1 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 11:11
初めまして。いしよしなんぞを書いてみようと思います。
読みづらい点がありましたら言ってください
2 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:13
救うことも見捨てることもしない。
助けることも見殺すこともしない。
そんな私達をどうして出会わせたのですか?

神様、救いにならないのであれば、今すぐ殺してください。
3 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:13
辛い恋をしていた。
救われない恋、想えば相手を追い詰める。好きな相手を苦しめてしまう。
だから、私はいつでも微笑んでいた。そういつだって微笑んでいた。
そしていつの間にか涙を本当の笑顔を忘れてしまっていた。

そんなときによっすぃに出会ったわ。
あなたの部屋は、私を無条件で受け入れ、無条件で拒絶もしていた。
閉鎖されたその空間だけ私は私でいられるように思っていた。
4 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:14
「ヒーローになりたかったんだ」あなたはそう嘲笑う。
「ヒーロー?」
「そう。いつだって無条件で見返りを求めない完璧の」タバコの煙が閉鎖された空間を埋め尽くす。
そして、少しだけ私は息苦しくなる。
「簡単に命を差し出してしまえるようなね。」
「そう。」
「うん、そしてみんなが好きだって言ってくれる。でも、誰も愛してはいない。
 そんなね、ヒーローに憧れてた」
「なれそうにもない?」
あなたは軽く首をかしげる。それはとても自然な動き、それ以上の言葉を発しなくさせる仕草。
だから、私はそれ以上は何も言わないで、ただ煙の作る不恰好な形だけを見ていた。
「梨華ちゃん、雨はあがったよ」
雨はあがった。帰ろう。
5 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:15
雨の匂いは私を1人ではいさせなくする。
1人ではいれない私なのに、どうして1人を強制する恋を選んだ?
そんなのは分からない。
あの人には、私以上に大切な人たちがいるから。
でも、私を求めてくれるから私は存在する。
それ以上でもそれ以下でもない関係。
ただあの人のそばにいれればいい。
そのために自分に鞭をうつ。ただあの人が与えてくれる飴を欲するばかりに。
6 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:16
雨が降ると大体私はあの部屋に行く。
あそこは、いつでも受け入れ拒絶してくれるから。
私という存在を肯定し否定してくれるから。
7 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:17
「ねえ、梨華ちゃん。1つだけ願いが叶うならばどうしたい?」
あなたはたまにそんな難しい質問をする。
「よっすぃは?」
あなたはいつも悲しそうに笑う。それが私の心を軽くする。
「わからないな。現状を変えたいとはいつも思っているけど、何から変えていいかは分からないから」
「そう。」
「うん。」あなたはいつだってタバコを吸っている。煙が空間を満たすことで安心をしているように
「私は、多分世界を終わらせるかな」
「そう。」あなたは悲しそうに笑う。
それは私に対する悲しみなのか。
あなた自身に対する悲しみなのか。
雨が街を溶かしていくかように降り続ける。
8 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:18
私たちは雨が降る夜は、お互いの存在を確認しあう。
溶けてしまっていないか。
この闇に飲まれてしまっていないか。
それを望んでいるのに、怖がってもいる私たちは不器用に世界から隔絶している
「私、よっすぃのこと好きよ」
何も言わないあなた。
ただ優しく髪を撫でるだけ。
9 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:19
よっすぃとの夜は好き。
いつだって優しく私を包むから。
苦しそうなよっすぃを見れるから。
まだ私は大丈夫。そう思えるから。
10 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:20
「よっすぃはこの世界は嫌い?」
「嫌いじゃないよ。うまく順応できないだけ。」
行為のあと、私たちはいつでも少しだけアルコールを飲む。
アルコールは少しだけ私たちを饒舌にする。
「苦しい恋をしているのね」
「忘れちゃったよ。」またそう嘲笑う。
11 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:21
私たちは、いつだってそう。
求めるのに突き放す。
抱きしめるつもりが傷つける。
相反する感情から抜け出せずにいるのか、抜け出さないでいるのか。
それすら忘れてしまうくらいに私たちは迷って途方にくれている。
12 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:22
「梨華ちゃんは、苦しい恋をしている?」
タバコはまた私を少しだけ息苦しくする。
私は酸素を欲して、あなたにくちづけをする。
いつだってタバコの味のするあなた。
いつだってあの人の味しかしないあの人。
重ねているのか、否定しているのか。
もうどっちだっていい。
13 名前: 投稿日:2004/02/10(火) 11:23
「私は、苦しい恋はしていないわ」自分に言い聞かせるかのように。
14 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 11:24
とりあえずここで区切ります。
思ったより長くなってしまいました。
あと半分くらいは明日にでも更新します
15 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:07
あなたは何も言わずに煙を出す。
「まるで機関車みたいね」
「みたいだね」そう言ってまたあなたは煙を吸い込むためなのか、吐き出すためなのか
そんなタバコをくわえる。
「どうしてタバコなんか吸うの?おいしくないでしょう?」
あなたはいつだって眉に皺をよせているわ。そんなあなたの眉に触れる。
あなたはその手を避けようとも、受け入れようともしない。
「自分が嫌いなんだ」
「だから?」
「だから吸う。」そう言って山のような吸殻の中にそれも投げ込む。
「じゃあ、私は自分のことが好きなのかしら?」
あなたは久しぶりに笑顔を見せてくれる。
「どうだろうね」
16 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:08
あなたはいつだって答えはくれない。
だから、私は安心する。
正論ばかり言うあの人を愛しているから。
その正論は私を追い詰めるから。

抱き合うことで私たちは何かを見つけることなどできない。
17 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:09
「梨華ちゃんを許してあげるよ」
あなたは最初にそう言った。

許しを乞っていたのか。
許しなんて最初から求めていないつもりでいたのに。
18 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:10
「まだ私を許していてくれてる?」
あなたの腕の中。あなたは少しだけまどろんでいるみたい。
今夜、雨は止みそうにない。
「うん」
「ありがと」
あなたはいつもより少しだけ強く抱きしめてくれる。
今夜は喋りすぎたし、考えすぎた。
19 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:10
「たまにね」
「うん」
「考える。」
「私のこと?」
「うん、梨華ちゃんのこと。」
あなたが考える私はどんなもの?
私は少しだけ顔をあげ、あなたの目を見る。
そんな私に気付き、こちらに顔を向けてくれる。
額と額が触れる。
「悪いなって思う」あなたの少しだけ低い優しい声はそう伝える。
「悪いの?」
「悪いよ。」
「それは私が?それとも、よっすぃが?」
「自分が。」
20 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:11
あなたはそれ以上は何も言わずに私にまぶたを閉じさせるように掌で優しく目をふさぐ。
あなたの掌はいつでも温かい。
21 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:12
「今日も雨?」目を冷めると私を包むぬくもりはいつもない。
窓から愛しそうに外を見つめているあなた。
「そうみたいだよ」
ベッドから出て、外を見ているあなたの背中を抱きしめる。
少しだけ私より背の高いあなた。
その横にあるほくろ。
全てを包むように。そして、拒絶するように。
「梨華ちゃん、風邪ひくよ。」
少しだけこちらに顔を向け、あなたはカーテンを閉め、またこの空間を隔絶する。
22 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:12
「風邪なんてここ数年ひいてないわ」
「健康フェチだからね」
あなたは少しだけおもしろそうに笑い、振り返り私を包む。
「コーヒーでもいれようか?」
「飲めないの知ってるでしょ?」
あなたは少しだけ首をかしげ
「じゃあ、紅茶にしよう」
優しく悲しいあなたの笑顔。
23 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:13
「今日はどうしようか?」
紅茶の匂いが私を包む頃にあなたはいつだってそう言うの。
「分からないわ。」
「そうだね。」
少しだけ甘すぎるあなたが入れる紅茶。
優しすぎるあなたの入れる紅茶。
24 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:13
「私が殺して欲しいと言ったら殺してくれる?」
「ううん。」あなたは首を横に降り、機械的に流れるニュースをぼんやり眺めている。
「どうして?」
「梨華ちゃんは、反対のことばかり言うから。」
「反対?」
「殺しては生かしてほしいだよ」
「そうなの?」
あなたは振り返り、私の目を見る。
「たぶんね。」
25 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:16
「梨華ちゃんは、殺されたい?それとも、殺したい?」
「その時の相手はよっすぃ?それとも、あの人?」
「それは梨華ちゃんが決めることだよ」
テレビは、大衆的なCMを今日も流し続けているみたい。
「よっすぃが相手ならば殺したいわ」
「うん」
「あの人だったら」
「うん」
「決められない。」
「そう。」
あなたは、また悲しそうに笑う。
そして、またテレビの方を向く。
26 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:16
「何とも思わないの?」少し冷めてしまった紅茶をもってあなたのそばに行く。
「なにを?」
「殺したいって思われているのよ」
「あぁ、うん。」あなたは何かを言いたそうに私の目を見る。
「なに?」
「梨華ちゃんは、優しいと思うよ」
「優しいの?」
「うん。優しいよ」
あなたは無作為にチャンネルを変え続ける。
27 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:17
「変な人。一度でいいから、よっすぃの目から世界を見たいわ。」
「この目から?」
「どう映っているのか気になるもの」
「大したものは映していないよ」あなたはまた嘲笑う
「でも、きっと私と見ているものは違う気がするわ」
私が三角だと認識しているものでも、あなたは丸いものと認識している。
「そうかもね」
28 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:17
私が見ているものとあなたが見ているものは、確実に違う。
同じ時間に同じ空間にいても、それは同じ。
何もない空間でも同じ。
だから、私はあなたの目に優しくキスをする。
だから、言ってあげる。

「よっすぃはいつだって私のヒーローよ。」
「ありがとう」あなたは私のキスを受けた目を細めて言う。
29 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:18
気がつくと、私は手に力が入っていた。
あなたからは、おかしな空気が漏れている。
30 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:18
「苦しい?」
あなたは、ただ笑顔で首を横に振る。

だから、一層手に力を入れる。

この状況に気付いたとき、私はすごく冷静だった。

いつかこうなるべきことだったし。
それは私もあなたも分かっていた事。
いつまでもこの空間が許されるはずはない。
たとえ、あなたが私を許していてくれても。
31 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:19
「私を憎んでいる?」
「ま…さか」
もうちゃんと言葉を発することもできないあなた。
「そう。」
あなたは、少しだけ手をあげ、私の髪を撫でる。
その行為に私は目を細める。
32 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:19
「好きよ。」
あなたの手も。
あなたの目も。
あなたの嘲笑いも。
あなたの悲しい笑顔も。
あなたの優しい声も。
あなたが入れてくれる甘すぎる紅茶も。
全てを好きよ。
あなたがストンと音をたてて、私を撫でていた手をおろす。
もう少しだね。
33 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:21

「ね…ぇ…、梨…華ちゃん。」
私は少しだけ手の力を弱める。
「梨華ちゃんにこの目をあげるよ」
「ありがと」
「うん。」
そして、最後の力をいれ、あなたは終わる。
34 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:21
雨が降っていたはずなのに、カーテンの隙間からは光が差し込んであなたを照らす。
35 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:22
「雨が止んだわ。」

「帰るわね。」
そう終わったあなたに伝えて、私はこの空間を出る。

光は世界を外を包んでいた。
36 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:22
私はあなたの部屋から一緒に出てきた煙を吐き出すように深呼吸をする。
そして、生きていることを確認する。

そして、隔絶された部屋で終わっているあなたのことを少しだけ想う。
37 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:25
「ねぇ、ヒーローはいつだって理不尽よ」
そうだねとあなたが笑う声が聞こえた気がした。
38 名前:extra 投稿日:2004/02/10(火) 20:27
時間があったのでうpしてしまいました(w
暗めの話ですいません
桃板の方で甘い話を書いたのでちょっとこうゆうのも書きたくなりました。
誰も読んでないかもしれませんけど…(w
結構、短編のストックがあるので反響があれば書かせていただきたいです
39 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/11(水) 00:56
ふたりの関係がまだわからないけど、おもしろそうです。
つづき楽しみにしてます。
40 名前:extra 投稿日:2004/02/11(水) 09:48
>39さん ありがとうございます。
     レスすごく嬉しいです。期待に応えられるように頑張ります。

今回は季節もので…
全く上の話とは関係ないですけど、楽しんでもらえると嬉しいです
41 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:49
「あーん!もう信じられない!!」
「いきなりどうしたの?」
いきなり叫んだので、少しだけうとうとしていたよっすぃはびっくりした顔で私を見る。
「だって、だって…」
「ん?」
よっすぃはいつも私の顔を覗き込んで見てくる。
付き合って結構たつけど、それだけでもいつもはドキドキしちゃうんだけど
今日は違う!
42 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:50
近すぎるよっすぃの顔を手で遠ざける。
あの顔を至近距離は心臓に悪い…
43 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:50
「バレンタインデー、離れ離れじゃない!!」
「なんだ、そんなこと?」
「そんなことじゃないよ!!」
イベント事に興味のないよっすぃは、呆れたような口調。
もう!バレンタインデーは好きな人に想いを伝える特別な日なのに!!
44 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:51
「よっすぃは、分かってない」軽く睨むとよっすぃは少しだけ肩をすくめる。
「バレンタインデーは、チョコレート会社ためのイベントだよ?」
あぁ…。もうロマンチックのかけらもない人…
「それに梨華ちゃん、クリスマスもそんな事を言ってなかった?」
今度は意地悪な笑顔。
「よっすぃには、こうゆう乙女心は一生わからないわ」
全く感心のない人にいくら言っても無駄という事をイベントの度に思い知らされる。
「一応、これでも乙女なんだけど」小さな反論は聞こえないふり。
45 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:52
「分かった。よっすぃは、私のことなんか好きじゃないのよ」
「はぁ?」片眉を少しだけ上げて、私を見る。
「だって、そうじゃない!想いを伝える日に一緒にいなくても別にいいんでしょ!?」
「あのねぇ…」
よっすぃが何かを言いかけるけど、呆れたのか言いかけた言葉を飲み込んで
私に背を向けてテレビを付ける。
46 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:52
いつもなら引いちゃうとこだけど今日はそんな事くらいでは負けないんだから!

「あーあ、美貴ちゃんみたいな恋人がよかったなぁ〜」
よっすぃの背中が少しだけ反応をする。
「クリスマスの時、亜弥ちゃんと過ごせないことすっごく残念がってたし、きっと今回だって
 すごく残念に想ってくれてるんだろーなぁ!あーあ!亜弥ちゃんが羨ましい!!」
わざと聞こえるような1人言。
47 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:53
よっすぃは、ゆっくりと振り返り「し・ご・と」そう言ってまたテレビ。
む、むかつく…
48 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:54
いいのよ、イベントに興味ないってのも。よくないけど…
乙女心を少しも理解してくれないってとこも。理解してもらいたいけど…
仕事だからしょうがないって言うのも分かるけど。
だけど、少しも一緒にいれないことを寂しがってくれない、悲しんでくれないのが許せない!!
49 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:54
「よっすぃのバカ!!」抱いていたクッションをよっすぃの後頭部に投げる。
が、運動神経のいいよっすぃはそれを易々と避ける。
むかつくーー!!
今度は直接背中にパンチ!!パンチ!パンチ!パンチ!!
これで少しくらい私の心の痛みを分かれ!!
50 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:55
「分かったよ!!」黙って制裁を受けていたよっすぃが声を上げる。
「分かってない!!全然分かってない!」
「分かったよ。長生きするから」よっすぃは振り返り、私の手首をおさえる。
「分かって…へ?」あまりに場違いな台詞に抵抗を続けていた手の力も抜けてしまう。
「長生きするって約束するから」
長生き…?この人は何を言っているの?
51 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:56
「な、何を?」
よっすぃは少しだけ空を見て考えている
「あたしと梨華ちゃんはこれからずっと一緒だよね?」落ち着いた優しい声。
「え?う、うん…」
「でしょ?だから、今、一緒に過ごせない時間分長生きするって約束する。一緒に過ごせない
 バレンタインデーもクリスマスも誕生日も。その分の時間長生きする。
 だから、今、一緒にいれない時間は後でゆっくり過ごそうよ。」
私だけに見せてくれる優しい笑顔。よっしぃが触れている部分が熱い。
「あー、でも、誕生日は何がなんでも一緒がいいなぁ…。それにおばあちゃんになったら
 人混みでデートはきついよなぁ…」
嬉しそうな顔で先の話をするよっすぃ。
52 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:57
どうしよう、胸が痛い。
黙っている私の両頬によっすぃは手をあてる。
暖かいよっすぃの手が私の頬に心に伝わってくる
53 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:58
「だから、約束して。梨華ちゃんもその分の時間長生きするって。ね?」
言葉がでてこない…。

「全く泣くなよぉ」まるで子供をあやすような声。
いつもは反論するところなのに、今日はそれさえもできない。
ただ泣きながらうなづく私をよっすぃは優しく抱き寄せる
「だから、今はお互いにやらなきゃいけないことを頑張ろう?あとに楽しみが待っていると思えば
 頑張れそうでしょ?」
よっすぃの声が私の体に響く。
いつもより速い私の鼓動もきっとよっすぃに伝わっちゃってる。
悔しいなぁ…私の方が年上なのに…でも、でも…
「大好き」聞こえないくらいの私の小さな気持ち。
小さく笑う貴方の体。
54 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 09:59
悔しくて、私はよっすぃの体を手で押し離す。
片眉を上げて余裕のある顔。
今日は、負けないんだから!
「好き!大好き!もうよっすぃなんか大好きー!!」
驚いて唖然としているよっすぃの両頬を私は音がなるくらい勢いよく手で挟む
「いっ!ちょ…」
思いっきりくちびるを押し付け、よっすぃの言葉をふさぐ。
びっくりして普通でも大きな目をさらに大きくしているよっすぃ。
55 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 10:00
「まいったかぁー?」
くちびるが離れてもまだ目を白黒させている。
「ねぇ?まいった?」
もう一度、今度は顔を覗き込んで聞くと、我に戻ったのか
顔が急に真っ赤になってる。
「ま、まいりました。一生付いていきます」真っ赤な顔を隠すようにおじぎするよっすぃ。
56 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 10:04


勝負あり!!

「一生、付いてこい!!」私はよっすぃに向かってブイサイン!
よっすぃは、そんな私を今度は力強く抱き寄せる。

この腕の中であれば、おばあちゃんになってからのバレンタインも悪くないよ

本当にすごく大好きだよ、よっすぃ
57 名前:バレンタインデー 投稿日:2004/02/11(水) 10:07
( ^▽^)<おしまい
58 名前:extra 投稿日:2004/02/11(水) 10:08
今回もいしよしでした(w
分割コンでバラバラなバレンタインですけど、幸せな2人でありますように…
59 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/11(水) 12:53
更新、お疲れ様でした。
「光」と一転して甘甘のいしよし、ゴチでした(w
いいですねぇ〜、こうこなくっちゃ!
次回作も期待していいですか?
60 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/11(水) 13:33
ゴチになりました
何も言うことはありません
はぁ気分いいなぁw
61 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/11(水) 19:14
暗いのも甘いのも良かったよー
62 名前:extra 投稿日:2004/02/12(木) 09:50
>59さん 甘いいしよしがお好きですか?(w
     私もです(w
     期待していただけると励みになります!

>60さん 気分よくなっていただけて嬉しいです。
     もっと気分よくなってもらうためにもこれからも頑張ります!

>61さん 甘いの方が書きやすいんですけど、たまにすごく暗いのも書きたくなって
     しまうんですよね。その時はお付き合いいただけますか?

63 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:51
「おかえりなさい」
遊び疲れた体を引きずって家に帰ると玄関には仁王立ちした梨華ちゃん…。
「…ただいま」
なんか怒りのオーラ出てますけど…。
「はい、正座!!」
「はぁ?」
「いいから!ここに座りなさい!!」
あまりの迫力に玄関で正座。
「…ど、どうしたの…?」
すると、梨華ちゃんはニッコリ微笑む。それにつられてニッコリとすると
キッと顔をしかめる。うわっ!怒ってる!?
64 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:51
「今日、こんな時間までどこで誰と何してたの?」
「え?、えっと…」もしかして、バレてる…?
「全部知ってるんだから!!」
まーじ!?それはヤバイ!!
今日は梨華ちゃんの仕事が遅く終わると聞いて、遊びに行っていたわけで…
別に言うほどでもないと思って黙って言ったのがまずった…?
65 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:52
冷や汗をかいていると梨華ちゃんが呆れたように溜め息をする。
「あ、あのね、梨華ちゃん」
「はぁ、浮気なら許すけど…」
ホッと肩をなでおろす。
「これからどうするつもり!?」
「はいー!?」
許してくれるんじゃないのー?
66 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:54
あーっと、どうしよう、どうしよう…。
怒った梨華ちゃんは怖い、ってか、相当怖い。
どうしたらいい?
「私のこと、愛してる?」
「はい?」
「だから!愛してる?」
「うん、それはもちろん…」
「言い切れるの?」梨華ちゃんはジリジリと迫ってくる。その迫力に後ずさり。
しかし、無情にも後ろには壁が…。絶対絶命!?
「もう!!何でそうヘタレなの!?」
「んが!なんだと?」
「私から聞かないと言ってくれないよね!?」
「うぐ…」それを言われてしまうと…。
67 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:54
いや、確かにものすごい勢いで梨華ちゃんのことは好きなわけだし、
その恥ずかしいんだけど愛してもいるんだけど…。
いざ、言葉にしてみろと言われても照れが先に来てしまうわけで…。

「もういい!勝手にすれば!!よっすぃなんてだっきらい!!」
梨華ちゃんは怒ってそのままベッドにもぐりこんでしまう。
68 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:55
自然と出た溜め息、伸びてきた前髪をかき上げる。
うわ…。自分のことながら、タバコ臭い…。
こりゃ、もし、梨華ちゃんが知らなくてもすぐ遊んできたのはバレてたわ…。
シャワーを浴び、おそるおそるベッドにもぐりこむ。
明日からまた仕事でゆっくり会える時間はないわけだし。
今日中に仲直りしなくては非常にまずい…。
梨華ちゃんが寝てないことを祈りながら。
69 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:55
「梨華ちゃん、ごめんね」
スッと後ろから抱きしめる。
梨華ちゃんの背中が小さく反応する
「よっすぃーは、ひどい」溜め息まじりの声。
梨華ちゃんの肩は震えている
泣いているの?
「ごめん」
「私がどんな気持ちで待っていたかなんて知らないでしょ?」
70 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:56
−今日、帰ってこなかったらどうしよう
−もし、今一緒にいる誰かを好きになってしまっていたら?
71 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:56

痛いくらいに梨華ちゃんの気持ちが伝わってくる。
「本当にごめん」
「もう、いい!!」
はぁ、仲直り失敗…?
抱きしめている手を離そうとすると、梨華ちゃんがそれを強い力で抑える
72 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:57
え?

「もういい、決めた。よっすぃーが私を嫌いになっても、一生離れないから!!」

あぁ、神様。どうしてこの子はこんなにもかわいいのでしょう…。
もう、メロメロです。
だから、ギュっと力をこめて抱きしめる。
73 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:58

「梨華ちゃん、愛してるよ」
しかし、梨華ちゃんは無反応。うわっ、恥ずかしい!!放置プレかよ!!
沈黙が耐え切れなくて梨華ちゃんの様子をうかがう。
「えっと…、梨華ちゃん?」
「言い切れる?」ガバっと効果音が付きそうな勢いで梨華ちゃんはこちらを向く
「も、もちろん!」
「今、どもった!!」
いや、これは君のその異様な迫力のせいだし…
「愛してるよ。信じてよ?」
すると、梨華ちゃんは泣き出してしまう
74 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:58
わわわ…。どうして?どうして?
「よっすぃは、やっぱり分かってない」
「うー、ごめんなさい」何を分かってないかも分からないし謝るしかない。
すると、梨華ちゃんは顔を上に向け、キスをしてくる。
へ?キス?怒ってるんじゃないの?
「よっすぃには私しかいないし。私にもよっすぃしかいないの!」
「言い切っちゃうんですか…?」
すると、梨華ちゃんはキッと睨みつける。しかし、それは上目使いの涙目。
まるで誘ってるみたいだって!
「当たり前でしょ!?私とよっすぃは運命なんだから!!」
神様、ごめんなさい。もう我慢できません。
75 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 09:59
『運命』なんて大それたことを口にした口を自分の口でふさぐ。
梨華ちゃんの舌を探すため、口の中をむさぼる。
でも、そこは怒っている梨華ちゃん。逃げる、逃げる。
くちびるを離すと
「いい加減に、よっすぃも認めなさいよ!」
「なにを?」
「私とよっすぃは運命だって!」
あー、もうかわいい!!
76 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:00
思いっきり力をこめて抱きしめる。
「ちょ、ちょっと、よっすぃ。話、終わってないってば…」
腕の中で小さな抵抗を試みているかわいい梨華ちゃん。
「一生、離れないでよ」
「へ?」梨華ちゃんのすっとんきょんな声。

あのさ、こっちだって恥ずかしいの我慢して言ってるんだから、そんな反応しないでよ。
77 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:00
でも、そこは気を取り直して…
「これからも一番にあたしにおはようとおやすみを言ってくれる?」
ニッコリと梨華ちゃんに微笑む。
梨華ちゃんの顔は真っ赤になっている。立場逆転。
そこで追い討ちをかけるために梨華ちゃんの耳元で囁く。
その言葉に梨華ちゃんは、わかった、わかったと言いたそうに何回も赤い顔を立てに振る。
78 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:01
仲直り成功!?
梨華ちゃんを上に向かせてキスをする。
ごめんなさいと愛しているの意味をこめて。
今度は梨華ちゃんは逃げないでちゃんと受け止めてくれる
79 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:01
『梨華ちゃん、愛してるよ。これは言い切れるし、それに運命ってことも認める。
 一生一緒にいよう?もう梨華ちゃんしかダメみたい。』
80 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:03



〇          
81 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:04
ここで終わればいいものの、久しぶりに濃厚なキッスなんぞをしちゃったあたしの体は
熱くなってしまうわけで…

「ねぇ?梨華ちゃん、お互いの気持ちを確かめ合ったわけだし…」
「私、明日、朝早いの!」勘付いた梨華ちゃんはあたしにストップをかける
でもね、そんな言い訳じゃ収まりそうもないんだよね
あたしは、今日一番の笑顔を見せたと思う。だって、梨華ちゃんの顔が引きつってたし!
82 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:05
「メラメラしちゃおう!!」
ガバっと梨華ちゃんの上に覆い被さる
「ちょ!ちょっと!よっすぃ!!明日、本当に早い!!」
「梨華ちゃん、愛に時間など関係ない!さぁ、遠慮せずメラメラ!!」
「もーーーー!!」
83 名前:甘い運命 投稿日:2004/02/12(木) 10:05
(#´▽`)´〜`0)おしまい
84 名前:extra 投稿日:2004/02/12(木) 10:07
元ネタバレバレですね( ;^▽^)
精進いたしますので、見捨てないでください…
85 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:48
私は自分の声が嫌い。前に付き合ってた人も私の声が嫌いだった。
甲高くて頭が痛くなるって。
街で私の声があると、恥ずかしくなるって。
だから、しゃべるなってよく言われた。
それを言われてから、私は極力喋るのをやめた、声を出すこと自体をやめた
恋をすることも…
86 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:49
でも、気持ちは理不尽なもので気づいたら恋をしてしまっていた。
いつでも笑っている人で、みんなを知らない間に引っ張っていってしまう。
人を引き付ける能力があるんだと思う。
そんな人。
話したことはない。
この声を出すことが怖い…
87 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:50
ある日の放課後。
「何してるの?」友達を待つので教室で1人でボーっとしていたら、吉澤さんがそこに立っていた。
「別に…」
「ふうん。」早く出て行ってほしかった。
2人きりだと話さなきゃいけないから。声を聞かれて、嫌いになられるのが怖い。
88 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:50
でも、この人は私の前にドカっと座る。
「石川さんってさ、おとなしいよね。ってか、無口?」
私の理由を知らないんだから、しょうがないと思う。
「ほら、また何も話してくれないし。それとも、嫌い?」自分に指を差して眉をひそめる。
「そ、そんな事ないよ!」
「やっと話してくれた。」
そう言った顔はすごく優しい顔だった。
「・・・・」また何も言えなくなってしまう私。
89 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:51
「ってかさ、変な風にとらないでね?」急に話が変り、真剣な顔。
「うん」
「石川さんの声、好きなんだよね。話すの嫌いなのは分かるんだけどさ〜」
え?どうゆう事?
「やっぱり驚くよね。でも、う〜ん。なんだろう。
前にね、石川さんが教科書読まされた時に思ったんだ。あ〜、この人の声って好きだなって」
うそ…。
90 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:51
「嘘だって思ってる?」
「私は、自分の声が嫌いなの。」
「そう?かわいくて、すごく好きだよ。心がスーッとなる感じ」
この人の目と笑顔を見ると、うそを言っていないのが分かる。この人は嘘を言ってない。
「私の声が?」
「うん、だから、話がしたいんだ」
91 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:51
私の頭の中で過去の苦い経験が何度もリフレインするから。
92 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:51
「まぁ、話したくないなら仕方がないんだけどね。」
そう言いながら立ち上がり、校庭が見える窓の方に移動をしている。
走ってる、走ってるって嬉しそうに笑いながら。
93 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:52
私は一度大きく深呼吸をする
「あのね…」
「ん〜?」
「前に付き合ってる人に恥ずかしい声って言われたの」
「へ〜」
関心のない声。
「だから、あまり話したくないの」
「ふ〜ん、思うんだけど、それっていつの話?」
「中学だけど・・・」
「素直じゃなかったんじゃないの?いい声じゃん。石川さんの声って。さっきも言ったけど、
 石川さんの声好きだよ。」
94 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:52
そう言いながらも校庭を見たまま、私は背中だけを見ている。
「私は吉澤さんみたいな声がいい」
「はぁ?こんな声?やめておきなさい。」
「何で?すごくいいと思う」
「いまいちじゃない?低いし。」

