immoral conduct
- 1 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:36
- 初投稿となります。リアルで、最初はいしごまから徐々に他メン
CPも出したいと思います。
主に日頃の自分の勝手な妄想をひたすら書き綴ったものです
ので、設定時期も曖昧でまだWが卒業していなかったり、キャ
ラクターの性格等、突込み所も満載かと思いますが宜しくお願
い致します。
- 2 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:37
- 「いってきまーす」
バッグを片手に自宅の玄関を出ると、車に飛び乗る。
行き先は天王洲スタジオ。
無論、ハロモニ。の収録な訳で・・・・・
”梨華ちゃんに会える!”(いやっほぅ〜♪)
「今朝はえらく機嫌が良さそうだね」
だいたい車の中では寝ている真希だが、今朝は何故かひたすら笑顔。
時折外を見ながらニヘラ〜っとだらしなくニヤついている。
「はは、良さそうじゃなくってー、良いんです」
「久し振りにメンバーと会えるから?」
「当たり!あぁ〜早く会いたいなぁ」
(梨華ちゃんと・・)
- 3 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:39
- 到着すると「先に行ってますぅー」と車を飛び出し、受付のお姉
さんに「おはようございますぅ」とエントランス・ホールを駆け
抜けエレベーターの↑ボタンを連打する。
「あははは、そんなに慌てなくても、梨華ちゃんは逃げないべさ!」
突然背後から聞きなれた訛りの突っ込み。
『ドキッ』
・・・そぉ〜っと振り向いた、そこには・・・・・
「なぁーっちぃ〜おっはよ〜!」
「おはよーごっつぁん。もう待ち切れないって感じだね」
「ハロモニの収録をさー、毎週、いや、毎日にしてくれないなぁ。
てか、梨華ちゃんとの絡みをもっと増やせってーの」
「なぁ〜に言ってんだよっ。ま、気持ちはわかるけどね。ほら、
エレベーター来たよ」
- 4 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:40
- 2人でエレベーターに乗り、3階のボタンを押す。
「最近、梨華ちゃんと会う時間ないの?」
「ん〜、週1くらいかなぁ。そりゃーもっと会いたいよ?でも
さー、これ以上会ったら、寝る時間なくなっちゃうから」
と、横でなっつぁんが流し目でこっちを見ながら口に手を当てて
「シシシシシッ」って笑ってる。
「あぁー、なんか変な想像してるぅ」
「だぁ〜って、寝る時間無くなるほどしちゃだめだべ」
“ボンッ”と一瞬で顔がほてった。
赤くなったのがわかり慌てて下を向く。
「あれあれぇー、どしたの?ごっつぁん。あーあ、真っ赤だねぇー
こりゃまた・・・」
と言いつつ開いたドアからスタスタ出ていくなっちを追いかける。
- 5 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:42
- 「待ってよなっちぃ、違うもぉーん」
振り向かずに「違わないっしょ」と言いつつ自分の楽屋を通り過ぎ
て[モーニング娘。様]と書いてある楽屋に入って行く。
まだ、入りの時間には余裕があるので、そのままなっちの後に続
いた。
その途端、「「わぁーっ、ごっちんだぁー」」
ユニゾンでいきなり抱きついてきた例のコンビ。
「おはよー、元気してたかぁ?」
「「はいーっ!」」
ぐるっと部屋を見渡す。あっちこっちから元気な挨拶が飛んで
くる。なんか嬉しい。
こっちも元気に返してあげる。
が。
おかしい。
もう一度、部屋をスキャンする。
- 6 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:43
- ん?
いない。
梨華ちゃんが。
あたしの梨華ちゃんが。
愛しい愛しい梨華ちゃんが。
やっぱりいない。・・・え゛〜〜〜!(涙目)
昨日、゛早めに行くからねってメールくれたのに・・・
- 7 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:45
- 私の後にくっついてモーニングの楽屋に入ってきたごっつぁん。
途端に、ののとあいぼんがぶら下がってる。
みんなと挨拶しながらも、その目は何かを探している。
そう、久し振りに逢えるはずの愛しい彼女のことを。
あれ?梨華ちゃんがいない。さっきまで居たのに。
隣で「おまえら離れろよー、ごっつぁん困ってるだろ」
と、注意をしている矢口の腕を引き寄せ、「ね、梨華ちゃん
何処行った?」と聞いてみる。
「あ、今さっきスタイリストさんが衣装合わせるからって
よっすぃ〜と梨華ちゃん拉致られてった」
やばい。
ごっつぁんを見る。
あぁ〜、やっぱり。
涙目で私を見てる。
- 8 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:46
- 「矢口、ちょっとごっつぁんの楽屋にいってくるから」
「はは、なっちも大変だね」
「まーね。世話が焼けるよ」
張り付いたままの2人を引き剥がすと、ごっつぁんの手を引いて
外に出る。
「うぅーっグスッ、なっちの嘘つき。梨華ちゃん逃げないってさっき
言ったのに」
「ごめん、衣装合わせに行ったって。ほら泣かないで。ごっつぁん
も荷物置いて衣装合わせしといで。そんな顔、梨華ちゃんに見せ
ちゃだめだよ?きっと梨華ちゃんも同じ気持ちだから。心配かけち
ゃうから。ね。」
「・・衣装はいつものやつだから・・・フィッティング無いもん・・うぅ・・」
一度失速した気持ちはすぐには回復しないようで。あらら、涙流し
てる・・・・
- 9 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:48
- ホントにもう・・・、普段はなっちよりもすごい大人っぽかった
りもするけど、梨華ちゃんの事となるとね、弱いんだねぇこれが。
わたしよりもずっと背の高いごっつぁんの頭を撫でてあげる。
「何で泣くさ。もうすぐ会えるんだよ?ほら、顔見に行こう。フィッテ
ィング・ルームから梨華ちゃんの声聞こえるよ?ごっちんに
会いたいよーって」
「グシッ、うん・・・荷物置いてくる」
うなだれたまま、とぼとぼと自分の楽屋に入ろうとしてごっつぁん
の動きが止まった。
あれ、ドアの前で固まってる。・・・なした?
「ごっつぁん、どした?」
振り向いたその顔は涙でぐちゃぐちゃで。
・・・はい?・・・
- 10 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:49
- 驚いて慌てて駆けよると、
「なあっちぃ〜、えぐっ、梨華ちゃんが・・・梨華ちゃんが・・」
情けない声でドアの横に張ってある[後藤真希様]ってプリント
された紙を指差した。
良く見ると、ごっつぁんの名前の上に、いつものワンパターンの
ピンクのウサギの絵と一緒に、[私の大切な]ってサインペンで
書き足してあった。可愛いハートマーク付きで。
はは、梨華ちゃんなかなかやるじゃん。
- 11 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:51
- 何度見てもやっぱり梨華ちゃんがいない。やばい、涙出てきた。
うぅー、なっちの嘘つき。
なっちを見ると、目をまん丸にしてあたしを見たかと思うと、
やぐっつぁんと何か話してからこっちにすっとんできた。
「ほら、ごっつぁん行こ?」
しがみついてる辻加護を引き剥がして娘。の楽屋を出る。
「うぅーっグスッ、なっちの嘘つき。梨華ちゃん逃げないって
さっき言ったのに」
こんなこと言うつもりじゃないのに、なっちが悪い訳じゃない
のに、つい甘えてしまう。
あたしが梨華ちゃんに片思いだった頃、いち早くあたしの思い
に気付いてくれて、さり気なく2人きりにしてくれたり、梨華
ちゃんの好きそうな美味しいケーキのあるお店を教えてくれたり。
- 12 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:52
- 女の子同士ってことにすごく悩んで落ち込んじゃって、なっちの
家で大泣きした時も、朝までごとーの話を聞いてくれた。
そして、なっちに「絶対に大丈夫だから気持ち伝えてごらん?」
って優しく背中を押されて思い切って告白して。
付き合い始めた時、まるで自分の事のように大はしゃぎして喜
んでくれた。
実は梨華ちゃんもごとーに片思いしてて、それがある時やぐっつ
ぁんにバレて、それからずっと相談に乗ってもらっていたそうで。
なっちとやぐっちゃんで情報交換しながら、裏でこっそり協力し
てくれてたって後で解ったんだ。
- 13 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 21:55
- すいません。タイトルを入れ忘れて、ました。
次から直します。
- 14 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 21:56
- それを知った時には涙が止まらなかった。
仲間っていいよね。
本当になっちもやぐっつぁんも頼れるお姉ちゃん。昔はスタッフ
さんとかに3バカトリオって呼ばれてたけど。
今も頭を撫でてくれて一生懸命慰めてくれる。そんななっちの優
しさに心が穏やかになってゆく。
自分の楽屋に入ろうと顔を上げると、名前の紙に目が釘付けに
なった。
途端に涙が溢れてくる。さっきなっちが言った(きっと梨華ちゃん
も同じ気持ちだから)って言葉が頭の中でぅわんぅわんって響い
てる。
梨華ちゃん得意の耳がピンッて立ってる可愛いピンクうさぎの絵
と一緒に、[私の大切な]って。
- 15 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 21:59
- ・・・私の大切な後藤真希・・・・
普段は恥ずかしがってそんなこと言わないのに。
なっちの声に振り向くとまたまたびっくり眼ですっ飛んできた。
なっちに教えると、とびっきりのなっちスマイルで。
「ほらね?なっちの言った通りっしょ。ごっつぁんと同じ位、
梨華ちゃんだって会えるの楽しみにしてたんだよ?そっか。
さっきあいぼんにサインペン借りてたのってこれだったん
だ・・・・・」
「今朝ね、楽屋入りは梨華ちゃんが一番早かったんだ。なっち
が梨華ちゃん早いねって言ったら、梨華ちゃんこう言ったの。
『どんなに電話で声を聞いても、どんなにメールで気持ちを伝
えても、やっぱり抱きしめて温もりを感じたい。今日会えるっ
て思ったらじっとしていられなくて、来ちゃいました』って。・・・・早く来るって約束してたんでしょ?梨華ちゃんは
ちゃんと約束守ってるっしょ」
「・・・梨華ちゃん・・・」
- 16 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:00
- 「なっち思うんだけどね、梨華ちゃんもごっつぁんも、もっと自
分の気持ちをちゃんと言わなきゃだめ。恥ずかしいけど、伝わっ
てるって思うかもしんないけど、電話とかじゃなくて、会った時
にちゃんと言わなきゃ」
「うん・・」
「そう。じゃないと、今のごっつぁんみたいにどんどん不安に押
し潰されちゃうよ。2人ともお仕事しててあんまし会えないんだ
から、なおさら2人の時間を大切にしなきゃ」
「うん」
「ほら、荷物置いてさ、涙押さえといで」
「なっちぃ・・・」
「ん?」
「ありがと」
「うん。ほら、目が腫れちゃう前にさ」
- 17 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:02
- せっかく早く来たのに、何故かよっすぃ〜と一緒に衣装合わせ中。
やる気満々のスタイリストさんに早々とつかまって。
なんか、ショップを物色してたら凄く可愛いのを見つけたらし
くて、どうしても私に着て欲しいって。
わたしのことを知り尽くしていて、色々な種類の衣装やアクセ
サリーを組み合わせて可愛くコーディネートしてくれる。まる
で魔法使いのような彼女達。
そのために、オフの時にも私に合いそうな衣装が無いかどうか
を探して、ショップを何軒も歩き回ってくれて。
本当に感謝してるの。いろんな人に支えられてるんだなって。
頑張らなくちゃって。
ちなみに、わたしの洋服のセンスはと言うとメンバー曰く、
「石川きもい!」
・・・・ひどい・・・・
- 18 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:03
- でもいいの。例え味方が重さん一人でも、わたしのポリシーは
絶対に変えないんだから。
今日の衣装はちょっとシックな落ち着いた雰囲気。
でもさ、スタイリストさんだってわたしの趣味に合わせて選ん
でくれてるのにさ、私が自分で選んだのとは何でこんなに違う
んだろう。
<コンコンッ・・なっちだけど入っていい?>
「はぁーい、どうぞ」
「あれぇー、ちょ〜っと、大人っぽいんじゃない?」
「でしょ?これすごく気に入ったの」
「うん、いい感じっしょ。・・・あ、梨華ちゃん何とかして
くれる?」
「へ?何をですか?」
と、安倍さんが後ろ手に誰かを引っ張り込んだ。
- 19 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:04
- ・・・・あ、ごっちんだ。どうしたんだろ。何でそんなに元気
無いの?
「ごっちん?おはよ。・・・どうしたの?」
安倍さんの後ろに隠れるようにうつむいたまま顔を上げようと
しない。
「ごっつぁんただいまネガティブ・モードの真っ最中なの。あ
のね、梨華ちゃんに早く会いたくって車降りてダッシュで楽屋
に行ったらね、梨華ちゃんが居なくって。半ベソかいて自分の
楽屋に入ろうとしたら、ネームの梨華ちゃんの落書き見てね、
嬉しくてまた泣いちゃったのね。私の大切な真希ちゃん!」
「むぅー、なっちのおしゃべり。泣いてないもん」
ふふっ、上目使いにこっちを見ながら、アヒルくちになって
るし。
近寄って耳元でこそっと
『わたしもすっごく会いたかったよ、真希ちゃん』
まだ少し赤い目で恥ずかしそうにニコッて微笑んだごっちん
がすっごく可愛くって。
わたしも微笑み返す。
- 20 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:06
- 「あ〜〜もう見てらんない。安倍さん行きましょう」
よっすぃ〜が顔を手でパタパタ扇ぎながら安倍さんを連れて
行こうとするのを
「ちょっと待って、よっちゃん!」
と引きとめてわたしの耳元でこそっと
「今ごっつぁんの不安を取り除けるのは心よりも言葉だよ」
と言い残して部屋を出て行った。
何時の間にかスタイリストさんも居なくなって。
「真希ちゃん、会いたかったよ。ふふっ、今朝一番にきたん
だけどね、スタイリストさんにつかまっちゃって。ほら、こ
の衣装素敵でしょ?どうしてもこれをわたしに着せたかった
んだって」
スカートをつまんでお姫様ポーズをとる。
「・・・かわいい・・・」
「うふっ・・・・でしょ?すごく気に入ったの。終わったら
買い取れるか聞いてみようかな」
- 21 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:07
- 「梨華ちゃん可愛い」
そう言うと、ごっちんはわたしを抱きしめた。
心がすぅーっと穏やかになっていく。
「ふふっ、真希ちゃんだって可愛いよ?・・・・・そっか。
泣いちゃったんだ。どうして?」
「わかってるくせに・・・・・」
「ごめんね。真っ先に逢いたかったよね。でもね、泣いちゃヤ
だよ。わたしは真希ちゃんと一緒なの。たとえなかなか逢えな
くたって気持ちはずっと一緒だよ?一人でお仕事してて、ちょ
っと辛かったり、凹んだりしてもごっちんのことを思うとね、
元気になれるの」
「・・・梨華ちゃん」
- 22 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:08
- 「わたしはまだ、真希ちゃんの力になれてないのかな。わたし
の気持ち、まだ足りない?」
「そんな・・・そんなことない!ごめんね梨華ちゃん、ごとー
がわがままなの。梨華ちゃんの気持ち知ってるのに、ごとーが
一番わかってるのに。ごとーが・・んっ・・んん・・」
目に涙をためながら、必死なごっちん。ちょっと意地悪だった
かな?
ごっちんの気持ち、わかってるくせに・・・・・。
慌ててキスでごっちんの口を塞ぐ。
こわばっていたごっちんの身体の力がすーっと抜けていくのが
わかる。
そっと唇を離す。
- 23 名前:immoral 投稿日:2004/09/13(月) 22:09
- 「辛くなんかないよ?1人の時もね、いつもごっちんのこと考
えてるもん。今頃何してんのかな、とか今度いつ会えるかな・・
とか、会った時、何を話そうかな・・とか。真希ちゃんのこと
を考えてる時ってとっても幸せなんだ」
「梨華ちゃん・・」
「いつもね、みんなに冷やかされるの。『おまえまたごっつぁん
のこと考えてたろー』って。楽屋とか移動中とか、ごっちんのこ
と考えてると、自然に顔がニヤけちゃってるみたいで」
梨華の言葉に思わず笑みがこぼれる。
「あいがとぉー・・・・・・・ん?ちょっと待て。みんなって
さ、なっちとやぐっつぁんとよっすぃ〜だけでしょ?」
- 24 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:10
- 「うふっ、もう全員知ってるよ?」
「え゛〜〜〜っ、なぁ〜んでぇ〜」
「私はしゃべってないからね。わ・た・し・は。それとも、わた
しと真希ちゃんが仲良しですって知られちゃ困る訳でもあるの?」
「・・・・・・ない・・・・・」
「真希ちゃん、今夜は大丈夫なんだよね?」
「うん。この後は事務所で打ち合わせが幾つかあるだけだから。
そんなに遅くはならないと思う。明日からはツアーのレッスン
とかがあるから、またしばらく会えないかも」
「そっか。うちでいい?」
「うん!終わったらメール入れるね」
- 25 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:12
- ≪コンコンッ≫
「「は〜い、どうぞ」」
カチャッ・・・「あのぉ」
「あ、紺野どうしたの?」
「あ〜、お取り込み中すいません。石川さんメイクさんが待って
ます。後藤さん、マネージャーさんが探してます。それと、衣装
さんが中に入れなくて外で困ってます。じゃ、失礼しまた」
・・バタッ
完熟トマトのように真っ赤な顔で申し訳なさそうに言うだけ言
って去って行った紺野に、2人とも爆笑していた。
「でもさ、なんで紺野あんなに真っ赤だったんだろ?」
「梨華ちゃんホントにわからないの?」
「うん」
「だってうちら、ずーっと抱き合ったままじゃん。そりゃ紺野
だって恥ずかしいでしょ」
- 26 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/13(月) 22:13
- まったく無意識だった石川は『ボンッ』と一瞬に赤くなった。
離れようとするが、後藤に更に強く抱きしめられる。
「ちょっと真希ちゃん!」
「かあいーねぇ、照れてる梨華ちゃんも」
「ほら、もう行かなくちゃ。(小声で)そのかわり、今夜は真希
ちゃんがいっぱいいーっぱい愛してくれるんだよね」
「あは。今度はすぐ気絶しないでよ」
「あ〜〜、まだそんなこと言うんだ。もう信じらんない。いい
もん。今夜は私に触っちゃだめ。1人で寝るんだから」
「へへへっ」
「ちょ〜っと、何で笑ってるのよぉ」
「そんなこと言って、梨華ちゃん我慢出来ない癖に」
「しっ、知らない!」
・・・・ バタン!
・・あ〜、ちょっと調子に乗り過ぎたかなァ。
でも、あんな風に照れながら怒ってる梨華ちゃんも、超可愛い
よね。
・・・でも・・・
・・・・本当にお預けだったらどうしよう・・・・・・
- 27 名前:たまえす 投稿日:2004/09/13(月) 22:16
- 今日はここまでです。
続きはまた後日ということで、失礼します。
- 28 名前:名無しさん 投稿日:2004/09/14(火) 01:43
- あまい////////////////
あますぎて読んでるこっちが恥ずかしく…f^^;
こんなにあまあまないしごまはホント久しぶり…
あと、ホントみんなかわいくていいですねー
続きがすごい楽しみです^^
頑張ってください〜
- 29 名前:たまえす 投稿日:2004/09/14(火) 07:45
- >>28 名無しさん
励ましありがとうございます。本気で照れてます。
全編いしごまではなく、今後何組かのCPが登場して、後々微妙に
絡みが出てくるかと思います。
ただ、うP前にチェックしたつもりなのに、至る所にミス発見。
>>5 の化けている部分「ぐ驍チと部屋を見渡す」は「ぐるっと
部屋を見渡す」です。以後気を付けます。
今晩更新する予定です。
- 30 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/14(火) 17:32
- ほんと久しぶりに甘い、いしごまに出会った気がします。
他のCPも楽しみにしてます。
- 31 名前:たまえす 投稿日:2004/09/14(火) 19:53
- >>30 名無飼育さん
どうもありがとうございます。
基本的に娘。達が好きなので、勝手に甘くなってしまいます。
- 32 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 19:55
- 先に収録の終わった真希は、天王洲を後にした。
同じ頃、次の収録の準備のために休憩中の楽屋の片隅では・・
「梨華ちゃんさー、ごっつぁんがいなくなったとたんにテンション
下げるのやめなよ。そりゃー気持ちはわかるよ?でもさ、うちら
プロじゃん。まだ収録残ってんだから最後まで頑張ろうよ」
さっきまでの勢いは何処へやら。急にシュンとなった梨華の耳
元で矢口がそっとささやいた。
「・・・・すいません。大丈夫ですから」
「またしばらく会えないの?」
「今晩は来てくれるんですけど、明日からツアーのリハーサ
ルだからまたしばらく会えないって」
- 33 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 19:58
- 「そっか。だったらなおさら心配掛けるようなことしちゃだめ
だよ?会えなくたってごっつぁんにとって梨華ちゃんは心の支
えなんだよ?そして、梨華ちゃんにもそうであって欲しいって
思っている筈だよ?そんなこと自分が一番わかってるだろ」
「・・はい」
「今晩会えるんだろ?しばらく会えないんだったら、その分ま
で一杯愛してもらうんだよ?」
「えっ・・・・あ、・・あの・・・」
「何とぼけてるのさ。おいらは梨華ちゃんのこと応援してるん
だからね。自分じゃ解らないだろうけれど、ごっつぁんと会っ
た次の日はね、梨華ちゃんめちゃめちゃ幸せそうな顔してる
から。だから、そんな梨華ちゃんを見てると、おいらもなんか
暖かくなれるんだよね」
「矢口さん・・・・」
「梨華ちゃんはね、おいらと考え方が似てるから。だからなん
となくだけど、何を考えてるのか解る気がする。てゆーか、顔
に出し過ぎ。いい?梨華ちゃんは1人で考え出すと、どんどん
悪い方にいっちゃうから。まぁそのへんはごっつぁんも同じだ
けどね」
- 34 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:00
- 「だから、そんなときは、おいらでもなっちでも話し聞くから。
もっと頼っていいから」
「はい・・・・心配掛けてすいません」
「あ、そうだ。いいこと教えたげるよ。もし不安になった時はね、
ごっつぁんに抱かれてる時のことを考えてごらん?」
「へっ?」
「静かに目を閉じてね、思い出すの。いつもごっつぁんが、ど
んな風に愛してくれてるかを。どんな優しい言葉をささやいて
くれたかを。そうするとね、何時の間にか不安なんか消えちゃ
うよ?」
「あ・・・・っと・・・あの・・・」
「ん?どした?真っ赤な顔して。何で今更恥ずかしがるかな。い
つも凄い事してるくせに。あんな事やこんなこと・・・・」
「なっ、なんで矢口さんがそんなこと知ってるんですか!」
「そんなことって、どんなことだよ。おいら何も言ってないし・・・・・で、どんな事してるの?」
「!?・・・い、言える訳無いじゃないですか」
「ほぉ〜〜、お姉さんにも言えない様ないけない事をしてるん
だ?そんな子に育てた覚えは無いのに」
「そ、育てられた覚えもありません!」
- 35 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:02
- その頃、騒がしい楽屋の中で、静かに読書をしているリーダー
の隣にちょこんと座って、部屋の隅での2人のやりとりを観察
していた、自称究極の童顔娘。
(ありゃー、矢口ってば。あれじゃイジメだしょ。あらら、
梨華ちゃん真っ赤になって下向いちゃったし。またセクハラ
かい?まるでオヤジだね。ちっちゃいけど。しゃーない、助
けてやっか)
「よっと」
「ん?なっちどこいくの?」
「うん、ちょっとね」
本から顔を上げて部屋を見まわした後、おっきな目で私を見る
と、圭織はふっと微笑んだ。
「そっか。矢口も世話が焼けるね。行ってらっしゃい」
「うん、行ってくるね」
- 36 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:05
- すごいよね。今のほんの一瞬で全てを理解しちゃうんだ。圭織
って。
一緒に過ごして何時の間にか時が過ぎ、今では心から信じ合え
る関係になった。
なっちにとって、本当に掛け替えのない人。
一見ぼーっとしてて、いつも交信してるように見えるでしょ?
