monastic U

1 名前:トーマ 投稿日:2004/01/23(金) 11:44
前のスレッドがいっぱいになっちゃったようで、話の途中ですが、新しく立てます。
マタ、お付き合いいただけたら、幸いです。
2 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 12:00
「じゃあさ、もしかしたら、ゴッチン的には、アケオメキスとか、りかまろバースデーとか、
 なんかそんなのが、当たり前に、毎年のことみたいになっちゃうのかな?」

「あー、そーかもね。」

「はー、ゴッチンって、ホント面白いよね。それに、最近、何かイメージ変わった。
 前からさ、見た目とは違ってたけどさ、それでもね時々近寄り難い雰囲気とかあったじゃない。」

「そーかなー。ゴトーの頭の中って、前から、便利な構造になってるけどね。
 でも、変わったっていったら、そーかな。それってたぶん今の部分。」

「今って?」

「前からさ、思い出とかは、上手に処理出来てたんだけどさ、今、現在のことってさ、
 何か不安だったり、自信なかったり、自分とか周りの人とか許せなかったり、
 もっと何かあるって、もっとイイなにかがあるって、いつも少し不安定だったのかな、ちょっと前まで。」

「うん、うん。」

「でも、そーゆーのやめちゃった。下手なこと考えてても、なるよーにしかならないし。」

「ふーん、何か、達観してるって感じだね。」

「よくわかんないけどさー、何でも、良いふうに考えた方がイイヨ。
 イイコトだけ、頭の中で繋げてさ・・・」
何か、苦労してるんだねー、後藤さんも・・・・私たちもだけどね。
3 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 12:17
「じゃあさ、もう結構お腹いっぱいじゃない?」

「何が?」

「だから・・・・・梨華ちゃんのこと。」

「えっ?」

「だって、アケオメも、バースデーも、バレンタインも、その他だっていっぱいあるでしょ、
 付き合い長いんだから。」

「まあね。」

「だから、もう、よくない?良い思い出いっぱいで。」

「そーかなー・・・・・でも、まだしてないし。」

「・・・あっ、そっか。」

「うん。メインディッシュがまだって感じ。」
あー、おいしそーだもんねー。

「・・・・だね。・・・・じゃあ、一発してみようか。」

「エッ?一発って・・・・ミキティ的にはOKなの?」
それで、手を引くならって、やっぱ、な、わけにはいかないわな。

「あっ、やっぱダメ。今のセリフ、取消しだから・・・」

「もう、頭の中にインプットされちゃったんだけどなあー。ミキティが、やっちゃえって、けしかけましたって。」

「エー、ホント、無理!ゼータイ無理、しちゃダメだからね。絶対ダメ!」

「えへ、そんな騒がなくても、消去してあげるよ。ミキティも結構面白いよね。
 それに、別に誰かさんの許可もらわなくても、やるときはやるけどね。」


4 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 12:25
「何よそれ。てーか、そりゃ、そーだけどさー。」

「ミキティだって、そーでしょ。まっ、出来ないんだけどね、これが。」

「まーね。」

「てーかさー、ミキティって、口では過激なこと言ってるけどさ・・・・」

「何よー。」

「結構、根性なしのヘタレだよね。」

「えっ、あーあ。」
だって、そーゆーのって、やっぱ、大事にしたいじゃない。

「まっ、それで、助かってるんだけどさ。」

「・・・ゴッチンだって、人のこと言えないじゃん。」

「・・・だって、大事にしたいんだよね。そーゆーことは。」
あーあ、私が思っても、恥ずかしくて言えない事を、シャラーと。
5 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 12:41
ガチャ、ドアが開く。ずいぶんと早いのがいるなー。

「おはよーございます・・・・あれー、美貴ちゃん・・・ゴッチンも・・・
 どーしたの?こんなに早く・・・」
って、噂の主が入ってくる。そーいえば、この子、いつも早いらしいから・・・
で、何で、田中と一緒なわけ?

「何?今日は、同伴出勤?」

「なあに、ソレ?・・・そこで、会ったの。」

「おはようございます!藤本さん、あっ、後藤さんも。」

「ってか、アンタ、今日、学校じゃないの?午前中。」

「あっ、あれ、そーだよね、冬休みって終わってるよね。どーしたの田中ちゃん?」
って、梨華ちゃん、アンタ鈍すぎ。

「あっ、あのー、学校でお腹痛くなっちゃって・・・」

「えっー、じゃあ、仕事平気なの?」

「あっ、こっちに着たら、よくなったってゆーか・・・あっ、まだちょっと痛むんですけどー。」

「ダメよ無理しちゃ。ねっ、胃?それとも・・・」

「あっ、何か胃みたいです。お正月食べ過ぎたから・・・」

「そー、ねっ、じゃあ、奥のソファーで横になっててよ。今、薬もらってくるから。」

「そんなヒドクないんでー。」

「ダメよ、大事にしなきゃ、身体は。とにかく、薬もらってくるから。」
って、飛んで出て行く梨華ちゃん。
6 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 13:12
「アンタねー、何で、仮病とかつかっちゃうかなぁ。」

「あっ、バレちゃってます?」

「ったりまえでしょ。芝居下手すぎ。そんなのに引っかかるのは、アレぐらいだから。」
って、顎で、ドアの方をさす。タクー、お人良し過ぎるんだから、アレは・・・

「でも、レナ的には、石川さんが信じてくれたらOKなんでー。」

「てーか、どーしたの?サボリ?」

「・・・・あのー、藤本さんするどそーだから、ぶっちゃけちゃいますけどー・・・」

「あー、その方が賢明だ。」

「アタシ、冬休みの間、ずっと早く来てたんですよ。・・・石川さんいつも早いから。
 みんな結構、ゆっくりなんでー・・・」

「美貴もラストの方だから、よく知らないけどね。」

「日によって違うんですけどー、たいてい、石川さんが一番早いから、結構二人で話せるんですよ。
 みんないるとこだと、石川さんのそばって、いつも誰かいるから、話せないじゃないですか、やっぱり。
 だから、朝は結構、大事で・・・」

「で?学校は。」

「あー、行ったんですけどねー、やっぱ、話たいなーって。」
はー、何か、ケナゲだねー田中ちゃん。なんて、感心してる場合じゃないか。

7 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 13:22
「でも、ダメじゃん。学校サボったら。そーじゃなくても、全部は行けないんでしょ。」

「はーあ。」

「中学ぐらいまともにやってないと、本当にバカになっちゃうよ。」

「って、それ、藤本さんには言われたくないなー。」

「えっ、何それ。」

「いくら、レナがバカでも、世界地図、逆さにはしませんよ。」

「あっ、あれは・・・・・受け狙いよ。」

「えー、本当ですかー。」

「そーなの。・・・・そーゆーことにしといてよ。」

「まー、いいですけどね。」


「ダメじゃない、横になってなきゃ。」
って、オメデタイのが戻ってきた。

「もー、本当に平気ですから。」

「そんなこと言って、ひどくなったら、大変だよ。とにかくこれ飲んで。」
って、錠剤と、水のコップを、田中に手渡す、梨華ちゃん。

「あっ、じゃあ、トイレで飲んできますから。」
って、トイレに逃げる田中。・・・アイツ、薬、流す気だな。
8 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 13:37
「本当に、大丈夫かな。」
仮病、ばらしてやろうかなとも思ったけど・・・

「きっと薬飲めば、よくなるよ。」
って、ゴッチンが何気に、フォロしてるから、
「そーだね、薬で落ち着くんじゃないの。」
とか、言ってみる。

「うん、でも、やっぱりちょっと気になるから、私、見てくるね。」
って、嘘吐きを追いかける、梨華ちゃん。
あの程度に騙されちゃうなんて・・・アンタの将来が心配になってきたよ・・・


「別にフォロしてやんなくてもいいのに。」

「でも、何か、可愛いこと言ってたじゃん。」

「だけどさー。」

「・・・てーか、案外、ゴトーのライバルはあっちかもね。」

「えっ?」

「何か、積極性が違うもんね。この口だけ何とかと。」
何だよ、その口だけつーのは。

「でも、ヤツは14だよ。まだ。大の大人が二人して、あんなガキに持ってかれたら、
 それこそ、しゃれにならないよ。」

「そりゃ、そーだけどさ。・・・でも、マジ、気をつけた方がいいかも。
 ほだされるからねー。あーゆー若い子のケナゲさって。」

「年寄りくさいこと言うね。・・・でも、ゴッチン、何か、経験者みたいじゃない?」

9 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 13:49
「・・・・うん、無きにしも非ず。てとこかな。」

「へー、それって、初耳。で?」

「何期待してんのよ。なんもないって・・・・寸でのところで、梨華ちゃんに止められたんだ。」

「えっ、マジで、そんな場面とかあったわけ?」

「・・・頭の中の梨華ちゃんがね。やめてって。」

「あー、そーゆーこと。本当、便利だよねゴッチンの頭って。」

「うん。そーとー便利に出来てる。」

「みたいだね。」


「おっはよー、あー、ゴッチンきてたんだー。」
って、ヨッシーが入って来て、
「おー、ヨシコー、コーヒーとか、飲みに行かない?」
って、二人して、出て行く。

ポツポツとメンバーが揃っていく。
梨華ちゃんは、田中を連れて帰ってきて、しばらく奥でついてたけど、
辻ちゃんや、まこっちゃんと楽しそうに話してるの見て、安心したように、私の所に戻ってくる。

「なんか、よくなったみたいね。」

「そりゃ、そーだろーねー。」

「えっ?」

「あっ、きっと薬が効いたんじゃないの。」
10 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 14:00
「そーだね。・・・美貴ちゃん、珍しいよね、早いの。」

「あー、時間間違えて、早く来ちゃった。」

「そーなんだー。で、ゴッチンと話してたの?」

「うん、美貴が一時間も早くついたのにねゴッチンてば、その時にはもう、ここで寝てた。」

「ふーん、ゴッチンらしいね。で、何話してたの?」

「気になる?」

「・・・うん。」

「梨華ちゃんのこと。」

「あっ、・・・・」

「キショイって。」

「あー、って、もー、いつもそれなんだからー。」

「ウソだよ。バレンタインの話とか。」

「ふーん。・・・・今年は、コンサートだねー、鹿児島の。」

「そーだね。」

「鹿児島って何が美味しかったっけ?」

「・・・チョコ。」

「えっ?チョコレートが名物なの?」

11 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 14:11
「違うよ。チョコ、くれるよね、バレンタイン。」

「あっ、うん、あげるよもちろん。」

「わっ、やりー!」

「うん?メンバー、みんなにあげてるけど、いつも。」

「なーんだ。・・・てーか、今年も作ったりするの?」

「そーねー、でも、ツアーだしねー。」

「って、別に腐るものじゃないし、前の日とかに、作ればいいじゃない。」

「あっ、そーよねー、じゃあ、作ろうかな、今年も。」

「じゃあさ、美貴と一緒に作ろうか。」

「えっ、美貴ちゃん、出来るのそーゆーこと?」

「何言ってんの、結構、得意だよ。」

「へー、意外。そーゆーの、面倒くさがって、やらない人かと思ってた。」

「まあね、料理とかはさ、あまりしないけどさ、でもチョコは得意なの。」

「そーなんだー。」

「で、一緒に作るよね。」

「うん、いいけど。」

「じゃ、前の晩だときついから、前の前の晩ぐらいに作ろ。
 こー見えても、とびっきり美味しいの作れるんだからねー。」

「うん、じゃあ、その美貴ちゃんのとびっきりを教えてもらうよ。」

「いいよ、教えてあげる。」
12 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 14:22
「そろそろ、スタンバってくださーい。」
って、スタッフの声がかかって、私たちは、一斉に、お仕事モードに入る。


しかし、つい約束しちゃったけど、チョコなんて、作ったことないし、
てゆーか、作る物だと思ってないし・・・第一、メンバー皆にって、義理チョコじゃん。
コンビニとかで、ちょろちょろっと、買えばいい話じゃん。

どーしよっかなー。取り合えず、帰りにレシピ本買って・・・やっぱ、練習しなきゃかなー、
得意なんて言っちゃったよね。・・・私、誰かさんに負けず劣らずのブキッチョだもんねー・・・・
まー、なるようになるか、いざとなったら、梨華ちゃんに作ってもらえばいいわけだし、
あっ、でもそれじゃあ、ゴッチンの理屈でいくと、ゴッチン作なんだよね。
やっぱ、ちゃんと練習しよ。・・・・なんかさ、こーゆーのって、田中に負けないぐらいのケナゲさじゃなあい。
てーか、いいのかなー、私、こんなキャラで・・・・何か違うでしょう。
13 名前:便利な頭の構造 投稿日:2004/01/23(金) 14:28
でも、口だけ何とかとか、言われてるのも、癪だし・・・
ゴッチン、アンタ、あんなこと言ったの、きっと後悔するからね。
私だって、伊達に強気キャラやってるわけじゃないんだから・・・
やるときゃ、やっちゃうんだから。
そっ、この場合、前の前の日じゃなくて、晩って約束したところが、ミソなわけ。
・・・・作るチョコより甘い夜・・・・なんて、ありかも知れないよ。マジで。

では、請う、ご期待。




   「便利な頭の構造」・・・・おしまい
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/25(日) 01:06
おもろい。
続きチョー期待。
15 名前: 投稿日:2004/01/27(火) 17:51
ごっちんのような便利な頭欲しいですねぇ。
画期的で素敵ですw
続き楽しみにしてます。
16 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/27(火) 20:22
前スレ


http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/dream/1064885077/
17 名前:トーマ 投稿日:2004/01/28(水) 09:01
>14様 そう言って頂くのが、一番嬉しいです。

>@様  後藤さんのチョット不思議な感じを書きたかっのですが・・・どーだったんでしょうね。
     こんな所でなんですが、銀板の更新楽しみによませてもらってます。

>16様 お手数かけました。
18 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 09:18

あっ、誰かいる。

「・・・・飯田さん?」

「・・・・・あーあ、イシカー、どーしたの?」

「あっ、忘れ物しちゃったみたいで・・・・飯田さんこそ・・・」

「あー、うん、ちょっと、ぼーっとしてたみたい。・・・・いつものやつよ。」


安倍さんの卒コンを終えて、半分暗くなっている、横アリの楽屋。
本来なら、ツアーのラストで、打ち上げってことになっているんだろうけど、
今回の主賓は、記者会見の後すぐに矢口さんのラジオで不在だし・・・
多くのメンバーが体調不良ってこともあって、今日はお疲れ乾杯の後、
みんな早々に引き上げていた。
私は、車を待ちながら、ピアスの片方がないことに気付いて、戻ってきた。
そこで見つけたのが、だだ広い部屋の、大きなテーブルの端っこに、
ぽつんと座る、モーニング娘。のリーダーの姿。
何か、いつもより少し小さい・・・・


「何、忘れたの?・・・・あった?」
ゴソゴソとメイク台のあたりを探す私に、飯田さんが小さな声で尋ねる。

「えー、あのー、ピアスなんですけどー・・・・・あっ、ありました。」

「そー、よかったね・・・・」
その声は、どこか上の空・・・・・
19 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 09:36
「・・・・・飯田さん?あのー、大丈夫ですか?」

「あー、うん・・・・疲れたね。」

「・・・・ハイ・・・」
本当に、本当にいろんな意味で疲れたコンサート。

「・・・・終わったねー、やっと。」
そー、やっとと言う言葉が、似合ってしまうほど、大変だった今日。

「ええ、終わりましたね。なんとか。」

「うん、なんとかね。」

毎年のことではあるけれど、年末年始のTVの撮りダメや、不規則な音楽イベント番組のハードさに加えての、
年明け早々のハロプロコン。そーじゃなくても、何かと体調を崩しがちな、冬場のこの時期。
しかも、今年は安倍さんの卒業、その上、ののとアイボンの発表もあって、
みんな肉体的にも、精神的にも、疲れのピークに達していて・・・・
それでも今日までは、そう今日まではって、頑張ってきたけれど・・・・
いつの間にか、メンバー内で、流行ってしまった風邪。
倒れてしまった者も、それを支えた側も、ギリギリだった今日のステージ。
特に飯田さんは、リーダーの責任感で、私なんかの比べ物にならないくらい、
気を使っていたから、半端じゃないくらい、疲れているのだろう。

「本当にお疲れ様でした。」

「うん、疲れたね、ホント・・・・それにやっぱり残念だった。」

「あっ、ハイ・・・・」

「ナッチのラストだもんね、やっぱり、みんな万全の状態で、送り出してあげたかった・・・」
20 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 09:56
「でも、しかたないですよ。」
そう、仕方のないこと。ドクターストップで結局ライブに参加できなかった紺野も、
最後まで、その場に立ち続けていられなかった、ののとアイボンも・・・誰もどうしょうもなかったこと。

「・・・・なんだけどね・・・やっぱりアタシ、リーダー失格かな・・・
 もっと前から、気付いてあげて、もっと前から休ませてあげたら・・・・」

「・・・それは・・・どんなリーダーにだって、無理なことですよ。
 マネージャーさんや、本人でさえ、こんなヒドクなるなんて思ってなかったんですから。」

「なんだけどね。・・・・紺野がどんなに悔しい思いしてるかと思うとね・・・」

「そーですね。」
でも、本当、どうしょうもないこと。
もちろん、残る14人みんなで、卒業する安倍さんを送り出したかったけど・・・

「でも、そのかわり、ファンのみんなが、あんなに盛り上げてくれたじゃないですか。」

信じられないくらいに、真っ白に染まった横浜アリーナ。
タンポポ畑や、埼玉の赤を経験している私たちから見ても、
それはマバユイばかりの光景で・・・・
オリジナルメンバーにとって、特に思い入れの強い、この場所で、
安倍さんは、6年間の成果を、みごとに見せてくれた。
客席と一体になって・・・・・

「そーだよね。いい卒業式だったね。」

「はい、素敵でした。」
21 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 10:10
「うん、最高だった・・・・ナッチの大きさを改めて感じたかな。」

「はい、とっても大きな人で・・・」

「大きいねーナッチは。娘にとって・・・・アタシにとっても・・・」

そう、飯田さんと安倍さんは特別。
まるで運命みたいに、同じ病院で二日違いで、生まれて、
一緒にオーデションを受けて、一緒に上京して、一緒にモーニング娘。になった。
そして、今日まで、6年以上の年月をかけて、モーニング娘。を築き上げてきた。

「やっぱさー、太陽だったよね、ナッチは・・・」

「そーですよね。お日様みたいな人ですよね。」

「そー、ナッチは太陽。みんなを明るく照らして・・・・それで、アタシは月。」

「えっ?」

「イシカー、月ってね、自分では光れないんだよ。」
何が言いたいんだろう、飯田さん。

「夜の空にさ、光ってるように見えるけどさ、
 あれって、太陽の光を受けて反射しているだけなんだよね。」

「あー、ハイ。」

「・・・・太陽がなくなったらさ、月ってどーなっちゃうんだろうね。」

「・・・・・・そんなこと、そんなこと言わないで下さいよ。
 じゃあ、これからは、飯田さんがお日様になって、みんなを照らして下さいよ。」

22 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 10:27
「・・・・それは無理。イシカー、人はね、みんなそれぞれ持って生まれた性分ていうのがあるの。
 それぞれの役割がね。・・・・アタシは決して、太陽にはなれないよ。」

でも、もしそーだとしても、飯田さん、
お月様がなかったら、夜の空は寂しすぎるじゃないですか。
お月様が満ちてこなかったら、私たちはいつも夜の闇に怯えていなくちゃいけないじゃないですか。

「じゃあ、飯田さんは、お月様でもいいです。みんなで、私たちみんなで、
 安倍さんみたいに大きな光じゃないけど、みんなで、一生懸命照らしますから・・・」

「・・・・うん、そーだよね、みんながいるよね。」

「そーですよ。そんな弱気な話、カオタンらしくないですよ。もっとポジティブに考えて下さいよ。」

「そーだね。・・・・ポジティブかー、昔、アンタによくそー言ったよね。」

「そーです。ポジティブ、ポジィティブ、私に飯田さんがくれた、おまじないです。」

「おまじないじゃあ・・・・ないけどね・・・」

「いいんですって、私にとっては、強い自分を作るおまじないなんですから。」

「まあいいけどね。ポジティブかー、そーだよね。」
 
23 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 10:51
「それに、安倍さんに、任せたって、娘は任せたって、言われてたじゃないですか。」

「そーだね、アタシ、任せてよって、応えたよね。」

「ハイ、とっても力強く。」

「・・・・・イシカー、アタシはさ・・・・結構恵まれていると思ってんの。」

「えっ?」

「好きな歌・・・タンポポとかでも歌わせてもらってたし、今回みたいなソロ活動もやらせてもらって、
 だからね、全然不満なんてないし、むしろ個人的には感謝してる、つんくさんにも、事務所にも。」

「あー、はい・・・」

「でもね、でも・・・・あの手売りの仲間は誰もいなくなって、ラブマの頃のメンバーだって、
 もー、矢口しかいなくて、娘はすっかり変わっちゃったのに・・・・
 いいのかな?・・・アタシ、残ってても。」

「そんなこと言わないで下さいよ。みんな頼りにしてるんですから。」

「なんかさー、取り残されちゃったみたいだよね。ねぇ、あと何回見送ったら、終わるんだろうね。」
そう、飯田さんは、今までの全ての卒業を見送ってきた。そして、この夏にも・・・

「最上級生なのにさ、いつまでも卒業できないなんてね・・・」

「・・・それは、飯田さんが、娘を引っ張っていかなきゃいけない人だから・・・」

「・・・・イシカー、アタシは、娘を引っ張ってなんかいけないよ。
 今までだって、先頭に立って引っ張ってきたのは、ナッチ。アタシは、後ろから押してきただけ。」

「じゃあ、それでもいいです。押しつづけて下さい。みんなで、みんなで引っ張りますから。
 安倍さんの分も、みんなで少しずつ頑張りますから・・・」

「うん、そーだね、そーだよね。」

「本当、しっかりして下さいよ、リーダー。」

「うん。」

「もー、ほら、元気だして!本当、らしくないですよ。」

「・・・・いいじゃないたまには。・・・ネガティブカオタンも。
 ね、ちょっとは可愛いでしょ。」
24 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 11:00
「ハイハイ、可愛いですよ。とっても。」
どこまで、冗談なんだか・・・・でも・・・でも・・・

こんな飯田さん初めて見る。困った顔や、怒った顔は見せても、
いつも、強い人をやっててくれる。
安倍さんが、明るいムードをいつでも作ってくれていたのと同じくらい、
仕事であることの厳しさを、いつも私たちに、その存在で、示してくれてる人。
そんな二人が両端に立っていてくれたから、娘はグループとして成り立っていた。
安倍さんが娘そのものであるように、飯田さんもやっぱり娘そのもの。

25 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 11:14
「イシカー・・・・のみに行こうか・・・」

「はい?・・・・あのー、私、一応まだ未成年なんですけどー。」

「あっ、そっかー、アダルトチームっていっても、まだ19なんだよね。
 ホント、大人少なくなっちゃったんだよねー。
 コラ!ぐずぐずしてないで、早く大人になれ!」

「はー、頑張りますって、こればっかりはねー。」

「だよね。まあ、二十歳になったら、呑みに行こ。
 まあ、どうせアンタのことだから、圭ちゃんの先約が入っているんだろうけど。」

「はい、ご馳走してくれるって言ってました。」

「じゃあ、アタシもそこに押しかけるわ。
 ・・・・来年かー・・・どーなってるんだろうね、来年の今ごろは・・・」

「そーですねー、どーなってるんでしょうねー。」
本当にどうなっているんだろう。いつも変化を求められて、それが当たり前のようになっている娘。

「・・・前まではさ、スケジュール、ほら、結構先のほうまで決まっているじゃない・・」

「あー、はい。」

「あれさ、なんか追われてるみたいで嫌だったんだけどさ、最近はさ、かえって安心する。
 ああ、そこまでは、このままでいいんだなって、変わんないんだなって。」

「・・・・そーですね。」
26 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 11:29
「・・・・まっ、なるようにしかなんないかな・・・相手もいないし、おとなしく帰るかな・・・」

「そーですね、もう遅いし・・・・って、あれ、ちょっと待って下さい。」
私は、ある人に電話をいれる。・・・・・ほら、やっぱり。

「カオタン!ダメじゃないですか!」

「何が?」

「中澤さん待ってますよ。約束してたんでしょ。」

「は?何を?」

「もー、いつものお店で待ってるって、何やってんのやって、怒ってましたよ。」

「はっ、あー、そう言えば、さっき裕ちゃんがナンカ言ってたっけ・・・」

「もー、しっかりして下さいよ。」

「あは、なんか本当に、ボッートしてたんだね。」

「まあ、交信はいつものことですけどね。ほら、行きますよ!」

「ウン・・」

私たちは、娘の楽屋をあとにする。
明かりの消された誰もいない楽屋のドアをそっと閉ざす。
そう、今日までのこの部屋にいたモーニング娘。は、もうどこにもいない。
明日からは、また別のモーニング娘。が始まる。
27 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 11:43
「飯田さん、もうすぐ、乙女も始まるんですから、ホントしっかりして下さいよ!」

「乙女かー、そーだイシカー、今度こそ負けられないからね!」

「はっ?」

「だから、今度こそ負けるわけにいかないでしょさくらに。」

「はーあ。」

「アンタねー、そんな気のない返事してる場合じゃないのよ!
 もしもよ、テレ東社長のお墨付きのツートップを擁して、
 ナッチの抜けたさくらに負けたら、しゃれにならないでしょう、フツー。
 そーじゃなくても、アタシはいつも負けっぱなしなんだから、たまには勝たせてよね!」

「はあー・・・・うふ。」

「アンタねー、なに笑ってんのよ、アタシはマジよ。」

「・・・だって、やっといつものカオタンに戻った。」

「えっ?あっ、そーね。そーよ、勝負よ勝負!」

「ハイ、ハイ。」

「イシカー、アンタ、アタシをバカにしてんの!」

「イッイエー、頑張りましょうね、カーオタンっ!」

「そーよ、乙女も、それから娘も、頑張んなきゃ!」

「ハイ!」

そっ、それでこそ我らがリーダー。少しジョンソンモードの、私の大好きなカオタン。
28 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 11:53
「じゃ、中澤さんに宜しく。あっ、なんかケメタンも後から来るような事言ってましたしー。」

「そっ、じゃ、アンタの悪口でも言って盛り上がるわ。」

「ハイハイ、そーして下さい。風邪引かない程度に、くしゃみしてますから。」

「あっ、本当、体休ませなさいよ。アンタは妙に丈夫だから、大丈夫だろうけど。」

「ハーイ、ゆっくり休みます。お疲れ様でしたー。」

「おっ、オツカレー。」
ヒラヒラと手を振って、車に乗り込む飯田さん。

ゆっくり、中澤さんに慰めてもらって下さいね。
やっぱり、私じゃマダマダその役どころは、無理みたいですから。
慰め、励まされて、明日からはまた、頼もしい、その体と同じに大きなリーダーでいて下さい。
29 名前:sister moon 投稿日:2004/01/28(水) 12:15
安倍さん、あなたは本当に太陽のような人でした。
モーニング娘。の名前を体現するように、朝の光のようにいつもきらめいていて。

あなたのいないモーニング娘。を、私が守るとは、決して言えないけど、
あなたの代わりに、私が照らすとは、決して約束できないけど・・・・

あなたの好きなモーニング娘。が、モーニング娘。で在り続けるために、
みんなで小さな力を合わせて、小さな光を少しずつ持ち寄って、
モーニング娘。のお月様を、照らしつづけて行きますから・・・・

だって、あなたの大切なモーニング娘。を、私も負けずに大切に思っているから。
だって、あなたの愛するモーニング娘。を、みんなも負けずに愛していると信じているから。
  
安倍さん、ご卒業おめでとうございます。
そして、今日まで、本当にありがとうございました。



一日が終われば、その日の太陽は沈む。
だけど、次の朝が来れば、また新しいお日様が昇ってくる。
今は、冬だから、少し夜明けは遅いけれど、
それでも、明けない夜はないはずだから・・・・・




  「sister moon」おわり
30 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/28(水) 14:04
なかなか切ない話ですね。
本当に光景が目に浮かぶようです。

楽しみにしています。
これからもがんばってください
31 名前:トーマ 投稿日:2004/02/07(土) 23:34
>30様 ありがとうございます。

最近、アンリアルの長編を空板の底の方で、書き始めました。
ここで、書き始めた頃に、アンリアルをやってはどうかとの助言を頂いたことがあったのですが、
ネタに頼って書いている私には、アンリアルはとても無理かなと思って、
その時は書かないみたいな返事をしたのですが、一つ構想がまとまったので、ぼつぼつとやってます。
 
正直、ここを書き始めた当初は、同じ設定で、2つのスレッドに跨るほど書けるとは思ってなかったのですが、
ここまで来たら、このスレを使い切るぐらいまでは、頑張ってみようかなと思ってます。
 
・・・時間は2ヶ月ほど戻ります・・・

32 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/07(土) 23:56

「じゃあ、そろそろ、話、聞かせてもらおうかな・・」

「・・・あっ、はいー・・」

12月のある日、私はののとまこっちゃんを誘って、私の部屋で、お泊り会をすることにした。

あんなことがあって、あっ、あんなことって言うのはね・・・
シゲさんが、愛ちゃん襲い掛かって・・ううん、もとい、告っているところに、
まこっちゃんが乱入して、グチャグチャになっちゃったって事件なんだけどね、
そのあと、ののと、やっぱりまこっちゃんの話を、ゆっくり聞いてあげた方がいいのかなって、相談してね、
それで、12月で唯一の完オフの前の晩にね、誘ってみたの・・そーしたら・・
「えっ、いいんですかー、やったー!」
とか、まこっちゃん喜んじゃって、

で、夕食を一緒に作って・・まあ、一緒って言ってもね、ほら、私、結構アレだから・・
ほとんどののがね、最近得意のダイエット料理を披露して、
三人で、おいしいおいしいって食べて、
それでもって、今は、私の唯一の得意技の、お茶を振舞っているところ。
まあ、葉っぱを入れて、お湯入れるだけなんだけどね、それでも結構大変なんだよ。
その葉によって、温度とか、時間とか色々あるんだからね。
まあ、今日は熱湯入れるだけでOKの、今はまってるジャスミンティなんだけどね。

「話ですかー、話ですよねー・・」

「うん・・・・でもやっぱり、私とかじゃ話したくない?」
33 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 00:14
「そんなんじゃないですよ・・・でも何から話せばいいんですかねー。」
なんだか、とっても話づらそうにしてる、まこっちゃん。

「うん、じゃあね、最初、愛ちゃんのこと!」
つて、ののが、遠慮なしに直球投げて・・・

「・・・あっ、ハイ・・」
まこっちゃん、少し顔赤いよ・・あら、やっぱり少しあやしかったりして・・・

「あのですねー、愛ちゃんはですねー・・・・やっぱりライバルだと思ってて・・・ずっと・・・」

「あっ、そーよね、同期だものね。」

「ええ、でも何かもーずいぶん差をつけられちゃって・・・」

「そんなことないでしょ。」

「いいえー・・・・全然違いますって・・・愛ちゃんはもう、写真集も2冊目だし、DVDだって・・・」

「ああ・・・でもそれって、それぞれのタイプだからね・・・
 私なんか、最初の写真集出すって聞いたときは、えー、なんで私なわけーって思ったもの・・
 そしたら、オマエはそーゆー需要があるタイプだからって、軽ーく言われたもの。
 まっ、そーゆーことよ。」

「そーですかねー。」

「のんだって、ソロやっと出せたんだから、まこっちゃんも、そのうちあるって。
 ・・・・うん、そのうち・・・」
つて、オイオイ、そんなじっくりお腹とか見ちゃっちゃダメだって・・・
34 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 00:29
「まあ、写真集とかはいいんですけどー・・・他のことでもねー。」

「そーかなー。」

「そうですって。・・・・でも、やっぱりライバルだって、思っていたいんですけどね。
 ・・・・愛ちゃん・・いつの間にか、後輩に憧れられる存在にまでなっちゃって・・・」

「ああ、シゲさんのことね。」

「はい、私なんか、そんなふうに思われる訳ないってゆーか・・・」

「のんだってないよ。」

「えっ?ののはあるでしょ。なんたって、ほら、コンコンが一番会いたかった芸能人なんだから。」

「あれはー、珍しいからじゃない?」
あっそーかー、珍獣をみてみたいって感じね・・ってこれは言わないでおこっと。

「でも、そーゆーのって、タマタマだからねー。」

「あー、でも、そーなんですって・・・・なんかねー。」

「で、それで妬けちゃったわけ?」

「あー、よくわかんないんですけどね・・・好きとか、あの、恋愛感情ぽくそーゆーのとか・・
 そーゆーのはないと思うんですよー・・・・・よくわかんないんですけどね。
 てゆーか、前に愛ちゃんから聞いたことあるんですよー・・・これ、言っちゃっていいのかなー・・・」
35 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 00:45
「なにを?」

「・・・・あのー、石川さんって、今も後藤さんと付き合ってます?」
って、何を唐突に・・

「あっ、まあね、普通に・・」

「そっそーですかー、普通って・・・あのー、さっき、キッチンで見たんですけどー、
 510って書いてあるマグカップありますよねー。」

「あっ、そーだっけ?」

「ついでに言っちゃえば、MFって書いてあるのもありますよねー。」

「えっ、何のことかなー・・」

「まあ、MFさんの方は、現場見てるからいいんですけどー・・・
 なんか、石川さんってすごいですよねー。」

「のんもそー思う。最近の梨華ちゃんっていくない!」
イタッ、こら、のの、抓んないでよ・・・私だってそー思ってるんだから・・

「・・・ねー、私の話はいいの!今日はマコトの話、聞くんだから。
 で、何、ごっちんが関係してるの?」

「ああ、そーなんですよー・・・・ずーっと前のことなんですけどね・・あれは・・
 後藤さんが卒業するって、発表があって・・・そのすぐ後ぐらいに、愛ちゃんに相談されて・・」

「何を?」

「・・・後藤さんに、告った方がいいのかなって・・」
36 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 01:09
「へー知らなかった・・・高橋、ごっちんだったの・・・」

「あー、やっぱり聞いてなかったんだー・・言わない方がよかったなー。」

「もう、言っちゃったんだから、ちゃんとおせーてよ。
ののは興味津々って感じに身を乗り出しちゃって・・・もちろん私も聞きたいけど・・・

「ええ・・・ほら、卒業しちゃうと、なかなか会えないじゃないですか。
 だから、その前に気持ち伝えた方がいいよってことになって・・・
 で、娘コンが始まってスグの泊りの時に、後藤さんの部屋に行って、告ったらしいんですよ。」
へー、それってもしかして、私たちのアノコトの前の話よね・・・そんなことがあったんだー・・・
へー、愛ちゃんって見かけに依らず、積極的なんだねー・・・

「で?」

「ああ、そーしたら、好きな人がいるからって、言われたらしくて・・・
 まあ、今にして思えば、石川さんのことなんでしょうけど、その時は、愛ちゃんも、私も誰のこととかわかんなくて、
 で、愛ちゃんが、失恋しちゃったよーって、私に泣きついてきて・・・
 でもその時、私、別に後藤さんに嫉妬とか感じなかったし、てゆーか、純粋に応援してましたからねー・・・
 あっ、今でも、時々遊んでもらったりすると、本当、嬉しそうだから、
 好きなんじゃないですかねー、まだ、後藤さんのこと、愛ちゃんは・・・」

「そーなんだー・・」
ふーん、今度、聞いてみよ、もー、何も言ってくんないんだからー、ごっちんたらー。
あっ、でも、そんなこと言えないかー、フツー。
でも、その時の好きな人って、やっぱ、私のことだったのかなー、なんか少し嬉しいかも・・・

「石川さん、何、一人でニヤケてるんですか?」

「へっ?」

「りがちゃんの、バーカ!」
こら、のの、本当に痛いんだからね、もー抓んないの!
37 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 01:18
「まっ、だから、愛ちゃんのことは、好きとかそーゆーんじゃないと思うんですよ・・」

「そー、じゃあ、あの時はやっぱ、ののが言ってたみたいに、
 同期の仲良しが、後輩にあんなことされるのみてられない・・みたいなー・・」

「はーー」

「やったね、のん、大当たり!・・何かちょうだい!」

「ハイハイ、今度ね。」

「まあ、よく分らないんですけどね。
 なんかすんませんでしたねー、せっかく、大仕掛けでやったのに・・」

「あっ、あれは良かったんじゃないの、かえって。
 ちょっとシゲさんも強引だったし・・・あのまま見過ごすのもねー。」

「はー。」

「面白かったけどね・・テヘッ。」
ってもー・・・まあね、確かに・・

38 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 01:36
「じゃあ、やっぱ、よっちゃんのこと・・・?」

「はー、あのですねー・・・・・吉澤さんはですねー・・・誉めてくれたんですよ、本気で。
 まこっちゃん、面白いよって、才能あるって・・・最初ゴローさんの真似した時に・・・」

「あーあ、アレ、びっくりしたよね、イノキとかはやってたけど、あそこまでやるとはねー。」

「うん、面白かったよね。」

「ええ、私、トークとかダメで、うたばんとか、ハロモニの大切りみたいのとか、
 しゃべっても、たいていカットされてて・・・で、自分でも面白くないんだって思ってて・・・
 だから、すごく嬉しかったんですよ。
 まこっちゃん、スゲーよって、もっとやりなよって、言われて・・・
 ほら、吉澤さんって、面白いじゃないですか、そーゆー人に言われて・・
 ネタ合わせしよーとか、もっとこーしたほうがいいよとか・・・」
・・・ネタ合わせって・・・アンタラ漫才師かい。

「それに、私、それまで、4期の人達って遠くて・・」

「えっ?」

「なんか、私達と、全然違う世界の人って感じで・・」

「はー、どーゆーこと?」

「なんて言うんですか・・・別格?」

「何、それ?」

「なんか、やっぱ、ちゃんとアイドルやってるってゆーか、テレビの中の人ってゆーか・・・・」
39 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 01:53
「・・・・ああ、それって、私たちも思ったよね、最初の頃。」

「うん、うん。」

「安倍さんとか見て、わー、スゴーイ、全然違うって・・」

「うん、わー、モー娘だ、ゴマキだーって、騒いでたよね。」

「そっ、ゴマキ、ゴマキゆーなって、ののとアイボンごっちんに怒られて。」

「うん、聞こえちゃって・・」

「で、アンタラも、そのモー娘やろって、中澤さんに呆れられて・・」

「そーそー。」

「・・・・でも、なんかすぐ馴染んでたよーに見えましたけどねー・・テレビで見る限り・・」

「そーかなー、そーでもなかったよねー。」

「そーですって・・・それに比べて・・私たちなんかずっと新メンバーで・・
 でも、そーやって、吉澤さんが普通に話してくれて・・・
 ああ、もちろん、のんつぁんとかは、プライベートでは、話せたんですけどね・・・
 ほら、石川さんと吉澤さんは、ずっと先輩ってゆーか、大人って感じあるじゃないですかー。」

「年が違うもんね、梨華ちゃんは、もーすっかりオバちゃんだもんねー。」

「ハイハイ、どーせ私はオバサンですよ・・・・・・で?」

「あっ、まあ、そーゆー、遠い存在だった人が、近くに来てくれて・・・
 なんか、すごく嬉しくて・・・・吉澤さんってカッコいいし・・・・」

「はー、やっぱ、好きなんだねー、ヨッチャンのこと。」
40 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 02:08
「はいー・・・・」
あーあ、すっかり赤くなっちゃって・・・・結構マジなんだね、こりゃ。


「でさ、このさいだから、もう一つ聞いていいかなー。」

「あっ、何ですか?」

「あのさ・・・・マコト、最近、保田さんの後継ぎみたいに言われてさ、そーゆー扱いされてるじゃない、うたばんとかで・・」

「ハイ・・・」

「それってさ、それでいいわけ?」

「へっ?」

「だからー、マコトとしては、それで構わないの?」

「あーあ・・」

「あのね、私ね、あーゆーのちょっと嫌でね、保田さんの時も・・・で、聞いたの、保田さんに・・
 いいんですかって、そーしたら、アタシはそーゆーポジションだし、その方がTVに映ってオイシイって、
 アンタもアタシのネタ出せば、たくさん映るよって、ドンドン言っていいよって言われて・・・
 でも、あの時、保田さんは最年長で、サブリーダーで・・・・だから、番組とかのことも考えて・・・
 でも、マコトはまだ16だよね・・・・で、いいのそれで・・」

「あっ、ホント、いいんですって。保田さんじゃないですけど、テレビ、いつぱい映るし・・」

「本当?」

「・・・・・」


41 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 02:22
「・・・・・ねー、もしかして、わざと太ったわけじゃないよね?」

「へっ?」

「・・・だから、いじられやすいように・・・」

「っな、わけないじゃないですかー。これは・・・体質なんですって。」

「そーなの?」

「元々、甘いものが好きだし、親とかも太ってるし・・」

「でも、細かったよねー。」

「あれは・・・アイドルになりたかったですからねー、頑張ってダイエットしてたんですよ・・・」

「・・・じゃ、今はアイドルになりたくないの?」

「・・・・そーじゃないんですけど・・・・みんな、コンサの時とか、よく食べるじゃないですか。」

「あーあ、ケータリングとか?」

「あれ、おいしいよね、のん、あれのパスタ好きなんだよねー。」

「ええ、で、つられて食べてて、少しずつきちゃって、ヤバイかなーって思ってたら、
 ・・・・腰、やっちゃったじゃないですか・・・・」

「うん、ミュージカルの時ね・・・大変だったよね。」

「あの時は・・もしかしたら、もー踊れないのかなって、思って・・・ショックで・・・
 でも、それよりもっとショックだったんですよ・・」

「何が?」
42 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 02:37
「私がいなくても、なんの影響もなくて・・・ミュージカル、普通に出来てたじゃないですか・・」

「あっ、あれね、大変だったんだよ、飯田さんとかが、フォロしてね・・・」

「でも・・・あれが、例えば石川さんとか、安倍さんとか、藤本さんだったら、どーなってたんですかねー・・
 代役とか立てないと無理ですよねー。」

「あーあ・・・まあ、それはタマタマ、あの時の役柄がね・・・」

「でも、そーゆー役をやってること自体が、ヤッパ、私、いなくても同じなんだなって・・」

「そんなことないよ、絶対!」

「でも、そー思っちゃったんですって・・・で、そー思ったら、なんか、プチッと切れちゃって・・・
 そーしたら、いつの間にか、こーなっちゃって・・・・」

「・・・・で、そのままでいいの?」

「はー、体質ですから・・」

「のんは、ちゃんとダイエットしたよ。これ以上太ったら、テレビに映さないって矢口さんに言われて。」

「そーよ、安倍さんなんかも・・」

「でも、私なんか、痩せたところで、愛ちゃんみたいになれるわけでもないし・・・
 今更、無駄な努力しても・・・体質なんだし・・・」

「あのねー、マコト、アンタねー、間違ってるよ!」

「はーあ?」
43 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 02:56
「アンタ、みんなが思う存分食べて、それでも太らない体質だからって思ってない?」

「えーまー、そーじゃない人も何人かいますけど・・・」

「あのね、例えばね、飯田さんはね、どんな遅い時間になっても、長時間の半身浴とかして、その日の余分なカロリー消化してるし、
 矢口さんは、あの人特に腰が悪いから、それをカバーするためにも、腹筋とかの筋トレを毎日してるし、
 みんな、それぞれちゃんと、努力してるんだよ!」

「はー・・・石川さんは?」

「私は・・・番組とかで、何か食べたら、食事、一回ヌク・・」

「えっ、そーなんですか?」

「うん、安倍さんみたいに自炊とかして、低カロリーなものにするみたいなこと出来ないから、単純にそーしてる。」

「へー、そーだったんですかー。」

「だからね、他の人は知らないけど、みんな努力してると思うよ。
 特に露出の多い衣装、着なくちゃいけない時とかはね・・・・」

「そーなんですかーねー・・・でも、ほら私、なんてゆーんですか、一種のストレス太りだから・・」

「・・・・あのね、マコト、人間、ストレスじゃ太らないんだよ、絶対。」

「えっ、でもよく言うじゃないですかー。」

「うん、よく言うねー・・・でもそれって、ストレスで太るんじゃなくて、
 ストレスを食べることによって発散させるから、太るんだよ・・必要以上に食べて・・」

「はーあ」
44 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 03:14
「それに、太ったってことで、またストレス増えちゃうんだよね。だから、完全に悪循環。」

「はー、でも・・・・」

「・・・・まあ、アンタがそれでいいって、本気で思ってるなら、もー何も言わないけどね・・」

「ええ・・・」

「・・・・でも、この際だから、もう一つだけ教えてあげる。」

「何ですか?」

「あのね、ヨッチャンはね・・・・ヨッチャンは、自分はアーだけどね・・・・
 細い子が好きなのよ・・・・ね、のの・・・」
って、のののお尻を、ちょっと抓る。

「ふぇ?・・・アッ、そーなの、もー折れちゃうくらいのほそーい子が好みなんだって。」
よし!のの、偉い!わかってくれてる。

「えっ、そーなんですか?」

「うん、一応ね、私たちマコトを応援してるから、教えてあげるんだけどね。」

「ほら、ヨッチャンとは、付き合い長いれしょ、だから好みとかわかんだよね。」

「はー、そーなんですかー、吉澤さん・・・細いのが好きなんだー・・・・」


その後、私たちは、少し落ち込んでるまこっちゃんのテンションを上げる為に、
枕投げしたり、布団の取り合いっこしたりして、
まるで中学生みたいに、ワイワイ騒ぎながら、三人で同じ布団に潜り込んだ。

私のかなり丈夫なセミダブルのベッドも、さすがに今夜は、
重量オーバーで、悲鳴あげてたけど・・・・
45 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 03:27

「ねー、梨華ちゃん、おかしいよねー、まこっちゃん。」

「そーよねー、なんか、マスマスって感じだもんね。」

「アレ、効いたと思ったのにね。」

「そーなのよ・・・普通、効くはずなんだけどなー、あーゆーのが一番。」


「・・・・あっ、まこっちゃん、ね、ちょっと聞いていいかなー。」

「何ですかー。」

「あのさ、もしかして、ダイエットとかしてないの?」

「ふぇ・・・あっ、それですよ・・石川さんって、嘘つきだー!!」

「えっ何?」

「私、あの後、聞いたんですよ、吉澤さんに。」

「何を?」

「だから・・・・そしたら、そんなことないって、そんなのタイプじゃないって。」
・・・タイプじゃない・・・ちょっと何かヤナ予感・・・

「・・・ね、マコト、アンタ、ヨッチャンに何て言って聞いたの?」

「だからー、吉澤さんは、女の子は、細い子が好きなんですか・・石川さんみたいなって・・・」
あーあ、やっぱり・・・

「あっ、そりゃダメダ・・」

「だね。」

46 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 03:38
「どーして最後にそれ、付け加えたかなー・・」

「はあ?」

「・・・・」

「あのね、まこっちゃん、ヨッチャンはね、
 梨華ちゃんって名前聞いただけで、ノーって答える人なの!」

「はあ?」

「そーなのよ、何かねー、もーそれ、パブロフの犬状態だから・・」

「はあ?」

「内容とか関係なくね、条件反射で、否定することになってるの・・・」

「はあ?」

「・・・あっ、もーいい、帰っていいよ・・・ごめんね、引き止めて・・」

「はあ・・・あっ、お疲れ様でしたー・・・」

「はーい、おつかれー。」

47 名前:ピーマコの肉詰め 投稿日:2004/02/08(日) 03:50
「・・・・なんか、作戦失敗しちゃったね・・」

「そーね、また別の考えなくっちゃね。」

「うん、じゃ、これから、のんとシャブシャブ食べながら、考えよ!」

「ああ、いいけどー・・・・ね、ののはリバウンドとかしないよね・・」

「えっ?・・・大丈夫れすって、てへ!」


本当、大丈夫なんだろうか・・・

そりゃみんな、食べたい盛りで・・・周りには美味しいものが溢れてるし・・・
私だって、食べるの好きだし・・・・
でもね、お腹出して、踊ってるんだよ・・・
横からお肉、はみ出しててもねー・・・・

でも、そーゆーのが好きな人もいるのかな・・・

十人十色・・違うな・・
好きこそ物の上手なれ・・・これじゃ全然ちがうか・・・

そうそう・・・・蓼食う虫も好き好きってやつよね。


世の中には、トン足が大好きって人もいるわけだしね・・・


   「ピーマコの肉詰め」・・・・おしまい

   


48 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/09(月) 10:48
タイトルからおもしろかったです。

石川辻小川のお泊り会なんてネタっぽい事がホントにあるんですね。
空板の長編とともに次作楽しみにしています。
49 名前:トーマ 投稿日:2004/02/12(木) 09:32
>48様 ありがとうございます。あっちはコソコソとこっちはチョコチョコとやっていきたいと思ってます。

さて、今回は少し早めのバレンタインネタです。
ネタがネタだけに少しは甘めになるかな・・・???
50 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 10:01
「アー、もーダメだ!!!」
 
チョコレートと格闘すること約3時間・・・
アタシはついにさじを投げた・・・まあ、正確には搾り出し器を投げたんだけどね・・・

「・・・うん、そーだよね・・・・・もーこれ、諦めよーか・・・」

昨日から、乙女コンが始まって、週末には九州遠征で計4本・・・
お正月疲れは、やっと最近取れてきたけど・・やっぱ少しハードだよねってわけでもないんだろーけど、
今日は久々の完オフ。
で、かねてからの約束通り、遅い午後から、梨華ちゃんチで、バレンタインチョコ作り・・・

一応、あれから、レシピ本も買って・・・ちゃんとリハーサルもして・・まあ、一回だけだし、それも上手くはいかなかったけど、
そこはそれ、なんせ本番に強いアタシのことだから、どーにかなるって、高を括って・・・
で、やっぱりこの始末。

ガス台には、板チョコを溶かしたあとの片手鍋が2つ。
テーブルの上には振るった小麦粉を入れてあったのと、メレンゲを作ったあとのガラスボールが2つ。
泡だて器に、ゴムベら、搾り出し器に、その他もろもろ・・・
あまり広くないキッチンには、チョコとクリームの匂いが立ち込めて、
それだけなら、充分においしそーなんだけど、
完成品が並ぶはずのクッキングペーパーの上には、なんともイビツナ造形物。
どこでどー間違えたのか・・・それともあまりに不器用な4本の腕のせいなのか、
チョコや小麦粉やクリームも床やテーブルに散らばってる方が多そうだし・・・
 
レシピを読む限りでは、そんな難しそーじゃなかったミニチョコケーキ・・・
お子様にも簡単に作れますって、書いてあったし・・・・
51 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 10:12
「ねー美貴ちゃん・・・・得意って言ってたよね・・」

「・・・・うん」

「これってさ、前に作ったことあるの?」

「・・・・一度・・」

「・・・・その時って、上手に出来た?」

「・・・・・」

「・・そっかー・・・・ねー、もーさー、これ諦めて・・
 普通にチョコ溶かしてさ・・・・型に入れて・・・・ってする?」

「・・・・うん・・」

「じゃ・・」
って梨華ちゃんは、どーにかつかえそーなチョコらしき物を、一つの片手鍋に集めて・・・

「・・・ねぇ、やっぱ・・・・怒ってる?」

「・・・・ううん・・・・だって、おかしいと思ってたもの。」

「何が?」

「美貴ちゃんがお菓子つくるの・・・・」

「あーあ・・・」

「似合わないよね・・・やっぱし・・」

ハイハイ、どーせそーですよ・・・
アタシは、お鍋のチョコをゆっくりかき混ぜる、梨華ちゃんの隣で、その手元をぼーっと見ていた。

52 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 10:27
「・・・美貴ちゃんってさ、本当に好きな彼氏とかにもさ、コンビニのチョコあげちゃうタイプだよね・・・」

「あっ、うん・・そーかも。
 梨華ちゃんは・・・思いっきりへたくそな手作りあげそーだけどね・・」

「何よ、へたくそに思いっきりまでつけなくていいじゃん・・・美貴ちゃんだって・・・」

「・・あっ、うん、ごめん・・」

「あっ、素直に謝っちゃうんだあー・・・ずいぶんと弱気だね、今日は・・」

「だって・・・」

「・・・・大丈夫だよ・・本当、怒ってないから・・・・
 ねえ・・・美貴ちゃんはあげたことある?・・・ちゃんと告白のチョコ・・」

「あっ、うん・・中学の時とか・・」

「そー・・・いいなー・・」

「えっ?梨華ちゃんないの?」

「・・・・うん・・・・・小学校の時とか、友達とみんなで、あげたりしたけどさ、人気のある子に・・
 でも、告白とか・・そーゆーんじゃないから・・・」

「へー、好きな子いなかったの?中学の時とか・・」

「・・・・うん、いなかったなー・・・カッコイイなとか思う人はいたけど・・・
 チョコあげてまでもって感じじゃなかったかなー・・・」

「そーなんだ・・・」

「で、この世界、入っちゃったから・・・」
53 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 10:40
「しっかし、二人とも不器用だよね・・
 私もさ、本当、結構ダメだけどさ・・・輪をかけてるよね・・・美貴ちゃんって。」

「・・・それ、反論できないし・・今日は・・」

♪♪♪
奥の部屋から、携帯の着信音・・・これ、手を握って歩きたい・・・う・・・

「ねっ、ちょっと、このお鍋みててくれる?」

「あ、いいけど・・・」
奥の部屋に急ぐ梨華ちゃん・・・アタシは、彼女に代わってチョコをかき混ぜる。
ここで焦がしでもしたら、それこそ何言われるか・・・

「あっ、ありがとう・・・もうイイカナこれ・・」
梨華ちゃんは、お鍋を火からおろして、それを型に流し入れ始める。

「・・・メール?」

「うん・・・・器用な人から・・」

「・・・ごっちんだよね・・」

「うん・・」

「・・・・なんだって?」

「あー・・・何してるのって・・・」

「で?」

「不器用なのと二人で、チョコと格闘してるって・・・」
54 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 10:52
「ふーん・・・で・・・・助けてくれとか言っちゃった?」

「・・・ううん・・・今日はミュージカルの稽古、大変だって言ってたし・・・それに・・」

「それに?」

「・・・今日は美貴ちゃんと二人で作るって・・・約束したから・・」

「ああ・・・・アリガト・・・」

「えっ?」
アタシの小さな感謝の言葉は・・・チョコを型に入れるのに必死の梨華ちゃんには、
ちゃんと聞き取れなかったみたい・・・
「別に何でもない。」

「これで、あら熱がとれたら・・・冷蔵庫で冷して・・・で、そのあとトッピングすればいいよね・・・
 お茶にでもしよーか・・・・」

「うん・・」

「・・・・ねー、コレ・・・・・食べれるかな?」
梨華ちゃんは、クッキングペーパーの上のイビツナ固まりを一つ拾い上げる・・・

「あー・・・大丈夫じゃないの・・変なものは入ってないし・・・」

「そーだよね・・じゃあ、食べてみようか・・」
梨華ちゃんが、紅茶の準備をする横で、アタシはその不恰好な物を、お皿に集める。
・・・・平気だよね・・・コレ・・・

55 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 11:08
「チョコのお相手だから、癖のないのがいいかなって・・・アッサムにしてみたの・・」
奥の部屋のテーブルで、梨華ちゃんの解説つきの紅茶が、ティーポットから注がれる。

「・・・・じゃあ、食べてみて、コレ・・」

「えっ?」

「毒見。」
ニコニコしながら・・・茶色い物体を一つつまんで・・・アタシの口の前に差し出す梨華ちゃん。

「・・・ハイ、ハイ・・・責任とって・・」
そのままそれを口で受け取る・・・チキショウ・・指まで食ってやろーかな・・保護色だし・・・
うっ、あれ・・・うまいじゃんコレ・・
「ねっ、美味しいよ・・」

「ホントー・・・・・どーれ・・・・あっ、本当、美味しいよコレ!」

「でしょ!・・・・そーかー・・問題はルックスだけだったのかー・・・」

「まっ、人にあげる物なんだから・・・それってかなり大事だけどね・・・
 でも、ここで食べる分には十分だよ・・・本当、美味しいよ、美貴ちゃんのチョコ!」

「じゃ、コレは美貴から梨華ちゃんへのバレンタインチョコってことで・・・」

「えー、コレがー・・・まっ、いいか、美味しいから・・・ありがとう!」

「・・・あっ、それと・・・お茶にさ、これ入れてみようよ。」
アタシは、用意してきたビンを取り出す。




56 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 11:24
「何これ・・・・ブランデー?」

「うん、紅茶に入れると美味しいって、特にチョコとは相性がいいし・・・」

「そーなの?」

「何、疑ってるの?・・・・この分野は、本当に得意なんだから・・・
 こーやってね、ほんの小匙一杯・・・」

「・・・あっ、いい香り・・・」

「でしょ!」

「・・・うん、合うかも・・・」
そっ、これは今日の本当の目的のための、必須アイテム・・・
紅茶好きの彼女を、自然に酔わせる、素敵な作戦・・・
誤解しないでよ、別に前後不覚にして、乱暴しようとかじゃないよ・・・これもムード作りの一環・・・
チョコの香りにとブランデーの香りが合わさって・・・
ほら、なんか滅茶苦茶、甘い空気が漂っちゃってる・・・

ほら、なんか少し、トローンとなってきてんじゃん・・・

「・・・美貴ちゃんはさ、彼氏とかいたんだよね・・昔・・」

「まあね、この世界入る前にね・・・・何、梨華ちゃん、彼氏とか欲しいわけ?」
57 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 11:39
「・・・そーじゃないけどさ・・・ほら、クリスマスとかバレンタインとか、そーゆー時ってさ、
 世の中が・・なんてゆーの・・・そーゆー雰囲気になったりするじゃない・・・」

「まーねー。」

「そーするとさー、ちょっと考えちゃうよね・・」

「うん?」

「・・・私たちってさ、こーやってアイドルとかしてるとさ、そんなこと関係なく、年重ねていくでしょ・・」
あー、この子は、15からやってんだよね、アイドル商売。

「ほら、告白チョコってさ、中高生とかしかやらないじゃない・・・
 放課後、待ち伏せたり、下駄箱に入れたりとかさ・・・」

「そーだね・・・大人はしないか・・そんなこと・・」

「でね、いつの間にか・・・そーゆーの卒業の年じゃん・・・」

「あっ、まーね。」

「なんかさ、普通の青春つーの、そーゆーのもやってみたかったよねって感じ・・・
 あーあ、もちろん、やりたいことやってんだから、今は今でいいんだけどさ・・・
 ・・・前、飯田さんが言ってたじゃない、コピーロボット欲しいって、それに普通の生活させたいって・・・
 そーゆーことって、やっぱ、思っちゃうことあるよね。」

「まあね・・・でも、それって贅沢だよ・・他の人には出来ない経験してんだから・・・」

「・・・だよね・・」
って、全然納得してない感じの梨華ちゃん。
58 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 11:52
「・・・何、やっぱり彼氏とか欲しいいんだ。」

「だから、そーゆーんじゃないって・・・ただの感傷だよ・・ただの・・」
  
「感傷ねー・・・」



「あのさ・・・・美貴ちゃん、最近、よく言ってるじゃない・・」

「えっ?」

「私のこと好きだって・・・で、梨華ちゃんも好きだよねって・・・」

そー、わざとおまじないみたいにして言ってる。
この子の中で、それが当たり前になるようにって、それが近くにいるものの特権。
それに、牽制しなきゃいけないヤツもいるし・・・

「うん、言ってるねー・・梨華ちゃんも、うんって答えてくれてるじゃない・・・」

「うん・・・でさ、その好きって・・・どーゆーことなんだろ?」

「えっ?」
何が言いたいの・・・コイツ・・・

「ほら、例えばさ・・・安倍さんに大好きってゆーの・・・流行ったってゆーか・・・」

「あーあ、みんな言ってたねー。」

「確かに、好きだよね安部さんのことは・・みんな。」

「うん、面白い人だしね・・」

59 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 12:10
「そー、娘にとっても大事な人だったし・・・
 そーゆー好きってさ、なんてゆーの・・・尊敬したり、憧れてる好き?」

「あー、そーかな。」

「それから、他にも・・・頼りにして信頼してる好きとかさ・・・」
あーあ、飯田さんとか矢口さんとか・・・
「かわいくてしかたない好きとか・・・」
これは、辻加護ってところかな・・
「いろんな好きってあるじゃない・・・」

「そーだねー・・・色々・・」

「そーゆーのとさ、私のこと好きって、好きは、どこか違うの?」

「はっ?」
あっ、そーか・・・最近、娘の中は、好きの大安売りだもんね。
もー閉店間際の大バーゲンセール並に、みんな大好きが山積みされてる・・・
だから、もしかしてこの子、もー一度ちゃんと告って欲しいのかな・・・

なんかちょっと赤い顔してるし、ブランデーもいい加減効いて来てるみたい・・・
それに、この甘〜い香り・・・
ここは、一発、ロマンチック浮かれモード決めちゃおーかなって・・・
何気に場所移動・・・横に並んで、くっついて・・・

「あのね・・・・美貴が梨華ちゃんのこと好きって、好きはね・・・・
 一緒にいて楽しいとか、ずっと一緒にいたいとか・・・こーして寄り添っていたいとか・・・」
60 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 12:25
「・・・・じゃあさ、それって、美貴ちゃんが彼氏のこと好きだった好きとはさ、どー違うの?・・・それとも同じ?」

「同じかどーかはわからないけど・・・」
おっ、本当にいい感じじゃないコレ。押せ押せムードだよね。
ヨシ!藤本美貴、まだ18歳、このチョットかまととぶった19歳を落としてみよーじゃありませんか。

えー、何、そんなことしたら、ここの話が終わっちゃうって、
大丈夫!ここから先は「りかみき」ラブラブ話を書けばいいんだから。
その方が、絶対、読者の需要もあるって・・・アタシが保証するよ。
なんだったら、エロでもいいよ・・・アタシ、結構その方面得意かも・・・
えっ、何、そんなの書けない・・・あんたねー、少しはそっちも勉強しなさいよ、子供じゃないんだから・・・・

「ねー、何、ブツブツ言ってんの?」

「あー・・・こっちのこと・・・それよりね・・
 同じかどうかは・・・ホントわからないけど・・・
 こーしてね・・・そばにいたいし・・・もっと梨華ちゃんのこと知りたいし・・・」

「・・・・・」

「できたらね・・・・できたら・・梨華ちゃんの全部が欲しいかな・・・」

「・・・えっ?」

「だからね・・・」
よし、ココだ・・・行けー!!
61 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 12:44
アタシは、ほんのり赤みがさしてる梨華ちゃんの頬に両手を添えて・・・
そして、その少し潤んだ瞳を見つめる・・・いいんだなー、コレが・・・
で、唇を近づけて、まず、軽いのを一つ。

ココまでだとね、娘の中では日常茶飯事。
中澤さんのせいなのか、辻加護のおかげなのかは知らないけれど、
キスもその値打ちが大暴落しちゃってるから・・・・

だから、今度はちゃんと深いヤツ・・・もちろん、マダマダ優しく・・
舌でゆっくりと、梨華ちゃんの中のチョコの味を確かめるように・・・
少し、抵抗してるみたいだけど、これって決して、拒否の意味じゃない・・・
だから・・・ちゃんと腕でカバーしながら、床に押し倒す・・優しく、ゆっくりと・・

で、ここからは少し手荒に・・・梨華ちゃんのセーターをたくし上げて・・・

「ねっ、美貴ちゃんふざけないでよ・・」
とか言ってるけど、別にふざけてないから・・そんなの無視。
だって、本当に嫌だったら、美貴のこと跳ね除ける力ぐらいはあるでしょこの人。
だから、少しもがく身体を自分の身体をあずけて抑える・・・ちょっと荒っぽいくらいに・・

バレンタインだけに、チョコっとラフ・・なーんちゃって、
あっ、ヤバ、変な歌、連想しちゃったよ・・・

 ”ピンポ〜ン!!!!”
来客を示す・・・チャイム・・・うー、何コレ・・・
もしかして、連想ついでに来ちゃったの・・・・・・プッチの・・・後藤さん・・
62 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 13:00
「あっ、出ないと・・」

慌てて、インターホンに駆け寄る梨華ちゃん・・・

「ねー、セールスとかだったら、さっさと追い返してよ!」
・・なっわけないか・・・

「はい、わかりました・・・今開けます。」
えー!!!やっぱ、誰か来ちゃうの・・でも・・敬語・・ごっちんじゃない・・・

「・・・保田さん・・今、上がってくるって・・・」

「何でー・・」
って、そっちかよ・・・でも何で、保田さん、来ちゃうわけー!