校庭で何かあったらしく、クスクス笑って、背中が揺れている。
95 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:53
「石川さんって好きな人とかいる?」
吉澤さんは突然そんなことを言う。
まさかここで吉澤さんが好きだなんて言えない…
「…吉澤さんは?」
「さぁ?わっかんなぁ〜い!みんな好きだよ!」驚いた顔は笑顔に変る。
みんなスキか…
「それで石川さんはいるの?」
「へ?」
「だから、好きな人っての」
大好きな人の顔は逆光によって表情を隠されてしまっている。
「…いるよ」
「へえ。」まだまだ西日はこの人の表情を隠してしまう。
96 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:53
長い沈黙だった。何を話し掛ければいいのか。急に黙ってしまうこの人。
もう少し上手く話ができればいいのに。
97 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:53
「あのさ」急に沈黙が破られる。
「なに?」
吉澤さんの目はしっかり私をとらえる。
「好きな人、変更できない?」
「…それってどうゆう意味?」
「さっきの嘘。石川さんが好きなんだけど」西日が表情を隠すのではなく、照らしている。
98 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:54
その顔は真剣。
何を言えばいいのか。私と同じ想いでいてくれた人にどう伝えればいいのか。
どうしたら私の想いが一番上手く伝えることができるのかが分からない。
色んな言葉を考えるけど、どれもしっくりこない。
私の気持ちを伝えるには、どれも足りない。何かが足りない。
99 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:54
「なんてね、さっきの忘れて。」吉澤さんはまた校庭の方にむいてしまう。
私の沈黙をどう受け取ったのかが分かる。
「まぁ、好きな人を変更して欲しいなんてバカげてるよなぁ」
私に言うのではなく、それは吉澤さんは自分自身に言っているように聞こえる。
100 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:55

「…どうして私なの?」
「さぁ?知らない。気付いたら、話したいって思ってた。」
どうしてそんなに何でもない声を出せるの?
101 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:55
「…私も」
その言葉に吉澤さんが振り返る、だから、吉澤さんの目を見ながら
「私も吉澤さんと話がしたいって思ってた。今でも思ってるの」
102 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:55
吉澤さんはちょっとだけ眉を挙げ
「それは変な意味で取ってもいい?」
私は小さくうなづく
「それって、自惚れちゃってもいい?両思いだって」
「吉澤さんが好き」
「えっと、雰囲気に飲まれてとかじゃないよね?」
私がうなづくのを見て、吉澤さんはきつく抱きしめてくる
「すっげー嬉しい!」
ぎゅっと抱き締め、一旦私を離し、私の顔をきちんと見てくる。
見詰め合う。
103 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:55
「石川さんが好きです。恋人になってください」そう言って二ヤっと笑う愛しい顔。
今までは横顔と後姿しか見てばっかりだった。愛しい人。
「それは雰囲気に飲まれて?」小さな私のイジワル。
「まぁ、それはあるかな?」逆に返された甘い吉澤さんのイジワル
「なにそれー?」
「今しかないって思った。今逃したら、また石川さんが話してくれなそうって」
クスクス笑いながら、大好きな人が微笑む
それにつられて、私も微笑む。
104 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:56
「こんな私でいいの?」
「石川さんがいい」
吉澤さんは当然というように即答をしてくれる
「アニメ声だよ?」
「あたしには世界で一番甘い声に聞こえる」
周りを引き付けて離さない大きくて綺麗な目を優しく細める。
私は吉澤さんの目の中に映っていることが嬉しくて、でも恥ずかしくて。
105 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:56
「あとで耳鼻科にいかなきゃね」
「一緒に行ってくれる?」
「どうしようかな?」
「じゃあ、行かない。だから、ずっと石川さんの声を一番近くで聞かせてよ」
私の胸が、腕が、手が、吉澤さんを抱きしめたくてしょうがなくて
この幸せが本物なのか確かめたくて…
今度は私からギュって抱きつく。
それに対して吉澤さんは吉澤さんの腕で、吉澤さんの柔らかい声で優しく抱き締めてくれる。
106 名前:柔らかい声 投稿日:2004/02/17(火) 02:56


おしまい
107 名前:extra 投稿日:2004/02/17(火) 02:58
アンリアルいしよしでしたm(__)m

誰か読んでくれている人はいるのだろうか…(汗
108 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/17(火) 06:27
読んでますよ〜。
たまに暗い目を書きたくなっても付いていきます。w
109 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/17(火) 13:09
読んでますよぅ。
ほのぼの、イイ!
心があったかくなります。ぽわわ…
110 名前:39 投稿日:2004/02/17(火) 13:48
暗いのも甘いのもイイ!
どんどん書いてほすぃなぁ〜
111 名前:ひらの 投稿日:2004/02/17(火) 19:05
はじめまして!
いいですね〜、続きが読みたいです。
これからも陰ながら?応援してます。
112 名前:extra 投稿日:2004/02/18(水) 01:24
>108さん 読んでいてくれてありがとうございます。近々暗めも書くと思うので、その時は
      よろしくお願いします。w

>109さん ぽわわ… となってくれているともう嬉しい限りです。それが狙いですので。w

>39さん  そんなことを言われてしまうとどんどん書いてしまいますよ?wいいんですか?

>ひらのさん はじめまして。こんな駄文を読んでいてくれてありがとうございます。
       影ながらではなくて、表に出てきてくれると嬉しいです。w
113 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:25
恋をしているとどうしても出てきてしまう「もしも〜」の話。
恋愛中の石川さんの話をさせていただきます。
114 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:25
初めまして。隠れいしよしヲタである紺野です。
最近、どうもメディアに出ることが少ないいしよしではありますが、私は未だにその魅力に
取り付かれております。はい。
でもですね、石川さんが最近綺麗になったと評判でして…。
メンバー内でも人気は高いわけです。
私は断然後藤さんが好きなんですけどね、え?どうでもいい?
わかりました、話をすすめます。
115 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:26
そんな中で石川さんが始めたのが『みんなどれだけチャーミーが好きなの?勝負』なんですけど、
まぁ、全員に同じ質問をして、その回答でどれだけ好きかを判断するという
石川さんの独断と偏見にすぎない勝負なわけで…。
116 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:26
<いしごま>

今日の収録は後藤さんと仕事が同じなんです!私のテンションはいつもより倍以上になっているの
ですが、ここで出ました!『みんなどれだけチャーミーが好きなの?勝負』ですよ。
後藤さん相手に何をしているのだともうね怒鳴りたいくらいなんですけど、
ここは見守るしかないと、紺野は判断するわけです。後藤さんの気持ちも知りたいですし!!!
117 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:27
「真希ちゃ〜ん」
「んあ?梨華ちゃん、久しぶり!」
あぁ、後藤さんの笑顔、久しぶりです。あれが私に向けられていたものであれば、私はもう
死をも恐れないでしょうに…。許すまじ…。石川梨華…。
「ねぇ?真希ちゃん、もしもね?」
「んあ?いきなりどうしたの?」
不思議そうな後藤さんに対して石川さんは人差し指を口に添えて黙っての合図をします
118 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:27
「もし、私が夜道で誰かに襲われちゃったらどうする?」
「んあ!?」
いや、実際ね、私もこれにはびっくりしましたよ。
久しぶりの再会でいきなりこんな質問ですよ?
あなどれませんね…『みんなどれだけチャーミーが好きなの?勝負』
119 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:27
「そんなのダメだよ!捕まえて警察に突き出す!!」
後藤さんは、こぶしを握りしめ力説。
そんな力説ぶりに石川さんはうっとり。
ついでに私も柱の影からうっとり…。
あー、真剣な後藤さん、何でこんなに素敵なの…。
I WISHのプロモの警官姿の後藤さんと重ね、私はますますうっとり。
あのお姿…。後藤さんは柄でもないなんて言っていましたけど、私には誰よりも凛々しく見えました。
120 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:28
「うん、ありがと!!」(それだけかいっ!!!)−川o・-・)<すいません、取り乱しました…。
石川さんは、それだけ聞くと満面の笑みで後藤さんに手を振りその場から去って行きます。
残された後藤さんは、不思議そうな顔で頭を掻いています。
ここで後藤さんに話し掛けるか迷ったわけですけど、ここは『みんなどれだけチャーミーが好きなの?勝負』です
石川さんから目を離すわけにはいきません!
紺野、愛よりも任務というか使命(?)を選びます!!
後藤さんごめんなさい!!
121 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:29
<りかみき>

なんとか早歩きの後、追いついた先にいたのは、藤本さんと石川さんです。
藤本さんには、王道中の王道である松浦亜弥さんとの「あやみき」があるにも関わらず
ふてぶてしい限りです。
122 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:29
「ねぇ、美貴ちゃん」
「ん?どうしたの?」いつもは睨みつける感じのある藤本さんですが、機嫌がよろしいのか
笑顔で対応しています。これには私も一安心です。
「もし、私が夜道で誰かに襲われちゃったらどうする?」(突然かよっ!?)
「はぁ?梨華ちゃん、いきなり何を言ってんの?」
さすがに機嫌の良かった藤本さんですが、軽く睨みが入って呆れている様子です。
この様子を「軽ヤン」と呼ぶのでしょう。
123 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:30
「ち、ちがうの!もしも!もしもの話なんだけど…」
「あー、もしもね…」
「うん、どうする?」期待しまくりの目で藤本さんを見る石川さん。
「あー、ボコボコにして同じ目にあわせる」
はい!藤本さんらしいと言えばものすごく藤本さんらしいのですけど、ボコボコまでは分かります。
しかし、同じ目にあわせるというのはいくら藤本さんでもいささか難しいのではないでしょうか…?
124 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:31
「本当に?」
「うん、もう立てないくらいにね」
「ありがと!!収録頑張ろうね!!」石川さんは藤本さんの手を一度だけ強く握り、
また手を振って去っていきます。
何の疑問ももたない石川さんとわけが分からないと言った様子で石川さんの後姿を睨む、もとい
見つめる藤本さんのコントラストは素晴らしいものがあり、女・紺野少しだけ寒気がしました。
125 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:31
<いしよし>

続いて、石川さんが向かったのは楽屋です。まぁ、ここには誰かしらいますからね。
さて、楽屋の中には…
「よっすぃ!!」
いしよしキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
もう私のギアはトップギアなわけです!!
126 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:32
しかし、そこはボクシングもやっている吉澤さんです。
紺野、大体の答えの予想はできてしまっています。
藤本さんとかぶるのではないかと…。
127 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:32
楽屋を少しだけ覗いてみると、そこには雑誌を読んでいる吉澤さんとその隣に座って吉澤さんの
服を少しだけ掴む石川さん。
もうこの構図だけで紺野としては川;´Д`)ハァハァ です。
128 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:32
「ねぇ?よっすぃ?」
「んー?」
「もう、よっすぃったら!話聞いて!」石川さんがここまで言うと
吉澤さんは石川さんの方を見て、優しく微笑みます。
「どうしたの?」あぁ!吉澤さんの声が通常よりも2割方甘く聞こえてしまいます。
129 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:33
「あのね、もしよ?」
「うん、もし?」
石川さんは、吉澤さんがきちんと聞いているかを確認して話始めます。
「もし、私が夜道で誰かに襲われちゃったらどうする?」
ここで見せてくれたのがいしよしですよ、聞き返さないんですよね。もう。
慣れているのか吉澤さんっ!
130 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:34
その質問を自分の中にいれ、眉をしかめて考えています。
その横で石川さんはまた吉澤さんの服を少しだけ掴み、
期待し目はランランで吉澤さんの答えを待っています。
「んー、難しいね」
「難しくないわよ。ね?どうするの?」
「そうだなぁ…」
もう、紺野は石川さんよりも吉澤さんの答えが気になってしまっている状態です。
お願いだから、藤本さんとかぶらないでと…。
131 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:38
「慰めるね」
「へ?」
もう吉澤さんの答えには、さすがの石川さんの女・紺野もポカーンですよ…。
( ゚▽゚)川o゚-゚)ポカーン
132 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:39
「慰める?」
「うん、捕まえることは警察でもできるけど、梨華ちゃんを慰めることって誰でも出来ることじゃ
 ないと思うんだ。だからね、慰める」
笑顔の吉澤さん。
一瞬にして顔が赤くなる石川さん。
あまりのことに少しだけ涙がちょちょぎれてしまっている女・紺野。
133 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:39
「そう、ありがと…」石川さんは照れからなのか少しだけ声が小さいです。
「はい、どういたしまして」吉澤さんは笑顔で答え、また雑誌を見始めています。
134 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:40
石川さんは、それ以上他の人にこんな事を聞くことはなくて、ただ隣にちょこんと座り、
さっきとは打って変わり、恥ずかしそうに吉澤さんの服を少しだけ掴み、吉澤さんの横顔を見つめています。
135 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:40

あぁ…。やはりいしよし…。
136 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:41

紺野、まだまだいしよしヲタはやめられそうにないです。
137 名前:もしもの話 投稿日:2004/02/18(水) 01:41
川o・-・)< おしまい
138 名前:extra 投稿日:2004/02/18(水) 01:47
訂正 

さすがの石川さんの女・紺野もポカーンですよ

さすがの石川さんと女・紺野もポカーンですよ

すいません…
139 名前:ひらの 投稿日:2004/02/18(水) 02:39
更新ありがとうございます!
今回も美味しいお話・・・泣けますね!
もうどうしましょう〜
短いのに、かなりの愛を感じました。
またの更新楽しみに待っております。
140 名前:extra 投稿日:2004/02/19(木) 10:33
>ひらのさん レスありがとうございます。
       美味しい話だなんて。w ありがとうございます。
       そう言っていただけるとこれからも頑張れそうです。
       
141 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:33
「はぁ…、また渡せなかった…」
只今、同じメンバーの石川梨華に片想い中の吉澤ひとみは大きく溜め息をつく。
もう愛しの梨華ちゃんの誕生日からは1ヶ月も過ぎていると言うにも関わらず、
まだあたしの手元にあるプレゼント…。
142 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:33
どうしてこうも意気地がないんだろう。
いや、もちろんメンバーとしての吉澤ひとみからのプレゼントはもう渡したんだけど
一個人としての吉澤ひとみからのプレゼントも渡したくて用意もした。
けど、渡せない。
143 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:34
あれこれ悩んだプレゼント。
あれこれ悩んだ渡し方。
さりげなく、気持ちがバレないように。そうさりげなく。
144 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:34
本当はおそろいの指輪でもプレゼントして、綺麗な夜景なんかを見ながら渡しちゃって。
でも、そんなことをしたら気持ちはバレてしまうから。
わくわくしながら、喜んでもらえるかオロオロしながら選んだプレゼント。
145 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:35
でもさ、梨華ちゃんは『普通』の人だから。
女の人を好きになってしまったあたしは『普通じゃない』。
何が普通で何が普通じゃないなんか分からないけど、多分、この想いを伝えたら、
梨華ちゃんは二度と私に微笑んでくれないかもしれない
そんな考えが頭の中にうずまいて、未だにプレゼントを渡せないまま。
146 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:35
「でも、このままじゃおまえがかわいそうだよなぁ」
プレゼントを軽く指で弾く。
147 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:36
「よっすぃ、どうしたの?」
誰もいないはずの楽屋のはずなのに、梨華ちゃんがいて、心配そうに顔を覗き込む。
急に高鳴る胸の鼓動。
「何でもないよ」
あまりに早く動き続ける胸に気付かれないように素っ気無く答える。
148 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:36
「でも、元気ないよ?何かあった?」
梨華ちゃんは心配そうに今度は私の手に軽く触れる。
それだけで何でもなかった手に熱を感じる。
149 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:36
その手を反動的に振り払ってしまう。
梨華ちゃんの顔が悲しみの色に染まっていく。
150 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:36
ごめん、そんな顔をさせたいわけじゃない。
でも、そうする事しかできない素直になれないバカなあたし。

出会わなければ良かった。そしたら、こんなに悩むこともなかったのに。
こんなに苦しい想いを抱くこともなかったのに…。
151 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:37
無理やりに笑顔を作る。
「ごめんね、少しだけ疲れてるみたい。ほら、新曲やら何やらで少し忙しかったでしょ?」
「…うん」まだ納得ができてなさそうな梨華ちゃん。
「うん、だからだよ。何もないし、もう少し休んだら元気になれそうかな。1人にしてくれる?」
「で、でも…」
「お願い、…1人にしてほしいんだ」しぼりだすようなあたしの苦しい声。
こんな声出したら心配してほしいなんて言ってるようなもんじゃないか。
役立たずのあたしの声。
152 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:37
梨華ちゃんはうつむき、少し考えてたみたいだけど、そのまま何も言わずに楽屋から出て行った。
153 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:38
「何やってんだよ…」自分に対して呟く。
そして、さっきのことを回想しては頭をかきむしりたくなる。
「あー、もう最低だ…」
立ち上がり壁を殴る。にぶい音。
あたしはそのまま冷たい壁に額をつけ、目を閉じる。
そして、想う。
154 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:38
こんなあたしを心配してくれた梨華ちゃん
悲しみの色の染まってしまった梨華ちゃん
うつむき何も言わないまま出で行った梨華ちゃんの後姿。
そして、梨華ちゃんの優しい笑顔。
それから、今いるかっこ悪すぎるあたし。
155 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:38
胸が苦しい…。

収録中に梨華ちゃんと目が合うことはなかった。
156 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:39
けれども、無事に収録は終わり、みんなは帰って行った後、
やっとあたしは仕事で疲れた重たい体と面倒な気持ちを抱えたまま帰る準備をしていると
カバンからプレゼントが零れ落ちる。

「そんなに自己主張すんなよ」苦笑い気味のあたし。

なんだかそれを見て帰る気もなくなってしまい、椅子に腰をおろす。
床の上に置かれたままのプレゼントと睨み合う。
157 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:40
分かってる、分かってるよ。言わなきゃ後悔してしまう事くらい。
でも、それ以上に嫌われるのが怖いんだよ。臆病なんだあたしは。
プレゼントに対してなのか自分に対してなのかそんな言い訳を続ける。
158 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:40
「よっすぃ?」不意に開く楽屋のドア。
ハッと我に返り、ドアを見るとそこには眉を八の字にした梨華ちゃん。
「ま、まだいたの・・?」
「うん、打ち合わせがあって…」
梨華ちゃんをまっすぐ見ることができなくなったのはいつからだろう。
あたしの目は梨華ちゃんの後ろの何もない空間を映す。
159 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:40
「これ。よっすぃの?」
梨華ちゃんは、不思議そうにあたしとプレゼントを見比べている。

「あ、あ…」
忘れていた。そこにおまえがいること…。
160 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:41
梨華ちゃんがプレゼントを取ろうとした時に、プレゼントから落ちるバースデーカード。
161 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:41
『To Rika
from Hitomi 』
162 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:41
「え?」驚いたような梨華ちゃんの声。
そりゃそうでしょう。楽屋にもう貰った人からのプレゼントが落ちていたわけですから。
「Hitomiってよっすぃだよね?」
その言葉に何かがあたしの頭の中ではじけた。
163 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:42
「そうだよ。」
「でも、私、もうよっすぃからプレゼントは貰ったよね?」
この苦しい恋心を何も知らない梨華ちゃん。
なぜだか急に憎しみに似た感情が生まれてくる。
164 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:42
「あげたよ。でも、それはメンバーとしてだから。」
「どうゆう意味?」
「好きなんだよ、梨華ちゃんが。」
「え?」また眉が八の字になってしまっている。
困らせてしまっている?
それとも、女の子の梨華ちゃんを好きなあたしに嫌悪感を抱いているの?
でも、抑えていた気持ちは溢れ出して止まりようがない。
165 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:42
「好きなんだよ。友達としてでも、メンバーとしてでもなく。」
あたしの声は震えている。きっと頬をつたうものは涙なんだろう。
あたしは、涙を見られるのが恥ずかしくて、掌で顔を覆う。
166 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:43
何も言わない梨華ちゃん。
あたしからは梨華ちゃんの表情は見ることができない。
いや、例え、この掌がなくても、怖くて見ることなんてできない。
167 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:43
「こんなプレゼントなんていらない…」
梨華ちゃんから出た小さな本音。
そうだよね、うん、そうだ。
こんなものを貰っても迷惑だし、嫌な気分になるだけだろうね。
あたしの恋はここで止まる。
168 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:44
終わることなんてできない、だって、まだこんなにも梨華ちゃんが好きで好きで仕方がない。
あたしの恋はここで止まる。
169 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/19(木) 10:45
                              
170 名前:extra 投稿日:2004/02/19(木) 10:46
とりあえず、今日はここまでで。

続く
171 名前:ひらの 投稿日:2004/02/19(木) 12:03
あーーーーー!
ちょ、ちょっと、こんなところで・・・
勘弁してくださいよ・・・(>_<)
意味不明でごめんなさい。更新待ってます〜
172 名前:59の名無し 投稿日:2004/02/19(木) 16:26
更新、お疲れ様でした。
ありゃぁ〜、こりゃまたイイところで・・
続きが激しく気になっております、今。
「もしもの話」、良かったです。
ツッコもうとしてツッコメないこんこんが最高っす♪
173 名前:extra 投稿日:2004/02/20(金) 09:31
> ひらのさん どうも。w 困らせてしまったみたいでごめんなさい。
        今日で完結するので勘弁してくださいね?

> 59さん  気になってくれるなんてすごく嬉しいです。
        話を切っても放置されたらどうしようと思っていたので。w
  
ひらのさんも59さんもレスありがとうございます
すごく励みになります。

それでは、『プレゼント』完結させていただきます。
174 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:31
                
175 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:32
梨華ちゃんが深呼吸なのか溜め息なのかよく分からない息をもらす。
あたしは、そんな些細なことにも体も心も敏感に反応してしまう。
176 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:32
「あのね・・」
「いい、何も言わなくていいよ。もういいから…」
あたしはなんとか言う。涙で上手く喋れなかったけど、
精一杯できる限り何でもないような声を出す。
177 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:32
「ちゃんと聞いて」梨華ちゃんは毅然としたように言う。
お願いだからあたしの恋心を受け入れてなんて言わないから否定はしないで…。
心の叫び。でも、声になることはないあたしの叫び。
「あのね…」
178 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:33
               
179 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:33
「こんなのいらないから、誕生日にはよっすぃにそばにいてほしかった」
180 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:33
そばにいてほしい…?
181 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:34
            
182 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:34
ハッとなり顔を上げると、梨華ちゃんも泣いていた。
「ごめんね。よっすぃ。私もよっすぃのことが好きなの。」
「へ?」
そう言った梨華ちゃんはそのまま椅子でうなだれているあたしを優しく抱きしめてくれる。
183 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:34
「梨華ちゃん…?」
「好きなの。どうしても好きなの。誕生日にプレゼントだけあって、よっすぃがいてくれないことにも
 色々自分に言い訳とかしちゃって。」

―よっすぃは仕事で疲れてるの
―きっと家族で何か約束があったの
184 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:35
「梨華ちゃん…」
「私ばかり苦しいんでいると思い込んで、よっすぃを憎んだこともあったの。」

―どうして、私がこんなにも苦しんでいるのにそんな笑顔を見せちゃうの?
―どうしてそんなに優しいの?私の気持ちも知らないで…
185 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:35
「でも、よっすぃも苦しんでたんだよね。ごめんね。」
それはあたしの台詞だよ、梨華ちゃん…
でも、何も言えないままのあたし。
186 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:35
「ほら?よっすぃって収録中によく私のことを言うじゃない?冗談だって分かってはいるんだけど
 もしかして嫌われてるんじゃないかなんて思ったら言えなくて。それに今日も…」
梨華ちゃんの手を振り払ってしまったあたし。
187 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:36
違うよ、梨華ちゃん。
収録中にからかったのは、本当は些細なことでもいいから繋がっていたいからなんだ。
梨華ちゃんの部屋に遊びに行った「特別」を自慢したいけど、素直に出来ないんだ。
188 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:36
でも、そんな事は言えなくて、あたしから出た言葉は
「ごめん」
涙のせいで上手く言えたかも定かではないあたしの言葉なのに、梨華ちゃんは微笑んでくれる。
だから、思う。
ちゃんと言わなきゃダメなんだって。
189 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:37
梨華ちゃんが抱きしめてくれている手を今度は優しくほどく。
不安が梨華ちゃんの目に浮かぶ。

大丈夫、そんな目をしないで。
190 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:37
「ねぇ、梨華ちゃん。」
「はい」
「何で敬語なの?」緊張をしている梨華ちゃんを見てあたしの肩の力が抜け、笑顔も出る。
「な、なんとなく…」
まだ緊張している様子の梨華ちゃんの手を取る。
溢れ出してしまっているあたしの気持ち、これだけで伝わればいいのに。
191 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:38
「梨華ちゃんを抱きしめたくなったらどうしたらいい?」
「え?」驚いたようにあたしを見る。
「離れていて、それでも梨華ちゃんを抱きしめたくなったらどうしたらいいの?」
梨華ちゃんの手はあたしの手をすり抜け、あたしを抱きしめる。
192 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:38
「会いに来て」
「いいの?会いに行っても?」
「うん、来てほしい。でも、来てくれないんだったら、私がよっすぃに会いに行く」
「うん、ありがと」
それだけ聞いて、あたしは強く梨華ちゃんを抱きしめる。
細くて折れてしまいそうな梨華ちゃんの腰。
甘い梨華ちゃんの匂い。
全てを確かめるように抱きしめる。
193 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:39
「ねぇ?梨華ちゃん。」
「なに?」お互いにくぐもった声。肩にあたる梨華ちゃんの息が心地よい。
「こうゆう風になったら、後悔するかもしれないよ。世間とかさ…。いいの?」
「うん、いいの。ずっとこうしたかったの。」
194 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:39
―よっすぃに抱きしめてほしかったの
195 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:40
今なら梨華ちゃんの言葉にならない気持ちも分かる気がする。

だから、人は愛しい人と抱き合うのかもしれない。
196 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:40
「ねぇ?梨華ちゃん。」
「もう、なに?」
何度も質問してごめんね、でも、確かめたいんだ。確かめなきゃ不安になっちゃうんだ。
197 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:40
「あたしは、梨華ちゃんが理想とするような人になりきれそうにもないよ。」
「何言ってるの?よっすぃだから好きになったんだよ?」
「王子様じゃなくて、ヘタレだよ?」
「知ってる。」梨華ちゃんがクスクス笑い、それであたしの髪が揺れる。
「ありがと」
「うん」梨華ちゃんの優しい甘い声に目を閉じる。
梨華ちゃんをもっと感じるために。
198 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:42
ねぇ、梨華ちゃん。
本当にこんなあたしでいいの?居座る度胸も、逃げ出す勇気もない。
だからね、こうゆうのはどう?梨華ちゃんの思いのままにあたしの人生を変えてみて。
その代わり、一生続くような甘いときめきをこんな情けないあたしにください
199 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:42
そう心の中で梨華ちゃんに伝える
抱きしめている腕からあたしの全身からその気持ちが伝わってくれるように祈りながら。
200 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:42
「ねぇ?よっすぃ。」
梨華ちゃんはあたしから少しだけ離れて、あたしの顔を見る。
もしかして、さっきのあたしの気持ちが伝わった?
201 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:43
「どうしたの?」
202 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:43
「お腹減らない?」

梨華ちゃんの言葉に笑いがこみ上げてしまう。
うん、やっぱり梨華ちゃんには敵いそうにないね。
203 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:43
髪をほどいたり、突然泣き出したり、怒ってみたり
上目使いをしたり、梨華ちゃんの全てがこの胸を掴んで離さない。
204 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:44
「もう、しょうがないでしょ!よっすぃのせいで朝から何も食べてないんだもん!」
顔を赤くして、あたしを軽くこづく。
「ごめん、ごめん。何か食べに行こうか?」
梨華ちゃんの手を取り、立ち上がる。
205 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:44
2人並んで帰ることなんて今まで何度もあったはずなのに、今日は全部が違って見えて
新鮮できっとあたしの顔もしまりがないにやけた顔になってしまっているに違いない。
206 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:45

「これ開けてもいい?」梨華ちゃんが歩きながら取り出したのは1ヶ月遅れのプレゼント。
ごめん、あれだけ愚痴を聞いてもらっていたおまえなのに忘れてしまってたよ。
「うん、どうぞ」
207 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:45
「わぁ!嬉しい」
出てきたのは、ピンクの手袋。やれやれと言った様子であたしを見てくる手袋。
お世話になりました。心で軽くお礼を言う。
「ね?してみてもいい?」
嬉しそうな梨華ちゃんに黙ってうなづく。
208 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:46
「暖かい」梨華ちゃんは、手袋をはめた手を頬にあてている。
「良かった」
うん、喜んでもらってよかった。

気持ちが伝わってよかった。
209 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:46
すると、梨華ちゃんは何かに気付いたみたい。
「あ!よっすぃ、手袋してないじゃない!」
「あー、うん、でも、梨華ちゃんと違って冷え性じゃないから大丈夫だよ」
「ダメ!」
梨華ちゃんは右手の手袋を取ってあたしに渡す。
210 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:46

ピンクの手袋をしろってか…?いや、自分で選んであげたもんなんだけどさ…。
でも、やっぱイメージがね…
そんなことを考えていると
211 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:47
「で、私の右手はよっすぃが手袋になってくれるんだよね?」
悪戯っこっぽい笑顔。
なるほど、そうゆうことですか?お姫様。
212 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:47
意図を理解したあたしは、あまり似合わないピンクの手袋を右手にして、
左手を梨華ちゃんに差し出す。
213 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:47
「手袋よりも暖かくできる自信はないけど、どうぞ」
まるで、王子様がお姫様をダンスに誘う時のようにかっこよく
「ムスミンみたいね」クスクス笑う梨華ちゃんがあたしの手を取る。
確かにそっちのが合うかもしれないね。
泣いたせいで鼻も目も赤くなってしまっているし、王子様じゃないね。
214 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:48
左手に感じる手袋なんか役に立たなくなってしまうくらいの温もりのおかげで
今年の冬は暖かい冬を過ごせそうだよ。

なんて、今まで一緒に頑張ってきた右手の戦友に呟く。
215 名前:プレゼント 投稿日:2004/02/20(金) 09:49


おしまい
216 名前:わく 投稿日:2004/02/20(金) 11:51
いいっす☆
あまあま最高☆
217 名前:ひらの 投稿日:2004/02/20(金) 14:53
更新お疲れ様&ありがとうございます。
完結していただいたので、もう勘弁しちゃいま〜す!(^▽^)
次回作、楽しみに待ってます。
218 名前:extra 投稿日:2004/02/23(月) 06:55
>わくさん 初めまして。私もいしよしのあまあま大好きです。w
      これからも良かったら遊びに来てくださいね?

