( ^▽^)
- 1 名前:( ^▽^) 投稿日:( ^▽^)
- ( ^▽^)
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/05(日) 18:50
- ochi
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/05(日) 20:14
- この人は一体誰なのか・・・。
ネットを見るとたまにあること。
実在する人なのか、どうかは私には分からない。
・・・でも実在するならば、その人は傷付いていると思う。
私にはそれが分かる。
私もよくコネと中傷されてたから・・・。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/05(日) 20:31
- コネコネって、ずっと言われていたけど、実際はコネなんて使ってない。
確かにモデルをやっていたけど、コネがあったわけではなかった。
でも、一度たった悪い噂はなかなか消えない。
何時しかメンバー内からもそう囁かれるようになってしまう・・・。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/05(日) 20:40
-
「気にしない方が良いよ・・・。」
同期の皆は、そう言ってくれる。
「うん・・・。」
私も始めの内はそうしようと思った。
でも、心無いファンのヤジやネットとかでの噂が徐々に私の心を蝕んで行った・・・。
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/06(月) 05:46
- 次第に一人で行動することが多くなる。
仲間達の励ましも空虚なものに思えてきた。
いや、その頃の私はもう誰も信じていなかった。
そして、次第に誰も私には話しかけなくなって行った。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/06(月) 06:31
- 孤独・・・、皆がワイワイ騒いでいる中で私は一人で台本を読んでいた。
中身なんて覚えちゃいない。寂しい自分を誤魔化すために読んでいただけだから。
「マメ、悪い。そこの荷物とってくれない?」
私は嫌々ながら立ち上がり、吉澤さんの荷物を拾いあげ手渡した。
「サンキュー!」
「ちょっと、ヨッスィー。それぐらい自分で取りなさいよ。」
石川さんが吉澤さんに注意する。
しかし、そんな石川さんはよく私の事をネタにしてスタッフの人と談笑している。
「いいじゃん、別に。なあ」
「はぁ。」
私にとってはどうでもいいことなので頷くことにした。
結局、その場はそれで済んだがずっと石川さんはどこか不機嫌そうだった。
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/06(月) 10:49
- なんだか面白そうなふいんき
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/06(月) 22:34
- 翌日、シャッフルのグループ分けが発表された。
私は安倍さんと同じグループである。
最悪だ・・・。
- 10 名前:愚者 投稿日:2004/09/06(月) 22:42
- 作者です。
ごめんなさい。
訂正させてください。
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/06(月) 22:43
- 翌日、ミュージカルの組分けが発表された。
私は飯田さんや安倍さんと同じグループである。
飯田さんはともかく安倍さんと同じだなんて・・・、最悪だ・・・。
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/07(火) 03:17
- 安倍なつみ・・・。
私はこの名前を聞いただけで気が遠くなりそうだ。
娘。の結成当時からずっと中心人物として引っ張って来た人。
ずっと娘。ファンだった私にとっては雲の上の存在・・・。
しかし、私は皆の足を引っ張っている厄介者。
こんな私のことなんか相手にしてくれる筈がない。
(なんで・・・、なんでなの神様・・・。)
この頃の私には、物事を良いようには考えられなかった。
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/07(火) 04:08
- 練習初日
私は安倍さんどころか同期の愛ちゃんとさえ会話を交さなかった。
愛ちゃんは加護さんとずっと話していた。
私は加護さんが苦手だ。
人間的にどんな人かは知らないけど、一つ一つの行動に何か計算が感じられてならない。
私はいつものように一人で台本を読んでいた。
「新垣さん。」
ふと見上げるとその加護さんが立っていた。
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/08(水) 01:02
-
「何か?」
私は少しでも早く話を終えたかった。
「いや、あの・・・、良かったら一緒に練習しないかなあて・・・。」
私は笑顔を作った。
「ありがとうございます。」
「じゃあ・・・。」
彼女は少し嬉しそうな顔をした。
「気持ちだけ頂きます。」
私はそう言い残し、その場を去った。
好き嫌いと言った物以上に彼女には負けたくないという感情があった。
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/08(水) 18:22
-
「冗談じゃない!何で私が彼女と。」
認めている・・・彼女の才能は認めている。
でも、あんなお茶らけた人には負けたくない!
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/08(水) 18:51
- レッスンを終え、帰り支度を済ますと直ぐ様出る。
「あ、里沙ちゃん!お疲れさ・・・。」
何か話しかけようとする彼女を振りきり、私は帰る。
今では、彼女もライバルの一人。
私がコネでないことを証明するため、もっと実力をつけなくてはならない。
そのため、先ずは加護さんや他の同期の子といった
同年代の子の中で一番になる事を目標とした。
元々、マコっちゃんや紺ちゃんとは仲良くなくなって来ていたし、
愛ちゃんは特別レッスンなどで忙しく、それどころではない。
だから今の私にとっては、彼女達同期はライバル以外何者でもなくなっていた。
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/09(木) 15:44
- ――親父のおかげでモー娘。入り、とコネ疑惑が浮上
――家族のおかげで合格とカミングアウト
「別にそういう意味で言ったんじゃないっつーの」
――加入早々「モーニング娘。の新垣里沙です」と勘違い発言。
「別に間違って無いでしょ。ったく・・・。」
――「明日レコーディングです」と言われて他の三人は戸惑いの表情だが、一人納得した様子で数回うなづく
「私はモー娘。だから、歌わない分けには行かないでしょう!」
――親父のコネで加入したのに親父に下着をさわられるのは絶対嫌だと言う恩知らずぶり
「私の年代の子はみんなそうだって言うの。大体、コネじゃないし。」
- 18 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/09(木) 15:59
- いつものようにインターネットを見ていたが書かれていることは
何時もと変わらない誹謗中傷ばかりだった。
ネットでの意見は本音が聞けて参考になると思い毎日見ていたが
こうも変わらないと本当に意味があるのかどうか疑問を感じていた。
(ハァ・・・。
なんか鬱になってきたな・・・。
今日は寝よ。)
時間はまだ9時前。
寝るには早いが今日は寝ることにした。
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/09(木) 22:57
- 前日、早く寝たせいで予定より2時間も早く目が覚めてしまった。
「仕方がない。早く行くか・・・。」
何もする事がないので、取り合えず練習場に向かうことにした。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/10(金) 23:04
- 「あれ?音楽が聞こえる。」
音は、夢ヶ丘用の練習場から聞こえて来た。
誰だろう・・・。
私は恐る恐る覗いてみた。
「まさか!!」
私の中では意外過ぎる人がそこで練習していた。
- 21 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/11(土) 12:28
- 「安倍さん・・・!!」
娘。のエースであり、且つ象徴的存在である安倍さんが誰よりも早く来て、
一人で練習をしていた。
「すごい・・・。」
その時、私は完全に彼女の動きに目を奪われた。
- 22 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/11(土) 13:05
- 一通りダンスを終えた時、彼女は目線をこっちに向けた
(は、やばい!!)
彼女は私の存在に気付くと屈託のない笑みを浮かべてくれた。
「あ、おはよう新垣。来てたんだ。」
「あ。お、おはようございます。」
私は完全に舞い上がっていて、体がコンクリートのように固まって動けないでいる。
そんな私に彼女は天使の様な笑みを浮かべて声をかけてくれた。
「そんなところでたってないで早くおいで。」
「え?でも・・・。」
「一緒に練習しよ?」
安倍さんの口から有難いお言葉が・・・。
「でも、お邪魔には・・・。」
「ならないって。それになっちも一人で練習するよりも
二人で練習した方が楽しいじゃん。ね?やろう」
私に有無を言わさず、強引に手を引かれ練習場に連れこまれてしまった。
でも、お陰で私は憧れの安倍さんとの練習にすんなり入る事が出来た。
その日、私にとって人生最高の1日となった。
- 23 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/12(日) 17:03
- あの日から、私は集合時間より1時間早く来るようにしている。
そのお陰かは知らないが少しづつ周りとも打ち解けて来た気がする。
しかし、それを面白くなく思っていた人もいた。
- 24 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/15(水) 08:22
- 続きが楽しみだなヲイ!
- 25 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/15(水) 22:06
- 最近、自分の噂があまり聞かれなくなった。
もしかしたら、自分の杞憂だったのかも知れない。
そんな時、前から愛ちゃんの姿が目に入った。
「愛ちゃん、お疲れ。」
しかし、彼女から返事はなかった。
- 26 名前:愚者 投稿日:2004/09/15(水) 22:22
- レスがあることに今日、気付きました。
(嘘のような本当の話)
正直、嬉しいものです。
>8
すみません。まさか、レスがつくとは思ってなかったので。
今日、気付きました。
>24
どうなんですかね・・・。
書きながら話を考えているので。
(だから致命的ミスをしてしまいました)
- 27 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/17(金) 02:15
- その夜、愛ちゃんの事が気になってしょうがなかった。
そう言えば、以前、彼女が声を書けてきた時に私が意図的に無視をした事があった。
もしかしたら、それを根に持っているのかも知れない。
(・・・うん。明日、謝ろう。)
そう結論付けて、愛ちゃんの事はそれっきり考えるのを止めた。
- 28 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/17(金) 02:54
- 翌朝、某TV局の廊下で私は彼女にあった。
「愛ちゃん。おはよう」
彼女は私の声を聞いて始めて私の存在に気付いた様だ。
彼女は立ち止まった。
そして、私の顔をじっと見る。
しかし、何も言わずに私の横を通り過ぎる。
「愛ちゃん、ちょっと待っ・・・」
引き止めようとする私を振り払い、逃げるように去って行った。
「何よ、あれ。」
後方から声が聞こえる。
振り向くと石川さんと加護さんがいた。
「あ、石川さん、加護さん、おはようございます」
「おはよう。今日も頑張ろうね」
石川さんは、いつものように満面の笑みで返してくれた。
いつか聞いた彼女の私に対する陰口ももしかしたら私の勘違いではないか?――
と今では考えている。
こんなに優しい人が私の悪口を言うわけない。
- 29 名前:愚者改め超愚者 投稿日:2004/09/17(金) 06:49
- 訂正
言うわけない → 言うわけがない
幾ら書きながら話を考えているとしても無茶苦茶だな・・・。
- 30 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/19(日) 03:01
- あれ以来、愛ちゃんとは会話をしていない。
ただ、何か引っ掛かった物があった。
しかし、それが何かはその時は分からなかった。
「豆、どうしたの?」
「辻さん・・・」
私は愛ちゃんとのことを辻さんに全て話した。
「ふうん・・・。それよりご飯食べにいこう」
ガクッ!――私は生まれて初めてコント以外でズッコケてしまった。
(この人に相談をしたの私が馬鹿だった・・・)
結局、その時は答えが出なかった。
- 31 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/20(月) 20:49
- あの後、私は辻さんに引っ張られるままに食堂に連れてかれた。
(今、何も食べたくもないのに・・・)
彼女は、そんな私にお構い無しに物凄い勢いで食していた。
(でも、愛ちゃんって根に持つタイプだっけ?)
何度か衝突はしてきたが、次の日には何もなかったかのように話しかけてくる。
そんな彼女が何故、今回に限って・・・。
その時、どこかから私に対する鋭い視線を感じた。
- 32 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/23(木) 18:05
- (誰・・・?)
辺りを見回したが、それらしき人はいない。
(おかしいな。確かに・・・)
視線をふと前に戻すと鋭い視線の主が目の前にいた。
「何ですか、辻さん」
「え?いや・・・はははは」
辻さんの皿を見るといつの間にかに空の状態になっていた。
(ようは私のパスタが欲しいのね・・・)
「食べます?」
「え?いいの!?」
私は自分の皿と辻さんの皿を入れ換えた。
- 33 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/24(金) 22:16
- 何かが引っ掛かっている。でも、それが何なのかは分からない。
分からないからどうにも出来ない。
中々見付からない答えに少しづつイラついてきた。
「なんで、立ち止まったんだろうね」
「は?」
辻さんの突然の話に、私は彼女が何の話をしているか分からなかった。
「さっき、豆が言ってた話だよ」
「あぁ、・・・さあ」
「そう言えば愛ちゃん、最近、アイボンとばっかり行動しているね」
一応、さっきの私の話を聞いてくれてはいたらしい。
しかしこの時、私は彼女とはその話はもうする気になれなかった。
「そうですね」
私は会話の流れを切る。
辻さんも食べることに夢中になり、それ以上、愛ちゃんの話はしなかった。
- 34 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/25(土) 03:30
- 眠れない・・・
全然、眠れない。
私の頭は、愛ちゃんの事で一杯である。
こう言うことをあれこれ考えてもしょうがないことはわかっている。
でも、気にせずにはいられなかった。
(・・・、気分転換にネットでもみるか)
私はパソコンの電源を入れた。
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/25(土) 03:32
- 「お前、うぜーよ。安倍さんにこびてんじゃねーよ。
俺のパシリをやってりゃいいんだよ!」
(は?どうしたんですか?吉澤さん)
「あなた、本当にコネで入ったんじゃないの?」
(石川さん・・・なんで・・・?
私にあんなに優しくしてくれたじゃないですか・・・)
「コネって、おいしいれすね」
(はあ?
何訳の分からない事を行っているんですか?)
「やっぱ、私の思っててた通りやわ〜」
(加護さん、ちょっと!)
「さいてー!」
「あきまへんでー」
「・・・・・・・・・」
(愛ちゃん達、そんな目で見ないでよ!
安倍さん、助けてくださいよ・・・)
「何で私が?」
(何でって・・・)
「噂を流した張本人が手を差し伸べるのなんて、おかしいっしょ!」
(え?)
「そう!
全てはナッチの所為だべさ〜」
(きゃー!
安倍さんが巨大化した〜!)
- 36 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/25(土) 03:47
- 「わあぁぁぁぁ!
ハァハァ・・・。
夢?」
目が覚めるとそこは何時もの私の部屋だった。
ネットを見てるうちにいつの間にか、寝てしまったらしい。
(そっか夢か・・・)
そう言えば、夢の中で出てきた言葉は全部ネットで書かれていた内容と全く同じだった。
(はぁ、少し無理し過ぎているのかも・・・)
考えて見たら、私は安倍さん達みたいに実力がある訳ではない。
本来、他人の事に構っている余裕などない筈。
(愛ちゃんの事は後回しにしよう)
私は自分の事を優先させる事にした。
- 37 名前:超愚者 改め D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/25(土) 05:38
- ここを読んでくださる皆様、お疲れ様です。
そして、有難うございます。
この話ですが、最近、このまま続けても良いのか疑問を感じ始めました。
続けるにしても、タイトルを決めて、そのタイトルでスレを立てるべきではと。
もし、良ければ意見を聞かせてください。
- 38 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/25(土) 15:19
- ずっと楽しみに読んでます。
このままでいいんじゃないですか、有効利用の無題作品ってのも楽しいです。
もちろん作者さん次第ですけど。
- 39 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/25(土) 20:43
- 1の書き込みがあっちこっちの掲示板にあるね。
うちのHPの掲示板にもあったよ
プロバイダはusen.ad.jpだった
- 40 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/25(土) 20:55
- ochi
- 41 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/25(土) 22:50
- >38
>39
レスを有難うございます。
では、このまま続けさせて頂きます。
次回更新何ですが、とりあえず来週の前半には更新させたいと思います。
- 42 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 05:18
- まだ、太陽は上がってきたばかり。
流石に今日は一番のりだろう。
若干、眠い気がするがそれも時間が奪い去ってくれる。
本番まで一ヶ月。
私は気合を入れるために自分の頬を叩こうとした。
「はっ!」
寸前で止めてしまった。
(怖い・・・)
「ほっ!」
痛いのは嫌である。
(出来ない・・・)
何度か試みたが、出来ないでいると――。
「あんた、何やってんの?」
「や、後藤さん!」
以外な人と出会った。
- 43 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 05:18
- 私ははっきり言って、この人のことが苦手である。
安倍さんと違って必要以上に笑わないし、
何か近寄りがたいところがある。
他の同期のメンバーはそこが格好良いって言うが、私には分からない。
「そんなところに突っ立ってないで早く入ろうよ」
「は、はい・・・」
私は萎縮してしまった。
迂闊な事を言うとぶっ飛ばされそうだし、
かと言って黙っていると不振がられる。
(うわぁ・・・、安倍さん。助けてー!)
変な空気が流れた状態で、
「わ!!」
突然、後藤さんが叫んだ。
やば、何か気に障ることをしてしまったか。
「もう2人も来ている!」
「え?」
見ると既に安倍さんと保田さんのロッカーの鍵が無くなっていた。
「今日、寝坊しちゃったからな・・・あー、ごっちんの馬鹿馬鹿!!」
いつもクールが後藤さんが、こんなコミカルな行動を取っている。
私が呆気に取られていると、元の後藤さんに戻り、
私に話しかけてきた。
「らしくないって思ってんでしょ?」
「え、いや、あの」
「いいよ。私も分かってんだから」
慌てる私に、微笑みながら私の頭を撫でてくれた。
- 44 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 05:19
- 着替える間、沈黙が続く。
何か会話をしなければ行けない!――と言う気持ちはある。
しかし、何にも言葉が思い浮かばない。
後藤さんが着替えている間、私はじっと彼女の事を見ていた。
(はぁ・・・、やっぱり格が違う)
安倍さんにしても、後藤さんにしても言えることだが
何か人を引き付ける物がある。
同姓の私が見ても、彼女の事は美人だと思うし、
色気があると思う。
私が見とれていると、後藤さんと目が合ってしまった。
- 45 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 05:19
- ―後藤真希は近づく。
『おい、何じろじろ見てんだよ』
『え、いや、あの』
―後藤真希が胸倉を掴む。
『てめえ、喧嘩売ってんのか?』
『いえ、滅相もございません・・・』
―無表情だった目つきは、しかめっ面に変わる。
『ちょっと、廊下に来い!』
『あーれ、安倍さん助けてー!!』
―力ずくに新垣里沙は廊下に連れ出される――。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
- 46 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 05:19
- 私の中で、こう言うシナリオが自然と浮かんだ。
(殴られる・・・)
(絶対に殴られる・・・)
「いやだぁー、じろじろ見ないでよー。恥ずかしいじゃん」
彼女は照れ笑いしながら、私の肩を軽くたたいた。
「ご、ごめんなさい」
「いいよ。別に謝らなくても」
(怒ってない・・・)
(はぁ・・・、良かったぁ)
「そういや、新垣。最近、頑張っているみたいじゃん」
私が安堵感に浸っていると、彼女の方から話を振ってくれた。
「え、いや、まあ・・・どうなんでしょう」
なんと答えたら良いのか分からなかった。
「なっち、褒めていたよ。一生懸命頑張っているから、成長が早いって」
「本当ですか?」
尊敬する安倍さんが、私の事を褒めていたこと聞き、
さっきまであった眠気が一気に吹き飛んだ。
- 47 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 05:20
- 控え室で後藤さんと別れ、レッスン場に向かう。
すると既に安倍さんがストレッチしていた。
「おはようございまーす!」
「おー、今日は一段と元気がいいねー。今日も頑張ろうね!」
「はい!」
この時、私は考えもしなかった。
この後に起こる出来事を・・・。
- 48 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 06:32
- 何とか宣言通りに更新できました。
本当はもう少し更新する予定でしたが、今回はこの辺で勘弁させてもらいます。
ここでこれが出来たきっかけをお話したいと思います。
(言い訳とも言う?)
