『桜源郷』
- 1 名前:p.r. 投稿日:2004/04/07(水) 00:00
-
さくら組(紺野さん)中心のアンリアルです。
更新はゆったりのんびりになりそうですが、
まったり頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。
- 2 名前:『桜源郷』 投稿日:2004/04/07(水) 00:04
-
この世の歴史には幾つもの分岐点がある。
あの時
あの場所で
それぞれが違う選択をしていたら?
あらかじめ決まっているような 人の運命や歴史は、
分岐点に差し掛かる度に
新しい世界を
別の次元に作り上げていく。
それは人の言う『もしも』の世界。
現実の世界とは全く違う世界。
または
現実の世界と同じ人物達が、全く違う世界を生きる世界。
人の運命の 数え切れない分岐点と同じく、
作り上げられる幾つもの『もしも』の世界達。
これから語る物語は、そんな分岐世界のひとつ。
現実世界から一番遠い分岐世界。
でももしかしたら、一番近いかもしれない世界。
そんな世界に生きる、少女達の物語。
- 3 名前:・・・ 投稿日:2004/04/07(水) 00:06
-
『 桜源郷 』
- 4 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:07
-
その世界は、平和といえば平和な世の中だった。
自給自足の生活で、貧富の差が激しく、どこかの土地で争いがあっても、
それぞれがそれなりに生活をし、
それなりに笑顔で暮らし、
それなりに幸せを感じていた。
例えるならば、現実世界でいう江戸時代のような世界。
では日本かと言うとそうでもない。
中国のようで、
西洋的にも感じる。
かと思うと、人々は着物を着ていて
古き時代の日本を思い起こさせる。
そんな、私たちから見ればあべこべの世界。
- 5 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:09
-
その世界に住む少女、『紺野あさ美』はごく普通の少女だった。
裕福ではないが、貧しくもない。
不自由はないが、満たされてもいない。
ならば不幸せかと聞かれれば、そうでもない。
そんな普通の生活を送る、普通の少女。
だが、そんな少女の運命が
大きな分岐点に差し掛かる。
- 6 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:10
-
家族みんなで出掛けるはずだった、
街の盛大な雪祭り。
あさ美も楽しみにしていたのだが、
当日になって体調を崩し、出かけることができなくなった。
随分前から指折り数えて楽しみにしていた妹に悪いからと、
残念ではあるが、留守番を買って出、
気遣う家族を笑顔で見送った。
共に出かけていれば、
体調を崩さなければ、
彼女の運命も、もしか、家族の運命も変わっていたのかもしれない。
しかし、それはもう違う世界の話。
この世界のあさ美の運命は、
『家に残り、家族を雪祭りに送り出す』という分岐へ進んでしまった。
- 7 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:12
-
知らせを聞いたのは翌朝。
現実を突き付けられ、闇の底に落とされたのは
その翌日。
- 8 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:14
-
あさ美の行かなかった雪祭。
愚かな若者達が、ここぞとばかりにハメを外すのは良くある話。
警官と衝突し、騒動になるのも良くある話。
だが、残念な事に
祭の分岐は最悪な方に進んでしまった。
人がごった返す中、
祭の賑やかさと、警官との衝突で気分が高調した若者の行動が、
祭を地獄絵図に変えた。
大勢の人が犠牲になり、
その中に
あさ美の家族もいた。
- 9 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:16
-
知らせを聞き、だるい身体を引きずりながら駆けつけた。
変わり果てた姿の家族と再会した時、
彼女の全てに闇が落ちた。
まだ16の若い彼女が受け入れるには重すぎる現実。
体調が悪いのと、精神的なショックで
その場で気を失った。
あさ美が目を覚ました時は、
家族は小さな箱に
小さく軽くなって納められ、
先ほどとはまた違う、変わり果てた姿になって
あさ美の元に帰ってきた。
不思議と
涙は出なかった。
- 10 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:17
- 家族を胸に抱き 家に帰ると、
孤独という闇があさ美にのしかかった。
家族以外に身寄りはいない。
大黒柱だった父がいなくなった今、
自分で働いて生きていかなければならない。
孤独と、不安と、大きな悲しみ。
あさ美が弱い訳ではない。
受け入れるには、酷な運命だった。
今、彼女が感じるのは虚無。
家族の遺骨と向き合って、
食事を取るのも忘れ、
寝ることも忘れ、
生きたいのか、死にたいのか
それすらも分からない。
心配した近所の人が何度か声を掛けてきたが、
抜け殻となった彼女には、その声は届かなかった。
彼らの建て前程度の心配は、
そのうち無関心へと変わり、
ついには誰も尋ねてくることはなくなった。
- 11 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:18
-
――そんなある月の夜。
- 12 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:19
- 何気に外に目を向けると
まだ蕾もつかぬ桜の木の下、
近所の子供が作ったのか
小さな雪ウサギがひとつ、ぽつんとあった。
月の光りに照らされて、青白く光るそれに惹かれるように、
ふらふらと外に出ると、
一面の雪が、雪ウサギと同じく月の光で青白く光り、
虚無的だったあさ美の瞳にも
それは
とても美しく映った。
「きれい・・・」
何日振りかに出した声は、小さく掠れていたが、
彼女の忘れていた感情を蘇らせるには十分で
これまで一滴も流れることのなかった涙が、
あとからあとから流れてきた。
雪ウサギの傍らにそっと横になり
冷たい雪に身を任せると、
刺すような冷たさが 感情をひとつひとつ呼び起こしてくれた。
- 13 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:21
- 流れる涙はそのままに、青く光る雪ウサギを見つめながら、
妹は少しでも雪祭りを楽しめただろうかとか、
家族の見た雪祭りも、祭の明かりに照らされて
このように美しかったのだろうか・・・と、
今は亡き家族へ思いをはせた。
そのうち いつの間にか月は隠れ、
止んでいた雪が再び降り始めて、
あさ美の横たえた身体にも雪が積もりだしたが、
彼女がその場から動く事はなかった。
別に死のうとしているわけではない。
不思議とそんな思いにはならなかった。
だが長い時間雪の上に横たわっていた為
身体は完全に凍えてしまっていた。
動かそうにも言うことをきかない。
なんだかすべてが面倒で、
身体は冷え切ってしまっているが
あさ美には今の状態がとても心地よく、
このまま死んでしまうならそれでいい、
死なないのなら、その時にまた考えようと
のんびりそんな事を考えた。
- 14 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:22
- なんとか動く首を傾け
空を見上げると
薄く開いた雲の隙間から、柔らかい月の光が
舞い散る雪を照らしていた。
ちらちらと舞う雪が、まるで桜の花びらのように見えて、
昔、母に話してもらった『桜源郷』という神話を
あさ美はぼんやりと思い出した。
『一年中桜の花が咲き、美しい天女達が住む世界。』
一緒に話を聞いていた妹は、一度その世界を見てみたいと目を輝かせていたが、
もしかしたらそこに辿り着いたのではないだろうか・・・?
