黄泉がえり2
- 1 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/06(月) 10:18
- 「こんちはー!」
私は飯田圭織、今年大学二年生になりました
たまにボーっとするのが特徴かな?
あとは・・・
今は5月
最近暖かくなってきたっていうよりなんか暑くなってきたかも・・・
「おぉー!カオリぃ!!来たか―!」
「ふふっ相変わらずちっちゃいね」
「っせー!!」
ちっちゃい金髪の女の子、矢口真里
中学1年のころからずっと親友だったんだ
去年の『あの時』を除けば・・・ね
「む〜っカオリのバカっ!!」
「可愛いねぇ矢口はっ!」
ぎゅっ
「ぎゃ〜!!抱きつくな〜っ!!」
実は矢口が好きだったりするんだよね〜
言うつもりはないけど・・・
「ったく〜裕ちゃんじゃないんだから!」
「呼んだか? 矢口」
「げっゆ、裕ちゃん!!」
「雑用追加な♪」
この怖いくらいの笑顔で矢口に雑用を任せたのは
中澤裕子さん
昔は有名な科学者だったみたいだけど今は
この樹海の中で研究所を建てて他の研究員と矢口と暮らしてるみたい・・・
とりあえず大まかな人物紹介は終わりかな?
- 2 名前:タケ 投稿日:2003/10/06(月) 10:20
- 前スレ↓
http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/mirage/1062738469/l50
- 3 名前:黄泉がえり 投稿日:2003/10/06(月) 10:23
- 「あ〜も〜!!雑用ばっかなんていやだぁぁぁ!!」
雑用任されてわずか3分で駄々こねる矢口・・・
なんか精神年齢低くなってないか?
「ふぅ・・・矢口には困ったもんやなぁ・・・」
中澤さんは苦笑しながらそう言って矢口の方へ向かった
「大変だなぁ・・・」
だけど・・・
本当に大変なのはこれからだったんだ・・・
- 4 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/06(月) 10:27
- 「うわっなつかし〜! まだあったのかよここ!!」
昔よりは荒んでるけどまだまだ潰れてはなさそうだ
ってことはやっぱり・・・
「さぁて・・・平家が気付く前に行きますか♪」
私はこれからのことを楽しみに思いながら
白い建物へ向かった
っていうか草が伸びまくっててウザイんだけど・・・
- 5 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/06(月) 10:34
- 「!!」
トイレの掃除中
急に矢口の動きが止まった
「? どうしたの矢口?またサボりたいって言うんじゃないでしょうね?」
「違う・・・そんなんじゃないよ・・・カオリ・・・」
矢口の顔はさっきまでの腑抜けた顔じゃなく
なにか獲物を見つけたような・・・そんな顔をしていた
パァァァン
その瞬間銃声らしき音が入り口から聞こえた
「行こう!カオリっ!」
「う、うん!」
私達は入り口に向かって走っていった
これが新たな闘いの始まりだった
- 6 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/06(月) 10:38
- 「今のは脅しです・・・まぁ、次はそうはいかないけどね♪」
タタタタタッ
あ〜やっぱり気付いちゃったか〜
まぁしょうがないでしょ
いきなり銃撃っちゃったんだしね
「あっ!!」
「お前はっ!!」
「よっ吉澤ひとみ!?」
中澤さんに飯田って人・・・そして・・・
「お久しぶりですね?矢口真里・・・さん?」
私が今欲しい人・・・
- 7 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/06(月) 10:41
- 「動かないで下さいね?撃ちますから」
私はそのまま銃を中澤さん達に向ける
矢口真里さんはどんな反応をするのかな?
「なにがしたいの?」
食い掛かったのはやっぱり矢口さん
そうこなくっちゃね?
パーティーはこれから始まるんだからね♪
- 8 名前:タケ 投稿日:2003/10/06(月) 10:42
- 更新終了です
心機一転として新レスで第二章スタートさせました
これからもよろしくですm(_ _)m
- 9 名前:つみ 投稿日:2003/10/06(月) 15:42
- やっぱり奴がきた〜!!
よっすぃ〜視点で始まるんすかねえ?
- 10 名前:大人パスタ 投稿日:2003/10/07(火) 01:07
- 蘇える、甦る、と訓で読む漢字はあれど、
由来「黄泉から帰る」で、黄泉がえる・・・ですか。いいですね。
どうもです、白板「もう一つの時間軸」の大人パスタです。自分も宣伝(w
約束どおり(?)、全部読んだので書き込みにきました。
今まで娘。パラレル小説、いくつか見てきましたが、
いやぁ、「黄泉がえり」抜群に面白いですね。
よっすぃの役どころがまた良いです、悲しいくらいに。
あと、矢口の中の「負の矢口」(勝手に命名)とのカラミは良いですね。
「負の矢口」いっしょになるときの矢口の優しさに涙です。
記憶の中での、最後のなっちの台詞が気になるところですが、
それはこれからの伏線なのかな、と黙って見守ろうと思います。
この調子で、がんばってください。期待です。
- 11 名前:_ 投稿日:2003/10/07(火) 09:39
- 前スレがかなり余っているのになんで新スレに意向したの?
- 12 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/07(火) 10:02
- スレの無駄遣いはやめましょう。
心機一転が理由なんて言語道断!
- 13 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/07(火) 12:22
- >>11、>>12
まぁまぁ、こんなとこでそこまで言わんでも…。
とは言え、スレは使い切るのが基本ですから、
あちらは短編あげるなりして使った方がいいとは思います。
ここも色々あって、どうにか現在の形を保ってるわけだし…
俺が言うのもなんだが大切に使ってほしいなぁと。
- 14 名前:タケ 投稿日:2003/10/07(火) 12:40
- >9 つみ 様
いつもいつもありがとうございます。
よっすぃ〜視点は少ないかも・・・
>10 大人パスタ 様
ありがとうございます
宣伝してしまってスミマセンでしたm(_ _)m
面白いですか・・・そう言ってもらえると嬉しいですね・・・
頑張ります
>11 _ 様
>12 名無し読者 様
>スレの無駄遣い
・・・そうですね・・・確かにその通りでした。
ごめんなさい
本来やはりこのスレは破棄させてもらうべきでしょうか?
とりあえずこっちでは本編
あっちではキャラクターの過去編を書いた見ようと思ったんですけど
これからの次第でこのスレを破棄させるか続けるか決めようと思います。
重ね重ねご迷惑かけてごめんなさいm(_ _)m
- 15 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/07(火) 13:40
- 破棄ってしちゃうとせっかくたてたこのスレが無駄になっちゃうので…
むこうも使いきるつもりがあるならそれでいいんじゃないでしょうか?
同時進行で2つ3つ建ててる人は他にもいるし。
要は責任持って使いきるのが大事なんじゃないかと…。
- 16 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/07(火) 19:48
- >>14
平行して別の話書くのなら2スレ使ってなんら問題無いでしょ
実際にそういうやり方をしてる作者も沢山居る訳だし
まぁ最初に説明せず立てたのが問題と言えば問題ですけど
そういう事なら誰も文句言わないと思いますよ
気持ちを新たに頑張ってください
- 17 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 08:36
- くっ・・・まずいな・・・
相手は吉澤って人1人だけど・・・
「なにがしたい・・・ですか・・・ふふふっ」
「・・・」
相手が銃を持ってるってのは不利だ・・・
近づく前に撃たれるのがお・・・
パアァァン
「!!?」
その瞬間
焼けるような熱さが足に伝わり体全体を駆け巡った
それと同時に強烈な痛みが矢口を襲った
「うっわぁっ・がぁっ・・あぁっくぅ・・・っ・・・あぅ・・・いっ・・・てぇ」
矢口は足を撃たれた
- 18 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 08:42
- 「なっ!?なに撃ってるんだよ!お前っ矢口っ!!」
カオリが近づいてきた
!!
吉澤は銃をカオリに向けていた・・・
「やめろおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
矢口はカオリを抱きしめそのまま倒れこんだ
パアァァン
ドサッ
「カオリ・・・大丈夫? !!・・・っ」
左肩に焼けるような痛みがした
「矢口ぃ!!」
カオリは今にも泣きそうな顔をしていた
「きゃあああああ!!」
「うわあああああああ!!」
辺りから悲鳴の声が聞こえた
「ったく!うっさいなぁ2回ぐらい撃ったからってさぁ」
- 19 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 08:46
- 「おい!吉澤ぁっ!!なんでこんなことするんや!?」
あぁ・・・中澤さん・・・か・・・
「いたんですか?まったく目に入んなかったなぁ」
「なっ・・・」
おぉ〜怒ってる怒ってるぅ怖いねぇやっぱりこの人は!
ん?まてよ・・・
!
そうだ・・・いいこと考えちゃった♪
「中澤さん・・・こっち来てくださいよ」
「!?」
「人質って奴ですよ・・・」
これで矢口さんは私のものだよ・・・
- 20 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 08:52
- 「てめぇ!きたねぇぞっ!!」
矢口さん・・・きたなくたっていいじゃないすか
「さぁ来てくださいよ中澤さん・・・さもないと撃ちますよ?
矢口さんや飯田って人も・・・ね?」
「!!・・・わかった・・・」
「ちょっ・・・裕子ぉ!!」
私は中澤さんの頭に銃を向けて片手で両手を掴んだ
私の力なら片手で十分っ♪
じゃあ次は本来の目的をしますか
「じゃあ次、矢口さん?」
「・・・」
矢口さんは鋭い目でこっちを睨んでいた
そんな矢口さんも素敵ですよ? くくくっ
「私と一緒に来てください」
- 21 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 08:57
- 「なっ・・・」
なに言ってんだコイツ・・・
「矢口・・・」
矢口の下敷きになっていたカオリが心配そうにこっちを見ていた
「カオリ・・・大丈夫、なんとかするからさっ」
そうはいったものの・・・どうする?
くそっ!こんなとき『力』があれば・・・
そう考え込んで一瞬疑問が浮かんだ
もう1人の矢口は・・・?
- 22 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 09:05
- もう1人の矢口は『おさらば』って言ってたけど・・・
でも違う・・・きっと違うんだ・・・
「さぁ!来てくださいよ!早くしないと中澤さん撃っちゃいますよ?」
そう言って吉澤は裕ちゃんの頭に銃を押しつけた
「なっなんだと?」
「だから来てくださいよぉ〜?」
裕ちゃん・・・
裕ちゃんは殺させない・・・
「わかった!だから裕ちゃんを離せっ!!」
「なっ・・・矢口っ!?」
カオリ・・・
「ごめん・・・誰も死んで欲しくないから・・・」
「ふふっそうですか・・・ですがねぇ〜『力』使われたら困るし?」
・・・相手は『力』が使えると思ってるのに・・・
でも・・・実際は・・・
「こないんですか?撃ちますよ」
「わっわかったよ!行けばいいんだろ!」
矢口は足の痛みを堪えて立ちあがって吉澤に向かって歩きだした
- 23 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 09:11
- 「はぁ・・・はぁ・・・っ!!っぐぅ・・・」
痛い・・・だけどもう誰も死んで欲しくないんだ!!
「き・・・来たぞ・・・さっさと裕ちゃんを放せぇ!」
「わかりました」
そう言って吉澤は裕ちゃんを突き飛ばした
その瞬間
ガチャッ
吉澤は銃を裕ちゃんに向けた
「!!?」
裕子・・・
イヤダ・・・モウダレモ・・・シナナイデ
(言ったろ?心は一緒って)
もう1人の・・・私?
その時矢口は今までとは違う温かい気分に包まれた
力が・・・溢れてくる!?
パアァァン
- 24 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 09:17
- それはまるでスローモーションだった・・・
弾が吉澤の銃から飛び出した
裕ちゃんは目をぎゅっとつむった
裕ちゃん・・・今助けるから!!
矢口は手を弾に向けた
ドンッ
懐かしい空気の揺れる音
カアァァン
そして弾がそれに当たって地面に叩き付けられた
「・・・な・・・にぃ・・・!?」
吉澤は顔を凍らせた
裕ちゃんは目を開けて呆然としたままだった
カオリは遠くからこっちを見ていた
でもなんだろう・・・この感覚・・・
五感が研ぎ澄まされる・・・そんな感じが・・・
- 25 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 09:22
- そして矢口は吉澤を一睨みした
「くっ・・・でもっさせないよぉ!!」
パアァァン パアァァン パアァァン
・・・今の矢口に銃はきかないよ?
ドンッ
カンッ カンッ カァンッ
「なっ・・・なんで・・・なんでだぁぁぁぁぁぁ!!」
吉澤は弾がなくなるまで銃を撃ち続けた
でも矢口はそれを全部はじき返した
カチッカチカチカチッ
「くっ・・・なんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
- 26 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 09:28
- 「くそっまだまだ・・・」
矢口は吉澤に近づいて『力』を撃った
もちろん力は最小
ドン
「!!!?・・・かっ・・・がっ・・・」
バタッ
しばらく沈黙だけが続いた
!!
この感じ・・・
「外に・・・誰かがいる?」
このとき私は初めて気が付いた
吉澤は『1人』では来ていなかったんだ
なぜなら・・・
その外にいる奴の気配が吉澤同様の気配を出していたから・・・
- 27 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 09:34
- ―研究所の外
コードネーム11「ちっ吉澤の奴・・・やられたかっ」
コードネーム510「んあ?もう終わったの?いちーちゃ・・・」
11「おい!私の名前を出すなっ!ちゃんとコードネームで呼べ!」
510「え〜どぉせ語呂合わせでしょ〜かわんないよ〜」
11「うるさいぞ!コードネーム510!!」
510「んあ〜!市井ちゃんの方後藤よりがうるさいじゃん!!」
「とにかく黙れ!吉澤連れに行くぞ?」
「え〜でも矢口って人の『力』ってのがぁ」
「大丈夫・・・私はよく知ってるから・・・」
「いちい・・・ちゃん?」
- 28 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/11(土) 09:37
- ―研究所内
「これは・・・発信機やんか!」
「じゃあ矢口!やっぱり・・・」
「うん・・・」
やっぱり・・・ってことは誰か見張ってたってことか・・・
「ってことは・・・来るんか?誰かが・・・」
「うん多分・・・しかも・・・2人・・・ね」
「なんやと!?」
「どっどうするの矢口?」
でも・・・片方の方は・・・なんか懐かしい気がするんだよな・・・
- 29 名前:タケ 投稿日:2003/10/11(土) 09:47
- 更新終了です。
>13 名無し読者 様
すみませんでした
前スレは短編を書くことにしましたので・・・
自分としてもスレの大切さを再び学びました
これからもがんばります
>15 名無し読者 様
>16 名無し読者 様
ありがとうございます
両方使いきるつもりで責任を持って頑張りまたいと思います!
>まぁ最初に説明せず立てたのが問題と言えば問題ですけど
確かに最初に書いとけば・・・すみません
次は市井さんと後藤さんVS矢口さん・・・になるはずです
よろしくです
- 30 名前:つみ 投稿日:2003/10/11(土) 16:13
- 2人が再会しますか・・・
それにしても市井さんたちって・・・?
- 31 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/12(日) 06:07
- がさっがさがさっ
吉澤から聞いていた通り、警備は薄かった
まぁこんなトコ、誰も好んで来そうにないしなぁ
「いち〜ちゃぁん!早く行こうよぉ」
「せかすなって!色々考えてんだから!それにコードネームで呼べって言ったろ?
510!!」
「むぅっ!そうんなこと言うんだふーんだっ!」
まったく・・・
「わかったよ・・・でもあん中入ったらちゃんとコードネームで呼べよ?」
そう言った瞬間後藤は目を輝かせ、ものすごい笑顔でこっちを見た
「んあ!!」
ったく・・・大人っぽいくせに中身はガキなんだから・・・
まっそんなところがこいつのいい所でもあるんだけど
「いちーちゃん?先行くよ」
「!っと、待ってくれよ」
いけない!後藤のことで侵入すること忘れてたっ
私達はこっそり入り口に近づいた
- 32 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/12(日) 06:18
- 「・・・!! 来たっ!」
「!?」 「!・・・」
この気配は外にいた2人・・・
やっぱり吉澤の仲間か!!
私は手を入り口に向けた
「入れるもんなら入ってきな!」
ザッ
「んあ」
「・・・え?」
いきなり拍子抜けだった
なんだこいつは?
ゴーグルにマスク・・・
服は・・・私服?
「よしこは〜っと・・・」
よしこ?誰だ・・・
「んあ!いたっいち・・・っとコードネーム11、41いたよー」
「ん、わかった あれ投げろ」
「りょーかい!!」
コードネーム? 11と510と・・・41?
「じゃあ悪いけど・・・」
「しまっ・・・!!」
そいつは何かを投げた
カァンッ
プシュゥゥゥ
「が・・・ガス・・・」
やべ・・・吸っちまっ・・・た
眠気が・・・ってことは・・・睡眠・・・ガ・・・ス
- 33 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/12(日) 06:22
- パチッ
「っ・・・一体なんだったんだ・・・」
辺りを見回すとみんな寝ていた
とりあえず無事なようだ・・・
だけどその時1人いなくなってることに気が付いた
吉澤ひとみが
「吉澤・・・ちっ!」
それにしても・・・あいつらはなにもんなんだ?
コードネームか・・・ってことはなにかの組織か・・・
で、吉澤の行動を考えると・・・
狙いは・・・
矢口だ!!
- 34 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/12(日) 06:30
- 「うっう〜ん?」
あれ・・・なんでカオリ達こんなところで眠ってんだろ・・・
「矢口ぃ〜?」
「カオリ!起きたのか・・・」
「どうなったんだっけ?」
矢口に状況を説明された
「じゃっじゃあの人達・・・矢口が生きてるってこと」
「知ってたみたいだな・・・なんでだろうなぁ」
それも驚きだけどそれ以上に・・・
「矢口が狙いってホントなの?」
「うん・・・っていうか『力』・・・かも」
「『力』・・・?」
「うん・・・で、オイラは・・・ここにいちゃダメだと思う」
え?
「矢口っ!?なに言って・・・」
「私がいたらみんなに迷惑がかかるよ!そんなの・・・」
「私は平気だよ?だから・・・だからっどこにも行かないで!」
私が言ってること・・・勝手だろうけど・・・
もう嫌だよ・・・矢口が・・・誰かがいなくなるなんて・・・
「ねぇ!!矢口ぃ!」
「カオ・・・リ」
「そうや、カオリの言う通りや!!行ったらアカン!!」
その時、後ろから中澤さんの声がした
- 35 名前:タケ 投稿日:2003/10/12(日) 06:34
- 短いけど更新終了です
>30 つみ 様
再会しないで終わってしまった(汗)
なんかわかりにくい文だし・・・
とりあえず市井さん達はまた出しますが・・・
次の話は市井さん達視点で行こうかと思ってます
- 36 名前:つみ 投稿日:2003/10/12(日) 08:33
- 一体どういった組織?なんでしょうかね〜?
力を使って何かするんでしょうかね・・・
- 37 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/13(月) 01:32
- がさがさっ
「はぁっ・・・はぁっ・・・くそっ!・・・吉澤重い!!
おい後藤!お前も手伝えよ!」
後ろにいる後藤に向かって叫んだ
私は吉澤をオンブした形で運んでいた・・・
「んあ〜?ごとーだってちゃんと手伝ってるよぉ!」
失礼だと言いたそうな後藤の声だが後藤は吉澤が落ちないように後ろから手で押さえてるだけだった
それは手伝ってるって言わねーっつの!!
だけど・・・
一瞬だけ見た真里を矢口真里を
ホントに生きてたんだな・・・って思うより先に昔のことを思い出していた
- 38 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/13(月) 01:37
- ―わたしは市井沙耶香よろしくね?
―・・・え!?おんなのこ?
―おとこだとおもってた?
髪は金髪になってたけど・・・
ちいさくて可愛いかった顔はまだ残っていた
だけど・・・あの日・・・
―真里ちゃ―ん!
ちょうど遊びに行ったあの日・・・
全てはあれから変わった
- 39 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/13(月) 01:44
-
気が付いたら病院にいた
警察の人や見舞いに来た真里の話しで何があったのかがわかったけど・・・
なぜあんなことがあったのかわからなかった
病院暮らしは真里のおかげで退屈することはなかった
退院した後
―沙耶香・・・よかったね・・・治って
―うん・・・でも・・・あのとき何が起こったんだろうな?
そう言った瞬間真里の顔が固まった
その時私は真里はこの事故を気にしてるんだと思った
だから私は
―・・・何かあったら私を頼ってよ?
そう言った・・・
だけど真里と別れて家に帰った後・・・
母さんの口からとんでもないことを言われた
―転校しましょう
- 40 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/13(月) 01:53
- 「・・・ちゃん」
半年後私は転校した
でも真里のことは忘れることはなかった
「ぃち・・・ちゃぁん」
だけど2年くらい前・・・
「いちーちゃん!!!」
「えっ!?」
「ちょっとぉ〜ごとーが話しかけてるのにぼーっとしてぇ!!ひどーい!」
「・・・悪い悪い」
「いちい・・・ちゃん?」
「さぁさっさと歩くぞ!車も来てるはずだしなっ!」
「おーっ!」
でも結局後藤はやっぱりというかなんというか
吉澤の背中を押してるだけだった・・・
- 41 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/13(月) 01:56
- 数十分後、樹海を抜けると車が見えた
「後藤!見えたぞ」
「んぁ〜疲れた」
「なに言ってんだ・・・歩いてただけのくせに・・・」
「むぅ〜?ごとおだってちゃんと手伝ったでしょ!」
あれが・・・?
とりあえずどっと疲れた・・・
「よいしょっと」
どさっ
私は先に吉澤を車の中に入れ
それから後藤の後に車に入った
私は外の景色を見ることなく眠りについた
- 42 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/13(月) 02:07
- 「いち〜ちゃん!ついたよ!!」
「うぅん・・・!・・・あぁ、わかったよ・・・」
吉澤はもう車の中にいなかった
「さってと・・・」
首を回し背中を後ろに反って眠気をさました
「報告に行くか」
「うん」
がちゃっ
「失礼します!コードネーム11、市井沙耶香ただいま戻りました!」
「コードネーム510、ごとー戻りましたぁ!」
「お疲れ、どうだった?矢口は・・・」
「生きてました・・・私は外で待ってましたが強い気配を感じました」
「ごとーも!だからすぐ矢口って人だってわかったよ!」
「そっか、くくくっそれはよかった
じゃあ2人はもう戻っていいよ?しっかり休みな」
「はい!」
「はぁーい!」
がちゃっ
「じゃあ戻ろっか!いちーちゃん」
「・・・」
「いちーちゃん?」
「あぁ、悪い、行こうか・・・」
いつか・・・矢口と闘う日が来るんだろうか?
できれば違う再会のしかただったらいいのにな・・・
そんなことを考えながら私は後藤と一緒に部屋まで歩いた
- 43 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/13(月) 02:15
- ―中澤の研究所
「アカンって・・・なんでだよ!矢口がいたらみんなに迷惑がかかるって!
だから私は・・・」
「それでもアカンわ」
「・・・っ!? なんで」
「カオリ・・・そしてウチ・・・それにみんな・・・みんな矢口のことが好きなんやで?
矢口と一緒にいたいわ」
「そっそんなこと言われたって・・・」
「大丈夫や!自分のことは自分で守るからなっ!
それにもしダメやったら矢口に守ってもらうからな」
「・・・裕ちゃん」
「カオリも・・・カオリも一緒にいたいよ・・・矢口と・・・
カオリなんか力になれないけど・・・矢口を守ることくらいならできるから・・・」
「カオリ・・・」
その時
「そうだ!」 「矢口ー!ここにいてくれー!」 「できる限りの事はしますから!」
次々と研究員が矢口に残るように説得し始めた
「みんな・・・」
「どや?これでも行くっちゅうんか?」
「矢口・・・お願い・・・」
「ふぅ・・・しょうがないなー!矢口がみんな守ってやるよぉ!!」
こうして矢口達の闘いは始まった
- 44 名前:タケ 投稿日:2003/10/13(月) 02:21
- 更新終了です
>>32 吉澤さんのコードネームが41になってますが
44です失礼しました
>36 つみ 様
今回少し(ホントに少し)だけ組織について書きましたが
これから新しい登場人物も出すつもりです
次回は再び3人が研究所に・・・
もしかしたら新しい登場人物も出るかも
- 45 名前:つみ 投稿日:2003/10/13(月) 11:11
- いちーさんとやぐっさんが戦う運命にあるんですかね・・・
でもなんでやぐっさんが生きてることを確認したんだろう?
- 46 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:06
- 6月に入ってこのごろ更に暑さが増してきた
「こんにちはー!矢口ー!中澤さーん!」
カオリは時折研究所に顔を出していた
そう言えばカオリって大学生なんだよなぁ
ホントは・・・同い年なのに・・・矢口だって大学行ってたはずなのに・・・
それになっちも・・・
「矢口?」
「!カオリ・・・」
「どうしたの?」
いけないいけないっ弱気になってどうすんだよ
「ふふっなんでもないよ」
そう笑顔で答えてやった
- 47 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:16
- ―数時間前
「さてとっそろそろ行くか!」
「んあ〜?眠いよぉいちいちゃーん」
ったくこいつは・・・
・・・やめよう、行く前から疲れる
いや、もう疲れてるかもしんない
「市井さん」
鋭い声が後ろから聞こえた
「どうした?吉澤」
それは吉澤だった
「もう1度吉澤1人で行かせてくれませんか?」
吉澤・・・気持ちはわかるんだけどな・・・
でも・・・
「ダメだ!もう失敗は許されない」
「だから私が1人で・・・」
「吉澤・・・私達はチームで動いているんだぞ?
1人が勝手な行動をとれば命取りだ」
私の言葉に吉澤は黙り込んだ
「・・・わかりました」
「悪いな吉澤・・・」
「いち〜ちゃ〜ん!よしこ〜!先いくよ〜!!」
「わーったよ!」
「・・・」
私達は外にでて車に乗りこんだ
- 48 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:27
- ブロロロッ
「で?今回はどうやって攻略するんでしたっけ?市井さん」
どうやら吉澤はわかってくれたらしい・・・
そう思っていいのかな?
「あぁ今回は・・・」
「んあ?よくわかんないや」
こっコイツは・・・
「昨日も3回説明してやったのに・・・」
「だってぇ〜」
昨日はうんうん頷いてたくせにコノヤロウ・・・
・・・やめよう・・・疲れた
「もういい・・・吉澤ぁ!コイツに作戦教えてやれ」
「え?いちーちゃんは?」
「寝る」
「はいはい、じゃあごっちん、この作戦は・・・」
- 49 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:32
- ―アハハッでさぁ・・・
―はははっ!沙耶香笑えるよ!あははっ!!
2年前の夏頃・・・
今日みたいに暑い日だった
―次のニュースです。
女子高生が自分の通っている学校を襲うという事件が起きました
―へぇ〜だれか殺っちまったのかよ?
―逃走した矢口真里さん(17)は・・・
―・・・え?
一瞬自分の耳を疑った
―(矢口真里?・・・真里?そっそんな・・・嘘に決まってる)
―え〜女なの?マジで?
―・・・
―沙耶香?
―えー現在原因はまったくわかっておらず・・・
その時私の耳には友達の声もニュースキャスターの声も届かず
『矢口真里』が真里でないことを祈った
- 50 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:36
- でも『矢口真里』は真里だった・・・
あの日私は・・・
「いち〜ちゃん?ついたよ?」
「市井さん、行きましょう」
「あ・・・あぁ・・・」
そうだ・・・今は作戦を上手く実行することを先に考えないと・・・
私達は再び深い深い樹海へと入っていった
- 51 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:44
- 「しっかしあれから来ないなぁアイツら・・・」
ふにゃっとした顔で裕ちゃんがポツリと呟いた
「なぁに?裕ちゃんは来て欲しいわけ?」
「いや、そういうわけじゃあないんやけど・・・
やけに遅いなって・・・な」
裕ちゃんの顔が一変して真面目な顔つきに変わった
「もしかしたらウチらに隙が出きるんを待っとるんやないんかなぁってな」
裕ちゃんは不思議な人だ
いつもはふざけてるくせに
真面目になるとまるで別人だ・・・
それに・・・
裕ちゃん、なにか隠してる
多分昔のことだ・・・
裕ちゃんは1回も自分の過去を話さないから
なにかあったんだ・・・ここに来る必要のあったなにかが・・・
まぁ全部矢口の想像なんだけどね?
でも裕ちゃんの予言(?)は当たった
- 52 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:48
- パァァァン
「!・・・」 「!?」 「!??」
銃声ってことはまた吉澤かっ!
「吉澤ぁ!!」
「こんちは♪やーぐちさん♪」
「てめぇ・・・性懲りも無くまた・・・」
私は手を吉澤に向けた
「今帰るって言えば許してやる・・・帰れっ!!」
「その強がり・・・いつまで続きますかね?」
「なにぃ!?」
- 53 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/14(火) 12:54
- ―ある建物
「へぇ〜あれが矢口さんなんですか・・・ちっさいですね♪」
「あぁ・・・だが、あの『力』は目を見張るものがある
甘く見るなよ?コードネーム14」
「わかってますよ♪それにあなたはあれが目当てですもんね」
「ふふっあの『力』さえあれば・・・それにもう1人・・・」
がちゃっ
「安倍なつみ・・・ですね?」
- 54 名前:タケ 投稿日:2003/10/14(火) 13:00
- 更新終了です
新しい登場人物を登場させました
1人はもうおわかりでしょうか?(多分バレバレ)
>45 つみ 様
市井さんと矢口さん
これからもひと波乱(?)ありそうです
期待しててください
(答えられるかどうかは不安だけど・・・)
- 55 名前:つみ 投稿日:2003/10/14(火) 16:43
- ほ〜!!再戦ですね^^
コードネーム14はやっぱり・・・
もう一人はわかりませんが・・・
この会話の内容が気になりますね!次回待ってます!
- 56 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 14:31
- ドン
「甘いですよ?矢口さん♪」
吉澤は簡単に『力』を避けた
(くそっまだ『力』が完全に使えない?)
この前はもう1人の矢口のおかげで『力』を出せた・・・
だけど今は・・・
「くくくっ体調でも悪いんですか?」
パァァン
チッ
「ぐっ!」
弾は矢口の右肩をかすめた
矢口は入り口近くにあったソファーに隠れた
「っ! ゆっ裕ちゃん!カオリぃ!どっか隠れてろぉ!!」
そう裕ちゃんとカオリに呼びかけた
流れ弾が当たったら・・・
え?
- 57 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 14:38
- タタタッ
「今だぁぁぁ!」
「んあー!」
ドクンッ
―私は市井沙耶香、よろしくね?
ドクンッ
―おんなのこ?
ドクンッ
―私は真里!矢口真里って言うの!!よろしくね!
いちい・・・さやか・・・?
「きゃああああああっ!」
カオリっ!?
カオリの叫び声に我に返った
「カオリっ!」
510ってやつは裕ちゃんに、
そいつはカオリに向かって走っていた
しまった!
これが目的か!
- 58 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 14:49
- 「今だぁぁぁ!」
「んあー!」
市井ちゃん側の長い髪の人も
ごとー側の金髪の人も
驚いた顔をしている
いちーちゃんの作戦は完璧だねっ!
入り口でよしこが発砲して注意をそっちに向ける
ごとーが裏口から侵入して残った人を倒す
で、いちーちゃんがごとーに続く
まさに完璧っ!!さっすがいち〜ちゃん!!!
でもいちーちゃんの考えはこれだけじゃあないんだよ?
「矢口真里!動くなぁ!!動いたらコイツらの命はないぞ!」
ごとーといちーちゃんは持ってきたナイフを
その2人の首にあてた
そう、あのちっちゃいひとの知り会いの2人を人質に取る作戦!
さっすがいちーちゃん!
あっでもこれホントは前によしこがとった行動なんだけどね?
「くっ・・・また・・・」
あれ?
やぐちっていうちいっちゃいひとからは前に感じたほどの力を感じない
なんでだろ・・・
- 59 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 14:55
- ぼすっ
「!!?」
おっお腹殴られた・・・人質にしていた金髪の人に・・・
し、しまったぁ・・・油断してた・・・
「なにすんのや!ボケェ! おいそっち!カオリを離すんやぁ!」
なんていってるけどこの人・・・
ごとーのこと頭に入ってないな
ばっ
「よくもやったなぁ〜!!」
今度は無傷で済まさないからね!
ごとーは金髪の人目掛けて後ろから飛びかかった
「ばかっ!やめろっ!」
いちーちゃん?なんで・・・
!!?
ごとーがいちーちゃんの言った意味を知った時、
もうそれは遅かった
- 60 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 15:01
- 裕ちゃんが510って人のお腹に肘撃ちをかました
「裕ちゃん・・・」
「なにすんのや!ボケェ! おいそっち!カオリを離すんやぁ!」
そしてカオリを助けようとカオリの方に体を向けた瞬間・・・
510って人が裕ちゃんの背後から襲おうとしていた
今の矢口の『力』じゃあ裕ちゃんの所まで届かない
だからと言って510って人に飛びかかれば吉澤に撃たれる
どうする!?
510って奴の手のナイフに目がいった
裕子っ!!
- 61 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 15:11
-
そのとき、再びあの感覚が矢口の体を駆け巡った
もう1人の私?
一歩踏み出したつもりだった
でも気が付いたら510って人の目の前にいた
「!!」
気付くのが遅いよ?
ドォンッ
これであとふた・・・
ドスッ
- 62 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 15:26
-
!? (!?)
「なっ・・・」 (うそ・・・だろ?)
「え・・・へへっ」
「がっ・・・はぁ!?」
矢口のわき腹にはナイフが刺さっていた
「はぁはぁ・・・へっ、へへっ・・・ビックリしたぁ・・・
あっあんなに早いなんて・・・はぁっはぁ・・・」
こいつ・・・矢口の『力』を避けた!?
そっそんな・・・バカな・・・ (こいつのさっきの動き・・・)
「これがコードネーム510の『力』、わかったか?
矢口・・・真里ぃ!!」
いちいって奴・・・か・・・ (・・・こいつ?・・・どっかで)
にしても・・・
「『力』?なんだよそれ・・・矢口となっちのと違うぞ・・・」
ズキン
「!」 (矢口っ!?)
くそっ目がかすんできた・・・
「じゃあ連れてくか」
- 63 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/17(金) 15:34
- その言葉を聞いた瞬間、
―私は平気だよ?だから・・・だからっどこにも行かないで!
―カオリ・・・そしてウチ・・・それにみんな・・・みんな矢口のことが好きなんやで? 矢口と一緒にいたいわ
―そうだ!!
―矢口ー!ここにいてくれー!
―できる限りの事はしますから!
みんなの声が聞こえた・・・
「510、44!運ぶぞ!44は銃で威嚇してろよ?」
「はい・・・」
いやだ・・・みんな・・・矢口を「仲間」だって認めてくれた
信じてくれた
こんなところで
「あぁぁぁあっ!!」
「まっ・・・なっ!?」
「んあ?」
「なんだぁ!!?」
もう1人の矢口・・・
矢口に力をちょうだい? (バカ言うなよ! ・・・当たり前だろ?そんなことっ!!)
