ロックンロール

1 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/17(土) 03:23
こんばんは。
なんとなくクリスタルでバンドものを書こうと思い立ち3年がたちました。
がんばりたいです。
長いインターバルで少量ずつUPする予定です。
ご飯は固めがいいです。
2 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/17(土) 03:24
ある日の土曜日。時刻は午後2時を過ぎたあたりだ。
「今日は雨やな…。雨の日はギターが濡れるからイヤなんよなぁ…。」
そういって加護亜依はベットから抜け出し、おもむろにオーディオのスイッチを入れる。
スピーカーからは「Radiohead」の「airbag」が響き、彼女は毎週土曜日に通っているスタジオへ行く準備をはじめる。
ローンで買ったGibsonのLes paul、BossのOD-3、そしてRoger Mayer のCLASSIC FUZZ FACEとチューナーをハードケースに無理矢理ねじ込む。
軽い食事を終え、薄ーくメイクを施し、亜依は家を出る。
雨はまだ止まず、少し気が滅入る。
3 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/17(土) 03:24
晴れの日はスクーターに乗ってスタジオまで行くのだが、雨の日は当然、徒歩と電車になってしまう。
スタジオまでは約40分も電車に乗らなくてはいけない。亜依はその電車に乗るのが欝でしかたなかった。
「電車に乗ると周りの客の迷惑になるもんなぁ…。あの視線が気になってしゃぁないわ。」
実はハードケースを持って電車に乗るという行為は、まわりの乗客からするととてつもなく邪魔なのである。
「混んでへんかったらええんやけど・・・」
亜依は軽くいのりながら、駅までの道のりをとぼとぼ歩く。
朝一で「Radiohead」を聞いたからだろうか。テンションは最悪のようだった。
4 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/17(土) 03:24
亜依は中学2年生のときにロックに目覚め、ギターを独学で引き倒すようになった。
高校に入ってから学園祭に出て、具体的な活動の場を知ってから、バンドの魅力に取り付かれ、
プロになるべく、高校卒業後、ロックバンドでデビューする夢を抱え東京に上京したのである。
ちなみに好きなバンドは「THE YELLOW MONKEY」「くるり」「Radiohead」「RED HOT CHILI PEPPERS」「FOO FIGHTERS」etc…である

しかしもう上京して2年。亜依は今の生活に見切りをつけたいと思っていた。
5 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/17(土) 03:25
続いたらいいけどたぶん続かない
そんな勇気多分無いかも
6 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/17(土) 19:44
少ないけどUP
7 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/17(土) 19:44
今のバンドは東京に来て3つめのバンドだ。
もともと単身で上京してきたために、楽器屋やライブハウスに張ってあるメンボを頼りにするしかなかった。
しかしあんなところにメンボを張るバンドなどろくなもんじゃない。前の2つのバンドはすぐに無くなっていった…

しかし転機がおとずれる。前のバンドでライブハウスに出演したときに、見に来ていたベースの女の子に声をかけられたのだ。

そいつの名は辻希美。希美は亜依のギターテクに一目ぼれをして、ひそかに加入の誘いを伝えていた。
「ていうかさぁ、あんたのギターテクはあのバンドに収まる器じゃないんだよ。いいからうちのバンドにおいで。きっと満足すると思うよ。」

亜依は音楽的なものより先に、彼女の不思議な魅力に惹かれていった。
「なんか似てるとこあるなぁ…やってみる価値はあるかもな。」

成功するバンドはやはり向上心が必要だ。そのために「なぁなぁ」でメンバーと付き合っていては到底バンドはよくならない。
亜依はそれをこの2年間でイヤというほど味わった。時には今のバンドを裏切ってでも、新しい世界に飛び込む必要はあるのである。


「こんど一回スタジオでメンバーと顔合わせでもしようよ。そうだなぁ…曲は…「Foxy Lady」で。知ってるでしょ?あんたのギター、ジミヘンっぽいからさ。」


使っているギターはストラトでは無いにせよ、亜依はジミヘンを崇拝していた。Roger Mayerは亜依にとって大切な宝物だった。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/18(日) 03:18
面白いです。
続ききぼん。
9 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/19(月) 08:14
「僕らの自由を 僕らの青春を おおげさに言うのならばきっとそういうことなんだろう」(奥田民生/イージュー☆ライダー)


10 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/19(月) 08:15
顔合わせ当日。亜依は予定より30分早くスタジオについたのだが、そこにはすでにロビーのソファに座っているドラマーがいた。


「加護亜依さん?オレ、ドラムの吉澤ひとみ。よろしく。」


見た感じすごくパワフルなドラムをたたきそうなひとみを見て、亜依は少し期待を持った。


亜依はテーブルを挟んでひとみの向かい側のソファに腰掛け、弦を張り替える作業に入った。

「あのさ…悪いんだけど…120円貸してくんない?バイトの給料日前でコーヒー飲む金も無くてさ。」


ひとみが二言目に発した言葉はこれだった。
11 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/19(月) 08:15
「まじでぇ?自分も金無いねんけどなぁ…まぁええわ。お互い金には苦労するよなぁ。」


バンドマンは基本的にみんな貧乏である。
楽器、弦やスティックなどの消耗品、スタジオ代、ライブハウス代・・・上げだしたらキリが無いくらい金を使う。

一日一食の日など珍しくなかった。


「辻から、加護さんのギターの腕前の話は聞いてるからさ。期待してるよ。」


そういってひとみは少し笑った。多分この人もいろんなバンドで苦労してきたのだろう。
そろそろ勝負のときだという考えはあるらしい。


12 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/19(月) 08:17
>8
どうも

というか寝てから書けばよかった。クソ駄文になった・・・

反省します。でもそういうのもリアル
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/19(月) 17:33
昔、向上心のないバンドで一人だけ必死でやってたから加護の気持ちが良くわかる。
期待してます。
14 名前:名無しさん 投稿日:2004/04/20(火) 01:34
>13
死ぬほど遅いペース&駄文ですのであしからずです。