ちらりとそんな事を思い、
もしそうなら妹も少しは報われると、願うように微笑んだ。
- 15 名前:一幕『分岐』 投稿日:2004/04/07(水) 00:23
-
言うことを聞かない、凍えた身体をなんとか仰向けに動かし、
次第に霞む視界をまっすぐ空に向けて、
真っ白な雪の上で、
桜の花びらのように ちらちらと舞い散る雪と、
美しい月の光をぼんやりと眺めていると、
自分も『桜源郷』にいるような感覚に陥る。
もしそうならば、また妹に会えるだろうか?
ならば自分もそこに行かなくては、
次第に睡魔があさ美を襲い、瞳は閉じられようとしていた。
薄れ行く意識の中、
月の光の中を 美しい少女が
白虎に乗り、軽やかに月夜を翔けてくるのが見えた。
あぁ、なんて綺麗・・・。
きっと彼女が『桜源郷』に住むという天女なのだろうと
ぼんやりと思い、あさ美はそのまま意識を手放した。
- 16 名前:p.r. 投稿日:2004/04/07(水) 00:30
- …ちょっと短いですね(苦笑)
ひとまずここまで。ストック小出しで申し訳ないです。
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/07(水) 01:47
- 淡々とした文章がいいですね。
続きが楽しみです。
- 18 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:25
-
人の世には必ず、語り継がれる神話がある。
あさ美の世界にもそれはあった。
小さい頃、母が寝る前に話してくれた『桜源郷』。
それもその中のひとつだ。
一年中咲き乱れる桜。
美しい天女達。
- 19 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:26
- 一緒に聞いていた妹は、話を聞くたびに目を輝かせていた。
それに対して自分はというと、
ならば天女達は、春しか季節をしらないのだろうか?
夏に食べる氷のおいしさや、
冬のみかんのおいしさを知らないなんて可哀想だ・・・。
と、見当違いのことを考えていたのを覚えている。
そのせいか、何度か聞いたはずの『桜源郷』の話の内容が、
今となっては はっきり思い出せない。
母が自分達の反応を見ながら、
毎回少しずつ話を変えていたような気もする。
どちらにせよ、毎回話の冒頭で語られる
『一年中咲いている桜』と『そこに住む美しい天女』は
とても好きなくだりだった。
- 20 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:27
- そんな事を思いながら、
あさ美は広い世界に佇んでいた。
そこはなにもない
一面のセピア色。
その世界に、その頃の母と妹が、あの時と同じように微笑んでいた。
近くにいるのに何故か声が聞き取れない。
だがなんとなく、『桜源郷』の話をしているのだと分かった。
声を掛けたかったが、どうしてか声が出ず、見守ることしかできない。
幸せそうな二人の笑顔を見ていると、自分もそこに行きたいと思ったが
何故だか足も、声と同じく自由が利かず、その場から動けなかった。
- 21 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:28
- ただじっと二人を見守っていると
母がふいに顔をあげ、あさ美の方を見た。
いつの頃も変わらない、母の優しい微笑。
「おかぁ・・・さん・・・」
出なかった声が、自然とこぼれ
母の笑顔に、
冷たかった自分の心が 温かくなっていくのを感じた。
安心感から涙がこぼれ、あさ美の頬を濡らすと
母はあさ美のそばに来て、そっと涙を拭ってくれた。
- 22 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:30
- セピア色の世界にいる母は
なんだかとても儚げで、
体温を感じさせないのに
頬を拭う手はとても温かく、
かえってそれが、あさ美にはとても切なく感じた。
それが何故かは考えたくなくて、
すがるように母に抱きついた。
母はそんなあさ美を優しく抱き返し
腕の中で小さくなる娘に、そっとつぶやく。
『大丈夫、ひとりじゃないから・・・』
- 23 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:30
- 優しげに語る口調は
いつもの母と同じく柔らかなものだったが
そのイントネーションに、少し、疑問を覚えた。
母はこんな喋り方をする人だったろうか?
ふとそんな事を思ったが、
『ひとりじゃない』
その言葉がとても嬉しくて、
そして、そのちょっと変わったイントネーションがおかしくて、
あさ美は小さく微笑んだ。
閉じていた目をゆっくりと開き、
抱きしめてくれるその人を見ると、
綺麗な笑顔がそこにあった。
- 24 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:31
-
綺麗・・・
それがまず最初の感想。
次に思ったのが
母はこんな顔をしていただろうか?
「お・・・ヵ・・ぁ・さ?」
うまく言えず、なんだか妙な感じになってしまった。
しかし目の前の彼女は気にする様子もなく、
綺麗な顔に、綺麗な微笑を浮かべて
「気がついたんやね、まだ寝ててもえぇよ?」
と、先ほどの母と同じく、おかしなイントネーションで言った。
あぁ、この人だったんだ。
回らない頭で、なんとなくそんな事を思いながら
微笑む彼女に 微笑み返した。
彼女のように綺麗に微笑む事ができただろうか?
そう思いながら再び瞳を閉じようとする直前、
嬉しそうに、顔をくしゃくしゃにして笑う顔が目に入った。
先ほどの綺麗な微笑みとは あまりにもギャップのあるその表情に、
なんだかとても可笑しくなって
クスリと小さく笑った。
- 25 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:34
- あの雪が舞い散る月の夜に
白虎に乗って翔けてきたのは、間違いなく彼女だった。
天女かと見紛う美しさからは想像もできない、
人懐っこい くしゃくしゃの笑顔。
初めて会った人のはずなのに、すごく懐かしい気がして。
理由はないが なんとなく、
あぁ、本当に自分はもう 一人じゃないんだと、嬉しくなった。
願わくば神様。
どうか、彼女が夢でありませんように。
私を あの 冷たく暗い家に戻さないでください。
意識の途切れる寸前に強く祈ったあさ美の願い。
次に目覚めたその時に、
その願いが聞き届けられた事を、彼女は知る。――――
- 26 名前:二幕「天女」 投稿日:2004/04/10(土) 22:34
-
- 27 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/04/10(土) 22:35
-
目が覚めて
最初に目に入ったのは舞い散る花びら。
次に目に入ったのは
見慣れぬ部屋。
置いてある家具や自分の寝ている寝台が
どれも高価そうなことから、
どうやらここの主はけっこうなお金持ちらしい・・・と、
まだ覚めてしまわぬ頭で、そんな事を考えた。
- 28 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/04/10(土) 22:36
- 気だるい身体を起こしてみれば
自分の髪や、布団から
薄紅色の花びらがはらりはらりと舞い落ちる。
しばらくそれをぼーっと見ていたが、
頭が覚醒するに連れ、
次々と疑問が浮かんできた。
いったい此処はどこなのだろう?