ドォォォンッ
- 64 名前:タケ 投稿日:2003/10/17(金) 15:38
- 更新終了です
中身が滅茶苦茶になってしまった・・・
鬱だ・・・
>55 つみ 様
今回その2人は出しませんでしたが
近いうちにまた出てくるはずですんで・・・
矢口さん達と市井さん達の再戦・・・
まったくの駄文に・・・スマソ・・・
- 65 名前:つみ 投稿日:2003/10/17(金) 17:04
- いやいや駄文なんて・・・
みんな力を持ってるんですね。では吉澤さんも?
市井さんがかわいそうになってきましたです。
最後にやぐちさんは何をしたんでしょうね?
- 66 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/18(土) 08:32
- 真里は地面に向かって『力』撃った
あの感覚がした
その直後、爆風が私達3人を襲った
「ってぇ・・・!!」
「あんた達の負けだ!帰って!」
真里・・・
「っ!何をいまさらっ!」
「だって・・・これ以上傷つけたく無いから・・・誰も・・・」
「・・・真里?」
真里は悲しそうな瞳で私を見ていた
「え?真里ってあなたなんで矢口のこと・・・」
「いちいちゃぁん!!」
後藤!?
- 67 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/18(土) 08:37
- こいつ・・・510!?
また・・・
「ちょっなにを・・・」
考える暇なく510は矢口に向かって殴りかかってきた
「うるさぁぁぁい!!いちーちゃんに手を出すなぁ!!」
ビュッ
「くっ!」
でも今の矢口には当たらないよ?
前の時のようにスローモーションに見えた
「うわあああああ!!」
ビュッ ビュッ ビュッ
目の前を510の拳が舞った
それを矢口は全て避けた・・・ハズだった
- 68 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/18(土) 08:45
- ぼすっ
「!!?」
510は不敵な笑みを浮かべていた
510の拳は矢口のナイフが刺さってる方のわき腹に入った
ズキン
「がっ!うっ・・・くぅ・・・」
痛みが増してきた・・・くそっ!
510は攻撃を続けた
「もっと・・・もっとぉ!」
ビュッビュッビュッ
痛みのせいか上手く避けれない
どすっ ぼかっ
「くっ!」
くっそ・・・『力』で対抗するしかない・・・矢口は手を510に向けた
「当たらないよ?ごとーには・・・ね?」
耳元で声がした
- 69 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/18(土) 08:53
- ドォォン
510がさっきまでいたところに『力』を撃った
でももう510は矢口の目の前にいたんだ
「ごとーの『力』・・・甘く見ちゃダメだよ?」
ごとう? 510・・・!!
そうか!510は後藤なのかっ!! 語呂あわせだったのか・・・
それにしても・・・後藤って奴の『力』って・・・
どかぁぁっ
「うあっがぁぁ!!」
右足をローキックされた
その衝撃でその場に倒れてしまった
「いちいちゃんに手をだしたらこうなるんだぞ!」
その隙をついて後藤は矢口に更に攻撃しようと拳を突き出した
「やめろぉぉぉ!ごとぉおっ!!」
え?
―いちーちゃんに手を出すなぁ
いちいさやか・・・
そいつが・・・なんで・・・?
- 70 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/18(土) 09:03
- いちい・・・ちゃん?
「なんで止めるの?・・・なんでっ!!」
ごとーはいちーちゃんのために闘ったんだよ?
なのに・・・
「だめだ! ま・・・そいつは連れてくのが目的だ!だから・・・」
おかしいよいちいちゃん・・・
なんでそいつを庇うんだよぉ!
「殺さないよ!」
思いっきりそう言った
なのに・・・
「いや!今のお前は感情が高ぶってるんだ!あとは私がやる!
・・・って言うわけでさ、矢口真里さん?一緒に来てもらいますよ?」
いちーちゃん・・・
「・・・まだだ・・・」
・・・っ?なんでこいつは・・・
「なんでいちーちゃんが言ってるのにそんなこと言うんだよぉ!!」
ごとーはそいつに向かって殴りかかろうとした・・・
その瞬間・・・
「バカ・・・」
いちいちゃんのその言葉を最後にごとーの意識はふっと途絶えた
- 71 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/18(土) 09:09
- ドサッ
後藤はその場に倒れた
いや、私が倒したんだ・・・
「はぁっはぁっ・・・くそっ!バカ野郎!!」
「なっ・・・」
真里は驚いた顔をしてこっちを見ていた
そりゃあそうだ・・・こっちだって『力』を使う気は無かったんだから
「なにしてんだよ・・・あんた達・・・」
真里・・・実際真里が悪いんだよ?わかってるの?
「ねぇ、やっぱり来てくれない?」
「あぁ!当たり前だ!」
そっか・・・くそ!!
「なら気絶させるまでだ!!」
私の力で・・・
そして・・・その私の『力』ってのは・・・
- 72 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/18(土) 09:17
- ―ある建物
「まったく・・・コードネーム510はコードネーム11のことになると
なにもみえなくなるんだから・・・しょうがないなぁ・・・」
「そうですよねぇ♪この私だってひとみちゃんがやられちゃっても
『力』使いまくっちゃうだけなのにぃ♪」
「ここではコードネームで呼べ!
それに・・・コードネーム14、お前の方がヤバイ・・・」
「え〜そんなぁ〜ひどいですよぉ〜♪」
「・・・」
「どうした07?」
「・・・別になんでもないですよ・・・ただ」
「ただ?」
「コードネーム11の気配が変わったなって・・・」
「!そうか・・・さすがだな07」
「・・・」
「さぁてと、コードネーム11の『力』見してもらおうか!」
- 73 名前:タケ 投稿日:2003/10/18(土) 09:21
- 更新終了です
吉澤さんや飯田さん、それに中澤さんを出して無かった・・・うぅぅ
>65 つみ 様
次で市井さんの『力』が出てきます
まぁ実際のところ『力』と言わないのかもしれませんが・・・
- 74 名前:つみ 投稿日:2003/10/18(土) 10:20
- コードネーム07は奴でしょうね^^
・・・やはり市井さんとやぐちさんは戦う運命ですか・・・
- 75 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 00:14
- いちいって奴の気配が変わった
「悪いね・・・真里・・・眠っててもらうよ?」
なんだ・・・この変な気分は・・・
!! やばいっ!
「!?」
- 76 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 00:19
-
「はぁっはぁっはぁ・・・っく・・・」
やったか・・・な・・・
下を向いていた顔を上げる
真里は倒れこんでいた
私は思わず微笑んだ
まさか本当に真里を倒すことが出来るなんて・・・思って無かったから・・・
「・・・ぅぅ」
真里をじっと見つめる
(私は・・・一体なにをしてるんだろう?)
私は一瞬心の中でそう思ったけどそれを忘れようと首を横に思いっきり振った
- 77 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 00:24
- 「・・・」
なんだ・・・今の・・・あれが・・・いちいって奴の『力』?
一瞬いちいって奴の気配が一気にこっちに向いてきた
矢口はやばいと思った
だから避けようとしたんだ・・・
でもわき腹がズキッとして一瞬避けるのが遅くなった
それが命取りになったってわけか・・・
「・・・ぅぅ」
体が動かない・・・裕ちゃん・・・カオリ・・・みんな・・・
- 78 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 00:40
- 吉澤を起こそうと矢口に背を向けた
でもその時
「うっ?」
急にめまいがした
(くっ・・・やっぱり3回までってのがいたいな・・・
っていうか2回目でこれかよ・・・)
私の『力』・・・それは
自分の気配を1つの物、または人に集中させ、それを止めることができる・・・
それが私の『力』・・・
でもターゲットが自分から離れていればその分精神的・肉体的に大幅にダメージが加わる
私の『力』の弱点は自分自身への負担が大きすぎて多用できないこと・・・
でも・・・とりあえず矢口を倒したんだ
「吉澤・・・起きろ・・・」
- 79 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 00:49
- 「市井・・・さん?私は・・・」
「今は仕事中だ、コードネームで呼べ」
もっとも私も人のこと言えないけど・・・
「はい」
そう言えばこいつの『力』ってなんだろ?
基本的に私達は仕事に『力』を使わない・・・というか必要としなかったんだけど・・・
だから実際自分の『力』しか知らない・・・
いや、ホントは自分の『力』すらどんなものか完全に把握してないのかもしれない・・・
「勝ったんですか・・・矢口さんに・・・」
「あぁ・・・ちょっとこっちもやばかったけどな・・・っ」
「ははっやっぱあんたには敵わないなぁ」
悔しそうに俯く吉澤・・・
「でもさっお前が玄関でみんなの気を引いてくれたからこっちだって
侵入しやすかったんだ それに後藤だって・・・
私1人じゃないさ・・・矢口を倒したのは・・・」
「市井さん・・・」
- 80 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 00:54
- この人には勝てない
ごっちん・市井さんと一緒に仕事をするようになってから
ずっとそう思ってた
強い『力』も持ってたし頭もいいし・・・
でも・・・この人の強さってのは心にあったんだ・・・
改めて市井さんは敵わないってわかった・・・
まっ『今』は・・・だけどね?
「あんたやっぱすごいっすね!あっ手はいいですよ、自分で起きれますから」
いつかあんたに勝ってやる・・・
- 81 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 00:59
- ―ある建物
「ははははははははっ!!よくやった!コードネーム11!!さすがだなっ!」
「ほんとですねぇ〜♪お祝いにここで私が一曲」
「!! やめろ・・・耳が痛くなる・・・」
「・・・はぁい」
「くすっ」
「ちょっと07!笑うとこじゃ無いでしょ?」
「はっはい・・・」
「さてと・・・あとは『安倍なつみ』・・・か」
「ん?」
「どうした?07」
「あの人・・・」
「あの人?・・・なっ!?」
- 82 名前:タケ 投稿日:2003/10/19(日) 01:04
- 更新終了です
市井さんの『力』の詳細を書いたつもりですが・・・
吉澤さんと後藤さんの『力』はまたこれからってことでご勘弁を
>74 つみ 様
07・・・そのまんまですね(w
なにせ語呂あわせですから(w
これからの市井さんと矢口さん、どうなるんでしょうね?
次は07がつぶやいた「あの人」が活躍しますよ〜(多分)
- 83 名前:つみ 投稿日:2003/10/19(日) 10:55
- あの人・・・・楽しみですねぇ〜^^
それにしても市井さんの力は凄いですね〜!!
なんで力がある人がいっぱいいるのにやぐちさんと
なっちを欲しがるんだろう・・・?
- 84 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 15:21
- 吉澤を起こしたことだし後藤も起こそうと思ったその時
「待てぇぇ!!」
「!?」
な・・・まだこの人・・・ちっ!
もっとも彼女の体はボロボロ・・・どさくさに紛れて結構被害にあってたんだな・・・
「しつこいですね・・・真里は私達が捕獲します!」
「そんなんさせるかっ!」
この中澤って人は・・・
- 85 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 15:28
- 「矢口は・・・大切な仲間や・・・連れてくんやったら・・・」
「・・・どうするつもりですか?」
「ウチを倒してからにしてもらおうか!」
この人なに言ってんだ?
無理に決まってるのに・・・
「じゃあ倒れてくださいよ」
吉澤は持っていた銃を中澤って人に向けた
「ちょっ・・・」
パァァンッ
乾いた音が入り口に響き渡った
そして数秒でその音はどこかへ消える
銃口から出ている煙はふわふわと宙を浮きながら
自分の行き場所を探しているようだった
時が止まったかのような・・・静寂がその場に流れた
「な・・・なんで・・・なんで・・・」
その静寂を破ったのは吉澤だった
「まだ・・・倒れておらんで?」
そして撃たれた彼女はまったく動いてなかった
右の脇からは血が滲みでていた
「なんだまだ立っていられるんだぁぁぁぁぁぁっ!!!」
- 86 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 15:36
- 吉澤は再び銃口を彼女に向けた
「待て!感情的になるなっ!命取りだぞっ!」
「!!」
これ以上誰も傷つける必要はないんだ
誰も・・・
「どないしたんやぁ!来ないならこっちから行くでぇっ!!」
飛びかかってくる中澤さん
だけどさ・・・それはあまりにも無謀で・・・無力で・・・
パシィッ
中澤さんの拳は私の右手に納まった
「ぐ・・・」
これでわかってくれたかな?
「まだや・・・まだやあぁぁ!!」
っ・・・この人・・・なんで・・・
- 87 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 15:41
- ここで倒れたら・・・矢口は・・・
だからウチは倒れたらアカンのや!
だから・・・こんな腹の痛みくらい・・・
パシッ
殴りかかった左手もまた止められた
「いい加減にしてください・・・こっちはもう貴方達といる理由なんか・・・」
「矢口がおる・・・せやから矢口を守る・・・これがウチのアンタ達と闘う理由や」
その言葉にそいつは一瞬唇を噛んだように見えた
「なら貴方も眠っててもらいますよ!」
!
- 88 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 15:54
- 頭の中で声がした
(裕子がやられる!おい!もう1人の矢口っ!!目を覚ませ!!!)
「・・・」
ゆう・・・こ・・・?
(裕子が・・・中澤裕子が!)
なかざわ・・・!!
「ゆう・・・ちゃ・・・ん?」
「矢口!?」
「真里?」
矢口の声に気が付いたのか2人はこっちに顔を向けた
「裕ちゃん・・・」
タッタッタッタッ
「矢口ぃ!」
裕ちゃんがこっちに向かって走ってきた
「ゆうちゃ・・・」
パァァァン
「やぐっ・・・ちぃ・・・」
まるでスローモーションだった
でもそれは闘ってるときとは違うものだった
目の前に飛び散る裕ちゃんの・・・血・・・
裕ちゃんはバランスを崩しよろけた
そして裕ちゃんは矢口の目の前で崩れ落ちた
まるでスローモーションだった・・・
全てが・・・悲壮感の中で・・・
「うっうわあああああああああああああああああああああああっ」
- 89 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 16:01
- なんで・・・なんでだ・・・
「吉澤ぁぁ!!撃つなって言っただろぉ!」
「あ・・・あぁ・・・」
吉澤の目は虚ろだった・・・目からは涙が溢れていた
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
吉澤はもうすでに正常じゃあなかった
「なんで・・・こんなことになるんだよぉ・・・」
私は真里を・・・真里を・・・
「はっ!?」
この殺気・・・真里? 違う・・・真里じゃない・・・
真里とは違う・・・真里・・・
「・・・お前ら許さねぇ・・・覚悟しなっ!」
そいつはあのときの真里だった
- 90 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 16:10
- 表の真里は私と『力』を制御する理性だった
そして裏の真里は表の真里の理性が切れたときその『力』を使うことができた
それは昔の話しだった・・・
表も裏も関係ない・・・新しい2人で1人のバランスで成り立っていた
でも・・・表の真里は今完全に理性を失ってしまった
バランスが崩れた
かつての裏の真里は昔のように『力』を・・・
しかも完全に最大限に使うことができるようになってしまった
皮肉にもそれはかつて裏の真里が望んでいた現象だった
その完全な『力』は真里の体の限界を超えて・・・
怒りのままに敵を攻撃する
「バーサーカー」に成り立ってしまった
- 91 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 16:17
- 「わああああああああああっ!!」
「うわっ・・・」
「まずは1人目ぇぇぇ!!」
ドオオオンッ
「っ!!?」
ドサッ
私はそいつの目の前にそれを撃った
そいつはまったくの無反応だった・・・もしくは反応できなかったのかもしれない
でも今はどっちでもいいや・・・
今は・・・
「お前を・・・お前を・・・」
私は目を吉澤に向けた
吉澤は私の一睨みに一瞬ひるんだ
今だっ!
「だああああああああああああっ!!」
- 92 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 16:24
- 力が・・・力が体全体を包んでいる・・・
ものすごい速さで動いているのに苦しいどころか気持ちがよかった
「うわぁぁぁぁぁぁっくっくるなぁああああああっ!!」
パンパンパンッ
銃口から弾が飛んでくる
本来もう『力』すら使わなくても避けられる・・・
でも・・・ただ避けるだけじゃあ面白くないよねぇ?
「はぁっ!!」
「!?」
弾に小さな『力』を相打ちさせた
相殺させるわけじゃあない
相手にぶつけるためだ!!
ビシッビシッビシッ
「があああっ!?」
「おっと・・・」
私は素早く吉澤に近づき倒れかけた吉澤を支えた
もちろん善意などかけらもない
ただ・・・
じっくりいたぶりたかったから・・・それだけのことだった・・・
- 93 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 16:32
- 「ん・・・ぁ・・・?」
あれ・・・どーなったんだろー・・・
ドスッ
「!!?」
目の前になにかが倒れこんできた
ごとーはそれによって完全に目を覚ました
そしてその倒れこんできたのは・・・
「よっよしこ!?」
変わり果てたよしこの姿だった・・・
顔は至る所が腫れ上がっていた
腕や足、体・・・どこを見ても傷だらけでボロボロだった
「よっすぃ〜!!しっかりしてぇ!よしこぉ〜!!」
「まだだよ・・・」
「!?」
「まだそいつは・・・まだ・・・」
こいつ・・・なにかが変だ・・・
?待てよ・・・いちいちゃんは?
「ねぇ・・・いちいちゃんは?」
「いちい?あぁ!あの転がってる奴ね?私がやった」
「!!!」
「まだ死んでないと思うけ・・・」
ごとーの中でなにかが切れた
「わあああああああああああああああああっ!!」
- 94 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 16:35
- ―車の中
「・・・あかんなぁ・・・」
―おい!コードネーム・・・
「なんですか?」
―なんですかじゃない!矢口を止めろ!じゃないと3人とも・・・
「わかってますって・・・今からウチもそうしよ思っとったんですから」
―そうか・・・ならいい・・・だが!
「止めますよ・・・絶対に!!」
―そうか・・・期待してるぞ・・・
「任して下さいよ」
バタンッ
- 95 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/19(日) 16:41
- ―ある研究所
「ふぅ・・・」
「大丈夫ですかぁ?」
「あぁ・・・でもアイツらの方がやばいな・・・アイツにも行かせたが
どうだろう?」
「私なら・・・」
「ん?」
「私ならあの矢口って人・・・5分で黙らせられますがね」
「・・・わかってるよ・・・そんなこと」
「07・・・」
「コードネーム14さん、お気遣いありがとうございます
でも・・・」
「行きたいのはわかる・・・だがここからは・・・」
「わかってますよ・・・」
「そうか・・・さて、どうなったのかな?」
- 96 名前:タケ 投稿日:2003/10/19(日) 16:48
- 更新終了です
話しが滅茶苦茶な方向に飛んでしまった(滝汗)
このまま一体どうなってしまうんでしょうか?不安だ・・・
飯田さんの存在はすでに消えかかってるし・・・
矢口さんなんか完全に(ry
>83 つみ 様
今回は滅茶苦茶な話しになってしまい
ふたりの『力』の話しどころじゃなくなってしまいました
黒幕の目的は後々明かされると思いますよ
次はまともになるように頑張ろう・・・
- 97 名前:つみ 投稿日:2003/10/19(日) 18:05
- 車の中にいた人は関西弁だからあの人かな?
07さんは5分で黙らせられますか^^
お互いブチぎれた者どおしの戦いを期待して待ってます!
- 98 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:09
- 「わああああああああっ!!」
矢口って奴は目にも止まらないくらいの早さでこっちに向かってきた
だけど
「そんなの関係ないぃぃぃぃぃ!!よくもいちぃちゃんをおおおおおぉ!!」
「まずはお前からだあああああ!!」
「!!」
来るっ!
ドオオオンッ
間一髪で避けごとーは矢口って奴の後ろに回った
「シッ!」
ごとーは矢口って奴の首に目掛けて殴りかかろうとした
だけど
(来るっ!!)
そんな気がした
「くっそぉぉぉ!!」
ドオオオンッ
これもごとーは素早く避けた
「こっちからいくよぉっ!」
いちいちゃんをケガさせたお返しだ!
- 99 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:14
- 「?」
こいつ・・・気配が変わった?
「ああああああああっ!!」
・・・そんなの関係ない!目の前の敵は
「倒せばいいんだああああああああっ!!」
バチッ
「!?」
わき腹に強烈な痛みを感じた
でもそれはさっきまでの話・・・
今は関係ない!!
「くらえええええええ!!」
ドオオオンッ
やったか!?
- 100 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:19
- !?
いない?
バチッ
「!」
また・・・
なんなんだ・・・
くそっくそっくそぉ!!
「うわあああああああああああっ!!」
ドオオオンッ
「わああっ!」
?
徐々に動きが悪くなってきた?
思わずニヤリとしていた
「これで終わりだああああああっ!」
- 101 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:30
- 「わああっ!」
くっ・・・まずいかも・・・
ごとーの『力』
相手の急所、弱ってる部分に電撃に似たものを撃ちこむ・・・
一発でも強力で本当なら気絶させることだって可能なものだった
でもごとーの『力』には弱点が多すぎた
1つは間、っていうのかな?
一瞬ごとーは『力』を集中しないといけないから
一瞬でも相手の隙を突けなきゃ『力』を100%使えない
2つ目は回数
これは何回も撃てないんだ・・・
理由は1つ・・・ごとーの体がもたないから・・・
「これで終わりだああああああっ!」
いちいちゃん・・・ごめんね・・・
- 102 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:35
- 「矢口ぃっ!」
!?
「なにやっとんのや!やめときっ!」
裕ちゃん・・・!!・・・違う
「もうやめぇ!殺したらアカン!」
平家さん・・・
力が抜けた
その瞬間
「!?がああああああああぁっぁああああああああぁっああぁっ!?!」
激痛が体を襲った
余りの激痛に一瞬で意識が途絶えた
- 103 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:47
- バタッ
矢口は倒れた
「なんや・・・ウチが出る幕ないやんか」
「平家・・・さん」
「おう!ごっちん!
あ、いやいやコードネーム510・・・元気・・・やなさそうやな」
「へへっ『力』使っちゃった・・・」
ごっちん・・・
「さて、どないするん?」
「いちーちゃんもよしこも倒れちゃってるからね・・・」
「そっか・・・でもごっちん・・・」
「大丈夫、さっきは怒っちゃったけど今は落ちついてるよ
これでもごとーはいちーちゃんに色々教えてもらったんだよ?」
強い子やなぁ・・・
でもウチは実際ホントに気がかりなことがあった
「姐さんは?」
「・・・わかんない」
・・・
「そっか」
辺りを見まわして姐さんを探した
うわぁ・・・
それはもう酷いもんやった・・・
壁はボロボロで崩れまくっていて
その奥や手前では何人かが倒れていた
そのなかに飯田って子も倒れていた
でも外傷はそんなになかった
「あ、平家さんっ!」
「え?」
後ろを振り向いたら姐さんがいた
血まみれだった
「姐さん!?」
- 104 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:50
- 「姐さん?姐さん!?」
くそっ!!
焦るな・・・焦るな・・・
脈は?・・・まだある
息も・・・まだある!
「ごっちん!止血や!!はよぉ!!」
「はっはい!」
「ふぅ・・・出血の割りには急所外れてた見たいやな・・・」
「そだね・・・よかったぁ・・・」
ホンマに・・・
でもホンマに・・・よかったんか?
自分のしていることが・・・ホンマによかったんか?
「平家さん、いちーちゃんとよしこ連れてこ?」
「・・・」
「平家さん?」
「・・・」
- 105 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 01:58
- ―ある建物
「終わったか・・・」
「ひとみちゃん・・・大丈夫かなぁ・・・私の愛で・・・」
「で、矢口さんはどうするんですか?」
「ちょっと07、私が話してるのにぃ」
「スミマセンでした」
「矢口は・・・まだいい」
「え?しかし・・・」
「2人やられてるんだ、しかもコードネーム44は精神的に
まいってるみたいだしな」
「そんな・・・ひとみちゃん・・・」
「・・・っ」
「さて・・・次はどうするかな・・・」
- 106 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/20(月) 02:02
- 「矢口を連れずに戻れ」と命令が出た
そして今車に3人を乗せて帰るところだ
「なんで矢口って奴を捕獲しちゃいけなかったんだろう・・・」
「さぁ・・・ウチにはよくわからん・・・」
「・・・」
たしかにおかしい・・・
確かに市井は気絶してるし吉澤は精神的に問題が出ていた
ごっちんは
ごっちん・・・・あんた・・・沙耶香より強くなるかもしれんな・・・
ウチは・・・間違ってるんかな・・・
それとも・・・
- 107 名前:タケ 投稿日:2003/10/20(月) 02:08
- 更新終了です
無理矢理終わらせてしまった気が・・・
とりあえず一件落着ですね(どこがだ)
(後藤さんの『力』も書けたし)
>97 つみ 様
車にいた人・・・今回の更新で出てきた人です(w
結局キレた2人の勝負は引き分けでしたが
どっちも命がけですね・・・
次は07さんや14さんや黒幕の人のいる建物について書こうかと・・・
- 108 名前:つみ 投稿日:2003/10/20(月) 12:14
- へーけさん・・?!
まさか平家さんもそっちだったとは・・・
ということは平家さんも能力があるんでしょうね。
次回を楽しみに待ってます。
- 109 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/23(木) 17:41
-
(ねぇ、沙耶香)
真里・・・?
(もう矢口さ、行かなきゃいけないんだ)
どこに?
(・・・バイバイ)
真里?なんでだよ?行かないでよ!
(だって・・・沙耶香だって矢口のこと見捨てたんだよね)
!?違っ・・・
(邪魔するなら・・・沙耶香でも撃つよ?)
なっなに言って・・・
(矢口は本気だよ?)
やっやめ・・・
(ははっ・・・沙耶香は・・・すごいや・・・)
ばたっ
・・・真里?
(・・・)
うそ・・・私・・・真里・・・
「真里いぃっ!!」
- 110 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/23(木) 17:46
- 「はぁはぁっはぁ・・・」
夢・・・だったのか?
「ここは・・・」
倒れるたびに見る景色
辺り真っ白のカーテンに包まれているそこは組織の医務室だった
(そっか・・・真里に攻撃されてそれから・・・)
どうやら私は助かったらしい
ってことはごとーと吉澤は真里を退けられたってことか・・・?
「真里・・・」
- 111 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/23(木) 17:50
- 私は真里を助けるためにここで暮らしていた
真里は『力』を持ってる
そしてもう1人の『力』の持ち主安倍なつみ・・・
この2人は殺しあっていた
だから真里を殺させないために私はここに暮らすことを決めた
そのために私は私の『力』を使えるように訓練していた
でもそれは真里の誕生日に・・・
コンコンッ
「はいります」
今の声は・・・
- 112 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/23(木) 17:55
- 「よくやってくれたよ、次までにゆっくり体をやすめな」
そう言われて2日がたった
その間ごとーはずっと自分の部屋で寝ていた
いちーちゃんは目を覚ましたかなぁ・・・
「あいたいなぁ」
でもそれはダメだった
いちーちゃんは今医務室で寝ている
重症を負った患者として・・・
だからごとーは入っちゃいけないことになっている
会えないのが苦しいから、泣きそうになるから
ばさっ
だからやっぱりごとーはベットに入って眠るんだ
- 113 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/23(木) 18:03
- 「あぁ〜疲れた〜」
吉澤相手するんは結構骨やなぁ
特に、ああなった場合はな・・・
元々ホンマにノイローゼ気味だったのに闘うこと決めて・・・
「あいつはなにをしようとしとるんやろ?」
そう言ったらここの奴ら全員に聞きたいんやけどな
みんな何の目的でここにいるんやろ?
こんな・・・こんな廃ビル一歩手前の建物の中で・・・
外装は姐さんとこといい勝負なんやけど
中はそうでもない
明かりが薄いから人とぶつかったり壁にぶつかったりするし
部屋だって明かりがないから窓から漏れる太陽の光りでしか
明るさを保てていない
(ホンマどんな神経しとるんやろ?)
「って!そんなこと言ったらウチまでそうなんやけどなぁ はははっ」
- 114 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/23(木) 18:16
- 「お前は・・・」
私の目の前のカーテンを開けると
そこにはたまに見かける少女が立っていた
でも彼女は今にも獲物を狩ろうとしそうな・・・
そんな鋭い目をしていた
そしてそれ以上にまったく動かないその顔が不気味だった
「・・・誰だ?」
「あ、まだ名前言ってませんでしたか」
きっとこの年代なら本来笑ってごまかすんだろう
だけど彼女は冷淡に、そして機械的にそう言っただけだった
なにかゾクッとして背筋が凍るおもいがした
「ああ」
動揺を悟られないようあくまで冷静に返事をした
「そうですか・・・私は07と言うんでよろしく」
ゼロ・・・なな?
それって・・・
「それってコードネームだろ?本名は?」
「それ以上の追求は慎んでください」
「なっ!?」
冷淡な口調から発せられるその言葉にムッときた
「おい!なんだよそれ?ムカツク態度だな」
「それはどうも」
「褒めてるわけじゃない!」
「そうですか、では私はここで」
「っておい!」
彼女は不気味さをを残して医務室から出ていった
- 115 名前:タケ 投稿日:2003/10/23(木) 18:21
- 短いけどここで更新終了です
今回は市井さんたち組織についての話でした
次回も続く・・・のかな?
>108 つみ 様
中澤さんと仲の良かった平家さん・・・
彼女がこっち側にいる理由も今後の展開で明らかになると思います
今回は出番少なかったけど(w
- 116 名前:つみ 投稿日:2003/10/23(木) 18:45
- 気分的にはなんかさやまりになって欲しい気分・・・
- 117 名前:名無し 投稿日:2003/10/25(土) 22:29
- なっちがいつでてくるかすごく気になる
- 118 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/26(日) 07:11
- 3日後・・・
私はやっと退院できた
ガチャッ
「ふぅ・・・」
なつかしい自分の部屋をみてホッとした
まぁ3日間しか離れてなかったんだけど、
どうもアイツと会ってからいい気分じゃなかったから・・・
07・・・か・・・・
ガチャッ
「?」
「いちーちゃーん!」
ガバッ
「ぐはっ!」
「えへへぇ〜退院おめでとー」
いきなり後藤に抱きつかれた・・・しかも強い力で・・・
こいつ・・・私が退院したばっかだってこと忘れてるな・・・絶対!
「お、おい、やめろぉ〜またケガするだろ〜!!」
「え〜ごとーの愛がいちーちゃんをケガさせるわけないでしょ〜?」
こっこいつは・・・なんでそんな恥ずかしいセリフをそう簡単に・・・
「だぁ〜!とにかく離せぇ」
「ちぇっ」
ったく・・・いつもいつも抱きつきやがって・・・
チラッと後藤を見てみる
「んあ?」
偶然なのか目が合った
「い、いやなんでもない」
「はぁ・・・」
まぁいつもの生活に戻ったってことでよしと・・・
「わかったぁ!ちゅうしてほしいんだね?」
「はぁ!?」
「ん〜」
・・・やっぱよくねぇ!!
- 119 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/26(日) 07:23
- カタカタカタッ
暗い部屋・・・
静かな空間の中でパソコンの音だけが響いていた
カタカタカタッ カタッ
これで終わりだ
カタッ
「ふぅ・・・」
軽く一息をついて椅子から立ち上がり部屋から出る
「あ・・・」
「あれ〜れいなちゃん♪チャオ!!」
・・・この人はどうも苦手だ・・・理由はよくわからないけど
「どうも・・・それよりも私は「れいな」じゃなくて07・・・」
「え〜石川がせっかく付けてあげたのにぃ〜ダメぇ?」
・・・はぁ
「わかりました「れいな」でいいですよ」
「きゃっ♪ありがとぉ〜れいなちゃ〜ん」
ギュッと手を掴まれた
「い、いえ私は別に・・・」
「じゃっ、私ちょっとお出かけしてくるから♪」
「はっはい・・・」
なんなんだ?あの人は
それにしても
暖かいてだったな
掴まれた手がなんとなく暖かかった
「「れいな」・・・か」
なんとなく気にいった・・・かもしれない
- 120 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/26(日) 07:35
- 「・・・はぁ・・・」
私はなにをしてたんだろう
市井さんが撃つなって言ったのに・・・
しかも撃ったのは私の上司とも言えた中澤さんだった
「あぁ〜なんて言えばいいんだよぉ!」
ガチャッ
「ま〜た叫んどるんかぁ?」
チッ平家か・・・
「なんですか?平家さん?」
「なんや〜?そのいやそうな言い方は!」
「いやそう」じゃなくて「いや」なんですけどねぇ
「で・・・私になんのようですか?」
そう言った途端に平家の表情が固くなる
この顔するといつも真面目な話しするから嫌いなんだよなぁこの人
「アンタ・・・ホンマに大丈夫なんか?」
ほた来た!
「なにが?」
「精神的な方や!わかっとるやろ?」
わかってますって
実際わかってるさ・・・私は・・・
「どうだろうね」
でもそんなことこの人なんかには言わない
「そぅ・・・まぁそう言うと思っとったがなぁ」
なら言うな
「まぁ今の状態ならまたおかしくなることはないと思うから、じゃっ!」
ガチャッ
「チッ!」
ムカついたから足元にあったごみ箱を蹴ってそのままベットに入った
もちろんこんなムカついてるときに寝れはしないけど・・・
- 121 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/26(日) 07:38
- ―中澤の研究所
あれから何日かが過ぎた・・・
ウチの研究所はまだボロボロで片付けが中心や
でもそんな事もうどーでもよくなったわ・・・
矢口がいなくなったんやから・・・
- 122 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/26(日) 07:42
- きっとあの子は自分を責めたんやろうな・・・
「自分のせいでみんなが・・・」
みたいな感じで・・・
アホやで矢口
「ウチらが決めた事やったのになんで自分ばっかり責めるんや?
こうなることは・・・っみんなわかっとったのに・・・
それでもアンタを受け入れたってのに・・・っ」
矢口・・・はよう戻ってこいや・・・
カオリも待っとるんやで?
- 123 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/26(日) 07:47
- 「はぁっはぁはぁっ・・・」
出て行ってしまった
裕ちゃんの研究所から
自分の・・・「居場所」から
でももうあそこにはいられない
だれも死んで欲しくない・・・
だれも傷ついて欲しくない・・・
森を抜けて何日目だろ・・・
とりあえずつかれた
とぼとぼ歩いてたら矢口は公園を見つけた
「公園・・・か」
そう言えば死んでから1回も裕ちゃんの研究所から出てなかったんだよね・・・
・・・あれ?
でも最初矢口は森に向かって走ってたんだよね
じゃあそれまで矢口はなにを・・・?
- 124 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/26(日) 07:54
- うぅ・・・眠い・・・
もう考えてられないや・・・
「とっとりあえず・・・どっかで眠れる場所・・・」
今は昼
さすがに真昼間から女の子がベンチで寝てるってのは・・・変だよなー
とりあえず公園に足を踏み入れた
(あー寝そべったら気持ちよさそうな芝が・・・よし!)
「ここで寝るか!」
でも堂々と寝るのは色々まずそうだから
木の陰で寝る事にした
「よし!ここで寝るか!」
ここからなら人にも見られないし
日陰だし矢口が寝るスペースも充分あるし
睡眠の邪魔になりそうな物もないし
「よっし!おやすみぃ!!」
矢口は大の字で寝そべって眠りについた
(裕ちゃん・・・カオリ・・・みんな・・・)
眠るまでみんなの顔がずっと頭から離れなかった
- 125 名前:タケ 投稿日:2003/10/26(日) 08:00
- 更新終了です
いきなりの急展開
(〜^◇^)<いきなり家出ですか?
