旅立ちの唄

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/30(火) 13:34
というわけで
きまぐれな旅の始まりです
2 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 13:52
「はい、次はですね−、えー、東京都世田谷区たぬきのしっぽさんからです」

あーあ、チャーミーつまんないなー。いとしの矢口さんのラジオに
せっかくメールを送ったのに読まれないし。

「・・・リクエスト曲は・・・」

どうしてチャーミーのメール読んでくれないのかな?
やっぱり私のネタって寒いから?
それとも私が黒いから?

「師匠出番で−す」

と、そこで私のケータイが鳴り出した。
しかも非通知。どうしよう。でよっかな。やめとこっかな・・・。
えい、出ちゃえ!
3 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 14:02
ピッ
「もしもし」
「あ、こちらニッポン放送ですが、東京都ラジオネーム・ポジティブ・チャーミーさんですか?」
「えっ・・・」

そうだ、私、そんなラジオネームでメール送ったっけ。

「はい、そうですけど」
「えーとですね、12時前の電話コーナーに出ていただきたいのですが」
「はい、でます!」

あれっ?勝手に出ちゃっていいのかな。
でもモーニング娘。の石川梨華としてじゃなくて、
いちリスナーとして出るんだから問題ないか。
いよいよ、矢口さんに電話を繋ぐ。
4 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 14:09
「はーい、じゃあ、電話がつながってますね。東京都のポジティブ・チャーミーさ−ん」
「はい、もしもし、こんばんは」
「はい、こんばんは。じゃあ、あなたの悩みを教えてください」
「えっと、私の好きな先輩の話なんですけど・・・」

「ちょっと、待って、あのさ、石川じゃないの?」

しまった!
5 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 14:31
「ち、違いますよ−」
「ほんとにー?なんかね、うちの石川に声がそっくりなんですよ。
 あの、アニメ声がね(笑)。えっ、似てるって言われませんか?」

うーんと。うーんと。
「た、たまに言われます・・・」
「だよね−、すごく似てるもん。おっと、で、お悩みは?」
「あの−、私の好きな先輩の話なんですけど」
「うん」
「私は、すごく好きなんですけど、その先輩は「キショイ」って言って逃げるんです」
「ふむふむ」
「どうすれば私の気持ちに気付いてくれますかね」

「うーん、普段から避けられるの?」
「いいえ、普段は仲良しなんですけど、たまに私がアッタクをかけるとキショイって言うんです」
「うーん、多分その先輩も、チャーミーさんのこと意識してるんだと思うよ」
「そうですか?」
「だからね、くよくよしちゃだめ。もっとね、自分に自信を持たないと」
「はい」

「ところで、その先輩ってどんな人なの?」

あなたですよ、やぐちさん。

「えっと、背がちっちゃくて、元気で・・・」
「あ、オイラみたいな人?」
「そ、そうです。矢口さんみたいな人です」
「ふ−ん、じゃあ、知的なんだね」
「えっ・・・」
「だって、オイラに似てるんでしょ」
「矢口さんは、知的じゃないですよ」
「うわっ、きついなそのつっこみ。」
「ポジティブ、まりっぺ!」
「んっ・・・、今、まりっぺって言わなかった?」
6 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 14:43
しまった、つい、口がすっべった。

「すみません・・・」
「いーよ、いーよ、まりっぺでも(笑)。とにかく、チャーミーさんは、自分に自信を持って
 先輩を振り向かせられるようにがんばってください。リクエスト曲は、何をかけましょうか?」
「えっと、タンポポの「センチメンタル南向き」をお願いします」
「おっ、これはどうしてですか?」
「私、この曲、大好きなんです」
「ありがとうございます。でも、恥ずかしいなこの曲(笑)。
 この曲、オイラがメインで歌ってるんですよ。
 はーい、じゃあ、ポジティブ・チャーミーさん、これからもラジオ聞いてくださいね−」
「はい!矢口さんも、ラジオがんばってくださーい」

 ・
 ・
 ・
7 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 14:57
・・・ラジオ番組終了・・・

はぁー、緊張したー。よーし、明日からチャーミー、自信を持って、矢口さんにアッタクしよ−。
あ、メールが来た。
えっ、矢口さんからだ。

 題名:ネガティブな梨華ちゃんへ

 本文:今、ラジオ終わったよ。聞いててくれた?
    もちろん、聞いてたよね、ポジティブ・チャーミーさん。
    スタッフは騙せても、オイラには騙せないよ!

    P・S メール送ってくれてありがとう。でも、もっと面白いネタ送って来い!


・・・やっぱり、バレていたようです。
でも、私だとわかっていて、あのアドバイスをしたとなると・・・!?
8 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 14:58






9 名前:前向きな生き方 投稿日:2004/03/30(火) 15:10
  翌日・・・

  楽屋にて。

「矢口さーん」
「お、梨華ちゃん、おはよー」

 ポジティブ!
 ポジティブ!

もう、いきなりキスしちゃう!

 チュッ

「うわ、何すんだよ。キショイぞ、お前」
「いいんです。私、積極的になったんです。」
「昨日のアドバイスは、そ−ゆー意味じゃないっつーの!」
「私なりのとらえ方でとらえちゃったんです!」
「どーゆーとらえ方してんだよ−」
「良いじゃないですかー」
「・・・」

あれっ、黙っちゃたよ、矢口さん。
「・・・矢口さん、怒ってます?」
「ううん」

「・・・」
「あのね」
「はい?」

「梨華ちゃん、もう一回キスして」


『前向きな生き方』・おしまい
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/30(火) 18:42

『ひまわり』

11 名前:『ひまわり』 投稿日:2004/03/30(火) 18:59

忘れないでください。
あなたは、この世界にたった一人しかいないあなたです。

忘れないでください。
あなたが笑うだけで、きっと誰かが幸せになることを。

「高橋ィー」
「何ですか、矢口さん」
「高橋、最近なまらなくなったね」
「そうですかぁー」
「うん、でもなんか寂しいな」
「寂しいですか?」
「うん、なんかね、高橋のなまりを聞くと癒されるんだよね」
「いやぁ、どーもです」

「・・・くぅっ」
「矢口さん・・・?」
「何でオイラ泣いてるんだろうね。なんかね、最近、疲れちゃってね」
「矢口さん・・・」
「やっぱり、オイラは、ダメなのかな?」

「矢口さん!」
「はい?」
「矢口さんは、矢口さんですよぉ。
 自分で自分のことを『ダメだ』なんて思わないでください」
「うん」
「泣くだけ泣いたら、笑いましょおぉ」
「ぷっ・・・、今、なまったね」
「へへへっ」

涙はもうかわいた。

「高橋ィー」
「何ですかぁ」
「ありがとね」


忘れないでください。
世界は、あなたのことを待っています。

忘れないでください。
あえて、アスファルトに咲く花があるということを。



『ひまわり』・おしまい
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/30(火) 19:02

次回は、少し長くなります。

13 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/30(火) 21:29
雰囲気の良い作品ですね
期待してます
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/30(火) 23:15
こういう話大好きです。
読んでいて元気が出ますね。
15 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/03/31(水) 12:16
ポチ&アゴン 本当にこんな会話してそうですね
次話も楽しみにしています
16 名前:書いている人 投稿日:2004/03/31(水) 15:53

読んでいただきまして、ありがとうございます。
忙しくなる前に(年度末なので今は暇人)
たくさん書いておきたいと思います。


次回は、『強がりなナキムシ』

主人公は、矢口さんです。

17 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/03/31(水) 16:16

 この海は、私達の涙で出来ています。
 しかし、それは、悲しいことではありません。
 なぜなら、こんなにも美しいからです。

 『強がりなナキムシ』

18 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/03/31(水) 16:31
いつもと変わらない朝。
いつもと変わらない街並を背に、オイラは仕事場へと向かった。
んー、こんな天気の良い日にお仕事なんてもったいないなー。
でも、ま、このお仕事が大好きだから良いんだけどね。
さて、いつものように『モーニング娘。様』と書かれた楽屋の扉をあける。

「みんな、おはよー」
「矢口さん・・・おはようございます・・・」
「おっ、藤本おはよう。なんか元気ないね」
「・・・」

んー、なんか変だな−。

「なんかあったの?」
「矢口さん・・・あの・・・」
「うん」
「矢口さん・・・死んでください・・・」

うん・・・

へっ!?死んでください!?

そして、藤本の右手にはキラリと光る包丁・・・。

「ふ、藤本!!冗談だよね!?」
「美貴・・・本気です・・・」

あっ、ヤバイ。目が本気だ。

とにかく逃げなきゃ。

後ずさりしながら楽屋から出ようとすると、そこには

「逃がしませよ・・・」

と通せんぼする紺野。道産子同盟か?

19 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/03/31(水) 16:43
「オ、オイラが何やったんって言うんだよ!!」
「何もしてませんよ」
「じゃ、じゃあ・・・」
「美貴にとって矢口さんが邪魔になったんです」
「なっ・・・」

「矢口さん、覚悟しましょう」
「紺野、お前は何で?」
「んー、なんとなくです」

・・・ひどい。
オイラ、今までがんばってきたのに!
オイラ、カオリと一緒にみんなを引っ張ってきたのに!!

こうなったら実力行使しかない!

・・・とはいえ、紺野は空手経験者。藤本は、スポーツ万能。どう考えったって無理だ。

じゃあ、オイラのセクシービームで・・・。
って、あれは男性のみしか効果がないな。

にやりと笑うミキティ−。もうダメだ・・・。

するとそこに

ガチャッ

楽屋に誰かが入ってきた!


20 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/03/31(水) 16:55
「みっなさーん、おはようございまーす」
「よっすぃー!!」
「あっ、矢口さん、おはようございます」
「よっすぃー!助けて!」

お願い、助けて!




「どうしよっかなー」

へっ・・・、何でためらうのさ。

「ていうか、まだ矢口さん生きていたんですかぁ?」

「ど、どういう意味!」

「てっきり、ミキティ−がとっくに片付けたのかと思ってましたよ」
「なっ!」

「じゃあ、私が片付けますね」

そう言うと手には・・・ピストル!?
人差し指を引き金にかける。

「矢口さん!さようなら!」

  バ−ンッ

 ・
 ・
 ・



21 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/03/31(水) 17:08


「うわーっ」
「あっ、起きた」

はぁ、はぁ、ここは・・・楽屋・・・。

「矢口さん、だいぶうなされてましたよ」
「高橋・・・」

そうか、夢か。よかった。夢でよかった。

はぁ−。ん・・・待てよ。


「ねぇ、高橋」
「何ですかぁー」
「何でオイラさー、手足縛られてるのさ?」

オイラの手首と足首には何重にもきつくロープが巻きつけられている。


「それはですね−」
「うん」
「みんなでこれから矢口さんを食べるからです」

えっ・・・

今、こいつなんて言った?

オイラを食べる?

オイラ人間だぞ!!

人間は食べちゃだめでしょ。

すると楽屋の扉が開く。

なんかいやな予感がする・・・。


22 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/03/31(水) 17:23

「あっ、矢口さんが起きてますよ」
「ホンマや」
「今日のメインディシュですね」
「おいしそうです」

ピーマコ、加護ちゃん、亀ちゃん、辻ちゃんまで・・・。

「ところで、私の次にかわいい矢口さんをどのようにして食べるんですか?」
「から揚げがいいたい」
「ステーキがいいですよ−」

道重、意味わからん。
田中、それが本性だな。
お豆ちゃん、まだラジオ聞いてるのか?


「ちょっと待ってだべさ。矢口は虫だべさ」

なっち、ひどい・・・。じゃあ、なっちはイモだ。


「やっぱり、リーダーに決めてもらうのです」

カオリ・・・助けて・・・。

でも・・・。

「カオリはね−、
 カオリは、刺身がいいと思うの。なんたって新鮮な矢口だからね。矢口そのものの味を楽しまないと」

「そうですね、リーダーに賛成!」

何、賛成してるんだよ!
カオリも止めろよ!仲間でしょ!

・・・てか、刺身って言ってたよね。

刺身ってことは・・・。

カオリが巨大なのこぎりを手にしてきた。


えっ、えっ、


じょ、冗談でしょー!


「矢口、ごめんね」

カオリの優しい声とともに、オイラの記憶が途切れた。


23 名前:書いてる人 投稿日:2004/03/31(水) 17:25

とりあえずここまで。


24 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 11:26

「・・・っ!?」

ここでオイラは、目が覚めた。見覚えのある天井。壁の色。

どうやらオイラの家らしい。

「はぁー」


まったく、すごい夢だった。しかも、夢の中でも夢を見てうなされていた。


「!?」


ベッドから出ようとするとあることに気付いた。
オイラのベッドに・・・オイラのベッドに石川が寝てる!?

何でだ?なんで石川が?

しかも、石川は裸・・・。そして、オイラも裸。



これはもしかすると、もしかするってやつ!?


部屋を見渡せば、脱ぎ散らかされた上着やら下着やら。
思い出せ、思い出すんだ矢口!
昨夜、何があったんだ。
うーんと、えーと・・・。

ダメだ思い出せない・・・。


25 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 11:33

「ふぁ〜」

そのとき石川が起きた。

「真里ちゃん、おはよう」
「お、おはよう梨華ちゃん」

なぜか顔が赤くなるオイラ。
あの−、梨華ちゃん、丸見えなんですけど・・・。

「まりっぺ、顔が赤くなってるよ」
「そ、そうかな」

「もしかして・・・昨日のこと思い出しちゃったんでしょ」


ビクッ


「もう、まりっぺのえっち」


ということは・・・。

ということは・・・!?


「あのさ、梨華ちゃん」
「なーに?」
「おいらさ・・・昨日さ・・・何したのか覚えてないんだよね・・・」


26 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 11:38

「う、そ・・・」
「ごめん梨華ちゃん。ごめんね梨華ちゃん」
「・・・」
「オイラさ、ホントに覚えてないんだよ」
「・・・」
「梨華ちゃん?」


「ひどい・・・」
「ごめんね、梨華ちゃん」
「ひどすぎるよぉぉ!」
「!」

梨華ちゃんは、泣き出してしまった。

オイラも泣きたいよ。オイラも泣きたいけど。
ホントに何も覚えてないんだよ。

27 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 11:51

「梨華ちゃん」
「・・・ひっく、ひっく・・・ひどいよ」
「梨華ちゃん、あのね」
「・・・ひっく」
「オイラ、梨華ちゃんの言うことなんでもきくよ。何でもきくからさ、許してよ梨華ちゃん」
「・・・」
「お願い」


「本当に何でも言うこときいてくれる?」
「うん、約束する。オイラ、梨華ちゃんの言うことならなんでもきくよ」
「じゃあ」


そう言って、梨華ちゃんは、オイラを押し倒した。


えっ、えっ、ちょっと待って!


「あのー、梨華ちゃん?」
「私の言うこと何でも聞いてくれるんでしょ」
「そりゃ、そうだけど・・・」

「だからね、まりっぺの年齢分だけ・・・」
「年齢分だけ?」

「も〜う、わかってるくせにぃ〜」


年齢分だけってことは、オイラ、21歳だから・・・



「!?」



無理だ!梨華ちゃん!
それじゃあ、オイラが壊れちゃう!


「梨華、頑張るから!」


オイラは、そのまま気絶した。


 ・
 ・
 ・



28 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 12:02


再びオイラは目を覚ました。
わかったぞ。もうわかったぞ。
どうせこれもまた夢なんでしょ?

ほっぺをつねる。

ほら、痛くない。痛くない。
さっきからオイラは、夢の中をさまよってるんだ。

もう、いやだ!オイラ、こんな夢はもうたくさんだ!




「矢口さん、まだ生きていたんですか?」
ふ、藤本!
「矢口さんなんて死んじゃえばいいんです」
そんなこと言ったって・・・。
「美貴が楽にしてあげます」




「矢口さん」
今度は紺野!
「矢口さんに恨みはありませんが、これも私が生きるためです」




「矢っぐちさ〜ん」
よっすぃー!
「このピストル、カッコ良くないッスか?矢口さんを撃ってあげますよ」




29 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 12:08

「矢口さん」
高橋・・・。
「矢口さん、おいしかったです。ごちそうさまでした」




「まりっぺ」
梨華ちゃん・・・。
「もう、まりっぺのばか。えっち」




「やぐちー」
カオリ・・・。

「矢口さぁん」

「矢口さん」
「矢口さん!」
「矢口さん」「矢口さーん」・・・・・・・




もういやだーーーーー!



みんな、みんな、オイラにばっかり!



みんななんて、みんななんて





大っ嫌いだーーーーーー!!




30 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 19:19

「・・・・ち」


「・・・ぐち」


「やぐち、ほら起きて」


カオリの声で、オイラは再び目が覚めた。周りにはメンバーがみんなそろっている。
どうせまた夢なんでしょ。わかってるんだ、オイラ。


「矢口、大丈夫?」
カオリがおいらの顔を覗きこむ。
「どうせまた夢なんでしょ!」
「は?」
「また夢なんでしょ!」

「何言ってんの、矢口。自分で自分の頬つねってみな」
痛いわけないじゃん、夢なんだから。力いっぱい頬をつねってみる。

「痛っ!」
「ばかだねー、矢口は」

メンバーにも笑いがこぼれる。

「まったく、楽屋の日があたる場所なんかで昼寝なんかしてるから、うなされるような夢見るんだよ」

そう言われてみれば・・・
ここは最初の楽屋だ。
ということは・・・オイラ目が覚めたんだ。助かった・・・。

31 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 19:30

「矢口さん」

梨華ちゃん・・・。そんな風に見つめられると、夢の中のこと思い出しちゃうじゃないか!あー、恥ずかしい。

「矢口さんにプレゼントがあるんです」
「へっ?プレゼント?」

何でプレゼント?なんかの記念日だったっけか?
誕生日はとっくに過ぎたし、プレゼントをもらうにおいて、思いあたるふしが全然ないぞ。


「何でさ、オイラにプレゼントなのさ」

にんまりと笑うカオリ。

「それはね、矢口の病気の全快祝いとラジオ3週年おめでとうってこと」



「!?」



カオリの笑顔がにじんでいくのがわかった。

だって、だって、うれしすぎるじゃないかよー。


「何、泣いてるんですか?矢口さん」
「うるさい、梨華ちゃん!泣いてなんかないやい!」
「じゃあ、何ですか?その目から溢れているものは?」
「目にゴミが入ったんだ!」
「ホントに素直じゃないんだから」

また、みんなから笑顔がこぼれた。


32 名前:強がりなナキムシ 投稿日:2004/04/01(木) 19:39

「はい、矢口。完全復活とラジオ3周年おめでとうっ!」
プレゼントを渡すカオリ。

「ありがとう・・・」

うれしいよ、みんなありがとう。ホントにうれしいよ。


「あー、また泣いてる」
「泣いてないよ」

「もー、強がるんだから。強がりすぎて、また病気にならないでくださいよー」
「うん、オイラ頑張るよ」





夢の中だったけど、みんなのこと『大っ嫌い』なんて言ってごめんね。
オイラ、みんなのこと大好きだよ。





この海は、私達の涙でできています。
しかし、それは悲しいことではありません。
なぜなら、こんなにも美しいからです。



『強がりなナキムシ』・おしまい

33 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/04/01(木) 21:21
(エロ部分もよかったけど)
最後がキレイにきまりましたね
34 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/02(金) 16:22
面白い
35 名前:書いている人 投稿日:2004/04/02(金) 18:51
 >飛べない鳥様
 読んでいただき、ありがとうございます。
 ほのぼのとした話や勇気付けの話は書きやすいのですが、
 エロは書きづらいです。(でも機会があれば書きます)

 >34 名無飼育さん
 そう言っていただけると光栄です。


次回のお話は、ちょっと今までとは、違ったテイストのお話です。
ちょっと、エロもある(かな?)。

主人公は、藤本さん(&石川)です。
タイトルは、『ごめんね。』 

36 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/02(金) 19:04

私は、梨華ちゃんを殴った。




その日は、うまくいかないことが重なって、ちょっとムシャクシャしてた。
周りのメンバーは感づいたのか、少し距離を置いてくれた。
そんな優しさがちょっぴりうれしかったりもした。


でも、あの子ったら、いつもの調子のアニメ声でさも楽しそうに話しかけてきたの。

「美貴ちゃん、暗いよぉ〜。どうかしたの?」
「ああ、ちょっとね。悩んでたんだよ」
「へぇ〜へぇ〜へぇ〜、美貴ちゃんでも悩みがある。3へぇ〜」

この一言でかなりムッときたが我慢した。


37 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/02(金) 19:11

「梨華ちゃんは、楽しそうだね」
「うん。チャーミーは、いつでもポジティブだもん!」
「ふ〜ん」

「美貴ちゃんもやってみなよ!ほら、ハッピィ〜!」
「美貴はいいよ」
「ダメだよ!やってみなよ!」
「・・・」
「ほら、ハッピィ〜!」
「いいってば」


少し強く言ってみたのだが、梨華ちゃんにはきかなかったようだ。


「ダ〜メ。ほら、ハッピィ〜!ったら、ハッピィ〜!」


私はここで何かがキレた。


38 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/02(金) 19:21

「梨華ちゃん、うるさい!」
「うるさいとは何よ。チャーミーがせっかく元気付けようと・・・」


   バシッ


私は梨華ちゃんの顔を殴った。梨華ちゃんは、その場に泣き崩れた。
アイドルは顔が命だって言うけど、あの笑顔が正直うざかった。

「梨華ちゃんに何がわかるのさ!」


さすがにマズイと思ったのか、飯田さんと矢口さんが止めに入る。

「藤本!落ち着いて!」


おいおいと泣き出した梨華ちゃんが憎たらしく思える。


「藤本さー。いくらなんでも殴ることはないじゃんか。梨華ちゃんに謝ったほうが良いと思うよ」

矢口さんにそう言われても、今の私にはさらさら謝る気はない。


「美貴は、悪くない!」

私は、そう叫ぶとスタジオから飛び出した。


39 名前:書いている人 投稿日:2004/04/02(金) 19:22

 とりあえずここまでです。

40 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 13:45

あの事件から1週間。美貴は、梨華ちゃんと一言も会話を交わしていない。
さすがにあの事件の翌日に右頬がはれ上がり、目を真っ赤にさせた梨華ちゃんを見たときは、申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、
謝るタイミングを逃してしまった美貴にはどうすることも出来なかった。
美貴も梨華ちゃんを避けていたが、梨華ちゃんも美貴を避けていたように思う。だから、なおさら梨華ちゃんのことが気になった。

そんなある日、仕事終わりに矢口さんが焼肉に誘ってくれた。
焼肉好きの私としては断るはずもなく、一緒にお店へと向かった。


お店に着きお座敷に通された私は正直驚いた。
なんとそのお座敷には、飯田さんと梨華ちゃんがいたからだ。

41 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 13:57

「・・・」
「・・・」
沈黙が流れる。

「まぁ、とりあえず藤本もあがりなよ」

無言のまま靴を脱いで梨華ちゃんの前に座らされる。


「何で2人ともここにいるかわかってるよね?」
飯田さんの口が開く。


「・・・」

「・・・」


「まったく、2人とも変な意地の張り合いはよしなよ。現場の雰囲気まで悪くなるんだから」

それでも、私は口を開こうとしない。梨華ちゃんも口を開かない。


「ねぇ、聞いてるの?カオリはね、みんなで仲良くやってこそ・・・」

飯田さんの長い話が始まりそうなところを矢口さんが割って入った。

「と・に・か・く、ここで仲直りしちゃいなってこと」


私は梨華ちゃんのほうを見る。右頬のはれはだいぶ引いてきている。

よし、美貴のほうから謝ろう。


でも、謝ろうとしたその口から出てきたのは、自分でもびっくりするような一言だった。


42 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 14:08

「ねぇ、梨華ちゃん。美貴、なんか悪いことした?」

梨華ちゃんの顔がこわばる。

「してない・・・」


「じゃあ謝るも謝らないもないよね」
「ちょ、ちょっと藤本!」

矢口さんが止めに入ったが、遅かった。


「じゃあ、美貴帰ります」


私は立ち上がり靴を履いてお座敷を出た。出るとき、梨華ちゃんの顔を盗み見たが梨華ちゃんは泣いていた。
あー、バカバカしい。何泣いてるのさ、梨華ちゃん。




店を出てすぐに矢口さんが追ってきた。

「藤本ー!」

走り寄ってくるサブリーダー。

「藤本、何やってんだよぉ。梨華ちゃんに謝るだけで・・・・・・藤本?」


何でだろ、私も泣いていた。


「矢口さん、私、私・・・・」


私は、矢口さんに抱きつき泣いた。
小さな矢口さんがこのときお母さんのように大きく見えた。



その日は結局、矢口さんに美貴の家まで送ってもらった。




43 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 14:14

 翌日。


今日こそ梨華ちゃんに謝ろうと楽屋に一番乗りして待った。
しかし、集合時間を過ぎても梨華ちゃんは現れなかった。
マネージャーさんの話では、風邪をこじらせてダウンしたらしい。あんなに丈夫な梨華ちゃんが珍しい。

ふと、矢口さんと目があったが、慌ててそらした。



結局、その週は一度も梨華ちゃんは来ることはなかった。



44 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 14:14






45 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 14:25


私が梨華ちゃんを殴って、会話を交わさなくなってから2週間目に入った。




今日はお休みなので、梨華ちゃんのお見舞いに行くといっていたが美貴は断った。
本当は行きたかったのだが、みんなのいる前では謝りづらい思ったからである。



今日は、たまたま同じくオフになっていた亜弥ちゃんの家に行くことにした。なんか亜弥ちゃんの家に行くのは、久しぶりのような気がする。



「おっはよー、みきたん!」
「うわっ、なんか亜弥ちゃんち久しぶりじゃない?」
「う〜ん、58日ぶりかな?」
「ていうか、なんでそんな日にちまでわかるのさ(笑)」
「えっ、だって私達恋人でしょ」
「えー」


なんやかんや言って、私と亜弥ちゃんは仲が良い。多分、同じ波長同士なのだと思う。



46 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 14:34

リビングでまったりしているうちにお昼の時間になった。


「みきたん、お昼どうする?うちで食べる?それとも食べに行く?」
「う〜ん。美貴は亜弥ちゃんの手料理が食べたい」

そういうと亜弥ちゃんはニコッと笑って、台所へ向かった。



「みきた〜ん」

台所から声がする。

「な〜に?」
「まだ梨華ちゃんとケンカしてるの?」

えっ、何で亜弥ちゃんが知ってるのさ?

「しょーがない2人だね〜。お互い負けず嫌いで」
「亜弥ちゃんの負けず嫌いには頭が下がるけどね」
「何よー。それー(笑)」
「だって、亜弥ちゃん、自分が悪いって認めないんだもん」
「そーかなー?」
「おっ、今日は認めたな〜」



47 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 15:11

談笑しているうちに亜弥ちゃんの特製スパゲティとスープがテーブルに並ぶ。

「うわっ、おいしそう」
「おいしいに決まってんじゃない。あたしが作ってるんだから」
「どれどれ・・・・・・んっ、おいしいよ」
「でしょ〜」




「ねぇ、みきたん?」
「なに?」
「みきたんはさ、梨華ちゃんのこと、どう思ってるわけさ」
「どうって言われても・・・」

私は、苦笑する。

「ホントはさ、みきたん、梨華ちゃんのこと好きなんじゃないの?」
「そ、そんなわけないでしょ!」
「えー、あたしはそんな気がするよ。なんたって、あたし、みきたんの恋人だから何でもわかるもん」
「・・・」
「大丈夫だって。梨華ちゃんのこと好きになっても、あたしはみきたんの永遠の恋人でいてあげるから安心して」
「なんだよそれ〜」



でも、もしかしたら亜弥ちゃんの言ったことは間違ってないかもしれない。
梨華ちゃんと話さなくなってなんか心が苦しい。梨華ちゃんの笑顔が頭から離れない。あんなに憎たらしかった笑顔なのに・・・。



48 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 15:20

「好きだからお互い意地はってんだよ。ま、それが恋なのかもね」

亜弥ちゃんは、勝手に話を完結させて遠い目をしてる。

「じゃあさ、美貴は何をすればいいのかな?」

亜矢ちゃんの肩をゆすって、聞いてみる。

「そんなの決まってるでしょ。みきたんから謝るのよ。みきたんは、梨華ちゃんをエスコートする立場なんだから」
「エスコート?」
「あとはみきたんで考えてよ。でも、相談ならいつでものるよ。なんたって・・・」
「『あたしは、みきたんの恋人だから』でしょ」
「あっ、あたしのセリフ取るなー」
「あははっ」



やっぱり、ちゃんと謝ろう。そして、美貴の気持ちを伝えよう。



なんか、今日は亜弥ちゃんの家に来て正解だった気がする。



49 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 15:21








50 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 15:32

亜弥ちゃんに『一緒にお風呂には入ろうよー』と言われたが断った。
なんせ、さっきから雲行きが怪しくなってきてる。洗濯物が気になる私は家路につくことにした。


しかし、駅で電車に乗りこむとついに雨が降り出してきてしまった。今からどんなに早く家に着いたとしても洗濯物は濡れてしまうだろう。私は洗濯物をあきらめた。


車窓から流れゆく景色を見ながら、ふと梨華ちゃんのことを考えた。
梨華ちゃんは私に殴られたとき、どんな気持ちになったんだろう?
この2週間、何を考えてたんだろう?
浮かんでは消え、浮かんでは消える想いが胸を締め付ける。何だろう?この気持ちは?


ドキドキ


ドキドキ



はぁ〜、なんなんだこの気持ちはぁ〜。

答えの見つからないまま電車は私が降りる駅に着いてしまった。




51 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 15:41

駅前で傘を買い、一人歩いていく。


美貴の住むマンションまであと少しというところで、マンションの前に一人の女の子がいることに気付いた。
その女の子は傘もささず、雨に打たれている。





しかし、その女の子が梨華ちゃんだと気付くまでそう時間はかからなかった。




「梨華ちゃん・・・」

私は傘を捨てて走り寄る。

「梨華ちゃん!」
「美貴ちゃん・・・私・・・」
「風邪引いてるんでしょ!とりあえず中に入って!」



私は梨華ちゃんを家にあがらせる。全身ずぶ濡れの梨華ちゃんをリビングに連れてゆき、バスタオルを渡す。


「今、お風呂入れるから」


弱ってないところを見ると、シャワーよりお湯につかったほうが良いだろう。
私はそう考えた。


52 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 16:10

「お風呂沸くまでちょっと待ってね」
「うん・・・ありがと」
「何言ってんのさ。あたりまえでしょ。しかも、梨華ちゃん風邪引いてたんだから。あっ、紅茶でいい?」
「うん」


私は、沸騰したお湯をパックに注ぐ。


「迷惑・・・じゃないの?」
「ぜんぜん大丈夫だよ」
「だって、いきなり尋ねてきて、全身ずぶぬれで・・・」
「気にしなくっていいって」

私は梨華ちゃんに笑いかけた。



「なんか久しぶりだね」
「なにが?」
「美貴ちゃんとこう話すの」
「うん、そうだね・・・」
「私、美貴ちゃんに嫌われちゃったのかと思った」
「美貴も・・・梨華ちゃんに嫌われちゃったのかと思ってた」

お互いの目が合う。私はもう我慢が出来なくなった。




53 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 16:18

「キス・・・してもいい?」

私は梨華ちゃんを見つめる。

「いいよ・・・」

梨華ちゃんの顔が赤くなる。







チュッ






軽いキスをして、再び梨華ちゃんを見つめる。

えっ、梨華ちゃんの目がうるうるしてる。それって、美貴を誘ってるの!?


もう1回


と、手をまわした時・・・




ピピッ、ピピッ、ピピッ




「お風呂が沸いたみたい・・・。り、梨華ちゃん早く入ってきなよ」
「あっ、うん・・・」

その場から動こうとしない梨華ちゃん。

「あのさ」
「?」
「美貴ちゃん一緒に入ろ」


54 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 16:18









55 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 16:32

梨華ちゃんと手をつなぎ、お風呂場へと向かう。
梨華ちゃんと同じお風呂に入ったことはあるけど、2人きりは初めて・・・。はぁ〜、なんかドキドキしてきたよ。


梨華ちゃんはというと、次々に服を脱いでいる。
あ〜、梨華ちゃんスタイル抜群だね。ヤバッ、顔が赤くなってきてる。
私も急いで服を脱いで中へ入る。


「美貴ちゃん」
「えっ、あ、何?」
「何タオルで隠してるのよ。女のコ同士じゃん!」

見ると梨華ちゃんは何も隠すことなく生まれたままの姿・・・って、うわっ!梨華ちゃんの全て・・・。

「あっ、そ、そうだね」

私もタオルを取る。すると・・・

「美貴ちゃんのおっぱい見えちゃった」

なっ!美貴は両手で胸を隠す。

「もう遅いよ」
「このー」
「あはっ、やめて!くすぐったい!」


どさくさにまぎれて梨華ちゃんの胸を触る。


「もう、美貴ちゃんのえっち」
「梨華ちゃんがいけないんだよ!梨華ちゃんのおっぱい、おっきいから」
「おっきくないもん」
「なにとぼけてるのさ。美貴のがミジメになるだろ。このこの!」


56 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 16:43

お互い、ひとしきり笑いあったあと、梨華ちゃんが美貴の背中を流してくれた。
そのあと、美貴が梨華ちゃんの背中を流す。



ゴシゴシ

ゴシゴシ



「梨華ちゃん」
「な〜に?」
「あのさ・・・その・・・梨華ちゃんのこと殴ってごめんね」
「・・・」
「美貴がついカッとなって・・・謝ろうと思ったんだけど、何かその・・・なかなか謝れなくて」
「・・・いいのよ」
「えっ?」
「私もごめんね。美貴ちゃんがカッとなるようなこと言って・・・」
「りかちゃん・・・」
「私ね、この2週間すごく苦しかった。どんどん美貴ちゃんが離れていって。ずっと美貴ちゃんのこと考えてた。でもね、今こうして美貴ちゃんといられることがすごく幸せなの。キスも・・・してくれたし・・・」



57 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 16:58

「梨華ちゃん・・・」
「ちょっ・・・やんっ・・・美貴ちゃん?」

私は両手をまわして、梨華ちゃんの胸と重ねた。

「美貴もね、すごく苦しかった。だってね、美貴、梨華ちゃんのこと好きなんだもん!」
「!?」
「だから・・・」

美貴の両手が梨華ちゃんの胸を捕らえる。




「いっぱい愛させて」




「うん・・・」




さらに赤くなる梨華ちゃん。



美貴の両手の動きが激しくなる。梨華ちゃん・・・好きだよ・・・。

そのうち美貴の右手はピンク色の梨華ちゃんを探し始める。

おへその下・・・。

どこにいるの・・・?

かきわけ、かきわけていくとついにおずおずとしたピンク色の梨華ちゃんを見つけた。

もう梨華ちゃんはびっしょり泣いていた。





ごめんね。いっぱい愛してあげるからね・・・。




 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・



「っ、美貴ちゃん・・・」





58 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 16:59












59 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 17:11

 翌日。


矢口はいつも通り仕事場へ向かった。今日の仕事場に入ると突然、

「や、矢口さぁーん!」

辻が俊足を生かして猛ダッシュで走ってくる。

「おっす!辻ちゃん、おはよー。なに慌ててるのさ」
「えっ、あ、あのですねー。そのですねぇ。お、落ち着いてください(?)」

慌てると、ろれつが回らない。辻ちゃんの悪いくせ。

「まず、お前が落ち着け(笑)」
「はぁー、ふー、はぁ−、ふー」
「それでどうしたのさ?」
「あのですねぇ。そのですねぇ。楽屋で梨華ちゃんとミキティーが・・・」
「なに!またあの2人か!」

矢口は走り出す。とはいえ、ブーツは走りづらい。それでも矢口の全速力レコードは軽く塗り替えられた。




バタンッ




「あの2人がどうしたって!」

楽屋に飛び込んだ矢口の目の前では、想像も絶する光景が繰り広げられてた。



60 名前:ごめんね。 投稿日:2004/04/05(月) 17:22

「みきたん、あ〜ん」
「あ〜ん」
「おいしい?」
「うん、おいしよ。じゃあ、今度は梨華ちゃん、あ〜ん」
「あ〜ん」
「おいしい?」
「うん、チャーミーおいしい」

ラブラブな2人。

「辻ちゃん、なんだあれ?」
「さー、ののにもわからないのです」

「美貴ちゃん、ほっぺについてるよ」
「じゃあ、梨華ちゃん食べてよ」
「うん」


チュッ


「うわっ、キスじゃないよ、梨華ちゃん」
「だってぇ、美貴ちゃんかわいいんだもん」

さらにラブラブな2人。


「まっ、仲直りしたから良いんじゃない?」
「そうですね」

すると

バタンッ

「あの2人がどうしたの!!」

カオリが飛び込んでくる。矢口と辻は目が合い、笑い出す。



「まー、カオリ。見てりゃわかるよ」



周りの木々達は確実に太陽に向かって輝き始めている。
もう夏の気配がした風が吹いた。

でも、もうちょっと春でいさせてくれませんか?





『ごめんね。』・おしまい



61 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/06(火) 19:27

ミキティー&梨華っちですか。良い感じの話でした。
エロいっすね・・・。

62 名前:書いている人 投稿日:2004/04/07(水) 19:18

次回の主人公は、矢口さんです。

タイトルは『コンパス』


63 名前:コンパス 投稿日:2004/04/07(水) 19:42

誰にだって、人に言えないことがある。
誰にだって、人にわかってもらいたいこともある。

でも、本当に大切なのは
本当の自分であり続けることかもしれない。

64 名前:コンパス 投稿日:2004/04/07(水) 19:53

  『コンパス』


ここは、ライブツアーで訪れたホテルの一室。閉め切られたこの空間の中に汗ばんだ声が響いた。


「っあ・・・あん・・・いいよぉ・・・」


その少女は生まれたままの姿で体に広がる快感に声を震わす。


「・・・あっ・・あっ・・そぉっ・・みきちゃん・・あんっ・・イッちゃう、いっちゃうよぉ・・・」


少女は恥じらいもなく、声をはりあげた。とたんに広がる最高のキモチ。


「あぁ・・・シアワセ・・・」

そのまま少女はぐったりした。

 ― あーあ、オイラアイドルなのに何してるんだろ? ―

少女が立ち上がろうとしたとき、誰もいないはずの部屋の中から冷ややかな声がした。

65 名前:コンパス 投稿日:2004/04/07(水) 20:01

「矢口さん、楽しかったですか?」
「!?・・・藤本!」
「なにやってたんですか?矢口さん」
「それは・・・」
「なんか美貴の名前を呼んでましたけど」
「!?」

「まさかとは思いますが、ひとりえっちなんかしてませんでしたよね」
「まさか、そんな・・・」
「ま、ばっちりこれで撮っちゃいましたけど」

藤本の右手にはデジカメ。オイラの目の前が真っ暗になった。

「藤本、お前・・・」
「内緒にしてあげますよ。みんなには」
「・・・」
「美貴も、鍵があいてたところを不法侵入したワケですから・・・」


66 名前:コンパス 投稿日:2004/04/07(水) 20:12

「藤本さ・・・いつからいたの・・・」
「んー?よっすぃ―ぐらいからかな」
「!?」
「よっすぃー、梨華ちゃん、ごっちん、そして美貴と。4回もイッちゃうなんて元気ですね矢口さん」

「ウソだ!そんなのウソだ!」
「何なら見ます?デジカメ。矢口さんがひとりえっちしている姿がバッチリ映ってますよ」

オイラは、そのデジカメを取り上げようと藤本に飛びつく。が、ひらりとよけられた。

「そんなことするとみんなにバラしちゃいますよ」
「!?」

「写真週刊誌に出しても良いし・・・」
「やめて・・・」

オイラの瞳からは今にも涙がこぼれそうになる。

「ま、内緒にしてあげますって。それより、いつまでもハダカでいると身体に毒ですよ」

藤本はそう言うと、ニヤリと笑いながら部屋を出ていった。

67 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 13:48

オイラは、悔しくて、悲しくて、どうすることも出来なくて、ただ泣きあけくれた。



次の日の朝。
鏡に映ったオイラの顔は、寝不足で出来たクマと泣きすぎで充血していた。

とりあえず、朝食をとるためにホテルの食堂へと向かう。
エレベーターに乗ろうとすると、そこには藤本と梨華ちゃんがいた。


「矢口さん、おはようございます」
「あぁ、おはよー」

んー、しゃべりもぎこちない・・・。

「なんか矢口さん、眠そうですね」

藤本・・・。お前のせいで眠れなかったんだから・・・。

「大丈夫ですか?矢口さん。無茶しないで下さいね」

梨華ちゃん・・・。何でこの子はこんなに優しいんだろう・・・。

「うん、オイラは大丈夫だよ。梨華ちゃん、心配してくれてありがと」


68 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 13:55

3人そろって食堂に入る。朝食はバイキングだった。


「矢口さん。美貴は、サラダとパンとヨーグルトでいいですから」
「へ?」

なに言ってんだ、こいつ。
オイラは、藤本を見る。昨日の夜と同じ笑い方・・・。

「ちょっと、美貴ちゃん。バイキングなんだから自分で取りなさいよ〜」
「いや、いいんだ、梨華ちゃん」
「でも・・・」
「サラダとパンとヨーグルトね」

おいらは、バイキングの台へと向かう。梨華ちゃんがあとからついてくる。

「まりっぺ、いいの?」
「いいんだ、別に・・・」

オイラは寂しく笑った。



69 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 14:10


この日のライブは散々だった。


MCではカミまくるし、振りは間違えるし、体力的にも最悪・・・。
ホテルに帰ると疲れがどっと出てきた。
とにかく今日は、シャワーを浴びて、早く寝よう。

そう思ったそのとき、オイラの部屋の扉をたたく音がした。


「はい?」
「矢口さん、美貴です」

オイラは、一瞬、躊躇いを覚えたが、藤本を中に入れた。なんせ今の藤本には逆らえない。部屋に通すと、藤本はイスに腰掛けた。

「矢口さん、今日はお疲れ様でした」
「うん、お疲れ様・・・」
「何か飲みます?」

藤本は、自分が持ってきたカバンの中からビールを取り出す。って、まだ藤本は、未成年じゃんか。

「藤本〜」

オイラの困った顔に気付いた藤本は、ニヤッと笑い、

「まー、そう、カタイことは言わずに」

プシュッとフタをあけたビールをオイラに渡す。藤本は、もう一本ビールを取り出すとフタをあけて飲み始めた。


70 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 14:23

「プハーッ!ライブあとのビールは最高ですね」
「なんかオヤジだな、藤本は」
「そうですかぁ」


それにしても・・・

藤本は一体、なにをしにオイラの部屋に来たのだろうか?昨日のこともあるし・・・


「矢口さん、今日のライブ、ダメダメでしたね」
「う〜ん、オイラ疲れてるのかな?」

藤本はニヤッと笑い

「ひとりえっちなんてしてるから疲れるんですよ」
「!?・・・
 じゃ、じゃあ、藤本はひとりえっちしないのかよ!」

「美貴は・・・
 美貴もひとりえっちぐらいしますよ。でもメンバーの温もりを思い出しながらなんてしませんから」
「・・・」


オイラは、返す言葉がなかった。藤本め・・・


「あっ、そうだ。今日は矢口さんに聞きたいことがあってここに来たんですよ」


オイラの背筋に寒気が走った。


71 名前:仕事中 投稿日:2004/04/09(金) 18:41
とりあえずここまでですかね?

黒ミキティいいですね。
矢口まで攻略するとは...w
72 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 18:45

「矢口さんって、好きな人います?」
「はぁ?」

「いや、だから好きな人います?」
「藤本酔ってるの?」
「酔ってませんよ」

見れば顔がマジなミキティー。ちょっと、怖い・・・。

「答えてください!」

「いないに決まってんじゃんか」

「うそつき!」
「はぁ?」
「どうして、うそつくんですか?」
「オイラ、うそなんてついて・・・」
「本当は矢口さん、梨華ちゃんのことが好きなくせに。美貴、知ってるんですよ。
 よっすぃーが梨華ちゃんのこと好きで。それで、よっすぃーがそのことを矢口さんに相談してて。でも矢口さんも梨華ちゃんのが好きで。それなのに、かわいい後輩のために相談に乗ってあげてるって」


「・・・・・・」


オイラは言葉がなかった。なんせ藤本が言ったことは全て間違っていない。



73 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 18:55

  ―あれは1ヶ月ほど前の話。


よっすぃーがオイラに相談があるといって、一緒に帰ったときのこと。


「めずらしいじゃんか。よっすぃーがオイラに相談なんて」
「・・・・・・」
「で、何の相談かな?」

「あ、あの矢口さん」
「うん」
「梨華ちゃんのこと、どう思います?」
「梨華ちゃん・・・?
 う〜ん、そうだな〜。黒くて、キショくて、キャピキャピした女のコって感じかな」

「・・・・・・」
「よっすぃー?」
「私、梨華ちゃんのこと好きになっちゃったんです」
「えぇ!」


オイラは正直、本当に驚いた。あのよっすぃーが梨華ちゃんに恋をした?ありえねー。

が、それと同時にオイラは焦った。実は、オイラも前々から梨華ちゃんのことが気になっていたから。


74 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 19:04

「で、そ、それをオイラに相談したいわけ?」
「そうなんです、でも・・・」

そこでよっすぃーは、言葉をにごす。オイラは、よっすぃーの顔を覗きこむ。

「でも・・・?」

「でも、矢口さんも梨華ちゃんのこと好きなんですよね」

「!?」

「だから・・・」

「オ、オイラは梨華ちゃんのことなんて、なんとも思ってないよ。ただの黒いアゴだと思ってるだけだから」


オイラは、うそをついた。


「本当ですか?本当なら、私の相談相手になってくださいよ」
「お、おう。まかしといて」



この1つのうそがオイラを苦しめた。よっすぃーのために梨華ちゃんのことをあきらめよう、あきらめようと思うたびに梨華ちゃんへの気持ちが強くなっていった。

それゆえにひとりえっちの数も増えて・・・って、これは関係ないか。


75 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 19:22


現実に戻って、目の前には藤本・・・。

「じゃあ、矢口さんは、梨華ちゃんのことが好きなんですね」
「・・・好きだよ・・・どうしようもないくらい好き」

「矢口さんって、卑怯ですね」
「・・・・・・」

「自分の気持ちをしまいこんで、よっすぃーに表面上だけ優しくして」
「・・・・・・」

「これを知ったら、よっすぃー、傷つきますね」
「・・・言わないで」

「美貴は言いませんよ。この件に関しても、ひとりえっちに関しても。ただ・・・」

「ただ?・・・」



「『おしおき』はしなくちゃいけませんね」



76 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 19:31

そう言うと藤本は、持ってきたカバンの中からビンに入った薬を取り出した。


「矢口さん、コレ飲んでください」
「何、コレ?まさか毒じゃないよね?」
「毒じゃないですよ。言われなくなかったら飲んでください」

オイラは言われるがままに、ミネラルウォ―ターでその薬を飲む。
藤本がニヤリと笑った。


「それじゃあ、始めましょうか」
「はっ?始めるって何をさ?」
「楽しいこと」


オイラの手を引く藤本。ベッドの前まできて・・・


「うわっ」


いきなりオイラを押し倒した!


「ちょ・・・やんッ・・・やめて、藤本!」

オイラの服を脱がす藤本。

「どんなに嫌がっても、カラダは正直ですよ、矢口さん」


そういえば、さっきからなんだかカラダが熱い。しかも、特に下半身が熱い。なんでだ?


77 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 19:42


!?


「あんッ・・・ふ、ふじもとぉ・・・」
「何ですか?」

楽しそうなミキティー。

「オイラがぁ・・・さっき飲んだやつってまさか・・・」

「わかりました?えっちがしたくなる薬ですよ」


藤本の指の動きが速くなる。とたんに頂点も近くなる。


「・・・あんッ・・・も、もう、オイラ・・・イッちゃぅ・・・」


「あら、もうイッちゃうんですか。まだダメですよ。『おしおき』なんですから」

そう言うと、藤本はオイラの「それ」から指を抜いた。


「・・・ふぇっ・・・あっ・・・ふじもとぉ・・やめないでぇ・・・
 こんにゃ中途半端じゃ・・・オイラ・・・オイラぁ・・」

「そんなにほしい?」

「うんっ・・・ほしぃ―・・・」

「どうしよっかな〜」

「おねがぁい・・・美貴ちゃぁん・・・・」


もうオイラには理性のカケラもなかった。ただそこにあるのは、えっちなオイラの脱け殻。


78 名前:コンパス 投稿日:2004/04/09(金) 19:53

「じゃ〜あ、特別にもっと気持ちいいことしてあげる」


オイラの「それ」に顔をうずめる藤本。

とたんに広がるどうしようもない快感。


「・・・あんッ・・・あっ・・イッちゃう・・・あぁっ」



オイラは、イッてしまった。



「矢口さん、かわいかったですよ」


「ふ、ふじもとぉ・・・もっとぉ・・・もっと・・ちょうだい・・・」


オイラにはまだ理性が戻ってこない。



「あとは自分で楽しんでください。あの薬の効き目は当分続きますから」

「そぉなのぉ?・・・あんッ・・いいよぉ・・・」



再びオイラは、自分の指で楽しむことにした。



「2日連続で矢口さんのひとりえっち見ちゃいましたね」

「・・・ふぇっ・・・美貴ちゃぁん・・・もっと見て・・・」

「いやいや、もう美貴帰りますから」


ようやく藤本はオイラの部屋を出ていった。


79 名前:書いている人 投稿日:2004/04/09(金) 19:54

とりあえず、今日はここまでです。
お疲れ様でした。


80 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/04/10(土) 01:50
最初の作品とは一転してエロい話に...続き期待(エロであってもなくても)
81 名前:すかっしゅ 投稿日:2004/04/10(土) 09:26
ヤグさんも辛い立場でふね。続き期待です。
82 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 13:47

 ・
 ・
 ・



83 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 14:02

オイラが目を覚ますとすでに朝になっていた。どうやらあのまま寝てしまったらしい。

あぁ、なんか下半身がだるい。

オイラ、昨日、何回しちゃったんだろう?全然覚えてないよ・・・。
でも、今日のスケジュールは、とても楽。次のツアー会場までバスで移動するだけ。
どうにか、バスで休めそうだ。
いそいそと荷物をまとめて、バスに乗り込むオイラ。


「真里ちゃん」

横を見れば梨華ちゃん・・・って、なんだそのファッション。ありえないでしょ。

「隣座っていい?」
「あー、いいよ。それにしても今日のその服装はどうなのさ?」
「かわいいですか?」
「いやいや、全然おかしいし」
「えー、チャーミー結構オシャレしたんだけどなー」

見れば、ブリっ子っぽく服をフリフリしている。
梨華ちゃん、かわいらしいけど変だよ。ま、梨華ちゃんらしいか。


それにしても・・・


オイラは、この娘のどこに惹かれたんだろ?
梨華ちゃんの横顔をまじまじと見つめる。


「ちょっと、真里ちゃん」
「何?」
「そんなに見つめないでぇ」


梨華ちゃん、真っ赤・・・。かわいい・・・。



84 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 14:16


「あのー、お二人さん」


座席と座席の間から藤本が顔を出した。まるで、背後霊・・・。


「何よ、美貴ちゃん。また、真里ちゃんをいじめる気?」
「いや、いじめてないから」

・・・うんにゃ、オイラは十分、藤本にいじめられてる気がするぞ。

「だって、今日の朝もバイキングとらせて・・・」
「それは矢口さんに頼んだら、とってくれたんだもん。いじめてないじゃん!」

2人のかみ合わない喧嘩が始まりそうだったので、オイラはそこに割って入った。

「ハイハイ、2人ともそこまで、そこまで。で、藤本は何の用なのさ?」

「あー、そうそう。矢口さん、コレ飲んでくださいよ」

藤本の手には・・・昨日のあの薬!?


「ほら、矢口さん、昨日体調悪そうじゃなかったですか。だからコレ飲んで元気になってほしくて」

ニヤリと笑う藤本。それ、違う意味で元気になる薬だろうが・・・。


「えっ?やっぱり、真里ちゃん体調悪いの?」

心配顔の梨華ちゃん。


「いや悪くないよ!全然悪くない!オイラ元気だもん!」



85 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 14:27

こんなところであれを飲まされるわけにはいかない。
大好きな梨華ちゃんの隣でイッちゃったら、きっと軽蔑される。
オイラは、必死になって抵抗したが・・・


「真里ちゃん、一応飲んどけば。せっかく、美貴ちゃんが用意してくれたんだし」

あぁ、何も知らない梨華ちゃん・・・。そして、藤本に逆らえないオイラ・・・。


「はい、お水」
「うん。ありがと・・・」

オイラは、覚悟を決めた。オイラの理性は必ず、性欲に勝って見せる!
一気に薬を飲み干すと藤本が『それじゃあ矢口さん。頑張ってください』といわんばかりの笑顔で自分の座席に戻っていった。
見てろ、オイラ頑張るもん。



「ねぇ、真里ちゃん」
「ん?」
「真里ちゃんは好きな人とかいるの?」
「ふぇっ?」


昨日の藤本と同じ質問・・・。


「い、いるよ」
「そうなんだ・・・」

一瞬、寂しそうな梨華ちゃん。



86 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 14:35

「どんな人?」
「え、え―と。すごく優しくて、いつもオイラのこと見守ってくれる人」
「ふ〜ん。私も真里ちゃんのこと見守ってますよ」


そりゃそうだ。だって、梨華ちゃんのこと言ってんだもん。


「幸せですね、その人」
「そうかな」
「だって、真里ちゃんに『好き』って言われて」
「・・・・・・」
「私、その人になりたいなぁ」





へっ!?・・・あの、梨華ちゃん。
それって、もしかして、オイラのこと・・・




梨華ちゃんを見つめる。・・・とその時。


「ひっ!」
「?」


けげんな顔でオイラを見る梨華ちゃん。ヤバイ。薬が効いてきた。



87 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 14:45

「どうしたの、真里ちゃん?」
「いやぁ、何でもないよ!何でもないよぉ」


オイラは、前の座席にもたれかかる。


「真里ちゃん?」

「ひゃいっ!」


背中をさすってくれた梨華ちゃんにオイラは、思わず感じてしまった。背中でも感じちゃうなんて・・・。


「大丈夫。大丈夫だからぁ」
「でも・・・」


大丈夫・・・。もうすぐバスは、高速道路のパーキング・エリアに入る。
その休憩中にトイレにかけこもう。それまでの我慢・・・。


「何やってるんですか、矢口さん?」

再び後ろから覗きこむ藤本。お願いだから、ほっといてよ・・・。


「なんか、真里ちゃんが急に苦しみだして・・・」

もう梨華ちゃんは涙目だ。


「じゃあ、梨華ちゃん。矢口さんのおへその辺りを撫でてあげて。そうすれば良くなるから」

「そうなの?」


梨華ちゃんの手がのびてきて、オイラのおへその辺りを撫ではじめた。



88 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 14:52

「やんッ・・・」



もうダメかも。オイラ、梨華ちゃんの隣でイッちゃうかもしれない。



「真里ちゃん、大丈夫?」


涙目の梨華ちゃんの手の動きが速くなる。もう、限界・・・。






「・・・るな」

「えっ、何、真里ちゃん?」


「・・・触るな」

「何言って・・・」



「石川ぁ!オイラに触るな!」

「!?」


「あっち、行け!」


オイラは、梨華ちゃんを冷たく突き放した。



「でも、私は真里ちゃんのことが心配で・・・。それで私は・・・」

「うるさいっ!」



「だって、私・・・
 私、真里ちゃんのこと好きなんだもん!」



89 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 15:01

「・・・・・・」

「真里ちゃんは私のことどう思ってるの?」



周りのメンバーが一斉にこちらを注目する。その中によっすぃーの姿も見えた・・・。

梨華ちゃんのことは大好きだけど・・・。



「オイラは・・・石川のこと、何とも思ってない!」


「そんな・・・」




ごめんね、梨華ちゃん。今のオイラにはこのうそしかつけないんだ。



泣きじゃぐる梨華ちゃんは、バスの後ろの席のほうへ行ってしまい、それをよっすぃーが追いかけてなぐさめている。


その直後、バスはパーキング・エリアに到着した。
オイラは、とにかくバスを降りて、トイレにかけ込む。



・・・声を出さないように慎重にオイラの性欲を満たしていく。

「・・・ぁッ・・・」


それでも結局、3回もイッてしまった・・・。



90 名前:コンパス 投稿日:2004/04/13(火) 15:09

バスに戻ると、梨華ちゃんが座っていたオイラの隣に藤本が座ってきた。


「矢口さん、ずいぶん長いトイレでしたね」
「・・・・・・」

「何してたんですか?」
「・・・藤本のせいじゃんか」

「ま、両方に良い顔をしようとした罰じゃないですか」


藤本はそう言って笑っていたが、オイラのダメージは大きかった。
あぁ、いとしき梨華ちゃん・・・。遠くに行ってしまう。


「まぁ、そうくよくよしないで」
「・・・・・・」

「あと、ホテルに着いたら、矢口さんに話があるんで部屋に行きますね」

藤本はそう言って、ニヤリと笑ったあと、後ろの自分の座席に戻っていった。



91 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/13(火) 15:11

とりあえず今日は、ここまでです。

お疲れ様でした。


92 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/04/13(火) 15:36
二人を幸せにしてあげて
ミキティはナニをするつもりだろう(大体想像できてしまうけど)
93 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/14(水) 16:10

>71 仕事中 様
 お仕事中に読んでいただいてるでしょうか?お仕事中に読んでいただき、ありがとうございます。

>80、92 飛べない鳥 様
 読んでいただきありがとうございます。
 とりあえず、このお話はこの路線(エロ路線?)で書かせていただきます。
 また、気まぐれで変わるかもしれませんが・・・(笑)

>81 すかっしゅ 様
 読んでいただきありがとうございます。
 黒ミキティーの野望が・・・。




94 名前:コンパス 投稿日:2004/04/14(水) 16:20

ホテルに着くとすぐに藤本がオイラの部屋を尋ねてきた。


「で、話ってなんだよ」

ちょっと不機嫌なオイラ。


「あのですね、美貴からの最後のお願いがあるんです」
「お願い?」
「コレをやってくれたら、美貴が『矢口さんのひとりえっち』をおさめた、デジカメのメモリーを矢口さんに渡します」
「・・・・・・」
「そうすれば矢口さんがメンバーでひとりえっちしていた証拠もなくなるワケですからね」
「・・・で、何をすればいいの?」
「あのですね、コレで・・・」


藤本が取り出したのはビデオカメラとおなじみのあの薬。


「これで矢口さんと梨華ちゃんがえっちしている姿を撮影してください」




95 名前:コンパス 投稿日:2004/04/14(水) 16:28





「はぁ?」


藤本は何を言い出すんだ?
ここ数日、オイラには藤本が何を考えてるのか、まったくわからない。



「大丈夫ですよ。梨華ちゃん、まだ矢口さんのこと諦めてないみたいですから」


それは、うれしいけど・・・。


「オイラが断るって言ったら?」
「そしたら、『矢口さんのひとりえっちシーン』を週刊誌に出すしかないですね」

「・・・それじゃオイラ、断れないじゃんか」
「ま、そ―ゆーことになりますかね」

ニヤッと笑う藤本。


「オイラと梨華ちゃんを撮ったやつはどうすんのさ?」
「美貴が確認したら矢口さんにお返ししますよ。あとは、矢口さんが好きに使ってください」



・・・藤本って、そういう趣味があったのか。

それでも、コレさえやれば、藤本に脅されることはなくなるし、梨華ちゃんと・・・。


オイラは即OKした。



96 名前:コンパス 投稿日:2004/04/14(水) 16:54

藤本が帰ったので、オイラは梨華ちゃんを携帯で部屋に呼ぶ。




コンコン



「はーい」
「石川です」
「はい。どーぞぉ。入って」


オイラは、梨華ちゃんを部屋の中に入れると、ポットのお湯で紅茶を作り始める。もちろん、あの薬をよ〜く溶かした紅茶を。


「梨華ちゃん、今日はごめんね」
「あっ、別に気にしてないです」


強がる梨華ちゃんだが、顔は悲しそう。
ここで2人とも紅茶をすすり始める。


「あのね、実はオイラ、梨華ちゃんに謝らなくちゃいけないんだ」
「昼間のことですか?」
「うん」
「・・・・・・」


オイラは、思いきって、告白する。


「ホントはね、オイラ、梨華ちゃんのこと好きなんだ」
「えっ?」
「梨華ちゃんのこと好き」
「でも、今日のバスの中で・・・」
「あれはだってほら、みんな見てたから・・・。恥ずかしいじゃん」


下を向いてもじもじし始める梨華ちゃん。



97 名前:コンパス 投稿日:2004/04/14(水) 17:04

「オイラの気持ちわかってくれた?」
「うん・・・」


「それで今日ここに呼んだのは・・・」


オイラは震える手で梨華ちゃんの手を握る。
そろそろ、梨華ちゃんに薬が効いてくるはず・・・。


「ねぇ・・・いい・・・?」




「いいに・・・決まってるじゃん・・・」





オイラは、梨華ちゃんをベッドに押し倒して、服を脱がし始める。
綺麗なカラダがあらわになる。オイラが抱きつこうとすると・・・



「真里ちゃんもちゃんと脱いで」



今度は、梨華ちゃんが上、オイラが下になる。



「んんっ」


あれっ?何か、何か、変だ。ん、カラダが熱い・・・。

あの薬は梨華ちゃんのほうに入れたはずなのに。

なのに、なのに。なんかすごくえっちな気分。




もしかして、オイラ。

間違えて薬入れたほうを飲んじゃったかも!?




