kacchi

1 名前:作者です。 投稿日:2004/04/06(火) 22:10
設定はリアルです。

sageでお願いします。
更新は遅めだと思います。出きる限り急ぐつもりですが。
2 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:11
マンションの一室に1人の女性がいた。
快適な広さを持ち高層階に位置する高級と言えるだろうマンションの一室。
そこのリビングで、1人の女性が少し開けた窓から入るそよ風に
頬打たれながら入れたばかりのダージリンをのんでいた。
「あぁ、いい風。」
彼女は石川梨華。モーニング娘。というアイドルグループに属している
典型的美少女。
ストレートの髪はそよ風に揺れている。
彼女は自分がアイドルだということを自覚している。
FANがどんな自分を期待しているか。
だから彼女は限りなく自分をその偶像に合わせて振舞った。
そう、さきほどの呟き。
今のこの状況。
今、FANが突然部屋に飛び込んできても、イメージを損なうことはない。
まさに、完璧アイドル。
3 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:11
「なにが『あぁ、いい風。』やねん。」
そよ風に打たれ、自分に陶酔している石川を現実世界に引き戻す声。
部屋の中ほどにあるソファーに座って昼間から麦酒を飲んでいる女性。
「中澤さん!!どうして昼間からお酒なんで飲んでるんですか!」
「あ?オフやからに決まってるやん。外にもいけへんし飲むしかないやろ!」
少しキレ気味に叫び、麦酒を煽る女性。中澤裕子。
同じくモーニング娘。というアイドルグループに属している。
典型的な三十路。
染めすぎて痛みまくった髪はそよ風程度では靡かない。
「中澤さん!!アイドルなんだからシャキッとしてください!
 FANが見たら泣きますよ!」
両手でティーカップを掴んでゆっくり優雅にお口に運びながら石川は少し口調を荒げる。
「なんでこんな部屋にいる姿みられんねん。ストーカーやんか。そんなんおったら
 こっちが泣くわ。」
中澤はそう言うと、残りの麦酒を煽り飲み、缶を片手で握りつぶした。

4 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:12
どうしてこの二人が一緒にいるのか?
典型的アイドルと典型的三十路。
同じグループでどうしてこうまで違う二人がいるのか?
それはただならぬPつんくのせい。
そして、オフの今一緒にいるのも全て。