>ひらのさん 勘弁してくれて助かりました。w
       楽しみにしてくれているのすごく嬉しいです。
219 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:55
     
220 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:56
毎朝、30分、梨華ちゃんの意識はあたしから鏡にいってしまう。
あたしは、そんな梨華ちゃんの斜め後ろから鏡越しに梨華ちゃんを見るのが好き。
梨華ちゃんが鏡の前で綺麗になるのを見ているのが好き。
メイクを器用にこなして、どんどん綺麗になる梨華ちゃん。
221 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:56
「ねぇ?それ付けなくてもいいんじゃない?」
梨華ちゃん、お気に入りのピンクのグロス。
「そう?でも、これをしたらもっと良くなるでしょ?」
鏡越しに梨華ちゃんはあたしを見る。
222 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:57
「まぁ、確かにね。でも、そのままでも十分綺麗だよ」
癖なのか梨華ちゃんは手を口元にもっていって小さく笑う。
「ありがと」
「どういたしまして」
223 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:57
でも、梨華ちゃんはピンクのグロスをつける。
ん〜、やっぱりメイク中の梨華ちゃんに何を言っても無駄みたい。
224 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:58
「ねぇ?梨華ちゃん、まだ?」
「もう少しだけ待っていて」鏡越しの梨華ちゃんの笑顔。

こうされてしまうと何も言えなくなってしまうなぁ。

メイク中の梨華ちゃんはいつもよりも少しだけお姉さんモード。
あたしは、いつもよりも子供じみてるかもしれない。
梨華ちゃんの綺麗な手で髪を優しく撫でられる。
225 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:58
『よっすぃも興味が出るようになったら分かるよ』
梨華ちゃんは決まってそう言うけど、本当にそうなるのかな?
うーん、分からない。
でも、綺麗になる梨華ちゃんを隣で見ているのは好き。
226 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:59
梨華ちゃんは、ゆっくりとあたしの方を向く。
「どう綺麗になった?」
「うん」素直にうなづくあたしに梨華ちゃんは満足気。
227 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:59
そんな中、あたしの視線は水水しい梨華ちゃんの唇に…。
228 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 06:59
「ねぇ、梨華ちゃん、キスしてもいい?」
「だーめ」あたしから逃げるように立ち上がる梨華ちゃん。
「何で?!」
「だって、今、キスしたらよっすぃにキラキラ付いちゃうでしょう?」
梨華ちゃんのグロスは少しだけラメも入ってるみたい
「でもさー」
「だーめ。からかわれるのは嫌だもん」
そう言って梨華ちゃんは軽く舌を出す。
229 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:00
そりゃ前にあたしの唇にキラキラが付いていて、みんなにからかわれたよ?
梨華ちゃんは真っ赤になってたけど、あたしは小さな幸せを感じちゃったりもしたんだよね。

うーん、それにさ、何かしたくなっちゃうんだよね。
ほら、CMでも言ってるじゃない?
触れたくなる唇っての。うん、そんな感じ。
230 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:00
「あとで、いっぱいしてあげるから」笑顔の梨華ちゃん
「あとっていつ?」まだぶっちょう顔のあたし。
「もう、子供みたいなこと言わないの」
また優しくあたしの髪を撫でる。
231 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:00
あのさ、これってある意味すっごい拷問。
綺麗になった梨華ちゃんに触れたいって思うのは当然の心理じゃない?
それなのに、イジワルで照れ屋な梨華ちゃんはそれを許してくれないんだもん。
拷問だよ、拷問。
232 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:01
まだふてくされてあぐらをかいているあたしの顔を梨華ちゃんは覗き込む。

「え?させてくれるの?」
「だーめ。でも、機嫌直してよぉ」
「やだ、無理」
「もう、よっすぃのために綺麗にしたんだよ?」梨華ちゃんの確信犯な笑顔。
「そうなの?」ついつい、それに引っかかってしまうあたし。

「やっぱり好きな人には綺麗な私を見てほしいもん。」
233 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:01
まぁ、その気持ちは分かるけどね。
やっぱりあたしだって、梨華ちゃんの前ではいつでもかっけーあたしでいたいし。
でも、なんか笑顔に騙された気がする。
234 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:02
「梨華ちゃん!!」
ガバっと音が立つんじゃないかってくらいな勢いであたしは立ち上がる
「な、なに?」
あたしのあまりの迫力に驚いている様子。

「あとでって言ったよね?」
もう少しでおでこがくっついちゃうくらいの至近距離。
「う、うん…」
「もんすごーく期待してるんで、よろしく!」
そう言って梨華ちゃんの頬に軽くキス。
235 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:02
梨華ちゃんは頬を手で押さえて
「…あまり期待しないで…」

梨華ちゃんの言葉は聞こえない振り。
236 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:02
大好きな人があたしのために綺麗になってくれる。
これ以上の幸せってないね。
こんな幸せを独り占めなんてなんかかっけーー!!!
これからもいつもいつでも近くにいさせてね?
それでいつも梨華ちゃんの横で梨華ちゃんが綺麗になる30分間を待っているのはあたしってことで!
237 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:03
さぁて、今日も一日頑張って、梨華ちゃんからご褒美をもらいましょう。
238 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:03
     
239 名前:幸せな時間 投稿日:2004/02/23(月) 07:03
おしまい
240 名前:extra 投稿日:2004/02/23(月) 07:06
久しぶりの更新にも関わらず、短編にもならないほどの短い話ですいません。

いや、お姉さん梨華ちゃんを書いてみたいばっかりに…。w。

241 名前:ひらの 投稿日:2004/02/23(月) 17:11
更新お疲れ様です。
お姉さん梨華ちゃん、良いですよ〜
二人がラブラブなら、なんでも良いです!
もちろんたくさん、ご褒美はもらえたんですよね?
242 名前:extra 投稿日:2004/02/24(火) 14:24
>ひらのさん もちろん!w。濃厚なのをいただいたのではないでしょうか?w
        いつもレスありがとうございます。励みになります。
243 名前:unconditional love 投稿日:2004/02/24(火) 14:25
244 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:27
(0^〜^0)side

「南極はどうして南なのに寒いの?」
「は?」

う〜ん、自分は何をしているのだろう…。うん、そうそう。今日は日曜だったな。
んで、同じクラスで名前しか知らない話したこともほとんどない石川梨華に呼び出され
急な用事があるだっけな。うん、それでここに来たわけだ。
245 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:28
んで、どうしてその話が南極なのかと…?
間違ってるよな。うん。間違ってる。そんなのわざわざここまで来て話すことではない。

だが、目の前にいる人は眉を八の字にして、上目使いでこっちを睨む。
246 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:29
おおっと!これではこっちが悪者みたいじゃない?!

はぁと溜め息をついて、外を見るとものすごい怖い顔をした人が…。
あ〜あ、見られちゃったよ…。
247 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:30
「石川さん。話ってそれ?」自分から出た声は思ったより優しい声だった。
想像だと働きづめのサラリーマンのような声が出ると思ったのだが。
う〜ん。たまに自分から出た声なのに、自分の声って違和感がある

その声に反応してか、下がり気味の眉も次第に上がっていく。
「ううん、それだけじゃないの。これは違うの。普段から不思議に思ってることで…」
はぁ、普段からそんなことを考えているのですか…。
248 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:30

でも、その言葉の後の石川梨華の笑顔によって黙るしかなくなって…。
249 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:30
はぁ。甘いよなぁ。自分って。んで、しかも、お人よしだよなぁ。
って、藤本!そんな顔で睨んでんじゃね〜よ!さすがに怖くなるだろう?
外からは針のような視線を横顔に受ける。

「うん、じゃあ、本題は?南極については後で考えておくからね」
この場を去るにはそれしかないだろう?いくら図太い神経をしていると言われても
こんな空間に耐えられるような大層なもんじゃない!
250 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:33

「そうですね。はい。えっと…」
しどろもどろになりながら、言葉を捜している。

はぁ。今日って帰れるのかな…。
251 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:34
(^▽^)side

みなさん、こんにちわ〜!チャ−ミー石川です☆
なんて!気分じゃないのよ!だって…。

日曜のうららかな午後、親友の柴田あゆみこと柴ちゃんに煽られ、勢いで片思いのこの人を
呼び出したのはいいものの。まともな会話なんてできていないわ。
目の前の人はすごく困った?呆れた?顔をしながら外と私を交互に見ている。
252 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:34
そりゃ、そうよね。だって、名前しか知らないような相手に呼び出されて最初に出たのが
南極だものね…。あ〜ん。自分のトーク力のなさが本当に嫌になるわ!
確かにいつもつまんないとか言われてるわよ!でも、でもね。
自分的にはそれでもおもしろいと思ってたのに。今はなに?っていうか、私ってバカ?
253 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:34
も〜、自分のふがいなさが嫌になるわ!何だっていつもこうなのかしら・・。
肝心なときに肝心なことを言えないなんて…。あ〜ん。目の前の大好きな人は、少し
困った顔ででもすごく優しい声で話し掛けてくれているのに…。
254 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:35
でも、それって好意的よね?これは!少なからず私のことを好きよね?
も〜ん、それならそうと早く言ってよ、ダーリン♪
255 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:36
(0^〜^0)side

おいおい、石川梨華。何だその不敵な笑みは…。本人は笑いをこらえてるつもりだろうけど
笑いもれて、すごく怖いから…。ホラー苦手なんだよ…。
256 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:37
って、もしかして、今から殺される?
っていうか、外からもものすごい視線きてるし…。
あぁ〜ん、もうどっちにしても殺されるんじゃないかよ〜。
257 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:37
何で?何で?こうなるのだ…。もっと平凡な毎日でいいのに…。
258 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:37
っていうか、さっきまではアクション映画に影響されて、
デンジャーな生活かっけー!とか思ってたけど…。
現在、死を覚悟した場所にいる自分は背中からの滝のような汗…。
259 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:38
いやいや、落ち着け!落ち着け。自分。何か打開策はあるはずだ!
今までだって、素敵なきみは何でもクリアしてきたじゃないか!そうだ!ウィ−アーアライブだ!!
260 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:39
(^▽^)side


え?ひとみちゃんったら顔を上げて何か言いたそう…。もしかして、この後って告白…?

いや〜ん、待って!そこはダメ!ここは私に言わせて。私から気持ちを伝えたいの
だから、何も言わないで。ううん、言ってほしいんだけど…。
今は何も言わないで。お願いだから!!!
261 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:40
(0^〜^0)(^▽^)side

「はにゃ〜、2人は何百面相してるの〜?」バッと2人で声の方を向くと後藤真希がいた。

(ナイ〜ス!ごっちん!絶妙すぎるタイミング!!)
(も〜、何でこれからって時に邪魔をするの!この魚顔!ウオっ!)
262 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:41

「ごっちんこそ、ここでどうしたんだよ?」落ち着け、落ち着け自分!!
「う〜ん、いちーちゃんと待ち合わせ中〜」
「そうなんだ〜?いいね〜!(じゃあ、さっさと消えなさいよ!!)」ニコっと梨華も答える。
「う〜ん。でも、寝坊したみたいなんだよね。」
(ナイス!市井さん!もう眠ったまま逝ってよし!)
(何してんのよ!市井さん!早く水槽持って来なさいよ!)

後藤につられてか、外でメンチを切っていた藤本も店に入ってきて、吉澤の横に座る。
263 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:41
「よっちゃんさん、何してるの?3人で遊んでるなら美貴も混ぜて〜」
「んあ〜、後藤は遊んでるわけじゃないよ〜。」
「そうなの?じゃあ、何してるの?」藤本は吉澤の顔を覗き込む。
う…。藤本…目が笑ってない…。

腕をもたれてるけど、痛いんですけど…。絞まってるから…。
264 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:42
「んあ〜、ふじもっちゃんは、よしこが好きなのかぁ〜?」
「うん!大好き!ね〜?」

(ね〜じゃね〜!)
(ね〜じゃないわ!)

とりあえず、作り笑顔でかわす。はぁ…。睨まれる距離が縮まっただけやんけ…。
勘弁してよ…。帰りたい。
265 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:42

「梨華ちゃんは何してるのだ〜?」
「え?私。話してたんだよ。南極について。」

「は?」藤本の視線が一瞬ものすごいものとなる…。その目、怖いから・・。

「南極か〜。ごとーは、南極はあまり詳しくないんだよね〜」

((当たり前だYO!))藤本と吉澤は心の中で叫ぶ。
266 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:43
「真希ちゃんは、南極は嫌いなの?」涙目で後藤に聞いている。何でここで涙目?
「んあ〜、嫌いじゃないよ〜。白熊とかかわいいし〜」

((それは北極!))
267 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:43
「そうよね、すごくかわいいわよね。特に八景島の白熊はかわいいわよ」
((お前、南極詳しくね〜のかよ!つっこむところだろ!!))
「んあ〜、恋する遊び島か〜。今度市井ちゃんと行ってみようかな?」
「うん、是非!それで南極についても学んでくるといいわ!(そのまま住んでしまうがいいわ)」
「そうだね〜。勉強にもなるし、いいかもね〜」
((北極くまでどうやって南極の勉強をするのんだよ…。))
268 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:44
「帰るわ・・・。藤本も帰る?」隣で同じように疲れている藤本に声をかける。
「うん!帰る!それと付き合って欲しい場所があるの!」
「あ〜?やだよ。混んでる場所は。」
「混んでない!混んでない!早く行こう!」
そう言って藤本に腕を組まれ店を後にした。
269 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:44
石川梨華には悪いとは思うが、あのままアソコにいたら突っ込みすぎで過労死してしまう。
270 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:45
(^▽^)side

はっ!つい、魚への攻撃に夢中になってしまって、目の前には誰もいないじゃないのさ!
何で〜?もしかして、藤本さんと出かけちゃったの〜?あ〜ん…。
今日は告白しようと思ったのに…。これもそれも、この魚のせいだわ!!
271 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:45

キッと睨みつけても「んあ〜、まぐろも見たいよね〜」無反応…。
確かにまぐろの大群はすごいわ!貴女とはこうゆう出会いでなかったら上手く行ったはず…。
残念で仕方ないわ…。
272 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:45
しかし!今日はただのクラスメートからは変ったわよね!
何てたって、2人でお茶なんかしちゃったんだもの!
いや〜ん!お茶よ!しかも、すごく優しい声で話してくれたわ!!
273 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:46
明日はもっとアタックェ〜ンドアタックよ!!
274 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:46
石川梨華。初めての告白、失敗に終わる。
275 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 14:47

つづく…
276 名前:ひらの 投稿日:2004/02/24(火) 15:24
アーーー!またーーー!!
でも焦らさせるのも好きかも・・・って、Mかよっ!
今回は色んな人と絡んでて、これもまた楽しいですね。
更新待ってますね〜
277 名前:名無し飼育 投稿日:2004/02/24(火) 18:56
最近見つけまして読ませてもらってます。
短編ですけどそれぞれ非常に面白いです!!
いしよしの甘甘は大好きなので一気に読んでしまいました。

今回も本音が垣間見れるところは笑いました。
続くようですので次も楽しみにしてます。
美貴帝の冷たい視線ガクブル
278 名前:extra 投稿日:2004/02/24(火) 21:35
>ひらのさん Mですか?w。それじゃ、私はきっとSかもしれないですね。w
         焦らしてこそまた(ry w

>277の名無し飼育さん 面白いだなんて嬉しいばかりの言葉をありがとうございます。
              どんどん書いていくので、良かったらまた遊びに来てくださいね?
              お待ちしていますから。w

279 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:36
          
280 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:37
(0^〜^0)side

いつものように登校をしたのたが、何かがおかしい…。朝から感じるこの寒気。
風邪でも引いたか…。ここ数年引いてないから確かに油断はしていたが…。
281 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:37
「よっちゃんさーん!」後ろから藤本の声がして振り返ると抱きつかれる。
「お願い、離れて。」藤本が抱きついたと同時にすごく寒気が増したのだ。
なんじゃこりゃ…?
282 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:38
「もう、そっけない〜。でも、昨日はありがとう!すっごく楽しかったし、嬉しかった!」
ニパっと笑う。藤本って笑えばかわいいよなぁ。あの視線は怖いの一言だけど…。
って、また寒気が…。なんじゃこりゃと後ろを振り返ると…。
283 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:38
          
284 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:38
お〜い!!!何で?!石川梨華!何でお前のとこだけ影背負って、夕方なんだよ!!
星明子?とつっこむ余裕もない。

って、石川さん。普段でも幸が薄そうなのにそのままじゃ…。寒気はこいつのせいか…。
285 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:39
確かにね。あのまま置いて帰ったのは悪かったよ。でも、そこまで落ち込まなくても…。
ってか、そこだけ何で暗いの…?
286 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:40
(^▽^)side

登校早々見てしまった、愛しい人の抱擁シーン。ショック!
魚を構っている間に・・・。
結局、あれから市井さんも合流してすごく南極トークがもりがったのよね♪
ううん、今はそうゆう問題じゃないの。
287 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:40
何で?何で?藤本さんと抱き合ってるの。ダーリンは私が好きなんじゃないの?
あ!こっち見たわ。愛のパワー?ラブ力?
288 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:41
どうしたの?ダーリン、そんなに困った顔をして・・・。
はっ!まさか!!
藤本に弱みを握られてしまっているのね!それで私に助けを求めているのね!!
289 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:41
私ったら、愛する人を疑ってしまうなんて本当にごめんなさい。
待っててね!今すぐその悪魔から救いだしてあげるわ!!
290 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:42
(0^〜^0)side

あん?なに?暗かったと思ったら、今はこっちを見て笑顔じゃん。
しかし、何かを感じて悪寒…。
291 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:43
そして、石川梨華の口が物語ったのは『大丈夫、待ってて』
おい!大丈夫?待ってて?何を?!何が大丈夫で何を待たなきゃいけないの?!
292 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:43
やばい!もう今すぐここから逃げてしまいたい!!
何か嫌な予感がするんだYO!本能が逃げろって言ってるんだYO!
293 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:44
out side


「ひとみちゃん、私が助けるわ〜!」
「いや、助けてくれなくて結構!」
「どうしたの?困っているのでしょう?」
「いや、どちらかと言うときみに困ってしまっています」
「私に…?」
「って、何で顔を赤らめてるんだよ〜!」
294 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:44
「よっすぃってこんな人だった??」全校がそのやり取りを見ながら思った。

そう、吉澤はクールで有名だった。冷たいわけじゃない。優しいのだけど人との距離をおく。

しかし、今は素で怒鳴りあっている。
どう見ても梨華ペースである…。
295 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:45
「よっちゃんさん、落ち着きなよ。」藤本が見計らって声をかけるが、
それどころではない雰囲気。
296 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:45
「だって、私に困ってしまってるのでしょう?」
「そう。石川さんに困ってるの!」
「嬉しい!」
「なんでやねん!」石川は吉澤の胸に飛びこんでいる。
297 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:45
「「「「石川のポジティヴが羨ましい…」」」
298 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:46
「ひとみちゃん、素直になっていいの。というか、なって欲しい。ってか、なれ!」
「命令かよ!」
「だって、いつまでたっても一緒に帰れないじゃない。」
「登校したばっかだよ!」
「そうじゃないの。これは私の夢なの!下校の時にひとみちゃんが校門で待っていてくれるの…
299 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:46
(^▽^)石川妄想(^▽^)
300 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:47
「おい、遅いぞ」
「ごめんね。ちょっと先生に捕まっちゃって」
「そう?大丈夫だった?」
私にそっと触れるひとみちゃん。まるで壊れ物でも触るがように…
301 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:47
「ひとみちゃん、こんなに冷えちゃってる!」
「大丈夫だよ。手が冷たいのはいつもだよ」
「ごめんね、私が待たせたせいだよね。」
「だから、違うって。」
「でも…」

「じゃあ…こうしててくれる…?」
302 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:48
私の手を取って歩きだす、ひとみちゃん。素敵…。夕焼けが今日は目に染みるわ…

バックミュージック『恋に堕ちて』By小林〇子
303 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:49
       
304 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:49

「もう!これが私の夢なの!分かってくれた?」
「いや、分かったことは分かったけどね…。その選曲なおかしくない?!」
305 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:50
って!ちょっと待て!!
何かこいつのペースになってない?何かすごく自分でいられてない?
自然にいれる人なんて今までいなかったのに。
いつも一緒にいる友達の前でさえ、まだ自分を出していないのに…。
親にしか出せてなかったのに、どうしてこうも簡単に…。
306 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:50
「でしょ?じゃあ、さぁ、素直になって!早く!」
「早くって言っても、何に素直になればいいのか。」
「ひとみちゃんの私への気持ちに決まってるでしょう!?ここまで言わせる気?バカ?」
「バカ言うな!石川への気持ち…?」
307 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:51
全校生徒が2人のやり取りに注目している。
308 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:51
「そう。私への気持ち。」
「う〜ん。何か自分じゃいられなくなる。」
「そうでしょ?ってことは?」
「ってこと?」
309 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:51

う〜ん。つまり、どうゆうこと?ん〜?
310 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:52
「もう!じれったい!ひとみちゃんは私が好きなのよ!!」
311 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:52
「「「「「すっすごい…。言い切ってるよ…。」」」」」
312 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:53
「そ、そうなの?」
「そうよ!私に困って。私の前じゃ自分を見失っちゃうんでしょう?」
「うん、確かに。そう。」

お互いの解釈が違ってる気もするけど、確かにその通りである。
313 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:53

「それって、私のこと好きでしょう?」
「そうなるのかな?」
「そうならなきゃどうなるのよ!」
「う〜ん…」
「いいから!私のことを校門で待ってなさい!」
「はい…」
314 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:53
すっすごい…。誰が告白しても落ちなかったあの吉澤を気迫だけで落としてしまった・・・。
明らかに言ってることはむちゃくちゃであったが、何かみんな納得してしまっている。
しかし、納得してない人も中にはいて…。
315 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:54
「よっちゃんさん!何を言ってるのよ?」藤本である。ものすごい石川を睨んでいる。
それもそのはず、大好きな吉澤にどさくさにまぎれて抱きしめてもらっているわけだから。

「ん〜、やっぱりそう思う?」
「そうでしょ?どう見ても勢いじゃないのさ!」
「う〜ん、だよね。やっぱり、石川さ〜」
「ひとみちゃん!何を言ってるの!自分の気持ちに嘘をついてどうするの?」
「嘘か〜」

「「!!!!」」
316 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:54
(^▽^)side

またこの女だわ!せっかく、強引だとしても落とせたと思ったのにぃ〜!くやしいぃ〜!
大体、この女はなんなのよ!目怖いし…。ううん、びびってるんじゃないわよ!
うん、でも、怖いわ…。
317 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:55
川VvV)side

いじがわりが〜!!!なんだって、あんたは今だによっちゃんさんの腕の中にいんのよ!!

大体、今まで存在すらなかった幸の薄いあんたがどうしていきなりよっちゃんさんと付き合うことに
なってんの!今まで美貴が一番そばにいたんだから!

美貴なんて噂されたことだってあるんだから!あんたになんか負けてられないの!!
318 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:57
(0^〜^0)side

「んあ〜、よしこ、おはよう〜」

((魚〜!!!))
319 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:58
「あ、ごっちん。おはよう」
「これはどうゆうことなのだ?」
ごっちんは、石川梨華と藤本の睨み合いを見ながらあくびをしている

「う〜ん、よくわからん」
「んあ〜。喧嘩は良くないのだ!梨華ちゃん!ふじもってぃ!!」
「「なによ!!」」
「おおう!!」
ごっちんはあまりの反応に驚いて、後ずさりをする。
「ごっちん、大丈夫?」
「大丈夫なのだ。でも、何で梨華ちゃんを抱きしめているのだ?」
320 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:58
おおう!!そう言えば、このままだったっけ・・・。あれ?さっきまで、全く意識してなかったけど
すごくドキドキする。なんだこりゃ…?すごく柔らかいし…、すごくいい匂いするし…。
う…やばい。顔が赤くなりそう…。ってか、理性が飛ぶ…
321 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:58
あーーー!!もうっ!!!
322 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:59
ガバっと!!!!!!ほ〜りでぃ〜♪
323 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 21:59
「ついに気づいてくれたの!?」石川梨華がすごく嬉しそうな声をだす。
「よっちゃんさん、何してるの!?」
「んあ〜」
324 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:00
石川梨華の肩におでこをつけながら、考える。ん〜、どいつもこいつもうるさい!
今は自分の考えをまとめるのに精一杯なの!他のことなんか考えられないんの!