そもそも、何故こんな所にいるのか・・・。
自分はあの雪の上にいたはずだ。
―――――――それとも
あの出来事自体が夢だったのか・・・。
いや・・・
きっと本当の自分は、まだ雪の上に横たわり
今まさに、この夢をみているにちがいない。
そう、こっちが夢なのだ・・・。
そうでないと説明が付かないと、
あさ美は 丸い 格子の窓の向こうに広がる、満開の桜を眺めた。
- 29 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/04/10(土) 22:37
-
季節は真冬だったはず…
自分は確かに、あの刺すような冷い雪の上に横たわったのだ。
それがどうだろう。
目覚めてみれば見知らぬところ。
季節は移り、春の日差し。
外に咲く満開の桜。
いくら妹にトロいと言われてた自分だって、
まさか季節が移り変わるほど眠りこけたりはしない。
- 30 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/04/10(土) 22:38
-
いくら考えても答えは出ず、
なんにせよ、自分ではこの疑問は解決できないと、
あさ美は考えるのを止めた。
今は色んな「何故」を無しにして、
ただ、この満開の桜に見とれていたいと、
部屋の外、小さな中庭のような場所に根を下ろす
桜の木の下に立った。
- 31 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/04/10(土) 22:38
-
あの雪の夜。
月の明かりに照らされ 舞い散る雪を、
まるで桜の花びらのようだと 自分は思ったが。
こうやって、本物と見比べてみるとまるで違う・・・。
・・・いや、
ここの桜が特にそうなのだろうか?
あの時の雪は、残酷な美しさだったが、
この桜はこんなにも温かい。
低く伸びる枝に頬をよせ、
そっと桜に手を添えると、舞い散る花びらが
まるであさ美を包むようにして
ふわりふわりと舞い落ちた。
「あさ美ちゃんこそ、天女みたいや」
聞き覚えのある、心地よい声とイントネーション。
枝によせていた顔を起こし、
その声の主を確認して
あさ美はニッコリ微笑んだ。
- 32 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/04/10(土) 22:39
-
美しい顔立ち、目を細めて、優しく自分を見つめる彼女。
記憶の中の彼女は、どれも薄れ行く意識の中で見たものだが、
あさ美 は鮮明に覚えていた。
ただ、記憶の中、随分と大人びて見えた彼女が、
こうやってゆっくり見てみると、
自分と、そう年が変わらないように思えた。
何にせよ、彼女がこうして自分の前に存在している。
それがたまらなく嬉しい。
今言われた彼女の言葉、
そして、夢かもしれないこの世界とはいえ
自分の前に現れてくれた事、すべての意味を込めて
「ありがとう・・・・」
と つぶやいた。
- 33 名前:p.r. 投稿日:2004/04/10(土) 22:48
- なんだろう…まだ紺野さんくらいしか
まともに出ていない(汗
とりあえず、次回は彼女が出るようで…
が、頑張ります。
>>17様
なんとも、淡々まったりしております。
こんなカンジに進んでいくと思いますが
どうぞよろしくお願いします。
- 34 名前:ヒトシズク 投稿日:2004/04/11(日) 15:48
- もしや彼女とはあの人のことではっ?!と心を躍らせてしまいました。
淡々とした描写がとても綺麗で引きこまれますね♪
まったりと次回楽しみにしております〜
- 35 名前:我道 投稿日:2004/04/16(金) 21:47
- わぁ・・・(うっとり)
すっごいきれいな描写だぁ・・・。
はっ!思わず見とれてしまいました。
続きに期待です。
- 36 名前:みけん 投稿日:2004/04/18(日) 20:30
- 文章の書き方が綺麗でとても素敵ですね。
のんびりと次回楽しみにしていまする。
- 37 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/01(土) 12:09
- 続き楽しみにしてます!!!
応援してるんでがんばってくださいね!!!
- 38 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:25
-
「聞きたい事がたくさんあるんです」
二人で部屋に戻り、腰を落ち着かせたところで
あさ美はきりだした。
何から聞けばいいのか分からない位、
今の自分の状況は疑問だらけだ。
ゆえに、きりだしておきながら何から聞けばいいのか悩んでしまった。
「あ〜。あーしは高橋 愛やよー」
言葉に詰まるあさ美への助け舟のつもりなのか、
それともただテンポが独特なのか、
彼女は納得したようにひとりで頷きながら 自己紹介を始めた。
初めて会ったもの同士だから、たしかに名を名乗るのは必要だし礼儀である。
聞きたい事があるという自分の言葉の中には
たしかに彼女の事を知りたいという意味も含まれていたが
流れがどこかおかしく感じる。
おかげで、ただでさえテンポが遅いといわれていたあさ美が、
いつも以上に遅れて「はぁ…」と返事をすることとなった。
- 39 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:26
- 今までの印象からは到底想像がつかない彼女の言動。
すこし戸惑うあさ美に彼女はまた
「あさ美ちゃんは相変わらずテンポが遅いやねー」
と、その通りなのだが奇妙な流れで、
くしゃくしゃの笑顔を向けた。
今のは…わたしのテンポの問題じゃない気がする…。
あさ美はとりあえず心の中で突っ込みをいれて、
「はぁ…」と相槌を打っておいた。
そんな気の無い相槌でさえ彼女は心底嬉しそうに笑う。
そんな彼女を見ていると、こちらもまた不思議なくらい幸せで、
また疑問がひとつ増えてしまった…と考えた。
- 40 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:26
- とにかく、順序良く質問をしていかないと
ちゃんとした答えが返ってこないどころか
会話もまともに成立しなさそうだと、
まずは、頭にあるたくさんの疑問を整理しながら。
思いつく質問から聞いていくことにした。
「えぇと、高橋…さん?」
「いやいやー、愛でいいやよー」
「え…と、じゃあ愛…ちゃん?聞いても、いい?」
「ええよ?なに?」
「えーと、じゃあ…なんだろ…えーと…。あ、じゃあ、私着物が違うけど…」
「あ、え?」
「や、えっと、あれ…?あれ?あ、ほんとだ、私、着物が違う!?」
ここにきて初めて、今着ているものが自分の着物ではないことに気付いた。
白地に赤い模様の綺麗な着物。
こんな美しい着物を持っていた覚えはない。
思いがけず疑問がまた増え、困惑するあさ美に、
愛は顔を赤くしてうつむく。
- 41 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:28
- 「あー…、あの、あのな、ほら、あさ美ちゃん雪の上にいたから」
「え。あ、うん」
「だからほら…着物、濡れてたしあさ美ちゃん冷えてたから、ほら」
「雪の上にいたから、ね」
「うん、だから着替えさせないかんし、凍えて震えてたから暖めないかんし…」
