ずっと、ずっと、友達

1 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:42
初めてです。
不安な点などがあると思いますが、よろしくお願いします。

2 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:44
紺野あさ美さん主役で
加護亜依さんとの二人の話です。
3 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:45
私はいつも友達の加護亜依ちゃんと一緒にいる。

亜依ちゃんは昔から心臓が弱いらしく、激しい運動とかが出来ない。
だけど、そんな事はお構いなしかのように元気に振舞っている。

亜依ちゃんといつも一緒にいる。
うれしい時も、楽しい時も、悲しい時も、寂しい時も・・・いつも一緒、友達だから。
「友達」・・・それは、とてもやさしい言葉、とても心強い言葉、だけど時にはとても辛い言葉。


「ねぇあさ美ちゃん、帰りにたこ焼き食べない?」
「うん、食べよう」
亜依ちゃんとはいつも学校帰りに、いろいろな食べ物を買って食べた。
たこ焼き、タイ焼き、アイス、パフェ、など・・・数え切れないほど食べた。

「ねぇあさ美ちゃん、カラオケ行かない?」
「うん、行こう」
カラオケにも行った。 今流行の歌や、ちょっと古い歌、アニメの歌など・・・・
正直私はあまり歌は得意ではないけど、たくさん歌った。
4 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:45
「ねぇあさ美ちゃん、明日ショッピング行かない?」
「うん、行こう」
休みの日は二人でよく買い物に出かけた。
あの服かわいい〜、こっちもかわいい〜、これも・・・あれも・・・
いっぱい買った。

「ねぇあさ美ちゃん、宿題見せて?」
「ダメ、宿題は自分でやらなきゃ」
いつも亜依ちゃんは朝、私にそう言う。
私も決まって同じ事を言う。

「ねぇあさ美ちゃん、私たちは友達だよね?」
「うん、友達だよ」

私はこうして、いつも亜依ちゃんと一緒にいる。


・・・・だけど、あの日は違った。
その日はちょっと用事があって、亜依ちゃんとは別々に帰った。
だけど本当は用事なんか無かった、一人で帰りたかったって言うのもあるし、正直、いつも一緒だったから精神的に・・・・疲れた。
いつも二人で帰っていた道は一人で歩いていると、とても不思議な気持ちになった。
(たまには一人もいいなぁ〜)・・・
5 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:46
次の日、亜依ちゃんは学校に来なかった。
最初は風邪で休みだと思った。
だけど休んだ理由は風邪なんかではなかった。

亜依ちゃんは昨日、車に跳ねられて入院していたのだ。
担任の先生にその事を聞いたときは真実なんだけど、冗談に聞こえ、頭の中が混乱した。
 ・・・・昨日思った事が頭の中に何度も何度も、何度も過ぎった。
たまには一人もいいなぁ〜  たまには一人もいいなぁ〜  たまには一人もいいなぁ〜
私のせい? 私が悪いの? 私は、私は・・・・・。 

私はその日の放課後、まっすぐに亜依ちゃんが入院している病院に向かった。
亜依ちゃんに直接会うことがまだ出来ないらしく、お見舞いの花を看護婦さんに渡してその日は帰った。
6 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:46
私は毎日、病院に通った。

そして、やっと亜依ちゃんに会うことができた。
亜依ちゃんはや足、頭などに包帯をつけていて、見るからに重症だった。
とてもじゃないけど、真っ直ぐに亜依ちゃんを見れなかった。
「亜依ちゃん・・大丈夫?」
「・・・・・」

「具合どう?」
「・・・・・」

「亜依ちゃん??」
「どうして、私がこんな怪我をしなくちゃいけないの?
事故には遭うし、心臓は弱いし。 なんで私なの!? 私じゃなくて、あさ美ちゃんが怪我をすればよかったのに! もうイヤ、 もう帰ってよ!」
・・・・私は何も言えず、そのまま帰った。

次の日も亜依ちゃんのお見舞いにいった。
「亜依ちゃん・・ごめんね」
「なんで、あさ美ちゃんが謝るの? 全然関係ないじゃん、もう分けがわからない!
あさ美ちゃんなんか友達でもなんでもない、もう来ないで!」
「ごめん・・・」
私は一言言って、部屋を後にした。

その夜、私は亜依ちゃんが言った「あさ美ちゃんなんか友達でもなんでもない」って言葉に泣かされていた。 いっぱい泣いた 目が腫れるくらい泣いた。
その日は「友達」という言葉がとても怖かった。
7 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:47
次の日から、私は亜依ちゃんの病院に行かなくなった。
何をやってもやる気がおきず、ただ1日1日を過ごしていた。

それから1週間たって、担任の先生が亜依ちゃんに渡すものがあるからといって、私から亜依ちゃんに届けるように言われた。
正直憂鬱になった。 本当は断りたかったのだけど、なぜか断れなかった。

