華麗な麻雀卓

1 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/12(月) 00:36
麻雀小説を書こうと思っているのですが(というよりほとんど出来上がっているのですが)
ちょっと作品が「麻雀>娘。」というかんじなので、もしかしたらこれはここに連載するべきものじゃないと読者の方から通告されてしまうかもしれません。
できるだけseekにふさわしいものにしたいと思っていますが、「やっぱりダメだ」と思われたなら
お手数ですが一言「ダメ」と書き込んでください。
「ダメ」意見が多数の場合、ストーリーを考え直し、それでもだめならばそれなりの処置をしたいと考えています。

まずは前座の作品を1つ。
2 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:38
今日もまた行きつけの店にきてしまった。

自分でもいまだにこの法則がつかめない。

でも、訳もなくたま〜にふと寄りたくなることがあるんです。

特に何を買おうと決めているわけでもなしに。
3 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:38
「古書 射狩堂」
札幌から上京して、一番最初に来た店は、古本屋だった。
そこで、直感的に読みたい本を買う。
・・・まあ、実際は漫画とか、ちょっと同人誌っぽい本とか
・・・で、でもちゃんとした本も買うときもあって。

その店は、あるおばあちゃんが営んでいる。
前に来たときなんか、レジの前で眠っていて、起こしたらびっくりされたこともあった。
口癖は「若いのに大変だねえ。」
4 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:39
「さて、今日は何がいいかな。」
なかば、物置のような店の中、今日はちょっと奥まで入ってみた。

なぜか。
実はあの奥に・・・ちょっと大人の本が見えたことがある。
さすがにこれからちょくちょく寄らせてもらう店で、いきなりそんな大胆なことはできない。

けれども、もう常連さん。しかも、まだ時間は夕暮れ時。
これがもし、初めて来て、それが夜だったりしたら、ねえ・・・
遠くの方からこっそり来た思春期の男子中学生みたいで。

5 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:41
・・・ほら、やっぱり。もうっ・・・。
でもそれほどの量じゃないや。
よかった。よかった。

と、ふと見ると、私の後ろの小窓から、夕日の筋が入り込んできて、
本棚の一部分にスポットライトを当てている。
そこには、同じタイトルの本がズラッ、と並んでいて、いやでもそっちを向いてしまうほどだった。

『 斜 陽        太宰 治  著 』

全部で・・・20冊くらい?いやもっとあるかも。
どうして同じタイトルのものがこうして固まっているのか。
と、不思議に思って凝視した。

だけじゃない。
これ以上はないほど燃えている、そして裏を返せば、
もう、これ以上は燃えないような色の灯りに照らされた『斜陽』という文字の、美しさ、
そうです、『美』の一文字に犯されてしまったため、動けなくなったのです。

6 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:42
「何やってるんだろう・・・」
自分にそう問いかけてみる。
矢も盾もたまらずに、『斜陽』を買ってしまった。
・・・26冊。・・・重い。

私はどうしても、あの『美しさ』を我が物にしたくて、
そのままそっくり買い占めるという突拍子もない行動にでたのです。
7 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:42
次の日、西の窓の向かい側に26冊を並べてみた。
傾いた恒星がかつて巨木だった者達を照らす。
・・・が、昨日の感覚は、もう私にはなかった。

そこには、いつ出版されたかもわかんない小汚い文庫本が1,2,3・・・26冊、
まぶしくてウザイ光に当たっていた。
『絶望』という、これ以上の最悪はない世界に落とされた気に襲われたのです。

「じゃあ、いったい『斜陽』ってどういう意味なの?」
辞書に手を伸ばす。

「ふ〜ん、なるほど。」

8 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:43
次の日仕事場に行くと、愛ちゃんが私のところに駆けてきた。
「ねえ、最近、麻琴の様子おかしくない?何か悩んでるような感じ・・・。」
それは一大事!
まこっちゃんは私で私はまこっちゃん・・・あれ?・・・と、とにかく・・・そうなのだ。

こっそり様子を見ると・・・、確かに、だれと話すでもなく・・・嗚呼、ため息をまた1つ。

「どうしたらいいのかなあ・・・。」
私の脳細胞たちが回転を始める。
(確か、あの『斜陽』って本は、太宰・・・治の本だったよね。
 太宰治といえば・・・『走れメロス』!中1のときやったやった!
 あんな感じの友情物語を読めば、きっとまこっちゃんも!
 『斜陽』って題名なくらいだから、
 どうせ夕暮れ時に友達と手を取り合ってとか、そういう話でしょ。
 そうすればおのずとまこっちゃんの方から私たちに相談してきて・・・)

「大丈夫!私に任せて!」

9 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:43
まこっちゃんが席をはずした隙に、私は彼女のバックに
友情の特効薬『斜陽』を入れた。
「これでよし、後はまこっちゃんがこれを読めば・・・」
と、思ったが、もし気付かないでいたら・・・まこっちゃんの鬱病は不治の病となってしまう。
ここは万全を期して、もっと入れておくべきだともう2冊ほど入れてみた。

大丈夫、こっちには豊富にある。

10 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:43
「盛者必衰ノ理ヲアラワス」

全員で並んで雑誌の撮影をしているとき、背中のほうから誰かがそう言った。
おかしい。私の後ろには当然ながら誰もいないはずなのに。

けれど、私の頭にはその言葉だけがずーっと残っていた。

帰り際、私は手当たり次第に古本屋を訪ね『斜陽』を買えるだけ買った。
今・・・私の手元には50をとうに超えた文庫本があるのです。
11 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:44
あれから一向にまこっちゃんに変化が現れない。
あの日からずっと、『斜陽』をこっそりプレゼントしてるのに。
さては読んでないな!まことぉ!
12 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:44
・・・まこっちゃんに変化が現れたのはさらに数日後。
一人でいるのには変わりはないが、よ〜く耳を澄ますと
・・・ブツブツ独り言を言っている。

なんていってるかは分からないけれど、
少なくとも「友情ってすばらしい」なんてことは言ってる雰囲気じゃない・・・。

う〜ん・・・これはいよいよ入水自殺に近づいてきたかも。
いくら元水泳部のまこっちゃんでも心配なものは心配。
よしっ!ここは1つ愛ちゃんに頑張ってもらおう。
『斜陽』を読ませただけで私の功績は充分だ!

愛ちゃんはまこっちゃんの家に泊まることになった。

13 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:44
一人、布団に入って、こんなことを考えた。
『斜陽』という言葉の、文字が持つ意味をよく考えると、なかなか感慨深い。

夕暮れ時、誰はどこが似合うのだろう。
・・・まず6期メンバーは初々しいから、放課後の校舎裏ね。
・・・でも藤本さんなんかは一人で黄昏時の砂浜とかいいかな。

・・・里沙ちゃんは・・・校庭の隅で一人で逆上がりの練習してたりして。
「・・・クククッ(笑)・・・」
・・・吉澤さんは土手で叫びそう。

・・・石川さんは
・・・ネガティブだから「これが私が見る最期の夕日なのね・・・」とか
「・・・グッ!クックク(笑)・・・」

・・・安倍さんは夕御飯まで我慢ができなくて・・・
「・・・ブッ!ケッケッケ(笑)」

こうして、私の、私だけの妄想の時は過ぎていったのです。
14 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:45
次の日・・・まこっちゃんは仕事場にはこなかった。
代わりに愛ちゃんが私のところに来た。
「麻琴、結構重症だったよ。」
「・・・やっぱり、でどんな感じだったの?」

彼女はこう切り出した。
「・・・え〜っとね、やっぱり娘。の中の問題だった。」

15 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:45
「最初、ダンスの才能を特に買われて入ったけど、
 実際入ってみたらあんまり目立てないし、
 気がつけば愛ちゃんなんか遠くの存在になってる感じがして、
 あさ美ちゃんも決して補欠で入ったなんて感じられない存在まで成長していて。」
「・・・。」

「で、自分はどうすれば二人みたいになれるのか、
 その方法を探していて悩んでたんだって。」
「・・・なるほどね。
 ・・・あっ、私なんかまだまだ未熟だよぉ。
 それで・・・まこっちゃん、答えは見つかったの?」
「・・・それが・・・。」

16 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:46
「或る日、バックの中に本が入ってたんだって、
 これはきっと私が悩んでいるのに気付いてくれた人が、
 何かアドバイスの代わりに入れてくれたんだなあって思って読み始めて。」
「・・・そ、それで、どうだった?」

「それを読むうちに、自分はもう落ちていくしかないのかなって思い始めたらしいの。
 6期メンバーはきっと、私には理解できない新しい感覚を持っている。
 自分なんかいかにも過去の栄光だけで娘。にいる。
 腰を痛めたりしたし・・・。
 って言ってた。」
17 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:46
「話聞いてるうちに夜遅くなって
 『そんなに悩むことないよ、夢くらいいい夢見ようよ』って言って寝たんだけど
 ・・・寝言で
 『しゃよーが攻めてくる!しゃよーが攻めてくる!』
 って叫んでた・・・。
 麻琴・・・かわいそう・・・。」
「っ!」
「やっぱり精神的に苦しんでるみたい。
 そうそう、おんなじ本が部屋に何冊もあってびっくりしたの。
 なんて読むんだろ、「ななめよう」・・・かな。
 それってホトンド病気だよね。」
18 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:46
その時、私はぐうの音も出なかったのを忘れません。
後日「斜陽」を読んでみて、私は、自分のしたことの愚かさに気付いたのです。
今となっては、私の部屋の隅に積んである題名を同じくした本は、
同じ量のちり紙ほどの価値も存在しません。

19 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:46
結局、あの日買った冊数の倍近い『斜陽』を、射狩堂に売りに行った。
そのお金は、ぜひとも親友まこっちゃんのために生かしたい。
本を探す。
なにか。
友を励ましそうな本。
20 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:47
私は友情を描いた作品をふと思い出した。
(友情を描いた作品といえば・・・『走れメロス』!中1のときやったやった!
 あんな感じの友情物語を読めば、きっとまこっちゃんも!
 よーし、『走れメロス』の作者と同じのを探せば!)
『走れメロス』と同じ棚に、太宰治の本があった。
題名なんかどうでもよくて、もうまこっちゃんのことでいっぱいで
一刻も早くって思って、さっと手にとってレジに一直線に進んだ。

21 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:47
カバーをかけてもらって袋に入れてもらって、家に帰ってリボンをつけて。
明日はまこっちゃんが来るはずだから、忘れないように枕もとにおいて。

22 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:47
(・・・でもただ渡すとなんかつまらないし
 ・・・演出にこだわっちゃったりして・・・そうだ!こっそりバックに入れて・・・。)
23 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:47
うとうとしかけたとき、カバーをかけるおばあちゃんの言葉をふと思い出した。
24 名前:「特効薬をあなたに」 投稿日:2004/04/12(月) 00:48
「これも、太宰治の代表作だよ・・・。」
25 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/12(月) 02:58
めっちゃおもしろいかったです!!
主役さん、選び方の根本が間違ってるよw

本編の麻雀×娘って新境地ですね!
楽しみに待ってます!



26 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/12(月) 04:48
他の人がちゃんとオチが分かるのか、ちょっと心配になたよ。
読み間違ってなければ、私の感想としては「そりゃちょっといくらなんでも」かな。
おもろかったです。
27 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2004/04/12(月) 09:29
最高です。
作者さんはただものじゃないですね。
そのとてつもないオチがまた最高です。
小川さんを見るたびに思い出し笑いしそうです。
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/13(火) 20:08
あんた、麻雀は?!

前座も面白かったよ! かなりわくわく。
29 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/14(水) 00:49
前座の作品はもちろん、短編バトル用の物です。
ただ、気付いたのが、投稿期間が終了してすでに二日ほどたっていたため涙。
ただ、きっかけが無いとなかなか書きづらいので、自分も「斜陽」をテーマに書いてみました。

私は今年齢的には大学1年(正体は浪人生・・・。)
麻雀歴は、父親に教えられたのが小2だからもう10年近いです。
父→われめDEポン→今はケーブルのMONDO21でプロの対局を見まくっています。
前座はお笑いですけど、本編はまじめにやります。
よろしくお願いします!
30 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/14(水) 00:55
   最初は五人からのスタートだった。
   女性プロはすでにいたが、女性プロだけで固めた団体は彼女達が初めてだった。
   後藤が入ったのは、加入、脱退後の3期。

   そして、彼女が入ったのは大きな契機になる。
   当時「ラブ・マージャン組」と名乗っていた彼女達は
   自分達の実力をさらに高めようとした結果、大きく二つに分かれる。
   それが今日の「日本女流麻雀連盟」と「日本女流麻雀協会」なのだ。
   さらに独立し、のちに自らの団体を結成するものもいた。

   分裂、独立、しかしそれは組内で行われたこと。けっして喧嘩別れではない。
   交流試合も何度も行われている。
   まあ、はっきり言って紅白試合のようなもの。

   その後、連盟、協会、そしてその他の団体、個人、
   は「ハロー麻雀会」に所属し、タイトル戦も開催されるようになった。
31 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/14(水) 00:56
  後藤真希。この歴史を語るには欠かせない人物。
   いわゆる天才肌の彼女が入ったからこそ、
   趣味程度に見られていたラブ・マージャン組は競技麻雀へと進化していったのである。

   天才後藤の存在。
   それがのちのタイトル戦にも大きな影響を与えた。
   連盟代表の飯田や、分裂に際し、独立の道を選んだ安倍との対決は
   いまだにこの世界では語り継がれている。

   そして4期の加入。さらに昨年は5期の新人が加入し、
   ハロー麻雀会は巨大なものに、そして非常にハードルの高いものになっている。

   そんな矢先の後藤の協会脱退だった。
   メンバーの誰もが「何で?」と投げかけたが・・・

   「んあ?」という間の抜けた反応しか彼女からは返ってこなかった。

32 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/14(水) 00:57
  「さて、真相はいかに!?」

後藤 「真相?そんなの一個しかないに決まってるじゃん。
     いちーちゃんが脱退した協会に未練のかけらもないもん。」
   自分の記事の載っている麻雀雑誌を読みながら後藤はつぶやいた。

   しばらくの間、姿をくらました後藤は今日、とある会場にきていた。
   ハロー麻雀会のタイトル戦・・・
   とまではいかない。とある雑誌が主催する、連盟、協会を中心に、
   さらに他の団体に所属する者や個人を招待した「ハロークイーンズカップ」である。
   とはいえ、各団体のエース級、人気女流雀士が軒並み顔をそろえるだけに
   なかなか人気のある大会なのだ

後藤 「これだけは出たほうがよかったかな。」
   本来ならば協会のエースとして出場していた。
   もし、協会脱退がもう少し早かったら当然、安倍のように招待選手枠をもらえた。
後藤 「でもこれがわたしの選んだ道。いちーちゃんもそうしたもんね。」
   
33 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/14(水) 00:59
30以降は「プロローグ」です。
34 名前:プロローグ 投稿日:2004/04/14(水) 00:59
変装してきたおかげでまだ誰にも正体がばれてない。
   みんな麻雀に全神経を傾けてるからばれるわけないか。
   と、ここまで、準決勝まではこうして過ごしてきた。
   しかしこれからはそうはいかない。
   数分後、選ばれし対局者たちは所定の部屋に、
   その他の人間は別室に集まる。
   一時休憩となり、張りつめていた空気が一時ゆるんでいたが、再び空気は真剣に変わった。
   これから決勝8ゲームを戦う女流雀士が顔を見合わせた。

   ルールは、
   25000持ちの30000返し。
   馬なし、オカはトップ取り。
   オーラス、親のあがり止め有り。ただしトップのとき。
   
   決勝の対局の始まる時刻が刻々と迫っているから
   準決勝の結果だけを・・・

35 名前:プロローグ 投稿日:2004/04/14(水) 00:59
   準決勝Aグループ
    +69.2 飯田 圭織  (日本女流麻雀連盟) 
    +57.9 石川 梨華  (日本女流麻雀連盟) 
    −24.2 高橋  愛   (150麻雀連合)
   −102.9 新垣 里沙  (日本女流麻雀連盟)

   石川は序盤で磐石の態勢に。
   残り一つの椅子も飯田があっさり手に入れた。
   最終的に飯田がトップに。

36 名前:プロローグ 投稿日:2004/04/14(水) 01:00
   準決勝Bグループ
    +151.7 矢口 真理  (日本女流麻雀連盟 150麻雀連合)
     +44.3 紺野 あさ美 (日本女流麻雀協会)
     −96.2 安倍 なつみ (日本女流麻雀棋士会)
     −99.8 吉澤 ひとみ (日本女流麻雀協会)

