レクイエム
- 1 名前:ロケットボーイ 投稿日:2004/02/01(日) 13:56
- 同じ板で野球小説を書かせてもらっています
更新がちょっと詰まっているので気分転換の意味で新しいものを書きたいと思います
ジャンルは全然違いますが・・・
もちろん、野球の方も思いついたら続けていきますが
- 2 名前:Hitomi's 投稿日:2004/02/01(日) 13:58
-
ここはどこだ?
まだ意識が朦朧とする中、吉澤は目を開けて周りを見渡すと、薄暗い学校の教室のような部屋の中で何人もの自分の知り合いの顔を見つけた。
外はまだ夜明け前のようだ。
ここはどこだ?
吉澤はもう一度問いかけるが、もちろん返事は返ってこない。
ようやくはっきりし始めた意識の中でもう一度状況を確認する。
今この教室の中には24個の机といすがあり、その全て(吉澤自身が座っているのを含め)が埋まっている。
その24個の机といすは横4列縦6列できれいに並んでいる。
吉澤の席はドア側の一番後ろの隅のようだ。
吉澤のすぐ右にはドアがある。
試しにそのドアを開けようとするが、予想していた通り固く閉ざされている。
仕方なく、周りに座っているのが誰なのか確認しようとする。
- 3 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:42
- 前の席は・・・これはすぐ分かった。
この小ささ、そして金髪、娘。に入ったばかりのとき、教育係として優しく、そして時には厳しく接してくれた矢口さんだ。
起こそうかと思ったが、思ったよりも矢口さんの席と距離があったので、座ったままだと届かない様だ。
もちろん立って起こしに行ってもいいが、なぜか嫌な感じがしたので、立つのはやめ、座ったままでも手が届きそうな隣の席に座っている人の方を見た。
はじめは誰だか分からなかったが、よく見るうちにようやく気づいたので、手を伸ばして、肩をゆすって見た。
「ほえ?」
どうやら起きたみたいだ。
- 4 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:43
- 彼女はこんな状況にもかかわらず、マイペースに両手を大きく上げて伸びをした後、ようやく周りの雰囲気がいつもと違う事に気づいたらしく、頭に?を浮かべている様だ。
吉澤が肩をたたくと、それに反応してそちらに振り向いた。
「あ、よっすぃ〜。おはよ」
「・・・おはよう、ってかこの状況でおはようってのも・・・もっと他に言う事無いの?亜弥ちゃん」
彼女、松浦亜弥はその言葉であまりに不自然なこの状況を理解したらしく、吉澤が最初に思った疑問をやっと口にした。
「そういやあ、そうだね〜。ここどこなの?」
ようやく自分と同じ疑問を口にしたことにホッとしたが、松浦が口にした次の疑問にはハッとさせられた。
- 5 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:44
- 「それによっすぃ〜が首にしてる首輪みたいなの、何かのお洒落?」
驚いて、吉澤が自分の首を触って見ると、松浦の言ったとおり首輪のようなものがかけられている。
そこで、吉澤は何かに気づいたかのごとく顔を上げ、松浦のほうを見ると、思ったとおり松浦にもその首輪はかかっていた。
「亜弥ちゃんにも同じやつがかけられてるよ」
「え!?・・・あ、ホントだあ。ダッサ〜い、やだなあ」
今度は松浦が驚く番だが、松浦のほうはそうつぶやいただけで、何も気づく様子が無い。
それどころか、そのダサいといった首輪を外そうとしている様だ。
「ちょっと待って!亜弥ちゃん」
「なんで?」
- 6 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:45
- 「亜弥ちゃん、これと同じような状況、テレビか映画で見た事無い!?この薄暗い教室に全員にはめられたその首輪」
松浦は吉澤の言葉に首輪を外そうとするのをやめて、考え込んだ様子を見せたが、すぐに何か思い出したかのようにハッと吉澤に顔を向け、小さな声でつぶやく。
「・・・バトル・ロワイヤル?」
「正解!!!」
突然、その大きな声と共に勢いよく教室の前側のドアが開かれた。
二人が驚いてそちらを見つめる中、悠然と入ってきたのは銃を持った兵士二人を引き連れたつんくさんだった。
「なんや、吉澤と松浦だけしかまだ起きてへんのか。オイ!」
つんくさんが右の兵士に合図を送ると、その兵士は銃を天井に向け発砲した。
- 7 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:46
-
ドン!!!