でもね、やっぱりリーダーになってから変わった。
陰ですごい努力してる。
例えば前にミュージカルでライブの途中麻琴がぎっくり腰に
なったでしょ?舞台掃けたあと、泣きじゃくりながらやりま
すって言うんだけど、とても動ける状態じゃなくて。まだ何
曲か残ってたけどパートを振り直す時間も無くて。
そしたら圭織がね、「私が麻琴のパート持ちます」って言っ
たの。
舞台監督さんに「できるか?」って聞かれた圭織はちょっと
微笑んで「はい」って。
すぐにステージに戻って、中断していたライブを続けたんだ
けど、まるでリハーサルしたかのように歌う圭織の横顔がす
ごく綺麗だった。
- 37 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:06
- 後で圭織に聞いたらね、「本当はこういうことはあっちゃいけ
ないけれど、でも何があるかわからないから、余裕ができたら
一応全員のパートを覚えるようにしてるの」って。
それを聞いた時なっちね、感動してぶわぁ〜って鳥肌が立っち
ゃった。
そう言えば、梨華ちゃんて鳥肌立つのかな。鳥嫌いなのに。
クククククッ。
あ、いけない。またモノローグしちゃった。
さてと。
そ〜っと矢口の後ろに座って聞き耳を立てる。
『「ん?どした?真っ赤な顔して。何で今更恥ずかしがるかな。
いつも凄い事してるくせに。あんな事やこんなこと・・・・」
「なっ、なんで矢口さんがそんなこと知ってるんですか!」
「そんなことって、どんなことだよ。おいら何も言ってないし・・・・・で、どんな事してるの?」』
- 38 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:09
- ・・あはは、矢口ってば何もそんなことまで言わせなくても
いいっしょ。梨華ちゃんもスルーしちゃえばいいのに。
後ろから矢口の耳に、ふぅ〜っと息を吹きかける。
「うわぁ〜っ、び、びっくりしたぁ。何すんだよなっち!」
「えへへっ、正義の味方参上!」
「いや、意味わかんないから」
「ん?梨華ちゃんがいじめられてるから助けに来たの」
「え〜っ、おいらいじめてないって。むしろ励ましてたのに」
「どうやって励ますと、こんなに真っ赤な顔になるさ。でもね、
梨華ちゃんだってわかってるべさ。それに、立ち入ったことを
聞きすぎだよ矢口は。もちろん冗談なんだろうけどさ、でもそ
ういう冗談って梨華ちゃんには通じないっしょ」
- 39 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:12
- 「ちょっと、おいら冗談なんか言ってないって」
「だぁ〜って、ごっつぁんと梨華ちゃんがどんなエッチして
るかなんて、励ますのに関係無いしょ?」
「それは・・・・ちょっとさ、興味があるじゃん」
「ほらぁやっぱり。梨華ちゃん気を付けないと。うっかり喋る
と、またメンバーにばれちゃうよ」
「ひどぉ〜い。そんなことしゃべらないって」
「ふ〜ん。梨華ちゃんとごっつぁんが付き合ってるのをばらした
のって・・・誰だっけ?」
「あ・・・あれはさぁ、ほら、みんなで応援したいなーって
思って・・・あはは」
「まーったく矢口は。やだよねーっ、梨華ちゃん」
さっきまでのネガティブ・モードも何処へやら。脳天気な2人
の会話に、いつしか梨華に笑みが戻っていた。
- 40 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:13
- 「ふふふっ、矢口さんも安倍さんもありがとうございます。
よしっ!チャーミー復活!」
「おっ、いいよ梨華ちゃん。最近立ち直りが早いね。やっぱり、
おいらのアドバイスのおかげだね」
「そぉーれは違うべさ。絶対なっちの・・・」
「い〜え。真希ちゃんの愛の力です!」(キッパリ!)
途端に楽屋内がシーンとなった。
見まわすと、全員が注目している。
- 41 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:16
- 「あ・・・・・・いえ・・・・その・・・・・・」
「・・・ありゃー、やっちゃったよ梨華ちゃん。何もそんな
力一杯言わなくたって。おいら達の方が恥ずかしいじゃんか」
「「いよっ、熱いねー・・・」」
「あ〜あ、やってらんねー」
「いぃなァ〜(私も紺ちゃんと・・・・)」
火が出そうな程赤くなった顔を両手で覆い部屋の隅で小さく
なっている梨華に向って4期(相当)のメンバーが、言いた
い放題冷やかしを投げつける。
「クスッ、やっぱラブ&ピースだね」
ひとり納得すると、再び読書に集中する圭織だった。
- 42 名前:たまえす 投稿日:2004/09/14(火) 20:25
- ちょっと休憩。
いきなりペースが早過ぎるかもしれませんが、仕事でいつ
長期非更新という事態にに陥るやも知れぬこの身なれば、
時間のある時にできるだけストックをUPしておきたいな
と。
起承転結のはっきりした物ではないので、中断してもあま
りダメージは無いと思いますが、急に更新が途切れたら、
・・こいつ、出張で飛ばされたな・・と思ってください。
- 43 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:28
- 「あ゛〜、づがれだぁー」
「もー、よっすい〜ったら。女の子なんだからやめてよその言い
方。でも、最近の収録って、昔と比べると体力使わなくなったよ
ね。台本も細かく覚えなくてもいいし。カンペいっぱい作ってく
れるし。私達に気を使ってくれてるのかな」
「うん」
「やっぱりさ、スタッフさんとか、みんなおいら達のこと考え
てくれてるんだと思うよ?収録は確かに楽になってるけど、そ
の分一生懸命にやらないとね」
「ほら、みんな今日のお仕事はこれでおしまいでしょ?早く帰
って明日のために身体を休めなさい」
「だってさ、梨華ちゃん!か・ら・だ・を休めなさいってリーダー
が言ってるよ」
ピッチのずれた鼻歌を口ずさみながら真希にメールを打ってい
た梨華に、またしてもちっちゃい特攻隊長。のセクハラ攻撃が
入る。
(まぁ〜た矢口は。あらら、梨華ちゃん真っ赤。ホント解り易
いよね。それじゃこれからしますって言ってるようなもんだべさ)
- 44 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:30
- 「もうさ、いいから。ホラ、帰るよ矢口」
「じゃーおいらは寂しくなっちと帰るか」
「あーっ、なっちと帰るの寂しいんだ。折角待っててあげたの
にさ。もう誘ってあげないからね。じゃみんなお疲れ様でしたー」
そう言うと、スタスタと安倍は楽屋を出て行った。
「待ってよなっちってば。・・あ、んじゃお先に。
(パタン)・・・
なぁーっちぃー・・・・冗談だぁーってぇ・・・・」
・・・はァ〜・・・矢口さんって、ただ私の事面白がってる
だけなのかも・・・・・。
いけない、早く帰って支度しなきゃ。
えっ?何の支度かって?やーね。晩ご飯にきまってるでしょ。
変な想像しないで!
お風呂も入れなくちゃ。
- 45 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:31
- 真希ちゃんたら、いつも『一緒に入ろう』ってきかないの。私は
ね、恥ずかしいから嫌だって言うんだけれど、でも真希ちゃんす
っごい悲しそうな顔するんだもん。
上目使いでさ、『梨華ちゃんおねがい』なんて言われたら断れな
いでしょ。
ホントはね、もう一つ嫌な訳があるの。
私はさ、ほら・・・・地黒でしょ?だけど真希ちゃんの肌って
透き通るように白いの。
だってさ、身体中血管が透き通って見えるんだよ?やっぱり比
べちゃうじゃない。
でもね、それがエッチの時になると、ふわぁ〜ってピンク色に
なるの。すっごい不思議。
だって、抱かれてるのは私なのに抱いてる真希ちゃんもピンク
になっちゃうんだよ?
・・・・・・・キャー!!
- 46 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:33
- 「ねぇー、待ってよ。なっちってばー」
「やーだよ」
「ハァハァ・・なっちの意地悪。ねぇ、この後どうする?」
「どうするって、帰るんでしょ?」
「えーっ、このまま帰るの?おいらもっとなっちといたいよー。
またしばらく会えないじゃんか」
「はァ〜、矢口ってば、なに言ってるべさ」
「・・・・なっちぃ〜・・・・」
「あぁー、それずるいよ矢口。そんな目で見られたらさ、なっち
が嫌って言えないの知ってるくせに」
「・・・おいらといるの・・・イヤ?」
「んな訳ないっしょ。どうする?なっちお腹すいちゃった。
どこかで食べてく?それともうちに来る?」
「いいの?・・・おいら久し振りになっちママの手料理が食べ
たいなァ」
「おっ、さすがだネェ、・・・・って、なっちのじゃダメかい?」
「違うって。だってさ、なっちのお母さんのご飯ってめっちゃ
美味しいじゃん」
- 47 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:35
- 「しょーがないなァ」
と、嬉しそうな顔でバッグから携帯を取り出して・・・・
「もしもーし、あ、おかあさん?うん、今終わったところ。
あのさ、矢口がどうしてもおかあさんの手料理を食べたいって。
うん。ホント?・・・はーい、じゃすぐ帰ります。じゃね」
ピッ
「真里ちゃんのために頑張るぞって」
「はは、うれすぃーね。じゃタクシー代は矢口が持つからね」
「お、太っ腹!」
「いや出てないから」
「・・・・・は?」
- 48 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:36
- 「ただいま。」「お邪魔します」
「はーい、いらっしゃい。先にお風呂どうぞ。ゆっくりご飯した
方がいいでしょ?なっちタオル出してあげてね。真里ちゃん着替
えは?」
「あ、持ってきてます。すいません」
「あー、矢口初めから安倍さんちに来るつもりだったしょ?」
「えへへへ、バレちゃった?」
「いいじゃない、ねェ。いつでも来て頂戴ね。真里ちゃんも娘
みたいなもんだから」
「ありがとうございます」
「じゃ、矢口先に入って。なっち後でいいから」
「えー、一緒に入ろうよー」
「な、なーに言うべさ」
「いつも一緒に入ってるじゃんか」
「ほら、何でもいいから早く入りなさい」
「「はーい」」
そして結局2人で仲良くバスルームへ・・・・
訂正、嫌がるなっちを引きずりながら勝手知ったる安倍家の
浴室へと向う矢口だった。
- 49 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:38
- ピンポーン
「はーい」
「あなただけの可愛い真希ちゃんでーす」
「んふ、お疲れ様。上がってきて」
「あーい」
オートロックが開くとダッシュでエントランスを掛け抜けて
エレベータの↑ボタンを連打する。
・・そう言えば、今朝こんな場面をなっちに見られて大笑い
されたっけ・・
そぉーっと辺りを見回すが、人影は無し。
エレベーターを後に部屋の前に差しかかると、スッとドアが
開いた。
「おっ、グッドタイミング梨華ちゃん」
「ふふっ、早かったね。どうぞ」
- 50 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:40
- 梨華を抱きしめながら後手にドアを閉めつつキスをする。
長いキスのあと、しばらく見つめ合っていた。
「ずっとこうしていたいけどね、でもお腹すいてるでしょ?
ご飯できてるから食べよ?」
「うん。梨華ちゃんは後でゆっくり頂きますか」
「・・・・バカ・・・・」
「ほら、これ。この梨華ちゃんの照れて赤くなったとこ大好き。
可愛いねェ」
耳まで真っ赤になった梨華をギューッと抱きしめる。
「真希ちゃん・・・ご飯が・・・」
食卓には、真希の身体を気遣い、栄養バランスを考えた梨華
の力作が並んでいた。
- 51 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:41
- 梨華は何も言わないが、真希には梨華の気持ちが十分に伝
わっていた。
思わず目頭が熱くなる。
「はい。スープ熱いから気を付けてね」
「・・・・」
「ん?真希ちゃん?泣いてるの?」
「ううん、なんでもないよ」
慌ててこぼれた涙を拭う。
「どうしたの?何かあった?それとも、どこか具合悪いの?」
「んー、ごとー感動しちった」
「へ?何で?」
「梨華ちゃんのご飯。何かね、すっごい気持ちが伝わって来た」
「うふっ、さ、食べよ」
「うん。いただきまーす」
- 52 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:42
- 「・・・・!梨華ちゃん、また腕上げたじゃん。おいすぃーよ」
「だって、愛情たっぷりだもん」
「初めて作ってくれた時はすげかったもんね」
「あぁー、ひどぉーい」
「ん、違くて、なんかさ、梨華ちゃんのお料理が上手になるの
って、それだけあたしへの愛もいっぱい増えてるんだなって思
えてさ。すごい嬉しいんだよね」
「・・・真希ちゃん・・・」
今度は梨華の眼が潤んだ。
「さぁ〜て、梨華ちゃんの気持ちをお腹一杯食べるぞー!」
- 53 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:46
- 真里はちゃっちゃと服を脱ぐと
「なっち、早くね」
と言い残して浴室に入って行った。
・・・もー矢口ったらさー、お母さんの前で言う事無いっしょ。
あー恥ずい。
ゆっくり服を脱ぐと浴室に入る。
と、既に全身泡だらけのちっちゃいかたまりがもぞもぞと動い
ている。
「ひゃー、早いね矢口」
「へへっ、ちょっとまっててね。おいら洗っちゃうから。そした
らなっちのこと洗ったげるね」
「はァ〜、なぁに言うべさ。体ぐらい自分で洗えます」
- 54 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:47
- 真里はザァーっとシャワーで体を流すと、ここに座れと、イス
をペンペン叩く。
「イヤですぅー。矢口はお湯に入ってて」
「えーっ、楽しみにしてたのに・・・・」
真里はブツブツ言いながら、しぶしぶ湯舟に入る。
・・ま、しみじみ眺めるのもいいかもしんない・・
考え直すと、湯舟の縁に手を掛けてあごを乗せ、リラックスし
つつなつみの身体を眺める。
・・・・かわいいなァ、なっち。・・・・柔らかそうだなァ・・・・
・・・・触ってみたいなァ・・・・ゴクッ・・・・
抱きたいなァ・・・・ハァー・・・・欲しいなァ・・・
食べたいなァ・・・
- 55 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:49
- 洗髪をしていたなつみは、危険な視線を感じていた。
チラッと湯舟を見る。矢口がこっちをポワ〜ンと眺めている。
別に一緒に入浴するのは初めてではないし、楽屋とかライブと
かでも衣装替えの時に何度も裸は見られているが。
ただ、時々突き刺すような鋭い視線を感じて振り向くと、必ず
真剣な表情の矢口がそこにいた。
いつからだろう。よく覚えてはいないが。
時々、冗談で「ね、なっち、ちゅーしょ?」って迫ってくる
ことはあった。どっちが巨乳か見せ合ったこともあった。
ただ、矢口が自分のことを見る視線は、時に恐怖を感じるこ
とさえあった。
- 56 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:51
- ・・・まさか・・・・ね。・・・だって、矢口だよ?・・・
でも・・・・なしてそんなに見るのさ。
矢口の方がプロポーションいいのにさ。
もう一度、チラッと見る。やっぱり嬉しそうにじぃ〜っとこっち
を見ている。
「ちょっと、矢口見過ぎ。恥ずかしいしょ」
「え〜、いいじゃんか。おいらなっちの身体大好きなんだから」
「はぃ〜〜?」
「いいから。おいらのことは気にしないでさ、隅々までゃんと
洗うんだよ?」
「あ〜、なんかヤラシイよそれ」
「早く続き洗ってよー」
「変な矢口」
「変じゃないもん」
「変だべさ」
「変じゃないべさ」
恥ずかしそうに身体を洗うなつみを眺めながら、真里の妄想は
果てしなく広がっていくのであった。
- 57 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:52
- 「真希ちゃん、いっぱい食べたね。炊いたご飯なくなっちゃった
よ。ほら」
梨華は空になった炊飯器を真希に見せた。
「んははは、見て見て、梨華ちゃんの愛がこんなに詰まっちゃっ
たよ〜ほら」
真希は反り返ってポコッと膨らんだお腹をさすっている。
「ちょっと食べ過ぎじゃない?大丈夫?」
「梨華ちゃんがごとーのために一生懸命作ってくれたご飯を残
せると思う?」
「・・・・真希ちゃーん!」
- 58 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:54
- 梨華はたまらず真希を抱きしめた。
「うっ、な・・・なんでそんなに優しいの・・・グスッ・・」
「何言っちゃってんの。梨華ちゃんの方が優しいじゃん。だって、
こんなにごとーのことを幸せにしてくれてるんだし。わかる?今
めちゃめちゃ幸せなんだよ?」
ぎゅーっと梨華を抱きしめる。
「ほら、梨華ちゃんお風呂入れてきて。おいらは洗い物しちゃう
から」
「・・・・グスッ・・・うん」
梨華の頬にチュッとキスをしてから立ちあがると、真希はキッ
チンで後片付けを始めた。
- 59 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:55
- 「なっちー、おいらが拭いてあげるよ」
「ハァ?もう矢口ってば、今日どうしちゃったのさ。絶対おかしい」
「え〜おかしくないって言ってるじゃんか」
「どしたの?何かあったのかい?」
「・・・・・・」
「やっぱり。じゃ、あとでご飯終わったらね。話してくれるよね?」
「・・・・ん・・・」
「じゃーさ、ご飯にしよ?」
・・どうしたんだろう、矢口らしくない。なんか急に元気が無
くなっちゃって。
何か1人で悩んでるのかな。後でちゃんと聞いてあげなくちゃ・・・・・
「おかあさん、お待たせ!」
「お腹空いたでしょう、座って真里ちゃん」
「はい」
「あれー、ちょっとおかあさん、頑張ったんじゃない?」
「だって、真里ちゃんが食べたいって言ってくれたんだもの。
そりゃ気合も入るってもんでしょ」
「いゃー、ありがとうございます。おいら感激っす」
「じゃ食べましょう。頂きます」
- 60 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:57
- 真希はソファーに座ってテレビを見ていた。
梨華ちゃんは?
真希に後ろから抱きしめられ、腕の中にスッポリと収まっていた。
ピピッ、ピピッ・・・・・
「真希ちゃんお風呂入ったよ」
「んー、じゃ梨華ちゃん入ろっか」
あれ、梨華ちゃんうつむいちゃったよ。
顔を覗き込む。やっぱり真っ赤。
・・・可愛いねぇ。
もう何度も一緒に入ってるのに、いつもリアクションは新鮮で。
照れる梨華ちゃんを見る度に、ごとーのハートはドッキドキ。
「よいしょっと」
- 61 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:58
- 後ろから梨華ちゃんを抱えたまま立ちあがると、そのまま
ぐいぐいとバスルームへ向う。
「ちょ、真希ちゃん!」
「ん〜?」
「まだ一緒に入るって言ってない」
「梨華ちゃんさ、どうせ最後は一緒に入る事になるんだから、
いい加減抵抗するの止めない?」
バスルームに入ると真希は、ぱっと服を脱ぎ、梨華のジャージ
を剥ぎ取っていく。
「だって・・・・」
「今更恥ずかしいって言ってもダメだよ?梨華ちゃんの身体の
ことは梨華ちゃんより良く知ってるんだから。でしょ?」
「・・・・・エッチ」
- 62 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/14(火) 20:59
- 下着を取ると、自分と梨華の髪を手早く結い上げ、そのまま
そっと抱きしめる。
「真希ちゃん・・・・恥ずかしいよ・・・」
触れあう素肌の滑らかな感覚に、お互いの気持ちは高まっていく。
「梨華ちゃんすべすべで気持ちいい。あー幸せ」
「・・・うん。・・・・ね、入ろ?」
「そうだね。綺麗にしてあげるネ」
そして、2人はバスルームへ消えて行った。
- 63 名前:たまえす 投稿日:2004/09/14(火) 21:04
- 本日はここまでです。失礼しました。
- 64 名前:たまえす 投稿日:2004/09/14(火) 21:06
- あ、忘れてた。
愛ちゃん、誕生日おめでとう!
- 65 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:22
- 「ご馳走様でした」
「お粗末様。お口に合ったかしら?」
「はい!おーいしかったです」
真里は満面の笑みを浮かべながら答えた。
「やっぱりなっちのお母さんですよね。お料理が上手でうらやましいです」
「矢口、それ逆じゃない?なっちがお母さんに似て上手なの」
「あ、そっか」
「矢口もそろそろ具無し焼きそば卒業しないと」
「あれはさ、好きなんだもん」
「真里ちゃんだって、好きな人ができれば上手になるわよ」
え?・・・なっち、好きな人いるの?だから
お料理上手なの?そりゃ昔の噂はね、でも今はいないはず・・・
- 66 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:23
- 「あれ?やーぐち、どした?交信?」
「あ、あわわわ、だ、大丈夫」
「案外もういるのかも ・ ・ ・ ね?」
「!?うっ・・・ゴホッ、い ・ ・ いやぁ〜い、いないっす」
「??変なの。じゃ、ほれ。なっちの作ったデザート食べて。
今朝作っておいたんだ。」
「わぁーっ、かわいい!やっぱりイチゴ乗ってるし」
「そ。なっちはイチゴと矢口がいないと生きてけないべさ」
「え?・・・・・・」
何気無いなつみの一言に真里は硬直した。
・・なっち、・・嘘?・・矢口がいないと生きてけないって
言った。
ホント?・・ううん、きっと・・・深い意味はないんだから。
・・・・ダメ。
「おーい、やーぐち。また交信かい?」
「あ・・・ううん・・」
- 67 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:24
- 慌ててスプーンを口に運ぶ。
口の中にふわっと爽やかな甘味が広がる。
「美味しい!」
「本当?やったぁー」
無邪気に喜ぶなつみを見ながら、毎日こんな風に2人で暮らせ
たら、どんなに幸せだろうと、ふと考える。
もう一口。後味に残るほのかな酸味が心地よい。思わず頬に
手を当てる。
「はァ〜、幸せ。やっぱりなっちじゃないとこの味出ないよね。
なっちの優しさがそのまま出てるもん」
「なぁ〜に言うべさ。恥ずかしいっしょ?」
「だってホントだもん。お母さんもそう思いません?」
- 68 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:25
- 「ふふっ、そうね。でも真里ちゃんは違う意味で甘いんじゃな
いかしら?」
「 へ?」
なっちママの思いがけない一言に、真里はぶわっと顔が熱くなり
慌てて下を向く。
「さて、二人ともお部屋へ行ってゆっくりしたら?」
「あ、おいら片付けますから」
食器を下げだしたなっちママの後について真里はキッチンへ。
「いいのよ真里ちゃん。」
そして、すぅーっと真里の耳元に顔を近づけると小さな声で
「それより、なっちはちょっとのんびり屋さんだから、真里
ちゃんから押し倒さないとダメよ」
「は?」
- 69 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:26
- またしても一瞬にして顔が火照る。
「お、お母さん ・ ・ ・ どうして ・ ・ ・ 」
「だって、真里ちゃんたら、うちに来る度にあんなにスキスキ
ビーム出してるんだもの、普通気付くでしょ。なっちが鈍すぎ
なのね。頑張りなさい。」
と言ってニコッとウインクをすると、洗い物を始めた。
・・・ハァ〜〜、参ったなァ。矢口としたことが ・ ・
そんなにビーム出してたかなァ。
なっちママにバレてたなんて ・ ・ ・ ・ ・
あー恥ずかしい。
- 70 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:27
- 真希は梨華の身体をシャワーで流すと、ボディソープをスポンジ
に取り泡立てて、丁寧に洗い始めた。
梨華も恥ずかしがってはいるが、実は真希に洗ってもらう事を
いつも楽しみにしていた。
「梨華ちゃんさー、今日うちらが付き合ってること、メンバー
全員知ってるって言ってたじゃん?」
「うん」
「それってさー、誰がバラしたの?」
「ん ・ ・ ・ まりっぺ」
「やっぱり、それで、いつごろ?」
「真希ちゃんが卒業してすぐ位だったかな」
「えー!そんなに前からみんな知ってたんだ。なんだ、一生懸
命隠そうとしてたのに ・ ・ ・ 」
「無駄だったネ」
「ま、いいか。」
- 71 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:29
- 「かえってみんなの方が気を使ってたのかも。だってね、真希
ちゃんと約束のある日とかはね、私が早く上がれるように撮影
とか取材の順番を先にしてくれたりしてたんだよ?『ごっちん
のこと待たせたら可哀想だから』って」
「そっか。梨華ちゃんさ、仲間っていいよね」
「うん」
梨華は湯舟に浸かると、縁にもたれて自分を洗い始めた真希
の身体をウットリしながらながめていた。
・・・・真希ちゃん、いつ見ても肌が白くてきれいだなァ。
・・・・ハァ〜、可愛いなぁ・・・・
- 72 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:30
- 「・・・・ちゃん、り〜か〜ちゃ〜ん!」
「えっ?」
「大丈夫?ぼーっとしてたけど」
「あ、うん。・・・ごめんね」
真希は狭い浴槽の隙間に入ると梨華を向い合うように抱えて
座った。
「梨華ちゃん、疲れてるんじゃない?今日はやめとく?」
「嫌っ、お願い。だってまた暫く会えないんだよ?だから、ね?」
「でも、無理して欲しくないし」
梨華は、ぎゅーっと真希に抱きついた。
「意地悪言わないで?会えない分、真希ちゃんにいっぱい愛し
て欲しいの。真希ちゃんが欲しいの。ね?頂戴・・・お願い」
梨華は瞳を潤ませて懇願した。
- 73 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:31
- 「今日の梨華ちゃんって、すごくエッチじゃん?そんなこと言
われちゃったら、ごとー止まらなくなっちゃうよ?」
梨華は真希を見つめて微笑むと
「・・・いいよ・・・真希ちゃんとなら壊れちゃっても・・・」
「ホントどうしちゃったの?ごとー、ものすごく燃えてきた。
梨華ちゃんとはいつも燃えるけどね、こんなにムラムラ来たの
って久し振りかも知んない。・・・・・そうだね。会えない分
いっぱい愛しておかなくちゃね。梨華ちゃんが淋しくならない
ように」
そして、優しく口づけた。
- 74 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:32
- 「ハァ〜」
「矢口、なした?タメ息なんかついて。顔赤いし。大丈夫?」
「あ、ゴメンね。なんでもないから」
・・矢口ってば、何でもない訳ないしょ。今日はやっぱりおかし
いよ。
「じゃ、なっちの部屋に行こ?」
「うん」
二人でベッドに越しかける。ふと視線を感じて横を見ると、矢口
がじーっとこっちを見てる。何てゆうか、すごくいとおしそうな目。
・・なっちね、矢口の目が大好き。大きくて、とっても力強くって。
それでいて澄んでいて。じっと見てると、すぅーっと吸い込まれ
そうな錯覚を覚える。
- 75 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:33
- 「なっち」
「ん?なんだい?」
「ちゅーしていい?」
「は?もー矢口ってば、何言うべさ」
・・・また冗談を、と思ったが。矢口の目はとても真剣で。
「ね、ちゅーしよ?」
「・・・・や、ぐち?やっぱりおかしいよ、最近。何か悩んで
るんでしょ?なっちに話してくれない?きっと力になれるから」
そういうと、そっと真里の手を握った。
と、じっと見つめる真里の瞳が潤んだかと思うと大粒の涙が
こぼれ落ちた。
「一人で悩んでないで、なっちにも分けてくれないかな。水臭
いよ矢口。なっちはいつだって矢口の味方だよ?何だって話し
聞くからさ。・・・ね?話してくれるよね?」
「なっちぃ・・・ごめん。泣くつもりじゃなかったんだけど。
今日打ち明けるつもりだったんだけど。でも、なんか、何て言
っていいかわからなくって。考えてたらいっぱいいっぱいにな
っちゃって」
- 76 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:35
- ・・・何だろう・・・こんなに矢口を追い詰めてる事って。
「いいよ。矢口の思ってる事、そのまま聞かせて?」
「・・・・んと・・多分ずっと前からだと思うんだけど、でも
はっきり気付いたのはなっちの卒業を聞いてからなの。・・・
いつもね、気が付くと、オイラなっちのことを目で追ってた。
グスッ・・・・モーニングの先輩として、仲間として尊敬して
たし、いつかなっちみたいになりたいってずっと思ってた。」
「最初はね、憧れだったの。でもね、いつの間にか・・・ん〜、
何て言ったらいいんだろ、なんかなっちを見てるとトキメキ?
