第三せいさく

1 名前:亭主元気でお日柄が良い 投稿日:2004/03/01(月) 13:53
川o・-・) 構成上一気に更新できないので、隅の方で進めます。
あと、作ってた時期が少し前なので、時間の感覚が少しずれてます。

それでは、あまり長くならないうちに始めましょう。
2 名前:永久機関の作り方 投稿日:2004/03/01(月) 13:57
永久機関 【えいきゅうきかん】

第一種永久機関は、外部へ何らの変化も残さないで周期的に運転して外部に仕事をする機関。
第二種永久機関は、エネルギーを熱として受け取り、これを仕事に変えるだけでほかに変化を残さない機関。
第一種・第二種ともに、つくることは不可能であることがわかっている。

三省堂提供「大辞林 第二版」より
3 名前:永久機関の作り方 投稿日:2004/03/01(月) 13:58


主演 モーニング娘。

 
4 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:06
最初のきっかけ・・・・なんだったんだろう?

友達でも、知り合いでもない。
気がついた時には『ライバル』で、その後すぐに『仕事仲間』になって・・・・
変な始まり方だったからね。

だから気がつかなかったのかな?
分からなかったのかな?
5 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:06
仲良くなろうとする前から一緒だったね。
でも、友達になるのって、もっと違うんだよね。

最初に何か共通するものがあって、そこから他のことを知っていく。
で、もっと仲良くなりたいと思って、そこから一緒になる時間が増える。

でも、気がついたら五人集められて、一組になって・・・・
最初に『一緒に居ること』を決められたスタートで・・・・

びっくりする暇さえなかったね。
6 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:10
それからなっちとは長い付き合いになった。

一通り仲良くなった。
とりあえず喧嘩した。
嫌になるくらい仲悪くなった。

おかげで、誰よりも嫌な部分を知ってるつもりだよ。
親友なんかじゃ絶対分からない『一緒に居過ぎて見えてくる嫌な部分』とかもね。

だから、絶対に、純粋に『好き』っていう気持ちには戻れない。

それは絶対にそう。
でも、そのかわり、どんなに嫌でもなかったことにできなくなった。
そんな強い関係になった。

いろんなことの末に落ち着いたこの関係。
これがずっと続いていくんだと思ってた。
7 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:10

でも・・・・ふっと・・・・思っちゃったんだよね・・・・
 
8 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:11
いつだったかは覚えてないや。
たぶん、忙しかった日で、夜遅く家に帰った(いつものことけどね)時だった。

そんな日に、ふっと立ち止まってみたんだ。
振り返ってみた。
私がこれまで過ごしてきた時間を。

いろんなことがあった。
本当に、いろんなことがあった。

それを一緒に過ごしてきたのは、なっちだけになってたね。
9 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:12
そうなんだよね。
ああ、そうなんだ。

そんなことに思い当たったんだ。
そうしたら、急に分かったような気がした。
自分の世界が一気に変わってしまったことが。

大切にしてたもの、嫌な思い出、忘れたくない言葉、綺麗だと思った景色・・・・

そういうのが、全部ごちゃ混ぜになって、頭の中に散らかった。

慌てたよ。
慌てて整理した。
で、思ったんだ。

そのどれもが捨てられないものだった。
嫌なものも全部、もう一度自分にしまい込むしかなかった。
そのすべてが大切だったから。
10 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:13
どんなに良い思い出だって、昔のことになる。
そしてなくしていく。

悪い思い出も、もちろん同じ。
いずれ消える。

だったら、良い思い出が大切なんじゃない。
悪い思い出だからいらないんじゃない。
作られていくもの全部が大切なんじゃないかって。

そんなふうに思ったんだ。
11 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:14
よく言ってた『腐れ縁』なんて、最初は嘘だった。

同じ北海道で、同じ歳で、同じ月に同じ場所で・・・・
偶然一緒だっただけで、説明がめんどくさいから『運命』とか言ってた。

でも、少し信じる気になっちゃったのかな?
その『めんどくさい』と思ってたものが『運命』だった?
12 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:15
私は弱くなったのかも知れない。

昔の私ならさ、こんな思いは無視してたと思うんだ。
なんでも自分一人ですることが『強い』ってことだと思ってた。
たとえ『運命』ってやつが相手でも、そんなの関係ないって思ってた。

でも、今の私には必要なんだ。
いらなかったものが必要になった。

それでも・・・・いいや。

こっちの方が楽しそうだしね。
これが余計なことだなんて思ってないよ。
13 名前:飯田圭織 投稿日:2004/03/01(月) 14:20
そういうこと。
そういうことを改めて言っておきたくて。

安倍なつみさん。
これからもよろしくね。
14 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:24
かわいいと思ったからかな・・・・
きっと、そんな単純なことだったのかな・・・・
覚えてないよ〜
15 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:26
矢口って小さいでしょ?
本人もそう言ってるし、実際に、誰が見てもその通りでしょ?

それって、嫌なことだったと思うんだ。
馬鹿にされただろうし。
でも、それが武器になることが分かったんだね。

そんな簡単なことじゃないのは知ってる。

でもさ、昔から薄々感づいていた?
それを思い切ってやる機会がなかっただけだったのかな?

そういうのを、きっと、この仕事を始めてから有効に使うようになったんだね。
自分のことを『どう使えば人を惹きつけることができるか』ってね。
一緒にやってて、どんどん上手くなるのを近くで見てきたから分かるんだ。

で、その矢口の作戦に、見事にはまっちゃったんだな。
安倍さんは。
16 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:26
身長のことを言うなら、私も人のこと言えない。
結構(いや、かなり)小さいよ。

でも、矢口と並ぶと、私の方が大きいんだよね。
縦にも横にもね。
悔しいけど。

仕事の経験値も私の方が大きい。
だから、ドンと構えていなきゃいけないのは、私。
それに、矢口を惹きつけなきゃいけないのも、私の方。

の、はずなんだよね・・・・
17 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:27
矢口は積極的にかわいいんだよね。

自分に気がつかない人がいたら、こっちを振り向かせてしまうような。
そして、認めさせてしまうような。
そうしないと気がついてもらえないと思ってるみたいに。
そう疑いたくなるくらい一生懸命に。

『小さくて見えなかった』

それはギャグですよ?
分かってますか?
18 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:28
私は『じっと待ってる』かな・・・・
矢口とそこが違うんだよね。

『気がついてもらってないってことは、分かってもらえない』

そんなふうに考えてる。
相手は私に興味がないんだと思ってしまう。
そんな人を無理して引っ張り込んでもしょうがないって思う。

自発的に興味を持ってくれる人をじっと待ってる。
そして、そこを逃さないように。

そんなふうに考えてるんだ。
だから、いつ見られてもいいように身構えてるんだ。
19 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:29
もちろん、何もしないわけじゃないよ!
何も発信しないわけじゃない。
ちゃんとそういう方法だってあるつもりだ。

だから、自己紹介は巧くなった。

『始めまして、安倍なつみです。「なっち」って呼んでください』

ねっ?
これをとびっきりの笑顔でね。
20 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:29
これがなっちの作戦。

上手くいく時もあるし、そうでない時もある。
でも、まあまあ有効なのは本当だよ。
勧めたりはしないけど、困った時には無難だと思う。

でもさ、いつだって、これだけじゃ十分成功したりなんかしなかったな。

理由は分かってる。
本当は、私も矢口も、そんなに変わらないんだもんね。
同じように小さいんだ。
でも、私は、そのちょっとの差に余裕を持ち過ぎてたんだ。
21 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:30
威張れるほど違わないんだ。
私達って。
だったら、私だって一生懸命やらなきゃいけないんだ。
でも、矢口の背中を見ているだけで安心してる自分がいたんだ。

『矢口があんなに頑張ってるんだから、私はいいか』

いや、ちっともよくないぞ!!
すごく馬鹿らしいけど、そんなふうに気を抜いてた。
22 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:30
私だって成長したい。
自己紹介で振り向いてくれないんだったら、もっとすごいことをやってやる。

だから・・・・矢口を見習おうかなって。

私だって小さいんだ。
一生懸命『ここにいる』って言ってみようかなって。

ずいぶん時間がかかって・・・・今更だけどね・・・・
23 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:31
あとさ・・・・できればだけど・・・・矢口も私のことをそんなふうに見てくれてる?
私はいいライバルになれてる?
いい手本になれてる?