元々、ここでデビューするつもりはありましたが、これをデビュー作に
するつもりはありませんでした。
本来、デビュー作とする予定だった題名は言えませんが某ボツネタとだけ
言っておきましょう。
しかし、中々、完成せずに色々と考えていた時にこのスレを見つけました。
(これは俺が立てたのではありません。これは誓います)
この時、思ったのが――実際デビューした時、どんな状況になるんだろう――と。
何事も経験、どうせ消されるスレだし――と思い書き始めたのがこれです。
いい加減な気持ちで書き始めたものですが、やはり書いているうちに
いい加減なことは出来ないな――と言う気持ちが出てきました。
ここでお詫びをさせていただきます。すみませんでした。
そして、応援して頂き有難うございます。
- 49 名前:続き 投稿日:2004/09/29(水) 06:41
- ここで今後の展開について話したいと思います。
取り合えず、今回の話についてはミュージカル編までで終わりとさせて頂きます。
が、いい加減に始めたこの話も今では愛着ある話の一つとなりました。
完結は無理(それは新垣さんが現役ですから)ですが、ミュージカル編までは
しっかり書きたいと思います。
後、何回になるか解りませんがもう少しお付き合い下さい。
そして、もう少しだけここで書くことをお許しください。
- 50 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/29(水) 21:06
- なるほどそういうことでしたか でもってやっぱり無題ですか わはは
完結無理の理由も(・∀・)イイ!!です
あれこれ考えてしまうガキさんに引き込まれます 頑張ってください
- 51 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/29(水) 21:28
- ・・・タイトル。
凄い痛い所を・・・。
『SMELLS LIKE TEEN SPRITS』
『YOUTHFUL DAYS』
いづれもシックリ来ないためボツ。
しかも後者は、同名のタイトルがあるし・・・。
- 52 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/09/30(木) 03:19
- おっと!
肝心なことを忘れていた!
>50
レス、有難うございます。
これからもよろしくお願いします。
題名に関しては、本当に悩んでます。
とりあえず、タイトルですが、仮題で『BEAM 〜ブラックドリーム〜』にしておきます。
- 53 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/04(月) 04:17
- 今、作ってます。
今日から明日までの間に少しですが更新したいと思います。
読んで下さっているみな様、及び読んでないみな様も暇なときは読んでやって下さい。
質問させて頂きます。直感で答えて下さい。
是永美記って知ってますか?
そして、みうなとどっちが良いですか?
理由についてですが、レスが2、3ついたら答えさせて頂きます。
- 54 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/04(月) 20:46
- これてぃは、フットサル以外、イメージ無いですね
みうなは好きです
- 55 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/04(月) 20:55
- 自分はみうな好きで是永はよくわかりません
どっちが良いですかとだけ言われてもなににどう良いか悪いか、どう答えたものやらわかりません
なんだろうと作者がサックリ作品進めてしまえばそれに喜んで納得します
- 56 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/04(月) 23:10
- 是永もみうなもあまり知らないし、ついでに美勇伝の2人もキッズもエッグも7期も興味なし。
今居る人をなんとかしろと小一時間って感じでごじゃります
- 57 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 02:36
- 先ず、タイトルですが『Volume 〜里沙の風〜』とさせて頂きます。
タイトルの由来は大した理由ではないので、この話が終わった時にでも話したいと思います。
>54
>これてぃは、フットサル以外、イメージ無いですね
→そうなんですよね・・・。俺も台場カップを見た時、『誰?』って思いました。
>55
>どっちが良いですかとだけ言われてもなににどう良いか悪いか、どう答えたものやらわかりません
→おっしゃる通りでございます。そんな質問に返答していただき、ありがとうございます。
>56
>今居る人をなんとかしろと小一時間って感じでごじゃります
→それは吉ヲタ時代に常々、思ってました。ちなみにつんくにそれを求めるのを諦めました。
- 58 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 02:37
- さて、本題に戻ります。
何故、訳の分からない質問をしたかを自己弁護を含めて答えたいと思います。
以前も言いましたが、自分には本来デビュー作として書く予定だったものが
ありました。
これについては,
今でも構想中でその中の登場人物は大体決まってましたが
1人だけどうしても決めかねていたのがいたのです。
だったら、ハロプロの中で不遇な扱いを受けている奴を選ぼうと思い、
色々と考えた結果、みうなが先ず思いつきました。
みうなで話は進めましたが、比較の対象となる奴がまったくいなかったので
少し不安を感じていた時に、是永美記と川島幸と言う存在を知りました。
この3人で誰を選ぶか・・・川島はフットサルでほとんど出番がなさ過ぎて
顔が良く分からなかったので先ず、省きました。
この2人を選んだ理由は以下の通りです。
- 59 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 02:40
- 是永美記・・・台場カップ優勝の影の功労者。実はハロプロフットサル1実力者。
しかし、インタビューされるのは常に吉澤や後藤ばかり。
この先、恐らくずっと縁の下の力持ち的な役割をさせられるのだろう。
みうな・・・6期オーディションにて、国民投票3位。田中、道重より上位につけていたにも
関わらず何故か落選。『カントリー娘。』入り。
『カントリー娘。』に入るもほとんどテレビには出ず、
たまに出たと思ったら、あまり触れられず久しぶりのうたばんでは
ただ1人コントに出れずに終わってしまった・・・。
で、その時に2人の知名度がどれ位かを知りたくて前回のような質問をさせて頂きました。
本編については、もう少し待ってください。絶対に今日のAM8:00までに更新します。
- 60 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 04:27
- 朝連を終え、着替えるために控え室に戻る。
そこはいつもとは違う、異様な光景だった。
ミュージカルの関係者全員が集まっていた。
控え室の中からは誰かの泣き声が聞こえる。
「どうしたんだろ・・・、行ってみよう」
人だかりを掻き分け、中に入る。
「ちょっとすみません。・・・?愛ちゃん・・・」
そこには、使い果たしたボロ雑巾のような布を握り締めて
泣き崩れていた愛ちゃんがいた。
- 61 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 04:30
- 横では加護さんが懸命に愛ちゃんを慰める。
私はその時、愛ちゃんが握っていた布が気になった。
(あれは・・・まさか!)
「加護さん、それってまさか」
加護さんは、私が何を言おうとしたのか分かったらしく黙って頷いた。
ボロ雑巾のような布の正体は、愛ちゃんの福井時代の友達が
東京に来る前に送ってくれた寄せ書きが書かれたTシャツだった。
ここにいる面子は皆、知っている。
彼女がどれだけ、このTシャツを大切にしていたかを。
何か気の聞いた言葉を掛けてあげたかった。
でも何も言葉が思い浮かばなかった。
今は何を言っても何の慰めにはならないから――。
- 62 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 04:30
-
―酷い・・・
―酷すぎる
―あんな話をするんじゃなかった
―あの人達にあんな話するんじゃなかった
―私の所為だ・・・
―私があんな事を言わなかったら
―私があんな計画を立てなければ・・・
- 63 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 04:30
- 愛ちゃんはショックの余り、とても練習どころではなかったので
今日の練習は不参加となった。
本番まで1ヶ月切ったにも関わらずテンションはあがらず
重苦しいものとなった。
「ちょっと、あんたらいい加減にしなさいよ!」
口を開いたのは飯田さんだった。
「本番まで、1ヶ月切ってんのよ。こんなんでどうすんの!」
「そんなこと言ったって・・・」
「なっち、あんたまでそんなんでどうするの?」
「でもさ、高橋の・・・」
「そんなことはお客さんには関係ないでしょ!」
飯田さんの一言に安倍さんは何も返せなかった。
「ショックなのは私も同じ。高橋のことは本当に可哀相だと思う。
でも私たちはプロ。プロとして見に来てくれたお客さんに満足して帰って
貰わないとお客さんに申し訳ないでしょ!」
「・・・そうだね」
ここで吉澤さんが口を開いた。
「いい加減なことは出来ないね・・・。
ある人は有給とって・・・、
ある人はバイトをして・・・、
ある人は一生懸命ためたお小遣いを使って見に来てくれる。
私たちはその人達に満足して貰わないと――」
もっともである。
愛ちゃんのことで一時的に忘れてしまったが、私たちはプロである。
プロとしては、お客さんに何を見せるか。
特に私はプロになって数ヶ月。
この先輩達の誰よりも練習しなければならない。
「そうね・・・私がもっとしっかりしないと行けなかったね」
安倍さんが口を開いた。
「そうよ。あなたはこのモーニング娘。のエースなんだから」
飯田さんの顔からようやく笑顔が戻った。
「さ、皆、練習するよ」
「よっすぃー、それは私のセリフだから」
『ははは!!』
ようやく戻った皆の笑顔。
「さ、遅れた分、取り戻すよ。さ、皆、集まって。
いつものやるよ。」
飯田さんの号例に円陣を組み、それぞれの手を中央に重ねあわせる。
「さ、皆が頑張って行きまっ・・・」
『ッショッイ!!』
皆からいつもの表情が戻った。
- 64 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/05(火) 04:38
- 今日はここまでで止めさせてもらいます。
次回は土曜に更新します。
- 65 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/09(土) 14:38
- お詫び
前回更新時に次回更新は土曜日に行うと言いましたが、
今日は更新出来そうにありません。
来週の日曜まで時間を下さい。
期限を守れなかったことをお詫びします。
- 66 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/09(土) 20:20
- 明日、本来ボツにしたやつを外伝と言う形で更新します。
ボツ理由は・・・明日、話します。
- 67 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/09(土) 22:32
- 作者さん乙
ただ、作者コメントだけ挟むよりは作品のっけていったほうがいいと思う
一週間や二週間空いても読者はあんま気にしませんよ どうせ氏にスレだし
頑張ってね
- 68 名前:D.J.マリー(デビルジョーカー・マリー) 投稿日:2004/10/10(日) 18:29
- >67
ご忠告、ありがとうございます。
実際に色々とこじつけて話を続けてましたが
ネタ的にも限界がきている状態で、段々、厳しい状況になって来ました。
今までのその場しのぎのツケが今、来ている状態で
色々な意味でもう手遅れなのかもしれません。
しばらく、見つめ直したいと思います。
取りあえず、更新は致しますが今後については考え直したいと思います。
1ヶ月、時間を下さい。1ヶ月以内に結論を出します。
これを辞める場合は、自分で削除依頼を出します。
続ける場合は、1ヶ月以内に更新します。
その時は、一挙に完結させたいと思います。
- 69 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/10(日) 18:33
- 久しぶりに練習が厳しいと思った。
私はついて行くのにやっとだったが、他のメンバーからすると
大したことが無かったのか軽々とこなしていった。
プロの凄さを改めて感じさせられた。
明日も今日と同じぐらい練習するのだろうか――
私は今から、ついて行けるか不安である。
取り合えず練習を終えた私は、辻さんを迎えに『青春〜』チームの練習場に向かった。
辻さんが家に泊まりに来ることになっていたからだ。
練習場に向かうといたのは辻さん一人。
ダンスの先生の指導の下、2人で練習していた。
(へえ、辻さんがねぇ・・・って普段、練習嫌いなイメージがあるけど見直しちゃったな・・・)
(――私も仲間に入れてもらうか・・・)
いつまでも安倍さんばかりに頼っていられない。
自分から率先して、ダンスの先生にお願いしなくちゃ。
私は控え室にもう一度、着替えに戻ることにした。
- 70 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/10(日) 18:34
- 控え室に戻るとマコっちゃんがいた。
「あ、里沙ちゃん、どうしたの?」
「マコっちゃん!練習よ。練習」
「へえ、えらいね。自主練するんだぁ」
マコっちゃんの回答に私はキレそうになった。
(同い年で先輩の辻さんがあれだけ、頑張っているのにあんたは・・・)
「マコっちゃん、そんなんで良いの!?
辻さんなんか、1人残って練習してんのよ!!新人の私達が・・・」
「ああ、のんちゃんね。何にも覚えていなかったから居残りさせられているのよ」
「へ?」
「なんか、ずっと一人で遊んでいたからねぇ」
この時、私はメデューサの目をまともに見て石に固まった感じだった。
辻さんはやはり辻さんだった・・・。
私はやる気が失せ、引き返そうとした。
「あれ、練習するんじゃ・・・」
「なんかやる気無くした・・・」
「辻さんは?」
「いい!」
別にマコっちゃんが悪い訳ではないが、やり場のない怒りを抑えることが出来ず
つい、その場に居た彼女に八つ当たり・・・。
「だ、だったら、一緒にファミレスに行こうよ。紺ちゃんも待っているから」
「・・・そうする」
辻さんを置いて、さっさと後にした――。
- 71 名前:デビルジョーカー・マリー 投稿日:2004/10/18(月) 01:49
- 細かいことは色々と在りますが、取りあえず明日の7時ぐらいまで
思いつく限り更新したいと思います。
取りあえず完結までの道筋は頭の中では描けましたので・・・。
- 72 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 01:51
- ファミレスで私は、マコっちゃん、紺ちゃんと3人でいた。
後から辻さんも来るらしい。
(来なくていいよ)
(それにしても加護さんは凄かったなぁ)
(辻さんとは大違いだ)
今日の練習での加護さんは凄かった。
もちろん、皆、凄かったのだが私より1歳しか違わない
加護さんがあれだけの動きを出来るなんて・・・。
気づいたら、私は見とれていた。
普段、ちゃらんぽらんな加護さんだが影ではすごく練習していたのだと思う。
(それに比べて・・・)
私は辻さんの事を頭に浮かべた。
- 73 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 01:51
- 私はずっと加護さんの事が嫌いだった。
いつもヘラヘラしていて、大した努力もせずに周りからのお膳立てがあって
人気が出た子。お調子者でちゃらんぽらん。
しかも、どこか腹黒さを持ち合わしていた加護さんが嫌いだった。
でも、違った。
彼女はいつもどこかで努力をしていたし、
愛ちゃんの事件の時、ずっと愛ちゃんの事を慰めていた。
自分より年上の愛ちゃんを。
私は何も出来なかった――何よりも大切な同期の愛ちゃんに対して。
周りからのお膳立てはあったかも知れない。
しかし、それに対して一生懸命、頑張って答えた結果が今の人気にある。
それに比べてあの人は・・・。
とにかく努力はしないし、
ちゃらんぽらんだし、
いつもヘラヘラしていて、
先輩達にはいつも可愛がられて・・・
あー段々、嫌いになっていった。
辻さんなんか何で娘。にいるんだ!
愛ちゃんじゃなくて、あの子が苛められれば良かったんだぁ!!!
- 74 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 01:51
-
・・・ちょっと心の中とは言え、言い過ぎだ。
あの人には本当に良くして貰っている。
辻さんとの付き合いは、安部さんよりも長いし・・・
私がネットの事で、塞込んでいて皆が話し掛けずらい中、
ずっと話し掛けてくれたのも辻さんだった。
あの時はうざいと思ったが、辻さんとは何にも気を使わずに
話せるようになったのはあの時、辻さんがいつも話し掛けてくれたからだ。
安部さんと仲良くなれた事で浮かれていたのだろう。
私は親友である愛ちゃんの事などすっかり忘れていた。
愛ちゃんの様子がおかしくなった時、
私は本当に愛ちゃんの事を考えていたのだろうか?
本当は自分の為に愛ちゃんとの問題を解決しようと
していただけだったのじゃないか・・・。
そう・・・私はいつも自分の事しか考えていない
私は・・・最低だ・・・
- 75 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 01:57
- あれこれ考えているとマコっちゃんと紺ちゃんの様子が少し可笑しかった。
「分け目チョープ!」
突然の脳への衝撃に私は、何が起きたのか分からなかった。
マコっちゃんと紺ちゃんは笑ってる。
さては・・・・・・。
「辻さん!」
「裏切り者!!」
「どっちが裏切り者ですか!!!」
「待っててくれてもいいじゃん!!!!」
「普段、練習をしないから悪いんでしょう!!!!!」
私は一瞬、怯んだのを見逃さなかった。
「大体、本番が1ヶ月切っているのに何も覚えてないって何事ですか!!!!!!」
「い、いやさ、だって」
「それは辻さんが悪いですね」
「紺ちゃ〜ん」
「そうだ、そうだ」
「マコっちゃんまで」
状況的に1対3となり辻さんは何も言い返せなくなった。
「辻さん、何か言う事は?」
「ごめんなさい」
「よろしい!」
反省する猿のように、私の肩に手を置く。
その光景を見て、2人はゲラゲラ笑っていた。
- 76 名前:デビルジョーカー・マリー 投稿日:2004/10/18(月) 02:40
- 定位置に戻します。
後、申し訳ないんですが以下のように変えさせてもらいます。
マコっちゃん → 麻琴ちゃん
- 77 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 02:41
- 辻さんが来てから、私の気分は和らいだ。
私だけではなくて、麻琴ちゃんも紺ちゃんも楽しそうに会話している。
なんだかんだ言っても、この人はその場の雰囲気を変える力を持っている。
つんくさんもその部分は物凄く買っているって安部さんから聞いた事がある。
「ふう、大変だったよ。もう先生が怒っちゃって怒っちゃって」
「なんか、泣きそうな顔して"ごめんらさい"っていってましたよね」
「違うもん!」
「麻琴ちゃん、違うってば。"ごめんならい"だって」
「違うって!」
辻さんも気にしているらしく、少し声を荒げてきている。
でも、そんな辻さんを見てるのが私は楽しかった。
人見知りが激しいけど、一度、気を許すととことん付き合う。
辻さんはそう言う人である。
この前もなんだかんだ言っても私の話を聞いてくれていたし・・・。
この時、私の頭の中にあったパズルが少しづつ出来上がってきた。
- 78 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 02:48
- (そう言えば、私の話を聞いて何か言っていた・・・)
(でも・・・、なんて言っていたっけ・・・)
考えても考えても思い出せなかった。
思い出すのは、私のパスタに対する異様な眼光だった。
「豆、どうしたの?」
辻さんが私の顔を覗き込む。
「え、あ、その」
「里沙ちゃん、どうしたの?」
言えない・・・。
折角、和んできた場の雰囲気を壊したくなかった。
- 79 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 03:06
-
「何でもない、それでどうしたの?」
取りあえず話題を変えたかった。
だから、話を聞いていたふりをして話を戻すようした。
「・・・ったく、また、1人で悩んでいるんでしょ?」
「え?」
辻さんにあっさりと見破られた。
場の雰囲気を崩さない様に心がけていたが思いっきり表情に出ていたらしい。
「悩んでいる事があるんだったら、私達に言ってよ」
「そうだよ。1人で悩んでいるなんて体に良くないよ」
「紺ちゃん・・・、麻琴ちゃん・・・」
「相談なら何時でも乗るよ」
「辻さん・・・」
「ま、頼りない先輩かも知れないけどね」
この辻さんの意見に、麻琴ちゃんと紺ちゃんはほぼ同時に同じリアクションをした。
- 80 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/18(月) 03:17
-
「この間、言ってたこと?」
「ええ、私が愛ちゃんの話をしたことがあったじゃないですか」
「ああ、・・・ええっとね、ちょっと待ってね・・・」
腕組みをし、真剣な表情をしている。
色々と記憶を辿っているようだ。
「確か・・・、パスタを貰った時だよね」
「はい」
「ええっと、確か・・・そう、"何で立ち止まったんだろうね"じゃなかったっけ」
そう、その言葉である。
あの時は、別に何とも思わなかったけど何で立ち止まったか?