   大物手を成就させた矢口と、
   順調に上がりを重ねた紺野が決勝に。
   注目の安倍がここで消えた。

   そして、決勝に駒を進めた4人の女流雀士とは・・・
37 名前:プロローグ 投稿日:2004/04/14(水) 01:01
  飯田圭織
    所属  日本女流麻雀連盟
   連盟の中心的人物であり、今大会も優勝候補の筆頭。
   女流雀士界でも1,2を争う大ベテラン。
   タイトルも数多く手中に収めた。

  石川梨華
    所属  日本女流麻雀連盟
   飯田の直弟子。
   攻めよりも守りに定評があり
   彼女のオリはその容姿年齢に似つかないほど老獪なものである。

  紺野あさ美
    所属  日本女流麻雀協会
   唯一の協会からの決勝進出者。
   麻雀歴は短い。
   しかし勝負テクニックは伊達ではない。

  矢口真理
    所属  日本女流麻雀連盟 150麻雀連合
   連盟に所属しつつ150連合を発足。
   辻、加護を育て上げた実力と
   並々ならぬ爆発力は他の雀士を最も恐れさせる。


38 名前:プロローグ 投稿日:2004/04/14(水) 01:02
後藤 「・・・の四人か・・・」
   後藤がそうつぶやくのも無理はない。
   たまたまであろう、この四人、みな後藤とは何らかの関わりがあるのだ。
   
   飯田が後藤のよきライバルなのは前にも述べた。
   石川は4期、後藤と同じ85年組として同じスポットライトの下にいた。
   紺野は同じ協会所属、そして後藤の直弟子。
   矢口は市井と同期、市井行くところに後藤ありと言われるほどだったから、矢口との付き合いも相当長い。
後藤 「さて、誰が勝つんだろう。」

39 名前:プロローグ 投稿日:2004/04/14(水) 01:02

市井 「ん?あれ?もしかして・・・後藤?」
   後藤のつぶやく声に、一人の女性が反応した。
   ドキッ!
後藤 「(小声で)あっ!いちーちゃん、大声あげちゃダメだよ!せっかく変装してるんだから。」
市井 「お前、何やってるんだよ、この大会出るんじゃなかったのかよ。」
後藤 「いちーちゃんみたいなフリーになりたくてね。で、いちーちゃんみたいに団体作って、
     でそこから第二第三のいちーとゴトーを・・・」
市井 「だったらもっと早く申請したらよかったのに。
     そうすればナッチみたいに正体選手で出れたんだぞ。お前なら」
後藤 「んあ?いいよ別に。あっ、始まるみたいだよ。」
市井 「そうか、私は向こうで見てるよ。
     一人でじっくり見てたいんだ。」
後藤 「え〜?一緒に見ようよぉ。」
市井 「・・・。」
40 名前:プロローグ 投稿日:2004/04/14(水) 01:03
   部屋の前に大きなモニターがある。
   とりわけ実力派の人間が前の席にいる中、
   後藤だけは一人で一番遠い壁に寄りかかっていた。
後藤 「ここなら誰にも・・・ゲッ、あの派手なのは
     ・・・気付かれたかな・・・やばいこっちに向かってる・・・。」
中澤 「よお後藤。」
後藤 「裕ちゃん、シーッ。」
中澤 「こんなとこで何してんねん、はよ前いこうや。」
後藤 「いいよここで、実際私は部外者だし。」
中澤 「そんなん関係あらへんがな。
     後藤やったら顔パスで前いけるで、ズラーッてみんながはじにのいたりしてな。」
後藤 「あんなかで見たくないの。」
中澤 「ふーん、そういえば、あの若いのお前の弟子なんやとな。
     強いんか?」
後藤 「まあまあ・・・かな。」
中澤 「当然応援してるんやろ。」
後藤 「そうだね・・・。」
中澤 「でも、カオリも雌雄を分け合ったやつやし負けてほしゅうないやろなあ。」
後藤 「そうだね・・・。」
中澤 「石川もほとんど同期やし、でも矢口も何度も対戦してるしなあ。
     なんや。お前全員応援せなあかんやないか。」
後藤 「・・・。」
中澤 「うちは矢口に二重丸・・・花丸や。」
後藤 「あっ、始まった。」

41 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/14(水) 01:23
ここから、対局シーンが始まり、同時に私が一番心配しているものです。
表記は、字牌はそのまま、萬子は漢字(一二三・・・九)、
索子はローマ数字(TUV・・・\)、筒子は丸数字(@AB・・・H)ですので
索子は特に見にくくなってしまうかも知れません。
「この方が見やすい」というアドバイスがあったらどんどん書き込んで下さい。
42 名前:1st GAME 投稿日:2004/04/14(水) 01:25
 東1局 親 紺野
   ちなみに席は固定、このまま起家だけをずらしていくルールである。
   その紺野の手牌、いきなり8種8牌。仕方なく字牌から切り出す。
中澤 「いきなりこれかあ、先が辛そうやなあ。」
   矢口、飯田もそれほどよくない。
   ところが石川は配牌でいきなりイーシャンテン。
   そしてあっさり2順目には聴牌。即リーに行く石川。
石川 (よし、いいスタートだぁ!)
   白と1萬のシャボ。
   その白は1枚、紺野の手の中にある。
中澤 「これは処理したい白やなあ、出るやろ。他にアンパイゼロやし。」
後藤 「出るね。次かその次くらいには。」
中澤 「あっ、やっぱり。」
   他に切るものがなく、親だけにまっすぐ行ってしまった紺野の振込み。
   しかし裏ドラはのらず、リーチ、白の2600になった。
   
   石川←紺野 2600
   リーチ、白
43 名前:1st GAME 投稿日:2004/04/14(水) 01:25
 東2局 親 矢口
中澤 「いきなり振込みか・・・この娘初出場やろ、こらあと引くんとちゃう?」
後藤 「そうかな、ここでうったから逆に落ち着くんじゃない?
     まあ、とにかくここでどんな打ちかたができるかがこの後の紺野を占うね。」
   後藤の言うとおりだった。
   紺野はピンフ聴牌。しかしツモがほとんどなく待ちは薄い。
中澤 「なるほど、あせっとったらリーチ行ってまうやろな。」
   黙っているうちに、石川から高めのイーぺーコーの9ソーがでた。
中澤 「ほんまや、落ちついとるなあ。」
後藤 「ねっ、普通なら焦ってリーチとかしちゃいそうだけど落ち着いてるでしょ。」
   
   紺野←石川 2000
   ピンフ、イーぺーコー
44 名前:1st GAME 投稿日:2004/04/14(水) 01:26
 東3局 親 飯田
   配牌で紺野にドラの東が対子。
後藤 「やぐっつぁんの東がどこで出るかが焦点だね。」
   矢口がイーシャンテンで切った。
   すかさず紺野がポン。
   その直後に矢口がテンパるが、
   リーチ宣言牌の5萬は紺野のロン牌。

   紺野←矢口 8000
   東、ドラ3(7700は満貫扱い)

45 名前:1st GAME 投稿日:2004/04/14(水) 01:26
 東4局 親 石川
中澤 「あちゃー、矢口、その東はないやろ。甘すぎるわ、あんなん。
     いくら自分の麻雀貫こおもても無茶や・・・。」
後藤 「しかも、その直後にロン牌が出るツモだからね。
     これは流れの悪い証拠だよ。」
中澤 「こりゃあ紺野の流れかな。
     うわー・・・紺野の5ピンはドラかあ、またドラ3や。」
後藤 「3面子完成だ・・・。」

   二三DDDFFGGG[\

   紺野3順目に聴牌。
中澤 「あんたならどうする?ペン7ソーやし3順目やから・・・。
     マンズの伸びに期待して8ソー9ソーか。」
後藤 「私はこういう状態なら押せ押せでリーチって教えたよ。」
   後藤の言うとおり、紺野は即リー。
   早いリーチに飯田は北の対手落としで回る。
紺野 「ツモです。」
   しかし紺野は一発ツモ!
   会場内がどよめく。
中澤 「・・・お前、どえらいの育てたな・・・。」
後藤 「いい流れだしドラ3だし、私ならリーチだったけど・・・まさか一発とはね。」
中澤 「クソーッ、あんなん矢口みたいなうちまわし方やないか。
     人一倍小さいくせにド肝を抜くようなのは・・・。
     まったくあのこはぁ、完全にお株を奪われよったわ。」
   
   紺野ツモ 12000
   リーチ、一発、ツモ、ドラ3
46 名前:1st GAME 投稿日:2004/04/14(水) 01:27
 東場終了

  紺野   矢口   飯田   石川
 44.4  14.0  22.0  19.6

47 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/14(水) 01:39
更新しました。
こんな感じでいかがでしょうか?
先にも言いましたが、本当にズバッと「ここがよくない!」と
書いてもらって結構です。
よろしくお願いします。

>25 名無飼育さん
実際、悩んでる人に本を薦めるのってどんな感じなんでしょうね。
私はもらったこともあげたこともないですけど・・・。
本編頑張ります!

>26 名無飼育さん
素直に「人間失格」と取ってくれれば幸いです。
あの状態で読んでしまった小川さん。
どうなってしまうのでしょう・・・。

>27 名無し募集中。。。
小川さん、本物はあんなに明るいのに・・・。
ただ、なんとなく「紺野のやっちゃった」はあるような気がします。

>28 名無飼育さん
「斜陽」の回に出せなかったのが悔しかったんです。
でも真剣な麻雀小説の前に入れてよかったのか悩むところです。
48 名前:娘。よっすいー好き 投稿日:2004/04/14(水) 07:44
感想:凄く面白い。ごっちんと姐さんの解説も分かりやすいし。

指摘:まりっぺの漢字間違ってるよ。真理→真里
   >>45の牌ですが、一つ足りない気が…
49 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:21
>娘。よっすぃー好きさん
ごめんなさい!いきなり少牌しちゃいましたね。
それどころかまりっぺの名前を間違えるとは・・・
問答無用でチョンボです。
50 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:24
 南1局 親  紺野
   紺野の勢いはさらに続く。
中澤 「すっかり矢口は流れを失ってもうたな。」
   飯田のマンズのホンイツ仕掛けに矢口はソーズの両面ターツをきらうも
   その牌で紺野に振り込む。
後藤 「4万点越えの余裕だね。
     これでリーチに行かなかったのは偉い。」

   紺野←矢口 9600
   七対子、ドラ2

51 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:25
 南1局 1本場 親 紺野
   矢口は点数が欲しいが、飯田と石川はとにかく紺野の勢いを止めたい。
   石川がまず、白を1鳴き。
   さらに西も鳴き、チーで3フーロ。
   安いながら紺野直撃に成功する。
中澤 「なりふりかまわずやなあ・・・。」

   石川←紺野 1300 (300)
   白、
 
52 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:27
 南2局 親 矢口
中澤 「矢口と紺野は48000も差があんのか。
     この親でどおにかせんと。」
後藤 「おっ、聴牌はいった。」
   矢口、1,4ピンでリーチにいく。
中澤 「あっ、こりゃカオリの追いかけやな。」
   飯田はすでにテンパっていた。
飯田 (親リーチか・・・でも矢口の状態なら。
     わたしは負けない。)
   飯田、すかさず追いかける。6,9マン。
中澤 「どっちも4枚ずつくらい残ってるのか。
     石川・・・も聴牌?カン3ソー。」
   しかし石川は勝負に行かず聴牌もとらない。
   2順目には4ピンをつかむ。
後藤 「さすがオリる勇気は梨華ちゃんの持ち味だね。」
中澤 「でもネガティブすぎなんやあの娘は・・・。
     いいところでも打ち切れないから。この間も・・・。」
後藤 「でもあれで押してたらうってたかもね。いいんじゃない?」
   トップ目の紺野は完全にベタオリ。 
   ロン牌はオリた二人に流れ流局となった。

   矢口、飯田 テンパイ

53 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:27
 南2局 1本場 親 矢口
矢口 (もうっ!何なんだよお・・・このゲームは。)
   矢口は配牌がガクッとおちた。
   今度は石川が好配牌。
中澤 「矢口、このゲームはダメそうだな。」
後藤 「そうだよね。馬がないから。
     トップ取らなきゃ意味がないルールだからね。」      
   先に飯田がテンパイ、リーチにいく。
   が、そのリーチはジュンカラだった。
   トップの紺野、手牌の悪い矢口からは出るわけがない。
   最終的に石川もテンパり流局。矢口の親が消えた。
 
   飯田、石川 テンパイ

54 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:28
 南3局 2本場 親 飯田
後藤 「飯田さんもやっぱりこの親で取らないといけないけど。」
   飯田、今度はカン3ピンで即リーチ。
   今のところドラが1枚あるだけだが。
中澤 「カオリはこのリーチはあまりあがるつもりないんと違う?」
後藤 「たぶん、押さえつけだね。でもどうだろ。」
   石川がちゃっかりイーシャンテンなのだ。
   そしてテンパイ。カン8ピン。
中澤 「789。三色のダマか。エグイな石川。」
後藤 「・・・梨華ちゃんの勝ちだよ、きっと。」
中澤 「なんでやねん。」
後藤 「実はここまで2局連続で飯田さんリーチ空振ってるんだよね。
     状態からいうと、紺野の次に梨華ちゃんがいいから。」
   紺野が發ポンで一色手に向かう。
   その動きで紺野に3ピンが流れた。
中澤 「で、カオリに8ピンか。」
   最近はデジタル麻雀が流行ってるが、
   信じれば信じるほど麻雀はオカルトになる。   
   飯田が石川に放銃。

   石川←飯田 2600 (600+3000)
   三色

55 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:28
 南4局 親 石川
   紺野と石川の差は22000。
中澤 「さすがに一回じゃ無理やな。」
後藤 「うん、でもあがり止め有りだから。」
中澤 「でもノーテンやったら終了やろ。
     こら無理もするし・・・」
後藤 「やぐっちゃんの箱テン回避もあるから。」
中澤 「石川のほうが不利やな。」
   紺野のほうが早かった。2,5ピン。
   トップだったがここでリーチに行くのが紺野流。
   そして後藤流なのだ。
後藤 「でも、これはリーチはやりすぎかな・・・。」
中澤 「石川はどうするんやろ。やっぱ押しかな。」
後藤 「紺野の捨て牌はマンズが全然切れてないね。」
中澤 「5ピンがドラなんかあ・・・。」
   石川が追いついた。
   しかし次順、石川の手が止まる。

   BBCCDDGG四五六七八 G

56 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:29
中澤 「ダマでも12000やろ、いけっ石川!」
   だが、中澤の願いもむなしく、石川はここで現物3ピンに手をかけてしまう。
中澤 「ああ!もうじれったいやつやな!」
   案の定、次の紺野のツモは8ピン。
石川 (・・・通ってたんだ・・・)
   思わず口に思想になってしまう石川。
石川 (いや、ポジティブ、ポジティブ!)
   そのとき矢口が9ソウをカン。
   新ドラが6マンに。
   その6マンを、石川が持ってきた。

   BCCDDGGG四五六七八 六 

57 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:29
石川 (3,6ピンだとフリテンか・・・
     4ピンは1枚切れだからシャボはちょっと・・・
     しかも4,7ピンはドラまたぎ・・・いっちゃえ!)   
   現物の8ピンに手をかける石川。さらにリーチ!
中澤 「フリテンの3,6ピン?」
後藤 「・・・確かにツモったらトップなんだよね。でも。」
中澤 「無茶や!こんなん!負けたほうがこの後も流れ失うねんな。」
後藤 「一度あがり逃してるし。」
   2順後、石川、再び手が止まる。   
   そしてソーッと牌を河に置く。そこまでだった。

中澤 「やっぱり・・・あがり逃した牌は怖いんやなあ。
     こら、石川今日キッついで。精神的に。」
後藤 「安目だし点数的には安いんだけどね。答えるよこれは。」

   紺野←石川 2000 (1000)
   リーチ、ピンフ    

58 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:30
 1st GAME 終了

  紺野   矢口   飯田   石川
 52.4   4.4  18.8  24.4

59 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:30
中澤 「紺野って娘やるやんか。」
後藤 「一応ね。でも始まったばっかりだし。」
中澤 「そうか。そうやな。あんたも今フリーなんやろ。頑張りや。」
後藤 「さんきゅっ!」

後藤 (紺野はだいぶ落ち着いてやってるから大丈夫でしょ。
     やぐっちゃんは辛いな。梨華ちゃんがどこまで立ち直るかな。
     ・・・飯田さん・・・さあ、どこで爆発するかな。)

