パー娘。

1 名前:刹羅 投稿日:2003/12/28(日) 13:46
タッタッタッ・・・。
なつみ「はぁはぁ・・・遅刻しちゃう」
つんく「しまった!寝てしまった!誰も選んでない!」
どん!
なつみ「あ痛たたた・・・あなた誰?」
つんく「決めた!まず一人目は君だ!さぁこれを」
なつみは小さなカプセルを受け取った。
さわっていると大きくなりヘルメットとマントになった!
つんく「それを身につければ君は今日から正義の味方だ」
なつみ「ちょっと待ってください!」
つんく「さぁ次の人を捜さなくちゃ」
そう言ってつんくは去っていった・・・。
2 名前:刹羅 投稿日:2003/12/28(日) 13:47
街が騒がしくなった。
なつみは飛行機が墜落しそうになっているのに気付いた。
なつみ「どうしよう・・・そうだ!もしかして」
なつみはさっきもらったヘルメットとマントを身に付けた。
なつみは凄い速さで空を飛び飛行機を受け止めた。
通行人「誰かが飛行機をおさえてるぞ」
通行人「正義の味方かしら」
なつみは飛行機を安全な広場へと運んで降ろした。
安倍なつみことパー娘。1号誕生の瞬間だった・・・。
3 名前:刹羅 投稿日:2003/12/28(日) 16:06
スタッフ「お疲れ様でした」
亜弥「お疲れ様でした」
控え室に帰ろうとしていた亜弥の前につんくが現れた。
亜弥「きゃっ!誰ですか?」
つんく「君を正義の味方にしてあげよう」
つんくはなつみの時と同じカプセルを渡した。
亜弥が弄んでいるとヘルメットとマントになった。
亜弥「何これ・・・?」
つんく「この力で平和を守ってくれ」
そう言ってつんくは去っていった・・・。
4 名前:刹羅 投稿日:2003/12/28(日) 16:07
亜弥はとりあえず装着してみた。
亜弥「悪くないわね」
誰かが廊下を走ってきた。
スタッフ「ひったくりだー!」
スタッフ「そいつを捕まえろー!」
亜弥「(よぉーし)」
亜弥がパンチをするとひったくりの体が壁にめり込んだ!
スタッフ「凄い」
亜弥はそこから飛び去った。
亜弥「(正体がアイドルだってバレないようにしなくちゃ)」
松浦亜弥ことパー娘。3号誕生の瞬間だった・・・。
5 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/28(日) 22:36
狽Q号は?!
6 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/29(月) 21:54
もうスピードやな。
なんか面白い。更新期待
7 名前:???? 投稿日:2003/12/30(火) 11:13
なつみはテレビを見ていた・・・。
なつみ「松浦亜弥ちゃん可愛いなー」
すると突然臨時ニュースに変わった。
アナウンサー「ただいま銀行に強盗が立て篭っております!」
なつみ「亜弥ちゃんの番組を邪魔するなんて許せない」
なつみは立ち上がった!
8 名前:???? 投稿日:2003/12/30(火) 11:13
なつみ「(あれ・・・?)」
なつみは夜空の中を飛ぶ人影を見つけて驚いた。
亜弥「(聞いてないよ・・・)」
亜弥も驚いた。
見つめ合う二人・・・。
なつみ「もしかしてあなたも?」
亜弥「正義の味方?」
同時にこくりと頷いた。
9 名前:???? 投稿日:2003/12/30(火) 11:14
ガシャン!
目にも止まらぬ速さで銀行に飛び込んだ。
銀行強盗「なんだ!?」
銀行強盗が音の方向に拳銃を向けた。
なつみが拳銃を蹴り上げる。
間髪入れずに亜弥が強盗を殴った。
銀行強盗「ぐえっ」
警察やマスコミに囲まれる前に二人は飛び去った。
10 名前:???? 投稿日:2003/12/30(火) 11:15
月明かりが二人を照らしていた・・・。
なつみ「あなたは誰?」
亜弥「訳あって言えないの」
なつみ「そっかぁ。私はなつみ。なっちって呼んで」
なつみは納得して名乗った。
なつみ「でも声が松浦亜弥ちゃんに似てるね」
亜弥「(どきっ!)私もう帰らなきゃ。おやすみなっち」
一つの影が飛び去って行った。
なつみ「おやすみぃ」
続いてもう一つの影もそこから居なくなった。
11 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/30(火) 12:30
スピード感あってイイ! で、2号は?
