みどりのかじつ
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/18(火) 04:11
- メロンさんの短編。
1レスぐらいで終わる短い話を書こうかなと。
- 2 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/18(火) 04:35
- たまに、レスが増えるかも。
今からうpるのもレス増えのお話。
- 3 名前:はまる 投稿日:2003/11/18(火) 04:36
- 「ねえねえ」
「わっ…なんっだよぉ…」
瞳は雅恵の鼻先に顔を近づけた。
近づけられた方は、驚きで取り落とした雑誌を拾い上げようとする…が、
近づけた本人は、そのまま雅恵の首に腕を廻しこみ、頬に口付ける。
「…いきなりなにすんの。」
「だってぇ。」
そのまま上目遣いで見つめてくる。
目が潤んでいて、それを見てしまった雅恵は頭の中で頭を抱えるしかなかった。
(こうやっていつも乗せられちゃうんだよね…)
- 4 名前:はまる 投稿日:2003/11/18(火) 04:36
- 「マサオってバカだなぁ…」
「なに?なんで?マサオバカなの?」
目をパチパチさせて、今度は顎に口付けてきた。
「…ひとみん」
「なーに?」
「ベッド…いこうか…」
してやったり、みたいな顔をして、瞳はそのままにこりとして、今度は唇に触れてきた。
さすがの雅恵も、ポーカーフェイスがきかない。顔が緩んでしまっている。
「んふふ。やったっ」
「はぁ…」
(あぁもう…ダメだよ…)
雅恵はやっぱり頭の中で頭を抱えてしまってるわけで。
こうやって瞳に嵌っていくんだなぁとひしひしと感じていた。
- 5 名前:おちる 投稿日:2003/11/18(火) 15:03
- めぐみは書き物をしていた。
グループが結成されてからずっとつけていた日記。
大事な思い出をたくさんたくさん刻んでいる。
「めーぐちゃんっ」
ドアの向こうからかわいらしい呼びかけ。
愛しのお嬢様がお呼びとなれば出向かないわけにはいかない。
日記を元の通り引き出しの奥の奥にしまうと、立ち上がり、ドアの方に向かう。
「なんだい?」
「ごはんできたから食べよう?」
あゆみの上目遣いに軽く眩暈がする。
ここで今すぐ抱きしめてしまいたい衝動を抑えて、頷く。
「今日はなーに?」
「肉じゃが。」
「うおっ…肉…」
「少しでも食べられるようになろうね?」
「は、はぃ…」
こうやって素直に頷いてしまうのも、すべて彼女のせい。
彼女に、堕ちてしまっているため。
- 6 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/18(火) 15:22
- あ、話と話の間に区切り入れておくべきでした。
「はまる」と、「おちる」はまったく別物の話です。
- 7 名前:しつける 投稿日:2003/11/18(火) 21:49
- 瞳は悩んでいた。
寒い空気が目の前から流れてくる。
「…ひとみん、冷蔵庫開けっぱなしにしないの。」
「冷凍庫だもん。」
「揚げ足とらない。」
そう言って雅恵が冷凍庫の扉を閉める。
瞳はそれを見ながらむっとした顔で雅恵を見上げた。
「なぁによ。」
「ひと、アイス食べたかったんだもん。」
「だからって冷凍庫開けっぱなしにすることなかったでしょ?」
「イチゴかチョコか悩んでたんだもん。」
おかしなことにこうやって見下ろしてる形だと、小さな子供を躾けているように雅恵は思えていた。
そして、頬を膨らませて雅恵の服の裾を掴んでいる。
(子供っぽいとは思っていたけど…まさかここまでとは…)
