よしかご小説
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/11(土) 16:40
- よしかご小説を
かいてください。
お願いします!!
- 2 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 21:01
- こんなにハマルとは思わなかった―
まだあどけなさの残るこの子に―
止まることは出来ない恋に―
- 3 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 21:26
- ―10月―
「ひとみ〜!おりてらっしゃ〜い!」
急に母さんに呼ばれ私は部屋を出た。
階段を下りて客間に行くと、母さんともう一人女の人がいた。
「お邪魔してます。」
その人は丁寧に挨拶をしてきたので私も返した。
「は・・はあどうも・・」
すると母さんが口を開いた。
「ひとみ、この人は母さんの友達の加護さん。久しぶりに町で偶然会って少し話し込んでたの。」
「ほ〜。」
「でね。ひとみに少し話があるんだけど・・・」
「何?」
すると加護さんは口を開いた。
「私の娘の家庭教師をやって欲しいの。」
「・・・はあ?」
私はことの成り行きに頭がついていけなかった。
「あなた頭いいじゃない。受験勉強もそんなに力入れなくても大丈夫でしょ?」
・・・確かに私は頭は悪いほうではない。学校でも常にトップクラスにいるし・・
それにしても母さん。娘の受験に力入れんなって・・・
「ってことで決まり!来週から週二回家庭教師〜!」
・・・って勝手に決めんな!・・・
「お願いできないかしら?ひとみちゃん。あっ、バイト代なら払うから!」
ちなみに私はバイトはしていない。そんなに欲しいものもないし
疲れるからと思っていたからだ。
でも何か「バイト代」という言葉に引き寄せられていく自分がいることに気づいた。
「娘は少しやんちゃだけど・・・ひとみちゃんも気に入ると思うから。」
「う〜ん・・・」
悩んでいると母さんが急に言った。
「バイト引き受けないなら、晩御飯抜き。」
・・・こうして私の家庭教師が始まった・・・
- 4 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 22:03
- ―火曜日―
バイトは火曜日と金曜日に2時間づつすることになった。
科目は数学と英語。
私が今日から教える加護亜依ちゃんは話によると成績も中の中くらいだという。
でも自分が希望している高校。まあ私と同じ高校なんだけど、そこに行くには少し
心配らしい。確かにうちの高校は進学校で結構受験のレベルも難しいほうだ。
家から20分ほどで加護さんの家に着いた。
緊張しながらインターフォンを押す。
するとお母さんが出てきた。
「あっひとみちゃん。今日からどうぞよろしくお願いします。
「あっいえ・・」
「亜依は今部屋にいるからちょっと呼ぶわね。」
するとお母さんはとてとてと歩いていってしまった。
数十秒後。女の子が下りてきた。
「こんばんわうちが亜依です。今日からよろしくお願いします!」
「あっ、どうも吉澤ひとみです。」
元気な子だ、と正直思った。そして凄くかわいい子だと思った。
それから加護ちゃんの部屋に通された。
部屋は女の子らしくピンクや白と言ったような色使いで
私とは対極のような部屋だった。
机に加護ちゃんが座り、私も隣に座った。
- 5 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 22:05
- ↑ごめんなさい
最後の行
机じゃなくイスでした・・・・
- 6 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 22:06
- 「さてと・・・それじゃあ始めようか!」
私は緊張していたので無理からテンションを上げていた。
「亜依ちゃんはどこが苦手?」
まずは軽く入っていった。
すると亜依ちゃんから申し入れがあった。
「あの〜先生?お願いがあるんですけどぉ・・・」
「あ、何?」
「うちのこと亜依ちゃん、じゃなくて何か違う呼び方で呼んでもらってもいいですか?あんまし言われなれてないんで・・・」
「うん。わかった。で、なんて呼べばいい?」
「友達からはあいぼんって呼ばれてます。」
「そっか。じゃあ私もあいぼんって呼ぶね。・・・ああそうだ、私からもお願いあるんだけどいいかな?」
「あっ、はいどうぞ。」
「私のことも先生、じゃなくてそうだな〜よっすぃ〜って呼んでくれないかな?先生って呼ばれるの恥ずかしくてさ・・・」
「はっはい!」
「ありがと。それじゃあ少し始めようか。あいぼん。」
「はい、せ・・よっ・・よっすぃ〜。」
- 7 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 22:07
- 初めだったので学校での進み具合や簡単な問題を解いてもらった。
確かにあいぼんは頭は悪いほうではない。
私の作った問題も結構解けている。でもあいぼんは文章問題になると
だめなようだ。
数学はそんなに問題もなく進んでいった。
一時間が経ち10分の休憩を取ることとなった。
あいぼんのお母さんが紅茶とお菓子を持ってきてくれた。
「あっ、おかまいなく。」
「いえいえ、これくらいはさせてもらわないと。」
何か気を使わせちゃって悪いな・・・
「ねえねえよっすぃ〜。よっすぃ〜って朝高?」
一時間も経つともう友達のように喋れ慣れてきていた。
「うん。そうだよ。」
「ええな〜。うちも入りたいな〜。」
「だから今からがんばるんでしょ?」
「うん。頑張ってよっすぃ〜と同じ高校に入ったる!」
「でもそのときは私は卒業してんだよな〜。」
「あっ・・・そうや・・」
少しあいぼんが悲しそうな顔をした。
- 8 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 22:10
- 「でもなんかうれしいな。あいぼんがそんな風に言ってくれて」
「えっ?」
「なんかさ〜。私に恋して追いかけてくるって感じ?」
「そっ・・そんなばかなことあるかいなっ!」
少しからかってみた。でもあいぼんは顔が真っ赤になっていた。
この時私はあいぼんを「かわいい」と思っていた。
―でも数ヵ月後この「かわいい」が別の感情になってしまうことになるとは考えもしなかった―
- 9 名前:アンコ 投稿日:2003/10/11(土) 22:11
- こんな感じではどうですか?
