Berry Short Kids

1 名前: 投稿日:2004/03/25(木) 18:09
はじめまして、雛といいます!
ずっと書きたかった話をこちらで書かせて頂きたいと思います。
いちごま&よしやぐを中心に展開するアンリアルのお話です。
いちごまについては色々あったので、出来るだけsageでいきたいと思ってます。
更新は今週末に行いますので、よろしくお願いします!!
2 名前:名無読者さん 投稿日:2004/03/26(金) 20:18
待ち
3 名前: 投稿日:2004/03/26(金) 20:47
「「ただいまー!!」」
「…えっ、なんかおかしくない!?“ただいまー!!”ってココあたしんちだよ?」
「いーじゃん、細かいことは気にしないの。ほぼ毎週来てるんだしさ。」
「うん、まぁそうなんだけどね。…ってかごっちん買いすぎだし!!めっちゃ疲れたよぉ〜。」
「ふっ…よしこもまだまだだね。仕方ないなぁ、ちょっと休んでていいよ。
 ごとー片付けてくるからキッチンとか適当に使わしてね。」
「は〜い。」

どーもどーも、申し遅れました。皆さんこんにちは!!
あたしは吉澤ひとみ。高校2年生です。友達には“よっすぃ〜”って呼ばれてます。
ごっちんだけは何故か“よしこ”って呼んでるんだけどね。

そのごっちんっていうのは今一緒に帰ってきた子で後藤真希。
中学からの大親友で、もう5年の付き合いになるのかな?
とにかくめちゃめちゃ気が合っていいコンビなんだ!
4 名前: 投稿日:2004/03/26(金) 20:47
今日は第2土曜日だから、いつも通りごっちんがうちに泊まりに来た。
第2土曜日はうち、第4土曜日はごっちんの家っていうふうに週末はお互い泊まりっこしてるんだ。
お母さんたちも“若いっていいわねぇ”な〜んて言ってたいして気にしてないようだから、
うちらも楽々くつろげるし、なんといっても楽しいんだよね!!

でも今回は口うるさい弟たちを連れて皆知り合いのおじさんちに行ってるから、2日間家にはあたし1人。
ちょうどごっちんが泊まりに来る日で、ご飯作ってくれるって言うから買い物行って帰ってきたんだけど…

5 名前: 投稿日:2004/03/26(金) 20:51

「よしこ〜!冷蔵庫の中入んなくなっちゃった〜。」
「えぇ〜!!ちょっと待ってて。今行くから!」

…そう、あの子すっげー大食いなんだ。
家にあるって言ったのに食材買いまくりでさぁ、
荷物持ちしてたあたしの身にもなってよ!って感じ。

「よしこ、どうしようか…。」
「うーん…もう6時だしご飯作り始めちゃおっか!?そうすれば場所も空くだろうし…。」
「なるほど!よしこ頭イイね〜。」
えらいえらいって言ってあたしの頭を撫でてくる、のんびりしたマイペースな子。
6 名前: 投稿日:2004/03/26(金) 20:52
「そんじゃあ今日の夕御飯はごとー特製オムライス作ってあげよう!」
「マジで!?やった〜、ごっちんのオムライス超すき〜〜!!
あたしも何か手伝いを…。でも、とりあえず冷蔵庫片すね…。」
「うん、よろしく〜。」
ということで、とりあえずあたしたちはご飯作りを始めた。
7 名前: 投稿日:2004/03/26(金) 21:02
とりあえずさわりだけですが、書き始めました。
読みにくかったり、もっとこうしろよ!!というアドバイスなどがありましたら
どんどんレスください!厳しい意見も待ってます。
更新は毎週末を基本に、できるだけ早く行いたいと思ってます。


>名無し読者さん
 ありがとうございます!早めの更新目指して頑張ります!!
8 名前:名無しの読者さん 投稿日:2004/03/27(土) 14:42
なんか可愛いな
9 名前: 投稿日:2004/03/27(土) 23:57
「ふぅー、やっと終わったぁ。ごっちん、一応ギリギリで全部入ったよ。
ってかこんなに買って食べれんの?たった2人しかいないのに。」

山積みの食料と格闘し終わったあたしは、オムライスに飾り付けをしているごっちんに声をかけた。
飾りって言ってもただケチャップで絵を描いてるだけなんだけどね。
“とにかく見た目おいしそうに!”ってのがごっちんの料理魂なんだって。

冷蔵庫はこれでもかって言うくらい、ほんとにいっぱいいっぱいだった。

「おぉ、よくやったよしこ!ごとー入らないかと思ったよ。」
 「何がよくやっただよ。
ごっちん片付けるの下手だからごっちゃになってて余計時間かかったっての!」
「だってどこに何入れたらいいか分かんないんだもん!よしこんちのだから勝手が違うの。」
「よく言うよ、自分ちでもそうじゃん。部屋なんて物が散乱してるくせに…。」

最後のは聞こえないようにこっそり言った。
ごっちん怒らせちゃうとオムライス食べれなくなっちゃうし。

10 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 00:00

 「よーし、完成!!」
 「おっす、待ってましたぁ!早く食べようっ!!」
うん、やっぱおいしい!ごっちんは料理が上手で、特にお菓子とかはプロ級なんだ。

“うまいっ!”だとか“サイコー!”だとかをやたら繰り返しながら、
あたしはほんの10分足らずで食べ終わってしまった。


やっぱりおいしそうに食べるごっちんを見て、今さらながらしみじみ思う。
 
「相変わらずの大食いだね。そんな食べてよく太らないよね。」
あのさぁそのオムライス、あたしのより結構でかいんでない?
 
「ふぇ?ははーん、よしこはごとーがうらやましいんだね!照れるなぁ〜。
でもごとーだってよしこがうらやましいぞ!?
背ぇ高いし、かっこいいし、もてるし、バレー上手だし…」

「もういいよ!なんかごっちんに言われると恥ずかしぃ…。」
「あはっ、よしこ可愛い〜!」
11 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 00:00
確かにあたしは中学からバレーやってる。実は今も2年生エースって呼ばれてるけど…。
あっ、これ自慢っぽい?えへへ、“エース”って響きが嬉しくってさぁ!

でももてるってのはあたしが望んだことじゃない。むしろもてたくなんかない。
ただ1人、あの人にだけ振り向いてもらえたらそれでいいのに…。

12 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 00:08

更新しました!!
今回の分はこれだけですが、明日出来たらもう少し進みたいです。

>名無しの読者さん
 最高のほめ言葉をありがとうございます!
 より可愛く、よりテンポ良く進めるよう努力します!!
13 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 21:53

ごっちんが食べ終わるのを待って、片付けをはじめる。
料理がからっきしダメなあたしは
せめて片付けだけでもと思ってこの役を買ってでてるんだ。

すこし落ち着いたら2人でTVを見たり、お風呂入ったりしてまったり過ごす。
眠る準備が整ったら週末のメインイベントへ!!