そんなところも愛しいと思ってしまうのは、ナントカのなせる業なのかと頭の中で巡らせると、頬が紅潮してくるのがわかった。
いつの間にか横でチョコのアイスを貪っている、でっかい幼稚園児の頭を撫でて気を紛らわそう。そしたら落ち着いてくるでしょ。
雅恵はそう思いながら、瞳の髪に手を伸ばした。
- 8 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/18(火) 21:50
- またひとつおしまい。
今日1日でいくつ更新してるんだよ自分。
- 9 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/10(水) 00:19
- いいですねー。
今後に期待していますよ
- 10 名前:名無し読者。 投稿日:2004/01/13(火) 18:32
- 保全します
- 11 名前:たたかう 投稿日:2004/02/22(日) 20:52
- 机を挟んで、あゆみと雅恵が睨み合っている。
で、その机の特等席には瞳が困った顔をして、あゆみと雅恵を交互に見ながら溜息を漏らす。
「あのね、なんでそんなに瞳ちゃんを怒るかな、マサオくん。」
「怒ったわけじゃない。しかもそれいつものこと。」
あゆみに攻められるが、雅恵は悪いと思った風もなく、憮然とした表情でそれに対応する。
そんな態度にカチンときたのか、あゆみは机をバンッと叩き、立ち膝をつく。
「瞳ちゃんがかわいそうとか思わないの!?」
「だぁから、別に怒ってんじゃないんだってば…」
「どーだか!瞳ちゃんを自分のもんと勘違いしてんじゃないの?」
あゆみが切り出した突然のことに、雅恵は頬を紅潮させ、こちらも立ち膝をつく。
言われた本人様は、わけが分からず焦るばかり。
- 12 名前:たたかう 投稿日:2004/02/22(日) 20:53
- 「ちょっとー…なんでそんな話になってんのよぉ…。」
「だって瞳ちゃん…。なんでよぉ?どう考えてもマサオくんが悪いじゃん!」
「待ってよ、マサオは全然悪くないからさ、マサオが言ってる通りいつものことだし…」
「そーそー。」
「ちょっ、マサオくんは黙ってて!!」
「はぁーい。」
3人のおかしなやり取りが続く。
かと思いきや、楽屋の扉がカチャリと開く。
「ちょっとー、どうしたってのよ?外聞こえるよー?」
めぐみがジュースを持ちながら呆れたように3人を見つめる。
「村ぁ!よかったー。助けてよぉ…」
2人の間に入っていて困っていた瞳が、めぐみに助けを求める。
瞳から理由を聞き、めぐみは彼女の頭をぽんぽんと叩くと、そのまま二人に向きなおる。
- 13 名前:たたかう 投稿日:2004/02/22(日) 20:53
- 「あー、あのねぇ。まあ、大谷君のいい分もわかります。」
「だよね。」
雅恵がうんうんと頷く。
「しかしだね、柴田君のいい分も当然分かります。」
「ほらぁ。」
あゆみも、でしょでしょ?なんていいながら頷く。
「あのーですねぇ。私個人的な意見としては、困るんですね。どっちも。」
「「はぁ?」」
めぐみの言うことが分からないという風で、二人は首をかしげる。
「まあどっちもあんまり考えなくてもいいと言うか、まあ大谷君のちょっとだけ横柄な態度は博士的には困るわけでして。」
「は、はぁ。」
「いわゆる、なんていうんですかね。博士とひとみんは付き合ってるので。」
「えっ?」
「そこんとこ、ヨロシク。」
そう言い放つと、瞳の手を引いてめぐみは楽屋を後にした。
瞳は手を引かれながら、2人に申し訳なさそうにウインクをして行った。