98 名前:コンパス 投稿日:2004/04/14(水) 17:10




「・・・あんッ・・・梨華ちゃん・・ちょうだぁい・・・」


「もう、まりっぺの甘えん坊」





 ・

 ・

 ・





「梨華、うれしい。真里ちゃんがこんなに感じてくれるなんて」




そりゃ、そうだ。オイラ、あの薬飲んじゃったんだもん。


あぁ、こんなはずじゃなかったのに。

オイラ、梨華ちゃんに攻められっぱなし・・・。

恥ずかしいこともいっぱい言わされたし・・・。

オイラ、オイラ・・・。



でもね、たった一つ、確かなこと。

オイラと梨華ちゃんが今日、一つになれたこと。




99 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/14(水) 17:12

今日は、ここまでです。

まだまだ続きます。いよいよ、黒ミキティーの全貌が・・・。



100 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/17(土) 12:07
おもしろいです!
続き楽しみ
101 名前:コンパス 投稿日:2004/04/17(土) 18:37

オイラと梨華ちゃんが一つになれたことは確かなことだけど、
コレを撮ったものを藤本に見せなきゃいけないのも事実なわけで・・・。

オイラは迷った。梨華ちゃんに断わりなしで藤本に見せて良いものなのか?
せっかくの2人の記念を藤本に壊されそうで怖かった。



「や・ぐ・ち・さん」
「!?・・・藤本!いつの間に」
「またカギが開いていたので」
「それで入ってきたの?」
「そうですよ」


油断ならないな、藤本は。


「さっき、梨華ちゃんがこの部屋から出ていきましたけど・・・」
「うん」

「てことは・・・やっちゃったんですか?」
「・・・まあね」

「じゃあ、カメラは?」
「・・・撮ったよ」
「よかったじゃないですか」


ニヤッと笑う藤本。


102 名前:コンパス 投稿日:2004/04/17(土) 18:43

「でも・・・藤本には見せないよ」


オイラは藤本をにらみつける。


「はぁ?」
「見せない!」


「ほぉー」


藤本の冷たい視線がオイラに突き刺さる。


「別にいいんですよ、見せなくても」
「見せない!オイラと梨華ちゃんの仲を邪魔されたくない!」

「わかりました。矢口さんが言いたいことは、よ〜くわかりました。
 矢口さんがその気なら、前にも言ったとおりになりますので」


「・・・・・・」


「矢口さん、絶対後悔しますよ」


藤本はそう言って、オイラをにらんだ後、部屋を出ていった。







103 名前:コンパス 投稿日:2004/04/17(土) 18:51


翌日。

この日は、ライブがある日。
ホテルのロビーに集まる。


「みんな、おはよー」

「・・・・・・」


あれっ?なんか反応がまったくない。みんなどうしたのかな?


「ね、おはよう」

「・・・・・・」


また反応がない。


「ねぇ、辻ちゃん。みんなどうしたの?」
「・・・触らないで下さい」
「えっ・・・」


辻ちゃんは、オイラを冷たくあしらった。


「ねぇ、よっすぃー・・・」
「うっせんだよー!チビ!」

「よっすぃー・・・?」
「もう話しかけてくんな!」


なんで?みんな、なんでさ?

オイラ、何かした?

思い当たる節なんて・・・んっ・・・藤本・・・。



104 名前:コンパス 投稿日:2004/04/17(土) 19:01

チラリと藤本の方を見る。藤本は、オイラと目が合うとニヤッと笑った。


覚悟はしてたけど、まさかメンバーに吹きこむなんて・・・。



「みんなー、ごめんねぇー」


梨華ちゃんが走ってくる。


「ごめんね。ちょっと寝坊しちゃって・・・。あっ、真里ちゃん、昨日は・・・ふふふっ、ありがと」
「へっ!?・・・あー、どういたしまして・・・」


どうやら、梨華ちゃんはオイラのことを無視していない様子。


「じゃあ、バスに乗ってください」


マネージャーさんの声でみんなバスに乗り込む。

んっ?ぼーっとしている人が約一名。


「カオリ!カオリ!移動だって!」

「・・・あれっ?・・・なんか、交信してたみたい・・・矢口、ごめんね。」


んー、カオリもオイラのこと、無視してないみたい。
ということは・・・

残りの11人が藤本の手によって洗脳されているのか・・・?



105 名前:コンパス 投稿日:2004/04/17(土) 19:15

バスの中で誰もオイラと目をあわせようとしない。それでも、時折、新垣が申し訳なさそうにオイラの方を見てきていた。どうやら、突破口は、新垣から開けそうだ・・・。






この日のライブは何とか終了。結局、この日は梨華ちゃんとカオリ以外のメンバーと話すことはなかった。明日もここでライブなのでバスでホテルに帰る。




部屋に戻り、シャワーを浴びた後、藤本から電話がかかってきた。


「矢口さん、今から私の部屋に来てください」
「・・・何の用だよ」
「とにかく来てください」

と一方的に電話を切る藤本。


オイラは仕方なく、藤本の部屋に向かう。


コンコン


「藤本ー。オイラだよ、矢口」
「・・・・・・」


無言でドアをあける藤本。

・・・というか、藤本もシャワーを浴びた直後らしく、バスタオル一枚で出てきた。

アイドルなんだから、服ぐらい着ろよ!他のお客さんに見られたらどうすんだよ!
と心の中で突っ込んでみたが、もっともこの階は、全てメンバーの部屋なので見られる心配もない。


「で、なんなのさ」
「・・・・・・」


藤本は、無言でデジカメのメモリーを渡す。



106 名前:コンパス 投稿日:2004/04/17(土) 19:25

「これって・・・」
「・・・矢口さんのひとりえっちのやつです」


どういう風の吹き回しだろうか。昨日、週刊誌に出すといってたのに・・・。
でも・・・。


「あ〜、よかった。藤本にも良心が残ってたんだね」


これでオイラも一安心。とりあえず、週刊誌の一面を飾らなくてすむ。

そう思った次の瞬間・・・





「矢口さん・・・・・・」


いきなり、藤本がオイラに抱き付いてきた。
その反動で藤本のバスタオルがヒラリと落ちた。


「ふ、藤本・・・?」


「こっちにきて・・・」



藤本はオイラを引っ張って、ベッドに倒れこんだ。



これってもしかして・・・。





バタンッ



!?

ここで誰かが部屋に入ってきた。マズイです。この体制は。

しかも、入ってきたのは、この状況を一番見せたくないあの人・・・。




107 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/17(土) 19:26

 本日は、ここまでです。
 お疲れ様でした。



108 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/04/17(土) 22:23
ひょっとして藤本さん...
109 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/23(金) 17:42

「美貴ちゃん、私に用事って、なに・・・っ!?・・・」


梨華ちゃんの目にうつったもの。それは、ベッドに倒れこんでいる裸の藤本とその上に乗っているオイラ。
これはどう見たって、押し倒したとしか考えられない状況・・・。


「う・そ・・・真里ちゃん・・・」


「ち、違うんだ!梨華ちゃん、誤解だよ!誤解!」


みるみる涙目になる梨華ちゃん。


「・・・じゃあ、何で美貴ちゃん裸なのよ」
「それは・・・」

「信じらんない!まりっぺなんて大嫌い!」


梨華ちゃんは、走って部屋を出ていってしまった。


「梨華ちゃん!」

オイラもそのあとを追う。



110 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/23(金) 17:42

「梨華ちゃん、待って!ホント誤解だって!」

「いやっ!」


梨華ちゃんは、自分の部屋にかけ込むとカギをかけてしまった。


「梨華ちゃん!ホント誤解だから!」
「・・・・・・」
「オイラ、何もしてないよ」
「・・・・・・」
「藤本が勝手に抱き付いて・・・」
「抱き付かれるような関係だったってことですよね・・・」
「・・・梨華ちゃん・・・」
「もう、帰って!」
「梨華ちゃん・・・」
「お願い・・・もう帰ってぇ・・・ぐすっ・・・」


ドアの向こう側で梨華ちゃんがすすり泣く声がした。


「ごめんね・・・」


オイラは、ドアの向こうの梨華ちゃんに謝るとその場を離れることにした。



それにしても・・・

大体、藤本が悪いんだ。
藤本がバスタオル一枚でいるからこんなことになるんだ。


やり場のない怒りを持ったオイラは、藤本の部屋に再び入る。



111 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/23(金) 17:43

「藤本!」
「あっ、矢口さん」
「どうしてくれるんだよ!梨華ちゃん、泣いちゃったじゃんか!」
「ふ〜ん、そうですか」
「大体、藤本が悪いんだぞ!」
「そうですよ。美貴がいけないんですよ・・・」


ニヤッと笑う藤本。


「ど、どういうことだよ」
「こうなるように、わざと美貴が梨華ちゃんを部屋に呼んだんです」
「なっ、何でそんなことを・・・」

「矢口さんが梨華ちゃんのこと好きになっちゃたから」
「えっ・・・?」
「2人が両想いになっちゃったからです」
「そんな・・・」
「矢口さん、美貴じゃダメなんですか・・・?」


藤本は、そう言うと再びバスタオルを落とした。
あらわになる藤本のカラダ。



112 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/23(金) 17:44

「美貴は、ずっと・・・矢口さんのこと好きだったんですよ」
「っ!?」


一歩ずつ近づいてくる藤本。


「美貴のこと好きになってください・・・」


藤本の手がオイラの頬に触れる。


「矢口さん・・・」


藤本の唇が近づいてきたとき・・・


「・・・出来ないよ、藤本」

「・・・・・」



「オイラは・・・
オイラは・・・
梨華ちゃんが好きなんだー!!!」









気が付くとオイラは、自分の部屋で泣いていた。

大体、藤本は何なんだよ。オイラのこと、散々いじめて、最後に『好き』だなんて。
ただでさえ、梨華ちゃんに嫌われちゃったのに、オイラの心は腐ったりんごぐらい痛みまくりだよ・・・・・・。



113 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/23(金) 17:45

ここの会場でのライブ2日目。
今日もオイラは、メンバーに無視されつづける。まして、今日は梨華ちゃんまでオイラに冷たい態度。
あんなところを見られちゃったら無理もないか・・・。


なんかもう生きていく自信がないな・・・。


オイラ、もう疲れちゃったよ・・・。


今、永遠に目を閉じれば、楽になるのかな・・・?








ライブ終了後。
ホテルに戻ると、オイラは携帯だけを持って、屋上に続く階段を上り始めた。


この階段の行く末には、何が見えるんだろう・・・?

天国かな・・・?

真っ白な世界かな・・・?


114 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/23(金) 17:46

屋上の柵を超えたところで、オイラは携帯のボタンを押し始める。


梨華ちゃん・・・。



 ・
 ・
 ・


・・・でない。
15コール目でオイラは諦めた。


ピッ


次は・・・なっち・・・。


「はーい、なっちだよ」
「あっ、なっち・・・」
「只今、電話にでることが出来ないので、メッセージをよろしく!」


・・・ドラマの撮影かな?

いいんだ。結局、みんなオイラに冷たいんでしょ。
どうせオイラは、こうなる運命なんでしょ。

もう、いいや。


ゆっくり、目を閉じる。
夜の風の音がした。


115 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/23(金) 17:49

本日は、ここまでです。

すみません、慌てて更新したのでタイトルが「書いてる人」のままでした・・・。
『コンパス』が正しいタイトルです・・・。


巨人対阪神戦、楽しみだな〜。

116 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/04/23(金) 23:50
え?そーなの?ミキティ?

次回も期待しています
117 名前:浪人中… 投稿日:2004/04/24(土) 12:08
黒ミキティー…。
矢口さん、早まっちゃうのでしょうか!?
期待してます。
118 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/25(日) 16:03

>>100 名無飼育 様
読んでいただき、ありがとうございます。これからも頑張ります。

>>108>>116 飛べない鳥 様
期待にそえるよう頑張ります。でも、もういっぱい、いっぱいです(笑)

>>117 浪人中 様
浪人中ですか・・・。勉強頑張ってください。私の従兄弟は、2浪しました(苦)。


これからもよろしくお願いします。


119 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:05

もうあと一歩でおしまいだった。


「矢口さん!」


えっ・・・誰?・・・


振り返るとそこにはお豆ちゃんの姿。


「矢口さん!やめてください。戻って来てください!」
「お豆ちゃん・・・」
「お願いですから・・・そんな、死のうだなんて思わないで下さい」
「・・・・・・」
「私が悪いんです」
「・・・お豆ちゃん?」
「みんな、みんな、藤本さんに脅されて、それで、みんな・・・っひ・・・ぐすっ・・・」


泣き出すお豆ちゃん。オイラは、その場に力なく座り込んでしまった。
優しい夜風が辺りを包み込む。

オイラは、お豆ちゃんが泣き止むのを待った。


「お豆ちゃん、さっき『みんな、藤本に脅されてた』って、言ってたけど」
「はい・・・」
「どーゆーことなの?」


少しの沈黙のあと、お豆ちゃんはことの成り行きを話し始めた。


120 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:05

「昨日からみんなで矢口さんを無視してるのは、全て藤本さんの指示なんです。
「・・・・・・」

「みんな・・・といっても、石川さんと飯田さん以外のメンバーなんですが、みんな、藤本さんに弱みを握られてるんです」
「弱み?」
「はい。最初に私の弱みを握られて・・・。それで藤本さんは、私に、みんなを脅せるような弱みを見つけてくるように言って」
「うん」
「それで私はいろんなことをして、メンバーの弱みを握っていったんです。そして、おとといの夕食のあとに、藤本さんから矢口さんを無視するように指示されて」
「それでみんなオイラを・・・」
「そうです。しかも、指示に従わないとメンバーの秘密をマスコミにばらまくと脅したんです」
「なるほど・・・」


そう、オイラも週刊誌に出すといって、脅されていた。
皆も同じ状況だったみたいだ。


121 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:06

「矢口さんも藤本さんに脅されてましたよね?」
「えっ?な、なんで知ってんの?」
「実は・・・私が矢口さんの部屋のマスターキーを盗んだんです」

「!?」

「藤本さんは、矢口さんが部屋の中で何をしてたか知ってたみたいで・・・その・・・声がもれてきたとか、なんとかで・・・それで私に部屋のカギを・・・」


そこまで言うと、真っ赤になるお豆ちゃん。
どうやら、お豆ちゃんはオイラが部屋の中で何をしていたのか知っているっぽい。


「・・・とにかくですね!みんな、矢口さんのことを嫌いになったわけじゃないんです。みんな、矢口さんのこと心配してるんです」

「そうなの・・・。話してくれてありがと、お豆ちゃん」


オイラはそれを聞いて、何か勇気がわいてきた。
さっきまでオイラにあった勇気とはまったく逆方向の生きる勇気がわいてきた。



122 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:06

オイラは、ゆっくり立ち上がる。


「じゃあ、オイラ、藤本と話してくるよ」
「矢口さん・・・」
「大丈夫。なんたってオイラ、モーニング娘。のサブリーダーだしね」

「・・・はい。じゃあ、お願いします、矢口さん!」
「おう、まかしといて」


オイラには、ほんの少しだけ藤本の苦しみもわかる気がした。ソロでやっていたのに突然、モーニング娘。加入。ストレスも相当あるに違いない。思えば、オイラもモーニング娘。の最初の追加メンバー。当時は、なかなかうまくいかないこともあった。

でも・・・

最後にオイラを助けてくれたのはメンバーのみんなだった。そのことを藤本にもわかってほしい。


本日、3度目の藤本の部屋へ。ドアをノックする。



123 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:07

「藤本?」
「・・・はーい、誰ですか?」
「オイラだよ、矢口だよ」
「えっ・・・矢口さん・・・」


ガチャリと開くドアの向こう、藤本の姿。

やっぱり、藤本も泣いていたみたい。目が少し赤い。


「ちょっと、話があるんだ」
「・・・・・・」


さっきと何も変わらない藤本の部屋。唯一、さっきと違うのは、藤本自身がちゃんと服を着てること。


「お豆ちゃんからすべて話は聞いたよ」
「・・・・・・」
「みんなを脅してたって?」
「・・・そうですよ」
「何でそんなことしたのさ」
「だって・・・美貴、独りぼっちだったから・・・」
「独りぼっち?」



124 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:08

「6期のメンバーは私よりずっと年下だし、5期のメンバーは年下なのに先輩にあたるわけじゃないですか。だからなんかギクシャクして・・・。なんか独りぼっちで・・・。なんか怖くて・・・」

「・・・・・・藤本は、独りぼっちなんかじゃないよ」
「えっ?」
「メンバーのみんなは、藤本のことかけがえのない仲間だと思ってる。そんな仲間を脅すなんて、藤本は裏切ってることになるんだよ」

「・・・・・・」

「だから、もうこんなことはやめようよ・・・」


オイラは、藤本に語りかける。


「・・・わかりました。もう、メンバーを脅すのは、やめにします。ただし・・・」


藤本が立ち上がる。


「・・・矢口さんが美貴とえっちしてくれたらやめにします」
「!?」


藤本がすばやく、オイラの手を取った。


125 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:08

「矢口さん!」
「むぐぐっ・・・!」


藤本に強引にキスされる。吸い込まれるような熱いキス。


「やっ・・・」


吐息がもれる。藤本の舌がオイラの口に入ってくる。


「バ、バカ!やめろ!藤本!」
「!?」


オイラは、藤本のお腹を蹴り飛ばした。


「藤本、全然わかってないじゃんか!そんなんでいいの!独りぼっち、独りぼっちって、藤本が壁作ってんじゃんか!もっと、自分を信じてみろよ。自分を信じれないヤツが仲間から信頼されるかよ!」

「・・・・・・」

「藤本・・・。最近、藤本らしくないよ。ソロのときは、もっと輝いてたよ。ソロでも出来るんだから、グループでもやってみなよ」

「・・・うぐっ・・うっ・・・やぐぢざぁ〜んっ・・・」


大粒の涙を流し、オイラに抱きつく藤本。これでいいんだ・・・。これでいいんだよ、藤本。泣きたいときは泣けばいいんだよ。オイラの前でよかったらどんどん泣いちゃえ・・・。


126 名前:コンパス 投稿日:2004/04/25(日) 16:09

「美貴もわかってたんです。このままじゃいけないって。でも、そう思えばそう思うほど、ホントの気持ちとは違う態度をとっちゃうんです」
「藤本・・・」

「矢口さん・・・ごめんなさい・・・」
「いいんだよ、藤本」


オイラは、藤本の頭をなでてあげる。藤本の涙は、いつのまにか輝く笑顔に変わっていた。


「矢口さん」
「ん?」

「落ち着いたところで、えっちの続きしません?」

「なっ!」


藤本!


「へへへっ。冗談ですよ。冗談。でも、美貴は矢口さんのこと諦めてませんからね」


にこりと笑う藤本。
前までの悪意のあるニヤッとした笑顔じゃなくて、まるで子供のような人なつこい笑顔。

もう藤本は、昔の藤本に戻っていた。


127 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/25(日) 16:10

とりあえず、更新終了です。

お疲れ様でした。

128 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/25(日) 16:26
この作品凄く好きです。更新楽しみにしてます。
129 名前:コンパス 投稿日:2004/04/30(金) 16:58

このあと、オイラと藤本は各メンバーの部屋に行き、藤本のやったことを許してもらえるように頭を下げてまわった。オイラは許してもらえるか、すごく心配だった。でも何のことはなく、みんな、あっさり藤本のことを許してくれた。


あと一つ残った大きな問題は・・・オイラと梨華ちゃんの関係・・・。


「あぁ〜、どうすれば梨華ちゃん許してくれるかな〜?」


腕を組んで真剣に考えるオイラ。こんなに悩むのは、モーニング娘。加入当時以来だぞ。


「いいじゃないですか。美貴がいつでも、矢口さんの恋人になってあげますよ」


昔のままに戻った藤本・・・。ノーテンキなトコまで元に戻ってる・・・。


「美貴がいつでも、こう熱く抱きしめて・・・キャッ!矢口さん、何言わせるんですか」
「オイラ、何にも言ってないじゃん」
「矢口さんの顔に書いてありますよ。美貴とえっちしたいって」
「か、書いてあるわけないだろー」
「キャハハッ」


何なんだ、藤本は・・・?さっきまでの藤本は誰だったんだ?
よほど悩んでたのかな?
今の藤本は、完全に吹っ切れてる・・・。いや、吹っ切れすぎ・・・。



130 名前:コンパス 投稿日:2004/04/30(金) 17:00

メンバーに謝ったあと、ホテルの廊下を自分たちの部屋へと戻るオイラと藤本。

「矢口さん、キスしましょうよ」
「な、何でオイラが藤本とキスしなくちゃいけないんだよ」
「いいじゃないですか。辻ちゃんだって、みんなにキスしてますよ」
「辻ちゃんは、別!」
「メンバー愛ですよ、メンバー愛」
「ダメ!オイラには梨華ちゃんが・・・」



むぐっ・・・!



藤本の唇とオイラの唇が重なった。さっきの強引なキスとはまったく違う甘いキス。あまりの気持ちよさにオイラも思わず目をつぶってしまった。


「次は、矢口さんからですよ」


目をつぶってオイラのキスを待つ藤本。と、そこに・・・



「2人とも仲良いんですね!」



!?



梨華ちゃん!



廊下の真中で固まるオイラ。
見られちゃった・・・?
キス現場を見られちゃった・・・?



131 名前:コンパス 投稿日:2004/04/30(金) 17:00

「ち、違うんだ、梨華ちゃん!」
「また言い訳から入るんですか?」
「それは・・・」
「ごめんね〜、梨華ちゃん。美貴と矢口さんはラブラブなの!」
「うるさい!藤本は、黙って・・・」
「もういいです。私、おふたりの邪魔みたいなんで。どうぞ、ごゆっくり!」
「り、梨華ちゃん!」


梨華ちゃんは、オイラをひと睨みして、そのまま部屋に走っていってしまった・・・。
あぁ、最悪ですよ、これは・・・。


「あ〜あ、梨華ちゃん、いっちゃいましたよ」
「ふじもとぉ〜(涙)、どうしてくれるんだよ〜」


何でこう、タイミングの悪いことは続くんだろ。
たまたま、藤本からキスしてきただけなのに・・・。
オイラからはキスしてないのに・・・。
ますます誤解されて、ますます嫌われちゃうよ、オイラ。


あぁ、どうなっちゃうの、オイラ(涙)。








132 名前:コンパス 投稿日:2004/04/30(金) 17:01

悩んでも仕方がないことをぐるぐる考え込むことって、結構あるよね。
今のオイラがまさにその状態・・・。


「梨華ちゃんにどうやって謝ろう・・・梨華ちゃんにどう説明しよう・・・」


こういう時、悩みを相談できる親友が側にいてくれればいいけど、今のこの状況は・・・。


「どうすれば、梨華ちゃん、オイラのこと許してくれるんだろ?」
「あなたは、だんだん美貴とえっちがしたくな〜る」

「あぁ、もうオイラのことなんて考えてもないのかな?」
「あなたは、だんだん美貴とえっちがしたくな〜る」

「あぁ、いとしき梨華ちゃん・・・。今、何を思ってるんだろ〜?」
「あなたは、だんだん美貴とえっちがしたくな〜る」

「あぁ、梨華ちゃん・・・」
「あなたは、だんだん美貴とえっちがしたくな〜る」


「あぁ、藤本のハダカ。スベスベだったな・・・触っておけばよかった・・・・・・って、何、人に催眠術かけてんだよ!」

「エヘッ」


あのあと、オイラはすぐに自分の部屋に戻ってきたんだけど・・・

何で、藤本までついてくるの?



133 名前:コンパス 投稿日:2004/04/30(金) 17:01

「美貴のハダカを思い出しちゃうなんて矢口さん、なんだかんだいって、ちゃんと見てたんですね」
「べ、別にいいじゃんか」
「で、どうでした?美貴のハ・ダ・カ」

「ん〜、肌はすごく綺麗だったよ。まさにモチ肌っていうの?腰もよかったし、足も・・・」
「んもー、矢口さんのえっち!そんなにジロジロ見てたんですか」



「でも、おっぱいは梨華ちゃんのほうがずっと大きかったよ」



グサッ!



んっ?なんだ、この効果音。
横を見ると・・・藤本のハートにぐさりとナイフが刺さっている!


「ふ、藤本!」


オイラは、慌ててそのハートに刺さったナイフを抜き取る。


「くぁー、矢口さん・・・ひどいです・・・美貴が一番、気にしていることを・・・」
「ごめん、藤本。そんなつもりはなかったんだけど、口がついすべって・・・」
「うわー、ひどい!どうせ、美貴は貧乳ですよ」


あー、一番言っちゃいけないことを言っちゃったみたい・・・。



134 名前:コンパス 投稿日:2004/04/30(金) 17:02

「藤本、そんなこと気にするなよ。女は胸が全てじゃないぞ!」


んっ?オイラの胸の話は、ふれないでね。


「でも、すごく傷つきました」
「それは謝るよ」
「美貴の心の傷を癒してください」
「癒す?」
「矢口さんの両手で美貴の胸を優しく包み込んで・・・」
「断る!」


藤本は、すぐえっちな方向へもっていこうとする。それにしても、そんなんで心の傷が癒される藤本って・・・。


「あぁ、どうせ触るなら梨華ちゃんのを触りたかったな〜」
「えっ、矢口さん、触ってないんですか?だって梨華ちゃんとえっちしたじゃないですか?」
「ううん、したはしたけど。オイラ、梨華ちゃんに攻められっぱなしだったから・・・」
「美貴のあげたあの薬、使ってないんですか?」
「使ったさ。使ったけど・・・あの薬、間違えってオイラが飲んじゃったんだよ」


そう、あの時間違えていなければ、オイラが梨華ちゃんを・・・。悔やんでも、悔やみきれないよ。あんなチャンスを・・・。



135 名前:コンパス 投稿日:2004/04/30(金) 17:03

「あぁ、梨華ちゃんに触りたいなぁ・・・」
「美貴は、矢口さんに触られたいなぁ・・・」


はっ!こんなこと考えてる場合じゃない。梨華ちゃんと仲直りする方法を考えなきゃ。


「藤本、いいかげんに自分の部屋に戻った方がいいよ」
「そうですね。明日のスケジュールは・・・」
「明日は、番組の収録でしょ」
「あぁ、そうでした!それじゃ、いとしの矢口さん、おやすみなさ〜い」


・・・やっと、帰ったか。これで落ち着ける。


バタンッ


「矢口さん!」
「うわっ!びっくりした〜。びっくりさせないでよ」
「矢口さん、まだ、おやすみのチューしてませんでしたよね?」
「おぉ、そうだったね。藤本、チュー・・・・・・って誰がするか!早く寝ろよ!」
「寝ま〜す」


ニコリと笑う藤本。
ようやく嵐のような一日が終わりを告げた・・・。



136 名前:書いてる人 投稿日:2004/04/30(金) 17:05

てなことで、本日の更新終了です。
黒ミキティーがピンクミキティーに・・・。


137 名前:くりゅー 投稿日:2004/04/30(金) 20:25
ミキティは、すさまじい変貌ですね。
次回も期待してます。
138 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:13

あたらしい朝がきた。希望の朝が。
まぁ、オイラにとっては、希望の朝じゃないんだけどね。
昨日の夜はあれだけ考えたあげく、オイラは結局、土下座するしかないという結論に達した。藤本にも一緒に来てもらって、ちゃんと説明しよう。ちゃんと話せば、梨華ちゃんだってわかってくれるはず。

・・・移動中、藤本にことの内容を説明する。


「藤本さ。今日、梨華ちゃんの家に行って、謝るんだけど一緒に来てくれない?」
「美貴もですか?」
「うん。誤解をとくように今までのことを全部話すんだよ」
「話しちゃっていいんですか?」
「なんでさ?」
「ほら、矢口さんとハダカで抱き合っちゃったりとか〜、あんなことや〜、こんなことしちゃったことも話しちゃっていいんですか?」
「・・・・・・うそはつくなよ!」


なんか藤本を連れてくのはすごく不安・・・でも一緒に来て説明してくれることになった。


139 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:14

午後までかかったテレビ収録もそこそこに、今日のお仕事は早めに打ちげになる。
メンバーはそれぞれ、家路につくことに。さて、今のうちに梨華ちゃんをつかまえなきゃ。


「梨華ちゃん。あれっ、梨華ちゃんは?」


・・・おかしい。さっきまでいたはずの梨華ちゃんの姿がいっこうに見つからない。楽屋にも廊下にもいない。トイレにでも行ったのかな?

とりあえず、楽屋で食べ物トークを繰り広げている紺野と小川に聞いてみる。


「2人とも、梨華ちゃん見なかった?」
「え〜っ、石川さんですかぁ」


目を丸くするピーマコ。


「うん、梨華ちゃんに用があるんだけど・・・」
「え−とぉ、今日は木曜日ですよね。今日は石川さんの担当するラジオの生放送じゃないですか」


あ−、そう言えば、こないだから梨華ちゃん、ラジオの生放送やってたっけ。


「梨華ちゃんのラジオ番組って、どこでやってるか知ってる?」


こーゆー質問は紺野の方が詳しい。


「えーと、たしかあれは・・・名古屋の放送局じゃなかったですか」
「名古屋ぁ〜!」



140 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:15

名古屋ってあれだよね。東京から新幹線でバァーといかないと着かない場所だよね。
・・・オイラが今から行っても・・・無理じゃん。


「でも、たぶん東京のスタジオから名古屋につないでやってるかもしれませんよ」
「んー、だとしても、場所がわからない・・・」
「そうですよね・・・」


じゃあ、明日になってしまう。


「ところで、石川さんに何の用があったんですかぁ?」


興味津々のピーマコ。


「あっ、いや、ちょっとね・・・」
「もしかして、矢口さんと石川さんって、できてるんですかぁ?」


な、何てこと言い出すんだ、小川!


「だってぇ、石川さん。『真里ちゃんのこと好きなのになぁ〜』って、今日も楽屋で言ってましたよ」
「えっ、そうなの?」
「言ってたよね、あさ美ちゃん」
「言ってましたねぇ」


全然知らなかった。梨華ちゃん、そんなこと言ってたんだ。


「じゃあ、2人ともありがと。早く帰りなよ」
「「は〜い。お疲れ様でした〜」」


2人に別れを告げ、ロビーで待たしている藤本のもとへ向かう。



141 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:15

「藤本さ、今日は梨華ちゃん、ラジオの生放送で無理そうなんだよ。明日、行くことにしたいんだけど・・・」
「明日ですか?」


けげんな顔をする藤本。


「うん。明日、大丈夫?」
「明日は、美貴と愛ちゃんでヤンタンの収録なんですけど」


ヤンタン・・・?あぁ、ヤングタウンね。さんまさんとトークできるなんてうらやますぃ〜。


「ヤンタンって、どこの放送局でやってるんだっけ?」
「大阪ですよ」
「大阪!?」
「まぁ、収録は東京ですけど」


・・・なんかややこしいな。じゃあ、金曜もダメなのか。となると・・・。


「じゃあ、土曜か」
「土曜からはライブじゃないですか」
「あぁ、そうか・・・」


なんとも忙しいスケジュール。いつもはなんとも思わないが、このハードスケジュールが憎たらしい。



142 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:15

なんだかんだいって、梨華ちゃんに全部話せるのはライブの日までお預けになりそう。
とはいえ、いてもたってもいられないオイラは、久しぶりに梨華ちゃんにメールを入れることにした。


『梨華ちゃん、ラジオ頑張ってね』と。よし、送信。


メール、返ってくるかな・・・?返ってきてほしいな・・・。

オイラの心配をよそに意外と早く返信メールが送られてきた。


『ありがと、真里ちゃん(はぁと)』


は、はぁと!?ハートマーク付き!?
たった、1行のメールだったけど、オイラ、すごくうれしい。なんか仲直りの予感・・・。
早く、ライブの日にならないかな・・・。
オイラと梨華ちゃんの仲直りまであと少し・・・なのかな?






143 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:16

木曜がすぎ、金曜。ライブ前日なので午後から現地のホテルに入る。

この日のホテルはめずらしく部屋数が少ないため、メンバー全員が相部屋。その部屋決めの方法は・・・


「カオリがくじ作ったから。今日は、くじ引きで部屋を決めたいと思いま〜す!」


いつもはマネージャーさんで決めてしまうのだが、今日は『くじ引き部屋決め』になった。
梨華ちゃんと同じ部屋になりますように・・・梨華ちゃんと同じ部屋になりますように・・・。願いを込めてくじを引く。


たぁ−っ!・・・3番。


3番は確か・・・・・・


「いや〜、なんか運命感じちゃいますね」


トホホ・・・藤本・・・。
何で、藤本なんだよ〜。
梨華ちゃんは、よっすぃーと相部屋。カオリ・・・重さんと相部屋・・・。なに話すんだろう?・・・気になる。高橋と亀井・・・ま、普通だな。お豆ちゃんと紺野・・・迷コンビ。田中と小川・・・よくわからん。辻ちゃん、加護ちゃん・・・偶然にしてはなんか怪しい。

んっ、待てよ・・・

梨華ちゃんとよっすぃーが相部屋じゃ、オイラ、梨華ちゃんの部屋に行けないじゃん!だって、よっすぃー、梨華ちゃんのことが好きなんだし、その相談をオイラが受けてるし・・・。何でいつもこうなるんだよ〜!



144 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:17

ミーティングの後、ホテルのそれぞれの部屋へ・・・。
あぁ、向かい側は梨華ちゃん達の部屋・・・。オイラは後ろ髪引かれながら、藤本との相部屋に入る。しかし、部屋に入るととんでもない光景が目の前に・・・


「もう、矢口さ〜んっ、遅い〜」
「な、何やってんだよぉ!」


そこには、すでに下着姿の藤本・・・。


「矢口さんも早く脱いでくださいよぉ」
「な、何でオイラが脱がなくちゃいけないんだよ!」
「今夜は忘れられない夜になるからです」

「じょ、冗談じゃないよ!」
「えっ?」
「何で、オイラが藤本と忘れられない夜を過ごさなきゃいけないんだよ!」
「・・・・・・」
「ただでさえ、梨華ちゃんはよっすぃーと同じ部屋なんだし!」
「・・・・・・」


ちょっと、強く言いすぎたかな?・・・いや、でも騙されないぞ。いつもこうやって、オイラは騙されてきたんだから。


「藤本!聞いてんのかぁ!」
「・・・矢口さん」
「なんだよ」
「・・・美貴って、貧乳ですか?」
「はぁ?」


貧乳って・・・オイラは思わず藤本の胸元を見る。


「矢口さん、もっとよく見てください・・・」


そう言うと藤本はブラのホックを・・・って、何やってんだよ!



145 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:17

「うわっ、取るなぁ〜!」


オイラは、藤本の落ちかかったブラを押さえる・・・・・・んっ、押さえる?・・・・・・柔らかい・・・・って!


「あんっ、矢口さん、だ・い・た・ん」
「ああああああぁっ!」


オイラの手が藤本の胸の鼓動がブラごしにしっかり伝わってくる。柔らかい感触。


「やっと、その気になってくれたんですね」
「ち、ち、違う!」
「美貴、ちょっと感じちゃったなぁ〜」
「そんなんじゃ・・・」
「いいじゃないですか。2人きりなんだし。恥ずかしがらなくても」
「恥ずかしがってないから!」


ホントに勘弁してよ。しかし、藤本の暴走は続く・・・。


「今度はショーツ、脱ぎますね」
「ぬ、脱がないでぇ!」
「えーっ、美貴のオールヌード、もう1度見たくないんですか?」
「見たくない!見たくない!」
「本当は?」
「見たい・・・じゃなくて、見たくないからぁ!」
「見せてあげますよ」
「オ、オイラ、お風呂入ってくる!」


いつまでもここにいると、何をされるかわからない。オイラは、お風呂場に逃げ込んだ。



146 名前:コンパス 投稿日:2004/05/07(金) 18:18

お風呂場といってもユニットバスなんだけどね。やっぱり、湯船につかりたいというのが本音。地方の大きなホテルだとあるんだけど、贅沢は言ってられない。

オイラがお風呂からそーと、あがる。部屋の中がいやに静か・・・藤本は何やってんだ?

オイラのベッドが膨らんでる・・・。まさか・・・。


「藤本!」
「あっ、矢口さん、お風呂あがったんですか?」
「あがったけど、それより、何でオイラのベッドにいるんだよ!」
「ベッドは1つ・・・でも枕は2つ」
「で・・・?」
「お風呂からあがったら、することは1つしかないじゃないですか」


藤本は、オイラに抱きついてきた。


「あ〜んっ!、美貴は矢口さんがほ・し・い」
「・・・オイラはいらないから」
「もう、正直じゃないんだから」


オイラは、暴走する藤本をしり目に隣のベッドにもぐりこんだ。


「矢口さん、こっちのベッドで2人で寝ましょうよ」
「ヤダ!」
「じゃあ、美貴がそっちに・・・」
「藤本〜、明日はライブなんだから早く寝なさい!」
「は〜い・・・(悲)」


シューンとなるふじもん。やっと、寝れる・・・。



・・・が、真夜中に



「ぁんっ、いいっ・・・矢口さん・・・」


藤本は何の夢を見てるんだろう・・・?背中に寒気が走った夜だった・・・。



147 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/07(金) 18:20

てなことで今日はここまでです。

もうちょいで『コンパス』は、おしまいになります。
(たぶんあと3回ぐらいかな?)

148 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:23

今日は、ライブがある日です。爽やかないいお天気。

集合時間までまだいくらかあるけど、いいかげん、今だ夢の中の藤本をたたき起こしますか・・・。


「おーい、藤本〜!起きろ〜!」
「・・・むにゃ、むにゃ・・・もうできません・・・」
「藤本―っ!」
「うわっ、はっ、はいっ・・・あれ?・・・なんだ、夢か・・・はぁ〜(ため息)」


寝ぼけまなこの目をこする藤本。どんな夢を見てたんだろう?


「藤本さ、昨日、なんの夢見てたの?寝言がすごかったんだけど」
「夢ですか・・・ムフフフ・・・」


いやらしく笑みをこぼす藤本。


「美貴の夢の中で矢口さんが
『美貴、愛してるよ』
・・・とか言っちゃて〜、美貴の知らないあんなことや、こんなことをたくさんしてくれたんです」

「・・・・・・寒気がしてきた」
「ちょ、ちょっと〜、まだ続きがあるんで聞いてくださいよ」

「・・・・・・」
「そして、矢口さんったら、大胆にもリハーサル前の楽屋で
『美貴の全てを知りたい』
・・・とか言っちゃて〜、みんながいる前なのに・・・」
「・・・もういいよ」


藤本の話に全部付き合ってたら、頭が痛くなりそうだ。勝手に支度をして、部屋を出てしまうのが得策。



149 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:24

「あっ、ちょっと、矢口さん待ってくださいよ」
「もう遅い。早く、早く」


オイラはもう準備を済ませて、バスへ向かうところ。一方、藤本はまだ歯を磨いている状態。いつまでも夢心地でいるからこうなるんだよ。


「オイラ、先に行くからね」
「あ〜、もう少しだけ待ってくださいよ〜」
「もう、待てない。あとはよろしく」


もう何分待ったと思ってるんだよ。
しびれを切らしたオイラは、藤本をおいて部屋から出る。

すると部屋の前には、いとしきあの人が立っていた。

・・・・・・梨華ちゃん。


「り、梨華ちゃん・・・?」
「真里ちゃん、おはよう」
「おはよう・・・」


朝からいきなり緊張するオイラ。
梨華ちゃんとこうやって話すのは何日ぶりだろう?随分、話してない気がする。



150 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:24

「おとといは、ありがとね」
「えっ・・・なんだっけ、おとといって?」
「ほら、メール・・・」


あぁー、梨華ちゃんのラジオ本番前に送ったメールね。


「石川、真里ちゃんからのメール、すっごくうれしかったです」
「そ、そう」

「なんか、石川、ずっと真里ちゃんに冷たい態度とってたのに・・・」
「いやいや、いいんだよ。オイラ、梨華ちゃんのこと好きだから」


どさくさにまぎれて梨華ちゃんにホントのことを言う。

すると、梨華ちゃんは顔を赤らめて・・・


「石川も真里ちゃんのこと好きですよ」




チュッ




へっ・・・梨華ちゃん・・・?



151 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:24

「じゃあ、真里ちゃん。ライブ、頑張ろうね!」


そう言って走りさっていく梨華ちゃん。
今、オイラに・・・オイラにキスしたよね。
間違いないよね。



「矢口さん、すみません。お待たせいたしました」
「あぁ・・・・・・」
「あれっ?矢口さん。やーぐーちーさん!」
「・・・藤本・・・幸せっていいよね・・・」
「はい?」
「・・・オイラ、世界一の幸せ者かも・・・」
「矢口さん、何言ってんですか?少しおかしいですよ」
「・・・ううん、オイラは大丈夫・・・」


オイラは、うかれ気分のままライブ会場に入った。

あぁ、梨華ちゃん・・・






「れいな〜、今日の矢口さん、少しおかしくない?」
「そうかな〜?」
「なんか、ぽわ〜んとしてない?」
「さゆの方がぽわ〜んとしてると思うけど」
「絶対矢口さんの方がぽわ〜んとしてる」
「・・・さゆ、矢口さんの心配する前に自分のダンスの心配しなよ」
「・・・・・・」





152 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:25

ライブを終えて、ホテルに帰るとオイラは梨華ちゃんの部屋に行くことにした。
梨華ちゃんとの愛を確かめに・・・。よっすぃーには悪いけど、オイラと梨華ちゃんはやっぱり結ばれる運命だったんだ。いそいそと部屋を出る。


「矢口さん、今夜こそは美貴と・・・」
「藤本、ちょっと出てくるから」
「えっ、どこに行くん・・・」


バタンッ


「もぉ―、矢口さん、また逃げるんですかぁ!」




そんな藤本の声も今のオイラには届かない。梨華ちゃん達の部屋の前に行きノックをする。

コンコン・・・

コンコン・・・

コンコン・・・


シ〜ン・・・


おっかしいなぁ。外出はしてないはずなんだけどな。なんで誰もいないんだろ?
ここのホテルはオートロックなのでうまく侵入することも出来ない・・・。



153 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:25

オイラは、ふと加護ちゃんのあの言葉を思い出した。


(「ホテルのベランダ越しから隣の部屋に移動できたんですよ・・・」)


・・・そうか、その手があったか。あのときは、加護ちゃんのお行儀の悪さに渋い顔をしたオイラだったが、いざ自分がその場面に立つとその方法でいくしかない。


「お隣はと・・・」


梨華ちゃんたちの部屋の隣は、紺野・新垣部屋とカオリ・道重部屋。
さすがにカオリがいる前では出来ないのでオイラは、紺野と新垣の部屋へ。


コンコン


「・・・はい?」
「あ、紺野。オイラ、矢口なんだけどちょっといいかな」
「はい、どうぞ」


部屋の中へ通される。見れば、ベッドでごろんと雑誌を読んでいる新垣。


「あれ?矢口さん、どうかしたんですか?」
「いや、ちょっとね・・・ベランダから・・・」
「ベランダから?」
「梨華ちゃんたちの部屋に侵入するの」
「はい?侵入ですか・・・」


オイラは、ベランダ越しに梨華ちゃんたちの部屋を見る。



154 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:26

「矢口さん、危ないですよ〜」
「大丈夫、大丈夫。オイラ身軽だから」


下を見れば目もくらみそうな高さ。落ちたらおしまいだな。

それでもオイラは、ベランダの手すりを掴んでひょいっと飛び越える。


たぁーっ!   スタッ!


よしっ、ベランダの柵越え成功!


「ほら、大丈夫だったでしょ」
「・・・もー、無茶しないで下さいね」
「うん、わかってるって。じゃあ、ありがとね」


紺野に礼を言って、いざ梨華ちゃんたちの部屋へ。

ベランダの窓の扉に手をかける。
・・・開いている。ラッキー。とうとう、部屋の中に突撃。


「失礼しまーす。梨華ちゃーん?」


ずうずうしくもあがらせてもらう。

と、そこで、オイラの目に映ったものは・・・。



155 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:26

ベランダからあがるとすぐに目に付くのが2つあるベッド。
その2つあるベッドのうち、奥側のベッドでうごめく2つの影。



「あんッ、ぁあんッ・・・ひとみちゃんっ・・・」
「・・・梨華ちゃん、かわいいよ・・・」




ハダカの梨華ちゃん・・・。


梨華ちゃんの女のコの部分をよっすぃーが・・・。


梨華ちゃんとよっすぃーが・・・。
梨華ちゃんとよっすぃーが・・・。


「うそでしょ・・・」


思わず、オイラは声を出してしまった。その声に気付く2人。




「や、矢口さん・・・」
「えっ・・・真里ちゃん・・・」



「こ、こんなのウソだーーー!」



156 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:27

オイラは、梨華ちゃんたちの部屋を飛び出した。


・・・梨華ちゃん、オイラのこと好きだっていってたじゃん。

・・・オイラも梨華ちゃんのこと好きだっていったじゃん。

・・・しかも、今日はキスまでしてくれたじゃん。

なのに、なのに・・・


なんでだよ!

なんで、よっすぃーと。


自分の部屋に逃げるようにかけ込む。


バタンッ!


はぁ、はぁ。


「あっ、矢口さん、おかえりなさい。どこ行ってたんですか?美貴、先にお風呂入っちゃいましたよ」
「藤本!」

「なんですか・・・・・ぁっ!?」


むぐぐっ!


藤本に痺れるほど熱い口づけをする。



157 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:27

「ぷはぁ、はぁ・・・矢口さん・・・?」
「藤本・・・」


「キャッ!」


無言で藤本をベッドに横たわらせる。
藤本の服に手を伸ばし、次々と脱がせていく。


藤本はお風呂からあがってすぐらしく、ほんのり肌が赤くなっていた。それがまた色っぽかった。


「矢口さん・・・」
「・・・・・・」
「美貴のこと、好きになっちゃたんですか?」
「・・・・・・」


もう1度、藤本に激しいキス。


むぐぐっ



「矢口さん・・・」
「・・・・・・」



藤本の綺麗なカラダに触れていく。なぞるように、なぞるように。優しく。



158 名前:コンパス 投稿日:2004/05/10(月) 19:28

「んっ?」
「・・・・・・」


「矢口さぁん・・・もっとぉ・・・」


オイラはさらに藤本に触れていく。


「あんっ・・・いいです・・すごくいい・・・」
「・・・・・・」






「矢口さぁん・・・そろそろ・・・」
「・・・・・・」


オイラは無言でうなづくと、藤本の中心に手をあてがった。


「あん、いいっ!ぁあんッ・・」
「藤本・・・」

「はんっ・・矢口さん・・・あんッ・・・美貴・・イッちゃいます・・・」

「・・・・・・」

「ああぁっ・・・」


絶頂を迎えた藤本。


「はぁ、はぁ」


肩で息をしている藤本を見て、とたんに罪悪感が広がってきた。



「ひっぐ・・・ひっぐうぅぅ・・・」
「や、矢口さん・・・?」


オイラはとうとう悔しさのあまり、泣き出してしまった。



159 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/10(月) 19:29

本日はここまでです。
お疲れ様でした。

160 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/05/10(月) 20:49
藤本さんがかわいそうなんですけど
でもなぜ梨華ちゃん??
161 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/10(月) 21:56
面白い! 作者s(書いてる人?)更新お疲れさま!
>>160
確かに美貴がかわいそうですねぇ
162 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/14(金) 17:36
レスありがとうございます。

>>128 名無飼育 様
読んでいただきありがとうございます。今回で完結です。

>>137 くりゅー 様
ありがとうございます。ちょっと変ですかね・・・。

>>160 飛べない鳥 様
ありがとうございます。すみません、ちょっと残酷過ぎましたね・・・。

>>161 名無飼育 様
ありがとうございます。そう言っていただくと嬉しいです。

ハンドルネームが思いつかなかったので、『書いてる人』というなんともあいまいな名前で書いてきましたが、誰か私に良いハンドルネームを名づけてほしいです。

以前、あと3回で完結と書きましたが、2回目の今回で『コンパス』は完結になりました。
それでは、どうぞ。

163 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/14(金) 17:36

「ひっぐっ・・・うぅ・・・」
「矢口さん・・・」


オイラは、藤本の前で大粒の涙を流し続けた。藤本は時折、背中をさすってくれたが、オイラに涙のわけを聞こうとはしなかった。


「藤本・・・」


幾分たって、少し落ち着きを取り戻したオイラはゆっくり、涙のわけを話し始めた。


「何ですか、矢口さん?」

「あのね・・・さっき、梨華ちゃんたちの部屋に行ったんだよ・・・」
「梨華ちゃんたちの部屋・・・」

「うん・・・そしたらね、梨華ちゃんとよっすぃーがね・・・」
「はい、2人が・・・」

「ベッドで抱き合ってたんだ」
「・・・・・・」

「今日の昼間にね・・・梨華ちゃん、オイラのこと好きって言ってくれたのね・・・そして、キスまでしてくれたんだよ・・・なのに、なのに・・・」
「矢口さん・・・」

「梨華ちゃん、オイラにはあんなこと言ったのによっすぃーとえっちしちゃうなんて・・・オイラ、悔しくて・・・」

「・・・じゃあ、悔しかったから、美貴を押し倒したんですか?」


164 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:37

「えっ・・・」
「そうなんですか?」
「・・・うん」

「そんなのひどいです」
「藤本・・・」

「美貴は、美貴は本気だったんですよ。なのに、もてあそばれただけじゃないですか!」
「・・・ごめん」
「謝ってすむことじゃないですよ!」
「・・・本当にごめん」

「矢口さんは、いっつもそう。梨華ちゃん、梨華ちゃんって・・・美貴だって矢口さんのことが好きで好きでたまらなかったんです!」


藤本は泣いていた。


「藤本、ごめん・・・」
「だいたい、矢口さんが梨華ちゃんにもっと正直でいられないからいけないんですよ!」
「・・・・・・」

「2人が普通に付き合ってたら、美貴だって諦めがつきますよ・・・でも、いつまでたってもはっきりしないから・・・」
「・・・うん」

「美貴だって、矢口さんを励ましたいと思って・・・ひっぐっ・・・矢口さんが美貴の方を向いてくれるように・・」
「・・・・・・」

「あんなえっちでイッちゃった美貴がバカみたいじゃないですかぁ!」


165 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:38

部屋の中に重い空気が流れる。

そうか・・・オイラ、藤本の気持ちも考えてあげられなかったのか・・・。藤本が悩んでたときはあんなにはっきり物事を言ってたのに、自分のことになると本当の自分から逃げていたのかもしれない・・・。



「藤本、オイラ・・・オイラ、間違ってたよ。藤本、ごめん・・・。でもね、これだけはわかってほしいんだ。オイラは・・・オイラは、梨華ちゃんが好きだってこと・・・」


「・・・・・・そんなの知ってますよ」


えっ?


「梨華ちゃんが好きだってことぐらい・・・」
「・・・・・・」

「好きなのに梨華ちゃんを困らしてばっかりいて・・・それでも、やっぱり梨華ちゃんが好きで・・・そんな矢口さんは・・・ばかです・・・」
「藤本・・・」

「矢口さんのばか、ばか、おおばか者。梨華ちゃんを幸せにしてあげないと美貴、本気で怒りますよ・・・」
「うん、約束するよ・・・絶対幸せにする・・・藤本のためにも・・・梨華ちゃんのためにも・・・そして、オイラのためにも・・・」


166 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:38

「矢口さん・・・」
「なに?」

「美貴、ホントはね・・・」


ニコリと笑う藤本。


「『梨華ちゃんのことが好きな矢口さん』が好きだったのかもしれません」
「!?」

「だから、今こそ矢口さんの本当の気持ちを伝えるときですよ」
「う、うん。そうだね」

「今度こそ、梨華ちゃんをつかまえてくださいね」
「うん、オイラ、頑張る」


と、ここでドアをたたく音が聞こえた。


コンコン


「・・・来たみたいですね」
「・・・うん、来たみたいだね」

「矢口さん、ファイトです!」
「・・・うん、オイラ、行ってくるよ」


入り口のドアの方へ走っていく。



「さよなら、大好きな矢口さん・・・また一生懸命、恋しますね・・・」


つぶやくような藤本の声が部屋に響いた。


167 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:38

ガチャッ


ドアを開くとやっぱり梨華ちゃんが立っていた。


「真里ちゃん、さっきは・・・」
「梨華ちゃん、屋上に行こう」
「えっ?」
「屋上に行こう」


オイラは、梨華ちゃんの手を取って屋上へと続く階段の方へ走り出す。


「登るよ、梨華ちゃん」
「うん・・・」


屋上までは、さすがにエレベーターはない。だから、歩いていくしかないのだ。それは、ちいさな1歩だけど確かな1歩だった。


「はぁ、はぁ、やっと着いた。疲れたぁ〜。梨華ちゃん、大丈夫?」
「うん・・・はぁ、はぁ、大丈夫・・・」


オイラは周りの景色を見て、息をのんだ。


「うわ〜、綺麗だね〜」
「ホント、綺麗・・・」


屋上の2人からは、遠くに綺麗な夜景が見えた。そして、いくつもの空にはたくさんの星が輝いていた。


168 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:39

屋上にあるベンチに2人で腰かける。


「梨華ちゃん」「真里ちゃん」


2人の声が重なった。


「・・・梨華ちゃんからどうぞ」
「ううん、真里ちゃんからいいよ」
「いや、梨華ちゃんから・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」


2人とも黙り込んでしまった・・・。ダメだよ!オイラがしっかりしなきゃだよね。


「梨華ちゃん・・・」
「なに、真里ちゃん?」
「今日のライブどうだった?」


はぁ〜、オイラ、なに言ってんだ?自分の気持ちを伝えるんじゃなかったのか?


「とっても楽しかったよ・・・」
「そう・・・オイラも楽しかった・・・」


オイラからはっきり言わなくちゃ。


169 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:40

「真里ちゃん・・・」
「ん・・・?」
「今日はごめんね」


えっ・・・もしかして、いきなり本題!?


