片付いてるね!ごとーの部屋とは大違いっ!」
…まったく、人の気も知らないで。
そんな事を思ってると、後藤は部屋の中に駆け込んで言った。
ふわり、と。
後藤の髪の、甘い香りが鼻をくすぐる。
・・・・・・や、やばい。既にやばい。
そんなアタシに気付かず、後藤は棚の上の小物や写真を鼻歌混じりに見てる。
「・・・・・・後藤。」
「んあ?」
こうなったら、もう仕方ない。最初に、指輪を渡してしまおう。
「…はい、コレ。誕生日プレゼント。」
「えっ?」
渡された箱を、不思議そうに眺めてる後藤。
ごそごそと丁寧に包みを解いて…中身を見てから、アタシを見た。
「えっ!?圭ちゃん、コレ…!!!」
「欲しがってたでしょ、指輪。」
「う・・・・・・うん!!!」
後藤の目に、涙が浮かぶ。
- 109 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:41
- …覚えててくれたんだ…。指輪が欲しいって、言ったの…。」
「当たり前でしょー?」
「・・・・・・ねえ、これって…。」
もじもじしてる後藤の手を取る。
「・・・・・・はめてあげる。」
「・・・・・・。」
不安そうな後藤の顔。
…馬鹿ね。わかってるわよ。アンタが何をそんなに不安がってるか、なんて。
アタシは後藤の左手を取って、薬指に指輪を滑り込ませた。
「…すごい、圭ちゃん…ぴったりだよぉ。」
しばらく指輪を眺めて、泣き笑いみたいな表情をして。…後藤はアタシに抱きついて来た。
「…ありがと、圭ちゃん。大切にするね。…てゆーか、絶対外さないから。」
「そんなに喜んでもらえると、アタシも嬉しいわね。」
冷静にそう返して、後藤の背中に腕を回す。
…だけど、心の中は動揺しまくり。
…やばいって。ホントやばいって。
後藤の甘い香りに、ぎゅっと抱きついて来てる腕の感触。…密着してるから、当然胸だって押し付けられてる形になってて。
「圭ちゃん…。」
熱を帯びたような、後藤の声。
- 110 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:41
- …ああ、もう。何て言うか。
半年前の約束とか、そんなのもうどうだって良い。・・・・・・アタシは、後藤が…。
「…ねえ、後藤。」
「駄目。」
「は?」
…まさか拒否られてる?
そう思った直後に、唇を後藤に塞がれた。
「んん!?」
「・・・・・・。」
後藤の唇は、ちょっと震えていた。…そっか。後藤も、緊張してるんだね。
唇を離すと、後藤は真っ赤な顔で言った。
「後藤、じゃないよ。『真希』だよ。」
「は?」
「だからぁ…ごとーは、『真希』なの。」
「そんなのわかって…あ。」
そうか、名前で呼べって話なのね。
可愛いヤツめ。…アタシは笑って、言ってみた。
「じゃあ、真希。」
「うん…。何?」
呼びなれない名前は、なんだかすごく緊張してしまって。
「・・・・・・ま、真希。」
「なぁに?圭ちゃん。」
アタシは、肝心な事が言えなくなってしまった。…我ながら、すごく情けない話だけども。
- 111 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:42
- そんなアタシに、後…いや、真希は言った。
「約束、だよね?ごとー…十八歳になったもんね?」
「!!」
「何、その顔。忘れるワケないじゃん。」
真希はころころ笑った。
「…あの時、半年前だっけ?・・・・・・ごとー、すごーく不安だったんだよ。」
「ふ、不安?」
「そう。」
真希は頬をちょっと赤くして、俯いた。
「…友達はさ、なんか…付き合ってる人と、いろんな事してるのに…ごとーだけまだ未経験でさ。」
そうだった。そう言えば、真希って処女なんだっけか。
「…友達は『好きならそーゆー事したいって思うのは当たり前』とか言うし…。
だけど圭ちゃん、その、したいって…素振りも見せないし…。」
「・・・・・・当たり前でしょ。」
それが全開な二十二歳なんて、ハッキリ言って危険人物だっての。
「…だから、半年前のあの日にお願いしたの。…それなのに断られて。」
「唐突過ぎんのよ、アンタは。」
「…うう…。だ、だけどさ、不安になるじゃん!!…そしたら圭ちゃん、『十八になったら』って言って。」
真希の顔に、とろけるような笑顔が浮かんだ。
- 112 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:42
- 「…それで、わかったんだ。圭ちゃんはきっと、ごとーの事いっぱいいっぱい考えてくれてるんだって。
だから、今じゃないんだって。…それがごとーの為なんだって。」
「・・・・・・良くわかってんじゃないの。」
「嬉しかったよ。…すごーく。」
真希は、ずずいっと身体を乗り出して来た。
「…だけどさ、今日でごとー、十八歳だよ?」
「・・・・・・そうね。」
「指輪くれたって事は、圭ちゃん…ごとーの事、オトナだって認めてくれたんだよね?
だって圭ちゃん、ごとーが『指輪ほしい』って言った時、『大人んなったら似合うわよ』って言ったもんね?」
・・・・・・この子は。
よく覚えてる上に、読みが深いじゃないの。
…その通り。だから、プレゼントは指輪にした。
…アタシは期待してたのかも。十八になった真希と、そうなる事を。
「ねえ、圭ちゃん?」
「・・・・・・。」
「まだ駄目?まだ早い?」
「・・・・・・真希。」
身体の奥から突き上げて来るモノを堪えながら、アタシは言った。
- 113 名前:8 投稿日:2003/10/05(日) 17:42
- …大丈夫。まだ、抑えられるから。
「何?圭ちゃん。」
「…断るなら、今のうちよ?」
これが、最後。・・・・・・これ以後に拒否られたって、アタシは無理。とまらなくなっちゃうから。
だけど真希は、にへっと笑顔を浮かべた。
「断るワケ、ないじゃん♪」
唇が重なった。アタシは…身体から湧き上がる熱に全てを任せた。
「…圭ちゃん、大好き。」
真希のその言葉で、理性が全てブッ飛んだ気がする。
・・・・・・約束は、果たされた。
おわり
- 114 名前:神輿 投稿日:2003/10/05(日) 17:43
-
ああ、またしても寸止め…。
今回こそはちゃんとエロ書こうって頑張ったのに…。・゚・(ノД`)・゚・。
次回はティモ様のリクエストの『田亀』です!!
>kamyu様
ありがとうございますっ!!
私も遠慮深い高橋さん好きなので、そうしてみたのですが…よかった♪
了解しました。『18』は『7』の松高の告白を書かせて頂きます。
>>>102名無し読者様
松高、私もけっこう好きなんです(w
了解しました。『19』は飯高を書かせて頂きます。
>リエット様
ありがとうございます!!
私もけっこう好きなので、書いてて楽しかったです♪
リクエスト、お待ちしておりますね(w
- 115 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/05(日) 19:03
- ごまやすで勝手にリク内容を設定したリクエストをしたものです。
リクエストの内容まで使ってくれてありがとうございました。
- 116 名前:リエット 投稿日:2003/10/05(日) 23:58
- 後藤さんがかわいかったー。
田亀も期待しています!
- 117 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/06(月) 16:24
- 毎回楽しみに読ませてもらってます。神輿の書く短編は最高ですね!
これからもがんばってください・それでりくなんですがなち亀できれば
お願いいたします。それでは
- 118 名前:117 投稿日:2003/10/07(火) 13:34
- >>117
うわーすいません敬称わすれてました。神輿さんです。 まったくほんとに
申し訳ありませんでした。ホンとすきなんでがんばってください。
- 119 名前:神輿 投稿日:2003/10/09(木) 10:28
- 今回はティモ様のリクエストの『田亀』です!!