メインイベント=恋バナ!!
はい、分かんなかった人はちゃんとメモっておくよーにね!これ常識だよ。

うちの学校ってね、割と校則がゆるくて恋愛に関しても自由だから、
女の子同士の恋ってのが当たり前に存在するんだ。
さっきあたしがもてるって言われてたのも、もちろん女の子からでさ。

入学当時はかなりびっくりしたよ?先生と生徒の恋も普通だし、ファンクラブなんてものもあるし。
でももう2年目だから、けっこう慣れちゃった。

14 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 21:54

まぁ前置きはこの辺にして、実をいうとあたしもごっちんも好きな人がいるんだよね。
ごっちんの場合、もう恋人になっちゃってるんだけども…。

あたしの好きな人は矢口真里さん!もうねぇ、めっちゃちっちゃくてめっちゃ可愛いんだ!!
それでいて性格はサバサバしてるから、そのギャップがまたたまらないんだよ!!
ほんとは2コ上なんだけど、1年のときにした入院のせいで留年してるんだ。

バレー部のマネージャーをしてて、けっこう仲は良い方だと思ってるんだけど…
いまいち告白する勇気が出ないって言うか、今の関係を崩すのが怖いというか…。
ほかの人にいくらもてても、矢口さんに振り向いてもらえないんじゃ嬉しくなんかない。


そういう点ではあたし、ごっちんがうらやましいんだ。
いろいろ考えないで即行動、なのにその強引さがちっとも嫌じゃなくてむしろ可愛いという…。
そんな子だから、あの市井さんとちゃっかり恋人同士になっちゃってるんだけどね。

市井さんは市井紗耶香さんっていって、バレー部のキャプテンで矢口さんの幼馴染。
あたしもよくお世話になってて師匠みたいな人なんだ。
この人もすごいもてるんだけど、会ったときからごっちんが気になってたみたいでさぁ
今じゃもうラブラブ。見てるこっちが恥ずかしいくらい…。

15 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 21:56

「よしこ!よしこってば!!ちゃんと聞いてた!?」
「えっ?ごめん、なんだっけ?もっかい言って。」
恋バナって言ったって、結局あたしはごっちんののろけを延々と聞くはめになるんだから。
ちょっとくらい交信しても仕方ないじゃん。

「もぉ!どこ行っちゃってたのさ!!せっかくごとーが良いこと教えてあげようと思ったのに。」
「ごめん、ごっちん。…で、良いことって何?」
「しょうがないなぁ、特別に教えてあげよう。
あのね、まずはごとーの話聞いてね。そんなたいしたことじゃないんだけどさ。
よしこ、さっさとやぐっつぁんに告っちゃいなさい。」

16 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 21:57

「…はぁ!?」
いきなり何言ってんだ、ごとーさんは。しかもたいしたことじゃないってどーゆー事!?

「だから、やぐっつぁんに想いを伝えなさいって言ってんの!
ごとーとしては早くよしこに幸せになってほしいわけよ。」
「いや、だからって唐突すぎない?」

「まだ全部終わってないの!いいからごとーの話を聞く!!
親友思いの優しいごとーさんは、ここ大事ね、“優しいごとーさん”。
なんと一昨日、やぐっつぁんを呼び出してきちゃいました!!
これかなり良いことじゃない?チャンスだぞ〜!」

17 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 21:58

…え〜っと、とりあえず。なんだこいつ。
「…告んの!?あたしが矢口さんに?」
「うん!ごとー、もうやぐっつぁんに言っておいたよ。月曜日の昼休みに4人でご飯食べよって。
よしこはそん時呼び出して“好きだ〜〜!!”って言えばいいの。」
「無理だしっ!ぜったい無理!!なんで勝手に呼び出しちゃったりするの?」

“うん!”ってふにゃっとした自称ごっちんスマイルで言われても…
心の準備もできてないし、不安もあるし。

「なんでって…。だってこうでもしなきゃよしこ、自分から行動起こさないでしょ。
ごとーはよしこにも早く幸せになってもらいたいんだ。
だーいじょぶだってば。ごとーが保証するよ?よしこ、やぐっつぁんのこと好きなんでしょ!?」
「ぅん…好きだけど…。」
あたしはいつになく真剣で強気なごっちんに、圧倒されていた。

18 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 22:00

「だったらいいじゃんか。いいチャンスだと思って気楽にいきなよ。
明日1日あるんだから心の準備もできるでしょ?」
「…わかった。ごっちん、あたしのためにありがと。」

あたしがそう言うと、ごっちんはまたふにゃっと笑う。
いい親友もったなぁ、なんて改めて実感してみたりして。

その夜は久しぶりに2人で眠った。つないだ手の暖かさはちっとも昔と変わってなかった。

19 名前: 投稿日:2004/03/28(日) 22:03
更新しました!
次回の更新は来週末となります。
誰か心優しい方が見ていてくれることを願っています。
20 名前:言葉乏しい読者さん 投稿日:2004/03/29(月) 01:57
期待
21 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/02(金) 11:31
まってまぁ〜す!!
22 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/02(金) 11:33
↑すいません。
ageてしまいました…
23 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:41

あぁ、なんかきのうはなんとなくいい夢が見れた気がする。
となりに寝てる小娘はまだまだ目覚めそうにないみたい。
それにしてもぐっすり眠れたなぁ。ごっちんのおかげかな?なーんて。

いま何時なんだろ?
うげぇ〜!もうお昼じゃん!!12時過ぎちゃってるよ…。あたしこんなに寝たの初めてかも。

だって昨日はごっちんが眠いって言うから11時にはベッドに入ったでしょ?
12時、1時、2時…って半日も睡眠に費やしたってわけ!?
さすが“眠りのごっちん”だけあるわ。


ぐうぅぅぅぅ〜〜〜
…とりあえずなんか食べよう。確かベーグルがあったはず。
あたしはいまだ夢の中にいるごっちんを起こさないよう、静かにキッチンへ向かった。

24 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:42

大好きなベーグルとゆで卵を作って食べてると、
まだ少し眠たそうな目をしたごっちんが起きてきた。

「ん〜、よしこおはよ〜。いま何時〜?」
「おはよう。うーん、今はねぇもう1時だよ。ごっちん寝すぎ〜!!」

「…じゃあよしこは何時に起きたのさ!」
「あたしは…12時過ぎ…。」
「よしこも寝すぎ〜!!ごとーと30分しか変わらないじゃん。
それ朝ごはん?ごとーにもちょーだい!!」

朝ごはん…といってももうお昼なんだけど…を済ませたら、結構な時間になってたので
その日は借りてきたビデオを見て過ごすことにした。

25 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:44

「明日は学校だ〜!!
久しぶりに部活なくてまるまる休みだったのに、なんかすごく寝て過ごした感じがする。」
「そーだねぇ。まぁ、ごとーはいつもこんくらい寝てるけどね。
はぁ〜、早く学校行っていちーちゃんに会いたいよぅ!よしこもやぐっつぁんに会いたいっしょ?」
「うんっ!」

…って、ん?今なんかとっても大事なことを思い出しかけたような…。
やぐっつぁん…矢口さん…矢口さん!?
そーだ!あたし矢口さんに告るんだった!!