こんなにもドキドキしてしまっている自分に動揺している。
藤本に抱きつかれても、こんなことは考えなかった。
ってことは・・・。そうゆうことだよな・・・

南極に興味をもっていて、でも、南極と北極の 区別が出来ていなくて、
すごくポジティブでネガティブで…。女の子、女の子してて。
柔らかくて、いい匂いがして…アニメ声で超音波で…。
325 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:01
「藤本〜?」
「なに?よっちゃんさん!っていうか、早く離れて!」
「いや、ダメ。気づいちゃった。石川さんを好きになってしまったみたいです」

「「「「「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」」」」」」」
周りから悲鳴とも歓声とも言えない声があがる
目の前の藤本においては、開いた口がふさがらない状態
326 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:01
「ひとみちゃん、やっと気づいてくれたの!?」
「うん、なんかそうなっちゃったみたい」
「もう嬉しい!」強く抱きしめられる。く、苦しい…。
327 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:02
「んあ〜、ごとーは気づいてた〜」
「魚は黙ってなさいよ!!!」
藤本が一蹴するがごっちんは特有のへにゃとした笑顔。

「本当なの!気づいてた!」
「どっちだっていいのよ!そんな事は、よっちゃんさん、本気で言ってるの?」
「うん、なんかね〜、そうなっちゃってるみたい」
「そうなっちゃってるって…」
「それでいいのよ!梨華的にはそれでオールオッケイよ!!」
そう言って石川梨華はウィンク!おおう!吉澤悩殺っす…。
328 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:02
「ごとー的にもおーるおっけいなのだ!」
「魚!あんたはどっちの味方なのよ!!
「ふじもってぃ!魚って誰のことを言っているのだ!!」
「あんたに決まってるじゃないの!」
「はっきり言う!!ごとーは、おもしろければそれでいい!!」

(((((!!!!!!!!))))))
329 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:03
ごっちん、何て君は無責任なんだ…
330 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:03

しかし、そんな中でも…
「素晴らしいわ!」感動している人が1人…。
「梨華ちゃんは分かってくれる?」
「分かるわ。その気持ち。」

分からない…
331 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:03
「ごとーは、昨日も言おうと思ってたのだが、梨華ちゃんとごとーは気が合うのだ!」
「そうね!私もそう思うわ。でも、お願いだからひとみちゃんを好きにはならないでね」

さすが、石川梨華である。きちんと釘をさすのも忘れない。

「それはない!ごとーには市井ちゃんがいる!」
「そうね!Wデートしましょう!」
「おぉ!楽しそう!」
「って、石川さん!何を勝手に!!」

「ひとみちゃん、いい?ちゃんと聞いてね?」

妙に神妙な顔で石川さんは言う、だから、自分も真面目な顔でうなづく。
332 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:04
「人生はおもしろかったら勝ちなの」
333 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:04
この人はバカですか?それとも、あたしがバカなのですか?神様教えてください。
どうして、こんな人を好きになってしまったのでしょうか?
しかも、不覚にも上目使いで話すこの人をかわいいとすら思ってしまう。
334 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:04
「ね?ひとみちゃん、最初のデートは六本木ヘルズに行こうね?」
いきなり、地獄行きですか!?石川さん!!
「あー!ごとーも行きたーい!」
気が遠くなるのを感じながらも、いつもは空いている左側からの甘い匂いに誘われてしまっている
あたしは地獄行き決定です
335 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:05
        
336 名前:unconditional 投稿日:2004/02/24(火) 22:05
(´ Д `)<おしまい
337 名前:extra 投稿日:2004/02/24(火) 22:06
甘くなくてすいません。しかも、石川さんを壊しすぎました…w
次回は甘いのを予定していますので、ここで見限らないで待っていてください。
では…
338 名前:extra 投稿日:2004/02/24(火) 22:09
しかも訂正です

304の「その選曲なおかしくない」は、正しくは「その選曲はおかしくない」でお願いします。

339 名前:59の名無し 投稿日:2004/02/24(火) 22:37
いやぁ〜、笑いました。マジでハライテ〜!
この4人がすごいおかしいです。
甘いいしよしも好きなんですけど、いいですねこういうのも。
334の石川さんのセリフ、吹っ飛びそうになりましたよ(w
壊れすぎた石川さんって最強兵器ですね.
次回は甘いのですか?楽しみです。
340 名前:39 投稿日:2004/02/25(水) 00:10
石川さんとごとーさんおもしろすぎ。
この二人のこーゆー絡みかた好きだなぁ。
ほぼ毎日のような更新うれしいです。
次回も楽しみにしています!
341 名前:ひらの 投稿日:2004/02/25(水) 00:35
更新お疲れ様です!油断してたら、いつの間に・・・
ちょっと楽しすぎます!この続編なんかも読みたいな・・・なんて。
想像しやすいキャラですね。それぞれのキャラが目に浮かびました。
毎回の更新楽しみなんですが、あまり無理をなさらないでくださいね。
342 名前:extra 投稿日:2004/02/25(水) 12:32
>59の名無しさん
楽しんでいただけて光栄です。石川さんを壊しすぎたかなって心配はしたのですが気に入って
いただいたみたいで嬉しい限りです。w

>39さん
私も恋愛感情なく絡む2人が好きなんですよね。なんだかんだ言って気も合いそうですし。w
こんなくだらない文の更新を嬉しがってくれるなんて涙が出ます。w

>ひらのさん
楽しすぎと言っていただき嬉しいです。キャラが伝わるなんて嬉しい言葉ありがとうございます。
それから心配していただきありがとございます。
今のところ無理はしていませんのでご安心してください。w

では、甘くできたかどうかは不安ですけど…。
343 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:32
        
344 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:33
よっすぃと想いが通じあってから、すごく時間が経ったと思う。
その時、その時は一瞬のように感じられて、でも、後になって思うとかなりの時間。
そんな時間の中を私達は、キスしたり、抱きしめ合ったり、ケンカしたり、笑い合ったりと
色んな時間を過ごしてきた。
その時間の中で私の想いは日に日に出会った頃よりも強くなっていくばかり。
345 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:34
それなのに、現実には私の想いとは反比例に会える時間が少なくなる一方だった。
充実しているはずの仕事の時間。
慌しくて過ごしている時間の中では、私は「寂しい」という気持ちをよっすぃに伝えることも
できないでいた。
消化不良寸前の私の気持ち。
346 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:34

この業界は狭いとよく言われるし、私もそう感じている。
だから、別々に仕事をこなしていても、近くにいるのだから、
ひょんな瞬間に会えるなんて期待していても、全然会えないまま。
347 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:35
この前、ドラマの撮影のロケ中に、よっすぃにそっくりの人を見つけた。
この場所には、よっすぃはいるわけないなんて分かっているけど、
私の胸は騒ぎ出す。
ギクっとしてしまうほど、背まで似ていて、私は心臓を鷲づかみにされて動けなかった。
ただの似ているってだけの人なのに。
ただ似ているってだけの人なのに、かっこいいなんて思ってしまった私はもう限界なのかもしれない。
348 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:35
少し前までは、よっすぃの都合とか考えないで、いつでも少しの時間を見つければ会いに行って
些細なことでもメールして、いつも「会いたい」って言えていたのに。
今の私は戸惑ってばかり。
嫌われてしまうのが怖い。
こんなに好きだから、嫌われてしまうのがすごく怖い。
「会いたい」って言葉は私の頭の中だけで何度も反芻している
349 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:35
計算の恋愛と感情の恋愛。
今の私は計算の恋愛をしているみたい。
嫌われるのが怖い私に、純粋な感情の恋愛は背を向けている。
350 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:36

街で幸せそうなカップルを見ると、私が重ねていることをよっすぃは知らない。
こんなにも好きでいることをよっすぃは知らない。
それが私にはすごく苦しくて、知られたくないけど、知っていてほしい。
嫌いになれたらいいのに。
好きで好きで仕方ない。だから、嫌いになりたい。
相反する感情。

でも、私には正論。
351 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:36
分割コンで本当に距離までも離れ離れになってしまった私たち。
よっすぃも少しくらいは寂しいと思ってくれているの?

控え室では、楽しそうに亜弥ちゃんと電話する美貴ちゃんの声。
携帯を持ったまま何もできない私。

胸が苦しくなって、目が少しだけ熱をもって、私はその部屋を出る。
352 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:37

携帯のバッテリーの蓋を開けると、幸せそうに笑うよっしぃと私が出てきた。
ほんの一ヶ月だけ前のことなのに、すごく遠いことに感じてしまう。
そこに映っている私は、よっすぃにしか見せない笑顔をしていて。
すごく幸せそう。
じゃあ、今の私は…?

私はよっすぃの「会いたい」って言葉を欲している。
「会いたい」って言ってほしい。目の前にきて、「会いにきたよ」って言ってほしい。
でも、その願いはかなうことはない。
353 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:37
コンサートも無事に終わり、やっと1人の空間に入る。
増えてきている私の溜め息。
こんなままじゃダメなことくらい分かってる。でも、私にはどうしようもできない。
354 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:38
よっすぃの声が聞きたい…
355 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:38
       
356 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:38
我慢できなくて、寂しさに耐えられなくて私は一息ついて発信のボタンを押す。

聞こえてきたのは、大好きなよっすぃの声ではなくて、無機質な呼び出し音だけ。
私とよっすぃの気持ちの温度差を突きつけられたような気がする。
357 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:39
私がいなくても、よっすぃはきっといつも通りに笑っていつも通りに過ごしている。
それが悔しくて、悲しくて…
358 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:39
〜♪『よっすぃ』

ワンコールにもならないくらいの勢いで電話に出てしまう私。
対比的な行動をしてしまう私に少しだけ笑ってしまう。
359 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:40
「梨華ちゃん?ごめん。さっき寝てた」まだ眠そうなよっすぃの声。
「寝てたの?ごめんね。電話切るね」
「へ?大丈夫だよ。もう起きたし。」わざと元気な声を出しているのが分かる。
「ううん、ごめんね。別に用事があったってわけじゃないし」
360 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:40
今にも泣き出してしまいそうだから、早く電話を切りたかった。
聞きたくて、聞きたくてしょうがなかった声のはずなのに…。
361 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:41
「元気がなさそうな声だね。用事がないってわけじゃなさそうだよ」
よっすぃの優しい声。

でも、今、返事をしたら、声を出したら、
きっと私は泣き出してしまう。
きっと悪くないよっすぃを責めてしまう。
362 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:41
「おーい、梨華ちゃん?どうして何も話さないのー?」
よっすぃ、私、話せないの。
今の私の気持ちをよっすぃに言ったら、きっとよっすぃは私のことを重荷に思う。
嫌われたくないの
卑怯な私。ごめんね、よっすぃ。
363 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:41
返事をしない私によっすぃも困ってしまい、沈黙のままの2人。
こんな風になるために電話したわけじゃないのに。
ただよっすぃの声が少しでもいいから聞きたかっただけなのに。
電話するんじゃなかった…
364 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:42
「梨華ちゃん、ごめんね」
沈黙を破るよっすぃの声。
「え?」
「好きかどうか不安になってたんだよね?ごめんね。ちゃんと好きだから」
「え…?」
どうして?何で?

「梨華ちゃんの泣き声が聞こえた。本当にごめんね。梨華ちゃんのこと、ちゃんと好きだから」
よっすぃの優しい声。
きっと、今日の声で一番優しい声。
365 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:42
「帰ったら、一番に会いに行ってもいい?」
そんなの答えなんかわかりきってるじゃない
私が会いたいのは、よっすぃだけだよ。
「…うん」
366 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:42
「良かったぁ」すごく嬉しそうなよっすぃの声。
ごめんね。不安になったりして本当にごめんね。
これからも好きでいてくれることが純粋に嬉しい。
よっすぃが好き。よっすぃだから好き。
367 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:43
「それでね、梨華ちゃんにお願いがあるんだけど…」
真剣なよっすぃの声。
よっすぃが私にお願いをするなんてめずらしいこと。
「…なに?」頬をつたう暖かいものを手の甲で軽くぬぐう。
368 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:43
「コンサートで使った制服着て待ってて。」
「う…って、はい?」
あまりに深刻そうに神妙そうに言ってくるから、思わずうなづきそうになっちゃったけど、制服!?
「だって!見たいんだもん!梨華ちゃんの制服!!」
いつも通りにふざけたようなはしゃいでるようなよっすぃの声。
「何言ってるの!?バカ!親父!!」
その声につられて、私も声が明るくなるのが分かる。
「ひ、ひどい…。ひーちゃん、泣くよ…?」
「泣けば!?エロ!エロ!バカ!バカ!」
369 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:43
悩んだ私がバカみたいじゃない。
こんなにも簡単によっすぃは私の気持ちを変えることができるなんて。
370 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:44
「ははっ。やっと梨華ちゃん、笑ってくれた」本当に嬉しそうなよっすぃの声。
「え?」
「あのね、ひーちゃんは、笑った梨華ちゃんが好きなんです。
 あ!でも、怒っている梨華ちゃんも好きだし、すねている梨華ちゃんも好きだよ?
 泣いている梨華ちゃんはすごくそそるし!!」
えっと、最後の1つは置いておいて。

恥ずかしいことをサラサラと言うよっすぃ。
私が言えないで苦しんでいたことを言ってしまうよっすぃ。
371 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:44
「怒ってる私でもかわいいんだもんね?」
私のイジワル。
矢口さんのラジオにゲストで出たときによっすぃが言ってくれた言葉。
矢口さんの乾いた笑いが印象的。
あとになって、矢口さんが教えてくれたんだけど。
あの時のよっすぃ、すごく素だったらしく、自分で言ったあとに「言っちゃった」みたいな顔に
なって、真っ赤になってたって。
「う…、恥ずかしいことを思い出させないで…」
「嬉しかったなぁ!公共の電波で『かわいい』だなんて!!」
「もう言うな…」
372 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:44
電話越しでよっすぃの表情は見えないけど、よっすぃが照れているのが分かる。
よっすぃが笑っているのが分かる。

まるで私の隣にいてくれているようなそんな錯覚さえ覚えてしまうくらいに。

さっきまでは感じなかった安心感が私を包む。
よっすぃが私を包む。
373 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:45

やっと気付いた。
今になって気付くなんてね。

よっすぃはきっとどんな私でも受け止めてくれる。
どんな私の想いでもちゃんと理解してくれようとしてくれる。

それを分からなかった私。違う、離れた時間に負けて忘れてしまってた私。
ごめんね、よっすぃ。
374 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:45

「ねぇ?よっすぃ」
「なに?」
さっきからかいすぎたせいか、少しだけふくれているような声。

「私のことをいっぱい知っても嫌いにならないでくれる?」
「当たり前じゃん!あのね、どんなつまらないことでも梨華ちゃんのことだったら知りたいって思うし、
 それと反対であたしのこともどんなことでも梨華ちゃんには知っていてほしいよ」
半拍も置かないでそう言ってくれるよっすぃ。
375 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:46
うん。やっぱり私が間違っていたみたい。
伝えなきゃいけないことも伝えないで。
1人で不安になって、よっすぃを疑って。
よっすぃがすごく好き。
376 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:46
だから、よっすぃもいつもいつまでも私を意識して好きでいて。
それでたまにはメールでいいから『会いたい』って書いて。

私の不安なんてそれだけでなくなっちゃうから。
それだけで私はもっともっとよっすぃを好きになるの。
377 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:46
「よっすぃ、もう眠い?」
「うーん、少しだけ」
コンサートの後だもんね。

「あと1分お話していい?」
「もちろん」
よっすぃの少しだけ眠そうな、でも優しい声が私に届く。
378 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:47

夢の中で何度もしたようによっすぃと早く手がつなぎたいよ。
379 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:47
      
380 名前:恋は悩んで 投稿日:2004/02/25(水) 12:47
おしまい
381 名前:extra 投稿日:2004/02/25(水) 12:49
えっと、本当に甘くなったかどうか微妙ですね。すいません。
期待を裏切ってしまったのではないかとビクビクです。

明日にでも時間があればunconditionalの続きでもうpしようと考えています。w
続編を書くなんて初めての経験ですので、あまり期待しないでお待ちください。
382 名前:ひらの 投稿日:2004/02/25(水) 14:09
更新お疲れ様で〜す!今回も十分に甘いですよ〜
間接的でも二人のラブラブ感が伝わりました。私もよっすぃー好き〜!
次回は『unconditional』の続編なんですか?わ〜い!
どえれー楽しみです!まった〜り、お待ちします。
383 名前:わく 投稿日:2004/02/25(水) 21:07
saikou!!!!
384 名前:extra 投稿日:2004/02/26(木) 09:30
>ひらのさん 
いやいや、あまり期待しないでください。w
プレッシャーに弱いです。w
しかし、期待されると燃えますね!!ありがとうございます。

>わくさん
saikou!!!! ですか?
ありがとうございます。毎回、そんな風に言ってもらえるように頑張りますね!
385 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:31
         
386 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:32
(^▽^)side

いやん、壊れっぷりがいいと評判の石川チャーミー梨華です☆
この度、想い続けた吉澤ひとみちゃんとお付き合いが始まり、幸せ絶好調♪
けど、ひとみちゃんってやっぱりかっこいいだけあってモテるのよね…。
特にあの女とあの女は何度絞め殺そうかと思ったか…
387 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:32
それは後で済ませるとして…
388 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:32
今日はひとみちゃんと付き合う前に色々考えた(妄想した)素敵な2人がする愛の行為を
実現させて行こうと思ってます♪
389 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:33
(0^〜^0)side

う〜ん、眠い。そして、今日も感じるものすごいピンクの視線
授業中にも関わらず、石川梨華は黒板代わりにあたしを見ている。
いや、いいんですけどね。でもさ、たまに何をメモしてるの?
人を見て、思い出したようにメモをしている石川梨華。
390 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:33
「よっすぃ、よっすぃ。これ、梨華ちゃんから」
後ろの席に座っている柴田あゆみが先生にバレないように小さな紙を渡してくる。
「あ、ありがと」
受け取って、石川梨華の方を見ると、『早く!早く』と口が動いている。
わーってます、わーってます。
開いてみれば、
391 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:33
『私、ひとみちゃんのことずっと犬好き』(!!!!!!)
392 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:34
おいっ!!!犬ってなんだよっ!?いや、何を伝えたかったかは分かるんだけど、犬!?
393 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:34
(^▽^)side

私からのラブレターを見たひとみちゃんがもうびっくりしたように私を見る。
計算通りだわ!
これでひとみちゃんの心をわし掴み♪
今からひとみちゃんから私へのラブレターも届くのよ!!
そしてそこに書かれている内容は、
394 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:34
『あたしもずっと好きだよ』
395 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:34
いやん!恥ずかしい!バカバカ!もう、そんなこと書かれたら授業どころじゃなくなっちゃうじゃない!
ひとみちゃんったら、罪なひ・と☆

今の時点で授業どころじゃない石川梨華。
自分の間違いに気付いていない石川梨華。
恋は盲目とはこのことなのかもしれない。
396 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:35
(0^〜^0)side

「お〜い、石川、裕ちゃんの話、聞いてんか〜?」
世界史の先生である、中澤先生が声をかける。
「もちろん、聞いてますよ〜」
嘘をつくな…。誰が見ても聞いてなかったじゃないの…。
「そかそか、そんなら教科書読んでくれるか?」
「はぁ〜い。で、何ページですかぁ?」
「128ページやで」
「はぁ〜い♪」
中澤先生にこんな軽快な返事ができるのは、学校広しと言えどもこいつだけだと思う。
397 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:35
「えっと〜。源頼朝はぁ〜」

((((!!!!!!)))))
398 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:35
「石川ぁ、それ日本史やろ・・・・」
さすがの中澤先生もお疲れの様子。いや、中澤先生、その気持ちすごく分かります。
もう痛いほど分かります。

「あれ?!間違えちゃった☆すいません〜♪」
全く謝る意志などない石川梨華はあまつさえ先生に向かってウィンクをしているし…。
399 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:36
「まぁ、しゃーないかぁ?あの吉澤と身も心も結ばれたんやもんなぁ」
「ちょ、ちょっと!!」つい、大きな声を出して立ち上がってしまう。
にも、関わらず、無敵の石川梨華が出した答えは
「もう!中澤さんったら、心はがっしり結ばれているんですけど、身の方はこれからなんです!!」
「だーー!!石川さんっ!!」大声で立ち上がるも

「よしこ、まだなのかぁ。意外にもだらしないのだ」
ねぇ、ごっちん、さっきまで寝てたよね?
「もう!真希ちゃんったら、これが2人のスピードなの♪」
「んあ〜」
嬉しそうに身振り手振りで説明している石川梨華を前に力なく腰をおろすしかない。
400 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:37
「もぉ、石川には敵わんわ。藤本続き読んで〜」
「えぇ?!何で美貴がぁ〜!?」
「黙って読めばええねん」
藤本はぶつぶつ呪いのような言葉を吐きつつ、立ち上がって教科書を読む。

はぁ、あの呪いってあたしに?それとも石川梨華に?
どっちにしても、お腹が痛くなるのだけは勘弁だよ…。
401 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:37
(^▽^)side

いけない!梨華ったら、肝心要なことを忘れてたわっ!
さすが中澤先生ね!
そうよね、愛する二人は心だけじゃなく、体も結ばれなきゃいけないはずだわ!!
全く、うっかりさんな私♪
402 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:37
きっと、ひとみちゃんも早く結ばれることを望んでいるはずね!
ごめんね。気付かなくて…。
こんな愚かな私を許して。

でも、気付いたからには、行動あるのみ!!
行くわ〜!!!
403 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:38
(0^〜^0)side

藤本が教科書を読むことにより、少しだけお腹の心配はしたけど、変な心配をすることはなくて。
安心したのか、午後の日差しに誘われて、少しだけまぶたが重くなる。
あ、やべ眠いかも…。
うとうと・・・・
404 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:38
ガタンっ!!
405 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:38
心地よい眠気をも吹っ飛ばすような物音に体が思いっきり反応して飛び起きる。

「先生!!早退しますっ!!」

また、お前か石川梨華!!!!
406 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:38
「何でや?」
「愛のためにやらなくてはいけないことがあるんです…。こんな私を許して?」
愛のため…?猛烈に寒気がするんですけど。
うん、きっとこれは斜め後ろから睨んでいる藤本のせいじゃなくて
きっとこれから来る我が未来のせい。
407 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:39
「ひとみちゃん!学校が終わったら、すぐに梨華ホームに直帰よ!」
あたしに指さし、石川梨華はカバンを胸の辺りで抱え、完璧な乙女走りで教室を去る。
408 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:39
教室に残ったのは、何かを期待した視線が半分。同情がその半分。
409 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:39
「やっぱり、梨華ちゃんはおもしろいのだ〜。よしこが羨ましいぞ!!!」
ごっちんは、はにゃと笑いがなら開けっ放しのドアを見ながら言う。

「吉澤〜。ちゃんと報告せーよ!!」
勘弁してください…。
410 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:40
(^▽^)side

早退してきたのは、いいわ。それにちゃんとひとみちゃんにも家に来るように伝えたし。
うん、今のところは完璧!!!
しかし、問題はあるのよね…。
ほら、私って純真無垢な体じゃない?
だから、その×××の経験なんかないの。
どうしたら、身も心も結ばれることができるのかしら…?
411 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:40
「!!!!」
そうだわ!!昨日、見た日曜ロードショ―を参考にしてみるわ!
だって、感動しちゃったんですもの!
あるある会員である私が『発掘!!あるある大〇典』を見過ごしてしまうくらいなのよ!
参考にしない手はないわ!!!!
そうと決まったら準備をする物は山積みね!!
愛のため、愛するひとみちゃんのためにチャーミー頑張るわ!!!
412 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:40
(0^〜^0)side

時間というものは誰にでも公平に存在していて…、過ぎるな過ぎるなと願えども時間は
刻々と進み、あたしの執行猶予ももうなくなってる。
「はぁ…」
「よしこ、時間がきたね〜!もうごとーはドキドキしてきたぞ!!」
「いや、何でごっちんが…」
なんて話をしているとあごのところに手が入ってきて、思いっきり後ろに首を曲げられる。
413 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:41
グギっ!!!!
414 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:41
「いてっ!何す…」
言葉を失いました。そこにいたのは、藤本さんだけど、藤本と呼ぶにはあまりにも…

美貴帝がおりました。
415 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:41
「よっちゃんさん!行っちゃダメだよ!!」
「いや、行ったらダメなのは分かってるんだけど…」
っていうか、この態勢。すごく首が痛いから離してほしいんですけど…。
「じゃあ、行かないで、美貴の家においでよ!!」美貴帝こと藤本は笑顔で言うが
目は笑ってないし。
いや、いっそのことね。藤本の家に行ったほうが安全なのは分かるんだけど…。
416 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:42
「ふじもってぃ!よしこは、梨華ちゃんと約束してあるの!」
「シャーラップ!!」藤本は開いた片手でごっちんの口をふさぐ。
「ね?よっちゃんさん、決定♪美貴の家に行こう!」
417 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:42
そう言って、藤本はいつもよりも強めに腕を絞める。
はぁ、なんかもうどうでもいいや…。安全な方がいいし…。
黙って引きずられるように学校を後にする。
418 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:42
藤本の家まで向かう間、藤本はすごく嬉しそうに話をする。
うん、やっぱりかわいいんだよね。
「ね?よっちゃんさん、今日は焼肉にしようね?」
「うん」
あいつみたく突拍子もない変なことも言わないし。
419 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:42
「それでね、亜弥ちゃんがね…」
「うん」
あいつみたく妄想なんかしないし。
420 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:43
「もうよっちゃんさん、聞いてるー?」
顔を覗き込む藤本。
あいつだったら、きっと指で頬をつついて、「聞いてないと、お・し・お・きしちゃうぞ」なんて
背筋が凍るようなことを言うんだろうけど。言わないし。
421 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:43
あーー!!なんかイライラする!何で藤本とあいつを比べてるの!?
何あいつのこと考えちゃってるの!?
422 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/26(木) 09:44
つづく…
423 名前:ひらの 投稿日:2004/02/26(木) 15:47
更新お疲れ様です〜
プレッシャーになっちゃいましたか・・・それはごめんです。m(__)m
キャラ全員いい感じで好きです!特にたまに出るごっちん発言が最高です!!
甘々じゃなくても面白おかしく読めて楽しいです。
あんまり語っちゃうとプレッシャーかけちゃいそうなので、これくらいで。
次回更新まった〜〜〜りとお待ちしてます。
424 名前:名無し飼育 投稿日:2004/02/27(金) 11:36
続編も面白いですね!
とにかく突き進む梨華ちゃん、イイです。
この学校もかなりスゴイですけどこれまた最高です。
もちろん次も楽しみにしております
425 名前:extra 投稿日:2004/02/27(金) 12:05
>ひらのさん
いやいや、言葉が足りなかったですね。良いプレッシャーってことです。w
張り切ります。w
もうめいっぱい語ってください

>424 名無し飼育さん
とにかく我が道まっしぐらですね。うちの梨華ちゃんは…。w
最初はここまで突っ走るタイプじゃなかったんですけどね。
楽しみにしていてくれる気持ちに応えられていると嬉しいです。

では、続きです
426 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:05
       
427 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:05
(^▽^)side

「遅い!遅すぎだわ!!」
もう準備は万端!あとは、メインのひとみちゃんが来れば始められるのに!!
もうとっくに学校は終わってる時間よね!?
何してるのよ〜!!
ま、まさか・・・・
428 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:06
恥ずかしがっているのね!?照れているのね!?
もう!かわいい愛しのシャイガール☆
きっと家の前を真っ赤な顔で何度も何度も往復してウロウロしているんだわ!!
しょうがないわね。
この際、玄関での抱擁はなしってことにして…
429 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:06
(0^〜^0)side

石川梨華の家に着いた頃には、思いっきり走ったせいで息がきれていた。
うぅ、結構体力落ちてるよなぁ…。

とりあえず、玄関先で深呼吸をしてインターフォンを押そうとすると
「ひとみちゃん!恥ずかしがらないで!!」
大声を発して、石川梨華が文字通り玄関から飛び出してくる。

は、恥ずかしがる…?なにを…?
また、変な妄想していたんですね、石川さん…。
430 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:07
「遅くなってごめん」
「ううん、いいの。しょうがないわ。お互いに初めてのことだし。うん」
「は?」
「キャ!!もう!」
一瞬、このまま帰ろうかと思ったが、きっと帰ってもあたしはまた走ってきちゃうと思う。
うん、あたしは、こんなバカで暴走しすぎな子が好きなんだ!…と思う。
431 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:07
「もう、そんなに見つめないで☆」
自分の気持ちを再確認していたせいか。じっと石川梨華を見てしまっていたらしい。
慌てて視線をそらすが時は既に遅し。
「もう、そんなに焦らなくてもいいの。夜は長いんだから」
夜は長い…?
432 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:07
疑問をいくつも抱えたまま。
しかし、石川梨華は、家に入るように促す。
このままここで悩んでいてもしょうがない…。腹をくくったあたし。
いざ、未知の世界へ!!
433 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:08
(0^〜^0)side

入ってみて、あまりのことに呆然…。
「あの石川さん。これは…?」
あたしの目に入ったのは、バラが敷き詰められた部屋。
床にもテレビにももう部屋中にバラ、バラ、バラ…。
そして、もっと驚きべきなのは、ベットの上にまでバラがあり、その上にはなぜか拳銃が…。

今回の選曲はジュディ〇ング『魅せられて』
434 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:08
「だって、2人の初めての日じゃない?」
だから、何を?なんて普通のことを聞いてもこの人には通用しないはず。
「あぁ。うん…」もう言葉も出ない暴走っぷり。
435 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:08
付き合ってから1週間経って結構免疫はできたはずだけど、これはさすがに予想外。
あまりの光景に言葉を失うあたしに、こいつは、追い討ちをかける。
436 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:09
「ひとみちゃん…。私をまるごと愛して♪」
437 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:09
しかも、振りつきかよ!!!!
438 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:09
(^▽^)side

キャ!ついについに言ってしまったわ!恥ずかしい!!
もう純真無垢な私にここまで言わせるなんて!!

って、あれ?何でひとみちゃんは口をパクパクしてるの?
感動?
もう晩生なんだから!!しょうがない、ここは私から!!