その音でほとんどが目を覚ましたらしく、もぞもぞと動き出す。
みんな、今の状況を理解できず、戸惑っている様だ。
前後や隣に知り合いを見つけては、何か話しているようで、ざわめきが大きくなっていく。
つんくさんがもう一度合図を送る。
今度は左の兵士が天井に向かって発砲する。
ドン!!!
「静かにしろ!!!」
つんくさんの怒声にざわめきが収まっていく。
吉澤は左手に違和感を感じたので、そちらに向くと、松浦が両手で吉澤の左手を包み込むように握り締めていた。
吉澤自身も松浦の手の温もりによって、心を落ち着かせていた。
- 8 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:48
-
「あの・・・つんくさん、一体これはどういうことなんですか?」
現娘。のリーダーである飯田がおずおずとつんくに質問してきた。
「ちょっと待て、飯田。きちんと説明したるから。松浦、さっき言ってた事をもう一度言ってみい」
つんくさんの突然の指名に、松浦の体がこわばるのを吉澤は左手を通して感じ取っていた。
「聞こえんかったか?松浦!」
つんくさんの左側の兵士が銃を松浦のほうへ向ける。
松浦は動揺し、声を震わせながらも、なんとかつんくさんの質問に答えた。
「バトル・・・ロワイヤル」
- 9 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:49
- 「その通りや」
つんくさんが合図を送り、兵士が銃を下ろす。
松浦の答えを聞き、またざわめきが起こり出す。
「黙れ!」
そのざわめきもつんくの声で再び静まっていく。
「そう、松浦の言う通り、バトル・ロワイヤルや。何人かは気づいとるみたいやけど、お前らのしとる首輪ももちろん本物やで。無理に外そうとすると暴発するからな」
首輪に気づいてなかったほとんどの人間は、一斉に自分たちの首を触り、確認すると落胆した様子ですぐに首輪を触るのをやめる。
つんくさんの表情や二人の兵士の様子から、これが冗談ではないのだと気づいた様だ。
- 10 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:52
- 「ただ一つ言っておくのは、これからお前らにやってもらうのは殺し合いじゃない、戦争だ」
「それって・・・」
誰かが思わずつぶやいた。
他の何人かもつんくさんの言葉が意図する事に気づいた様だ。
つんくさんはその声にうなずき、答えた。
「そう、これから始まるのはバトル・ロワイヤルはバトル・ロワイヤルでも、Uの方だ。」
- 11 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:56
- 「もう少し具体的に説明したるわ。
今、この部屋には俺とこの兵士二人以外、24人が席についている。
娘。の十四人、メロン記念日の四人、カントリーの三人、ココナッツの二人、それと松浦や。
ちなみに席順は出席番号、つまりあいうえお順に窓側の前の席から並んどる。
そして、Uの映画やビデオ、もしくは本を読んだやつは知ってると思うが、勝手にこっちの方で運命共同体となるパートナーを決めさせてもらった。
パートナーが死ぬとその後一分以内に自分も死ぬっちゅうことや。
面倒くさいけん、出席番号で決めさせてもらったわ。
出席番号が前、もしくは後ろのやつがお前らのパートナーや。
つまり、一番と二番、三番と四番といった具合や。
変更は一切受けつけんからな、運命やと思ってあきらめな」
- 12 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/01(日) 14:56
- ってことはうちは矢口さんか・・・
吉澤がそう考えたのと同時に、矢口の方も吉澤のほうを向く。
「よかった・・・よっすぃ〜で」
矢口の言葉に吉澤も賛成だった。
他のみんなもパートナーを確認しては、仲がいい相手だったことに安堵したり、逆に今まで全く話したことが無い相手がパートナーになり、気まずくなっている所もあった。
亜弥ちゃんは誰とかな?
