(〜^◇^)
- 1 名前:(〜^◇^) 投稿日:(〜^◇^)
- (〜^◇^)
- 2 名前:. 投稿日:2004/08/31(火) 12:19
- は?
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/31(火) 23:08
- ココ小説スレなんで場違いな事しないでもらえますか?
つーか出会い系紹介とかすんなよここで
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/01(水) 04:34
- ただの広告にいちいち反応してるのが笑える
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/02(木) 16:07
- 夏休み最後の思い出だろ
- 6 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/06(月) 23:01
- もらってもいいのかな?
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/06(月) 23:13
- とりあえず勝手にもらうことにしました。
初めてですが読んでもらえるとうれしいです。
ジャンルはファンタジーで主役はよっすぃーです。とりあえずキッズ以外は出す予定で…
- 8 名前:始めに 投稿日:2004/09/06(月) 23:15
- 元ネタありなんでわかる人はわかるかもしれません。
- 9 名前:第1話 投稿日:2004/09/06(月) 23:24
- ここはとある大陸にあるハロー王国
この国には都市部に住む人間と草原地帯に住む人間がいてお互いを敵視している。
さらに西には大国として名高いゼティマ王国があるためいつ滅んでもおかしくない状態にある。
- 10 名前:第1話 投稿日:2004/09/06(月) 23:33
- この事態を重くみた都市部の上流階級の人間は騎士団を招集し、
騎士団長の矢口真里と、副団長であり参謀の紺野あさ美に草原地帯へ赴き草原人との休戦協定を結んでくるよう命令を出した。
- 11 名前:第1話 投稿日:2004/09/06(月) 23:38
- そしてここは騎士団の駐屯地。
会議室では矢口と紺野そして4剣神の一人安倍なつみが出発の準備をしていた。
- 12 名前:第1話 投稿日:2004/09/06(月) 23:49
- 「しかし今まで戦い続けてた相手と急に休戦って無理があるんでないかい?」
安倍が紺野に聞く。
すると紺野は
「無理かもしれないですけどとりあえずやってみないことには。まあ相手も一応人間ですし、わかってもらえると思いますよ。ね?団長」
「……」
「団長?」
「ん?ああ。そうだな」
はっとして矢口は答えた。
「あまり気が進まないんだべか?」
- 13 名前:第1話 投稿日:2004/09/07(火) 00:02
- 「んー、まあな。特にオイラは向こうに恐れられてるみたいだし。
『ブラッディーマリー』なんて呼ばれてさ。」
「ほんとに。なんでマリーなんでしょうね?団長の名前は真里なのに」
「…紺野、ツッコむ所がちがうべさ。普通は『カクテルかよ!』ってツッコむべ」
「はあ。すいません」
なぜか説教する安倍と謝る紺野。
それを見て矢口は、
「…まったく。こんなのがよく副団長と4剣神やってられるよ…」とため息をもらした。
- 14 名前:第1話 投稿日:2004/09/07(火) 00:14
- 「さて。そろそろ行くか?」
「…矢口、出発は明日だべさ」
「あ」
「「やれやれ…。こんなのがよく団長やってられるよ(べさ)」」
「…オマエラぁ!」
「団長が怒ったぁ!逃げるべさ紺野!」
「は、はいっ」
一目散に逃げる安倍と紺野。
「まてー!」
追い掛ける矢口。しかし三人とも鎧を着ているためレベルの低いおにごっこであった。
- 15 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/07(火) 00:19
- とりあえず今日はここまで。
よっすぃーのよの字も出てないや。
とりあえず感想などお待ちしています。
- 16 名前:補足 投稿日:2004/09/07(火) 01:20
- とりあえずタイトルは『迅雷の英雄』で。
文中に出てきた4剣神は四人の剣の達人ってことで。
ちなみに騎士団のなかでは団長が一番強いです。
って当たり前か。
- 17 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 09:37
- ガキィン!ドカッ!
刄と刄がぶつかりあい、そして片方がはじきとばされる。
「どうした?よっすぃー。もう終わりなの?」
刀を構えながら石黒が問う。
「まだまだぁ!」
吉澤は立ち上がったと同時に刀を振り上げ、石黒の刀を弾き飛ばした。
「えっ?」
「やっったぁーー!初勝利ぃ!」
「…ふう、しかたない。今回は負けたよ」
ここはハロー王国草原地帯の村のひとつ。
今勝ったほうは吉澤ひとみといい、村長の娘である。
- 18 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 09:56
- 娘といっても血のつながりはない。
吉澤は赤ん坊のころ草原地帯に捨てられていたのを現在の村長である中澤裕子が拾って育てたのである。
一方石黒のほうはというと、三年前にひょっこり村にあらわれ、中澤に気に入られたのでそのまま村に居候している。
村長の家にて。「へぇ。じゃあ今日が初勝利なんやな」
「うん!ほんとにうれしい!」
「じゃあごほうびにチューしたろ」
「…え?」
「なんやねん!その反応は。こんな美人とチューできるんやで?うれしいやろ?な?な?」
「いや、親子だし。」
「恋には親子なんていうくだらん壁なんかないんやー!」
「い、いや。くだらなくないってばぁ」
「こらー!逃げんなー!またんかーい!」
…ここでもおにごっこが展開中。
- 19 名前:第1話〜飯田視点 投稿日:2004/09/07(火) 10:08
- 「…どうしても行くの?」
「ああ」
「娘が不憫に思わないの?」
「俺と一緒にいるほうが不憫だよ」
「けどねぇ…」
「もういいじゃないの。好きにさせてあげなよ」
「わかったよ…」
「すまない」
「あんたが素直に謝るなんて。最後にいいものみせてもらったわ。じゃあね」
「…それじゃああたしも」
「…ああ。たっしゃでな」
そして三人は別の道を歩みはじめた…
- 20 名前:第1話〜飯田視点 投稿日:2004/09/07(火) 10:25
- 「だからぁ。違うっていってるじゃんか」
「違わなくないもん。いちーちゃんの浮気者ー!」
「ふ、二人とも落ち着いてくださいよ。ほら、重さんも二人を止めてよぉ」
「ねぇ、さゆかわいい?」「…ダメだこりゃ。リーダー!」
ここはハロー王国首都フランシス。
世界中からいろんなものが集まっている。
もちろん人も例外ではない…。
さっきから周りの目を気にせず宿で騒いでいるこの一団。
実はゼティマ王国国境警備隊なのである。
なぜハロー王国にいるのかというと、簡単にいえば内偵調査である。
- 21 名前:第1話〜飯田視点 投稿日:2004/09/07(火) 10:34
- メンバーは浮気者な市井さやか、
その恋人後藤真希、
一番まとも?な新垣理沙、
かなりナルシストな道重さゆみ、
そして…
「…ああ。みんなおはよう」
天然リーダー飯田圭織である。
「リーダー!二人を止めてくださいよぉ」
「…んー、無理」
ずっこける新垣。
- 22 名前:第1話〜飯田視点 投稿日:2004/09/07(火) 10:48
- 「アンタがリーダーでしょうが!止めてください!」
「…やれやれ。二人ともそんなけんかばかりしてると狐と狸みたいになっちゃうぞ!」
「「…は?」」
思わずけんかをやめる二人。
「だからね。狐さんと狸さんは…(以下略)」
説教が長い飯田
「「す、すいませんでした」」
謝るしかない市井と後藤。
「…はぁ。こんなんで大丈夫なんだろうか」
不安になる新垣。
「やっぱり私が一番かわいい」
…そしてみとれる道重。
こんなチームでも実力はナンバーワンである。
- 23 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/07(火) 10:51
- 今回はここまで。続きは夜にでも…
主人公出番少なっ!
- 24 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/07(火) 10:53
- ちなみに≫20はかおりんの夢の中です。
- 25 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/07(火) 10:57
- 間違い。≫19です。主人公はこれから出番が増えるということで…
- 26 名前:第1話〜飯田視点 投稿日:2004/09/07(火) 19:21
- 「ところでリーダー。これからどうするんですか?」
新垣が問う。
「とりあえず一回本国にもどるけど、その前に草原人の調査もしないと。それに草原人には知り合いもいるし」
「じゃあ早く行きましょうよ。草原人の女の子ってどんなのかなぁ」
市井がいうと
「…市井ちゃん?じょうだんだよね?」
ギュウウッ
「ご、後藤…冗談だから。腕痛いって」
- 27 名前:第1話〜飯田視点 投稿日:2004/09/07(火) 19:30
- 「…じゃあとりあえず行こうか。」
「「はーい」」
バカ二人を置いて出ていくメンバー達。
「「ま、待ってぇ」」
またもけんかになりそうなのを止めて追い掛けていったバカ二人。
これから数々の試練が待っているのにこんなんで大丈夫なんだろうか?
- 28 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 19:50
- 「…まあスキンシップは置いといて、今日はひとみにおつかいを頼もうと思ってな」
「おつかい?」
「ああ。フランシスにいる王さまに書状をな。まあ実際は議院の誰かに渡すことになるだろうけど」
「…いいよ。けど首都まで行くんでしょ?あたし一人で行くの?」
「石川とか連れてったらええやん。ついてきてくれるやろ?首都見物って言えば」
「そうだね。あと高橋と亀井も連れていこうかな」
「じゃあこれが書状やから。こっから首都までは馬で飛ばせば三時間かからんやろ。ついでに宿にでも泊まってきぃ」
「はーい。いってきまーす」
吉澤は元気よく飛び出していった
「……さて、みっちゃんに連絡しよ。今回こそ騎士団と決着つけな」
- 29 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 20:18
- 「おーい。梨華ちゃん、高橋、亀井ー」
「なあに?よっすぃー」
「「なんですか?吉澤さん」」
吉澤のもとに集まる三人。
石川は狩猟民族なのにヒラヒラした格好をしている。
高橋は北方から来たらしく、訛っている。
亀井はなんとなく幸薄そうである
「これから首都に行くんだけどみんなもくる?」
「「「行くー!」」」
「じゃあ行こうか。しゅっぱーつ!」
そういって出発しようとする四人。「ちょっと待つったい!れいなも連れてってよ!」
そう言ったのは田中れいな。この子も訛っている。
「でも田中は弓の訓練あるんじゃないの?」
吉澤が聞くと、
「そんなのサボるっちゃ。さ、いこ」
そういって行こうとする田中。
しかし、どこからあらわれたのか石黒が
「ダメに決まってるでしょ?はい練習練習」
そういって田中の首根っ子をつかんで連れていった。
「…じゃあ行こうか。」
そういって吉澤達は村を出発していった。
- 30 名前:第1話〜矢口視点 投稿日:2004/09/07(火) 20:58
- 「…じゃあとりあえず明日休戦協定を結ぶ会談を行うってことだな?」
矢口が紺野に聞く。
「ええ。使いが出した書状によると明日の夕方に西の山脈の近くの丘にて行いたいと書いてあります」
「罠じゃないんですか?」
4剣神の一人、小川真琴がたずねた
「もちろんその可能性も考えて使いをフランシスに閉じ込めています。いざとなったら捕まえて人質にするなり尋問するなりするつもりです」
「どっちでもえーよ。うちはののと一緒におったらな」
「あいぼん!真剣に考えるのれす!」
辻希美と加護亜依、二人もまた4剣神である。
- 31 名前:第1話〜矢口視点 投稿日:2004/09/07(火) 21:07
- 「まあここで考えててもしかたがない。
こざかしい罠なら蹴散らすまでだ。
辻と加護はフランシスに戻って使いを見張っておけ。なっちと紺野と小川はオイラについてきて」
「「「「はい」」」」
「んじゃあ散会!」
そういって矢口は会議室を後にした。
- 32 名前:第1話〜矢口視点 投稿日:2004/09/07(火) 21:33
- 「…ふう」
自室に戻り、ベットに倒れかかる。
「…最近疲れてんのかな」
コンコン
「はーい?」
ガチャ
「失礼します」
「紺野か…」
「団長…明日は私たちだけでもいいんですよ?最近働きすぎなんですから」
「そうはいかないよ。もしほんとに向こうが休戦する気なら失礼だろ?」
「たしかにそうですけど…」
「まあ気持ちはありがたく受け取っておくよ」
「はい。失礼しました」
ガチャ
「…とりあえず寝るか」
- 33 名前:第1話〜矢口視点 投稿日:2004/09/07(火) 21:42
- 「…どうしてお母さまは帰ってこないの?」
「お嬢様…お母さまは遠いところに行ってしまわれたのですよ」
「いつ帰ってくるの?」
「もう真里お嬢様のもとには帰ってはこれないんですよ…」
「いや!違うの!お母さまは帰ってくるの!」
「お嬢様…」
「私お母さまが帰ってくるのをずっと待ってる!」
そういって部屋を出ていってしまった…
- 34 名前:第1話〜矢口視点 投稿日:2004/09/07(火) 21:51
- 「…ん、夢か…。しかし今日になってどうしてあんな夢を…」
「団長ー?起きてますかー?」
「ん、小川か…」
「団長ー?」
「ああ!今行くよ」 「ご飯食べたら西門前に集合してくださいよぉ!」
「わかった」
- 35 名前:第1話〜矢口視点 投稿日:2004/09/07(火) 21:56
- 朝食をとり、支度をととのえる。
「休戦がほんとだといいな…」
矢口は思う。
しかし、その思いは無残にも打ち砕かれ、矢口達騎士団にもさまざまな試練が降り掛かることになる…
- 36 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 22:11
- 矢口達が出発する三日前―
「ここがフランシスかぁ!でっけぇなぁ!」
「ほんとに…」
「よしざーさんに石川さん。騒いでないでとりあえず書状とどけましょうよぉ」
「そうだねぇ」
そしてここは王宮。奥へ案内してもらい、議院のおえらいさんに書状を渡してきたところである。
「なんで内容確認するのに四日かかるのよ!」
「まあまあ梨華ちゃん落ち着いて。とりあえず宿に話通ってるみたいだし、宿行こうよ」
- 37 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 22:23
- 宿にて―
「ところでよっすぃー。書状の内容読んだ?」
「ううん。みてないよ」
「そう…ところで休戦っていつになるんだろうね?」「うーん、協定結んだらすぐにでもなるんじゃない?」
その時下から「吉澤さん!石川さん!助けてください!へんな人がナンパするんです」なんて声が聞こえるので下に行くと見た目男っぽい女の人が亀井と高橋にナンパしていた。
「ねーいーじゃん!一緒に酒飲むくらいさぁ」
- 38 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 22:31
- 「だからあたし達はお酒飲めないんですって!」
「いーの!お酌してくれれば」
「ちょっとアンタ。あたしの連れにちょっかい出さないでくれる?」
「なんだよテメェは?やんのかコラァ!」
「そっちがその気ならべつにいいけど?」
そういって吉澤が刀を抜こうとした時、
「いちーちゃん!何してんの?」
「ご、後藤!ち、違うんだこれは!」
- 39 名前:第1話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/07(火) 22:45
- 「まあいいわけは部屋でじっくり聞かせてもらいましょうか…」
そういって市井を引きずっていく後藤。
「まっ、待て!頼むからおまえのビンタだけは勘弁して!」
「うるさい!この浮気者ー!」
バチーン!
「ぎゃあああああ!」
市井の悲鳴が宿にこだました…
「なんだったんだろう…あれ」
「「「さあ?」」」
「「「「……」」」」
「寝るか?」
「「「そうだね」」」
こうして吉澤たちは眠りについた…
市井の悲鳴を聞きながら…
- 40 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/07(火) 22:48
- 今回はここまで。
読んでくださった方感想などいただけるとありがたいです。
次回はたぶん明日になると思います。
- 41 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/08(水) 01:18
- お疲れ様です。
俺の好きな類な話なので、楽しみにしてます。
- 42 名前:運命の日〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 14:00
- 「…だからぁいい加減に機嫌なおしてくれよ。悪かったって」
「ふーんだ」
「後藤ぉ〜」
「まだやってるよあの二人。いい加減許してあげればいいのに」
「まったく…もう一回説教してあげようかな」
「「飯田さん、それはやめてください」」
「…はい」
「…で?まだ着かないんですか?」
「そろそろだと思うけど…あ、見えた!」
「ほんとだ。なんか田舎っぽいなぁ」
- 43 名前:運命の日〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 14:15
- その時、
ヒュン!カッ!
ちょうど飯田のすぐ横を矢が通っていった。
「…この村になんのようだっちゃ?返答次第では生きて帰さんけんね!」
そして飯田達の目の前に弓を構えた少女が立ちふさがった。
「ここに石黒彩っていう女性がいるでしょ?呼んできてほしいな」
「なんで石黒さんのことを知っとーと?ますます怪しかね。覚悟!」
そういって田中は矢を飯田達に向かって連射した。
「うお!あっぶな!かわいい顔してなかなかやるじゃん、あの子」
「ふざけてる場合じゃないでしょ!いちーちゃん!」
「ごもっとも!」
そういって市井は双剣を構え、矢を全部弾いてしまった。
- 44 名前:運命の日〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 14:28
- 「な、なんであたしの矢が当たらないの?ま、まぐれに決まっとー!もう一回…」
「無駄だよ何回やっても」
「石黒さん…」
「ひさしぶりだねかおり。ここじゃなんだから奥で話さない?」
「うん…みんなは外で待ってて」
「「「「はーい」」」」
こちらは市井と後藤。さっきまでとは違い、いい雰囲気である。
「風が気持ちいーね、いちーちゃん」
「そうだな…」
「どうしたの?」
「いや、ほんとにごめん!」
「…もう怒ってないよ。そのかわり今度やったらどうなるか…」
「はい!すいません!…ってあれ何?」
- 45 名前:運命の日〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 14:38
- 「…ですから私は早く逃げたほうが良いと言ってるんです…この村はまもなく滅びますから」
青いローブをまとった女性が田中に言った
「どういう意味だっちゃ!うちらを侮辱しとーと?ゆるさないっちゃ!」
そういって矢を放つ田中。
しかし、
ブオン!
女性はどこかへ消えてしまった
「な?消えた?どこへ行ったの?」
そういって村を出る田中
「どうしよう?いちーちゃん」
「追うぞ!いやな予感がする」
市井達も田中の後を追った。
- 46 名前:運命の日〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 14:47
- 「……やっぱり迅雷の英雄が再びあらわれたってうわさ、あやっぺも聞いてたんだ…」
「どうするの?かおり」
「とりあえず様子見だね…動きようがないし」
……………
「あれ?他の三人は?新垣」
「市井さんと後藤さんはデートで、重さんはどこ行ったかわかりません」
「ウサギでも狩ってるんじゃない?『自分よりかわいいからむかつく!』なーんて」
「それありえますねぇ!はっはっは!」
二人してお腹を抱えて笑っていた。
- 47 名前:運命の日〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 15:00
- そしてこちらは草原北部。
「あ!いた!さっきのはどういう意味だっちゃ?」
「おい、村田。なんだあれは。邪魔なのはちゃんと消せと言ってるだろう!まったく人間ってのは甘ちゃんだな」
帽子からズボンまで黒で覆っている女性が言った
「そういうならご自分で消したらよろしいんじゃなくって?大谷さん」
先程の青いローブの女性だ
「二人とも…揉めるのは勝手だが計画に支障は出さないでもらいたい」
金髪をなびかせた女性が口を挟んだ。
「チッ、とりあえず消すか。」
そういって黒い女性は双剣を構え猛スピードで田中に向かっていった。
- 48 名前:運命の日〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 15:11
- 大谷のスピードがあまりにも速いため、田中は弓を握ることすらできなかった。
自らの死を覚悟したその時、
ガキィン!