考えてみたら、もし、私を無視するつもりだったら立ち止まる必要はない。
そして、記憶を辿るとあの時の愛ちゃんの表情は睨むっと言うよりは
何か言い出そうとしていた。
しかし、逃げ出した。
・・・何で?
いや・・・、大体の想像は出来ていた。
何故、逃げ出したか・・・。
でも、出来る事なら私の予想は外れて欲しかった――。
- 81 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/18(月) 03:19
- 今日はこの辺りで更新を止めて起きます。
理由はともかく高橋が何故逃げ出したかは皆さん、
なんとなく気づいていると思います。
何がきっかけか?
それについて次回、更新で触れていきたいと思います。
- 82 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/19(火) 00:09
- おー、続きがきた
辻ちゃんとガキさんのつながりが読めて嬉しい
どうなんのかな
- 83 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/19(火) 00:22
- ののさんいい先輩ですね?キャラが生きてるって感じです。
今回の更新分で気になった事あるのでメル欄に書いてます。
- 84 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/21(木) 04:21
- 以前、告知しておきながら書かなかったものを取りあえず書きます。
いつものようにここに書き込む前に文章を作っているので
誤字脱字が多数、あると思いますがその辺はご容赦を・・・。
- 85 名前:volume 特別編 〜麻琴の夢〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:24
-
はあ、将来か・・・。
私達はどんな娘。になってんだろう。
後藤さん見たいに輝いている人も素敵だし、
保田さん見たいのに3枚目キャラも結構、良いかも。
飯田さん見たいな大人の女性も素敵だな―――。
でも、やっぱり私は――。
―――
――――
――――――――
――――――――――――
- 86 名前:volume 特別編 〜麻琴の夢〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:24
-
「麻琴、何、考えている?」
吉澤さんが私に話しかけてきた。
「いえ、ちょっと・・・」
「せっかく飯田さんが奢ってくれるって言うんだから、食べなくちゃ」
吉澤さんも美味しそうにパクパク食べている
そうだな・・・、悩んでいてもしょうがないし、思いっきり食べるぞー
「のの、うめえな」
「うん」
辻さんが嬉しそうに頷く。
(私も食べるかな)
箸を伸ばそうとした時、私は信じられないものを見てしまった・・・。
- 87 名前:volume 特別編 〜麻琴の夢〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:24
-
目の前にドンッ!――と置かれた怪しい茸。
それを見て、皆、喜んでいた。
おかしい・・・、そんな茸はこの世にある筈ない。
「あ、あの・・・その茸」
「ああ、これ?これはね、新種の茸でとても美味しいらしいよ」
そんな訳あるはずがない。
あるとしてもどう見ても、毒キノコである。
赤い斑点模様の茸と緑の斑点模様の茸なんて・・・。
「ん?誰も食べないの?じゃあ、私、貰うね」
飯田さんが緑の茸を取り、パクっと一口。
「ああ、美味しい。う・・・うぅぅ・・・わあぁぁぁ」
当然のごとく、苦しみだす。
(どうしよう、やっぱり毒に当たったんだ。どうしよう・・・ええっと)
(え、どうした・・・飯田さんがどんどん小さくなって行く・・・)
すると、飯田さんは姿形・・・って言うより全然、別人になってしまった。
「はあ、ビックリしたぁ。オイラ、どうしようかと思ったよ・・・」
「はは、圭織、また、矢口さんになっちゃったの?」
「飯田さんは駄目れすねー。はい、これ」
びっくりしている私を横目に辻さんが、赤い斑点模様の茸を渡した。
すると見る見るうちに、元の飯田さんに戻っていく。
「はぁ、びっくりした!また矢口になっちゃったよ」
『ははははは!!!』
「いやあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
―――
――――
――――――――
――――――――――――
- 88 名前:volume 特別編 〜麻琴の夢〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:28
-
「いやあぁぁぁぁぁぁ!!!はぁ・・・はぁ・・、夢?ここは・・・里沙ちゃん家か。」
そう言えば、里沙ちゃんの家に泊めてもらってんだ・・・。
ファミレスで将来の夢とかを話していたら、
私達、未成年にはとんでもない時間になっていた。
本当は辻さんだけ泊まるはずだったけど里沙ちゃんの好意に甘えて
私達もお邪魔することになった。
ノンちゃん、あさ美ちゃんは将来は後藤真希さん見たいになりたいって言っていた。
里沙ちゃんは安倍さんのような格好良い先輩になりたいって言っていた。
私は一応、後藤さん見たいになりたいと答えたけど本当は・・・ヒ・ミ・ツ。
ま、それはさておき、さっき辻さんの答えを聞いた後の急に、
里沙ちゃんの顔色が変わった。
ノンちゃんが何度、問い掛けても――
何でもない――
の一点張りだし・・・。ま、私がこんな事を考えてもしょうがないんだけどね。
(それにしても・・・なんだ、この夢は・・・)
私はたっぷり寝汗を掻いていた。
大体、考えてみたら辻さんは『〜れす』なんて言わない。
(それを本人に言ったら、怒られるな・・・。気にしているようだし)
まさか、誰も起きてないよね。
周りを見たがノンちゃんも紺ちゃんもスヤスヤと寝ていた。
(2人とも可愛い)
夢には、私の憧れの人と一緒にノンちゃんも出てきた。
(辻さんかぁ・・・)
(あの人は本当、マイペースなんだけど・・・なんか憎めないんだよなぁ)
(芸能人として先輩なんだけど、決して見下したそぶりを見せない)
(そして、常に対等として扱ってくれるもんなぁ・・・)
(ま、本人は特にそんな事、気にしてやっているんじゃないんだろうけどね)
人の食事を奪われたことは数え切れないほどある。
でも、あの屈託のない笑顔と人懐っこさには勝てず、ついつい許してしまう。
(同い年なんだけど、本当、可愛い)
「麻琴ちゃん、どうしたの?」
私があれこれ考えていたら里沙ちゃんが、話し掛けてきた。
- 89 名前:volume 特別編 〜麻琴の夢〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:31
-
ヤバッ!――起こしちゃったか?
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
「ううん、私も変な夢を見て目が覚めちゃったとこ」
「あ、本当」
「で、どうしたの?」
うっ!――あまり聞いて欲しくなかったんだけど仕方がない。
「うん・・・、実はさ」
私は夢で見たことを一部始終、全て里沙ちゃんに話した。
話し終え、彼女の表情を見てみるとポカーンとしていた。
(だから話したくなかったんだよう・・・)
そしてしばらくして出てきた言葉が・・・。
「・・・はぁ、お休み、麻琴ちゃん!」
里沙ちゃんにため息をつかれた・・・。
なんか馬鹿にされたようで何か悲しかった――。
ま、いいや、私も寝よ。
volume 特別編 〜麻琴の夢〜 ― 完 ―
- 90 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/21(木) 04:39
- 以上が、一度はボツになった話です。
本当はこの夢をきっかけに辻の話の事を思い出すってつながりに
持ってこうとしたんですが、更新直前になって
「こんなんで良いのか?」
と思いしばらく時間をいただきました。
正直、自分的には63の部分が更新した後、読んで失敗したなと感じたもんで・・・。
ま、言い訳はこれぐらいにしておいて本編をどうぞ。
レスは本編更新後に書かせていただきます。
- 91 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:42
- クタクタに疲れた筈なのに、この日も眠れずにいた。
やはり愛ちゃんの事が気になったからだ。
愛ちゃんが何故、私を見て立ち止まったか―ー
それは私と話す為である。
何を?
それは分からない――
でも、あの表情は楽しい話ではない、恐らく悩み
または私に助けを求めようとしたのだろう。
どう言う悩みか?
これは一つしかない。
イジメ――
そう、おそらく愛ちゃんは誰かにイジメを受けていた。
でも、それだとすると何で私に?
私の他に麻琴ちゃんや紺ちゃんもいる。
それにも関わらず何故、私なのか?
- 92 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:48
-
それは、イジメている人が麻琴ちゃんや紺ちゃんとは親交が深い人であるから。
そして、私との親交はほとんどない。
この時点で、安倍さんと辻さんの線は完全に消える。
でも・・・、他のメンバーを挙げると――
飯田さんに
保田さんに矢口さん、
後藤さん、石川さん、吉澤さん、加護さんがいる。
こうして見ると私ってほとんどのメンバーと親交が無い事に気づいた。
はぁ・・・、凹む・・・。
まぁ、保田さんと後藤さんはあの逃げ出した時には他の所にいたから多分、違うと思う。
あの場にいたのは、石川さんと加護さん、
そして、あの場面を目撃したと言っていた飯田さん、矢口さん、吉澤さんも入るだろう。
愛ちゃんはこのうちの誰かを見て、逃げ出した。
何故?――それはイジメられている事を私に告げようとしたから。
別にあの場面では、皆が居たから逃げる必要はなかったが反射的に逃げてしまったのだろう。
では誰が愛ちゃんの事を――。
- 93 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:51
-
飯田さんはリーダーだし、
矢口さんは根が明るいからそんな事しないだろう。
石川さんは・・・、あんな優しくて弱い人がイジメをする筈はない。
そうだ、吉澤さんだ!
きっと吉澤さんがイジメたに違いない。
あの人は気が強いし――。
・・・でも、そんな陰険な人でもないよなぁ。
今日だって――
- 94 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:52
- ―――
――――
――――――――
――――――――――――
厳しい練習も一旦は終え、30分の休憩に入った。
皆、この時は愛ちゃんの事を考える余裕など無かった。
「ふう、喉乾いたね。飲み物でも飲もう」
「あ、じゃあ、私、ジュースでも買ってきますよ」
「あ、本当。じゃあ、お願い」
安倍さんから小銭を受け取り立ち上がると――
「あ、オイラのも買ってきて」
――と吉澤さんが一言。
この時、私は今朝見た夢でのあの一言を思い出した。
――お前は俺のパシリしていれば、良いんだよ!――
- 95 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:52
-
(・・・駄目だ)
(このままじゃ、駄目だ)
いつも、どこかで感じていた。
この人は私の事をパシリ程度にしか思ってないんじゃないか――と
(そういや、いつもジュースを買いに行かされている)
(この人は私の事をパシリにしている。間違いない!!)
そう考えると私は段々とむかついて来た。
(このままじゃ、私は一生、この人のパシリになる)
(断らなければ・・・。よし!)
私は吉澤さんの目を見た――睨み付けるように。
- 96 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:52
- 私の目を見た吉澤さんは、若干、怯んだ。
「な、何だよ。その目」
(よし、行ける)
「私は、吉澤さんのパシリじゃありません!」
「は?誰がパシリにしたよ」
「今、しているじゃないですか」
周りはシーンとなる。
「で、でもさ、買いに行くついでがあるから・・・」
「たまには自分で行って下さい!」
「あ、ああ」
すごすごと引き下がり黙り、彼女はジュースを買いに行く。
- 97 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:54
- (――こうなってくれるかも、いや!)
(こうなってくれるに違いない)
(・・・よし!言うぞ。絶対に言うぞ)
私は、後藤さんの時と同じように成功のシナリオを考え、自分に言い聞かせた。
「ん?どうした」
「・・・何、買ってきますか?」
(恐い・・・)
言える筈がない。
後藤さんは良い人って分かったけど、この人はなんか恐い。
背も高いし、(別の意味で)男を意識したファッションしているし、
何よりも運動神経が良いから、怒らせたら何されるか・・・。
(恐い、恐いよ・・・)
(睨み付けたと思われてないよね・・・)
(嫌だよ、恐いよ、安倍さ〜ん)
「んー、まあ、任せる」
私の目つきに何にも気付かなかったみたいだ。
正直、ホッとする反面、自分の意気地の無さに凹んだ。
私は肩を落としながら、買いに行こうとした。
「ちょい待ち!」
その時、吉澤さんは私を止めた。
- 98 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:55
- (やばい、やっぱり気付いていたんじゃ・・・)
(まさか、殴らないよね・・・)
ゆっくりと彼女は近づいて来る。
(ほ、本当に大丈夫だよね)
(い、いや。安倍さんがいる。飯田さんもいる)
(愛ちゃん・・・はいないけど、加護さん・・・は宛てにならない・・・)
(でも、吉澤さんは中学時代バレーで全国大会に・・・)
この時、私は吉澤さんと目があった。
気分は最悪――例えるなら完全にヘビに睨まれた蛙の気分だった。
(な、何するんだろう)
「お金も持たずにどこに行こうとしてんだよ。ほら」
――と、私に500円玉を握らせた。
「へ?」
「釣りはいいから。余った分で自分の分も買っておきな。
午後は更に厳しくなると思うから、水分はしっかり取っとけよ」
「良かったね。よっちゃん、奢ってくれるって」
「えー、ずるい。よっすぃー、私にも奢ってよ」
「ダーメ、アイボンは同期だから」
「ずるい。私にも――」
「飯田さん、あんた、リーダーでしょ」
「ちょっと言ってみただけ。新垣、私もお願いしていい?」
「はあ・・・」
「じゃあ、これでアイボンの分も一緒にお願い」
とポンと千円札を私に渡した。
「やったあ!飯田さんありがとう。よっすぃーのケーチッ!」
――とアカンベーをする。
「べーだ!」
――と吉澤さんもやり返す。
吉澤さんと加護さんはじゃれあっている間に、
私は皆の分の飲み物を買いに行った。
吉澤さんに奢って貰える――この事がなんか嬉しかった。
―――
――――
――――――――
――――――――――――
- 99 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:56
- もうちょっとキツイ人だと思っていたけど、
それは私の勝手な思い込みだったらしい。
とすると残るは・・・。
- 100 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 04:59
-
加護さんだ!
そうだ、加護さんに違いない!
いつも一緒にいるからイジメようとすれば
何時でもイジメられる――って、そんな訳あるかぁ!!!!
あの人は結構、私達の事を気遣ってくれる。
いつかだって、あの時、唯一話し掛けてくれる辻さんと違う組になって、
私が夢が丘組で孤立している中、あの人は率先して声をかけてくれた。
あの時、本当は嬉しかった。
でも、意地を張り、一緒に練習することはなかった。
あの1件があった後でも、加護さんは私に色々とアドバイスをくれた。
私が何度、冷たく突き放しても・・・。
年下の私にも気遣ってくれる人が、年上の愛ちゃんの事をイジメる事は
考えられない。
大体、そうなったら愛ちゃんが反撃するだろう。
- 101 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 05:00
-
――イジメていた人がいなくなっちゃった・・・。
いや、違う。
いるんだ。間違いなく。
そして誰だかは、私も分かっている。
あの人だって事は。
でも、何故、愛ちゃんをイジメるかがどうしても分からない。
先輩に対して、怒らせる行動を愛ちゃんがするとは思えない。
じゃあ、何で?
それは直接、本人に聞くしかないか・・・。
「いやあぁぁぁぁぁぁ!!!はぁ・・・はぁ・・、夢?ここは・・・里沙ちゃん家か。」
突然、麻琴ちゃんが騒ぎ出した。
- 102 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 05:07
- (わ、びっくりしたぁ・・・。)
(なんか悪い夢でも見たのかなぁ・・・)
しばらく辺りを見回した後に辻さんや紺ちゃんの寝顔を見て、
なんかニヤニヤしていた。
(同姓の寝顔を見て、ニヤニヤするなんて・・・)
しばらく様子を見ていたが、口をポカーンと開けて
ボーっとしていた。
こうなると麻琴ちゃんは自分の世界に入ってしまい、
恐らく朝までずっと妄想しているだろう。それはマズイ――。
- 103 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/21(木) 05:10
-
「麻琴ちゃん、どうしたの?」
仕方がなく、私の方から彼女に声をかけた。
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
(いや、違うんですけどね・・・)
(ま、でもずっと寝れなかったって言うのも何なんだから)
「ううん、私も変な夢を見て、ちょっと前に目が覚めちゃったとこ」
「あ、本当」
「で、どうしたの?」
「うん・・・、実はさ」
麻琴ちゃんからこう言う夢を見たと聞かされた。
飯田さんが茸を緑色の斑点模様の茸を食べたら小さくなって矢口さんになった。
その後、辻さんに赤色の斑点模様の茸を渡され、食べたら元に戻ったって――。
(・・・・・・・・・・・・)
この人は、私が娘。の事を考えているって言うのに――と思ったが
一番下っ端である私が娘。の事を考えてもしょうがない。
大体、私が頭の中であれこれ考えても解決するわけでもないし。
それに、私の考えている事は推理で真実は当事者にしか分からないのだから――。
もう遅いし、明日もあるから今のうちに寝た方がいい。
愛ちゃんのことは明日、本人に確認して見てから決めよう。
(――なんか疲れてきちゃったなぁ・・・)
自分が1人で悩んでいた事が馬鹿らしくなり、つい、ため息が出てしまった。
「・・・はぁ、お休み、麻琴ちゃん!」
私は明日に備えて、寝ることにした――。
- 104 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/21(木) 05:21
- ようやく本来デビュー作となる筈だったヤツの1話目が完成しそうです。
でも、あらすじを考えた時はこんなに長くなるとは思わんかった・・・。
全て書き終えるのに一体、いつになるやら・・・。
その間に他の短編も形になってきていると言うのに――。
>82
辻のキャラは個人的には結構、好きなもんで。
この先、どうなるんでしょうねぇ・・・。
犯人を挙げた時の叩きが怖い・・・。
>83
色々とありがとうございます。
結構、気をつけていたんですけどねぇ・・・。
しかも誤字は他にもあったし・・・。
原因は安直でしたがイジメです。
何でイジメられたか?
そして、誰か?
次回はその辺を書いてみたいと思います。
- 105 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/22(金) 22:17
- 考えてみたら、今、書いているやつも5期が主役だし
本来デビュー作にする筈だったやつも5期が主役だし
今、製作中の短編も5期が主役。
俺が書こうとしている物で、5期以外が主役だったのって
物凄く少ないなぁ・・・。
- 106 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/23(土) 02:16
- いつもより遅い朝、
いつもよりにぎやかな朝、
そして、いつもより憂鬱な朝がやってきた。
私の想像が、私の過剰な妄想であって欲しい。
でも、最悪、もし全て当たっていたら――ここで止めなくては行けない。
モーニング娘。に憧れを抱いている子の為にも――、
私達を応援してくれるファンの人の為にも――、
何よりも大事な仲間の為にもここで終わらせなくてはならない。
そして、私達の後に入ってくる子に同じ目に合わしては行けない。
考えてみると愛ちゃんに限らず、あの人もずっと何かを抱えていたのかも――。
あの頃はまったく考える余裕はなかった。
でも、今は違う。
良き先輩がいる。
良き仲間がいる。
愛ちゃんに相談された時、私はどうしたか?
