手強い味方

1 名前:jima 投稿日:2004/02/03(火) 00:09
矢口メインで他のメンバーもちょいちょい出てきます。
相手となる人物は決まっていますが、長編・短編になるか等は決まっていません。
初めて書くので至らない点もあると思いますがよろしくお願いします。
2 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/03(火) 00:40
「矢口さん、おはようございま〜す」
「おはよー、石川」
何気ない挨拶をしながらふと思う。
おいらが石川の事を話す時って「石川」と「梨華ちゃん」の
2パターンあるなぁ。よっすぃーとかはそんな事ないのに。

ぶっちゃけ敬語って嫌い。こういう世界じゃ礼儀が
大切なのは解るけど、楽屋にいる時とか仕事以外の時は
普通に話しかけてきてほしい。二人っきりの時・・・・とか。
3 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/03(火) 02:42
「矢口さん?」
石川が心配そうに覗きこむ。
「えっ?あ、な、何?」
「ハロモニの台本置いときますね。
ところで、何考えてたんですか?」
「いやぁ、別に」
石川の事考えてたなんてとても言えないよ。


「はーい、それじゃ本番いきまーす」
「見事咲くのが恋ならば?」「パッと散るのも恋の道!」
「第一回ハロモニ。ベストカップルコンテストー!」

「えー、それでは司会のなっちから説明させてもらいます。
事前に『メンバーの中で彼氏にするなら誰?』
というアンケートを取っています。その中で名前が
多く出た3人の名前を呼ぶので前に出てきてくださーい」

彼氏か〜。おいらは無いとしてよっすぃー、藤本、
・・・あとは誰だろう?かおり辺りかな〜?

「・・さん。矢口さ〜ん。」
「あ、何?なっち。もう呼び終わったの?」
「何言ってんのさ。矢口が最後の一人だべ」
・・・え?えええええええ!?おいら?何で?どうして?
「矢口さん、さっきもボーッとしてたんですよ〜」
「あら〜、梨華ちゃんは矢口の事をよく見てますね〜。
ひょっとして矢口に入れたんですか?」
「ひ・み・つ」
おいらがうろたえてる間にもどんどん番組は進行していく。
「この三人の誰かと回答した人はその人の所へ、
それ以外の人はこの三人から選んでください。では移動開始!」
おいらはお立ち台の上からメンバーを見渡す。
この中で何人の物好きがおいらって答えたんだろう・・・。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/03(火) 03:31
矢口主役!!
しかもモテヤグ?
むっちゃ楽しみにしてます。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/03(火) 07:52
今ミキヤグが熱い!
とひそかな願望を言いつつ
どんなCPか楽しみにしてます
6 名前:名無し? 投稿日:2004/02/03(火) 17:04
やぐりか発見!?
自分はやぐりかが好きなんで、期待して待ってます(*^_^)
7 名前:jima 投稿日:2004/02/03(火) 19:14
>>4.5.6さん、レスありがとうございます!
正直反応があると思ってなかったので嬉しいです。

>>4さん
モテヤグと言えるかどうか解りませんが、
2〜3人を予定しています。期待せずに待っててください(笑)
>>5さん
最近ミキヤグ多いですからね。
ラジオのゲストとかほとんど一緒ですし。ところでCPとは?
>>6さん
こちらは最近見かけなくなっちゃいましたね。
ANNS最終回やROMANSが懐かしい・・・。

それでは、続きをお楽しみに。
8 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/03(火) 22:50
「はい、そこまでー」
なっちの声でBGMが止まる。どれどれ、誰がいるのかな?
やっぱり一番前に石川が満面の笑みで立ってる。
少しは予想裏切れよ・・・。あれ、なんか妙におっきい人が?
ひょっとして・・・かおり?
ん〜、これはこれで全っ然読めない。なんだかんだ言っても
付き合い長いからかなぁ?
ていうか、おいら二人だけ!?なんかさみしいなぁ・・・。
他の二人の所はどうなんだろう?
ちょっと気になって左を向いてみる。

よっすぃーは・・・あ〜、やっぱ小川がいるな〜。
それと高橋、辻ちゃん、ガキさんか。
藤本のとこは紺野、亀井、田中、道重・・・って偏り過ぎだろ!
カントリーと六期全員じゃん。えーと、これで十三人・・・
あれ?加護ちゃんは?今日は風邪ひいてないはずだけど?
とか考えてると、誰かにふいに肩をたたかれた。
「ん?」
「チュッ」
「!!」
振り向いた私の唇にもう一つの唇が触れる。
誰?一瞬考えたけど、犯人はすぐに解った。あの子しかいない。
「もー、加護ちゃん!」
「えへへ〜。矢口さんってやらかいんですね」
無邪気に笑いながら、かおりの後ろに隠れるように並ぶ。
じゃあおいらは三人か。・・・っていうか、これって?
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/04(水) 20:32
これって…?
気になる。。。
10 名前:jima 投稿日:2004/02/04(水) 22:27
う〜ん、更新ってどのくらいのペースですればいいんですかね?
思い付く限りでいいのなら一気に終わりまで書きたいのですが、
結末が2パターンあるので反応を見ながらの方がいいのかも。
どっちにしてもまだ分岐は先ですが・・・。

>>9さん
多分予想通りだと思います(笑)
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/04(水) 22:50
更新は基本的に作者さんの自由かと
読者としては一気に更新されると嬉しいですが

ちなみにCPとはカップリングの事
12 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/04(水) 23:40
これって・・・タンポポだ。多分他のみんなもそう思ってる。
でも言葉にしちゃいけない。
だって今のタンポポはこの四人じゃないから。なのに・・・。
「あれ〜、この組み合わせってタンポポじゃないですか〜?」

おいらの目の前にいるあの子が禁句を口にした。
スタジオの空気が一瞬にして凍り付く。
新垣と紺野に視線を向ける。・・・・・・下を向いてる。
石川を叱っても何の解決にもならない。
どうしよう。言葉がみつからない。・・・その時。
「ここはカントリーだもんね〜、あさ美ちゃん」
「・・・そ、そうだよね〜、美貴ちゃん」
意外な所から助け舟は来た。
「よっすぃーの所はダブルモニだよね〜?」
「あ〜、そういえばそうだね〜。私と麻琴がプッチで・・・」
「愛ちゃんとののがミニモニ。れす。矢口さんは仲間外れれす」
「そーゆー事言わないでよ、辻ちゃ〜ん」
「私どっちでもないんですけど!?」
空気が元に戻っていく。助かった〜。
さすが藤本、根っからのツッコミ体質!

それから何事も無く、収録は無事に終わった。
結果はと言うと、よっすぃーは予想通りに小川、
藤本は意外にも道重、おいらはなぜかかおり。
なっちいわく「意外性があるから」・・・なんだかなぁ。
楽屋にいく途中の廊下で、よっすぃーが話しかけてきた。
「矢口さ〜ん、ちょっと質問していいですか?」
「なーに?よっすぃー」
「矢口さんって、高橋の事なんて呼びますか?」
「普通に『高橋』だけど?おいらが『愛ちゃん』って呼ぶのも
なんか変だし・・・。それに亀井も『絵里ちゃん』、
田中も『れいなちゃん』って呼ばなきゃだめになるじゃん?
小川はまこっちゃん、紺野はこんこん、新垣はガキさん、
道重はシゲさんって呼ぶ事もあるけど。
ところで、なんでこんな質問したの?」
「え?いや、なんとなく。それじゃ!」
軽やかにスキップをしながらよっすぃーは遠ざかっていった。
「やっぱかおりと同じくらい解んないなあ・・・」思わず呟く。
・・・そしておいらは、あの子がいる楽屋へと向かった。
13 名前:jima 投稿日:2004/02/05(木) 22:14
とりあえずここまでは一本道です。
ここからストーリーが二つに分岐するのですが・・・。

どちらのストーリーにも鍵があります。
一つ目の方は「一人の後輩」「スタッフの勘違い」、
二つ目の方は「携帯電話」「忘れないと引きずるの違い」です。
まずは一つ目の流れで進めてみたいと思います。

>>11さん
解りました。出来るだけそうしたいと思います。
あとCPですが、seekの掲示板一覧に載ってましたm(_ _)m
14 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/06(金) 01:59
ハロモニ劇場で一緒だったから、まだ楽屋にいるはず。
何を話そう。それさえも浮かんでこない。
でも顔を見れば言葉が出てきそうな気がする。
あの子の・・・石川の。

「あの・・・矢口さん・・・ちょっといいですか・・・?」
「ん?何、紺野?」
「相談があるんですけど・・・・・・」
(後にして)そう言おうとして振り返った。けど言えなかった。
消え入りそうな声とはうらはらに、
その瞳はおいらに何かを訴えかけていた。−−−断れない。
「うん、いいよ。でもここじゃなんだし、楽屋入りな」
「はい・・・」
おいらは、行くはずだった楽屋の隣のドアを開けた。

五六期の楽屋は、思ってたより全然きれいだった。
「へ〜、うちらの楽屋よりきれいじゃ・・・」
言葉が終わらないうちに抱きつかれた。
「こ、紺野!?」
「うっ・・矢口さ・・・矢口さん・・・」
紺野が泣いてる。たとえ声が聴こえなくても解るくらい、
さざ波みたいに体をふるわせて。
「紺野ぉ〜、泣いてちゃ解んないよ〜。
ちゃんと聞くからとりあえず座ろ?」
「うっ・・・は・・はい・・・」
まだ泣き止まない紺野をなだめて座らせる。
「で、何なの?相談って」
「・・・・・・・・・んか」
「え?」
「わたしじゃ矢口さんの代わりにはなれませんか?
こんなに一生懸命頑張ってるのに・・・」
紺野がおいらの代わり?それってどういう意味?
「前のタンポポの中で・・・石川さんだけ残って・・・
柴田さんが飯田さんの、
理沙ちゃんが加護さんの役割を受け継いで・・・
でも・・・わたしだけが・・・・・・っ」
そう言うと紺野はまた泣き出してしまった。
15 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/06(金) 22:19
泣いてる紺野を見てると、なんかほっとけない気持ちになる。
・・・似ているから。
一番はじめのタンポポにいた頃の自分と。
ひとりだけ二期メンバーから選ばれて。
先輩との実力の差を見せつけられて。
辛くても同期の二人には相談できなくて。
なにもかも自分だけで抱えこんで、
大好きな歌さえ嫌いになりかけてた・・・・・・
そんな、あの頃のわたしに。

「ねえ、紺野。明日香の事知ってる?」
「明日香・・・福田さんの事ですか・・・?」
「うん。初めてモーニング娘。を卒業した子。
初めて仲良くなれたのもあの子だったな〜」
「・・・はあ」
「それで、その後にごっつぁんが入ってきたの。
とてもおいらより年下には見えなかったんだから」
「・・・」
「あのね、紺野。明日香が抜けた後に入ってきたからって、
おいら達はごっつぁんの事を明日香の代わりなんて
思わなかったよ。ごっつぁん自身も
そんなふうに考えてなかったと思う」
「・・・はい」
「だから紺野もおいらの代わりなんかじゃなくて、
紺野が表現したいタンポポを見せればいいんじゃない?」
「はい・・・解りました!」
「よっし、じゃ取っておきのおまじない。目、閉じて」
「こう・・・ですか?」
「チュッ」
「!!・・・・・・矢口・・さん?」
「これはね、おいらの事を好きでいてくれる先輩が
よくしてくれるんだ。けど紺野は藤本だったよね?
おいらのキスは迷惑だったかな〜?」
「い、いえ・・・そんな事・・ないです!!」
「そ、そんなに否定しなくてもいいよ〜。
おいらそれくらいじゃ怒んないから。そんくらい元気なら、
もう大丈夫みたいだね」
「えっ?あ・・・はい」
「じゃ、明日もお仕事がんばっていきまっしょいっ!」

・・・パタン。
紺野は紺野で悩んでるんだなぁ。
あれ?おいら、何しようとしてたんだっけ?
あっ!石川と話しようと思ってたんだ!
急いで隣の部屋のドアを開ける。そこには誰の姿もなかった。
・・・そして、おいらと石川の世界が少しずつずれていった。


−−−隣の楽屋。うつむいたまま、紺野がつぶやく。
「迷惑なんかじゃ・・・今日だって・・・ほんとは・・・」
16 名前:jima 投稿日:2004/02/06(金) 22:38
・・・という事で、かなり珍しいCPです。とは言っても、
これで落ち着いてしまうわけではありません。
一応サイドストーリーというか、もう一つの話での
矢口の心境の違いを出す為といった意味合いが強いです。

あと、一応これは「事実を元にしたフィクション」なので、
細かいツッコミは勘弁してください(^^;
(『楽屋は全員一緒のはずだ』とか)
17 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/07(土) 16:05
どうなるのか全く予想がつきません!!
まさかそう来たか!?って感じです。
18 名前:jima 投稿日:2004/02/07(土) 17:39
>>17さん
確かに紺野は意外だったと思います。
書いてる本人でさえそう思いますから(笑)
でも紺野はもう少し話に絡んでくる予定です。

ちょっと言い訳っぽくなっちゃいますが、
某家庭用ゲーム機で書き込んでる為に
ハートマークが出ないんです(T-T)
>>3の石川の「ひ・み・つ」の後とかに付けたいんですけどね。
そこら辺はみなさんが感情移入して読んでくださいm(_ _)m
(何人の方が読んでくださっているか解りませんが)
なお、土曜日は更新できませんm(_ _)m
19 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/09(月) 02:01
それからのモーニング娘。は、さくらとおとめの活動が
メインになっていった。たまに違う組の子と一緒になるけど
バラエティへの単発出演とかだし、同じ組み合わせって事は
ほとんど無いからあんまり距離がちぢまったりはしない。
−−−たった一人を除いて。

「今夜のゲストは矢口真里さんと藤本美貴さんで〜す」
「こんばんはー」
「よろしくおねがいしまーす」
いつの頃からか、おいらと藤本のコンビが
娘。がゲスト出演する時の定番になっていた。
もっとも、おいらは誰かと組んで出る事がほとんどだ。
ただ、なんで藤本なんだろう?って疑問はある。
どっちも娘。の中ではツッコミだから
役割かぶってると思うんだけど・・・。


「今夜のゲストは矢口真里さんと藤本美貴さんでした。
ありがとうございました〜」
「ありがとうございましたー」
「さようならー」
一人の時はカンだりしたらテンパっちゃうけど、
今日は藤本のフォローですごいテンポよくしゃべれた気がする。
「それじゃ藤本、明日の仕事もがんばってね〜」
「え?矢口さんなに言ってるんですか?」
「いや、だっておいらはさくら組じゃん」
「そうじゃなくて、明日の仕事はキダムの宣伝ですよ?」
「え?そ、そうだっけ?」
あわててスケジュール帳に目を通す。
そこには「14:30〜トーク番組収録」と大きく書かれていた。
「ほ、ほんとだ・・・」
「も〜、こんなにおっきく書いて忘れないでくださいよ〜」
藤本が覗き込みながら容赦ないツッコミを浴びせてくる。
一応おいらは先輩なんだけど、まったく遠慮が無い。
納得いかない事があったらマネージャーやスタッフさんにも
納得いくまで質問するっていうのは本当だな・・・。