田中の視界に入ったのは大谷の双剣を受けとめている市井の姿だった。
「後藤!」
「了解!我が右手に宿りし風の紋章よ!その力を解き放て!」
そういうと後藤の右手が輝きだし、同時に辺りに砂埃が舞った。
「くっ、風の紋章か!」
砂を払いながら大谷が言う。
その隙に市井達は田中を連れて遠くへ逃げ出した。
- 49 名前:運命の日〜?視点 投稿日:2004/09/08(水) 15:24
- 「チッ、逃げられたか…」
「まあいいじゃない。あんな小娘たち逃がしたところで計画は揺るがないわ」
「あんたが言うならそうなんだろうな、斎藤」
「そう、われわれにはあの方がいる。神のかけらの一つをもったあの方が…」
「フッ、確かにな」
「……」
「おっ、噂をすれば来たようだな…」
- 50 名前:運命の日〜中澤視点 投稿日:2004/09/08(水) 15:36
- 「久しぶりやなぁー!みっちゃん。元気してた?」
「ねぇさんよりかは元気やないかもな」
「まぁあいさつはおいといて、例の件、やっといてくれたん?」
「ああ、今あっちゃんがやっとるとこや。まあ騎士団もアホやないから途中で気付くかもな。」
「紺野ってやつのことか?なかなかキレもんってことは聞いとる。ブラッディーマリーもそうやが、こっちにも要注意や」
「絶対にやつらには神のかけらを渡すわけにはいかへん…」
「もちろんやで裕ちゃん」
- 51 名前:運命の日〜矢口視点 投稿日:2004/09/08(水) 16:03
- 「あ、あれじゃないですか?」
小川が声を上げた。
「どうやらそうみたいですね」
「とりあえず行ってみるべか?」
「ああ。」
「ようこそお越しくださいました。ハロー王国騎士団長矢口殿。私モーニング村の村長の中澤裕子と申します…」
会談は順調に進み…
「…それでは少し休憩にしますかな」
「安倍さん、まこっちゃん。」
紺野が安倍と小川を呼んだ。
「……今すぐ兵を率いてモーニング村へ行ってください」
「ちょっと紺野!まだ決裂してないうちから…」
- 52 名前:運命の日〜矢口視点 投稿日:2004/09/08(水) 16:15
- 「いいえ。連中ははじめから休戦なんてする気なんてありませんよ。あれを見てください」
そういって紺野は山の中腹を指差した。
「あ、あれは!」
そこには草原人の兵士達がいた。
数はおよそ千といったところか
「覚悟しろ!ブラッディーマリー!」
中澤が叫ぶと兵士達は山を降りていった。
「カクテルかよ!」
「…紺野。今はツッコむな」
「はっ!私としたことがつい…とにかく!誰か辻さん達に伝令を!使いを捕らえるように」
「はっ!」
「さて団長。ここは私が押さえますのでモーニング村へ行ってください!」
「わかった。無茶するなよ」
- 53 名前:運命の日〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/08(水) 16:27
- 「それにしてもさぁーいつになったら帰れるの?よっすぃー」
「うーん…」
「あーしも飽きたよぉよしざーさん」
「絵里もー」
「ねぇよっすぃーかえ…ムグッ」
「静かに!足音がたくさん近づいてくる」
ガチャッガチャッ
ドンドン!
「鍵はかかっていないようやな」
「入ってみるのれす」
ガチャ
「誰もおらんやん!」
「逃がしたのれす。追いましょうあいぼん!」
- 54 名前:運命の日〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/08(水) 16:39
- 「ふぅ。危なかったなぁ。」
「何で逃げたの?よっすぃーなら…」
「一人ならね。でもあの二人でこられたらさすがにきついよ」
「よしざーさん!そんなこと言ってる間に見つかっちゃいましたよ!」
進路をふさぐ六人の兵士が見えた。
「ええい!めんどくさい!我が右手に宿りし雷の紋章よ!その力を解き放て!」
吉澤の右手が輝きだし、同時に兵士達に雷が降り注いだ。
「す、すごいやよっすぃー。」
「あまり連発できないけどね」
- 55 名前:運命の日〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/08(水) 17:01
- もう少しで街の外へ出れそうなときにかぎって
「そこまでや。おとなしくしてもらおうか」
邪魔が入るものである。
「そんな!?いったいどうやって?」
「そんなんうちのワープの紋章があったら世話ないで」
「ワープの紋章か…見たのは初めてだな」
「どうするの?よっすぃー…」
「三人はあの変なしゃべり方するほうをお願い。あたしはもう一人の方とやるから」
「みなさん正気れすか?のん達は4剣神れすよ?」
「へぇ。その4剣神ってのはあんたらみたいなガキでもなれんだ?簡単じゃねぇ?」
- 56 名前:運命の日〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/08(水) 17:12
- 「どうやらバカにつける薬はないみたいれすね」
そういって辻は体に似合わぬ大剣を吉澤に向かって振り下ろした。
ガーン!
「素直に捕まってればよかったものを…」
「へ?誰が?」
「なにぃ!?」
なんと吉澤はあの大剣を受けとめていた!
「そんなばかな。完全に捉えたと思ったのに…」
「まだまだ甘いってことだよ!」
そういって吉澤は辻の鳩尾に拳をいれた。
辻は気を失い、それと同時に加護も石川達に倒された。
- 57 名前:運命の日〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/08(水) 17:19
- 「さて、なんか四日も待たされたし、こいつらのこともあるし、絶対なんかあるよね」
「そうですね。あーし早く村に戻りたいやざ」
「とりあえず戻ろう!」
そして吉澤達は馬に乗り、急いで村へと戻っていった。
そこで吉澤は運命的な出会いをすることになる…
しかし、その出会いは吉澤に数々の試練をもたらすことなど今の吉澤に知るよしもなかった…。
- 58 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/08(水) 17:27
- 運命の日前編終わりです。後編は夜中にでも…
≫41の名無し飼育さん様
レスありがとうございます。
今は休み中なので毎日更新できますが休みがあけたら二、三日空くかもしれません。ですがなるべく早く更新したいと思ってます。設定はできあがってきてますので放置はしないと思います。これからもよろしくお願いします。
- 59 名前:運命の日後編〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 21:49
- 「ん?何あれ?」
飯田が指差した方からはハロー王国騎士団が迫ってきていた。
「もしかして裕ちゃん…失敗したの?」
「あやっぺ、失敗したって何が?」
「実はハロー王国騎士団を壊滅させようとしてたんだけどさ…失敗したら逃げるように言われたんだ」
「それじゃあ急いだほうがいいんじゃない?」
「とりあえず連れていける人だけ連れてくよ。かおりはどうするの?」
「騎士団がどれほどの実力があるのか見てから逃げるよ。仕事だから」
「そう…じゃあまたね」
そういって石黒は去っていった。
「ちょっとリーダー!なんであたしら…」
「新垣。いいから静かについてきて」
「まったく…しかたがないですね」
そういって飯田たちは騎士団のいるほうに向かっていった
- 60 名前:運命の日後編〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 22:01
- 「派手にやってますねぇ。とくに真ん中の二人。あれかなり強そうですよ?ほんとにやるんですか?」
「まぁ心配ないだろう。適当にやって引き上げるさ。あの二人は4剣神だったはず。手合せしてみたくてな」そういって剣を抜く飯田。
「まあいいですけど…」
そういって新垣も槍をかまえる。
そうしているうちに二人のまえに安倍と小川があらわれた。
「4剣神の安倍殿と小川殿とお見受けする。それぞれ一騎打ちを所望したいが返答はいかに?」
飯田が聞くと
「引き受けたべさ。小川も相手してあげて」
こうして飯田対安倍、新垣対小川の一騎打ちが始まった。
- 61 名前:運命の日後編〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 22:16
- ちなみに武器は同じである。
まわりが沈黙する中、先にしかけたのは安倍だった。
すさまじいほどの袈裟切り、しかしそれを飯田は難なくさばく。
しかし安倍の攻撃はするどく、一撃一撃が必殺の威力であった。
これならば安倍は勝てるだろうと騎士団の誰もが思っていたが、ことごとく飯田にかわされる。
さすがの安倍もこれに焦ったのか徐々に振りが大きくなっていった…
一方新垣と小川はまったく互角の戦いを繰り広げていた。
お互い数ヶ所にかすり傷がある程度である。
終始攻めているのは小川なのに、時折新垣が出すカウンターが正確なのである。
- 62 名前:運命の日後編〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 22:28
- 視点を飯田対安倍に戻すと、徐々に安倍が不利になっていった。
飯田の攻撃が安倍を捉えるようになり、安倍は序盤の大振りがたたったのか、ついには飯田に剣を弾き飛ばされてしまった。
「なっちの負けだべ。殺すがいいべさ」
しかし飯田は新垣の方へ歩いて行ってしまった…。
「新垣、帰るよ。」
「ちょっと待ってよ!あんたいったい…」
カシャーン!
飯田は向かってこようとする小川の槍を叩き落とした。
「騎士団の力はだいたいわかった。もう用はないさ」
「はい、行きましょう飯田さん」
こうして飯田と新垣は焼かれていくモーニング村を後にした…
- 63 名前:運命の日後編〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 22:41
- 夜が明けて飯田と新垣が村の近くの森で野宿をしていると…
「なーんだこんなとこにいたんですか?」
市井と後藤が戻ってきた。
田中を連れて。
「その子は?」
飯田が聞くと
「いやまぁちょっとトラブルがありましてね。この子だけ逃げ遅れちゃいました」
市井が答えた。
「…そうか」
「みなさーん!遅くなってごめんなさーい」
道重が戻ってきた。
「重さん?どこいってたの?」
「いやぁ私よりかわいいウサギがいたもんで追い掛けてました」
「それよりこの子をどうするか…」
みんなで悩んでいると、
「連れてったらいいじゃないですか」
「道重、おまえ面倒みれるのか?」
「もちろんですよ!」
- 64 名前:運命の日後編〜飯田視点 投稿日:2004/09/08(水) 22:51
- 「ならいいよ。君、名前は?」
「田中…れいな」
「田中ちゃんね。よろしく!オラ市井。」
「ごとーだよ」
「新垣です」
「一番可愛い道重です」
「飯田だよ。よろしくね」
「…これからどうします?リーダー」
市井が尋ねた。
「とりあえず本国へ戻ろう…」
「んじゃあ行きますか!」
そういって東へ歩こうとする後藤。
「後藤。西はあっちだ」
「あ、あはははは」
「笑ってごまかすな!」
こんな談笑をしながら本国へ戻っていった。
- 65 名前:運命の日後編〜矢口視点 投稿日:2004/09/08(水) 22:59
- 「よし!あそこだな?」
煙が上がっているのをみて矢口は馬を走らせた。
「な!これは…」
そこで矢口が見た光景は草原人の死体の山だった、しかも子供のもある。
「なっちに小川、いったい何やってるんだよ…」
しばらく呆然としていた矢口。
するといきなり刄が矢口を襲う!
はっとして矢口は思わず相手を切り捨ててしまった…
- 66 名前:運命の日後編〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/08(水) 23:10
- 急いで村にもどってきた吉澤達は馬を降り、誰かいないか探しはじめた。
「そんな…休戦って話はウソだったの?」
石川が泣きそうになりながらつぶやく。
「……」
何も言えない吉澤。
「あ、あれは?」
仲間の死体の傍に立つ女性。
高橋は彼女がやったと合点した。
「…許さない!」
高橋は槍を構え女性に向かっていき、そして斬られた…
- 67 名前:運命の日後編 投稿日:2004/09/08(水) 23:18
- 「高橋ぃ!」
吉澤達が高橋に駆け寄る。
「まだ息がある!これなら…」
そういって石川は右手をかざした。
「我が右手に宿りし水の紋章よ!彼のものの傷を癒したまえ!」
石川の右手が輝き、高橋の傷を癒していった。
「これでなんとか…後は安静にさせないと」
その一部始終を矢口はただ呆然と見ていた。
- 68 名前:運命の日後編 投稿日:2004/09/08(水) 23:35
- 「よっすぃー!ちょっと手を貸して、ってよっすぃー?」
「私は…あなたを…許さない!」
そういって吉澤は矢口に刀を向けた。
「……」
剣を抜く矢口。
先にしかけたのは吉澤。体重をかけて突きを放ったが、矢口はあっさりとかわす。その後も吉澤は攻めるが矢口はまったく手を出さない。
そうしているうちに加護と辻がワープの紋章で追い付いてきた。
「これ以上団長に手を出すんはゆるさへんで」
- 69 名前:運命の日後編 投稿日:2004/09/08(水) 23:52
- その後安倍と小川も加わり、睨み合いとなっていたが、突然矢口がきびすをかえし、帰りぎわに
「すまない…」
とつぶやいて騎士団は駐屯地に帰っていった。
そして吉澤達も高橋を背負いながらモーニング村をあとにした…
- 70 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/08(水) 23:57
- 第1話運命の日終了です。
明日は1.5話、つまり少し横道に外れます、が話の後半に大きく関わってきますのでご安心を。
では、また明日…
- 71 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/09(木) 01:19
- 初めまして。
何か面白そうですネ!
市井さんが出てるのが嬉しいです。
これからも頑張って下さい。。。
- 72 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/09(木) 01:43
- 108人揃えるの大変ですねw他の人の紋章も楽しみです。
いいらさん>なっちって珍しいかも。
因みにモトネタは1と2しかしてないです。
- 73 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/09(木) 14:27
- レス返しを。
≫71のミッチー様、市井さんはタラシでも実は強い設定です。ついでに今作ではお笑いキャラの一人だったりします(笑)
≫72の名無し飼育さん様、やっぱりバレましたか。
まぁ紋章出した時点でもろバレですね。
108人全員そろえるのはさすがにきついんで、キッズ以外のメンバーはなるべく出していきたいと思います。
今回は予告どおり1.5話を更新します。
- 74 名前:第1.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/09(木) 14:37
- ここは首都フランシスから北に20キロ離れた小さな城。
その城に一人の少女がやってきた。
「ここがあたしの城になるのかぁ」
少女の名は藤本美貴。
この城の新しい城主である。
といっても半ば親から厄介払いされ、フランシスから放り出されたのだ。
「とりあえずあの娘にどうしたらいいかきいてみようかな」
藤本は門の前に立っている少女に尋ねた。
- 75 名前:第1.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/09(木) 14:47
- 「すいませーん!」
「……」
「あのー?」
「…はっ、すいません!つい鏡にうつった私に見とれてしまって。
あの、この城になにか?」
少女は鏡を片付けながら言った。
「…はぁ。新しくこの城の城主になった藤本ですけど、この城にいる人達を呼んでもらえません?」
「ええ!?新しい城主様?これは失礼しました!今呼んできますね」
少女は走っていってしまった。
- 76 名前:第1.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/09(木) 15:09
- 「大丈夫か?この城。なんか…」
そういって藤本がまわりを見渡すと、小さな城のまわりには壊れかけの家らしきものが二軒。
そのまわりにはテントがあったり、畑が少しだけとほとんど人がいない雰囲気を感じさせた。
そうしているうちに先程の少女が三人の女性を連れてきた。
「城主様ー!連れてきましたよぉー!」
「…へ!?これで全部?」
「ええ。そうですよぉ。」
「…そう。とりあえず自己紹介してもらおうかな」
- 77 名前:第1話〜藤本視点 投稿日:2004/09/09(木) 15:33
- 「鍛冶屋やってます。あさみです」
「占いやってます。里田まいです」
「主にいろいろやってます。みうなです」
「門番やってまーす。松浦亜弥でーす」
「藤本美貴です。よろしく」
それぞれ自己紹介が終わった後、自分の部屋に通された。
「ここが城主様の部屋になります。」
「は、はあ…」
「じゃあごゆっくり…」
「ふう…」
小さな城とは聞いていたが。まさかこんなに小さいとは…
今藤本を襲っているのはあまりにも大きな不安だった…
- 78 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/09(木) 15:36
- とりあえず一旦切ります。
最後だけ1話になってしまいました。申し訳。
続きは今夜…
- 79 名前:第1.5話 投稿日:2004/09/09(木) 22:13
- 翌日、藤本は松浦とみうなに呼び出された。
「どうしたの?二人とも」
「いやぁここも一応城だから人が足りないなぁって思いまして」
「うん。ってかあたしがくる前にも疑問に思わなかったの?」
「思ってましたけど…。城から出て他の町へ買い出しに行ったりできる人があたししかいなかったんですよね。でも城主様が来てくれたからもう大丈夫!」
「それってあたしも人を呼ぶためについてこいと?」
「ダメ…ですか?」
松浦が上目遣いで聞いてくる。
- 80 名前:第1.5話 投稿日:2004/09/09(木) 22:28
- 「うう、わかったよ…」
なんて反則的に可愛い目をするんだこの娘は、と藤本は思った。
「やったぁ!さっ行きましょ城主様」
そういって藤本をひっぱっていく松浦。
「って今からかよ!」
藤本のツッコミは完璧に無視された。
「…で?松浦さんは槍持ってるけど戦えるの?」
「もちろんですよぉ。いざとなったら紋章もありますし」
「…そう」
そういって藤本は自分の右手を見た。
「……」
「城主様?どうしました?」
「ん?いや、なんでもないよ。それより城主様って呼びにくいでしょ?」
「んー、じゃあみきたん!」
「…それでいいや」
- 81 名前:第1.5話 投稿日:2004/09/09(木) 22:50
- そうしているうちにフランシスに着いた。
「ところでどんな人に来てほしいの?」
松浦に聞くと、
「秘書かな。雑務をこなす人がいないんですよぉ」
「んじゃあ…探そうかって何あれ?」
「だからぁ困りますって何回言えばわかるんですか?」
見た目かなり艶めかしい女性がチンピラにナンパされていた。
「いいじゃねーかよ。ちょっと付き合えよ!」
「とりあえず助けに行きましょう。みきたん!」
「うん!」
そして藤本はチンピラに近づいて、
「いいかげんにしたらどうです?」
と言うとチンピラは
「なんだよテメエラ!やろうってのか?」
そういってナイフを藤本に刺そうとしたが、腕を捕まれ簡単に投げ飛ばされてしまった。
投げられたのがよほど痛かったのか
「おぼえてやがれ!」
という捨て台詞を吐いたので藤本はすかさず
「忘れる」
と言い放った。
- 82 名前:第1話 投稿日:2004/09/09(木) 23:04
- 「ありがとうございました。あの…あなた達は?」
「いやぁここから少し離れたとこにある城に住んでる者です」
「ああ、あそこ?ねえあたしも連れてってください!雑務とかならできますから」
「いいですよ。あの、名前は?」
「あ、あたし木村アヤカっていいます。あと友達も連れていきたいので、先に行ってますね」
そういってアヤカは走っていってしまった。
「秘書見つかるの早っ!」
「まあいいじゃないですか。さ、ほかにも来てくれそうな人を探しましょ」
こんな感じで城にはどんどん人が増えていった…
- 83 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/09(木) 23:08
- 今日は本編はここまで。
とりあえず今まで出てきた人物の紹介をしようと思います。
- 84 名前:人物紹介 投稿日:2004/09/09(木) 23:22
- 吉澤ひとみ
この話の主人公。
モーニング村村長の娘。
赤ん坊の頃草原地帯に捨てられていたのを拾われる。
武器は刀。紋章は右手に雷の紋章。
矢口真里
ハロー王国騎士団長。
首都フランシスの貴族出身。
草原人からはブラッディーマリーと呼ばれている。
武器は剣。紋章は特になし
飯田圭織
ゼティマ王国国境警備隊の1隊長
生まれも育ちも不明。
謎多き女性である。
武器は剣。紋章は不明。
- 85 名前:人物紹介 投稿日:2004/09/09(木) 23:31
- 藤本美貴
フランシス古城の城主。
フランシス出身で上流議員の娘。
武器は剣。紋章は不明。
市井さやか
ゼティマ王国国境警備隊の隊員。
出身は南方諸島
武器は双剣。紋章は右手に双牙の紋章。
後藤真希
ゼティマ王国国境警備隊の隊員。
出身は南方諸島
武器はなし。紋章は右手に風の紋章。左手に火の紋章。
- 86 名前:人物紹介 投稿日:2004/09/09(木) 23:37
- 新垣理沙
ゼティマ王国国境警備隊の隊員。
出身はゼティマ王国。
武器は槍。紋章は土の紋章。
道重さゆみ
ゼティマ王国国境警備隊の隊員。
出身はハロー王国
武器はボーガン。紋章は右手に鷹の紋章。
田中れいな
ゼティマ王国国境警備隊の新入り?
