「おかしなふたり」(亀高)

1 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/27(火) 20:48
「愛あら」PVメイキングを観て妄想せずにはおられなんだ。

というわけで、亀高(+新)でございます。
亀高布教的な意味合いを込めて。
長さ的には…うーん、なるべくコンパクトにしようと。

ちなみにモテ高が大好物なんで脱線もあるかもです…
2 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/27(火) 20:49
「おかしなふたり」

撮りが終わって控え室に戻ってみたら、珍しい組み合わせを発見した。
こちらに背を向けて並んで椅子に座ってる、後姿がなんとなく
似てる二人。

亀井絵里と高橋愛。

あ、でも今回は一緒にいても不思議じゃないか。
撮りの時私と吉澤さん、それとこの二人で一緒にジャンケンとかしたしねえ。

「亀井ちゃんに謝っときたいことがあるんよぉ」
「え、なんですか?」

む、これは邪魔しちゃいかん雰囲気。
しょうがないなあ〜目の届かないところで漫画を読んでる振りを
してあげましょう。

「さっきの撮りの時、あんまり絡んであげらんなくて。
 …すまんかったです」
「……あぁ〜」

ごろ寝の時の話らしい。確かにあの時は口数少なかったなあ、キミタチ。

「あれな、ちゃんと訳があって…理沙ちゃんが」
「はい」
「この撮り終わったらなっちさんとの別れがまた一歩近づくから、辛いから、
 泣きそうになったら叱ってくれって…そばについててくれって言われて」
「…うん」
「気持ちすっごいわかるから、なるべく傍にいるようにしたら、亀井ちゃん
 一人にさせて…ほんとすまんです」

………
何言ってんだ、愛ちゃんだって泣きそうな顔してたくせに。
いや、違うか、違うよね。私のこと心配してあんな顔してたんだよね。
それでいて亀井ちゃんの心配までしてたのか。
お前はほんっとに心配性だな、高橋。

「まあでも、心配して損したわ。調子乗って人の尻触りまくってからに、あのエロ垣」

…お前はほんっとに一言多いな、オラ橋。
3 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/27(火) 20:50
「そのことなら、全然気にしてないです。大丈夫」
「だったらいいんやけど」
「っていうか、気付いてました」

「え?」

え?
私も驚いて、危うく愛ちゃんとハモりそうになった。

「何度か高橋さんが私の方見て、その目が『ごめんね』って言ってた」
「マジっすか、通じてましたか」
「マジっすよ、通じまくりです」

…か、亀井さん。
私なんか最近ようやく彼女の空気読めるようになったばっかりですよ?
マジ尊敬します。

「あと、全然一人じゃなかったですよ。くっついてきてくれたりしてた」
「あぁ、うん、不器用で…あんな方法しか思いつかんくて」
「私も同じ立場だったらおんなじことしてただろうなあ、って思うし」

「マジっすか」
「マジっすよ」

考えすぎて咄嗟に言葉が出ないから、と亀井ちゃんは続けた。
愛ちゃんは…ここからは見えないけど、きっと例のビックリ顔をしてると
思う。

もしやこの二人。
おんなじ世界に住んでるのか?
私が発見するのに数年要した独特の価値観の世界の住人なのか?
それならそれで、すごい可能性を秘めてるってことだよね…

よし、ワタクシ新垣理沙、当分彼女等を見守ることにしましょう。
いや、ほら、おもしろそ…じゃなくて、愛ちゃん今までずっと娘。の中で
1センチ分くらい浮いてたし。

今日のことの恩返しも兼ねて…さ。
4 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/27(火) 20:54
とりあえずこんな感じで。いっこ終わり。

うわー、書き込みヘタクソですね。
つ、次からがんばります…
5 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/27(火) 21:01
うわ、ガキさん名前間違ったごめん…!
6 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/28(水) 01:38
寝る前に続きをちょこっと。
7 名前:[] 投稿日:2004/01/28(水) 01:39
「あーでもよかったぁ。誤解されとらんで」
「優しくて繊細だ、高橋さん」
「…単に不安なだけやよ。あたしは我侭やから、誰にも嫌われたくない」
「う〜ん、でも…」
「待った!その先当てる!」
「え」
「……『誰にも嫌われないってことは見られてないってことだからもっと辛い』」

うわ。
すっごい具体的。超ネガティブ。

「やろ?」
「当たりだ、すごい」

しかも当たってるし。
8 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/28(水) 01:41
「へへぇ、さっきの仕返しやざ」
「うわ〜、私も目に出るんだ」
「出とぉよ」

いやいやいや、逆だと思います。少なくともワタクシは。
あなたたち二人とも普段何考えてるかなかなかわかりませんよ。
それともワタクシが鈍感なのでしょうか?!おお神よお答えください!
…やっぱりいいや。

とにかくこれで何かわかってきたね。
二人は間違いなく気が合ってる者同士だ。

…おかしな方向に、だけど。
9 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/28(水) 01:44
眠い時に書き込みなんぞするもんじゃないですな…
名前欄とかアホ丸出し。すんませんです。

エロは期待しないでくださいー(ちゅーくらいはさせます)
マイナーばんざいです。
10 名前:トモ 投稿日:2004/01/28(水) 01:55
キャ〜亀高!!!
ずっと読みたかったです!嬉しい〜☆
頑張ってください。
11 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/28(水) 17:59
>10 トモ様

どもども、はじめましてです。需要があってよかったです…ふぅ。
マイペースにやっていきます。
指のほうお大事に。私も今右腕に湿布貼って書き込んでますよ(笑)

では続きです。
12 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/28(水) 18:00
どうも、新垣里沙です。今回も楽屋からお送りします。
結論から先に申し上げますと。

亀井と高橋はエロい。

あ、あ、ちょっとストレートすぎましたかね。え〜っと。
じゃあこないだのあいつらの会話の一部をお送りします。

「あたしなんでいっつも肌だしまくりの衣装なんやろぉ」
「嫌なんですか?」
「嫌!…でも仕事だから」
「相変わらずまじめさんですね〜…そうだ、こんな話知ってます?」
「どんなん?」
「女の人の二の腕は胸と同じ柔らかさなんだって」
「あ〜、聞いたことあるわ!触られた時の反応で相手が自分のこと
 どう思ってるかわかるってやつやろ」
「えー、そこまでは知らなかった。じゃあちょっと失礼」
「………」
「………」
「…なんだよぉ〜。揉むなよ」
「あ、ヘラヘラしてる」
「そっちこそニヤニヤしとる」
「なるほどこれが高橋さんの胸」
「話そらすなやあ!…そろそろ揉むのやめれ。妙な気起こすぞ」
「起こしてますけど?」
「…離してくださいおねがいします」
「ん〜じゃあまた次の機会に」
「はい、乞うご期待」
13 名前:[] 投稿日:2004/01/28(水) 18:00
………お前等。
どうしてそうナチュラルにエロ会話できますか。
クールなんだかホットなんだかわからんし。
さすが不思議世界の住人たちと言ったところでしょうか。

と、ここまで思い出して頭を抱えている私に、藤本さんが声を
かけてきた。
「眉毛すごいことになってるぞ、どーした」
「…不思議の国の住人に思いを馳せてました」
「なにそれ」

「高橋と亀井か。あいつらそっくりだよね」
一部始終を聞き終えた藤本さんは例の腕組みをしながらさらっと
言い放つ。
「不思議なところが似てますよねぇ」
「や、そうじゃなくて。バリア張ってるじゃん二人とも」
「バリア…?」
「そ。二人とも無表情ん時ね、かな〜り自分の深いとこに潜ってるよ」
「…よくわかんない」
「いきなり冷めるんだろうね。仕事だろうがなんだろうが」
「いやだから、わかんないですって藤本さん」
「アタシも自分で何言ってるかわかんなくなってきた」
「も〜」

「いっこ断言できるのは、あの二人が娘。の中で一番『リアル』だってことだな」
14 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/28(水) 18:04
また名前欄…しくじった…

さておき次回からは多分亀井視点での展開になるかもです。
多分文体が暗くなります(苦笑)
レポーターニィニィは少しお休みかな〜
15 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/28(水) 18:26
>10 トモ様
すいませんすいませんすいません指がどうこうとかいう話は
無視してください〜!!
別の方と間違えました……ちょっと首吊ってきます……(;´Д`)
16 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/28(水) 19:44
すっごくいい雰囲気のお話ですね。
さっそく「お気に入り」に入れさせてもらいました。

