虎と獅子の違い

1 名前:鉄神 投稿日:2004/07/17(土) 23:20
なんちゃってタイトルになってますが気にせず進みます。
作者の自分はここで書のは初めてですが頑張ってみようとやってきた
心見です。
では本編の、虎と獅子の違い。行ってみよ〜
2 名前:虎と獅子の違い 投稿日:2004/07/17(土) 23:23
  
 
たとえキミが目の前から消え去ろうと、追い掛けるから。



サバンナで生き抜く、屈託な戦士の様に。



3 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/17(土) 23:31



「さて、どちらが強いのだろうか。課題は明確である。そうだろう?諸君達!!」



そんなの有り得ない。時と場合によるに決まっている。

適当な事抜かして偉ぶる貴公子の様に高校教師はこれでもかと語っている。


「広大な平野で生き抜く為には、肉食動物には何が必要だ?」


ああ、頼む。 頼むから、目が合いませんように。



「……むぅ…では、自然博肉食類文献を参考にして、そこの君。推測してくれたまえ」


宝くじでも当選した気分だ。嬉しくはないが。
4 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/17(土) 23:35

「えぇーと……出席番号24番…誰だったかな……?」


挙げ句の果てに名前まで覚えられていないとは。

理化学生物が大嫌いな自分にとっては相当の勇気がいるのに。



「……藤本、美貴です……」


今すぐここから逃げ出して、伊豆の温泉にでも入りたい気分だ。
5 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/17(土) 23:47

「ほぉ。では、28ページを開き自分なりに述べてくれたまえ。」

「はい」


何を言えばいいのだろう。 それなら本当の気持ちをぶちまけてはどうだろうか。

深呼吸は意味がない。だけどもしてしまう自分が悲しけり。



「っ………日本の動物園、一般的の人々が利用する動物施設に関しては
非常に安全性が高いですが、アメリカと日本を自分なりに比較した結果、
アメリカの動物園では大変猛獣動物との触れあいや接する強度が遥かに異なる事が
分りました……そこで自然動物を提示すると、意外な発見があります。
例えば先生の仰った虎に関しては主に熱帯地帯に生息していますがそこの環境はどうでしょう?
ライオンとは全く異なる環境で育っています。
そしてライオンはサバンナという乾燥地帯に生息していながら、何故虎とライオンを競わさせるのか
自分は理解し難いのです。
更に言うと、ライオンと虎とはハンティングから行動まで接点が少ないのです。
虎はプライドを作りませんしメスは子供を産む直前にもオスとあまり関わりません。
しかしライオンは複数の仲間と集落的なプライドを作り、オスとメス団体で協力し
子供を約6ヶ月間育てるのです。さらに………」


「ゴホンッゴホンッ……もうよろしい!座りたまえ……」



勝った。 理科教師に負けなかった自分を誉めてやりたい。
6 名前:鉄神 投稿日:2004/07/17(土) 23:48
更新、終ります。
これまでに多分なかったような…?ストーリーかもしれません。
7 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/18(日) 22:20

「えー今日の授業はこれで終りする…が、修学旅行後の課題もきちんと終えるように」


胸クソ悪っ。 やっとの事で苦の1時間を終えた。


そうだ、京都に行こう。じゃない、京都に行くんだよ明日。


たいして楽しみではないけど理科がない事が大変喜ばしい。

「ねぇ、ウチらの班って2組の5班と同室だよなぁ?」


隣の席の、吉澤ひとみに話し掛ける。

すると少し考え、思い出したように切り出した。


「んと、確か…ああ、美貴の追っかけの子がいる班だったよ。」




誰か頭に落ちてきた漬け物石をどけて下さる心優しい方はいますでしょうか。


8 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/18(日) 22:26

「まっ、気にすんなよ!普通にしてればイイコじゃないあの子」


所詮他人事なのだろう。明るく言ってるんじゃねぇ!


そう、美貴の天敵がいたんだ。 絶対に逃げても追いかけられる究極体の生物が。


「美貴〜、2組のあの人が御指名だよー。」


来た。  ヤツが来た。  ここは4階だが窓から飛び下りて死んでしまう高さではない。


9 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/07/19(月) 03:38
おおおおっ♪
藤本さんの天敵、気になりますね〜〜^^
10 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/19(月) 12:16

強行突破は、無理と見た。



「ふっじっもっとっ さ〜ん♪」


きたぁぁぁぁぁぁ!!!!!