「ご、ごっちん!明日だよ!明日告白するんだった、あたし!
だぁ〜、緊張してきちゃったよー!!どうしよ、なんて言おう…。」

やっば、すっかり忘れてた〜!!
しかも告白なんてしたことないから、なんて言ったらいいのかさっぱり分かんないし…。
かなり焦ってるあたしとは反対にマイペースなごっちんはというと…

26 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:46

「“あたし”と“明日”って似てるねぇ。早口言葉みたい。
ごとー言えないよ、絶対にかむ自信あるもん!!」

いやいや、そんなことに自信持っても1つもいいことないから。

「よしこ、“だぁ〜”ってなにさ!猪木みたいだよ?
今度梨華ちゃんとものまね対決してね。どっちが似てるかなぁ?
梨華ちゃんはあごが似てるんだよねぇ…。応援してるから頑張ってね!!」

ごっちん、どこまで話がずれちゃってるの?
猪木のものまねで梨華ちゃんと勝負するつもりないし、応援されても期待に応えられないから。

あと“あごが似てる”って失礼だから、本人の前で言っちゃだめだよ!!
ネガティブモードに入ったら、とうぶん影背負うことになるんだから…。

27 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:46

「もぅ、他人事だと思って!!あたしにとってはすっごい重大なことなんだよ!?」

そう言ってもごっちんは「だーいじょぶ、だいじょぶ。」って繰り返すだけ。
なにが大丈夫なんだよ!とりあえず「1人で考えるから」と言ってリビングに向かう。


「だからうまくいくんだって。やぐっつぁんもよしこの事好きなんだから…。」
最後につぶやかれたごっちんの言葉が、あたしの耳に入ってくることはなかった。

28 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:52
更新しました。

>言葉乏しい読者さん
 ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします。

>名無し読者さん
 ありがとうございます!!更新しましたのでどうぞ見てやってください。

次の更新は夜になります。少々お待ちください。
29 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:53
流します〜〜
30 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 11:53
もう1つ流しま〜〜す
31 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:04

ふぁ〜、眠い…。昨日は緊張してたせいか、なかなか寝付けなかった。
こういう日は大好きなパンを食べて、早く学校に行くのが一番!
ごっちんを叩き起こして朝食を済ませる。

「「いってきまぁ〜す!!」」

32 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:05

うん、やっぱ朝はいいね!なんといってもこの清々しい空気が最高!!
隣にはまだ寝たりなさそうなごっちんがよたよた歩いている。
眠りのごっちんにこの良さを分かってもらおうとは思わないけどさ…。

少し歩くと見慣れた後姿が目に入った。
「梨華ちゃ〜ん!おっはよ〜!!」
「あっ!よっすぃ〜おはよー!!」

あたしの声に気づいた梨華ちゃんは、手を振って大きな声で返事を返してくる。
いつものようにふらついてるごっちんを半分引きずるようにして歩いていくあたしを、
数メートル先の梨華ちゃんも止まって待っててくれる。

33 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:06

この子は石川梨華っていって同じクラスの子。
高校入ってからの友達なんだけど今じゃもうすっかり仲良くなって、
もう1人、藤本美貴ってのとよく4人でつるんでるんだ。

梨華ちゃんは女の子女の子しててすごく可愛い。それにいい子だし。
強いて言うならピンクはそろそろ卒業しようねって所だけ。

美貴はいい奴。よく相談乗ってくれるし、何気に頭良くて勉強教えてくれるし。
つっこみたまにきついけど。気ぃ抜いてるときの顔は恐いけど。


「ごっちん、いつものことながら眠そうだね。よっすぃ〜も大変!」
「まぁね、もう慣れちゃったからいいんだけど。」

34 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:07

「ごっちん、おはよう!」
朝からさわやかな笑顔の梨華ちゃんに対して、ごっちんは…

「んぁ…おあよ〜。梨華ちゃん、ごとー眠いから学校まで連れてって。」
なんて言って梨華ちゃんにもたれかかる。
これもいつもの光景。

できたらこのまま置いて行きたいとこなんだけど、
今にも倒れそうな梨華ちゃんを見てたら可哀想になってきて、
あたしはごっちんの手を引っ張るとそのまま引きずって学校に向かった。

35 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:08

「「よっすぃ〜、おはよー!!」」
「おはよ〜。」

「「吉澤先輩、おはようございま〜す!!」」
「おはよう。」

はぁ〜、みんな朝から元気だなぁ…。
あたしは声を掛けられる回数が多い。先輩後輩関係なく、とにかく声がかかる。

いや、嬉しいことなんだけどさぁ…こう毎日会うたびに言われると嫌んなるよ…。

もちろんこんな悩みを皆に言えるわけもなく、知ってるのは3人だけなんだけど。
梨華ちゃんがこっそり「大変だね…。」って言ってくれる。
あたしは苦笑いを浮かべながら教室に向かった。

36 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:08

のろのろ歩くごっちんのせいで、毎日あたしたちが着く頃にはだいたい皆そろってる。
始業チャイムが鳴ると同時に教室に入るくらいだから、皆いるのは当たり前なんだけども。

いつもなら先生が来るまで騒いでるんだけど、今日ばっかりはそうはいかない。
なんてったって“告白”という一大イベントが待ってるんだから!!
あたしは一人机に座る。もちろんごっちんは放置。

皆めちゃめちゃ驚いてるねぇ。
悪いけど今から自分の世界に入らしてもらうから、よろしく!

37 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:10

「どうしちゃったの、よっすぃ〜。今日なんか変じゃない?熱でもあるのかなぁ?」
「えぇっ!?でも来るときは元気だったよ?」

「よっすぃ〜静かだとなんか恐いなぁ…。
美貴今日傘持ってくんの忘れちゃったのにどうしよう…。」
「なんで傘?今日晴れるよ、美貴ちゃん。」

「なに言ってんの、梨華ちゃん!絶対雪降るって!!もしくは槍!
よっすぃ〜が静かだなんて、雪降る以外ありえないよっ!」
「えぇ〜っ!!どうしよ…。でも槍だったら傘さしてもあんま意味ないね。」

38 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:11

はい、ちょいとそこのお二人さん。まる聞こえだよ?
こんなんじゃ交信したくてもできるかってんだ!!

「梨華ちゃん!美貴の冗談をまともに取り合わないで。
こんないい天気の日に雪なんか降るわけないっしょ!!
美貴も美貴で梨華ちゃん騙そうとすんな!!
たまには1人で考え事させてよ。」

ふぅ…これだけ言っておけば静かになるだろう。


「よっすぃ〜が1人で考えたいことってなんだろうね?」
「悩みでもあるんじゃない?」
「悩みごとかぁ…。何だろうね?」
「う〜ん、そうだねぇ。“もてて もてて 困っちゃう”だったりしたら面白いけどね。」

…美貴、あとで覚えてろよ!!

39 名前: 投稿日:2004/04/02(金) 23:16
とりあえずこれだけ更新。
…っていうかコレ見てくれてる方はいるのでしょうか?
ダメ出しでも感想でも何でもいいんで、レスください…。
レスがありますと、作者のテンションが上がって更新速度が早くなるかも
しれません。待ってます。
40 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/04/03(土) 11:12
頑張ってください
41 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/03(土) 15:23
レスくれ言い過ぎ…さめる…
42 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:38

「おはよー。ショート始めるよ〜!!みんな早く席ついて。」
「「えぇ〜、また担任かおりんなの〜?」」
「仕方ないじゃない、くじで決めたんだから。誰1人として変わらないね…。
まぁ、見知ってる生徒ばっかで私はうれしいけど。」

今日は2年生になってまだ3日目。
クラス替えはないから教室が変わっただけなんだけどね。
しかも先生も変わらなかったから去年と全く同じ。だから新学期って感じがしないんだなー。

飯田先生が入ってきてSHRが始まっていた。
終始うわの空だったあたしは、いつの間にやらとんでもない仕事を任されていた…。

「じゃぁ、吉澤!あんた力ありそうだから1限までに副教材持ってきといて。
視聴覚室いって“2の5です”って言えばもらえるから、よろしくね!」
確かそんなようなことを言われた気がする。

43 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:39

この前買った教科書もはんぱなく重かったのに、これ以上何の教材がいるっつうんだよ!!
悩める乙女にこんな大荷物を持たせるなんて、なんて先生だ!!