「今日のことって・・・?」
「ほら、いきなりキスしちゃって・・・」


な、なんだ、そっちのことか。てっきり、よっすぃーのことかと思っちゃた・・・。


「・・・・・・」
「・・・・・・」


再びの沈黙。
オイラ、ホントなにやってんだ?藤本と約束したのに・・・。やっぱり、オイラダメなのかな・・・。






170 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:40

(矢口、頑張や〜)

えっ・・・裕ちゃん・・・。

(矢口がしっかりせんとあかんで、ホンマに)

うん、でもオイラ・・・。

(約束したんやろ、じゃあ、守らないと)

うん・・・。


(ヤグチ〜)

な、なっち・・・。

(ヤグチが元気ないと、こっちまで元気なくなりそうだよ〜)

なっち・・・。

(大丈夫、ヤグチなら大丈夫だべさ)

うん・・・オイラ、オイラ、頑張ってみせる!
裕ちゃん、なっち、
ありがとう。


171 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:41


「・・・・・・いいよ、オイラ梨華ちゃんのこと好きだから」
「えっ?」
「オイラ、梨華ちゃんが好き。だから、キスされたときホントにうれしかった」
「うん・・・」
「よっすぃーといちゃついたって、それでも、梨華ちゃんを世界で一番愛してる」
「真里ちゃん・・・」
「梨華ちゃんは、ずっと梨華ちゃんのままでいてほしい」


「あのね、真里ちゃん」
「ん?」

「さっきのよっすぃーとのことなんだけど・・・」
「うん」
「実はね、今日、よっすぃーに告白されたの」
「そうなんだ・・・」
「でもね、石川は断ったの。石川は真里ちゃんが好きだから、よっすぃーの気持ちには答えることが出来ないって。そしたら・・・」
「そしたら・・・?」
「いきなりね、よっすぃーに押し倒されたの。服を脱がされて・・・最初は抵抗したんだけど、なんかだんだん気持ちよくなってきちゃって・・・」
「うん・・・」
「そしたら、真里ちゃんに見られちゃって・・・石川はバカだよね・・・」
「・・・もういいよ」
「真里ちゃん・・・」
「もういいよ、梨華ちゃん」
「・・・・・・」


「でもね、これだけは聞かせて。梨華ちゃんは本当にオイラのこと好きなの?」


172 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:41

「石川は・・・石川は、真里ちゃんのことを愛しています」


「オイラもね、梨華ちゃんのこと愛してるよ」





「・・・ちょっと〜、ちゃんと私の目を見て言ってよ〜」
「いやだよ、オイラ恥ずかしいもん」
「いいから、目を見て言って!」
「うん・・・」
「ほら!」

「梨華ちゃんを・・・」
「うん」


「愛して・・・あ〜、やっぱ恥ずかしいって」

「ちょっと、まじめに言って!」

「うん・・・」


梨華ちゃんの透き通るような瞳を見つめる。


「オイラ、矢口真里は石川梨華さんのことを・・・心から愛しています・・・」

「キャー、真里ちゃん、かわいい!」


梨華ちゃんがオイラにぎゅっと抱きついてきた。


173 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:42

「あ〜、恥ずかしかった。オイラ、こういうのニガテだよ」
「いいじゃない。2人の愛を確かめられたんだし〜」


「梨華ちゃん」
「真里ちゃん」

「梨華ちゃんね」
「な〜に?」

「オイラね・・・梨華ちゃんに触れたい・・・」
「えっ・・・」

「梨華ちゃんに触れたい・・・」
「ここで・・・?」

「うん・・・」

「でも・・・」
「ダイジョブだよ、誰も来やしないよ」


「・・・うん」




その日は、夜空にたくさんの流れ星が流れたという。


174 名前:コンパス 投稿日:2004/05/14(金) 17:42

恋の行方は、北へ行ったり、南へ行ったり、東へ行ったり、西へ行ったり。
オイラ達の恋はどっち向きなんだろう。

でも、そんなことはどうでもよかった。

気ままに行こう。
恋なんて、あてにならないコンパス。
幸せな未来だけを指差している。





『コンパス』・おしまい

175 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/14(金) 17:43

(巻末)

てなことで、『コンパス』はおしまいです。
なんか、最後が変な感じになってしまいました。
こんなに長くなる予定はなかったんですが・・・。

次のお話ももしよろしければ読んで下さい。
次は短編をお送りする予定です。

176 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/05/14(金) 21:52
ミキティ_| ̄|○

乙でした
次回作も期待してます
177 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/16(日) 14:48

ミニ短編(?)を2本連続でお届けします。
1本目・タイトル:『ちょこれーと』。石川さん視点のお話です。
2本目・タイトル:『地下街』。主人公は高橋さんなんですが・・・。

178 名前:1本目 投稿日:2004/05/16(日) 14:49


『ちょこれーと』

あま〜い、あま〜いポチとアゴンの物語(?)。


179 名前:ちょこれーと 投稿日:2004/05/16(日) 14:49

今日は、真里ちゃんが私の家に遊びにきてくれました。
でも、私がちょっとコンビニに行ってる間によほど疲れていたのか、真里ちゃんはリビングのソファで寝てしまったようです。

「かわいいなぁ・・・」

真里ちゃんの寝顔を近くで見る私。普段、こんなに近くで見つめると
『石川、キショイ』
って、言われるから。

でも・・・

せっかく石川の家に遊びに来てくれたのに真里ちゃん寝ちゃうなんて。
もー、石川つまんない。

こうなったら、寝ている間にいじわるしちゃお。

見れば、今の真里ちゃんはかなり薄着です。今日はちょっと暑かったから上着を脱いじゃったみたい。
カラダのラインもくっきり見えるわけで・・・。
しかも、こんなに可愛いわけで・・・。
なんか石川、真里ちゃんに女を感じちゃいました。

180 名前:ちょこれーと 投稿日:2004/05/16(日) 14:50

「真里ちゃん、脱がしちゃいますよ」

小声で話しかける。
すると真里ちゃんがこちら側に寝返りを打ちました。
これって、いいってことだよね。石川、そう理解しちゃいますよ。

Tシャツをまくりあげる。
あれっ?今日はピンクのブラジャー。

もしかして・・・石川のための勝負下着!?

だって、真里ちゃん「ピンクのブラジャーなんてキショイ」って石川のこと馬鹿にしてたのに。
やっぱり、私のこと想ってくれてたんだ。うれしい・・・。

Tシャツを全部脱がせて、ブラもはずす。
あー、もう下も脱がしちゃえ。

んっ、ショーツもピンク・・・。ありがと、真里ちゃん。

石川の目の前には、ショーツ1枚だけの真里ちゃんが横たわってます。
ショーツも脱がしちゃおっかなぁ〜。どうしよっかなぁ〜。

181 名前:ちょこれーと 投稿日:2004/05/16(日) 14:50

ここで石川に悪魔のささやきが・・・

『見たいんだろ。見たいんだろ。脱がしちゃえよ。ショーツ脱がしちゃえよ。寝てるのが悪いんだろ。脱がしちゃえよ。真里ちゃんの全てを見ちゃえよ・・・』

そーだよね。寝てるのが悪いんだよね。
石川梨華、真里ちゃんの全てを見届けたいと思います。

ショーツに手をのばす。するとここで今度は、天使のささやきが・・・

『いけません。脱がしたらいけません。脱がしたら、真里ちゃん怒っちゃうぞ。プンプン。それに嫌われちゃうぞ。いけません。脱がしてはいけません・・・』

はっ!

そうだよね、脱がしたらダメだよ。真里ちゃんに嫌われちゃう。

しかし・・・


『おい!天使!余計なことすんなよ。脱がしちゃえばいいだろ』
『いけません、脱がしてはいけません』
『だってよー、もうあと1枚まで脱がしてるんだぜ。あと1枚も素っ裸も変わりやしねーよ』
『その1枚が女の子には大切なのです』
『ほー、じゃあ、聞くけどよ。お前は、見たくないのか?矢口真里の全てを』
『えっ、あの・・・その・・・』
『どうだって、聞いてんだろ!』
『その・・・・・・見たいです・・・』
『だろー。じゃあ、見ちゃえよ』
『でも・・・』
『いいから!』

182 名前:ちょこれーと 投稿日:2004/05/16(日) 14:51

あー。もう、石川梨華!決めました!
脱がしちゃいたいと思います。


ショーツに手をかける。あー、緊張してきた。えいっ!


・・・・・・見ちゃった。見えちゃった。真里ちゃんの全てを見ちゃいました。

もうこうなったら、石川、止まりません。
あんなことや、こんなことしちゃいます。







「・・・っあ・んッ・・・ん・んっ、んんっ!石川ぁ!!」
「あっ、真里ちゃん、おはよー」
「おはよーじゃねぇっ・・くわっ・・」
「気持ちいいですか?」
「なっ、なにしてん・・あんッ・・だよぉっ・・」
「見ての通りです」
「・・うわっ!?」






ポチとアゴン。
チョコレートのような関係(?)。






『ちょこれーと』・おしまい

183 名前:2本目 投稿日:2004/05/16(日) 14:52

『地下街』

184 名前:地下街 投稿日:2004/05/16(日) 14:52

今夜、あなたに逢いたくて逢えなくて悩んでる・・・。
周りの目、気にしてもしょうがないし、気持ちのまま行こう。
だってそれは、
あなたが好きだから。

185 名前:地下街 投稿日:2004/05/16(日) 14:53

はいー、ここは某テレビ局です。歌の収録も終わって、廊下を楽屋に向かって歩いていると・・・
自販機の前のベンチでしょんぼりとしている石川さんを発見!
そーいやー、さっきの収録でマネージャーさんに怒られておったな。


「石川さん」
「あいちゃん・・・」

石川さんの隣に座る。

「元気ないですね」
「うん、ちょっとね・・・」
「あー、ちょっとですかぁ」
「・・・・・・」


「あの、そーいえばなんですけど、チャーミーさんと普段の石川さんって、どこが違うんですか」

突然、飛び出る質問。

「へっ?」

「チャーミーさんと石川さんですよ。どこも変わらん気がするんですけど」


「・・・あのね、チャーミーはね、みんなの心の中にいるの」

ほら、ちょっと石川さんのってきたぞ。

186 名前:地下街 投稿日:2004/05/16(日) 14:53

「じゃあ、あたしの心の中にもいるんですか?」
「そう。チャーミーは、みんなの心のアイドルなの」
「・・・・・・いらんアイドルやな」
「あいちゃん、何か言った?」
「いやいや、何もいっとらんで。じゃあ、普段の石川さんは?」
「普段の石川は、もっとクールよ」
「へー、でも共通点はありますね。2人とも『寒い』」


「・・・・・・」


あれっ、黙り込んじゃった。やっぱし『寒い』は、マズかったかな。


「あの、石川さん・・・?」
「・・・まだあるわよ。『黒い』。あと『あごが出てる』」
「へっ?」
「チャーミーと普段の私の共通点」


「ぷっ・・・はははっ」
「なによー、ちょっと笑わないでー」

「すみません・・・ぷっはははっ」
「ちょっとぉ」

187 名前:地下街 投稿日:2004/05/16(日) 14:53

「どっちにしても、チャーミーさんも石川さんも笑顔が似合いますよ」
「そぉ?」
「うん。さっきの石川さん、石川さんじゃなかったで」
「やっぱし?」
「でも石川さん、笑うとエロ目になる」
「そーなの。エロ目になるの。ちょっと気にしてるけど」


自販機の前。2人の笑い声がこだまする。



「あいちゃん」
「なんですか?」
「ありがと」
「どーいたしまして」
「これ、お礼ね」


石川さんがふっと近づく。
あたしの頬に石川さんの温もりを感じた。


「そろそろ戻ろっか」
「そうですね」



2人の足音が仲良く遠ざかっていく。


あした、
あした朝起きたらあなたに逢いに行こう。
台本なんていらないよ、そうだよ、気持ちのまま行こう。
だってそれは、
あなたが好きだから。





『地下街』・おしまい

188 名前:・・・ 投稿日:2004/05/16(日) 14:54




189 名前: 『地下街』の続き・・・ 投稿日:2004/05/16(日) 14:55

ルンルンルン。石川さんにキスされちゃったわ。
こりゃ、一生の記念日やね。

すると、前方に矢口さんを発見!
誰かに話したくてしょうがないあたしは、早速、話しちゃいたいと思います。

「やっぐちさ〜ん」
「お―、高橋、お疲れ〜。なんかご機嫌だね」
「わかります?」
「そりゃ、わかるさ。なんかいいことでもあったの?」
「あったんですよぉ」
「ほー、何があったのさ?」
「知りたいですかぁ」
「う〜ん、知りたいよ〜な、知りたくないよ〜な・・・」
「知りたいって言ってください!」
「あぁ、そう。じゃ、知りたい」
「あのですね、石川さんにキスされちゃったんです」
「へっ!?」
「石川さんにキスされちゃったんです」
「ふ〜ん・・・・・・」


ありゃりゃ?、矢口さんの顔色が変わってしもうた。なんかイヤな予感・・・。

190 名前: 『地下街』の続き・・・ 投稿日:2004/05/16(日) 14:55

「高橋さ、梨華ちゃん、今どこにいるか知ってる?」
「あー、さっきまで一緒にいたから・・・」


後ろを振り返るとそこには青ざめた石川さんが立っていました。


「おい、アゴン!」
「はい・・・」
「逃げるな!」
「はい・・・」
「ちょっと、会議室まで来てもらおうか」
「はい・・・」


そう言うと、2人は誰もいない会議室に入っていきました。
なんか、気になりますねぇ・・・ちょっと聞いちゃいましょう・・・。


「・・・なんで、オイラ以外にキスするのさ」
「だって・・・」
「だってじゃないよ!オイラと梨華ちゃんは、もう離れられない仲なんだよ」
「そうだけど・・・」
「そうだけど、なんだよ?」
「浮気もいいかな〜って」
「きっー!もう、おしおきしてやるー!」
「キャッ、真里ちゃんやめて。あんっ、ちょっとぉ〜」




・・・このあと、どうなったかは、とてもあたしの口から言えません。
ただ、1つ言えることは・・・2人とも仲良しってことです。





『地下街の続き』・おしまい

191 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/16(日) 14:57

ということで、短編を2本連続でお送りしました。(ある歌を引用させていただきました。分かるかな?)

次回のお話は再び矢口さん視点の「まりりか」ですが、前の話とはまったく別の話です。ご注意下さいませ。
タイトルは『秘密のデート』です。

192 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:53

あなたと私だけの秘密、秘密。
誰も気付かない、誰にも気付かせたくない、秘密、秘密。

『秘密のデート』

193 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:54

そもそも、このデートの始まりは石川の一言からだった・・・。
本日の番組の収録も終わり、楽屋で帰り支度をしていた時のこと。

「矢口さん、明日からオフですよね?」
「うん、そうだよ」

そう、オイラ達にとっては、久しぶりの2日続けてのオフ。映画を見るのもいいし、ショッピングで過ごしてもいい。それともたまには、体を完全に休めよっかな。
とにかく、久しぶりのオフなのだ。

「矢口さんは2日間、何か予定入っているんですか?」
「んー、まだ、何も考えてないんだよねぇ・・・」

オイラが返事をすると、石川はにっこり笑ってこう言った。

「じゃあ、石川とデートしましょうよ」
「はぁ!?」
「デートしましょうよ」

「な、なんで石川とデートしなくちゃいけないんだよ!」

そうだよ。久しぶりのオフなんだからゆっくりしようよ!


194 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:54

「ふ〜ん、美貴ちゃんとはデートして、石川とはダメなんですか?」

こ、こいつ・・・。
そう、以前、藤本と2人でデート気分で休日を過ごしたことをしゃべった記憶がある。多分、石川はそれを聞きつけてきたのだろう。

「石川は美貴ちゃんと違って、矢口さんに嫌われてるんですね・・・」
「ち、違うって」

なぜか慌てるオイラ。別に嫌いなわけじゃないけど・・・。

「人間って悲しいね・・・」

遠い目をする石川。ネガティブ思考が戻ってきちゃったみたい。

「わ、わかったよ。お休みは、梨華ちゃんに付き合うよ」
「ホントですかぁ」

とたんにパッと広がる明るい笑顔。オイラは、梨華ちゃんのこの笑顔に弱い。

「矢口さんと2人っきりでお泊まり出来るなんて、石川、うれしいです」

ん・・・?


195 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:54

あれ?
なんか今、この黒アゴンは変なこと言ったよね。

「ちょ、ちょっと待った。今なんて言った?」
「えっ、『石川うれしいです』」
「いや、その前だって」
「『お泊まり出来て・・・』」
「お泊り〜ぃ!?」

「あれっ、言いませんでしたか?1泊2日のデートだって」
「オイラ、聞いてないから!」
「石川、言った気がするんですけど・・・」
「いやいや、言ってないって!」

「まぁ、いいじゃないですか。石川と2人っきりで休日を楽しみましょうよ」

早くもうきうき気分の梨華ちゃん。オイラには、とんだオフになる予感がプンプンしますぜ、ダンナ・・・。


196 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:55

楽屋で軽く打ち合わせをして、その日は家路についた。

デートですよ、デート。
なんで、デートなのに集合が横浜スタジアムに10時なのさ。野球を見るならともかく、お泊まりデートで横浜スタジアムって・・・。やっぱ梨華ちゃん、阪神ファンだから?でも、横浜って『大ちゃんス』でしょ・・・・・・違うか。

しかも、石川はオイラをどこへ連れていくのかも教えてくれなかった。

「秘密です。秘密の方が楽しいじゃないですか」

・・・石川梨華と行くミステリーツアーですね、完全にこれは。
ちなみに宿泊費は石川が出してくれるそうだ。なんでも、誘ったから出すって言ってくれたけど、なんか悪い気がする。一応、オイラも少し多めにお金を持って行くことにした。


197 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:55

・・・当日。

早くも夏模様のお日様を背に10時にスタジアム横の公園に着いた。(ホームランボール飛んでこないかな?)
えーと、梨華ちゃんはと・・・。

!?

・・・いました。すぐに見つかりました。なんてたって、真っ昼間から全身ピンク着てる人なんてそうはいないもん。・・・夜の巷ならいるかな?

「梨華ちゃん」
「あっ、真里ちゃん、おはよー」
「待った?」
「ううん、そうでもないよ」
「それじゃあ、行こう」

2人とも、ゆっくりと歩き出す。梨華ちゃんと2人っきりのデートの始まり、始まり。


198 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:55

しばらく並んで歩いていると、梨華ちゃんがオイラの手を握ってきた。
あたたかい手の温もり。

「あー、なんか恥ずかしいな」
「いいじゃないですか。今日はデートなんだし」

照れるオイラを横になんか楽しそうな梨華ちゃん。周りから見れば、ホンモノの恋人同士みたいに見えるのかな、オイラたち。

「ところでさ、どこに行くのさ?」
「まずは・・・お昼食べに行きましょう」

2人で手を繋いでみなとみらい線(東横線桜木町駅ありがとう。そして、さよなら・・・)に乗り込む。ランドマーク近くの駅で降りるとクイーンズスクエアにあるレストランに入った。

「へー、こんなトコあったんだ」
「知らなかったの、真里ちゃん?」
「うん、そこの遊園地なら行ったことあるけど」

運河を隔てた所にはよこはまコスモワールドがあった。最近、ここら辺は随分開発が進んできている。巨大なショッピングモールもできた。赤レンガ倉庫も綺麗に整備されている。変わってきているこの街だけど、変わらないものだってあるんだ。海の風はいつだって、優しい。変わらない匂いがそこにはあった。
こんな街がオイラは好きだった。


199 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:56

少し早めのお昼を食べた後、買い物を楽しんだオイラたちは再びみなとみらい線に乗って、横浜駅へ。あぁ、崎陽軒のしゅうまい弁当が食べたい・・・。
ろくでもないことを考えてるうちに横浜線に乗り換えた。どこに行くんだろう?横浜線をこのままずっと乗っていくと八王子に着くけど・・・。

ところが、梨華ちゃんは新横浜で下車すると言った。新横浜で降りるということは・・・。

「新幹線?」
「そうですよ。ここから新幹線です」

いまだに、目的地がわからないオイラ。新横浜駅に滑り込んできた新大阪行きの新幹線に乗りこむ。

「梨華ちゃん、ホントにどこ行くのさ?」
「まぁまぁ、着けばわかりますって」

新幹線は新横浜を出発して、東、東と走り出していた。
丘を超え、川を渡り、遠くに相模湾が見えてきた。
すると梨華ちゃんは立ちあがった。どうやら目的地に着くらしい。

ここは・・・?



熱海!?


200 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:56

梨華ちゃんにうながされるまま、オイラたちは熱海駅で新幹線を降りた。
熱海駅を出ると幾分太陽が西に傾きかけていた。時計は3時半を指していた。

駅ロータリーのタクシー乗り場からタクシーに乗りこんだ。熱海市は海に沿った細長い温泉街だが、旅館は駅北の山側に多い。
案の定、タクシーは、山の方へどんどん登ってゆく。

20分ほどタクシーに揺られて着いた先は・・・

!?

「り、梨華ちゃん・・・」
「な〜に?」
「オイラたちここに泊まるの?」
「そうだよ」

そうだよって・・・ちょっと、かなり立派な旅館じゃんか。
たぶん1泊、ウン万円・・・へたしたらウン十万円ぐらいするんじゃないかしら。


201 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:56

「梨華ちゃん、こんな高そうな旅館にただで泊めてもらっちゃ悪いよ」
「いいの、いいの。心配しないで」
「でも・・・」
「ホント言うとね、ママから宿泊券貰ったの」
「そうなの?」
「うん、なんかデパートのくじ引きかなんかで当てたみたいなんだけど・・・。ママ、行く暇がないみたいなの。それで、私にって」
「ふ〜ん」

なら、少し安心だ。それにしても立派な旅館・・・。

「でもさ、オイラとでよかったの?」
「へっ?」
「いや、オイラなんかとこんな豪華なところ一緒に泊まってよかったのかな〜って」


「真里ちゃんとがよかったの・・・」
「えっ?」

梨華ちゃんは顔を真っ赤にさせていた。

「ど、どういう意味・・・?」
「あっ、ほら、チェックインしなくちゃ」

梨華ちゃんはフロントの方へ行ってしまった。


202 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:57

旅館の女将さんらしき人のあとをオイラと梨華ちゃんは案内される。多分、モーニング娘。の2人だとわかっているに違いない。だって最初、目を丸くさせていたからね。
でも、さすがは豪華旅館の女将。すぐにオイラたちを『お客様』として、出迎えてくれた。

2人が通された部屋もまた豪華、豪華・・・。


「お夕食は6時からでございます」
「はい・・・」
「それから、このお部屋には専用露天風呂がついておりますので・・・」
「専用露天風呂ですか?」
「はい、このプライベート露天風呂ですね」

プライベート露天風呂ってことは・・・
他のお客さんが入ってこない・・・この部屋に泊まった人だけの露天風呂・・・
つまり、梨華ちゃんとオイラ2人だけの・・・。

「それではごっゆくりどうぞ」

女将さんらしき人はおしとやかに部屋を出て行った。憧れるわぁ〜、あんなおしとやかな女性。


203 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/17(月) 19:57

「はぁ〜、とにかく疲れた〜。梨華ちゃん、このあとどうする?」

荷物を置いてひとだんらく。
時計を見るとまだ4時ちょっとすぎだった。夕食まで2時間近くある。

「2時間近くあるけど・・・」
「石川は・・・・・・温泉につかりたいなぁ」
「うん、そうだね。じゃあ、入りに行こっか」
「うん・・・」
「上にも大露天風呂ってのがあるらしいんだけど。それとも、部屋についている露天風呂にする?」

「・・・決まってるじゃない」

服のすそをフリフリさせる梨華ちゃん。ぶりっ子・梨華ちゃん。

「真里ちゃんと2人っきりでお風呂入りたい」


204 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/17(月) 19:59
本日はここまでです。
ものすごい勢いで更新しすぎました。すみません・・・。
205 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/17(月) 21:13
短編も今進行中のもいいかんじですね
この後、何が起こるのか楽しみです
206 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/18(火) 00:16
>>199
>新幹線は新横浜を出発して、東、東と走り出していた。
東京駅まで行くのに新幹線使うのかって
石川さんに突っ込みいれたくなったよ
207 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/18(火) 18:20
>>176 飛べない鳥 様
『コンパス』完結いたしました。読んでいただきありがとうございました。
こらからも読んでいただければうれしいです。

>>205 名無飼育 様
ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

>>206 名無飼育 様
失礼いたしました。私のミスでございます。ありがとうございました。

208 名前:訂正 投稿日:2004/05/18(火) 18:24
>>199

『新幹線は新横浜を出発して、東、東と走り出していた。』

改め・・・

『新幹線は新横浜を出発して、西、西へと走り出していた。』

です。失礼しました。
209 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:21

部屋専用の露天風呂は、部屋の一番奥の谷側に位置していた。もちろん、そこから海を望むことも出来た。

「へぇ、部屋風呂の割にはかなりいいお風呂じゃん」
「そりゃ、そうよ。豪華旅館ですから」
「お前がいばるなよ〜」
「石川が泊めてあげてるんです」
「でも宿泊券でしょ」
「それは言わない約束でしょ〜」

梨華ちゃんは、ああ見えて結構負けず嫌い。まぁ、みんな負けず嫌いなんだけどね。娘。の中では高橋の次ぐらいに負けず嫌いだと思う。

「それじゃあ、入ろっか?」
「うん」

2人、手を繋いで脱衣所に入っていく。
女のコ同士だから隠すわけでもないけど、なんか梨華ちゃんと一緒だと恥ずかしい・・・。


210 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:22

「梨華ちゃん?」
「ん?」

梨華ちゃんのハダカに見とれているオイラ・・・。

「綺麗なカラダだね・・・」
「ちょっと、真里ちゃんどこ見てるのよ!」
「きゃはっ、ごめん、ごめん」


「それじゃあ、入ろっか」

目の前にはハダカの梨華ちゃんが・・・。2人をさえぎるものは何もない・・・。

そういえば、さっきから・・・なんか梨華ちゃんを見るたびにドキドキする・・・。なんだろ・・・?
まさか『恋』じゃないよね。梨華ちゃんのことなんて・・・。


とりあえず一緒に湯船につかる。

ザブーンッ

「はぁ〜、いい湯だね〜」


211 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:22

「まりっぺ、おばさ〜ん」
「うるさい。圭ちゃんと一緒にしないでよ〜」
「もう一緒かもよ」
「なに〜!このぉー!」

お湯を思いっきりかけてやる!

「キャッ、もぉ〜」

バシャバシャお湯をかけあう2人。年下のメンバーがいないからこそできるこんな風景。

しばらく遊んだ後、またゆっくりと景色を眺めていた。
熱海の街にも少しずつ明かりがともり始めていた。幸せってこういうことを言うんだろうなぁ〜。


212 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:23

「・・・真里ちゃん」
「んー?」
「何で真里ちゃんはさ〜、歌手になろうと思ったの?」

突然の梨華ちゃんからの質問。きょとんとするオイラ。

「ねぇ、なんで?」
「・・・小さい頃からの夢だったんだ」
「夢?」
「うん。オイラね、ずっと歌手になることに憧れてたんだよ」
「石川も・・・そうでした」
「そうなの?」
「石川も昔からアイドルになりたいと思ってたんです」

「・・・じゃあ、夢叶ったじゃん」
「叶いはしたんですが・・・」

湯船につかってほんのり赤くなっている梨華ちゃんが寂しそうに笑った。


213 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:23

「なんか思い描いてたのと違うなぁ〜って」
「違う・・・?」
「お仕事は楽しいんです。でも、こう・・・人間の嫌なところをいっぱい見てきたというか・・・」
「・・・・・・」
「言ってもないことを週刊誌とかに書かれたり・・・」

「・・・・・・」
「ひどいバッシングを受けたり・・・」

・・・それは、思い当たる節がある。自分の気付かないところで騒ぎが始まってて、ワケのわからないうちに勝手に決めつけられた答えが用意されている。信頼していた人に裏切られたり、自分の知らないところで他人が傷つけられたり。何を信じて、何を信じなくてよいのか・・・。区別が分からなくなるときもある。

「梨華ちゃん・・・」
「なんか疲れちゃったなぁ〜って」
「そっか・・・」
「私も年なのかな?」

優しい梨華ちゃんの笑顔は、いつのまにか寂しさと黄昏に染まっていた。


214 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:23

「・・・でもさ、梨華ちゃん自身はどうなのさ?」
「えっ・・・?」
「自分の夢に正直に生きてこれたの?」

「正直に・・・」
「ほら、自分の夢に正直に生きてる人って、なんかカッコイイじゃん。我が道を行くって感じでさ」
「・・・・・・」

「オイラは、そういう人好きだよ」
「そうなの?」

「人の言うことを全部、気にすることはないよ・・・」
「はい・・・」
「いいじゃんか。自分らしくあれば・・・」


「本当に大事なのは・・・・・・『生きてる』ってこと感じることだよ」
「生きている・・・こと・・・」


215 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:24

「くよくよしても何も始まらないよ」
「そうですよね。なんか石川、小さいことで悩んでました・・・」

「いいよ。オイラでよかったらいつでも相談にのってあげる」
「真里ちゃん・・・ありがとう・・・」

そう言うと梨華ちゃんはオイラに抱きついてきた・・・。


・・・あのー、梨華ちゃん。
梨華ちゃんのおっぱいがもろに顔にあたってるんですけど・・・。

柔らかいな・・・。触っても・・・いやいや、何考えてるんだ!こんなことをしに梨華ちゃんとお風呂入りに来たんじゃない。
でも、梨華ちゃんはなんでオイラをここに誘ったんだろう?もしかして、梨華ちゃんはオイラのこと・・・いやいや、そんなことはないでしょ・・・。


216 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:24

ようやくオイラのことを離してくれた梨華ちゃん。

「なんか、タンポポに入りたての頃を思い出します」
「うん・・・(笑)」
「あの頃はよく矢口さんに相談したなぁ〜」
「よく相談受けたよ」

「ラジオとかも・・・」
「あーあ、あったねぇ」

「なんであんなことに悩んでたんだろうってこともありましたよ」
「梨華ちゃんは、まじめすぎたんだよ」

「でも・・・あのころも良かったなぁ〜」
「(笑)」

「あの頃から真里ちゃんのこと好きになったのかなぁ〜」



へっ!?


梨華ちゃん・・・?

そんなことはあったみたい・・・。



217 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:24

長い間、お風呂につかっててすっかりのぼせてしまいました。
まぁ、のぼせてしまったのはお風呂だけのせいじゃないけど。

だって、いきなりの告白じゃん。そりゃ、ドキドキするよ。オイラもその気になってきたかも・・・。

でも肝心の梨華ちゃんは梨華ちゃんで、言ったとたん恥ずかしさのあまりお風呂から出ていっちゃうし。
ちょっと気まずい雰囲気な予感になりそうなんですけど・・・。


218 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:25

梨華ちゃんは部屋の片隅で髪を整えていた。オイラが部屋に入ってくると、とたんにあさっての方向を向いてしまった。

「梨華ちゃん・・・」
「なななっ、何?」

・・・ひどい動揺のありさま。梨華ちゃんから告白してきたんじゃんか。よーし、今度はこっちから・・・


「ねぇ、キスしよ」
「!?」

「いい?」
「ま、真里ちゃん・・・」

「だって、オイラのこと好きなんでしょ」
「・・・うん」

「じゃあ・・・」
「ちょっと待って。真里ちゃんの気持ち・・・まだ聞いてないよ・・・」

あー、そうかまだ言ってなかったな。目をじっと見つめる。

「オイラも梨華ちゃんのこと好きみたい!」


チュッ



219 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:25

目を開けると直立不動の梨華ちゃん・・・。

「ねぇ、ねぇってば」
「ひゃい・・・」

「どうだった?オイラのキス・・・」
「よ、よよよかったです!」

ホント、動揺しすぎだから!よーし、とどめを指しちゃおう・・・。

「梨華ちゃん・・・」
「な、なななんですかぁ?」

「オイラ、梨華ちゃんと1つになりたい・・・」
「それって・・・」
「うん、もちろん・・・」


220 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:25

「それはつまり・・・その〜・・・」
「うん、えっちしたいってこと」
「!?」

梨華ちゃんをその場に押し倒す。浴衣だから脱がすのは簡単。あっという間に綺麗な素肌があらわになる。
エンジンがかかちゃったオイラはもう止まらない。去年のタイガース打線なみの猛攻が始まりそう。


「やんっ、真里ちゃん・・・」
「優しくするから・・・」

「石川、うれしいです・・・」
「オイラもうれしいよ・・・」


・・・いよいよ、梨華ちゃんに触れていこうとしたその時、



221 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/20(木) 22:26

コンコンッ

しまった!誰か入ってくる!

「失礼します。お食事の準備が・・・」

女将さんだった。入ってきたとたん、目をぱちくりさせる女将さん・・・。
浴衣のはだけている梨華ちゃんとオイラ。これは・・・



「い、いや〜、浴衣の着方がわからなっくて・・・」
「そ、そうなんです。私たち着なれてないので・・・」


「・・・お食事の準備ができましたので、運ばせていただきます」
「はい・・・」

時計を見るともう6時だった。
うまく、ごまかせた・・・?


222 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/20(木) 22:27
今日はここまでです。
お疲れ様でした。

223 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/22(土) 01:37
続き期待します。
224 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:40

部屋に夕食が運ばれてきた。
さすがに海が近いだけあって新鮮なものばかり。どれもこれもおいしそうだった。

「あの、女将さん・・・」
「はい」
「あの、オイラたち・・・いや、私たちがここに来たことは内緒に・・・」
「当たり前です」
「えっ?」
「お客様のプライバシーは絶対でございます」

「あははっ・・・そうですよね・・・あと・・・」
「はい」
「さっきのことですけど・・・」
「さっきのことでございますか?」

そう、さっきのこと。オイラと梨華ちゃんが抱き合ってたこと。
女将さんは天井の方を見上げながら考えてる。いや、忘れてるなら忘れたままでも・・・

「あぁ、さっきのことですか」

・・・思い出しちゃったみたい。
女将さんはおもわず笑い出した。あの・・・そんな・・・恥ずかしいよぉ。


225 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:40

「浴衣の着方ですね」
「えっ、はい?」
「さきほどのことと申しますと、浴衣の着方がわからないとおっしゃってたことですよね」
「あっ、はい、そうです、そうです」

これは、うまくごまかせたってことですか?梨華ちゃんと抱き合ってる様子なんて見られただけでも恥ずかしいけど、どうやら・・・

「大丈夫です。そちらも内緒にしておきますから」
「えっ、はい・・・?」

「恋愛に男も女も関係ありません。好きになった人を愛してゆけば良いだけです」
「あっ・・・」

女将さんは少し笑った後、部屋を出ていった。ぽかんとする2人。

「なんだか、バレてたみたいだね・・・」
「うん・・・でも、あの女将さん、良い人そうだね」
「『好きになった人を愛してゆけば良いだけ』か・・・ふ〜ん・・・」

ちらりと2人の目があった。が、お互いすぐに目をそらしてしまった。


226 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:41

女将さんは、何か取りに行ったらしい。なかなか、戻ってこない。

「じゃ、じゃあ、ご飯食べよっか」
「うん・・・」

2人、お膳の前に並ぶ。なんか夫婦みたい。

「「いただきま〜す」」

・・・何か話さないと。2人とも黙々と食べつづける気まずい雰囲気。何、話そうかな?加護ちゃんのドラムの話は・・・ラジオでしゃべったか・・・。じゃあ、パチョレックの打法・・・オイラがわからないや・・・藤本の話は・・・カオリ・・・えーと、えーと・・・。
そこに女将さんが戻ってきた。

「失礼します。あの、お二人にこれを・・・」

女将さんが手にしていたもの・・・・・・お酒だ。

「えっ、でもオイラたち・・・」
「いいですから。どうぞ飲んでください」

どうやら、女将さん、梨華ちゃんも二十歳以上だと思ってるらしい。まぁ、オイラは飲めないこともないけど。

「それでは、ごゆっくり・・・」

また、女将さんは部屋を出て行ってしまった。


227 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:41

「どうする?」
「どうするって、真里ちゃん、飲めば?」
「うん・・・。せっかく持ってきてくれたんだし・・・」

とりあえず、フタを取って、注いでみる。アルコールのなんともいえない匂いがした。

「それじゃあ、いただきます」
「どーぞ」

ゆっくり口に運ぶと恐る恐る飲み始める。
・・・意外とおいしい。これなら、オイラにも飲めるかも。

「うん、結構おいしいよ」
「そうなの?」
「オイラ、お酒弱いんだけどねぇ」
「ふ〜ん」
「梨華ちゃん飲む?」
「石川はまだ二十歳になってないんですけど・・・」
「いいから、いいから」
「でも・・・」
「先輩の言うことが聞けないって言うの?」
「それは・・・」

多分、サークルの新入生歓迎飲み会で先輩が使う手・・・。


228 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:41

「いいじゃん2人っきりなんだし」
「はい・・・」

観念した梨華ちゃんはオイラの注いだお酒を一気に飲み干した。

「おぉ、いい飲みっぷりだね」
「・・・・・・」
「はい、もう1杯」

お酒を注ぐと続けさまにお酒を飲み干す梨華ちゃん。

「・・・なんか石川、気持ち良くなってきました」
「あぁ、いいぞぉ、石川ぁ。どんどん飲んじゃえ」
「そうですよね。誰も見てませんしね」
「そうそう」
「じゃあ、石川、脱いじゃいたいと思います!」



!?



229 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:42

「ちょ、ちょっと梨華ちゃん!梨華ちゃんってば!」
「ちょっとだけよぉ〜」

すでに浴衣を脱ぎ始めている石川。

「梨華ちゃん、梨華ちゃん、脱いじゃダメ!」
「だってぇ、暑いんだもん・・・」

「真里ちゃんもぬ・い・で」
「・・・うん」

なんか、オイラも酔いがまわって来たみたい。
ドンチャン騒ぎの飲み会状態になってしまった。


230 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:42

 ・
 ・
 ・


231 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:42

「んんんっ〜あぁ」

ふと、真夜中に目が覚めた。どうやら2人とも酔った勢いでそのまま眠ってしまったらしい。多分、女将さんがしいてくれたんだろう。布団の中で浴衣を着てちゃんと寝ていたようだ。あぁ、21歳にもなって恥ずかしい・・・。

「何時・・・?」

時計を見ると午前2時をまわっていた。飲み始めたのが6時すぎからで・・・飲み終わったのがせいぜい8時前だっただろう。さすがにもう酔いもすっかり覚めていた。

オイラは急に露天風呂に入りたくなって、フラフラっと立ち上がった。

「んっ・・・矢口さん・・・」

隣の布団で寝ていた梨華ちゃんが起こしてしまったようだ

「あっ、ごめん。起こしちゃった?」
「ん・・・どこに行くんですか?」
「目が覚めちゃったから・・・真夜中の露天風呂もいいかなって・・・」
「・・・石川も行きます」
「眠かったら、寝ててもいいよ」
「・・・大丈夫です」

そう言うと、梨華ちゃんも布団から立ちあがった。
そしてそのまま、浴衣の帯をとくと浴衣をするするっと落とした。


232 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:43

もう梨華ちゃんのハダカは見なれたけど、暗闇の中でなんか神秘的。

「梨華ちゃん・・・?」
「真里ちゃんもここで脱いで・・・」

梨華ちゃんはオイラのとこまで来て、帯をとくと浴衣を脱がせてくれた。

「行こう・・・」
「うん・・・」

ハダカの2人は手を繋いで部屋専用のお風呂場へ。
夕方と違って、真夜中の露天風呂もなかなか良い。街の明かりは大分消えていたが、それでも綺麗な夜景を見ることが出来た。

「あぁ、綺麗だね」
「うん・・・」
「真夜中の露天風呂もいいよね」
「真夜中の真里ちゃんもかわいいよ」


「・・・梨華ちゃん、酔ってるの?」
「ううん、酔ってないよ」
「酔ってるよ」

ところが、梨華ちゃんの顔はマジ・・・。


233 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:43

「石川・・・真里ちゃんが好きなの・・・」
「うん・・・昼間も聞いたよ」

「真里ちゃんも石川のこと好きなんでしょ?」
「うん・・・」


「ねえ、好きって言って」

「オイラ・・・梨華ちゃんが好き」

「石川も大好きです」


2人を包みこむ温泉の匂い。


「私、真里ちゃんと1つになりたい・・・」
「えっ・・・それって・・・」
「うん・・・」

梨華ちゃんも言ったはいいが、急に恥ずかしくなったらしく顔が赤くなってきてる。


234 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:43

でも、オイラもこのお泊りでわかったんだ。オイラも梨華ちゃんのことが好きだって。


「・・・じゃあ、行こうか」
「どこへ行くの?」
「オイラと梨華ちゃんだけの世界」

梨華ちゃんの手をとる。
2人は湯船からあがると身体も拭かずにベッドに転げ込んだ。


「キャッ・・・」
「梨華ちゃん・・・」
「ずっと・・・ずっと、好きでした・・・」
「オイラも好きだよ・・・梨華ちゃん・・・」

2つの影が重なり合った。
次第に互いの呼吸が激しくなる。

こうして熱海の夜はさらに更けていくのであった・・・。





235 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:44

・・・休みも明けて。

「くっしゅん!」
「あ−、鼻が出てくる・・・」
「くっしゅん!」
「くっしゅん!」
「・・・はい、テイッシュ」

2人仲良く風邪を引いて仕事場へ。楽屋に入っても鼻水が止まらない。

「あれ〜、2人そろって風邪ですねぇ?」

心配顔の紺野。多分、娘。いちの優しい心を持っていると思う。・・・まぁ、たまに言う毒舌はすごいけど・・・。

「うん、そうみたい・・・」
「夏風邪は治りにくいですよ」
「う〜ん。そうなんだよね」

「しかも、2人そろって。大丈夫ですか?」


236 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:44

「うん・・・私も真里ちゃんも体拭かずに布団に行ったからいけなかったのかな・・・・・・あっ・・・」

り、梨華ちゃん!

「えっ、布団って・・・2人の間に何があったんですか?」

梨華ちゃんの一言に興味津々の顔で近くに寄ってくる満面笑顔の藤本。完璧に地雷を踏んだみたい・・・。


「い、いや、別に何にもないよね、梨華ちゃん」
「う、うん。もちろん、何にもないよ。そんな、真里ちゃんと熱海に行って、えっちなことなんか・・・」
「えっちなこと?」
「ううん、してない、してない、1回しかしてない・・・」

・・・あちゃー。梨華ちゃん、言っちゃった・・・。



237 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/24(月) 14:45

「なんですか、2人ともだらしないのです」
「で、どこまで行ったんですか?」
「あーしには、よーわからんブンヤやな・・・」
「石川さんって、結構大胆なんですね」
「違うやろ。きっと矢口さんから・・・」
「いや、わからないよ〜。以外や以外に・・・」
「矢口さん、どうでした?梨華ちゃんの胸は?」
「2人とも大人なんですね」

梨華ちゃんが踏んだ地雷は次々に他に引火していき・・・。

「で、どうやったん?」
「え〜、石川、とっても気持ちよかったなぁ〜」

梨華ちゃん!

・・・もう梨華ちゃんまで壊れて暴露トークに参加。

まぁ、そのおかげでおいらたちの仲はみんなから公認されたわけです。

いいのかな、こんなんで?



238 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/24(月) 14:46

本日はここまでです。
熱海デートは終わりましたが、『秘密のデート』はまだまだ続きます。たぶん、エロになるのでお気をつけ下さい。

飯田さんと石川さん、卒業ですか・・・。頑張っていただきたいです。

239 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:20

ここから、デカ長とマカロニ視点になります(笑)。

240 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:20

熱海お泊まりデート以来、2人はラブラブ。周りのメンバーには『バカップル』と呼ばれる始末。

「梨華ちゃ〜ん、愛してる〜」
「もう、真里ちゃんったら」

(「のの、またあの2人・・・」)
(「シーッ、あいぼん。聞こえちゃうよ」)
(「なんだかなぁ。うちらが卒業するっていうのにのん気やな」)
(「でも、梨華ちゃんも来年卒業するんでしょ」)
(「そう言えば、そうや。矢口さん、どうするんやろ?」)
(「泣きわめいたり・・・」)
(「まさか・・・あっ、キスしてるで」)

2人の後をこっそり追う2人。そう、辻・加護コンビ。

「今日の夕ごはん何する?」
「今日は・・・お肉にしましょ」
「うわーい。お肉、好き好き〜」

(「!?」)
(「あれは、梨華ちゃんが唄っとるやつじゃないの」)
(「そ、その前にあいぼん。あの2人、『夕食なにするか』って言ってなかった?」)
(「そりゃ、お腹が減れば夕食ぐらい食べるでしょ」)
(「違う、違う。梨華ちゃんは1人暮らし、矢口さんは実家でしょ。なんで2人でごはんのメニュー決めたのかって話!」)
(「そう言われてみれば・・・のの、調査の価値がありそうやで」)

ニヤリと笑う新鋭切り込み隊。


241 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:21

ターゲットはロビーを出た模様。
そして、2人はタクシーに乗りこんだ。その後を追う黒い影・・・。

「あいぼん、タクシーだ!」
「へい、タクシー!」

丁度、グッドタイミングで空いてるタクシーが来ていた。
タクシーが止まると素早く2人は乗り込む。

「すみません。前の車追ってください」
「はい」

「のの、なんかうちら刑事みたいだね」
「おう、あいぼんデカ長。星はどう動きますかね?」
「マカロニ、俺も分からん。星から目を離すな!」
「はい、デカ長!」

「「キャハハハッ」」

・・・まぁ、こんな刑事がいたら多分3日でクビになるか、シネマ俳優転向か・・・?。


242 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:21

「そう言えば、お嬢ちゃんたちどっかで見たことあるなぁ」

とんだお客さんを乗せたタクシーの運転手さん。ミラー越しに2人を見る。

「うふふ、わかります?」
「わかります?」
「確か、モーニングなんとかの辻ちゃんと加護ちゃん・・・だったような・・・」

「惜しいですねぇ」
「もうちょっとでしたね」

「惜しいのかい?ごめんね。仕事柄、芸能関係に弱くて。じゃあ、君たちは一体なんて言う名前なんだい?」

顔を見合わせて笑う2人。

「「せーの、ダブル・ユーでぇす!」」

・・・・・・ユニット名じゃん。


243 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:22

矢口・石川を乗せたタクシーは、とあるマンションの前で止まった。ここは・・・?

「あいぼん・・・」
「うん・・・」
「ここって・・・」

「「梨華ちゃんの家!?」」

辻・加護コンビもタクシーから降りて、様子をうかがう。星はどうやらマンションの中に入っていったみたい。

「どうする?」
「どうするって言われても・・・入れないよね」

周りを見渡しても何が起こるわけでもない。こうなったら、持久戦に持ちこむしかないようです。

「まず可能性として考えられるのは・・・
『矢口さんが梨華ちゃんの家で夕ごはんを一緒に食べる』
もしくは
『矢口さんと梨華ちゃんがこのあと夕ごはんを食べに外食する』

そして・・・

『矢口さんと梨華ちゃんが同棲してる』」


244 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:22

「・・・まさかねぇ」
「まさかねぇ」
「ありえないよね」
「ありえるわけがないよ」
「何がありえないの?」

んっ・・・?第三者の登場・・・。辻・加護コンビに緊張が走る。ゆっくり振り向くと・・・

「何してんのよ、こんなとこで」

――梨華ちゃん。

「あ、あっ、で、でたー!」
「なによぉ。人をおばけ扱いして」
「のの、逃げよう」
「う、う、う、うん!逃げよ・・・」
「ちょっと、待ったぁ!」

すでに2人を捕まえている梨華ちゃん。


245 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:22

「なんで、2人がここにいるのかなぁ?」
「い、い、いや、偶然通りかかりまして・・・」
「そう、たまたまね・・・」

「でも2人は、ここが私の家って知ってたでしょ」
「えっ、あー、そう言えばここ梨華ちゃんの家だね」
「ホ、ホントだ。梨華ちゃんの家だ。気付かなかったなぁ・・・」

「正直に答えた方が良いと思うけどなぁ」
「な、な、なにを正直にって・・・」
「ののたちはいつも正直です!」

「だって、タクシーで追いかけてたでしょ?」
「「!?」」

「2人の尾行はバレバレなんだけどなぁ」

「・・・デカ長、降伏しますか?」
「マカロニ・・・これが男ってもんよ・・・」
「はい、つべこべ言わずに家まで来てもらいましょうか」

捕らえられた2人の刑事は、とぼとぼとマンションの入り口に向かって行くのであった。


246 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:23

梨華ちゃんの家の中へ・・・。

「おー、梨華ちゃん、ご苦労、ご苦労」
「まりっぺ署長。署近くにいた不審な2人を連行しました」
「うむ・・・」

矢口さんの前に連行される2人。2人には嫌な予感が走った。

「さて、どうしてここにいるのか、ワケを話してもらおうじゃないの」

「そ、それはあいぼんが話してくれます」
「なっ!ののずるいぞ。矢口さん、ののが話してくれるそうです」
「ちょっと待ってよ。調査するって言ったのはあいぼんじゃんかぁ」
「そやけど・・・でも、初めに怪しいって言ったのはののじゃん」
「そんなことないよ・・・」

ドンッ!

「うるさーい!!」

!?


247 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:23

「ごちゃ、ごちゃ、ごちゃ・・・少しはまとめて話さんかい!」

矢口さんの罵声が飛ぶ。

「でも、ののが・・・」
「あいぼんが・・・」
「つまり、2人とも悪いってことね」

梨華ちゃんの冷静なツッコミ。・・・うまくなったじゃん、ツッコミ。これなら、新しいユニットでも寒いキャラにならずにすみそう。

「・・・2人とも、梨華ちゃんの意見に意義ないね」
「あるよ!なんで、ののが・・・」
「私は関係ないって・・・」

あー、またはじまった・・・。矢口さんは、よくこの2人をまとめてきたもんだ・・・とつくづく思う石川さん・・・。

「まず、第1に矢口さんと梨華ちゃんがいけないんですよ!」
「なんで、オイラたちがいけないのさ!」
「だって、いちゃいちゃいちゃいちゃ・・・」
「そうや。なんで梨華ちゃんの家に矢口さんがいるんですか?」

加護ちゃんの一言で固まる矢口さん。形勢逆転か・・・。


248 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:23

「それは・・・」
「なんでですか?答えてください!」
「それは・・・ねぇ、梨華ちゃん」
「えっ、わ、わたし?その・・・あの・・・」

「まさか・・・」
「まさか・・・」
「「同棲!?」」

「ち、違うよ!ただオイラが・・・」
「オイラが?」

「その・・・梨華ちゃんの家に泊めてもらってるだけ・・・」


「・・・奥さん聞きました?」
「聞いた、聞いた。もー、矢口さんったら照れちゃって」
「素直に同棲って言えばいいのに」
「ねぇ、奥様」

「だから、違うって!同棲じゃ・・・」

「2人の愛の巣ですね、奥様」
「そうですねぇ。お熱いですねぇ」

「って、話聞けー!」


249 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:24

「・・・つまり、ミュージカルの公演中、梨華ちゃんの家の方が会場に近いじゃんか。だから、その期間だけ泊めてもらうことになったの」

「あら、そうなんですか」
「がっかりです」
「・・・どういう意味だよ、がっかりって」

「同棲だったら面白かったのに・・・」
「ホント。明日、楽屋で大盛り上がりだったのにね」

どうやら、矢口さんと石川さんは、あと一歩でガセネタをバラまかれるところだったようです。まぁ、人の噂なんてそんなものです。

「ところで今日で何日目なんですか?」
「まだ今日が1日目よ」

とってもうれしそうな梨華ちゃん。やっぱりこの2人、バカップルや・・・と確信した加護ちゃん。

「ということは・・・」
「ということは・・・?」
「今夜も2人は・・・」
「2人は・・・」
「な、なに言ってんだよ!まったく!」

ちょっと怒った矢口さん。でも・・・顔がニヤけてる。正真正銘のバカップルや・・・とさらに確信した加護ちゃん。


250 名前:秘密のデート 〜デカ長とマカロニ〜 投稿日:2004/05/26(水) 22:24

「ところでさ、梨華ちゃん。オイラはどこで寝ればいいの?」
「決まってるじゃない」

梨華ちゃんが指差す方向は・・・梨華ちゃんのベッド。普通のベッドだけど、枕は2つ・・・。

「真里ちゃんと一緒に寝るの」
「もー、梨華ちゃんのえっち。何考えてんだよぉ」

・・・もう手がつけられません。帰ろ。

「のの、帰ろうや」
「えっ、でも・・・」
「大丈夫や。無視して帰ろう」
「うん・・・」

「あーあ、帰ったら早めに寝るかな〜」
「あいぼん、疲れたね」
「うん・・・バカップルには付き合うもんじゃないね・・・」


家路につく2人。一方・・・。


「もー、真里ちゃんったら〜」
「梨華ちゃんがえっちなんだよ」

・・・まだやってたんかい!


251 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/26(水) 22:25

更新終了です。
〜デカ長とマカロニ〜視点はここまでです。
次回から通常バージョン(矢口視点)に戻ります。

252 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:29

オイラと梨華ちゃんがいちゃついてるうちに辻ちゃんと加護ちゃんは帰ってしまったようだ。
まったく、なんだったんだ、あの2人は?
偵察に来たのかな?悪趣味な2人め・・・。
まったく、誰があんな風にしたんだ。

・・・やめよう。なんか自分で自分の首を絞めている気がする・・・。

でも、
あの2人が言ってたみたいに今夜は・・・。

いやいや、明日はミュ―ジカル1日目。そんなことしたら、オイラの威厳が保たれない。でも・・・

「真里ちゃん、お風呂沸いたよ。一緒に入ろ」
「うん・・・」

なんたって2人っきり。誰にもジャマされない世界がそこにあるわけで。
どうなるのですかー?


・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


253 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:30

「背中流してあげるね」
「うん・・・」

お風呂場。思い返すのは熱海の夜。あの夜、オイラたちは・・・
って、なに考えてるんだオイラ!明日はミュージカル1日目。えっちなこと考えてる暇なんてないんだ!オイラは、みんなのためにも・・・

「真里ちゃん」

あぁ、あの台詞忘れそうだな・・・

「真里ちゃん!」

あぁ、あの衣装、オイラで大丈夫なんだろうか?

「真里ちゃん!!」
「えっ、あ、ごめん。考え事してた・・・」

「もう!どうせえっちなこと考えてたんでしょ」
「ち、違うよ。もっとまじめなことを・・・」
「じゃあ、今どこ見てるのよ」

へっ・・・?

梨華ちゃんのおっぱい・・・。あっ・・・。


254 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:30

「べ、別に変なこと考えてないよ!」
「じゃあ、なんで今触ってるの?」

あれっ?オイラの両手が勝手に・・・。

「もう!まだダメだよ。ベッドまではお・あ・ず・け」

梨華ちゃんに両手を払われる。
ん・・・?
『ベッドまではお預け』ってことは・・・・・・梨華ちゃんもその気なわけ!?

それなら、今夜はオイラのテクニックで・・・・・・いやいや、明日はミュージカル1日目。そんなことしちゃ、オイラ・・・。

「そ、そんなことよりさ。ミュージカル終わったら、辻ちゃんと加護ちゃんはもう卒業だね」
「うん・・・早いね・・・」
「梨華ちゃんは同期だもんね」
「・・・最後なんだね」
「ん・・・何が?」
「モーニング娘。としてのミュージカル・・・」
「あぁ、そうだね・・・あの2人にとっては・・・」


!?


255 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:31

「・・・そうか、梨華ちゃんとカオリも・・・」

こくりとうなづく梨華ちゃん。
来年の春までに卒業ということは、来年のミュージカルは一緒に出れないかもしれない。

「ねーえ?」
「んー?」

「なんで、卒業しちゃうの?」
「えっ?」

思わず表情が固まる。

「それは・・・」
「撤回してもいいんだよ、卒業」
「・・・・・・」
「オイラの前で・・・『卒業するのやーめたっ!』・・・って言ってくれれば、オイラが撤回してあげる」
「・・・・・・」

「オイラ、梨華ちゃんがいないとリーダーやってく自信がないよ・・・」
「・・・そんなこと言わないで」

「だってさ・・・」
「真里ちゃんが頑張らなきゃ、私たちも悲しくなっちゃいますよ」

悲しげな顔をする梨華ちゃん。


256 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:31

「中澤さん、飯田さんと続いたモーニング娘。を真里ちゃんが守っていかなくちゃ」
「それはそうだけど・・・」
「今まで卒業したメンバーみんなが・・・いつまでもモーニング娘。を好きでいられるように・・・」


「でも・・・オイラにできるのかな・・・?」


「背伸び・・・しなくてもいいんじゃないんですか?」
「・・・・・・」
「真里ちゃんは、真里ちゃんのやり方でモーニング娘。を引っ張っていけばいいんですよ」

「・・・うん」
「真里ちゃんが背伸びしても、たいして大きくならないかもしれませんけど(笑)」
「うん(笑)」

「あれっ?今日は素直ですね」
「なんだよそれ(笑)」

気ままに行こう。それが良いかもね。

257 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:31

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

「あのさ、話は変わるんだけど・・・」
「うん」
「梨華ちゃんって・・・・・・もしかして、熱海のが初めてだった・・・?」
「え・・・・?」


急に顔がワインみたいに真っ赤になってきてる。


「梨華ちゃんは初めてだったの?」

「石川は・・・・その・・・初めて・・・・・でした・・・」

「・・・初めての相手がオイラでよかったの?」

「・・・言ったでしょ」

そっと耳打ち。

「『真里ちゃんとがよかった』って・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

258 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:32

お風呂からあがり、あとは寝るだけ。
あぁ、神様。オイラはどうすればいいのでしょうか?梨華ちゃんはする気みたいだけど、明日はミュージカル1日目だし。
オイラも・・・したいけど、やっぱり次期リーダーとして・・・

「じゃあ、寝ましょ」

なんか、うれしそうな梨華ちゃん。あのー、やっぱり・・・
とりあえず、布団にもぐりこむ。あの、電気がつけっぱなしなんですけど・・・
梨華ちゃん・・・?

オイラの隣に入って来た梨華ちゃんは、何かごそごそやっている。何やってんだろう?