「石川さん、どうかお願い。消えて?」
「消えてだなんて、ひっどぉい!!私はあなたがいる限り消えないわ!」
「うぁ・・助けてよっちゃん・・」


そう。美貴の天敵とは、2組の隠れアイドルと言われている石川梨華。
美貴に気があるとかで、態々女子高までついてきやがって難敵。
中学の時から同じクラスで、高校になったらやっと別れると思ったらズバ
抜けた事しやがるから困った。
隣の席ではケラケラ笑ってるよっちゃんがいるし・・・


「美貴ちゃんいい加減私を認めてよ!」
「死んでも石川さんを認める気はないんで。次移動だから。」
「おぉ、会議室に移動だったな。じゃ行こっか美貴。」
「ちょっとぉ!・・まぁいいわ、明日、見てらっしゃい!!」


・・今一番の悩み所となっている彼女の思考回路はいまいち理解し難い。
何にしろ、彼女と同室になってしまった結果、美貴にできる事はただ1つ。


絶対に、何をされても動じない事。
11 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/19(月) 12:26

「生徒会、今日の議題何だっけ?」
「あー・・確か生徒の私服登校は否かとかどうだかって・・・」


美貴とよっちゃんは、生徒会に入っている。
よっちゃんは書記、美貴は副会長の配役で入学した当時からこの関わりは
変わらない。
そして高校2年生となった今、新たに後輩となる生徒会立候補者が今日の
議会で紹介されるらしい。

「一年生1人だけ入るのって、結構勇気いるよなぁ。」
「まあね、どんな子だろう」
「きっと物好きな子だよ、野暮な生徒会に入るなんて・・・」

下らない事を喋りながら、よっちゃんさんは会議室のドアを開けた。
いつもながらガランとした部屋には机が幾つか、塗装用具、書類が散らばって
いる筈・・・・

が。



窓が1つだけ、開放されていて、涼しい風がよく通っていた。

でも、それじゃない、よね?



とても美しい物、いや、人を見たような気がする。
12 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/19(月) 12:31

目を奪われた。 その美しい人に。


誰だなんて、一瞬たりとも思わなくて。只、美しさに魅了されていった。


こんなにも溢れる程、笑顔が満ちているなんて。


「・・・・君は、誰?」


その人は、イスに腰掛けて風を浴びていた。

よっちゃんが声をかけると、驚いた様に振り返る。


「私、新しく生徒会に入る事になった者です。」
「あ、君!!ホラ、美貴も挨拶・・」


背丈は同じ、なのに微量も感じさせない美しさが綺麗。


もしかして、恋なのだろうか。
13 名前:〜どちらが強いのか〜 投稿日:2004/07/19(月) 12:38

「あのっ、私、松浦亜弥って言います。」


松浦、亜弥さん。 真っ白の肌に、制服がとても似合っている。


「ぼぉっとして、見とれてんの美貴?」
「あ・・失礼しました・・」
「・・?大丈夫か?あ、こいつは藤本美貴。生徒会の副会長。
で、ウチは吉澤ひとみ。書記、主に会計やってる。」


いつもなら、余計な事言うよっちゃんさんにツッコむ美貴だったけど・・
目が離れない。


「あっ、私、会計やる事になったんです!よろしくお願いします、吉澤先輩!」
「うん、よろしくね。でもって、一年生君1人なの?」
「そうらしいんです・・誰も立候補しなくて。」
「そぉか、わかんない事あったら、あたしでもいいし、コイツに聞いたらいいよ。」


『よろしく』とか、気の利いた事言えばいいのに声が出なかった。

折角笑って、挨拶してくれているのに。
14 名前:鉄神 投稿日:2004/07/19(月) 12:40

>9さん 初レスありがとうございます。天敵は予想通りでしたでしょうか?
15 名前:名無し飼育さん 投稿日:2004/07/20(火) 00:38
作者さま更新乙です♪

いやぁ…予想は後から出てきた子の方が天敵かとw
でも天敵さんと藤本さんの今後も気になります^^

16 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/23(金) 20:50

「よっ・・ろしく・・」
「ハイ!藤本先輩!」


俗に言う握手っていうもの、しちゃったよ。

なんつーか、柔らかくて、良い匂いがして・・ってオヤジっぽいか。

何だか、典型的な下級生って感じがした。


「それにしても・・ここ、しばらく来ない間にきったなくなってやがんの。
美貴と・・松浦ちゃん?職員室から雑巾もらってきて。拭かなくちゃだな〜・・」
「ハイ、分りました!」
「うぇ!?美貴も?」
「当たり前じゃん、話聞いてたかぁ?」


余計な事言い寄ってからに!!・・いやいや押さえろ美貴。

でも、いきなり2人っきりで50m近く歩くのは・・刺激が強い・・


「それじゃ、行きましょうかぁ」
「あ・・・うん・・」


元気よく笑って、人見知りなんて知らなさそうな子だよ全く。

ねぇ、やばいよ。  美貴、この子の事、好きなのかな?