「ごめんごめん。じゃ、また明日ね」
「それじゃ、おやすみなさ〜い」
そんなあいさつを交わして、おいらと藤本は別れた。
「明日は初めて出る番組だからなぁ・・・
あくびとかしないように帰ってねよっと」
「おいらは携帯の電源を切り、帰り道を急いだ。
20 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/13(金) 01:26
昨日よく眠れたおかげか、いつもより早くスタジオに着いた。
「ひょっとしたらおいらが一番乗りかも・・・」
ちょっと期待しながら、楽屋のドアを開ける。・・・甘かった。

楽屋には、すでに着替えを済ませた藤本が座っていた。
「あ、矢口さん。おはようございます」
「あー、おはよー。一瞬遅刻したかと思っちゃったよ〜」
「大丈夫ですよ。まだあさ美ちゃん来てないし」
「え?今日は二人じゃないんだっけ?」
「違いますよ〜。ひょっとしてまだ寝ぼけてます?」
藤本がおいらの顔を覗き込む。息遣いが聞こえるくらい近く。
「・・・何?」
「矢口さんって小っちゃくってかわいいですね〜。
あさ美ちゃんが好きになるのも解りますよ」
「えっ!?だって紺野は藤本じゃないの?」
「ハロモニのあれですか?あれって最初は
『恋人にしたいのは?』って質問だったんですよ。
わたしとあさ美ちゃんだけカントリーで別だったから、
先にアンケート用紙もらったんです」
「・・・うん」
「でもその後の会議で、ADさんが『彼氏』って
勘違いしちゃって。それで他のメンバーへの質問が
『彼氏にしたいのは?』になっちゃったんです」

そうだったのか・・・。
って事はあの時のキスって誤解されちゃってるかも!?
一応おまじないって言ってあるけど、
けっこう紺野って思い込み激しいとこあるからなぁ・・・。
なんか急に顔合わせづらくなっちゃったよぉ・・・。
21 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/13(金) 02:05
「あっ!そういえば矢口さん、
なんであさ美ちゃんとキスしたんですか!?」
「えっ!?いや、あれはその、おまじないが、裕ちゃんに・・・
って、なんでそれ知ってるの!?」
「カントリーのお仕事の時、あさ美ちゃんから聞いたんです。
あさ美ちゃん、うれしそうに話してましたよ」
「じゃあ他のメンバーは・・・」
「知らないと思いますよ」
「よかったぁ〜。藤本、それじゃお願いなんだけど・・・」
「いいですよ。内緒にしといてあげます。そのかわり・・・」
「ん、何?」

「・・・美貴にもキスしてください」
「え?でも藤本、悩んでるようには見えないけど?」
わたしが欲しいのはおまじないなんかじゃありません。
本気のキスです」
「え、ちょっと、本気で言ってんの!?」
「はい。だって、美貴も矢口さんに入れたんですから」
「あ、ありがと・・・でもなぁ・・・」
「あさ美ちゃんにはできるのに美貴にはできないんですか?」
「い、いやほら、紺野の時は純粋におまじないの
つもりだったし、紺野の気持ち知らなかったし・・・
それにおいら、今付き合ってる人いるから・・・」
「石川さん・・・ですか?」
「う、うん。最近おとめの仕事で会えないけど、
梨華ちゃんはおいらの彼女で・・・」
「解りました」

おいらの言葉をさえぎるように藤本が答える。
とりあえず、この場は助かった・・・のかな?

−−−−−−昨日と合わせて二つの大きな過ちを犯した事に、
この時のおいらは気付いてなかった。
22 名前:5 投稿日:2004/02/13(金) 03:30
まさかミキヤグミキヤグ??
とにかく楽しみですw
23 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/13(金) 20:09
続き期待
24 名前:jima 投稿日:2004/02/13(金) 23:27
>>21の藤本の「わたしが欲しいのは〜」の始め、
「がついてませんでしたm(_ _)m
>>22さん
どうでしょう・・・?ただ、もう結末は決まっています。
>>23さん
ありがとうございます!もう少しで終わりなので、
頑張って書きたいと思います。

全部書き終わった後にネタばらしする予定なので、それを読んだ後にまた最初から読むと「なるほど」って思うかも?
(次レスで終わらない可能性大ですが^^;)
それでは、続きに行きたいと思います。
25 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/14(土) 01:00
その後紺野も来て、番組の収録はスムーズに進んでいった。
「それじゃ休憩挟んでから、コメント取りしまーす」
十分間の休憩の間、うちらは楽屋に戻る事にした。
「矢口さん、ちょっと飲み物買ってきますね」
「はーい・・・ !ちょ、ちょっと待っ・・・」
−−−パタン。あわててドアを開けたけど、
廊下にはもう藤本の姿はなかった。

「・・・まいったなぁ」
小さくつぶやいて、後ろを向こうとする。・・・できない。
あの時とおんなじだ。紺野に抱きつかれた。
この前みたいにふるえながら。でもこの前とは状況が違う。
「や・・・矢口さん・・・・・・わたし・・・」
「知ってる」
「え?」
「藤本から聞いたよ。・・・おいらの事、好きなんでしょ?」
「・・・はい」
「藤本にも言ったけど、
おいらは梨華ちゃんと付き合ってるんだ。それに紺野の事は
かわいい後輩としてしか見れない」
「そうですか・・・でもちゃんと答えてくれて嬉しかったです」
「うん、まあ・・・おいらもちょっと軽はずみだったかな」
「・・・あの、最後に一ついいですか?」
「うん、いーよ。何?」
「・・・無理して強がってばかりいないで・・・
誰かの前で女の子になってもいいと思います」
「・・・・・・」

答えられない。・・・図星だから。
裕ちゃんがいなくなって、圭ちゃんがいなくなって、
なっちもいなくなって、気がついたら年が上から二番目で。
しっかりしなきゃ、ちゃんとしなくちゃって強がってた。
「・・・生意気言ってごめんなさい」
そう言うと、紺野は楽屋を出ていった。

悩みが消えると同時に、別の悩みが顔を覗かせる。
おいらが本当に好きなのは・・・・・・誰?
26 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/14(土) 01:55
「矢口さん、おつかれさまでした〜」
「・・・おつかれさまでした」
「はーい、二人ともおつかれー」

いやぁ〜、今日もなんとか無事に終わったなぁ〜。
この後は別に仕事入ってないし、どうしよっかな〜?
「矢口さん」
「ん、何?藤本」
「この後何か予定とかあります?」
「いや、別にないけど」
「じゃ、ご飯食べに行きません?」
「いいよ〜。紺野はどうする?」
「いえ・・・緊張して眠れなかったんで、早く帰って寝ます」
番組とおいらへの告白、どっちで緊張したんだろ・・・?
「そっか。じゃ、また明日ね」

紺野と別れて、おいらと藤本は歩き出した。
「で、どこに食べに行く?」
「この前、おいしいラーメン屋さん見つけたんですよ〜。
そこ行きません?」
「いいね〜。そうしよっか」


「あ〜、おいしかった」
「矢口さん、すごい勢いで食べてましたね」
「だって本当においしかったんだもん」
他愛のない話をしながら帰り道を歩く。
「それで、この後どうします?」
まだどっか行く気なの?明日も仕事なのに・・・。
「ん〜、もう帰る。おなかいっぱいになったら
眠くなっちゃった」
「そうですか・・・」
「また今度遊んであげるから。おやすみ〜」
「おやすみなさい」

−−−次の日。今日はハロモニのさくらvsおとめの収録。
さくらの楽屋でメイクしてると、かおりがあわてて入ってきた。
「やぐちーっ!はやく、早くおとめの楽屋に来てーっ!!」
27 名前:jima 投稿日:2004/02/23(月) 01:48
かなり煮詰まっていましたが、なんとか話がまとまりそうなので
再開したいと思います。(と言っても更新は明日からですが)
今度こそ次の更新で終わるかも・・・?
28 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/24(火) 01:07
「どしたの、かおり?また新しい星でも見つけた?」
「うん、今度は89光年離れた所に・・・ってそうじゃなくて!
石川と藤本が大変なのよ!!途中まで普通に話してたんだけど、
藤本が『昨日矢口さんとデートしたんだ〜』て言ったとたんに
石川がキレちゃって・・・」

おいらはかおりの説明が終わる前に楽屋を飛び出して
隣の楽屋に入った。みんなが座ってる中、
ふたりが立ってお互いをにらみ合ってる。マンガとかだったら
視線と視線の間がバチバチなってるくらいに。
「ちょ、ちょっとどーしたのさ!?」
おいらの声で二人がほぼ同時に顔をこっちに向ける。
さっきよりは多少マシだけど穏やかな表情とはとても言えない。
自業自得とはいえ、手間がかかるなぁ・・・。
「ちょっとみんな、悪いけど三人だけにしてくんないかな?」
他のメンバーにさくらの楽屋に行ってもらい、
おとめの楽屋はおいら、石川、藤本だけになった。

「だいたいの事はかおりから聞いてるけど・・・。
いきなりキレるなんて大人げないよ、石川?」
「わたしと美貴ちゃんは同い年です」
うっ、鋭いとこ突いてくるなぁ・・・。
「そ、それに藤本もおいらとデートなんかしてないじゃん?」
「美貴はデートだと思ってるんでそう言っただけです」
おいらの事好きでもそういうとこは譲らないのね・・・。
っていうか、このままじゃらちがあかないなぁ・・・。
「じゃ、じゃあとりあえず一人ずつ話聞くから、
一旦梨華ちゃんは廊下で待ってて」
「・・・はい」
石川は納得がいかない表情をしてたけど、
おとなしく楽屋から出ていった。
29 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/25(水) 01:07
「で・・・藤本?おいらの事好きなのはうれしいけど、
昨日はご飯食べに行っただけでデートなんかしてないでしょ?」
「・・・ひきょうです」
「え?」
「矢口さんはひきょうです!美貴の気持ち知ってるのに
期待しちゃうような事ばかり言って・・・」
「いつおいらが・・・」

言いかけてはっとした。藤本はさっき昨日の事をデートだと
思ってるって言った。だからおいらが「また今度」って
言ったのも藤本の中では次のデートの約束なんだ。
傷つけないつもりで選んだ言葉のはずが、
うわべだけで藤本の心をもてあそんでいたんだ。・・・今も。

「矢口さん」
「・・・何?」
顔を上げた瞬間、おいらの体は藤本の腕の中にいた。
−−−石川とは違う、包み込むような感覚。
「美貴は梨華ちゃんみたくかわいくは出来ません。
・・・けど、一番好きな人が疲れた時に
その体を受け止める事くらいはできます」
藤本の言葉を聞いた時、
昨日紺野に言われた言葉が頭に浮かんだ。

『・・・無理して強がってばかりいないで・・・
誰かの前で女の子になってもいいと思います』

この子の・・・藤本の前ならおいらも強くなくていいのかな?
泣いたりしてもいいのかな?ありのままでいられるかな?
でも・・・・・・

「アノ子ヲ傷ツケナクチャイケナイノカナ?」
30 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/25(水) 01:51
更新されてる!!
待ってましたぁ。
31 名前:jima 投稿日:2004/02/25(水) 14:16
他のアイデアも同時に考えてしまうせいか、
「終わるかも」とか言いながら全然終わらない・・・。
今考えてるのは機会があれば書かせてもらおうと思っています。
(その前にこれを終わらせなければ話になりませんが^^;)

>>30さん
お待たせしました!もう少しで終わりなので、お楽しみに。
それとこの場を借りて、リクエストなどありましたら
書き込んでください。(できれば矢口関連で)
32 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/26(木) 00:12
リクエストいいんですか?
やぐごまとそのやぐに片想いの梨華ちゃんとか見たいです!!
やぐが大好きなんで、jimaさん、これからもお願いします!
33 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/26(木) 02:23
このまま時が止まればいい。誰も傷つける事無く、
この温もりに甘えてみたい。・・・無理な願いだと解ってても。
「・・・矢口さん?」
「もう少しだけ・・・お願い」
「・・・はい」
どっちが好きかなんて、決められないし解らない。
けど、もしここでうまくごまかせてもまた同じ事を
聞かれるだろう。それにもうあいまいな態度は取りたくない。
「藤本」
「・・・はい」
「ありがと」
「それって・・・どういう事ですか?」
「今から説明するよ。でもその前に・・・」

−−−カチャッ
「梨華ちゃん、入ってきてもいいよ」
ドアを開けて梨華ちゃんを中に入れる。顔は普段通りだけど、
多分心の中はすごい事になってるだろうな・・・。
「二人とも、今から言う事はおいらの本当の気持ちだから。
恨みっこ無しだよ」
「はい」
「・・・はい」

一瞬の沈黙。怖いけど、今言わなきゃきっと後悔する。
「梨華ちゃん・・・ほんとにごめん。
おいら、梨華ちゃんとはもう恋人じゃいられない・・・」
「・・・・・・」
梨華ちゃんは何も言わずにうつむいてる。
「すごく勝手かもしれないけど、これ以上だましたくないんだ。
梨華ちゃんも・・・おいら自身の事も」
「・・・どういう意味ですか?」
「梨華ちゃんの前では・・・弱いとことか見せちゃいけないと
思ってた。おいらがどんなに辛くても、梨華ちゃんが
幸せならそれでいいと思ってたんだ」
34 名前:手強い味方 投稿日:2004/02/26(木) 03:16
「・・・でも、そんなのってほんとの恋人じゃない気がする。
女の子としては好きだけど・・・梨華ちゃんには甘えられない」
「それが理由・・・ですか?」
「・・・うん。どっちが好きとかそんなんじゃなくて、
藤本には弱い自分を見せれる気がする。でも梨華ちゃんには
おいらの弱い部分は見せたくない。それだけの事」
「たった・・・それだけ・・・ですか?」
「・・・うん」
「解りました・・・。でも、一つだけ約束してください」
「何?」
「わたしと・・・石川との思い出だけは忘れないでください!
二人で映画見に行った事も、ご飯食べに行った事も、
おもちゃの指輪くれた事も、全部、全部・・・」

最後の方は泣き声がまじって、言葉になってなかった。
こんなにもおいらを思ってくれてたんだね、梨華ちゃん。
「うん、解った。約束するよ」
梨華ちゃんは涙でぬれた顔で微笑むと静かに楽屋を出ていった。

「さて・・・藤本?」
「・・・はい」
「これがさっきの答え。納得した?」
「はい!・・・ところで矢口さん、キスしてくれませんか?」
「え!?い、いきなり何?」
「おまじない、かけてほしいんです。美貴が矢口さんを、
矢口さんが美貴をずっと好きでいれますようにって」
「解った。じゃ、目閉じて」

−−−−−−チュッ
「はい、終わったよ」
「えっ!?これでおしまいですか!?二人の未来の為なんだから
もっと長くしてください!」
「い、いやでもこういうのは気持ちだから・・・」
「いーえ!美貴、納得できません!」

・・・こうしておいらに、誰より手強い味方ができた。
でもそれがほんとの自分だからしょーがないよね、ミキティ?

