ごめん。

1 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 14:44
初めまして。
みなさんの小説に触発されて書こうと思いました。
稚拙でまとまらっていないでしょうが、
よろしくお願いします。
2 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 14:45
雨が降っていた。

ただそれだけだった。
他にそれらしい理由もなかった。

私は自殺した。

3 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 14:46
理由なんて全くなかった。

ただ疲れていた。

日常に。
なにも変わらない日常に。
4 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 14:47
私は手首を切った。
かなりの出血をしたんだと思う。

いつの間にか意識はなくなっていた。

5 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 14:53
モーニング娘。の日常。
それは笑って歌って適当に笑える人物を演じる。
それに徹していた。

私はその中でも笑える人物を演じなければならなかった。
笑いをとらなければ自分ではないような錯覚にさえ陥った。

気がついたらそこは天国じゃなかった。
地獄でもなかった。
三途の川でもなかった。
そこは病院のベッドの上だった。

隣りにはお母さんがいた。
お母さんの隣りにマネージャーさんもいた。
お母さんは私が気付いたのを知って大声で泣き始めた。

正直、うるさかった。
布団を頭まですっぽりとかぶってしまいたかった。
だけどしなかった。

マネージャーさんは病室を出ていった。
マネージャーさんと入れ違いに病院の先生が入ってきた。
そしてなんたらかんたらと話していた。

死ななかったんだ。
そう思った。
いつの間にか涙が一筋だけ流れてた。

外は雨だった。
窓に雨が当たっていた。
私は窓に当たる雨音を聞いた。
6 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 14:56
翌日、朝早くにあいぼんが私の病室にやってきた。
「のの、心配したよ〜。
大丈夫?
どっか痛いtこない?」
そう優しく聞いてくれた。
目には涙がたまっていた。
私は答える気はしなかったけど、
「大丈夫」
とだけ答えた。

私の心情を察してかあいぼんはすぐ出て行った。
それから時間差はあったもののメンバーが来てくれた。
私はあまり返事とかしなかった。
7 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 14:58
一週間たって私は退院した。
あと3週間自宅療養すれば娘。に復帰できると言っていた。

私はマネージャーさんに
「3ヶ月の休みをあげる」
と言われていた。

治ってからの2ヶ月はどうしよう?なんて考えた。
私は実家に戻らずにマンションの自分の部屋へと帰った。

血はお母さんがきれいに掃除してくれていた。

私はソファに座った。
ソファは私の体積分沈んだ。

まだ、雨は降っていた。
8 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 15:02
私はだいぶ前に買ったパソコンを起動させた。
ネットにはちゃんとつないである。

私が娘。を休んでいるのは『病気のため』と
発表されていた。
なんか半分本当で半分嘘みたいだなって思った。

私は『モーニング娘。』、『辻希美』で検索をした。
何件か登録サイトとぢて出た。
私はそのうちのひとつを適当に開いた。

そのサイトは閉鎖されていた。
トップには『辻ちゃんが復帰したら再開します』と
書かれていた。

私は鼻で笑った。
9 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 15:05
『モーニング娘。』で検索したサイトに行ってみた。
そこはメンバー別の掲示板があるところだった。
保田さんに勧められて昔いったことがある。

『辻希美』の掲示板にいってみた。

全てのコメントがうざく思えた。
『なにも知らないくせに』
そう呟いた。

本当の私を知らないくせになにわかったふうに書いてんの?
そう聞きたくなった。

『本当の私』
もう自分でさえわからない。
『本当の私』
本当の私なんていない。
10 名前:KILL 投稿日:2003/12/24(水) 15:07
今日はこんな感じです。
レス、できたらお願いします。

ちなみに主人公は入れ替わり立ち代りみたいな感じですすめます。
11 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/26(金) 19:25
応援してます

頑張れ
12 名前:桃ノ木権三郎 投稿日:2004/01/03(土) 17:20
年も越えたことだし、がんばれ!
13 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/04(日) 03:40
おもしろいです、頑張れ!
14 名前:KILL 投稿日:2004/01/05(月) 15:27
ののが自殺した。