12 名前:刹羅 投稿日:2004/01/03(土) 14:57
なつみはニュースを見ていた・・・。
アナウンサー「また現れました正義の味方です」
画面にはヘルメットとマント姿の女の子が2人映っていた。
アナウンサー「いったい何者なのでしょうか?」
なつみ「(一人はここに居るんだなぁ)」
なつみはほくそ笑んだ。
なつみ母「なつみ何してんの!遅刻するわよ!」
なつみ「あ、いけない!」
なつみは家を飛び出した。
13 名前:刹羅 投稿日:2004/01/03(土) 14:58
タッタッタッ・・・。
なつみ「はぁはぁ・・・遅刻しちゃう」
文麿「えっと、この道で良いのかな?」
どん!
なつみ「あ痛たたた・・・ごめんなさい」
文麿「いえ、こちらこそ」
なつみ「(どきっ!かなりなっちの好みなんだけど)」
なつみの胸がどきどきし始めた。
文磨「ねぇキミ、 ハロー高校の場所わかる?」
なつみ「あ、あたしもこれから行くところ。あなたも?」
文磨「そうなんだ。じゃあ一緒に行って良い?」
なつみ「良いよ。遅刻しそうなんで急いで行くよ!」
なつみはさり気なく文磨の手を握って走り出した・・・。
14 名前:刹羅 投稿日:2004/01/03(土) 14:59
なつみ「あたしはなつみ。なっちって呼んで」
文磨「なっちかぁ、可愛いね。僕は文磨」
なつみ「へぇ、なんか現実味の無い名前。昔の人っぽい」
文磨「(どきっ!)よくそう言われるよ」
学校に着いたふたりは玄関の前で別れて歩き出した。
なつみが教室でほっとひと息ついてると先生が来た。
先生「お早う。今日は転校生を紹介する」
なつみ「(あ、もしかして・・・)」
先生「入りなさい」
文磨「綾小路文磨です。よろしくお願いします」
教室の隅からなつみが小さく手を振る。
教卓の上で文磨は小さくウィンクを返した。
15 名前:刹羅 投稿日:2004/01/03(土) 14:59
家に帰った文磨は髪をほどき胸のさらしを外した。
真希「この男装生活もあと3年間の我慢か・・・」
文磨は女だった!
つんく「そこのキミ」
真希「きゃー!チカーン!」
つんく「君を正義の味方にしてあげよう」
真希は小さなカプセルを受け取った。
手で弄ぶとヘルメットとマントに代わった。
真希「あ、これ知ってる。テレビで見た」
つんく「これで4人。やっとノルマが終った」
真希「この痴漢ヤロー!」
真希はマスクをかぶるなりつんくを殴りつけた。
綾小路文磨こと後藤真希ことパー娘。4号誕生の瞬間だった・・・。
16 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/03(土) 23:39
2号は……?
17 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/06(火) 12:00
日曜深夜の超上空定例集会にて・・・。
なつみ「クラスに格好良い男の子が転校してきてさー」
亜弥「なっちはその人と付き合いたいんだ?」
亜弥がこのこのっと肘でつつく。
なつみは満更でもなさそうな笑顔。
亜弥「ライバルとかは?居そうなの?」
なつみ「いやもう、ライバルだらけです」
なつみは肩をすくめてため息。
亜弥「がんばれぇー」
亜弥は微笑を送った。
18 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/06(火) 12:00
なつみ「キミは?もしかしてもう彼氏いるとか!」
なつみが目を輝かせる。
亜弥「いやもう、出会いもないっすよぉー」
なつみ「高校生だよね?ってことは女子校だな?」
亜弥「学校行ってないんだ。働いてるの私」
ヘルメットの奥で亜弥は淋しそうに笑った。
亜弥「だからなっちの高校の話聞くのすっごく楽しい!」
亜弥「(こういう友達との他愛ない話とかずっと夢見てた)」
なつみ「・・・じゃあ次はもっとたくさん話題仕入れてくるね」
亜弥「うん。ってことで今日は解散、かな?」
なつみ「そうだね。おやすみ」
亜弥「おやすみなさい」
2つの影が逆向きに闇に溶けて行った・・・。
19 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/06(火) 12:01
帰り道で亜弥は衝突横転した2台のトレーラーを発見した。
亜弥「タイヘン!・・・でもやるしかないか」
亜弥はトレーラーを起こして運転手を救い出した。
亜弥「はぁはぁ。あともう1台・・・ってあれ?」
しかしもう1台から運転手はすでに救出されていた。
そしてその側に立つヘルメットとマント姿に気付いた。
亜弥「(なっち・・・じゃない。ヘルメットの色が違うし)」
真希「初めまして先輩。真希と申します」
真希はスカートのすそをつまんでお辞儀をした。
亜弥「えっ、あっ。ども」
亜弥も慌てて頭を下げる。
亜弥「(スカートで来るなんて!下から覗かれちゃうよぉ)」
真希「(文麿から解放される時間。思いっきり女の子しなきゃ!)」
20 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/06(火) 23:29
面白い! 2号は誰なんだ!