少しだけ背伸びをしてひとみちゃんの頬にキス!!
439 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:09
(0^〜^0)side

「い、石川さん!?」頬に残る暖かくて柔らかい感触に心臓がバカみたいに動き始める。
石川梨華は少しだけ微笑み、あたしの手を取ってバラとなぜか拳銃があるベッドへ歩く。
440 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:10
えっと、そのそうゆうこと!?
441 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:10
先にベッドの中に石川梨華が入る、そしてなぜか布団にもぐりこむという奇行。
そして、目と鼻が半分出るくらい顔をだし、

「早く来て…」

もうね、すごくベタなんですけど、吉澤ショート寸前っす!!!
442 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:10
「し、失礼します…」
なんとか冷静を装い、ベッドの中に入る。
443 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:10
すると、まるで石川梨華は今までとは別人。
444 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:11
「はい!ここで、ひとみちゃんは腕枕をするの!」
「え?」
「いいから!!」
言うとおりに腕枕。
「それで、ひとみちゃんは私の髪を優しく撫でるの!」
もう聞くのも無駄だと思ったあたしは言うとおりにする。
やっぱりいい匂い。
石川梨華は幸せそうに目を閉じている。あ、ヤバイ…。本当にそんな気分になってきちゃったかも。
これってやっちゃってもいいのかな?いいんだよね…?
445 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:11
少しだけ体を起こし、石川梨華に覆い被さろうとすると
446 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:11
「ねえ、ひとみちゃん。これで私たち、身も心も一緒になれたのよね?」
「えぇ!?」
「完璧よね!?」
「え?いや、それは違うんじゃ…」
「もう、梨華嬉しい!!!」
顔を手でおさえ、いやよいやよ感丸出しの石川梨華…。
少しだけ起こした体を持て余しているあたし。
447 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:12
「あとは、2人で朝を迎えれば完璧!!いい!?絶対にひとみちゃんが私を起こさなきゃダメなのよ!」
「な、何で!?」
「梨華的シナリオなの!!!あぁ、頑張ったから眠くなってきちゃった」
「もう!?まだ19時だよ!?」
「いいの!おやすみなさい〜♪」
448 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:12
そう言って、石川梨華は、の〇太やごっちんも真っ青の瞬寝技を見せてくれる。
449 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:12
幸せそうに眠るこいつを見て、少しだけほっとしているあたし。
全く、こんな状態で放っておくなんてまさに地獄だ。
そう思いながら、石川梨華の無防備に出されたおでこにキスを落とす
450 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:13
「あーあ、明日のおまえの発言が怖いよ。」
そいや、藤本置いて来ちゃったんだっけ?
でも、明日も明後日も絶対起こる石川梨華の奇行を楽しみにしてしまっているあたしは
完璧、石川梨華に魅せられている。
451 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:13
      
452 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:13
まだ吉澤ひとみは知らない。
明日の朝、命令通りに石川を起こすのだが、「起こし方が違うわ!!」と言われ、
何回も何回も寝たふりをしている石川を起こさなきゃいけないことを…。
453 名前:unconditional・2 投稿日:2004/02/27(金) 12:14
(#´▽`)´〜`0)<おしまい
454 名前:extra 投稿日:2004/02/27(金) 12:15
話を切る場所を間違えたみたいですね…。後半が異様に短い…。
このままでは申し訳ないので、短いお話を1つ。

キャラの変化についてきていただけるか心配ですが、しっとり系の話で。
455 名前:おやすみ 投稿日:2004/02/27(金) 12:16
       
456 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:17
寝ている間によっすぃが優しいこと、私は知ってる。
布団から出てしまった私の手を優しく布団に入れてくれる。
そして、決まっているのは、いつも優しく手にキスをしてくれる。
私が起きていることを知っているのか、知らないでいるのか。
毎日、毎晩。よっすぃは私の手にキスをしてくれる。
457 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:17
私は最近、そんな小さな幸せを確かめたくて、眠れない夜が多い。
458 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:18
そんな些細なことで、幸せを感じることができる。
そんな幸せを感じていることを、幸せにしているよっすぃは気付かない。
459 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:18
一度だけ、よっすぃは、私に別れ話をしてきたことがあった。
まだ付き合い始めでお互いのことを知るのに四苦八苦していた頃だったと思う。

理由は簡単。「私達は女同士だから」
これから女の人が味わう結婚だとか出産とかができない
周りからも祝福はされないかもしれない
だから、よっすぃは私と別れようとした。
460 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:19
2人ともバカみたいに泣いて。どうしようもないくらいに泣いて…。
よっすぃは苦しそうに「こんなに好きなのに」って呟いた。

だから、私も泣いてしまっていたけど、よっすぃをできる限り強い力で抱きしめた。
その時の気持ちをその時の私はうまく言葉にできなくて。
「よっすぃが好きなの」そんなことしか言えなくて。

でも、よっすぃは私を私よりも強い力で抱きしめてくれて。
461 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:20
それから、よっすぃはそんなことを言うことはなくなった。
たまに家族の楽しそうな光景を見ると、よっすぃは少しだけ眉をしかめて苦しそうに見えた
そんなとき、私はよっすぃの手を取ることしかできなかった
462 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:20
だけど、今の私たちがいる。
よっすぃが隣にいてくれる。
一緒に笑えて、よっすぃの隣にいる私がいる。
他の人に何を言われても構わないの。
そんなことに負ける私じゃないの
463 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:20
よっすぃは、布団から出た私の手にまたそっとキスをして布団の中に戻してくれる。
464 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:22
ね?よっすぃ。
誰かが言ってたの。自分の人生は自分の為にあるって。
もし、そうなら
私の人生が本当に私の為にあるというなら、よっすぃと一緒にこれからの人生を生きて行きたい
だから、それ以外なんてどうでもいいの。
他の人と同じ幸せじゃなくて、私の幸せを考えて。
465 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:22
ずっとそばにいて。
466 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:23
穏やかな貴方の寝息が聞こえてきた頃、私は目を閉じる。
467 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:23
        
468 名前:おやすみなさい 投稿日:2004/02/27(金) 12:23
おしまい
469 名前:ひらの 投稿日:2004/02/27(金) 20:29
更新お疲れ様です!
おいおい石川さ〜ん、そうじゃないでしょ〜?
思わず突っ込み入れましたよ。
もう一つのお話はしっとり系でまた良いですね〜
私もおやすみなさいです・・・、って早ッ!!!
470 名前:extra 投稿日:2004/02/28(土) 14:01
>ひらのさん
いやぁ、寝るの早いっすよ。w
続編は満足いただけたでしょうか?やはり短編を中心に書いているとストーリー性を
維持する力が弱いような気がします…。申し訳ない限りです。
精進するよう頑張りますね!
471 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:02
            
472 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:02
「梨華ちゃん、合格したよ!」
届いた合格通知を持って、家族よりも先に走って行く場所は、恋人の石川梨華の元。
「本当?」びっくりしたように聞き返す梨華ちゃん。
「うん!!どうだ!!」バッと梨華ちゃんの前に合格と書かれた紙を差し出す。
「すごい!頑張ったね!!」まるで小さい子にやるように頭を2,3度撫でてくれる。
あたしは、それに素直に目を細める。
「もう、頑張るに決まってんじゃん!梨華ちゃん禁止令が出されてるんだもん!!」
怒ってもないのに、少しだけ怒った口調で言う。
473 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:03
「しょうがないじゃない。一緒にいたら、ひとみちゃん全く勉強しないんだもん」
「してるつもりだったんだけどね」小さく舌を出す。
「つもりじゃダメでしょ?」
「でもさ〜。本当に会いたくて仕方なかったんだよ?」
「それは、私も。でも、私のせいで後悔とかして欲しくないじゃない?」
梨華ちゃんは眉を八の字にして、困ってしまっているみたい。
474 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:04
でも、私にはその変化すら今は嬉しくて。
「後悔なんてしないよ。」
「今はね。合格した後だからそんな事が言えるの」
「そうかなぁ〜。」
あたしは、そうは思わないけどな。梨華ちゃんと一緒にいることで進学が出来なくても
それを梨華ちゃんのせいにする自分はいまいち想像がつかない。
首をかしげているあたしに梨華ちゃんは優しく笑ってくれる。
475 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:04
「ひとみちゃんのそうゆうところ、好きよ。今日はどこに行こっか?」
穏やかな笑顔のまま、そう言う梨華ちゃんをあたしは抱き寄せる。
そして、梨華ちゃんのおでことあたしのおでこをくっつける。
いつでもキスできる距離。
476 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:05
「梨華ちゃんと一緒だったら、どこでもいいよ。梨華ちゃんは行きたいところはある?」
「海が見たいな」
「海?」
「うん、海が見たい」
久しぶりに感じる梨華ちゃんの体温は、少しだけ冷たい。
477 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:05
「寒いよ?大丈夫?」
「ひとみちゃんがいるから大丈夫」
「あたしはほっかいろですか?」
確かに冷え性の梨華ちゃんに比べれば、あたしは体温高いけどね。
「もう、そんな風に取らないの。行こう?」
梨華ちゃんが目を閉じる、だから、あたしも目を閉じて梨華ちゃんに少しだけ触れる。
478 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:06
「おぉ!海だぁ〜!!」
久しぶりに見た海にあたしは少しだけ興奮気味。
梨華ちゃんと違って、あたしは海のない場所で育ったから、海は特別なもの。
「ね?ひとみちゃん、海ってこんなだった?」
ただ広い海。名前もわからないこの海岸にいるのは、あたしと梨華ちゃんの2人だけ。
「こんなんだよ。ただ冬だから寂しく感じるんじゃない?」
479 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:06
あたしにとっては、初めて見る冬の海。
でも、梨華ちゃんは何度も見た冬の海。
きっと違って見えるのはしょうがないと思う。
480 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:07
「梨華ちゃんが住んでいた場所にある海は違うの?」
「う〜ん。どうなんだろう?何か違う気がする。」
少しだけ悲しそうに海を見つめる梨華ちゃんの肩を抱き寄せる。
481 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:07
「これがあたしと梨華ちゃんの海ってことでいいじゃない?」
「そうね。」梨華ちゃんは儚く笑う。
あたしはその笑顔で少しだけ泣きたくなる。
482 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:07
あたしたちは、海で何をするという事もなく、色々な話をした。
会えなかった時間をただ埋めるかのように。
話していたのは、ほとんどあたしだったけど、梨華ちゃんは、あたしのひとつ、ひとつの話に
相槌をしてくれ、時には質問をしてきたりした。
483 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:08
「ひとみちゃんももう大学生かぁ〜」梨華ちゃんは急にそう言う。
「そうだよ?信じられない?」
「少しだけね」
484 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:08
梨華ちゃんは、中学の時にあたしが住んでいるところへ引っ越してきた。
最初、あたしにとって、梨華ちゃんはただの近所に住んでいる人にすぎなかった。
確かに整った顔立ちは目を奪われたけれど、それだけ。
あたしは、その頃は、男の人に恋をしていたから。
485 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:08
でも、梨華ちゃんは違ったらしく、引っ越してきてすぐにあたしを好きになったらしい。
元々、男の人が苦手な梨華ちゃん。
486 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:09
さすがに告白をされてきた時は、びっくりした。
でも、あたしがその告白を受け入れたのは、その頃、大好きだった恋人と別れたばかりで寂しかったから。
そんなときの梨華ちゃんの告白。
迷わずOKをしていた。ただ1人でいたくなかったから。
487 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:09
でも、気付いたら、あたしの方が梨華ちゃんにハマってしまっていた。
最初は動揺もしたけれど、自分の気持ちに自信を持っている梨華ちゃんのおかげで
あたしも素直になることができた。
それからずっと一緒。
488 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:10
「初めて会った頃とは、本当に変わったよね?」梨華ちゃんはおかしそうに言う。
「なにそれ?」
「だって、初めて会った時はすごく繊細そうに感じたもの」
「あのね〜。今だって十分繊細だって!それに梨華ちゃんもじゃない?」
「私も?」
「うん。すごく守ってあげたい感じだったけど、今は強い。巨人みたい!」
「もう!なにそれ?」
梨華ちゃんは、軽くあたしの肩を叩く。
489 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:10
でも、急に真顔になって
「でも、そうかもしれないね。2人とも『大人』になったね」
その顔があまりにも綺麗で、あまりにも儚く感じて、あたしは梨華ちゃんを抱きしめる。
こうしてないと、梨華ちゃんはどこかに行ってしまいそうだから。
490 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:11
「ひとみちゃん、大人になろうか?」梨華ちゃんは悲しそうにそう言う。
「さっきは、なったって言ったじゃない?」だから、わざと冗談めかして答える。
「そうじゃなくて。」
「そうじゃなくて?」
491 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:11
「…別れよう?」今にも泣き出しそうに梨華ちゃんは言う。
「…どうして?あたしのことが嫌いになったの?」
梨華ちゃんは黙って首を振る。
492 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:11
「じゃあ!」
「ひとみちゃん。」あたしの言葉をさえぎる梨華ちゃんの声。
「ひとみちゃんをこのまま私が束縛してていいのかずっと迷ってたの」
「束縛って…」
「ひとみちゃんは、元々女の人でなくてはダメってわけじゃないじゃない?」
あたしは、黙るしかない。確かにそうだ。あたしは梨華ちゃんとは違って女の人しか愛せないわけ
じゃない。
493 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:12
「だからね。ひとみちゃんには人並みの幸せを歩んでほしいの。」
「…人並みってなんだよ…」
「きっとこのままじゃダメなの。ずっと子供でいられるわけじゃないわ。」
「でも!」
「今はいいかもしれないわ。でもね、この先はどうなるかは分からないじゃない。
 だから、ひとみちゃんを解放してあげる。ずっとこのままではいられないの。」
494 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:13
梨華ちゃんは静かに泣いていた。
目を閉じていたら気付かないくらいの梨華ちゃんの涙。
あたしがその涙を拭おうと手を近づけると、梨華ちゃんは小さく体を引く。
「もう、終わりにしよう。」梨華ちゃんの笑顔は綺麗だった。
もうあたしが梨華ちゃんの涙を拭うことはできない。
495 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:13
梨華ちゃんはずっと考えていたのかもしれない。
あたしとの未来。

あたしはずっと考えないようにしていたのかもしれない。
梨華ちゃんとの未来。
496 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:14
泣き出してしまったあたしに梨華ちゃんはそっと額をつける。
「ひとみちゃんは、幸せになって。私の分も幸せになって」
あたしに伝わる梨華ちゃんのあたしより冷たい体温。
「も…う…無理なの?」
精一杯のあたしの言葉に梨華ちゃんはうなづく。
497 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:14
あたしは、もう何も言えなかった。
これ以上、梨華ちゃんにすがり付いても困らせてしまうだけだって分かった。
あたしの幸せのためと『別れ』を告げる梨華ちゃんのためにあたしができることは沈黙だけ。
あたしは黙って目を閉じる。
498 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:14
除々に伝わってくる梨華ちゃんの体温。
「ひとみちゃん、もう帰る時間だよ」梨華ちゃんは今までと何も変らない優しい声のまま。
あたしはうなづき立ち上がる。
「梨華ちゃん、最後にキスしてもいい?」
何も言わない梨華ちゃんにキスをする。
499 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:15
触れるだけのキス。
苦しいだけのキス。
そして、そして、今までで一番冷たいキス。
500 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:15
唇が離れても梨華ちゃんは何も言わない。
ただ悲しそうにでも優しく笑っている。
501 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:16
「梨華ちゃん、さようなら」
あたしは、そっと梨華ちゃんに触れる。
502 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:16
でも、それはもうただの石の塊にすぎない。
あたしは、頬につたう涙を拭い歩き出す。
石に刻まれた『石川梨華 享年19歳』という文字はあたしに現実をつきつける。
503 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:17
たとえ、間違っているとしても、梨華ちゃんが見せてくれる幻視をあたしは際限なく欲しかった。
504 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:17
きっといつかあたしも普通に恋をするかもしれない。
505 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:18
きっとその度に思い出す。
この焼けるような胸の痛みと最後に見た悲しく優しい梨華ちゃんの笑顔を。
506 名前:笑顔 投稿日:2004/02/28(土) 14:18
おしまい
507 名前:extra 投稿日:2004/02/28(土) 14:19
短くてすいません。それから暗い話になってしまってすいません。
つい、明るい話ばかり書いていたので書きたくなってしまいました。
お付き合いいただければ、幸いです。
508 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/28(土) 19:07
切なくて、泣いてしまいました・・・
509 名前:桜流 投稿日:2004/02/29(日) 00:28
これまでの作品も全部読んでました。
『笑顔』の切なさにマジ泣けまして、レスさせていただきました。。。
これからもextraさまの作品を楽しみにしています。
510 名前:ひらの 投稿日:2004/02/29(日) 11:43
そんなオチだったとは・・・
ウゥ・・・・・・エーーーン(T_T)
あんまり私を苛めないでください〜!
次回更新も楽しみにお待ちしてます。
511 名前:extra 投稿日:2004/03/01(月) 09:01
>508 名無し飼育さん
泣いてしまいましたか。すいません。
ただ短い話でしたので、内容が伝わるか不安な部分がありました。
泣いていただけたという事は伝わったんですね?
大成功です。w
また遊びに来てください。

>桜流さん
初めまして。レスありがとうございます。
えっと、桜流さんも小説書いていますよね?私も全部読んでいます。
桜流さんの静かなストーリーの流れ方を尊敬しています。
どうも、うちのキャラは自己主張が強いもので…。w
桜流さんの次の作品も期待しています。
また、ここに遊びに来て足跡残していってください。

>ひらのさん
いや、ひらのさんM疑惑があるので、こんな話もいいかと…。w
冗談です。
毎回レスすごく嬉しいです。これからもひらのさんを苛められるように
頑張ります!!w


512 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:03
                     
513 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:04
あたしは、恋に堕ちた。
それは、もう正真正銘に運命だと確信している。
だって、こんなにも胸がときめくのだ!!
ただ、問題があるとすれば…
514 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:04
「3年2組!石川梨華さんっ!きみのその褐色の肌に顔をうずめて眠りたい!!」
「死んで!!!」
カコーンと上履きがあたしの顔面を直撃。
「ナイスストレートっす…」
そう運命の相手があたしを運命の相手だと思ってくれないこと。
515 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:04
「まったくよしこもよくやるよね…」
顔を上げると、飽きれ顔の親友・後藤真希。

ボーっとしているようでも優しいこいつは、バンドエイドを差し出してくれている。
「サンキュ」
さきほど、愛しの石川さんの上履きが当たった鼻をおさえつつ、バンドエイドを受け取る。
516 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:05
「いい加減、諦めないもんかね」
「うるさい!まだ片想い歴は1年だっての!」
「1年間もずっとあんな言われようじゃないの…」
「う…」
何も言えなくなってしまう自分が悲しい。

だって、だって。好きなんだもん!仕方ないもん♪
アイドルの真似をしてそう言っても、相変わらず冷たい視線。
しょうがなく、立ち上がり、ごっちんと同じ目線になる。
517 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:05
「よしこのファンにかわいい子はたくさんいるじゃない。」

かわいいだけじゃダメ。
石川さんじゃなきゃダメ。

「関係ないです。」
飽きれ顔を戻さない親友を置いて教室へ。
518 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:06
廊下を歩けば黄色い声。
机の中をさぐれば、出てくるラブレター。
どこから来るかも分からない熱い視線。
それら全てに愛想良く答えるあたし。
519 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:06
しかし、考えずにいられない。
これが石川さんからだったらと!!
520 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:06
「あぁ、石川さん!!どうしてあんなにかわいいんだぁ〜!!!」
あの綺麗な髪は犯罪。
あの綺麗な目は犯罪。
あのかわいい声は犯罪。
あのエロいスタイルは重犯罪。
521 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:07
「そうね。確かに石川さんは、かわいい。モテるし。その上、あの飯田さんと保田さんに寵愛されてるし」
玄関に置いてきたはずの悪魔が目の前に座る。
「言うな。バカ、魚。」
「あんた、頬骨折るよ?」
「…すいません」
「大体ね、よしこ。」
「はい。」
「どうしてそこまで頑張れるわけ?」
普通は諦めるでしょ?そうとでも言いたそうな話し方。
522 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:07
「石川さんは、かわいい」
「だから?」
「かわいいからモテて当然!!!障害があった方がひーちゃんは燃える!!」
ふんっと立ち上がり机に足をかけ、叫ぶ。
あたしのその行為で、教室からは黄色い声。
523 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:07
どうも、どうも。
524 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:07
そう!あたしはモテる!!
そして、あたしはすぐ調子に乗る!!
「ごっちん!愛しの姫の元に行ってまいるっ!!」
ダーっと愛しの姫がいる教室へ。
ヒラヒラ手を振る同情のような目を浮かべるごっちん。
525 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:08
あ〜、たった1階しか違わない、石川さんとの教室はまるで万里の長城よりもシルクロードより果てしない。
しかし、愛しい石川さんがいればと思えば、たとえ100マイルでも走ってみせましょう!
526 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:08
石川さんの教室に着いたあたしは、かなりの浮かれモード♪
なのに、浮かれモードのあたしをどん底まで落とす光景が繰り広げられちゃってんじゃないの。
527 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:08
学園の権力者である保田圭に美形と評判の高い飯田圭織。
528 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:09
このダブルKコンビが石川さんを挟んで、そりゃもう楽しそうに話してるじゃないのさ!

石川さんもあたしには一度も見せたことのない笑顔で話しちゃってさ。
なんだよ、なんだよ。
あたしにはいつもしかめた顔ばっかなんによぉ。
529 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:09
しかし、ここでくじけてしまってはここまで来た甲斐がない!
ここで黙って立ち去るような弱い想いではないっ!
530 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:09
「石川さんっ!!」
笑顔で振り返ってくれた石川さん。
531 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:09
ハァ━━━━━━ ;0´Д`0 ━━━━━━ン!!!!
532 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:10
かぁわいい〜!!

しかし、至福の時間なんて短い。
あたしだって分かると石川さんはあからさまに顔をしかめる。
余裕の笑みであたしを見てくるダブルKコンビ。
ググ…。負けてたまるか…。
533 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:10
「話があるんですけどっ!」
「私はないから」
そう言って石川さんは笑顔に戻りダブルKコンビへ。
「…_| ̄|○ 」
534 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:10
背中をまるめて、自分の教室に戻るあたしは完璧負け犬。
もう、放っておいて。
535 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:11
「やっぱり戻ってきたか。」ごっちんの満足そうな顔。
「うるさい。授業が始まるからしょうがなく戻ってきたんじゃい!」
「授業ね〜。」
536 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:11
「はいはい!そんなの強がりだよ!どうせ強がりだYO!うわ〜ん」
机に泣きつく。
慰めてくれるのは、机。お前だけだよ。
537 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:11
しかし、そこは大親友。あたしの髪を優しく撫でてくれる。
あん!ごっちん、優しさが余計に涙を誘うのよ…。

「ごっちん、何で!?」
「何が?」
「何で石川さんは誰にでも優しく接して、あんな超ド級にかわいい笑顔まで見せちゃうくせに
 あたしだけに冷たいの!?」
「さぁ?よしこのことが嫌いなんじゃない?私が挨拶したら普通に返してくれるし。」
538 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:12
挨拶?
普通?
539 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:12
机、ごめんよ、しばしのお別れだ!
540 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:12
「挨拶ってなんだーー!?そんなの聞いてない!そんなのズルイ!」
「いや、先輩だし。廊下とかで会えば普通にするっしょ?」
ごっちんは、突然起き上がったあたしに対して反応もせず、いつものマイペース。
541 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:13
「普通ってなに?あたし、挨拶しても99%シカトなんですけど!たまに返ってくる言葉は
 『死んで』やら『生き直せ』やらなんですけど!!」
「だから、それはよしこの挨拶が普通じゃないからでしょ?」
「普通ってなんだー?!」
「あのね、誰でも挨拶で『石川さんのその綺麗な髪で首を絞められたい!』だの
 『石川さんが走る姿はまるでカモシカの女神だ!』だの意味不明なことを言われればそう返すって」
542 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:13
「は?なにそれ?なにその変態チック」
「あんたの発言でしょーが!あ・ん・た・の!!」
パコンと頭をはたかれるが、そんな記憶はあたしにはない。
543 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:13
男前でナイスガイのあたしがそんな変態チックなことを言うことは断じてない。
「言わねーって。そんなこと。」
「あんた…覚えてないの?」
ごっちんが哀れみにも似た視線を送ってくれるが、全く記憶にございません。
544 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:14
授業中、あたしは久しぶりに真剣。
いや、授業なんかからっきし聞いてません。
頭ん中、ほとんど〜、りかぁ〜ちゃん♪
あ!梨華ちゃんなんて呼んじゃった☆
545 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:14
って、そうじゃなくて。そうじゃなくて。
授業が始まる前にごっちんが言っていたことが本当であるならば。

記憶にないから、仮定ね。これは仮定。

あたしは、相当のバカ。
546 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:15
そりゃ、石川さんも眉をしかめたくもなる。
あたしは、ごっちんに騙されているじゃない?
いやいや、こんな事で騙すような親友ではないはず。
ってことは、ってことは・・・・事実かYO!!
あたしったら、やんちゃにも程があるじゃないの!
これは誤解を解かねば!
石川さん、絶対に誤解している。だから、誤解を解かねば!
547 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/01(月) 09:15
つづく
548 名前:ひらの 投稿日:2004/03/01(月) 11:20
更新お疲れ様です〜
ウワー!今度は吉がーー!!おもしろいーーー!!!
無意識で色々言っちゃう吉がカワイイですね。
舞い上がるにもほどがありますよ〜
次回更新楽しみに待ってま〜す!
549 名前:39 投稿日:2004/03/01(月) 20:33
うぉおう。こういう設定ツボです。おもしろい!
550 名前:extra 投稿日:2004/03/02(火) 08:26
>ひらのさん
石を壊したので、今度は吉っていう単純な思考回路です。w
石に比べたら、吉はそんなには壊れてないですね。
楽しんでいただけたら幸いです。

>39さん
ツボですか?それはよかったです。
少々出すのに不安があった作品ですので、そう言っていただけるとホッと
します。
後半も楽しんでいただけると嬉しいです。

ひらのさん、39さん。
レス、ありがとうございます。
551 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:27
   
552 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:28
昼休みに実行することを心に誓うが、簡単にあたしの話を聞いてくれるような石川さんではない。
普通に行っても、さっきの二の舞になってしまうのが目に見えている。
ってことは、何かしら作戦が必要だよなぁ…。
んで、思いついたのは、
『あたしがダメなら、他の人に連れてきてもらえばいいんじゃないの作戦。』
553 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:28
「石川先輩。今って大丈夫ですか?」
「後藤さんだよね?」
「はい。今って出れます?」
「あ、うん。」
石川さん、本当にごっちんにはそんな笑顔を見せちゃうんですね…。
ごっちんが妬ましい…。しかし!誤解を解けばあたしにもあんな笑顔を…(0´Д`)ハァハァ
554 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:28
うまくごっちんが誘い出したのを確認し、あたしは一足先に屋上へ。
屋上に着いたあたしの頭の中には、さっきの笑顔があたしに向けられている光景!!
あ〜ん。早く来い!早く来い!あたしの永遠のお姫様!!
555 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:28
だんだん、石川さんの声が近づいてくるのが分かる。
石川さんの事となれば、あたしの聴覚や嗅覚は犬並み。
どんなに遠くにいても石川さんを感知!!
しかし、感知したのはいいものの、それと比例してあたしの心臓もトップスピード。
落ち着け、落ち着け。
556 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:29
「えっと、石川さん。ちょっと先に行っててくれます?飲み物買ってくるんで」
ごっちんの声。
「え?」
びっくりしたような石川さん。
石川さんの手がノブに触れるのが分かる。
そして、屋上のドアがゆっくり開く。
557 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:29

キタ━━━━━━(0゚∀゚0)━━━━━━ !!!!!
558 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:29
「石川さん、待ってました」
あたしのできる限りの落ち着いた声。
ここで興奮してしまっては、いつもと同じになってしまう。だから顔を凛とするものの
石川さんは声の主があたしだと分かると眉をしかめる。
559 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:29
「…ハメたわね」怒りを押さえたような声。
ヤバイ!!
「いやいや、作戦です。こうでもしないと石川さん話聞いてくれないじゃないですか?」
「私はないって言ったよね?しかも、今日。」
負けない、負けない。いくら石川さんに睨まれていても負けない。
560 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:30
「石川さん、あたし、吉澤ひとみって言うんです。」
「…知ってる」
「あたし、こう見えて結構モテるんです」
「あ、そう」
「あたし、石川さんが好きなんです」
何も言わない石川さん。
561 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:30
「石川さんを見た瞬間、石川さんがあたしの心の100mを3秒で走りきったんです。
 まさに超マッハ。これは運命!」
「知ってる。」
「え?マジっすか?」もう、それなら話は早いじゃな〜い!!なんだ〜、石川さんも運命だって
思って…
562 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:30
「からかってるんでしょ?私のこと。」
「ほえ?」
「どうせからかってるんでしょ!?カモシカだの!褐色だの言って!バカにしないでよ!」
ものすごい剣幕の石川さん。
563 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:31
くれてないしーー!!!!
564 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:31
「ちょ、ちょっと!からかうって!そんなわけないじゃないですか!?」
「真剣な人が『心の100m』なんて言うわけないじゃない!」
「いや、それは表現でして…」
「表現でも何でもからかってるんでしょ?それとも、賭けの対象にでもしてるわけ?
 『石川梨華をどれくらいで落とせるか』って!!」
「は、はいー??」
「もういいでしょ!?」
石川さんはそのままカツカツ歩いていってしまう。
565 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:31
「石川さん!待ってください。からかってなんかないです!!」
しかし、石川さんは得意のシカト…。
慣れてるし!シカトなんて気にしないし!!!
石川さんは早足であたしの呼びとめなんか全く応じない。
あたしは階段の手前でやっと手を取る。
566 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:31
「話、最後まで聞いてください!」
「離して!!」おもいっきり振りほどく反動で石川さんが揺れる。
「あぶね!!!」
567 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:32
いや、なんかね。事故の時ってスローモーションだって言うじゃない?
まさにそれ!
石川さんが階段から落ちそうなのを見て、あたしが手を取ったまではいい。
しかし、今度はあたしが落ちそう。ってか、落ちてるじゃない。
568 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:32
かっこわり…
569 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:32
石川さん、泣きそうな顔になってるし、なんか頭も体中も痛いし。
あぁ、もう目も開けてらんねー。
570 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:32
せっかく石川さんがドアップのままあたしの名前呼んでくれてるのに…
こんなおいしい場面ないのに…

ここで「あたしは大丈夫。石川さんこそ怪我ないっすか?」とか言えたら好感度UPなのに。
あたしの体は言うことを聞かず、しかも、意識まで飛ぼうとしやがる。
571 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:33
あとで覚えておけよ、あたし!!!
572 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:33
目を覚ますと白い天井。
明らかに我が家ではないことは分かる。
ここはどこ??
573 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:33
「よしこ!!」
「ぐわっ!なんだよ!?」
いきなり視界に飛び込んでくるあたしのメロスごっちん。

ってか、ここどこ?病院くさいけど。あたしの嫌いな消毒液の匂いがプンプンしてる。
574 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:34
「よしこーー。」泣きながら抱きついてくる。
「ど、どうしたの?きしょいけど…」
しかし、泣くばかりで人の話を聞かない。
575 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:34
ってかさ、とりあえず泣き止んで状況を説明してくれよ。
しかし、ただ事ではない様子で泣く親友にそんな事も言えず、ただ背中をさすり続けるあたし。
576 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:34
「よしこ、もうずっと目が覚めないかと思っ…た」
「はぁ」
「石川先輩の声がして、走って行ったらよしこ倒れててすごい血とか出てて」
577 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:34
あぁ、それで頭がズキンズキンするのか。
なんとなく状況が把握できた。
あたしは倒れたわけだ。うん。けどさ…
578 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:35
「そうだ!石川先輩も来てくれてるんだよ?」ごっちんは笑顔でそう言う。
「はい?」
「うん!待ってて。呼んでくるから!!」
ごっちんは、そう言って病室を出て行く。
579 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:35
その5分後くらいにごっちんと一緒に病室に入ってきたのは、涙ぐんだかわいい女の子。
580 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:35
「よしこ、石川先輩だよ!」
「あー、どうも。」
「吉澤さん、大丈夫?」
「あぁ、頭はちょっと痛いけど。問題なしっすよ。発見してくれたんすよね?ありがとうございます」
「「はい??」」