「どーしたんですか?」

「どーしたも、こーしたもないわよ!
 ごっつあんから電話があって、梨華ちゃんが大変だから、すぐ行ってくれって、
 アタシ、何かあったかと思って、慌てて、車飛ばして来たんだからね・・・何かあったの?」

ちっ、やられたー!ごっちんのヤツ、まさかケメコを使うとは・・・

「あっ、いえー・・・」

「うっ・・・・何、このキッチンは・・・何、大変ってこれなの?
 たくー、ごっつあんが大げさに言うから、何事かと思ったじゃない・・・
 しっかし、汚くしてるわねー・・・少しは片付けながらやりなさいよ。
 ・・・・・・って、誰かいるの?」


63 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 13:17
アタシはすごすごとキッチンに出向く・・

「なんだ、ミキティ、いたの・・・って、二人してこの惨状・・・
 あっ、あーー、ごっつあんの大変はこっちか・・・ふーん・・・
 てーか、アンタ達、もしかして呑んでんのかい?」

「あっ、紅茶に少しブランデーを入れて・・・」

「ふーん、そー、じゃあ、アタシもお相伴にあずかろーかな・・もちろん紅茶はいらないから。」
ズンズンと奥の部屋に入っていく保田さん。タクー!ごっちんも、えらいもん寄越したもんだ・・・


「ねっ・・・帰ってもらうわけにはいかないよね・・・」

「当たり前でしょ・・・わざわざ心配して来てくれたんだから・・」

「とんだ見当違いだけどね・・・・でもないのかな・・」


「オーイ!グラス・・・それから、つまみも!」

「ハーイ・・・ブランデーグラスなんてないから、ワインのでいいよね・・・美貴ちゃんも呑む?」

「・・・うん・・」

「じゃあ、冷蔵庫にチーズがあったと思うから・・それもって、ちょっと保田さんの相手しててくれるかな。
 私、ほら、ここやっぱりすごいから、少し片付けちゃうわ・・このチョコもソロソロ冷蔵庫に入れられそーだし・・」

「わかった・・でも、手伝わなくていいの、片付け・・」

「あっ・・・私一人のほうが早そーだし、保田さんもほっとけないし・・・」

「だね。」

64 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 13:28
「おっ、サンキュ!」
アタシは、二つのグラスにブランデーを注ぐ。
保田さんは、テーブルの上のアレを不思議そうに手にとる・・・

「なんだい、この不細工なのは?」

「保田さんです。」

「なぬ!」

「あっ、一応チョコケーキです・・・こんなんでも、中身勝負なんで・・・」

「へー、食えるんだコレ・・・・・って、うまいじゃんコレ。」

「だから、保田さんなんですってば。」

「なんだいそれ、誉めてんのか、貶してんのかヨクわかんないね・・・」

「あっ、両方です。」

「あっそーかって、コラ!」


「・・・・保田さんって、やっぱりごっちんの味方なんですよね・・・」

「あ?」

「わかってんですよね、ごっちんの電話の意味・・・」

「あーあ・・・しかし、どーでもいいけど、あんたのその顔、やっぱ迫力あるよね・・・」

「はい、一番の特技ですから・・・で、やっぱりごっちんのためにアタシの邪魔するんですよね。」
65 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 13:41
「・・・・うーん、そーでもないけどね。
 ・・・ごっつあんのことはやっぱ、かわいいよ・・あの子が13の時から知ってるからね・・プッチも一緒で、
 でも、だからって、ごっつあんのためにあんたの邪魔しようとは思わないかな・・・」

「・・・じゃあ、梨華ちゃんの保護者としてってことですか?」

「保護者ねー、保護者か・・・まあ、そーなのかなー・・・
 あの子がまだ15で、髪黒くてって、今戻ってるのか・・・
 今よりずーっと初で、オドオドしてて、自信なんて何にも持ってない時から知ってるからね・・・
 妹みたいなもんかな・・・アタシ、弟しかいないからさ・・」

「だから、守ろうとか思ってるわけですか?」

「てーかさ・・・・アンタは知らないだろーけどさ、アタシと石川の仲はもっと深いんだよ・・・」

「はあ?」

「アンタ、今、そんなわけないって思ってるでしょ・・・だけどね・・・
 なんてたって、あの子のファーストキッスの相手は、アタシなんだからね!」

「ハア!?嘘でしょー!」
66 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 13:55
「もー、何、騒いでるのよー・・」
片づけが終わったのか、梨華ちゃんが、グラスとウーロン茶をもって入って来る。

「あー、今、ミキティにアンタとの馴れ初めの話ししてたの。」

「何ですか、その馴れ初めって?」

「だから・・・ファースト・・・」

「あー、あれは・・・
 ねー、聞いてよ、美貴ちゃん!保田さんたら、ひどいんだよー、どこでしたと思うそれ・・」

「えっ?」

「コンサート中だよ・・歌ってる途中・・」

「は?」

「ラブマのさ、理想のフーフーってとこあるじゃない・・あそこでさ、
 いきなり、ブチュだよ、ブチュ・・唇に・・」

「えー!」

「ステージの上だよ、みんな見てんのに・・・もービックリしたよ・・」

「・・・だって、石川の顔が、すぐ近くにあったんだもん・・・大丈夫だよ、誰も見てないって・・」

「ってねー、ひどいでしょー・・・・初めてだったのに・・」

「それは知らなかったんだけどね・・・」

「って、本当ひどいやソレ。」

「でしょ・・・」

「だから、謝ったじゃないあん時・・・焼肉も奢ったし・・・どーせあんなのみんなやってんだし・・・」

「まーあ、そーですけどね・・・でもだから、そのこと意味深に語らないでくださいよ!」
67 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 14:13
「わかってるって・・・ちと、ミキティのことからかっただけだよ・・あんまり怖い目してるから・・・
 それより、アンタは呑まないのかい?」

「あー、明日、早いんですよ・・・」

「そーなんだ・・・なんだ、呑みあかそーって思ったのに・・まっ、ミキティは少しは付き合えるよな・・」

「はー・・・って、もしかして、泊ってくんですか?」

「当たり前でしょ・・・わざわざ来たんだから・・・」

「ハアー・・・」

「あの・・・私・・・寝ちゃいそーだから、先にシャワー浴びてきていいですか?」

「あっ、いいよ、アタシなら構わないで・・勝手にやってるから・・・」


シャワーから上がった梨華ちゃんは、本当にすぐさま寝ちゃって・・あんだけで効いちゃったのかな、ブランデー・・・

「本当に疲れてるんだよね・・・この子・・・・無邪気な顔して寝ちゃって・・・」
ベッドの梨華ちゃんの顔を覗き込んで、その髪をなでてる保田さん。

「あのさ、アタシが言うのもなんなんだけどさ・・・アンタ、この子のこと支えてやってよね。」

「はあ?」

「コイツさ、妙に責任感強かったりするじゃない・・・」

「あー、はい。」

「・・・ナッチがぬけてさ、カオリも矢口も大変だろーし・・・夏にツージーとアイボンが卒業なんてことになってるし、
 コイツ、必要以上に頑張っちゃうと思うんだよね・・・だから何かとさ・・相談とか乗ってやって欲しいんだよね・・・」
68 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 14:33
「はー、でも、相談相手なら、それこそ保田さんの方が・・・」

「アタシにはさ・・・アタシが卒業してから・・・大丈夫です、としか言わないんだよコイツ。
 コイツなりにアタシに気を使ってるつもりなんだよ・・・寂しいけど・・・」

「はー・・・でも、保田さんが思うより、ずっと強いと思うんですけどね、今の梨華ちゃんは・・・」

「あっ、そーかもね・・・アタシにはどーしても、入った頃の石川のイメージがあるからね・・・・
 でもさ、コイツ、考え方が・・・なんつーの、mustが多過ぎるつーのかな・・・」

「はー?何ですかソレ?」

「あー、ねばならないってヤツ・・・・アイドルだから笑ってなきゃならないとか、
 プロなんだから、体調管理は自分でとか、年上なんだからしっかりしなくちゃとか・・・そんな感じかな。
 まあ、それって当たり前に大事なことで、アタシがそーやって教えたんだけどさ、
 それに、そーゆーのを守ったから、ココまで来たんだろーけどさ・・・
 でも、ソロソロ少し抜いてもいいかな・・・あんまり自分を追い詰めないで・・
 ねばならないじゃなくてさ、こーしたいとか、こーしようとか・・・」

「あーあ・・・」

「アタシが見るところではさ、アンタはそーゆーの自然にこなしてるって感じだから・・・」

「・・・そーですかねー。」

「だから、コイツの助けになって欲しいな・・・あんたも大変だろーけど・・・」

「ええ、まあ、もうしてるつもりですけどね・・・結構・・・」

「そっか、そーだよね・・・アタシが言うまでもないか・・・今、一番近くにいるんだもんね。」


この人、本当に梨華ちゃんのことが、かわいいんだろーな。
いとおしくて、いとおしくてたまんないってやつかな・・・

69 名前:チョコっとラフ 投稿日:2004/02/12(木) 14:47
だけど、それだからと言って、堂々とお邪魔虫はないよね。
人の恋路を邪魔するヤツは犬に食われて死んじまえ・・・ってゆーんだってよ。
それこそ、心身ともに支えてやろーかなって思ってたのに・・・

このチョコとブランデーの甘い香りが立ち込めてる部屋で、何でケメコと差し向かいなんだよ!

・・・・まっ、今日のところは、手段を選ばず、妨害してきた、ごっちんの必死さと、
保田さんの梨華ちゃんに対する、惜しみない愛情に免じて、許してあげるけどさ・・・・

それに・・・・バレンタインの本番は、九州だもんね。
どーだ、チョット、遠すぎだよねー・・・後藤さん!
まさか、いくら保田さんが暇でも、そこまで追ってはこれないだろーし・・・・まさかね・・


・・・・・それに、確実に距離は縮まってっているよね・・・これは・・
時代は「りかみき」でしょ・・・って思うんだけどな・・・ねっ、そーだよね・・・



 「チョコっとラフ」・・・・おしまい
70 名前:捨てペンギン 投稿日:2004/02/12(木) 17:47
あともう少しだったのに(ちょっとミキティを応援してみる)
71 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/12(木) 18:17
( ´ Д `)<ゴトーのことは忘れちゃったの?
72 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/15(日) 16:03
頑張ってごっちん!!
73 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/02/25(水) 00:51
ごっちんもがんばれ!

でも、おいら的にはフジモトさんの頑張りにも期待大(w
明日は、お誕生日なわけですし。

この3人のキモチの行く末が楽しみ。

74 名前:トーマ 投稿日:2004/02/25(水) 22:50
>捨てペンギン様 そのもうちょっとがカナリ遠かったりして・・・

>71様   「 ごっち〜ん 」
>72様   作者も一緒に叫んでみたりして・・・・   

>さすらいのゴーガール様  そーなんです。聖誕祭なわけで・・・

と言うわけで・・・
75 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/25(水) 23:10
「イシカー大変なのよ!ちょっと、急いでコッチ来てよ!」

「どーしたんですか・・・いったい・・」


私は、別の仕事で、一人遅れて、レッスンスタジオに着いた。
今はツアーも半ばで、特にどーってわけでもない、ダンス合わせなんだけど・・・

「藤本がさー、出てこないのよ・・楽屋、カギ閉めちゃってさ・・・ストしてんの・・」

「えっ?・・・どーゆーことですか・・それ・・」

「何かね、乙女コンなんて、やってらんねーとか・・騒いじゃって・・」

「はー?」

「まあ、とにかくさ、アタシじゃ無理みたいだから・・アンタ、説得してよ!」

「って、そんなー・・・かおタン、リーダーじゃないですかー・・・」

「アンタ、サブリーダーじゃない!乙女の!」

「は?・・・・いつから・・そんな・・」

「今日からよ!・・・だから、ここはまかせたから・・
 アタシはリーダーとして、他の子たち、見なきゃ・・・ほら、ちっちゃい子たちの世話って大変なんだから・・・」

ちっちゃい子たちねー・・・確かに、あなたから見たら、みんなチビ・・・そーゆー意味じゃないんだろーけど・・・

「はーい、わかりました・・・」
76 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/25(水) 23:21
・・・でも、美貴ちゃん・・・どーしちゃったんだろ・・・

トントン・・
「開けてー・・・私・・・」

「・・・私って誰よ!」
オッ、本当に機嫌悪そーな声・・・まっ、いつもか・・

「ワタシ・・リカチャン・・」

「何が・・リカチャンだよ・・・いい年して、ぶりっこしてんじゃねーつーの!」
こりゃ、マジだ・・・例のイライラモードってヤツねこれ・・・

「あの、私・・石川梨華っていいます・・・すいませんが開けていただけないでしょうか・・藤本さん・・」

「あっ、石川さんね・・・・・ヤダ!!」

「もー・・ねえ、どーしてぇー・・」

「やなものは、ヤなの!・・・乙女コンなんて・・・もー絶対、行ってやんないんだから・・・」

「ねー、本当、どーしたのよ・・・」

「だって・・・」
えっ、何・・・もしかして・・・泣いちゃったりしてる?

「ねー・・・どーでもいいからさ、レッスンとか出なくていいから・・・
 開けるだけ、開けてよ・・・・話しよ!」
77 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/25(水) 23:39
ガチャ・・・・よかった・・開けてくれた・・
しかし、らしくないよね・・・いったいどーしちゃったんだろ・・・・いつも大人の藤本さんが・・・

「ねー・・・何かヤなこととかあったの?」
私は、さっさとドアから離れて、奥の椅子に後ろ向きで座っている美貴ちゃんに、
入口の所に立ったまま、話し掛ける・・・連れ出さなきゃ・・なのよね・・・

「・・・ね、ドア・・カギして・・・こっち来て・・」

「いいけど・・・・」


「ねー・・・どーしたのよ・・・」

「・・・梨華ちゃんは、よく文句も言わずにやってるよね・・・あんなの!」

「えっ?」

「だって・・なんだよ・・あの強行スケジュール・・・」

「あーあ・・・」

「鹿児島から、バスだよ・・バス6時間・・・夜中に・・・せっかくのバレンタインなのにさ・・・
 それでもって・・長崎からはその日のうちに、飛行機でとんぼ返り・・・
 富山から新潟だって・・・特急で3時間・・・第一信じられないよね・・・隣の県なのに・・・3時間とか・・
 帰りの新幹線では・・・オタに見つかっちゃうし・・・しかも飛行機はエコノミー・・・列車も普通車・・・」

「・・・うん・・いつもそーだよね・・」

「せっかく地方に行っても・・・ゆっくり食べにも・・ノミにも行けないし・・・」
あの・・・ノミに行くのは・・・どーかと思うんですけど・・・

「ホテルでだって・・・全然、遊ぶヒマとかないし・・・」

「うん・・・大変だったよねー・・」
78 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/25(水) 23:55
「・・・・そいでもってさ・・・誰かさん・・ずーっと辻ちゃんにベッタリでさ・・・」

そーなんだよね・・・あの子の卒業が決まってから・・・
何か、やっぱり寂しいじゃん・・・・ずーっと妹みたいに思っててさ・・・

「梨華ちゃんの気持ちはわかるけどさ・・・」

「うん・・ゴメン・・・私・・ののにも、みんなにも甘えてるよね・・・」

「わかるけどさ・・・つまんないじゃん・・やっぱ・・・
 他の仕事だって・・・何かバラバラ多いしさ・・・」

そーなんだよね・・・年明けてからこっち・・・
コンサート以外では、何かあんまり・・・一緒の仕事ってないんだよね・・・

「しかもさ・・・何で2回も見に行っちゃうかな・・・同じミュージカル・・・
 結構、忙しいくせにさ・・・」

「ああ・・・あれは・・ちょうど時間が空いてて・・・」
だって・・だって、ごっちんのピンクのナース、かわいかったんだもん・・・・なんて言えないよね・・

「・・・梨華ちゃんはさ・・・やっぱごっちんの方がいいんだよね・・」

「あ・・・その・・・」

「いいよ、もー・・・美貴なんて、辻ちゃん以下だし・・・」

「ごめん・・・そーゆーんじゃないんだけど・・・」

「じゃあ、どーゆーのよ・・・」
79 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 00:14
美貴ちゃんは、いきなり立って・・・私の肩をおさえる・・・で、えっ、キスするの?ここで?

「あっ、ちょっと待って!」

「・・・やっぱ・・ヤなんだ・・・」

「そーじゃないけど・・・楽屋だし・・・」

「いいじゃん・・誰もいないし・・・」
だけど・・楽屋って、案外、危険なんだよ・・・盗撮に盗聴・・・あれ以来すっかり得意になっちゃった人がいるし・・・

「梨華ちゃんは・・・美貴のこと嫌いになったの?」

「そーじゃないよ・・・でも何だろ・・・私ね・・今、すごく混乱してて・・」

「どーゆーこと?」

「・・・安倍さんが卒業して・・ののたちの卒業が決まって・・・バタバタ一人の仕事とかしてて・・・
 で・・・なんだろー・・自分がどーしたらいいのかとか、娘がどーなるとか・・・
 ちゃんと考えられないうちに・・・ツアーに入っちゃって・・・」

「うん・・・」

「ののにも飯田さんにも・・・美貴ちゃんにも、すっかり甘えて、下の子の面倒とか・・任せちゃって・・
 ・・・なんだろ・・・このまま・・美貴ちゃんに甘えてていいのかなって・・・・」

「は?」
80 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 00:24
「このまま・・・そのー・・ほら、チョコ作ったでしょ・・」

「うん・・」

「あの時さ・・・いいのかなって思ってさ・・・」

「何が?」

「だから・・・そのー・・・ずるずると・・ね・・」

「あーあ・・・しちゃってってこと?」

「うん・・・美貴ちゃん・・優しいし・・好きだから・・・でもいいのかな・・
 自分がちゃんとしてないのに・・・そーゆーふーにただ甘えちゃって・・・」

「いいんじゃないの・・アタシしたいし・・」

「でも・・ほら・・ちゃんと決めてないのにさ・・・」

「・・・やっぱ、無理なんだ・・・選ぶの・・・」

「うん・・・てーか・・そーゆーこと考えてる余裕がないってゆーか・・・」

「そー」

「でね・・・こーゆー状態、いつまで続くかわかんないから・・・
 いいよ・・・美貴ちゃん自由にして・・・」

「何それ?」
81 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 00:36
「・・・この前・・・矢口さんと焼肉行ったでしょ・・」

「うん、行った・・」

「飲んでた?矢口さん・・」

「まあね・・」

「じゃさ・・・・オイラのこと好き?って言ったでしょ・・」

「ああ、言ってたね・・ミキティはオイラのこと好きかって・・」

「で、もちろん好きですよって応えたよね・・」

「うん・・・そーとしか言えないでしょ、普通。」

「そしたら・・・チューしよって言ったよね・・矢口さん・・・」

「あっ、言ったねー・・」

「で・・・・したでしょ・・」

「何?・・・もしかして・・見てた?梨華ちゃん・・」

「ううん・・・見てないよ・・でもわかるよ・・パターンだもの・・」

「えっ?」

「矢口さんの・・・・ほら、私だって・・8000円とかあるわけだし・・・」

「なるほど、オキマリなんだ・・・じゃ、梨華ちゃんもしたの?キス・・」
82 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 00:54
「しないよ・・・だってマリッペ相手じゃテレるもの・・・付き合い長いし・・・
 いくら小さくても・・子供じゃないし・・・」

「あーあ、辻ちゃんみたいにはいかないって訳か・・・
 で、もしかして・・・そのこと・・怒ってんの?」

「ううん・・・でもさ、美貴ちゃんが好きなら・・・いいよ・・矢口さんとか、ヨッチャンとか・・
 そのー・・なあに・・私に義理立てとかしなくても・・・」

「あれは、そんなんじゃないし・・挨拶みたいなもの・・・それに、何、そのヨッチャンって・・・」

「デートしてるよね・・よく・・」

「ああ、ご飯とかね・・たまに・・」

「ベタベタしてるしさ・・・」

「は?」

「だからね・・・いいかなって思って・・・ほら、美貴ちゃんさ、私に好きって言っちゃった手前・・
 引っ込みとかつかなくなっちゃって・・・遠慮してるのかなって・・・」

「何、やっぱ、やいてんの?」

「そーじゃないけど・・・・明日も・・会うよね・・亜弥ちゃんと・・・・」

「へっ?」

「バースディー・・・・亜弥ちゃんからメールあって、久々にオフ一緒だから、
 二人っきりでバースディー・・・やるって・・・・」

「あーあ・・・そんなこと言ってたね・・亜弥ちゃん・・・
 何、やっぱ妬ける?・・・だったらやめるよ・・亜弥ちゃんとのデート・・・」
83 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 01:04
「あっ・・いいの・・・亜弥ちゃんは美貴ちゃんの特別だから・・・わかってるし・・・
 でも・・・ちゃんとプレゼントはね・・・用意してあるから・・・来て欲しいかな・・明日・・」

「ホント!それ、すごく嬉しいかも・・じゃ、亜弥ちゃんとのデート終わったら・・梨華ちゃんチ、行くから・・」

「うん・・待ってる・・」

「じゃあね・・・リボン・・付けといてくんないかな・・・」

「えっ?」

「だからね・・リボン・・」

「うん・・どこに・・首?」

「そーだな・・・ウエストのところ・・」

「えっ・・・ずいぶん変わったところに・・・・」

「そーおー・・頭よりいいでしょ・・何気にエロくて・・・」

「は?」

「だから・・・ウエスト・・・」

「じゃあ・・・そーする・・・」
84 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 01:10
「じゃ、ソロソロ行こうか・・・レッスン・・」

「へっ?」

「梨華ちゃん・・・そのために来たんだよね・・美貴のこと呼びに・・・」

「あっ、忘れてた・・・」

「たくー・・・ほら、行くよ・・」

「何か、急に元気になったね・・・」

「うん・・・だって・・梨華ちゃんに、リボン・・・」

って、どーしちゃったんだろ・・・まあいいか・・これで役目は果たせたし・・
85 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 01:25
それにしても・・・ウエストにリボンって・・・ここよね・・・やっぱ変じゃない・・これ・・

ピンポーン
「梨華ちゃん、遅くなっちゃった・・・」

「美貴ちゃん・・ハッピーバースディー!・・・・はいコレ!」

「何これ?」

「だから・・プレゼント・・・ほら、ウエストにリボン・・」

「・・・はーあ?」

「ドンペリ・・・あのね、ほら・・・こーなってから・・って美貴ちゃんが娘になってから、初めての誕生日じゃない・・
 何がいいかなってさ・・・アクセとかだと趣味合わないし・・・でね、保田さんに相談したのね、
 そしたらね、ミキティはアタシに似てるから、絶対コレだって・・・」

「・・・で、ドンペリ・・」

「うん・・奮発して・・で、ボトルのウエストにリボン・・・でも、これさ、寸胴だから・・・
 どこかわかんないから・・・真中らへん・・・これでいいよね・・・」

「はーー?!」

「えっ、どーしたの・・・もしかして・・何か怒ってる?」

変な美貴ちゃん・・・ボトル見ながら、ブツブツ言ってる・・・
やっぱ、プレゼントに消え物は良くなかったかな・・・・いくら保田さんのお勧めでも・・・
86 名前:初めてのハッピーバースディ 投稿日:2004/02/26(木) 01:43
「・・・じゃあ、あのー・・・初めてのハッピーバースディとか歌おーか・・・
 ハピバースデー、ハピバースデー・・・」

「それ、もっといらないから!」

「・・・・・」

「・・・てーか、梨華ちゃんって・・・どこまでわかってやってんの?こーゆーボケ・・・」

「へっ?」

「・・・・もーいいや・・・
 ねっ、さっそく飲も!コレ・・せっかくだから二人で・・・・」

「うん・・・いいけど・・・考えてみたら、まだ未成年だよね・・二人とも・・・」

「何をいまさら・・・それにしても・・何かひどい展開だよね・・・・」

「へっ?」

「梨華ちゃんの誕生日ネタとは、えらい違いだよね・・・
 てーか、もしかして、美貴の誕生日に合わせるためにムリムリ、
 たいした考えもないのに、適当に書いちゃったりしたんでしょ、コレ!」

「って・・・・誰と話してんの?」

「あっ、ちょっとそこにいるバカと・・・」

「じゃ、乾杯しようか・・・
 美貴ちゃん・・19歳おめでとう・・・また同い年になったね・・」

「うん・・・今後ともよろしく・・・本当によろしくやって下さいよ・・・そこの人!」


 「初めてのハッピーバースディー」・・・おしまい
87 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/26(木) 08:46
おもしろい!!
掛け値なしに面白い!!
とうとうエロエロモードに突入するのかと思わせながら、絶妙なオチ。

あっちもこっちも楽しみです。
大変でしょうが楽しみにしていますのでがんばってください。
88 名前:捨てペンギン 投稿日:2004/02/26(木) 12:13
ミキティの一言一言が、本当に言ってそうなセリフですね
自分もミキ→梨華、書いてますけど、この組み合わせって
現実に何かあったわけでもないのに、
なぜか、しっくりきますよね(SとMだからか?)

バス移動は、本当らしいですね コロス気か?!
普通列車もホントなのですかね?
(スレ汚し失礼)
89 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/26(木) 15:29
>>捨てペンギンさん

このCPが好きなんで色々と読みたいんですけど、どちらで書かれているのですか?
90 名前:トーマ 投稿日:2004/02/27(金) 00:05
>89様  勝手に紹介しちゃっていいのかなとも思いつつ・・・・
 
捨てペンギンさん・・・・黄板「ANNのその後で他」 やぐいし基本で、藤→石 

@さん・・・・・・・・・・・・・銀板「THE BRIDGE」 いしごまスレ内に りかみきも

さすらいのゴーガールさん・・・森版「そんなあなたと、こんなわたし」 純粋りかみき

いこーるさん・・・・・・・金板「逃避行」 やぐいし・藤→石  

今、私が読ませて頂いているもので、りかみきがあるのはこの4作品です。
どの作品も、CPの好みに関係なく、面白く読める秀作です。
上記作者のみなさん、勝手に紹介してしまいました。ごめんなさい・・
91 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/02/27(金) 00:43
聖誕祭に間に合っただけでもうらやましいっす(泣)

実はリアルタイムで新作書きつつ見てました。
駄々っ子ミキティ。
いしかーさんの天然の具合。
真夜中だっつーのに萌えさせていただきました。
できることなら、フジモトさんにも素敵な思いさせてあげてくださいませw

92 名前:トーマ 投稿日:2004/03/08(月) 23:16
>87様  ありがとうございます。 そう言って頂けるとやはり一番嬉しいかと・・

>捨てペンギン様  ありがとうございます。 この二人の組み合わせは・・表面と内実が逆だったりして・・
      特にここの石川さんは・・やってることが非常にムゴイ・・かなり本質的にはSかと思われ・・・

>さすらいのゴーガール様  ありがとうございます。
      新作も読ませて頂いてます。お宅の二人は本当に熱くて、羨ましい・・
93 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/08(月) 23:44

「・・だからー、飯田さん、それは違いますって・・」
「そんなことないわよ。ミキティ・・カオが言いたいのはー・・」

おとめコンの控え室・・
アタシは飯田さんと、いつものように、少し言い争いに似た会話をしている。
まっ、たいした内容じゃない・・始まりはご飯に会うおかずは何か・・なんて言う、どーでもイイコト・・

傍から見たら、喧嘩でもしているように思うかもしれないけど、これはいつものパターン。
このリーダの言うことは、何かいつも少し見当がはずれているから、
アタシはからかい半分に、一応みんな否定することにしている。
そーすると、この見かけは充分大人のお姉さんは、結構むきになって反論するから、
いつでもこんな調子になる。

お互いの顔つきが、多少ってゆーか、もしかしたらカナリ・・きつめだから、
人のいいマコッちゃんなんか、マジで本気にして・・楽屋の隅で怯えきってる・・・
で、他のメンバーはって・・・・
シゲさんは・・我関せずって感じで、いつものようにズット鏡、見っぱなしで・・
梨華ちゃんと辻ちゃんは・・・例のイチャイチャモードで、
これもこっちになんて関係なく、二人の世界に入ってる・・・・・たくー、本当に頭来る・・

そんなこともあって、アタシはかなりイライラモードだったりするから、
何時もに増して顔が怖かったりしてるみたい・・・
リーダーはリーダーで、CDの売上でさくらに負けちゃったからって、
ここんとこずっと、落ち込みモードで・・目の下のくまも巨大化してるから・・
これもまた、なんとも言えないスゴイ顔・・・
94 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 00:01
で、アタシたちのコレになんて、まったく怖れを感じないらしい、
もっと目つきの悪いやつは・・・・
オッ、なにやらコッチによって来る・・・・
もしかして参戦でもしよーってのかい・・

「あのー・・飯田さん・・・」

「う・・・何?田中ちゃん・・」

「・・・あのー・・お忙しいところ・・ちょっとお邪魔かとは思うんですけどー・・
 ちょっと・・いいですか?」

「あっ、いいわよ、ミキティなんか気にしなくても・・」
オイ!・・・まっいいか・・

「あのですねー・・・折り入ってご相談したいことが・・・」

「えっ、何々?」
オ、リーダー・・目を輝かせちゃって・・・
そーよねー、この人に相談ってめったにないもん・・・・やっぱさ、少しとっつきにくい・・
年の差以上に大人に見えるし・・今はもう天然記念物化してるオリメンってこともあるし・・・
本人もたぶんそのことは、内心すごく気にしてて・・・
だから、相談したいなんて言われたら、急に嬉々としちゃって・・・

「あのー・・」

「何?・・・コイツの前じゃ言いにくい?・・場所、変えようか?」
コラ!コイツ呼ばわりするな!
人がせっかく、寂しいアンタに付き合ってやってるつーのに・・
95 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 00:14
「いえ、ココでいいんですけどー・・」

「そー・・」
って、ちょいと残念そーなリーダー・・でもすぐに気を取り直して・・
「何でもいいわよ・・言って、言って・・」

「はい・・あの・・・アタシ・・・
 辻さんになりたいんです!」

「へっ?」
って、飯田さんはビックリ顔してるけど・・
あっ、なるほどね・・そりゃ、そーだ・・

辻ちゃんになりたいってのは、たぶん、今は、全いしオタの総意。
特に、あんなのを毎日見せ付けられている、この子にとっちゃね・・・
でも、ソレ・・・無理だから・・
まっ、さすがのリーダーも、そんなふうに言うしかないよね・・これは・・

「そっ、そーね・・じゃ、なってみよーか・・」
って、オイオイ・・・ソレ、本当・・無理だから・・

「ハイ!」
って、田中・・オイ、どーすんだよ・・

「じゃあね、まず・・・テヘテヘ・・とか、言ってみよーか・・」
って、そーきたか・・

「はー?」

「だから・・テヘテヘ・・」

「はー・・・テヘテヘ・・」
って、やんのかよ・・田中さん・・
96 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 00:28
「・・でね、語尾には・・レス・・・これは敬語の時ね・・」

「はー、語尾に・・レス・・」

「うん・・普通の時は・・少しトーンを下げて・・ダヨネ・・かな・・」

「はー、ダヨネ・・・」

「で、カメラが来たら・・・即、変顔・・」

「へ、変顔ですか?」

「違う・・変顔レスカ?」

「あっ、はい・・で、変顔レスカ?」

「そー、変顔・・・
 っとね、もっと思い切りくずして・・・鼻の穴広げて・・ヒクヒクと・・・
 うーん、ちょっと甘いわね・・
 それから、マユ寄せて、目も寄せて・・鼻の下伸ばして・・
 うーん、もっとくずれないかな・・・」

って、こんな所で田中に百面相やらせて、どーするんだよ・・
って、オイ、田中もするなって!
・・・そりゃ、面白いけどさ・・見てる分には・・・
ほら、あっちの隅の口あけてるのも、一生懸命、笑い堪えてる・・
って、しかし器用だね・・口あけたまんまで笑い堪えるつーのも・・・小川さん・・
97 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 00:41
「・・・ダメね・・・ムリ!」

「へっ?」

「やっぱ、ムリ!・・・アンタ、のんちゃんにはなれないわ!」
って、ハナからだろーが・・・
って、もしかしてリーダー・・・ただ遊んでただけじゃねーの・・・

「・・・まー、アンタがなりたいのは、のんちゃんじゃなくて、のんの立場なんだろーけどさ・・・」
って、最初からわかってたくせに・・・やっぱ、遊んでたでしょ・・リーダー・・

「ええ、そーですけど・・辻さんになれるわけないし・・」
オマエもわかってんだったらやるな!

「・・・まあね、わかるわよ・・アンタの気持ちは・・・あれじゃあねー・・ね、ミキティ・・」
って、そんなの今更、アタシにふるなって・・

「藤本さんは悔しくないんですか?」
って、オマエまでふるのかよ・・・そら、そーだけどさー・・・

「てか、しょーがないじゃん・・・」
って、ここは大人の返答。

「諦めるんですか?」
って、そーじゃないから・・・

「じゃなくてー・・・ほら、あれはモード違いだろ・・・」

「はあ?」
98 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 01:03
「だから、あれは妹モード・・・アタシとは違う・・・」

「ですかね・・・越えてますよ・・その妹モード・・・・ねー、飯田さん・・」

「うん・・そーね・・・ちょっと越えてるかな・・・」

そーよね、やっぱり少し越えてる・・・あんなイチャついてる姉妹なんて見たことない。
そーだな・・妹以上・・・恋人未満・・?・・恋人?・・かって・・・だよね・・ちょっと・・

あーあ、髪なんかいじらせちゃったりして・・・
何かこれもオキマリだよね、最近・・・・昼公演の後に、辻ちゃんに、髪やってもらうって・・・
そら、昼夜両方、見てる人も多いわけだから、
少し髪型変えたりするのも、ファンサービスといったら、そーなんだけどさ、
ちゃんとしたヘアメイクさんもいるわけだから・・・

そーだよ、梨華ちゃん、アンタ、ヘアメイクさんのオモチャなんだからさ、
ちゃんとそっちにお願いすべきなんだよ・・

娘に入る前、傍から見てて、どーしてこの人いつも髪型変えてるんだろう、
よっぽど浮気性なんかいって思ってたけど・・・
近くに来てみて、そのわけがわかった。
普段の天然な言動を、矢口さんとかにオモチャ扱いでいじられてるのと同じで、
梨華ちゃんの髪は、ヘアメイクさんのオモチャ。

まあ、どんなんでもマアマア似合っちゃうから、できるんだろーけど、
他の子が、ある程度イメージ固定で、変えられないせいもあってか、
梨華ちゃんの髪は、ヘアメイクさんの実験台かなんかみたいに、しょっちゅういじられてる。
で、当然、分割コンだって、その係りのスタッフはいるわけで・・・
99 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 01:22
なのに、この昼と夜の間のヘアチェンジは、いつの間にか、プロのお姉さんを差し置いて、
辻美容室に任せきりになっちゃった。
そう、確かに辻ちゃんは、見掛けに依らず、結構器用で、
結んだり、上げたりなんかは、お手の物だけど、やっぱりそこはアマチュアだから・・・
時々、少し変だったりすることもあるのに、梨華ちゃんはすっかりご満悦で・・・
もー、本当になんなんだよって感じ・・・

「ねー、これ似合ってる?」
「うん、かわいいれすよ・・」
「ののは上手だよね・・」
「はい、のんは天才なのれす!」
なんて、キャッキャッやってるから、やっぱ、ちょっと頭に来る。
たくー!!

うん、我慢は身体に良くない。
アタシは、一緒になって、バカ姉妹観察をしてる、最年長と最年少をその場に置いて・・・

バカ姉の前に立って、その手から、手鏡を奪い取る。

「ね、梨華ちゃん、ちと話がある・・」

「えっ・・何?・・美貴ちゃん・・」

さっきから、作りっぱなしだった笑顔を、速攻で素に戻して、アタシを見上げる梨華ちゃんの腕を取って、立たせて・・

「辻ちゃん、ちょっと、マコッちゃんと遊んどいて!」

って、少し呆気にとられて、バカ面してる妹の返事は待たずに、
姉ちゃんを部屋の外へ引っ張り出す。
100 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 01:37
「ねえ、どーしたのよ・・美貴ちゃん・・」
さすがの天然も、アタシのマジギレモードに、顔引きつらせちゃって、
廊下の壁を背に、少し怯えたように、眉毛をへならせてる。
どーしたも、こーしたもないだろ・・

「あのね、梨華ちゃん・・・・」
アタシが、こーも言ってやろ、あーも言ってやろって、思ってるところに・・・

「そろそろ、スタンバってくださーい!」
って、間延びしたスタッフの声・・・・・たくー、インターバルが短いんだからー・・

かなりホットしたみたいに、ステージにさっさと向かう梨華ちゃんの背中を睨みつけてるアタシの横を、
次々とすり抜けていく・・乙女たち・・
最後の辻ちゃんに、お尻をポンっとたたかれて・・・テヘって笑われて・・・
アタシも、しぶしぶステージに上がる・・・
ちっ、やっぱ、ストしてやればよかった・・・・おとめコンなんて・・・

でも、そこはそれ、プロで、ファンサービスの良い藤本さんだから、
バッチリ、ステージはこなしちゃうんだけど・・・・・
ついつい、梨華ちゃんと目が合った時、睨んじゃったみたい・・
オイ、だからって、そんなにビクついてんじゃないよ!イシカーさん!
101 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 01:57
アンコールも終わって・・・降りたステージの下で、ツンツンって、
アタシの衣装の裾を引っ張る黒い腕・・・
 
例の上目遣いで・・
「ねぇ、何・・おこってんのよぉ・・」
って、聞くから・・マジに一発殴ってやろうかとも思ったけど・・・
その後ろに立ってる、もう一人の黒いのが・・テヘって笑ってるから・・・

・・・・・マジに腹が立って・・・
 
睨むように、向き合って・・
そのまま、アタシより少し高い位置にある、バカ姉ちゃんの顔を・・思いっきり引き寄せて、
何か言いたげに、あけていた口を塞いでやる。

梨華ちゃんは、両手で・・アタシの少し控えめな胸を押して、離れようとしてるけど、
そんなのかまったもんじゃない・・・・
ありったけの力で、頭と腰を抱え込んで・・・・
その状態で、可能な限りの深い・・・・・キス・・・・
ちゃんと舌だって入れちゃうんだから・・・・・って、噛むなよ・・お願いだから・・噛むなよ・・
どーだ、姉妹じゃ出来ないだろ・・・・・こんなの・・

後ろの妹がスゴスゴと引き上げるのを確認してから、
ぷはって感じで・・・放してあげる・・

梨華ちゃんは、大きく肩で息をしながら、
「何よ!いったい・・」
とか、半ギレしてるけど・・・・・こっちはマジギレだから、負けやしない!
102 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 02:12
「バツ!!」
って、一言・・言い返す・・

「何よ、何の罰なのよ!」

「妹以上になってるから・・その罰!」
アタシの言葉に・・「へっ?」てな、顔してるから・・
「辻ちゃんとイチャつき過ぎてるから!」
って、念を押してやる・・・

そしたら、梨華ちゃん・・俯いて・・・・・オッ、少しは反省とかしてんのかな・・
なんて思ってたら・・・何か思いついたような笑顔になって・・・・

「そっちだって、友達以上の人・・いるじゃない!」
って、反撃してくる・・・・・オッ、そーきたか・・
でも、それはいずれ言って来るんだろーなって、思ってた言葉だから・・・

「だって、恋人未満だもん!」
って、ちゃんと用意していた言葉を返す・・・

「・・未満だって・・・」
って、言葉を繋ごうとする、唇を・・・今度は優しく塞いで・・・・

「未満だから・・・・恋人じゃないよね・・」

「だけど・・・」

「誰かさんが、ちゃんと恋人になってくれたら・・・・その未満だってやめるのに・・・」
このアタシの言葉に・・・梨華ちゃんが、返す返事を持ってないのを知ってるから、
アタシもそのまま・・・黙ってる・・・
103 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 02:23
梨華ちゃんが今、辻ちゃんと離れられない気持ちだって・・・わかってるし・・・
アタシを選びきれないことだって・・・・知ってる・・・・
だけどね、やっぱり少しは考えていて欲しいから・・・
たまに、こーして意思表示をする。
そーでもしないと、今までのことも、みんな無かったことになりそーだから・・・

困り顔の梨華ちゃんは、困ったまんまで・・固まっちゃって・・
そんな彼女は・・やっぱり可愛かったりするから・・・
アタシは思いっきりの笑顔を作って・・・

「テヘ・・」
「えっ?」

あーあ、やっぱさ、アタシだって辻ちゃんになりたい・・・
あんなふーに、堂々とベタベタしたい・・
生本番で、ブチューとかしてみたい・・・
あんな優しい目で見つめられたい・・・・

多少、バカでも、変でも・・シゲさんにさえ、笑えないとか言われても・・
もし生まれ変わるなら・・やっぱり辻ちゃんになりたい・・
104 名前:ののになりたい 投稿日:2004/03/09(火) 02:28
これは、絶対に梨華ちゃんじゃダメ・・・
だって、梨華ちゃんになったら、梨華ちゃんとキスできなくなるじゃん・・

そんなのって、たぶんムリ・・・・どー考えても・・

生まれ変わるなら・・・石川さんにだけは、なりたくないって・・美貴の気持ち・・
わかってんだよね・・・・・石川さん・・・・・・


 
  「ののになりたい」・・・おしまい
105 名前:トーマ 投稿日:2004/03/09(火) 02:37
昨日は、ユニットデビューのガセネタで、某所が盛り上がってみたいで・・・
潜在的需要は、そーとーなものだと・・・・
まあ、実現はしないのでしょうが・・二人で歌番組に出るのとか、是非見てみたいものだと・・
欲を言えば、「ごいしとう」・・なんでしょうが・・これは「&」以上に不可能でしょうし・・

分割コン中なので、ついつい藤本さんネタばかり続けてしまいました。
次は・・なんとしても後藤さんを書くぞ・・と思いつつ・・おやすみなさい・・
106 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/09(火) 11:44
そうかそういう事だったのか。。。と思ってしまいそうになります。
後藤さんも楽しみにしています。
107 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/09(火) 14:09
率直な感想なんでひどいことをいうかも知れませんが
お話についてはとても良い作品だと思います。

ただ、現場の空気があまり読めていない
というか推測的なものが多いので
自分の実体験的要素を入れた方が良いと思います。

要するに現場へ行ってもっと勉強してください
ということです。

まぁーこの世界なんて妄想だから
ある種、無法地帯ですが

私個人の勝手な思いですが、率直に申してみました。
今後の参考にして頂ければ幸いです。
108 名前:スコール 投稿日:2004/03/09(火) 17:01
おぉ〜、次はごっちんネタですか、是非とも書いてください!!
楽しみに待ってます。
109 名前:捨てペンギン 投稿日:2004/03/09(火) 23:06
れいながんばって!!
ミキティに先 越されてるぞ!!

でも、りかみきもいいかも
110 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/03/10(水) 00:16

どうぞ遠慮なくりかみきももっと書いてくださいw

でも、りかれなもみたかったりして。
何気に捨てペンギン様に激しく同調。

もちろん、いしごまも楽しみに楽しみに待ってますので、
どうぞ、トーマさんのペースでかんばってくださいな
111 名前:名無し 投稿日:2004/04/05(月) 00:07
新作待保全です
112 名前:トーマ 投稿日:2004/04/09(金) 10:12
>106様  ありがとうございます

>107様  ごめんなさい 妄想でしか書けなくて・・・
       現場をよく知る人には、ふざけるなって感じなんでしょうね・・
       謝ることしか出来ません ごめんなさい

>捨てペンギン様  ありがとうございます りかれな・・書きたいんですけどね・・自分も

>さすらいのゴーガール様 ・・おっ、あなたまで・・・そー言えばあんまり見ないですよね・・
          もっとあってもいい組み合わせだと思うんですけどね・・

>111様  保全ありがとうございます・・少しさぼりすぎたかな・・
113 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 10:28
 
・・・・・・・
急がなきゃ・・急がなきゃ・・

「あれ、後藤・・今日はやけに早いな・・・何か用事でもあんのか?」

「ええ、ちょっと・・・」

「もう、いい時間だから・・あんまり夜遊びするなよ・・・明日早いぞ・・わかってんだよな・・」

わかってるって・・明日はオマワリサンやるんだよね・・
何でアタシがって感じだけどさ・・
「もちろんですよ・・・じゃ、お疲れしたーー!」

アタシは速攻で帰り支度を済ませて・・・まだブツブツ言ってるマネージャーさんに手を振って・・
娘の楽屋に急ぐ・・


「おっ、ごっつあん・・・ちょうどいいところにきた・・」
ドアを開けると・・身体を中に入れきらないうちに、ちっこいのに声をかけられる。

「・・これからさ、飯、行くんだ・・・ソニンも一緒に・・なっ、ごっつあんも付き合うよな・・」

残業のお姉さんチームは、たぶん本気でアタシのこと待ってたんだろーな、笑顔で迎えてくれる。
あっ、そーゆー流れか・・・
久々に・・娘もいいけど・・・やっぱさ・・

「うんにゃ、遠慮しとく・・・・・それよか、一人貸してもらうから・・・」

目の前の大きいのごしに・・・黒いのを捜す・・奥の・・
おっ、さっきまでとは打って変わって、やっぱピンクの女の子してんじゃん・・
114 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 10:42
「・・えっ、・・って・・・ああ・・」

少し不満気なちっこいのと大きいのの間を抜けて・・
ぐずぐずバッグに荷物を詰めてる目的の人の肩をたたく。

振り返って、微笑みを作るその顔が・・やっぱり少し元気が無くて・・
さっきからズット気になっていたんだよね・・・何かあったのかな・・・

「ごっちん?」

「行こ!」

「えっ?」
 
少し戸惑い気味の手を引いて、ちょっと強引に立たせて・・
そのまま引きずるように、ドアの外に連れ出す。
後ろで、「梨華ちゃん・・」って呼ぶ不機嫌な声が聞こえるけど・・
あの子が不機嫌なのは、今に始まったことでもないし・・だから無視して・・

「ねっ、どこに行くの?」
廊下に出てからは、観念したようにアタシの急ぎ足に付き合って、
チョコチョコ歩く梨華ちゃんの質問を、

「まあ、いいから行こ!」
って、適当に流して、通用口のところで客待ちをしているタクシーの中に押し込む。
・・・よっしゃ、拉致成功!

115 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 10:53
「ねっ、どこに?」

「あ、うん・・・運転手さん・・チドリガフチ・・」

「・・・・ああ、もしかして・・お花見?」

「そー・・まだ残ってんだよね桜?」

「うん・・・たぶん・・・何日か冷えたから・・・」

「良かった・・・ハワイから帰ったらさ、もー終わっちゃってるかなって心配してたんだ・・
 今年も早いって言ってたから・・・」

「そっか・・ごっちん・・ハワイだったんだよね・・・ねっ、どーだった?」

「うん・・・ハワイはね・・・ハワイだった・・やっぱり・・」

「へっ?・・・まあ、そーだろーけど・・・」

「それよか、梨華ちゃんはさ、した?」

「は?・・お花見?」

「うん・・した?・・・もう・・」

「ううん・・ちゃんとはしてないかな・・・新幹線の中からとか・・移動のバスの中からとか・・
 ほら、さっきさ、EXILEさんの中継あったじゃない・・」

「大阪?」

「うん、昨日まで、あそこでライブだったから・・・」
116 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 11:16
「あっ、そーだったよね・・・それでか・・・」

「えっ?」

「・・・疲れてる?」

「あっ・・・うん・・少し・・」

そーだったんだよね・・・
スケジュールはさ、知ってるつもりだったんだけどさ・・・やっぱ、どこか他人事じゃん・・
だから何気に忘れてた・・そーだったんだよね・・娘は土日ライブだったんだよね・・
だから疲れてて当たり前・・・でもそれにしてもさ・・元気なかったから・・・

「・・・あのさ、もしかして・・みんなとご飯の方がよかったのかな?」

「えっ?」

「もしかして・・お腹へったりしてるのかな・・」

「あっ、ううん・・・お弁当食べたし・・・
 正直、これから焼肉はキツイなって思ってたから・・・ちょうど良かったんだけどさ・・・」

「・・・疲れてる?」

「・・うん・・・何か少し・・眠かったりして・・・」

「あっ・・・・ごめん・・」

「ううん・・・お花見は・・したかったから・・・それにごっちんと一緒ってのも嬉しいし・・・
 でも、ちょっと・・・・いいかな・・・」
って、目を閉じる梨華ちゃん・・・本当に疲れてるみたい・・・

「あっ、いいよ・・」
って、背もたれに沈めようとしてる頭に腕を回して・・アタシの肩にのせる。

「着いたら起こしてあげるから・・・」
たぶん、そんなアタシの返事を聞く前から、眠りに落ちちゃってる黒い髪。
さっきまでのオールバックを、前に落として、額を半分隠してるその前髪が、
長いまつげに触れているから・・・そっと指でとかしてあげる。
・・・やっぱ、この方がいいよね・・
今度の曲は、少しマニッシュなイメージでやるんだろーけど、
やっぱ、普段の梨華ちゃんはピンクで・・女の子だ・・・最近かなり大人びたけど・・・

いつの間にかアタシも寝てて・・・目的の場所で、運転手さんに起こされる。
まだ、夢の中にいたげな梨華ちゃんをゆすると・・・
少しきょとけてて・・・そんな顔は・・・やっぱり幼い・・・
117 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 11:34
・・・・・・
さすがに平日のこの時間だと・・そんなに人・・多くなくて・・
ライトアップされてる桜を見上げながら・・・ゆったりと歩ける。
ココでは、みんな桜にしか興味がなくて・・アタシタチに気を止める人なんていなそーだから、
繋いだ手をそのままに歩く・・・肩をぶつけながら・・・

「良かった・・・まだ残ってて・・・」

「・・・うん・・散り初めって感じかな・・・」

「きれいだね・・」

「うん、ホントきれい・・・」


「・・・・・あのさ、満開の桜の下をさ・・・・一人で歩くと・・おかしくなっちゃうんだって・・・」
「へっ?」
アタシはどこかで聞いた話を思い出す。
それを何かで聞いたときは、えっ、どーしてって思ったんだけど・・
こーやって満月の下でライトに照らされて萌えるようになってるの見ると、
それってアリかもって思えてきちゃうよね・・・
なんかさ、やっぱ少し妖しいでしょ、桜って・・・

「・・・・おかしくなるって・・・気が狂うってこと?」

「うん、そーらしいよ・・」

「へー、どーして?」

「うーん、ピンクいからじゃないかな・・・オールピンクって・・キツイでしょ・・」

「は?」

「・・・だから、梨華ちゃんはどこかおかしい・・」

「えー、なーによー」

「あー、ゴメンゴメン・・今の間違い・・・どこかじゃなくて・・・かなりおかしい・・」

「もー、もしかしてそれが言いたかっただけ?」
118 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 11:49
「うん・・・じゃなくて・・・マジな話・・なんてゆーかな・・たぶん・・
 生気みたいなものが多すぎるからじゃないかな・・・」

「生気?」

「・・・うん、自然の生命力が強すぎて・・・それに負けちゃうんじゃないかな・・」

「・・・あっ、かもね・・生命力かー・・・私さ・・何かで聞いたんだけど・・怖い話だけど・・
 桜の下に人の死体を埋めると・・きれいに花が咲くって・・・」

「あっ、それゴトーも聞いたことある・・・何かさ、何年も咲かなかった老木が急に花をつけて・・
 変だと思って、根を掘ってみたら・・・・死体が出てきたって・・・推理小説か何かで・・・」

「・・・何か・・そんなこと思ったら・・・桜って怖いよね・・」

「だね・・・やぐっつあんならソロソロ泣き出す頃だ・・」

「あは、そーかも・・」

「・・・やぐっつあんって言えばさ・・・さっきかわいそーだったよね・・」

「胸ないなーってやつ?」

「うん・・」

「・・・・・何かさ、矢口さん・・・やっぱ少し痩せちゃってさ・・・・」

「あっ・・・病気したんだって?」

「うん・・・倒れちゃった・・・年明けからずーっと無理してたから・・・」
119 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 12:10
「もう、大丈夫なの?」

「うん・・・本人はね・・そー言ってる・・・でも・・・どーなんだろ・・
 ほら、さくら組・・安倍さんいなくて・・・矢口さん頑張らなきゃって・・」

「ああ・・」

「私たちはさ、分割だと元々違うから・・・しばらくピンとこなかったけど・・・
 娘コン始まるとさ・・・やっぱ・・・ちがうなって・・・全然違うなって・・あらためて思うからさ・・」

「・・・そーかー・・そーだろね・・ゴトーもさ・・今日、初めて見たよ・・なっちのいない娘・・」

「・・・・うん・・・いないんだよね・・・」

梨華ちゃんは・・やっぱ寂しそう・・・違うな、そんな単純な感じじゃない・・・

なっちがいない・・・そーなんだ、アタシ・・今日初めて見たんだ・・なっちのいないモーニング娘。
アタシなんかが入る前から、真中にいて・・入ってからは、ズット一緒に歌ってて・・・
アタシが抜けた後も、ずーっと娘の顔だったなっち。

ミキティーが真中で歌い出して、愛ちゃんがセンターで終わる娘・・そして梨華ちゃん・・・
最近では珍しく偏ったパート割の娘の新曲・・・
アタシが卒業した後の「ここにいるぜ」で、やっぱ、なっちが真中ですよってアピールしたように、
彼女がいない娘の新しい形はこーですよって・・この三人でやってきますよって、宣言しているみたいな新曲。
 
座りトークも、梨華ちゃんがプレゼンして、それをミキティがフォロして・・・
前になっちやかおりがやってて、やぐっつあんがそれに絡んでたことを、
これからは、この子たちがやりますよって感じで・・・・・・
120 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 12:29
・・・・もしかしたら、アタシが娘にいた時より、大きなもの任されちゃってるんだよね・・今の梨華ちゃんって・・

もちろん、アタシだってセンターとかエースとか言われてて、
いつも当たり前のように、たくさんのパートもらってて、前の方で歌って、前の方に座って・・
でも、それはあくまでも・・なっちがいるモーニング娘。で・・・
梨華ちゃんだつて、「ザ・ピース」からこっちは・・たいてい前の方にいたけど・・・
でも、今回はそんなのとは意味がきっと違うんだ。
なっちがいない・・・・もちろんまだ・・かおりんもやぐっつあんもいるけど・・だけど・・


「・・・怖いけど・・・やっぱきれいだよね・・サクラ・・」

「うん・・・でもなんで桜ばっかなんだろう・・」

「へっ?」

「他にもさ、花はたくさんあるのに・・・桜ばっかり大もてで・・大騒ぎで・・」
梨華ちゃん・・・それって・・さくら組とかのことじゃないよね・・・

「日本人だからねー!」
なんて返してみる・・・」

「そーなんだ・・・・よくわかんないけど・・」

「やっぱさ、ぱーっと咲いて、葉が出る前に花だけ・・一色にきれいで・・・」

「うん・・」

「そんでもって、ぱーっと散っちゃうからじゃないかな・・・」

「散っちゃうから?」

「うん、ハデに咲いて・・潔く散るってゆーか・・・・」

「・・・・そーかー、散っちゃうからか・・・」
121 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 12:44
「うん、たぶんそー・・・満開になったら・・・後は散る・・・」

「・・・本当・・散ってる・・」

夜の風にピンクが舞ってる・・・・足元も・・・ピンク・・・

「早く咲くと・・・早く散っちゃうよね・・・」

「うん・・・早く咲くのはさ、春が早く来るみたいで嬉しいけど・・・やっぱ早く散るのは寂しいよね・・・
 私たちもさ・・・・少し早く咲きすぎたかな・・・」

「へっ?」

「早く咲いて・・・満開になって・・・あとは散るだけ・・」

「梨華ちゃん・・・」
疲れてるから・・・疲れてるから・・・そんなふうに思うんだよ・・・
確かにね、アタシタチは今さ、娘もアタシももしかしたら亜弥ちゃんでさえさ・・・
散り初め・・・ううん、もしかしたらもっと・・・でもね、でも・・・

「でもさ、桜はさ・・・・・・今は散っちゃうけど・・
 来年になればまた・・同じ木の同じ枝に花をつけるんだよね・・・・毎年・・・」

「そーだよね・・・同じ木の同じ枝から・・・でも違う花・・」

「梨華ちゃん・・・」
アタシは、思わず繋いだ手に力を入れる。・・・らしくないよ・・・ポジティブさん・・
122 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 13:06
「あっ、大丈夫・・・別に弱気になっているわけじゃないから・・・私たちのことじゃないから・・・
 ただ単純に桜のこと・・そー思っただけ・・・ほら、散り初めだから・・」

「ああ、うん・・」

「それにさ、桜の歌って・・・何気に寂しいの多いじゃない・・・別れの季節でもあるから・・
 桜坂とか、SAKURAドロップスとか・・・森山さんのも・・・ああ、あれは旅立ちの歌になるのかな・・」

「でも、ほら・・桜満開とかさ、河口さんの歌ってるのも・・ラブソングだし・・・」

「・・そーだよね・・ラブソングだよね・・
 あっ、そー言えばさ、河口さん今日・・福井だったじゃない・・」

「うん・・」

「愛ちゃんがね、あそこいいとこなんですよーって、さんざん騒いでた・・」

「地元だからねー、懐かしいだろうね・・」

「うん・・・私さ・・こーゆーとこの・・なんてゆーの・・名所?みたいなところのさ、
 桜ももちろん好きだけど・・・やっぱ思い出ってゆーの・・それってやっぱし地元の・・・
 何でもない公園だったり、小学校の校庭のだったり・・・」

「あっ、ゴトーもそーかも・・・いいよね地元ってやっぱり・・」

「うん・・・・そーゆーふーに思うと、やっぱ桜ってすごいかも・・・
 別れとか出会いとか・・・いろんな事思い出させる・・・」

「うん・・そーかも・・」

「・・・今日の今夜の桜も・・・きっといい思い出になるんだろーな・・・ごっちんと見てるから・・」

「あは、そーだよ・・ゴトーと二人っきりで見たんだから・・きっと一番の思い出になるよ・・」

「うん・・・・」

梨華ちゃんの顔が少し明るくなって・・・・でもそれって少し作ってる?
思い出か・・・そーなんだよね・・一つの思い出・・・・
これからどんな未来が来るかわからないけど・・・きっと梨華ちゃんの隣には・・
アタシはいない・・・
123 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 13:26
・・・・・・
今日・・娘のパフォーマンス見てて・・・わかっちゃったんだ・・・
もう・・梨華ちゃんの隣はアタシじゃないって・・・・

こーやって、少し強引に彼女を引っ張ってきたのは・・・
もちろん彼女が元気がなかったとか・・そんなのもあるけど・・・
どこかで感じちゃったそんな不安を・・・打ち消すため・・・
でもかえって、確認しちゃった・・・・・

娘が変わって・・そこにいる梨華ちゃんと・・・ひな壇で見ているある距離は・・・
思ったよりずーっと遠くて・・・

また目の前にピンクが舞う・・・
きれいな色が風に揺られて・・・・・土に帰る・・・


前につんくさんがどこかで言ってたけど・・・
娘はやっぱり、なっちのためのユニットで・・アタシはたぶんお客さんだった。
始めからソロになることが決められてて、それをアタシも望んでて、
たぶん娘にいたことは、そのための準備期間みたいなもので・・・
そーゆー意味では、梨華ちゃんもついこの前までは、そーだったと思う・・
なっちがいたから・・・・・・