呆れてるよね?

『ようやくかよ!』って思ってる?
『散々放っておいて、必要になったら「ライバルになれ」だと!』って思ってる?

ごめん!
確かに私が悪い!!
24 名前:安倍なつみ 投稿日:2004/03/02(火) 13:31
でもさ、お互いに頑張ってきたよね。
で、モーニング娘。が新しくなるたびに乗り越えてきてつもりだよね。

だからさ・・・・そろそろ、また新しく頑張りましょうかってことなんだけど・・・・

駄目かな?
都合よすぎる?
25 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:38
偶然ですよ!
たまたまそうなっちゃっただけです!!
本当ですよ!!!
26 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:39
じゃあ、説明しましょうか?

『私はよっすぃーの教育係でした。
 だからそっちで手いっぱいでした。
 それに、よっすぃーも美人でしたからね』

これじゃあ・・・・少し弱いですね。
う〜ん・・・・じゃあ・・・・

『石川の担当になれなくても、なんとも思わなかった。
 まして、残念だったなんて・・・・考えもしませんでしたね。
 印象は薄かったです』

これでどうですか?
まだ弱い?
27 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:39
じゃあ・・・・きっかけを説明した方がいいですね。

やっぱり・・・・石川本人が変わったからだと思います。
それで、私がそれに気がついた。
それが正解だと思うんですけどね・・・・

でも『真面目な子だな』とは思ってました。
一生懸命練習してたしね。

さらに『どんなこと』にも真面目だった。
頑張らなきゃいけないこと以外にも真面目だった。
それが予想外でしたね。
28 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:39
器用ってわけじゃないし、うまくできているわけでもなかった。
それでも、めげずに頑張ってた。

どんなことでも。

そのうち、どんなことでも一番うまくできるようになってましたね。
びっくりしました。

それが最初です。
私の方からじゃない。
石川がそんなふうに変わっていったからですよ。
29 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:40
で、そうやって、自分の近くに変わっていく人がいるわけですよ。
当然、ちょっかい・・・・じゃなくて『一緒に頑張ろう』ってなるじゃないですか?

あと、同じユニットにもなれましたしね。
それで話す機会が増えたってのもありました。

ね?
やっぱり偶然でしょ?
30 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:40
思っていたより、ずっと勘のいいやつだった。
いいコンビネーションなんだから、楽しくないわけなんてない。
だから、ますます話すようになって・・・・

そんなふうに、すべてがいい方向に転がっていった。

そうやって、偶然に始まって、そのまま進んでいって・・・・って感じですかね?
確かに、途中からは私の意志だったというのは認めますけど。

当たり前のように好きになっていました。
31 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:41
ひょっとしたら、石川が『矢口さん』って呼ぶ声に毒を盛っていたのかも知れない。
とにかく、気がついた時にはもう遅かった。

一回・・・・本人に聞いてみたいな。

『本当に、すべては偶然だったのか?』

あいつ、なんて答えますかね?
たぶん笑われるでしょうね。
32 名前:矢口真里 投稿日:2004/03/03(水) 12:41
こんな感じです。

ほら、私からじゃないでしょう?
きっかけは偶然なんですよ。
私から好きになったわけじゃない。
偶然です!

でも、もし、そこに誰か人間の意志が働いてるとしたら・・・・
石川梨華でしょうね。

向こうが先に手を伸ばしてきた。
それも、それと意識させないうちに。

そして一刺し!

油断してたら・・・・絶対にやられますよ。
あいつには。
33 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 12:58
初めて会った時から、そう思ってましたね。

『あぁ・・・・この子は絶対に受かるな』

結果は思った通りでしたね。
そして、思いもよらず、私も受かっちゃった。

ややこしくなっちゃいましたね。
そうなってしまっては、嫌でも意識しなくちゃいけないわけですから。
34 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 12:59
まだ緊張の解けなかった頃。
その時間を『同期』として一緒にたくさんの時間を過ごしたのが決定的だったね。

そんなことになったら、どうしたって、他の人より身近になっちゃう。
もちろん、そんなことがなくても変わらなかったとも思うんだけどさ・・・・

年も近いし、性格もそう。
それだけで魅力的だったのは、もちろんそうなんだけど・・・・
35 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 12:59
四人の中では、私が一番年上だった。
本当はそういうのを気にしたくなかったんだけどね。
でも、言われちゃうんだよね。

『お前がしっかりしろ』

ずるいなって思った。
だって、みんな同じように何も知らないのにさ、私だけ言われて・・・・
そういうのは、プレッシャーだったよ。

だって、最初の頃は練習とかでもほとんど誉められなかったでしょ?
それに加えて、私だけ余計に怒られるんだよ!
つらいよ。
36 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:00
それならそれでもいい。
年上の分だけ私に何かできれば。
でも、そこはやっぱり、みんなまとめて『新メンバー』でね・・・・
そんなふうに考えちゃう私だったし・・・・

それなら、当然、プレッシャーのかからない位置の方がいいに決まってる。
みんなが先輩に甘えられるのが、すっごく羨ましかった。
私の教育係は保田さんだったし・・・・

いい人だよ!

でも、それが分かるのは、ずっと後だったからさ・・・・
だから、あの時はつらかった。
37 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:01
でも『不公平だ』とも言わなかったし、八つ当たりもしなかったつもり。

少しだけイライラして怒ったことはあったかな。
当然、あいぼんとののは聞くわけないし・・・・

でも、一番ショックだったのは何か分かる?

よっすぃーまで分かってくれないことだったんだよ。
年も近いし、頼りにしようかなって思ってたのに・・・・
38 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:01
『だめだこりゃ』

諦めやすい性格が、うまくはまったんだ。
素早く諦めて、切り替えた私。
それからは、なるべく自分のことを頑張るようになったんだよね。

無責任?
それはみんなもでしょ!?

目標は『同期でお互いに』じゃなくて『一人一人』になったよね。
あの時から。
39 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:01
あの頃から、ずいぶん遠くに来た私。
ちょうど余裕も持ててきた最近。

ちょっとだけ振り返ってみた。
昔のことを。
40 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:02
正直に言うとさ、期待してたんだ。
自分でも『変わった』って自信があった。
昔を振り返れば、それが見えると思ってたんだ。

『昔に比べて、すっごく成長したなあ』

絶対にそんな答えになると思ってた。
だから楽しみにしてた。
いい気分になれそうでさ。
41 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:02
私は・・・・やっぱり変わった!

昔の『自信のなかった石川梨華』はどこへ?

やっぱりそうだね!
うん!
こういう答えが出ますね!!

よっすぃーは・・・・相変わらず・・・・昔のまま・・・・いや・・・・ますます大雑把・・・・

あれっ?

まずいな。
まずい。
都合のいいように考え過ぎてたぞ。
42 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:02
モーニング娘は、私の主演でも私専用の台本でもない。
でも、どこかで、そんなふうに考えていたんだ。

『石川梨華のサクセスストーリー』

サブタイトルまで決めてしまうほどの勢いで。
私は他の人のことをあんまり見ていなかったんだ。

よっすぃーも当然のように変わってた。
すごく魅力的に。

そばにいたから気がつかなかっただけ?