出身はモーニング村。
武器は弓。紋章は盾の紋章。
- 87 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/09(木) 23:40
- とりあえず今回の人物紹介は主役級の人物とチーム飯田のメンバーを。
残りはまた明日ということで…
- 88 名前:新垣里沙・小川麻琴ですね 投稿日:2004/09/10(金) 01:10
- 展開早!!
- 89 名前:悪天 投稿日:2004/09/10(金) 01:51
- 更新お疲れさまです。
早速読ませて頂きました。
僕と違って連日の更新、凄いです。
吉澤さんはもちろんのこと、個人的に市井さんに期待しています。
これからも頑張って下さい。
- 90 名前:アポロ 投稿日:2004/09/10(金) 20:46
- んぁ、って感じで新のとこ発見。
おもしろそうだにゃー。
- 91 名前:スペード 投稿日:2004/09/10(金) 22:00
- どうも、名無し読者改めスペードです。
同じ名前の人が二、三人くらいいるので変えました。
≫88
す、すいません。勉強不足でした。しかも展開早いッス。もう少しゆっくり話をすすめたいと思います。
≫89悪天様
早速来ていただきありがとうございます。続き楽しみにしています。市井さんは今作では私のもっとも好きなキャラです。
≫90アポロ様
ありがとうございます。これからもがんばります。
今日からは第2話を…
- 92 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/10(金) 22:13
- ここはハロー王国とゼティマ王国の境にあるメロン山脈の山道。
飯田達は国境の街ハレリヤへと向かっていた。
「はぁはぁ…。まったく何で毎回こんなとこ登らなきゃいけないんですかね…。」
「まあしかたないってことよガキさん。いい筋トレになるじゃん!」
市井が言うと、
「これ以上ふとももが大きくなったらヤバいからやだぁ」
後藤が愚痴をこぼす。
「田中ちゃんは大丈夫?」
道重が聞いた
「大丈夫だっちゃ。山登りは好きやけん」
そういってどんどん進む。
「マジでか…?」
新垣は足取りの軽い田中に驚いた。
- 93 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/10(金) 22:30
- リーダーはというと、
「……」
さっきから考え事をしているようだ。
ただ、足取りは軽い。
やがて山の中腹にさしかかり、開けたとこに出た。
「ちょうど…いいや。ここで…休憩に…しましょうよ」
新垣が息も絶え絶えになりながら言った。
「そうだねぇ。ってリーダー!どこ行くんですか?」後藤が呼び止める。
「休みたいのはわかるが、それはあれを片付けてからだ」
そういって飯田が指差した先には…
「な、なんでこんなとこにストーンゴーレムが…?」ストーンゴーレムとは石の巨人であり、体長は10メートルほどある。
「こいつには中途半端な打撃は通用しないな…後藤!アレお願い」
飯田が言う
「ええー?アレ疲れるんだよねぇ」
ぶつぶつ文句をいいながら後藤は詠唱に入った。
「我が両手に宿りし風と火の紋章よ!彼の者を焼き尽くせ!火炎陣!」
- 94 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/10(金) 22:44
- 詠唱が終わると、後藤の両手が輝き、同時に巨大な火柱がストーンゴーレムを包んだ。
火柱が消えると残ったのは灰だけであった。
「あぁ疲れた。寝よ」
そういうやいなや後藤は地面に横になってしまった。
「あ、あいかわらずすごい威力ですね…」新垣が言うと
「まあアイツは魔法にかけちゃあ天才的だからな…」市井が呆れながら答えた。
道重と田中はというと
「だからぁもうちょっと脇をしめれば狙いが正確になるよ」
「なるほどぉ。こう?」
「そうそう。そんなかんじ」道重が田中に弓を教えていた。
これをみて後藤を除く三人は思う、
「「「アイツらって…マイペース…」」」
- 95 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/10(金) 23:07
- 休憩も終わり、道中モンスターに会ったりもしたが、難なくハレリヤに着いた。
早速宿をとり、酒場でくつろぐメンバー達。
「しっかしあんだけ働いてギャラがこんだけとはねぇ…」
市井が愚痴をこぼす。
「…誰かさんの酒代のツケとかでそうとう削られてるんだが…?」
市井に冷たい視線を送るメンバー達(特に後藤)
「あ、あはははは。…すいません」
小さくなる市井。
するとそこに、
「あーらこれはこれはみなさん?ご機嫌麗しくって?」
そこにあらわれた奇妙な女性。
「…はぁ、うるさいのがまた来たよ…」
飯田が呟く。
「あら、ずいぶんな言い方ね。この警備隊実力ナンバーワンの保田圭様に向かって」
「自称だろ…」
半ば呆れながら呟くチーム飯田の面々。
田中はわけがわかっていないようだ…
「まったく、リーダー。こんなやつらになんでかまうんですか?」
保田の後ろからチーム保田のメンバー安倍麻美が聞く。
「それはね…飯田圭織!あんたに勝つためよ!まぁすでに美貌は勝ってるけど」
「好きに言ってろ…」
飯田はほぼ相手にしていないようだ
- 96 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/10(金) 23:21
- 「…まあいいわ。ところであんたたち、今度警備隊全員にくだされた命令って知ってる?」
「さあ?知らんな…」
すると麻美のさらに後ろにいたミカが
「今度のシレイはですねー、神のかけら狩りでーすよ」怪しいイントネーションで説明した。
「…興味ないな」
「何言ってんのよ。一つ狩るごとに3階級昇進よ?しかもメンバー全員」
これには飯田と田中以外のメンバーも
「ええ!?マジ?」
「3階級っていったら…一気に王宮勤めよ?」
「「ほんとに!?やったぁー!王宮!王宮!」」
まだ昇進してもいないのにはしゃぐメンバー達。
「……」
しかし飯田だけは浮かない表情をしていた…
- 97 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/10(金) 23:34
- 村を出たあと、近くの水辺で高橋を休ませ、自分達も休息をとっていたが
「「「……」」」
三人とも表情は暗い。
「う、うーん…」
その時高橋が目を覚ました。
「あれ?みんなどうしたんや…いててて」
「たっ高橋!傷治りきってないんだから無理しないの」
石川が介抱する。
「ええっとたしかあーしは…あ!アイツはどこへいったん?」
吉澤に聞く。
「…もういないよ」
「そうですか…。これからどうするんです?」
すると吉澤は
「とりあえず平家さんの村に行こう。
あそこはまだ騎士団にはみつかってないみたいだし、もしかしたらそこに母さん達もいるかも」
と言った。
「そうですね。それしかないと思います。」
亀井も賛同する。
「でも高橋の傷が治るまでここにいたほうが…」
- 98 名前:第2話よっすぃー視点 投稿日:2004/09/10(金) 23:45
- 石川がいうので
「たしかにそうだね…もう一日休んでからにしようか」
「ちょっと!あーしは平気だって…」
「無茶言わないでくださいよ。とりあえずあたしと吉澤さんで食料狩ってきますから石川さんと高橋さんはここで待っててください。」
そういって亀井は吉澤の手をひっぱって行った。
「…さてこんなもんでいいですかね、って吉澤さん?何考え事してるんですか?」
「いや、どうして騎士団は村を襲ったのかなーって」
「さあ?決着をつけるためじゃないですか?」
「にしてはおかしいんだよな。決着をつけるにしたってあれじゃあただの殺戮だよ?
さっきは冷静じゃなかったから感じなかったけど騎士団があんなことするとはとても…」
- 99 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/10(金) 23:54
- 「たしかにあの死体の数は尋常じゃないですね。だとするといったい?」
「まだわからないけど、この事件には裏がある気がするんだ。騎士団や草原人だけでなく、国全体を動かすような裏が…」
「…まあ今考えてたってわからないですよ。戻りましょ?」
こうして亀井と吉澤は石川達のもとへ戻っていった。
実際吉澤の推測は当たっていたのだが、真相に気付くのはもう少し後になる…
- 100 名前:スペード 投稿日:2004/09/11(土) 00:06
- 今日はここまで。後はチーム吉澤の人物紹介を…
石川梨華
ハロー王国モーニング村出身。
色黒でピンク好き、おまけにトークが寒い
武器はトンファー。紋章は右手に水の紋章。
高橋愛
北方の無名諸国出身。
子供のころにモーニング村につれてこられたが、今だに北方訛りがぬけない。
武器は短剣。紋章は風の紋章。
亀井絵里
ハロー王国モーニング村出身。
トークの寒さと幸が薄そうなのが石川に通じるものがあるのは気のせいか?
武器は槍。紋章は土の紋章。
ではまた明日…
- 101 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/11(土) 00:14
- 今日はじめて見つけて、しかもリアルタイムでした。
いやあ、かめちゃん、初登場の際の描写?に思わず噴出しました。
なんだかチーム分けも珍しくて面白そうです。・・・でもハロー王国の騎士団弱すぎません???
- 102 名前:スペード 投稿日:2004/09/11(土) 22:18
- 101の名無し飼育さん様
やっぱり言われちゃいましたね。
紋章無しだったら一応矢口さんが最強なんですが…
今までまともに戦ってなくて、なっちも飯田さんに負けちゃうし、騎士団弱いと思われてもしかたないッスね。
- 103 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/11(土) 22:49
- ここはフランシスから20キロ離れたブラス城。
草原地帯と都市部を分断する砦である。
紺野が自室で報告書を書いていると、矢口達が兵をまとめて戻ってきた。
「団長!ご無事でしたか」
「当たり前だろ?それより紺野こそよく勝てたな」
「まあ相手も団長がいないとわかるとすぐに引いていきましたから」
「とりあえずなっちと小川に話があるから…。紺野も来て」
「はあ…」
そして四人は会議室に入っていった…。
その様子をみて辻と加護は
「ありゃあ団長のビンタがとぶな」
「とくに小川しゃんが危ないのれす」
と他人事のようにいった。
…自分達もミスしてるのに。
- 104 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/11(土) 23:03
- 一方会議室では、
「…じゃああの死体の山については何も知らないって言うんだな?」
「うん。恥ずかしい話、一騎打ちをやって、しかも負けちゃったんだべ。なっち達」
「まこっちゃんはともかく、安倍さんが負けた?相手は誰なんですか?」
紺野が聞く
「それがまったくわからないんだべ。
たぶん草原人でもないと思うんだけど…」
「そうか…まあ二人とも疲れてるだろうし、休んでおけ」
「「はい」」
安倍と小川は会議室を後にした。
入れ代わりに兵士が入ってくる。
「どうした?」
「団長…議会からフランシスに戻るようにとの命令です」
「わかった。さがってよい」
「はっ」
- 105 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/11(土) 23:15
- 「さて、行くか」
そういって矢口は出発しようとする。
「団長…せめて一日くらい休まれたほうが」
「そうはいかないさ。正直議会のやり方は気に入らないがな」
「ならば私も一緒に行きます」
「紺野…わかった。ついてきな」
「はい!」
そして矢口と紺野はブラス城を出発した。
「それにしても気になります」
「何がだ?」
「死体の山も謎の二人組もですが、
去りぎわに向こうの指揮官が
『神のかけらは絶対に渡さへん!』
って言ったのがさっきからひっかかってるんですよ」
「神のかけら?あの伝説の?」
「たぶんそうだと思いますけど」
- 106 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/11(土) 23:26
- 「神のかけらは草原人がもってるってことか?」
「うーん、18年前に活躍した迅雷の英雄が神のかけらの一つを所持していたって話は聞いたことありますけど」
「迅雷の英雄…?」
ズキン!
この言葉を聞いた時、急に矢口の頭が痛みだした。
「うっ頭が…」
あまりの痛さに体を支えられなくなり、馬から落ちて気を失ってしまった…。
「だっ団長!?とりあえずブラス城にもどらないと…」
紺野は矢口を支えながらブラス城へ戻っていった。
- 107 名前:スペード 投稿日:2004/09/11(土) 23:37
- 今日はここまで。
短ッ!
今回は問題の?チーム矢口を紹介します。
安倍なつみ
ハロー王国騎士団4剣神のリーダー的存在。騎士団内では矢口に次ぐ実力者。
生き別れた妹がいる。(詳しくは第2話飯田視点参照)
武器は剣。紋章は右手に火の紋章。
紺野あさ美
ハロー王国騎士団副団長兼参謀。
完璧主義者。天才的知識の持ち主。
ただし結構天然。食欲旺盛。
しかし太らない。うらやましい。
武器は杖。紋章は右手に雷の紋章と左手に水の紋章
- 108 名前:スペード 投稿日:2004/09/11(土) 23:59
- 小川麻琴
ハロー王国騎士団4剣神の一人。
普段はヘタレ。ただし戦闘時は人が変わったように突撃する。
そのためトラブルも多く、後片付けは主に紺野が担当。
武器は槍。紋章は右手に虎の紋章。
辻希美
ハロー王国騎士団4剣神の一人。
舌っ足らず。しかし騎士団一の馬鹿力。加護から10メートル以上離れると戦力半減。こないだ吉澤に簡単に負けたのはそのせい。
武器は大剣。紋章は右手に双子の紋章。
加護亜依
ハロー王国騎士団4剣神の一人。
口調が変。
ワープの紋章は使い方を間違えなければ最強クラス。
しかし加護自身使い方をあまりわかってない。
また辻から10メートル以上離れると戦力半減。
理由は二人が宿している双子の紋章が原因。
双子の紋章とはいっしょに宿している人と近くにいると戦力がアップする紋章。
しかし離れると戦力半減。
武器は双剣。紋章は右手にワープの紋章。左手に双子の紋章。
- 109 名前:スペード 投稿日:2004/09/12(日) 00:01
- とりあえず主な人物紹介は終わりです。
明日から本編に力を入れます。
ではまた明日…。
- 110 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/12(日) 00:54
- 101 です。
なるほど、辻加護が圧倒的に弱かったのはそう言う理由があったんですね。
連日の更新お疲れ様です。
読者として嬉しい限りなのですが、あまり自分にプレッシャーかけ過ぎないようにしてくださいね。
応援してるんで楽しみながら頑張ってください。
- 111 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/12(日) 13:25
- 更新お疲れさまデス。。。
これからどうなるのか、楽しみです。
頑張って下さいネ。
- 112 名前:スペード 投稿日:2004/09/12(日) 22:22
- ≫110名無し飼育さん様
とりあえず今のところプレッシャーにはなっていないので更新は頻繁にできると思います。
≫111ミッチー様
これから物語の核心に迫っていきますが、長ったるくなるかもしれません。
- 113 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/12(日) 22:35
- ハレリヤに戻ってきた翌日
飯田はとある露店の前にきていた。
「お、大将ひさしぶりだねぇ」
露天商が声をかける。
「…何か新しい情報は?」
「ああ、入ってるよ。迅雷の英雄がまたあらわれたってのはもう知ってそうだけど、
神のかけらの一つがこっから北にあるルビーク方面にあるらしいってのは知らないだろ?
これいくらで買う?」
「…こんなもんで」
飯田は一つの袋を渡した。
「これだけ?まあいいや、毎度」
中身を確認し、微妙な顔をした露天商。
そして飯田は宿に戻っていった。
- 114 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/12(日) 22:53
- 飯田が宿に戻ると、すでにメンバーがそろっていた。
「さてリーダー。これからどうするんです?ハロー王国に戻るんですか?」
市井が聞く。
「いや、これからルビークへ行く」
「へいへい。せっかく戻ってきたんだからもう少しゆっくりしていたかったなぁ」
「おまえがゆっくりしてると酒代がかさむ」
「うっ、今のグサッときましたよリーダー」
「さて、行くぞ」
「ZZZ…」
「後藤。寝るな!」 市井が起こす。
道中何事もなくルビークについた。
- 115 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/12(日) 23:10
- 「さーて、とりあえず情報でも集めますかって誰あれ?」
市井が指差した先には仮面をかぶった男と兵士達が集まっていた。
「あれは確か仮面の神官だったか…。
名前はわからんが実力はゼティマ王国で最強と言われている2神官将の内の一人だ」
飯田が答える。
その時兵士の一人が飯田達に気付いた。
「おまえ達!いったいこの村に何の用で来た?」
「われわれは神のかけら狩りという指令を受けてここへ来たんだ」
その時仮面の神官将が飯田達に近づいてきた。
「ほう…?国境警備隊か」
「ええ。神官将様はなぜここへ?」
飯田が聞く。
「極秘の任務だ。それを答えてやる必要はあるまい?」
「まあそうですね…」
「では失礼」
そういって神官将は奥へと入っていった。
- 116 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/12(日) 23:21
- 「さて、我々は情報を集めるぞ。
とりあえず一時間後に村の入り口に集合だ」
「「「「「了解」」」」」
「…それにしてもさっきの気配。
まさかあいつ、私と同じ…?」
そういって飯田は右手をじっと見つめていた。
「ん?あれは…田中?なにやっているんだろう…」
飯田が見つめる先には小屋の外から聞き耳をたてている田中の姿があった。
「何をやっているんだ?」
飯田が小声で聞く。
「さっきの仮面の人とあの青いローブの女がこん中にいるけん、様子をうかがっているっちゃ」
「青いローブの女?」
- 117 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/12(日) 23:32
- 「モーニング村が滅びるって予言しよったんよ。やからあいつ怪しいっちゃ」
「そんなことがあったのか…」
一方中では、
「柴田様…本当にここに神のかけらが…?」
村田が聞く。
「ああ、たぶんな。迅雷の英雄を祭ったほこらがここから西にあるらしい」
「なるほど。ところでどうして私の前でしか仮面を外さないのですか?」
「…まあいろいろあるのさ。ところでさっきの長身の女、只者ではないな。いったい何物だ…?」
…………
しばらくして
「これ以上詮索は無用だ。
それにもうすぐ時間だしな。行くぞ」
そういって飯田は田中をひっぱっていった。
- 118 名前:スペード 投稿日:2004/09/12(日) 23:36
- とりあえずここまで。
明日から戦闘シーンが多くなります。
描写が下手かもしれませんが、なにとぞご容赦ください。
ではまた明日…
- 119 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/13(月) 00:13
- わくわく
- 120 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/13(月) 22:08
- 飯田達が村の入り口に戻ってみるとすでにメンバーが揃っていた。
「遅かったですね。
村人から聞いた話だと、こっから西に洞窟があるらしいんですよ。
とりあえず行ってみません?」
新垣が言った。
「そうだな…行くか」
「じゃあしゅっぱーつ!」
「だから後藤!西はあっちだって!」
市井が止める。
「まったく…天才的な方向音痴だな」
そして一行は洞窟についた。
「まったく…洞窟なんていい気分がしないですね。
ほんとにここにあるんですかぁ?」
道重が聞く。
「さあな」
「さあなって…まったく」
- 121 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/13(月) 22:23
- 奥に進んでいくと…
「あれ?あの人ってさっきの神官将じゃないですか?それにとなりにいる女、モーニング村で見かけた…って田中!?」
田中が神官将にむかって矢を放っていた。
しかし、
ヒュウ!