でも、どーゆー方針転換なのか、もしかしたら前から決まっていたのか・・わからないけど、
なっちは卒業しちゃった・・・
だから、梨華ちゃんはお客さんじゃいられなくなっちゃった。
それはたぶん、外から本当にお客さんみたいに招かれたミキティも同じで・・
たぶん彼女たちに、そーいった説明みたいなものは特別されてないんだろーけど、
きっと彼女たちも自覚していて・・・
だからもうお客さん気分じゃいられなくなった・・・

アタシと違って・・・・・
124 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 13:46
花を見上げてる梨華ちゃんの横顔は・・・
どこか寂し気で、どこか儚気で・・・でもどこか凛としてて・・・・

 
彼女と出会ってから・・・・五度目の桜・・・

最初は・・タイプじゃないと思った・・アタシのタイプとかじゃないよ・・・娘のね、
それまでの感じと違ってたから・・・もちろんヨシコとか四期はみんな個性的だったけど、
梨華ちゃんは、妙にオドオドしてて・・・年上なのにいつまでも後藤さんで・・・
この世界・・無理なんじゃないかって感じで・・・他人事ながらハラハラしてた。

二度目の春は少しは仲良くなってたかな・・・
裕ちゃんが卒業が決まって・・・残ったみんなで頑張ろうって時期で・・・
梨華ちゃんは・・・タンポポだったり、カントリーだったり、次のセンターが決まったり・・・
ことあるごとにポジティブ、ポジティブって騒いでた・・・
キショくて、ウザくて・・・・それでとっても可愛かった・・・

三度目は・・・すっかり仲良くなってて・・・一緒にお菓子作ったり・・お互いの部屋に泊ったり・・・
それは、親友のヨシコとの付き合い方とは、ちょっと違ってて・・・
アタシは半分男の子になった気分で・・・・・梨華ちゃんに恋してた・・・

四度目の去年は・・・少し気まずい別れのあとで・・・
アタシ自身、ソロになって精神的にも肉体的にも・・・いっぱいいっぱいで・・・
なかなか連絡とれないでいた・・・・彼女の方もたぶん・・圭ちゃんの卒業とかで・・余裕なくて・・
本当は、会いたくて、話したくて・・・だけどきちんと顔を合わせる自信がなくて・・・
アタシはどこか梨華ちゃんのこと・・・自分より弱いものだって決め付けてたから、
彼女を支えられる自信がきちんと持てるまでは、会えないって思ってて・・・・

125 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 14:01
・・・・・
でも、会いたいってメールを頼りに、彼女の部屋を訪ねたあの秋の日・・
梨華ちゃんの強さを初めて見せられたんだ・・・
支えようなんておこがましい事考えなくてもいいんだなって・・わかって・・
だから、前みたく、ううん、前よりもっと・・・一緒にいていいんだなって・・・

でも、その時には・・・もういたんだよね・・・たぶん・・
アタシが支えなくていいぶん・・
どこかで彼女を支えてくれてる人が・・・・いたんだよね・・・きっと・・・


五度目の今夜は・・・・・
舞い散る花びらを目で追いながら・・・言葉少なに・・ただ歩く・・・

頭の中のBGMを一生懸命、河口さんのにしようと思ってるのにさ、
「僕がそばにいるよ・・キミを笑わせるから・・・」って・・
でも、アタシは面白いこととが言えないから、
だから、さっきからずっとウタダさんの曲が、リフレインしてるんだ・・
「これが最後のハートブレイク・・」って・・・

こんな終わり方・・・・あるなんて思ってなかった・・・

嫌いになったわけじゃなくて・・・
たぶん嫌われたわけでもなくて・・・・


「・・・・少し冷えてきたね・・・」

「うん・・・・送るよ・・・」

「あっ・・・ありがとう・・・」
126 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 14:17
車を、梨華ちゃんチの傍の公園で止める・・・・
ここに来るのは、確かカラオケの後以来・・・ミキティと三人でお月様を見た。
ちょうど今日と同じような丸いのを・・・

ここにだって、桜の木はある・・・半分ぐらい散っちゃってる・・たった三本だけど・・・

何も言わずに、アタシに手を引かれるままについてくる梨華ちゃんを、
真中の一番大きな木下に立たせて・・・・

ピンクの梨華ちゃんが、ピンクの舞う中で、小さく微笑む・・・・

ちょうど風に吹かれた花びらが・・黒い髪に一つ落ちて・・・
飾り気のないそれを彩る・・・・・

アタシはそれを指でつまんで・・・
何?って顔をしている梨華ちゃんに・・・ほらって・・・

「これ・・・・もらっとくね・・」

「えっ?」

「・・・・最後だから・・・・」

「・・・あっ」

そのまま・・何も言わさずに・・抱きしめる・・・・・強く・・強く・・
彼女の息が止まってしまうくらい・・・・

梨華ちゃんは苦しそうにしてるけど・・・これといった抵抗もしなくて・・・

いっそこのまま・・・・止まってしまえばいいのに・・・彼女の息も・・アタシの息も・・
なんて不埒な考えが頭を掠めるけど・・・

だけど・・・彼女があまりにも抵抗しないから・・・・
アタシの腕は根負けしちゃう・・・



127 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 14:29
緩めた手を・・今度は優しく・・梨華ちゃんの柔らかい頬にあてて・・・

「・・・最後だから・・」
って、何か言おうとしている唇を塞ぐ・・・・・

それはせつないぐらい冷たくて・・・・悲しいくらい柔らかで・・・
だから・・・
だから、精一杯の優しさいで、精一杯の貪欲さで・・・
もしかしたら・・女の子とするのって・・・最後なのかななんて思いながら・・・
その甘さを丁寧に味わう・・・
アタシの便利な頭の中の、一番目立つ場所にしまうために・・・

梨華ちゃんもきっともう・・アタシの言葉の意味がわかってるんだろうな・・・
今までなかったくらいの・・深くて・・長い・・キスに・・ケナゲなくらいに応えてくれて・・・
なんかそれだけで・・・頭の芯が・・・白くなりそうだよ・・・・
128 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 14:42
・・・・・・

黙って上る緩やかな坂の上の・・・・
梨華ちゃんのマンションの入口の前に・・・見知った影が所在無さ気に・・立っていて・・

「どーしたの?」
って梨華ちゃんの問いに・・・

「・・・元気なかったから・・」
って、半分アタシを睨みながら応えるミキティ・・・

「それで来てくれたの・・・わざわざ・・」

「・・・携帯・・繋がらなかったし・・・」

「えっ?・・・・・・・・あっ、バッテリー切れてた・・・
 今日、一日・・あの手動式のだけで、充電してみようかなって・・・やっぱ、あんまりもたないね・・」

「バカ!・・・・美貴、誰かさんに切られてんのかと思ってたよ・・」

「ゴトーは・・・・そんなことしないよ・・」

「強引に連れ出すくせに・・・・でもよかった・・・これでごっちんチでも行かれちゃったら・・待ちぼうけだもんね・・」

「・・・・・そんなこともしないし・・・・もう・・」

「えっ?」
もうしない・・・そんなこと・・・・
そんなアタシの言葉に・・・ミキティの頭の上に?マークがつく。
梨華ちゃんは・・・やっぱりもうわかってるんだよね・・・視線を下に落としてる・・・
129 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 14:55
「こんなところじゃ冷えちゃうから・・・・・部屋・・・行っていいよ・・・
 ゴトーはココでバイバイだ・・・・」

「へっ?」
ミキティの頭の上の?マークが二つほど増える。

「あとは任せたから・・・でも今日は寝かせてやってね・・・
 本気で疲れてるみたいだから・・・・」

「あ・・・・うん・・・でも・・・」

「ミキティにならさ、ミキティになら負けるつもりはなかったんだけどね・・・・」

「はっ?」

「ミキティだけならさ・・・でも・・・」
でも、相手が娘とくれば・・・やっぱアタシにだって太刀打ちできない。

そーなんだよね梨華ちゃん・・・
あなたが本気で好きなのは・・・・・モーニング娘。
一番大事で・・・一番必要で・・・一番・・・・・・・・・

だから・・・アタシじゃダメなんだ・・・・
もう、とっくに娘じゃないから・・・・
だから、この子に任せちゃうよ・・・
今、梨華ちゃんと一緒に歩けるのは・・・・・この人・・・悔しいけどさ・・・

娘をひっくるめた梨華ちゃんのこと、支えられる力は・・今のアタシにはやっぱりなくて・・
それは、いくら強くなったからって・・梨華ちゃんにもやっぱりなくて・・・・
だから・・・仕方ないんだ・・
130 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 15:11
「じゃあね・・・バイバイ・・」

「あっ、うん・・おやすみ・・」
ミキティが小さく手を振る・・・
アタシは一歩後ずさりして、梨華ちゃんの方を窺う・・・・

何かを思い切るように・・さっと上げられた彼女の・・・・その唇が・・
サ ヨ ナ ラ・・・の形に動く・・・・・声は出さなかったけど・・・

アタシも真似て、声にならないサヨナラを返す・・・・精一杯の笑顔を作って・・・

ミキティはまだ?って顔してるけど・・・少しわかったのかな、
梨華ちゃんの肩を抱き寄せてる・・・

あは、こーやってあらためて見ると・・・きれいな組み合わせだよね・・・
悔しいけど・・・

アタシは・・・・二人に背を向けて・・・来た道を下りる・・・
しばらく歩いて・・振り返ると・・・・・
そのままの場所で見送ってくれてる・・二つのシルエット・・

アタシはメイッパイの笑顔を作って・・・少し背伸びし・・メイッパイ手を伸ばして・・・
大きく三度・・・振る・・・・
梨華ちゃんも胸の辺りで返してくれて・・・・・

本当に・・・バイバイなんだよね・・・・自分で決めたんだから・・・

もう振り返らないって自分で自分に言い聞かせて・・・
そんなアタシの頭の中に・・
またウタダさんの歌が流れる・・
「これが最後のハートブレイク・・」って・・・

131 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 15:21
そー言えば、この歌の最後・・・あれ今までよく理解できなかったけど、
何となくわかっちゃった・・・
これからは、この歌は完璧に歌えるね・・・きっと・・・


「好きで好きでどうしようもない
 だけどそれとこれとは関係ない・・・」

好きなだけじゃダメなんだよね・・・・・きっと
一緒に歩けなければ意味がない・・

立ち止まってもいいんだったら・・・そんなこと考えなくてもいいのかも知れないけど・・・
アタシたちは歩かなきゃ・・・・ううん・・走らなきゃいけないんだ・・マダマダ

いつか休める日がきたら、立ち止まれる時がきたら、
その時は・・いっぱい思い出話をしようね・・・
いっぱい・・・いっぱい・・・
大笑いしながら・・・・いっぱい

あれ、なんだろう・・・涙が出てる・・
鼻もグズグスいってるし・・・
ちょっと時期ハズレの花粉症かな・・・・
132 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 15:25
アタシのぼやけた目の前に、
どこからともなく、舞い落ちてくるピンクの花びら・・・
それを手のひらに受けて・・・・

さっき梨華ちゃんの髪からもらって、
ハンカチの間にしまった、それと重ねる・・・・

二つのピンクが重なって・・・・


今年の桜の季節が終わる・・・・・・・・


133 名前:SAKURAドロップス 投稿日:2004/04/09(金) 15:27


 「SAKURAドロップス」・・・・・ the end
134 名前:トーマ 投稿日:2004/04/09(金) 15:31
・・・・・・・・・・
135 名前:トーマ 投稿日:2004/04/09(金) 15:31
・・・・・・・・
136 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/09(金) 17:29
(´Д⊂ ....。

淡々とした情景描写だから余計に際だつせつなさ..。
毎度、トーマさんのお話には脱帽です。面白いです。
これからも楽しみにしています。
137 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/09(金) 22:53
『・・・』より『…』の方が読みやすいと思う。
138 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/04/10(土) 00:36

じっくりと読ませていただきました。
切ないという言葉ではありきたりですが、
なんかこう、胸にすーっと沈むものがありました。
別れの季節ですけど、出会いの季節でもあるのにサクラって不思議な花です。
って、なんかオイラの文へんですな。ごめんなさい。

そう。サクラってもなんか石川さんらしい花のような気がする。
加入した時期も4月ですし。

いいお話をいつもありがとうです
139 名前:捨てペンギン 投稿日:2004/04/10(土) 02:02
ああー、後藤さんがー...
なんか後藤さんを応援したくなる浮気者でした
140 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/10(土) 10:15
ごっちん…
。・゚・(ノД`)・゚・。
141 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/10(土) 11:37
ごっちんに同情しながらも、
りかみきの進展が気になる...w
142 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/10(土) 12:47
ごっちん…あんたいい女だよぉぉぉ!(ノД`)
マジ切なくて泣きそうになりました。
感動しますた!
143 名前:- 投稿日:2004/04/11(日) 06:30
せつない・・・
後藤さんにも光を。
お願いします
144 名前:- 投稿日:2004/04/11(日) 06:31
言い忘れました。
うただのベスト思わず買っちゃいましたよ。
もちろん娘。も買いました。
145 名前:名無し飼育 投稿日:2004/04/12(月) 16:05
他の人の所には行かないと言った石川さんの言葉を信じるよ
ごっちんあきらめんなー!
146 名前:mun 投稿日:2004/04/14(水) 14:08
私も梨華ちゃんを信じる! ごっちんの元へ!
そしてトーマさん、Tの方で、ある映像を見ていしごまが
ガチではないかと思ったそうですが、
それは何の映像ですかね? 気になりますので、
ぜひ教えてくださいませ!長文すいません!
147 名前:トーマ 投稿日:2004/04/22(木) 09:02
>136様  ありがとうございます 
       後藤さんの一人語りなので、特に「淡々」意識して書きました。感じてもらえて嬉しいです。

>137様  そーですね・・て言うか「・・・」多すぎ。会話の間を表現する方法を、もうちょっと考えた方がいいかも。

>さすらいゴガール様 「サクラ」ってやっぱり他の花と違いますよね。やっぱり日本人ですね・・

>捨てペンギン様  あっ、珍しい・・あなたにそー思っていただける程、この後藤さんはイイ・・と自惚れておきます。

>140様  ・・・・同感・・

>141様  ハイ! 進展させちゃいます。

>142様  そーなんです、後藤さんはすごくイイ女なんです。

>143・144様 ベストいいですよね。ハズレがない・・・しかし何も同日発売しなくても・・

>T45様  うわっ、そんなコト言わせちゃってますよね(汗)
148 名前:トーマ 投稿日:2004/04/22(木) 09:34
>mun様  ガチだと思った映像ですか・・・・じゃあ、ココでは蛇足になるかも知れませんが、少し書きます。
  
02年のうたばん・・たぶん総集編の・・後藤さんの仲の良いのはの回答・・当然よっすぃーとくると思っていたので、
へーって感じで、意外だなと・・・「ビーティーケメコ」のうたばん・・FUNの「イエイエ娘」・・BSのハロプロコンの舞台裏・・
と仲良し映像の数々を見せられた後の・・TFPが実は決定打でした・・
普通の友達が、多少の喧嘩ぐらいで、ああはならないだろうなと・・特に彼女たちはプロですから・・
卒業を前にして、相当な感情の行き違いがあったんだろうなと・・思ってしまったわけです。
それで書いたのが「don't tuch me」というわけです。
もちろん、元々この二人が好きだったと言う、フィルターを通してのことですし、
ここはあくまでも妄想の世界です。
卒業後はあまり接点もない二人ですが、たまのリカマロの後藤さんのヘタレ具合や、
ハロプロコンの微妙なからみ具合から、小ネタを拾ってます。
細かすぎて、どこにも語られてなかったようですが、安倍さんの卒業DVDにもチョロっとありましたよね・・
お好きでしたら「でっかい宇宙・・」をコマ送りで見てみてください・・



149 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 09:44

ごっちんの後姿が見えなくなる。

何か声をかけ辛くて、黙ったまま・・隣に立つ人の顔を窺っていると、
前を向いたままの梨華ちゃんは、

「行こ!・・・・あーあ本当に冷えてきたねー」
なんて、やけに明るいトーンで、けろっと言う。

「ああ・・・うん」
何かあったんだよね・・・・・二人。なのにさ・・

「あれ、寄ってかないの?」
さっさと入口に向かってる梨華ちゃんが、躊躇するアタシに気づいて・・

「ああ・・・・寄るよ・・もちろん・・・・・・てーか、泊るし・・」

「そーだね・・・・もう遅いし・・」
なんて、まるで何にもなかったみたいに・・・・
150 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 10:01
「毎度のことだけどさ、散らかってんよねー」

「うん・・そこんとこ・・チャッチャとよけて、座っといてよ・・今、お茶入れるし・・」

「・・・・うん・・」
床に散乱した雑誌をまとめて、テーブルに重ねて、
ソファーの上のクッションを一つ抱えて、カーペットに座る。

別に汚れてるとか、そーゆーんじゃないんだけど、何か片付いてないんだよね・・この部屋・・いつも・・
物が多すぎるのかな・・
でも、これって結構落ち着いたりする・・変かな・・

「みんなさー、どーしてだろうね・・ソファーあんのに、下に座るの・・」

「ああ、どーしてだろうね・・」

「ハイ、どーぞ・・」
なんて、両手のマグカップの一つを立ったまま渡して、
もう一つを持ったまま、やっぱり床に座る梨華ちゃん。

もらったカップに口をつけて、ストレートの紅茶をひと口飲んで、
「・・・・そーいえば、最初の頃は、ソーサーにミルクとお砂糖付きで、
 出してくれてなかったっけ?・・紅茶・・」

「あれ、入れるの?」

「あ、ううん・・」

「なら、いいじゃん・・」

「まあ、いいけどさ・・別に・・」

「何、手抜きとか言いたい?」

「まあね・・」

「だってさ、美貴ちゃん・・いつも何にも入れないし・・
 カップもマイカップの方が良くない?」

「・・・うん・・」

「・・・・もう・・お客さんでもないでしょ・・」

「そっか・・そーだね・・」
それって、何気に嬉しい言葉だったりするけど・・・
最初思ってたより、ずーっとガサツで、てーか、かなりガサツで・・・ずっと付き合いやすい人・・
151 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 10:11
「しっかし、今日は疲れたよね・・・」

「うん・・・今日もって感じかな・・長かったからね・・
 焼肉、行かなかったの?」

「ああ、行ったよ・・・・でも、結構、お腹あまってなかったから、美貴はレバ刺しだけ食べてきた・・」

「そーなんだー」

「お姉様方は、それから飲みに行くって言ってたけど・・」

「・・よっちゃんは?」

「うん、ちょろっと食べて、早々に帰った・・・ねみーって感じで・・」

「そー・・・・私も、マジ眠いかも・・
 ねー、チョット先にシャワーしてきていいかな?」

「いいけど・・」

「頭さ・・・デップでカチカチで、イヤなんだよね・・
 テレビでもDVDでも、適当に見ててよ・・」

「あっ、うん・・」

そそくさと、着替えを抱えて、バスルームに消える梨華ちゃん。
何か妙にサバサバしてるよね。
絶対、何かあったはずなのに・・・・
152 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 10:25
ごっちんの言ってたこと・・・・・・
「そんなことしないよ・・もー」って、
「あとは、まかせたから」って、
「ミキティになら、負ける気はしなかったんだけど・・」って・・・・
あれって、どーゆーことなんだろう・・・

最後にさ・・・帰り際に、二人で妙なアイコンタクトしちゃって・・・
あれさ、あのごっちんの唇の動き・・・声にはなってなかったけど・・
あれ、絶対「サヨナラ」って言ってたよね・・
・・・・別れちゃったのかな・・・・でも、どーして

梨華ちゃんがふったとか・・・なのかな・・・
もしかして、アタシの方を選んだとか・・・・なのかな・・・
ううん、な、感じでもなかったよね・・
少なくとも、喧嘩しているようには、見えなかったしね・・

アタシはテレビをつける気にもなれずに、テーブルの上の雑誌をペラペラめくりながら、
ごっちんの後姿を思い出してた。
そー言えば、何か大きく手なんか振っちゃって、
あれじゃまるで「Good luck&Good by」って感じじゃない・・
153 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 10:40
「ねえ、美貴ちゃんも、チャッチャと入っちゃったら・・バスルーム温かいうちに・・」

「うん、そーする・・」
髪を拭きながら出てきた梨華ちゃんの勧めるままに、
すれ違うようにバスルームに向かう。

何か聞いた方がいいのかな・・・・
それとも、黙っていた方がいいのかな。
でも、やっぱり気になるし・・・・・聞いてみよ、やっぱり。
それで、話さないんなら、仕方ないけど・・
聞くだけならいいでしょ。
たぶん、アタシにだって、関係ないことじゃないと思うし・・・
やっぱ、聞いてみよ・・

って、さっさとシャワーを終わらせて、出てきたら・・
・・・・・・
何よ、もー寝ちゃってるわけ?

テーブルを横にずらした床に、アタシ用の布団を敷いて、
ベッドの中で背中を向けて、丸まってる梨華ちゃん。

・・・・・まあ、お疲れモードなんだろーけどさ・・
しゃあないか・・・・明日・・明日は完オフだから・・ゆっくり聞いてみんべ・・
って、部屋の灯りを小さくして、布団に潜り込む。
やっぱさ、疲れたよね今日は・・・・って目を閉じる。

だけど、
体はすっかり重たくなってて、睡眠を欲してるのに、
頭の奥の方が妙に冴えてて・・・なかなか眠りに入れない。
・・・・それでも、ウトウトしかけてると・・・
154 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 10:52
何?この声・・・
えっ、もしかして・・泣いてんの梨華ちゃん・・
声を殺すようにしてるけど・・・・
でも、確かにこれって、泣き声だよね・・・・

「ね、梨華ちゃん・・・どーしたの?」
布団から這い出して、あっち向きで毛布に包まってる、細い肩に手をかける。

「あっ、ごめん・・・・起こしちゃった?」
って、やっぱり涙声じゃん・・

「ね、どーした?・・ね・・」

「・・・気にしないで・・」

「って、気にならないわけないでしょ・・」

「ごめん・・・」

「ね、ごっちんと何かあったの?・・・・喧嘩でもした?」

「・・・ううん・・・喧嘩なんか・・・喧嘩なんかしてない・・」

「なら、どーして・・」
アタシは、ベッドに腰を落として、梨華ちゃんの身体を引きずるように、こっちを向かせて・・
本当にもう何かグチャグチャじゃん・・
俯いたままの顔を胸に引き寄せて・・・黒い髪を指でとかして・・・
155 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 10:58
「ね、ごっちんに何か言われたの?」

「・・・・ううん・・」

「じゃあ、何か言っちゃった?」

「ううん・・」

「じゃあ、どーしたの・・・・二人とも様子おかしかったし・・・」

「・・・何もないよ・・・何も・・
 でも・・・・・終わっちゃったみたい・・」

「は?」

「うん、きっと終わっちゃった・・」

「どーして?」

「どーしてかな・・・・・
 もしかしたら・・本当は・・始まってなんかなかったのかな・・・何も・・」

「えっ?」
156 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 11:13
「・・・・好きだったんだよ・・ずっと・・・ごっちんのことが・・」

「ああ、うん・・」
知ってるよ、そんなこと・・

「初めは・・・たぶんただの憧れ・・・・ごっちん、本当に輝いてて・・カッコ良くて・・」

「うん・・」
だよね・・アタシラがオーディション受けた頃には、ごっちんはもうすっかり国民的アイドルで・・

「あんなふうになりたくて・・・でも、どーやったって、あんなふうになれなくて・・
 でもだから、少しでも側に行きたくて・・・」

「うん・・」
それ、わかるよ・・・合格しなかったアタシはもちろんだけど、
たぶん合格して娘になった梨華ちゃん達にしたって、たぶんあの頃のごっちんは遥か遠くの存在で・・

「・・・・・だから、話とか出来るようになって・・・家に誘ってくれたりとかして・・
 それだけで、私・・・舞い上がってて・・・ああ、こんな人と友達になれたんだなって・・
 こんな私でも、仲間とか思ってくれてるんだなって・・・」

ああ、それもわかるかな・・・
アタシも亜弥ちゃんと遊ぶようになった頃、思ったもの。
オイオイ、トップアイドルとお友達かよって・・・

「・・・でも、ごっちん・・・・娘、卒業することになって・・・そしたらまた遠くに行っちゃうんだなって思ってて・・
 そしたら、好きだよとか言ってくれて・・・ありえない、ありえないって思ったけど・・
 それなら、卒業してからだって、友達でいられるんだなって・・変わらずに・・・
 ・・・・でも・・・すぐに嫌われちゃって・・・」

そー言えば、何か言ってたよね・・・・避けられちゃったみたいな・・
157 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 11:33
「でも、待っててくれって言ってくれたから・・・・・待ってた。
 待って、待って・・・・待ちきれなくて・・・・」

で、復活しちゃったってわけだ・・・・

「でも、やっぱり私じゃ、何も出来なかった・・・何もして上げられずに・・」

なこたーないでしょ。
梨華ちゃんを見るごっちんの顔・・・幸せそうだったじゃん。
正直、二人がどのくらい会ってたとか、よく知らないけどさ・・
少なくとも、アタシが見てる限りじゃ、二人ともすごくイイ顔してたじゃない・・
メチャクチャ妬けるくらいに・・・・・

「・・・・それに・・私・・偉そうなこと言ってたのに・・・
 本当はすごく不誠実で・・・ものすごくいい加減で・・・」

「何、それ、美貴のこと?」
小さく頷く梨華ちゃん。

じゃあ何、やっぱりごっちんが、このかなり微妙な三角関係がイヤになったとか・・そーゆーこと?
でも、何かそれも違うような・・
だって「ミキティには負けない」って自信満々だったし、半分そのこと楽しんでるみたいだったし・・・
それに、この人が今の段階で、その答えを出せるほど、すっぱりとした性格だとも思えないし・・・

「私って、最低だよね・・」
って、唇を噛む梨華ちゃん。
まあ、客観的に見たら・・・・確かにそーかも知れないけどさ・・それに・・

「だよね・・最低かも・・・・こーやって、美貴の胸で、ごっちんのこと好きとか言って、泣いてるし・・」

「あっ、ごめん・・」
アタシのセリフに、そのこと、今気がつきましたみたいな感じで、
ぱっと身体を離して、ベッドの上で正座して、
堅く結んだ拳を両膝の上で震わして、項垂れてる黒い影。
158 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 11:50
「ごめん・・・・本当にごめん・・・マジ最低じゃん・・私・・」
震えてる肩は、いつもに増して、細くて頼りなさげで、
このままほっといたら、夜の闇の中に、溶け込んで、消えてしまいそーじゃない・・

だから、アタシは、やっぱり消えてく前に、捕まえておきたくて、
もう一度、その肩を引き寄せる。

「バカ・・・いいじゃん・・それで・・・最低上等!梨華ちゃんらしいじゃん・・」

「えっ?・・・何それ・・」

「どっちつかずでフラフラしてるのも、そのくせ上手くやれずに、オロオロしてるのも、
 そーやって、自分を責めて、いい子ぶるのも・・・みんな梨華ちゃんらしい・・・」

「・・・・」

「最低で、最悪・・・・もし、アタシの友達が、そんな子と付き合ってるなんて聞いたら、
 絶対、やめとけって注意しちゃう・・・」

「・・・だよね・・・本当に・・」

「だけどさ、だけど美貴は・・そんな梨華ちゃんが・・・好きだよ・・そーとー悪趣味だよね・・」

「えっ?」

「勝負事とかになると、大人気なくムキになっちゃったり、すぐテンパって、グダグダになったり、
 周りの空気読めずに、オタオタしてたり、そんなダメダメの梨華ちゃんが、
 結構、気に入ってたりするんだよね・・・これが・・・」

「・・・・ね、それって、誉めてないよね・・」

「うん!誉めるところなんて一つもないもん!」

「・・・ああ・・・はい・・」

「でしょ?」

「・・・・です・・」
159 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 12:08
「でも、本当・・人って不思議だよね・・・・頭で考えてる理屈と、
 胸の中の気持ちが・・・同じようにはなってくれない・・・」

「えっ?」

アタシは、震えの止まった肩を少し押しやって、胸に沈めていたその顔を、
今度は、両手の中に収める・・・・涙は・・・もう乾いたよね・・・

「本当はさ・・・・まだ、気持ちが残ってんならさ、まだきっと間に合うから・・・
 ごっちんのトコ・・・行ってれば・・・とかさ、カッコいいこと言っちゃえればいいんだろーけど・・・」

「・・うん?」

「そんなふうに言えればさ・・・・この藤本さんも・・とびきりのイイ女になれるんだろーけどさ、
 ・・・頭ではね・・・・そー思うんだ・・・・・だけどね・・」

「・・・・・」

「それじゃ、気持ちの方がおさまらないの・・・
 気持ちがね、今、チャンスじゃんって叫んでるの・・
 ごっちんがいなくなって、空いちゃってる梨華ちゃんの心の隙間に、
 しっかりと入り込んじゃえば・・・ってさ・・」

「えっ?」

何かものすごく恥ずかしい口説き文句言ってるよね・・・アタシ・・
鈍感な人が怪訝そうな顔して、アタシのこと見つめて・・・

その何か言おうとしている唇に、そっと顔を寄せようとするアタシの肩を、
梨華ちゃんの両手が抑える・・・・
160 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 12:23
「でも、私・・・前に約束したの・・ごっちんに・・・他の人の所には行かないって・・」

「何?いまさら・・・まだいい子ぶっていたいわけ?」

「・・・・・じゃないけど・・」

「そんなの、いつしたか知らないけどさ・・・・もしかして一生守れるとか・・思ってないよね・・それ・・」

「・・・あっ、うん・・」

「・・・・結婚とかさ・・・出来るわけじゃないんだし・・・最初から無理な言葉じゃん・・それ・・」

「・・・・」
アタシ達みたいな間柄で、そんな約束事が、本当は一番、不誠実なんだよ・・
・・・・・ね、わかってるよね・・


「それとも何・・・お別れのキスとかしちゃって、その余韻に浸っていたいとか?」

「・・・・・」

「なら、なおさらだ・・・・そんなの今すぐ消してあげる・・・
 そんなもの、いつまでも引きずってもらってたら、たまんない・・」

ね、梨華ちゃん、わかるよね・・
ごっちんはたぶん精一杯、カッコつけて、ステージを降りたんだよ。
カッコイイごっちんは、最後まで、カッコ良く・・・・

でも、アタシ達はそーじゃないでしょ・・
この頃よく思うんだよね・・・きっとアタシ達は、同じ種類の人間なんだって・・
余裕なんて少しもなくて、ガムシャラで、必死で、貪欲で・・・
161 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 12:42
アタシは、少し強引に、彼女を押し倒すと、無理やりその唇を塞ぐ。
彼女は少しまだ抵抗してたけど・・・・でも、ほら、応えてくれてるじゃん・・

「・・・・だから、言ったでしょ・・頭で考えることと気持ちは別だって・・」

「・・・・」

「・・・それに、身体はね・・・もっと思うようにいかないんだよ・・」

深いキスを繰り返しながら、
彼女のジャージのズボンの中にしっかりと収められてる、ティーシャツを引っ張り上げる。
アタシの左手にはとても納まりきれない、彼女の憎たらしい乳房を揉み立てながら、、
指先で、もうすっかり堅くなってる乳首を玩ぶ。

アタシに塞がれた口が、声を上げたそうに、のどを鳴らすから・・暗がりの中に開放してあげて、
身体をずらして、首筋から少しずつ、唇の位置を落として・・もう一つの乳首を舌先でころがす。
少し早くなってる彼女の心臓の音を聞きながら・・・
右手を、憎たらしいクビレに這わせて・・・色気のないズボンの中に差し入れる。
梨華ちゃんは・・・足を立てたりして、一生懸命抵抗してるふりを繰り返すけど・・・・

同形のアタシ達は、本当の意味では決して、一つにはなれないけど・・・・

でも、身体で愛し合うことは、かえってたやすい。
だって、気持ちいいポイントは・・・たぶん同じなんだもの・・

探り当てた梨華ちゃんのソコは・・・もう充分に湿ってて・・
19歳の肉体は、誰かに愛されることを望んでいる。

162 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 13:05
アタシの少しぎこちない指の動きに応えて・・梨華ちゃんの声が小さく漏れ出して・・

それを確認するようにして・・・一度身体を離す。
突然、中断された行為に・・・何?って感じで、アタシを見上げる彼女の目は、
少し恨みがましそうで・・・・
やったね・・って感じで、口元が緩む。
こんな感じにほっとくのも面白そーだけど・・・ほら、アタシ・・根が優しいから・・

「ちがうよ・・」
って、笑って・・・彼女の身体に引っかかってる無粋な布キレを素早く、全部奪い取る。

小さな灯りの中で、生まれたままの梨華ちゃんが、恥ずかしそうに足を閉じる。
ホテルのお風呂とかでは、何度か見たことあったけど、
こーしてあらためて、眺めさせてもらうと、
矢口さんの言ってた「梨華ちゃんの身体はエロいんだよ」って言葉があらためて頷ける。
それは見た目のラインだけじゃなくて・・・スエードみたいな肌の下に、
メチャクチャ細いくせに、うっすらと脂肪の層が敷き詰めてあって・・・どこを触れても柔らかい・・

この子って・・・自覚なんてまるでないんだろーけど・・・
たぶん、誰かに抱かれる為に、生まれてきちゃったみたいな人で・・・
これから先・・・・
何人の男が・・・ううん女もなのかな・・・この子の身体に溺れちゃう・・
下手すると・・狂っちゃったりするのかな・・・てか、かなりの危険度・・
もしかして、ごっちんが・・たぶん幾つもあっただろうそんな機会を、みすみす逃してきたのって、
拒絶が怖いとか、そーゆーんじゃなくて、どこかでその危うさを感じてたからかも知れない・・

・・・・アタシ・・・大丈夫かな・・
でも、こーなったら、もう一歩も二歩も、足を踏み入れちゃってんだからねって・・
覚悟を決めて・・・・・
163 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 13:29
たぶんアタシはノーマルで・・・
実際、女の子とキス以上のことをするのは初めてで・・・
その肌の感触がいいのは想像してたけど、それ以上・・・
なあに・・この場合・・タチって言うのかな・・それってしている方は・・どーなんだろーって思ってて・・
これって一種の征服欲みたいなものなのかな・・
好きな相手を自分の手で、喜ばせるって満足感・・・ううん・・それだけじゃないみたい・・

だって、梨華ちゃん自身に飲み込まれている指先から、全身に痺れるみたいな感覚が走って・・
アタシ自身も濡れているのがわかる。

興奮で早まる指の動きに・・
梨華ちゃんの漏らす声の感覚が短くなって・・・一気に攻め立てる・・

一瞬、うって突っ張ったようにのけ反った身体が・・・・
大きな息とともに弛緩して・・・
あっ、いっちゃった・・・って、アタシも半分いってるし・・

これってさ、不思議な感じだけど・・・かなりイイかも・・

少し放心してるみたいな梨華ちゃんが・・・今までにないくらい、いとおしい存在に思えて・・
その髪を指でとかしながら、薄っすらと汗を浮かべてる、その額に・・小さなキスを落とす。
彼女の早くなってる心臓の音を、パジャマを着たままの、おなかのところに聞きながら・・

梨華ちゃんは・・・しばらく呼吸を整えるように・・じっとしてたけど・・・

おもむろに、アタシの両頬をその手に捕らえて・・
「・・・・あのさ、美貴ちゃん・・・これって・・その・・・私だけだよね・・良かったの・・」

って、そーじゃないけど・・なんか照れくさいから・・
「・・・・かもね・・」
なんて乱暴に言ってみる。

梨華ちゃんは、アタシのこのセリフに、納得するように一つ小さく頷いて、
意を決するみたいに・・
「じゃあさ、その・・・なあに・・・イヤじゃなかったら・・私にもさせて・・」
って、結構強い力で、態勢を入れ替える。

「あっ、別にいいけど・・」
ってアタシの言葉を無視して、

「そーゆーわけにはいかないでしょ・・」
って、パジャマのボタンをはずし出す。
164 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 13:43
誰かさんと比べたら、やけに貧弱な胸を見られるのは、恥ずかしいけど・・
それをわかってんのか、わかってないのか・・
「かわいい・・」
とか言いながら・・アタシの胸にキスを降らせる梨華ちゃん・・・
てーか、すごく気持ちいいんですけど・・・

やけに手際よく、パジャマのズボンも落とされて・・・
「上手く出来るかどーか、わかんないけど・・頑張ってみるから・・」
なんて・・・オイオイ、頑張ることなのかよって、つっこみたくなるけど、
なんか真剣に始めちゃってるから・・・・

って、もしかして、無類の負けず嫌いさんは、こーゆー時にもそれを発揮しちゃってるのかな・・

少しずつ、下のほうに下がってゆく、梨華ちゃんの唇・・
って、ウソー・・・あそこに舌まで入れちゃって・・
「って、梨華ちゃん・・どこでそんなの覚えたの?」

「えっ?・・・・何かで読んだ・・」
はー・・・矢口さんあたりに、エロ本でも読まされてんな・・コイツ・・
なんて・・ダメだコレ・・なんかもーいっちゃいそーじゃん・・

いつの間にか、ソコは彼女の細い指で攻められてて・・
顔の所まで上がってきた彼女の目は、たぶんアタシの反応を観察してる・・
何かとっても恥ずかしいんですけどー・・
165 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 13:56
「ね、イイ?」
なんて聞かないでよ・・・見ればわかるでしょって、少し睨んだら、
得意の勘違いで・・・

「あれ、よくないの?」
なんて眉をひそめる・・・・
なわけないじゃん・・・って、ココで止められても困るから・・・悔しいけど・・

「・・・ううん・・とってもイイ・・」
なんて可愛く言ってみたりする。

「良かった・・」
って、笑う梨華ちゃんは・・・本気でアタシのこと愛そうとしてくれているんだよね。
・・・それって、切ないくらい嬉しいでしょ・・・

彼女の指の動きが早まって・・・
何かそこの部分だけ、熱で膨張してるみたいで、自分の身体じゃないみたい・・・・
まぶたの裏に原色が飛び交って・・・
たぶん声も出しちゃってるよね・・
・・・・・・・・一瞬・・・頭の中に火花が飛んだ・・・・・


「美貴ちゃん・・・かわいい・・」
って、彼女の甘い声が耳をくすぐって・・・・

アタシ・・・・今、この人に確かに愛されてるよね・・・・・

そう思うと、悲しいくらい嬉しくて・・・彼女の背中に腕を回して、力いっぱい抱きしめる。
このまま離れなくなればいいのにって・・・・

それからは・・・わけわかんないくらい、何度も何度も・・お互いの身体を求め合った・・
166 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 14:17
考えてみれば、もう一年近く、こんな夜が来るのを待っていて・・
でもどこかで、絶対なれないと思っていた関係。

だってアタシはたぶんやっぱりノーマルで、それは梨華ちゃんも・・

女の子同士は、たぶんキスくらいなら、嫌いじゃなけりゃ出来ちゃったりする。
キモイオッサンとするくらいなら、絶対に女のこの方を選ぶ。
うん、今の娘のメンバーとかなら、たいていOK・・・

でも、それ以上となるとどーだろー・・・でも、出来ちゃったりするのかな・・
そんなふうな状況に置かれたら・・・例えば、亜弥ちゃんとか・・・・・うん、何気に出来るかも・・
てーか、たぶん半分くらいの女の子は、遊び半分なら、もしかしたら、男の子とするより、
気軽に出来ちゃうかもね・・・結構・・色んな危険性もないわけだし・・ね・・
そーゆー意味では、男同士よりも、きっとハードルは低い。

梨華ちゃんは・・・・あるのかな・・今までに・・
ごっちんは何もないみたいなこと言ってたけど・・・他は・・・どーなんだろ・・
ヤダナそれ・・・
将来どーのとか絶対に言えない関係だけどさ・・・
今は・・・嫌だな・・ソレ・・絶対・・・
アタシ以外の人の前で、こんな格好して欲しくないな・・

なんかこれ、ずいぶん勝手な言い草だよね・・
ちょっと前に亜弥ちゃんとのこととか、想像してみたくせに・・
でも、梨華ちゃんがさ、同じようにアタシのこと思ってくれるなら・・
絶対に他の人としないから・・うん、キスとかも・・・
だって、きっと他の誰かだったら・・・こんなにイイと思えないもん・・・

何かさ、想像以上だよね・・
お酒とか飲んでないのに・・・たっぷり酔っ払ってる。
夢と現実の間みたいな空間に・・・二つの身体だけが浮かんでるみたい・・
・・・・・・・
もしかしたら・・・コレってみんな夢なのかな・・
167 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 14:32
いつの間にか眠ってた・・・


カーテンの隙間から差し込む強い光に、目を開けたら・・・
色黒の柔らかい背中がそこにあって・・
あっ、これ夢じゃないんだよね。

壁の時計に目をやると・・・もうお昼をとっくにまわってて・・・
いったい何時に寝たんだろう・・

うわっ、なんか身体が重い。
でも、その重さと反対に、寝起きの悪いアタシにしては、
スッキリ覚醒している頭が、夕べのことを反芻する。

って、もしかして、アタシ・・やったーって感じじゃん・・

目の前の戦利品をもう一度、しげしげと眺めて・・
自分でも口元が緩んでいるのが分かる。
えへっ、アタシの物じゃん・・コレ・・

ソレを確認したくて・・・その黒い髪の間からチョコッとのぞいてる耳を、
あま噛みしてみたりする。

その気配に起きちゃったのかな・・・ゆっくりと向きを変えながら、
うーんなんて感じに少し身体を伸ばして・・・まぶたを開ける梨華ちゃん。

うん、こんな時くらい、めったに見せない笑顔のサービスも悪くないかって・・
満面の笑みを作って、おはようって声をかけたら・・・
168 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 14:47
何よ、怯えるみたいな顔しちゃって、
キャ、なんて言って、毛布を掴むと、ベッドの端まですっ飛んで、
あーあ、頭から毛布被っちゃって・・

「何よ、それ!」
って毛布を引っ張ったら、

「・・・・だって・・・恥ずかしい・・」
って、真っ赤な顔しちゃって・・・・そのテレ具合が、何とも憎らしいから、

「夕べはあんなに激しかったくせに・・」
とか、からかってみる。

「もー、言わないでよ・・そーゆーこと・・」
って、首まで赤くして、また毛布を被っちゃう。
しかし、夕べは対抗心剥き出しみたいにして、アタシに挑んできたくせに・・
この子は本当に分からない・・・ころころ変わって、そのどれもが本当の梨華ちゃんで。
ソコが面白いところなんだけどさ・・・からかいがいあるし・・・
だから、ここは追い討ちをかけるように・・

「あんなこともして・・こんなこともして・・」
って、言いながら、今度は毛布の裾の方からめくり上げる。
うわっ、全身・・・赤いってゆーか、赤黒くなってる。

「もー、意地悪なんだからー」
って、平手がアタシの腕のところに飛んできて・・
うえ、マジに痛いんですけどー

ここは、仕返ししなきゃ、気がすまないじゃん・・・って、その身体にダイブする。
この際だから、もう一戦・・・・なんて思ってたら・・
169 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 15:01
”グー”だって・・・
そー言えば、アタシもお腹すいたかも・・・結構・・・

「朝ご飯にしよかー」
なんて、妙に間の抜けた声で言うから、

「うん」
なんて素直に返してしまう。

ガバーって起き上がった梨華ちゃんが、そそくさと下着を拾い始めるから、
アタシもそれに従う。

梨華ちゃんが、キッチンに立ってる間に、あんまり使われなかったアタシの布団をしまって、
乱れきってるベッドを直しながら・・

「ねー、シーツ洗うー・・」
って叫んだら、
真っ赤になった梨華ちゃんが、怒ったようにやってきて、
乱暴にソレを外すと・・すごい勢いで、腕に丸めて、持ち去っていく。
マジで、恥ずかしがってやんの・・・


遅い朝食・・・もうお昼にさえ遅いか・・・を食べながらも、ずっと俯いてる大の大人。

「いつまで、照れてんのかなー」
なんて突っついたら・・・

「だって、なんか美貴ちゃんの顔、見れないんだもん・・」
だってさ・・初なんだかどーかは知らないけど、もーちょっと割切ろーよ・・
てーか、そんなに意識されたら、こっちまで恥ずかしくなるじゃん・・
170 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 15:11
「でも、いつまでも、そーしてるわけにいかないでしょ・・」

「そーだけどさ・・」

「ね、知ってるよね・・今週、これからずっと仕事・・・一緒だって・・」

「へっ?」

「へっじゃないつーの・・・スケジュール見てみなよ・・」

「あっ、はい・・」
って携帯をピコピコやりだす梨華ちゃん。

「金曜は、Mステ、座り位置隣だよ・・・次の日は早くからCBCだし・・で、サッカーにオハスタ・・」

「あっ、はい・・・だね・・」

「照れてる場合じゃないでしょ・・」

「みたいね・・」

「じゃ、ほら、観念して・・・このかわいい顔でも拝みなさいって・・・・
 言ってくれたじゃん・・・何度も・・かわいいって・・」

「あ・・うん・・」
って、やっと顔を上げる梨華ちゃん・・・
でもまたすぐ下を向いちゃって・・・・もー、しつこいなーって・・
あれ、今度は笑ってるんだ・・肩まで揺らして・・・
171 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 15:22
「何よ・・何がおかしいわけ?」

「・・・だって、ものすごい寝癖・・」

慌てて、髪に手をやると・・・・あっ、なるほどね・・・あっちこっち立ってる・・
でも、だからって、いきなり笑うかあー・・

「って、梨華ちゃんだって、目の下すごいクマだし、まぶた腫れてるし・・」

「えっ、うそー」
って、バタバタと洗面所に向かって・・・項垂れて帰ってくる黒い物体。

「・・・本当だね・・」

「ね、人のこと笑えないでしょ・・」

「うん・・」

「お互い、とってもアイドルって感じじゃないよね・・」

「うん・・」

「まあ、夕べの乱れ方じゃしょーがないけどね・・」

「もー・・」
って膨れる梨華ちゃん・・・まあ、半分笑いながらだけどね・・

でも、大丈夫だよイシカーさん・・ふじもっつあんは、そんなアナタも結構好きだよ。
てーか・・・・マジ、ヤバイくらい好きかも・・・・
172 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 15:33

「アンタ達さー、なんか妙にかみ合ってたよね・・・」
って、名古屋の帰りの新幹線で、いまさらのように、そんなこと言い出すリーダー。

「ええ、相性バツグンですから・・・色んな意味で・・・ね、梨華ちゃん・・」
って、隣の人を見たら、赤くなって下を向いてる。
なんて、ベタなリアクション・・・・

「お、アンタラ・・・なんかあったんか?」
って、興味津々のお子様が、身を乗り出して、

「りがぢゃんは、スケベなのれす・・」
って、もう一人のWが、少し怒ったように言う。
さすが妹、お姉ちゃんのことよく分かってらっしゃる・・・・
って、もしかして、ぼーっとしているようで、みんな見抜いちゃってるの?

「まあね、愛には形はないからね・・・・・いいんだけどさ、
 ほどほどにね・・・・中学生もいるんだからね・・・」
なんて、どこまで把握してるのかわかんないけど・・・・

ううん、この人はやっぱり大人なんだよね・・・すっかりお見通しってやつかな・・・
だとしたら、お許しが出たってことなのかな・・・・
173 名前:ドキミキ・チャーミー 投稿日:2004/04/22(木) 15:46
とか、思ってたら・・・
次のハロモニの収録の時、田中ちゃんのこと捕まえて、何かマジに話してるから、
後で聞いてみたら・・・

「飯田さんが、あんたも負けずに頑張んなさいって・・・応援してくれました。」
だって、

「中学生をそそのかして、どーすんですかー」
って文句を言ったら、

「だって、その方が面白いでしょ・・」

「は?」

「このままさ、アンタ達のハッピーエンドで終わるってゆーのも、つまんないでしょ・・
 ココとしたら・・・・」
だって・・・・なんだよそれ・・

「ほら、人生も小説も波乱万丈の方が面白いでしょ・・フツーに・・・」

「そんなもんですかねー・・・美貴的には、このまんまでいいんですけどー・・」

「何よそれ・・ミキティらしくないじゃない・・・戦ってこそミキティよ!」
って、わけわかんないこと言っちゃって・・・

えっ、何かあんの・・・この後も?
もう、遠慮して構わないからね・・・
てゆーか、遠慮しといて下さい。
めったにないよ、アタシがお願いするなんてこと・・・ね。


 「ドキミキ・チャーミー」・・・・おしまい
174 名前:トーマ 投稿日:2004/04/22(木) 15:49
慣れないシーンとか、自信ないし、
たくさん後藤さんの応援いただいたのに、申し訳ないので、落とします。
175 名前:捨てペンギン 投稿日:2004/04/22(木) 19:36
( T Д T)
朝のシーツに萌えました
从 T,_っT)
176 名前:名無し 投稿日:2004/04/22(木) 20:29
もういしごまのは戻らないのでしょうか?
177 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/22(木) 20:51
>>176
雰囲気ぶち壊れるし
どう転ぶにせよ作者さんもこの後書きづらくなっちゃうんじゃないかな?
もっかい自治スレ読み直して、またーり続きに期待しようや。
178 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/04/22(木) 21:06

ハッピーエンドなんだろうし、甘いんだけどなんか切なく思ってしまいました。
オイラ的にはそうなってよかったというところですが…。

楽しませていただきました。ありがとう。トーマさん。

179 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/04/22(木) 21:59
付き合ってた人と別れたその日に・・・ってのは・・・
もう少し時間を置いて欲しかったとか思ったり。

作者さん更新お疲れ様でした。
180 名前:dada 投稿日:2004/04/22(木) 23:26
作者さんが考えた結果このCPになったのなら、文句はありません。
このCPも結構好きなんで。
楽しませていただいてありがとうございました。

Mステでよく話してたのはこういうことだったんですね。w
181 名前:mun 投稿日:2004/04/25(日) 17:19
148>レスありがとうです(>。<)/

あの、私、最近いしごまのお二人を好きになったので、昔の出来事とか
わからないんですぅ〜!

>TFPが実は決定打でした・・
普通の友達が、多少の喧嘩ぐらいで、ああはならないだろうなと・

よろしければ、メールでくわしいお話を聞かせては頂けないでしょうか??
(о◇о)お願いします!!

これからも応援してます!!!頑張ってください!!
182 名前:トーマ 投稿日:2004/05/25(火) 10:36
>175 捨てペンギン様  恐縮です。

>176 名無し様     ここでは無理かと・・・作者的には、別板で思いっきりやってますが・・

>177 名無し飼育様   ありがとうございます。

>178 さすらいゴガール様  実は作者も複雑だったりして・・・まあ、両方好きなんですけどね・・

>179 名無し飼育様   それはそーですよね・・
              でも、逆に言えば、そんな時でもないと次の一歩は踏み出せないのかと・・

>180 dada様    Mステからの一連の競演の雰囲気が、あんまり良かったものですから、ついつい・・

>181 mun様     すいません。わけあってメールは出来ません。でも、いしごま好きには変わりはないので、
              ここではともかく、作品は書き続けたいと思ってます。
  

卒業ですね・・・・
183 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 10:47

「マジで?」

「うん、マジで・・・」

「・・・・・そっか」

「うん、そう・・・・」

なんか、さっきからずっと、こんな短いセンテンスだけの会話を、途切れ途切れに続けてる。

ミュージカルの合わせ稽古の後に、「ちょっと」って、集められた会議室で、
メンバーに告げられた卒業。
ざわつく子供たちの間を縫って、そそくさと帰るこの人を、その部屋まで追っては着たけれど・・・


「でさ、なんでラジオで発表なわけ?」

「さあ・・」

「普通さ、記者会見の時とか、ライブとかさ・・・・」

「だね・・」

「しかも、深夜の放送って・・・ちと暗くない?」

「かな・・」

「だよ」
184 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 10:54
「それにさ、早や過ぎない・・・発表・・・」

「まあね、私なんか一年も先のことだもんね・・・・間が抜けてるよね・・」

「うん、かなりマヌケ」

「まあ、それはそれで、私らしくない?」

「らしいって言えば、らしいけどさ・・・
 辻ちゃん加護ちゃんの卒業だって、まだまだなのにさ・・・」

「うん・・・」

「なんだろーねー・・」

「なんだかねー・・・」


「で・・・・納得してんの?」

「えっ?・・・・・・うーん、どーだろ・・」

「他人事みたいだね・・」

「あは、そーかも・・・・・だってほら、マダマダ先じゃん」

「うん・・・マダマダ・・・」
185 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 11:01
「なんかねー、今までで、一番ショック少ないんだよね・・・これが・・」

「えっ?」

「・・・・・中澤さんの時はさ・・・・どーなっちゃうんだろうって思って・・・」

「うん」

「ごっちんと保田さんの時は、うそー!って思って・・・」

「うん」

「安倍さんの時は、どーしようって思って・・・」

「うん」

「ののとあいぼんの時は、どーしてって思った。」

「うん」

「で、今回は・・・・あっそーかなって・・・」

「思ったわけだ」

「うん」

「そっか・・・・そーなんだ・・・あっそーかなって感じなんだ・・・」
186 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 11:11
「うん・・・・でもさ・・」

「でも?」

「安倍さんに・・・娘をよろしくって言われて・・・」

「うん」

「無理ですって言ったら・・・」

「うん」

「梨華ちゃんなら、大丈夫だべさ・・とか言われたのにさ・・・」

「うん・・・」

「なーんかねー、何も出来ないうちに・・・まだ何も・・・」

「・・・・・」

「私ってさ、なんかさ、なんだろ・・・・娘に何が出来るのかなって・・・
 何かしなきゃいけないって思ってはいるんだけどさ・・・まだ何も出来てないよね・・」

「なことは・・ないでしょ・・」

「かな・・・まあ、時間はあるしね・・・
 何か一つでもさ、私が先輩たちから教わったことをね、下の子たちにって思うけどさ・・」
187 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 11:27
「・・・・でも、意外だったな・・・・やっぱり・・・」

「何が?」

「安倍さんが抜けた後は、梨華ちゃんが「娘の顔」になるのかなって・・・思ってたから・・」

「あっ、それはやっぱ無理・・・ほら、私、貧相だから・・・幸薄そーって・・・」

「それは、亀ちゃんだよ」

「あっ、そーだね・・・・そのキャラはもういるわけだ・・・ちゃんと・・
 でも「顔」って・・・安倍さんがね、言ってたんだけど・・・それ、どー変わっても娘は娘だって・・
 一人一人が娘の顔だって・・・・そー思うよ私も・・・・」

「そーかな・・」

「そーだよ・・」

梨華ちゃんは、自信ありげにそう言うけど、
それって、安倍さんにしても、梨華ちゃんにしても「娘の顔」だったから言える事であって、
飯田さんが抜けて、オリジナルメンバーが消滅するモーニング娘。は、
やっぱり世間的に見たら、グループ名だけ先行してる
顔のわからない匿名の集団になっちゃうんじゃないのかな・・・


188 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 11:42
「・・・・あのさ、梨華ちゃんはさ、ごっちんの時はどー思った?」

「えっ?」

「ごっちんの卒業を聞かされた時・・・」

「あーあ・・・えっとね・・・淋しかったけど・・・
 ごっちんにとってはイイコトなんだって・・・そー思った。」

「そっか・・・・じゃあ、美貴もそー思えばいいのかな・・」

「えっ?」

「淋しいけど、梨華ちゃんにとってはイイコトなんだって・・」

「へー、淋しいとか思ってくれるんだ・・」

そんな憎たらしいことを言って、悪戯っぽくアタシの顔を覗き込む梨華ちゃん。
悔しいから・・・

「一応・・・義理でね・・」
とか、返す。

「義理でも、嬉しいかな・・・・・でも、マダマダ先のことだよ・・・・
 でさ、こんなこと、今言うのもおかしいけど・・・
 あっ、やっぱり後にする・・・・」

「何よ、言いかけて・・・・言いなよ、気になるじゃない・・」

「・・・・うん、じゃあ・・・まあ、ずっと先のことだけどさ・・・
 娘のこと・・・それから特に矢口さんとよっちゃんのこと・・・・お願いね!」

「えっ?」

「娘のことはさ・・・たぶん私なんかに言われなくても、ちゃんとリードしてくれるんだろーけど・・
 矢口さん・・・ほら、あの人・・・体弱いから・・・」

「ああ・・」
189 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 11:53
「私はともかく、カオタンがいなくなって・・・リーダーじゃない・・
 必要以上に頑張っちゃうと思うのよね・・・責任感強い人だから・・」

「うん」

「本人に、こんなこと言うと怒っちゃうけどさ・・・・体力ないじゃない・・あの人」

「うん」

「だからさ、さりげなく、気を付けてあげて欲しいかなって・・」

「うん・・」

「それから、よっちゃんは・・・美貴ちゃんにもわかってると思うけど・・
 あー見えて繊細ってゆーか・・・人に気を使い過ぎるし・・・気持ちが弱いところあるし・・」

「うん」

「サブリーダーなんてなっちゃうから・・・支えてあげて欲しいかな・・」

「うん・・・・・でもさ、アタシは良いわけ?」

「えっ?」

「美貴のことは心配ないわけ?」

「・・・・だって、美貴ちゃんは強い人だから・・・・」

「強くなんかないよ!」

「そんなことない・・・美貴ちゃんは強いし・・・
 それに6期の子たちも、5期の子たちだって、みんな美貴ちゃんのこと頼りにしてる。
 この一年足らずで、すっかり打ち解けて、みんなを引っ張ってる感じで・・・」
190 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 12:13
「・・・・・アタシは・・・・
 梨華ちゃんがいるから、やっていけるって思った。
 梨華ちゃんと一緒だから、戦えるって思ってた・・・・一緒だから・・・」

あっ、やだな・・・アタシ、涙出てきちゃってる・・・・こーゆーのキャラじゃないでしょ・・・
そんなアタシを、梨華ちゃんが、柔らかく抱き寄せて・・・

「大丈夫だよ・・・美貴ちゃんなら・・・私が保障する!」
なんて、髪なんかなでてくれてて・・・

これって、違うでしょ・・・
ぼんやりとだけど、アタシが慰めなくちゃって思って、ここに来たのに・・
これじゃ逆じゃない・・・だからついつい憎まれ口を利く。

「梨華ちゃんの保障じゃ、あてにならないでしょ!」

「だよね・・・
 でも、本当・・・マダマダ先のこと・・・一年もあるよ」

「一年しかないよ・・」

「ううん、一年って結構長いよ・・・・
 だって、ほら、美貴ちゃんが娘に入ってから、まだ一年だよ・・・結構色々あったじゃない・・」

そー言えば、まだ一年か・・・・
決まってからは、一年半だけど、本格的に合流したのは、ミュージカルから。
だから、本当にまるまる一年。

あの頃のアタシは、この人の立っている場所に、自分を立たせようって・・・・
のほほーんとその場所にいるみたいに見えたこの人が、なんか憎たらしいとさえ感じてた。
それが、いつからだったかな・・・そこに並んで立ちたいと思うようになって・・
で、最近になってやっと、はっきりと隣にこの人を感じられるようになって、
私の居場所は、この人の隣なんだって、堂々と言えるようになって・・・

それなのに・・・この人は、その場所からいなくなろうとしている。
191 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 12:28
あっ、これってもしかして・・・
この人にとってのごっちんの時に少し似ているのかな・・・

もちろん、ソロを経験してから入ったアタシとは違って、
まるっきりのゼロからスタートしたこの人が、その時のごっちんのいた場所に辿り着くには、
時間も努力もアタシのそれとは比べ物にならなかったろーけど・・・

やっと並んだのかなって思った時に、
そこにいたはずの人がいなくなるのは・・・同じ・・・

そんなアタシの思考を感じ取ったのかな・・・・

「・・・・ごっちんの時は・・・」
なんて、語り出す梨華ちゃん。

「二ヶ月もなかった・・・」

「うん・・」

「だから、色んなことあったけど・・・・ゆっくり考えたりする間もなくて・・」

「うん」

「捕まえた手が離れたのを・・・・きちんと握りなおすことも出来なくて・・・」
そんなところで、言葉を切るずるい人。

「・・・・ね、それって・・・・アタシには時間があるって・・・言いたいの?
 梨華ちゃんの手を捕まえとける時間があるって言いたいの?」

「・・・・・」
アタシの噛み付くみたいな質問に、応えることなく無言で微笑みかける梨華ちゃん。
その顔が、妙に大人っぽくて、その余裕が憎たらしいから・・・・
192 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 12:35
「美貴は離さないから!」
だから、あえて子供っぽく言う。

「えっ?」

「アタシは強いんだよね!」

「・・・・うん」

「それに、アタシは欲張りだ!」

「・・・ああ・・」

「だから、娘だって、梨華ちゃんだって・・・・一度手にしたものは離さない!」

「・・・・・」

「梨華ちゃんは、これで娘からも、アタシからも逃げられると思って清々してるかも知れないけど・・
 ・・・・・・逃がさないから!」

「あっ、でも・・・」

反論の言葉を続けようとする唇を・・・・・・・塞ぐ。


・・・・・・逃がさないから・・・・・
193 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 12:51
この人の卒業が、そのうちあるんだろうなってことぐらい・・・・
アタシだってわかってた。
それがたぶん、中途入学のアタシより、早い時期なんだろーなってことも。
だから、それ自体は、仕方のないこと。

でも、こんな早い時期の発表は・・・・
それに、その後に用意されているものが、まだ形さえわからないユニットっていうのには・・・・
そこには、アタシタチの預かり知らない、大人の事情が顔を覗かせている。

アタシタチはみんな、彼らのゲームのコマみたいなものだから、
アタシが娘になったことも、それぞれのメンバーの卒業も、新しく予定されてる増員も、
彼らの戦略の一つにしか過ぎないんだろーけど・・・・

時々、このゲームに勝算があるのかを、疑いたくなる。

誰の目にも力の劣るピッチャーを、次々と救援のマウンドに送り出す、
どこかの野球チームみたいに、いつ出るかわからない味方のホームランだけに頼ってるみたいで・・・
しかも、もっと悪いことに、このチームは、その頼みの主力打者を惜しげもなく放出し続けている。


梨華ちゃん、アナタの一年後から始まる新しい未来には、
灯りは見えているのかな・・・

梨華ちゃん、アナタのいなくなるその時からの娘の未来には、
光は残っているのかな・・・・・

194 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 13:02
16年後の将来を尋ねられた時のアナタの言葉・・・・

「やりたいことは、やり終えていると思う・・・」
って、言葉の・・・・やりたいこと・・は、その一年後からの未来の中で、
やり続けていられるのかな・・・・

それとも、この残りの一年の間に、
アナタはそれを、やりきってしまうつもりなのかな・・・・



でも、アタシは戦うよ・・・梨華ちゃん
アタシは戦い続けるよ・・・
たとえ、ゲームのコマの一つでしかなくても、
アタシはアタシの戦場で、
どんなに無様な姿になったって、戦い続けてみせるから・・・・


それで・・・
絶対この繋いだ手を、離してやったりしないんだから・・・
決して、みすみす逃してやったりしないんだから・・・・


195 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 13:15
だから、アタシは力を入れる。
その細い腰にまわした腕に力をこめる。

なのに・・・・・

その身体は、どこか虚ろで・・・
その顔にたたえられてる微笑みは・・・・どこか褪めてて・・・・

ねえ、梨華ちゃん、アナタは何かを悟っちゃったのかも知れないけど、
ねえ、梨華ちゃん、アナタは勝手に大人になろーとしているのかも知れないけど・・・・・


それって、絶対・・・似合わないから!!