             
                   手強い味方 fin
35 名前:手強い味方(ネタばらし) 投稿日:2004/02/26(木) 15:13
なんとか無事に終わる事ができました。
読んでくださった方、ありがとうございます。
感想などありましたら書き込んでください。

ここから先は以前>>24で予告した通り、
ネタばらしさせていただきます。
ネタバレ反対の方は読まない方がいいかも・・・。

メンバーの呼び方
>>34の最後の一行(もしくはもっと前から)で
気付いた方もいると思いますが、最後まで「」の中で名字で
呼び捨てされてる人が矢口さんとくっつく設定でした。
>>12のよっすぃーとのやり取りは意味があったんですね〜。

小ネタ

>>26の内容と>>34の石川さんのセリフは
タンポポの「恋をしちゃいました」、
娘。の「AS FOR ONEDAY」の歌詞を参考にしました。

>>29の13行目は某バンドの歌詞を一部引用しました。
答えが解った方はちょっとスゴいかも?
36 名前:jima 投稿日:2004/02/26(木) 15:25
sage忘れた・・・。

>>32さん
やぐごまは初めてですね。
ていうか二回目なのでやぐみき以外は全部初めてですが(^^;
では次に書かせてもらいます。

あ、後以前>>31で書き込んだリク募集は
みなさんに向けて書き込んだ物です。
言葉不足ですいませんm(_ _)m
37 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/26(木) 17:50
よかった!!
でも梨華ちゃんが...
38 名前:jima 投稿日:2004/02/27(金) 01:14
>>13でも書きましたがこの話はもう1パターンあります。
かなり早く終わってしまいますが・・・。
次のレスより始めたいと思います。
39 名前:手強い味方−dandelion− 投稿日:2004/02/27(金) 02:32
楽屋のドアノブに手をかけようとした時、
おいらは右ポケットにあるはずの物が無い事に気付いた。
「・・・あれっ?携帯がない・・・」
−−−楽屋泥棒!?そう一瞬考えたけど、すぐに思い出した。
(コントで使って置いてきちゃった・・・)
携帯をいじるシーンの時に自分のでやりたいって言って
使ったままだったんだっけ。

スタジオでは、もうセットのバラシが始まっていた。
「すいませーん!交番の中に携帯ありませんでしたか!?」
「いえ、見ませんでしたけど」
うわっ、どうしよう・・・。
メンバーの番号とか見られちゃうかも・・・。
「どないしてん、矢口?」
「裕ちゃん?悪いけど今しゃべってる場合じゃ・・・」
「なんや、捜し物か?例えば・・・これとか?」
裕ちゃんの手には、おいらの携帯が握られていた。
「あっ!!それ・・・」
「やっぱそやったんか。近くにあるもんほど意外に
忘れるもんやで?これからは気ぃつけや」
「うん、ありがと」
裕ちゃんの手から携帯を受け取る。
・・・だけで済むはずがなかった。
「やーぐち〜」
裕ちゃんに抱き締められる。強く、けど優しく。
「やっぱ矢口はかわえーな〜〜〜」
「もー、裕ちゃん!いつまでも子供扱いしないでよ!
おいら今年で21だよ?」
「そんなら大人扱いしたろか?」
「そーじゃなくてさぁ〜」
石川と話さなきゃいけないのに・・・。何を?
「えーか、矢口。いくつになっても、髪型が変わっても
関係ないねん。うちは中身も見た目も
全部ひっくるめて矢口の事が好きなんやから」
「・・・・・・!」
頭の中にあるモヤモヤが無くなった気がする。
「裕ちゃん」
「ん?」
「ありがと」
おいらは裕ちゃんを逆にギュッと抱き締め、楽屋へと急いだ。

「うちの告白は失敗か・・・」
そう呟くと、中澤は携帯の待ち受け画面を愛犬の写真に変えた。
「今日はあいつの笑顔見るのは辛すぎるわ・・・」
40 名前:jima 投稿日:2004/02/27(金) 18:21
>>39は、>>1>>12の続きです。
>>38に書き忘れてしまいましたm(_ _)m

41 名前:手強い味方−dandelion− 投稿日:2004/02/28(土) 01:33
こんなに楽屋とスタジオとの距離が長くかんじた事は無い。
おいらの頭の中でさっきの裕ちゃんの言葉がグルグル回ってる。

『近くにあるもんほど意外に忘れるもんやで?』

何を話すかなんてどうでもいい。でもこれ以上石川を・・・
梨華ちゃんの事を遠くに感じたくない。

楽屋のドアノブに手をかける。ひんやりとした感触。
(お願い、間に合って!)
祈るような気持ちでドアを開ける。
・・・いた。でもなんか様子が変だ。
「・・・石川?」
「やぐち・・・さん?」
梨華ちゃんの顔を見つめる。赤くなった目。涙の跡が残る頬。
「石川ひょっとして・・・泣いてた?」
「・・・はい」
恥ずかしそうにうつむいたまま、梨華ちゃんが答える。
「どーしたの?なんか嫌な事でもあった?」
「・・・矢口さんは石川の事嫌いになったんですか?」
「は!?いきなりなんでそーなっちゃうのさ!?」
「だって・・・前は『梨華ちゃん』って呼んでくれたのに
今は『石川』じゃないですか・・・」
「あのさ〜」

そんな事気にしてたの?そう言おうとしたけど言えなかった。
おいらも同じだ。昔の事を忘れたつもりで引きずって、
思い出さえ無かった事にしようとしてた。
・・・あの時、梨華ちゃんと同じ事を思ってたくせに。
「・・・石川」
「・・・はい」
「ごめんね、気付いてあげられなくて。
でもおいら、梨華ちゃんの前では強がっていたかったんだ。
好きな子の前で弱いとこ見せるのって・・・かっこ悪いじゃん」
42 名前:手強い味方−dandelion− 投稿日:2004/02/28(土) 02:19
「じゃあ、矢口さんは石川の事まだ好きなんですね!?」
「うん。今までも、これからも。ずっと、ずっと大好きだよ」
「よかったぁ〜!!」
そう言うなり、梨華ちゃんはおいらの胸に飛び込んできた。
あ〜、なんかこの感じってひさしぶりだな〜。
今になってこんなに好きな事に気付くなんて
おいらって本当に・・・

「バカだなぁ」
「えっ?矢口さん、何か言いました?」
「19にもなって甘えてる梨華ちゃんがバカみたいって言ったの」
「あー!真里っぺひど〜い!」
「いやー、ごめんごめん。・・・ねえ、梨華ちゃん?」
「はい?」
「さっきはああ言ったけど、梨華ちゃんの前で
弱いとこ見せたりするかもしれない。
それでも・・・おいらの事好きでいてくれる?」
梨華ちゃんはちょっと黙ったけど、すぐに答えてくれた。
「当たり前じゃないですか〜。
だってわたしはタンポポですよ?」
「・・・そっか。そうだね」
「それより矢口さん、焼肉食べにいきません?」
「うん、いいよ」
「やったぁ!ゴチになりま〜す」
「・・・え?」
「ちょっと今月ピンチなんですよ〜。
その代わりに他の形で返しますから」
「他の形って・・・?」
「石川の口から言わせるんですか〜?
もー、真里っぺのい・じ・わ・る」

・・・・・・・・・。
さっきまで泣いてたと思ったらもうこれだよ・・・。
手強いっていうかなんていうか・・・。
でも二人一緒にいれるならきっと・・・
「大丈夫、だよね?」
「?・・・はいっ!」


信じ合い支え合って 希望に変えていくわ

タンポポの様に強く

           手強い味方−dandelion−     fin
43 名前:手強い味方−dandelion−(あとがき) 投稿日:2004/02/28(土) 02:35
・・・という事で別パターンの方も終了です。
>>37さんのご指摘通り最初のパターンは石川さんに取って
かなり救いの無い内容になっていますが(笑)、
こちらの話との差をつけたかったので、あえてそうしました。
一つ目の話と二つ目の話の
矢口さんの心境の違いが解ってもらえたら嬉しいです。
44 名前:37 投稿日:2004/02/28(土) 11:46
HAPPY END 乙です

この二人って現実にも何かあると思うんですけど...
あなまりで、誕生日に柴田と過ごす梨華の事ぐちってたし
45 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/29(日) 04:07
乙です。
個人的に手強い味方−dandelion−の方が好きですね。
次回作楽しみにしてます。
46 名前:jima 投稿日:2004/03/02(火) 02:22
始めに、読んでくれたみなさん、ありがとうございました。
次レスから>>32さんよりリクエストがあった
やぐごま(いし)を始めたいと思います。

>>44さん
あな真里もそうですが過去のハロモニ(1年位前?)で
やたら石川さんと矢口さんの絡みが多かった気が・・・。
ラジオで限定するとやっぱりANNS最終回ですかね。
>>45さん
私はもともとタンポポ好きなので、
そう言ってもらえると嬉しいです(^-^)
(他のCPが嫌いとかいう意味じゃありませんよ^^;)
47 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/03(水) 02:09
日曜日 PM11:27                   自宅

一人でラジオを聴いています。あの人の声はとても楽しそう。
仕事だから・・・本当にそれだけ?
ゲストに来てくれれば誰でもいいんですか?

「ひとりで抱え込んでないで、おいらでよかったら、
なんでも相談してよね」

エッセイでわたしへのラブレターに
こう書いてくれましたね。すごくうれしかったです。
・・・わたしは貴女が大好きです。今貴女と話してる人より、
そして貴女があの人を愛する思いより。


月曜日 PM3:56    モーニング娘。おとめ組の楽屋にて

「それじゃおつかれ〜、石川」
「は〜い。飯田さんもおつかれさまでした〜」
「藤本もおつかれ〜」
「おつかれ〜・・・って言いたいんですけど、
まだ一仕事残ってるんですよ〜。四時半から
食わず嫌いの収録があるんです、矢口さんと」
「へ〜、そうなんだ。大変だね〜」

最近ミキティは矢口さんと仕事をする事が多い。
・・・昔のわたしみたいに。タンポポ、ROMANS、
ユニットじゃない普通の仕事の時もいつも隣にいた気がする。

「いいなぁ・・・」
「え?梨華ちゃんも食わず嫌い出たいの?」
「は!?いや、そうじゃなくって・・・」
「まー、石川ならすぐに出れるよ」
「・・・・・・」


三週間後の木曜日 PM9:26              自宅 

一人でテレビを見ています。ブラウン管の中のあの人は、
なんだかとっても幸せそう。ああ、やっぱり・・・

「「かわいい!」」
テレビの声とわたしの声がハモる。・・・まさか、ミキティも?
48 名前:jima 投稿日:2004/03/03(水) 02:19
やぐごま(いし)が始まりました。
(その割には後藤さんが出てきてませんが)
いきなり藤本さんが出てきてますが、これも前作同様に
「事実を元にしたフイクション」なので必要なだけであり、
前作との繋がりはありません。
49 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/04(木) 01:46
金曜日 AM7:56        モーニング娘。おとめ組の楽屋
今日は楽屋に一番乗り。・・・ねむい・・・。
昨日はあまり眠れなかった。矢口さんの事。
そして、矢口さんを狙っているであろう
同じおとめ組のメンバーの事。

−−−ガチャッ
楽屋のドアが開いた。そこには、昨日矢口さんの隣で
笑っていた子が立っていた。
「おはよー、梨華ちゃん」
「あ・・・お、おはよう」
他愛の無いあいさつを交わす。
・・・沈黙が怖い。何か話さなきゃ。

「・・・ねえ」
「何?」
「ミキテイって矢口さんの事どう思ってるの?」
「どうって・・・優しい先輩だなって」
「本当にそれだけ?好きとかじゃなくて?」
「そうだよ。第一、美貴には亜弥ちゃんがいるし」
よかった〜。わたしの思い過ごしだったんだぁ・・・。
「それに矢口さんはごっちんと付き合ってるしね」

・・・え?
「そ、それほんと!?いつから!?」
「美貴が知ったのはごまっとうの頃だったけど・・・」

さっき来たばかりなのに、
帰って泣きたい気持ちでいっぱいになった。
いつから二人は付き合ってたんだろう。卒業が決まってから?
二回目のシャッフルの時から?
それとも・・・・・・わたしが加入する前から?

「ちょ・・・どーしたの、梨華ちゃん?」
止められなかった。涙が、次から次へとこぼれてくる。
「・・・んなに・・・あんなにずっと一緒にいたのに・・・
どうして・・・どうして振り向いてくれないの・・・」
「梨華ちゃん、ひょっとして矢口さんの事・・・?」

自分も悪いのかもしれない。そばにいてくれるのが
当たり前だと思っていた。週一回の番組収録、
一緒にやっていたラジオ、二つのユニット・・・
思いを伝える場所はいくらでもあったのに。
50 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/04(木) 02:41
梨華ちゃん知らなかったのかぁ!?
せつないです!!
まだせりふがないあとの二人が気になります。
51 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/05(金) 14:22
せつねー!!
52 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/06(土) 02:12
日曜日 AM11:53                   自宅

珍しく、普通の「休み」とわたしの「休み」が重なった。
眠い目をこすりながら、テレビの電源をつける。

「キャハハハッ!何言ってるのかわかんないよ〜梨華ちゃん」
いきなり聞こえてきた元気な笑い声。
少しトゲがあるけど、いつもわたしに元気をくれる声。
でも今は聞きたくない。
気が付くと、テレビの電源を消していた。

同日 PM11:00                    自宅

毎週、この時間にラジオを聞くのが習慣になってる。
ラジオにはいい思い出しか無いような気がする。
矢口さんとたくさんおしゃべりして、いろんな企画をやって、
わたしの大好きな曲で矢口さんを恥ずかしがらせたりして。
「・・・あの頃に戻りたいなぁ」
本当はこんな事思っちゃいけないのかも。
けど、もしもあの時自分の気持ちを伝える事ができていたら。
今日も目が覚めた時にとなりにいてくれたかもしれない。

そんなわたしの気持ちなんかおかまいなしに、
ラジオからは明るい声が聞こえてくる。
「真里っぺ・・・わたしはこんなに好きなんだよ・・・」
一人きりの部屋でつぶやいてみる。届かないって事は解ってる。
・・・でも、言葉にせずにはいられなかった。

「さて、ここでスペシャルウィークのお知らせで〜す。
来週はハロプロからあの人が登場!・・・の予定。
まだ交渉していないので、最悪の場合矢口の一人トークかも?
さくら、おとめの新曲も宇宙初オンエアー!」

いつの間にかラジオは終盤になり、告知の時間になってた。
来週かぁ・・・。おとめ組代表として行けたらいいなぁ・・・。
53 名前:jima 投稿日:2004/03/06(土) 02:42
ちょっと日記ぽくした方が感じ出るかと思ってしてみました。

>>50さん
あとのふたりはあまり出ないかもしれませんm(_ _)m
石川さん目線で進んでいくので、出番を多くしようとすると
不自然な流れになってしまうかもしれませんので。
(私の文章力が足らないせいでもあるのですが^^;)

>>51さん
こういうのをせつないって言うんですね。
勉強になります¢(..)
54 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/07(日) 03:17
むっちゃ話うまいです。
感情移入してしまいます。
55 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/08(月) 02:23
月曜日 AM0:36                ニッポン放送

「お疲れ様でした〜」
あいさつもそこそこに携帯をチェックする。
・・・いつも通りに、あの子からのメールが届いていた。

『やぐっつぁん、ラジオおつかれさま。
ごとーも18になった事だし、
やぐっつぁんの番組に呼んでほしーなー。
つぎに会えるのは水曜だね。楽しみにしてま〜す   
                       ごとー』

「ありがと、ごっつぁん」
毎週届くこのメールが、いつの間にか
おいらの密かな楽しみになっていた。
普段やりとりしてるメールとは違う特別な感じ。
ハロプロとは関係無い一人の人として、そして・・・
一番大好きな人としておいらにメールを送ってくれる。
「次に会えるのは水曜日かぁ・・・」
なんとなく過ごしてる時はあっという間なのに、
意識すると時間の流れがやけに遅く感じてしまう。

「ま、目の前の仕事を一生懸命やるだけの事さ!」
障害が多いほど恋は燃えるモノだしね。
・・・・・・うっし、おいらファイト!!