- 120 名前:9 投稿日:2003/10/09(木) 10:29
- れいなって、本当にうらやましい人。
「やっぱさ、後から入って来たんだからさ。実力が追いつかんのは仕方ないでしょ。
だけどさ、そんなあたしがすぐに先輩達に追いつけたとしたら…それって、すっごくカッコ良くない?」
そんな事を言いながら、どんどんどんどん努力して。
見えない所でも見えてる所でも、惜しみなく努力を重ねて。
…すごいよなぁ。いいなぁ。
努力できるってのも、才能の一つだと思う。…つまり、れいなは才能たっぷりって事で。
やっぱり同期としては、焦りとか嫉妬とかも感じちゃうワケよ。
…それでなくても六期には藤本さんって言う、超ビッグな加入者もいるんだし。
「亀井、道重。もーちょっと田中を見習え〜?」
…言われなくてもわかってますよ。
自分第一、自分大好き、自分最高!なさゆはどうだか知らないけど…わたしはそれなりにコンプレックスだって抱いてるし。
さゆはどうだか知らないし、れいな程じゃないかも知れないけど…家で自主練だってちゃーんとしてる。
- 121 名前:9 投稿日:2003/10/09(木) 10:29
- 「ん?どうした?絵里。なんか暗くない?」
…お願い。今は声をかけないで。
特にれいな。あなたとお話したい気分じゃないの。
さりげなくそんなオーラを出して見るけど、れいなは気付かない。
「おなかでも痛いの?それともおなかすいてるの?」
・・・・・・気付いてないれいなに、救われてもいる。こんなドロドロしたわたし、自分でも大嫌いだもん。
…れいなとさゆはずっと一緒にがんばって来て、これからも一緒にがんばって行く『仲間』。
こんなドロドロした所見せちゃって、嫌われたくない。
「…なんでも、ないよ。」
「ほんとに?」
「うん。ちょっと緊張してるだけ。」
時計をちらりと見ると…スタジオ入りまであとちょっと。楽屋はそれなりにうるさくなってる。
「そっか。そうだよね。まだ慣れないよね〜、生放送って。」
嘘つけ。れいなはいっつも平然としてるじゃない。
おたおたしてるわたしが馬鹿に見えるくらいに。
「・・・・・・れいなは、いつも結構平気そうじゃん?」
…いけない。嫌味っぽくなっちゃったかな。
反省しながらちらりとれいなを見ると、ニヤニヤ笑ってた。
- 122 名前:9 投稿日:2003/10/09(木) 10:29
- 「・・・・・・何?」
「いや、嬉しいな〜とか思ったりしちゃって。」
「は?」
今のどこが嬉しく感じられるの…?
するとれいなは、ニヤニヤ笑いのまま顔をわたしに近づけて来た。
「だってさ、本番中でもあたしの事見てるって事でしょ?」
「・・・・・・。」
きょとんとしてると、れいなはくるりと背中を向けた。
「さーて、さゆでもからかいに行くかな〜。」
「ちょ、ちょっと待って!!どう言う意味!?」
れいなはわたしに背中を向けたまま、ぴたりと止まる。
「…なんつーかさ。」
「ん?」
「絵里って実は鈍い人?」
「は?」
…本当に、ワケわかんない。
「れいな?」
れいながぴくりとも動かなくなったのを見て、わたしはれいなの背中をちょいちょいっとつっついて見る。
するとれいなは、びくっと身体を大きく震わせた。
「・・・・・・れいな?」
「…鈍いよ、絵里は!!」
いきなりキレたれいなが、くるっと振り向く。…その顔は、真っ赤に染まってて…しかも怒ってた。
そんなれいなの顔、初めて見る。
- 123 名前:9 投稿日:2003/10/09(木) 10:29
- 「な、何が!?」
「てゆーか、わかってやってる!?」
「だから、何が!!?」
本当にワケわかんない。
なんでこんなに怒ってるの?なんでそんなに顔が赤いの?
だけどれいなは答えを出さずに、その場にがくっと座り込む。
「…なんだよぉ。けっこー、勇気振り絞ったんだよ〜…?あたし…。」
「れいな!?…ゆ、勇気?」
「期待したあたしが馬鹿なのかね?…まったく。」
深い深いため息。
どうしたんだろう?こんなれいなは本当に初めて見る。
「・・・・・・どうしたの?れいな。らしくないよ?」
心配になって、れいなの前にしゃがみこんで顔を覗き込んで見た。
「…らしくない、か…。まったく、本当にらしくないよ。あたし。どうしちゃったんだろ。いつもはもっと…」
「もっと?」
「もっと単刀直入に、言えるんだけどなぁ。…やっぱり、絵里相手だと…なんか、怖くなっちゃうんだよね。」
「は?…わ、わたし怖いの?」
「いや、絵里が怖いんじゃなくて…。」
れいなの顔は、すごく切なげだった。こんな表情、見た事ない。
わたしの心臓が、何故かドキっとする。
- 124 名前:9 投稿日:2003/10/09(木) 10:30
- 「・・・・・・ねえ、絵里?」
「な…なに…?」
どきどきがおさまらなくてうろたえてるわたしに、れいなは言った。
「さゆとあたし、どっちが大事?」
「・・・・・・き、決められるワケないじゃん。そんなの…。」
本当は、答えは出てる。
確かに同じくらい大切に思ってるけど…今、この瞬間は…。
確実に、れいなの方が…。
「そう…だよね。…まぁ、あたしもさ、さゆも絵里もどっちも大事だし…。いや、そうじゃなくて!!」
心臓の音が、だんだん大きくなって行く。
なんで?どうして?…れいなのヘンなのが、うつっちゃったのかな?
「…絵里。あたし、絵里の事…。」
- 125 名前:9 投稿日:2003/10/09(木) 10:30
- 「えっ?」
身体と心が、何かを期待してるのがわかる。…だけど、頭が追いついて行かない…。
「・・・・・・す」
「「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁなかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
れいなの声は、石川さんと吉澤さんのユニゾンにかき消された。
「…へ?ごめん、今聞こえなかっ…」
「んもぅっ!田中ってばカワイイんだからぁ!!」
「そうだぞ田中ぁ!!今のオマエは最高に輝いてる!!」
石川さん吉澤さんコンビにもみくしゃにされてるれいなは、すっごく不満そうな顔をしていた。
そして、そのままマネージャーに呼ばれてスタジオ入りになってしまった。
れいなは名残惜しそうな顔でわたしを見る。
わたしは…胸に手を当てて、ちょっと考えて見た。
・・・・・・ちょっと安心してるけど、ちょっと残念な感じ。
なんでだろう?なんなんだろう、コレ?
「絵里〜。一緒に行こう。」
「あ、さゆ。」
さちゅと手をつないで、楽屋を出た。
- 126 名前:9 投稿日:2003/10/09(木) 10:30
- そこで、さゆにちょっと聞いてみた。
「…ねえ、さゆは…れいなの事どう思ってる?」
「ん?れいな?…そうだなぁ。頑張り屋さんで〜、ちょっと自信過剰で〜。」
…さゆ。『自信過剰』は、さゆは他人に言えないよ…。
「それでね、絵里LOVE!!」
「・・・・・・は?」
「れいな、絵里の事好きだよね〜。」
「・・・・・・そうなの?」
「うん。いっつも目で追ってる。」
さゆのにこにこ笑顔を見ながら。
わたしはそれが、悪くないな、と・・・・・・いや、むしろ・・・・・・。
ちょっと、嬉しいカモ。
・・・・・・とか、思った。
「…確かめたいんだったら、後でれいなのほっぺにちゅーしてみれば?面白い事になるよ。」
「・・・・・・。」
やってみよう。
さゆとくくくっと笑い合いながら、わたしは心に決めたのだった。
おわり
- 127 名前:神輿 投稿日:2003/10/09(木) 10:32
-
亀井さんのキャラが微妙になってしまった…(汗)
そして投稿してから誤字発見…。>>125の最後の行の『さちゅ』は『さゆ』の間違いです(汗)ごめんなさい!!
次回はY様のリクエストの『いしたか』です!!
>>>115名無し読者様
いえいえ、そんな。ちゃんとご期待に沿えましたでしょうか?
またリクエストお待ちしております♪
>リエット様
ありがとうございます!ごっちん可愛くしようと頑張ったので、嬉しいです!!
田亀、どうでしたか〜?
いつも感想ありがとうございます!!
>>>117名無し読者様
ありがとうございます!わーい!!そんな風に言って頂けるなんて…感激です!!
はいっ!!これからも頑張ります!!よろしくお願いします!!
了解しました。『20』はなち亀を書かせて頂きます。
P.S.お気になさらないでくださいませっ♪
- 128 名前:ばかっちん 投稿日:2003/10/14(火) 11:22
- 初レスです。
最初からいっきに読みました。
素晴らしい過ぎます! 松高最高! 田亀最高〜!!
田亀をもっともっと読みたいです。
甘甘で(キスシーンとかあったらいいな〜vv)書いてください!お願いします。
- 129 名前:リエット 投稿日:2003/10/15(水) 06:17
- 更新お疲れ様です!
亀井さんの鈍いキャラがいいですね(w
この後どうなったのか…想像するだけで面白いです。
- 130 名前:モテごまlove 投稿日:2003/10/19(日) 17:48
- はじめまして。
後高サイコー!!