116 つみ 様
さやまり・・・今はまだ誰が誰とくっつくかは考えてないんで・・・
117 名無し 様
安倍さん・・・もうそろそろ出てくるかも?しれませんね
次の更新は矢口さん中心になるかも
- 126 名前:つみ 投稿日:2003/10/26(日) 10:22
- 07には名前はなかったんですか・・・
何者なんでしょうね〜?
やぐちさん・・・大の字で木の陰でもベンチでも同じっすよ・・多分・・・
- 127 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/27(月) 01:40
- ―あの・・・
―あのぉ・・・
矢口の頭から誰かの声がする
「・・・んむぅ?」
「あのぉ・・・なんでこんなところで寝てるんですか?」
人?
「う・・・わあぁっ!?」
「シーッ他に誰か来ちゃいますよ?」
「え、あっ悪い・・・」
「もうすぐ日が暮れますけどなんでここで寝てたんですか?」
ぐさっ と痛い所を突かれた
「ちょっと・・・ね」
「家出はいけませんよ?」
家出・・・確かにそうかもしれないな
「じゃあ矢口はもう行くよ」
「え?」
? 急にその人の顔つきが変わった
「やぐ・・・ち?」
「えっ?あ・・・」
しまった・・・今まで知らなかったけど矢口って新聞沙汰にもなったんだ・・・
「ってそんなわけないですよねぇ?」
「えっあ、あぁっそっそりゃあそうだよぉ!名前が同じだけだよはははっ」
「ですよねぇ〜すみません失礼なこと言っちゃってぇ」
ははっ・・・命拾いってヤツ?
「ところで・・・あなたの名前は?」
「え?あ、私の名前ですか?私は・・・」
- 128 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/27(月) 01:47
- ―中澤の研究所
「矢口・・・なんで・・・」
矢口はまたカオリの前から姿を消してしまった
なんでだろうね
前は手を伸ばせば届きそうだったのに
今では届かない
「なんでこうなったんだろうね?親友だったのに・・・好きだったのに・・・」
空に向けて手を伸ばしても
なにも掴めない
それが今の私みたいで笑えた
「会いたいよ・・・会いたいよぉ!!矢口ぃ・・・っ・・・ぅぅうっ」
でも私の声はただ虚しく響くだけだった
- 129 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/27(月) 01:52
- 「じゃあ矢口はここで・・・」
「あっ待ってくださいよ!」
芝生から出ていこうとしたら彼女に腕を掴まれた
「え?なに?」
「家出なんでしょ?だったら家に来ませんか?」
「え?でもそっちの親が・・・」
「それは問題ないです」
切なそうな顔でそう言った彼女・・・
家庭に問題があったりするのかな?
「さぁ、行きましょう?」
「え・・・あっちょっ・・・」
少し不安を持ちながら私は半ば無理矢理に彼女の家に連れていかれた
- 130 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/27(月) 01:59
- 彼女の家は公園のすぐ近くにあった
「うわっでっけー!」
かなり大きい家だった
裕ちゃんの研究所の・・・何倍だ?
けっして裕ちゃんの研究所は小さくない
大きい体育館くらいの広さはあるって裕ちゃんは言ってたけど
つまりここは・・・それより大きいのかよ?
「こっちですよー」
いつのまにか彼女は矢口の左側にあった大きな門の前に立っていた
「あ、はいはい」
矢口もそっちへ向かった
向かったって言ってもほんの数メートルしかないけどさ
不安が大きくなったけど
その場でやっぱり彼女に腕を引っ張られ
やっぱり強引に中ヘ連れてかれた
- 131 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/27(月) 02:10
- 「うわぁ・・・綺麗だなぁ・・・」
中に入るとまず天井の近くにあるシャンデリアが目がいった
大きくてとても綺麗なシャンデリアだった
「すごいなぁ」
「いえ、私が建てたわけじゃぁないですし」
ははっ謙虚ってヤツなのか?嫌味なのか?
それはよくわからなかったけど
とにかく彼女の家はすごかった
右にも左にも部屋がたくさんあって何に使うのか不思議に思ったほどだった
階段は扉の中央に2本あってそれがまた家の豪華さを語っていた
「2階にわたしの部屋があるんで」
そう言われ私は彼女とその階段を上がっていった
「うっわぁ・・・」
2階には廊下があって広く長かったも
部屋も1階に負けないくらいたくさんあった
「なっなんだここは・・・矢口ホントにここに来てもいいのか?」
矢口は自分が歩いた廊下や登った階段が汚れてないか見てみた
「さてぇこれからどうしますか?」
そう言えばどうするか考えてなかった
ただみんなから離れようとしか思ってなかったから・・・
- 132 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/10/27(月) 02:17
- あれ?そう言えば・・・
「お父さんとお母さんは?」
私のその一言に彼女の顔から笑顔が消えた
やっぱり色々あるのかな?
それを聞いたことに後悔を覚えた
「ごっごめん 聞いちゃあ悪かったかな?」
「・・・私の両親はここにいませんから」
いない?
「2人とも海外に仕事で・・・だからぁ私は1人で暮らしてるんです」
「そんな・・・」
そうか・・・だから矢口を家に誘ったのか・・・
寂しさを紛らわすために・・・
今までの明るさの裏にはどんな顔してたんだろう?
「ねぇ、少しの間私をここに住ませてよ」
かなり問題ある発言だなぁって思ったけど
「はい!いいですよ!」
と彼女は即答で答えた
逆にこっちがビックリしたけど
嬉しかった
「よろしくね」
こうして私と彼女との不思議な生活が始まった
- 133 名前:タケ 投稿日:2003/10/27(月) 02:21
- 更新終了です
今回出さなかった彼女の名前は次回あたりにだします
(〜^◇^)<家でけー!
>126 つみ 様
07さんには名前がありませんでした(w
その理由は後々の更新で(w
>やぐちさん・・・大の字で木の陰でもベンチでも同じっすよ・・多分・・・
(〜^◇^)<え!?マジで?
- 134 名前:つみ 投稿日:2003/10/27(月) 15:40
- 誰だ?ひよっとしてそっちの人かな〜?
やぐちさん・・いきなり「住まして」はねぇ〜^^
- 135 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 01:32
- いつも通り朝がやってきた
でも何かが違った
いや、違いすぎる・・・
「ねぇ・・・なにがおかしいの?」
矢口は今矢口の顔を見てニコニコしてる子の家に住ませてもらってる
豪華と言える大きな家に
「いえぇ別に・・・ただ・・・」
「ただ?」
「朝ご飯をぉ2人で食べるのが久しぶりで嬉しいんですよぉ」
彼女・・・高橋愛は可愛い笑顔のまま答えた
- 136 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 01:40
- 食堂
そこはありえないほど広くて
食べ物もたくさん置いてあって大きな冷蔵庫もたくさん置いてあった
でも料理する人はいなかった
矢口は誰が料理をつくるのかと聞いたら彼女は笑顔で
「私がぁ作るんですよぉ」
と答えた
やっぱ人間笑った顔が可愛いなと思わせるほど彼女の笑顔は最高に可愛かった
そして今、高橋が作った朝ご飯を食べている
ご飯にお味噌汁、目玉焼きの皿に野菜が乗っていた
どれもおいしそうでおいしかった
「そっかぁ」
だからこんなに嬉しそうな顔してたのか・・・
こんな広い家の中1人で・・・
「寂しい?」
こんなことホントは聞いてはいけないのだろうけど
「・・・もう慣れました」
そう答えた彼女の笑顔は少し曇ってるように見えた
- 137 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 01:45
- 「でぇ、これからどうするんですか?矢口さん」
「んー・・・」
実はまったく考えてなかった
違うか・・・ホントは考えたくなかったんだ
この先のこと・・・
あの3人と闘うこと・・・
「あ・・・ごめんなさい」
「え?」
どうやら矢口が怖い顔してたから謝ったみたい
素直な子なんだな
「大丈夫だよ、矢口は」
そう・・・矢口「は」ね・・・
- 138 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 01:50
- 結局・・・私は後藤にくっつかれたまま1日を送ってしまった
それにしても・・・
「アイツは・・・誰だ?」
目を閉じれば今でも思い出せるあの凍りついたような目
刺すような殺気に近い気配
あんなやつ見たことなかったけど・・・
「いちいちゃん?」
「あ、起きた?」
「アイツって誰?」
・・・聞かれてたか
「なんでもねぇよ」
「うそ!!わかるよ?いちいちゃんが嘘言ってることくらい」
「・・・」
それ以上私はなにも言わなかった
- 139 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 01:56
- ―中澤の研究所
ここは医務室
ウチはそこで寝てる
実は片付けは他のみんながやってくれてる
ウチは撃たれてその傷が治るまでここに絶対安置やって言われた
「裕ちゃんがそんなことできるかい!」
ベットの前の白いカーテンを引っ張った
「ダメですよ?中澤さん!」
研究員の何人かが立っていた
「はは・・・よぉわかったな、ウチが出ようとしたこと」
みんなは口を揃えて言った
「「「いつものことですから・・・」」」
ため息混じりに言ったように聞こえたんは気のせいやろうか?
- 140 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 02:00
- 寝れないと言った割りには結局寝てたらしく・・・
気がついたらベットで横になってた
「・・・平家のヤツ・・・イヤな気分だけよこしやがって」
ムカツク・・・なんでアイツに私の心読み取られなきゃいけないんだ
「とりあえず着替えるか・・・」
これからどうするんだろうねぇ・・・私達は・・・
- 141 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 02:08
- ―高橋家
結局することもなくて
貸してもらった部屋でごろごろしてた
「なぁ〜にやってんだろな、矢口は・・・」
守れなかった
研究所も、みんなも、カオリも裕ちゃんも・・・
力が足りなかったのかな?
それとも・・・
コンコン
「矢口さん?」
高橋か・・・
ガチャッ
「どうした?」
- 142 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 02:11
- 「えっと・・・色々話しがぁしたくて」
高橋は照れてるのか少し俯きながら聞いてきた
そんなに照れなくてもいいと思うけどな
「うん、いいよ?」
矢口も暇だったし昨日高橋とそんなに話してなかったからね
- 143 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 02:21
- 「で?何から話す?」
「矢口さん・・・なんで家出してきたんですか?」
いきなりすごい質問をしてくれるね
「あ、ごめんなさい!こんなこと聞いちゃぁダメですよねぇ」
「いやっいいよ、矢口だってそのこと話ししないとね」
「は、はい・・・」
「矢口はさ・・・大切な人を守れなかった・・・」
もちろん自分があの『矢口真里』と悟られないように話さないといけない
そのことも考えて話し始めた
「矢口が守るって言ったのにさ、結局みんな守れなかった
大切な親友と・・・矢口を助けてくれた人も・・・矢口は!」
「矢口さん・・・」
急に高橋が口を挟んできた
「じゃあ矢口さんは1人じゃないんですよね?」
そう言った高橋はやっぱり笑顔だった
でも矢口にはその笑顔の裏の顔に気がついた
- 144 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 02:33
- 「私は・・・」
話し始めた高橋の顔から笑顔が消えた
「私のお父さんとぉお母さんはいつも海外に行ってました
だからいつもお手伝いさんにぃ育てられました」
あれ?でも今は誰もいない・・・
「でも・・・私が16になってからお父さんとお母さんのいいつけで
お手伝いさんも来なくなってぇ、1人で暮らすようになったんです」
なんだそれ・・・
「最初はぁ悲しかったですけど・・・今はもう慣れました」
「高橋・・・」
「なんですか・・・」
「矢口にもそういう人がいた・・・だからわかるよ・・・その気持ち」
もう1人の矢口・・・
気持ちは痛いほどわかってた
高橋もそうなのかもしれない
「だから・・・だからどうしてくれるんですか!?」
少し怒ったような声で話す高橋の目からは涙が溜まっていた
「これくらいはできるよ・・・」
- 145 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 02:38
- 矢口は高橋を抱きしめた
「矢口さん?」
あのときみたいだ
―寂しかった!アンタには友達がいた・・・
でも・・・私はずっと・・・ずっとぉ・・・
だからずっとアンタが憎かった・・・
もう誰も傷つけたくない・・・
体も・・・心も・・・
「だから・・・泣きたかったら・・・泣いていいよ・・・」
「やぐっ・・・っ・・・うっわあああああああああああっ」
矢口はあのときのように
高橋の頭をそっと撫でて、高橋が泣き止むまでずっとそうしてた
- 146 名前:タケ 投稿日:2003/11/02(日) 02:45
- 更新終了です
どうも話しがまとまらない・・・
(〜^◇^)<自分のせいだろ!
うぅぅ・・・その通りです
138、140両方 ―ある建物 が頭につきます
書き忘れてすんません
>134 つみ 様
彼女は高橋さんでした
>やぐちさん・・いきなり「住まして」はねぇ〜^^
(〜^◇^)<あ、やっぱり?
- 147 名前:つみ 投稿日:2003/11/02(日) 07:44
- あいたんかわいそう・・・
やっぱみんな悩みを抱えてるんですね〜
(〜^◇^)ヽ ^∀^ノ(○^〜^)川 ’ー’川从#~∀~#从
- 148 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 17:31
- あれから・・・
裕ちゃんの研究所を出てってから3日が過ぎた
高橋はあれから前に増して明るくなった
そんな高橋が妹みたいで可愛かった
できればずっとここにいたい
だけどそれは無理だよな・・・
「矢口さん?」
- 149 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 17:37
- あれから・・・私は中澤さんの所に行かなくなった
もう矢口はいない・・・
だったら私はもうあそこにいる必要なんてないんじゃない?
元々私があそこに行ったのだって
あとのき見つかったのが矢口かどうか確認するために呼ばれたんだし
だから私は前の生活に戻った
矢口が黄泉がえる前の生活に
私の考えは悪いことかな?
- 150 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 17:43
- 「あぁ、悪い・・・ちょっと考え事してた」
部屋で色々考えてたから高橋が入ってきてたことに気がつかなかった
「で?どうかした?」
そう尋ねると高橋はニッコリと笑って
「外にぃ出ませんか?」
と答えた
外・・・そういえばこの3日間・・・
いやいや裕ちゃんの研究所から出てくるまで外でなにかすることなんてなかった
好奇心ってのが湧いた
「行く!行きたい!!」
「じゃあぁ今から行きましょう」
そう言うとすぐに高橋は矢口の腕を掴んで
部屋から出ようとした
矢口は高橋の意思のまま高橋の家の外に連れ出された
- 151 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 17:51
- ―ある建物
「ねぇいちいちゃん!」
「ん?なに?」
後藤は私の部屋に入るなり突然
「どっかいこ?」
って聞いてきた
「は?」
なにを言ってるんだろうと私は思った
いつまた仕事があるかもしれないのに・・・
仮に仕事がなくても行く必要もないし行く気もない
後藤は上目遣いで
「ねぇ〜行こうよぉ〜」
と甘い声で言ってきた
さっきの考えは数秒で打ち砕かれた
(ったく大人っぽいクセに可愛いんだから!!)
そう思ったのは後藤には何があっても言えない
- 152 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 17:59
- (とりあえずあの人に確認とらないと)
やっぱりちゃんと言ってから出ないとな
行くなって言われたらどうしよう?
私はあの人の部屋へ行こうと自分の部屋の扉を開けた
「!!」
「失礼」
扉の目の前にアイツがいた
ゼロ・・・なな・・・
- 153 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 18:03
- 「どうしてお前が私の部屋の前にいるわけ?」
「どうしてと言われても私は・・・」
やっぱり07は無表情でそれがなんかムカついた
「あ!?はっきり言えよ!」
「はっきりって言われても私は・・・」
って、今はこんなくだらないことしてる場合じゃなかったっけ
冷静に冷静に
「まぁいいや、ちょっとどいてくれる?」
「はぁ」
ドンッと07を押しのけて部屋を出た
「ただ考え事してて立ってただけですよ?」
後ろで07はそう言って私とは逆の道を歩いていった
「・・・07・・・変なヤツ」
とりあえず私はあの人に許可を貰いに行こうと部屋に向かった
- 154 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 18:10
- 考え事・・・か・・・
確かに色々考えてた
矢口真里のこれまでの戦績データ
コードネーム11・510・44の戦績データ
その中での全員の『力』に関するデータ
途中まではそればっかり考えてたのに・・・
『可愛い梨華ちゃんのお部屋』
とピンク色の名札が貼りつけてあったその人の部屋を見てから
その人のことばかり考えていた
あの声はどのように出てるのか
あの人の性格はどうしたら掴めるのか
あの人はどんな人なのか
まったく関係ないことばかり頭に浮かんできて
それを消すために止まっていた
それが偶然市井さんの部屋の前だっただけだった
それにしても・・・私はなんで・・・
- 155 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 18:24
- 高橋に連れられて街に出た
「うわぁっ」
黄泉がえってから1回も外へ出なかった矢口には
ちょっとした驚きだった
高く大きな建物がたくさんたっていた
人がたくさんいて広そうな道が狭く感じた
「さぁ行きましょ?」
「おう!」
- 156 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 18:26
- しばらく歩いてたら変な男2人が絡んできた
「ねぇねぇ君達ぃお兄さんと遊ばない?」
「楽しいことしようよぉ」
やれやれ面倒だな・・・
「ごめんなさい、どいてくれます?」
「あ?んだとぉ!?」
男達は急に怒り出して矢口の腕を掴んだ
「なめんなよ?」
「なめてるのはどっちだ」
そいつを殴ろうと掴まれてない方の手を
出そうとした
「ちょっ矢口さん!!」
でもその言葉に矢口の手は反応してピタッと動きを止めた
「え?」
それと同時になぜか男達の動きも止まった
「おい・・・こいつ・・・」
「あぁ・・・身長も髪の色も・・・しかも名前だって・・・」
って言ったのが小声ながら聞こえた
だからかな?なんかムカついた
「おい!」
「はっはい!」
さっきまでの剣幕はなんだったのか急におとなしくなった
「さっさと離せよさもないと」
矢口はグーにしてた手をパーにした
「うっわあああああああああっ!!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいい!!」
「冗談だよバーカ!」
そう言って高橋の手を掴んでそのままそいつらが見えなくなるまで走った
- 157 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/02(日) 18:29
- 「はぁはぁっ大丈夫?」
「はっはい」
でも矢口ってそんなに怖がられてたんだ・・・
知らなかったな
「矢口さん・・・気にしない方がいいですよ?さっきの人達が言ってたこと」
どうやら高橋もそれを聞いてたらしい
「ははっ余裕だよ」
矢口は笑顔で答えた
「じゃあ改めて、行きましょ?」
「おう!」
- 158 名前:タケ 投稿日:2003/11/02(日) 18:36
- 更新終了です
>146 つみ 様
今回の更新は矢口・高橋、市井・後藤は明るめでしたが
逆に1番悲劇的だったのは飯田さんですかね
さて次回、ついにあの2人(3人?)が街で!!
って誰でも想像できますよね(w
- 159 名前:つみ 投稿日:2003/11/02(日) 21:34
- これはこれは・・!
次回は一体どうなるんだろう?
やっぱ闘うのかなぁ〜・・・・自分的にはまったりがいいですねぇ〜
れいなさん・・ファイト!
- 160 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 11:26
- 「いちーちゃーん!早く早くぅ」
「おっおい!そんな急ぐなよ!」
―あぁ、行ってもいいよ? これから1週間くらい「あちら」に行く予定ないし
以外な答えだった・・・
1週間くらい行かないってどういうつもりだろう?
そんなに時間空けたらあっちだって戦力は整えられるだろうし・・・
それとも・・・?
「いちーちゃん?」
「へ? わっ!」
さっきまで前にいた後藤がいきなり目の前に立っていた
「なんだよーびっくりしたじゃないかぁ!後藤ぉ!」
「えへへっ」
でもこのあと更にびっくりする出来事が起きるなんて・・・
それはまったく予想もしてなかったことだった
- 161 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 11:33
- 「えー!?矢口さんお金持ってないんですか?」
実はというかなんというか矢口はまったくお金を持ってなかった
いままではカオリが昔着てたヤツをくれたり(服のサイズに困ったけど)
裕ちゃんが少し買ってくれたりしてたから
お金を使うどころかもってすらなかった
「うぅぅ・・・ごめん高橋・・・」
「問題ないですよ、これくらい」
そう言ってくれた高橋が女神に見えた
ちなみに矢口が買おうとしてたのはペンダントだった
カオリや裕ちゃんにプレゼントしようと思って
ちょっと高そうなものを選んだんだけどお金をもってないことをすっかり忘れてた
だから結局高橋に全部払ってもらった
- 162 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 11:54
- 「ホントごめんな高橋ぃいつか返すから」
とは言ってもいつになるんだろう?と少し不安だった
それは金額の問題じゃなくて矢口が・・・
「大丈夫ですよぉ利子はつけませんから」
利子はつけないって・・・
可愛い顔して何てこと言うんだ
「って!結局いつかは返してもらうつもりなんだ」
「あっいやいやいやっそんなつもりはぁないですぅってばぁ!」
焦る高橋
・・・結構面白いよな・・・高橋って・・・
「あ、そろそろお昼ですねどこか食べに行きません?」
「お、そうだな」
ってことで矢口達はどこかで昼ご飯を食べることにした
- 163 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 11:59
- 「おい!後藤!ちょっとは持てぇ!!」
「えーだってぇいちいちゃんが持ってくれるって言ったんでしょ?」
「う・・・でもだからといってこんな」
こんな両手いっぱいに紙袋持ってるんだけどそれでも手伝ってくれないの?
と、言いかけたけど止めた
(どーせ持ってくれないだろうし)
しかしその私の想像を後藤は爽快に打ち砕いてくれた
「あ!あの服かわいーなぁ!ねっ?いちいちゃん?」
もちろん悪い意味で・・・
- 164 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 12:06
- 「あー食った食ったぁ」
「矢口さん行儀悪いですよぉ?」
結局近い店でおいしくいただいた
もちろん・・・
「じゃあこれも利子抜きですからよろしく」
高橋のお金で・・・
っていうかこの子、マジで払った分矢口から返してもらう気だろ!
とツッコミをいれるのを矢口は忘れなかった
「さて、次どこ行きます?」
「うーんどーしよっかなぁ」
他に行きたいところ
他に行きたいところ・・・
「うーん・・・」
「あ!あっちに行ってみませんか?」
「え?」
- 165 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 12:16
- 「んあぁ疲れたぁ」
「なに言ってんだよ!私の方が疲れたっての!」
結局後藤は少ししか持ってくれなくて
荷物の約8.9割は私が持っていた
そんでもって今私達は今公園のベンチで休憩中
「暑い〜!」
「ホント暑いなぁ」
まぁ当然と言えば当然か・・・
もう6月も半ばに入って暑さだけはもう7、8月だ
しかも現在時刻は午後2時・・・
午後2時って1日の中で一番暑い時間なんだよ?知ってた?
「う〜」
はっきり言ってだるい・・・もう帰りたい・・・
「いちーちゃん!次行こ!次行こ!!」
「えぇ!?」
正気ですか!?後藤さん・・・
「大丈夫大丈夫、日陰の店探すから」
「そう?それなら・・・」
しかし後藤の性格とこれまでの行動パターンを考えると・・・
「さっ行こ行こ!」
結局答えが出る前に後藤のバカ力で引っ張っていかれる私だった
- 166 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 12:22
- 「おぉ〜!涼しいぃ〜!!」
「ホント涼しいですねぇ」
高橋の言ったあっちってのは日陰にあった
街から少し離れた所・・・
少し離れただけなのに・・・
「でもなんか誰もいないねぇ」
「それにやってるお店も少ないですね」
という状況だった
「ははっでも人が少ないってのはいいかもね?
あんなに人口密度が高いと困るし」
「ははっ確かにそうですねぇ」
そう言ったそばから前の方に誰かいた
やっぱこういう誰もいないところに誰かいると目に付くなぁ
あっちの人も私達に気付いたかな?
「!?」
その瞬間
矢口はなんとなくなつかしい感覚に包まれた
- 167 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 12:27
- 「んあ!涼しいぃ!!よかったねいちいちゃん!」
「あぁよかったよぉ・・・」
後藤がもう少し荷物を持ってくれれば特に・・・
まぁそんなこと期待した方が無駄だよなぁ
せめてもの救いはこのあたりでやってる店が皆無だってこと
もしやってたら・・・
「あれ?」
ギクッとした
まさかどこかに店が!?
でもそれは違った
「ほら!あそこ!誰か歩いてるよぉ」
「あっホントだ!」
やっぱ人がいるってのは安心するね
だってここ、ほとんど人がいないし
あ・・・れ・・・?
- 168 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 12:31
- だんだん前の人との距離が近づいてきた
っていうか近づいてきた
「・・・?」
不思議なことに懐かしい感覚が止まるどころか
だんだん強くなってる・・・
もう隣に高橋がいることも忘れていた
もうすぐ2人の顔が見えるって所で矢口の足が止まった
―ねぇ沙耶香ぁ!遊ぼうよぉ
「さや・・・か?」
- 169 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/04(火) 12:36
- こっちにその2人は近づいてきた
さっき感じた違和感が拭い切れない
「いちー・・・ちゃん?」
後藤の声ももう遥か彼方
だんだんその2人の体格がしっかり見えてきた
姉妹なのかな?って思った
親子にしては片方は小さすぎるし
もう片方は真里に・・・
真里!?
片方の・・・真里の足が止まった
私と・・・後藤の足も・・・
真里はなにか言ったのか口が動いていた
でもそれは聞き取れなかった
でもそんなこともう関係なかった
「ま・・・り?」
- 170 名前:タケ 投稿日:2003/11/04(火) 12:39
- 更新終了です
更新中、停電してちょっと焦りました(w
>159 つみ 様
まったりのまま終わりました(w
もっとも最後はシリアス気味でしたけど・・・
- 171 名前:つみ 投稿日:2003/11/04(火) 12:51
- であってしまいましたね・・・
この4人はどうなるんでしょうか・・?
何となく「あちら」が気になる・・・・
- 172 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/10(月) 15:11
- 真里・・・なんで・・・なんでこんな所にいるの?
私の思考は一瞬止まり、次の瞬間には真里のことばかり頭に浮かんだ
ドサッ
「!!」
今まで持っていた荷物が勢いよく地面に落下して私はハッとした
後藤も真里に気付いたのか
荷物が自分の物だと言うのにただ呆然と真里を見つめるだけだった
- 173 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/10(月) 15:15
- 「あ・・・大丈夫ですか?」
突然真里の隣にいた子が私に・・・というか落とした荷物に近づいて
拾おうとしていた
「あ・・・はい・・・」
張り詰めた緊張の糸がほぐれた
その子につられるように後藤も慌てて荷物を拾い始めた
- 174 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/10(月) 15:22
- 突然の高橋の行動にボーっとしてた私は我に帰って
「高橋、やぐ・・・私も手伝おうか?」
と聞いて手伝おうとした
「あ、大丈夫ですよ!それにしても沢山買いこみましたねぇ」
そう言って高橋はそのまま山のような荷物を拾い続けていた
その上後藤って人に話しかけていた
「えへへっ最近全然買い物行ってなかったからねぇ」
さっきまでの緊張はどこへ行ったのか・・・
なんとなく和やかなムードが漂っていた
ただ・・・それは高橋と後藤って人だけの話
- 175 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/10(月) 15:26
- さっきの訂正する・・・
緊張の糸はまだぴんと張ってるよ・・・
真里と私の間に・・・
さっきと同じような緊張感が・・・
「・・・」
「・・・」
忙しそうに荷物を集める2人も目に入らず、
ただ、ただ真里だけを見つめていた
なにを言えばいいのだろうか?
まったく考えが浮かばなかった
私はかつての親友になんて言えばいいんだろう?
- 176 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/10(月) 15:32
- 刹那、真里の口が微動した
「・・・か」
ん? なんだって
「私も手伝いますか?」
「あ・・・えっ?」
真里の言葉はあまりにも以外で・・・
なんとなく真里らしい言葉だと私は思った
「ははっじゃあ手伝ってください私が持ちますから」
「はい!」
ああ、この笑顔だ・・・
私の最高の親友の・・・最高の笑顔
これが見たかったんだ、私は
- 177 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/10(月) 15:37
- つい口からでまかせで
「私も手伝いますか?」
って聞いてしまった・・・
沙耶香はキョトンとした顔でこっちを見ていた
「ははっじゃあ手伝ってください私が持ちますから」
そう言った沙耶香の顔はかつてどこかで見たような気がした
「はい!」
自然と笑顔で言えた
さっきまでの緊張はどこへいったんだろう・・・
でも実際そんなことどうでもいいよね?
なんて結構無責任なこと考えて矢口は
荷物を拾うのを手伝った
- 178 名前:タケ 投稿日:2003/11/10(月) 15:41
- 更新終了です
どうもイマイチ・・・
いや、元々なんですがね(w
>171 つみ 様
結局4人和やかに(w
- 179 名前:つみ 投稿日:2003/11/10(月) 19:32
- 平和に過ごせましたね^^
これから4人でどっか言ったりするのかな?
- 180 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/12(水) 16:23
- 私は元の生活に戻った
「あっカオリ〜!おはよー!」
なんだろう・・・
「あ、おはよう・・・」
なんだろう・・・違和感を感じる
「どうした?元気ないよぉ」
なんて言うんだろうこの胸の中でもやもやした感じ
「ちょっと色々あってさ」
それでもそう言ったのはでも誰にも気付いて欲しくないって本能的にそう思ったから
多分・・・原因はわかってるから・・・
- 181 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/12(水) 16:27
- 「ありがとう!おかげで助かったよ!」
やっと全ての荷物を拾い終えることができた
後藤もどういう風の拭きまわしかさっきよりはもってくれてるし
「どういたしまして」
「どうってことないよ」
この時間はこの数週間と別の世界の時間だった
本来私達は真里を捕まえる為真里と闘ってきたのに・・・
でもこの時間・・・この世界は違った・・・
あのとき・・・私が描いた真里との再開とダブる最高の時間だった
- 182 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/12(水) 16:31
- でも・・・どんなに長い時間でも、やっぱり最後には終わりがやってくる
この世界もそう・・・
次に会ったときは真里は・・・
「じゃあ、私達はこれで・・・」
真里と彼女は私と後藤に背を向けて日の当たる道へ歩き始めた
ほらね?やっぱりこうなるんだよ・・・
その時真里がこっちを向いて
「また会えるといいねーっ!!」
と言ってまたもう1人の彼女と歩いて行った
- 183 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/12(水) 16:36
- ―また会えるといいねーっ!!
私は・・・矢口はなにを言ったんだろう?
次に会ったらきっとまた闘うのに・・・
それを知っててなんで矢口はそう言ったの?
「矢口さん」
前を向いたまま突然高橋が口を開いた
「ん?どうした?」
「また・・・会えるといいですね?」
「!」
そっか・・・そうだよね・・・
もう1度、さっきと同じ空気で
「ああ、会いたいよ・・・」
- 184 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/12(水) 16:41
- いちいちゃんの荷物を持った
いちいちゃんがどこかへ行きそうだったから
でもその「どこか」ってのは
なんとなくいいところだってわかった
なんでわかったの?って聞かれてもごとーにはわかんない
でもごとーはいちいちゃんをずっと見てきたから
いちいちゃんが好きだから
だからわかるんだ・・・いちいちゃんが行きたいところ
でもそれがイヤだってごとーが思ってるのはきっと、
きっとごとーがそこにいないから
やっぱりこれもなんで?って聞かれたらさっきと同じ答えを言うんだ
だからせめていちいちゃんにごとーのことを覚えていて欲しいから・・・
- 185 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/12(水) 16:47
- 恋をすると人はおかしくなるんだって誰かが言ってた
今の私はそれなのかな?
「カオリ?・・・あーまた交信しちゃってぇ」
私がおかしいのかな?
それとも矢口が私をおかしくさせるのかな?
あ、どっちも同じかな?
どっちにしても私はおかしくなってる
うん
私はきっとおかしくなってるんだ
矢口に・・・矢口真里に・・・
- 186 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/12(水) 16:51
- 「また会えると・・・か」
今度はまた闘う為に会うんだろう
だから会いたくない
できれば・・・
「いちいちゃん」
「ん?」
後藤が弱々しく話しかけてきた
「ごとーを忘れないでね?」
- 187 名前:タケ 投稿日:2003/11/12(水) 16:57
- 短いけどここで更新終了
再び暗く・・・
そして街中編(今命名 w)終了です
>179 つみ 様
結局4人(3人)は複雑な別れかたをしましたね
でも今度会うときはきっと・・・?
- 188 名前:つみ 投稿日:2003/11/12(水) 18:05
- ホントに複雑な別れ方でしたね・・・
ごとーさんも大人になりましたね。
いいらさんがものすごく切ないです・・・
- 189 名前:タケ 投稿日:2003/11/13(木) 18:42
- 後藤の言いたい事はなんとなくわかった
私だってだてに後藤と一緒の時間を過ごしてはいないから・・・
やっぱり後藤は子供だった
荷物を持ったのはそういうことだったのね?
だから余計後藤の笑顔が痛かった
なんて答えればいいの?
後藤は私の何?
私の気持ちは?
考えれば考えるほどわけわかんなくなってきた
- 190 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/13(木) 18:47
- 「いちいちゃん」
「なんだよ?」
後藤は私の隣で歩いていた
だから横から声がした
もちろんそれは当たり前なこと
でもそんなことも忘れるくらい考えすぎて・・・まともに顔が見れなかった
「ごとーはね?すこしでもいいから・・・
ホントは全部がいいんだけど・・・それでもいちいちゃんに覚えてて欲しいんだ!ごとーを」
- 191 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/13(木) 18:50
- 「ごとう・・・」
「いちいちゃんがごとーの前からいなくなっても、
ごとーがいちいちゃんの前からいなくなってもいちいちゃんには
忘れて欲しくない!!だから・・・ごとーは・・・!!」
後藤を
知らないうちに抱きしめていた
後藤の体温を感じた
- 192 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/13(木) 18:54
- 荷物はもう1度地面に落ちた
でもその音も
人の声も
全てが聞こえなかった
「ぃちぃちゃん・・・」
後藤の声だけが今の私の耳に届いていた
- 193 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/13(木) 18:59
- 「ただいまーっ!!」
「やっと帰れましたねぇ」
初めて高橋の家から出たからわからなかったけど・・・
2回目を見ると違うんだね
家が
景色が
空気が
全部が
最初に見たときとは違う色で矢口の目に写っていた
「いい家だね」
「ありがとうございます」
改めて高橋の家のすごさを知った
最初に感じたすごさと・・・別のそれを
- 194 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/13(木) 19:05
- 部屋に入って買った荷物を机に乗せて矢口は椅子に座った
荷物って言ってもカオリや裕ちゃんのお土産とかそんなのしか買ってないけど
「・・・元気かな・・・みんなは」
色んなことを思い出していた
森の中を駆け巡っていたとき
裕ちゃんにものすごい剣幕ですごまれたとき
カオリと会ったとき
平家さんに襲われたとき
もう1人の矢口
それに・・・
コンコン
「はーい!」
「矢口さんっ」
- 195 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/13(木) 19:11
- ハッとして当たりを見回して見た
誰もいなかった
っていうかさっき矢口と分かれた場所から
何十メートルも離れてなかった
後藤を抱きしめたまま空を見上げる
青が一面に広がって・・・
形の定まってない雲が青の中に散らばっている
不思議と綺麗だとは思わなかった
・・・違う・・・不思議じゃあないや・・・
ぎゅっ
「いちー・・・ちゃん?」
「悪ぃ・・・もうちっとこうさせてくれ」
「・・・うん」
だってその空より綺麗なのがここにいるんだからさ
- 196 名前:タケ 投稿日:2003/11/13(木) 19:19
- 更新終了です
今回は市井さんと後藤さん中心の話しでした
甘いのか痛いのか微妙・・・
っていうか結局街編なんですけど(w
>188 つみ 様
大人な後藤さん
市井さんは始め(>189)は子供だと思ってましたけどね(w
>191で大人な後藤さんを見たんですけどね
(そのように見えたのかどうか・・・)
そう言えば>189名前がタケのままになってました
失礼しました
- 197 名前:つみ 投稿日:2003/11/13(木) 23:22
- はあ・・・
秋の夜長に見てると余計せつない・・・
- 198 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:18
- 気がついたら・・・私と後藤は荷物を拾ってまたあの建物へ向けて足を動かしていた
私も・・・後藤も・・・無言のまま、ただひたすら歩くだけだった
自分の気持ちを整理していた
真里は親友だった
それは昔から、今でも
それ以上にも、それ以下にもなったことはない
と、思う
だからそういう意味で「好き」になったのは初めてなのかもしれない
・・・多分だけどね?
