LAST HEAVEN'S BOOTLEG

1 名前:語り手 投稿日:2004/08/04(水) 14:32

はじめまして。
下手な文章ですが週1か2くらいで頑張って書きますので
温かい目で見守ってください。
2 名前:マシュマロ・モンスター 投稿日:2004/08/04(水) 14:39

ある晴れた日のんちゃんは空を眺めていました。

きれいなきれいな空には大きな雲が浮かんでます。

のんちゃんにはそれがとても大きなマシュマロに見えました。

「あんなに大きなマシュマロ。ノンじゃ食べきれないかなぁ」

大きな雲はどんどん膨らんでいます。

まるで風船人形のように大きな大きな人の形になっていきます。

3 名前:マシュマロ・モンスター 投稿日:2004/08/04(水) 14:44

のんちゃんは草原にねっころがりその雲を眺めることにしました。

「でも、とてもおいしそう。」

のんちゃんは少し笑いました。

風が気持ちよくて、お日様も気持ちよくて、緑の香りがさわやかで、

のんちゃんはだんだん眠たくなってきました。

空に浮かぶ大きなひとがたの雲はどんどん風に流されていきます。

4 名前:マシュマロ・モンスター 投稿日:2004/08/04(水) 14:48

のんちゃんはあまりの気持ちよさに眠ってしまいました。

そして、とても楽しい夢を見ました。

大きな白い甘い香りのするお人形と手をつないで散歩する夢です。

お人形はやさしい顔でニコニコ笑っていて、

のんちゃんも一緒にニコニコ笑ってます。

そして、いっぱい歩いてお腹がすいたら、

お人形さんの手から小さなマシュマロがいっぱい出てきました。

5 名前:マシュマロ・モンスター 投稿日:2004/08/04(水) 14:51

のんちゃんは甘い甘いマシュマロをお腹いっぱい食べて、

とても幸せな気持ちになりました。

すると遠くから、

「のの〜!のの〜!おきろ〜!風邪引くよ〜!」

という声が聞こえました。

「あっ。あいぼんだ。もう帰らなくっちゃ。」

そして、お人形のほうを見るとお人形はニコニコ笑っていました。

その笑顔を見た瞬間に、のんちゃんは目が冷めました。

6 名前:マシュマロ・モンスター 投稿日:2004/08/04(水) 14:54

「あっ。あいぼん。おはよう。」

あいぼんはあきれたかおをしてこっちを見てました。

「なにいってんの。もう夕方だよ。」

「そっかぁ。のん。寝てたんだ。」

のんちゃんは起き上がって、空を見上げました。

空は茜色に染まっていました。

そして、大きな雲はずーっと遠くに流れていました。

7 名前:マシュマロ・モンスター 投稿日:2004/08/04(水) 15:00

「バイバ〜〜イ!!また。あそぼーねーー!!。」

ノンちゃんは大きな雲に向かって手を振りました。

大きな雲も真っ赤に染まりながら手を振っているような形に変わってました。

「なにやってんの。変なのの。」

あいぼんは不思議そうな顔でのんちゃんを見ました。

のんちゃんは満面の笑みを浮かべて、

「さぁ。あいぼん。お祭りにいこ〜ぜぃ。」

といってイキナリ走り出しました。

「なっ。ちょっとまってよ。のの〜〜。」

あいぼんもびっくりしながらも走り出しました。

「今日はわたあめいっぱいたべるぞ〜〜。」

「たこやきも。やきそばもみ〜んなたべちゃうぞ〜。」

二人はニコニコ笑いながら走っていきました。

大きな雲はニコニコ顔で二人を見つめて流れていきました。

のんちゃんの幸せな一日はまだまだ続くとさ。


おわり。

8 名前:語り手 投稿日:2004/08/04(水) 15:01

挨拶代わりに短編をドロップ。

子供っぽくて申し訳ない。

では。
9 名前:メカ沢β 投稿日:2004/08/04(水) 17:10
読ませていただきました、いい作品ですね。
絵本なんかにするとより良い作品になるんではないでしょうか。
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/05(木) 01:50
タイトルで某作者さんかと思いましたが、ホントにはじめましてですか?
11 名前:語り手 投稿日:2004/08/05(木) 12:44