- 10 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/11(土) 22:47
- イマイチです
- 11 名前:んあ 投稿日:2003/10/12(日) 00:45
- んあ
- 12 名前:名無し 投稿日:2003/10/12(日) 00:53
- じゃあ僕が書きます
- 13 名前:吉澤バニボーイ 投稿日:2003/10/12(日) 00:55
- 加護が笑いながらネクタイを掴んで、慣れた手つきで締め上げる。冴えないスーツ姿の
おじさんが、くぐもった、悲鳴にも似た声を上げてそれに応える。
「おいおっさん金あんなら出せよ、ほら出せよ、ほら早く出せよ、ほら、ほら早く出せよ、
ほら早く、はーやーくー、早く出せよほら」
病的に繰り返すことによって相手に恐怖を与える作戦は加護の師匠である後藤真希
からの伝授でありそれは御多分に漏れず今回も大成功を遂げ、スーツの内ポケットからは
見事財布が取り出される。
「ちっしけてんなこんだけかよボケが、ボケが、ボケが。ちくったら殺すぞ、つーかむしろ
ちくってくれよ、ちくってみろよ、殺してやるから、ほらちくれよ、今すぐ電話しろよ、ほら
電話貸してやるよ、通報しろよ、ほら、いちいちまるって、ほら」
と加護がいつものようにまとめの作業に入ったところ、不意に後ろから明るい声がする。
「ちょっと待ち給え!」
- 14 名前:吉澤バニボーイ 投稿日:2003/10/12(日) 01:01
- 加護が振り帰ると、そこにはウサギの耳をつけた女が立っている。遠目で見ると女か
どうかも不明なくらいがっしりとした体格だ。もちろん体格など加護にとってはどうでも
よく、邪魔されたという怒りだけが彼女の意識を支配している。
「なんだお前邪魔すんじゃねーよ、ていうか邪魔すんなよ、いやマジ邪魔すんなって」
と言いながら加護は女に近づく。おじさんはこれ幸いとばかりに逃亡するが、加護は全く
気づいていない。
「君は加護ちゃんだね、僕は吉澤、君を助けに来たんだよ!」
あくまで明るい口調で、吉澤と名乗る女は宣言する。加護は懐からゆっくりと愛用の
バタフライナイフを取り出して、さくっとそのお腹に刺し込む。
- 15 名前:吉澤バニボーイ 投稿日:2003/10/12(日) 01:06
- 「うっ」
と言って吉澤はその場に倒れこむ。加護はちらっと確かめるような視線を向けただけで
すぐに興味なさげに振り向く。
「あ、あいつ逃げやがった、逃げやがったな」
冴えないスーツはすでに影も形もない。苛立たしげに加護は足を踏み鳴らして、それから
倒れている吉澤を蹴りつける。二度、三度と。吉澤はぴくりとも動かない。ぶーんという音が
して、茜色の空に五時のチャイムが鳴り響いた。
「…帰ろっ」
カエルが鳴くからかーえろ、と歌いながら加護は歩き出す。倒れたままの吉澤のことなど、
もう振り帰りもしない。
- 16 名前:名無し 投稿日:2003/10/12(日) 01:07
- こんな感じではどうですか?
- 17 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/12(日) 13:54
- この前のうたばんのハワイネタなんかどうだ?
あれは萌えた・・・
- 18 名前:花柳院 鳳凰 投稿日:2003/10/14(火) 00:17
- じゃあ僕が書きます。
- 19 名前:花柳院 鳳凰 投稿日:2003/10/14(火) 00:21
- 加護「実はあたし宇宙人だったの」
と加護が言った。
吉澤「なんだって、加護は宇宙人だったのか」
と吉澤が言った。
加護「そうなの、今まで騙しててごめんねよっすぃ〜」
と加護が言った。
吉澤「謝ることなんてないよ」
と吉澤が言った。
辻「なんで台詞の頭に苗字が付いてるの?」
と辻は言った。
- 20 名前:花柳院 鳳凰 投稿日:2003/10/14(火) 00:22
- 加護「よっすぃ〜は優しいんだねやっぱり」
と加護が言った。
吉澤「ああ、だって加護が相手だからさ」
と吉澤は言ってそして吉澤は加護を抱き締めた。
すると
加護「よっすぃ〜少し苦しいよ」
と加護は言った。
吉澤「そう、じゃあブラジャー外す?」
と吉澤はにやにや笑いながら言った。
加護「なんでそうなるんだぁ〜」
と加護は吉澤の腕の中で笑いながら暴れた。吉澤
辻「で、宇宙人はどうなったの?」
と辻は言ったがスルーされた。
- 21 名前:花柳院 鳳凰 投稿日:2003/10/14(火) 00:23
- 飯田「ほらみんな仕事行くよー」
飯田が言った。
加護「あ、あたし宇宙人だから今日は休みます」
と加護は言った。
吉澤「あたしも宇宙人を捕まえてなきゃいけないから休みます」
と吉澤も言った。
飯田は苦笑いをした。
それから飯田は言った。
飯田「もーしょうがないな二人は、じゃあ残りのみんな行くよ〜」
飯田「がんばっていきまっ」
残りのみんな「しょいっ」
辻は限界だと思った。
- 22 名前:花柳院 鳳凰 投稿日:2003/10/14(火) 00:23
- こんな感じではどうですか?