そこまで早口で言ってしまうと、愛は更に顔を赤くして恥ずかしそうに
『ごめん』とつぶやいた。
そこまで聞いて、あさ美は着物の下は何も着てないことに気付き、
愛以上に真っ赤になってうつむいた。
「あ、あのな、でも脱がせないかんから見ちゃったけど、変なとこは触ってないし…あ、ほら、あん時は必死だったからじっくりは見てないやよ?それに…」
「や…、あの、よけい恥ずかしくなるから…も、いいよ愛ちゃん…」
愛はフォローしようと思ったのだろうが、
その言葉で余計にその時の様子を想像してしまい、すごく恥ずかしくなる。
とりあえず、これ以上何か言われないうちに話題を変えようと
火照る顔を手の甲で押さえながら愛の言葉をさえぎった。
- 42 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:28
- 「あの、私、雪の上にいたんだよね?」
「うん、あさ美ちゃんつめたくなってたで」
「そっか…じゃあ、さ、…あれ、夢じゃ…ないんだよ…ね?」
「あれ?あれってどれ?」
「…うん、なんだろ……、なんだろ…。家に、帰っても…ほら、いないのかなぁ…って」
“家族”という言葉を言う事ができなかった。
こんな漠然とした言い方じゃ愛には伝わらないのではないかとも思ったが、
どうしても、声に出して言えなかった。
そんなあさ美の気持ちを察したのか、
愛は近くまで来るとあさ美を抱きしめ
「きつかったな…。がんばったな、あさ美ちゃん」
と、優しくささやいた。
夢の中で母に抱きついた時と同じような優しい体温。
優しい声。
とたんに鼻の奥がツンと熱くなるのを感じた。
- 43 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:30
-
あ…やばい…
家族の遺体を前にしても、
遺骨を抱いても涙が出なかったのに、
愛の腕に抱かれていると、
雪の上に横たわった時と同じく、いや、それ以上に
気持ちがこみ上げてくるのが分かった。
愛もそれが分かったのか、優しくあさ美の背をなで
泣く事を促した。
「一人じゃ泣きたくても、気持ちを吐き出したくてもできなかったんやね。いっぱい泣いてえーよ?ちゃんと胸貸すから」
愛の言葉で涙が溢れ、
あさ美は家族が死んで 初めて、
声を出して泣いた。
家族を祭りへ送り出してしまったことへの後悔。
自分だけが助かってしまった事の後悔。
そして
一人になってしまった事の不安、寂しさ
すべて愛の胸の中で吐き出した。
- 44 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:30
-
しばらくして、あさ美が落ち着いた頃
愛はあさ美を抱きしめたまま「ごめん、ありがとな」
とつぶやいた。
礼を言うのは自分であって、愛ではない。
不思議に思い愛を見上げると、
愛は、今にも泣き出しそうな微笑を浮かべていた。
なんだか矛盾した表現だが
あさ美には、愛の微笑みが本当に泣き出しそうに見えたのだ。
「どうしたの…?愛ちゃん…なんで?」
“ありがとう”の言葉の意味はもちろんだが、
なぜ泣き出しそうに、そんなに悲しい微笑みを見せるのか分からなくて
あさ美はそっと愛の頬に触れた。
とたんに愛の釣り目がちの瞳からは、次々と涙が溢れ、
あさ美の手や頬にその雫がパタパタと落ちた。
「愛ちゃん…」
「ごめん…ごめんな」
「愛ちゃん…どうしたの?なんであやまるの?」
お礼を言わなきゃいけないのは私で、
愛ちゃんが謝る必要なんてないのに―――――――――
そう言おうとしたあさ美の言葉は
途中、愛に強く抱きつかれ、最後まで伝える事ができなかった。
あさ美は予想しない行動にバランスを崩し、
愛に抱きつかれたまま後ろに倒れた。
- 45 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:31
-
…寝台に座ってて良かった…。
もし椅子にでも腰掛けていたら、間違いなく転んでいたと
そんなことを思いつつ
自分の上で、抱きついたまま泣く愛の頭を
今度はあさ美が胸に抱き寄せ、そっと髪を撫でた。
「愛ちゃん…?ね、どうしたの?」
できるだけ優しく愛に声をかけると、
愛はあさ美の胸の中でもぞもぞと動き、なんとも情けない顔を
あさ美に向けた。
ビックリするほど美しい表情をするかと思えば
同一人物とは思えないほど幼い表情を見せる。
今はまさに後者の表情だった。
「ほんとはな…、もっと早く、あさ美ちゃんの所に行きたかったんよ…でも、あーしが自分勝手に分岐を作るわけにはいかんし…。なにより、あさ美ちゃんの世界に、あーしが本当にいないのかもまだ分からんかった。…あーしのあさ美ちゃんか分からんかったから…だから、あんなギリギリまで助けに行けなかったんよ…。ずっと見てたのに…。ごめんね、ほんとごめん。」
「え…と、や…」
“気にしないで”といいたいところだったが、
愛の言葉は突っ込みどころが満載で、
一体なにから聞けばいいものか悩んでしまった。
- 46 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:32
- 「あの…ね?愛ちゃん。」
「ん?」
「えーと、ずっと見てたって…いつから?」
「あー…えっと…。あーしがここに来てからだから…。けっこう前からやね」
「どこから見てたの?」
「ここから、水面鏡でやよ」
「・・・・・・・えと…水面鏡って…なにかなぁ?」
「あそこの、机の上に水張った平たい黒い皿があるやろ?」
愛の目線の先、机の上を見ると
平たくて大きな皿が見えた。
「あ、うん、なんか綺麗なお皿だね」
「あれに映して見てたんや。…あ!や、でも!着替えとかは見とらんから!」
「だ、だめだよっ!」
思わず真っ赤になって叫んだあさ美に
愛はあわてて『だ、だから見てないやよ!』と慌てて返してきた。
- 47 名前:三幕「桜、櫻、サクラ」 投稿日:2004/05/15(土) 22:34
- 「じゃ、その水面鏡で見てたから私の名前も知ってたし、私が雪の上に寝てるのも分かったの?ほんとに?」
「ん…。仕事終わって、水面鏡のぞいてみたら、あさ美ちゃん、雪の上に横たわったまま動こうとせんし、雪は身体に積もってくるしで…あせった」
「・・・・・・・うん」
「あさ美ちゃんが大変なのに、そばにあーしが居ないなんておかしいて思って。それで思ったんよ、あさ美ちゃんの世界にはあーしは居ないんやって。…だから、助けにいった」
「…うん、ありがとう。助けてくれて。…でも、愛ちゃん…愛ちゃんが私の世界にいないってどういう事?愛ちゃんがここであのお皿を覗いてたのなら、そばにいないのは当たり前でしょう…?」
「あーしはあさ美ちゃんの世界のあーしじゃないもん」
「??????…えっと…、ごめん、その辺がよく分からないんだ…。や、あの、分からないっていったら、きりが無い位分からない事だらけなんだけど…」
あさ美の言葉に、今度は愛が首をひねり、難しい顔をした。
「うーん、あのなぁ…、あー、…どう説明したらいいんやろ?」
唸りながら考え込む愛は、あさ美の胸の上で顎を立ててみたり、横を向いてみたりと落ち着かない。
…く、くすぐったい…。
されてるあさ美本人からすれば、くすぐったい上に恥かしくて仕方ないのだが、無意識でしている人にわざわざ自分から指摘するのも恥ずかしくて
あさ美は仕方なしに、愛の考えが解決するまで耐えることにした。
しばらくして、