しかし「オラ橋」ですか。高橋さんエロいですか。
飼育でこういうネタが読めるって嬉しいです。

次回ますます期待です。
17 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/29(木) 19:45
>16 名無飼育様

どうもです、はじめましてです。オラはちょっと行き過ぎましたかね(陳謝)
私は高橋さんエロいと思うんです(笑)
シモネタ言うくせに行動には出せないタイプ。
ご期待くださってありがとうございます。マイペで書いていきます。

…といいつつ別CPで短いネタが二つ出来たんでそれを。
藤高と紺高ですー。
18 名前:「サンクス」 投稿日:2004/01/29(木) 19:47
「藤本さん、砂糖いくつ?」
「え、いいよ自分で入れるって」
「ついでやが」
「…んじゃあ、ひとつ」
「あいよっ」

「今回のPVメイキング長いらしいなあ」
「ほやね」
「……………ぶっ!」
「えっ、どうしたん藤本さん!?コーヒー熱すぎた?!」
「い、いや、あんた、アレ。あの歩き方…くくく」
「なんやの?私?」
「なんだっけほら、あのコンビニの看板のにそっくり!」
19 名前:「サンクス」 投稿日:2004/01/29(木) 19:47
「…あれは腕まげとるやろが!全然似とらんよ!」
「あーそうだっけ〜?でもなんかほら、ぎこちない感じが」
「似とらんて!」
「ハハ、まあまあムキになるな。あんたらしくて可愛い」
「………そんなフォローされても嬉しくないわ」
「拗ねるな。いちいち可愛い」
「あ〜も〜馬鹿にして」



「ところでさ、あのコンビニの名前何ていうんだっけ?」





        「…サンクス」
20 名前:「黒いストロー」 投稿日:2004/01/29(木) 19:49
あなたは黒いストロー。

吸い込めば容易く入ってくるくせに
飲み込むまでその正体がわからない


「掴めないねぇ」
「え、いきなり…何がですか、紺野さん」
「愛ちゃんの性格。っていうか何で今更『紺野さん』なのさ」
「……紺ちゃん、あたしなんかの性格掴みたいんか?」
「うん」

『なんか』は余計だよ。私はその『なんか』に惚れてるんだよ?
………って目線でアピールしてみました。
21 名前:「黒いストロー」 投稿日:2004/01/29(木) 19:49
「…そう簡単に掴まれてたまるかってんでぇい!」
そうきましたか。しかも江戸っ子口調ですか。普通に答えてよべらぼうめ。


あなたは黒いストロー。

吸い込めば容易く入ってくるくせに(聞けば容易く答えてくれるのに)
飲み込むまでその正体がわからない(深読みしないと真意がわからない)

この時の愛ちゃんの答えの真意が「照れ隠し」だと気付くのには



三日かかりました。
22 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/29(木) 19:55
っというわけで藤高と紺高でした。

黒いストローは某ハンバーガーショップでアイスコーヒー頼むとついてきます。
で、コーヒー飲みながら外の景色を眺めてたらサンクスの看板が見えました。

そういう経緯でした。こじつけでーす。楽しかったなあ。以上!
23 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/29(木) 23:03
今更フォローを入れてみるズレた私。
「サンクス」は「愛あら」PVネタです。藤高仲良くDVD鑑賞。
…フォローしなきゃならないネタなんてちょっとなあ…反省。
24 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2004/01/30(金) 16:54
ここの話し好きです。頑張ってください
25 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/30(金) 17:56
小ネタがことごとく笑のツボを直撃します。
これからがかなり楽しみです。
がんばってください。
26 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/31(土) 08:26
>24 名無し募集中。。。様

ありがとうございます。好きが大好きになってくれたら嬉しいな。

>25 名無飼育様

こっそり仕込んでるわけじゃなくて偶然入るんですよ小ネタ(笑)
よろこんでいただけて嬉しいです。

では「おかしなふたり」続きをどうぞ。
27 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/31(土) 08:27

『大勢の娘。たちの中で
 自分がかつて「一般人」だったことに
 固執し続けて忘れられずにいられるのは

 多分

 高橋と亀井の二人だけだ』


      藤本美貴
28 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/31(土) 08:28
ああ、やばい。
またアホらしくなってきた。
この人たち何が楽しくて縄跳びで創意工夫してんだろう。
縄跳びは縄跳びでしかないって。

時々、こう。
あれ、ここどこだっけ、と思うときがあって。
我に返っちゃって、早く帰って眠りたいなあ、と思うところ。
それがゲーノー界。

「うん、ここに決めた」
私は例によって仕事場でリラックスできそうな狭いところを
探しに来ていた。
ちなみに狭くて暗くてなんかこうキューって感じのところが理想です。
で、今回探し当てたのは、倉庫にある会議用のながーいテーブルが
たくさん立てかけられてるところ。
斜めに立てかけられたその隙間、くぐってみたら空間があった。
「まわりがちょっとゴツゴツしてるけど座ってれば問題なし」
というわけで早速腰をおろした。
ふう。
休憩時間あと何分あったっけ…二十分、か。

「なんということでしょう」

私、ゲーノー人だよねえ?
毎日実感なくなる。他のみんなが浮きすぎていてついていけなくて醒める。
そのたびに狭いとこ来て気分リセットして。
「ホントに全く、なんということでしょう」
ぼやきたくもなる。
定期的に人の気配を絶たないと、恐怖で怯えて前に出る自信無くすし、
いきなり醒めるし。

人を相手にしてる商売なのにさ。
私は何をこんなに怯えているんだろうか?
29 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/31(土) 08:29
「亀井ちゃーん、おるんか〜?」

はい?
えーと、今、私呼ばれた?気のせい?

「かめいー亀井えりっぺさ〜ん、おられましたらぁ、呼んでるあっしが
 恥ずかしいんで早いとこ返事すれ〜」

なんてこった束の間のリフレッシュタイム早々に終了。

「…おられますよぉ、たかぁしさん」

「あ、ほんとにおった!…って、今何つった」
「おられますよぉ」
「のうて、その後!!」
「たかぁしさん。自分で『ハ』の発音できてないじゃないですか」
「それはフルネームの時だけ!苗字だけならちゃんと発音しとるが!」
「知ったこっちゃねえです」
「こんにゃろ〜…って、こんこんのネタパクりおって、告げ口したろ」
「何しにきたんですか?」
「あぁ、ほうや、いや別に用事ないんですわこれが」
「はぁ?」
「藤本さんが絶対ここにおるって。賭けてもええから行ってみいって」
「何賭けたんですか」
「別になんも賭けとらんよ。ただあんまりにも自信タップリだったから」
「それだけっすか」
「それだけっす。あいや、ハズれたら思いっきりコケにしたろかと思ったり
 思わなかったり」

微妙に性格悪いなあ。
30 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/31(土) 08:30
「にしてもほんとに狭いとこ好きなんやね」
「落ち着きますよ。リフレッシュ」
「ほやね。ぶっちゃけ人の目って恐くて逃げたい時あるもんな」

またこの人は。

「鋭いなあ」
「いやいやそれほどでも」
「でも鈍いなあ」
「馬鹿にしとんのか」
「のうて」
「真似すんなやぁ」
「一人にしといてほしかった、なあ」

「……ぅあ〜……」

あからさまに「しまった」という顔をされました。

「まあ、もういいですけど」
「ほんとにもう…何度もすまんです。戻るわ」
「だからいいですって」
「でも」
「…ずっと一人でいても寂しいじゃないですか」

驚いた。
自分のこのセリフに心底驚いた。

けど本音だった。

「矛盾しとぉぞ。…理解できるけど」
そう言いながらたかぁしさんは私の隣に座った。
31 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/31(土) 08:31
「何か悩みでもあんの?」
「いえいえ、ベストプレイスを人様にもオススメしたかっただけです」
「それはどうも。はあ、なるほどベストプレイス」
「なるほど何とかってクイズ番組が昔あったなあ」
「ああ、あったなあ」