てか、ドキドキするようになって。なっちが側にいてくれると、
すごい幸せ感じるようになって。」
・・・・矢口、・・まさか・・・
「なっちがね、好きなの。愛しちゃったの。いけないって思っ
たけど、でも、もう気持ちが止まらなくって。打ち明けて気持
ち悪いって思われたらどうしよう・・とか、嫌われちゃうかも・・・って思ったけど、このままだとおかしくなっちゃいそ
うで。」
- 77 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:37
- 「おいら今までいろんな人と付き合ったけどね、なんか違うの。
ただかっこいいとか優しいから、タイプだから好きになったと
かじゃなくって、本当になっちの事を思うと胸が暖かくなる。
なっちといると心が安らぐの」
「それに、いま告白しないと、なっち卒業しちゃったから、あ
んまし会えなくなっちゃうから。なっちがそんな気持ち無いの
は知ってるけど。矢口が告白したら、今のなっちとの関係も壊
れちゃうってわかってるから。だけど、このまま離れたくない。
こんな気持ちのまま別れたくなくて。だから、嫌われちゃって
もいい、なっちに本当の気持ちを正直に伝えたい。」
「何で?」
「・・・・え?」
「なして気持ちを伝える前にさ、なっちに気持ちがないとか、
告白したら関係が壊れちゃうって決め付けるの?」
「・・・・・・」
「正直びっくりしたけど、でも時々ね、矢口がなっちのこと
真剣な目でじーっと見てたのは知ってた。でも、まさか矢口
がってずっと思ってたの。」
- 78 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:38
- 「でも、矢口は真剣に考えてくれてたんだね。今やっと分か
った。矢口の気持ち全部伝わったよ。全然気持ち悪くなんか
ない。とってもいい気持ち。嫌いになんかならないよ。ご飯
の時言ったしょ?」
「『矢口がいないと生きてけない』って。」
「・・・え・・・?・・」
「あの時言った事に嘘はないよ?なっちは矢口がいないと生き
て行けない。今までそう思ってた。そして、これからも。・・
なっち今すごく嬉しい。」
「うっ・・・うう〜・・なっちぃ・・・」
口をきゅっと一文字に閉じて、子供のように涙でくしゃくしゃ
になっているちっちゃい矢口を抱きしめる。
今までのいろんなおかしな態度とか微妙な言葉の不思議な部分
が一つにつながって。とても満ち足りた気持ち。心が穏やかに
なっていく。
- 79 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:39
- 「ありがとう、矢口。なっちのために勇気出してくれて。ほら、
泣かないで、ね?こんななっちだけど、これからもよろしくお
願いします。」
なっちの腕の中で何度も肯きながら、パジャマに涙を染み込ま
せていく。
何でも一生懸命に全力でぶつかっていく矢口。きっと、随分悩
んだのだろう。なんとなくは気付いてた。あの、私を見る時の
眼差しに。でも、まさか矢口がって気持ちもどこかにあって、
確かめられずにいた。
でも・・こんなに真剣に愛してくれてたんだ。
どの位経ったろうか。大分落ち着いた矢口の涙をパジャマの
袖で拭う。
「矢口、ほら笑顔見せて。なっちね、矢口の笑顔大好きだよ」
涙でピカピカになったほっぺを、ぷにぷにってしてみる。目に涙
を溜めたまま、「へへっ」って照れ笑いをした矢口を見て。
「ん〜〜もぉ〜、やーぐち、可愛い〜〜!」
- 80 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:40
- 思わずギューッと抱きしめる。なっちの腕の中にスッポリと納ま
ってしまうちっちゃい矢口。
「なっちは娘。を卒業しちゃったけど、ずっと一緒だよ?たとえ
お仕事でなかなか会えなくても、心はいつだって矢口と一緒。
ごめんね、今まで矢口に随分辛い思いさせたね。でも今日からは
違うっしょ。矢口にはなっちがいるからね。」
腕の中で一生懸命にうなづく矢口。かわいい。なんか、いつも
の勝ち気で隙のない矢口からは想像もできない。
もぞもぞ動いて顔を上げた大きな、まだちょっと潤んだ瞳には
なっちが映っていて。
「なっち」
「ん?なんだい?」
「えっと、・・・・・」
「なした?」
「そのぉー・・・・ちゅーしていい?」
「んふっ、いいよ」
- 81 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:42
- そっと目を閉じて。唇にふわっと温もりが伝わって来て。軽く触
れるだけの心も身体もほんわか暖まるような優しいキス。
名残惜しそうに唇を離した矢口の瞳には、新たな涙が溢れて
いて、でも、とっても幸せそうに微笑んでいて。なっちも微笑
み返しながら、溢れ続ける涙を指でそっと拭ってあげる。
「今日の矢口は泣き虫さんですね。」
「ん〜、グシッ・・だって、なっちが・・さ・・こんな・・
すぐに受け入れてくれるなんて・・・エグッ・・・思わな
かった。」
髪を撫でながら、矢口の言葉に耳を傾ける。
「だってさ、なっちにちゅーしよって言ってもいっつも相手にし
てくれなかったじゃん。だからね、怖くって言い出せなかった。
こんなの矢口じゃないって思ったけど、何でだろ。きっと、男の
人だったら、迷わず告白してたと思うけど」
- 82 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:43
- 「なっちをね、失いたくなかったの。打ち明けて離れちゃうより、
ただ側にいてくれればいいって、自分に言い聞かせてた」
「そっか。・・・だぁ〜って言い方が冗談っぽかったじゃん?」
「おいらはいつでも本気だったよ?」
「はは、そう言えばさ、目が怖かったよ。あ、お風呂でなっち
が身体洗ってる時にずっと見てたっしょ。あの時さ、矢口は何
を考えてたのかな?」
と、途端に腕の中の矢口の顔が『ボンッ』
と音が聞こえそうな程一瞬で真っ赤に染まった。
「あれあれぇ〜、や〜ぐ〜ち!どうしたのかな?」
「べ、別に何にも考えてないから」
「うっそだァ、じゃ何でこんなに赤くなったのさ。ほれ、告白
ついでに言ってみそ?」
「だってぇ・・・・・ゴニョゴニョ・・・・・」
- 83 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:44
- 「あーっ、矢口らしくない。なっちはね、矢口のはっきり物を言
えるとこがね、いつもうらやましいなって思ってたんだよ?ほら
言っちゃえ」
「だって、聞いたらなっち絶対引くよ?」
「なっちはね、矢口に隠し事をして欲しくない。何でも話して
欲しい。なっちのこと信じられないの?」
「ちがっ、違うよなっち。そんなんじゃない。たださ、その
・・・恥ずかしいから・・・」
「お願い矢口。聞かせて?」
「・・・・わかった。・・・んとね、なっちが可愛くってね、
で、なんか柔らかそうで、・・その・・・触りたいなーとか、
抱きしめたいなーとか。・・・えっと・・・あの・・・・ほ」
- 84 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:45
- そこまで言ってうつむいてしまった矢口。
「ほ?何?」
「ほーほれいこーゼ」
「矢口!」
「あ、怒っちゃヤダ。ほら、その・・・さ、なっちが
・・・・・欲しいな・・・・なんて」
暫くうつむいていたが、反応が無いので恐る恐る顔を上げてみ
ると、口をポカッとあけたまま真っ赤になっているなっちがい
た。
「ホラだから言ったじゃん、引くよって。」
「や・・ぐち?その・・欲しいって、つまりさ、
エッチしたいって事?」
しばらく真っ赤な顔同士でうつむく二人・・・
- 85 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:47
- 「なっ、なんではっきりゆーかなァ。そんな恥ずかしい事を」
「・・・・だってサ、・・・・そっかぁ・・・・エヘヘッ」
なつみの意外なリアクションにそ〜っと顔を上げると、足を
パタパタしながら、何故か嬉しそうななっち。
「なっち?あの・・・・何で嬉しそうなの?嫌じゃないの?」
「だぁ〜ってぇ、いつも着替えの時とかさ、視線感じて振り向
くと、ニヤニヤしながらこっち見てるし、お風呂の時だってい
っつもさ、じぃ〜〜〜〜〜って見てたっしょ?圭織とかね、
『矢口、エロおやじだね』って言ってたし。・・・・・当たっ
てたんだ」
「だって、しょうがないじゃん。何てゆーか、なっちの裸を見
てるとね、矢口の中の男の子がムクムクッて元気になってくる
の。それにエロ親父はおいらじゃなくてよっすぃ〜です」
ギューッとなっちを抱きしめる。
- 86 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:48
- 「んふっ、なっちだぁ〜〜〜い好き」
「う〜〜ん、なんかびみょ〜〜に複雑な気持ち」
「どして?」
「いつ矢口に襲われるかと思うとね」
「ちょっと〜、それひどくない?おいらだっていきなり襲った
りはしないもん。ちゃんと聞くから」
「どんな風に?」
「ん?どんなのがいい?ん〜例えば、なつみさん、あなたが
欲しい、とか、ただエッチしよ?とか、可愛く、ちょうだい?
ってのはどう?」
「あははは、そっか。なっち、矢口とエッチしちゃうんだ。
でもさ、矢口が頂戴って言う事はさ、なっちがされる方な訳?」
- 87 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/15(水) 20:49
- 「うん、そうだよ。」
「そうなんだ。なっち、矢口に抱かれちゃうんだ」
「ん・・・・・・なっち・・・・欲しいよ・・・・しよ?」
うるうるのおっきな瞳に見つめられて。
あ、矢口の魔法にかかってしまいそう・・・・
「・・・・・ん・・・」
しがみついたまま、なっちに口付ける。
その夜、真里は今までずっと我慢してきた溢れる気持ちを思う
存分なつみの心に刻み込み、なつみはちっちゃい矢口の大きな
大きな愛に優しく激しく包まれながら幸せの絶頂を何度も何度
も迎えたのだった。
- 88 名前:たまえす 投稿日:2004/09/15(水) 20:57
- 今日はここまでです。プチエロがあるので、sageのままに
しておきます。それでは失礼しました。
- 89 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:29
- 『コンコンッ、二人ともそろそろ起きなさい。』
もうろうとした、まだ覚醒しきっていない意識の中で、そんな声
が聞こえた・・・・・。
・・・・・・! あ、そうだ。なっちの家だった。
ぱっと目を開いて隣を見ると、何故か相変わらず胸の上に手を
組み、祈りを捧げるようなポーズで未だ熟睡中のなつみがいた。
(夢じゃないよね。信じていいんだよね。・・・・・なっち・・・)
昨夜のことを思い出し、頬を赤らめる。
(でも可愛かったなァ、なっち、好きだぞ!)
『コンコン・・・真里ちゃん、早くなっちのこと起こしてシャワー
浴びてらっしゃい。ご飯できるわよ』
- 90 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:30
- 「あ、はーい」
・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「・・・って、えぇっ?どうしておいらが起きてるの知ってるの?
・・・シャワー???いつもそんなこと言わないのに」
いつもなつみの家を訪れる度に、妙に鋭いなっちママの洞察力
には驚かされるのだが・・・・「まさか・・・・ねぇ」
おっといけない
「なっち、おっはよ〜、朝だよ!起きて」
がばっと布団をひっぺがすと、肩をがくがく揺する。
- 91 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:31
- 「ん・・・・ん?・・・・ん〜」
「いや、『ん〜』じゃなくてさ、朝だよ。ほら起きなくちゃ。
シャワー入らないと」
ぽわ〜んと目を開いたなつみは、しばしぼーっとした後、まっぱ
な矢口を見て自分の胸を触ると、「きゃっ」っと言って布団を被
ってしまった。
「いや、『きゃっ』じゃなくて。もぉーなっち起きなきゃ」
「や、やーぐちってば、裸っしょ」
「んもー、なっちもじゃん。いいから、はい起きる」
真里はなつみにパジャマをひっかけて、自分となつみの着替え
を持つと、そのままなつみの手を引いてバスルームへ入った。
なつみは終始無言でうつむいている。
- 92 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:34
- 「なっち、大丈夫?・・・・その、さ。もしかして嫌だった?」
ふっと顔を上げたなつみは真っ赤で。
「やじゃないってば。でもさ、矢口いきなり凄すぎるっしょ。
全然休ませてくれないし。なっち寝不足だべさ。って、途中から
記憶が無くなってるけど」
「あ・・・・・・ごめんね。ほんとだね。やりすぎた。・・・・
ごめん」
「や・・・やり過ぎたって・・・エッチ。でもね、矢口の気持ち
一杯伝わって来たよ。あんなに愛されたの、なっち初めてだよ。
あれが矢口の本当の気持ちなんだね」
「うん、なんかね、今までずっと押さえてた気持ちが一気にどば
っと出てきた感じ」
「あははははは、どばって?」
「そ。」
- 93 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:35
- 急いでシャワーを済ますと、部屋には朝食の美味しそうな香り
が漂っていた。
「はいっ、どうぞ召し上がれ」
「あれ?おかあさん、何でそんなに嬉しそうなの?それにさ、
何でお赤飯なの?今日は何の日だっけ。矢口知ってる?」
(ありゃ〜、間違い無くバレてる・・・・・)
真里は真っ赤になってうつむいてしまった。
「あれ?どしたのさ、赤くなって」
「解ってないのはなっちだけみたいよ。ね、真里ちゃん」
何故かすっごい笑顔のなっちママ。
「ちょ〜っと、教えてくれたっていいべさ」
「バカなっち。おかあさんにバレてるよ」
「何が?」
「真里ちゃんはこれから苦労しそうね。考え直した方がいいん
じゃないかしら」
まだなつみの頭の上には?マークが並んでいる。
- 94 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:37
- 真里は箸を置くと、背筋を伸ばした。
「おかあさん、私は真剣になっちのことを愛しています。なっち
も私の気持ちをわかってくれたと思います。許して頂けますか?」
「やっ、矢口ってば何言いだすのさ」
慌てるなつみに対して、妙に落ち着いている母・・・・
「真里ちゃん、どうもありがとう。なつみのこと真剣に考えて
くれて。反対する訳無いでしょ?良かったわね、上手く行って。
なーんて。本当はね、もう昨日の夜からお赤飯の準備をしてお
いたのよ。こうなると思ってね」
「「ええっ?」」
「おかあさん、知ってたの?矢口の事」
- 95 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:38
- 「あら、気付いてなかったのはなっちだけよ?」
「で、どうして上手く行ったってわかったの?」
「クスッ、それは言わない方がいいかもね」
なつみは矢口に目配せするが、真里はしらないと横に首を振る
ばかり。
「さ、食べて頂戴」
「「いただきまーす」
(でも、おばさんどうしてわかったんだろう。顔に出てたかなぁ)
- 96 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:40
- 朝食も済み、なつみはキッチンで洗い物を始めた。
真里はテーブルを拭くなっちママに近づくと
「どうして上手く行ったってわかったんですか?」
すると、なっちママはもっと近くに来るよう手招きしてから小さ
な声で
「一晩中あんなに大きな声を出してたら誰だってわかるわよ。」
と言ってウインクすると、キッチンへ戻って行った。
体中の血液が全部顔面に昇ってきたような気がした。一瞬意識
が遠のいた。
生まれて初めて経験するような猛烈な恥ずかしさ。
(えっちしてるときのなっちの声が部屋の外にまで聞こえてた
んだ。うわぁ〜、ありえね〜、やっべ、大失敗。やっちゃった
よ矢口真里。嬉しくってそんなこと全然考えてなかった。・・・・・・恥ずかしい〜〜〜〜!)
キッチンからは、何も知らないなつみの上機嫌な鼻歌が聞こえ
ていた。
- 97 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:42
- ・・・・・チュンチュン・・・・
微かに外の小鳥のさえずりが聞こえてきた。カーテンの隙間か
ら光の筋が細く差し込んでいる。
(ん・・・もう朝になっちゃった?早いョ・・・・もっと寝た
いっす・・・・・・す・・・・・・ZZZ)
再び遠ざかろうとする意識を何とか引き止めると、ベッド脇の
目覚まし時計を見る。
[07:45]
(うわァ〜、めっちゃ早いじゃん。)
真希はツアーのリハーサルが午後入りで午前中はゆっくりでき
る。でも、梨華は10時に集合しなければならない。
- 98 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:43
- 隣を見ると、クーックーッとちょっと大きめの寝息をたてながら、
まるで聖母のように美しい表情で気持ち良さそうに寝入ってい
る梨華がいた。(え、言い過ぎだって?いいじゃん。梨華ちゃん
はごとーのマリア様なの!)
後藤さん、一体誰に突っ込まれたのか・・。
(・・・可愛いなぁ。でも、最近すっごい色気が出てきたよね。)
梨華の頬に手を添えると、そっと口付ける。
「・・・・・ん・・・・・・」
唇を離すと、梨華はふっと目を開いた。
「ん、・・・・朝?」
「うん、ちょっと早いけど」
- 99 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:44
- 梨華はちらっと時計を見ると、腕をスッと真希の背中にまわし
て、優しく微笑んだ。
「まだ時間あるね」
窓から細く差し込んだ光が真っ直ぐに梨華を照らして、まるで光
のベールに包まれているよう。
「梨華ちゃん、綺麗・・」
「・・・真希ちゃん・・・」
真希は梨華の瞳を見つめたまま
「愛してる」
今度は深く深く口付ける。
- 100 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:46
- なんて柔らかいんだろう。キスだけで、快感が全身を突き抜け
るよう・・・あぁ、ヤバい。ごめん梨華ちゃん、これ以上した
ら、ごとー我慢できなくなっちゃう・・・
スッと離れると、"どうしたの?”と言うように梨華が首を傾げた。
「え?」
「まだ時間あるんだよ?」
「え・・・だ・・・・だって梨華ちゃん、昨日あんなに・・・・
それに今日仕事が・・・・」
「ほんのひと時、ほんの一瞬でもね、真希ちゃんを感じていた
いの」
梨華の言葉に胸が熱くなる。思わず強く抱きしめる。
- 101 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:48
- 「・・・・・なんで朝からそんな可愛い事言うかなァ。でも
ね、やっぱり我慢する。梨華ちゃんがちゃんとお仕事できな
かったら、ごとー嫌だもん。梨華ちゃんが頑張ってるとこ見
るとね、ごとーも頑張らなきゃって思うから。きっと梨華ち
ゃんも同じ様に思ってくれてるって思うから。梨華ちゃんは
ね、ごとーの心の支えなんだよ」
じっと見つめる梨華の瞳から涙が溢れてきた。
「真希ちゃん・・・・一緒だよ・・・私も」
真希はしっかりと素肌が密着するように梨華を抱きしめ直すと
肩口に顔をうずめた。
- 102 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:49
- 「一緒だよ。いつでも一緒。会えない時でもいつでも思い出せる
んだよ。梨華ちゃんのあったかい気持ち、優しい気持ち、この抱
きしめてる感触。だから梨華ちゃんのこと考えてれば淋しくない」
「今度、いつ会えるかな・・・」
「夜、空きそうな日がわかったら教えるから」
「うん。ありがとう」
その後、シャワーを浴びて軽く朝食を取った後、梨華は先に
仕事に出かけていった。
一人部屋に残った真希は、ベッドにもたれて梨華の香りが残
る枕を抱きしめていた。
- 103 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:51
- 「「行ってきまーす」」
なっちにはちょっと早いけど、矢口の集合時間に合わせて、
二人で家を出ることにした。
「あ、待って。はい、お弁当。2人分よ。じゃ行ってらっしゃい。」
「ありがとうございます。なっち、ほら行くよ!」
「ちょ待ってよ、やーぐちってば早いっしょ」
キャスケットを直しながら、ちっちゃい矢口に手を引かれて
マンションを出る。
既に空高くお日様が輝いていた。今日もいいお天気。
耳を澄ますと、矢口の鼻歌が聞こえてくる。ご機嫌な証拠。
どれどれ、今日は何かな?
- 104 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 20:59
- ・・・・・・・・・・
「・・とか未来とか、胸がと〜きめく〜〜・・」
・・・何だったっけ・・・
「・・あ〜い〜、夢に向ってゆ〜く〜わ〜・・」
・・・サビ聞けばわかるっしょ・・・・
「・・ある〜花〜だぁ〜けどぉ〜・・・」
・・・わかんない・・聞いた事あるんだけど・・
「・・れないけどぉ〜たんぽぽ〜のよ〜に・・」
・・あ゛〜〜〜今言おうと思ったのに〜。なっち知ってたもん!
そっかぁ。
鼻歌が出る時は、矢口が最高にご機嫌なとき。
「・・・・っち、なっちってば」
「ほ?」
「いや、「ほ」じゃなくて。ニヤニヤしてどうしたのさ」
- 105 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 21:02
- 「へ?嘘、なっちニヤけてた?」
「うん。思いっきり。どしたの?」
「ん、矢口のタンポポ聞いてたら嬉しくなった」
「え、聞こえちった?」
「うん、ちった。思いっきし。ご機嫌だね」
「そりゃもちろん!今までで一番幸せな朝かもしんない。だって、
ずっと片思いだった憧れの人と結ばれた朝だよ?しかも、こーん
ないいお天気だし。もぉ〜おいら最っ高に幸せ」
「そっか。・・・・結ばれたんだもんね。・・・憧れだったの?
なっちなんかに。恥ずかしいさ」
「そーだよ〜、いつかこんな日が来るって信じてた。絶対なっち
を振り向かせてみせるってずっと思ってた」
「ははは、振り向くってよりか、なっちが襲われたって感じだけど」
矢口は急に立ち止まると、真面目な顔で
「なっち、信じていいよね?もうおいらの片思いじゃないよね」
- 106 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 21:03
- そっか、まだ不安なんだね。そりゃそうだ。昨日の今日で。
はっきり言わないと、あの2人の二の舞になるかも・・・・
「なっちはね、気持ちが無いのに情で流されて抱かれるような、
そんないい加減なこと絶対にしない。矢口が好きだから。矢口
とならいいって、なっち思ったから」
じっと私の目を見つめていた矢口の大きな瞳が潤んできて・・・
とどめの一言・・・
「矢口、愛してるよ」
見上げている矢口のおっきな瞳から大粒の涙がポロポロ溢れ
てきて。でも、とても嬉しそうで。
「タクシー拾おうか。そんな顔で電車のれないっしょ?」
「なっちぃ」
「・・ん?」
「大しゅき〜」
- 107 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/16(木) 21:04
- いきなり、ガバッと抱き付かれた。
「おーい、こんなところで抱き付いたらだめっしょ。ほら、遅れ
ちゃうから。おっ、東京無線とチェッカー発見。どっちがいい?」
「ん、・・・・なっちとならどっちでもいい」
ありゃりゃ、甘えん坊モードでしゅね。昨日の夜と同じ人間とは
思えない・・・・・(照
手を上げてタクシーを止める。
しがみついてる矢口を押し込み、私も乗り込むと行き先を告げた。
- 108 名前:たまえす 投稿日:2004/09/16(木) 21:05
- 本日はここまでです。失礼しました。
- 109 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:15
- ♪チャンチャチャンチャンチャンチャンチャン、
だいーてだかーれーてまたぁー抱いて♪
ボイストレーニングも終わり、レッスン室の外で帰り支度をして
いた梨華の携帯がメールの着信を知らせた。
着メロに合わせて微妙にピッチのずれた歌を口ずさむ石川に
「ねぇー梨華ちゃんさ、その露骨に生々しい着メロ止めない?」
「何でですかぁ?可愛いくないですか?」
「そりゃ気持ちは分かるけどさぁ、抱いて抱かれてって。別の曲
にすればいいべ?」
「だって、淋しい時には真希ちゃんに抱かれてるときのことを思
い出せって言ったの、矢口さんじゃ」
「「バシッ」」
「痛゛〜!」
- 110 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:16
- 調子付いて、いつもに増してハイトーン・ボイスの梨華ちゃん。
しかし、言い終わらないうちに、矢口の強烈な突っ込みが炸裂
した。
「こらぁ、お前、そんなことを普通に言うな!今自分で何言った
かわかってる?周り見てみろよ・・ったく」
「え?・・・・・・あ・・」
周囲を見まわすと・・・・・
真っ赤になってうつむく高橋と垣さん。
キョトンとして顔を見合わせて首を傾げている重さんと亀ちゃん。
ニヤッとしながら亀ちゃんと背中合わせで座っている田中ちゃん。
ニヤニヤしながらこっちを見ているよっすぃ〜と、そのよっすぃ〜
に後ろから抱き付いて、ひょこっと横から顔を出して
「やっちゃったぁ〜」と言っている麻琴。
何故か笑顔で隣の紺ちゃんに何か耳打ちをしてるミキティと、
ぴったり寄り添って、真っ赤な顔を横にブンブン振っている
紺ちゃん。
・・・???・・・この2人って・・・・・・
- 111 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:17
- かおりんにしがみついてぼーっとしているののと、その耳をこれ
まためっちゃ笑顔で必死に塞いでいる安倍さん。
あれ?安倍さん何でこんなところにいるんですか・・・・・?