考えがまとまった愛が 自分の行動に気付き、
余計に恥ずかしくなるような言い訳と共に、
顔を真っ赤にして照れたのは言うまでもない。
もちろん
その愛の反応から、
あさ美もそれ以上に真っ赤になって照れたのも言うまでもない事である。
- 48 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/05/15(土) 22:35
-
―――――『百聞は一見に如かずやよー』―――――
そう言って愛はあさ美の手を引き、この世界を案内すると言い出した。
イキナリの事で少し戸惑ったが、愛の言う事ももっともだと思い、あさ美は黙って手を引かれた。
愛に案内されて分かった事。
今いるこの世界は、自分の世界とは本当に違う世界だという事。
愛が一人で住んでいるという大きな屋敷。
そこには数人の使用人がいたが、彼らは全員人間ではなく、
『式神』というものだった。
ふわふわと浮かびながら、庭にある沢山の桜の木を手入れする式神。
忙しく食事の準備をする式神は、足はあれど歩く事はせず、床の数センチ上に浮かんで水平に移動している。
大きな門にはこれまた門兵の式神がいて、あさ美と愛が門を出る際
表情のない顔で深々と頭を下げて見送ってくれた。
- 49 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/05/15(土) 22:36
- 目が覚めた時から、なんとなく、自分がいた世界とは違うと感じてはいたが、
想像を上回る世界の違いように、あさ美は状況が飲み込めず、
ポカンと口を開けてそれらを見ていた。
愛に手を引かれるまま門を一歩出てみれば、そこには広い一本の道が伸びていて、その道沿いには、愛の屋敷と同じく桜が満開に咲き誇り、優しい薄紅色がちらちらと舞っていた。
愛の屋敷は高台にあるらしく、その道はなだらかな下り坂になっていて、遠く見える坂の下には、愛の屋敷まではいかないが、立派な屋敷が何軒か並んでいるのが見えた。
眺める景色が薄紅色に染まっている事にも驚いたが
愛の屋敷を振り返った時、あさ美は大きな目をさらに大きくして驚いた。
満開の桜に囲まれた愛の屋敷の裏、
頂上が見えないくらい高い山の断崖が、細く、天に伸びていた。
「すごいやろ?」
驚きのあまり声にならないあさ美に、愛がつぶやいた。
「この上は、ほんものの別世界や・・・」
まるで天に伸びる山の頂を知ってるような愛の言葉に、あさ美は首を傾げた。
そんなあさ美に愛は微笑みかけると、「行こう」と手をとり
満開の桜並木の坂を下りはじめた。
- 50 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/05/15(土) 22:37
-
長い坂をゆっくりと下りながら、愛はこの世界の事を話してくれた。
この世界はあさ美の世界で言うところの『桜源郷』となり、
他に存在する分岐世界を管理する者達が住む所だそうだ。
一生懸命『分岐世界』について愛が説明してくれたが
まるで神話そのもののような話に、あさ美はなかなか頭がおいつかなかった。
とりあえず、あさ美の世界のほかにも違う世界が存在し、
愛はその世界が正しく機能する事ができるよう管理する仕事をしているらしい。
ちょっと前の私なら、きっと笑って信じなかったんだろうな…。
と、ぼんやり考えながらあさ美は一生懸命説明する愛を見た。
まさか本当に『桜源郷』があるとは思わなかった。
あの話は本当にただの『神話』としか思ってなかったし、
『天女』の存在も御伽噺としか思ってなかった。
しかし、愛が『桜源郷』の『天女』というなら納得がいく。
愛は本当に綺麗だ。
勿体無いくらい顔をくしゃくしゃにして笑う事も、
愛嬌があって魅力的だと思う。
そんな事を思っていたら、じっと見つめられてるのに気付いた愛が、
照れくさそうにあさ美に微笑んだ。
- 51 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/05/15(土) 22:40
- 周りの桜に彩られて、その微笑みは更に美しく見え、
とたんにあさ美の心臓が跳ね上がった。
高鳴る胸に戸惑いを覚え、恥かしくなって赤い顔を伏せると
愛は歩みを止め、握った手に力をいれてあさ美に向き合った。
「あのな、あさ美ちゃん…、あーし…な?あさ美ちゃんの世界で言うこの『桜源郷』に連れてこられるまで、自分の世界でフツーに生活しとった。
仲の良い友達もおったし、家族もおった。けど、なんかいつも足りない気がしとったんよ。不満があったわけじゃないけど、でも、何かが足りんかった。
…この世界に来て、この仕事して、やっと分かったわ。
他世界のあーしには、そばにあさ美ちゃんが必ずおった。クラスメイトだったり、仕事仲間だったり、姉妹だったり…。世界によって関係は様々やったけど、そばにおった。
でも、あーしにはあさ美ちゃんがおらん。
だから考えたんよ、あーしのあさ美ちゃんは別の世界におって、あーしみたいにここで仕事するようになるんじゃないかって。だから一生懸命さがしたわ…あーしがそばにいないあさ美ちゃん。」
「・・・・それが、私・・・・?」
「うん、見つけたときはすぐにでも会いに行きたかった。でも、もしかしたら、これからその世界のあーしと会うのかもしれないし…確信がなかったから、…」
「でも、あたしが雪の上にいたから…?」
「うん、こんなにあさ美ちゃんが苦しんでるのに、そばに居てやらないあーしなんかにあさ美ちゃん渡したくなかったし、もう、我慢もできんかった」
「・・・う、うん」
「今は、会いに行って本当に良かったとおもっとるよ。雪の上のあさ美ちゃんを抱き上げた時、確信したわ。あさ美ちゃんはあーしのあさ美ちゃんやって。」
「“あーしの”って・・・・」
「あ、あのな、あさ美ちゃんっ!」
「は、はいっ」
「あ・・・・あーし、あーし…なっ」
顔を真っ赤にしながらも、真剣な顔で、せまってきた愛に
あさ美の心臓がまた大きく跳ねた。
握られていた手は、今は両手で包み込まれていた。
- 52 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/05/15(土) 22:42
-
満開の桜並木の下、
お互い真っ赤になって見詰め合う二人の美少女。
歩みが止まった二人だけ、時が止まったように動かない。
だが、その空気と、自分の高鳴る心臓に耐えられなくなったあさ美が目を伏せると、
愛は意を決したようにガシッとあさ美の両肩をつかんだ
「あ、あいちゃ・・・」
「あああ、あさ美ちゃんっ!あーしなっ、…あーしっ、あさ美ちゃんのコト…」
「あれ〜?高橋さぁーん、何してるんですかぁ?」
緊迫した二人の間に、間の抜けた声がはいり
意を決して紡ごうとした愛の言葉は、それにより飲み込まれてしまった。
「・・・か、亀ちゃん・・・」
そんな愛の声は、表情と同じく情けないものだった。
- 53 名前:p.r. 投稿日:2004/05/15(土) 22:45
-
そんなこんなで凄く久しぶりの更新です。
方言って文字にすると特に難しいです…。
書いててチンプンカンプンなんですが(汗
おかしな所は目をつぶってやってくださいませ。
- 54 名前:p.r. 投稿日:2004/05/15(土) 22:55
- >>34ヒトシズク様
彼女とは…。彼女でした。(何
彼女も最近また綺麗になりましたね
すっかり娘。の看板でしょうか?