火曜日 PM6:51        モーニング娘。おとめ組の楽屋

(ごっちんと矢口さんはいつから付き合ってたんだろう・・・)
二人が付き合っている事を知ってから、
その事ばかりが気になってしまう。
「石川〜、まだいたの?
早く帰んないとマネージャーさんに怒られるよ」

いつの間にか、楽屋はわたしと飯田さんの二人きりだった。
(飯田さんだったら何か知ってるかも・・・?)
56 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/09(火) 02:52
「あの・・・飯田さん・・・」
「何?石川」
「ごっちんと矢口さんの事なんですけど・・・」
「・・・知っちゃったんだ。
教えてもいいけど、後悔するかもしれないよ」
「!?・・・気付いて・・・たんですか?」
「当たり前じゃない。これでもかおりはリーダーだよ?
この前は藤本がいたから気付かないふりしてたの」
「はあ・・・いつも交信ばっかりしてるわけじゃないんですね」
「・・・余計な事言わないの。
それで・・・どうする?やめとく?」
「・・・いえ、聞かせてください」
「解った。まず矢口とかおりが初めて会ったのは・・・」
「・・・・・・・・・」


ところどころ関係無い話が入りながらも、
飯田さんは二人の事を教えてくれた。
教育係だった市井さんが突然卒業して
ごっちんが陰で泣いてばかりいた事。
先輩の中で一番年の近かった矢口さんが
それをなぐさめていた事。
・・・そうしている内に二人が付き合いだした事。

水曜日 AM0:00                    自宅

なんだか眠れない。去年の9月までは、自分達のラジオを
毎週聞いていた。・・・けど、もうその番組は無い。
大切な仲間と、そして大好きな人との思い出がたくさんできた。

『石川〜、私服のセンス悪すぎるよ〜』
『も〜、梨華ちゃん恥ずかしいからやめてってば〜』
『今週はこのネガポジコンビで一時間お送りしまーす』

・・・一番最初に思い出すのは、やっぱり矢口さんの言葉。
この時だけは矢口さんをわたしが独占している。
わたしの事だけを考えてくれている。そう思っていた。
・・・ごっちんとの事を知るまでは。

「矢口さん・・・」
ベッドの中、一人でつぶやく。
「わたしといた時もごっちんの事考えてたの?
わたしの入る場所はどこにも無かったの・・・?」
57 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/13(土) 03:19
水曜日 AM9:54           ハロプロコンサート会場

「後藤さんOKでーす。続いて松浦さんいきまーす」

つかれたぁ〜。でも本番と同じくらい本気でやんないと
リハーサルの意味がないもんな〜。
「おつかれ〜、ごっつぁん。かっこよかったよ〜」
「あー、やぐっつあん。見ててくれたんだ」
「あったり前じゃん!ほんと、惚れ直しちゃったよ」
「へへ」
「何?もしかしてごっつぁん照れちゃったりしてんの?」
「久しぶりに会ってそんな事言われたら誰でも照れるよ〜」
「毎日メール送ってるじゃ〜ん」
「そうだけどさ〜、生で言われるとやっぱり・・・ねぇ?」
「おいらに聞き返されても困るんだけど・・・。
ねぇ梨華ちゃん?」

矢口さんはわたしの気持ちに気付いていない。
・・・ちがう、わたしが矢口さんに
気付かせないようにしているだけなのかもしれない。
どうして?・・・傷つくのが怖いから。

『石川のことなんか好きじゃない』

そう言われたらどうしよう。考えただけで泣きそうになる。
テレビや雑誌の取材の時はいっぱい話しかけてくれて、
いっぱいツッコンでくれる。
でもそれはわたしがモーニング娘。のメンバーだから。
ののやあいぼんにも、他のメンバーにもやっている事。
矢口さん?もしわたしが卒業してもやさしくしてくれますか?
・・・ごっちんと同じくらいやさしくしてくれますか?

「・・・かちゃん。梨華ちゃん?・・・おぉーい石川〜!」
「・・・えっ・・・?矢口さんいつからそこにいたんですか?」
「いつからも何も、一緒にごっつぁんのリハ見てたじゃん」
「・・・そうでしたっけ?」
「ボケてないでそろそろおとめの楽屋に行った方がいいよ」
「はい・・・でも・・・」
・・・ごっちんと矢口さんを二人きりにさせたくない。
「かおりに怒られちゃうよ?
おとめの中で二番目に年上なんだし」
「・・・はい」

わたしもさくら組だったらなぁ・・・。
58 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/13(土) 03:49
やぐは鈍感だけど何か優しさが感じますね。
59 名前:jima 投稿日:2004/03/16(火) 01:58
えー、ぶっちゃけ煮詰まってます(w
頭の中に言葉はたくさんあるけどうまく形にならない(T-T)
でももうそろそろ再開しようと思っています。

>>54さん
ありがとうございます!書き始めて一ヶ月ちょっとですが、
そう思ってくれる方がいるのはありがたいですm(_ _)m

>>58さん
矢口さんが鈍感なのもありますが、
石川さんが引っ込み思案というのもあります。
そこら辺をうまく表現できればいいのですが・・・。
また二つに分けなきゃ駄目かも(^^;
60 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/20(土) 03:56
木曜日 PA12:42            ハロプロライブ会場

今日も昨日と同じ場所でライブ。矢口さんに会えるのは
うれしいけど、ごっちんと一緒にいる所を見るのは・・・
正直いってつらい。

「ふぅ・・・」
(できるだけネガティブにはならないようにしよう)
いつもそう心がけてきた。ちゃんと実践できてるとも思う。
・・・でも好きな人が他の誰かと二人きりで話してるのを見ると
やっぱり落ち込んでしまう。まして、その二人が両想いなら。

「・・・あれ?」
矢口さんと・・・ニッポン放送の人?そういえば次の放送で
ゲスト呼ぶって言ってたからその相談かな??
盗み聞きはよくないけど・・・なんか気になる。

「で、矢口さん・・・ゲストの件なんですけど、
おとめ組はスケジュールが空いてないんで無理だそうです」
「うーん、そっかぁ・・・あ、じゃあ圭ちゃんとかは?」
「言いにくいんですが・・・事務所の方から
新曲リリースの予定がある人を優先して欲しいと・・・」
「え〜!?そんな理由ってあり!?松浦はまだ17だし・・・
他にいるのは・・・」

聞きたくない。他にはあと一人しかいない事をわたしは、
矢口さんは知ってる。お願い・・・その子の名前を言わないで。

「ごっつぁんは無理?スケジュール空いてない?」
「こっちに聞かれても・・・っていうか矢口さん、
同じハロプロメンバーのスケジュール知らないんですか?」
「おいら自分の事だけでいっぱいいっぱいだよ〜。
ちょっと待ってて、ごっつぁんに聞いてくるから」

そう言うと矢口さんはごっちんの楽屋に走っていった。
61 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/03/21(日) 02:29
それから2〜3分後、矢口さんが
ごっちんの腕を引っぱりながら戻ってきた。
「ついでに打ち合わせもしようと思って・・連れてきちゃった」
「・・・どもー、後藤真希です」
「あれ?ごっつぁん緊張してる?
・・・そっか、おいらの番組出るの初めてだっけ」
「そーだよー、コメントとかはあるけど・・・。ていうか
やぐっつぁんと二人で番組やる事自体が初めてだよ」
「そういえばそうだねー。スタッフさんと会うのも初めてだし、
緊張して当たり前か〜」
「もー、いきなり連れてくからびっくりしちゃったよ」
「でもちょっとうれしかったでしょ?」
「・・・まあ、ね」
「素直じゃないなぁ〜」
「・・・あの・・・」
「?・・あっ、すいません・・・じゃ打ち合わせしましょっか」
「・・・いえ、それだけ話せれは、本番も大丈夫だと思うんで」
「そ、そうですか・・・?じゃあゲストはごっつぁんて事で」

ゲストはごっちんかぁ・・・。
もうわたしは呼ばれないのかなぁ・・・?
自分で番組持って矢口さん呼んだ方が早いかも・・・。

「・・・あれ?」
さっきの話・・・おかしい。ラジオは23:00から。
おとめ組のスケジュールで出られないって事はありえない。

「石川〜・・・あっ、いたいた。もうメンバー集まってるよ」
「・・・あの」
「何?体調でも悪いの?」
「なんで嘘ついたんですか?
日曜の夜はいつも仕事無いじゃないですか」
「・・・矢口のラジオの事?」
「・・・はい。わたしが出たがってる事、
マネージャーさんだって知ってるじゃないですか!?」
「でもね、石川・・・」
「・・・わたしがおとめ組だから、ですか?でもミキティとかは仕事してるじゃないですか!?どうしてわたしだけ・・・」
「藤本は六期だから少しでもメンバーと仕事させてあげたいの。娘。の中でレギュラー持ってるのは矢口だけでしょう?」
「でも・・・でも!!」
「納得出来ないかもしれないけど、これが事務所の方針なの」

別にラジオじゃなくてもいい。矢口さんのそばにいたいだけ。
ずっと言えなかった言葉を伝える時間が欲しいだけ。
ただそれだけなのに・・・
62 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/25(木) 22:29
待ってます。
63 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/28(日) 16:48
続き期待してます!!
64 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/04/13(火) 01:02
日曜日 PM11:00                   自宅

誰のためでもない。別に聞かなきゃならないわけでもない。
・・・そう解っていてもラジオの電源を入れてしまう。
一人暮らしをする時にパパからもらった、古びた大きいラジオ。

「はいこんばんは、矢口真里で〜す。今日は先週告知した通り、
ハロプロから『あの人』が登場!さくらとおとめの新曲も
宇宙初オンエアーしちゃいます☆それじゃいきましょ〜、
『あなたがいるから矢口真里』〜」

いつもより矢口さんの声が明るく感じる。
そう思ってるのはきっとわたしだけ。
・・・だってわたしは矢口さんが
明るくなる理由があるのを知ってるから。

「それではゲストに登場してもらいましょ〜。この方です!」
「どーもー、後藤真希でーす」
「いや〜、ごっつぁんは矢口のラジオは初めてなんだよね?」
「うん。ていうかやぐっつぁんと二人で
番組やる事自体が初めてだよー」
「あ、そういえばそうだねー。どう?緊張してる?」
「んー・・・やぐっつぁんがいてくれるから大丈夫、かな」
「うれしい事言ってくれるね〜。
じゃ、二人で最後まで頑張りましょ〜」
「おー」

・・・聞いているのが辛い。わたしの大好きな人が、
その人の好きな人と仲良くしている。
わたしの知らない矢口さんが、わたし以外の人を大好きでいる。
それでもわたしはラジオを切る事ができなかった。
今切ったら昔のネガティブな自分に
戻ってしまいそうだったから。
65 名前:jima 投稿日:2004/04/13(火) 01:12
>>62さん、>>63さん
更新が大変遅れてしまい、申し訳ありません。
ネタ集め&仕事でなかなか時間が取れませんでした。
これからは定期的に更新できそうです。
また読んでくださるのなら、感想などよろしくお願いします。
66 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/13(火) 20:10
更新ばんざい!!
これからも頑張ってください。
67 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/13(火) 20:10
更新ばんざい!!
これからも頑張ってください。
68 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/04/21(水) 01:38
矢口さんのとなりで話しているのがわたしだったら。
矢口さんと付き合ってるのがわたしだったら。
虚しくなるだけだと解っていても、そう思わずにはいられない。
年は同じなのに恋人して見てもらえているあの子と、
後輩としてしか見てもらえない自分。
一緒にいる時間があの子より多い事で
満足してしまっていたのかもしれない。

(今だけはわたしだけの矢口さんでいてくれる)
(先輩と後輩以上の関係で見られている)

・・・いつの間にかそう思っていたのかもしれない。


「ぶっちゃけ、どう?矢口とのラジオやりやすい?」
「うん、とっても」
「ほんとに〜??」
「ほんとだよー。だってごとーはやぐっつぁんの事好きだもん。
好きな人と一緒で楽しくないわけないじゃん」
「っ・・・!!」

矢口さんとわたしの呼吸が同時に止まった。
矢口さんは・・・多分、照れてるのとうれしいので。
わたしは言い様のないくやしさと嫉妬で。
わたしは何も考えず、ラジオを力いっぱいたたいていた。

−−−プツッ

急にラジオの音声が消えた。
「ちょ、ちょっとなんで!?どうして!?お願い!直って!」

結局ラジオは直らないまま、
矢口さんの番組は終わってしまった。
「おわっちゃった・・・」
そうつぶやいたとたん、涙がこぼれてきた。
止めようと思っても止められないくらいに。
ラジオが壊れた瞬間、
矢口さんとの絆も壊れてしまったような気がしたから。
69 名前:37 投稿日:2004/05/03(月) 22:27
続き期待
70 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/05/21(金) 00:18
金曜日 AM1:56                    自宅
あれから三週間近くが過ぎた。
ラジオは部屋のすみっこでほこりをかぶってる。
壊れちゃってるからただの大きな箱だけど、
パパからもらったっていうのもあって捨てられないでいる。

あれから矢口さんとはまともに話せていない。
わたしが毎週番組を聴いているのを矢口さんは知らない。
けどなんか気まずくて、つい距離を取ってしまう。
「・・・ばっかみたい」
ひとりで勝手に意識して、ひとりで空回りして。
あの人の瞳にはわたしなんて映ってなんかいないのに。

・・・そう。解ってるけどどうしようもない。
ならせめて自分の番組でだけは想いを隠さずにいたい。
さっきのラジオでもあの曲をかけた。
矢口さんが照れる、わたしが大好きなあの歌を。
71 名前:壊れかけの××× 投稿日:2004/05/21(金) 01:02
月曜日 AM00:13 自宅