   オカ二万点が紺野に加算される。   

   紺野     矢口     飯田    石川
 +42.4  −25.6  −11.2  − 5.6

60 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:30
 卓では連盟の三人が話している。
   その三人の様子もなかなか面白い。
   飯田はほとんど表情を崩さない。
   矢口は前局の影響でたまに声が大きくなる。
   石川は、やはり前局の影響でトーンが低い。
   それは、例え今麻雀とは別の話をしていてもである。
   
   そんななか紺野だけは黙って卓上を見ていた。
   初めての他団体との対局に自分を落ち着かせたくてたまらない。
   例えば東1局で振り込んだときは、かえって落ち着くことができた。
   ただ自分がいつまで平常心を保てるかがわからずに困っているのだった。

61 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:31
後藤 「本当はこんなとき、後輩のところに行ってやったほうがいいんだろうな・・・。
     でも、いちーちゃんなら・・・行かないか。」
安倍 「あれー?ごっちん?ごっちんだよね?」
後藤 「あっ、ナッチじゃん。」
安倍 「なんででなかったの?ナッチとカオとごっちんで対決したかったのに。」
後藤 「ちょっとね。」
安倍 「分かった、さやかの後を追ったんでしょ。くーっ!青春だべさあ。」
後藤 「ナッチなまってるよ。」
安倍 「ヘヘ、興奮してつい・・・ところでごっちんは誰が勝つと思う?」
後藤 「今のところ・・・飯田さん・・・か、やぐっつぁんもあるかな。」
安倍 「カオは負けないよ。・・・でもたしかに矢口にも勝って欲しいなあ。
     あと・・・あの紺野って娘、なんか通じるものがあるんだよね。
     準決勝で戦っただけど静かだし喋んなかったんだよね。
     あっ!そういえば協会だからごっちんの後輩じゃねえべか?」
後藤 「もしかしなくてもそうだよ。ナッチと同じ北海道出身。」
安倍 「道産子!?これは応援しなきゃいけねえべさ!」

62 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/16(金) 23:33
更新しました。
まだ第1ゲームが終わっただけです。
半荘8回あるのですから、全員にチャンスはあります。
というわけでは今日はここまで・・・。
63 名前:娘。よっすいー好き 投稿日:2004/04/17(土) 06:09
現在はこんこんの流れですね。まだ半荘7回あるのでどうなるか分かりませんが・・・
次回の更新楽しみにしてます。
2nd gameはなっちとごっちんの解説かな(ネタバレだったらごめんなさい)
64 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/20(火) 00:36
麻雀知識の疎い自分には今一場の空気みたいなものが読めないっす・・・
なんか結果だけ見てるみたいで・・・
全員の配牌や、聴牌時の各自の手牌・ツモ牌・切る時の思考とか書いてくれると
麻雀初心者の自分にもわかると思うのですが・・・一々書いてたらやっぱり大変ですよね?
「麻雀>娘。」とあるので、麻雀知識のある読者を対称にしているのならスルーしてください。

聴牌←テンパイって読むんですね、解からずググっちゃいましたw
勉強になります。
65 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:00
>娘。よっすぃ-好き さん
小説にするのならやっぱりデジタル麻雀よりもオカルト麻雀ですね。
ごっちんはオカルト、というか流れ論者ですが、
デジタル論者もちゃんと出てきます。

>名無飼育さん
名無飼育さんの言う通り、全部書いちゃうときついですね。
ただ見せ場というか、注目すべきところはこの後も極力詳しく書きます。
(南4局+αくらいかなあ)
手配は中々難しいですが、四人の心理状態は、
66 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:01
2nd GAME

 東1局 親 石川
   石川が4順目にドラをリリース。
   いかにも手が早そうである。
   紺野の手はホンイツまで見える形だったが・・・
紺野 (ここは・・・早く終わらせたほうがいいかな。)
   あっさり南をポン。
   マンズばかりの中、1、4ピン受けを残し、簡単にツモった。
石川 (やっぱり、さっきのがいけなかったのかなあ・・・。)
   石川は実はチャンタのイーシャンテン、またもやチャンスを崩される結果になった。

   紺野ツモ 1100
   南 
67 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:01
 東2局 親 紺野
後藤 「やっぱりさっきのオーラスが響いてる感じがするね。」
安倍 「紺野はさっきのトップが結構大きかったから、
     小場のほうが楽なんだよね。」
後藤 「でも飯田さんとやぐっつぁんは大物手を育てるのが上手いからなかなか難しいよ。」
   東1局は紺野が軽く蹴ったが、東2局は重い展開になった。
紺野 (あっ、いけない。)
   紺野はペンチャンの選択に失敗。
   石川も東をポンはしたがそれ以外がばらばら。
   飯田はすでに後ろ向きになっている。
   終盤に矢口が七対子テンパイ、リーチにいくが流局した。

   矢口 テンパイ

68 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:02
 東3局 1本場 親 矢口
   紺野が絶好調モードに入ってしまった。
   あっさりカン7ピンのテンパイ、おせおせのリーチを入れる。
安倍 「こんな感じでついてるときは何でもあがれるんだよね。」
   親の矢口が4ピンを勝負。
石川 (紺野の勢いはヤバイ・・・ここはおりよう。でも・・・)
   石川の手に安全パイはほとんどない。
   すじ頼りで7ピンの対子落しに向かってしまった。
後藤 「さっきのオーラスが
     二人の明暗を分けたのを象徴したようなあがりだね。」
安倍 「本当。裏ドラも乗ったし。
     梨華ちゃんのはオリ打ちみたいなもんだから。」

   紺野←石川 5200 (1000+300)
   リーチ、タンヤオ、裏ドラ1

69 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:02
 東4局 親 飯田
安倍 「紺野、ヤバイね。」
後藤 「私たちラブマ組はどうしても流れを重視するから・・・
     飯田さんとか矢口はいやだろうね。」
安倍 「ラブマージャン組かあ、なあつかしいべさあ・・・。」
   とにかくきっかけが欲しい、そして点数が欲しい石川。
   しかし2枚目の白を鳴かざるを得なくなる。
   結局ドラも絡まず、白のみで終わってしまった。

   石川ツモ 1100
   白
70 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:02
 東場終了

  石川   紺野   矢口   飯田   
 19.1  31.3  26.4  23.2
71 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:02
 南1局 親 石川
安倍 「梨華ちゃんはさっきのあがりがきっかけになるかな?あ、配牌はいいみたい。」

   VVV[\\\一二三EFG

   石川、中盤に変則両面の7ソウ8ソウでテンパイ即リー。
矢口 (親かぁ、石川は第一ゲーム2着なんだよなぁ。)
   矢口は冷静に一発を消すチー。
後藤 「これ、きっと下家に流れるね。」
安倍 「うん、絶対流れる。」
   二人の予想通り、7ソウが食い流された。
   つかまされた紺野はオリに向かう。
   追いついたのは飯田。
   東とドラ9ピンのシャボで追いかけリーチ!

   東東三四五六七八DEFHH

後藤 「東は1枚残ってるんだよね。梨華ちゃんがつかむかな。」
   矢口、二度テンパるが取らず。三回目はテンパイ形に受けるが、形式テンパイ。
安倍 「ハイテイは梨華ちゃんか。あああ、怖いべさ!つかむべさ!」
   ・・・。
   東は王牌にあった。
 
   石川、矢口、飯田テンパイ

72 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:03
 南1局 1本場 親 石川
   紺野にダブ南が対子。しかもドラ。
   飯田、石川の手に一枚ずつ入っている。
安倍 「二人がどこまで絞るかなあ。」
   しかし飯田の手が進む。
   役無しだが4ソウと4ピンのシャボでテンパった。
   リーチにはいかないが南をたたき切る。紺野が食いつく。
安倍 「・・・白熱してきたべさあ!」
飯田 (トータルトップが動いた。ここはチャンスと見るべきだ。)
   飯田は、紺野の仕掛けに動じない。
   3ソウを持ってきて2,5ソウでリーチにいく。
後藤 「ここは飯田さんも勝負だね。
     ポンで手牌が短いからリーチだよ、相手が満貫確定でも関係無しに。」
   石川、矢口はここの勝負には向かえない。
   丁寧にオリていく。次第に二人のロン牌が薄くなる。
   結局2局連続で流局になった。

   紺野、飯田テンパイ

73 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:03
 南2局 2本場 親 紺野
安倍 「リーチ棒3本と2本場はおいしいなあ。」
後藤 「こういう流局続きの中だるみ状態はナッチの得意な展開なのにね。」
安倍 「みんななんであんなに焦ってあがるのかねえ。
     全然あがれなかったんだよ。」
後藤 「見てた見てた、かわいそうだったよね。あっ、もう終わっちゃった。」
   二人が話している間に飯田が軽やかに上がった。
   西のみだがリーチ棒などの+3600は大きい。

   飯田←石川 1000 (3000+600)
   西
74 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:03
 南3局 親 矢口
   今あがった飯田の手はあまりよくない。
後藤 「でも28300の二位だったら無理しなくてもね。」
   石川がドラ2枚使いのタンヤオしかけ。
   石川は勝負手。
安倍 「矢口はイーシャンテンだけど、形がね・・・。」
   しかし、矢口、カン4ピンで即リーチに行く。
後藤 「即リー!?」
安倍 「他の三人を押さえつけるリーチだよ。」
   しかし石川は行く気充分。
   紺野はまわし打つが、飯田はベタオリ。
後藤 「梨華ちゃんテンぱった!」
安倍 「いや、2,5ソーはほとんどないんだよ。」
   最後の5ソーが紺野の手に。
安倍 「これは出ない形だべ・・・。」
後藤 「でも4ピンもあと1枚?」
   最後に紺野が形式テンパイを入れた。

   矢口、石川、紺野テンパイ

75 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:04
 南3局 1本場 親 矢口
   紺野の手が最高によい。
安倍 「ああ、こりゃあ紺野だね。間違いない。」
   ところが、3巡目で早くもイーシャンテンになっていた紺野のツモがぴたりと止まる。
後藤 「紺野・・・飯田さんがだんだん来てるのに気付いてないなあ。」
   飯田、七対子のテンパイだが5ピン待ちの仮テン。
安倍 「いい待ちになったらカオリがリーチだべ。」
   紺野、5ピンをつかむ。1巡止まるが・・・。
後藤 「その前に飯田さんがテンパイを変えない限り。」
   紺野テンパイ、満貫確定リーチに行くが5ピンは当たり牌。
後藤 「これは紺野の流れ止まるね。あの手をあがれないし振り込んだし。」
安倍 「あれがもし他の二人からだったらカオリは上がらなかったんでないかい?
     紺野がトップでリーチだからあがったんだべ?」
 
   飯田←紺野 1600 (1000+300)
   七対子

76 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:06
 南4局 親 飯田
   30000点を越えてる人間はいない。
   紺野は1200点以上、飯田は1900点以上、
   そして矢口は4200点以上の上がりでトップが確定する。
安倍 「カオリの手・・・と矢口もいいべさ。」
後藤 「ここはね、飯田さんとやぐっつぁんと、勝ったほうがこの後もいい流れに乗れると思うの。」
   飯田はタンヤオのイーシャンテン。
   矢口も負けずに好形、だがまだリャンシャンテン。
後藤 「紺野は苦しいなあ。字牌ばっかり。」
   石川としては西入にするほうが得策か。
   
   二三七七八八八YYEFGH Y

   飯田らしいツモ、6ソー引きに即リーチで決めに行く。
   紺野は勝負に行くような手ではない。
   けれども矢口はここはおりてはいられない。
矢口 (ここは落とすわけにはいかない。)

   西西UVVWW三三四五五七 八

   5、8マン3枚使いが打てず、ソーズも外しにくい。
矢口 (ドラの3マンも切れない・・・。
     リー棒があるから狙うは3900か・・・。
     ここはピンフドラドラが一番安全だ!)
   西の対子落としにむかう。
77 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:07
   西を一枚切り、自分の手牌をにらみつける矢口の耳に
   牌を卓に叩きつける音が聞こえた。

   バシッ!!!

後藤 「ツ・・・モった・・・。」
安倍 「一発だ。カオリのトップだべさ。」
   飯田、一発で4マンをツモ。今のところ満貫。
安倍 「ウワーーーッ!」
後藤 「嘘っ・・・!?」
   裏ドラをめくる、そこには5ソーが隠れていた。

   飯田ツモ 18000
   リーチ、一発、ツモ、ドラ1、裏ドラ3

78 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:07
 2nd GAME 終了

  石川   紺野   矢口   飯田   
 11.0  22.9  19.9  46.2

79 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:07
安倍 「いやーっ・・・今のはなんだったんだべさ。」
後藤 「さすが飯田さんって感じだね。」
安倍 「紺野も矢口も頑張って欲しいなあ。
     でも矢口は苦しいね。」
後藤 「やぐっつぁんなら何とかするよ。
     紺野はまだ経験不足だから・・・。」
安倍 「でもやっぱりカオリに勝って欲しいべさ。
     それから私がカオリと後藤に勝つんだもん。」
後藤 「うん、待ってるよ。」
安倍 「じゃあ、私はうちの会のほうに行くから、じゃあね。」

80 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:08
 紺野  +42.4  − 7.1/+35.3  
 矢口  −25.6  −10.1/−35.7  
 飯田  −11.2  +36.2/+25.0  
 石川  − 5.6  −19.0/−24.6
81 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:08
後藤 「今のところまだトップは紺野か。
     実際8ゲーム中何回トップを取れるかが問題なんだよなあ。
     馬がないから2着も4着も関係ないし。」
加護 「ごっちん?ごっちんやないか!」
後藤 「あれ、あいぼん?久しぶり〜。」
加護 「久しぶり〜やあらへんわ。何してんねん、今回パスしよって?」
後藤 「んあ、ちょっとね。」
加護 「全く、ごっちんのやることは訳がわからんわ。」
後藤 「あいぼんはたしかやぐっつぁんについていったんだよね。」
加護 「そうや、師匠いついていくのが真の雀士や。
     150連合がこれから連盟も協会も倒して日本一になるんや。
     けど・・・今回は・・・。」
後藤 「知ってるよ、予選でいきなり大ミスしたんでしょ?」
加護 「はあ・・・見とったのか・・うちの大チョンボ。」
後藤 「丁度よっすぃ〜もいたからね。でもまさかフリテンでロンなんて・・・。」
加護 「妙に興奮しとってたから・・・自然と口から出て・・・
     えっ?あの吉澤っちゅうでかいのと知り合いなん?
     あいつ、最後まで人のこと馬鹿呼ばわりしよって・・・
     まあ、準決勝で負けたからええ気味やけどな、ヒヒ。」
後藤 「ふ〜ん、でもよっすぃ〜とあいぼんなら結構気が合うと思うけど・・・。」   
加護 「あっ、3ゲーム始まるでごっちん。」 
82 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/21(水) 00:10
更新しました。
だんだん流れが明らかになってきました。
150連合の後輩、加護の応援は矢口に届くのか!?
83 名前:娘。よっすいー好き 投稿日:2004/04/21(水) 05:59
うーん。2nd gameは飯田さんがとりましたか。後、半荘6回、タンポポメンにも流れがいくかな。
84 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:01
3rd GAME
 
 東1局 親 飯田
加護 「オーラスで上がった飯田さんが親や・・・。」
後藤 「『流れ』が来るかな?」
加護 「『流れ』なんてうちは信用せんけどな。
     麻雀なんてほとんど確率や。」
   全員がせいぜい1面子完成と言う厳しい状態。
   特に矢口が厳しく、自然にソーズに向かっていく。
   そんななか字牌が重なり少しずつ形になってゆくが
加護 「何で紺野は今リャンシャンテンにせーへんのやろ。」
後藤 「やぐっつぁんの染め手がもう雰囲気で分かってるからだよ。」
   実際この局は非常に字牌が高い。
   石川に至っては、タンピンのイーシャンテンながら發でやめてしまった。
加護 「ほんっとに梨華ちゃんのうち回しは見てていらつくわぁ。」
   しかし石川の選択は正しい。
   矢口は發か北のポンでカン2ソーテンパイになるのだ。
   紺野、飯田も字牌をしぼりながらうつ。
   石川から当然發がでるわけもなく、もう1つの北も紺野が持っていたため流局。

   全員ノーテン

85 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:01
 東2局 親 石川
   今回はオーラスの親が控えている矢口。
矢口 (ここはどんどん進めるに限るな、カオリが怖いから・・・。)
   その思惑通り白を1鳴きし、飯田からあっさり上がった。

   矢口←飯田 1000 (300)
   白

86 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:01
 東3局 親 紺野
   東1局とはうって変わって、全員がそこそこの配牌。
   抜け出したのは飯田だった。
   中盤でテンパイを入れる。
   ダマでも満貫の5、8ソー。
加護 「飯田さん、リーチかな。」
飯田 (みんなそろそろ真ん中の牌を切ってるなあ。
     この5、8ソーはじっとしてれば出るでしょ。)
   飯田はダマを選択。
加護 「なんで?」
後藤 「う〜ん、飯田さんとしては、とりあえず確実に一歩出たいんじゃないかなあ。
     後、みんなの序盤の捨て牌に字牌が多いから、早いのを察知してか。
     例えば紺野とか梨華ちゃんは字牌を残すタイプだから。」
加護 「はあ・・・。」
   飯田の選択は当たった。
   石川が数巡後カン7ソーを嫌ってふりこんだ。
石川 (もうテンパってたんだ・・・)
後藤 「梨華ちゃんのの雀風からすれば、リーチならこの牌は出なかったかもしれないし。」

   飯田←石川 8000
   タンヤオ、ピンフ、イーぺーコー、ドラ1

87 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:02
 東4局 親 矢口

   飯田としてはこのリードのまま逃げてしまいたい。
   早めの食い仕掛けにでる。

   が、ついているときのこういう仕掛けは返って良くない。
後藤 「って私は思うんだけどね。」
加護 「流れなんて信じてへんけど、なんかごっちんが言うと本当っぽいわ。」

飯田 (失敗・・・だったかな。)
   下家の石川に好牌が流れてゆく。

石川 (ええいっ!勝負だっ!)
   石川カン2ソーでリーチ。
   しかも5ソー切りのもろ引っ掛けに出るあたりが石川らしい。

   ひっかかったのは飯田。一発で飛び込んだ。
飯田 (あのポンがいけなかった・・・。手牌も短くなって。
     一番やっちゃいけないことしちゃったなあ。)

   裏ドラをめくる石川の手に力がこもる。
石川 (チャーミー頑張れ!)