いつも隣で笑ってたのの。
悲しい事があっても笑ってたのの。

正直言えば私も死にたかった。
日常にとてもとても疲れていた。

確かに自分で選んだ道だ。
けれど失うものも大きかった。

私は自分さえも失った感じがしていた。
ののもそんなことを考えていたのだろうか?
15 名前:KILL 投稿日:2004/01/05(月) 15:30
ののが気付いた翌日、
私は衝動を抑えきれずにののに会いに行った。
朝早かったけどののは起きていた。
というか寝ていなかったみたいだった。

ののにいろいろと聞きたかったけどやめた。

ののの目は私を見ていなかった。
ののの声は私を考えていなかった。

私はあまりののと一緒にいれなかった。
泣いてしまいそうだった。

私は仕事まで時間があったけど病室をでた。
そして待合室で泣いた。
16 名前:KILL 投稿日:2004/01/05(月) 15:31
お互いに大切な人だと思っていた。
お互いに欠けてはならない人だと思っていた。

私はそう思っていた。
ののもそう思っていると思っていた。

だから私は死ねなかった。
もうわからない、、、。
17 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/05(月) 20:21
なかなか気になる展開っすね。
次回も期待してます。
18 名前:KILL 投稿日:2004/01/06(火) 15:02
レスです。

>11の名無し読者さん
ありがとうございます。
精一杯がんばります。

>桃ノ木権三郎さん
はい、年もこえたしがんばります。

>13の名無し読者さん
ありがとうございます。
がんばります。

>17の名無し読者さん
ありがとうございます。
出来る限りがんばります。

長い間ほっといてすいません。
がんばって進めたいと思います。
19 名前:KILL 投稿日:2004/01/06(火) 15:08
辻が自殺した。
いや、自殺未遂をした。

私には辻が自殺する理由がわからなかった。
加護はなんだかわかってる感じだった。

私は辻が気づいた翌日、仕事の前に見舞いに行った。
驚いた。
辻の目はいつもの辻ではなかった。

生気がないというのだろうか?
とにかくいつもの辻ではなかった。

気休めだけを言って仕事へと向かった。
20 名前:KILL 投稿日:2004/01/06(火) 15:12
私は車に乗っていた。
もちろん車には黒いフィルムが張ってある。
外から中は見れない。

昼間なのに外は暗かった。
別にいつものことなのになぜかそれがとても、、とても、、、。

言葉では言い表せないけれど、、、
気になった。
21 名前:KILL 投稿日:2004/01/06(火) 15:15
仕事を終え、家路につく。
家までは車で帰る。

私は窓の外を見た。
今は夜だ。
だから外も暗い。

でも私はまだこの黒いフィルムが気になった。

フィルム越しの街のネオンはとてもきれいだけど、
とても嘘くさかった。

『まるで私たちみたいだ、、、』
ふとそう思えた。
22 名前:KILL 投稿日:2004/01/06(火) 15:17
『モーニング娘。』というフィルムを通して
ファンとコミュニケーションをする。
みんなも『モーニング娘。』、
もしくは『アイドル』というフィルムを張って私を見る。

くだらない思いだ。
私はそう思った。
けれどなぜか一抹の不安が取り除けなかった。
23 名前:KILL 投稿日:2004/01/06(火) 15:19
今日はここまでです。
これからもよろしくおねがいします。
24 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/11(日) 23:28
「お気に入り」に登録して、ちょくちょくのぞいてます。
ダークな辻っていうのが、なぜかツボなんですよね…。

応援してるので、作者さんのペースで頑張ってください。
あ、待ってますけどなるべく早いt…(以下、読者の我侭なので略)
25 名前:KILL 投稿日:2004/01/13(火) 13:41
一体どれくらい眠ったのだろう?