17 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/23(金) 20:58

「・・・・」
「・・・・」

とにかく会話しようよ。っていうかしないとあと3分もたないよ。

っつうか・・只廊下歩いてるだけでも笑顔なんだね、松浦さんは・・

ぼぉっと見とれてると、ふいにこちらを向いた。

  ニコッ


「先輩、あたしの顔に何かついてますかぁ?」


わ、笑った・・美貴に笑った・・。

何もついてないけど・・美しさがついてるよぉ・・。


「ままままま松浦さんは・・どうして生徒会に・・?」
「いいですよぉ、さん付けなんて。呼び捨てで構いませんから」
「じゃ・・お名前は?」
「やぁだ、さっき言ったじゃないですか!」
「うぁ・・そうだっけ・・ごめん・・」
「亜弥です、松浦亜弥」


亜弥・・ちゃん。さっきも聞いたらしいんだけど覚えてなかったよ。
どうしよ。名前で呼ぶべき?それとも名字・・

「亜弥でも、何でもいいですよ。さん付け嫌いなんです。」
「あ・・んじゃ・・亜弥ちゃん・・?」
「ふふっ、ありがとうございます。」

何でお礼を言うんだろう?まあそんな事はよしとして・・・
亜弥ちゃん・・ねぇ・・名前と顔が即一致じゃん!!


18 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/23(金) 21:05

「そっ、それじゃ美貴は先輩じゃなくていいよ。」

やった。言ったよ。元々上下間系なんて美貴どうでもいいし。
むしろ亜弥ちゃんに言ってもらえるなら嬉しいし・・

「いいんですかぁ?それじゃなんて・・?」
「美貴でもミキティでも美貴ちゃんでも藤本でもモッさんでも・・」
「にゃははぁ、何ですか最後ぉ〜」


しまった、我を忘れてた。級友からもらったくっだらないネームを
亜弥ちゃんに知られてというか自白したというか。


「んー・・・美貴だからぁ・・みきたん。」
「みきたん?!」
「そうです、たん!!」
「たん・・ねぇ・・ま、いいかなっ。」


たん・・自分で言うとキショイけど、まだ石川さん程でもないか。


っつか。完全忘れてた。アイツと班同じだよ。

19 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/23(金) 21:15

これまで18年生きてきて、アレ程人生に影響を与える生物はいない。

「・・鳥肌立ってきた・・」
「たん?」
「いや、何でもないよ亜弥ちゃん。」

『なら良かった』って、言ってくれた。

ちょっとちょっと、出会ったばかりの2人がこんな恋人チックな会話
交わしちゃってよいのかな〜?
っていうのは美貴の勝手な思い込みで・・

「すいません、失礼します。生徒会室用の雑巾5枚頂けないですか?」
「あ、そこにあるから適当に取って行きなさい。」
「はい、ありがとうございます。」

ケッ。なんちゅうか、生徒会に入ったからにはきちんとしなきゃいけないっていうか。
言葉遣いとか、素行とか、良い大学に行く為、美貴は必死だよ。

「あー疲れた・・。職員室ってダイッキライ。」
「何で?楽しいよぉ♪」
「どこが?先生にぺこぺこして、成績だけの為にさぁ・・」


どこまで真面目なんだろう、亜弥ちゃんたら。
美貴が適当に返すと、亜弥ちゃんは少し考えて美貴にこう言った。


「みきたんは、成績の為だけに、生徒会に入ったのかな?」
「え・・?」
「違うの?」


毎日、テストの点数ばっか気にして、親に心配かけないようにする。

それだけで、生徒会に入ったのかな?
20 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/23(金) 21:20

「・・それだけじゃ、なかったと思う・・」
「うん、そうだよね。」
「でも・・もう、忘れちゃったよ。」


何でだっけ。学年トップ目指したいから?良い大学に入って、順風満帆の生活を送りたかったから?