- 23 名前:名無し 投稿日:2003/10/14(火) 15:29
- んんん・・・
微妙
- 24 名前:平等院 鳳凰 投稿日:2003/10/15(水) 00:29
- では私が書きましょう。
- 25 名前:平等院 鳳凰 投稿日:2003/10/15(水) 00:31
- 「あ、ちょっと加護くん」
吉澤課長が書類を片手に声をかけたのは、庶務課髄一のお喋り好きと噂される
加護亜依こと腰掛けOLのあいぼんだった。
課内の空気は一瞬にして緊迫する。
まさかアレでは。いやアレに決まってる。吉澤課長ったら配属されたばっかりで
知らないんだわ。
そんな空気をよそに、当の加護亜依はしれっとした顔で立ち上がる。
「なんでしょうか、課長」
「あー、ちょっと、コピーを取ってくれたまえ」
その言葉に、今度ははっきりとざわつく部下達。
- 26 名前:平等院 鳳凰 投稿日:2003/10/15(水) 00:32
-
やっぱり。なんてこと。コピーだなんて。ひそひそ。ざわざわ。
吉澤もそんなおかしな空気に気づいてないわけではなかったのだけれど、しかし
言い出したものを後には引けない。ましてや自分は配属したての課長なのだ。
部下に舐められるわけにはいかないじゃないか。そんな思いが吉澤を意地にさせる。
「20部ずつだ。午後の会議で使うんでな。」
「はーい」
加護亜依は書類を受け取ると、コピー機を素通りして、自らの机に戻った。
それからファンシーなボールペンを手にとると、手元のコピー用紙にさらさらと
何かを書き出すのだった。
- 27 名前:平等院 鳳凰 投稿日:2003/10/15(水) 00:32
- なるほどそう来たか。と吉澤は思った。
「コピー機の使い方がわかりませーん(はぁと」くらいは吉澤も予測していた。だが
手書きでコピーとは。あんまりじゃないか。
部下達はと言えば、息を潜めて吉澤の動向をうかがっているだけで、誰一人
フォローに走ろうとしない。吉澤はその時、胃潰瘍で入院したという前任者の
「あとはまかせたでぇ・・・」という弱った関西弁を思い出した。
「はい、出来ましたぁ」
気づくと加護亜依が目の前で、20枚の紙を得意げに差し出していた。
ファンシーな丸文字にイラストまで付いて、吉澤が徹夜で仕上げた無味乾燥かつ
事務的だった文章は、まるでディズニーランドの注意書きのような様相を呈していた。
「いやぁ今日は働いたなぁー」
そう言いながら加護が席に戻る。吉澤は時計を見た。十一時十三分だった。
- 28 名前:平等院 鳳凰 投稿日:2003/10/15(水) 00:33
- こんな感じではどうですか?
- 29 名前:aab 投稿日:2003/10/15(水) 16:06
- さらに微妙になっちった
- 30 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/22(水) 20:26
- アンコさん
>9の続きお願いします。
- 31 名前:アンコ 投稿日:2003/10/22(水) 21:56
- 一度イマイチ言われちゃってるんでねぇ・・・
- 32 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/23(木) 23:29
- 私はそうは思いませんよ。
気にせず続き書いてください!
待ってまーす。
- 33 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/23(木) 23:36
- ochi
- 34 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/27(月) 17:45
- 書いてっちょ!!
- 35 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/27(月) 20:48
- おち
- 36 名前:Y 投稿日:2003/10/29(水) 07:09
- 「よっちゃ〜ん、早くぅ!」
「だから先に行っていいって」
毎朝うちの玄関で叫ぶうるさいやつ。
「一緒に行く約束したじゃんか」
「それ小学生のときだろ、もう高校生なんだから…うゎっ」
まだスニーカーのひもを結んでいないのに、腕をつかまれ引っぱられる。
ベシッと頭を叩いたらエヘヘなんて可愛い笑顔。
結局いつもこいつのペースなんだ。
幼馴染のお隣さんで、2コ下の生意気な妹…加護亜依。
- 37 名前:名無し。。。 投稿日:2003/10/29(水) 21:05
- >Yさん!!
書き続けてください!!
- 38 名前:Y 投稿日:2003/10/29(水) 23:06
- お言葉に甘えて…
- 39 名前:Y 投稿日:2003/10/29(水) 23:07
- 「ったく、いつまでも甘えんなって…」
「ねぇねぇ、今日から始まるドラマおもしろいんだって!ストーリーもいいんだけど、
新人の女優さんがめっちゃきれいでね、それで――」
人の話聞いちゃいね〜。
一人でドラマの話して盛り上がってる。
「ラブシーンもあるらしいんだ。雑誌に写真が載ってたけどけっこうえっちだったよぉ。
脇役でよっちゃんが前好きだって言ってた俳優さんが出るみたい、それでね――」
しっかし、よく朝からそんなに喋ってられるよなぁ。
こっちは眠くて死にそうで、あくびをかみ殺しながら適当に相づち。
- 40 名前:Y 投稿日:2003/10/29(水) 23:08
- 「…だからね?」
「ん」
「じゃ、寝ないで待っててよ?」
「ん…、はっ!?な、なに?」
やばっ!
適当に受け流しすぎたかも。
「もぉ!よっちゃん聞いてない…」
「そんなことないって、聞いてるよ」
その唇噛み締めて上目遣いってのはやめろ!