「なに〜?吉澤いま何か言った〜?」
「いえっ!なんでもないっす!!任してください!!」

はぁ〜ぁ、せっかくかっこいい決めゼリフ思いついたと思ったのに…。
だいぶ盛り上がってきた気分も台無しだよ。
とりあえず教材取りに行かなきゃ。飯田先生怒らすと恐いし…。

44 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:40

「ぅう…お、重い…。いくら部活で鍛えられてるって言ったって、この量はきっついよ…。
つーかごっちん、美貴も梨華ちゃんもついてきてくれるのは嬉しいんだけど
手伝ってくれないの?」

「もっちろん!美貴は散歩のついでで来ただけだし。」
「ごとーも眠いからやだ〜!!」

「ごめんね、よっすぃ〜…。私手伝うから貸して?」
「ありがとう。でも、梨華ちゃんはやめておいたほうがいいよ、かなり重いから。
その気持ちだけありがたく受け取っておくね。」

なんていい子なんだ、梨華ちゃんは!!
それに比べてこの2人は…散歩ってなんだよ!眠いんだったら来るなっつうの!!
ふぅ…もうちょっと…。

45 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:42

「だぁー!!やっと着いたぁ!!」
「あ〜っ!よしこ、ごとーすっかり忘れてたよ!!梨華ちゃんちょっと来て!」
なっ!まさか昨日のものまねがどーとかこーとかっていうやつじゃないだろうねぇ…。

「でわ今から、第1回梨華ちゃんVSよしこのものまね対決を始めま〜す!!
でもものまねは猪木だけに限ります!」

あぁ〜やっぱり。あたし嫌だよぅ…。
ほら、梨華ちゃんポカーンとしてるし!美貴の目はすっごい輝いてるけど…。


「ごっちんやっぱ止めよう?梨華ちゃんびっくりしてるし…ね?」
「やだ〜、よしこの応援はごとーやったげるから!!」
「よっすぃ〜、美貴も見たいっ!!梨華ちゃんの応援は美貴にまかせて!」
「……??」

なんだ、こいつら…。応援がいないから嫌って言ってるわけじゃないのに…。
誰かこのアホ2人組を何とかしてぇ〜!!

46 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:43

 …キーンコーンカーンコーン…

「1限始めるよ〜。教材配るから席ついてね。はい、日直号令!」

ナイスです!飯田先生!!
今度からダジャレ聞いても無視しないようにします!!
おもいっきり笑うから、とりあえず今来てくれてありがとうございますっ!!

「あ〜ぁ、先生来ちゃったよ…。」
「仕方ないね!ほらっ、運が悪かったってことでものまね対決はなかったことにしよう!?」
「ごとーは諦めないからねっ!!」
「美貴もっ!!」

いいよ…この際もう今日が無事に終われば何でもしてやるさ…。
とにかく今はあたしに1人の時間をプリーズ!!

47 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:44

1時間目は飯田先生のわけわかめな話だったし、
次の時間もその次の時間も、授業内容と進度の説明ばっかだったから
わりと静かに、でもあっという間に過ぎていった。

48 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:45

そしてとうとう昼休み。

「よーしこっ!ご飯食べよ〜!!いちーちゃん達、もう屋上いるって。」
「う、うん…。」
「なに緊張しちゃってんのさー。らしくないぞっ!早く行こっ!!」

「えぇ〜?よっすぃ〜とごっちん、お昼ここで食べないの?」
「うん。ごめんね、梨華ちゃん。よしこの運命がかかってるからさぁ。」

「運命!?もしやごっちん。
今日よっすぃ〜の様子がおかしかったのもこのせいなのかい?」
「おぉ!さすが美貴だね。そうなのだ!
この昼休みでよしこの運命が決まってしまうのだ!!
果たしてよしこに春はくるのだろ…いたっ!!痛い〜、よしこのお馬鹿!!」
「なにが“お馬鹿!!”じゃー!!早く行くよ!市井さん達待ってんでしょ?」 

ぺらぺらと喋りまくる親友を一喝して気合いをいれたら、いざ鎌倉へ!!

49 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:47

屋上に着くと、もう2人は食べ始めていた。

「おっせーぞ!いちーたちもうすぐ食べ終わっちゃうじゃんか〜!!」
「ごめーん、購買行ってたから遅くなった。」

市井さんに声をかけられたごっちんは返事をして駆け出していく。
反対にあたしの足取りは重く、その後ろをのろのろと歩く。
途中矢口さんと目が合って手を振られたけど、ぎこちなく笑うことしかできなかった。


あ、なんかごっちんが市井さんに耳打ちしてる。
そう思ったとたんあたしを見る市井さんの顔がにやけはじめた。
…なぁ〜んか嫌な予感…

「矢口いってこ〜い!!“よっすぃ〜”が話あるんだってよー。」

そう言って矢口さんの背中を押す市井さんはあたしにピースサインを出してくる。
ったく、2人して大きなお世話なんだよ。
50 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:49

「バカ紗耶香。痛いっつーの!」
なんて言いながらあたしのほうにチョコチョコと走ってくる矢口さん。
どきどきしてきた…。でも。相変わらず可愛いなぁ!!

「よっすぃ〜、なぁに?」
首を傾げて尋ねる仕草がめちゃめちゃ可愛くて、ついどもってしまった。

「お、おはようございます矢口さん!ちょっとお話があるんですけども…。」
「あはははっ!!よっすぃ〜もうお昼なのにおはようって!
すんごい敬語つかってるけど、改まってどうしたの?」
「いや〜…あの、ちょっと場所変えません?」
「おっけー。」

さっきから感じるにやけた2つの視線を避けるため、
ちょうど影になっている場所へ移動した。
あっちも2人っきりにしてあげたほうがいいだろうし。

51 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:50

1つだけ深呼吸をすると、あたしは話し始めた。

「矢口さん。いきなりなんですけど、ずっと伝えたかったことがありまして…。」
「うん。」

「あたし、バレー部に入ってから1度も部活辞めたいとか、サボりたいとか
思ったことないんですよ。
それはバレーが好きだからってこともあるんですけど
逢いたい人がいるからってのが1番の理由だったんです。

矢口さんはいっつも元気で、マネージャーの仕事とかも一生懸命やってて、
そういう姿見ててあたし、ずっと励まされてたんです。
調子悪いときや試合負けちゃったときも
矢口さんの声聴くと次頑張ろうって気持ちになったし…。

つまり、あたし矢口さんのことが好きなんです!付き合ってもらえませんか?」

52 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:51

ふぅ〜、よしっ!!とぎれとぎれになっちゃったけどちゃんと言えたぞ!!
言えたことは言えたんだけど…矢口さんの反応がない。
やっぱ、恋愛対象にはなれなかったのかな…。
仲良くしてくれてたのも、同じ部の後輩だからだったのかな?