「・・・もう寝なきゃ」
ラジオを聴かなくなってもつい習慣でこの時間は起きてしまう。
「おやすみなさい」
部屋の電気を消してしばらくすると、
どこからか女の人の声がしてきた。
「まさか・・・おばけ?」
消したばかりの電気をつけて部屋を見回す。
声の主は壊れたはずのラジオだった。

「いや〜ねー、これから頑張っていかなきゃいけないなって
思ってるんですけれど・・・
元気のないメンバーがひとりいるんですよ〜。
その子はお姉さんチームだから『自分でなんとかしなきゃ』
って思ってるのかもしれないけど、おいらから見たら
かわいい後輩なんで悩んでたら相談してほしいなって思います。
それじゃその子の好きな曲・・・これはずかしいよ〜。
タンポポで『センチメンタル南向き』」

偶然だと解っていてもうれしかった。
それと同時に、ネガティブになっていた自分が恥ずかしかった。
「矢口さん・・・ちゃんと石川の事見ててくれたんですね」
たとえ一人のメンバーとしてでも、
矢口さんの中にわたしという存在はいる。
そこから先に進めるかどうかは自分しだい。
なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだろう。

水曜日 PM6:27 収録スタジオ

スタジオに続く長い廊下を歩いていると、
向こうから出演シーンが終わったごっちんが歩いてきた。

「ごっちん」
「んー、なに?」
「わたし・・・負けないから」
「?・・・!うん」

そしてごっちんは楽屋の方へ、
わたしはスタジオの方にまた歩き出した。
                         ー完ー?
72 名前:jima 投稿日:2004/05/21(金) 01:13
リクエスト内容と方向がかなり違ってる気もしますが(^^;
これにて終了です。
読んでくださっているみなさん(いますか?)、
更新が非常に遅くなってしまい申し訳ありませんm(_ _)m
まだ書くつもりなので、
こんな私が書く物でよければ読んでやってください。

P.S 一つの作品(と呼べる程の物かどうか解りませんが)が
終わるごとにageる事にしました。
73 名前:天下一ユニットプロジェクト 投稿日:2004/05/22(土) 01:08
「みんな揃ったか?」
「はい。一人を除いて・・・」
「ああ、それはしゃあないやろ。・・・じゃ、始めよか」

都内某所にある事務所の会議室。
そこにキッズを除くハロプロメンバーが全員集合していた。
「えー、みんなを集めたのは他でもない。
新しいユニットを何個か作る事にした」
特にメンバーは驚く様子も無い。だが次につんく♂の口から
出た言葉は彼女達の想像を遥かに越えていた。
「そのユニットの事は全て自分達で決めてもらう。
誰と組もうが自由や。ただ、できた中で一番反応が良かった
ユニットはその後ハロプロの顔として活動する予定になってる。
仲良えもん同士で組んだ方が良いとは限らんで」

「ハロプロの顔」その言葉に娘。メンバー達の顔色が変わる。
自分達では役不足なのだろうか?
しかしその疑問を投げ掛ける間もなく、
つんく♂は会議室から出ていってしまった。

「・・・どうする?」
誰かが言う。
「どうするって言っても・・・」
「やるしか無いんちゃうの?」
中澤が口を開く。
「このままずっとこうしててもしゃーないやろ?
あ、うちとあっちゃんはパスさせてもらうわ。
16.7も離れてる子らとやる自信ないしな」
そう言うと中澤と稲葉も出ていった。
「・・・こうなった以上、やるだけやってみよっか。
じゃ、今からうちらは全員仲間で敵だからね」
飯田の一言で全員の気持ちは決まった。
・・・この事実を知らないたった一人を除いて。
74 名前:天下一ユニットプロジェクト 投稿日:2004/05/30(日) 00:22
第一話   それぞれの画策(藤本編)

二日後、藤本に呼び出され数名のメンバーが集まった。
「いきなり呼び出してごめん、みんな。
実は一昨日の話の事なんだけど・・・
ここにいるメンバーでユニットを作ろうと思うの」
「このメンバーで・・・?」
小川がけげんな顔をする。
「そう。ボーッとしてたら急に思い付いたの。人数的にも
バランス取れてると思うし、けっこうイケると思うんだけど」
小川は改めてメンバーを見てみる。

メロン記念日の村田と大谷。
カントリーの里田とみうな。
ソロの後藤、そして娘。から藤本と自分。
「七人・・・か。こんなタイトルの映画、あったよね」
「ううん、あと一人足らない。矢口さんも入れる予定なの」
「矢口さん?なんでまた・・・」
「まだ気付かないの?まこっちゃん」
「えぇ〜?」
「名前よ、名前。ここにいるのは全員名前の頭文字がMなの」
「そんな安易な事で・・・」
「いいのよ。それに矢口さんの名前には利用価値があるわ。
二期でただ一人の生き残り、ユニットを成功させた功労者、
娘。の影のリーダー・・・それに自分の番組も持ってるしね」
「・・・・・・」

小川はそれ以上聞くのはやめた。
だがここから抜けようとも思わなかった。
(このユニットが成功すれば五期の中から頭一つ抜け出せる)
そう思っていた。幸い同期はこの中にいない。

−−−かくして、ここに一つのユニットが
形になろうとしていた。
75 名前:天下一ユニットプロジェクト 投稿日:2004/05/30(日) 00:56
それぞれの画策(飯田編)


「なんでみんなを呼んだか・・・解る?」
「タンポポ、ですね?」
石川がすぐに答える。
そこには六人のタンポポがあった。

つんく♂の発表を聞いた瞬間、飯田はすぐに閃いた。

(タンポポをやろう)
昔に戻りたいとは思わない。
けれど後悔が無いと言ったら嘘になる。
なによりも、最後にあの子と組みたかった。
タンポポとミニモニ。結成時のメンバー全員と
さよならをしなきゃならない、一番小さい子。

「思い出作り・・・って訳じゃないけど、ね」
自分にも聴こえないくらいの声で呟く。
「あれ?そういえば飯田さん、矢口さんは?」
「え?ああ、そろそろ連絡しないとね」

新しいタンポポ。その花は咲くか、裂かれるか・・・
76 名前:jima 投稿日:2004/05/30(日) 01:00
えー、今書いてるのはただの自己満足です。
内容とかメチャクチャになると思いますが、ご勘弁をm(_ _)m
今の所は藤本=策略家、飯田=ユニット復活派って感じです。
77 名前:37 投稿日:2004/05/30(日) 02:53
おお!!面白そう
続き期待です

他のみんなの思惑も知りたいですね
78 名前:天下一ユニットプロジェクト 投稿日:2004/05/31(月) 16:17
それぞれの画策(吉澤編)

「ユニット名はプッチミニ。ていうんだけど・・・どう?」
吉澤は目の前にいる五人・・・
辻、加護、高橋、小川、アヤカにそう言った。
「名前はともかく・・・いいと思います」
高橋がいまだに抜けない福井弁で賛同すると
「ののもさんせいするのれす」
辻もそれに続いた。
しかし残りの三人は浮かない顔をしている。
吉澤は一瞬考えたが、すぐにその胸中を察した。

(既に他の誰かから声をかけられている)
加護はタンポポ、アヤカはROMANSの誰かからだろう。
小川は解らないが、他の二人と反応が同じである以上
そう考えるのが妥当だ。
(どうしよう・・・)
さすがに三人もいないとなると厳しい。
そこで吉澤は一つの賭けに出た。

「別に掛け持ちしちゃダメって事は無いんじゃない?
つんく♂さんもそんな事言ってなかったじゃん」
誰にでも少なからず野心はある。
吉澤の言葉は、三人のそれに火をつけるには十分だった。
「・・・解りました」
「OK!」
「いっちょやったるわ!」
「よし、じゃそーゆー事で。あ、旧メンバーの矢口さんと
ごっちんも入れようと思ってるんで
合わせて八人を予定してま〜す。それじゃ解散!」

この二人にしたのはそれなりの理由があった。
(保田さんを入れたらキャラの被る小川は抜けかねない。
ごっちんがいれば火力不足をおぎなえる。
矢口さんがいればミニモニ。メンバー・・・
特に加護を押さえやすくなる)

ネーミングその他に不安を残しつつ、
三つ目のユニットが誕生した。
79 名前:天下一ユニットプロジェクト 投稿日:2004/06/01(火) 01:29
それぞれの画策(六期編)

「どーする?絵里・・・」
「どうするって言われても・・・れいなこそ何か無いの?」
「無いから聞いてるんじゃん。・・・さゆは?」
「矢口さんは・・・だめかなぁ?」
「矢口さんじゃなくてやぐっつぁんでしょ?
早くあだ名で呼べるようになんなきゃ」
「れいなが早すぎるんだよ。・・・あっ!!」
「なになに?どーしたの、絵里?」
「それを口実にするのよ!矢口さんの事を
早くあだ名で呼べるようになりたいって理由なら
不自然じゃないし、先輩に仲介役も頼める!」
「絵里、あったまいー!でも誰に頼むの?」
「保田さんか安倍さんあたりがいいんじゃないかな?」
「じゃ、両方に頼んでみよっか。いつ作戦開始するの?」
「善は急げって言うから・・・今すぐでもいいんじゃないかな」
「さゆ・・・たまにしゃべったと思ったら難しい事言うね」
「そっかなぁ?」


「それで・・・わたしのとこに来たってわけ?」
「はい・・・そうです」
「ま、他ならぬかわいい後輩の頼みだし、聞いてあげるわ。
その代わりと言っちゃあれだけど、一つ条件があるの」
「・・・何ですか?」
「わたしもそのユニットに入れてちょうだい」
「・・・は?」
「一度矢口と一緒のユニットやってみたかったのよ〜。
シャッフルでも毎回違う組だったし・・・。いいでしょ?」
「は、はいっ」
「じゃ、決まりね。ところで、他に誰か当てはあるの?」
「・・・一応安倍さんにも相談してみようと思って・・・」
「なっちに?じゃ、ちょっと待ってて」

保田は携帯を取り出すと、安倍と電話で話し始めた。
(ちょっと、絵里!初めからこういう予定だったの?)
(いや、話の流れで・・・。でもいいじゃん?)
(いきあたりばったりなんだから・・・)
「何コソコソ話してんの?なっちが矢口に話してくれるって。
あ、あとなっちも一緒に組んでくれるみたいよ」

思わぬ誤算もありながら、一番の年の差ユニットが結成された。
80 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/01(火) 14:29
何にも知らないあの人大人気で楽しみです。
81 名前:jima 投稿日:2004/06/01(火) 23:35
>>77さん、>>80さん
レスありがとうございます。

>>77さん
他のみんな・・・難しいかも・・・。
できるだけ頑張りますが二十数人もいますからね。
>>80さん
いかに「あの人」を全てに絡ませていくかで苦労してます。
六期はかなり無理矢理っぽい気が・・・。

P.S
>>77さんと>>80さんは同じ人ですか?
違ってたらすいませんm(_ _)m
82 名前:37=77=飛べない鳥 投稿日:2004/06/02(水) 00:06
どうでもいい事ですけど...違います
ややこしいのでレス用のコテハン晒します
83 名前:天下一ユニットプロジェクト 投稿日:2004/06/03(木) 01:55
それぞれの画策(松浦編)

「ふぅ・・・」
ため息をつくと、安倍は携帯をポケットにしまった。
「電話は終わりましたか?安倍さん」
「え?う、うん」
「じゃあ話の続きを始めます」

事務所の小会議室に安倍は呼び出されていた。
自分にとっては意外な人物・・・松浦から。
そして、この部屋に呼ばれたのは自分だけではなかった。
藤本、後藤、石川、高橋・・・
あまりにも偏ったメンバーだけが揃っていた。

「みんなには松浦とユニットを組んでもらいます」
有無を言わせない強い口調で松浦が言う。
「ちょ、ちょっと待ってよ!それは私達が決める事でしょ!?」
「亜弥ちゃん、ちょっと強引すぎじゃない!?」
当然のように反発の声が挙がる。
しかし松浦はさらに言葉を続けた。
「強引なのは解っています!
けど今までのやり方じゃだめなんです。
ハロプロの総力を集めたユニットを作らないと・・・!」

松浦の言葉はつんく♂のやり方を真っ向から批判する物だった。
しかし、誰もそれを否定する事はできなかった。
「・・・だけど忘れてない?」
今まで黙っていた後藤が口を開いた。
「1×6は必ず6になるとは限らないよ。
ここにいる内の三人は解ってると思うけど?」
「もう一人の人が・・・矢口さんがなんとかしてくれる」

矢口。その言葉に、全員が松浦を見る。
「前は繋ぎ役を出来る人がいなかったから駄目だったの。
ソロパートの量だけが評価じゃない・・・
サポート役が一流じゃないと」

「・・・解った。でも松浦のためじゃない。
ハロプロの・・・みんなのためだからね」
「・・・解っています。ただ松浦もハロプロを
守りたい気持ちは誰にも負けないつもりです」

未来の為。仲間+自分・・・ハロプロの未来の為に。
84 名前:jima 投稿日:2004/06/05(土) 00:27
>>82さん

このたびはご迷惑をおかけしてすいませんでしたm(_ _)m
ただなんとなく気になってしまったので・・・
>>80さんも申し訳ありませんでしたm(_ _)m
85 名前:天下一ユニットプロジェクト 投稿日:2004/06/09(水) 01:11
それぞれの画策(束ねる者)

ユニットプロジェクトの話が出てから四日。
それぞれがユニットに向けて動き出そうとしている中、
中澤はあるメンバーを呼び出した。

「裕ちゃん、みんな連れてきたよ」
「・・・ん。入り」
カチャッという音と共にドアが開き、
飯田・石川・吉澤・アヤカ・あさみ・斎藤が入ってきた。
「あ、そこら辺に座ってええよ」
立ったままの六人をとりあえず座らせ、中澤は話し始めた。

「実はなぁ・・・わたしもユニットやろうと思ってん」
「え?だって裕ちゃんあの時やらないって・・・」
「いや〜、あん時ああ言うたけどよう考えたら
下の子らがうちと組みたがるはず無いやん?」
「う、うん、まあ・・・」
「だったら参加するのもアリなんちゃうか?って思ってな」

「それは解ったけど・・・なんでこのメンバーなの?」
「かおり〜。鈍いのも大概にしいや?あんたは娘。の何や?」
「リーダー・・・だけど?」
「そんじゃ石川、あんたは?」
「タンポポの・・・リーダーでした」
「つまりそーゆーこっちゃ。ここにおるのは
それぞれのグループやらユニットやらのリーダーなんや」
「でも・・・一つ足りなくありませんか?」
「まあ・・・ミニモニ。は最後のリーダーがおらへんからな。
ほんとーーーーーにしゃー無いんやけど・・・
初代リーダーの矢口って事にしたんや」

「・・・・・・」
(矢口さんと組みたいのがバレバレですね・・・)
(よっすぃーもやっぱそう思う・・・?)
「ま、そんな訳なんでよろしゅ〜頼むわ。
みんな、頑張ろ〜な〜」