無条件降伏しちまうじゃないか。
- 41 名前:Y 投稿日:2003/10/29(水) 23:13
- 「今夜のドラマ一緒に見ようって言ったの…」
「一緒に?亜依と?なんで?」
最近、亜依はなにかと理由をつけて家にやってくる。
まあ、隣に住んでるんだから来たっていいんだけどさ、家族ぐるみのつき合いだし。
にしても来すぎのような気が…。
「なんでって、よっちゃんと一緒に見たいからだよ、それだけ」
「へ…」
「いいよね?」
「…」
「だめ…?よっちゃん…」
「…」
いつからだろう、こんなふうに妙な空気に包まれるようになったのは。
時々ドキッとするんだ。
亜依が目を伏せて苦しそうにあたしの名を呼ぶから――。
- 42 名前:アンコ 投稿日:2003/11/01(土) 18:33
- がんばれ〜!
- 43 名前:Y 投稿日:2003/11/03(月) 13:26
- 「いいよ、べつに」
素っ気無い返事は照れてる証拠。
ふたりの間にあるものがいつのまにか変わってきてることに、ホントはもう気づきかけてる。
「えへっ、じゃあ行くね?」
「おう」
「楽しみ〜」
「そんなにおもしろいドラマなんだ」
「ちがうよぉ、ドラマが楽しみなんじゃなくて…」
「なくて?」
その先をなかなか口にしないので顔を覗き込むと、頬がほんのりと赤みを帯びていた。
- 44 名前:Y 投稿日:2003/11/03(月) 13:27
- 「もー、よっちゃんのいじわる、キライ!」
そう言いながら鞄を持っていない方の腕にぎゅっとしがみつく。
言葉と反するその行動がかわいらしくて思わず吹き出してしまったら、さすがに怒ったのか
パッと離れて少し前を歩き出した。
「ん?どした?」
「今日はよっちゃんと一緒に行くのや〜めた!」
振り返ってベーと舌を出す。
ったく、幼稚園の頃と変わんないな、それ。
「ああ、そうですか。勝手にどうぞ。迷子になるなよ〜」
「フン!よっちゃんのバ〜カ」
そう言って勢いよく駆け出すと、短いスカートが風と共に跳ねた。
白か…なんて思ってる場合じゃない。
通行人がいなかったからよかったけど、誰かに見られたらどうすんだよ。
- 45 名前:Y 投稿日:2003/11/03(月) 13:28
- 「亜依!」
「ん、なに?」
呼びかけに立ち止まって、くるっとこっちを向いた。
膨れっ面はまだそのまま。
「スカート、気をつけなさい」
「え…」
意味が通じなかったのか、首を傾げて目をぱちぱち。
「だから…、そんなに走るとさ、スカートが跳ねて人に見られるだろっ」
やっとそこで気づいたらしく、あっ!というような顔。
でもすぐになぜか笑顔に変わった。
- 46 名前:Y 投稿日:2003/11/03(月) 13:28
- 「だ〜れもいないじゃん、よっちゃんだけだよ」
「へ…」
「だから、跳ねたっていいもん」
「な…」
予想もしなかった反応に身体が固まってしまった。
何だよそれ、可愛いすぎじゃんか。
「えへへ、じゃあね、よっちゃん。また今夜!」
「……」
走り去る亜依の後ろ姿を呆然と見送るあたし。
胸が最高にドキドキしてることに気づいたのは、その姿が見えなくなってからだった――。
- 47 名前:Y 投稿日:2003/11/03(月) 13:29
- がんばってみました。
どうでしょう?
- 48 名前:-- 投稿日:2003/11/03(月) 13:59
- いいです!!いいです!!
よっちゃんとあいぼ〜ん!!
- 49 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/12(水) 20:43
- すごいおもしろいと思いますよ。
続き楽しみにしてます!!!
- 50 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/21(金) 01:57
- 今、一番期待してる。
- 51 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/22(土) 13:12
- 続きをよろしく頼みますよ
- 52 名前:Y 投稿日:2003/11/23(日) 12:34
- 「トントン、来たよ〜」
「おう」
ベッドにごろんと横になって雑誌を読んでたら、亜依が部屋に入ってきた。
両手にみかんを抱えて「差し入れ〜」なんて言って。
「まだ早いんじゃない?始まるのは確か10時って…」
テレビに目を移すと、つまらなそうなバラエティ番組。
きっとこれが終わったら亜依が見たがっているドラマが入るのだらう。
「いいでしょ、少しくらい早くたってぇ」
あたしの言い方が気に食わなかったのか、口を尖らせてベッドにダイブ。
とんでもない至近距離でにらまれて、思わず腰が引けてしまった。
- 53 名前:Y 投稿日:2003/11/23(日) 12:35
- 「よっちゃんに会いたいから早くきたのにさ、冷たいのぉ」
「会いたいって…朝会ったじゃん、っていうか毎日会ってるし…イテッ!」
枕の横に置いてあったクッションが側頭部を直撃。
「な、なにすんだよ…」
「いじわるよっちゃんにお仕置き〜」
悪びれずにベーっと舌を出す。
くそっ、可愛いけどむかつく!