21 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/07(水) 12:24
もんのすげぇスピードw
で、面白い!
そして2号は?
22 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/07(水) 16:50
すげー猛スピードでワラタ
で…2号…
23 名前:刹羅 投稿日:2004/01/09(金) 20:51
文磨「ふぁぁぁ」
なつみ「おはよ!眠そうだね」
朝の通学路でなつみが後ろから文磨の肩を叩いた。
文磨「お早う。夜中にトレーラーなんて起こしたからね」
なつみ「何を起こしたって?」
文磨「あぁぁ!いやいや何でもない」
うっかり口を滑らせて真希は焦った。
なつみ「ところで文磨君、アイドルって好き?」
なつみの急な質問に文磨は目をぱちぱちさせる。
文磨「あ、うん。松浦亜弥ちゃん。可愛いよね」
なつみ「ねっねっ!いかにも女の子って感じだよね!」
なつみの意味あり気な含み笑いに文磨は頭をひねった。
24 名前:刹羅 投稿日:2004/01/09(金) 20:52
コンサートのリハーサルは順調に進んでいた・・・。
スタッフ「お疲れ様でした」
亜弥「お疲れ様でしたー!」
マネージャー「最近どうしたの?明るいけどまさか」
元気良く控え室に戻って来た亜弥にいぶかしげな声。
亜弥「恋じゃないです。同性の友達が出来て嬉しくて」
マネージャー「亜弥の人気目当てじゃなきゃ良いけど」
亜弥は誰でも知ってるような国民的アイドルだった。
しかし亜弥はふふんと鼻をならす。
亜弥「その子達は私が松浦亜弥だって知りませんから」
マネージャー「何よそれ!?・・・もしかして文通?」
マネージャーが派手に驚いて亜弥は笑った。
25 名前:刹羅 投稿日:2004/01/09(金) 20:52
綾小路家では2人だけの晩餐が静かに行われていた。
召使い達が次々と料理を運んで来る。
綾小路家当主「どうだ、新しい学校は?」
真希「楽しいです。皆さんとても親切で良くしてくれて」
転校の理由は男装が疑われた事と療養の2つの意味があった。
診断結果は重度のストレスから来る心身疲弊・・・。
綾小路家当主「そうか・・・苦労をかけて済まない」
それでも名門綾小路家には文磨を存在させ続ける必要があった。
真希「いえ、それにきっともう僕は大丈夫です」
真希は女の子らしい可愛い笑顔を浮かべる。
真希「素晴らしいストレス解消法に出会えましたから」
26 名前:刹羅 投稿日:2004/01/09(金) 20:52
そしてまた日曜深夜の超上空定例集会・・・。
真希「初めまして。真希と申します」
なつみ「スカートはまずいっしょ。下から覗かれるよ」
亜弥「私もこの間そう言ったんだけどぉ」
真希「大丈夫です。この通り」
真希はスカートをぱっと持ち上げホットパンツを見せる。
なつみ「良いのかなぁ。私はなつみ。なっちって呼んで」
真希「なつみだからなっち・・・ってまさか安倍なつみ!?」
真希は飛び上がった。
なつみ「え!?何でなっちの名前知ってるの?」
真希「(しまった!)あの、文磨から聞いた事あって」
真希の声はなつみの頭をヘルメット越しに殴り付ける。
なつみ「(文磨君を呼び捨て!?2人はどういう関係?)」
亜弥「(・・・これはもしかして、私の出番かな?)」
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/09(金) 23:06
わッわくわくするッ! どうなるッ! で、そろそろ2号を…
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/10(土) 16:15
ぎゃー!おもしろい!笑える!はらイタイ!