やぐごま&みきごまが読んでみたいです。
- 131 名前:10 投稿日:2003/10/20(月) 17:59
- 日曜日の午後は、嫌い。
「…へ?なんでですか?」
ビデオを見ながらべったりと寄り添うわたしに、高橋は不思議そうに尋ねる。
…なんでわかんないかなぁ。
わたしと高橋は、同じ学校の生徒で。
わたしが三年生で、高橋は一年生で。
部活だって、高橋は合唱部でわたしはテニス部で。
…つまり、全然一緒にいられないのよ。一緒にいるチャンスが皆無なのよ。
しかもわたし達ってば、女同士のカップルでしょ?
ウチの学校は共学で、だからカップルもいっぱいいる。
だけど、同性のカップルって言うのはわたし達しかいないワケで。
日曜の午後ってのは、嫌でも明日の事を考えちゃうから。
だけど、わたしの口からそれを言うのは恥ずかしいし、悔しい。
「・・・・・・なんでもないっ。」
ぷぅっと頬を膨らませ、そっぽを向く。
「…ああっ、ごめんなさい石川さんっ!でも私本当にわからんくてぇ…。」
訛り全開で、必死に謝る高橋。
- 132 名前:10 投稿日:2003/10/20(月) 17:59
- ふふ。可愛い。
さっきベッドで『運動』してた時は、あんなにカッコ良かったのにね?
その可愛さに免じて、教えてあげる。さっきがんばってくれたしね♪
「だって、学校にいる間はあんまり一緒にいられないじゃない?」
「あ。・・・・・・そ、そうですね。」
高橋は、いきなり真っ赤になってにこっと笑った。
「…なんで笑うの?」
「いや、だって…。」
てへへ、と笑うその顔。
反則。イエローカード通り越してレッドカード物。
野球だったら、ツーアウト満塁の回でストレートの球を見逃し三振!って感じ。
くやしい。
「…なんで笑うのよぉ。」
「だって…嬉しいじゃないですか。」
「えぇ!!?…た、高橋はわたしと会えないのが嬉しいって言うの!?」
- 133 名前:10 投稿日:2003/10/20(月) 17:59
- 「いや、そうじゃなくってぇ。」
高橋は、わたしの唇にちゅっと軽くキス。
「…私が嬉しいのはぁ。」
「・・・・・・ん?」
「私に会えないのを、嫌がってくれてる事です。」
「・・・・・・。」
「私だけだと思ってたんですよ。…毎日寂しいな〜とか思ってるの。」
ぎゅっと抱き寄せられて、わたしは素直に高橋に寄りかかる。
…わたしより身長、低いクセに。わたしより年下のクセに。
・・・・・・なんでこんなに、包容力あるのよぉ。
安心し切ってる自分の心に、戸惑いながらも嬉しさを感じる。
だってこんな安らぎ、初めてなんだもの。
「…嫌に、決まってるでしょ。」
ドキドキと安らぎを同時に与えてくれる人なんて、高橋以外には存在しないんだから。
…こんなに好きになってのも、初めてなんだから。
「私も、月曜日は憂鬱です。石川さんに会えないから。」
- 134 名前:10 投稿日:2003/10/20(月) 18:00
- 胸がきゅんっとなる。
そっか。高橋も同じように感じててくれたんだ…。
「だけど、火曜日からは大丈夫なんです。」
「え?なんで!?」
ちょっと不安になる。
なんで?わたしがいなくても大丈夫になっちゃうの!?
すると高橋は、またにこっと笑う。
「また、石川さんとずっとくっついてられる週末が近づいて来るって…楽しみになるんです。」
…もうっ!!
この子、本当にわたしより年下なの!?
だけどわたしは、笑みがこぼれちゃってこぼれちゃって、どうしようもなくなっちゃって。
「…そうね。わたしもこれから、そう思うようにするわ。」
「はい!!」
「だけどね、高橋?」
「はい?」
耳元で、高橋にだけ聞こえるように囁いた。
『もしも校内でわたしを見かけたら、無視しないで笑いかけてね』って。
高橋は…満面の笑顔で頷いて、約束のキスをくれた。
おわり
- 135 名前:神輿 投稿日:2003/10/20(月) 18:00
-
大変長らくお待たせしてしまって、申し訳ございません(汗)
しかも短くてごめんなさいごめんなさい!!
これからは更新ペース上がるようにがんばります!!
次回は>>61名無し読者様のリクエストの『UK』です!!
>ばかっちん様
はじめまして!ありがとうございます!!
松高は初めて書いたCPで、田亀は二度目だったんですが…よかった〜!!
これからも頑張ります!!
了解しました。『21』は田亀(甘甘・キスシーン有)を書かせて頂きます!
>リエット様
ありがとうございます!!
亀井さん、最初はもっと乙女乙女してるキャラだったんですが…良い方に転んだみたいでよかったー!!
いつもありがとうございます!これからも頑張りますので!!
>モテごまlove様
はじめまして!
こまたかも初だったので、頑張って書きました♪なのでそう言って頂けると本当に嬉しいです!!
ありがとうございます!!
了解しました。『22』はみきごまを書かせて頂きます!
- 136 名前:くり 投稿日:2003/10/21(火) 14:54
- いつも楽しみに読ませてもらってます。
神輿さんの短編最高です!
もしよろしければ『いしたか』で
モー娘。バージョンお願いします!
次の更新もがんばって下さい!
- 137 名前:ばかっちん 投稿日:2003/10/21(火) 23:18
- 更新お疲れ様です。
「10」のいしたかもいいですね。
高橋さんかぁいい〜☆
「21」の田亀、楽しみに待ってます!
頑張ってください!
- 138 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/22(水) 22:59
- >>136
>>137
ageんなハゲ
- 139 名前:神輿 投稿日:2003/10/23(木) 15:12
- 今回は>>61名無し読者様のリクエストの『UK』です!!
- 140 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:13
- カノジョは、とっても淡白や。
道歩いてる時に手ぇつなごうとすると、『暑いし恥ずかしいからイヤ』とか言って引っ込めてまうし。
二人きりの時以外は、必要以上にくっつきたがらん。
恥ずかしがりやだっってのは、百も承知や。…そんなトコにも惚れてるしな。
そやけど、やっぱり納得できへん!
ウチら、付き合ってるねんで!?愛し合っちゃってんねんで!?
二人が付き合うよーになるまでには、かな〜りドラマチックな物語が・・・・・・あった、ハズや。
いや、あった。アレは絶対ドラマチックでロマンティックで浮かれモードだったハズや。
そ、それはともかく!今は『圭ちゃんが淡白過ぎる』ちゅー話や!!
…そっちがそうなら、こっちにも考えがあるで〜!!
「なぁなぁ、圭ちゃん。」
「ん?何?裕ちゃん。」
今日も今日とて淡白〜な圭ちゃんに、ウチは笑顔で言い放った。
「別れよか。」
「・・・・・・。」
おおっ!驚いてる驚いてる♪
そりゃそーやろな〜。…でも、ここで気ぃ抜いたらあかん。ここからが勝負の付け所なんや。
- 141 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:13
- 「それでな、圭ちゃん。」
「わかったわ。」
「別れた・・・・・・へ?」
『別れたくなかったら、もっとベタベタさせーや』と続けようとしたウチだったけど…圭ちゃんのその返事に固まってしもうた。
「裕ちゃんが別れたいなら、仕方ないわね。…別れましょ。」
「へ?…ちょ、圭ちゃん。」
何やねん、この展開は!?