私は娘。になってから初めて時を忘れるくらい眠った。
時を忘れてもいいんだ。
そう思うと自ずと不安定な睡眠になってくる。

私は退院してから外に出ていない。
買い物などは母に頼めば買ってきてくれる。

私はネットのファンの動向を一日中覗いた。
そして全てのコメントをあざけ笑った。
26 名前:KILL 投稿日:2004/01/13(火) 13:44
『心配だ』という書き込みには『誰も頼んでない』と言い返し、
『いつ復帰?』という書き込みには『知るか』と返した。

もちろんレスしてはいない。
してはいけないからだ。

私の家に安倍さんがよく来るようになった。
私は話さないから彼女が一生懸命はなしている。

一度彼女の話を聞いてみた。
だけど、彼女は私をずっと見なかった。

私には彼女の意図がわからない、、、。
27 名前:KILL 投稿日:2004/01/13(火) 13:49
いつだってみんなはそばにいた。
だからいなくなればその人がどんなに嫌いでも悲しくなった。

私はののが退院してからなにかとののの家に行っている。
別になにもしない、
私が四六時中話している。

ののは目をあわしてさえくれなかった。

ののの目にもうモーニングは映ってないのかもしれない。
私は少し前の自分を時期を思い出した。

あのときの自分はおかしかった。
『精神安定剤』や酒、タバコに頼らなきゃ生きていけなかった。

私はどうすればいいのだろうか?
そんな考えが頭の中を埋め尽くし、
死ねばいいんだよって声が響き渡る。

そんな時期が私にもあった。
ののも今そう思っているのだろうか?
28 名前:KILL 投稿日:2004/01/13(火) 13:52
たとえ私がいなくても後藤が代わりをする。
そう思っていた。

自分の必要性がわからなかった。

あいぼんはあまりののと会っていないみたいだ。
前はあんなに仲が良かったのに。

矢口は矢口で考え事してるし、
梨華ちゃんは異常にハイテンションだ。
圭織はもっぱら交信してるし、
よっすぃーは笑わなくなった。

いや、みんな笑わなくなった。

なんか、、、おかしくなってきている。
あの日からおかしくなってきている。
29 名前:KILL 投稿日:2004/01/13(火) 13:55
今日は以上です。

>名無飼育さん
ありがとうございます。
確かに更新速度が遅いかもしれません。
本当にすいません、、、。

できるだけがんばりたいと思います。

つーか間違いを発見いたしました。
本当にすいません。
30 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/13(火) 17:43
今話題が集中してるお三方が中心ですか??
次の更新楽しみに待ってます♪
31 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/14(水) 18:45
加護ちゃんとの関係はどうなるのか…

うー。気になります。
続き、期待してます♪
32 名前:KILL 投稿日:2004/01/20(火) 13:36
どうしてこんなことになってしまったのだろう?

いつも後悔ばかりする。
後悔したってもうなにも変わることはないのに、、、。

私はののになにもしてあげられなかった。
そばにいてあげることも、
自殺をやめさせることも、
なにも、なんにもできなかった。

がんばってもがんばっても
もうののは私を見てくれない。
そう分かってるとなにもする気が起きなかった。

ののとは全くあわなくなった。
ののと会うと責められているようでいやだった。
会うのが怖くなっていった。
33 名前:KILL 投稿日:2004/01/20(火) 13:37
たまにのののことを取材で聞かれる。

笑ってごまかすしかない。
こんな自分、いやだ。
なのに変えることは出来ない。

自分がとてもはがゆい。
はがゆくて仕方ない。














もう、、、
いやだ!!!
34 名前:KILL 投稿日:2004/01/20(火) 13:40
私は仕事に行かなかった。
部屋に閉じこもった。

当然、電話は鳴りまくるし、
人だってきた。

だけど私はなにもせずに布団にくるまっていた。

自分が望んでした、、、はずなのに、、、。
むなしかった。

どうして?

そう思うと涙が自然にあふれてきた。
35 名前:KILL 投稿日:2004/01/20(火) 13:41
今日は以上です。
更新速度が遅くてごめんなさい。
努力します。

レスはまた今度に。
36 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/28(水) 14:33
ウザイ!!!!!!!!!!!!!!!
死ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
37 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/29(木) 03:50
>>36
で?
38 名前:KILL 投稿日:2004/01/30(金) 14:40
どうしてこんなにも胸が痛むのか?

どうしてこんなにもいやなことばかりを考えてしまうのか?