・・・違うんだろうな、きっと。



「じゃぁ、宿題です!!」
「えぇ?」

ぴっと美貴の方に指を指して、得意げに亜弥ちゃんは笑った。


「明日までに、その意味を、思い出して来る事・・いい?」


忘れたものを、取り返せって、言ってるの?亜弥ちゃん?


「分りましたか?せ・ん・ぱ・い!」


分ったよ、亜弥ちゃん。
21 名前:鉄神 投稿日:2004/07/23(金) 21:22

>15さん 予想は外れてしまいましたかぁ、残念です。(何が)
     石川さんと松浦さんの対戦、1人者のよっすぃにも春が来る
      という予想もアリですよ〜。
22 名前:名無し読者 投稿日:2004/07/26(月) 21:15
あやみき発見♪
シャイな美貴様…なんか新鮮ですよ。
これからも面白そうなんで更新頑張ってください。
23 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 12:50

「ふはぁ・・・・」

「オイ、サボるな美貴!」


雑巾で生徒会室の机をふきながら、頑に亜弥ちゃんを見つめていた。


なんでこんなに美しくて、可愛らしくて、清楚なんだろう。



「みきたんっ、またあたしの事見てる」

「えっ!?いや・・そんな事はないんだけども・・」


亜弥ちゃんが笑う度、美貴の心臓はバクバク鳴り続ける。
ずっと見つめて居たのがバレて、ちょっと首をかしげて笑われた。


「何だよぉ美貴、松浦ちゃんの事好きなのかぁ?」
「ちがっ・・!!そんなんじゃ・・」
「んははぁ、みきたんそーなの?」
「や・・う・・」


ひょいって美貴の顔の覗き込んで、冗談っぽく笑う。

どう答えりゃいいの・・?

24 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 12:58

   「美貴ちゃぁぁん!明日の事だけどーーー・・・」


 今回ばかりは礼を言おう。石川さん。



「また来たの?飽きないね。」
「どなた・・ですか?」
「あー、美貴の恋人さん」


それと余計な事を何回も連発しないで下さい。

うわっ・・腕にひっついてきたぁ・・。


「ちょっ・・邪魔!!どいてっ!」
「酷いじゃない、修学旅行で一夜を共にする仲なんだから・・」
「うるさいっ!大体石川さんと京都なんか行きたくない!」


最悪。亜弥ちゃんの目の前で、石川さんが現れるなんて。

恋人にしたくない相手No1だってのに。



「あ、そーいえばさ、1年生も明日京都行くんだよなっ?」



よっちゃんがぽんっと亜弥ちゃんの肩を突くと、亜弥ちゃんはコクリと頷いた。



ハァ? 



25 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 13:03

1年生もって、どういう事・・・?




「あ?知らなかったの?1、2年合同修学旅行だって・・・」


「は、早く言えーーーー!!!」




って事は・・・って事は・・あ、亜弥ちゃんと一緒!!??



「そ、そうだったんだ・・良かった・・」
「何がよかったのよ?」
「いや、別に・・っつうか、離れて!」
「恋人宣言するまで離さない!!」



しつけぇ。とことんしつこい。亜弥ちゃんの前でそういう事すんなよ!!



「ニャハハ、みきたん、彼女さんいるんだぁ〜」

「や、ちが・・」



それは決して誤解です。 誤解・・なんだよぉ!嬉しそうに笑うなよぉ!


26 名前:鉄神 投稿日:2004/07/30(金) 13:04
すみませんが一旦切ります。
えーっと夜また更新しますので、レス返しはその時に。
27 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 20:05


全ては石川さんのせい。亜弥ちゃんに誤解を解かないまま生徒会は終ってしまった。

亜弥ちゃんは美貴の事なんか何とも思ってないだろうけど、美貴としてはものすごく困る。


「元はといえば、よっちゃんのせいだろ!!」
「うわっ、ビクった・・何が?」
「何がじゃない!!よっちゃんのせいで・・美貴はぁぁ!」
「ハァ?意味わかんねぇ。あ、次総合じゃん。」