レスありがとうございます。

9 メカ沢βさん
ありがとうございます。こんな絵本あったらいいなって思いました。
またよろしくお願いします。

10 名無飼育さん
ありがとうございます。ちなみにホントに初めてなんですよ。

12 名前:武蔵野エレジー 投稿日:2004/08/05(木) 13:00

ある夏の夜...。

美貴は土砂降りの雨の中公園のベンチに座っていた。

雨は公園の街灯で、マティーニの色に染まっていて、

ずぶぬれの美貴をさらに激しく濡らして、排水溝に流れていく。

落ち葉も、砂も、ゴミも、犬のクソも全部連れて、排水溝へ流れていく。

13 名前:武蔵野エレジー 投稿日:2004/08/05(木) 13:03

「いっそ美貴も流されてしまいたい。せめて、この気持ちだけでも...。」

とつぶやき、濡れた前髪をかき上げ、左のポケットからタバコを取り出し、

しけたタバコに火をつけて、思いっきり肺に吸い込んでみたら、

なぜかオリーブの味がしたので、少し苦笑いをしてしまった。

14 名前:武蔵野エレジー 投稿日:2004/08/05(木) 13:08

こんな雨に打たれて考えていたのは、

2年前に突然出て行ったあの娘のこと。

彼女は愛を捨てて、夢に向かって走っていき、海を越えて遠くの国に行ってしまった。

ちょうどこんな色の雨が降っていた日のことだった。

私だけが、追いかけることも出来ず、忘れることも出来ず、

ちっぽけな島国で、マティーニの雨が降る夜になるたびに....。

こんな雨の夜は、もう、自分が泣いてるのかさえわからなかった。

15 名前:武蔵野エレジー 投稿日:2004/08/05(木) 13:13

それでも2年も経てば思い出も薄れていて、

一年がたった頃から、マティーニの雨が降っても何も感じなくなっていた。

ちょうど、そんな頃に、2年ぶりに海の向こうから、二人が住んでいたアパートに、

一通のエアメールが届いた。

中身は

みきたんへ

元気ですか

あやより。

と、裏に自由の象徴の写真が載っていた。

16 名前:武蔵野エレジー 投稿日:2004/08/05(木) 13:16

美貴のタバコはいつのまにか雨に打たれて火が消えていた。

エアメールも雨に打たれてぐしゃぐしゃになっていた。

美貴だけが、今も取り残されているのだろうか。

あやちゃんは今ごろまるで煙のように、

自由気ままに空を飛んでるのだろう。

きっと、もう美貴のところには帰って来ない。

ならば、いっそ美貴の自由に...。

17 名前:武蔵野エレジー 投稿日:2004/08/05(木) 13:22

マティーニの雨はまだ美貴を濡らし続ける。

頭からつま先を伝って、雨は流れていく。

落ち葉も、ゴミも、吸殻も、あやちゃんとの思い出も全部連れて流れていく。

「ら〜。ら〜。ら〜。」

雨に向かって私は歌った。

歌詞なんてない。ただ、すべてを吐き出すように歌った。

「今日から、美貴は思い出に囚われない。」

最後にそういった時、

ガラン、ゴロン、ガラン、ゴロン....。

まるで、すべてにさよならを告げるように遠くから鐘が鳴っていた。


ある夏の夜、マティーニの雨はいつのまにかやんでいた...。


おわり



18 名前:語り手 投稿日:2004/08/05(木) 13:24

レスのお返しに短編をドロップ。

歌の一つ一つにお話があると思います。

では。

19 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/05(木) 13:57
すげえ。ミッシェルがあやみきになってる。
おもしろい。頑張って。
20 名前:メカ沢β 投稿日:2004/08/05(木) 14:26
すごいですね、面白いです。
これからも作品を書かれると思いますが、全部読ませていただきます。
頑張ってください。
21 名前:語り手 投稿日:2004/08/06(金) 01:41