私は
なにも
してあげられないのか?
39 名前:KILL 投稿日:2004/01/30(金) 14:45
そんなことを考えてたら
草原が見えた。

私は白い服を着て座っていた。
目の前には昔のように元気良く笑うののがいた。

「のの、、、」
私はののに呼びかけた。
「あいぼん、次なにして遊ぼうか?」
ののは無邪気にそう聞いてきた。
「のの、、、」
私は彼女の名前を呼ぶことしか出来なかった。

「あいぼん?
どうしたの?
どっかいたいの?」
ののが聞いてきた。
私は首をふった。
その拍子に涙が一滴、手の甲に落ちた。
40 名前:KILL 投稿日:2004/01/30(金) 14:46
ドンドンッ!!
ドンドンッ!!

ドアは相変わらずうるさく鳴っている。

私は強制的に夢から引き戻された。

「そうか、、、。
夢だったんだ、、、」
つぶやいて納得した。

私は冷蔵庫に水を取りにいった。
そして半分を一気に飲み干した。
41 名前:KILL 投稿日:2004/01/30(金) 14:49
「加護ぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!」
唸り声のような声が聞こえた。
私は体を本能的に奮わせた。

「開けろぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
その声は矢口さんのようだった。
そしてその矢口さんをなだめてる声も聞こえた。

なんで矢口さんがいるんだ?

私はもうどうすればいいかわからず、
ドアを開けた。
42 名前:KILL 投稿日:2004/01/30(金) 14:53
ドアの前には髪を振り乱した矢口さんと、
それをなだめているマネージャーさんがいた。
そしてその二人の行動は私を見て止まった。

「加、、、加護?」
私を見て加護亜依以外の誰かに見えるのだろうか?
矢口さんは私にそう聞いた。
私はうなずいた。


矢口さんは急に泣き出した。
かわいい泣き方などとは決して言えない。
ぐしゃぐしゃな泣き方だ。

「もう、、、、もう、、、心配したんだからねぇ〜。
加護まで、、、辻みたいなことになってたら、、、」
矢口さんはそう言ってしがみついてきた。

「みんな、心配しているよ」
マネージャーさんが言った。

「ごめんなさい」
素直にその言葉が出た。
43 名前:KILL 投稿日:2004/01/30(金) 14:57
久しぶりの更新です。
本当に遅くてごめんなさい。

レスです。
>30の名無飼育さん
ありがとうございます。
がんばります。

>31の名無飼育さん
そうですね。
加護ちゃんと辻ちゃんがミソですね。

本当に、本当に更新が遅くてごめんなさい。
これからはもうちょっと早くに出来るようがんばりたいと思います。
44 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/01(日) 23:48
待ってました!これからどうなるのか期待してます!
45 名前:KILL 投稿日:2004/02/04(水) 13:34
私は結局仕事場へと向かった。
正直ほっとしていた。

仕事場にはみんながいた。
そう、、、ののを除いては。
46 名前:KILL 投稿日:2004/02/04(水) 13:39
あいぼんが仕事に行くのをいやがったらしい。
だけど結局は行ったようだ。

この日も私はネットを見て回った。

『加護ちゃんが精神的にやばいらしい』
そんな書き込みを見つけた。

『辻はもう戻ってこないんじゃないか?』
そんな書き込みもあった。

『辻がいなくてもみんな楽しそうにやってんじゃん』
そんな書き込みもあった。


そうだよ。
私がいなくてもみんなは笑っていられるんだよ。
当たり前じゃないか。
私一人の存在がどれほど大きいものだと思っていたんだ?
もしいなくなったのが私以外の誰かでもみんなは笑ってたよ。
47 名前:KILL 投稿日:2004/02/04(水) 13:40
そう思ってから自己嫌悪に陥った。
それでもその思いを訂正する事はなかった。
48 名前:KILL 投稿日:2004/02/04(水) 13:41
今日はこの辺で、、、。
少なくてすいません。

できたら今週中にもう一度更新します。
49 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:11
私が自殺未遂をして2週間。
いつのまにか安倍さんは来なくなった。
ソロの仕事なども忙しいのだろう。

メンバーからの音沙汰もなくなった。









せいせいしたはずなのに、、、。
楽になったはずなのに、、、。

私がつっぱねていたのに、、、。


なぜか、寂しくなった。
50 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:13
休みはあと一ヶ月しか残されていない。
一ヶ月後にはまたみんなと会う。
そしてまた元気なそして馬鹿の『辻希美』を演じなければならない。