29 名前:刹羅 投稿日:2004/01/11(日) 00:56
その時1つの影が3人の側へと飛んで来て止まった。
つんく「やぁ久し振り。みんな頑張っているみたいだね」
なつみ「あっ、あなたは!どうもお久し振りです」
亜弥「結構頑張っていますよ。もう私達3人」
真希「事件ならまかせてくれって感じです」
3人は腕まくりをして力こぶをつくった。
つんく「3人?・・・もう1人には出会ってないの?」
亜弥「もう1人居るんですか!?」
つんく「全部で4人に正義の味方キットを渡してあるから」
真希「言われてみれば4人目って言われたような・・・」
つんく「おかしいな。これを使えばあんな檻すぐ出られるだろうに」
亜弥「檻って事は刑務所!?」
なつみ「もしかしてその人、縞模様の服とか着てませんでした?」
つんく「いや服は着てなかったよ」
なつみ&亜弥&真希「(・・・動物?)」
30 名前:刹羅 投稿日:2004/01/11(日) 00:57
亜弥「もしかしなくても、多分あなたは宇宙人ですよね?」
つんく「そう。そして地球に来るのも今日が最後なんだ」
真希「(きっと猿とかと間違えて渡したんだ・・・)」
つんく「4人で力を合わせて地球の正義を守るんだよ!サヨナラ!」
そう言ってつんくは去って行った・・・。
亜弥「はいはい。動物さんとも力を合わせて頑張ります」
なつみ「じゃあ今日はこれで解散」
遅れて3つの影が闇夜に溶けて行った・・・。
帰り道で亜弥は真希に寄り添う。
亜弥「ねぇ真希。あなたとその文磨君ってどういう関係?」
真希「(上手く話が逸れたと思ってたのに)従兄なの」
それを聞いて亜弥はホッと胸を撫で下ろした。
亜弥「良かったぁ。実はなっちね、文磨君が好きなんだって」
真希「(えっ!そうだったんだぁ・・・)」
31 名前:刹羅 投稿日:2004/01/11(日) 00:57
なつみ「(・・・よしっ!)文磨君おはよ」
文磨「お早う。なっち」
なつみ「あのさ。これ良かったら一緒に行かない?」
なつみはチケットを差し出した。
文磨「松浦亜弥ちゃんのコンサートだね」
文磨と真希が恋人同士なら誘いには乗らないはず。
1晩考えたなつみは断られたら諦めると覚悟を決めて聞いた。
なつみ「(後悔したく無いもん。ダメで元々!)」
文磨の頭に別れ際の亜弥の言葉が浮かんで消える。
文磨「(なっちは本当に文磨を好きなんだぁ)」
チケットを差し出すなつみの手が震えてる事に気付く。
文磨「(大事な仲間を哀しませるなんてしたくない・・・)」
文磨「良いよ、行こう。来週の水曜の夜だね」
なつみ「え、良いの?本当に?やったぁ!」
頬を紅く染めるなつみの可愛さに真希は微笑みを浮かべる。
文磨「(・・・これで良かったんだ、きっと。うん)」
32 名前:刹羅 投稿日:2004/01/11(日) 00:58
日に日に世間の話題は正義の味方3人組の噂が中心になっていった。
アナウンサー「彼女達3人はいったいどこの誰なのでしょうか?」
真希はモーニングコーヒーを飲みながらにっこり。
アナウンサー「世間では彼女達の事をスーパーマンにちなんで」
亜弥は朝食の納豆をお箸でかき混ぜながらくすくす。
アナウンサー「パー娘。と親しみを込めて呼んでいるようです」
なつみは遅刻寸前でトーストをくわえて走りながらうふふっ。
そしてその噂は地下に閉じ込められていた梨華の耳にも届いた・・・。
梨華「(正義の味方?そう言えばあのカプセルを貰った時言われた)」
部屋の隅に転がるカプセルを弄ぶとヘルメットとマントになった。
梨華はそれを装着すると力まかせに檻をこじ開けた。
梨華「(出られる・・・外の世界に・・・!)」
石川梨華ことパー娘。2号遅ればせながら誕生の瞬間だった・・・。
33 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/11(日) 03:40
狽「よいよ2号が! それにしてもスピーディ。お約束なのに意外な展開。面白い。
34 名前:刹羅 投稿日:2004/01/12(月) 10:56
それぞれの家でそれぞれの朝食を楽しんでいた真希と亜弥となつみ。
そのニュースはまさに晴天の霹靂だった・・・。
真希「んあ?」
亜弥「うっそマジ?」
なつみ「アなんだ?」
アナウンサー「信じられません!パー娘。が強盗を働きました!」
テレビの中で破壊された洋品店をバックにアナウンサーが叫ぶ。
監視カメラは空から現れ怪力で建物を壊す少女の姿をしっかり捕らえていた。
アナウンサー「正義の味方の最終目的は犯罪だったのでしょうか!?」
なつみ母「やっぱりねぇ。無償で人助けなんておかしいと思ってたのよ」
なつみ「お母さん!パー娘。を悪く言わないで」
なつみがどん!と食卓を叩く。
その正体に気付いた世界でたった3人はじっとテレビを睨みつけた。