「なあ亀井ちゃんよう」
「何ですかたかぁしさん」

…突っ込みがない。もうたかぁしさんで妥協しちゃったのか。
結構流されやすいなあ。

「あたしら歌手やし、ひっきりなしに喋りつづけることなんて
 不可能やんなあ?」
「…バラエティもやらされてるから…微妙」
「亀井ちゃんお笑いやりたくて娘。に入ったんか?」
「まさか」
「やろぉ。…あたしな、ゴロッキーズ超居心地悪かった」

同志発見。

「それは私も。途中で馬鹿らしくなったことが何度か」
「てか馬鹿なことやらされてたんやざ」
「まったくです」
「みんな何であんなに前へ前へ出られんのかな。
 だってスタッフに馬鹿笑いとかされてんのよ?ムカツクがし」

モンブランのこと話してるときみたいにムカツイてますね。

「…私は途中でそれが怖くなった。逃げたくて逃げたくて」
「スタッフの笑わせろ!みたいな空気が?」
「それもあるけど」

言えません。
32 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/01/31(土) 08:31
「……亀井ちゃんはいつから狭いとこ好きになったん」

いきなりだなあ。

「え〜…と、ちっちゃいときから」
「ふぅん」

会話が途切れた。
けどたいして気まずくない。空気が一定だった。
ああなるほど、たかぁしさんと私って。

不自然な空気に鈍感ですか。
…別に、本人達が辛くないならそれでいいんじゃないですか?

「おらぁ、亀井ぃ!」

と思ってそれを口に出そうとしたら
ドスの効いた声とともに背後から抱きつき攻撃を食らってしまった。

「っくり、したぁ〜…」
「の割に声のトーンが一緒なんは何か悔しいなあ」
「いやいや、充分ドキがムネムネしてますって」
「確認するぞ?」

全くこの人は本当に、言うだけならタダだと思ってるんだろか。

「勘弁してください」
「ん、無理強いはいかんね」

ブラボーたかぁしさん。距離感が絶妙。
本気で嫌がることは察してくれて絶対しないところ、好きだ。
ちなみに抱きつかれた時は純粋に驚いたけど今は別に平気。

「あんなあ」
「はい」
「的外れだったら怒ってください」
「何のことですか?」

「…亀井ちゃんが狭いとこ好きなんと、スタッフ怖いってのと、
 もしかして繋がりますか?」
33 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/31(土) 08:40
続く、続けば、続く時〜

やっぱりちょっと暗くなりましたね。
ずっと「Do it! Now」をBGMにしてたからかも。
ではまた。
34 名前:5分16秒 投稿日:2004/01/31(土) 13:20
携帯が鈍い音立てたんで、取って画面見た。


<着信:石川梨華>


「はいもしもーし」

「ハァーイ!こんばんわあ、あなたの、あなたの、
 あなたの、チャーミー石川でぇーす!」

「………石川さんもうちょっとボリューム落としてほしいやざ。
 ケータイ放り投げそうになったわ」
「あらぁ、ごめんなさぁい」
「あと無理に仕事モードで電話せんくてもええ。キショイ」
「はっきり言うわねぇ」
「何を今更」
「そうねえ」
「で、なしたん?」
「あーあのねえ、電話で『好き』って言ったらどういう
 反応するのかなあと思ってかけたの」
「はい〜?」
「アハハ、やっぱり、そういう感じだと思った」
「…それはどうも」
「素直に喜んでいいんだよ」
「石川さんこそ」
「こそ、何?」
「最近会ってないからって、そんな試すようなことせんでも、
 心がわりしてない。安心せぇ」
「…かなわないな〜。早く大人になってね、高橋」
35 名前:5分16秒 投稿日:2004/01/31(土) 13:21
「どういう意味すけ?」
「その分析力、娘。の将来きっと役に立つはずだから」
「…将来なんて、あと何年居れるのかわからんのに」
「そうだね。わからないね。でもきっと私が先に卒業ね〜」
「ほやったらあたしはその後追っかけます」
「まあ、嬉しい」
「満足しました?」

「満足しました」


おやすみなさい、と言って電話を切った。


<通話時間:5分16秒>
36 名前:ハルヒ 投稿日:2004/01/31(土) 13:23
絶対似たようなネタがあると思いつつ5分16秒。

石川さんと絡ませてみたかったんです。
高橋さんは絶対フルネームでメモリ登録してると思う。
37 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2004/01/31(土) 15:33
甘々な感じじゃないのが好きです。爽やか
38 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/01(日) 16:58
>37 名無し募集中。。。様

爽やかなんですか?あんな毒吐いてるのに(笑)
どうもありがとうございます。

えっと今日は、ラジオ聴いて猛烈に藤高テンションが上がったので
藤高をどうぞ。
39 名前:「ピンクカルサイト」 投稿日:2004/02/01(日) 16:59
「愛ちゃん、それちょっとよく見せて」

藤本さんがあたしの左腕を指差して声をかけてきた。
そこには毎日欠かさず身に付けてる数珠があった。
掃除してたらひょっこり出てきて、軽い気持ちで、
だけどちょっと『お願いします』って本気で声に出して
言ってから左腕に通してみた数珠。

「これ?」
「うん、外さなくてもいいから見せてよ」
「…ん、どぞ」

ひょいっと差し出した左腕を軽く持って、藤本さんは
数珠をためつすがめつしている。
なんだろ。
40 名前:「ピンクカルサイト」 投稿日:2004/02/01(日) 16:59
「あーやっぱりそうだよ。愛ちゃんこれ数珠じゃない」
「え、違うの?」
「うん、パワーストーン」
「パワー…石?」
「そうそう、学校で流行ってたよ。いろんな色のがあるから
 カワイイ〜★って、みんなつけてた。
 だからそんなに詳しくないけど、数珠って言うよりブレスレット」

カワイイ〜★ってとこだけこずえ鈴。

「じゃあこれ、アクセサリー?」
「イェ〜ス、アクセサリィ〜。
 でも一応それぞれの石にチカラがあるらしいよ。自信つくとか」
41 名前:「ピンクカルサイト」 投稿日:2004/02/01(日) 17:00
「これなあ、外したら恐くなるんやざ…」
「それじゃそういうチカラあるんだね。何か気になるから調べとくよ」
「え、いやいやそんな」
「ちゃんと意味がわかれば、それ外してる時に美貴がフォローして
 あげられるからさ」
「…はあ、あたしそんなに頼りないんか」
「そういう意味じゃないって」
「ほやけど、もういい加減藤本さんに心配かけんの嫌や」
「心配なんじゃないって。このロマンティックマイナス思考」
「やって、他にどんな理由があるんよ」
「傍にいて世話焼きたいだけ」
42 名前:「ピンクカルサイト」 投稿日:2004/02/01(日) 17:01
「……お節介や」
「お褒めの言葉ありがとう」
「褒めとらん。あほ」
「気のせいか愛ちゃんに言われると全部褒め言葉に聞こえるわ〜」
「耳鼻科行けぇ」
「それ言うならオツムのほうの病院だべさ」
「じゃあそっち行け。きっと即入院やざ」
「お見舞いには来てくれるんでしょ〜?」


「………行かん。お節介が伝染る」
43 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/01(日) 17:07
私も外出の時必ず天然石のブレスレットしてるので過剰反応。
そう、付けてないと不安になります。
「数珠」っていってたあれがピンクカルサイトかどうかちょっと自信ないです。
ローズクォーツかもしれない。他のやつかもしれない。
藤本さんの一人称「アタシ」って言ってたことがあった気がしてたんですけど
メジャーなのは「美貴」なのかな。と思ってそうしました。
44 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/02(月) 09:59
平日朝に行くぜゴーゴー

「おかしなふたり」続きです。
45 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/02(月) 10:00


          ああ

46 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 10:01

      とうとう見破られて

        しまったよ
47 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 10:02
小さいころ家に泥棒が入ったんです。
確か土曜日の午後で、家の中には私しかいなくて。
向こうの部屋で物音がするから
なんだろ、って様子見に行ったら
知らない男の人がそこにいて。真夏なのにマスクしてて。
部屋の中メチャクチャで。