「あのー、無理して返事をもらわなくてもいいんです。
伝えたかっただけですし、ちゃんとフラれる覚悟もしてきましたから。
でも出来ることなら今まで通り仲良くしてもらえたら嬉しいんですけど…。」

覚悟してたとはいえ、沈黙はつらいなぁ。矢口さんはというと…俯いちゃってる。
あ〜ぁ、フラれちゃったよ。明日っから気まずくなっちゃったりして…。

53 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:54

そう思って、ちょっと凹んでたら突然、顔を上げた矢口さんと目があった。

「よっすぃ〜、今の本当?おいらのこと好きって言ってくれたの、うそじゃないよね?」
「当たり前じゃないっすか!!大好きですよ!!」
「おいらもよっすぃ〜のこと大好きです!こちらこそよろしく!!」
 
「…へっ!?いいんですか?」
「いいもなにも、おいらよっすぃ〜のこと好きだったし。
最初はね、背ぇ高くてバレー上手だなぁって思ってただけなんだけど、
いろいろ話したり、一緒にご飯食べてるうちにいつのまにか好きになってた。
でもよっすぃ〜かっこいくて、すごいもててたから今の関係で十分だと思ってたんだ。」


てっきり断られるものだと思っていたあたしは拍子抜けしてしまった。
でもしっかり目を見て話してくれるこの言葉に、きっと嘘はないのだろう。
あたしはとたんに嬉しさがこみあげてきた。

54 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:56

「よっすぃ〜?」
「ありがとうございますっ!!」
「うん、よろしくね!!」

「じゃ戻ってご飯食べましょ!あたしお腹空いちゃいましたよ。」
「そうしよっか。紗耶香たちも待ってるだろうし。」


あたしは今にもスキップしだしそうな足取りで歩いていく。
あたしの隣には矢口さん。
今日から矢口さんとは恋人同士になるんだなぁ。こういう風に並んで歩けるんだなぁ。
そう思うと自然と顔がにやけてくる。そーだ!ごっちんに感謝しないとね!!

55 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 15:59

 …その頃あの2人は…

「よしこ、ちゃんと言えるかなぁ?」
「ん〜、大丈夫だろ。あいつすっげー鈍いけど見かけによらず度胸あるし。
あんな分かりやすい矢口のこと、気づかないんだもんな。
っつーか後藤、吉澤のお母さんみたい。」

「そうかな〜?したらいちーちゃんはよしこのお父さんだよ。」
「えぇー!!市井、吉澤みたいな子供やだ〜!
絶対あいつ子供のころガキ大将だったよ。いたずら好きそうな顔してるもん。」
「あはっ!そうかも。」

 
「ねぇいちーちゃん、ごとー達もう逢って1年になるんだね。」
「そっかぁ、早いもんだ。」

56 名前: 投稿日:2004/04/03(土) 16:03
更新しました。

>名無し飼育さん
 ありがとうございます。頑張ります。

>名無飼育さん
 申し訳ありませんでした。
 とりあえず自分の思うままに書いていきたいと思います。

57 名前: 投稿日:2004/04/11(日) 22:08

…回想…

58 名前: 投稿日:2004/04/11(日) 22:09

 …プルルルルルルル…
「よしこっ!!早くしないと電車行っちゃう!!」
「やっべ、ごっちんダッシュ!!」

  …プシューーッ…
「はぁっ、はぁっ、セーフ…。間に合ってよかったぁ〜。
もーごっちんが寝坊するからだよ!入学初日から遅刻するかと思ったじゃん!!」
「えへへ、ごめんねよしこ。でもちゃんと乗れたから大丈夫だよ〜。
それより高校、楽しみだよねぇ!」
「まったく、マイペースなんだから!もう慣れたけどさ…。」

ぶつぶつ言っているよしこの横で、ごとーは高校生活への期待に胸をふくらませていた。
な〜んかいいことありそうな気がするんだ!
ごとーこういう勘だけはすごく当たるから、きっと毎日楽しいんだろうな!!

59 名前: 投稿日:2004/04/11(日) 22:11

駅からは歩いて学校に向かった。
噂によるとすっっごい大きい学校らしいけど…そんなのどこにも見当たらない。
よしこと2人で散々歩き回って、見つけた頃にはもう9時を過ぎていた。


「すっげー、でかい…。あそこ噴水とかあるよ!かっけー!!」
「本当だ!すごい広さだねぇ…。こんだけ広いと迷っちゃいそう。」

あまりの広さに呆然として立ち尽くしていると、よしこが何かに気づいたっぽい。
 
「よしこどしたの?なんか見つけた?」
「うん。なんか…人いなくない?新入生どころか先生や先輩らしき人も。」
 
「…あ。ほんとだ。でも入学式って9時半からだよね?
よしこプリント持ってる?ごとー忘れちゃった。」
「うん。9時半からだったと思うけど…。
あっ、違った!!やばい、ごっちん!!9時からだった!!」
「…ってことは、もう始まってんの!?」

60 名前: 投稿日:2004/04/11(日) 22:13

ピーンチ!!早く行かなきゃ!!
「ごっちん、行くよ!!」
「えっ!?ちょ、ちょっとよしこ?」
よしこはごとーの手をつかむと全速力で走り出した。


玄関に入って靴を履き替えると…ドンッ!!
ごとーはものの見事によしこの背中にぶつかった。

「いった〜…よしこ急に止まんないでよ。どうしたのさ!」
「ごめん。体育館どこかわかる?」 
「あぁ〜、わかんない。入学説明会では矢印ついてたからさぁ。
それにこんなに広いんだもん。覚えてないよ〜。」

61 名前: 投稿日:2004/04/11(日) 22:13

「だよねぇ〜。どうしようか?今から探しても途中から入って目立つの嫌だよね。
どうせならいっそ出ないほうがよくない!?HRさえ出れればきっと気づかれないよ!

…ってことで、ごっちん!!」
「そうだね、よしこ!!」

「「屋上行こうっ!!」」


さっすがよしこ、息ぴったし!!ほんとうちらっていいコンビだよね。
こんなに晴れてる日は外に出てひなたぼっこするのが1番!!
校長先生たちの長くて堅苦しいあいさつを聞くより、よっぽど健康にいいよ。

62 名前: 投稿日:2004/04/11(日) 22:14

適当に近くの階段を上っていく。
ほかの先生に見つからないようにして歩くよしこの姿がすごくおかしくて、
ごとーは笑いをこらえるのに必死だった。

やっとの思いでたどりついた屋上は結構眺めがよくて、遠くのビルまでしっかり見えた。
ひとしきり景色を見たあとは2人して大の字になって寝ころぶ。
ちょっと太陽が眩しいけど、暖かい春の風が頬をなでていくのが気持ちいい。
会話が途切れて目を閉じたら、いつのまにか眠ってしまっていた。