アッサリとし過ぎな圭ちゃんに戸惑っていると、圭ちゃんはそのまま部屋を出て行ってしまった。
後に一人残されたウチは…。
「・・・・・・嘘、やろ?」
呆然と、立ち尽くすしかできんかった。
- 142 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:13
-
「なんやねんなんやねんなんやねーん!!!あのアホー!!」
「あーっ!!もう、姐さんうっさい!」
久々に会うみっちゃんは、片耳に指突っ込みながら言った。
「…まったく。ひっさしぶりに飲み行こう〜とか言うからうきうき出てきたら…何や。愚痴か?」
「愚痴なんて可愛いモンやないわ!!」
流れ落ちる涙を、ぐいっと拭う。
「うっわ怖ッ!姐さん、アイメイクが涙で大変な事になってるで!!」
「うるさい!!そんな事にかまってられへんの!!」
片手に持ったウィスキー(ロック)をぐびっとあおる。
「…何やねん。あんなアッサリ…ッ!!『裕ちゃんが別れたいなら、仕方ないわね』とか言いよって…。」
「っははは!圭ちゃんらしいな〜。」
「らしいって何や!!失礼極まりないわ!!」
「でもまぁ、ある意味姐さん自業自得やん。」
「うっ!!」
反論出来ずに、ウチはグラスの中身を全部空けた。
- 143 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:13
- 「…おにいさーん。お代わり持って来てや〜。」
「姐さん、飲みすぎやで?」
「飲まなきゃやってられんの!!…しっかし。」
空のグラスを持ち上げて、まじまじと見る。
「この店、初めて来たけど…酒も飯も美味いなぁ。」
「そやろ!?そやろ!?」
みっちゃんはえっへんと胸を張った。
「ココ、ウチのお気に入りの店やねん。」
「…みっちゃんの紹介してくれるモンは、ええモンが多いなぁ〜。」
そう言えば、圭ちゃんを紹介してくれたのもみっちゃんやった。
『恋がしたい〜』言うてるウチに、ある日突然圭ちゃんを会わせたんや。
…最初は『怖い顔したねーちゃんやなぁ』しか思わんかったんやけど。
だけど、圭ちゃんの内面を知る度にどんどんどんどん好きになって。
「・・・・・・みっちゃんの、アホ。」
「なっ!なんやねん!!さっき誉めたー思ったらいきなりけなしよって!!」
「やって、アホやもん。」
ああ、駄目や。
圭ちゃんが好き過ぎて、ウチは全然駄目なんや。
- 144 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:14
- 「・・・・・・ウチは、もっとアホやけど。」
「そやな〜。」
「肯定すんな!!」
そこで、さっきのにーちゃんがお代わりのグラスを持ってきた。
「・・・・・・?」
そこに満たされているのは、透明な液体。
…いくら酔ってるからって、ナメてもらっちゃ困る。これは酒やなくて、水や。
「ちょっと…!!」
文句を言おうとにーちゃんをにらみつけて…ウチは、固まった。
「・・・・・・もう、お酒はやめときなさいよ。明日も仕事あるんでしょ?」
・・・・・・圭ちゃん、やった。
みっちゃんを見ると、ニヤニヤ笑ってる。
「…ついでだから、教えといたるで。圭ちゃんとウチが友達んなったのはこの店や。」
・・・・・・ハメられた…。
- 145 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:14
-
圭ちゃんに会って酔いは全部さめたけど…体はまだ酔ってるみたいで。
まっすぐ歩けないウチを、圭ちゃんは車で家まで送ってくれるらしい。
駐車場まで圭ちゃんにおぶってもらう。
「・・・・・・なんで、こんなんなるまで酔ってんのよ。」
「…失恋、したんや。」
「へぇ。誰に?」
「圭ちゃんに決まってるやろ。」
「・・・・・・知らなかった。アタシいつ裕ちゃんをフッたのかしら。」
ウチは思いっきり圭ちゃんの首を絞めた。
「何フカしとんねん!!」
「ぐがっ!く、苦しッ!!マジ苦しッ!!」
疲れて来たので、手を離してやる。
「・・・・・・てゆーか、フラれたのってアタシの方じゃなかったっけ?」
「・・・・・・フッて、ないもん…。」
さっき引っ込んだ涙が、また出て来る。
「はぁ!?…『別れよう』って言わなかったっけ!?」
「言ったけど・・・・・・違うんやねんもん。」
「・・・・・・どう言う事よ!?」
ああ、圭ちゃん怒っとる。
- 146 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:14
- 酒も手伝って、また涙の量が増した。
「…本当に別れたかったんやないもん…。
あの後、『別れたくなかったら、もっとベタベタさせろー!』言うつもりやったんやもん…。」
「・・・・・・オイ。」
「それなのに圭ちゃん早合点して、サッサと別れてまうし…。」
圭ちゃんは、深い深いため息を吐いた。
「・・・・・・アタシが、馬鹿だったわ。」
「・・・・・・?」
「これ以上嫌われたくないから、サッパリさせてあげよう、なんて思っちゃうなんて。」
「・・・・・・は?」
圭ちゃんの顔は見えない。
だけど、耳が赤くなってるのはわかった。
「…別れよう、なんて言うから…きっと嫌われたんだと思ったのよ。
・・・・・・だけど、アタシは好きだから。まだ、すごい好きだから。せめて、これ以上嫌われたくないって思ったの。」
「…その割に即答やったやないか。」
「・・・・・・いつか、言い出されるかもしれないってずっと覚悟してたから。」
- 147 名前:11 投稿日:2003/10/23(木) 15:15
- ウチは、ぎゅっと圭ちゃんにしがみついた。
「・・・・・・アホ。」
「裕ちゃんもね。」
「大好きやねん。愛しとんねん。別れたくなんかない…。」
「・・・・・・アタシも、よ…。」
タイミングよく駐車場に着いたので、ウチは圭ちゃんの背中から降りた。
「…顔、見んといて。今ヒドい顔しとるから。」
「イヤ。見せて。見たいから。」
顔を上げさせられて…恥ずかしさで、死ぬかと思った。
圭ちゃんは・・・・・・そんなウチに、優しいキスをたくさんくれた。
おわり
- 148 名前:神輿 投稿日:2003/10/23(木) 15:15
-
裕ちゃん、可愛くなってたでしょうか〜?それがすごい心配です(汗)
次回は龍虎王と虎龍王様様のリクエストの『やすおが』です!!
>くり様
ありがとうございます!!そう言って頂けると、すごい嬉しいです!!
了解しました。『23』はいしたか(モー娘。バージョン)を書かせて頂きます!
がんばります!!
>ばかっちん様
ありがとうございます!!
高橋さん可愛くなってましたか〜♪よかった♪
ちょっと時間かかっちゃうかもですが、がんばりますのでどうぞよろしくお願いします!!
- 149 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/23(木) 17:14
- UKリクエストしたものです。
裕ちゃんが予想に反して可愛かったのが,おもしろかったです。
脇役で登場した平家さんも良かったです。
あの,リクエストがいっぱいなので無理でしたらいいのですが,またよしやすを書いてくださると嬉しいのですが。
今度は保田のやきもちを焼くお話が見たいです。よろしくお願いします。
- 150 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/29(水) 05:00
- いつも楽しみにしてます。
更新テンポがはやいですね。
初リクで、責めの石川受けの後藤いいでしょうか?
よろしくお願いします。
- 151 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/01(土) 21:03
- いつも楽しみに読ませてもらってます☆
めっちゃマイナーなんですけど藤本×高橋
でリアルお願いします。
頑張って下さい!!!
- 152 名前:神輿 投稿日:2003/11/04(火) 14:40
- 今回は龍虎王と虎龍王様のリクエストの『やすおが』です!!