ののにしがみつかれたまま呆れた表情のかおりん。
ん?あ、あいぼんはドラマでお休み。
「石川、健全な青少年の育成に良くないよ。ダメだよ?いくら
みんなが知ってるからって、あんまりおおっぴらに言う事じゃ
ないっしょ。気を付けよ?」
「・・・ごめんなさい」
・・・ずるいよ・・・最初に話し振ったのまりっぺじゃん・・・
「まさか梨華ちゃん、圭織に怒られたのがおいらのせいだって
思ってないよね」
- 112 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:18
- 「へ?な、何で」
「何でわかったのかって?」
「え、あ・・いゃ・・・」
「言ったろ?石川はおいらと考えてる事が似てるから分かり
易いって」
「はぁ・・・・」
「早くごっつぁんに返事しなきゃ。待ってるよ?」
ぶつぶつ言いながら携帯を開く。
『今度の水曜日と土曜日は早めに上がれそうかも。
梨華ちゃんは?』
・・水曜日は遅くなるから、土曜日なら多分大丈夫。次の日曜日
もお昼からだし。よし!・・・
『愛しい真希ちゃん、お仕事お疲れ様です。水曜日は遅いの。
でも、土曜日は今のところ早く終る予定です。日曜もお昼から
なので大丈夫だと思います。楽しみにしてるネ。(^▽^ )』
- 113 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:19
- ・・・・ピッと・・・・送信完了。
わぁ〜、ドキドキするなァ。
真希ちゃんと、あんな事やこんな事(破顔・・
「「バシッ」」
「いった〜い!何するんですか」
「だからさァ、そのだらしのない顔は止めろってぇ〜。そういう
事はさ、家に帰ってから考えようよ」
「え、だって・・・・え?」
「言ったろ?わかりやすいって」
「ウソだぁ。ダメですよーそんなひっかけようったってぇ」
「フフン、矢口さんを甘く見ちゃイカんよ。・・♪頭の中ほとんど
真希〜ちゃん♪」
「あ・・・・・・」
「でもさ、あんまりごっつぁんに無理なお願いするんじゃないよ?
愛する人が困るような事はしちゃダメ。わかった?梨華ちゃん」
「・・・!・・・・」
- 114 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:21
- 「あれ?・・りぃ〜かぁ〜ちゃん、どちてそんなに赤くなってるん
でちゅか?やっぱり何か企んでまちゅネ?・・どれ、おねーさん
に言ってごらん?愛する真希ちゃんに何をしようとしてるのか・・・」
自分の予定が早く終わったので矢口を誘いに来たついでに
圭織と2人でののを構っていたなっち。
・・・圭織とののってホントの親子みたい。
なっちは藤本に、ののと同じって言われちゃっけどね。さってと
・・・矢口は・・・・
と矢口を見ると、そこには顔を真っ赤に染めた梨華ちゃんが。
・・・・・ありゃ〜、矢口ってば。また始まったかい?セクハラ
攻撃が。しょーがない、助けてやるかな・・・・・・
「・・・・なっち」
後ろから声をかけられて振り向くと、そこには柔らかい微笑
みを浮かべた圭織。
「ん?何だい圭織」
「あれでも石川は、矢口にいじられるのを結構楽しんでるんだよ」
- 115 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:31
- ・・・・あり?読まれてるよ・・・・圭織に・・・・
「別に読んでる訳じゃないよ」
・・・へ?・・今なっち何も言ってないべさ・・・
「でも判るよ?なっちの気持ちはね・・・・あ、かおがこんなこと
言うと矢口が嫉妬しちゃうね」
「・・・・え?」
・・・何で?・・・まさか矢口のヤツまたしゃべったんじゃ・・・・
「違うよ。矢口はね、なっちの気持ちをすごく大切にしてるから。
だからなっちとのことは誰にも話してないよ。でも、石川は気付
いてるみたいだけど」
・・・え・・・じゃあ、何で圭織は知ってるの?
- 116 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:32
- 圭織はクスッとちょっとだけ笑って。
「そっと耳を澄ますとね、自然になっちの声が聞こえてくるの。
何でかは、かおもわかんないけど」
傍目には、鳩が豆鉄砲をくらったようにポカンと口を空けた
びっくり眼の安倍に対して飯田が一方的に語りかけている構図。
・・・なっちの考えてる事がみんな判っちゃうの?・・・
「ううん、なっちがね、かおに対して思ってることだけ判るみたい」
・・・え、だって・・じゃあ矢口との事はどうして・・・
「だってなっちさ、前に・・・ほら、矢口がなっちの家に泊った
次の日の朝、矢口と2人で事務所に来たじゃん。そん時かお
に言った事忘れた?」
・・ひ?・・・な・・・・なしてそんなこと知ってるさ。・・・・なっち・
ばれるようなこと何も・・・
- 117 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:33
- 「ううん、心の中でかおに向って叫んでた。
『圭織聞いて〜、なっちね、大切な人ができちゃったよ〜』って。
嬉しそうに矢口と手なんか繋いじゃってさ。バレバレじゃん」
・・あ・・・そう言えば・・・・。矢口に告白されて嬉しくってさ、
圭織に一番先に聞いて欲しくって。・・・
「うん、ちゃんと聞こえたよ?」
・・・そっか。聞かれてたんだ。・・・・でもいつからなの?・・・・
「ほら、圭ちゃんが最後のお願い聞いてって言ってさ、かおと
なっちで気持ち打ち明けあったでしょ。あのライブの後ね、これ
で本当になっちと解り合えたって思ったら嬉しくなって、家に帰
ってなっちの絵を描いたの。したっけ、その絵を書き上げて次ぎ
のお仕事の時にね、早めに楽屋入って台本見てたら急に頭の
中になっちの声が聞こえたの。『圭織もう来てるかな・・・ハァー、
なんか解り合えたら合えたで、なんか恥ずかしいな。でもホント
に圭ちゃんには感謝しなきゃ。』って」
- 118 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:34
- 「でね、え?何、なに?って思ってたら、『おはよー』ってなっち
が入ってきたの。その時からだよ。始めはね、怖かったけど、でも
かお思ったの。これで本当に心から信頼できる同期になれたのかな
って」
・・・・・圭織・・・・・・
おっきな圭織を見上げているうちに。
私は何にも喋ってないのに。
私の心を自然に感じてくれる優しい同期の大きな愛に触れ、
その大きな瞳を見ているうちに。
頬を温かいものが伝っていくのを感じた。
さっきから訳判んない2人の会話(?)をずっと不思議そうに
眺めていたのの。
突然涙を流し始めたなつみに恐る恐る近寄ると、後ろから
そっと手を握って心配そうにしている。
- 119 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:35
- 「・・・なちみ・・・大丈夫?」
すると、そのまた後ろから
「辻ちゃん、大丈夫だよ。心配ないから」
「あ・・・矢口さん・・・」
「今なっちはね、圭織から愛のパワーを分けてもらってたの」
「・・・あ・・・い?」
「そ、愛。それでね、いっぱいもらい過ぎてちょっと溢れちゃった
んだよ」
辻は頭の上に(?)マークを浮かべたままリーダーを見上げる。
「ほら、なっちの顔見てごらん。悲しそうに見える?」
「ううん、嬉しそう・・・・・」
- 120 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:36
- 飯田は23cm下を見下ろして微笑んだ。
「矢口・・・・」
「圭織、このあと予定ある?」
「ううん、帰るだけ」
「ちょっとお茶してかない?ね、なっち」
なつみを見ると無言で肯いた。
「・・・あ、なっち・・・」
「ん?どしたかおり?」
ふっ、と思い出したように言う圭織に、真里が応える。
「あのね、いくらなんでものんちゃんと親子みたいって、あんまり
じゃない?」
「・・・はい?」
- 121 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:37
- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 122 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:38
- 近くの喫茶店に場所を移した3人。
「矢口・・・・なっちのことお願いね」
「まかせて」
「矢口、さっき圭織の言った事がわかったの?驚かないの?」
「ん?おいら気付いてたもん、圭織がなっちの心読める事」
「へ?うそ」
「嘘って、なっちこそ今まで何で気付かなかったのかがおいら不思議」
「ホントに?」
「そう。圭ちゃんが卒業するちょっと前あたりからだよ。圭織と
なっちってあのときから変わったよね。明らかに。前はさ、なん
かお互いにもう一歩踏み込めないってゆーか、近づきたいのに見
えない壁があるって感じだった」
「だけどあの頃からは、それが無くなった。なっちと話している
時の圭織の表情には心が溢れてるし、圭織といる時のなっちは、
本当に頼りにしてるように見える」
- 123 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:39
- 「へぇ〜、そんなに変わった?」
「うん。前みたいなピリッとした変な空気が全然無くなってる。
それは下の子達も気付いてるみたい」
「へぇ〜、そうなんだ」
「へぇへぇへぇ〜」
圭織の『へぇ』に反応して、なつみは嬉しそうにテーブルを
叩き出す。
「ちょっ、なっちうるさいから」
「だぁ〜って、圭織がぁ」
「あ〜、ホントなっちって・・・・・・」
「あっ、や〜だ。何で途中で止めるさ。気になるしょー?」
そんな矢口となつみのやりとりを、嬉しそうに眺める圭織。
「クスッ、同じだね、二人とも」
ふっ、と呟いた圭織の言葉に・・・・
「「えぇ?」」 驚いた二人・・・・
- 124 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:41
- 「なっちは子供っぽいって思われてるじゃん。でもそれは見た目
と普段の行動だけ。その反面、心にはすごくしっかりとした大人
の女性がいる」
「で矢口はしっかりしてるって思われてる。実際そうなんだけど、
でもその反面、心の中にはいつも夢見る少女の矢口がいる」
「「・・・!・・・」」
「だからね、矢口となっちは、性格とかでもお互いに出っ張って
る所と凹んでるとこが丁度ピッタリ合うから、相性がばっちり合
うんじゃないかって、かおは思うんだけど」
「おいらいっつも思うんだけどさ、圭織ってほんとに凄いよね。
良く見てるよね」
「うん、なっちも思った」
「ふふっ、そう。今度からアンケートに趣味は人間ウオッチング
って書こうかな」
「てか趣味多すぎ」
- 125 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:42
- 「でもさ、圭織とこうやってお店来るの久し振りだよね。」
「だって、矢口がヤキモチ焼くからさ、なっちのこと誘えなかった
んだもん」
「・・・・へ」
「かおがなっちと話してるとね、必ず矢口の視線が『グサツ!』
って突き刺さるの。」
「「・・・・・」」
「かおになっちのこと取られるんじゃないかって思ってたっしょ?」
「え〜、そーなの?矢口」
「・・・あ〜、いや・・・はい!思ってました!」
「へぇ〜・・・初耳〜でっす!」
・・・両手で自分の耳を引っ張りながら・・・
「「古いよなっち」」
「ハモらなくたっていいしょー」
- 126 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:43
- 「あはは・・でもね、矢口が本気だってわかってね、かお、すっご
く嬉しかった。随分悩んでたもんね」
「・・・・知ってたんだ」
「そりゃわかるっしょ。片思い長かったもんね。なっちは全然気づ
いてくれないし」
「へ?やっぱり知らなかったの、なっちだけだったんだ・・」
「ん?」
「矢口に告白された時、うちのおかあさんに言われたの。知らな
かったのはなっちだけだって」
「だってさ、あの日、なっちに打ち明けようと思って家まで行った
のはいいんだけど、いざとなったら告白する勇気が鈍っちゃって。
したらおいら何も言ってないのに、なっちママに『なっちはのんび
りしてるから真里ちゃんから押し倒さないとダメよ』って言われて
さ、もうマジ驚いたもん」
「えーっ、おかあさんそんなこと言ったの?」
「うん。バレバレだったって言われた」
- 127 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:45
- 「あ!」
「何?なっち」
「ずーっと聞こうと思ってて、忘れてた」
「おいらに?」
「うん。何で次の日の朝にさ、うちのおかあさんはなっち達が
上手く行ったって判ったんだろ」
「何それ、なっち」
「あ〜圭織ダメェ〜聞かないでぇ・・・・」
飯田に悪気はないのだが、矢口にしてみれば逃げ道が無くなる訳で・・・・・
当然矢口は真っ赤になってうつむいてしまう訳で・・・・
「なっちどーいうこと?ね、聞いてもいい?」
「ん、あんね、矢口が告白してくれた次の日の朝ね、お母さんが
御赤飯を用意してくれてたの。もちろん、そんなことなんにも言っ
てないし。ご飯よーって起こされたらいきなりテーブルの上に御
赤飯だよ?」
「へぇ〜」
- 128 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:47
- 「そう。でね、なして上手く行ったのが判ったのかなって。お母さ
んに聞いたさ。したっけ、真里ちゃんが知ってるから聞いてねって、
教えてくれないの」
「ふぅ〜ん、なっちのママ、結構スルドイからね」
うんうん、と、うなずきながら2人で矢口の言葉を待つ。
・・・何だよなっち、あんな事言える訳ないじゃん・・・バカなっち・・・
「矢口、なっちに言えない事なの?」
「い、・・・・いやぁ〜、言えなくは無いんだけど・・・その・・・場所が
悪いって言うか・・・・」
「あ、かおが聞いちゃまずい?じゃ席外そうか」
「え〜、折角だから一緒に聞こうよ」
「だって、矢口がさ、かおがいると話しずらそうじゃん」
「矢口、なっちはね、圭織には隠し事できないんだよ?だからど
うせ後でバレるならさ、今言っちゃえ」
「なっちがそこまで言うのなら。でも後悔しても知らないよ?」
「うん。大丈夫」
- 129 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:48
- 「分かった。あのね、何でなっちのママが知ってたのかって言うと」
うんうんと肯きながら身を乗り出すなつみ。
「エッチしてるときのなっちの大きな声が、部屋の外まで聞こえ
てたんだって!」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・何か言えよ!」
「「・・・・・」」
「一晩中あんな大きな声が聞こえてれば誰だって上手く行った
って分かるわよって言われた・・・」
「・・・・・・・・・」
真っ赤になってうつむく3人・・・・
- 130 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:50
- 「・・・ホラ、だから後悔するってオイラ言ったのに・・・」
「・・・なっちそんな大声出してた?」
「おいらも、言われるまで気付かなかった。だってさ、あん時は
もうなっちが可愛くって嬉しくって、夢中になってたから・・・あ・・」
暴走しそうになっている自分に気付き、慌てて口を塞ぐ。
「そっか。てことは、なっちは一晩中、矢口に責められてたんだ」
「だぁ〜って、矢口凄いんだもん・・なっち、びっくりしたよ。初め
てなのに、何回すれば気が済むのよ〜って。」
「だって、おいらずっと我慢してたんだよ?なっち、チューもさせ
てくれなかったから」
「本当に矢口はよく我慢したよね。かお、いっつもドキドキしてた。
だって、着替えの時とかさ、今にも跳びかかりそうな勢いでさなっち
のこと見てたから。」
「結局襲われちゃったけどね」
「だってさ、ずっと抑えてた気持ちが一気に爆発しちゃって、もう訳
わかんなくなっちやって。・・・自分らしくないって思ったけどさ、
気持ち伝えてもし嫌われたらって。メンバーにも影響するだろうし、
だったら今の関係のままのがいいのかもって思って我慢してたんだけ
ど」
- 131 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:51
- 「なっちの卒業発表からすっごい悩んでたよね」
「うん。ホントは卒業前に打ち明けたかったんだけと。でも結局
ネガティブになっちゃってなっちに怒られちゃったけど」
「へ?なっち、何言ったべさ」
「ん、自分の気持ちを伝える前に、何でなっちに気持ちがないとか、
告白したら関係が壊れちゃうって決め付けるのさって」
「そんな事言ったかい?」
「うん。おいら、すっごいショックだった。なっちの言う通りだって
思った。」
「へぇ〜、そんなことがあったんだ。かおが相談乗れれば良かっ
たんだけど、でも矢口が誤解してるっぽかったからね」
「ホントごめんね圭織。だって、圭織となっちの関係がマジうら
やましくってさ。あ〜恥ずかしい」
「いいってば。でも、矢口はさ、今度は人前で気持ちを押さえる
我慢をしないとね。石川とごっちんみたいに人目をはばからず
に抱き合われてもネ」
- 132 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:52
- 「よっちゃんも麻琴と満更でも無さそうだしし、美貴と紺野も怪し
いし」
「あ、それそれ。おいらマジ驚いた。ミキティと紺ちゃんて、いつ
から?」
「遅いよ矢口。でも意外なコンビだよね。紺野ってごっつぁんリス
ペクトだと思ってたけど。でもそれは純粋に、アーティストとして
の憧れだったんだろうね。美貴は松浦って思ってたし」
「そう言えばミキティって、最初から紺野には突っ込み甘かった
よね」
「・・・・・・・」
圭織と真里の会話をニヤニヤしながら聞いているなつみ。
- 133 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:53
- 「ん?なっち、どした?」
「えへへ。もうバラしちゃってもいいよね」
「何を?」
「ん?へへっ、ジャーン、愛のキューピット参上!」
「はぃ?・・・・あ〜〜、知ってたの?」
「はぁ〜、内緒にしとくの辛かったァ。・・・ん?2ヶ月位前かな、
ハロモニの収録の時。うちらが録り終わってからハロプロアワー
の収録があって、なっち、裕ちゃんと約束があって待ってたの。
でね、そろそろ終わるかなってスタジオ覗きに行ったら、隅っこ
に藤本がいて、じーっと収録を見てるのね。それがね、なっち見
てると、どうもこんこんを見てるみたいなの。それもさ、見た事
もないようなめっちゃ優しい顔して。愛しさが溢れちゃってるぞー
みたいな。そのまんま、恋する乙女なの」
「へぇ、あの藤本が」
「うん。終わってから裕ちゃんに聞いたら、時々見に来てるって。
でも、終わるときにはもういなくなってて、別に一緒に帰るとか
じゃ無いって」
「へぇ〜、全然知らなかった」
- 134 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:56
- 「うん。それ知ってからさ、注意して見てると、藤本ってこんこん
ばっかり見てるの。もうなっち切なくて。我慢できなくなって藤本
に気持ち確かめたの。初めはね、とぼけてたけど、でも、あんな
バレバレの気持ち隠せる訳無いしょ」
「で?」
「女の子同士の恋愛に抵抗があったんだって。自分には絶対有り得ない
って思ってたって。だけど、紺ちゃんが気になりだして、ほら、カント
リーで一緒だったしょ。紺ちゃんって自分に無いものを沢山持ってて、
しかも見ていると、なんか放って置けないって気がして。その思いが恋
心だって気が付いて。でもどうしようもなくって。藤本も、紺ゃんはご
っつぁんが好きだって思ってたから。でも、そのままにしておいたら、
藤本が壊れちゃいそうで」
「紺ちゃんの気持ち確かめたの?」
- 135 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:58
- 「ううん、藤本にね、なっちと矢口のこと、ごっつぁんと梨華ちゃん
のことを話して。女の子同士だって恋は恋。自分の気持ちに嘘を付く
なって」
「ふ〜ん。なっち水くさい」
「うん。ごめん。でもね、矢口とのことがあったから、だからこそあの
二人は何とかしてあげたかったの」
「・・・・おいら?」
「うん。藤本もさ、矢口みたいにいろんな事考えちゃって自分を追い詰
めちゃうんじゃないかって思って。矢口には辛い思いさせちゃったから
ね。紺野ってなっち以上にそういうことには鈍そうじゃない?」
「うん」
「そんで次の日、藤本からメールが来たんだ。明日、紺ちゃんと渋谷に
買い物に行く約束したんです。その時に気持ち伝えますって」
「お、勇気出したね。・・・・で?」
「もし振られちゃっても、お仕事に影響するようなことは絶対にし
ませんから、心配しないで下さいって」
- 136 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 22:59
- 「それでそれで?」
「へへ、次の日ね、ほら、先月、矢口とパスタ屋さんに行ったべさ。
その時さ、メール来たしょ?」
「あー、なっちがオリーブ刺そうとして飛ばした時」
「そうそう。隣のテーブルまで飛んじゃって。・・・・っておいっ!」
「お、乗り突っ込み。で、そのメール、藤本からだったんだ?」
「ううん、こんこんから」
「へ?」
「えっとね・・・・・」
おもむろに携帯を取り出すと、カタカタとメールフォルダを開く。
「ほれ、見てみそ?」
「ん、どれどれ・・・・・」
- 137 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 23:02
- 『 紺野あさ美
件名 : 感謝!
本文 :
今晩は、紺野です。お疲れ様です。
突然ですが、今日、藤本さんから告白
を受けました。
紺野は藤本さんと真剣にお付き合いを
しようと思っています。藤本さんから、
安倍さんのアドバイスで告白する勇気
を頂いたというお話を聞き、私から二
人分の感謝の気持ちを送らせて頂きま
す。
どうもありがとうございました。 』
- 138 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 23:03
- 「真面目だねぇ」
「ね。こんこんらしいしょ。今日もね、上手く行ってる?って藤本
に聞いたら、こんなことするガラじゃないんですけどって言いなが
ら、こっそり携帯に貼ったプリクラを見せてくれたの。紺野が藤本
のほっぺにチューしてるやつ」
「へー、ラブラブなんだ。良かったぁ」
「前にさ、圭織がハロモニかな?・・・で、娘。内恋愛は禁止だ、って
言ったしょ?」
「ああ、よっすぃ〜と麻琴のキモイ合戦の時ね」
「かな?藤本はね、それを本気にしてたんだ」
「え・・・・マジ?」
「あの子って責任感強いし、他の6期の手前、自分がメンバーの和を
乱すことはできないって」
「・・・・私、なんか嫌なヤツになってる?」
「いやいや、でも、亀ちゃんとのこともあるからね」
- 139 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 23:05
- 「矢口何それ?」
「ん?娘。加入が決まって、6期の3人と顔合わせした時にね、
亀ちゃんが藤本に、『ずっとファンだったんです』みたいなこと
言ったらしいのよ。そしたら、今は同じ6期メンバーだから、他
の先輩達の前では絶対にそんなこと言うなって、釘さしたんだ
って」
「へー、あの子なりに色々考えてたんだ」
「うん、おいらもね、ミキティ加入って聞いた時は、えーって思っ
たけど、今の話を田中から聞いた時、すごい安心したんだ」
「そうだね。下の子達のこと、凄く気にして良く面倒みてるよね」
「藤本だって、随分悩んだと思うよ?まるでソロ活動を全部否定
されたみたいな娘。入りだったから」
「そうだね。良く乗り越えたよ。全く弱音吐かなかったし」
「松浦に愚痴ってたみたいよ。前に松浦と話した時になっちがね、
藤本は強いね・・みたいなことを言ったらね、『安倍さん、それ違
います。みきたんだって弱い普通の女の子なんです。うじうじ悩
む事もあるし、失敗して落ち込んだりもします。だから、イメージ
だけで見ないで下さい』って、怒られちゃった」
- 140 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 23:08
- 「へー、なんか今日はトリビアな話しばっかりだね」
「でもさ、松浦とミキティって付き合ってると思ってたけど、違った
んだね」
「なんだか姉妹みたいだって言ってた」
「そっか。だから松浦には紺野のこと相談しずらかったんだね」
「仕事の事と恋愛はちょっと違うかも。なっち、ありがとね。これ
からも力になってね」
「やーだ、当たり前っしょー」
「でもさ、そんなこんなで娘。がみんなくっついちゃって、石川達
みたいになったら、どうする、リーダー?」
「えぇ?そーれは困るねぇ」
「ナハハ、あいつらは。でもさ、気持ちは分かるよ。だって、なか
なか会えないんだもん。石川なんか良く我慢してると思うよ。たま
に会えた時ぐらいは見逃してあげたいな」
「お、なっち・・・大人になったねェ」
「明日は我が身だもん。それに矢口よりお姉さんです!」
「あれ?メンバーはそう思ってなかったよね?」
「あー、見た見た、かおがギリシャ行ってた時のハロモニっしょ?
パーフェクトだったじゃん、なっち」
- 141 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 23:09
- 「そう!あっれ酷くない?まるで台本に書いてあるみたい。またなっち
だけスタッフさんに騙されたのかと思った」
「でもさ、いいんだよ」
「え〜、いいの?」
「そう。なっちはこのままでいいの。矢口だってそうでしょ?」
「うん。なっちはね、なっちだから好きなの。なっちじゃなかったら嫌だよ」
「矢口・・・・」
頬を染めながら、潤んだ瞳で真っ直ぐに自分のことを見詰めるなつみに・・・・・
「なっち・・・」
(・・・かぁ〜、なっち反則。くっそぉ〜、可愛いじゃねぇ〜か!