頑張って欲しいです
>>35我道さま
なんだかだんだん描写の質が落ちてるような気が
ビンビンしている作者ですが(汗
頑張りますっ
>>36みけん様
ずいぶんのんびりしすぎてしまいました。
また次回ものんびりかもしれませんが、
どうぞお付き合いくださいませ。
>>37紺ちゃんファン様
やっとこさ更新できました。
のんびり者の作者で申し訳ないです。
- 55 名前:p.r. 投稿日:2004/05/15(土) 22:57
- 一応隠し?
- 56 名前:我道 投稿日:2004/05/17(月) 18:32
- おぉ、メンバーがそろい始めましたね。
高橋さんは紺野さんに何を・・・?
>描写の質が落ちてるような気が ビンビンしている作者ですが(汗
いえいえ、全然落ちてきていないですよ。
むしろ回を増すごとに綺麗になっています(驚嘆)
次回も期待大です。頑張ってください!
- 57 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/05/19(水) 19:47
- おお!!いつのまにか更新されてる・・・。ついにいろいろ他メン出てきましたね。
亀ちゃん・・・タイミング良すぎ・・・。
正直ドキドキしてました。
お気に入りに登録しましたので、さらにかんばってください!
つづきへの期待大です。
- 58 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/24(月) 20:01
- 愛紺キタ━━━━━━川*・-・)人(’ー’*川━━━━━━ !!!!!
探していました愛紺小説。
やっと出会えました・・・しかもとても幻想的で素敵な物語に・・・。
次回更新楽しみにしています。
- 59 名前:名無し読者 投稿日:2004/06/06(日) 23:12
- 更新お待ちしてます。
続きに飢えに飢えてます。
- 60 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:15
-
「あれ〜?高橋さぁーん、何してるんですかぁ?」
間の抜けた声で、緊迫した愛とあさ美の前に現れた
『亀』と呼ばれた少女。
二人を見つけて、キョトンとしていた彼女だったが、
愛の言葉に唇を尖らせ、
「“亀ちゃん”じゃなくて、“キャメイ”って呼んでくださいってばぁ。」
と、甘えるように拗ねてみせた。
そんな彼女に、愛がボソリと
『亀井やろ…』と呟いたのをあさ美は聞き逃さなかった。
なるほど、彼女は『亀井さん』・・・・
- 61 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:16
-
「高橋さん、加護さんがお茶会するそうで、絵里、呼びにきましたぁ〜。なんか、高橋さんに使いの式神出したけど、返事がかえってこないのよ〜…って加護さん言ってましたよ〜?」
「え!?えっ!?式神きとった!?ぅあー、ごめん、気付かんかったわー!」
「珍しいですねぇ。高橋さんは何時も意味なく式神送ってくるのに。気付かないなんて」
「や、ちょっと、取り込んでて・・・」
「ふーん。ところでぇ、高橋さん、こちらの方はどなたですかぁ?」
愛と話をしていた亀井が、クルリとあさ美に振り返り
にっこりと微笑みかけてきた。
つられてあさ美が微笑み返すと、亀井はキョトン目を開き、
次には嬉しそうにニコニコと微笑んだ。
切れ長の瞳が印象的な、可愛い子だな…と思いつつ
あさ美が愛に視線を移すと、
そこにはビックリするくらい真っ青になり、
冷や汗を流す愛が目に飛び込んだ。
- 62 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:17
-
あまりの形相に心配になって
愛に声をかけようとした瞬間。
愛の手の平が唇を押さえつけ、あさ美の言葉を遮った。
「んぅっ!?・・・・」
うめき声で抗議すると、
愛は先ほどと同じような、情けない顔で
必死に首を横に振ってきた。
黙ってた方がいいのかな?
愛の必死さから、ここは喋らないほうが良いと判断し、
あさ美は小さく頷く。
それを見た愛は、ほっと安堵の息を漏らすと
亀井のほうに向き直り、
引きつった笑顔で言った。
「あーしの新しい式神やよー」
式神?・・・式神ってあの人達の事だよね?
人間じゃないあの人達・・・?
愛の言葉と態度から導き出した
あさ美の結論。
どうやら、私が『人間』とばれたら不味いみたい…。
- 63 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:18
-
引きつる愛の表情を見ながら、
あさ美は屋敷で会った式神達を思い出し、
できるだけ彼等に似るよう気を使った。
そのおかげか、亀井が純粋なのか、
彼女は少しも疑わず、
“そうなんですかぁ”と笑顔で納得した。
その様子に愛がほっと胸を撫で下ろしたのを見て、
あさ美もそっと息をついた。
「なぁ、亀井ちゃん・・・・・この時間てみんな降下の時間じゃない?なんでおるの?」
「ぅう〜ん、絵里もですね、仕事しようと思ったんですが、式神、来ちゃいましたし?それに吉澤さんに聞きに行ったら“ばぁーか、キャメイ!お堅いだけじゃこの仕事はつとまらねぇぞ〜”って言われちゃってぇ…思い切ってさぼっちゃいましたぁ♪」
「“さぼっちゃいましたぁ♪”て・・・あぁ〜、・・・あとで矢口さんから怒られるのはあーしなのに・・・」
「上手に逃げられない高橋さんがダメなんですよ。ねぇ?式神さん♪」
「ふぇ?」
いきなり話を振られ、思わず声を出してしまったあさ美は、
あわてて口を噤み、
愛と亀井は、それぞれ驚きで目を丸くさせた。
- 64 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:18
-
「・・・・高橋さん」
「なななに?亀井ちゃん」
「この式神さん・・・・・」
声を上げたあさ美を、亀井は頭からつま先までじっと見つめると、
考え込むようにあごに手を当て、考え込んだ。
ばれたか!?