いや。
見てなかっただけだね。
私のミスだ。
43 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:03
せっかくいい気分に浸ろうと思ってたのに、逆効果だったみたい。
気の抜けたような笑顔は、まだ私の中で大きかったみたい。
あの時離れた私達は、ずいぶん経ってまた接近していたみたい。

自分が考えていたような差なんてなかった。
まったく、なかった。

頑張らなくちゃいけないね。
負けないように。
でも、どれだけ走っても、突き放せそうにないね。
それに、勝てそうもないや。

私があなたを見ている限り。
44 名前:石川梨華 投稿日:2004/03/04(木) 13:03
これはいつまで続くんだろうね?
続けられる限りかな?
続けられる限りの追いかけっこ?
ねえ、吉澤ひとみさん?
45 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:12

一回ゼロになってしまった。
なんとも複雑なスタートだった。
 
46 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:12
最初に出会ったのは、いつのことだったか・・・・
そして、どんなことを話したか・・・・
何を考えたか・・・・

どれも覚えてない。
正直に言って、その時は『自分とあまり関係ない』って思ってたから。
47 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:13
『自分と同じオーディションを受けていた』

そんなふうに聞いても、やっぱり、あまり何も感じなかったな。
オーディションの時、実際に会ったわけでもなかったしね。
普通に『新しい仲間』って感じだったな。

でも、最近の美貴ちゃんのことはちゃんと覚えてるよ。

『ハロープロジェクト内のソロとグループ』

それで関係が固定されたから。

そんなふうに距離感がしっかりすれば、土台ができる。
そこから積み上げることができる。
つまり、仲良くなり始めてたってことだね。

そうなっちゃうと簡単だね。
もともと同期みたいなもんだし、年も近いし。

その時になって『ようやく仲良くなれた』って思ってたんだ!
48 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:13

で『ミキティ、モー娘。へ!』と、なるわけだけど・・・・
 
49 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:14
そこで一回リセットがかかるわけだ。
さて、どうしようか。

私は・・・・そのままでいいと思ってた。
普通でいこうと思ってた。

でも、周りの環境とかがそうさせてはくれないだろうな・・・・
美貴ちゃん本人も複雑だろうしさ・・・・
それなら・・・・きちんと『新メンバー』として迎えてあげるのが、優しさってもんだ。

少し方向転換することにした。
50 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:14
『でも・・・・やっぱり、仲良くなりたいじゃん!』

そんな気合も残っていたりしてね・・・・
やっぱり私は私だなあって思ったね。
うん。

先輩とか後輩とか関係なく仲良くしたいじゃん。
ごっちんの時みたいにさ。

そこで、やってやろうと思った。
すぐに『ミキティ』にしてやろうと。

私は思ったわけです。
51 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:14
でも、そうはいかないもので・・・・

計算外だったのは、私はごっちんじゃなかったということ。
ごっちんと違って神経質な自分の性格を忘れてたみたい。

美貴ちゃんの方でも少し『どうしよう』っていうのがあったみたいだしね。
それにしたって、私が甘かったんだけどさ。
52 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:15
『六期』

きちんとしすぎるくらい意識してたね。

でも『そのおかげでやりやすい』ってのも、確かにあった。
だから迷うことなく距離が取れたってのも本当なんだ。

全部間違ってるというわけじゃなかったんだよ。
しかし、私の『友達計画』からすると、大きな問題だった。

そうやってお互いが身構えてしまったから。
そうなると私は弱い人間なもので。

その壁を突破しにいく勇気は、なかなか湧いてこないものです。
53 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:15
私達は再びシャッフルされた。
で『見えない先輩と後輩』に落ち着いた。
あまりよくない手札になってしまった。
54 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:16
で、繊細な私としては、それは困るのだよ。
微妙な関係というのは、実に困る。
人間関係において、一瞬の言葉と反応で会話する私としたらね。

『じっくり話し合う』が苦手な私にとっては、その状況は困るんだ。
『話しかけにくい』は『そこにいない』ということになってしまう。
『言葉はなくても分かる』なんて荒業、私にはできない。
『言葉を尽くして分かり合う』ってのも、忍耐力がないから無理だ。

となると『気楽に馬鹿なこと言い合う』ってのが理想。
でも、それには『話しかけにくい』は、まずいんだよ!
55 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:17
しかし、繊細な私としては『自分から気楽に話しかける』は、できない。
人気者よっすぃーは『人を惹きつける』人気者ではないんだよ。
寄ってくる人がいないと成り立たない人気者なんだ。
自分からは友達が作れないタイプなんだよ。
困ったことに。

とすると・・・いつまでたってもこのまま・・・・
それはまずい!
56 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:17
そこで・・・・罠を仕掛けることにした。

美貴ちゃんから話しかけてくれるように。
美貴ちゃんの方から『いい人だな』と思ってくれるように。

で、今日も美貴ちゃんの前で、目の焦点をずらしながら踊ってみる。
57 名前:吉澤ひとみ 投稿日:2004/03/05(金) 11:17
「よっすぃー・・・・何、馬鹿なことやってんの?」

『馬鹿』

馬鹿と言いましたか。
いい調子だ。
次は、ガッツ石松さん直伝の・・・・
58 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:46
『笑顔と真剣な顔のバランスで乗り切ろう』

そう決めたはずでも、うまくはいかないものです。
59 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:47
大変なのは分かってたことです。

所謂『大人数のデメリット』っていうやつですか?
確かに感じますね。

でも、予想以上ってわけでもないです。
ソロでも大変なことはいくらでもあるし、これくらいは当然かなって思ってます。

問題は、それを私が受け容れられるかってことだと思ってました。

で、やってみると、スムーズでしたね。
みんな、思っていたよりずっといい人達っていうこともありましたし・・・・

いい部分もたくさん見つけました。
まあ、これも、予想以上ではなかったですけど・・・・
60 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:47
活動内容がまるっきり変わるというわけではありません。
どちらも同じ歌手ですから。
戸惑いはそんなになかったですね。

確かに、ソロの時にはやらなかったことがたくさんあります。
でも、実は、そんなに嫌ではないというか・・・・嫌いじゃないというか・・・・

だから・・・・頑張ってますよ!
61 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:48
だから・・・・楽しいですね。

『一人の方が目立てる』

それは確かでしょう。
でも、今は『藤本美貴』の時より忙しいです。
つまり、それだけいろんなことができて、目立っていると考えることも・・・・

もちろん、この考えにすべて賛成というわけではないです。

やっぱり意味が違うし、本当のところ、私はどちらを望んでいるかよく分からない。
でも、私なりに理解し、満足してます。
これは本当です。
62 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:49
『モーニング娘。の中の一人』

そんなに抵抗感はないです。
一応、元々、目指していた場所ですから。
ただ、順番が少し狂っただけで・・・・

でも・・・・考えることもありますよ。
本当はどうなんだろうと・・・・

この異常な忙しさでごまかされてますね。
考えがまとまらないんです。
次から次へとやることがあって・・・・

だから『これを平気な顔でこなしてきたんだなあ』って、みんなを見直しました。
こんなふうに考えていること自体、馴染んできた証拠なのかも・・・・

こんなふうに、感覚が麻痺しているうちにうまく丸め込まれたのかも知れません。
よく考えれば『おかしいぞ』な、わけですから。
でも、切り替えはうまくやったつもりです。

やっぱり、やりがいありますよ!

気合も入れ直しました。
私は元気にやってます。
63 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:49
となると、問題はただ一つ。

『他のメンバーは、私のことをどう見ているか?』

私側の問題は、さっきも言った通り、うまく解決できました。
となると、みんな側は何か問題ありませんか?
仲良くしてくれますか?
64 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:49
辻ちゃんが寄ってくる。
辻ちゃんがお菓子を薦めてくる。
辻ちゃんが膝の上に乗ってくる。

客観的に状況を判断してみると、こんな感じです。
65 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:50
辻ちゃんにとって、私達は公園のようなものなんだろう。
一人一人は、それぞれ違う遊具ってことだ。
で、その時の気分によって、好きなように遊んだりする。
ブランコだったり、鉄棒だったり・・・・

ここで選択だ。

私はどうするのか?
その役をする?
それともしない?
66 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:50
一つ先に言っておかなくてはならない。
辻ちゃんは、他の表現はしないってことだ。

この関係が無理ならば、他に繋がりはなくなる。
これ以外の関係ではいられないんだ。
選ばなかったとすれば、何もなくなってしまう。

私に不利な選択だ。

私は、ジャングルジムにも、植え込みにも、ライオンの形の椅子にもなった。
選択の余地はないって思ったから。
だからそうできた。
67 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:51
そんな理由だから、意外と耐えられますね。

意地ですね。

どんな形であれ、自分で選んだことだから。
決めたのは私だから。
だから、どんなに理不尽でも、耐えなくてはならない。

非常に不満です。

仲間って・・・・もっといいものじゃないの?
68 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:51
「みっき〜」

あのね・・・・

「その呼び方はやめてって言ってる──
69 名前:藤本美貴 投稿日:2004/03/06(土) 09:52
バリアを張る暇を与えてくれなかった辻希美。

そのおかげで今の私になれた。
そんな私だから今を満足できる気持ちになれた。
だからこんなに楽しい。

だから・・・・私は頑張ってますよ!
70 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:51
『加護亜依』

難しい存在になっちゃったかな・・・・
71 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:51
あいぼんとは、一緒の時にモーニング娘。になりました。
だから、オーディションの時から知ってました。
そん時は・・・・焦ってましたね。