- 199 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:24
- いつものあの建物が見えてきた
その建物のガラスに太陽の光に反射されて鈍く光っていた
「ついたね」
後藤がぽそっと呟いた
私は小さく頷くだけだった
私は迷っていた
大切な人が2人になった今、私はどうすればいいんだろうか?
改めて親友として会う事ができた真里と・・・
真里とは違う意味で大事な後藤
でも悲しいね
今の状況じゃあどっちかを選ばなきゃいけないんだ
- 200 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:29
- 高橋はドアの入り口で立っていた
それ以上なにもしようとしなかった
「どうした?」
不思議に思って聞いてみた
「・・・矢口さん」
力のない声だった
「ん?」
なるべくやさしく言ったつもり
高橋の口から以外な言葉が出てきた
「戻りたいんでしょう?」
「え・・・」
- 201 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:33
- 「どこへ?」
ホントはわかっている
自分が1番分かっていた
でもそれを紛らわすように高橋に尋ねた
「・・・前にいた場所ですよ・・・」
私は初めて知った
「わかってますよね・・・矢口・・・真里さん」
高橋が私を「矢口真里」だと知っていたことを
「あぁ・・・」
なんとか返事をしようとしたので語尾が弱くなっていた
- 202 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:37
- 「いつから知ってた?」
「初めて会ったときからです」
やっぱり前の矢口は結構顔が知れてたってことか・・・
「そっかぁ・・・じゃあなんで助けてくれたのさ?」
「!」
今生まれた疑問をすぐに問いかけた
矢口を助けてどうしようとしたのか・・・
殺されるかもしれないのに・・・
「・・・」
でも高橋は急に黙り込んでなにも話さなかった
- 203 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:43
- 真里は敵だった
助ける為に真里を捕まえにいったのに真里は私達と闘った
だからいつのまにか敵と認識しようとしていた
でも真里は敵「だった」んだ
闘わない場所で出会って初めて知った
真里はただの幼馴染で、親友で、大切な人だった
- 204 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:47
- 後藤は私を好いていた
いつも私にくっついて、でも私はうっとおしくて跳ね除けて
キスされて怒って仲直りして・・・
いつのまにか後藤といることが当たり前になっていた
だから後藤を「好き」になっていたんだ
今日初めて知った
後藤は私のもう1人の・・・大切なひとになった
- 205 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:52
- だから余計迷った
どっちも選べない
どっちかを選べばどっちかを失う
単純な話だ
でもとんでもない重さを秘めていた
選べない・・・
何度もそう思い考え直した
どっちを選ぶのか・・・
だから私は決めたんだ
両方とってしまおうと
- 206 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/18(火) 17:57
- コンコン
「はいはい、どうぞ」
気がついたらあの人の部屋をノックしていた
そのわりには私がなにをしようとしてるのかは理解できた
「失礼します」
部屋は薄暗かった
もう外は暗くなっていた
「で?なにかよう?」
あの人は興味ありげに聞いてきた
「実は・・・」
ハッキリいってこれしか考えが浮かばなかった
真里と後藤を傷つけないでいる方法は・・・
「私と後藤を矢口捕獲の仕事からはずして欲しいんです」
その瞬間、周りがシンとして・・・何も聞こえなくなった
- 207 名前:タケ 投稿日:2003/11/18(火) 18:03
- 更新終了です
書いてるうちにわけがわからなくなってしまった・゚・(ノД`)・゚・
特に市井さん暴走させてるし・・・
>ハッキリいってこれしか考えが浮かばなかった
まさに文字通りです(爆
>197 つみ 様
せつないですか・・・
でも今回の更新でぶち壊し(ry
- 208 名前:つみ 投稿日:2003/11/18(火) 21:03
- いちーさん・・・
どっちもとるとは欲張りなのかな?
高橋さん・゚・ (ノД`)・゚・
- 209 名前:タケ 投稿日:2003/11/22(土) 18:01
- 「・・・から・・・」
「え・・・」
どれくらい時間が過ぎたんだろう
いつのまにか部屋も暗くなってて高橋の顔が見えにくくなっていた
そして高橋が口を開いた
「寂しかった・・・から・・・誰かと・・・一緒にいたかったから・・・」
一瞬高橋の目から涙が流れてるように見えたけど
高橋は俯いたのでわからなかった・・・
でも声で泣いてるということはわかっていた
「たか・・・はし・・・」
- 210 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/22(土) 18:09
- 「それに・・・私が最初矢口さんを見たとき、
「矢口真里」は本当は悪い人じゃないのかもって思ったんですよ」
「えっなんで」
以外な言葉だった
街で声をかけてきた男はあんなに矢口にびびってたのに・・・
「だって・・・とてもいい顔をして寝てたから・・・」
高橋は泣きそうな顔で・・・それでも高橋らしい愛らしい笑顔でそう言った
「なんだよそれ〜!」
高橋のところまで早歩きして高橋の頭をコツンと叩いた
「へへへっ」
高橋は笑い返した
高橋・・・アンタ・・・強いよ・・・
- 211 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/22(土) 18:13
- 「なんで?」
暗闇からあの人の鋭い声が聞こえてきた
「理由を言ってくれないと困るんだけど・・・」
「矢口真里とは・・・闘いたくないから・・・
あいつは友だ・・・いえ、親友だったんです!それにっ」
「それに?」
後藤のことを言おうとしたところで私の口は動きをとめた
きっと後藤への気持ちまで言ってしまっただろうから
「後藤も・・・吉澤も傷つけたくないから・・・」
- 212 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/22(土) 18:18
- 「くすっ」
あの人は微笑して私に背中を向けた
心なしか・・・背中が大きく見えた
「いいよ!そのかわり別の仕事をやるからさっ
アンタ達3人は!」
「はっ・・・はい!」
何とも言えない嬉しさがこみ上げてきた
まさかホントに許してもらえるなんて・・・
よかった・・・後藤・・・真里・・・
「ありがとうございました!失礼しますっ!」
私は部屋を出て、後藤が待ってるだろう自分の部屋に向かった
- 213 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/22(土) 18:26
- 矢口は半歩下がって高橋を見つめた
矢口も・・・覚悟、決めたよ
「高橋・・・ありがとう、ホントはずっとここにいたいけど・・・
矢口には・・・守らなきゃいけない人達がいるんだ・・・だからっ」
「わかってますって・・・でも、また遊びに来てくださいね?」
「おう!わかってらい!」
話した結果今日はもう遅いから明日の朝出ることにした
「矢口さん・・・一緒に寝てくれませんか?」
やっぱり寂しいよな・・・今まで一緒だったのに・・・
「いいよ」
矢口は快くそれを受けた
- 214 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/22(土) 18:28
- ベットに入る
矢口が小さいのとベットが大きいのもあって余裕で二人分入れた
寝るまで矢口と高橋は話しあった
今までの出来事
高橋との思い出
色々話してついに高橋は眠った
高橋の顔をジィっと見つめる
元が可愛いからか寝顔も可愛らしい
それと同時に
高橋とこうしてられるのも最後だなと思った
少し寂しさを感じながら矢口も眠りについた
- 215 名前:タケ 投稿日:2003/11/22(土) 18:32
- 短いですけど更新終了
そう言えば最近飯田さん書いてないな(汗)
そろそろ出してあげないと・・・
>208 つみ 様
やはり欲張りでしたか(w
私もそう思いますが(爆)
- 216 名前:つみ 投稿日:2003/11/22(土) 21:01
- いちーさんとお話してる方はいい人っぽいんですかねぇ〜?
やぐたかも終わりに来てますか・・・
- 217 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/28(金) 04:53
- 「え・・・?」
私は耳を疑った
市井さんのグループが矢口真里捕獲の仕事から外れた
いったいなぜ急にそんなことになったのか・・・
とりあえず今言えることは・・・
ガチャッ
「呼びましたか?」
「ああ、なんで私がアンタを呼んだか分かってるわよね?」
次は私の番ってこと
「はい」
- 218 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/28(金) 04:58
- 「え?なんだって!?」
「だから・・・私はここに残るって言ってるんです」
私は後藤と吉澤を部屋に呼んでこれからのことを話していた
だけど吉澤は・・・
「私は矢口真里を捕獲します
なんで悪いんですけど2人で行って来て下さい」
吉澤の目は真剣だった
(これ以上言っても無駄かな・・・)
「わかった・・・
じゃあ吉澤は残って私と後藤が行って来るよ」
「ありがとうございます!」
吉澤がペコリと頭を下げた
- 219 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/28(金) 05:01
- なんで・・・
なんでだよ・・・よしこ・・・
「なんでだよぉ!」
「後藤・・・」
なんでよしこも一緒に行かないんだよぉ
それにいちいちゃんもなんでそれを認めちゃうのさぁ
「いやだよ・・・ごとーは・・・反対・・・」
前にもよしこはごとーの前からいなくなったことがあった
よしこは・・・いちいちゃんとは違う意味で大事な人・・・
親友なのに・・・
「ごっちん・・・ごめん・・・でも私は・・・」
「・・・っ」
ずっと3人で頑張ってきたのに・・・
「どぉしてっ!!」
- 220 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/28(金) 05:06
- まいったね
ごっちんにここまで止められちゃうなんて
市井さんも困った顔してるってのに・・・
でも・・・私は2人と一緒に行けない
これ以上2人といちゃあ・・・
―いいか?吉澤ぁ!これ以上仕事を続けるとまた前みたいになるで?
そしたらアンタの仲間が・・・
―なにデタラメ言ってんだよぉ!!
―ホンマや・・・ウチを信じてみぃ!
もしあの2人を傷つけたくなかったらグループ抜けるんや!
ダメなんだ・・・
- 221 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/28(金) 05:12
- 「ごっちん」
「・・・」
「ごっちんが私から離れても・・・私がごっちんから離れても・・・
私達の友情は変わんないよ」
私はごっちんの手を握った
手の甲が濡れていた
ズキンと心が痛んだ
それを振り払って私は言葉を続けた
「ずっとずっといつまでも・・・私達は一緒だから・・・」
「でもっでもっ」
「大丈夫!矢口さんを捕まえたらすぐ行くから・・・っね♪」
- 222 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/28(金) 05:17
- よしこ・・・
「そうだよね・・・・ごとーとよしこの友情は絶対だもんね!」
大切なことを忘れてた
ごとーは昔の約束を思い出した
―私、吉澤ひとみはごっちんと一生親友であることを誓います!
―ごとーも・・・・後藤真希もよしこと一生親友だってこと誓います!
だから・・・離れてても一緒なんだ・・・
ごとーとよしこは・・・
それに・・・
「じゃあ後藤、荷物の整理してこいよ」
「うん・・・」
今はもう1人、いちいちゃんっていう大好きな人もいるから・・・
- 223 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/11/28(金) 05:21
- 「私が矢口真里を捕獲すればいいんですよね」
「その通り・・・といいたいところだけど」
「?」
ガチャッ
そのときいきなり扉が開いた
「チャオーっ!」
高い声が部屋に響き渡った
私は嫌な予感がした
- 224 名前:タケ 投稿日:2003/11/28(金) 05:26
- 更新終了です
市井・後藤の吉澤さんとの別れ
田中さんと石川さんの久しぶりの登場
(出番は少ないけど)
そろそろ中澤さんたちも登場させないと(汗)
>216 つみ 様
やぐたか出ず(w
次回には・・・多分・・・
- 225 名前:つみ 投稿日:2003/11/28(金) 16:50
- ちゃお〜!か・・・
王道の2人がコンビっすか^^
よしごまの過去にも期待
- 226 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:08
- 「まさか・・・違いますよね・・・」
私は淡い期待を信じ、尋ねた
「ん?石川も一緒だよ?」
「よろしくねぇ〜♪ れ・い・な・ちゃん♪」
あぁ・・・よりによってこの人と・・・なんで
「・・・あぁ」
- 227 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:12
- チュンチュンッチュンチュン
「ん・・・」
朝か・・・
今日で最後・・・高橋の家に住みつくのは・・・
「矢口さん」
「! 高橋・・・起たのか」
彼女ともお別れだ
「おはようございます」
その彼女の笑顔はいつもに増して可愛らしかった
- 228 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:17
- カチャカチャッ
ここで食べる最後の朝食
高橋と私は何も話さずに食を進めた
「ごちそう・・・さま」
その場の空気は重苦しかった
矢口が食器を洗い場の方へもってこうと立ち上がったその時
「矢口さん」
高橋は箸を置いていて、こちらを見ていた
- 229 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:25
- 高橋は話した
自分には友達が少なくいつも1人でいたこと
家でも1人でいたこと
それをいつも淋しく思っていたこと
高校生になったある日、ついに仲のいい友達ができたこと
そしてその友達がどこか遠くに引っ越してしまったこと
学校を辞め矢口とあうまでまた1人だったことを
高橋はどんな思いでこのことを話したのだろうか
高橋は泣く事もなく真面目な顔で話し続けた
高橋は再び箸を持って残ったご飯を食べた
- 230 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:30
- 「カオリっ」
寝ても覚めても、48時間ずっと矢口のことで頭がいっぱいだった
「カオリぃ」
誰の声も聞こえず、ただ矢口と仲良く話していた日々を思い出すばかりだった
「ねぇっ!カオリってばぁ!!」
「え・・・」
「もぉ〜最近ボ〜っとしてばっかじゃん!しっかりしなよ?」
―カオリぃ〜!ボ〜っとしてんなよぉっ
結構限界かもしれない・・・
- 231 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:33
- 「ねぇ・・・」
「ん?どうしたの」
「今日、用事あるから休むって言って!お願いっ!」
私は走り出した中澤さんの研究所へ
矢口の所へ
「あっカオリぃっ!」
友達の声は小さく耳に入った
それでも走り出した足は止まることなく進んだ
- 232 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:39
- コンコンッ
「はいはい?誰」
ガチャッ
「おはよございます吉澤です」
部屋にはあの人と07、そして・・・
「あっひとみちゃ〜ん♪おっはよぉ〜!!」
・・・梨華ちゃんもいた
「吉澤ぁ?呼んだ覚えないけど?」
「勝手に来ました
あと、お願いしに来ました」
「お願い?」
私は市井さんに言ったことをそのままあの人にも伝えた
「そっか・・・うん、いいんじゃないの?」
意外にあっさりと答えが返ってきた
しかもOKだ
「あっありがとうございます!」
「キャーっひとみちゃんと一緒ぉ♪」
梨華ちゃん・・・一緒にやるとは言ってないんだけど・・・
- 233 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:45
- 「と言うことはやはりこの3人で矢口真里を捕獲するんですか?」
吉澤さんの目的は知らないけど吉澤さんはかなり実力がある
一緒に行動してくれるならかなり楽になる・・・
「うん、その方がいいかな?吉澤ぁ!いいでしょ?」
「え・・・えっとぉ・・・その」
でも吉澤さんにはその気はないのだろうか?
即答せずに腕を組み俯いていた
「一緒がいいよぉ〜!」
いや、この人のせいかもしれない
- 234 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:50
- できるだけ単独で行動したかった
いつ自分がおかしくなるかわからないし
それに07と梨華ちゃんがどんな『力』を持っているのかもわからないし・・・
「吉澤さん」
「ん?」
呼んだのは07
どうも私はコイツが苦手だ
なんとも言えない冷たいオーラが出てる
「ひとみちゃ〜ん!!」
この人は寒いオーラだしてるけどさ
「吉澤さん、私と勝負しませんか?」
「なに?勝負?!」
何を言うのかと思ったら07は私に勝負を挑んできた
- 235 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 10:56
- とりあえず私の実力を吉澤さんに見せる必要がある
そう思った私はとりあえず吉澤さんに聞いてみた
「勝負ったって・・・どうやって?」
「あ、忘れてました・・・じゃあ訓練場でやりましょう」
私は吉澤さんを『力』の訓練をする訓練場まで連れて行った
あの人と石川さんも跡をついて来た
「で?どうやって勝負すんの?」
- 236 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 11:00
- 「まぁとりあえず私の実力を見てくださいよ」
私は心のストッパーを解いた
「話しの論点間違ってるっての!」
難しい単語は嫌いなんだけどなあ・・・
まあいいっか
「じゃあ30秒くらいで倒してあげますからっかかってきてくださいよ」
なめてるわけじゃない・・・本気でそれができるから言った
「っ・・んだとぉぉぉっ!!」
- 237 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/01(月) 11:03
- 「っ・・・んだとぉぉぉっ!!」
急に態度がでかくなった07
でもそれ以上に彼女の冷たいオーラが強くなっていた
「じゃあカウント始めますよ?」
もうやるしかないか・・・
「よーい・・・ドンッ!」
- 238 名前:タケ 投稿日:2003/12/01(月) 11:10
- 更新終了です
多め(?)の更新だったのにあんまり進んでない・・・
次回は田中さんの活躍になりそうです
>225 つみ 様
田中さんと石川さん・・・
かなりチームワーク悪そうな2人です(w
あの人も大変大変(w
- 239 名前:つみ 投稿日:2003/12/01(月) 15:46
- ほう・・・バトルか・・・
田吉楽しみにしてます!
- 240 名前:タケ 投稿日:2003/12/14(日) 07:53
- (1・・・2・・・3・・・!)
ビュッ
私の左の頬に吉澤さんの拳が飛んできた
とりあえずギリギリでそれをかわす
(8・・・9・・・)
今度は左手が私の右腹部に向かっていた
トーンッ
私は右足で後ろにとんだ
スタッ
「くっ・・・」
なめられてたのかな?私・・・
吉澤さんはかなり困惑した顔でこっちを見ている
「10秒過ぎましたよ?」
そう私が言うと吉澤さんは怒ったのか勢いよくこっちに向かってきた
- 241 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/14(日) 07:58
- 怒りに身を任せても実力通りの力は出ないのに・・・
吉澤さんそのままの勢いで右手で再び私を殴ろうとした
スカッ
まっ カッとなった吉澤さんのパンチなんて当たらないけどね?
ってわけで余裕のつもりで紙一重で避けた
(18・・・19・・・あ、あと10秒しかないじゃん)
「くっ」
そろそろこっちからも行かせてもらおっかな?
- 242 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/14(日) 08:03
- ガッ
「わっ!?」
吉澤さんの足を引っ掛けた
吉澤さんは前のめりになって転びそうになった
勢いってのはこうやって利用できるんだよね
って、あと7秒
ってことでさっさと倒そうと私は目の前に倒れこむ吉澤さんの腹部に一発
ドスッ
「あ・・・」
そのまま
「終わりかな?」
- 243 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/14(日) 08:05
- 「あ・・・」
そのまま吉澤さんは力なく地面に倒れこんだ
「終わりかな?」
あと3秒もあるけどまぁ許容範囲・・・
ぐらっ
え?
急に地面が揺れ始めた
じっ地震!?
- 244 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/14(日) 08:09
- 「くっ」
私はなにもできずにその場に座り込んでしまった
その瞬間
吉澤さんが目の前に立っていた
まさか・・・これが吉澤さんの『力』?
30秒はたった今過ぎた
- 245 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/14(日) 08:12
- ドンッ
という音の一瞬後に
ドサッ
っという音がした
吉澤さんが私に覆い被さるように倒れこんだ音だった
「ふぅ・・・」
『力』は使う気なかったんだけどな・・・
それに・・・
「33秒・・・か」
3秒もオーバーしてしまった
やっぱりこの人はすごいね
改めて感心する私だった
- 246 名前:タケ 投稿日:2003/12/14(日) 08:17
- 更新終了です
結果田中さんの圧勝で終わってしまいました
2人の『力』の正体ははまた今度(w
>239 つみ 様
>田吉楽しみにしてます!
あっさり終わらせてしまいました(w
田中さんの実力を示したかったんで・・・
もうすぐテストなんでしばらく更新できません
(〜^◇^)<しばらくって!ここ最近更新してなかったじゃないか!
- 247 名前:つみ 投稿日:2003/12/14(日) 09:59
- ほう・・・地震・・・?
田中さんの力も謎ですが・・・
ってか凄い力の持ち主ばかりいるのになんでやぐっさんとなっちが・・・
次回もまったりまってます!
- 248 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/23(火) 19:06
- 「じゃあ、行くね」
矢口は高橋の家の門の前でそう言った
「はい」
寂しそうな顔を無理に隠して高橋は笑顔でそう答えた
その顔が矢口を引き止めようとする
でももう決めたんだ・・・矢口は・・・
「ごめんな」
「大丈夫ですよ、私は矢口さんに勇気をもらいましたから」
そう言った高橋の顔からさっきの寂しそうな表情が消えた
「勇気?」
「はい!これからも1人で生きていけるっていう勇気を!!」
「ははっ やっぱ高橋はその顔が1番だな」
高橋、その笑顔がお前の1番いい顔だよ!
矢口は安心して高橋に背を向けた
- 249 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/23(火) 19:17
-
矢口さんが見えなくなった
私は矢口さんを見送ると自分の家の中に戻った
家に入ると・・・まるで違う景色だった
矢口さんと会う前の・・・あの家だった
それが私に矢口さんがいなくなったということを確認させた
「ぅ・・・っく・・・泣くなっ・・・勇・・・き・・・っ」
ペタンと床に座りこむと同時に
今まで耐えてきた涙が一気に溢れ出してきた
「でも・・・よかっ・・・やぐっ・・・さんに・・・涙・・・見せないで・・・っ」
これでよかったんだ
いつまでも矢口さんに頼っちゃダメだったんだ
実際1人っきりで暮らす勇気をもらったんだ
だけど・・・
「今は・・・っ・・・泣かせて・・・矢口・・・さん・・・っ」
きっとこれからは大丈夫ですから・・・きっと・・・
- 250 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/23(火) 19:23
- ―ある建物
「終わりましたよ」
そう一言あの人に伝えた
もっともあの人も石川さんと一緒に見てたから言わなくてもわかってるけど
・・・石川さんと・・・か・・・・
石川さんはどう思ったんだろう?私のこと・・・
って!!何考えてるんだ私は!!
なんか最近変だぞ!私・・・
「うん、さすがは07じゃないの!よくやったわね」
「はっはひっ!」
とっさに声を出したら変な声を出してしまった
- 251 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/23(火) 19:31
- 「ひとみちゃぁ〜ん!」
ビクッ
なんでだろう声を聞いただけで反応してしまう・・・
・・・ひとみちゃん?
そう、石川さんは倒れこんでいる吉澤さん目掛けて叫びながら走っていた
「大丈夫!?ひとみちゃん!!あの、救急車!!」
「石川ぁ!」
あの人の声が部屋に響いた
「隣の部屋に医務室あるぞ落ちつけって!」
そう言うと石川さんははっとした顔で
「よかったぁ〜ひとみちゃんが死んじゃったらどうしようかと思っちゃった」
と縁起でもないことを言いながら倒れている吉澤さんを抱きかかえた
なんでだ・・・
なんでこんなにイライラするんだ?
ホントおかしいよ・・・私・・・
- 252 名前:黄泉がえり2 投稿日:2003/12/23(火) 19:39
- 「ハァッハァッハァッ やぐちぃ」
私は今走っている
自分の大好きな人の元へ
角を曲がった瞬間あることに気が付いた
(矢口は中澤さんの所から出ていったんだ)
遅すぎた
どっちみち矢口とは会えないんだ
徐々に足取りが重くなってしまい結局その場に立ち尽くしてしまった
矢口に会えないということが私の高ぶった気持ちを無理矢理のように押さえた
「矢口・・・会いたいよ・・・やぐっ・・・!」
その時だった
きっとこういうのを奇跡って言うんだよね
「かっカオリぃ!」
矢口は確かに私の前にいたんだ
- 253 名前:タケ 投稿日:2003/12/23(火) 19:44
- 更新終了です
かなり進展が遅いですこの話(w
(〜^◇^)<何とかしろよアホ作者!
ごもっともです
>247 つみ 様
吉澤さんの『力』=地震
と一言では終わらないんで(多分きっと)まぁそのうちにってことで(マテコラ)
- 254 名前:つみ 投稿日:2003/12/24(水) 00:03
- ( ´ Д `)<出会ったころは〜♪
出会いましたね!
これで後は・・・かな?
- 255 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/01(木) 14:30
- 高橋の家を遠く離れ
街から近い道路へ出た時だった
確かにカオリは立っていた
「かっカオリぃ!」
矢口はたまらず叫んで、カオリに向かって走り出した
ギュッとカオリに抱きしめられた
矢口もカオリをギュッと抱きしめた
親友との再会だった
カオリの肌の温もりを感じ、
言葉にならない嬉しさが矢口の体中に広がった
「ごめんねっ・・・カオリ・・・」
- 256 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/01(木) 14:36
- 「勝手に・・・いなくなっちゃってぇ・・・」
カオリを見上げるとカオリの目は少し赤くなっているのがわかった
それがを見て悲しくなった
「ごめ・・・」
言葉が出ない・・・ヤバ・・・泣きそう・・・
矢口は再び顔を下げてカオリの胸に顔を埋めた
矢口はカオリを苦しめたんだろう
カオリがホントにそう思っていたのかは知らないけど・・・
ギュッ
矢口を抱きしめるカオリの腕が強くなるのを感じた
- 257 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/01(木) 14:40
- 「いいよ・・・カオリは今矢口に会えて・・・ホントに幸せなんだから・・・ね?」
顔を埋める矢口に囁くようにカオリは言った
その言葉に矢口は安堵しそして嬉しく思った
矢口は改めてカオリの存在は大きいものだと思った
「泣かないでよぉ・・・矢口・・・」
そう言いながらカオリは泣きそうな声だった
- 258 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/01(木) 14:42
- しばらくこの状態が続いた
矢口はずっとカオリの胸の中に顔を埋めてたし
カオリはずっと矢口を抱きしめていた
そしてカオリの腕が矢口から離れ
「帰ろう?」
と言った
「うん!!」
矢口はもちろん笑顔で答えた
- 259 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/01(木) 14:49
- 「あ・・・」
まず目にしたのは白い天井
そして次に見えたのは・・・
「ひとみちゃん!?起きたの?ひとみちゃん!?」
いまにもキスしそうな梨華ちゃんの顔だった・・・
「ここどこ?」
梨華ちゃんの顔を片手で抑えつけもう片方の手でとりあえずベッドから起き上がった
「も〜ひとみちゃんったらぁ〜はずかしがりやなんだ・か・ら♪」
私は梨華ちゃんを無視した
薬臭い匂いがしてここが医務室だとわかったからだ
そして、梨華ちゃんよりその傍で明らかに苛立っている07がいたからだ
- 260 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/01(木) 14:55
- 「よっしゃぁっ!!」
久しぶりの出番やで!!
銃で撃たれたり矢口とカオリがいなくなったり色々あったけど
とりあえず裕ちゃんは元気やでぇ!!
「あの・・・中澤さん、退院したばかりなんですから・・・」
隣で研究員の1人がボソッと耳打ちした
「あぁ!?何言うとんのや自分は!ウチはもう大丈夫やで?」
そう言ってウチは高らかに大笑いした
銃で撃たれた傷が癒え体の自由が利くようになったからなんか
気分が良かった
もっとも・・・あの2人が無事ならもっと嬉しいんやけどなぁ
「はぁ」と言う研究員のため息は聞かんかったことにした
- 261 名前:タケ 投稿日:2004/01/01(木) 15:02
- (〜^◇^)<あけましておめでとう!今年もよろしく!!
久しぶりに中澤さんを出せたんで満足ですよ〜(マテ)
>254 つみ 様
いつもいつもありがとうございます
>出会いましたね!
出会いました!そしてやぐかおな展開に・・・?
そして次回は・・・
- 262 名前:つみ 投稿日:2004/01/01(木) 16:10
- やぐかおの予感・・・
一方では田石吉が展開してますね^^
今年もよろ〜♪
- 263 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 17:35
- 「ふぅ・・・」
気が付いたらため息していた私・・・
ホントにどうしたんだろう?
なんでこんなにイライラしているんだろう?
(石川さんが吉澤さんばっかり心配してるから?)
「ふぅ・・・」
なーに考えてるんだか・・・そんなわけないって・・・
「れいなちゃん、どうしたの?」
ドキッ
「さっきからため息ばっかりで」
石川さんの顔は私の目の前にあった
なぜか心臓が大きく揺れた
- 264 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 17:41
- 顔が熱くなるのがわかった
きっと真っ赤になっているんだろう・・・
でもなんで・・・なんで石川さんが顔を近づけただけで・・・
「れいな?」
石川さんでなく吉澤さんの不思議そうな声に私はハッとした
「07じゃあないの?あ、もしかして本名?」
そうか・・・石川さんだけだったっけ・・・私を「れいな」って呼んでるのは・・・
「そうなの!07だかられ・い・な いいでしょ?ひとみちゃん♪」
石川さんは自慢しているような、それでいて嬉しそうに吉澤さんに話し出した
やはり・・・なぜか石川さんが吉澤さんに笑顔を向けたとき、私の胸はズキッと痛くなった
- 265 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 17:44
- 07の顔が妙に殺気だっている
しかもそれは私に向かって・・・私なにかした?
私は自分の記憶を探ってみた
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・わからん・・・
私・・・なにかしたっけ?
「あ・・・」
その時ふとさっきその07と闘ったことを思い出した
そうか・・・だから私医務室で寝てたのか・・・
そう・・・私は負けたんだ・・・07に・・・
- 266 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 17:47
- ・・・? やっぱりおかしいじゃん!?
だって私が負けたのになんで07が怒るわけ?
私が怒りたいっつーの!
「ねぇねぇひとみちゃ〜ん♪」
耳元から再び甲高い音が聞こえた
「えーなにな・・・」
声がでなかった
07の殺気が一瞬だけ強くなった気がした・・・
あ・・・
まっまさか・・・07・・・もしかして・・・
私のことが好き!?
- 267 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 17:55
- 「ところでさぁ、裕ちゃんの研究所ってどこ?」
歩き始めてから30分くらいが過ぎた頃矢口が突然そう言った
「え?矢口知らないでここまで来たの!?」
「うん」
ここから中澤さんの研究所って結構距離あるんだけどな・・・
一体どうやってここまで来たんだろう?矢口は・・・
っていうか覚えてないの?
結局それから会話らしい会話は続かず、2人で黙々と歩いていた
私はボーっとしながら矢口に視線を移した
ふと矢口の手が目に入った
矢口の手・・・繋ぎたいな・・・
- 268 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 18:01
- 少し手を矢口の方に近づけた
でもあとちょっとの所で手が止まり、また自分の腰のあたりに戻ってきた
もう1回手を動かした
(あと・・・数センチ)
なのに手が動かない
それどころか手は再び私の腰あたりに戻った
イライラするほどもどかしかった
今度こそ!と思いもう一度手を矢口の手に近づけた
「カオリ・・・何やってんの?」
「へ!?」
矢口は私の伸ばした手をジーっと見つめていた
急に恥ずかしくなった
- 269 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 18:04
- 「手ぇ繋ぎたいんだったら繋げばいいじゃんか」
「え・・・」
ギュッ
そう言って矢口は私の手を握った
矢口は少し頬が赤かった
やっぱりカワイイな・・・矢口は・・・
矢口の手は少し小さくて・・・温かかった
- 270 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 18:10
- 私は中澤さんの研究所の行き方を知っているので矢口に教えながら
手を繋いだまま歩いた
「で・・・あの道を右に曲がってその後・・・」
「うん・・・うん・・・わかった」
その道は少し狭かった
もっとも矢口が小さい分特に問題にはならなかったけど・・・
「きゃっ!」
矢口が急に声を上げた
繋いでいた手が大きく揺れた
私はいそいで矢口を見た
矢口の足が滑ったんだろう排水溝に突っ込んでいた
- 271 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 18:15
- 「イテテテ」
矢口は顔をしかめて排水溝から足を引きぬいた
「大丈夫?矢口!」
「うん、一応」
そう聞いて私はホッとした
「矢口カッコワルイなぁ・・・」
「しかたないよ・・・ここ狭いし」
「もっと広い道はないのかよ!」
「だっていつも1人だったし矢口小さいし・・・」
「! なんだとぉ」
そんなやりとりをしながら少し歩いた
そしてやっと広い道に出られそうになった時だった
- 272 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/03(土) 18:25
- ガッ
何かが足に当たった
「えっ?」
私はそのままバランスを崩して倒れそうになった
「わっカオリ〜!」
ドンッ
矢口は私を支えようとしたけれど結局一緒に倒れてしまった
「ごめっ・・・大じょ・・・」
私は急いで起きあがろうとした
「ぅ・・・ん・・・」
矢口が起きあがろうとした私の顔に近づけて目を閉じ
そして・・・
矢口は私に確かにキスをした
- 273 名前:タケ 投稿日:2004/01/03(土) 18:30
- 更新終了です
とりあえず田石吉とやぐかお
最後はかなり無理矢理なキスシーンですが(汗
>262 つみ 様
やぐかお・・・なんと矢口さんからキスさせてしまいました(汗
そして田石吉は・・・吉澤さんの勘違いw
そろそろ話しを戻さないといけないのに・・・
- 274 名前:つみ 投稿日:2004/01/04(日) 00:27
- おお!
大胆な事を・・・やぐかおが・・・
でも今は卒業の事実で頭が・・
- 275 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/21(水) 16:31
-
あれは夢だったのだろうか?
それとも幻だったのだろうか?
それとも・・・
ホントなの? 矢口・・・
「おっかえり〜!!」
気が付いたら中澤さんが目の前に立っていた
これ以上ないというくらいの笑顔で
「ただいまぁ!裕ちゃん」
ビクン
声を聞いただけで反応してしまう自分
声の主は・・・もちろん矢口
それにしてもよく帰って来れたなぁ
と、改めて思った
だって『あれ』からずっと私、記憶がなかったのに・・・
矢口と・・・キスしてから・・・
でも矢口は平然と中澤さんと話していた
あれは私の記憶違いだったの?