必死に足掻いてこそ、石川梨華じゃん!
テンパって、空回りしてこそ、石川梨華だよ!

だから、アタシがそれを思い出させてあげる。
アタシの腕の中で思い出させてあげる。


一年先の卒業の準備なんて、マダマダさせてあげない!
一人で先に大人になんか絶対させない!


逃がさないから・・・・・


ね、梨華ちゃん・・・・逃げてなんか行かないよね・・・

逃げてなんか・・・・






196 名前:卒業A 投稿日:2004/05/25(火) 13:16



  「 卒業 A 」・・・・・・・・おしまい


197 名前:トーマ 投稿日:2004/05/25(火) 13:35
石川さん、卒業ですか・・・・
以前は、前のスレで書いたように、近いかなって思ってはいたんですけど、
安倍さんに続いてのWの卒業で、当分なくなったなって思ってたもので、
やっぱりショックですね。

それに、色々な大人の都合があるのでしょうが、このインターバルの長さは、どーなんですかね・・
本人の準備期間ってことは考慮しても、モヂベーションを保つのは大変じゃないのかな・・
世間的にも、まだいるの?みたいな感じになるんでしょうしね・・・
ひょっとすると師匠の保田さんがそうだったみたいに、7期のお披露目を兼ねた卒義様式になるのかな・・

それに、娘コンでってのはイイコトだと思いますけど、
出来たら飯田さんにも送ってもらいたかったなと・・
リーダーの抜けた後の半端な体制の中での3ヶ月間って・・・何か気の毒だし、
飯田さんへの送る言葉だって・・・まあ、老婆心ですけどね・・

長々と本文に関係ないことを書いてしまいました。

飯田さんも、石川さんも、残る娘たちも、今まで以上に大変だと思いますけど、
是非、頑張って、幸せでいつづけて欲しいと思います。

198 名前:トーマ 投稿日:2004/05/25(火) 13:36
・・・・・・・・・
199 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/05/25(火) 13:45
更新おつかれさまです。
リアルタイムで聞いてて、ワタクシも驚きました。
あるとしたら来年夏くらいと考えてましたから。

それはともかく、どんな思惑があろうと、それはワタシタチにも本人達にも、
結局はあずかり知れぬところでしょう。
見守って、応援していきたいですよね。
どういう形であれ、後悔のない日々を過ごしてほしいものです。

つうことで、マジレス申し訳ない。

離れていても、きっと大丈夫なそんな絆を作っていってほしいと、
そう思います。せっかくいい雰囲気になってきたんだから。二人とも。

200 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/25(火) 14:05
発表があって、こちらも更新していただけるかなと楽しみにしていました。
うまくいきかけての切ない展開は現実なのか妄想なのかわからなくなりそうです。

現実的にはどうなんだろうと思われた石川さんと藤本さんが本当に楽しいことに
なってきたなぁというところでの今回の発表には驚きました。
イシヲタとしてはもう応援していくだけという心境にいたっております。

これからもお話楽しみにしております。
201 名前:捨てペンギン 投稿日:2004/05/30(日) 01:13
更新、乙です
トーマさんの作品は、現実に追いついていて本当の意味でリアルですよね
自分もリアル作者のはしくれとして、この発表を小説で表現しようと思います(今のアホな作品終わったら)

そして現実でもここでも...がんばれ、田中れいな!!
202 名前:トーマ 投稿日:2004/06/08(火) 11:10
卒義様式って・・・・なんつー間違いだ・・・結構マジレスだったのに・・・鬱

>>199 さすらいゴガール様 ですね。ともあれ、後11ヶ月もありますしね
        その間に、リアルでも虚構の世界でも、色々なドラマを見せてくれることでしょう。

>>200 名無し飼育様    はっきり言って、どういうふうに書いていいものか悩みました。
        彼女たちの本当の心境はやっぱりわかりませんから・・・でもどちらにしても頑張って欲しいと思います。

>>201 捨てペンギン様   ありがとうございます。
        ネタバレになりそうなのでレスしてませんが、貴殿の「アホな(?)作品」楽しみに読ませて頂いてます。
        田中さんには本当に現実の世界でもっと頑張って欲しいものだと・・・


なんか重ためのものを続けてしまったので、少し軽いのを一つ・・・・
        
203 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 11:20

「ずるかー!」
「ふぇ?」
 
ミュージカルの稽古場。
アタシは、ボーっと他の人の稽古を眺めているデカイのを睨みつける。

「なしてアンタなんよ!」

「なに?」

「・・・・・石川さんとユニット組むのが・・・」

「あーあ・・・」

「わけわからん・・」

「・・・・ねえ、マジに答えていいかな?」

「う?」

「可愛いから!」

オイオイ、なんだその「ルン!」てな感じ・・・

「ちっ、それだけばい・・」

「あー、それからもう一つ大事なことあるかな・・」

「もー一つ・・・なに?」

「うん、スタイルいいから!」

「・・・・・・」
204 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 11:30
「水の妖精なんだよー・・・・ピッタリだよねー」

「・・・・・」

って、ヒラヒラとアタシの横をすり抜けていく・・・デカイの・・・
 
あーあ、確かにアンタは可愛いですよ。
そー思ってんでしょ、自分でも・・・・・てーか・・・可愛い・・・よね、確かに。
それに、背も伸びちゃって、足も長いですよ。
ついでに胸だって・・・うー、胸だって・・・くっくっ・・・泣くもんか・・・
あのぽろっとしてたお腹も引っ込んだみたいだし・・・スタイルいいよね、確かに。

だけど・・・・歌うんだよね・・・

サユと・・・石川さん・・・・
それって怖くない?
怖いでしょ・・・・普通・・・

205 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 11:41
って、もう一人の当事者・・・・
恐怖の歌唱力の持ち主が、立ち稽古を一段落させて、汗を拭き拭き近づいてくる。

あーあ、やっぱりキレイだよね・・・この人。
ついつい、じーなんて見ちゃってると、

「どーした?レイナ・・・・何かついてる私・・・」
なんて、小首傾げちゃって・・・・うーん、カワイイ!

「・・・・・・どーして、サユなんですか?」

「は?」

「ユニット組むんですよね・・・」

「あっ、らしいね・・・てか、期間限定ってヤツだよ・・」

「でも、歌うんですよね・・」

「・・・かもね・・」

「あのー、言わせてもらっていいですか!?」

「あっ、はい、どーぞ・・」

「アタシだけだと思うんですよ!」

「なにが?」

「6期の中で・・・カッコ藤本さん除くカッコトジ・・」

「は?」

「石川さんの歌唱力をカバー出来るのは・・・」

「あーあ・・」
206 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 11:55
「サユは超えてます!」

「うん・・」

「はっきり言って、サユのは、破壊的です!」

「うん・・・・知ってる・・」

「どーしてアタシを指名してくれなかったんですかー
 知ってますよねー、アタシが石川さんのこと好きなの・・・・」

「あー、はい・・」

「さっさと卒業とか決めちゃって・・・それじゃなくても鬱なのに・・」

「・・・でも、きっとあと一年の間に・・・何かあるよ・・」

「えっ?」

「レイナと組んで何かやらせてもらえるよ・・きっと・・」

「本当ですか?・・・・それ・・・」

「うん、たぶん・・・・ううん、絶対・・」

「それ、信じていいんですよね・・」

「あっ、うん・・」

「なら、今度のことは我慢します。期間限定ですし・・
 石川さんとサユの恐怖のハーモニーも頑張って聞いてみます!」

「って、何気に・・・ひどいよね・・・それ・・」


「たなかー、出番だよー!」
「ハーイ」
 
207 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 12:08
 
「てかさ、いいの・・・あんなこと言っちゃって・・・」

「あっ、美貴ちゃん・・何のこと?」

「田中ちゃんと何かやるって・・・」

「あーあ・・」

「何か当てでもあるわけ?」

「ううん・・・・でも、たぶんあるよ何か・・」

「って、もしかして本当に重さんのこと指名したの?・・・梨華ちゃんが・・」

「な、わけないじゃん。てか、私にそんな力・・・あるわけないでしょ・・」

「だよね・・」

「そーだよ、そんな力あったら・・・・タンポポ・・・・」

「あっ、その話は、生々しくなるから・・・」

「うん・・・」
なんて、何気に暗くなってる黒い物体。
やっぱ未練とかあるのかな・・・・てか、フェードアウトはきついか・・・
アタシのソロみたいに・・・って、これはまだアリだよね・・・ね、ね!
ヤダナ、アタシまで落ち込みそーじゃん・・・
話、戻そ。
 
「でも、マジにあの子はその気になってるよ・・」

「あーあ、うん・・・でもさ、きっと何かあるって・・・そーゆーもんだよ・・」

「そーなの?」
208 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 12:26
「うん、ほら、私の場合、美貴ちゃんと違って、何気にピンってないじゃない・・
 卒業してからだって、ユニットって言われてるし・・・・」

「だね・・」
って、それは・・・・・歌唱力の問題でしょ・・・・

「それでさ、娘ってなんだかんだ言って、それぞれに絡ませてくれるのよ・・」

「う?」

「同期はさ、同期で色々あったし、かおタンと矢口さんはタンポポで、
 あっ、コンノとガキさんもね・・・・高橋はHPNのチャミラブだったし、
 マコトとは、食わず嫌いとか、一緒の仕事多かったし、
 で、今度サユとエコモニでしょ、で、亀ちゃんとは・・・・幸薄・・・・」

「って、あれもかよ!」

「って、アレ、結構、私的にはツボなんだけどなー」

「なの?」

「うん!・・・チリーンって・・・」
って、例の手招きなんかしちゃって・・・・

「ダメ、ダメ・・・それホント怖いから・・・」

「そーおー・・・・でさ、今までのメンバーだって・・・
 中澤さんとは、HPNで、ずっとお世話になったし、保田さんは教育係で、ずっと面倒見てもらったし・・
 ごっちんは・・・・文麿様で・・・ハァ・・」
って、そこで溜息なんてつくなよ・・・・オーイ、遠い目なんかしてんじゃないの!

「あのー、もしもし・・」

「・・・あー、うん・・・で、絡み少ないなーって思ってた安倍さんともさ、
 最後にドラマやらせてもらって・・・」
209 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 12:36
「あー、なるほどね・・・・美貴とは?」

「えっ?・・・・美貴ちゃんとは、映画やったじゃない・・」

「あー、やったね。そー言えば・・・」

「そー言えばって・・・・忘れてたの?」

「じゃないけど・・」
てーか、ずいぶん前のことのような気がするよね・・・
あの時は、今とは気持ちも何もみんな違ってたし・・・

「それにラジオだって・・・」

「あー、そーかな・・・また生でコラボしたいよね・・」

「うん!」

「まあ、石川さんとしては、満遍なくメンバーと絡んでるってことか・・」

「うん、だからレイナとも何かあるんだろーな・・って・・これから・・」

「そーゆーことね・・」

「そっ、そーゆーこと!」
210 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 12:48
「・・・・・で、マジに歌うの?」

「へ?」

「だから、エコモ二って、マジに歌っちゃうわけ?」

「・・・・みたいよ・・・」

「何かそれって、ものすごくチャレンジャーだよね・・・」

「あーあ・・・って、ヒドイよね・・みんなして・・・」

「でも、正直、梨華ちゃんだってそー思うでしょ?」

「・・・・うん・・・・かなりね・・・・」

「どーしてやるのかなーそーゆーこと・・・」

「うーん、あのさ・・・・ソレって、きっと中居君の君が代みたいなものだよ・・」

「は?何それ?」

「あーあ、美貴ちゃんは野球とか見ない人だっけ・・・」

「うん・・で、何それ?」

「あのね・・いつだったかな・・前にね・・プロ野球の巨人戦の開幕試合でさ・・
 そーゆー時って、誰かゲストの歌手呼んでね、君が代を歌うんだけどさ・・・アカペラで・・・
 それをね・・・あの中居君がやったわけ・・・」
 
211 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 12:57
「マジで?」

「うん・・」

「アカペラで?」

「うん・・」

「へー、すごいね・・・・それ・・」

「うん、すごかった・・・・でもね、それのね視聴率よかったんだって・・・」

「フーン・・・でも、美貴もそれ知ってたら見たかったかも・・」

「でしょ、人間ってさ、そーゆーとこあるじゃない・・・なんつーの・・怖いものみたさ・・みたいな・・
 ほら、紅白でもさ、スマップの生歌って、それなりに興味あるでしょ・・」

「あるねー、それ・・・自分らのことは棚に上げて・・・どんだけハズスかってね・・」

「でしょ・・・だから、そーゆーことよ・・きっと・・」

「何が?」

「だからー、エコモニ・・・」

「あー、なるほど・・・」
って、当人がそーゆーこと言っちゃってていいわけ?

212 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 13:06
「まあ、私としては、頑張ってみるけどね・・・かなりのドキドキものだよね・・」

「まっ、確かに、妙に見てみたいかも・・てか、かなりの見物・・・あっ、聞き物か・・」

「うん、だから、きっとそーゆーことなんじゃないの・・・・ハァ・・」
なんて、また溜息ついちゃった・・・・それも相当に大きいヤツ・・・



「梨華ちゃーん!ハロモニの取リやるってよ!」
って、ちっちゃいのがおっきな声出して・・・・

「ハーイ・・・じゃあね・・」
って、別撮りに楽屋に向かう梨華ちゃん・・・
まあ、彼女も大変てーば・・・・・大変だよね・・・色々。
213 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 13:17

「よっ!ミキティ・・・水入らずのトコ邪魔して悪かったな!
 ラブラブとかしてたのか、コノコノー!」

「違いますよ・・・こんなトコじゃしませんって・・」

「かー?」

「ええ、美貴はプライベートは、もーかなり余裕ですから!」

「へー、そーなんだー・・・・」
って、いつの間に・・・・

「てか、話してたんですよ・・・エコモニの・・・」

「あーあ、何かやるんだってな重さんと・・・期間限定ユニットとか何とか・・
 ありゃ、つまりは文化祭の宣伝なんだろ・・」

「なんですかねー、なら、別にわざわざユニットとか作らなくても・・・」

「あー、でも、新ユニットなんて方が、取り上げてもらえるからな・・マスコミにも・・」

「そんなもんなんですか?」

「そんなもんだろ・・・・・しかし歌うんだよな・・・大丈夫か・・アレ・・」

「ですよね・・」

「まあ、ビジュアル的にはかなりのもんだろーけどな・・」
214 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 13:32
「でも、なら、美貴と並んだ方が良くありません?」
って、オイ・・・しょってんなコイツ・・・・まあ、確かにそれもキレイだろーけど・・

「でもな、アレは・・・重さんの売り出しも兼ねてのことだろ・・」

「は?」

「娘って言ってもな、14人もいちゃあ、一人一人はな・・・
 特にミキティ以外の6期は、マダマダ世間の認知度低いからな、
 小分けにして売ってくんじゃねーの・・・これからは・・」

「ですかね・・」

「だろーな、たぶん・・・・辻加護に続いて、カオリと梨華ちゃんの卒業じゃあな・・・
 もっと、一人一人が目立ってかなきゃ、しょーもないだろ・・」
誰かさんに、オイラしかわからないとか言われちゃってたし・・・・

「でもなー、本当、大丈夫なんかな・・・アレ・・・別に歌わせなくてもいいのに・・・」

「何か、中居君の君が代らしいですよ・・」

「う?・・・なんだそれ?」


「藤本さーん!出番ですってよー!」
って、小川・・・・・またノソノソしちゃって・・

「あいよ・・・じゃ・・」
って、駆け出してくミキティ。
あいつ、さっきプライベートは余裕とか言ってたよな・・・それどーゆーこと?
今度、梨華ちゃん捕まえて、じっくり聞いてみる必要がありそーだな・・
215 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 13:41
「矢口さーん、何してるんですかー」
って、あーあ大口開けちゃって、アイドルの顔じゃないだろソレ・・

「あー」

「ねー、何話してたんですかー」
ホント大きな口だよね・・・一度その中に、何か投げ入れてろーかな・・

「ああ、エコモニの話だ・・」

「あー、あれ、何気にすごいですよねー」

「あー」

「ありですかねー、あーゆーの・・・」

「あー・・・」

「アタシタチ、一応歌手ですよねー・・」

「あー・・・・」

「ビジュアルだけって・・・ありですかねー」

「・・・・・・」

「何の話してんですかねー」って、ガキサン・・

「ねー、何れすか・・」って、ツージー・・

「なんやねん・・」って、あいぼん・・

小川の横に・・・三人が並んで・・・・・
216 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 13:52
うう・・・・

もちろんオイラも含めてだけど・・・・
ちっこかったり、太っていたり・・・それから・・・その先は・・・言えない・・・


「うん、アリだ!!」

「へっ?」

「うん、大いにアリだ!!」

「何がですか?」

「アリだ!エコモニ!!」

「へ?」
?を頭に浮かべる妙に子供子供した子達・・・・・

「アイドルなんだもんな・・・モーニング娘。は・・・」

「は?」

「ビジュアル優先、大いにアリだ!」

なにやら憮然としている・・・小川・・
わけのわかってない・・・ガキサン・・・あっ、これはいつものことか・・

で、Wの二人は・・・悪戯の標的を探して、駆け回ってる。
あーあ、アイツらはあいつ等で・・・・ソレはソレでええやんってな感じ・・・
ちっこくても、太ってても、足が短くても・・・ソレはソレで揃ってるわけで・・・
217 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 14:04

娘は・・・・デコボコが売りの一つで、
オイラとカオリの背の高さとか、裕ちゃんと最初は明日香の歳の差とか・・

でも、いつの間にかアイドルだもんね・・・・
やっぱ、コントばっかりやってるわけには行かないでしょ・・・

短いスカートはいたら、カメラマンが喰らいついてくるくらいのビジュアルは必要なわけで・・・


「な、小川、ビジュアルは大事だろ!」

エコモニ、万歳だ!

・・・・・

でも、マジで歌うのかよ・・・・


何かそれって・・・・
地球の環境に悪影響与えないか・・・・・

何、なに・・・・石川が動いたりしゃべったり・・歌ったりすると、
場の空気が冷えるから、地球温暖化対策になる・・・・って、
そーゆーことなわけ?



218 名前:エコモ二? 投稿日:2004/06/08(火) 14:05
 


  「エコモニ?」


                     おしまい
219 名前:トーマ 投稿日:2004/06/08(火) 14:07
 
くだらない話、すいません。
220 名前:トーマ 投稿日:2004/06/08(火) 14:08

 ・・・・・・・・・
221 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/08(火) 20:40
エコモニ。の歌はぜひ聞きたい!

道重さん、ホントに言いそうなせりふですね。
おもしろかったです。
222 名前:捨てペンギン 投稿日:2004/06/09(水) 00:06
でも、道重さんも当初にくらべれば大分うまくなったような...
223 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 21:58
昨日見つけて、頭から読んで、やっと追いついた!( ´ Д `)ハア。。。
途中の板違いの雑音もあったけど、頑張れ作者さん♪

セットの種類がいろいろあるよー♪ が、
モーニングのコンセプトだったやないですか。

ビジュアルだけも大いにアリだーっ♪
224 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/17(火) 22:53
作者さんの書くりかみきが大好きです。
225 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/21(土) 21:18
保全
226 名前:トーマ 投稿日:2004/09/03(金) 09:21
>>221 名無し飼育様   どうもラップもどきだったようで・・
            どーせなら、思いっきり、バラードでもやっちゃえばいいのに・・

>>222 捨てペンギン様  ですね。でもあの衝撃のオーディションは忘れられません。

>>223 名無し飼育様   ありがとうございます。
            期間延長のようで・・この際だから、CDデビューしちゃえばいいのに
            某お子様グループよりは、遥かに受けると思うんですけどね。

>>224 名無し飼育様   まだまだマイナーCPみたいですけど、自分としては、この二人は会話させやすいんですよね・・

>>223 名無し飼育様   保全ありがとうございます。


さて、長い夏休みも終わり・・・・って、勝手に休んでただけですけど・・少し書きます。
227 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 09:38

コンサートの控え室。
膝に広げた雑誌に、ぼんやりと目を落としていると、
誰かが、背中を突付く・・・・

「!・・・・のん?」
振り向いた先には・・・・・・れいなの少し困ったような半笑い。

「あっ、ごめん・・・・なあに、どーした?」

「・・・あのー・・・あのことなんですけどー・・・いえ、いいです。すいませんでした!」
少し何か言いかけて、すぐに言葉を飲み込んで、ちょこっと慌てたように一礼すると、
小走りに・・・サユと亀ちゃんの間に戻っていく小さな後ろ姿。

それを見送りながら・・・・思わずこぼれる小さな溜息。

「コラ!ふーとか、やってんじゃないの!」
隣でMDを聞いていた美貴ちゃんが、そのイヤフォーンをはずしながら、
・・・・睨む。
やっぱり、怖いんですけどー・・その目。
でも、そーだよね・・

「うん、だよね。ちょっとボーっとしてて・・」

「もー、さっき、静かだね・・もーいないんだよねって確認したばっかじゃない・・」

「うん・・・だから、ボーっとしてて・・」
228 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 09:53
「たくー!ぼんやりしすぎ!
 なんか、田中ちゃん、かわいそーだった・・」

「あっ、うん・・悪いことしちゃった・・・・・ダメだね私・・」

「ほーんと、まじダメダメだわ・・最低最悪にダメ!」

「もー、自分でもわかってんだからさー・・・そんなにダメダメ言わないでよ・・」

「まーね、梨華ちゃんのダメはいつものことだからねー。
 まあ、わかるけどね・・・・よっちゃんさんもさ、さっき後ろから抱きついたまこっちゃんに、
 あいぼん?とか言っちゃって、泣かせてたしね・・」

「そーなんだ・・・うん、やっぱさ、ずーっと一緒だったからね・・・長いことずっと・・」

そー、ずーっと一緒で・・
もちろん、たぶんこの中の誰より多忙なWの二人が、同じ楽屋にいないことは、前からよくあったこと・・

だけど・・

娘のコンサート前のこの控え室に、あの二人の賑やか過ぎる声がしないのは、
今日が初めてのことで・・

もう4年以上になる私のこの世界での生活の中で、
それは本当に、初めてのことで・・

だから・・・・・

229 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 10:09
「でも、たった二人いないだけなのに・・・全然ちがうよね・・やっぱ・・
 なんか、すっかり静かで・・」

「うん、美貴ちゃんも怒る相手がいなくて淋しいでしょ・・」

「あー、うん・・ちょっと張り合いないかな・・」

二人がいなくても、年頃の女の子の集団に変わりはないから、
それはそれなりにカシマシイのだけど・・・・
やっぱり、どこかトーンが違うというか、ボリュームが違うというか、
どこかそれぞれに遠慮がある感じで・・・・

「それにさ、梨華ちゃんの百面相も見られなくなっちゃったし・・」

「えっ?百面相・・私の?」

「うん・・・てーか、美貴、一つわかったんだ・・」

「何が?」

「・・・梨華ちゃんってさ、すごく表情が忙しく変わる人だなって思ってたけど・・・」

「けど?」

「このさ、ライブのためのレッスンとかしてたじゃない、ここのトコ・・」

「うん」

「その時の梨華ちゃん見ててさ、最初、元気ないのかなって思ってたんだけどさ・・」

「そんなことないよ、元気はちゅらちゅー!」

「キショ!って、ヨン様かよ!
 って、わかってる。でさ、何でそー見えんのかなーって考えたら・・」

「うん」
230 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 10:30
「あっ、今までみたく色んな顔しないから、そー見えんだなって・・」

「えっ?」

「うん、今まで、梨華ちゃんの表情動かしてたのって・・・やっぱあの子達だったんだなって・・」

「あっ・・」

「怒ったり、困ったり、大笑いしたり、すぐばれる泣きまねしたり、テレビには映せないような変顔したり・・・
 本当に呆れるくらいクルクルと色んな表情してたのって、
 やっぱあの二人が、ちょっかい出してからかったり、騒ぎまくって困らせたりしてたからなんだなって・・」

「あーあ、うん・・・・・そーかも・・」

そうだったのかもしれない・・・
今まであまりに日常的なことだったから、そんなふうに考えたこともなかったけど・・

もちろん、他の人達だって、矢口さんや、よっちゃんや、この美貴ちゃんだって、
私のするバカなことや、見当ハズレの言葉なんかに、それなりにつっこんだり、からかったりするけど、
あの子達は、そんなのとはレベルが違ってて・・・

ほら、これ可愛いでしょ・・とか、買ってきたばかりのピアスなんか見せると、
そのまま取り上げて、飲み込んじゃうふりをしてみたり・・
お弁当ちょうだいとか言うから、分けてあげようとすると、箱ごと取って、ホントに全部食べちゃったり、
ステージに向かう通路で、いきなり私の衣装の背中のファスナー全部下ろしちゃったり、
ダンスレッスン中なんか、突然二人して襲い掛かってきたりして・・・・
 
本当に予測不能で、思いっきり乱暴で、
いくら注意しても聞かなくて、いくら追いかけても捕まらなくて、
本当にしょうがない子供で・・・・

231 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 10:42
そんな二人に、私は何時だって振り回されてて、
何時だって遊ばれてて・・・

それなのに、ちっとも憎めなくて、
そんなだから、きっと、なおさら可愛くて、
・・・・本当に可愛くて


「ほら、また自分の世界に入ってる!」

「あっ・・」

「しっかりしてよ、お母さん!
 子供たちは、とっくにしっかりと自分たちのツアー、スタートさせてんだからね!」

「あ、うん・・・てーか、美貴ちゃんまでお母さんはひどくない?
 まだまだ二十歳前の乙女なんだぞ!」

「キショ!誰が乙女だつーの!」

「もー」

「・・・・・・でも、やっぱ本音はかなりお母さん気分だったんでしょ?」

「あー、うん・・そーかな・・・うん、そーだね、少しそんな気分だった・・」
232 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 11:06
娘は・・・特に私たち4期は、年が少し離れてることもあってなのかな、
友達ってより、最初から家族みたいだった。
でもそれって、姉妹ってゆーか、私は最年長だから、自然と長女かなって・・・

それが・・・・もしかして、あの頑固一家のせいなのかな・・
ここんとこすっかりお母さんにされちゃった。

特にあの子達の卒業が迫ってからは、わざとなのかな・・かーちゃんとか、ママとか呼んじゃったりして・・

よっちゃんには、とーちゃんよかマシだって言われたけど、
19で子持ちはないよね・・・って、思ったんだけど・・

でも、それなのに決していやな気分はしなかった・・・

あっ、なんだかんだ言っても、やっぱりどこかで頼ってくれるんだなって、
甘えててくれてるんだなって、素直に思えて・・・うれしかった。

特にあいぼんとは、色々喧嘩みたいのもあって・・
本人いわく、反抗期だったらしいけど、べったりしてくれてたのんとは違った微妙な距離が出来てたりして、
タンポポじゃなくなってからは、ユニットとかでも一緒になることがなくなっちゃって、
このままで卒業なんてことになったら、本当にどこか遠くに行っちゃうんじゃないかって少し不安に思ってたら、
あの子の口から、家族って言葉が出てきて、
やっぱり、切れることのない縁で繋がってるんだなって、
あの子もそう思っていてくれたんだなって・・・・正直に、嬉しかった。

「で、かーちゃんとしてはさ、しっかりと子供たちの巣立ちを見送ったわけだからさ・・」

「うん」

「そろそろ、子離れしなくちゃね!」

「うん・・そーだよね・・子離れか・・」

でも、やっぱり世間でよく言うように、
子供の親離れより、親の子離れの方がきっと・・・・難しい・・
233 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 11:23
だから、やっぱり、最後のステージは来なければいいと・・・・思ってた。

8月になんてならなきゃいいって、それまでで時が止まっちゃえばいいって・・
どこかで・・・願ってた。


「あのさ、あの歌・・・・・I WISH・・・美貴、初めてあの曲いいなって思った。
 なんか感動物だよねって・・・本気で思っちゃった・・」

「あーあ、うん・・・いい曲だよね・・」

二人が娘としてのラストに選んだのは・・・I WISH・・・
「亜依と希美」なんだよ・・・とか、言ってたけど・・・

あの曲は私たち4期が、初めてソロパートをもらった、たぶん本当の意味でのデビュー曲。
わけもわからないまま、後ろの方で遠慮がちに娘に混ぜてもらってるようだった、ハッピーサマーとは違って、
ごっちんとあいぼんを中心にして、私たちがステージの前の方に立たせてもらった思い出の曲。

でも、たぶんそれだけじゃなくて・・・

今まで何度も歌ってきたけど、
あらためて、あの子達のラストステージだと思って噛み締めてみると・・・
なんか思ってたより、ずっと深かった・・・・歌詞。

あれって、もしかして、私たちのこと・・
そのまんまなのかなって・・・・・
234 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 11:38
”一人ぼっちで少し退屈な夜
 私だけが淋しいの?・・・”

そんなふうに思い悩んだ日々もあって・・

”くだらなくて笑えるメール届いた
 なぜか涙とまらない Ahありがとう”

そんな時は必ず、メンバーの誰かから、メールや電話があって、
バカな話、変な顔・・・・それから、たっぷりの思いやり・・

”誰よりも私が私を知ってるから
 誰よりも信じてあげなくちゃ!”

前向きにって、ポジティブにって、自分を信じて、仲間を信じて・・

”誰かと話しするの怖い日もある
 でも勇気をもって話すわ、私のこと”

少しずつみんなの中で、それぞれのキャラを出して、理解しあって・・

”晴れの日があるから、そのうち雨も降る
 全ていつか納得できるさ”

オーディションに合格して、夢に見た娘に入ることが出来て、
夢見たいな日々が続いて・・・・でも・・・

それは、やっぱり納得しなくちゃいけないことで・・・


235 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 12:08
確か以前、アヤカさんから、こんな感じのことを聞いた覚えがある。
WISHは、かなわないんだよなって・・・・
requestやaskみたいに、現実的な願望と違って、どっちかって言うと祈りかなって・・
とてもかないそうもないことへの、漠然とした願い・・・
例えば、世界平和とか・・・・みたいなことを何気なく話してた。

だから、あの曲は、やっぱり私たちの心情・・・・そのもの。

卒業の度に、その日が来なきゃいいって願って・・
何も変わらず、このままがいいって・・・・思って・・

でも、それを望むことは、
モーニング娘。の一員としては、最初から矛盾した発想。絶対かなわない夢。

増員があって、卒業があって・・・そうやって変化していくのが・・・娘。

もし、娘が変化して行く道を選んでいなかったら、
今のメンバーの中では、それを名乗ることができるのは、飯田さんだけになってしまう。
私自身だって、曲りなりにでもこうして娘を名乗ることができるのは、
常にメンバーの入替えがあるそのシステムのおかげで、
解散と言う道を選ばない限り、たぶんこれからも繰り返される卒業と新加入。

だから、それをある時点で、変わらずにと願うことは・・・・自分勝手過ぎる願望。

もちろん、娘に限らず、この世界は変化し続ける。
時の流れは、何時だってとどまることを知らないで、
一定の速度で一定の方向へと・・・流れている。
それを押しとどめることは、きっと神様にだって出来ない。

娘はたぶんそれをデフォルメして、わかりやすく演出しているだけ・・・・・

でも、やっぱり、
心の底では、かなわないことを願ってやまない声がしている。

このままここに・・・・とどまっていたい・・・・と
236 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 12:23
「ほら、また、ボーっとしちゃって・・
 そんなに交信ばっかしてると、飯田さんになっちゃうよ!」

「あっ、ごめん・・・って、失礼な!」

「失礼って・・・そりゃそーだよね・・いくらなんでも今のは、リーダーに対して失礼だったよね・・」

「うん、そーだよって、そっちかよ!・・・・まあ、そーだけどね・・」

「てーか、リーダーって言えばさ、あっちに行ってやんなくていいの?」

「えっ?」

「ほら、今日が初ステージなんだよね・・」

「あっ!そーか、そーだったよね・・」

「もー、そーかじゃないってーの!
 何だっけ、ほら、変な名前の・・新ユニットの・・アンタが一応リーダーなんでしょ!」

「なによ!その変な名前ってゆーの・・・・カッコイイじゃない・・・美勇伝・・・」

「かー?!梨華ちゃん、本気でそー思ってる?」

「うん!思ってるよ・・・・・少なくともごまっとうよりはマシでしょ?」

「えー、かー?・・・・まあ、イイ勝負かな・・
 なことはどーでもいいんだけどー」

「あっ、うん、ちょっと行って来るね!」

「うん、行っといで!」
237 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 12:31
美貴ちゃんに背中を押されて、新しい仲間のいる小さな控え室に向かう。

そうなんだ、私たちは、一秒たりともとどまることは許されていない。
卒業を急かされるように始まってしまった新しい活動。
新しい仲間との出会い。

別れと同じくらいに、ううんいつもそれ以上に、用意されている新しい出会い。


”人生ってすばらしい
 ほら、いつもと同じ道だってなんか見つけよう
 Ahすばらしい Ah誰かと巡り会う道となれ!”

きっと新しい仲間とも、今までのメンバーと同じように、
そのうち家族のようになれて・・・・
238 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 12:48
それにしても・・・美勇伝・・って・・

つんくさん、新撰組でも見てる時に思いついちゃったのかな・・
それとも気志団とか?

何ですか?それ?って思わず聞いたら、

「まあ、娘かて、メロンかて最初はなんや変な名前やなって言われたもんや・・
 こーゆーのんは、それなりに売れて、慣れてきたら自然にイイ名前になんねん・・
 それより、最初はインパクトが大事なんや!」
とか、言ってたけど・・・

そーなんだよなきっと・・・・って思うことにした。
すごくカッコイイ名前なんだって・・・・信じることにした。

だって、来年になったら、完全にモーニング娘。の石川梨華から、美勇伝の石川梨華になるんだもんね。
まっ、きっとその頃には、充分に馴染んで、何の抵抗もなく愛着が湧いてる・・・と、思う。
きっと、そのためにも、この時期から活動を始めるのだろうし・・・


トントン
「あけるよー、オハヨー!」

「あっ、おはようございます・・」

ドアを開けると、私の顔を見て、慌てて席から立ち上がる二人。

「あっ、いいのに立たなくて・・・・てーか、座って・・」

「あっ、いえ・・」

モジモジしている二人を座らせるために、
私も空いている椅子を一つ引いてきて、腰を落とす。


239 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 13:02
「どう?」

「あっ、はい・・・・緊張してます・・」

「あっ、そりゃそーだよね・・私だって、未だに本番前は緊張しまくるし・・」

「あー、はい・・」

「でもね、それって当たり前のことだから・・・
 緊張して大変だーって思わないで、緊張してるから、さーやるぞ!みたいな・・」

二人の頭の上に?が浮かぶ・・

「もしかして私、わけわかんないこと言ってるかな?」

「あっ、いえ・・なんとなく・・わかります・・」

「うん・・・でも本当、そーなんだよ・・・・ステージに上がるのに緊張しない人なんていない。
 私も初めての時は、記憶にないくらい舞い上がっていたけど、
 先輩たちにみーんなそーなんだって聞いて、少しは安心したから・・・
 それから、人を三回飲むの・・・」

「は?」

「あっ、これ、すごくベタなんだけどさ・・・古いって言われるしね・・
 でも、ほら、私の師匠はなんてったって、あの保田さんだからさ、
 どっかおばさんくさいのうつっちゃったんだ・・」

「あー、はい・・」
って、三好さんの口元が少し緩む。

岡田さんは・・・・そのままだけど・・てーか、この子さっきから一言も発してないよね・・
表情固まってるし・・・まっ、こんな感じのキャラなのかな・・コンコンや、サユみたいな・・
240 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 13:16
「あっ、それから・・そのー、敬語とかじゃなくていいから・・」

「あっ、でもやっぱり大先輩ですし・・・」

「大先輩って・・なんかそれヤダナ・・すごく年寄りみたい・・三好さんはさ、同い年なんだしさ・・
 まあね、私も最初そーだったけどね・・・だんだんにね・・
 てゆーか、美勇伝に関して言えば、年とかキャリアとか関係なく、同じスタートラインからだって思ってるから、
 同じ仲間としてやっていこ!
 もちろん、私のできること、教えられることはちゃんとするから、遠慮なく聞いてくれていいから・・」

「あっ、はい・・」

「・・・・じゃあ、また後で来るから・・・」

「あっ、よろしくお願いします!」

「うん、こちらこそ、よろしく・・」

ドアを閉めると、中から溜息が聞こえるようだった。
もしかして私、かえって緊張させちゃったのかな・・

そりゃそうかな・・・・私も最初の頃、安倍さんとかごっちんとかと話すのって・・
テレビの中の人だーみたいな感じで、不思議で、すごく舞い上がって・・・
だから、あの子達もそのうち慣れるんだよねきっと・・
241 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 13:30
それにあの子たちは・・・・


私が乗り込んだのは、大きな海を悠々と先頭を切って走ってる大きな船で・・
ある意味、乗り込みさえすれば、目的地に運んでくれれて、
しかも、同じオーデションを受けて、一緒に旅立つことの出来た仲間がいて・・

それに比べてあの子たちが、乗るように言われた舟は・・・
どこに向かってるのかもよくわからない出来たばかりの小さな舟で、
しかも、舵を取るのが、ずいぶんと頼りない船長で、
それに、二人はそれぞれ別の道からここにやってきて・・・

だから、あの頃の私より、たぶん何倍も不安で・・

だからたぶん、船長が大きな船に乗っている間に曳航して走りだすのかな・・
大きなエンジンで出来るだけ、沖まで引っ張って行くのかな・・

・・・・でも、沖の方が波は高いから・・・

242 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 13:51
戻った娘の部屋は・・・・慌しかった。

「少し早いけど、リハ始めるって」

「そーなんだ」

「またフォーメーション変わったから、最後の確認だってさ・・」

「あっ、うん・・」

誰かが抜けたり入ったりする度に、少しずつ変わるパート割や、ダンスフォーメーション。
レッスンは充分に重ねてきたけど、やっぱり本番のステージの上はまた少し雰囲気が変わるから、
念には念を入れる。

そうなんだよね、私たちには、感傷にのんびり浸かっているような時間は用意されてなくて・・・
ていうか、それだからこそ、どうにかやっていける。
何時だって、無意味な考えに思い悩むヒマなんてないくらいに、
懸命にやっていなければ・・・・大きな船からだって落ちかねないから・・・

そう、それでもやっぱり・・・

”人生ってすばらしい ほら誰かと出会ったり恋をしてみたり
 Ahすばらしい Ah夢中で
 笑ったり泣いたり出来る”

でも・・・・
そういえば、ずっと前、誰かがぽつりと言ってた。
ケメちゃんだったかな、カオたんだったかな・・・・それとも安倍さんだったかな・・

普通は、前向きの曲なら・・・
雨が降ってるけど、いつか晴れるって感じの詩になるはずなのに、
これって逆だよねって・・
晴れの日があるから、そのうち雨も降る・・・って、
それを納得できるって・・・・何かの暗示なのかなって・・・

それに、誰かときっと巡り会うんじゃなくて、
めぐりあう道となれ!・・・・って、ちょっと無責任ってゆーか、やっぱり先はわかんないぞみたいな・・・
243 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 14:16
・・・・・・
私にはやっぱり、難しいことはよくわからない。

つんくさんがあの曲を書いた時点で、どれほどの思いを込めたのか、
それは私なんかの想像が及ぶところではないんだろう・・・・と思う。
特に、わからないのがラストのフレーズ・・
何であそこは「でも」から始まるんだろ・・・・

”でも笑顔は大切にしたい・・・愛する人のために”

だからじゃなくて、でも・・ってことは、
愛する人は歩いてく道と違うところにいるのだろうか・・
本当に、よくわからない・・・

でも・・・・

隣でダンスの確認をする美貴ちゃんと、ちょっとぶつかる。
だから・・・
ごめんの代わりに、たまには特別大サービスの極上の笑顔・・・

そしたら・・

「キショ!」
って、思い切りお尻を叩かれた。

「イタッ!」
もー、後、一年もこーしていられないんだからねー、大事にしなさいよねー!
てな感じで、涙目で睨んだら、

「ごめん・・」
って、叩いた部分をさすってくれる・・・・・んだけど・・
あのー、もしもし・・そんなになでなでしなくても・・・
てーか、それじゃただのセクハラだよー!藤本さん!

ほら、そんなこと何時までもしてると・・・

周りの10人が、声を揃えて・・・・一斉に、
「「「「「キショ!!!」」」」」
って、なんてチームワークいいんだろ。
その後は、お決まりの・・・・大笑い。


新生モーニング娘。は・・・・・

やっぱり・・・・・・・・・モーニング娘。です!


244 名前:I WISH 投稿日:2004/09/03(金) 14:17
  


   「 I WISH 」・・・・・・おしまい


245 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/04(土) 20:37
おかえりなさい
更新嬉しいです

新生モーニング娘。とともにトーマサンのお話楽しみにしています。
246 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/05(日) 21:00
同じく更新嬉しいです!
今回のお話もすごく良かったです。
色々考えさせれましたー
247 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/06(月) 15:36
どうして四期モノはこんなに泣けるんだう。
オリメンとは違う形の土台を築いたからだろうか。
七期の募集も発表され来年の今頃は
大きな船は何処を航海しているでしょうね。。。
248 名前:トーマ 投稿日:2004/09/09(木) 09:31
>>245 名無し飼育様  ありがとうございます
         こんな駄作でも待っていてくださる人がいると思うと、本当に励みになります

>>246 名無し飼育様  ありがとうございます
         連作の形をとっているわりには、結構バラバラな雰囲気になっちゃってるみたいで、
         一つ書く度に、こんなんでいいのかなって自問したり、反省したり・・
         でも、結局はその時々に書きたい物を書くしかないのかなと・・・・

>>247 名無し飼育様  4期については、たぶんファンの間でも賛否両論あるのでしょうが、
         良くも悪くも娘を今の形のアイドルとして定着させたのは、彼女たちの功績だと思います。
         そしてたぶん半分の必然と半分の偶然が生み出した絶妙のバランスが彼女たちにはあって、
         4人のウチの誰一人を欠いても、今の娘も彼女たち自身もなかったと思います。
         ですから、こういった形で其々が別々の道に分かれることは、やっぱり残念なことだと思います。
         もちろん、芸能人としてのスキルが高い彼女たちのことですから、
         別々のところでもしっかりと活躍してくれるとは信じていますが・・・
         大きい船は・・・・荒波の中に巻き込まれていなければいいのですが・・もちろん小さな方の舟も・・


なんか長々語っちゃって・・・・
ハイ、気を取り直して、今回は一度はご登場願おうかと前々から思っていた、あの方に仕切ってもらいます。
249 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 09:52

ハーイ!お待たせいたしました、エリザベス・キャメイです!
えっ、待ってなんかいないって・・・そんなこと言わないで下さいよー
キャメイといたしましては、なかなか出番が来ないんで、とーってもウズウズしてたんですからー

そーですよー、今回はなんと、このエリザベス・キャメイがお送りする丸秘レポートなんです。
ほーら、なんか皆さんもワクワクしてきたでしょ!

あっ、カメラさん、カメラさん・・ダメですよ、自分の顔ばっか映してちゃ!
って、コラ!サユ!今日はアタシがレポーターなんだからね・・こっち写すの!

そーなんです・・・一応、一応ですねー、紹介しときますけど・・・
今回のカメラマンは、シゲさんこと、道重さゆみ・・・・ハイ、決してナルシース・サユではございません!

って、コラ!こっち写すの!
今のトコカットね!
・・・・もー、後で編集するの大変なんだからね!真面目にやってよ!

では気を取り直してと・・

ハイ!ここはですねー
そーなんです、なんとあのモーニング娘。さんのハワイツアーの・・・
そー、娘さんたちが宿泊しているホテルなんです!

えっ、それどこだって・・・えー、申し訳ありませんが、その手の質問はナシにして下さいね・・
色々と警備上の問題がありますから・・・
250 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 10:17
で、今からなんと、それぞれのお部屋に潜入レポをしちゃうわけなんですよ!
・・・・そんなコーナー、ハロモニでなかったぞって・・
そりゃーそーですよ・・・これはオフレコもオフレコ・・・まるっきりのプライベートなんですよ・・
・・・・じゃなんでキャメイが撮ってるのかって・・・
それはですねー・・・

実はですねー、
これって、あの新垣塾の制作なんですよ・・
・・・・えっ、そんなもんとっくになくなってるだろーって・・・
それがですねー・・・皆さんの知らないところで、ちゃーんと続いてるんですよ・・
てーか、塾長がソートー気に入っちゃってて、ハイ、殆ど私物化してるんですけどね・・
まー、歳は同じでも先輩は先輩ですから、決して逆らうことなんて出来ません。
ハイ、それが娘の掟です・・・・なんてわけでもないんですけどね・・

てーか、元々はですねー、れっきとしたハロモニの企画だったんですよ。
ハイ、あの半端に終わった先輩へのイメージ調査の後企画でですねー、
突撃インタビュー・・ええ、今、キャメイがHPHでやってるよーなこととカブるんですけどね、
そんな企画があったんですよ。
楽屋でくつろいでる先輩たちに、私たちが新人ならではの素朴な質問をする・・みたいな・・
ええ、なんてことない企画だったんですけどね・・・・

それがですねー、その仕切りをやったのが・・
そのー、なんて言うんですかねー、かなりのモーオタの我塾長だったものですから・・
なんかついつい、マニアックな方向に走っちゃって・・・

まあ、制作側も悪いんです。
あの好評企画のモーム素の部屋の再現を狙ったのか、ただの手抜きかは知りませんけど、
私たちにデジカメ渡して、勝手に撮っていいよ・・・みたいな・・
251 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 10:45
でも、最初は、ワイワイと楽しい楽屋風景を撮っていたんですよ・・
ええ、かなりいい絵が撮れていたと思います・・・先輩たちも快くインタビューに答えてくれていましたし・・

でもついつい・・・・走りすぎちゃったんですよ・・調子に乗って・・
ハイ・・・・・とても放送できないものになっちゃったんです。

飯田さんの交信シーン・・・あっ、これはもう散々の既出ですね・・
でもその間にみんなにされる数々の悪戯は・・・あっ、これは本人も知らないんだった・・

安倍さんの鏡に映るビューラーしている時の変顔・・・
ええ、数ある変顔シリーズの中でもこれは最強です。あのフタスジ君も敵わないと嘆いていました。

藤本さんの寝癖も有名ですけど、さすがに加えておでこまるだしは、ある意味あのガンとばしよりも強烈ですし、
矢口さんの寝起きすっぴんも・・・・

ハイ、ココまでで、もーすっかり、放送コードに引っ掛かっちゃうわけなんですけど、
ええ、まだまだ撮りましたよ・・色々・・

コンノさんが、一日にどれだけのお菓子を口に入れるかのドキュメントとか、
小川さんの開けた口の中に、虫が飛び込んで行く瞬間とか、
誰も聞いてないのに、延々と宝塚の話をしている高橋さんとか、
果ては、辻加護、暴走スカートめくり100連発とか・・・あっ、因みにこれはみせパンじゃありません。

他にも、あの吉澤さんが壁に向かってお姉さん座りで、ブツブツ言ってる姿とか・・
ええ、とても普段のイメージからは想像つきません・・私としては、同じ趣味の人に会えて嬉しかったんですけど・・

まあ、こんな具合に色々あったわけですが、
何よりも事務所からお咎めを受けたのは・・・・
あの石川サンが果たしてするのかしないのか・・・トイレに追いかけちゃったヤツでしたね。
えっ、よくそんなくだらないことしたなって・・・
だって、あれ、レイナが絶対しないって言い張っちゃって、そんなことあるわけないじゃんなんて感じで、
泊りのコンサートの日に一日中、交代交代で見張ってたんですけどね・・・
結局、証拠は掴めませんでした・・・
・・・・えっ?本当に・・・しないんですか?


252 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 11:05
まあ、そんなこんなで、事務所からストップがかかっちゃって、
企画ごとまるまるお倉入りしちゃったわけなんですけどね・・・
ええ、それ以来、新垣塾自体がなくなっちゃって・・

でもですねー、その映像はちゃっかり残ってるんですよ。
もちろん、データーをきれいに消去するようには言われましたよ、ちゃんと・・
でも、ハイ、こっそりと塾長のPCの中に収まってるんですね・・これが・・

何でもファン垂涎のお宝映像とかで、
もしこれを、ヤフオクに出したら、億は下らないんじゃないかってぐらいの代物らしいんです。
あっ、これは、どーゆーわけかその存在に気付いてる保田さんの言葉なんですけどね。

そんなわけで、それに味をしめちゃった塾長が、水面下での企画続行を決めちゃって、
まあ、私たちも面白がってやっちゃってるのが悪いんですけどね。
ええ、着々と増えてますよ・・・そのー、なんて言うんですか・・新垣コレクション・・

まっ、てなわけで、こーしてロケとか、泊りとかある度にやってるわけですよ。
あー、もちろんコンサートの舞台裏とかもありますよ。
それなんか、あの時々DVDのおまけに付いてるものなんか比べ物にならないくらい面白くて・・
・・・・フフ
あっ、ついつい思い出し笑いしちゃいました。

あーあ、そーそ、コンサートの舞台裏と言えば、もちろん分割コンの時もやったんですけどね、
これが・・・サクラの方はもちろんバッチリだったんですよ。
なんてったって、塾長自ら、レポーターを買って出る熱の入れ様でしたから。
でもおとめの方は・・・レイナとサユに任せたんですけどね、もちろん・・
253 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 11:32
もー、本当にレイナには困ったものです・・・

分割コン終わってから、二つあわせて編集しようって感じで、塾長の部屋に持ち寄ったんですよ・・
そしたら・・・

おとめの方は・・・・ぜーんぶ・・・ワンショットだったんですよ・・
あっ、サユじゃないですよ・・・カメラ持ってたのがレイナでしたから。

ハイ、ココを読んでる方は、薄々察してるかもしれませんけど・・
そーなんです・・・全部、石川さんのワンショット・・・それもドアップばかり・・・
周りにいるはずの人はみんな、手とか、服とか髪とか残して見事に見切れてて・・
ハイ、最初から最後まで、正真正銘のワンショットの連続。

あれには、さすがの塾長も呆れてましたね。

で、あっ、これはきっとブチ切れるかなと、サユと二人で身構えてたんですけどね・・
そこはそれ、なんてゆーんですか・・さすがにマジオタのガキさんは違ってましたね。

ポンポンと、周りの空気におかまいなしに、
延々と続いてる石川さんの映像に見入っちゃってるレイナの肩を二つ叩くと、
「あのねー、田中ちゃん・・・アンタの気持ちはよーくわかる・・・わかるけどねー・・
 どーせ石川さんを撮るんなら、何でりかみきを撮らないの!何でりかののを撮らないの!」
なんて言ったんですよ・・・
「石川さんを撮るにしたって、その方が絶対に面白いんだからね・・
 もちろん、おとめならあと、かおりかもあるし、今旬のエコモニだってあるんだから・・」

それでもって、は?ってな感じの私たちにカップリングなるものを説明しだしちゃって、
なんだかそんなのがあるらしいんですよ・・・オタ・・もといファンの間では・・

254 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 11:57
「・・・・まあ、色々な組み合わせがあるわけだけど、
 石川さんといえば、やっぱり一番はいしよしかな。これはもー、王道中の王道。
 でもこれは分割じゃ無理だから・・・で、おとめの中では、りかのの姉妹は癒し形のトップだし、
 しかも、のんつあん卒業前で貴重なショットになるはずだったのに・・
 かおりかは、オソロ以来の伝統ある師弟関係だし、エコモニはタイムリーだし、
 それでもって、りかみきは、やっぱりなんといっても色っぽい・・・
 数ある娘内のカップリングの中でも、群を抜いたセクシーさだよね・・・」

そこまでボーっと聞いてたレイナが、そこで話が終わるのに切れちゃって、
「なんでサユまであんのに、りかれながでてこんと!
 愛の深さでは誰にも負けんからね!」
なんて食いついちゃって、

「じゃあ、そんなの聞いたこともないけど、今度から入れといてあげるから・・」
なんて、どこで聞いて、どこに入れるのかは知りませんけどね・・・

って、一つ組合せを忘れてないかって・・・
えっ?なんかありましたっけ?
おとめ組って、確か7人でしたよねー・・・あーあ、お泊り会のあの人ですか・・・
ええ、でもそこにあえて触れないところが、塾長もかなりのイシオタなんじゃないかと思わせるところですね・・
えっ?ガキさんは有名なナチオタだろーって・・・・まあそれはそーなんですけどね、
私がみるところでは、2推しは石川さんではないかと思うんですけどね・・・

ハイ、その後も延々やってましたねー、サクラのメンバーも加えて・・
やぐいしがどーの、ミニポホも好きだ、チャミラブはあるのかなんてね、
果ては、聞いたこともないR&Rが一番だなんて・・・本当になんですかそれ?

まあ、キャメイ的には、もちろん幸薄姉妹推しなのは言うまでもありません・・
255 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 12:13
あっ、ちょっと脱線しすぎましたね・・

そーそー、ココはハワイのホテルなんですよー、
ハイ、今はファンクラブツアーの真っ最中。
とはいえ、ライブや握手会なんかのメインイベントは終わっちゃったんで、
ちょっと一息って感じで・・・レポートするにはちょうどいいタイミングなんですよ・・これが・・

ハイハイ、カメラさんちゃんと付いて来てますか?
・・・って、サユ、アンタ・・・何時の間にカメラ、自分に向けてんのよ・・・これ鏡じゃないんだからね!
もー、本当にしょうがない子ねー、まっ、アタシの次に可愛いから許すけど・・・
えっ、何よ!
自分が一番で次は石川さんだって?
・・・何よ、アンタ、アタシはともかく、アンタは高橋さんじゃなかったっけ?
えっ、エコモニ始めてから、変わったって・・・・・
サユ、アンタねー、それ絶対にレイナに言っちゃダメだからね・・
あの子・・・・前、石川サンがラジオで彼女にしたいメンバーはサユって言って以来、超不機嫌なんだから・・・

ハイ、またまた気を取り直して・・と
ハーイ、本当に本当にお待たせしましたー、
エリザベス・キャメイの潜入レポ、いよいよ始めちゃいますねー

ハイ、まずこちらの部屋から・・・・
我らがリーダー、飯田さんのお部屋にお邪魔しちゃいましょう!
256 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 12:29
トントン
・・・あれー、返事がないですねー、いないんですかねー・・
トントン、ガチャ
でも、ドア、鍵かかってませんねー
入っちゃいましょうか・・・そーですよね・・入っちゃいましょう・・

「お邪魔しまーす!」
・・・・・飯田さん?・・・・いないんですか?
あっ、いました、いました。
って、何してんですかー?ボーっとソファーに座っちゃってて・・しかも正座だし・・
あーあ、また往っちゃってるんですね・・・

もしもーし、ツンツン・・
もしもーし、パタパタ・・
戻ってきてくださいよー!
ほら、そのギョロ目の中に、あのキャワイイ、キャメイが映ってるじゃないですかー、
あーら、ホント、キャワキャワ!!

「ふぇ!アンタ、何してんのよ!・・・しかも至近距離で!」
あっ、無事帰還したみたいですねー・・
「お帰りなさい!」

「って、ココ・・・・かおの部屋だよね・・」
「ハイ、もちろん飯田さんの部屋ですよ」
「じゃ、なんでアンタがいるの?!」
「えっ?あっ、そーそー突撃インタビューなんですよ・・」
「何それ?・・・って、例の?」
「ハイ・・例の・・」
「って、まだやってんの?」
「ハイ、まだまだやってます。」
257 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 12:52
「ではココで、恒例の・・・・あっ、ちょっと待って下さい・・」
ゴソゴソ・・
「何やってんの?・・・何、カンペ?」
「ええ、一応・・・塾長の指示がありまして・・・、あっそーそー、これだ・・・」

「えーと、最後のオリメン・・娘としてのラストのハワイツアーを語る・・」
「は?」
「あっ、えーと・・つまりどーですか?ってことですよね・・」
「は?・・・まっ、いいわ・・・・そーねー・・」

「カオ思ったの・・・・カオはどうして娘になったのかなって・・・」
「は?」
「子供の時からね、聖子ちゃんに憧れてて、絶対歌手になるんだってね・・
 でね、色んなオーディションとか受けて、アサヤンのオーディションでね、合宿まで残れて、
 少しね、期待してたんだけど・・・・やっぱり落ちちゃって・・・でも、あきらめてたら、
 ユニットでデビューしないかって・・・でもさ、手売りで5万だよ、5万・・・
 どーしようってね、でもやるっきゃないなって・・・・・」

あー、なんか長くなりそーですねー・・
って、サユ?・・・・あーあ、もうとっくカメラ、OFFにしちゃってんだ・・
じゃあアタシも・・・うす江トリップでもしてますかね・・・
えっ、どこにトリップするのかって・・・そーですね、あのコンとの時もたいていは、
あとで何食べよかなって・・・そんなこと考えてますね・・・普通。

ええ、コンノさんじゃなくても、やっぱり私たちは年頃の女の子ですからね・・成長期ですし・・
えっ、大丈夫ですよー、太ったりしませんから・・・・O型じゃありませんから・・・
えっ、AB型でも3倍になったヤツがいる・・・・あっ、そーですよね・・じゃあレイナと一緒に気をつけますかね・・・
はっ、あれはやりすぎだろって・・・ですよねー、じゃあ、やっぱり明日のおやつのことでも考えますか・・
えっ、オマエはどうせせんべいだろーって、何言ってるんですかー、あれは主食ですよー
ハイ、もちろんココ、ハワイにも持ってきてますよー・・もちろん梅干も・・
258 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 13:12
「・・・・でね、初めてごっつあんを見た時は、正直、驚いたのね。
 わー、金髪の中学生だーって・・・やっぱり東京はすごいところだなって・・・・」

って、まだそこまでですか・・・当分かかりますねー、
って、サユはー・・・・ああ、さすが、ちゃっかりベッドに座って携帯出して・・・
何々、メールしてんの?誰?えっ、山口のお姉ちゃん・・・・って日本は今何時なんだろ・・
って、アタシはそーだなー・・・・じゃあ携帯でゲームでもしてましょうかね・・・


「・・・・のんちゃんも、あいぼんも・・・本当にまだまだ子供って感じでね・・・」
って、何か涙ぐみ始めましたよ・・・
「でも、カオも一月で卒業なわけだし・・・」
おっ、いよいよ佳境に入ってきましたねー、
サユ!ほら、カメラ回して・・・・

「・・・・・でね、・・・・・なのよ。」
って、終わっちゃったみたいですねー・・・何か最後の方端折りませんでした?
まっ、いいか・・

「あっ、ありがとうございましたー!」

「ハーイ・・・って、アンタタチ・・あんまり夜更かししないで、さっさと寝なさいよ!」
って、リーダーらしい言葉に送り出されたんですけどね・・・
そーはいきません・・まだまだ一人目ですし・・・って、あらあら一時間もかかっちゃった。

本当に早くしないと、みんな寝ちゃいますねー・・・・ええ、もちろん寝顔チェックでもいいんですけどね・・

って、次はー、ハイ、次期リーダーのお部屋。
トントン・・
やっぱり返事がないですねー・・
まさか矢口さんまで交信中ってことはないですよねー、
あらあら、鍵までかかっちゃってて・・・・って、こんなことくらいじゃ諦めませんよ・・
ハイ、もちろん用意してますよ・・・マスターキー・・・
入手ルートですか・・・・そんなの教える分けないじゃないですか・・・トップシークレットですよ・・もちろん。
259 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 13:32
一応、声はかけますね・・
「あけますよー」・・・・電気は点いてますねー・・
「矢口さーん・・どこですかー・・オーイ・・」
いませんねー・・・まあ、ちっこいからどこかに紛れちゃったんですかねー・・

えーっと・・ベッドの下・・・いませんねー
机の下・・・バスタブの中・・・クローゼットに引き出し・・・
えっ、いくらなんでもそんなとこに入らない・・って、サユ、あんただって冷蔵庫開けて・・
って、コラ!中身勝手に飲んだら拙いでしょ!
えっ、ペットボトルの中にいるかもって・・わけないでしょ・・
あっ、アタシにもくれるんだ・・・じゃあ、ソファにでも座って・・・一服・・
してる場合じゃないの・・・・きっとどっかに出かけてんだね・・
じゃ、ココは後ってことで・・・


次、えっと吉澤さんはココでよかったのかな・・・
あれ・・・何か声が聞こえますねー・・悲鳴のような・・
あれれ、ドアも開いちゃってるし・・

「あのー、もしもし・・・入りますよー」
「!」
えっ、なんで慌ててドアを閉めるのかって・・
ええ・・・何か見てはいけないものを見ちゃった感じなんですよ・・
うんって、カメラも頷いてることだし・・
・・・・・・
ココはやめにしときましょう・・
えっ、何があったのか気になるんですか?
・・・・じゃあ、お好きな方は、後で勝手に覗いて見てください・・
なんか得体の知れない丸っこいものが、吉澤さんを追っかけ回していますから・・・
ハイ・・吉澤さんの怯えきった顔ったら・・・もー、この世のものとは思えませんでした・・
えっ、助けなくていいのかって・・・何言ってるんですかー、
このか弱い私たちにそんな無謀なこと出来るわけないじゃないですかー・・・
ほら、カメラも真っ青になって頷いてますよ・・
260 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 14:06
ハイ・・・・気を取り直して・・・
次は、高橋さんの部屋ですね・・
って、普通は次は石川サンか藤本サンだろーって・・・
イヤイヤ、それはメインイベントですからね、やっぱり最後に取っておきましょう。
ハイ、番組の構成ってそんなもんじゃないですか・・・もちろんCMバサミで・・・

トントン・・
「高橋さーん、いますかー」
「おるよー、あいてるよー」
おっ、いましたねー・・しかも返事つき・・・・初めて順調にいきそーですねー

って・・・・あーあ、また例のあれですか・・じぉあ・・
「やっぱり、結構です・・・失礼しましたー」

えっ、なんで出てきちゃったんだって・・・・そりゃ、そーですよ・・だって・・
また例のDVD見てんですよー
ここで入ったりしたら、一緒に見なくちゃいけないじゃないですかー
そんなことしたら、延々2時間は見せられて、その後3時間くらいは、感想聞かされて・・
それこそ夜が明けてしまいます。


で、次はーと、紺野さん・・・
「入りますよー」
「うん、どーぞ・・・」
って、ココもやっぱりいつもの通りですねー
テーブルに広げられたお菓子の山。それを本当に幸せそうに口に入れつづける・・金魚。

コラ!サユ!アンタまで隣に座っちゃって何してんの!
だって、どーぞって言われたってねー・・・・太るよ!アンタは胃下垂じゃないんだから・・
去年の紅白の悪夢を忘れたわけじゃないよね!