突然神官将のまわりに風がおこり、矢がそれていった。
すると神官将が振り返り、
「そこにいるんだろう?出てきな」
と言った。
「……」
観念したのか、潔く飯田は神官将達の前に姿をあらわした。
「神官将に危害を加えるということの意味はわかっているはずだが?」
「おまえは危険すぎる。それに右手にしているの、神のかけらだろう?」
飯田が聞く。
「そこまでわかっていて私に刄を向けるか愚か者が」
神官将が右手を上げた。
- 122 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/13(月) 22:35
- 「後藤!全力でやれ!」
飯田が後藤に言った。
「言われなくてもやりますよ!我が両手に宿りし風と火の紋章よ!彼の者を焼き尽くせ!火炎陣!」
後藤の両手が輝き、神官将のまわりに火柱があがった。
「…フッこの程度か…」
神官将の右手が輝き、火柱が一瞬で消えてしまった。
「そんな…」
後藤が愕然とした。
「私が手を下すまでもないな…村田、頼んだ」
神官将が村田に命じた。
「はっ。我が右手に宿りし流水の紋章よ!その力を解放せよ!」
村田の右手が輝き、飯田達のまわりに巨大な氷が出現した。
「まずい!」
とっさに新垣が右手を上げ、土の紋章を発動させたが、あまりの衝撃のために防ぐことができなかった。
弾き飛ばされるメンバー達。
- 123 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/13(月) 22:50
- 「くっ、なんて威力だ…」
流水の紋章とは、水の紋章の上位に位置する紋章である。
「あなたたちの罪はゼティマ王国の王であらせられるつんく様が下すでしょう」
そういって神官将と村田は消えていった…
しばらくして
「はぁっはぁっ。これ、まずくないですか!?神官将に喧嘩売るなんて」
新垣が飯田に聞く。
「…とりあえず出よう」
飯田達は洞窟を後にした。
帰りの山道にて、
「さあーてリーダー?そろそろ話してくれてもいいんじゃないですか?」
市井が飯田に聞いた。
「……これはまだ確証のない話だが…迅雷の英雄が生きているかもしれないのだ」
「「「「「えええ!?」」」」」
「迅雷の英雄って18年前、ハロー王国とゼティマ王国の大戦を鎮めたっていうあの?」
新垣が驚きながら聞いた。
「ああ…」
- 124 名前:第2話〜飯田視点(過去編) 投稿日:2004/09/13(月) 23:01
- 「ふう、すまないな。お前には最後まで迷惑かけっぱなしで」
迅雷の英雄が飯田に謝る。
「かまわんよ。お前はこれから静かに暮らしたいんだろう?
私もしばらくはおとなしくしてるつもり」
飯田が言った。
「そうか…石黒はどうするって?」
「とりあえずは南方へ行くってさ」
「そうか…」
「それよりその娘はどうする?」
飯田が赤ん坊をあやしながら言った。
「ひとみは置いて行くつもりだ」
「は!?あんた正気?」
「そのほうがひとみのためだからな……」
……………
- 125 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/13(月) 23:19
- 「………リーダー!どうしたんですか?途中でボケーっとしちゃって」
後藤の言葉で我に返った飯田。
「ああ、すまん」
「でもリーダー、迅雷の英雄が生きていたとしてももうおっさんじゃないんですか?」
「いや、迅雷の英雄は神のかけらを宿している。
神のかけらは宿主を不老にするといわれているからな。
さっきの神官将も同じだ」
「マジっすか?でもなんでリーダーがそんなことを…」
後藤の疑問をさえぎって新垣が、
「そんなことより!これからどうするんですか!?
あたし達一気にお尋ね者ですよ?」
「…とりあえずハロー王国へもどるぞ」
飯田達は山を下っていった。
「はあ、結局またあの山道下るんだ…」
山下りも新垣にとっては地獄だったそうな…。
- 126 名前:スペード 投稿日:2004/09/13(月) 23:25
- 第2話飯田視点終わりです。
だんだん話の核心に迫ってまいりました。
≫119名無し飼育さん様
わくわくですか?私も書いててわくわくです。かなりいい感じに仕上がってきてます。
明日はよっすぃー視点を…
- 127 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/14(火) 23:50
- 「さて、高橋の傷も治ってきたみたいだし、平家さんのところへいこう」
吉澤が言うと、
「たしか平家さんの村っていうと、北の洞穴を通らないといけないんだったよね」
石川が続けて言った。
「よし、行こう」
やがて一行は洞穴に入っていった。
「たしかこの洞穴って何かの遺跡があったんですよね?」
亀井が吉澤に聞く。
「うん。何の遺跡かは母さんが知ってるはず。とりあえず先へ急ごう」
やがて開けたところに出た「なんですかね?あの扉」
「遺跡の入り口じゃないか?」
- 128 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/15(水) 00:03
- とりあえず扉に近づいてみる石川。
「押してもびくともしなーい」
「そりゃそうだよ。これだけ大きいんだから」
「おまえらこんなところで何をしている!」
「「「「!!!」」」」
一行が後ろを振り返ると上から下まで黒で統一した女性が立っていた。
「お、おまえこそいったいなんでここにいる?」
吉澤はやっとのおもいで大谷に聞いた。
それほど大谷の殺気はすさまじかった。
「答えるのも面倒だな…殺すか」
そういって双剣を構える大谷。
「ふざけるな!我が右手に宿りし雷の紋章よ!その力を解放せよ!」
吉澤の右手が輝き、大谷に雷が降り注いだ、が
「クックック…こんなものが雷だと?いいか小僧…雷とはこうやって使うんだ!」
- 129 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/15(水) 00:12
- 大谷が右手を上げると、輝きと同時に吉澤が出したものより数倍大きい雷が吉澤達に襲い掛かった。
あまりの威力に全員が一撃で気を失う。
「フン、つまらん。人間とはこの程度か…
せめて断末魔の叫びは楽しませてもらおうか…」
そういって大谷は吉澤に近づいていったが、吉澤の前に村田があらわれた。
「俺の楽しみを邪魔するなよ。村田!なんならおまえでも…」
「…時間です」
「チッ命拾いしたな小僧。あばよ」
なおも気絶している吉澤にそういうと村田と大谷は消えていった…
- 130 名前:スペード 投稿日:2004/09/15(水) 00:15
- 短いですが、今日はここまで。
なんせ課題が山積みでして…知るか!って感じですよね(苦笑)
…すいません。
明日は普通にやる予定です。
- 131 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/15(水) 17:13
- 更新お疲れ様デス。。。
よっすぃ〜は、小僧なのか。女の子なのに(w
すみません、つまらない事言って。
スペードさん、無理をせずに頑張って下さい。
次回期待。
- 132 名前:スペード 投稿日:2004/09/16(木) 14:52
- どうも、一日空きました。
課題も一段落したところで更新します。
ミッチー様
大谷さんからみたらよっすぃーは小僧なんです(笑)
最近綺麗になりましたがまだまだボーイッシュってことで…
- 133 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/16(木) 15:06
- 「あいったたた…なんてすごい威力なの?よっすぃーの雷よか何倍もあるなんて」
石川が起き上がりながら言った。
「まったく…亀井がとっさに土の紋章を発動させなかったらやばかったなぁ」
「それにしてもなんであんなに威力が違うんですか?」
高橋が吉澤に聞いた。
「たぶんあれは雷鳴の紋章だろうな…
紋章を作る時にまれに威力の強い紋章ができることがあるみたいで、その力は普通の三倍はあるらしいよ」
「なんかやばそうな人でしたよね。
平気で殺すとか言ってたし」
「…まあとりあえずそいつらのことはおいといて、
先へ急ごう」
吉澤が扉に手をつきながら立ち上がった。
その時扉が少し光ったのだが、誰も気が付かずに先へ行ってしまった。
- 134 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/16(木) 15:20
- やがて洞穴を抜け。平家たちが住んでいる村にやってきた。
村の中心までやってくると、
「おぉーう無事だったかあ!マイスゥイートドーター!!」
なんて声が聞こえたと思ったら中澤が吉澤に飛び付いてきた。
「無事だったんだ母さん…ってかマイスゥイートドーターってそれ…」
「私のかわいい娘さんって意味やで。うれしいやろ?な?な?」
そういって吉澤にキスを迫る。
「…村がかわっても相変わらず娘にべったりなのね…中澤さんは」
石川が言うと、
「「まったく…心配して損した」」
高橋と亀井が同時に言った。
「はははは…」
吉澤が渇いた笑い声をあげた。
- 135 名前:スペード 投稿日:2004/09/16(木) 15:22
- いったん切ります。続きは今夜やります。
- 136 名前:第2話〜飯田視点 投稿日:2004/09/16(木) 22:26
- 「それより母さん。よく無事だったねぇ」
「当たり前やがな。
あたしらは矢口真里を捕まえるのが目的やったのに、
あいつあっさりいなくなりおったから
あたしらもすぐに引いたんよ。
ところでこんなんきたんやけどどゆこと?」
「え?何?」
吉澤達は中澤から一枚のビラを見た。
そこには…吉澤達の顔写真と下に金額らしきものが書かれていた。
「こ、これって…」
「あんたらに賞金かかってんねんて。四日も首都におったら写真なんかも簡単に用意できるやろな」
「それってあたしらを人質にしようとしてるってこと?どうして?」
- 137 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/16(木) 22:45
- 「それは…都市部のやつらが神のかけらを欲しがってるからや。
傷害事件を名目にしてあんたらをとらえ、
解放の条件に神のかけらを渡せって言うきなんやろ」
「神のかけらって伝説の?」
「そうや。おそらくそれをゼティマ王国に献上して降る気なんやろ。
だからこそ渡すわけには…」
「裕ちゃん!騎士団のやつら追ってきよったで!
でもちょっと様子がおかしいんや」
「様子がおかしいって何がや?みっちゃん」
「矢口はおろか、4剣神が一人もおらへんねん」
「それはやばいな…よっすぃー!
あんたらはとりあえず逃げぇ!」
「えっ!?ちょっ中澤さん?」
- 138 名前:第2話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/16(木) 22:53
- 「わかった。とりあえず東へ行ってみるよ」
そういって吉澤達は亀井の手をひっぱって走っていった。
「こっから東ならあの城へ行くことになるやろな…
かつて迅雷の英雄達が拠点にしたあの城へ…」
「考えこんどる暇はないで裕ちゃん!」
「心配ないでみっちゃん。
矢口や紺野、それに4剣神がいないんならあいつらはただの雑魚やで?
かるーく蹴散らしたるわ!」
そういって中澤と平家は剣を抜いて騎士団に向かっていった。
- 139 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/16(木) 23:04
- 「ん…?あれ?オイラいったい…」
「あ!団長、だから無理しないでくださいって言ったじゃないですか。
ゆっくり休んでてください!」
紺野がめずらしく厳しい声で矢口に言った。
「あ、ああ…」
その気迫に押された矢口。
とりあえず二日休むことになった。
「…休みっていってもこんなとこじゃあなぁ…」
訓練場に行ってみることにした矢口。
中では辻が素振りをしていた。
「辻!?おまえが訓練してるなんてめずらしいな。
今夜は雪でも降るかも…」
「矢口しゃん、ののはもう負けたくないのれす!
いくら紋章のせいで力が半減していたとはいえ、
4剣神が軽々しく負けるなどあってはならないんれす!」
- 140 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/16(木) 23:14
- 「つ、辻がものすごく燃えている…とりあえずやらせておこう。
強くなってくれたらオイラもうれしいからな…」
辻の邪魔をしないように静かに訓練場を後にした。
つづいて読書でもしようと図書室にやってくると、
加護が魔法の勉強をしている。
「か、加護まで勉強を!?
これはあさってあたり、マジで剣が降ってきそう…」
真剣な加護を見て、思わず考え込む矢口。
しかし二日後に矢口達に降るのは雪でも剣でもなく、試練であった…。
- 141 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/16(木) 23:35
- そして二日後、矢口達のもとに一通の書状が届いた。
「…そんな…馬鹿なことがあっていいものか…」
「もはやあの人たちにとって我々は目のうえのたんこぶってことみたいですね…」
「だべな…」
「「「それってもう私らがいらないってこと?」」」
「そうだろうな。でなければオイラ達を全員クビにしたりはしないはず」
矢口達に届いた書状の内容は、
騎士団の重職にいる者を全員クビにするということであった。
「どうしましょう?団長」
紺野が聞いた。
「もうオイラは団長じゃないしな…
とりあえずみんな好きにしなよ。家に帰るなりなんなり…」
「団…矢口はどうするんだべ?」
「とりあえずいろんなとこに行こうと思ってる。
明日から自由の身だからな…」
そういうと矢口は会議室を後にした。
- 142 名前:スペード 投稿日:2004/09/16(木) 23:45
- 更新終了!
136は飯田視点じゃなく、よっすぃー視点でした。
申し訳。
明日はできるかどうか微妙ッス。
- 143 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/17(金) 00:13
- 急展開!!!で、引っ張られると・・・いけずですな〜。
- 144 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/17(金) 23:24
- 自室に戻った矢口は鎧を脱ぎ、旅の支度をはじめた。
ついでに上でまとめていた髪も下ろす。
「まぁこんな感じか。これならオイラが矢口真里だってわかんないだろ」
今の矢口の格好は普通の女性冒険者のような格好だった。
「さてと、とりあえずこれだけは持っていかないとな…」
そういって矢口は剣を磨きはじめた…
「お嬢様、16歳のお誕生日、それに騎士団に入団まことにおめでとうございます」
「うん、ありがとう!」
「そこで今日はお嬢様にお渡ししたいものがございます」
「なあに?」
- 145 名前:第2話〜矢口視点(過去編) 投稿日:2004/09/17(金) 23:36
- 「なあに?」
「これは奥様からお嬢様が16歳になられたらお渡しするようにと言われた物です」
「お母さまが?」
「ええ…とりあえず開けてみてください」
矢口が箱を開けると中には一本の剣が入っていた。
「うわぁ…綺麗な刃」
「それは奥様が昔使っていた物らしいのです」
「お母さまが…この剣大切にしないとね!」
「とりあえず食事にしましょうか?」
「うん!」
- 146 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/17(金) 23:47
- 「…いけね、ついしんみりしちゃった。とりあえずこんなもんでいいかな」
支度もできたのでブラス城を後にしようと西門へとむかっていった。
門の下に入ると、
「まったく…待ちくたびれたべさ」
「な、なっち?なんでここに…」
「うちらもおるでー」
出口では安倍に辻加護が待っていた。
「あ、あと紺野も用事片付けたら合流するって言ってたべ。小川はとりあえず家に帰るってさ」
「そ、そう。でもなんでオイラに…」
「そんなもの、矢口しゃんが一人で解決しようとしてるなんてバレバレなのれす。
それを黙って見過ごすほど人ができていないれすからね」
- 147 名前:第2話〜矢口視点 投稿日:2004/09/17(金) 23:58
- 「どうせ気付いたのは紺野だろ…?
それで紺野の用事ってのは今回のことに関する何かってとこだな」
「うっ、鋭いべな。まあとにかく行くっしょ」
そういって出発しようとする安倍。
「ちょっ、なっち!?行くってどこへさ」
「今都市部で反乱を起こしてる連中がいるんだべさ」
「とりあえずそいつらのとこに行こうってわけね…。まあいいか、行くぞ!」 「「「おー!」」」
そのころ紺野は…
「お待ちしておりましたよ…飯田圭織さん」
「私たちに何の用?」
「あなたたちに折り入って頼みがあります……」
- 148 名前:スペード 投稿日:2004/09/18(土) 00:06
- 以上で第2話おしまいです。
≫143名無し飼育さん様
途中で切ってしまって申し訳ありません。
物語はこれからがおもしろくなると思いますのでどうぞお楽しみに…
明日は2.5話ミキティ視点をお送りします。
- 149 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/18(土) 00:16
- 更新お疲れさまデス。。。
いやー、ホント急展開ですネ。
これからどうなるのか楽しみです。
- 150 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/18(土) 22:31
- 藤本が城主になってから早一週間。
だんだんと人が集まってきた。
「いやぁそれにしても…」
藤本はアヤカの仕事ぶりを見て驚いていた。
一週間前には机に山積みになっていたはずの書類があっという間に消えてしまっていた。
「アヤカさん、少し休んだほうがいいんじゃ…」
「え?一日8時間は寝てますけど?」
「一日8時間寝ていてあの仕事量!?
あたしにはとてもマネできないな」
「ふふふ。藤本さんこそお休みになられたらいかがです?」
「うーん、もう少しいろんなとこの様子をみてからにするよ」
そういって藤本は秘書室を後にした。
- 151 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/18(土) 23:15
- 「あ、みきたん!今から勝負しない?」
「へ?勝負?あたしと亜弥ちゃんで?」
「うん!みきたん剣も使えるんでしょ?」
「まあいいけど…」
そういって剣を構える藤本。
松浦が槍を振り回して突進してきた。
ヒュンヒュンヒュン!
藤本に向けて突きを繰り出す。
藤本はそれらをすべて横に弾いた。
「突き鋭いなぁ。反撃できそうもないんだけど」
「ふっふっふ、今まで暇してたから槍を振り回すしかなかったんだー!」
「…なんか悲しい」
「まあいいからつづけましょ?」
それから一時間くらい松浦と戦っていた。
- 152 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 00:41
- 「さてと、最近人が集まるようになってきたから城を修理しないとなぁ」
その時みうなが自分の部屋から出てきた。
「あ、みうなさん。あのー城の修理のことなんですけど…」
「ああ、人が増えてきましたからねぇ。わかりました」
そういうとみうなは工具を持って出ていった。
「…うーん、あとは里田さん、毎日なにやってるんだろう…」
とりあえず里田のいるテントへ向かった。
「すいませーん、って何やってんですか!?」
中に入ると里田がセクシーなポーズをとっていた。
「ああ、今セクシー占いを…」
そういって足を組み替える里田。
- 153 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 00:51
- 「…セクシーさは占いに関係ないと思うんですけど…」
的確なツッコミをいれる藤本。
「…はっ!!来た…来たわ…」
そういって頭を抱える里田。
「来たって何がですか?」
「恐ろしい…この国を恐ろしい光が襲って来るわ…。
そしてその兆候は明日、この場所で起こるでしょう…」
「は、はあ…とりあえず失礼します」
そして藤本はテントを後にした。
夜になり、松浦と食事の時、昼間の里田の占いのことを話した。
- 154 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 01:02
- すると松浦が顔色を変えた。
「ちょっとそれってヤバいですよ!?」
「ヤバいって何が?」
「だって里田さんの占いって外れたことがないんですもの!」
「んでもこの国に災いが降り掛かるなんて占い信じがたいな…
それに明日ここに何かが起こるって言ってたけどなんか嘘臭いなぁ」
「………」
とりあえず食事も終わり、部屋に戻って休むことになった。
しかし翌日、藤本は里田の占いをバカにはできなくなる…。
- 155 名前:スペード 投稿日:2004/09/19(日) 01:07
- とりあえずここまで、
明日の更新で2.5話を終わらせます。
≫149ミッチー様
急展開が好きなもので…(単に文才がないだけ)
最後までお付き合いいただけるとありがたいです。
とりあえず明日は昼間から更新します。
- 156 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 15:41
- 翌朝、藤本が城の外に出てみると、
「…だから今すぐ城主を呼んでこいと言ってるだろう!」
「そんなことできません!」
何やら門の前で松浦と騎士達がもめているようだ。
「あの…どうかしたんですか?」
「あ、みきたん!なんかこの人達が城主を呼んでこいって言ってるんだけど」
それを聞いた藤本は騎士達に向き直り、
「私が城主の藤本ですけど何か用ですか?」
すると騎士達の中からいかにもおえらいさんみたいな格好をした人が出てきた。
「ほほぉ、あなたがここの城主さん。なるほどねぇ、問題起こすのもうなずけますなぁ」
「…何が言いたいんです?」
いらだちながら藤本は言った。
「何がも何もあなた、勝手に城の中で商売されては困るんですよ」
「あなた達には何も迷惑はかかっていないと思うんですけど?」
- 157 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 15:55
- 「いいえ。この城はハロー王国の領土の中にあるんです。
ですからこの国の法律を守っていただかないと…」
「だから何が言いたいんですか!?」
「…ずいぶん強気な態度ですがそんな態度を取り続けているとあなたの父上の立場が危うくなりますよ?」
「父は関係ありません!」
「とにかく!今すぐ商売をやめること!
でなければあなたを城主から解任、および逮捕します!
よろしいですね?」 議員は強い口調で言った。
「お断りします。バッカじゃないの?」
「やれやれ…捕まえて連れていきなさい」
「はっ」
騎士達が藤本を捕まえようとしたが、
藤本と松浦が武器を持って構えていた。
「いやいやいや。あなたこの上反逆までする気ですか?
議員に手を上げたものは死罪なんですよ?」
- 158 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 16:05
- 「死罪?それはそちらの国の法律でしょう?
私たちはもうあなた達ハロー王国に従う気はありません!」
藤本が強い口調で言った。
「命令を変更します。この場で切り捨てなさい」
「はっ」
騎士達が剣を抜いて藤本に近づいてくる。
「みきたん!下がってて!