- 153 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:41
- 私の気持ちを、一番わかってくれる人だった。
焦りも不安も不満も、一番わかってくれる人だった。
それはきっと、あの人もかつて感じた事のある想いだったからだろう。
「焦るのも不安を感じるのも、良い事よ。
だけどね、不満や妬みは駄目。
他のメンバーは、アンタと一緒に『戦って行く』仲間なんだからね?」
すべてを、見透かされたような気分で聞いた。
愛ちゃん。あさ美ちゃん。里沙ちゃん。
スタートは同じなのに。…いや、むしろ私の方が前を歩いてたはずなのに。
みんな、今では私の前を歩いてるような気がして。
あの人は、私の頭をぽんぽんと軽く叩きながら言った。
「…前にいるヤツらはね、アタシらの分身。そしてアタシらは、前にいるヤツの分身。
『モーニング娘。』って集団は、個性の集まりであると同時に全員で『一人の人間』でもあるの。」
- 154 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:41
- …正直。
つんくさんや…他の大人たちに言われた言葉よりも数倍、心に響いた。
だって、他の人は『もっと頑張れ』とか『耐えろ』としか言わないから。
この人は、私がどれだけ頑張ってるか知ってる。どれだけ耐えてるかも知ってる。
「・・・・・・はい。」
不覚にも、涙が出た。
あの人は、何も言わずに私の頭をなでてくれた。
・・・・・・それが、始まりだった。
- 155 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:42
-
保田さんが私達の楽屋にいなくなってから、今月でもう半年が過ぎる事になる。
入れ替わりに新メンバーが四人も入って来たから、むしろ『狭い』って感じるようになった楽屋。
…だけど。
「…なんかさぁ、広くなった気ぃしない?楽屋。」
心の中を読まれたのかと思って、びっくりして振り返る。
そこにいたのは矢口さんだった。
「…矢口さん。」
「もう、半年も経つんだね。あの『卒業式』から。」
考えたくなかったので、返事をしなかった。
すると矢口さんは苦笑を漏らす。
「…ホントに、小川は圭ちゃんになついてたよね。」
「え?」
「教育係は石川だったはずなのに…圭ちゃんと一緒にいる事の方が多かったんじゃん?」
「・・・・・・。」
同じ事を、石川さんにも言われた。
笑いながら、『わたしよりも保田さんがお気に入りなのね』って。
「…そんなつもりはなかったんですけど…。」
「そうかな?」
矢口さんは笑う。
- 156 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:42
- 「なんか、小川の方が積極的に圭ちゃんに寄って行ってたような気がするけどな。」
「・・・・・・。」
矢口さんは、ちっちゃな体をいっぱいに伸ばして私の頭をなでた。
「小川は、圭ちゃんが好きなんだよね。」
心臓を、直接つかまれたような衝撃。
私はそれを『先輩として』と言い繕う余裕も、否定する余裕もなかった。
「・・・・・・!!」
「やっぱり。」
「ちょ、待ってくださいよ。私は…」
「無理すんなって。」
矢口さんは、笑ったまま言った。
「『先輩として好き』とか『憧れてる』って意味じゃないでしょ?『恋愛感情』だよね?」
とっさに、否定しようとした。
だけど、できない。
口先だけでも、否定なんてできないくらいに想いが膨れ上がってるから。
「・・・・・・。」
泣き出したくなった。
もう、どうして良いのかわからない。
そんな私に、矢口さんはまた背伸びをして頭をなでてくれた。
- 157 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:42
- 「そうだよね、圭ちゃんってカッコ良いもん。惚れちゃう気持ち、わかる。」
「え…?」
「おいらも一時期、圭ちゃん好きだったから。」
「・・・・・・!!!」
矢口さんの目が、遠くなった。
「…だけどね。圭ちゃんはおいらなんか見てなかったから。いっつも、ずっと前を見てたから。
だから、諦めた。」
「矢口さん…。」
「小川はさ、まだ若いんだし。いくらでも突っ走れるよ。」
弾けるような笑顔。矢口さんの笑顔は、いつも勇気をくれる。
「だからさ。頑張ってよ。諦めちゃったおいらの分まで。」
「・・・・・・。」
まだ、絶対諦められてない。
そんな笑顔をした矢口さんに、私は頷いて見せた。
…きっと、私に託す事で本気で諦めようとしてるんだって…思うから。
諦めてもらわなきゃ困る。
だって、矢口さんの顔みたら…
保田さんが、本気で欲しくなっちゃったから。
- 158 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:43
-
「保田さん!!」
「お、おおおおお、小川!?」
突然後ろから抱きついた私に、保田さんは驚きながら私の名前を呼ぶ。
「どうしたどうした!?」
「えへへ。・・・・・・保田さん。」
そのままの姿勢で、私は言う。
だって、顔見られたくないんだもん。
今の私、絶対顔が赤一色だから。
「…私、こないだ誕生日だったんです。」
「ああ、知ってるわよ。だからメール送って…」
「プレゼント欲しいんです。」
声が震える。
どうしよう。足も震えてる。
「プレゼントぉ!?」
「はい。」
「…まぁ、良いけど。何が欲しいの?」
ぎゅっと、抱きつく手を強めた。
…拒絶されたらどうしよう。
そんな想いが頭を過ぎる。
だけど。
『拒絶が怖くて、前に進めるかってのよ!新しい事をする為には、勇気を奮い立たせる事が必要なの!』
昔、私が初めてコントに臨む時に…恥ずかしがる私に保田さんが言ってくれた言葉。
私は、覚悟を決めた。
「…保田さんを、ください。」
全身が震えた。
- 159 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:43
- 怖くて怖くて、不安で不安で…泣き出しそう。
保田さんも絶句してる。
…無言で、どのくらいいただろう。
十分?五分?…もっと長いような気もするし、もっと短い気もする。
「…小川?」
「・・・・・・はい。」
保田さんがようやく発した声に反応して返事したけど、やっぱり声震えてる。ひっくり返りそう。
「・・・・・・意味、わかって言ってる?」
こう訊かれるって事は、真剣な告白だってわかってもらえてるんだろうか。
「…そのつもり、です。・・・・・・好きなんです…。」
どうしよう。だからこそどうしよう。
もう、『冗談ですよ』じゃ済まされない。誤魔化せない。
…いや、違う。
私はもう、誤魔化す気がないんだ。
だって、欲しいんだもん。保田さんが。
「・・・・・・駄目、ですか?」
あまりに何も言わない保田さんにそう言う。
泣きそう。駄目なのかな?
「・・・・・・いや、その。」
「はい…?」
「…小川、ちょっと離れて。」
- 160 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:44
- 拒絶された。
そう感じて、私は走り出そうとする。
「ああっ!こら!待ちなさい!!」
…走り去ろうとした私の腕を、保田さんがつかんだ。
「勝手に解釈すんじゃないわよ!!」
「だ、だって!離れろって!!」
「そうじゃなくて!!!」
気づいたら、私は保田さんの腕の中にいた。
「・・・・・・や、保田さん…!?」
「…ったく、この子は。」
保田さんの胸から、どきどきと早い鼓動が聞こえて来た。
「…顔も見ないで告白するヤツがあるか、ってのよ。」
「え?」
「顔、見て言いなさい。その方が・・・・・・アタシ、嬉しいから。」
「は!?」
驚きながら、恐る恐る保田さんの背中に腕を回す。すると保田さんはもっとぎゅっと抱きしめてくれた。
「…あげるわよ。いくらでも。」
- 161 名前:12 投稿日:2003/11/04(火) 14:44
- ぶわっと、目から涙が溢れ出す。その音までもが聞こえたみたい。
「…何故泣く?」
「だって…!!だって…!!!」
ぽんぽんと優しく背中を叩かれる。
「…最初っから、目が離せなかったのよね。アンタには。」
「保田さん…。」
「いつからか、アンタの事しか考えられなくなってた。」
これは夢かも知れない。
だって、それは私がずっと言って欲しかった言葉。
だけど、ぎゅっと抱きしめられる腕の強さは…現実のものだって確信できる。
「…アタシも、アンタが大好きよ。」
誰もいない廊下の片隅で。
私の涙がとまるまで、保田さんはずっと抱きしめていてくれた。
おわり
- 162 名前:神輿 投稿日:2003/11/04(火) 14:45
-
やすおが、どうでしたでしょうか?
カッコイイ保田さんを目指して書きました(w
次回は虎様のリクエストの『やぐよし』です!!
>>>149名無し読者様
ありがとうございます!!喜んで頂けたようで、本当に良かった…。
>裕ちゃんが予想に反して可愛かったのが,おもしろかったです。
そうなんです。書いてて裕ちゃん、どんどん可愛くなって入っちゃって(w
了解しました。『24』はよしやす(やすがやきもち)を書かせて頂きます!
>>>150名無し読者様
ありがとうございます!
でもここの所、ちょっと更新滞っちゃってて…(汗)ごめんなさいっ!
了解しました。『25』はいしごま(石攻めの後受け)を書かせて頂きます!
>>>151名無し読者様
ありがとうございます!
了解しました。『26』は藤本×高橋を書かせて頂きます!
- 163 名前:センリ 投稿日:2003/11/04(火) 21:01
- やぐぼん!これしかないッス(照
お願いしまっす!
- 164 名前:龍虎王と虎龍王 投稿日:2003/11/05(水) 13:23
- やすおがリクしたものです。
すごくいいっす!かっこいい保田さんに、恥ずかしがってる小川さんが可愛い。
できれば続きがみたいです。
頑張ってください。
- 165 名前:神輿 投稿日:2003/11/09(日) 16:00
- 今回は虎様のリクエストの『やぐよし』です!!
- 166 名前:13 投稿日:2003/11/09(日) 16:01
- おいらは、小さい。
だから昔から、けっこーコンプレックス強い方だった。
ま、今は『ちっちゃいのもおいらの魅力♪』って思ってるけど。
それはともかく。
ちっちゃいから、おいらよりも20cmも背が高いよっすぃーに抱きしめられると、すっぽり腕の中におさまっちゃうんだ。
「可愛いな〜、矢口さん♪」
…おいらも女の子。
『可愛い』って言われて、うれしくないワケないんだけど。
・・・・・・なんでだろ?最近、よっすぃーにそう言われても嬉しくない。
ここの所、それがずっと心の中を占めてて…ストレスっぽくなってたりもする。
「・・・・・・。」
「矢口さん?」
何も言わないおいらを不思議に思ったのか、よっすぃーは心配そうに顔を覗き込んで来た。
- 167 名前:13 投稿日:2003/11/09(日) 16:01
- …今まではさぁ。
『嫌われたら嫌だ』とか、『べつにかまわない』とか思ってたんだけどさぁ。
だからこそ、きけなかったんだけど。
よっすぃーって、おいらのどこが好きなんだろ?