結局、無力の私に取れる方法は一つしかない。
私はこれからその一つを実行しようと思う――。
- 107 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/23(土) 02:22
-
「はあ、何か緊張するね」
「そうね・・・、何か恐い」
麻琴ちゃんと紺ちゃんが必要以上に緊張している。
でも、私と辻さんはあの人の事を知っているので
別にどうって事はない。
あの人は皆が思っているような高慢ちきな人でも
わがままな人でもない。
誰よりも素直で、誰よりも仲間思いな人、
そして私にとっては正真正銘――
『モーニング娘。のエース』
――である。その事実は世間の人がなんと言おうと変わることはない。
私の想像を取り敢えず辻さんには全て話した。
辻さんは笑ったり、完全否定をしたりはしなかった。
ただ一言だけ――
「事実を確認するまでは、私達の胸の中に閉まっておこう」
――と。
もし、麻琴ちゃんや紺ちゃんに同じ事を言っても
2人で色々と議論した挙げ句に結論は出なかっただろう。
私は辻さんに話してよかったと思ってる。
辻さんの一言であの人の元へ向かう事になった。
麻琴ちゃんや紺ちゃんには、私の悩み相談って事になっているらしい。
「あ、遅くなりました」
「おはよう。新垣、遅いぞ!あー、ノノ。それに小川と紺野も。
久しぶり!元気だったあー?」
いつもと同じ天使の笑顔が私の憂鬱な心を少し癒してくれた。
- 108 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/23(土) 02:25
- 麻琴ちゃんと紺ちゃんは席を少し外してもらったので、
ここには安倍さんと辻さんと私の3人だけしかいない。
私は安倍さんに思いを全て話した。
安倍さんは真剣に私の話を聞いてくれた。
「・・・それって、本当なの?」
「・・・本当かどうかは、まだ分かりません。私の想像です」
確かに本当?と聞かれてもしょうがない、
私も信じられないし、信じたくない。
「・・・でも、ありえない話でもないと思うんだ」
辻さんが私の後押しをしてくれる。
「・・・何で?」
「・・・うん、なんて言うの。彼女、本当に今、忙しいじゃん。
遊ぶ時間も無ければ、休む暇もない」
「うん、でもそれを言ったらごっつあんだってそうじゃん?」
似た立場の人は何人もいる。安倍さんもその一人である。
でも、あの人だけ何故?――それは、弱いからである。
普段の行動から言うととても想像出来ないがもの凄く弱いのだろう。
弱いから弱くないふりをするんだと思う。
「うん、それはそうなんだけどさ・・・。
そうそう、なっちゃんさ、ネットとか余り見ない方?」
「あ、なっちね、そう言うの余り気にしない方かな?」
この人らしい答えだった。
(ま、この人の悪口は最近は無いからなあ・・・)
「うん、私もそうなんだけど結構、酷い書き込みとかあるんだ。そうそう、
マメなんかありもしない出来事が事実として取り上げられてるからね」
「ああ、コネで入ったって話?笑っちゃうよね。」
この時、私は人が真剣に悩んでいる事を馬鹿にされているような気がして
少し腹がたった。
- 109 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/23(土) 02:26
-
「そんな事を言う人なんて、見る目が無いだけだよ。
だって、なっち、見てたけど新垣が一番輝いていたもん」
「え?」
安倍さんの口からこう言う言葉が出るとは思わなかった。
歌はあまり違いはないとしても、ダンスに関しては
決して誇れるようなものはなかった。
そんな私の事を安倍さんは――。
「人が目標を持ち、それに目指して頑張っているとあれだけ
輝けるんだなあ――って、なっち、新垣の姿を見て思ったもん」
「・・・本当ですか?」
「本当だよ。だから、新垣の事はずっと気にしてたんだよ。
最近、元気がないなとか。何か悩んでいるのかなぁ――とか・・・」
以外だった。安倍さんが、私の事をずっと気にしてくれてたなんて。
「だったら、もっと早く声を掛けてあげれば良かったじゃん」
辻さんが茶化す。
しかし安倍さんは真面目な顔をして答えた。
「それじゃあ、新垣の為にはならないでしょ。自分の足で踏み出さなくちゃ」
「え・・・?」
「自分で自分の殻に篭ってた部分があったよ。何で?かは聞かないけど」
私は・・・、いや、私と辻さんはうなづく。
「それに豆、物凄く沈んでいて。なんかとても話しかけられる様子じゃなかったもん」
「え?」
「麻琴ちゃんや紺ちゃん、ずっとその事で私に相談してたんだよ」
知らなかった。あの頃、皆が話しかけてくれなかったのは
ネットの噂が原因ではなく、私の態度が原因だったなんて・・・。
ずっと皆に迷惑をかけていたんだなぁ・・・。
- 110 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/23(土) 02:33
-
「ところでさ・・・」
何でしょう。何でも言ってください。
私はあなたに一生ついて行きます。
「なんでそんな話になったんだっけ?」
「えーと・・・、あれ、何だっけ?」
(折角、いい話になって来ていたのに、この人達は本当にもう・・・)
「辻さーん、ネットの話からですよ。それに今、ネットは関係ないでしょ」
「あ、そうそう。いや、そのネットの事なんだけど、今さ、私達が出てくる小説が
書かれていたりするんだけど・・・」
「へぇー、面白そうね。今度、見てみよ」
「うん・・・、あの人の使われ方を見ると・・・」
辻さんの口から言葉が発せられなくなった。
男の人は分からないだろう。私は同姓だから分かる。
もし自分が異性からこんな目で見られているか――と思うと・・・。
「・・・、どんな感じかは知らない。知らないけど、大体は想像つくわ。
彼女の今の扱い見ているきっと・・・」
安倍さんも言葉を飲み込んだ。
「それに後輩からの突き上げもね。愛ちゃんなんか今、物凄くプッシュされているから
怖かったんだろうね」
「なっち、その気持ち分かるなぁ。だって、私もごっつぁんの存在が怖かったもん・・・。
ま、言いたいことは分かったけど、取りあえず、なっちが本人に確認するから。他の人には言わないでね。ね?」
私達は頷いた。出来ることなら、あまり人に知られずに解決したいから・・・。
- 111 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/23(土) 07:36
- すみません。今日はこの辺で止めさせてもらいます。
取りあえず気分転換に、以前挙げた幾つかのタイトル候補について話させてもらいます。
(俺は代田ひかるか)
俺は話を作っている時に、良く音楽を聴き
その曲をイメージをしながら話を書いてます。
ですのでタイトルをつける時も、その音楽のタイトルをつけようかなと・・・。
当時は、ミスチル、ニルヴァーナ、黒夢を聞いていたので
前に挙げた3点が候補として考えていました。
自分の中ではミスチルの『YOUTHFUL DAYS』って事で
ほぼ決めてました。これはラストシーンの光景と照らし合わせて
この曲と合うようなラストにしたいなと思いつけたんですが・・・。
しかし、既に同名のタイトルが。
『SMELLS LIKE TEEN SPRITS』は知ってる人は多いと思いますが
ニルヴァーナの曲です。
『BEAM 〜ブラックドリーム〜』には一度はしたもののやっぱりしっくり行かない。
ブラックドリームと言うのは悪い夢って言うのをイメージしてつけたのですが
なんか重過ぎるなと・・・。
- 112 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/23(土) 07:58
- すんません・・・誤って更新ボタンを押してしまいました。
もうちょっとだけ書かせてください。
で、ニルヴァーナについてはかなり重いかなと感じ、
色々と考えた結果、このタイトルになりました。
誰の曲かとか何でこの曲にしたかとかは以前言った通り最後に言います。
で、今後の事について話したいのですが
先ず、以前は辞めるかもと言ってしまい、すみませんでした。
もう2度と言いません。絶対に完結させます。
次回、更新後、ちょっと本編はお休みさせていただき、
違う人の視点で話を書きたいと思います。
あまり時間をかけませんので、ちょっとだけお付き合いください。
- 113 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 03:48
- 私と辻さんは一度、控え室に戻る事にした。
すると――
「愛ちゃん・・・」
――愛ちゃんが加護さんと一緒に来ていた。
「里沙ちゃん・・・」
言葉を捜しているようだった。
しばらく沈黙が続く。
加護さんは既に着替え終え、愛ちゃんを待っているようだ。
そして、辻さんも着替え終える。
「・・・ねえ、アイボン。のど乾かない?」
「え?」
「ちょっとのどが乾いちゃった。ジュース買いに行こう」
「・・・うん」
彼女は愛ちゃんと私を見た
私はうなづく。
「じゃあ、ちょっと行ってくるから・・・。里沙ちゃん、お願いね」
私は黙って頷いた。
彼女達が出て行くのを確認する。
「ねえ・・・、今から私の質問に正直に答えて」
「・・・え?うん・・・」
彼女は少し不安そうな顔をしながら、頷いた。
- 114 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 03:49
- 久しぶりの会話に、私自身がどこか戸惑いみたいな物があった。
「・・・言い辛いかもしれないけど、答えて」
「うん」
「愛ちゃん・・・、イジメられてたね」
言い辛かったんだろう。中々、返事が帰ってこない。
一番、年下の私には分からないが同期の中で年長であることが
「私達、同期でしょ。一番、年下だし頼りにならないかも知れない・・・
でも、ちょっとでも愛ちゃんの力になりたいの・・・。」
愛ちゃんは下を俯いている。
ずっと胸に閉まっていたことだから、答えようかどうか迷っているようだ。
「何もしてあげれないかも知れない・・・でも・・・でもさ、
このまま何も出来ないでいるのいやなの!」
「・・・ありがとう。でも、その気持ちだけで十分嬉しいから・・・。
それにもう大丈夫だし」
イジメはあった――
その辛さは、『もう大丈夫』って言葉で十分だった。
「大丈夫なわけないじゃない!」
「大丈夫だよ。ほら、もうこんなに元気だもん」
「じゃあ、その涙は何よ!」
自分でも気づかなかったんだろう。
自分自身が涙を流していることを――。
物凄く辛かったんだろう。
その辛かったことを私は気づいてあげることは出来なかった。
もしかしたら、一番の悪者はいじめた人よりも
自分の事で浮かれてて気づいてあげれなかった
私なのかも知れない・・・。
- 115 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 04:13
- 練習を終え、私は辻さん達を呼びに『青春』チームの下へ向かった。
愛ちゃんの復帰祝いを兼ねたお食事会をやるからだ。
その時、廊下で石川さんと出会った。
「あ、豆。お疲れ様」
いつものようにチャーミースマイルで私に声をかけてくれた。
でも、私はそれに笑顔で答えられる気分ではなかった。
「お疲れ様です・・・」
「ところで高橋、来ていた?」
「はい・・・」
「そう、良かった・・・」
その事を聞いて、少しほっとした表情を見せる。
その表情に嘘は見えなかった。
「じゃあ、ちょっと高橋に用事があるから」
――と言い残し、彼女は夢が丘組の方へ向かおうとした。
「石川さん・・・」
「え?どうしたの」
「・・・」
「何よ。そんな暗い顔して、何か悩みでもあるの?」
「あの時はすみませんでした」
石川さんの表情が一転して、強張った。
「え・・・な、何よ。私、別にあなたに対して何も・・・」
すぐに元のチャーミースマイルに戻す。
「私、自分の事しか考えてませんでした・・・」
「・・・」
彼女はどこか困惑していた。
そんな彼女に構わずに私は話を続けた。
- 116 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 05:35
- ―――――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――
――
私は、石川さんの事を大嫌いだった時期があった。
きっかけは彼女が私の事をネタにして、
スタッフの人と談笑していた場面に出くわしたからである。
でも、事実は違っていた。
実際に話を切り出したのは石川さんではなく、スタッフの人らしい。
彼女がその時にこう言った――
「そんな事をある訳ないでしょ」
――と言って笑ったらしい。
私は丁度、その場面に出くわした。
コネの話はスタッフの人の声が大きかったので聞こえていたが
その後の石川さんの言葉までは耳に入っていなかった・・・
- 117 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 05:35
- ・・・あの人もファンの人に色々と悩まされた時期があった。
小説で書かれていること
ネットで書かれていること
盗聴器を仕掛けられた事――色々と悩まされた。
実際にストーキングもされた事があったらしい。
形は違っても、ファンから嫌な目を合わされたと言う部分は同じ。
だから、私の事はいつも気にかけてくれたらしい。
・・・考えてみたら、あの人の方から何度も声をかけてくれた。
でもその度に私は拒絶した。
吉澤さんに注意してくれた時も、
結局は吉澤さんの肩を持つ態度を取ってしまった。
この時だったらしい、石川さんが私に対して嫌悪感を持ち始めたのは。
- 118 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 05:35
- その時、皆、私に対して遠慮があった。
始め話し掛けてきた同期も段々と話さなくなってきたのは
私が話し掛けづらい雰囲気を作り出してきたからだった。
そして、ミュージカルの組み分けが発表された。
その時、唯一、会話を交わしていた辻さんとは別の組に分けられたので
私の事を話し掛ける人は誰もいなくなってしまった。
この時、話し掛けてくれる人がいることの有難さを知ってもらう為に、
夢が丘組で唯一、接点のある愛ちゃんに私に対しての会話を禁じたらしい。
そんな状況の中、愛ちゃんは私に話し掛けてくれた。
誰と会うかもしれない廊下で・・・。
そして、その場面を石川さんに見られてしまった。
その日から、イジメが始まった・・・。
一度、始まったイジメは中々、止めるきっかけが見つからない。
そして、等々・・・。
――
――――――
――――――――――――――
―――――――――――――――――――――
- 119 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 05:36
- 言葉で全て伝わったかは分からない・・・。
でも、言うべき事は全て言った。
しかし――
「何よ、それ・・・」
そこに居たのは、いつも笑顔をで接し、
皆の事を思っている石川さんではなかった。
「同情?」
「同情なんかじゃないです。ただ・・・」
ただ・・・――の後が思いつかなかった。
すると――
「きゃーははは!!」
――突然、笑い出した。
しかし、可笑しくて笑ってるわけではないことは一目瞭然だった。
「後輩の子までに哀れまれちゃって・・・惨めったらありゃしない」
目に泪を為、大声で言葉を発する。
「そんな・・・哀れむなんて・・・」
そんなつもりはなかった。でも――もしかしたら、哀れんだのかも知れない。
「どうせ、私の事、弱い者イジメしか出来ない、最低な先輩としか思ってないんでしょ!」
「そ、そんな・・・」
「そうよ、私は弱い人にしか強気に出れない、最低な人よ」
「そんな事を言ってません。それに・・・少しだけど気持ちはわかるし・・・」
何とか冷静に落ち着いて欲しかった。
しかし――
「コネで入った、あなたに何が分かるって言うの!」
――メンバーからはこの言葉を聞きたくなかった・・・。
影でこそこそ言われたのとは違う。
正面切って、言われてしまった。
私の思考回路は停止した。
この後、何かごたごたがあった見たいだけど
私の記憶にはまったくない。
- 120 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 05:36
- 悲しかった・・・
やり切れなかった――
でも不思議と涙は出て来なかった
コネはあったのかも知れない――いつもそう言う不安は持ち続けていた。
今回はネットで面白半分で書かれている事でもない
マスコミのでっち上げの記事でもない
仲間から出てきた言葉である
多分、本当にコネはあったんだろう・・・。
私の我がままが家族まで巻き込んでしまった・・・。
(私が娘。に入りたいって言った所為でお父さんまで・・・。)
日が沈む
自動車のエンジン音が鳴る
隣の家でただいまと言う声が聞こえてくる
家では妹達が帰って来ているらしい
でも、何もかも他人ごとである
私の存在でさえも・・・
- 121 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/10/27(水) 05:37
-
電話が鳴っている――
お母さんが出たらしい――
「里沙ちゃん、辻さんから電話」
「いないって言って!」
「そんな訳には行かないでしょ!早く来なさい」
どうでも良い――
もう何もかもどうでも良い――
もう何を信じたら良いのか分からない――
私は電話に出たらしい――
でも、何を話したかは覚えていない。
ただ、何かを断ったことは覚えている。
もうどうでも良い
私の夢は終わったんだから
―――
――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――
- 122 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/10/27(水) 05:55
- さて、早速ですが一つ訂正を。
No.118
そして、等々・・・。 →そして、遂に・・・。
さて、以前にも述べましたがここで一度、休載して違う話を書きます。
と言っても、辻か石川視点の話で進めていきたいと思います。
一応、完結までもうすぐ何で、もう少しだけお付き合いください。
- 123 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/27(水) 18:14
- うわ、こういう事情だったんですか。こりゃきついわー。
ガキさん頑張れ。どうなんだろう。
って違うお話ですか。そちらも楽しみにしてます。
- 124 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/02(火) 23:30
- 今日はレスだけっす。すみません・・・。
>123
ありがとうございます。
気合い入れ直して頑張ります。
誰の視点で書くか悩みまして、時間がかかってしまいました。
今週中には一度は更新したいと思います。
- 125 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:09
-
「マメ、遅いなぁ・・・」
迎えに来る筈のマメが中々、来ない。
それにしても信じられなかった。
梨華ちゃんが愛ちゃんをイジメていた事を――
彼女がイジメる側に立つ人間とは思っても見なかった。
はっきり言って、彼女は色々な意味で物凄く弱い。
いつかはストーカーの件で、泣いたことがあった。
スタッフがしかけたどっきりで泣いたこと
芸能界を辞めると公共の前で言ったこと
年下のアイボンとの口喧嘩で、泣きそうになったこともあった。
――その梨華ちゃんが・・・。
そう言えば、ちょっと前に梨華ちゃんが出て行ったばかり。
もしかしたら、廊下であっているかもしれない。
愛ちゃんの件は、後で安倍さんが何とかするから何もするなとは伝えたが
もし廊下でバッタリ出くわしたらどうなる事やら・・・。
そう考えると段々と心配になって来たので
マメの所に向かおうと練習場を出た時だった。
「コネで入った、あなたに何が分かるって言うの!」
メンバー内では禁句となっているこの台詞、
廊下中に響き渡った特徴のある女の子の声、
私が考えていた最悪の事態が起きてしまった
- 126 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:10
-
「ご、ごめん・・・そんなつもりじゃ・・・」
私が辿り着くとそこは奇妙な光景が描かれていた。
人を傷つける台詞を言った張本人が今にも泣きだしそうな顔をしている。
知らない人が見たら、マメが梨華ちゃんをイジメたように見える。
「・・・どうしたの?2人とも」
私の呼びかけに2人とも反応しない、
まるで私の存在など気づいていないように――。
「ごめん・・・、謝っても許されないことだけど・・・ごめん・・・」
彼女の言葉には後悔の念で一杯である事が分った。本当に反省してんだろう。
そんな梨華ちゃんなどお構い無しに、マメがどこかへ行こうとする。
「マメ!ちょっとどこへ・・・」
私はマメを止めようとマメの腕を掴んだ。
しかしマメの顔を見た時、私は恐怖でこれ以上、引き止めることは出来なかった。
とても人がする表情ではなかったから。
笑っている訳でもない
怒っている訳でもない
悲しんでいる訳でもない
楽しんでいる訳でもない
まったく無の表情をしていた。
喜怒哀楽を超越した時にきっとそう言う顔になるのだろう。
「ちょ、ちょっと待って。本当にごめん。あなたはコネなんかじゃ・・・」
梨華ちゃんの声は彼女には届いていない
例え、誰が引きとめたとしても出て行っただろう。
私はただ立ち尽くすしかなかった。
- 127 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:10
-
「ねぇ、何があったの?何であんな事を言ったの!?」
私の問いかけにまったく反応しない。
「梨華ちゃん!梨華ちゃん!!しっかりして!!!」
私が彼女の両肩を掴み揺さぶった。
「ノ・・・、ノノ!?」
ようやく私の存在に気づいた梨華ちゃんだったが、
どこか眼の焦点がズレている見たいだった。
「私・・・なんて事を・・・」
彼女の眼には涙で一杯であった。しかし、泣いている暇なんてない。
ネットでの中傷で傷ついていたマメが、やっと少しずつ心を開いたって言う中での
梨華ちゃんの発言。娘。の仲間内からは聞きたくはなかっただろう・・・。
傷が癒えてきた矢先での出来事なだけに、今、何とかしないと彼女は辞めてしまうかも・・・。
「と、とにかくマメのところに行って、もう一度、謝ろう!」
「・・・、うん」
私が梨華ちゃんを連れ、マメを追おうとした時だった――
「もう遅いよ・・・・・・・」
――その声は私たちの後ろから聞こえてきた。
- 128 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:10
- 振り向くと安倍さんが立っていた。
安倍さんはいつも通り笑顔を見せていたが、その笑顔には冷たさを感じる。
「あ、あの、えーと・・・」
「ノノは良い子だから、ちょっと黙っていてねぇ」
(怖い・・・)
(あの安倍さんが本気で怒ってる・・・)
口調が明らかにいつもの安倍さんと違った。
私は、ビビッて何も出来なかった。
- 129 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:11
-
氷の微笑で、梨華ちゃんに近づく。
「・・・あなた散々、言っていたわよねぇ。
後輩が辛い時に手を差し伸べられる先輩になりたい――と。」
安倍さんの質問に梨華ちゃんは頷く。
この時、梨華ちゃんの体は震えていた。
「でも、あなたが高橋にやって来たことって、まったく逆の事だよねぇ」
「・・・」
「それにあなたがファンに苦しめられた様に新垣も似たようなことで
同じぐらい辛い思いをして来たの」
(安倍さん、ネットの事を知ってたんだ・・・)
安倍さんの言葉に梨華ちゃんは黙って頷く。
「同じような思いをして来たあなたが何でそう言う事を言えるの?」
「すみません・・・」
――絞りだすような声で答えた。
そして、とうとう梨華ちゃんは膝から崩れ落ち泣き出してしまった。
気づいたら、飯田さんを始めとするメンバーのほとんどが集まっていた。
「一体、どうしたのよ。皆・・・」
飯田さんの問いかけに安倍さんは答えようとしない。
「・・・ごめん、圭織。これ以上、ここにいると何を仕出かすか分らないから先帰るね・・・」
「あ、なっち・・・ちょっと」
引きとめようとする飯田さんを振り切り、安倍さんは先に帰ってしまった。
「ねぇ、ノンちゃん。何があったの?」
私が答えあぐねていると、梨華ちゃんが泣きながらも自分の言葉で
今までの事を全て話した――。
- 130 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:11
- 梨華ちゃんを宥める飯田さん、保田さん、矢口さんに対して、
他のメンバーやスタッフは梨華ちゃんに対して冷ややかな眼でその光景を眺めていた。
今の騒ぎで梨華ちゃんがしていた行為を皆に知られてしまったから。
飯田さん達も内心は、梨華ちゃんに対して怒っているだろう。
この場には梨華ちゃんの見方は誰もいない――。
私は先に帰った、
取りあえず私はその場に居たくなかったから。
私は梨華ちゃんを責めたくなかった・・・。
皆の気持ちは良く分る。
梨華ちゃんのやった行為は決して許される物ではない。
ただ、そこに到るまでの彼女の苦悩を知っている私は、
梨華ちゃんを責める気にはなれなかった。
- 131 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:11
- ――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
―――――
――
「ねぇ、ノノ。私って駄目な先輩かな・・・」
最近、梨華ちゃんが二言目には言う台詞である。
駄目かどうかなんて知らない。
どう言う風に指導しているかも知らないし、
仮に他の子に同じようにやったら、伸びるかも知れないし。
私は4期の中で唯一、トレーナーから外された。
でも、その分、自由に行動できる。
「なんか幾ら教えても、中々、身につかないんだよね、彼女」
彼女とは紺野あさ美ちゃんの事である。
何回か話した事があるけど、物凄く好い子である。
でも、私と話している時は良いけど他の先輩と話す時はどこか遠慮みたいなものがあるみたい。
「何か教え方が悪いのかな・・・」
聞いた限りでは、教え方が特別悪いとは思わない。
ただ、紺野さんは他の子とは違って、完全な初心者。
他の3人はそれなりに基礎を身につけた上でオーディションを受けている。
しかし、紺野さんは違う。
幾ら合宿で色々と叩き込まれた所で完全に自分の物とするのは、時間がかかる。
「それに私の事、なんか怖がっているみたいなのよね・・・」
(怖がる?梨華ちゃんを??)