『私と似てる子がいる』

最初に思ったことでした。
72 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:54
『絶対に友達になれるはず』

そんな感じがしました。
でも、場所が悪過ぎた。

オーディションだから。
同じような子は選ばれないって思った。
だったら、私か加護さんってことだ。
だから、意識してた。

『どっちか一人』

そうなるだろうって。
73 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:54
そしたら、二人とも受かっちゃった。
そうなると、話はまったく別。
なんたって、私達は似てるのだから!
74 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:55
そうしなさいって言われたわけでもない。
そんなふうにしようとも思ってなかった。
でも、二人一緒になるのに、そんなに時間はかからなかった。

私達が『それでいい』ってなったら、みんなもすんなり受け容れてくれたしね。
あの『つじかご』はあっという間にできたね。
75 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:58
でも、ちょっと違うかな。
今考えてみると、そんなふうに思う。

あいぼんに限ったことじゃなかったんだ。
みんな知らない人だったから。
私はみんなのことを知ろうとした。
一番強かったのがあいぼん。

『似てる』って思ったことがどこまで本当なのか、確かめたくなったんだ。
それが、あの時の私たちだったね。
76 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:58
しばらくして・・・・みんなとずっと仲良くなれた。
見たことのないことや、知らないことはなくなった。
フロンティアは消えました。
征服し尽くした。

安定期に入った?

そうだね・・・・
でも、変なことを考えたんだ。

『あいぼんとはこれ以上仲良くなれないんじゃないか』
77 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 13:59
似てるって思ったけど、全然違ったね。
すぐに分かったよ。

あいぼんは、私よりいろんなことがうまい。
その差だけですっごく離されたような気になったよ。
それって・・・・今でも続いてるんだ。

みんなとか、モーニング娘。をあまり知らない人でも、なんとなく私を知ってる。
あいぼんと二人で。

それがどれだけ間違ってるか、すっごくよく分かる。
あいぼんも同じでしょ?
分かるよね?

でも・・・・分からない人もいるんだよ。
78 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 14:02
そんなの普通のことだよね。
みんなが分かってくれるなんて、ないよね。

でも、そんなことが分かったって、いやなものはいやだよね。

みんな、私たちを昔のままだって思ってるのかなあ・・・・
それって、すっごくつらいよね?
79 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 14:02
そんなの関係ないって思ってたんだ。
そんなの気にしないでやっていけるって思ってた。

昔からの友達はそうだから。
そんなことを笑い飛ばせるのが友達だって私は知ってるから。
80 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 14:03
友達・・・・?

違うね。
そんな関係じゃなかったね。
そんなの笑い飛ばせなかったね。

これから友達に?

私たちは・・・・これ以上近づけないのかも知れないね。
81 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 14:03
あいぼんはどうしたい?
友達じゃなくてもいい?

『仲間』

それがいいのかなって思ったりする。
だって『うまくいかない友達』より『最高の仕事仲間』の方が絶対にいいから。
その方がいいと思うから。
82 名前:辻希美 投稿日:2004/03/08(月) 14:04
ねっ?
どうしたい?

私は・・・・もっと仲良くしたい。

でも、それが『友達』じゃないならそれでもいい。
あいぼんが楽ならそれでもいいよ。

だから・・・・
83 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:38
『大人っぽい』

だけど、私と比較してのその言葉は、何の意味もないものだ。
あまり過度に信用しちゃいけない。

でも『大人っぽい』子であることは事実。
私と比べなくてもね。
84 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:40
自分でも分かってる。

私はすごく子供っぽい。
そういうふうに見られていることも良く分かってる。
その通りだとも思うしね。

だから、私と比べて『大人っぽい』っていうのは、意味がないんだ。
85 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:41
新しく決まったメンバーを見ても、そう思った。
生まれ年は一つ上の同級生、あさ美ちゃんとまこっちゃんは大人っぽかった。

いや・・・・だから・・・・私が子供っぽいだけなんだけど・・・・

まこっちゃんとあさ美ちゃんは年相応。
私一人が遅れてるんだって!

しかし、そうも言ってられない。
ちゃんと同じ年の対象だっているから。

同年の新垣ちゃんと比べたって、私の方が年下っぽく見える。
これで決定的になったね。

まして、愛ちゃんなどは、その完成度からしても比較にならなかった。
どちらがいいとかじゃなくて、全く違うものだった。

『大きな子供と小さな大人』

大きさとしてはそんなに違わないのだけれど、それぐらい違った。
86 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:42
でも、それは悪いことなんかじゃない。
モーニング娘。とはそういうものだ。

私と飯田さんは同じグループ。
一見、何の共通点もないように見えるけど、そうなんだ。
そういうものだから。

だから、自分と違う人が入ってきても、何の問題もない。
87 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:42


はずだった。

 
88 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:42
でも、なぜか私達は同じユニットになった。

『ミニモニ。』

絶対にないと思っていたのだけれど、そういうことになってしまった。

困ったよ。
だって、実際に隣に並ぶんだから。
そんなことをしてしまったら『比べるな』って言う方が無理だよね。
89 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:43
愛ちゃんがミニなのは『大きさ』ってことだけだったから。
持っているものは、ほとんどが標準サイズだった。
さらに、歌い方などは大人のそれに思える。
そんなふうな歌い方もできる。
さっき言った通り『小さい大人』って言葉そのままだ。

すぐに無理がくることは分かってた。
まったく違うものが一緒でいられるはずがないって思ってた。

問題はそんなことじゃない。
それなら、どっちに合わせるかってことだ。
私達は『ミニモニ。』なのか『高橋愛』なのか?
90 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:45
まだどうなるかは分からない。

でも、一つ分かってることは、元には戻らないってことなんだ。
矢口さんがいた頃のようにはできない。

私は、あの時と比べれば、加護亜依ですらなくなっているから。
ミニモニ。の『小さい』ってことは、今ではそんなに意味を持たなくなっている。

前に進んでいくってのは、いいことばかりじゃない。
でも、戻れないならそうするしかないよね。
いつかはそうなることは分かってた。

ただ、その理由が、愛ちゃんが入ってきたってことだったのが、少し悔しいんだ。
91 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:45
私が上手く成長できてれば、そのきっかけは私だったはず・・・・
ののやミカちゃんと一緒にそうなっていけたはずなんだ。
愛ちゃんが入ってくる前だって・・・・
矢口さんがいなくたって・・・・
私にだって・・・・
92 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:46
でもいいや。
きっかけはなんでもいい。

愛ちゃんが変えてくれるなら、私も負けないように頑張るだけだ。
同じ名前だけど、誰もそんなことを言わないくらい違うね、私達。

でも、それでもいいや。

まだ、自分が前に進むきっかけは掴めないでいる。
愛ちゃんがそうなってくれるのかどうかも分からない。

ひょっとしたら、私はずっとこのままなのかも。
それに胸が張れるほど、私は今の自分が好きではない。
93 名前:加護亜依 投稿日:2004/03/09(火) 12:47
でも、私はなりたかったものになるよ。
たとえ、みんなが『今の私がいい』と言ってくれても。

私にとっては、これは完成じゃない。

たとえその理想が、既にいるメンバーの誰かに似ていても。
必要ないと言われても。
私は、なりたかった人になりたい。

自分と違う『あい』に、自分の可能性を感じている。
94 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 11:59
視線を集める子だと思うな。

気がついたら、目を奪われてる。
他のところを見ていても、そこに目がいってしまう。

もちろん、私もそうだった。
95 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 11:59
理由?

う〜ん・・・・一応、考えてはみたんだ・・・・

でも、よく分からん。
でも、それじゃいかん。

だから、ちゃんとやってみよう。
96 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:00
多分・・・・器量がどうということじゃないと思うな・・・・

あっ、でも、悪い意味じゃないよ!?
そういう意味じゃない!!

う〜〜ん

・・・・抜群・・・・ってわけじゃないことは分かってくれるよね?