51 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:16
私は旅行に行くことにした。
日本国内ではファンの人に見つかるとやばいので、
イギリスに行くことにした。
というか、イギリスにしなさいとマネージャーさんに言われた。

私は素直に従った。
とりあえずどっかに行きたくなったのだ。

私は一人で行きたかったが、
そうは問屋が許さない。
事務所の人が同行することになった。

ちなみに母は倒れた。
過労だ。
私に対する過労だ。
52 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:18
出発当日。
誰が来るかは知らされてなかった。
私は集合場所へと向かった。


十分後、見覚えのある人がやってきた。
帽子を目深にかぶっているけれど、
私はあの人を知っている。

どんどんとこちらに近づいてい来る。

53 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:22
「やぁ、のん」
挨拶してきた。
やはり一緒に行くのはこの人なのだろうか?

「・・・安、、安倍さん?」
私は彼女を呼んだ。
安倍さんは微笑んだ。
「な、、なんでいるんですか?」
私は少々混乱しながらも質問はきちんと伝えた。

「いや〜ね、旅行に行きたいなって話をしたら
行っていいよって言われてさ〜。
なっちもあんましわけがわかんないんだけど、
辻のこと見るかわりに行けばいいって話らしいの」
安倍さんはハイテンションで答えた。
54 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:27
その少しあと、事務所の事務の人がやってきた。
そして封筒を安倍さんに手渡していった。
封筒の中にはチケット、しおり(?)と封筒が10個くらい入っていた。

しおりは2冊あり、表紙には『楽しい楽しい海外旅行〜辻・安倍用〜』と
書いてあった。
中には注意書きや泊まるホテルの説明、現地ツアーガイドの紹介などが
書いてあった。

完璧に学校の遠足のノリで書いてあった。
55 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:29
私たちはとりあえずお金を換金して昼食を食べた。
出発時刻の一時間前にゲートを通り抜けた。

安倍さんはしおり片手に楽しそうにはしゃいでいた。
私はその安倍さんの行動からみんなにバレやしないかと
冷や汗ものだった。

とりあえず、私たちは無事日本を出ることが出来た。
56 名前:KILL 投稿日:2004/02/05(木) 15:31
今日はこの辺で、、、。

すいません。
間違えました。
本当にすいませんm(__)m。

>49は自殺未遂してから2ヶ月です。
本当にすいません。
57 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/05(木) 16:29
なちののキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
58 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/06(金) 11:03
なちのの!待ってました!
59 名前:KILL 投稿日:2004/02/16(月) 13:31
飛行機の中で安倍さんはしおりを見ようと言い出した。
私はそんなに見たくなかったが、口うるさく言われたので見ることにした。

注意事項
○手紙はチェックポイントに着くまで絶対に開けないこと!
○不審な人物には近寄らないこと!
○おみやげは全部で5000円以内におさめること!
○個人行動は絶対にしないこと!…。

このようなことが書いてあった。

手紙?
手紙ってなんだ?

私は事務の人にもらった封筒を探した。
しかし、それは安倍さんがもっており、渡してはくれなかった。
60 名前:KILL 投稿日:2004/02/16(月) 13:34
「見せてくださいよ」
私は安倍さんに訴えた。

「だめだよ。
チェックポイントに着くまで見るなって書いてあるっしょ?
チェックポイントについたらあげるから」
安倍さんはそう言った。

「チェックポイントってなんなんですか?」
私は聞いた。
「さぁ、、、知らない」
安倍さんはそう答えた。

私は見ようという気力がなくなり、
椅子に深く腰掛け、眠ることにした。
61 名前:KILL 投稿日:2004/02/16(月) 13:38
しばらくして、イギリスについた。
空港には女性のガイドの人が立っていた。
日本語で挨拶をし、車に乗り込んだ。

異国の地。
それだけで私は気分が高揚した。
しかし、隣の人がありえないぐらいはしゃいでいたため、
表に出して喜ぶことはなかった。


私たちはロンドンの中心にやってきた。
空港から車で十五分のところだ。
そこのホテルにチェックインして街へ繰り出すそうだ。

ロンドンには路面に電車が走っていた。
その両脇にいろんな店がある。
私たちは一軒一軒覗いてまわった。

それだけで初日は終わった。
62 名前:KILL 投稿日:2004/02/16(月) 13:41
少ないですが、今日はこの辺で、、。

レスです。
>57の名無飼育さん
来ました。
なちののです。
CPのような方向にあるかどうかはわかりませんが、(多分ならないかな?)
これからもよろしくおねがいします。