よっすぃーは、モテる。
外見すごいカッコイイし可愛いし、性格も良いから。
なんてゆーの?『王子様』みたいな感じでさ。
男にも女にも、よく告られてる。…おいらも、自分から告った。
・・・・・・愛されてるって自信がないワケじゃないけど。
だけど、よっすぃーって具体的な事は全然言わないんだよ。『好き』とか『愛してる』とか『可愛い』とかはよく言うけど。
やっぱさ、不安になるじゃん。
『好き』って、何が?
『愛してる』って、どうして?
『可愛い』って、どこが?
…こんなモテモテのよっすぃーと付き合えて、こんな事を思うのは罰当たりかも知れないけど。
- 168 名前:13 投稿日:2003/11/09(日) 16:01
- だけど、おいら…本気でよっすぃーの事好きだから。
・・・・・・だから、気になるんだよ。
「や、矢口さん?どうしたんですか?なんか、泣きそう…?」
「よっすぃーのせいだよ。」
「えぇ!?」
驚いてるよっすぃーの顔を見て、自己嫌悪。何八つ当たりしてんだよ、おいらは。
「なんかわからないけど・・・・・・ごめんなさい。」
しょぼくれて謝るよっすぃーに、更に腹が立つ。
「なんで謝るの!?」
「だって、矢口さんあたしのせいで泣きそうなんでしょ!?」
「理由わかんないのに、なんで謝るんだよ!!」
ああ、最悪。
おいらって馬鹿。
よっすぃー、気ぃ使ってくれてんじゃんか。それなのにキレるってどーよ?
自己嫌悪、自己嫌悪、自己嫌悪。
「よっすぃーいっつもそうだよね!!おいらがやる事に何も口出ししないでさ!!」
- 169 名前:13 投稿日:2003/11/09(日) 16:02
- 自己嫌悪がつのって、イライラが増して。
「ワケわかんない!!フツー言い返すでしょ!?」
…それで、優しいよっすぃーに完璧な八つ当たり。とまらない。
「・・・・・・ごめんなさい。」
しょぼくれたようなよっすぃーの声に、おいらは我に返った。
「…あっ…。」
そのよっすぃーの表情に、激しい後悔がおいら襲う。でも口から出ちゃった言葉は戻らない。
おいら、どこまで馬鹿なんだろう。
「・・・・・・。」
だけど、今何を口に出して良いのかわからない。
謝罪の言葉か、それとも開き直りの言葉か。
・・・・・・どちらも不適切な気がする。
「・・・・・・あたし。」
よっすぃーの言葉に、身体がびくっとなる。恥ずかしいくらいにビビッてる。
「矢口さんの事、好き過ぎるんですよ。」
「・・・・・・は?」
今度は、よっすぃーが泣きそうな顔してる。
- 170 名前:13 投稿日:2003/11/09(日) 16:02
- 「…だから、その…笑って欲しいから。」
「・・・・・・。」
「何か口出ししたりして、うざがられたりしたら・・・・・・あたし、もう生きていけないから。」
…こんな顔のよっすぃー、初めて見る。
「…だから、何が原因かわからなくても…あたしが悪いって言うなら、あたしが原因なら…謝って、早く元気になってほしいから。」
「・・・・・・よっすぃー…。」
よっすぃーは、涙目のままでおいらに言った。
「矢口さんの全部が、好きで好きで大好きで…
もう、どうして良いのかわかんないんです。だから…何も『言えない』んです…。」
思わず、おいらはよっすぃーに抱きついた。
- 171 名前:13 投稿日:2003/11/09(日) 16:02
- 「本当!?嘘ついてない!?」
「本当ですよっ!!決まってるでしょー!?」
「えっへへへへ♪」
すべての答えを、もらっちゃった。
つまり、結論は。
「よっすぃー、おいらの事好き?」
「はい、大好きです。」
「おいらもよっすぃー、大好き!」
…こーゆー事♪
おわり
- 172 名前:神輿 投稿日:2003/11/09(日) 16:02
-
…ちょっとワケわかんない感じになってしまいましたが(汗)
次回はOGAフリーク様のリクエストの『おが絡み』を書かせて頂きます!!
>センリ様
了解しました。『27』はやぐぼんを書かせて頂きます!
「ぼん」は「あいぼん」の事だと理解しちゃって良いんですよね…?
>龍虎王と虎龍王様
喜んで頂けたようで、本当に良かったです♪
了解しました。『28』はやすおが(『12』の続き)を書かせて頂きます!!
>頑張ってください。
ありがとうございます。頑張ります!
- 173 名前:センリ 投稿日:2003/11/09(日) 22:22
- あいぼんの「ぼん」と理解しちゃってよかです。
やぐよしおもろかったです☆
- 174 名前:レオナ 投稿日:2003/11/11(火) 21:16
- 初めまして。
どれも面白い小説で最高です!
私からもリクエストをお願いしたいのですが、宜しいですか?
柴紺かみき紺を希望です。
- 175 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/12(水) 00:13
- 作者さまお疲れ様でございます。次回作も楽しみにしておりますので
またーりがんばってくださいましね。
- 176 名前:虎 投稿日:2003/11/12(水) 14:04
- お疲れっした!!
いやぁ〜やっぱいいっすねぇ!!
これからも読んで読んで読みつづけるんで、頑張っちゃって下さい
- 177 名前:チェリー 投稿日:2003/11/16(日) 23:01
- あああ・・できれば「ごまたか」をもっかい・・・。
エロ有希望だったり・・。。
お願いしますぅ!!!
- 178 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:09
- 「おっがわ〜!!」
「うおわっ!?」
本を読んでいたらいきなり後ろから抱き付かれて、麻琴はマトモにビビッた。
「…だ、誰かと思ったら石川先輩じゃないですかぁ…。もう、脅かさないでくださいよ。」
「えへへ☆だって、図書室来たら小川がいるんだもん♪」
「…どう言う理屈ですか…。」
石川梨華、委員会の先輩だ。色んな仕事を教えてらったりしている。
それ以上でもそれ以下でもない関係にある人。
麻琴も確かに顔は可愛いと思う。しかし。
「…だから、言ったでしょう?私、好きな人いるんですってば。」
「でも、まだ告白してないんでしょ!?」
「・・・・・・ええ、まあ…。」
「だったら頑張って、わたしがゲットしたいもん!!」
今日からちょうど九ヶ月前、麻琴はこの可愛い顔をした先輩に告白された。
「諦めないよ、わたしは!!」
健気なその宣言に、麻琴は困惑の表情を見せた。
そんな麻琴に、梨華はおかまいなしに抱きつく。
- 179 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:10
- 「ちょっと待てよ!」
「やん!!」
べたべたくっついていた感触が、強引に離された。
「…なにべたべたしてんだよ!!フラれたくせに!!」
「よ、吉澤先輩…。」
あらたに出現した人物に、麻琴は顔を強張らせる。
吉澤ひとみ、部活の先輩だ。部活のいろんな事を教えてもらっている。
それ以上でもそれ以下でもない関係にある人。
麻琴も確かに男前な人だと思う。しかし。
「ウチの小川に、ちょっかい出してんじゃねーよ!!」
「だ、誰がよっすぃーのですって!?聞き捨てならないわね!!」
「・・・・・・吉澤先輩。だから私、好きな人いるんですってば…。」
「だけどまだ彼女いないんでしょ!?」
「・・・・・・ええ、まぁ…。」
「だったら頑張って、ウチがゲットすりゃ良い話!!」
今日からちょうど九ヶ月前、麻琴はこの男前な先輩に告白された。
「小川はウチが幸せにする!!」
心底男前なその宣言に、麻琴は眩暈を覚えた。
そんな麻事の前で、二人は舌戦を繰り広げる。
- 180 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:10
- 「何を勝手な…!!小川は『わたしの』小川なの!!」
「オマエこそナニ勝手な事言ってんだよ!!『ウチの』小川に決まってんだろ!?」
「ちょっと、二人とも…!!」
おろおろする麻琴の前に、一人の少女が割って入って来た。
「大丈夫ですか?小川先輩☆今、私が助けてあげますからねっ!」
「・・・・・・し、シゲさん…。」
その少女は、きりっとした表情で二人に言い放った。
「二人とも、不毛な争いはやめてください。小川先輩は、私のものです。」
「「な!?」」
驚愕の表情を見せる先輩二人の顔を見て、麻琴は額に手を当てる。
道重さゆみ、彼女が中学の頃から、通学で使う電車でよく一緒になる後輩だ。毎朝喋ったりしてる。
それ以上でもそれ以下でもない関係にある人。
ものすごいナルシストだが、確かに綺麗な顔立ちをしてると思う。しかし。
「なんだよ、オマエ!!一年じゃん!!」