「ハイ、失礼しましたー!」
ココももーいいですよね・・・この手の映像は、もう腐るほどありますし・・・

で、小川さんの部屋は、誰もいるわけないし・・・
261 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 14:18
塾長の部屋では、レイナと二人が昨日の撮影分の編集をしてるはずなんですけど・・・

「入りまーす!」
「オー、お帰り!・・・出来た?」
「いえ、まだなんですけどー」
「そー、じゃあ、とっとと行っといで!」
って、冷たいですねー・・・まっ、次行きますか・・

えっ?えー、もうメインイベントなんですか?
・・・・・辻さん加護さんがいないと、娘も淋しいものですねー・・
じゃあ、行きますかね・・

えーっと、どっちにいるのかな?

トントン・・
あっ、鍵がかかってますねー・・・でも例のものがあるんでー、あけちゃいますね・・
って、真っ暗ですねー・・・って、ヤバイ状況なのかな・・・・じゃ、忍び足で・・・

あっ、いませんねー、誰も。
もう一つの部屋の方ってことですかねー・・

一応・・・・トントン・・・
やっぱり返事もないし、鍵もかかってますね・・・では、開けさせていただきます・・・
あーら、チェーンがついちゃってますよ・・・・てことは・・・いますねこの中に・・

ええ、もちろんこーゆー時の手段も考えてあります。
そこんとこは抜け目がないんで・・・・
262 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 14:36
「どーしたの、アンタタチ・・・・って、もう終わり?」
「いえ、やっぱり開かないんで・・・・ベランダ通りますねー」

ハイ、そーなんです。あの去年、加護さんが吉澤さんの部屋を覗いた・・例のアレです。

えっ?なんで塾長もレイナもついてくんのよー!
しかも塾長は自分のカメラ持ってるし・・・
何々、チェーンがついてるってことは、本物だから見逃せないって・・・・
って、レイナ!アンタ、どこからそんな棒なんか持ってきたの?完全に怒っちゃってるし・・
・・・・・まっ、いいか・・・・でも、静かにして下さいよ・・・・

って、あーら、先客がいるじゃないですか・・・・
そこにちっちゃくなってるのは・・・・現地の子供?

「矢口さん?」
「って、オマエらなにやってんだ!こんな所で・・」
「って、矢口さんこそ・・・」
「あー、オイラは・・・そのなんだ・・・後輩のことが心配で・・」
「って、覗きですよねー」

「違う!うん、そのー、どーも引っかかってんだよな、ミキティのプライベートは充実してるってセリフ。
 ほら、なんて言ったってサブリーダーとしては、メンバーのプライベートにも気を回さないと・・」
「なーんちゃって、本当は・・・」
「う・・・てか、なんでオマエらまで・・」
「あー、これは単なる取材です。あー、なんなら、矢口さんのインタビュー、ここでしちゃいましょうか?」
「何、バカなこと・・・・てか、声がでかいって・・聞こえちゃうだろ!」

「あっ、そーですねー・・・って、カーテン閉まっちゃってますねー」
「うん、灯りはついてるみたいなんだけどな・・・」
「どーします?」
って、他人の部屋のベランダで途方にくれてる・・・5人って、ちょっと変な風景ですよね・・
263 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 14:48
・・・・・・
って、サユ!アンタ、何持ってきたのよ?・・・・えっ、紙コップ?
とりあえず音だけでも聞いてみようって・・・・そんなの聞こえるわけ・・・

「!」
「あっ、何か聞こえる・・・」
「ホント?」
ハイ、窓ガラスに紙コップ当てて、聞き耳を立てる・・・5人の少女・・・アッ、違った・・
4人の少女と、1人の一応大人の女性・・・・何かかなりマヌケですよね・・
むしろこの場面を撮った方が面白いかも・・・

「えっ?!」
「う!これは・・・」

・・・・・・ネー、ダメだってばー
   ダメー、美貴ちゃん・・・そんなことしちゃ・・・

・・・・・・いいじゃん・・これ、美貴の得意技だもん・・・ほら、効いたでしょ・・

・・・・・・イヤーン・・・もー、意地悪なんだからー・・・もー、ヤダー・・やめてよ・・

・・・・・・ムフフ・・


「って、これは?」
「うん、だな」
「てか、やめさせる!」って、それ無理だから、レイナ・・・
「てか、撮影する!」って、それもかなり無理、塾長・・・
「とにかく、見たい!」って、この正直者・・・サユ・・・


264 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 15:07
「てか、やっぱり、のぞこ!」って、矢口さん・・・・

「えっ?何ですか・・・それ・・」
「あーあ、ちょっと便利なもんだ・・・」
って、それ・・・・はっきり言って・・・・犯罪です。

矢口さんが取り出したのは、テレビの防犯特番とかで見たような、泥棒の七つ道具。
その中から・・・・そー、窓ガラスの鍵の周りをぐるっと切っちゃうカッターを取り出して・・

って、本気でやっちゃうんですか?
まっ、いいか・・・これって音も出ないみたいだし・・・
って、レイナ、何気に手馴れてない?
あっという間に取り付け完了。後は回して・・・切るだけ・・・

サッ!
「アンタたち、何やってんの!」
カーテンが思いっきりよく引かれて・・・
窓の中には、呆れるように私たちを見下ろす・・・・・二人。
って、あれー、ちゃんと服とか着てるんだ・・・・・

中から窓が開けられて・・・・

「他人の部屋の外で、いったい何してんの!・・・・てか、矢口さんまで・・・」
って、藤本サンの顔って・・・やっぱり怖いです。

「・・・・あー、てか、オマエらこそ・・」
「私たち?」
って、石川さんは、かなりの呆れ顔・・・で、
「私たちはー」
石川さんの後ろを振り返った視線の先には・・・・やっぱりベッド・・・てか・・・

ベッドの上には・・・・はっ?
ウノ?

「って、アレがカードゲームやってる時の声かよ!」
って、矢口さん、何気に盗み聞きばらしちゃってますよ・・・
ええ、でもたぶん、ベランダの他の4人も、心の中で同じツッコミをしていたと思います。
・・・・声が甘すぎるにも程がありますって・・・・石川さん・・・
265 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 15:24
「えっ?」って、きょとんとしてる石川さんに、
「ホントに何考えてんですかー!」って、にらむ藤本さん。

って、まあ、みんな同じこと考えてたわけなんですが・・・

「てか、アンタたち、本当に何?!」

「「「「「あっ、失礼しましたー!」」」」」
もー、大急ぎで退散。
何気にこーゆー時の逃げ足は速いのね・・・サユ・・・

ええ、他の人になら、取材とか言えるんですけどね・・・・
あの二人には、このレポート企画は、秘密なんですよ。
えっ、何でかって・・・・それはですねー・・・そのー、なんて言うんですか・・
本番こそ、まだ未収録なんですけどね・・・・
新垣コレクションの一番の目玉は・・・実は、あの二人の・・・キスシーンなんですよ・・

ハイ、こっそりとロッカーの隙間から撮らせていただきました。
わたしの得意技なんで・・・・

もー、アレには塾生一同やられちゃいましたね・・・
ハイ、なんてゆーか、溜息もので・・・・
えっ、そいつを見せろって・・・・それは・・今度、塾長にでも頼んで見てください・・・
私の権限じゃ、どーなるものでもありませんから・・・

ハーイ、てなわけで、本日のレポートはおしまいです。
なんだたいしたことなかったなって・・・・うーん、ごめんなさい・・
でも、それはまたこの次のお楽しみってことで・・・
って、まだ続くのかよって・・・・アッタリマエじゃないですかー!
このエリザベス・キャメイが、こんなもので引き下がるわけありませんよー!

ハーイ、では、次回をおったのっしみにー!
エッリザベス・キャッメイでしたー!
チャンチャン

・・・・・・・・
って、サユ、アンタまた最後に自分のワンショット入れたでしょ!
266 名前:アロハロ 投稿日:2004/09/09(木) 15:25


   「アロハロ」・・・・・おしまい
267 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/09(木) 18:57
はははは!面白い!
新垣コレクション是非見てみたいね(笑
268 名前:247 投稿日:2004/09/14(火) 22:24
作者様の四期に対する真摯な気持ちに
同じファンとして嬉しく思います。

手前勝手な事務所の戦略には辟易しますが、
先人や残された彼女達をこれからも見ていてあげましょう。

しかし、新垣コレクションはまさにお宝ですね。(w
公開望む♪ わはは
269 名前:トーマ 投稿日:2004/09/24(金) 10:00
>>267 名無し飼育様 ありがとうございます

>>268 247様  ありがとうございます 
          これからも一ファンとして応援して行きたいと思っています。



一日遅れてしまいましたが、美勇伝デビューおめでとう!
そして、後藤さんお誕生日オメ!
ということで・・・・
270 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 10:06

やっぱり、12時きっかりに着メロが鳴った。


”ごっつあん、お誕生日おめでとう!
 ごっつあんも19歳になっちゃったね・・
 今日は、バースディーライブ、盛り上がるんだろーな・・
 娘は福井なんだ。
 お互い、コンサート、ガンバローね!”

271 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 10:13

本当に律儀だよね・・この人。
きっと、時報あわせとかしてんだろーな・・

すぐに返信したいけど、
ほら、やっぱり立て続けに入るでしょ・・オタオメメール。
だから、少し待っててね。

まっ、でも梨華ちゃんのことだから、
「送ったー!」って感じで、安心して、パタッと寝ちゃったりするのかな・・

最近はすっかり、ゴトーのお株奪って、
眠り姫キャラ、定着しちゃったみたいだものね・・
疲れてんだよね・・・・やっぱし

ビユーデンとかもあるしね・・
272 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 10:33
ゴトーもさ、結構忙しいよ。
大河もぼちぼち始まるしさ・・
そー言えば、梨華ちゃんも、テレ東のに出るんだってね・・・
時代劇ってさ、あれ、ヅラ・・・結構キツイよね
なんかさー、あれ、メイクとかしてもらってる時に、
これ、本当に似合ってんのかなとか思わない?
まっ、梨華ちゃんは似合いそーかな・・

ヅラって言えばさ、あれ・・・やっぱ、おかしいよね・・
ノチウラさん・・・・
まっつーと顔見合わせて、笑っちゃった・・
誰に似合うんだろーってね
なっちなんか、半泣きだったんだから、記者会見の前・・

まっ、でもきっと、TV出演は、別ポーズの方の・・
アレも笑っちゃうけどさ・・・シツレンジャー・・
あっちの方になるんじゃないかって思ってんだけどね。

でもさ、戦隊モノなら、やっぱ普通5人だよね。
レコーディングしながら、そんな話で笑ってた。うん、笑うしかないでしょ・・
でさ、赤レンジャーが、なっちで、緑レンジャーがまっつー、ゴトーは黄レンジャー?
あとは、青とピンクかな・・
でね、ピンクはやっぱり、梨華ちゃんで、
青はミキティーか、ヨシコ・・・でも、ヨシコが入るんだったら、あの子は黄色だよね・・
だって、黄色って、たいていギャグキャラで、食いしん坊だよね・・
えっ、そしたらやっぱゴトーでいいのかな?

まっ、どっちにしても期間限定ってヤツだからね・・・
どーなるかわかんないけどね・・

273 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 10:46
梨華ちゃんの方は、ずっとやるんだよね・・ビユーデン・・
新しい子達となんて、なんか大変ぽいよね。
でも、今までもカントリーとかやってきたんだから、大丈夫なのかな・・
そーだよね、きっと大丈夫。
だって、本当はとってもしっかりしてて、強い人なんだから・・梨華ちゃんって・・

そーなんだよね、梨華ちゃんは、アタシが思ってたのよりずーっと強い人だったんだよね。
それに、一年も違わないのに、ずっとお姉さんだし・・

ゴトーはさ、前はね、大人っぽいって言われてたんだけどさ、
最近はもっぱら、若くなったんじゃないとか、変わらないねとか言われるんだ。
それってさ、この年頃では、ちょっとビミョーな言われ方だよね・・
やっぱさ、少しは大人になりたいじゃん。

19だよ・・・ゴトーが娘に入った時の圭ちゃんの歳じゃん・・
アハッ、あの時は、ずいぶん大人ってゆーか、オバサンに思えたのにね・・
その歳になったのにさ、なんかちっとも成長してないみたい・・
バカだからかな・・
274 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 11:02
その点、梨華ちゃんはすっかりお姉さんチームって感じで・・
まあ、娘は下がいっぱいいるからね・・必然的にそーなんなきゃいけないのかもしれないけど・・

そー言えば、この前さ、裕ちゃんとご飯食べてたら、
裕ちゃんがさ「リカチャン」って言うの・・
えっ?って感じでさ、思わず聞き返しちゃった。
ほら、あの人ずっと「イシカー」だったじゃない・・
そしたらさ、
「なんでやろなー、この頃、そー呼ぶ方がしっくりくんねん。
 なっつあんや、ヤグチのがうつったんかなー、
 本人にゆーたら、めっちゃテレとったけどな・・」
とか言ってた。

それでね、続けて、
「あいつもなー、一人前になったってゆーか、こっち側に来たってゆーか・・」
なんてね。

なんかさ、よくはわかんなかったんだけどさ、
そー言えば、なっちややぐっつあんも途中から変わったじゃない・・
アレって意味があったのかなって・・
後輩ってのから、対等の立場になったってゆーのかな・・

まあ、入ってすぐから、みんな愛称で呼んじゃってたアタシには、
本当のトコはよくわかんないんだけどね、そーゆーの・・
275 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 11:22
そーそー、この前、あいぼんがさ、

「卒業前にちゃんと謝れてよかった」って、言うからさ、
「なに、喧嘩とかしてたっけ?」って聞いたらさ、

「そーゆーんじゃなくて、ずっとね、素直になれなくて、
 ちゃんと甘えられなくて・・・そのことを謝ったんだ」って、

何それ?って感じなんだけどさ、

「のんばっかり甘やかすみたいに見えて、きっと少し嫉妬してた。
 でも、本当は自分もちゃんと甘えちゃえばよかっただけだったってわかったから・・」って、

で、梨華ちゃんにそー言ったら、わかってくれたって、
「でも、あいぼんは本当にしっかりしてるから、これからは私も甘えるからね」って言ってたって、
嬉しそーだった。

まあ、あの二人、つーじーとあいぼんは、少し複雑みたいだからね、
素直になれなかったあいぼんの気持ちもよくわかるんだよね。

うん、アタシだって思うもの・・・

そーなんだよね、アタシもさ、甘えちゃえばよかったのかなって、
今さらなんだけどさ・・・
そーすればよかったんだよなって思うんだ。




276 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 11:39
だけどさ、前まではね、
梨華ちゃんのこと、自分より弱い人なのかなって、勘違いしてて、
だからさ・・・

でもきっと本当は、単純にね、ベターってね、つーじーみたく甘えちゃえば、
その方がよかったのかなって・・・
そしたら、梨華ちゃんはお母さんみたく、受け止めてくれたのかなって、
そしたら、あんなふーに、自分の気持ちを終わらせなくてもよかったのかなって・・

アハッ、
でも、終わっちゃったことはね、アレはアレでよかったのかなって・・

うん、ゴトーもさ、その点は結構大人になったよね。エヘン!



でもさ・・・・
来年になって、
梨華ちゃんも娘を卒業して・・・・

お互いハタチになってね、本当の大人になってさ・・・・

うん、ゴトーもさ、ちゃんと頑張って、今より少しは大人になって、
そしたらさ、

そしたら・・・
前とは違うと思うけど、
きっとまた向き合えるよね。

歩く道とか、たぶん違うから、
手は繋げないと思うけど・・・

ちゃんと一人一人の足で立ててる者同士でさ、
ちゃんと向かい合えるよね・・

そしたら
277 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 11:41
・・・・・・・・・
 
278 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 11:48

時計の針を睨んで、送信ボタンを押す。


もう、あれから二年がたったんだね。

自分の誕生日に、卒業するなんて、ごっちんらしくて・・
カッコよすぎるよね。

だから、これからも毎年、このメールを送るたびに、あの日を思い出すんだろーな・・・


17だったんだよね・・・今ののんたちと同じ。
そー思うと、大き過ぎたよね、ごっちんは。
大きくて、眩しくて・・・そー、眩しすぎたよね、あの日のアナタは。

今度の春の、ハタチで迎える卒業式で、
私はあんなふうに立派でいられるのかな・・・・
279 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 12:01
この二年間・・・・色々あったね・・

私たちも変わったけど、
娘もすっかり変わっちゃった。

新しい子達も入ったけど、
保田さんも、安倍さんも、のんとあいぼんも卒業して、
今度は飯田さんで・・・・それから私。
で、新メンバーも入るみたいだしね・・・・

本当に慌しく変わっていって・・・

そーそー、今日は美勇伝のCDデビューの日でもあるんだよね。

9月23日・・・なんか本当に特別過ぎる日になっちゃったね。

祝日でもあるから、ライブもあるしね、
そーだよね、朝早いから、寝なきゃなんだ。

最近ね、マスマスいつでもどこでも寝れる人になっちゃって、
前からね、映画とかテレビとか見ながら寝るのは得意だったんだけど、
今はね、楽屋でも移動中でもパタッていっちゃうの。
ごっつあん以上だよねって、かおたんに笑われてる・・・・

そー言えば、去年の紅白の楽屋でも寝てたんだよね・・・私。
280 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 12:08
そーやって、無防備に寝ちゃうのって、ある意味ずるいって・・・
美貴ちゃんに言われたことあるけど、
やっぱりそーかな?
どっか、大事なこと自分で決めないで、相手に任せちゃってる・・・そーゆーのに通じるよねって・・
やっぱ、そーかな?

うん、そーなんだよね・・・きっと。


ごっちん・・・・ごめんね・・

私、やっぱり卑怯なヤツだよね・・
大切なこと決めるの、みーんなアナタに任せちゃったんだよね・・

あの時だって、
アナタのあとを追うことだって出来たはずなのに、
ただ背中を見送ってた。
281 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 12:26
・・・・・・
あのさ、こんなこと言っても、何の意味もないと思うけど・・・・

私さ、本当にみんなが好きなんだよね・・・
娘、今までのメンバーみんなね・・・もちろん他のハロプロのメンバーも、
スタッフの人たちも、家族も・・・・私の周りの全ての人・・・みんな。
みんないとおしくて、みんな大事で。

もちろん好きの意味はそれぞれ違うけど、
それでもやっぱり、みんな、好きなんだよね。

こんなの言い訳にもならないけど・・・・


本当はさ、アナタ一人を愛せればよかった・・・
初めて、心から恋しく思えた人だったから・・・
アナタ一人を選べればよかった・・・・

でも、
できなかったの・・・

そんな私の気持ち・・
ごっちん、アナタには、見えちゃったんだよね・・
きっと。
だから、バイバイ・・・・だったんだよね。
282 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 12:35
でも、あのさ、
もし出来たらね・・・・

今年はまだ無理だけど、
来年になって、
私も娘を離れて・・・・・

ハタチになって・・・・ごっちんもね・・

そーしたら、
きっとまたちゃんとね、向き合えると思うの。
前の私たちとは違うだろーけど、違う形でね・・

うん、そーだな・・
例えば、ほら、中澤さんや保田さんみたいに、
大人の女同士としてね、
一緒に同じ青春を過ごした仲間同士としてね、
いい付き合い方が出来るのかなって、
そー思うの。

そー出来たらね、いいなって、
そーしたいなって・・・

283 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 12:55
・・・・・・・♪・・♪♪
うとうとしかけた私を、着メロが揺り起こす。

”梨華ちゃんメールありがとね!
 ゴトーも19になっちゃったよ・・
 今年はさ、まだダメだけど、来年になったら、
 ハタチの先輩としてさ、飲みにでも連れてってよね!
 ほら、圭ちゃんが梨華ちゃんのこと引っ張って行くって、
 張り切ってるカクテルバーにでもさ・・
 これ、梨華ちゃんの得意な社交辞令じゃないからねw”

うふっ、なんだろね・・・
私もおんなじこと考えてた。

不思議だね・・・
あんなに近くにいた時よりも、気持ちが通じ合ってるのかな・・

2年前は、アナタの気持ちが掴めなくて・・・
言ってくれる言葉も、
送ってくれるメールも、
他の意味が隠されてるんじゃないかって、
素直に受け取ることが出来なくて、
いつもどこかビクビクしていたのに・・・・

今は、なんかね、スーって入ってきたんだ。
あー、おんなじなんだなって、
それで、そのことは、きっとアナタもわかってるんだろーなって・・・

本当に不思議。

たぶんきっと、私たち、ちゃんと友達になれたんだよね。
それで、これからもずっと友達でいられるんだよね。
うん、これからは、もっとイイ友達になれるんだよね。

ごっちん、
お誕生日おめでとう。

十代最後のこの年が、アナタにとって幸せでありますように・・・



 
284 名前:9・23 投稿日:2004/09/24(金) 12:56


  「 9・23 」・・・・・おしまい




285 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/26(日) 13:46
やっぱりいしごまいいなぁ
286 名前:名無し 投稿日:2004/09/27(月) 00:26
懐かしいですねトーマさんのいしごま
どちらの板でもついていくのでまた読みたい・・・です
287 名前:トーマ 投稿日:2004/10/13(水) 09:31
>>285 名無し読者様 ですよね

>>286 名無し様   前の長い物を完結させてから、もう結構たってますね・・
          そろそろ構想が固まってきたので、何とか今月中には、
          どこかの板で、書き始められると思います。その際には、またよろしくお願いします。
288 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 09:42

「あのさ、もしかして梨華ちゃん・・・なんか怒ってる?」
「別に」

とは言うけど・・
あきらかに機嫌悪いし。
第一、さっきから一度もこっち向いてくんないし・・・

「ねー、美貴、なんか悪いことした?」
「・・・・別に」

うん、アタシだって別に心当たりないし。
なのにさ・・・


ハロモニの楽屋。
メンバーそれぞれ、てんでに待ち時間をつぶしてて、
アタシもいつものごとくMDを聞いてて、
隣のこの人も、いつものごとく雑誌をひざに開いて・・・るんだけどさ・・・

寄っていくと、何気に少し腰をずらすでしょ・・・

そこにあるはずの肩がさ、ないとね・・・
寄りかかるのにさ、不自由なんだよね・・・右肩が・・
289 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 09:58
「あのさー」
「しつこいなー」

って、やっぱ怒ってるじゃん。
でもいったい何なのさ!

よし、こーなったら強行手段・・・さっと雑誌を取り上げる。

「あっ、もー、何するのよ!」
「って、さっきから同じページじゃない・・これ、別に読んでないよね・・」
「・・・・・」

ほら、図星。

「なんかさ、文句とかあるんなら、言えばいいじゃん、はっきりと」
「別に・・・」
「別に何なのさ!」

「・・・別にさ・・・私、守ってもらいたい人とかじゃないもん・・」

あー、なるほどね。

「もしかして・・・ラジオ?」
「別に、誰かさんにサポートしてもらわなくても・・・大丈夫だもん」

てか、もしかして・・・あんなの聞いて・・・怒ってんの?

「あれはさー」
「亜弥ちゃんには、心許して頼ってて、私には冷静なわけだよね・・」

うわっ、もしかして・・・・妬いてるの?この人・・
290 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 10:17
「てかさ、あれは・・・ただの立ち位置の問題つーか・・いつもの・・」
「でも、当たってるんだよね・・」

あー、言ったよね・・確かに。
でも、本当にめずらしい。
アタシが柴ちゃんや、辻ちゃんとこの人のことは、大目に見ているように、
亜弥ちゃんのことには、比較的寛大なんだけどな・・・いつもは。

「あー、まあねー、当たってると言えば、当たってるってゆーか・・」

「ほら、そーなんじゃん。
 で、理性的な藤本さんにとっては、私はそーゆー人なんでしょ、守ってもらいたいっていう。
 よっちゃんでさえ、対等なのにさ!」

でさえってゆーのは、どーかと思うけど・・・
あっ、なるほどね。
亜弥ちゃんに妬いてるってゆーより、
よーは自分が右側ってのが、気に食わないわけですか・・・何かと大人ぶりたいこの人は・・

てーかさー・・・

「あのね、美貴、ほら・・・・右利きだからさ」
「へっ?」
「右手の方が、何かと器用なわけで・・」
「は?」

「だからさー」
って、いつものごとく右手をのばす・・・・だってねー・・

「もー!何すんのよ!」
ってねー、やっぱ触り心地いいってゆーかー・・
291 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 10:26
「あのねー、本当、スケベなんだから・・」
「悪い?」
「悪い?じゃないわよ!」

「・・・・美貴ちゃんさ、今度から自己紹介変えれば・・」
「へ?」
「焼肉大好き、藤本美貴でーす!じゃなくてさ、お触り大好き、藤本美貴です!ってさ・・」
「・・・失礼な!」
「って、いつも失礼なことしてんのどっちよ!」

えっ、なの?

「・・・もしかして、嫌だった?」
「・・・・・・」
おい、ノーコメントかよ!

「ならいいじゃん!」
でしょ。
292 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 10:48
「てかさー、あーゆーのって・・・当たってるのかな・・やっぱり」
「えっ?」

「あーゆー心理テストって・・・やっぱ、当たっちゃうのかなー」

って、何をいまさら、しみじみと言っちゃってんだろ、この人。

「あれ聞いてさ、何気に考えてみたらさ、
 ののもね、まことも、柴ちゃんもね・・・結構いつも私の左側にいるのね・・」

あー、そーかもって・・てか、あれはイメージの問題で・・

「それってさ、ただの立ち位置ってゆーか・・あんまし関係ないと思うけど・・」
「そーかなー」

うん、あれはさ、あくまでも心理テストで、イメージだから、
日頃の立ち位置とは関係なくて・・
って、アタシはそれで答えちゃったけどね・・あは・・

「でもさー、やっぱ何気に出たりするんじゃないの・・そーゆー深層心理ってゆーか・・」

あらら、めずらしく難しいこと言っちゃってんねー・・
でも、あんた、それ漢字で書けないでしょ、イシカーさん。

「私って、やっぱ頼りないのかなー・・」

って、あのー、それ、自分で自分を追い込んでるだけなんですけど・・
まっ、でもここは一つ、フォローしときますかね・・

「だからさー、心理テストといつもの立ち位置とはさー・・」
関係ないからって、言おうとしたら、
「あっ!」って突然、明るい顔になっちゃって・・

「カオたん!」って、何、いきなり思いついてんの!

「カオたんは、いつも私の右側・・・そっか!」
とか、バタって立ち上がっちゃうし・・・って、何?!

293 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 11:03
・・・・で、
いつものごとく難しい顔して、本を読んでいるリーダーの元へ・・飛んでいく・・バカ。

「カオたん、安心してくださいね!この石川が守ってあげますから!」
って、満面の笑み。

「はー?」
もちろん、わけのわからないリーダーは、いつもに増してのギョロ目して・・
あー、なんか気の毒だねー、あの人も。

しっかし、梨華ちゃんって、単純と言うか、何と言うか・・・
嬉々として、迷惑そうにしてる大きい人の左手両手で抱え込んじゃって・・

あーあ、なんだかねー・・
まあ、そこがかわゆいところでもあるんだけどさ・・
大人の藤本さんとしては、やっぱ、保護欲をかき立てられるとゆーか・・

で、そのまま、リーダーの左側に収まっちゃってるし・・
まーねー、別にいいんだけどさー、

でもさー、
やっぱりねー、
右肩が・・・・淋しいからさ・・

ズリズリとね、行っちゃうわけですよ、アタシとしては・・
このおバカな19歳の左隣に。
294 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 11:28
右側の人に寄りかかる誰かさんに、さらに寄りかかって、

「もー」なんて睨むけど、アンタのそれは、マジギレ以外は怖くないから・・
てか、アンタさ、本当はさ、自分でも悪くないと思ってるんでしょ、
この位置取り。

って、思いっきり体重を預けたら・・

訳のわかんないまま、二人分の体重を支えてたリーダーが、さすがに絶えかねて・・
ズサーって、
三人、重なるように倒れこむ。

「何してんのよ!二人とも!」
ヤバ、マジギレ寸前・・・てか、この人の顔は、ある意味アタシ以上に迫力あるし・・

「ごめんなさーい」って、梨華ちゃんが甘えるよーに、あやまって、
「すいませーん」って、アタシは照れ隠しに頭を掻く。

「まったく、もー」
とか言いながらも、本音はそんなに怒ってない感じで、口元が少し緩んでるリーダーの代わりに、
「何やってんのー、大の大人が!」
って、いつの間にか、前で突っ立ってる矢口さん。

・・・・もしかして、混ぜてもらえないのが、淋しかったりして・・

「ほら、いい加減にしなさい、てゆーか、重いんだけど・・」
少しうめき出した、リーダーが、やっぱり気の毒だから、
すぐ下の人の手を引いて立ち上がらせて、元の場所に連れ戻す。

「・・・美貴ちゃんのせいだかんね」
なんて、ぼそぼそ言ってるのを、
「ハイハイ」って宥めて・・・何か、すっかりお子様モードだよね、今日は。

下のメンバー達も、少し呆れ顔で見てるし・・・
それに、こんなことがあるとすぐに乗ってくる、辻ちゃん、加護ちゃんがいないから、
反応が薄い分、余計に恥ずかしいと言うか・・・
まっ、いいか。
295 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 11:47

「先に、スチール撮りするから、飯田と石川来てくれる」
って、ドアの外から、マネージャーさんの声がかかる。

「はーい」って、のそのそ立ち上がったリーダーの左側に、
これ幸いって感じで、ペタッとひっついて、
「さっ、カオたん、行きましょ!」
なんて、笑顔に戻る・・・・バカ。

「あんたさー、何なのよ、さっきから・・」
とか、かなり引き気味の23歳を、押すように、
「まあ、いいから、いいから」
なんて、急ぎ足でドアの外に消えていく19歳。

ドアの閉まるのを確認するみたいにして、少しざわつく楽屋。
・・・・・だけど、それもすぐに治まって。

それを見回すようにしてた矢口さんが、何気にため息。
「どーかしました?」
「あー、なんかなー・・」
って、もう一度、楽屋を見渡すから、アタシもつられるように、目を配ってみる。

・・・・・・・・・
あー、なんかだね・・コレ。

まあ、内容はともかく、見た目だけは、充分大人の二人がいないそこは・・・
やっぱり少し色が変わってて・・

「来年のさ、春になったら・・・」
「ええ」
「こーなるんだなーって思ってさ・・」

うん、そーなんだけどさ・・


296 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 12:03
「でも、七期も入ることだし・・・」
「まーな、何人入るかわかんないけど・・・」

「でも、人数の問題じゃあないからさー」
なんて、ボソボソと言っちゃう次期リーダー。

それって、何気に問題発言なのわかってます?

まっ、他の子達には聞こえないとは思うけど・・・
てーか、それってこのごろ少しはアタシにもわかってきたこと。

入ると同時に、保田さんの卒業があって、
でもあの時は、そーゆーのって、ハロプロ内のただの人事異動みたいな・・
そんなことだと思ってた。
アタシだって、ソロから、何を今更って感じだったし・・・

だけど、
安倍さん、辻ちゃん加護ちゃんって、続けて経験した今では、
娘の卒業ってゆーのが、単純にそんなことではないくらいはわかってきて、
なんだろーなー・・・

「オイラの隣にいた人は・・みんないなくなっちゃう・・」
って、また一段と大きなため息。

あーあ、そんなに大きな音だしたら、
騒々しい二人の卒業で、すっかり静かになっちゃったこの楽屋では、
他のメンバーに聞こえちゃいますよー。

でも、なんだよね・・この人。
今まで、全部の卒業に立ち会って、それで来年には、
こんなにちっちゃいのに、一番年上で、リーダーにならなきゃなんだもんね。
297 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 12:09
だから、

「大丈夫ですよ、美貴が左側にいてあげますから・・」
って、その短い左腕に、右手を絡めてあげる。

「何だよ、その左側って?」
誰かさんと違って、地方局の深夜ラジオなんかチェックしてないちっこいのが、
一瞬、怪訝な顔するけど、
「あっ、でも、ありがと・・」

って、なんかねー、
ちょっと弱気過ぎやしませんか・・・


298 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 12:20
「次、よっちゃんと矢口さんだって・・・」
なんて、言いながら、一人で戻ってきた黒いのが、
アタシの方を見ると、なにやらニヤついて、

「オー」って、立ち上がる矢口さんが、一寸の間、塞いでるのをいいことに、
さっとアタシの左肩に寄って来る。

たくー!

「だからね、そっちだと落ち着かないの!」
って、回り込もうとするのを、
「いいじゃない、たまには・・」
とか、制して、あたしの左腕にぶら下がる。

もー、本当にバカなんだから・・・

でも、たまにはいいのかな・・
メンバーの前では、めったに自分から寄って来たりしないこの人が、
こーやって、嬉そーな顔して、擦り寄って来ているわけだし・・


あー、でも、やっぱり落ち着かない!
299 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 12:33
「やっぱ、無理!」
って、その右手を振りほどいて、
「もー」なんて不満そーな人と、無理やりの位置交換。

なんだかねー、亜弥ちゃんがこっちってゆーのは、ごく自然なんだけどねー・・
やっぱ、心理的影響とかあるのかな・・こーゆーの。

ほら、なんだかんだ言って、梨華ちゃんだってこの方が落ち着いてるじゃん。

だから、
その左耳に囁いてあげるの。
「ここでは、美貴が守ってあげるから・・」ってね。

少し怒ってるみたいな顔するけど、やっぱり何気に納得してるでしょ。

そーだよ、イシカーさん、
アンタさ、色々大変じゃない・・・今。

丸っきりの新人の子、二人つれてさー、
シゲさんとのエコモニもあったりさ、新番組だって、後輩ばっかと組んでるわけだし・・・

だからね、
ここではさ、
美貴がいるところではさ、
・・・・・・・・甘えちゃって、構わないから・・

それに、アタシ・・・右利きだしー
「もー、本当、スケベなんだからー!」

でした。




300 名前:右手に華 投稿日:2004/10/13(水) 12:34


   「右手に華」・・・・おしまい




301 名前:名無し読者 投稿日:2004/10/14(木) 17:48
ミキティいいなぁ
302 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/15(金) 00:39
作者さんの書くりかみき好きです
303 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/10/15(金) 22:29
なんだか姉さんな藤本さん。
素敵です。
304 名前:トーマ 投稿日:2004/11/13(土) 01:06
>>301 名無し読者様  本当にそうですね。なんだかんだ言っていつも役得の藤本さんです。

>>302 名無飼育様   ありがとうございます。

>>303 さすらいゴガール様  ありがとうございます。
           お宅のりかみきもいつもイイ雰囲気で、羨ましいかぎりです。



さて、今回は久々に田中さんを書きます。
誕生日に間に合わせるつもりが、二日も遅れちゃって・・・
ついでに、ちとまずいリアルネタも出ちゃって・・でもくじけずに書いちゃいます。
因みに誕生日より前という設定です。
305 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 01:22

何でなんだろーって・・・思う。

正直、最初、合格する前からずっと
アタシは、あの娘をなめてたんだと思う。

歌えないし、踊れない。
まあ、確かに可愛いとは思ったけど・・・それだけだって、高を括ってた。

それに比べてアタシは、
最初の曲でいきなりのセンターで、
キッズととはいえ、いきなりのユニット。
乙女でだって、あの石川さんと藤本さんを両脇に置いての真ん中で、
だから、
藤本さんは別として、
同期の中では、一歩も二歩もリードしてるって・・・信じてた。

なのに、
なんでだろーって・・・思う。

もちろんM黙なんかもあったから、
それなりに期待されてて、恵まれてるなって、そーは思ったけど・・・

ナルシスキャラも不思議ちゃんキャラも、
それなりにウケはイイのかなって思ったけど、
でも、それってアタシのヤンキーキャラと同じで、
ただそれだけのことで・・

なのに、
なんでだろーって・・・・思う。
306 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 01:37
エコモニってさ、

期間限定のはずだったよね。
文化祭のためのマスコットユニット。
だから、CDとか出さないって聞いてた。

でも、出すんだよね・・・ハム太郎だけどさ。
プッチベストだけどさ。

それに、放課後だって・・・
何で、アンタがアタシの前でマイク持ってんのかな?
まあ、センターは紺野さんだけどさ、
どーして、アンタが石川さんと藤本さんと一緒に、一番、歌ってんのかな?

歌ならさ、ステージの上ならさ、
絶対に負けてないと思う。絶対に。
今度の曲のイメージじゃないって言われれば、そうだけど・・

でも、やっぱり、
なんでだろーって・・・思う。


アタシは・・・
自分で言うのもなんだけど、頑張ってるよね、本当に。
ダンスレッスンだって、誰にも負けないくらい熱心だし、
納得がいくまで、家でだって練習してる。

ハロモニとかでもさ、なるべく前に出ようって、
無理してイナゴ食べてみたりさ。

先輩とだって、積極的に話しとかしてる・・・・つもりだし。

そりゃ、愛想ないかもしれないけどさ、少しキツイかもしれないけどさ、
でも、そーゆーのもキャラの内でしょ。

なのに、
なんでだろーって・・・思う。
307 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 01:50
アンタはさ、
いつもボーっとしてて・・・なのによく、話振ってもらえるよね。
きっちりオンエアーされるよね。
案外、けろっと先輩とかいじっちゃうし・・・

そりゃ、アンタはさ、そーゆーとこ図太いってゆーか、
結構、最初から遠慮がなくて、
入るなりに、ファンだって言ってた高橋さんとメル友になっちゃったりはしてたけど、
でもさ、それって、高橋さんだけでいいんじゃないの?
モー娘のお姉ちゃん・・・なんだよね。

なのに、
なんでだろーって・・・・思う。


やっぱり、ユニットって・・・・大事なんだよね。
当然その仕事のからみとか自然に多くなるし、
海釣りとかさ、別のところでも、何かと組んでもらえるし・・

ねえ、それってさ、事務所の方針なのかな?
それとも、本気で気に入られちゃったのかな・・・あの人に。
308 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 02:01

石川さんは・・・
はじめから、アタシたち新入りに気をかけてくれてた。
乙女の時とか、よく声をかけてくれて、色々教えてもくれた。

でも、
最初は同じくらいだったよね。
なのにさ、いつの間にか・・・

ねえ、サユ・・・アンタばっかりになってない?


そりゃね、上手く出来なくて、先生や他の先輩に叱られて、落ち込んだりするのは、
アンタの方がはるかに多くて、
だから、慰めてくれるにしても、アンタの方が多くなるのは仕方ないけど・・

けどさ、
何にもない時でも、何かとかまってもらってるよね。

「サユ、その髪留め貸して」とかさ、
「お菓子ちょうだい」なんてさ・・・

そりゃね、アタシはアンタと違って、可愛い髪飾りも持ってないし、
お菓子も常備してないけど・・

だけど、やっぱり、
なんでだろーって・・・・思う。
309 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 02:20
 
そんなこと考えながら、
エリとバカ話しているサユを見てたら・・・

うん、たぶん少し怖い顔になってたんだよね。

ふと目が合ったサユが、
「レイナ、怖いよー!」
って、わざとらしくエリにしがみつく。

そんな仕草が、なおさら癇に障るから、
今度は本当に、睨みつけてやる。
そーだよ!アタシはヤンキー入ってるんだからね!

そしたらさ、
「わー、レイナがいじめるー!」なんて・・

オイ、どこに行くつもりだよ!

反対側の化粧台の前にいる・・・石川さんの所まで飛んでっちゃった。
・・・・・・・・バカ!

「かわいそーにーねー、よしよし」
なんて、頭なでられて・・・・ごろにゃんって・・

あのさ、猫ってさ、元々はアタシの持ネタだよね。
本当にでかい図体してるくせに
・・・・・・・・・・バカ!

それに、石川さんも石川さんだよね。なんだかんだ言って、サユには甘い。
そんなに、ソイツが可愛いですか?

で、こんなタイミングでスタンバイの合図があるもんだから、
そのまま、おてて繋いで、ルンルンてな感じで、出て行く・・・エコモニ。

置いてきぼりをくったエリが、
「待ってよー!」とか追いかけて・・・
なんか、こんな光景もいつの間にか普通になっちゃって・・・・
ッタクー!
310 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 02:33

「何、ボーっとしてんのよ・・行くよ!」
って、やっぱり相方をなくした藤本さんが声をかけてきて、
アタシの視線の先を辿って、
「まーねー」なんて、腕を組む。

「しゃーないじゃん。ここしばらくエコの仕事あったしさ」
だけどさ・・

「アレはさ、天性のお節介だからさ、
 あーゆー重さんみたいな子、ついつい構いたくなるんだよ・・きっと」
って、アレとか言っちゃうし・・
やっぱり、アレはアナタの所有物だったりするんですか?

「まっ、わかるけどさ、ほら、急ご!」
まだグズグズしているアタシを押すように廊下に出て、
「あっ、そーだ!」
って、不意に立ち止まる藤本さん。

「あのさ、田中ちゃんって、もーじき誕生日だよね・・」
「はい?」
「じゃさ、美貴から特別のプレゼントするわ」
えっ?
「収録の後、少し待っててよ・・・時間、大丈夫だよね?」
「ええ、まあ・・・」

って、何だろう・・・
311 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 02:45

だから、
少しのろのろと帰り支度して、
サユの帰ろうの声にも、エリの行くよの呼びかけにも、
「先に帰っていいよ」って、軽く返して、
何気ない感じで・・・待ってた。

そしたら、小さく肩を叩かれて・・
「はい」って、振り向いた先には・・・・あれ?
石川さん?

「あのさ、美貴ちゃんが言ってたんだけど・・・・レイナが元気ないって・・
 ね、なんかあった?」

あー、そーゆーことか・・・

小さく音のした入り口の方に目をやると、
藤本さんがドアノブに手をかけながら、振り向いて親指を立てる。
それから、声を出さずに、ゆっくりと口を動かす。
「ト・ク・ベ・ツ・ダ・カ・ラ・ネ」・・・・かな?

やっぱり、そーゆーことなんだよね。
312 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 02:59
石川さんは、心配顔で、隣の椅子に腰かけると、
「ねー、どーした?」
って、アタシの顔を覗きこむ。

うん、・・・キレイ・・・なんて、クサクサした気持ちが少し和むけど、
でも、やっぱり、

「別になんでもないです」とか、強がりを言っちゃう。
あーあ、アタシって、やっぱ可愛くない。

でもさ、これって何言っていいのかわかんないし・・・
サユに嫉妬してますなんて、そんな格好の悪いこと・・
死んでも言えない。

なのにさ、
「レイナはさ、何でも我慢しすぎるから・・・
 でも、たまには弱音吐いちゃっても・・・・いいんだよ」
だって。

そーなんだよね・・・この人、本当に根からのお節介。
アタシが精一杯強がってんだから、ほっといてくれればいいのに・・・

「ね、お姉さんが何でも聞いてあげるから・・話てごらん?」
なんてさ・・・第一、何がお姉さんだっつーの・・
あーあ、でも、きっとサユはそーなんだろーな。
そーゆーノリで、いつもじゃれてんだろーな・・・この人と。

313 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 03:14
だから、
睨みつけてやろーかと思った。
人の気も知らないでって・・・・

なのに、

思わず合っちゃった目が・・・・やたらと優しくて・・

だから、
体が勝手に動いちゃって、
前に座ってるその人の胸に・・・・頭・・・預けちゃった。

「!」
なんて、今、一瞬、引いたよね・・・・

だけど、すぐに、少し強張らせた身体をほぐして、
ゆっくりとアタシの肩に手を置く・・・先輩。

だから、
今度は意識して、ちゃんと意識して、
思いっきりしがみついてみる。ギュッって感じに。

なのに、
「どーしたー?」
なんて、間の抜けたこと言うから・・・

だから、やっぱり照れくさくなって、
「・・・卒業式の練習です」
「えっ?」
「アタシ、こーゆーの苦手だから、本番でぎこちないのやだから、だから練習です!」
なんて、言い訳してみる。すぐにばれるような嘘ついて。

なのに、
「そっか・・」って、素直に信じちゃったのかな?

「まあ、カオたんとか、もう近いからねー」
なんて・・・・・本当にこの人の、こんな見当はずれが・・・嫌になる。
314 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 03:33
だから、少しいやみっぽく、
「石川さんも、ちゃんと練習してくださいよ。
 のんっあんの時みたく、しかって感じで・・」
なんて、言ってみる。

そしたら、
「あーあ、そーねー」
なんて、なんも考えてなさそーな返事して、
でも、ギュッって・・・・・・・してくれる。

だから・・・
これは、これでいい。

やわらかくて、暖かくて・・・少し甘い匂いがする。

だから、これはこれでいい。
そのぬくもりの心地よさに・・・・今だけでも浸っていたい。

なのに、

「やっぱダメだよ!」
って、何?
ぱっとアタシの肩を押して、もたれてる身体を押し起こして・・・
何?

「ね、ご飯食べに行こ!」
って、何?

「やっぱ、少し痩せ過ぎだよ!」
って・・・・・そーゆーことか・・・・でも

「アンタ、もしかして本気でダイエットとかしてんの?」
って・・・・そーだけど・・・

「成長期なんだからさ、これ以上痩せてどーするのよ?!」
だけど・・・・だってさ・・・

「もしかして、O型とか気にしてんの?」
もちろん、それもあるけど・・・・
315 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 03:51
娘に生で会って、最初に思ったこと・・・みんな・・・細い!
まあ、多少の例外はあったけど・・
それに、TVに映る自分を見て、最初に驚いたこと・・・丸い!

そーなんだよね・・・TVは人を膨張させる。
だから、まだ地元にいた頃、友達の何人かは、
モーブスとか、モーデブとか、娘のこと笑ってた。
こんなにみんな細くてキレイなのに。

だから、ダイエットしなきゃって思った。

それにやっぱり、あんなふうに脅されちゃったし・・・次に来るって・・・


「O型だって、みんながみんな太ってるわけじゃないでしょ、
 ほら、ごっちんだってさ・・・」
でも、後藤さんだって、一時はかなり来てたよね・・・今はちょっと痩せすぎだとは思うけど。

「それに、ほら、みんなじきに戻るってゆーか、
 成長期だからさ・・女の子っぽい体形になるってゆーか・・」
でも、吉澤さんだってかなり長くかかっちゃったし、
約一名、いつまでも戻らない人がいるわけで・・・

「それに、私たちって、やっぱ体力勝負みたいなとこあるじゃない・・
 だから、ちゃんとエネルギー補給しないとさ・・・」
それはわかってるけど・・

「ね、何がいい?」
って・・・・・あー、そーか、アタシ今、この人に食事誘われてるんだ・・・

「やっぱり、焼肉?」
うん、お肉は大好きだけど・・・・でも・・・

「ね、そーしよ!」
って、立ち上がって手を引く。
そりゃあ、一緒に焼肉っていいかもしれないけど・・

「さっ、行くよ!」
そーだよね。一度や二度の食事で、どーにかなっちゃうものでもないし・・・
316 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 03:59
それに、
もしかして・・・・初めてじゃない?
二人でって・・・・・そーだよね・・・・初めてだよね・・・

だから、大きく頷いてみる。
そしたら、本当に嬉そーな顔して、
「おごるからさ!」だって。

本当にこの人は・・・・お節介なんだ。
誰かの世話を焼いていたくてしょうがなくて・・・・特に下のメンバーには。

で、アタシもその中の一人で。
だから、二人でなんて・・・この人にとっては何の特別な意味なんてなくて・・

でも、それでもいいと・・・・思った。

こーゆーのも、きっとあと半年で・・
あと半年しかなくて・・・
だから、それでいいと・・・・思った。
317 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 04:10
なのに、
どーしてって・・・・・思う。

スタジオの最寄のお店は、ここだから、
ここは結構、メンバーの御用達って感じらしいから、
誰かとかち合うのも珍しくはないんだろーけど・・・・・・・


お店の前に・・・・藤本さんが・・・立ってた。
って、もしかして、打ち合わせ済み?

「あれ、美貴ちゃんどーしたの?」
って、ことはなさそーだけど・・・

「ここに来るんじゃないかって思ってさ」
って、何、お見通しってやつ?

「焼肉デートってさ・・・・特別が本当に特別になっても困るからさ・・」

「えっ?どーゆー意味?」
首をかしげる石川さんに、

「まー、いいから一緒にたべよーよ! どーせなら、大勢の方がいいでしょ」
「別にいいけどさ・・」
「ね、おごってくれるんだよね、先輩?」
「ってねー、こんなときだけ先輩ですか・・・・まあ、いいけど・・」
「そーこなくっちゃ!あいつらも待ってることだし・・・」

えっ?
318 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 04:22
藤本さんが予約しておいたからさってゆー、奥の座敷に入ると、

・・・・・・・って、どーゆーこと?
エリとサユが座ってた。

それで、キョトンとしてる石川さんに、
「「ごちになりまーす!」」って、声をそろえる。

本当に、コイツらは・・・・・

「よかったねー、いい先輩がいて」
なんて、涼しい顔の藤本さんを、少し睨む石川さん。

でも、すぐに観念したみたいで、
「よーし、じゃんじゃん頼んじゃって!」


本当に遠慮のない6期メンバーは、本気でじゃんじゃん頼んじゃって、
どーゆーわけか、そんな子たちのために、
一生懸命お肉を焼いている・・・・大先輩。

で、何気にアタシのお皿に多めに取ってくれるから、
サユとエリが、
「ずるーい!レイナばっかりー!」なんて騒ぎ出す。

「だってねー」って、笑いかけてくれる人に、
アタシも本気の笑顔を返す。

319 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 04:34
ちょっと予定とは違ったけど・・・

これは、これでいいと思った。


サユがいて、エリがいて、アタシがいて、
それが6期メンバーで・・
あっ、一応、藤本さんも6期で・・・

そこに二期上の石川さんがいて・・・・・お姉さんしてて・・・

7期も入るらしいけど、たぶん実質的には最後の後輩になるアタシたちに、
この人は、こーしてお節介をする。
一生懸命にお節介をする。

たぶん、それはこの人にとっては、ごく普通のメンバー愛で、
だから、それ以上でもそれ以下でもなくて・・・

だけど、それでもいいと思った。

この人がいるモーニング娘。に・・・・アタシは入った。
この人がいるモーニング娘。に・・・・アタシはいる。

この人がいたモーニング娘。に・・・

だから、それだけでいいと・・・・・・思った。
320 名前:不貞腐れいな 投稿日:2004/11/13(土) 04:35

  「不貞腐れいな」・・・・おしまい



321 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/11/14(日) 23:57
田中、いいですねー。
面白いです!
322 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/17(水) 08:55
石川さんとメンバーたちとのからみが卒業したら少なくなるんだなと
あらためて寂しくなりました。
春までにれいなとも何かあればいいな。
323 名前:さすらいゴガール 投稿日:2004/11/29(月) 01:24
田中さん、かわいい…。
乙女ゴコロ全開ですな。
324 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/29(月) 16:47
うたばんや歌謡祭で石川さんを凝視するれいなは可愛かったですね
こちらを思い出しました
最近六期と石川さんのからみが楽しいです
325 名前:トーマ 投稿日:2005/01/18(火) 12:09
>>321 名無し飼育様 ありがとうございます 田中さん好きなんですよね、何気に

>>322 名無し飼育様 なんですよね。卒業はいいとしても、娘の中でのからみが見られなくなると思うと
          サビシイですよね

>>323 さすらいゴガール様 ホントに・・田中さんって本当はすごく乙女チックなんじゃないかと・・

>>324 名無飼育様  でしたね。真っ直ぐ見つめてるってカンジが微笑ましかったですね。


では、おくらばせながら、明けましておめでとうございます。
今年も、ボツボツと書かせていただきます。

326 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 12:10

「オタオメ・・・」
327 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 12:24

「あんたたちさー、
 ・・・・・・・喧嘩とかしてんの?」

「「は?」」
思いっきり答えがユニゾった。

ちょっと話があるから、アンタたち残って・・・とか、
二月からのリーダーに言われて、
何かと思えば・・・・それですか?

「あのー・・・・」
「てか、どーゆー意味ですか?」
逆質問を口ごもってるソプラノに割り込む。

「えっ?・・・・もっぱらの噂だから・・」
「って、どこで?」

「あっ、そのー、うーんいわゆる・・・某所で・・」

って、あれか・・
この人、まだネットとか覗いてんだ・・・やめときゃいいのに・・

あっ、でもそー言えば、お隣さんも何気に、
私たちって、やっぱ相性悪く見えるのかな・・・とか言ってたよなー、確か。

で、顔見てみたら・・・ふむふむってカンジにしてるし・・
もー!
328 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 12:38
「そんなことないですよ。いたってフツー・・
 てか、ラブラブ・・・」

「ふーん、ならいいけど・・」

ならいいんだ・・・へー。
とか言いながら、あんまり納得してないみたいに、視線をアタシの隣に移す・・チビ。

その視線の先の人は・・・小さく笑顔を作ってるだけで、積極的には言い返そうとしてないから、
しゃーないなーって、腕を絡めて、体を引き寄せる。

「ほら・・・ね?」

「いや、仲良くしてんなら・・・それでいいし・・」

あー、やっぱいいんだ・・なら堂々と、
「ええ、仲良いですよ。この後も、同伴で帰っちゃいますし・・」

「なのか?」

って、やっぱり梨華ちゃんの方に聞いてるのを無視して、
「もちろんですって」
って、胸を張る。

「・・・・なら、いいか・・・あっ、でもほどほどにな・・」

なんて、まだ何か言いたげな新リーダーを残して、

「ほら、さっさと帰ろ!」
って、そのまま押すようにして、
「おつかれしたー!」
って、控え室を後にする。
329 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 12:57

「矢口さんにも困ったものだ」
「うん」
「なんか毒されてるよね」
「うん」
「てか、どんな噂だよってカンジだよね」
「うん」

「でもさ、変な噂立てられるよりは・・・いいってゆーか・・・」

あっ、コイツ、やっぱ何か知ってるんだ・・・最近PCよく開いてるとか言ってたもんね。
って、変な噂って・・・

さりげなく、絡めてた腕を解いて歩き出してる・・・バカ・・
怖がり過ぎだって・・・

でも、このこのこーゆーの・・・わからなくもない。
昔、よっちゃんさんとのこと、三流週刊誌に書かれて、
それを上の人に注意されて、
それ以来、妙に意識して、お互いにギコチナクなっちゃったって、
淋しそうに言ってたもんね・・・前。

って、もしかして、また何か言われちゃった?
そー言えば、何気にカメラ回ってる時とか・・・少し避けてる?
まあ、立ち位置とか、最近遠いからいいんだけどさ・・・
って、もしかして、あれも上がわざとしてんのかな・・・
330 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 13:16
まあ、こーゆーアタシもね、実は少し意識しちゃってるし・・・

てさ、あの横浜のフットサルの時にさ、ちょっと言われちゃって・・・

初めてのアウエーな雰囲気の試合で、逆に燃えちゃったこの負けず嫌いが、
いつも以上にフルスロットルで走り回ってるから、
試合中から、大丈夫かなってハラハラしてたんだけど、
案の定倒れちゃって・・・まあ、いつものことだなっとは思ったけど、
でも、見てたらピクリともしないし・・・
心配するなって方が無理あるでしょ。
誰だって、心配するって・・・あれは。
だから、本当、無意識。いつの間にか、駆け寄ってた。

でね、少し遅れてきた柴ちゃんにボソッとね・・
わかるけど、アタシより先は拙いよって、
アンタたちは未公認なんだからって・・・

その時は何のことだかわかんなかったんだけど、
後で、冷静に考えてみたらね、あーそーかって・・・

公衆の前だからね・・・
アタシと亜弥ちゃんとかね、この子と柴ちゃんとかだったら、
いくらでもOKらしいんだけどさ、事務所的には・・

だから、やっぱりあの後ぐらいから、アタシも少し意識してたみたい。

そしたら、今度は喧嘩してるってことになっちゃうわけか・・・
何かメンドイねー、そーゆーの。


事務所の裏口の車寄せに待っているタクシーに、続いて乗り込むと、

「あれ?本当に一緒に帰るの?」
だって・・・なんだろなー

「いけなかった?」
「・・・・まあ、いいけど・・」

って、アンタ、本当にこのまんま・・・距離置いちゃおうとか・・・思ってないよね?
331 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 13:32

久しぶりの彼女の部屋は・・・

「あっ、炬燵・・・出したんだ」
「あれ?出してから、初めてだっけ?」
「うん」

なかなか寒くならなかったこの冬。
この前来た時は、まだまだそんな感じじゃなくって・・・

急に寒くなった頃には、年末年始のバタバタが始まってて、
年明けてから、やっともらえた少しまとまったオフは、お互い家族と過ごしたから・・

本当、久しぶりなんだよね。


「お茶のむ?」
早速、炬燵にもぐりこんだアタシに、
そそくさと部屋着に着替えた梨華ちゃんが、キッチンから声をかける。

「うん、あついヤツ」

出された緑茶で、まだ冷えの残っている指を温めてから、
どかっと出されてる、みかんの籠に手を伸ばす。

「亀ちゃんみたいだよね」

「うん、これでお煎餅があれば完全にエリワールドだよね・・
 でも、まあお互い正月太り気味だから、それは控えよーね」

って、正面に座って、クスッと笑う顔は・・・うん、ちょっとふっくら気味かな?
アタシはーって、何気にお腹を触ってみたら・・・うん、ちと拙いかも・・

で、みかんはいいのかなーっと思いつつも、
キレイにすじをとったオレンジの房を、せっせと口に運びながら、
「甘いねー、今年のみかんは」
とか言う人につられて、一個に二個・・・


332 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 13:44
二つ目のみかんを食べ終えて、ゆっくりお茶をすすり終えた彼女が、
ふーと大きくため息。

「なんか、本当に亀ちゃんぽいよね・・・オバアちゃんくさい・・」
「かな?・・・だね」
なんて、言ってるけど、

「疲れてる?てか、なんかあった?」
うん、なんだよね。今日ってゆーか、最近・・・少しテンション低いんだよね・・この人。
まあ、アタシも、結構疲れてたからさ、決して高くはないんだけどね・・

「うん・・・・・あのね・・」
あっ、やっぱ何かあったんだ・・

「あのさ、この前、お休みあったじゃない」
「うん」

「家に帰ってさ・・で、久しぶりに地元の友達に会ったのね・・部活一緒だった・・」
「あー、なんか言ってたねー」

「うん、ほら、成人式じゃない・・私たち」
「だね、式とか出れなかったけど」

「そー、それが無理だからって、家にね、来て貰って・・・で、久々に色々話たのね・・」
「うん」

「でね、話してるの聞いてたら・・・なんかねー、ついていけなくて・・」
「えっ?」
ついてけないって・・・
333 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 14:05
「ほら、私たちってさ、普通にしてたら、高校出て、上の学校とか行ってたら、
 ちょうど短大とか、専門学校とか三月に卒業の年でさ・・」

「あー、そーなるのかな」

「うん、その子たちもね、一人はもう働いてるんだけど、
 一人は、保育士になるのね、四月から。
 で、もう一人は調理師免許とって、やっぱり就職決まってて・・」

「ふーん」

「で、なんてのかなー、意欲に燃えてるってゆーのかな・・
 ちゃんと資格とかとって、さあこれからって感じで、キラキラしてて・・
 なんかねー、これからの未来に夢を持ってるってゆーか・・・
 ちょっと、うらやましかったかな」

「うらやましい?」

「うん、ちゃんとしてるってゆーか、堅実に歩いてますってゆーかねー」
あー、そーゆーことね・・・でも

「だけどさ、梨華ちゃんが、羨ましがるってゆーのは・・ちと変くない?」
「えっ?」
「だってさ、美貴もだけど、梨華ちゃんはさー、もうとっくに夢叶えてるでしょ・・」

「あー、それはそーなんだけどさー・・
 ほら、私、15でこの世界に入っちゃって、五年になるじゃない・・もうすぐ」
「うん」

「その間にさ、外の世界では、なんてゆーの・・・ちゃーんとした時間が流れていてね・・
 うまく言えないんだけどさ・・」
まあ、言いたいことはなんとなくわかるけど
たぶん、アタシたちが住む世界は、普通とは違う時の流れ方をしていて・・でも、

「でも、もっと濃い時間を過ごしてきたんじゃないの?アタシたちは・・」

「かな・・・うん、そーだよね」

「そーだよ。普通の人よりよっぽど早く、夢を叶えたんじゃない」
そーだよ、アンタはオーディション一発で合格したんだから、アタシなんかよりも、よっぽど早く・・




 
334 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 14:19
「夢か・・・・美貴ちゃんはさ、歌手になりたかったんだよね?」

「うん、小さい時からずっとそー」

「・・・・私はね
 モーニング娘。になりたかったんだ・・・」
あっ・・・

「あの時ってさ、オーディション受けた時、自信なんてなかったけど、
 ただ単純に、モーニング娘。に入りたくてさ・・」

って、もしかしてこの子・・・芸能人になりたいとか、歌手になりたいとかそんなのなくて、
それになるための手段としての娘じゃなくて・・・

「娘に入れたらいいなーって、本当それだけでね・・だから、夢はかなったんだけど・・」

あっ、マジでそーなんだ・・・そしたら・・

「まっ、新しい夢を見ればいいだけなんだけどさ・・」

「そーだよ、色々あんじゃないのー、これからだって・・
 てか、仕事の幅とかきっと増えるし、うん、たぶん色々・・」

「だよね」
って、なんか慌ててるアタシを見て、クスッとか笑ってるけど、
ねー、もしかして梨華ちゃん・・・この先の夢・・・

「大丈夫だよ、ちゃんと持ってるから、新しい夢。」
たぶん少し心配が顔に出ているアタシに言い聞かせるみたいに・・
って、もしかして自分に言い聞かせてる?
335 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 15:00
「あー、でも少し疲れたよね・・・もー、寝ようか・・
 シャワー、朝でいいよね」

「まあ、それはいいけどさ、でも、今日はまだ寝れないでしょ・・」
って、壁の時計に目をやると、日付が変わるまで、もう少し。

「えっ?・・・・あっそーか」
ってね、もしかして、本当に忘れてた?
だから、アタシは来ているわけで・・・

「メールの返信とか、すぐするんでしょ」
「うん・・・って、美貴ちゃん、今日、それで・・・」

本気で気付いてなかったんだ・・・バカ。

去年は、コンサート明けで、みんなで祝うことになったその瞬間を、
今年は、誰に遠慮することもなく、独占しよーかなって思ってて・・

そーそー、去年は文麿に譲ってやったんだっけ・・・奥ゆかしーなー、アタシって。

「じゃあ、悪いけど、しばらく付き合ってくれる?」
「もちろん・・・てか、こっちに座れば?」

あー、そーねー、とか少し躊躇しながら、それでももそもそと這ってきて、
同じ縁に足を突っ込む、梨華ちゃん。

うん、そーこなくっちゃ。
この距離なら、フライングメールに邪魔されなければ、目的の一つが達成できるわけで・・


336 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 15:13
少しテレの混じった短い時間を壁の秒針を目で追って過ごす・・って、あれ?