「・・・真里ちゃん」
「ん・・・何・・・」
「いいでしょ・・・?」

布団の中から手がのびてきて、オイラの胸の辺りを触り始めた。

「梨華ちゃん・・・」

梨華ちゃんのほうへ振り向く。すると、そこにはすでにパジャマを脱いだ梨華ちゃんが・・・。さっきごそごそやってたのは、どうやらパジャマを脱いだいたみたい・・・。

259 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:32

「ダメだよ。明日はミュージカル1日目じゃん」
「大丈夫だよ・・・1回ぐらい・・・」

梨華ちゃんはオイラのパジャマを脱がしにかかってる。ダメだよ、梨華ちゃん。明日はミュージカル1日目・・・。

「んっ!」

梨華ちゃんがオイラの肌に直に触ってきた。

「梨華ちゃん、ダメだってぇ」
「かわいい・・・」

あぁ、オイラ・・・オイラ・・・感じちゃう・・・。もう我慢できない。その気になってきちゃった。

「んっ!?」
「あっ!」

くるりと体を翻す。形勢逆転。上と下が入れ替わる。

「真里ちゃん・・・?」
「梨華ちゃんが悪いんだよ。オイラを興奮させたんだから」

首筋に口づけ。梨華ちゃんの吐息がもれる。

「んんっ・・・」
「気持ちいい?」

260 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:32

「あんっ・・ちょ・・・ちょっとぉ・・」
「いいんでしょ?」
「ああんっ・・・」

カラダをゆっくりなぞっていく。そして、そのまま・・・

「足開いて・・・」
「あっ・・・」

梨華ちゃんを見つけた。
梨華ちゃんのオンナノコの部分は、もう濡れていた。

「もう・・・梨華ちゃんのえっち・・・」
「それは・・・真里ちゃんのせいでしょう・・・」

恥ずかしそうな梨華ちゃん。だけど、そんなことお構いなくジロジロと梨華ちゃんのアソコを見る。

「真里ちゃん、そんなに見ないでぇ・・・恥ずかしい・・・」
「いいじゃんか。熱海じゃ、暗くてちゃんと見えなかったんだもん」

ゆっくりと指でなぞる。びくっと梨華ちゃんが反応した。

「梨華ちゃん、いれるよ・・・」

梨華ちゃんのオンナノコの部分にゆっくり指を入れる。

261 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:33

「んんんっ、あっ・・」
「梨華ちゃん、痛い?」
「ううん、だいじょうぶ・・・」


「真里ちゃんが石川の中にいる・・・」
「うん、オイラ、梨華ちゃんの中にいるよ」


「動かすよ」
「うん・・・」


ゆっくり指を動かしていく。

「ぁあっ・・・あぁん・・・」

「気持ち良い?」

「あん。石川、気持ち良いですぅ・・・」

梨華ちゃんのかわいらしい表情が少しゆがんだ。こんな顔、オイラ以外に見せたことない。よっぽど、気持ちいいのかな?

「・・あん・・いいよぉっ・・」

かわいい声が溢れている。

なんか意地悪しちゃいたくなってきた。へへーんっ。

262 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:33

イキそうな梨華ちゃんから指を抜く。

「ふえっ?あ・・真里ちゃん・・・どうしてぇ・・」
「だって、梨華ちゃんかわいすぎて意地悪しちゃいたくなってきちゃったんだもん」

梨華ちゃんは自分の指を入れようとしたが、オイラが両手を押さえつける。

「だ〜め。自分でイッちゃだめだよ」
「でも・・・」

切ない捨て猫みたいな表情をしている。

「梨華ちゃん、オイラのこと好き?」
「好き、好きだよぉ・・・だから、早くぅ・・・」
「どれくらい好き?」
「いっぱぁい、好き・・・」
「じゃあ、そんなオイラに何してほしいの?」

「・・・・っち」
「ん・・・?よく聞こえないよ」
「えっち・・・」

くぅー、かわいい!

お姉さん、なんか燃えてきたよ。

「じゃあ、舌も使ってあげるね」

再び梨華ちゃんを攻めに入る。

263 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:34

「あぁん・・・いいよぉ・・」

指と舌を上手に使う。

「でちゃう・・・」
「ん?」

「石川、イキそうですぅ・・・」
「いいよ、出しちゃって」

「でも真里ちゃんにかかっちゃうよぉ・・・」
「大丈夫。オイラが全部受け止めてあげるから」


「あぁん、イッちゃいます・・・」


腰をわずかに浮かせた。とたんに溢れる愛液。
梨華ちゃんから溢れるものをすべて飲み干してあげた。


「梨華ちゃん・・・」

264 名前:秘密のデート 投稿日:2004/05/29(土) 12:34

「・・・・・・ZZZ」

あれま?
肝心の梨華ちゃんはなぜかすやすや眠りのなか。

どうやら、イッたまま寝てしまったようだ。
えっちのあとすぐ寝ちゃうなんて・・・。
オイラはまだなのに・・・
オイラ一人で・・・・・・って!

とりあえず梨華ちゃんに服を着せて・・・・・・オイラも寝よう。明日も早いし。

「おやすみ、梨華ちゃん」

眠っている姫のほっぺにキスをして布団をかぶった。
どんな夢を見るのでしょう?多分・・・。

265 名前:書いてる人 投稿日:2004/05/29(土) 12:35
本日はここまでです。
お疲れ様でした。
266 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/29(土) 15:01
ちょっと先が読めてきたかな…?
作者さん、頑張ってください。
267 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:16

・・・・・・・・・・んっ・・んんん・・・
・・・眩しいな・・・朝かな・・・・?

寝ぼけまなこの頭がゆっくり始動し始める。
昨日は確か・・・梨華ちゃんの家に泊まって・・・・夜は・・・

そ、そうか・・・梨華ちゃんと久しぶりに・・・
ベッドの隣のいとしき人を見る。が、梨華ちゃんの姿はそこにはなかった。

と、ここでおいしそうな匂いがオイラの鼻がとらえた。

「真里ちゃ〜ん?」

台所から聞こえてきた声は徐々に近づいてきて・・・

ガチャッ

「真里ちゃん、起きて」
「ん・・・梨華ちゃん、おはよう・・・」
「おはよ。ご飯作ったよ、早く食べよ」
「うん」

オイラがベッドから立ちあがると・・・

あれっ?
オイラ、なんでハダカなの?確か昨日はちゃんと着て寝たはず・・・
とゆーことは・・・。


268 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:16

「もう、真里ちゃんったら。服ぐらい着てよ」

恥ずかしそうな梨華ちゃん。でも目線はしっかりオイラの方に・・・

「あのさ」
「な〜に?」
「オイラ、昨日の夜、ちゃんと服着たはずなんだけど・・・」
「寝ぼけてるんじゃない?」
「そうかな・・・そんなはずはないと思うんだけど・・・」
「さ、早くご飯食べよ。冷めちゃうよ」

ふっと梨華ちゃんが部屋から出ていこうとした時、1枚の写真がエプロンのポケットから落ちた。

「なんか落ちたよ・・・紙切れみたいのが」
「!?」
「なにこれ・・・写真みたい」
「あっ、見ちゃダメ・・・」

オイラがその写真を拾い上げる。そこに映っていたものとは・・・

「・・・・・・」
「・・・・・・」




269 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:17

「おい!」
「はい・・・」
「なんだよ、これは!」
「なななな、なんでしょうね?チャーミー、わからな〜いわ〜」
「あっ、こら、待て!」

逃げだすアゴン、追いかけるポチ・・・。

んっ?
写真に映ってたものですか?
それは・・・・・・。

「昨日は真里ちゃんばっかだったから」
「うるさい!先に寝ちゃうのが悪いんだ!」
「も〜、怒らない、怒らない」
「怒るよ!」
「まりっぺ、ポジティブ!」
「何がポジティブだ!」

とうとう梨華ちゃんを捕まえて・・・

「キャッ!」
「捕まえた!」

なだれ込むように倒れる2人。

「はぁはぁ・・・」
「はぁ・・・ん・・・許さないぞ・・・オイラ、許さない・・・」


270 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:17

「むぐっ・・・ん・・・」
「んんっ・・」

朝っぱらから激しいキス。

「・・・真里ちゃん・・・今からじゃ・・・遅刻しちゃうよ・・・?」
「いいよ・・・遅刻しても・・・」

すでにボタンをはずし始めている。

「みんなに迷惑かかっちゃうよ・・・」
「いいよ・・・それより梨華ちゃんに・・・いっぱい気持ちよくなってほしい・・・・」

「あっ・・・ぃや・・あんっ・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


271 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:17

「ちょっと、2人とも聞いてるの!初日から遅刻なんて信じらんない!」
「はい・・・聞いてます」
「ごめんなさい・・・」

「だいたい、ヤグチはあたしの次のリーダーでしょ!しっかりしてもらわなくちゃ・・・」
「ごめん、カオリ・・・」

「石川も、来年卒業して新しいユニットでリーダーになるんでしょ!自覚してるの!」
「はい・・・すみません・・・」

「まったく。2人仲良しなのはいいけど・・・・・・」

楽屋に響くカオリの声・・・。結局、オイラたちは30分も遅刻してしまったわけで。そんで、今に至ります。



「それにしても不思議ですねよね?」
「何が不思議なの?」
「いくら仲の良い2人でも、2人そろって遅刻して、2人そろって同時刻に来るなんて・・・」
「それはなぁ・・・のの」
「あいぼん、内緒。内緒です」
「そやったね、内緒、内緒やでぇ〜」
「???」



272 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:18

ミュージカルというものは、ホントに難しいと思う。慣れればそうでもないのかもしれないけど、歌を歌って、踊りを踊って、台詞を覚えて・・・。遊園地みたいなエンターテイメント。

まぁ、なんとか1日目も無事に(?)終わり家路につく。梨華ちゃんと同じタクシーに乗りこむ。話題は今日の遅刻のこと。

「怒られちゃいましたねぇ」
「カオリには悪いことしたなぁ」
「もう、真里ちゃんがあんなことするから・・・」
「なに言ってんだよ。梨華ちゃんだって、あんな声だして」
「真里ちゃん」
「すごい気持ちよさそうに・・・」
「真里ちゃん!」
「えっ・・・?あっ・・・」

そうでした。タクシーの中でした。運転手さんに丸聞こえです。

「あはっ・・・えー、いやね。あははは・・・」

気まずいなぁ・・・。とりあえず、黙っとこ。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

黙り込んだまま梨華ちゃんの家の前に到着。できるだけ、目をあわせないようにタクシーチケットを渡して、逃げるようにその場から離れる。

「絶対、運転手さん、私たちのこと変だと思ってるよ・・・。あ〜、アイドルなのに・・・」
「ごめん・・・梨華ちゃん。オイラ、つい・・・」

つい、嬉しかったことをしゃべっちゃうんだよね。あの運転手さんが変な誤解してなければいいけど。


273 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:18

2人で夜ご飯を食べて、お風呂に入って・・・あとは・・・まさか今夜はないよね。だって、今日の朝からやっちゃったし。遅刻してカオリに怒られてるし。まさかねぇ。まさか・・・でも、ちょっと期待しちゃってる自分もいちゃったり。

「じゃあ、寝よ」
「うん」

電気を消してベッドに潜りこむ。
梨華ちゃんは・・・今日はおとなしいな。昨日はいきなり脱ぎだしてたけど、今日はそんなそぶりを見せない。ちょっと、残念・・・・・・じゃなくて、オイラも変な期待するのはやめて早く寝よ。おやすみなさ・・・

いぃっ・・・!

やっぱし、梨華ちゃんの手がオイラに伸びてきていた。


274 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:18

今夜もかよ!
とツッコミをいれたいとこだけど、今夜も形勢逆転させてオイラが梨華ちゃんを・・・


あれっ?


おかしいな


ちょっ・・・


あっ・・


「真里ちゃん」
「ちょ・・あんっ・・」

今回は梨華ちゃんに腕を押さえつけられて抜け出せなかった・・・。すでにオイラのパジャマのボタンがはずされてゆく・・・。


275 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:19

「いい?」
「って、聞く前から脱がしてんじゃんか」

「石川、初めて攻めるんですけど・・・」
「えっ?」

そういえば梨華ちゃん、熱海がはじめてだから・・・オイラがしてばっかだったけ・・・。

「石川、真里ちゃんのために頑張ります!」
「うわっ・・むぐっ・・」

梨華ちゃん、初めてのわりにはちょっと手際がよすぎるぞ!

「ひゃいっ・・・」
「ここがいいんですね」
「えっ・・あんッ・・・ぁあ・・」

ちょっと!ホントにオイラよりうまいかも。


276 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:20

オイラのポイント、ポイントをきっちり攻めてくる。

「梨華ちゃぁん・・・」
「はい?」
「すごくいいよぉ・・・」
「ホントですか?石川、もっと頑張っちゃいます!」

「んんっ・・・」

もう・・・オイラ・・
梨華ちゃんに両足を広げられる。オイラは抵抗することもなく足を広げる。
梨華ちゃんはオイラを見つけると昨日オイラがやったように・・・。

「ああんっ・・・ん・・・」

梨華ちゃんの指がオイラの中で動いてる・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・

「・・んあっ・・もう・・」
「イキますか?」
「うん・・・」

温もりが優しくオイラを包み込んだ。そのとたん、

「あ・・・イクっ・・・」

最高潮に達した気持ちが一気に流れ出した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


277 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/01(火) 19:20

「梨華ちゃん・・・」

ぐったりしたオイラを梨華ちゃんは優しく抱きしめてくれた。

「すっごく良かったよ・・・」
「ホントですか・・・石川嬉しいです・・・」
「気持ちよすぎてオイラ、どうにかなちゃいそうだった・・・」
「石川も真里ちゃんにどうにかなっちゃいました・・・」


「オイラね、今までのえっちのなかで1番気持ちよかった・・・」
「えっ・・・」
「ありがと・・・」
「・・・・・・」


再び、抱きしめる。
しかし、この時、梨華ちゃんの顔が心なしか寂しそうになっていたのをオイラは気付かなかった。


278 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/01(火) 19:21
本日はここまでです。
失礼します。
279 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:48

ここのお話は、石川さん視点で進んで行きます。


280 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:49

真里ちゃんを抱いた次の日。石川は、真里ちゃんのあの言葉が心に引っかかって離れません。
その言葉とは・・・

(「オイラね、今までのえっちのなかで1番気持ちよかった・・・」)

今までのなかで・・・今までのなかで・・・

『今までのなかで』ってことは、前にもあったということですよね・・・。

そうだよね。真里ちゃんは石川より2つも年上なんだし。
すっごく恋愛にも興味ありそうだし。
石川より断然・・・。

でも・・・
でも誰なんだろう・・・?
『石川以外に真里ちゃんに触れた人がいる』

男の人・・・?それとも、やっぱりメンバーの誰か・・・?
気になる・・・。
気になるよぉ・・・。


281 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:49

「石川さぁん?」
「・・・・・・」

「い・し・か・わ・さ・ん・?」
「あ・・・なに、真琴?」
「そろそろ、本番始まりますよ」

時計を見ると本番まで15分をきっていた。

「えっ・・・もうこんな時間・・・。行かなくちゃ」
「石川さん、大丈夫ですかぁ?なんか顔が青ざめてますよぉ」
「うん・・・大丈夫・・・」
「無理しない方がいいですよぉ」
「大丈夫だって・・・」
「本当ですか?」
「うん。ほら、真琴も行こう」

真琴と一緒に廊下を歩き出す。それでも・・・

(やっぱり頭から離れない。)

(真里ちゃんの笑顔とその横にいる人の微笑む姿。2人が見つめあって、頬に口づけ。そして・・・)

「いや・・・」
「石川さん・・・?」

「いやぁー!!!」
「!?」
「そんなの、いやぁー!!!」


282 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:49

「ど、どうしたの?大きな声だして」

廊下に響いた石川の叫び声にその場にいた3、4人のメンバーが駆け寄ってきた。

「あ、あの・・・いきなり石川さんが叫び出しましてぇ・・」

「・・・もういやぁ・・・」

どうしたんだろ?なんで私、泣いてるの?もう過去のことじゃん。真里ちゃんの過去なんて知りたくない。知りたくもないもん。泣いたって仕方ないのに。なんで、涙が溢れるのさ。

「石川、大丈夫・・・?」
「梨華ちゃん・・・?」

こんな時、真里ちゃんが抱きしめてくれれば・・・。優しい言葉をかけてくれれば・・・。

「・・・どうする、本番?」
「どうするって言われても・・・」
「本番まで10分ないよ」
「でも梨華ちゃんがこの状態じゃ・・・」

石川のためにみんなに迷惑をかけるわけにはいきません。
この14人のメンバーでやる最後のミュージカルを
私のせいで・・・。

「・・・大丈夫です・・・石川、出ます・・・」
「でも・・・」
「・・・行かせてください」


283 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:50

その時の石川の表情があまりにも鬼気せまるものだったので、飯田さんもしぶしぶOKを出してくれました。ただし、2回目の公演は1回目の調子次第。

石川がこうなっていたのに、結局、真里ちゃんの姿はそこにはありませんでした。

・・・・・・・・・・

なんとかこの日の1回目の公演が終了。石川の体調も徐々に良くなってきました。


「梨華ちゃん・・・」

楽屋に帰る廊下の途中、声をかけられ、振り返ると真里ちゃんの姿がありました。

「体調悪いんだって?大丈夫?」
「うん・・・なんとか大丈夫そうです・・・」

「ごめんね。オイラ、全然気付いてあげられなくて・・・」
「いいんです。ただ、眩暈がしただけだから・・・」

ウソ・・・。本当は真里ちゃんのこと考えてたんだから・・・。

「無理しちゃ、ダメだよ」
「うん・・・。あのさ・・・」
「なに?」


284 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:50

「どこにいたの?」
「?」
「本番前に・・・」
「えっ?ケータリングの前で藤本と話してたけど・・・」
「そうなの・・・」

どうして、すぐ駆けつけてくれなかったの?
石川よりも美貴ちゃんとのおしゃべりが大事だったの?

次々とそんな言葉が浮かんでは消え、浮かんでは消えていきます。ネガティブ・チャーミー。

「ダメそうだったら、すぐオイラに言ってよ」
「うん。そうする・・・」

歩いていく真里ちゃんの後姿がほんの少しだけ遠くに見えたのは、私の気のせいでしょうか・・・?

 ・
 ・
 ・


285 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:50

2回目の公演が始まるのが18時。
それまで楽屋で横になってよう。そうすれば少しは楽になるかも。
少し、真里ちゃんのことばっか考えすぎたのかもね。リラックス、リラックスしなくきゃ。

楽屋の中に入るとそこには、美貴ちゃんが1人、ぽつんと雑誌を広げてました。

「あれ、みんなは?」
「んー、知らな〜い。なんか食べてんじゃん。そーいやー、梨華ちゃん、体調大丈夫?」
「うん、ちょっと横になれば大丈夫だと思う」
「無理しちゃダメだよ」
「うん・・・」

他のメンバーからも聞き飽きたその言葉を軽く聞き流して、横になると目をつむりました。と、ここで美貴ちゃんがとんでもないこと話しかけてきました。


286 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:51

「ちょっとさ、2人ともえっちしすぎなんじゃない?」
「えっ・・・?」

美貴ちゃん!?

「梨華ちゃんの体調悪くなるまですることないと思うけど」
「そ、そんなこと・・・」
「だって2人、今、一緒に住んでるんでしょ」
「・・・なんで知ってるの?」

石川と真里ちゃんが今、一緒に住んでることを知ってるのは、ののとあいぼんぐらい。でも、あの2人には誰にも言わないようにこないだ言っておいたはず・・・。じゃあ、誰が・・・?

「・・・誰からそんなこと聞いたの?」
「ん、さっき矢口さんから聞いたよ」
「うそ・・・」

真里ちゃんがそんなこと話してたの?
『さっき』ってことは、たぶん石川が泣いてたときだ・・・。
石川が辛いときに・・・。

「矢口さんがね、すっごく梨華ちゃん、上手だったって言ってた」
「・・・・・・」

なんでそんなこと言うの?真里ちゃん、ひどいよ・・・。

「初めてなのにすごくよかったって。美貴がしてあげたときの10倍ぐらい気持ちよかったって言ってたがらいだから・・・」

えっ・・・?


287 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:51

「10倍だよ。10倍。ありえなくない?」

「・・・美貴ちゃんが・・・してあげたの・・・?」
「へ?」
「その・・・あれを・・・」
「うん。前にね、矢口さんと一緒に遊んだ帰りにね、勢いで・・・」

「いや・・・」
「・・・はい?」

「お願い、やめて・・・話さないで・・・」
「・・・・・・」

真里ちゃんは・・・
真里ちゃんは・・・

石川より先に美貴ちゃんと1つになっていた・・・・・・。

そうだよね・・・。2人とも仲良いし・・・。
石川より前にデートにも行ってたし・・・。


288 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:51

「梨華ちゃん、もしかして妬いてるの?」
「・・・・・・」
「妬かなくていいじゃん。もう過去の話なんだからさ」
「・・・・・・」
「・・・梨華ちゃん?」

私はゆっくりと立ち上がると楽屋の出口の方へと歩き出していました。

「梨華ちゃん・・・」
「・・・・・・」
「・・・あのさ、ごめんね。美貴、なんか梨華ちゃんに悪いこと言っちゃったみたい・・・」
「ううん。気にしてないから・・・」


バタン


「・・・・・・気にしてんじゃん!」


289 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:51



290 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:52

本日2回目の公演をなんとか終えて、石川は1人、タクシーでお家に帰ります。
今日は、真里ちゃんのラジオの生放送の日。おそらく、帰ってくるのは午前1時以降。

早く帰ってきて・・・。
石川のために早く帰ってきてほしい・・・。

あっ・・・メール。なになに・・・

>題名:梨華ちゃんへ
>本文:ちょっと遅くなります。先に寝てていいよ。

遅くなるのか・・・。なんか急用でも入ったのかな?
でも、石川は真里ちゃんの帰りを待ちますよ。真里ちゃんのためにね。



「・・・・・・」



遅いなぁ。もう2時。何してるんだろう?明日も早いのに・・・。
あっ、カギを開ける音。帰ってきたみたい。


291 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:52

「ただいま・・・」
「おかえり〜」
「あれ?梨華ちゃん、起きてたの?寝てていいって言ったじゃん」
「真里ちゃんの帰りを待ってたの」
「そうなの。へへへ・・・なんか照れるなぁ」
「もう、なんでこんな遅いの?」
「えっ・・・ん、ちょっとね・・・」
「ちょっと、なによ〜」
「ん〜、藤本の家に行って来たんだ」


えっ・・・美貴ちゃんの家・・・。
なんで、なんで。
なんで、美貴ちゃん・・・?

「なんか、帰りに寄ってって言われてね」
「それで、寄ってったの?」
「うん」

292 名前:秘密のデート 〜チャーミーの苦悩〜 投稿日:2004/06/03(木) 22:52

「・・・真里ちゃんは、石川よりも美貴ちゃんの方が大事なんですね」

「はぁ?」

「石川より美貴ちゃんを優先するなんて・・・」
「な、なに言ってんのさ。オイラは、梨華ちゃんのことを・・・」
「美貴ちゃんとえっちしたくせに」
「へっ?」
「美貴ちゃんとえっちしたことあるんでしょ!」

「それは・・・」
「それは、なによ!」
「あるけど・・・」
「やっぱり・・・」
「で、でも、もう昔のことだし・・・」
「昔っていつのことよ!」

「3月・・・」

最近のことじゃない。ひどい。ひどすぎる!

293 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/03(木) 22:53

今日はここまでです。
内容が内容なので下げてます。

294 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/06(日) 09:04
ファンタスティック!
295 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/07(月) 19:04
>>266 名無飼育 様
先が読まれないように頑張ります・・・。

>>294 名無飼育 様
???。ありがとうございます。
296 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/07(月) 19:32

再び、矢口さん視点・・・。

297 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:33

―――なんであんなに怒ってるんだ・・・。

オイラの発言に梨華ちゃんは、完全に怒ってしまった。

そりゃ、オイラと藤本がしてしまったのは事実だけど、
オイラの本当に好きなのは梨華ちゃんなのに・・・。


「梨華ちゃ〜ん・・・」
「・・・・・・」(プイッ)

あー、そっぽ向いちゃった・・・。

藤本の家に寄ったのは、藤本の母親が
『矢口さんに渡したいものがあるんだけど』
と言ってきたからなんだけど・・・。

まさか、梨華ちゃん勘違いしてるのかな?
もうオイラは、藤本とは何にもないのに・・・

298 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:33

「ねぇ、梨華ちゃん・・・」
「・・・・・・」(プイッ)

(漫画じゃないんだから効果音付けなくても・・・。)

「オイラ、謝るからさ・・・」
「・・・・・・」
「梨華ちゃ〜ん」
「・・・・・・」

ダメだ。完全に怒ってる。
こうなると長いんだよなぁ。ああ見えて、ものすごく意地っ張りだから・・・。


「じゃあ、寝よ・・・」
「・・・・・・」

あれっ?こっちのベッドで寝ないの・・・?
梨華ちゃんは、リビングのソファで寝始めてしまった。

寂しい・・・。

オイラ、寂しがりやなのに・・・。

なんか1人で寝るの怖いよ・・・。

寝れないよ・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

299 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:34


(まりっぺ真里ちゃん)
―――あっ、梨華ちゃん・・・



(真里ちゃん、ごめんね。石川、好きな人が出来たの)
―――えっ、うそ・・・



(だからもう、真里ちゃんとは会えない)
―――そ、そんな梨華ちゃん!



(石川も卒業しちゃうし、ちょうどいいよね)
―――ダメ!行っちゃダメ!



(真里ちゃんもいい人見つけてね)
―――り、梨華ちゃん!行かないで!


300 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:34


(じゃあ、梨華ちゃん。いこっか?)
(うん)
―――へっ・・・藤本・・・?なんで藤本!



(梨華ちゃん、誰、あの人?)
(ううん、石川もわからない)
―――ちょ、ちょっと・・・



(じゃあ、気にする必要はないね)
(うん)
―――オイラだよ!矢口真里だよ!2人ともわかるでしょ!



(梨華ちゃん、どこ行きたい?)
(んー・・・美貴ちゃんとならどこでもいいよ)
(そっか・・・じゃあ、誰もいない遠いところに行こう)
(うん。美貴ちゃんと2人っきりの場所へがいいなぁ)

―――梨華ちゃん!

―――梨華ちゃん・・・


301 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:34

―――ひどいよ、ひどいよ・・・・

―――みんな、みんな、オイラを置いてきぼりにして・・・

―――裕ちゃんは?圭ちゃんは?なっちは?

―――カオリまで・・・?

―――みんな、ひどいよ・・・ひっく・・ひ・・・うっぐ・・・

・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・


302 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:35

・・・ちゃん

・・・里ちゃん

「・・・真里ちゃん」

「・・・ひどいよ・・・」

「真里ちゃん」

優しい声・・・誰かが肩をゆすっている。

「真里ちゃん」

この声は・・・梨華ちゃん!

「・・・・・・!」

目を開けると心配そうな梨華ちゃんの顔がそこにあった。

・・・夢?・・・夢だったんだね!

303 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:35

「りがぢゃぁん!」
「!?」

オイラは、なにも考えずに梨華ちゃんに抱きついた。
溢れてくる涙。いとしい人の甘い匂い。

「・・・ぐすっ・・・ひっく・・・ごめんねぇ・・」
「真里ちゃん・・・」
「オイラを・・・オイラを・・・ひっぐ・・オイラを置いてかないでぇ・・・」

オイラはただひたすら泣いた。
涙が枯れるんじゃないかと思うくらい泣いた。

梨華ちゃんがいなくなってしまうなんて、あんなこと2度と考えたくない。

来年の春なんて来なければいいんだ。
そうだ、来年の春が来る前に地球がなくなってしまえばいい。
そうすれば最後の最後まで一緒にいれる。

オイラはさらにきつく抱きついた。温もりを確かめるように。

304 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:36

「・・・・・・」
「真里ちゃん、落ち着いた・・・?」

「・・・少し」
「じゃあ、もう少しだけこうしていよっか?」

「うん・・・」
「それから、お仕事行こうね」

「うん・・・」

どうしてこんなに涙が止まらないんだろう?体中の水分が全て涙に変わってしまったのかもしれない。その全ての涙は、いつまで梨華ちゃんに降り続くのだろう?


「・・・・・・」

しばらくして無言で仕事の準備をする後姿。やっぱりオイラのせいで梨華ちゃんも悩んでいたのかな?
ただでさえ悩みやすい性格だからよけい重圧だったのかもしれない。それなのにオイラときたら・・・

305 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:36

「ごめんね・・・」
「えっ・・・?」
「オイラ、藤本と・・・」
「・・・・・・」

険しい顔をする梨華ちゃん。

「・・・まだ怒ってる?」
「・・・・・・(こくり)」

無言でうなずいている。

「そうだよね。オイラが悪いんだよね・・・」
「・・・・・・」

「んっ・・・」

あれっ・・・?
今、眩暈みたいのがした・・・。
ん・・・ちょっと頭が痛い・・・。

306 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:36

本日の更新終了です。お疲れ様でした。
307 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/07(月) 19:38
すみません。あげます。
308 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/09(水) 20:15

何気にこのお話もエンディングが近かったり・・・。
309 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:15

―――眩暈?いや、頭がガンガンする。なんだ、この痛みは?今までに経験したことのない激痛。

「うっ・・・」

―――目の前がぐるぐる・・・・・・うあわっ・・・!なんか・・・あっ

「ん・・・」
「真里ちゃん?」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・うっ!」
「ちょ、ちょっと!どうしたの、真里ちゃん!真里ちゃん!」

―――梨華ちゃん・・・オイラ・・・ちょっと変かも・・・

「真里ちゃん!しっかりして!」
「んんっ・・うん・・大丈夫・・・」
「大丈夫じゃないって!」
「大丈夫だから・・・。早く、お仕事行かなくちゃ・・・」
「そんなこと言ってる場合じゃ・・」
「んんっ・・・大丈夫・・・」
「真里ちゃん・・・」

オイラは、なんとか自力で立ちあがった。こんなところで倒れるわけにはいかない。まだ、ミュージカルは、あるんだ。14人で最後のミュージカルが・・・。

まだ眩暈はするけど・・・なんとか大丈夫・・・。歩けるし・・・。

「さっ、行こう」
「うん・・・」

これ以上・・・梨華ちゃんには、迷惑をかけられない。オイラがしっかりしなくちゃ・・・オイラが次のリーダーだし・・・。

何よりも・・・梨華ちゃんが好き・・・。

310 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:16

オイラの体調が悪いことは、すぐにみんなに伝えられた。それでも、ステージに立つんだ・・・。


「ヤグチ、無理しちゃダメだよ」
「矢口さん、休んでた方が・・」
「私たちで何とかしますから・・・」

みんな心配してくれてありがとう・・・。でも、オイラは頑張るんだ。

「大丈夫だって。オイラは元気だよ・・・」

意地でもステージに・・・。んんっ・・・!?

「矢口さん・・・?」
「ちょっと、オイラ、トイレ行ってくるね・・」
「はい・・・」

なんか、気持ち悪い・・・。はぁ、はぁ、はぁ・・・。
トイレに着き、洗面台に顔をうずくめる。

「・・・・・・!?」

洗面所で咳をしていると、オイラの口から真っ赤なものが流れてきた。

驚くほど真っかな・・・血。

311 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:16

なんでだろ?
なんでこうなるんだろ?
オイラ・・・死ぬのかな・・・?

そんな急に人間って死ぬの?
だって、昨日までオイラ元気だったんだよ。

おかしいじゃんか!

そりゃ、何度かステージで倒れたことはあったけど、それは貧血が原因だったんだし。

頭が痛い。

体がだるい。

寒気がする。

「そんななんで・・・・・・あっ・・・」

そのままその場に倒れてしまった。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

312 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:17

真里ちゃん、大丈夫かな?

メンバーは、みんなで真里ちゃんのことを待ってるいるけど、いっこうに姿をあらわそうとしません。

「遅いなぁ、ヤグチ〜」
「どうしたんですかね?」
「新垣さ。ヤグチは、トイレに行ったんだよね?」
「はい。さっき、トイレに行くって言ってました」
「それにしては、遅いよね」
「私、見てきましょうか?」
「う〜ん・・・。時間ないし・・・じゃあ、見てきてもらえる」
「はい」

「あの、石川も行きます!」
「うん。じゃあ、2人で行ってきて」

私は、ガキさんと矢口さんを探しに向かいました。

「どこのトイレ行ったんだろ?」
「楽屋からステージまでには・・・あの階段の下のトイレかな?」
「じゃあ、とりあえず、そこに行きますか」

走り出す私とガキさん。さっきから私の胸の中で何か嫌な感じがするのは気のせいでしょうか?

313 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:17

階段下の女子トイレ。中に入ってみると人の気配は、ありませんでした。

「まりっぺ〜」
「矢口さん」

「・・・んー、ここじゃないみたいだね」
「そうですね。じゃあ、どこだろう?」

あと楽屋とステージの間には2ヶ所トイレがあります。

「それじゃあ、私は通路側のトイレを探すから、ガキさんはケータリングの脇のトイレを探して」
「はい!」

私はそう手分けすると、薄暗い階段を登り始めました。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

314 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:17

(真里ちゃん)
―――んっ・・・ん・・


(真里ちゃん)
―――んっ・・梨華ちゃん・・・


(真里ちゃん、どうしたの?)
―――ううん・・・。オイラにもよくわからないや。


(どこか痛いの?)
―――うん。頭と、あとさっきから心臓のあたりが痛くなってきた・・。


(そう・・・)
―――ねぇ・・・オイラ、もう死ぬのかな・・?


(死にそうなほど痛むの?)
―――うん。息するのも苦しくなってきちゃった・・。


(・・・また石川を1人にするの?)
―――えっ・・・。


(だって、死んじゃったら、石川1人になっちゃうじゃない)
―――梨華ちゃん・・・。

315 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:18

(好きだって言ってくれたのに・・美貴ちゃんとか・・・今度は死んじゃうとか・・)
―――ち、違うんだ。藤本とは、もう何にもないから。あの夜は、ちょっと寄っただけだから・・・


(でも石川をマンションに1人にして・・・。寂しかったんですよ)
―――うん・・・ごめん・・・。1人にさせてごめん・・・。


(謝るんだったら、生きてください)
―――えっ?


(生きて、もっと楽しく・・ごはん食べたり・・・お買い物したり・・・あともう、1回・・・熱海に行きたいなぁ)
―――梨華ちゃん・・・。


(熱海の露天風呂にまた一緒に入りたい)
―――・・・うん。また一緒に行こうね。


(約束ですよ)
―――うん。約束、絶対守る。絶対守るから・・・


・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

316 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:18

「真里ちゃん!」
―――ん・・・んん

「真里ちゃん!しっかりして!」

「んんん・・・、ここは・・・?」

「・・・真里ちゃん?・・・先生!い、意識が戻りました!」
「は・・・?」
「うん・・・。よし、意識が戻ったみたいだ。病院までもうちょっとの辛抱だ!」

けたたましい音がする。白い服を着た人たちとオイラのいとしき人。

「・・・梨華ちゃん・・・ここは?」
「救急車の中・・・」
「えっ・・・?」
「真里ちゃん、トイレで倒れてたの」
「そうなんだ・・・」

・・・やっぱり、オイラ、気を失っちゃったのか。
オイラはダメだな。14人で最期のミュージカルなのに。
また迷惑かけちゃった・・・。

317 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:18

「ねぇ」
「ん・・・?」
「血・・・」
「へ?」
「血が・・・洗面台にあったの・・。あれ、真里ちゃんの血・・・?」
「・・・うん。オイラ、吐血したみたい」
「そう・・・」

その時、梨華ちゃんは悲しそうな顔をしていました。オイラ、また梨華ちゃんを悲しませちゃったみたい・・・。なにをやっても、うまくいかないな・・・。

オイラを乗せた救急車は、まもなく病院に到着しました。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

318 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:19

・・・真里ちゃんが血を吐いた。
・・・真里ちゃんが血を吐いた。


私のせいかな?
私は、真里ちゃんのことを束縛してたのかな?
些細なこともあたったし・・・美貴ちゃんとの関係を怪しんだり・・・
私が上手に真里ちゃんを愛せなかったからこんなことになったのかな?

ごめんね・・・真里ちゃん・・・。
真里ちゃんの病気がたいしたことありませんように・・・。




しかし、私の願いはあまりにも早く打ち砕かれました。




319 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/09(水) 20:19

検診が終わって、私とマネージャーさんは診察室に呼ばれました。

「先生、矢口の具合はいかがなものでしょうか?」
「・・・矢口さんのご家族は?」
「はい。今、こっちに向かっているもようです」
「そうですか・・・」
「あの・・・?そんなに真里ちゃん・・・いえ、矢口さんの具合は悪いんですか?」

黙り込む医師・・・。背筋に嫌なものが流れていきました。

「・・・脳のレントゲンを見た結果、脳に異常が見られます。急性なもので・・・助かる確率は、きわめて低いです」















へ?

バタンッ

「い、石川!」

私は、医師の言葉を聞いたあと、気を失ってしまいました。



320 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/09(水) 20:20
ここまでです。
321 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/12(土) 00:58
あぁ、急展開・・・。矢口さん、どうなるのかな?
322 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:40

私が気を失っている間に真里ちゃんの容態は、すぐにメンバーにも伝えられました。

病名は『脳腫瘍』。

小さな体を無理させたことのとストレスが重なり合ったのが原因だとか。
あまりに突然のことに一同、言葉を失いました。


「・・・それで・・・矢口さんは助かるんですか?」
「・・・・・・」

泣いてるメンバーもいる。うつむいてるメンバーもいる。

「矢口さん・・・」
「・・・助かるさ・・・助かるって、信じなきゃ!」

飯田さんの言葉に一同うなずきますが、みんな暗い表情。
しかし、みんな暗い表情なのは当たり前かもしれません。なんてたって、『余命』という言葉まで告げられたのですから。

323 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:41

私が意識を取り戻したのは、気を失って2時間ほどたってから。
腕には、私の大嫌いな点滴がされてました。

「石川さんもだいぶ、精神的にまいっているみたいです」
「そうですか・・・わかりました」

ドアの外では、マネージャーさんと看護婦さんの声が聞こえます。

ガラッ

「石川・・・」
「はい」
「点滴が終わったら、退院してもいいそうなの。ただし、精神的にまいってるみたいだから、しばらくはおとなしくしてるのよ」
「はい・・・あの」
「ん?」
「矢口さんには・・・病状とか伝えたんですか?」
「矢口には伝えてないわ・・・。家族には伝えたけど」
「そうですか・・・」
「悲しい顔しないの。矢口だって、これから頑張って病気と戦うんだから」
「はい・・・」

私は、矢口さんの笑顔を思い出しました。けれども、私の瞳からは大粒の涙がこぼれていきました。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

324 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:41

オイラは
死んじゃうのだろうか?

それとも
助かるのだろうか?

病院のベッドでチューブの管に繋がれたオイラ。
いつも以上にちっちゃく感じる。

こうして、退屈なベッドの上だと、梨華ちゃんとの甘い日々を思い出すなぁ。
たくさん笑ったなぁ・・・。
一緒にご飯作ったり・・・。
えっちなこともしちゃったし・・・。

梨華ちゃん、マンションで1人、寂しい思いしてないかな?
それが心配だよ・・・。

325 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:42

あと、もう1つ心配なこと。
なんで、誰もオイラの病気のことを教えてくれないんだろ?

お母さんに聞いても黙り込むだけだし、お医者さんに聞いても答えてくれない。マネージャーさんも「無理せず、早く治してね」って、言うだけだし。なんか、すごく重い病気にかかってるのかな?やっぱり、死んじゃうのかな?まぁ、そんなこと・・・ないよね。


うん、ないはずなんだけども・・・。


だけどね、本当のことは案外早く知ってしまったわけで・・・。


翌日。

朝、オイラが病院のベッドから何気なくつけたテレビのニュースを見ていると・・・

「・・・今日の新聞記事に出てますとおり、昨日、モーニング娘。の矢口真里さんが意識を失って病院に運ばれた模様です」

ふ〜ん。新聞にもでかでかと載っちゃったんだ。騒ぎが大きくならなければいいけど。

「・・・尚、病状等、発表されてませんが、眩暈、頭痛で倒れたということなんですが・・・」
「そうですねぇ・・・一部のメディアでは『脳腫瘍』の疑いがあるのでは?ということ話もあるんですけど、事務所側からは特に何も・・・」


・・・・・・はい?脳腫瘍?
ねぇ・・・・・・脳腫瘍って何なのさ?

326 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:42

このレポーター、おかしいんじゃない?
何が脳腫瘍よ!なんで、オイラがそんな病気にかからなくちゃいけないんだよ!

オイラが脳腫瘍なんかに
オイラが脳腫瘍なんかに

かかってるわけないでしょ!

・・・てか、脳腫瘍ってなんだ?急にお笑いになってしまうけど、正直オイラ、脳腫瘍ってどーゆー病気か知らないや。知らないけど、なんとなく名前だけ聞くとすごそうじゃんか。だから、取り乱しちゃいました(笑)。

どーゆー病気なんだろ?お母さんなら知ってるかな?とりあえず、聞いてみよ。


「・・・ねぇ、お母さん」
「な〜に?」
「聞きたいことがあるんだけど」
「うん。なに?」
「脳腫瘍ってどんな病気なの?」


327 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:43



カラーンッ



オイラは、驚いてお母さんの方を見た。

「お母さん・・・?」
「・・・あっ、ごめんね。お母さん、スプーン落としちゃった」
「脳・・・」
「お母さん、病気のことよく知らないから・・・あぁ、心配しないでいいのよ。ちょっと、洗ってくるわね」

そう言って、病室を出ていくお母さん。あの反応を見ると・・・・・・やっぱり、重い病気なのかな・・・?
誰も教えてくれないのなら自分で探すしかないか。確か、ロビーのとこに病気について書いてある本の棚があったはず。あそこなら、脳腫瘍について書いてある本もあるだろう。

そう思ったオイラは、朝食もそこそこに1人で病室を出てロビーの本棚へと向うことにしたのです。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・


328 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:43

私は、脳腫瘍がどんな病気なのか、調べてみることにしました。

「えっと、医療・・・医療・・・・あっ、ここだ」

お仕事に向かう途中にあった本屋に入り、医療コーナーと書かれた棚へと向かう私。

「んっと、脳腫瘍か・・・脳腫瘍・・・・んっ、これかな?」

私はその場にあった1冊の本を手にしました。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「えっと、これに載ってるかも」

オイラは1冊の本を手にするとその場でその本を読み始めました。

「んーと、なになに・・・脳腫瘍・・・・・・脳にできる腫瘍。頭痛や吐き気をもよおし・・・・」

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「・・・異常な細胞の集まりで良性のものと悪性のものがある。良性は脂肪など・・・」

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「・・・で、悪性は・・・」



329 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:44

「「・・・癌・・・」」


・・・・・・あっ、オイラ、癌だったんだ。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

真里ちゃんが・・・・・・ウソでしょ・・・。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

体にできた癌が脳に転移することもある。

あはは・・・あはは・・・オイラ・・・オイラ・・・やっぱり、死んじゃうんだ。
オイラ、まだやりたいこと一杯あったのに・・・。
梨華ちゃんと楽しい日々を過ごしたかったのに・・・。

もう、そんなこともできないじゃんか!


330 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:44

その日、オイラは1人ベッドで泣き暮れた。
もう何もかも嫌になった。明日という日が来るのも怖くなった。

オイラはあと・・・
オイラはあと・・・

どれくらい生きれるのですか?
どれくらい笑っていられるのですか?


「・・・真里、ご飯ぐらい食べないと」
「お母さん!」
「なに?」
「オイラ、死んじゃうんでしょ!死んじゃうんでしょ!だって、癌なんでしょ!」
「真里・・・」
「オイラ・・・ヤダよ・・・まだ死にたくないよ・・・っぐす・・・なんで、オイラが?」

「それでも、頑張るしかないのよ」
「イヤ!オイラは・・・オイラは・・・」

と、ここで・・・お母さんが人影を見つけたようです。

「・・・あっ、ごめんね。入っていいわよ」


「はい・・・失礼します・・・」

病室にオイラのいとしきあの人が入ってきたのでした。

「梨華ちゃん・・・・・・」

331 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:45

梨華ちゃんがオイラのベッドの脇に荷物を置くと、お母さんは立ち上がりました。

「それじゃあ、梨華ちゃん。真里をよろしくね」
「はい・・・」

オイラのお母さんがゆっくり病室を出ていくと、梨華ちゃんは自分でもってきた花を花瓶に入れてくれました。

「わざわざ、ありがとね」
「ううん、いいのよ。それより・・・どうなの、具合の方は?」
「うん・・・良くも悪くも・・・」
「そう・・・」

「あのさ・・・梨華ちゃん・・・」
「なに?」

「オイラね・・・」
「うん」



「オイラ・・・癌なんだって・・・」



「・・・・・・うん」
「知ってた?」
「うん・・・ごめん・・・石川、知ってました」
「・・・そうか・・・そうだよねぇ」

332 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:45

「オイラ、バカだよね」
「真里ちゃん・・・」

「梨華ちゃんみたいなかわいい人を置いて死んじゃうなんて」
「・・・・・・」

「あははは・・・これも運命なのかな?」
「・・・・・・」

「梨華ちゃんの卒業見届けるかな?」

ふと、髪をなでてあげると・・・

「・・・そんなこと言わないで!」
「梨華ちゃん・・・?」

いきなりオイラに抱きつくと梨華ちゃんは、おいおい泣き始めてしまった。

333 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:46

「・・・真里ちゃん・・・死んじゃイヤ!」
「梨華ちゃん・・・」
「私・・・私・・・真里ちゃんなしでは、生きていけない・・・」
「・・・そんな、オイラだって・・・オイラだって・・・死にたくないよ」

「じゃあ、簡単に・・・死んじゃうなんて言わないで!」
「梨華ちゃん・・・」

「まだ死んでもいないのに勝手に諦めないで!まだ生きてるんだから・・・勝手に死んじゃうって決めつけないでよぉ・・そんなんじゃ・・私・・・何を希望に生きていけばいいの?・・・ねぇ・・・生きよう・・生きようよ・・・一生懸命生きてみようよ・・・」



「・・・・うん・・オイラ、生きるよ・・・梨華ちゃん・・・ごめんね・・・・・オイラ勝手に・・・死ぬって決めつけたりして・・」

「・・・ううん。石川も・・・毎日、病院来ますね」
「うん・・・ありがと、梨華ちゃん。




好きだよ、梨華ちゃん」





334 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/14(月) 19:46

それから梨華ちゃんは、本当に毎日、病院に来てくれた。
晴れの日も、雨の日も、風の日も。
お仕事があった日も、なかった日も。

オイラにとっても、すごく嬉しかったし、励みにもなった。


そんなある日、オイラはあることを梨華ちゃんに耳打ちした。


「えっ、なに?」
(ごにょごにょごにょ・・・)
「へっ・・・?」
「だめ?」
「・・・大丈夫なの?」
「うん・・・大丈夫。ちゃんと作戦考えたから」


「もう・・・真里ちゃんったら・・・」


梨華ちゃんは、顔を真っ赤にして聞いてたけど、OKしてくれた。

実行するのは・・・今日・・・。


335 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/14(月) 19:48
ここまでです。次回でこのお話もおしまいです。

>>321 名無飼育 様
ありがとうございます。急すぎです。
336 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:51

病院の深夜は、看護婦さんが交代で見回りにくる。


といっても、そんなに頻繁にくるわけではないみたい。オイラが知ってる限り、2時間ぐらい間が空くときがある。そこがチャンスってわけ。
ん?なんのチャンスかって?

ムフフフ・・・それはね・・・。


「真里ちゃん、大丈夫かな?」
「大丈夫だって。見つかりやしないよ」


とっくに面会時間が終わったのにオイラの病室にいる梨華ちゃん。まぁ、バレても「今日はここに泊まります」って言えば問題ないんだけどね。

「そろそろ、来るはずだけど・・・」
「ホント?」

・・・耳をすませてみる。



コツッ、コツッ、コツッ・・・ガラッ



(来た!すぐ近くの病室まで来てる!)

337 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:51

「梨華ちゃん、看護婦さん来た。隠れて」
「りょーかい・・・・」

梨華ちゃんは、オイラのベッドの下に潜り込んだ。あとは、見回りの看護婦さんを待つ。


コツッ、コツッ、コツッ・・・ガラッ


んー、隣の部屋ってとこかな。さて、いよいよオイラたちの部屋・・・。


コツッ、コツッ、コツッ・・・ガラッ


入ってきた。懐中電灯が揺れてるのがわかる。軽く病室を見ただけで出てい・・・


「くっしゅんっ!」


り、梨華ちゃん!


一瞬、看護婦さんが立ち止まった。
しまった・・・バレたかな・・・?


・・・しかし、看護婦さんは再び廊下に出ていきました。
ふー、危ない、危ない。

338 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:52

・・・・・・・・
・・・・

「・・・・・・行ったみたいですね」
「・・・ふぅ〜、行ったみたい、じゃないよ。いきなり、くしゃみして」
「我慢できなかったんですよ〜。ここ、ほこりひどいから」

梨華ちゃんが文句を言いながら、もぞもぞベッドの下から出てきた。といっても、ここは病院。いくらベッドの下にだって、ほこりはないと思うよ。まぁ、そんなことはどうでもいい話。問題なのは・・・

「あと2時間は来ないと思うよ」
「そうですか・・・」



「梨華ちゃ〜ん」
「な〜に?」
「・・・わかってるくせに」
「ん〜、なんのことですか?」
「もう、とぼけちゃって」

オイラの一言に、ちょっと笑った梨華ちゃん。その目がなんともえっちい・・・。

「決まってるじゃんか」
「なにがですか〜?」
「・・・・・・えっち」
「ん〜・・・・・・真里ちゃん、大好き!」
「うわっ」

梨華ちゃんは、オイラのベッドに飛び込んできた。

339 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:52


「真里ちゃん・・・久しぶりだね・・・」
「うん・・・」


そう言いながら、次々、オイラのパジャマを脱がしていく。


「ねぇ、ちょっと痩せた?」
「ん〜、一応、病人だからね」
「・・・・・・いいの?」
「なにが?」
「病人がこんなことして?」
「いいの。我慢しすぎるのは、良くないんだから」
「そお?」


オイラは、あっという間に生まれたままの姿になってしまった。


「じゃあ、始めるね・・・」
「・・・うん」


梨華ちゃんは、オイラにやさしいキスをした。
甘い口づけにオイラは、誘われる。


「・・んんっ」


340 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:52

「梨華ちゃん・・・」
「なに?」

「気持ちいいよぉ・・・」
「ホントですか?」
「うん・・・」

「・・・もっと、気持ち良くしてあげますね」

「待ってぇ」


「?」


「梨華ちゃんも・・・もっと気持ち良くなろ」



今度は、梨華ちゃんの服を脱がしていく。やさしくキスをしながら。



「んんっ!」

「梨華ちゃん・・・・一緒にしよっか?」

「・・・うん」


341 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:53

お互いに向き合って、準備万端・・・。

「ぁぁん・・・」
「んっ・・」

「梨華ちゃぁん・・んっ・・いいよぉ」

「真里ちゃんもぉ・・・気持ちいいですぅ・・・」

「・・・梨華ちゃんが・・・いっぱい・・・」
「真里ちゃんだって・・・」



お互いの温もりを確かめながら、こうしていられるなんて・・・オイラ、幸せ・・・。



「・・・り・・梨華ちゃ・・ん・・」
「んっ・・なんですかぁ・・」


「いっしょに・・・イキたい・・・」
「石川もぉ・・・・いっしょがいいです・・」


「いっしょだよぉ」
「ぁい・・・いっしょです・・・」


342 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:53

2人とも動きが速くなる。


「あっ、あっ・・」


「・・・真里ちゃん・・・イッちゃうよぉ・・・」

「オ、オイラも・・・イクッ!・・」



ほぼ同時。



オイラと梨華ちゃんは、最高点に達した。



「・・・こんなにいっぱい溢れちゃって」
「えへへへっ。梨華ちゃん。最高だったよ・・・」
「真里ちゃん・・・。石川も最高でした・・・」





343 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:53



・・・オイラたちは、再びハダカで抱き合った。

「ねぇ」
「ん?」


「・・・梨華ちゃんがさ、卒業する前に・・・もう1度あの旅館行こうね・・・」


「うん」


「約束だよ・・・梨華ちゃん・・・・・」


「うん・・・約束」


「・・・オイラも病気治さないとね」


「それも約束ね」
「え?」

「病気を治してから、熱海に行こ」

「うん」

「約束」
「約束」







344 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:54






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




指きりげんまん
うそついたら
針千本の〜ます
指きった




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・


・・・・・・・・

・・・・・・


・・・・


・・








345 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:54


月日はあっという間に流れて・・・



2005年5月。



新緑の五月晴れ。1台のタクシーが山道を登っていく。
東京から来たという、ピンク色の服を着た女の子を乗せて。


「あっ、ここです、ここです」


タクシーは、とある旅館の前で停車した。


「はい。ありがとうございました」




ん〜、やっと着いたか。
軽く背伸びして、玄関へと続く道を歩き始めました。




346 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:54

(ガラガラガラ)

「ごめんくださ〜い」


「は〜い」


1年ぶりだなぁ。ここに来るの。
なんにも変わってないや、ここは。


「は〜い。あっ、これはこれは・・・。ご無沙汰ぶりでございます」
「はい。今年もお世話になります」


去年と同じ女将さん。
そして、去年と同じあの部屋に通された。




でも、去年と違うのは・・・。



347 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:54

「それでは、ごゆっくり」
「はい」


部屋の真ん中でごろんと横になる。

露天風呂は・・・・・・夜になってから入ろっかな。


1人じゃ・・・
広すぎるよ・・・この部屋。


1人じゃ・・・。


慌しい毎日の中で
こんな日があってもいいよね。

でもね・・・・


でも・・・


1人じゃ、つまんないよ。


・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

348 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:55

夜・・・。


1人、脱衣所で浴衣を脱いで専用露天風呂へ。


「あぁ、キレイ・・・」


空には、あの日に負けないくらいきれいな星空が広がっていました。
この大きな夜空から真里ちゃんは、私を見つけれるのかな?


「お〜い!真里ちゃ〜ん!」


約束したのにね。もう1度、一緒に来るって。


「お〜い!見える〜?」


最後に大ウソついて・・・。



349 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:55



「真里ちゃ〜ん!」




真里ちゃん。
そっちの世界の生活にも慣れた?

石川も無事にモーニング娘。を卒業しました。
新しい生活は、大変だけど、
なんとか、みんなを引っ張ってます。

石川もそのうち真里ちゃんの方に行くと思うけど
その時まで
石川のことを見守っててくださいね。


真里ちゃんを世界で一番愛した
石川より。





「梨華ちゃ〜ん!」






350 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:55


その日も何度も流れ星が流れたとか。






『秘密のデート』・おしまい

351 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:56
・・・・・・・・・
352 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:56
・・・・・・・・・
353 名前:秘密のデート 投稿日:2004/06/15(火) 19:56
・・・・・・・・・
354 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/15(火) 19:57

というわけでおしまいです。すみません、最初と最期がまったく違うお話になってしまいました。
あと、エロが多すぎました・・・。反省します。
読んでいただいた方、ありがとうございました。

次回のお話でこのスレッドの最終回になります。
最終回の主人公と内容は・・・?

355 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/15(火) 22:12
お疲れさまです。
エロが多くたっていいじゃないですか!問題ないですよ。
次回も頑張ってください。期待してま〜す♪
356 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/16(水) 12:37
なんか、悲しい終わり方だね・・・
次回作は、とびっきり「楽しい」お話をお待ちしています!
357 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/18(金) 19:39
>>355 名無飼育 様
ありがとうございます。感動しました。うぅぅっ(泣)。
これからもエロを書いていきたいです(おい!)。でも、最終回のお話はそんなにエロはない予定です。ま、あくまで予定は未定ですけど・・・。

>> 名無し飼育 様
読んでいただきありがとうございます。「楽しい話」ですか・・・。実は最終回はちょっぴりセンチなお話になっています。でも、ちょっと、変な展開もあります。


最終回は、ようやくタイトルナンバーであります『旅立ちの唄』というお話です。
今までの話は何だったんだ?って思った人もいるでしょうが・・・

それでは、旅立つ人たちに贈る唄をど〜ぞ。
358 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:40

この唄はあなたに歌う旅立ちの唄。
今、あなたにこの唄は届いていますか?

『旅立ちの唄』

359 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:40

ごとーって、何か変わったのかな?
髪型?衣装?歌い方?
ううん、違う、違う。
もっと、こーなんて言うかなぁ。
内側から変わったとこ。
わかる?
う〜ん、わかる人にはわかるみたいだねぇ。
へっ?私?
私はねぇ・・・
私にはわからないや
(笑)。

360 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:41

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・

361 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:41

何も変わらない、久しぶりに覗いたいつもの楽屋。
一人だけ、ポツンと残された少女の姿。

「あれ〜、みんなは?」

その少女もこちらに気付き、微笑み返してくれた。

「みんなは空き時間が出来たので買い物に行きましたよ」
「ふ〜ん。で、紺野はついて行かなかったの?」
「はい・・・。ご飯食べ過ぎちゃって・・・苦しいんです」
「あははっ、紺野らしいね」

362 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:41

靴を脱いで、顔を赤くして照れている紺野の隣に座り込む。

「後藤さんはどうしたんですか?」
「あー、いやーね。特に用事ってことはないんだけど・・・」

不思議そうにこちらを見つめるコンコン。

「ほら、あの2人、もうすぐ卒業じゃん」
「あ・・・あの2人ですか」
「なんか、ごとーも心配なんだよね〜」
「大丈夫ですよ。あの2人ですから」

紺野の言葉に私は思わず困ったような顔をする。

「あの2人だから心配なんだよね〜。ほら、入りたての時からあの2人を見てきたから。なんか親心ってやつ」
「親の知らないうちに子供は大きくなるものですよ」
「そうかな〜。そうだといいんだけどね」
「大丈夫」
「大丈夫かな〜?」

363 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:42

すると、とたんに楽屋の外が騒がしくなってきました。みんな帰ってきたみたい。

「紺ちゃん、ただいまー!」
「のん、ずるいよ!私が先に取ったアイスだよ」
「あいぼんの分だってあるじゃん」
「私はそのアイスが良いの!」

楽屋に帰ってきて、いきなりこんな感じ。

てゆうか、2人ともごとーに気付いてないでしょ!

