5vs6
- 1 名前:5vs6 投稿日:2004/01/01(木) 14:09
- 文字通り。
- 2 名前:5vs6 投稿日:2004/01/01(木) 14:10
- ゴロッキーズの収録が終って夜遅く、横1列に並んだ8人
は誰1人口を開かずに駅へと向かっていた。正確には2人の
迫力に圧され残りの6人は口が開けずにいた。
藤本美貴と高橋愛。収録中にどうでもいいことで言い合い
を始めた2人がバチバチと火花を散らしていた。
途中、いつもなら目も向けない広場の前で藤本が足を止め
た。転がってるバスケットボールと向かい合うゴールをじっ
と見つめている。にやりと口元が釣り上げて。
「ねぇ愛ちゃん。バスケしない?」と振り返って、藤本。
「えぇね」と真っ向から視線を受け止めて、高橋。
「…勿論」
「…当然」
2人の声が重なって、残り6人は顔をしかめる。誰も居な
い夜のコートに、響き渡るは2つの声と6つのため息。
「5期メン対6期メンだからね!」
- 3 名前:5vs6 投稿日:2004/01/01(木) 14:10
- コートの左右にお互い4人ずつ別れる。ジャンプボールの
サークルには藤本と高橋が入った。視線がぶつかる。
藤本には勝算があった。自分は勿論バスケの経験者だし、
亀井絵里の運動神経は目を見張るものがあるし、田中れいな
の前に向かって行く性格はバスケ向きだ。ただ道重さゆみだ
けが運動音痴だけど、あの背の高さならゴールの下に居て手
を上げるだけで相手を圧迫できる。
「始める前から悪いけど、うちらが勝つから」
「終った後で笑ってるのは、あっし達5期メンバーやよ」
藤本の挑発を高橋はさらりと流す。藤本の考えた勝算は高
橋も考えていて、それを考慮しても高橋は5期メンが勝つと
考えていた。
見ていろ、とお互いが思っていた。…ブッ潰してやる。
- 4 名前:5vs6 投稿日:2004/01/01(木) 14:11
- 携帯電話に20分後に鳴るようにカウントダウンタイマー
をしかけてから、ゲームスタート。小川麻琴が勢いよくボー
ルを床に叩き付ける。垂直に上がったボールは藤本2人分程
の高さまで上がり落ちて来た。高橋がジャンプし、一瞬遅れ
て藤本もジャンプ。2人の手からほぼ同時に叩かれたボール
は真横へ飛び、ちょうどその位置に居た紺野あさ美の手の中
にすっぽりと収まった。
すぐさま亀井が貼り付いて、進めなくて困った紺野がコー
トの反対側に居た新垣里沙へとパスを出す。が、あっさりと
飛び出して来た田中れいなにカットされた。
「あさ美、次からはドリブルで突っ込んで!」
高橋の怒号が飛ぶ。紺野はそんな真剣にならなくても、と
思う傍ら後輩にあっさりと止められたことに苛つきも感じて
いた。次は行かせないんだから、と奥歯を噛みしめた。
- 5 名前:5vs6 投稿日:2004/01/01(木) 14:11
- ドリブルで突っ切ろうとする田中の前に新垣が追いついて
くる。ドリブルをしたまま前を睨む田中は、小さな舌打ちで
特攻を諦める。パスするルートを探そうと目だけを横に動か
した瞬間、新垣にカットされた。
「あっ!」
「田中ちゃん甘い」
すれ違い様、新垣がそな声とは裏腹の冷たい目付きを田中
に向ける。田中にだけしか聞こえないような小さな声で。
「舌打ちなんかしてんじゃねーよ、ガキ」
ゴールに向かって走る新垣の背中を見て、田中は唾を吐き
出す。急いで後を追った。ガキはテメーだろ。
- 6 名前:5vs6 投稿日:2004/01/01(木) 14:12
- ゴール下で新垣はシュートを決めようとするも、以外と道
重のガードが固くシュート出来ない。
「里沙ちゃん!」
愛の声が背後から届くけど、新垣はボールを抱えたまま。
シゲさん相手に引けって?あたし経験者だよ。冗談でしょ!
しかし愛の言葉にはまだ続きがあった。
「後ろ!」
ウシロ。新垣がその言葉を理解するまでの一瞬で、後ろか
ら亀井が抱えていたボールを叩き落とした。そのまま止まる
ことなく攻めに転じる亀井に、新垣は小さく呟く。
「…やるじゃん」
田中ちゃんの仇討ちってわけね。
- 7 名前:5vs6 投稿日:2004/01/01(木) 14:12
- ゴールの下、亀井のディフェンスに貼り付く紺野。亀井は
ちらちら後ろを振り返るけれど、藤本へのパスコースは高橋
にがっちりガードされている。
読み通りだ、と高橋は思う。6期メンは藤本さんに絶対服
従だから、藤本さんメインに攻めて来るはず。あっしがそこ
を抑えておけば他の3人はまごつくだけや。
しかし。
高橋は目を見張る。高橋だけじゃなく、その場に居た残り
7人すべてが動きを止めた。亀井は紺野から離れるようにバ
ックへ飛ぶと、そのまま空中でシュートして、決めた。
「フェイダウェイ!?」
そう叫ぶ高橋に亀井が笑顔を見せた。
「この技、ポートボールで得意だったんです」
誤算だった。高橋は隠そうともせず舌打ちする。ゲーム開
始後から4分。最初の得点は6期チームだった。
- 8 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/05(月) 17:01
- おもしろいです!!
続き待ってます!!
- 9 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/05(月) 20:13
- こんな設定待ってましたw
更新期待。
- 10 名前:まっち☆ 投稿日:2004/01/13(火) 15:02
- 期待しております!
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/05(木) 17:11
- 数レスしか書かないで1ヶ月も開けるなら最初からスレ立てるな馬鹿者
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