我が右手に宿りしユニコーンの紋章よ!その力を解放せよ!」
松浦の右手が輝き。槍を横に振り回すと、騎士達にむかって衝撃波が飛んでいった。
「うわあああ!」
衝撃波に吹き飛ばされる騎士達。
「なっ、何をやっとるんだこの馬鹿者共!」
怒鳴りつける議員だったが、
「まだやる?」
藤本が剣を構えていた。
- 159 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 16:16
- 「くっ、おまえらこの私に逆らったこと絶対後悔させてやるからな!!」
なんだかどこかで聞いたことがありそうな捨て台詞を残して議員達は帰っていった。
「ふぅ…」
思わず安堵のため息をもらす藤本。
今までのもめごとを見ていたのか、藤本の元に人が集まってきた。
「みきたん。大丈夫かなぁ?」
「藤本さん、あたし達商売していてもいいの?」
「大丈夫です!絶対あいつらのいいなりになんかなりません!」
「うん!絶対みきたんをやめさせたりしないんだから!」
「おお!!」
「そうだそうだ!」
「みんな…ありがとう!」
藤本は今感激の気持ちでいっぱいだった。
- 160 名前:第2.5話〜藤本視点 投稿日:2004/09/19(日) 16:28
- 「ふう…」
部屋に戻ってきた藤本。
「これでいいんだ…。
あたしが父の元を離れたのも、あたしのもってるこの紋章が狙われていることに気付いたから。…だからあたしは戻らない」
藤本は闇を放っている右手を見た。
「この…闇の紋章だけは絶対に渡さない!」
そして藤本は眠りについた。
そして翌日、
「すいませーん!」
早朝だというのになにやら甲高くてアニメのような声が聞こえてきた。
「はぁ…なんなんだろう?空気読めてなさそうな声だったなぁ」
外に出るとなにやら四人の女性が門の前に立っていた。
そしてこの四人、さらにまたくる人達が藤本にとっての救世主になる…
- 161 名前:スペード 投稿日:2004/09/19(日) 16:30
- 第2.5話終わりです。
第3話は今夜か明日やる予定です。
では、また…
- 162 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/20(月) 22:01
- 神官将との戦いから一日がたって、飯田達はフランシスまで戻ってきた。
「うん!似合ってるじゃん田中ちゃん」
「ええー?なんかごわごわしてて着にくいっちゃ」
田中は今まで草原人の民族衣裳だったが、
都市部では目立ってしまうため、洋服に着替えさせられていた。
「そんなこと言うなよ。わざわざゼティマ王国の首都ハイランドから仕入れてきたやつなんだからな」
高かったんだぞ、と市井は文句を言った。
「誰かさんの酒代よりよっぽどマシだ」
飯田が言うと、
「はう!それは…」
市井は思わずうずくまった。
「あ!あいつは…」
田中が見つけたのは紺野だった。
弓を構えようとする田中。
しかし後ろから道重に止められた。
「何するっちゃ!」
「今れいなが射れば確かに一矢報いることもできるかもしれない。
でもれいなも確実に死ぬよ」
- 163 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/20(月) 22:15
- 「わかったっちゃ」
そういって田中は弓を下ろした。
「にしてもあれは…騎士団の副団長でしょ?なんでこんなとこに…」
「さあな…とりあえず宿に泊まるぞ」
一行は宿に泊まった。
そして夜中、
飯田は一人で外を歩いていた。
すると、
「ゼティマ王国国境警備隊の飯田圭織さんですね?」
一人の兵士が飯田に話し掛けてきた。
「そうですが…」
「紺野様からあなたにこれを渡すよう頼まれました」
そうして一枚の紙を飯田に渡した。
「『明日北の洞窟にて待つ』か…」
「では、失礼します」
そういって兵士は消えていった。
「……」
飯田も宿に戻っていった。
- 164 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/20(月) 22:29
- 翌朝、
「ふあーあ、ったくせっかくもう少しでかわいこちゃんと…だったのに」
夢でも市井はナンパをしていたようだ。
「ZZZ…市井ちゃんのうわきものぉ…」
寝呆けながらも妬いている後藤。
「ZZZ…神官将様ごめんなさーい…」
寝ながら神官将に謝る新垣。
「ZZZ…さゆかわいい?」
「ZZZ…そんなの知らんたい」
そして寝ながら会話をする田中と道重。
「まったく…全員起きろ!」
「「「「はーい…」」」」「ZZZ…」
「とりあえず町を出て北の洞窟へ行くぞ」
「りょうかーい!」
「ZZZ…」
「「「「「…せーの、いいかげん起きろ後藤ー!」」」」」
「んあ?」
- 165 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/20(月) 22:51
- フランシスを出て北へ15キロ、一行は洞窟にやってきた。
「洞窟ってじめじめしていやぁ」
後藤が愚痴をこぼす。
「がまんしろ後藤。にしてもリーダー、こんなとこに何の用なんですか?」
市井が聞く。
「ちょっとした待ち合わせよ」
「待ち合わせねぇ、ま、いいか」
しばらくして、一行は開けたところに着いた。
「やれやれ…先は長いんですねぇ、ってリーダー何してるんです?」
「あのな新垣、さっきからつけられてるのに気付かなかったか?」
市井が言う。
「…いいかげんに出てきたらどうだ?保田よ」
飯田が後ろに向かって言った。
「フッさすがは永遠のライバルね!私の尾行を気付くとは」
「…何の用だ?」
「何の用も何も飯田圭織!
あんたにはハレリヤに出頭命令が出ているはずよ!
連行するわ」
- 166 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/20(月) 23:02
- 「いやだと言ったら?」
「フッ言うと思ったわ。
見逃してほしかったらあたしと一騎打ちで勝負しなさい!」
「保田さん…単にそれがしたかっただけじゃあ…」
麻美がツッコむ
「仕方ないな…」
飯田は剣を抜いた。
「フッ今こそ決めてやるわ!どっちが警備隊ナンバーワンなのかを!」
保田も剣を抜き、飯田に突っ込んでいった。
「やれやれ…」
カキン!
飯田は一撃で保田の剣を上に弾いた。
「な…!」
ガシャーン!
さらに飯田は柄で保田を吹き飛ばした。
「くっ、なんでこんなに…」
「知りたいか…?」
飯田が保田の首を掴む。
「それはな…おまえが弱いからだよ!」
追い打ちをかけるように保田を蹴り飛ばした。
- 167 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/20(月) 23:12
- 「もういいだろ?リーダー」
市井が止めに入る。
「ああ…」
ミカに介抱される保田を置いて、飯田達は先へ進んでいった。
「それにしても…リーダー強っ!」
新垣が言った。
「当然でしょ?リーダーなんだから」
後藤が答える。
「そういう問題じゃない気が…」
そんな会話をしながら先に進むと、なにやら光が差してきた。
そこに待っていたのは…
「お待ちしていましたよ…飯田圭織さん?」
元ハロー王国騎士団副団長紺野あさ美であった。
- 168 名前:スペード 投稿日:2004/09/20(月) 23:15
- 本日はここまで。
バイト先で流れていた青色7の曲を思い出しながらの更新でした(特に意味なし)
では、また明日…
- 169 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/21(火) 02:12
- 更新お疲れさまデス。。。
やっぱり面白いネ、この話。
これからどーなるのでしょうか?
青色7か…懐かしいな。
- 170 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/21(火) 21:12
- 「あんた…騎士団の副団長でしょ?
私たちに何の用なの?」
市井が紺野に尋ねた。
「あなた達に頼みたいことがあります…」
「いや、あたしらゼティマ王国の警備隊よ?そんな物聞くはずが…」
「ありますよね?なにせあなた方は今お尋ね者ですから…」
「そこまでわかってるのか…」
「だから聞くしかないと思いますよ。
なに、私たちも騎士団を辞めましたからご心配なく…」
「へ!?辞めた?しかもあんただけじゃないの?」
新垣が聞いた。
「ええ。団長である矢口真里も、主力の4剣神もね」
「ほう…理由は?」
「議会のやり方についていけなくなったから、ですかね」
- 171 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/21(火) 21:26
- 「…私たちに頼みたいことって?」
「こちらについてきてください…」
紺野は光のさす方へ歩いていった。
一行が紺野についていくと、光が大きくなり、やがて外に出た。
「あちらを見てください」
紺野の指差す方を見ると、
「あれは…城?」
「あの城は今ハロー王国に対して反乱を起こしています」
「それで?反乱を鎮めてほしいの?」
「逆です。反乱を助けてほしいのです。
議会を黙らせるにはこれしかありません」
「議会を黙らせる?」
「議会は今神のかけらを探しています。
それをもってゼティマ王国に降ろうとしているのです」
- 172 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/21(火) 21:59
- 「なるほど、議会が反乱を鎮められないとなると…」
「ええ。議会は弱体化するでしょうね」
「わかった。今から行ったほうがいいだろう?」
「ええ。それに団長達もすぐ来ると思います」
「ほう…矢口真里が」
「あ、それとこないだ安倍さんを負かしたのあなたですね?」
「ああ…」
「リーダーそんなおもしろいことやってたんですか?」
市井が聞いた。
「ああ…。あとであんたもくるんだろう?」
「もちろんです。あ、矢口さんに報告しなきゃならないんで失礼します」
そういって紺野は走っていってしまった。
- 173 名前:第3話〜飯田視点 投稿日:2004/09/21(火) 22:20
- 「さて、あたしらも行くぞ」
そういって飯田も来た道を戻っていった…。
そして洞窟からさらに北へ2キロ、一行は古城に着いた。
「ずいぶん古い建物だなぁ」
「ああ、20年以上前からあるからな」
「へえ。でもなんでリーダーがそんなことを…」
「とりあえず中に入るぞ」
そして一行が城に入ると、「あー!!てめえは…!」突然市井が声をあげた。
そこにいたのは…。
「そういうあんたはこないだのナンパ女ぁ!!」
吉澤ひとみとその一行であった…
- 174 名前:スペード 投稿日:2004/09/21(火) 22:33
- 本日はここまで。
≫ミッチー様
話はこれからまとまった感じになると思います。
視点を統一したりして…
今日はキャラの強さを順番にしようと思います。
順番は、
飯田>矢口>吉澤=安倍=市井≧後藤=藤本≧紺野=石川>松浦=辻=加護≧小川=新垣=道重>田中=高橋=亀井って感じです。
ではまた明日…
- 175 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/22(水) 02:18
- 更新お疲れさま。
へぇ、飯田さんが一番強いんだ。
いよいよ皆が集結しますネ。
頑張って下さい。。。
- 176 名前:第3話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/22(水) 20:00
- 「とりあえず逃げろって言われてもどこまで逃げればいいの?」
石川が走りながら聞く。
「とりあえずあいつらが追ってこなくなるまで。
だから高橋!風の紋章を!」
「はーい!我が右手に宿りし風の紋章よ!その力を解き放て!」
高橋の右手が輝き、追い掛けてくる騎士達の前に砂嵐があらわれた。
「うわっ!」
風が強いため、騎士達は追い掛けることができなくなった。
「ふう…高橋。ありがと」
「はあっ、全力使っちゃいましたよ」
「まあここまでくればもう追ってこないだろう」
「これからどうするの?よっすぃー」
「あの城にかくまってもらおうよ。ってまだ起きてないか?こんな時間じゃ」
「大丈夫だって。とりあえず聞いてみましょ?」
そういって城に向かっていく石川。
- 177 名前:第3話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/22(水) 20:12
- 「ちょっ、梨華ちゃん?」
吉澤達も石川の後を追った。
「すいませーん!」
まだ太陽が出ていないうちからこの甲高い声、
住人にとってはさぞかしいい目覚ましになったであろう。
城の入り口から一人の女性が出てきた。
石川はその女性に詰め寄り、
「あのー、私たちをここに泊めてくれませんか?」
「い、いやいきなり言われても…」
藤本はかなり困っていた。
「だったらここの城主を呼んでください」
石川がさらに声を高くして言った。
「あの…一応私です。
とりあえず話は奥で聞きます」
そういって城のなかに吉澤達を案内した。
- 178 名前:第3話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/22(水) 20:24
- 「…なるほど。ではあなたたちは草原人なんですか」
「ええ。必死に逃げ回っていたらここに着いたんです。
ですから他に逃げ道がなくって…」
「それはお困りでしょう。
ここでよかったらどうぞ泊まっていってください。
お部屋も用意いたします。
そのかわり少し手伝ってもらいたいことがあるんですが…」
「いいですよ。その手伝ってもらいたいことってなんですか?」
吉澤が聞いた。
「ええ。この城、ちょっと古くなっちゃって所々痛んでるでしょ?
ちょっとそれの修理を手伝ってほしいんです」
「そんなことならいいですよ。ねえみんな?」
「もちろん!」 石川達は口をそろえて言った。
「とりあえず今日はお疲れでしょうし、ゆっくりこの城を見物してってください」
- 179 名前:第3話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/22(水) 20:36
- 藤本に言われたとおり、この日は一日城内を見物することにした。
まずは痛んでる武器を鍛冶屋のあさみさんに直してもらい、
その間に吉澤は一人で里田のテントに入っていった。
「あらいらっしゃーい」
…中では里田がまたも悩ましげなポーズをしていた。
「あの…ここは?」
「占いやってるの。占ってあげましょうか?」
「はあ、じゃあお願いします」
「じゃあはじめるわ…うーん、むむむっ、はっ!」
突然里田の動きが止まり、そのまま一分くらい目を見開いていた。
「あの…」
吉澤が声をかけると、突然里田が話しだした。
「あなたのまわりには三つの輝く星が見えます。
そしてそれはあなたとともに一つの闇にぶつかっていくでしょう。
その先は…今の私にはわかりません…」
- 180 名前:第3話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/22(水) 20:45
- 「三つの輝く星に一つの闇?…いったいなんのことだろう」
「残念ながら今の私にはそれが何を指すかはわかりません…」
「そうですか…。いや、ありがとうございました」
お礼を言って吉澤はテントを出ていった。
外に出るとずいぶん時間が経っていたようで、あたりは夕焼けに包まれていた。
「もうみんな戻っているだろうし、私も戻ろう」
そして吉澤は鍛冶屋に武器を取りに寄って城に戻り、ゆっくりと休みをとった。
- 181 名前:第3話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/22(水) 20:55
- そして翌日、
「みきたーん!大変大変!」
松浦が藤本に走りよってきた。
「どうしたの亜弥ちゃん?」
「今朝城の前にこんな手紙が届いたの」
吉澤が手紙をみると、
「なになに?明日までに城主藤本美貴をフランシスに出頭、
および商売の廃止をしなければこの城を破壊させていただきます、
フランシス評議会
なにこれ!?脅迫状みたいなものじゃない?」
「ああ、一昨日も商売を廃止するように言ってきたんだ。
それを断ったら反乱だって…」
「許せない…!これが都市部の人間のやり方なの!?」
吉澤は怒りをあらわにした。
「こうなったら私たちも協力するわ」
石川が続けた。
- 182 名前:第3話〜よっすぃー視点 投稿日:2004/09/22(水) 21:03
- 「本当!?」
「もちろんやざ!」
「あたしも戦う!」
高橋と亀井もやる気だ。
「ありがとう!絶対勝つよ!」
「「「「「おおー!!」」」」」
そんな感じで士気も高まった翌日。
「さーて、城の修理も完璧にしないとねー」
吉澤が城の入り口を通りかかったとき、
「あー!!てめえは!」
そんな声が聞こえたので振り向くと、
「そういうあんたはこないだのナンパ女ぁー!!」
吉澤の前に現われたのはフランシスで高橋と亀井をナンパした市井さやかであった。
- 183 名前:スペード 投稿日:2004/09/22(水) 21:08
- 今日はここまで。
ようやくよっすぃーとリーダーの視点がそろってきた…
≫175ミッチー様
飯田さんは今のところ最強です。
その謎は次回解明されます。
ではまた次回…
- 184 名前:第3話〜矢口視点 投稿日:2004/09/24(金) 21:55
- 「矢口さーん!」
飯田に会い、自分の用事をすませた紺野が待ち合わせ場所にやってきた。
「遅かったな。用事って何やってたんだ?」
「人に会ってたんですよ。ちょっと依頼をしにね」
「依頼って誰にさ」
「飯田圭織さん。こないだ安倍さんを負かした人ですよ」
「!!!マジで!?名前わかったんだ。」
「ええ。数日間フランシスにいたこともわかってましたから探すのは容易でしたよ。」
「ふーん。何頼んだのさ?」
「あたしらのお手伝いを」
- 185 名前:第3話〜矢口視点 投稿日:2004/09/24(金) 22:08
- 「信用できるの?」
矢口が聞いた。
「少なくとも実力は信用できると思いますよ。
安倍さんを負かした人ですし。
それに…」
「それに?」
「私の記憶が正しければ18年前の騒乱にも参加していたはずです」
「ウソだべ!?だってどうみても20代にしか見えなかったけど」
安倍が驚く。
「ええ。だから宿していると思うんです。
…神のかけらを。」
「「「「えええ!!?」」」」
「でなければ4剣神の筆頭である安倍さんが負けた理由が説明できません」
「たしかに…」
妙に納得する一同。
「それに他の人達もかなりの実力者だと思いますよ。」
「ふーん。まあ紺野が言うならそうなんだろうな」
- 186 名前:第3話〜矢口視点 投稿日:2004/09/24(金) 22:37
- 「それにしても…議会のやつら、好き勝手やりすぎだべさ!」
「ホンマやな。
うちらに話もせんと、勝手に兵を草原部に出しおって」
「それにしても草原人が神のかけらをもってるってほんとれすかね?」
「それは間違いないでしょうね。
議会があれだけ必死なんですから」
そんな話をしながら藤本のいる城に着いた。
「あれか?ずいぶん古いな」
「飯田さんはどこにいるんだろう?」
「あの人じゃないか?…あ、あの子は…」
矢口達が見たのは、飯田と話をしている吉澤の姿だった。
- 187 名前:第3話 投稿日:2004/09/24(金) 22:49
- 少し時間を戻して、
「てめえがなんでこんなとこにいるんだよ!!」
「あんたこそここになんでここに来るのよ!?」
市井と吉澤は今にも喧嘩を始めそうであった。
「ちょうどいいや。
あんときゃ後藤に邪魔されたからな。
表出ろや!!」
「ジョートーだよ!」
そういって吉澤と市井は外に出ていった。
「さあーて、やめるんなら今のうちだぜ?」
そういって双剣を抜く市井。
「あんたこそ。怪我しないうちにやめたら?」
吉澤も刀を抜いた。
「いくぞおらぁ!!」
市井が吉澤に向かっていく。
- 188 名前:第3話 投稿日:2004/09/24(金) 23:04
- 吉澤も市井に向かって行こうとするが、
「あだっ!!」
市井が吹っ飛ばされていくのを見て動きを止めた。
「……?」
市井がいたところを見ると。
「…まったく、いらぬトラブルを招くようなことをするなと何回いえばわかるんだ!?」
飯田が市井を蹴り飛ばしていた。
「もとはと言えばいちーちゃんがナンパするからいけないんでしょーが!!」
後藤も続けて言った。
「はい、すいましぇん…」
そして吉澤に向かって
「ごめんねぇいちーちゃんが迷惑かけちゃって」
と謝った。
「は、はあ…」
吉澤はちょっととまどい気味だった。
その様子をみていた飯田は、
(あの娘、もしかして…!?)