>58の名無飼育さん
待ってたんですか、、、。
ありがとうございます。
おもしろくなるようにがんばります。
63 名前:KILL 投稿日:2004/03/05(金) 14:30
翌日私たちは早々にホテルをチェックアウトし、
列車へと飛び乗った。
あの有名なグリニッジ天文台へと行くためだ。

「グリニッジ、グリニッジ」
列車のアナウンスがそう言うのがわかった。
私はガイドのクリスさんにおりなくていいのかと聞いた。

「次のヒル駅で降りたほうが近いんですよ」
クリスさんは流暢な日本語で答えた。
安倍さんは前日の疲れがたたったのかぐっすりと眠っていた。
次の駅のため、私は安倍さんを起こした。
安倍さんは軽く寝ぼけていた。

64 名前:KILL 投稿日:2004/03/05(金) 14:32
駅を降りて私建ちは歩き始めた。
荷物はロンドンのホテルからウェールズのホテルまで送っておいたため、
最小限の荷物で済んだ。

坂道を5分くらい歩くとドーム型の天文台についた。
平日と言うのに天文台にはそこそこの観光客がいた。
まぁ、私たちも人のことは言えないんだけど。

65 名前:KILL 投稿日:2004/03/05(金) 14:38
「これが子午線ですよ」
クリスさんが地面を指差した。
なにかいろいろと書いてあったがよくわからなかった。
安倍さんはさっき寝ていたのが嘘のようにはしゃぎまわっていた。
そしてデジカメであたりをとりまくっていた。

私は静かなたびがしたかったのに、、、

「これは24時間制の時計なんです。
つまり一日で一周するんです。
タイム・レディって呼ばれてるんですよ」
ゲートの近くをううろついていると、
クリスさんが時計を指差して教えてくれた。

中に入ると電子時計があった。
クリスさんによると100分の1秒まであらわしているらしい。
記念と言うことで今の時間がプリントされた記念証をもらった。

うれしかったが、隣で安倍さんが異常にはしゃいでいたため、
そんなに表立って喜べなかった。

66 名前:KILL 投稿日:2004/03/05(金) 14:39
今日はこんな感じです。
ああ、難しい。
もうそろそろで終わらせます。
67 名前:小春 投稿日:2004/04/07(水) 13:52
おもしろいです。
ののが、いつもとちがうので、
なんか、感じが違っていいですね。
68 名前:桃ノ木権三郎 投稿日:2004/04/17(土) 20:57
年度も越えたことだし、がん・・・っていうか続きがとても読みたいです、はい。
69 名前:KILL 投稿日:2004/06/20(日) 14:34
お久しぶりです。
こちらの都合のため、なかなか更新ができません(泣)
なるべく早く更新したいと思っています。

辻ちゃんの「ごめん。」はそろそろ終ります。
予告で言えばあっけなく、簡単に終ります。
反感をかわれるかもしれません。
全て作者のわがままです。

必ずきちんと終らせますが、
それがいつになるのかは未定です。
ご迷惑をかけて本当にすみません。
70 名前:桃ノ木権三郎 投稿日:2004/07/02(金) 23:05
待ってます。
はい。
71 名前:名無し 投稿日:2004/08/09(月) 01:18
期待。
待ってます。
72 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:12
クリスさんが声をかけた。
私はタイム・レディから目を離して、外に向かった。
安倍さんはいつの間にかにクリスさんと一緒にいた。

「はい、これ」
外に出て、すぐにクリスさんに手紙を渡された。
飛行機に乗るときに渡された物だ。

私はその場で手紙を開けてみた。
よっすぃーからだった。
『大好きだぞ〜〜〜。
 元気に帰ってこいよ〜〜』などと、大きい字で書いてあった。

変わらないんだなって思った。
それが、ちょっと、、ちょっとだけ嬉しかった。

私は安倍さんとクリスさんの後を追い、駅へと向かった。


「次はどこへ行くんですか?」

私は聞いた。

安倍さんは静かになっていた。

顔を背けて窓の外の風景をずっと見ていた。

「次はショッピングにいきましょうか」

クリスさんはそういうとにこっと笑った。

73 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:15
それから私達は家が建ち並んでいる所に降りた。