と冷や汗する二人に亀井は向き直り、
真剣な表情で愛に告げた。
「高橋さん、絵里にこの式神さんくださぁい♪」
- 65 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:19
-
「・・・・・・・・・・・は?」
「だから、絵里にこの式神さんを・・・」
「ダメ!!!」
「えぇ〜っ、なんでですかぁ〜」
「ダメったら、ダメ!!」
「えぇ〜っ、くださぁーい」
「ダメ!あさ美ちゃんはあーしのだからダメ!!」
「あさ美ちゃんていうんですか?ていうか、名前付けてるんですか?」
「あぁ!!しまった!」
愛ちゃん・・・・・(汗)
自分の失言に、オーバーに頭を抱え込む愛の姿に、
あさ美は思わず苦笑いを浮かべた。
純粋というか、ほんと、嘘がつけない素直な人だなぁ…
そういう所も愛ちゃんの魅力のひとつだけど…。
- 66 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:20
-
くしゃくしゃの笑顔も、
独特の雰囲気、喋りも、
すべてが愛の魅力で、すべてが輝いてみえる。
『痘痕もエクボ』とはこういう事をいうのだろうか?
もしそうなら、自分は間違いなく愛に惹かれている…。
美しく、特別な存在の彼女。
愛の持つ強いオーラからそう感じる。
彼女は『特別』な存在。
自分は『人間』。
ただの『人間』。
ここではそれを隠さなくてはいけないらしい。
あさ美にこの世界を案内しようとしたのも、
他の住人が、どこかに出掛けていると思ったから…。
それは先ほどの愛の言葉で分かった。
- 67 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:21
-
他の『天女』達に『人間』がいることを知られてはいけない。
それは、あさ美がここに居てはいけない。という事。
それはきっと、近いうちに
愛から離れなくてはならないという事に繋がるだろう。
ならば、この愛への気持ちに気付いてはいけない。
認めてはいけない。
認めたら、自分はきっと離れなれなくなる。
また、一人になる事に
きっと、たえられなくなる。
愛ちゃんは…どう考えているんだろう…?
トロイだの鈍感だのいわれてきた自分だって、
さすがに、愛が自分に好意を持ってくれているという事は
いままでの会話や、態度から感じることができる。
それが、自分と同じ意味での『好意』なのか
そうでないのかは、
愛の独特の雰囲気から、はっきりと知ることができないが…。
- 68 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:22
-
しかし、愛が、もし、自分と同じ意味での
『好意』を持ってくれていたとしても、
別れは必ずやってくる。
予想できるか、出来ないか。
遅いか、早いか。
違いはそれだけ。
家族との別れは予想の出来ない、突然の別れだった。
でも、
今回は違う。
この、夢のような『桜源郷』の風景。
美しく、特別な存在の愛。
それらには不釣合いな、この世界には劣等とも言える自分。
私は、此処に居たらいけない…。
- 69 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/06/21(月) 22:22
-
切なげに息を漏らし、
自分の、愛への気持ちが確信に変わる前に。
別れられなくなる前に。
あさ美は
自分の想いに蓋をした。
- 70 名前:p.r. 投稿日:2004/06/21(月) 22:25
-
なんだか、月一更新になってしまってます…(汗
まったりゆっくりスミマセン…。
またまた久しぶりの更新です。
物語りもまったりゆっくりすすんでおります。
- 71 名前:p.r. 投稿日:2004/06/21(月) 22:36
- >>56我道様
ご期待に添えたでしょうか(ドキドキ
前回から一ヶ月ちょっとの亀更新ですが、
たいして物語がすすんでなくて申し訳ないです。
亀更新の作者に呆れず、まったりお待ち頂けると
有り難いです(苦笑
>>57紺ちゃんファン様
また今回も忘れた頃の亀更新でございます。
本当にまったりで申し訳ありません。
亀井さんは書いていて楽しいです。
そして、紺野さんは書いていて愛しいです(笑
>>58名無し飼育さま
愛紺キタ━━━━━━川*・-・)人(’ー’*川━━━━━━ !!!!!
・・・きちゃいました(笑
物語、幻想的ですか?イメージを壊さないよう
頑張っていきたいとおもいます。
今後もまったりよろしくお願いしますっ
>>59名無し飼育さま
大変お待たせいたしました。
待って頂けるのって、ありがたいです。
- 72 名前:p.r. 投稿日:2004/06/21(月) 22:37
-
まったりがモットーですが、
まったりし過ぎないよう頑張ります(汗
- 73 名前:名無し飼育 投稿日:2004/06/22(火) 13:38
- わー!
こんなところに、愛紺があったなんて!
感激ですw
マイナーで好きなんですよ♪更新ゆっくり待ってます
- 74 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/06/22(火) 19:53
- 作者さま、更新どうもですm(__)m
亀ちゃん・・・鈍感ですね・・・しかもキャメイって・・・。
紺野さん・・・辛いですね。
とにかく、この話、まったりしていてなんか好きです。
がんばってください。
- 75 名前:名無し読者。 投稿日:2004/08/08(日) 15:20
- そろそろ続きを……
紺高を首を長くしてお待ちしています。
- 76 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/24(火) 21:30
- まだかな?他のさくらメンバーがどう絡んでくるのか気になります。
- 77 名前:名無し飼育 投稿日:2004/09/14(火) 10:21
- いつまでも待ってます
- 78 名前:七誌さんデス 投稿日:2004/10/04(月) 22:02
- 最近更新がないようですね。
待ってますのでレスだけでも・・・。
それだけで読者はうれしいんです・・・
- 79 名前:p.r. 投稿日:2004/10/16(土) 22:08
- 更新ストップ
申し訳ありませんでした(汗
>>73名無し飼育さま
レスを頂いておきながら、長期の放置もうしわけありません。
本当に亀以上の激遅更新でもうしわけないです。
>>74紺ちゃんファン様
超亀更新すみませんです(汗
まったりしすぎで申し訳ありませんっ
>>75名無し読者様
申し訳なくて、sage更新しちゃいました(汗
>>76名無飼育さん様
待ってて下さったのに、亀ですみませんでしたー!