信じられなかった。最も怖がる必要の無い人を怖がるなんて。
まあ、先輩だから遠慮してる所もあるんだろうけど・・・。
(怖がる・・・ねぇ・・・)
私にはその感覚が理解できなかった。
- 132 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:12
- 翌朝の事である。
私がレッスン受けに来た時のことであった。
「おう、辻。ちょうど良かった。これから、収録か?」
つんくさんであった。この人は今、日本で一番寝ていない人であろう。
「いえ、今日は新曲のレッスンです」
「そうやったけ・・・」
私たちのスケジュールをあまり把握していない。
ま、今日はダンスレッスンで、夏先生が仕切っているので
つんくさんには関係ないことであるが――。
「ま、ええ。それより、レッスンが終わったら後で俺の部屋に来てくれ」
「何か用ですか?」
「まあな。結構、重要な用件だから、ここではちょっと話せん。あ、じゃあ、後でな」
重要な用件な割には後回しにしているつんくさんに疑問を感じていた。
- 133 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:13
- レッスンを終え、つんくさんの部屋に向おうとした時だった。
「ノノ・・・、ちょっと良い?」
梨華ちゃんに呼び止められた。
(何だろう――でも、つんくさんが待っている)
「・・・ごめん、ちょっと用事があるんだ。後でで良い?」
梨華ちゃんは首を立てに頷いたが、どこか渋々ってところがあった。
彼女の態度に気にはなったが、取りあえずつんくさんの元へ急いだ。
- 134 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:13
- トントン――
「失礼します」
――つんくさんの部屋に入る。相変わらず趣味の悪い部屋だ。
どこを見渡しても彼はいない。
「つんくさーん、つんくさん?」
隠れている気配もない。
この時、ドアが凄い勢いで開かれた。
「わ、わあ、だ、誰や!なんや、辻か・・・。驚かすなよ・・・」
つんくさんのこの言葉に私はムッとする。
「だって、つんくさんが呼んだんじゃないですか!」
私の言葉につんくさんはキョトンとした顔をしていた。
腕を組み、しばらく考えている。
「ああ、そう言えばまだ言ってなかったな。いやあ、すまんすまん」
――と笑いながら、私の肩をたたいた。
- 135 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:14
-
「・・・ちゅう事で頼むわ、辻」
「嫌です」
冗談は顔だけにして欲しい
――と本人には口が裂けても言えない事を心の中で思いながら断った。
するとつんくさんは笑いだした。私もつんくさんに合わせて一緒に笑う。
その状況がしばらく続き、つんくさんが言った言葉に絶句する――
「ははは、面白いなぁ、辻。でも、冗談じゃないんよ」
「へ?」
冗談じゃない・・・・・・・・。
「いーやーです!!!!!!!!!!!!!!」
「いや、だから、冗談じゃ・・・」
「冗談じゃないから、嫌なんです」
出来るわけないです。
トレーナーなんて。
「分った・・・。」
(やっとの折れたか・・・)
安心したのも束の間、絶望的な一言が――
「プロデューサー命令として辻希美!、紺野あさ美のトレーナーに命ず、以上!!!」
――と言い残し、その部屋から出て行ってしまった。
慌ててつんくさんを追ったが、廊下に出た時はもう彼の姿は無くなっていた。
(・・・・、やられた・・・)
嫌だからって放って置くわけにも行かず、
結局、私は紺野さんのトレーナーもどきをすることになった。
- 136 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/07(日) 17:15
- トレーナーと言っても、何も教えられることはない。
私は色々と経験してきて、覚えていったから
基礎をみっちり仕込む行為については苦手だった。
まるで捨てられた子犬のように私の顔を見る紺野さん。
「ええっと・・・、梨華ちゃんから何を教わった?」
「え・・・あ、・・・ぁぃ・・・」
まったく何を言っているか、分らなかった。
「・・・取りあえずもっと、大きい声を出してくれる?」
「は、はい。すみません」
「うん、で、何を教わった?」
取りあえず梨華ちゃんから教えてもらった事を聞き出し、一通りの動きを見た。
特に悪いところは見つからない。
多少、手を伸ばした方が綺麗に見えるとか、そう言う部分での指摘はあったが
それは経験していくうちに覚えていけば良いだろう。
「うん、良いと思うよ。ただ、これからは・・・」
取り合えず、私が気になった点を全て挙げた。
すると紺野さんは物凄く凹んだ。
「な、何でそんなに凹むの?」
「その部分、いつも石川さんに注意されてたんです・・・」
「で、でも、全体的には良かったんだよ?」
「全て完璧にしなければ、他がどんなに良くても意味が無いって・・・」
(そんな事、言っていたんだ・・・)
私はこの時、何でこの子が伸び悩んでいたのか少し理解できた気がした。
- 137 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/07(日) 17:59
-
次回へ続く・・・
正直、違い視点で書きたいとは言いましたが、
誰の視点で書くはその時点では決まってませんでした。
候補としては3人。石川、辻、藤本の3人でした。
石川については、書き始めたんですが長くなりそうだったので辞め。
藤本については、メンバー以外の人がこの騒動をどう見ているかを書いたら
面白いんじゃないかと思い、書き始めたんですが・・・。
結局、無難に新垣とも石川とも接点がある辻が一番無難かなと思い辻にしました。
設定的に無理矢理な部分がかなりあると思いますが、
ここは小説初心者の奴が書いたものとして、妥協して下さい。
では、また!!
- 138 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/10(水) 19:42
- 面白いです!
続き楽しみに待っています。
- 139 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 02:47
- トレーナーになって、1日目が終わった。
どんな状況かは把握したが、どのように教えていくか迷っていた。
「ね、ノノ、どうしたの?」
アイボンだった。
彼女は何故か年上の高橋さんのトレーナーをしている。
何度も代わってくれと言われたが、今では物凄いラブラブぶりである。
「何でもない」
「そうそう、これから5期の子も呼んで夕飯を食べに行こうとしてんだけど
ツージーも一緒に行こうよ」
ノノと言ったり、ノンと言ったり、ツージーと言ったり忙しい人である。
「ごめん、今日は先約があるんだ」
「ええ、誰と!」
「教えない」
教える訳にはいかない。教えたら、あの人に迷惑がかかってしまうから。
散々、せがむアイボンに対して最後まで私はシラを切り通りした・・・。
- 140 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 02:47
- 今日は安倍さんと夕ご飯を食べる約束だった。
(もちろん、安倍さんの奢り。だから、アイボンには教えられなかった)
でも・・・食欲でない。
「ノン、どうしたの?全然、箸が進んでないけど・・・」
(イタメシで箸なんて使ってないのに、変な安倍さん)
「箸?箸なんて使ってないよ?」
「日本語で今のノンの状態の事を箸が進んでないって言うの」
「???」
「まあ・・・、あんまり食べてない状態?の事を言うってゆうのかな?」
安倍さんもあまり分かってない見たいだ。
「ま、日本語の事はどうでも良いけど、何か悩みでもあるの?」
「うん・・・紺野さんの事なんだけど・・・どう教えたら良いのか分からなくて・・・」
私は紺野さんの状況を一通り話した。
- 141 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 02:48
-
「ふうん・・・、聞いていた話と随分違うね」
「そう、私も何にも出来ない子だって思ってたから、どうすれば分かんなくなっちゃって・・・」
教えられた事は頭では分かっている。
だから、逆に1から教えるのは逆効果だと思う。
1から教えても分かっている部分は聞き流すだろう――私がそうだったから。
「で、ノンはどうしようと思ってんの?」
「うん・・・、だから、逆に特別な事はしない方が良いと思うんだ。
駄目な部分って自分が一番、分かっているし。」
「じゃあ、そうすれば良いじゃん」
あまりにも無責任な答えに呆気に取られてしまった。
「そ、そんな無責任な・・・。他人事のように言わないでよ」
「だって他人事だもん」
「それは・・・そうだけど」
相談するんじゃなかった。
私がアドバイスして貰いたかったのは、そんな事じゃなかったのに・・・。
「ノンは紺野の立場に立って考える事が出来る子でしょ?」
「え?う、うん・・・」
「だから、ノンが思った通りに教えれば良いんだよ」
本当にそうなのか?
私の思った通りに教えた事で、彼女が駄目になってしまわないか・・・。
不安でしょうがなかった。
「ノン、悩んでもしょうがない。折角、おいしい料理が来るんだから、
ここでは料理を楽しもう」
実際、その通りである。
私が今、悩んだ所でどうしようもない。
ここで、やるべき事はただ一つ――そう、料理をひたすら食べる事だった。
- 142 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:01
- 翌朝、気分はブルーだった。
理由は・・・・・・・・・ご想像にお任せします。
(凹む〜)
「はぁ・・・おはよう、ノノ」
安倍さんも同様の反応をしている。
どうやら、同じ事で憂鬱になっているようだ。
「あ、おはようございます」
紺野さんだった。
声はいつもより少し張っている。
「おはよう、元気そうだね・・・」
「ええ、おかげ様で」
何か元気だ・・・。
「今日も一日、よろしくお願いします」
あたしゃ、それどころじゃないよ・・・。
- 143 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:01
- 私はいつもより気合を入れて本番に臨んだ。
私だけではない、安倍さんもである。
いつもと違う演技、いつもより激しいアクション、
それも一つの目的の為、必死でやった。
しかし・・・、結果はあまり好転することはなかった。
「あ、辻さん、お疲れ様です」
高橋さんだった。
私は彼女の体を見て、益々、凹んだ。
「お疲れ様・・・」
「どうしたんですか?あ、これ良かったら飲みます?」
彼女は手に持っているジュースを渡してきた。
「う、ご、ごめん、今は良いや。ごめんね」
飲みたい衝動を抑えて、私は控え室に戻った。
結局、この日は紺野さんに何も出来なかった・・・。
- 144 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:09
- あれから3日が経った。
私も安倍さんも一向に状況は好転しない。
(私はどんどん悪化していく一方・・・)
紺ちゃんが日に日に明るくなって行くのに対して、
私は日に日に焦りを感じてきた。
紺ちゃんの評価が上がるにつれて、私の・・・・も上がっていく。
まるで紺ちゃんの評価と私の・・・が連動しているようだ。
何でだ・・・!?
あれから、そんなに無茶な事はしてないのに・・・。
よし、決めた!!!
こうなったら、最後の手段だ!!!!!!
- 145 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:10
- 少し遅い昼休み。
「ノン、お昼食べに行こう?」
アイボンが私を食事に誘ってきた。
しかし、私はある目的の為にこの誘いを断ることにした。
「・・・ごめん、今日は食堂にしておく・・・」
「ツージィ」
「本当、ごめん」
どうしても外での食事は避けたかった。
ある目的の為に・・・。
(安倍さんはもう諦めたみたいだ)
私は今日はスタジオにある食堂でお昼を取ることにした。
ここだったら、カロリーとかが書いてある。
私はそこで一番、低いカロリーの食べ物を食べる事に決めてた。
- 146 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:33
-
「きつねうどんをお願いします・・・・」
最悪だ・・・。
絶対にお腹が空く。
そして、欲に勝てずに夕飯の時に・・・それだったら!!
「後、スパゲティミートボールと杏仁豆腐を!!」
へへん、もう良いもんね。
苦労した所で、結果が変わらないなら
楽をして、結果が悪化させた方が良いもん。
思いっきり食べて、思いっきり働く。
この年齢で・・・・の事を考えてもしょうがない。
私は自分にそう言い聞かせた。
- 147 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:35
- 貰う物を貰い、空いている席を探す。
辺りを見渡すと、どこかで見た顔が・・・。
そう、新垣さんだ。
1人っきりで食べているようで、
周りを見渡しても彼女と同期の子は誰もいない。
さては・・・彼女もきっと。
私は仲間がいた事でルンルン気分で彼女に近づいた。
「ここ、良い?」
私が彼女の下に行くと、彼女は少しびっくりした顔をした。
「え?あ・・・・・・・・・・どうぞ」
この間が非常に気になった。
さては・・・きっと私に知られた事が恥ずかしいんだろう。
でも大丈夫、私も仲間だから。
「はぁ、お互い、大変だよね」
「え?あ、まあ」
彼女は戸惑いを見せながらも私の質問に答える。
(バレたくない気持ち、分かりますとも・・・)
- 148 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:36
- 言いたくない気持ちは分かる。
でも、私も同じ仲間だから、何も隠さなくても良いんだよ。
「ところで、どうなの?」
「何がですか?」
「決まってんじゃない」
「へ?」
中々、話したがらない。
同じ仲間なのにじれったい・・・。
私は思い切って、ストレートに聞くことにした。
「だから、・・・は幾つって」
「え、〇△ですけど・・・・」
ガーーーーーーーン!
ガーーーーーン!
ガーーーン!
・・・・・・・・
・・・・
- 149 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/14(日) 03:38
-
「・・・どうしました?」
「え、え、あ、ちょ、ちょっとね」
彼女は怪訝な表情をする。
それにしてもショックだった。
私と彼女の・・・・の差が△×もあったなんて・・・。
「・・・私、行きますね。あ、これ、良かったらどうぞ」
――と彼女は私のトレイの上にプリンを置き、去っていった。
この時、ちょっと彼女の事が気になった。
何で、ここに1人で居たか・・・が。
- 150 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/14(日) 03:43
- 取りあえず今回はこんなもんで。
気が向いたら、今日、もうちょっと書きます。
気が向かなければ、来週って事で。
今回は・・・・がメインです。
それが辻ちゃんの苦悩です(ウソ)。
>138
ありがとうございます。
読者様のレスは力になります。
今回はコミカルな内容でしたが、次回からガキさんが、
そして、梨華ちゃんの苦悩が!!
- 151 名前:KM 投稿日:2004/11/18(木) 03:27
- おもしろいねえー
辻ちゃんの・・・の苦悩は笑えました
続き楽しみに待ってます
- 152 名前:デビル・ジョーカーマリー 投稿日:2004/11/18(木) 03:38
- ちなみに前回の話、何の事だか分かりましたよね・・・?