- 14 名前:たたかう 投稿日:2004/02/22(日) 20:53
- 「……。」
「……。」
楽屋に残された2人は呆然。
「ねえ、マサオくん。」
「なぁに。」
「あたしたちひとみん好きだよね。」
「そ、そうね。」
「もしかしなくても、負けた?」
「そうね…。」
「ふっかけた意味、ないじゃん…」
「そうねぇ。」
「「はーぁ…」」
意味ない戦いを挑んで、意味なく買って。
思いもよらない人に持って行かれて。
というか、持って行かれてて。
溜息つくほかなかったわけです。
ご愁傷様。
- 15 名前:名無しさん 投稿日:2004/02/22(日) 20:55
- 更新いたしました。
柴誕生日なので、ボリューム多めで。
レスいたします。
>>9
遅くなって申し訳ありません。
ご期待にそえることができるかどうかですが、見てやってください。
>>10
保全感謝いたします。
ありがたいことです、本当に。
- 16 名前:とりあえず 投稿日:2004/03/11(木) 22:50
- 「とりあえずお茶くださーい。」
「アンタ、人ん家上がりこんでいい根性してんじゃなーい。」
マサオはいつもそう。
アタシんちに遊びに来たら、すぐにお茶くださいだもん。
しかも、とりあえずが付いてくるし。
…まったく、何考えてるのかしら。
「はい、ウーロン茶ー。」
「せんきゅー。」
グビグビ飲んじゃってまあ…。
そんなに喉渇いてたのかね。
「なによ、どっか外行ってきたわけ?」
「んーにゃ。」
「は?家からまっすぐ来たの?」
「うん。」
信じらんない。
自分の家でお茶飲めばいいのに…。
- 17 名前:とりあえず 投稿日:2004/03/11(木) 22:51
- 「まったくもう。アンタはなんでそうかなー。」
「いいじゃんさぁ。」
「はぁ…」
そりゃ溜息だってつきたくなる。
「ねね、ひとみん。」
「なーによ。」
「とりあえずさあ、ひとみんもらってもいいかな?」
「はっ?」
今度は何を言い出すのやらと思えば…。
…ま、いいけどね。
好きだから。
許さないはずないじゃん。
「どうぞ、ご自由に?」
「こりゃどーも。」
バカだなー。
アタシもコイツも。
- 18 名前:名無しさん 投稿日:2004/03/11(木) 22:52
- 更新いたしました。
結構な間の放置申し訳なく思います。
放棄する気はないので、それはご理解頂ければと…。
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/17(水) 23:21
- わ!メロンさんの小説発見!
巡回ルートにいれさせていただきます。
がんがってください。
- 20 名前:おさえる 投稿日:2004/03/28(日) 03:00
-
ひどいなあ。
「あーあー、もう…。」
部屋の中は散乱していて、どこから手をつけていいかわからない状態。
泣きながら電話で呼び出されて、もらっていた合鍵で開けたと思ったら、この有様。
床にビールの缶やらワインの瓶やら、お気に入りのぬいぐるみやら、紙やらなんやら…。
酔っ払って暴れるにもほどがあると思うんだけどな。
…ていうか、恋人でもない私が合鍵を持たされてる時点でおかしいんだけど。
そのままソファーの方に目をやると、携帯電話を掴んだまま転がってる人間を見つけた。
「ほら、ひとみん。しっかりして?」
彼女の脇から手を入れて、抱き起こすと酒の匂いが鼻につく。
「うわっ…相当飲んだねぇ、こりゃ。」
「んん…めぐぅー…」
「あーあー、あなたのめぐみさんが来てあげましたよー。」
やば、あなたのめぐみさんだって。
バカじゃないの?