へ?何で2人ともそんな顔してるの?あたし、何か今変なこと言った?
581 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:36
「だから、その人があたしのことを発見してくれたんでしょ?あたしが階段から落ちてさ!」
「よしこ、本気?それとも、冗談?」
「何で冗談になるのさ!その石川先輩って人があたしが倒れてるの見て、ごっちんを呼んでくれた
 んじゃないの?」
「あのさ…その人?その石川先輩って人ってよしこ言った?」
「言ったよ。だって、今日、初めて会ったし!」
「「!!!!!」」
582 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:36
ん?またあたし、変なこと言った?
何でごっちんポカーンって口開いてるの?
何で石川先輩は口を手で押さえてそんな眉が八の字になってるの?
583 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:36
「よしこ、ちょっといい?」
「なんだよ?」
少しだけあたしは不機嫌。だって、あたしだけのけものみたいじゃないのさ!
584 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:36
「私は誰?」
「は?後藤真希。」
「んじゃ、私とよしこの関係は?」
「メロス。って、何でこんなことを聞くわけ?」
585 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:37
「いいから!じゃ、この人は?」
ごっちんは、横に立っているかわいい子を指す。
「石川先輩でしょ?」
「うん、そう。」
「じゃあ、石川先輩とよしこの関係は?」
「命の恩人」
586 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:37
「それは本気で言ってるんだよね?」
「だーかーら!!本気も本気!ここで嘘ついてどうすんだよ!?」
「よしこ!よしこは、石川先輩のことが」
「後藤さん!!」
あら?隣の人ったら顔だけじゃなく、声までかわいいのね。
「もういいから。私、帰るね。」
そう言ってかわいい子は病室から出て行く。

って、何でごっちんそんなに怖い顔してんの?
587 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:38
その後、ごっちんに説明してもらったわけだが、どうもあたしは大切なことを忘れてしまっているらしい。
その大切なことをごっちんは教えてくれない。
もったいぶっちゃってさ!大切なことなら、尚更、教えてくれればいいのに!
588 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:38
あたしは3日で退院。
頭にまだ傷は残ってはいるけど、問題はないらしい。
589 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:38
んで、もって肝心なのは、頭の中身。
あたしが忘れてしまった記憶。医者にごっちんが相談してみたら、一過性のものらしい。
一過性ってなに?
590 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:38
別にごっちんのことも家族のことも覚えているあたしにはたいした問題はない。
大切なことね…。なんだろ?
石川先輩にお礼を言い忘れたこと?
591 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:39
なんか考えると頭の奥が痛む。
うむ〜。めんどくさっ!考えるのやーめた!!
592 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:39
それから学校に登校しても、特にあたしの生活に支障はない。
友達はみんな覚えてるし、熱心なファンの子も覚えてる。
相変わらず勉強は分からないままだし、体育は得意なまま。
うん、あたしは変わらない。
いたって健康!
問題なし。
593 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:39
ただ気になるのが、廊下で石川先輩とすれ違うとき。
周りが一瞬静まるのと。
一瞬、石川先輩の顔が悲しそうになること。
594 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:39
とりあえず、あたしは思う。石川先輩絡みで何かを忘れてるんだろう。
なんだろう?
実は石川先輩はあたしの実の姉だったとか!って、顔全然似てないし、石川先輩は色黒いし。
んじゃ、次。
実は石川先輩があたしを階段から落としたとか!
って、そしたらごっちんが追い出してるよなぁ。それに警察だって来てもいいはずだし。
うーん、うーん。思い浮かばない。
595 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:40
あー、イライラする!!!
596 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:40
「ごっちん、いい加減に教えてくれ!!あたしは何を忘れている?」
自分の頭では解決できないことは、大親友と一緒にね♪弱い頭もいくつか揃えば役に立つ♪
しかし…
「自分で思い出さなきゃ意味がないよ」
「んがー!!それが出来てたら聞かないわいっ!」
597 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:40
もう!ごっちんらしくない!なんとも歯切れの悪い言葉!!
なに?なに?自分で思い出さなきゃいけないことって!
そんなに重要なわけ?
あたしの人生に左右しちまうことなわけ?
598 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:40
頼りにならないメロスを置いて、イライラを抱えたあたしは屋上へ向かう。
記憶を落とした場所に行けば何か分かるだろうという単純明快なこと。
ほら、何かなくした時って自分が行った場所をもう一度歩いたりするじゃない?
あたしって頭いいなぁ。
599 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:41
しかし、あたしが発見された場所に立てども、何も頭にはひらめかない。
「がーー!!むかつくなぁ!!!!!」
髪をかきむしると目の前には綺麗な脚が。
あら?美脚さん♪
ここに来た用事も一瞬で飛び、ほいっと顔をあげる。
600 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:41
「石川先輩」
石川先輩はいつものように眉をしかめる。
あたしってこの人に嫌われてんの?ちゃんとお礼言わなかったから?
601 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:41
「石川先輩、この間はどうもありがとうございました。石川先輩が見つけてくれなかったら、
 よしざー死んでたかもっす。もう恩に着るっす」
そう言っても、石川先輩はまだ怒ったような顔…なんで?
面識もないあたしは、これ以上何を言っていいか分からず黙るしかない。

しばらく沈黙が続いたけど、どうも居心地が悪い。
「えっと、じゃあ、失礼します」
ぺコっと頭を下げる。ここにいても特に何も思い出さなかったし。用はなし。
教室に戻って、ごっちんに問い詰めた方がいいわ。
602 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:41
歩きだそうとすると、頭にものすごい衝撃が…。
あぁ…。ひよこさんがたくさん飛んでる…。
603 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:42
「なんなの!あんだけしつこかったくせに!!」
頭を押さえて振り返ると、石川先輩は泣いていた。
しつこい?
604 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:42
「あれだけ、私のこと、好きだ!好きだ!言ってきたくせに!!」
好き?
605 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:42
「なに!?石川先輩って!!!」
ほえ?
606 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:42
「結局、簡単に忘れちゃうくらい想いだったってことでしょ!?友達よりも吉澤さんのファンの子よりも
 私って吉澤さんの中で存在が小さかったってことなんでしょ!?」
「いや、ちょっと待ってください。何を言ってるか…」
「それはそうよね!吉澤さん、私のことからかってただけだもんね!バカみたい…。
 私ってバカみたいじゃない…」
石川さんは手で顔をおさえて、泣き出してしまう
607 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:43
えっと、よく分からないんだけど…。
とりあえず、あたしのせいで泣いてるんだよね?

けどさ、不謹慎にも泣きじゃくっている石川先輩を見てかわいいって思ってしまっている。
泣いているのを見られたくないのかうずくまってしまった石川先輩を抱きしめたいって思ってる。
608 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:43
やばい!顔が熱い!!!
自分の中にある感情を止められそうにない

うわーーーー!!
ってなわけで、石川先輩を抱きしめちゃいました。(やっちゃった!)
609 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:43
「離してよ!」
石川先輩は全力であたしの肩を押す。
「えっと、あたしは石川先輩に何かをしちゃったんですよね?」
「覚えてないんでしょ!?」
キッとあたしを睨む目。
へぇ。こんな顔もできるんだ、(0゚∀゚0)イイ!!!
おおっと、こんなことを考えている場合じゃない!
610 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:44
「泣いちゃうくらい迷惑かけたんですよね?」
「そうよ!大迷惑!すっごい迷惑!人の気持ち弄んで!!」
弄んだ記憶はない…。ってか、石川先輩自体記憶にないんですけどね。
611 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:44

「じゃあ」
「なによ!?」
「責任取ります」
「は?」
「責任取って、このよしざーが石川先輩を笑顔にします。」
「なに言ってんの?」
「だからですね。階段から落ちる前のよしざーが石川先輩に迷惑をかけたんすよね?その責任を
 今いるよしざーが取ります。石川先輩のそばにいたいっす。」
612 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:44
「石川先輩を笑顔にできますよ。今のよしざーなら」
石川先輩のあたしを跳ね除ける力が除々に弱くなってくる。
613 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:44
「バカじゃないの?」
「多分、そうっすね。ごっちんに大切なことを忘れてるって言われましたし。」
ニッコリ笑いかけると、石川先輩は少しだけ笑ってくれる。
「本当にバカ。」
「はい。」
614 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:45
階段から落ちた時、あたしは大切な何かをなくしてしまったらしい。
615 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:45
でも!!
616 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:45
今はもっと大切なものができちゃいました♪
吉澤ひとみ17歳!石川先輩の笑顔が大切っす。
石川先輩を笑顔にするためであれば、例え、火の中。水の中!
617 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:45
「このよしざー、石川先輩に忠誠を誓わせていただきます」
「なに?忠誠って?」
石川先輩が笑ってくれる。かーわーいい!!
618 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:45
チュ♪
619 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:46
「こうゆう事っす♪」誓いのキス、もとい、忠誠のキス。
石川先輩はボーっとしたようにあたしを見る。
う〜ん、こんな顔もかわいい!!
あたしが笑いかけると、石川先輩は我に返ったようで真っ赤な顔で眉をしかめる。
620 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:46
「死んで!!ファーストキスだったんだからーー!!」
「まじっす…」
あたしの言葉を待たずにあたしのあごに炸裂する石川先輩の痛恨のアッパーカット。
621 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:46
いてぇーーー!!
あ、でも、なんか懐かしい感じかも♪
622 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:46
これから先ずっと、例え、石川先輩が嫌がっても、吉澤ひとみ石川先輩の笑顔を守らせていただくっす♪
623 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:47
         
624 名前:猪突猛進 投稿日:2004/03/02(火) 08:47
おしまい
625 名前:extra 投稿日:2004/03/02(火) 08:49
最終的にはストーカー吉ですね…(0^〜^0)
そして、S石でした。w

今日は時間があるので夜にでも全く別の短編をうpしようと思っています。
そちらもお付き合い頂けますと嬉しい限りです。でわでわ。
626 名前:ひらの 投稿日:2004/03/02(火) 10:29
はぁ〜、いいっす!今回のお話も最高にいいっす!
やっぱり私ってMかも・・・S石にかなり惹かれたっす!
それと私はextraさんのストーカーっす・・・
パソコン開くとまず更新のェックしちゃってるっす・・・
これからもよろしくっす!
627 名前:extra 投稿日:2004/03/02(火) 19:09
>ひらのさん
満足いただけたようで嬉しいです。
ストーカーですか?wじゃあ、愛想つかされないように頑張らなくちゃですね!

んなわけで、夜の部です。w
628 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:10
       
629 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:10
私と吉澤ひとみさんの関係は友達以上恋人未満。
お互いに「特別」に想っていることは確かなんだけど…。
どうも先に進めない状況。
630 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:10
私が素直になって、よっすぃに想いを伝えれば、今の関係は変わると思う。
でもね、そんな簡単に「好き」なんて伝えられない。
素直になんてなれない。
もし、ダメだったらなんて思ってしまうもの。
二度とよっすぃの笑顔が見えなくなるなんて嫌。
631 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:11
だから、最近の私は他力本願。
おまじないや占いに頼っています。

「梨華ちゃん!この占い読むのれす」
私と一緒におまじないにハマっているのの。
いつも楽屋で2人で新しいおまじないをチェック。占いをチェック。
632 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:11
でも、なかなか効果は現れない。

「梨華ちゃん、ののはこんなに色んなことをやっているのに何の効果もないのれす」
悲しそうなののの表情。

私はなんとか励まそうと、というか、ののを励ますことで自分を励ますようにもなってるんだけど。
「のの、手出して見て」
「へ?」
「いいから」
ののは、不思議そうに小さくてかわいい手を私に出す。
633 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:11
「あ、やっぱり」
「なんれすか?」
「ののは、好きな人と幸せになれる手相してるよ」
ニッコリ笑顔をつけ加えることも忘れない。
634 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:12
「本当れすか?」
「もちろん」
私の適当極まりない手相占い。
でも、ののは笑顔になってくれる。
635 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:12
おまじないってこうゆう物なのかもしれない。
大切な人を笑顔にするためのもの。
決して、落ち込むためのものじゃない。
636 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:12
「すごいのれす。梨華ちゃんは手相が見れるんれすね」
「うん、少しだけテレビで見て勉強したの」
私の嘘。
「もう少しだけ頑張って見るのれす!!」
ののは、笑顔のまま大好きな飯田さんのところへ走っていく。
私はそんなののの姿を見て、少しだけ羨ましい気持ち。
637 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:12
占いをやっても、最近はどうしてもネガティブな風にしか取れない。
638 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:13
ののが飯田さんに言ったのか、メンバーが私に手相を見てもらいに来る。
「幸せになれるよ」
「少しだけ努力が必要かな?」
「素直になることが大切みたいだよ」
メンバーにかけている言葉は、全て私に向かってかけている言葉。
639 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:13

努力して素直になれば、幸せになれるって決まってる。
でも、少しだけの怖さが私を進めなくさせてしまう。
よっすぃも同じ気持ち?
それとも、本当は私のことなんて好きじゃないのかな?
640 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:13
         
641 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:13
「よっすぃー!!よっすぃもアゴンに手相見てもらえよ〜!」
矢口さんがよっすぃを呼び、私の胸は高鳴る。
642 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:14
「えー。いいっすよ。どうせ当たらないだろうし」イジワルな笑みで私を見つめてくる。
「あはは!確かに!アゴンだもんなぁ!!」キャハハーと矢口さんはよっすぃに同意。
矢口さん…、さっき見てた時はすごく幸せそうにしてくれてたくせに…。
643 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:14
「あー、でも、せっかくだから」
よっすぃは私の変化に気付いてくれたのか、そう言って私の前に座る。
「はい、お願いします」
よっすぃが笑顔で差し出してくれる手。
久しぶりに触るよっすぃの大きくて白い綺麗な手に私の手は少しだけ震えてしまう。
644 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:14
頭の中が真っ白になる。
どうしよう…、どうしよう…。
さっきみたく上手い言葉なんか出てこない。どこかに飛んでいってしまっている。
645 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:15

「石川先生。」
よっすぃのふざけたような声。
「は、はい」
「どうですかね?」
よっすぃがあまりにも優しく笑うから、私の心は少しだけ軽くなる。
646 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:15
「ふむふむ、いい運勢ですね〜」
なんてわざとらしく言える。
「ほう、本当ですか?」
「はい。」
私もよっすぃに笑顔を見せる。
647 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:15
「えっと、じゃあ、聞きたいことがあるんですけど。」
よっすぃはさっきまでのふざけた顔じゃない、真剣な顔。
「な、なんでしょう?」
648 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:16
「あたし、石川梨華さんのことがすごく好きで、独り占めにしたくてしょうがないんですけど。
 できますか?」
649 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:16
    
650 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:16
え?!
651 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:16
      
652 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:17
どうゆうこと?
「やっぱり無理ですかね?」
よっすぃの悲しそうな声。
その声に反応して、私はありったけの勇気を出す。
653 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:17
「き、きっと出来ますよ!よっすぃが望めば!それから浮気はしないことですね!」
慌てている私によっすぃは優しく目を細める。
胸がキュンなんて少女漫画のワンシーンのようになる。
654 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:17
「そうですか。あたしは浮気はしないと思います。ずっと大事にします。」
いつの間にかよっすぃに手を握られている。
655 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:17
手相なんか見ていないのバレバレ。
涙で目が潤んでしまって、よくよっすぃの顔が見えない。
656 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:19

どうか、私の適当すぎる手相占いだけど、当たりますように。
よっすぃの暖かな手を1人占めできますように。

占いもおまじないも大好きな人の魔法には叶わない。
よっすぃの笑顔には叶わない。
657 名前:おまじない 投稿日:2004/03/02(火) 19:19

おしまい
658 名前:extra 投稿日:2004/03/02(火) 19:22
精進いたします(; ^▽^)
もう少し甘くしたかったのですが、力不足です。
題名もおまじないと言うより「うらない」の方がいいですね。w
もう笑ってごまかしとけっ!w
659 名前:ひらの 投稿日:2004/03/03(水) 10:33
夜の部だったのに、朝気が付きました・・・
ストーカー失格です・・・笑っとけ、笑っとけ〜
手を握る→27時間TVを思い出したのは私だけでしょうか?萌え〜
甘々だったりホンワカだったり、時には激しかったり・・・
extraさんは凄いっす!
660 名前:extra 投稿日:2004/03/04(木) 13:52
>ひらのさん
そうですね。あの時の二人とシンクロできそうですね。
あの時の二人は、マッサージをしていたのでしょうか?
それとも、手相占いでイチャついてたんでしょうかね?w
キャラの統一性がないだけなんで、すごくないです。w
でも、そう言っていただけると調子にのってしまいそうです。
661 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:52
      
662 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:52
「は…よっすぃ…ん…」
梨華ちゃんの熱い息があたしにかかる。
だから、あたしはもっと動きを早くする。

「や…だ、も…う」
梨華ちゃんの体から熱いものがあたしの指を伝ってシーツに零れていく。
663 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:53
あたしたちは、終わるためだけに時間を過ごした。
暑い夏の日。じっとしているだけでも汗が出ているような日。
寒い冬の日。じっとしていたら凍えてしまいそうな日。
何度も体を繋げた
何度も何度も。
664 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:53
あたしの存在をあたしの体温を梨華ちゃんに知って欲しくて。
梨華ちゃんの存在を体温を確かめたくて…。
気持ちで繋ぐことができないのであれば、体で繋ごうとした。
665 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:54
梨華ちゃんには、世間にも認められる男の人の恋人がいる。
それでも、あたしは梨華ちゃんを諦めることができず、あたしは梨華ちゃんを犯し続けた。
最初は抵抗をしていた梨華ちゃん。
でも、今となっては抵抗すらしないで、あたしが与える快感に身をゆだねている。
666 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:54
諦めなのか?それとも、少しでもあたしを受け入れてくれたのか?
667 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:54
梨華ちゃんの体が弓のようになり、終焉を伝える。
まだ息の荒い梨華ちゃん。
汗で額に髪がくっついている。
それを優しく撫でる。
668 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:54
「明日、彼が来るから」
「…うん」


明日は会えない。
669 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:55
目を閉じて、それ以上何も言わない梨華ちゃん。
あたしの心の中は汚くて醜い感情でいっぱいになる。
670 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:55
明日来る彼のことを想っているの?
明日も彼の前でそんな風に抱かれるの?
彼にだったら、「好き」って言うの?
671 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:55
グルグル考えたくもないことばかりが頭の中をめぐる。
吐き気がする。
672 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:55
梨華ちゃんは、行為が終わるとすぐに服を着る。
今日も同じ。
まるで巻き戻しでもするかのように床に落ちている服を身にまとっていく。
あたしは、それをボーっと見る。
綺麗な梨華ちゃん。
その綺麗さを汚すあたし。
673 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:55
メンバー内で気まずくならないように梨華ちゃんはあたしを受け入れたのかもしれない。
自分のことより、先に周りを考える人だ。
その気持ちを利用したあたしはやっぱり汚いし醜い。
674 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:56
あたしはただ梨華ちゃんに好かれたかった。
あいつと同じくらい好きなのに。
あいつより先に好きになったのに。
675 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:56
ただそれだけ…
676 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:56

「またね」
梨華ちゃんはあたしの髪をさらっと触れる。

「うん」
677 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:57
梨華ちゃんが好き。
多分もう伝わってるこの二つの言葉をあなたに言ったら
あなたはどんな顔をしますか?
678 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:57
あたしを拒絶しますか?
679 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:57
梨華ちゃんの後ろ姿を見ていると、あたしは泣き出しそうになる。
いつだって送らせてくれない梨華ちゃん。
帰り道にあたしとの関係をリセットしているのかもしれない。
680 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:57
そんな後ろ姿は『終わるための付き合い』を実感することしかできない。
終わりがいつなのか。
681 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:57
終わってほしくない。
神様にも何度も祈った。あたしを好きになってください。
でも、その願いは叶わない。
682 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:58
優しい梨華ちゃん。
きっと、梨華ちゃんから終わりを伝えることはない。
あたしが傷つくのを怖がっているから。
683 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:58
じゃあ、あたしが今終わりにして永遠にしてしまおうか?
梨華ちゃんを解放してあげよう
684 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:58
梨華ちゃんのぬくもりがまだあたしの体に残っている。
梨華ちゃんの声があたしの耳に残っている。
梨華ちゃんの姿がまだ目に焼きついている。
685 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 13:59
明日来る嫉妬の夜を超える自信のないあたしは引き金を引く。
686 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 14:00
そこに待っていたのは永遠。

そして、最後になって梨華ちゃんに伝わるかもしれない、汚いあたしの感情

ただ愛し愛されたかっただけ
687 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 14:00
    
688 名前:永遠 投稿日:2004/03/04(木) 14:00
おしまい
689 名前:extra 投稿日:2004/03/04(木) 14:03
暗いですね。
しかも、オチが何かもわからない状況です。
申し訳ないです。
こんな話に付き合ってくれる人がいてくれると嬉しいです。

それから私情により、少しの間更新ができません。
すいません。
690 名前:ひらの 投稿日:2004/03/04(木) 16:15
更新お疲れ様です。
次回更新、首を長くして待ってますので
また戻ってきてくださいね。
691 名前:桜流 投稿日:2004/03/04(木) 22:17
更新おつです。
自分の作品を読んでくださっていたとは…感激です、
まだまだ何かを伝えることができてはいないような、未熟なものばかりですが。。。
extraさまの作品を読んで、なんと言いますか…「ここに全てある」と感じるんです。
意味不明ですいません、これからも様々な作品をお待ちしています。
692 名前:extra 投稿日:2004/03/06(土) 09:58
>ひらのさん
戻ってきてしまいました。w
用事が思ったより早く済みましたので。
首を長くして待っていただく時間もなかったですね。
あといくつかストックがありますので、最後までお付き合い頂けると幸いです



>桜流さん
いえいえ、私の作品に「全て」があるとはあまりにも恐縮すぎます。
桜流さんの作品は、私が伝えることができないものを伝えていると思います。
これからも期待しています。
お互いに納得できるものを作りあげるように頑張りましょう。
693 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 09:59
         
694 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 09:59
あたしのタイプは矢口さんみたいな人。
元気で小さくて気さくで。
しかし、あたしの恋人は梨華ちゃん。
なんとなーく一緒にいる時間が長くて、なんとなーく付き合ってた。
うん、いつが記念日ってわけでもなくて、付き合ったきっかけも微妙。
695 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:00
2人きりになった時にキスをした。

多分、それがきっかけだったんだと思う。
休みの日は会うのが普通で、一緒に帰るのも普通で。
家に帰ったら、まず電話するのが梨華ちゃんで。そんな感じ。
696 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:00
多分、付き合ってるんだと思う。
697 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:01
でも、例えば、急に梨華ちゃんが他の人と付き合ったって聞いても私は驚かないと思う。
なんとなく、そんな気がする。
698 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:01
だって、あたしは梨華ちゃんに「好き」だって言ってないし。
梨華ちゃんもあたしに「好き」だって言ってない。
だから、「あー、そうなんだ」で終わると思う。
699 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:01
そんな関係。
700 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:01
今日はオフ。
久しぶりに梨華ちゃんに誘われなかった。
あたしから誘うことはまずない。
大体オフの前の日に梨華ちゃんは聞いてくる。
701 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:02
「明日、何時に来る?」
702 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:02
その言葉が昨日はなかった。普通に電話をして、何を話したかなんて覚えてない程度の話。
そして、電話を切る。
その時は、何の普通にも思わなかったけど、今になってみれば不思議で仕方ない。

まぁ、でも、梨華ちゃんも梨華ちゃんの予定や生活がある。
矢口さんと遊びに行くのかもしれないし、柴ちゃんと遊びに行くのかもしれない。
あたしには干渉する権利はないし、する気もない。
703 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:02
梨華ちゃんは、梨華ちゃん。
あたしはあたし。
704 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:03
あたしの携帯にはオフだって知っている人からひっきりなしに電話がかかってくる。
その数だけある誘いの言葉。
全ての言葉にあたしは丁重に断りを入れる。

なんとなく、遊びに行く気にもなれなくて、そのまま過ごす。
705 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:03
ふと、梨華ちゃんの顔を思い出してみようとするけれど、梨華ちゃんの顔は浮かんでこない。
706 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:04
おかしい。

メンバーの中でも一番見ているはずの梨華ちゃんの顔。
なのに、梨華ちゃんの顔はいくら考えても浮かんでは来ない。
梨華ちゃんがあたしに投げた言葉はいくらでも浮かんでくるのに。
『よっすぃ』
『よっすぃ、何食べたい?』
『よっすぃは、こうゆうのが似合いそうだね』
707 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:04
いくらでも浮かんでくるとめとめもない梨華ちゃんの言葉。
いくら考えても浮かんでくることのない梨華ちゃんの顔。

写真を見ても、何か感じる違和感。

これは梨華ちゃんじゃないとあたしの何かが訴える。
じゃあ、何が違うと言われてもあたしは分からない。
708 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:05
色んな表情をあたしは隣で見てきたはずなのに。
709 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:05
そんなあたしの出した答えは

梨華ちゃんの顔が見たい
梨華ちゃんに会いたい。
710 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:05
携帯を取り出して梨華ちゃんに電話をかけても繋がらない。
711 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:06
どこにいるんだよ?
誰といるんだよ?
712 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:06
思い出してみれば、こんなことは初めて。

誰と出かけるにしても、梨華ちゃんはあたしに報告をしていた。
『今日は柴ちゃんと映画を見に行くの。』
『今日は矢口さんたちと食事に行くの』
713 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:06
そっか、だからだ。
だから、あたしはこんな気持ちになった事はなかったんだ。
そっか、あたしは今梨華ちゃんと一緒にいる人に嫉妬をしているんだ
714 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:07
いても、立ってもいられなくなったあたしはコートを掴み走る。
梨華ちゃんの部屋に走る
715 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:07
白い息を吐き出しながら、あたしは走る。
胸が苦しいし、横腹は痛い。
でも、走る。
716 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:07
どうして走っているかなんて分からない。
でも、今すぐに梨華ちゃんに会いたい。
あたしが受け止めることができない、理解することもできないこの気持ちを梨華ちゃんに知ってもらいたい。
梨華ちゃんにこの気持ちを教えてほしい。

だから、走る。
717 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:08
もう少しで梨華ちゃんの部屋というところで見慣れた背中があたしの目に入る。
718 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:08
「梨華ちゃん!」
あたしの息はもう上がってしまい、声はうわずっている。
「よっすぃ?!」
体を曲げて息をしているあたしに驚いたように駆け寄ってくる梨華ちゃん。
719 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:08
「どうしたの?大丈夫?」心配そうにあたしの背中を撫でる梨華ちゃん。
「だ、大丈夫」そう言って曲げていた体を起こす。
あたしの目の中に梨華ちゃんが映る。
胸が苦しい。
この苦しさは走ったからじゃない。
720 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:08
「梨華ちゃんだぁ…」
ここが道端だって事も忘れて、あたしは梨華ちゃんを抱き寄せる。
「よっすぃ?どうしたの?」まだ心配そうな梨華ちゃんの声。
721 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:09
「梨華ちゃんの顔が見たくて仕方なかった」
「はい?」
「どうしても梨華ちゃんの顔だけ思い出せなくて。」
「…」
「そしたら、どうしても梨華ちゃんに会いたくて。」
息が切れ切れのあたしの言葉。
必死なあたし。
722 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:10
「私に会いたかったの?」
梨華ちゃんの優しい声があたしに届く。
梨華ちゃんだ。うん、これが梨華ちゃんだ。

黙ってうなづくあたし。

梨華ちゃんが優しく微笑む。
723 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:10
「とりあえず、部屋行こう。ここじゃあね」
梨華ちゃんに言われて気付く。
道行く人が不思議そうにあたし達を見ている。
724 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:10
「紅茶でいい?」
「うん」
梨華ちゃんの部屋なんて何回もきているのに、今日は世界で一番落ち着かない場所になっている。
ソファに座っても、床に座っていても落ち着かない。
そんなあたしを見てか梨華ちゃんは小さく笑う。
725 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:10
「はい、どうぞ」あたしの前に置かれた紅茶。
そのカップを手に取って気付く、あたしはすごく冷えていた。
カップの熱さが今のあたしには痛いくらい。
猫舌ってわけじゃないけど、今のあたしには飲むことはできない。
726 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:11
「それで、よっすぃは私に会いたかったのよね」
梨華ちゃんは目を細め、その綺麗な瞳にあたしを映す。
「うん。よく分からないんだけど。」
「そう。」梨華ちゃんはそれ以上は何も言わずに紅茶を口にふくむ。
727 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:11
「ねぇ?梨華ちゃん、どうして?」
「何が?」
「どうして今日は誘ってくれなかったの?」
意気地なしのあたしは梨華ちゃんを見ることはできずに紅茶の茶色だけを目に映す。
「知りたい?」
黙ってうなづくあたし。
728 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:11
「よっすぃを試したの。」
「はい?」驚いて顔を上げる。試す?試すって何を?
「私には、よっすぃの気持ちが分からなかったの。よっすぃは、優しいから、私が誘えば
 うなづいてくれるわ。私がメールをすれば返してくれる。それは分かってるの」
729 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:12
何も言えないあたし。
730 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:12
「よっすぃの優しさが私には不安なの。」
「不安?」
「分からない?」
梨華ちゃんの瞳が悲しそうに揺れる。
「ごめん」
分からないよ、梨華ちゃん。
731 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:12
いつもは簡単に抱きしめることなんかできるのに、今日のあたしは手が震えてしまって
抱きしめることができない。
732 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:12
「梨華ちゃん、でも、今日のあたし、おかしいんだ。梨華ちゃんが何をしているか気になって
 しょうがない。梨華ちゃんの顔が見たくてしょうがなかったんだ」
ぐっとこぶしを握る。
爪が手に食い込んで白くなっているのが分かる。
733 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:13
梨華ちゃんの手が優しくあたしの手に触れる。
「よっすぃにとって、私は何?」
梨華ちゃんの言葉にあたしの心は震える。
「あたしにとって、梨華ちゃんは…」
言葉が繋がらない。どう表現していいか分からない。
「私は?」
梨華ちゃんは・・・・
「いつでも隣にいてほしい」
あたしの精一杯の言葉。
734 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:13
「梨華ちゃんがいないと梨華ちゃんのことばかり考えちゃう。他のことが何も手につかない。 
 だからそばにいてよ」
あたしの瞳の中に梨華ちゃんが映る。笑っている梨華ちゃんが映る。