   願いが通じた!
   まさかのウラドラ3!
   ・・・眉間をゆがめた飯田がモニターにアップで映る。

加護 「怖っ・・・。」
後藤 「たま〜にこういうことがあるんだよね。」
 
   石川←飯田 8000
   リーチ、一発、裏ドラ3

 
88 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:03
 東場終了

  飯田   石川   紺野   矢口      
 23.7  25.0  25.0  26.3
89 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:03
 南1局 親 飯田

   飯田、矢口は食い仕掛けが余り得意ではない。
   石川は意外と食い麻雀が上手いのだ。

   ドラは北。
   オタ風だが、紺野に配牌でアンコになった。
加護 「紺野ドラ3や。」
   もう一枚は矢口にあり、矢口は中をポン、萬子の一色に行く。

   が、石川があっさり白ポンの6、9ソーで蹴る。
矢口 (何で・・・もういやになるよ。)

   石川←矢口 1000
   白
90 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:04
 南2局 親 石川

   全員がそこそこの配牌。
   飯田、石川がほぼ同時にテンパる
 
   ABTUV七八九[[\\\

   飯田、7ソー引きの一手変わりでジュンチャンだが・・・。
飯田 「・・・リーチ。」

後藤 「!?・・・即リー!?」
加護 「な、なんで?」

   これを見て石川が追いかける。
   カンチャンから6マンと1ソーのシャボに変えてリーチ。

後藤 「1ソーはジュンカラだよ、6マンは全生き。」
加護 「1、4ピンもあんまりないなあ。」

   紺野は中の対子落しでまわし打ち、イーシャンテンまでかえってくる。
91 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:05
矢口 (テンパッちゃったかあ・・・ケンカ・・・しちゃおっかな・・・。)
   ここで矢口が追いかけリーチ。
   急に場が騒がしくなった。

   三四七八九AAEFGTUV

加護 「2、5マンが一番いいやろか・・・」
   しかし紺野は2マン対子、5マンアンコ。
後藤 「あ、2、5マン紺野が五枚使いだ・・・」
加護 「似たりよったりやなあ・・・」

   そこで紺野がつかんだのは8マン。
紺野 (う〜ん・・・大本命だ・・・。)

加護 「これいけへんかなあ・・・。」
後藤 「飯田さんには現物だけど、
     梨華ちゃんとやぐっつぁんは4マン切りリーチで、
     しかも自分で5枚使ってるすじだし。」
   大きな目でじっと卓上を見て・・・スッと切る。

後藤 「へえ、すごいや。」
92 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:06
   矢口が笑顔を含んでチラッと紺野を見た。
   そして、ツモってきたのは5マン。

矢口 「やぁっと上がれた・・・。」
   思わず口に出してしまった。

   三人リーチをかいくぐったのは矢口だった。

   矢口ツモ 5200(2000)
   リーチ、ツモ、ピンフ、裏ドラ1

93 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:06
 南3局 親 紺野

加護 「師匠が一歩抜け出しよった。」
   その矢口に8マンが三枚。
   やはり配牌で他より一歩抜け出した。
後藤 「やぐっつぁん、トップ取れそうな感じだね。」

   が、四枚目の8マンを持ってくる。
   さすがにあわててカンはしないが、少し眉をしかめた。
   そんな中、紺野は自風の東を対子にし、
   石川は七対子のイーシャンテンに。

   しかし石川は、難しいところ、5ピンをもってくる。

   CEEFF南南二二三四伍伍 D

後藤 「ここはドラが4ピンだし面子手に行くんだろうね。」
加護 「となると、2マンあたりを切るんかなあ・・・。」
94 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:07
石川 (ここは、この流れだ・・・。)
後藤 「エーッ!?」
   石川は七対子に決め打ちの5ピンツモ切りを見せる。
加護 「飯田さんだけやのうて、梨華ちゃんもおかしくなってしもたんか・・・?」

   しかし、石川は見事に4マンを持ってきてテンパイ。
後藤 「これは、完全に対子場を読みきったんだね・・・。」
石川 「リーチ!」
   待ちはドラの4ピンタンキ。

紺野 「ポン。」
   親の紺野も勝負。
   矢口から出た東ポンで4、7マンのテンパイ。

   石川対紺野の戦いになった。
95 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:08
紺野 (あっ・・・)
   指の感触が、紺野にいやな予感を与えた。

後藤 「・・・引いちゃったかな?」
加護 「あら・・・。」
   ツモは4ピン。
   
   三三三伍六WXYBBB(東東東) C  

紺野 「すいません・・・」
   長考に入る。

後藤 「3マン、9マンは現物だけど、5、8マンは通ってないし。
     う〜ん、ソーズも高い、3ピンも通ってない。
     これ本当に難しいな。」

紺野 「本当にごめんなさい・・・。」
   悩みに悩んで、とりあえず6マンをきる。

後藤 「3マン切って完全に止めるかなって思ったけれど、
     とりあえず復活できるようにしたね。」

   紺野、再び6マンを持ってくるが、
紺野 (いや、ダメダメダメ!)
   やはり4ピンは切らない。
96 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:10
   矢口も安全牌ゼロに追い込まれた。
矢口 (う〜ん・・・これだ!)
   勝負で8マン切り、4枚落しに向かう。

   紺野は4ピンを使いきり、一度止めた7ソー勝負のテンパイ形になる。
後藤 「でも、さすがに、3マン切りかな・・・。」

紺野 (4ピン、一度止めたんだ!
     死んでも切らないぞ!)

   またしても後藤の予想は外れ、今度は7ソー勝負でテンパイに受けた。
後藤 「すごいなあ!」
加護 「ほんますごいわあ・・・ほとんど読みきっとる。」
   
   紺野、石川テンパイ

97 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:10
 南3局1本場 親 紺野

   石川が、紺野のテンパイ形を見てどこまで読み取ったか・・・。
   それは本人のみぞ知るところ。

   今回は全員の配牌が良く、とりわけ矢口は配牌イーシャンテン。
   が、そこでぴたっと止まってしまった。

矢口 (くそっ・・・どーなってんだよ・・・)
   気がつけばもう7、8巡はツモ切っている。

   その間に飯田もテンパったが、
   ドラ無し、役無しの上、悪形でリーチにいけない。

   紺野も石川もイーシャンテンで止まっている。

   やっと、矢口にも、役無しだがテンパイが入った。
   石川はタンピンのテンパイ。

後藤 「梨華ちゃんだけが、あがれるテンパイか。」
加護 「もうすぐハイテイ・・・あっ、飯田さんが振り込んだ!」
   ハイテイ直前で石川が上がり、リーチ棒と1本場を手に入れた。

   石川←飯田 2000(1000+300)
   タンヤオ、ピンフ
98 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:11
 南4局 親 矢口

   トップの矢口はたった31000持ち。
   石川は4800、紺野は5800の差で追いかける。

   飯田に、白、發が対子。
飯田 「ポン。」
   しかし飯田はトップまで14000近い差がある。
   ピンズに向かい、少しでもマイナスを少なくする。

後藤 「その上で、中持ってきて小三元まで見てるつもり。」
加護 「あ、梨華ちゃんテンパった。」
   石川がその中を対子にしてテンパイ。

   中UV@ABCDE一二三四五六八 中

後藤 「三色、ドラ1の5200なら・・・ダマでもトップか。」
   ただし1、4ソーの4ソーではあがれない。
後藤 「飯田さんのピンズの混一色、そして紺野がトップを狙える位置、
     やぐっつぁんも親だから。
     1ソーは出るね。ダマテンだろうね。」
   1ソーに期待して、石川はダマに取った。

   牌を切る瞬間、わずかに笑みが漏れた。
加護 「梨華ちゃんってほんま感情外に出すなあ・・・。アホや。」

   それでもその1ソーは、矢口から即出た。
石川 「ロ〜ン!やったぁ!5200で〜す。」

   石川←矢口 5200
   三色、ドラ1

99 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:12
 3rd GAME 終了

  飯田   石川   紺野   矢口  
 17.6  31.4  25.2  25.8
100 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:22
加護 「ぐあーっ!!!もう!最悪もええとこや!
     師匠はなにやっとるんや。あっさりトップ逆転されて!
     しかもアホ梨華ちゃんに!クソッ!クソッ!
     150連合の恥や〜!」
後藤 「恥といえば、150の誰かさん、チョンボしなかったっけ?」
加護 「ご・・・ごっちんまでそないなこという・・・?」
後藤 「冗談冗談。大丈夫だよ。まだ70ポイントくらいしか差がないから・・・
     え〜っと、71.4ポイントか。余裕余裕。
     やぐっつぁん2回トップ取ればこのくらい大丈夫だよ。」

 紺野  +42.4  − 7.1/+35.3  − 4.8/+30.5  
 矢口  −25.6  −10.1/−35.7  − 4.2/−39.9  
 飯田  −11.2  +36.2/+25.0  −12.4/+12.6 
 石川  − 5.6  −19.0/−24.6  +21.4/− 3.2  

加護 「たのむで、未来の150連合のためにも。
     ・・・ん?・・・あ、あれは・・・」
後藤 「あの飯田さんなみのでかさは。」
101 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:23
加護 「ぎゃあっ!あ、あいつや!吉澤や!
     くそっ!やっつけたる!いや!ここは逃げるが勝ちやな!」
後藤 「ちょっとあいぼん!」
加護 「また今度な!師匠しっかり応援したってや。」

   あっという間にいなくなった加護と入れ替わりに、吉澤が後藤のところにやってきた。
吉澤 「ほら、やっぱりごっちんだ。そんな気がしたんだよね。」
後藤 「さすが、よっすぃー、相変わらず勘が鋭いね。」
吉澤 「へへ、でもなぜか勝てないんだよなあ。
     いつもいいとこまで行くんだけど。」
後藤 「前にも言ったでしょ、よっすぃーは可愛い女の子が同じ卓にいると、
     舞い上がって無理したり、ボーっとして変な牌打ったりするから。」
吉澤 「そうなんだよ、準決勝でやぐっつぁんがいたからさ。もしAグループだったら・・・」
後藤 「梨華ちゃんがいるからもっとマイナス・・・。」
吉澤 「そっかあ・・・その通りだ、さすがごっちん!」

後藤 「で、梨華ちゃんとは仲良くやってるの?」
吉澤 「うん、でもさっきやぐっつぁんに絡んでたらホップぶたれた。」
後藤 「・・・。」
吉澤 「で、やぐっつぁんと梨華ちゃんがけんかになったあげく、
     私が全面的に悪いってことになって・・・。」
後藤 「・・・。」

吉澤 「結局私はあいだをとって紺野を応援することにした。」

102 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/04/25(日) 00:30
更新しました。
名前のところに「3rd GAME」と入れるのを忘れていました。
今回、途中から、行間を開けてみましたが、どうでしょうか。
読みにくいなどの意見もお待ちしています。
(もちろん本編の感想も・・・)

>娘。よっすぃ〜好きさん
ちなみにこの決勝卓、全員タンポポがらみです。
実は、団体メンバーなんかも、色々私の「娘。観」が入っています。
おそらく、優勝者決定後にでも、私のわがままな「娘。観」を書くと思います。
・・・そのときまで読んでいただける人がいたらいいなぁ・・・
103 名前:娘。よっすいー好き 投稿日:2004/04/25(日) 10:44
最初のトップが大きくまだこんこんのリードですね。
確かに全員タンポポからみですね。前半のラストであの人が勝つと、面白い展開になりそうです。
それにしても、よっすいーはいいあじ出してるみたいですね(笑)
もちろん最後まで読ませていただきます。
次回の更新楽しみにしております。
104 名前:七死 投稿日:2004/05/05(水) 18:50
初めて見たけど面白い!俺雀荘店員やってるから「俺やったらこう切ってこの手にしてくけどなぁ」とか考えてしまったw
次回更新楽しみですわ。
105 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/05/21(金) 19:09
実はパソコンの調子が悪く、修理に出したところ初期化されてしまい、書き溜めてあった文章も、点数もパーになってしまいました。
また新しく4thGAMEから新しく書き直すので、次の更新までに時間がかかってしまいます。
放置だけは何が何でもしないようにしますので少し時間をください。
申し訳ありません。
106 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:18
4th GAME

 東1局 親 矢口

   吉澤がしゃべっている間に、闘牌は始まっていた。
後藤 「よっすぃ〜、ちゃんと見てなよ〜。」
吉澤 「分かった。分かった。あれ?梨華ちゃんいい手じゃん。」

   ターツ選択で、石川の手が止まった。
   真剣に手牌を見つめる石川の表情がモニターに映る。
吉澤 「くぅ〜っ!やっぱ梨華ちゃんかわいいなぁ。」
後藤 「・・・。」

   石川はターツの選択に成功。
   ダマテンで矢口から上がった。

   石川←矢口 2600
   イーペーコー、ドラ1 

107 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:19
 東2局 親 飯田

後藤 「梨華ちゃんの手がまたいいな。さっきトップ取ってからかなり調子がよくなってきたよね。」
吉澤 「ここでトップならトータルでもトップになりそうだし。」
後藤 「う〜ん、どうかな。紺野と並びくらいじゃないかな。」
吉澤 「まあ、とりあえずトップ狙いたいね。」

   石川テンパイ。
吉澤 「梨華チャン聴牌じゃん、リーチ行っちゃえ行っちゃえ!」
   吉澤の声はもちろん聞こえないのだが、無視するかのように石川はダマを選択。
吉澤 「なんで?」
後藤 「多分、梨華ちゃんは今のところ立直よりもダマで上がってるから。
     流れ的にも、ここで無理しないようにしてるんじゃないかな。」
吉澤 「なるほど。」

紺野 「チー。」
   紺野が食いタン。
紺野 (石川さんもだけど、飯田さんの親が怖いな・・・。)

吉澤 「私だったら、ここで一人手が短くなったから押さえつけ立直に行くけど。」
後藤 「私もだなぁ。たぶん協会の人ならみんなそうするよ。」
   石川は連盟の人間。
   リーチに行かないまま流局となった。

   石川、紺野 テンパイ

108 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:19
 東3局1本場 親 石川

   矢口にピンズ、飯田にソーズが集まってくる。
矢口 「ポン。」
   先に矢口が發をポンした。
飯田 「ポン。」
   飯田もオタ風の西をポンする。
   場が突然緊迫感にあふれた。
吉澤 「紺野は手の中に東、中って一枚ずつあって。
     こりゃだめだな。」
後藤 「梨華ちゃんもいかないんだろうね。」
   矢口もジワリジワリと手を進めるが、石川、紺野からは好牌が出ない。