- 276 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/21(水) 16:39
- ドサッ
何週間ぶりの中澤さんの研究所にあるこの部屋
私はその部屋にあるベットに横たわって先程の出来事を思い返していた
私が転んで・・・矢口も一緒に倒れて
私は起きあがろうとして・・・それで・・・矢口が・・・
そこまで思い出して私は恥ずかしくなって考えるのを止めた
思い出すだけで顔が熱くなり真っ赤になっていくような気がした
「あれは・・・記憶違いじゃないよね・・・多分」
ガチャッ
ドキッ
ドアが開くと同時に私の心臓が大きく鳴った
「ふぅっ」
矢口が部屋に入ってきたんだ
- 277 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/21(水) 16:44
- 私はベットに横たわっていた体を起こした
「やぐち・・・あの」
それ以上は口に出せなかった
矢口は私の顔を見てすぐに顔を私から逸らした
私はしばらく俯いて、それからもう一度ベットに横たわった
嫌だな・・・この雰囲気
目をつぶっていっそこのまま寝てしまおうか
そう思い私は目を閉じて寝ることに専念した
- 278 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/21(水) 16:48
- 顔が・・・見れない
でもそれは矢口自身がそうしたんだ
矢口は確かにカオリに・・・親友だと思っていたカオリにキスをした・・・唇に
でも・・・『あれ』は「矢口」の意思じゃなかった
気が付いたら「矢口」はもうカオリと・・・
(ねぇ、そうでしょ?『矢口』)
- 279 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/01/21(水) 16:55
- なんやろ?
あの2人の様子がおかしい・・・
カオリはいつもよりボーッとしとったし
矢口は矢口でカオリをわざと避けてるような気がした
こら・・・なんかあったな・・・
「中澤さーんっ」
横から急に誰かに呼ばれた
「どないした?」
それはいつもの研究員の1人だった
「もぉ〜!『どないした?』じゃありませんよ!『アレ』!早く作らないと!!」
あ!そうやった・・・2人が帰ったきたのが嬉しくてすっかり忘れとったわ
「スマン、スマン すっかり忘れとったわごめんなー」
近づくとそいつが
(まったく・・・もう老化始まってんじゃないの?)
と言ったのが聞こえたのでそいつのみぞおちに一発入れた
- 280 名前:タケ 投稿日:2004/01/21(水) 16:59
- 更新終了です
久々の更新だったのにたったの5レス書いただけ・・・うぅぅ
>274 つみ 様
お2人さんの卒業のショックの中ありがとうございます
私自身もかなりショックを受けました・・・
かおやぐ・・・これからどうしようと考えております(汗
- 281 名前:名も無き読者 投稿日:2004/01/21(水) 18:57
- 乙でつ。
はてさてコレからどうなるのか…?
続きに期待です。。。
- 282 名前:つみ 投稿日:2004/01/21(水) 20:50
- 更新お疲れ様です!
やぐかおがいいですね^^
ひと時の安息ですね・・・
次回もまってます!
- 283 名前:タケ 投稿日:2004/02/04(水) 11:06
- カタカタカタッ
コードネーム 07 対 コードネーム44 吉澤ひとみ
勝者 07
敗者 44
時間 33秒
「ふぅ・・・疲れた」
私は席から立ち上がり、部屋にある窓を見てみた
見るともう真っ暗で、
机の側にある時計を見るともうすぐ1時になりそうだった
(そろそろ寝るかな)
パソコンを電源を切って、そのままベットに入りこんだ
(石川さん・・・って、また私ったら・・・)
寝ようとした私の頭に浮かんできたのは優しく微笑む石川さんだった
あぁ!
もう・・・なんで石川さんのことばっかり考えるかな私は・・・
私は布団を頭までかぶり無理矢理寝ようと努めた
- 284 名前:タケ 投稿日:2004/02/04(水) 11:10
- はぁ〜♪ひとみちゃん・・・大丈夫かしら?
―今日は医務室で安静にしてろ、だってさ
・・・きっと大丈夫!なんたって私の愛がひとみちゃんをきっと元気にしてくれるわ♪
私は意気揚揚とベットに潜り込んで
ひとみちゃんのことばかり考えながら眠りについた
ひとみちゃんが夢に出てきたらいいな♪
- 285 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/04(水) 11:16
- ―医務室
う〜ん・・・やっぱりそうとしか考えられない!
07は私のことが好きなんじゃないか!?
私と梨華ちゃんが話してるときのあの07の態度、
それに最初会ったときのあの態度、
あれがもし07が私を好きだという気持ちの裏返しだとしたら・・・
まいったなぁ・・・確かにウチは好きな人はいないけどさぁ
07とはちょっと話しづらそうだし・・・
・・・あぁ、それも愛の裏返しなのかも
でもはっきりいって困る・・・うぅ〜
結局私はほとんど寝ることなく同じようなことを考えてばっかりでいた
- 286 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/04(水) 11:21
- (ねぇ、そうでしょ?『矢口』)
(ばれた?「矢口」)
『矢口』の声が私の心の中から返ってきた
(ばれた?じゃない!やっぱりあのとき・・・)
(そうだよ?私がカオリにキスしたんだ)
あっさりと答える『矢口』に腹が立った
(なんだよそれ!?勝手なことするなよ!カオリはオイラの親友で・・・)
(知ってるよ・・・それ以上に「矢口」が想ってることもね)
矢口は言葉を失った
意味がわからない
どういうことだよ・・・
- 287 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/04(水) 11:26
- (わからないの?言った通りだけど?)
それがわかんないっての!オイラは・・・カオリのこと、親友だとしか・・・
(嘘! 心の奥では好きなんだ、「矢口」はカオリのことが)
(うるさい!!なんでそんなのわかるんだ!それに・・・)
(なんで私『矢口』が「矢口」の意思を無視して体を動かせたか・・・だろ?)
正解・・・やっぱなんでもわかるんだな・・・矢口はわかんないのに・・・
(そりゃそうだ、これができるのは心の中にいる奴の特権だからな)
(特権?なにそれ!?)
(おっと、話しがそれたね、そんなんだからさ私にはわかるんだよ
「矢口」、アンタがカオリが好きなのを・・・それに)
- 288 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/04(水) 11:33
- (それに?)
(ん?あぁまぁ いいや、とにかくさ、私が言ってるんだ「矢口」がカオリが好きなのは間違いないんだ)
なんだよ・・・急に焦っちゃって
(そんなわけだからさ、後押ししてあげたわけよ)
(後押しって!アレは結局『矢口』の意思で・・・)
『矢口』の・・・意思?
(まさか・・・『矢口』?)
(はぁ、バレたか・・・そう、「矢口」が人を好きになるってことイコール・・・
私『矢口』も同じ人を好きになるってこと)
- 289 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/04(水) 11:38
- (・・・)
しばらくなにも考えることができなかった
「矢口」がカオリのことが好きで・・・
だから『矢口』もカオリのことが好きで・・・
・・・だから『矢口』はカオリにキスをした?
(なんだよそれ?意味わかんねーよ)
(ま、話しはまた今度ってことで!じゃあね)
(え?じゃあねって・・・『矢口』!?)
結局それ以上『矢口』が私に話しかけることはなかった
- 290 名前:タケ 投稿日:2004/02/04(水) 11:46
- 久しぶりの更新でした
今回はれいなさん・石川さん・吉澤さんは1レスずつの登場で、
主に「矢口」・『矢口』スペシャルみたいな話しに・・・
>281 名も無き読者 様
どうもでつ
こんな続きでいいのか!?と、自問自答(泣
>282 つみ 様
今回はカオリさんはお休み・・・
かおやぐ・・・これからどうしようか考えてます(汗
- 291 名前:つみ 投稿日:2004/02/04(水) 15:13
- あらら・・・
そちらのやぐちさんもお茶目な事を・・
あちらでは三角関係が続いてますね(w
- 292 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:13
- 矢口はその後今の会話を整理していた
カオリにキスをしたのは『矢口』
で、『矢口』はどうにかして「矢口」から体を奪った
それから・・・カオリが好きなのは『矢口』・・・と「矢口」?
「あ〜だめだぁ!」
矢口は髪をかきむしった
ここだけが納得できない
いや、納得できないのは他にも色々あるんだけどね
これが1番納得できない・・・
矢口が・・・カオリを好きなんて・・・さ
- 293 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:17
- チラッとカオリを見てみる
「zzz」
ベットに横たわっていたカオリはもう寝てたみたいでスースー寝息を立てていた
「あ、風邪ひいちゃうかな?」
見るとカオリは布団をかぶらないで寝ていた
今が夏だからってなにか掛けた方がいいよ・・・ね?
矢口はゆっくりカオリに近づいた
- 294 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:21
- (カオリ〜、なんか掛けないと、風邪ひくぞ〜)
小声でそう言うと矢口はカオリの足もとで
くしゃくしゃになってる薄そうな掛け布団をかぶせた
矢口はそのままカオリのベットの手前でひざをついてカオリを見てみた
そう言えば矢口、カオリの顔じっくり見たこと無かったな・・・
- 295 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:28
- あれ・・・なんだろ・・・体が熱い?カオリを見てるだけなのに・・・
視線が勝手にカオリの唇に向かった
なに?なに?矢口は何考えてるの?何する気なの?
(もしかして『矢口』?)
心の中でそう言ったけど『矢口』は何も言わなかった
矢口の指ががカオリの顔に近づく・・・その指はカオリの唇にそっと触れた
唇の柔らかい感触が指から伝わってきた
その瞬間矢口の背中がビクッと震えた・・・なんだよ・・・どうしたんだよ矢口は!
心ではしようとは思わない・・・それなのに体は勝手に動いてる
指はカオリの唇をなぞっていた
- 296 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:34
- そしてそっと指を離した
なぜか矢口はもっとそうしてたかったなんて思ってしまった
「なんだよ・・・なにしてんだよ矢口は・・・」
「ぅ・・・ん」
カオリは寝返りをうってこっちに顔を向けた
あ・・・ダメだ・・・
矢口の顔がカオリに近づく・・・カオリの唇に向かって
あと3センチってところまで近づいて初めて気が付いた
これは私の、「矢口」の意思なんだ・・・「矢口」がしようとしてるんだ・・・
矢口は・・・カオリのことが・・・親友の好きじゃなくて・・・
ホントに、本気で好きなんだ・・・
- 297 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:42
- 何かが私の上にかぶさったのが分かった
私は薄目で矢口が布団をかぶせてるのを確認した
(ありがと・・・矢口)
心の中でそう思って口に出そうとしたんだけど
矢口がじっとこっちを見ていたからなんとなく言えなかった
もう1度寝ようと思った瞬間
そっと何かが私の唇にあたるのがわかった
いきなりの出来事に体が一瞬震えた
また薄目で見ると矢口の指が唇をなぞっていたのがかろうじて見えた
(矢口・・・?)
矢口はすぐ指を離した
私は矢口の顔が見やすいように寝返りをうってみた
そうしたら・・・
- 298 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:49
- 矢口の顔がこっちに向かってきた
やっぱりさっきのは夢じゃなかったんだ・・・
私はこの顔を覚えていた
細道で私が倒れたとき、一緒に倒れた矢口が・・・キスした時の顔
だんだんと近づく矢口の顔と唇
矢口が目を閉じた
もう、あと1センチ
矢口の唇がそこで止まった
- 299 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/09(月) 03:53
- カオリの唇まであと1センチ
でも、ダメだ・・・
カオリが好きなのはわかったけど・・・やっぱり無理だよ・・・
カオリはきっと矢口を親友だと思ってる・・・
さっきのキスは事故だって思ってるはず・・・そんなカオリにできないよぉ
矢口は諦めて顔を離そうとしたそのとき、
「矢口」
カオリの声が聞こえた瞬間に、カオリの唇が矢口の唇に触れていた
- 300 名前:タケ 投稿日:2004/02/09(月) 03:58
- 更新終了
今回はどうも違う話しに・・・もはや『力』の話しが出てないし(w
そろそろ決着つけないと・・・
(〜^◇^)<っていうかこれって元々どういう話だったのさ?
>291 つみ 様
今度は「矢口」さんがお茶目なことを・・・
話しが変わってますが気にしないでください(w
次回くらいにそろそろまとめたいと思ってます
- 301 名前:つみ 投稿日:2004/02/09(月) 14:14
- はぁうっ!
いいらさんも大胆だ・・・
矢口と「矢口」のどちらもやはりいいらさんを・・・
というよりホントに甘い流れっすね!
- 302 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/17(火) 13:41
- 数分前まで一生の親友「だった」カオリ・・・
それが今では矢口の愛する人になって、
今矢口はそのカオリとキスをしている
カオリは腕を矢口の背中に回し、抱きしめるような格好になった
カオリの唇の感触が、徐々に矢口の思考を妨げていった
矢口も腕をカオリの背中に回した
- 303 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/17(火) 13:47
- 何度も何度も唇を重ねた
抱きしめる腕も自然と強くなった
もうカオリの事しか考えられない
「矢口・・・」
「カオリ・・・」
カオリの顔が矢口の顔から離れた
急にさっきまでしてた事が恥ずかしくなった
それに矢口はまだカオリに言ってなかった
好きだって
「あのさカオリ、矢口は・・・カオリが」
「私は矢口が好きだよ」
でも矢口が言う前にカオリが言ってしまった
- 304 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/17(火) 13:52
- 「なっなんだよぉ・・・矢口が先に言うつもりだったのにさぁ・・・
矢口もさ、好きだよ!」
そう言うと矢口は恥ずかしくなったのでカオリの顔が見えないように下を向いた
でもカオリはなにも言わない
気になってチラッと上目でカオリを見た
すると目の前にはカオリの顔が、
とびきりの笑顔があった
「もっかいする?」
そう言ったのはカオリ
「その先もいってもイイよ?」
半分冗談、半分本気で言う矢口
矢口は再び顔を上げてカオリともう一度唇を重ねた
- 305 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/17(火) 14:02
- チュンチュン
「ん・・・ぅ?」
目がさめた
窓から太陽の光がこぼれていた
朝か・・・
矢口の横ではカオリが寝ている
結局キスから先はしてない ただ添い寝をしただけ
もっともそんなことはどうだっていい
だって矢口は家族や親友とは別の意味で大切な人を見つけたんだから・・・
ベットから飛ぶように降りた
矢口には守るべき人達がいる
矢口は今ここに誓うよ
矢口が守る、大切な人達を・・・全身全霊、命を懸けて・・・
助けてくれた裕ちゃんを、受け入れてくれた研究員のみんなを
そして今ベットで寝ている愛らしいこの娘を・・・
今日も暑くなりそうだ
- 306 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/02/17(火) 14:07
- ベットが揺れ目が覚めた
原因は矢口がベットから降りたから
私はまだ眠ってる頭で昨日の事を思い出していた
夢ではなかった
私は確かに矢口と何度も口付けを交わした
そしてお互いの気持ちも確かめあった
私達は結ばれた
私達は両思いだった
矢口はきっとまたあの人達と『力』を使って闘うんだろう
私は何ができる?
とにかくなにかがしたい
愛する矢口のために・・・
- 307 名前:タケ 投稿日:2004/02/17(火) 14:13
- 更新終了です!
えっとやぐかお、まとめました(多分)
でもまだあちらの三角関係が(汗)
>301 つみ 様
甘い話・・・
ホントはこんな話にするつもりじゃなかったのに
(〜;^◇^)<え!?
とりあえずここでやぐかおは終了
そろそろ話しを進めないとヤバい・・・
- 308 名前:つみ 投稿日:2004/02/29(日) 23:42
- 甘いねぇ〜(w
やぐかおがよかったよ〜!
いいらさんはやぐっさんのために何をするんだろう・・・?
- 309 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/03(水) 19:13
- 「ねぇ、いちいちゃん」
「ん?」
大きなバッグを肩にしょって後藤は私の部屋の前に立っていた
「ごとーたちって、どこ行くの?」
・・・
私はあきれた声で後藤に言った
「室蘭、北海道だよ」
って言うかそれは一昨日あの人から言われたばっかなんですけどね?後藤さん
それはそうとして今日、私と後藤は北海道へ行くことになったのだ
- 310 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/03(水) 19:19
- ―別の仕事をやるからさっ
そう言ったあの人が課した私達への新しい仕事、それは・・・
「いちーちゃーん!もう行くよぉー!」
おっと、もうそんな時間か
「おぉ、わかった!」
私は急いで自分の荷物を持って平家さんの車へ向かった
バンッ
「よし、これで全部やな?」
私と後藤の荷物はとりあえず全部車のトランクに収まった
「はい」
「・・・悪かったなぁ」
突然平家さんが苦笑しながら謝ってきた
「え?どういうことですか?」
私は平家さんの言葉の意味がわからなかった
- 311 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/03(水) 19:25
-
「わー!いちーちゃん、見て見てっ
街があんなにちっちゃくなっちゃったよ!!」
ごとーは飛行機に乗るのはこれが初めてだった
だから初めて見るその光景に素直に感動した
「・・・」
でもいちーちゃんは関心がないのかごとーの言葉を無視して椅子に座ったままだった
いちーちゃん、なんか・・・様子がおかしい?
「いちーちゃん?」
ごとーはもう一度いちいちゃんの名前を呼んだ
「・・・」
でもいちーちゃんはこっちを見ようともせずに
いちーちゃんの目の前の椅子の背もたれをジーっと見つめていた
- 312 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/03(水) 19:31
- 「ねぇ、後藤」
やっといちーちゃんの口が動いた
「なに?なに?」
いちーちゃんから話し出すなんてめったにない
ごとーは外の景色そっちのけでいちーちゃんの言葉に耳を傾けた
「吉澤はな・・・」
え?
いちいちゃんの口がパクパク動いてた なにか喋っていた
でもごとーにはもう何も聞こえていなかった
唯一、飛行機のエンジンのうるさい音だけが ごとーの耳に響いていた
- 313 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/03(水) 19:39
- ―ある建物(の医務室)
「今ごろ2人とも飛行機の中かな?」
カーテンの上から見える窓を見つめてボソッとつぶやいた
ホントは・・・一緒に行きたかったんだけどなぁ
ため息が漏れた
「あぁぁ〜!!! ひとみちゃんっ!だめよっ!
ため息付くと幸せがなくなっちゃうのよ!!」
あぁ そうだね 確かに
雰囲気ぶち壊しだよ(別に壊れてもよかったけどさ)
「でも梨華来たからもう安心よ♪」
もうダメだ・・・
そう思ったのは梨華ちゃんがそう言ったからでは・・・あるけど
それ以上に梨華後ろで07がやっぱり殺気出しまくりで立っていたから
こんなんじゃ安心なんてできねーよ!!
- 314 名前:タケ 投稿日:2004/03/03(水) 19:45
- 短めだけど更新終了!
久しぶりにいちごまを出してみました
今後はこの2人の出番が増える・・・予定
その中で吉・後の過去に触れる・・・予定
ひたすら予定なのです(w
(あぁ、また話しが進まなくなる)
>308 つみ 様
>甘いねぇ〜
甘いです(w 自分なに書いてんだって思ったりしてますよ〜
飯田さんが答えを見つけるのはまだ先の話しになりそうです
- 315 名前:つみ 投稿日:2004/03/04(木) 11:20
- 室蘭・・・まさか・・・
ついにあの方が・・?
すごく気になる回でした!次回もまってます。
- 316 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/17(水) 09:05
- 室蘭についた
でもそんな実感は湧いて来なかった
本当はもっと後で言うつもりだった
せめてこっちの仕事を終わらせてからゆっくり後藤に打ち明けるつもりだった・・・
あのとき平家さんと話したことを・・・
やっぱり私も人の子なわけだ
動揺してるんだ・・・うん
あんまり仲良くできなかったけど、
やっぱり吉澤は私達の『仲間』だったから・・・
- 317 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/17(水) 09:12
- 後ろから後藤がついて来た
そこにはいつものうるさい後藤はそこにいなかった
ゆったりした足取りに顔は俯いていて、明らかに動揺している
私は足を止め後藤に呼びかけた
「後藤、大丈夫・・・じゃないか」
「・・・」
こうなることは分かってたはずだったのに
それでも私は後藤に伝えてしまった
私達の室蘭での仕事スタートは不安で一杯だった
- 318 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/17(水) 09:20
- ―吉澤はな・・・
結局いちーちゃんの声は最初の一言しか聞こえなかった
でも市井ちゃんの声の調子で何が言いたいのか・・・なんとなく分かってしまった
それに・・・いちいちゃんに言わなくても・・・
ごとーはよしこのことならなんでも分かる
きっとよしこは病気なんだ
だからよしこはごとー達から離れていったんだ
- 319 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/17(水) 09:22
- 「後藤、大丈夫・・・じゃないか」
「・・・」
市井ちゃんがごとーの側で声を描けてきた
いちいちゃん・・・きっとごとーに何か言ったこと、後悔してるんだろね
でもさ、いちいちゃん
ごとーとよしこはね?親友なんだよ?だから心はいつも一緒なんだ・・・
だからよしこのことは分かる よしこもごとーのこと分かってる
だからさ、いちいちゃん・・・そんなに心配しなくたっていいんだよ?
- 320 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/17(水) 09:32
- ―ある建物(の医務室)
誰か助けてくれ・・・
私の目の前には甲高い声で喋る変な生き物
その後ろには・・・
凍りつくような殺気を全て私に向けながら
こっちを見ている、一見普通の女の子が・・・
どちらも私にとって居心地の良い雰囲気なわけで・・・
「ねぇ、梨華ちゃん、0・・・7、ここから出てってくんない?
私1人で」
「ダメなの!?私がいちゃ・・・」
梨華ちゃんは目をウルウルさせてこっちを見つめた
そんな目で見られても困るのに・・・
「いやっ!そっそういうわけでは・・・ないんですけどぉ」
「では、どういうことなんでしょうか?」
今度は一見普通の女の子が鋭く低い声で聞く
梨華ちゃんよりはむしろこっちのほうが怖い
そりゃあ梨華ちゃんも色んな意味で怖いけどさぁ・・・
とりあえずさぁ・・・・誰か助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
- 321 名前:タケ 投稿日:2004/03/17(水) 09:36
- テストが終わった後の更新なのに・・・少ない更新だ・・・
ほとんど展開が進まず・・・次は進めたいなぁ
>315 つみ 様
室蘭・・・まぁ、そのまんまですねw
- 322 名前:つみ 投稿日:2004/03/17(水) 12:00
- 大変ですね・・・三角関係の中心は・・・w
室蘭という事もあっていよいよあの人の登場を楽しみにしてます!
- 323 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 16:08
-
あいつは精神的に不安な状態で・・・たとえばパニックになったときとかに『力』出したらとしたら
それを当てる相手関係なく攻撃してしまうんよ・・・あんたや・・・後藤も・・・みんな・・・
そう平家さんは言った
あいつが精神的に問題あるのは知っていた
でも、『力』まで影響するなんて思わなかった
それに・・・
それでな・・・それはあいつの心身に負担がかかりすぎて・・・
もしあいつがあの状態でこれ以上『力』出し続けたとしたら・・・命の保証がないんよ・・・
確かに・・・私はまだ『力』を上手くあつかえないし、1回使えばすぐ体に痛みが走る・・・
私はどうか知らないけど・・・吉澤の場合・・・それはもう確かな物で・・・
今やっとそれが頭の中で整理されて・・・胸が痛くなった
気がつくと あの人 が言っていたホテルの前に後藤と立っていた
- 324 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 16:18
- いちーちゃんの様子がおかしい・・・
やっぱりよしこのことかなぁ・・・
そう言えば・・・いちーちゃん、よしこがなんかの病気になってるって知ってるんだろ・・・
あ・・・平家さんかな? 精神病院でよしこ、お世話になったって言ってたし
タクシーで あの人 が言っていたホテルが見えた
「あ、あそこです・・・」
「はいはい」
バタンッ
ブロロロッ
いちーちゃんは未だにぼーっとしてる
ごとーがいちーちゃんの荷物タクシーのトランクから出してあげたのに
けど、このときごとーは知らなかった・・・
ごとーが思っている以上によしこが病気だってことに・・・
- 325 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 16:31
- ―ある建物(の医務室)
「わかった・・・じゃあね?よっすぃ〜・・・」
石川さんはそう言って寂しそうな表情で医務室を出ていった
なんだろう・・・この胸の奥からこみ上げてくる吉澤さんに対しての・・・
この殺意に似たもの(いや・・・殺意だな)はなんなんだ・・・
なんで私はこんな思いをしなければならないんだ・・・
「・・・ふぅ、私も部屋、出ます」
とりあえず・・・いつまでもここにいたら心が持たないと思って
私は医務室を出ることにした
- 326 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 16:41
- なんかショック・・・だってよっすぃ〜私のこと嫌ってそうなんだもん・・・
今まではポジティブに頑張ってたけど・・・もうダメかも
「お、石川ぁ!どうしたの?暗い顔してぇ」
「あ・・・どうも・・・」
ダメ・・・なんか話す気もない・・・
「・・・質問に応えてくれると嬉しいんだけど?」
私って悲劇な女なのね
「私って・・・悲劇の!!」
- 327 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 16:46
- 「・・・よくわかんないけど・・・気分転換は必要みたいね」
「はぁ・・・」
誰か私の心を救って・・・あぁ、よっすぃ〜!!
「まぁいいわ、街にでも行って買い物でもしてきたら?」
街・・・誰か私を救ってくれる人・・・いるのかなぁ
「ふぁぃ」
自然とふ抜けた声になる
あぁ私ってなんて悲劇なおん
- 328 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 16:49
- ―街
ってなわけで・・・街に来たんだけど・・・
人込みが激しくって気分転換なんてとてもできない状態だった
「はぁ・・・どこ行こう」
コンクリートを見つめながらため息混じりにそう呟くと
「ねぇ、君、君どこ行くかわかんないんだったら俺と楽しいとこ行かない?」
と目の前に男の人が立っているのがわかった
- 329 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 16:56
- あの人に聞いて石川さんが街に行った事を聞いた
なんでだろう・・・あの人と一緒にいたい
生まれて初めて感じる感情だった
その正体はまったくわからない
でも会いたい
私は建物を出てすぐに走り出した
街には人込みで溢れていてとても石川さんを見つけることはできなさそうだった
それでも私は人込みをかき分けて石川さんを探した
どうして必死になってるのかなんて理由を探そうとも思わなかった
とにかく石川さんの顔を見たい それだけだった
そして私は建物と建物の間へ男の人から逃げる石川さんを見た
- 330 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 17:03
- 男の人・・・いや・・・イヤ・・・嫌ぁぁ
私は走った どこでもいい とにかく逃げきれれば
とにかく・・・男の人から・・・
―その人・・・誰なの?
消えて・・・
―ねぇ、愛してるのは私?それとも私の・・・
消えてよ・・・
―痛っ!痛っ! やめてよぉぉ!!
ねぇっ・・・
「消えてよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおっ!!」
- 331 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/03/26(金) 17:13
- ドスッ
私は石川さんの後を追った
男から逃げる石川さんの顔は真っ青で、今にも泣き出しそうな痛々しい目をしていた
そんな顔しないで下さい石川さん・・・
私があなたを
ドスッ
「え・・・」
私が人込みから抜けてその建物と建物の間へ入ると同時に鈍い音がしたのを聞いた
まず目に入ったのは石川さんを追っていた男
そいつは壁に張り付くようにぐったりと座りこんでいた
気絶していた
さっきの音はコイツが壁にぶつかった音?
そして次に目に入ったのは
その男と反対側の壁でしゃがみこんで
頭を抱えて小刻みに体が震えててて
なにかに怖がるように荒く呼吸をしている
まるで知らない土地になにも知らずに放り出された小さな子供のような
石川さんだった
- 332 名前:タケ 投稿日:2004/03/26(金) 17:21
- 更新終了です
すっごくダラダラとした更新になってしまいました
1の方はサクサク行けるのに・・・
まぁ、今回のメインはいちごま(主にいちーさん)の心境と
石川さんの身に起きた事件ですね
>322 つみ 様
三角関係ふっとんでとんでもない事に・・・
よしごまの過去を書くつもりが石川さんの過去に・・・まぁ予定でしたのでw
室蘭のほうは進みが遅いのであの人がでるのは遅くなりそうです(爆)
- 333 名前:つみ 投稿日:2004/03/26(金) 23:27
- いしかーさんにも闇があるんですね・・・
あの人はでるまでまだ時間がかかりそうっすね!
次回も楽しみにまってます!
- 334 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/02(金) 06:24
- 「いしか」
「やめてよぉぉぉ!!」
石川さんに声を掛けようとしたとき、石川さんは悲痛な声を上げた
何かに・・・怯えてる?
とりあえず私は石川さんをどうにか安心させたいと思った
私は震えてる石川さんに2、3歩近づいた
「石川さん、私は07・・・れいなです・・・大丈夫ですか?」
- 335 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/02(金) 06:28
- ―中澤の研究所
「おはよ!裕ちゃん」
驚いた
「どうしたー?裕子ぉ?」
矢口が変わっていた
「おーい!無視かぁ?」
矢口は・・・
とても綺麗になっていた
今まで以上に・・・すごく綺麗に・・・
- 336 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/02(金) 06:34
- 「中澤さん、おはようございます!」
こっちにも驚いた
「・・・中澤さん?」
今まで悩んでいたようなカオリの顔が、
「カオリぃ裕子に何言ってもだめだよぉ〜?裕子、さっきからボーッとしてるから」
晴れた空のようにスッキリしていた
「中澤さーん、中澤さーん・・・ホントだ 全然気づいてないね」
こいつら・・・昨日の間に何があったんや?
- 337 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/02(金) 06:39
- 「ねー裕子ぉ!!」
「中澤さん!」
「ぅおっ!?」
その2人の顔が急にウチの目の前に来ていた
ウチは驚いて後ろに仰け反った
「やっと気づいたね?カオリ」
「そだね」
この2人・・・もしかして・・・
「2人とも・・・もしかして昨日・・・なんかあった?」
そう聞くと2人の顔は同時に真っ赤になった
- 338 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/02(金) 06:47
- 「その・・・なんやぁ・・・」
したんかな〜って聞きたいんやけどぉ〜恥ずかしゅうて聞けんなぁ
「ぅぅぅ・・・カオリぃ」
照れながらカオリの顔を見る矢口
「いやややっ べ、別に、わ私達はっ想いを伝えあっただけでっなっなにもぉ・・・」
そういうことかいな・・・
それはとにかくカオリ・・・焦り過ぎや
「わ〜〜〜っ!! ばかっカオリ〜!!」
「えっ?あっ!?ごめん・・・」
それにしても結局この2人がくっつくなんてなぁ・・・
と、しみじみと思うウチやった
・・・ってことはなっちはどーなるんやろなぁ
- 339 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/02(金) 06:54
- ―室蘭
「いちーちゃん・・・これからごとー達ってなにすんの?」
「・・・」
いちいちゃんは答えない
「ごとーといちーちゃんの仕事ってなんなの?ごとー聞いてないよぉ?」
「・・・」
やっぱりいちいちゃんは答えてくれない
「いちーちゃん・・・よしこのこと考えてるの?」
「!・・・」
よしこのことを言うといちいちゃんは少し反応する
いちいちゃんはこっちにきてからまったくしゃべらなくなった
だからこっちでやる仕事も全く始めてない
やっぱり・・・聞いた方が・・・聞かなきゃいけないのかなぁ
「ねぇいちいちゃん・・・話して?こっち来る前に・・・平家さんになんて言われたの?」
- 340 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/02(金) 07:03
- ―ねぇいちいちゃん・・・話して?
そう言われて私は話した・・・平家さんに言われたことを
吉澤の『力』のことも・・・
吉澤がこれ以上『力』を使うと・・・命に保証ができないことも
でもそれを聞いていた後藤は、私が思ったよりも涼しい顔をしていた
いつもの後藤なら・・・こんなこと言ったら「帰る」ぐらいのことはいいそうなのに・・・
「やっぱりそうなんだ」
普通にそう返しただけだった
でもそれが逆に怖く感じた
「後藤・・・」
「大丈夫だよいちーちゃん?ごとーは・・・なんとなく知ってたから・・・
ただ、そんなによしこの病気が重かったなんて・・・知らなかっただけだから・・・」
後藤の声は少し震えていた
- 341 名前:タケ 投稿日:2004/04/02(金) 07:09
- 更新終了です
今回は重い展開になってしまいました(一部除く)
このまま暗い話しになりそう・・・(一部除く)
>333 つみ 様
石川さんにも過去に色々あります・・・それはまた後々・・・
あの人は・・・これもまた後々(泣)
- 342 名前:つみ 投稿日:2004/04/02(金) 15:07
- はあ・・・やぐかお・・・
確かに中澤さんの言うとおりあの人はどーなるんでしょう・・・
マッテマス!
- 343 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/09(金) 16:18
- 「ごと・・・親友なのに・・・気づかなくて・・・そんなことまで・・・気づかなくて・・・」
後藤はブルブルと身を震わせた
「はぁはぁっ」と呼吸が荒くなった
「後藤・・・」
直感的にマズイと思った
私は後藤に触れようと手を伸ばそうとした
- 344 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/09(金) 16:22
- ところが・・・
バシッ
「わかってなかった!」
と後藤は叫び、私の手をはじいた
手がジンジンと痺れた
でもそんなことを気にはしなかった
後藤の顔は真っ青だった
目は大きく開かれ、涙が溜まっていた
「ごとーは・・・知らなかった・・・そんなに・・・そんなによしこが・・・」
後藤の声も体も震えたままだった
- 345 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/09(金) 16:33
- 「よしこは・・・昔からちょっとおかしかった・・・」
大きく開かれた後藤の目は虚ろだった
私はそんな後藤を呆然と見つめ、話を聞く事しかできなかった
「すぐに怒って物を蹴ったり投げたりて・・・でっでもごとーをいつも守ってくれて・・・
その後でいつも『ごっちんはお姫様だから私が王子様ね』って言ってくれて、それがすっごく嬉しくて、
ごとーはずっと・・・ずっとよっすぃーが一番大好きだった」
一番大好き
その言葉に急に胸が絞めつけられる感じがした
後藤は相変わらず体を震わせ話を続ける
「よしこは・・・『一生親友でいようって』・・・だから私はよしことずっと親友で・・・
だからよしこのことは何でもわかるはずだったのに・・・なのに・・・なんで・・・」
ついに後藤の両目から涙が溢れた
- 346 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/09(金) 16:41
- ズキン
心が痛んだ
さっきとは違う鈍い痛み・・・
「ごとーは知ってたのに・・・よしこが心の病気持ってるって知ってたのに・・・
ごとーは知って・・・」
もういい・・・もういいから!!
ガバッ
「っぁ」
私は後藤の震える体を力強く抱きしめた
後藤の体は私から逃げるかのように強く震えていた
「後藤・・・届いてるから・・・後藤の気持ち・・・吉澤に届いてるから・・・ね
だから・・・後藤は・・・そんなふうに思う事はないんだ・・・だから・・・」
- 347 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/09(金) 16:43
-
だから・・・笑ってくれ・・・吉澤のために・・・
- 348 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/09(金) 16:48
- 後藤の震えが止まった
私はふと服が濡れている事に気が付いた
後藤が顔を上げた
「へへっごとーの涙でいちーちゃんの服・・・濡らしちゃったぁ」
後藤の顔は笑顔だった
「あぁ、責任とってくれよ?」
私はニヤリと笑った
後藤・・・その顔を望んだのは吉澤だけじゃないぞ
私もお前のその顔が見たかった ずっと、これからも・・・
- 349 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/09(金) 16:59
- 「よしっ じゃあ後藤、明日から仕事、始めるぞ!」
「んあぁ!!」
後藤は元気良く返事をして私の胸元に飛び込んだ
ギュゥ
「ぐぇっ」
私は後藤の重みに耐えられずそのまま後藤と倒れこんでしまった
ドサッ
背中から勢いよく畳の床にぶつかった
「いってぇ・・・おい!ごと」
「いちーちゃん!ありがとっ」
刹那、唇に柔らかい感触を感じた
重なる唇と唇
目の前には後藤の顔
私は目を閉じた
その瞬間 時間は止まり、そして消えた
- 350 名前:タケ 投稿日:2004/04/09(金) 17:27
- 更新終了です
市井さんと後藤さん・・・とりあえず落ちつきました
次回は例の3人の話の予定です
>342 つみ 様
あの人・・・3人組ですからね・・・1人身になってしまいましたw
いちごまはお熱いですがw
- 351 名前:つみ 投稿日:2004/04/09(金) 23:23
- いちごま〜♪
乗り越えたね・・・・ごとーさん・・・
- 352 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:09
- 急に目の前が真っ暗になった
何も見えない
前も後ろも、右も左も、全部わからない
私どうしちゃったの?なんでこんなとこにいるの?