最後にして最強(?)のユニットが気まぐれで作られた。
86 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/27(日) 13:02
続きが待ち遠しい今日この頃・・・
87 名前:jima 投稿日:2004/06/29(火) 01:39
>>86さん
すいませんっ!m(_ _)m!
>>85に書き忘れましたが第一部は終わってます。
(>>74で「一話」ってなってますがこれからは「〜部」にします)
今までは即興で書き込んでいたのですが
これからは下書きしてからにしようと思います。第二部は
近日公開しますのでもうちょっと待ってくださいm(_ _)m
88 名前:第二部 −沢山の気持ち、一つの体 投稿日:2004/07/07(水) 01:22
「ん〜〜〜〜っ!」
大きな声で伸びをしながら家のドアを開ける。
たった五日だけなのにすごく久しぶりに会うような気がする。
『モーニング娘。』。おいらの大切な、もう一つの家族に。
「そんじゃ、いってきま〜す」
勢いよくドアを閉める。と同時に携帯の電源を入れた。
いつものおいらなら電源切る事なんて無いんだろうけど、
一時は「入院!?」ってくらいに体調崩しちゃったんで
(治す事に専念しなきゃ)と思ってずっと切っといた。

「とりあえず・・・誰かからメールきてるかな?」
メンバーのみんなからは、お見舞いのメールがきていた。
「あれ?また藤本からだ・・・」

「矢口さん、大事な話があります。すぐに電話してください」
・・・何だろ?
「あれ?圭織もまただ・・・」

「矢口、ラストチャンスなの。お願い!!」
・・・何が?
「今度は・・・よっすぃーだ」

「矢口さん、一緒にアメリカンドリームをつかみましょう!」
またハワイに行くのかなぁ?
「おっ!なっちからだ」

「矢口、また一緒に仕事する事になったらよろしく」
・・・もう着ぐるみはやだよ・・・。
「松浦・・・?めずらしいなぁ」

「やぐっつぁ〜〜〜ん。一緒にがんばりましょ〜〜〜」
師匠、ラジオのまんまじゃないですか・・・で、何を?
「あっ、裕ちゃんからもきてる」

「や〜〜ぐちぃ〜〜〜。元気しとるか?
裕ちゃんの一生のお願い聞いてほしいんや〜。よろしくな」
・・・だから何をなのさ!?
みんな何かおいらにお願いしたい事があるみたいだけど・・・。
89 名前:たくさんの気持ち、ひとつの体 投稿日:2004/07/09(金) 02:27
メールの内容の意味が解らないまま、
気がつくと収録スタジオに着いていた。
「ま、直接聞いてみればいいか」

−−−−カチャッ
楽屋のドアを開ける。そこにはいつも通り、13人の仲間がいた。
「・・・あれ?」
何かが違う。うまく表現できないけど、
見えない境目が複雑に張りめぐらされてる感じ。
「あっ!矢口さん!病気治ったんですか?
めっちゃ心配しましたよ〜」
「・・・」
「矢口、さん?」
「・・ん?あ、ああ、加護ちゃん久しぶり」
「なにボーッとしてるんですか?」
「いや、その・・・なんかいつもと空気違うなぁって」
「じつはですねぇ・・・」

「えええええええ!?なんでそんな重要な事・・・」
あ、そうだった。携帯の電源切っといたんだっけ・・・。
「それでですねぇ、いちばんいいユニットは
ハローの顔として活動するみたいですよ」
「だからかぁ・・・」
「矢口さんはどうするんですか?」
「えっ?おいら?」
「うちの知ってるかぎりだと飯田さんとよっすぃーが
さそおうとしてるみたいですけど・・・」
「かおりと・・・よっすぃー・・・・・・そっか!」
「ど、どうしたんですか矢口さん?」

ようやくメールの意味が解った。多分メールをくれた六人は
この事を言おうとしてたんだ。
「矢口さん・・・」
「ん?なに?」
「・・・飯田さんかよっすぃーの組に入ってくれませんか?」
「ん〜、それはおいらが決める事なんだけどなぁ・・・」
「わがままだっていうのは解ってます。でもそうしてくれれば
卒業しても矢口さんといっしょに活動できるし・・・」
顔を上げると、今にも泣き出しそうな加護の顔がそこにあった。
「ありがと、加護ちゃん。
でもやっぱりこういう事は自分で決めたいんだ」
「・・・解りました」

自意識過剰かも。・・・でもさっきの加護みたいに言われたら。
おいらはまた同じ言葉をかけなくちゃいけないんだろうか。
また同じ表情をした誰かを見なきゃいけないんだろうか。
90 名前:たくさんの気持ち、ひとつのからだ 投稿日:2004/07/15(木) 02:12
「矢口、ちょっといい?」
「・・・ふぇっ!?」
急に後ろから声をかけられて、間抜けな声が出ちゃった。
振り向くとそこにはかおりがいた。
「なに変な声出してるのよ」
「だ、だって急に声かけてくるから・・・」
「ふーん。で、矢口に話があるんだけど」
・・・きた。かおりの考えてるユニットは絶対にあれだ。
かおりが命よりも大事に思っていて、
おいらと加護が一緒のユニットといえば。
「圭織ね、タンポポをやろうと思うの。もう一度だけみんなに
タンポポの世界を伝えたいの」

解るよ、かおり。タンポポはおいらの中でもおっきな存在。
加入してすぐにメンバーに選ばれて。
素敵な歌を歌いながら少しずつ打ち解け合って。
彩っぺが抜けてから石川と加護が入ってくるまで
二人で歌ってた頃もあったっけ。懐かしいなぁ・・・。

「・・ぐち。矢口?」
「・・・えっ?」
「またボーッとしてるよ。大丈夫?」
「かおりにそんな事心配されたくないよ〜」
「あ、そーゆー事言うんだ。そんな子には・・・それっ!」
いきなり、かおりが後ろから抱きついてきた。
「ちょ、ちょっとかおり?くるしいよ・・・」
「・・・こんなふうに矢口とバカやってられるのも
来年の冬までなんだよね・・・」
「かおり・・・」
「いつの間にかどっちが先輩だかわかんなくなっちゃったけど、
最後くらいは矢口に先輩らしいとこ見せたいの」
「・・・」
「だから圭織といっしょにもう一回・・・タンポポ、やろ?」
「・・・少し考えさせてもらっていい?」
「そっか・・・矢口はさっきまで何も知らなかったんだよね。
いきなり言われてもこんがらがっちゃうか。
でもできるだけ早く返事してね」
「・・・うん」

かおりはタンポポ・・・じゃあよっすぃーは何?
おいらとよっすぃーと加護の共通点・・・
「やぐっつぁん!」
「・・・れいな?」
91 名前:jima 投稿日:2004/07/15(木) 02:35
・・・という訳で、微妙なかおまり入れてみました。
最近のモーチャンとかでも絡みあるので、
それに触発されて・・・って感じです。

>>87で「これからは下書きして〜」とか言ってますが
相変わらずその場で考えて書いてます(^^;
(下書きした時とここに書き込む時では
考える事が違う場合が多々あるので)

作品内で矢口さんと絡ませたいメンバーの
リクエストもあったら教えてください。
(前作くらいの出来でもいいと思ってくださるのなら^^;)
92 名前:マルタちゃん 投稿日:2004/07/17(土) 14:13
毎回見ています。リクエストいいですか?
ごっつあんでお願いしたいなあと。
やぐごま大好きなもので。
宜しくお願いします。
これからも頑張って下さい。
応援してます。
93 名前:たくさんの気持ち、ひとつのからだ 投稿日:2004/07/20(火) 01:24
「いきなりどーしたの?れいな」
「あだ名で呼んでほしいってやぐっつぁん言ってましたよね?
でもまだ絵里もさゆも打ち解けてないと思うんですよ〜。
ここは何かきっかけが必要だと思いません?」

なんだかいきなりだなぁ・・・。
「そ、そうかもね・・・」
「そこで提案なんですけど・・・
私達とユニット組んでくれませんか?」
「・・・え?」
「いや、だからユニットですよ。いっしょに活動してれば
親しくなれると思いません?」
「まあ・・・そりゃあそうだけど」
辻加護や石川もそうだったしなぁ・・・。
今はからかわれまくってるけど。
まあ、それはそれとして・・・一つ気になる事が。
今までのパターンとは違うぞ?
「ねえ、れいな」
「はい?」
「おいらにメール送ってないよね?」
「はい」
「そっかぁ・・・」
「じゃ、ユニットの話考えといてくださいね」

そんな矢口と田中のやりとりを見つめる視線が三つ。
「ね、ね、さゆ。大丈夫だと思う?」
「・・・わかんないよ。さっきも飯田さんと話してたし」

・・・二つは亀井と道重。そしてもう一つは・・・
(あいぼんと飯田さんとれいな・・・今の所三人。
亜弥ちゃんも入れると・・・四人か。
そろそろ声かけといた方がいいかな・・・)

−−−ガチャッ
不意に楽屋のドアが開いた。
「やぐっつぁん、いるー?」
もう一つの視線の正体・・・
藤本が矢口に声をかけようとした瞬間、
不意に後藤が楽屋に入ってきた。
「笑わん姫のリハがあるから来てだってさ」
「うん、解ったー」
そう言うと矢口は後藤の後を追って楽屋から出ていった。
94 名前:たくさんの気持ち、ひとつのからだ 投稿日:2004/07/22(木) 00:40
「なんかずいぶん早いね〜。
あ・・・よっすぃーも一緒に来た方がよくない?」
「・・・」
「どしたの、ごっつぁん?」
「・・・嘘なの」
「え?」
「リハーサルがあるっていうのは嘘。
ちょっとやぐっつぁんに話があって、さ」
「話?」
「うん。ちょっとあそこだと・・・しづらい話」

楽屋でしづらい話・・・なんだろ?
ごっつぁんもユニットがどうとか言い出すんじゃ・・・。
「ねー、やぐっつぁん」
「え?な、何?」
「娘。の事、好き?」
「・・・好きとか嫌いとかじゃない、かな?
家族みたいにいっしょにいて、そこにあるのが当たり前で・・・
だから病気でみんなに会えなかった時は
すっごい不安だったよ。もしかしたらみんな
おいらの事忘れちゃってるんじゃないかって」
「じゃ・・・ごとーの事は?」
「・・・は?」
何言ってんだ・・・ごっつぁん?
「だから、ごとーの事もそんなふーに思ってくれてるの?」
「ん〜・・・ごっつぁんは同期に近い後輩って感じかな?
年下なんだけどおいらよりも大人ってのもあるし・・・」

「うそつき」
「え・・・」
「それっておかしいよ!ごとーもおととしまで
その家族の中にいたんだよ?卒業したらただの後輩なの?」
「ごっつぁん・・・」
「もう・・・だめなの?」
「え・・・?」
「おもしろい妹達がいて・・・しっかり者なんだけど
どっか足らない感じのお姉ちゃん達がいて・・・
ごとーはもう家族にはなれないの?」

ごっつぁんは泣いてた。
おいらより大きい体が、おいらより大人っぽい顔が
すごく子供っぽく見えた。
「目立って仲良いっていうんじゃなかったけど・・・
やぐっつぁんのいい所は五期や六期の子より知ってるよ?」
「・・・そうだね。ごめん、ごっつぁん。
ずっとごっつぁんはおいらのかわいい妹だよ」
「妹?」
「うん、妹」
「妹か・・・そっか」
95 名前:マルタちゃん 投稿日:2004/07/24(土) 14:52
書いていいのかな?
やぐごまをリクした者です。
リクに応えていただき有難うございます。
やぐごまの続き期待してます。
96 名前:たくさんの気持ち、ひとつのからだ 投稿日:2004/07/30(金) 01:20
「まあおいらよりおっきい妹だけどね・・・。
あっ、そんな事言ったらみんなそっか」
「・・・ねー、やぐっつぁん」
「ん?」
「ごとーの卒業発表のこと、覚えてる?」
「覚えてるよ〜。最後の方とかみんな泣いてばっかりでさ」
「・・・やぐっつぁんにはね、
なんか不思議な力があると思うんだ」
「え?」
「あの時ね、『絶対に泣かないようにしよう』って思ってたの。
けどみんなのコメント聞いてるうちに涙出てきちゃって・・・」
「・・・」
やぐっつぁんが泣きながらコメントしてるの聞いてたら
もう涙とまんなくなっちゃったんだ」
「ごっつぁん・・・」
「やぐっつぁんが笑ってるとみんなも明るくなって・・・
へこんでるとみんなも暗くなっちゃって・・・
空気とか変えられるんだよ、やぐっつぁんは」
「そう思ってるのはごっつぁんだけだよ〜。
おいらのテンションくらいで娘。は左右されないって」

「・・・いいよ」
「?」
「そう思ってるだけなのがごとーだけでもいいよ。
だってやぐっつぁんの魅力に気付いてるのは
ごとーだけだって事でしょ?」
「いや、だからね・・・」
「ごとーもね・・・まっつーと同じユニットなんだ」
「え?あ、そーなんだ。・・・『も』ってどういう事!?」
「やぐっつぁんもね・・・その中に入ってるんだ」
「だっておいら・・・返事も何もしてないよ?」
「やぐっつぁん」
「え?」
「ごとーと一緒のユニットじゃいやなの?」
「そうじゃなくてさぁ・・・
おいらもいっぺんに色々言われてなにがなんだか・・・」
「そっか、さっきまで何も知らなかったんだっけ。
じゃ、ごとーはやぐっつぁんが必要だって事だけは覚えといて」
「はいはい、覚えときまーす」

長かったなぁ・・・。あとは・・・誰だっけ?
「や〜ぐち〜」
はぁ・・・忘れてた・・・。
97 名前:jima 投稿日:2004/07/30(金) 01:27
前回中途半端なとこで切ってしまいすみませんm(_ _)m
>>95さん
やぐごまは一旦終了です。
話の流れ次第ではこの先も??ですが・・・。
まだ未熟者ですが喜んでもらえれば嬉しいです。
98 名前:マルタちゃん 投稿日:2004/08/29(日) 12:39
どうもです。
ゆっくりまったり更新されるの待ってます。
真希真里(やぐごま?)良いですね。十分です。
真希真里ハッピーエンドになるといいなあ‥‥。
なんて気が早いですね。頑張ってください!
99 名前:jima 投稿日:2004/09/29(水) 00:06
うわっ・・・二ヶ月近く経ってる・・・
アジアカップ→オリンピックですっかり忘れてましたm(_ _)m

>>98さんを始めまだここに目を通してくれている方へ
まだ書き続ける意志はありますのでよろしくお願いします。
ageとくのでよかったら見てやってくださいm(_ _)m
100 名前:たくさんの気持ち、ひとつのからだ 投稿日:2004/09/29(水) 01:09
「ごっちんと何話してたんや?」
「裕ちゃんには関係無い事。裕ちゃんこそどーしたの?」
「え?・・・そやそや、忘れるとこやった。えっとなあ・・・
うちらと一緒にユニットやらへん?」
「・・・またその話?おいらいい加減うんざりだよぉ・・・」
「そう言わんと・・・!ちょい待ち、今『また』って言うた?」
「うん」
「うち以外に矢口に手ぇ出そうとした奴がおったんか・・・
それでなんて答えたん?まさかOKしたわけやないやろな!?」
手ぇ出すって・・・表現間違ってると思うんだけど・・・。
「今んとこは別に入るとか言ってないけど?」
「そっか・・・そんなら別にええんやけど」
「・・・ねえ、裕ちゃん」
「ん?」
「なんかねえ・・・おいら、自分がわからないんだ。
みんながおいらに声かけてくれるのはうれしいけど・・・
おいらはみんなが思うほどすごくもないし」
「・・・」
「ねえ、なんでおいらなんだろう?おいらなんかより・・っ!」
「それ以上言わんでええ」

一瞬の内においらは裕ちゃんに抱きしめられてた。
「よーく聞くんやで、矢口。みんな誰かと比べて
矢口を選んだんやない。矢口が矢口やから選んだんや。
裕ちゃんはそう思うで?」
「おいらが・・・おいらだから?」
「そう。矢口らしいって事に関しては誰も勝てへん、
矢口が一番なんやからな」
「そうだね・・・なんか裕ちゃん、うちのおばあちゃんみたい」
「なっ・・・人が慰めてんのに言うに事欠いてばあさんやて?」
「そんなにムキになんないで・・・いい意味でだからさ」
「はいはい、わっかりました〜。それで本題やけど・・・」
「考えとくよ。もう少し待ってて、ね?」
「・・・うちがその顔に弱いの知っててやってるやろ?」
「へへっ、まーね。じゃ、そーゆー事で」

なんか気が楽になった気がする。
やっぱリーダー!って感じだなぁ・・・。

−−−ドンッ
101 名前:たくさんの気持ち、ひとつのからだ 投稿日:2004/09/30(木) 17:04
(離れ離れになって気付いた事 うまく歌えない
今は声を枯らし続け 頭の中に住み着いている声
二人誓い合った始まりの言葉...)