・・・何で美貴、こんなに必死なんだろ。

亜弥ちゃんに、誤解されたのが、何でこんなにももどかしいんだろう。


・・・恋。なんだ・・。


28 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 20:11

  ・・・修学旅行を計画した奴は、どこのどいつですか。



「えー、明日の3泊4日の京都修学旅行について、生徒会副会長藤本君から
簡単に説明がある。藤本君、前に出なさい」



これだから生徒会はイヤだって。体育館中の1、2年生が舞台に立つ
美貴を注目する。


「美貴ちゃぁーんっ!!!」
「・・あのヤロッ!!黙っててくれよ・・」


思いっきり手ふってる。シカトできない状態。

いつか美貴は、石川さんを殴り倒しそうだ。
29 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 20:17

なんとか視界に入らないように、修学旅行パンフレットの台本を読む。


原稿を読もうと首の角度を変えた瞬間、誰かが舞台下でニコッと笑うの見えた。




亜弥ちゃんじゃないか。




「ガンバッテ」  口パクで伝えてくれた、亜弥ちゃんの言葉。




へへへっ。カワイイなぁ。



「ーーーーー・・・・という計画予定です。以上、説明を終ります。」




原稿を読み終わると、また亜弥ちゃんと目が合った。
今度は手をふって、「お疲れさま」だって。



なんだか、すっごい重い荷物を運び終えた気分。


亜弥ちゃんの笑顔を見ると、ホッとして和む。



30 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 20:25

1、2年の合同修学旅行説明会が終り、すぐさま下校となった。


ここで忘れてはいけない。計算済みで校舎を出なければいけないという、試練が待っていた。




「チャイムが鳴って・・1、2、3…今だ美貴!」
「ありがとよっちゃん!」
「どーいたしましてー」


チャイムが鳴ると、隣のクラスから石川さんが美貴の事を捕まえにくる。
その時間差を計算して、美貴は毎日下校する。
こんな事を何年続けてるんだか。


「ちょっとごめんっ、通して通して!!」


周りの廊下にいる人達を押し退けて、後方確認。


「よし。」



そのまま下駄箱に直行。3秒以内に外履に履き替える。



「みーきたんっ」
「ん!?」



この白いセーター、肩ぐらいの髪、やわらかい匂い。


亜弥ちゃん?
31 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 20:33

「あ、亜弥ちゃん?!」
「えへへっ、もしよかったら、一緒に帰りたいなぁって」
「み、美貴なんかと!?帰りたいの!??」
「うん」



今日は良い日です。邪魔が入る時がおおいですが。


しまった。ここでタイムロスしているとその邪魔が・・・



「みーきちゃん!!今日こそ一緒に・・・」
「来たぁぁぁ!!亜弥ちゃん早くっ!!」
「ほぇ・・?」



そら来た。元々足は早い方の美貴だからこの人からは逃げられる筈!


・・・成りゆきで亜弥ちゃんと手繋いじゃったし、石川さんに感謝。




「ハァッ・・ハァッ・・も、もう大丈夫だよね・・?」



しっかり、亜弥ちゃんを手放さないように手を握る。

走っている途中で後を確認すると、もう石川さんは諦めたようで、いなかった。


32 名前:〜獲物のとらえかた〜 投稿日:2004/07/30(金) 20:42

「カハッ・・く、苦し・・」
「大丈夫みきたん?」
「や・・全然平気。何か、ごめん・・せっかく一緒に帰ろうって言ってくれたのに」
「いいよぉ、あたしから誘ったんだもん」


なんて優しいの・・・



「・・みきたん?そろそろ・・手・・」
「へ?あ・・ごっごめん!!!成りゆきというかなんつうか・・」
「アハハァ、いいよ全然!」



なんちゅうセクシャルハラスメント的な事をしたんだ美貴は!!
・・・柔らかかったなぁ、手・・。



「なーんかさぁ、みきたんって、年上に見えないよぉ」
「へ・・?」
「あたしと話す時、いっつもオロオロしててぇ、弱々しいもん」
「あ・・そ・・」
「でもねぇ、何かソレがかわいいよ」
「へ?」
「ワンちゃんみたいにね、頭撫でてあげたくなる」



 ・・弱々しい・・か・・。しっかりしてる年上に見られてないのね・・。


 カワイイのは亜弥ちゃんのほうだよぉ・・。
33 名前:鉄神 投稿日:2004/07/30(金) 20:45
>22さん そーですねぇ、新鮮かもしれませんねぇ(笑 意外な所でシャイなミキティを
表わしてみました。
34 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/04(土) 16:15
まだかなあ・・・
35 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/13(月) 00:31
ho
36 名前:七誌さん 投稿日:2004/12/15(水) 18:59
お、むっちゃおもれえ!

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