石川はあの日の事が悪夢の様に受けとめていた。
それは中澤とて。

ある番組収録後、二人は事務所に呼び出された。
こんな対称的な二人が二人だけで呼び出される事に別に違和感はなかった。
二人で収録している番組もある。
それに、モーニング娘。はこの二人だけではない様々な個性があった。
5 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:12
「おまえらなんでそんなバラバラやねん。」
部屋で待っていた二人を見るや否やPつんくは呟いた。
二人は微妙な間隔でソファーに座っていた。
1人はピンクで染め上がり、1人はアニマル柄で染め上がっていた。
もちろんこれは私服である。
「は?なにがですか、つんくさん。」
「いや、ええねん。ちょっと思っただけや。」
Pつん…つんくは掛けていたサングラスをくっと上げると向かいの席に腰をおろした。
この男も二人を責める側、いや地味な側にはいない。
原色の上下に派手なサングラス。
「まぁ結論先にゆーわ。お前等今日から一緒に生活せぇ。」
「は?」
「ええええぇぇぇぇええ!!!??」
アイドルの奇声が部屋にこもる。
アニマル中澤は方耳を押さえながら隣をニラミ見ていた。
「まぁまぁ、えーから落ち着け。説明するから。」
つんくはピンク石川をなだめるように言った。
「おまえら全く逆の人間や。でもな、両方必要な物もってる。
 それでまたお互いがもってないものをな。だからや。
 一緒に生活してお互いのいいとこだけ吸収しろ。」
6 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:13
「ちょっと待ってください、つんくさん!石川と一緒とか絶対無理ですって。」
「そーですよ、つんくさん。」
石川が少し興奮気味に、けれどもそれはアイドルとしてテレビでよくみるような、
口を開いた時、つんくはそれを手で制して言った。
「これは決定事項や。もう引越しはすんどる。もちろんお前等のいまの家は別で
 ちゃんとあるから。これは半年だけの試みや。この後ちゃんと今の家に住んでええから。
 それまでは鍵預かるから。帰れへんようにな。」
中澤は諦めた様にソファーに背を埋めた。
「ほんまに…いっつもやる事急なんですから、つんくさんは…。」
けれども石川はまだ諦めていない。
それがつんくとの付き合いの差であろうか。
「無茶苦茶じゃないですかぁ!」
「石川、お前は中澤に掃除のしかた教えてもらえ。なんやねんあの部屋は。」
「!!あっ…。」
部屋の状況を思い出したのか、石川は下を向いた。
「ええな。今からマネージャーが車で送るから。今日からそこが家やぞ。」
つんくはテーブルに鍵を二つ置くと部屋を出て行った。
「「お疲れ様でしたぁ。」」
結局諦めた二人は鍵を見つめるしかなかった。
7 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:13
「…。」
何も言わない中澤をチラっと横目で見てから石川は小さく息をついた。
今日からずっと中澤さんと一緒だなんて…。
最近一緒に仕事してるからって無理なんじゃないの??
やっぱりまだ怖いし…。 
その間、中澤はというと、
まじでつんくさんはいきなり何するかわからんわ。
石川と一緒?どうせやったら矢口にしてくれたらえーのに。
ホンマにうまくやってけるんかいな。まだそんなに慣れてないのに。
人見知りの性格からあまり人と馴染めない自分に不安であった。
「とりあえず、家見にかえろーか。」
鍵を一つ握って立ち上がると石川を見下ろした。
「は、はいっ!」
まるでモーニング娘。に入ったばかりの時ような緊張した顔をした石川がいた。
8 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:13
ここで少し説明をしておくと、モーニング娘。というアイドルグループは
初期5人 2期3人…など増えたり減ったりを繰り返す特殊なグループなのである。
中澤は初期。石川は4期。ふたりはまだ馴染みきっていなかった。

「ここになるから。とりあえず個室が一つずつ、リビング、客間、あとはトイレ 風呂がある。」
マネージャーの車に乗り、二人は自宅とするマンションに案内された。
家に関する情報を聞き、やっと落ち着いたのは
発表を受けて2時間後の事だった。

「それにしても、いきなりやったなぁ。」
「…はい。」
ソファーに座りながらぎこちない会話を交わす。
中澤は既に麦酒を飲みながらマネージャーに手渡された紙束を適当にめくっていた。
(麦酒はスタッフの配慮であろう。冷蔵庫に大量に入っていた。)
「ほんとに、どうなるんでしょうかねぇ?」
石川はソファーから立ち上がると窓辺に近づきカラカラと窓を開けた。
9 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:14
高層階に位置するためか冷たい風が強めに顔にあたる。
「…綺麗。」
パラパラと紙のめくれる音をバックに石川は東京の夜景に見入っていた。
「ちょっと!!綺麗。やあらへん!紙全部飛んでったやんか!!」
良い雰囲気がバックからの怒声で一気に破滅した。
「あぁ、もう。これまとめとか…。」
紙を集めている中澤の声が止まる。
不思議に思った石川は優雅に振り返った。
「どうしたんですかぁ?」
「なんやこれ!!ありえへん!こんなんまで決められてんの??」
ヒステリックに叫んだ中澤は、もー知らんわぁと呟いて麦酒を煽った。
「これがどうかし…。」
書類を手に取って中身を見た石川の目にも驚くべき内容が記されていた。
10 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:15