63 名前: 投稿日:2004/04/12(月) 22:49

「…い、お〜い、起きろー!!ったく、どうしよう。」

んー、なんか声が聞こえる。
と思ったら肩をたたかれて、ごとーは目を覚ました。

「んぁ?ふぁ〜ぁ、いつのまにか寝ちゃってたんだ。ごめんね、よしこ。」
次の瞬間、ごとーは運命の出逢いをすることとなる。

64 名前: 投稿日:2004/04/12(月) 22:51

「ごめんね、市井は“よしこさん”ではないよ。
2年の市井紗耶香っていうんだけど、きみら新入生だよね?
入学式とっくに終わって、もう皆帰っちゃったよ?」


…誰っ!?
えっと、名前なんていったっけ?
う〜んと、いちーさんだ!いちーさやかさんだ!!
なんかこの人めちゃめちゃかっこいい…。

ごとーが見とれているといちーさんはまだ寝ぼけてると思ったみたい。
「大丈夫?まだ眠いの?」
「あっ!いえっ!!大丈夫です!!」
「ならいいんだけど…。きみ名前なんていうの?」
「え?あっ、ごとーです!後藤真希です。」
「ふーん、んじゃ後藤でいっか。後藤、こっちの子起こしたほうがいいよ。」

そこにはよしこがいた。
ってよしこ、顔にざらざらのあとついちゃってるよ!!
ごとーは笑いながらもよしこを起こしてあげた。

65 名前: 投稿日:2004/04/12(月) 22:53

「あの〜、いま何時ですか?」
よしこは起きるなりそういちーさんに尋ねた。
「ん〜、いまは1時半だね。」
それを聞くとよしこは青ざめた顔をしてごとーを引っぱった。

「ごっちん、大変だよ…。入学式どころかHRも終わっちゃってる。
初日からサボっちゃったよ…。」
あら〜、もうそんな時間なんだぁ。…ってこれってやばいんじゃない?
「ありゃりゃ、どうしよっか?いちおう先生のとこ行かなくちゃだよね。」

「だってどの先生のところ行ったらいいかわかんないじゃん。」
「そっかぁ。じゃあとりあえず教務室行って、1年5組の担任の先生呼んでもらうのはどう?」
「ごっちん、教務室どこにあるかわかる?」

…ふむ。体育館の場所もわかんないのに教務室がわかるわけがない。
どうしようかと途方にくれていると天の声が聞こえた。

66 名前: 投稿日:2004/04/12(月) 22:53

「市井が案内したげよっか?まだ部活まで時間あるし。」
「「お願いしますっ!!」」
ちょっとした自己紹介をすませると、ごとーたちはいちーさんに学校案内をしてもらうことにした。

67 名前:感想書きさん 投稿日:2004/04/13(火) 21:56
回り道しない直球感があって、とても爽快で良い!
68 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 21:31

「じゃ、とりあえず教務室行こうか。」
「ほんとにいいんですか?迷惑かけちゃってすみません。」
「ごめんなさい。」

「ん?いいよ、気にしなくて。市井も早く来すぎちゃって暇だったしさ。
屋上で時間つぶそうと思ったら先客がいるんだもん。しかも1年生びっくりした。
こいつら初日から度胸あんなぁって。」

いちーさんはさっぱりしていて話しやすい人だった。
それに学校のこともいろいろ教えてくれた。
先生もフレンドリーで名前で呼ばれてる人が多いとか、
よしこに「吉澤はきっともてまくるよ。」って言ったり、話題が尽きることはなかった。

69 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 21:33

「市井さんって部活何に入ってるんですか?」
だいぶ打ち解けられてきた頃、話題は部活の話へと移った。

「市井はバレー部だよ。背はちっちゃいけどね。」
「そうなんですか!?あたしバレー部入ろうと思ってたんです。
中学でもやってて、ここのバレー強いからすごい楽しみにしてたんですよ!」

いちーさんってバレー部なんだ。似合う〜!!かっこいいなぁ…。
ふ〜ん、よしこバレー部入るんだ。…って初めて聞いたよ?

「えっ!?よしこ部活入るの?ごとー入らないつもりだったのに…。
遊び行ったりできないじゃんか。」


70 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 21:34
「ごっちんも入ったらどう?マネージャーだったらバレーできなくてもやれるしさぁ。」

う〜ん、どうしよっかなぁ。いちーさんもバレー部なんだよなぁ…。
でもマネージャーって大変そうだしな〜。

ん?ちょっと待った!同じ部活ってことは帰る時間も同じってことで、
つまりいちーさんと一緒に帰れるかもしれないってことで、
そんでもって一気に仲良くなれちゃうチャンスだったりするわけだ!!


「は〜い、はいはい!!ごとー、マネージャーやる〜!!」
「おっし。そうこなくちゃ!!楽しい部だからきっと気に入るよ。
っと、ほらここが教務室だよ。先生聞いてきてあげるからちょっと待ってて。」

71 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 21:38

すっごいでかい校内も話しながら歩いていたらすぐだった。
教務室を覗いてみると先生らしき人が5,6人。

「意外と先生少ないね。」
「今日は入学式だけだから少ないんじゃない?ほら、結構いっぱい机あるよ。」
「ほんとだ〜。あっ、いちーさんだ。よしこ、今いちーさんと話してる人が担任の先生かなぁ。」
「えぇ〜!なんていうか、ごついね。いかにも体育の先生…。やだな、あの先生だったら。」

「じゃあバレー部の顧問かなぁ?」
「…あたしあの先生だったら入部取り消そうかな…。」
「えっ!よしこ止めてもごとーは入るからね!!いちーさんと一緒だしぃ。」

「どーゆーこと!?もしかしてごっちん、市井さんのこと好きなの??」
「うんっ!ヒ・ト・メ・ボ・レ!!かっこいいよねぇ、いちーさん。」

「…う、うん。かっこいいとは思うけど…女の人だよ?」
「そうだよ〜、かっこいいんだよねぇ。
“男も女も関係ない!好きになったら一直線!!”これごとーの信条だから。」

「…いやいや、明らかに今決めたよね。」
「いーから!よしこ、応援してくれるよね?」
「う〜ん、いいよ。できるだけ頑張る。」

72 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 21:39

よしこの協力を得たところで、いちーさんが出てきて先生を教えてくれた。

「1−5の担任はかおりだって。窓際にいる髪の長い先生。
そんで、隣にいるのが裕ちゃんっていってバレー部の顧問だから。
もし本当にバレー部入るんだったら今言っちゃったらいいよ。おいで。」

いちーさんの後ろについて先生のところへ行く。
「かおり、この子達1−5の生徒だって。市井が連れてきてあげたよー。ほい、どうぞ。」

73 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 21:52

やっぱまずは謝んないとだよね。初日早々サボっちゃったんだから…。
「あのっ、今日入学式とHR、出なくてごめんなさい。」
「ごめんなさい。」

「えっと、吉澤と後藤だね。私は飯田圭織です。5組の担任になるんだけど…。
今日出なかったの2人だけだったよ。どうしたの?」

「あの、始まる時間を間違えてて遅れちゃって、体育館の場所もわかんないし、
天気いいから屋上行ったらそのまま寝ちゃって、いちーさんに起こされました。」
 
「ごっちん!!そんなバカ正直に言うことないのに…。
しかもいまいち日本語になってないから、余計わかりにくい…。」

ありゃりゃ…よしこにまかせておけば良かった。
ごとー、こういう説明すんの苦手なんだよね。

74 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 21:56

「あの〜、先生ごめんなさい。実はそうなんです。」
渋々よしこが言う。うぅ…そんなに睨まないでぇ〜。
おそるおそる次の言葉を待っていると…なぜか飯田先生は大笑い。

「あはははっ!!そっかそっか今日天気良かったもんね。しょうがない!
じゃ、明日からは授業始まるからちゃんと来てね。」
「あっ、はい。」

なんかあんまし、っていうか全然怒られなかったような。
良かった。いい先生だな〜。綺麗だし、話しやすそうだし。

75 名前: 投稿日:2004/05/04(火) 23:00
更新しました。随分ペースが遅くなってしまいまして、ごめんなさい。
読んでくれている方には申し訳なく思っています。
ストックがぶっ飛んでしまった事、試験が重なっていた事で疎遠になっていました。
とりあえず復活しましたので、頑張ります!!