   矢口、飯田 テンパイ

109 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:20
 東4局2本場 親 紺野

後藤 「このゲームになって、急に場が静かになったね。」
吉澤 「トータルのポイントが大体分かってきたからかな。」

矢口 「ポン。」
   南家の矢口が南をポン。
後藤 「やぐっつぁんポンテン入れたね。2,5ソー。」

矢口 「ロン。」
   石川からあっさり出て矢口が上がる。

   矢口←石川 2000(600)
   南、ドラ1

110 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:20
 東場終了

  矢口   飯田   石川   紺野
 25.0  25.0  25.0  25.0

111 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:21
 南1局 親 矢口

吉澤 「すっごいなぁ。全員原点か。」
後藤 「こんなこともあるんだね。」
吉澤 「ここから誰が抜け出るんだろう。」
後藤 「抜け出ると同時に、誰が落っこちるかもあるからここが焦点なんだよ。」
吉澤 「どういうこと?」
後藤 「実際問題、ここでやぐっつぁんがトップを取れない、しかも沈みってことになると
     一人置いていかれるわけでしょ。」

石川 「ポン。」
   ここでトップを取って三つ巴になりたい石川。
   場風の南をポン。
矢口 「ポン。」
   矢口も親番を死守するためにドラ二枚使いのタンヤオ仕掛け。
後藤 「飯田さんもイーシャンテン。」
   その後、飯田に3.6ソー、石川に5.8ソーテンパイが入る。

矢口 「ああっ!もう!」
   思わず声にしてしまった。
   矢口は5マンをトイツ落とししたあとで5マンを引いてきた。

   その後、こう着状態が続いたが飯田が立直。
   矢口は結局テンパイできずに流れてしまった。

   飯田、石川 テンパイ
112 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:21
 南2局1本場 親 飯田

   今度は紺野の配牌がよい。
   石川にはドラの南がトイツ。
   石川は早いうちにテンパイを入れるが、手変わりが多いため立直にはいかない。

吉澤 「紺野はマンズの染め手か。なんか、南単騎になりそう。」
後藤 「でもこのまま伸びたら清一色にして南切るんじゃないかな。」
吉澤 「で梨華ちゃんがポンして、今カン7ピンテンパイだけど3,6ピンのノベタンにするわけか。」
   吉澤の言うとおり、紺野は南単騎待ちになった。
後藤 「後は紺野がマンズの何を引くか。」

   紺野は9マンを引いてきた。
後藤 「7899のかたちで6,9マン待ちにするでしょ。」
紺野 「・・・。」
吉澤 「何でこんなに悩んでんだろ。」

   スッ・・・。
   紺野、南を切らずに9マンツモ切り。
後藤 「あれっ・・・切らないか。」
吉澤 「なっ、んで?混一色ドラドラも清一色も同じ満貫なら上がりやすいほうにすればいいのに。」
後藤 「やっぱり南をポンされるのが嫌になっちゃったんだろうね。」

   石川、紺野 テンパイ

113 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:22
 南3局2本場 親 石川

後藤 「ここにきて、みんなが抑えあってきたね。」
吉澤 「うん・・・あっ、やぐっつぁん国士だ!カッケー!」
   矢口は国士までスーシャンテン。
吉澤 「う〜ん、でも西がもう3枚切れか・・・。」
後藤 「よっすぃ〜、国士しか見てないでしょ。
     紺野テンパイだよ。」
   紺野が6,9ソーのノベタンで即リー。

吉澤 「でも9ソーがやぐっつぁんに2枚あるから。」
   サンシャンテンになった冷静に矢口が9ソーを残し、二枚ある東を一枚払う。

後藤 「しかも6ソーも梨華チャンに二枚あるから薄い・・・
     ああ・・・でもカン7ソー引いてテンパイ。これ6ソーでそうだね。」

   親の石川、4,7マン待ちの好形なだけに我慢できなかった。
紺野 「ロン。」
石川 (やっぱりなぁ・・・でも、それがいけないんだよなぁ。)
吉澤 「一発か。裏が乗ったら満貫・・・あ、乗った。」
後藤 「う〜ん、これで梨華ちゃんも苦しくなったなあ。」

   紺野←石川 8000(600+1000)
   立直、一発、白、裏ドラ1   

114 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:22
 南4局 親 紺野

   トップは紺野。
   飯田は満貫ツモならトップ逆転。
   矢口は満貫では600点届かない。
吉澤 「紺野は34600点持ちだっけ?ってことは、梨華ちゃんは紺野から4700点以上取って
     西入にしたほうがいいのかな。」
石川 「ポン。」
後藤 「白をポン・・・だけど、このままいくと白、混一色で3900だから届かないんだけど。」

   一二三三四五七八中南 (白白白)

吉澤 「うん・・・あっ、9マン引いてテンパった・・・一応中タンキだけどどうするのかな。」
後藤 「ドラは4ソーだし。満貫にするには・・・、
     ・・・そっか、6マン引いて一通にすればいいのか。」
115 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:23
吉澤 「それにしても飯田さんの手がいいなあ。これでいいイーシャンテンだよ。」

   EF四五六七八VVYZ[西

後藤 「678の三色手だから逆転できる・・・
     あっ!中持ってきちゃった。」
飯田 (中は・・・ションパイか・・・石川が持ってそうだな。止めよう。)
吉澤 「さすがに飯田さん、すぐには切らなかったけど。
     もし捨てたら、これ、梨華ちゃん上がるかな。」
後藤 「う〜ん、微妙だなあ。でも、ここで紺野がトップを取ったらかなり抜け出しちゃうから。」

   飯田が3マン引き。タンピン三色テンパイ。
飯田 (通れ!)
   中を叩き切る。

116 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:23
石川 (「私は6マンを引ける」「私は6マンを引ける・・・」)
   スッ・・・。
   石川は中を見逃した。
後藤 「やっぱり、6マンを待ってるんだ。」
吉澤 「紺野もイーシャンテンだ。」
飯田 (5・8ピンは残ってるかな・・・。石川はマンズの一色だし、場には0。山に残ってるな!)
飯田 「リーチ。」

   そのツモ切りした牌はまたしても中。
石川 (・・・だめだめ!こんな3900なんて、0と一緒だ・・・。)
   石川、これも見逃し。
吉澤 「梨華ちゃんすごい根性。また見逃しだよ。」
後藤 「紺野は・・・あ、テンパイだ。」

   西西西五六XYZZZFGG W

紺野 「リーチ。」
   7ピン切りで紺野がおっかけ親リー。
吉澤 「来た〜!喧嘩だ!」
117 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:24
矢口 「チー。」
   矢口がピンズの清一色じかけ。
吉澤 「でもやぐっつぁん、4マン浮いてるよ。」
後藤 「これ、紺野と飯田さん、上がったほうがトップだ・・・。」
   石川が二人に通ってない6ソーをつかんだ。
石川 「はぁ・・・。」
吉澤 「梨華ちゃん、2枚見逃す根性見せたけど、この6ソー苦しいな。」
   石川、ここで3マン中抜き。ベタオリに向かう。
後藤 「梨華ちゃん絶不調だなぁ。ここまで。」

   矢口がドラの4ソーをつかまされた。
矢口 (ここでトップを取らなかったら、私の優勝の目はほとんどない。)

   バシッ!
   勝負した牌は、浮いていた4マン。
紺野 「ロン。」
後藤 「紺野上がり止めだ。あっ、裏ドラ7ピン。」
吉澤 「12000だ。くわ〜、凄い。」

   紺野←矢口 12000(1000)
   リーチ、ドラ1、裏ドラ2

118 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:25
 4th GAME

  矢口   飯田   石川   紺野
 10.0  23.0  19.4  47.6

119 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:25
後藤 「紺野が抜け出した。」
吉澤 「まさか、このまま優勝しちゃうとか?そうなったら快挙だよ。」
後藤 「えっと、計算してみると・・・ちょっと待って。」

 紺野  +42.4  − 7.1/+35.3  − 4.8/+30.5  +37.6/+68.1
 矢口  −25.6  −10.1/−35.7  − 4.2/−39.9  −20.0/−59.9
 飯田  −11.2  +36.2/+25.0  −12.4/+12.6  − 7.0/+ 5.6
 石川  − 5.6  −19.0/−24.6  +21.4/− 3.2  −10.6/−13.8

後藤 「そっか、トップからラスまで100ポイント以上離れちゃった。」
吉澤 「あと、梨華ちゃんも苦しいんじゃない?」
後藤 「う〜ん、でも、ここから2連勝すれば十分チャンスあるし。
     ただ、こうして考えると、あの南3局に紺野に満貫振り込んだのが痛かったなあ。」
吉澤 「そうだよね、ってことは、あそこ意外はまだ流れはいいのかな。」
後藤 「かもね。」

120 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:26
   二人が点数表を覗き込んでいると、遠くから、また新しい声がした。
小川 「あれ?吉澤さん、何やってんですか?」
吉澤 「何だよ、小川かよ。」
小川 「あっ、分かった!また懲りもしないでナンパしてんだ。
     そこの小柄なお兄さ〜ん。この人『超』が付くぐらい尻軽ですよ〜。」
吉澤 「ば〜か。よく見てみろよ。お前の大先輩だよ。」
小川 「へっ?あっ!ご、後藤さん!?」

   もともと後藤は一人で静かに見ているつもりだった。
吉澤 「あっ・・・。」
   黙ってにらみつけられる吉澤。
吉澤 「ご、ごっちん・・・。ご、ごめんね?」
   目深に帽子をかぶってはいるが、確実に吉澤の両目をにらんでいる。
吉澤 「お、小川が悪いんだよ。お前が急にのこのこ出てくるから!」
小川 「何で私なんですか〜?」
   小川と一緒にいるもう一人の少女は、あっけにとられてその様子を眺めている。
   吉澤はと小川の掛け合い漫才が始まってしまった。
吉澤 (いまだ。)
吉澤 「くそっ、覚えてろよ小川、後で懲らしめてやるからな!」
   上手いタイミングを見つけて逃げ出すのは得意な吉澤。
後藤 「もう・・・よっすぃ〜のせいで。」
121 名前:4th GAME 投稿日:2004/06/06(日) 23:27
小川 「あの・・・あさ美ちゃん・・・勝てますか?」
後藤 「紺野?小川はどう思う?」
   少し考え込む小川。

小川 「ねえ里沙ちゃん、飯田さんとか矢口さんってものすごく強いんでしょ?」
新垣 「そうだよ!飯田さんはものすごい強いし、矢口さんもメッチャクチャな上がりしたりするし。」
小川 「やっぱりなぁ。キャリアが違うよなぁ・・・。」
新垣 「飯田さんも矢口さんも、圧倒的に相性が悪いのは、伝説の天才だけだよ。」
小川 「伝説のって?」
新垣 「まこっちゃん、本当に麻雀分かってるの?天才後藤真希だよ。」
小川 「へぇ!後藤さん・・・ってそんなに凄い人だったんですか。」
後藤 「えへへ。まあね。」
新垣 「えっ?もしかして・・・。ええ〜!?」

   三人沈黙状態で5thGAMEが始まった。

122 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/06/06(日) 23:28
更新しました。
対局もあと半分です。
123 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2004/06/06(日) 23:38
>娘。よっすいー好きさん
毎度ありがとうございます。
ここで、一人抜け出してしまいました。
が、何があるか分からないのが麻雀の面白さであり怖さです。
他の三人は黙っちゃいないでしょう!


>七死さん
初感想ですね。ありがとうございます。
実際、雑誌やテレビ放送などの牌譜からさりげなく拝借したものもあるので、
「ここはこのほうが」と考えられる内容にはしてあります。
だから最初に「麻雀>娘。」になっちゃうかもと書いたんです。
雀荘の店員さんですか?
いかがですか?四人の打ちまわし。

追伸
本文中のヨッスィ〜のセリフに「紺野が勝ったら快挙」とありますが、
この話は6期メンバーの、まだ入ってない状態で書いています。
遅くなりましたが、「ってことは紺野は新人なんだ」という感じで見てやってください。
124 名前:七死 投稿日:2004/06/12(土) 02:03
なかなかいい打ち筋ですな。>紺野
石川はどうも我慢の麻雀が続きますなw今日MJ2やってきてリーのみ1回だけ・・・_|~|○<ツイテネーヨコンチクショウ・・・
次回更新期待です。
125 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:12
 東1局 親 紺野

小川 「あさ美ちゃんが勝つには、ここから守らなきゃいけないってことですよね?」
後藤 「いや、むしろそれはやっちゃいけないと思うよ。」
小川 「えっ!そうなんですか?」
後藤 「ここまで好調なわけでしょ?だからこの流れを崩さないほうがいいと思うの。
     第4ゲームと同じ感じで打ちまわしたほうがいいよ。」

新垣 「じゃあ、流れの悪い矢口さんは?」
   矢口がダマでも満貫のカン7ピンテンパイ。
後藤 「やぐっつぁんの場合、普段ならここでリーチなんだろうけど。」

矢口 (ここはリーチに行かないほうがいいってことかな。)
   ダマに受ける。
後藤 「それに、確実に8000点を取りにいったほうがいいしね。」
小川 「あっ、あさ美ちゃんの打ち込み。」

   矢口←紺野 8000
   タンヤオ、イーペーコー、ドラ2

126 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:12
 東2局 親 矢口

後藤 「なんだか皆あせってるなあ・・・。」
小川 「というと・・・。」
後藤 「親のやぐっつぁんも、今振り込んだ紺野もイーシャンテンに受けてるでしょ?
     二人とも、ペンチャンを残してる。ここが一番苦しいんだけど。」
新垣 「本当だ。石川さんが7マンアンコですもんね。」

紺野 「・・・。」
   案の定、紺野は捨て牌で4,6,5と並べてしまった。

   我慢ができなかったのは飯田も同じだった。
飯田 「チー。」
   3枚目の9ソーをチー。チャンタ、三色のテンパイ。
後藤 「これもそう、鳴くとたったの2000点。」
小川 「たったの・・・ですか。」
後藤 「うん、今テンパイの2マンの方を先に引いてたら、6、9ソー待ちのテンパイでしょ。
     それでリーチかけたら同じ2000点だけど、一発、裏ドラありだから。」

   結局、石川が飯田に振り込んだ。

   飯田←石川 2000
   チャンタ、三色
127 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:13
 東3局 親 飯田

新垣 「確かになんだかもったいないような気がしますね。
     確か2マン、山に3枚残ってたし。」
後藤 「あれは私だったら食わないんだけどなあ。」

紺野 「リーチ。」
   待ちは1,4ピン。
小川 「4ピンなら高目タンヤオですね。」
後藤 「多分その前に梨華ちゃんの1ピンが出るよ。2ピンアンコの壁で。」

紺野 「ロン。」
石川 「・・・ハァ・・・。」
   石川の力の抜けたため息。
石川 (何で今日、こんなについてないんだろう。)

後藤 「ここで、もう一回力入れられればいいんだけど。」
新垣 「その点、矢口さんって強いですよね。『負けてたまるか!』って感じで。」
小川 「あさ美ちゃん・・・は・・・どうかな・・・。」

   紺野←石川 2000
   リーチ、ピンフ
128 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:15
 東4局 親 石川

   それでも、けなげに自分の麻雀を打とうとする石川だった。
後藤 「梨華ちゃんの配牌も一応リャンシャンテン何だけど、あまり良く見えないよね。
     あの3,6ソーって実はものすごい薄いし。」

   飯田が第一打からマンズ、ピンズをバシバシ切り出す。
新垣 「でも、飯田さん、あまりいい形じゃないですよね。一枚だけの字牌も4枚あるし。」
後藤 「あれは、牽制のホンイツだよ。あーやって、みんなをおろそうって言う。」

飯田 「チー。」
小川 「えっ?あんなにバラバラで鳴いちゃってもいいんですか?」
後藤 「あんな感じで鳴いて、で少しツモ切りを続けて、ちょっとしたらソーズを一枚ポロッと切る。
     周りをビビらすつもりだよ。最初から手が良くなかったし。」

   この局面は矢口、石川の雀風が色濃く現れた。
   石川はションパイの字牌、ソーズが溜まってしまい真っ直ぐ降りる。
   逆に矢口は發をアンコにした後、ガンガン押す。
   お互いにあまり後が無いが、対処の仕方がクッキリ分かれた。
飯田 (もしかしたら矢口には感づかれたかも・・・。)

   矢口は完全に読んでいたわけではなかった。
矢口 (牽制の鳴きって決め付けちゃだめだ!ここはあっさり蹴って流れを引き寄せよう。)
矢口 「チー。」
   パシッ。

矢口 「ロン。」
   チーした瞬間に石川からロン牌が出た。
   石川は3局連続の打ち込み。トータル5000点だが、精神的なダメージははかり知れなかった。

   矢口←石川 1000
   發

129 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:15
 東場終了

  紺野   矢口   飯田   石川
 19.0  34.0  27.0  20.0

130 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:16
 南1局 親 紺野

矢口 「ポン!」
   紺野の第一打、4ソーをいきなり矢口がポン。
新垣 「いきなり4ソーポンですか?」
小川 「面前でホンイツにいけそうな手だったのに。」
後藤 「『もうこうなったら、まともにいっても今日はだめだ』って、打ち方を変えたんでしょ。」