- 153 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/18(木) 04:02
- ここの所、梨華ちゃんが元気がない。
理由を聞いても話してくれない。
一体、どうしちゃったんだろう・・・。
「のーんちゃん」
「うわぁ!!」
いきなり後ろから抱き付いてくる紺ちゃん。
完全にキャラが変わって来ている。
大体、前は"辻さん"だったのに気づいたら"ノンちゃん"へと代わっていた。
「つーじーさん!!」
同じく後ろから抱きつく麻琴ちゃん。
紺ちゃんを通じて気づいたら仲良くなっていた麻琴ちゃんだが、
私はこの子を初め見た時は、きっと友達になれないだろうなと思った。
なんか目がギラギラしていて怖かったから・・・・。
- 154 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/18(木) 04:04
- 紺ちゃん達が私とジャレあっている時に、新垣さんがやって来た。
この2人とは違って、何処となく元気がなかった。
「あ、新垣さん。おはよう。昨日、プリンありがとね」
すると彼女はただお辞儀をし、そそくさと言ってしまった。
彼女がどっか行ったのを見て、紺ちゃんと麻琴もほっとした表情を見せる。
「ねぇ、どうしたの?喧嘩でもしたの?」
「辻さん、知らないんですか?」
麻琴ちゃんが彼女の事について全て教えてくれた。
「ふうん・・・、でも、紺ちゃん達は関係ないじゃん」
「そうなんですけど・・・・、でも、なんか話し掛けづらくて・・・」
(話し掛けづらい?)
私には理解が出来なかった。
同期なんだから、遠慮なく話せば良いのに――と思う。
「それに・・・、1人になりたい時って人間、誰でもあるじゃないですか」
麻琴があさ美ちゃんの言葉に頷く。
言いたい事は分からないでもないけど、
私には2人が何か言い訳をしているような感じがして嫌だった。
- 155 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/18(木) 06:38
- 今日はこれだけ。
石川さんの苦悩は、何なのか?
――までは書くつもりでしたが、今日はこの辺にします。
>151 KMさん
レス、ありがとうございます。
ちょっとあれこれ小細工し過ぎて、何の事か分からないんじゃないか?って
一瞬、思ったんで分かって頂いてホッとしました。
これからも応援をお願いします。
- 156 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/19(金) 01:33
- ガッタス、負けちまったかぁ。残念。
ま、次回、リベンジを。
- 157 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/24(水) 00:55
- こっちは休載しませんので、よろしく。
- 158 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 00:56
- 翌日も、私は食堂へ向かった。
私は諦めない――。
何度でも・・・、何度でも挑戦する。
私の言葉に不可能って文字があっても、挑戦しないって文字はない。
そう自分に言い聞かせつつ、食堂へ向かった。
- 159 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 00:56
-
「さあってと・・・」
私は昨日の反省を元に、今日は少しカロリーが高いものを1品頼む事にした。
それでも昨日のような食事をするよりは合計カロリーは減少する。
私は安倍さんとは違って諦めない。
「カツ丼!後、プリンも1・・・」
この時、新垣さんの顔が頭に浮かんだ。
(折角だから、彼女の分も・・・)
「プリンは2つで」
多分、今日も食堂にいるだろう。
昨日のお返しに1個、買っていってあげる事にした。
- 160 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 00:57
- 人が疎らの食堂である。
見つけるのにはそう時間がかからなかった。
「お疲れ」
「・・・、お疲れ様です」
彼女からの返答がある前に、一瞬の間があった。
この間が何となく嫌だったが、私は気にしないように振舞った。
「そうそう、昨日さ、プリン貰ったから、その・・・」
――と私がプリンをあげようとした時だった。
「すみません。私、もう食べ終わったんで先に行きます」
――とさっさと行ってしまった。
まだ、少し食べ物が残っていたような気が・・・。
いや、そんな事よりもこのプリンをどうしよう・・・・・・・・・。
- 161 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 00:58
-
「ノノ・・・、ここ良い?」
(この声は・・・)
見ると幸が薄い女・・・、いや、梨華ちゃんがいた。
「あれ?外へ行かなかったの?」
「うん・・・、ちょっとね」
(チャンス!!)
「良かったら、プリン、食べない?」
「え・・・、でも、良いの?」
「良いの良いの(貰ってくれた方がありがたい)」
「じゃあ、遠慮なく・・・」
私は処分に困っていたプリンを梨華ちゃんに押し付けた。
- 162 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 00:59
- 最近の梨華ちゃんは完全にネガティブモードに入っている。
だから、会話が続かない。
「・・・ねぇ、ノノ」
「ふぁ?」
私が口一杯にオムライスを詰め込んでいる時に話し掛けてきた。
「ごめんね」
「何が?」
突然、謝られても何の事だかわからない。
大体、梨華ちゃんに謝られるような事をされた覚えはないんだから。
「紺野のこと」
「ああ・・・」
「私が不甲斐ないばかりに、ノノにまで迷惑をかけて」
「それは梨華ちゃんの所為じゃないよ」
そう梨華ちゃんの所為では・・・。
悪いのは皆、関西弁で金髪のあの男――。
- 163 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 00:59
- 思い出したら、段々とあの時の事がむかついて来た。
(おのれ〜、つんく・・・さんめ!)
「の・・・ノノ?どうしたの?」
「え、あ、いや。何でもない」
どこか不安げな顔をする梨華ちゃん。
やばい・・・、自分に対して怒りを向けられていると思われているかも。
「・・・、やっぱり私って駄目な先輩だよね」
「い、いや、そんな事はないんじゃないかな?」
「・・・、だってノノに変わってから紺野って急激に成長してるじゃない」
「いや、私は特別な事は何にもしてないから」
「いいよ、そんなに気を使わなくても・・・。私が行けなかったのは良くわかっているのだから」
別に気を使っているつもりはないし、謙遜もしていない。
本当に特別な指導はしてないんだから・・・。
- 164 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 01:01
- 私達の周りだけ、何故か空気が重い。
段々とこっちまで凹んでくる・・・。
「・・・ごめんね、ノノにまで気を使わせちゃって」
い、いや、別に良いんですけどね・・・。
「だ、大丈夫だよ。梨華ちゃんがしっかり教えて上げたから、
コンコンが成長してきてんだから」
「ありがとう・・・、そう言って貰えると少しは救われる・・・」
何を言っても慰めの言葉にしか聞こえず、
後は、ネガティブ街道まっしぐら。
1ヶ月は治んないだろう・・・。
「・・・じゃあ、行くね。プリン、ありがとう・・・。」
プリン以外、何も口にせずに帰ってしまった。
しかもきつねうどんを置いて・・・。
食堂のおばさんにこのまま返すのも申し訳ないので
仕方がなく梨華ちゃんの食べ残しも食べてしまった。
そして、その事が後に取り返しの付かない出来事へと発展するのであった――。
- 165 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 03:18
- この日の午後、軽いイザコザがあった。
よっすぃーが物を取って欲しいと新垣さんに言った時、
梨華ちゃんがよっすぃーに注意をした。
しかし、新垣さんはどうでも良いって言って吉澤さんの言う事を聞いた。
その時の言い方が、ちょっと気になった。
なんか梨華ちゃんに嫌悪感を抱いているような感じがしてならない・・・・。
- 166 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 03:20
- この日の帰り、梨華ちゃんと帰る事となったのだがなんか元気がない。
「はぁ・・・」
これでため息つくのは8回目。
「どうしたの?さっきから、ため息なんかついちゃって」
「・・・・、何でもない・・・」
ヤバイ!
重症だ!!
このまま、放って置くと"辞める"と言いかねない!!!
「どうしたの?何でも言ってごらん、そ、そうか、さっきの事だね?」
しかし、梨華ちゃんは首を横に振るだけ答えてくれない。
それどころか私の発言を聞いて、余計、落ち込んだようだった。
- 167 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 03:21
- ヤ、ヤバイ!!
他に落ち込む理由と言えば・・・・これかな?
「じゃ、じゃあ、紺ちゃんの事?あれは紺ちゃんがコツを掴んだ時に、私がちょうど・・・」
私が言おうとする事を遮り、喋り始めた。
「・・・・良いのよ。今日の事で、分かったわ・・・。
私って知らず知らずのうちに皆に嫌われるような事ばかりしてたのね」
その時、少し涙声になっていた。
- 168 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 03:21
-
「それは違うって。新垣さんって、最近・・・・」
「良いよノノ、ありがとう。でも、もう分かったから」
分かったじゃないよ。
あんた、一番、自分の事を分かってないですから!!
「だから・・・・」
「ごめん・・・、私、先に行くね」
「あ、り、梨華ちゃん・・・」
彼女は走って行ってしまった。
きっと年下の私には見られたくなかったのだろう。
自分が涙を流す姿を・・・。
- 169 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 04:53
- そこまで気にする事なのかなぁ・・・。
だって紺ちゃんは梨華ちゃんに対して、本当に感謝していたし、
麻琴ちゃんは梨華ちゃんの事を物凄く誉めていた。
新垣さんに対しても嫌悪感みたいなのは感じたが、本当にどうでも良く感じ、
馬鹿馬鹿しいと思ったから、あんな言い方になったのかも知れない。
なんか最近の梨華ちゃんって、必要以上に人の目を気にしすぎているような気がする。
- 170 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/24(水) 05:24
- 梨華ちゃんもそうだが、新垣さんに関しても少し気になる事がある。
ネットで書かれていた事って、どんな事なのか?
それに何であそこまで新垣さんは、人との接触を避けるのだろうか?
私とか5期の子だけでなく、皆との接触を避けようとしている。
何でだろう?
私はネットって言うものをやって見ることにした。
- 171 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 06:15
- 家に帰り、夕ご飯を食べ終わった後に私はすぐ部屋に向かった
――お姉ちゃんの部屋に。
「お姉ちゃん、ネット借りるよ!!」
私はお姉ちゃんの部屋にある大きなテレビの前に座った。
(ええっと、電源・・・、電源・・・テレビがつかない!!)
「お姉ちゃん!テレビが付かない!!」
バチン!!――乾いた音が部屋に響き渡った。
- 172 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 06:18
-
「いてててて・・・」
後ろに振り向くと定規を手に持ち、不適な笑みを浮かべたお姉ちゃんがいた。
「人のパソコンを許可無く使うな!」
人の分け目を定規で思いっきり叩いた後に言うな!
「"貸して"って言ったじゃん!
大体、パソコンなんて使ってないもん。借りたのはネットでネットを使うテレビだもん」
私の答えに対して、お姉ちゃんは苦笑いって言うか半笑いって言うか、
変な笑い方をした。
「・・・だから、ネットはパソコンを使ってやるもんなの。大体、許可した覚えはない!!」
「言っている事が分かんない・・・」
すると今度は私の事を哀れだ目で見始め、そして、大きなため息をつかれた。
- 173 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/24(水) 06:22
-
「もう、何でもいいや。で、何!パソコンが使いたいの!?」
何故か、半分キレ気味で話し始める。
「えーと・・・、何だっけ?」
「何だ、訳も解らずに使おうとしてたの?」
「えー・・・、そうそう。新垣さんの事だ!!」
「ああ、新垣里沙ちゃんね。OK、任して」
お姉ちゃんは、変な物体を動かす。
すると、その物体が動くと同時に画面の変な絵が動きだした。
「ちょっと待ってね、にいがき・・・」
変な四角い箱の中に絵をあてて、色々な文字がダーっと書かれているボタンを打ち出した。
すると、画面の中に四角い箱の中から文字が現れた。
「で、どれ?」
「どれ?って」
「新垣里沙ちゃんのサイトって山ほどあるよ」
山ほどって・・・、何か色々とあって分かんないや・・・。
どうやって調べよう・・・。
そうだ!!
紺ちゃんなら知っているかも知れない。
明日の帰りにでも寄ってもらって、一緒に探して貰おう。
「ごめん、今日は良いや。明日、また貸して」
「え、ちょっと、のの!!」
どうせ、返事を待ったら駄目って言われるに決まっている。
だったら先手必勝、私は返事を待たずに紺ちゃんの携帯に電話し、
お姉ちゃんの了解を貰う前に約束をしてしまった。
- 174 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/24(水) 06:44
- これがキリが良いかどうかは分かりませんが、
今回更新分はこれまでとします。
本当は、もっと早く終えるつもりだったんですが・・・。
もうちょっとお付き合い下さい。
- 175 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/30(火) 05:17
- 私は先ずパソコンのイロハを教えてもらった。
習ってみると決して大した事は無かった。
「ん?これは何だろう・・・」
「あー、駄目ですよ。どんなサイトに飛ぶかは分からないですから」
「どんなサイトって?」
「例えば、ブラクラがあるサイトとか」
「ブラクラって?」
・・・・・・・
・・・・・・・
(30分経過)
・・・・・・・
・・・・・・・
- 176 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/30(火) 05:17
-
・・・・・・・
・・・・・・・
(1時間経過)
・・・・・・・
・・・・・・・
「分かりましたか?」
「うん」
実際には、三分の一も分かっていないのだが
取り合えず迂闊にアクセスすると飛んでもない目に合う事はわかった。
それにしてもネットってやって見ると面白い。
試しに自分のファンサイトで、自分の事を書いてある文を読んだりしていた。
全て良い事しか書いてなかったので少し照れくさかった。
ただ、気になったのは"〜れす"とか"〜らもん"と言う表現についてである。
時々、こう言う書き込みが書かれてあったがこれは一体、何を意味するのかが良く分からなかった。
- 177 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/30(火) 05:29
-
「ねぇ、辻さん」
「ん?」
「何で、そんなに里沙ちゃんの事を・・・・」
「うーん・・・」
そう言う事を言われても正直、困る。
特に理由は無い――当たり前の事だから・・・・。
私は常に誰かに手を差し伸べてもらって来た。
飯田さんを始め、矢口さん、おばちゃんにごっちん、
梨華ちゃんによっすぃーにアイボン、もう辞めた市井さん、
そして安倍さん・・・。
皆、私が困ったり、悩んだり、悲しかったりした時に
いつも傍に居てくれて、そしていつも一緒に解決方法を考えてくれた。
皆がいつも私に手を差し伸べてくれた。
だから、私も誰かが困っている時は手を差し伸べるのが当たり前だと思っていた。
同じ仲間なのだから・・・。
- 178 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/30(火) 05:44
-
「上手には説明出来ないけど仲間?だからかな」
「なか・・・ま」
これで通じたかは分からないけど、紺ちゃんはこれ以上は聞いてこなかった。
「・・・で、そろそろ、本題に行きたいんだけど・・・」
「え、あ、はい」
私が彼女を助けられるかは分からない。
でも、私は1人で助けようとは思っていない。
皆の力を借りて、彼女が立ち直るきっかけを作れればと思っている。
それには今、彼女の置かれている立場を知らなければならなかった。
それがどんな事であっても・・・。
- 179 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/11/30(火) 05:58
- 私はこの時、何とかの箱を開けてしまった気分だった。
話には聞いていたけど、私の考えていた以上に無茶苦茶な事が書かれていた。
誰も彼女の事を誉めるような書き込みはしていない。
「・・・想像していた以上だね」
紺ちゃんは黙って頷いただけだった。
「それにしても・・・、こんな事が書かれているんだ・・・・。ネットって怖いね」
「辻さん・・・」
紺ちゃんが何か決意を決めたような顔で口を開いた。
「ん?」
「ちょっと石川さんのも見てもらえますか?」
(梨華ちゃんの?何だろう・・・)
私は紺ちゃんの言われるがままに、操作して行った。
- 180 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/11/30(火) 06:04
- 今日はここまでにしておきます。
それにしても、思った以上に話を長くしてしまって・・・。
本当、済みませんでした。
本編の展開については、大体の流れは出来上がってますので
年内には取り合えずは完結できそうです。
- 181 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/12/01(水) 08:12
- 盗作ねぇ・・・。
まぁ、安倍は軽率だったのかも知れないけど・・・。
個人的には、河口恭悟?の方が似すぎだと思う・・・。
- 182 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/04(土) 13:22
-
読んでみると特に批判的な内容は書かれていない。
「別におかしい所は無いけど・・・」
「ずっと読んでいって下さい・・・」
「えーっと、しないよ・・・」
「そこじゃないです!!」
――――――――――――――――
―――――――――――――
―――――――――
――――
- 183 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/04(土) 13:57
- ――
――――
――――――――
――――――――――――
ずっと読んで見ると彼女の日常生活の小説が書かれていた。
買い物に行った事や、家族とレストランに行った事、
友達と会話した内容といった面白くも何とも無い話である。
「・・・こんな小説が今、流行ってんの?」
紺ちゃんは首を横に振る。
「これが実話だったら?」
「それは怖いね・・・え?ちょっと待って、これってまさか・・・」
紺ちゃんは特には言わなかったが、反応でそのまさかである事がわかった。
- 184 名前:デビルジョーカーマリ- 投稿日:2004/12/04(土) 13:59
- 考えてみるとどんなに擁護しようが出来ないな今回の件は・・・。
ま、悪意があったわけではなさそうだし、復帰してからの活躍に期待します。
後、181に関しては俺の認識不足でした。
すみません。
- 185 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/12/11(土) 22:10
- 正直、この話を書くのに限界を感じました。
申し訳ないんですが、後、多くて2回の更新で終了とし、
本編に戻りたいと思います。
- 186 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 03:24
-
「で、この事は?」
「もちろん、マネージャーに伝えました。今、事務所の方で検討中だそうです」
それを聞いて、安心した。
「でも、それだけじゃないようです・・・・」
「何が?」
「この間、里沙ちゃんと石川さんって少し険悪な雰囲気になったじゃないですか」
「うん・・・・」
「あれって、原因、知ってますか?」
そんなことを言われても私にわかる術もない。
「里沙ちゃん、石川さんが自分の悪口を言っていたと思ってんですよ」
「へ?」
「石川さんがスタッフの人と談笑していた時があったんです。で・・・・」
紺ちゃんがスタッフの人から聞いた事の経緯を全て話してくれた。
- 187 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 03:37
-
スタッフが談笑していた所にちょうど新垣さんが通った。
彼女は、その会話の一部分を聞こえて来たらしい。
その時にたまたま近くに通った梨華ちゃん――
「何の話をしてるんですか?」
――といつものアニメ声で、スタッフの人達の会話の輪に入ったらしい。
スタッフの人は笑いながら、梨華ちゃんに例の話をした。
梨華ちゃんはいつも通り、ニコニコ顔でスタッフの話を聞いていた。
その場面を彼女は見たらしい。
メンバーに対しても不信感を持っていた新垣さんは、
梨華ちゃんが話し始めたと思ったのでは――とのこと。
有り得ないタイミングの悪さに私は絶句した・・・・・。
- 188 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 03:51
- 紺ちゃんに聞いたが、梨華ちゃんは特別に彼女のことを
キツく怒ったりとかはしなかったらしい。
ただ、紺ちゃんの方が年が離れている分、遠慮があったとのこと。
色々と心を開かせようとしてくれていたらしいが、
陸上部時代も含めて、これだけ年が離れた人と会話をした事がなかった為、
どう接すれば良いかわからなかったとのこと。
しかし、梨華ちゃんは自分の力不足と思い込んだらしい。
そして、新垣さんの事や私生活の事、色々と重なり精神的に参っていたらしい。
ただ、不幸中の幸いだったのが、既に事務所の方で彼女の件は動いていたらしい。
それに紺ちゃんの件に関しては、つんくさんも梨華ちゃんが悪いとは一言も言ってなかった。
いずれは落ち着くだろう。
新垣さんの件に関しては、梨華ちゃんって言うよりもどっちかと言うと新垣さんの問題である。
被害妄想って言ったらそれまでだが、そこまでに至るまでの事を考えると
仕方が無かった事だと思う。
色々な事が書かれていたが、彼女を誉める言葉なんか本当に少ない。
まるでファンがいないんではないかって思ったほどである。
新垣さんはもっと傷ついているだろう・・・・。
- 189 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 04:17
- 翌朝、新垣さんと控え室でばったりと出くわした。
彼女は一瞥し会釈をして、自分のロッカーの前に立つ。
「昨日さ、○○(今、流行のトレンディドラマ)見た?」
「え?あ、ちょっとだけ」
「△▲って格好いいよね」
「・・・そうですね」
あまりこの話には彼女は乗ってこなかった。
でも、ほぼ一方的と言うか独り言って言うかただひたすら私は
このドラマの話をし続けてた。
彼女も嫌々ながら、私の会話に頷いていた。
そして、今日一日、私は半強制的に彼女と一緒に行動した。
- 190 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 04:18
- その日から毎日、私は彼女と行動するようにした。
仕方なくって言うか嫌々って言うか、しょうがなく彼女も私に付き合う。
そう言った日が、1週間続いた。
そして、遂に私にとっての2度目のミュージカル。
残念ながら、彼女とは違う組になってしまった。
その日の帰り、たまたま、彼女とばったり出くわした。
何故か彼女は、落ち込んでいた。
「どうしたの?」
「ええ、ちょっと」
「・・・そうだ、これから、おいしいクレープ屋に行くんだけど一緒に行かない?」
「え?」
「さ、行こう」
私はこの時、自分の・・・・・の事はどうでもよくなっていた。
- 191 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 04:18
-
(はぁ、それにしてもここのクレープは本当においしい)
私は至福のときを過ごしていた。
この生地と言い、生クリームと言い
苺と言い、ここのクレープは全てのおいてパーフェクト!!