まわりからみたらただぼーっとしているようにしか見えないが、
飯田は今吉澤に一つの可能性を見いだしていた…
- 189 名前:第3話 投稿日:2004/09/24(金) 23:16
- 「ほら、いちーちゃんも謝りなよ」
「なんでこんなヤツに…」
「いちーちゃん!いいかげんにしろー!!」
ギュウウッ
「いたっ、やめっ後藤、その間接はそっちにまがらねぇ…うぎゃっ!」
「とりあえず放っておこう…」
市井達は放っておき、飯田のもとに向かっていった。
その時
「吉澤さーん!久しぶりだっちゃ!」
田中が声をかけてきた。
「田中!?おまえ無事だったんだ?」
「うん。この飯田さんに助けてもらったけんね」
「そうだったんですか…ありがとうございました」
飯田に頭を下げた。
「気にすることはない…それより君たちはなぜここへ?」
「騎士団から逃げ回っていたらここに着いたんです。
で、ここの城主さんが困っていたからお手伝いを…」
- 190 名前:第3話 投稿日:2004/09/24(金) 23:26
- 「そうなのか…」
「あの、あなた方はなぜここへ?」
吉澤が聞いた。
「ある人物からここの反乱を助けるよう依頼されてな…」
「ある人物?」
「ハロー王国騎士団副団長の紺野あさ美だ」
「!?どういうことです?」
「なんでも本人曰く騎士団をやめたそうだ。
騎士団の主力メンバーは」
「やめた!?」
「ああ。そしてもうすぐここに来るそうだ」 「もうすぐここに…」
吉澤は複雑な心境だった。
高橋を傷つけた騎士団は許せない。
でも今から来る人達は騎士団をやめ、自分達の味方になろうとしている。
そして何よりあの時矢口が言った謝罪の一言が吉澤の胸に深く突き刺さっていた…
- 191 名前:スペード 投稿日:2004/09/24(金) 23:28
- 今回はここまで。
次回は明日か明後日に…
- 192 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/25(土) 02:02
- 更新お疲れさまデス。。。
遂に皆が揃いますネ。
どうなっていくのやら…。全く読めん。
頑張って下さいネ。
- 193 名前:第3話 投稿日:2004/09/25(土) 22:26
- 「…噂をすれば来たようだな」
「えっ?」
吉澤が振り向くとそこには矢口達がいた。
あの時とは格好は違えど間違いなく矢口その人であった。
「あなたは…」
「…」
矢口はうつむいたまま何も話そうとせず中に入っていった。
するとそばにいた安倍が飯田に近づき、
「久しぶりだべな、飯田圭織さん。
それとあなたも…」
と言った。
「え、ええ。私は吉澤ひとみって言います」
「安倍なつみだべ」
「紺野あさ美です」
「加護亜依や」
「辻希美なのれす」
「…飯田圭織だ」
とそれぞれ自己紹介をした。
- 194 名前:第3話 投稿日:2004/09/25(土) 22:45
- 一同はとりあえず城に入って話をすることになった。
当然藤本達も参加する。
吉澤と矢口は一番席が離れていた。
「藤本さん、今この城で戦える人ってどれくらいいます?」
紺野が中心となって話を進める。
「ええと、百人くらいですかね」
「百人か…騎士団はどれくらいいるんだ?」
飯田が聞いた。
「総勢二千ってとこですかね…」
「分が悪いな…百ちょっと対二千か…」
「どうしたらいいもんかねー?」
市井がだるそうに聞いた。
すると突然石川が
「あ!!中澤さんに助けてもらえばいいんだ!」
「んでもこないだ戦ったばかりだべ?
だいたい草原人の戦力ってどれくらいなの?」
「たぶん…八百〜九百くらいかと」
吉澤が答える。
「千対二千ですか!それなら勝ち目はあります!」
- 195 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 00:05
- 「なら早く呼んでこないと…」
「待て、そう簡単に兵を出してくれると思うか?」
矢口が口を挟んだ。
「たしかに、これは都市部で起きた問題ですからね」
「なら私も一緒に行こう。私が行けばなんとかなるはず」
飯田が言った。
「あなたが…?」
「わけは後で話す。時間がないんだろう?」 「たしかに…、ならお願いします飯田さん。
他に人手は…」
「二人で大丈夫だ。ここの準備も必要だろう?」
「わかりました。では急ぎましょう!」
そうしてそれぞれ戦いの準備を始めた。
- 196 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 00:15
- そしてこちらは飯田と吉澤。
二人で中澤のいる村に向かった。
「けどどうしてあなたが?」
「おまえの村に石黒彩がいるだろう?」
「ええ。たしかにいますけど…」
「石黒とは昔から知り合いだからな…」
「そうだったんですか…」
そんなやりとりをしているうちに村に着いた。
「母さーん?」
「ひとみ!?どないしたん?戻ってきて」
「大事な話があるの…」
「わかった。とりあえず奥で話そ」
そういって吉澤と飯田を奥へ案内した。
- 197 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 00:24
- 奥では平家と石黒が待っていた。
「あやっぺ…」
「圭織!?無事だったんだ…でもどうしてここに?」
「実は…」
…………………
「…なるほど、議会の力を削ぐために反乱を成功させようってわけやな?」
平家が聞いた。
「ええ。そのためにはあなたがたの力が必要なんです」
「わかった、協力したる」
「ありがとう母さん!」
「気にせんでええよ。
それより…あんたの右手にあるの、神のかけらやな?」
中澤が飯田に聞いた。
「ええ…」
そういって飯田は右手の手袋を外した。
そこには赤く輝く紋章があった…
- 198 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 00:35
- 「これは…!!」
「真なる火の紋章だ」
「それじゃあやっぱりあんたが…」
「…」
石黒は一人浮かない表情だった。
「まあこの話は後程。
それより…少し娘さんをお借りしますがよろしいですか?」
「ええ…ではうちらは先に行ってます」
そういって中澤達は準備を始めた。
そして飯田と吉澤は村の外れにある洞穴に入っていった…
奥に進み、大きな扉の前に着いた。
「こんなとこで何をするんです?」
吉澤が聞く。
「…とりあえず今から私と戦ってもらう」
「へ!?」
その予想外の返事に吉澤はただ唖然とするしかなかった…
- 199 名前:スペード 投稿日:2004/09/26(日) 00:40
- とりあえずここまで。
やなとこで切っちゃいましたね。
≫192ミッチー様
とりあえずみんな揃いました。
ここまでは思い描いてた感じでできました。次回もがんばります。
- 200 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 16:06
- 「戦うって…あなたと!?」
「他に誰がいる?」
「いや、いないですけど…」
「ならいいだろう?時間がないんだ」
「でもなんで…」
「ちょっとした実力テストだ」
「は、はあ…」
あまり理解していないものの、とりあえず吉澤は刀を抜いた。
「では…いくぞ!」
飯田も剣を抜き、吉澤に向かっていった。
ガキィン!
「ぐっ!」
あまりの衝撃に腕が痺れてきた。
「どうした?これからが本番だぞ」
そういって剣を構えなおす。
- 201 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 16:24
- その後も飯田の剣を受けるたびに刀を弾き飛ばされそうになっていた。
(つ、強い…さすが神のかけらの継承者…
でもあたしも負けない!)
飯田の下からの斬撃を身を引いてかわし、
体を捻ってがら空きになった胴を狙いにいった。
ガキィン!
しかし胴に命中するより早く飯田の剣がそれを防いだ。
(この感じ…型は違うけど間違いなくあいつのもの…
だがまだまだ未熟だな)
カシャーン!
止まった姿勢から身を引き、吉澤の刀を落とした。
「くっ!」
「合格だ」
「はい!?」
飯田の理解できない発言に吉澤はまたも唖然としていた。
「いいからついてこいこっちだ」
そういって扉の前に歩いていく飯田。
吉澤も刀を収めてついていった。
- 202 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 16:40
- そして扉の前に立つと、
「扉に手をあててみろ」
言われたとおりに手をあてる吉澤。
すると扉が光だした。
「うわっ!」
突然のことに驚く吉澤。
光はさらに大きくなり、
光が消えると扉もまた消えていた。
「こんなものが…」
「中に入るぞ」
中に入ると直径約50メートルほどの円形のドームになっていて、
飯田達が入ってきたちょうど反対側に墓がぽつんとあるだけだった
墓の前に立つと、
「左手を上げろ」
と言われたので上げると、
「うわっ!」
吉澤の左手が緑色に光を放ち、
光が消えると吉澤の左手には紋章がつけられていた。
- 203 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 16:51
- 「こ、これは…!?」
「真なる雷の紋章だ。迅雷の英雄が宿していた、な…」
「これが!?でもどうしてあなたがそんなことを…」
「それは…私が迅雷の英雄の仲間だったから。
ついでにいうとあやっぺ…石黒彩も同じだ」 「あなたが!?」
「そしてここは迅雷の英雄の墓場でもある」
「いったい18年前に何が…」
「無駄話はここまでのようだな…」
「えっ?」
「さっきから盗み聞きしているのがバレバレだぞ」
飯田が後ろを向くと、
「盗み聞きする気はなかったがな…」
そこには黒い服の女性、大谷雅恵が立っていた。
- 204 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 17:04
- 「お、おまえは…」
「まさかそんな小僧が神のかけらの継承者とはな…
まあいい、殺されたくなければおまえらの紋章を二つとも俺に渡せ!」
「お断わりだ」
飯田が言った。
「ならば死ねい!!」
双剣を抜き、飯田に猛スピードに向かっていった。
キィン!
ドカッ!
「くっ…」
しかし飛ばされたのは大谷の方だった。
「威勢がいい割に実力はそんなものか?」
「…ならばそこの小僧の紋章だけでももらっていくぞ!」
「なっ!!」
「我が右手に宿りし雷鳴の紋章よ!その力を解放せよ!」
そういって大谷は吉澤に向かって魔法を放とうとした。
- 205 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 17:14
- 吉澤は思わず身構えたが、
「あれ?」
雷撃が起こるどころか大谷の右手すら輝かなかった。
「な、なぜだ…!?」
愕然とする大谷。
「このドームはな、真なる雷の紋章の暴走を押さえるために
雷の魔法を遮断する特殊加工がなされている」 飯田が言った。
「な、なんだと!?」
「さあーて、続ける?」
吉澤が一歩前に出る。
「くそっ!おまえらの紋章はかならずいただくからな!!」
そういって大谷は闇に消えていった…
「ふう…」
「だいぶ時間がかかったな。
もう夜になってるかも」
「ほんとですか!?いそぎましょう!」
吉澤達は急ぎ城に戻っていった…
- 206 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 22:13
- 少し時間を戻して、
「何であいつについていくって言ったのかねぇ、うちのリーダーは」
市井が言った。
「さあ?リーダーが謎だらけなのは今に始まったことじゃないし、
それにあの娘かなり強そうだよ?」
「あんなのがぁ!?」
「あのままやってたらいちーちゃん負けてたかもね」
「はっ。国境警備隊ナンバー2のこの俺があんな草原人達に負けるかよ!」
「あんな草原人達で悪かったな」
市井の後ろから中澤達が現れた。
「うわっ!誰!?」
「呼んどいて誰とはなんや」
「じゃああんたが…」
「そ、援軍やで」
- 207 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 22:39
- 「中澤さーん!!おひさしぶりですぅ!」
石川が声を高くして駆け寄ってきた。
「石川ぁー!!耳がキンキンするからしゃべんなー!」
「ひどーい!」
「なかざーさんとりあえず中へ…」
石川を無視して案内する高橋。
「高橋も放置しないでよぉ!」
会議室にて、
「藤本さんやな?」
「ええ…あなたが、中澤さん?」
「ああ、娘から話は聞いたで。協力させてもらうわ」
「はい!よろしくお願いします」
- 208 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 23:05
- 「失礼します」
紺野が入ってきた。
「来たなー!紺野あさ美。それに…」
矢口も一緒に入ってきた。
「なんや?暗いで自分。こんなんじゃ戦力にならへんでー」
「ご心配なく。こんな状態でも誰かさんよりは強いから」
「ほっほー。ずいぶんな憎まれ口やな」
「お二人とももう少し仲良くしてくださいよぉ」
紺野と高橋が二人をなだめる。
「ま、その通りやな。この戦いに勝たなあかんし」
「中澤さん。兵力はどれくらいですか?」
「まあざっと九百ってとこやろ」
「やはり併せても千か…ほんとに勝てるのか紺野?」
矢口が聞いた。
「ええ。とりあえずここにいる人を全員集めてください…」
- 209 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 23:20
- 会議室に吉澤と飯田を除く全員が集まった。
「いいですか、偵察に行った加護さんの話ですと騎士団がフランシスを出るのが明日の夕方。
ですからここに来るのは夜になります
ですから闇に乗じた作戦にします」
「ほう、それは?」
「まず兵を5つに分散します。
矢口さん、飯田さん、吉澤さん、中澤さん、最後に安倍さんをそれぞれ隊長にします。
まず矢口さんは南の山に行ってもらいます。そして東の空が赤くなったら山を下り、騎士団を蹴散らしてください。」
「わかった」
- 210 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 23:34
- 「次に安倍さんと中澤さんはさらに南の森に隠れてもらいます。
一度やりすごし、火の手があがったら逃げてくる騎士団を蹴散らしてください」
「わかったべさ」
「次に今飯田さんがいないんで市井さんが伝えてください」
「あいよぉ」
「矢口さん達が隠れる山からちょうど東に枯れた森林があります。
そこを騎士団が通ったら火をつけてほしいんです。」
「火種は?」
「飯田さんが持ってますよ」
「ふーん」
「最後に吉澤さんもいないから石川さんが伝えてください」
「はーい!」
「吉澤さん達には先陣を任せます。
ただし、少し戦ったら引いてください。
これが作戦開始の合図ですから確実にお願いします」
「わかったわ」
- 211 名前:第3話 投稿日:2004/09/26(日) 23:50
- 「一応振り分けは行動がとりやすいように明日までに私が割り振っておきます」
「まあ天才軍師のお手並み拝見といきますか」
そういって中澤は会議室を出ていった。
「俺達もとりあえずリーダーの帰りを待ちますかね」
「あたしもよっすぃーの帰りを待とうっと」
市井と石川も出ていった。
「あ、あのさ…」
矢口は高橋を呼び止めた。
「はい?」
「こないだはすまなかった」
「ああ。もうええんですよ。
よく考えたらあーしの勘違いみたいでしたし」 「本当にすまない…」
「いいんですよ。それよりがんばりましょう!」
「…ああ!」
- 212 名前:スペード 投稿日:2004/09/26(日) 23:55
- 今回はここまで。
天才軍師紺野あさ美の本領発揮です!
このペースだと戦争は次の次くらいですかね。
ではまた次回…
- 213 名前:第3話 投稿日:2004/09/28(火) 21:13
- 「あ!よっすぃーおかえりなさーい!」
やがて夜になり、吉澤達が帰ってきた。
「すっかり遅くなっちゃった」
「…よっすぃー雰囲気変わった?」
突然そんなことを言う石川。
「そう?別に何もなかったけど…」
「ふーん。あ、よっすぃーに紺野さんの作戦のことを伝えないと」
…………………
「あたしが先陣?ふーん、途中で引けってこと。わかった」
「あたしも一緒に行くからね!」
「う、うん…」
「あ、リーダーおかえりなさい」
市井が飯田を出迎える。
「ああ…」
「今回の作戦に火種が必要なんですけど、
リーダーが持ってるって…」
「火種?…ああ」
真なる火の紋章のことを言ってるんだなと飯田は理解した。
(しかしなんで私が神のかけらを持ってるなんてことを知ってるんだ?)
- 214 名前:第3話 投稿日:2004/09/28(火) 21:33
- 「ふう…」
石黒は一人夜道を散歩していた。
「まさかこんなところで娘に会うとはね…」
するとそこに飯田が現れた。
「あやっぺ…あいつに自分が母親だって名乗らなくていいの?」
「いいのよ…。騒乱の時にわずか3歳だったのよ?
私のことなんて覚えてるわけないじゃない」
「でも…」
「あのねえ、あいつがひとみを捨てたときと同じこと言わないでよ」
「それでいいの!?」
「真里はしっかりした子に育ってる。
それを壊すわけにはいかないのよ…」
「私には理解できないな…」
「 150年も生きてて恋の一つもしなかったのが悪い!」
「バカ…そんなのこれを宿した時に捨てたわ」
- 215 名前:第3話 投稿日:2004/09/28(火) 21:56
- 「はぁ…あんたつまんない人生送ってたんだねぇ」
「私は旅に幸せを感じる人だからね」
「戦は?」
「ないほうがいいに決まってるでしょ?」
「…明日は勝たないとね」
「当たり前でしょ?」
そして二人は部屋に戻っていった。
一方こちらでは紺野が人員を割り振っていた。
「とりあえず全体を見渡しやすい位置にいる矢口さんの隊には私と加護さんをいれて、
あとは基本的に連携を組みやすいように…」 そんなことを考えていると、
「大変だよ紺ちゃーん!」
加護が入ってきた。
「どうしたんです?」
「小川ちゃんが敵の隊長になっちゃった!」
「まこっちゃんが?」
- 216 名前:第3話 投稿日:2004/09/28(火) 22:07
- 「どうしよう…」
「どうしようもなにも、勝つしかありませんよ」
「それじゃあ小川ちゃんはどうするの?」
加護が聞く。
「加護さん。これは戦争ですよ?
まこっちゃんが敵だろうが戦わなきゃいけないんです」
「でも…」
「あなたも軍人でしょう!!?」
紺野が語気を強くして言った。
「うっ…わかりました」
加護はしょぼくれながら出ていった。
「今回だけはやらなければ…たとえまこっちゃんが死ぬことになっても…」
- 217 名前:第3話 投稿日:2004/09/28(火) 22:20
- 「裕ちゃーん!」
準備を進めている中澤のもとに平家がやってきた。
「どしたん?みっちゃん」
「準備はどない?」
「まあぼちぼち。1隊につき二百人に分けるのもだいぶ出来てきたし」
「そうか…それより気にならへん?」
「何が?」
「さっきの女がよっすぃーをどこに連れてったかや」
「よろしくやってたんちゃうん?」
「アホか!!もしかしたらアレ持ち出したかもしれんで」
「まあええんちゃうか。
もともとあいつの父親の持ち物やし」
「…へ?」
「だってウチあいつの父親迅雷の英雄だって知ってるし」
「何で?」
- 218 名前:第3話 投稿日:2004/09/28(火) 22:36
- 「だって18年前やったらウチ13やで?一回会ったことあるし。
もちろんさっきの女、飯田圭織にもな」
「だからずいぶん落ち着いてたんやなぁ」
「まあ来るべき時が来たって感じやからな」
「じゃあ…」
「まず間違いなく渡したやろうな…真なる雷の紋章を」
「そんな…」
「あの娘には辛いことかもしれん…永遠の生という名の牢獄は」
「裕ちゃん…」
「けどあいつがやらなかったら紋章は暴発してたかもしれん…
それほど神のかけらは強力なんや」
「…まあこれからのことは置いといて、
まずは明日絶対勝たなあかんな」
「もちろんや、そろそろ寝よか」
そして中澤と平家も部屋に戻っていった。
それぞれの思惑の中、運命の一戦が刻一刻と迫っていく…
- 219 名前:スペード 投稿日:2004/09/28(火) 22:39
- 今日はここまで。
次回はいよいよ戦争かと、
ではまた明日…
- 220 名前:スペード 投稿日:2004/09/28(火) 22:50
- あ、なんとなくわかりにくい話になってきたかもしれないんで、
ちょっと人物紹介かつ補足を…
飯田圭織
現在150歳。
18年前に迅雷の英雄の片腕として活躍。
紋章は右手に真なる火の紋章
石黒彩
現在80歳。
18年前飯田と同じく迅雷の英雄の片腕として活躍。
紋章は右手に真なる水の紋章
ほかにもわかりにくいとこがあったらお聞きください。
- 221 名前:ミッチー 投稿日:2004/09/29(水) 17:33
- 更新お疲れ様デス。。。
遂に戦争ですネ・・・。
どんな感じなんでしょうか?