お・・押し倒してぇ・・・)
圭織は苦笑すると、伝票を持って立ち上がった。
- 142 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/17(金) 23:11
- 「・・・・・はい、そこまで。続きは2人だけになってからゆっくり
やってね。今日はかおタンの奢り」
「え、悪いよ、誘ったのおいらだし」
「いいから」
そして圭織は、すうっと矢口の耳元に顔を近付けると
「なっちが可愛いのは分かるけどさ、ちゃんと睡眠とらないと身体がもたないよ」
「へ?」
「矢口の顔にね、押し倒したいって書いてあるからさ」
と囁いて「じゃ、また明日ね」と手をひらひらさせて歩き出す。
矢口は真っ赤。
「オヤスミ圭織。・・ん?矢口どした?」
・・・クッソー・・圭織のヤツ、おいらの心も読めるのか?・・・・
- 143 名前:たまえす 投稿日:2004/09/17(金) 23:11
- 本日はここまでです。失礼しました。
- 144 名前:名無し飼育 投稿日:2004/09/18(土) 01:22
- いいですねー。
この感じ好きです!
CPも好きなのが沢山で続き楽しみにしております。
- 145 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:00
-
・・はぁ〜、こんなところで何してんだろ。見てるだけじゃどうにも
ならないってわかっているのに。こんなの美貴らしくないし・・・
スタジオの片隅の機材の脇に、まるで他のスタッフから隠れるよ
うにして、彼女の収録を見守る。・・・・・いつものように。
以前、中澤さんに聞かれたことがある。
「藤本いっつも見に来てるやんか。何か目的があるんちゃうんか。
誰かを待ってる訳でも無し、お勉強って訳でも無し・・・」
一瞬ドキッとしたけど、顔に出さないように、
「密かにキャスターの座を狙ってるんですよ」って切り返した。
「そっか。そんならええねんけどな。でもな藤本、どんな物でも見
ているだけじゃ手には入れられへんのとちゃうか。もし本当に欲し
いのなら・・・・な」
「そうですね」
- 146 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:01
- 上手く誤魔化せたと、思った。
と、歩き出した中澤さんは、ふと足を止めると、くるっと振り返った。
「あ、せや」
ニマッと笑うと
「早うせんと、他にも彼女のこと狙ってる奴おるみたいやで」
「はぁ?」
「ま、頑張りや。じゃ、お疲れさん」
と言い残して颯爽と去って行った。
・・・・・・マジっすか・・・・・・って、・・・え?
でも、それからは美貴が収録を見に行っても、別に何も言われなくて。
やっぱり気のせいだったのかなぁ。
そんなある日の帰り際、珍しく安倍さんに誘われた。ってゆーか、
始めてかも。
- 147 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:02
- ちょっと二人だけで話しがしたいって。
なんだろう。また無意識に何かしちゃったのかな。全く身に覚えが無い。
調子に乗って、誰かに突っ込み過ぎたとか。あー、ありえるかも。
前にも怒られたし。で、その子が安倍さんに相談して、美貴がまた怒られる。
安倍さんに相談するのは・・・新垣ちゃん?
それとも、辻ちゃん?
いろいろ考えながら、安倍さんの後について行く。やがてビルの間
の狭い階段を降りて行くと、落ち付いた雰囲気の喫茶店へ入った。
「いらっしゃいませ。いつものお席、空いてますよ」
「はい、こんばんは。お世話になります」
・・へぇ、常連さんなんだ・・
美貴もぺこっとおじぎをして奥へ。
- 148 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:04
- 「結構、いいお店でしょ?もう5年以上になるかな、考え事とかしたい
時に時々来るの」
にこっと微笑む安倍さんは、とても大人に見えて。・・・あれ?でも、
美貴は怒られるんだよね。
「あ、あの」
「ん、ちょっと待ってね」
と、そのとき
「お待たせ致しました」
さっきのマスターが紅茶?とケーキ?を置いてさがっていった。
「藤本はハーブティーは飲める?」
「はい、好きです」
「良かった。美味しいよ?ここのマスターはね、お客さんに合ったお茶
を選んでくれるの。ケーキも手作りでね、マスターの気分で作るから、
決まったメニューが無いの」
- 149 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:05
- 「あ、だから。オーダーしてないのに。何でかなって聞こうと思って
たんです」
「それがね、不思議とその日の気分に合うのが出てくるんだ」
「なんか、すごいですね」
「飲んでみよ?・・・ん、・・あーいい香り。ブレンドしてある。
何だろう・・・ジャスミンと、えっと・・・」
私もコクリと、ひとくち頂いてみる。
「あ、美味しい!」
ふわっと広がる爽やかな優しい香り。
「ね?いいしょ?・・あー、何だろう、カモミール?違う。・・・・タイム?
・・コクリ・・・ん〜」
ちょっとすすっては首を傾げたり、肯いたり。ちょっと面白いかも。
- 150 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:06
- 「安倍さん見てると何だか和みますね」
つい、思った事が出てしまった。
「へ?・・・・エヘヘ、ごめんごめん、つい夢中になっちゃって。
でも、何だろう・・」
その時
「失礼します」
マスターがティーポットをテーブルにコトリと置いた。
「如何がですか?」
「あ゛ー、ハイビスカスかぁ〜。ジャスミンはわかったんですけど、
あと1つがわからなかったです」
「一つ一つの個性は強いのですが、ブレンドの加減で意外と調和
のとれた香りが出せるんです」
- 151 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:07
- 「あ、マスター、こちら藤本美貴です」
急に紹介されてびっくり。
「あ、あのよろしくお願い致します」
「こちらこよろしくお願い致します。本日は、藤本様に合わせて
ブレンドしてみました」
「え?」
少し考えた安倍さん、が・・・
「はっ、そうか!マスター、花言葉ですね?」
マスターは、少し微笑んで軽く肯くと
「では、ごゆっくり」
とカウンターへと戻っていった。
- 152 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:09
- ???花言葉???意味わかんない。
「んふふ、・・・・そっかー。でもなんでわかったんだろ」
一人で納得してる安倍さん。
「あのぉ・・・」
「あ、・・いやぁー、驚いた。相変わらずマスターって鋭いわ」
「美貴はさっぱりわかんないんですけど」
「うん。えっとね、ハイビスカスの花言葉は新しい恋、ジャスミンは素直」
「それが何で美貴のブレンドなんですか?」
「今日、何で誘われたかわからないしょ?」
「多分、ダメ出しかなって」
「あれ?どうして?なっち、そんな恐い顔してたかい?」
「え、でもそれ位しかないなーって」
「ううん、ぜーんぜん違う。それじゃ本題に入るね。あのさ、藤本って
今、好きな人・・・いる?」
「は?何でそんな話しになるんですかぁ?」
・・・・び・びっくりした・・・何なのよ・・・・・
- 153 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:11
- 「あのさ、なっちね、前回のハロモニ。の収録の日にね、終わってか
ら裕ちゃんと約束があって、ほら、ハロプロアワーが最後だったから、
スタジオに様子を見に行ったの」
「はぁ」
「藤本、スタジオで収録見てたよね」
「はい。見てました」
「誰を見てたの?」
−−−ドキッ!−−−
「え?誰って・・・あ、いや・・・あの、あれですよ。ちょっと勉強
にって思って。ほら、人のを見るのも勉強になるじゃないすか」
「うん、確かにね。あの後、裕ちゃんに聞いたら、殆ど毎回見に行って
るんだって?」
「美貴は勉強熱心なんで」
- 154 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:12
- 安倍さんは、お茶を一口すすってから、美貴の目をじっと見詰めて
にこっと微笑むと
「紺ちゃん・・・・でしょ?」
「!!!!」
出るはずの無い名前を突然言われて、ビクッと身体が緊張する。
どうしよう・・・・何て言って逃げよう・・・・
やばい。一気に顔が熱くなってきた・・・・
「紺ちゃんのこと、好きなんでしょ?」
「い・・・嫌ですよぉ、な、何言ってるんですかぁ?何で美貴が紺ちゃん
を・・・あ、いや・・す、好きですよ。当たり前じゃないですか、メンバー
ですから・・・」
慌てて言い逃れようとするけど、突然の事に動揺していつものように
頭と舌が回らない。
- 155 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:14
- 「スタジオの隅でじっと紺ちゃんのことを見ていた藤本ってさ、とっても
綺麗だったよ?すごく優しい表情してた。あれはね、誰が見たって恋す
る乙女の表情だよ。裕ちゃんもそう言ってた。柄にもなく青春してるって。
ひどいよネ。でね、今日の収録の時に、なっちずっと藤本のことを見てた
の。でもさ、藤本はなっちが見てたの気付かなかったでしょ?」
「・・・・はい・・・・」
「どうしてか分かる?」
「さあ・・・」
「藤本が、ずーっと紺ちゃんのことを見てたから」
「いや・・・多分、紺ちゃんってリアクションが面白いからだと・・・・」
・・・誰か助けて〜〜安倍さん許して〜・・・
「さっきの花言葉。新しい恋、素直、。今の藤本に必要なもの。もしかした
ら大きなお世話かもしれないけれど、でもね、今のままじゃ切ないよ。藤本
だって苦しいんじゃないかな。」
「・・・安倍さ〜ん」
「ん?」
「あの・・・ですね、もしかして美貴・・・・・逃げそびれちゃいました?」
「ふふっ、逃げないでよ。ね、もし良かったらなっちに話してみない?」
- 156 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:15
- ・・・あぁ、出た・・・・究極のなっちスマイル。
何て言うのかな、自分が本当に素直になれそうな気になってきちゃう。
「あ・・あの、恋・・・なんですかねぇこれって」
何言ってるんだろ・・・・・
「藤本はさ、今まで恋したことってあるよね?」
「えぇ、一応・・・」
「その時って、その人のことを思うとどんな感じがした?」
「え?・・えっと、胸が苦しいってゆーか、ドキドキしました」
「じゃあさ、今、紺ちゃんのこと考えてみて。ほら、あのふわふわっとし
たマシュマロみたいなほっぺにさ、もしチューとかしたら、きっと照れて
イチゴみたいに真っ赤になっちゃうのかな・・・・なーんて」
え?美貴が紺ちゃんのほっぺにチュー?
・・・あ、ダメ!イケナイ妄想が勝手に・・・
「おーい、大丈夫?顔赤いよ?」
「・・・・・・」
- 157 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:17
- 赤い顔を指摘した途端、うつむいてしまった藤本。意外と純なのね。
かわいい。
「ね、もう本当は自分でも気付いてたんでしょ?紺ちゃんに恋してることを」
あらら、ゆっくり顔を上げたその瞳は、涙で潤んでいて。
「でも・・・・・でも、わからないんです」
「うん、どんな風に?」
「だ、・・・だって・・・女の子なんですよ?」
「紺ちゃんが?」
無言でうなづくミキティ。
「そだね。女の子。とっても可愛い女の子」
「・・・・美貴、おかしくなっちゃったのかなって・・・・」
「どうして?」
「ありえないじゃないですか。・・・美貴も女ですよ。・・・そりゃ
ちょっと男っぽかったりもするけど」
「女の子同士の恋愛って、いけないこと?」
「え?」
- 158 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:19
- 「恋をするのにさ、男も女も無いんじゃないかな。人を好きになった。
気が付いたら、何時の間にか恋をしていた。その人を思うと胸が苦しい。
でも、何故か幸せで。その相手がたまたま女性だっただけ」
テーブルの上をじーっと見詰めたままの藤本。ふーっと、深いため息を
ついて。
「・・・美貴は・・・同性愛っておかしいって思ってて、自分には絶対にあり得
ないって思ってました。・・・でも、・・・でも、何時の間にか、気が付いたら自
然に紺ちゃんのことを・・・・・目で追うようになって。何でだろ、ホント自分で
もどうしてだか分からないんですけど、でも、紺ちゃんの笑顔を見てると、
すごく幸せを感じる自分がいて・・・・」
「そっか。ね、気持ち、伝えようとは思わない?」
「えぇ!だ、だって、紺ちゃんはごっちんのことが好きって・・・
今更、美貴が告白したって」
- 159 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:21
- 「お、藤本らしくないネガティブな発言。そっか。・・・でもさ、
好きって言っても、もしかしたら恋じゃなくて、憧れかもしれない
じゃない?」
「・・・・あ・・こがれ?・・」
「そ。今までテレビで見ていた、後藤真希というアーティストへの憧れ。
ごっつぁんの卒業ライブの時、紺ちゃんにね、大丈夫?って声をかけたの。
そしたらね、こう言ったの。『私は後藤さんに憧れて、いつかあんな
格好良く歌えるようになれたらって夢を見てオーディションを受けました。
合格して、同じステージに立てた時は本当に夢を見ているようでした。
でも、どんなに必死に頑張っても、後藤さんには追い付けません。でも
それが嬉しい』って」
「嬉しい?」
「ん。ステージではさ、完璧なスーパーアイドルのごっつぁんじゃない。
そこまでの辛いレッスンだとか陰での努力って見えないでしょ?ホラ、
ごっつぁんってそーいうとこを見られるの嫌がるから。でも、娘。になっ
て、一緒にやってみて、特にミュージカルは二人で主役だったから、
本当の後藤真希を見て、彼女は完璧なんじゃなくて、一歩でも完璧に
近付こうと必死に、一生懸命に努力してるんだって気が付きましたって。
私も頑張ろうって。一生追いつけないと思うけれど、その距離感が嬉し
いんだって言ってた」
「・・・・うん・・なんか分かる気がします」
- 160 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:22
- 「ね。アーティストとしての憧れなの。紺ちゃんにとっては。それにね、
紺ちゃんは、ごっつぁんと梨華ちゃんが付き合ってるの知ってるから」
「えぇっ!?付き合ってるんですかぁ?」
「へ?今頃なぁに言ってるべさ、まさか知らなかったなんて・・・」
「・・・・・マジっすか?」
「だって、楽屋でいっつも二人でくっついてるしょー?あれ、ごっつぁん
何時の間に?って」
「はぁ〜・・・ただ仲がいいんだなって・・・」
「あんまりいちゃつくから、いっつも圭織とか矢口に怒られてるべさ」
「付き合ってるって・・・・その・・・・そういう関係なんですか?」
「そういうって?」
「・・・その・・・深〜い関係っていうか・・・」
- 161 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:24
- 「心から愛し合ってるの。初めはね、お互いに片思いだったのね。そう、
丁度、今の藤本みたいに。ごっつぁんは梨華ちゃんに、梨華ちゃんはご
っつぁんに恋してて、でもあの二人って意外に自分の気持ちを隠すのが
上手くって。なっちはね、ごっつぁんの方に気が付いて、相談に乗って
あげて。梨華ちゃんの方は矢口が気が付いて。本人同士には言わなかっ
たけれど、なっちと矢口でこっそり裏で情報交換しながら、デートを仕
組んだりとか、楽屋からメンバーを追い払って二人っ切りにしてみたり
とか。そんなことをしばらく続けて、ある日ごっつぁんが思いきって告
白して、もともと両思いだって知った途端に、今みたいに人前でもベタ
ベタのバカップルになっちゃって」
「へぇ〜、そうだったんですか・・・・」
「うん。ごっつぁんもね、すごく悩んだの。女の子同士ってことに。
ごとーは変態なのかな、とか、告白して嫌われちゃったら生きていけ
ないとか。何度もなっちの家で大泣きしてたっけ」
「あのごっちんが・・・・ですか?」
- 162 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:27
- 「そう。正に、゛惚れた″って感じ。もう梨華ちゃんしか見えなくなってて
ね、梨華ちゃんの方も同じような状態だったから、意識し過ぎてごっつぁん
のこと避けちゃったりして。そんな日は、ごっつぁん、必ずなっちの家に押
し掛けてきて、梨華ちゃんに嫌われたーって、一晩中わんわん泣いてた」
「はぁ、ごっちんが・・意外です。驚きました」
「うん。なっちも辛かった。でもさ、こういうのって、絶対に自分で気持ちを伝
えなきゃ駄目だと思うの。だから本人が決心するまでなっちも矢口もじっと我慢
したんだ」
「・・・・そ・・・・・うです・・・ね・・・」
「だから、ごっつぁんから告白して、上手くいったって連絡来た時は、めちゃ
めちゃ嬉しかった。急に夜中に電話がきてね、いきなり、『ギャ〜〜〜〜っ
なっちぃ〜〜っ、ごとーは世界一のしあわせ者だぁ〜〜〜っす』ってね」
「あはははは、なんか、想像できないですよ、普段のごっちんからは」
- 163 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:28
- 「うん、そうだね。でも、その時から二人とも見違えるように変わった。
お互いに愛されてるっていうのが、なんてゆうか、お仕事でも自信に
なってちゃんと出てる」
「でも、もともと両思いを気付かなかっただけですよね。・・・・美貴は
・・・・ホントの片思い・・・」
「このまま何もしなければ、そうかもね」
「え、だって・・・」
「紺ちゃんは一途な子。いつも仕事は一生懸命。紺ちゃんにとって藤本
は、芸能界の先輩。例え娘。で後輩でも、今の位置付けとしては恐らく、
ごっつぁんと同じだと思う」
「・・・そんな訳・・・」
「ソロでテビューしてシングルからアルバム、ソロ・ツアーまで経験してきた
藤本は、5,6期にとっては、目標にされる存在なんだよ?」
「・・・はぁ・・・」
- 164 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:30
- 「だから、どんなに藤本が紺ちゃんに熱〜いテレパシーを送っても紺ちゃん
は、先輩がちゃんと自分のことを見ていてくれるんだから、頑張ろう、って。
そっちのほうに捉えちゃうと思うの」
「・・・そうなんですかね・・・・・」
「だから、好きだってことを、お付き合いしたいってことをちゃんとこっちか
ら伝えなきゃ。・・・ね。紺野はちゃんと考えて、きっちり答えを出すと思う。
絶対にあやふやなままにはしない子」
「駄目だったら・・・・」
「押し倒しちゃえ」
「えぇ〜っ、・・・な、なんてこと言うんですか。それじゃ犯罪じゃないですか」
「なっちは矢口に襲われたよ?」
「???」
「なっちが欲しいって、矢口に押し倒されたさ」
「・・・あ・・・あの・・・」
「ん?」
- 165 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:31
- 「安倍さんと矢口さんって?」
「恋人同士」
「えぇ〜っ、マジっすか。・・・・はぁ〜」
「あれ?まさか・・知らなかった・・とか。藤本って案外鈍い?」
「え、いやぁ〜、想像もしてなかったですけど」
「ホントはね、秘密にしてるの。他の子達の前ではね。色々良くない
こともあるからさ。だから、ナイショなの」
「・・ハァ、・・・安倍さんが矢口さんに・・・・」
「そんななっちだから、藤本の気持ち、分かってあげられるかなって。
矢口とはね、仲間で一番気が合うなくらいだったのね。ホントに矢口
とは、いろんな面で気が合って、考え方も、好みとかも同じで。確か
に一緒にいると安心できたかな。でも、矢口はね、ずっとなっちのこ
と思ってくれてたらしいの。今考えれば、そう言えば、お風呂でじーっと
見られてたり、何気にセクハラかまされたり。矢口はね、誰にも相談
できなくて、ずっと一人で悩んでたの。なっちも鈍くてね。何年も全然
気が付かなかった。今年になって、なんとなく矢口の態度がおかしい
なって思いはじめて、相談に乗ろうと思ってなっちの家に呼んだら、
その時に気持ちを伝えてくれたの」
- 166 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:33
- 「矢口さんって、すぐ行動しそうですけど」
「うん。確かに告白された後すぐ押し倒されたけど、ね」
「ありゃ〜・・・・・いいなぁ・・・」
ため息混じりのつぶやきを、安倍が聞き逃す筈も無く・・・
「いいなぁって、もしかして、紺野に押し倒してもらいたいの?」
「は?いや、ミキが・・・あ・・」
「ホラ、やっぱり押し倒したいんだ!」
「あっ、・・・・でも、抱きしめたいです。ギューっと」
「藤本次第。どっちにしても、このままじゃ何も変わらないよ。でも、
もし打ち明けて紺ちゃんにその気が無かったとしても、関係が悪くなる
ことは絶対に無い。ダメでも今のままって事は無いと思う」
「何でそんなことが分かるんですか」
「だって、好きって告白されて嫌な人、いる?しかも、藤本美貴にだよ?」
「関係無いじゃないですか」
「ううん、紺ちゃんって、心の中は普通の女の子。そりゃ、お仕事の時には
もっとプロ意識を持て!って言いたくなる時もあるけど、でも、それが彼女
のいいとこでもあるんじゃない?そんな彼女から見た藤本は、完璧な格好
いい先輩。告白されたら何とも思わない訳が無い」
- 167 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:34
- 「そんな・・・・」
「でも、この先どうするかは、藤本次第。自分の気持ちには気が付いたよね?
その気持ち、抑えるのか。それともぶつけてみるのか。一人でゆっくり考えて
みて。なっちで良ければいつでも話し聞くから」
「・・・はい。・・・・あ、でも・・・」
「ん?」
「もし告白して、そんで、もし上手く行っても飯田さんとか事務所に別れろって
言われません?」
「はぁ?なしてさ。圭織はそんなひどいこと言わない。誤解してる。
圭織はいつだって味方だよ?」
「だって、前に娘。内恋愛は禁止だって言ってたじゃないですか」
「いつ?」
「ほら、あの・・・ハロモニ。裁判で。よっちゃんと麻琴っちゃんの
ネタのときに・・・」
「あ〜ぁ、違う。あれは表向きの話し。あの時はね、ああでも言って
おかないと、麻琴が暴走しそうだったからってだけだから」
- 168 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:36
- 「良かった。美貴の勘違いだったんですね」
「それと、事務所はね、黙認してる。多分おかしいとは思ってるんだろ
うけどね。だけどほら、男の人とスキャンダルになるよりはいいって感じ。
なっちも昔、迷惑かけちゃたし」
「安倍さん・・・あの、一つ聞いてもいいですか?」
「うん?」
「今、幸せですか?後悔してませんか」
「最高に幸せ。こんなに愛されたことって始めてだもん。・・・・なっち
はね、今の藤本の不安な気持ち、痛い程分かる。恐いよね。もし告白して
も、絶対に上手く行くとは限らない。周りの人の目も気になるし。だけど、
いつか解決しなくちゃ。このまま見ているだけで、紺ちゃんの気持ちが他
の人に奪われたら、もっと辛くなる」
「・・・・美貴は・・・・そんなの嫌です・・・・」
うつむいて唇を噛み締めている。
あんまり押しても逆効果かな・・・・
- 169 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:38
- 「あ、もうこんな時間。ごめんね、遅くまで付き合わせちゃって」
「あ、いえ・・・・どうもあがとうございました。なんか、聞いてもらって
良かったです。安倍さんってやっぱり凄いですね。下の子達、みんな言って
ますよ」
「え〜?何さ、・・・・こわいナ」
「いや、そんなんじゃなくて、人に相談できないような悩みがあって一人で
苦しんでる時に、必ず声を掛けてくれるって」
「いやぁ〜・・・」
「前にツアーの打ち上げの時、スタッフの人達も言ってました。『安倍には人
を癒す特別な能力があるんだよ』って。メンバーだけじゃなくって、スタッフ
さん達にも同じように気を使ってくれるって」
「・・・みんな大切な仲間だからね」
「それで、その安倍さんの不思議な力のことを『なっちマジック』って言うんだ
よって」
「何だい?そりゃ・・・」
- 170 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:39
- 「ほら、前、24時間テレビかなんか時の、あの子。何ていいましたっけ
・・・・ななちゃん?でしたっけ?・・あれなんて、モロなっちマジック
じゃないですか。美貴もなっちマジックにかかっちゃいました。こんなに
美貴のこと見ていてくれてるなんて、考えてくれてるなんて思って無くて。
今、めちゃめちゃ感激してます」
・・・初めは随分警戒されてたっけ。自分でバリア張っちゃって・・・
「そう言えば、新垣ちゃんがめっちゃ自慢してましたよ?『安倍さんってすご
いでしょ』って。みんな爆笑してましたけど。なんで垣さんが自慢するのさって」
「はは。垣さん最高〜!」
「新垣ちゃんってホント安倍さん大好きですよね。こないだも一人でハロプロ
ショップに行って、安倍さんの写真を買ってきたって言ってましたよ」
「え〜っ?またぁ?危ないから止めてって言ってるのに。バレないのかなァ。
言ってくれればもらってあげるのに」
「バレそうになったこと、あるらしいですよ。でも店員さんが気付いてくれて
助けてもらったって。でも『私はずっと安倍さんのファンでいたいんです』って」
「・・え?・・あの子、そんなこと言ったの?」
- 171 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 19:42
- 「はい。誰に何て言われても、絶対にやめませんって。愛ちゃんが新垣ちゃんちに初めて
遊びに行った時に、部屋に入って驚いたって言ってましたよ。『里沙ちゃんの部屋、安倍
さんのポスターとかグッズでいっぱいやったで、ホントびっくりやよー』って。あの子は
本当に娘。が、安倍さんが大好きなんです。そんな新垣ちゃんの方こそ、応援したいなっ
て思いますよね」
・・・あらぁ〜・・安倍さん、涙が溢れてますよ?