- 21 名前:おさえる 投稿日:2004/03/28(日) 03:01
- 「うー。ひと頭痛い…。」
「そりゃそうでしょう、まったく…こんな散らかしちゃってまぁ…」
「めぐぅー、マサオってばひどいんだよー?」
「あーもうわかったから、その話はあとで聞きます。お風呂は?入ったの?」
「入ってなぁい」
そりゃそうか。
たぶんマサオくんのところから帰ってきて、そのままヤケ酒だな…。
「じゃあお風呂は明日の朝でいいから、ひとみんはもう寝なさい?」
「やぁーだー。」
酒の入った赤らんだ顔で、上目遣いでこっち見られちゃたまったもんじゃない。
はまらないように目を逸らす。
「ちょっとぉー。なんで目ーそらすのぉ?」
「いや、なんでもないですわよ。」
「こっち見てよぉー。ひとのこと嫌い?」
「いや、嫌いじゃないですよ。」
「うそー!マサオと一緒でひとのこと嫌うんだぁー!」
「いやいや、そんなことないから?ね?」
「ほんとぉ?」
お酒臭い、絡んでくる、おまけに泣いてる。
あーもう、酔っ払いっていうのはどうしてこんなに困りものな上、かわいいんだろう。
- 22 名前:おさえる 投稿日:2004/03/28(日) 03:02
- 「ほんとほんと。」
「…ねむぅい」
「は?眠いの?」
こんなところで寝られては困る。
私の力じゃひとみんおぶえないよ。
「だめっ、だめだぉ!ここで寝たら!」
「うー」
「手ひいてあげるから、ベッド行こうにぇ?ベッド。」
「うんー…」
のそのそと立ち上がろうとするひとみんを、私が引き上げる。
…親になるってこういうことなのかしら。
そのまま手を繋いで寝室まで連れて行く。
ますます親っぽい。
あーあーもう。かわいいなー…。
「ほら、ベッドついたから。寝なさい?」
「うん。めぐはぁ?」
「私?私は帰りますよ。」
「やだー。一緒に寝てー。」
「まったく…子供じゃないんだから、一人でいい子に寝てなさいよー。」
「ぶー。」
- 23 名前:おさえる 投稿日:2004/03/28(日) 03:02
- やめなさい、そういうことは。
私の脳が爆発したらどうするんです。
…なんていえるはずがなくて。
そのままベッドの傍らに座って、ひとみんの頭を撫でる。
そうしたら、案の定寝入ってくれた。
「はぁ…」
まったく、マサオくんもひとみんをこんなにさせるまでなに言ったんだか…。
普段のケンカなら泣きついてくる程度なんだけど。
すやすやと軽い寝息をたてる彼女を見て一息つく。
さて。
これ以上このかわいらしい顔を見てると、どうにかなってしまいそう。
そうなる前に部屋を出よう。
「おやすみひとみん。ちゃんとマサオくんと仲直りするんだよ。」
こうやって頼りにされることは悪くないけど、けど…。
痛いなあ。
自分でキズを作っている。
でも、合鍵はまだ返せそうにない。
- 24 名前:名無しさん 投稿日:2004/03/28(日) 03:05
- 更新しました。
最初に1レスぐらいの短い話って書いてるのに、すっかり何レスも使ってしまっています。
まぁいいか。
レス致します。
>>19
巡回ルートですか!ありがとうございます。
がんばりますので、見てやって下さると有難いです。
- 25 名前:なち 投稿日:2004/03/28(日) 10:22
- (・∀・)イイ!!メロン最高!!
- 26 名前:かてる 投稿日:2004/04/19(月) 01:02
- 身長差っていうのはなんとなく嬉しく思う差で。
少しだけ彼女より優れてるところを発見したみたいで嬉しくなる。
そんな理由。
私は彼女と比べてみても、なんのとりえもなくてつまらない人間です。
でも身長だけは5センチほど勝ってる。
でも一緒に出かけるときは彼女はヒールの高い靴を履く…のでありまして。
結局は優越感に浸れるのは家の中だけだったりするのです。
「ねえ。」
「んー?」
ベッドで雑誌を読みながら寝転んでいた彼女が振り向く。
口にはチョコレート。
…寝床で食べ物食べないで欲しいんだけどな。
「ちょっと立ってみて?」
「はぁ?なんで?」
「まあまあ。」
そう言うと渋々ベッドから降りて、私の隣に並んでくれた。
「なにー?……ったぁ!なによー。ぺちぺちしないでよっ」
いい位置だから思わずね。
- 27 名前:かてる 投稿日:2004/04/19(月) 01:03
-
ぺちんぺちん
「やだーもうー。やめてよぉぉ」
あ、やばいこれ楽しい。
5センチの差最高。
家にいるからただでさえ優越感なのに、これはまずいな。
はまりそう。
「くっそー。えいっ」
べちん!