・・・まったく、人がせっかく暇な時間をみつけてやってきたというのに・・・。

「ただいまー、紺野、留守番ご苦労様〜。頼まれたヨーグルト買ってきたよ」
「はい、ありがとうございます」

・・・・・・紺野さ。さっき、食べ過ぎて苦しいって言ってなかった?
なのにまだ食べる気?

まぁ、食べることに関してはごとーも負けないけど。

364 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:42

ようやく、メンバーみんなが楽屋に帰ってきたけど・・・
ってゆーか、誰もごとーに気付いてないじゃん!
なに、みんな私のこと忘れてるの?
みんな〜、ごとーだよ〜!
ごっちんだよ〜!

・・・誰も気付かない。
もういいや。ごとー、昼寝でもしよ。

ごろんと横になるとようやく一人、こちらに気付いたみたい。

「あー、ごっちん来てたんだ」
「来てたよ!」
「あれー、なに怒っての?」
「だって、誰も気付いてくれないんだもん!いま、やっと梨華ちゃんが初めてだよ!」

楽屋を見渡せば、なんのへんてつもなく時が流れている。

「ごっちんがまだ娘。になじんでるからじゃないの?」


くぅー、良いこと言ってくれるねぇ、梨華ちゃん。やっぱり、ごとーにとって梨華ちゃんが1番だよ・・・

365 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:43

「梨華ちゃ〜ん」

ん?せっかく梨華ちゃんといいムードだったのに邪魔に入るやぐっつあん。

「あれ?ごっつあんいたの?」
「いましたよ!」

「ごめ〜ん、全然、気付かなかったなぁ・・・それより、梨華ちゃん、話があるんだ。あっちいこ」
「もう、真里ちゃんの甘えん坊なんだから」


ふぇ?あの2人って、前々から仲は良かったけど、なんかべたべたしすぎじゃないの?
いちゃいちゃしながら、楽屋の端っこでやぐっつあんが持ってきた雑誌を見てる。

雑誌見てるだけなら、ごとーもいれてくれてもいいじゃんかぁ(泣)。

・・・・・・・

やっぱり、ごとー昼寝しよ。

366 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:43

ごとーが娘。にいなくなって、何年たつんだっけ?
2年ぐらいかな?
・・・確か2002年の秋だったから・・・やっぱ2年か。

2年たてば人も変わるよね。

高校1年生だった人が、高校3年生になって受験生になっている。
入社1年目の新人が、2年たてば後輩を指導する立場になる。
たくさんの人がこの世に生まれて、
たくさんの人がこの世から去って行く。

2年か・・・

ののとあいぼんは、2年間で何が変わったのかな?

後輩が増えて、2人だけの仕事がきて、新しい歌を歌って・・・

367 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:44

「後藤さん」
「ん〜、紺野?」

「何か悩んでたんですか?」
「いや〜・・・なんで?」
「すご〜く、深刻な顔してましたよ」
「へへへっ、そうかな?」
「はい・・・」
「ごとーも悩むことがあるんだよ」

笑いながら体を起こす。

「紺野はさ、この2年間で何か変わったことある?」
「2年間ですか?」

白い天井を見ながら、紺野は考えてる。
この子のこの表情、ごとーはなんとなく好きだったりするんだよねぇ。

「『これだ』っていうのはないですねぇ」
「そうなの?」
「はい。でも変わったとは思います」
「はい?」
「変わりましたよ、私」

ちょっと待って。ごとーが頭悪いからかな?意味が良くわからないって。

368 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:44

「『これだぁ!』っていうのはないんです。でも、変わったんです」
「はぁ・・・?」
「変わらないものもありますけど、それは自分の目線だからわからないのであって、他人から見れば変わってきているというか・・・」
「ちょっと待って。ごとー、こんがらがってきた。変わってないけど、変わってる?」
「はい、そうです」

目をぱちくりさせるコンコン。

「・・・それって、なんか変じゃない?」
「変ですか?」
「ほら、なんか筋が通ってないというか・・・」
「『矛盾してる』ってことですか?」
「そうそう、それ。矛盾してない?」
「矛盾してるように見えますが、矛盾してないんです」
「???」

369 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:44

「後藤さんだって、そうですよ」
「私?」
「後藤さんは2年間で随分変わりましたよ」
「そりゃ、衣装とか大人っぽくなったし、成長期だから・・・」
「違いますよ。内面的に変わったんです」

内面?ちょっと、わけわかんなくなってきた。紺野の会話は高度すぎない?ごとーは学生んとき、あんまし勉強してないからかな・・・。

「多分、後藤さんは気付いてないんです」
「私が気付いてない・・・?」
「と言うより、気付かない方が普通なんです。」
「ふぇ?」
「気付かないけど内面が変わってるんです。そうですね・・・例えば・・・身長ですね」
「?」
「身長って、自分じゃ『伸びてる』って、測らなければ気付かないじゃないですか。ところが周りから見ればすごく変わってるように見える」
「うん・・・」
「人間の内面もそれと同じなんです。自分じゃ気付かないうちに変わってきているんです」
「ふむふむ」

370 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:45

「あいぼんやのんちゃんも同じですよ」
「同じ?」
「後藤さんもすぐ気付きますよ。あの2人の内面がどう変わったか。なんたって、2人をずっと見てきたんですから」

・・・本当にあの2人も内面的に変わってきてるのかな?外見は大分変わって見えるよね。あいぼんもののも大人っぽくなったし、言葉遣いとかも良くなった。でも、内面って、どうやって見るんだろ・・・?

「大丈夫、そのうち気付きますよ」
「そうかな・・・?」
「今は見つからなくても必ず・・・」

向こう側にいる2人を見る。

「のの、それおいしそう。私にも頂戴」
「うん。はい、あいぼん。これ食べたら、また太っちゃうねぇ」
「へへへっ・・・」


・・・これで何か変わってるのかな?
ごとーにはよくわかんないや。

それもそうだけど・・・
実はごとー、こっちの方にも興味があるんだよねぇ〜。

371 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:45

「ねぇ、あのさぁ」
「はい・・・?」
「こっちの2人は、この2年の間に何があったの?」
「えっ?こっちの2人って・・・?」
「ほら、あれあれ・・・」

ごとーの視線の先には・・・


「ねぇねぇ、梨華ちゃん。今度はこの水着着てよ」
「え、どれどれ?」
「こ・れ(はぁと)」
「これって・・・!もう、真里ちゃんのえっち」
「えっちじゃないよぉ。いいじゃん。オイラの前でだけ着れば」
「それじゃあ、買う意味がないじゃない」
「ううん。いいんだよ。オイラがすぐ脱が・・・」
「もう、なに考えてるの〜えっち!」


・・・なんともまぁ、お熱い2人。ごとーがいなくなってから何が起こったんだろ?

「ねぇ、紺野。なんで、あの2人は・・・」
「わ、私、知りません!」
「へっ?」
「キャッ、恥ずかしい・・・」

・・・てか紺野、顔真っ赤!よくもまぁ、ここまで赤くなったことだこと・・・。
そーか。そーだよねぇ。紺野には、ちょっとまだ刺激が強いか・・・。
じゃあ、誰に聞けばいいかな?

よし!それじゃあ・・・

372 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:46

「よしこ〜」
「ん〜・・・」

ちょっと、眠そうなよしこ。が、私の顔を見たとたん・・・

「・・・・・・あっ!?」
「?」
「ごっちん、いつからいたの!」
「さっきからずっといたよぉ(泣)」
「うそ、マジで?全然気付かなかった・・・」
「(大泣)」

みんな、みんな、いいんだ。ごとーはどうせ存在感が薄いですよ・・・。

「どーしたのさ?」
「ん・・・ちょっと、楽屋の偵察にね」
「ふーん。偵察ね」
「でね、気になったことがあるんだけど」
「うん」

373 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/18(金) 19:46

「やぐっつあんと梨華ちゃんって、いつからあんな感じなの?」
「ん・・・矢口さんと梨華ちゃん?」
「ほら、あれ・・・」


「それっ!スカートめくり!」
「キャッ!」
「あっ、梨華ちゃん、今日は珍しく白い下着だね」
「もう、なにするの・・・。石川だって・・・」
「うわっ!梨華ちゃん!オイラ、ズボンだから・・・。ズボン下ろさないでぇ〜」
「石川の見たんですから・・・あっ、真里ちゃんも白ですね」
「うひゃひゃひゃっ・・・」


・・・もう、ごとーにはワケがわからないっつーの!

「あ〜、あれ〜。いっつもあんな感じだよ。そうだなぁ・・・保田さんの卒業ぐらいからかな」
「そうなの?」

なんだかねぇ・・・。ごとー、寂しいなぁ。

374 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/18(金) 19:47
本日は、ここまでです。
375 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:54

「こないだなんてねぇ、楽屋でキスしてたんだよ」
「ふぇっ!?キス!?」
「うん。こー・・・『ブチュ〜』って」

・・・ちょっと、2人とも何やってんのさ。
よしこの話聞いて、ごとー、ちょっとひいたよ!恋人同士でもないのに・・・。

・・・ん

でも、待てよ・・・。

もしかしてあの2人・・・。

「ねぇ、よしこ」
「ん〜」
「やぐっつあんと梨華ちゃんってさ・・・もしかして・・・」
「うん、付き合ってるよ」

「・・・・・・」
「・・・それが?」


「マジでぇ!!!!」


「てか、ごっちん知らなかったの?」
「知ってるわけないじゃん!」

ホントに知らなかったよ!びっくりだよ!

376 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:54

まぁ、確かにあの2人は仲良かったし、外から見ても良いコンビだったけど・・・。だけどだよ。『付き合ってる』って、どーゆーこと、これ。

「恋人同士!?」
「そう、恋人同士」
「恋人同士ってことは・・・」
「・・・・?」


ほら、恋人同士ってことはだよ。楽屋でキスするくらいだから・・・きっと・・・あんなことやこんなことまで・・・きゃー、私ったら・・・。


「・・・ごっちん、何かイヤらしいこと考えてない?」
「い、いやっ。考えてない、考えてない!」

くそー、よしこに本心をつかれた。

「・・・まぁ、慌てなさんな」
「慌てるでしょ!」
「・・・なに、ごっちん、好きだったとか?」
「へ?何が?」
「矢口さんか・・・梨華ちゃん・・・」
「ち、違うよ!なんでそーなるのさ」
「ふう〜ん(ニヤリ)」

あ〜ぁ、この子、絶対誤解してる。そんなんじゃないのに・・・。

377 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:54

というか・・・いつのまにか、やぐっつあんと梨華ちゃんはコントをやっていた(なぜに?)。

「じゃあ、設定は新婚の夫婦ね。オイラが奥さんで梨華ちゃんが旦那様ね」
「いいよ」
「よしっ・・・スタート!」
「はい・・・・・・ただいま〜」
「おかえり。お仕事ご苦労様」
「いやぁ。今日は会議が入っちゃってねぇ」
「そうなの。おつかれさま。・・・ねぇ、ご飯にする?お風呂にする?それとも・・・・・・真里ちゃん?」

な、なんともベターな新婚ホヤホヤ夫婦の会話だこと。さて、梨華ちゃんはどうでる?

「う〜ん。石川、真里ちゃんにする!」
「キャッ」

やっぱり・・・。
抱きつく2人。目をみつめて・・・へっ?目を見つめて?髪をなでて・・・髪をなでて?
ま、まさか!

378 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:55

(よ、よしこ・・・)

隣にいるよしこの肩をゆする。

(しっ!キスすんぞぉ。)
(いいの、うちら?本物見ちゃって)
(いいって。楽屋でキスしてるほうが悪いんだから)
(そりゃそうだけどさ。でも・・・)
(ありがたく、いただいとけ)
(・・・・・・)
(ごっちんも見たいんでしょ)
(うん・・・・・・いただきます)

2人とも目を閉じた。
唇と唇が触れるまであと5センチ・・・。
さあ、いよいよ・・・。

とそこに・・・。

379 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:55

「2人ともだらしないのれす」

そうそう、あの2人。だらしなすぎるよ。

「まったく、まったく。これだから、子供は困るんや」

そうそう、もう、大人気ない・・・って、誰?

振り返ると卒業を控えたコンビが・・・。

「2人っつーのは、ごっちんとよっすぃーのことれす。だめれすよ。2人の愛の劇場を覗いちゃ」
「へ?私たち・・・?」
「そうや。2人とも大人気ないでぇ」
「あいぼんまで・・・」
「いくらうらやましいからって、他人の愛を見ちゃダメやで」
「でもさ・・・」

「『でも』じゃありません、『でも』じゃ!だいたい・・・・・・」

・・・・・・ねぇ、これってもしかして、ごとーたちお説教されてるの?

・・・うそー!!

380 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:56

結局、みっちりののとあいぼんに怒られるごとーとよしこ。
なんでこうなるの?

「・・・なんでさ〜、ごっちんとよっすぃ〜、辻ちゃんたちに怒られてたの?」
「それは・・・」

あなた方のせいですよ!やっぐつあん、梨華ちゃん!
年下に説教されるなんて・・・。
でも、ののとあいぼんが言ってたことは間違いじゃないし・・・。
はぁ〜、18歳なのに何やってんだ、私。


ん〜、でもさ。
わかったこともあるんだ、ごとー。
そう、あの子が言ってたこと。

381 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:56

「紺野〜?」
「はい」
「なんとな〜く、ののとあいぼんが変わったところわかった気がするよ」
「そうですか」

まぁ、良くはわからないけど。少しだけね。

「うん。あの2人なら卒業しても大丈夫そうな気がする。・・・ま〜、ごとーの勘だけど」
「ごとーさんの勘なら当たりますよ」
「へへへっ」


あの2人は、いつもそうなんだ。
どんなことがあっても最後は2人で乗り越えられるんだ。

382 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:56

立ち止まって初めて見える景色もある。
それに気付いて涙しても。

変わらない未来はつまらない。
だから、自分で変えていく。
だから・・・

この唄はあなたに歌う旅立ちの唄。


383 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:57
・・・・・・・・・
384 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:57
・・・・・・・・・
385 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:57
・・・・・・・・・
386 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:57

この唄はあなたに歌う旅立ちの唄。
今、あなたにこの唄は届いていますか?

387 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:58

『頑張れ』って言葉。
ホントはちょっと、無責任だと思わへんかぁ?

『頑張れ』ってゆーただけで
あとは知らん顔。

『頑張れ』って、ゆーことより
ゆーちゃん、みんなの笑顔がほしいわ・・・

388 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:58

「ふぁぁぁ〜あ・・・」


眠い・・・眠いわ・・・
なんで、こんなに眠いんやろ?

睡眠時間、ちゃんととってるんやで。なのにこの眠さ!
世の中、おかしいちゃうん?

ん?なんや、いきなり?
『裕ちゃん、31歳の誕生日おめでとう』・・・?

はぁ〜・・・・・・
うれしいけど、凹むわ・・・。

もう、年の話はおしまいや、おしまい。


ふぁぁぁあ・・・ホンマに眠いワ・・・。

389 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:58

本番まで時間あるしな・・・
ちょっと楽屋で一眠りするかな・・・。

30分寝て、それからメークしても十分やし。

横になって・・・・・・はぁ〜・・・。

てか、なんか私、ため息ばっかやん。しっかりせなあかんな・・・。

はぁ〜・・・・・・。


・・・・・・・・・


・・・・・


ガチャッ


んんっ、誰や・・・人がせっかく、うつらうつらしてきたときに・・・。


「裕ちゃ〜ん・・・」

ん?この声は・・・

390 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:59

「あれ、裕ちゃん寝てるみたい・・・」

・・・ヤグチ!
確かにヤグチの声や!
裕ちゃんに会いに来てくれたん?裕ちゃん、嬉しいわ〜。

そやな・・・。眠ったふりしとこ。眠ったふりで、ねんねんころり〜。



「・・・どうする?裕ちゃん、楽屋で寝てるみたいだけど」

ん・・・もう1人いるみたいやな・・・。

「いいんじゃないですか・・・ここでも・・・」

この甲高い声は・・・チャーミー石川やな。

391 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/21(月) 19:59

「まぁ、裕ちゃん、1回寝たらなかなか起きないしね」

へへへっ。裕ちゃん、寝てへんで〜。

「じゃあ、こっちの方で・・・」
「うん・・・」

・・・・・・何するつもりやろ?盗み聞きはあかんなぁ・・・。でも、今からじゃ、起きづらいし・・・。困ったわ・・・。

「・・・中澤さんにバレたらどうします?」
「大丈夫だって。バレやしないよ」

もう、バレバレやで。

「それじゃあ・・・始めますね・・・」
「うん・・・」

へっ・・・?何を始めるんや?


392 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/21(月) 20:00
ここまでです。
393 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/23(水) 01:55
はじめて下さい!
394 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:24

何?
ねぇ、何やってんの、2人は?
『始めますね』って、何!?

2人ですること?なんやろな?

あ゛〜!嫌でも耳をそばだててしまうわ!


「・・・梨華ちゃん・・・オイラ・・・痛いのはヤダよ・・・」
「・・・ちょっとは痛いですよ・・・我慢してください」
「じゃあ・・・優しく・・・シテ・・・」
「もちろん・・・優しくしますね・・・」


痛いこと・・・?
なに?なにを優しくするの?


「・・・むぐぐぐっ」


・・・・・・吐息?
柔軟体操でもしてるんか?そんなわけはない。

395 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:24

「んんっ・・・」


ヤグチの声や・・・
でも・・・なんか変・・・。


「くぅ・・・ん」


なに!なんなの!ヤグチに何が起こってるの?
石川!私のヤグチに!


「あんっ・・・」


!?


―――ヤ、ヤグチ!!

まさかっ!


396 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:25

「・・・梨華ちゃん・・・いいよぉ・・ん・・・」


まさか、まさか!


「もっとぉ・・・」

「ここですか?」

「うん・・・そこ・・」


間違いないよね。
あの2人がシテルコト・・・。


「くぅ・・・ん・・・」


あんな声だして・・・ヤグチのあんな声、聞いたことあらへん・・・。

397 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:25

「ぁあんッ・・・いいっ!」


起きたい・・・。
起きあがって、ヤグチと石川のやってることをやめさせてたい。
でも、もう1人の自分がそれを許さないんや・・・。

―――聞くんだ。

もう1人の自分がヤグチの声を聞きただってる。
私としたことが情けない・・・。
ヤグチを世界で1番溺愛してたんやで。

なのに・・・
なのに・・・

ヤグチは、石川に身を委ねてる。

398 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:25

「真里ちゃん、もっと?」
「うん・・・」


ヤグチには、もう裕ちゃんはうつらへんのなら・・・。


「んんっ!」

「ここですね?」
「・・・うん」


仕方ないわ・・・。


「じゃあ・・・もっと深く入れるね」
「うん・・・」


・・・石川、ヤグチをよろしくな・・・。


399 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:26

「ああんっ・・・」

「もう、ちょっとです・・・」

「んんっ!梨華ちゃん!」

「それ!」

「あ、あ、ああんっ!」




ヤグチ・・・・・・
気持ちよかったんか・・・・・・?

裕ちゃん、ヤグチが幸せならそれでええわ。


石川、頼んだで・・・・・・。
見た目以上に弱い子なんや。
大切にしてな・・・。

400 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:26


「もう・・・真里ちゃん、こんなにいっぱい・・・。たまには自分でしなきゃダメだよ」
「だって・・・・・・梨華ちゃんにしてもらったかったんだもん」


ヤグチ・・・
そこまで、石川のことを・・・。


「梨華ちゃん、またよろしくね」
「石川でよかったら、いつでもしてあげますね」


そうや・・・
石川、ちゃんとヤグチをエスコートするんやで。


「どうですか、すっきりしました?」
「うん。オイラの耳、もうメチャクチャすっきりしたね」


そうか、そうか、耳がすっきりしたか・・・。



ん・・・?


耳?

401 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:26

「ちょ、ちょっと、待ってや!」


「!?」


「なんや、何が耳がすっきりしたって?」
「ゆ、裕ちゃん」
「中澤さん、起きてたんですか?」

「あっ」

しまった。つい、起きあがっちゃったわ。

「その・・・な、つまり・・・」

ほらな、裕ちゃんも・・・
ヤグチのこと、気になってしょうがなかったからつい・・・。

「・・・寝たふりして、盗み聞きしてたんですね?」
「いや・・・その」
「寝たふりしてたんですね!」

今日はやけに強気な石川。
ちょっと、気まずいわ。

402 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:27

「裕ちゃん、観念したら・・・?」

ヤ、ヤグチまでそう言うなら・・・。


「そ、そうですぅ!盗み聞きしてました!何か問題でも?」


こうなったら逆ギレや!


「だいたいな、勝手に人の楽屋に入ってきてな、なにやっとるちゅーねん!」
「だからって、盗み聞きはひどいと思います!」

石川も食い下がらない。
いつのまにか強くなったわ、この子は!

「まあまあ、裕ちゃんも梨華ちゃんも・・・」
「真里ちゃんは黙っててください」
「な、何が真里ちゃんや!私のヤグチに!」
「真里ちゃんは石川のものです!」
「なにゆうてるねん!ヤグチはなぁ・・・」


「・・・まあまあ、裕ちゃん。オイラ、石川に耳を掃除してもらってただけだよ」


へっ?


「・・・そうやの?裕ちゃんな、てっきりセッ・・・」


403 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:27

「セッ・・・?」

けげんな顔をするヤグチ。

「そう、セッ・・・してたんと思ったんや」




「・・・・・・あっ!」




ようやく意味のわかったヤグチは、顔を真っ赤にして笑い転げ始めた。

「キャハハハハッ・・・ゆ、裕ちゃん、なに考えてんのさ。楽屋なんかで・・・ブハハハハハッ・・・・ひい、ひい、苦しい・・キャハハハハッ!」
「笑いすぎや!本気で心配したんやから」


ホンマ、心配したんやで・・・。
ヤグチがそうゆう女性になってしまったのかと思ったわ。


石川も・・・

・・・あれ?

石川の顔はマジ・・・
やっぱり19歳には、まだ意味がわからんかったのかな?

404 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/23(水) 22:28

「中澤さん・・・」
「・・・なんや、石川?」

まだわからんのかな・・・?
裕ちゃんが教えてやろか・・・?

「・・・・・・わかりました」
「・・・?」
「やればいいんですね・・・」
「はい・・・?」


「真里ちゃん・・・」


石川は、寝っ転がってるヤグチのもとへ行き・・・


「セックスしよ」


い、石川!
この子、普通にその単語を言ってもうた!

405 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/23(水) 22:30
本日は、ここまでです。お疲れ様でした。

>>393 名無飼育 様
ありがとうございます。まだ始まりませんでした(笑)。
406 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/25(金) 12:11
耳掃除かい!(笑)
407 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:08

「真里ちゃん・・・」

い、石川、本気なんか?
19歳やで。早いか遅いかは別にして、この迫り方は問題あると思うわ!

「り、梨華ちゃん!ちょ、ちょっと待って!」
「待てません・・・」

待ってやれ、待ってやれ!
少しぐらい待ってやれ!

「オイラにも心の準備ってやつが・・・」

ん?

とゆーことは、ヤグチも初めてなんか?

「もう石川の準備は出来てますよ・・・」
「オ、オイラの準備が・・・」
「こうなる日のことを願ってたんです・・・」


あっ!


石川は、ヤグチに抱きついた(飛びついた?)。
あ゛あ゛!私のヤグチにィ〜!

408 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:10

「うわわわっ!」
「真里ちゃん・・・」
「ちょ、ちょっとタイム!」
「まりっぺ・・・」

「・・・って聞け!

・・・うわっ!

・・・そこは・・・!

・・・やんっ・・・」


・・・あっという間に服を脱がされるヤグチ。
悲鳴あげてるわりには、なんか喜んでへんか?


「石川も脱ぎますね・・・」


ちょっ!
ちょっと問題あるよね。
私の楽屋だよ。私の楽屋で私以外の人物がマッパGO!GO!でえっちなことをしようとしてるんやで。


409 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:10

「ちょっと2人とも・・・」

「中澤さんは、黙っててください!」

ひゃい?
黙っててください?

見つめ合うハダカの後輩たち・・・。
私ナメられてる?

そんなんで裕ちゃんが黙ってるわけないやろ!

「あんたら2人なぁ〜・・・(怒)」

「いいから、邪魔しないで下さい!」

「石川ぁぁ・・・(激怒)」


私の怒りは頂点に向かって・・・
向かって・・・
向かっていたが・・・


「梨華ちゃん・・・いいよ・・・しよ」


410 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:11

「真里ちゃん・・・」
「オイラ・・・ちょっと怖いけど・・・梨華ちゃんとなら・・・」
「うん」



・・・ああ!ヤグチの言葉で完全に戦意喪失。
ヤグチ、今、『しよ・・・』って・・・
あかん・・・
あかんって・・・
私のヤグチが・・・
私のヤグチが・・・
裕ちゃんを差し置いて、ヤグチは石川と

結ばれてしまうんやね・・・(涙)。


「優しくしますね」
「うん・・・」


あー・・・2人は、口づけを交わしてもうた。
もう、見てられへん。
見てられへん・・・。


・・・・・・でも、見てしまうわ。


411 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:11

「んんんっ・・・」
「真里ちゃん・・・」

「梨華ちゃぁん・・・」


・・・・・・1つ、言っていい?
ところでなんでヤグチが下なん?
だってそうやんか!
普通に考えたってヤグチが上のはずやろ。

石川がリードしてんで。


「あぁんっ・・・」


ヤグチのセクシー(すぎる)ボイスが・・・
裕ちゃん、幻滅(狂喜)やわ・・・。


412 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:11

「ねぇ・・・・・そろそろ」
「ま〜だ」
「ねぇ・・・お願い・・・」
「だめ」
「梨華ちゃん・・・」


石川、ヤグチを上手に焦らしとるで・・・。
どこであんなん覚えたんやろ・・・?


「もう・・・・オイラ、我慢できないよ・・・」
「も〜お、真里ちゃんのえっち」
「えっちなのは・・・梨華ちゃんの方でしょぉ・・・」


「・・・・・・へぇ〜、そんなこと言うんだ?」


「ふぇ?梨華ちゃん・・・・・・?」


石川がとうとうヤグチの足を開かせて・・・・

・・・あかん・・・見たらあかん・・・かわいい私のヤグチの・・・・・・


・・・・・・でも、見てしまうわ。


413 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:12

「あぁぁんっ!り、梨華ちゃぁぁぁん!」
「どうしました?」


ニヤリといやらしく笑うチャーミー。
もう、あんなんチャーミーでもなんでもないわ!


「凄すぎるよおおぉ!」
「ふ〜ん・・・・・・」


石川、クールな顔して思いっきりヤグチの『そこ』を・・・。


「ぁんっ、あん・・ぁんっ・・・・」
「いいんでしょ?」
「うん・・・あっ・・いいよぉ・・・」


・・・なんか、石川の黒い性格を覗いてしもうた気がするわ。
あの子、私生活もあんな感じなんやろか?
それとも、夜になると変貌するタイプ?

どーでもええけど・・・
2人とも、すっかり『大人』なんやね(こんなんで大人なんか?)。


414 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:12

「真里ちゃん」
「んっ・・なに・・・?」


「石川のも触ってください・・・」


石川はヤグチの手を取って、自分のオンナノコの部分を触らせる。


「!?・・・り、梨華ちゃん・・・」
「石川も・・・真里ちゃんのせいで一杯になっちゃいました」
「ふふふっ・・・梨華ちゃんのえっち・・・」
「真里ちゃんがえっちなんです」
「だってほら、なんか糸ひいてるよ・・・」
「もう・・・・」
「ふふふっ・・・」


「石川もそろそろ・・・気持ちよくなりたいな・・・」
「・・・じゃあ、一つになって、気持ちよくなろっか?」
「うん」


石川も足を開いて・・・

ヤグチの・・・


415 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:12



!!!!???



あかん・・・
今度こそあかん・・・
今度こそ、見てられへん・・・(ホンマは見たい。でも・・・)

お二人さん、ごゆっくり・・・



と言うか
ヤグチと石川のえっち見てたら
私もゾクゾクしてきてもうた。


早く、楽屋から出よ。

と、私が楽屋のドアを開けると・・・



416 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:13


ガチャッ


ドンッ!!


「痛てっ・・・・」


・・・・・・?
なんかにぶつかったな?なんやろ?

ドアの向こう側を覗き込むと・・・


「痛てて・・・」
「だいじょぶ、のの?」


「って、おい!辻と加護!」

「あっ」
「ああっ!」

417 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:13

私は、とりあえず楽屋から出る。


「こんなところで2人、何してたん?」


お互いの顔を見合う迷コンビ。


「い、いや、あのれすねぇ、そのれすねぇ・・・なぁ、あいぼん」
「えっ、私?そのつまり・・・」

「つまり?」

「たまたま、廊下を歩いていたんです。そしたら、中澤さんの楽屋から変な声がしてたんです」


変な声?
あぁ・・・多分あれやろうな・・・。


「それで、2人でおかしいねって・・・」
「ふむふむ・・・」
「それで2人でドアごしに声を聞いてたんです」


はは〜ん・・・
それって、つまり・・・

418 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:13

「盗み聞きしてたっつーワケやな」

「・・・はい」
「・・・そうれす」

「あんたら、盗み聞きってなぁ、趣味悪いで・・・・・・っ!?」


ん・・・待てよ・・・。
・・・・・そうだ・・・人のこと言えへんわ。
私もヤグチと石川の会話、盗み聞きしてたんや。


「まっ、まぁ・・ね・・・きょ、今日のところは許すわ!」

「本当れすか?」
「よかったです」


さすがに怒るわけにもいかないわ。


「ところで、中澤さん」
「ん、なに?」

「矢口さんと梨華ちゃんは、中澤さんの楽屋でなにやってるんですか?」

419 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:14

へ・・・?
楽屋の中・・・?

う〜んとな、え〜と・・・なんて言えばええんやろ?


「せ、生命の神秘やな」
「生命の神秘ぃ?」

「そ、そう。生命の神秘やで。神様が人類にくれた贈り物や」

「・・・のん。生命の神秘やって」
「ほぉ〜、どれどれ・・・見てみるれす・・・」

「あっ!開けちゃダメ・・・」



ガチャッ



「あぁぁんっ・・・あん、あんっ・・・」
「いいよぉ・・・真里ちゃぁん・・」



バタンッ



420 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:14

「・・・あれが生命の神秘なんれすか?」

「そ、そう。あんまり見ちゃダメなのよ。2人だけの生命の神秘やから」

「ふ〜ん・・・」
「わかってくれた?」


とりあえずこの2人をここから遠ざけなければ・・・。


「・・・ところで、なんであんな声になるんですかぁ?」
「へっ?」
「うん。のんも思った。なんか変な声れす」


そ、それは・・・・・・


「あのね・・・生命の神秘はね、すっごく気持ちがいいんや。だからね、気持ち良さのあまり、無意識にあんな声が出るんや」



「じゃあ、もう1度見るれす・・・」
「だから、開けたら、ダ・・・」



ガチャッ



「イッちゃうよぉ・・・真里ちゃぁん・・・石川、イッちゃいますぅ・・・」
「オイラも・・・イクッ・・・」



バタンッ



421 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/06/28(月) 21:14

「・・・なんや?今度は、『イッちゃう』って・・・?」
「それは、その・・・な・・・」


あかん・・・
この2人をうまく煙に巻くことができへんわ・・・。
元・リーダーとしたことが・・・。


「なんれすか?」
「教えてください、中澤さん!」

「そのな・・・うん〜と・・・」










「・・・へへっ」
「・・・むふふふっ」


はい・・・?
なんや?なんでこの2人笑ってるんや?
私を馬鹿にしてるんと、ちゃう?

422 名前:書いてる人 投稿日:2004/06/28(月) 21:17
本日は、ここまでです。お疲れ様でした。

>>406 名無飼育 様
ありがとうございます。ストレートにではなく、カーブを投げてみました(笑)。
でも、今回の更新は、ど真ん中のストレートです。

てか、またエロになってしまった・・・。
423 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/08(木) 00:46
エロイイ! 更新お待ちしています。
424 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:24

「中澤さん・・・うふふふっ・・・」
「えへへへっ・・・」


なんや、この笑いあう2人は。
やっぱり裕ちゃんを馬鹿にしてるやろ!


「まったくなぁ、のの・・・」
「まったくです・・・」

「うちら、知ってたんですよ。楽屋の中で矢口さんと梨華ちゃんが何をしてたか」

「ふ〜ん・・・・・・・へっ!はい?」


し、知ってたぁぁぁ?ヤグチと石川がシテルことを!?


「矢口さんと梨華ちゃんは・・・・・・むふふふっ・・・」
「あいぼん、ちゃんとそこを言わなきゃダメなのれす」
「むふふふっ・・・言えません・・・」


顔を赤くする加護。なんなんや、一体この子は?

425 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:25

「よーは、えっちなことしてたってことれすよ」
「ムフフ・・・そうです。もうここでは、言えないようなあんなことやこんなこと・・・」
「そんなことまで・・・・」


2人ともニヤニヤ笑ってるけど・・・


「誰から教わったんや、そんなこと!」


ちょ、ちょっと、裕ちゃん許さへんで。
2人ともえっちなことを知ってるっつーことは、
純粋な2人の少女の瞳を汚したやつがいるってことや!
あんなに純粋やった辻と加護を!


「・・・言っていいのかな?」
「はよ、言え!」
「でも・・・」
「いいから!元リーダーからの命令やで!」


426 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:25

「その・・・・・・・矢口さん・・・・ですよ」
「ヤ、ヤグチィ?」


何ヤッとんねん・・・・・・んっ、間違えた。
なにやっとんねん!私のヤグチは!
いくら、辻・加護を育ててきたミニモニ。リーダーとはいえ余計なことまで教えんでもええっちゅうねん!


「矢口さんがいろいろ教えてくれましたね〜・・・」
「ヤグチめ・・・」


さすが、私の後継者やな・・・って、感心してる場合ちゃうねん!
どんどん、汚してるだけやで。


「・・・ヤグチだけか?」
「あとは・・・・・・美貴ちゃんとか・・・」
「あとなつみが意外にすごかったれす!」


・・・もうええわ。
なんか、頭痛くなってきた。

427 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:25


でも・・・・・・


それは当たり前のことかも知れへんな。
辻ちゃん、加護ちゃんだって、もう16、7歳や。いろんなことに興味を持つ年頃やねん。
少しぐらいえっちなことぐらい知ってないほうがおかしいかも知れへん。

今までが純粋すぎたんやろな・・・。
もう立派な『女性』なのかも知れへん・・・。



・・・・・・とはいえ
やっぱり、寂しいなぁ・・・。



ん〜・・・・・・待てよ・・・。
ここは、裕ちゃんも元・モーニング娘。リーダーとして、色々教えてあげたほうがいいんちゃうか?
自らの手で辻ちゃんと加護ちゃんに『教育』してやってもええな・・・。

少なくとも、ヤグチよりはすごいこと教えれるで。


「な〜あ・・・・・・2人とも、今夜暇か?」
「はい?」
「今夜ですか?」

「そう、今夜?」

428 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:26

「なんかあるんですか?」
「いや〜裕ちゃんも色々教えてあげよっかなと思ってな」


「な、中澤さん!!」


なんや?なにそんなに慌ててるんや?
裕ちゃん、そんなに変なこと言った?


「中澤さん・・・そんな私たちまだ・・・・」
「・・・やっぱり初めては・・・愛し合った人と・・・」


「・・・・・・おい!」


なに考えとん。
『教える』っちゅーても、そんなことするわけないやろ!


「ご飯食べに行っていろいろおしゃべりするだけや。もちろん、裕ちゃんのおごりやで」
「えっ?」
「ホ、ホントれすか?」


食いついた・・・。
相変わらず食べ物には、弱いね・・・。ここは変わっとらんね。
なんかちょっと安心。

429 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:26

「その代わり、裕ちゃんがものすごいエロトークしてやるで!」

「「え〜っ!」」


「・・・またまた・・・ホントは聞きたいんちゃう?」

「そ、そんなこと・・・」
「正直に言うてみ〜」



「その・・・ののは・・・・・・聞きたいれす・・」
「加護も・・・・・・聞きたいです」


「ん〜、よう聞こえんなぁ〜」

「き、聞きたいのれす!」
「聞きます!」


「・・・2人とも正直でよろしい。で、なに食べたい?」

「焼肉!」
「たまには、オシャレに・・・」
「居酒屋はどうや?」
「え〜、飲み屋じゃないですか」
「じゃあ・・・・」
「やっぱり・・・」


・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・

430 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:26

とりあえずお店も決まり、そろそろお仕事が始まるので2人とも楽屋に帰っていった。
2人とも楽しみにしてそうやったなぁ〜・・・。
やっぱり、あーゆー笑顔を見てるとこっちまで元気になるわ。


裕ちゃんもがんばらなあかんな!
よし、シャキッと行くで!



と・こ・ろ・がだよ。
楽屋の扉を開けるとね・・・・・・



まだハダカで肩で息をしているバカップルがいたんや。


「・・・あんたら、まだヤッてたんかい」

「はぁ、はぁ、はぁ・・・だって・・・・梨華ちゃんすごくて・・・」
「真里ちゃんだって・・・」

「オイラ、5回もイッちゃったよ・・・・」
「石川だって・・・たくさんイッちゃいました・・・」


まったく、しょーもない2人だこと。
ひょっとしたら辻ちゃん、加護ちゃんの方が大人な気がするで。

431 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:27

「それより、あんたら早く服着なはれ」

「ふぇ?」

「そろそろ、本番始まるで」


時計を見ると、もう本番20分前を切っていた。


「あっ!もうこんな時間!真里ちゃん、急がなきゃ!」
「えっ!あっ、そう・・・・・・出来れば、オイラ、もう1回・・・」
「だ〜め。お仕事が先でしょ」
「は〜い・・・」


しゅ〜んとなるヤグチ。
というか、ヤグチ、さっき5回もイッたって言ってなかった?
まだまだ、イケルなんて・・・若いってええなぁ・・・。

432 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:27

「あっ、そうや。2人とも今夜空いてる?」
「今夜?」
「そう、今夜」

「なんで?」


「お仕事終わったら、久しぶりにご飯食べに行こうや。辻ちゃん、加護ちゃんも来るで。もちろん、裕ちゃんのおごりやで!」



いつまでも同じ物なんてこの世には存在しない。
いつだって変わりつづける。

ただ、時代に流されて

どうしても辛くて負けそうになったときは、
みんなの笑顔を思い出してみることにするんや。

そうするだけで
『明日もガンバロ!』って
そんな気になれる。

「裕ちゃん、みんなの笑顔が好きやねん!」

この唄はあなたに歌う旅立ちの唄。

433 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:27
・・・・・・・・・・・・
434 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:28
・・・・・・・・・・・・
435 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:28
・・・・・・・・・・・・
436 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:28

この唄はあなたに歌う旅立ちの唄。
今、あなたにこの唄は届いてますか?

437 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:28
わかっていたんです
誰だってわかっていたんです
そう、私も
みんなも


ののとあいぼんの卒業が決まって
梨華ちゃんの卒業が決まって
私がサブ・リーダーになって


みんなわかってたんです


いつか私も
ここから旅立たなければならないってことを

438 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:29
・・・・・・・・・・・・
439 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/08(木) 19:29

私はギターの買った。
別にな〜んのへんてつもないギター。

ホントはエレキギターがカッコ良かったんだけど
アンプとか、コードを繋いだりとかが面倒くさかったから
生ギターにした。
そう、ただのアコーステックギター。

もともと私、吉澤はギターが好きだった。
奏でる音も良いし、なんかカッコイイし。

ただ実際弾くとなるとかなり抵抗があった。
爪は短くしなくちゃいけないし、指先は硬くなってとても女の子の指とは思えないくらい。

でも、今回はどうしても弾きたかった。
弾いて歌いたい理由があったから。

440 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/08(木) 19:32
久しぶりに更新。暑いです・・・。

>>423 名無飼育 様
ありがとうございます。たまに出てくるので期待に答えられればと思います。
441 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:18

「よっこらしょっと・・・」


アコースティックギターとはいえ、ハードケースで持ち歩くのはけっこう重い。
なんせ、家に置いておくと私の飽きっぽい性格なので多分、弾かなくなってしまう。よって、長い道のりを経て、楽屋に持ってきた。


「よっちゃん、な〜にそのでかい荷物は?」
「あ〜・・・あいぼん、これ?これはね、ギターだよ」
「ギター?」
「そう、ギター」
「買ったの?」
「そう。買ったんだよ」
「ふ〜ん・・・」

「でさ〜、何に使うのさ?」

「何に使うって・・・ギターだから弾いて歌おっかなぁ〜って・・・」
「・・・美貴、思ったんだけど、よっちゃんさん、シンガーソングライター目指してるの?」

「いや、そーゆーわけじゃないんだけどね・・・」

442 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:19

「よ、吉澤さん!!」
「な、なんだよ」


私とあいぼん、ミキティとの会話にいきなり真琴が飛び込んできた。


「吉澤さん、やめないで下さい!!」
「はい!?」


なに言ってんだ、真琴は?とうとう、頭狂ったか・・・?


「真琴、なんだよ、急に」
「だって・・・だって・・・今、モーニング娘。をやめてシンガーソングライターを目指すって・・・」

「・・・誰も、そんなこと言ってねえよ!」

443 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:19

「わたし・・・吉澤さんがいなくなったら・・・どう生きていけばいいのか・・・」


だから、やめるなんて一言も言ってないでしょーが!


「吉澤さんの背中だけを追いかけてきたのに・・・」
「だからさ・・・・・・」

「わたしの知らない世界に行ってしまうんですね・・・」
「真琴さ!」

「あぁ、わたしの吉澤さん・・・」


そこまで言うと真琴は、そのまま楽屋を飛び出していってしまった。
あーダメだあいつ・・・もうアホは、ほっとく。これが一番。

444 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:19

「で、よっちゃんは、ギターでなに歌うん?」
「う〜ん。実は、1曲作ろうと思ってるんだよね〜」
「えっ、すご〜い。よっちゃんさん、作曲できるの?」
「いや・・・えっと・・・」


実は・・・てか、もちろんだけど、作ったことはないんだよね・・・。まぁ、鼻歌ぐらいならすぐに作れるけど、ちゃんとした曲になるとあんまし自信ないんだよね。


「作曲できるなら、美貴の曲、書いてくださいよ」

「へっ?」


ふと見れば、すごくまじめ顔のミキティ・・・。そうか・・・そーいやー、全然ミキティの曲、出てないよね。ブギートレインからとっくに1年以上たってるのに・・・。もうソロはやらないのかな?


「美貴のために作ってください!!」


・・・・・どうでもいいんだけど、なんかだんだん迫ってきてない?
顔がすごく近いんだけど。
目も潤んできてるし・・・。

まさか・・・・・・ミキティ、誘ってるの?


445 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:20

「よっちゃんさん・・・」


ふぇ!?
ちょ、ちょっと!目を閉じたんだけど!?
これって、キスしてってこと?ていうか、隣にあいぼんもいるんだけど。誰かに見られながらが、お好き?・・・って!

あいぼんは・・・手で両目を覆ってるけど、隙間からバッチリ見てるし。

どうしよう。
どうしよう。
私、吉澤ひとみ、19歳。今こそ人生の決断の時のようです!


そりゃ〜ね、ミキティはかわいいけど・・・そんな風に見たことはないし・・・でも、唇ぐらいはいいのかな?だいたい、向こうから誘ってきたんだし。キスしても何も減らないよね。
それじゃあ・・・失敬して・・・。

ミキティの肩に手をやった瞬間・・・


バタンッ!

「よっすぃー、モーニング娘。やめるってどう言うこと・・・・・・・・って、うわっ!?」


驚いて楽屋の入り口を見れば、ちっちゃい人とさっき楽屋を飛び出した真琴。
多分、真琴が・・・・・・変な告げ口したな・・・。


446 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:20

「・・・・・・あら・・あららららっー・・・こりゃ、たまげたね〜。まさか、よっすぃーとミキティが・・・」
「よ、吉澤さん、そんな人だったんですか・・・?そうやって、私の気持ちなんて踏みにじっていくんですね・・・」


こ、これは・・・。


「いや〜、でもね、でもだよ。オイラはお似合いカップルだと思うよ。背の高いよっすぃーと細身のミキティーだし。バランスが取れてるよね」
「私の気持ちを知ってて、藤本さんを口説いたんですね・・・」

「・・・・・・おい!真琴!それはオイラのいとしき梨華ちゃんの台詞でしょ。真琴がパクるな!」
「え〜、でも〜・・・」

「『でも』じゃないよ!オイラのいとしき梨華ちゃんの台詞をパクるな!」
「わかりました。ふぇ〜ん」

「あの〜、お二人さん・・・」

「ふぇ!?あっ、ごめんね。オイラたち邪魔だよね。これから、いちゃいちゃするんだもんね。ほら、加護ちゃんもそこで邪魔しちゃダメだよ」
「は〜い」


・・・・・・通りすぎる、あいぼんの目がニヤニヤと笑っている。チキショー、あいぼん、覚えてろ・・・。


447 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:20

「それじゃ〜、あとは2人だけの世界で楽しんでねぇ〜。あ、あと、畳は汚さないでね。むふふっ。バイバ〜イ」


バタンッ

矢口さんの意味深な笑顔を残し、ドアが閉まる楽屋。ぼーぜんとする私、吉澤ひとみ、19歳。
あの勘違い連中め・・・。私は、モーニング娘。はやめるなんて一言も言ってないし、ミキティとそういう関係でもないっつーの。


「ミ、ミキティ・・?」
「うん」
「な、なに言ってんだろうね、矢口さん。もー、勘違いもよしてほしいよね」


ホント。勘違いは困るよ・・・。


「ううん・・・。美貴は・・・美貴は、本気だよ・・・」




へ?



448 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:21

「美貴は・・・よっちゃんさんのこと大好きだよ・・・」


上着を脱ぎ出したミキティ。


「あ、あのさ・・・」
「よっちゃんさんさえ良ければ・・・美貴の全てをささげます・・・」


ささげますって!?
ちょ、ちょっと、待って。なんでボタンをはずしてるのさ。
ミキティの顔は本気だし・・・。
あっ、あっ・・・・・・下も脱いでる・・・。

私、吉澤ひとみ、19歳。再び決断が迫ってるようです。


「よっちゃんさん・・・」
「ミ、ミキティ・・・」
「イヤ・・・美貴って呼んで・・・」
「う、うん・・・美貴・・」


あぁ!!私、完全にミキティのペースにはまってる。ダメだ!冷静に冷静に・・・
だいたい、なんでミキティが?ミキティはそんな娘じゃなかったのに。

449 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:21

「だ、だからさ」
「怖いの?」
「い、いや、怖くはないけど・・・」

「じゃあ・・・ここで美貴を抱・い・て」


ど、ど、ど、ど、どうすんだべぇ!(安倍さん?)
抱いてって、ことはだよ。抱いてって、ことは・・・その先を求めてるってことだよ。そんな、楽屋でこんな状況になるなんて絶対おかしいって。


「よっちゃんさん・・・お願い・・・」
「で、でもさ・・・」
「お願い・・・」
「う、うん・・・」


もう、どうにでもなれ・・・。
ミキティの頬に顔を近づける。

450 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:21

やべっ・・・ミキティ、近くで見るとマジでかわいい。
ホントに私でいいのかな?

ミキティの肩を抱き、キスしようと・・・・




・・・・・・・・・んっ

なんか、すごい視線を感じるんだけど・・・・

気のせい・・・?
いや、なんかおかしいな。

う〜ん・・・

と、ふっと楽屋の扉を見てみると
5センチほど扉が開いていた。

451 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:22



あ゛っ!?



思わず私は、一目散に楽屋の扉に向かい、ドアを開けてやった。


「おい、てめーら!!」


見れば矢口さん、真琴、あいぼんと勢ぞろい。


「なに見てるんですか!?」
「い、いや〜ね。よっすぃーの押し倒しちゃう姿を見ちゃおっかな〜って・・・」
「『見ちゃおっかな〜って』じゃないですよ!人が真剣に悩んでるときに・・・」
「な、悩んでる?」
「そうですよ。ミキティを抱いてしまうのか、抱いてしまわないのか。・・・・・・だいたい、なんでこんなことになるんですか!私は別にミキティのことをそんなふうに見たことはありません!」

「そうなの?」
「そうですよ!ホントなんでこうなるのか、意味がわかりません!」
「本気だったからじゃん?」
「私は本気じゃありません!」

「・・・・・・それは、ミキティがかわいそうじゃんか?」


えっ?

452 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/12(月) 19:22

「よっすぃーがおどおどしてる間も、ミキティは本気だったじゃんか」
「それは・・・」
「ミキティの気持ち、踏みにじったことになるよ」


矢口さんに言われて、はっとして、楽屋のミキティを見れば、

・・・もう服を着始めていた。


「ミ、ミキティ・・・」

「・・・いいよ。よっちゃんさんがその気がないのなら、美貴は諦める」
「そ、それは・・・」
「気にしないでいいよ。美貴が悪かったんだから」
「でも・・・」
「ごめんね」


ミキティは、そう言うと楽屋から出ていってしまった。

453 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/12(月) 19:24
本日はここまでですたい。
お疲れ様でした。
454 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/12(月) 22:36
みきてぃとよっすぃそのままいっちゃえ!!ゴーゴー!
455 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/12(月) 23:30
ぬわ〜!!!!
よしざーさん、美貴さんの想いに答えて上げてください!
456 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:50

・・・・・・なんで、こうなるのさ。
・・・・・・なんでこんなことになるんだよぉ〜。

私がなんか悪者みたいじゃんか〜(泣)。
とりあえず矢口さんの誤解を解いておこう・・・。


まず、私はモーニング娘。をやめるとは一言も言っておらず、真琴が勝手に勘違いしたということ。

「そうだよねぇ〜。よっすぃーがもうやめるわけないじゃん」
「吉澤さん、勘違いしてすんません・・・」


そして、ミキティが勝手に迫ってきただけで、前々からそういう関係ではないこと。

「あっ、そうなの。オイラ、てっきりそういう関係なのかと思っちゃった」
「やっぱり、吉澤さんは私が・・・」
「まこっちゃんは・・・ないと思うで」


と、誤解は解いたけど、
やっぱり今は、ミキティのことが気がかり。

457 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:51

(「ううん・・・。美貴は・・・美貴は、本気だよ・・・」)
(「美貴は・・・よっちゃんさんのこと大好きだよ・・・」)

あの言葉は、ホントに本気だったんだね。
だとしたら・・・

あの時、私の言葉で傷つけちゃったってこと?

(「私は本気じゃありません!」)



「・・・でもさ〜、ミキティはよっすぃーのこと、満更でもない様子だったよね」
「そうですね。途中まで近くで見てたけど、美貴ちゃん、本気っぽかったよ」
「ふぇ〜ん。私の吉澤さんがぁ〜」
「・・・真琴、うるさい」
「はい・・・(しゅーん)」


「でさ、渦中のよっすぃーはどうなのさ?」
「へっ?」
「ミキティのことは、どう想ってるの?」
「それは・・・・・・」

458 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:51

それは・・・
それは・・・
私は・・・
ミキティのことが・・・?

今まで気付かなかったけど・・・どうやら


「好き・・・かもしれません」












459 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:52

「マ、マ、マ、マジでぇ〜!」
「よっちゃん、ホントに?」
「吉澤さ〜ん、私という人がいるのに・・・」


なんだよ。お前たちが私に言わせたようなもんじゃんかよ〜!あと、真琴、お前じゃないって!


「じゃあさ、なんでさっきは、ミキティの前であんなこと言ったの?」
「それは・・・・・・・」
「それは?」
「今、気付いたんです」


「はい?」


「今ごろになって、私の気持ちに気付いたんです・・・。ミキティのことが好きという・・・」



「・・・ちょっと、遅かったみたいやね」
「そ、そうだね。よっすぃー・・・ドンマイ」

460 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:52

「矢口さん!!」
「うわっ!な、なんだよ」
「私に・・・私、吉澤ひとみに、恋の技術を教えてください!!!」

「え、えっ、ええっ、オイラに?」
「はい。だめですか?」
「な、何でオイラに?」
「だって・・・梨華ちゃんとあんなにアツアツじゃないですか!!」
「そうだけど・・・」
「私、こう見えて優柔不断でこーゆーのダメなんです!!矢口さんなら、きっと色々知ってると思うんです!!」
「う、う〜ん・・・」
「お願いします!!」


吉澤ひとみ、19歳。矢口さんに一生のお願いです。

・・・・・・と、ここで楽屋に誰かが入ってきました。

461 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:53

ガチャッ


「みんな〜、ハッピィ〜。元気してるぅ〜」


り、梨華ちゃん・・・。あ、相変わらずキショイ・・・。服もピンクだし・・・。
まぁ、矢口さんとはお似合いだと思うけど(ボケとツッコミのあたりもね)。


「・・・じゃあ、仕方ないな。かわいい後輩の為にオイラが見本を見せてあげるよ」
「ホントですか?」
「うん。オイラが正しいエスコートの仕方を教えてあげるよ」


矢口さんはそう言うと立ちあがり、梨華ちゃんのもとへ向かいます。
どんな風にするんだろ・・・?
ワクワク・・・ドキドキ・・・。


「ねぇ、梨華ちゃん」
「ん〜、どうしたの、まりっぺ?」
「ねぇ、オイラの方、向いて」
「?・・・・んっ・・んぐっ・・・」

462 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:53

えっ!ええっ!!えええっ!!!
い、いきなりキスしたよ!


「んんっ・・・」
「・・・・」
「ま、真里ちゃん・・・」

「梨華ちゃん・・・もっと楽にして・・」
「えっ?」


今度は、矢口さんは梨華ちゃんの胸をシャツの上から触り始めた。
これって・・・私が教えてほしいこととは全然、違うんですけど!


「やっ・・ん・・・ま、真里ちゃん?」
「いいんでしょ?」
「ちょっ、み、みんな見てるよぉ・・・」
「いいじゃん。いつものことだし」
「い、石川、感じちゃいますよぉ・・・」
「キャハハッ、感じちゃえば・・・」
「もう・・・・いじわるぅ・・・」

463 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:53

あの〜・・・
あの〜、矢口さん。全くといっていいほど参考にならないです。私が知りたいのは、もっと初期的なとこなんですけど・・・。
これじゃあ、矢口さんと梨華ちゃんの熱々ぶりだけ見せつけられてる気がするんですけど。



「よっすぃー、これでわかった?」
「・・・わかりませんよ。わかるわけないじゃないですか」
「えー、せっかく、オイラ頑張ったのに」


『頑張った』っていうか、ただ矢口さんの欲求を満たしただけだし。


「・・・それより、矢口さん。梨華ちゃん、どうするんですか?」
「へっ?どうするって?」
「だって・・・もう、出来あがっちゃってますよ」



「ねぇ〜、真里ちゃぁ〜ん。続きはぁ?」

464 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:54

「ありゃ、梨華ちゃん、まさかホントに・・・」
「もう、石川、我慢できませんよぉ・・・」


梨華ちゃんの目はすでにとろ〜んとしていて、いつもより内股気味でフリフリしている。
これって、もしかして・・・
さっきので梨華ちゃん、『感じちゃった』ってやつ?


「真里ちゃん・・・」
「り、梨華ちゃん」
「ねぇ、続きはぁ?」


完全に理性がぶっ飛んでるよね。梨華ちゃんって、こんな人だったけ?
ちょっとキショイけど、もっとマジメで、後輩想いで、頼れるメンバー・・・だったはず。
ところが今は、矢口さんの前でふにゃふにゃ状態。


「もう・・・梨華ちゃんは、しょうがないんだから。ごめんね、よっすぃー。ちょっとオイラ、席をはずすよ」


そう言って、矢口さんは梨華ちゃんを連れて楽屋を出ていってしまった。

そして、あいぼんと真琴もそーっと2人の後をつけていった。
このあと、矢口さんと梨華ちゃんは多分・・・。
そして、その2人の行動を覗き見に行ったあいぼんと真琴。あとで怒られても知らんぞ。

465 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:54

結局、誰も頼りに出来ないってワケか・・・。
あ〜ぁ・・・・しかも、楽屋で独りぼっちだし。
誰か、他のメンバー帰ってこないかな。
とりあえず・・・・・・ギターでも練習すっかな。


ハードケースからギターを取り出す。


ぼろ〜ん・・・


あ〜あ、ホントにどうしよう。
ミキティにどう言えばいいのかな?

(さっきはごめんね。私も好きなの)
とか
ストレートに
(好き!大好き!!)
とか
色っぽく
(ミキティの全てが欲しいよ・・・)
・・・って、最後のはさすがに言えないね。矢口さんの影響をもろに受けてるし。

あ〜ぁ・・・どうしよう。

466 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:55

ガチャッ


ん・・・楽屋のドアが開いた。誰だろ・・・?



っ!?  ミキティ!?