放課後、私は病院に向かった。
病院までの道がやけに長く感じた。途中、やっぱり帰ろうかなどという気持ちもあった。
だけど、私の足は確実に病院に向かっていた。

そして、亜依ちゃんの病室の前まで来てしまった。
・・・・・・憂鬱
だけど、病室には亜依ちゃんの姿はなく、私はしかたなく置き手紙を書こうとした。
その時、点滴を付けた亜依ちゃんが病室に入ってきた。
・・・
「えっと、先生から預かってきたの・・・」
そう言って私は亜依ちゃんに先生から預かったものを渡して、即座に帰ろうとした。
「あっ、あさ美ちゃん待って。」
その言葉に私の足は止まった。 止まったと言うより止められた。
「この前はごめん、友達じゃないなんて言って・・・本当にごめんなさい」
亜依ちゃんの声・・・久しぶりに聞いた、なんかホットした。

亜依ちゃんもずっとその事で悩んでたらしい。

「・・・気にしないで、だって私と亜依ちゃんは友達だもん」
私はその時、平然と言った。
だけど本当はとってもうれしかった、涙が出ちゃうほどうれしかった・・・うれしかった。
8 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:47
それから私と亜依ちゃんは仲直りし、昔のように楽しくおしゃべりなどして、楽しく過ごしている。
・・・・・
亜依ちゃんのお母さんから聞いた話によると、交通事故のせいで精神的にも響いたらしく心臓の方にも負担がかかってしまったらしい。

亜依ちゃんは今、腕と足のリハビリをしている。
私も亜依ちゃんのリハビリに協力しようと思った。

「亜依ちゃん、ここまで歩こう!」
今は歩くリハビリをしている。
亜依ちゃんは歩くのが怖いらしい。 まだ痛いからだろうか?
・・・・・
「今日はここまでにしようか、また明日がんばろうね!」

私は毎日、亜依ちゃんのリハビリに協力した。
だけど、まだ一歩が踏み出せないでいる。

「亜依ちゃん、まずは一歩 歩こう、よく分からないけど、最初の一歩がとても大事な気がするの!」
「うっ・・・うん」
・・・だけどまだ、最初の一歩が踏みだせない。
9 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:47
その次の日
「亜衣ちゃんがんばれ! 最初の一歩を踏み出そう、怖いかもしれないけど、勇気をだして!・・・・がんばろう!」
私はいっぱい、いっぱい亜依ちゃんに激励をした。
「トン」
亜依ちゃんは最初の一歩を踏み出す事ができた。
「できた・・・」
「亜依ちゃんすごい! よくがんばったね。 偉いよ!」
私は力いっぱい亜依ちゃんをほめた。
亜依ちゃんにも笑顔がこぼれた。 もちろん私にも
・・・・・・
「今日はここまで、亜依ちゃん今日がんばったもんね、明日もがんばろう!」

明日もがんばろう・・・・明日もがんばろう・・・・
だけど、亜依ちゃんには明日がこなかった。
10 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:48
その晩、亜依ちゃんは事故での怪我ではなく心臓の痛みが急に悪化してそのまま・・・・・
私がそのことを知ったのは、いつものように病院にいって、亜依ちゃんの病室に行った時だった。
亜依ちゃんはベッドに寝ていて、顔に白い布がかぶせてあった。
私が布をめくると、そこにはとてもキレイな亜依ちゃんの顔があった。
私はすぐに状況が読めた。
亜依ちゃんはお空のお星様になったんだ・・・・・
正直、悲しかった・・・・でも泣かなかった。 涙は出てこなかった。
人間、悲しさがピークになると涙され出ないものだとその時実感した。

気がつくと、自分の部屋でただ立ち尽くしていた。
私は息を吸って、息を吐いた。
その時、涙が溢れ出してきた。 私は泣いた。
いままでにないくらい泣いた、ただひたすら泣いた、多分このとき私は、泣くことしか出来なかったのだと思う。

それから私は強くなった。
11 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:48
亜依ちゃんという存在があったから私は強くなれた。
亜依ちゃんからとても大切な事を学んだ。

亜依ちゃんから「楽しい」っていう事を学んだ。
亜依ちゃんから「怖い」っていう事を学んだ。
亜依ちゃんから「勇気」っていう事を学んだ。
亜依ちゃんから「生きる」っていう事を学んだ。

亜依ちゃんから「友達」っていう事を・・・・・学んだ。
「友達」・・・それは、とてもやさしい言葉、とても心強い言葉、だけど時にはとても辛い言葉、亜依ちゃんから学んだ。

お星様になっても、ずっと、ずっと、ず〜っと友達だよ。

          亜依ちゃん、ありがとう・・・・・おやすみ。

                    〜END〜      
12 名前:でんでん太鼓 投稿日:2004/01/09(金) 14:50
以上です。
初めてなのでよく勝手が分からなくただ書き込みをしました。
ふつつかな点がありましたなら以後気をつけます。
これからもいろんな小説を書いていくつもりなのでよろしくお願いします。
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/10(土) 01:37
よかったよー 次も待ってまーす

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