レスありがとうございます。

19 名無飼育さん
ミッシェルが好きです。でもあやみきはも〜っとすきです。

20 メカ沢βさん
2回連続のレスありがとうございます。ポツリポツリ増やしていきます。

22 名前:カーテン 投稿日:2004/08/06(金) 01:47

待ってるよ...。今日もここで...。

なんでかね、なっちはここに座ってるんだろう。

もうね、ごっちんがいなくなる夢を見たくないからかな...。

その夢を見るたびにね...。

なっちはものすごく苦しくなって、頭をねかきむしっちゃうんだよね。

そんな日が続いたのかな、それが癖になっちゃったんだよね。

ごっちんはそんななっち見たら...。怒るかなぁ...。

23 名前:カーテン 投稿日:2004/08/06(金) 01:51

だからね、夢を見ないようになっちはずっと窓を見てごっちんをまってるんだ。

今日もね、窓際のテーブルにあごをついてね、外を眺めてたんだよ。

まるで、染みのようにまだらに咲いたハチミツ色の花を数えながらね...。

カーテンは風にゆれてるんだ。

ゆらゆらゆらゆらりって、まるで声をあげるようにね。

白いカーテンが風になびいてるんだ。

昔は二人で見たよね。

笑いながらこんな景色を...。

24 名前:カーテン 投稿日:2004/08/06(金) 01:57

でもね、なっち思うんだ。

幸せな時間はね、ほんの一瞬だなって...。

不幸はねゆっくりやってくるんだ。

へばりついた首とがらせて、こびりついた腕はしゃがせて、

誰かを選んだわけでもなく、最初から決まってたわけでもなく、

たたきのめしたようなこの丸い窓から入ってくるんだ。

この二人だけの小さな家の、

日に焼けていない、屋根をつたって

幸せななっちから、ごっちんを連れて行ったんだよね。

きっと....。

25 名前:カーテン 投稿日:2004/08/06(金) 02:00

なっちはね、ごっちんが消えた日から夢を見続けるんだ。

目の前でふにゃっと笑うごっちんが、

急に、真っ暗闇に連れ去られていくのを....。

もう、そんな夢見たくないから...。

とにかくここに座ってるんだ。

この、真っ白なカーテンみたいな幸せの残りを、

赤アリが食い尽くそうとするから、

だから、ここに座っているんだ。

26 名前:カーテン 投稿日:2004/08/06(金) 02:03

だって、ごっちんが帰ってきたときに、

この真っ白いカーテンがゆれないと、わからないから。

なっちはそれが合図だと思って、ずっとまってるから。

ずっと、ここに座って待ってるからね...。ごっちん...。


カーテンは今日もゆれる

風に流されてゆれている...。

ゆらゆらゆら...。ゆらり.....。


ある夏の日..。古びた廃屋のテーブルの上においてあった日記より....。

おわり

27 名前:語り手 投稿日:2004/08/06(金) 02:06

レスがうれしくて3本目をドロップ。

しかし、わかりづらいっすよね...。ソフト怪談みたいな感じです。

ごっちん。なっち。死人にして御免。

3作目にして早くも駄作です。

長編構想中のため2、3日空くかもしれません。

でも、もしかしたらすぐ書くかもしれません。

では

28 名前:メカ沢β 投稿日:2004/08/06(金) 10:44
更新お疲れ様です。

不必要な部分の一切ない文章、素晴らしいです。
これを見てから自分のを見ると……とんでもない駄作を書いてる気がします。
長編楽しみにしてます、頑張ってください。
29 名前:語り手 投稿日:2004/08/07(土) 01:54

レスありがとうございます。

28 メカ沢βさま
レスありがとうございます。文章も生き物で人それぞれ違うはずです。
うちの駄文をいつもよんでいただき感謝です。
今度、作品拝見させていただきます。

