NeverForget・・・
- 1 名前:未完 投稿日:2003/11/29(土) 17:10
- 初めて書きますvvv
「あやみき」の学園ものです。
良かったら読んでみてください。。。
- 2 名前:未完 投稿日:2003/11/29(土) 17:11
- うまく書けないかもしれないけど・・・
- 3 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/29(土) 17:54
- 「もし、あたしが死んじゃったらどうする?」
「もちろん、追うね。」
「どこまで?」
「そりゃあ、天国に決まってんじゃん。」
「もし、地獄だとしたら?」
「それでもかまわない。」
キミがいるならどこへでも行ける・・・。
そこが例え、天国であろうと地獄であろうと構わない。ずっと一緒にいてほしいから。
けして言葉にしてはいけない感情がある。例えどんなに愛しくなっても、切なくなって絶えられなくなったとしても・・・言葉にしてしまえば全てが壊れてしまう。その笑顔までも。
だから、よけいにつらくて、
どんどんわからなくなっていく・・・
- 4 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/29(土) 18:12
- ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
- 5 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/29(土) 22:32
- いつからか、何がきっかけだったのか・・・あんまり覚えてないけど中学校を卒業する頃には結構、仲良くなってた。
別に友達なんていらなかった。一人の方が気楽だと思ってたから。
「美貴ちゃんと同じ高校なんだよぉ」
と言われて初めて知ったのは高校の合格発表があった次の日だった。
その時は意識してなかった。べつに亜弥ちゃんと他の高校でも良かった。
だけど今は・・・
- 6 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/29(土) 22:51
- ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
- 7 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/29(土) 22:59
- そして、桜の花びらが舞い踊る中、広い体育館で入学式が行われた。
- 8 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 11:21
- 亜弥ちゃんはC組で私はA組だった。
休み時間になるごとに亜弥ちゃんは私に会いに来た。
「クラス違っちゃったね。あたしのクラス話せる人いないんだぁ。」
「そっかぁ。美貴もいないよ。」
「あ、だけど、一人だけ話しかけてくれた子がいてぇ。その子めちゃめちゃカワイイんだよ。」
「そっか。良かったじゃん・・・。」
「うん・・・」
なぜだろう。いつも話しがとぎれる。
授業の始まりをつげるチャイムが鳴った。たすかった・・・。
「じゃあね。」
「うん。」
- 9 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 12:46
- 朝は駅が違うから会わない事が多いけど、帰りは一緒だった。かならずむこうから誘いに来た。
だけど、だんだん変わってきた。休み時間に来る回数が減って、あんまり会わなくなったせいか、帰りも別々になることが多くなった。
- 10 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 13:10
- 亜弥は女の子と楽しそうに話しをしていた。とても仲が良さそうに見えた。すると突然、その女の子は亜弥のほっぺにキスをした。亜弥は顔を真っ赤にしながら、だけど、嬉しそうに笑ってた。今まで見たことのないような笑顔。その光景を見ていた美貴の胸は高鳴っていた。
気付いてしまった亜弥の可愛さに・・・。
そして、その日からだんだんと美貴は変わり始めていった。
- 11 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 13:23
- 数学の教科書を忘れた美貴は亜弥に借りに行った。そして、その光景を見たのであった。
声をかけるのを忘れるくらい釘付けになっていた。すると、目が合った。そして、その笑顔を保ったまま亜弥は美貴のもとへと近づいてきた。
「どうしたの?初めてだね、美貴ちゃんがD組くるの」
美貴の胸は高鳴ったままだった。
「あの、数学の教科書忘れちゃってさ。持ってる?」
「持ってるよ。ちょっと待ってて。」
亜弥は自分の机まで取りに行った。