ほんの一瞬目が合ったような。今思うと違ったのかもしれないけど。
その目が、笑ってた、ように見えて。

恐くて恐くて

戸が半開きになってた押入れの中に隠れた。
もし全部開けられても見つからないように布団にも包まった。

何か物凄く長い間そこに隠れていたような気がするけど、
今となっては、五分、六分だったかもしれません。
48 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 10:02
うち、工場をやってるんですけど、
雇われ工員さんがうちのお父さんから何か頼まれたらしくて、
ちょうど、ほんとすごくいいタイミングでうちに来た。

でも工員さんたちって血の気の多い人が結構いて、
案の定、泥棒との取っ組み合いが始まっちゃったんです。

何かにぶつかる音とか、ガラス割れた音とか。
怒鳴り声とか、筒抜けで。

布団に包まって耳を塞いでても低い音は案外耳に届く。

無駄な抵抗だったみたいです。

でも結局何も盗られずに済んだし泥棒も捕まった。
解決したんですよ?
泥棒捕まえた工員さんは、その翌月から給料上がってた。そういえば。
49 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 10:04


「………その泥棒、今のスタッフさんたちと同じくらいの年なんやね」


気が付いたら私はたかぁしさんに抱きついて嗚咽を漏らしてた。
泣き顔見られるのはかっこわるいから肩に首をあずけて顔は背中のほう。
涙出そうになって、見られたくないって咄嗟に勢いつけて振り向いたから、
たかぁしさんそれにつられて、上半身浮いて、二人とも膝立ちになってる。
真上にテーブルがなくてよかった。頭打ったらきっとかなり痛い。

泣きながらそんな馬鹿なことを思ってしまうのはAB型だからだろうか?

「…っ、う……もぉ…」
「…なんか、ごめんなあ」
「………また謝って、る」
「まさかビンゴだとは思わんかったんやざ」
「まったく、ですよ…………どうして、わかったんですか」
「おんなじ」
「おんなじ?」
「うんうちのは夫婦喧嘩やったんけど。妹と一緒に押し入れに隠れてた」
「…じゃ、たかぁしさんも」
「あたしは妹守らなきゃって思ったから、いくらかマシやよ。
 …あいつは真っ暗なの駄目になったけどなあ」
50 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 10:04
「それじゃ私と逆」
「けど境遇は近いし」
「でも私負け組」
「なんで勝ち負け出てくんの」
「…って、なかなか克服できない。たかぁしさんに勝てない」
「だからなんで勝つだの負けるだの」
「負けず嫌いなんです」
「あたしは亀井ちゃんと同じスタートラインに立った憶えない。
 だから勝ち負けとか全然関係ない」
「先輩のくせに。追い越される心配とかしてないんですか」
「ほうやね。前しか見とらんわ」
「年上のくせに。私より二個も上」
「言われてみればそうやったなあ。
 あ、亀井ちゃんて昭和ギリギリ生まれか!何かすごいなあ」
「だからずっと敬語使ってるじゃないですか」
「おぉ〜。それもそう言われてみれば」
「…もしかして天然ですか?」
「天然て何?」
「……なんでもないです」

完璧に完敗しました。
51 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 10:05
「まあ、こやってて落ち着くんならそれでええんやないの?」
「よくない」
「だからぁ」
「たかぁしさん感触があの時の布団そっくり」
「嘘こけ!ピチピチしとるわ!」
「あぁもう完敗だあ。新人王メタメタにされました」
「もしかしてそれが言いたくて勝ち負けにこだわってたんか?」
「あぁ悔しい」
「人の話は聞きなさい」
「何か仕返ししないと気が済まない」
「……それについてはあたしに拒否する権利ないです」

声のトーンが一気に急降下した。出た、生真面目たかぁし。

「どうしようかなあ」
「……どうされるんでしょうか」
「奪っ     ちゃおっ     かなあ」
「………盗塁王?」
「ほうやのうて」



突っ込まれる前に即座に奪った唇は、
やっぱりなんかあの時の布団の感触に似ていた。
52 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/02(月) 10:13
いっこタイトル入れ忘れちゃったぜこんちくしょー。

さておき、ちゅーは果たせました…!押忍!!
順当にいけば、「おかしなふたり」あと一回で終了です。でも亀高(に関わらず
モテ高)はまだ色々書きたいのでよろしければ今後もおつきあいくださいますよう。
53 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 14:57
「おはようございます、たかぁしさん」
「…おはようごさいますぅ、セクハラ娘。の亀井さん」
「まだ根に持ってるんですか」
「持たずにおられるかい!」
「拒まなかったくせに」
「あんなん急に逃げれん!」
「力抜けて寄りかかってきたくせに」
「ぅぐ」
「イエーめっちゃ、その気〜♪って感じでしたねえ」
「お、おおおお黙りなさい!」

…どうも。
新垣里沙です。お元気でしたか?
どうっすか、コレ。
ねえ、ちょっと。……何があったのさ?!
54 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 14:58
「おお、スバラスィ〜。見事にくっついたねあの二人」
「藤本さん!わかんないことだらけです!…教えてくださいよ〜」
「…里沙ちゃんさ、星占い信じる方?」
「え?…いいことなら」
「あのねー、美貴は賭けに出てみたんです」
「はあ」
「愛ちゃん乙女座で、亀井ちゃん山羊座なんだよね」

乙女座と山羊座と、ついでに牡牛座。牡牛座は紺野ちゃんなんだけど。
この三つって「地の星座」っていう一つのグループで、
基本的な性質が一緒なの。現実主義で経験主義。名前どおり
地に足の着いた考え方をするんだ。
だからこのグループの星座同士は仲良くなりやすいの。

「こないだ里沙ちゃんに言われて、ひょっとしたらすっごい
 仲良くなれるんじゃないかと思ってね、あの二人」
「それで私に倉庫のこと亀井ちゃんに教えさせて」
「美貴が愛ちゃんそこに行かせてみました」
55 名前:「おかしなふたり」 投稿日:2004/02/02(月) 14:59
「…策士ですね」
「魚座舐めるなよ」
「意味わかりません」
「まあそんな感じでとても面白いものが拝めるようになりましたと」
「…のんびり温かく見守るつもりが、あっという間の出来事でした…」
「残念ですか」
「残念です」
「でもすごい面白いと思いませんか」
「思います」
「じゃあそれでいいんじゃないでしょうか」
「ですね。おかしい。面白おかしいです。こんな…えっと」



         『下克上』



「おかしなふたり」終
56 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/02(月) 15:03
終わりです!

みんなの美貴様に怪しい役をやらせてすみません。
星座オタは、私のほうです…
本当は血液型を絡めるともっと具体的に表現できる関係なんですが。
ちょっと反発食らうかと思ってやめました。ヘタレです。

「おかしな」の亀高は終了ですが、別タイトルで短編とか、ひょっとしたら
またちょっと連載っぽいの、やるかもしれません。
お付き合いいただけたら幸いです。では。
57 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/02(月) 15:17
あ、あと…高橋さん途中から関西弁混ざってんじゃねえか〜とか。自覚してます。
雰囲気だけ…掴んでくださいお願いしますうわああぁあぁ
58 名前:名無しさん 投稿日:2004/02/02(月) 16:01
(*´Д`*)ポワワワ
59 名前:名無し 投稿日:2004/02/02(月) 16:40
好き、好き。これからも頑張って
60 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/02(月) 22:38
ネタ小説って感じでいいですね。
明るく楽しい。続けてー。
61 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/02(月) 23:23
>>58 名無しさん様
(;´Д`)…ナンカシャベッテヨゥ

>>59 名無し様
ええっと、どうもです。
これからは、うん、もちょっと、ラブラブさせたいです。
今まで畑違いのことをしてたので慣れてなくてベタベタさせるの照れくさいっす。

>>60 名無飼育様
ネタのほうに主旨がいっちゃってるんですかーうわー
亀高後半はミドル級くらいの重さを目指してたのに小ネタ挟んだせいで
一気にライト級まで落ちた感が拭えません。実はちょっと悔しい。