「そーよそーよ!ガキんちょは黙ってなさいよ!!」
「駄目です!こんな可愛い私がお願いしてるのに、聞き入れないなんて…さては私に嫉妬してますね?」
「「するかよ!!」」
- 181 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:11
- 「・・・・・・シゲさん…だから私、好きな人が…」
「大丈夫です。絶対振り向かせて見せますから。」
今日からちょうど九ヶ月前、麻琴はこのナルシーな後輩に告白された。
「小川先輩は、私と付き合う運命にあるんです!!」
麻琴は、がたっと席を立った。
「・・・・・・私、教室に帰りますね…。」
これ以上出てきちゃ、図書室的にも迷惑だし、麻琴自身も読書どころではない。
「あっ!小川!!」
「おいコラ待て!!ウチを選ぶってはっきりさせて行け!!」
「何言ってるんですか。小川先輩が選ぶのは私ですよ。」
「「何ィー!!?」」
ぱたん、と図書室の扉を閉める。
(ああ、もう次から図書室立ち入り禁止になりそう…。)
深いため息を吐いた。
- 182 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:11
-
あの三人は、氷山の一角。
「あ!小川!!おいら小川の為に弁当作って来たんだ!!」
「何抜け駆けしてんだべさ、矢口!!…小川、なっちの作ったかぼちゃの煮物、食べて?」
「矢口もなっちも!!…ねえ、小川?カオリと一緒に学食行こう?何でもオゴるから。」
「・・・・・・自分のお弁当、持ってますから…。」
廊下で出会った先輩たちをかわす。
「あ!まこっちゃん!!…今日も、可愛いね…っ。」
「あ、ね、ねえ、麻琴ぉ!!私の今日の髪型どう!?好み!?」
「…里沙ちゃんに愛ちゃん…。」
クラスメート達への返答に困り、引きつった笑顔で後退する。
「まこっちゃーん!!あいしてるのれすー!!」
「コラのの!!何言っとんねん!!まこっちゃんはウチのが先に目ぇつけたんや!!」
「つ、辻さん加護さん…。」
他のクラスの人たちに、曖昧に笑って見せてからダッシュ。
- 183 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:12
- 「・・・・・・あああああっ!!もうっ!!!」
去年のバレンタインデーに、麻琴争奪戦を繰り広げた人達。
その人達が、バレンタインデーから九ヶ月も経った現在でも争奪戦を繰り広げている。
(道重さゆみなど、まだ入学してもいなかったのに告白して来た。)
「・・・・・・私が、いけないんだよね…。」
屋上へと続く階段をとぼとぼと上りながら、麻琴は呟いた。
麻琴としてはハッキリしたつもりなのだが、あの押しの強い人達には通じないらしい。
『好きな人がいる』と言うのは、嘘じゃない。
「…あの中には、いない人だからなぁ…。」
屋上への扉を開くと、真っ青な青空が見える。
それを背景にたたずむ、一人の少女。
「・・・・・・あっ、ま、まこっちゃん…。」
「・・・・・・あさ美ちゃん…。」
自然に、笑みがこぼれる。
「隣、良い?」
「うん!どうぞ♪」
腰を下ろすと、空を見上げる隣の少女の横顔を盗み見た。
(…可愛い…。)
そんな言葉が、心の奥底から湧いて来る。
どきどきと、心地よい鼓動が全身を満たす。
- 184 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:12
- 彼女は、『空が好きだ』と言った。
何度、彼女の『空』になりたいと思ったかわからない。
紺野あさ美。…彼女こそが、麻琴の『好きな人』。
(…だけどあさ美ちゃん、そんなに神経太くないからなぁ…。もし私が告白なんかしちゃったら…。)
その返事がYESであってもNOであっても、あの先輩・同級生・後輩が彼女をどんな目に合わせるか。
想像できるようで想像できない。それが一番怖かったりする。
(…だけど。)
想いは、日に日に膨れ上がるばっかりで。
「…まこっちゃん?なぁに?」
「へっ!?…い、いや、あの…ッ!!」
見つめていた事に気付かれて、麻琴は驚くやら恥ずかしいやらで顔を真っ赤に染めた。
「…あ、あさ美ちゃんのほっぺって、やわらかそうだなって思って…。」
苦し紛れにいった言葉に、あさ美は笑う。
「うん、やわらかいんだよ〜。触ってみる?」
「はへっ!?」
真っ白な手に、手を取られて。
麻琴は、自分がゆでたこのような顔色をしてるんだろうとわかっていた。
ふにっと言う感触を、指先が感じる。
- 185 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:12
- (ど・・・・・・どうしよう。)
触れているのは、指先だけなのに。
どうしようもない位にどきどきしている。
そんな麻琴に、あさ美はにこっと微笑んで。
「…食べたくなっちゃう、でしょ?」
どくん、と、心臓が跳ねた。
「・・・・・・あさ美ちゃん…。」
理性が、三分の一くらいは飛んだみたいだ。
ちゅっ。
音を立てて、唇があさ美の頬に触れる。
やわらかい感触。指先で触れるのとは違う感じ。
唇は指先よりも敏感で、あさ美の肌のきめ細かさまでもが感じ取れる。
「…まこっちゃん…。」
「・・・・・・!!!」
あさ美の声で、麻琴ははっと我に返る。
「…うわっ!!何してんだ私!!あ、あさ美ちゃん、ごめ…ッ!?」
言葉の途中で。
唇が塞がれた。
「・・・・・・ッ!?」
触れるだけ。
今までして来た中で、一番軽いキス。
…だけど、今までして来た中で、一番どきどきするキス。
- 186 名前:14 投稿日:2003/11/18(火) 07:12
- 「・・・・・・。」
唇が離れた後、麻琴は言った。
「あさ美ちゃん。」
「・・・・・・はい。」
「今度は、私からキスしても良い…?」
「・・・・・・。」
あさ美は、ふわっと微笑んで言った。
「引き金を引いたのは、まこっちゃんじゃない。」
唇が重なる。
「…もっと、したい。」
「うん…。」
「毎日…何回でも、したい。」
「・・・・・・うん。」
「あさ美ちゃん。」
もう、麻琴は何も考えてない。恐れていない。
あの九ヶ月前に争奪戦を繰り広げた人達の事も。
あさ美に嫌われたらどうしよう、と言う事も。
あるのはただ、あさ美を想う気持ちだけ。
「大好きです。付き合ってください。」
消え入りそうな声で、『はい』と聞こえた後。
二人は青空の下で、何度もキスを交し合った。
- 187 名前:神輿 投稿日:2003/11/18(火) 07:13
-
しまった。また『おわり』って入れるの忘れてた…(大汗)二回目ですね…。
いかがでしたかー?『おが絡み』って事で、もておがベースのおがこんです(笑)
次回は>>88名無し読者様のリクエストの『田紺』です!!
>センリ様
あいぼんのぼん、で良かったんですね。よかった…。
ありがとうございます!!
>レオナ様
はじめまして!ありがとうございます!!そう言って頂けると、本当に嬉しいです!!
了解しました。『29』は柴紺を書かせて頂きます!
>>>175名無し読者様
ありがとうございます!!
嬉しいですー!!これからも頑張りますねー!!
>虎様
気に入って頂けたようで、良かったです♪
ありがとうございます!!頑張ります!!
>チェリー様
了解しました。『30』はごまたか(エロ有り)を書かせて頂きます!
- 188 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/18(火) 23:14
- もてマコハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
いいよぉいいよぉぉぉぉぉ(銃声
(0^〜^0)<こういうの待ってたYO
神輿さん、サイコー!!!ぞっこん愛してる(キモ
リクはまだ受け付けているんでしょうか?
もしOKでしたら、もてマコで裏ver(皆様から誘惑されまくり、
欲を言えばエロ)とか読んでみたいです。
ごめんなさい。エロばっかリクして<(_ _)>
- 189 名前:神輿 投稿日:2003/11/20(木) 14:02
- 回は>>88名無し読者様のリクエストの『田紺』です!!
- 190 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:03
- オソい。トロい。ニブい。
「…紺野さん。」
「ふぁい?」
もともとまんまるなほっぺに、肉まんをいっぱいに詰めて更に丸く膨れさせた状態で振り返る。
細いクセによく食べる。見るといっつも食べている。
あの食物から得たエネルギーは、一体どこへと流れているんだろう。
背も確かに私よりは高いけど、決して『高い』と言える方じゃないし。
…だとすると、胸?