2階建ての家が所狭しと並んでいる。

風景にしたら、欧州らしさがでているけど、店は見当たらない。

右を見ても左を見ても家ばかりだ。



「どこにお店があるんですか?」

私はクリスさんに聞いた。

クリスさんはにこっと笑いながら、私達の前を歩いた。

私はただついていくしかなかった。





ふと、クリスさんは普通の民家に入っていった。

私達はクリスさんの2mくらい後ろを歩いていた。

入ろうかどうか迷ったけど、中でクリスさんが待っていて手招きをしたので、

中に入っていった。

盛り上がるはずの安倍さんはしーんとしていた。

歩調も遅く、時折振り返ると、にっこり微笑んでいた。

私は思わず前に向きなおった。



「ここは昔、商売とかがきちんと出来なかったときにたてられたものなんです。

 一階は普通の家なんですけど、2階は近くの家が通路で繋がっていて、

 ショッピングセンターみたいになってるんですよ」

クリスさんはにこっと笑いながら階段を上っていった。

私達は後に続く。



2階は本当に回廊みたいに家と家が繋がっていた。

だから、あんな風にぎゅうぎゅうに建っていたんだ。
私は納得した。



74 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:17
それから私達は一軒一軒を丹念に見て歩いた。

雑貨やさんもあれば、果物屋さんもある。

骨董もあったり、、、。

本当に、そこは大きなデパートのようだった。





私達が雑貨を見ている時だった。

安倍さんが私にもたれかかった。


「ごめん」

そう言うと安倍さんは倒れ込んだ。

安倍さんの身体はすっごく熱かった。



クリスさんは安倍さんを抱き起こして様子を見た。

そして、携帯で連絡をとって英語でなにやら話していた。



「辻さん、悪いんですけど、安倍さんが倒れちゃったんで、病院まで一緒に来て貰えますか?」

クリスさんは言った。

私は突然のことでパニックになっていて、ただ頷くことしかできなかった。

安倍さんは意識がないみたいで、荒い呼吸を繰り返していた。





病院で安倍さんの応急処置と診察が行われた。

結果は過労と外国に来た緊張からの発熱だということだった。

特に命に関わるほどでもないが、旅はやめたほうがいいということだった。



私はそれを聞いてから、安倍さんの病室に行った。

クリスさんは事務所の人と電話で話している。
75 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:21
安倍さんは点滴を受けながら横になっていた。

「安倍さん・・・」

私は安倍さんの名を呼んだ。

仕事明けで疲れていたのに、私のためにきてくれたんだ。

考えてそう分かった後には申しわけない気持ちが胸を占領した。



「あっ、のの」

安倍さんは病室の入り口に突っ立ってる私を見て、微笑んだ。

空いてる右手で手招きした。

私は入っていった。





「のの、ごめんね、旅行台無しになっちゃったね」

安倍さんは謝った。

私は首を振った。







「のの、なっちね、、卒業するかもしれないんだ」

少しの沈黙の後、安倍さんは言った。

「えっ?」

思わず聞き返した。

「まだ、、本決まりってわけじゃないんだけど、、。

 圭ちゃんが卒業したら・・・て言われて、、」

安倍さんは途切れ途切れに言った。

「卒業、、しちゃうんですか?」

私は聞いた。

「たぶん、、、」

安倍さんは宙を見つめて言った。





・・・・・

「嫌だよ!!卒業なんてしたくないよ!!まだモーニングにいたいよ!!