ものすごい美人ではない。
かわいくないんじゃなくて、それのみで存在感がでるほどの美人じゃない。

だいたい、そんな人、本当にごく僅かしかいないしね。
97 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:01
モーニング娘。で考えてみたってそうだ。
この中で『図抜けて美人』っていうのは難しい。
平均点が高いしね。

それに、どんなに美人でも、活動の幅が広いから、それだけじゃ駄目だしね。
それでも『図抜けて美人』なら、確かに存在感は出る。
でも、それだけでは限界だったりする。
だから、求める方向からして違うね。
98 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:01
それに、飯田さんがいる。

この人は本当に美人だと思う。
この人をインパクトで超えるのは、かなり難しい。

もちろん、私だってそうだ。
隣に並んだら消し飛んでしまいそうだから。
99 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:02
そういうんじゃなくて、里沙ちゃんというそのもの。
気の利いた答えとか、抜群の答えとかもそう。
なにより、それをしっかりとやりきってしまうところ。

そういうのが、自然にみんなを集める。

結局、それが里沙ちゃんの最大の武器なんだろうな。
歌ってる時も、踊ってる時もそう。
完全にやりきっている。

だから目を引くんだな。
だから見ている方も、迷いなく見れるんだな。
100 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:02
最初は、必死だからだって思ってた。
だから全力なんだって。

歌にしても、ダンスにしても、私は少しゆとりを持っている。
そんな自分とは正反対な人なんやろうって思ってた。

でも、違うかった。

そりゃ当然で、慣れてくれば、誰だって余裕は出てくる。
現に、里沙ちゃんもそうやしね。
丁寧に歌えるし、踊れる。

ちょっと驚いた。
101 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:03
そういうのもできて、全力でもできる。
そういうのを全力でできたりもする。

いかんなぁ。
里沙ちゃんの方が上手やぞ。

次は、私が見習う番か・・・・
みんなの言う『一生懸命』ってどういうことか?
その一番いい見本がここにいる。
しかも同期で。
102 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:03
どっちが正解かは分からん。
私がいいとも、里沙ちゃんがいいとも言えん。

ただ、止まるわけにはいかん。

何でも試して、何でもやって、それで進んでいくしかない。
だから、今度は、里沙ちゃんを見習おうって思ってる。
103 名前:高橋愛 投稿日:2004/03/10(水) 12:03

そんなふうに考えていたから、里沙ちゃんを目で追ってのかな・・・・
もちろん、違うことは分かってるけど・・・・
 
104 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:06
『闇雲に走るというのは、そんなに間違ってはいないことが多い』

これは、私の実感だ。
105 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:07
まず、走る姿自体が評価される。

一生懸命に走っている姿は、見苦しいものではない。
もちろん、例外を上げればきりがないけど・・・・
でも、大筋は間違っていない。

この際に『何で走っているのか?』というような疑問もあるだろう
本当は、そこが一番大事なはずである。

しかし、新メンバーであるということと、最年少であるという利点が私にはある。

大概の人が見逃してくれる。
知ってて言わないのかも知れない。
でも、走っている姿の方に見惚れてくれる。

『よく頑張っているじゃないか』

それだって間違いじゃない。
肝心なところはぼやけてはいるが、それだって本当のことだ。
だから、これはこれでいいんだと思ってる。
106 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:07
次に、常に動いているという事実だ。

進んでいるってことは、同じ場所にいないということだ。
ということは、常に変わっていってるということだ。
変化は常に新しいものを生む。
もちろん、その生むものが何かにもよるけど・・・・

『今度はあんなところにいるじゃないか』

同じでなければ変わっていると見てもらえる。
もちろん『どんなふうに変わるか』が一番大切なんだけど・・・・
でも、私には・・・・の・・・・利点がある

ごまかしはきくのだ。
107 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:08


私の『我武者羅作戦』というものは、そんなには間違っていない。

 
108 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:08
ただ、予想外のことはいつだって起こるもので・・・・
まさか、私が先輩になるなど・・・・

もちろん、ありえなくはないと思ってた。
でも、こんなに急だとは・・・・ねぇ?
109 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:10
亀井ちゃんが私のすべてを手本にしていないのは知ってる。
それは当然だ。
私自体が、まだまるで固まっていないのだから。
そんなものを目指されても困ってしまう。

でも、少しだけ私を見習っているのも知ってる。
それは『すべてを見習っていない』ということと同じくらい事実だ。

自惚れてるわけじゃない。
でも、それは本当のことなんだ。
私には分かるんだ。
110 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:10
それだけならいい。
でも、それが厄介なことなんだ。

『元気なところ』

これはやばい!!!
絶対にやばい!!!!
111 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:10
一応、私は先輩だ。
そりゃ、見習うところはあるでしょう。
あまり多くないだろうけど・・・・

それも『亀井ちゃんから見れば』という程度のことだとも分かってる。
でも、まさか『我武者羅作戦』に喰いついてくるとは・・・・
112 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:11
立案者の私が言うのだから間違いない。
あれは不完全なものです。
断言します。
全部成功したりなんかしません。
有効な手段ですらありません。
113 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:11
ちゃんと説明しましょう。

そもそもあれは、やることが分からない時の私が、やぶれかぶれで使うものです。
初めからそれを使おうとするのは駄目です。
きちんと何をすべきかを見つけることが一番です。
まして、見習うなどとは・・・・

責任を感じてしまう。
114 名前:新垣里沙 投稿日:2004/03/11(木) 14:12
「新垣さんの一生懸命なところが・・・・」

あぁ・・・・違うんだって・・・・

「あのね、亀井ちゃん・・・・」
115 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:11
まだ何も始まっていない私。
それでも、すでに始まっている。
そもそも、私とはまるで関係なく動いていたものだから。
私がどうであっても、関係なく動いていけるものだから。
116 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:12
モーニング娘。に入ってしばらく経ちました。
まだまだおまけみたいなものです。

でも、それがいつか、その中の何かになれるように・・・・
そんなことを考えて、頑張っている毎日です。
そんな中でも、思うところはたくさんあります。

最初に言った通りです。

例の『モーニング娘。になったはいいけれど・・・・』というやつです。
こっちがぼやっとしてると、容赦なくおいていかれます。
117 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:13
例えば、弱音を吐きます。
例えばですよ!
だから『甘ったれるな!』なんて言わないで下さい・・・・

それは、多少『頑張れ!』って言葉を期待しているんです。
でも『じゃあ辞めろ』と言われるんですね。

分かってます。

それが最初に覚えなくてはいけないことだってのは分かってます。
まだ私にはそれだけの力すらついてないってことも分かってます。
今は一生懸命やることだけが大切なのも分かってます。

でも、つらいと思ってしまう気持ちはどうしようもないものです。
118 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:14
だって、昨日までの私と、今日の私は、基本的に違わないから。
そして、明日の私も、今日の私のようなものだと思うから。
それが、生まれた時からず〜っと続いてきて、今の私になっている。
だからこそ私と言えるのであって、突然『モーニング娘。の亀井絵里』にはなれません。

『目立て』

と言われたって、何をどうしていいのか・・・・
言っちゃいけないことでも言えばいいのか・・・・

そんなギリギリのところを、冗談じゃなく私は漂っています。
119 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:14
きっと『間違って選んじゃった』とか思われてるのかなあ?

『何かあると思って選んでみたけど、何もない』

そんなふうに思われているんだろうか・・・・
だったら、そうやって選んだ人が・・・・

とうとう、私は人のせいにしだしました。
120 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:15
そんな中、一緒にいることが多い二人も、同じことで悩んだりしているのだろうか?
私よりも上手くやっているように見えるこの二人は・・・・

いや、二人じゃなくても。みんなも同じだったりするのかなあ?
先輩達も同じなんですかね?
121 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:15
それってなんだろう?
みんなも同じだって分かれば安心するの?
そんなの、何の解決にもならないよ。
それでも、そう言ってほしいの?
122 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:15
麗奈に相談しても、何も分からない。
それも当然で、私達はそんなに立場が違っているわけじゃないから。
スタートしたばかりで、誰もが不安で、誰も確かなものなんて持っていないから。

そんなふうに見える麗奈だって。

だとするなら、私達はどうすればいいのかな?

『なんでも相談できる人』

『頼りになる仲間』

どっちも手にできないのかな?
123 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:16
結局、その部分だけは自分で何とかしないといけないのかな?
でも、その部分が一番不安なんだよ。
そんな時に、あなたを頼りにすることも駄目ですか?

田中麗奈さん?