規定
1.半年間、仕事の都合以外 外出・外泊は禁ズ。
2.オフは二人だけで過ごさなければいけない。
3.モーニング娘。も同様、この事を他言してはならない。


11 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:15
「いっいやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
石川は突然両耳を押さえて叫んだ。
石川が開け放っていた窓からの風が再び書類を撒き散らした。
「ブッ!ちょ、ちょっと石川??」
麦酒を少し出し気味に中澤は石川を驚愕した顔で見た。
「ちょ、ちょっと落ち着き、な?落ち着いて。」
中澤は石川の両手を出きるだけ優しく掴んでソファーに座らせようとした。
「これ、これなんなんですか?半年間軟禁状態じゃないですか!」
石川はその書類が、まるでそれ自体が自分たちに命令しているかのように
震えながら書類を見た。
「うん、そうや、これなんかおかしい。だから明日言お!な?だから落ち着き。」
「だって…だって…。」
「これやったら買物もいけへんやん。な?絶対生活できひんってゆぅたら通じるし。
 大丈夫。私が言うから。」
中澤は石川を落ちつかしながらも不安で仕方が無かった。

つんくが一筋縄では行かない事をしっているから。
12 名前:kacchi 投稿日:2004/04/06(火) 22:16
「すみません、中澤さん。」
中澤が窓を閉め、散らかった書類を集めていると、落ち着いたのか石川がそうつぶやいた。
「ええんや、これには私もびっくりしたし。」
「でも、どうして娘のみんなにも言ったらだめなんでしょうか?」
「うーーん。なんでやろなぁ?わからんわ。」
モーニング娘。彼女達には何の問題もないはずである。
「だっていきなりこんな生活させる事もわからんもん。分からん事だらけや。
 もー考えてもあかんで。寝よ。」
「何新しい麦酒取り出してるんですかー!寝ましょうよー。」
「あんた勝手に寝にいきーや。私はこれ飲んでから寝んねん。」
冷蔵庫の前で新しい麦酒を取り出しながらうっとうしそうに中澤は答えた。
「中澤さんが寝ようって言ったんじゃないですかぁ。」
ブツブツと呟きながら石川は自分の部屋に向った。
「全く。なんやねんな。はぁ…。」
中澤はテレビを付け、ドカッとソファーに腰をおろした。


二人暮らしの始まりであった。

13 名前:作者です。 投稿日:2004/04/06(火) 22:16
時代設定は2000年だったか・・・そのくらいです。
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/07(水) 15:25
面白そうな設定&組み合わせですね。
2人の掛け合い面白れー。
15 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:09

翌朝 午前8時
ジリリリリリ!!
中澤の部屋から目ざまし時計の音が鳴り響く。
「…うっさい…もう朝かいな…。」
けだるそうに布団から手だけを出し目覚ましを感覚で探す。
毎日の慣れた行動なのだが今日はさっぱり目覚ましに触れることができない。
そうこうしている間も目覚ましの音は部屋全体に鳴り響く。
「はぁ?どこいった…ってここどこ!?」
もぐり込んでいた布団から顔を出して中澤は自分の部屋で無い事に気が付いた。
「え??昨日…泊まりに行ったっけ?」
目覚ましを止めて呆然と考える。
周りにある物が自分の物であることはわかっているのだが、寝ぼけた頭では理解できなかった。
よく分からないままフラフラと部屋をでると…
「おはようございます!中澤さん!」
「石川??あんたなんでここにおんねん?」
「何言ってるんですかぁ。寝ぼけてるんですかぁ?」
そうだ!中澤は昨日の悪夢のような出来事を思い出す。
「あー、いや、ってかあんた起きるん早いねんなぁ。」
「なんだかワクワクして目が覚めちゃったんです!」
「あーそう。…シャワーあびよ…。」
朝からテンションの高い石川を放置気味に中澤はヨタヨタと風呂場に向った。

16 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:10
石川は6時から起きていた。
寝起きに少々戸惑ったもののすぐさま思い出し今に至る。
麦酒の缶が数本リビングのテーブルにあるのを見て少し鬱になったが
窓を開け空気の入れ替えや仕事の用意をしていた。