 もっともっとみんなと一緒に、、、一緒に、、、」

安倍さんは腕で目を隠しながら言った。

声は泣き声だった。

腕の下から涙が一つ、二つと流れていた。





「安倍さん、、、」

私は彼女にかけてあげられる言葉がわからなかった。

ただ、彼女の横に突っ立って、ただ、彼女を見つめることしか出来なかった。

76 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:22
「ごめんね、愚痴言っちゃって」

深呼吸してから安倍さんは言った。

私は首を振った。

「手紙、、」

安倍さんは唐突に今までと全く関係のないことを言った。

私は意味が分からず「ふぇ?」と変な返事をしてしまった。

「みんなからの手紙さ、カバンの中にあるから見てみなよ。

 、、、話、聞こえちゃったんだ。帰るんでしょ?」

安倍さんはそう言って笑った。



「ほら、いいから、見てみな?」

安倍さんは優しく言った。

私は机の上のカバンの中から手紙を取りだした。



一つ一つを安倍さんの隣で読む。

みんな、なんにも変わってなかった。

梨華ちゃんは相変わらずピンクのペンで丸っこい字だし、

保田さんは達筆で、飯田さんはきれいな字。

矢口さんは元気で、あさ美ちゃんは丁寧・・・。

本当にみんな何も変わってなかった。

3か月で何が変わるって話なんだけど、、、

それだけなんだけど、、

とても、とても嬉しかった。
77 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:25
あいぼん、、、あいぼんは長かった。

今は何してるとか、今日はこんな事があったとか、

私が復帰したらとか、、、便せん3枚分ぎっしりと書いてあった。

あいぼんなりの優しさなんだってわかった。





『また、一緒に歌おうね』



最後に書いてあった一言が胸を打った。

また、一緒に、、、できるの?

あいぼんにあんなひどいことしたのに?

許してくれるの?

「みんな、ののが戻ってくるの、待ってるんだよ」

安倍さんが言った。

私の目からは知らず知らずの内に涙が溢れていた。

「みんなも、おんなんじぐらい苦しんでんだよ?

 話せばわかってもらえるから」

私は「うん」と言おうとしてたけど、言葉にならずただ頷いていた。



「ののの戻る場所はちゃんとあるんだよ。

 ののはののなんだよ。

 かわりなんていない。

 ののはののだよ」

安倍さんが言う。

私はただ、頷いていた。



「みんないるから、、、。

 だから、もう死のうとか、考えちゃだめだよ?」

安倍さんは子供にちょっとしたイタズラをするな、というような感じで言った。

聖母みたいな、そんな優しさで。





「ごめん、、、なさい、、」

私は言った。

安倍さんは微笑み私の頭を撫でてくれた。
78 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:26
「安倍さん、もし卒業式で私が泣き出してしまっても、、

 安倍さんは笑ってください。

 笑って、しっかりしろって、、言ってください」

帰りの飛行機の中で私は言った。

安倍さんは満面の笑みで頷いた。



私の中のわだかまりが全て消えたわけじゃない。

だけど私はこれからたくさんのことをしなければいけない。

乗り越えなければいけない。

だから、私は生きる。

乗り越えて笑顔を見つけるために。



今を、精一杯生きる。







                       〜完〜
79 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:30
あとがき

やっと終わりました。
覚えてる人いるでしょうか?
3ヶ月の話を書くのに約1年かかってしまいました。
本当に自分のふがいなさを呪うばかりです。

今までにレスくれたみなさん。
一括レスで申し訳ないのですが,
みなさんのおかげでがんばれました。
レスがとても嬉しく、とても励みになりました。
ありがとうございました。

そして、管理人さんには長い間、
置いておいてくれて本当に感謝しています。
本当にありがとうございました。

ラストのコピペがすんだ瞬間泣きそうになってしまいました。

では、次のを少しだけうpしていきます。
一応ごめん。シリーズで。
なちまりです、、多分w
80 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:32
プロローグ



本当はもっと前から気付いてた



だけど言えるわけないじゃない



私は 女



彼女も 女



彼女から見て私はただの 親友なの



言わない方がいい



関係を壊すよりかは 今のままがいい





だからいつまでもこの想い 気付かないふりしなきゃ いけないでしょ?


81 名前:KILL 投稿日:2004/11/20(土) 14:35
少しだけっていうかちょっとだけ(爆)
明日,できたらまたうpします。
できなかったら来週,再来週、、、。

今日は娘。滋賀紺ですね。
明日で圭織はラスト。
寂しいものがあります。
82 名前:桃ノ木権三郎 投稿日:2004/12/02(木) 09:37
おわっっ!!
い、いつのまにか、か、完結してる!!
・・・ありがとうございました。
次回作も楽しみにいたします。

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