- 12 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 15:09
- そんな亜弥を美貴は目で追っていた。
すると、強い視線を感じたのでそっちを見るとさっき亜弥と仲良く話していた女の子が美貴のことを見ていた。睨んでるとかそんなんじゃなくて、逆に少し笑顔で美貴を見ていた。その子は頭をちょこんとさげると自分の席へ行ってしまった。美貴はきょとんとしていた。するとそこに亜弥がきて
「どうしたの?なんかボーっとしてるよ。はい、これ。」
と言って教科書を渡した。美貴は亜弥の顔に視線を向けた。するとまた、心臓がドキドキしてきて、亜弥に聞こえてしまうんじゃないかと心配して
「あ、ありがとう。んじゃ、借りるね。」
と言って慌てたように自分のクラスに戻っていった。
- 13 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 15:16
- 亜弥は美貴があんなに慌てたところを見たことなかったので、なぜかおかしくて一人で吹き出していた。
「今の子がそうでしょ?」
するとさっきの女の子が来た。後藤真希とういうのがその子の名前だった。
「あったりぃ。真希ちゃん話したことある?」
「もちろん、ないよ。名前は?」
「美貴。藤本美貴っていうんだよ。」
「ふ〜ん」
- 14 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 15:28
- 一方、美貴は授業なんか耳に入らず亜弥の事ばかり考えていた。
”どうして、突然、こんなに亜弥ちゃんの事を意識してるんだろう・・・。”
でも、今更ながら普通に考えれば、亜弥はかなり可愛い。男の目からすればすぐにでも彼女にしたいと思うだろう。
そう、男だったら絶対に好きになってしまうかもしれない。
- 15 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 15:34
- そんな事を考えてると、あっという間に数学の授業は終わってしまった。
「み〜きちゃん」
美貴の後ろには亜弥が立っていた。さっきよりも平気になった心臓の音。
「あたしも次、数学だからさっ」
「そっか、ごめん。わざわざ来てもらっちゃって」
- 16 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 15:38
- その瞬間、美貴は自分の口から出た言葉に少し驚いていた。いつもだったら、「わざわざ来てもらっちゃって」なんて言わないはずなのに。友達なんかに気を使わなかったはずなのに・・・。
そんな事にも亜弥は気付かずいていないのか、
「いいよ、別に。それに美貴ちゃんに会いたかったし。」
と笑顔で言った。
- 17 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 15:55
- 前だったら、そんな亜弥の言葉も美貴の耳にも止まらずあっさり過ぎていった。だけど、今の美貴には亜弥の行動や言葉が一つ一つ気になって仕方がない。
前の美貴だったらこんな事を言われた時、何て言ってたのか・・・。戸惑っていると
「どうしたの?さっきからなんか変だよ。」
と言って亜弥は美貴のおでこをさわった。
- 18 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 16:18
- 美貴の体は一瞬、ビクっとなった。それは、美貴にしかわからないだろう。亜弥はいつもと何かちょっと違う美貴がおもしろくて、気付かれないように遊んでいた。
「熱はないみたいだけど・・・それとも、あたしの手が暖かくてわかんないのかなぁ?」
というと美貴の手をつかんで
「どう?」
と言った。美貴は顔がだんだん熱くなっているのに気付いた。
「なんか顔、赤いよ。やっぱ熱あるんじゃん?保健室行く?」
「大丈夫だよ。全然。」
と言った美貴は誰が見てもわかるくらい真っ赤に頬を染めていた。
- 19 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 16:26
- するといきなり亜弥の顔が美貴に近づいた。何をするのかと思えばおでこをくっつけた。
「こうやってやったほうが正確なんだよ」
美貴は何も言わなかった。言えなかった、はずかしくて。そして、亜弥は顔をはなしてから気付いた事、それは
「美貴ちゃん、耳も真っ赤だよ。もしかして・・・今のはずかしかったとか?」
亜弥は始めから全て見ぬいていたのかもしれない。だから、こんなに笑顔なのかもしれない。普通、友達が熱っぽかったら笑ってる場合じゃない。
- 20 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 16:41
- 完全に何も言えなくなった美貴は今のでおさまっていた心臓のドキドキがまた鳴り始めた。