みなさまどうもありがとうございます。
今後はこのスレで短編をちまちま、そして一応「おかしな」が一段落
ついたので個人的に保管庫を作ろうかと思ったり思わなかったり。
校正したい部分がやっぱり出てきてしまって…はい。
ではまた。
62 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/04(水) 14:43
保管庫を先にこしらえました。んで、報告。
呼び名を変えたり色をつけてみたりしてます。

ttp://www.phoenix-c.or.jp/~hi21/mm/○○.html

hつけて、スラッシュの後に、シゲさんの「合いの手」入れたら飛べます。
本日はご報告まで。
63 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/05(木) 14:10
ありそでなかった小高。ゴゥゴゥ
64 名前:オラぁいちぬけた 投稿日:2004/02/05(木) 14:10
ふぇえ、今日は調子悪いなあ。
上手く踊れない。なんかフラフラする。
晩御飯抜いてきちゃったのがいけなかったかもしれない。
……自主練まだ1時間残ってるし、少し休憩しよう。

「マコトぉー」
「愛ちゃん。愛ちゃんも休憩?」
「っとな、のうて、パフェ食べにいかん?」
「…ぱふぇえ?これから?」
「うん」
「愛ちゃん、晩御飯は?」
「食べた」
「何時間前?」
「さっき、1時間前」
「それでパフェ?」
「イエース」

ちょっと、呆れた。
65 名前:オラぁいちぬけた 投稿日:2004/02/05(木) 14:11
「…愛ちゃん、練習まだ1時間残ってるんだよ?」
「わかっとるよ」
「そんな悠長にしてられないってば」
「やって、マコトさっきからフラフラしとって心配で」
「え?」
「いつもかっけーダンス踊ってるのに、今日は何か調子悪そうにしとるから。
 栄養足りんのかと思うて」
「…あー、うん、晩御飯食べ損ねちゃったんだよ」
「ほうやろぉ。なあ、だったらパフェじゃなくてもいいから何か食べにいこ」
「食べる時間もったいない」
「こらマコト!いいから来る!」

強引に立たされて腕を引っ張られてしまうヘタレな私。
ああ、そっか、抵抗する力もないくらいヘトヘトなんだ。
今頃気付いたよ。

「なんなら今日はこのまんまあたしが送っていくし」
「いや、いくらなんでもそれは、悪いよ」
「いいの!っというわけでぇ」
「へ?」
66 名前:オラぁいちぬけた 投稿日:2004/02/05(木) 14:11
「オラぁいちぬけた!ハイ!」
「にぃ抜け…ません!」

つられそうになったじゃないか!

「まだ意地張るのか馬鹿マコト!」
「何言ってんの人のこと強引にひっぱってるのそっちでしょ!」
「嫌なら抵抗せぇ!」

とかなんとか言いながらもう廊下ですよ。

『あぁ〜』

壁の向こう側で他のみんながハモってる声が聞こえた。



結局、戻れませんでした。
67 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/05(木) 14:14
ガガガSP。
この曲名を一目見たときから絶対なにかで使いたかったのです。

使えた。やった。押忍。
68 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/08(日) 09:31
シリアスな藤高。行きます。
69 名前:トワイライトシンドローム 投稿日:2004/02/08(日) 09:32



夜の闇押し迫るあるオフの日に。



「愛ちゃん、……アタシのものに、なってくれるかな」

藤本さんがそう言った。
仕事じゃない時の彼女の一人称は「アタシ」だった。私じゃなくて、アタシ、って言う。

何の脈絡もなくキスなんかをしてくる人ではないので、何となくそんなことを
言われるような気がしていた。
みんな彼女のことをサバサバしてるとか言うけど、そうでもないんだよ。
二人きりの時の彼女は。
そうあたしと二人きりの時の彼女は。

両頬を優しく包まれると自然前しか見られなくなり、夕陽に照らされた綺麗な…
いやいつも綺麗だしかわいいしかっこいいけど、いつも以上に、な藤本さんが
あたしのことを見ている。
嘘や取り繕いをする必要性は全くなかった。けど、一応確認した。
70 名前:トワイライトシンドローム 投稿日:2004/02/08(日) 09:32
「それはぁ……つまり、そういうことするって、ことすけ?」
「うん。したいな、アタシは」
「…あたしも藤本さんならええが」
「……よかったぁ〜……」

ほら、こういう反応はなかなか見られない。心底安堵の藤本美貴。
メディアの前では、特に声だけのラジオなんかでは大袈裟に振舞う彼女の
ごく自然なリアクションだ。

「えっと、じゃあ、向こう行こっか」
「ええけど、準備とかせんでもええの?」
「準備?…なんかあったっけ。あ、心の準備かな?」
「いいやそれは、要らんよ。覚悟はできとるけ」

「それじゃ、行こう」

手を繋いで並んで廊下を歩いた。
腕を組んでも不思議じゃない関係なのに、手だけ、なのは。
ああやっぱり緊張しとるんかな、と思う。
71 名前:トワイライトシンドローム 投稿日:2004/02/08(日) 09:33
あたしはといえば、これから行く「向こう」側のことが頭の中にあり。
何だかあまり現実感がわかないというか、その逆で実は大した度胸のもとに
こんなことを考えているのだろうか、とか、まるで正反対のことばかり。
そんな思考の飛躍を繋ぎ止めているのが藤本さんの手だったり、たまに
触れ合う肩だったり、大事にするからね、ってえれぇこっぱずかしい
セリフだったりしている。



寝室に入ると西日が眩しかった。



口には出さなかったけど、藤本さん。
あたしのものに、なってもらいますけ。
72 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/08(日) 09:34
寝起きに思いついた藤高。
大事なイベントを控えているらしく微妙に敬語なたかぁしさん。

こういうのも、書きます。
73 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/09(月) 11:01
詩的っぽく紺高。
74 名前:馴染んでる不自然 投稿日:2004/02/09(月) 11:01
地べたに座る若者
歩き煙草してるサラリーマン
馴染んでる不自然

ゴミ箱の脇に落ちてる空き缶
スコップ置いてけぼりの砂場
馴染んでる不自然

洋服ほっぽり出してる私の部屋
電池切れたままの目覚し時計
馴染んでる不自然

訛り以外どこを取っても完璧なあなた
つりあい取れてない赤点の私

だけど馴染んでる自然
75 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/09(月) 11:03
いじょ!
初期の頃の二人はライバル関係ってのがデフォルトだったようなので。

…そろそろ私の社会的立場が見え隠れしてきたかな。嗚呼。
76 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/09(月) 19:55
…ふと思ったんですがみなさん亀高待ちですか(笑)
シゲ高や亜弥高書きたいって言ったら怒られますか。
あ、そうか。駄作過ぎて呆れられてますかね。ん〜、がんばります。
77 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/09(月) 23:12
ハルヒさんの書く亜弥高、読みたいです!是非書いてください!!
78 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/10(火) 01:29
>>77

あいー、怒られなくてよかったです(笑)んーともう少し日にちくださいね。

レス行勿体無いのでショートショート・シゲ高

【忠犬さゆみん】

「しげみー、お手」
「わん」ぽんっ
「……わん、は別に要らんが。…まあええか。お散歩いくでー」
「わんわんっ」
「いやだからわんはええってのに」

終わりです(笑)
79 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/12(木) 19:55
亜弥高、行きます。
80 名前:モンキーマジック 投稿日:2004/02/12(木) 19:56
愛ちゃんは私のことまだ松浦さんって呼ぶの?

「やって、大先輩やないですの。さん付け当たり前やが」

えーでも、同い年なんだよ?別にいいよ。

「……同い年?!ほうやったっけ?!」

そうだよ!86年生まれで学年だって一緒だって!

「ほうやほうや思い出した!…ぅえー、でもなあ…」

だから普通に名前で呼んでくれていいんだよ。

「えぇ〜…やって仕事では大先輩…やろぉ…」

頭カタイなあ…
松浦が良いって言ってるんだよ?本人が良いって言ってるんだよ?

「難しいなあ………微妙やなあ………
 本人が自分のこと苗字でゆうてんのにあたしが名前呼べんがし」

真面目すぎる。あ、じゃあ、なんか呼びやすいあだ名とかならどう?
81 名前:モンキーマジック 投稿日:2004/02/12(木) 19:57
「あだ名て、あたしが決めんの?」

そうそう。

「……………サル!!」

何だとこのゴリラ!

「あだ名決めぇって言ったのそっちやろがサル!」

だからってなんでサルなの?!