「ミキティ・・・」
「・・・・・・」


ミキティは私を見た後、ちょっと躊躇したが、そのまま楽屋に入ってきた。

ど、どうしよう・・・。
今度こそ、正真正銘の2人っきりだ・・・。

467 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:55

「・・・・・・」
「・・・・・・」

・・・なんか、気まずいんですけど。
何か話さないと・・・


「ギター・・・」
「えっ?」

「よっちゃんさんは・・・ギターでなんの曲を作ろうとしてるの?」
「えっ・・・あ、ギターね。ギターは・・・ほら、ののとあいぼんが卒業するから、そのお祝いに歌おうと思って」
「ふ〜ん・・・」
「でもね、まだうまく弾けないし、指の先が痛くて・・・」

468 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:55

「優しいね・・・」

「えっ?」


「よっちゃんさんは、優しいよ。美貴には、真似できない・・・」
「そんなことないって」
「ううん、すごいって。メンバーのために歌を自分で作って、歌うなんて・・・すごいよ」
「ミキティ・・・」

「やっぱ、美貴とは違うよね・・・。美貴とは・・・」


ミキティの顔を見ると寂しそうな顔をしていた。
さっきのことを引きずってるみたい・・・。


「あ、あのさ」
「うん・・・」

「あの・・・さっきは、ごめんね」
「・・・・・・」
「それで、さっきは言えなかったんだけど・・・」
「もう、いいよ」
「えっ?」

469 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/14(水) 15:56

「もういいよ、無理しなくても。美貴のことはもういいから・・・」
「ミキティ・・・」
「いいんだ。どうせ、美貴の片想いなんだから。よっちゃんさんに想いを打ち明けられただけで幸せだよ・・・」






ミキティの片想い・・・?

いや、違うよ。

だって、私・・・・・・






「・・・・・・よくない」
「えっ・・・・?」
「全然、よくない・・・。だって、だって・・・私、ミキティのこと好きなんだもん」


470 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/14(水) 16:00
本日はここまでです。お疲れ様でした。

>>354 名無飼育 様
ありがとうございます。そのままいっちゃうかもしれません・・・。

>>355 名無飼育 様
ありがとうございます。答えてます!多分・・・。
471 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/14(水) 17:57
途中で!!作者さんの鬼……!
472 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:08

「えっ・・・・・・よ、よっちゃんさん・・・」

「ホントに・・・ミキティのこと・・・愛してるもん」


「・・・・・・ホントに?」
「ホントにホントだよ!」


こんなところで嘘なんかつかないよ・・・。


「・・・うれしい」
「だからね・・・・さっきは、その・・・・言えなかったから・・・ごめん・・・」

「ううん・・・。美貴、うれしい・・・」


私はその場でミキティを抱きしめました。
包み込むようにやさしく、やさしく・・・。

473 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:09

「よっちゃんさん・・・」
「ミキティ・・・」
「いやっ。2人っきりでは、『美貴ちゃん』って呼んで・・・美貴も『ひとみちゃん』って、呼ぶから・・・」
「う、うん・・・美貴ちゃん・・・」
「ひとみちゃん・・・・」




2人の距離が一気に近づいた。そして・・・私は美貴ちゃんに・・・






ん・・・






・・・・・・甘〜い、口づけ。

474 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:09

「美貴ちゃん・・・」
「ひとみちゃん・・・」
「好きだよ」
「うん、美貴も」
「ずっと離さない・・・」
「うん・・・」



しばらく私たちは抱き合ったままでいました。お互いの愛を確かめ合うように。



「ねぇ・・・」
「ん?な〜に?」
「見られちゃったみたいだよ」

「ふぇっ?何が?」
「2人の初めてのキス・・・」



見られちゃった?
見られちゃったって・・・どーゆーこと?まさか・・・



おそるおそる、楽屋のドアの方を見ると・・・


475 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:09


あ゛っ!!
ああ゛っ!!!


そこには、
ニヤニヤ笑っている矢口さん。
普通に戻った(多分、矢口さんに・・・)梨華ちゃん。
目を細めているあいぼん。
悲しそうな顔の真琴。

しまった・・・今回は気付けなかった・・・。

476 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:10

「も〜う。2人ともおめでとう!良かったじゃんか」

満面の笑顔の矢口さん。

「昼間っから、あつ〜い」

悪いけど、梨華ちゃんは寒すぎ。

「へへっ・・・よっかたなぁ、よっちゃん」

さらに目を細めるあいぼん。

「くぉ〜ん。吉澤さんが幸せならそれでいいです」

やっと諦めてくれた真琴。


覗き見は良くないけど・・・・
みんな、みんな、ありがとう。
私、吉澤ひとみ、19歳。美貴ちゃんを本気で愛したいと思います!

477 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:10

「・・・それにしても、よっすぃー、でかしたよ」
「?  ・・・なんでですかぁ?」



「だって・・・・・・ミキティ、いい腰してるもん」


矢口さんの目線は、しっかり美貴ちゃんの腰のあたりに向けられている。


「や、矢口さん、なに言ってるんすか!」
「も〜・・・美貴、照れちゃいますよ」

「もう、この腰は、『よっすぃーのもの』なのか〜・・・」

矢口さんの手がいやらしく美貴ちゃんの腰にのびる。

「や、矢口さんだって、梨華ちゃんがいるじゃないですか」

私はあわてて、その手をはねのける。


「う〜ん。そりゃ、そうだけど・・・。胸は梨華ちゃんだけど、腰はミキティがいいなぁ〜なんて」


「矢口さん・・・」


矢口さん。いくら、私の教育係だったからって、それはちょっとひきました・・・。

・・・・・・てか、矢口さん。そんなこと言っていいんですか?
忘れてません?後ろにいるあの人のこと。

478 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:10

「ふ〜ん・・・。真里ちゃんも美貴ちゃんがいいんだ・・・」
「へっ?」


あ〜ぁ、どうなることやら・・・。


「真里ちゃんは、もう石川に興味ないんですね!」
「ち、違うよ!梨華ちゃんが一番好きだよ!」
「・・・じゃあ、なんで美貴ちゃんのお尻触ろうとしたの?」

「それは・・・・・・ちょっとした出来心で・・・」
「もう、石川、知らない!!プンプン!」
「梨華ちゃん、じょ、冗談だよ、冗談」
「知らない!!」
「梨華ちゃ〜ん・・・(泣)」


まったく・・・
しょうがない人たちです。
でも、みんな知ってるんですよ。

2人がとっても仲良いこと。

私と美貴ちゃんもあんな風になれればいいなぁ・・・。

・・・・・・あっ、変なところは別だけどね。


479 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:11




――――それから、しばらくして・・・


・・・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・


・・・・


・・




480 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:11

(ざわめく都内某スタジオ・・・)

「・・・は〜い、カオリからは以上です。あっ、あと、今日はお仕事終わっても、みんな楽屋に残ってくださ〜い」

一瞬の静寂。が、しかし・・・

「「「「え〜っ!!」」」」


「なんで残るのさ〜」
「残るって、またなんかあるんれすか?」
「なに。次は誰が卒業するのさ」
「意外にれいなのソロデビュー決定発表とか」
「さゆのかわいい、かわいいファッションショーの発表かも」
「絵里の幸せを求めるお話とか」
「亀ちゃん・・・、キショイ」
「な、な、な、何てこと言うんですか。絵里はキショくありません」
「そうかな〜。梨華ちゃんと良い勝負だよね」
「石川さんには、負けます」
「・・・亀ちゃん、なにか言った?」
「いえ・・・。何も言ってません・・・」

「・・・で、飯田さん。何があるんですか?」

「実はね・・・」
「はい!ワタクシ、吉澤ひとみがののとあいぼんの卒業に向けて、心をこめて、私が作った歌を歌っちゃいま〜す!」

481 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:11

・・・

・・・


・・・・・・ありゃ?なんかみんな、ぽか〜んとしてるぞ。
やっぱ、私が作った歌じゃ、聴けない?
さすがにこの反応だと私、梨華ちゃんみたいにいじけちゃうぞ・・・(うわ、自分で言っててキショクなってきた)。



「あ、あの〜。皆さん・・・?」


「・・・す、すごいよ、よっすぃー!自分で曲、作ったの?」
「ええっ、まぁ・・・」
「絶対、聴く!絶対聴くよ!」
「イヤ〜楽しみだね。よっちゃんが作った歌だって」
「カッチョイイ歌なんだろうなあ〜」
「うちら2人に作った曲らしいで、のの」
「うれしいのれす」

・・・・・
・・・・・
・・・・・


・・・なんか、今度はいきなりこんな反応があると
逆にプレッシャーがかかるんですけど・・・。

まぁ、いいか。注目を集めるのは嫌いじゃないし、私。


「というわけで、皆さん、楽しみに待っててくださ〜い」


482 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:12

・・・といっても、これからがお仕事なわけで。私が歌うのは、ずっと後。
きっちりお仕事をこなして、『吉澤ひとみライブ』と行きますか!!




「ねぇ、ひとみちゃん」
「なに?美貴ちゃん」

「ホントに作ったんだね、歌」
「うん。苦労したよ。もう、ギターの弾きすぎで指が痛くて痛くて・・・」

「指、まだ痛いの?」
「うん。まぁ、ギターを弾く以上、仕方ないけどね」
「ふぅ〜ん・・・」


私の指をまじまじとみつける美貴ちゃん。
・・・なんか指をジロジロ見られると照れる。



483 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:12

「ねぇ・・・その痛い指、美貴が癒してあげよっか?」
「癒す?」
「そう、美貴で癒してあげる・・・」

「美貴ちゃんで・・・?」

「そう・・・美貴に触れば治るかもよ・・・」


いたずらっぽく、笑みを浮かべる美貴ちゃん。
あのさ・・・それって、もしかして・・・


「それって・・・」
「美貴を・・・ひとみちゃんの指で・・・」


そこまで言うと顔を赤らめて、恥ずかしがる美貴ちゃん。
あの・・・めちゃくちゃ、かわいいんですけど。


「・・・美貴ちゃんもえっちなんだね」
「そんなことないよ」
「えっちミキティ」
「・・・矢口さんほどじゃ、ないけどね」


どうやら、私と美貴ちゃんの距離は、またぐっと縮まりそうです。

484 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:12

「じゃあ・・・・お言葉に甘えて、今日、お仕事とライブが終わったら・・・」
「うん。ひとみちゃん、あんまし、痛くしないでね」
「わかってるって、美貴・・・」
「キャッ、呼び捨ては恥ずかしいよ〜」

「今日、たくさん言わしちゃおっかなぁ〜」

「もう・・・ひとみちゃん、えっちなんだから」




仲良く手を繋ぎ廊下を歩く2人の足音が遠ざかっていく・・・。






えっ?
それで、そのあと美貴ちゃんとの夜は、どうなったかったって?
それは・・・
それは・・・

矢口さんじゃないので、そんなこと私の口からはとても言えません(笑)。




485 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:13

いつか旅立つこと日のことを考えていたら
無性に
ただ無性に
君に逢いたくなりました。

まだまだ先の話かもしれないけど
もし、逢えなくなる日が来ても

私は笑って、君を抱きしめたいと思います。


この唄はあなたに歌う旅立ちの唄。

486 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:13
・・・・・・・・・・・・
487 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:13
・・・・・・・・・・・・
488 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:14
・・・・・・・・・・・・
489 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:14
この唄はあなたに歌う旅立ちの唄
今、あなたにこの唄は届いてますか?
490 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:14
『幸が薄い』
それがアタシのイメージ?

そんなことないよ。

だって、
幸せだもん。

ここにいられるだけで幸せだもん。

みんなといると幸せだもん。


・・・・・・なんてね。
これ以上言うと『キショイ』って
あの人に言われちゃうのでやめておきますね。

491 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:14
・・・・・・・・・・・・
492 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/16(金) 18:15

「り〜か〜ちゃぁ〜ん」


遠くからアタシの名前を呼ぶ声。
どんなに遠くからだって、アタシにはその声が誰だかわかるんだ。

だって

好きな人の声だもん。


「な〜に、真里ちゃん」

走ってアタシのもとへ来る愛しき人。

「梨華ちゃ〜ん・・・はぁ、はぁ・・・・・あ〜、追いついた。向こう側からピンク色が見えたからね、梨華ちゃんかな?って思ってきたんだ」
「・・・それじゃあ、アタシがいつもピンク着てるみたいじゃない」
「だって、そうじゃんか」
「うん・・・・まぁ、否定はしないけど・・・」


アタシが真里ちゃんのことが好きになったのは
・・・・・・もうかれこれ2年ほど前の話になります。

493 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/16(金) 18:16
本日はここまでです。お疲れ様でした。


>>471 名無飼育 様
ありがとうございます。どうも、鬼です(笑)。ちょっと、じらしてみました。

494 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:22

―――― 2年前 ・・・


ごっちんもまだ娘。にいて
アタシも真里ちゃんも2人ともタンポポにいたころ。

もっとも、あの頃は『真里ちゃん』だなんて呼べるはずもなく・・・。


――― ・ ・ ・ ・

―― ・ ・ ・ ・



「・・・矢口さん、この原稿のここの漢字なんて読むんですかぁ?」
「んっ?どれどれ・・・えっと・・・・・・???

 ・・・自分で調べろよ」

「え〜、矢口さん、わからないんですか?」
「うるさい。石川だってわかってないじゃんかよぉ」
「わかんないから、矢口さんに聞いたんですよ〜」
「オイラも読めない漢字ぐらいあるよ」


タンポポでのラジオのお仕事。
あいぼんは、学校のためお休み。
飯田さんも他のスケジュールが入ったらしい。

・・・というわけで
石川と矢口さんの2人っきりなわけです。

495 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:23

「あっ、そうだ。矢口さん、収録終わったら、一緒に買い物に行きませんか?」
「あ〜、ごめん、石川。午後は、加護ちゃんと辻ちゃんが学校から戻ってくるから、ミニモニ。のお仕事が入っちゃってるんだよ」
「そうですか・・・」
「ごめんね。また、今度いこ。今度」


当時の石川にとって、矢口さんは頼りになる先輩。
悩み事を打ち明けては、あれこれアドバイスをもらっていました。

でも、矢口さんもミニモニ。のお仕事が忙しいらしく、
石川よりもののとあいぼんといる機会が多いみたいです。

残りの4期メンバー、よっすぃーは矢口さんが教育係を任されていたので
よく仲良く話している姿を目にします。

というわけで
そんなに石川と矢口さんは、すっごく近いでも遠い存在でもない、ただ普通に仲のよい先輩、後輩といったところだったんです。



・・・・・・そうあの日が来るまでは・・・



496 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:23




あの日とは・・・






ごっちんと保田さんの卒業発表。
大幅なハロプロ新体制化・・・。





それは・・・

アタシ石川と矢口さん、2人っきりになれる機会が多かった
『タンポポ』という糸を切るということ。



497 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:24


「タンポポに残ったのは石川だけか・・・」
「・・・・・・」
「カオリの分も頑張るんだよ」
「・・・・・・」
「ほら、石川、泣かない泣かない」
「だってぇ・・・ぐすんっ・・・ふぇ〜ん・・・」


タンポポに残るのはアタシなのに・・・
最初からタンポポだった飯田さんや矢口さんの方が辛いはずなのに・・・
スタジオの打ち合わせ室で一番最初に泣いちゃうなんて・・・


「ほら、最後の収録始まるよ。石川、鼻かんでからブースに来な」
「はい・・・」
「梨華ちゃん、シャキっとせいや」
「うん・・・」


飯田さんとあいぼんは、先にブースに行ってしまいました。

打ち合わせ室に残ったのは・・・

アタシと矢口さん・・・。


498 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:24

「矢口さんも・・・先にブースに入っていいですよ・・・」
「ううん・・・。オイラは、梨華ちゃんを待ってるよ」
「矢口さん・・・」


その優しい笑顔と優しい言葉にアタシはまた涙が溢れました。


「やぐぢざぁ〜ん・・・うぅっ・・・」
「オイオイ・・・また、泣くなって」
「だってぇ・・・だってぇ・・・」
「おー、よしよし・・・。大丈夫。オイラ、梨華ちゃんが泣き止むまで一緒にいてあげるよ・・・」


そう、言うと矢口さんはふっとアタシを抱きしめました。


甘い香水の匂い。
染めた髪の色。
小さい手。


その全てが、
その全てが矢口さんでした。

499 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:24


「矢口さん・・・」
「落ち着いた?」
「はい・・・」
「じゃあ、行いこっか」
「うん」





「梨華ちゃん、ちょっと待って・・・」
「はい・・・?」

「オイラが梨華ちゃんに自信を持つおまじないをしてあげる・・・」

「おまじない・・・?」


そう言うと矢口さんは、アタシの肩に手を乗せて・・・






っ!?






唇に矢口さんの温もり・・・。


500 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:25



矢口さんのおまじない


アタシに優しすぎるキス








それは今でも同じ。



――― ・ ・ ・
―― ・ ・ ・





501 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:25

「真里ちゃん、キスしてください」
「梨華ちゃん、キショッ」
「いいじゃないですか、キスしてぇ〜」
「梨華ちゃん、ホント、キショイから」

「じゃあ・・・真里ちゃんは石川のこと嫌いなんですか?」

「それは・・・」

「どうなんですか?」

「・・・大好きに決まってんじゃん」

「んっ?よく聞こえませんねぇ?もう一度言ってください」


「大好きに決まってんだろ!!!」


502 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:25

「・・・・・・じゃあ、キスしてください」
「え〜・・・」
「やっぱり、石川のこと嫌いなんですか?」
「違うって・・・ただ・・・」
「ただ・・・?」



「キスしたら・・・」

「キスしたら・・・?」





「オイラ、そのあともしたいな」




503 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:26

誰かに
アタシは
『幸が薄い』かもしれない。


でもホントは
幸せすぎて
どうしようもなくなってるだけなのかもしれない。


だって
アタシ、今、すっごく幸せな気がするよ。


この唄はあなたに歌う旅立ちの唄。

504 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:26
・・・・・・・・・・・・
505 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:26
・・・・・・・・・・・・
506 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:26
・・・・・・・・・・・・
507 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:26
この唄はあなたに歌う旅立ちの唄
今、あなたにこの唄は届いてますか?
508 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:27
大切なものがある
お金じゃ買えない大切なものがる

夢、希望、そして地球

そして



1つの絆はやがて大きな虹になり
明日へと繋ぐでしょう



ん〜・・・、多分だよ、多分。
オイラの勘。

509 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:27
・・・・・・・・・・・・
510 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:27

大切なものを手放すのは辛い。

まして、

2ついっぺんに!?



「・・・ちゃん」


「・・里ちゃん」


「真里ちゃん!」

「へっ!?」

「『へっ!?』じゃないですよ。時間ですよ、時間」
「えっ、あ、もうこんな時間だ・・・って、次のお仕事はなんだっけ?」


この発言に梨華ちゃんはすっかりあきれ顔。


「もう・・・次は、コーナーの収録でしょ」
「あぁっ・・・そうだった、そうだった・・・」
「しっかりしてよ、真里ちゃん」
「うん・・・ごめん」

511 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/19(月) 14:28

オイラは最近、なんか調子が出ない。
なんでだろ?
なんでだと思う?


やっぱりあれが原因かな?


梨華ちゃんとえっちしてないから?
ううん、それはない。昨日だって、梨華ちゃんすごかった・・・って、こんな話してる場合じゃなくて・・・。


じゃあ、新しい恋?
それもない。いくら、ミキティが可愛くても、よっすぃーがカッコよくても、なっちと相性がよくても・・・って、なんかいかにもそうっぽく聞こえてくるじゃんか!オイラには梨華ちゃんがいるもん。


じゃあ何か・・・?


やっぱり、あの2人の卒業かな・・・?


512 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/19(月) 14:28
本日はここまでです。お疲れ様でした。
513 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/22(木) 10:53
作者さん、あなたがお疲れ様でした(笑)
514 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/27(火) 18:31

あの2人とは紛れもないあの2人。
そう、辻希美と加護亜衣。
よーは、辻ちゃん、加護ちゃんね。

2人の卒業が決まったとき、オイラの頭はホント真っ白になった。

―――えっ・・・えっ!・・・えぇっ!!なんで?なんで辻ちゃん、加護ちゃん!?


「・・・矢口さん、どうしたんですかぁ?」


はっきり言ってショックだった。ショック?・・・じゃないな、なんだろう・・・。頭をガーンッ・・・って殴られた感じ?
だってねオイラ、あの2人には特に想い入れもあったから。


「・・・矢口さん、矢口さん。・・・だめれすね」


オイラより先に卒業しちゃうなんて・・・
オイラよりあとから入ったのにオイラより先に卒業しちゃうなんて・・・そんなのあり・・・?

515 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/27(火) 18:31

「・・・美貴ちゃん、矢口さんがなんか変れす」
「矢口さんが・・・?梨華ちゃんとなんかあったんじゃない?美貴は知らないよ」
「そうれすか・・・?」


はぁ〜・・・4年間、想い返せばいろんなことがあったよなぁ・・・


「・・・梨華ちゃん、呼んでこよっか?」
「そうですね」
「そうした方がいいみたい」



今でも目を閉じれば浮かんでくる思い出・・・
それは・・・オイラの青春そのものなのかもしれない・・・

516 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/27(火) 18:32






―――― ・ ・ ・ ・ ・

―――― ・ ・ ・

―――― ・ ・

――― ・ ・

―― ・ ・

― ・ ・


―・・






517 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/27(火) 18:32

今でも思い出すあの思い出。
そう、あれはミニモニ。を始めたばっかりの頃のお話・・・。






「はぁ、はぁ、はぁ・・・遅刻だぁっっ!!」


廊下をものすごい勢いで走る小学生・・・・じゃなかった、ものすごい勢いで走るオイラ。

はた目は小さいから小学生に見える。
『テレビ局に迷い込んだ子供』っといった感じかな。
そんな冗談はさておいて、オイラ、すんごくピンチなんです。

518 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/27(火) 18:32

ん、何がピンチなのかって?

そりゃ、この状況を見ればわかるって!
ち・こ・く・です、遅刻。
とんでもない大遅刻なんです。

昨日の夜、なかなか寝つけなくて、
で、寝始めたら、今度は完全に熟睡しすぎて起きれなくなってしまったらしい。
それで今、全速力で廊下を走ってるってわけ。


ミニモニ。のお仕事で大遅刻なんて、オイラとしたことがぁっっ!!!
これじゃあ、リーダー失格じゃん?!


「はぁ、はぁ、はぁ・・・楽屋は・・・ここだ、ここだ!」


オイラは、勢いよく楽屋に飛び込む。
多分、もうみんな着替えてスタンバイしているはずだ。
オイラがすぐ着替えれば、ギリギリ時間に間に合う・・・はずだったんだけど

はずだったんだけど・・・
ミニモニ。の楽屋を開けると、そこには信じられない光景が目の前に広がっていた。


バタンッ

「みんなごめん、先にスタジオに行って・・・・・・・あれっ?」


519 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/27(火) 18:33


「あ〜、矢口さん、遅刻ですよぉ〜」
「遅いのれす」
「あ〜、ヤグチさん、おはようございますぅ」


あれっ?
もうみんな着替えて準備万端だと思っていたのに
衣装に着替えていたのはミカちゃんだけ。辻ちゃんと加護ちゃんは今だ私服のまま・・・。


「な、なんで辻ちゃん、加護ちゃん、まだ私服なの?」

「お菓子、食べてたれす」
「矢口さんが遅刻してたんでぇ、待ってたんですよ」
「すみません・・・。着替えるように言ったんですけど・・・」


ミカちゃんはオイラに謝ったが、それはミカちゃんのせいじゃない。
辻ちゃん、加護ちゃんの意識の問題だし、遅刻して準備させることが出来なかったリーダーのオイラの責任でもある。

520 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/27(火) 18:33

「じゃ、じゃあとにかく、2人とも早く着替えちゃって!ミカちゃんは、先にスタジオに入ってて!」

「ハイ!」
「「は〜い・・・」」


そう、とにかく急がなければ。
オイラは着ていた服を脱いで、ミニモニ。の衣装を着る。
加護ちゃんもあっという間に着替え終わってしまった。

が、とろ〜い人が約1名。



「辻ちゃん、早く早く!」
「あわわっ?!あれ?こっちでいいのかな・・・?」



あぁ・・・もう間に合わない・・・。

時間だけが無常にも過ぎていく・・・。



521 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/27(火) 18:34
少し更新しました。次回でおしまいです。

>>513 名無飼育 様
ありがとうございます。もうくたくたです・・・。
522 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/27(火) 23:57
エロキボーン!
523 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/28(水) 10:53
お疲れ様でした。sageるけど、気持ちはageで!
524 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/29(木) 01:11
今回の更新で最終回です。

>>522 名無飼育 様
ありがとうございます。でも、最後なのでエロはなしで・・・。

>>523 名無飼育 様
ありがとうございます。そういう気持ちで頑張りました。
525 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:11

――― それでもなんとか、ドタバタのまま生放送へ滑り込みセーフ・・・・


生放送中・・・
もぉ〜・・・なんとかしてぇ〜・・・!

辻ちゃんは、ぼけ〜っとしっぱなし、
加護ちゃんは、あさっての方向向いてるし・・・。

2人とも、ミカちゃんみたいにしっかり出来ないのかね・・・。


とはいえ今日は、オイラが大遅刻をしたから、そんなに強くは怒れないし・・・。


「2人とももうちょっと集中しなさいよ」


それだけ注意してこの日は終わった。

が、他の収録が進んでも、2人の意識はいっこうに変わらないまま・・・。


526 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:12


「・・・あいぼん、このお菓子おいしいれすよ」
「え〜、どれどれ・・・・・・んっ、ホントだ、おいしい」


あいも変わらず、番組が始まる前にお菓子を食べくる2人。


「あんたたち早く着替えないと・・・」
「まだ大丈夫れす」
「余裕、余裕」

「でも、辻は着替えるのにいつも時間がかかってるし・・・」
「わかってますって、矢口さん」


ホントにわかってんのかな?
わかってないよね?

だって

案の定、お菓子に夢中になった2人は、再び収録を遅らせる原因になってるんだから。

さすがに今日という今日は、しっかり叱らなければ・・・。

527 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:12


「・・・ちょっと、2人ともなんべん言えばわかるの!」
「はい・・・・」
「すみません・・・」

「何回も何回も同じこと言ってるのに・・・。小学生だって、2度言えばわかるよ!」

「「・・・・・・」」

「いつになったらちゃんと言うこと守れるのさ!」


「・・・そのうち」
「そのうち?」

「そのうち・・・・なんとかなりますって」

「はい?」

「今までなんとかなってきたんで、なんとかなると思います」
「そーそー、なんとかなるれす」


528 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:12





・・・・・・なんとかなる?


はぁ?
なんとかなるだって・・・?
何が『なんとかなる』だって!!


ここでついにオイラの何かがプッツンとキレた。



「2人ともマジメにやりなさぁぁぁぁいっっっ!!!」





「はぁい?」
「矢口さん、いきなり・・・」



529 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:13

「あんたたち、それでも自覚あるの?うちらはプロなんだよ。辻と加護は受かったかもしれないけど、オーディションに落ちた子だっているんだよ。その子たちに失礼なんじゃない。その子たちの分まで2人ががんばんないでどうするのよ!いつまでも、チャラチャラしてちゃダメじゃない!オイラ、オイラぁ・・・ぐすっ・・・・オイラだって遊びたいときはあるけど・・・このお仕事が好きだから頑張ってるのに・・・・ひっく・・・2人ともちゃんとしてよ!!」


2人を叱っていたオイラの頬には、いつのまにか涙が流れていた。
やけに熱い涙。オイラの熱い涙。


「そうですけど・・・」
「矢口さん、泣かないで下さい・・・」


・・・2人はそう言うが、下を向いたまま顔をあげようとしない。


「もうオイラ、あんたたちなんて知らない!」


オイラは、そう泣き叫ぶと楽屋を飛び出した。


530 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:13




(なんで?)
(なんで、オイラの言うことを聞いてくれないの?)
(なんで、オイラの言ったことが守れないの?)

(もう、こんなのヤダよ・・・)


(オイラには)
(オイラには)




(リーダーなんて向いてないのかもしれない・・・。)




531 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:13


オイラは泣きながら走りつづけ、いつかのあの場所に来ていた。



そう、いつかのあの場所・・・
――― このスタジオの屋上


お仕事で悩んだときや泣きたいとき
どうしても、誰かに相談できなくて苦しんでるとき
いつもオイラは、ここに来て
ここから、都会の街並を眺めるんだ。


だって、ここから見える都会の景色は
みんな一生懸命生きてることを感じさせてくれるんだ。


そうすると・・・・

なんだか今までの自分がやけにちっぽけに見えてきて
『またがんばんなくちゃ!』って思えるから・・・。



532 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:14


「はぁ、はぁ、はぁ・・・」


実は・・・ここに来たのは随分、久しぶり。
だって最近、そんなに深く悩むことがなかったから。
久しぶりなんだけど、やっぱり・・・


「・・・・変わってないなぁ」


屋上のフェンス越しから見える景色は、
全然変わってなくて、
あの頃のまま。



相変わらず、東京は忙しく走りまわっていて、
相変わらず、オイラはちっぽけなまま。


オイラはここにくるまで、辻ちゃんと加護ちゃんに何を教えてきたんだろ?




533 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:14


「・・・・・・矢口さん」


すると突然、オイラを呼ぶ声に、慌ててその声のほうへ振り向いた。


「辻・・・加護・・・・」


「矢口さん・・・ごめんなさい・・・」
「ほんとにごめんなさい・・・」


・・・いきなり2人とも涙声で謝ってくれた。
2人とも・・・泣いてるみたい。


「・・・いいよ。わかれば。オイラもちょっと強く言いすぎたし・・・。ごめんね」


オイラが2人に教えてきたこと。

534 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:14

「矢口さん!」


「なに?」


「・・・うちらのこと嫌いになっちゃいましたか?」

「なに言ってるんだよ。好きに決まってるじゃんか・・・」


「ホントですか?」
「ホントだよ」

「ホントにホントですか?」
「ホントにホントだよ」



「・・・うちらも矢口さんのこと大好きです!」

「・・・今まで迷惑ばっかかけてきたけど、ホントに好きなのれす!」




オイラが2人に教えてきたこと。

仲間を大切にする気持ち。



「加護ちゃん・・・・・辻ちゃん・・・・・・・」



どうやら・・・伝わってたみたい。


535 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:15






―――― ・ ・ ・ ・ ・

―――― ・ ・ ・

―――― ・ ・

――― ・ ・

―― ・ ・

― ・ ・


―・・






536 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:15


「・・・・・・・ゃん?」




「・・・真里ちゃん?」
「・・・・矢口さん?」


遠くでオイラを呼ぶ声がする・・・。


「・・・・・・・・ぐすっ・・・ふぇっ?・・・」


あれっ?オイラ・・・


「真里ちゃん!」

「あれっ?梨華ちゃん・・・たち」



気がつくといつもの楽屋。
それに梨華ちゃん、加護ちゃん、辻ちゃん、ミキティ。

537 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:15

「もう・・・真里ちゃん、呼んでも答えてくれなくて、意識どっか行ってんだもん」
「あぁ・・・ごめん」


そうか・・・・
オイラの意識は完全にミニモニ。を始めた頃に飛んでたのかもしれない。


「・・・てか、矢口さん、泣いてるのれすか・・・・?」
「えっ?」


オイラの頬には涙が流れていた。
あっ、そうか!
あの時も泣いてたから・・・


「ホントだ。真里ちゃん、泣いてるぅ〜」
「な、泣いてなんかないやい!」
「泣いてるぅ〜」
「泣いてなんかないやい!」

「もう、強がりなんだから・・・」


オイラは・・・・
辻ちゃん、加護ちゃんに泣かされたんだい!


538 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:16



・・・・・・帰り道。梨華ちゃんと一緒。


「梨華ちゃん・・・・」
「な〜に?」
「あの2人・・・・辻ちゃんと加護ちゃん、どんな大人になるのかな?」
「どんな大人になるの・・・か。見当もつかないね」


「エヘへへッ」
「どうしたのよ、急に笑い出してぇ」
「だって、ホントに見当もつかないなぁって」

「きっと、素敵な大人になるんじゃない」
「そうだといいね」
「そうに決まってるよ」


539 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:16



「・・・どうしてもダメな時は、オイラたちがそっと背中を押してあげるよ・・・」











「・・・なんか言った?」

「ううん。なんでもない」





540 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:17

どんなに偉くても
どんなにお金持ちであっても

手に入りにくいもの

それは

今というかけがえのない時間
そして・・・

『仲間』




転がり続けて掴んだものに
不思議なくらい涙してる
そして旅はまた始まってゆく
小さな孤独を握りしめて
次吹く風 広がってく
全てはそこから走り出すために・・・








〜旅立ちの唄・おしまい〜

541 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:17
・・・・・・・・・・・・
542 名前:旅立ちの唄 投稿日:2004/07/29(木) 01:17
・・・・・・・・・・・・
543 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/29(木) 01:18
終わりました・・・。全て完結です。最後は苦労しました。
544 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/29(木) 10:44
完結、お疲れ様でした。とっても楽しく、切ないお話をありがとうございました。
よしみき、やぐりかこのお話を拝見させて頂いた時からツボにハマっています。
本当にありがとうございました。
545 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/30(金) 19:55

というわけで最後につき
今までのお話を全てまとめてみました。


『前向きな生き方』
>>2 〜 >>9
いしやぐ
ラジオから始まる物語。ポジティブ・チャーミーが矢口に積極的にアタック。


『ひまわり』
>>10 >>11
矢口・高橋
落ち込んでいる矢口を高橋が・・・。


『強がりなナキムシ』
>>17 〜 >>32
矢口・他のメンバー
メンバーに愛される矢口。メンバー愛?


『ごめんね。』
>>36 〜 >>60
みきりか
殴った藤本と殴られた石川。そのすれ違いが恋に。


546 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/30(金) 19:57

『コンパス』
>>63 〜 >>174
いしやぐ
藤本に振り回される矢口と石川のお話。黒ミキテイー。


『ちょこれ〜と』
>>178 〜 >>182
いしやぐ
甘い甘い2人の休日。


『地下街』
>>184 〜 >>190
石川・高橋
「ひまわり」の石川バージョン。最後はやっぱり・・・矢口。


『秘密のデート』
>>192 〜 >>350
いしやぐ
2人だけの熱海へ秘密のデート。ラストは・・・。


『旅立ちの唄』
>>358 〜 >>540
ホントはこれがメインなはずだった。
辻・加護、卒業への旅立ちの唄(?)。
(実際の中身はいしやぐ、みきよしも入ってます)


以上、
全てフィクションでおおくりいたしました(当たり前)。

547 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/30(金) 19:58


548 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/30(金) 19:59

549 名前:書いてる人 投稿日:2004/07/30(金) 20:02
今まで読んで頂いた方々、ありがとうございました。

>>544 名無飼育 様
ありがとうございます。本当にありがとうございます。
そう言っていただけると・・・。

550 名前:名無し読者 投稿日:2004/08/01(日) 07:36
おつかれさまです。どの話もすごくよかった。
特に旅立ちの唄は矢口の心境を思うと本気でうるうるきました。
いしやぐ好きなんでまた書いて下さいね。
551 名前:飛べない鳥 投稿日:2004/08/01(日) 14:09
お疲れ様です
やっぱり「前向きな生き方」が自分的には一番好きでした
次回作も期待してます
552 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/02(月) 23:14
>>550 名無し読者 様
ありがとうございます。最後のほうは、いっぱい、いっぱいでした。なんせ2人の卒業までに『旅立ちの唄』を完結させようと必死でした。

>>551 飛べない鳥 様
ありがとうございます。そうですか・・・。私も1発目はこの内容で行こうと決めて書きました。またあんな感じのお話が書きたくなってきました・・・。

というわけで・・・

553 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/02(月) 23:14
完結したのに早くも、番外編を書かせていただきます。
短編です。

『涙をふいて・・・』
それでは、ど〜ぞ。
554 名前:涙をふいて・・・ 投稿日:2004/08/02(月) 23:15

『涙をふいて・・・』

とうとう、ののとあいぼんが卒業してしまいました。
卒業が決まってから、ホントにあっという間だった気がします。


あたしは、ののとお泊まりをしたときのことを思い出しました。
矢口さんは泣いていました。


あたしは、タンポポで一緒だった頃のあいぼんを思い出しました。
矢口さんは泣いていました。


「今日はお疲れ様でしたー!!」


今年の夏のコンサートは終わってしまいました。
全て終わってしまいました。


ののとあいぼんはコンサート中、涙は見せたけど、元気に打ち上げに顔を見せてます。

・・・でも、これでもう明日からこの2人はいないんだよね。また新しいカタチが始まんだ。


あたしは打ち上げのあと、誰もいないはずの楽屋をのぞいてみました。
誰もいないはずの・・・
誰もいないはずの楽屋に肩を震わせている『あの人』が1人、ポツンと座っていたのです。

555 名前:涙をふいて・・・ 投稿日:2004/08/02(月) 23:15

「まりっぺ・・・?」
「・・・・・・」

「まりっぺ、ラジオ遅れちゃうよ」
「・・・・・・」
「まりっぺ・・・?」


あたしは、矢口さんの隣まで来てみました。


矢口さんは・・・   1人泣いていたのです。



「ぅっ・・・ぅっ・・・・りがぢゃ〜んっ」


矢口さんはいきなりあたしに抱きついてきた。
普段、あたしから抱きついても
『梨華ちゃん、キショイ』って言うくせに。


「りがぢゃ〜ん・・・」
「まりっぺ、泣かない、泣かない・・・」


あたしは、矢口さんの震える肩を抱いてあげました。

556 名前:涙をふいて・・・ 投稿日:2004/08/02(月) 23:15

知ってるんだ。
矢口さんはののとあいぼんの卒業を1番、心配していたことを。

知ってるんだ。
矢口さんとののとあいぼんの間には、とんでもなく強い絆で結ばれていることを。


「梨華ちゃん・・・」
「なに・・・・・・・・・んっ?」



矢口さんはいきなりあたしにキスをしてきました。



「梨華ちゃん、ありがと・・・」
「えっ・・・?」
「ありがと!」
「???・・・どういたしまして」



なんでキスしてくれたのかわからなかったけど
矢口さん・・・相当寂しかったのかな・・・?
だから、あたしにキスをしたのかもしれません。



557 名前:涙をふいて・・・ 投稿日:2004/08/02(月) 23:16

・・・翌日。

そこにはもう・・・・   いつもどおりのまりっぺがいました。



「まりっぺ、おはよー」
「まりっぺ言うな」
「じゃあ、ポチおはよー」
「ポチじゃないっつーの!このしゃくれアゴンが・・・」
「・・・まりっぺもA型だから、しゃくれるかもしれませんよ」
「オイラは大丈夫だもん!」
「しゃくれポチ」
「しゃくれてないって!」
「じゃあ、しゃくれクッキー」
「うちの犬だし」
「・・・もう、ホントはあたしのこと好きなくせに・・・」
「だ、だれが好きって言ったんだよ!」

「だって昨日、まりっぺからキスしてくれたじゃないですか」
「・・・オイラ、覚えてないもん」
「あ〜、ひどーい。石川、嬉しかったのに・・・」
「梨華ちゃん、キショ!」

「じゃあ、もう1度キスしましょうよ〜」
「ヤダ!」
「まりっぺ〜」
「まりっぺ言うな」
「ね〜え、キスぅ〜」
「梨華ちゃん、キショ!」

まりっぺを追い回すあたし。

558 名前:涙をふいて・・・ 投稿日:2004/08/02(月) 23:16

「・・・・・ぐすんっ」
「梨華ちゃん・・・・?」
「キスして・・・」
「・・・・・・おまえ、ウソ泣きだろ!」

「エヘッ」
「『エヘッ』じゃないよ、『エヘッ』じゃ!」
「じゃ〜あ、キスしてください・・・」

「・・・・・・」
「まりっぺ、お願い・・・」

目を潤ませて矢口さんのことを見る。チャーミー、渾身のお芝居。

「わ、わかったよ。その代わり・・・」
「その代わり・・・?」

「梨華ちゃんの卒業を撤回したらキスしてもいいぞ」





「・・・も〜う、そんなに石川の側にいたいんですか〜。まりっぺ、ホントにあたしのこと好きなんですね」
「ち、違うって!」


「わかりました・・・」


まりっぺの正面に立つ。


「石川が卒業するまで毎日、キスしてあげますね」
「へっ!?」


矢口さんの頬にキスをする。

559 名前:涙をふいて・・・ 投稿日:2004/08/02(月) 23:17

「・・・うわっ、バカ!やめろ!キタナイ!キタナイ!」
「も〜う、ホントはしてほしかったくせにぃ〜」

「石川ぁ・・・」
「はい・・・・」

あれっ?本気で怒ってます?目がマジなんですけど。謝ったほうがいいのかな・・・?

「なんでくちびるにしないんだよ!」
「はい・・・・・・・・  はいっ!?」

「ちゃんとくちびるにキスぐらいしろよ!」

「えっ、えっ・・・でも、まりっぺ・・・」


「それと・・・」
「はい・・・」


「石川からだけじゃなくて、オイラからもキスするからな!ちゃんと身体かがめてよ!」
「えっ?」

「・・・だって、かがまないと、梨華ちゃんの方が背高いからオイラ届かないじゃんか」

そう言うと慌てて、あたしと目をそらす矢口さん・・・。

560 名前:涙をふいて・・・ 投稿日:2004/08/02(月) 23:17

「まりっぺ〜」
「何だよ」


「ホント、あたしのこと好きなんですね」
「キショッ!」
「ホントは好きなくせに」
「キショッ!」


いいも〜んだ。
矢口さんが石川に『キショ!』って言うのは、好きの裏返しなんですもんね。

いっぱい、キスしちゃいますね。
数え切れないほど。


『涙をふいて』・おしまい

561 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/02(月) 23:18
・・・とうことで短編をおおくりいたしました。
また、書ける限りきまぐれに書いていきたいとおもってるので宜しくお願いします。
562 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/10(火) 00:01
(^▽^)(〜^◇^)コンビ、好きなんで続き期待します。
563 名前: 投稿日:2004/08/13(金) 21:01
 家庭訪問
564 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/13(金) 21:01
「るんるんるんっ♪」

はーい、チャーミー石川です!
石川、今日はとってもご機嫌なんです。なんでご機嫌かと言うと・・・
そう、愛しきあの人が石川の家にお泊まりに来るんです。
だ・か・ら、今のうちにお掃除、お掃除♪

それにしても汚いナァ・・・
もっとキレイにしておけば良かった。


ピンポーン♪


あれれっ?どうやらもう来ちゃったみたいです。
ちょっと、まりっぺはや〜い!

565 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/13(金) 21:02
「は〜い」
「石川〜。おいらだよ、矢口」
「は〜い、今開けますね・・・」


ガチャッ


「も〜、まりっぺ逢いたかった〜ぁ」
「うあっ、いきなり抱きつくなよ!」
「だってぇ〜・・・ずっと楽しみにしてたんだもん」


そう、矢口さんったら、石川が
「家に遊びに来てくださいよ〜」って誘っても
「え〜、やだよ〜。だって汚いんでしょ〜」って言うんだもん。
3ヶ月かかってようやく約束を取ったんだから、もうチャーミー張りきっちゃいます!



「じゃあ、どうぞ」
「うん・・・・・おじゃましま〜す・・・」

記念すべき1歩です。

「どうですか?」
「ん〜・・・・ピンクばっかだけど、意外とキレイじゃんか」
「当たり前じゃないですか。石川はキレイ好きです!」


1週間も前から片付けたんだから。まぁ、お姉ちゃんに手伝ってもらってけど・・・。

566 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/13(金) 21:02
「そういえば、矢口さん」

2人でリビングのソファに座る。

「ん?」
「今日は珍しく、石川に『キショッ』って、まだ言ってませんねぇ・・・」
「・・・言われたいのかよ!」
「いやいや、そういう意味じゃなくてですねぇ。今日はいつもと違うなぁ・・・って」
「そう?」
「なんか緊張してるみたい」
「そ、そんなことないって」
「やっぱり、石川とお泊まりだから?」
「ち、ちが・・・」
「やっぱり、期待してるんですか?」
「だ、だから・・・」
「も〜う、まりっぺったら〜♪」

抱きしめちゃう!

「うぐぐっ・・・苦しい・・・」


はっ!あんまりきつく抱きしめちゃ、まりっぺ死んじゃうわ。

567 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/13(金) 21:02
「ところで矢口さん♪」
「な、なんだよ」
「晩ご飯、何食べます?」
「あ・・あ〜・・・石川の手料理以外なら・・・」
「石川の手料理がいいんですか?」
「い、いや。違っ・・・」
「石川、張りきって作りますね」
「だ、だから、外に食べに・・・」
「石川、頑張ります♪」


何か言いたげだったけど、
まりっぺのために石川頑張っちゃいます!



568 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/13(金) 21:03

えっと・・・(がちゃ、がちゃ・・・)




あれっ?   ・・・なんでこうなるのかな?(とんとんとん♪)




あっ、これ砂糖だった・・・ま、いっか♪(じゅ〜)




お醤油、お醤油・・・ないなぁ・・・じゃあ、代わりに・・・ごま油で・・(ササッ)




や〜ん・・・熱い〜・・・



・・・・・・

・・・・

・・・


569 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/13(金) 21:03

「・・・ちゃんちゃかちゃーん!まりっぺ、出来ましたよ〜♪」
「う、うん・・・(神様、おいら、生きていられるのかな・・・)」
「石川、苦労して作ったんできっとおいしいですよ♪」
「そ、そうだね・・・(神様、どうか、おいらを見捨てないで下さい・・・)」
「はい、ど〜ぞ」


「い、いただきます・・・」


パクッ・・・


もぐもぐ・・・



「どうですか?」
「!?」
「や、矢口さん!?」


「・・・ぅ・・う・・・」
「どうしたんですか!?」


「・・・た、食べれるな(ボソッ)」
「えっ?なんですか?」

「おいしいよ(食べれればいいや)」
「ホントですか〜。石川、嬉しいです♪」

石川、このあとの展開が楽しみになってきました♪

570 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/13(金) 21:04
お久しぶりです(でも、ないな)。とりあえず、今日はここまでです。
宜しくお願いします。
571 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/14(土) 00:44
続き続き続きが楽しみ♪
572 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/21(土) 19:39
――― ・・・

―― ・・

食事も終わり
只今、チャーミーと矢口さんは台所でお皿洗い中・・・。


「いや〜・・・ホント、死ななくて良かったぁ〜・・・」
「 ? まりっぺ、どういう意味?」
「ん?  ううん。こっちの話。なんでもない、なんでもない」
「 ??? 」


変なまりっぺ・・・あ、やっぱり緊張してるのかな?


「・・・それよりさ、お風呂は?」
「ウフフフ・・・今、つけてきましたよ♪」
「  ?  梨華ちゃん、なんか変だよ」
「ムフフフ・・・」
「・・・・ま、梨華ちゃんが変なのはいつものことか」


矢口さんったら、そんなこと言っちゃって。そんなこと言ってられるのも今のうちですよ。
まりっぺとお風呂の後は・・・・

キャッ!恥ずかしくて言えな〜い♪

573 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/21(土) 19:40



――― ・・・

―― ・・ 



・・・・・・さて、お風呂も上がってあとは(いよいよ)寝るだけです。


「明日さ、何時に起きる?」
「お休みだし、まりっぺと一緒だからゆっくり寝てた〜い」
「なんだよそれ・・・じゃ、一応セットしておくよ」
「うん♪ウフフ♪」
「な、なんか今日の石川、ホントにおかいしぞ」
「はやく、ベッドに行きましょ♪」
「う、うん・・・」

石川のベッドに2人で潜り込む。

「てかさ、なんでこの部屋冷房ついてないの?」
「健康のためですよ、健康のため♪」
「ただでさえ暑いのに、梨華ちゃんと同じベッドじゃ・・・」
「いいじゃないですか。もっと熱くイチャイチャしましょ」
「キショッ・・・もういいや、寝よ」
「うん♪おやすみ」
「・・・おやすみ」



矢口さん・・・
2人の夜は始まったばかりですよ♪


574 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/21(土) 19:40







あの・・・
やっぱり石川から声をかけるべきですかね?
まりっぺの方が年上なんだけど・・・

でも、石川から声かけたら
今回のお泊まりが下心丸出しだったってバレちゃうし・・・。

おねがい、まりっぺ。
自分に正直になって!






「・・・・・梨華ちゃん?」


えっ、うそ。石川の願いが通じたのか、まりっぺの方から声をかけてきました。

575 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/21(土) 19:40



「・・・梨華ちゃん・・・・好き・・・」




えっ?




や、矢口さんが、矢口さんが


『好き』って・・・


そして、あたしに抱きついてきたんですけどぉ〜


これって・・・・・もしかして・・・


いいってこと?



石川、ポジティブにいっちゃっていいんですかぁ〜!?



576 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/21(土) 19:41


「・・・・まりっぺ?」





「     くぅ〜・・・    」


あれ?


「まりっぺ・・・?」


慌てて寝返りを打って、隣の矢口さんを見る・・・。

あれ?あれれ?
まりっぺ・・・?

寝てる・・・

と言うことは・・・
なんだぁ・・・さっきのは寝言か・・ちょっとがっかりです。

でも・・・・
こうやってまりっぺに抱かれたまま朝が迎えられるだけ幸せです♪

石川も・・・あきらめて寝ますね。ちょっと、残念。




577 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/21(土) 19:42
ちょこっと更新です。

>>571 名無飼育 様
ありがとうございます。まったり、書いていきます。
578 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/24(火) 02:09
そ、そんなぁぁぁ・・・
それでいいのですか?
ポジティブ梨華ちゃん!
579 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/24(火) 18:59
>>578 名無飼育 様
ありがとうございます。ポジティブ梨華ちゃんは健在です。

それでは一気にラストまで、どうぞ。
580 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:00

翌朝・・・


「・・・梨華ちゃん」

んんっ・・

「梨華ちゃん!」

「んん・・・・矢口さん・・・」
「梨華ちゃん、朝だよ」

目を開けるとそこには愛しき矢口さんが微笑んでいました。

「もう・・・朝ですか・・・?」
「朝っていうか・・・もう、お昼近いんだけど」
「そうですか・・・・じゃあ、とりあえず・・・」

矢口さんに向かって目を閉じる。

「と、とりあえずってなんだよ?」
「決まってるじゃないですか。おはようのチューです」
「だ、誰がそんなことするか!」

矢口さんは顔を赤らめて、そっぽを向いてしまいました。
もう・・・素直じゃないなぁ。

581 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:00

「な、なんだよ。そんなにジロジロ見ないでよ」
「まりっぺ、昨日、寝言でなんて言ったか知ってます?」
「寝言でしょ。わかるわけないじゃん」

ウフフフ♪そうだよね。寝言っていうのは、本人は何言ったのか覚えてないんだよね。
でも、ウソはつけないんだよ。あれがまりっぺのホントの気持ちってこと。


「まりっぺね。昨日、寝言で『梨華ちゃん、好き・・・』って言ったんだよ」

「お、おいらそんな寝言言ってないぞ」

まりっぺったら、慌てちゃって・・・。

「言ってましたよ〜『好き』って」
「言ってないから」
「言ってました〜」
「言ってない」


「もう・・・素直じゃないんだから」
「素直じゃないのは・・・」
「はっきり言ってくれて良いんですよ。『梨華ちゃん、好きだよ』って・・・」


矢口さんをじっと見つめる。

582 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:01





「だから・・・・そのね・・・寝言じゃなくて・・・・」





「寝言じゃなくて・・・?」





「・・・おいら、その時、ちゃんと起きてたもん」






「・・・・・・はい?」

583 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:01


「おいら、起きてたもん」




「じゃ、じゃあ、つまり・・・」

「おいらのホントの気持ちを言っただけだもん・・・。言ったはいいけど、恥ずかしくなってきちゃったから寝たふりしたんだ・・・」

「まりっぺ・・・・」


矢口さんはますます顔を赤らめています。かわいい・・・。
でも、これって・・・・もしかして・・・・・絶好のチャンス?



584 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:01

「・・・・じゃ、もう一回言ってくださいよ」

「や、やだよ。恥ずかしいから」

「石川と面と向かって、言ってください!」

「だから、恥ずかしいって・・・」


矢口さん!もう石川のポジティブパワーは、矢口さんのあの一言で朝から満タンなんですよ!


「さもないと・・・」

「?」

「もっといろんなこと言わしちゃいますよ♪」


ゆっくり、矢口さんの体をベッドに押し倒す。


「・・・って、うわ!おいっ・・・」



585 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:02


・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・








「・・・・真里ちゃん、かわいかったよ」

石川梨華。朝っぱらから愛しき矢口真里さんの全てを頂いちゃいました♪

「石川、上手でしたか?」

「おいら、嫌だったのに・・・」

「そんなこと言って・・・自分から腰動かしてたくせに」

「おいら、そんなつもりじゃ・・・」

「色っぽい声で・・・『梨華ちゃん、好きだよぉ!好きだから早く触っ・・・』」
「うわ!それ以上、言うな恥ずかしいから!!」


えへへへっ・・・
と・に・か・く
今回のお泊まりは最高の収穫です♪








586 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:02

「まりっぺ、もう一回しよ」
「・・・・・・やだ」
「ね〜え・・・・・」
「ダメ・・・」
「ケチ」
「えっち」
「あ〜、ひど〜い。あんなにさっきは素直になってくれたのに・・・」
「おいらはいつも素直だもん」
「・・・・じゃ、もう一回♪」


「・・・・・仕方ないなぁ・・・」
「キャッ♪まりっぺ、大好き♪」











「でも、今度はおいらからだよ♪」


「えっ・・・?」





好きな人とこんなお休みの日の過ごし方もありかな・・・?

恋人たちを包む夏の日差しがほんの少し優しくなった。
季節は確実に秋に向かっている。


587 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:03

『家庭訪問』・おしまい

588 名前:家庭訪問 投稿日:2004/08/24(火) 19:03
・・・・・・・・・・・・
589 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/24(火) 19:04
おしまいです。一応、あげます。
590 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/24(火) 21:19
いいなー・・・、最中の事も知りたいな♪
591 名前:書いてる人 投稿日:2004/08/26(木) 18:26
>>590 名無飼育 様
ありがとうございます。(^▽^)<最中は秘密♪

実はあと一つ書かせていただきたいのですが、
それで本当におしまいにしたいと思います。最後なんでエロになるかもしれません。まぁ、いいか。最後だし。
592 名前:・・・ 投稿日:2004/08/27(金) 17:47

矢口さんが主人公のお話です。はっきり言って、エロなんでsageでお願いいたします。


タイトル:多角形の関係図
593 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:48




「・・んっ、あぁ・・・真里ちゃぁん・・・・」
「梨華ちゃん、いいんでしょ?」
「うん・・すごくいいよぉ・・・」


おいらは、梨華ちゃんのオンナノコの部分に顔をうずめた。梨華ちゃんは今にもイキそうな顔をしている。もうちょっとだからね・・・・梨華ちゃん。もうちょっとで天国に行っちゃいそうなほど気持ち良くなるからね。


「・・・んんっ・・ぁ・・・」
「梨華ちゃん・・・」
「まぁりちゃぁん・・・・」


指と舌の動きを早める。梨華ちゃんの顔から一瞬、力が抜けた。それが気持ち良くなる合図。
そのとたんにおいらの顔は、梨華ちゃんから溢れたものでいっぱいになった。


「梨華ちゃん、好きだよ・・・」


そう言って、ベッドにぐったりと横たわっている梨華ちゃんの頬に優しいキスをした。梨華ちゃんは、ふにゃっとした力の抜けた顔で笑った。


594 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:48


・・・いつからだろう、おいらにとって梨華ちゃんがこんなにいとおしい存在になったのは。
・・・いつからだろう、梨華ちゃんとおいらがこんな風な恋人同士になったのは。

別に告白したわけでもないんだ。ただお互いを愛してしまったわけ。
ただそれだけ。
それだけで十分。







それだけで十分だったのに・・・
なのに・・・こんなことになってしまうなんて・・・。








595 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:49

ここは某テレビ局の楽屋。
収録も終わり帰り支度をしていると・・・

「矢口さん、今晩空いてます?」
「今晩?」
「はい。もし空いていたら、一緒にご飯でも行きません?」
「う〜ん・・・・」


今晩、か・・・。まぁ、今日は梨華ちゃんにラジオのお仕事があるから夜は2人でいられないんだよね。だから、おいら1人。まぁ・・・たまには、いいか。


「うん。いいよ、よっすぃー。どこ行くの?」



よっすぃーの誘いを簡単に承諾してしまった。
だけど、おいらのこの判断がそもそもの間違いだった・・・。




だって、だって・・・・
おいらは本当にご飯食べるだけだと思ってたんだもん・・・








596 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:49


「・・・いや〜、すっごくオシャレなお店だったね」
「はい。まいちゃんに教えてもらったんです」
「ふ〜ん・・・おいらも覚えとこっと」
「どうぞ、どうぞ(笑)」
「じゃ、よっすぃー、明日も仕事頑張ろうね♪」


おいらは、家路に着こうと帰り支度を始める。ところが・・・


「あの・・・矢口さん。矢口さんに連れて行きたいとこがあるんですけど・・・」
「へっ・・・おいらに?・・・てか、今から?」
「はい・・・。ダメですか?」
「う〜ん・・・ま、いいよ。どこに行くのさ?」




お店を出たおいらは、よっすぃーの言われるままタクシーに乗った。
そして、着いた場所は・・・・



そして

そして・・・



いつのまにか、おいらはベッドの上で裸にされてたんだ!