そんなふうに呼びかけてみる。
でも、私の同期は、そのどれになるかも分からない未確認人物だ。
困ったな・・・・
124 名前:亀井絵里 投稿日:2004/03/12(金) 13:16
とりあえず・・・・『れいな』は少し呼びづらい。

『れな』

なんてどうかな?
それじゃあ名前を変えた意味がない?

困ったな・・・・
それじゃあ・・・・
125 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:18
『強敵』とか『ライバル』とか・・・・

よく言われるような、そんな関係だとは思ってない。
でも、比較をするなら、絶対にこの人達になってしまう。
同期というのは、そんな感じだ。
126 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:18
でも『抜きたい』とか『追い越したい』ではないんですよ。
ただ、置いていかれるわけにいかない。

前向きの力ではないかな・・・・

それより『引き下がれない理由』だ。
そんなふうな力になる関係ですね。
同期というものは。
127 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:19
でも、真似をしても意味がない。
メンバーの中でも近い存在だから、そんなふうに考えがちだけれど・・・・
そして、一まとめにして扱われたりするけれど・・・・

でも、それぞれがやらなきゃいけない。
距離感が難しいものです。
128 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:19
『私らしくいこう』

これが、私の目標です。
それを磨く方が大切だ。
でも、なぜそうするかというと、さゆ達とは違うことを示さなきゃいけないから。

『自分らしく』あるのは『誰かのため』だったりします。
129 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:20
割り切れはしないけど、しょうがないとは思ってる。
そりゃあ、とりあえずは、変わったものに目がいくのはしょうがない。
だから、これもしょうがないって思ってる。

『変わってる』っていうのは言い過ぎかな・・・・

私よりさゆの方が・・・・際立ってる!
こんな表現でいいのかな?
とにかく、悪い意味なんてひとつも含んでいないよ。
ただ、いい気分でないのも事実。

だから、棘があるように聞こえるかもしれないけど、深い意味があってのことじゃない。
それは分かってね。
130 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:20
それが個性?
でも、違うような気がする。
それなら、私が髪を・・・・そうだな・・・・

青!

青とかに染めれば、私に注目が集まるよね。
でも、それで何かが解決したことにはならないでしょ?
131 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:20


と、思っていた。

 
132 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:21
けれど、しばらく経ったんだけど・・・・
実はそんなものなのかも知れないっすね。

それがすべてじゃないけど、ある程度は目立たなきゃ。
それだけじゃないけど、喋らなきゃ

そんなことじゃないかと・・・・なんとなく気がついてきた。
133 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:21
『一瞬目立ってもしょうがない』
『最終的に勝たないと』

私の意見ではこうなる。
では、今が最後でないという根拠は?
そんなものはない。

ということは、私は、これからも負け続けるってことだ。
そして、その度に『最後には・・・・』って言い続けるというわけだ。

ということは・・・・今も負けてるってことだ。

それも、そんなふうに意識しないうちに!
ないかもしれない未来のために!
134 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:21

いかん!!
 
135 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:22
「さゆ」

負けないからね。
今もこの先も。
もうその顔には騙されない。
何も知らないふりして、勝ちつづけるのは許さない。
136 名前:田中れいな 投稿日:2004/03/13(土) 11:22

もちろん、心の声など聞こえるはずもない。
だから助かったり、もどかしかったりする。
 
137 名前:紺野あさ美 投稿日:2004/03/15(月) 12:50


──

────

────────
138 名前:紺野あさ美 投稿日:2004/03/15(月) 12:52
「もしも〜し」
「・・・・・む?」
「早く!」
「・・・・・なに?」
「あさ美ちゃんの番! 早くしてよ!!」
139 名前:駆け引き 投稿日:2004/03/16(火) 12:45
目の前に突きつけられたカードは二枚。
左に伸ばしかけた腕を、直前で右のカードに変えた。
カードを引き寄せ、ゆっくり裏返す。
私たちの衣装以上に派手な服を着込んだピエロが、月に座って笛を吹いていた。
ジョーカーだ。

よし。

「そーろった!」

ジョーカーを一組にして、山に叩きつけた。

「うわぁーー!!!」

愛ちゃんはカードを放り投げ、崩れ落ちた。

「これで三連敗ね」

藤本さんがけらけらと笑った。
140 名前:ちなみに三連敗 投稿日:2004/03/16(火) 13:10
最初は「ババ抜き」をしていたが、ダントツで勝率の低い愛ちゃん。

『ババは縁起が悪い! この絵がむかつく!』

ついにはジョーカーへの個人攻撃が始まった。
種目は「ジジ抜き」に変更された。
ジョーカー二枚を含めた五十四枚から一枚を抜いたババ抜きである。

私と、藤本さんと、れいなちゃんと、絵里ちゃんと、里沙ちゃんと、最下位(福井)。
少ない人数ならともかく、六人もいて三連敗はなかなかできるものではない。

「やっぱり・・あいつむかつく!」

結局ジョーカーにやられた愛ちゃんは、文句を言いながらカードをきる。
敗者への唯一の罰だ。
141 名前:休み時間 投稿日:2004/03/16(火) 13:12
さすがに少し飽きてきて、顔を上げた。
広めの控え室にモーニング娘。がいっぱい。

飯田さんは本を読んでるし、矢口さんも本を読んでいる。
思い思いの時間の使い方をしていた。

東京の慢性渋滞のせいで、雑誌の取材記者さん達は少し遅れるらしい。
142 名前:チャイム着席 投稿日:2004/03/16(火) 13:13
「そろそろ準備してー!!」

マネージャーさんの声でおひらきとなった。
結果の方は、集計を取るまでもなく、愛ちゃんの一人負けだった。
けど、最後の一番での最下位は私。
トランプを片付けて石川さんに返すまでを押し付けられた。

『要領が悪い』

改めて言われるまでもなく、私もそう思う。
一番遅れて楽屋を出ることになってしまった。

荷物の確認をする。
貴重品に限らず、自分の持ち物は常に持ち歩くよう言われている。
143 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:13
ふと、部屋の隅に目が止まった。
誰かの荷物が一人分置きっ放しになっていた。

誰かが忘れていったのだろうか?
でも『うっかり』で、荷物をすべて忘れる人などいないだろう。
まだ、戻ってない人がいたんだ。

で、その持ち主というのは・・・・・

廊下の外から近づいてくる足音と、人の気配。
ドアが開いた。

荷物の持ち主、道重さゆみだった。
144 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:14
「紺野さん」

はい?

入り口で出て行こうとした私と真向かいに立った重さんは、そう言った。

邪魔なのかと思って、道を開ける。
でも、視線は私から離れなかった。
私に話しかけているんだ。

「どうかした・・・・・道重ちゃん?」

直立不動。

なんだろう・・・・・この威圧感は・・・・・
いや、そうじゃなく、緊張してるんだ。
それが圧力になって、こっちにも伝わってくる。

私は・・・・・そんなに恐そうに見えるかな?
145 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:14
「好きです」
「へっ・・・・・・?」
「紺野さん・・・・好きです」
「はぁ・・・・・ありが・・・・・とう?」
「それじゃあ」
146 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:14
こんな感じで話は終わった。
私より背の高い重さんを、ぼんやりと見上げている一瞬だった。
ほんの数秒もない出来事だった。
147 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:15
仕事は順調に進むし、一日も順調に進む。
しかし、頭の中の疑問が晴れることはなかった。
あれから何日も経っているにも関わらずだ。

いや・・・・・時間が過ぎても何も変わらないので、混乱は大きくなっていた。

あれは一体なんだったんだろう?
悪戯だろうか?
あの時、誰かが影で見ていた?

でも・・・・・それなら・・・・・説明があるはずだよね・・・・・

『実は罰ゲームでした』

そうじゃなきゃ、おかしい。

まさか・・・・・本気!
そういえば・・・・・真剣な顔してた・・・・・
いや・・・・・いつもあんな顔だったような・・・・・

確かに、いつもと同じ、表情の固まった重さんだった。
148 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:15
きっと・・・・・そういうことじゃないんだね。
本気・・・・・かも知れないけど、意味が違うのかな?

『先輩として』
『そういう意味で好き』

ということかな・・・・・
肝心な部分が抜けているなんて、重さんらしい。

でも、よりによって、あんなタイミングで言うかねえ・・・・・
ひょっとしたら、最初から二人きりになるタイミングを計ってたのかな?