「どこがいじわるなんだよっ」
「そういうしらばっくれるとこ!」
もう一度クッションを手に攻撃態勢に入る亜依。
そうはさせるものかと両腕を押さえて防御してたら、勢いがつきすぎてそのまま押し倒し
てしまった。
- 54 名前:Y 投稿日:2003/11/23(日) 12:36
-
「ははっ、どうだ!この吉澤に攻撃をしかけるなんて10年早いぞー!」
「…」
「まいったかー」なんてふざけながら覆い被さるように亜依を押さえ込む。
当然なんらかの反撃をしてくるものと思って待ち構えているのに、いつまでたっても
ノーリアクション。
なんでノッテこないんだよー。
一人でテンション高くてバカみたいじゃん。
「亜依…?」
「…」
名前を呼んだらすっと横を向かれた、…シカトかよ。
でもそのとき気づいた、亜依が耳まで真っ赤になってることに。
- 55 名前:Y 投稿日:2003/11/23(日) 12:37
-
「あ…」
あわてて離れて背を向けた。
「ご、ごめん」
胡坐をかいて頭を抱える。
たしかにやばい体勢だったことはまちがい。
あんなに赤くなってたのはきっと…。
いや、でもそんなつもりは毛頭なかった、ホントに偶然。
- 56 名前:Y 投稿日:2003/11/23(日) 12:37
-
「よっちゃん…」
その声が艶っぽく感じたのは気のせいかな。
やたら心臓がドキドキして亜依の方に顔を向けられない。
「…ん、ん?」
努めて普段どおりに返事をしたつもりなのに、声が微妙に上ずっていた。
やばい…、なんかよくわかんないけど、この状況はやばい…。
- 57 名前:Y 投稿日:2003/11/23(日) 12:39
-
「よっちゃん、あのね…」
「あ…なっ、なに?」
トレーナーを軽く引っぱられた。
こっちを向けということなんだろうけど、なぜかできない、身体が拒否反応。
「言いたいことがあるんだ」
「ん…なに?」
「あたし…」
「…」
言葉を探しているのか、ためらっているのか。
亜依は言いたいこと≠なかなか口にしない。
背を向けたままのあたしは亜依が今どんな表情をしているのかわからなかったけど、トレ
ーナーを握る力がさっきより強まっていることで、彼女の感情の昂りを知ることができた。
- 58 名前:Y 投稿日:2003/11/23(日) 12:40
- >>48->>51
レスありがとうございます。感謝!
よしかご初めてでとまどってます。
こんなんでオッケーですか?
- 59 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/23(日) 17:44
- よしかご小説嬉しいー!
Yさん続き期待してますね☆
- 60 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/24(月) 01:25
- すっごい楽しみです!
次回作待ってま〜す!!
- 61 名前:a 投稿日:2003/11/24(月) 17:24
- ほ
- 62 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/24(月) 22:08
- オッケーです!
いやいや、放置されちゃうかと思った。
- 63 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/02(火) 20:58
- 保全
- 64 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/04(木) 22:51
- Yさん続きお願いします!!
- 65 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:54
- 「な、なんだよ、そんな言いにくいこと?」
「え…?」
逃げ出したのは重い空気に耐えられなくなってしまったから。
「あ、わかった。駅前にできた可愛い喫茶店に連れてけって言いたいんだろ?…ったく、
しょうがないなあ。バイト代入ったらおごってやるからさ、もうちょっと待ってろって。
うん、あの店評判いいから一回行きたいと思ってたんだよね」
沈黙に押しつぶされまいと、あたしはあからさまなハイテンションでべらべらと喋りまくった。
それはたぶん亜依を傷つけていることにもなるんだろうけど――。
- 66 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:54
-
「よっちゃん…」
「…ん?」
「ばかっ」
「イテッ!」
振り向いた瞬間、クッションが顔面直撃。
不意打ちだ〜、油断したぜ…。
「約束だからね」
「…なにが?」
「さっき言ってたじゃん、駅前の喫茶店」
「ああ…、うん」
「あ、ドラマ始まるよ、テレビに集中〜!」
「…」
明るい声でおどけながら、ベッドから離れテレビの近くに座り込む。
膝を抱えこちらに背を向けてるその姿を見ていたら、言いようのない罪悪感が胸を覆った。
結局あたしは亜依を拒んでしまったんだ。
- 67 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:56
-
こんな場面、前にも一度あったっけ。
あれは、亜依が高校に合格した日だ。
『よっちゃーん!合格だよ、ご・う・か・く!』
『マジで!おめでとー!よかったな』
『うん、4月から一緒の学校だよ、うっれしいなぁ』
『げ、もしかして一緒に登校とかって言う?』
『当然でしょ、だって約束だもん』
『それ小学生んときの約束じゃ…』
『いいの!一緒に行くの!』
『わ、わかったよ。わかったからその手離せ』
『あ、ごめん。……あのね、よっちゃん。よっちゃんに言いたいことがあるんだ』
『なんだよ、そんなあらたまって』
『うん、あたしね……』
あのときも亜依の言葉を待たずに、くだらない話題を持ち出してごまかしたんだ。
亜依の真剣な眼差しを受け止められずに逃げてしまったんだ。
もしかしてちっとも成長してない?…ははっ…。
軽いため息を一つついて、あたしはテレビに目を向けた。
- 68 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:56
-
『…好きなの、ずっと好きだった』
え…
『幼馴染なんてイヤ!ちゃんと私を見て!』
げっ…
『ねぇ、キスしてよ…』
うっ…
初回からこんなシーンってありですか?
画面の中の高校生美男美女カップルがブチュッとキスしてる!
ふと亜依の方に目をやると、心なしかそわそわしている感じ。
思いがけない濃厚さに動揺してる?
まあ、キスシーンくらいならいいけど、それ以上のシーンを二人で見るのはきついかも…。
まさかそこまではね…ないよね!?