   後藤の考えどおりだった。
矢口 (普通にやり合ったら今日は負ける。
     乱打戦に持ち込めば・・・キャリアが上なのは香織だけだ。)

   矢口の上家の紺野は悩む。
紺野 (矢口さんは完全にソーズだ・・・。でも・・・。
     ドラドラで親番。ここで上がれば決定打になる。)
   パシッ!
矢口 「チー!」
   3ソーチー。3ソーと白のシャボ待ちテンパイに取れるが・・・。
矢口 (こうなったらチンイツにしてやる!)
新垣 「すっごぉい!ここから白のトイツ落としだ。」
131 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:16
   イーシャンテンになった紺野が7ソー切り。
矢口 「チー。」
   3つさらして5、8ソーテンパイ。
後藤 「紺野が5、8ソー掴んだらどうするかな。」
小川 「でも、8ソーはもう無いですね。」

   石川はソーズが切れない。上手く止めてチートイツイーシャンテンに持ち込む。

矢口 「ツモ!」
   あっさり5ソーをツモった。
後藤 「これで、やぐっつぁん独走になりそうだね。」

   矢口ツモ 8000
   チンイツ

132 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:17
 南2局 親 矢口

   トップ目、かつ親番の矢口は気を良くしている。
飯田 (もし戦うなら百選練磨の矢口よりも新人の紺野だ・・・。
     矢口だけは上に来させたくない・・・。)

   中中一三四五六七九56GH F

飯田 (一通もあるけど、ここはスピードだ。
     紺野はさっきの親っ被りでラス目だし。)
   1マン9マンをはらいに行く。
小川 「リーチドラ1狙いですね。」

   ついに矢口に追い風が吹く。
矢口 「リーチ!」

   發發一二三三四五BCD345八八

   三色確定でリーチ。
133 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:18
後藤 「ドラが5ソーだから12000確定リーチか。」
新垣 「發は一枚切れ・・・あっ、追っかけましたよ!」
飯田 「リーチ。」

   中中三四五五六七56FGH 

小川 「4、7ソー。これも結構残ってますね。」

   矢口の一発ツモは1マン。
   飯田の一発ツモは・・・
飯田 「あっ、ツモだ。」
後藤 「やけにあっさりしてるなぁ・・・相当自信があったんだ。」

   飯田ツモ 8000(1000)
   リーチ、一発、ツモ、ドラ1
   
134 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:19
 南3局 親 飯田
新垣 「さっき矢口さん親だったから、飯田さん、今トップですね。」
後藤 「本当だ。」
新垣 「これも・・・やっぱり矢口さんの流れが悪いと・・・。」
小川 「ああ!ド、ドラって2ソーですよね!飯田さんの第一打!」
後藤 「あ、本当だ、いきなりドラからだ。」

新垣 「間違い・・・なんてこと無いですよね!」
小川 「なんか、意図があって切ったに決まってるよ!」

飯田 (・・・あ・・・ドラだった・・・。)
   誰でもミスはある。
   が、このミスをどう生かすかが上級者なのだ。

   飯田の捨て牌が、どうもマンズの一色にしか見えない。
   というわけで上家の矢口がまず追い込まれる。
矢口 (あ〜あ、カオリのせいで・・・)
   マンズが切れず、後退。

石川 「リーチ。」
   ドラのカン2ソーを引いた石川がマンズ七七七八の形でリーチ。
   飯田、結局テンパらず。
紺野 「う〜ん・・・ポン。」
   紺野が形式テンパイに構え、二人テンパイで流局になった。

   紺野、石川 テンパイ

135 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:20
 南4局1本場 親 石川
後藤 「紺野は・・・ハネマン・・・だと届くのか。」
小川 「はい。矢口さんがトップまで5000点で、石川さんは親だからマンツモでトップ確定です。」

飯田 「チー。」
   飯田は、逃げ切りの手をホンイツに決めた。
後藤 「こうやって牽制与えて、上家の矢口を止めるつもりかな。」

矢口 (こんなんで、ビビってたまるか!)
   ビシッ!
飯田 「・・・しょうがないなあ・・・。チー。」

   CDFFF西西 (@AB)(BCD)

新垣 「3,6ピン。」
後藤 「3,6ピンってけっこう薄いんだよね。自分で二つ鳴いてて場に4枚切れてて・・・。」
小川 「あっ、3ピン無いですね。」
後藤 「それから6ピンは矢口に一枚、でほら。」
小川 「あ、あさ美ちゃんもだ、じゃあ3,6ピンゼロですね。」
136 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:22
新垣 「石川さん、テンパイですよ。」

   二二三三四四六六七八666

小川 「6,9マンもあまりいい待ちじゃ・・・。」
後藤 「うん、紺野が6マン1枚、やぐっつぁんは9マン対子。」
小川 「それに6マンも使ってて、飯田さんの河には・・・。」

後藤 「9マン2枚。梨華ちゃんもジュンカラ。」
石川 (リーチ、イーペー、ドラ(八萬)1・・・ツモって逆転・・・。)
後藤 「梨華ちゃん、1回ダマにしたけど、1順まわして・・・。」
石川 「リーチ。」

   123344789四五九九 六

矢口 「リーチ!」
   4ソーのほうを叩き切った。
後藤 「あれ?今、高目イーペーコーに取らないで現物の4ソー切った?」
小川 「みたいですね・・・。あ、飯田さん一発で5ソー持って来た。」
   きっちり西で回る。
後藤 「さすがだね。ところで2,5ソーは?」
小川 「一応残ってますけど・・・もう、山が無いんですよ。」

   
   矢口、石川 テンパイ

137 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:22
 南4局2本場 親 石川
後藤 「3000点差だから、リー棒3本でやぐっつぁんは上がればトップ。」
新垣 「そういえば、石川さんこのゲーム一回も上がってないですね。」
後藤 「さっきの4ゲームも1回だけじゃない?苦しいわけだ。」
小川 「どうにかしなきゃですね。」

石川 (どうにかしなきゃ・・・。)
飯田 「ポン。」
   飯田があっさり南をポン。

飯田 「ロン。」

   石川と矢口、ショックが大きかったのはどちらだっただろうか。

   飯田←石川 1000(3000+600)
   南

138 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:22
 5th GAME 終了

  紺野   矢口   飯田   石川
 17.0  29.0  36.6  17.4
139 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:23
小川 「計算終わりましたよ。」

 紺野  +42.4  − 7.1/+35.3  − 4.8/+30.5  +37.6/+68.1
 矢口  −25.6  −10.1/−35.7  − 4.2/−39.9  −20.0/−59.9
 飯田  −11.2  +36.2/+25.0  −12.4/+12.6  − 7.0/+ 5.6
 石川  − 5.6  −19.0/−24.6  +21.4/− 3.2  −10.6/−13.8

         紺野  −13.0/+55.1  
         矢口  − 1.0/−60.9  
         飯田  +26.6/+32.2  
         石川  −12.6/−26.4  

新垣 「飯田さんがきましたね。」
後藤 「うん、次トップならほとんど逆転だから。」

小川 「石川さんは・・・。」
後藤 「でも、ここで2連勝すれば充分目が残るし。1回大きいトップが欲しいね。」
新垣 「ということはつまり、次のトップ者次第ではマッチレースにも・・・。」
後藤 「うん、飯田さんと、紺野の。」

新垣 「となると飯田さんのほうが圧倒的有利ですよね?」

140 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:24
小川 「はあ・・・。」
後藤 「小川ぁ。大丈夫だって。」
小川 「でも・・・やっぱりあさ美ちゃんより飯田さんのほうが実力もキャリアも上だし・・・。」

後藤 「・・・ねえ小川?連盟主催の大会のルール、覚えてる?」
小川 「えっと・・・馬が10−30の上がり止め無しの・・・。」
後藤 「じゃあ、私たち協会のルールは?」
小川 「馬なし、オカはトップ取り・・・あがりやめなし・・・ああっ!」

後藤 「うん、紺野はずっとこのルールでやってたんだよ。」
   小川の顔が輝いた。

141 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:24
高橋 「ああ!?まこっちゃんやあ!」
小川 「あれ?愛ちゃんだあ。」
 辻 「ん?まこっちゃんの後ろにいるの・・・ごっちん!?」
新垣 「ええ!?のんちゃん、後藤さんのこと知ってるの?」
 辻 「もちろん!」
高橋 「ずる〜い!私、生で見たん初めてや!
     もう喋ったん!?喋ったん!?」
新垣 「喋った喋った!やっぱ天才は違う!」

   後藤の周りは大騒ぎになってしまった・・・。
142 名前: 5th GAME 投稿日:2004/06/29(火) 22:30
更新しました。
ソーズが分かりにくいと思ったので、
実際の牌譜のように普通の数字にしてみました。
どうかな?

>七死さま
僕も、ハンゲームに登録して、かなりやっています。
今日は1位、4位、2位、3位、2位でした・・・。
ちょっと調子悪いです。

143 名前:七死 投稿日:2004/07/01(木) 01:10
ほほ〜。飯田がいい調子ですな。なかなか・・・w
出来ればドラ表示を願いたい・・・・w東一局 ドラDとか。でかく言ってスンマセン。
次回更新期待してます!さて今日もハンゲームでやりますw空ポンって言う名前でいます。
暇あったら打ちましょうw   

144 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:50
   後藤の周りの四人は、散々騒いだ挙句、誰を応援するかを決めたらしい。
新垣 「絶対飯田さん!連盟代表の勝ちに決まってるよ。」
小川 「私、あさ美ちゃんに勝って欲しいなあ・・・。」
辻  「みんな分かってないなあ。梨華ちゃんのアホ麻雀は相手が強いほど勝てるってのを。」
高橋 「のんちゃん・・・なんで150連合代表の矢口さんを応援しないの?」

辻  「さっきから見てると、師匠は梨華ちゃんに対していらいらしてるから。」
小川 「なるほど。」
新垣 「・・・でも、さっきから石川さん、ものすごいネガティブな顔してるよね?」
辻  「梨華ちゃんはアホだから何でも顔に出るの!
     この間もニコニコしてたせいでメンチンテンパイ見破られたの!
     史上最強のアホなの!
     で、そこによっすぃ〜加わると、手におえなくなるの!」
高橋 「それって・・・例の第4回新人戦の決勝のことですか?伝説の。」
小川 「あっ!知ってる!えっと・・・吉澤さんと石川さんが最初いいムードだったのに、
     だんだんマッチレースになってって険悪モードになって。
     ・・・あれ?あの時一人泣き出したような・・・。」
新垣 「・・・まこっちゃん・・・それは・・・。」
辻  「違う違う!あれはあくび!
     出版社が勝手に『辻、威圧感で対局中に涙!?』とか書いたの!」
145 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:51
6th GAME

 東1局 親 石川 ドラB
   四人が盛り上がっている間、後藤は一人でモニターを見ていた。
後藤 (やぐっつぁんの手がいいなあ。)
   
   石川は、この親と南場の親で何とかしなければいけない。
   とにかく大事な親番。
後藤 (あっ、やっぱり。ペン7マンのままイーシャンテンにしちゃった。)
   石川は、誰が見ても焦っている。

146 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:51
   この東1局は矢口が素晴らしかった。
   矢口もまたカン2マンでテンパったが。
矢口 (おちつけ!おちつけ!)
   ソーズの連続系5678を大事にして、3マン切り。
   石川が2マンをツモ切り。

   ここで再び3マンを引く矢口。
   2マンは今通ったばっかり。
後藤 「・・・いっちゃうかな・・・。」
   矢口、きっちり3マン切り、これが功を奏す。
   4ソーを引いて3面チャン。
矢口 「リーチ。」

矢口 「ツモ!」
   タンヤオにならない安目だが、一発で9ソーを引いてきた。

   矢口ツモ 8000
   リーチ、一発、ツモ、ピンフ、裏ドラ1
147 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:52
 東2局 親 紺野 ドラ西
   5ゲームで飯田がトップを取った以上、紺野はここで飯田に譲るわけには行かなかった。
紺野 (飯田さんがトップじゃなければ、矢口さんトップでもいいや・・・。
     ここは原点ぐらいでも。)
紺野 「リーチ。」
   愚形、カン6マン、役無し。
後藤 「でも手代わりも無い。足止めか。私でもそうするな。」
   効果はあった。飯田は南を三枚落としてまわる。
   確かに効果はあった。が思わぬ誤算となった。

   飯田が南を3枚落としている間に、ドラの西が重なり、イーシャンテンになってしまった。
   紺野のロン牌6マンは残り1枚になっていた。
   
148 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:52
   飯田、@BBBの形でテンパイ。
飯田 「リーチ!」
   叩き切ったのは6ピン。自分のアンコ筋。
   紺野が窮地に追い込まれた。
後藤 「この1ピンは・・・梨華ちゃんに二枚か。オリ気味だし、出ないだろうな。
     2ピンはずいぶん残ってるな。」
紺野 「うっ・・・。」
   紺野のツモは5ピン。そっ・・・と切る。
   この5ピンが綾になった。
   二人リーチに追い込まれた矢口が切ったのは、筋を追った2ピン。
飯田 「ロン。」
   裏ドラが乗り、満貫になった。

   飯田←矢口 8000(1000)
   リーチ、ドラ2、裏ドラ1
149 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:53
 東3局 親 矢口 ドラ中
   中は3人に一枚ずつ。
   唯一中の無い矢口がいいかと思われたが・・・。
後藤 「あ・・・紺野のほうが早かったか。」
   紺野がドラの中を切ってリーチ。
   高目9ピンイーペーコー。

   その直後、石川がピンフのみでテンパった。
後藤 「ドラの中は切れるけど・・・リーチにいくかどうか悩んでるのかな?」
石川 (う〜ん、1,4マンの1マンは現物なんだよね。
     しかも、今状態悪いし、紺野と勝負しても・・・。
     負けるよね。)
   パチッ。
後藤 「ダマか・・・。やっぱり。」

   飯田、紺野のリーチに中を切り、次の順目。
飯田 (6ピンかあ・・・本線だ。まわろう。)
150 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:54
石川 「ロン。」
飯田 「!」

   飯田が手をかけたのは対子の1マン。
   石川の中切りで、まさかテンパイではないだろうと読んでいた矢先の打ち込みだった。
飯田 (石川だったか・・・。まあ、しょうがない。)
   飯田は自分の打ち込みに納得できた。
   が、一人納得できない人間がいた。
後藤 「紺野・・・2局連続リーチ空振りだ。」
   紺野も「なんで・・・?」といった顔をしている。

   石川←飯田 1000(1000)
   ピンフ
151 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:55
 東4局 親 飯田 ドラ一

   石川、矢口が互いに好形に持っていった。
石川 (とりあえず、紺野はラスだから、飯田さんだけを見ておこう。
     この親さえ流しちゃえば。)
石川 「ポン。」
   タンピンのイーシャンテンでもあったが、即3ピンをポン。
石川 (よしよし・・・。)

   実はこの時、飯田のツモは2ピン。
   つまり、石川は鳴かなければテンパっていた。
   さらに・・・。
石川 「ロン・・・千点。」
   飯田、ツモ切っての振込み。

後藤 「ということは、メンタンピン一発ツモ・・・。
     裏が乗ったら三千、六千だったわけだ。」   
   本人たちの知らないところで、不思議なアヤがあった。


   石川←飯田 1000
   タンヤオ
152 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:55
 東場終了

  石川   紺野   矢口   飯田   
 24.0  21.0  25.0  30.0
153 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:56
 南1局 親 石川 ドラD

後藤 「梨華ちゃんが優勝するには、この親が勝負だなあ・・・。」
   その石川にジュンチャン形の配牌。
   さらに123の三色まで見える。
辻  「一歩間違えればハネ満だあ。ジュンチャン三色ドラ一で。」
高橋 「でも、ソーズが234なんですよね。」
小川 「1ソーはあと・・・2枚か」

新垣 「あっ、石川さんドラの5ピン!」
小川 「ツモ切った。でもあさ美ちゃんは5ピン残したよ。」
高橋 「でも、ソーズのホンイツ目指してるんやよね。東と北がトイツで。」

高橋 「石川さんテンパイ。」

   23499@ABFH一二三

   もちろんダマ、1ソーを待つ石川。
後藤 「1ソーはチーできないからね。」
辻  「ええ?なんで?」
高橋 「食い変えですよ・・・。」
辻  「あっ、そうか。」
154 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:56
紺野 「ポン。」
紺野 「ポン。」
   紺野、東、北を両方とも鳴いて西単騎、次の順目で4,7ソーのノベタンに受ける。
高橋 「ということは、1ソー引いたら4ソーが・・・。」
   飯田、1ソートイツ落としに向かう。
石川 「・・・。」
   あっという間に残り1枚になってしまった。
石川 「リーチ。」
   そのままカン8ピンでリーチ。