あ・・・
- 353 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:16
- ピンポーンッピンポーンッ
インターホンの・・・音?
ガチャッ
ドアが開く音
―ねぇ、見て見て!今日私、頑張ってお弁と・・・
ドサッ
私の声と・・・何かが落ちた音
―そ・・・その人・・・誰なの?
震える私の声
―いや、その・・・
その声を聞いた途端、吐き気がした
―ばかぁぁぁっ!
ダダダダダッ
私の声と床を走っているような音を最後に・・・
静かになった
また真っ暗・・・
- 354 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:20
- 暗くて・・・静かで・・・何も無い
何も感じることができない・・・
ただ1つ・・・
恐ろしいくらいの不快感だけ・・・私の心にまとわりつく
あ・・・何かが・・・聞こえて・・・
- 355 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:26
- ―ちょっ やぁぁ!! やめてよ!!
怒り叫ぶ私の声
―いいだろ?少しくらい・・・なぁ
また吐き気がした
しかもさっきより強く・・・
―ねぇ、あなたが愛してるのは私?それとも私の・・・体?
その私の声は何かを決意したような強い声だった
―あぁ、そうだよ・・・悪いか?
その声が響くように私の耳の残って消えた
頭が割れそうに痛みだした
さっきよりも吐き気がする
- 356 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:28
- 何が起きてるの?
私はどうなるの?
私・・・死ぬの?
遠くでまた何か音がする
それは私の心をきつく締め付けるように私の耳に入って来た
- 357 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:35
- ―うるっせえぇんだよぉ!!お前はぁっ!!
もう吐き気とか頭痛いとか、そんな次元はもうとっくに越えていた
漠然とした不快感が私を襲っている
ばこっ ずしゃっ
殴る音と・・・何かが、私が倒れる音
―痛っ!痛っ! やめてよぉ!!
痛がる私
―やめろって言われて止めるバカがどこにいるってんだぁ!?
ばきっ
―やめて
ばこっ どかっ
―もう・・・やめっ
どすっ ばしっ
―消えて・・・
- 358 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:39
- もうだめ
不快感は消えることを知らずに私を襲い続ける
嫌な音が聞こえてくる
ここから逃げたい
でも逃げられない
もう・・・だめ・・・
石川さん・・・私です07・・・れいなです・・・
パァァァン
暗闇が・・・音をたてて・・・割れた
- 359 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:42
- 「大丈夫ですか?」
ここは・・・街の・・・どこか知らない暗い細道?
「石川・・・さん」
私に覆い被さるように言葉を発してくれているのは・・・
「れいなちゃん」
- 360 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:47
- 声を掛けた瞬間・・・
石川さんの震えが止まった
「れいなちゃん」
ポツリと・・・それでも私に聞こえるには十分の声が石川さんの口から発せられた
「石川さん!!大丈夫ですか?」
「うん」
石川さんは少し疲れたような笑顔だった
「帰りましょう」
「・・・うん」
私は石川さんを支えながら、ゆっくりといつもの建物へと向かった
- 361 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:50
- 帰るとすぐ、石川さんは医務室へ運ばれた
看護師さんが言うには精神的ストレス、らしい
私は医務室を出るよう言われた
「07・・・」
ドアノノブに手を掛けた瞬間、吉澤さんの声が聞こえた
- 362 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 18:56
- 思い返せばこの人が石川さんに酷いことを言ってなければこんなことには・・・
もちろん過ぎた事だから吉澤さんにどうこうしても意味は無いことは分かってる
でも、私の心はどうしようもなく苛立っていた
「07、梨華ちゃん・・・どうしたんだ?」
「あなたのせいだ・・・」
勝手に動く口を止める術はなかった
「え?」
「あなたがっ石川さんにあんなこと言うから!」
「あっあんなことって・・・」
「『出てけっ』て!そう言ったじゃないですか!!」
「でっでも、あんくらいで・・・」
私の体中から殺気が溢れ出ててきた
こんなにも冷静さを失いそうになるのは初めてだった
- 363 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/04/18(日) 19:04
- でも私はそれをどうにか『力』に頼らず、勝手に動く口に任せた
「もう・・・いいです!あなたには任せられません!
石川さんは・・・私が守りますから!!」
がちゃっ ばぁんっ
私は勢いよくドアを開け、閉めた
タッタッタッタッタッ
本当に勝手な言葉が出た
冷静になってきた頭を回転させる
―石川さんは・・・私が守りますから
私はなんてことを言ったんだ・・・
がちゃっ
部屋に入って、とりあえずベッドに横たわった
私は・・・何を・・・
それからしばらく、私は自分で言った言葉が頭の中でリピートされた
- 364 名前:タケ 投稿日:2004/04/18(日) 19:09
- 更新終了です
今回は主に石川さん(の過去)がメインの話でした
>351 つみ 様
後藤さん、また1つ大人ヘと進歩してってます
いちごまはまだまだ続きそうです・・・
最近忙しくて更新が遅くなるかもしれません
できるだけ頑張るつもりです・・・では
- 365 名前:つみ 投稿日:2004/04/18(日) 21:42
- これはやはり・・・そうなんでしょうね〜・・・
つらい過去ですね・・鍵はれーなさんかな?
- 366 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/03(月) 16:04
- あれから1ヶ月以上が過ぎて・・・7月も半ばに入った
とりあえずこの1ヶ月ちょいの間吉澤達はやってこなかった
ウチは研究を続けた
ウチらでも戦えるような物を作る為に
もちろんその約1ヶ月間は平和やった 幸せな時間やった
ただ・・・
- 367 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/03(月) 16:09
- ただ・・・この2人がとんでもないことになってもうたんや・・・
この2人ってのは
「カオリ・・・えへへ♪」
矢口と
「なーに?矢口・・・ふふっ♪」
カオリ
想いを伝えあった2人はあれからずっとこんな感じになってしまった
2人とも2人の世界に入ったまま・・・
こっちとしては無償に腹が立つ(彼氏おらんからな)のと同時に
奴らが攻めて来たときのことを考え不安を感じた
- 368 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/03(月) 16:14
- 矢口は・・・これからの戦いで全力をだすつもりなんだけど、
でももしかしたらここで死ぬかもしれない
だからあの日から矢口はカオリと話した
吉澤達が来るその日までずっと一緒にいるって
「好きだよ、カオリ」
「わかってる・・・ふふっ」
大人っぽく笑うカオリの顔を見てると、一瞬、戦うのを止めたくなってしまう
だけどその次にはカオリを、カオリの笑顔を守りたいって思うんだ
だから矢口は戦うんだ できれば生きて・・・
- 369 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/03(月) 16:20
- 矢口は死ぬつもりだってことを知った
私は最初は嫌がった
ずっとずっと想い続けてた矢口と気持ちが繋がったのにもうそれが絶たれるのは嫌だったから
でも、私は最後にはそれを了解した
吉澤さん達が来るその日まで、私はいままで想い続けた分矢口を愛しようって決めたから
それに、私は守りたい
死ぬつもりの矢口を・・・
今はどうすればいいかわからないけど・・・矢口は死なせない
「矢口・・・愛してる」
「うん、ありがとっ」
- 370 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/03(月) 16:27
- 子供のように無邪気に笑う矢口
こっちもつられて笑顔になってしまう
ずっとこうやって笑ってるだけなのに、
幸せを感じている
矢口の愛を感じている
でもこうしていると、やっぱりこうしていたいと思う
吉澤さん達が来るまでって思っても、やっぱりそう思ってしまう
だから・・・
守ってあげるからね? 矢口
- 371 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/03(月) 16:34
- カオリの顔を見てるとふと思ったことがあった
「そう言えば、カオリの誕生日って8月だよね?」
「うん、8月8日」
カオリの誕生日
もしかしたら最後になるかもしれないカオリへのお祝い
吉澤達が来る前に何かプレゼントがしたいと思った
そして、矢口はある考えを思いついた
街へ行って高橋にプレゼントを選んでもらおう!
でもカオリには驚かせたいから、内緒にしないと・・・
「カオリ、ちょっといい?」
「え?どうしたの?」
「ちょっとね、用事」
私は椅子から立ち上がった
- 372 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/03(月) 16:40
- 突然立ち上がった矢口はこっちに向かってきた
そして私に近づいてウチに耳打ちした
(ねぇ、ここって電話とかできる?)
電話?
誰に?
どこに?
一体なんで?
(まぁ、ウ・チ・が!頑張って電話できるようにしたけどな?
っていうか前にウチが電話しとるとこ見とらんかったっけ?)
(さぁ?)
カオリを見るとぶすっとした顔でこっちを見ていた
やれやれ・・・しゃーない子やな
(ほれ矢口!愛しのカオリちゃんがまっとるで!)
(お?わかったあんがとね!)
矢口は小走りでカオリのもとへ行った
- 373 名前:タケ 投稿日:2004/05/03(月) 16:44
- 更新終了です
前回とはうって変わって甘〜い展開
この幸せがいつまでも続いけばいいのですが・・・
>365 つみ 様
石川さんの過去についてはまたいつか書くつもりです
れいなさんはやっぱり?
次回はいちごまの仕事ぶりを書くつもりです
- 374 名前:つみ 投稿日:2004/05/03(月) 17:15
- 『純愛』って言葉が一番先に浮かびました!
すべてが幸せになって欲しいですね〜・・
そんな道を期待しつつ次回まで待ってます!
- 375 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 18:32
- 目が覚めるともう朝だったようでもう外は明るかった
布団から出て腕時計を見てみるともう7時を過ぎていた
「ごとー、ごとぉ!起きろって」
着替えた後、とりあえず私は隣で寝ている後藤を起こした
「ん・・・ぁ・・・ぃち・・・ちゃ・・・」
後藤は寝言を言うだけでまったく起きない
朝は弱い後藤だから仕方がないけど一応仕事があるわけだし・・・
あ、でも別に7時に起きる必要はないんだけどね
- 376 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 18:42
- 私達が泊まった場所は旅館のような部屋だった
いつもはあの建物でボロボロのベッドで寝てる暮らしが続いてたから
新鮮というか一種のなつかしさを覚えた
結局私は30分かけて後藤を起こした
「ん〜!もっとねるのぉ〜!!」
寝起きの子供みたい(っていうかまんま子供じゃん)にブーブー文句を言う
後藤の手を掴んでエレベーターで1階まで降りた(ちなみに私達は3階で泊まってる)
食事は1階の食堂で食べるようになっていた
とりあえず私達はゆっくりまったりと朝食を・・・
「はい!いちーちゃん!あ〜ん」
- 377 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 18:48
- ぶっ!
その言葉に私はさっき口に含んだご飯を少し吹き出してしまった
食堂にいた何人かの旅行者がこっちを見ている
「ぅわーいちーちゃん、汚いよ〜」
「げほげほっうるさいな!っていうかお前が変なこと言うからっ!!」
「変なこと?あ〜んのこと?」
「それだよ」
人が何人もいるってのに「あ〜ん」だなんて言うなっての!
- 378 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 18:52
- とりあえず朝食を食べ終えた私と後藤はすぐに旅館を出た
「さって、仕事開始っと!」
「市井ちゃん!市井ちゃん!」
無垢な顔した後藤がこっちを見ていた
嫌な予感がした
「ごとー達の仕事って何?」
予感は当たった
「ごとー・・・それ、こっち来る前に、3回は話したと思うんだけど・・・」
- 379 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 18:58
- 私達の仕事は室町の墓地を調べること
そしてその中にあるはずの人物の名前を探すことだった
あとはその人物が現れるまで待つだけ
私は後藤にそう言った・・・4回目のだけど
私は最初、簡単な仕事だと思ってた
でもそうでないことがこの一日で分かった
ある人物・・・安倍なつみの墓地は室蘭のどこを探してもなかったからだ・・・
- 380 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 19:02
- 私と後藤は仕方なしに道行く人に聞いてみた
「あのすいません」
私が聞いたのは20代中頃の男の人だった
「あの〜安倍なつみさんの・・・」
「へ?誰だって?」
え?
「? 誰ってだから、安倍なつみさんの!」
「ごめんね、俺その人知らないから」
- 381 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 19:06
- そんな馬鹿な・・・
私達から去っていく男の人を見ながらそう思った
あのニュースになるほどの『矢口』を相討ちながら倒した安倍なつみを・・・
安倍なつみの出身地にいる人が知らない?
どういうことだ?
私は疑問に思って会う人会う人に同じ質問を繰り返した
「安倍なつみって人、知ってますか?」・・・と
- 382 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/05/22(土) 19:14
- 答えは聞いた全員が「知らない」と言った
時計の針を見るともう12時を指していた
後藤は自分の分と私の分のジュースを買っていた
私は混乱した
何かがおかしい
「はい、いちいちゃん」
不意に目の前にオレンジ色の何かが動いていた
それは後藤が持ってきたオレンジジュースの缶だった
ぷしゅっ
「・・・」
「いちいちゃん、1回旅館によ〜く考えれば?」
ごくっと1口オレンジジュースを口に含む
「・・・そうだな、1回戻るか」
私は頭を冷やすため1度旅館へ戻る事にした
- 383 名前:タケ 投稿日:2004/05/22(土) 19:22
- 更新終了です
いちごまの初仕事はいきなり困難なことに・・・
>374 つみ 様
『純愛』・・・作者も体験してみたいものです(マテ
みんなが幸せに・・・なれるように頑張りたいです
- 384 名前:つみ 投稿日:2004/05/24(月) 00:15
- ほう・・・?
何かがあるのかな・・
いちごま・・・いいなあ〜・・
- 385 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/06(日) 01:37
- 「い〜ち〜い〜ちゃん!」
「うーん」
「はぁ・・・」
いちーちゃんは床に座ったままずっとこんな調子・・・
ごとーの言葉は届いてない様子・・・
まぁ仕事だから・・・しょうがないんだけど・・・ね
ごとーもなんか手伝わないと・・・
- 386 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/06(日) 01:42
- おかしい・・・
確かに安倍なつみの出身地はここのはずなのに誰も安倍なつみを知らない
別に隠してるわけでもなさそうだし、それに隠す必要もないだろうし・・・
まさか・・・ホントに知らないのか?
なんかおかしいな
どっかでずれてる気がする
まてよ・・・もしかすると
- 387 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/06(日) 01:47
- 「いちーちゃん!」
後ろから後藤の声がして振り向くと
後藤は私の両肩を揉んでいた
「後藤・・・」
「いちーちゃん、あんま考えすぎると疲れちゃうよ?
まぁこのごとーが肩揉んであげるから、頑張ってね」
「おう、サンキュ」
なんか嬉しいなぁ・・・後藤が肩揉んでくれるなんて・・・
まるでお嫁さん・・・って!何考えてんだよ私は!!
- 388 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/06(日) 01:56
- 「いちーちゃん?何してんの?」
「え?え? わ、私が何を?」
「いや、いきなり『ふふっ』って笑い出したり頭ふり回したり」
「そ・・・そうか・・・あ、後藤もうOKだよ ありがとう」
「んあ」
後藤は不思議そうな目でこっちを見ていた
さ、さて、もっかい考えるか
もしかすると・・・安倍なつみは本当は知られてなかったのかもしれない
私が偶然2人の戦いを見ていただけで誰も知らないのかもしれない・・・死んだことさえも
それなら安倍なつみの墓地が無くてもおかしくない
もしそうなら・・・
見つけようがないじゃん!
どうしよう・・・
- 389 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/06(日) 02:06
- あ、まてよ・・・
安倍なつみはみんな知らない・・・
じゃあ『矢口』だったら知ってるのか?
私は急いで旅館を出た
「んあ〜!いち〜ちゃ〜ん!待ってよ〜!!」
とりあえず近くを歩いていたおじさんを捕まえた
「あの・・・つかのことをお聞きしますが」
「はぁ」
「矢口真里って人・・・」
それ以上聞く必要も無かった
矢口真里と言った瞬間、おじさんの顔が一瞬強張ったからだ
おじさんの額の汗がさっきより多いのは暑いからってわけじゃなさそうだ
「お姉ちゃん、なんでそんなこと聞くんだい?」
「まぁ、色々と・・・ところでその矢口真里と戦った安倍なつみって知ってます?」
「戦った!?安倍なつみ!?なんだべそれ???」
またはずれ・・・
結局矢口真里を知っている人はいたけど安倍なつみを知っている人はいなかった
- 390 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/06(日) 02:17
- ―ある研究所
結局一睡も眠れなかった
石川さんは・・・私が守りますから
自分が言ったその言葉が頭の中で何度も何度もリピートされて
結局そのまま朝を迎えてしまった
がちゃっ
重々しく部屋を出た
別にどこで何しようなんて考えてなかったけどとりあえあず部屋から出たかった
気がつくと石川さんの部屋の前
とたんにドクンと心臓が跳ね上がった
だめだ!
私は駆けた
どこでもいいとにかく逃げたかった
石川さんばかりを考えて胸を高鳴らせる自分から逃げたかった
でも逃げようとすればするほど石川さんは大きくなっていた
今考えると、この気持ちは私には生まれて初めての気持ちだった
- 391 名前:タケ 投稿日:2004/06/06(日) 02:22
- 更新終了です
市井さん達の抱える謎は深まるばかり
ひっそり(?)いちごま含んでみたり・・・
最後に田中さんを出したんで
次回はそちらさん(いしれなよし?)の話
>384 つみ 様
何かが色々あるようで・・・複雑ですよ〜
- 392 名前:つみ 投稿日:2004/06/06(日) 12:57
- れいなさんの苦悩?ですか…
こちらはどう転がるんですかね〜?
- 393 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:41
- 私はまだ駆けていた
私は今逃げている・・・私の心に深く進入してくる石川さんから
なんで・・・なんで私はこんなに石川さんのことが・・・
今までは何事にも冷静というか無関心で通っていたはずの自分はどこかへ消えていた
石川梨華という存在がかつての自分をいとも簡単に消し去ってしまった
途中、目に入った廊下の角を曲がろうとした
「あっ・・・」
「きゃっ!」
どんっ
その廊下の角から石川さんが出てきた
私は止まることができずにそのまま石川さんとぶつかってしまった
- 394 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:42
- ―医務室
なんなんだよあいつは・・・
あ、あいつってのは07のことね
なんであんなに怒ってんだろ?
別に私は悪いことはしてないはずなのに
(石川さんは・・・私が守りますから!!)
勝手にキレられても困るんだけど・・・
・・・まぁでも確かに梨華ちゃんには悪かったかな悲しませちゃったみたいだし
今度謝っとこ
でもなんでその梨華ちゃんが怒ってないのに07がそんなに怒るのさ?
・・・もしかして、07が好きなのって、私じゃなくて・・・?
- 395 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:43
- っっ・・・あの、石川さ・・・」
ドクン
また・・・また勝手に心臓が跳ね上がっていた
とっとにかく今どうなってるんだ?私と石川さんは
石川さんは私の下で倒れていた 私は石川さんに重なるように石川さんの上に倒れていた
そして私の顔の前には石川さんの顔があった
石川さんはまだ起き上がる気配を見せない
本来なら石川さんを心配しなくてはならないこの状況下のはずなのに私は石川さんの顔を見つめたままだった
髪・・・額・・・目・・・鼻・・・上から徐々に下へ視線を移し、そして唇を見つめた
頬が熱くなり、体温がさらに上昇したかのように感じた
跳ね上がる心臓と共に同時に鈍い痛みが私の胸を締め付けた
石川さんと出会ってから何度も味わった痛みだった
「ん・・・」
- 396 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:43
- その声に私は敏感に反応した
私は一瞬石川さんから飛び去ろうと思ったものの石川さんが起きないことを確認するとなぜか体が動かなかくなった
いや、むしろ私の顔は知らず知らずのうちに石川さんの顔に近づいていた
石川さんはまだ目を開けていない
体が・・・勝手に・・・このままじゃ・・・キスし
ぱちっ
石川さんの唇まであと数センチ・・・石川さんの目が大きく開いた
「っあ・・・」
私は今度こそ石川さんから飛び退いた
もはや心臓は走った後の(実際さっきまで走ってたんだけど)ように激しく動いているのがわかった
石川さん・・・どう思ったんだろう・・・嫌われる?
私はおそるおそる石川さんの顔を見た
- 397 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:44
- 「れいな・・・ちゃん?私・・・」
肩から余計な力が抜けた
石川さんは私に対して普段どおりの顔をしていた
安堵と同時に私は石川さんに謝罪した
「すみません・・・私が走ってて、注意せずに角曲がろうとしたから・・・」
「そっか・・・れいなちゃんは大丈夫なの?どこか怪我してない?」
私が悪いのに石川さんは私なんかを心配してくれた
「・・・はい、大丈夫です」
ドキドキが止まらない
「れいなちゃん?」
「・・・」
声が出ない
どうしよう・・・また石川さんに心配かけてしまう・・・
「・・・れいなちゃん、ちょっといい?」
「?」
私をどこかへ連れて行こうとするそのときの石川さんは
私の知らない顔をしていた
- 398 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:45
- ―石川の部屋
「どぉ?私のお・部・屋♪」
「はは・・・い、いい部屋だと思いますよ?」
石川さんの部屋は・・・気分が悪くなるほど一面ピンク色だった
「あ、そこ座っていいよ♪」
石川さんは椅子(カバーはもちろんピンク色だった)を指差していた
「どうも」
私は遠慮気味に座った
「じゃあ話そうっか?」
「何を・・・ですか?」
「へ?」
数秒間の沈黙が訪れた
- 399 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:45
- 「あぁそっか、えっとぉ・・・」
そろそろ目が慣れてきたなぁと思ってきたときだった
「昔話とか・・・ね?」
石川さんの顔からはは笑顔が消え、切ないけど真剣な眼差しで、しかも鋭い口調で言った
私は私で今までと違うとても嫌な感覚に襲われた
昔話
私は身震いをした
熱を帯びていた体が芯から冷えるような・・・そんな感じがした 実際そうだったのかもしれない
- 400 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/06/17(木) 15:46
- 「やっぱりそっか・・・れいなちゃんも・・・色々あったんだね、辛いこと」
石川さんの言葉にはっとさせられた
れいなちゃんも? じゃあ石川さんも・・・昔何かあったって事?
「あ、でも、嫌ならいいの!ごめんね?私、勝手に・・・」
「石川さん」
「なに?」
恥ずかしくて口には出さないけど・・・ありがとうございます
「話します・・・私の・・・過去を・・・だから・・・聞いててください」
私は重々しく口を開いた
「うん、いいよ」
石川さんは私の心情を察してか、優しくそう言ってくれた
私は誰にも話したことの無い過去を話し始めた
- 401 名前:タケ 投稿日:2004/06/17(木) 15:49
- 更新終了です
>384 つみ 様
こんな感じに転びますた
次回、ついに07の過去が!と行きたいとこですが
次回はやぐたかでいきます
- 402 名前:タケ 投稿日:2004/06/17(木) 15:51
- >>395
っっ・・・あの、石川さ・・・」
↓
「っっ・・・あの、石川さ・・・」
細かいですけどミスった箇所です
失礼
- 403 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/11(日) 21:38
- その日、携帯が鳴った
今の学校には友達なんていないから携帯の番号を知る人間はいない
両親も最近では電話をかけてくることはまったくなかった
じゃあ誰が・・・?
もしかして・・・
私はとっさに携帯に出た
「もっもしもし? 高橋ですけど!?」
- 404 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/11(日) 21:44
- 私の携帯に電話をかけてきた人は私の予想した人とは違っていた
「あ、高橋?矢口だよー!元気?」
やぐち・・・さん?
予想した相手は違ったけど嬉しかった
「高橋? 高橋ー!」
「あ、はい?なっなんですか」
「実はさー」
「あぁーそういうことですかぁ・・・あ、ところで矢口さん」
「ん?何?」
「あのときの・・・」
私はそこで口を止めた
- 405 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/11(日) 21:50
- 『あのときのプレゼント、ちゃんと誰かにあげましたか?』
そう言おうとした途中であることに気がついた
もう一度矢口さんを家に連れてこれるんじゃないかと
もしもプレゼントを渡してなければそのプレゼントを一緒に買おうと言えるし
もしプレゼントを渡していればもう一度買いましょうと言える
「高橋?どうした?」
「いっい、いえ・・・でっではまた私の家に来ませんか!?」
私は意を決して言った
- 406 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/11(日) 21:54
- 「え・・・」
嫌と言われるのが怖くて私は言葉を続けた
「ほっほら、そうすればまたプレゼント一緒に買えますし
私も嬉しいですし・・・!?」
しまった!
と、私は思った
何ばかなこと言ってるんだ私はぁまるでデートに誘ってるみたいじゃないか!
「よし!行こう!」
「え!?」
私は矢口さんの言葉に驚いた
- 407 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/11(日) 21:59
- 「『え!?』ってなんだよ〜! 来いって言ったの高橋だろー?」
驚いたままだった私ははっとした
「あ、そうでした じゃっ、じゃぁホントに来てくれるんですね?」
「うん!カオリと!!」
カオリ?
そのあとの会話は私の耳に通ることなく進んだ
- 408 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/11(日) 22:06
- 「じゃあまたね、久しぶりに高橋と話せて嬉しかったよ!」
ピッ
そっか・・・矢口さんはそのカオリさんって人のためにプレゼントを・・・
そうだよね・・・私って馬鹿だなー矢口さんが私のことなんて・・・
でも私はもう泣かない
矢口さんに勇気をもらったから
あれから私は学校へ行くようになった
相変わらず友達は作ってないけど何か昔と変わった
それは矢口さんのおかげだった
私は気持ちを切り替えた
矢口さんと会えるだけで充分じゃないか・・・ちゃんとありがとうって言わないと
私は矢口さんと会えることを今から楽しみになった
- 409 名前:黄泉がえり 投稿日:2004/07/29(木) 23:34
- ピッ
「ふー」
高橋との会話が終了し、裕ちゃんから借りた携帯の電源を切った
元気そうだったな・・・高橋
「さって、裕子に返しに行くかぁ・・・」
「何を?」
後ろからの誰かの声に矢口は肩をこわばらせた
「・・・矢口?」
「あ、カオリ・・・」
声の主はカオリだった
・・・でもなぜ矢口の背後から?
- 410 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/29(木) 23:41
- 「誰と電話してたの?」
いつからいたんだろう?電話してたのも聞いてた(見てた?)のか・・・
っていうかなんで矢口はカオリに気づかなかったんだろ・・・
「ねぇ! だ・れ・と!話してたの?」
カオリは矢口の顔に接近し、ついに1センチくらいに近づいた
う・・・美人だよなぁ・・・カオリって って今はそんなこと考えてる場合じゃあ・・・
(「矢口」!ちょっといいか?)
突然心の中から聞き覚えのある声を聞いた
(え・・・『矢口』!? お前、どうして・・・)
(せっかくカオリとできたんだろ?私にだって話す権利はあるだろ?)
- 411 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/29(木) 23:47
- は・・・? なんでこんなときにこいつはこんなこと・・・
(ちっ、めんどくさいなー だったら勝手にやらせてもらうぜ!)
(ちょっどういうこ・・・)
刹那・・・目の前がグルグル回ったかと思うと急に目の前が真っ暗になった
「ここは・・・どこ?」
まったく状況が理解できなかった
「おい!『矢口』!!どーいうことだ!!説明しろっ!」
(悪いね、一瞬だけ『表』に出させてもらうよ?)
『表』!?
- 412 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/29(木) 23:51
- 「ねー矢口ぃ!」
矢口はまったく動かない私はとにかく矢口の名を呼びまくった
「カオリ」
矢口の口が小さく動いた次の瞬間矢口の頭がこっちに近づいてきて・・・
「ぅん・・・?」
矢口の唇が私のと重なった
でも・・・いつもと違うちょっと強引で強いキス
いつもの矢口はこんなキスしない・・・
この矢口・・・矢口じゃない?・・・『矢口』?
- 413 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/29(木) 23:56
- 私は力いっぱい『矢口』の両肩を押して唇を離した
「どうしたの?カオリ・・・」
「そっちこそどうしたの?・・・『矢口』さん」
『矢口』は私は『矢口』だということに気づいたのに驚いたように目を大きく開いた
「私を誰だと思ってるの?「矢口」の親友で恋人の飯田圭織だよ?わかるんだから!」
『矢口』はふっと自嘲気味に笑っていた
「初めまして・・・ってのはおかしいか
お久しぶり・・・カオリ」
- 414 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/30(金) 00:01
- 「「矢口」はどうしたの!?」
「ちょっと色々ね・・・時間がないから言いたいことさっさと言うよ?」
「何を?」
「昔のこと・・・ごめん」
そう言って『矢口』は頭を下げた
私は『矢口』の意外な行動に何て言えばいいのか分からなかった
「いいよ別に・・・言葉考えなくたって・・・私が悪かったんだから
・・・2人を憎んで・・・なっちを殺して・・・」
『矢口』・・・
- 415 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/30(金) 00:05
- 『矢口』は頭を下げたままだった
「もう過ぎたことだよ?もう忘れようよ」
「え・・・」
驚いた『矢口』はぱっと顔を上げた
鼻が赤く泣きそうだった
「恨んで・・・ないのか?」
「うーん・・・多分違うかも 悪いけどあのことはまだ許せない
・・・でも、もう終わったことだから・・・矢口が死んだことも・・・なっちが死んだことも・・・」
「カオリ・・・」
- 416 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/30(金) 00:11
- 「ありがとう・・・ありがとう」
『矢口』は顔に手をやり泣き出してしまった
「ちょっ!泣かないでよ!!私が泣かせたみたいじゃん!!」
いや、実際そうなのか・・・
「・・・もう、そろそろ戻るこか・・・」
『矢口』がそのとき呟いた言葉を私は聞き取ることができなかった
- 417 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/07/30(金) 00:16
- 「・・・カオリ」
「なに?」
「最後にひとつ・・・いいか?」
「うん」
「私も・・・カオリが好きだ・・・最初に気づいたのは私だし・・・じゃっじゃあな!!」
『矢口』が・・・私のことを・・・好き?
「・・・・・・え?え!? ちっちょっと待って!」
「カオリ・・・ごめん・・・もう「矢口」に戻っちゃった」
私はもはや矢口に電話のことを聞くこともする気にならなかった
でも今思えばさのときの『矢口』は自分の最期の前に私と話がしたかったんだって思うんだ
謝罪と告白っていう話を・・・
- 418 名前:つみ 投稿日:2004/07/30(金) 12:20
- あいたたた・・・
これはつらい展開?になりそうな・・・
待ってます。
- 419 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:27
- おかしい・・・
なんで皆矢口真里は知ってるのに安倍なつみを知らないんだろう?
なにかあるのかな?
実は秘密にしてたりとか!?
・・・あーでも矢口の名前が出たときは反応してたしなぁ
う〜ん
・・・
・・・
・・・
「だー!わっかんねー!!」
- 420 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:31
- ビクッ
「んあ!?」
また旅館に戻って色々と考てたいちーちゃんが急に叫びだしたので驚いた
「あ、ごめん、後藤」
「んあ、大丈夫」
ごとーがそう言うといちーちゃんはまた色々と考えだした
ごとーは何もできないんだね
ふと頭の中でそう思った
- 421 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:34
- ごとーはこっちきて何をした?
いちーちゃんにどんな手伝いした?
あ・・・肩揉んであげたか・・・
・・・でも安倍って人の調査の手伝いとか何にもしてないじゃん・・・
あれ?
もしかしてごとーっていないほうがいいじゃん?
- 422 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:39
- だめだーわかんねー!
しかもさっき考えたこと(安倍なつみのことは秘密にしてるってやつ)は
前にも考えてたじゃないかー!!
はぁ〜わかんない・・・
考えてるだけじゃだめか、また外に出ようか・・・
そう思い立ち上がろうとした瞬間
「いちーちゃん」
「ん?どうした後藤」
「ごとーちょっと出てくる」
このときの後藤がいつもの後藤と違うと感じるのに時間はかからなかった
- 423 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:45
- 私は外へ出て行こうとする後藤の手首を掴んだ
「何?」
いつもの後藤と違う口調だった
「どこに行く気だ?」
「別に・・・ごとーの勝手でしょ?」
「後藤?どうしたんだ?ちょっとおかしいぞ!お前・・・」
「そーだよ!!ごとーは変だもん!いちーちゃんと一緒に仕事しに来たのに
何にも手伝えなくて、足手まといなだけじゃん!
ごとーなんていなくたって変わんな・・・」
ぱぁん
- 424 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:49
- 頬に痛みを感じた
そしてすぐにいちーちゃんがごとーを殴った音だってわかった
「いちーちゃ・・・」
「ばか後藤!!誰が足手まといなんて言ったんだ!後藤がいなくたってかわんない?
そんなわけないじゃないか!」
「だって・・・ごとーはいちーちゃんに何も」
「肩揉んでくれたのは違うのか?」
「それは・・・でも!安倍って人の調査は何にも・・・」
「・・・」
否定しない・・・やっぱりいらないんじゃん
- 425 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:53
- 「ごめん、それは私が謝る」
え?