「もしかして図星だった?美貴ちゃんカ〜ワイイ。」
やっぱりどこか、亜弥は楽しんでいた。そんな事に気付く余裕もない美貴は
「やっぱ、具合・・・悪いかも。熱あるかもしれないから、保健室行ってくるね。」
これしか、言えなかった。熱のせいにするしか方法はなかった。
- 21 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 16:41
- しかし、
「じゃあ、あたしも行く。」
美貴にとって、その言葉は嬉しいようでかなりつらいものがあった。できれば、亜弥と一緒にいたいけど、だけど今は・・・。
「ん〜、でも、もうすぐ授業始まるよ。」
「授業なんて・・・もしかして、やっぱりあたしといるの嫌だ?」
やっぱりってどういう意味?と思いながら
「んなわけないけど・・・」
「じゃあ行こ?」
「うん。」
- 22 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/11/30(日) 16:42
- 今日はこの辺で・・・。
良かったら感想聞かせてください。
- 23 名前:未完 投稿日:2003/11/30(日) 16:45
- この話しはまだまだ続くと思うんで、良かったらこれからもよろしくお願いします。
- 24 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/01(月) 00:10
- 面白いですよ、普通に。
続き待ってます。
- 25 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/02(火) 01:12
- 素敵です。藤本さんの心の動きがとてもよく伝わります。がんばってくださ〜い
- 26 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/03(水) 22:58
- 面白いです!
続き待ってますから、頑張ってください!
- 27 名前:未完 投稿日:2003/12/06(土) 16:16
- 感想どうもありがとうございます♪書いててこれからの大きな励みになります!これは最後、感動にしようと思っているのでどうか最後までお付き合いくださいvv
- 28 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 16:21
- ちょうど階段を降りようとした時、授業の始まりを告げるチャイムが鳴リ始めた。その瞬間、美貴は「今だ!」と思い、
「あ、やっぱり大丈夫ッポイから・・・。ありがとね。」
というと美貴は亜弥の手を振り解いて急いで教室に戻ってしまった。
- 29 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 16:27
- あっという間の出来事で亜弥は気付くと今の美貴の慌て様がおかしくて吹き出してしまった。そこに真希が来た。
「何笑ってんの?早く教室行かないとヤバイよ。」
「あ、そうだね。」
そして、教室に入る瞬間
「作戦成功だよ。」
と亜弥は小さくつぶやいた。真希は聞こえていたのかわからないが少し微笑んだように見えた。
- 30 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 16:35
- 美貴はさっきの行動が少し不自然だったことなんかよりも、どうしてこんなにドキドキしてしまうのか考えていた。
(なんで?もしかして、これが「好き」っていう感情?)
美貴は今まで生きてきた中で一回も人を好きになった事がなかった。人間に興味をしめさなかった。
(でも、何で亜弥ちゃんなの?何で男の子じゃなくて女の子なの?もしかして美貴ってヘン?)
- 31 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 16:45
- 初めて人を好きになったという喜びと、好きになった相手が「女の子」という事が混ざってなんともいえない複雑な心境になっていた。だけど、どうしてこんなに好きになってしまったのかわからない。でも、頬にキスをされた時の亜弥の笑顔を思い出すたびに胸があつくなっていくのと同時に亜弥に会いたくなってたまらなくなっていた。
- 32 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 16:54
- 美貴は気付くといつも亜弥の事を考えているのに気付いた。そんなことを繰り返していると以外にもあっという間に授業は終わってしまう。そして、帰る時間になった。
すこし急いで亜弥がいるC組の前まで行くと終わるのを待っていた。待っている時の緊張感というのはなんともいえない。
そして、ドアが開いて何人か教室からでてきた。
(終わった!)