「グシュッ、・・・あ〜感動した。嬉しいな。よしっ!なっちも頑張るぞ。
藤本もさ、頑張るんだよ?仕事も恋も。いい恋ができれば、仕事ももっと
楽しくなると思うから」
「はい!」
その夜、美貴はお家に帰ってから、お持ち帰りにしてもらったフルーツの
タルトと一緒に、安倍さんの言葉を噛みしめていた。
・・・・新しい恋・・・・・・素直・・・か。
安倍さんの言う通りかもしれない。
やっぱり美貴は美貴らしくぶちかますとするか!
- 172 名前:たまえす 投稿日:2004/09/18(土) 19:43
- ちょっと一息。
- 173 名前:たまえす 投稿日:2004/09/18(土) 20:06
- >>144 名無し飼育様
心強いお言葉をどうもありがとうございます。
CPについても気に入って頂けて光栄です。
- 174 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:49
- 事務所に集合して、ツアーの打ち合わせ。この後は、分かれて衣装
合わせとか写真撮影とか雑誌の取材とかやって、その後さらに分か
れてラジオとか、他のそれぞれのお仕事に散っていく。
明後日からはツアーのリハーサルがあるので、明日は殆どのメンバー
がオフのはず。
事務所にちょっと早めに顔を出して、紺ちゃんが来るのを待つ。彼女
もいつも少し早く来るから。
静かに目を閉じて、ゆっくりと深呼吸。何で緊張してるんだろ。
・・・・と、ドアがすーっと開いて・・・・
「おはよーございま・・・・わぁ、早いですねぇ藤本さん、おはようございます」
あぁ、美貴の大好きなめっちゃ笑顔の紺ちゃん。
・・・・・可愛い・・・・・ (デレ〜
「おはよー紺ちゃん」
勤めて平静に意識を保つ。大丈夫?ニヤけてない?
- 175 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:50
- 荷物を置いて美貴の隣に腰かけて。じっと盗み見していた美貴の視線に
気付いたのか、こっちを向いてニッと微笑む紺ちゃん。
つられて美貴の頬も、ふにゃっと緩んだ。
「なんか、幸せそうな顔してるね」
「あ〜、わかりますか?今お腹が一杯なんですよ〜。あの・・コロッケを作ろう
と思って送ってもらったジャガイモを茹でてたんですけど、茹であがったらすっ
ごく美味しそうで。湯気が誘うんですよ。で、皮を剥きながらつまみ食いしてた
らお腹が一杯になっちゃいました」
「・・・・・・・・は?」
「いやぁ〜、あ、でも、やっぱり茹でたてはとっても熱くって、猫舌なの忘れてて、
ちょっと口が痛いんです」
「で、コロッケは?」
「あ〜、結局コロッケになる前にみんな食べちゃいました。やっぱり茹でたてに
バターですよねー」
・・・うっわ、めっちゃ笑顔。
「・・・そりゃ幸せだ〜ね・・・」
- 176 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:51
- 紺ちゃんの挨拶は必ず食べ物の話しから始まる。
・・・って、ちが〜〜〜う!!
「あ、あの・・・・さ、紺ちゃん、明日ってお休みだよね?」
「はい。・・・あ〜、学校の課題がやっとできますよ〜。ちょっとたまっちゃってて」
・・・・・え゛ぇ〜〜、ちょっと待ってよ。折角の美貴の決心はどうなるの・・・・・
「・・・あ、あのさ」
「はい?」
「課題って・・・・一日かかるの?」
「ん〜、頑張れば午前中にはなんとかなると思うんですけど、多分、朝起きる
のが遅いと思うので、もっとかかるかも」
・・・そうだよね。こんな時にしか睡眠不足は解消できないか・・・・
- 177 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:53
- 「あ・・あのさ、もし良かったら、課題が終わってから、美貴とデートしない?」
「・・・ふぇ?」
うっわぁ〜〜〜〜!しまったぁ〜
・・・買い物に付き合ってって言うつもりだったのに、また思ったことを
そのまま言っちまった。
ありえねぇ〜・・・・
「・・・あの、デート・・・あ、はい!喜んで」
・・・?・・・な、何ですと?!
「い・・・いいの?」
「はい!」
にっこりとあさ美スマイルで。
「頑張って早く終わらせますから」
「う、うん。でも、無理しないでね。課題も大切だから」
「大丈夫です。完璧です。いゃー、藤本さんに誘って貰えるなんて、嬉しい
です。デートですかぁ。・・・・・あ、」
「え?」
- 178 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:54
- 「あ、いえ、何でもないです」
「えー、気になるじゃん」
「いやぁー、何で私なのかなーなんて」
何か得体の知れないプレッシャーが美貴の上にドドォーンとのしかかる。
・・・・そこに気付いちゃダメなのに・・・・
「あ、あの、そう言えば藤本さんてあまりメンバーと遊んだりって聞かな
いなーって思って。その、あの、ごめんなさい」
急にブルーになった美貴を見て、紺ちゃんが慌ててフォローする。
・・・あぁ、心配掛けちゃダメじゃん・・・
「何かね、明日は紺ちゃんと一緒にいたい気分なんだ。渋谷あたりでどう?
ちょっとショプでも周ってみない?」
「はい!・・・ぅわぁ〜、渋谷なんて久し振りです。・・・あ、でも、
藤本さんは私が終わるまでどうしてるんですか?」
「ん?そうだねぇ・・・・歌ってようかな・・・・・『あっいったぁ〜ぅい〜
紺〜ちゃんとデートの水曜日〜あなーたーをずぅ〜っと待ってるだけぇ〜・・・』」
- 179 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:56
- 「えぇ〜っ、ち、ちょっと声が大きいです!恥ずかしいじゃないですか!」
「いいじゃん、紺ちゃんの課題が終わるまで、ずーっと大声で歌いながら
家の周りをぐるぐる歩き回ってー」
「あっ、あの、頑張って早く終わらせますから、それだけは・・・・・」
「冗談だよ。慌てなくていいから。終わるまで待ってるからさ」
「ありがとうござます」
「いえ、こちらこそ」
カチャッ・・・
「おはよー・・・・って、あれ?ミキティ早いね。いつもおいらより遅いのに」
「「おはよーございます」」
・・ほっ、よかったぁ。・・聞かれてないよね・・
「じゃ明日さ、紺ちゃんの課題が終わったら電話してね。慌てなく
ていいからさ」(コソーリ
「はい」
- 180 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:58
- その後、衣装合わせの最中・・・・
「美貴ちゃんさ、今日何かおかしくない?」
「はぃ?」
唐突に梨華ちゃんに切り出された。
「何だかね、ニャニャしてたと思えば、遠くを見ながら深いタメ息をつい
たりして。どうしたの?何か心配事でも?」
そりゃ〜、紺ちゃんとデートできる嬉しさと告白する恐さ?が替わりばんこ
に浮いたり沈んだり。
「そりゃー美貴だって悩みの一つや二つはありますよ」
「へぇ〜っ、でも大丈夫?私で良ければ相談乗るよ?」
梨華ちゃんって、ホントに優しいんだよ。嬉しいよね、こういう気使いって。
行き過ぎて寒いこともあるけれど。
- 181 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 20:59
- 「ありがと。そんじゃ聞いていい?」
「うん、な〜に?」
「ごっちんに告白された時って、どんな気持ちだった?」
「・・・は?・・・ち、ちょっと待って。何で美貴ちゃんがそんなこと
知ってるのよ」
「そんなことって?」
「私が真希ちゃんに告白されたって」
安倍さんに聞いたなんて言える訳ねーじゃん。
「だって、愛の告白は王子様からお姫様にするものって決まってるから
・・・・そうかなって」
あれ?急にくねくねしだしたぞ。・・・何だ?
「も、やぁーだぁ〜、美貴ちゃんたらぁ。そんな、お姫様だなんて。
・・ふふっ、でもね、ホントに格好良かったの。告白してくれた時の
真希ちゃんって。あぁ私の王子様〜・・」
・・・あたたたたた・・・・梨華ちゃん破顔のままトリップしちゃったよ。
全然相談に乗ってないじゃん。てか、乗せた私がバカだった・・・・・
- 182 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 21:01
- 「「お疲れさま〜」」
「お疲れ〜、明日はゆっくり休んでね。あさってからまた頑張ろうね」
「「は〜い!」」
「・・・ちぇっ、仕事なのはおいらだけかよ」
「まりっぺ、明日仕事なんですか?」
「うん。どうしても午前中だけ外せないからって。ま、半日だけでも休め
りゃいいか。夜は久々になっちとデートだし」
「お疲れ様です。身体気を付けてくださいね」
「うん、ありがと梨華ちゃん」
「?あれ?」
「ん?どした?」
「今、まりっぺ・・・・安倍さんとデートって言いました?」
「あぅ、・・え?おいらそんなこと言った?」
「はい。そう聞こえましたけど」
「・・・・・・・」
「あれあれぇ?もしかして真里ちゃん、やっちゃった?」
「・・ば、ばーか、何言ってんだよ!べ、別に御飯ぐらい一緒に食べたって
いいじゃんか」
「ふぅ〜ん」
- 183 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 21:02
- 「なんだよ、その笑顔は!」
「久々にデートなんだ」
「ばっ、お前・・・・うぅ〜、くっそーおいらとしたことが・・・」
「ま〜り〜ちゃん!もしかして、カミングアウトしちゃった?
・・・・安倍さんと付き合ってるんだ。そっかぁ、でも、何時の間に?」
「おいらまだ付き合ってるなんて一言も言ってないから」
「ずる〜い、私達のことバラしちゃたの誰だっけ?」
「おっ、そう来るか?じゃあ、誰のおかげで上手く行ったんだよ」
「そーれはぁ〜、二人の愛の力ですから」
「アホくさ。か〜えろっと。じゃお先〜!」
「あ〜、逃げるなまりっぺ!白状しちゃえ〜・・・・」
- 184 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 21:08
- ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
- 185 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 21:09
- 「こ〜んちゃん」
「ふぇ・・・あ、藤本さん、お疲れ様でした」
「お疲れ様。美貴は仕事がもう一つ残ってるから行くけど、明日、終わったら
電話してね。でも、ホント慌てなくていいから」
「はい。大丈夫です。デートのために頑張りますから」
「シッ、声大きいから」
「あ、あぁ〜ご、ごめんなさい」
「いや、謝らなくても。じゃ、また明日ね」
「はい。お疲れ様です」
「じゃ藤本お先です」
「「お疲れ様でした〜」」
口々に発せられるメンバーの声を背に受けて、次の仕事へ向かう。
18才を過ぎてから容赦無くブッキングされる夜のお仕事。
幾ら若くたって、やっぱりキツイ。
でも、今日は違う。
- 186 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 21:10
- 移動の車中、台本そっちのけで告白のイメージトレーニング。
可愛い紺ちゃんの顔を思い浮かべて。
恐いけど、でも何か楽しい。
安倍さんの言葉を信じて。
・・『好きだってことを、お付き合いしたいってことをちゃんとこっちから
伝えなきゃ。・・・ね。紺野はちゃんと考えて、きっちり答えを出すと思う。
絶対にあやふやなままにはしない子』・・・
・・『このままじゃ何も変わらない』・・
そうだ、安倍さんに決意表明しておこう。きっと心配してくれてるから。
携帯を取り出すと、メールを打つ。
- 187 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/18(土) 21:12
- 『安倍さん、美貴はあれから色々考えて、思い切って気持ちを打ち明ける
ことに決めました。明日のオフに紺ちゃんと渋谷に買い物に行く約束をし
ました。その時に告白します。成功するように祈っていてください。でも、
もし、ダメだったととしても、これからのお仕事に影響しないようにちゃ
んとするつもりですから、心配しないでください』
・・・・ピッ・・・・送信完了・・・・
よしっ!・・・じゃ台本でも見るか・・・・
薄っぺらい台本をぺらぺらめくっていると、
ウイ〜ンウイ〜ンと携帯がメールの着信を知らせる。
パコッと開くと
・・メール受信・安倍なつみ・・
『なっちの勇気を全部藤本にあげる。素直な気持ちを忘れずにね』
・・・安倍さん・・・
思い掛けない優しさに触れて、都心の色鮮やかなネオン達が、急に
にじんでぼやけてくる。
安倍さん、確かに勇気貰いました。
- 188 名前:たまえす 投稿日:2004/09/18(土) 21:17
- 今日はここまでです。失礼しました。
- 189 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/18(土) 22:30
- ガンバレー美貴ちゃん。日本中の人が応援してますよ
- 190 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/19(日) 03:51
- 更新お疲れ様です。
いろんなCPのてんこ盛りでにやけっ放しです。
- 191 名前:名無し 投稿日:2004/09/19(日) 14:40
- 今日はじめて読みました
甘いいしごま久しぶりでごちそうさまです
なちまり、みきこんに続くカップルも楽しみです
- 192 名前:たまえす 投稿日:2004/09/19(日) 19:43
- >>189 名無し飼育さん 様
ありがとうございます。なんだか凄い規模になってませんか?
>>190 名無し飼育さん 様
ありがとうございます。こんな愚作でにやけて頂けるなんて。
自分もニヤけながらうPしてます。
>>191 名無し 様
どうぞ宜しくお願いします。
CPについては、この3組がメインとなります。
単に自分の研究不足で、他のCPが書けないのですが・・・
- 193 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:45
- もぉ〜、ちっちゃいくせに歩くの早いんだから・・・・・
「まりっぺってば、待って下さいよ〜」
「やだ」
はぁはぁ・・・
「どうして隠すんですかぁ?」
「何をだよ」
「安倍さんとの事・・・」
「仲のいいお友達です!」
「またそんなぁ、恥ずかしがる年じゃ・・・」
「あ゛?」
「・・・あ、いえ・・・・」
「梨華ちゃんは余計な詮索をしなくていいから、ごっつぁんとの愛を深
めることでも考えてればいいから」
「石川も、矢口さん達に恩返しがしたいんです。私に何かできることが
あったら言ってくださいね」
- 194 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:47
- 急に歩みを止めた矢口さん。ゆっくりと振り返ってにっこり微笑むと、息の
上がった私の手を取って
「そっか。ありがと、梨華ちゃん。ごめんね・・・・・そうだね、何かあったら、
おいらも遠慮無く相談させてもらうから。そん時はよろしくね」
真剣な顔で私を見上げている矢口さんの大きな瞳の力強い眼差しに、
まるで意識が吸い込まれて行くような錯覚を覚える。
安倍さんも、きっとこの魔力にやられちゃったのかな・・・・・
そのとき、ふと思った。嘘のつけない矢口さんのことだから、多分、安倍さん
と付き合ってるのは間違い無いと思う。だけど、きっと大人の事情?他のメン
バーとかの影響を考えて秘密にしているんだ。だから、私も騒がないで、そっ
と二人の力になれればいいのかな・・・・・
「矢口さん、このことは二人の口から話せる時が来るまで、私の胸の中にし
まっておきます。騒いだりしてすいませんでした」
しっかりと、ちっちゃい手を握りながら・・・
- 195 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:48
- 「ううん、分かってくれてありがと。ね、ほら、最近下の子達もさ、微妙な関係
に目覚め始めてる子、いるからさ。人を好きになることはいいことだけど、まだ
精神的に抑えが効く年齢じゃないから。暴走したらまずいでしょ」
「そうですね。私も気を付けます」
「いや、梨華ちゃんはまだいいのさ。問題は・・・・」
と、その時
「あぁぁぁぁぁぁぁ!ちょ〜〜〜〜っとぉ、あたしの梨華ちゃんに何するのぉぉ〜」
まばらとは言え、ちらほらと人通りがある路上を、絶叫しながらダッシュを
かます王子様・・・・・
「・・・確かに問題ですね・・・・」
「だろ?ちゃんと教育しとけよな」
「はい。すいません」
・・・タタタタタタタッ・・ズザァー・・・
- 196 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:50
- 「はぁはぁはぁ・・・・・ングッ、早く終わったから迎えに来てみれば・・・・
梨華ちゃん・・・・大丈夫?・・・・はぁはぁ・・・変な事されなかった?」
「おい、ごっつぁん、変な事って何だよ。意味わかんないから」
ごっつぁんにしがみつかれたまま、申し訳なさそうにしている梨華ちゃん。
「矢口さん、ごめんなさい。ちょっと真希ちゃん、そんなに私のこと信用
できないの?」
「だって違くて、やぐっつぁんが手なんか握ってるから、梨華ちゃんが拉致
られてお持ち帰り・・・」
「真希ちゃん!矢口さんがそんなことするはず無いじゃない。第一、矢口
さんが助けてくれなかったら、私達、付き合ってなかったかもしれないの
よ。それなのに・・・・」
- 197 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:52
- と、その時にわかに感じる複数の視線・・・・・・え?
「あれ、ほら、後藤真希じゃん、それに石川じゃない?」
「うっそ・・・・あ、ホントだ似てる」
「それに、あのちっちゃいの、矢口だし」
「すっげー、ビッグ・スリーじゃんか」
・・・ち・・・ちっちゃいって言うな〜!
・・・って、何のビッグスリーだよ。
そりゃ〜、あんなに大声で名前を連呼すれば、誰だって気付くはなぁ・・・・
さてと、はい、やばいよー。
何時の間にかコンビニの前に溜まっていた4,5人のねーちゃん達。
「梨華ちゃん、うちらバレてるから。逃げるよ」
「え、あっ・・・はいっ」
- 198 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:54
- 気付かぬ振りで、そのままゆっくりと歩き出す。
大通りに出たところでちらっと後ろを見ると・・・
うっわ、男も混ざってるし。しかも、5,6メートル後をぴったりついて来る。
ちっ、走りたくないけど・・・しょうがないか・・・
と、その時、ウインドー全面にスモークを張った一台の白いワンボックスが
ハザードを出して目の前の歩道に乗り上げ停車した。
うわぁ〜、よく映画で見掛けるような、拉致るシーンみたい・・・・
ガラッとサイドドアが勢い良く開いた。
「矢口さん、みんなも早く乗ってください。逃げますよ!ほら早く」
えっ?と思う間もなく、中からニュッと出てきた細い腕に引きずり込まれる。
「梨華ちゃん、ごっちんも、早く!」
「んぁ、・・・はっ、梨華ちゃん乗って」
3人車中へなだれ込む。
- 199 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:55
- 「OKです。お願いします!」
待ち構えていたように走り出す。
「いやぁーもしかしてグッドタイミングでした?ニャハハ」
「亜弥ちゃん!」
「まっつー」
「はぁ〜助かった。ありがと亜弥ちゃん、でも、また何でこんなところに・・・・」
「収録で遅くなっちゃったんでー、宅送してもらう途中だったんですけどぉ、
ぼけぇ〜っと外を眺めてたら見覚えのある3人が追い掛けられてるのが
見えたからぁ、こりゃいかんって」
「ありがとう、マジ助かった。え、宅送って・・・・・あの、運転手さんご迷惑
お掛けしてすみません。適当なところで下ろして頂ければ結構ですので」
「いえいえ、迷惑だなんて。大丈夫ですよ。このまま帰宅されるのでしたら
それぞれのご自宅までお送りしますが」
- 200 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:57
- 「そんな、申し訳無いです・・・」
「いえ、実は私、保田さんと時々飲み屋でご一緒させて頂くんですけど、
いつも言われてるんです。何かあったら、あなた方のこと助けてあげて
くれって。こんな私みたいな只の運転手に」
「圭ちゃんが?」
「ええ。中澤さんもそうみたいなんですけど、保田さんって、一緒に飲んだ
相手には必ず、うちの娘達をよろしくって、いつも言ってますよ。」
「え、そうなんですか。・・・・じゃ、あの、すいませんけど、お願いしても
いいですか?」
「はい、喜んで」
「じゃ、矢口はマンションの方でお願いします。で、どうする、梨華ちゃん」
「あ、じゃあ、ごっちんは遠いから、二人とも石川のマンションにお願いします。
えっと、場所は・・・」
- 201 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 19:58
- 「あ、大丈夫ですよ。2つ手前のマンションに着ければいいんですよね」
「はい。って、え?どうして・・」
「一度お送りしたことあるんですよ」
「へ?あーそうでしたっけ、すいませんお願いします」
「・・で・・あの・・ごっちん?」
「んー?」
「いつまでしがみついてるの?」
「んー?・・・気が済むまで・・・」
「もうそろそろいいんじゃない?」
「何?その迷惑そうな言い方」
「いや、迷惑じゃないけど・・・・」
「じゃーいいじゃん」
- 202 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:00
- 離れようとはしない真希の耳元に顔を近付け・・・こそっと・・・
「真希ちゃん、うちに着くまで我慢して。ね?その代わり、今晩は何でも
真希ちゃんの言うこと聞いてあげるから」
そう言った途端、真希はパッと梨華から離れた。
ニャニャしながらおとなしく前を向いて座っている真希を訝し気に見る松浦。
「ねぇねぇ矢口さん?梨華ちゃんは今、何て言ったんですかね?」
「そんなの決まってるじゃん。おとなしく゛待て″ができればね、後でご褒美
をあげるって言ったんだよ」
「はぁ〜、良く訓練できてますネェ・・・」
「エサで釣らないと言うこと聞かないけどね」
「で、ごっちんの喜ぶご褒美って何ですか」
「・・・・・亜弥ちゃん、知ってて聞いてるだろ」
「ニャハハハ・・・」
- 203 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:11
-
-- Intentionally left blank --
- 204 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:12
- 日本全国一億三千万人の紺野ファンの皆様、おはようございます。
実はですね、今日は藤本さんとデートなんです。
あぁ、いい響きですね。「デート」・・・・わー。
何だか嬉しくって、昨日家に帰ってから課題を1/3程終わらせてしまい
ました。だから、余裕で午前中には終わると思います。
でも、正直驚きました。だって、藤本さんに誘われるのって始めてだったから。
いつも遊びに行くのは、やっぱり5期同志が多いです。あとは、同じ年の
のんちゃんとかあいぼんとか。
- 205 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:13
- 藤本さんって、凄く格好いいんです。大人っていうか、一見ぶっきらぼうに
見えますが下の子達にとても気を使ってくれるし、質問しても丁寧に教えて
くれます。
それに、頭の回転が早いし、決断力もあります。何て言いますか、つまり、
全て私と正反対な感じです。
やっぱり、憧れるじゃないですか、そういう人って。最初はちょっと恐かったん
ですけど。
え?・・・だって、他のメンバーに「紺野を見てると突っ込みたくなる」って言って
るって聞いて、どうしよう・・・・って思ってたんですけど、でも実際には凹みそ
うなことって一度も言われたことはありません。
むしろ、逆にとても優しく接してくれます。単なる噂に振り回されていただけな
のかもしれません。
・・・・確かに、気は短いですけど。
- 206 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:15
- だから、やっぱりデートとなると、イライラとかさせてしまいそうで、迷惑を
かけてしまいそうなので一瞬断ろうかとも思ったのですが、どういう訳か、嬉
しそうに誘ってくれてる藤本さんの笑顔につられて、つい同意をしてしまいま
した。
あ、そうそう、藤本さんって、在り得ない程顔が小さいんです。私って、顔の
大きさにコンプレックスがあるじゃないですか。
なのに藤本さんは、なんと、お豆や田中ちゃんよりも小さいんです。
もし私と並んで歩いたりしたら、とんでもないことになりそうで。ちょっと
恐いです。私が2m位後ろを歩けば、丁度良いのかも。
そんな事より、早く終わらせないと。折角早く起きたのに無駄になって
しまいます。
よしっ!速攻で片付けますからね。
- 207 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:17
-
・・・紺ちゃん、頑張ってるかな。ごめんね、美貴の我がままで無理言って。
でも、この決心が鈍らない内に、この胸の思いを伝えたい。
どこでどうやって告白しよう。渋谷近辺を思い浮かべながら色々とシナリオ
を考えてみる。
きっとお昼頃になるから、まずご飯を食べて。実は、もう予約してあるんです。
以前、会社のちょっと偉い人に教えてもらったリーズナブルな和風懐石で、
紺ちゃんの好きなおいもとかかぼちゃをメインにしたコースもあるお店。
これなら、メニューを見て迷わずに済むし、きっと気に入ってくれると思う。
個室なので、紺ちゃんでもゆっくりとできるし。
まぁ、美貴的には焼肉がいいんだけど、この際そんなことは言っていられない。
あと紺ちゃんに似合いそうな可愛い服とか、美貴の趣味で選んであげたいから、
んー、基本でマルキューから?
- 208 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:18
- あと、当然プリクラは必須でしょ。だって、もしかしたら二度と二人で撮る
機会なんか無いかも・・・・・あ、いけね。またネガティブ・・・
できれば告白タイムは夜になってからの方がいいんだけど。もし初一発で振
られたりなんかしちゃったら、後のデートが気まづくなるじゃん。
夕食はどうしよう。何か買い込んで、美貴の家に連れ込むか。
手料理は・・・・無理!
でも外食すると、その後のタイミングがつかみづらいし。ちょっと買い込ん
で、美貴の家で・・・・ご飯して、そのまま告って。どうよ!