- 69 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:57
-
テレビを見たり、亜依を見たり。
妙にドキドキしながらその時間はあっという間に過ぎていった。
そして次週の予告が終わると、亜依はくるりとこっちに身体を向けた。
ほんのりと頬が赤く染まっているのは、やっぱりきわどいラブシーンのせいだろうか。
あたしもまだ顔が火照ってる。
「おもしろかったね」
「う、うん」
「ちゃんと見てた?」
疑うような顔でベッドまでやってきて隣にちょこんと座った。
無造作に袖口を引っぱられ横を向くと、近すぎる顔がそこにあって――。
- 70 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:57
-
「見てたよ」
ドラマのラブシーンが次々と鮮明に浮かんできた。
心臓がバクバクして今にも破裂しそう。
「すげーキスシーンとか…」
自然と視線が唇に移る。
そしてその艶々しさに自分の感情がかき乱される。
やばい、絶対やばい…。
- 71 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:58
-
「えへ、すごかったねぇ…ちょっと恥ずかしかった。あの二人ってさ…」
亜依が照れながらストーリーを語る間も、視線は彼女の唇にくぎ付けだった。
しだいにもやもやした得体の知れない情動が湧き上がって、自分で自分のコントロールが
効かなくなっていく。
「ちょっと聞いてる?ねぇ」
リアクションしないあたしに亜依が不満そうに頬を膨らませた。
それがめっちゃ可愛くて、とどめとなって胸に突き刺さる。
思考が止まって、頭の中が真っ白になった。
- 72 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:58
-
「よっちゃ……」
名前を呼ばれるのとほぼ同時。
あたしは唇を重ねていた――――。
- 73 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 16:59
-
更新しました。
- 74 名前:Y 投稿日:2003/12/07(日) 17:00
-
>>59->>64
レスありがとうございます。感謝!
待っている方がいるみたいなので続けたいのですが
この通り更新は遅いです。
それでもいいですかね?
- 75 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/08(月) 16:44
- うわっ、更新されてる、嬉しい〜!
なかなか素直になれない二人にドキドキです。
次回更新を楽しみにしています!
- 76 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/09(火) 21:55
- 更新されててよかった〜
Yさん、もちろん遅くても結構です!!
でも、次回がはやくみたい・・・
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/14(日) 15:33
- 更新待ち保全
- 78 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/14(日) 17:26
- よしかご大好き〜♪
めちゃめちゃ楽しみです、がんばってください!
- 79 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:14
-
押し返されるか、引っ叩かれるか――。
一応それなりの覚悟はしてるんだけど、そのどちらでもないみたいで。
離れるきっかけがないまま、あたしは初めて触れた亜依の唇やわらかさに感動していた。
- 80 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:15
-
実は女の子とキスするのは初めてじゃなかったりする。
高校に入ってからなぜか女の子にもてて、ファーストキスも先輩の女の人だった。
あの頃は好奇心満載で、いろいろやったけ。
でもまさか、亜依とキスすることになるなんて――。
- 81 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:15
-
「…んん……」
苦しそうな息が漏れて、それがきっかけとなった。
ゆっくり離れると今にも泣きそうな顔の亜依と目が合って、後悔と罪悪感で胸が締め付けられる。
冗談で済まされるようなキスじゃなかったから、もう引き返せない。
「なんで…?」
「…うん…」
やっぱり説明しなきゃならないんだろうな、突然のこの行動の理由を。
「なんで…キス…」
「……」
無言でじっと見つめる亜依の瞳は一切のごまかしを許さない強さがあった。
- 82 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:16
-
「かわいかったから…」
驚くほど素直に口にしていた。
確かにあのときめちゃめちゃ亜依が可愛く見えて、その瞬間わけわかんなくなって――。
でも亜依はその言葉が意外だったのか、びっくりした顔をしてる。
「かわいいって…そんなこと今まで一回も言ってくれたことないくせに」
「い、いや…言ってないけど、思ってたから」
実際、亜依の可愛さは誰もが認めるところだろう。
中学生の頃まではなんかのキャラクターみたいな可愛さだった。
見てるだけで癒されるようなほのぼのとした感じ。
それがだんだん変わってきたのは…、亜依が高校に入った頃からだ。
かわいいと思うたびに直視できなくなって、逆のこと言ったりからかうようになったんだ。
- 83 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:17
-
「よっちゃんは…、かわいいと思ったらキスするの?」
「え…」
「それだけの理由でキスできちゃうの?」
「あ…いや…」
やんわり否定したけど、正直言うとそれだけの理由でしたことは何回もある。
興味本位だったり、向こうからお願いされたりとか。
でも、亜依に対してはそういうのとはぜんぜん違う。
そんな軽い気持ちじゃない。
自分にとって亜依は…。
いっつもそばにいる妹みたいなもんで、でもそれだけじゃなくて。
好き…なのかな。
この気持ちは特別な想いなのかな。
- 84 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:18
-
「よっちゃん…?」
「あ、ああ、ごめん」
ごちゃごちゃの頭ん中を整理してたら、ボーっとしてたみたいだ。
亜依が不安そうにあたしの顔をのぞき込む。
「なに考えてたの?」
「うん…、いろいろ」
どこまでもはっきりしない自分。
ったく…、逃げてばっかりだ。
だから亜依が答えを急がせるのはもっともで――――。
- 85 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:18
-
「よっちゃん、あたしのことどう思ってる?」
「え…どうって」
「好き?嫌い?」
「……」
さっきのドラマ並みのドキドキシーンが現実となった。
いや、それ以上かもしれない。
あたしの答えを待つ亜依の視線がまっすぐに向かってくる。
そこにいつもの幼さは微塵もなかった。
- 86 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:19
-
更新しました。
- 87 名前:Y 投稿日:2003/12/20(土) 11:19
-
>>75->>78
レスありがとうございます。感謝!