石川は気分がよかったのだ。
綺麗な自室。(まだ散らかしていない。)
新しい家具。(最近ひっそり注目していたモデルルームのようである。)
昨日まで住んでいた部屋とは違い新鮮味にあふれている。
石川は新しい物好きだった。

「高層階から紅茶を飲みながら見下ろす街…。ステキ…。」

石川はある意味夢の中だった。

17 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:10

「なんや、外見んの好きなんやなぁ。」
石川が振り返ると中澤がいた。
髪はタオルで巻きバスローブを羽織った姿で麦酒の空き缶を片付けていた。
「そこちょっとベランダになってるから小さいテーブルセットでも置く?」
たんたんと動く中澤を凝視する石川。
ふと石川の方に視線をやった中澤はビクリと止まった。
「なに?別にゆっただけやけど。目逝ってんで…。」
「いや、すっごいイイアイデアだと思います!!さすが中澤さんです!!」
「あ、あぁそう…ありがと…。」
少し、いや大分引き気味に中澤は台所の方に向って行った。
「そっかぁ。ここにあったら最高!!」
石川は急いで自室に向った。
『今イケてるマイルーム』(2000年初版)を見に。

18 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:11

「…石川…後で片付ける気か?」
台所にて呆然とする中澤。
紅茶を入れるために一奮闘したのだろう。
葉はパラパラと散らばり、紅茶の茶滴が転々と落ちた様があった。
棚戸は開きっぱなしで一体何故こうなったのかがわからなかった。

中澤は石川の掃除下手をあまり知らなかったのだ。

コーヒーを入れつつ一応片付けながら中澤はリビングからする物音を聞いた。
一体何か非常に気になったが片付け物が多く、コーヒーが落ち終わるまで台所にいた。

「ちょ!!ちょっと石川??何してんの?」
コーヒーをこぼしそうになる程慌てて中澤が石川に駆け寄った。
「いや、ここに置こうかなって!」
石川が自室から引きずり出してきたのはここのベランダには似合わない、いやおかしい
いや、止めて欲しいキティーの柄がついたショボイ椅子だった。
「いやいや、これはないやろー。おかしいやん。」
「えぇ?そうですか?あってますよー。」
不思議そうに首をかしげる石川。
「これ部屋の椅子やろ?部屋で椅子どうすんの?」
「え?あぁ何か買います。」
「いやいやいやいや、これは部屋持って帰り。ここのを買おうや。な?」
中澤は必死だった。

19 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:11

「だってこれ勉強する時の椅子やん!!ほら!ここ見て!クルクル回すやつついてるし。」
「あっそうそう、これ便利なんですよ?あがったりさがったり。」
必死で椅子についたノブを屈んで指差す中澤をあざける様に
石川はうれしそうにノブをまわし、椅子を上下させた。
「あーうん。そうやな。でもこれは部屋で使った方がええよ。ここは別に上げたりせんで
 ええやんかぁ?ほらっなんか良いやつつんくさんにゆーて買ってもらお!
 今日はまぁ我慢して。ほらっソファー座り。」
中澤は優しく石川をくるくるチェアーから引き離す事に成功した。
ソファーに座りながらも少し納得がいかなそうにする石川を中澤は
椅子から目を離させる話題を探すことで精一杯だった。
「今日の仕事なんやっけ?」
「今日は歌番組ですよ。えっと10時に迎えがくるんですよね。」
「あぁ、そやった。終わるの早いかな?やっぱ遅いか。」
さりげなく会話を遠ざけれた事に内心ガッツポーズをとりながら中澤は答えた。

この子あかん…。めちゃくちゃや…。  

中澤の最初の感想である。

20 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:12

石川がティーカップとコーヒーカップを持って台所に行った隙に
くるくるチェアーを石川の部屋の前に持っていった中澤は髪を乾かしに
再び風呂場の方に向った。

石川は流し台にカップを置くとそのまま自室に向って行った。
中澤が自分が散らかした台所を片付けたことなど何一つ気が付いていなかった。
石川の頭に後片付けという文字はない。