   その直後だった。

   三四六七45556BCD西 二

矢口 「リーチ!」
後藤 「不調者同士のリーチ合戦だ。」
小川 「あれ?ええっと、8ピンは・・・全部山。4枚生きてる!?」
   この2件のリーチで飯田の4,7ソーが出なくなった。
小川 「あさ美ちゃん、つらいなあ。」
新垣 「あっ!石川さんがやっぱり掴んだ。」
矢口 「ロン!」

後藤 「メンタンピンドラ1・・・あ・・・5ソーモロ乗り。」
辻  「梨華ちゃん、泣きそう・・・。」


   石川←矢口 12000(1000)
   リーチ、タンヤオ、ピンフ、ドラ1、裏ドラ3
155 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:57
 南2局 親 紺野 ドラ3

   矢口がトップ目に立った。
新垣 「上手いなあ、今の飯田さん。
     ドラの3ソー切らないで北の方切ってリャンシャンテンに戻したら。」
高橋 「あっさりカン2ソー引いてきた。これで1,4ソー、4ピン、カン6マンのイーシャンテン。」
   
矢口 「カン。」
   イーシャンテンの矢口が1ピンをカン。
小川 「カンドラは6マン。」
飯田 「リーチ!」
   飯田が横にした牌を卓に叩きつける。
   4ピンをアンコにしてのリーチ。

新垣 「待ちはカン6マンです。」
後藤 「ってことは、ツモれば満貫か。」
矢口 (ここでカオリに勝てば一気に流れをかえられる。
     今日最後のチャンスかも・・・。)
   パシッ!
156 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/24(土) 23:57
紺野 「っ・・・。」
小川 「あ・・・あさ美ちゃんがつかまされた。」

   34BBDDEFG三四六七 六

小川 「やっぱり現物の3マンか・・・。」

   すでに降りている石川が5マンを合わせ打った。
紺野 「う〜ん・・・。」
後藤 「四六六七の形だからカン5マンでチーして。
    タンヤオドラ3だけど、どっちを捨てるのか。」
紺野 「チー。」
   切ったのは8ピン。
後藤 「一応現物で、次入ったら5ピン勝負か。」
小川 「2ピン通ってますからね。」

矢口 「よし、リーチ!」

   5566六七七八八九 (@@@@)

後藤 「矢口流だなあ。カンでドラが乗って、トップ目で、さっき上がって、
     根拠無しだけど、もう追い風だけを利用して即リーチだ。」

矢口 「ロン。」
辻  「すっごぉい!さすが師匠!」
   飯田が残り1枚の5ソーを掴みあがりきった。


   矢口←飯田 4500(1000)
   リーチ、ドラ1
157 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:29
 南3局 親 矢口 ドラ9

   紺野がいい形になった。
後藤 「234の三色。」

   ACFF34456二三四伍 6

小川 「これで、安目の5ソーでもイーペーコーですもんね。」
   ここで石川が3ピンのトイツ落としに向かう。
   一枚目は見逃し。
紺野 (でも・・・このゲーム、一回も上がってないんだよな・・・。
     飯田さんと矢口さんの差は結構あるし、ここは原点くらいでもいいや。
     矢口さんも乗せたくない。)
紺野 「チー。」
小川 「2ソー高目。」
   その2ソーは矢口からあっさり出た。


   紺野←矢口 2000
   タンヤオ、三色
158 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:32
 南4局 親 飯田 ドラF

高橋 「矢口さんのトップでほとんど決まりそう。
     24500の飯田さんとは17000も差があるし。」
小川 「あさ美ちゃんは23000だから・・・。」
新垣 「うわっ!テンパイだ!」

   一一四四六七345FFGH 四

飯田 「リーチ。」
   意外なところからのドラ切りリーチ。
   小川、高橋はあっけに取られた。
   もともと飯田は好配牌ではなかったし、点差も大きかった。
新垣 「無駄ヅモゼロ・・・。」
   飯田は一発目で、4マンを持ってくる。
飯田 「カン。」
   リンシャンはドラの7ピン。
後藤 「でも乗っちゃったなあ、7マン。
     点差17000ってことは満ツモじゃ・・・1000点足らないのか。」
新垣 「でも、裏2枚で逆転だから。」
後藤 「このツモの勢いならありえるかも。」
小川 「8マンは残り1枚ですけど、5マンは3枚ですね。」

   紺野、石川は戦えそうもない。
   一人、頭を抱えたくなるような人物がいた。
159 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:34
矢口 (トップのチャンス・・・。)
   矢口も上がってしまえばトップ逃げ切りである。
   その矢口の手牌がこうなった。

   二二三七七八八CC6678 D

矢口 (チートイ・・・メンツ手・・・チートイ・・・メンツ手・・・。)
   矢口は飯田のリーチに対して、まず西のトイツ落としでまわっている。
矢口 (チートイ・・・メンツ手・・・メンツ手!)
   バシッ!
後藤 「6ソー勝負!メンツ手決め打ちにした・・・。」

160 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:34
   ガタッ・・・。

   矢口の体の力ががくっと抜けた。
   その拍子にヒジが卓に当たってしまった。
高橋 「3・・・マン・・・。」
   あからさまに選択ミスが出てしまった。
高橋 「テンパイ・・・だったのに・・・。
     チートイドラドラで・・・テンパイだったのに。」
辻  「師匠・・・。」

矢口 「・・・やっちゃった・・・。」
   あまりにも悲痛な呟きだった。
   パチッ・・・。仕方なく6ソー切り。
後藤 「もう一回チートイか。」

   ABCCD2344599伍

小川 「石川さんの5マンも、テンパったら出そうですね。」
後藤 「でもさすがに、切らないと思うけど。」

飯田 「ツモ。」
新垣 「あ、薄い8マンの方だ。」
後藤 「これ、裏2枚なら・・・。」

飯田 「4000オール。」
新垣 「満貫止まり。」


   飯田ツモ 12000
   リーチ、ツモ、ドラ2、裏ドラ1
161 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:36
 南4局1本場 親 飯田 ドラ八

高橋 「飯田さんと、矢口さんと、上がった方がトップだ。」
小川 「上がり止めアリなんだから・・・。」
後藤 「あとは、紺野が上がるかだね。やぐっつぁんからの直撃じゃなければ、やぐっつぁんトップでしょ。
     ここで飯田さんにトップ取らせるわけに行かないし。」
小川 「でも、このゲームに入る前にあさ美ちゃんと飯田さんの点差が22.9ポイントだったから。」
後藤 「今17500の差だから、ほとんど並び。」
小川 「・・・でも、トップにさせなければ一応上だから。ここ頑張らないと・・・。」
高橋 「なんだか・・・大変な局だなあ。」

   矢口テンパイ!

   三三三五五八九九345EF G

後藤 「9マンがもう2枚切れだから。」
   矢口、一呼吸入れて・・・。
矢口 「リーチ!」
   ペン7マン。
新垣 「飯田さん、7マン1枚殺しましたね。」

   @AABCE22六七八九中 七

小川 「あさ美ちゃんもイーシャンテン・・・あっ、だけど3マンが・・・。」

   二四六六246BCDEFG

後藤 「やぐっつぁんに3枚。」
162 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:37
   愚形だけに、矢口のツモ上がりはまだ無い。
辻  「飯田さん、両面の方引いちゃった・・・。」

   @AABCE22六七七八九 伍

飯田 「うーん・・・。」
後藤 「どっちに受けるんだろう。」
   飯田、6ピン切ってダマ。
新垣 「ダマじゃ上がれないですよね。」
後藤 「モロ引っ掛けは目立って嫌だから、1巡回そうとしたのかな。」
高橋 「あとは、イーペーコーの手変わりくらい。」
後藤 「まあ、次にツモ切りでリーチでしょ。」
   飯田が山に手を伸ばす。
飯田 「ツモ。」
五人 「!?」

   あっさり、そんな言葉が似合う局。
   何より、どんな形でも上がりにつなげる飯田が目覚めてしまったことが、
   過去何度も対戦している矢口や後藤には脅威だった。


   飯田ツモ 3000(1000+300)
   ツモ、ドラ1
163 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:37
 6th GAME 終了

  石川   紺野   矢口   飯田   
  5.9  17.9  35.4  40.8

164 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:37
   その瞬間を見ていた五人が五人とも現状を把握していた。
   親友の小川や師匠格の後藤だけでなく、他の三人も
   「もしも紺野が勝ったら」というのを考えていたのだった。

   それは希望でもある。
   名も知られていない同じくらいの年齢の少女が、
   百戦錬磨の、まして、この「ハロー麻雀会」の重鎮をついに封じ込めたら・・・。

   それが今、「やっぱり・・・」という落胆に変わろうとしていた。

   小川は、計算の済んだ点数表を片手に、落ち着かないそぶりをしている。
小川 (これを・・・後藤さんに見せるべきだろうか・・・。)
後藤 「小川、ちょっと貸して。」
小川 「えっ?あ、はい、どうぞ。」
165 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:37
 紺野  +42.4  − 7.1/+35.3  − 4.8/+30.5  +37.6/+68.1
 矢口  −25.6  −10.1/−35.7  − 4.2/−39.9  −20.0/−59.9
 飯田  −11.2  +36.2/+25.0  −12.4/+12.6  − 7.0/+ 5.6
 石川  − 5.6  −19.0/−24.6  +21.4/− 3.2  −10.6/−13.8

         紺野  −13.0/+55.1  −12.1/+43.0    
         矢口  − 1.0/−60.9  + 5.4/−55.5  
         飯田  +26.6/+32.2  +30.8/+63.0  
         石川  −12.6/−26.4  −24.1/−50.5  

166 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:38
   小川の知っている後藤は、何か力の抜けた、それでいて非常に寛容な人物だった。
   今、目の前にいるのは、全くの別人である。
   初めて見る鋭い目。

小川 (そういえば・・・あさ美ちゃんが言っていた。「後藤さんはすごい・・・」って。)
   そのとき、小川は、後藤の過去の実績のこと、
   もしくは衰えを知らない引きや腕前のことだと思った。
小川 (もしかしたら、あの「すごい」っていうのは・・・。)
   そう考えていると、自分たちがこの人と一緒にいるのが、申し訳なくさえ感じてきてしまった。

小川 「ねえ・・・。」
   小声で3人に話し掛ける。

   
   後藤は、四人がいなくなったのに気付いていなかった。
167 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:45
更新しました。

>七死さま
ドラを表示を増やしてみました。
日々進化していきます。

残り2ゲームになりました。
矢口、石川には、もう大トップしか要求されません。
が、希望はゼロにあらず。

それでも飯田、紺野のマッチレース状態は否めません。
第7ゲームの勝者しだいで、総合結果の明暗は分かれる・・・。
168 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/25(日) 00:49
一応HPのアドレスを貼り付けておきます。

http://www.geocities.jp/yordorhinny/top.html

こっちはこっちで、麻雀の色はゼロです・・・。
ので、あしからず・・・。
169 名前:七死 投稿日:2004/07/27(火) 14:54
なーるほどー。ここで役満あがるしかないようですな。やぐ、チャーミーは…。
厳しい・・・;^^更新次回も期待しています!
170 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/30(金) 23:38
   誰かに呼ばれた気がして、後藤は振り返った。

後藤 「あ・・・圭ちゃん?」
保田 「もう、あんたのせいで出られなかったんだよ。」
後藤 「あ、そうだったね。でも、紺野が頑張ってるからいいじゃん。」

保田 「でも、さすがに、今のあがりなんか見てると、カオリだと思うけどなあ。」
後藤 「結果次第では、このゲームで決まっちゃうこともあるだろうね。」

保田 「あ〜あ、出たかったなあ。」
後藤 「ごめんねえ。で、どうするの?これから。」
保田 「う〜ん・・・とりあえず、裕ちゃんにお世話になるつもり。」
後藤 「でも圭ちゃんなら、理事とかできるんじゃない?」
保田 「口があったらね。そうするつもり。・・・あんたは?」

後藤 「ん〜、まだ決めてない。」
171 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/30(金) 23:38
7th GAME

 東1局 親 飯田  ドラ一
   矢口と石川に求められる条件は、残り2ゲームで連勝である。
   大トップに越したことは無いが、とりあえず小さくてもトップを取らなければ、
   そこで終わりなのだ。
保田 「矢口は、このイーシャンテンからちっとも変わらないね。」
後藤 「うん。ピンフ形のイーシャンテンなのに、ぜんぜん持ってこない。」
   紺野は捨て牌が3段目に入る前におり始めた。
   飯田も親だが、危険牌を抑えつつ進める。
後藤 「ここに来て、抑えあってる。」
   矢口が、残り2階のツモを残し、テンパイ。
矢口 (でも、ほとんど捨てられてるんだよな・・・。)

   パシ。
矢口 「・・・ロン。」
   石川の打ち込み。

保田 「矢口、ショックみたいだね。まさか上がれると思ってなかったし。」
後藤 「普通、リーチに言ってたら出なかったって考えるんだけど、そんな余裕も無いみたい。
     それに、梨華ちゃんも、自分の体制が以下に悪いか。思い知らされたね。」

   矢口←石川 2000
   ピンフ、ドラ1
172 名前:6th GAME 投稿日:2004/07/30(金) 23:41
 東2局 親 石川 ドラB

保田 「紺野の配牌いいなあ。」
   紺野は、ピンズのホンイツ気配。
紺野 「ポン。」

   数巡がたった。

後藤 「ポンしてから、一枚もピンズ引いてこないね。」
保田 「あのポンで、紺野のツモは石川のツモになったってことか。」
後藤 「ということは、とっくにテンパって上がってたってことだね。」

   紺野の鳴きで石川にピンズが押し寄せてくる。
   紺野の上家の石川は鳴かせるわけにも行かない。
石川 (もう・・・切れないよお・・・。)
保田 「石川はピンズと心中だ。」
後藤 「それに、飯田さんも發とか中とか切れなくなっちゃったね。」

   紺野は、残したマンズがくっついて、形式テンパイに。
紺野 (しょうがないか・・・。)
   そのとき切ったのが7ピン。
   矢口が9ピンをツモってくる。
矢口 (7ピン切りかあ。・・・今のでテンパイかな。
    9ピンはあまりにも危険だし。)

   紺野テンパイ

173 名前:7th GAME 投稿日:2004/07/30(金) 23:45
 東3局一本場 親 紺野 ドラ東

   飯田、矢口が東を一枚ずつ持っている。
保田 「二人は下手に東を切れないからね。
     となると、動きやすい紺野と石川は有利なんだよなあ。」
   そんな中、石川が仕掛けた。
石川 「チー。」
後藤 「先付けのチーかあ。
     確かにカン2ソーは急所だからね。」

   BCD六七七東東中中 (123)

石川 (最悪でも中は鳴きたい。)
後藤 「東か中か、どっちか鳴きたいって思ってるんだろうけど、
     とりあえず東はないからねえ。」
保田 「中は?」
後藤 「紺野に一枚だけど、紺野はおそらくこんなのは切らないだろうし。」
保田 「ということは山から中を持ってきたら、石川の勝ちか。」
174 名前:7th GAME 投稿日:2004/07/30(金) 23:45
   10巡目。
保田 「あ、紺野が中トイツにした。」
後藤 「じゃあ、絶対に出ないや、というより、紺野はおりちゃったね。」

矢口 「チー。」
保田 「これで、矢口が形式テンパイか。東単騎。」
後藤 「やぐっつぁんしぶとい。紺野はノーテン。」

保田 「後は、カオリがチートイでテンぱるかどうかだ。」
   飯田、最後のツモでチートイツテンパイ。
飯田 (8マンでロンは・・・無さそうだな。)
後藤 「東は切れないから、8マンか。」
   飯田、8マンの方を勝負。
石川 「チー。」
   石川もテンパイ。
   紺野がハイテイになって流局。
保田 「矢口もカオリもさすがだね。東を抑えつつテンパッタから。」

   矢口、飯田、石川テンパイ
175 名前:7th GAME 投稿日:2004/07/30(金) 23:48
 東4局2本場 親 矢口 ドラG

保田 「紺野は123の三色か一通だ。
     後は、カオリの手がいいなあ。」
矢口 「ポン。」
   親番矢口が發を一鳴き。
後藤 「でもさあ、ものすごく形が悪いんだよね。」
保田 「このポンで、・・・あらららドラの8ピンがカオリに流れたよ。」
   飯田、カン8ピン引きで好形のイーシャンテン。