やっぱり、重さんらしい。
149 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:16
でも、私が最後だったのは、偶然だと思うんだけど・・・・・

それにしても・・・・・

重さんが!?
あの『自分がかわいい』と言っている重さんが!?

よりにもよって、私を『好き』とは・・・・・
150 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:16



──ありえない──


 
151 名前:道との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:17
やっぱり・・・・・手の込んだ罰ゲームに違いない!
安心した頃にネタばらしがあるはずだ。
それを待っていればいいか・・・・・

それより、ばらされた時はどんなふうに答えるべきかな?
やっぱり、少し引っかかったふりをするべきかな?

『なんだー! びっくりしたよー!! 少し本気にしちゃったよー!!!』

最後の言葉は余計ですね。
152 名前:道との遭遇(重) 投稿日:2004/03/16(火) 13:18
ライブ前のリハーサルは、もう少しで始まる。
ということは、しばらくはトイレ休憩もないということだ。
念には念を入れておくにこしたことはないでもない。

私はトイレに立った。

「紺野さん」

きた!
153 名前:道との遭遇(重) 投稿日:2004/03/16(火) 13:19
「好きです」
「あの・・・・・」
「本気です」
「ほん・・・・・?」
154 名前:道との遭遇(重) 投稿日:2004/03/16(火) 13:19
本気らしいです。
あそこまでして『実は嘘です』というほどの役者なら、私は騙されるしかありません。

『本気』ということは・・・・・つまり・・・・・あの『本気』ということか・・・・・

どうしようか?
仕事がしづらくなるな・・・・・これから・・・・・
155 名前:道との遭遇(重) 投稿日:2004/03/16(火) 13:20
「どうかした、あさ美ちゃん?」

ホテルに向かうバスの中、声をかけてきたのは、まこっちゃんだった。

「ちょっとね・・・・・少し疲れたよ・・・・・」

こればっかりは当事者同士の問題だから、他の人に漏らすわけにはいかない。
まこっちゃんに話すということは道重ちゃんに失礼になる。

(もちろん、私がその気になってて話すのが恥ずかしいということではない)

「たしかに! 今日も疲れたね〜〜!」

まこっちゃんは何も悪くない。
でも・・・・・

『気楽でいいよね』
156 名前:未知との遭遇 投稿日:2004/03/16(火) 13:20
「紺野さん」

うわっ!
いきなりか!

どうしよう・・・・・

返事だよね!
返事を聞きに来たんだよね!

「紺野・・・・あさ美さんだよね?」

ん?
違う人?
誰?
157 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:24
「紺野あさ美さんだよね?」
「はい・・・・・そうですけど・・・・・」

どこかで見たことのあるような顔。
いや、絶対に知っている顔。

私が見たものよりも、少し大人っぽくなっている。
でも、間違いない。

「私は『福田明日香』っていうんだけど・・・・知ってるよね?」
158 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:25
そうか。
分かっていたはずでもすぐに出てこなかったのは、今の福田さんだからだ。
私が見たのは昔の映像だったからなあ・・・・・
でも、あまり変わってないよね?

「そんなことないよ。
 紺野さんからすれば、オバさんでしょ?」

いえ!
そんなこと・・・・・?
ん?
なんで?

「なんで・・・・・私の考えてること・・・・・分かったんですか?」
「う〜ん・・・・分かってもらえるように説明できないな・・・・
 まあ、ここはお互いにとって都合のいい世界ということかな。
 便利ならばどんな出鱈目もありってことで。
 それで分かってもらえるかな?」

はあ。
159 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:26
「じゃあ・・・・・夢ですか?」
「その理解で納得がいくなら、そう思ってくれてかまわない。
 でも、きちんと正確に説明しようとするなら、そうじゃない。
 まあ・・・・はっきりした答えなんてないから、説明は時間の無駄だね。
 つまり『紺野さんの疑問を解決するために起きてる現象』ということ。
 で、その役に適任ということで、私がここにいるってこと。
 はっきり言えるのは、そこまでかな」
「私の疑問・・・・・ですか?」
「そう、例の道重さんについて」
「福田さん、道重ちゃんのこと知ってるんですか!?」
「ファンの人と同じくらいにはね。
 だから、紺野さんに比べたら全く知らないということだけどね」
「なんか・・・・・ややこしい話ですね・・・・・」
「確かに。
 でも、しょうがないと思ってほしい。
 だから、少しだけ付き合ってね」
160 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:26
「まず、私が呼ばれた理由だけど『部外者だから』ってところかな。
 それに加えて『事情を知ってる部外者』でもあるからね」
「その『部外者と関係者』って『モーニング娘。の現メンバーか』って意味ですよね?」
「その通り」
「じゃあ、その『事情』ってやつは『関係者なら知ってる』ってことですか?」
「流石だね。
 思ってた通り、頭のいい人だ。
 その通りで、紺野さん以外のメンバーみんなが知ってる。
 で、もうすでに始まってるんだ。
 紺野さんは、それに乗り遅れてしまった。
 でも、そのことについて、一緒にいるメンバーが直接教えることはできないんだ。
 だから、こうして私が都合よく登場したということになるね」
161 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:26
「じゃあ、その『疑問の答え』っていうのは?」
「スムーズに進むな。
 理解が早くてやりやすいよ。
 じゃあ・・・・道重さんの言葉だけどね、半分は本気で、半分は嘘なんだ」
「半分?」
「いや『好き』ということは嘘じゃない。
 そういう意味では、本当のこと。
 でも、紺野さんの思っているような『好き』ではないね。
 信じきってしまうには、少し危険な言葉だね」
「じゃあ・・・・・その意味の心配はしなくてもいい・・・・・と?」
「まぁ、そうかな。
 もちろん、紺野さんが望むなら、努力次第で落とせるかもしれないけどね。
 道重さんが『紺野さんを好き』ということは確かだから」

私には無理です!!
162 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:27
「じゃあ・・・・・何であんなこと言ったんですかね?
 あんな言い方じゃあ変な誤解を生むだけだと思うんですけど・・・・・」
「ずいぶん後ろ向きだね。
 例えば『後輩が自分の背中を見て、密かに憧れて、思い切って告白した』とか!
 そんなふうには考えないの?」
「そんなこと・・・・・ないですよ」
「期待させたなら悪いけど、確かにそんなことはないんだよ」
「福田さん・・・・・からかってるんですか?」

ごめん!
真面目にやるね!!
163 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:27
「もちろん、どこかで紺野さんのことを『いい先輩』だとは思ってるよ。
 好きなのは確かだからね。
 でも、それだけであんなことを言い出すかっていうと、それもおかしいよね。
 紺野さんにとっての石川さんとかを考えてみると、分かりやすいかな?」
「そう言われると・・・・・分かる気がします」
「では、なぜそんなことになってしまったのか?
 それを教えに来たんだ。
 実は、その辺りに『モーニング娘。の正体』みたいなものもあるんだ。
 だから、圭織やなっちや矢口からも教えられないんだ。
 本人達も理屈としては分かってなくて、感覚的に理解していることだから」

モーニング娘の正体!?

「あんまり期待しないでね。
 大げさに言ってるって部分もあるから」
164 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:28
「紺野さんは『モーニング娘。の意味』って知ってる?」
「えっと・・・・・モーニングセットみたいに色々楽しめる・・・・・でしたよね?」
「その通り。
 パンだけでなく、コーヒーもついてくる。
 ゆで卵もある。
 メインのパンですら、ご飯に交換できる。
 そうすれば、お好みしだいで味噌汁もつけられる。
 で、ゆで卵は生卵に・・・・と、そんな感じだね」
「おなかすきましたね」

まあね・・・・
起きてからいっぱい食べてください・・・・
165 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:28
「そういうこと。
 つまり『お得』ということ。
 ようするに『この味だけを食べたい』ということではないということ。
 いろんな味が楽しめるということだね」
「だから、良かったり悪かったり・・・・・」
「そういうふうに考えるチャンネルもありますか。
 いいね!
 紺野さん、好きになりそうだよ!!