そう言えば、意外と胸デカいんだよな。この人。…そうか、胸か。胸に流れてんのか。
なんて羨ましい体質してるんだ。紺野さんよ。
「…ふぁふぃ?ふぁふぁふぁふぁん。」
「・・・・・・食べ終わってからで良いですよ。」
その言葉を合図に、紺野さんは一瞬きょとんとしてから肉まんを一気に口の中に入れる。
・・・・・・やっぱりあの頬、頬袋になってるのかなぁ。
だけど、そんなに一気に食べたら…。
「んぐっ!?んうっ!!?」
・・・・・・やっぱり、喉に詰めた…。
- 191 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:03
- 「…はい、どうぞ。」
持っていたペットボトルのお茶を渡すと、ものすごい勢いで飲んで行く。
「ぷはぁ。…あー、助かった…ありがとう、田中ちゃん。」
「・・・・・・いえ。」
さっきまでほとんど手付かずだったのに、もう既になくなりかけてるペットボトルを返される。
・・・・・・良いんだけどね。別に。
てゆーか、『よく食べる』だけじゃなくて『よく飲む』も追加しよう。
「…で、何か御用ですか?」
「・・・・・・あの、飯田さんが探してましたよ。紺野さんの事。」
「えぇっ!!?早く言ってよっ!!…うきゃあ!?」
紺野さんはあわてて立ち上がり、椅子につまずく。
「だ、大丈夫ですか!?」
「ううう…重ね重ねごめん…。」
顔全体で『申し訳ない』と言う感情を表現してから、紺野さんは走って行った。
オソい。トロい。ニブい。
よく食べ、よく飲む。
…それが、紺野あさ美と言う人物。
- 192 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:03
-
最近、私はなんだか変。
「里沙ちゃん、見てみて!!ピザまん!!」
「うっそ!!あれすぐに売り切れちゃうじゃん!!」
「そうなんだけどね、店員さんと仲良くなって取っておいてもらったの!!
いっぱいあるから一緒に食べよー!!」
紙袋を囲んで、楽しそうな紺野さん。
ピザまんを頬張って、幸せそうな紺野さん。
…あ、ほっぺにチーズがついちゃってる。
「…れいな?」
絵里の声で、はたと我に返った。
「…ん?」
「どうしたの?次、れいなの番だよ?」
…そうだ。絵里とさゆとババ抜きしてたんだっけ。
紺野さん見てたら、すっかり忘れてた。
「…〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
「れ、れいな…?」
「どしたの?れいな?」
いきなり頭を抱えて苦悶し出した私に、絵里とさゆが心配そうに問いかけて来る。
…なんで私、紺野さん目で追ってるんだよっ!!
最近、ずっとそうなんだ。ふと気がつくと、紺野さんを目で追ってる。
そしてその行動や表情の一つ一つを、つぶさに観察してるんだ。
- 193 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:03
- 「…なんかビョーキ?」
さゆに言われて、私は顔を上げる。
「…そうだね…病気かも知れん…。」
「うっわ。れいなメチャメチャ疲れた顔してるよ?」
「・・・・・・疲れてんだよ…実際…。」
そう。本当に疲れてる。
なんかイライラする事が多くなってる。
今もすごいイライラしてるんだ。
…紺野さんを目で追いかけるようになってから。
なんでピザまん、新垣さんと分けるのさ、とか。
…いや、別に私が食べたいワケじゃないんだけど。おなかいっぱいだし。
小川さんや高橋さんにベタベタくっつき過ぎ、とか。
…私もよく絵里やさゆにくっついてるけど。
どうしてそんな、やわらかく笑うんだよ、とか。
…アイドルなんだから笑うのは当たり前だってわかってるけど。
その他諸々。
「・・・・・・。」
「…れ、れいな?」
- 194 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:04
- 「・・・・・・ねえ、絵里。さゆ。」
「「何?」」
なんだか恐ろしい事に気付いてしまったような気がする。
「…あのさ。『ある特定の人物の事を考えると、夜も眠れない』って病気、と言えば?」
「「『恋わずらい』でしょ?」」
二人の声が、見事にハモった。
…きかなきゃ良かった…。
「え?何?れいな、そーゆー相手いるの!!?」
「別に。私の事じゃないよ。」
絵里が興味津々に聞いて来たので、するりとうまくかわす。
…しかし、内心はぐちゃぐちゃに混乱してる。
ああ、お父さん。お母さん。
れいなは・・・・・・女の人に『恋』しちゃったみたいです。
- 195 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:04
-
「あ、田中ちゃん!!」
「うげぐっ!?」
会いたくない時にこそ、会いたくない人に会ってしまうみたいで。
私は自販機の前で、紺野さんに遭遇してしまった。
「…ど、どうも…。」
「田中ちゃんも、ジュース買いに来たんだ?そうだよねー。なんか空気乾燥してるしねー。」
500mlペットボトル三本と、缶ジュース二本抱えてる紺野さんは、乾きすぎだと思いますよ…。
そんな言葉を飲み込んで、曖昧に笑って見せる。
…駄目だ。一度意識しちゃうと、普通にできない…。
「・・・・・・ねえ、田中ちゃん。」
「は、はいっ!?」
「私の事、好き?」
・・・・・・。
すべての思考が停止した。
心臓の音が大きくなってる事にすら気付かない程。
「・・・・・・はい!!?」
「答えてよ〜。私の事、好き?」
にこにこ笑顔で。いつもと変わらない優しい笑顔で。
…私に爆弾落としてるよ、この人は…。
- 196 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:04
- 「…あ、あの…?」
「どっち?」
「その…。」
気付いたばかりの、この恋心。
わずらわしいようで、けっこう心地よいこの感情。
壊したくなかった。
もっともっと、いつか手放さなきゃいけない時が来るとしても。
今だけは、どうしても・・・・・・傷つけたくなかった。
だから。
「・・・・・・好き、です…!!」
勇気を振り絞った。
かっこ悪い。何コレ。
顔が熱くて、胸が痛くて、どうしようもない。泣きそう。
すると紺野さんは、変わらぬ笑顔で。
「それは良かった!!」
自分の胸から、きゅぅん、と言う音を聞いたような気がした。
…えっと。それって。
どう言う意味なの…?
- 197 名前:15 投稿日:2003/11/20(木) 14:05
- 「私、田中ちゃんに嫌われてると思ったから。」
「…へ?」
「だってなんか、いつもニラまれてる感じするし。」
…そりゃー、いつも目で追ってるし。
…え?てゆーか何?どーゆー意味?
「やっぱさ、後輩には嫌われたくないじゃん?」
・・・・・・。
「…あ、もうこんな時間。行かなきゃ。…それじゃ、お先にね。」
紺野さんはぱたぱたと走り去って行った。
その後ろ姿を見てから、へなへなと床に座り込む。足に力が入らない。
「・・・・・・そうだ。そうだった。」
あの人は、とってもニブいんだった。
「・・・・・・ふふふふふ…。」
まだ、ショックで立ち上がれないけれども。
胸の中に、炎が燃え上がるのを感じた。
「…絶対、両思いになってやる…!!!」
そして、私・田中れいなの戦いが始まる…。
(意外と敵が多い事に気付くのは、これからちょっと後の事だった。)
おわり
- 198 名前:神輿 投稿日:2003/11/20(木) 14:05
-
田中さん奮闘記の序章、みたいな感じで書きました。
いかがでしたか〜?田中さん書くのって、難しいですね…(汗)
次回は>>89名無し読者様のリクエストの『アヤ圭』です!!
>>>188名無し読者様
ありがとうございます〜!!
そんなに気に入って頂けたなんて…本当に光栄です!!感謝感激です!!
了解しました。『31』はもてマコ裏ver(皆様から誘惑されまくり)を書かせて頂きます!!
頑張りますので、どうぞこれからもよろしくお願いします♪
- 199 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/20(木) 18:22
- 田紺.。゚+.(゚ー゚)。+.゚ イイ!!
こんこん凄く可愛いですvv
田紺萌!
初めて読ませてもらったんですけど、神輿さんの小説大好きです!
これからも是非是非素敵な小説書いてください!!
リクエストの方まだ宜しければ、
モテ紺で最終的には後紺、っていうのをお願いします!
- 200 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/21(金) 09:37
- 田紺をリクした物です!凄く素敵でした!素晴らしい作品をありがとございます!!機会があれば両想いになった二人の話しも読んでみたいです!これからも頑張って下さいね!
- 201 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/30(日) 03:24
- 田紺おもしろい!!
続きが見てみたいです。
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