- 33 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 17:03
- ゆっくりのぞいてみた。すぐに気付いてくれた亜弥は美貴に向かってとっておきの笑顔を見せた。
「あのさぁ亜弥ちゃん・・・。一緒に帰ろう?」
初めて、自分から誘った。初めて一緒に帰りたいと思った。
「うん!」
安心した美貴はその時、自然と笑顔になった。亜弥はカバンを持つと急いで美貴のところへ来た。
「じゃあ、また明日ね!」
と真希に言って手を振った。
- 34 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 17:10
- 「もしかして、あの子が前に言ってた、めちゃめちゃカワイイって子?」
と美貴がたずねた。
「そうだよ。よく覚えてたね。真希ちゃんっていうんだよ。」
「ふ〜ん。確かにカワイイね。」
「でしょう?でもねぇ、美貴ちゃんの方がカワイイよ!」
「そんな事ないよ。そんなこと言うんなら・・・」
亜弥ちゃんの方が比べられないくらいカワイイよって言いたかった。しかし、恥ずかしくて美貴は言えなかった。
- 35 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 17:20
- 「その続きは?」
「なんでもない。」
「気になるなぁ!ま、いっか。それよりぃ・・・」
歩く足をとめた。
「初めてだね、美貴ちゃんが一緒に帰ろう?って言ってくれたの。」
そして、亜弥は笑顔になった。
「あたし、すご〜く嬉しかったよ。なんで?」
「なんで?ってなにが?!」
知らぬ間に見つめ合っていた。
- 36 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 17:30
- 「どうして誘ってくれたのかなぁ?って。だって、いつもあたしが誘うと何か嫌そうだから。だから最近誘わなかったんだよ。」
嫌ではないけど、前の美貴は確かに亜弥と帰りたいっていう気持ちはなかった。今はその気持ちも180度変わっていた。それより、亜弥がそんな事を思っていたなんて美貴は全然気がついていなかった。
「そんなことないよ!全然、嫌じゃなかったよ。ごめんね、そんな思いさせちゃって。」
「本当に?」
「本当だよ!だって、今日誘ったのは亜弥ちゃんと一緒に帰りたいって思ったからだもん。」
- 37 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 17:43
- 話しのながれであっさりと言ってしまった小さな本音。
(あ!・・・今の言葉ってなんかヘンだったかなぁ。)
と美貴は悩んだ。
「本当に?なら良かった!じゃあさ、これから毎日一緒に帰ろうよ。あたしも美貴ちゃんと帰りたいもん。」
その小さな悩みも今の言葉で一瞬にして吹き飛んでしまった。
「うん!じゃあそうしようね。」
「やったぁ〜。」
その時見せた亜弥の笑顔は最高に可愛かった。また、ドキドキし始めてきたので押さえるために歩き出した。
- 38 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 17:57
- その日からだんだんと仲の良さがましていった。何事もなくあっという間に暑い暑い夏になった。
「ねぇねぇ、美貴たん。」
亜弥の甘い声に美貴の体は少し震えた。
「何?っていうかいつから「美貴たん」って呼ぶようになったの。」
「いいじゃん。その方が呼びやすいんだもん。」
亜弥は笑った。
「それよりさぁ。明日、夏休みの宿題手伝ってぇ。」
「手伝ってぇって、美貴だって終わってないよ!だって明日から夏休みじゃん!」
そう、今日は1学期の終業式の日だった。
- 39 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:09
- そうやって美貴が言うときには亜弥はきまって、
「あ!どうせ、あたしのコト嫌いなんでしょ!?もういいよ。」
と言ってほっぺたをふくらませた。
「あ、でた〜!あたしのコト嫌いなんでしょ!?攻撃。」
「あ、あ〜!やっぱり嫌いなんだぁ!もぉ〜〜。」
今度は悲しむ顔をして見せた。そういう時には美貴はきまって
「そんなことないよ。好きだよ!亜弥ちゃん。」
というのであった。そうすると美貴の言葉に亜弥は喜んでそれまで話していたことを忘れてしまう。