「痛っ」
「しかえしです。」
そうきたか。
ていうか、なんで私より強く叩くわけ、この人は。
ぺちんぺちん
べちんべちんべちん
- 28 名前:かてる 投稿日:2004/04/19(月) 01:03
- 多い多い!
多いよ、数が!
ていうか痛いです!
「瞳さん、はたく数多くないかい?」
「気のせいでぇす。っていうかー、マサオおでこぺちぺちしやすい。」
「なにそれっ」
「いいデコしてますねえー。かーいいー。」
ぺちぺち
…これじゃあ身長差があってもなくても一緒じゃないさ。
なんだよもう。
これじゃあどこで優越感感じたらいいのよ。
なんだよもう。
つーか、ほっぺたが熱い。
なんだよもう。
勝ってるって思ってたのになあ。
今度こそ私に勝ち目ないよ。
勝ってると思ってた身長差でも遊ばれてるんじゃなあ。
…ひとみんのバカ。
てーか、私のバカ。
- 29 名前:名無しさん 投稿日:2004/04/19(月) 01:07
- 更新しました。
最近脳の中身が斉藤さんと大谷さんに。
非常に危険です。
レス致します。
>>25
メロン最高ですよ!本気で。
- 30 名前:ながれる 投稿日:2004/06/10(木) 02:07
-
響かない音がある。
奏でられた音楽はすべて空気に飲みこまれて消えていってしまうのだ。
- 31 名前:ながれる 投稿日:2004/06/10(木) 02:08
- ―ピアノ。
コップに入った水が溢れてゆくように、常に私の愛は彼女に注ぎ込まれている。
鍵盤を撫でると、トン…と緩やかな音を奏でる。
一音一音が私を恍惚とさせるのだ。
蝶々は弾いていて気持ちがいい。
単調な曲は頭が働かないから。
パチパチ パチパチ
気づかなかった。
人?
「素敵。」
ショートカットで目が大きな子。
綺麗。
思わず上から下まで眺めてしまった。
「リクエスト、してもいいですか?」
「ええ、どうぞ。」
「ラ・カンパネラを。」
「喜んで。」
- 32 名前:ながれる 投稿日:2004/06/10(木) 02:08
- これはまた難しい曲をリクエストされたものだ。
目を閉じ、鍵盤に指を置く。
難しい曲も弾いていて気持ちがいい。
達成感もそうだけど、感情が込めやすい。
スッと力を抜いて、感情に力を込める。
指は自然に動く。
私の考えるよう、思うように。
時が止まったように感じる。
すべてが私に集約するように。
指に耳にすべてに。
――最後の音が響く。
- 33 名前:ながれる 投稿日:2004/06/10(木) 02:08
- ゆっくりと顔を彼女に向ける。
そうしたら、拍手とともに、彼女は笑顔を湛えていて。
拍手と余韻が聞こえなくなった。
力が目にしか込められない。
瞬時に奪われたのだと悟る。
「素敵な演奏をありがとうございます。」
「い、いいえ、こちらこそありがとうございます。自分の好きな曲だったもので。」
「偶然。」
そう言うと、また綺麗な笑顔を向けてくる。
「はじめまして、柴田あゆみと言います。…村田めぐみさん。」
「…?名前…どうして?」
「あたしが貴女のこと好きだから。」
溢れんばかりにあった私の今のピアノへの思いは、どこにいってしまったのだろうか。
さああと流れ落ちるような水の音楽、今はしない。
「え…と」
「…またきます。今度は私もバイオリン持ってきますね。」
足が動かなかった。
次はいつ会えるだろうか。
明日だろうか明後日だろうか。
私の中の音楽は、今はまだ流れない。
- 34 名前:名無無しさん 投稿日:2004/06/10(木) 02:10
- 更新しました。
村柴は画が綺麗すぎて、頭の中に浮かべるのがためらわれますw
- 35 名前:名無しさん 投稿日:2004/06/10(木) 02:10
- Σ
なんか名前おかしい。まあいいか。
- 36 名前:なち 投稿日:2004/06/10(木) 21:27
- 更新キタ━(・∀・)イイ!!━