「ねー、あれって正確?」
「あー、どーだろー」
だよね。
この見掛け倒しにずぼらなこの子が、秒針まで合わせてるわけもなくて・・・
って、あれは・・

携帯で時報を確認したら、
「五分近く進んでいるんですけどー」
「へー、って、そーそー、遅刻しないためにね・・わざと・・」
かー?

まっ、いいけど・・・てことは、後6分以上あるわけで・・・
うーん、なんか手持ち無沙汰。

とか思ってたら、
やっぱあるよねフライング。それにしても早すぎ・・・それも立て続けに。

「あー、のんだー。
 えっ、マコトも・・
 あれ、あいぼんもかー・・
 みんな気が早いねー」

なんて、ニコニコして、せっせと返信しているお姉さんモード。

「みんなやっぱり眠いんだよねー。早く寝たかったんだろーなー。朝でもいいのにサー。
 眠い目こすりながら、打ってるのが目に浮かぶよね・・」
なんてね。本当に子供扱い。

まっ、でもこっちも都合がよかったわけで、返信し終わった頃にいい頃合になったわけで。

携帯で時報を確認しながら、
つーと、自慢の顎に手を伸ばす。
えっ、て感じに少しキョドってるけど、何よ今更・・・でしょ。
337 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 15:23
5,4,3,2,1・・・で小さくチュ!

うん、やったね。大成功じゃん・・・でついでにもっと・・

って、やっぱメールが邪魔をする。
でも、まあ一応は、オタオメキッスは、成功したわけで・・・

何事もなかったみたいに、くるっと背中を向けて、
「わー、やっぱ柴ちゃんだー」
なんてピコピコやっている背中に、アタシも背中を合わせてもたれかかる。

まあ、一連の行事はやっぱ済ませないと落ち着かないし、
しばらくここは我慢して、後でゆっくり、一足早く大人になったこの人と、
もうちょっと大人っぽいこと・・・でしょ?

なのにさ・・・

何々、電話?

「あー、ケメちゃん・・・ありがとうございますー
 ええ、わー、いいんですかー、もちろん私の方はOKに決まってるじゃないですかー」

って、何?

「それじゃ、後で・・」
なんて携帯切って、えっ?
そそくさと立ち上がる背もたれ。

「って、どーしたの?」
338 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 15:36
「あー、ケメちゃんがね、イシカーも大人になったんだから、飲もうって・・」

「えっ、まさかこれから?」

「うん、近くで飲んでるからって」

「って、まさか行くの?」

「うん、もー、外で飲めるし」

って、マジで?・・・うそだよね?
って、何着ていこーかなー・・・なんて、クロゼット開けてるし。

「なら、美貴も行く!」
って、立ち上がったアタシに、

「だーめ、美貴ちゃんまだ未成年じゃん。やばいよー見つかったら」
って、ねー!

「あっ、先に寝てていいから・・・それより、どれがいいと思う?」
なんて、いくつかのピンクのハンガーを交互に胸に当てて・・

うそでしょー!

「あー、もうちょっと大人っぽい方がいいか・・」
って、今度は黒いのや、茶色のを取り出して、
どれも微妙だけどね・・・てか、マジで?

「ねー、冗談だよねー・・
 あっ、そーだ、美貴、ちゃんとプレゼントとか・・・ほら」
って、朝こっそりおいとこーかなーって思ってた小箱をバックから取り出して・・

「なんか珍しくない、美貴がこーゆーのしちゃうのとか・・」
って、何あせってんだろアタシ。
339 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 15:44
なのに・・・

「あー、ありがとねー」
って、軽く受け取って・・・オイ!開けてみないのかよ!

「ねー、これでいいかなー、どー思う?」
って、ねー!

「何着てもおんなじ!勝手にすれば!」
なんだよ、頭にくる!
「もー、いい!」
って、炬燵の中に潜り込む。

なんだよ・・・人が似合わないことまでしてんのに・・・
アタシたちってさ、特別・・・だったよね・・

なんか泣けてきた。やだなー、これマジに似合わないでしょ・・


クロゼットの閉まる音がして・・・決まったのかな・・
あーあ、衣装選び完了てか?
この不良娘が!

少し間があって、
ツンツンって、炬燵から少しだけはみ出てる頭をつついてるバカ。
なんだよ、行ってらっしゃいとか言わせたいわけ?
340 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 15:56
そんなの言ってやるわけないじゃん。
だからもっと深く潜り込みたいんだけど・・・
今度買うときは、もうちょっと大きいのにしてよね・・イシカーさん!

だから、またツンツン・・・
たくー、
「しつこいなー、もー寝てるのに!」
って、マジにベッドに行ってやれって思ってガバッと身を起こす。

って、なんだまだ部屋着のままじゃない・・・たくー、ホント愚図なんだから!

「・・・って、怒った?」

「当たり前でしょ!」

「そっかー、やっぱ美貴ちゃんでも怒るんだー」

って、なに笑ってんのよ!・・・・ってもしかして・・・

「うそだよ・・・冗談」
「えっ?」

「まさか本気にするとはおもわなかったなー、
 こんな遅くに飲みに出て行くわけないじゃん・・」

「へっ?」

「それこそ誰かに見られでもしたら、週刊誌とかに何書かれるかわかんないじゃん」

「は?・・・じゃ、さっきの電話は・・」

「あー、あれは次の名古屋の時、食事に連れてってくれるって話」

「じゃあ・・・」

「うん、ちょっと未成年をからかってみただけ・・
 ほら、美貴ちゃんっていつも人のこと子供扱いにしてさー、だからね・・」

「あー、そーだったんだー」
って、アタシ、もしかしてやられちゃった?
341 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 16:04
「でも、美貴ちゃんも・・・意外と・・・」

「なによー!」

「可愛いなーって!」

って、ねー、何よー!
ちょっとだけ早く成人したからって、もーマジに怒るからねー!

ってさ、思ったんだけど・・・

少しこぼれかれてた涙をちっちゃな手で掬って、
そのまま嬉しそうに、ギューッとしてくれてるから・・・

まっ、いいか・・・

いいよ、後一ヶ月ちょっとだけ・・・
お姉さんモード許してあげても・・・なんて気分になっちゃうわけですよ・・
これが・・


でもさ、
何気にアタシのお腹摘んだでしょ・・・

それでもって、
「ねー、美貴ちゃん・・・これチョット・・ヤバクなあい?」

は、ないんじゃないの?イシカーさん!!
342 名前:オタオメ・・・ 投稿日:2005/01/18(火) 16:05

  「オタオメ・・・」 おしまい
343 名前:さすらいゴガール 投稿日:2005/01/18(火) 22:50
いやー。もぉ、にやにやしちゃったい!
素敵すぎ。

ワタクシはタナカさんとフジモトさんは乙女だと思ってますから。
ほんっとトーマさんの作品すきです。
のんびりと作品待ってますよ。
344 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/18(火) 23:52
現実でも、小説でも、ミキティをかわいいと思ったのは久しぶりでした
345 名前:Liar 投稿日:2005/01/19(水) 22:52
梨華ちゃん、誕生日おめでとう!!
346 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/21(金) 01:30
>>345 ↑↑だからさ・・・
347 名前:Liar 投稿日:2005/01/21(金) 07:46
す、すいません・・。まちがえてしまいました・・・。346さん、指摘してくださってありがとうございます。作者さん、本当にすいませんでしたぁ・・・・。今後気をつけます。がんばってください。
348 名前:トーマ 投稿日:2005/01/26(水) 12:16
>>343 さすらいゴガール様  ありがとうございます。
            同感です。てか、少しシャイなのかなその二人は。

>>344 名無し飼育様  リアルでも、そろそろかわいいところを見たいですよね。

>>345 Liar様     お気になさらずに。誕生日を祝う気持ちは一緒ですから。
349 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 12:17


   「いつもの風景」
350 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 12:25

いつもの風景だった。
いつもの楽屋だった。


「ののがウチのお菓子食べたー!」
「おいとくのがわるいんだもーん!」

ちびっ子たちは、相変わらず騒がしい。

まあ、ちびっ子って言っても、オイラよりはでかいけど・・・
てか、最近、少し横にきてないか?
育ち盛りだから仕方ないけど・・・
うん、あれだ、やっぱ少し食い過ぎだろ。


「オバちゃんー、助けてー!」

辻が圭ちゃんを盾にする。

「へっ?」

あの年でオバちゃん呼ばわりされて、
おまけに鬼ごっこの障害物に使われてる圭ちゃんは、少し気の毒だけど、
でも、まあ、怖がられて近寄ってもこなかっかった頃に比べたら、
まだマシっちゃーマシだよね。
351 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 12:34

「梨華ちゃん、それってさ、やっぱビミョーだよね」
「そーおー?」
「だよ。ね、ヨシコ・・」
「うん、かなりビミョー・・てか、変!」
「うそー!」

奥では、昨日買ったばかりって、ルンルンしてたワンピースを、
ごっつあんとよっすぃーにからかわれて、石川がへこんでる。

最近、仲良しだよね・・・あの三人。

石川のごっつあんに対する遠慮みたいなものがなくなったのかな・・
この間、一緒に作ったっていうクッキー食べさせられたけど、
あの石川の方は、やっぱ、ちょっと勘弁って感じだったよね。
352 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 12:41

「だからね、カオリはね、そうだと思うの・・」
「あー、そーやなー」
「って、裕ちゃん、聞いてなかったでしょ!」
「う?・・聞いてるよー、まあ、わけわからんかったけどなー」

なんて言ってるけど、裕ちゃんは、やっぱり聞いてない。
ひざの雑誌のページ、順調にめくってるもんね。

「ねー、圭ちゃんは聞いてくれるよねー」
って、今度はそっちに捕まっちゃったか・・

やっと辻加護を、ポテチを人質にして、追い払ったのに・・
圭ちゃんは、やっぱりどこでも被害者だ。
353 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 12:50

その哀れな同期から奪ったポテチで、しばし休戦中だった二人が、
また騒ぎ出して・・・
てか、食うの早過ぎ!

それにそんなに騒いでたら・・・

「こら!オマエラ、ちとは静かにせー!!」
ね、鬼がきれちゃった。

「あっ、すいません・・」
って、何故か代わりに、駆け寄ってきた石川が頭を下げて、

「アホ!オマエに謝られてもしゃーないやろ!」
なんて言わせちゃうから、

「梨華ちゃんのアホー」「梨華ちゃんのアホー!」
って、反省のないちびっ子たちの生贄になっちゃう。

まあ、これもいつものことだけど、

「なによー!」
なんて混ざっちゃうから、なおさらうるさくなっちゃうじゃん。
それって、アイツラの思う壺なんだけどなー。
354 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 12:56

「おっはよー!」
ハイテンションにドアが開いて、

「相変わらず、元気だねー」
なんて暢気に言ってるけど、


「こら!なっつあん、何時だと思っとんのや!」
って、やっぱ怒られちゃう。
だよね、もーだいぶ入りの時間過ぎてるもの・・

「収録延びるから、ええようなもんを・・・」
「でしょ、ね、やっぱり遅れるんだよねー」
ってねー!
ちっとも悪びれてない笑顔・・・・まっ、いいか。

あっ、でも収録って・・・
そっか、今日はハロモニか・・・

355 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:06

「中澤さん、そろそろお願いします」
ドアの外から声がかかる。

「はーい・・ほなな」
って、裕ちゃんが席を立つ。

なら、オイラも・・・って、立ち上がろうとすると、

「矢口はマダマダだよ」
って、圭ちゃんに引き止められる。

あれ?
あっ、そっか・・・スチール撮りが裂きにあるのか・・・

しばらくすると、
「ゴトーも行かなきゃかな」
って、ごっつあんが、のそのそと出て行く。

「じゃあ、アタシもそろそろ行くとするか」
って、圭ちゃん。

あれ?順番、決まってるのかな・・・
オイラ知らないけど・・・って、思ってたら、

「お先にね」
って、なっちが出てっちゃう。

その後を追うように、辻加護が手を繋いで・・・
あいつら、ホント、仲いいんだか、悪いんだか・・・
356 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:11

「・・・・次はカオリの番だよね」
大きいのが、腰を払いだして、
「イシカー、遅れるなよ」
って、髪をなびかせて、ドアの外に消える。

「はーい」
って、それに応えて用意を始めるピンクの物体。


さすがに淋しくなった楽屋。

妙に不安になったオイラは、やっぱり聞いてみることにする。

「ねー、梨華ちゃん、オイラの番は?」
って、あれ?
オイラ、いつから梨華ちゃんなんて呼んでたっけ?
357 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:21

「あー、矢口さんはマダマダですよ」
「そーなの?」
「ええ。じゃ、そろそろ行きますね」

って、消えてくその背中を見送ったけど、
なんだろな、やけに不安。

あっ、そーだ、よっすぃーがまだいるはず・・

って、なに?

「よっすぃー、なんだよその格好?」
「あー、吉澤は、これからフットサルの練習です」
「えっ?」

いつの間にかよっすぃーは、オレンジのユニフォーム姿で、
おまけにどこからかサッカーボール取り出して・・・
なに、あれ、なんて言ったっけ・・・リフティング?
つーのをやりだしてる。

おー、なかなかうまいもんだ。
てか、いつからサッカーなんて始めたんだろう・・・

って、どーゆーこと?
358 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:28

「ねー、オイラたちも行かなきゃだろ?」
「いいんですって」
「えー、どーしてだよ」
「いいんですよ矢口さんは」
「なんでだよ!」
「いいんですよ矢口さんは・・ここにいれば・・」

って、ねー・・・
あせるオイラを無視するみたいに、
サッカーボールと戯れ続けてるよっすぃー。

たくー、どーしちゃったんだよ・・・
てか、収録あるんだよね。
やっぱ、行かなきゃだよね。
そーだよ、やっぱ行かなきゃ・・・

慌ててドアに手をかける。
あれ?
どーして?
・・・・・・・・開かない。
359 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:34

ガチャガチャやってると、
のっそりとよっすぃーが近づいてきた。

「まったくしょーがないですねー、矢口さんは・・・」
のんびりとそー言うと、
オイラを押しのけて、ドアに手をかけて・・・

えっ?
開くのかよ・・・・

そのままチョコっと開けた隙間から顔だけ出して、

「ねー、梨華ちゃーん、どーにかしてよ・・・この人」

まだドアのそばにいたのかな?
「どーしたのー」
って、戻ってくる石川。

「矢口さんが、出て行こうとするんだよ」
「えっ?・・・それは困ったわね・・・じゃあ」

って、オイラの前までやってくる。
360 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:45

「もー、しょうがないなー・・
 あんまり使いたくないんですけどねー・・」

って、なに?

「ポチ!待て!・・・お座り!」
へっ?
なんだよそれ・・・このアゴンが・・・・

って、でも・・・あれ?

「キャン!」
って、えっ?えっ?どーゆーこと?
オイラ、いつから犬夜叉だよ?!

そんなことないよね・・・うん、そんなわけない・・・
でも、体、動かないし・・

「はーい、イイコ。いいわね、ポチはここでおとなしくしてなきゃダメなのよ」
って、ねー!

でも、
「キャン!」

わー、なんだよこれ・・・

「じゃあね」
って、アゴンはまた行っちゃうし・・・・

わー、いったいどーなってんだよー!
みんないなくなっちゃうし、
体は動かないし、
なんだよこれ・・・・

もしかしてオイラだけ置いてきぼりかよ・・・
もしかしてオイラだけこのままかよ・・・・ずっと
361 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:46


「ヤグチサン・・」

「ヤグチサン」

362 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 13:50

「どーしちゃったんですか?」
「えっ?」
あっ・・・・アゴン。

「もー、大丈夫ですか?」
「ヘッ?」
「うなされてましたよ」
って、・・・・・あれ?

「転寝してると思ってたら、いきなりキャンとか言い出すし」
「・・・・・」
「汗までかいちゃってるし」
「あー」

夢か・・・・よかった夢で。
363 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 14:01

「ほら、そろそろ準備しなきゃ・・・」
って、あれ?・・・・ここは・・

少しぼんやりしている目をこすって見回すと、
やっぱり大人数の楽屋の風景。

でも・・・・・

「裕ちゃんは?」
「えっ?・・・中澤さんなら、あっちの部屋ですけど・・」
「ごっつあんは?」
「もちろん、ごっつあんも」
「圭ちゃんは?」
「なに言ってるんですかー、ケメちゃんだって・・」
「なっちは?」
「えっ?・・・本当にどーしちゃったんですか?」
「辻は?加護は?」
「・・・・もしかして寝ぼけてます?」
「カオリは?」

慌てて問いただすオイラに、呆れ顔の石川が一つため息をつく。

「かおタンは、今、コメント撮りです。最後ですから・・」
「最後?」
「・・・本当、しっかりしてくださいよ・・これからかおタンの最後のステージなんですから・・」
「あっ・・・」

そーだった。
 
364 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 14:09

「もー、明日からはリーダーなんですからね・・・」
あー、そーだった。

「で、梨華ちゃんは?」
「は?・・・私は一応、春コンまでいさせてもらいますけど・・・」

怪訝そうに傾く困り顔。

「あー、うん・・・そーだよな・・・
 まっ、いつでも出てってくれていいんだけどなオマエは・・」
「もー、意地悪言わないでくださいよー、本当は淋しいくせにー!」
「キショ!」
「もー!」

なんて、照れ隠しのオイラの突っ込みに、乗ってくれる梨華ちゃん。

そーだった。
そーだったんだ。

さっき昼の部を終えて・・・
もうしばらくすれば、夜の部が始まる。

カオリのラスコン。
本当のラスト。
365 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 14:20

裕ちゃんは、トウにいない。
ごっつあんはソロになった。
圭ちゃんも卒業して、
なっちは・・・・・今日は舞台の袖で見守るだろう。  
wの二人は相変わらず元気だ。

そして、今日・・・カオリ。



「ヤグチー、どーしたー?」
あれ、裕ちゃん・・・
「やぐっつあん、元気してるー」
あれ、ごっつあん・・・
「あんたねー、大丈夫なの?」
圭ちゃんも・・
「おーやびーん!」
って、それいつの呼び名だよ・・・辻加護。

なーんだ・・・みんないるんじゃない・・
って、どーして?

「矢口さんがおかしいからって、よっちゃんが呼びに行ってくれたんですよ・・」
って、言う梨華ちゃんの後ろで、よっすぃーがウインク。

あっ、そーかハロコンだもんな。

そーだよね。
楽屋は違うけど、みんないる。

そーなんだよね。
卒業ったって・・・・こーゆーことじゃん。

同じハロプロだもの、壁を一つ隔ててるだけ・・・
スケジュールが多少違うだけ・・・
  

366 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 14:29

「ヤグチ、ほら、そろそろ行くよ!」
って、カオリ・・・・そっか、コメント撮り終わったんだね。

そっか、もう・・・・始まるんだね。


俄かに慌しくなる楽屋。
今日はさすがのゴロッキーズも、どこか神妙な面持ちってヤツなのかな・・
何気に静かに、続けてドアの外に出て行く。

そーだな・・・オイラも・・

立ち上がろうとするオイラの前にはまだ梨華ちゃんがいて、
その肩をよっすぃーが、ポンと叩いて、

「ね、あれ、やっちゃいなよ・・」
って、ナニ?

「うん、やっちゃおーか・・」
って、ナニ?


「・・・・ポチ!お座り!」
へっ?

ドーユーコト?
・・・・・・・・・・・・

「キャン!」
えっ?

エッエエエエー??????
367 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 14:36
 
いつもの楽屋だった。

いつもの風景だった。



辻加護が走り回って、

それを石川が半べそで注意してて、

よっすぃーは知らん顔でベーグルをほおばって、

ごっつあんは、この騒ぎの中・・・熟睡しちゃってる。

圭ちゃんがしかめっ面で文庫本を開いてる隣で、

カオリは、自分の星に帰っている。

なっちは相変わらずの遅刻魔で、たぶん今頃エレベーターの中。

オイラは、やっぱりユウコに捕まっている。


そんな・・・

いつもの風景。



何も変わらない

いつもの風景。

368 名前:いつもの風景 投稿日:2005/01/26(水) 14:36


 「いつもの風景」・・・・おしまい
369 名前:さすらいゴガール 投稿日:2005/01/26(水) 18:07
更新お疲れ様です。

もうすぐですね。読んでてしんみりとしたものの、
だけどどこかさわやかな感じも受けました。
変化しているようで、変わっていなくて…。

あたたかいお話をありがとう。そんな感じです。
370 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/26(水) 21:54
ゴロッキーズが悪いワケでもなく、
ただ、あの黄金期と言われた時が
リアルタイムだった私達にとっては、
感慨深い思いがよぎりました。

>>227の「I WISH」同様にしみじみさせられました。
ありがとうございます。
371 名前:名無しです 投稿日:2005/01/27(木) 00:38
なーんにも気付かず読んでて、みんなが順番に楽屋から出て行って
るシーンでフト気がついて、うわぁぁすんげぇ…って…
あの頃がホント懐かしくて、すごいジーンってきてます。

もうすぐなんですね…
娘。の脱皮…
372 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 11:01

「雪だねー」
「うん、寒いわけだよね。
 もう、春になったとばっかり思ってたのにねー」

フロアラウンジの大きく切り取られた窓から、
夜の中にきれいにライトアップされている雪景色を眺めていたら、
背後に静かな足音が近づくのが聞こえて、何気につぶやいてみた。

返ってきた声は、やっぱり思ったとおりで、
いつの間にか気配だけで、その人がわかるようになったことが、
嬉しくもあり・・・
外の物悲しい風景のせいか、何気に・・・淋しくもある。
373 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 11:08
「あー、でも、場所が場所だからね」

「うん、それもあるけどね。
 でも、さっき愛ちゃんに聞いたら、ここでも、この時期には珍しいんですよって言ってた」

「そーなんだ」

「うん・・・でも、美貴ちゃんチの方では、当たり前かな」

「そーだね。三月は、しっかり冬かな」

「そっか・・・・でも、春ツアーなのにね」

「うん・・・春・・・ツアーだね」

その春ツアーという響きには、どーしても別の意味が重ねられてしまうから、
そのあとに続ける言葉を探してしまう。
374 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 11:19
そんなアタシの戸惑いを感じたのか、

「ここ、やっぱり少し寒いよね。
 疲れたから、もう休むね・・・・おやすみ」

なんて、超寒がりは、肩をすくめて、さっさと部屋に戻る。

「あっ、おやすみ・・」

一瞬、その背中を追おうとして・・・・・・やめた。

朝移動の二回公演で、確かに疲れてたし、
明日も二回。
その上、明後日の夜には、フットサルの試合を控えててと、
これからのスケジュールを考えたら、
休めるときにには、しっかり体を休めるのが、特に彼女には大切なことだから・・

アタシも本当は、もう寝た方がいいんだろーけど、
故郷のそれとは違う、重たい雪が降る様子から、何故か目が離せない。


春一番は、とっくに吹いて、初夏を思わせるような日差しもあったりしたのに、
今年の春は、アタシの気持ちを察するように、なかなかきちんとはやってこない。

いっそのこと、このまま冬のままなら・・・・いいのに。
375 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 11:31

「藤本さんも眠れないんですか?」

聞き覚えの薄い声に振り向くと、
アタシと同じように、コーヒーの紙コップを持った人が立っていた。

「・・・・三好さんも?」

「ええ・・・・雪ってやっぱり少し懐かしくて」

そっか、この子も・・・

「でも、北海道の雪とは、違いますよね・・・ここのは」

「うん」

同じ年なのに、敬語で話すこの子とは、今までほとんど会話したことがなくて・・
そー言えば、アタシなんかよりは、ずっとその機会がある梨華ちゃんにも敬語なんだよね、まだ。

何を話せばいいんだろーって探していると、

「そー言えば、藤本さんと、二人で喋るのって初めてですよね」

そーかも・・・あっ、でも・・共通の話題が見つかる。

「アサミとは、仲いいんだよね」

「はい、同郷で同じ年ですから・・」

そっか・・って、それ、もしかして

「美貴もだけどね」

「あー、そー言えば、そーでしたね・・・フフ」

なんて、笑って・・・・オイ、マジに忘れてんのかよ!
376 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 11:43
「そー言えば、言ってました、石川さんが・・・ハタチ会やろーなんて。
 ほら、アサミちゃんとアタシと藤本さんと石川さん、同じ学年だからって、
 で、藤本さんも誕生日来て、ハタチが揃ったからって」

「あー、言ってたね、そんなこと」

アタシの誕生日メールにも、そんなこと書いてあった。
で、ごっちんみたく、飲みには誘わないのかよって、突っ込んだら、
だって美貴ちゃんは、もーとっくに飲んでるじゃないって、さらっと返してたけど・・

この子とは・・・
飲みに行ったりしたのかな。
あの子の誕生日からこっち、二枚目のシングルのリリースとかあって、
アタシの知らないところで、忙しそうにしてて、
テレビの中で、この子の隣で・・・笑ってたりしたけど。


「でも、石川さんは、あんまりお酒、飲めないみたいですよ」

アタシの思考を探り当てたみたいに、そんなことを言うこの子は、

「ご両親も弱い体質らしくて・・・」

なんて、とってつけたように続ける。

「みたいね」

そんなこと知ってる。
紅茶に入れた一さじのブランデーにさえ、頬を染めちゃう・・あの子。
そんなこと、アタシの方が、ずっと前から、ずっとよく知ってる・・・・・はず。
377 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 11:57

「でも、意外でした」

少し間をおいて、それまで、外の景色に向けていた目を、
ゆっくりとアタシの方に、運びながら、

「・・・・藤本さんは、吉澤さんだとばかり思ってました」

なんて、含みのあるセリフを、さらっと言って、
そのまま、アタシの返事を待ってる。
何気に、大人びた顔しちゃって・・・

その言葉の意図は、察しがつくけど、

「何の話?」

なんて、とぼけてみる。

「あー、まあ、石川さんも吉澤さんなんだって、思ってたんですけどね」

そー来たか。

でも、それはアタシも思ってたかな。
色々噂とか聞いてたし。
娘に入ってみて、かなりさばけた関係だって知って、少し驚いたもの。
でも、まあ、あの頃は、ごっちんがいたしね。

それにしても、この子、どこまで知ってるんだろ。

探りを入れてみた方がイイのかなって、向けられているままの顔を窺っていると、
さっと視線がはずされて・・・

378 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 12:07
「PV見てくれました?」

って、なに?

「かっちょいいぜのヤツ・・」

それはわかってるけど、だから、それがどーしたの?! 

「あれ、歌に合ってませんよね」

なんて、苦笑して・・・そんなことか・・って、それだけ?

「そーね・・でも、よかったんじゃない?出来は」

やけに思わせぶりなV。
今までの娘のヤツにだって、それなりにからみがあるのなんてあったけど、
あそこまでって・・・なかったから・・
初めて見せられた時には、確かに少し驚いた。
綺麗に仕上がってるとは思ったけど、
やっぱ、オイオイって感じがあって・・・・

「そーですよね。私、結構、気に入ってるんですよ」

「そー」

「石川さんも、いいよねって言ってましたし」

そーなんだ・・
どー?って聞かれたとき、さすがに真っ直ぐは突っ込めなくて、
ウインク出来てないよね・・とか、からかっておいたけど・・
379 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 12:17
「あれ・・・・結構、まんまですから」

「は?」
何言ってんの・・この子。

「あーゆー感じ、確かにありますから」

って、それって・・・

「・・・・武道館、終わったら、石川さんは完全に美勇伝になるんですよね」

って、ねー・・・もしかして・・・

「単独ツアーも出来ることになったし、楽しみなんですよ、今から」

そこまで続けて、さっと振り返った顔は、
口元に小さく笑みを持たせてて・・・・って、何?!

たぶん、アタシ、今・・・噛み付きそうな顔してる。

肩をちょっとすくめたその子は、それでも余裕たっぷりに、

「こんなふうに寒くなったりしながらも、やっぱり確実に春になるんですよね。
 三寒四温ってヤツなんですかねー。
 じゃあ、もー遅いんで・・・おやすみなさい」

なんて、言いたいことだけ言って、さっさと自分の部屋に帰っていく、
梨華ちゃんの言うところの、美勇伝の勇担当。
380 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 12:25
って、もしかして、今のは・・・
宣戦布告ってヤツ?

自分の気持ちはあのV通りだってこと?


あのVのこと、ちっちゃい子たちに聞かれて、
「憧れの先輩のこと、ちょっと好きになっちゃった・・みたいなー、
 そんな感じなんだって・・もしかして、私、モテモテってヤツー」
なんて、梨華ちゃん、かなりテレながら、でも嬉しそうに喋ってた。

って、そーゆーことなの?

だとしたって・・・
それなら、レイナとか、サユとかと変わんないし。

「でも、三好ちゃんって、同じ年じゃない、恥ずかしかったなー」
なんて、聞かれもしないこと、付け加えてたけど・・

だとしたって・・・アンタじゃ・・・まだまだ・・・
381 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 12:31
でも・・・・

あっ、やだな。
「でも」なんて思っちゃった。


でも・・・・

あの時、ごっちんが梨華ちゃんから離れて行った理由・・
梨華ちゃんが、アタシを選んだ理由・・・

それって、やっぱり、
アタシが娘で、ごっちんが娘でなくなっていたから・・

もちろん、それだけじゃないって思うけど、
それが全然関係ないとは・・・やっぱり思えなくて。


人一倍、娘にこだわってて、
そのくせ、いつでも前を見てる彼女が、
娘を卒業してしまったら・・
新しいユニットに専念するよーになったら・・・

382 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 12:40
外の雪は止みそうもない。

故郷では見ない大粒の雪。
こんな景色を見てると、春が近いのを忘れそうになるけど。

三寒四温・・だっけ?
さっきあの子が言ってたの。
アタシだってその意味くらい知ってる。

寒い日と、暖かい日が繰り返しやってきて、
それでも少しずつ暖かい日が多くなって、やがて春になる。

まる二ヶ月続くこのツアーは、
セットリストがやっぱり卒業仕様になっちゃってるから、
少しずつそれにも馴らされて行って、

たぶん、あっという間に・・・やってくる最後の日。


その日からのあなたは、どこに歩いて行くんだろう。

その日からのアタシは、どーやって歩いて行くんだろう。

それからのアタシたちは・・・
383 名前:三寒四温 投稿日:2005/03/14(月) 12:41

  「三寒四温」・・・おしまい
384 名前:トーマ 投稿日:2005/03/14(月) 13:06

>>369 さすらいゴガール様 
>>370 名無し飼育様
>>371 名無しです様

ありがとうございます。同じ言葉の繰り返しになると思うので、失礼とは思いますが、
レス返しをまとめさせてください。

二代目リーダーの卒業は、思ってた以上に自分には、ダメージが大きかったようで、
しばらく、リアルはもう書けないかななんて・・・これは、長い間ここを留守にしたいい訳かな・・
でも、これは辻ちゃん加護ちゃんの時にも感じたことなんですけど、
ここで書く、書かないは別にして、それ以前の卒業生も含めて、
そういうモーニング娘。全体のバックボーンがしっかりあって、初めて、
石川さんを中心にした娘を書くことが出来るんだなって・・改めて感じています。
何か、よくわからない言い方ですよね、すいません。

そんなこんなで、筆を休めている間に、もうじき、その石川さんも卒業なわけで・・
発表があった時には、まだまだ先だと思っていたのに、
もう本人もカウントダウンを始めているんだとか・・

卒業生にも、在校生にも良い春が訪れることを願うだけです。

このスレも容量いっぱいになるまでは、卒業後も書き続けていくつもりでいますので、
また、懲りずにお付き合いください。
385 名前:トーマ 投稿日:2005/03/14(月) 13:07

・・・・・・・・・・・・
386 名前:さすらいゴガール 投稿日:2005/03/14(月) 16:35
のんびりと待っておりました。
こうして書いてくれるだけでもうれしいですよ。

実際にコンサート行って見ると、やっぱりなんだか複雑な思いに駆られます。
どういう形であれ、娘。から巣立っていく石川さん、そして新しい形となって進んでいく娘。を、
見守っていけたらなぁと。

結局その日にならないとわからないことだけど、
その不安が上手く伝わって、相変わらずうまいなぁ…と思います。
なんだかちょっと波乱も感じさせつつ、なんか上手く伝えられないけど、
いいお話をありがとうです。
387 名前:Liar 投稿日:2005/03/17(木) 19:48
更新お疲れ様です。景色を交えての文章にひきつけられるような気持ちで
拝見させて頂きました。これからも楽しみにしていますので、作者さんの
ペースで頑張ってください。応援させていただきます。
388 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 09:34

「もー、勘弁してよー!」
「ごめん」
「まだ早いって」
「だよね」
「まったくー、主役があんなじゃ、周りはどーしたらいいのかわかんないじゃん」
「だから、ごめん・・
 でも、ほら、先週ダウンしちゃって、ラジオ休んだりとかさ・・ね、あってさ・・」
「わかるけどさ・・・もー、本当に泣き虫なんだからー」


楽屋に戻る通路。
梨華ちゃんとミキティが、数歩前を行く。

肩をぶつけたり、頭を小突いたり、文句を言いながら・・
忙しい。


「フットサルの時もさ、号泣なんて書かれちゃうしさ」
「だって、あれは本当に悔しくてさ」
「そりゃ、美貴だって悔しかったけどさ、充分。
 でも、誰かさん、なんだかんだで、涙腺弱すぎ!」
「かなー」
「だよ。なーに、年取って、涙もろくなっちゃいましたってヤツ?」
「そーかもねー・・って、オイ、同い年でしょーが」
「そーだっけか?」
「あれー、違ったっけ?なら、お姉さんには逆らわないの!」
「誰がお姉さんだよ。めっちゃ、精神年齢低いくせして」
「あっ、言ったなー、人が気にしてること」
「えー、気にしてるんだー。それは知らなかったなー」
「もー」


なんだかんだで、キャッキャしてるから、
もー心配はないんだろーけど。
389 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 09:49
そんな二人に遠慮してるわけじゃないけど、
少しずつ遅れて、いつの間にか立ち止まってたアタシの肩を、

「よっすぃー、どーした?」
って・・・ごっちんが一つたたく。

いつからここにいたんだろ・・

「あー・・・・見てた?さっきの」
「うん、ソデのモニターでね・・・大変だったね」
「うん。なんか、アイツてんぱっちゃってさ」
「オロオロだったねー、珍しく」
「うん・・久しぶりに見たかな、あーゆーの」
「だねー。でも、うまくフォロしてたじゃん、よっすぃー」
「そーかー」
「うん、さすが名コンビって思ったよ」
「そんなんじゃないよ」
「ううん、そーだって。やっぱ名コンビだよ、チミたちは」
「なのかな?」
「うん。昔っからさ、まったくいいコンビネーションしてるよ、いつも。
 少し妬けるくらいにね」
「・・・・ごっちん」
「てさ、ほら、急がないと・・」
「ああ」

今日で、三日続いたここも最後だから、これから急いでの移動になる。
別の楽屋に戻るごっちんは、

「またね」
って、一つ手を振って、小走り。

もしかして、待っててくれたのかな・・アタシのこと。
それとも、梨華ちゃんのこと?
390 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 10:00
てさ、ごっちんは、気づかれてないって思ってるんだろーけど、
アタシはちゃんと見つけちゃった。
彼女の目元が赤くなってんの。

たぶん、モニター見ながら、もらい泣きしてたんだよね。
キャラと違って、案外、涙もろいからね・・ごっちんは。

その点、アタシはいつも頑張ってる。

別に泣くのがハズイとか、そんなんでもないけど、
いつの日からか、自然に、こんなふうに我慢するよーになってた。

って、それってたぶん、あの泣き虫のせい。


本当に、よく泣いてたよなアイツ。始めの頃。

ダンスがよく覚えられないって泣いて、
歌がうまく歌えないって泣いて、
トークが空回りしちゃったって泣いて、
先輩達に注意されたって泣いて、
辻加護が言う事聞かないって泣いて・・・

ある時は、ロッカーの前で、
ある時は廊下の隅で、
ある時はホテルの部屋で。

そんなアイツを、アタシはいつでもなだめてた。

弱い子なんだって思って。
年上なのになって思って。
アタシはいつでも慰め役だった。
391 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 10:15
でも、それって、本当はとっても強いから出来ることなんだって、
気付いたのは、いつだったんだろ。

自分の弱さを、平気で人前にさらせるのって、本当はとっても強いからなんだって、
わかったのは、いつのことだったんだろ。

でも、その頃には、アタシはすっかり泣かないキャラになってた。
それどころか、弱い自分をオチャラけることで包み隠すことを、自然に覚えて。

そーなんだよな。
アタシはすっかり道化になってた。

たぶん、最初はアイツを笑わせるため。
泣いてるアイツを何とか笑顔にしたくて、アタシは一生懸命、道化を演じた。

単純なアイツは、すぐに笑ってくれたから。
「ひとみちゃんって、面白いね」
って、すごくウケてくれたから。

考えてみたら、アタシはずいぶんとアイツの言葉に振り回されてた。

「ひとみちゃんって、しっかりしてて頼りになるよね」
なんて、ただボーっとしてるだけだったのに、そんなふうに言うから、
「そーかー」とか言いながらも、しっかり者を演じ始めて、

「よっすぃーって、カッコイイよね。男の子みたい」
なんて、キャッキャするから、
元から女の子っぽくなんてなかったけど、
ボーイッシュに磨きをかけて、そのうちメンバー全員から男の子扱いされるよーになっちゃった。

まーいいけどね・・モテモテ気分も悪くはないから。

392 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 10:23
でも、今更、
「もー二十歳になるんだから、少しは女の子らしくしなさいよ。
 まるで、オヤジじゃんよー」
とか言われてもさ、ちょっとそれは無理じゃないかな。

だって、この五年間で、アタシはすっかり、
おもしろくて、カッケーくて、でもってオヤジキャラになっちゃったもの。

そんで、アイツはさ、アタシがそんなふーにしてる間に、
蛹が蝶になるみたいに、
地味で目立たない少女から、キレイで華やかな女の人になってた。

ずるいよね・・まったく。

アタシの背中におどおど隠れてたくせにさ、
いつの間にか、一歩も二歩も先を歩くよーになってて、

で、卒業しちゃうんだもんね。

ずるいよね。

まったく。
393 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 10:36

遅れて入った楽屋は、帰り支度で慌しい。

まだ少しぼけっとしてるアタシに、
「よっすぃー、なにしてんの!急いで!」
って下の方から声がする。

あー、ちっちゃいリーダーそこに居たんですか・・・正直、見えてませんでした。
でも、心配には及びません。
だって、ほら、アタシって男の子だからさ、着替えとか、めっちゃ早いし。

なんて、ワサワサ着替えてると、
「よっちゃん、さっきはありがとね」
って、もう私服になってるピンクいのが、
ジーパン引き上げてるアタシの前にちょこんと出てきて・・

てか、こんな時に声かけないでくれるかなー
ほら、ジッパーにTシャツ挟んじゃったじゃん。

「あっ・・・直してあげよーか?」
なんて、さっと手を出しそーになるから、
「バカ!」
って、くるっと背中を向ける。
「あっ、ごめん」
なんて言ってるけど、そーゆーのヤバイってこと、
本当には、

わかってない・・・よね。
394 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 10:55
昔からそーだったよね、キミは。
てか、昔はさ、

横を歩く時には、すっと腕を絡めて、ピタッと体を預けて、
隣に座った時には、つつっと膝をくっつけてきて、
話す時には、オイちょっとって思うくらい、顔を近づけてきて・・・

女キョウダイの中で育ったせいなのかな、
アタシは馴染みのなかったその距離感。

「・・・ちょっと」
なんて、少し引いたら、
「えっ?・・あいぼんだって、ののだって同じじゃない」
って、不思議がってたけど・・
そー言えば、そーだったけどね。みんな何気にスキンシップが多い。
でも、あの子達は、子供だったから。

てゆーか、もしかしたら、アタシの意識過剰だったのかな・・
だって、キミは、15の時から、どこかなまめかしかったから。

それにさ、
「よっすぃーが男の子だったらなー」とか、
「ねー、カップルに見えるかなー」とか・・
あれって、周りだけじゃなく、
充分、アタシも誤解しちゃうようなセリフ・・

だったんだよ。
395 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 11:10
それが・・・いつからかな・・
横にいても、決して手を?ぐこともしなくなってた。

ある時、「どーして?」って何気に聞いたら、
「だって、よっすぃーは、イヤなんでしょ・・キショイ、キショイって・・」
まあ、確かにさんざん言ったけどさ・・・

それから、少しずつ遠くなっていったキミとの距離。

あれって、いつごろからだったっけ?

メンバーも変わって、
いつも前にいるキミとは、立ち位置が離れて、
そのくせ色んなチームわけでは、たいてい別々になって・・・

アタシがすっかり娘の中でのスキンシップに馴染んだ時には、
キミはずいぶん遠くになってた。

まあ、しゃーないよね。
色々、妙な噂とかも、書かれちゃったし、
お互い、別の居場所も見つけたしね。

それに・・・
もうすぐ、卒業だ。
396 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 11:23
って、えっ?

「行こ!」
って・・・えっ?

支度をすませたアタシの前に、差し伸べられた小さな手のひら。
って、えっ?

「いいじゃない、もう卒業なんだし・・」
へ?
「もー、メンバーじゃなくなるんだし・・」

あっ、そーゆーことか・・

自分でもわけのわかんない理屈をつけて、あいてしまった距離のわけを、
説明したアタシの戯言。

突っ込めなくなるから、普段はわざと距離を置いてる。
メンバーとは、プライベートは係わらない。

それに対するキミの解釈。
そっか、そーだよね・・・もうじきメンバーじゃなくなる。

アタシは、恐る恐るその手を取ってみる。
なんか本当、久しぶり。

「ほら、急ご!みんな、もー行っちゃったよ!」
そー言えば、いつの間にか誰もいなくなってる。

そんな空っぽの楽屋を、アタシたちもあとにする。
キミに手を引かれて。
397 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 11:47
久しぶりに握ったその手は、
記憶の中よりずっと小さい。
でも、記憶の中より、ずっと力強い。

それに、昔は、こーして歩く時には、
いつでも前を行くのはアタシの方だった。

今、
アタシを引っ張るように、足を速めて歩くキミは・・
もう、あの泣き虫の女の子じゃなくて・・

それは、きっとイイことで・・
ちょっと淋しい気もするけど・・

「なんか、逞しくなったよね・・石川も」
「なーによー」
って、振り向く顔は、
「って、やっぱ、キショイか」
「もー」

でもね、
「アタシは、好きだよ、石川のキショイとこ」
なんて、ヤだな、何気にすごくハズイこと言っちゃった。

「ヘ?・・・・私も・・・よっちゃんの・・・・ヘタレなとこ、好きだよ」
ってねー!
「誰がヘタレだよ」
「だって、ほら、赤くなってんだもん」

へっ?
あっ、確かに顔が熱い。

でも、まー、いっか。
石川はキショくて、アタシはヘタレ。
それは、事実だもんね。

てかさ、?いだ手を振らないでくれるかなー、
ほんとキショイんだから・・・

キミは。


398 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 11:48

・・・・・・・・
399 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 12:02

最初、この公演の話を聞いた時は、へーってなもんだったけど、
やっぱ嬉かったかな。

ハロプロコンでは、一緒になるけど、紅白別組みだったし、
やっぱ娘のコンサートは、見るのだってしばらくなかったし、
ゲストってゆーのも、新鮮だったしね。

それに、やっぱ、梨華ちゃんの卒業ツアーで、
ちょこっとだけでも、それに参加できるってのは、やっぱね・・

だから、その梨華ちゃんが、病気してるって聞いて、すごく心配してたんだ。

よかったよね、ちゃんとステージに立ててさ。

でも、やっぱ病み上がりって感じで、初日とか、結構辛そうで・・
だからかな、
今日のエンディング・・
モニターで見てて、びっくりしちゃった。

ほら、あの子のMCってさ、いつもおかしくて、何気にゴトーのツボでさ、
今日はどんなかなーって、楽しみにしててさ・・・

うん、でも、そーだよね。
誰よりも梨華ちゃん自身が、一番心配してたんだよね、ここに立てるかってこと。
だからだよね、なんつーの、感極まっちゃったってヤツ?

でも、ヤバイよね、あーゆーの。
ついつい、もらい泣きってゆーの?
あれ、もしかして、なっちに見られてたかなー、
すって感じで、いつの間にかいなくなってたけど。
400 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 12:09
でも、やっぱ、よっすぃーはさすがだよね。
うまくフォロしてた。
まー、言葉はさ、変だったけどさ、あれはしょーがないよ。
だって、きっとあの子もさ、内心、すごく焦ってたんだろーし。

でも、あーゆーのって、やっぱ他の子には出来ないよね。
さすが、付き合い長いってゆーか、長年の名コンビって感じでさ。

そーだよね、ホントいいコンビ。

あの子達はさ、辻加護とは違った意味で、
やっぱ、ずっとセットだったもの。
401 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 12:25
最初は、本当にベタベタでさ、
アタシなんかが、割り込む隙なんてないみたくて・・

それでも、同じ年で、同じプッチのよっすぃーとは、すぐに友達になれて。
梨華ちゃんは、なかなかだったよね。
タンポポだったし、何気にアタシにビビってたし。

よっすぃーは、たぶんアタシといる時間の方が長かったし、
気もよく合ったしね・・
でも、それでもやっぱり、よっすぃーと梨華ちゃんは、セットで。
なんだろね、あの感じ。

同期がいなくて、教育係の市井ちゃんもいなくなっちゃったアタシは、
なんだかんだで、年の近い、4期の4人のそばにいたけど、
その中にいても、いつまでも梨華ちゃんは、ちょっと遠いっ感じで・・

だからかな、かえって意識しちゃったの。

それにさ、あの子って、他のメンバーとちょっと違う感じで、女の子ーって感じで、
あとカントリーとか、写真集とか、ちょっと違うことやらされてたり・・

それに、センター争いとかってゆーんでもないけど、
ライバルみたいなね・・そーゆー意識もあったかな。
だってさ、梨華ちゃんって、やっぱ、きっと男の子なら、こーゆー子を彼女にしたいんだろーなーってね、
もろアイドルしてるんだもんね。

だから、そんな子がさ、メンバー一の男前のよっすぃーと並んでたらさ、
そりゃーどー見ても、カップルだよね。
402 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 12:43
親しくなってからは、二人とも、そんなんじゃないって言ってたけど、
でも、やっぱアタシは、
よっすぃーとどんなに親友してても、
梨華ちゃんと仲良しになって、二人でも遊ぶよーになっも、

よっすぃーといる時は、いつも梨華ちゃんを意識してたし、
梨華ちゃんを思う時は、いつもよっすぃーがその隣にいた。

それって結構、今でもだよね。
だから、メンバーの中でーみたいな質問には、
必ず、よっすぃー・・うーん梨華ちゃんなんて答えちゃう。
生まれ変わるとしたらとかさ、彼女にしたいのはとかね。


今になって、あの頃のこと考えてみるとね、
本当は、どっちに恋してたんだろーって思うことがある。

二人とも好きで・・
二人があーやって並んでるのに恋をして・・・

もしかしたら、
アタシとタイプの近かったよっすぃーに感じたものを友情って名付けたから、
少し遠い存在の梨華ちゃんに対する気持ちを恋だと思ったのかな。

それとも、
よく落ち込んでて、かばってあげたくて、でもうまく構ってあげれなくて、
そんなもどかしい梨華ちゃんとの距離を、より意識しちゃったから、
気軽な感じのよっすぃーへの思いを友情だって決め付けちゃったのかな。
403 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 12:51
ううん、もしかしたら、
絵に描いたような二人の姿にジェラシー感じて、
つい壊してみたくなったのかな・・

あー、やっぱりそんなのでもない。
だって、そんな二人を見てるのも嫌いじゃなかった。
辻加護を挟んで、親子みたいにしてるのなんて、
本当にほほえましかったもの。

なんかね、安心するの。
あの子達が仲良くしてるのって。
周りにいる人みんなを、なんかね、暖かくしてくれるの。

だから、
本当は、あのまんまにしとけば良かったんだよね。

なのにさ・・・
404 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 13:19
アタシの卒業が決まって、
ソロになるのは嬉しかったけど、やっぱ淋しくて・・

よっすぃーは、なんだか機嫌悪いし・・たぶんプッチのこととかね・・
梨華ちゃんは、タンポポとか、圭ちゃんのこととか・・・なんかオロオロしてて、
たぶん、三人とも、情緒不安定だったんだ。

それに、梨華ちゃんとは、すごく仲良くなってたころで、
ウチに泊まりに来たりとかね、二人で女の子してクッキー焼いたりとか・・
「やっと出来るようになったのにね」
なんて、淋しげに言うしさ・・
もちろん、娘辞めたって、友達は変わんないって思ったけど、
なんかね、少し焦っちゃった。

やっぱスケジュールがちがくなるから、
そしたら、また二人でべったりになっちゃって、
アタシのことなんて忘れちゃって・・・ってね。

だから、ついつい・・・うん、ついついなんだ。
だってさ、ほら、あんな子とさ、二人で夕暮れの楽屋にいてごらん?
それはもーヤバイって。

梨華ちゃんも好きだって言ってくれて、ホント嬉しかったけど、
人間ってさ、マジに自分勝手にできてるよね・・って、アタシだけかな。
自分のものだって思った時から、バカみたく独占欲出てきちゃって、
勝手に切れちゃってね・・

うん、あの時はさ、本当に情緒不安定だったから・・

405 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 13:41
そのあとは、やっぱバタバタしててね。
で、あんな別れ方しちゃったけど、
梨華ちゃんには、よっすぃーがいるし、
よっすぃーには、梨華ちゃんがいるから、まあいいかなって、思ってた。
おかしいよね。
それに嫉妬してたはずなのにさ。

でも、本当にそー思ってたんだ。

なのにさ・・
なんかの度にね、娘と一緒になる度にさ、
二人の間がどんどん離れて行くみたいで・・・なんだよーって感じに。

後になって考えたら、
あの時のよっすぃーにとって、プッチはさ、アタシと圭ちゃんとのプッチはね、
きっとすごく居心地がいい場所で、
それが急になくなっちゃったから、自分の居場所見失っちゃったんだよね。
だから、新しいタンポポや、娘のセンターで頑張ってる梨華ちゃんに、
きっとコンプレックスみたいなの感じててさ・・

でもさ、それって困るんだよね。
よっすぃーがそんなじゃ、なんかアタシと梨華ちゃんまでつながりなくしちゃうみたいで・・

だからだよね、
もう一度頑張ったんだ。
てか、梨華ちゃんが頑張ってくれたのかな・・
406 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 13:50
結局ね、それも終わっちゃったけどさ、
でもね、今度はさ、本当にちゃんと友達になれたって思うんだ。
そーだよ。ちゃんとね。

そりゃ、今でもアタシが男の子だったら、梨華ちゃんのこと彼女にしたいけど、
ほら、ゴトーはれっきとした女の子だし・・・

それにね、もー二十歳になるわけだからさ、
なんてーの、いつまでも女子高生みたいなさ、
そーゆーのって無理あるじゃない。

だからね、ちゃんと友達になるのがね、一番いいって思うんだ。


でさ、今、ちょっと心配してる。

よっすぃーはちゃんと出来るかなって。
他人事ながらさ、このまんま梨華ちゃんが卒業しちゃってさ、
同じメンバーじゃなくなったらさ、
ちゃんとね、友達でいられるのかなって・・

本当に、他人事なんだけどさ・・
407 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 14:00

移動のバス待ちの出口に行くと、もうメンバーが揃ってて、

「オー、ごっつあん・・・・てか、おせーな、アイツら」
って、やぐっつあん。
アイツらって?なんて見回してたら、
ちっちゃいのが背伸びして、アタシの背中の向こうに、
「早くー!」
って、手招き。で、
「めずらしーなー」
って、ニコニコしだす。

えっ?って振り向いたら、

梨華ちゃんが、よっすぃーの手を引っぱってる。
あっ、本当珍しい・・てか、懐かしい。

なんか妙に嬉しくなって、メンバーに合流した二人に、思わず駆け寄る。

「あっ、ごっちん、おつかれー」
って、アニメ声の少し後ろで、目が合ったよっすぃーが、少してれてる。
408 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 14:12
「うーん、なんかいいよね、これ」
って、?いだ手のとこ見てたら、
「でしょ」
って、梨華ちゃんは、あいてる方の手を、すってアタシに差し出す。

あは、いいのかなー
うん、いいよね。こーゆーの。

遠慮なく握ると、
「85年組だもんね」
って、にこっと笑って、悪戯っぽく小声で言う。
「なんだよ、それ?」
って、よっすぃーがそれを聞きとめて、
あれ?よっすぃーは、知らないのかなー、その言葉。

だから、
「ほら、アタシたちが生まれた年。1985年」
って、えばって教えてあげる。
「あー、それね」
「そーそー、阪神が優勝した年!」
なんて、またわけのわかんないこと言う梨華ちゃんに、
「なんだよそれー、第一、アタシらは、楽天でしょーが」
って、軽く突っ込むよっすぃー。

あー、やっぱ、いいよね・・これ。



409 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 14:32
「ってねー、それならさー、なんで美貴のことまぜないかなー」
って、来た来た、もう一人の85年組。
文句言いつつも、すすっと、回り込んで、よっすぃーのあいてる腕に、ピタッとくっつく。
うーん、早業。


「何やってんだよ、お前ら」
って、あっ、そこにまだいたんだね、やぐっつあん。
何気に混ぜて欲しそうだけど、
やっぱ、ここに入れてあげるわけにはいかないでしょ・・

それを察したのか、ちょっと向こうにいたなっちが、すってやってきて、
「年増は、こっちだべさ」
って、連れてってくれる。

やぐっつあんは、少し未練ありげに、こっちを気にしてるけど、
「やっぱねー」
って、4人で自然に顔を見合わせちゃう。


梨華ちゃんと、ミキティとよっすぃーとゴトー・・
ね、アタシの誕生日がきたら、4人で飲みにでも行こうよ。
その頃も、きっとスケジュールがバラバラにで、少し大変かも知れないけど、
外で飲むのが難しかったら、
あの梨華ちゃんのピンクの部屋ででもさ、一升瓶かかえるってのもいいかもしんない。

うん、それがいい。

「ね!」
「うん、ってなにが?」
やっぱ、口に出してないから、わかるわけはないよね、このゴトーの計画。
でも、いいじゃん。細かいことは。
「だから、ね、そーしよ!」
「って、何のことかわかんないけど・・でも、いっか、そーしよ!」
そー、いいんだって。

「って、マジ、わかんねー、ごっちんも、梨かちゃんも・・」
「まー、いいんじゃないの、その辺は適当で」
「そっ、ミキティが正解!適当、適当」
「そーだ、そーだ」
410 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 14:50
かなり、バカっぽくて、
あっちにいるゴロッキーズが引いちゃってるのは、気付かないことにして、

いいよね、こーゆーの。
たまには。


それに、なんかさっきの心配は、要らなかったみたいだし。
大丈夫そーだよね。この人たち。

そーだよね、二人は同期なんだもの。
アタシなんかには、わかんない強い絆ってもんが、やっぱあるんだよね。
友情とかさ、そんな言葉じゃ片付けられない、強いものがさ。

それにさ、
ミキティだって、なんだかんだ言ってもさ、きっとこの二人が仲良くしてんのって、
悪くないって思ってるんだと・・思うんだ。

だって、
「ねっ」って、顔うかがったらさ、
「うん!」ってバッチリウインクしてくれたもの。

「なんだよー、ミキティまでさー」
なんて、よっすぃーは、少しこの雰囲気に、居心地悪げだけど、
それって、テレれてるだけでしょ。

梨華ちゃんは、ずっとニコニコしてて・・・で、なにやら、目をパチクリしだす。
「何してんの?」って聞いてみたら、

「うん、私もウインク」
・・・・・だって・・・・は?

「「出来てないし!」」
って、よっすぃーとミキティの同時突っ込み。
「うそー、ね、ほら、ほら」
なんて、梨華ちゃん頑張ってるけど・・・
「ムリムリ」「キショイよー」ってね・・
411 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 14:54

うん、かなりいい感じだよ、チミたちのそれ。

だからさ、きっと梨華ちゃんが卒業しても変わんないんだよね。
そーゆーの。
あっ、ガッタスもあるしね・・
ゴトーはしばらく出れないけどさ・・

でもさ、
たまにはさ、
ゴトーのことも混ぜてよ・・

ね!
412 名前:泣き虫・・それから 投稿日:2005/04/13(水) 14:55


  「泣き虫・・・それから」  おしまい
413 名前:トーマ 投稿日:2005/04/13(水) 15:22
>>386 さすらいゴガール様 ありがとうございます。本当、たいしたものじゃないんですけど・・
           もう、あっという間ですね。残りひと月をきっちゃって。
           発表の時は、まだ一年も先のことで、本人のモチベーションとか心配でしたけど、
           我らが石川さんは、さすがって感じにステージの一つ一つ大切にしながら、
           着々と、卒業に向けての気持ちを高めていってるようで、
           最近ではなにやら頼もしげにさえ思えます。
          
           旅立つ側も、送る側も、決して彼女達を取り巻く環境は、生易しいものではないのでしょうけど、
           移り気な世間の評価などは別にして、これからも、
           彼女達は、彼女達なりに精一杯頑張ってくれると信じています。


>>387 Liar様    ありがとうございます。
           出来るだけ、その季節や、リアルの展開に沿ったものをと思いつつも、
           ついつい遅筆なもので、なかなかそうもいきませんが、
           懲りずにまた読んでいただけたら、嬉しく思います。


414 名前:トーマ 投稿日:2005/04/13(水) 15:26

今回は、少々時期を逸して、間が抜けちゃいましたけど、
やっと、どーしても書きたかった名古屋コンの話を、こんな具合にまとめて見ました。
415 名前:名無し読者 投稿日:2005/04/13(水) 18:00
85年組は良いですよね
4人はこれからも仲良しでいてほしいです
416 名前:トーマ 投稿日:2005/04/14(木) 00:34

何気に読み返してみたら、すごい文字化けしてるし・・

誤字脱字は、いつものことなので、
たぶん読んでくださってる人も、大目に見てくれてるんだろうと、勝手に思ってるわけですが、
今回はちょっとヒドイので一応訂正しておきます。
とはいっても、ヒドイのだけ・・・他にもありますよね・・梨華を梨かとか・・

>>395 2行目 誤:手を?ぐことも・・
正:手をつなぐことも・・

>>397 下から2行目 誤:てか、?いだ手も・・
          正:てか、つないだ手も・・

>>408 2行目 誤:って、?いだ手・・・
       正:って、つないだ手・・・

417 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/14(木) 09:56
名古屋コンの話を聞いたときは私もぶわっとなったので
お話にしていただけてうれしいです。
これからも楽しみにしています。
418 名前:さすらいゴガール 投稿日:2005/04/15(金) 01:16
更新お疲れ様です。
名古屋コンの話は本当に聞いてて、ぐっと来ました。

85年組。
やっぱいいですよね。
このいい関係を大切にしてほしいなぁと、説に思います。

正直、今は何を行っていいかわからなくて、なのに、
本当になんか、毎度いつもながら上手くいえないけど、
素敵なお話でした。
次作も楽しみしてます。
419 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/16(土) 20:37
トーマさんの書く85年組は秀逸ですね。
たとえそれが今、この時期だからとしても、
今、欲しいのはコレなんですよ。

残される淋しさ、残してきた思い、遅れてきた絆。
四期の四人も素晴らしいですが、この四人もまた、
不可侵の繋がりがあるように思えます。

昨日、リアルで驚愕の発表がありましたが、
それでもトーマさんには、次回作を希望してしまいます。
420 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 08:45


「ね、やめんの・・・・やめない?」
「は?何それ?」

「だからさ、卒業・・・卒業するのやめちゃいなよ」

「・・・・今更、ムリ」

そんなのわかってるけど
421 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 09:03
でも、

「だってさ、非常事態だよ。どーなんのよ、これから・・」

「・・・・大変だと思うよ」

「でしょ!
 梨華ちゃんだってさ、こんな時に、自分だけさっさと「さよなら」ってのはさ、
 なんか後ろめたいとこ・・あるでしょ」

「それはさ、そーだけどね・・私が決められることじゃないし・・」

「でも、ほら、今回のことはさ、想定の範囲外ってやつ?
 たぶん上だってさ、本音は困ってるって思うのね。
 だから、案外、かけ合ってみたらさ、簡単に「いいよ」とか・・なるんじゃないかな」

「・・・って、やっぱ普通に無理。
 美勇伝だってあるしさ」

「それならさ、ほら、カントリー方式とかあんじゃない。
 どっち道、梨華ちゃんは、あの二人とは別スケジュールで動くことになるんだろーし、
 ユニットなんて、どーにでもなるでしょ」

「どーにでもなんてならないよ。
 一年も前から、卒業、美勇伝って動いてきて、卒コンだって、半ば過ぎてさ、
 ファンの人たちだって・・・」

「それならさ、ステージからさ、呼びかけてみたら、みんな喜んで同意してくれるんじゃないかなー、
 石川、やめんのやめます!なんて言ってみたら、オー!なんて感じで・・」
422 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 09:12
「あのねー、卒業するからって、チケットとか、グッズとかさ、今までさんざん買ってもらって、
 それで、事情が変わったから、なかったことにしますなんてさ、
 それって、詐欺だよ」

「かな?」
「うん」

「そっか、やっぱ無理か」
「うん、普通に無理」

「そっか・・・・何気に美貴、最年長とか・・」
「なっちゃうねー」
「なっちゃうよ」


珍しく朝、目がさっさと開いちゃったから、
早めに入ったハロモニの楽屋。
もしかして一番乗りかなって思ってたけど、やっぱ梨華ちゃんが先にいて、
部屋の隅で、顔をしかめて、ケイタイをいじってた。
それにかまわず、話しかけてみた。

そーだよね。
やっぱ無理だよね。
そんなこと、アタシだって、本当は充分に

わかってる。
423 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 09:22
「てかさ、何やってんの?・・・さっきから」

「あー、あのね、連絡とろうと思ってさ・・・矢口さんと」

「矢口さん?」

「うん、会いたいなーって思ってね」

「・・・・って・・なに、なに、会ってどーする気?
 殴るの?蹴るの?それとも絞め殺す?」

「あのねー・・・ちょっと話ってゆーか、用事があってさ」

「用事?」
「うん」

なんて、平気な顔してさらっと言ってるけど、
やっぱ、文句の一つも言いたいってやつ?