おし!・・・・部屋の掃除しなくちゃ・・・・・
- 209 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:21
-
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
- 210 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:22
- 「おー、相変わらず凄いことになってるねぇ」
私の部屋に上がり込んだ真希ちゃんの第一声。
「しょうがないじゃない、急だったから、部屋を片付けてなかったの」
「んはは。でもさ、いきなり来てさ、梨華ちゃんの部屋が綺麗に片付いて
たら、ショックかもしんない」
「えー?なぁ〜んでよぉ」
「だってさ、梨華ちゃんが掃除する訳ないじゃん。だから、誰かが来て
掃除してるのかもって、心配になるじゃん」
「ひっどぉ〜い!私は浮気なんて絶対にしてませんからね。それに、たま
には掃除くらいしてます」
- 211 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:23
- 「で、梨華ちゃんご飯食べた?」
「あれ、軽く流されたし。ご飯?夕方にお弁当食べただけ」
「ごとーはまだだから、軽く作るよ。冷蔵庫は何かある?」
「うん。・・・・あー、どうかな。ご飯とかは冷凍してあるけど」
「ん、じゃ台所、勝手に漁るよ〜」
いつもの決まり文句とともにキッチンに消えて行った真希ちゃん。バタバタ
と戸棚やら冷蔵庫やらを物色しているらしい。
取りあえず、部屋を片付ける。やろうと思えばすぐ片付くのに、生来の横着
な性格が何故かそれを許さない。
やがて、まな板の上で包丁がリズミカルに踊る心地よい響きと、ジューッ
という食欲をそそる音が聞こえてきた。
・・・凄いな、真希ちゃんって。いつもあり合わせでちゃちゃっとご飯を作って
しまう。
- 212 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:24
- その手際の良いこと。それに引き換えアドリブの効かない私は。
・・・はぁ、ちょっと自己嫌悪。
真希ちゃんはね、「梨華ちゃんはこのままでいいよ」って言ってくれるん
だけど、でもね、お姫様より女らしい王子様ってどうなの?
でもね、私だってお料理の本を買ってきたり、ママに教わったりして、これ
でも随分作れるようになったのよ?
たまに分量適当になるけど。
「梨華ちゃ〜ん、できた!そっち持ってって」
「はーい」(早!)
キッチンへ行ってみると・・・・軽い眩暈に襲われた。
あの、確か軽く作るって言いましたよね。
「真希ちゃん、これ・・・・二人分?」
「他に誰かいたっけ?」
「・・・・・・・」
- 213 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:26
- 「やっぱあれだね。めっちゃお腹が空いてる時にご飯作るのは危険かも。
量の加減ができなくなるから・・・・あはは」
「あははって。真希ちゃんのは美味しいから本当に危険」
「大丈夫だよ。だってこれから激しい運動しなくちゃいけないから、しっかり
食べないと」
「・・・・・・・・」
「帰りの車の中で約束したじゃん。今晩はごとーの好きなようにしていいって」
「・・・・・あ・・・」
「梨華ちゃん、明日オフだよね?足腰立たなくなっても平気でしょ?最近ご無沙汰
でしかもまたしばらく会えないし。だから、寂しくならないように梨華ちゃんの中
をごとーでいっぱいにしてあげる」
・・・・あぁ、神様・・・・
- 214 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 20:28
- でも、確かに真希ちゃんと会えない日は、どうにかなっちゃいそうなほど
寂しくなるよ。
・・・・そうだよね・・・・矢口さん。
「私も・・・真希ちゃんをいっぱい感じたいな」
「・・・え?」
きっと、いつものように私が怒ると思ったのだろう。
予想もしない言葉に、一瞬目を点にして口をあんぐりと開けたまま固まった真希ちゃん。
(ペンギンか私は!)
でも、徐々にひきつった顔から満面の笑顔へと変わっていった。
「オッケー。じゃさ、もりもり食べよー!」
- 215 名前:たまえす 投稿日:2004/09/19(日) 20:41
- 一時中断。
今晩中にもう少し更新したいと思います。
- 216 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:11
- 〜♪〜♪♪〜・・・
[ − 着信中 − 紺野あさ美 ]
部屋でごろごろしながらファッション情報誌をペラペラめくっていると、携帯が
電話の着信を知らせた。
「もしもし紺ちゃん?」
「あ、おはようございます」
ちらっと時計を見ると、まだ11時前。
「おはよー。えっ、もう終わったの?」
「はい、藤本さんと早くデートしたかったので頑張りました」
思いがけない言葉に、ちょっとウルッと来てしまった。
- 217 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:11
- 「わー、ありがと。そしたら、渋谷で待ち合わせで大丈夫?」
「はい。何時にしましょうか」
「そーだね、じゃあ12時半でいいかな。渋谷駅のハチ公側から
モヤイ像側に行く通路わかる?駅にくっついてる東急の1階の」
「えーっと、あの、あ、わかります」
「ん、じゃそこの通路の真ん中ら辺で」
携帯から『クスッ』という声が漏れた。
「え、美貴何か変な事言った?」
「あ、ご、ごめんなさい。だって、真ん中ら辺って・・・・・」
「えー、おかしい?」
- 218 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:13
- 「いゃー、でも、好きなんですよ。藤本さんの真ん中ら辺って」
「滝川をバカにしたなぁ」
「あ、す、すいません。バカになんかしてませんよ〜、いいところ
じゃないですか。私、好きですよ」
「はは。うそうそ。じゃ、そういうことで、先にゆっくりお昼御飯食べ
てからマルキューでも行ってみようか。御飯まだでしょ?」
「はい。では12時半に」
「うん。じゃ後でね」
「はい。失礼します」
・・・ぷちっ・・・
1時間半あれば紺ちゃん大丈夫だよね。
よし!
- 219 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:13
- 12時半・・・・まだ余裕がありますね。
ドレッサーに飛び付くと、メイクを始める。
・・・・デート・・・・
どうしよう・・・いつもの通りでいいのかな。
藤本さんってどんな感じが好きなんだろう。
何故か意識をしてしまう。おかしいよね。
そう思いつつも、ビューラーを持つ手に力が入る。
・・・気合を入れるほど、まつ毛長くないけど。
チークに薄くピンクを入れて。
・・・あぁ、きもいって言われないかな・・・・
速攻で癖っ毛を伸ばす。
・・・よしっ!
- 220 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:15
- ショップを周るって言ってたから、動きやすい格好がいいよね。
パンツにTシャツ、薄手のジャケットを羽織って、家を出・・・・
あ、バッグ!
パタパタと部屋に戻って、小さめのショルダーを取って玄関へ。
鏡に向かって、もう一度チェック。・・よし。
ん?違和感・・・
あぁー!帽子忘れた・・・・大変大変・・・
・・・・パタパタパタ・・・・
またまた部屋に戻って、幾つか手に取り迷った挙句、結局お気に入り
のキャスケットを選ぶと、玄関を飛び出した。
- 221 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:16
- はい。と言う訳で、渋谷駅のハチ公口前にやってまいりました。まだ時間
まで10分ちょっとあります。
平日なのに何だろ、この人の多さは。
って、別にこんなとこから外に出なくたって良かったんだけど。
ぐるっと辺り見まわすと、ハチ公と宝くじ売場の横を通って東急の中へ入る。
通路の交差している真ん中ら辺で立ち止まり、時計を見ると
12:15
まだ来てないか・・・・・
壁にもたれて携帯を出そうとした時、駅側の通路にあるアクセサリーの
ワゴンを覗き込んでいる茶色のキャスケットが目に入った。
- 222 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:17
- ・・・・ いた ・・・・
そっと近付いて後ろから覗いてみると、革紐で編んだ可愛いブレスレットを
2種類手に取って、じーっと見詰めている。
同じデザインで、白っぽい革のと、茶色い革のもの。
両手に持って交互に上げたり下げたり・・・・・。
・・・・クスッ、紺ちゃんらしい。選ぶの苦手なんだよね。
「すいません、これ2つともください」
お金を払って・・・・
「あ、このままでいいですから」
びっくりして、口をぱくぱくしている紺ちゃんの手を取ると
「行こ?」
「は、はいっ」
- 223 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:18
- 歩きながら、紺ちゃんの手首に茶色い方を着けて。
ほわんと自分の腕のブレスを見詰めてる紺ちゃん。
白い方は美貴が自分の手首に着ける。
「ほら、お揃いだよ。結構かわいいね、これ」
「あー、あの、いいんですか?」
「ん?プレゼント」
「ありがとうございます。・・・・・・わぁ〜、嬉しいです。藤本さんとペア
なんて。あの、ずっと着けててもいいですか」
「もちろん。じゃあ美貴もずっと着けてよーっと」
嬉しいのは美貴の方だよ、紺ちゃん。
良かった。喜んでくれた。
深く被ったキャスケットの下から、満面の笑顔が見える。
- 224 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:19
- ・・・・ん?・・・あ、ふっくらほっぺがうっすら桜色
・・・・美貴のために?
「こ〜んちゃん、今日のメイクはデート仕様なの?ほっぺが桜色で可愛いよ」
「え!?あ、・・・・・・は、はい。・・・あ〜なんか恥ずかしいです」
「どうして?だって、美貴のためにお化粧してくれたんでしょ?いつもと
ちょっと雰囲気が違って、なまらめんこいさ」
あれ、下向いちゃった。
「こ〜んちゃん」
覗き込もうとすると、あっち向けと言わんばかりに美貴の顔をぐいっと押し返す。
うぉぉぉぉーっ・・・か・・・可愛い・・・・
- 225 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:20
- 負けずにキャスケットを少し持ち上げて、耳元で「可愛いよ、あさ美ちゃん」
と畳み掛ける。
「からかわないでくださいよ〜」
照れ隠しなのか、繋いだ美貴の手をブンブン振りまわす。
あ〜あ、顔が真っ赤。
「どうして?だって、ホントに可愛いのに」
繋いだ紺ちゃんの手が熱を帯びてくる。
「あ、あのぉ〜、お、お昼御飯どうします?」
ちっ、逃げられたか・・・・・
「美貴にまかせてくれる?お昼はね、和食だよ」
- 226 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:21
- 「和食ですか。藤本さんが和食って珍しくないですか?」
「えー、そっかぁ。やっぱ、美貴って肉ばっかのイメージあるのかな」
「だって、いつも自分で言ってますよね」
「まあね。でも、今日は紺ちゃんがメインだからさ」
「えぇ〜?何でですか?」
「ふふ、何ででも〜。あ、今日は何時頃まで平気?」
「そうですね、9時頃までなら大丈夫です」
「じゃさ、晩御飯はデパ地下で何か買い込んで、美貴んちで食べない?」
「はい!・・・私、大好きなんですよ〜。一日いても飽きませんよね、
デパートの地下食品売り場って」
- 227 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:22
- 「なはは、紺ちゃんまた似合いそうだもんねぇ」
「美味しそうなのが一杯あるから、選ぶのが楽しいんですよ。すっごい
時間かかりますけどね」
「おっけー、それじゃ早めに行こうね。あ、そこ左。もうすぐだよ」
こんな風に他愛も無いおしゃべりをしながら紺ちゃんと手を繋いで
街を歩くのが夢だった。
今まで、お仕事の移動の時とかは何回かあったけど、今日は違う。
お昼の渋谷。
沢山の人が行き交う中、手を繋いだ紺ちゃんと美貴だけの空間が、
とても暖かい。
- 228 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/19(日) 22:35
-
・ ・ ・ ・ ・ ・
--- Intentionally left blank ---
・ ・ ・ ・ ・ ・
- 229 名前:たまえす 投稿日:2004/09/19(日) 22:36
-
本日はここまでです。
- 230 名前:たまえす 投稿日:2004/09/19(日) 22:39
- 次回は、冒頭に新たなCPが登場します。
(賛否が分かれそうですが・・・)
あと、初エ(ry も出てくるので、守備範囲でない方はスルーで
お願いします。
それでは失礼しました。
- 231 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/20(月) 00:01
- エ○期待。
- 232 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:44
- 「?・・ち、ちょっと、何で泣いてるのさ」
まぁ、どんな人でも普通、怒れば恐いものなのだが。
こいつの恐さときたら・・・・
ミキティも真っ青の背筋も凍り付くような、怨念のこもった上目使いの
鋭い眼差しで、涙をボロボロとこぼしながら、ジィーーっと私を見据える。
「おーい、おまえホントわかんねーって。どうしたのさ」
嘘。
今まで、何かに付け二人の関係をいじられる度につい悪乗りしてきたが、
多分、昨日の番組収録中に思わずウケ狙いで言ったあの一言で、彼女の
我慢の限界が崩壊してしまったのだろう。
- 233 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:45
- 「吉澤さん、本気なんですね・・・・私のこと・・・・邪魔なんですね・・・・」
「んな訳ねーじゃん、あれは冗談だって」
肩を抱き寄せようと伸ばした手をパシッとはたかれる。
今まで何度となく修羅場はあったが、今回は何かこう、『ゴゴゴゴゴォー』っと
地鳴りが起こりそうなほど。
どう考えても悪いのは私。
麻琴の気持ち、分かってるくせに。
つい、ウケ狙いに走ってしまう自分が悲しい。
もともと、触り心地のいい麻琴にセクハラまがいのちょっかいを出しま
くっていて。
でもそれは、別に麻琴だけじゃなくて他の子にもしてたけれど。
- 234 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:46
- でも、垣さんを触った時は高橋にシカトされ、重さんを触った時は、かおりん
に小1時間説教されて。
亀井を触った時には田中が腕を振り回して追い掛けて来て。
こんこんを触った時には、何故かミキティに回し蹴りを食らった。
・・・・自分がされると喜ぶくせに。・・・・・^^;)
度重なるそんな日常の行為が、乙女な麻琴の恋心に火を着けたらしい。
最初はまとわりついてくる彼女がウザいと思うこともあった。
でも、突き放してもメゲずにくっついてくる麻琴が次第に可愛く思えてきて。
何時の間にか、彼女から元気を貰っている自分に気が付いて。
私とじゃれてる時の嬉しそうな麻琴が本当に愛しくて。
- 235 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:48
- でも、所構わずストレートにぶつけてくる彼女の気持ちを、素直に受け止める
のが恥ずかしくて。
結局、いつも辛い思いをさせてしまう。
「麻琴・・・ごめんな。いくらネタでも、今日のは調子に乗り過ぎた。私が悪かった」
大きな瞳から涙が止めど無く流れている。
口をへの字にしたまま・・・・
雄大な穀倉地帯の豊かな自然の中で育まれた、素直な優しい心の持ち主。
それでいて、学校とダンス教室、陸上競技を両立してきた根性も合わせ持つ。
その結果、ダンスはコンサートなどでご覧の通り。かなり遠くの席から見ても、
はっきりと麻琴と分かるほどの切れがあり、陸上も、色々な番組でメンバーや
スタッフを驚かせている。
- 236 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:49
- この子は、自分の苦労とか辛さとか、弱音は絶対に吐かない。いつも周り
に気を使い、明るく楽しく振舞ってみんなの気持ちを和ませる。
それだけに、滅多に見せない彼女の涙は私の心に深く突き刺さる。
恐る恐る手を伸ばして、頬を流れる涙を拭う。今度は払われなかった。
私の手に頬を擦り寄せてきた。そのまま近付いて抱き締める。
「ごめんな。ホントにごめん。・・・ってゆーか、キライな訳ないじゃん」
「ん〜・・・んくっ・・・んん〜でもぉ・・・・吉澤さんはぁ・・・・いっつもね、
きもいって・・・・それにぃ・・・私よりもぉ・・・・ん〜、藤本さんといる方が
・・・・楽しそう・・・・」
怒りが落ち付いてきたのか、爆裂怨念モードからご機嫌斜めお子ちゃま
モードに変わっている。
- 237 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:50
- そっか。ミキティに。嫉妬してたんだ。でも、君は気付いてないかもしれ
ないけれど、彼女の恋心は別の子に向いているんだよ?
毎日見てれば気付くと思うんだけど。
「ミキティには、別にちゃんと好きな人がいるんだよ?私とは本当に何も
無いからね」
「ん〜・・・で、でも・・・・悔しいけど私よりも似合うかな・・・って・・・」
「そんなことねーって。みんなうちらのことお似合いだって言ってるじゃん」
「でもぉ・・・」
「わかった。いつもはぐらかしてばっかで、はっきり言わなかったけど、良く
聞いて。・・・・私が好きなのはお前だけだから。麻琴、愛してるよ」
チュッとキスをして。更に強く抱きしめる。
ちょっとしょっぱい、涙の味。
- 238 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:51
- 「私がこんな性格だから、もしかしたらこれからも心配かけちゃうかもしんない
けどさ、麻琴だけだよ。信じて欲しい。ね?」
「んぐっ・・・ん〜」
「ほら、もう泣き止めって」
「・・よ・・しざわさん・・・ん〜〜ングッ・・」
「ん?何?」
「・・ウッ・・・嬉しい・・・あ・・いしてる・・・って始めて・・・・・・・言って
・・・・・ンクッ・・・・・・・・でもぉ・・・ホントに?・・」
最近ちょっとふっくらし過ぎの頬に両手を添えて。
「ほら、私を見て。もう一度言うよ?吉澤ひとみは小川麻琴を心から愛して
います。優柔不断な私だから、心配かけちゃうかもしれないけど、これから
も私の彼女でいて欲しい」
- 239 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:52
- 麻琴の大きな瞳から、新たな涙が溢れてきて。でも、きっとこの涙は、
さっきまでのとは違う。
だって、表情がとっても柔らかくなっていて。
頬を包む私の手に、綺麗な雫が溜まってはこぼれ落ちる。
そのまま、もう一度口付ける。
最初少し震えていた麻琴の身体が次第に落ち付いて。
・・・ホント可愛いんだよ、こいつ・・・
- 240 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:54
-
「ほら、ここだよ?」
駅から10分程歩いてビルに入る。
階段を上がって2階の和風の引き戸を開けて、店内へ。予約専門なので、
この時間でも並ぶことは無い。
「いらっしゃいませ」
「あ、藤本です」
「はい、承っております。どうぞこちらへ」
案内されるままついて行く。
「こちらです」
- 241 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:55
- 奥の個室の障子を開けると、4畳半位の部屋。
靴を脱いで座敷に上がり、木目の綺麗なテーブルを挟んで座る。
「何だか凄い所ですね。でも空いてて良かった・・・」
「ここはね、予約だけなんだ。だから決まった人数のお客さんしか来ない
から空いてるんだよ」
「えぇ?じゃあ、・・あの・・・藤本さん予約してくれたんですか?」
「うん」
「え、でも・・・・私の課題がいつ終わるのかも分からなかったのに・・・・」
「でもいいじゃん。予約した時間にほぼピッタリだったもの」
「あ〜・・ごめんなさい・・」
「え?な、何で謝るの?」
「だって、もし間に合わなかったら、藤本さんに迷惑かけるとこでした」
- 242 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:56
- 申し訳無さそうに下を向く紺ちゃん。
ダメじゃん。喜んでもらおうと思ったのに。
「こ〜んちゃん、全然大丈夫だよ?きっと紺ちゃん、気に入ってくれると
思うから。それに、ここならゆっくり食べられるからね」
その時、障子をノックする音。
「失礼致します」
「はい」
入れ替わり立ち変わり、何人かの店員さんが出入りした後、お膳の上には
色とりどりに盛り付けられたお皿やら小鉢やらが所狭しと並べられていた。
- 243 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 20:57
- 「うわ〜〜っ、すごいですねぇ。何だか温泉の旅館に来たみたいです」
美貴は何年か前に、会社の偉い人に一度連れて来てもらった事があった。
しかし、お昼なのに・・・何だ?この量は。
一鉢ずつは小さいけれど、いやお見事。
紺ちゃんの目は、まるで少女漫画のようにキラキラで。
「美味しそうだね。食べよっか」
「はい」
「「いただきます」」
ほら、その笑顔。
できるならばお料理の助けを借りないで、美貴の魅力だけでそんな風に
キミを輝かせたい。
- 244 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:00
-
- - - - - - - - - - - - - - -
- 245 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:01
- 「ちょっと、真希ちゃん大丈夫?」
床に座ってソファーに持たれ掛かり、ポッコリと出たお腹をさすっている。
「ファンの子が見たら泣くよ?」
「あたしが大食いなのはみんな知ってる」
「そりゃそうかもしれないけど、どうなの?その格好」
「この位いっとかないとね。一晩もたないから」
「一晩って・・・・・・え?」
「でも、ちょっと休ませてね。まだ動けそうもないから」
どう考えても軽く二人分はありそうなてんこ盛りのチャーハンを、しかも
私の残した分まで全部平らげて。
一体、この細い身体のどこに入るのか。
- 246 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:02
- ・・・・はぁ〜・・・・
「あ、今呆れたでしょ」
「えぇ?あ・・・・いやぁ・・・」
「それもこれも、みんな梨華ちゃんのためなのに。少しでも梨華ちゃんをね、
喜ばせてあげようと思ってスタミナをつけてるのに・・・」
「またぁ、そーやっていっつも・・・・?真希ちゃん?」
食器を持ったまま、ふと視線を落とすと、
え?
悲しそうな顔で大きな目に涙を一杯に溜めて私を見上げている。
「真希ちゃん?」
どうしたの?てっきり、いつもの冗談だと思ったのに。
- 247 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:02
- 慌てて食器をテーブルに戻すと、真希の隣に座る。
「ごめんね、・・・・ごめん。わかってるからね。真希ちゃんの気持ち。
泣いちゃヤだよ、私もね、今日すっごく楽しみだったんだから」
「うぐっ・・・なんかね、私ばっかり梨華ちゃんのこと欲しがってるのかなって」
「何言ってるのよ、そんな訳無いじゃん。真希ちゃんがいなけりゃ私ダメだもん。
お願いだからそんな悲しいこと言わないで」
ぎゅーっと抱き締める。
いつも心のどこかにある不安。
解り合えてる筈なのに、ふとした瞬間に、悪戯に顔を覗かせる。
まるで、二人の愛を再認識させる機会を与えるかのように。
- 248 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:04
- 「お風呂いれて来るからね」
頬にチュッとキスをして、食器を下げにキッチンへ。振り返ると、まだこちら
をじっと見詰めている。
「待っててね」
お風呂をセットしてちゃっちゃと食器を洗い真希ちゃんのところに戻ると、
ベッドにもたれたまま、両手を差し出して来る。
真希ちゃんの足の上に向かい合うように座ると、抱き締めて・・・・キス。
柔らかい唇の感触をたっぷりと楽しんだ後ゆっくりと舌を差し入れると、
キューッと吸い込まれた。
ぶわっと鳥肌が立つ。
そのままじっとしていると、まるでアイスキャンディーでも食べるかように
私の舌を弄ぶ。
- 249 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:05
- 口内をゆっくりと動き回るなまめかしい柔かな舌触りが、徐々に全身の
感覚を高めていく。
しばらくそうしていると、---ピピピッ---
あ、お風呂・・・・
そっと唇を離して、
「お風呂、入ろ?」
真希ちゃんは、にこっと微笑んで私のジャージのチャックをチーッと下ろして
脱がし、Tシャツも脱がすと、ブラを外して胸に両手を添えて、形を確かめる
ようにゆっくりと優しく揉み上げる。
「あ、・・・ん・・・真希ちゃん・・・お風呂・・・」
「ん・・・・・あ〜、やっぱり好きだなぁ、梨華ちゃんの事」
「うん。私も好きよ、真希ちゃん」
- 250 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:06
- その後、お風呂に入っていつものように隅々まで丁寧に洗ってもらって。
髪の毛を乾かしてから、ベッドに移動して。
「梨華ちゃん、何でも言うこと聞いてくれるんだよね?」
「あ・・・・・・・・う、うん」
すっかり忘れていた。ニヤつく真希ちゃんを見て、妙な恐怖感に襲われる。
やおら立ちあがると、部屋の照明を全部消してからカーテンを開け、ベランダ
の窓を全開にする。
「な、何するの?」
「へへっ」
私の手を取ると、ベランダへと連れ出した。
- 251 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:07
- いくら電気を消しているとは言え、全裸で表に出るのは相当恥ずかしい。
「嫌、真希ちゃん、恥ずかしいよ」
「一度、外でしてみたかったんだよね。あんまし大きな声出しちゃダメだかんね」
私を外を向くように立たせ、後ろから優しく胸を揉みしだきながら、首筋から
背中に唇を這わす。
そう言えば、こうして夜景を見る事ってあんまり無いかもしれない。結構綺麗。
次第にポイントを攻め始める真希の愛撫に以外とリラックスして身を任せて
いる自分にちょっと驚きつつ、しかしいくら夜でも、もしかしたら見られて
るかも、という羞恥心が、更に感覚を高める。
- 252 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:08
- 時折心地良い風が、火照る素肌から熱を奪い去ってゆく。
「あうっ・・・あぁぁぁぁっ」
「シッ、声大きい」
いきなりパンパンに立っている両乳首をクニュッと押しつぶされ、思わず大声
が出てしまった。
乳首をこねまわされる度に、身体の中心を爪先に向かってビリビリと電気が
走る。
あそこからジュワーッと溢れ出る感覚。いつものベッドの上とは全然違う。
時折飛びそうになる意識と戦いながら、ベランダの手すりにしがみついて
必死に足を踏ん張って耐える。
- 253 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:09
- 「梨華ちゃん、もうちょっと足開ける?」
「ん・・・」
「もう少し腰落として・・・」
言われた通りにすると、後ろから真希ちゃんの気配が消えた。
・・・・?