「あーなんかサルサル言うたら気ぃ楽になったわ!うん、今度から
 普通に話せそうや〜」

………それは………良かったね。

「っというわけで、今度二人で宝塚観に行かん?なぁ行かん?」

遠慮しておきます。
82 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/12(木) 19:58
書き方を変えてみました。
微妙に哀さんです。

こんなんでいいのかよ、と思わなくもない…(良くないよな…)
83 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/16(月) 02:40
亀高中編の第二弾、はじまりはじまり。
84 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 02:41
さゆとたかぁしさんの仲がある種特別であることは
割合傍にいた私やれいな、5期の先輩なんかはよく知っていた。

具体的にいうと、さゆが一方的にたかぁしさんのことを好いていて、
たかぁしさんは、というと、まあ来るもの拒まずな感覚というか、
好かれることに慣れていないと言うか……で、さゆのことを悪く
思ってはいないようだ。妹みたいな存在として扱っている。

「しげみ」とか命名しちゃってるあたり。

私、亀井絵里と致しましては。
当然快く思っておりません。が。
成り行きはどうあれたかぁしさんの一部を奪ったことは事実なので、
さゆに対して多少の優越感はあります。
がしかし。

あに図らんや、私は相当嫉妬深かったようです。
85 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 02:41
「ズルい」
「何がやの」

お土産の醤油煎餅を齧りながら。
たかぁしさんの部屋の匂いもだいぶ憶えた。

「…たかぁしさん、さゆのこと贔屓してる」
「しげみ?」
「ほらそうやって」
「は?…あぁ、名前か?」
「うん」
「これはだって、向こうからなんか妹にしてくれ〜みたいなこと
 言われたから、シゲさんやからしげみかなぁって」
「じゃあ私が同じこと言ったら名前考えてくれる?」
「ええ?…う〜ん、どうやろ」
「ほらまた」

睨んでみた。

「やあ、これって贔屓って言うのかぁ?」
「言うよ。あほ、ばか、にぶちん」
「……あたし悪者?それに、にぶちんって標準語?」
86 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 02:41
「知らないならそのままでいいよ」
「…なんか馬鹿にされてることだけはわかったわ」

だから最初にばかって言ったじゃないか。

「さゆは確かにかわいいよ。たかぁしさんに対しては特に
 好き好きビーム出してるし」
「ビーム?いやなんか好かれてるっぽいのは、そうなんかな〜って
 ほんのちょっぴり思うとったけど」
「ちょっぴりじゃなくてかなりだよ」
「うぇ、どのへんがぁ?」
「……それ以上煽ったらまた奪いますよ?」
「セクハラはもう止めてください。ってか、煽ってるって
 意味わからん」

どうしてこういう時だけ鈍いのか……
苛立ちが行動に出て、私は500ミリペットボトルの緑茶をガブ飲みした。

「お茶足りんかったらうちにあるやつでよかったら出すで」
「それはどうも」

返事も少し苛立ちを含んだまま、あっという間に中身はカラになってしまった。
87 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/16(月) 02:43
今回はとりあえずこんなとこで。
タイトルはAFODから〜

しばしのお付き合い、よろしくお願いいたします。
88 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/16(月) 22:59
やや・・・続編ですね。
待っていました!
やっぱりこの2人いいですね。
今回も楽しく読ませていただきます。
89 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/16(月) 23:22
ネガチブ亀高中編続き。いきまっしょい。
90 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 23:23
贔屓、贔屓ねえ。
だって好いてもらってるのに邪険に出来んやんか。

「ほうやほうや、こんなあたし好いてくれてるなんて」

超絶に貴重人物やんか。
やったらそれに答えるのが誠意ってもんやろ。

「なのになんであんな怒っとるんじゃ、あの亀」

てなことをブツブツ呟きながら冷蔵庫から麦茶を取り出す。
あれ、麦茶は大丈夫やったかな。お茶ならなんでもいいって
わけでもないかもしれん。

「なあ、麦茶しかないんやけどこれでええ〜?」

居間から部屋まで大声で訪ねた。昼間やしちょっとくらい
大きい声だしてもええやろ。
91 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 23:23
「お構いなく〜ぅ」

返事短いってことはまだ怒っとんな。微妙に語尾が拗ねてるしな。
まあいっか。
…テーブルの上でグラスに麦茶注ごうとしたら一枚の書置きを
発見した。

『急用ができたので出かけます。9時くらいまでには帰ってきます』

「チャーハン作ったから良かったらお友達と食べてね、仲良くするんだよ…」

おかーさん、別にうちら喧嘩はしとらんて…
待てよ、おかーさんが聞いててそう感じるってことはほんとに険悪なムード?
………むー
ひょっとしてもしかすると仮にそうだとしても、にわかには信じがたいな。
勘違いだったらえれぇ恥ずかしいし……

「たかぁしさん?」
「うわっと!」

急に背後から声をかけられたので驚いて、注いでた麦茶がキャッチャーミット
からハズレそうになった。
92 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 23:24

「大袈裟」
「おどかすなやぁ」
「だってなんか遅かったから」
「あぁ、これ読んでてん」

書置きを指差した。

「急用ってなんだろ」
「さあ」
「仲良くするんだよ…って?」
「知らん。何か誤解されとるんでない?」
「…誤解かなあ、そうかなあ」

ぎゅう。

「…今度は背後からセクハラかい!」
「セクハラ、違う、あるよ」
「どこの国の人じゃ」

『お箸の国』

ハモった。
93 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 23:24
「ん〜スバラシイ。息ぴったり」
「くっついとるから通じただけかもしれん」
「じゃあもっとぎゅ〜、だ!」

更に力を込められた。正直痛いくらい。

「…セクハラから暴行罪に切り替えるで。痛い」
「にぶちんだから、ちょっとは思い知ってもらわないと」
「…今わかった。にぶちんって鈍いってことか」
「気付くの遅い」
「お黙り。これがあたしじゃ、悪いか!」
「悪くない、好き」

……………

「亀井さんのそういうストレートなところは憧れます」
「っていうかたかぁしさんは私のことどう思ってるの?」
「えぇ〜…」
「たかぁしさんのそういうところは呆れます」
「や、あの、その」
「けどそうやって困ってるところはすごくかわいいと思う」
「ひょっとしてわざと困らせて楽しんでるんか…?」

そうやったら、ちょっと許さんぞ。
94 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/16(月) 23:25
「そうじゃ、ないよ」

その一言の後にあたしは解放された。
いきなりパッと抱きつかれた腕を離されたので、勢い前のめりになって
テーブルに両手をついた。
すぐさま亀井ちゃんが横に来て、テーブルに肘を突いてあたしの顔を
覗き込んでくる。

「………」
「………」

「…しげみとか、亀井ちゃんとか、どうしてあたしのことを好いて
 くれんのかようわからん」
「あたしなんて、って思ってる?」
「そりゃあ、思うわ」
「さゆは歌もダンスも上手いし可愛いって言ってたよ」
「そんな馬鹿な。見る目ない」
「それはさゆに失礼だよ」
「……そうやね」

けどだけどそれでもどうしても。
人と比べて卑屈になってしまうのはあたしの性なんや。
95 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/16(月) 23:27
>>88 名無飼育さま

どうもです。はい続編です。亜弥高スベりましたね(笑)
一時期本気でシゲ高に浮気しかけたのですが(だから続編にも名前だけ出てます)
やっぱり亀高で頑張りますです。
96 名前:88 投稿日:2004/02/17(火) 09:40
更新乙です。
2人の雰囲気にぐいぐい引き込まれます。
ややシリアス向きでしょうか。

亜弥高・・・レスつけてませんでしたが
かなり楽しく読ませていただきました。
97 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/17(火) 14:07
急に時間ができちゃったから亀高最後までアップしちゃうぞスタート。
98 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:08
下から覗き込んだその、伏せたまま逸らした目線に真相を知る。

「…たかぁしさんは自分を過小評価しすぎてるんだ」
「なんも、見てのとおり小さい人間ですわ」
「もっと自分に自信持ってもいいのに。今じゃ立派に
 センターで歌ってるんだから」
「もっと時間かけて少しずつ上を目指したかった」
「実力が評価されてるんだよ?
 ……私だって、前に出て当然だと思」「にしても早過ぎやって」