- 37 名前:つまる 投稿日:2004/09/26(日) 22:15
- ラジオでうっかりとんでもないことをくちばしってしまった。
うちのひとみん
バカだ。かなりのバカだ。
なんでしょう、うちのひとみんて。
こんなことを言ったからといって、彼女に謝るのもおかしな話だ。逆に怪しまれる。
「むらっちー」
「ん、んあ?」
「今日の心理テストんとこ面白かったよー」
「そう?ど、どこ?」
「うちのひとみんってとこ」
「あ、ああそこ」
「なんかいいよね、家族みたいで。アタシちょっと嬉しかった。」
彼女はそう言って手を振りながら帰っていった。
「はあ…」
大きな溜め息は幸せ逃がしそうなぐらい。
嬉しかったんだけど、なんだろうこの不安は。
頭に彼女の笑顔と、今遠くに見える二人の背中を見送る。
私の中の彼女との距離は全然詰まらない。
- 38 名前:名無しさん 投稿日:2004/09/26(日) 22:18
- 職場で更新しましたw
みなさんお久しぶりです。
>>36
イイですかw
ありがとうございます
- 39 名前:ひたる 投稿日:2004/10/16(土) 01:56
- 出会った途端に運命だと思うことなんて、今までなかった。
なんでそんなことを思ってしまったんだろう。
ひとめぼれなんてありえない!と、周りに言いまくってたはずなのに。
毎日顔を合わせる存在。
目がはなせない。
奪われる。
いつでもアタシは釘付け。
女の子だった出会いの時。それが、ボーイッシュに変わっていった。そして今度は女性に変化していって。
成長期以外の成長を見るのってなんだか嬉しくて。
別に付き合ってるわけでもないんだけどね。
いっそあっちから告って欲しいなんて、ヘンなこと考えたりして。
それだけでもなんか楽しかった。
いつかあの人の隣りで笑えるようになりたい。
アタシ、サイトーヒトミは、オータニマサオが大好きです。
- 40 名前:名無しさん 投稿日:2004/10/16(土) 02:00
- 更新しました。
斉藤さんが大好きです。(キモ
- 41 名前:あこがれ 投稿日:2004/12/20(月) 02:16
- いつも、すくっと背筋がのびて
そんな言葉から始まる詩を好きな人に捧げた。
それは、公共の電波ではあったけれど、後悔なんてしていない。
アタシの秘密の告白。
秘密じゃないか。
だって本当に一緒にいたいと思ったんだもん。
色紙を渡して、ラップかけて飾っとくねといってくれたあの笑顔をアタシは忘れない。
大事に大事に頭の中にしまって、たまに思い出して嬉しくなるんだ。
ふふっ
なんだろうね、どうしてこういう気持ちになるんだろう。
見ると自然に目が細くなっちゃう。
声を聞くと嬉しくなっちゃう。
ひとみん、って呼ばれるとドキドキしちゃう。
今、アタシはとてもしあわせ。
気づかれないだろうけど、ひとつ気持ちは伝えたつもりだから。
鈍感だけど、ヘンだけど、おもいきりがよくって、どうどうとしてる優しい優しいあなたが好き。
ああいう人の、側にいたいな。
ああいう人のように、なりたいな。
- 42 名前:名無しさん 投稿日:2004/12/20(月) 02:16
- 更新致しました。
おひさしぶりすぎてすいませんw
- 43 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:35
-
「やっぱりムラッチは面白いねぇ」
「ヘンなんだよ、たぶん。アハハ」
「みなさんよしてくださいな。ムラタは何にもおかしくないですわよ。」
いつもそう口にすると、皆が笑ってくれる。
「じゃあ今度また面白い話聞かせてよ〜」
「またね〜。ライブ頑張ってね〜」
「ええ、ごき〜。」
そうやって私を置いて去っていくのもいつものこと。
「ふぅ。」
いやはや道化も疲れるものでして。
一仕事終えたかのような疲労で、思わず休憩所にあるソファーに腰を下ろしていた。