>感想書きさん
 ありがとうございます!!
 まだまだ未熟者なんで、文章が幼稚なのがとても恥ずかしいですが…。
 皆さんの作品を読んでひたすら勉強中です。
 これからも頑張りたいと思いますので温かな目で見守っていてください!!
76 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/07(金) 20:30
なかなか楽しげっす
77 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/09(日) 01:28
俺この話けっこう好きです
78 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/23(日) 20:20
でっかいニュースが舞い込んできて(しかも悪いほうの…)
かなりショックを受けている状態です。(まだ確実ではないのですが)
つくづく私は娘。が好きなんだなぁと実感するとともに
凹みすぎてとても小説どころじゃありません。
よっすぃ〜とやぐっちゃんは健在ですので、この話は書き続けたいと思います。
が、もうちょっと時間をください。

読んでくださった方、すみません。
なるべく早く復活しますので、今後ともよろしくお願いします。
79 名前: 投稿日:2004/05/23(日) 20:29
すいません、作者の雛です。上の名前欄間違えてしまいました。
80 名前:名無飼育 投稿日:2004/05/24(月) 10:51
待ってます。
がんがって下さい!!
81 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 10:54

ごとー達が話してる間、いちーさんは隣の裕ちゃん先生と何か話してたみたいだった。
飯田先生と話し終わるといちーさんに呼ばれた。

「裕ちゃん、この子らバレー部入部希望だって。
マネージャー、矢口1人で大変っしょ?市井がスカウトしてきた!!」
「はいはい。自分ら名前なんていうん?」
「吉澤ひとみです!」
「後藤真希で〜す。」

「んじゃ、よっさんと後藤でええか。
あんな、最初に言っとくけどな?うちの部活のモットーは仲良く楽しくやねん。
やっぱバレーっちゅうもんはチームワークが重要やからなぁ、
1年生だからって遠慮とかせんといてな。」

「「はっ、はい!」」
「それと練習はけっこうきついかな。楽しいことには楽しいけど遊びやないからな。
マネージャーもなかなかの重労働なんやで。とちゅうで辞めるなんてゆうんやないぞ〜。」
「「はいっ!!」」

82 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 10:56

いきなり関西弁で話し始めるし、よっさんとかなんとか言ってるし。
はじめはちょっと戸惑ったけど、この先生も話しやすくてなんか面白い。
ノリもいいし!やっぱごとーの勘、大当たりだね!!

「うちは中澤裕子。バレー部の顧問と市井のクラスの担任してます。
裕ちゃんって呼んでな〜。」
83 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 10:58

「紗耶香、全部聞こえとるよ。今日の午後練、サーブ20本追加な。」
「えぇ〜、ほら鬼コーチじゃんかー!!」
「なに言ってんねん、めっちゃ優しいやんか。なんなら50本にしてあげてもいいけど?」
「遠慮しておきます。」
…なんかコントみたい。

「じゃあ、2人とも。出れるんやったら明日からでもおいで。
皆にも言っとくし、なるべく早く部の雰囲気にも慣れて欲しいからな。」
「「はいっ!!」」
「とりあえず今日は帰り。明日からは遅刻したらあかんよ。」
「「ありがとうございました〜!」」

84 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 10:59

挨拶を終えて教務室から出る。
「なんかさぁ、先生たち結構話しやすかったね。」
「うん。でもあの金髪にはビックリしたねぇ!しかもすごい関西弁だし。
ごとー初めて聞いたよ、関西弁。」

「裕ちゃんは京都出身なんだ。出てきて結構経つのにいまだに抜けないらしいよ。
見た目ヤンキーっぽいけどめちゃめちゃいい先生だから。バレーはやっぱ厳しいけどね。」

実際に先生に会ってみたり、いちーさんの話を聞いたりしてたら
ずいぶんと楽しみになってきた。

85 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 11:00

「はぁ〜、ごとーすっごく楽しみだなぁ〜!」
学校もあと部活も!部活なんかまともにやったことないし。
そう付け加えたらよしこに笑われた。

「あははっ!ごっちん中学のとき幽霊部員だったもんね。しかも演劇部!!
普通、部員が2人しかいないとこになんか入らないっすよね!!」
「…だって先生が入るだけ入れって言ったんだもん。」

「もっとマシなところ選べよ。まぁ、市井はバレー一筋だったけど。」
「あたしもです!っていうかバレーって…」


あ〜ぁ、よしこってばバレーの話になると止まんないんだから。
いちーさんもいちーさんで話し込んじゃってるし。
数十分間とたっっぷりバレー話をすると、部活が始まるからって玄関まで案内してくれた。

86 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 11:01

「遅れるとまた裕ちゃんにメニュー増やされっからさぁ。
この辺でだいじょぶだよね?ちゃんと家帰れよ。じゃね。」

そう言っていちーさんは今来た廊下を戻っていこうとする。
もうお別れかぁ…。こんなに仲良くなったのになぁ。

ごとーはもう1歩、もうちょっぴりだけいちーさんと近づきたかった。
よし、と決心すると、離れていこうとするいちーさんに声をかけた。

87 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 11:07

「いちーさん!!」
「ん?なに後藤、そんな大声だして。」
「あの…ごとー、いちーさんのこと“いちーちゃん”って呼んじゃってもいいですか?」

「ごっ、ごっちん!!?はぁ?なに言ってんの??だめに決まってんじゃん!!
ほんとにいつもいつもごっちんは…」
なんだか隣でよしこがごちゃごちゃ言ってるみたいだけど無視。
ごとーはいちーさんの顔を見つめた。
88 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 11:08

「う〜ん、いいよ。ってか敬語も使わなくていいや。後藤、使い慣れてないだろ。
さっきからなんかぎこちないなぁって思ってたんだよ。」
「えへっ、ばれてた?そ〜なんだ、ごとー敬語って苦手でさぁ。」
やったぁ〜!!OKだって!!これで親密度アップ、みたいな。

「市井も敬語苦手なんだよね。先輩って呼ばれるのもあんま好きじゃないんだけど…。
だっけ、吉澤もそんな気にしなくていいから。」
「いや、無理っす!!あたしそういうことはきっちりしときたいんで。」
「おっ!よしこえらいねぇ。何かと気にしぃなんだから。」
「ごっちんが気にしなさすぎなの!!も〜ごっちんと話してると疲れる…。」

とりあえずいちーさん…じゃなかった、いちーちゃんの許可をもらえてごとーはうっきうき!!

89 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 11:08

「じゃ、今度こそ市井行くからね。ちゃんと帰れよ!!」
「うんっ!バイバ〜イ!!」
「ありがとうございました!!」
90 名前: 投稿日:2004/06/07(月) 11:23
更新しました。遅くなり本当に申し訳ないです…
かなりペースは落ちましたが、こんな感じで書いていきたいです。

>名無飼育さん
 ありがとうございます!!これからも楽しく読んでもらえたら幸いです。
 自分でも納得いかないとこは何度も書き直したりしてるんで、嬉しいです!!
 もっと面白く?楽しく書いていくんでよろしくお願いします。

>名無し読者さん
 好きって言ってもらえて光栄です!!ほんと頑張ります!!
 更新が不規則になっていますが、途中で投げ出すつもりはないのでよろしくです!