- 40 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:16
- 美貴がその時、「好きだよ」と言えるようになるまでには時間がかかった。それまでは「そんなことないよ」とかでごまかしていた。初めて言ったときにはぎこちなくて逆にリアルなものがあった。
どうして、言えなかったのか、ぎこちなくなってしまったのか。それは、本当に亜弥の事が好きだから、告白する時みたいだから、本当に緊張して言えなかったのだった。今だって言い終わった後は恥ずかしくなっていた。
- 41 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:26
- 満足した顔の亜弥は何か思い出そうとしていた。
「どうしたの亜弥ちゃん?」
「さっきまで何話してたんだっけ?」
美貴は亜弥が素で忘れているのがおかしくて、笑い出した。
「なんで笑ってんの!ねぇ何話てたっけ?ねぇ、ねぇ!」
「え?なんだったっけ。別になんでもいいじゃん。」
思い出されるとまた、宿題やってといわれるのが嫌なのでわざととぼけた。
「あ〜!なんかくやしいぃ〜。絶対思い出してやる。」
そんな亜弥に向かって美貴は突然、真顔で
「別にいいじゃん!」
と言ってほっぺたを膨らませた。
- 42 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:29
- それを見た亜弥は小さく吹き出した。
「なにそれ?」
「・・・亜弥ちゃんのマネ。」
たまらず美貴が吹き出して大笑いした。
「もぉ〜!!」
と言って怒ろうとした亜弥の顔はそのうち笑い声とともに笑顔に変わっていた。
- 43 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:36
- 笑いがさめてきた頃、ふと美貴は口を開いた。
「なんかさぁ、この世界に男も女もなかったらよくない?そしたら、もっとたくさんの人が愛し合えて幸せになれると思うんだけどなぁ。」
どうして、急にこんな事を口に出してしまったのかわからなかった。
「そんなの嫌だよ。」
あっさりと否定された。以外にもショックが大きかった。
- 44 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:42
- 「だって、そしたらなんか嫌だもん。この世界では女と男が愛し合うのがいいんじゃん。なんかよくわかんないけど、やっぱり女と男っていうのは大切だと思うな。」
「そっか、そうだよね。」
美貴はいつも、できることなら今すぐにでも「男になりたい」と思ってた。そうすれば・・・。
亜弥のその言葉を聞いて余計にそう思って、もちろんムリなことに気付いて深いタメ息をついた。
- 45 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:48
- だけど、まだ亜弥の話しは終わっていなかった。
「それに・・・」
放課後で、誰もいない教室に静かに緊張感がはしった。
「それに、もし男も女もなかったら・・・」
最近ではめったになかった、珍しく真剣な会話。
「なに?」
「そしたら美貴たん・・・とられそうで嫌かも。」
「え?」
「っていうか、とられたら嫌だ!」
美貴には亜弥の言ってる意味がよくわからなかった。
- 46 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 18:58
- 「美貴が?誰にとられるの?」
亜弥は立ちあがって後ろを向いた。
「あのね、だって美貴たん人気なんだよ。女の子の後輩から・・・。」
「え?そうなの?」
「あたし、中3に妹いるじゃん。言ってたもん。美貴先輩は何かクールでカッコイイしカワイイから人気だって。」
「え〜?そうなの?初めて知った!でも、じゃあ美貴って男の子から人気ないのかな?」
「うん。だって、なんか逆に怖いんだって。」
「いやぁ、そんなあっさり言われると・・・。」
亜弥は一回振り返ると
「ごめん。」
と言ってまた後ろを向いた。
- 47 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 19:04
- 「それでね、もし、男も女もなかったら女同士でも付き合えるって事だから。もし、すんごいカワイイ子がいたら美貴たん付き合っちゃいそうだし。」
美貴が立ちあがった。
「そしたら、嫌だ。そんなの嫌だもん。」