「・・・あの」
「ん?」
珍しく彼女の方から話し掛けてきた。
「辻さんって安倍さんと親しいですよね・・・」
「うん」
「安倍さんってどんな人なんですか?」
「え?見たまま」
安倍さんは他の先輩と比べると本当に話し易い。
良く言えば、無邪気で垢抜けている先輩、
悪く言えば、精神年齢が私達と変わらない先輩。
「えーっと・・・、そうじゃなくて、怖い人かどうか・・・」
「ああ、だからそう言う事も含めて見たままって言うの?
多少の事なら、大丈夫だよ」
「・・・でも、噂だと・・・」
「噂って?」
私は新垣さんから、ネットで書かれていた噂について色々と聞かされた。
あまりにも本当の本人の姿と掛け離れ過ぎていた思わず噴出してしまった。
「辻さ〜ん」
「ははは、ごめんごめん。だってその噂って、あんまりにもかけ離れすぎているんだもん」
「え、じゃあ・・・・」
彼女は本当に嬉しそうな顔をしていた。
(よっぽど、安倍さんの事が好きなんだなぁ・・・・)
「うん。全然、優しい人」
「そうですかぁ・・・、実は安倍さんに話しかけられて、で物凄く嬉しかったんですよ。
でも、色々と噂を聞いていて、嫌われたくなかったんでどう接すれば良いのか分んなくて」
「好きなんだね」
「え?」
「安倍さんのことが」
すると彼女は顔を赤らめ下を向いた。
「実はずっと・・・・」
「大丈夫。他の先輩よりもずっと接し易い人だから」
それから、この日の出来事を色々と話してくれた。
ダンス、歌、ミュージカルの動き、色々と。
この日を境に私と彼女とは良く話すようになった。
そして、私をきっかけに紺ちゃんも麻琴ちゃんも彼女に話かけるようになり
入ってきた当初の明るく希望に溢れた彼女に戻っていた。
この時は、全て上手く行ったと思っていた。
だから、梨華ちゃんの精神状態までは分かってなかった。
- 192 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 04:19
- ――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――
――――
起きてしまった事はしょうがない。
悪いことをしたとは言った本人が一番、分かっている。
それに冷たい目線で彼女の事を見る人は多いかも知れないが
仲間が苦しんでいたのに、全然、気付かずに放置していた私達に
彼女の事を責める資格は無いと思う。
それに今は、彼女を責めるよりも先ずやるべき事があると思う。
私は彼女が家に戻って来た頃を見計らい、マメの家へ電話した・・・・。
彼女はただ一言――
「ごめんなさい・・・・」
――とだけ言い、電話を切った。
私はこれ以上、電話しても無駄だと察し、今日は電話するのを止めた。
でも、何度でも電話するし、何度でも接触する。
彼女が戻ってくるまで・・・ずっと
- 193 名前:それぞれの苦悩 投稿日:2004/12/12(日) 04:20
-
・・・・・・・・・・・・ずっと――。
- 194 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/12(日) 04:21
-
ボリューム番外編 それぞれの苦悩 完
- 195 名前:それぞれの苦悩のあとがき 投稿日:2004/12/12(日) 04:31
- 時間をかけないと言いつつ1ヶ月ちょっと・・・・。
別にそんなにかけるつもりはなかった・・・・。
途中からダラケてしまった感があります。
話を続けようとしたら、幾らでも出来ましたが
正直、自分の中でも意味が無いなと感じここで打ち切る事にしました。
そもそも、何でこの話を入れる事を考えたのかと言うと
当初の設定では石川は八方美人で、ただ意味も無く彼女の事を
批判していただけと言う設定でした。
なんか、自分の中で石川を責める事に違和感を感じ始め、
最初は逃げようとか夢オチとかを考えてました。
でも、何かこのまま逃げるのも嫌で、何とか石川にも
それだけの事情があったんだよと言う話を作ろうと思い
書き始めたんですが・・・・。
これで誤魔化せたかは知りませんが、取り合えずこれで終了とします。
- 196 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2004/12/12(日) 04:42
- 長い間、つき合わせてすみませんでした。
で、次回から何ですが約束通り、本編を再開させたいと思います。
ま、前言っていた次回作って訳では無いんですが、
今、下記のURLで新たに書き始めています。
この話を終わるまでは、他のHNでやるつもりでしたが
バレてしまったので、元のHNでやっていきます。
宜しかったらこちらの方もよろしくお願いします。
(アドバイス等、お願いします)
ttp://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/silver/1099226232/l50
- 197 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:17
-
コネで入った人に文句を言われたくない
コネが偉そうに説教してんじゃねーよ
コネの癖に馴れ馴れしくするな!
コネがアイドル気取りしないで欲しいよ
コネ
コネコネ
コネコネコネ
コネコネコネコネ・・・・・
- 198 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:17
-
「うるさーい!!」
目を開けてみると母親が驚いた顔して、私の事を見ていた。
珍しく寝坊していたので母親が起こしに来ていた。
「早く行かないと遅れるわよ」
「今日は休みだよ」
気だるそうに返事する私――
無責任だと思いつつも今日はさぼる事にした。
まだ、辞めるかどうかは迷っていた。
今の時期に辞めると言うのも何か無責任のような感じがして・・・・。
ただ、昨日の今日だったので練習に出る気にはなれなかった。
- 199 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:18
- 学校も無く、練習も無い。
仕事に出ていた時は、あれだけ休みが欲しいと思っていたのに
いざ、休んでみると何もやる事が無く、暇で暇でしょうがなかった。
(横浜にでも行こうか・・・・)
ここの所、東京での仕事が多かったので久しぶりに地元を満喫する事にした。
- 200 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:27
- 久しぶりの横浜――
風景はすっかり変わっていた。
前まで無かった店が知らないうちに数件、出来ていた。
前まで宝石売り場だった店が無くなり、コーヒーショップに変わっていた。
風景は新鮮だったが、言葉では言い表せない横浜独特の雰囲気は変わっていない。
温かく優しい横浜だった。
ゴミゴミしている人だかり、いつもだったら邪魔でどうしようもないのに
今日は何故かその人の多さがありがたかった――。
- 201 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:52
- 色々と歩き回る事、30分――
「困ったな・・・、ここどこだろう・・・」
何か訳の分からない所へ出てしまった。
何か如何わしい場所で、人通りが少ない。
たまに見かけるのは、何か訳ありっぽいおじさんや
如何にも怪しい女子高生ばかり。
(やばい・・・早く出て行かなければ・・・)
――と言っても私達、5期はあまり顔は知れてない筈。
だから、誤魔化せるだろう・・・。
(やばい!!如何にもワルそうな格好した女の子がこっち見ている)
(何とか誤魔化さなければ・・・・)
顔をしたに俯き、その場を過ごそうとした。
「あれー、あの子、モー娘。の新しい子じゃない」
早くも見つかってしまった・・・・。
- 202 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:52
-
「ねぇねぇ、あんた、モー娘。でしょ」
(いやぁ・・・・、新垣里沙って名前があるんですけどね)
何とか誤魔化そうとしたが相手は納得しない。
「ねぇ、悪いんだけど・・・・」
(やばいかつ上げって言うのをされるのかなぁ・・・・)
(怖いよぉ・・・助けてよぉ・・・・)
「写真とらせてくれない?」
「え?」
「お願い!!」
見た目に寄らずいい人っぽかった。
「写真を?私の?えー、うぇー、あ、はい」
事務所からは後で怒られそうだけど、
折角の記念、仮に辞めることになっても
私が芸能人だった証を少しでも欲しかったので
私は自分の気持ちに正直に行動した。
- 203 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:53
-
「やったぁ。何か、超嬉しい」
「あんがとねー」
何か嬉しかった。
ただ、一緒に写真を取っただけなのに、こんなに喜ばれるなんて――。
「あ、芸能活動、頑張ってね。応援するから」
(え?)
正直、胸が痛かった。
これからどうするか悩んでいた最中だったから――。
- 204 名前:Volume 〜里沙の風〜 投稿日:2004/12/16(木) 02:53
-
続く・・・
- 205 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/16(木) 22:02
- 作者乙
- 206 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/17(金) 22:38
- ウキウキ気分で横浜を歩いていたが、
さっきの子と会って以来、どうも気分が乗らない。
私は家に帰ることにした。
(本当に未練はないのか・・・・)
(本当にすっぱり辞めれるのか)
(あれだけ入りたがっていたモーニング娘。)
(あれだけ憧れていたモーニング娘。をそう簡単に辞める事が出来るのか・・・)
分かっていた・・・。
自分がまだ、未練がある事を――
- 207 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/17(金) 22:38
- 石川さんに対しては、わだかまりはある。
でも、あれだけ優しくしてくれた安倍さんや
いつも私の側にいてくれた辻さんと分かれるのは辛い。
安倍さんや辻さんだけではない。
飯田さんに対しても
保田さんに対しても矢口さんに対しても
後藤さん、
吉澤さん、
加護さん、
そして、同期の皆とも分かれたくなかった・・・・。
石川さんだってもしまともな精神状況だったら・・・・。
そんな時だった。
私の家の近くであの人が待っていたのは。
- 208 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/17(金) 22:39
-
「石川さん・・・・・」
あの人が何でうちの近くにいるのかが分からなかった。
「・・・・今日は」
とても気まずい雰囲気が流れている。
しかし挨拶をされたからには、挨拶を返すしかなかった。
「・・・・・今日は」
多分、私に会いに来たのだろう。
それ以外にうちに来る理由が見当たらない。
分かっているが、敢えて通り過ぎようとした。
「・・・・ま、待って」
待つ気はなかったが止まってしまった。
「昨日は・・・・ごめんなさい・・・」
(謝ってもらっても・・・・)
一度、伸びきったゴムは元には戻らない。
私の緊張の糸も昨日の事がきっかけで完全に切れてしまい
元に戻す事は出来ない・・・・少なくとも、今すぐに元には・・・。
- 209 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/17(金) 22:40
-
「今日の練習、休んだの・・・・私の所為でしょ・・・・?」
理由は何であれ、さぼったのは事実。
誰の所為と言うつもりはなかった。
「・・・・いえ、疲れていたから休んだだけです・・・・。それが何か問題でも?」
「良いの・・・・本当の事を言って。私が悪い事は自分でも分かっているから・・・・」
「・・・・・何が言いたいんですか?」
「・・・・・ただ、一言、謝りたくて・・・・・」
「それでしたら、さっき謝ってもらったから良いです・・・・失礼します」
1分1秒でもこの場を去りたかった。
だから、私はさっさと自分の家に戻ろうとした。
「明日は・・・・・練習来てね・・・・お母様も心配してるわよ」
「え・・・・母に言ったんですか!!」
彼女は黙って、頷いただけだった。
悪意が無いのは分かっている。
しかし、彼女の取った行動は私の神経を逆なでにするには十分だった。
- 210 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/17(金) 22:40
-
「何でそんな事を言うんですか!!」
「ごめんなさい・・・・でもお母様も心配されていて・・・・」
「だからって言う事は無いでしょう!!
どんな事情があったか知らないけど、後輩の事をいじめたり、怒鳴ったり、威張ったり・・・・」
「ごめん・・・・でも、威張ってなんか」
「吉澤さんに対して取った行動なんか、自分の権威を示したい為に取っただけでしょう」
「そんなつもりじゃ・・・・」
「じゃなくても、そう取る人はいるんです!!」
完全にシュンとしている彼女に私は尚も罵り続ける。
途中から、自分でも何を言っているのかは分からなかった。
ただ、今までずっと堪えていた事が一気に弾けてしまった。
気付いたら、彼女は泣いていた。
私はそんな彼女を置いて、さっさと家に入ってしまった。
- 211 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/18(土) 01:16
- 親からは何で、嘘をついたのかとずっと問われていた。
石川さんはコネの噂についてだけ誤魔化し、後の全てを親に話したらしい。
彼女にとっては誠意を見せたつもりだったのかも知れなかったけど、
私にとっては余計なお世話である。
(それにしても・・・・何か泣いていたなぁ・・・・)
何故か頭にこびり付いている
彼女が泣いている姿を・・・。
(・・・・ちょっと言い過ぎたかな・・・・)
(わざわざ、謝りに来ているあの人をあそこまで言う必要はあっただろうか・・・・)
多少の罪悪感が私の中で生まれてきていた。
しかし、慌てて掻き消すように必要以上に首を振る。
(ううん、言いんだ。あれぐらい言って)
(それに元々はあの人が愛ちゃんに意地悪したり・・・・)
(それに私が気にしている事を言ったりするからいけないんだ)
自業自得――と、無理矢理、自分に言い聞かせて納得させた。
- 212 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/18(土) 01:44
- 翌朝、いつもより少し遅く練習場に向かった。
するとちょうど、石川さんとばったり会ってしまった。
「あ、どうも」
複雑な感情が入り混じり、こう言う挨拶しか出来なかった。
「・・・・・おはよう」
あれからずっと泣いていたのか目が腫れていた。
どう足掻いても更衣室までは一緒。
敢えて、彼女を置いて1人だけ先に行っても良かったけど
昨日、泣かせてしまったと言う気持ちがどこか引っかかっているのか
そう言うようには出来なかった。
- 213 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/18(土) 01:44
- しばらく無言のまま歩く。
まだ、人もそれ程、いない所為か乾いた足音が廊下中に鳴り響く。
この空気に耐え切れなかったのか、彼女の方から口を開いた。
「あの・・・・」
「え?」
「昨日はごめんなさい・・・・」
どう言う訳か泣かされた彼女が謝る。
「また、うちに来てチクられた時には溜まりませんからね」
そんな言葉、吐くつもりはなかった。
「ごめん・・・・」
「・・・・・」
再び沈黙状態が続く。
お互い、それ以上の会話が無い状態で控え室に辿りついた。
- 214 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/18(土) 01:45
- タイミング悪く、控え室の中には誰もいない。
お互い無口の状態が続く。
彼女がチラチラこっちの様子を伺う視線を感じた。
彼女の視線が感じられたって事は私自身も彼女の事を
気にしていたって事なんだろう。
「・・・・あの・・・・」
「え?」
「ミュージカル・・・・頑張ろうね」
私はただ頷くだけで、何も言わなかった。
ミュージカルは頑張る。
それは誰の為でもない――自分の責任を果たす為だけにである。
でも、それ以降の事は考えていない。
いや――、決めてある事はあった。
それは娘。を辞める事であった。
- 215 名前:作者 投稿日:2004/12/18(土) 02:01
- 続く・・・(もうちょっとだけ)
>205
レス、thx
- 216 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/22(水) 01:17
- 私は少し遅れて練習に参加した。
石川さんがいたので、まだ、遅刻にはなっていないのかと思っていたが、
あの人も寝坊か何かをしたみたいだった。
でも、誰も私に注意はしなかった。
理由も無く休んだのだから、飯田さん辺りが注意してもおかしくないのだが
まったく注意されなかった。
ただ、見捨てられた感じでもなかった。
私が上手く踊れない部分を事細かく説明してくれるし・・・・。
いや、それは飯田さんに限っての事では無かった。
皆が皆、私に対して優しく接してくれた。
その行為が私にとっては物凄く侮辱に感じた。
特別扱いされている感じがして自分の中では、あまり気分的には良くないし
私のとった行動はプロとして有るまじき行為である・・・・。
同情・・・・?
同情なんてして欲しくはない。
私はこのミュージカルで最後にするつもりである。
だから、精一杯の努力をして行きたい。
娘。としては数ヶ月だけど、私がプロとしてやって来た証を残したいのだから。
- 217 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/22(水) 01:26
- 私は1人残って、練習を続ける。
遅れた部分を取り戻す為に、私は居残り練習を申し出た。
安倍さんや加護さん、愛ちゃんが一緒に残ると言ってくれたが
私は自分の責任を果したかったので、3人には申し訳なかったけど先に帰ってもらった。
- 218 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/22(水) 01:37
-
皆が帰ってから、1時間が経過した。
何度、ダンスをしても進展がなかった。
それどころかやればやるほど、振り付けが荒くなる。
苦手な個所を直そうと意識するあまり、他の部分までが形が崩れてくる。
それを何度も繰り返していくうちに全ての部分が雑になってきた。
手足が段々と言う事を効かなくなって来ているし、呼吸も荒くなって来た。
苦しい・・・・。
私は床に寝転び、息を整える事にした。
- 219 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/22(水) 01:38
-
仰向けになり、天井を見ながら私はファンだった頃の事を思い出していた。
- 220 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/22(水) 01:40
-
・・・・考えてみたら、モーニング娘。って初めから人気グループだった訳では
なかったんだよなぁ・・・・・。
皆、最初はインディーズから始めて、全国に手売りでCDを売って
やっとの思いでデビューする事が出来た。でもそこがゴールじゃなかった。
メンバーを増員したりしたけど、今一、ブレイクしきれずに
皆、どこかでマンネリ化してた時だった。
そんな時だった・・・・後藤真希さんの加入したのは・・・・・。
あの時は確かに後藤さんは救世主だった・・・・。
安倍さんのファンだった私も一瞬、目を奪われたから。
娘。の『LOVEマシーン』やプッチモニの『ちょこっとLOVE』と立て続けに
ヒット曲を出し、気付いたら国民的アイドルとなっていた。
皆は後藤さんのおかげだと言ってた。
安倍さんのファンだった私はその事が悔しくてどうしようもなかった。
- 221 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/22(水) 01:48
-
娘。がここまでになったのは、安倍さんを始めとした
1期生達の人が一生懸命、頑張ってきたからここまで来れたんだ!