でも、
「連絡とれるの?」

「うーん、それがねー、つながんないんだよね・・ずっと」

だよね。
矢口さんだって、今、メンバーと顔を合わせたくないだろーし、
てか、合わせられないだろーし、
特に梨華ちゃんなら、なおさら・・・
424 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 09:31
「困ったなー・・・あっ、そーだ、ケメちゃんなら連絡つくかな?」
「かもだけど」

保田さんなら、今回のことも相談とかされてるかもしれない。

「そーだよね、きっとケメちゃんなら・・・
 うん、ケメちゃんに頼んでみよー、うん、そーする。
 もー来てるかなー」

「どーだろ」

「とにかく行ってみる!」

なんて、すくっと立ち上がって、
バタバタと保田さんの楽屋に急ぐ梨華ちゃん。
そのあとを追う。

「あれ?美貴ちゃん・・」
「ついてっちゃダメ?」
「別にいいけど・・」

だって、やっぱ、アタシだって気になるし・・
425 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 09:43
「おはよーございまーす」

って、梨華ちゃんが勢いよくドアを開けると、
一人の楽屋で所在無さげに雑誌を開いてた保田さんは、
きっって、こっちを睨んで、

「なによ、あんたたち」
って、ちょっと不機嫌そう・・・ってこれは地顔かな?

まっ、そんなことにはお構いなくって感じで、
梨華ちゃんはすぐに本題に入る。

「あのー、保田さんに折り入ってお願いがありましてー」

「なによ?!お金なら貸せないわよ!」

「な、わけないじゃないですかー、
 矢口さんと連絡とりたいんですけど・・」

「あ・・・」

「つながんないんですよね・・・私のケイタイ。
 ケメちゃんなら、連絡・・・とれてますよね?」

「・・・・」

質問に答えない保田さん。
でも、それって肯定の意味で・・・それがミエミエだから・・・
426 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 09:59
「会いたいんですよ」

「石川が?」

「ええ」

「・・・・・会ってどーする気なのよ‥
 って・・・殴んの?蹴んの?それとも・・絞め殺す・・とか?」

「もー、保田さんまで・・私がそんなことするわけないじゃないですかー」

「そーおー?」

「そーですよ・・・ただちょっと大事な用があって、会いたいって・・」

「まあ、どーしてかってのは別にして、会いたいってのはわかるけどさ、
 今は、まだ今は・・・無理じゃないかな」

「そーなんですかねー・・・
 でも、私は、なるべく早く会いたいんですよ・・・そーしないと・・・
 どーにかなりませんかねー・・・なるべく早く」

「早くって?」
「ええ、できたら、今日」
「今日?」
「ええ、今日・・・あっ、絶対に今日」
「どーしても?」
「ええ、どーしても」

「うーん」

梨華ちゃんにしては、ずいぶんと強引なお願いに、
保田さんはすっかり困っちゃってて・・

427 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 10:17
「とにかく、言うだけ言ってみてくれませんかねー、
 石川が用事があるって、ケメちゃんから・・・
 って、もしそれじゃダメそーだったら、ケメちゃんが呼び出すとか・・
 そーですよ、ちょっと卑怯かもしれないけど、嘘も方便って言うじゃないですかー、
 そーですよね・・・そーしてくれませんかねー」

「うーん・・そーねー」

「ねー、お願いしますよ・・・本当に、早く会わなきゃいけない用事があって・・
 ね、お願いしますよー」

「でもねー」

「あっ、ケメちゃんは、私がこんなに頼んでるのに聞いてくれないんだ」

「そーじゃないけど、でもさー」

「あー、そーなんだ、そーゆー人だったんだ・・・私がこんなにお願いしてるのに・・
 案外、冷たいんですね・・・」

「あのねー」

「それとも、もー、私のことなんてどーでもいいとか・・・」

「あのねー・・・・わかったわよ。やるだけことはやってあげる」

「あっ、ありがとうございます」

「でも、アイツが出て来るかどーかは、わかんないわよ」

「いえ、言ってもらえるだけでも・・ありがとうございますー
 やっぱり、ケメちゃんは頼りになりますよねー!
 だから、好きなんですよー!」

甘えモードで懇願したり、ふくれてみたりして、
結局、この子にはめっぽう甘い保田さんを、口説き落としちゃう梨華ちゃん。

 
428 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 10:24
「さっ、それじゃ、そろそろ収録なんで、戻りますけど、
 本当にお願いしますね。
 愛してますよ!ケーメちゃん!」

なんて、投げキッスまで残して、
そのくせさっさと行っちゃうキショイやつ。

保田さんも大変だね。あんな弟子持っちゃって・・・
って、同情の眼差しを向けて上げると、

「ふーっ」
なんて、肩で大きなため息ついちゃって、
それって、思いっきりオバサンしてるから・・・
429 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 10:48

「あ、石川・・・これ」

収録後の娘の楽屋に入ってきた保田さんは、
梨華ちゃんに、すっと小さな紙を握らせて、小声で耳打ちする。

「アタシの名前で部屋を取っておいたから」
「ありがとうございます」

「じゃ、くれぐれも感情的になんないで・・」
って、保田さんがコソコソ言ってるのに、

「大丈夫ですよ!任せてください!」
って、アニメ声を張り上げちゃうから、

「石川ー、どーしたー」
なんて、新リーダーが心配げに近づいてくる。

「あー、よっちゃん・・・あのね、これから矢口さんに会いに行くの」
って、言っちゃうし・・・

「って、オイ、もしかして・・・殴んの?蹴んの?それとも絞め殺・・・」

「しないし!」

やっぱり、同じこと思うよね・・
そのよっちゃんさんのセリフを、途中でさえぎって、
さっさと楽屋をあとにする梨華ちゃん。

慌てて、それを追うアタシの前を、
さっと小さいのが横切って、

「石川さーん」
って、その足を止める。



430 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 10:56
「なーに?れいな」

「あのー」

「あー、大丈夫。殴らないし、蹴らないし、絞め殺したりしないから」

「いえ、加勢しよーかなって・・・ほら、やぐっつあんって、小さいわりに強いから・・」

「・・・・あのね、喧嘩しに行くんじゃないんだよ?」

「そーなんですか?」

「うん、だから、本当、心配しないで・・」

「そーですか」

「じゃあね!」

って、何気にがっかりモードの田中ちゃんをその場に残して、
さっさとエレベーターのドアを閉めちゃう。

あっ、追わなきゃ・・・って、階段に向かおうとしたあたしの腕を・・
・・・あっ、保田さん・・・

「待ちなさいよ」

「でも・・・」

「あんたねー、アタシに何の策もないって思ってるの?」

431 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 11:09

保田さんに連れられてきたのは、
アタシも前に一度だけ来たことのあるちょっとした高級焼肉の店。
その裏口からいかにも勝手知ったるって感じで入ると、
お店の人に目配せをして、奥から二番目の部屋にすーっあがる。

「さすがですね」
って、ささやくと、
「そーよ、アタシはさすがなのよ」
って、ニマっとしながら、やっぱりヒソヒソ。


自分の名前で矢口さんを呼び出すことに成功した保田さんが、
キープしたのは、隣り合わせの二つの個室。

個室といっても、間のふすまを開け放せば、二間続きにもなる部屋だから、
耳を当てれば、話し声も聞こえるし、少しふすまを開ければ、覗くことも出来る。

「やっぱ、心配だものね」
「ですよね」

注文をあとにしてもらって、早速、隣を覗くと、
4人テーブルが2つ並ぶ奥の方に、梨華ちゃんが座っていた。
432 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 11:29
「矢口さん、まだみたいですね」
「そーね」

「でも、本当に来ますかねー」

「うん、たぶん。
 アイツだって、アタシにまで義理を欠くことはしないって思うけど・・」

そーだよね。
今回の件で、少なからず、出来ちゃったメンバーとの溝。
だから、アタシたちには会いたくないんだろーけど、
保田さんや中澤さんたちとの、今までの関係まで壊してしまうことは、
やっぱり、今の矢口さんにも出来ないことだと思うし・・

しばらく待つと、
隣の戸が、すーっと開いて、
帽子を目深にかぶったちっこいのが、俯いたまま入ってきて、
さっと後ろ手に戸を閉める。

で、閉めてしまってから・・・顔を上げて、

「・・・・あっ、梨華ちゃん・・」
って、気付いて・・・慌てて、出て行きそうになるのを、
立ってきていた梨香ちゃんに腕をとられる。

「すいません。保田さんに無理言って、嘘ついてもらいました」

「・・・・・」

「話があるんです」

「・・・・・」

「とにかく、座ってください」
433 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 11:38
「・・・・でも」

「あっ、殴らないし、蹴らないし、絞め殺しもしませんから」

梨華ちゃんは、矢口さんを自分の方に向き直させると、
「ね、少し話がしたいだけですから」
って、笑いかける。

「・・・・・ごめん!」
その顔を一瞬見上げた矢口さんは、今度はさっと頭を下げて、
「本当に、ごめん!オイラ、合わせる顔なくて・・」

「なにを謝ってるんですか?
 別に私、矢口さんに謝ってほしくて、会いたかったわけじゃないんですよ!
 それとも、何か悪いことでもしたんですか?」

「だって、オイラ・・・」

「とにかく、座ってください」

「・・・・」

梨華ちゃんに引きずられるよーにして、奥に座らせられた矢口さんは、
ずっと俯いたままで、

いつもにまして、小さく見える。
434 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 11:50
「じゃ・・・・そーだ、お酒たのみましょーね」

「えっ?」

「だって、お祝いですもの。
 卒業祝いしてくれるって、約束したじゃないですか」

「あっ」

「だから、今日、来てもらったんですよ。
 それに、矢口さんも卒業だから、一緒にって・・
 ほら、私たち、記念日はよく一緒にしてきたじゃないですか、誕生日とか・・
 だから、今度も一緒に・・・ね、やっぱり縁があるんですよ私たち」

「・・・でも、オイラのは・・・・卒業じゃないから」

「えっ、違うんですか?」

「オイラのは・・・中退みたいな・・」

「なら、中退でも・・・私の卒業祝いと、矢口さんの中退祝い。
 いいじゃないですか、それで」

「でも・・」

「でも、なんですか?」

「オイラのは、やっぱり祝ってはもらえないよ・・」

「どーしてですか・・・
 って、もしかして、矢口さん・・・後悔してるんですか?今回のこと」

「それは・・・」

「もし、後悔してるんなら、
 それなら、私だって怒っちゃいますよ?」

「・・・・してないよ」


435 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 12:02
「そーですよね、後悔してないんですよね」

「うん、後悔なんてしてない」

「なら、やっぱりおめでたいことでいいんじゃないですか?
 ・・・・自分で決めたことなんですよね?」

「うん、自分で決めた」

「ちゃんと考えて・・・ですよね」

「うん、ちゃんと考えた」

「なら、やっぱり、乾杯しましょーよ!
 私もせっかくハタチになって、お付き合いできるよーになったんですから」

「・・・・うん」


「本当は、矢口さんには、ちゃんと私のこと送り出してほしかったけど・・」

「あっ、ごめん」

「いえ、謝ったりしないで下さい、本当に。
 順番が変わったんなら、それはそれでいいんです。
 私の方が見送ります。ちゃんと矢口さんのこと見送って・・
 いいじゃないですか、それで。
 よく考えたら、この順番の方が普通な感じだし、だから、ちゃんと見送らせてください。
 そーじゃないと、私だってちゃんと卒業することが出来ないんです。
 なんか、忘れ物しちゃったみたいで・・・」

「・・・・」

「だから、保田さんに頼んで、無理言って、こーして会わせてもらったんです」
436 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 12:12
「・・・・でも、オイラ・・・
 やっぱり、梨華ちゃんに祝ってもらうことは出来ないよ」

「どーしてですか?」

「なんか、梨華ちゃんの卒業に水さすみたいになっちゃって・・」

「矢口さん!もしかして、私のこと、見くびってます?」

「えっ?」

「私、言いましたよね、今までで、一番カッコイイ卒業式にするって」

「うん」

「私は、言ったことはちゃんと守りますよ。
 矢口さんが先に卒業しよーが、中退しよーが、それは私の卒業とは別のことです。
 それで、水がさされたりするほど、私の卒業は軽くなんてないんです」

「あっ、でも・・・」

「それは、世間の関心とか、矢口さんの方に行くかもしれませんけど、
 でも、そーゆーのは関係ないんです。
 私は、私の納得できる卒業式をする。それだけです!」

「・・・・」

「だから、そのことは、本当に気にしないで下さい。
 私も納得して、卒業する。矢口さんも納得して、娘をやめる。
 それでいいじゃないですか・・」
437 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 12:24

「なんか、石川、強くなったなー」

「ですね・・・・って、あのー、保田さん、後ろ・・・・」
「えっ?」

隣の部屋に集中してたから気付かなかったけど・・・
アタシたちの後ろには、いつの間にか・・・・オイオイ、全員かよ!

「よしこ・・・・どーして」

「あー、やっぱ気になったから、ついて来ちゃった」

「って、あんたたち・・」

「アタシたちだって・・・」
「「「「ねー」」」」

まー、それはそーだろーけど、てか、
「シーッ!」



「じゃあ、私、注文してきますね」
「あ・・・・」
って、席を立った梨華ちゃんが、部屋を出て行く。

って、あっ!
「あんたたち、靴は?」
「そのままかも・・」

上りかまちに、もしかして脱ぎ捨ててきちゃったのかな・・
もちろん、アタシと保田さんは抱えて持ってきといたけど。

って、ことは・・・・
438 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 12:42
「何してんのよ!アンタたち!」

さっと開かれたふすま。
そりゃ、そーだよね。
いくら鈍いこの子でも・・・コイツらの履物は特徴がありすぎるし・・

「あは、みっかっちゃったかー」

「ってねー!
 まあ、ケメちゃんと美貴ちゃんは、こんなことだろーとは思ってたけど」

「思ってたんだー」

「そりゃ、いつもの行動知ってるからね」

「ってね、石川、これは親心ってもんよ」

「わかってますよ。
 でも、みんなまで・・・・・って、よっちゃん?」

「あーだってさ、イシカー、切れると何するかわかんないし・・」

「私が何で切れなきゃいけないのよ!
 てか、今まで切れてなんかしたことある?私が・・・あいぼんじゃあるまいし・・」
って、やっぱりあいぼんは・・・

「あー、そーいやーそーだったっけ」

「そーよ・・・・って、高橋・・」

「あっしはー、そのー、梨華殿、殿中でござるって・・」
オイ、忠臣蔵かよ!
439 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 12:52
「まこと・・・」

「あー、そのー、やっぱー、心配じゃーないですかー」
って、なんだ、その間延びした答えは・・

「コンノまで・・」

「えー、社会勉強ってゆーか・・」
はー?やっぱ、わけわかんないよね、この子。

「・・・・まめ」

「そりゃー、モー娘の一大事じゃないですかー」
まあ、この子は、マジオタだからね。

「れいな・・」

「だから、出入りには、やっぱ加勢せんと・・」
って、どこの世界の話だよ!
ってね、こっち見ないでよ、アタシはカタギです!これでも・・

「えり・・」

「えへー、なんか面白そうだったからー」
もー、本当にこの子は・・・

「さゆも?」

「ハイ!」
はいはい、さゆえりは、そんなもんでしょ・・・

「でも、本当は、すごく心配だったんですよー」
って、満面の笑みで言っちゃうと、説得力ないから、そのセリフ。
440 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 13:01
「まー、いいけどね・・」

「てかさ、アタシラだって、やっぱ、やぐっつあんに会いたかったし・・」

「あっ、そーよね」

「でしょ」

よっちゃんさんは、さすが新リーダー。
その言葉に、梨華ちゃんが、さっと体をよけるから、
あっちの部屋の隅で小さくなっている矢口さんが、みんなの視界に入ってくる。

「矢口さん、すいません・・・・でも、みんな会いたかったみたいで・・」

「・・・・・」

梨華ちゃんの言葉に促されるように、のろのろと立ち上がった矢口さんは、
それでも、意を決した感じで、

「みんな、ごめん!」
って、思いっきり頭を下げる。

その頭は、なかなか上がることがなくて・・・
441 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 13:10
「矢口さん・・・」
アタシが言いかけるのを、よっちゃんさんが遮って、

「頭を上げてくださいよ・・・謝んないで下さい!」
って、怒鳴るよーに言う。

「でも、オイラ・・」

「謝るようなこと・・してないですよね!」

「でも・・・」

「梨華ちゃんに言ってたじゃないですか・・・後悔してないって・・」

「・・・うん」

てか、この子達、そんな前からいたんだ・・・

「なら、いいじゃないですか、謝る事なんてありませんよ。
 ・・・・・それより、
 今まで、本当にありがとうございました!」

って、姿勢を正して、頭を下げる。

それにならうみたいに、みんなも一斉に頭を下げて、
「「「「ありがとーございました!」」」」

アタシも、少し遅れちゃったけど、
「ありがとうございました」
442 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 13:23
「そーなのよね・・・・真里ちゃん、今まで本当にありがとう・・
 お世話になりっぱなしだったけど・・・」

って、梨華ちゃんが、卒業セレモニーみたいなセリフを言って、
ぐずぐずしてる矢口さんの手をとって、みんなの前に押し出す。
その小さな体に、みんなが順々に近づいて、

「やぐっつあん、本当にお世話になりました」
「れいな・・」
「今までありがとうございました」
「重さん・・」
「これからも頑張ってくださいね」
「亀ちゃん・・」
「矢口さんのトレカ、これからも大事にしますから・・」
「ガキさん・・」
「色々、教えてもらって・・ありがとうございました」
「コンコン・・」
「たまには、アタシも遊びに連れてってくださいね」
「まこと・・」
「あっしも頑張りますんで」
「高橋・・」

「頼りないかも知んないけど、リーダー、頑張るから、心配しないで・・」
「よっすぃー・・・ホント、ごめん」
「だから、謝らないでよ・・・ね!」

「おかげで、最年長になっちゃいますけど、老け込まないよーに頑張りますから」
「ミキティ・・」

「真里ちゃん、本当に今までありがとう!・・・幸せになってね」

って、最後に梨華ちゃんに、思いっきりハグされて、
少し苦しそうに・・・ほら、泣いちゃったじゃん・・・って、違う意味の涙か・・・
みんなも何気にウルウルで・・

あっ、そー言えば・・・・保田さんは?
443 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 13:33
「あー、いいねー、やっぱ娘は」

「って、どこに行ってたんですか?」

「そりゃもちろん、注文よ!
 ほら、卒業祝いするんでしょーが」

「あー、ですよね」

「って、もしかして肉ですか?」

「当たり前でしょーが、田中、ここをどこだと思ってんのよ」

「ですよね、って、レバ刺し頼んでくれました?」

「もちろんよ!レバも、ハツも、ミノも、ユッケも、子袋も、
 もちろんカルビもロースも、タン塩もね。
 ・・・だから、ほら、みんな座って、座って」

で、泣きじゃくってる矢口さんを保田さんと梨華ちゃんとで、
抱えるようにして座らせて、

あとは宴会。

しんみりムードもそこそこに、いつものごとく、ワイワイガヤガヤ。
444 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 13:44
一応、遠慮はしてみたけれど、どーしてもって言う矢口さんに、
結局、おごらせちゃったから、誰のお祝いだよって感じだけれど、
矢口さんの気持ちが少しは楽になるんだったら、それもいいかって、
みんなで納得して・・・

いい加減な時間に、よっちゃんさんの引率で、子供たちを帰して、
酔ったふりをして笑ってる矢口さんを、保田さんに任せて、

アタシたちは、付き合い酒で、少し火照った頬を、夜風に冷まさせながら、歩く。

「なんか、梨華ちゃんの予定狂わせちゃったみたいだけど・・」

「ううん、結果的には、この方が良かったと思うよ。数段」

「だよね」

「うん、やっぱりみんなで送り出してあげるのが、娘のスタイルだもの。
 たとえステージの上じゃなくてもね」

「うん」

「矢口さんも、きっと喜んでくれたと思うし、
 本当の意味での踏ん切りみたいなね、そーゆーのがついたと思うし」

「だといいけど・・・ううん、たぶん・・絶対そーだよね」

445 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 13:57
「・・・幸せになって欲しいよね」

「うん・・・大丈夫、きっと幸せになってくれる。
 あの人のことだもの・・・うん、誰よりも、きっと」

「そーだよね」

幸せの形は、きっと色々あって、
それはたぶん人それぞれで・・・

残って、娘をやっていくアタシたちも、
予定通りに卒業していく梨華ちゃんも、
こんな形で娘から離れていく矢口さんも、

道はそれぞれ違うけど、やっぱりみんな幸せになりたくて・・・


でも、矢口さんは、本当は疲れちゃったのかな・・・とも思う。
7年、娘やってきて、最初の苦労も、一番いい時も、このダラダラとした下り坂も、
みーんな体験して、切実に体験して、
で、やっぱり少し疲れちゃったのかな・・・

「ねー、どー思う?」

「そーねー、本当の所は、今の私たちには、わからないだろーけど・・」
って、5年間、アイドルやってるこの人は言う、

「でも、いつか、みんなで笑って話せる日が来るよ。
 楽しかったことも、辛かったことも、苦しかったことも・・・
 本当は、メチャクチャ頭に来てましたー!とかもね・・」

って、やっぱりね。
446 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 14:05
「その時に、本当にみんな、幸せになってるといいよね」

「うん」

それが、いつになるのかわからないけど・・・


「なんか、桜もすっかり終わっちゃったねー」

梨華ちゃんの言葉に見上げると、
道路沿いの公園に、数本植えられた桜も、

「もー、すっかり葉桜になっちゃったね」

「花の命は短いねー」

「恋せよ、乙女ってか?」

「そっ、って、美貴ちゃんも、古い歌知ってるねー」

「梨華ちゃんこそ・・」

「そっかー、でも本当に・・・花の命は・・・」

少しだけ散り残った花びらに、さくら組のオヤビンが重なる。
447 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 14:15
たぶん、普通なら、人生の中で、一番恋をするこの時期に、
アイドルなんてやってるアタシたちは、
ある意味不幸で、
ある意味イビツで、

でも、アタシは・・・今はそれでいいって思ってる。

梨華ちゃん、アナタもそーなんだよね?

つないだ手に、少し力を入れると、
そっと握り返してくれるから、

「まだ、夜は冷えるよね」
って、少し肩を近づける。


幸せの形は人それぞれだけど、
誰でも、幸せになる権利があって、
それを止めることは他の人には出来なくて・・・

だから、

「本当に、幸せになって欲しいよね」

「うん・・・矢口さんに限らずね、
 みんなも、美貴ちゃんも、もちろん私も・・・・幸せに・・」

なりたいよね。


448 名前:ハザクラ 投稿日:2005/04/19(火) 14:15


   「ハザクラ」・・・おしまい
449 名前:トーマ 投稿日:2005/04/19(火) 14:31

今回のことは・・・
発表の文面を信じる限りでは、矢口さんの意思を尊重してあげたいと思います。
まあ、本当の所は、わかりませんし、それを彼女たちが語る日が来るのかも定かではありません。

そんなわけで、ささやかながら、自分勝手な卒業式をやらせてもらいました。

それにしても、現実は、想像の世界をはるかに超えていると、改めて実感させられました。

モーニング娘。・・・本当に生まれ変わっちゃいますね。
ラブマのメンバーもいなくなり、
ピースでさえ、吉澤さん一人になって・・・

あの他に類を見ない、バラバラ感・・メンバーの年が一回り以上離れてるとか、
身長差が二十何センチとか・・・そういうのも一気になくなって、
考えてみれば、今年の正月の体制から、数ヶ月のうちに、
リーダー、サブリーダー、エースを失うわけですからね・・・

とにかく、去っていく人も、残されたメンバーも幸多かれと祈るだけです。
450 名前:トーマ 投稿日:2005/04/19(火) 14:50
>>415 名無し読者様  ありがとうございます。好きなんですよね、85年組。

>>417 名無し飼育様  ありがとうございます。
          私も、伝聞で知ったのですが、見てみたかったなーと・・

>>418  さすらいゴガール様 ありがとうございます。
          やっぱり今回の件は、色々複雑な思いがありますよね。
          もし、これが石川さんの卒業が決まってない時なら、また違ってたかなとも・・
          今後の展開も、受け取る側のこちらの気の持ち方も、
          とにかく今は、卒業までの間、娘で精一杯頑張っている石川さんを応援したいと思います。

>>418 名無し飼育様  ありがとうございます。
          どーしても、モヤモヤ感の残る今回のことを、自分なりに整理して書いてみました。
          あんまり、スパッとはさせられませんでしたけど、
          去る人も残る人も、ちゃんと納得して、自分の足でしっかりと歩いて欲しいなとの、
          願いを込めたつもりです。よかったら、また読んでやってください。
451 名前:さすらいゴガール 投稿日:2005/04/19(火) 20:07
素敵なお話をありがとうございます。
ワタクシは実際に新リーダーの言葉を会場で聞き、
そのコンサートでの気迫を感じてきました。
娘。のなにか、本当に新しいものに変わっていくんだなぁ…、
そこに切なさも感じますが…見守っていきたいものですね。

なんか、ホッとするお話でした。
452 名前:konkon 投稿日:2005/04/20(水) 00:48
二日間で一気に全部読んでてやっと追いつきましたw
今回は感動する話しですね。
現実にも起こり得そうでちょっち寂しいけど、本当に矢口を
明るく笑ってお別れさせたいって感じですね。
二期コンビもよかったですよ。
これからもがんばってください。
453 名前:トーマ 投稿日:2005/05/31(火) 10:48
>>451 さすらいゴガール様 ありがとうございます
        卒業・・・しちゃいましたね。石川さんも、新生モーニング娘。も頑張れ!

>>452 konkon様 ありがとうございます。
        まだぼちぼち書いて行きますので、良かったらまた読んでみてください。

遂に、卒業してしまって・・・
卒業ネタは、感極まり過ぎて、何度トライしても書けませんでした。
もうすっかり、石川さんも美勇伝の人になって、コンサートも盛り上がってるようですが、
今回は、少し遡って、フットサルネタを少々・・
454 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 10:57

「なんかさー、私たちって、青春してるよね」
「・・・・うん、だよね」

「えっ?」
何時になく素直に頷く美貴ちゃんに、ちょっと拍子抜け・・・

「なによ!」
「えっ・・・だってさ・・・自分でふっといてなんだけどさ、
 ほら、いつもならさ、そのセリフ、クサイよー・・とかってさ・・」

「あっ、まあね」
なんて苦笑してみせてるけど、
「だけどさ、やっぱ今日ばかりは、美貴だって、しみじみと思っちゃったわけよ。
 青春してるなーって」
そっか、やっぱり、そーだよね。

試合後のロッカールーム。
とっとと帰り支度をしなきゃなんだろーけど、
みんなまだ、興奮治まらずって感じで、ざわざわしてる。



うん、だってさ、だってね・・
455 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 11:18
「ほら、美貴は部活とかさ、途中で辞めちゃってさ、
 もちろんライブとかも、そんな感じあるけど、でも、やっぱこーゆーのってゆーか、
 なんてったって、勝負かかってるし、前回のこともあるしさ」
なんて、珍しくしみじみ語っちゃってる美貴ちゃん。

「そーだね。それにお互い、勝負事になると目の色変わるタイプだし」
「って、美貴は梨華ちゃんほどじゃないけどね」
「かー、結構、熱くなるじゃん、勝ち負けとか」
「そりゃ、もちろん負けんのとか、大っ嫌いだし・・・って、そっか、そーだね、同じかも。
 娘でも一二を争う負けず嫌い・・・あっ、梨華ちゃんは・・・」
「まー、ハロプロで、一二を争うってことでいいんじゃない?」
「だよね」

「それにしても、本当によかったよね・・・勝ててさ」
「うん、もしあれで負けちゃったら、そーとーへこむところだったもんね」

「だよね・・しっかし、なんで決められなかったのかねー、PK・・」
「うん・・・まっ、私はさ、誰かさんにお付き合いしただけなんだけどさ」
「は?なに言ってんだか。
 それを言うなら、美貴の方こそ、梨華ちゃんにプレッシャーかけないよーにって、
 先に外してあげたんじゃない」
「あっ、そーだったんだー、それはどーも。気をつかわせちゃったねー。
 まっ、それでなおさら、プレッシャーかかったわけなんだけどね」
「よくゆーよ」

なんて、今となっては、笑っていられるけど、
あの時は、たぶん、二人とも生きた心地はしてなくて・・・
456 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 11:27
「みんなのおかげだよね」
「本当・・」

本当に、みんなに感謝しなきゃね。

決勝戦が同点で終わって、PK戦ってことになって、
よっちゃんが決めた後、美貴ちゃんと私が立て続けに止められちゃった。
それをコンコンがセーブ仕返してくれて、
そのあとは、是ちゃん、マイちゃんが決めてくれて、
サドンデスに入ってからも、アサミ、ミウナが確実に入れてくれて、
最後は、向うのキャプテンが枠を外して・・

この大会は、練習の時から充実してたから、やる前から、負ける気はしなかったけど、
勝ちきるのは、やっぱり、大変だった。

私たちが上手になっている分、やっぱり他のチームも力をつけていて・・

みんなのおかげ・・・本当に。
457 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 11:43
「それにしてもさ、あの変なポーズ・・」
「えっ?」

「ほら、梨華ちゃんが、ゴール決めた時のさ」
「あー」
「あれは、なかったよね・・やっぱり」
「へ?」
「うん、マジに変だった」
「そーおー、あんましよく覚えてないんだけど・・」
私、どんな格好、してたっけか・・夢中だったからなー・・

「てかさ、なんつーの、ガッツポーズとかさ、なんで普通に出来ないもんかねー」
「えっ?普通だよ・・私」
「イヤイヤ、普通じゃないって」
「そんなに変だった?」
「うん、まあ、今回に限らずさ・・・てか、毎度のことって感じで・・」

「まあ、それが梨華ちゃんらしいって言えば、梨華ちゃんらしいんだけどさ」
「何よ、その私らしいってのはさ」
「うん、ほら、梨華ちゃんってさ、いつも変じゃん」
「うそー!変じゃないよ、私は」
「いや、変だから。うん、いつもかなり変」
って、何気に、ひどいこと断言してるよね・・この人。
458 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 12:04
「なんつーの、フツーにしてればさ、それなりに二枚目できそうなのにさ、
 なんかさ、やってることが、お笑い系だよね・・いつも」
「えっ?・・・私って、お笑い系なの?」
「そーだよ・・・って、もしかして、知らなかった?」
「うん、ちゃんと二の線やってると思ってた・・」
「そー思ってるのは、梨華ちゃんだけだから」

「そっか・・・お笑い系なんだ・・私は」
「うん、かなり笑える」
「そっか・・・・ってことはさ、私って面白いってことだよね」
「うん、まーそーなるかな」

「そっか、そっか・・・受けてたんだ私のギャグとか」
「は?」
「そっか・・・いやー、受けてたんだ・・
 いつも、みんな反応薄いから、滑ってるんだとばっか思ってた・・そっか、受けてたんだ・・」
「って・・イヤイヤ、そーじゃなくて」
「えっ?」
「フツーに滑ってるから、いつも。ギャグセンスとか、思いっきりないし」
「って、今、面白いって言ってたじゃんよー」
「イヤイヤ、そーじゃなくてさ、ギャグが面白いとかじゃなくて、
 なんつーの・・・存在自体が可笑しいってゆーかさ・・」
「へ?」
「うん、そーそー、存在自体がさ、変なんだよ」
「は?」

「なんてーか、無駄に力入ってるし、無駄に熱いし、無駄にテンション高いし、無駄に・・・」
「何よ!その無駄、無駄ってのは・・なんかそれじゃ、まるで私の存在自体が無駄みたいじゃん」
「あっ、そーかもね」
「へっ・・・あっ、そーなんだ・・・そーですか・・そりゃ、悪かったねー、無駄に生きてて・・」
「うん、そーそー」
とか、真顔で肯定しちゃってるし・・・もー、いじけてやるから・・
459 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 12:16
「そーよね・・私なんて、PKは外すし、空振りはするし、
 カッコイイシュートとか決められないし・・」
「うん、だねー」
って、オイ!自分だって、PKは外したろーが!
いーよ、いーよ、もう泣いちゃうんだから・・・


「何やってんのよ・・・・えっ?ちょっと、マジ?」
って、もちろん泣きまねだけどさ。
イジラレキャラの私が、こんくらいのことで、マジへこみするわけないじゃん。

「ねー、ねーってばー」
そっ、それそれ・・・少しはあせってみせろって・・
さすがに心配になったのか、両手で顔を覆ってる私の肩を、揺さぶり始めるいじめっ子。

そろそろ許してあげよーかなって、優しい私は、
「うっそだピョーーン!」
ってね・・・なのに、
「は?・・・・サムー!」
だって・・・やっぱ、いつものパターンか・・
「もー!」
460 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 12:32
「オイ!そこの二人、何グチャグチャやってんだ!」
って、キャプテン。
そーだ、言いつけてやろー。

「ね、ねー、よっちゃん、美貴ちゃんがね、いじめんの」
「は?誰もいじめてないし」
「うそー、何かね、ひどいことばっか言うの」
「本当のことしか言ってないし」

「まあまあ・・・てかさ、痴話喧嘩なら、帰ってからにしろつーの。
 それよか、オマエラ、自分の立場わかってんの?」
「へ?」
自分たちの立場?
「コンコンが頑張ってくれたからいいよーなもんを・・」
あっ・・
「よくもまー、立て続けに外してくれちゃって・・」
やっぱ、そのことよね・・
「ごめん」
「ごめんなさい」
なんて二人で項垂れちゃう。

「仮にもチミタチはストライカーなわけだし」
「・・・うん・・本当にごめん」
「たく、あやまりゃ済むもんじゃないだろ。まっ、練習不足だよな」
「はーい、反省してまーす」
「マジで反省してる?」
「「ハイ、キャプテン!」」
って、声をそろえる。うん、これはね、結構マジ。
もっともっと、練習しなきゃって思ったもの、本当に。
461 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 12:37
「そっか、反省してんのか・・・なら、今から、シュート練習かな」
「へっ?」
って、あのー・・

「ちょうど着替えもまだのよーだし・・ほら、行って来い!」
って、それぞれにボールを手渡す・・鬼キャプテン。

って、マジ?

キョトンとしてる私たちのお尻を叩いて、
「ほら、グズグズしない!ダッシュ!」
って・・・
462 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 12:59

「あーあ、本当に行っちゃいましたねー」
「うん」
「まあ、石川さんはあーゆー人だから、わかりますけど、
 まさか、藤本さんまで、真に受けちゃうとは思いませんでした」
「まーな・・・でも、きっと・・・あの二人も冗談だって言うのはわかってんだよ」
「えっ?」

「アタシの冗談を真に受けたふりしてさ・・
 なんかさ、ほれ、離れがたいだろ・・・ここ」
「あっ、そーですよね・・・でも、いいんですか?まだ、ここにいて」
「うん、時間になれば、イヤでもスタッフに呼ばれるから」
「そーですよね」

「って、そんな事より、吉澤さん、あの約束忘れてませんよね」
「は?何のこと?」
「・・・一本止めたら、かぼちゃのスイーツ、食べ放題・・」
「あ・・・」
「二本目止めたら、おイモのスイーツ食べ放題、そー言ってましたよね・・確か」
「えっ?そんなこと言ったっけ?」
「ハイ、PK始まる前に、耳打ちで・・・ですから、紺野、頑張りました!」
「あっ、そーだなコンコン、頑張った!えらいえらい」
「ハイ、完璧です!」
463 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 13:06
「そっか・・・よし、わかった!」
「ハイ、わかってもらっえて、嬉しいです!」

「うん、アイツラに言っとく」
「へっ?」
「かぼちゃはミキティ、イモは梨華ちゃん・・・なっ、これで完璧だろ!」
「は?」
「やっぱな、ほれ、責任は取るべき人が取らなきゃな」
「はー」
「うん、ちゃーんと言っておくから、いつでも遠慮なく奢ってもらえ」
「はい・・・」

「おー、そーだ、そーだ。ついでにベーグル食べ放題ってのも追加しとくか」
「へっ?」
「まー、気にすんな・・キャプテンの特権だ・・・なっ、完璧だろ」
「はー・・・・ハイ、完璧です!」

464 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 13:17

「ねー、マジにすんの?シュート練習・・」
「うん・・・いいじゃん、やろーよ!」
「そっか、そーだね、やろ」

よっちゃんが、本気であんなこと言ってないことぐらい、私にだってわかってる。
でも、ここは、それに乗っちゃってみるのも、悪くないなーって思っちゃった。

だって、
この大会が終わっちゃったから、しばらくは練習も休みで・・・

私は、週末からは美勇伝のツアーに入る。
カントリーは一緒だけど、
娘は娘、メロンはメロン、WはW・・・みんなそれぞれの仕事で・・
またしばらくは一緒になることもなくて・・・
何かね、それってさ、少し淋しいよね・・・やっぱり。

だから、今はもうちょっとだけでも、この余韻に浸っていたい・・
465 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 13:30
コートに戻ると、明かりは半分だけ残ってた。
さっきまでの喧騒はうそみたいに、静まり返った空間がそこにはあったけど、
それでも、空っぽのゴールにシュートを打ち込んでみれば、
あの割れんばかりの声援が、耳の奥に甦ってくる。

さっき外しちゃったPKをキーパーをイメージしながら、
何本か交代で蹴り込むと、体はすぐに温まってきて、
ね、あれやろーかってことになる。

コートの端から、パスを交換しながらのシュート練習。
やっぱ、こっちの方が気持ちいい。
そーなんだよね、ディフェンスさえいなければ、
私にだって、カッコイイシュートが決められるんだから・・

って、あれ?・・・・ボール・・・・取られちゃった・・えっ?

マイちゃんが、へっへーなんて笑って、
私から奪ったボールを、大きく逆サイドに・・そこにはアサミがいて・・
いつの間にか、目の前のゴールには、コンコンが入ってるし、
アサミがパスした先にはよっちゃんがいて、
それをののが守るゴールの前で、是ちゃんが奪い取って、
横を走るミウナに出す。

・・・・って、みんな・・
466 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 13:41
「どーしたの?」
ってあっけに取られてる私と美貴ちゃんに、
「うん、出待ちの子がたくさん集まっちゃったから、少し時間つぶしとけって」
って、柴ちゃん。
あっ、そーなんだ。

で、何だかんだでミニゲーム。
みんなユニが同じだから、いきなり味方だと思ってたのが敵になったりして、
メチャクチャなんだけど、
なんか楽しいよね、こーゆーのも。

ひたすら走って、ひたすら一つのボールを追って・・
さっきの試合での真剣モードとは違って、みんな笑顔で、キャッキャって感じで・・

もちろん、真剣勝負は好きだし、あの緊張感はゾクゾクするけど、
こんなのもまた別の楽しさがある。

みんな・・・本当にフットサルが好きで、
走り回ってるのが好きで、
それから、一緒にやってる仲間が好きで・・・
467 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 13:51
「よーし、上がるぞー!」
って、キャプテンの掛け声に集まって最後の円陣を組む。
「ガーッタース、ファイッ!」

うーん、やっぱり気持ちいい。
これで、気持ちを切り替えて、明日からは・・・って思ってたら、

円陣を解く前に、よっちゃんがニヤニヤしちゃって、
「フジモトは、かぼちゃのスイーツ、イシカワは、イモのスイーツをコンコンにな」
って・・・何、それ?
美貴ちゃんと顔を見合わせて、首を傾げていると、

「あっ、それからアタシはベーグルでいいから」
「は?なにそれ?」
「ペナルティー」
「へっ?」

「ね、なに、なに?」
って、食べ物の話にはやけに反応のいいののが、嬉しそうによっちゃんに詰め寄って、
「あっ、いいぞ、みんなも・・このお姉さんたちが、ご馳走してくれるって・・」
って、何、勝手なこと言ってるわけ?
468 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 14:07
「じゃ、のんはアイスでいいや、この前のやつ、美味しかったからあれでいい」
って、え?
「アタシは・・・カニ・・ウニ・・お寿司でいいかなー」
って、マイちゃん?
「アタシはねー、たまにはジンギスカンなんてのもいいかなー」
って、もしもし、アサミさん?

「って・・・もしかして・・みんなに奢るの?」
「当然でしょう、勝利はチームのものだからな。
 ほら、柴ちゃんも、ボスも遠慮なく・・・」

「うん、なら、アタシはイタリアンかなんかでいいや、かわいそーだから」
って、柴ちゃん・・・それって遠慮してることになるの?
「アタシは・・・懐石かなんかがいいかなー」
って、ボス・・・渋すぎます。

「あのー、それって、食べ物じゃなくってもいいんですか?」
って、ミウナ・・・いったい何を要求するつもりなのよ・・
「ああ、身体で払ってもらっても構わないんだぞ」
って、よっちゃん・・・なんか一徹入っちゃってるよ・・

「なら、石川さんのウチ、泊まりに行ってもいいですか?」
「は?」
「藤本さんのところは、前にお邪魔したんですけど、石川さんチはまだだから・・」
「別にいいけど・・どーして・・」
「あー、別に襲ったりはしませんから安心してください」
「あー・・そんなこと思っちゃないけど・・」
「ええ、ハロプロメンバー宅お泊り、全制覇を目指してるもんですから・・」
って・・・ミウナちゃん・・・あなたって、いったい・・・・
469 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 14:21
「ほれ、是ちゃんも・・・何でもいいから」
って、私たちのバカな会話に入ってこれないでいる、常識人の是ちゃんを、
よっちゃんが前に押し出して・・

「あのー、別に私は・・」
そーよね、やっぱり是ちゃんは違うわ。フツー、そー言うよね。
「サインでいいんですけど・・」
「えっ?」
「学校の友達に頼まれちゃってて・・できたら生写真に・・・」
「は?」
「石川さんは、前髪ありのやつに、ウサギさん付で、
 藤本さんは、ショートカットの頃のに、あっ、絵はいいんで・・」
って・・・オイオイ、どーしたのいきなり一般人しちゃって、
あなたは、もー仲間ってゆーか、友達じゃない・・

でも、
そんなもので良ければ、いくらでも・・てか、

「そーだ、そーだよね・・みんなにもサインしてあげよーか・・ね、梨華ちゃん」
「うん、そーよね、この際、大サービスで・・」

「「「「イラネー!」」」」
の大合唱が、返ってくる。
そりゃ、そーよね・・・、キスマークぐらいはサービスしちゃうつもりだったのにな・・
何よ、そんなのもっといらないだろーって・・
470 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 14:28
じゃ、ボツボツってことで、
美貴ちゃんと顔を見合わせて、ため息。

まあ、当分、たかられてあげるよ・・・

うん、それにね、何かみんなと約束が出来たみたいで、
嬉しかったりもしてるし・・

いいよね、こんな仲間ってゆーのも。

もちろん、娘も、美勇伝も大切な仲間で、それぞれ私の宝物で、
でも、このチームもさ、
ガッタスも・・・なんか別の意味でね、
やっぱり最高なんだよね。

うん、ガッタス、最高! 
471 名前:ガッタス 投稿日:2005/05/31(火) 14:30

優勝オメ!

という事で、「ガッタス」・・・おしまい
472 名前:トーマ 投稿日:2005/05/31(火) 14:47
フットサルネタは、初めてになるのかな・・
ガッタスの掛け声に自信がありません。
間違っていたら、しかってやってください。


余談ですが、
もうご存知の方も多いと思いますが、
同じ板に、別名でアンリアルのものを書かせていただいていました。
特にここで案内をしなかったのは、
スレを立ち上げた時点で、別板でもう一本なんて大それたことを考えていたので、
遅筆なのに、ズーズーしいかな・・なんて・・まあ、特に深い意味はなかったんですけど・・

結局、一つのスレッドに、二本まとめて入ってます。
完結しましたので、あげてあります。

因みにスレタイは、某ユニットの曲名からいただいた
「恋愛戦隊シツレンジャー」で、主にハロモニのコントネタ・・・作者的には、コメディーのつもりです。

二本目は、某ミュージカルからタイトルを借用した
「アッチい地球を冷ますんだ!」これは、一応SFのつもりで、カップリングは、いしごま・・

もし、よろしければ、おヒマな時にでも・・・

473 名前:トーマ 投稿日:2005/05/31(火) 15:11

下げ忘れ。
474 名前:名無し読者 投稿日:2005/06/06(月) 10:39
ガッタス優勝おめ〜!
フットサルはみんなのまた違った輝きが見れるのでいいですよね。

恋愛〜の方も読ませていただきました。
やっぱりトーマさんのいしごまは好きです!
475 名前:Liar 投稿日:2005/06/09(木) 16:43
作者さん・・。すごかったです。恋愛〜は。
いしごまいいですね。今まで読んできた小説の中で
1番のお気に入りはトーマさんの君のいる場所〜です。
あれは本当にいい作品でした。感動しました。
いつも応援させて戴いています。これからも頑張ってください。
476 名前:一読者 投稿日:2005/06/19(日) 23:28
初めまして。今までROMってましたが、作者さんの作品を拝見させていただいて、あまりに感動したので・・・。

遅ればせながら「恋愛戦隊&熱っちぃ」「君のいる場所〜」を読みました。
どの作品もどんどんと引き込まれていき、読んでいる時間に時にはハラハラ、時には幸せを感じました。
情景・心理描写がとても素晴らしく、ありありとその光景が目に浮かんできました。

これからも、作者さんのペースで、更新宜しくお願いします。
477 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/07(水) 11:38
久しぶりにいしごま界隈にニュースがあったのできてみました
DEF.DIVA楽しみだったりします
トーマさんにまた書いてもらえるかな?
478 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 09:11
 
 「内心キャーキャーだわ」

このタイトルなら、もちっと面白い曲が書けそうなのに・・・(笑)
479 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 09:13


そりゃあ、嬉しいか、嬉しくないかって聞かれたら、
もちろん嬉しいに決まっている・・・・・んだけど・・
480 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 09:28

「・・・・と言うけや」
「ハア?」

それが、つんくさんから、この話を聞かされた時の、私の第一声。

つんくさんは、ベタなコケかたをして、
「なんや、そのウッスイ反応は・・・拍子抜けするわーホンマ」
って、苦笑する。

「あっ、いえ・・・・でも」

「でもって、なんや」

「あ、そのー、ユニットって・・・美勇伝は?」

「そら、美勇伝は美勇伝や。新曲も、アルバムもあるし、ツアーかて控えてるやろ」

「ですよね」

「そやから、こっちは、ホレ、なんつーの、
 年末恒例のスッペッシャルユニットってやつや」

あっ、そーか・・・ごまっとうに後浦なつみ・・・ってそれって恒例行事だったんだ・・
でも・・

「私なんかが入っちゃってもいいんでしょうか?」

「は?・・私なんかて・・あのなー」

つんくさんは、少し呆れ顔してるけど、
でもさ、だってね、
ごまっとうにしても、後浦にしても、その時点では、ソロの人同士の組み合わせで、
私ってさ、やっぱ、そーじゃないじゃない?
481 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 09:43
「まあ、オマエがなに戸惑ってるのかは知らんけどな、
 もう決まったことやから、とにかくやってもらう。
 曲もそれように用意したしな」

「あ、はい・・」

「なんや、もっとしゃきっと返事できんもんかなー、
 松浦でさえ、ハイ!って、素直にゆーとったのに・・・」

って、松浦でさえって・・・
やっぱり、ちょっと嫌だったりするのかな・・亜弥ちゃんは・・

「あっ、いえ・・ハイ、もちろん喜んでやらせていただきます。
 宜しくお願いします!」

「そや、そーこなーな。
 まあ、アッチコッチで、ちと忙しくなるやろけど、
 それこそそーゆーのは、一番慣れてるやろーからな、オマエは」

「ハイ」

「じゃ、ホレ、これや」
って、つんくさんは、曲のテープと歌詞カードを、ついでみたいにひょいと渡して、
「じゃあな」
って、私に退室を促す。

「失礼します」

「・・・・これで何度目のデビューになんのかなー、石川は・・」
そんな、独り言なのかな・・つんくさんの呟きを聞きながら、部屋をあとにする。
482 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 09:53
本当、いくつ目のユニットデビューになるんだろう。
シャッフルとか抜いても、もう片手では足りないのかな。
だから、そーゆー意味では、慣れているって言えば、充分、慣れているわけだけど・・
 
今回は、
スペシャルかぁ・・

ごまっとうに、後浦なつみ・・・で、今回はDEF.DIVA。

前の二つはソロメンの組み合わせで、だからスペシャルユニット。
それを強調するためなのか、ただの安直さなのかは知らないけど、
それぞれの名前を組み合わせたユニット名で、
でも、今回は、アルファベットの名前がついてる。
やっぱりさ、それって、私がソロじゃないからなのかな・・・
483 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 10:09
それにしても・・・
よりによって、DEFなDIVA・・・最高の歌姫って意味らしいけど・・

なんかねー、それって・・・・つっこみどころ満載じゃない?

そーじゃなくても、私自身、あのメンバーの中で場違い感あったりするのに・・

ね、絶対つっこまれるよね・・・みんなに。
つっこミキティに限らずさ・・

「よっ、アンタ、歌姫だって!」
ほら、やっぱり・・
って、
「へ?」

「なにぼーっと歩いてんのよ!こけるわよ!」

「あっ、ケメちゃん・・・あのー、それ・・」

「あー、今、マネージャーさんから聞いたのよ」

保田さんは、そーじゃなくても大きい目を、更にギョロっと見開いて、
私の顔を覗き込むと、

「とにかく、頑張んなさいね!」
って、ポンとお尻を一つ叩いて、じゃあねって・・

「あっ、あのー」
って、ちょっとすがるみたいに、その後姿に声をかけてみたけど、

「アタシだって、これで結構忙しいんだからね」
って、背中のまんま、肩口で手を振って急ぎ足。

ハイハイ、この件の愚痴は受け付けてくれないってことですよね。
わかりましたー。

まあ、愚痴るようなことじゃないってことなのかな・・
484 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 10:34

数日後には、もうレコーディングで、
それがユニットとしての初顔合わせ。
まあ、もちろん、知らない顔があるわけじゃないんだけど・・

少し早めにスタジオに入ると、控え室には、いかにも急ごしらえの手書きのDEF.DIVAの文字。
そのドアをそっと開けて中を窺うと、
意外にも、亜弥ちゃんがもうテーブルの隅に座ってて、
足でリズムを刻みながら、テープを聴いていた。
たぶん、今日入れる曲を聴いているんだろうなって、
じゃまをしないように、小さく会釈だけしてそっと入ったんだけど、
やっぱり、速攻で気付かれて、パッパって感じでイヤフォンをはずすと、

「梨華ちゃーん、おっはよー!」
って、ニカっと思いのほかのハイテンション。

「あっ、おはよー・・早いんだね」

「うん、今日はこれが一本目だから、後は押してるんだけどねー」

「そっか、相変わらず忙しいねー」

「うん、忙しいねー」
って、カラッと言ってるけど、そーじゃなくても、ハロプロで一番忙しいだろうこの娘は、
今、自分の新曲のキャンペーン中だったりもして・・

「ホント、いつも大変だねー」
って、単純にスケジュールのことを言ったつもりだったんだけど、

「うん、でももう慣れちゃってるし、こーゆーの。よっ、また来たかてなもんですよ」
って、もしかして、このユニットのこと答えてくれちゃったみたい。
485 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 10:51
「そろそろ来るかなって思ってたから」

「そーなんだ・・私はちょっとビックリしちゃった・・考えてもなかったから」

「あれー、そーなの?マツーラは前から予想してたけどねー、想定の範囲内ってやつかな」

「えっ?前からって・・」

「うん、去年、後浦さん決まった時から、
 梨華ちゃんも娘卒業したら入るんだろーなーって、こーゆーのに」

「へー、そーなんだー」

「うん、でもって、来年あたりは、ミキタンもかなってね」

「ええ!?・・・それって、もしかして・・」

「イヤイヤ、別に何も聞いてないよ・・でも、なきにしもあらずって感じでしょ」

「・・・・うん、そーだねー」

久しぶりに、次の卒業生が決まってない娘だけど、
美貴ちゃんの卒業ってのは・・・
いつあっても不思議じゃない。

うん・・・亜弥ちゃんの予想は、決してありえないものじゃない。
486 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 11:14
「そしたら、ゴレンジャー出来ちゃうねー。あっ、でも緑はやだなー」

「えっ?」

「ほら、だって、微妙じゃない?ミドリって・・やっぱ、マツーラは赤でしょ赤、
 ね、そー思いません?」
なんて、亜弥ちゃんが、わけの分からないこと言い出した時、

「おはよー」
って、本当に今起きましたって感じのごっつあんが入って来て、

「よっ、遅いぞ黄レンジャー!」
とか言われて、
「んあ?」
って、戸惑ってるみたいだから、
「ああ、なんでもないから」
って、この話題から開放してあげようって思ったのに、

「ごっちんの黄色は決まりでいいんだよねー、梨華ちゃんはピンクだし」
「あー、あの話ね。でもさー」
って、乗っかっちゃう黄レンジャー。

やっぱ、青のがクールだしとか、黒って手もあるとか、はじまって、
あー、この話って、この二人の間では、前から出てることなんだなって・・分かった。

キャッキャやってる亜弥ちゃんに、ニコニコ合わせてるごっつあん。
この二人って・・
いつの間にこんな仲良くなったんだろう。

あっ、そっか、一緒にツアーとかやってるんだもんね。
そっか、そーだよね。

ごっつあんが、娘卒業してから、もう丸三年もたってて、
その間に、ごまっとうも後浦なつみもあって・・

そっか、そーだよね
私なんかより、ずっと一緒にいるんだもんね。

そんな二人を見て、ちょっぴり淋しい気分になっちゃうのって、
きっと・・・わがままなんだよね。

487 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 11:23
やっぱり、ちょっと決められた時刻を過ぎてから、安倍さんはやって来た。

例のごとく、悪びれもせず、
「おはよー!」
って、ハイテンションで入ってくるなり、
「今回は、梨華ちゃんもなんだってねー」
って、かけられたセリフが、ちょっと意味ありげに聞こえたのは、
少し居心地の悪い気分でいたせいなのかな・・

「あっ、宜しくお願いします」
って、改めて三人に頭を下げると、

「ハイ、よろしくね」
って、安倍さんに軽く返された。
あー、やっぱりこの人って、何気に威圧感あるよねー・・

なんかねー、やっぱり・・・

後浦なつみに石川梨華(美勇伝)って感じなのかな・・・・
488 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 11:45
音入れは、思ったより順調に終わった。

「ね、この部分・・梨華ちゃんっぽいよね」
ってごっつあんが言ってた「なによ、なんなのよ」ってところが、
やっぱり私のパートだってわかった時、
やっぱりねーなんて、二人でクスクス笑ってたら、

「ねー、どーして?」って亜弥ちゃんが聞いてきた。
あー、そーだよね。
あの曲は、ファンクラブ限定の企画だったから、外で歌ったこともないし、
亜弥ちゃんはきっと知らないんだよね「理解して女の子」なんてコアな曲。
なんて思ってたら、

「あの時のメンバー以外で、それわかるのって、ガキさんくらいなもんだべさ」
って、それまで知らん顔してた安倍さんが、ぽつんと真顔でそんなこと言うから、
また、ごっつあんと顔を見合わせて笑っちゃう。

それでね、私は笑いながらね、
なんかね、私・・・
あー、この人たちと一緒に娘やってたんだなーってね、
改めて、しみじみ思えちゃってね・・

うん、少しだけここでの居場所見つかるかなって、
なんかね、ちょっぴり安心できたのかな。

でもね、やっぱり・・・
なんだろな、
内心・・・キャーキャーしてる感じ。

ちょっと不安で、でもやっぱり嬉しかったりもして、
とても楽しみなんだけど、どんな風になるのかちょっと予想できなくて・・・

だから、やっぱり、
内心キャーキャーなんだよね。


489 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 11:50


「ごっつあん・・・あのメモしてもらったメルアド・・ちがかったみたいでね、
 私、きっと入力間違えたんだと思うんだけどさ・・」

DEF.DIVA の雑誌取材の日、事務所につくなり、梨華ちゃんに捕まっちゃった。
490 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 12:02
「へ?」ってとぼけてはみたものの、
もちろんそれは分かってたわけで・・

「でね、送れなくてね、オタオメメール・・」

「あー、そー言えば、もらってないねー」

「うん・・・でね、もう一度教えて欲しいんだよね・・悪いけど」

「あ・・うん」

「でさ、あのね、ののにも笑われちゃったんだけどね、
 そんなの梨華ちゃんのケイタイにメール一本送ってもらえばすむことじゃんって・・」

「あは、そりゃそーだねー」
うん、そんなことも当然知っているわけで・・・

「うん・・だから、悪いけど、何か送ってみて」
って、手の中の自分のケイタイを指し示す梨華ちゃん。
それって、今送れってことなんだよね。

「あ、うん」
アタシは仕方なしに自分のケイタイを取り出す。
やっぱ、逃げられないみたいだものね・・今日は。
491 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 12:20
で、梨華ちゃんのアドレス開いて・・・
それで、その当たり前の方法を取らなかった言い訳みたいに、

「でもさ、梨華ちゃんのアドレスって・・・どれだったっけ?」
って、ディスプレーを示す。

梨華ちゃんは、それを不思議そうに覗き込むと・・
「えっ?・・・なにこれ・・・四つもある・・・あっ、これって前のじゃん・・
 ごっつあん、そのまま残してるんだ・・・えっとね・・」
って、少し眉をしかめて、それで自分のケイタイで確かめて、

「あー、やっぱりー、この一番上のだよ」
「あっ、そーなんだ、どれかわかんなくなっちゃって・・・じゃ、ちょっと待ってね」
って、
「メルアド変わったよー!」って一言、送信。

すぐに鳴り出した着信音に、メールを開いた梨華ちゃんは、
にこっと笑って、チョコチョコって操作して、
「じゃ、後で送るからね、楽しみにしててね」
って、本当に嬉しそうに言う。

「うん、楽しみにしてる」
で、そのままケイタイをバッグにしまい込んでるから、
あーよかった・・別に何も特に変とか思ってないんだよねって、ちょっと安心したのに、

「でもさ、なんで、ごっつあん・・・」
って、思い直したように、小首を傾げる梨華ちゃん。
そーだよね、やっぱ、変だもんね。

あー、やっぱりクドクド聞かれちゃうのかな、
そしたらアタシは、何て答えたりしちゃうんだろう・・・
492 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 12:44
なんて思ってたら、
ちょこっと離れたところにいたはずのマッツーが、
「ねー、梨華ちゃん、アタシにもメルアドおしえてー」
って、アタシと梨華ちゃんの間をさえぎるみたいに、顔を出してくれた。

「あっ、そー言えば、私も亜弥ちゃんのアドレス知らないかも・・うん、あのね・・」
って、二人でキャッキャってアドレス交換。

あっ、なんか助かっちゃったかも・・・

なんて、ふーって一息ついてたら、
部屋の隅で雑誌を広げてたなっちが、こっち見て笑ってるのと目が合っちゃった。

ちょっと照れ隠しみたいに首をすくめたら、
声を出さずに口の形だけで・・・たぶん「バーカ」だよね・・

ハイハイ、ゴトーはどーせバカですよ・・・
493 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 12:50
雑誌の取材が終わると、梨華ちゃんはバタバタとマネージャーさんにせかされて、
挨拶もそこそこにいなくなる。
美勇伝なのかな、それともエコモニとか・・・