真希&亜弥&なつみ「(間違いない。4人目の娘だわ・・・)」
35 名前:刹羅 投稿日:2004/01/12(月) 10:56
梨華は洋品店に続き貴金属の店や食べ物屋の襲撃と次々犯行を重ねていた。
梨華の起こした事件の噂を聞いて駆け付けてもいつも既に立ち去った後。
そしてそれは正義の味方をし続ける3人に不当な評価と偏見をもたらした。
なつみ「(でも私達は私達に出来る事をするしかない)」
事件解決後はマスコミや警察から逃げるようにその場を去った。
亜弥「(4人目はなぜ正義の味方をしようとしないんだろう?)」
他人のために頑張るその姿に世間は容赦なく怒号を浴びせた。
真希「(4人目に会いたい。会って話をしたい!)」
土曜の夜。
想いが通じたかのように梨華が襲った洋品店に書き置きを残していった!
コンクリートの壁に彫られた文章が月明かりと影で浮かび上がる。
『3人の仲間達へ。来週水曜夜7時、東京タワー超上空で待ってます』
36 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/12(月) 18:32
狽ワさかこうくるとは! 2号ってば…。
37 名前:刹羅 投稿日:2004/01/13(火) 12:48
おなじみ日曜夜の超上空定例集会・・・。
亜弥「ねぇねぇパー娘。って名前はどう思った?」
なつみ「可愛いけど頭悪そうだよね」
真希「パーだもんね。あはは」
女子高生の放課後のように他愛ない時間が流れていた。
なつみ「ところで4人目の娘、やってくれるよね」
亜弥「最近正義の味方続けるのつらいもん」
真希「でさ、水曜の夜7時に会おうってメッセージだけど」
真希が言い終わらない内に亜弥がゴメンのポーズをする。
亜弥「私その日、どうしても欠かせない仕事があるの」
なつみ「えっ!なっちもだよ。文麿君とデートなのさ」
亜弥「わぉ!夜のデート?どこに行くの?って聞くのも照れるなぁ」
ヘルメットの奥でなつみの頬がぽっと染まる。
なつみ「えへへ。2人で松浦亜弥ちゃんのコンサート行くんだ」
亜弥「(私のコンサート!?)」
38 名前:刹羅 投稿日:2004/01/13(火) 12:48
なつみ「真希は?何か用事ある?」
亜弥「もしかして真希もデートとか!?」
真希「(そうなんだけどそうとは言えないし)えーっと・・・」
真希が言い終わらない内になつみがお願いのポーズをする。
なつみ「なっち一生のお願い!文麿君とのデートに行かせて!」
亜弥「ごめん。私もどうしても仕事を抜け出せないの・・・」
2人のすまなそうな顔に真希は苦笑いとため息。
真希「しょうがない。会う日を延ばして犯行を重ねられても困るし」
真希「(なっちとのデートには少し遅れて行くしかないか)」
なつみ「本当ごめんね。ってか会うのが今日だったら良かったのに」
亜弥「ねぇ。待ち合わせ場所だってここなんだから」
定例集会は東京タワーの超上空で行なわれていた・・・。
解散後の帰り間際に亜弥はそっとなつみに耳打ちする。
亜弥「文麿君と真希は従兄妹なんだって。付き合ってはないみたいよ」
なつみは緩む顔を両手で抑えながら家へと夜間飛行した。
39 名前:刹羅 投稿日:2004/01/13(火) 21:33
水曜夜7時にステージの袖でフリフリの衣装の亜弥がため息。
亜弥「(4人目に会うの真希1人で大丈夫かなぁ)」
同日同時刻に指定席に座っているなつみは上の空。
とっておきのワンピースを着て隣の席の文磨を待ちぼうけ。
なつみ「(相手はあのパワーを犯罪に利用する位だし)」
亜弥&なつみ「(戦ったりしてたらどうしよう?)」
同日同時刻に東京タワーの超上空で真希は微笑んでいた。
真希「初めまして。会いたかった」
梨華「・・・来てくれたのはあなただけ?」
その声を聞いた真希は眉間に皺を寄せた。
真希「(なんて甲高い声!)」
真希「残りの2人は外せない用事があるって。ゴメンね」
梨華「あなたもそうなんでしょ?スーツなんか着て」
真希「これからデートなの。もう遅刻大決定だけど」
梨華「ねぇ、正義の味方を辞める気ない?」
40 名前:刹羅 投稿日:2004/01/13(火) 21:33
月明かりが二人を照らしていた・・・。
真希「突然だね。ない。そっちこそ何で犯罪なんかするの?」
梨華「梨華って言うんだ、私」
真希「梨華ちゃんね。よろしく。私は真希」
梨華「この力を使えば洋服でも宝石でも何でも手に入るよ」
優しい言い方の梨華に真希はもっと優しく言い返す。
真希「全部持ってる。私お金持ちで名家の養子だから」
梨華「私は何も持ってないのにずるい。・・・戦おっか?」
真希「突然だね。戦わないよ。話し合いたいの」
梨華「せぇーの、ハッピー!!」
突然の梨華の大声に真希の頭が割れそうに痛んだ!