楽しみにしてます。
- 222 名前:第3話 投稿日:2004/09/30(木) 00:22
- そして翌朝、
「それでは各隊それぞれ持ち場につくようお願いします」
紺野の号令で各自が移動を始めた。
飯田隊
「ほんとにこんなんで勝てるんですかねぇ?リーダー」
新垣が不安そうに聞いてきた。
「勝てるさ、そのために私たちがいるんだ。
反撃のためにな…」
「火種はどこにあるのさ?」
後藤が聞いた。
「私と後藤が持ってるだろう?」
「あ、紋章か!」
「そういうことだ。…ここだな。
ここに火をつけてその勢いで反撃するつもりなんだろう」
「なるほど…」
「あまり時間がない。いそぐぞ」
飯田達は準備を始めた。
- 223 名前:第3話 投稿日:2004/09/30(木) 00:31
- 一方こちらは安倍と中澤隊、
「それにしてもあんたらとこんな形で一緒に戦うことになるとはな」
「まったくだべ」
「あんたんとこの軍師なかなかやるなぁ。こんな作戦よほど地理に詳しくないとでけへんで」
「紺ちゃんの頭にはあたしには想像できないほどの知識があるのさ」
「ふーん、まあお手並み拝見といこか」
「まったく裕ちゃん達は何であんなにリラックスしてんねやろ?」
平家が石黒に聞く。
「さあ?あの人は昔からつかめないとこがあるからなぁ」
「まあとりあえず準備をしとかんとな」
- 224 名前:第3話 投稿日:2004/09/30(木) 00:43
- こちらは矢口隊、
「オイラ達が一番早く目的地についたみたいだね」
「まあ一番近いですしね」
「矢口さん…小川ちゃんのことは…」
「それはもう何も言うな。これは戦いなんだから」
「……」
「小川ちゃんなら死にはしないのれす。
一応元4剣神なのれすから」
「そやな。そう信じなあかんわ」
最後に吉澤隊
「さて、ここだな。もうすぐ日が暮れる」
「よっすぃー、勝てるよね?」
石川が聞いてきた。
「勝つしかないだろ?なあ高橋、亀井」
「はい!」
「…そうだね!」
その時、遠くから足音が聞こえてきた。
「もうすぐそこまで来てるみたい。作戦開始だ!いくぞみんな!」
「おー!!」
そして吉澤隊は騎士団にむけて兵を進めた…
- 225 名前:スペード 投稿日:2004/09/30(木) 00:47
- 短いですが今日はここまで。
本当は今日戦争を載せるつもりだったんですが、また次回に…
≫221ミッチー様
すみません!今日載せるつもりだったんですが、
細かい部分を修正したりするので戦争はまた次回になっちゃいました。
- 226 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/01(金) 17:28
- 更新お疲れ様デス。。。
次が戦争ですか。
元4剣神の3人にはちょこっとツライですネ。
どんな戦いになるのか、楽しみにしてます。
- 227 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/02(土) 02:24
- 紺野孔明軍師だ〜!!!
- 228 名前:第3話 投稿日:2004/10/03(日) 00:14
- 「…ん?あれか?議会に対して反乱を起こしている連中って」
小川が横にいる兵士に聞いた。
「…どうやらそのようです」
「あれだけの軍勢でよく反乱を起こそうなんて思えるな…。
一気に叩きつぶしてやる!」
そういって吉澤達に突撃していった。
「…来た!」
「どうするの?よっすぃー」
「少しぶつかっておくよ。
私が時間を稼ぐからみんなは退く準備だけしといて。」
「わかった」
「さてと、始めますか!」
その二分後、両軍はぶつかった…
- 229 名前:第3話 投稿日:2004/10/03(日) 00:27
- 「ハアァァァ!」
ガキィン!
真っ先に小川が吉澤に攻撃をしかける。
「……」
ガン!
「おまえはたしかフランシスでお尋ね者になっていたはず。
なぜこんなとこにいる!?」
「…答える気はない」
「ならばこの場で斬り捨てるのみ!」
小川が突きを放つ。
しかしそれを吉澤は難なくかわした。
(正直言ってこの程度なら勝てる、
けど作戦のためにここは退こう)
かわした勢いを利用して小川を蹴り飛ばし、味方に退却するよう促した。
指示に従い、退却を始める石川達。
- 230 名前:第3話 投稿日:2004/10/03(日) 00:38
- 「逃がすか!追えー!!」
騎士達が追い掛けようとする。
吉澤が振り返り、
(使うなら…今しかない!)
吉澤が左手を上げた。
「我が左手に宿りし真なる雷の紋章よ!その力を解放せよ!」
吉澤の左手が強い光を放ち、
同時に巨大な雷が小川達の前に落ちた。
「うわっ!なんだあれは!?」
思わず立ち止まる騎士団。
その隙をついて吉澤達は退きあげた。
「くそっ!追うぞ!」
あわてて小川達も後を追った。
- 231 名前:第3話 投稿日:2004/10/03(日) 00:50
- 吉澤達が退きあげるのを遠くで見ていた飯田達は、
「そろそろだな…」
「案外あれマジで負けてたりして」
市井が言う。
「いちーちゃん!くだらないこと言ってんじゃないの!」
「「「…緊張感のかけらもない」」」
新垣達に言われ、
「「…はい」」
反省する市井と後藤。
「…くだらないことをやってる間にそろそろ来そうだぞ」
「ほんとだ!」
「さて後藤。準備はいいか?」
「いつでもどうぞ」
そして騎士団が林の奥に入って行くのをみて、
「…よし!始めるぞ!」
そういって飯田は右手を上げた。
後藤も詠唱に入る。
そして同時に魔法を放った。
- 232 名前:第3話 投稿日:2004/10/03(日) 01:02
- 「くそ!逃げ足の早い…だがこれでチェックメイトだ!」
速度を上げる小川。
しかし、
「隊長!火が…」
「なんだって!?」
小川がまわりを見回すと、
さっきまで何もなかったのに一瞬で火が辺りを包んでいた。
「これはいったい…!?」
その時山の上から、
「今だ!かかれぇー!!」
という声が聞こえてきた。
「団長…!?」
小川は狼狽した。
(なんで団長が…?)
「隊長!ここは一旦…」
「くっ!退くぞ!!」
引き返そうとする小川。
「覚悟するべさ!」
そこへさらに安倍、中澤隊がやってきた。
- 233 名前:第3話 投稿日:2004/10/03(日) 01:15
- 「安倍さんまで…どうして?」
退路に安倍達が立ちふさがったことで逃げることもできなくなった小川達。
そこへ吉澤、飯田隊もやってきた。
「くそ!こうなったら…!」
「こうなったらどうするというの、まこっちゃん?」
紺野が声をかけた。
「あさ美ちゃん…」
「武器を捨てなさい。でなければあなたを…」
「……」
小川はおとなしく槍を捨てた。
そして火も消え、
「ふう…これで私たちの勝ち…」
そこへ一人の兵士がやってきた。
「た、大変です!新手が…」
「なんですって!?」
紺野が高台に登り見渡すと、
不気味な雰囲気を放つ騎士達が城に近づいていた…
- 234 名前:スペード 投稿日:2004/10/03(日) 01:25
- とりあえず戦争の前半をお送りしました。
≫226ミッチー様
とりあえず戦争を前後半に分けてみました。
前半はVS小川、後半は謎の騎士達って感じで…
もう少し元4剣神の心の描写を書きたかったな…。
まあそれはこの後書く予定の番外編で…
≫227名無し飼育さん様
そうですね、前半はおもいっきり三国志のパクリです(苦笑)
キャラ的に紺野さんが諸葛孔明なもので…
ただ後半はオリジナリティを出していくつもりです。
- 235 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/03(日) 02:12
- 更新お疲れさまデス。。。
謎の騎士達は何なんでしょうか?
つ、続きが気になりますネ…。
頑張って下さい。。。
- 236 名前:第3話 投稿日:2004/10/04(月) 10:19
- 「いったいどうして…!?」
勝ったと思い込んでただけに紺野の動揺はハンパじゃなかった。
そこへ様子を見にきた道重が、
「うーん、ありゃ人じゃないですね」
と紺野に言った。
「!?どうしてそう言えるんです?」
「だってほら、あの人たちには影がない。
それに足音も人の出す波長じゃないですよ」
「なるほど…。言われてみれば影が見えないですね」(でも足音の違いって…まったくわからないんですけど。
この人達ほんと只者じゃないな…)
「まあほぼ間違いなく魔物だろうな」
後から来た飯田が言った。「召喚術…!?」
紺野がつぶやく。
「ああ、敵さんの中に召喚術師がいるな。
それもこれだけの数を統一するだけの高レベルなヤツがな」
- 237 名前:第3話 投稿日:2004/10/04(月) 10:47
- 「召喚術なら術師を倒せば消えるはず。
飯田さん!」
「なに?」
「私たちが時間を稼ぎますから、
今すぐ市井さん達と…吉澤さんを連れて術師を倒してください!」
「…わかった」
(こいつ…まさか!?)
そして飯田と道重は下へ降りていった。
「リーダー、どうしましょうか?」
市井が聞く。
「あれはおそらく召喚術で呼び出された魔物だろう。
だから術師を倒しに行くよ」
「了解!じゃあ早速…」
「待って、吉澤!」
飯田は吉澤にむかって言った。
「はい?」
「あんたも私についてきて!」
「は、はあ…」
「ちょっとリーダー!なんでこいつを…」
「軍師命令だ。」
「まったく…たいした軍師だな…」
「いやならいいぞ。おまえだけここに置いていくがな」
「わかりましたよ…!」
市井はなおも不服そうに言った。
- 238 名前:第3話 投稿日:2004/10/04(月) 11:22
- 「まったく、リーダーが言うからしかたねぇけど、
俺はテメェを認めてねぇからな!!」
市井が吉澤に言った。
「……」
「なんか言えよ!」
「アホの相手はしないことに決めてるから」
「なんだとコラァ!」
「アッハッハッハ。こりゃいちーちゃんの負けだね」
後藤が言った。
「ぐっ…。使えなかったら助けねえからな!」
「それは心配ない。実力は少なくともおまえと同レベルだ」
「は!?」
「それにこいつは神のかけらの持ち主だ」
「「「「「えっ!?」」」」」
「なんでリーダーがそんなことを…」
「私も持ってるからな」
そういって飯田は右手を出した。
「あっ!!さっきの魔法はそれで…」
「ああ、そういうことだ。
さて、行くか」
- 239 名前:第3話 投稿日:2004/10/04(月) 11:36
- 「ところで召喚術師ってどこにいるんです?」
新垣が聞いた。
「ここから少し南東に魔法陣を敷くことができそうな草原がある。
おそらくそこだろうな」
「じゃあ行きましょう!」
「ところで吉澤さんって年いくつ?」
後藤が聞いてきた。
「19だけど…」
「じゃああたしと同い年じゃん!仲良くしよーよ」
「いいけど…アレはどうするの?」
後ろから睨んでいる市井を見て言った。
「いいのいいの、アレはアホだから。よろしくよっすぃー!」
「あれ?なんでよっすぃーって…」
「だって甲高い声の女の子がずっと呼んでたじゃない」
「なるほど…」
「お二人さん仲がいいのは結構だが、
アレを片付けてからにしてくれ…」
飯田が指さした先にはおよそ20体の魔物が立ちふさがっていた。
- 240 名前:第3話 投稿日:2004/10/04(月) 11:48
- 「魔物がいるってことは…」
「騎士は間違いなく魔物で、
呼んだ術師はこの先の草原にいるってことだな」
飯田が言った。
「ちょうどいい。吉澤、見せてあげなよ」
「は、はあ…」
吉澤は一歩前に出て、
「我が左手に宿りし真なる雷の紋章よ!その力を解放せよ!」
詠唱が終わると吉澤の左手が輝き、
魔物達に巨大な雷が落ちた。
後に残ったのはさっきまでそこにいたと証明する黒い跡だけであった。
「「「「「なっ…!」」」」」
あまりの威力に飯田以外全員唖然としてしまった。
「さて、行くぞ」
「は、はぁ…」
唖然としながらも飯田についていく一行。
そして草原に着くと、
「あ、あいつらは…」
そこにいたのは青いローブの村田めぐみと金髪の女性斎藤瞳であった…
- 241 名前:スペード 投稿日:2004/10/04(月) 11:53
- 今回はここまで。
後半は長いから二、三回に分けようと思います。
235≫ミッチー様
謎の騎士達の正体は魔物でした。
とりあえず次回は二ヶ所で戦いが展開されます。
- 242 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/04(月) 18:42
- 更新お疲れ様デス。。。
ほぉ〜、魔物でしたか。
市井ちゃん、バカですね・・・。
メロンの2人は、何者なんでしょうか?
続き頑張って下さい。
- 243 名前:第3話 投稿日:2004/10/05(火) 22:11
- その頃矢口達は――─
「あれが魔物ってことはさ、
議会の誰かがゼティマ王国に援軍を要請したってことでしょ?」
矢口が紺野に聞いた。
「ええ、そしてその誰かとは議会をまとめることのできる人物です。
そんな人はあまりいないでしょうね」
「なんや結構ややこしい話になってきたなぁ。
とりあえずなんとかせーへん?」
中澤が言った。
「そうですね…。ならば兵を4隊に分け、
鶴翼の陣で迎え撃ちます!」
「中央を空けて横と前から攻撃しようってわけね…
で、3隊はいいとして、最後の1隊は誰が指揮するのさ?」
安倍が聞いてきた。
「それなら私がやりますよ。問題ないですよね、石川さん?」
「え、ええ…」
(ほんとは少し指揮してみたかったけど…)
「中央は私と矢口さん、両サイドは中澤さんと安倍さんでお願いします!
時間がないから急ぎましょう!」
- 244 名前:第3話 投稿日:2004/10/05(火) 22:25
- 「さて、来たな…」
間近でみると確かに影がなかった。
「こういった魔物の欠点は…知能がないってことだな?」
「ええ、術師から離れていれば指示がありませんからね。
それにしばらくすれば消えると思います」
「もともと鶴翼の陣は守りの陣だからな。
指揮する人が優れていれば崩されることはない」
矢口が言った。
「さ、行きますよ、みなさん!!」
紺野が全軍に指示を出す。
すると魔物達の両脇から安倍隊と中澤隊が飛び出してきた。
魔物達の表情は崩れないが隊列はかなり崩すことができた。
しかし力で勝る魔物に徐々に押されていく…
- 245 名前:第3話 投稿日:2004/10/05(火) 22:41
- 「くっ、数でも力でも劣るんじゃあなかなかきついな…」
中澤が弱音を漏らす。
「あたしがやるしかない、か…」
そういって石黒は右手を上げた。
「あやっぺ、それは…!?」
中澤が聞く。
「真なる水の紋章よ。攻撃力はあまりないけどね…」
そして石黒は詠唱なしに魔法を発動させた。
無数の氷の矢が魔物に襲い掛かり、
前列にいた魔物はほとんど倒すことができた。
「ぐっ…」
石黒が突然座り込む。
「どしたん、あやっぺ!?」
平家が聞いてきた。
「真なる水の紋章はあまりあたしの体質に合ってないからね…」
「とりあえず下がっとき!」
そういって中澤が石黒を下がらせる。
前列は倒せたものの、魔物は前進をやめない。
そしてとうとう城まであと1キロなくなってしまった…
- 246 名前:第3話 投稿日:2004/10/05(火) 22:51
- その頃藤本は城の中にいたが、
「みきたーん!やばいよ!」
「でも味方が不利なんでしょ!?
それにここはあたしの城、絶対に守る!!」
松浦の制止を振り切って外に出た。
(あれは…召喚術!?だとすればこれが…)
戦場がよく見える山の上に登り、
戦況を見守るが、あきらかに不利だった。
(今やらなくていつやるのさ!)
「我が右手に宿りし闇の紋章よ!
闇より来たりし者を再び闇に帰せ!」
詠唱が終わると藤本の右手が闇を放ち、
そのまま藤本は倒れてしまった…
- 247 名前:第3話 投稿日:2004/10/05(火) 23:09
- 「いったいこれは…!?」
魔物達が突然苦しみだし、影も形もなくなっていく。
「消えちゃった。術師を倒したんだべか?」
安倍が聞いてきた。
「いえ、術師を倒したんなら一瞬で消えるはずです。
それに魔物達の隙間から一瞬大きな闇が見えましたけど」
「なんにせよ、とりあえず勝ったってことやな?」
「ええ、とりあえず藤本さんに報告しに行きましょう!」
その時城のほうから松浦が走ってきた。
「大変大変たいへーん!」
「どうしたんです、松浦さん?」
「みきた…城主様が倒れて…それで…」
「なんですって!?早く城に戻りましょう!」
そして全員急いで城に戻っていった…
- 248 名前:第3話 投稿日:2004/10/05(火) 23:31
- 視点を飯田達に戻すと、
「あいつは…」
「おや、捕まらないと思ったらこんなとこにいましたか」
斎藤が言った。
「この人達は…?」
吉澤が聞く。
「今回の騒動の真犯人だよ。
もっとも黒幕はここにはいないようだが」
飯田が答える。
「柴田様に刄を向け、なおかつゼティマ王国に反旗を翻すとは…
哀れな方達ですね」 村田が言う。
「勝手に哀れんでてよ。ねぇいちーちゃん?」
「え?俺はぜひ金髪のおねーさんにお相手してもらいたいかな」
「…いっぺん死んでこい」
吉澤がつぶやく。
「ああ!?」
「同感だっちゃ」
田中も賛同する。
「……」
後藤が無言で指をパキパキ鳴らす
「はぁ…」
新垣と道重はもはや呆れている。
「…バカは放っておいてとりあえずあいつら倒すぞ」飯田が剣を構える。
- 249 名前:第3話 投稿日:2004/10/05(火) 23:53
- 「あなた達の相手はこいつらで十分です!」
そういって村田が杖を振りかざす。
すると飯田達の前に百体の魔物が現われた。
「へえ…?」
「では生きていたらまたお会いしましょう」
そういって村田と斎藤は闇に消えていった。
「ああ、待って…」
市井が名残惜しそうに言った。
「いちーちゃん、後で殺すよ?」
「はい、すいません…」
「さて、やるぞ!」
飯田の掛け声で一同が行動を開始した。
まず真っ先に道重がボーガンを構え、
「我が右手に宿りし鷹の紋章よ!その力を解放せよ!」
そういって道重が矢を放つと、
一本の矢が無数に分かれて十体の魔物に命中した。
- 250 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 00:07
- 「ガキさん!俺らもやるぞ!」
市井が新垣に言った。
「はいよ!我が右手に宿りし土の紋章よ!その力を解放せよ!」
新垣の右手が輝き、魔物下の土が盛り上がった。
バランスを崩す魔物達、
「よし!我が右手に宿りし双牙の紋章よ!
その力を解放せよ!」
市井の右手が輝き、同時に市井が双剣を構え、
猛スピードで魔物に向かっていく。
そして新垣もそれにつづいていった。
「いくぞ!双龍連牙斬!!」
市井と新垣が駆け抜けた先は魔物が薙ぎ倒されていった。
「できた!火炎陣!」
後藤が風と火の紋章を発動させ、魔物達を焼き払う。
すれと百体いた魔物がいつのまにか三十体に減っていた。
- 251 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 00:21
- 「最後は私か…、我が右手に宿りし真なる火の紋章よ!その力を解放せよ!」
残った魔物に向けて魔法を放つ。
後には灰しか残らなかった。
「…あたしの出番がない」
吉澤はどこか不満そうだった。
「…さて、いちーちゃん?覚悟はよろしくて?」
後藤が市井の腕をつかむ。
「待て、後藤!俺が悪かった!