「なんで・・・」
「私が1人で勝手に調べまくって、後藤に手伝ってもらおうとしてなかった
後藤が手伝えなかったんじゃないよ・・・私が」
「じゃあいらないってことじゃ・・・」
「違う!・・・違うんだ・・・後藤じゃなくても・・・
たとえば吉澤とか石川とかでも私は手伝ってもらおうとしなかったと思う
後藤だからってわけじゃないよ・・・」
- 426 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/02(月) 09:58
- 「いちーちゃんの言ってること・・・よくわかんないよ・・・」
「うん」
「でも、とりあえず・・・ごとーはいらないんじゃないんだね?」
「うん」
「よかったぁ」
ごとーは安心してその場に座り込んだ
「はぁ〜」
いちーちゃんも呆れたって感じの顔で座り込んだ
「あ、後藤」
「んあ?」
「私が後藤をいらないって思ってる理由はもう1つあるんだ」
「? それってな・・・」
後藤が言い切る前にいちーちゃんの唇がごとーの唇をふさいだ
- 427 名前:タケ 投稿日:2004/08/02(月) 10:01
- >418 つみ 様
つらい展開になりそうですね はい
今回はいちごま重視でしたがw
- 428 名前:つみ 投稿日:2004/08/02(月) 17:40
- いちーさん・・・だいたんね・・・
次回も待ってます。
- 429 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 10:55
- 「今から9年前の話です・・・」
私は過去の忌まわしい記憶を探り出した
「ねーおじさん、
なんでおかーさんとおとーさんこんな箱の中で眠ってるの?」
私が6歳のとき・・・私の両親は交通事故で死んだ
そして私はおじさんの家に引き取られた
- 430 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:01
- 地獄の日々が始まったのはそれからまもなくのことだった
ぱぁん
「!?」
「わがまま言うんじゃない!寝られる場所があるだけましだろっ!!」
私の部屋は暗い物置場だった
明かりは懐中電灯1本のみで、ご飯はあまり物がほとんどだった
私は地獄の生活は長く続いた
- 431 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:04
- おじさんやおばさんはイライラの解消にすぐ私を使った
世間では優しいとされていた2人は表だけだった
殴られたり、蹴られたり
そして傷跡がばれないように私は夏でも長袖長ズボンで学校に行かされた
そんな毎日だった
- 432 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:08
- さすがにおかしいと先生は思ったらしく家を訪ねてきたことが一度あったけど
それも無駄だった
表の顔を使っておじさんとおばさんは先生を上手く騙しこんだ
そして次の日からはイライラを口で言うようになった
もちろん私をばかにする事ばっかり・・・
私は逃げたかった
けど逃げた後、私はどこへ行けばいいのかわからなかった
だから逃げ出せなかった
まるで籠の中に閉じ込められる鳥のように・・・
- 433 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:14
- そして2年前・・・ついに私は家を出ることになった
1学期のテストの結果をおじさんに見せ、怒られていた
それは突然の出来事だった
「それだからお前はこんな物置みたいなんだ」
そう言っておじさんは物置き場を指した
あれから8年が過ぎた暗く、みじめで、ボロボロな物置き場が私の目に映った瞬間だった
ものすごい音と共におじさんの体は吹き飛んでいた
- 434 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:18
- 私は意味がわからなかった
手が熱かった
おばさんが悲鳴をあげながら私に何があったのか問い詰めた
私はおばさんを突き飛ばし一目散に飛び出した
私は気付いたんだ
私は籠を破る術を覚えたんだと
- 435 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:25
- 私は道という道を駆けた
幾度なくその場に倒れそうになった
でもそのたびに「逃げ出せる」と思い自身を奮い立たせ再び駆け出した
そして気がついたらこの街にいた
そこであの人に拾われた
おじさんを飛ばしたのが私の『力』だということも教わった
『力』の使い方も
「これが私の昔話です」
全てを話し終え、私はもう一度その忌まわしい記憶を封印した
- 436 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:30
- 「・・・ありがとう・・・で合ってるかな?」
「はい・・・」
石川さんの顔は哀愁を漂わせているように見えた
「ごめんね、
嫌な思い出話させちゃって・・・」
「いいえ・・・問題ない・・・って言ったら嘘になりますけど、
誰かに・・・石川さんに話せてよかったです」
石川さんは少し笑顔になって「ありがとう」と言った
- 437 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/21(土) 11:36
- 「・・・」
「・・・」
ピンク色の部屋は重い沈黙に包まれた
「私・・・自分の部屋に戻ります」
「待って」
ドアへ向かおうとする私は石川さんに袖を掴まれた
「ね、今度は私が話していい?昔話」
石川は笑顔を絶やしていなかった
でもその裏の顔はまだ哀愁を漂わせていた
「はい」
私は力強く返事をして頷いた
今度は私が聞かなくてはいけない
石川さんの昔話を
- 438 名前:タケ 投稿日:2004/08/21(土) 11:40
- 更新終了です
>428 つみ 様
今回は重い話に・・・
こちらのこの展開はまだ続きそうです
ちなみに次回はやぐかおと高橋さんの話です
- 439 名前:つみ 投稿日:2004/08/23(月) 00:32
- こりゃまた暗くて重い・・・
いしかーさんのも楽しみですが次回を楽しみにしてます!
- 440 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/27(金) 14:43
- 「んじゃ、行ってくるねー!」
「おう、気ぃつけてーなぁ!」
矢口とカオリは裕ちゃんの研究所を出て樹海を抜けていった
カオリは矢口よりも樹海を抜けるのに慣れていた
30分もすると樹海の先にコンクリートの道が見てきた
「お、カオリー!!見えたよー!!」
「うん!」
さて、こっから高橋の家に向かわないとな・・・
「たしかこっちだったよね?」
「そうそう・・・こっちだったよね」
カオリの顔を見ると何故かボーっとしていた
「カオリ?」
「あ、この道!ここだったよね私たち」
「私たち・・・!」
そうだ・・・ここって・・・
「矢口・・・」
「ん?・・・!」
カオリは矢口の唇に唇を当てた
そう、ここは矢口がカオリとキスをした場所だったのだ
- 441 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/27(金) 14:51
- ピンポーン
来た!
パタパタと音を立てて私は下へ降りていった
そしてガチャっとドアを開ける
「いらっしゃい!矢口さん!」
門の前には矢口さんと髪の長い女性・・・えっと、飯田さんが立っていた
「うわぁ〜!広いね〜!!」
「だろー?矢口も初めて来たときはびっくりしたもん!」
「あ!」
と、大声を出すと飯田さんは急にこっちを向いた
「こんにちは、愛ちゃん!」
と笑顔であいさつしてきた
このなんともいえないテンポにどこか懐かしさを覚えた
同時に私は突然の行為に面食らってその返事をするのに少し間が空けてしまった
「こ、こんにちは」
- 442 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/27(金) 14:59
- 「じゃあ、矢口、高橋とちょいと話があるから、カオリあっちの部屋で待っててよ」
え?
「ん、わかった 浮気しないでよ?」
ドキッ
「ばっ!・・・するかよ!」
ガッカリ?
そんな心情の移り変わりを経て私と矢口さんは
かつて矢口さんが泊まった部屋へ向かって行った
ガチャ
「さて、高橋」
急に矢口さんが真顔になった
不覚にも顔が赤くなってしまった
「な、なんでしょうか?」
「・・・」
「・・・」
「カオリにどんなプレゼントあげればいいと思う?」
「・・・」
なんでだろ・・・とても残念で仕方が無いのは・・・
- 443 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/27(金) 15:04
- 「あ、あのーところで矢口さん」
「ん?」
「前に私と買ったペンダントは・・・」
そう私が言ったと同時に矢口さんの顔が真顔から呆けたような顔に変化していった
まさか・・・渡し忘れた・・・とか?
「しまったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ひ、酷いです矢口さん・・・私の貸したお金・・・って違う!
せっかく一緒に買いに行ったのに忘れてて・・・
しかも「しまった」って、すっごくここに来るのが嫌みたいじゃないですか・・・
私は思わずため息をついた
- 444 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/27(金) 15:10
- ため息の意味に気付いたのか矢口さんは
「なっなーんてね! ほんとは矢口、高橋と色々話したかったんだよ!ハハハ」
「・・・」
矢口さんって・・・ウソつくの下手なんだなぁ
「では何を話します?」
「う・・・高橋、口調が鋭いよ・・・」
「あ、冗談です で?ホントに何を話すんですか?飯田さん、待ってますよ?」
「あーそうだなぁ・・・」
矢口さんはそう言いながら顔を上に上げて「んー」と唸っていた
「あの、」
「学校・・・まだ行ってないのか?」
矢口さんの一言がと心に突き刺さった
「言いませんでした?私、学校辞めましたよ?」
- 445 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/27(金) 15:16
-
遅い・・・
遅い遅い遅い遅い遅い遅い・・・
遅ぉい!!
矢口と愛ちゃん2階では何をしてるの?
気になって仕方が無い
私はソファーに座ったり立ったりしながら2人を待っていた
けど5分待っても2人は来ない
まさか矢口!? ・・・いや、ダメダメ!矢口を信じなきゃ!
あ、でも愛ちゃん可愛かったしなぁもしかして・・・
で、でも!今は私が恋人なわけだし・・・
あ〜!!でも浮気するんだったら関係ないじゃんか!
いや、でも・・・あ〜
あ〜・・・月でウサギさんが手旗信号を送ってるよ〜
そうして私の心は矢口を心配する方向からズレて行った
- 446 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/08/27(金) 15:24
- 「・・・そうだったな」
「・・・ふふっあははっくくっ」
「!? なんだよ?」
「ふふふっ冗談です 確かに『前の』学校は辞めましたよ!」
「あ?前の学校」
「はい!今は定時制の学校へ行ってるんです」
そう・・・私は矢口さんが帰ってから近くの定時制の学校へ編入した
相変わらず友達は少ないけど・・・
「で?元気にやってるのか?」
「はぁ、まぁ・・・一応」
「そっか・・・そりゃーよかった いいことが聞けたよ ありがとさん」
「いえ、こちらこそ・・・」
「じゃあ、下に降りるか!カオリ、きっと怒ってるぜ〜」
「はい!」
下へ降りると矢口さんの予想通り飯田さんは怒っていた・・・主に矢口さんに向けて・・・
- 447 名前:タケ 投稿日:2004/08/27(金) 15:26
- 更新終了です
>439 つみ 様
石川さんの方もまぁ重いですね、やっぱり
今回はなんとも言えない話でしたけどとりあえず高橋さん再登場!ってことで・・・
- 448 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:26
- 「私が後藤をいらないって思ってない理由はもう1つあるんだ」
あれから数日、ごとーはちょっとボーっとしてます
- 449 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:32
- 「私が後藤をいらないって思ってない理由はもう1つあるんだ」
あれから数日、ごとーはちょっとボーっとしてます
「やはり知りませんか・・・」
「はい、すみません」
「いえ、ありがとうございました」
「さてと、後藤!次、行くよ! 後藤?」
「へ?あ、んあ・・・」
「? じゃ、行くか」
・・・あれからちょっと市井ちゃんの顔をよく見ることができなくなっていた
- 450 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:36
- 市井ちゃんの顔を見ないように市井ちゃんの後ろを歩く
市井ちゃんはまた道行く人に矢口さんのことを尋ねていた
でもその人もやっぱり知らないみたいで首を横に振っていた
「はぁ・・・まただめか・・・」
いちーちゃん・・・
いつもなら市井ちゃんのために何か言わなきゃって思うのに・・・
今は市井ちゃんに近づくのですらためらってるごとー
どうしたんだろう・・・どうして・・・今更・・・
- 451 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:40
- 「もう夕方か・・・後藤!帰るよ?」
「・・・」
「後藤?」
「! いちーちゃ・・・」
「どうした?今日はいつもに増してボーっとしてるぞ?」
市井ちゃんの顔が後藤に近づいた
いつものどきどきとは別の感覚・・・わからない・・・わからないよ・・・
どうなっちゃったのごとーは・・・
「おい!後藤っ!」
ごとーは市井ちゃんを無視して旅館へ向かった
- 452 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:43
- 「後藤!どうしたんだ!?何怒ってるんだよ」
「怒ってないよ!」
自分でもよくわかんないんだよ市井ちゃん・・・この気持ち・・・
「なんで・・・したの?」
「え?」
「キス」
「・・・」
市井ちゃんは少し赤面して下を向いた
- 453 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:47
- 「大事だから・・・私にとって、後藤は大事な奴だから・・・」
「・・・」
「わかんないんだよ」
「え・・・」
「なんか変なんだ、ごとー!市井ちゃんにキスされてから・・・
いつもと違う・・・変な気分なんだ」
「・・・」
- 454 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:51
- ごとーはハッとした
市井ちゃんの後ろに誰かが歩いていた
パッと見ると女子大生のように見えた
ごとーはその人に声をかけた
「あ、あの・・・すいません」
「はい?」
「あの・・・安倍なつみって人知りませんか?」
「安倍なつみ!?」
女子大生は今までに聞いた人に見られなかった反応を見せた
「え・・・?」
後ろでいちーちゃんも驚いた声を出した
- 455 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 21:56
- 「知ってるんですか?」
「もちろん!小学生の時、一緒のクラスだったから」
「・・・」
「まぁ一緒って言っても1、2年の時だけだったけど・・・」
「それで?」
「仲良かったんだけどね・・・急に引っ越しちゃってね
見送りにいったときは泣いちゃったなぁ」
女子大生は目を細めた
「あ、ところでなっちになんのようなの?
今言ったようになっちはもう引っ越してここにはいないんだけど?」
- 456 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 22:01
- 「それは・・・」
まさか安倍なつみの墓はどこかなんて聞けない
別の理由を考えないと
「実は安倍さんについて少し聞きたいことがあったんですよ」
「!」
聞いたのは市井ちゃんだった
「そうなの・・・なんか刑事さんみたいなこと言うのね」
「へへ、まぁ違いますけどね」
「じゃあね!」
「はい!ありがとうございました」
「ございました!」
女子大生はそのまま近くの曲がり角を曲がって行った
そしてまた二人きりになった
- 457 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 22:05
- 「あの・・・市井ちゃん」
「ありがとう後藤!おかげで安倍なつみについて少しわかったよ!」
「・・・うん」
「・・・後藤、今まではっきり言わなかったけど、
後藤がもし私のこと嫌いになるんだったら」
「違うよ!嫌いになんかならないよ!」
「あぁ、だけど、今のうちに言いたいから
私はさ、後藤のこと好きだから・・・愛してる」
「市井ちゃ・・・」
声が出なかった
いつのまにかごとーは泣いていた
ごとーも愛していたんだ
いちーちゃんを
今までただ「好き」だったのが
ほんとに好きになって、愛してたんだ
- 458 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/12(日) 22:12
- 「ったく、泣く奴があるかよ・・・」
いちーちゃんはその場でごとーを抱きしめた
「愛・・・してるよ・・・ごとーも・・・いちーちゃんを・・・」
「!・・・ありがと」
市井ちゃんはさっきよりも強くごとーを抱きしめた
ごとーも市井ちゃんの腰に両腕を回して市井ちゃんを強く抱きしめた
「あの人が言うにはさぁ、安倍なつみはこのすぐ近くに住んでたらしい」
「うん、それで?」
「だからさ、この近くのどこかで安倍なつみが黄泉がえるかもしれないんだ」
そして数日後、いちーちゃんの言ったとおりごとー達は安倍なつみと出会った
- 459 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:10
- 「私は・・・2年前かな・・・」
「ねぇ、君、俺と付き合わない?」
「え?・・・私・・・ですか?」
「うん」
私はこれまで男の人と付き合ったことがなかった
だから男の人と付き合うことに興味があったのかもしれない・・・
- 460 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:14
- ただ、これが私にとっての悲劇の始まりにすぎなかった
付き合い始めて3ヶ月・・・いきなり別れはおとずれた
ピンポーンッピンポーンッ
その日、私は内緒で彼の住むアパートに行った
前に彼が私が作ったお弁当がおいしいって言ってくれたからもう一度作って、
もう一度「おいしい!」と言われたかった
ガチャッ
誰も出てこないので留守かと思ったら鍵はかかってなかった
- 461 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:19
- 「もしかしたら犯罪かなー」と思いながらも彼の部屋を見つけた
中で何か音がしていた
「ここかぁ」
ガラッ
「ねぇ、見て見て!今日私、頑張ってお弁と・・・」
そこにはベッドに横たわる裸の彼と・・・私の知らない裸の女性・・・
ドラマとかでよくある話・・・私は自分の目を疑いたかった・・・
でも真実は自分の目を疑う余地すら与えてくれなかった
「ちっ・・・ばれたか・・・ってかお前勝手に来るなよなぁ・・・
そうすればもう少し付き合ってやったのに」
- 462 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:22
- 「そ・・・その人・・・誰なの?」
私は絞るように声を出した
「いや、その・・・ 」
男は髪をぼりぼり掻いた
まるでめんどくさそうな仕草
私には言う必要がないってわけ?
「ばかぁぁぁっ!」
私はそのまま彼の家を出て行った
私は二度と彼と会うことはなかった
- 463 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:28
- でも私の中ではまだ彼が残っていたらしく、ショックは拭い切れなかった
そんなある日、私は街である人にあった
「君、どうしたの?なんか悲しそうな顔してるよ?」
「そうですか?」
「ああ、あーこんなに可愛い君が悲しそうな顔してるなんて不公平な世の中だよなぁ」
私はこの人の言葉と、まだ残っていた「彼」を求めていたのかもしれない
私は今度はこの人と付き合うことにした
彼の異変に気づいたのはそれから2ヶ月過ぎてからだった
- 464 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:31
- 彼は時々私の体を触るようになってきた
最初はいたずら程度に軽く・・・
でも日がたつにつれてだんだん変なとこを触ろうとしたり、
痴漢みたいな触り方をしたりとだんだん彼の本性が見えてきた
付き合い始めてから半年後・・・
私は彼の部屋へ行った
私は彼と別れるつもりでいた
ピンポーン
ガチャッ
「こんにち・・・」
- 465 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:34
- ドアを開けると目の前に彼はいた
半年前の彼からは想像できない厭らしい顔で・・・
私は反射的に逃げようと彼に背を向けた
「待てよ!せっかく来たんだろ?もうちょっとゆっくりしようぜ?」
けど彼は私の手をつかんでそのまま彼の部屋につれこんだ
「ちょっ やぁぁ!! やめてよ!! 」
彼は私をベッドに押し倒し、私の上に跨った
「いいだろ?少しくらい・・・なぁ」
彼は上ずった声でそう言うと私の胸を触った
「やめてよぉっ!」
- 466 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:38
- 私は跨る彼を力いっぱい彼を突き飛ばした
「い・・・ってぇ・・・」
私は起き上がって彼の前にたった
「ねぇ、あなたが愛してるのは私?それとも私の・・・体?」
これで最後にするつもりだった
ただ、彼が体ではなく私自身を愛してると言ってくれたならまだ付き合っていたかもしれない
「あぁ、そうだよ・・・悪いか?」
でももちろん彼はそんなこと言うわけもなく私はこの男の元から去っていった
私はこの男とも会うことはなかった
そのために私はこの男と会った街を出歩かなくなった
- 467 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:43
- 2人の男と付き合い、別れ、私は自暴自棄になってしまった
そのせいかクラスメイトは私を無視するようになった
救いだったのは無視される以上のことをされなかったくらい
それに私自身、誰とももう話す気はまったくなかったからちょうどよかった
私は自暴自棄になっていた
ある日の放課後、私は横断歩道を渡っていた
パッパー
車が私に向かってきた
- 468 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:48
- 「あぶないぞ!」
そう言って誰かが私の腕をつかんでそのまま引っ張った
私はバランスを崩して倒れこんだ
車を運転していたらしいおじさんと、クラスメイトの男子が顔を覗き込んでいた
「じゃあ、気をつけなよー!」
「はい、どうもすみませんでした」
おじさんは車に乗って走っていった
「あ、あの」
「ん?」
彼は無表情だった
「ありがとう」
「あぁ、別に」
助けられたからなのだろうか
私は知らず知らずのうちに彼に惹かれていった
- 469 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:53
- それから1ヵ月後、
「あの・・・私と付き合ってくれない」
「・・・ああ」
「あ、ありがとう!」
初めて自分から誰かに思いを告げた私は大満足だった
2人の幸せは2年生が終わり、3年生になるまで続いた
そう、3年生になるまでは・・・
「ねぇ!今度一緒にどこか行こうよ!」
「あぁ・・・今度な」
3年生になった途端、彼の態度は一変した
まったく口を聞いてくれなくなった
- 470 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 19:56
- でもそれだけならまだよかった
彼は徐々に私に暴力を振るようになった
「あ、あのさぁ・・・」
「あ?・・・なんだよ!」
「なっなんでもない」
「あんだよ!言いたいことがあるならはっきり言えよ!」
ばしっ
「きゃっ・・・」
ばきっ どすっ
「やめ・・・て・・・」
「うるっさいんだよ!お前はぁ!」
- 471 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 20:03
- 彼は親に勘当されていたらしい
私に暴力を振るいながら彼は叫んでいた
「大学なんて行きたくない」とか、
「俺は働きたいんだ」とか、
「なんで俺の言うことを聞いてくれないんだ」とか
だから私は我慢した
彼が怒りの捌け口を私に向けていても気にしなかった
私にも悲しく、理不尽な別れにいつも苛立っていたから
どうにか彼を支えたかった
だけど、彼は変わってしまった
彼は癇癪癖が身についてしまったらしい
- 472 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 20:08
- 気が付いたころにはもう遅かった
彼はもう勘当された悲しみから私に暴力を振っていなかった
自分のストレスの発散に私を使っていただけだった
後悔した私だったけどもう逃げられなかった
ママとパパは3年生のはじめに仕事で海外へ行ってしまった
私は彼と一緒にいたくて
彼の住むアパートの隣に住んでいた
だからら私はもう帰る場所がなかった
あんなに好きだったのに・・・なんでこうなるの?
- 473 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/22(水) 20:13
- そしてその日は来た
「うるっせえぇんだよぉ!!お前はぁっ!!」
その日の彼はいつもにましてヒステリックになっていた
「痛っ!痛っ! やめてよぉ!!」
私は痛みのあまり、涙を流しながら懇願した
だけど彼は
「やめろって言われて止めるバカがどこにいるってんだぁ!?」
と言って暴力を止めなかった
「やめて」
徐々に痛みを感じなくなってきた
そして私の中で何かが私の外へ溢れ出そうとしていた
「もう・・・やめっ」
私の中の「何かが」溢れ出した
- 474 名前:タケ 投稿日:2004/09/22(水) 20:14
- ひとまず更新終了です
次回も続けます
- 475 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 14:38
- 「消えて・・・」
周りが急に輝き、ものすごい音が聞こえた
目を開けると私を殴っていた彼は壁にもたれるように倒れていた
私は状況が理解できなかった
今・・・何が起きたの・・・私は・・・何をしたの?
- 476 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 14:44
- 彼は死んでなかった
けどもうここにはいられない
そう悟った私は自分の部屋に戻って財布だけを持って逃げるように走り出した
梅雨が近づく5月下旬の出来事だった
気が付いたら私は街中を歩いていた
- 477 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 14:47
- どれくらいの時間が過ぎたのか
どれくらい走ったのか
もうよくわからなかくなっていた
どんっ
「あ、ごめんなさ・・・」
私はぶつかった人の顔を見て青ざめ、吐き気を覚えた
「あれ〜?梨華ちゃんじゃん?久しぶりだね♪」
その人は私の体だけを愛していた・・・2人目の男だった
- 478 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 14:51
- 「なんだよぉ〜逃げんなよ!!」
私は一目散に逃げだした
男も私を追いかけた
狭い道を見つけてそこへ曲がった
「はぁ・・・はぁ・・・!・・・そんなぁ」
でもその道は行き止まりだった
後ろからは男が迫っている
いやだ・・・
「もう追いかけっこは終わりだよ!」
こんなやつに・・・
「捕まえた・・・」
「やぁぁぁぁぁ!!」
- 479 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 14:55
- どさっ
はっと我に返るとその男も倒れていた
やっぱり・・・私が何かしてるの?
とにかくここから逃げようと思ったそのときだった
「ねぇ」
倒れている男の前に、誰かが立っていた
- 480 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 15:02
- 「誰・・・ですか?」
私は警戒した
「大丈夫!私はあんたの味方だよ・・・多分ね?」
「はぁ・・・」
そうは言ったものの私は信用できず、警戒したままだった
「ねぇ、私と一緒に来ない?」
「は?」
風俗か何かの勧誘だろうか?と私はまず思った
でもどうやら違うみたいだった
「私にその『力』・・・貸して欲しいんだ」
「!?」
「意味わからない・・・って顔してるわね」
それはそうだ・・・
『力』というのが何かも分からないのに貸して欲しいって言われても・・・
でも・・・何かを変えてみたかった
そしてこの人なら何かを変えてくれそうに思えた
「まぁいいよ、あんたの好きに・・・」
「わかりました 私、あなたに手を貸します!」
- 481 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 15:08
- 「それって・・・」
「うん あの人だよ・・・あ、これで私の昔話はおしまいだよ♪」
れいなちゃんは黙っていた
「ありがとうね」
私は口を開いた
「何がですか?」
れいなちゃんの顔は無表情だったけれど声は少し驚きが混じっていた
「私の昔話、聞いてくれて・・・実は誰にも話したことなかったんだ
あの人にも・・・ひとみちゃんにも」
「え・・・? じゃあ、なんで私なんかに?」
私は少し考えたけど答えはひとつしかなかった
「わかんない、ただね、れいなちゃんがどこか私に似てたから・・・かなぁ♪」
「・・・はぁ」
- 482 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 15:13
- 「だからさ、れいなちゃん」
「?」
「これからも一緒に頑張ろうね?」
私はできる限りの笑顔で言った
「あ・・・は、はい・・・
あ、後・・・私の昔話を聞いてくれてありがとうございました」
れいなちゃんは頭を下げた
「そんな!頭なんか下げなくたっていいのに」
私はれいなちゃんに対して少し申し訳なさを感じた
「石川さん・・・」
れいなちゃんは急に頭を上げてこっちを見つめた
「な、何?」
私は不意をつかれた
「石川さんは・・・私が守りますから!」
「え・・・れいなちゃ・・・」
「じゃっじゃあ、私はもう部屋に戻りますから!」
- 483 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/09/24(金) 15:17
- 「あ、れいなちゃん!」
がちゃっ
れいなちゃんはそのまま去っていった
「・・・れいなちゃん」
石川さんは・・・私が守りますから
「ありがとう・・・れいなちゃん」
私の心はすっきりと晴れ渡っているような気がした
うんん、きっと気のせいじゃないね
れいなちゃんがいてくれたから
ありがとうね、れいなちゃん
れいなちゃんは私の事守ってくれるって言ってくれたよね
だからね、私はれいなちゃんを守るから
だからこれからもよろしくね・・・れいなちゃん
- 484 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:02
- 「ウサギさんが言ってたんだって!手旗信号で!『矢口が浮気してるって』!」
「いや、ウサギってどこだよ、っていうか手旗信号かよ!カオリわかるのかよ!」
矢口はいつも通り意味の分からないことを言うカオリに一通り突っ込みを入れた
あーあ、
せっかく高橋にカオリのプレゼントのこと聞こうと思ったのに
まさか前に買ったプレゼントをあげないまま忘れていたとは・・・
まぁ、あの時はカオリとキスとかしちゃったもんだから覚えてないのも無理ないか
そのときの光景を思い出し勝手に顔を赤らめる矢口であった
- 485 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:07
- その後矢口とカオリと高橋は一緒にお菓子を食べたながらお茶を飲んだり
雑談に花を咲かせたりと余った時間を有意義に使った
そしてあっという間に夜が近づいてきた
「カオリ、そろそろ帰らないと」
「うーん、そうだねそろそろフクロウさんも」
「それ以上は言わなくていいから!どーせ意味わかんないだろうし」
「くすっ」
高橋が扉を開けて矢口とカオリは外に出た
「じゃあ矢口さん、飯田さん、またいつか遊びに来てくださいね」
「おう!ありがとな」
「また来るからね!」
「じゃあ、さようなら」
- 486 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:11
- 高橋に見送られ矢口とカオリは裕子の研究所に向かって歩き出した
「あー、楽しかった!な!カオリ」
「うん、そうだね、結構ゆっくりできたしね」
まぁ最近2人でのろけてるけどね
「それに矢口だっていつも以上に楽しそうだったし」
不機嫌そうにカオリが言った
どうやらまだ気にしていたらしい
「もー、だから浮気なんかしてないってばぁ!」
「わかってるけどさぁ・・・」
(絶対愛ちゃん矢口のことが好きなのに)
- 487 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:14
- 「え?何?」
一瞬カオリがぼそっと何か言った気がしたけどよく聞こえなかった
「うんん、なんでもない、さっ帰ろう?」
「??? 変なカオリだなぁ」
それから矢口とカオリは手をつなぎながら帰った
「うー暗いとやっぱ見にくいなぁ・・・」
いつもならまず間違えないのに今日は暗さのせいで少し迷った
「あ、でもあっち光ってるから中澤さんの研究所じゃない?」
- 488 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:17
- 「「ただいまー!」」
「お、お帰りぃ、ちっと遅かったな?迷った?」
「まー、ちょっとね」
「そーかそーか
そや、これから夕飯なんや、食べな」
矢口ははっとした
「あ、裕子、矢口ちょっとカオリに用があるから、もうちょっと後で」
「え?」
「? まーえぇわ、すぐ来ぃや?」
「はーい!」
- 489 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:22
- ガチャッ
「・・・で?矢口、どうしたの?」
「ちょ〜っと待ってて」
矢口は急いで自分のかばんを開けて目的の物を探した
えっと、確かここらへんに・・・
「あ、あった!」
「え?何が」
カオリが「よくわからない」と言う顔でこっちを見ていた
「ほい!カオリ」
- 490 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:28
- 「!?・・・これって・・・」
「えへへ、前に家出したときに高橋に買ってもらったんだ・・・
カオリへのプレゼント用に」
カオリは呆然と矢口の手に乗るペンダントを見つめていた
「お誕生日おめでとう! あ・・・一日早いけど・・・さ」
「・・・あ、ありがとう!」
カオリは今にも泣き出しそうな顔をしながらペンダントを受け取った
買ったときは親友のためにって思ってたのに・・・
まさか恋人の誕生日プレゼント用になるなんて思わなかったなぁ
- 491 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:32
-
(そうだよなぁ、買った後で気づいたんだもんなぁ、自分の気持ちにさ)
ふと心の中から声がした
声の主はもちろん・・・
(や、『矢口』?)
(ちょっといいかなぁ?)
(何が?)
(わかってるだろ?『表』に出してくれってことだよ)
そんなこと言ったって・・・どうせ『矢口』が勝手に『表』にでるくせに
- 492 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:37
- (あのぉ?聞こえてるんですけど?)
(うっごめん・・・っていうか矢口結構不利だね・・・
矢口の思ってること全部わかっちゃうんだから・・・)
(ばーか!この前『裏』行った時に感じなかったか?
『裏』の暗さをさぁ!)
そうだ・・・この前『矢口』に強制的に『裏』へ送られたとき・・・
ものすごい不安に駆られたんだ
もう二度と明るい光を見られないんじゃないのかと絶望した
- 493 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:41
- そうだ・・・『矢口』はそんなとこに何年もいたんだ・・・
(ごめん)
(まー今更って感じだけどな
っていうかさっきも言ったけどお前が言ったこと全部丸聞こえだから)
(うっ・・・)
(まぁいいや、とにかく『表』に出させてよ)
(・・・なんで?)
- 494 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:44
- (だってよぉ・・・)
『矢口』の声はどこか照れてるように聞こえた
(うるさいやい!・・・その、カオリに一言「おめでとう」って言いたいんだ)
(『矢口』・・・わかった でもどうやるの?)
(いや、それはこっちが勝手にやるから)
(はい?)
結局『矢口』が勝手にできるのかよ
(まぁな、でもこの前は勝手にやったからさ、今度は許可ももらったし
じゃ、やるぜ?)
そしてまた矢口の目の前がぐるぐる回りあっという間に暗くなった
- 495 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:47
- 「カオリ・・・」
「?・・・『矢口』?」
「さっすが、勘がするどいねカオリは」
一瞬で「矢口」と『矢口』を区別できるなんて・・・ただもんじゃないね
「「矢口」は?」
「ちょっとね、まぁもうすぐ戻ってくるよ
その前に・・・」
「矢口」に聞こえるかな・・・まぁいいや・・・
「?」
「カオリ・・・誕生日・・・おめでとう」
- 496 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:50
-
え・・・?
矢口は自分の耳を疑った
今『矢口』・・・なんて言った?
今なんて・・・
(サンキュー、「矢口」、これでもういいよ『表』に・・・)
(! ま、待ってよ!)
(・・・)
(さっき言ったのは・・・本当なのか?)
矢口は憂鬱に『矢口』に聞いた
- 497 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:54
- (ちっ、やっぱ聞こえるよな・・・)
やっぱり・・・本当なんだ・・・
(なんで・・・なんでだよぉ・・・)
(当然だろ?2人で1人なんだから・・・いつかはそうなるさ)
(でも今更・・・今頃『統合』だなんて・・・『矢口』が消えちゃうなんて!!)
オイラは涙声で『矢口』に向かって叫んだ
- 498 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 15:58
- (大丈夫だ・・・こっちが消えてもちゃんと『力』は使えるよ)
(ばか!!そんなこと聞いてるんじゃないんだってば!!
『矢口』が消えること自体嫌なんだよぉ・・・)
(・・・ばかやろ、私のために泣くなよ
私はなっちを殺した・・・やっと開放されるんだ)
(『矢口』・・・)
(それにさ、もうこれから二度とお前と喋れないけどさ、
一応私はお前の心の一部なんだ・・・いつでもお前の心にいるよ
それでいいだろ?)
- 499 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 16:01
- (・・・)
(悪い・・・今日は・・・もう・・・)
(『やぐ』)
『矢口』と言いかけたところで突如目の前が明るくなり、
目の前にカオリが座っていた
「矢口・・・泣いてる?」
どうやら矢口の表情は矢口の感情に左右されるらしい
今『表』に戻ってきたばっかなのに頬が濡れてる
「どうしたの?」
矢口はカオリにすべてのことを話した
- 500 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/10/13(水) 16:06
- 「・・・そう・・・もうお別れなんだ」
「うん・・・でも、『矢口』はいつでも矢口の心にいるって言ってた」
涙を流しながら矢口は笑顔でカオリを見た
カオリは哀愁を秘めた顔をしていた
「・・・」
「・・・でも・・・でもさ・・・やっぱり寂しいんだよ・・・
最初はやな奴だったけど・・・でも今は大好きなんだ!」
「カオリも・・・前は少し憎んでた・・・でも、今は違った・・・
矢口とは別の意味で・・・大好きだった・・・」
その夜、矢口とカオリは一緒に一晩中泣き明かした
2人の悲痛な泣き声は『矢口』に届いたのだろうか?
- 501 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:07
- 8月10日
「よし、行こっか!」
平家さんが私達に叫んだ
バタン ブロロロロッ
ワゴン車は壊れかけた建物から出発した
「ついにこの日が来ましたね」
助手席に座った私は平家に話しかける
「・・・せやね」
平家はすこしためらうように言った
「大変ですね・・・両方の立場見てると・・・」
私は皮肉っぽく平家に向かって言ってみた
「せやね」
平家はすこし顔をしかめた
私はすかっとした気分になった
- 502 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:12
- 「ついにやるんだねぇ・・・」
不安に思う私がそう呟くと、
「そうですね・・・でも石川さんの場合の『力』は防御系ですから
攻撃がきても問題ないでしょう?」
とれいなちゃんはそう言ってくれた
いつもより口調が優しい気がしたのは私の緊張を解こうとしてくれているからなのかな?