いまだに吉澤の左手を握り締めている松浦のほうを見ると、かなり安堵してるようだ。
それもそのはず、松浦のパートナーは、彼女の大親友である藤本美貴だったから・・・
- 13 名前:ロケットボーイ 投稿日:2004/02/01(日) 14:58
- 中途半端ですが今日はここまでで
感想その他お待ちしています
- 14 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/03(火) 08:36
- 藤本は吉澤の視線に気づき、そちらを向き、微笑んだ。
この一年ちょっとで、ごっちん、あいぼんの次ぐらいに仲良くなった親友のその微笑にホッとし、少し余裕ができた吉澤は周りを眺め、他はどんな組になったのか確認した。
まず、一番のあさみちゃんと二番のアヤカちゃん
以外と仲良さそう、アヤカちゃんも安堵してるみたい。
三番のカオリンと四番の梨華ちゃん
かなり接点はあるはずなんだけど、あまり仲良くしてるのは見た事無いなあ。
二人とも大丈夫かな?
五番の大谷さんと六番の麻琴
なんか気まずそう・・・
七番のあいぼんと八番のメイ(亀井)さん
比較的仲良さそうだよなあ。
- 15 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/03(火) 08:37
- 九番の紺ちゃんと十番のボス(斎藤)
意外な組み合わせだなあ。
十一番のまいちゃん(里田)と十二番の柴ちゃん
まいちゃん、よかったね、仲良さそうな相手で。
十三番の高橋と十四番の田中
一緒にいるとこは結構見るけど・・・
十五番のののと十六番のお豆さん
仲はいいんだけど、ちょっと不安な組み合わせだなあ。
十七番のミキティーと十八番の亜弥ちゃん
文句無し
十九番のみうなちゃんと二十番のミカちゃん
ちょっと気まずそう。
- 16 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/03(火) 08:38
- 二十一番の重さん(道重)と二十二番の村田さん
一、二を争う気まずさ・・・
そして、二十三番の矢口さんと二十四番のうちか・・・
そんな事を考えていると、再びつんくさんがしゃべり出した。
「もうパートナーの確認はええか?
じゃあ早速これからお前らがやる事について話すぞ。
今俺らがいるとこは、ある廃校の教室の一つだ。
この廃校を出て、西にまっすぐ行くと川辺に出る。
その川を四人ずつボートで渡ってもらう。
対岸に着いたらもうそこからは戦場や。
目標は西洋風の城やで。
多分、すぐに分かると思うわ。
- 17 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/02/03(火) 08:41
- 敵は原作に従って七人、七人全員の死亡が確認できたら生き残っとる全員の首輪が外れるようになっとる。
ただし、敵のほうはお前らより一日早く連れてきとるから、トラップやらいろいろ仕掛けとるかもしれんで。
もちろん、逃亡したりするのは無駄やで。
確認しだい、首輪を爆破させてもらう。
まあ気いつけてや」
さすがに話が具体的になってくると皆真剣に聞いている。
さらに、何人かの目には覚悟の色までも見える。
そして、つんくさんはみんな一人一人の顔を見回した後、口を開いた。
「後のことは川辺で話すわ。さあ、出発するで。
出席番号順に後から付いてきな」
エゴかもしれないが、知り合いと殺し合うよりは他人と戦争する方がマシだと思った。
もちろん恐怖はある。
相手がどんな奴らなのかということにはつんくさんは全く触れなかった。
もう後戻りはできない、相手が誰でも殺さなければ助からない・・・
- 18 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/04(水) 01:24
- 面白そう、期待してます!!