30 名前:SABRINA HEAVEN 投稿日:2004/08/07(土) 02:01

序章

私は今プールの底に沈んでいる。

一筋の紅い線を引きながらゆっくり沈んでいる。

お腹にはナイフが刺さっている。

私はもうすぐ死んでしまう。

ゆっくり遠退いて行く私の意識。

ゆっくり流れている記憶。

最期に感じたい。

私は、太陽をつかんだ。

私は、幸せだったのかな。


SABRINA HEAVEN

31 名前:マリオン 投稿日:2004/08/07(土) 02:12

この地平線の向こう側が、私の最後の旅になるのだろうか。

もう幾度も越えた地平線。

何度も迎えるはずだった最後の国。

そして決まってそこにはブルーバード・ランドはあったはずだった。

つまり、私が探し続けている幸せが、

彼女、石川梨華がそこにいるはずだった。

しかし、行く先々の町で狂ったように歩き、消息を聞いた時には、

もうすでに、遠くに消えてしまっていた。

32 名前:マリオン 投稿日:2004/08/07(土) 02:19

残っていたのは、彼女が住んでいた部屋の跡と、

彼女が好きなピンク色の花の刺さった花瓶だけだった。

いつもそうだった。

消息をつかみ、追いかけて、見つけては、

まるで砂が、手から零れ落ちるようにするりと、彼女は次の土地へ消えていた。

そして、私は彼女を追うことをやめることが出来ずに、

その痕跡を見つけては、

彼女は、私のブルーバード・ランドは確かにここにあったはずと、

切なく悲しい思いに打ちのめされていた。

「どこまで追い続ければいいんだろうか。」

私は一言つぶやいて、彼女がいたはずであろう部屋で、

タバコの煙を吐いていた。

33 名前:マリオン 投稿日:2004/08/07(土) 02:27

そう。あの12月の日曜日以来。

あの夜以来....。私の時間は止まったままだった。

一目で彼女に心を奪われて、その瞬間にグルグル回るモンキー・ジーザスがブレーカが落ちたように、

私の心の中で、地球は動きを止めた。

彼女を手に入れない限り、私の時間はもう動き出さない。

でも、彼女はもういない。溢れ出した水から飛び出した魚のように消えてしまい、

私には羽がなかったから、すぐに追いかけることも出来ずに、

心だけがどんどん落ちていった。

もう、彼女なしで私が満たされることはなかった。

34 名前:マリオン 投稿日:2004/08/07(土) 02:31

「次はどこへ向かえばいいんだろう。」

彼女の住んでいた部屋には煙が立ち込めていた。

ゆっくりと彼女の部屋を歩き回る。

引き出しも一つ一つ開けていく。

当然中は空で、何も残っていないはずだった。

ただ、12番目の引き出しを開けたとき、一枚の紙切れが入っていた。

私は、それを取り出し、中を開いてみた。

そこには一言

「LAST HEAVEN」

とかかれていた。

35 名前:マリオン 投稿日:2004/08/07(土) 02:37

「LAST HEAVEN」

あの日曜日に私たちが初めてであった場所だった。

私は、その紙を見て決意した。

彼女はきっとそこにいる。

そして、今度こそそれが最後の旅になる。

私は、部屋を飛び出して車に飛び乗った。

もう、次の地平線が最後になるはず。

きっとそこに、ブルーバード・ランドがあるはず。

もう、逃がしたりはしない。

「梨華ちゃん。つぎこそ君を捕まえてみせる。」

私は、青い鳥を捕まえに、地平線の向こう側へ向かった。

ガラスもわからないくらいの街。

コンクリートジャングル。

狂った夜を見せてくれる。

「LAST HEAVEN」に向かって。

つづく

36 名前:語り手 投稿日:2004/08/07(土) 02:39

長編はじめました。第一話から書いてるうちに訳わかんなくなりました。

ちなみに主人公はお解かりですよね。最近キレイになりましたよね。

では。

37 名前:メカ沢β 投稿日:2004/08/07(土) 09:11
更新お疲れ様です。
いやはや、楽しみです。
38 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 01:27