−−−ドンッ
「わっ!?」
「あいたた・・・あ、ごめんなっち。だいじょぶ?」
「ヤグチ・・・?」
「なにボーッとしてんの?悩み事?それとも・・・頭打った?」
「う、ううん・・・そんなんじゃないけど」
「ほんとに〜?そんならいいんだけど、さ」
「・・・ねえ、ヤグチ」
「ん?」
「ヤグチは・・・なっちがいないとさみしい?」
「は?いきなり何言ってるの?」
「なっちはね・・・すごくさみしい。ソロになれたのは
もちろんうれしいけど一人で楽屋にいる時とか・・・
そんな時にそばに誰かいてくれたらいいなとか思うんだ」
「う〜ん・・・解らなくはないけど・・・それって
別においらじゃなくてもよくない?
裕ちゃんとか圭ちゃんとか・・・」
「・・めなの」
「え?何?」
「ヤグチじゃなきゃだめなの!泣き虫だけど強くて、
小っちゃいけど大っきくて、その、えっと・・・」
「なっち・・・」
「友達ってわけじゃないけど仲間とも
ちょっと違うっていうか・・・ヤグチは少し特別な存在だから」
「・・・」
「・・・ねえ、なっちと一緒にやろ?あの時みたいにさ・・・
二人してさわいだりバカやったり」
「・・・考えとく」
「・・・ヤグチ?」
「疲れてるんだ。・・・ごめん」
「・・・そっか。じゃ、決まったら返事してね」
「・・・うん、わかった」

「ふう・・・これで四人?五人?あ〜、もうわかんないよ!」
もうこれで終わりならいいなあ・・・。
「矢口さん」
・・・まだ?
102 名前:マルタちゃん 投稿日:2004/10/02(土) 15:54
更新お疲れ様です。
書き続けてくださるのなら
まったり待ってます。
次回も楽しみにしてます。
103 名前:通りすがりの者 投稿日:2004/10/25(月) 12:52
なんか前代未聞の話ですね。
更新待ってます。
104 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/25(月) 18:32
更新じゃないのにageるなよ
105 名前:たくさんの気持ち、ひとつのからだ(終) 投稿日:2004/11/21(日) 00:46
声を掛けてきたのは、おいらが予想していた相手じゃなかった。
「なに?どーしたのさ」
その子はすごい深刻そうな顔をしてた。
「・・・」
何も言わずに抱きついてくる。
「ちょ、ちょっと・・・」
引き離そうとするけど、離れない。離してくれない。
「・・・きですか」
「え?」
「矢口さんは今のモーニング娘。の事、好きですか?」
「う、うん・・・まあ来年からはおいらがリーダーだし
頑張っていかなきゃなぁなんて・・・」
「じゃあ・・・約束してください。たとえ誰と組む事になっても
必ず私達の所に戻ってきてくれるって」
「・・・うん、わかった。約束するよ」
その答えを聞いて満足したのか、その子は
おいらの体から離れると廊下を駆け足で去っていった。

答えが出ないまま、期日の日曜になってしまった。
おいらを気づかってるのか、誰もその話題には触れない。
今日中に決めないとならないんだ。
ラジオで初めて発表するって事になってるのもあるし・・・。

決まらないままラジオは始まってしまった。
(はあ・・・時間止まらないかなぁ・・・)
「すいませ〜ん、矢口さん」
CM中スタッフの人が一枚のFAXを持ってブースに入ってきた。
「イタズラだと思うんですけど・・・一応見てくれませんか?」
FAXにはこう書いてあった。
『矢口〜、ラジオ頑張っとるか〜?あのプロジェクトやけどな、
やめて代わりにハローのメンバー全員で
ミニアルバム出す事にしたからそっち発表しといてや〜。

つんく♂』
・・・間違い無くつんく♂さんの字だ。
「これは・・・本人ですね」
胸のつかえが消えたような気がする。
とりあえず、もう悩まなくていいって事だよね?
おいら的には誰かだけ選ぶなんてできない。
たくさんの気持ちに応えたくても、体は一つだけだし。

ハロプロメンバー全員のユニットは
「ハロー・プロジェクトオールスターズ」って名前で
活動が始まった。久しぶりに裕ちゃんや圭ちゃん、ごっつぁんと
番組で歌った気がする。楽屋とかも昔っぽい感じ。

・・・でも、悩む期間はまたすぐに来てしまった。
106 名前:第三部 上と下との狭間で 投稿日:2004/11/21(日) 01:41
それはいつも通りのコンサートの時だった。
アンコールがかかって出ていったけど、照明がつかない。
(故障かな?)
そう思ったとたん、モニターにつんく♂が現れた。
「みなさ〜ん、こんにちは!
え〜、このたびまた娘。を二つに分ける事にしました」
二つって・・・さくらとおとめみたいな感じかな?
「・・と言っても、ただ分ける訳じゃありません。
元メンバーと現メンバーから卒業予定の飯田、石川。
それに矢口を加えた9名と残りの9名に分けます」
いつの間にスタンバってたのか、おいら達が出てきた方と
逆の袖から裕ちゃん達が出てきた。
それを見た客席がざわつき始める。
「今回はJリーグみたくしたいと思って・・・
同じ曲で競ってもらって勝った方がJ1、みたいな。
そんじゃ中澤、あとよろしく〜」
そう言ってモニターは消えた。
「まさか30過ぎて娘。やる事になるとは思いもしませんでした。
けどやるからにはちゃんとやりたいと思います」
それだけ言うと裕ちゃん達はステージから去っていった。
おいら達はその後アンコールに応えて歌ったけど、
頭の中は真っ白だった。多分他のメンバーも同じだったと思う。

楽屋に戻って、おいらはすぐに圭織に聞いた。
「ねえ・・・知ってたの?」
「うん・・・ちょっと前に聞かされて」
「梨華ちゃん・・・も?」
「・・・多分」
「梨華ちゃ・・・」
声をかけようとした瞬間、刺すような視線を感じた。
あわててそっちに顔を向けるけど、もう視線は消えてる。

−−−コンコン
楽屋のドアがノックされた。
「矢口おる?」
裕ちゃんの声だ。ドアを開けると真面目な顔の裕ちゃんがいた。
「ちょっと話あるんやけど」
「ここじゃ・・・だめなの?」
「ああ、ちょっとな・・・うちらの楽屋で話そうや。
圭織、石川、あんたらもおいで」
『うちら』のとこをなぜか強く言った裕ちゃんに手をひかれて
おいらは娘。の楽屋を出た。さっきの視線を背中に感じながら。
107 名前:jima 投稿日:2004/11/21(日) 01:56
物凄く長い期間更新止まってましたね・・・m(_ _)m
正直実在する人物をどこまで壊して書いていいか
ずっと迷ってましたが、他の方の小説を読んで
そんな事に拘ってる自分がめっちゃダメに思えました。
これからはあまり気にせずに書いて更新を早くしたいです。
それでも詰まったら短編書こうと思うので
多少読みにくくなると思いますがお願いしますm(_ _)m
108 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/21(日) 04:00
読んでるよ、早めの更新キボンヌ
109 名前:マルタちゃん 投稿日:2004/11/21(日) 13:26
jimaさんの書くものはどんなのでも
大好きです。
頑張って下さい!
110 名前:上と下との狭間で(2) 投稿日:2004/11/22(月) 00:38
「どーや?落ち着くやろ」
裕ちゃんに連れられて入った楽屋には
懐かしい顔がいっぱいあった。
「ヤグチ・・・久し振り。って言っても毎日メールしてるから
あんまりそんな気しないけどね、へへっ」
なっちが、
「矢口、最近どう?苦労してんじゃないの?」
圭ちゃんが、
「んぁ〜、やぐっつぁん、この前はどーもー。
いっその事今度から二人きりでラジオやんない?」
ごっつぁんが、
「「矢口さ〜ん!」」
「きいてくださいよ〜。あいぼんとののの体重、
ぎゃくになったんれすよ」
「・・・なんでそんなどうでもいい事言うねん・・・」
辻加護がいる。
なんだかこの感じ・・・懐かしいなあ。
「・・・そこら歩いてる人に聞いたら
こっちの方が娘。っぽいって答えるやろな」
「・・・」
まただ。
さっきも裕ちゃんはこんな口調だった。
「・・・裕ちゃん」
「ん?」
「今の娘。の事・・・嫌いなの?」
「・・・かも、な」
「なんで!?みんな頑張ってるし新メンバーも入・・・」
「・・・ほなら矢口はどうなんや?」
「・・・え?」
「さっきの楽屋と今いる楽屋。どっちが娘っぽいと思うんや?」
「・・・」
答えられなかった。どっちがいいとかは分かんないけど
こっちの方が・・・
甘える相手がいて、お互いタメ口で話せる相手がいて、
たまに怒ったりする相手がいるこっちが
居心地がいいと思っちゃったから。
「・・・ええか、矢口。今はまだ圭織も石川もいる。
けど二人が卒業したらウチがいた頃のメンバーは
矢口とよっすぃーだけや。
ウチはこれ以上娘。が変わるのを見たくないんや・・・!」
「そうだけど・・・けど!」
「・・・やめよ。みんな見てるで」
「あっ・・・」
不安そうにみんながこっちを見ていた。
いつの間に入ってきたのか、カオリと梨華ちゃんもいる。
「・・・ごめん、みんな。おいら一回戻るね」

そう言っておいらは楽屋から出た。
このままここにいたら戻れなくなりそうだったから。
・・・けど娘。の楽屋のドアを開ける事もできなかった。
111 名前:上と下との狭間で(3) 投稿日:2004/12/08(水) 01:25
このまま立っててもしょうがない。
勇気を出してドアノブを握り、楽屋に入る。
「あ・・・矢口さ・・」
「ごめんごめん、ちょっと遅くなっちゃった」
「・・・」
楽屋が静けさに包まれる。
カオリも梨華ちゃんも戻ってこない。
ヒソヒソと話し声が聞こえる。
(・・・矢口さん、どうすると思う?)
(わかんないよ・・・)
(・・・でも正直・・・)
「大丈夫だよ」

一際力強い声が聞こえた。・・・あの子の声だ。
「矢口さんは私たちの味方でいてくれるよ。
この前約束してくれたんだから」
「・・・」
その一言で楽屋は静かになった。
おいらはその子に視線を移す。
「ね?矢口さん」
計算か天然なのか、無邪気な笑顔でおいらに問いかけてくる。
「なにジッと見てるんですか〜?
もしかして私の事好きなんですか?」
「・・・ん?いや、全然」
「ふふ、変な矢口さん」

・・・マズい。言い出すタイミングが無くなっちゃった。
いつの間にかあの子の空気に引き込まれてる。
「あのね、みんな」
おいらは今、約束を破ろうとしてる。
ここにいるみんなを、裏切ろうとしてる。
でも心の中では
(本当にこうするしかないのかな?)
(他に方法があるんじゃないかな?)って思ってる。
でもそれをどうやって伝えればいいのか・・・
言葉が、見つからない。
112 名前:上と下との狭間で(終) 投稿日:2004/12/21(火) 02:22
「矢口〜、まだか〜?」
裕ちゃんの声。そしてドアを開ける音。
・・・タイミングが悪すぎる。
「早くしてや〜。色々話す事あるんやから・・・今後の、な」
誰も何も言わない。・・・恐いのか、返す言葉が無いのか。

「じゃ、行こか」
本当にこれでいいんだろうか。
「矢口・・・」
これで、
「矢口?」
これで本当に・・・
「良いわけないよ!!」
自分でもビックリするくらいの大声が出た。
「ちょっと裕ちゃんと話してくる。・・・絶対に戻るから」
113 名前:jima 投稿日:2004/12/21(火) 02:27
という事で、3部まで終了です。
本当は前の書き込みで終わらせる筈だったのですが、
文が長すぎたので分ける事になりました。
次回でこのシリーズは終わりです。
かなり内容がコロコロ変わってしまいましたが、
読んでくれた方、本当にありがとうございますm(_ _)m
114 名前:4.見つけた答え 投稿日:2004/12/21(火) 02:59
「一体どうしたんや、矢口?まさか今になって入らんとか・・」
「裕ちゃん・・・矢口の事、好き?」
「当たり前やんか〜。せやからこうやってもう一度・・・」
「じゃあ・・・矢口のいるモーニング娘。は?」
「・・・!それとこれとは・・・」
「聞いて、裕ちゃん。矢口が初めて裕ちゃんと会った時ね・・・
すっごい恐かったんだ」
「・・・」
「でもそれは愛情の一つなんだって解って・・・
そしたら一気に壁が無くなってね、
頼れる優しいお姉さんって感じで恐いが大好きに変わったんだ」
「矢口・・・」
「だから今度は矢口が今のモーニングの中で
裕ちゃんみたくならなきゃって・・・
まあ裕ちゃんみたく迫力はないけどさぁ、
下の子も少しずつ『やぐっつぁん』て呼ぶようになったり・・」
「・・・ちょっと目ぇ離しとる間に成長したんやなぁ」
「えっ?」
「でも勘違いしたらあかんで。矢口がウチになる必要は無い、
矢口は矢口のやり方で娘。をまとめていったらええんや」
「じゃあ・・・今度の事は?」
「ま、なんとかなるやろ。・・・しっかし聞き捨てならんなぁ」
「・・・え?」
「誰が鬼のような迫力やて?そんな事言うのはこの口か〜?」
「そ、そこまで言ってないよぉ・・・やめろよ〜、裕子!」