――と私はこの事を声を大にして叫びたかった。
でも・・・、後藤さん自身は皆が思っているように自分のお陰で
人気が出たとは思ってないみたいだ。
それにどこか怖いイメージがあったけど、何かちょっとひょうきんで・・・・。
本人にあって、イメージが崩れるって事は良くあるけど、
後藤さんの場合は本人に会った事で後藤さんの良さが良く解った感じだった。
- 222 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/28(火) 00:29
-
(・・・・・・昔を振り返るのは少し早いか・・・・・)
(今は、頑張るしかない)
(目の前のミュージカルに向けて・・・・・)
私は多分、辞めるであろう。
しかし、その結論はミュージカルの後まで持ち越す事にした。
そして、私は再び立ち上がり、ラジカセを付けて練習を再開する。
悪い事の方が多かった、この数ヶ月間だが貴重な体験でもあった。
別に誰が憎くて辞める訳でもない。
もう、娘。に対して、以前のように愛情が持てなくなっていた・・・・・。
- 223 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/28(火) 01:38
-
あれだけ好きだったモーニング娘。・・・・・・・
あれだけ憧れだったモーニング娘。・・・・・・・
それが今では自分を苦しめる存在でしか無くなりつつあった。
好きだから、我慢できた。
好きだから、自分の力で掴みとったこのポジションを逃したくなかった。
今は違う・・・・。
自分の中ではコネがあったと言う事実がある。
自分の力で取った訳ではないと言う現実がある。
・・・・・・確かにネットでの出来事は私を苦しめた。
でも、その彼らにも認めてもらいたかったのかも知れない。
だから、頑張れた・・・・。
でも、どんなに努力をしてもこの事実があるならば
永遠に認められる事はないだろう・・・・。
もう、娘。に残る意味は無くなっていた。
今度のミュージカルが、私のラストステージ。
やるしかない・・・・・・。
ずっと応援してくれていた家族の為にも・・・・。
- 224 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/28(火) 01:48
- 一通り出来るようになったので、私は上がる事にした。
着替えを終え、入り口に向かう。
もうすぐ、ここから出入りする事も無くなる。
そう思うと少し寂しかった。
(わ、やばい。タオルを忘れた・・・・)
ここまで来て、引き返すのはどこか面倒くさい。
でも、お気に入りのタオルを置きっぱなしにして
愛ちゃんの2の舞になりたくなかったので、私は仕方なしに戻る事にした。
- 225 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/28(火) 05:24
- タオルをバッグに締まった私は、控え室の全体を見渡した。
(もう、この控え室も後、何回、入る事になるのだろう・・・・)
当たり前の風景だったのが、もうすぐ当たり前でなくなる。
そう思うと少し切なさを感じてきた。
そんな時だった・・・・。
「・・・・かぁ、絶対に言うなよ!」
どこからか男の人の声が聞こえて来る。
(誰だろう・・・・こんな時間に・・・・)
多少の恐怖心はあったけど、何となく気になったので
勇気を振り絞り、その声の主の下へ向かった。
- 226 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/28(火) 05:25
- 私が辿り付くと男の人は誰もいなかった。
ただ、女の人が1人ポツリと立っているだけ。
(・・・・?あれって・・・石川さん)
少しションボリした感じでこっちの方へ向かってくる。
私は身を潜めて、彼女の様子を見る事にした。
ポツリポツリと歩き出し、控え室の中へ入っていく。
控え室のドアを閉じる音を最後に、物音は一切、聞こえなくなった。
私は足音に気をつけて、ドアに近づく。
(・・・・・泣いている・・・・・)
男に何かをされたのだろうか。
それとも・・・・。
それは真実は本人しか分からなかった。
それにしても気になるのは――
"絶対に言うなよ!!"
――である。
多分、石川さんに対しての言葉だと思うが
その声の主は彼女に何を言わないよう口止めをしたのだろうか?
- 227 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/28(火) 05:32
- *********************
続く・・・
*********************
- 228 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 11:02
-
(私には関係の無い事だから・・・・)
私はその場を立ち去る事にした。
その人とどう言う事が合ったのかは知らないが、
泣いている石川さんに年下の私が何か出来るかと言えば
何にも出来ない訳だし・・・・。
それに私自身、わだかまりが消えたと言ったら嘘になるから・・・・。
- 229 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 11:37
-
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――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
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・
・
- 230 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 11:41
-
空は雨雲に覆われていた。
辺りを見回すと黒い衣装を着た人ばかり。
そう言う私自身も黒い衣装を着ていた。
私の側にはいつものメンバーは居なかった。
誰かが私の肩を叩く。
後ろを振り向くと飯田さんが立っていた――。
- 231 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 11:41
-
「あ、どうも・・・・」
「もう立ち直れた?」
(立ち直れた・・・・?)
私は何を言っているのかが分からなかった。
「・・・・・そんなに自分を責めないでも良いよ」
(責める?何を・・・)
「誰が悪いんじゃない。私だって、判断は迷ったと思う・・・」
「あ、あの・・・・」
「それにしても馬鹿だよ。石川は・・・・。何で一言、私に・・・・」
唇を噛締めて、悔しそうな表情を見せる。
「私がもっと早くに気付いてあげれば・・・・」
目からは大粒の涙が流れてくる。
(何を泣いているんだろう・・・え?)
気付くと私の目からも涙が流れていた。
- 232 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 11:42
-
(何で泣いているの?私・・・・)
(何も泣くような事なんかして無いじゃん・・・・)
(何でよ、何で・・・・)
周りから聞こえるヒソヒソ声。
皆、良い子だったのに――とか
可愛そうに――と言った話し声が聞こえて来る
前には石川さんの家族が、側には保田さん達がいる。
・・・・現実を受け止められない自分がそこには居た。
そんな筈は無いと
これは夢だ
夢に違いない・・・・
だって、石川さんが
石川さんが自殺するなんて!!
- 233 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 11:48
- ・
・
・
・
- 234 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 11:53
-
いつものように電車で、練習場へ向かう。
本番まで、後2週間。
幾らあっても足りない時間に、私は少し焦り始めた。
「ふう・・・・、それにしても嫌な夢だったなぁ・・・」
夢は夢、
分かっていながらも気分は最悪である。
- 235 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 15:37
- 練習場に到着する。
辺りは流石に人通りが少なかった。
「良し!!」
少し気合を入れて、練習場に乗り込もうとした時だった。
「・・・・おはよう」
この甲高く、独特な声は・・・・。
後ろを振り向き、見た顔は・・・・、
やはり、あの人だった――。
- 236 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 17:47
-
昨日と同じように先に着替え終え、控え室から出て行った。
ただ、私を見送る表情がどこか悲しげな表情をしていた。
少しやり過ぎている感が物凄く感じていた。
彼女が私に対して、悪い事をしたと思ってくれている事は
充分、感じられているし、反省も心の底からしている事も分かっている。
こうやって、1人になって見ると悪い事したなとは思えるんだが
彼女の顔を見るとついつい、邪険に扱ってしまう。
私は彼女の事を考えつつも、夢が丘組の練習場に向かった。
- 237 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/30(木) 17:55
- 練習場には、すでに安倍さんがアップを終わらせていた。
「あ、おはようございます」
「おはよう」
いつものように満面の笑みで返事してくれた。
嬉しかった・・・・。
この天使のような微笑みも後、何回、見れるのだろうか・・・。
「新垣・・・」
「・・・はい」
「気合を入れるよ」
「はい!」
日に日に近づくミュージカル。
それは私がモーニング娘。である事の終焉が近づいている事も意味していた。
泣いても笑っても後2週間。
私は、その日まで全力で突っ走る。
悔いを残さない為に・・・・。
- 238 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/31(金) 13:31
- ―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――
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―――――
―
いよいよ、運命の時。
ミュージカルもこの公演で最後を迎える。
台詞とか役どころはそれほど多くなかったので
そんなには大変じゃなかったが、お客さんの熱狂が凄かった。
このミュージカルに来たお客さんは、皆、温かかった。
これは最後となると思うと寂しいが、
一度決めた事を簡単には撤回したくなかった。
- 239 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/31(金) 13:39
- 不思議と冷静になれた。
これが最後だと言うのに、悲しさもなかった。
あるのは目の前に居るお客さん達に最高の演技を見せようと言う気持ちだけ。
「新垣、行くよ」
「はい!」
安倍さんの声に気合も入る。
そして幕は上がった。
- 240 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/08(土) 00:27
- 雑音は聞こえなかった。
聞こえて着たのはセリフを発するメンバーの声だけ。
考えて見れば、去年までは客席で見ている立場だったんだよな。
羨ましかった・・・。
あの舞台に立てる皆が羨ましかった。
今、ここにいるお客さんは私の事をどう思っているのだろう・・・。
私が辞めても今日の事、覚えていてくれるかな・・・。
- 241 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2005/01/09(日) 23:04
-
・・・今はそんな事を考えてる場ではない
- 242 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/09(日) 23:05
-
後悔したくないからやる
ただ、それだけ・・・
- 243 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/09(日) 23:06
-
・・・・・・・・・・・・・
全てが終わった・・・
- 244 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/09(日) 23:09
-
この公演の全てが終わった
この短期間で色々な事があったけど、
芸能界に入って辛い事が色々とあったけど・・・
でも、この舞台にたって思った
やっぱり、モーニング娘になれて良かった――と
だから、最後ぐらいはしっかりと決めたかった
決めれたかどうかは分からない・・・
分からないけど、全てをやりきったと思う
ううん、全てをやりきった
自分でも満足している
- 245 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/09(日) 23:14
-
長い公演が終わった翌日、
私は都内にあるとあるレコーディングスタジオに向かっていた。
そこにはつんくさんがいる。
私はつんくさんに最後の挨拶をしに向かっている。
- 246 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/09(日) 23:17
-
あれから一晩、寝ずに考えた
本当にこのまま辞めても後悔しないのか
これから5年、10年、経った時に
あの時、残っていたらなぁ――と思う事は無いのかと。
色々と考えた
まだ、誰にも言った訳じゃないので、
辞める事を止めてもいいかなとも考えた
でも、コネが事実だとするなら
それは自分の好きな娘。を汚す事になる。
それが一番、嫌だった。
だから、私はつんくさんの下に向かう事にした。
事実を確認する為に。
- 247 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/09(日) 23:20
-
皆はみっともないと思うかも知れない
でも、このまま事実関係をうやもやのまま辞めた時、
もし、コネがなかったって事がわかったら絶対に後悔する。
他のメンバーには迷惑をかける事になるかも知れない。
でも、私はもうちょっと娘。でいたい。
憧れの先輩や仲の良い友達ともっと仕事をしていきたい。
- 248 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/09(日) 23:21
-
あれこれと考えているうちに目的地に着いてしまった・・・。
正直、怖い部分はあるけど、私は勇気を振り絞りつんくさんの下へ向かった。
- 249 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2005/01/09(日) 23:23
- 次回、多分、最終回になると思います。
ですので、最後ぐらいは自分の好きなポジションでやらせてもらいます。
BAD SISTERの作者さん、ゴメンなさい
- 250 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:03
-
「あ、あの〜」
「ん?あ、マメ、お疲れ。どうしたの?」
つんくさんのマネージャーである。
娘にとって、つんくさんがお父さんだとすれば、この人はお母さん的存在の人である。
「ちょっと、つんくさんに用があって・・・・」
「ああ、じゃあ、ちょっと予定を聞いてくるから、待ってて」
しばらく、一人で待つ事に――。
- 251 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:04
-
私は、今までの事を、色々と振り返っていた。
勢いで、辞める事を決意したにも関わらず、気付いたら、辞めるのを渋っていた。
そんな自分が格好が悪くてしょうがなかった。
でも、格好悪くても良いと思った。
それでも良いから、娘で居続けたい。
格好なんて、そもそも、どうだって良いこと。
私にとっては、モーニング娘。である事が、大切である。
良いよ。コネなら、コネで。
それで、皆からさげすまされようとも、私は、居座り続けてやる。
もう、迷わない――。
- 252 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:04
-
自分の中では、結論はついたが、真実は真実として知りたかった。
それが、嘘なら嘘で良い。
でも、本当なら、それを受け止めた上で、自分を高めていきたい。
0からのスタート
今は、私にとっては、無風状態、いや、逆風が吹いている状態である。
でも、いつかやってくる筈の追い風を待って、私は、皆からの非難を受け続ける。
辛い思いをすると、すぐ挫けそうになる。
時には、挫折しそうにもなると思う。
そんな風になった時、この時の状況を思い出せるようにしたい。
- 253 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:05
-
30分後――
- 254 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:06
-
あれこれ、考えているうちにつんくさんが現れた。
早めに休憩を入れてくれたらしい。
「なんや、新垣。質問したいことって」
「あの…つんくさん」
私は思い切って自分の不安を全てさらけ出した。
じっと、私の話を聞き、目をしっかりと見つめる。そして、口を開く――
「なあ、本気でそんなこと思ってんのか」
「え?」
普段優しいつんくさんの表情が明らかに厳しいものになっていた。
「だったら、言って置く。芸能界なめんなよ!!
そんなんが通用する世界やないで!
そんなんで入ってきても潰れるのがおちや
もしちょっとでも本気で思っていたなら今すぐ捨てろ!!」
初めて見た――
本気で怒っているつんくさんを。
何があっても決して怒ることがなかったつんくさんが
本気で私の事を怒っている。
- 255 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:06
-
「なあ、お前な。
お前がそれを信じることは、俺を侮辱してることにもなるんや。
分るか?」
「そ、そんなつもりじゃ…」
「そんなつもりじゃないことは分る。
でもな、もしコネであることをお前が信じるってことは
俺がコネが通用する軽い男と思っていることと同じことや」
「…」
私は怖くなってつんくさんから目線を反らした。
「なあ、新垣。」
つんくさんは私の目と合うように屈んだ。
「お前はオーディションの時、誰よりも堂々とした態度で
受けていたよな」
「…」
私は何も言えなかった。
正直に言って、その時は無我夢中で何も覚えてなかったから。
「あの時のお前は誰よりもモーニング娘。に成りたがっていた。
そして、誰よりもモーニング娘。のことを愛してくれた。
そんなお前だから、誰よりも輝いていた。
俺はお前には誰よりもモーニング娘。になる資格があると思っている。
だから、採用したんや」
私は何も言えなかった。
あの時は純粋にモーニング娘。になりたいと思っていた。
それが夢でもあり、全てだった。
しかし、最近は娘。であることが苦痛になっていた。
「なあ、新垣。辛い気持ちは良く分る。
でもな、耐えてくれ。今は耐えてくれ。
きっと俺の思ったとおりの娘。になってくれるはずだから――」
最後は、いつもの優しいつんくさんの表情に戻っていた。
- 256 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:09
-
嬉しかった・・・
自分がコネでなかった事が分かった事も嬉しかったけど、
何よりも本気で怒ってくれた事、
そして、ずっと私の事も見ていてくれた事が嬉しかった。
馬鹿だった。
物凄く馬鹿だった。
自分が悩んでいた事の小ささがやっと分かった。
- 257 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:28
-
―――――――
――――――
―――――
――――
- 258 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:30
-
「新垣さん、この人知り合いですか?」
「え?」
後ろを振り向くと家に泊まりに来ていた亀ちゃんがいた。
いつの間にかに風呂から出ていたらしい。
「ああ、全然知らない人。何で?」
「いや、画面をずっと見ていたから」
私自身は気づかなかったが、結構長い時間
同じ画面を見続けていたらしい。
「いや、ちょっと昔を思い出してね」
「え、何を思い出していたんですか?」
この子は何でも聞きたがる。
「聞きたい?」
「聞きたい、聞きたい」
「それはねー…」
亀ちゃんが興味津々な顔で私の顔を見つめる。
「教えなーい」
「あー、ひどい!そこまで言ったんだから教えてくださいよー」
「だーめ」
私はパソコンを閉じ、亀ちゃんといつものじゃれ合いを始めた。
- 259 名前:本編 投稿日:2005/02/16(水) 05:35
-
ネットでの出来事はその後も私を苦しめ続けた。
私の仕事に影響が出るぐらい…。
しかし、その事が私にとって人間的に成長させてくれた。
今は、どんな苦しみも困難も、自分が成長する為の壁だと、
そして、その壁は必ず乗り越えられる壁だと信じている。
いつか、また、いつか、もっと苦しい出来事が起きるかもしれない。
そして、その時はくじけそうになるかもしれない。
私は、今、その時の私に向かって、自分の声のボリュームを上げて、
伝えたい。
「その壁は、きっと超えられる壁だよ!!」
――と。
- 260 名前:P.S. 投稿日:2005/02/16(水) 05:37
- 石川さんは、犯人ではありませんでした。
詳しい事は分かりませんが、犯人は石川さんと口論していたスタッフの人らしいです。
後、コネの話をお父さんにしたら、大笑いされてしまいました。
モーニング娘。新垣里沙、もっと、もっと成長します!!
- 261 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/16(水) 05:37
-
ボリューム 〜完〜
- 262 名前:デビルジョーカーマリー 投稿日:2005/02/16(水) 05:42
- 元々、この話は、始めの部分と、最後の亀井が出て来るシーンしか
決まってませんでした。
特に長くやる予定はなかった話。
本当は、石川さんがストレス解消の為にやった話。
そして、新垣さんにバレてしまい、逆上して、コネ発言をしてしまった。
と言う展開になる筈でした。
予定が変わった理由、それは当時、放映されていた二人ゴトでの
辻と小川の仲裁の話を聞いて、石川さんを悪役にするのを辞めました。
- 263 名前:デビルジョーカーマリーの言い訳 投稿日:2005/02/16(水) 05:51
- それからは、自分には方向修正する力は無く、散々な状態。
結局は、こんな形になってしまいました。
連載する事の厳しさを肌で感じる事が出来ました。
もう一つのヤツも、完結させるつもりでしたが、もう良いかな――と。
正直、作り直したいって気持ちと、後、現時点では、書く気力も失い、
しばらくは休みたいと思うのが本音です。
今度、この名前で書く時は、もっとマシな話を書けるようになってから
登場したいと思いますので、しばらくはこの名前は封印します。
最後に、この話に付き合ってくださった方々、本当にありがとうございました。
そして、滅茶苦茶になってしまってスミマセンでした。
- 264 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/16(水) 10:22
- 良かったよ!
また、お名前を拝見する日を楽しみにしてます。
- 265 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/02/24(木) 16:14
- 一気に読まさせて頂きました。完結お疲れさまでした、また作者様の作品を見れる日を楽しみにしております。ほんとーにお疲れさまでした。
- 266 名前:作者 投稿日:2005/03/15(火) 05:00
- 遅いレスで、すみませんでした。
久々に開いたもんで・・・・。
>264
そう言われると書いて良かったなと思います。
今度、何か書く機会があった際には、もう少し良質な物を書けるようにします。
本当にありがとうございました。
>265
レス、ありがとうございます。
タイトル及び1の箇所が変わったので、正直、これからどうしてこうなったか
分かりずらかったと思います。
そもそも、長く書くつもりはなかったもんで・・・・。
後、最後に管理人さんへ
今回の件では色々とご迷惑をおかけしました。
今後、このような事が無いように致します。
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