梨華ちゃんがゆっくりあたしに近づいてあたしに触れる。あたしの唇に梨華ちゃんの唇が触れる。
735 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:14
今まで何度も重ねたキスなのに、今日はどうしても涙が出てきてしまう。
「梨華ちゃんが…好き」
やっと出てくるあたしの気持ち
「私も好き」
初めて聞いた梨華ちゃんの気持ち。
736 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:14
唇を離した梨華ちゃんは小さく舌を出して、あたしの頬を伝う涙を舐める。
背筋を何かが走る。ビクっと体が反応してしまう。
そんなあたしに梨華ちゃんは少しだけ微笑みを見せて、またあたしの涙を舐める。
737 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:14
「よっすぃの涙、しょっぱい」
悪戯な笑み。
梨華ちゃんがあたしに見せてくれる表情。
あたしは1つも見逃さないように見つめる。
「梨華ちゃんが好き。好きだよ。好きだ…」
梨華ちゃんが教えてくれたあたしの気持ちを何度も何度も口にする。
738 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:14
     
739 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:15
「ずっと待ってたのよ?」
落ち着いたあたしは梨華ちゃんを膝の上に乗せている。
「何を?」
「よっすぃがそう言ってくれるの」
梨華ちゃんは嬉しそうに目を細める。
740 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:15
「うん。待たせたよね」
「すっごーくね」
梨華ちゃんがあたしの鼻に梨華ちゃんの鼻をつける
741 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:15
「エスキモーキス?」
「そう、親愛の情をこめて」
梨華ちゃんの言葉にあたしも目を細める
「じゃあ、あたしからは」
あたしからは、愛情を含めて梨華ちゃんの唇にキスをしよう。
742 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:16
あとで、気付くのが遅かったお詫びもしなくちゃ。
それから、苦手だったピンクも好きになるようにしよう。
743 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:16
もうひとつ。
強くなろう。いつでも傍にいれるように。
いつまでも梨華ちゃんの近くに隣にいれるように。
744 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:16
そして、いつでも梨華ちゃんがあたしといることを誇れるようなあたしであるように。

梨華ちゃんの悲しみを全て受け止めて、梨華ちゃんの幸せや嬉しさを少しだけ分けてもらえるような
そんなあたしになろう。
745 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:17
だから、今だけは梨華ちゃんの優しさに甘えさせて。



情けないあたしを好きでいてくれてありがとう。
746 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:17
       
747 名前:気持ち 投稿日:2004/03/06(土) 10:17
おしまい
748 名前:わく 投稿日:2004/03/06(土) 22:59
萌えました!!
こういう雰囲気の大好きっすw
お姉さん梨華ちゃん最高☆へタレよっしぃ〜グッジョブww
749 名前:extra 投稿日:2004/03/08(月) 01:37
>わくさん
萌えましたか?
萌えていただけると私も大満足です。w
お姉さん梨華ちゃんはいいですよね!私もすごく好きです。w
750 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:40
       
751 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:40
両想いになったら、満たされると思ってた。
よっすぃの隣にいるだけで私の心は満たされるって、ただ純粋にそう思ってた。
752 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:41
でもね、気づいたら、私はもっともっとほしがりになってるの。
もっと私のことを知ってもらいたいし、もっと私のことを好きになってほしい。

そばにいるだけでいいなんてあり得ない。
もっとよっすぃのことを知って、もっと好きになりたいの。
753 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:41
「よっすぃー?」
同じ部屋にいるのに、少しでも貴方の姿が見えなくなると不安になるの。
いつでも触れられる距離にいたい。
754 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:42
「ほいさっさ。どうした?」ひょこっとキッチンから顔を出すよっすぃ。
「何してるの?」
「見ればわかるでしょ?」そう言って嬉しそうにエプロンの裾を広げる。
「んー、料理?」
「正解!梨華ちゃん、一人暮らしの上に忙しいでしょ?まともなもの食べれてないと思って!
 休みの日くらいは、ちゃんとしたの食べたいっしょ?」
おたまを片手に嬉しそうに熱弁をするよっすぃ。
755 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:42
すごーくエプロン姿はかわいいし、こんな姿を見れる私は贅沢者なんだろうけど…。

「そんなのいい。ここに来てよぉ」
ソファを叩いて、得意の上目使いでおねだりしても、よっすぃはつれない。
「だーめ!先に料理です」
そう言って、またキッチンによっすぃを取られてしまう。

なによぉ。私はよっすぃと一緒だったらご飯なんかいらないのに。
756 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:43
キッチンから手際のいい料理の音が聞こえてくる。
よっすぃって料理できたっけ?
ハロモニではものすごいの作ってた気がするんだけど…。
不安になり、キッチンも覗くことを何度も試みても、よっすぃによって阻まれる。
757 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:43
あのね、料理を作ってくれるのはすごく嬉しいんだけど、食べれるものっていうのが前提なの。
今は二人きりだから、お願いだから『おもしろさ』を求めないでね…。
758 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:43
願いが通じたのか、出てきたものは意外も意外、びっくりするほどの出来栄えだった。
オニオンとツナのミートソースを和えたパスタに少しだけ焼いたフランスパン。

少しだけパスタを茹ですぎたのは、目をつぶってあげよう。
759 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:43
まるで小学生が初めて料理を作ったように、私の反応をジッと観察してくるよっすぃ。
「おいしい?」って聞けばいいものを聞かないところがよっすぃらしくて笑ってしまう。
760 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:44
「すごくおいしいよ。」
「本当?!」まるで向日葵のような笑顔。
その笑顔のせいで少しだけ胸が苦しくなる。
そんな無邪気な笑顔を見せちゃうよっすぃは、ずるい。
761 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:44
「これ食べたら出かけようね?」
「え…?」露骨に嫌な顔をするよっすぃ。全く無精者なんだから。
「いいでしょ?買い物に付き合って。」
「…やだ」
「はい?」
「だって、梨華ちゃんは迷いすぎなんだよ!!」
「普通でしょ?」
「普通じゃない。こー、バッと選んでバッと買うのが買い物!!」
762 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:44
むちゃくちゃな理論。
そんな買い方をする女の子はよっすぃくらいだよ。
763 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:45
でも、今日はせっかくの休み。
出てきた言葉を飲み込む。

「ね?よっすぃ、お願い…」
必殺・上目使い。
764 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:45
「うっ…」
効いてる、効いてる。これはもう一押しかな?
「…ダ…メ?」
必殺第二弾・涙目。
「わかった!行くよ!行きます!!行かせてください!!!」
よっすぃが諦めにも似たような大きな声をだす。
765 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:45
付き合いが長いとどうすればよっすぃがどうゆう行動をするかわかってくるもの。
それをわかっていてやっている私によっすぃは気づいているかもしれない。
766 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:46
騙しているつもりの私。
騙されたつもりのよっすぃ。

私がよっすぃとの付き合いでバランスを取れるのは、こうゆう関係のおかげだとも思う。
767 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:46
久しぶりの外出はすごく嬉しいけど、寂しいこともひとつ。
よっすぃは外でくっつかれることをすごく嫌がる。
誰も見てないって言っても、それは無駄。
照れ屋とかじゃなくて、女同士の付き合いということを意識してるからかもしれない。
私が何とか腕を組もうとしても、よっすぃはそれとなく私が傷つかないように優しくそれをほどく。
好きな気持ちは同じなのに。
あのカップルと私たちと何が違うわけでもないのに。
768 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:46
「よっすぃ、これなんてどう?」何軒目かのお店。
よっすぃは少しだけ疲れたような顔。
「ん〜、ちょっと露出しすぎ」あごに手をあてて、服と私を見比べる。
「そうかな?」
私が選んだのは、ピンクのキャミソール。別に何の変わりばえのない普通のキャミソール。
769 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:47
「うん、露出しすぎ。却下。それに、またピンク選んでるし」
「だって、好きなんだもん…」
「あのね、いくら好きだからって、今日も他の店でピンクの買ったじゃない?それにピンク専門の店が
 開けるくらいに家にもあるでしょ?」
「もうよっすぃはわかってない。ピンクにも色んなピンクがあるの!!」
「どれも目がチカチカするのは、同じです」
呆れたような疲れたような声をだす。何よ、そんな声ださなくてもいいじゃない!?
770 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:47
私が膨れたのがわかったのか、よっすぃは、私の頭を2〜3度軽く叩く。
「あそこで座って待ってる。好きなだけ悩んでおくんなまし。」
ニヤっと笑って、店から出て行ってしまう。
771 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:47
よっすぃが一緒じゃなきゃ、買い物の意味がないじゃない。
私がほしいのは、ピンクの服ってだけじゃないよ?
よっすぃが「かわいい」って言ってくれた服がほしいのに。よっすぃはやっぱりわかってない。
772 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:47
後ろ姿を睨んでも振り返りもしないよっすぃに小さく舌を出す。
773 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:48
よっすぃがいなくなってしまっても、せっかくの買い物。
買わないで帰るのは勿体ない!!
そう思った私は手当たり次第、試着をして、手当たり次第買っていく。

早く買い物を済ませて、よっすぃの近くに行きたいって気持ちがどんどん膨らんでいく。
774 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:48
そんな私を知ってか知らずか、急いで買い物を済ませてよっすぃのところに来てみれば、これだ…。
775 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:48
よっすぃのファンの子なのか、すごくかわいい子達がよっすぃの隣に座っている。
いつもなら、握手でさえ、それとなく断る人なのに。

嬉しそうな顔しちゃって。
鼻の下伸ばしちゃって。
776 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:49
でも、待って。今日はせっかくの休みで。よっすぃとのデート。
私の方が(1つだけだけど)お姉さんなわけだし。ここは我慢をして。
大人になって、大人になって、理解をして、理解をして…
777 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:49
ってできるか、バカーっ!!!
778 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:49
付き合いが長くなって、大体のよっすぃの行動は理解できるようになったけど、
こうゆうかわいい子好きは全く理解ができない!
しかも、私とのデート中なのに…。
779 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:49
少し離れた場所からよっすぃに電話をかける。
横の子に小さくごめんと言いながら、よっすぃは電話に出る。
「どうしたの?ピンクは終わった?」
少しも悪びれのないような声。
全部、知っているんですよ?
780 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:49
「先に帰るから」
「はぁ?何言ってんの?っていうか、今、どこにいんのさ?」
「隣のかわいい子達とごゆっくりどうぞ!!!」
「え?は?ちょっと待って…」
最後までよっすぃの言葉を聞かないで電話を切る。
少しはこれで反省しろっての!!!
781 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:50
よっすぃは、慌ててますって顔に丸出しで回りを見渡して、私を探している。
そして、隣の子に挨拶をして、走り出す。
782 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:50
挨拶を忘れないところがよっすぃらしいけど。

もっと私に困ってくれてもいいのに。
もっと私に夢中になってほしいのに。
783 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:50
そんなよっすぃの背中を見送って、私も歩きだす。
784 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:50
そして、多分、私の駅で待っているだろうよっすぃを想像する。
785 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:51
一人で帰ったことを怒ってくれる?
それとも、私以外の女の子に鼻の下を伸ばしていたことを必死で謝ってくれるの?

私の頭の中に浮かんでくる色んなよっすぃ。
そんなことを考えていると、私の頬は自然と緩んできてしまう。
786 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:51
私に困って。
私といる時は私だけを見てて。
そして、もっと、もっと私に夢中になって。
787 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:51
他の店も見て、私が駅に着いたころは、もう日が傾いていた。
両脇にいっぱいの荷物を抱えて、改札を出ると、やっぱりよっすぃは待っていてくれた。
788 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:52
改札から出てきた私がよっすぃの目に映ったのがわかる。
よっすぃは安心したような疲れたような小さなため息。
789 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:52
そして、私が歩く少し後ろを歩く。

謝りも怒りもしない。
よっすぃの感情が出たのは、最初のため息だけ。
それが私をいらだたせる。
790 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:52
どうして?
勝手に帰ったことを怒ってくれないの?
どうして?
私が怒ったことに対して謝ってくれないの?
791 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:52
ただ何も言わないで、少し後ろを歩くよっすぃ。
792 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:52
「何で!?」
「は、はいぃ?」
「何で怒らないの?!私、勝手に帰ったんだよ!?」
「あぁ…」苦笑いを浮かべるだけのよっすぃ。
793 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:53
「何で謝らないの?私が怒ってるってわかってるんでしょ?!」
「あぁ、うん…」
煮え切らない態度。
794 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:53
もっと強引でいいのに、もっと私に嫌われたくないって思ってくれてもいいのに!!
795 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:53
「梨華ちゃん」
「なによ!?」
「荷物持とうか?」
「別にいいです!別に重くもなんともないですからっ!!」
荷物持とうって何よ!今、言う言葉じゃないじゃない!!
796 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:54
「梨華ちゃん」
「だから、何!?」
「手持とうか?」
「はい?」
手?手を持つってなに?
「だから、手。」

よっすぃは強引に私の右側の荷物を取り、私の右手をつかむ。
797 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:54
よっすぃに引っ張られるように歩く私。
初めて外で手をつないでくれたよっすぃは耳まで赤くなってるけど、
これじゃあ手を繋いでるじゃない。手を掴んでいるの方が正しい。
798 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:54
でも、精一杯のよっすぃの気持ちは伝わってくる。
これだけで許してしまう私は甘い。
でも、精一杯のよっすぃがかわいくて仕方がない。
799 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:55
「恥ずかしいなら、無理しなくていいよ?」
「別に恥ずかしくなんてないし」
耳まで赤いくせに…。
800 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:55
私もよっすぃも意地っ張りなところは似てるよね。
他は全くの正反対な二人なのに。
あ、負けず嫌いなところも同じかな?
801 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:55
「よっすぃ」
「なに?」少しだけぶっきらぼうな声。でも、その言葉に愛情が篭っているのは伝わるから。
「ごめんね」
「んー、何が?」

とぼけたふりが苦手なのも知っている。いつでもまっすぐなよっすぃを好きになったのは私だよ?
もちろん、よっすぃも知っているでしょう?

「いつもかわいくて。」
私が素直じゃないこと。
802 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:56
「はっ?!」
「だから、いつもかわいくてごめんね」
よっすぃの顔を覗きこんでもう一度繰り返す。
「ばーか」
「なにそれ?かわいくないって言いたいの?」
「バカ。あたしの彼女だよ?めっちゃかわいいに決まってんじゃん♪」
うりゃっとばかりに私を抱きしめ、私の髪をぐしゃぐしゃにする。
803 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:56
「ちょっと!髪くずれて、ぐしゃぐしゃになっちゃうじゃない!?」
「いいの、いいの♪梨華ちゃんの大好きなアフロ犬にしてさしあげてるの♪」
嬉しそうに私の髪の間に指を入れて、まだぐしゃぐしゃにしている。
「もう!なりたくない!!」
「何で?アフロ犬になったら、あたしが責任もって飼ってかわいがってあげるのに。」
意地悪と余裕を含んだ目で私を見てくる。ずるいよっすぃ。
804 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:57
「もう、よっすぃなんて嫌い!」
よっすぃの腕から逃げる。
「おいおい、ちょっと待ちなさい。」後ろから、少しだけ慌てたような声。
でも、さっきの電話よりも余裕を含んだ声。
805 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:57
やっと追いついたよっすぃは私の顔を覗き込む。
「ね?もし、あたしがアフロ犬になったらどうする?」
「ダンボールに入れて、川原の橋の下に捨てます」
「うわっ!ひっでー」笑い声を含んだ声。

私たちの仲直りの合図。
806 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:57
「だって、よっすぃのアフロ犬なんてかわいくないもん!髪は自分で染めるからムラでまだらだし!」
「あのね、これはアフロ犬になったらレインボーでかなりの希少価値!」
「そんなわけないでしょ!」
こつんとよっすぃの肩を叩く。
807 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:58
「ね?梨華ちゃん」
さっきとは打って変わって真顔のよっすぃ。
「ど、どうしたの?」

「あたしの左手が寂しがってるんですけど、何とかしてくれませんか?
 梨華ちゃんしかできないことなんですけど」
そう言って、ニヤリと笑う愛しい人。
808 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:58
差し出されたよっすぃの左手。
809 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:58
「もう!しょうがないなぁ。ひーちゃんは、寂しがり屋さんなんだから」
私も右手を出して、暖かい手をとる。
「よろしくお願いします」
小さく頭を下げる大好きで大好きで仕方のない人。
810 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:58
私はこれからももっともっとよっすぃを好きになるの。
だから、これからももっともっと私を好きになって。
811 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:59
いつもいつまでも手を繋いで歩いていきましょう
大好きなよっすぃとよっすぃが大好きでしょうがない私と。
二人でずっと歩いていきましょう
812 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:59
      
813 名前:欲張り 投稿日:2004/03/08(月) 01:59
おしまい
814 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/08(月) 02:13
ずっと思ってたんだけど文章(レス)を1つ1つ区切るから読みにくいです
815 名前:奈々氏 投稿日:2004/03/08(月) 08:27
>814
ソコがこの作品の味だと思うし、
作者さんの書き方なんだからいんじゃね?

とか、奈々氏が語ってもしょーがないんかな?
816 名前:ひらの 投稿日:2004/03/08(月) 19:57
更新お疲れ様です〜!&お久しぶりです〜!
毎回、面白い作品をありがとうございます。
今回はかなりいい感じ〜ですね。
これからもよろしくです。
817 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/09(火) 09:26
>>815
名無しだから口出しするなってのは違うと思うけど・・・
818 名前:extra 投稿日:2004/03/09(火) 14:15
>814 :名無し読者 さん
すいません。指摘ありがとうございます。作品の雰囲気を出すためにやっていた事なのですが
読みにくいとは…。
これからは雰囲気を壊さない程度に読みやすい作品を出すようにいたします。

>奈々氏さん
いやいや、もう語ってください。
この作品の味という言葉嬉しかったです。
薄っぺらい作品のような気がしていましたので、味があるという言葉はすごく嬉しいですね。
ありがとうございます。
819 名前:extra 投稿日:2004/03/09(火) 14:15
>ひらのさん
お久しぶりです。毎回とは嬉しい限りですね。今回の更新で一応区切りと考えています。
あといくつか書きたいものはあったのですが、容量がいっぱいになりますし、短編ですので
板をまたぐのはと考えた結果です。ここまで付き合っていただきありがとうございました。
ひらのさんのレスはすごく励みになりました!

>817 :名無し読者 さん
そうですね、名無しでも何でも指摘していただけるのはすごく嬉しいです。
「おもしろい」というレスもすごく嬉しいですが、今回のようなレスはより作品を良くするための
ものと考えています。良かったら、気付いた点があれば指摘してください。
820 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:16
    
821 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:16
「付き合っててうまくいく条件ってのがあるんだって」
楽屋の中はいつでも騒がしい。
そんな中、私は矢口さんと2人で話していると、突然矢口さんがこんな話を始める。
「条件ですか?」
チラっと愛しの恋人を見ると、ののとまことと3人で遊んでいる。
822 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:17
無邪気な顔しちゃって。
823 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:17
誰が一番亜弥ちゃんのものまねが似ているかで勝負をしているみたいで、さっきからチラホラ
「まつぅーらあやでぇ〜す」って声が聞こえてくる。
審査員の美貴ちゃんは3人が真似をするたびに眉毛がピクピク動いてる…。
だ、大丈夫なのかしら?
少し先の未来を心配していると
824 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:17
「おい!アゴン聞いてるのか!?」
「あ、すいません。それで条件って何ですか?」
ったくも〜と言いながらも、話好きの真里っぺは話始める。
825 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:18

「育ってきた環境・価値観・性格・趣味。この4つの中から最低2つ一緒の物があれば、
 うまくいくんだってさ」
「育ってきた環境・価値観・性格・趣味ですか?」
「そうそう。んで、よく考えてみてよ。やぐちと裕子ってさ、育ってきた環境は違うけど、大体は
 一緒じゃない?」
「まぁ、そうかもしれないですね…」
2人とも豹柄が好きだし、性格も2人ともサバサバしてるもんね。うん。
「でしょ〜!?ってことは、やぐちと裕子はうまくいくんだよね〜」
きゃははーといつもの笑い方。

えっと、結局、惚気になるんですかね…?
826 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:18
「んでさぁ、それに比べてアゴン達はどうよ!?」
「はい?」
「だからさ〜、やぐちは2人の育ってきた環境までは知らないけど、他、全部一緒がないじゃん!」
「ちょ、ちょっと!!」
「きゃはは!こりゃ、近い未来に待ってるのは破局だな、は・きょ・く」
セクシー隊長の真里っぺは、それはセクシーに『破局』なんて怖い言葉を言ってくれる。
827 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:19
黙っている私に少しだけびっくりしたいのか。
「あれ?アゴン怒ったのか!?
「別に怒ってなんかないですよ…」
「…怒ってるじゃん。アゴンが怖いから、やぐちは運命の人・裕子のところに行ってこよーっと!!」
真里っぺは、逃げるように楽屋を出て行く。
そして、1人になった私。
828 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:19
育ってきた環境・価値観・性格・趣味ね…。
私もよっすぃがどんな風に育ってきたかは知らないから置いておいて・・・・。
829 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:20
まずは、価値観よね。
う〜ん。全く違うってわけでもないけど、絶対に一緒とは言い切れないわ!
次に性格。
最近、強くなったって言われるけど、やっぱり根本的には私はネガティブ。
よっすぃは、ポジティブっていうより、マイペース。
違うわ…。
最後に趣味。
何も言うことはないくらいに一緒じゃないわ!
いつもキショイキショイ言われてるくらいなのに。
830 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:20
って、本当に何も一緒がないじゃない!!!
831 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:20
そう言えば、よく考えれば、最近キスすらしてないわ…。
前は人前だろーが、なんだろーが、いつでもしてこようとしてきたのに。
832 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:21
不安になってよっすぃの方を見ると、なぜかさっきとはうって変わり、紺野を抱きしめている。
「ん〜、やっぱり紺野はかーいいー。キスしちゃおっかなぁ?」
「あはは。やめてくださいよぉ〜」

カチン!!やっぱりってなによ!?
つい、手元にあってペットボトルをよっすぃに向かって投げる。
833 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:21
バタン!!!
834 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:21
「よ、吉澤さ〜ん!!!」
紺野の心配そうな声が聞こえるけど、自業自得よ!
人がこんなことを考えている時に!!
って、考えてない時でも腹がたつけど…。
835 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:22
「いて〜!まじでいて〜!こぶたん出来てるじゃん!いて〜!誰だよ!?」
やっと起き上がったよっすぃは、頭を押さえて周りを見回してる。
836 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:22
そして、やっと私の異変に気付いたみたいで、私の前の席にドカっと座る。
「聞いてよ!梨華ちゃん、いきなりペットボトルが頭に直撃よ!?」
「あ、そう。」
「もうさ!あー、痛て〜!!せっかくの至福の時間がさ〜」
カチ―ン…
「至福の時間?」
「うん。もう紺野ってかわいくてさ〜」
ピキーン…。
「あ、そう…」
「なに?その態度?気に入らないってわけ?」
私があまりにも素っ気ない態度をするので、よっすぃも真顔になる。
837 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:22
「あのなぁ、確かに亀井ちゃんもかわいい!でも、あたしには紺ちゃんの反応がいいんだ!」

「…。もうよっすぃなんて知らない!!」
私は机を思いっきり叩いて、楽屋を出る。
838 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:23
なによ、紺野がかわいいことくらい私だって分かってるわよ!
私の気持ちも知らないで、なによ、なんなのよ!!!
839 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:24
「ちょっと、何、怒ってるの!?」
追いかけてきたよっすぃは少しだけ息が切れている。
「別に怒ってなんかない」
「はぁ?怒ってるじゃない。意味わかんね〜」
意味わかんないだって…?
840 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:24
「この鈍感!分からないんだったらね、言ってあげるわよ!!」
私の迫力によっすぃは、目を大きくして私を見ている。
「なんなの!最近のあんた!!」
「あ、あんた〜?」
「うるさいっ!なんなの!?私のことは抱きしめもキスしたりも最近はしてこないわよね!!
 それなのに、どうして紺野にはするわけ!?」
「はぁ…」
「言っておくけど、私は、別に妬いてるとかじゃないから!!
 別によっすぃがキスをしてこなくても何とも思わないし!!!!!!!」
「う、うん…」
「それに、うまくいく条件が全くそろってなくても全く気にもしないし!!!!」
「条件?」
「そうよ!もう別にどうでもいいけどね!」

はぁはぁ、勢いで喋ったら息がきれちゃったわよ…。
よっすぃは、ただ呆然と私を見ていたかと思えば、黙った私に向かってすごく笑顔
841 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:25
そして、キス…
842 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:25
「え!?なに?」
「いやぁ、梨華ちゃん、キス迫ると嫌がるからさぁ。自粛してたんだけど」
「は?」
「でも、これで思う存分できるってわけだ!!」
もう、満面の笑みのよっすぃ。
843 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:25
「ちょっと!どう解釈したらそうなるのよ!?」
「だからさ、梨華ちゃんはキスがなくて寂しかったわけだ。」
「はぁ?」
「うん、そうゆうこと。もう嫌よ、嫌よも好きのうちだったとはな〜。
 梨華ちゃんってば、あまのじゃく☆」
「は?!」
あまりの展開に頭がついていかないんですけど…。
844 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:26
「んで、うまくいく条件ってなに?」
よっすぃは急に真顔で私に聞いてくる。
「え?あっと、矢口さんから聞いたんだけど…」
矢口さんから聞いたことをそのままよっすぃに伝える。
よっすぃは少しだけあごに手をあてて考えている。
845 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:26
「育ってきた環境・価値観・性格・趣味ね〜。別にどうでもいいんじゃない?」
「どうでもいい?」
やっぱり性格が違うわ…。
846 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:27
「うん、だって、あたしは梨華ちゃんのことが好きだし、梨華ちゃんはあたしのことが好きでしょ?」
悔しいけど、うなづかずにおれない。
「うん、じゃ、何も問題ないじゃない。うまくいくって!!ね?」
こ、このマイペースポジティブ…。それだけで終わったら私の悩んだ意味がなくなるじゃない!
847 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:27
「でも!好きなだけじゃ上手くいかない事ってやっぱりあると思うの!!」
「たとえば?」
「たとえば…」浮かんでこない…。
よっすぃは軽く私の髪を撫でる。
848 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:27
「思うんだけど。」
「なに?」
上から見られて少しだけ居心地が悪い。
「もし、うまくいかなくなったら、考えればいいんじゃない?2人で。」
「それは当然だけど」
「うん、でね、性格も趣味も価値観も違う2人が考えるってことは、2通り方法が生まれるってわけ」
「2通り…」
「そう。だから、あたし達は、性格も趣味も価値観もあっている矢口さん達よりも多く選択肢が
 あるし、もし、失敗をしても、もう1回うまくいくように頑張ることができるってわけ。」
「よっすぃ…」
「それでうまくいかないわけはなくない?」
自信満々のよっすぃの顔。
849 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:28
「よっすぃのバカ…」
「うん」
「でも…」
「でも?」
「…好き」
「あたしも♪」
850 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:28
全く違う2人だけど、きっとうまくいかないことも多いけど。
やっぱり私はこのバカな人とずっとずっと一緒にいたいです。
鈍感で私の気持ちには全く気付いてくれないし、浮気ばっかするけど。
でも、私を幸せにできるのは、よっすぃだけみたい。
851 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:28
「よっすぃ、ずっとずっと一緒に「あー――!!!亀井ちゃん発見!!」
気持ちを伝えようとした瞬間にさえぎられる私の言葉。
そして、亀井の元に一直線に走って行く恋人。
852 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:29
「このバカ!死んじゃえ!!!」
私は近くにあった電話帳を投げる。
853 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:29
ガコーン!!!!
854 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:29
「よ、吉澤さ〜ん!!!」またまた心配そうな亀井の声。

倒れたままのよっすぃ。
855 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:29
「アゴン、やりすぎだろ…?」
中澤さんの楽屋から戻ってきた真里っぺが隣にいた。
「いいんです。あれくらいやらないと分からないんですから!」
「あ、そう…」
856 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:30
そんな愛に満ちた日常
857 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:30
858 名前:うまくいく条件 投稿日:2004/03/09(火) 14:30
おしまい
859 名前:extra 投稿日:2004/03/09(火) 14:33
お粗末様でした。
結構、容量は残りましたね。
でも、今回で区切りとさせていただきます。
このような駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
レスをつけてくださった方、励まされました。ありがとうございます
まだまだ書きたいものがあるので、また戻ってくるかもしれません。
その時は、また読んでいただけると嬉しいです
それでは、お付き合いありがとうございました。
860 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/09(火) 16:06
毎日の更新、とっても楽しみでした。
お疲れ様です。
いろんないしよしが楽しめて、extraさんの文章が好きでした。
復活を、とても心待ちにしています。
861 名前:ひらの 投稿日:2004/03/09(火) 19:35
更新お疲れ様でした。
そして今まで楽しい作品ありがとうございました。
また是非戻ってきてくださいね。
首を長〜〜〜くして待ってますから!
extraさんの自称一番のファンより
862 名前:名無し飼育 投稿日:2004/03/09(火) 20:31
レスは久々になりますが毎回楽しませてもらってました。
今回も面白かったです。やっぱいしよし(・∀・)イイ!!
もっとextraさんの作品は一段落してしまうようですが
楽しみにしておりますので、ぜひともまた書いてもらいたいです。
863 名前:extra 投稿日:2004/03/10(水) 19:34
スレが残っているのは悪いな〜ってことでアンリアルないしよしを。
30分程度で書き上げてしまったものですので、突っ込みどころは満載だと思いますが
目をつぶっていただけると嬉しいです。w