- 44 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:36
-
「むらー」
「モラタくーん」
掛けられた声に顔を上げると、最近とみに綺麗になっている彼女と最近金髪に戻した彼女と…
つまりは瞳さんと大谷くんである。
「あれまあ、ご両人。どうしたの?」
「アハー。どうするマサ、ご両人だって!」
「ちょっとモラタ!あんた、マーシーは別に、ひとみんとどうとかそんなのは…!」
「ペッペッ、邪魔者はちゃっちゃとどっか行きますわよ。」
いやあねえもう。
ノロケかよっ。
「ちょーっとまちなさーい!あんた、呼びかけたのに。」
「そーだよ、むら。」
「へぇ?」
「あゆみが探してたよ。」
「あーもう…ひとみんボタンはずれてる…」
「あん、ありがとー。」
大谷くんが甲斐甲斐しく瞳さんのボタンを掛けなおしていて。
やっぱりご両人じゃないのよなどと思ってしまう。
- 45 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:37
-
「はぁ。で?あゆみちゃんが何だって?」
「なんか、こないだ言ってた写真ができたとかなんとか。」
「あぁ〜。あれね。今じゃないとダメなのかしら。」
「ムラッチ見つけたら、とか言ってたからそうでもないんじゃない?あーん、マサ爪が痛い〜」
「あ、ゴメンひとみん。ま、とにかく気が向いたら行ってあげなよ。」
「へーへー。わかりました。お宅らはそのままいちゃついていなさいな。」
そう言いながらソファーから離れた。
後ろで大谷くんがギャーギャー言う声が聞こえるけど、まぁそのうち機嫌もよくなるでしょう。
楽屋へ向かう足はそれなりに重く。
「やだやだ…」
「むらーたさんっ」
「あら、亜弥ちゃん。」
メイク前の亜弥ちゃんが、腕を絡めてくる。
- 46 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:38
-
「さっきはなんか当てられちゃいましたね。マツーラ話しかけづらくて遠くで見てただけですけど。」
「あら、声掛けてくれてもよかったのに。」
遠くでとはまた。
彼女らしいというかなんというか。
「村田さんも大変ですね。さいとーさんとおーたにさんは仲良しだし。」
「いいのよいいのよ、あの子達はいつもあの調子なんだから。少しは刺激…じゃないけど煽っておかないとね。」
「そういうもんなんですかー?」
「そういうもんなのよ。そうでもしないと進展しないんだから。ムラタコマッチャウ。」
「にゃはは。やっぱり村田さん大変なんですね。」
「あら、そうね。この流れだと。」
亜弥ちゃんのような、少し理解してくれるような子は付き合いやすくて好きだ。
この子は賢い。
少しだけ見透かされてる感もあるけれど、それぐらいが付き合いとして気持ちいい。
「村田さん、しばっちゃんはよかったんですか?」
「なぁに、そんなとこまで聞いてたの…?って聞こえてるよね。」
「にゃはははぁ」
- 47 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:38
- こうやって崩して笑うところを見ると、年相応だなと微笑ましくなる。
普段が普段なだけ、若干だけど不安にはなっていたのだ。
「亜弥ちゃんありがと。あゆみちゃんとこに行ってくるね。」
「ハァーイ。村田さん、またあとでっ!」
「ええ、ごき〜」
「にゃはは。ライブ頑張りましょーねぇ〜」
笑顔で亜弥ちゃんは自分の楽屋に戻っていった。
微笑ましいわ、本当に。
私は彼女のように、華のようになれるのかしら。
あの子達みたいに、はつらつと日々を過ごしていけるのかしら。
そして、楽屋で待ってるあの子みたいに優しくいられるのかしら。
- 48 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:40
-
今の私は私らしい?