私は、ある劇団の劇団員だった。

そして、自分でいうのもなんだが看板的存在であった。

舞台にたてば、観客を魅了してやまないくらいに踊ることが出来たし、

一部の先輩に忌み嫌われながらも、他の団員とは上も下も慕われていた。

そう。なにがあっても私は、踊ることで私の居場所を守ることが出来たし、

私は、幸せでいられたのである。

その時は、舞台の上が私のブルーバード・ランドだったのだろう。

39 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 01:31

しかし、幸せはどこかで終わるものである。

それは、そのような時間が流れている途中のある夜のこと、

いつものように私は舞台の上で踊っていた。

人は、みんな私を見て、感動し、魅了され、虜になっていた、

私も、そんな自分に酔っていた、

その時、

一つのステップを踏み外した。

次の瞬間から、私は踊ることもさながら、立つことも出来ず、舞台の中央に固まってしまった。

40 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 01:36

私は、そのまま病院に運ばれて診断を受けた。

そして、3日後医者が、

「吉澤ひとみさん。あなたもう2度と踊ることは出来ないでしょうね。」

と私に告げた。

私は、目の前が真っ暗になるほどの絶望を、初めて体現することが出来た。

そのあとの医者の話は、よく覚えていない。

疲労やら、神経やら、筋やら、普段の生活は支障はないやら、色々いっていたが、

結局は、もう私は踊ることが出来ないということを、

何度も繰り返し聞かされているようだった。

41 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 01:41

私の人生に、泥がついた。

これまでの素晴らしき人生が、初めて汚れた気分だった。

そして、その話を聞いた劇団員は、その日からだれも来なくなった。

私は、紅く染まった葉が散るって、雪が降り出すまでの間、

病院で、ゆっくり回復する足を抱えて、一人で過ごした。

そして、雪が降り出した頃やっと普段の生活が出来る足で退院した。

42 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 01:46

私は、一人暮らしのアパートにもどる前に、劇団の事務所に向かった。

結局、誰一人あれから来なかったが、

きっと、普段と何も変わらず接してくれるだろうし、慕ってくれるだろうと思って、

私は、事務所のドアを開けた。

しかし、そこで私を見た人たちは、みんな目を合わせようともせず、

気まずそうな空気が当たり一面に、漂っていた。

「ちーっつす。吉澤。ただいま復活してもどりました。」

そういって、自分のロッカーがある部屋に向かう、

しかし、そこには、私のロッカーがなく、別の人の名前が書かれていた。
43 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 01:53

「どういうこと...。」

私は、なにかの間違いではないかと思い、目の前の光景を必死で否定していた。

慌てて駆けつけた、劇団の団長が、あたふたしながら、

「いやっ。あの。これは。えーと。つまり...。」

と私への言葉を詰まらせていた。

私は団長を壁際に追いやり問い詰めた。

すると、

「だから。これは...。なんていうか。あれなんだよ...。」

と余計慌て出す。

それは、私を無性に苛立たせた。

「吉澤さん。ここはね、踊れないダンサーは必要ないの。」

と言う声が、部屋の入り口から聞こえたのは、

団長の汗が顔じゅうに噴出した時だった。

44 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 01:57

私は、入り口のほうにむかって、歩き、

過去に私をいびり続けてきた先輩に突っかかっていった。

「どーいうことですか?」

「そういうことよ。ここにあなたの居場所は無いの。もう。用済みなのよ。」

と言って、ニヤニヤ笑っていた。そして、最後に、

「踊れないダンサーの居場所は無いのよ。」

といって、私を突き飛ばした。

私はロッカーに激しい音を立ててぶつかったいった。

ガッシャーン。

その音を聞いた瞬間私の中で何かが弾けた。

45 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 02:02

それからのことは、あまり良く覚えてない。

映画のコマ送りのようにしか思い出せない。

入り口の奥の壁に後頭部をぶつけられた先輩。

ぶつけた私。

私を、押させつけようとして飛んでくる後輩。

狂ったように壁に先輩の頭を叩きつけ続ける私。

意識のとんだ先輩の顔。

飛ぶ鮮血。

笑う私。

電話をかける団長。

私を押さえつけた団員。

失神している先輩。

笑う私。

紅いサイレン。

銀の輪を巻かれた私。

意識がはっきりした時には、私は檻の中にいた。

46 名前:ジプシー・サンディー 投稿日:2004/08/08(日) 02:07

そして、私の人生がまた穢れたのであった。

汚れた12月。

流れていく夜と時間の途中で、私は私の人生を呪った。

檻から出たのは3日後で、理由はわからなかった。

ただ、私はその足で街を出た。

どこか、誰も私の知らないところへ。

だって、もうここには私の居場所は無い。

空にも、海にも、大地にも。

人は私をもう見てくれない。

あの子に居場所はいらないと、

人から人へ伝わっているはず。

そうして、私は町を去った。

汚れた12月の寒い朝に。


47 名前:語り手 投稿日:2004/08/08(日) 02:09

レスありがとうございます。

37 メカ沢βさま
楽しみですか。そうですか。にゃはは。てれるますなぁ。

48 名前:語り手 投稿日:2004/08/08(日) 02:12

今回の長編の第2話「ジプシー・サンディー」は2部構成です。

今回は一部の主人公の過去を書きました。

次は後編。ついに出会いになるはずでしょう。

後編も頑張ります。よっちゃんさん。前科もちにして御免。

では。

49 名前:メカ沢β 投稿日:2004/08/08(日) 08:24
更新お疲れ様です。
こりゃきっと、話が動き出したら相当面白いことになりそうですね。
50 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/10(火) 03:31
ハードボイルドですか

あまり歌詞に固執しすぎるときつきつになってなってしまうのでお気を付けて
51 名前:19 投稿日:2004/08/20(金) 22:00
すごい。背筋がゾクゾクする。
この独特の雰囲気がたまらない。楽しみ。
52 名前:50 投稿日:2004/09/29(水) 02:35
気を悪くされたんでしょうか?

待ってます

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