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/06(金) 16:53
- メンバーを名前の順で組み合わせて、って面白そうですね。
自分も期待してます。がんばって
- 20 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/08/01(日) 15:24
- 吉澤たちが廃校に連れてこられる1日前、同じように眠ってるうちに西洋風の城に連れてこられた七人がいた。
「んあ〜?」
最初に目覚めたのは意外にも後藤だった。
「ここどこ〜?」
周りを見渡すと、後藤と同じように机に座らされてまだ夢の中にいる六人が見えた。
そのうちの五人は後藤自身よく知る人たちであった。
「後藤の左にいるのが裕ちゃんだよね〜。右が圭ちゃん、斜め後ろがなっち?前は彩っぺ、右前はいちーちゃんじゃん!ってことは左前は会ったことないけど福田さんかな」
目覚めてばかりの覚醒しきれてないごとーの頭でもこの七人の共通点は分かる。もちろん、モーニング娘。を卒業したという点だ。
分からないのはなぜここにごとーたちがいるのか、ってことだ。
- 21 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/08/01(日) 15:25
- その後藤の疑問はすぐに解けることとなる。
突然ガチャッと市井が眠ってる机のすぐ近くにあるドアが開けられて、つんくが入ってきた。
「ん?後藤が1番の早起きなんて珍しいこともあるもんや。ほな、他のやつらも起こさなあかんな」
そう言って、後藤が疑問を投げかけるよりも先につんくは再びドアを開けて手招きした。すると、銃を持った一人の兵士が入ってきた。その兵士は銃を天井に向け、引き金を引いた。
ドン!!!
その音で後藤以外の六人も起きたようだ。しかし、自分たちの身にいったい何が起きてるのか先に、目覚めていた後藤すら理解できてなかった。
「は〜い、注目!お前らに集まってもらったのは他でもない、バトル・ロワイヤルって知ってるか?」
七人がそれぞれに不思議そうな顔を浮かべる。無理もない、いきなりバトル・ロワイヤルのことを聞かれても混乱するだけだ。
しかし何とか全員がかすかにうなずくのを確認したつんくはこれからのことについて説明を始めた。
- 22 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/08/01(日) 15:26
- ・明日正午より戦争を開始する
・戦場はこの島全体である。もちろん篭城策もOK
・敵は二十四人。
・ただしこちらの七人のほうには豊富な武器を用意してある。
・さらに敵より一日のアドバンテージがあるのでトラップを仕掛けることも可能。
・敵を全滅させれば勝利。
・勝利すれば今まで以上の生活を送ることができる。
つんくが説明したのは大体以上のようなことだ。
説明し終えるとすぐにつんくは退室し、七人だけが室内に残された。
- 23 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/08/01(日) 15:26
- しばらく沈黙が続いたが、それを破ったのは元リーダーの中澤裕子だった。
「と、とりあえず、つんくさん……本気みたいやったなあ」
それに続いたのが安倍と後藤だった。
「ってことはやっぱりなっちたちは明日来る二十四人の敵を殺さないといけないんだ……」
「何でごとーたちがそんな目にあわなくちゃいけないの」
「何でこんな目にあってるのか考えるよりも、どうやったら敵を倒せるのか考えるべきじゃない?」
福田の一言にまたしばらく七人を沈黙が襲う。
しかし、それはただの沈黙ではなく、七人全員が決意を固めるための有意義な沈黙だった。
五分後、七人は自然と円陣の形に集まっていた。
代表して中澤が掛け声をかける。
- 24 名前:第一話 戦争開始 投稿日:2004/08/01(日) 15:27
- 「絶対七人全員そろって元の暮らしに戻ろうな」
「うん、ごとーもよっすぃ〜やあいぼんとまた会いたいよ」
「そやな、そんじゃあ、がんばっていきま〜っ」
「「「「「しょいっ!!!!!」」」」」
「ちょっと明日香も彩っぺもちゃんと言ってよね」
「え?ああ、ごめん圭ちゃん」
「じゃあ裕ちゃん、もう一回」
「おっしゃ〜!がんばっていきま〜っ」
「「「「「「「しょいっ!!!!!!!」」」」」」」
そして一晩かけて七人は島のあちこちにトラップを仕掛けまわり、それが終わったころにはもう戦争開始の正午が近づいていた……
- 25 名前:ロケットボーイ 投稿日:2004/08/01(日) 15:28
- ホントに今さらな感じはしますが……
とりあえず夏休みに入れば少しは進むと思います。
- 26 名前:レオ 投稿日:2004/08/16(月) 05:27
- 初めまして!
何か面白そうですネ。
どうなるのか楽しみにしてマス。。。
- 27 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/31(日) 18:13
- 続きが気になる。
- 28 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/01(月) 13:08
- 面白いんで頑張ってください
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