真希「痛いっ!(何か頭にぶつかったみたい・・・?)」
梨華「驚いた?これが私の必殺技」
41 名前:刹羅 投稿日:2004/01/13(火) 21:34
ヘルメットの奥で微笑む梨華をヘルメットの奥から真希が睨む。
梨華「声が高過ぎて衝撃波になっちゃう特異体質なの」
真希「実際に梨華ちゃんの声があたってたって訳ね」
梨華「お陰で7年もモルモット扱い。服も着せてもらえなかった」
真希「(何も持ってないってそういう事か・・・)」
真希は握った拳を緩めてしまう。
梨華「だから良いよね?ちょっとくらい洋服や食べ物を奪っても」
真希「(あっ!)」
梨華「ねっ。真希ちゃん達も一緒に・・・きゃっ!」
がしっ!
物凄い速さで忍び寄った影が梨華の体を背後から羽交い締めする。
なつみ「良くない!奪われた人達は何も悪い事してないっしょ!?」
42 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/13(火) 21:34
スポットライトがステージ上の亜弥を照らしていた・・・。
亜弥「みんな楽しんでるー!?」
観客席からステージを揺るがすような歓声が上がる。
亜弥「(なっちはどの辺に居るんだろう?)」
コンサートも終盤に差し掛かって会場全体が明るくなった瞬間。
亜弥「あっ」
亜弥はアリーナ席に2つ並んだ空席の存在に気付いた。
亜弥「(きっとあれなっちだ。真希を助けに行ったんだ・・・)」
亜弥「(私もコンサートが終ったらすぐ行くから!)」
空席の片方には誰にも読まれる事のないメモ。
『文磨君へ。ごめんなさい。すぐ戻ってきます。なつみ』
亜弥「みんなー!今日はどうもありがとねー!」
観客「アンコール!アンコール!」
マネージャー「ちょっと亜弥!凄いコールよ・・・って亜弥?」
スタッフ「亜弥さんならさっき裏口から出て行きましたよ」
マネージャー「何ですって!?どこ行ったのよ、亜弥ぁ!」
43 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/13(火) 21:35
梨華「離して!」
梨華は暴れるも同じパワーで抑えるなつみを振りほどけない。
なつみ「真希ってばスーツ!?男の子っぽいのも似合うじゃない」
真希「なっちもミニスカート可愛い。でも下から覗かれるよ」
なつみ「ご心配なく」
激しく動き回るなつみのスカートの下からホットパンツがちらり。
真希「なるほど」
梨華「もう!離してよ、ハッピー!!」
ぐらぐらとなつみの頭が揺れるけどその手は梨華から離れなかった。
なつみ「痛ぁい!・・・でも絶対!離さないんだから!」
梨華「ハッピー!!いい加減にして!何でそこまでするの?」
ぐちゃぐちゃにもつれる2人を真希は遠巻きに見ていた。
真希「(これじゃうかつに手が出せないよ・・・)」
44 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/13(火) 21:35
2人は夜空を滅茶苦茶な方向に飛び回る・・・。
なつみ「キミこそ!何で正義の味方にならなかったの?」
梨華「復讐よ!7年間も檻の中に閉じ込められてた復讐をするの!」
なつみ「そんなの楽しくない。復讐は何も生まないし残らないよ」
地上へ落ちかけてまた空へ登りそして水平に流れて行く。
梨華「あなたに何が解るのよ?どうせのんびり暮らしてたんでしょ!」
なつみ「何も解らない。でも解ってあげたいの」
梨華「うるさい!黙ってよ!ハッピー!!」
なつみ「痛い!・・・だって私達は世界に4人きりの仲間なんだよ!」
真希「危ない!」
突き刺さるような鋭い角度で梨華となつみの体が地上へ向かう。
梨華「仲間・・・?」
なつみ「そう。仲間・・・!」
2人の軌道が突然大きく曲がり水しぶきが遥かな高さにまで上がった。