「そんなことありえないよ。第一、亜弥ちゃんよりかわいい子なんて世界中探したって見つかんないよ。」
今なら不思議なくらいに言える。思ってること全てを。美貴はそんな気がしていた。
- 48 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 19:11
- 「そんな事言って、本当はあたしのコト嫌いなんでしょ?」
亜弥は振り返ると以外にも近くにいる美貴にびっくりしながら言った。今度は冗談じゃないみたいに。
「そんなことないよ。好きだよ。」
亜弥を見つめた。
「だいたい、美貴たんは昔から鈍感なんだよ。」
「え?鈍感かなぁ。」
「だって、中学の時からずっと・・・。」
そこで言葉をとめた。
「ずっと、なに?」
美貴は亜弥に微笑みかけた。
- 49 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 19:17
- 「なによぉ?美貴、鈍感だからわかんない。」
「なにそれ。なんかひどいよぉ」
「いいから、言ってみ?」
「あのね、あの、中学の時からぁ、ずっと・・・」
その瞬間二人の目が合った。
「好きだった。」
二人の言葉が重なった。
「美貴もだよ。」
その言葉を聞いた亜弥の顔、耳は真っ赤に染まった。
- 50 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/06(土) 19:28
- 「実はずっと前から、なんか気付いてたんだ。」
予想外の言葉に亜弥は驚きを隠せなかった。
「それに、前、休み時間に美貴のとこに来なくなったり一緒に帰ろう?って誘ってくれなくなった時あったじゃん。」
「うん。あれねぇ本当は・・・」
「あれってわざとだったでしょ?人間、追えば逃げるし、追われれば逃げるっていうじゃん。それがしたかったんでしょ?」
「まぁ、そんな感じかなぁ。」
「あれのおかげで、美貴は亜弥ちゃんのコト好きになれたのかな。本当の意味で。」
- 51 名前:未完 投稿日:2003/12/06(土) 19:29
- 今日はこの辺で・・・。
- 52 名前:エムディ 投稿日:2003/12/17(水) 15:55
- 面白いです!甘甘になりそうですね♪
頑張ってください
- 53 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 10:27
- レスありがとうございますvvvv
- 54 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 10:34
- 「本当の意味で?」
「そう。いや、あの〜なんて言うか・・・」
「お前ら何やってるんだ!さっさと帰れ!とっくに下校時間は過ぎてるぞ」
すると、見回りに来た教師が教室の入り口で怒鳴った。二人はもう帰りの支度はしてあったので鞄を掴むと何も言わず学校を後にした。
- 55 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 10:45
- 話が変なところで切れてしまったので、二人ともさっきの話の続きをするべきなのか、それとも違う話でもした方がいいのか考えていた。
美貴はさっきの亜弥の言葉をずっと考えていた。
亜弥が思ってる「好き」というのはやっぱり友達としてだろうか、「とられたくない」というのは「友達を失いたくない」という意味なのか。深く考えれば考えるほど美貴の顔は険しくなっていった。
”きっと美貴が思ってる「好き」とは違うんだろうなぁ”
でも、少なくとも友達としてでも「好きだった」と言われた事を思い出して、美貴は少しだけ安心した気持ちになった。
- 56 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 11:03
- 「ねぇ美貴たん。」
その声で我に戻った美貴は亜弥の方に振り向いた。
「痛ぁっ!」
振り返ると美貴の頬に亜弥の人差し指がささった。
亜弥はニャハハと笑った。
「もう、なんだよぉ」
美貴に笑顔が戻った。
「だってぇ美貴たん、ず〜っとあたしが顔を見てたのに険しいままだし。それに、」
亜弥はさっきの人差し指で美貴の後ろを指した。
「もう、駅ついたのに止まらないんだもん。美貴たん。」
その言葉を聞いて美貴は内心はっとした。こんなに目立つ駅に気付かないで歩いていた事、そしに、ずっと亜弥に顔を見られていた事などまったく気付いていなかった。