だからそこの関節をそっちに曲げるのは…
ってバカーッ!!ウ、ウギャアァァァ!!」
その様子をみていた他のメンバーは、
「一生やってろ…」
とつぶやいて城に戻っていった…
- 252 名前:スペード 投稿日:2004/10/06(水) 00:27
- とりあえず戦争終わります。
次回でようやく第3話終わります。
≫242ミッチー様
メロンは話のなかにたくさん出て来ます。
そして市井さんは大バカです(笑)
いつもレスありがとうございます。
こんなんですがこれからもよろしくお願いします。
- 253 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 22:07
- 矢口達が城に戻るとちょうど松浦とアヤカが藤本をベッドに休ませていた。
「藤本さん…いったいどうしたんでしょう?」
紺野が松浦に聞いた。
「あたしがみきたんを探していたら山の上が闇に覆われてて、
登ってみたらみきたんが…」
「闇…?ちょっと失礼!」
紺野が藤本の右手をとる。「こ、これは…!」
「紺野、この紋章はいったい何なんだべ?」
「これは闇の紋章といいます。
かつて南方諸島の危機を救った神のかけらのひとつです」
「南方諸島の危機…ああ、ゼティマ王国の南下政策か!」
「ええ、この闇の紋章と光の紋章、
この二つの力でゼティマ王国を退けたと言われています。
しかしなぜハロー王国の生まれである藤本さんがこれを…?」
- 254 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 22:19
- そこへ吉澤達も戻ってきた。
「みなさん大丈夫でしたかー?」
吉澤が言った。
「まったく心配あらへんよ。
それよりあんたこそ足手纏いにならんかったやろうな?」
「たぶん…」
「なんやそれまったく…」
「ご心配なく、娘さんは強いですよ」
飯田が言う。
「そーれーよーり!手伝ってあげたんだから報酬くれよ!!」
市井が言う。
「いいですよ。はい!」
そういって紺野は小さな袋を渡した。
「はあ!?これじゃあ俺らの三日分の食費にしかならねーじゃねーか!!」
「ええ。ほんとだったらこれの三倍は出すはずだったんですけど…」
- 255 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 22:36
- 「だったらなんで出さねえんだよ!?」
「…あなたが昨日今日でナンパした人がこの城からいなくならないように慰謝料払ったんですよ。
報酬から、延べ10人分」
「ギクッ!」
「私が作戦たててる最中にその10人に怒鳴り込まれましてね…」
「「「「「ほほぉ…」」」」」
市井の後ろで静かな、それでいて凄まじい殺気を放つチーム飯田。
そのあまりの殺気に市井は後ろを振り向けなかった。「しかも酒代踏み倒したらしいじゃないですか。
だから立て替えておきました。」
「いやぁそういうことだったんですか市井さん?」
「それならそうと言ってほしいっちゃね」
「いやぁ市井さんの行動力には感服しますよ」
「いちーちゃんはお酒も強いもんねー」
後藤、新垣、道重、田中の四人は笑顔で市井包囲網を作り上げる。
「ハ、ハハハハ。何かなこのサークルは」
市井が笑顔で返す。
- 256 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 22:54
- 「これはね、市井さやかという世紀の大バカ者を処刑するために作られたサークルだよ」
「ま、待て、俺の話を…」
「さていちーちゃん?ここじゃ迷惑だから外出ようか」
後藤達は包囲網を解かずに市井を城の外に連れ出していった。
一分後、市井の悲鳴がとどろきわたった。
「……大変やな、あんたも」
中澤が飯田に言った
「ええ、腕だけは信用してますけど…」
その時藤本が目を覚ました。
「う、うーん…」
「みきたん!?」
「あれ…?亜弥ちゃん?あたしどうしたんだっけ?」「山の上で倒れてたんだよ!」
「ああ、確か…」
「闇の紋章を使ったんですね!?」
「ええ…どうしてこれを?」
「…藤本さん。しばらく闇の紋章は使わないほうがいい」
「え?」
「あなたにはまだ力が足りない。
でも仲間を集めればあなたの力を増大させることができるはずです」
- 257 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 23:14
- 「……」
「まあとりあえず勝ったんだし、
祝杯でもあげたいべさ!」
「お、いいねえ!」
後藤達から解放された市井が賛同する。
「おまえは飲むな」
「ええ!?なんで…なんでもありません」
全員に睨まれ、何も言えない市井。
「さ、行くべさ!」
「準備はあっちにできてますよ」
アヤカが案内する。
そしてその日は市井を除いてみんなで飲み明かした。
そして翌日、
「みなさんこれからどうするんです?」
「ウチらは村の復興をさせなあかんし、一回帰るで」
「そうですね。あたしも帰ります」
吉澤が言った。
その様子をみて矢口は
「……」
(帰るまでに言うしかないな…)
「矢口さん」
「何?紺野」
「気になるんでしょ?」
- 258 名前:第3話 投稿日:2004/10/06(水) 23:29
- 「別に吉澤さんのことなんて気にして…」
「私はただ気になるんでしょ?って言っただけですよ?」
「ぐっ、紺野性格悪くなったな」
「さて、私たちはまだ城に残らないといけませんね」
「そうだべな、小川に聞きたいこともあるし」
「じゃああたしらはこれで帰るよ」
そういって中澤が城を出ていく。
吉澤もついていこうとすると、
「あの、吉澤さん」
矢口が呼び止めた
「……?」
「こないだはごめん。また、会えるよね?」
「…ええ!」
力強く返事をして吉澤は城を後にした…
- 259 名前:スペード 投稿日:2004/10/06(水) 23:31
- 第3話終わります!
3話だけ長くなっちゃいましたね。
次回からようやく4話に入ります。
ではまた次回…
- 260 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/08(金) 02:20
- 更新お疲れさまデス。。。
闇の紋章すごいっすネ!
早く、もっと力を使えるようになるよう祈ってます。
市井紗耶香を処刑するために作られたサークルって…。
こ、怖いな。
- 261 名前:悪天 投稿日:2004/10/08(金) 21:42
- 更新お疲れさまです。
市井さんの存在はシリアスの中にホッと一息の清涼剤ですね。
凄くいいキャラしています。
次回も期待しております、頑張ってください。
- 262 名前:第4話 投稿日:2004/10/09(土) 10:38
- ここはハロー王国とゼティマ王国の境にあるメロン山脈
「…で、負けてきたってわけだな?」
柴田が言う。
「申し訳ありません、連中の力を侮っていました。」
村田が謝る。
「まあいい…。奴が神のかけらの継承者であることが確認できただけでもよしとしようか」
「次はどういたしましょう?」
「あの人を動かすしかないな…、斎藤!」
「はっ!」
「私と一緒にゼティマ王国に行くぞ」
「かしこまりました」 こうして柴田と斎藤はゼティマ王国へ向かっていった。
「…あの方の狂気は止まらない、か…」
一人残った村田は呟いた…
- 263 名前:第4話 投稿日:2004/10/09(土) 10:51
- 一方モーニング村では復興作業が始まっていた。
そしてそこでは…
キィン!ドカッ!
「ぐあっ!」
「へっへー!これで私の7勝3敗だね」
「いちーちゃん弱ーい!」
「うるせえ!手加減してやってんだ!」
吉澤と市井が毎日のように戦っていた。
それを遠くで見ていた新垣と道重は、
「吉澤さんって強いんだねぇ。
市井さんと違って性格もいいし、憧れちゃうな」
「ほんとに、かっこいいなぁ」
それを聞いた石川は、
(何よ!よっすぃーは私のものよ!!)
と嫉妬の炎をたぎらせていた。
…いつからあんたのものになったんだ?
- 264 名前:第4話 投稿日:2004/10/09(土) 11:06
- 一方飯田は市井達とは別行動をとり、ブラス城にいた。
あの後古城は議会の名のもと自治権を獲得し、
矢口達は騎士団に復帰することができた。
今回の争闘を起こした議員は国外追放になっている。
「…結局小川は何も知らなかったし、
あとはあなたしか聞くしかありません」
「私もどうなっているかはわからんが…、
糸をひいている人物なら知っている」
「ほう、その人物とは?」「ゼティマ王国二神官将の一人、柴田あゆみだ」
「ゼティマ王国が!?」
「ああ、おそらく神のかけらが狙いなんだろう。
現に私の持つ真なる火の紋章を奪いにきた輩がいる」
「団長、ゼティマ王国がからんできたとなると…」
「侵攻してくる可能性大だな」
- 265 名前:第4話 投稿日:2004/10/09(土) 11:21
- 「となると今後は草原人との連携もとらないとならないですね」
紺野が言った。
「飯田さん、すまないが連絡役を引き受けてくれないか?」
「…いいだろう。この騒動が片付くまではどこにも行けそうにないし」
「よろしく頼む」
飯田は会議室を後にした。
「…ふう、間近でみると圧倒的だな。
オイラでさえ勝てるかどうか」
「…おそらく剣の腕では団長が上ですよ。
ただあの人には神のかけらがある。タイプの違いってやつです」
「たしかにな…しかし長生きしてて鬱にならないのかな」
「さあ…」
- 266 名前:第4話 投稿日:2004/10/09(土) 11:34
- 「…まさかこんなとこで闇の紋章を見るなんてね…」
外に出て飯田はポツリと呟いた。
130年前―
当時ゼティマ王国は勢いが強く、ハロー王国や北方の諸国はみな属国になっていた。
そしてゼティマ王国は南方諸島にも進出を始め、
領土をほぼ植民地化した。
しかし残った一部の島々は同盟を結成し、
頑強な抵抗を続けていた。
そしてその同盟の中心にいたのが光の紋章と闇の紋章をそれぞれ宿した二人であり、
飯田は二人の幼なじみであった。
この三人の力もあって徐々に領土を取り返し、
ついに国境付近の要塞にまで遠征軍を追い詰めた。
- 267 名前:第4話 投稿日:2004/10/09(土) 11:47
- ゼティマ王国を追い払うためには要塞を破壊するしかないが、
要塞には紋章砲という兵器があり、
威力は一つ破壊できるほどであった。
しかし一度放つと次に砲撃するのに時間がかかるため、
諸島部はおとりを使う作戦に出た。
そのおとりをかってでたのが飯田である。
まわりからはもちろん反対されたが、
飯田は神のかけらなら紋章砲に対抗できると考えていた。
そして飯田一人がまず人のいない船を出航させた。
思惑どおりに船に向かって紋章砲を放つ。
命中する直前に飯田は真なる火の紋章の力を解放した。
結果船は大破し、飯田自身もハロー王国近くの海まで運良く流されていた。
- 268 名前:第4話 投稿日:2004/10/09(土) 11:58
- 紋章砲の衝撃によって飯田は記憶を失い、
記憶が戻ったのはそれから三年も後の話であった。
その間に戦争は終結し、ゼティマ王国は急速に勢力を弱めた。
もちろん飯田は死亡したことになっている…
「まったく…私も無茶したものだな」
今思うと若気の至りではすまされない程のむちゃくちゃをしていた気がする飯田であった。
「闇の紋章がここにあるってことは奴はもう…」
「リーダー!何してるっちゃ?」
「田中?なんでおまえがここにいる?」
「あまりに遅いから迎えにきたっちゃ」
「まあいいか…、帰るぞ」
「はあーい」
こうして飯田と田中はモーニング村に戻っていった。
- 269 名前:スペード 投稿日:2004/10/09(土) 12:08
- 今回はここまで、
4話は回想とか番外編が多くなるかと思います。
≫260ミッチー様
市井紗耶香包囲網は後藤さん達がいつのまにか形成したチームワークの結晶です(笑)
闇の紋章はこの作品では最強です
≫261悪天様
シリアスの中に笑いあり…これがモットーです。
そしてその犠牲者が市井ちゃんです(笑)
今後ともよろしくお願いします。
- 270 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/09(土) 19:18
- 更新お疲れさまデス。。。
へぇ、闇が最強ですか〜。
遂にあの人が攻めてくるんですか…。
何か、すごい戦いになりそうですネ。
- 271 名前:スペード 投稿日:2004/10/09(土) 22:55
- ≫267にミスがあったので修正です。
紋章砲の威力は島一つを破壊できるほどであった。
↑を間違った部分につけてください。
- 272 名前:第4話 投稿日:2004/10/11(月) 11:33
- こちらはブラス城内の牢屋。
小川はしばらく頭を冷やすようにとここに入れられていた。
しかし小川は何も悪いことをしていないと思い込んでいるのである。
そこへ紺野と矢口がやってきた。
「まこっちゃん、少しは反省した?」
中に入り紺野が聞く。
「…私は何も悪いことはしていない。
排除すべき敵を排除しようとしていただけ」
「排除すべき敵?」
「だいたい団長達がなんであんな草原人と馴れ合いになってるんです?
私としてはそのほうが悪いことのように思えますけど?」
「小川…」
「私達の敵は草原人でしょう!?
なのになんで議会を敵にまわすような事を…。
私たちはにっくき草原人を倒せばそれで…」
- 273 名前:第4話 投稿日:2004/10/11(月) 11:46
- バチーン!
矢口が小川の頬をはたいた。
「…!!」
「小川、いいかげんにしろ!
たしかにおまえにとっちゃ親のかたきかもしれないけど、
それで今度はおまえがくだらない恨みを買うことになるんだぞ!!」
「…それでもいい、私は草原人が憎い!」
「まだ言うかこの…!」
「もういいです…」
「紺野…?」
「まこっちゃん、あなたを国外追放処分にいたします!」
「ちょ、ちょっと紺野…」
「ゼティマ王国にでも南方諸島にでもどこへでもお行きなさい!」
「…わかった」
こうして小川は国外追放になった。
- 274 名前:第4話 投稿日:2004/10/11(月) 12:07
- 「なあ紺野、どうして…」
「意見の統一のためです。
騎士団にあのような考え方の人間がいると草原人と無用な反発を招きかねません」
「しかし国外追放すると今度は…」
「間違いなくゼティマ王国に行くでしょうね」
「そこまでわかっててどうして…」
「まこっちゃんの性格は私がよくわかってます。
だからゼティマ王国がきたらそこを重点的に狙います」
「小川をわざと行かせたのはそういうことか…」
「まこっちゃんのやりたいようにやらせただけってのもありますが」
「恨みってそんなに深いものかねぇ?
物心つく前から親がいなかった私には理解できないな」
「たしかまこっちゃんの目の前で殺されたって聞きましたけど」
「…そりゃ納得だな」
- 275 名前:第4話 投稿日:2004/10/11(月) 12:21
- 一方こちらはフランシス北の古城。
藤本はベッドで休んでいた。
「…ふう、こんなに衝撃がすごいとはね」
右手をさすりながら言った。
「あのお姉さん、いったいあの後どうしたんだろう?」
五年前―
藤本はフランシスを抜け出し草原を走り回っていた。
すると大きな岩にもたれかかっている女性をみつけた。
「お姉さん?どうしたの?どこか痛いの?」
「…お嬢ちゃん、右手を出してくれる?」
「え?うん…」
藤本は言われたとおりに右手を出した。
すると右手が輝きだし、藤本の右手には紋章がついていた。
「ごめん、お嬢ちゃん…。
ごめんね…」
そういうと女性は光とともに消えていった。
「あれ?お姉さん?どこいったのー?」
- 276 名前:第4話 投稿日:2004/10/11(月) 12:38
- 「みきたーん?」
「…ん?何、亜弥ちゃん?」
「あのさ、デート、しない?」
下を向きながら聞く。
「はっ!?」
「だからデートよ!で!え!と!」
「はいっ!?誰と誰がよ?」
「だからあたしとみきたんがよ!!」
「なんで?」
「なんでもいーの!さっさと行く!」
そういって藤本の右手をひっぱる松浦。
「ちょっとどこへ行くのさ!?」
「モーニング村よ!」
「なにゆえ?」
「決まってるじゃん!吉澤さんを見によ!」
「いやいや、なんであたしまで」
「か弱い女の子を一人で行かせる気!?」
どこがか弱いんだ、とツッコみたい藤本。
しかし何も言わずに松浦についていくことにした。
- 277 名前:スペード 投稿日:2004/10/11(月) 12:46
- 今回はここまで、
とりあえず番外編をお送りしました。
本編のネタを構想しながらしばらくやりたいと思います。
≫270ミッチー様
次の戦争では柴っちゃんはもちろん、
まこっちゃんや久々に出るあの人達もキーマンになります。
ではまた次回…
- 278 名前:悪天 投稿日:2004/10/11(月) 15:30
- 更新お疲れさまです。
相変らず素晴らしい更新速度ですね。
毎日ここを見るのが楽しみです。
次回も期待しております。頑張って下さい。
- 279 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/11(月) 20:23
- 更新お疲れ様デス。。。
あやや強し!強引ですネ!
次も頑張って下さい。
- 280 名前:第4話 投稿日:2004/10/12(火) 22:10
- ここはゼティマ王国首都ハイランド。
かつての勢いがないとはいえ、
都市の規模は世界最大クラスである。
そして都市の中心にあるガーランド宮殿。
ここにゼティマ王国の王つんくと二神官将の一人福田明日香がいる。
そして今その宮殿に柴田と斎藤がやってきた。
謁見の間にて、
「王、お元気そうでなによりです」
柴田が膝をつく。
「おお、柴田か。例の計画はどうなっとるんや?」
「今のところ二つの神のかけらをハロー王国で確認しております。
ですから私はハロー王国への侵攻を進言いたします」
「それは今福田と話しとったとこや。
それからハロー王国から一人寝返った奴がいてな。
裏切られんよう仕込んどるとこや」
「それなら安心です。遠征軍はいくら出せますか?」
「五千やな。まわりにも不安は多いし」
「わかりました。ぜひ私を指揮官に…」
- 281 名前:第4話 投稿日:2004/10/12(火) 22:19
- 「いや、ここは二人で行ってもらう。
必ず神のかけらを持ってかえりや」
「かしこまりました」
拝礼して柴田は謁見の間を後にした。
福田もそれについていった。
バタン!
「…うまいこと利用したもんだね」
「何の話ですか?私はただ…」
「ゼティマ王国の繁栄を願っているだけ、か?
…まあいいさ、今は協力してあげるよ」
そういって福田は先に宮殿を出ていった。
「…あなたにも協力していただかないと困るんですよ。
私の計画のためにはね…」
柴田はぽつりとつぶやいた。
- 282 名前:第4話 投稿日:2004/10/12(火) 22:34
- 視点をモーニング村に戻して
「吉澤さーん!」
外をブラブラしていると遠くから声が聞こえてきた。
「あれは確か松浦さん…と藤本さんだ。
どうしたんですかー?」
「モーニング村の復興作業を見にきたんですよー!」「よく言うよまったく…」その場でトークは盛り上がる三人。
(あの松浦って娘、間違いなくよっすぃー狙いね!
これでライバルは五人、…負けないわよ!)
遠くからみていた石川はそんなことを思っていた。
「ところで吉澤さん、勝負しません?」
唐突に藤本がそんなことを言いだした。
「私とですか?…いいですけど」
最近一騎打ちが多いなあと思いながら剣を抜いた。
藤本も剣を抜く。
- 283 名前:第4話 投稿日:2004/10/13(水) 00:52
- 「はあっ!」
ガン!ガキィン!ドカッ!
藤本が攻める。
吉澤は守りを固めていた。
ヒュッ!
藤本が鋭い突きを放った。
吉澤はそれを屈んでかわし、そのまま切り上げた。
ピタッ
切っ先は藤本の顎の下で止まる。
「…まあこんなとこかな」
「吉澤さん…かっこいい…」
松浦は完全に吉澤に見惚れていた。
(負けちゃったなぁ…。
亜弥ちゃんにかっこいいとこ見せようと思ったのに)
「ちょっとよっすぃー!さぼってないでこっち手伝ってよ!」
このままでは危ないと思った石川が吉澤を無理矢理ひっぱっていく。
(まったく、よっすぃーはあたしのものよ!
そしてあんなことやこんなこと…)
…妄想がかなり進行中…
- 284 名前:スペード 投稿日:2004/10/13(水) 00:59
- 短いですが今日はここまで、
≫278悪天様
レスありがとうございます。更新が頻繁なのは、ただ単に作者がひま人なんです(笑)
なにせもう次のネタ考えちゃうくらいですから。
≫279ミッチー様
あややは強いです。これ私の中では定説です。
はたしてこの多角関係の結末はいかに!ご期待ください。
- 285 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/13(水) 18:27
- 更新お疲れ様デス。。。
妄想癖ですネ、石川さん・・・。
さあ、よっすぃ〜は誰の手に・・・!(笑)
近々また戦争が起こりそうですネ。
- 286 名前:(〜^◇^) 投稿日:(〜^◇^)
- (〜^◇^)
- 287 名前:スペード 投稿日:2004/10/15(金) 14:28
- 作者です。とりあえず本格的に載せるにあたって
≫286等のカキコミがないようにスレを新しく立てようと思います。
こっちは気が向いたら短編を書いたりして、
新しいスレは同じ海板を予定しています。
- 288 名前:スペード 投稿日:2004/10/15(金) 23:11
- とりあえずレス返しを。
≫285ミッチー様
よっすぃーははたして誰の手に!一応私の中では決まっています。
新スレでもよろしくお願いします。
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