で・・・・これはその『悪い部分』とも取れるんだけど・・・・
そのコンセプトには『なんでもかまわない』っていう意味も含まれてるんだ。
166 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:29
「つまり、モーニング娘。は『誰であってもかまわない』ということなんだ。
 正確に言うなら『この人でなくてもかまわない』かな・・・・
 それは、福田明日香でも、石黒彩でもいい。
 でも、市井沙耶香、中澤裕子でなければいけないというわけでもない。
 後藤真希じゃ駄目で、保田圭じゃなきゃ駄目というわけでもない。
 安陪なつみでもね」

紺野あさ美もですよ。

「もちろん、それもそうだね」
167 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:29
「では、そこで質問。
 そんな誰でもいいという状況でも私達であった理由は?」
「・・・・・偶然・・・・・ですか・・・・・?」
「いい!
 だいぶ近い!!
 やっぱり、いい考え方するね。
 でも、違うな。
 偶然とか運っていうやつはそういうことに囚われないものだよ。
 勝手に取り付いたり離れたりするもの。
 間違ってはいないけど、起こったことの理由や原因にはならないよ」
「もっとちゃんとした理由があるんですか?」

そう。
簡単に言うと『やる気』ってやつね
168 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:29
「『やる気』ですか・・・・・」
「そう。
 本人がどれだけやろうと思ってるか、どれだけ本気か・・・・
 それが、私達が選ばれた理由。
 それが、モーニング娘。が前に進む力になってる」

それが・・・・・さっきの『モーニング娘。の正体』ですか?
そう。
169 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:30
最初に動き出すための力の正体って何だと思う?
その時だけは、何もないところから動力源を作らなきゃいけないよね。

『何もないところから何かを作る』

普通の法則じゃ無理だね。
でも、人間にならできる。
そこに何もなくても、作ることができる。

もちろん、物質とか、存在するものの形としては無理だけどね。

心というやつで作ることができる。
知らない人が突然仲間になる。
他人が友達になる。
なんとも思ってなかった人を好きになる。
何もないところからエネルギーを取り出せる。

それは比喩じゃなくて、実際にそれがモーニング娘。を動かしている。
経験者の私が言うんだから、間違いないよ。
170 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:33
そうやって、何もないところからエネルギーを見つけて、それで動き続ける。
今だったら、十五人分の。

その一人一人が、他の誰かに対する気持ちで動いている。
他の誰かの自分に対する気持ちがエネルギーになって、自分を動かしている。
それがつながって、前に進んでいく。

それが答なんだよ。

それは、別に『好き』じゃなくてもいいんだ。
だからって『嫌い』じゃなくてもいい。
そんなふうに一言で言い表せないものでもいい。
とにかく、それが誰かと繋がっているのなら、それでいいんだよ。
171 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:34
その繋がりは止めちゃ駄目なんだ。
分からないからといって逃げちゃ駄目なんだ。

でも、今、実際にその中にいる紺野さんが無関係でいられるわけはないけどね。

知らず知らずのうちに、誰かを動かしている。
そして、誰かに動かされている。
そんなふうに紺野さんの気持ちもどこかで誰かに繋がっている。
だから、特別に何かをしなきゃいけないということはない。

そういうわけ。
172 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:34
だから、道重さんの言葉も、気にしすぎることはない。
ただ『そういうものだ』って受け止めてあげるだけでいい。
他のみんなだって、そんなのをいっぱい抱えてるはずだから。
そういうのが、複雑に絡みあってるんだよ。

一つ一つに捕われてたらパンクしてしまう。
でも、すべてが一つのものでしかなくて、それは一番大事なものでもある。
それなら、そういうのも悪くないと思えるでしょ?
いや、大切だって思えるでしょ?
173 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:34
「みんなは・・・・・知ってて普通の顔をしていたのか・・・・・すごいな・・・・・」
「紺野さんだってできるよ。
 こうだって理由が分かれば、間違った方向で悩むこともないだろうから」
「普通・・・・・でいいんですよね?」
「そうしたいならね。
 でも、はっきりさせた方が楽になるんじゃないかな?
 自分の動力源はどこか?
 自分は誰を動かしてるか?」

一人、すぐに思い浮かんだ。
174 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:36
「福田さんは・・・・・どうだったんですか?」
「えっ?」
「福田さんの動力は、なんだったんですか?
 ライバル?
 仲間?
 友情?
 嫉妬?
 嫌いだなぁ、あいつ?
 いつか見返してやる?
 やっぱり、恋?
 愛情?」

えーっと・・・・
175 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:37
「で、福田さんは誰を動かしてたんですか?
 飯田さん?
 中澤さん?
 石黒さん?
 安倍さん?
 矢口さん?
 保田さん?
 市井さん?」

うん・・・・ちゃんと覚えてるよ・・・・
176 名前:福田明日香 投稿日:2004/03/16(火) 13:38




最後は、上手くはぐらかされたみたいでした。



 
177 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:18

あさ美ちゃんですか?
仲いいですよ!
すご〜く!!
 
178 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:21
最初は『仲良くなるの難しいかなあ』って思ってました。
だって・・・・ねぇ?

すごくのほほんとしてたじゃないですか、あさ美ちゃんって。
そういうのって、私と合わないんじゃないかって思ったんですよ。
179 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:21
でも、考えてみると、合ってなかったのは私だったんですよね。
最初の頃はすごく緊張してて、カチカチになってたじゃないですか?

で、私も、その『カチカチになっている私』が小川麻琴だと思ってたんですよ。
それって、普段の自分じゃないのに。
180 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:22
で、慣れてくると、ようやく自分を思い出したんですよ。

そうなんですよ。
小川麻琴はこういうやつだったんだって。
あさ美ちゃんとあんまり変わらないや。

じゃあ、仲良くしちゃえって。
181 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:22
ひょっとしたら、あさ美ちゃんのおかげかもね。

あさ美ちゃんはずっと変わらなかった。
今でも、のほほんとしている。
最初からずっと。

最初に『あれっ?』って思ったのも、苦手だからじゃなくて、似てたからかな?
気がついてなかったけど、どっかで分かってたからかな?

だから、ちゃんと私に戻れたのかな?
いや、戻るのを手伝ってもらったんだね。
182 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:22
このあいだも、一緒に遊びに行ってきました!
珍しく、二人で!

いっぱい食べて、いっぱい遊んで・・・・
楽しかったですよ。

ただ・・・・変なこと言ってましたね・・・・
永久機関がどうたらこうたら・・・・
183 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:23
「あさ美ちゃん」

・・・・・でも、エネルギーのためだけにそばにいるわけじゃ・・・・・

「あさ美ちゃ〜ん」

・・・・・仲間と友達という関係・・・・・今はね・・・・・

「お〜い」

・・・・・じゃあ、まこっちゃんは誰に対して・・・・・
・・・・・私・・・・・ってことはないことになるな・・・・・福田さんの言う通りなら・・・・・

「フクダさんって・・・・あの福田さん?」

・・・・・だって、私だったら、そこで繋がりが途切れちゃうことになるから・・・・・
・・・・・それなら、独立回路にしておけば・・・・・
・・・・・そうすれば、ずっと二人で・・・・・
184 名前:小川麻琴 投稿日:2004/03/17(水) 11:23

変な友達です。
 
185 名前:永久機関の作り方 投稿日:2004/03/17(水) 11:25


主演 モーニング娘。

 
186 名前:おしまい 投稿日:2004/03/17(水) 11:29
今回はこの一つで終了です。

あと『十五人』という部分はその時期にできたもののためです。
修正するのもよかったのですが、敢えてそのままにしました。

少しでも楽しんでもらったら、それでいいです。
では。
187 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/22(月) 20:20
今日一気に読みました。
凄いの一言しか出ません。
次回更新を楽しみにしています。
188 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/30(金) 20:40
(一月以上も前に読んでいて遅レスです。すみません)
いい話でした。
最初は、なるほど軽妙にうまくつながっていくものだなあと楽しんでて、
じきにぐんぐん引き込まれました。メンバーそれぞれの思いと描写に、
作者さんの愛を感じました。
つなぎのスムーズさや自然な一人称、なるほどと思わされる人物描写、
そして終盤の凝った仕掛けなどなど、巧い。そうやってつづられる独白が
最後にはかっちりはまって「モーニング娘。」全体を語る巨大な魅力として
迫ってきました。巧さと楽しさと、ストレートな愛。いいですね。

ありがとうございました。
そして、次作があるならいいなーと期待してしまいます。
189 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/07(月) 00:43
今日始めて読んだ。おもしろくてびっくりした。
190 名前:シィさん 投稿日:2004/06/22(火) 19:54
更新待ってます

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