中澤は髪をかわかすとリビングに石川の姿が無い事にきがついた。
石川の部屋の方に目をむける。
中にいるのだろう、ガタガタと音が聞こえてくる。
けれど、先ほど部屋の前に置いた椅子はそのままそこに置きっぱなしになっていた。
「気ついてないんか?」
中澤は椅子の背もたれを掴み、中に入れようと石川の部屋をノックした。
「石川〜、これ中入れときやぁ!!」
返事を待たずに軽くドアを開け、中に声をかけた。
軽く、いや少ししか開けられなかった。
何かにつっかえたから。

21 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:12

「あ、はい。ちょっと待ってください。」
石川の声となにやら物を動かす音は聞こえるものの、一向にドアが開かれることは無かった。
「…。まぁここにおいとくからな。」
中澤は何も気にする事無く、自室に向った。
「何着ようかな…。」
独り言を呟きながら。

「あれぇ?どこいっちゃったんだろー?」
その時石川は衣装ダンスと格闘いていた。
今日着たい気分のピンクのかわいらしいキャミソールが見当たらないのだ。
自分が仕舞ったわけではないので全部しらべなくてはいけない。
引きだしの上から下まで一つ一つ探す。
探し物は必要なときにみつからない、なんて事はよくあるのだ。
石川の格闘はまだ終わらない。

中澤はと言えば、洋服ダンスを開け、1度それなりに確認すると大体がわかり
着たい服をすぐさま見つけ出すことができていた。

そうやって各自部屋に篭って30分。
先に部屋を出たのは中澤であった。

22 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:13

「あと10分くらいやな…。」
する事も無くなりテレビをつけてソファーに座る。
その時、石川の部屋の前の椅子が再び目に入った。
「なんや、まだいれてへんのかいな?はよ入れたらええのに。」
暇な事もあり、再び立ち上がると石川の部屋のほうに向った。
「石川〜?準備やってんの?」
「あ!はい!できましたー!」
石川はお気に入りのかわいらしいキャミソールに身をつつんで部屋から現れた。
「あんた…ほんまピンク好きやねんなぁ…あ、そうそう、これつかわんかったん?」
椅子を指差しながら石川を見る。
「あっそうだ!中に入れますね。」
石川はてへっと下を出すと、片手で椅子を掴み、もう片方の手でドアを開けた。
ガツッ!!
鈍い音が響く。
「なんや?なんかぶつかったみたいやで?」
中澤がそれとなしに部屋を覗くと、とんでもない惨状がチョラリと見えた。
「あんた!!何これ!?」
思わず石川を跳ね飛ばし石川の部屋を覗きこんだ中澤は、部屋一杯に飛び散った服や、
あけっぱなしの衣装ダンスといった酷い有様を目にした。
「あっちょっと急いでて・・・エヘヘ。」
思わず振りかえった中澤はかわいこぶった石川にかける言葉がなかった。

23 名前:kacchi 投稿日:2004/04/11(日) 21:13

まだ引越しして1日。
どうやったらああなるのだろう。
常人には考えられない有様。
半分も開かないドア。
キャラクターのベッドシーツにカーテン。
甘ったるい匂い。(香りではない。)
真ピンクの部屋。

「まぁ、帰ってきてから入れ…。」
中澤はそっとドアを閉めた。
石川ははいっと元気よく返事をしてアイドル特有の笑顔を見せた。
中澤は力の限り微笑み返す事しかできなかった。
ひきつりはしていたが。

この子あかん…。めちゃくちゃや…。  

中澤の2度目の感想である。

24 名前:作者です。 投稿日:2004/04/11(日) 21:16
訂正

>22 とんでもない惨状がチョラリと見えた。
        ↓
   とんでもない惨状がチラリと見えた。


  チョラリって何やねん…逝ってきます
25 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/26(月) 03:10
どこまで逝ったんでしょうか?

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