>>77名無し飼育様
本当に、ありがとうございます。
>>78七誌さんデス様
放置でスミマセンでした。
申し訳なさ過ぎてsage更新しちゃいました。
放置しすぎのうえ、更新スピードが今後も亀になりそうなので
sage更新で参ります。ホント、もうしわけありません。
そして、レスありがとうございました。
- 80 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:10
-
「式神の紺野さん?」
物思いに耽るあさ美の顔を覗き込むように、
亀井が声をかけてきた。
いきなりの事に驚いて、金魚のように口をぱくぱくしていると
亀井はにっこり笑って顔を近づける。
「高橋さんってほんと凄いですねぇ。式神さんって創るのだけでも大変なのに、表情変えたり、お喋り出来る式神さんを創るなんて♪『紺野あさ美』さんって言うんでしょ?名前も付いてるとなんか更に愛着もてますね〜。」
「ぇ・・・ぁ、ぅん」
「いやぁ〜ん、絵里もほしいなぁ。紺野さん欲しいなぁ〜」
「や・・・あの・・・」
「だーから!あさ美ちゃんはあーしのやって!ダーメだからっ」
- 81 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:11
-
至近距離で、屈託無く話す亀井に、圧倒されていたあさ美を助けるように
愛が間に割って入ってくれた。
どうやら、自分が考え事に没頭している間に
いろいろと話がすすんでいたらしい。
えぇと、とりあえず、声は出してもいいってことだよね?
でも、やっぱりまだ『式神』さんのままって事かな?
『人間』という事実は伏せたまま、
なんとかあさ美が動きやすい状態まで話を持っていってくれたらしい。
喋りは苦手そうな愛が、一体どうやって亀井を納得させたのか…。
一瞬、そんな疑問が頭に浮かんだが、
亀井を見てあさ美は納得した。
そうだ、この子も純粋なんだった…。
- 82 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:11
-
『天女』達は皆こんなに純粋なんだろうか?
だったら意外と『人間』であることはばれないのかもしれない。
そうであれば、案外、愛との別れは自分が思うほど早くないのかも…。
と、淡い期待をあさ美は抱いた。
だが、世の中はそんなに甘くない。
あさ美は次の瞬間、何処の世界にも『個性』というものは
多種多様にあるんだと痛感した。
- 83 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:12
-
身がすくむような大きな叫びと共に、
いきなり背後から誰かに抱きすくめられ、
そのまま背に体重を掛けられた。
「え?ぇえ?な、なに!?」
いきなりの事で瞬時に対応ができず、
ただあわてるしかないあさ美に、
おぶさってきた相手はさも愉快そうに声を掛けてきた。
「うぉ〜い!なーにミイラ取りがミイラになってんだよっ!!おっせーぞ!キャメイ!!」
- 84 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:13
- 「ぇ?あ、ちょ、お・・・おも・・・」
「あーん!?今なんつったー!キャメイー!」
「ち・・・・ちが・・・」
背後から来た相手はどうやら亀井と勘違いしているらしく、
遠慮無しにぐいぐいと体重をのせてくる。
「・・・・・吉澤さーん、絵里、こっちですよ〜」
「へ?…あ〜れっ?キャメイ?・・・おわ!!」
「ひゃぁっ!?」
見かねた亀井が声を掛けた瞬間、上に乗っていた
吉澤というらしい相手は、
バランスを崩し、背にのし掛かったまま倒れてきた。
もちろん、あさ美もそのまま下敷きになるように倒れこんだ。
- 85 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:13
-
「あさ美ちゃんっ!?ちょっと!吉澤さんっのいてください!」
「あら〜、紺野さ〜ん、壊れてませんか〜?」
「あー、わりぃわりぃ、誰だか知らんけど、大丈夫かー?」
「あ、は、はい。だいじょ・・・・・」
あんぐり。
吉澤に抱え起こされ、
そこで初めて、その人の姿をマトモに見たとき
あさ美はまさに『あんぐり』状態。開いた口が塞がらなかった。
- 86 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:14
-
まったく、ここの人間はそろいもそろって美しすぎる。
いや、『天女』であるならそれが当たり前なのだろうか?
口が開いたまま固まってしまったあさ美に、
吉澤はニヤリと笑うと、慣れた手つきであさ美の頬に手をやり
「べいべー、それは恋、恋煩いさ」
と、訳は分からぬが、なにやら物凄く恥ずかしいセリフを至近距離で言ってきた。
とたんに真っ赤になったあさ美に、物凄く取り乱した愛が
聞き取り不可能な言葉とともに、あさ美を奪い返した。
- 87 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:14
-
「落ち着けー高橋ぃ。オマエなに言ってんの分かんねぇ〜」
「高橋さん、テンパりすぎですよぉ」
「・・・・・・・・・・あ、愛ちゃん・・・」
愛のあまりのテンパり様に、その場の空気が寒いものになりかけた頃、
その場の空気をやっと察知した愛が、深呼吸とともに落ち着きを取り戻した。
「よ、吉澤さん、あさ美ちゃんはあーしの式神なんで、ヘンな事教え込まないでください」
あさ美を吉澤から守るように抱きしめながら、
先ほどのテンパリ顔とは違う、凛々しい表情でそう告げる愛の姿を見て、
あさ美の胸はきゅん、とトキメくのであった。
が、幸せとは儚いものであると、
あさ美は、嫌でも次の瞬間に思い知らされた。
- 88 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:15
-
やはり、愛との別れは結構早く来るのかもしれない。
愛の言葉にキョトンとしていた吉澤が、
不意に、あさ美に視線を移し、
ニヤリと笑うと
小さな声でつぶやいた。
「ふぅん・・・・式神ねぇ・・・」
口元は確かに笑っている。
しかし
目は・・・・・・・・・・・・。
- 89 名前:四幕『さくら組』 投稿日:2004/10/16(土) 22:16
-
あぁ、やはり亀井や愛の純粋さは特別な個性だったのだ。
吉澤の視線から逃れるように、
あさ美は愛の腕に身を寄せ、俯くしかなかった。
神様は、本当に意地悪だ。
愛ちゃんとすぐに別れなきゃいけないのなら、
どうして私と彼女を出会わせたのだろう。
どうして、私をあの雪の上で
死なせてくれなかったのだろう。
- 90 名前:p.r. 投稿日:2004/10/16(土) 22:17
-
ひとまずここまでで・・・。
超久しぶり更新なのに、短くてすみません(汗
- 91 名前:紺ちゃんファン 投稿日:2004/10/20(水) 09:28
- 作者さま、更新お疲れ様です。
吉澤さんって意外と鋭い・・・・?
あさ美ちゃんがだんだんかわいそうになってきます。
>>90
十分でございます。
引き続き更新がんばってください。
- 92 名前:名無し読者。 投稿日:2004/10/22(金) 00:36
-
更新キテター!
続きがあってちょーうれしいです。
亀でもキャメイ更新でもいいので、待ってます。
- 93 名前:名無し飼育 投稿日:2004/11/07(日) 00:04
- 更新きてた〜。
ゆっくりでも続いてくれて完結して頂ければ嬉しいです。
独特の雰囲気とか凄く好きです。
また続きお待ちしております。
- 94 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/29(土) 01:18
- 待ってます
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