>名無飼育さん
 復活しました!!まだ完全ではないですけど…がんがります!!
 書き続けようって意思は固いので、また読んでくださいね。
91 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:31

いちーちゃんと別れて、言われたとおりちゃんと家に帰ることにした。
ごとーはずっとテンションあがりっぱなしだったから、よしこは呆れてたみたいだった。
まぁね、こんなにごとーが喋ることってめったにないから仕方ないんだけど。

「っていうかさ〜、あたしびっくりしたよ!!」
「ふぇ?何が?」
いきなりよしこが話し出した。

「何がってさっきのこと!いくら仲良くなったからっていっても、先輩に向かって
“いちーちゃん”はないでしょ。」
「ん〜そうかなぁ?でもいちーちゃん、いいよって言ったじゃん。」
「そういうことでなくって!」
「んじゃどーいうこと?」
「はぁ…もういいや。市井さんいいっつったもんね。お好きにどーぞ。」

もうっ!訳わかんないや、よしこ。
いちーちゃんがいいって言ったんだからいいじゃん。

92 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:32

「ところでさぁ、市井さんってすっごい人気ありそうじゃない?
かっこいいし、話しやすいし、バレーやってて結構運動神経よさそうじゃん。
ごっちんみたいに思ってる子きっといっぱいいると思うよ。」
「…そっかぁ〜、そうだよね。」

ごとーなんかまだ会ったばっかだから、ただの新入生としか思われてないんだろうなぁ。
でも!まだまだ先は長いじゃん!!
だってごとー、マネージャーやっちゃうんだよ?近づくチャンスはいっぱいあるはず。

「でもさ、まだ始まったばっかりなんだよ。これから仲良くなってけばいいの!
いまはただの後輩でいちーちゃんの中にこれっくらいしかいなくても、どんどんごとーの存在が大きくなってけばいいんだよ。」
 
「…ごっちんがすごくまともなこと言ってる。どうしよ、明日雨降るわ。」
「もー、すぐそうやってバカにする〜!」
「うそうそ。そういう風に前向きに頑張れれば大丈夫でしょ。」
「うんっ!!じゃまた明日ね。」
「くれぐれも明日は寝坊しないでね。い〜い、7時半にコンビニんとこだからね!」
「はーい。頑張りま〜す!」
「…大丈夫かなぁ?」

話したいことはもっといっぱいあったんだけど、今日は帰ることにした。
なんか1日にいろんな事がありすぎて頭がパンクしちゃいそう!

93 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:33

家ではお母さんに“入学式どうだった?”って聞かれたけど、適当にごまかしといた。
とにかく楽しくなりそうだとは言っておいたけどね。
ほんと、明日からが楽しみでしょうがない。今日は早く寝ちゃおっと!!
まだ10時前だったけど、ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。

94 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:33

ドンドンドンドンッ…
「真希〜!!あんたまだ寝てるのー!?ひとみちゃん迎えに来てくれたわよ!
ほーら早く起きなさいって!!」
「ん…わかってる……っ冷たっ!!」
「“わかってる”じゃないの。いっつもそう言って遅刻すんでしょうが。
早く着替えて下おりてきなさい!!」
「あ〜い…。」

もうっ、お母さんってばいつも起こし方が荒いんだから…。
霧吹きで水かけるなんて、普通の家じゃやんないよね?やっぱうちだけ…だよね。

95 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:34

制服に着替えてリビングに入ると、呆れた顔のよしこがいた。

「ふぁぁ…おはよ〜よしこ。何でうちにいるの?」
「はぁ…。ごっちんが来ないから迎えにきたの!早めに出てきて良かったよ。
予想通り時間になってもこないし、ごっちんのお母さんに聞いたらまだ寝てるって言うんだもん。」
「ごめんなさい…。」
「そう思ってんなら朝ごはん食べちゃいなよ。今日バレー部の見学行くんでしょ?
放課後まで残るんだからちゃんと食べないともたないよ。」

そうだそうだ。今日はいちーちゃんに会いに行くんだ!
のんびりなんかしてらんないや!!
それからのごとーは今までにないくらいのスピードで支度をすませた。

96 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:35

「今日は走んなくても間に合いそうだね。」
「うん。電車もわりとすいてたし、制服の子もいっぱいいるもんね。」

ちゃんと時間通りに教室に入って、先生を待った。
よしこは吉澤だからごとーの席からけっこう遠い場所にいるんだよね。
それに同じ中学から来たのってよしこしかいないから、知ってる子がいなくてちょっとつまんない。
寝ちゃおっかな〜って思ってうつむいたとき、隣の席の子が話しかけてきた。

97 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:36

「はじめまして、私、石川梨華っていうんだ。仲よくしてね、後藤さん。」

うっわびっくりした!すごいな〜、この子の声。
なんていうんだろう…アニメ声?女の子っぽいなぁ。

「…石川さん。なんでごとーの名前知ってんの?」
「だって席探すとき名簿見たもん。私のことは梨華でいいよ。
後藤さんのことはなんて呼んだらいい?」
「そっか。ごとーはなんでもいいよ。よしこはごっちんって呼んでるけど。」
「うん、じゃあごっちんにする。」

ごとーはけっこう人見知りするタイプなんだけど、梨華ちゃんとはすぐに打ち解けられた。
(っていうかいっつも寝てるから皆怖がって話しかけてこないんだよね。)
昨日よく寝たからか特に睡魔もおそってこないし、いろんな話で盛り上がった。

98 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:36

「ってかさ〜、梨華ちゃんのその声って地声?なんていうかすごいよね。」
「ひどーっ!!これでも気にしてるんだから。」
「ふ〜ん、ごとーいいと思うけど。なんかねぇ、梨華ちゃんに合ってる気がする。」
「ほんと〜!?そうよね、いつでもポジティブシンキング!!」
「…はいはい。」

梨華ちゃんと話していてわかったこと。
声が可愛いことと、浮いてることと、寒いことと、ちょっと変なこと。
…いいとこなしじゃん!!
でも可愛いことは確か。なんていうかな…クラスに1人はいるような美少女タイプ。

99 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:37

しばらくすると担任の飯田先生が入ってきた。
「みんなおはよー!昨日会ったから覚えてるよね?
このクラスの担任の飯田圭織です。よろしくね!」

ごとーとよしこは教務室であったけど、なんで皆知ってるんだ?
…あっ、そっか。みんなは入学式でてるんだっけ。

「じゃあ今日の1時間目は自己紹介にしよう。はい、1番からどうぞ。」

梨華ちゃんから自己紹介が始まった。ごとーも適当にあいさつしておく。
ふ〜ん、皆けっこう中学校かたまってるんだ。
ごとーとよしこみたいに同じ中学校から2人しか来てないってのは、
梨華ちゃんと藤本美貴ちゃんってコだけだった。

100 名前: 投稿日:2004/07/19(月) 01:39
更新しました。めっちゃ亀です。
100にいってとりあえず一安心しました。

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