人の言葉遮るほどに不満らしい。
贅沢な悩みだとは思うけど、その目が真剣なだけにフォローの
言葉が思い浮かばなかった。

「いっそ隣に亀井ちゃんいてくれたらと思うことがたまにある」
「今の私じゃ足手まといにしかならない。それこそ経験が足りない」



     ほやけど、安心するし心強いんやって。



………そんなことを言われたら。セクハラじゃ済まされないことを
してしまうよ?
99 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:08
私は改めて書置きを見た。

お母様、彼女はなかなかどうして私のことを離してくれそうに無いので。
しばらくの間、できれば一生、傍に居させていただいても宜しいでしょうか?
………恐縮です。

「なあ、戻ろう。麦茶入れたで」
「あ、うん」

心の中で書置きに一礼してからたかぁしさんの部屋に戻る。

もうすっかり麦茶の味がわからなくなっていた。
半分くらい飲むまでに取り留めの無い会話をしていたような気がするけど
記憶に無い。
ふと気付いたらたかぁしさんは自分のベッドにごろりと横になって寛いでいた。
ならばと私もそのベッドの横を背もたれにして座り込んだ。

「ふぁ〜、なーごーむー」

気楽なものです。
ここは一つ、ふっかけてやりましょうか。

「たかぁしさん、私もう、奪うのは嫌だな」
「………あたしから与えろと仰る?」
「自分で考えて」
100 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:09
「…女同士は不毛やで」
「男同士だって同じでしょう」
「ほやけどやっぱ大事なもんは取っといたほうが」
「大事なものは大事な人にあげるものです」
「………大事?」
「大事」

ああ、麦茶が足りない。中の氷をカラカラ言わせたら。

「あたしあんまり飲んでないからそれ飲んでええよ」
「…ありがと」

通じたみたいだった。

「…そんな喉カラカラにしてまで与えられたいんか」
「うん」
「後悔するで。絶対」
「私はしない。たかぁしさんは?」
「ん〜…」
101 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:09
後悔しないといったら少し嘘になるが。
時間が経てば笑い飛ばせるくらいの度胸はある。
ただ、亀井ちゃんとあたしはある意味通じすぎているから。

あたしが笑い飛ばせるようになった頃、気持ち察した彼女が
無理をして本心隠して一緒に笑い飛ばすようなことになったら。

辛いやろ、いくらなんでもそれは。

「私のことより、たかぁしさんの気持ちを聞いてるんだから」

ちくしょう、こんなこともお見通しか。

「…もう知らんぞ。後悔したって謝らんからな」
「重々承知の上です」

と言いつつきっとその時になったらあたしは土下座してでも
亀井ちゃんに謝るんやろう。

「…で、どっちがどっちなん」
「背の高いほうが上」
102 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:09
「横暴や!」
「じゃあ交代制で」
「体力続かんがな」
「何も一気に二回なんて言ってない」
「あ、ほうか」
「二回するつもりだったんだ〜えろーい」
「シャラァップ!」
「えろーえろー、えろい先輩だー」

……ああもう、完全に下克上やわ。
もうええ。腹決めた。

「ほやったら、こっちおいで」
「あ、待って。これ全部飲んでから」

立場が上なのでもやっぱり緊張はするんやね。
ややあって、ベッドが深く沈んだ。二人分の重みで。

「あのな、一個約束してほしい」
「ん?」



「あんまり痛くしないで下さい」
103 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:10


「……痛かった?大丈夫?」



「へーきー。だいじょぶやった〜」

良かった。
ほんと、良かった。

「つーかこう、今までに無い脱力感が〜」
「…語尾が変に伸びてるからなんとなくわかる〜」
「おまえもじゃ〜」
「私もか〜」

変な会話だ。
けど幸せだ。このまま眠ってしまってもいい。
…そういうわけにいかないのが現実です。
いい加減服を着ておかないと風邪を引いてしまう。

「あー服、これとこれとこれと、これ、ほい」

生真面目な上に几帳面たかぁしさんが、私が動く前に
服を差し出してくれたりする。
それより先にまず自分が服を着てください。
104 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:10
「もうこんな時間やったんなあ」
「五時半」
「ちょうどいいや、おかーさん作ってくれたチャーハン食べよ」
「ごちそうさまです」

いえいえお口に合うかどうかもわかりませんが、と急に他人行儀な
やりとりをしてしまうおかしなふたり。

居間のテーブルに置き去りになっていたチャーハンは当然冷めきっていて、
かけられたラップの向こう側は湯気のせいでできた水滴がたくさん。

「こりゃあレンジでチンやね。亀井ちゃんも」
「あ、私はこのままでいい」
「え?あっためたほうがええが」
「ご飯は冷めてるほうが好き」
「そうなん?じゃああたしはチンするから先食べててええよ」

それではお先に戴きます。
105 名前:一生好きでいられる自信があった 投稿日:2004/02/17(火) 14:11
電子レンジは私の座ってる席の向こう側にあって、たかぁしさんは
レンジのスタートボタンを押した後、こちらに背を向けたままテーブルに
よしかかってずっとレンジのことを見てた。

「ああほうや、言い忘れとったけど」
「うん?」
「あたしちゃんと好きやで」






        「大好きやで、絵里」






……お母様。ご安心下さい。
一生好きでいられる自信が、たった今、つきました。


106 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/17(火) 14:19
終わりだーくそー恥ずかしいー!!
タイトルちょっと嘘ついてる〜もう手遅れですね。

>>96
飼育さまはもしかしてふ、二人いらっしゃる…?名前欄が番号のみ
だったので不安に…あぁあ…
それは置いといてシリアスから相変わらずなオチになってしまったような。
結局私はこういうのが大好きなのです。

みなさま今回はハイスピードでしたがお付き合いありがとうございました。
亀高いちおういくとこまで行った感じです。
でも私気まぐれなんでまた続くかもしれないし、別CPでもやっぱり
たかぁしさん中心は健在だと思われます。

ひとまずありがとうございました。
107 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/17(火) 14:34
……っていうか100レス超えしてら……それから某所では
紹介されてら(ありがとうございます!)
……んでもってひょっとして名前欄ブランクでみんな
「飼育さん」……?

無知っておそろしい。撤収します。
108 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/17(火) 23:19
…撤収するって言ってなかったか私。

「おかしな」と「一生」の繋がりが弱すぎたので短編で繋ぎたく
なりまして…我侭な私をお許しください。

そんな感じで亀高短編。
109 名前:クローゼットのふたり 投稿日:2004/02/17(火) 23:19
休みの日はいつも寝てることが多いって言うから、たまには
外に出てみぃって言ったら

「じゃあたかぁしさん家に行っていいですか?」

とか聞いてきたので、提案した手前快く了承したら。

うちのクローゼットの中に突き飛ばされた。

「こら、亀」
「わ〜ここも狭くていい感じだあ」
「さりげなく入ってきて扉閉めて…ぎゅうぎゅうやんか」
「いいなあ〜お気に入りに追加、っと」
「勝手なこと言うな!」
「狭くて暗くてきゅーって感じが大好きなんですよね〜」
「そんなん知っとるがな」

だからって何で私まで巻き添え食らわんといかんの。
110 名前:クローゼットのふたり 投稿日:2004/02/17(火) 23:20
「で、ぎゅー」
「ぐぇ」

こんな狭いとこでそういう拘束行為はまかり間違うと死を招く!
…流石にそこまでは言いすぎか。

「うん、これで………完璧です」
「あ〜もうなんやの、亀井さんはセクハラキャラで通っちゃっても
 いいんか?!」
「違いますよたかぁしさん、本当のセクハラっていうのは」

ほっぺたに何か当たった。うわ、冷た。
と思ったら今度は唇にやらかい感触が……唇?!