レスは最後につけます。では。
864 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:35
     
865 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:35
(^▽^)side

着ている服は、今月号の雑誌に取り上げられたやつ。
持っているバックは、某ブランドのもの。
身につけている時計は、ン十万もするもの。
通ってる美容室は、有名人御用達の美容室。
週に1回のネイルサロンに月に1回のエステ。
頭の先端からつま先まで、私の体はお金がかかっている。
866 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:35
街を歩けば、誰もが振り返り、溜め息を漏らす。
それが快感。
867 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:36
「しかし、どうしてそんな梨華ちゃんの恋人がアレなのかね〜。引きたせ役?」
「でも、限度ってもんがあるでしょう?」
そうなんです…。
そんな私に問題があるとすれば、恋人。
「だって、告白された時になんとなく納得させられちゃったんだもの」
話をしていた、柴ちゃんと斎藤瞳先輩は目を合わせ呆れた顔。
「「なんとなくって…」」
868 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:36
石川梨華19歳。華の女子大生です。
3度の飯よりもオシャレ。
睡眠よりも自分を磨くためにステップアップ中。
そんな私の恋人はと言えば、冬はジャージ。夏は甚平。
うっとおしい限りに伸びた前髪に眼鏡。
はっきり言ってダサイ…。
柴ちゃんにアレ呼ばわりされても、引きたせ役呼ばわりされても何も言い返せない。
869 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:36
「そりゃ、私だってどうしてこんなのと付き合ってるの?ってよく思うわよ」
「だけど、別れない」
斎藤先輩の言葉に続きを失ってしまう私。
「それが不思議なのよね〜。私だったら、一緒に歩くの恥ずかしいよ?どこがいいわけ?」
親友の柴ちゃんは、はっきりと物を言うタイプ。
もう少し遠慮ってもんをさ…
「さてと、私たちは次講義あるけど、梨華は?」
「ない」
「んじゃ、行くわ。」柴ちゃんと斎藤先輩は飲んでいたコーヒーの紙コップをゴミ箱に投げ、
仲睦まじく歩いて行く。
870 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:37
しかし、何で私あんなのと付き合ってるんだろ?
まず、あいつはダサイ。
んでもって、何か人よりも優れているというわけでもない。
まぁ、あえて言えば優しいだけ。
優しいだけの人。
んー、考えたらますます何で付き合ってるか分からなくなってきちゃった…。
871 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:37
「美貴は、よっちゃんさんいいと思うけどね〜」
さっきの会話を聞いていたのか、藤本がイチゴミルクのパックを咥えながら私の横に座った。
「聞いてたの?」
「まぁ、引きたせ役あたりからですけど。」
「あ、そう。」
もう飲み終わっているのに、横でなごり惜しげにズーズーと音を立てている。
872 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:38

「あのさ、そんなんなら、美貴によっちゃんさん貸して?」
「はぁ?」
「だってさ、今日のダンパに美貴、一緒に行く相手いないんだよね〜」
「ダンパって今日だったっけ?」
1年に一度のイベントのダンスパーティ。
私の勝負の場でもある!!!どれだけ人の目を引けるかにかかってるの!!
「うん。」
「貸してあげる!貸してあげる!!」
873 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:38
あんなダサイのと一緒にいったら逆の意味で目を引いちゃうわよ!!
ここは、早く連絡取らなきゃ!
「本当に?」
「うんうん。貸してあげる。だから、適当によっすぃと連絡とってみて!私、準備に行かなきゃ!」
私としたことがすっかり忘れてたわ!!
もう!今から美容室に行っても間に合うわよね!
あとは、保田さんに連絡を取って…。
あー!しなきゃいけないことは山ほどだわ!!!
874 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:38

(0^〜^0)side

「ってなわけで、美貴がよっちゃんさんをお借りいたしました」
目の前でニッコリと微笑む美貴ちゃんさん
「はぁ、なるほど。」
「よろしくね」
「あー、でも、あたしと行っても楽しくないと思いますよ。ほら?恋人にもそんな態度取られる
 わけですから」
自分なりに丁重にお断りをしたつもり。
だが、美貴ちゃんさんは、あたしの眼鏡を奪い取る。
875 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:39
「ちょ、ちょっと!」
「やっぱりね!」
美貴ちゃんさんは、ニンマリ笑う。
そして、あたしから奪い取った眼鏡をかける。
「この眼鏡はダテ眼鏡だと思ってたんだよね〜」
「知ってたんですか?」
「最近ね。でも、理由は今わかったんだけどね」
あたしの頬に手を添えて、グイっと近づける。
「この茶色の目を隠すためでしょう?」
近すぎる美貴ちゃんさんの顔。
「さぁ。」
頬に添えてある手をはずして態勢を整える。
「梨華ちゃん、びっくりさせちゃわない?」
「はいぃ?」
「あのね、ぶっちゃけ、その目を隠すためだとしても、今のよっちゃんさんは、かなりダサいの!」
「だ、ダサいっすか?」
深くうなづく美貴ちゃんさん。
876 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:39
「で、梨華ちゃんはアレでしょう?」
「まぁ、アレですね…」
「分かってるなら早いじゃない!もうその眼鏡はずして!髪も時間がないから美貴が切ってあげる!」
「えぇ!?」
「いいから。いいから。美貴を信じてね!!」
美貴ちゃんさんに腕を掴まれ、半強制的にダンパ参加決定です。
877 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:39
(^▽^)side

保田さんにアポも取れ、美容室でセットも完璧。
少し早めに着いた会場で、私と保田さんは注目の的。
それも計算済みなんだけど♪
私を迎えに来てくれた保田さんは、かなりかっこいい。
おしゃれだし、エスコートも完璧。
黒のスーツを綺麗に着こなして、私の手を取ってくれる。
これよ!これ!私が望んでいたのは、こうゆう事!!
878 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:40
「おぉ、梨華ちゃん、気合入ってるね〜」
そう言って声をかけてきたのは、ブルーのドレスを着ている柴ちゃん
「そうゆう柴ちゃんもじゃない?」
「まぁね。年に一度だし。って、横の人は誰?」小声で聞いてくる
「紹介するね。保田さん!」
柴ちゃんが来たので、少しだけ距離を置いてたっていた保田さんを呼ぶ。
ゆっくりと振り返り笑顔を作ってこちらに歩いてくる姿はやっぱり素敵!!!
「かっこいいじゃん!」
でしょ?でしょ?
879 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:40
保田さんは、柴ちゃんの前に立つと小さくお辞儀をする。
「初めまして。保田です。石川とは高校が同じだったんですよ」
そう言って、保田さんは優しく私の頭の上に手をおく。
あまりにもスマートな動きにさすがの柴ちゃんも言葉を失っているみたい。
「石川。こちらのお嬢さんは?」
言葉を失ってしまっている柴ちゃんに代わって、私が柴ちゃんを紹介する。
保田さんはその間もニッコリと上品な笑みを浮かべ、私と柴ちゃんを見ている。
あぁ、大人…。
880 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:41
そんなシンデレラ気分の私に今一番聞きたくない声が…。
881 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:41
「やっぱり帰る!!」
「よっちゃんさん!何言ってんの!ここまで来て!」
「やっぱりヤダ!!」
「美貴が1人になっちゃうじゃない!!」
入り口の方から聞こえてくる痴話ケンカ…。
882 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:42
「ねぇ、さっきの声ってよっすぃじゃないの?」
柴ちゃんが保田さんに聞こえないように耳打ちをしてくる。
「そうみたいね・・」
恥ずかしいやつ。どうして保田さんみたいにスマートに振舞えないの?
883 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:42
「どうしたの?怖い顔して。」
「え?」
気付くと私は腕を組んで入り口辺りを睨んでいたみたい
「せっかく綺麗なのに台無しよ?」
「ははは…何でもないです」
あのバカのせいよ!!!
保田さんの方を向き、笑顔を浮かべようとした瞬間。

会場から上がる溜め息と黄色い声。
884 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:42

(0^〜^0)side

美貴ちゃんさんに腕を掴まれ強引に会場の中へ。
聞こえてくる声、声、声。
「美貴ちゃんさん、やっぱりあたし浮いてるんじゃないですかね?」
「いいから、黙っていて」
「…はい」
885 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:43
(^▽^)side

「なにあれ・・・・?」
私たちの目に入ったのは、髪を上げてオールバックにし、ストライプのスーツを着こなしているよっすぃ。
初めて見た眼鏡をはずしたよっすぃは、少しだけ日本人離れをした整った顔。
「あれま、これは美男美女が登場したものね」保田さんは目を細め、美貴ちゃんとよっすぃを見ている。

保田さんの声でやっと我を戻し
「何言ってるんですか?私と保田さんだって十分すぎるほどですよー」
そう言う私に保田さんは軽くこづく。
「自分で言ってたら世話ないわよ」
886 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:43
(0^〜^0)side

なんだよ、楽しそうに話しちゃって。隣のやつ誰だよ…。
梨華ちゃんに触れやがって…。
梨華ちゃんだって、梨華ちゃんだよ。あんな嬉しそうな顔しちゃって。
むかつく…。
「よっちゃんさん!」
「あぁ、はい。なんでしょう?」
「今日の相手は美貴なんだから、美貴を見ていること!」
美貴ちゃんさんは、あたしの前で指を立てる
「承知いたしました。」
美貴ちゃんさんに手を差し伸べ、いざ、パーティへ!!!
こうなったら、梨華ちゃんに負けないくらいに楽しんでやる!!!
887 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:43
「ね?よっちゃんさん」
美貴ちゃんさんが袖を少しだけ掴んで小さく呼ぶので、少しだけかがみ口元に耳をもっていく。
888 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:44
「「「「「キャー――!!!」」」」
889 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:44
(^▽^)side

「梨華ちゃん見た!?今、美貴ちゃん、耳にキスしたよね?!」
「見てない」
実はバッチリ見ていましたよ、もう見ちゃいましたよ。
そんで、しかも、バカみたいに動揺しちゃってますよ…。
動揺を押さえるために髪を直すも、おさまらない。
890 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:44
「最近の子はなかなかやるわね。」
いけない、今は保田さんと一緒。動揺なんかしてる場合じゃない。
「そうですね」ニッコリ保田さんに微笑む。
「石川、踊りましょうか?」そう言って保田さんは手を差し伸べてくれる。
微笑み、手を受け取る。
どうせ、あのバカはこうゆう場に慣れていないのはず!
もう少ししたら、上手くエスコートできなくてボロが出るはず!!
891 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:45
(0^〜^0)side

「よっちゃんさん、いい?話し掛けられたら笑顔で答えること!」
「御意。」
そんなときにあがる悲鳴のような歓声のような声。
なんだ?何があった?
姿勢を正して会場を見渡すと、梨華ちゃんをエスコートして踊っている二人。
あぁ、そうゆう事ね。
ふざけんな!!!
何、梨華ちゃんの手を握ってんだよ!!
892 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:45
「よっちゃんさん、美貴、ちょっと友達のところに行ってくるからここで待っていて」
「はい。」
「それから、誘われても断ってね!今日のよっちゃんさんの相手は」
「美貴ちゃんさんです」
「分かってるならよろしい」満足気に笑い、美貴ちゃんさんは友達らしき人の方へ行く。
893 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:45
あたしは言われたとおりに、壁にもたれ美貴ちゃんさんを待つ。
そんな中、目に入るのはすごく楽しそうな梨華ちゃん。
梨華ちゃんは一度もこちらを見ない。
きっと、あたしがここにいることも気付いてないかもしれない
梨華ちゃんの恋人はあたしなのに、あれじゃあ、まるであいつが恋人みたいじゃないかよ…。
894 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:46
「あ、あの!」梨華ちゃんを見ていると、横から聞こえてくる声。
「はい?」声の方向を見ると、5〜6人の女の子。
う…。なんだよ、ちょっと怖い…。
『よっちゃんさん、話し掛けられたら笑顔!』美貴ちゃんさんの忠告が頭に浮かぶ
うん、とりあえず、笑顔。笑顔。
「何でしょう?」笑顔、笑顔。
「何学部なんですかー?」
「文学部です。あなたは?」笑顔、笑顔。
「かっこいいーー!!」いや、あたしの質問はスルーですか…?
文学部とか別にかっこよくないでしょう…。
895 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:46
(^▽^)side

保田さんの肩越しに見えるあのバカの嬉しそうな顔。
そうですか、女の子に囲まれているのがそんなに嬉しいですか。
今までにないことですものね。
あの子たちもあの子たちよ!
今までは見向きもしなかったくせに!!
そりゃ、今日のよっすぃの変わりぶりには驚くけど、そんなに騒ぐことでもないでしょう。
私を見なさいよ、私だって、こんなに綺麗にして、こんなに素敵な人と一緒なのよ
気に入らない!!
896 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:47
川VvV)side

「美貴ちゃん!」
「あー、柴ちゃん、どうよ!美貴の王子様は!!」
美貴は、少し離れた場所で笑顔で話している吉澤を見て言う。
「いや、ものすごいBefore・Afterを見せられた気分。」
「ん〜。なかなかでしょ?」
「いや、驚きで声も出なかったよ…」
柴田も目を細めながら、吉澤を見る。
美貴と柴田に見られたことに気付いたのか、吉澤は美貴に向かって、小さく手を上げる。
それに対して、美貴も小さく手を振る。
897 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:47
「元がいいのは、美貴も気付いてたんだけど、さすがにあそこまでとは思ってもみなかったよ」
満足気な美貴の顔。
「まぁね。あのうっとおしい前髪にあの顔が隠れているなんて気付きもしないし。」
「でしょ?んで、肝心の梨華ちゃんの反応は?」
美貴の目には、わくわくと表現するのが一番いい色が浮かんでいる。
「びっくりしてたよ。」
「それだけ?」
「だって、ほら、今日の梨華ちゃんの相手もね?」
そう言った柴田の目の先には、保田のリードで踊る二人の姿。
「ん〜、微妙に負けている気もするなぁ」
「経験の差でしょう?大人だったし。」
「まぁ、いいっか。これ次第ではよっちゃんさんは、美貴のものになるかもだし〜♪」
美貴はそう言い、鼻歌まじりに吉澤の下へ歩いて行く。
898 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:47
(0^〜^0)side

「一緒に写真とか撮ってもらえますかぁ?」
「いや、あたしなんかと一緒に撮ってもね…?」
「お願いしま〜す!!!」
あたしの隣を代わる代わる違う女の子が並び、写真を撮って行く。
ちゃんと名前を教えてもらっているものの、顔を覚えるのが苦手なあたしとしては、
みんな同じ顔に見えてしまって。
899 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:48
「よっちゃんさん!」
助け舟!!
「ごめんね、今日はあの子と一緒だから。また。」美貴ちゃんさんに言われたままに笑顔を
絶やさなかったあたしは偉いと思う。
「よっちゃんさん、あっちで料理が出てて、ベーグルあったよ!」
「まじよほ!?」
「まじまじ!行く?」
「行く!行く♪」
んなわけで、ベーグルに釣られたあたしは、今までのことも忘れ、これから来ることにも気付かず
美貴ちゃんさんと一緒に鼻歌なんか歌ってるわけで…。
900 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:48
(^▽^)side

「石川。少し休みましょうか?」
「はい」
保田さんは、いつでも笑顔でいつでも大人。
少しだけ私が疲れているのにもすぐ気付いてくれる。
そして、きちんと左腕を差し出して、私もその腕に自分の腕を絡ませてドリンクが置いてある場所に行く。
901 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:48
夢見心地の私の目に映ったのは、軽快な足取りで美貴ちゃんと鼻歌なんか歌っているバカ。
お願いだから、今日は声かけないで。
「梨華ちゃん、どうも〜♪」
しかし、願いは届かず、笑顔で美貴ちゃんは私に声をかけてくるじゃありませんか。
「あ、どうも。」
「あれ?石川知り合いだったの?」
「えっと、まぁ。」
チラっとよっすぃを見ると、ベーグルに夢中でまだこっちには気付いていない様子。
お願いだから、気付くな!!
「よっちゃんさん!ちょっと、ちょっと。」
神様は、いないのでしょうか…?
美貴ちゃんに呼ばれたよっすぃは、ベーグルを咥えたまま振り返り、私を見て、眉をしかめる。
902 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:49
(0^〜^0)side

美貴ちゃんさんに呼ばれ、振り返れば、あら?石川さん♪
って、何で腕なんか組んでるんだよっ!!!
んが、痛い!!!
足にものすごい激痛を感じ、美貴ちゃんさんの方を見ると『笑顔』とのこと。
ヒールは痛いって…。
これ以上、踏まれても困るので必死で笑顔。
903 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:49

(^▽^)side

「梨華ちゃんとは、専攻が同じなんですよ!ね?」
美貴ちゃん、何を考えているんですか…?
「そうなの?さっきまで石川と美男美女って話してたところなのよ」
「えー!?美男美女ですかぁ?」
そう言って美貴ちゃんはよっすぃの腕を掴む。
よっすぃは、笑顔のまま美貴ちゃんを見て「そんなことないですよ」とのこと。
904 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:49
笑顔ね〜。私が保田さんといても『優しいよっすぃ』のままなわけね?!
「ね?美貴ちゃん、私たちも結構なものでしょう?」
保田さんの腕を取る。
「石川、さっきも言ったけど、自分で言ってたら世話ないわ」
保田さんは少しだけ飽きれ顔で私を見てくる。
「うん!よく似合ってるよね?よっちゃんさん」
「あぁ、うん。」
少しだけ眉をしかめたように見えたのは気のせい?笑顔のままのよっすぃにイライラする。
こんな時まで優しいなんてバカじゃないの!?
905 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:50
「それじゃあ、若い2人の邪魔をしたら悪いから行きましょうか?」
保田さんはソッと私の肩に手をまわす。
「ちょっと!!」
906 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:50
(0^〜^0)side

って、梨華ちゃんの肩を抱いたのでむかついて、声を出したのはいいけど何を言えばいいんだろう…。
ここで「梨華ちゃんはあたしの恋人だ」なんて言ったら、梨華ちゃん怒るよなぁ…。
「なに?」
保田さんが少しだけ眉をしかめている。
うぅ、そりゃそうだよなぁ…。
「あーっと、ゴミ。そう!ゴミがついてます。あはは…」
907 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:50
(^▽^)side

ゴミ!?
なにそれ!?保田さんのスーツにゴミがついているわけないじゃない?
何て意気地なし!!!

よっすぃの乾いた笑いの隣で美貴ちゃんが睨んでいる。
908 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:50
(0^〜^0)side

情けな…。何やってんだろう…。
かっこわる。んで、彼女が他の人と腕を組んでいるのに笑っているあたしは超バカ。
でもさ、梨華ちゃん、あんなに綺麗にしてきたんだもの。
ここで何か言ったらきっと気を悪くするよな…。
うん、これでいいんだ。
909 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:51
落ち込んでいる自分を励ましていると、飽きれ顔に少しだけ怒りがこもったような顔で美貴ちゃんさん。
「ごめんなさい。何か反射的に…」
保田さんに肩を抱かれながら、歩いて行く愛しい梨華ちゃんの背中を見送り、
今日のパートナーである美貴ちゃんさんに謝罪。
910 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:51
そうだよ、あそこで何かしてたら美貴ちゃんさんにまで恥かかせちゃうよな。
うん、あれでよかったんだ。
911 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:51
「もうバカだよね。よっちゃんさんって。」
「重々承知の上です」しかも、さっき自分で再確認までしてしまいました。
もっと怒られると思ってたのに、美貴ちゃんさんはあたしの背中を2、3度叩くだけ。
「まぁ、知ってるならいいけどね。美貴の友達によっちゃんさん紹介するから来て」
「あぁ、はい。」
美貴ちゃんさんに言われるがままに後をついていく。
912 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:52
(^▽^)side

なにあれ?
意気地なし。
優しいだけなんて最低につまらない!!!

なんだか、私はさっきのよっすぃの反応と行動にイライラしてきた。
あそこで王子様みたいに私をさらって行ってくれれば見直しもしたのに。
なんなの!!!
913 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:52
「よっすぃ!!行くわよ!!」私は気付くと美貴ちゃんと一緒に談笑をしているよっすぃの腕を引っ張っていた。
保田さんとか周りの人が色々言ってたけど、そんなの全く耳に届かなかった。
まるで私が王子様でよっすぃがお姫様みたいじゃない
私はいつでもお姫様でいたいのに!!
914 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:52
(0^〜^0)side

梨華ちゃんに腕を引っ張られ、何がなんだか分からないままに着いたのは会場の中庭。
少しだけの照明が申し訳なさ程度にある噴水を照らしているだけで梨華ちゃんの表情は見えない。
えっと、梨華ちゃんが嫌がるようなことはしてない。
でも、あたしの腕を持つ梨華ちゃんの予想外に強い力を考えると怒ってるっぽいよな…。
「あの梨華ちゃん…?」
あたしの声でやっとこっちを向いてくれた梨華ちゃんは予想以上に怒っている顔…。やばい。
915 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:53
(^▽^)side

「ごめんなさい!!!」反射的にも出たようなよっすぃの言葉。
は?何でここで謝るわけ?
よっすぃのその言葉で余計にイライラする。
「あのさ!何でいっつもヘラヘラしてるわけ?」
「えぇ?してる?!」
「バカじゃないの!?してるじゃない?私が他の人とダンパに来てもヘラヘラ。
 肩を抱かれても、腕を組んでてもヘラヘラヘラヘラ!!!」
「あぁ…はい」
申し訳なさそうに小さくなるよっすぃ。
「気に入らないなら、気に入らないってはっきり言えばいいじゃない!?なんなの!?ゴミって!
 意気地なし!!」
私の言葉でハッと顔を上げ、何かを言いかけたよっすぃの口はその言葉を飲み込んで、また下を向く。
916 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:53
情けない。どうして本当に私はこんな人と付き合ってるんだろう!?
私はいつでも守ってほしいし、頼りになる保田さんのような人が好きなのに。
917 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:53
(0^〜^0)side

あぁ、何かフラれる予感がヒシヒシとするんですけど・・。
確かにさっきのあたしはものすっげー情けなかったっす。
でも、それは梨華ちゃんが嫌がると思ったから。
連れ去っていいなら、会場に入ったときにすぐ連れ去ってたし…。
いや、そんなことを考えている場合じゃない!なんとか梨華ちゃんの機嫌をとらなくちゃ!
918 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:54
「梨華ちゃん、今日も綺麗だね」歯が浮くような台詞。
うわ…。自分の顔が赤くなるのがすっげー分かるよ。
もしかして、本当に情けなくてヘタレ?
目の前の好きで好きで仕方ない梨華ちゃんは、溜め息。
うわっ…。最悪の展開?!
919 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:54
「本当に情けない。それ今言う言葉じゃないし、その上、私はいつでも綺麗だし。」
「はぁ…」
「それから私は守ってくれるような頼りになる人が好きなの」
「…うん」保田さんみたいな?
「保田さんみたいな人。」
ビンゴ。しかし、景品は貰えず、代わりに大切な人がいなくなる。
多分、今のあたしは誰よりも何よりも小さくなってるし、誰よりも何よりも比べ物がないほど情けない
920 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:54
「よっすぃみたいな情けなくて頼りにならない人は嫌。」
「すいません…」
921 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:55
「だけど、しょうがないから、私が守ってあげるわよ!!」
922 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:55
「うへっ!?」今、何て言った!?
923 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:55
(^▽^)side

よっすぃが小さくなる姿でやっと思い出した。よっすぃが私に告白をしたきた日。
すっごく小さくなってて、その上、震えてもいて、
情けないって思ったけど、どうしてかかわいくて守ってあげたいってあの時の私は思った。
ダサイかっこうして、いつでも優しいだけ。
その優しさ故によっすぃが傷ついてしまうんじゃないかって思ったら、OKしてたんだ。
そっか。忘れてた。
私は格好悪いくらいに情けなくて、格好悪いくらいに優しいよっすぃを好きになったんだ。
924 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:55
(0^〜^0)side

「何不満なわけ!?」
目の前の梨華ちゃんは腕なんか組んじゃって、あたしを見ている。
「いや、まさかとんでもないです!喜びこの上ないです!!」
なんかお辞儀なんかしちゃってるあたし。やっぱり情けない。
「ただし、条件があるの!」
「じょ、条件すっか?」
梨華ちゃんがグイっとあたしの頬を引っ張る。
「ひひゃいれす…」
「私のためにかわいくかつ格好よくかつ綺麗になる努力をしなさい!」
「あ、ひゃい。」
「それから、眼鏡は私以外の人の前ではかけてて」
「なんれ?」
「よっすぃの目は私だけ映していればいいでしょ?」
ニッコリ笑って梨華ちゃんは手を離す。
925 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:56
赤くなったあたしの頬。痛みの熱か梨華ちゃんがあたしにくれた熱か。
あまりのことに呆然としているあたしに梨華ちゃんは「不満は?」
「全くございません!!よろしくお願いします。でも、いいんすか?」
「しょうがないでしょ?私以外にこんなにも情けないよっすぃの面倒を見てくれる人いるわけ?」
「いや!いないっす!いるわけないです、はい!!」
「じゃあ、しょうがないでしょ!」
926 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:56
(^▽^)side

「そうっすね」そう言ってよっすぃは綺麗な目を細め笑う。
うわ…。改めて、近くで見て思うけど、すっごい今日のよっすぃはかっこいいかも…。
「あ、梨華ちゃん、目つぶってくれる…?」
すごく言いづらそうに恥ずかしそうなよっすぃ。
もしかして…?き・す?
高鳴る胸を抑え、私は目を閉じる…、よっすぃの手が頬に触れる。
ドキドキしてるよね?私…。
927 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:56
    
928 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:56
「はい。まつげ取れたよ!」
待っていた暖かくて柔らかい感触はなく、聞こえてくるのは嬉しそうな声。
「は!?」
「いや、だからまつげ…だけど。」
私の高鳴った胸が…。私のときめきが…無駄…?
でも、申し訳なさそうにしているよっすぃがなんか愛しくて。
929 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:57
(0^〜^0)side

いでぇ!!
思いっきり梨華ちゃんにネクタイを引っ張られる。
何がなんだか状況が把握できないまま、唇には暖かい感触。
えっと、これはあれだろう?うん、あれに決まってる。
キ ス だーーーーーー!!!!
930 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:57
やっとネクタイを離してもらい、やっと自由になるあたしの体。
梨華ちゃんはハッとしたように口を押さえたまま何も言わない。
「あーっと!!」
あたしの声に梨華ちゃんの体が反応しているのがわかる。
「あたしは情けないです。でも、近いうちに強くなって梨華ちゃんが頼れて、しかも、梨華ちゃんを
 守れるようなあたしになります。だから、それまではよろしくお願いします」
体育会系のノリで頭を下げる。
「しょうがないけど…いいよ」梨華ちゃんにさっきまでの迫力はない。
931 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:57
「あっと、しょうがないついでに。」
「なに?」
「キスしてもいい?」あたしの言葉に梨華ちゃんは少しだけ目を大きくした。
でも、すぐにあたしの大好きな自信のある梨華ちゃんの顔になる。
「いちいち、聞かなくていいの。情けないんだから。でも、しょうがないから…ね?」
「はい。すいません」
あたしは震える手で梨華ちゃんを抱き寄せて唇を寄せる。
今日はあたしがスーツで梨華ちゃんがドレスだから、まるで王子様とお姫様みたい。
いや、待てよ。違う。
932 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:58
(^▽^)side

よっすぃは唇が離れたあとも、私のことをじっと見つめてくる。
「な、なに?」いつもとは違うよっすぃに少しだけ緊張してしまう。
「いや、梨華ちゃんはあたしの王子様だなぁって。」
「なにそれ?」
「守ってくれるんでしょ?」
よっすぃは嬉しそうに笑う。だから、私もつられて笑ってしまう。
「そうね。」
「でも、そのうち、あたしが梨華ちゃんの王子様になるから。」
「期待しないで待ってるわ」
「あ、そうしていただけると助かります」
933 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:58
全く情けない人。
でも、私が守ってあげるから。
あなたが周りに私にくれる優しさを私がその倍にして返してあげる。
ずっと守ってあげる。
934 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:58
     
935 名前:王子様とお姫様 投稿日:2004/03/10(水) 19:58
おしまい
936 名前:extra 投稿日:2004/03/10(水) 20:04
>860 :名無飼育さん
文章が好きだなんてありがとうございます。今回で本当に終わりになります。
残りの容量も良い感じですし。w
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
また、お会いできることを楽しみにしています。

>861 :ひらのさん
自称一番のファンですか?w
それは嬉しい限りです。少しの間、ネタを溜めて、また戻ってきます。w
その時はよろしくお願いします。
長々ありがとうございました。またお会いしましょう。

>862 :名無し飼育さん
やはりいしよしはいいですよね!私もまだまだ魅力に取り付かれてしまっています。
キモイですね。w
また楽しんでいただけるような作品を引き下げて戻ってきますので、
その時はまたよろしくお願いします。

レス、また読んでいてくださっていた方々本当にありがとうございました。
皆さんに満足していただけたかは分かりません。
ですが、毎回のレスに励まされていました。
本当にありがとうござました。
     3月10日  extra
937 名前:extra 投稿日:2004/03/20(土) 23:33
青板にzeroという新スレを立てたので良ければ遊びに来てください(^▽^)
938 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/29(木) 12:26

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