597 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:50


「矢口さん・・・」
「ちょ、ちょっと待って、よっすぃ―!おいらには梨華ちゃんという恋人がいるんだか・・・・・むぐぐっ・・・」

よっすぃーに唇を塞がれる。

「知ってますよ。矢口さんと梨華ちゃんが付き合ってることぐらい」
「じゃ、じゃあ・・・」
「私も矢口さんが大好きなんです」
「えっ、ええっ?で、でも・・・」
「梨華ちゃんから矢口さんを奪い取りたいんです」
「お、おいらは梨華ちゃんが好きなんだって!」
「まだ言うんですか?もう観念したらどうです?」
「い、いやだ!」


そう、裸にされたおいらはよっすぃーに体中を触れまくったんだ。あんなとこや、こんなとこ、オンナノコの大切なとこまで・・・。そして、おいらがイク寸前にその手を止めたんだ。


「体は正直なんですよ・・・」
「イ、イヤなもんはイヤだぁ!おいら、梨華ちゃんが好きなんだ!」


よっすぃーは再び、おいらの胸を揉み始めた。


「ほら・・・こんなに硬くなってる・・・」
「な、なってなんかないやい!」
「ここもヒクヒクしてますよ・・・」


よっすぃーの手がおいらのオンナノコを部分を刺激した。

598 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:50

「うわっ・・ぁん」


あまりの気持ち良さに声をあげたが、おいらは両足を強く閉じた。


「正直になりましょうよ、矢口さん・・・」





うぅぅっ・・・梨華ちゃん・・・・

助けて・・・・おいら・・・・このままじゃ、壊れちゃうよ・・・

















(ごめんね・・・梨華ちゃん・・・)







599 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:50



「よっすぃー・・・・」

「なんですか?」





「その・・・・・おいら、もう我慢できない・・・」
「そうですか」


嬉しそうな顔をして、おいらに顔を近づけるよっすぃー。


「じゃあ、何をして欲しいんですか?」

「そ、その・・おいらに・・・・いれて・・・」

「何をですか?」

「よっすぃーの指・・・・」

「どこにですか?」

「そ、それは・・・・・」

「私にちゃんと見せてください」


おいらは顔を赤らめながら、ゆっくりと両足を開いた。そこはもう・・・おいらのえっちなもので溢れていた。


「ここに・・・・よっすぃーの指を・・・」


おいらはそのまま、オンナノコの部分をよっすぃーに突き出す。
あぁ・・・おいら、なんて恥ずかしい格好してんだろ。


「・・・・やっと正直になってくれましたね」


よっすぃ―が満面の笑みを浮かべた。

600 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:51

ゆっくり、ゆっくり、よっすぃーがおいらの中に入っていく。


「んっ、んんっ・・・・・・」


「動かしますね」

「う、うん・・・」


ホントになんでこんなことになっちゃったんだろう・・・・・。




「あぁッん・・いいッ・・・・」










そのあと、おいらはよっすぃーに攻められっぱなし・・・・。何度も何度も・・・。恥ずかしいこともいっぱい言わされちゃったし・・・。もうおいら、ぐったりだよ・・・。


601 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:51

「矢口さん」
「んん・・・・・」
「今日はありがとうございました」
「うん・・・・・・」
「ごめんなさい・・・。なんか無理やりでしたね」


よっすぃーは、やさしく髪をなでてくれた。
なんでだよ・・・。さっきまであんなにいじわるだったのに、なんで今はそんなに優しいんだよ。


「今日のこと・・・梨華ちゃんには言いませんから」
「うん・・・」


そりゃ、そうだ。無理にされたのに(まぁ、最後のほうはおいらも欲しがっちゃったけど・・・)言われちゃ、こっちだって困る。


「でも・・・」
「でも・・・?」

「私は矢口さんのこと好きですから・・・あきらめませんから・・・」

「無理だよ・・・おいら、梨華ちゃんのことホントに好きだもん・・・」

「はい・・・。でも、この気持ちだけはどうしても伝えておきたかったんです」



602 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:51

腰が抜けてしまったおいらはよっすぃーに服を着せてもらい、タクシーを呼んでもらった。


「ホントに矢口さん、ごめんなさい」
「ううん・・・もう、いいよ」

「あの・・・」
「ん?」
「矢口さんって、いっつもあんなに大きな声だすんですか?」
「よ、よっすぃー・・・」
「あっ、ごめんなさい。つい・・・・・。タ、タクシー来ましたよ」
「うん。じゃあね・・・また明日・・・」
「はい・・・おやすみなさい・・・」
「うん・・・・おやすみ・・・・」


「矢口さん」
「何・・・・っん!?」


おいらは、よっすぃーにさっきとは全然違う優しいキスをされた。


「じゃ、じゃあ、おやすみなさい・・・」


恥ずかしそうに走り去って行くよっすぃー。
おいらはそのキスのあまりの心地よさに呆然としたままその場に立ちすくんだ。


でもこれが物語りの序章にしかすぎなかったことに気付いたのは、もっとずっと後のことだった。


603 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:52
・・・・・・・・・・・・
604 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:52
・・・・・・・・・・・・
605 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/27(金) 17:52
とりあえずここまでです。

(相関図・その1)
矢口 ⇔ 石川

吉澤

606 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:32



おいらがよっすぃーに告白(などを)された次の日・・・。
いつものように慌しくお仕事を終えて、おいらは疲れきって楽屋に帰ってきた。

「はぁ〜・・・しんどかったぁ・・」

楽屋に飛びこむと畳の上にそのままごろんっと横になった。

「矢口さん、すっかりオバサンですね」
「だってさ〜、ミキティ。おいらはちっちゃいから、人の2倍も3倍も動かなきゃいけないだもん。疲れるって」

くるりと寝返ってミキティの方を見る。

「美貴も背は小さいですよ」
「へぇ〜・・・『背は』ね〜?」

おいらの視線は、梨華ちゃんと比べたらかわいそうなミキティの・・・・・・




「・・・・・・矢口さん♪いくら先輩とはいえ、殺しますよ♪」
「じょ、冗談だって・・・あははははっ・・・」

今のミキティの顔は笑顔だったけど殺意に溢れてた・・・。やっぱり、この話題は避けたほうがいいんだな。本人も相当気にしてるみたいだ。

607 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:32

「あ、そうだ、矢口さん。今夜、ご飯食べに行きません?話したいことがあるんです」
「えっ、今夜?」
「はい、空いてます?」


おいらは一瞬、嫌な予感がした。まさか、昨日みたいに(あんなことやこんなこと、そんなことまでに)なるのではないか・・・。
・・・とはいえ、今日誘ってきたのはミキティだ。ミキティに限ってそんなことないか。この娘は、あ−みえて常識はわきまえている。


「あのさ・・・」
「なんですか?」
「梨華ちゃんも一緒でいい?」

おいらのこの質問に顔をゆがめるミキティ。

「梨華ちゃんですか?出来れば、矢口さん1人の方が・・・・」
「お願い!!」
「・・・・まぁ、いいっか。梨華ちゃんが一緒でも良いですよ」
「そう。じゃあ、梨華ちゃんも誘うね」


梨華ちゃんが一緒ならとりあえず安心。よっすぃーもミキテイも、おいらの力じゃかなわない相手だからね。無理やりにこられたらひとたまりもない。



608 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:33

昨日のよっすぃーのセレクトは、それなりにオシャレなお店だったけど、このメンバーじゃ・・・・





「焼肉、焼肉ぅ〜♪」

ま、当然か。ミキティ、梨華ちゃん、おいらだもんね。
タン塩をあみにのせる。

「で、なんだよ。話したいことって」
「はい・・・それなんですけど・・・」
「うん・・・・あっ、梨華ちゃん!それおいらのカルビだぞ!」
「ふふ〜ん。もう、遅いで〜す♪いただきま〜す♪」
「あぁぁ・・おいらのカルビが・・・」


「・・・・あの聞いてます?」


「うん、聞いてる、聞いてる」
「聞いてるよぉ〜」
「それでですね・・・・・って、矢口さん!それ美貴の馬刺しですよ!」
「え〜、いいじゃんか〜。少しくらいちょうだいよ〜」
「ダメです!美貴が食べるんです!


・・・・・・あの、とりあえず、話が進まないんで食べるのやめません?」



「うん・・・・そうだね。ミキティ、ごめん・・・。話ってやつを聞こうじゃないの」

「はい・・・・」

「それでなんの話なの?」



609 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:33





「・・・・・・恋の相談なんです」







「こ、こいぃー!!??」
「梨華ちゃん、声デカイ!!」



「でも・・・・み、美貴ちゃんが恋?」
「しちゃ悪い?」
「いや、いいけど。なんか変な感じ・・・」

「だから、矢口さんだけに相談したかったのに・・・」
「真里ちゃんと石川は運命共同体なの♪」

梨華ちゃんがおいらに抱きついてきた。胸がおいらの顔に当たる。よし、このまま押し倒して・・・って!

「・・・それでだ。相手は誰なわけさ」

冷静を保って聞いてみる。
松浦か?それとも、他のメンバーなのか・・?




「はい・・・その・・・(ごにょごにょごにょ・・・)」


ミキティが前に乗り出しておいらと梨華ちゃんの耳元まで来て、その人の名前を告げた・・。



610 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:33






「・・・・・み、美貴ちゃん、よっすぃ―のことが好きなの!!!???」
「だ、だから、梨華ちゃん、声デカイって!!」



そうかそうか、ミキティはよっすぃ―のことが好きなのか・・・。って、よっすぃーって、おいらのことが好きなんだっけか・・・。
どうしよう・・・。


「へぇ〜、美貴ちゃんがよっすぃ―をねぇ・・・」
「な、なによ」
「だって、ちょっと、意外なんだもん」
「意外で悪かったね」
「大丈夫。石川と真里ちゃんで応援するから、ね♪」
「ホント?」
「ホントだって。ねぇ、真里ちゃん♪」
「う、うん・・・おいらも応援するよ」


・・・・応援するって言っても、ミキティのそのお相手がおいらのことが好きなんだよね・・・。この先、どうすんだ・・・・?






611 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:34

それでその後どうなったかって?
そりゃ、大変だったよ。ミキティが自分の想いを打ち明けちゃったもんだから、テンションの高いこと、高いこと・・・。やっとのことでお開きしたと思ったら、今度は酔っ払った梨華ちゃんがおいらにせまってきて・・・・・。梨華ちゃんの部屋をあとにした頃には、もう日付が変わっていた。

と、ここで

♪♪♪♪♪

ん、おいらの携帯が鳴っている。ディスプレイにうつし出された名前は・・・


(着信) 吉澤 ひとみ


へっ?よっすぃーからだ。なんだろ、こんな時間に?


「はい、もしもし」
「あっ、矢口さん。やばん遅くにすみません・・・」
「うんうん、別にいいけどさ」
「あの・・・ですね」
「うん・・・・・」


「矢口さんの声が聞きたかっただけです」


「へっ?」
「なんか矢口さんの声、聞いたら安心しました。それじゃあ、また明日。おやすみなさい」
「ちゃ、ちょっと、よっすぃー・・・」


ツー、ツー、ツー・・・・


なんだ今のは?せいぜい15秒のために電話したのか?



・・・・昨日は変なことされたけど、なんだかんだ言ってよっすぃーはかわいいやつだよ。
ま、おいらの梨華ちゃんには負けるけどね〜♪
そうだ、ミキティとよっすぃーをくっつければおいらにも平和が訪れるかも・・・。どうすれば、よっすぃーはおいらじゃなくてミキティを見てくれるかな・・・?よーし、作戦をねっとこ♪

612 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:34
・・・・・・・・・・・・
613 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:35

(相関図・その2)

矢口 ⇔ 石川

吉澤 ← 藤本

614 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/30(月) 19:35
ここまで。
615 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/30(月) 21:01
ヤグ、呑気に考えてる場合じゃ…
616 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/30(月) 21:30
いいですなー、こういうのってけっこうおもしろくて好きなんです
頑張ってくださいな
617 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/31(火) 20:38

>>615 名無飼育 様
ありがとうございます。
(〜^◇^〜)<呑気に考えてたらこんなことになってしまった!!(笑)。

>>616 名無飼育 様
ありがとうございます。はい、十二分にがんばらさせて頂きます。

では、続きをどうぞです♪

618 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:38

さてと、
おいらが考えに考え抜いた作戦、『よっすぃーがおいらのことをあきらめて、ミキテイと付き合っちゃえ的な作戦』(長!)が完成!!
では、具体的な内容を

1.よっすぃーをとにかくミキティに近づけさせる。
2.ミキティの魅力を存分に見せつける。
3.ミキティがよっすぃーのことが好きなのを気付かせる。
4.2人きりの空間にもっていく。
5.ミキティの積極性で一気によっすぃーをベッドイン♪

・・・・・・これだけやれば、うまくいくでしょ。これだけやればって、行きつくところはアレなんだけどね。
さ〜て、作戦を書いた紙を持ってミキティのもとへ持っていこ。



とても楽観的なおいら。でも、こんなに簡単によっすぃーの心がおいらからミキティに変わるわけはないわけで・・・。


619 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:39

ミキティを探しながら歩いていると、突然後ろから誰かが抱きついてきた。

「矢口さ〜ん♪」
「うわっ」

慌てて後ろを振り向く。抱きついてきたその娘の笑顔がそこにあった。

「よ、よっすぃー・・・」

ヤ、ヤバイ!作戦の紙、隠さなきゃ!

「おはようございます」
「お、おはよう」
「矢口さん。今、何をポケットに隠したんですか?」

「な、なんでもない・・」
「ふ〜ん・・。なんでもないなら見せてくださいよ」
「そ、それはちょっと・・・」
「私には見せれないんですか?」
「ちょっと秘密の内容なんだ・・・」
「秘密なんですか・・・。秘密って、言われるとねぇ」

よっすぃ―がふにゃっと笑う。イヤな予感・・・。

「見たくなるのが人間ってやつですよ」


620 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:39

よっすぃーの両手がおいらの胸を触り始める。あまりの快感に思わず力が抜けてしまった。すると、よっすぃーはおいらのポケットから作戦の書かれた紙を取り上げてしまった。


「あっ、ダメ・・・・!」
「えー、なになに・・・・『よっすぃーがおいらのことをあきらめて、ミキテイと付き合っちゃえ的な作戦』・・・?」

よっすぃーは熱心にその文章を読み始めた。最初はマジメに読んでたけど、だんだん顔がにやけてきて・・・。

「・・・矢口さん」
「は、はい?」
「これ、矢口さんが書いたんですか?」
「まぁ、そうだけど」
「ひどい内容ですねぇ。こんなんじゃ、私は落ちませんよ」
「あははははっ・・・・そ、そうだよね」
「しかも、こないだ言ったじゃないですか。私は矢口さんが好きなんだって・・・」
「そ、そうだけど・・」
「美貴ちゃんが私のことをどう想おうとかまいませんが、私が好きなのは矢口さんなんです」

そう言うと、よっすぃーの左手がおいらのシャツを捲り上げて中へと入ってきた。と、同時に右手はショーツの中へ・・・。


621 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:39

「ぃやんっ・・・よ、よっすぃー、ここ廊下の真ん中だよぉ・・・」
「そうですね・・・・じゃあ、ここに入りますか」


薄暗い部屋の中に連れて行かれる。ここは・・・・多分、倉庫なんだろう。いろんなものが所狭しと置かれていた。コント用のセットも見える。

・・・・・・って、よっすぃー!おいら、いきなり押し倒されたんですけど!!


「矢口さん・・・」
「え、ええ、ええっ、ちょっとぉ・・・」

よっすぃーのあまりに大胆な行動においらは、涙目になっていた。

「そんな目をするとますますやる気になっちゃいますよ」
「やっ・・・」

着ていたもの全てを脱がされ、おいらは生まれたまんまの格好でその場に寝かされた。

「んっ・・・ぁ」

よっすぃーの舌がおいらの口に入ってくる。おいらも無意識のうちに舌を絡める。呼吸できない・・・。それでも、よっすぃーはやめようとしなかった。


「んぐぐっ・・」


お互いの唾液でベトベトになる。
いよいよ、よっすぃーの手がおいらの中心へとのびたその時だった。


622 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:40





   ♪♪♪♪♪





け、携帯?この着信メロディはおいらのじゃない。ということはよっすぃーの携帯だ。よっすぃーはおいらの上に覆い被さったまま携帯を取り出す。


「はい」
(あ、よっちゃん。ちょっとさ〜、聞いてよ〜)


電話から溢れてくる声はおいらにもすぐわかった。カントリーのまいちゃんの声に間違いない。


「あのさ、今、手が離せないんだけど」
(はい?手が離せないって、何してるのよ)
「ちょっと、お取り込み中なんだよね」


よっすぃーは携帯を持っていない左手でおいらの胸を触ってきた!


623 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:40

「・・・んぁ・・・はぁん・・・」


(えっ・・・なんか今、変な声が聞こえたんだけど)
「そう?気のせいじゃん?」


さらに強くなぞるように触ってきた。


「ぁあんっ・・・よ、よっすぃ〜・・・」


(!?  絶対、今聞こえたって!誰かいるでしょ!)
「はぁ〜。気のせいじゃん」


が、おいらはここでお得意のわめき声を上げた。


「ぎゃー!!ぎゃー!!!よっすぃーのヘンタイ!!えっち!!!すけべぇ!!!」

「!?」


よっすぃーの耳元で怒鳴ったもんだから、よっすぃ―が左へよろめいた。
おいらはその一瞬の隙をついて、よっすぃーの手からするりと逃げ出した。

624 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:40

「あっ!矢口さん!!イテェッ☆」
(ちょ、ちょっとぉ、何、今の?めちゃくちゃ響いたんだけど!)

よっすぃーはセットに足をぶつけて転んでいる。おいらは急いでショーツをはいて、服をはおると勢いよく部屋を飛び出した。

「ごめん!まいちゃん、また後で電話する!」
(え、なに・・・・)  ピッ♪

よっすぃーもすかさずおいらを追いかけてきた。でも、おいらの足の速さじゃ、勝負にならない。すぐに追いつかれてしまう。どこかに隠れないと・・・。
とっさにおいらは近くにあった給湯室に隠れこんだ。


625 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:41


タタタタタッ!!


近くを走る足音がする・・・。と、ここで誰かを見つけたらしい。急に足音が止まった。


「あっ!愛ちゃん。矢口さん、見かけなかった?」
「矢口さんですかぁ?さぁ、見なかったでぇ」
「そうか・・・。ありがと!!」


よっすぃーは再び、走り出して階段を上がって行ってしまった。








・・・・・・はぁ〜、助かったぁ〜。もうちょっとでよっすぃーにやられちゃうとこだった。


すると・・・・・・




626 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:41



「・・・・・矢口さん」

ん、誰かが給湯室に入ってきた。薄暗くて誰だかわからない。

「・・・・矢口さん」

はて、ホントに誰だ?
よく見ると・・・・・高橋だった。

「矢口さん」
「た、高橋」

「もう、吉澤さん、行っちゃいましたよ」
「高橋・・・・おいらがここに隠れたの知ってたの?」
「はい」

なんだ・・・・・・知ってたのかぁ。知ってたけど、よっすぃーにはウソをついてくれたみたい。

「でも、高橋がウソついてくれたおかげで助かったよ」

とりあえず、おいらはまだ着れていなかった服を着る。思えば、ほどんとショーツ1枚で逃げてきたことになる。

627 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:41

「あの・・・・・・矢口さんと吉澤さん、何してたんですか?」
「へっ?」
「矢口さん、吉澤さんと倉庫の中に入っていきましたよね」
「う、うん・・・」

「そして、出てきたときにはその格好・・・」

うっ!
そんな疑いの目でおいらを見ないでおくれ・・・。そんなに純な目で見られると・・・。




「・・・・・・・わかったよ。高橋には本当のこと言うよ」

おいらは今日の出来事を話し始めた。



「おいらと梨華ちゃんが付き合ってるのは知ってるよね?」
「はい」
「でもね、よっすぃ―が・・・『矢口さん、私を好きになってください』って、襲ってきたんだ」
「・・・・・・」
「おいらも抵抗したんだけどね。でも、よっすぃー、力あるじゃん。だから、全部、脱がされちゃった」
「そうなんですか・・・・」
「あっ、これ、梨華ちゃんには内緒ね。あとあと、うるさいから」

梨華ちゃん、浮気と勘違いされちゃうからね。

628 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:42

「・・・・・吉澤さんは矢口さんのことが好きなんですかぁ?」
「そうなん・・・じゃん。そうじゃなかったら、おいらを襲うことないじゃんか」
「でも、矢口さんは・・・・」
「おいらは梨華ちゃんが好きだもん。よっすぃーには悪いけどね♪」


おいらはにこっと笑って見せる。が、高橋の顔は物凄くダークになっていた。と、いきなり・・・


「それって、おかしいと思います!」



「ふぇっ?な、何が?」
「だってぇ、矢口さん裸になったんですよね」
「だから、それはよっすぃ―が無理やり・・・・」


「裸にされたっつーことは、矢口さんも少しその気があったんじゃないですかぁ?」
「そ、そんなことないって。おいらには梨華ちゃんが・・・・」
「だって、おかしいです。抵抗したのに裸にされるなんておかしいじゃないですかぁ。・・・・・・もしかしたら矢口さん、ホントは吉澤さんとしたかったんじゃないですかぁ?」

629 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:42

「た、高橋・・・・」


この娘はかわいらしい顔をしてとんでもないことを口走る。よっすぃーとしたかった?とんでもない。おいらはつくすタイプだよ。梨華ちゃん、一筋に決まってるじゃんか。


「とにかく・・・・・」

高橋は、ゆっくりと立ちあがった。

「吉澤さんは渡さんでぇ!」





・・・・・・へっ?あの・・・それって、もしかして・・・・

もしかして?

もしかして?



「あーしは吉澤さんのこと好きや!」



630 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:42
・・・・・・・・・・・・
631 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:42

(相関図・その3)

矢口 ⇔ 石川

吉澤 ← 藤本

高橋

632 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/08/31(火) 20:43
ここまでです♪高橋さんの方言が相変わらずイマイチですみません。
633 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/31(火) 22:08
大丈夫ですよ。これからどれだけ多角形になるのか楽しみにしています
634 名前:書いてる人 投稿日:2004/09/02(木) 20:34
>>633 名無飼育 様
ありがとうございます。もうちょい関係が複雑になります。

では、続きです♪
635 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:34

いや〜。とんでもない展開だぁ〜。
ミキティがよっすぃーのことが好きで。
高橋もよっすぃーのことが好きと。
これだけだったら、いわゆる三角関係なんだよね。
だけど『その続き』があって、2人から好かれているよっすぃーがおいらにくぎったけ・・・。

まぁ、悩んでも仕方がないしんだよね〜。
どう頑張ってもおいらは梨華ちゃんが好きだし。
この気持ちは変わらないし。

「ねぇ、梨華ちゃん。今日も家に行っていい?」
「え〜、だって昨日も泊まったじゃない」
「いいじゃんか〜。もう同棲みたいなもんだよ」
「ウフフフ。そうかもね♪」
「しかもさ。そうすれば、毎日・・・・」

毎日ねぇ。ベッドの上で愛し合えるのに〜♪

「何考えてるの〜。真里ちゃんのえっちぃ〜」
「梨華ちゃんもね」
「あたし、変なこと考えてないもん」
「へぇ〜。変なこと?変なことってどんなこと?」
「それは・・・・・・」
「それは何?おいら、知りたいなぁ〜」

梨華ちゃんを見るとみるみるうちに顔が赤くなってきている。なんとも単純だこと。

636 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:34

「顔が赤いってことは、梨華ちゃん。なんかイヤらしいこと考えてない?」
「そ、そんなこと考えてないって!」
「ふぅ〜ん・・・・・・」

わかりやすいなぁ・・・・・梨華ちゃんは。

「ホントに?」
「考えてないってばぁ」
「ホントにこんなこと考えてない?」

おいらは梨華ちゃんの膨らみを服の上から揺すってみた。


「ちょっ・・・・やめてよぉ」
「やめない」
「んああ・・」
「梨華ちゃんが正直に言ってくれないとやめないよーだ」


梨華ちゃんの顔が気持ちいい時の顔になってきた。なんだよぉ。感じてるんじゃん。


「梨華ちゃん、かわいいよ・・・」


おいらの手がさらに先に伸びようとしたその時だった。


637 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:35


「やぐっつあぁぁぁぁ〜ん!!!」



ヤ、ヤバイ!!遠くから誰かがおいらを呼んでいる(むしろ、叫んでいる?)。よっすぃ―が昨日の続きをしに来たのか?
とにかく梨華ちゃんの胸から手を離さないと。・・・・・名残惜しいよぉ。

それにしても誰だ・・・・・・あ゛っ!あれは・・・・・・



「やぐっつあぁぁぁぁ〜ん!!!」



ドン!!☆★



おいらの名前を叫んだあげく、タックルしてきた人物。普通は辻ちゃん?と思うけど、辻ちゃんだったらおいらじゃなくて、梨華ちゃんに突っ込んでくるはず。おいらに突っ込んできたその人物とは・・・・・。


「アイタタタ・・・何すんだよぉ、松浦ぁ〜」
「すきがありすぎです!しかも、昼間っからイチャイチャ、イチャイチャ・・・」


そう、おいらのラジオの師匠・松浦亜弥。

638 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:35

「亜弥ちゃん、おはよう。今日は亜弥ちゃんもここなの?」
「梨華ちゃん、おはよ〜♪そうです。松浦もここでお仕事なんです♪」

出た!!いつものニッコニコ営業スマイル。
これで世の中の男性を虜にしているのか・・・。

「で、なんだよ。朝っぱらから〜」
「あ、そうそう、やぐっつあん。お仕事終わったら、ちょっと松浦の楽屋に来てくださいよ」
「お仕事終わったら?同じ時間に終わるのか?」
「だって、同じスタジオじゃないですか」
「あれ?そうだっけ?」
「そうですよぉ。しっかりしてください。じゃあ、待ってますねぇ♪」
「ちょっ、松浦。だれも行くなんて・・・・・」

そう、誰も行くなんて言ってないのだ。しかし、師匠の背中はすでに遥か遠く・・・・。


「もう、仕方ないなぁ・・・・。じゃあ、梨華ちゃん。悪いけど、お仕事終わったら先帰っててくれる?」
「うん。別にいいけど・・・・真里ちゃんも大変だね」
「あはははっ、大したことないと思うけど」


まったく・・・・・おいらに用事があるのかな?なんだろう?



・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・


639 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:35

その日のお仕事は終了♪

おいらは松浦に連れられての『松浦亜弥・様』と書かれた楽屋の中に入る。


「も〜、なんだよ〜」
「まぁまぁ。とりあえず、上がってください」


松浦はそう言いながら、楽屋のドアのカギを閉めた。
・・・てか、なんで閉めてるの?普通、楽屋のドアのカギは閉めないんだけど・・・・・。


「座ってください」
「うん」
「・・・・・・・じゃあ、松浦、単刀直入に言いますね」
「うん・・・・・」





「好き♪」





「ふぇ?」



い、今、何て言った松浦?


640 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:36

「・・・・・やぐっつあんのこと好き」
「好きって、  松浦が?」
「そう♪松浦、やぐっつあんのことが好きになっちゃいましたぁ!!」

「ちょ、ちょっと待ってよ。」
「待てません♪」

ホント何言ってんだ、この娘は?変なところは梨華ちゃんそっくりだけど、タイプが全然違う。梨華ちゃんはきちんと周りを見るタイプ。松浦は自分を中心に考えるタイプ。だから、おいらは梨華ちゃんが好きになった・・・って、そんなことはどうでもいい話。
それより、この状況!!
松浦は、上目づかいをしながらこっちにやってくる。この娘、無意識でやってるのだからまた怖い。

「やぐっつあ〜ん♪」
「な、なんだよ?」

「やぐっつあん・・・松浦のおっぱい触ってください」
「なっ!?」

無理やりおいらの手を松浦の胸に当てさせる。
ちょっと、そんな色仕掛けをされてもおいらは・・・・・

おいらは・・・・・

・・・・あ、あれ?あれれっ??
松浦のおっぱい、梨華ちゃんのより柔らかいんだけど・・・。

641 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:36

「やぐっつあん、手つきがかなり怪しいんですけどぉ」
「へっ?」


おいらはいつのまにか両手でしっかりと松浦の胸に触れていた。お、おいらとしたことが!梨華ちゃんという存在がいるのに・・・。


「どうですかぁ?もっとぉ、松浦に触れてみたくなったんじゃないですか?」
「そ、そんなことないって!」
「うそ〜♪やぐっつあん、えっちだからそんなことないとないと思うけどなぁ〜」

そう言うと松浦はゆっくりと上着を脱ぎ始めた。
・・・・・・・って、おい!何考えてんだよ!
そんなことしたって・・・そんなことしたって・・・
でも・・・
おいらは、ブラから溢れそうなおっぱいに思わず釘づけになる。

「やぐっつあんがはずしていいよ」

上着を脱いだ松浦がのブラを突き出す。フロントホックをはずせと言うのだ。

おいらはそんな気はないって!
そんな気は・・・・
そんな気は・・・・



「ヤダ。やぐっつあんの手、震えてるぅ〜」



・・・・・そんな気はあったみたい。だって、梨華ちゃんのより柔らかいんだもん。


642 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:36

ブラをはずすとついに松浦のおっぱいが溢れた。


「やぐっつあん・・・・・直に触っていいよ・・・」

無言でうなづくと松浦のおっぱいを触り始めた。やっぱり、すんごく柔らかい。でも、しっかり締まってる。なんだこいつの胸は?

「・・・んんっ」

「ねぇ・・・まっつぅ〜のおっぱい硬くなってるよ」


おいらは手のひらで松浦の蕾を転がした。


「それはね・・・・やぐっつあんが上手だから♪」
「そう?」


上手って、言われるとおいらも悪い気はしない。やっぱり、おいらだって毎日梨華ちゃんとシテルだけのことはあるよ。


「ね〜え、やぐっつあん♪」
「ん〜?」
「もうそろそろシテ欲しいんだけど?」
「なにを?」

「わかってるくせに、やぐっつあんのいじわる」


松浦は自分で履いていたもの全てを一気に脱いだ。おいらは唖然とした。
えっ!ええっ!!も、もうですか?そりゃ、ちょっとおっぱいは触ってみようかなとは思ったよ。だけど、こんなことは望んでなかったのに。



・・・・でもさ、
全てを露にした松浦のオンナノコの部分がぐちょぐちょに濡れているのを見たら・・・・・・ほら、なんか・・・・・・イカせてあげないとかわいそうじゃんか。おいら、優しいからほっとけなくなっちゃうんだよね。

643 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:37
・・・・・・・・・・・・
644 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:37

(相関図・その4)

松浦

矢口 ⇔ 石川 

吉澤 ← 藤本

高橋

645 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/02(木) 20:38
ここまでです。
646 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/03(金) 02:20
うわーーーーーーー!
やぐっつあーんと松浦師匠のやりとりサイコー!!
ぜひぜひ最中の事も・・・お願いします
647 名前:書いてる人 投稿日:2004/09/04(土) 18:34
>>646 名無飼育 様
ありがとうございます。それは・・・・・・
(〜^◇^〜)<知りたい?でも、恥ずかしいなぁ〜。

では、続きです。

648 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:35

松浦のアソコはもう何を求めているのか明確だった。

「やぐっつあん―― 」
「松浦・・・」
「・・・やぐっつあんのせいだからね。こんなになっちゃたの」

まだ、止めど無く愛液が流れている。ちょっと感度良すぎじゃない?
だって、おっぱいしか触ってないよ。

「こんなになっちゃったからには・・・・」
「ん・・・?」

「ちゃんと責任とって!」

松浦の顔が急にマジメな顔に変わった。なんか・・・・・・怖いんですけど。

「責任取るって・・・・?」
「松浦を・・・・・最高に気持ちよくさせて♪」

は・・・? おいらが・・・・松浦を?
しかも楽屋だよ、ここ。
こんなとこでしちゃう方が問題あると思うんですけど。

「ね〜え。早くぅ〜」
「そんなこと言っても・・・・・・」


「・・・・・・やぐっつあんは松浦のこと嫌いなの?」
「へっ?『嫌い?』って言われても・・・・」
「嫌い・・・・・なの?」

見れば、松浦は今にも泣き出しそうな顔をしている。
演技だとわかっていてもこの顔をされたら・・・・・・・。

649 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:35

「それにぃ〜」
「それに?」

「松浦のおっぱい触ったよね♪」
「えっ?」

「あと・・・・見ちゃったよね・・・・松浦の ア・ソ・コ♪」

って、それは松浦が見せたんでしょーが!!

「悪いけど私のカラダ、高いんだよ。トップアイドルのハダカはタダじゃないんだから」
「そうだけどさ・・・」
「じゃ〜あ、これぐらいのことシテくれてもいいじゃない?」
「う、うん・・・・・・」
「ね♪」

おいらは仕方なく、その場にあった座布団を何枚か敷いてベッド代わりにした。
そこに松浦を寝かせる。

こうやって見ると・・・・・やっぱり師匠はかわいいなぁ・・・。

「やぐっつあん♪」
「ん〜、な〜に?」
「大好き♪」

松浦はそう言うと目を閉じた。おいらはゆっくり口づけを交わす。
始めはゆっくり・・・・。
徐々に激しく。
そして、舌を松浦の小さな口の中に滑り込ませる。

「・・・・っあ・・」

吐息が漏れる。苦しい。
おいらの手が松浦の両胸に触れる。
あのおっきなおっぱいがさっきより一段と硬くなっている。

・・・・感じてくれてんだ。

おいらはだんだんと本気になってきていた。

650 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:36

さらに下へ下へ移動する。
もう松浦は両足を完全に開いて、おいらの到着を今や遅しと待っている。

もうこの時、おいらの頭の中には梨華ちゃんという存在はすっかりかき消されていた。

ただ目の前にいる無防備な松浦が可愛くてしかたなかった。

・・・・ついに一番熱い場所にたどり着いた。
まるで溶岩みたいに溢れている。
そっと松浦の筋をなぞる。

「・・・・ひゃっ・・・・」

声が裏返ってる。松浦も欲しいんだね・・・・。

「やぐっつあぁん・・・」
「師匠のえっちな顔もかわいいね」
「でしょぉ♪えっちの時だってぇ・・・松浦はアイドルですからぁ」

「でもアイドルがこんなに濡らしちゃって」
「だって・・・・だって、だってぇ・・・・気持ちいいんだもん」

汗ばんできた松浦が身体をくねらせる。

そして・・・・・・おいらはついに松浦の中心に指を入れた

651 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:36

「んあぁぁぁぁっっっ!」

「ごめん・・・・痛かった?」

「ううん・・・・その逆・・・・・すっごく気持ちいい・・・」

舐めてあげても良いんだけど、こっちの方が松浦にはいいのかもしれない。
なんとも幸せそうな顔をしている。
もうちょっと。もうちょっとで頂点だよ。

くちゅ、くちゅ・・・・・・

松浦のオンナノコの部分がイヤらしい音をたてている。
アイドルとはいえ女の子だもんね。身体の構造は同じだよ。


「あっ、あっ、やぐっ、つあぁぁん」
「うん?」
「も、もうっ・・・すぐぅっ」

もうすぐ?もうすぐなんだね。

思わず指の動きを早める。
と、同時に松浦が今までで一番大きな喘ぎ声を上げた。

「やぐっつあぁぁぁぁん、イッちゃうよぉぉっ!!」
「いいよ」

「あっ、あっ、あぁあぁぁ!!!!」


・・・・イッちゃたね、師匠。すっごくかわいかったよ。

652 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:36



・・・・・・・と、さらに松浦のオンナノコの部分からは愛液以外のものが溢れていた。

「あっ・・・」

それに気付いた松浦が思わず声をあげる。
そして物凄く恥ずかしそうに下を向いている。


「ま、松浦、もしかして・・・・・・・」

これって、もしかして・・・

その・・・・・


「・・・・・・・吹い・・・ちゃった?」



「・・・・その・・・・・もしかしてみたいです」

松浦、潮を吹いちゃったの?
そんなに気持ちよかったの?
梨華ちゃんだってそんなこと何回もないんだよ。
しかも、松浦とはいきなりの初めてだよ。

信じられないや・・・。


653 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:37

「やぐっつあん・・・・」
「ん?」
「ありがとう・・・・・すっごぉ〜く気持ちよかったです」
「そう。それはどういたしまして」

「それでね、今度はお礼に・・・・」
「うん・・・・・はい?」



「今度は松浦がいっきまーす♪」
「えっ・・・・・えっ!!えええええ!!!!」


松浦、今さっきイッちゃったばっかりだよ。なのになんでそんなに元気なのさ?
そんな疑問が頭に浮かんだときには抱きつかれていた。
松浦が上になり、おいらが下になる。
次々と服を脱がされる。
でも、なんかもう恥ずかしくはなかった。
なんでだろ・・・?


「あれ〜?おっかしいなぁ〜」
「な、なんだよ」
「松浦、まだやぐっつあんにあんまり触れてないですよねぇ」
「そうだけど・・・」

「なのにぃ〜」
「なのに?」

「もうここがいっぱい、いっぱぁ〜い濡れちゃってるんです」

えっ・・・・

654 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:37

「やぐっつあぁ〜ん♪」

松浦が意地悪そうな顔をしておいらの肩をゆする。

「松浦がイク姿を見てぇ、感じちゃったんですか?」
「そ、それは・・・・」
「やぐっつあんのえっちぃ〜」

「ま,松浦ぁ・・・」
「大丈夫でぇ〜す!松浦に任せてください♪」





・・・・・・・ていうかさ。

なんでだよぉ〜!なんでなんだよぉ〜!!
梨華ちゃんよりはるかに上手なんですけど!?

松浦がしてくれると、えっちってこんなに気持ちいいんだ・・・。


・・・・・・こりゃ、お姉さん病み付きになっちゃいそう♪

655 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:38


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

・ ・ ・ ・ ・ ・


656 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:38

松浦の楽屋をあとにしたのはそれからしばらくしてのことだった。
モーニングの楽屋にフラフラになりながら入るとそこには、

・・・・・・梨華ちゃんがいた。

「り、梨華ちゃん、待っててくれたんだ」
「うん・・・。だって今日も石川の家に泊まりにくるんでしょ?」

そう言えばそうだったっけ。そんな約束してたじゃん、おいら。

「ごめんね。遅くなって」
「ううん、別にいいけど・・・・・・。亜弥ちゃん、なんだって?」
「えっ?」

おいらが今、一番反応してしまうその人の名前・・・。

「だって、真里ちゃんに用事があったんでしょ?」
「あ、あぁ・・・うん。別にたいしたことじゃなかったよ」
「ふぅ〜ん・・・。でも随分時間かかってな〜い?」
「そ、それはさ。ちょっと松浦の近況を聞いてたんだよ。ほら、ソロツアーとか」

・・・・・・ホントのことなんて絶対言えない。
だって・・・・えっちしてたんだもん。

657 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:38

帰り支度を済ませて外に出ると、もう辺りは暗くなり始めていた。
多分、今夜も梨華ちゃんとおいらは愛を確かめ合うだろう。
なんにも知らない純粋な梨華ちゃんと。
快感を求めて汚れていくおいら。

もし・・・・よっすぃ―に襲われたことを知ったら・・・。
もし・・・・松浦と楽屋でしちゃったことを知ったら・・・。


「・・・・・・あのさ、一つ聞いてもいい?」
「ん〜?」
「マジメな話なんだけど・・・・」
「な〜に、改まっちゃってぇ」



「もしも・・・・・・もしもだよ。おいらが浮気したら・・・梨華ちゃんどうする?」


「なんでそんなこと聞くのよ〜」
「いや・・・なんとなく・・・・」
「もしかして・・・・真里ちゃん、浮気してるの?」

658 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:39

「な、ない、ない!そんなことしてない」
「ウフフ・・・変な真里ちゃん♪」

梨華ちゃんはくすりと笑いながらこう言った。

「そうだね〜・・・・真里ちゃんが浮気したらか〜・・・・。とりあえず、絶交は確実ですね。あと・・・・・ライブとかハローで一緒じゃないですか。そこで会ったとしても一生ずぅ〜っとシカトしちゃうかもしれません」

「一生ずっと・・・・・・」

「でも大丈夫。真里ちゃんはそんなことする人じゃないって信じてるから」



信じてるから

信じてるから

信じてるから・・・・・・か。


おいら、取り返しのつかないことしちゃったのかな?


659 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:39
・・・・・・・・・・・・
660 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:39

(相関図・その5(前回と変わらず))

松浦 

矢口 ⇔ 石川

吉澤 ← 藤本

高橋

661 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/04(土) 18:40
ここまでです♪
662 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/04(土) 21:29
この浮気モノ!!
というわけで続き期待です
663 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/04(土) 21:36
保全です。

664 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/04(土) 22:39
サイコーです。読むだけで気持ちイイーーー!
次は誰が出てくるのか・・・待ってます。
次回もお願いしまーす
665 名前:書いてる人 投稿日:2004/09/10(金) 18:50
>>662 名無飼育 様
ありがとうございます。期待していただき、こちらも嬉しいです。ホント、浮気はよくありません(笑)!

>>663 名無飼育 様
保全ありがとうございます。

>>664 名無飼育 様
ありがとうございます。次回は・・・・あの人が登場します。
666 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:24

では、続きをどうぞ。

667 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:24

そうは言っても快楽の泥沼の中から抜け出すことは、おいらにとって難しいことだった。
だって・・・
だって、だって・・・

松浦すっごく上手なんだもん。

そりゃ、もちろん梨華ちゃんにシテもらうのもいいよ?
でもね・・・・・・松浦のはハンパじゃないくらい気持ちいいんだよね・・・。
どこであんなテクニック覚えたんだろう?
おいらの知らないあんなことやこんなことまで、松浦は可愛い顔して凄いコトしちゃうんだもん。病み付きになっちゃったよ・・・。

そういうわけで梨華ちゃんと夜を過ごすのも最近はめっきり。前は一週間に5回はイケたのに・・・・・・。最近では2、3回程度、ひどいときは1回もしないこともあった。

ちなみにその代わりは・・・・・・。


「・・・あっ、ああんっ・・・」

「やぐっつあ〜ん、かわいい〜♪」
「・・・う、うるさい!」
「だって、えっちな顔、かわいいんだもん♪」
「うるさいって!」
「あ〜、いいのかな〜?そんなこと言っちゃって・・・・・・」
「な、なんだよ?」
「そんなこと言うと、やぐっつあんのだぁ〜い好きなことしてあげないよ」
「だ、大好きなこと?」
「そ〜、だぁ〜い好きなこと」

松浦の顔がニヤニヤしている。
そうアレをするときの合図。

668 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:25

「もしかしておいらの大好きなことって・・・・・・」
「決まってるじゃぁ〜ん」

松浦が口からかわいらしい舌を出している。そう、おいらの大好きなこととは・・・。

「ちょ、ちょっとそれだけは・・・」
「え〜、だってぇ〜、うるさいんでしょ♪シテあげなぁ〜い♪」
「でも・・・シテ欲しいんだもん」

おいらのこの言葉で松浦はさらに嬉しそうな顔をした。

「何して欲しいのかなぁ〜?」
「だから・・・・その・・・・」
「ちゃんと言って」
「・・・だから・・・・・・その・・・」
「聞こえないよ」
「・・・・・・」
「ん〜?」
「・・・・・・な、舐めてよ」

恥ずかしい・・・。
おいら、梨華ちゃんよりさらに2歳も年下の松浦に欲しがっちゃうなんて。

「ん〜どこを〜♪どこを舐めて欲しいのかな?松浦にちゃんと見せてくれないとわかんな〜い」
「それは・・・」

おいらは視線を落とす。その視線の先にはおいらの大事な大事な、女のコにとって大事な部分。

669 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:25

「んふふっ♪じゃあ、ちゃんと足開いて見せて」
「う、うん」

ゆっくり足を開いていく。
松浦の目はまるで生まれて初めてソレを見るときみたいに輝いている。
まだ明るいんだからそんなにじっくり見ないで・・・。


「ん〜、見えないなぁ〜」

さらに足を広げる。

「まだ見えない」

限界まで足を広げる。

「は〜い、よく出来ましたぁ〜」


おいらのオンナノコの部分は松浦の目の前に出されたときには

・・・もう完全に熟していた。

「うわ〜、やぐっつあんイヤらしい〜♪松浦に見られただけでこんなに出ちゃうの?」
「そ、そんなんじゃないって・・・」

そう言うも松浦がゆっくりその部分に顔を近づける。このあと何をするのかもう知っている。
そう、次の瞬間・・・

670 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:26

ずずずっ〜

「・・んはっ、おいしい〜。やぐっつあんのえっちな味がする♪」
「ど、どんな味だよ!」
「んふふふっ・・・・えっちな味。やぐっつあんがすっごくえっちなコト考えると、ココもおいしくなるんだよ」

口のまわりをおいらの愛液でベトベトにした松浦がニカッと笑った。
全然、説得力ないんですけど・・・。

「だからね♪」
「う、うん?」
「もっとえっちなこと考えさせちゃう♪」
「ふぇ?」

ちょ、ちょっと!
もうエンジン全開なの?
えっちの時の松浦って、どうかしてる!

でも・・・・・・気持ち良いこと好きなんだよね、おいら♪

「さ、松浦がい〜っぱい気持ちよくさせてあげるね♪」

お願いします!師匠ぅ!





・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



・ ・ ・ ・





・・・その頃。
独りぼっちにされた石川は・・・。

671 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:26

あ〜あ、今日も独りぼっちか〜。
まったく真里ちゃんは、あたしをほったらかしにしてどこに行っちゃったんだろ?
しかも、雨だし・・・。ついてないなぁ・・・。

今日は天気予報が見事にはずれました。まさか雨なんて降るとは思ってもいなかった石川は傘もなく、ただぼんやりと雨の降る空を眺めていたのです。

「梨華ちゃぁ〜ん!」

すると、走り寄って来る一人の人影。見覚えは・・・・・・もちろんあります。

「えっ、あ!ごっちん!」
「はぁ、はぁ・・・・・・やっぱ、梨華ちゃんだったね。チラッと見てさ、あのピンクは梨華ちゃんに間違いな〜い!って思ったんだ」
「ピンクって言ったらあたしなわけ?(笑)」
「だって、そーでしょ。今日もピンクだし」
「まあね〜。ごっちんも帰り?」
「うん。今日はもう帰るだけ」
「そう。じゃ、一緒に帰ろ」
「ん〜いいけど。梨華ちゃん、傘ないんでしょ」
「うっ、図星・・・」

ごっちん、痛いトコついてくるなぁ。
けど、そんなあたしを見ながらごっちんは胸を張った。

「しょうがないなぁ〜。やさしいごとーが傘を貸してあげよう」
「えっ、でもごっちんは?」
「ん?ごとー、こないだこのスタジオに傘置いてきちゃったんだよ。だから、今日は2本傘があるの」
「・・・・・・忘れん坊もたまには役に立つね」
「な〜、言ったな〜。傘貸してあげないぞ」
「うそ、うそ。ありがと、ごっちん♪」

というわけで石川は
真里ちゃんがいなくて独りぼっちだったはずの帰り道を
ごっちんと歩くことになったのです。

672 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:27

「あのさ、今気付いたんだけど・・・」
「ん?」
「梨華ちゃん、今日1人だったの?」

「・・・うん」

「やぐっつあんは?」
「真里ちゃんは・・・先に帰っちゃいました」
「え〜、珍しい。梨華ちゃんと一緒じゃないの」

さも不思議そうな顔をするごっちん。そんなに珍しいの?

「だって、梨華ちゃんとやぐっつあんっていっつも一緒にいた気がするよ」
「そう?」
「うん。なんかこう・・・・・・いっつもイチャイチャしてさ」
「そんなことないって」
「あるって。ここは公共の場だぞ!って所でキスしたり〜」
「記憶にございませんわ〜」

な、何を言い出すのかしら♪チャーミー、覚えてないわ。

「何が記憶にないだよぉ。散々、キスしてたじゃん」
「知らない♪」

「じゃあさ、最近いつした?」
「ふぇ?」

この質問にあたしは思わずごっちんの顔を見る。
ごっちんの顔は・・・・・いたづらっ子みたいな顔をしている。

673 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:27

「なにを・・・するの・・・?」
「決まってんじゃん。ベッドでやぐっつあんとすること!」
「!!」

ご、ごっちんが言ってることってつまり・・・
あたしと・・・
真里ちゃんが・・・
ベッドで・・・
ハダカとハダカでしてること・・・?

「ごっちん!な、何言ってんのよ!」

バシッ!!!

ごっちんの二の腕を思いっきり叩く。

「痛っ!」
「真里ちゃんとのことなんて言えるわけないじゃない」

そうよ。言えるわけないじゃない。
真里ちゃんと石川だけのひ・み・つ。

「どうでもいいけど。痛いんですけど・・・」
「だって・・・・・・変なこと聞くんだもん」
「いいじゃんか〜。愛の進み具合くらい聞いたって」

膨れっ面をするごっちん。
そんな可愛い顔してもチャーミーは騙されないわ♪

674 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:28

「それにね。ごとーには聞く権利があるんだよ」
「権利?」
「そう、聞く権利。だって私、やぐっつあんから相談受けてたんだから」

「 ???   相談って、なんの相談?」
「あれ?知らないの?」
「知るわけないじゃない」

あたし、なんにも聞いてない・・・・・・。

「やぐっつあん、梨華ちゃんへの想いをどう伝えるかごとーに相談してたんだよ」
「そ、そうだったの!?」

あら、そんなのチャーミー初耳だわ♪
じゃあ、ごっちんのおかげであたしと真里ちゃんが結ばれたってこと?

「あのね・・・『おいら、梨華ちゃんのこと好きなんだ!でも、どうしていいのかわからないんだよ!だから、ごっつあん協力して!』・・・とか言ってさ」
「ウフフッ、真里ちゃんらしい♪」

「もう、ホント、大変だったよ・・・」

これはごっちんに感謝しなきゃ。
ごっちんが頑張ってくれたからラブラブになれたんだね。
なんて素敵な恋の育成談♪

675 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:28

「・・・でもね、やぐっつあんはごとーの気持ちも知らないで・・・・」

「ごっちんの気持ち?」
「ん、いやぁ・・・なんでもない、なんでもない」
「?」

「・・・ねぇ、梨華ちゃん」
「な〜に?」
「梨華ちゃんって鈍感だよねぇ」

なによ、いきなり。

「鈍感?」
「そー、鈍感」
「あたしが?」
「そー、梨華ちゃんが」

「そんなことないと思うけど・・・」


「だって、ごとーが梨華ちゃんのこと好きって知ってた?」
「えっ?」

ご、ごっちんが?

676 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:29
・・・・・・・・・・・・
677 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/11(土) 01:29

(相関図・その6)

松浦   後藤
↓    ↓
矢口 ⇔ 石川

吉澤 ← 藤本

高橋

678 名前:書いてる人 投稿日:2004/09/11(土) 01:30
ここまでです♪
まことに勝手で申し訳ございませんが、更新のペースを少し落とさせていただきます。
といっても今までが早すぎただけかもしれません(週3回更新もありました)。週1回ぐらいになると思いますのでご了承下さい。た・だ・し。気まぐれな作者ゆえに急に早くなることも・・・。宜しくお願いいたします。
679 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/13(月) 16:14
なんとごっちんが!!
これからもどうなるのか楽しみですなぁ〜
680 名前:書いてる人 投稿日:2004/09/17(金) 18:03
>>679 名無飼育 様
ありがとうございます。すでにこのお話の全編は書き上げていますが・・・でも、あえてゆっくり更新♪

それでは続きをどうぞ。

681 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:04

ごっちんがあたしのこと好き・・・?
うそでしょ・・・・・・
チャーミー、そんなこと聞いたことないよ。
だってごっちん、いっつも普通にあたしに接してたし。
そんなふうにあたしを見てたなんて・・・。
なんで、なんでさ?

「ごっちん・・・」
「梨華ちゃん、気付いてなかったでしょ」
「・・・うん。・・・ごめん、知らなかった」
「ははっ。謝らなくていいよ」
「でも・・・」
「だってほら、梨華ちゃん鈍感だから」

ごっちん・・・
ごっちんのいつもの笑顔は作っていたってこと?
そんなの悲しすぎると思わない?

石川と真里ちゃんをくっ付けるために・・・。

「ごっちんはそれで良かったの?」
「ふぇ?なんで?」
「だって、ごっちんもあたしのこと・・・・」
「ふふっ。だってぇ、梨華ちゃんもやぐっつあんのこと好きだったでしょ?」
「う、うん・・・」
「だからね、ごとーは梨華ちゃんに幸せになって欲しいと思ったんだ」
「・・・・・・」
「梨華ちゃんはやぐっつあんのことが好き。やぐっつあんは梨華ちゃんのことが好き。ほら、これでうまくいくでしょ。ごとーが入る場所なんて始めからどこにもなかったんだよ」

682 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:04

「・・・・・・」
「・・・んははっ、ごとー、何言ってんだろうね・・・。あっ、こっから、ごとー、タクシー乗るから」
「う、うん」
「じゃあね〜♪梨華ちゃん」

軽く手を上げて、バイバイの合図。

「ごっちん!」

「ん〜?」

「ありがとうね」

「・・・んへへへっ・・・どーいたしまして」

ごっちんはあたしと真里ちゃんをくっ付けるために自分の気持ちを隠して応援してくれたんだ・・・。なのにあたし・・・・・・。
なのに・・・・・・。


あれ・・・?
急にスローモーションのようにごっちんの笑顔が消えていく・・・。






「梨華ちゃん?







 り、梨華ちゃんっっ!!」




683 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:05




・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ・




んんっ・・・・・・

何・・・何なの?

ここはどこなの・・・?


あたしはうっすらと目を開けた。
まだ視界がぼんやりとしている。・・・それでも徐々にではあるが視界がはっきりしてきた。

・・・見覚えのある天井。ピンク色のカーテン。部屋の香り。
そこは・・・・・・あたしの家だった。
そして・・・あたしはベッドで寝ていた。
ゆっくり、顔を横に向けて最初に見えた人物・・・



「・・・・・ごっちん」

684 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:06

「・・・ん?起きた?」

「ごっちん・・・あたし・・」
「あ〜、そのまま、そのまま・・・」

ベッドから起きあがろうとしたあたしをごっちんは止めた。

「梨華ちゃんね、あのまま倒れたんだよ」
「・・・えっ?あたしが?」
「そー。そんでね、マネージャーさんに来てもらって、お医者さんのトコにも行こうとしたんだけど・・・・・・。それがね、梨華ちゃん、いびきかいてんだもん(笑)」
「・・・寝てたってこと?」
「そー。多分、ただの過労でばったりいっちゃったってことのかな?でー、梨華ちゃんの家にそのまま来たわけさ。病院に行ってもあとあとのこともあるしね」
「そうなの・・・」
「あ、無理そうだったらもちろん病院に行くよ」
「うん・・・大丈夫そうだと思う」
「さっきまでマネージャーさんもいたんだけど、なんか栄養のあるもん作るって台所で頑張ってるみたい」
「そう・・・」

あたしったら・・・・
また、ごっちんに迷惑かけちゃったんだ。


685 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:06

「ところでさぁ」
「何?」

「やぐっつあん、呼ぶ?」


真里ちゃん・・・?


「・・・ううん・・・呼ばなくていい・・・」
「いいの?」
「うん・・・。真里ちゃんにも迷惑かかっちゃうでしょ」
「?」
「それに・・・現にごっちんにだって迷惑かけてるし・・・」

それを聞いたごっちんは、意外そうな顔をした。

「そんな迷惑だなんて・・・ごとーは、全然大丈夫だよ。それより、やぐっつあんには連絡した方が良いと思うよ」
「・・・・・・」
「だって、『コイビト』なんでしょ」
「うん・・・でも・・・」
「でも・・・?」

あたしは、それっきり黙りこんでしまった。
真里ちゃんは、確かに恋人かもしれない。
でも・・・・・・
なんだろう・・・・・・

今、真里ちゃんに来てほしくないと思ってる自分がいた。

あんなに愛し合ったのに・・・。
会えない日はあんなに寂しかったのに・・・。

686 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:07

「・・・・・・梨華ちゃん」
「なに・・・?」
「やぐっつあんとケンカでもした?」
「えっ?なんで・・・?」
「だってさ・・・・帰り道独りぼっちでいるし、梨華ちゃん倒れたのに連絡しなくていいって言うし・・・」
「・・・・・・」
「・・・あのね、ごとーは心配してるんだよ。だって、好きな人の笑顔を見ていたいじゃん。梨華ちゃんがそんな顔してるとこっちまで悲しくなってくるよ」

ごっちん・・・・。

「梨華ちゃんはさ、やぐっつあんを信じたんだから・・・」




真里ちゃん・・・
あたし・・・
あたし・・・

真里ちゃんの恋人だよね。

あたし、真里ちゃんのこと大好きなのに・・・。




「・・・ごっちん、ごめんね」
「だから、謝らなくても・・・」
「ううん。謝らせて。ごっちん、ごめんなさい」
「梨華ちゃん・・・」
「あたしは真里ちゃんのことが本当に大好きなの。ごっちんが・・・あたしのこと好きだとしても・・・」

あたしはごっちんの顔をまっすぐ見た。

687 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:07

「・・・・・・うん。それでいいんだよ」
「うん♪」


「・・・でさぁ〜、さっきの続きなんだけど」
「うん?」

「最近いつした?」

!?

「ご、ごっちん・・・」
「いいじゃんかよぉ〜。ごとーに教えてくれたって」

ニヤニヤするごっちん。ごっちんのえっち娘!