後藤 「何度も対戦したけどさあ、飯田さんってこういうとき、
     なんだか全然優勝とか意識してないんだよね。」
保田 「ふ〜ん、やっぱり強いんだなあ。特に精神面は。」
後藤 「独自の世界をもってるから・・・あっ、紺野テンパイ。」
   途中、一通に決め打ったのが成功した。
   カン5マン。
後藤 「でもダマだ。さすがに形悪いし。」
保田 「確かに、黙ってればどこかから出るだろうし。」

   ダマのカン5マンに刺さったのは石川だった。
紺野 「ロン。」
   矢口が一瞬「あっ」と口をあけた。
後藤 「一度目の親番があっさり流れたからね。
     でも南場がどうなるかだよなあ、まだ差があまりないし。」

   紺野←矢口 2600(600)
   一気通貫

176 名前:7th GAME 投稿日:2004/07/30(金) 23:48
 東場終了

  飯田   石川   紺野   矢口      
 25.0  19.8  28.2  27.0

177 名前:7th GAME 投稿日:2004/08/25(水) 01:28
>169 七死様
お返事遅れまして大変申し訳ございません!
なにぶん浪人生なもので、夏は勝負なのです。
が、実際は、この続きをどうするか考える時間も長かったり。
というのも、私自身、誰が優勝するかわからないのです。(←超無計画)

紺野がトップならほぼ並び、飯田トップならかなりの確率で優勝。
石川、矢口はオカの二万点を考えても、6万点以上のトップでやっとトータル0。
つまり、どちらかが優勝の目を残す可能性もあるのですが、
このゲームで優勝の目が無くなる人間は確実に発生します。

さて、登場人物は、私の娘。観を大いに入れているつもりです。
(私の思う)性格がそのまま雀風となっているはずです。
う〜ん、どうなんだろう。
かなりの偏見が入ってるなあ。
178 名前:七死 投稿日:2004/09/05(日) 22:55
浪人生ですか。頑張ってください^^小説とヨードケッテイさんの合格を祈ってます。
期待してますよ^^
179 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:41
保田 「ねえ・・・もしも、矢口か石川が生き残るとしたら、どっちだと思う。」
後藤 「やぐっつぁんと梨華ちゃん?う〜ん・・・。
     やぐっつぁん・・・かな。」
保田 「何で?」
後藤 「色々あるけど・・・やっぱり前のゲームの南1局だね。」
保田 「ああ、あのリーチ合戦か。あれはハネ満だったっけ?」
後藤 「うん、あれで、不調の二人の中でも上下関係ができたよね。」

保田 「カオリと紺野は?やっぱりカオリ?」
後藤 「ここ2ゲーム、紺野の調子悪いんだよね。第5第6って。」
保田 「そういえば・・・1,2・・・さっきのであがったのは3回か。3ゲーム中。
     カオリは、えっと・・・6回か。2倍。しかも点数も大きいのがあったし。」
後藤 「だから、紺野は、とにかくこのゲームの飯田さんのトップだけは回避しなきゃいけない。」

180 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:42
 南1局 親 飯田 ドラ7

保田 「ああ、確かにカオリ絶好調だ。東トイツだし。」
後藤 「あっという間に形になりそうだね。」

   東東六FG2345789 7

後藤 「あ、またドラの7ソー持って来た。」
保田 「これで、カン6ソー持ってきたら大変だよ。」
後藤 「うん、ただ、6ソーは薄いからね。ドラ表示に1枚、紺野に1枚、やぐっつぁんにも1枚だから。」
保田 「残り1枚。」

   東東FG23457789 4

後藤 「でも、これで3,6ソーの形になった。」
飯田 「う〜ん・・・。」
   飯田、7ピン切り。
保田 「うわ、ホンイツに行った。」
後藤 「下手したらインパチまであるからね、ダブ東ホンイツドラ2丁で。」
保田 「でも矢口がイーシャンテンになった。かわせるかな。」

   一三56789@ABCDE

181 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:44
   飯田のツモ。
後藤 「うわっ!自分で東アンコにした!」
保田 「これでカオリがイーシャンテン!」

   東東東2344557789

後藤 「飯田さん、いい形になったら、ドラの7ソー切ってもいいくらいだからね。」

保田 「紺野もイーシャンテンか・・・」
後藤 「678には、なるとしてもカンチャン2つなんだよね。」

   678BCEGG伍伍六六八 A

紺野 (三色は無理そうだなあ。)
   紺野は8マン切り。

後藤 「ということは紺野は4,7マン引きが最高か。
     どっちでも高目イーペーコーのタンピンドラ1になるし。」

   石川もイーシャンテン。
保田 「全員イーシャンテン・・・なんだけどカオリが一番早い感じがするんだよね。」

182 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:45
   飯田が山に手を伸ばす。
   ツモに力が入る・・・。
保田 「うわっ!6ソー!」
後藤 「この薄い、ラス6ソー・・・。」

   東東東2344557789 6

保田 「何切るかな。」

   飯田の目が、右、左と動く。
後藤 「4ソー切った。2,5,8ソー待ち。」
保田 「これ、紺野が打ったら・・・。」
後藤 「ほとんど勝負は決まっちゃうね。」

紺野 「ポン。」

   678ABCGG六六 (伍伍伍)

後藤 「紺野のポンだ。6マンと8ピンのシャボでテンパイ。」
保田 「追いつくか。」

   次の巡目、紺野、4マンをツモ。
後藤 「5マンポンだからね。ツモ切るでしょ。」

183 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:45
   残り少ない巡目で、矢口が飯田の当たり牌、8ソーを持ってくる。

   一三56789@ABCDE 8

保田 「矢口の8ソー危ない!」
後藤 「い、いや、テンパイだから。」
保田 「ああ、そうか・・・びっくりした。」
後藤 「やぐっつぁんもテンパイ。で、飯田さん最後のツモ!」

   飯田のツモは4マン。
保田 「空振り・・・。」
石川 「・・・チー。」

   一二三HH五六七FF (二三四)

後藤 「これで梨華ちゃんテンパイ入ったんだ。
     ・・・で、ハイテイは紺野!」

   ・・・1マンを目をつぶって切る紺野。
保田 「流局。うわー、疲れた・・・。」
後藤 「全員テンパイかあ。飯田さんのダマのインパチが流れた。」

   全員テンパイ

184 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:48
 南1局1本場 親 飯田 ドラB

保田 「本当なら、今のあがり逃しでカオリの流れって止まるんだけど。」
後藤 「なんだか、むしろ飯田さんの流れに決まっちゃったような感じだよね。」
保田 「今度もカオリは、南發中って3つトイツだし。」

飯田 「ポン。」
後藤 「いきなり南ポンだ。で、マンズのホンイツ。」

   發發中中四五五六六八 (南南南)

後藤 「紺野もドラドラなんだよね。ここで頑張れればかなり大きいんだけど・・・。」
保田 「さっきから全然有効牌を引いてこない。」

   發發中中四五五六六八 四 (南南南)

保田 「これでカオリがテンパイだ。發と中のシャボ。」
185 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:50
後藤 「でもやぐっつぁんがテンパイ。」

   234567四伍七八AAC 九

矢口 「リーチ。」
保田 「矢口は後がないから、もう迷いがないな。」
後藤 「3―6マンと發、中か。」
保田 「普通は両面の方が強いんだけど、ここは・・・。」
後藤 「ああ、しかも、やぐっつぁんの現物に中があるから、あっさり出てくるかもしれないしね。」

保田 「紺野はもう前にはいけないね。ほとんどおり気味。」

後藤 「あれ?飯田さん4マン持ってきて、何でこんなに悩んでるんだろ。」

   發發中中四四伍伍六六 四 (南南南)

保田 「矢口に対して4マン切るのが嫌なのかな。でも切るんじゃないかな。」
後藤 「相手は不調のやぐっつぁんだしねえ。」

飯田 「・・・。」
   飯田、5マン切り。テンパイ崩す。
後藤 「ん?回した?」
保田 「トイトイまで持ってく気かな。」
186 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:51
   石川、いつのまにか四暗刻イーシャンテン

   1133@@@666HHH

後藤 「あれれ、イーシャンテンだ・・・。」
保田 「石川が頑張るかな。ちょっと期待してみようか。」

   しかし、飯田、發をアンコに!
後藤 「うわっ!發を引き返した!」
保田 「6マンと中?中ならインパチだよ。」
後藤 「しかも・・・中はやぐっつぁんのリーチの現物。」

   紺野、さすがにオリ。
   石川も、残りの山を見てやめた。

矢口 「ツモ。」
後藤 「はあ、さすがにやぐっつぁんか。」
矢口 「メンピンツモ。」
保田 「あ、裏裏だ。」

   矢口ツモ 8000(300)
   リーチ、ピンフ、ツモ、ドラ2
187 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:53
 南2局 親 石川 ドラ三

保田 「カオリの勢いは、もう止まらないね。今度もドラ2丁だよ。
     あっ、でも紺野も配牌はいいや。」
後藤 「飯田さん、さっき上がりを逃してるのがどう出るかと思ったけど、負ける感じがしなくなってきたね。」

後藤 「紺野は・・・一応イーシャンテンかな?」

   BCDGH88四五六六七東

保田 「ペン7ピンがネックだけど、そこが入ったら勝てそうだよね。」
後藤 「でも、飯田さんもかなり進んできたよ。」

石川 「チー。」
   石川がカン2ピンをチー。
   三色仕掛けで意地の連荘に向かう。
   しかし・・・。
188 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:54
後藤 「ああ、これで飯田さんにテンパイ入っちゃった。」

   22456三三四四四五DEF

保田 「2―5マンならダマでも高目ツモならハネ満だ。」
後藤 「そうだね。ここはさすがにダマで・・・。」

飯田 「リーチ!」

   絶句する二人。
後藤 「・・・。即で曲げた・・・。」
保田 「2―5マン。押せ押せじゃあ済まないね。」
後藤 「2―5マンって、でも薄いんだよね。場に4枚切れてて、梨華ちゃんに一枚。」
保田 「矢口にも1枚2マンがあるから2マンはないし。」
後藤 「紺野にも5マンがあるから・・・残り5マン1枚だよ。」

保田 「でも、残り一枚の5マンツモったら、かなり・・・。」
189 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:55

   BCDHH78四五六六六七 南

後藤 「紺野が苦しそうだなあ・・・。」
保田 「さっきから見てるんだけど、紺野はここ2ゲーム、実は相当苦しい展開なんだよね。
     第5、第6ゲームが。」
   紺野、現物の6マン切り。

   次の紺野のツモは發。
後藤 「發は、実際はやぐっつぁんにアンコなんだけどね。」
保田 「でも、紺野からしたら發も南もションパイだからね。」

紺野 (切れない・・・切れない。)
   9ピンに手をかける。

190 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:56
   矢口はおりた。石川もおりた。

   紺野は懸命に廻し打ってイーシャンテンまで戻ってきたが・・・。

   南南發BCD57四五六六七 1

後藤 「この1ソー、それか發、切れるかなあ。」
保田 「こういう紺野みたいな状態のときって、全部ロン牌に見えてくるんだよね・・・。」

紺野 (だめだ・・・。)
   4ピンを抜き打ってベタおり。

保田 「やっぱりダメだったか。」
後藤 「うん。ああ、最後の5マンがやぐっつぁんのところに来たよ。」
保田 「これは絶対に出ないからね。カオリの一人テンパイっぽいね。」

   飯田テンパイ

191 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:58
 南3局1本場 親 紺野 ドラ西

   紺野、そしてここまで好調の域を超越しかけている飯田、どちらもそれほどいい配牌ではない。
保田 「紺野は西がトイツか。ドラドラだ。紺野が勝てるかな?」
後藤 「でも実は飯田さん、チートイツだけどしっかりリャンシャンテンの手になってるんだよね。」
保田 「・・・。」

   矢口がいち早くテンパイする。

   @ABDFFGH六六六77

後藤 「役無しで、一手変わりで一通になるから、リーチにも行かないね。」
保田 「石川もピンフ形のイーシャンテン。」
   しかし、石川の流れは悪いまま、テンパイは一向に入らない。

後藤 「紺野が全然ダメだね。」

   134西西DEEFGH七七八

保田 「6―9マンが実は全然ないんだよね。矢口に6マンアンコでしょ?」
後藤 「うん、で、飯田さんに9マン2枚、梨華ちゃんが6マン1枚、場に1枚。
     実際には9マン1枚しか残ってないんだよ。」
保田 「そっか・・・これが・・・西を引いて7マンが頭になればね。まだチャンスはあるんだけど。」
192 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 14:59
   紺野にはそれが分かるわけがない。
   紺野、痛恨の7マン切り、6−9マン受けを確定させてしまう。
後藤 「普通に考えれば確かに6−9マンだもんね。」
保田 「カオリがチートイのイーシャンテン。」

   矢口に9マンが流れる。
   ツモ切り。
後藤 「ああ、これで6−9マンがジュンカラ。」
保田 「これで・・・流局になりそうだね。」
後藤 「飯田さんもノーテン。梨華ちゃんも、あっ最後にテンパッた。」
保田 「二人テンパイ。これでオーラス。」

   石川、矢口 テンパイ

193 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 15:00
 南4局2本場 親 矢口 ドラE

後藤 「親はトップのやぐっつぁんだから、上がればトップ確定でしょ。
    もしかしたら続行するかもしれないけれど。」
保田 「うん、しかも好配牌。」

後藤 「紺野の配牌は・・・悪いなあ。飯田さんは・・・。」
保田 「發と中がトイツ。うわあ、明暗くっきりだ。」

   トップの矢口は35800、追う紺野が23600。
   飯田が21400、石川が18200。
保田 「そっか、矢口は親だから、紺野は満貫ツモで逆転なんだ。
     2本場だから。」
後藤 「もちろん飯田さんは、發とか中が出たらポンするだろうし。」
保田 「そうすると、矢口トップで第8ゲームに入ると。」

   飯田が發、中を鳴き、イーシャンテン。
   矢口もイーシャンテン。
飯田 (ここで最後に上がってしまえば、最終ゲームに紺野の流れは来ない。)
矢口 (とにかくここでトップを取れば、トップまで80ポイントになって・・・70000点くらいのトップなら一応圏外だ。)

194 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 15:02
   飯田と矢口、勢いに乗っているのは

   やはり飯田だった。
後藤 「テンパイ入った。」

   一二三六七FF (發發發)(中中中)

保田 「5−8マンで決まりだね。」
後藤 「そうかな?」       
保田 「矢口のほうが早いと思う?」
後藤 「いや・・・。」

   石川がイーシャンテンになった。
保田 (そうか、後藤は石川のことを言ってるのか。メンタンピンツモドラ1で裏1枚ならハネ満で・・・。)
後藤 「ほら、これでテンパッたんじゃない?」

   カン6ソー。三色のテンパイを入れたのは。
195 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 15:03
   紺野あさ美。

保田 「三色ドラ1だから、ツモったら逆転?
     でも、出上がりだと追いつかないから・・・リーチ。」
   紺野がジーっと考える。

紺野 (リーチをかけたら・・・でないだろうなあ。
     しかも5ソー切りのそばテン。
     テンパイで流局して・・・果たして次の局、あがれるだろうか。
     ツモの可能性・・・。多分無い。
     一番まずいのは飯田さんへの振込み。
     發と中をポンしてて、ホンイツか小三元なら下手したら飯田さんのトップまである。
     このままの点差なら矢口さんトップでもいいけど。
     親に満貫でも振り込んだらダンラス。
     今の私の状態だと・・・変な牌を持ってきかねない。
     特にテンパイ即なら。・・・・・・闇テン。
     後藤さんなら・・・どうするだろう・・・。)
後藤 「ダマがいい。」

   紺野、ダマで三色ドラ1のカン6ソー。
   飯田は5−8マン。
196 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/12(日) 15:03
   「ロン。」
197 名前:7th GAME 投稿日:2004/09/13(月) 23:52
更新しました。
初めて対局途中で止めてみました。

>178 七死様
合格も目指して頑張ります。
というわけで、次回の更新も時間が空いてしまうかもしれません。
ご了承ください。
あと本当に細かいことなんですが、私の名前はヨードーケッティです。
確かに、過去にもよく間違えられましたが・・・。
それに紛らわしいのは名前のほうなので気にしないで下さい。
198 名前:七死 投稿日:2004/09/18(土) 02:09
大変失礼いたしました!首吊ってきますw
さあこのあとどうなるかが楽しみです。マターリ待ってますよ^^
199 名前:名無しドラ2 投稿日:2004/10/29(金) 17:35
期待単騎待ち

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