- 57 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 11:15
- 「ボーっとしてました。美貴、ボーっとしてる時の顔、お母さんが言うにはめちゃめちゃヤバイらしいよ」
「うっそだぁ!」
「ホント、ホント」
話ながら横断歩道をわたろうとすると、亜弥の足は動かないままだった。
「どうしたの?わたんないの?」
「あ、うん。今日はちょっと用事があるから、美貴たん先に帰って。」
その言葉を言った時の亜弥は何とも言えない表情だった。
「用事って?買い物?だったら美貴も」
「あ、違うんだ。ごめんね美貴たん。ちょっと・・・親戚の家に寄らなくちゃいけなくて」
どうして亜弥の表情はこんなにも不安げなのか。どうして笑わないのか。
「そっかぁ。・・・何かあった?」
「な、なんにもないよぉ。なんで・・・そんな、突然」
「だって何か一気にテンション下がったし」
- 58 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 11:25
- あきらかに、テンションは下がっていた。今日の亜弥は朝から少しいつもと違っていた。
「テンション下がったのは、美貴たんと一緒に帰れないからだよぉ」
その時、美貴に見せた笑顔は偽物のような無理につくってるような、そんな笑顔だった。
「ならいんだけど。」
「美貴たんこそ何かテンション下がってるよぉ〜」
「それは・・・」
”いつもと違う亜弥ちゃんが心配だから・・・”
「あたしと一緒に帰れないからってそんなに気をおとされると困っちゃうよぉ」
ニャハハと笑ったのもむなしく過ぎていった。
- 59 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 11:40
- 美貴はこんな微妙なままで別れるのはすごく嫌だった。
「まぁ仕方ないか。それじゃあ、また明日ね。って明日から夏休みじゃん!」
「あ、そっか。じゃあまた今度。」
「うん、じゃあね、亜弥ちゃん。」
「バイバイ、美貴たん。」
手を振った亜弥の笑顔はまたさっきと変わらずぎこちなかった。
亜弥が後ろを向いて歩き始めたのを確認すると美貴は横断歩道を渡ろうと車の流れが少なくなるのを見計らっていた。
すると小さく美貴の名前を呼ぶ声が聞こえた。声がする方に振り向いた。
「美貴たん!」
今度はちゃんと聞こえるように。この名前の呼び方は一人しかいない。
遠くで亜弥がこっちを向いて叫んでいた。
- 60 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 11:56
- ”亜弥ちゃん・・・”
美貴は何を思ったのかすごい勢いで亜弥に向かって走り出した。
どんどん近づいていくうちにわかったこと・・・
亜弥は泣いていた。
美貴は亜弥を思いっきり抱きしめた。
「どうしたの?美貴たん」
「何か、亜弥ちゃんがどっか遠くに行っちゃいそうな、そんな気がした」
「・・・・」
「今日言った事、嘘じゃないよね?」
「なに?」
「美貴ね亜弥ちゃんの事、大好きなの。だから、亜弥ちゃんも美貴のこと」
「あたしも美貴たんが大好きだよ。」
「信じていいの?」
「うん。だからそのかわり、美貴たんも亜弥の事ずっと好きでいて。」
「好きにきまってんじゃん。」
「・・・ありがとぉ」
その時、美貴に見せた亜弥の笑顔は本物だった。どこか安心したような、そんな感じの。
- 61 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 12:15
- 「もし、美貴が亜弥ちゃんに嫌われちゃったとしても、たぶん、いや絶対、好きでいるよ。嫌いになったりしない。」
「じゃあもし、あたしが死んじゃったらどうする?」
「もちろん、追うね。」
「どこまで?」
「そりゃあ天国に決まってんじゃん。」
「もし、地獄だとしたら?」
「それでもかまわない」
亜弥は美貴から三歩離れた。
「ありがとう。そろそろ電車くるしぃあたしも行かなくちゃ。」
「うん。そうだね。それじゃあ」
「じゃあね」
そういうとお互いすぐ離れた。あえて振り向かないように。
また会いたくなってしまうから・・・
- 62 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 12:20
- 美貴は亜弥がどうして泣いていたのか、聞かなかった。
聞けなかった。今の美貴にはどうしたらいいのかわからなかったから。