「こうやって、こうすることを言うんだよ」

やられた。またやられた。
しかもなんか舐められた。気がする。
111 名前:クローゼットのふたり 投稿日:2004/02/17(火) 23:20
「は、離せ退け!訴えてやるぅ!」
「誰に」
「………誰だろう」

いやだからそうやって丸め込まれてどうする。

「嫌だった?」
「嫌とか以前にいきなりそういうことすんな…頭真っ白んなる」
「じゃあ予め予告しておけばいいんだ」
「まあ…そこんとこよろしくたのむぜぇ。ほんといきなりって駄目」
「拒否しないところが…好かれてるって思っていいのかな」
「…嫌いやったらはったおしとる」
「そっか」

それで心なしか安心したような声色になったので。
何かあたしもほっとした。

なんやろ、なんかな、上手く言えんけど。
びっくりしただけで。
悪い気は、せんかった。うん。
112 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/17(火) 23:23
…きっと亀井さんのセクハラ行為はこれだけじゃなかったはずだ。
そしてそれに徐々にほだされていくたかぁしさんがいたはずだ。

今回は小ネタこっそり仕込んでみました。意識的に。
113 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/18(水) 12:03
業務連絡〜
亀高一区切りついたので花板のほうにお引越しして新たにモテ高を
書き綴ることに致しました。

ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/flower/1077072978/

青板でお付き合いいただいた皆様、どうもありがとうございました。
よろしければ花板のほうでもお読みいただけたら幸い至極にございます。

それでは。
114 名前:ハルヒ 投稿日:2004/02/21(土) 13:41
終わらせたもんいつまでもトップに置くわけにはいかん。
落とします。
115 名前:ハルヒ 投稿日:2004/03/19(金) 05:30
お久振りです。ハルヒです。
案内板の方で先に告知したんですが、まだ容量が沢山余ってるのでこのスレを他の方に
有効利用していただきたく思い、一旦あげてみました。
スレタイにCP名が入ってしまっているのが難ですが…いや皆さんの亀高読めるなら
逆にその方が私自身は物凄く嬉(略)…なんでもないです(笑)

その辺あんまり気にしないよ、という方はぜひこちらをお使いください。
私自身も元主として皆さんの作品が読めることを心待ちにしております。
それでは。
116 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/30(火) 23:06
こんにちは。
このスレは特別に再利用OKとのことなので
一本だけ乗っ取りで短編(中篇?)を書かせていただきます。

スレたて人であるハルヒさんの作品が好きで
自分でもこんな面白いものを書けないかなぁ……
とか意識しまがら書いたものです。
模倣作というにも中途半端でお目汚しになるかと思いますが
こういう場でUPすることをお許しくださいませ。
117 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:06
アイドル写真集の中にもいろいろあるけれど
大きくリゾート写真集と都会派写真集にわかれます。

のんびり楽しいリゾート地でそのコの、のびのびした笑顔を楽しむ。
都会の隙間に入り込む美少女を鑑賞しよう。

私の愛すべき
たかぁしさんはどちらも経験済みです。

突然、
娘。でリゾート写真集の撮影だとしたら
たかぁしさんにいろいろ教えを請いたいところです。
118 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:07
とかいう話が実現しちゃったり……。

「亀ちゃん、やっぱ砂浜やねぇ」
「砂浜だぁ」
「ぽかぽかするなぁ」
「しますねぇ」
「おお、まこっちゃん走りまわっとる」
「辻さんも元気ですねぇ」

とにかく走り回る他のメンバーを横に
わたしたちはとろけるような雰囲気に包まれている。
119 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:07
水着撮影が終わって休憩時間になったので
普段着に着替えて出て行ってみると、

誰もいない……。

「どこ行っちゃったの?」

私がとろとろしている間に
みんな遊びに行ってしまった。

一人たたずむ私。

日は傾いて暑さも緩やかになってきている。


「なんで置いてっちゃうの……」

ひどいやたかぁしさん。
休憩時間になったら手をつないで
一緒にジュース飲んで
一緒に夕日見て……

楽しみにしてたのに。
120 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:07
私は歩道の上であるにもかかわらずしゃがみ込んでしまう。

地べたに座った。

昼間のうちにほっかほかに温まったアスファルトのぬくもりが
お尻からつたわってきた。

どこかを探したらいいのかも知れないけれど
見知らぬ土地を一人で歩き回るなんて……
きっとすごくどうしようもなく寂しい。

やっぱりいて欲しいんだよ。
121 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:08
「きらいだ……」

一人ぼっちの私。

「いじわるなたかぁしさんなんてきらいだ……」

膝に顔をうずめる。

そうしていると
あれよあれよという間に泣けてきた。

涙がどんどんどんどん出てきた。

潮風。
道の向こうに広がる海。

私の気分は
そんな爽快な環境と喧嘩して
現在急下降中。
122 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:08
ほんとにどこいっちゃったのさ。
私の膝こぞうと目元が涙でぐしゃぐしゃになる前に
なんとかしなさいよ高橋!!

私の気分も精神も表情も身体も自我だって
みんなみんなたかぁしさんのものなんだから。


一緒にいてくれなきゃやだよ。


きっと通行人の視線が
うずくまっている私にガシガシ刺さっているに違いないとか
思っていながら顔を上げることができない私。

気がつくと泣きつかれて眠ってしまっていた。
123 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:08





「あーっすんませんすんません。
 このコはあっしの知り合いです!
 大丈夫やから皆さんほんますんません」

あれあれ、慌てている声がするよと思って顔を上げてみると
たかぁしさん。
通行人にペコペコと頭をさげまくるさげまくる。

そもそも日本語通じるのかわからない野次馬たちを
福井方言で必死になって追い払ってくれて
ついでに私の頭を撫でてくれた。
124 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:09
「なして泣いてたん?」
「も……ばかぁ!」

私はお尻をついたままだったのに
たかぁしさんに抱きついた

もんだから

「おわっ……」

バランス崩したたかぁしさんが
私の上に覆いかぶさった

もんだから




気がついたら2人
歩道に寝そべったまま抱き合っていたね。
125 名前:マイ・リゾート 投稿日:2004/03/30(火) 23:09
「いなくなっちゃったかと思ったんだから……」
「……ごめんな」

また野次馬が集まってきちゃうかもしれないけれど
もう知らない。

「キスしてやる!」
「わっ……待て!」

たかぁしさんは一気に立ち上がって
私の攻撃を回避した。

「冷たくするとまたいじけますよ」
「わーったから、ほら立て」
「ん……」

たかぁしさんの手につかまって私の体、
ひょいと持ち上がる。

「実はな……」

目と目が合う。

「行きたいとこがあるんや」
126 名前:116 投稿日:2004/03/30(火) 23:11
今日はここまで。
正直、こういう形で乗っ取っちゃってよかったのか?
とか不安ですが、
はじめてしまったものは最後まで完結させてみようかと
思っています。
127 名前:ハルヒ 投稿日:2004/03/30(火) 23:49
ちゃんと(という言い方はおかしいですが)拝読させていただきました。
続くんですね!っていうか「たかぁしさん」ってデフォルトなんですね!(笑)
続けてて良かった。私ほんとに幸せ者です。
今後楽しみにしています〜
128 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/31(水) 17:43
どうでも良いが、放棄するなら放棄すると宣言して板を放置するのが1番の良策なのにな
いちいち人にスレを任せようとする考えが分からん
129 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/31(水) 17:44
つーわけで落とす
130 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/31(水) 22:48
ほのぼのでしょうか
いい感じ
これからが気になります
131 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/31(水) 23:47
>>128-129
まずはご忠告ありがとうございます。
私の行動は、身勝手の典型であったこと、反省しています。
何より、もっとも申し訳ないのはここで作品を発表してくださった
方に対してですね、大変申し訳ありませんでした。
あまりダラダラと書きつづけるとまた波紋を呼ぶ結果になりかねませんので、
心からの謝罪、それから、これまでの自分を悔い改めるよう努めます。
ディスプレイの向こう側では見ている方が沢山いるのだということを
常に意識するよう心がけます。

お騒がせ致しました。
132 名前:ハルヒ 投稿日:2004/03/31(水) 23:50
名前入れ忘れはマジボケです…131ハルヒでした。
133 名前:現行作者 投稿日:2004/04/15(木) 21:16
いろいろ考えましたが、放棄するのもあれなので
責任持ってコテハンで自スレを立てました。

紫板
トータル・タートル
http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/purple/1082030906/

お騒がせしまして申し訳ありませんでした。
新スレの方でもよろしくおねがいします。
134 名前:名無しさん 投稿日:2004/05/09(日) 12:59

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