−−−−−一週間後

・・・結局この話は無かった事になって、
それぞれのデビューシングルになる予定だった曲は
プッチベストに収録される事になった。
もちろんおいらは・・・、モーニング娘。の方で歌っている。
この子の言葉がおいらを踏みとどまらせてくれたから。

「・・・?あ〜、やぐっつぁんまた絵里の事見てる〜。
絵里の事好きなんですか〜?」
「まあ・・・前よりは、ね」
おいらを信じてくれる子が、
おいらを必要としてくれる仲間がいるんだから。
「やっぱ絵里がカワイイからですか〜?そうですよね〜」
ちょっと・・・いや、かなり疲れそうだけどね・・・。

                           END
115 名前:jima 投稿日:2004/12/21(火) 03:05
え〜、かなり意外な組み合わせで終わらせてもらいました。
(予想できた方もいるかもしれませんが)
度々変わる内容、遅れた更新・・・
にも関わらず読んでくれたみなさん、感謝ですm(_ _)m
今後しばらくは自分の力量に合わせて短編にします。
リクエストある方はどうぞ(ただし矢口さん絡みでお願いします)
116 名前:マルタちゃん 投稿日:2004/12/25(土) 15:21
お疲れ様です!
意外でしたが、面白かったです。
リクは、『ごまやぐ』がいいです。
宜しくお願いします
117 名前:Magical Name 投稿日:2004/12/28(火) 04:05
「やぐっつぁん」
これはごとーがやぐっつぁんを呼ぶ時の呼び方。
他には誰も呼ばない、ごとーだけの呼び方。
いつからそうなったかわかんないけど、
気が付いたらそう呼んでた。
やぐっつぁんの事をこう呼んでるのが
ごとーだけだと思うと、なんかうれしい。
友達とかとは違う・・・二人だけの秘密みたいな感じ。
「やぐっつぁん」
そう呼ぶだけであったかい気持ちになれる。
「なに?ごっつぁん」
大っきな目でごとーを見つめてくる。
年上なんだけどなんかかわいい。
「・・・ほんとに小っちゃいねえ」
「なんだよ〜、今さら思う事じゃないじゃん!」
「そーだね」
「?変なごっつぁん」
ほんとはね・・・そんな事言いたいんじゃないんだよ。
やぐっつぁんはごとーの中では特別なんだよ、
だけどやぐっつぁんは?って聞きたかったんだよ・・・?

−−−−−四日前

「矢口さん、お疲れさまでした〜」
「梨華ちゃん、お疲れー」
「やぐっつぁ・・」
「やぐっつぁん、お疲れ様でした」
「あー、れいな。お疲れー」
「・・・!」
「・・ん?どしたの、ごっつぁん?」
「・・・何でもない」
知らない間に、他の子も「やぐっつぁん」って呼んでた。
五期のみんなも、六期の子たちも。
やっぱ近くにいるメンバーの方が大事なの?
教えてよ、やぐっつぁん・・・
118 名前:jima 投稿日:2004/12/28(火) 04:09
・・・て事で、マルタさんよりリク頂きましたやぐごまです。
年内の更新は無理っぽいので、
「更新されてたらラッキー」くらいに思ってくださいm(_ _)m
119 名前:Magical Name 投稿日:2005/01/06(木) 01:35
・・・あれから、やぐっつぁんとは会ってない。
あんなに頻繁にしてたメールもほとんどしなくなった。
(絶対にやぐっつぁんの方から呼んでもらおう)
そう心に決めたから。
けど・・・それから一度も連絡はない。
やっぱりやぐっつぁんは
ごとーの事なんかなんとも思ってないのかな・・・?

「この『知』って・・・なんですか?」
「『知』じゃなくて『矢口』って読むんだよ。メンバーの名前」
(これって・・・昔の?)
「新しく入る事になりました、後藤真希です。
よろしくお願いします」
「よろしく」
「あの・・・矢口さんってどの人ですか?」
「矢口?あそこにいる一番小っちゃい子や。話したいんか?」
「えっ!?・・・いや、あの・・・」
「ちょっと待っててな。今呼んでくるから」
「あっ・・・はい」
(そうだ・・・昔のわたしだ)
「どうも、矢口真里です。よろしくね、後藤さん」
「・・・あっ、こちらこそ・・よろしくお願いします」
「金髪か・・・すっごいな〜、矢口も染めてみよっかな〜。
あ、おいらの事は呼びたいように呼んでいいよ。
後藤さんの事は・・・『ごっつぁん』でいい?」
「え・・・?あっ・・はい」
「じゃ、決まりね。矢口敬語使われるの苦手でさぁ・・・
普通に話しかけてきてぜんぜんオッケーだから」
「はい・・!・・うん」
「仲良くしよーね、ごっつぁん」

・・・気が付くと、そこはベッドの上だった。
「夢・・・か」
やぐっつぁん・・・いつまでごとーを放ったらかしにするの?
さみしいよ・・・つらいよ・・・早くしてよ・・・。
120 名前:マルタちゃん 投稿日:2005/01/06(木) 15:43
明けましておめでとうございます♪
リクに応えて頂きありがとうございました。
まったり更新されるの待ってます。

121 名前:Magical Name 投稿日:2005/01/10(月) 01:49
・・・そして、今日。やっぱりごとーから声をかけた。
「どしたのさ〜、ごっつぁん。
さっきから変だよ・・・どっか体の具合でも悪いの?」
「えっ!?い、いや・・・別に」
急に顔をのぞきこまれる。
・・・アセったぁ。
「ほんとにだいじょぶ?なんか顔も赤いし・・・
熱でもあるんじゃん?どれ、おいらが計ってあげよう」
「えっ!?ちょ、ちょっと・・・やぐっつぁん!?」
やぐっつぁんの顔がどんどん近づいてくる。
どーしよう・・・。

ピタッ
やぐっつぁんとごとーのおでこがくっついてる。
やぐっつぁんの温もりを、ごとーが一人じめしてるんだ。
「ん〜、熱はないみたいだけど・・・」
ごとーの心配をしてくれてる。
きっと今やぐっつぁんの頭の中はごとーでいっぱいなんだ。
「ごっつぁん・・・なんで泣いてんの?」
「ふぇ?・・いや、あのね・・・」
自分でも気付かない内に泣いてた。
多分・・・安心したからなんだと思う。
まだやぐっつぁんが自分の手の届く距離にいるって解ったから。
・・・今なら話せる。悩んでた事、伝えたい事全部。
「あのね、やぐっつぁん・・・」
122 名前:Magical Name 投稿日:2005/01/10(月) 02:31
「なーに〜!?そんな事考えてたの、ごっつあん?」
「そんな事って・・・すっごい真剣に悩んでたんだよ」
「あのねぇ・・・他の子がそう呼んでたとしてもおいらの事を
最初にそう呼んだのはごっつぁんって事は変わらないでしょ?」
「それはそうだけど・・・さ」
「ん〜・・・ごっつぁん、いつも通りにおいらの事呼んでみて」
「え・・・?急にどーしたの?」
「まあ、いいから」
「うん・・・やぐっつぁん」
「じゃ、今度はおいらね。ごっつぁん」
二人とも口をキュッて結んだ感じになってる。

ーーー次の瞬間。
ごとーの口唇とやぐっつぁんの口唇が重なってた。
やぐっつぁんと・・・キスしちゃった。
「ふふっ」と小さく笑って、やぐっつぁんは離れていった。
「どう?びっくりした?」
「・・・・・・うん」
「ごっつぁんだからしたんだからね?
おいらの特別はごっつぁんだから・・・
『ごっつぁん』って呼んでるのはおいらだけなんだから」
「・・・!そっか・・・そーだよね」
「え?もしかしてごっつぁん・・・今まで気付いてなかった?」
「・・・・・・」
「相当ニブいね・・・でもおいらの魔法で気付いたでしょ?」
「魔法・・・?」
「そ、魔法。おいらがいっつも気持ちを込めてるアダ名の事」
「・・・あ、そーゆー事か」
「また気付いてなかったの・・・?ごっつぁん」
「うん、まあ・・・あれだよね、やぐっつぁん」
「ん?何?」
「ずっとごとーの事・・・そーやって呼んでね。
魔法が解けないように」
「・・・うん、解った」

Magical Name               終
123 名前:jima 投稿日:2005/01/10(月) 02:36
マルタさんリクのやぐごま終了です。
こんなオチで良いのかとか考えてしまいましたが
どうでしょうか・・・?
今後は思い付いたのを気軽にカキコしたいと思ってます。
あとこのような出来でも良ければリクしてください。
ではまた。
124 名前:マルタちゃん 投稿日:2005/01/10(月) 16:05
大満足です♪
有難うございました
今後書かれるものも
楽しみにしてます☆
125 名前:桜華乱舞 投稿日:2005/02/25(金) 03:00
窓の外。
今日も少しずつ、花びらが風に散っていく。
ついこの間までは満開だったのに。
その光景をただずっと見つめているわたし。
−−−−−ブワッ
一際風が強く吹き、たくさんの花びらが宙に舞った。
花吹雪の中に、小さな人影が見える。
「や・・・ぐち、さん?」
そんなはずは無い。矢口さんは2年前のあの日、
わたし達の前で還らぬ人になってしまったんだから。
わたしの・・・わたしのいなかった場所で。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「梨華ちゃんはおとめ組か〜。ま、しょーがないよ。
なんだかんだ言っても梨華ちゃんって『おとめ』って感じだし」
「え〜、矢口さんは全然『さくら』じゃないじゃないですか〜。
・・・幼稚園の組みたいな名前なとこはピッタリですけど」
「・・・なんか言った、梨華ちゃん?」
「え?あ、い、いや・・・別に」
「・・・よし。ま、お互いがんばろーね」
「はいっ!」

「梨華ちゃんって・・今いくつだっけ?」
「えーと・・・18ですけど」
「じゃ、あと二年だね」
「え?何がですか?」
「お酒が飲める年になるまで。一緒に飲みにいこーね、
圭ちゃんみたく『梨華ちゃんに似合うカクテルを』とか
注文してあげるからさ」
「え〜。どんなの出てくると思います?」
「それは梨華ちゃんが20歳になんないとわかんないよ〜。
もしかしたら毒薬みたいなのが出てくるかもしんないし」
「あ〜、ひどーい!」
「キャハハ、冗談だってば。でも・・・覚えててね」
「・・・はい。楽しみにしています」
126 名前:桜華乱舞 投稿日:2005/03/01(火) 01:30
・・・矢口さんが死んだのを知ったのは、次の日の事だった。
おとめ組のライブが終わり、何事も無く終わると思っていた時。
いきなり楽屋に集合するようにマネージャーさんから言われた。
「みんな・・・落ち着いて聞いてね」
「・・・はい」
「矢口が・・・矢口が死んじゃった」
「えっ!?」
「ライブが終わったとたんに倒れて・・・
すぐに救急車呼んだけど・・・その時にはもう・・・」
何を言ってるのかわからなかった。
昨日まで矢口さんはいつも通り元気で、二年先の約束とかして。いきなりそんな事言われても信じられない。
「今から病院に行くから。早く車に乗って」
マネージャーさんにうながされて、
わたし達は矢口さんが運ばれた病院へと向かった。

とある病院の一室。
一つしかないベッドの上に、
さくら組の衣装を着た矢口さんが横たわっていた。
寝ていると言われたら信じてしまいそうなくらい静かな顔で、
見た事は無いけれど座敷童子みたいだった。
「・・・矢口、さん?」
誰かの呼びかける声がする。
返事は・・・返ってこなかった。
誰かがすすり泣きを始め、それが広がっていく。
けど、わたしは泣かなかった。
認めたくなかっただけなのかもしれないけど、泣かなかった。
・・・そして矢口さんは遠い所に行ってしまった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「どしたの?梨華ちゃん」
桜吹雪の中から声がした。
この声・・・間違いない。
「矢口さん!!」
風が止んだ桜の木の下に、
あの日と同じかっこの矢口さんが立っていた。
127 名前:桜華乱舞 投稿日:2005/03/02(水) 23:52
「梨華ちゃん、ひさしぶり〜。元気だった?」
「矢口さん・・・本当に矢口さんなんですか・・・?」
「なに言ってんのさ〜。おいらの顔忘れちゃったの?」
矢口さんが顔を近付けてくる。
ほんのりと桜の花の匂いがした。
(本物の矢口さんだ)
理由はないけど、なぜかそう思った。
「ちょっと待ってください、みんなに連絡しますから。
えっと、まずは飯田さんから・・・」
「・・・いいよ、そんな事しなくて」
携帯を取り出そうとするわたしに矢口さんが呟くように言った。
「え・・・なんでですか?」
「・・・ほら、約束したじゃん。
20歳になったら一緒にお酒飲もうって」
「ああ・・・そういえばしてましたね」
「あ!忘れてただろ!ひどいよな〜、せっかく会いに来たのに」
「ふふ、ちゃんと覚えてますよ。
わたしに似合うカクテルってやつですよね?」
「うん・・・まあ、それなんだけどさぁ・・・
ここで飲みたいと思って途中で買ってきちゃった」
いつの間にか矢口さんの手には、ピーチフィズが二缶あった。
「まあ、ちょっと早いお花見って事で。・・・だめ?」
「・・・いいですよ。矢口さんと一緒ならどこでも」
「ありがと。それじゃ、かんぱーい!」
「かんぱーい!」
一口含むと、桃の香りが口いっぱいに広がる。
少しだけお酒の味もした。
「・・・梨華ちゃん」
「はい?」
「・・・桜、きれいだねー」
「・・・きれいですねー」
128 名前:桜華乱舞 投稿日:2005/03/04(金) 01:24
それからわたし達は他愛のない事をずっと話していた。
最近周りであった事とかを話してるわたしを、
矢口さんは微笑みながらずっと見ていた。
いつのまにか空は真っ暗になって、お月様が二人をてらしてる。
「梨華ちゃん、帰んなくていーの?」
「別に誰も待ってませんしね」
「・・・さみしい青春だねえ」
「ふふっ、そうですね。あ、よかったら矢口さん来ませんか?」
「・・・あのね、梨華ちゃん」
「はい?」
「こっち向いて。・・・驚かないでね」
そう言われてわたしは矢口さんの方を向く。
・・・矢口さんの体は少しずつ消え始めていた。
「梨華ちゃん・・・今日が何日かわかる?」
「え?・・・えっと・・・」
「四月一日。この日だけはウソついてもいい日なの」
「それは知ってますけど・・・」
「解ってると思うけど・・・おいらはあの日に死んじゃった。
だから今ここにいるおいらはウソの存在なんだ」
「・・・え?」
「もう四月一日は終わっちゃう。・・・だからもう」
いやだ。
「もうここには・・・」
聞きたくない。
「いられないんだ」

−−−ガバッ
・・・気が付くとわたしは矢口さんに抱きついていた。
129 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/03/18(金) 15:00
一気に読まさせて頂きました。切ないですやぐりか。次回更新待ってます。

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