道化でいることは私らしい?
壁にもたれて、ふっと強く息を吐く。
…だめだだめだ。
迷っていると表に出る。
ガチャッ
「はぁ……いったぁ!!」
「えー?梨華ちゃん意味わかんないよぉ、ととと、あ、ムラッチ!あ、ごめん梨華ちゃんまたあとでね!」
ドアノブが脇腹に直撃した…
楽屋のドアが開いて…とりあえず、今あゆみちゃんが私のほうを見てるということはそういうことなのよねきっと。
- 49 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:40
-
「ひゃー、ごめんねぇ、痛かったよね?大丈夫?」
「ムラタは大丈夫ですけど…電話、よかったの?梨華ちゃんなんでしょ?」
「まあアレはあとでもなんとかなるから。」
そういって、またバイブした携帯の電源ボタンを連打していた。
…かわいそうに…。
「あゆみちゃんは相変わらずねぇ。」
「何が?」
「せっかく梨華ちゃんと話してるのに、ってことよ。」
「んー…付き合ってるし。少しだけ邪険にしてもいいかなっていうか、いいのよ、梨華ちゃんは。」
「どうして?」
「今はムラッチの心配する方が大事って思ったからだよ。」
「そう…」
やはりこの子は優しい。
そして私は汚く、醜い。
それを笑顔で隠している。
心配そうな顔をして私の顔を覗き込む貴女を想い、胸を痛めるのです。
- 50 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:41
-
「どしたの?」
「いえいえ。あ、写真できたんだって?瞳さんから聞いたわよぉ。」
「あ…うん!ちょっときて、かっなり面白い出来になってるから。」
「ウソーン。私いっちゃんキュートに撮られたり撮ったりなはずなんですけどぉ。」
「オイッ、撮る側がキュートってどういうことやねーん。」
やっぱり私はお調子者が一番似合っている。
私らしいんだ。
「ムラッチー」
「なぁに?写真あったー?」
「んー、待って。あのさー、そんな無理とかしなくていいんだからね。」
「?」
「あ、あった。笑顔作らないほうがムラッチはかわいいんだから。」
「……。」
「どしたの?ほら、写真。」
「あ、うん…。」
笑顔で写真を渡され、何気なく励まされ、結局私は本物の道化だったわけで。
隠し切れず、か。
- 51 名前:道化師 投稿日:2005/03/19(土) 22:42
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「それがわかるのなんて、あたしと瞳ちゃんとマーシーだけだろうけどね。
あの二人だって心配してるんだよ。あたしが止めてるから心配してるっていうようなことは口にはしないと思うけど。」
「…あゆみちゃん。」
「賭けてたの。どれだけ我慢するつもりなのかなって。」
「……。」
「いいんだよ、我慢しなくってもさ。」
「ごめんね。」
漏れるため息。
溢れ出そうになる涙。
それを必死で食い止める。
この子の優しさが痛すぎる。
「うん、ありがとう。」
そう言って、写真をバッグにしまって楽屋を出た。
ここでは泣けない。
これから仕事だ。
道化に道化を重ねなければいけない。
胸をギュッと押さえ、深呼吸ひとつ。
ムラタメグミ、行きます。
私はこれからも、笑顔のピエロのままなんだ。
仮面の下は涙を描く、そんなピエロのまま。
- 52 名前:名無しさん 投稿日:2005/03/19(土) 22:46
- 久しぶりの更新になりまして、大変申し訳ありませんでした。
このお話で一区切りつけようかと思いまして、うpした次第です。
自サイトでの更新が手一杯の現状になってしまいまして、ここを放棄致したいと思っております。
ですが、まだ容量が残っていますから、もったいないですので…
誰か使ってくだされば幸いでございます。
ではでは、ありがとうございました。
- 53 名前:名無しさん 投稿日:2005/03/19(土) 22:47
- おとします
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