年内更新がんばります…ね。
- 88 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/21(日) 12:44
- 更新されてる〜
この中のよしかごいいよね〜大好きです!!
次回更新待ってま〜す☆
- 89 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/21(日) 17:47
- 更新キタ――――!!!
- 90 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/21(日) 18:57
- あいぼん積極的!!
続きが気になる〜
- 91 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/22(月) 21:57
- キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
ああああもどかしい。
よっちゃんがんがれ!
- 92 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/29(月) 14:06
- 保全
- 93 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:50
-
「ね、どっち…?」
あくまで二者択一で迫る亜依。
その真剣な表情に困惑を隠せない。
「…嫌いなわけないじゃん。嫌いだったら一緒にテレビ見たりしないし」
差しさわりのない答えで逃れようとしたけど、今日の亜依はそんな甘えは許してくれなかった。
「その言い方、ずるい…」
「ずるいって……そんなことないだろっ…」
「ずるいよ…ずる…いっ」
とうとう手元にあったクッションを抱え込んで、背を向けてしまった。
いつもなら口を尖らせながらも笑って見逃してくれるのに。
- 94 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:50
-
「だって、他に言いようがないっていうか…」
丸まった背中に言い訳がましく話しかける。
なんだかひどく自分が情けない。
「よっちゃんはいつだってそう、あたしとちゃんと向き合ってくれない」
「そんなこと…」
言い返せなかった。
「もう子どもじゃないよ…」
「…」
ドキッとした。
「…わかってるよ」
「わかってないよっ…もう子ども扱いはいやっ…」
何度押してものらりくらりとかわすあたしの態度はひどく亜依を落胆させたみたいで、
それきり膝を抱えたまま黙ってしまった。
- 95 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:50
-
亜依が答えを求めて、あたしは避けて。
今思えばそんな微妙なやり取りをずっと繰り返してきた気がする。
でも、もうそんなまやかしはダメみたいだ。
じゃあ何て言えばいい?どうすりゃいい?
この前遊んだ娘みたいに軽く扱えばいいのか!?
…そんなことできるわけない。
亜依はそういう存在じゃなくて、すごく大切で愛しいから――。
- 96 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:51
-
「ごめんなさい…」
「…へ?な、なにが?」
突然声をかけられて反射的に亜依の方を見た。
なぜかとてもすまなそうにあたしを見あげていて、目にはうっすらと涙。
「よっちゃんを困らせるつもりじゃなかったんだ。だからそんな怒らないで…」
「…」
亜依のことをいろいろ考えてから無言だったわけで決して怒ってたわけじゃないのに、
亜依はその沈黙を怒りと受け取ったようだ。
「もう、こういうこと言わないから、ごめん…ねっ…」
いい終わるか終わらないかの素早さで亜依が立ち上がり部屋を出ようとするから、あたし
はあわててその腕をつかんだ。
- 97 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:52
-
「ちょっ、待って…」
「帰る…」
「待てって」
「やっ…!」
振りほどこうとする力の強さに圧倒され、拒絶されたことに軽くショックを受ける。
「亜依!」
最後は力ずくだった。
取り乱し気味の亜依を再びベッドに座らせて、零れ落ちた涙をそっと拭った。
- 98 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:52
-
「別に怒ってないからさ、落ち着けって」
「…ん…ウッ…ウッ…ッ」
ここまできたら前に進むしかない。
無邪気な関係のままでいられるほど、うちらはもう子どもじゃないんだ。
「亜依のことはさ、特別だと思ってるよ」
「…とく…べつ?」
「うん、つまりその…誰よりも一番大事に思ってるってこと」
「よっちゃん…」
「でも、それがイコール好きってことなのかが今いちはっきりわからないんだ。ほら、
亜依とはガキの頃から一緒でさ、姉妹みたいに過ごしてきたじゃん。あまりにも存在
が近すぎて客観視できないっていうか…ん〜、やっぱうまく言えないや」
初めて心の奥底にあったものを口にした。
全然余裕なくて少しもかっこよくなかったけど、精一杯伝えた。
- 99 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:53
-
「ありがと、よっちゃん。初めてだね、気持ち言ってくれたの」
「ああ…」
「ねぇ、よっちゃん、あたしも気持ち伝えたいから…ちょっと目つぶって」
「え…なんで」
「いいから、お願い」
「…わ、わかったよ」
言われるままに目を閉じて待っていたら、届いたのは言葉ではなく。
さっき感じたのと同じやわらかい感触が唇に伝わった。
- 100 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:53
-
更新しました。
年内にできてよかった。
- 101 名前:Y 投稿日:2003/12/30(火) 14:54
-
>>88->>92
レスありがとうございます!感謝
ストック無しの気まぐれ更新。
どこまでやれるかなぁ。
これでendってのもあり!?
では、よいお年を――
- 102 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/30(火) 17:42
- 更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
やっぱりよしかごイイ!!
Yさんendと言わずに・・・
続きもよろしくお願いします!
- 103 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/30(火) 22:18
- キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
想いを伝え合った二人…よかったねぇ。
是非続きをお願いします。
- 104 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/18(日) 12:15
- 保全
- 105 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/30(金) 18:06
- 終わっちゃいけない保全
- 106 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/14(土) 13:24
- Yさんどこいったの〜?