45 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/13(火) 22:05
深いなぁ。面白いです。スピーディだし。2号はとうとう…
46 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:31
なつみは文麿の肩に寄り添っていた・・・。
目の前では2人の為だけに歌う国民的アイドル松浦亜弥ちゃん。
なつみ「素敵なバラードね」
文麿「なっちの方がもっと素敵さ」
文麿がなつみをじっと見つめる・・・。
なつみ「きゃあ!」
なつみはいつの間にか自分と文麿が服を脱いでいる事に気付いた。
体を隠すように小さくなるなつみに文麿が顔を近付ける。
文麿「キスしていい?」
なつみ「(うわーっ!わーっ!お母さぁーん!)」
・・・こくん。
なつみの心臓が早鐘のように鳴り始める。
文麿「なっち・・・」
47 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:32
なつみ「文麿君・・・」
真希「あ、なっち、気がついた?」
なつみの視界にバスタオル姿の文麿が居た。
なつみ「あれ、文麿君いつの間にバスタオル・・・・えっ?」
なつみの目が文麿の2つの胸のふくらみに釘付けになる。
なつみ「なぜ文麿君が巨乳に?夢?」
むにゅ。
真希「きゃあ!」
亜弥「何なっちってば、起きるなり痴漢行為?」
なつみ「(松浦亜弥ちゃん!?)」
なつみ「どうしてここに?そして何でバスタオル姿なんですか?」
亜弥「あらま。普段は敬語なんて使わないくせに」
なつみ「これは夢よ!・・・でもどこからどこまでが夢?」
目をぐるぐるさせるなつみに亜弥と真希がくすくすと笑った。
48 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:32
バスタオルを巻きつけただけの3人・・・。
なつみ「形だけの後継者か・・・」
ホットミルクの注がれたマグカップでなつみは暖を取る。
真希「綾小路家存続には男の子が必要だったんですって」
亜弥「でもだったら普通に男の子を養子にしたら良いのに」
真希「当主が私を気に入ったみたい。・・・なっちごめんね」
すまなさそうな真希になつみは笑顔で答えた。
なつみ「(ただ振られるよりも壮絶な失恋だったけど・・・)」
なつみ「ところで私達、何でバスタオルしか着てないの?」
亜弥「なっちと梨華ちゃんが地面に激突しそうだったから」
真希「私と亜弥ちゃんで必死に方向転換させたの。その結果」
亜弥&真希「4人揃って東京湾にばっしゃーん!」
なつみ「そっかぁ。ところでその4人目・・・梨華ちゃんは?」
梨華「あの・・・」
絶妙のタイミングで残る1人がやっぱりバスタオル姿で現れた。
49 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:33
( T▽T)<ごめんなさい・・・
( ´д`)<気にしないで良いよ〜事情は何となく解ったし〜
(●´ー`)<痛かったでしょ?こっちこそごめんね
( T▽T)<嬉しい・・・私に友達なんて出来ないと思ってた・・・
( ´д`)<あたしもだよ〜男装してるって秘密があったし〜
从*‘ ー‘从 <芸能人と友達ってステータスだけ欲しがられたり
( ´д`)<でも3人になら打ち明けても良いって思った
从*‘ ー‘从 <私も・・・なっちの言葉に感動しちゃって
(●´ー`)<えっ?なっちの言葉?なんだろう・・・
( ^▽^)<仲間・・・だと思います
( ´д`)<梨華ちゃんの言う通り〜
从*‘ ー‘从 <正体を明かしても仲間は変わらないと思ったから
( ´д`)<すべてを打ち明けようと思ったのさ〜
(●´ー`)<えへへ・・・なんか照れるなぁ・・・
从*‘ ー‘从 <じゃあ改めてこれからは4人で頑張ろうね!