「ありがと、れいなちゃん♪」
「?」
私の感謝にれいなちゃんは不思議そうに私を見る
「がんばろうね」
「・・・はい」
あと2時間もすれば目的の場所に着く
私はその時間が永遠に来なければいいのにと思ってた
でも時間ってのはやっぱり進むから、出来るだけ遅く進んで欲しかったな
- 503 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:18
- 「ありがとう」
と言われてドキッとしたけど何に対して「ありがとう」なのかわからなかった
「がんばろうね」
そう言った石川さんの顔を見るといつもの笑顔はなく、
真剣な顔をしていた
「はい」
私は軽く相槌を打った
あと2時間もすれば戦闘か・・・
対象に手ごたえあれば楽しいけど・・・きっとそうでもないだろうな
こっちは3人だ(もっとも石川さんは防御専門だけど)
さぁ、早く着いて・・・あの場所に・・・
- 504 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:21
- 「今日・・・か・・・」
矢口が隣でぼそっと呟いた
「そうだね」
私は矢口の呟きに反応する
「あいつの誕生日・・・それに・・・きっと今日あいつらとやると思う」
矢口はほとんど独り言のように言う
「・・・」私は何も言わない むしろ何もいいたくなかった
「矢口」
「何?」
私は深呼吸した
「今まで言わないでおこうって思ってたけど、やっぱり言いたい・・・
出来るだけ・・・死なないで・・・お願い」
- 505 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:27
- 「・・・」矢口は何も言えない
矢口は生きてカオリの前に戻る気は持てなかった
あの3人と本気で戦ったとして勝てる見込みはあんまないだろうし・・・
だから、どうせなあら相打ちって思ってた
カオリにも矢口の気持ちはわかってた
でもカオリがそう言いたくなるのはわかるよ
私だってカオリと一緒に居たい
でもこの前3人とやってちょっと無理かもって悟っちゃったから・・・
でも、その3人と自分以外は誰も傷つけさせないから・・・絶対
私はまもなく来る戦いに向けてあらためて決意を固めた
- 506 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:32
- ―室蘭
「結局さ、どこにいるのかな?」
「さぁね・・・ってか今日何日?」
「8月・・・10日」
あちゃーもうだめかもね
「タイムリミット過ぎちゃったな・・・多分」
矢口も誕生日にこっちに戻ってきたってきいたから・・・
きっと彼女ももうこっちに戻ってるだろうな
「しょーがないよ、どっちみちどこにいるのかわかんないんだし
大して変わんないよ」
後藤・・・そりゃぁだめだろーよ?
まぁ確かにどこにいるかはわかんないけどさ
「でも、これがうちらの仕事だからねーしっかりやっておかなくちゃな」
後藤もいつか社会にでるんだしちゃんと学んどけよ!とつけたす私
- 507 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:38
- 「はいはい、わかってまーす」
いちーちゃんの言いたいことはわかるけどごとーは軽く受け流す
そういう社会とかって話は嫌いだから
それに別に社会にでなくたっていちーちゃんと一緒にいられればそれでいいし
ごとーは市井ちゃんをじっと見つめる
「ん?何?私の顔になんかついてる?」
すこし見とれてるといちーちゃんがごとーの視線に気づいた
「んあ!な、何もついてないよ」
「じゃあ何で見てたんだ?」
「別にぃ」
いちーちゃんに見とれてたなんて言えないよね
「む?まぁいっか、それじゃあ、これからどうする?
・・・ってかどやって探す?」
「てきとーにやっちゃえばぁ?」
ごとーがそう言うといちーちゃんは顔を思いっきりしかめた
「後藤!!お前さっき私が言ったこと、ぜんっぜん聞いてなかったな!!」
それは正解だけど、そんなに怒らなくてもいいのになぁ
とか思ったけどやっぱりちゃんと聞いてないのでそこは反省しとこっと
「ごめんね?いちーちゃん?」
- 508 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:49
- 「今日・・・か?」
「うん!」
矢口の顔に冗談半分ってのは見当たらない
「ちぃ〜!もうちょっと寝かしてくれたらええのに・・・って冗談やて
そんな怒んなやぁ!」
矢口が思いっきりこっちを睨むので思わず謝ってしまった
「まぁ、どっかで矢口の手伝いとかしてみるから・・・」
「あ、それだめ」
ウチが言葉言い切る前に矢口はいきなり否定した
「なんでや?」
「誰も傷つけさせたくない」
「・・・」
「裕ちゃんも・・・研究所のみんなも・・・カオリも・・・誰も傷つけさせない
だから!」
矢口は優しいなぁ・・・こんなときにも自分以外の人間の心配かい・・・
「・・・でもそうは言ってもなぁ」
「お願い!みんなで逃げて・・・」
矢口は目に涙をためて懇願するようにこっちを見た
こりゃあ、押してもあかんかな?
「わかった・・・どっかに隠れておくわ・・・」
「あ、ありがとう!裕ちゃん」
「何言うとんのや!助けてくれるんは自分やろ?こっちが感謝したいわ!」
「へへへっ」
笑い事やないのに・・・健気やなぁ・・・この子は
「じゃあ、矢口、約束してや・・・生きて帰ってくるって」
「ごめん・・・それは約束できないよ」
さっきまで笑顔だった少女の顔からは哀愁の表情しかなかった
- 509 名前:黄泉がえり2 投稿日:2004/12/28(火) 18:53
- 「今日、明日で終りか・・・」
長かった・・・やっと終わる・・・
裕ちゃん・・・
でも・・・
「これは始まりに過ぎないか・・・ま、ここが一番大事なんだけど・・・」
裕ちゃん・・・
私は裕ちゃんがあの時裕ちゃんが間違ってたって証明するの、夢だった
でも、もう夢じゃないとこまで来たよ?
もうすぐ証明されるよ?
私のほうが正しかったって・・・さ
- 510 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 16:36
- キキッ
物騒な音を立てて車が止まる
後ろで梨華ちゃんが「きゃっ」と声を上げたのが聞こえた
ったく、もっと上手く止まれよな・・・
不快に思った私は軽く平家を睨んだけど平家は気づいてない
がちゃっ
「ここやね」
平家がまず先に降りた
がちゃっ
「知ってるよ!ね、梨華ちゃん?」
別に平家に言われなくたって止まればわかるっての
平家に見せ付けるためにあえて梨華ちゃんに同意を求める
がちゃっ
「う、うん」
梨華ちゃんの顔色はよくない 緊張してんのかな?
「大丈夫だよ、梨華ちゃん、すぐ終わるって!」
がちゃっ
「そうですよ、石川さんは見てるだけでいいですから」
私に合わせるように07が降りてくる
07の顔はいつもの通り無表情に言ったが
その目は獲物をみつけた獣のように不気味に輝いていた
あ〜やっぱ私、こいつ苦手だ・・・
- 511 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 16:43
- ザッザッザッ
車から降りて私は樹海のような森林へ歩む
(・・・あそこから『力』の気配を感じる)
「平家さん、吉澤さん、もう始めちゃっていいですか?」
「は?何言って・・・」
「先手必勝・・・でしょ?」
吉澤さんは難しそうな顔をしてこっちを見る
別に、難しい話でもないのに・・・
奇襲がハマれば一番効果のある攻撃だってのさ・・・
「あっちは多分気づいてませんし、気づいてたとしてもこんなとこから撃ってくるなんてわかんないでしょ?」
「せやね、じゃ、行ってきな」
さっすが!のりがいいな この人
「平家!馬鹿言うな!こんなとこから攻撃ってたって気配でしかわかんないんだぞ!
当たるわけが・・・」
一方吉澤さんは慎重・・・というか臆病に見えるんだけどな
「じゃあ、吉澤はここに残れや」
- 512 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 16:54
- 「あ?」平家の一言が一瞬理解できなかった
「せやから、吉澤はここ残ってろや言うたんや!
ほんで、07と石川がここから攻撃しながら突入、
で、吉澤はここや!」
そう言って平家は指を地面に指す
「・・・」
腹が立って思わず舌打ちを打ってしまう
「いいじゃないですか、それで行きましょう!」
「れいなちゃん・・・」
07が嬉しそうに言って、梨華ちゃんは不安そうに07を呼ぶ
「07!お前っ」
「よし、ほんなら決まりや!07!石川!行ってこいや!!」
平家は私を無視して勝手に決めやがった
- 513 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 16:57
- 大丈夫かな・・・
私は不安でしょうがなかった
どうせならひとみちゃんの代わりに私がここいたかったな・・・
「じゃ、行きましょうか、石川さん」
れいなちゃんは私に近づいて嬉しそうに言った
「う、うん」
「大丈夫!石川さんは私が守りますから」
れいなちゃんはぼそっと何か呟いた
「え?」
「ぁ、なんでもないですよ・・・さってと・・・」
れいなちゃんは2、3歩森に近づいた
- 514 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:06
- 8月10日
10時6分38秒
(そろそろストッパー解除しますか・・・ふふっ)
「あの方向だね・・・」
私は誰に言うわけでもなく呟いて右手を『力』の気配のする場所へ向けた
「行くよ・・・壮大にっ!!」
ドォンッ
勢いよく私の手から『力』が飛び出す
枝や木にいくつか当たってバキバキ音を立てて折れてった
(よぉ〜し、これを目印に進みますか)
え?こっちの場所がばれるって?その頃にはあの2人しかいないでしょ?
「じゃっ、行きますか!石川さん♪」
「うん・・・」
「じゃ、吉澤さん♪戦果、期待しててくださいね〜!!」
私は折れた木に向かって走り出した
- 515 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:12
- 『力』を感じる・・・1人、2人、3人・・・か
私は裕ちゃんの研究所の出入り口から一歩出る
裕ちゃんとカオリと他の研究員達はもう逃げた
「行くよ!『矢口』!これで終わりにしよう」
私は私自身に・・・そして『矢口』に向かって言った
ドォンッ
(来た!)
強い『力』の気配がこっちに向かってくるのを感じる
咄嗟に右で手を出し、『力』を放つ あっちから来る『力』に合わせて
ドォンッ
2つの『力』がぶつかりあう
- 516 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:17
- ドンッ
ドンッ
走り始めてすぐに2発『力』を撃つ
「はっ、はっ、はっ・・・」
意外と遠いなぁ・・・やっぱ樹海なだけあるね・・・
「きゃっ!れいなちゃーん!!」
はるか後方で石川さんがが私を呼ぶ
「大丈夫です!石川さんは石川さんのペースでOKですから!
私が仕留めときますよ!」
そう言って私はさらにスピードを上げる
「あれで終わってくれれば楽だけど・・・そんなわけないか」
ドンッ
あちらさんの攻撃が向かってきたんだからねぇ・・・
- 517 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:21
- 最初の一発からすこし間が空いて同じところへ2発、『力』来た
私は横に飛んでその両方を避けた
(っく!狙いが正確だ・・・)
私は『力』を一発放つ
同時に私も走り出した
できれば裕ちゃんの研究所、壊したくないから・・・
ザッザッザッ
すこし走ると女の子が物凄い速さでこっちに向かって走ってきた
(あの子か)
- 518 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:28
- けん制するために女の子の足元に軽く3発『力』を撃つ
ドン ドン ドン
その子は軽く跳んであっさりそれを避ける
そして跳んでる途中で右手を出してこっちに向けた
ドォン
目の前にその子の『力』が飛んできた
私は左へ一歩避けてそれをかわした
「いい動きしますね」
その子は地面に着地した途端に『力』を2発撃った
1発目は足元、2発目はお腹の辺りを飛んで来る
「そりゃぁ、どういたしまして!」
私は今度は一歩右に避けた
そしてその子の足元にまた1発『力』を放った
- 519 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:33
- (反応速度が速い・・・ま、あっちは経験者だからね、戦いの)
また足元に1発飛んで来た
「おっと!」私は一歩下がった
『力』が地面をえぐる
えぐられた地面から砂が飛ぶ
(ちょうどいい!こっから撃てば見えない・・・)
私は3発『力』を砂に向かって撃った
「くっ!」あっちの人の声がする
私は再び3発『力』を放つ
ドン ドン
(2発は相殺されたか)
バチィ
相殺された音とは違う音がして私は思わず頬が緩んだ
(当たった!)
- 520 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:39
- 舞い上がった砂から『力』が3つ飛んで来た
1発目は頬をかすめた
2発目は左腕に当たらず後方へ飛んでいった
3発目は重心をかけていた右足の前に
「くっ!」
右足に振動が伝わり少しバランスが崩れれる
だけど体制を直す前にまた3発
(まずい!!)
私は急いで右手を出して2発『力』を撃ち出す
(3発目・・・!)
バチィ
でも3発目は間に合わず左腕に当たった
- 521 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:47
- (痛っ!)
同時に左腕に激しい痛みが襲い、それが体中に伝わる
ザッ と地面を蹴る音がした
私ははっとしてさっきまでその子のいた方向を見ると、
その子はいつのまにかいなくなっていた
(しまっ・・・)
『力』気配はこっちに近づいてくる
私は左右を見渡し、誰もいないことを確認すると右手を後ろに向けた
「こっちか!?」
ドンッ
でも当たったようには感じない
「じゃあ・・・上!!」
「当ったり〜♪」
ドォンッ
- 522 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 17:54
- ドォンッ
「はっ、はっ、! 今の、音・・・」
音の下方向へ走るとれいなちゃんが見えた
「はっ、はっ、はっ、れいなちゃーん!」
「あ、石川さん♪ 目標、倒しまし」
ドンッ
「っ!?」
「れいなちゃん!?」
私はれいなちゃんへ向かった更に足を速めた
「れいなちゃん!」
「へへっすいません・・・ちょっと甘く見てました」
(私がれいなちゃんを呼ばなければ・・・)
「・・・ごめんなさい」
私は申し訳なくれいなちゃんに謝った
- 523 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 18:00
- 「大丈夫です、それより今はおしゃべりしてる暇、ないですよ?」
「!」
ドンッ
『力』がこっちへ来た
「きゃっ!」
思わず目を閉じる
バチィ
「あ・・・」
目の前に自分の『力』があることに気づいた
「そ、そうだった・・・」
「まったく!石川さんしっかりしてくださいよ!
自分の『力』、忘れちゃうなんて!」
そう言ってれいなちゃんは『力』を放つ
ドォン
- 524 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 18:05
- ドォン
「!」
(痛ててっ・・・さっき当たった左わき腹か)
左のわき腹を一瞬押さえ、もう一度『力』を撃った
でもあの人はさっきから避けるだけで反撃してこない
「もう弱りました?」
「・・・」
私が挑発しても何も言わない
「だったら、今から楽にしますよ!!」
ドォンッ
- 525 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/02/12(土) 18:13
- (やばっ!大きいのが来た!)
避けきれないことを悟った私は『力』を撃って相殺を狙った
すると目の前で大きく爆発が起きる
「うわっ!」爆風で少し後ろに飛ばされた
(くっ!早く体制を立て直さないと・・・また・・・)
ドンッ ドンッ ドンッ
「!!」
また3発の『力』が来た
「くっそー!!」
私は力を強めて『力』を出した
完全に防御用だ
ドォン
なんとか3発相殺して私は今度はさっき来た子(前にあった子・・・14って子?)
の方を狙って『力』を撃った
ドォンッ
バチッ
でもやっぱり弾かれる
そして同時に別の方向から『力』が飛んで来る
「!」
(く・・・あっちの子は攻撃が早いし隙がない・・・
それに14って子は攻撃が効かない・・・どうすれば・・・)
徐々に自分が追い詰められていることを悟る
「だけどまだ・・・まだ矢口は終われないんだぁぁぁ!!」
- 526 名前:ミッチー 投稿日:2005/02/25(金) 15:45
- 初めましてデス。。。
続きがすごく気になりますネ。
頑張って下さい。
- 527 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/03/06(日) 13:43
- 1から読まさせて頂きました。かなり気になる最後で次回更新待ってます。 (1の方も待ってます。)
- 528 名前:タケ 投稿日:2005/07/26(火) 17:34
- 気がついたら半年以上放置だった・・・
なんてこった・・・
>526 ミッチー 様
初めまして!
レスありがとうございます。そして待たせてごめんなさい!
>527 通りすがりの者 様
ありがとうございます。やっぱりごめんなさい!(涙
しかも1から読まれて・・・本当にすみませんでした。
・・・とりあえず私としては、この物語は完結させるつもりでいます。
ただ現状としては大学受験が近づき、受験勉強に追われる日々が
続いているのでまたしばらく更新はできないかもしれません。
できれば近いうちにまた更新したいと思っています。
- 529 名前:18 投稿日:2005/08/26(金) 18:21
- 昨日見つけて『黄泉がえり』から読ませていただきました。面白いです。(=^▽^=)作者さん頑張って下さい。更新待ってます。('-^*)/
- 530 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/09/06(火) 02:01
- ―室蘭
え、うそぉ・・・
「え?ここがあなたの家?」
・・・
「あ、はい」
微妙な間の後に彼女、紺野あさ美は答えた
「ていうか私、こんなとこに来ちゃっていい・・・の?」
・・・
・・・
・・・
「はい」
さっき以上の間の後にはっきりと答える彼女、紺野あさ美
その対応じゃ真意がどっちかわからなくてむしろ怖い
そもそもなぜ私がこんなこという理由は他にない
彼女の家がとても大きいからだ ちょっとしたお屋敷だ
- 531 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/09/06(火) 02:08
- 「お金持ちなんだねー」
と私が軽く呟くと 横に立ってた彼女は少し顔をしかめたことに気づいた
(あ、しまった)
と反射的に思ってすぐ謝った
「気、悪くした?ごめんね」
・・・
・・・
「大丈夫です」
その言葉と裏腹な微妙な間が私の良心を軽く痛めることに彼女、紺野あさ美は
気づいているんだろうか?
とにかく本人は大丈夫だといってるし、また掘り起こすこともないだろうと思い
私はそのまま「ありがとう」と言った
そして私は結局彼女に促されて家の中に入ることにした
- 532 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/09/06(火) 02:18
- 彼女の家は典型的な和風って感じの家で、
家の中に入るとまず広く長い木の廊下が目に入った
そして木のいい匂いがした
「お、おじゃましま〜す」
家が家だけにかしこまって声が小さくなる
「両親は今出かけてますけど?」
そして間髪いれずにつっこむ彼女、紺野あさ美
・・・さっきまでの間がないってことはやっぱりわざとなんだろうか?
そもそも彼女は私をここ(って言っても彼女の家だけど)に連れ込んで
何をしようというのだろうか?
「どうしました?上がってくださいよ」
「あ、うん」
彼女の不可解な言動に動揺しながら私はとりあえず彼女に従った
- 533 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/09/06(火) 02:24
- 私は彼女に連れられ今、居間にいる
はっ!親父ギャクになってしまった
「まぁ、座ってくださいよ」
「うん、ありがとう」
さっきから彼女に従いっぱなしの私
こんなことでいいのだろうかと疑問に思いつつ結局敷かれてあった座布団に座る
ことん
「!」
すると目の前のテーブルにお茶が置かれた
「お茶です」
見ればわかるよ紺野ちゃん
「でもありがとう」
「・・・『でも』?」
「な、なんでもない、こっちの話」
やっぱりあの間はわざとなんだろうか?
- 534 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/09/06(火) 02:28
- 「どうしてあんなところに立ってたんですか?」
「・・・え?」
お茶を飲んでる最中、突然彼女は聞いてきた
私は答えられない
なぜなら「自分でも分からない」からだ
・・・
「そうですか・・・」
何か考えている・・・のか違うのかお決まりの分かりにくい間の後に
そう呟く彼女、紺野あさ美
そもそも私の過剰反応なんだろうか?
- 535 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/09/06(火) 02:36
- その時私はふと2人のことを思い出した
―だからさぁ、私はこの背丈を保つために牛乳飲まないの!
―こらこら、うそ付かないの、牛乳嫌いなのわかってるからわざわざ
理由つけて私に渡さないの!
―そうだよ矢口! うそつきは泥棒の始まりだよ!
―カオリ、話がずれるからそれ以上何も言わないで
―えー、ひどーい!なっち・・・いつからそんな子に・・・うぅぅ
―私達の育て方が間違ったのかしらぁん
―矢口にカオリ、勝手に漫才しない!それに私の親は私より小さいの?
―え?カオリはでかいじゃん
―いや、矢口だから
こんなバカな会話を毎日してたからかな・・・
- 536 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/09/06(火) 02:41
- 楽しかったあの頃
でももうあの頃には戻れない
矢口は私を・・・
そして私は矢口を・・・
だから私は・・・
「あのぉ〜安倍・・・さん?」
「ぇ!?ごめん、何?」
はっとすると紺野ちゃんが私を呼んでいた
同時に私は反射的に聞き返す
・・・
「怖い顔してましたけど大丈夫ですか」
あなたのその間の方が怖いです・・・と言いたいとこだけど今回は
そうも思ってられなかった
実際今の私は殺気立ってたんだろう
だって私はもう一度矢口を殺すために黄泉がえったのだから
- 537 名前:タケ 投稿日:2005/09/06(火) 02:51
- 更に1ヵ月放置してごめんなさい
1の方も駄目になり後は2のみ・・・
2が完結したら書こうと思います
それにしてもやっと更新ができたんでほっとしてます
いや、ここでほっとしたらいかんのですけど(汗
それにしても安倍さんのキャラが変わってしまった気がしてならないです
Σ(●´ー`●;)
>>529 18 様
面白い!? あわわわわ(落ち着け) ありがとうございます
待たせてしまってごめんなさい
これからは頑張ります!・・・と思います(ぇ
- 538 名前:タケ 投稿日:2005/09/06(火) 12:07
- 訂正
>>529 18 様
↓
>529 18 様
でした
18 様 ごめんなさい
- 539 名前:18 投稿日:2005/09/06(火) 12:54
- やったー!更新されてる!ヽ(゜▽、゜)ノ
- 540 名前:ミッチー 投稿日:2005/09/07(水) 02:50
- うをー!更新されてる!!嬉しすぎるっっ!!!
1のほうは残念なことになってしまいましたが、2のほうを存分に楽しませてもらいます☆
- 541 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/01(土) 19:50
- 更新待ってます。
- 542 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/13(木) 12:40
- まだかな?
- 543 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:08
- 「何かあったんですか?」
少しの間の後彼女、紺野あさ美は唐突に、しかも核心をついた質問をしてきた
「別・・・に」
まさか親友と殺し合ったなんて言える訳がない
そう言って私は紺野ちゃんの顔を逸らし俯いた
するとガタンと音がして、俯いた顔を上げて見ると紺野ちゃんが目の前にいた
「すみません、安倍さんの気持ちも考えないで・・・私」
と言って頭を下げた
「そ、そんな、謝ることないって!」
私は彼女の突然の謝罪に驚き立ち上がった
- 544 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:15
- 「実はね昔、自分の親友と喧嘩して、そのまま離れ離れになっちゃって・・・
そのこと思い出してたの」
私は思い切って事実の一部を彼女に話してみた
「そう・・・だったんですか」
無表情の彼女の顔が曇りがかったような気がした
「初対面同士ですのでこんなこと言うのもなんですけど・・・」
「え・・・」
とは言っても「こんなこと」を先に言ったのは私だから今更なんだよね
「実は私も似たような経験してるんですよね」
自嘲気味に彼女、紺野あさ美は呟いた
- 545 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:20
- 「え?」
彼女の突然の告白は私の心に深く突き刺さった
(自分と似た経験と言われたから?)
「私にも仲の良い親友がいまして、少しの間だったんですけれども
とても有意義な時間を過ごせたんです」
「・・・」
私は彼女の告白をじっと聞いていた
「でも彼女、いじめられてて・・・
私は何度かそれを止めようとしたんですけど父の仕事の関係でどうしても
こっちに戻ってこなくてはならなくなってしまったんです」
(いじめ・・・)
かつての自分を思い出す
あの時助けてくれたのは矢口とカオリ・・・かつての、親友
- 546 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:28
- 私ははっとして再び彼女の告白に耳を傾けた
「私の転校はすぐでした。彼女と最後に話す暇もなく・・・
私は今更ながら後悔しました。彼女にとって私の行為は裏切り同然でしょうから・・・」
「その・・・連絡は?」
私は気になってつい聞いてしまった
まるで本当に自分のようだったから・・・
「怖くてしてないんです・・・なんて罵声を浴びるか・・・
まったく、自分でも笑っちゃいますよ
自分が裏切ったくせに嫌われるのが怖いなんて・・・」
そう言って自嘲気味な笑みを浮かべる彼女
「そんなことないんじゃないかな」
私は無意識に、でもはっきりと彼女の言葉を否定した
- 547 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:39
- 「え・・・しかし」
「仕方ない・・・て言ったらその子に悪いけど、
でも紺野ちゃんには悪気はなかったんでしょ?」
-違う
「はい」
彼女ははっきりと答えた
「なら、今からでも遅くはないと思うよ?
だって、もしこのまま怖くて連絡しなかったら紺野ちゃん、
その方が悪気ありだよ?」
-これは紺野ちゃんに言ってない
「え?」
私は彼女が初めて動揺したように見えた
「確かに好きな人に嫌われて、本気で怒られるのは怖いよ。私だって怖いもの。
でも、それだけ想ってくれてるってことでしょ?
ちょっと自分勝手な考え方だけど」
-自分自身に言い聞かせているんだ
「!!」
「だから、怒ってくれるならありがたいと思って謝れば良いじゃない」
-ただの自己正当化だ
なんて自分は愚かなんだろう
- 548 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:46
- 「なんであなたが泣くのですか?」
「何でも・・・ないっ」
-それは私が醜いから
「ホントに泣きたいのは私です。
同じ境遇とはいえ、うっかり自分の過去を話してしまった上に
諭されたなんて・・・恥ずかしいです。」
「わるかっ・・・たね・・・っ」
-恥ずかしいのは私の方
あれはただの言い訳 逃げ道 都合よく解釈してるだけ
「でも、今までの自分と決別できそうです・・・ありがとうございました」
「っ・・・別に・・・っく・・・そんなつもりじゃぁ・・・ぅ」
-違う・・・あれは・・・私の・・・
- 549 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:52
- 「すみませんでした。お互い初対面なのに」
「お互い様だと思うよ」
あれから何時間かが過ぎて、お互いに(ていうか私が)落ち着いて
最初のような雰囲気で話すことができた
「でもやはり不覚でした。自分の事を話すつもりはなかったので・・・
おかげで安倍さんにもごめいわくを・・・」
「いいのいいの!それにあれは私の自己正当化の言葉。
友達を裏切った・・・醜い私の言葉なんだから・・・」
あぁ、私はばかだ・・・せっかく戻した空気をまた悪くさせて・・・
「じゃああなたには悪気はあったんですか?」
「・・・え?」
彼女は少し微笑んでいるように見えた
- 550 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 16:57
- 「さっきあなた言ってたでしょう?このままにしておく方が
悪気があるって・・・」
「うん」
そう、だから私は・・・
「そして怒ってくれるのをありがたいと思えといったじゃないですか」
「うん」
私は醜い・・・
「こんな素晴らしい解決方法があるのにあなたは自分の中に閉まって
今まで何もしなかったんですか?」
「へ?」
すばら・・・しい?
-どこが?
- 551 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 17:03
- 「私はそんなことにも気付かずにいました
でもあなたは一瞬でその解決方法を述べてくれた。
私はあなたの言うとおり彼女に怒られようと思います。
でも、あなたはそうしようとは思わないんですか?」
「でも・・・」
私の場合はもう・・・
「あなたは恐れているだけです。私と同じように・・・」
「違う!もう遅いの!もう駄目なの!! もう・・・壊れちゃったの!」
こんなに私の心は弱かったっけ?
初対面の紺野ちゃんに八つ当たりしないといけないくらい
私の心は弱かったの?
- 552 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 17:12
- 「今からでも遅くはない!!」
私が怒鳴ったあと紺野ちゃんも私を怒鳴った
私は驚いて目をかっと開いて彼女を見た
「そう言ったのはあなたでしょ?
あなたは今 もう壊れた と言いましたよね。
ならさっきあなたが言った方法でまた作り直せば良いじゃないですか!
どんなに時間がかかっても、どんなに苦労しても、どんなに辛くても
誤解をといて、言い分を言い合って、分かり合う・・・
それだけの時間は私にも、あなたにもまだ十分に残ってるはずです。
だから・・・今からでも遅くはないと思います。」
- 553 名前:黄泉がえり2 投稿日:2005/10/21(金) 17:22
- あぁ、そうか・・・私はこの言葉が欲しかったんだ。
自分じゃどうしてもそう思い切れなかったから・・・
ずっと矢口を殺さなくちゃならないって、自分は矢口達と仲直りする資格はないと思っていたから・・・
ホントは誰かに言ってもらいたかったんだ・・・「まだやり直せる」って・・・
その言葉を・・・紺野ちゃんはくれたんだ
「紺野ちゃん・・・ありがとう」
「いえ、私は何もしていませんよ・・・全部あなたの言葉です」
「でも教えてくれたのは紺野ちゃんだから」
・・・
・・・
「意味が分かりません」
「・・・」
せっかく良いこと言ったつもりだったのに微妙な間の上に
「意味が分からない」と言ってきた彼女、紺野あさ美・・・
でもホントに感謝してるよ?
これでもう私は矢口を殺さなくていいんだから・・・
「あ、安倍さん!」
「殺さなくてはならない」と思ったからかな?私は急に気が抜けたように
その場に倒れ意識を失った
- 554 名前:タケ 投稿日:2005/10/21(金) 17:36
- 予定通り(ぇ
1ヵ月以上後の更新終了です
前回に比べてストーリーが重くなった上にセリフが・・・
待ってもらった人達もいるのにホント申し訳ないです。
>539 18 様
更にもう1ヵ月またせてすみませんでした。
また読んでもらえると幸いです。
>540 ミッチー 様
嬉しすぎるなんてそんな (〜^◇^〜;)<照れるなよ!
1は残念です・・・結局未完のままでしたので・・・
そのぶんこっちで頑張りたいのですが(汗
>541 >542 名無飼育さん 様
待ってもらってすみませんでした!
また更新が遅くなりそうですが更新できる時は頑張りたいです。
- 555 名前:ミッチー 投稿日:2005/10/22(土) 02:11
- 更新お疲れ様デス。。。
安倍さんと紺野さんのやりとりが、何か好きです。
シリアスの中に少し笑いが入っててイイ感じでした。
次回もマターリ待ってます。
- 556 名前:tsmiia 投稿日:2005/10/22(土) 09:33
- 安倍さん、紺ちゃん・・・・。って感じです。これから、どうなるのかなって、
気になってます。この作品大好きです!次の更新も、ドキドキしながら、待っています。
- 557 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 05:35
- 突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
- 558 名前:黄泉がえり2 投稿日:2006/01/06(金) 04:30
- 私は初めて自分の過去を誰かに打ち明けました。
私の一番大好きな人にも話せなかった自分の過去です。
いっそのこと記憶喪失になって失くしたいほどの、
それほど嫌な過去でした。
それでも私はあの子に話しました。
それは私と似た境遇だったから?
そうかもしれない・・・
あの子になら自分の過去を話せると、
心のどこかで確信していたのかもしれない
でも本当にそれだけ?
それはきっと違う・・・
あの子は私の暗闇を破ってくれた。
私の一番大好きな人は私を暗闇から抜けだしてくれた。
でも暗闇は私の後ろから追いついてきた。
そして・・・
あの子は私の暗闇を破ってくれた。
だから、私は・・・
- 559 名前:黄泉がえり2 投稿日:2006/01/06(金) 04:34
- (さて、さっさと気絶させてあの人のとこへ連れて帰るとしますかぁ!)
こっちは2人・・・しかもあっちは多少負傷のか動きが鈍い・・・
今ならきっと簡単に倒せるはず・・・
私は正面から『力』を一発打ってから素早く彼女の後ろに回りこんだ。
やはり彼女はまだ反応していない・・・
(やっぱり鈍ってるね、もらった!!)
彼女の背中に向けて
ドンッ
私は1発、『力』放った
「だけどまだ・・・矢口は終われないんだぁぁぁ!!」
「!?」
(殺気!?)
私が寒気を覚えた理由はそれだけではなかった
彼女は紙一重で私の『力』を避けたんだ
『力』を見ることもなく・・・
(まさかこの人・・・私の『力』の空気の揺れでかわした!?)
予想してなかった彼女の反射に私は一瞬同様してしまった
その一瞬を彼女は見逃さなかった
ドォン
私目掛けて彼女の『力』が飛んできた
- 560 名前:黄泉がえり2 投稿日:2006/01/06(金) 04:38
- (この距離、この速度、この威力じゃ相殺は無理・・・か。
まぁ元々私のは防御は弱いしね・・・なら避けるまで!)
私は左右どっちかに跳ぼうとした
その途端、
「!?」
私の体に異変が起きた
左わき腹が悲鳴を上げ、私の動きを封じ込めたのだ
もう避けられない、相殺ももう無理
(さっき油断してくらったヤツか・・・こんなことで・・・)
あれだけの威力の『力』を食らえばもう起き上がれないだろう
私は目を瞑った
その瞬間「何かが」私の前に立ち塞がったような気配を感じた
だから、私は・・・あなたを守りたい・・・
空耳なのか・・・そんな声が聞こえた気がした
- 561 名前:黄泉がえり2 投稿日:2006/01/06(金) 04:42
- 「っ!?」
突然悪寒が体中を走った
ついでに吐き気も・・・
そして私の意志に反して体は地面に崩れ落ち・・・
「大丈夫か!?吉澤!!」
その手前で私の体は平家に支えられた
ホントは私を支えるこいつの腕を払いのけたいところだけど
体に力が入らない。仕方ないので力が入るまで我慢する
「ど、どないしたん?急に」
知るか
そんな事分かれば苦労しないっての
ただ何か、大切な何かが目の前からすり抜けていくような気がしただけ・・・
大切な何か?
それって・・・まさか・・・!?
再び悪寒が走る
そんなハズはない
そう頭の中で繰り返した
2人の『力』と能力を考えればどっちもやられるわけがない
そう頭の中で繰り返した
それでもこのはっきりとした不安を掻き消すことはできなかった
- 562 名前:黄泉がえり2 投稿日:2006/01/06(金) 04:47
- 私は力の入らない体を無理やり平家から離れさせ
なんとか山を登ろうとした
「な、なんや吉澤!ホンマどないしたん!?」
平家がまた近づいてきたが無視する
もうそんな余裕はない
この気だるさの理由は・・・ありえないはずだけど・・・
「あの2人の・・・どっちかが・・・やられたかも・・・しれないん・・・だ!」
「な・・・」
平家が私の言葉を理解するのに数秒を要したようだ
私だってあの2人のどっちかが負けるなんて信じられないんだ
だから・・・
「だからこそ・・・その確認と・・・矢口さんの・・・ほ、捕獲を・・・
ぐっ!」
「ちょぉ待てぇ!そんな体でどないしよっていうんや!」
平家はまた私の体を支えようとしてきた
「っるさいんだよ!こんなところでぐずぐずしてる場合じゃないんだよ!」
「わっ!」
私は平家を突き飛ばした
そして自分の体に無理矢理力を入れ2人がいるであろう場所まで運ばせた
鉛のように重い体は動くごとにその重さを増してくる
でも私はそんなの気のせいだと自分に言い聞かせる
その数秒後、正面からものすごい空気の揺れを感じた
そして私は確信してしまった
2人のどっちかがやられたことを
そしてやられたのがどっちなのかも
そして、それは・・・
- 563 名前:タケ 投稿日:2006/01/06(金) 04:56
- 明けましておめでとうございます(遅
そして更新終了です。
新年早々重い話を持ち出してしまいましたよ。
しかもしばらくこんな感じですよ(ぇ
>>555 ミッチー 様
安倍さんと紺野さんの絡みは楽しんで書いてますw
この話の後に2人をまた出すと思います。
>>556 tsmiia 様
駄作なのに・・・大好きと言われて嬉しい限りです!
- 564 名前:ミッチー 投稿日:2006/01/06(金) 21:18
- 更新お疲れ様デス。。。
ど、どっちなんだぁ!?気になります・・・。
マターリ待ってます☆
- 565 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/03(水) 21:00
- 最初から読ませていただきました!
すっげぇぇ気になります!!
でも、気長に待ってるんで。がんばってください!
- 566 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/25(木) 15:39
- まってます!
- 567 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/06/21(水) 02:52
- まってまぁす
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