「ねぇ・・いつ?」
「そ、そんなこと・・・」
「それでぇ・・・どんな体制?」

「ご、ごっちんには教えないもん!」
「え〜、ケチィ〜」

まったく、ごっちんは・・・。

「・・・でもね、一つだけ教えてあげてもいいことがあるんだなぁ〜」
「ふぇ?何?何、教えて?」


「明日・・・・ここで・・・真里ちゃんと・・・しちゃうかも・・・」

688 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:07

「えっ、ええっ!このベッドで?」
「そう、このベッドの上で」
「うお〜!やぐっつあん、うらやましい〜」
「何言ってんのよ、もう・・・」
「ホント、やぐっつあんうらやましい・・・。梨華ちゃんの柔らかったしなぁ・・・」
「ごっちんのえっちぃ♪


・・・・・・ん?あれ?」

「?」
「なんでごっちんがあたしの胸の柔らかさ知ってるの?」

一瞬の間。凍りつくごっちんの笑顔・・・。

「えっ、ええっ・・・そ、それは・・・」
「どうして?」
「だからそれは・・・」
「それは?」

「・・・・・・ごめん!さっき、着替えさせるとき触っちゃった・・・」
「・・・・・・・」
「だ、だって、我慢できなかったんだもん」
「ごっちん!!」
「うわわっ、ごめんよ〜・・・」


ホント、何考えんだか・・・。
でも、ごっちんが自然に笑えるためにもあたしも真里ちゃんも頑張らなきゃね♪




689 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:10

(・・・再び、矢口と松浦)

ようやく何回にもわたって行われた行為も終わり、おいらはベッドでぐったりしていた。松浦の指でおいらは数え切れないほど幸せな気持ちになった。あんなことやこんなことも言わされた。

でも・・・

でも、松浦の顔を見ていたら
やっぱり
これじゃ、いけない!こんなんじゃ、いけない!って思い始めていた。

確かに松浦のことは好きかもしれない。

でもそれは梨華ちゃんとは違う好き。

梨華ちゃんは心の底から愛している。
松浦との関係は悪く言えばカラダだけの関係。
こんな関係・・・もうヤダよ・・・。


「ね〜、やぐっつあん・・・・」
「ん〜なに?」
「やぐっつあんはぁ〜、松浦のこと好き?」
「・・・そりゃ、好きは好きだけど」

それは、ホントの愛じゃないんだ。カラダだけの松浦との愛。

「やぐっつあんってぇ、誰かと付き合ったりしてるの?」
「えっ?」

そう。
松浦はおいらと梨華ちゃんが付き合ってること知らないんだ。
まぁ、知ってたらこんなことにはならないと思うけど。

690 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:11

「・・・付き合ってるはずないよね。だってぇ、松浦のことこんなに愛してくれてるんだもん」

松浦は、おいらが濡らしてしまったベッドのシーツに手をやった。

「こんなにビチョビチョになっちゃうまで松浦のために頑張っちゃうんだもんね、やぐっつあんは♪」
「う、うん・・・」
「じゃあ、松浦は正式にやぐっつあんの彼女ってことで・・・」
「ちょ、ちょっと待って!」
「?」

・・・・・・今、ここでホントのこと言ったら松浦は傷つくだろう。
だけど・・・言わなくちゃ!ホントのこと言わなくちゃ!

「おいらは・・・」
「あ〜、待って!」

へっ?なに?

「告白はこんな格好じゃヤダ♪明日、松浦の楽屋でして♪」

こんな格好?
ま、まぁ・・・2人ともハダカだったんだよね・・・。

「明日、とびきりのオシャレして楽屋で待ってるから♪」
「う、うん・・・」
「じゃ、明日♪」


明日か・・・・。
よし!明日までに断わり方を考えとなきゃ。
ごめんよ、松浦。おいらは告白しないよ。最悪だよね、おいら。カラダだけだったんだもん。ホントにごめん・・・。

やっぱり、梨華ちゃんが好きなんだ、おいら。




691 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:11


一方・・・・・・
おいらが決心を固めていたその頃、ついにミキティがよっすぃーに好きだという気持ちを伝えるべく動き始めていた。ミキティはよっすぃーを呼び出し、ついに告白の時・・・。


向こうがわから誰かが走り寄って来る。

「よっちゃんさん!」
「ごめん、ごめん。待った?」
「ううん。さっき来たばかりです」

うそ。もう30分以上はここで待っていた。待ちながら、ずっと告白の言葉を考えてた。いよいよ、その時が。

「で、話ってのは?」
「あの・・・実は・・・」
「うん?」
「その・・・・・つまり・・・マジメに聞いてくださいね」

ミキティは目をつぶる。祈るように・・・。そう、この気持ちが届くように・・・。
告白の言葉を口に出そうとしたその瞬間、先に静寂を破ったのはよっすぃーだった。

「・・・・・・単刀直入に言うね。ごめん。ミキティとは付き合えないんだ」
「はい・・・?」

いきなりのよっすぃーの答えにぽかんとするミキティ。
頭の中に?マークがぐるぐる回ってる・・・。

692 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:11

「ちょっ、まだ美貴、何にも言ってないんだけど・・・」

「だって、告白しに来たんでしょ?」
「えっ?」
「違かった?」
「そ、そうだけど・・・」
「でしょ。だから・・・私はミキティと付き合えない」

その言葉にミキティの頭の中が真っ白になっていく。
付き合えない・・・
付き合えない・・・

「な、なんで・・・」
「 ? 」
「なんで美貴が告白するって知ってたの?」

「・・・あ〜ぁ。矢口さんから聞いちゃった」
「や、矢口さん・・・?」

確かに矢口さんには相談を持ちかけたけど・・・。

「ミキティ、ごめん・・・。しかも、私は矢口さんのことが好きだから」
「えっ?・・・・・・矢口さんが好き・・・?」

「やっぱり、吉澤さんは矢口さんと関係があったんですね!」

突然、2人の会話の間に割って入ってきた人物。その人物は・・・。

「・・・愛ちゃん?」
「なんで、ここに・・・」

そんな疑問をよそに高橋は2人のもとに歩いてくる。そして、再び口を開いた。

「あーし、見たんですよ!裸の矢口さんが倉庫部屋から出てきて・・・そのあとに吉澤さんが出てきたことを!」

!!??

693 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:12
・・・・・・・・・・・・
694 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:13

(相関図・その7)

松浦   後藤
↓    ↓
矢口 ⇔ 石川

吉澤 ← 藤本

高橋



695 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/17(金) 18:13

ここまでです♪

696 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/22(水) 21:11
うわっーーーーーここまできたらもっと増えてほしいです♪
697 名前:書いてる人 投稿日:2004/09/26(日) 20:51

>>696 名無飼育 様
ありがとうございます。まだ増えるのかなぁ・・・・・・(爆)。

では、続きをどうぞです。

698 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:51

「ど、どういうこと、愛ちゃん?」

美貴は頭が混乱していた。もちろん、今まさによっすぃーにふられたということもある。さらになんで告白しているときに愛が割り込んできたということもある。
だが、それ以上に矢口さんとよっすぃ―が関係を持っているという話は・・・。

「だって、矢口さんは美貴のこと応援してくれるって・・・。しかも、矢口さんは梨華ちゃんと付き合ってるじゃん」

そうだよ!
矢口さんには最初に相談を持ちかけた。そこに矢口さんたってのお願いで、梨華ちゃんもついて来た。それは梨華ちゃんが矢口さんの恋人ということもあっただろう。もちろん美貴は、矢口さんと梨華ちゃんが付き合ってることも知っていた。なのに、愛がいうことが正しければ矢口さんは浮気していたことになる。
しかも、美貴を応援してくれるとまで言った矢口さんの浮気相手が、こともあろうに美貴がひそかに思いを寄せていたよっすぃーだとは・・・。

「そんなの信じられない!!」
「・・・でも、あーしは見たんです!吉澤さん・・・吉澤さんは矢口さんと関係がありますよね」
「・・・・・・」

黙り込むよっすぃー。

「吉澤さん!答えてください!」
「よっちゃんさん・・・」



「・・・高橋の言う通りだよ。私、矢口さんとえっちしたんだ」

699 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:52

「よ、よっちゃんさん・・・」
「まー、正しく言えば、私が勝手に服脱がせて矢口さんをイカせちゃったんだけどね」
「そんな・・・・・・」
「そうそう、矢口さん気にしてたよ。ミキティと私をくっつけるんだって張りきってた。でも、私がそのことを知っちゃったんだよね。私は矢口さん一筋だって言ってたのにさ。だから、倉庫部屋でお仕置きしてあげようと思ったら逃げられちゃったんだ。多分、その時高橋に会ったから・・・その時に見られたんでしょ」

愛はこくりとうなづく。

「・・・・・・そんなのおかしいよ」
「そう?」
「だって、矢口さんは梨華ちゃんと付き合ってるんだよ・・・。なのに、よっちゃんさんが強引にしちゃったってことだよね」
「そうだよ」
「梨華ちゃんがかわいそうだよ・・・」
「まぁね。でも、仕方がなかったんだよ」
「・・・・・・」
「矢口さんも満更じゃなかったみたいだし」

そんな・・・。
よっちゃんさんは、そんな人じゃないよ。もっと、優しくて人の気持ちを誰よりもわかってあげられる人だったのに・・・。



700 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:52

(次の日)

美貴は全てを確かめるために矢口さんに直接話を聞いてみることにした。
そしてもう一人。
美貴とは違う意味で矢口さんに確かめることがある人物が・・・。



ウフフフ♪
今日は真里ちゃんに家に来てもらって、
一緒に食事をして、
一緒にお風呂に入って、
そして、
そして・・・

ムフフ、チャーミー、言えないわ♪
あらっ、あんなところに美貴ちゃんがいるわ。

「美貴ちゃん、おはよ♪真里ちゃん、見なかった?」
「あ〜、おはよ。まだ見てないんだよ」
「あれ〜、おかしいなぁ〜?まだ来てないのかな?」
「・・・あのね、美貴も矢口さん用があって探してるの」
「あれ、そうなの?じゃあ一緒に探そ?」
「うん・・・」

美貴は梨華ちゃんの横顔を見ながらこんなことを思っていた。
(まさか、矢口さんがこの梨華ちゃんを差し置いてよっすぃーに・・・)
そんなこととはつゆ知らず、梨華ちゃんのあいかわらずテンションは高い高い・・・。ま、寒さも倍増してるけどね。

701 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:52

「あっ、かおた〜ん」

2人で廊下を歩いてると丁度、カオリが眠そうな顔をしながらこっちに歩いてきた。珍しく今日はゆっくりめの御出勤。まだ、冬ソナにハマってんのかな?

「お〜、石川に藤本ぉ。どうしたぁ〜?」
「ちょうど良かった。飯田さん、真里ちゃんがどこにいるか教えてください」
「ちょっ、梨華ちゃん。飯田さん今来たばっかなんだからわかるわけ・・・」
「大丈夫なの!飯田さんの特技を使えばなんでもわかっちゃうんだから」
「特技?」
「まぁ、見てればわかるって」

「なに、石川?」
「かおたん。矢口さんがどこにいるか調べて欲しいんだけけど」
「んんっ?ヤグチ?・・・・・う〜ん・・・ちょっと待って。交信してみるから」

「交信?」
「そう、交信」
「交信っていつも飯田さんがしてるやつ?」
「ううん。かおたんは、ただボケ―っと交信してるだけじゃなくて、テレパシーみたいのが使えるんだよ」
「そ、そうなんだ」
「それで、メンバーのことならなんでもわかっちゃうんだよ」
「ふぅん・・・」

改めて、リーダー恐るべし・・・と思う美貴。

702 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:53

「あっ!ほら、交信が始まった♪」


チクチクチク・・・・
チクチクチク・・・・


ピー、ピー、ピー


チーンッ♪


「・・・わかった!」
「ホントに?どこにいるの?」
「ヤグチはね・・・。ヤグチは、松浦の楽屋にいるみたい」
「亜弥ちゃんの楽屋?」
「そう、松浦の楽屋」
「亜弥ちゃんの楽屋か・・・。なんでだろ?」
「まぁ、いいや。かおたん、ありがと。とにかく行ってみるね♪」
「うん。2人ともお仕事の集合には遅れないようにするんだぞぉ〜」
「「は〜い・・・」」

2人は松浦の楽屋に向かうのであった。



・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



703 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:53

おいらは朝、楽屋につくと荷物だけを置いて松浦の楽屋に向かっていた。
なんのために向かってるって?
それは松浦とは付き合えないことを伝えるため。

(「告白はこんな格好じゃヤダ♪明日、松浦の楽屋でして♪」)

松浦・・・・・・
おいらの告白は松浦を幸せに出来ない告白なんだよ。
たぶん・・・それを聞いたら松浦は怒るだろう。
それでも構わないんだ。だっておいらは・・・

「梨華ちゃんが好きなんだもんなぁ〜」

そんでもって今日はちゃんと梨華ちゃんと一緒に過そ♪今まで一緒にいれなかった分を埋めてあげなきゃ(なんか凄く自分勝手だけどね)。
ちょっと調子が良すぎるかもしれないけど、許して神様♪


「や・ぐ・ち・さん♪」
「んっ・・・?お〜、亀ちゃん」
「どこに行くんですか?」

いつものキャメイスマイルをしながら近づいてくる亀井。
なんだろ?

「ちょっと、松浦んとこに用事があって・・・・・・」
「ふぅん・・・そ〜ですかぁ」

どんどん近づいてくるんだけど・・・

「亀井?」
「矢口さん♪」
「な、なに・・・」
「えりを女にしてください」
「へっ?」

すると突然、亀ちゃんが抱きついてきた!!ちょっとここじゃ目立つからっ!

704 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:54

「ちょ、ちょっとぉ。亀ちゃん?」
「離しませんよ♪矢口さん」

長い髪をくりくりさせておいらのことを見つめてくる。
ゆっくり、亀ちゃんの目が閉じてキスを待って・・・・って、おい!何考えてるのさ!

「矢口さん、早くキ・・・・」
「あっ!!えり、抜け駆けはずるいとっ!矢口さん、れいなを抱いてっ!」

こ、今度は田中?
走り寄って来る田中・・・。
そして、そして・・・
抱きついて・・・
抱きついて?
うわっ!さすがに2人はきつい!

「ちょっとぉ。矢口さん、苦しそうでしょ。れいな離れなさいよ〜」
「えりが離れればいいじゃん」
「えりは最初に抱きついたんだもん」
「そんなの関係ないっと。れいなの気持ちは矢口さん一筋♪」

すると、そんな2人のやり取りの最中に・・・・
というか、この2人が来たらあとはあの娘しかいないじゃん・・・。

「矢口さん♪」
「し、重さん・・・」

なんかイヤな予感・・・。物凄くイヤな予感。
こーゆー時のおいらのイヤな予感はドンピシャで当たるんだよね。

「矢口さん。私のことも抱いてぇ〜」
「うわわっ!」

重さんも勢いよくおいらに抱きついた。さすがに3人は無理だって!
おいらはその場にしりもちをついた。

「ちょ、ちょっと3人とも・・・まずはどいてね。・・・アイタタタ・・・・」

腰の辺りを強打した。ぎっくり腰になるっちゅーねん!(ちょっと最近裕ちゃんに似てきたな、おいら・・・)

705 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:54

「矢口さん、すみません。れいなとさゆが悪いんです」
それでも相変わらず目を潤ませる亀ちゃん・・・。

「なに言うとっ!れいなまでは大丈夫だったから、さゆが悪いんだって」
あくまで強気な田中・・・。

「私のせいじゃないよ。えりとれいなが抱きついてるからいけないんだよ」
天然なのに時々真っ当なことを言う重さん・・・。

「そんなの言い訳にならないとっ!」
「じゃあ、れいなががいけないんだよ。えりは『離れて』って言ったのにさ」
「それは関係ないとっ!だいたい、何でえりが矢口さんに抱きついてるのさ」
「そう。私も思った」
「それは・・・・・・えりが矢口さんのこと大好きだから♪」
「れいなだって、矢口さんのこと大好きだもん」
「私も矢口さんのこと好きだよ」
「えりが一番強く想ってるもん!」
「いや、れいなの方が・・・」
「私のほうが可愛いって・・・」

「あ−、わかった、わかった。はい、静かにする、静かに。」

さすがにこの状況においらが止めに入る。てか、おいらしか止めに入られないか。

706 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:54

「3人ともさ、おいらのことが好きな気持ちはよぉ〜くわかりました。でもね。でもねだよ。おいらが梨華ちゃんと付き合ってるの3人とも知ってるでしょ?」
「知ってますけど・・・・」
「じゃあ、おいらはどんなに梨華ちゃんのこと好きか知ってるよね?」

この質問に3人は黙り込む。さらに続ける。

「うん・・・。好きでいてくれることは嬉しいよ。でも、おいらも好きな人、梨華ちゃんがいるんだ。だから・・・」
「・・・じゃあ、愛人としてれいなを見て欲しいんです」
「あ、愛人?」

突然の田中の発言に不意をつかれたおいら。田中は意味わかって言ってるのか?愛人だぞ、愛人。そんな関係・・・・ん、待てよ。松浦とおいらの関係って・・・。
田中の妄想モードは続く・・・。

「そうですとっ。表の顔は石川さんと付き合って、裏ではれいなと関係を持つ・・・。そして、いつの日か石川さんのことを忘れるくらい、れいなと激しい恋に落ちて・・・あんなことや、こんなこと・・・あ〜ん、矢口さんのえっちぃ♪」

えっちぃ♪って、何考えてんだよ!田中の発言、ちょっとおいら引いたぞ。梨華ちゃんがたまに寒いこと言うけど、それより引いた。まぁ・・・梨華ちゃんは許すけど。

「だいたいさぁ。まだあなた達若いんだからそーゆーことを考えちゃ・・・・」
「矢口さん!」
「な、なんだよ、重さん・・・」
「私達をまだ子供だと思って、馬鹿にしてませんか?」
「べ、別に馬鹿にはしてないじゃんか」
「じゃあ、私がどんなに大人か証明して見せます!」

そう言って立ちあがった重さん・・・。
おいらの近くまで来て・・・・近くまで来て?
なに?
何をする気なの?

707 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:54


えっ?

「んぐぐっ・・・」

重さんの唇がおいらの唇とか重なった。
キ、キス?

!?

と同時に重さんの舌がおいらに入ってきた。
キスはキスでもディ―プキス・・・!?
と、今度は亀ちゃん・・・

「矢口さん、えりが気持ちいいことしてあげますね♪」

そう言っておいらの胸を上着の上から・・・

「・・・んぁ」
「気持ちいいですか?」
「ちょっと・・亀ちゃん・・・」

そして最後は・・・・田中・・・。

「真里ちゃん♪真里ちゃんのためにれいながもっといいことしてあげます」

田中の手がおいらのショーツの中へ・・・
・・・って、さずがにそれはダメだって!

「さ、3人とも誰にこんなこと教わったんだよ!」

とりあえずツッコミをいれて、
なんとか3人(特に田中)の攻撃をかわし、態勢を立て直す。

「さゆは・・・中澤さんからキスの仕方を・・・」
裕ちゃん・・・。あのエロキス魔が。

「えりは安倍さんから・・・」
なっち!?なっちがこんなことさせたの?なっち、亀ちゃんのが触りたかっただけじゃないの?

「れいなは保田さんからとっ。女は普段と違う呼び方をすると感じやすいって聞いたから・・・」
圭ちゃん・・・。だから、田中がおいらのこと『真里ちゃん』って呼んだのか。圭ちゃん、もっとマシなこと教えろよ!

708 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:55

「とにかくおいらは・・・・」

そう言いかけて、思わず息を飲んだ。3人とも・・・目がギラギラしてて、怖いんですけど・・・。

「矢口さん・・・、えりを大人の女に・・・」
「れいな、初めてなんで優しく・・・」
「可愛いさゆで矢口さんをノックアウトです・・・」

どんどん近づいてくる3人・・・。
どんどん近づいてくる3人・・・。

「た、助けてぇ〜!!」
「あっ、待って!」

おいらは恐怖のあまり逃げ出した。なんなんだよ!あの3人は!
あんな感じの娘じゃなかったのに・・・。
もっとマジメだったのに・・・。
まったく裕ちゃん、なっち、圭ちゃん、恨むよ!

とにかく・・・・・どこかに隠れないと。
亀ちゃんが以外と足速いから・・・・って、こんなシチュエーション前にもあったな。
いつだったけ・・・?
えーと・・・・
そうだ!よっすぃーにされそうになったときだ!
あの時は確かどうやって逃げ切ったんだっけか?
確か・・・・
・・・給湯室に逃げ込んだんだった!
まぁ、いいや!
今日は楽屋に逃げ込んじゃえ!

バタンッ!

おいらは、急いで近くの楽屋に逃げ込んだ。


709 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:55



「矢口さぁ〜ん!」
「矢口さん!」

廊下を走る3人の足音が聞こえる・・・。
ドアの向こう側、目の前を通り過ぎ・・・やがて、静かになった。

「ふぅ〜、助かったぁ・・・」

なんとか逃げ切ったみたいだ・・・。
はぁ〜・・・・・・それにしても、朝っぱらからひどい目にあった・・・。

んっ?

ところで・・・ここは誰の楽屋だ・・・?

とおいらのことをマジマジと見つめる視線。
この視線は・・・。

「やぐっつぁあ〜ん!!」

ま、松浦!?
そう、たまたま逃げ込んだ楽屋は松浦の楽屋だったのだ。

「やっと、来てくれたんだぁ。松浦待ってたんですよ♪」

おいらの手を引いて楽屋に上がらせる松浦。
まぁ、もともとここに来るつもりだったからいいか。

「やぐっつあぁ〜ん♪」
「な、なんだよ」
「まずぅ〜、しよっか?」
「へっ?」

710 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:56
 
言うが早いか、手が早いか、松浦がおいらに覆い被さった。
するとすぐに松浦の手がおいらの上着の中に入ってきて・・・

「やぐっつあ〜ん♪」
「ちょ、ちょっと!きょ、今日はこんなことをしに来たんじゃなくて・・・」
「知ってるよ。告白に来たんでしょ。でも、1回したあとでもいいじゃん♪」

逃げる間もなく松浦の舌がおいらの口中に侵入してきた。
なぜかおいらも対抗して舌を絡める。

・・・って、違う!こんなことをしにおいらはここに来たんじゃない!!

「や、やめて」
「やぐっつあぁん、大好き♪」
「やめてよ・・・」

松浦は手を休めない。
おいらの蕾を手のひらで転がし始めた。

「んんっ!」
「んふ♪感じちゃったんでしょ?」
「そんなこと・・・」
「いいんだよ。やぐっつあんは。気持ちいい〜って、声出していいんだよ」
「ちょっ・・・・んぁ・ぁん・・」

おいらは触れるまま、感じるまま。そのまま下着も脱がされる。

「うわぁ〜♪ピンク色の真里ちゃん、見っけ♪」

「ぁん、あんっ・・・いいっ」

松浦の指・・・・・・
松浦の手・・・・・・
松浦の舌・・・・・・

松浦の全てがおいらの感じるところを責めている。
多分・・・
頂点は今までで一番早かったと言ってもいい。

「あぁぁっ!」

おいらはそのまま、イッてしまった。

カチャッ・・・

「やぐっつあん、かわいかったね♪」
「松浦のばかぁ・・」

711 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:56

イッた直後なのでまだ視界がぼんやりとしている・・・。



と、ここでおいらは楽屋の入り口に人影があるのに気付いた・・。



あれ・・・



楽屋のカギ・・・・



閉め忘れたの・・・?



そして、その2人が誰であるのか



わかるのに時間はそうかからなかった



「り、梨華ちゃん・・・」
「真里ちゃん、うそでしょ・・・・・・」


そこにいたのは
おいらの愛しき梨華ちゃんとぼーぜんとしてるミキティ・・・。


712 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:56


「真里ちゃん・・・どう言うこと・・・?」
「そ、それは・・・・」

梨華ちゃんの目にはいっぱい涙が溜まっていた。
今にも零れ落ちそうな純粋な涙。
汚れのない、美しい涙。
そして・・・・

説明の余地がないこの状況。

裸で汗ばんでいるおいら
ベトベトになっている松浦の指
そして、おいらから溢れた出た・・・

「あはっ♪やぐっつあんと松浦はこういう関係なの♪ばれちゃったね♪」

決定的な松浦の一言。
明らかに梨華ちゃんの顔つきが曇った。

り、梨華ちゃん・・・


「真里ちゃんなんて・・・・真里ちゃんなんて・・・・大っ嫌いっっっ!!!!!」


楽屋のドアが勢いよく開いた。

713 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:57
・・・・・・・・・・・・
714 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/09/26(日) 20:57

(相関図・その8)

松浦・亀井・道重・田中

矢口 →絶交?← 石川 ← 後藤

吉澤 ×恋破れる← 藤本

高橋

715 名前:書いてる人 投稿日:2004/09/26(日) 20:58

ここまでっさ!

716 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/27(月) 22:05
なんじゃこりゃ〜、増えすぎて逆にオモシレ〜ッス!
717 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/28(火) 00:12
段々わがんねぐなってきたさ(w
718 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/29(水) 20:50
このまざりぐあいいいですね。これからも増やしまくってください
719 名前:書いてる人 投稿日:2004/10/04(月) 20:13

>>716 名無飼育 様
ありがとうございます。増やしすぎましたでしょうか?

>>717 名無飼育 様
ありがとうございます。大丈夫です。作者もわかんなくなってきてましたから(爆)。

>>718 名無飼育 様
ありがとうございます。さすがにこれ以上は辛いです・・・。

少し更新が遅れますのでご了承くださいませ。

720 名前:書いてる人 投稿日:2004/10/05(火) 19:20

では、続きです。

721 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:21

「待って、梨華ちゃん!」
おいらは慌てて飛び出していった梨華ちゃんを追おうとする。が、

「矢口さん、ダメです!!追っちゃダメです!!」
ミキティに行く手を阻まれる。

「な、なにするんだよ、藤本!おいら、梨華ちゃんを追わないと・・・」
「矢口さん、冷静になってください!!」
「おいらはいつだって冷静だっちゅーの!」
「それのどこが冷静なんですか?」
「ふぇ?どこがって  ・・・あっ!」

ようやく気が付きました。気付きました。
生まれたままの格好。そう・・・・・・おいら、真っ裸じゃん!
こんなんで廊下に出たら、お嫁(梨華ちゃんの)に行けないよ。
松浦とえっちした直後だったんだよね。

「おいらの服は・・・・・・あれ?」

ない。
おいらの服がない。
確かにここで脱がされたはずなんだけど・・・。

「やぐっつあん、ここだよ」
「ま、松浦・・・・」
松浦がおいらの服を持っていた。

722 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:21

「松浦、おいらの服返して・・・」
「ダァ〜メ。ダメです」
「だって、おいら梨華ちゃんを追わないと・・・」
「なんでですか?なんで梨華ちゃんを追わなきゃならないんですか?」
「えっ?」

一瞬凍りつく。

「いいじゃないですか。梨華ちゃんが松浦とやぐっつあんのえっち見たって」
「見たって言っても・・・・・・」
「見たほうが悪いんですよ、勝手に入って来たんだから。しかも、松浦とやぐっつあんが愛し合ってるからこそできる行為じゃないですか」
「・・・・・・」
「愛し合ってる所を見せ付けちゃえばいいんですよ」
「だから・・・」
「だから、なんですか?」
「だから、その・・・・・・


・・・・・・松浦、ごめん」
「なんでやぐっつあんが謝るの?」
「・・・おいら、本当は梨華ちゃんと付き合ってるんだ」

松浦のことを見ずに言う。
多分、怒ってるだろうな・・・。
いや、泣き出すかもしれない。
どっちにしろおいらが悪いんだ。

723 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:21

「やぐっつあん・・?」
「ホント、ごめん!」
「・・・・・・」
「その・・・松浦には悪いと思ってたんだけど・・・おいら、やめられなくって・・」
「・・・・・・」
「ホント、ごめんよ!」

ここでようやく松浦の顔を見る。

・・・・・・無表情。
松浦たまにするんだよね、この表情。
なんか、電池が切れたおもちゃみたいな表情。
これがまた怖い、こわい、コワイ。

「・・・・松浦?」
「・・・・あはっ・・・」
「松浦?」
「・・・あははあはっ・・・やぐっつあんと・・・・梨華ちゃんが・・・・付き合ってた・・・・?」

このときの松浦の表情をおいらは一生忘れないだろう。
マジ怖い・・・いや、怖いと言うより寒気が走ってなにか霊体験をする時みたいな感覚。深夜、たまたまつけたテレビに稲川淳二が出てきた感覚ね(よーわからん例えや)。

「・・・だから、松浦とは・・」
「・・・カラダだけの関係だった・・?」

ミキティが口を挟む。・・・てか、まだいたのかよ!
て、突っ込んでいる場合じゃなくて・・・



ベチンッ!!


「痛っ!」
松浦の右手がおいらの頬を勢いよく捕らえる。

724 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:22

「・・・サイテ―。やぐっつあん、サイテ―だよ!」
「・・・ごめん」
「じゃあ、なんだったの?今までの関係は?何、カラダだけの関係?ふざけないでよ!」
「・・・ごめん」

「もーいいっ!!やぐっつあんとみきたん、出てって!!」
「あの、松浦・・・」
「亜弥ちゃん・・・」
「出てってよ!!」

松浦は今にも泣き出しそうな顔をしている。泣きそうな松浦の表情・・・・・初めて見た・・・。

「やぐっつあん、見損なったよ!!梨華ちゃんにも嫌われちゃえばいいじゃん。いい気味だよ!!!」

2人とも楽屋の外に押し出される。



・・・・・・んんんっっ!?

てか、まだおいら、服着てないんだって!!
マッパだよ、マッパ!!
松浦っ!!!!!
服返せぇ!!!!!
誰か通ったらどうすんだよっ!!!!!
お嫁に行けないどころじゃなくなるって!!!!!!

「いいじゃん!!誰かに見られちゃえばいいじゃん!!」

・・・松浦のバカーっ!!!!!


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


・ ・ ・ ・ ・ ・ 






725 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:22

・・・・・・このあとどうなったって?
どうなったもこうなったも散々だったよ!!

おいらの服返してくれないし・・・
タダでさえ人通りの多い廊下だったし・・・
とりあえずミキティに楽屋においてあったおいらの着替えを取ってきてもらったけど・・・。
誰かに見られたかもしれないよぉ〜(泣)。お嫁に・・・。
ミキティにお礼を言って、がっくり肩を落として楽屋へと帰る・・・。


「矢口さん、大変でしたね」
「うん・・・・・・」
「でも・・・・・なんで亜弥ちゃんとあんなことしてたんですか?」
「・・・・・・」
「梨華ちゃんがいるのに・・・・」
「・・・・・・」
「あと・・・矢口さん、よっちゃんさんとも・・・・・したんですか?」
「えっ?」

いきなりの質問に驚いてミキティの顔を見る。このことを知っているのは、おいらとよっすぃーだけのはず。なのに・・・。

「ミキティ、どうして・・・」
「美貴、よっちゃんさんに告白したんです」
「う、うん。それで・・・?」
「・・・見事に振られちゃいました」
「そうなんだ・・・」
「よっちゃんさん、好きな人がいるって」
「う、うん・・・・」
「そのよっちゃんさんの好きな人が・・・・・・矢口さん」
「・・・・・・」
「で、『矢口さんとえっちもした』って言ってました・・・」
「・・・・・・」

726 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:23

おいらは返す言葉もなかった。
今日だけで松浦とのことだけじゃなく、よっすぃーとのこともばれてしまうなんて・・・。

「・・・・・・正確にはよっちゃんさんが襲ったそうですけど」
「・・・・・・」
「・・・ホントなんですか?」


「・・・・・・ごめん」
「矢口さん・・・」
「ホントにごめん・・・・。よっすぃーに無理やりされちゃったんだ・・・。なのに、なのにおいら・・・・ミキティの気持ちを・・・」
「美貴のことはいいです」
「藤本・・・」
「どーせ、美貴は片想いだったんですから。・・・それより、梨華ちゃんがかわいそうです」
「うん・・・・・」
「亜弥ちゃんともそう。よっちゃんさんともそう。それじゃ梨華ちゃん、矢口さんのこと信じれないじゃないですか?」

藤本の言葉においらは肩を振るわせた。
そうだよ・・・全部おいらのせいなんだ。
梨華ちゃんのことを強く想えなかったからよっすぃーにされちゃって、
おいらの欲求を満たすために松浦と関係を持ったんだ。

「矢口さん・・・。これ以上、梨華ちゃんを傷つけないで下さいね」
「わかってる。わかってるんだけど・・・」

おいらの頬には知らないうちに涙で溢れていた。


今・・・・・・梨華ちゃんのことを本気でいとおしく思えた気がする・・・。



727 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:23

松浦の楽屋からようやく帰ってきた。
でも

梨華ちゃんにどう顔をあわせればいいんだろう?

あんな状況を見られて
『大っ嫌いっっっ!!!!!』とまで言われたのに。

楽屋に入ると部屋のいっかくだけ黒くなっている。
梨華ちゃんが色黒いから・・・・・・じゃなくて明らかに梨華ちゃんが落ち込みまくっている状況。他のメンバーもこの暗くて黒いゾーンに入ろうとしない。

「・・・梨華ちゃん」
「・・・・・・」
「その・・さっきはさ・・・」
「・・・・・・」
「ホントごめんね」
「・・・・・・」

完全無視・・・。

「梨華ちゃん・・・・・っ!?」

ふっと梨華ちゃんがおいらのことを見た。
冷たい目をしている。軽蔑の侮辱の混じった視線。

おいらは昔、梨華ちゃんが話していたことを思い出した。

(『そうだね〜・・・・真里ちゃんが浮気したらか〜・・・・。
とりあえず、絶交は確実ですね。
あと・・・・・ライブとかハローで一緒じゃないですか。
そこで会ったとしても
一生ずぅ〜っとシカトしちゃうかもしれません』)

まさか、本当にこんな状況になるとは・・・。


728 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:23
・・・・・・・・・・・・
729 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/05(火) 19:24

(相関図・その9)

松浦
×
矢口 →絶交?← 石川 ← 後藤

吉澤・亀井・道重・田中

高橋

藤本→失恋中・・・

730 名前:書いてる人 投稿日:2004/10/05(火) 19:24

ここまでじゃぁん♪(神奈川風)
実はこのお話、次回で最終回となります(かなり強引ですけど)。
最後まで読んでいただければ光栄です。

731 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/05(火) 22:22
更新お疲れ様でした。
うえっ!!
こんなに面白い展開になってきたというのに・・・最終回ですか?(w
とにかく次回更新待ってます。
732 名前:書いてる人 投稿日:2004/10/11(月) 20:23

>>731 名無飼育 様
ありがとうございます。そうです。すみません、最終回です。しかも、長ぁ〜い最終回になりました(笑)。

最終回は拡大版スペシャルです(?)。では、最後までどうぞ♪

733 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:24

結局、おいらは梨華ちゃんとは仲直りできないままその日の仕事をあとにした。
ホント、どうして梨華ちゃんをもっと大切にしてあげられなかったんだろう?
おいらの意志が弱かったばっかりに松浦とあんな関係になって・・・・
おいらのバカ!バカ!!バカ!!!
梨華ちゃん・・・・こんなおいらを許して・・・お願い。

一人、罪悪感に浸りながらロビーを歩いていると聞き覚えのある声がおいらのことを待っていた。

「やぐっつあん♪」
そう、この声は・・・

「・・・松浦」
帰り支度をすましてかわいいキャップを被っている松浦がそこにはいた。どうやら、おいらの帰り道を待ち伏せしていたらしい。

「ねぇ〜・・・えっちなやぐっつあんは今夜、暇?」
「えっ?」
「だ・か・ら、すごぉ〜くえっちで誰とでもしちゃう、やぐっつあんは今夜、暇?って聞いてるの」
「ひ、暇っていえば暇だけど・・・・」

【えっちな】とは余計だよ。松浦だってそうじゃんか。

「そ〜だよねぇ・・・。一緒に過ごす人がいなくなっちゃったんだもんね、松浦のせいで・・・」

そう言って、ニヤリと笑う。
こ、こいつ・・・。

734 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:24

「私、一生やぐっつあんのこと恨んじゃおっかなぁ〜」
「な、なんでだよ」
そうだよ、なんでだよ!

「だって、松浦の気持ちを踏みにじんで」
「それは・・・」
それはおいらが悪かったけど・・・。

「それでカラダだけの関係だったなんてねぇ・・・」
「うっ・・・」
痛いトコつくな・・・。

「この心の傷は一生癒えませんよ」
「・・・・・・」
おいらだって・・・。

「・・・・と言いたいところだけど、松浦もそんなに悪い人じゃありません♪」
・・・へ?

「やぐっつあんが今夜、松浦の言うことなんでも聞いてくれれば許してあげてもいいんだけど?」
「・・・はい?」
「『はい?』じゃなくて・・・松浦の言うことをなんでも聞いてくれれば許してあげるって言ってるんだけど・・・」

かなり、怪しい誘いなんですけど・・・・。
でもなぁ・・・。来年はおいらがリーダーで引っ張ってかなきゃいけないし。
やっぱり、敵を作っておきたくないんだよね。

「・・・・・・わかったよ。今日は松浦の言うことなんでも聞いてあげるよ」
「ホントに?嬉しい、じゃ、決まりね♪」
「ホントに許してくれるんだろうね」
「うん♪やぐっつあんのこと、許しちゃうよ♪」

そういって、松浦はおいらをタクシーに乗せるのであった。


・・・・・・・・

・・・・・・・・


735 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:25


「・・・・・・じゃ、まずは松浦のためにおいし〜ご飯を作って。・・・あっ、食後のデザートも宜しくぅ♪」

まずは松浦のために夜ご飯を作った。
おいら、料理には自信が・・・・
自信が・・・・
自信が・・・・
・・・ないんだよねぇ。
とりあえず、松浦は「おいしい」って、言ってくれたけど。


「じゃあ、次は・・・松浦、疲れているんでやぐっつあんにマッサージしてもらいたいな♪あっ、でもやぐっつあん♪やぐっつあんが考えるようなえっちなやつじゃないからね」

わかってますって!
そっちはもうおいら懲りたんだから!
あぁ、でも松浦のカラダ、柔らかいなぁ・・。
・・・はっ!
おいらとしたことが!
おいらには梨華ちゃんという存在が・・・・でも許してくれるかな・・・。


「お風呂洗って、用意しといてぇ♪」

そんなことまでやらせるんかい!
お風呂ぐらい自分で洗って、つけなさいよ。ボタン、一つなんだから。
仕方ないな。まったく・・・。


「次は掃除ね♪雑巾がけの方がすっきりして気持ち良いな♪」

・・・・師匠、忙しいのはわかるけど、少しは掃除しといてよ。
これじゃ、梨華ちゃんの部屋と変わらないじゃんか。
しかも、こんなにいっぺんに掃除なんて出来ないって・・・。

736 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:25

「じゃあ、松浦お風呂入ってくるから」
「ハイハイ、どうぞ。お姫様!」

はぁ・・・疲れた。やっと、一息つける。
ソファに横になると疲れがどっと出てきた。
思い返せば今日はとんでもない日だった。

・・・梨華ちゃんに嫌われ
・・・ミキティに失望されて
・・・松浦のシモベになって

・・・おいら、何一つ得してないじゃん。
あぁ・・・・人生って辛いなぁ。
辛すぎるよ。


「・・・ね〜ぇ?」
「・・んっ、松浦、まだお風呂入ってなかったの・・・・・っ!!」

振りかえると何も身にまとってない、つまり生まれたまんまの格好をした松浦がいた。もう見なれてるけど・・・・なんかすごくイヤな予感がする・・・。


「・・・やぐっつあん。松浦の最後のお願い聞いて」
「最後のお願い?」
「・・・これを聞いてくれたら、もう帰っていいから」
「う、うん。なんだよ?」



「・・・脱いで」
「・・・は?」
「・・・だから、脱いで」

松浦、何言って・・・・

737 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:25

「早く、全部脱いでよ。今日は松浦の言うことなんでも聞くんでしょ」
「そりゃあ、そうだけど・・・」
「だったら、早くして」
「・・・わかったよ。脱げばいいんでしょ」

おいらは仕方なく着ていたもの全てを脱ぎ捨てた。
これで2人とも恥ずかしい格好をさらしていることになる。

「・・・そのまま屈んで」
「えっ?屈むの?」

「・・・そう、屈んで」
「うん・・・・・」

言われるまま屈むと・・・・
おいらのオンナノコの部分が丸見えになってしまう・・・
おいらは手で隠した。

「屈んだら・・・」
「うん・・・屈んだら・・・?」




「松浦の目の前でやぐっつあんのひとりえっち見せて」

738 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:26

松浦の思いもよらなかった言葉においらは愕然とした。
ひ、ひとりえっち?

「ま、松浦、それはちょっと・・・」

顔が真っ赤になる。
そんなこと・・・そんなこと、こんなところでできるわけないじゃんか!

「出来ないの?」
「出来ないよ・・・」
「・・・だってやぐっつあん、えっちなんでしょ。それぐらい、いつもしてるんじゃないの?」

ゆっくり、こっちの見つめながら近づいてきている。
意地悪そうな顔をして・・・
でも、ちょっと嬉しそうでもあって・・・

「やぐっつあんの一人でイッちゃう姿がみたいなぁ〜」
「だ、だから・・・」
無理だって!

「ほら、早く・・・」
「・・・・・・」
「それとも・・・・ホントにしたコトないの?」
「・・・それは・・・」

思わず声を濁す。ここで正直になったらおいらの負けだ。

「あるんでしょ。ひとりでイッちゃうんでしょ?」

なおも松浦は意地悪そうな顔をしておいらを見ている。
もう、おいら・・・泣きそうだよ・・。

739 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:26


「・・・ふぅ〜ん。出来ないんだ?」
「・・・・・・」
「・・・松浦の言うことなんでも聞くって言ったのに聞けないんだ?」
「・・・・・・」
「・・・じゃあ、もうおしまいだね」

松浦はおいらのことをキッと睨んだ。

「松浦がやぐっつあんが壊れるまでイカせてあげる」
「ふぇっ?」

そう言ったかと思うと勢いよくおいらに覆い被さる。

唇が塞がれる。
腕がのびる。
舌が入ってくる。
胸を乱暴に揉み荒らす。

普段の松浦では到底想像がつかないほど優しさも温もりもない行為。
乱暴でガサツで。
愛する人のためではなくて、
自分の復習する気持ちのみで動く行為。

740 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:26

「うああぁんっ!!!」
「いいんでしょ?やぐっつあん、感じてるんでしょ?」
「違っ!」
「何が違うの?」
「・・・松浦ぁ・・・」
「何よ?」
「・・ごめんっ・・・ホントっにぃ・・ごめんっっ・」

もう言葉にならない。こんなに乱暴なのにカラダはどんどん欲望を求めている。

「許さない・・・やぐっつあんには松浦の全てを見せたのに・・・・」

早くも右手がおいらのオンナノコの部分に触れる。

「ひゃぁ・・・・」
「うそ。ホントは好きなんでしょ。気持ちいいこと」

くちゅくちゅっと松浦の指が音をたてておいらの中に入ってくる。
もうそこはびっしょりだった。

「あぁぁぁんっ!」
「ほら、メチャメチャ、感じてるじゃん。こんなにぐちょぐちょに濡れてんじゃん!」

あまりの松浦の信念においらは恐怖を感じていた。
・・・ホントに壊される。
・・・ホントに・・・

「・・あんっ、あぁんッ・・・」
「んふふっ。やぐっつあん、すごいえっちな声してる・・・」
「そんなぁっ・・・こと・・ないってぇ・・」
「もっと聞きたいなぁ。えっちな声・・・」

さらに指の動きが激しくなった。
いつ終わるとも知らないジェットコースターは一気に頂点へと上りつめて行く。

741 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:27

「ま、松浦ぁ・・・・」
「わかってる。イキそうなんでしょ?」

松浦の吐息がふぁ〜と首筋にかかる。
一瞬、ビクッとカラダが硬直する。
が、すぐ次には上りつめて行く快感に腰を浮かせていた。

「あああぁっ!!」

絶頂を迎えた。
どくどくと愛液が溢れ、カラダ中の力が抜けていった。

・・・しかし、松浦はただニヤリと笑っただけ。
そして、再び松浦の指がおいらの中を暴れ始めた。

「ちょっ、やだ!そんなっ!」

ただでさえイッたばっかりで感じやすいのに立て続けとなると・・・。

「・・ぁぁんっ、松浦っ!」
「・・・イケルでしょ。やぐっつあん、えっちなんだから何度でもイッちゃえばいいじゃん」
「なんでぇ・・やぁぁんっっ」

・・・おいらのカラダは正直だった。
イッたばっかなのに激しく腰を動いてしまう。

「・・あんっ、あんッ・・・いいよぉ・・いいよ・・・」
「ほら、もっと激しく」
「・・んぁっ・・あぁぁっ・・ぁぁん・・」

松浦の指は規則正しく上下に動いている。
それにあわせるように腰を動かした。

「・・きちゃうぅ・・・2回目がきちゃうよぉぉぉっっ!!!」

2回目の絶頂を迎える。
が、相変わらず松浦の指は激しく動きうめく。
むしろ激しさが増しているようだった。


「お願いぃぃぃ!!やめてぇっっ!!」

742 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:27

あまりに悲痛な声にだったのか松浦は動きを止めた。
意地悪そうにおいらを見ている。

「どーしたの、やぐっつあん?」
「・・・・・・ひどいよぉ・・」

「なにが・・・?」
「なにがって・・・・何度も何度も・・・」
「やぐっつあんが悪いんでしょ?」
「そんなこと言ったってさぁ・・・・・・」

・・・恐怖と悲しみでもう涙で声にならなかった。

「やぐっつあん、すっごく可愛かったのに・・・」
「・・・ひっ・・ぐすっ・・・」
「あんな声出してさ・・・」
「・・・・・ひっく・・・」
「やぐっつあん・・・」

松浦が優しくおいらの肩を抱いた。
おいらは思わずその肩に泣きつく。


・・・・・・・でも・・・

「やぐっつあん・・・」
「・・・・・・」
「・・・知ってるよね。松浦、結構執念深いんだよ」
「ふぇ?」
「私、泣いたからって許さないから」

えっ・・・・?

松浦は再びおいらに覆い被さった。

743 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:28

「・・・やめてぇっっっ!!」
「ダメ。やめない」
「・・・壊れちゃう・・よぉ・・・おいら、壊れちゃう・・・」

「・・・・・・いいよ。壊れて」
「松浦ぁ・・・・」

「さっき言ったでしょ。壊れたらおしまいにしてあげるって」



・・・・・・おかしいよ。
松浦、絶対おかしいって。
とても、人間とは思えないほど冷淡すぎる。
なんでおいらが壊れなくちゃいけないのさ。
おいら、松浦には優しく接してきたはずだよ。
なのに・・・
なのに・・・この扱いは・・・



「きちゃうっ・・・・またきちゃうよ・・気持ちよくなっちゃうよぉ!!」

再び愛液が辺りに飛び散る。

「まだまだ・・・・」
「んぁ・・・・も、うダメだってぇ・・・」
「だって、まだまだ大丈夫そうじゃん」
「・・・うわぁッ・・」


・・・・・・・・・

・・・・・・・・・


744 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:28

・・・・・・・・・


――――少しずつ感覚がおかしくなってきている。
壊れる時ってこんな感覚なんだ。

さすがに松浦も疲れてきたのか肩で息をしている。
あれからもう・・・・とっくに1時間以上たっている。

「・・・はぁ、はぁ・・・やぐっつあん、ホントえっちなんだから」
「・・・・・・」
「ちょっと、疲れた。休憩」

そう言って松浦はリビングから出て行った。
おいらはぐたっとまるで捨て猫のように倒れこんだ。

・・・疲れた・・・ホントに疲れた。
そこら中においらから溢れたと思われる液体が飛び散っていた。
おいらのカラダ中の水分が全部出ちゃったんじゃないかな・・・?
眩暈もしている。確実に体の機能が壊れてきている・・・。


「やぐっつあん、お待たせ」

松浦は意外と早く戻ってきた。
戻ってきた松浦の手には・・・たまごの型の物体があった。
初め、おいらはそれがなんなのか理解できなかった。
しかし、だんだん松浦が近づいてくるとそれがなんであるのかしっかりと理解できた。

「そ、それは・・・」
「えっちなやぐっつあんにはこれで十分だよね」
「や、止めろぉ」

松浦はそのたまごのスイッチをオンにする。
ウィ―ンという機械音とともにそれが震え始めた。
ゆっくり近づいてくる。
おいらのオンナノコの部分に。

745 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:28

「しばらく、これでね♪」
「うわわっ・・・」

たまごから生まれる振動がおいらの体の芯を溶かしていく。
さっきとは違う意味で辛い。

「あんっ、あっ、ああっ・・・」
「ほら♪気持ちいいこと好きなんだから」


たまごの振動でまた絶頂を迎える。


もう、何回目かも覚えていない。



なんか・・・・・



もう、気持ちいいのかなんだかわかんなくなってきた・・・・・



746 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:29


感じてる・・・?



感じてない・・・?



だんだん周りが白くなってきた・・・




おいら・・・・このまま壊れちゃうのかな・・?




目をつぶれば楽になるのかな・・・・・・?




おいらに挿し込まれた機械が再び頂点が近いことを教えてくれる




イク・・・




ゆっくり腰を浮かして溢れる液体を待つ




747 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:29






「・・・やぐっつあん?」






もう、なんだかわからないや・・・・・・








「・・・あれ?・・・やぐっつあん、ついに壊れちゃったの?・・・・」



壊れる・・・・?


何が・・・・・?





748 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:29





もう、やんなっちゃったよ・・・・






「・・・・バイバイ」









――――





――――






・・・・・・


・・・・


・・



749 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:30





んっ・・・・




カラダが・・・・



カラダが痛い・・・・



へ?



あれ?



今の・・・・



・・・夢?



おいらはソファの上で横になっていた。
体には温かい毛布がかかっていた。

750 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:30

部屋を見渡す。・・・・間違いなく松浦の家。
どうやら、松浦がお風呂に入ってる間に完全に寝てしまったらしい。
毛布は多分・・・・
ここで寝ているおいらを見て、
松浦が風邪をひかないようにかけてくれたんだろう。



・・・・・・なんか。

とたんに涙が溢れてきちゃったじゃないかよ・・・。
梨華ちゃんに嫌われたのも、
あんな夢見たのも、
全部松浦のせいなのに・・・。
松浦のばか。
ばか、ばか。

「松浦ぁ・・・・」

寝室にいるのかな?

「松浦ぁ・・・・」

よろよろと歩き出して寝室に入る。
松浦は・・・自分のベッドで寝ていた。


「松浦ぁ・・・」

「・・・・・やぐっつあん・・?」


松浦もおいらの声で起きたらしい。

751 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:30

「松浦ぁ・・・」
「  ?  どうしたの、やぐっつあん?」




「ま、まづうらぁっっっ!!!!」
「!?・・ちょっ・・どうしたの、やぐっつあん?」
「うわわわわぁぁぁんっっっ!!!!」

おいらは松浦の抱きついた。
そして、大声で泣いた。
涙が枯れて萎んでしまうんではないかというくらい泣いた。
泣いて、泣いて。
どうしようもないくらい泣いて。
ただ、松浦の胸の中で泣きくれた。


「・・・どうしたの?」
「・・・っく・・・ぐすっ・・・」

「やぐっつあん・・・大丈夫・・松浦はここにいるよ・・・大丈夫だから・・・」
「・・・・・ひっくぅ・・・ぅ・・・」

「大丈夫・・・大丈夫・・・」

「松浦ぁ・・・」
「うん?」

「・・ごめんね・・・・」
「・・・・・もういいって」

「・・・ホントにごめんね・・」
「・・・やぐっつあん・・・・・」

「・・おいら・・・ホント・・悪いコトした・・・」
「・・・・・・」

752 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:31

「・・・・松浦の気持ちも考えないでさぁ・・・」
「・・・・・・」

「・・おいら・・・なんて言っていいやら・・・」
「・・・・いいよ・・」

「・・・梨華ちゃんの気持ちも・・・・ぐちゃぐちゃにしてさ・・・」
「・・・大丈夫だよ・・・梨華ちゃん、許してくれるよ・・・」
「・・・許してくれないよ」
「・・大丈夫。許してくれる・・」
「だめだよ・・おいら・・・もう口も聞いてくれないよ・・・」



「・・・明日・・・梨華ちゃんに・・・・謝ろう・・・・」
「謝っても許してくれないよ・・・」

「松浦も梨華ちゃんに謝ってあげるから」
「・・・・・・」

「ね?」
「・・・・・・」

「許してくれるまで・・・何度も・・・何度だって・・・謝り続けようよ?」
「松浦・・・・・・」
「一歩踏み出さなきゃ・・・何も始まらないよ・・・」
「・・・・・うん」

「じゃあ・・・・明日、ちゃんと謝ろうね・・・」

「・・松浦・・・・・・ごめん・・・ありがと・・・・」

また一筋の涙がこぼれた。




「・・・・・・ホントはね・・・松浦もやぐっつあんに謝らないといけないことがあるんだ・・」
「・・・・・・?」


753 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:31





―――― 数日後 ・・・・・





「・・・で、どうなったのさ?」
「うん。見ての通り矢口さんと梨華ちゃんは仲直りして、元通りのバカップルに戻ってるよ」
「ふぅ〜ん・・・・」

さっきから楽屋の真ん中でイチャイチャしている2人が見える。

「・・・じゃあさ、他のメンバーはどうなったのさ?」
「他のメンバー?」
「そう。ほら、よしことか?」
「あぁ・・・よっちゃんさんはね。あれから、矢口さんのことを諦めたんだけど・・・今はまこっちゃんと愛ちゃんから熱烈なラブコールを受けてるんだって」
「ほぉ〜・・・よしこ、モテるからね。・・・じゃあ、田中ちゃんと亀ちゃんと重さんの3人は?」
「ん〜・・・田中ちゃんと亀ちゃんは諦めたらしいけど・・・。重さんが今度は愛ちゃんにくぎったけみたいで・・・」
「あら〜・・こりゃまた大変だ・・・重さん、すごそうだしね・・」
「うん・・・」

754 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:31

「・・・んでさ、ミキティはどうなったのよ?」
「へっ?私?」
「そうだよ、よしこに振られたあと」

「・・・へへーん。実は亜弥ちゃんと寄りを戻しましたぁ♪」

「はぁ?」
「『はぁ?』じゃなくて、亜弥ちゃんと寄りを戻したの」
「・・・だって、いったん別れたんじゃないの?」
「うん、別れたよ。でもね、やっぱり美貴は亜弥ちゃんなの♪」
「なんでまた?」

不思議そうな顔をするごっちん。

「ふふーん。ホントはね、美貴がよっちゃんさんに気持ちが移っちゃったのがバレたから別れたんだよね」
「ふむふむ・・・」
「それで別れたんだけど・・・・亜弥ちゃんったら、1人になって悔しかったみたいなの」
「うん」
「美貴はよっちゃんさんしか見てなかったからね。それで・・・」
「それで・・・?」
「矢口さんを抱いちゃったわけ」
「ふぇ?やぐっつあんを?」
「うん・・・亜弥ちゃん、誰でもよかったみたいよ。美貴に『この人とイチャイチャしてま〜す』って言うのを見せ付けたかったんだって。かわいいよねぇ」
「・・・かわい・・・くはないと思うけど・・」

ごとーは首をかしげたが、ミキティは気にしない。

「それでね。亜弥ちゃん、矢口さんに謝ったんだってさ」
「ふぅ〜ん・・・なんか、ゴチャゴチャだね」
「そ〜だね」

755 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:32

「・・・で、ごっちんはどうなのよ」
「ん?私ぃ?」
「ごっちんは梨華ちゃんを諦めたあとどうしたの?」
「・・ん?・・へへへっ・・・・さぁ〜ねぇ・・・」
「えっ、なに?なんで誤魔化すの?美貴は言ったのに・・・・ごっちんずるいよ!」
「さぁ〜ねぇ・・・」
「このぉ〜・・・」

と、ここで2人の所にスキップで駆け寄る人物が・・・。

「ごっぉちん」
「あっ、柴ちゃん♪」

「明日、ラジオ一緒だよね」
「うん、そうだよ。がんばろうね♪」
「うん。宜しくね、ごっちん」

ミキティはごっちんの表情の変化を見逃さなかった。
さっきとは違い、明らかにほにゃっとしている。

「・・・ほほぉー。ごっちんは『梨華ちゃん』じゃなくて、『梨華ちゃんの大親友』を狙ってるのか・・・」
「・・・ミ、ミキティ。ごとー、そんなこと言ってないよ・・・・」
「わかってるって。言わなくても・・・」

肘でミキティにうりうりされる。

「んぁっ、そろそろ、ごとー、収録あるから行くね」
「うん。じゃあね、ごっちん。柴ちゃんと頑張ってねぇ」
「ミキティこそ、また別れないようにね」

ごとーとミキティのひそひそ話も終わりを告げ辺りが慌しくなってきた。
どうやら、準備が整ってきたらしい。

「・・・さぁて、今日もツッコミまくりますか♪」
ミキティは思わず腕まくりをする。

756 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:32

いつもとなにも変わらない一日が始まろうとしていた。
・・・いや、なにも変わらない日なんてないのかもしれない。
変化が小さすぎて、ただ気付かないだけ。


「ちょっとぉ、ヤグチと石川ぁ!いつまでそこで抱きあってんのよ!!イチャイチャしてないでマジメにやりなさぁいっ!!」


圭織の声が秋の高すぎる空へ消えていった。
でも・・・寂しいけれど圭織の声がここで響くのも白の季節まで。
時代は確実に未来を指差している。
時代は回りつづける。
歩いてる人も
走ってる人も
平等に時間は回りつづけている。
そして、季節は徒競走はいつのまにか最終コーナーを回るのだ。
時間なんてそんなもの。
秋の空は雪の匂いを連れてきている。


「梨華ちゃん、今年は何度雪が降り積もるのかな?」


その答えはまだ風に吹かれている。







(『多角形の関係図』・おしまい)

757 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:33
・・・・・・・・・・・・
758 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:33
・・・・・・・・・・・・
759 名前:多角形の関係図 投稿日:2004/10/11(月) 20:33

最後なんで一応あげましたが・・・。いいのかな?エロだったのに・・・。

読んでいただいた方々、本当にありがとうございました。
本当に本当にこれでおしまいです。

760 名前:書いてる人 投稿日:2004/10/12(火) 18:34

まとめ・追加

『涙をふいて』
>>554 〜 >>560
いしやぐ
辻・加護卒業後の2人。

『家庭訪問』
>>564 〜 >>587
いしやぐ
初めてのお泊まり。

『多角形の関係図』
>>592 〜 >>756
最終的にはいしやぐ
どエロです。すみませんでした。

もちろん全てフィクションです(当たり前!)。
実在する団体・人物とは関係はありません。


それでは、またあえる日まで♪

761 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/15(金) 02:00
お疲れ様でした。またいしやぐを書いてくださいね。
762 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/17(日) 18:04


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