なっちもいつの間にか消えてて、みんな忙しいんだね・・

さてと、アタシは次まで少し余裕あるから、一旦事務所かなって、腰を上げると、
「アタシも一緒するね」
って、マッツーに腕を取られた。

「あれ?時間あるの?」
って聞いたら、
「ちょこっとだけ」
って、示した親指と人差し指の間は、本当にちょっとしか隙間がない。
494 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 12:55
「しっかし、どーして、誕生日直前にアドレス変えちゃうかなー」
移動車に乗り込むなりに、やっぱその話。

「うーん、なんでかねー」

「タンもブツブツ言ってたよ」

「うん、ミキティには、メールでも叱られた」

「で、その後、みんなにはちゃんと知らせたの?」

「うん、ボチボチかな」

「ボチボチねー、ごっちんのボチボチは、ほとんどしてませんってことだよねー」

「あは」
495 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 13:01
「でもさ、梨華ちゃんには、この前、なんか紙、渡してなかったっけ?」

「うん、渡した」

「なのにどーして・・・・って、もしかして、わざと間違えて書いたの?」

「うーん、どーだろ」

「もー、ごっちんって、やっぱわけわかんないよ」

「そーかなー」

「・・・・まあね、本当はサ、なんとなくわかんなくもないけどさ」

「ヘ?」

「ほら、マツーラはさ、誰かさんと違って、鈍くないからさ、そーゆーの」

「・・・・」

「まだ少し残っちゃったりしてるんだ・・・・キモチ」

「ヘ?そんなことないけど」

「まっ、いいけどね」
って、マッツーは小さくため息をつく。
496 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 13:05
たぶん、
残ってるとか・・・そんなんじゃないと思うんだけど、
メルアド間違えて書いちゃったのは事実。
ドットが2つばかり足りてませんでした。

なんかねー、なんなんだろうな。


メルアドって知らなければ、
絶対にメールって届かないじゃん。
絶対に無理だからさ。

だからね、それってちょっと安心するのさ。

来るかなーなんて、少しでも期待して待ってるのって・・
やっぱ、少し・・・
シンドイよね。
497 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 13:16
「それに、梨華ちゃんのアドレス・・どれだかわかんないとか・・ありえないし」

「うん」

もちろん、どれが今のアドレスとかって知ってる。
順番に登録してるんだから、一番上に決まってる。
それに、梨華ちゃんの誕生日に送ってるし、
変更とかしてたら、アタシと違って律儀な彼女は、必ず知らせてくるだろうし・・

「第一、前の残しておくとかって・・
 なんかもー、分かりやす過ぎ」

「えっ?」

「なんかさー、ちょっと見てるこっちが切なくなるよね・・ごっちんって」

「そんなんじゃないよ、ただ面倒くさいから・・」

「ううん・・・まあいいけどね。
 その言い訳でも、誰かさんには通じちゃいそーだし・・・」

って、それっきり、窓の外に目を移しちゃった年下のはずのこの娘の横顔が、妙に大人びてて、
アタシは自分の子供っぽい感傷を咎められてるような気分になる。

うん、それはたぶん子供じみた感傷。
498 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 13:28
消せないでいるアドレスは・・・

一つ目は、あの子達が加入してすぐに、みんなでワイワイと交換し合ったもの。
新メンバーの中では、一番年上のクセに、
「初めて持つんだケイタイって」なんて、使い方をヨッスィー教わりながら、
楽屋で送ってきたやつ。
自分で送ったカナばかりの短い文を、アタシのケイタイで確かめて、
送れた、送れたって子供みたいにはしゃいでた。

二つ目は、迷惑メールが入るから、変更しましたって、ネガティブな内容なのに、
何故か絵文字のたくさん入ったメールで・・・
そーいえば、あの頃は、ツージーやあいぼんの影響で、
やたらとストラップぶら下げてたよね、ガシャガシャと。

三つ目は、カメラ付買ったからって、やたらと写メールで、
確かアタシとのツーショットも何度か撮ったよね・・変顔ばっかだったけど・・

四つ目は、テレビ電話が出来るって、アドレス変更の通知に書いてあったけど、
まだ一度もしたことないよね・・
まあ、お互い様なんだけどさ。


499 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 13:32
あのね、たぶん・・

気持ち残ってるとかさ、そーゆーんじゃないと・・・思うんだ。

ほら、フツーに話せてるし、
フツーにね。

でも、時々、色々思い出すのはさ、
仕方ないと思うのさ。

だって、過去って、変えられるものじゃないじゃない。

楽しかったことも、
そーじゃないことも、
過ぎちゃったけど、確かにあったことでさ・・

だからね・・・
500 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 13:37
夜になってから、おくらばせながらのオタオメメールが届いた。

あはっ、これって、結構時間かかったろーな。
決してこーゆーの得意じゃない彼女が、
一生懸命、眉をしかめて作ってる姿が目に浮かんでくるよーな力作。

だからね、やっぱり・・・保存しちゃおう

マッツーの呆れたような顔が一瞬よぎったけど・・
501 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 13:49
今度のユニットが決まって、秋からやるって聞かされて、
またやるんだーってな感じだったけど、
ほらさ、もう三つ目だからさ・・

でも、梨華ちゃんもだって聞いて・・・

うん、確か、マッツーはさ、去年からそんなこと言ってた。
次は梨華ちゃんも入るんじゃないのーって。
だから、そーかもねって思ってはいたんだけどさ、
やっぱりね、やっぱりちょっとドキドキしたかな・・・

だって、娘以外で一緒のユニットって・・セクシー8だけだったしさ・・


梨華ちゃんはさ、
やっぱりどこか戸惑ってるみたいだよね。
なんかね、何だろ・・・少しオドオドしてる感じ。
うん、ちょこっとだけど、娘に入った時みたいな・・
あー、それってもしかしたら、久々のセンターわけのせいなのかなー・・

まあね、もちろん、当時とはキャリアが全然違うから、
ちゃーんと落ち着いてるし、歌も・・ダンスは特に一番最初に覚えちゃうしね。

でもね、

502 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 14:03
梨華ちゃんはさ、自分で気付いてるかどーか知らないけど・・・

収録の出待ちとか、撮影のスタンバイ中とかさ、
ふとした時にね、
立ち位置が隣のアタシの衣装の裾をさ、
ちょこっと掴んでいる時があるのさ。

気がついて振り向くとね、
ちょこっとうつむき気味にしててさ、
それってさ、なんかね・・・
うん、なんかちょっと反則だよね。

「どーしたー」って軽く聞いたら、
「うん、実はね、内心キャーキャーなんだー」
なんて、冗談っぽく言って、笑ってたけど・・・

それってさ、実はアタシもなんだけど。
たぶん、梨華ちゃんのとはさ、意味がちがうんだろーけどさ、

なんだかね、うん、ちょっとだけなんだけどさ、
うん、本当にちょこっとだけね、

なんかね、内心キャーキャーしてんの。

次の仕事はなんだろなーってね、
スケジュール聞くのが凄く楽しみだったりしてんの。

なんだかねー、
なんなんだろーねー。
こーゆーの・・・・
503 名前:内心キャーキャーだわ 投稿日:2005/10/13(木) 14:04


  「内心キャーキャーだわ」  おしまい

504 名前:トーマ 投稿日:2005/10/13(木) 14:14
>>474 名無し読者様 ありがとうございます。20日にはまた試合がありますね楽しみです。

>>475 Liar様    ありがとうございます。次のアンリアルの構想もあるにはあるのですが、
          何か少し重くなり過ぎてて・・・もうちょっと考えてみます。

>>476 一読者様  ありがとうございます。 個人的に色々あって、しばらくここから離れていました。
          またボチボチと書いて行きたいと思ってます。

>>477 名無し飼育様 何気にさわりだけ書いてみました。
          DEF.DIVAの今後の展開を内心キャーキャーで見守りたいと思います。
          
505 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/13(木) 22:14
待ってました
更新ありがとうございます
いいですね。ホントいいです。
久しぶりに二人の並びを見て私もキャーキャーです。
506 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/14(金) 12:24
二人ともかわいい!
トーマさんの作品がまた読めるなんて、
私もキャーキャーです。
507 名前:Liar 投稿日:2005/10/15(土) 20:38
きゃ〜!!まってました!おつかれさまです。
なんだか、ごっちんがかわいそうでなりません・・・。
トーマさんの作品は大好きです。更新を楽しみに待ってます。
508 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/22(土) 12:00
更新お疲れです。
今日まで気づかなかったのがショックだ…
トーマさんファンなので嬉しいです。
もう読みながら内心キャーキャーでしたw
509 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/10/23(日) 17:43
更新お疲れ様です。
ああ、もうなんだかこの二人って・・・
自分も内心キャーキャーです!
510 名前:名無しさん 投稿日:2005/11/23(水) 03:01
ほぜんです
511 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:28
突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
512 名前:トーマ 投稿日:2005/12/21(水) 11:16
また、大分サボっちゃいました。
保全代わりに、ちょこっと更新します。
513 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 11:17

マニサラヘジセヨ

「私の事を愛してください」

514 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 11:25
まあね、ぶっちゃけ、コレってさ、
向こうのね、うん、韓国のスターさんがね、
ライブとか、会見とかで、言うお決まりのセリフなのさ。
ファンに向かってね。

うん、だからアタシも覚えたわけ。
アッチでステージがあったからさ・・・・


でもさ、でもね
やっぱ、ちょっと・・・

やっぱね、日本語にするとさ、何気に照れくさいセリフだからね、
やっぱ、少し考えて・・ううん、すごく考えて、
で、言ってみたのさ。
ほら、録音だからね、面と向かってじゃないからさ・・・・


マニサラヘジセヨ
「私の事を愛してください」



515 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 11:33
まあね、梨華ちゃんはさ、圭ちゃんと一緒だったわけだしさ、
スーって流してね、たぶん覚えることもなくって、
うん、たぶん完全にスルーしちゃったんだろーけどさ。

うん、別にね、それでさ、それでヨイんだけどさ。
本当に、お決まりのセリフってだけだしさ。

まあ、基本、忘れぽい方だしね、梨華ちゃんって・・
まあ、アタシも人のことは言えないんだけどね。

だからね、

「オハヨー、ごっつあん、ハイ」
って、挨拶もそこそこに、ニコニコしながら出された手の意味・・・
わかんなかったの、正直。
516 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 11:49
「あー、やっぱりまた忘れてるー」
「何のこと?」
「もー・・・・お土産・・・・腐っちゃわない?」

あー、そーそー、そーだった。
買って来たんだよね、韓国のリ。
色気もクソもないオジサンの出張土産みたいなんだけどさ、前、好きだって言ってたからさ。
って、やっぱ、持ってきてないし・・・

「うーん、腐らないと思うけど・・」
「そ、なら、また今度でいいや。もー、本当、しょーがない子だ」
なんて、呆れながら、でもなんか得意気にそんなこと言う梨華ちゃん。

ホント、時々アタシに対して、妙にお姉さんぶるよね、この人。
なんか少し悔しくない?そーゆーの。
今は同い年なんだしさ。

だから、ちょっと反撃してあげよーかなって・・・

「うん、また忘れてきちゃったんだけどさ、でも、梨華ちゃんも忘れちゃったでしょ」
「えっ、何を?」

「ほら、ゴトーが教えてあげた韓国語」
「あー、アンニョンハセヨ・・・・とか?」
って、それは誰でも知ってるじゃん。
517 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 12:01
「それじゃないヤツ・・教えてあげたじゃん」
「あっ、そーだよね・・・忘れてないよ・・忘れてないもん・・えっとね、えっと・・」

なんて、負けず嫌いが顔を出して、思い出そーと頑張ってるけど、
それきっと無理。100パー無理。保証する。

腕組みなんかしちゃって、上の方睨んでるけど、
そんな所に書いてないから・・

「うーん、忘れちゃった・・何だっけ?」
ほーらね。てか、本当ははなから覚えよーとしてなかったでしょ。

しょーがないから、もう一度教えてあげるよ。

「マニサラヘジセヨ」
「ヘッ?」
「だから、マニサラヘジセヨ」
「あっ、そーそー、マニ・・・」
「サラヘジセヨ」
「あっ、そーだったよねー、マニサラヘジセヨ・・・って、何て意味なの?」

ほーらね、はなから覚えてないのバレバレだから・・・
518 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 12:21
「オッ、お二人さん、なーに昼間っから、どーどーとそんなこと言っちゃったりしてんのさー」

「・・・あっ、安倍さん・・お早うございます・・」

振り向くと、ニヤニヤ顔のなっち。
いつの間に来てたんだろう。

って、なっちってば、この意味・・・
「知ってんの?」

「あーうん、前に聞いたことあるのさ。でね、ステキだなーって思ってさ」
・・・・・ステキだなって・・それはチト・・・

「安倍さん!そのフレーズ、ちょっと拙いんじゃないですかー、時期も時期だし」
って、いつの間にか御到着のまっつー。

「えっ、何でさ」

あっ、何気に少しマズイ空気が流れてません?

「あっ、別に何でも・・・」
って、最近空気が読めるようになった梨華ちゃんがオドオド割って入ろうとするけど、

「タクー、ホントに自覚がないんだからー」
って、あくまでもストレートな松浦さん。
「何でだべさ」
って、なっちは相変わらずの能天気。

まっ、でも、大人なまっつーは、無駄な毒は吐かないし、
一番大人なはずの人は、子供みたいな勘で、自分に不利になりそーな状況には深入りしないから、
それ以上のセリフは続けずに、それぞれの席に分かれる。

間のアタシと梨華ちゃんは、ヤレヤレって感じに目配せをして・・・
519 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 12:41
まっ、だけどもしかしたら、これでステキちゃんの変な勘ぐりからは、
解放されたみたいだから、
うん、このままなかったことにしちゃおう。

って、思ってたんだけど・・・

「・・・で、それって何て意味なの?」
って、やっぱり梨華ちゃんは聞いてくる。
まあ、知らないことが恥ずかしいのか、小さな声なんだけどね。

「あっ、別にたいした意味ないし・・」
「えー、教えてよー、気になるじゃん」
「うん・・でも・・」
ほら、みんな着ちゃったからさ・・・なんてごまかしてんのに、

「私を愛してください!」
って、何でまっつーが言っちゃうワケ?しかも大声で・・・

「えっ・・・・あっ、そーそー・・・そーだったよねー」
って、梨華ちゃん。
そー、ちゃんとラジオで教えたでしょ。それ。

で・・・えっ?
何で何で・・・なに赤くなってんの・・・
あっ、そっか、さっきのなっちの変な突っ込み思い出したんだ・・

でも、そーゆーんじゃなくてさ・・
「あっ、だからね、それはさ、向こうのね、韓国のスターさんたちが、
 ファンに向かって言う言葉なの・・ステージとかで」
「あっ、そーなんだ」
「うん、ほら、梨華ちゃんもさ、ビユーデンとかでさ、ほら、よく外国とか行くじゃない、
 だから、韓国とかにもさ、行ったりするかなーって・・だから、覚えておくといいかなーって」

って、何でアタシ、弁解してるみたいになってるんだろう・・・
520 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 12:56
「あっ、そーだよね・・うん、覚える・・・で、何だっけ?」
「・・・・マニサラヘジセヨ」
「マニサラヘジセヨ?」
「そ、マニサラヘジセヨ」
「マニサラヘジセヨ、マニサラヘジセヨ・・・うん、書いておいた方がいいよね、忘れないよーに」
「そーだね、そーしな」

梨華ちゃんは、慌てるみたいに手帳を取り出して、
一音ずつ口に出しながらメモる。

そ、今度機会があったら、使うといいよ。そのつもりで教えたんだから。
向こうのステージとかでさ、それ言ったらさ、
オー!とか、キャー!とかなるから・・何気に向こうにも居たりするんだよね、ファンの子って。

で、手帳に書いたのを、もう一度確認するみたいにクチパクして、
納得するみたいに頷いて、
で、パタって音を立てて閉じた手帳を、ガサガサってバッグに戻して・・・

そんな一つ一つの動作が、本当にお決まりで、わざとみたいに大げさで、
でもって、本人はいたって大真面目で、
そんなのがいかにも梨華ちゃんぽいなーなんて、眺めてたら、

「なーに見とれちゃってるんだか」
なんて、まっつーに小突かれる。って、どーゆーセリフ選びだよ・・
521 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 13:22
「そんなんじゃなくてさ・・・
 ほら、面白いなーって・・ほら、梨華ちゃんの仕草って、何気に変でしょ、
 学芸会みたいでさ」
なんて、言う事になっちゃうじゃない・・

で、こんなこと言ったらさ、

「もー、どーせ私は変ですよー」
ってね、分かり易くすねて、へこんで見せる梨華ちゃん。

でもね、こんなところもさ、
「だねー」
って、まっつーはケタケタ笑って、
「本当、いっつも、面白いねー」
なんて、奥の席のなっちもケラケラしてる。

「もー、そーやって、みんなして私のこと笑うんだからー」
なんて言ってる本人も、ウフッ自分ウケしてるし・・・

で、いつものデフの楽屋の空気になる。

後浦なつみに梨華ちゃんが入って、一番変わったのって、
たぶんこの空気感。
声のせいもあるけど、なんか明るくなったってゆーか、軽くなった。良い意味でね。

実年齢は上から二番目なのに、何気にテンション高くて、キャピキャピしてるから、
なんかユニット自体が若くなった感じ。
そー言えば、キャンペーンのラジオとかで、一番年下に間違えられたりして、
それ以来、公認みたく末っ子扱い。本人的にもその方がいいみたいで、のびのびしてる。

うん、そーだよね、娘では、なんだかんだで最年長の卒業で、ビユーデンはキャリアが違いすぎるから、
はたから見ても、しっかりしなくっちゃオーラ出まくりで、やっぱり少し空回り。
まっ、それも面白いんだけどね、見てるぶんにはさ。
522 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 14:11
「そろそろ、スタンバってねー」
なんて声がかかって、じゃ、行こうかなんて感じで、レッスンスタジオに向かう。

今日は、紅白用のフォーメーションを、最初にデフをやって、
みんなを待って19人の娘をやってみる予定。

「こーゆー形で、今年の紅白に出るとは思わなかった・・」
なんて、梨華ちゃんのつぶやきは、良い意味でも悪い意味でも、やっぱりみんなの本音かな。
「少し早いかも・・」
それは、今年卒業したばかりの梨華ちゃんのことじゃなくって、
結成8年目の娘自体のことなのかも。

アタシたちってさ、やっぱり良い意味でも、悪い意味でも、
なかなか娘からは解放されないんだよね・・結局。

でも、世間の見方や、大人たちの思惑を抜きにしたら、
そーやってみんなで、一年の最後の日を過ごすのは、
「やっぱり、楽しいかも」なんだよね、やっぱり。

特に、年明けのステージは別々だし、裕ちゃん居ないし・・

「あっ、そー言えば、ワンダってね、私が最年長なの・・何気に」
「えっ、そーなの?」
「うん、厳密には、三好ちゃんなんだけど、途中で誕生日くるからねー」
「あー、イチになるんだ・・・でも21で最年長なんだー」
「うん、ベリにキュートにみんな若くてさー、キャリアだって4期が一番古いんだよ」
「ふーん、なんか大変だねー、それも」
「うん、しっかりしなきゃねー」

って、またそれで空回りしちゃうんだろーなー。
その光景が見えるみたいで、ついつい笑っちゃう。

「なにが可笑しいのよー」
なんて怒って見せるけど、それ、自分でも分かってるよね、半分笑ってるもの。
523 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 14:22
「エルダーなんて、マツーラが一番下なんだよ、学年では。
 みうなと一緒だから」
って、まっつー・・・へー、そーだったっけ?

「本当?・・・亜弥ちゃんが一番下なの?25で?」
って、梨華ちゃん・・・すました顔して、すごいとこボケてくるのね。

「うん、そーなの・・・って、誰がだよ!」
って・・・乗り突っ込みってゆーの?こーゆーの。

「えへー。でも、本当、大人な感じだよね、そっちは」

「まったくねー、なっちなんか、若手の方だべさ」
なんて、どさくさにまぎれてケロって言っちゃってるけど、

いくらなんでも、それは・・
「ないない」
って、速攻でまっつーに却下されるなっち。

524 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 14:41
「あー、そー言えば、パーティーコンでも、最年長だよね・・梨華ちゃんが」

「えっ?・・・なの?」
「でしょ」
「・・・そっかー」
「そーだよ」

ハロプロコンの後、2月にはなっちとメロンと舞台で、
4月からは、あいぼんや梨華ちゃん達とのパーティーコンが決まってる。

「あっ、でもね、あれはごっつあんがキャプテンだから、
 しっかりするのは、私じゃなくていいの」
「は?」

「うん、チームはね、キャプテンがリードするの。
 ほら、ガッタスもさ、よっすぃーって、年で言ったら下から数えた方が早いのに、
 キャプテンだから、一番しっかりしてて、ちゃんと仕切ったりしてるの。
 うん、あのよっすぃーでさえ、そーなんだから、キャプテンってすごいんだよ」

って・・・その話、どこに突っ込めばいいの?
なんか突っ込みどころ満載過ぎて、腕のないゴトーには無理っぽい。

「ほら、亜弥ちゃんのやってたのも、やっぱり亜弥ちゃんがキャプテンだったから、
 ちゃんと仕切ってたわけだものねー」
「そーねー」
って、パーティーコンの先輩に話を振る梨華ちゃん。

でも、まっつーがしっかり仕切れるっていうのは・・・
「25だからねー」

「うん、そーそー・・・って、おまえもカヨ!」

うん、ゴトーもちゃんとボケてみました。
ちょっとは、腕が上がったでしょ。

525 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 14:57
「・・・やっぱ、結構大変だったかなー・・・長いし、多いし、アッチコッチだし」
「そーなんだー」

「まあ、みんなでワイワイ楽しかったけどね・・辻加護チャンは暴走しすぎだけどね」
「あっ、その節は娘達がお世話になりまして・・」

って、ほら、やっぱ、しっかりするのは梨華ちゃんじゃん。
なんせ、お母さんなんだからさー。

そっか、長くて多くてアッチコッチか・・・・大変そーだねー。

でも、
「また一緒にツアーできるのって、やっぱり楽しみだよね」
「うん」
なんだよね。やっぱり。

メンバー聞かされた時、最初にそう思ったもの。
あいぼんとつーじーがいて、梨華ちゃんたち。

ほら、何気に4期が入った当時のこと思い出したりして・・・
あの頃は本当にみんな子供だったから、
泊まりのホテルとかでもよく集まって騒いだり、
移動のバスでもはしゃぎすぎて、裕ちゃんに怒られたり・・

あっ、でも、もうさすがにみんな大人になっちゃったから、そーゆーのはないか・・

526 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 15:13
「のんがね、また一緒に騒ごうねって」
「えっ?」
「うん、あいぼんも楽しみにしてるって、
 あの子たち、まだまだ子供だからねー」

って、それってさ、たぶん梨華ちゃんの前だからだと思うんだけどなー。

あいぼんなんて、本当は結構早くから大人びてて、
アタシと居る時は、すごくしっかりしてるくせに、
よっすぃーと梨華ちゃんの前では、何気に子供の部分を出してる。

つーじーだって、他ではちゃんとやってるのに、
梨華ちゃんにはいつまでも甘えてる。

でも、それってきっと二人とも、そーしてた方が、
梨華ちゃんが喜ぶってゆーのをちゃーんと知っているからなんだろーな。


でも・・・そっか、それなら、
「また騒いだりしちゃおーか」
「うん、みんなでね楽しくね」

そっ、大変なツアーなら、なおのこと、楽しまなきゃね。
みんなでね、三好ちゃんも岡田ちゃんも混ぜてさ・・
てか、あの子達がさ、後藤さんって、石川さんってこんな人だったんだって呆れるくらいに・・
みんなでね、みんなで。
527 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 15:22
でも、
たまにはさ、うん、本当にたまにでいいんだけど、

ほら、約束とかしてたよね・・

知ってるよ。
圭ちゃんとは行ってるでしょ飲みにとか・・

まあね、ちゃーんと分かってはいるのさ。

梨華ちゃん、アルコール弱いんだよね。
お姉さんぶって、飲みに連れてってあげるなんて言ってはみたものの、
自信がないんだよね。
うん、そんなことぐらいちゃんと分かってるんだ。

でも、それなら心配しなくても、何気にアタシはイケルクチみたいだからさ、
もし、梨華ちゃんが瞑れちゃったりしても、ちゃーんと介抱してあげれるし・・

だからね、
たまにはさ、子供たちに内緒でね・・
528 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 15:27
あっ、別に下心なんてないよ。
オヤジじゃないもの。

たださ、なんかね、そーゆー付き合いってヤツ?

ほら、せっかく大人になったんだからさ、

そーゆーのしてみたいって思わない?


うん、本当いまさら口説いたりしないし・・
うん、大丈夫。
もうすっかり大人だし。

うん、大丈夫・・・

うん、きっと・・・

うん、たぶん・・・
529 名前:マニサラヘジセヨ 投稿日:2005/12/21(水) 15:28


  「マニサラヘジセヨ」・・・・・おしまい



530 名前:トーマ 投稿日:2005/12/21(水) 15:58
>>505 名無し飼育様 ありがとうございます。性懲りもなくまたお待たせしちゃって、
          デフのテレビもカウントダウンで最後でしょうか・・・もっとみたいですよね。

>>506 名無し飼育様 ありがとうございます。
          チャンチャミをきいて、何か書きたくて、でもあんまりまとまらなくて・・
          
>>507 Liar様    また、ごっちんが可哀相気になってしまいました。すいません。
          私の中の後藤さんのイメージって、どうしても不器用、健気なんですよね。

>>508 名無し飼育様 ありがとうございます。なんか、照れますよね・・・ありがとうございます。

>>509 名無し飼育様 ありがとうございます。自分勝手な思い込みなんですけど、
          いしごまって、何気にじれったい、もどかしいものって感じがしてるので・・

>>510 名無し飼育様 お手数をおかけしました。


後藤さんのチャンチャミのコメントが可愛かったので、何か書きたくて・・・・でもあまりまとまりませんでしたね。
保全代わりとでも目をつぶってやってください。

それと、後藤さんのドラマのことは、あえてスルーしちゃいました。
何か、少し役柄的に、複雑な思いがあります。
オンエアーになってから、書けたら書きたいと思います。

少し早めではありますが、
たぶん年内には、更新出来ないと思うので、

よいお年をお迎え下さい。

2006年が、彼女達にとってよい年でありますように・・・
531 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/22(木) 11:18
更新ありがとうございます。
ラジオで後藤さんのコメントと会話する石川さんが楽しくて好きです。
来春はキャプテンコンでいしごま界隈は楽しそうですね。
これからも楽しみにしています。
532 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/22(木) 13:41
この間の後藤さんのコメントそういう解釈があったかと
思わずニヤリとしてしまいました。>マニサラヘジセヨ
後藤さんドラマもですが、是非是非いしごまでお酒飲みに行ってほしいですね。
533 名前:Liar 投稿日:2006/01/04(水) 16:40
あけましておめでとうございます。
今年も頑張ってください!期待しています。
今は、長編とか、考えているんですか??
トーマさんの作品はとてもいいものばかりですよね!
これからも頑張ってください!
534 名前:トーマ 投稿日:2006/02/15(水) 00:39
スレッド整理があるそうで・・・
ここもあと2、3話書けそうなので(容量的に)保全させてください。

>>531 名無し飼育様
>>532 名無し飼育様   
>>533 Liar様     

ありがとうございます。
更新を滞らせているうちに、リアル世界は辛い話題ばかりで・・・
色々な意味で、明るい話が書けるようになるまで、しばらくお待ち下さい。
535 名前:名無しさん 投稿日:2006/03/19(日) 19:44
保全ですよ
536 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 10:15

「あーわかった・・わかったから・・てか、煩くてよく聞こえないし・・・
 もう切るよ・・・・って、ちゃんとわかったから・・じゃあな
 たくー!」
とか言ってるけど、
切ったケイタイをしまいもせずに、そのまま手の中でもてあそびながら、
何気にニヤついているよっちゃんさん。

「誰?」
ほぼわかっている電話の相手を、一応聞いてあげると、
アタシの存在に今気づきましたって感じで、チラッと目を上げて、
「あー、のの」
やっぱりね。

「九州のお土産だってさ。何でもいいから美味しいものって・・
 なんだかなー、いつまでも食い気ばっかでさ。
 しかも、何か食いながらだし・・何言ってんのか、よく聞こえないつーの。
 回りもガヤガヤキャーキャー煩いしさ」
なんて、やっぱり文句言いつつも、ついって感じで口元緩んでるのは、
そのガヤガヤとキャーキャーが、よく耳に馴染んだ声だからなんだろーな、
たぶん。
537 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 10:32
「そー、楽しそうじゃん、あっち」
「うん。何かめちゃくちゃテンション高いの。
 ライブの間だから、低くてもしゃーないけどさ。
 まー、あっちは始まったばっかで、元気な頃だろーしな」

昼公演が終わって、次の開演を待つ休憩時間。
それは、あっちもこっちも同じだけど、
すでにツアーの半ばを過ぎて、ちょっとまったりムードのこっちと違って、
あっちは、これからって時だから、
そりゃ、テンションも高いのだろうけど・・

「まっ、でもよかったわ。本当元気そーで・・
 あんなことがあってさ、普段はともかく、いざステージになったら、
 何かと考えちゃったりするのかなって、ちと心配とかしてたけど・・
 うん、でも、そーだよな・・
 ごっちんと梨華ちゃんが一緒なんだもんな・・心配とかいらないよな
 うん、あいつにとっては、完全ホームって感じなんだもんな
 うん、まっ、そーだよな」
なんて、腕組みなんかしちゃって、自分のセリフにいちいち頷いているよっちゃんさんは、
なんか、遠くに居る我子を思っている父親みたくて・・
うん、なんだろな、本当この人、父性的なんだよね。
まだ21になったばかりの女の子のくせしてさ・・
 
538 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 10:49
で、
「吉澤さーん」
なんて、どこからかすりすりと寄って来た遠慮知らずの末っ子を、
「おー、小春、こっちおいで」
とか、パンパンと自分の膝たたいて、示して、その上に抱え上げちゃう。

うん、将来は、きっといいパパになるよ・・
って、それは無理か。
でも、そういやー、この二人、夏には本当に父子の役やるんだよな。

そんな様子をたぶんかなりの呆れ顔で見てるアタシに、
「藤本さんも遊んでくださいよー」
なんて、本当に怖いもの知らずの今時の中学生は言い出すけど、
残念ながら、父性も母性も持ち合わせていない魔女のアタシは、
「遠慮しとく」
と、それをいいキッカケにして立ち上がる。

いつものごとく意味なくじゃれあってるサユエリの間を、
ちょっとごめんとすり抜けて、
ミュージカルが決まってから、一層拍車のかかった、ヅカバナで
一人盛り上がるサファイアと、
それを聴いてあげるのは自分の義務だと腹をくくった感じのがきさんを
横目で見ながら、楽屋の外に出る。
539 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 11:05
廊下のデリバリーのコーナーには、
案の定、何やらごちゃごちゃと載せたお皿を持ったまま、
じーっと立ちすくんでいるコンコンと、
口いっぱいに物を入れながら、もごもごとしきりに話しかけてるまこっちゃん。
その周りをうろちょろと落ち着きのない田中が、アタシに気づいて、
「あっ藤本さん、何か食べます?」
とか、お皿を取ってくれたけど、
「あ、いい」
と、アイスボックスから、お茶のペットボトルを一本引き抜いて、
さっさと立ち去ることにする。

さてと・・・どこか静かなところ・・

使ってない小さな楽屋を見つけて、ドアを閉める。
てか、こんだけ部屋があるんだから、
最初から、分けて使わせてくれてもよさそーなものなのにな。

うん、ここなら静か。
ちと、眠ろうかな・・

でも、やっぱ少し引っかかるから・・
ポケットのケイタイを取り出して・・と・・
ピコピコ打ってみた何故か王子様なんかやっちゃうアイツへのメールを・・
やっぱ、消去して、
本当は一番王子様が似合いそうな方へ打ち直す。
540 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 11:17

着メロで取り出したケイタイを開くと・・あれ、ミキティ。
で、『どー?そっちは?』
って・・・みじかっ!

「誰からー?」
と覗き込むアニメ声に、
「うん、別に」
と、送信者の名前を言わなかったのには、それほど意味はないつもりだけど・・

さてと、どー返信しよーか・・

「りがちゃーん」
と、ツージーが引っ張って行ってくれるのを待って、ピコピコと・・

『楽しいよ』・・・だけじゃ、あれかな
『楽しいよ。みんな元気だし、ライブ盛り上がってるし』
で、おまけで『誰かさんは16歳だし』
541 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 11:34

程なく返ってきたメールは・・みじかっ!って、人のこと言えないか・・
で、ちと意味不明。

・・・・・って、そっか、あれか・・
前髪切て、気分は・・ってやってるわけだ・・あのバカ。

そーいやー、フットサルの練習の時、やたらと
「どー?どー?」って聞いてきたよね。
あんまし煩いから、
「短すぎるんじゃないの、汗でクルクルなってるし」
なんて言ったら、
「えー、そーおー」とか、少しへこんで、
柴ちゃんに「いいんじゃないのー」って慰められて、
みうなに「かわいいですよ」とお世辞言われて、
まいちんに「若くなったね」って持ち上げられて、
「でしょ、気分は16歳!」
って、得意のぶりっこポーズで、みんなに寒がられてた。

まあ、確かに少し若い感じなのかな。
最近は、かなりお姉さんぶったのが続いてたから、ロッカールームで最初に見たときは、
正直、キャワッ!って思ったけどさ、
そんなこと言ってやったら、調子に乗って天まで昇って行きそうじゃん、アイツ。
そしたら、降ろしてやるのに一苦労だからさ・・

でも、ごっちんは、素直に褒めたりしちゃってるのかな・・
で、キャッキャッ喜んだりしてるのかな・・あのバカ。
542 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 11:40
うん、それはやっぱりなんかヤダよね。
だから・・

『ウチのバカが変なテンションで、迷惑かけてるみたいだね。
 悪いけど、我慢してめんどーみておくれ』
543 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 12:00
 
おー、ウチのときたか・・・
何気に所有権のアピールですか藤本さん。
まっ、それは、そーなんだろーけどさ・・・

でも、
ツージーとキャッキャッやってるあの子は、アタシが娘に居た頃と変わんなくて・・
「ピースの時みたくない?」なんて髪型作って、
「ラブセン思い出すよ」って言ったら、
「でしょ、でしょ」とか、はしゃいで・・

あの子達が、娘に入って一年目くらいに、それまで黒かった髪に色を入れて、前髪作って、
これからは、ポジティブなんだよって、やたらと明るくなった頃。
そー言えば、あの頃からだったよね。
それまで、いくら言っても後藤さんだった呼び名が、自然とごっちんとかになって、
一緒にお菓子作ったり、ウチに泊りに来るようになったり・・

さっき、差し入れ持ってきたウチのお母さんに、
「また、遊びにきてよ」とか誘われて、
「ハイ、その時は、よろしくお願いします」とか返事してたけど、
まっ、得意の社交辞令ってやつなんだろーけどさ、あれは。
544 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 12:22
『大丈夫。任せといて!扱いには慣れてるから』
だってさ。

何気に、言ってくれるよね、ごっちんも・・
まっ、昨日今日の付き合いじゃないのは、充分わかってはいるけどさ。
なんかさ、なんだろな、やっぱさ・・

この前、久々にアヤちゃんと遊んだ時、何気にイロイロ言ってたよね。
パーティーコンのリハが始まってから、ごっちんのテンションが高いって。
体壊したりしたから、心配してたけど、何か、何よりのお薬って感じだって。
「だから、タンはさ、もーいいんじゃないの。
 もー同じユニットとかじゃないんだしさ。
 戻すべきところに戻した方がいいんだよきっと。
 その方が、みんなしっくり行くって。
 ほら、タンにはさ、アタシつーもんが、ちゃーんと居るわけだしさ」
なんて、寝物語にくどくどと・・

面倒だったから、うんうんって流して聞いてたけど、
でもさ、やっぱりそーはいかないでしょ。
物じゃないんだからさ、戻すとか、戻さないとか、そーゆーんじゃないでしょ。

それに、借りてるわけじゃないし。
そーでしょ、アレは、別にごっちんから借りたとかじゃなくて、
そりゃ、あっちは、もしかしたら、譲ったとか思ってるかも知れないけど、
そーじゃないよね。
ちゃんと正面からぶつかって、選んだのは、アイツ。
そーだよ。そーなんだからさ・・・って、そーだよね? 

だから・・
545 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 12:40

あれ?
あっ、もしかして、少し焦ったりしたのかな。
で、直接、釘でも刺すつもりなのかな。

「ねー、梨華ちゃーん、ケイタイ鳴ってるよー」
親切な後藤さんは、ちゃーんと教えてあげる。
「あっ、ありがとう」
ツージーを背中にぶら下げたまま、ずりずりとこっちまでやってきて、
取り出したケイタイを開いて、小首を傾げてる梨華ちゃんに、
「聞いていい?誰から?」
と、察しの付いてることを尋ねてみる。

「うん、美貴ちゃんなんだけどさ、どーゆー意味なんだろー」
「何?どーかした?」
「うん・・・5つもサバ読んでんじゃないよって」
「あー・・・それだけ?」
「年なんだから、張り切りすぎてばてないーにだってさ。
 失礼だよね、同い年なのにね」
「だね」

少しふくれっ面をして、でも、すぐにニコッとして、ピコピコやって、ケイタイをたたんでから、
今更みたいに、「のの、重たいよー」なんて、
背中に乗ったままの、今はそー重そうでもない子に、照れ隠しみたいに文句を言って、
で、またキャッキャッとじゃれ始める21歳。

何て返したのか、少し気になったりするけど・・・
って、そろそろ次の回の用意にかかる時間だよね。
546 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 13:03
 
『そっちこそ、最年長さんなんだから、
 若い子たちに負けないよーにね。
 お互い、頑張ろうね・・』

幼稚園児じゃあるまいし、最年長にサンはいらないし・・
でも、最後つけてあったハートマークは、キショイけど、やっぱ嬉しかったりして・・

「あっ、藤本さん、やっぱりこんなトコにいた。
 もー時間だから、用意して下さいって」
ドアから覗くがきさん言われて、
「アイヨ」と腰をあげる。
あっ、やっぱりまだ少し前にひねった足が痛む。
やっぱ、年かなー、直りが遅いよねこのごろ。

髪型でもデビューの頃に戻したら、アイツみたく、気分は17歳とかなれるかな・・
イヤイヤ、アタシはそんなに単純じゃないから。

でも、あのバカ、やっぱり気づいてないんだろーな。
気分は16歳で、誰かさんと一緒にツアー回るのが、何気に気にくわないこと。
思い込みの激しいアイツが、本当にその頃の気分に戻っちゃうんじゃないかって、
やっぱり少し心配してること。
なんせ三ヶ月びっしりだもんな・・地方の泊りもあったりしてさ・・

うん、やっぱり次に会った時は、少しは優しくしておこう。
髪型似合ってるよとか、持ち上げて。まあ、実際いい感じだしね。
うん、大丈夫だよ。フットサルもあるし。
夏になれば、ワンダコンからミュージカルまで、同じユニットみたいなもんだし。

それに、いざとなったら、魔女の美貴様は、
きっと魔法の一つや二つ使えるはずなんだから。

うん、きっと大丈夫・・・・だよね?
547 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 13:23

「お疲れ様ー!」
夜のアンコールが終わって、楽屋に引き上げる頃には、
ステージの上でのテンションが嘘みたいに、すっかりお疲れモードの21歳。
でもね、それ、歳だからじゃなくて、やりすぎだからなんだよ。
ずーっとテンション上げっぱなしじゃさ、誰だって疲れるつーの。
抜くところはさ、上手に抜かないとさ・・
でも、それが出来ない不器用さが、梨華ちゃんらしいんだけどさ。

帰りの車では、ライブの興奮が残ったまんまはしゃぐツージーの隣で、
小さな相槌だけしか返せなくなっちゃってて、それもだんだん間遠くなって・・
あーあ、いよいよ電池切れかな。

「ね、ごっちん、席替わってよ」
はしゃぎ足りない18歳は、やっぱりまだまだ元気な岡田ちゃんの隣に移りたいらしい。
「あ、いいけど」

入れ替わりで、前の席に移動すると、窓際の人は、もうすっかりお休みモードで、
居心地悪そうに頭をゆらゆら揺らしてる。
このまんまじゃ、窓にゴチンとぶつけそーだね。
だから、スーッとこっちに傾いたところを腕を回して固定してあげる。
うん、こーすれば安全だよね。
肩を枕にしてあげてれば、少しは、落ち着いていられるでしょ。
やっぱ、親切だよねアタシは。そ、後藤さんは、親切なんだよ。
548 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 13:38
親切ついでに、様子を伺うと・・・
久しぶりのヒヨコ顔。

梨華ちゃんの好きなトコって最初のMCで聞かれた時、
本当は一番に言っちゃおーかなって思って、照れくさいからやめたトコ。

寝てる時の、ちょっと唇尖らせて、やたらと幼く見えるこのヒヨコ顔。
梨華ちゃんは色んな表情を見せてくれるけど、
アタシはやっぱりコレが一番好きなんだよね・・・

「後藤さん、何気にニヤついてますよ」
通路の向こうから三好ちゃんに不意にからかわれて、
そんなことないよとか言いたかったけど、
油断してたせいか、何気に、へにゃっと、んぁみたくなっちゃって、
「あっ、コレですよね、石川さんが好きだって言ってたの」
なんて、追い討ちをかけられる。

でも、いいや当人はすっかり夢の中だし・・・
うん、すごく安心したみたく寝息を立ててる。
その規則的なリズムに誘われて、アタシもなんだか眠くなる。
だよね、誰かさん程じゃないけど、やっぱり疲れてるしね。
ちょっと寝ようかな。
549 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 13:47
肩の上に乗っかった頭に、そっと自分のを重ねて。
うん、何気にいい感じ。

ここからだと、アタシのお家は、近いから、
着くまでのちょっとの間、いいよね、うん、ほんのちょっとの間だから。

その間だけ、夢の中にね・・
ほら、こーゆーさー、浅い眠りのポワポワした感じって、
何気に気持ちいいでしょう。
だからね、ポワポワと夢の中にね・・

懐かしい夢の中にね・・





550 名前:夢の中 投稿日:2006/04/19(水) 13:48

 『夢の中』・・・・おしまい
551 名前:トーマ 投稿日:2006/04/19(水) 13:56
>>535 名無し飼育様  保全ありがとうございました。


パーティーコンの始まりとともに、
いしごま界隈が、久々に賑わっているように感じるのは私だけではないですよね。

てなわけで、コチラも久々に短いものを上げてみました。
だいぶ長い春休みだったわけですが(苦笑)・・・
そろそろ長いヤツの方も再開できると思います。
552 名前:名無し飼育 投稿日:2006/04/20(木) 12:39
更新お疲れ様です。いしごま来てますよ!
懐かしい人に会えたようなそんな気持ちになりました。
次回の更新も楽しみにしています。
553 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/23(日) 01:16
更新乙です
HPPコンでますますいしごまMCが炸裂しているようですね

某掲示板で
昔の彼女が後藤で今の彼女が藤本
で今の愛人が後藤

なんて書き込みがあって激しくこちらを思い出していました
現実もトーマさんの世界もますます楽しみにしています
554 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 09:59

ねえ、梨華ちゃん、梨華ちゃんはさ、
もしかして忘れちゃってるかもしれないけどさ、
ゴトーはさ、アタシはね、
自分で言うのもなんだけど、かなり素直な性格なのさ。
だから、結構何でもね、真に受けちゃったりしちゃうんだよね。

ね、梨華ちゃん、梨華ちゃんはさ、
やっぱ、そこんとこ忘れちゃったりしてるよね。
555 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 10:18
そりゃ、ステージのMCとかはね、
あーゆーのは、なんつーのお約束ってゆーか、決まりごとでね、
梨華ちゃんが乙女チックな妄想をして、少し暴走気味にキショイこと言っちゃって、
でもって、アタシが引くってゆーか・・
うん、あーゆーのはさ、
娘の時からってゆーか、ハロプロの中では、すっかりお約束で、
だから、あそこで梨華ちゃんが言ったりやったりすることにはさ、
ほら、ちゃんとね、キショがって、引いてみせてるわけで、
うん、お約束通りにね。

でも、アタシはさ、ちょっとボーっとしてるってゆーか、
基本、突っ込み気質じゃないから、
お約束ってわかっててもさ、
ちょっとくすぐったくなっちゃったり、ふわっと来ちゃったりね・・

ほら、前からさ、ハロモニとかでさ、
「私って可愛い!」とか梨華ちゃんがやってさ、みんなで一斉に引いてるのに、
一人乗り遅れて、頷いちゃったりしてさ・・
うん、ボケっとしてるからさ。

まっ、でもね、アレはやっぱりお約束だからさ、
梨華ちゃんが、コントみたいなつもりでやってるのわかってるからさ、
いくらアタシでも、真に受けたりはしないんだけどさ・・
556 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 10:36
でもね・・・

前髪切って、気分は16歳が、「ね、昔に戻ったみたくない?」何て言ってたのとか、
ウチでヒマしてる時とか、つい思い出しちゃって、
色々、昔の写真とかDVDとか引っ張り出しちゃってさ、
アタシの卒コンの時も前髪作ってたよなとかさ・・
そしたら、二つ縛りなんかしちゃってて、
おまけのコメントとか、なんか凄く女の子してて・・
だから、ついついメールなんかしちゃって・・

ほら、あの時は色々あってさ、アタシもしばらく冷静になれなくて、
だから、今更みたいに、可愛いなとかさ、そんなこと思っちゃって、
ついメールしちゃったんだけど、
送信してから、急に照れくさくなっちゃってさ、少し後悔してたら、
速攻で返事が来ちゃってさ、なんかね、バカみたいにドキドキしちゃった。
だってさ、その時もまた見返してて、
てか、あのコメントのところだけ、何度もリプレイしてて・・・
557 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 10:49
うん、ちょっとアタシ、バカみたいなんだけどさ・・

梨華ちゃんは、もー何とも思ってなくて、全然割り切ってて、
だから、平気で色々言ったりね・・・してるのわかってるんだけど、
アタシはさ、うん、本当にバカだからさ・・

文麿様の話が出れば、
あの未遂のキスシーンで二人で照れたこととか思い出しちゃうし、
後藤主任の話になれば、
何気に本気で梨華ちゃんがコンノ妬いてくれたこととか思い出しちゃうのさ。

それから、お花見・・・あの日の桜・・・

うん、本当、アタシ、バカだからさ。
558 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 11:11
でさ、公認の約束みたいになってた、お酒飲みに行こうってのが、
何気に実現しちゃって・・・
まっ、美味しいもの食べたついでみたいだったし、
スタッフの付き添いがついてたりさ・・

でも、帰り道でさ、梨華ちゃん、当たり前みたいに、腕絡めてきてさ、
ペタってもたれてきてさ・・
やっぱり少し酔ってたんだよね。ほんのチョコッとお酒にさ。
で、また来たいねって、こんなお店にまた一緒に来たいねって・・・
だから、約束したよね、このツアーはグルメツアーにしよーって。

アレは、何気にマネージャーさんのOKもらえちゃったから、
今回、おねむだった子たちも誘っててことになったみたいだけどさ。

でもさ、アタシはさ、その後の梨華ちゃんのセリフも、
やっぱり真に受けちゃってるんだよね。
「ごっつあんと一緒だと楽しい」って、
「真希ちゃんと二人でいると楽しい」って、
「今度は二人で飲もうね」って・・・
たぶん、少し酔っ払ってて、それでそんなこと言っちゃってて、
だけど、ほら、アタシは素直だからさ、
そーゆーのもしっかり真に受けちゃうわけさ。
559 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 11:31
でも、ちゃんとね、ちゃんとわかっているんだよ。
アタシたちは、もー普通の友達で、
少なくとも、梨華ちゃんは、そー思ってて。
普通に仲の良い友達で、それ以上でもそれ以下でもなくて。
それはね、ちゃんとわかってるんだよ。
いくらバカなゴトーでもね。

でも、隣にいていいんだよね。
一緒にいて楽しいから。
今回のツアーの間だけでもさ、一番近くにいていいんだよね。
二人でいると楽しいから。
でさ、この次は、スタッフにも内緒で、こっそり抜け出したりしちゃおーか、
今度は二人っきりで飲んでみたいから・・



アタシはさ、素直だから、何でも真に受けちゃったりするんだよ。
梨華ちゃんは、忘れてるかも知れないけど、
梨華ちゃんの何気に言ったりしてること、
みんな真に受けちゃったりしてるんだよ。

梨華ちゃんはさ、
忘れちゃってるかも知れないけどさ・・


560 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 11:48

「ねー、ごっちんと飲みにいったんだって?」
「ヘ?・・・うん・・・って、誰から聞いたの?」
「三好ちゃん」
「あー、うん。美味しいもの食べたいねって、せっかく地方に来たんだからって、
 で、ついでにね、もー二人とも大人だから、いいよねって」
「ふーん、二人でねー」
「って、マネージャーさんとか一緒だし」
「そー、三好ちゃん、置いてかれましたってブータレてたけどねー」
「あの子たち疲れてるって言ってて・・」
「だから、強いては誘わなかったと」
「寝むたそーだったから」

「まっ、いいけどね。で、どーだった?」
「どーって・・うん、美味しかったよ。こっちでは食べれないものばっかりでね」
「そー、で、楽しかった?」
「うん、楽しかったよ・・・・フツーに」
「そー、それは良かったね、フツーに」
「うん、フツーに」
561 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 12:00
「フツーねー・・・てか、普通じゃないみたいだけどねー」
「えっ?」
「三好ちゃん、言ってたよ、いつもの石川さんと違うって」
「は?」
「パーティーコンが始まってから、なんか違うってさ」
「あー、ライブだからね。どーしても、テンション高くなるってゆーか」
「そー、ライブだからねー」
「うん、ライブだから」

「って、ライブなら、今までも散々やってきたわけだよね」
「あっ、うん、だね」
「それと比べてってことだと思うんだけどね、違うってゆーのは」
「そーなの?・・・そんな変わらないと思うけどなー」
「違うみたいよ。何か、めちゃくちゃハイテンションで、キャッキャしてるってさ」
「そーかなー」

「あー、ほら、ののとか、凄く盛り上げるの上手じゃない?」
「まっ、そーだね」
「で、三好ちゃんも岡田ちゃんも、イイ感じに慣れてきたし」
「まっ、そりゃ、いいかげんにね」
「だからだよ」
562 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 12:21
・・・・・・
「うん?あれ、もう一人の肝心なののコトは言わないわけ?」
「あー、もちろん、ごっつあんはさ・・
 あの子は、前から、ライブパフォーマンス凄くてさ。引っ張られるかな、やっぱり。
 それに、娘の頃より凄くしっかりしちゃっててね、さすが、キャプテンって感じでさ」
「そー、それは頼りになるねー」
「うん・・・・そーだ、それだよきっと」
「何が?」
「ほら、今まではさ、美勇伝のツアーなら、リーダーなんだから、しっかりしなきゃとかさ」
「うん」
「娘の時も年長組でさ、ワンダにしても、一番キャリアがあるから、
 小さい子達、引っ張らなきゃとかでさ、どこか気が張ってて、もしかしたら、ピリピリしてて」
「まーねー」
「でも、今度のは、そーゆー役回りじゃなくって、だから、ちょっと気楽ってゆーか・・
 うん、だからだよ、きっと、何気にちがく見えるのって」
「ふーん、まっ、そーゆーのは確かにあるんだろーけどね」
「うん、そーだよ。そーゆーこと」

「そー、でも、三好ちゃん、他のことも言ってたよなー」
「う?」
「石川さんと後藤さん、ラブラブなんですよー・・ってさ」
「は?」
「何でも、毎回、見てる方がくすぐったくなるよーなラブラブトーク炸裂させてるって」
「・・・あー、MCのことか・・・あれはさ、お決まりのコントみたいなものでさ」
「へー」

 
563 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 12:36
「MCの始まりのところでね、階段降りながらしゃべるんだけど、その時にね、
 今度のツアーは、娘の卒業生の同窓会みたいなね、謳い文句でやってるからね、
 ちょっと思い出話とかがいいかなーって、
 そーなるとさ、ハロモニのコントの文麿様だったり、モーニングタウンの後藤主任とかね、
 そーゆーの持ち出してたら、私の妄想タイムって感じになっちゃって・・
 でも、あれは、ラブラブって感じじゃないよ。
 私がいつもみたいにキショくって、ごっつあんが引くってーか・・
 うん、そーなの、失礼なくらいドン引きしてくれちゃうの」

「ふーん」
「ね、ほら、そーゆーのお約束じゃない?」
「そー、お約束ねー、ドン引きねー」
「うん、本当、少しは乗ってくれてもよさそーなのにさ、丸っきりのドン引きでさ、
 冷たくあしらっちゃってくれるわけよ」
「そー、美貴には、ごっちんがふにゃーとでれーっと受けちゃってる姿しか想像出来ないけどね」
「ううん、全然だよ。梨華ちゃんなにやってんのって感じでさ、凄く冷たいの」
「そー、まっ、ごっちんも無理して頑張ってるわけだ」
「えっ?」
「まっ、いいけどさ」
564 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 12:50
「ってさ、美貴ちゃんが何思ってるんだか知らないけどさ、
 ・・・・そーゆーの、全然ないからね、今は」

「は?何、そーゆーのって」
「・・・・まっ、昔はさ・・・何もなかったとかはさ、言えないけどさ」
「そりゃ、言えないねー」
「うん、って、まっ、あったわけだけどさ、色々」
「あったねー」

「でもね、本当、今はさ・・・彼女は、私のことなんて何とも思ってないよ、本当に」
「そーかなー」
「うん、本当、フツーだもん。全然フツーに友達でさ」
「友達ねー」
「うん、友達、凄くイイ感じで」
「まっ、イイ感じってゆーのは、当りだろーけど」
「そーなの、何か前よりイイ感じでね、すっかりフツーに友達でさ、
 何てゆーの、そー出来るってゆーのはさ、何とも思ってない証拠ってゆーかさ、
 うん、そーゆーことだと思うのよね」
「そー・・・で、梨華ちゃんは?」
「えっ?私?」
「うん、梨華ちゃんの方はどーなのさ」
565 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 13:05
「ごっちんは、イイ感じで、友達って感じなんだよね」
「うん」
「で、梨華ちゃんは、どーなのよ」
「それは、もちろん、私も・・・だよ」
「そー」
「うん、そー」

「まっ、本人がそーゆーんだから、信じてやらないこともないけど」
「うん、信じてよ」
「どーしよーかなー」
「ええ、本当だってばー」
「わかったよ、てか、顔怖いし・・まっ、信じてあげるよ、だから、ありがたく思ってよね」
「ありがとう・・・って、何で私がお礼言わなきゃいけないのよ」
「って、それは、美貴が広ーい心で許してあげたからでしょーが」
「そーか、じゃあ、ありがたくってねー、本当、何もないんだからね、もー」
「わかったよ、わかったからさ・・・って、遅くなっちゃったよね」
「あっ、もーこんな時間」
「じゃ、明日も早いから・・・帰ろーか」

ハロモニの収録の後、少し話をしよーかって、私の楽屋に、美貴ちゃんが来て、
何かと思えば、こんな話。
あー、そー言えば、美貴ちゃんと三好ちゃんって何気に親しいんだよね・・
566 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 13:11
スタジオを出て、車に乗る美貴ちゃんを見送って、少し歩くことにする。
夜風が思いのほか冷たい。
今年の春は、なかなかすっきりと暖かくならない。
そのくせ、桜はすっかり葉っぱで、
東北はこれからって時で、まだチラホラとしか花をつけていなかったから、
結局、今年はお花見は出来なかったわけで・・

何かタイミングが悪いんだよね・・
567 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 13:31

美貴ちゃんには、あー言ったけど・・

うん、何もないのは本当で、
本当にフツーにお友達で・・

テンションが高い理由も半分は本当で、
最初、少し心配してたけど、ののはあの子なりに、ちゃんと乗り越えてて、
だからいつも通りってゆーか、いつもに増して、場を盛り上げてくれて、
それに、三好ちゃんも岡田ちゃんもイイ感じに馴染んでて、
ごっちんは、本当に頼りになって、だから私は気が楽で・・

でもね、別の理由も・・・やっぱりあるみたいなんだよね。

あのね・・・
楽しいの。

久しぶりに、一緒にライブしててね、
ステージのごっちんは、前にも増して、カッコ良くってね、しっかりキャプテンやってて、
だから、そんな彼女と一緒に歌ってね、一緒に踊って・・
とにかく、楽しいの。

そのくせ、ステージ降りると、相変わらず、ふわっとしてて、
で、前より乗りが良くってね、
私達の新曲の衣装、可愛いねってゆーから、着てみる?とか冗談で言ったのに、
うん、なんてね、写真まで撮ったりして・・
のののリボン可愛いから、貸してって、そのままステージに出てっちゃうし・・
なんかね、そんなバカやってるのがね、
凄く楽しいの。

568 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 13:46
一緒に美味しいもの食べてね、
あの子、本当に沢山食べるから、何でもおいしそーにね、
で、ちょっとだけお酒も飲んだりしてね、
くだらないことおしゃべりして、
私の落ちのない話を、うんうんって聞いてくれて、
そんななんでもないことが、
なんかね、
バカみたいに楽しいの。

あっ、でも、本当にそれだけなんだよ。
何にもないってゆーか、何にもあるわけなくて・・
フツーに昔馴染みの友達で、
だから、懐かしくて、居心地が良くて、
ただただ・・楽しいの。
569 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 14:02
でもね・・でも・・

ごめんね、美貴ちゃん。

私ね、私はね・・・やっぱり好きみたいなんだよね
・・ごっちんのこと。

一緒にいる時間が長くなって、娘の時みたいに近くにいて、
そーしてるとね、
あー、やっぱり、まだってゆーか、
本当はずっとね、変わらずに、
好きなんだなーって、思い知らされちゃって・・

でも、ごっちんは、もーそーゆーんじゃなくて、
本当、全然そーゆーんじゃなくて・・
だから、私も、フツーにね、友達としてね、ちゃんとね・・

でもね、でもさ、
心に思うことは、たぶん誰にも止められなくて・・
自分自身にもね・・

だから、それは、許して欲しいの。
本当に思ってるだけだから。

それで、あなたとのことが、どーとかなるわけじゃないと思うし・・
うん、それはたぶん、比べたり、並べたり出来るものじゃなくて、
調子がいいって思うかもしれないけど、
私の中では、別のことで・・
570 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 14:19
前はね、ごっちんのことは、全部思い出にして、
心の奥の方にね、ちゃーんと綺麗に片付けなきゃって思って、
そー決めてね、

でも、心に思うことって、そんなに都合よくは、整理なんて出来なくて、
うん、きちんと出来る人も確かにいるかも知れないけど、
ほら、私はさ、片付けベタだから・・・

だから、今はね、
それは、それで仕方ないかなって思ってるの。

心に思うことは、やっぱり止められなくて・・

それに、今のは前と違って丸っきりの片思いなわけで、
だから、何もないし、何もあるわけなくて、

だから、許して欲しいの。
そーゆー気持ちでいることを・・

でも、もし、美貴ちゃんが、それもダメだってゆーなら・・
そしたら・・
そしたら、どーするのかな、私。
どーするつもりなのかな、私。
どーなっちゃうのかな、私。
571 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 14:37

やっぱり、少し寒いから、次に来たタクシーを止めよう。
そー思って、立ち止まると、今まで散々通過していた空車はなかなかやってこなくて・・

何か、今年の春の陽気みたいだよね。

それでも、しばらく待てば、スーッ停車してくれる車が来て・・
冷えた体を滑り込ませる。

そー、こんなグズグズの天候が続いていても、
やっぱりどこかで少しずつは暖かくなって、
そのうち、今の寒さが嘘みたいに暑い季節に変わる。

今は、次の瞬間には、過去になって・・
時は、人の気持ちなんか関係なく、
いつも同じスピードで進んでいる。

そしてそれは、決して、巻き戻したり出来なくて・・


572 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 14:40
 

  『トモダチ』・・・・おしまい
573 名前:トモダチ 投稿日:2006/04/27(木) 14:57
>>552 名無し飼育様 ありがとうございます。
          そーですよね。やっぱり、いしごま来てますよね。
          まあ、評価は色々でしょうけど、今回のHPPコンは、いしごまオタ的には、
          やっぱり、最高の企画かなと・・というか、素直にネタがあって嬉しい・・・です。

>>553 名無し飼育様 ありがとうございます。
          最近しばらく順調そうだった藤本さんとの関係の方は、
          某製作スタッフの発言以来、某掲示板では何かと大変そーですが、
          ここは、あくまでも妄想の世界なので・・
          でも、面白いですよね、某掲示板でも、申し合わせたよーに、
          りかみき語る時には後藤さんの名前がよく出て来たりして、
          それを何気にみんな許容しているってゆーか、敵視してなくて・・
          やっぱり、この二つのカップリングには、どこか通じるものがあるんでしょうね・・
          
       
          
         

574 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/04/27(木) 22:29
お話の中に流れる雰囲気がほのぼのしていて、
読んでいてポワポワしてしまいます。
実は結構微妙というか、危ういことかもしれないのに。

575 名前:名無し飼育 投稿日:2006/04/29(土) 15:51
更新お疲れ様です。
ごいしとうが好きすぎてどっちに転んでほしいのか…
ホントに分からなくなってしまいました。
これからも楽しみにしています。
576 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/05/23(火) 22:42
保全しますね
577 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/07/17(月) 22:45
待ってます
578 名前:トーマ 投稿日:2006/08/10(木) 00:18
生きてます。容量もあと少しですが、もう一つ二つ書いて、このシリーズを締めたいので、
残しておいてやって下さい。
579 名前:名無し 投稿日:2007/01/02(火) 18:35
楽しみにしてます
580 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/06/03(日) 20:48
待ってますよ

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