はじめて出来た、友達、親友、好きな人。
自分は不器用な人だということに美貴は気付いていたので、抱きしめる事しかできなかった。
- 63 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 12:26
- 美貴と別れた亜弥は狭い路地に入ったあまりめだたない小さな喫茶店の扉を開けた。
親戚の家に寄るというのは嘘だった。
「ちょっと遅いんじゃない?」
奥の方から声がした。後藤真希の声。
彼女はすでに家に帰って着替えていた。ミニスカートにブランド物のTシャツ。
- 64 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 12:33
- 「ごめん、真希ちゃん。これでも急いできたんだよぉ」
向かい合って座ると、オレンジジュースを頼んだ。
「別にいいよ。」
真希は軽く笑った。真希はこういう時になるととてもクールな人になる。
「それで、相談って何?」
「あ、あのねぇ・・・」
亜弥は下を向いて戸惑いながら話しだした。
- 65 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 12:40
- 美貴は電車の中でずっと携帯の画面を見ていた。
亜弥からのメールを待っていた。美貴は自分からメールを送るのが苦手だった。
送らなくても毎日のように亜弥からメールが入っていたから、自分から送るというのを忘れてしまっていた。
だけど、その日は家に帰ってからも寝るまでもメールも電話も来なかった。
- 66 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 12:52
- 亜弥はオレンジジュースを一口飲んだ。
「だから、鼻真っ赤にしてたんだ。」
「あ、鼻赤くなってたんだぁ。じゃあ泣いてたのバレバレじゃん」
一瞬、空気がなごんだ。この店はめだたないとこにあるだけ客はカウンターに一人座ってるだけだった。
「で、亜弥ちゃんはその方法しか思い浮かばなかったってわけか」
真希は大きなため息をつくと遠くを見た。
「どう思う?」
「いいんじゃない?亜弥ちゃんがそうしたいのなら。」
「う〜ん」
「いざとなったらあたしが手伝ってあげるから。」
「手伝うってって言ってもねぇ」
- 67 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 13:02
- 真希の携帯が鳴った。
「何か妹の保育園の向かえ行ってって頼まれちゃったから、そろそろ帰っていい?」
「えらいねぇ」
「いや、関心してないでさぁ。」
「あ、そっか。んじゃあ、あたしも帰るぅ」
- 68 名前:NeverForget・・・ 投稿日:2003/12/27(土) 13:02
- 入る時よりも扉が少し重たく感じたような気がした。
「それじゃあ、あたしあっちだから。」
「うん、真希ちゃんごめんね。ありがとう相談のってくれて。」
「いいよ別に。でも、寂しくなるね。」
「そうだね。」
「最後に一つ。」
「何?真希ちゃん」
真希は真剣な表情になった。
「後悔するような事はしちゃだめだよ。」
「うん。ありがとぉ。」
「じゃあ、バイバイ。」
「ばいば〜い」
- 69 名前:未完 投稿日:2003/12/27(土) 13:03
- 今日はこの辺で・・・。
- 70 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/02/06(金) 20:16
- 後悔するような事…?
う〜ん、気になる。。。
- 71 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/25(水) 00:09
- あやみき発見!楽しみにしてます。
- 72 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/30(火) 12:57
- 待ってます。。
- 73 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/10(土) 10:51
- 待ってます。
- 74 名前:BANG 投稿日:2004/06/18(金) 16:41
- そろそろ更新を・・・
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