- 107 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:47
-
押し付けるだけのキスは亜依の必死さがストレートに伝わってきて。
その一途な不器用さがかわいくてしかたない。
なんて浸ってたらすっと柔らかさが消えて。
目を開けたらそこには亜依の潤んだ瞳――。
か、かわいい…
っていうか、色っぽい…
亜依とは長い間一緒にいたけど、こんな表情見たのは初めてだった。
- 108 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:48
-
「もう終わり?」
「もう無理…」
真っ赤になって亜依が目を逸らす。
どこまでも初々しくてこっちまで赤面気味。
「…伝わった?あたしの気持ち…」
「うん」
「初めてなんだからね、キスしたの」
「あ…そうなんだ」
やっぱりそうか。
うん、言われなくてもわかるよ、いかにもって感じだったから。
「そうなんだって…あたりまえでしょ?誰ともつきあったことないんだから…知ってるくせに!」
「いてっ、なんでそこで殴るかなぁ」
余程照れくさいのか、亜依はさっきからうつむき加減で目を合わせようとしない。
そしてなぜか口調は喧嘩ごしで、おまけにグーで殴ってきやがった。
- 109 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:49
-
「どーせよっちゃんは初めてじゃないもんね…」
「ん?」
「キス」
「……」
ばれてたか…。
そんな目で見なくても…。
「もうしないよ」
「え…?」
悲しませたくないからさ。
「もう誰ともしない」
「ん…」
曖昧だった気持ちがはっきりと形を成していく。
亜依が好きだ――――
- 110 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:49
-
今なら言えるかもしれない、この気持ち…。
「亜依」
「ん?」
「こっち向いてよ」
「ん…」
亜依はこくりと頷いたけど、ちらっと視線を上げただけでまたすぐにうつむいてしまった。
「お〜い」
「だってぇ、なんか恥ずかしい」
「…」
たしかにね…うん。
この空気は十分恥ずかしいよ。
- 111 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:50
-
「えっと…、じゃあ、帰るね」
「…え」
立ち上がっていそいそと上着を羽織る亜依。
いつもはこっちが早く帰れって言うまで帰らないのに。
「なんで、まだいいじゃん」
って、引き止めるのも初めてかも。
「だって、これ以上いたら…心臓壊れちゃう」
「へ…」
「おやすみ、よっちゃん。また、明日ね」
「あ、ああ…」
パタンとドアが閉まり、いつもより早目の足音が消えていった。
- 112 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:50
-
ふ〜っ…
ベッドに身を沈めて大きく息を吐いた。
心臓がバクバクしてる、壊れちゃいそうなのはあたしも同じだ。
目を閉じるとさっきまでの亜依のいろんな顔が浮かんできた。
ついでに柔らかい感触も――。
- 113 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:51
-
♪♪♪〜
ケータイが鳴った。
亜依からのメールだ。
急いで制服のポケットから取り出し、開いて見る。
『よっちゃん、大好き!』
……うっ。
やばい、完全に射られてしまった。
- 114 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:51
-
……
悩むこと22分間。
もう何度打ち直したかわからない。
……
やっと返信。
ボタンを押すとき、手が震えてしまった。
- 115 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:52
-
あたしと亜依はとうとうラインを超えてしまった。
無意識に微妙に保ってきた幼馴染というラインを。
これからどうなっていくかはわからないけど、もう気持ちをごまかしたり隠したりはしない。
芽生えて育っていた想いを大切にして、いけるとこまでいこうと思う。
亜依と一緒に――――。
ずっと一緒に――――。
お・わ・り
- 116 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:52
-
更新しました。
以上で終了です。
- 117 名前:Y 投稿日:2004/02/21(土) 22:53
-
>>102->>106
レスありがとうございます!感謝
とちゅうから割り込んで書かせてもらいました。
ホントに思いつきで始めてしまい、こんな終わりですいません。
では消えます。
ありがとうございました。
- 118 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/24(火) 14:24
- 更新キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
Yさんありがとうございました〜。
ただでさえ絡みの少なくなった二人をここまで
書き上げてくれるとは…
とにかく、よしかごハッピーエンドでよかった!!
- 119 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/25(水) 23:49
- 次の作者さん現れないかなあ〜
- 120 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/28(土) 22:34
- 久しぶりに覗いたら更新きてた!
読んでるこっちまで照れちゃうようなハッピーエンド、素晴らしい…
- 121 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/01(月) 23:56
- いや〜良かった!
続編をコソーリ期待してみたり・・・
- 122 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/05(金) 22:12
- 次の作者さん待ってます。
- 123 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/06(土) 00:41
- Yさん、続編を!
- 124 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/09(火) 15:25
- 続編は無理じゃねえか?
もう消えるっていってるし・・・
新作を待ったほうがいい
- 125 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/19(金) 20:59
- 誰でもいいのでよしかご小説書いて下さい!!
- 126 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/30(火) 11:36
- 誰か新小説ヨロ
- 127 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/10(土) 14:00
- 作者さん降臨待ち保全
- 128 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/29(木) 17:45
- ほしゅ
- 129 名前:名無し読者 投稿日:2004/06/08(火) 17:53
- 誰か・・・
- 130 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/10(土) 05:22
- あぁ うれしいっす!
やっと よしかごが読めます!!
作者さんがんばってください!
- 131 名前:風龍 投稿日:2004/07/10(土) 21:49
- ???
- 132 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/27(火) 06:20
- 保
- 133 名前:名無し読者 投稿日:2004/08/12(木) 18:35
- 保zen
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