15 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/20(火) 01:35
待ち合わせ時間の五分前。希美は体に似つかわしくないベースを抱えてやってきた。

「やっぱ梨華ちゃんは遅れてるんだ…今日は亜依ちゃんが来るから早めにって言ったのになぁ…」

どうやら最後のボーカルの名前は梨華というらしい。まるで人形のような名前だ、と亜依は一人で思った。

「ていうかひとみは、よく彼女が亜依ちゃんだってわかったよね?」

「いや、色白でぽっちゃりしてるって聞いてたからさ。一目でわかったよ。」

亜依はぽっちゃりと言う表現にむっとして表情を曇らせたが、二人はそれに気づくことも無く、くるりの新譜についてあれこれ談議している。


「つうかやっぱHOW TO GOでしょ。あんな曲書くバンド世界にもいないよ。」

「まぁでもレディヘの追っかけって感じしない?まぁいいけどさぁ。」

梨華というこはまだ来ない。
16 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/20(火) 01:35
いつかは僕たちも離れ離れになるのだろう  僕たちは毎日守れない約束ばかりして朝になる」(くるり/HOW TO GO)


17 名前:甘い経験 投稿日:2004/04/20(火) 01:35
負けたくないし、負けてない
18 名前:ソルト 投稿日:2004/04/20(火) 17:44
甘い経験さん続き楽しみにしてます。
これからも頑張ってください。
応援してます。
19 名前:甘い経験。 投稿日:2004/04/24(土) 18:53
梨華というこは、5分遅れでやってきた。これくらいなら余裕で待てる範囲だ。そもそもロックのライブは押しで始まってなんぼなのだ。

「ごめんね、遅れて。ちょっと寝坊しちゃってさぁ。」

当たり前だが亜依は、ここではじめて彼女の声を聞いたことになるのだが、…なんだこのアニメ声は?
これが率直な感想だった。こんな声でジミヘンを歌うのか?不安がよぎる。

「じゃぁとりあえず入っちゃう?時間ももったいないし。」

スタジオに入り、皆もろもろに準備を始める。

希美はフェンダーのプレベを使用しているようだ。年季の入ったサンバーストでかなり傷が目立つのだが、これがどうしようもなくかっこいい。
指慣らしをはじめて、ところどころにスラップも交えている。


ひとみは、とてもパワフルなドラムをたたく。というかデイブ・グロール(ニルヴァーナ))にそっくりだ。
20 名前:甘い経験。 投稿日:2004/04/24(土) 18:53
亜依の中でどんどん期待が膨らんでいく。ただ問題はボーカルの梨華なのだが…

発声練習を始めたとたん、亜依の目は梨華に釘付けになった。

音程こそ完璧ではないものの、人をひきつける素晴らしい歌声。すこししゃがれていて、とてもかっこいい。
ミッシェルのチバのような声だ、と亜依は思った。

これならいける。亜依は確信した。


顔合わせは大成功のうちに終わり、亜依は晴れて正式なメンバーとなった。
21 名前:甘い経験。 投稿日:2004/04/24(土) 18:54
>18
あんまり期待しないで。
22 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/26(月) 02:51
石川→チバ

はなかなか無茶な設定だが細かい事は気にせず期待
23 名前:甘い経験。 投稿日:2004/04/27(火) 02:22
>22
無理あるかな?でもたまに石川の歌がロックに聞こえるもんで
24 名前:甘い経験。 投稿日:2004/04/27(火) 02:23
「素敵な物が欲しいけど あんまり売ってないから 好きな歌を歌う」(THE YELLOW MONKEY/JAM)
25 名前:甘い経験。 投稿日:2004/04/27(火) 02:23
ギターを弾くにあたって、テクニックというものはさほど重要ではない。
むしろ時にはテクニックが邪魔になってしう事もある。
「ギターというものは、自己の感情の表現なんや。その時、その曲が持っている情熱。それを6弦におもいっきり魂をこめて弾くだけなんや。」

これは亜依なりのギター哲学だ。うまく弾けようが弾けまいが、そんなことは関係ない。感情が伝わればいいのだ。

これは何もギターだけの話ではない。ドラムにしろベースにしろ、もちろんボーカルにしろ。
完璧なプレイだけを学びたいなら、ミュージックスクールにでも通っていればいいのだ。

そもそもロックを始める動機はみな
「かっこいい。」
「どうしようもないくらい、胸が熱くなる。」
「憧れ。」
のように、心が動かされてはじめるはずだ。
例外はあるにしろ、そうだと思う。
そうしてその夢を大人になっても捨てきれないやつ。熱いやつがやがて大きくなっていくのである。
26 名前:甘い経験。 投稿日:2004/04/27(火) 02:23
今の日本の音楽シーンは、いいやつは当然いるにしろ、商業的なにおいがするやつばかりだ。
オレンジレンジが一位の音楽シーンにはうんざりだ。

「うちが変えるんや。」

亜依は、そんな野望も持っていた。

そしてそれは他の3人のメンバーも一緒であった。

日本を変えたい。日本に生まれた限り、それは使命であるとメンバーは捉えていた。
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/30(金) 15:49
ochi

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