( ^▽^)<うぅん・・・私は罪を償わないといけないから
( ´д`)<えー良いんじゃない?未成年なんだし
(●´ー`)<掴まったらまた檻に閉じ込められるかもよ
从*‘ ー‘从 <決定!梨華ちゃんは今のままで良し!
(;^▽^)<本当に良いのかなぁ・・・?
50 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:33
一年後。
梨華「真希ちゃん、梨華お手製の3時のおやつですよ」
真希「・・・おいしい!ところで梨華ちゃん今日の勉強は?」
梨華「(やばっ!)これからする所でございます」
石川梨華は文麿の専属メイドとして住み込みで働く毎日。
亜弥「じゃん!これが今度の映画の台本です」
なつみ「えぇ!?亜弥ってば超可愛い役にされてない?」
真希「本物はこんなにわがまま女王なのにねぇ」
国民的アイドル松浦亜弥は歌にドラマに映画に大忙し。
なつみ「うぅー。また就職試験に落ちちゃったよぉー」
梨華「じゃあ一緒に進学しませんか?」
亜弥「梨華ちゃんがこれから通うのって高校じゃない」
なつみは高校卒業を目前に職探しの真っ最中。
真希「なんか大学の4年間も文麿を続けて欲しいって言われた」
亜弥「これはズルズルと綾小路家を継がされそうだね」
なつみ「ねぇ真希。梨華ちゃんの他に専属の執事とか雇わない?」
真希はもしかして一生文麿を続けるのかも知れない・・・?
51 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:34
そんな日々を送る4人の正義の味方へビデオテープが届いた・・・。
真希「君達4人へ、って書いてある」
なつみ「私達の正体を知ってる人と言えば・・・」
梨華「あの人しか居ないですよねぇ?」
亜弥「取りあえず見てみようよ」
ビデオデッキががしゃりと音を立てて再生開始。
つんく「イェイ!1年振り。みんな元気にしてるかい?」
なつみ「寒っ」
梨華「イェイ!って、悲しいね・・・」
つんく「実はですね・・・重大発表があります・・・」
真希「もったいぶらないで早く言ってよ」
つんく「パー娘。また、増えます」
亜弥「また?増えるのは初めてなんじゃないの・・・?」
つんく「じゃそういうことで」
再生が終了した。
なつみ「ってか何であの人パー娘。って呼び名知ってんの?」
亜弥「なんかもう地球には来ないって言ってなかったっけ」
梨華「適当そうな人でしたもんね」
真希「新メンバーかぁ・・・みんなどう思う?」
なつみ「大丈夫っしょ。人選に関しては見る目あるみたいだし」
亜弥「そうそう。今の4人も良い娘ばっかりだし、なぁんて」
梨華「新しい仲間が増えるの楽しみだなぁ」
なつみ「あっ臨時ニュース!出番だね・・・行こっか!」
真希&亜弥&梨華「オー!!」
52 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:34
 
(●´ー`)ノ ( ^▽^)ノ 从*‘ ー‘从 ノ ( ´д`)ノ
 
53 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:35
タッタッタッ・・・。
亜依「はぁはぁ・・・まずいがな。遅刻やがな」
つんく「しまった!寝てしまった!全然選んでない!」
どん!
亜依「あ痛たたた・・・前見て歩けっちゅーねんコラ!」
つんく「よし、君に決めた!さぁこれを」
亜依は小さなカプセルを受け取った。
さわっていると大きくなりヘルメットとマントになった!
つんく「それを身につければ君は今日から正義の味方だ」
亜依「えっ!もしかしてパー娘。になれるん?」
つんく「その力で平和を守ってくれ」
そう言ってつんくは去っていった・・・。
亜依「マジかい!さっそく装着や!」
加護亜依ことパー娘。5号誕生の瞬間だった・・・。
54 名前:幻十 投稿日:2004/01/14(水) 19:35
 
 
 
 
 
 
 
http://pawatch.comって誰かが言ってた  
ありがとうございました
 
55 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/15(木) 22:47
矧ョ結ですか。面白かったです。こちらこそありがとう。
56 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/21(水) 16:11
終わり!?
いや、めっちゃ面白かった
ありがとう
57 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/30(金) 12:22
え、終わり?!
でも、すごく面白かったです。
……って上の方々と同じ言葉しか出てきません。
ほんとに、ありがとうございました。面白かったです。

58 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/10(火) 09:26
すんげえ笑った
また機会あったら書いて下さい

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