と、その時。
「うひゃうぅぅぅーっ」
いきなりあそこに直接的な刺激。
驚いて下を見ると、私と反対向きにしゃがんで、上向きに私の部分を舐めて
いる真希ちゃんのシルエット。
- 254 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:10
- 強烈な感覚が全身を掛け抜ける。
「はぅぅぅぅぅっ、あっ・・・・あぁぁぁぁっ・・・・」
「梨華ちゃん声でかい!」
声が出そうなのを歯を食い縛って堪えながら、しばらく真希ちゃんの舌技
を楽しむ。
夜景が綺麗。
真希ちゃんがするっと立ちあがって、横から私を抱きしめる。
「入れるよ?」
「うん」
- 255 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:11
- 優しい眼差しで私をじっと見詰めたまま、静かに指を沈めてくる。
「や、見ないで・・・・恥ずかしい・・」
「どうして?すっごく綺麗だよ?」
指が動くたびに真希ちゃんの顔が一瞬ぼやけて、快感が全身を突き抜ける。
追い討ちを掛けるように、右の乳首をぱくっとくわえると、背中越しに左手
で左の乳首を摘まんで、舌と指でぐにゅぐにゅとこね回しながら、抜き差し
する指も増やしたからもう堪らない。
「んんんんっ、ぐぐぐぅっうっうっ・・あぅっ・・」
頭の中が白くなっていく。
- 256 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:12
- ものすごい刺激に、ガクガクと痙攣を起こす。
「も・・・もう・・・・あっ、あっ・・ん〜ック」
「イっていいよ梨華ちゃん、ちゃんと支えてるから」
腰に左腕を回しがっちりと抱きかかえるようにして、右手でさらに激しく
攻め立てる。
一気に登り詰めて、突然目の前が真っ白になって、全身の力が抜けた。
「ハァハァハァ・・ングッ、ヒュ〜ッ・・・・」
少しして、徐々に視界が戻ってきた。
そこには、私をしっかりと抱きしめたまま優しく微笑んでいる真希ちゃんの顔。
- 257 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:13
- 「大丈夫?」
「ん、ちょっと動けそうも無い感じ・・・」
「どうだった?初の部屋の外でのエッチは」
「ちょっと・・癖になりそう・・・すごく良かった」
にまっと笑った真希ちゃん。
「ね?ね?ずーっとね、一度やってみたいなって思ってたんだよね。でもさ、
いつもの梨華ちゃんだったら、変態とか触らないでとか言われそうで、恐く
てお願い出来なかったから」
「あのね、めっちゃ恥ずかしいんだけど、でも、ベッドよりも感じた気がする」
「そっか。じゃ今度はベッドでしようよ」
「うん」
- 258 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:14
- 真希ちゃんに抱き抱えられてベッドへ。
しっかりと窓を締めて、カーテンを引いてもらって。
既に、極限まで追い詰められていた感覚はそのままベッドでも持続して。
こんなに乱れたのって初めてかもしれないってほど、何度も何度も登り詰めて。
何時の間にか気を失っていたようで、ふと気が付くと、優しく私の髪を撫で
ながら隣で微笑んでいる真希ちゃん。
私も思わず笑顔になって。
「大丈夫?」
「うん」
「ベッドでも凄かったじゃん、梨華ちゃん」
- 259 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:15
- あなたがやったんでしょ!と突っ込もうと思ったけど、とても満足そうな真希
ちゃんの顔を見て、あぁ、真希ちゃんも良かったんだってわかった。
「真希ちゃん、あのね、今までで一番良かったかも」
真希ちゃんの笑顔が、さらに明るくなる。
「私もね、こんなの初めてかもしんない。梨華ちゃんが最後にイッた時にね、
私も一緒にイッちゃった」
「え、私、何もしてないのに?」
「なんかね、どんどん気持ち良くなってく梨華ちゃんを見てたらね、何かしんな
いけど私も一緒に気持ち良くなってきてね、最後、梨華ちゃんがイッた瞬間、私
もパーッて頭が真っ白になっちゃって。しばらく動けなかった」
嬉しそうに話す真希ちゃん。
でも、それって凄いことだよね。
- 260 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:16
- 「私達が一つになれた瞬間なんだね」
何だかものすごい感動が込み上げてきて、
涙が溢れてきた。
「梨華ちゃん?」
急に泣き出した私を見て、心配そうな表情
に変わる。
「ううん、違うの。・・・嬉しいの」
「そっか」
「うん」
「梨華ちゃん・・・・愛してる・・・」
「真希ちゃん・・・・」
吸いよせられるように唇を求め合い、そのまま第3ラウンドへ突入していった。
- 261 名前:たまえす 投稿日:2004/09/20(月) 21:25
-
ちょっと休憩。
>>231 名無し飼育さん 様
・・・ホントすいません。もう二度と書かないと思います。
- 262 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:27
- 只今、ゲームセンターでプリクラを撮ってます。・・・そう、紺ちゃんと。
お昼御飯は最高でした。紺ちゃんと色々な事をいっぱいお話して。
相変わらずおちょぼ口でちょっとずつちょっとずつ幸せそうに食べる彼女が
可愛くて。見とれていたら、「話、聞いてます?」と逆に突っ込まれたり。
二切れあったかぼちゃの煮付けを食べちゃって、もっと欲しそうな顔をしてたので・・・
「紺ちゃん、はい、あ〜ん」
「あ・・?」
・・・ぱくっ・・・・ 条件反射?
- 263 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:27
- 美貴の差し出したかぼちゃを一口でいっちゃって、お箸をくわえたまま、
ぶぅわぁ〜っと真っ赤になって。
美貴も、急に恥ずかしくなって顔が熱くなって。二人で下を向いたまま、
しばらく無言になったり。
恐る恐る顔を上げてみると、紺ちゃんも、そっと上目使いでこっちを見ていて、
思わず同時に噴出して。
あの時は本当に楽しかった。そして、忘れていた。もしかしたらこの幸せは、
今日限りかも知れないと言うことを。
- 264 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:29
- 今日の藤本さん、何だかすごく優しいんです。
え?・・・あ、いや・・・・いつも優しいんですけど、何て言っていいのか、
いつもとは違うんです。私の事をとても大切にしてくれるんです。
・・・あ、そうですよね。デートですもんね。
てことは、私は今日は藤本さんの彼女ってことでいいのでしょうか?
えっと、か・・彼女?・・・・うわぁ〜〜〜っ!
私ってば、何てことを。あ、あの、松浦さんごめんなさい。藤本さんの
ファンの皆さんごめんなさい。
でも、私はデートしようって藤本さんに誘ってもらった訳でして、と言うことは、
浮気はこの際藤本さんの意志であって、私には何ら責任は無いと思います。
- 265 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:31
- でも、やっぱり幇助になるのでしょうか。
「こーんちゃん」
「は、はい?」
「どーしたの?難しい顔して。やっぱり、もう一回撮り直す?」
あ、そうなんです。お昼御飯(すっごい豪華な・・・)を御馳走になって、
その後に、そう言えば、今日、午後に里沙ちゃんがハロプロショップに行く
かもって言ってたので、ちょっと覗いてみようってことになって。
やばそうだったら速攻逃げようって。
109−Aの横の地下鉄の階段を降りて、そ〜〜〜っと地下2階の奥を覗いて
みると。
へぇ、平日のハロショって殆ど人がいないんだ。
- 266 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:34
- 男の人が2人と、女の子が1人。
あれ、里沙ちゃんだ。普通にしてれば気付かれないのかな。
「あれ、お豆ちゃんだよね」
「間違い無いです。大丈夫そうですね・・・・」
「行ってみる?」
「はい」
丁度、男の人が黄色い袋を下げ出てきた。
慌てて手前のレストランのメニューを見る振り・・・・
「よし、行くよ」
「はい!」
そーっとショップに入って。店員のお姉さんの「いらっしゃいませ」の声にち
らっとこっちを見たお豆。
- 267 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:35
- ちょっと奥まった所にある安倍さんの写真をじぃーっと見詰めている。
藤本さんがすぅ〜っと近付いて・・
「いい写真あった?」
びくっと一瞬硬直したけど。
あれ・・・シカト?
もう一度
「マメ子ちゃんに無視されたって、つぼみのママに言いつけちゃうかんね」
ちょっと鼻に掛かった聞き覚えのある声に気付いたのか、ゆっくりと
振り向くと・・・・・
- 268 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:36
- 「あぁ〜っ、もっさん!」
「しっ、声大きいから」
藤本さんの後ろから、「ヤッホー!」と小さく手を振ってみる。
「うぇ〜〜っ、あさ美ちゃんまで・・・」
「だから声が大きいって」
今の里沙ちゃんの大声で、店員さんがざわつき出した。
背の低い男の店員さんが近寄ってきて小さな声で
「あのーすいません。お客様もしかして・・・」
三人で顔を見合わせて。
・・・・・申し訳無さそうにしてる里沙ちゃんの頭をポン、
と叩くと藤本さんはサングラスをサッと取って。
- 269 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:38
- 「いつもお世話になっています。藤本美貴です」
「新垣里沙です」
「あ、あの、紺野あさ美です」
びっくり眼の店員さん。でもすぐ笑顔になって。
「こちらこそお世話になっています。今日はオフで?」
「はい。で、ちょっと覗いてみようかなーって」
「あ、そうですか。新垣さんは時々お見えになりますよね」
「はい、結構来てますね。あ、あの、会社にはナイショにしておいてください。
絶対に行くなって言われてるんです。こないだもバレて怒られちゃって」
「はい。大丈夫ですよ。幸い、今日はあまりお客さんがいないので、ゆっくり
見ていって下さい」
- 270 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:39
- 「平日って、いつも空いてるんですか?」
「限定商品とか、新しい写真の発売日はかなり混雑します。こんなに空い
てる日は滅多に無いですよ」
「そうですか、ちょっと安心したかも」
「新垣ちゃんが来る時って、いつも空いてるの?」
「はぁ、いや、わざと何も無い空いてそうな時を狙って来るんです」
「何でわかるの?」
「携帯サイトで。知りません?ポケットモーニング娘。って。いつどんな
写真とかグッズを発売しますって情報がみんな分かるんですよ?」
「さっすがマジオタ垣さん!」
「うぇ〜、何ですかそれ」
「はは、ホラ、折角だから誰か来ないうちに見てみよ?」
- 271 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:40
- 壁一面に張られた写真を端の方から順番に見ながら、3人で好き勝手
に突っ込みを入れる。
ライブとか結構昔の写真もあったりして。その時の事を思いだす。
「里沙ちゃん、その紙なーに?」
さっきから、何やら手にした紙に鉛筆で数字を書き込んでいる。
「んぇ?・・あぁ、これね、写真の所に書いてある番号と欲しい枚数を書いて
レジで渡すの」
「へぇ〜、紺ちゃん、私たちも買ってみない?」
「そうですね」
早速、入口の横にある購入用紙と鉛筆を取ってきて。
- 272 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:41
- ライブの自分のと、5期が4人で並んでるやつと、もちろん、憧れの後藤さんも。
うろうろしてると、ふと1枚の写真に目が止まる。
モーニング娘。全員で、ハロモニ。の衣装で写した写真が横にずら〜っと
並んでいる中に。
優しい笑顔で微笑んでいる。
・・・・藤本さん・・・・
迷わず購入用紙に・・・・数量・・・1。
もう1枚。ハワイで撮ったらしい、ピンクのビキニで貝殻をつまんでカメラに見
せてるもの。
- 273 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:42
- ・・・藤本さんって、こんなに可愛いんだ・・・
いつものイメージと全然違う。
・・・・ドキドキ・・・ 数量1。
「グッズって結構高いんですね」
「そうですね。でも、限定品などは一日で売り切れることもありますよ」
「・・・・嬉しいよね。ファンの子達がお小遣いで買ってくれるんだもんね」
藤本さんの言葉に里沙ちゃんとうなずく。
「よしっ、決まり」
3人でレジに並んで、ちゃんとお金を払って。
- 274 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:44
- 受け渡しのカウンンターに3人が買った写真が次々と並べられて。
「確認をお願いします」
あ、・・・・ナイショで買おうと思ったのに・・・・
里沙ちゃんは、やっぱり安倍さんばっかり・・? あ、愛ちゃんも?
藤本さんは・・・・・え?・・・私の写真?
隣を見ると、明らかに目が泳いでいる藤本さん。
・・・・・・・・・・?
その時、里沙ちゃんの突っ込みが。
「あれぇ、もっさん、これ、あさ美ちゃんばっかりじゃないですかぁ」
- 275 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:45
- 「あ、あわわ・・・いやぁ〜・・何だかね、つい・・・その、・・・エヘッ」
ぶわっと赤くなる藤本さん。釣られて私も。
あ〜、何か恥ずかしい・・・・
「そう言えば、何で今日2人っきりなの?」
さらに畳み掛ける天然の里沙ちゃん。
「ん・・・・デート・・・」
「うえぇぇっ!爆弾発言?」
里沙ちゃんの大げさなリアクションに、店員のお姉さん達がカウンターの
向こうでクスクス笑っている。
何か逃げ道は・・・・・
- 276 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:46
- 「ん?里沙ちゃん、あっちは何?」
良く見ると、小さな扉で仕切られて、奥にもう1部屋ある。
「あ、プッチミュージアムって言って、私達の衣装とか色紙が飾ってあるの」
「入っていいの?」
「入場料は200円だよ」
「せこっ!」
藤本さんの突っ込みに苦笑した店員さん。
「よろしければ、どうぞ」
「いいですか?」
「ちょっ、ダメです。ちゃんと払わなくちゃ」
- 277 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:47
- 入ろうとした藤本さんの腕を、里沙ちゃんがわしっ、と掴む。
一瞬、・・・チェッ・・・って顔をして、渋々小銭を出す。
里沙ちゃんは曲がった事が大嫌い。
ちょっとでもズルをしようとすると、必ず怒られる。
ある意味、飯田さんより怖いかも。
「あ、ちょっとお待ち下さい」
何やらカードを取り出してスタンプを押している。
「これが一杯になりますと、一回無料になりますので。はい、どうぞ」
店員さんも調子に乗って苦笑い。
「へぇ〜、色々考えますね」
- 278 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:48
- 中に入ると、さくら組とおとめ組のPV衣装がガラスケースの中に飾られている。
「これ、時々衣装変わるんですよ」
「うわぁ、こうやって見ると、矢口さんホントに小さいねぇ」
「田中ちゃんもちっちゃ」
「石川さんのウエストほっそー。しっかしありえない程すごいミニだねこれ」
「なんか面白いですね」
ん?・・・・里沙ちゃん・・・・?
晴れ雨のちスキの安倍さんの衣装の前から動こうとせずに、じっと見詰
めている。
藤本さんも気付いたようで、そっと背中に手を添えて優しく声を掛ける。
「大丈夫?」
「・・・もう泣かないって・・・決めたのに・・」
- 279 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:50
- ハンカチを出して目頭を押さえる。
そう、里沙ちゃんにとって、どんなに寂しかったことか。
思い出しちゃったんだね。
でもね、私の方が泣きたいもん。
・・だって・・・・
「ん、ごめんなさい。もう大丈夫」
少しして笑顔の戻った里沙ちゃんと、また3人でわいわい言いながら
眺めていると。
他のお客さんが何人か入ってきた。
・・・やばい。
- 280 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:51
- 店員さんに会釈をして外へ出ようとすると、2人出てきてくれて、お客さん
からの視線を遮るようにしてくれた。
「どうもお邪魔しました」
「いえいえとんでもない、私たちも応援してますので、頑張ってください」
「はい、どうもありがとうございました。失礼します」
お辞儀をして、反対側のエスカレーターで上へ。
「里沙ちゃん里沙ちゃん、この後どうするの?」
「愛ちゃんと映画」
「なぁ〜んだ、自分だってデートじゃんか」
「はい〜!でもまだ待ち合わせまで時間があるからこの上をちょっと見てから」
「へ?この上って、キッズステーション?・・・・まさか、まだメゾピアノ?」
「いやぁ〜、いくらなんでも・・・・」
「そっか」
「うん。デート楽しんでね」
「そっちもね。今日の事、内緒にしようね。ハロプロショップもデートのことも」
- 281 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:52
- しっかり釘を刺す藤本さん。
「分かってますってぇ」
嬉しそうにニャニャしてる里沙ちゃん。
私の耳元に顔を近付けて・・・・
「ね、いつからなの?」
「な、何が?」
「またぁ、とぼけちゃって。ペアのブレスレットなんかしちゃってさ。それに
藤本さん、あんなにたくさんあさ美ちゃんの写真買っちゃって。あさ美ちゃん
だって藤本さんの写真買ってたよね。そっかぁ、付き合ってたんだ。全然気が
付かなかったよ」
「違うってば」
- 282 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:55
- 「はいはい隠さなくてもいいよ。私は味方だからね」
「だから、そうじゃなくって」
「大丈夫。誰にも言わないから」
1人で勝手に結論に達して満足気なお豆。
「じゃ、また明日ね」
「はーい。バイバイ」
自然と手を繋ぐと、駅前の交差点を109の方へ渡る。
- 283 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/20(月) 21:57
-
- - - - - - - -
- 284 名前:たまえす 投稿日:2004/09/20(月) 21:58
-
ちょっと隠します。
- 285 名前:たまえす 投稿日:2004/09/20(月) 21:59
-
今日はここまでです。失礼しました。
- 286 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/20(月) 23:17
- 更新乙です。
いろんなCPが出てますね。
一番気になるのは飯田さんとあの人です。珍しくてw
ぼのぼの美貴紺、かわいくて癒されますw。
続き楽しみしてます。頑張って下さい。
- 287 名前:名無し 投稿日:2004/09/21(火) 01:02
- かわいいカップル満載でいい感じです
それと初エ○シーン良かったですよ
また書いてくださいね(^^;)
- 288 名前:たまえす 投稿日:2004/09/21(火) 20:53
- >>286 名無し読者 様
ありがとうございます。
美貴紺は、書き始めてから以外にはまってしまい、妙に勢いが
ついてしまって。一番気になされている二人は、全く深意はあ
りませんでしたが、おっしゃる通り珍しいかもしれません。
癒しモニ。?
>>287 名無し 様
本当にスミマセン。実は、草稿の段階ではスレタイの通り、そっち
系満載だったのですが、投稿の決心をした時点で全て削除しました。
ただ、前回のあの部分はどうしても残したかったので。
- 289 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 20:55
- 確か、藤本さんが見たいものがあるからって言ってたような気がしたんで
すけど。
私はほとんどフィッティング・ルームに入りっぱなしで。藤本さんが次から
次へと持って来るワンピースやらカットソーやらブラウスやらスカートを着
たり脱いだり。
と思ったら、今度は鏡の前に私を立たせると、キャップやベレー帽やキャス
ケットを次々と被せてはぶつぶつ言いながら首を傾げて。
「あの・・・・藤本さん?」
「ん、ちょっと待って。やっぱこっちかなぁ」
「あの・・・・藤本さん、自分の買い物はいいんですか?」
「え?美貴の買い物は無いよ」
「はい?え、でも・・・」
「紺ちゃんさ、こっちとこっちでどっちが好き?」
「えっと、こっちかなぁ」
薄いピンクのキャスケット。
- 290 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 20:56
- 外を歩く時は、どうしてもバレないようにしないといけないので、みんな
サングラスを掛けたりマスクをしたり。ヘアピースとか、ショートの子は
エクステンションなんかを付けたり、若いメンバー(失礼!)などは、顔
の隠れるような大きめの帽子を被ることが多い。
「よし、これにしよっか」
結局、109で何軒もまわって、その他にも2軒程行って。最後のお店で
大きい袋にまとめてもらって。
「あ、あの、お金・・・・」
「いいから」
「で、でも、お昼を御馳走になった上に、こんなにたくさん買ってもらっては」
「紺ちゃん、お願い。・・・ダメ?」
- 291 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 20:57
- 普通、こういうお願いというのは、買って欲しい時にするものだと思うのですが。
あの武闘派藤本さんに、こんな可愛い顔でお願いされては、私も強くは言え
ません。
「あ、ではお言葉に甘えて・・・・」
「じゃさ、プリクラ行かない?」
「藤本さんってプリクラ好きでしたっけ?」
「ん?あんまり」
「????」
「でもさ、折角紺ちゃんとデートなんだからさ、撮ってみたいじゃん」
で・・・デート・・・
意識しちゃうと、途端に顔が熱くなる。
「・・・・ダメ?」
- 292 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 20:58
- 顔を上げると、そこには不安そうな藤本さん。
あ、ほらまた。絶対わざとやってますよね、その可愛い顔。
「・・・しいです・・」
「え?」
「嬉しい・・・です」
「本当?」
「行きましょう」
「おし」
私の手を引いて、ぐいぐいと歩き出す。
- 293 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 20:58
- 何だろう、とても不思議な感じがする。
ふと、藤本さんと、ずっと付き合っているような、そんな錯覚に陥っている
自分に気付いた。
今まで、そんな風に意識したことんて無かったのに。
さっき、豆に恋人同志と勘違いされた時も、嬉しかった。
カッコ良くて大人で、でも、時々見せる可愛く甘えるような女の子の部分。
私、藤本さんに・・・・・惹かれてる?
いいよね、今日だけ。
あなたの彼女でいさせてください。
- 294 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:00
- と、まあそんなこんなで、プリクラを撮ってます。
後ろから抱きしめられたりとか、かなり恥ずかしいことも。極め付けは・・・・
「紺ちゃん紺ちゃん、チューしてるとこ撮ろうよ」
「え?・・・・ち、ちゅうですか、・・・・って、・・・・ちゅう・・?・・・ふえぇぇ!」
「いや、ふえーじゃなくて、ちゅー」
「ダダダ駄目です」
「えぇ〜、しようよ〜」
「え、あ〜・・いやぁ、そんな急に、恥ずかしいじゃないですか・・・・」
「いつもしてるじゃん」
「いっ、いつしたんですか?したことなんて無いですよ〜」
「ちっ、バレたか・・・・じゃあ、ほっぺなら?」
- 295 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:01
- 「あ・・・・ほ、ほっぺなら」
「じゃ、最初は美貴がしたげる」
「せーの・・・・ん・・・ちゅ〜〜〜〜うっと。どれどれ?・・・おっ、ばっちり。
じゃ今度は紺ちゃんね」
「・・・・・・」
「あれ、リアクション薄いぞ。こ〜んちゃん、早くぅ〜」
・・・は、恥ずかしいです。気を失いそうなほど、めちゃめちゃ恥ずかしい・・・
神様にお願いするようなポーズでもじもじ。
「じゃ、紺ちゃんのタイミングでいいからボタン押して。はい、いつでもどーぞ」
私の方にほっぺを出して待っている。
- 296 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:02
- や・・・やはり、ここは女らしくビシッと行くしかないのでしょうか?
ボタンに手を掛けて。
「い、行きますよ、せーの・・・」
顔を近づけると、急にクルッとこっちを向いて唇を突き出す藤本さん。
「うわぁっ、あ、危なかった・・・・ず・・ズルいじゃないですかぁ」
「チェッ、しくじったか・・・・」
「もう、撮るのヤメます」
「え?・・・・あ〜っ、あのさ、ごめんね?謝るからさ、もう一度。ね?
今度はじっとしてるから」
「ホントですか?今度やったら帰りますよ?」
・・・・ちゅっ・・パシッ・・・・
- 297 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:04
- 「やったぁ〜、どれどれ・・・・よっと、おぉっ見て見てばっちりじゃん。
・・・って、あり?」
・・・藤本さんに・・・キスしちゃった・・・・
・・・あまりの恥ずかしさに幽体離脱・・・
「わっ、わっ、ちょっと紺ちゃん大丈夫?」
「も、ダメです・・・・・」
「ありゃ〜在り得ない位真っ赤だ、ほら」
嬉しそうに両手で私の頬を包んで。
「あさ美ちゃん、可愛いよ」
・・・・ドキュン・・・・
何だろう、今何かに胸を打ち抜かれたような衝撃。
・・・ドキドキ・・・ドキドキ・・・
- 298 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:04
- 「さて、行こか?」
「はい」
後に続いて出ようとした時、急に藤本さんが立ち止まった。
そこには軽ヤン入った女子高生位の女の子が2人。
藤本さんを指差して「あ!・・ミキ・・」
「し〜〜っ」
すかさず口止め。
と、小さな声で、「ミキティですよね、ファンなんすよ。写真とっていいっすか?
あ、できればサインも・・」
恐い。どうするんだろう。
- 299 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:05
- 「ごめん、写真もサインも駄目なんだ」
「えー、いいじゃん」
「それに、いまプライベートだから。握手で良ければ」
「わ、マジっすか、ありがとうございます。頑張ってね」
「ありがとう。じゃね」
そう言うと、後ろに隠れてた私の手を引いて颯爽と歩き出した。
「ありえねー、ミキティと握手しちった」
「恐ぇ〜、すっげー迫力」
「以外と背は低いんだ」
「あ、見て見て、あれ、後ろ。紺野ちゃん」
「え、マジ?へぇ〜、来るんだこんなとこ」
さっきの2人の声が聞こえた。
- 300 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:07
- 藤本さん、キリッとしててカッコ良かった。
惚れちゃいそう。 ・・・・・えぇっ!
私ってば、な、何てことを。
でも、何時の間にか、私の胸の中は藤本さんで一杯になっていたんです。
本当にお付き合いできたらいいのにナ。
今日一日で、今まで見た事の無い色々な
藤本さんを見ることができて。
何時の間にかうす暗くなった街並みにネオンが映える。
「あ、あの・・・」
「うん?」
「あの・・・う、腕組んでもいいですか?」
「あ、もももも、もちろん!・・・はい!」
- 301 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:07
- 買い物袋を持ち直すと、右腕を藤本さんの左腕に絡ませる。
身長、私の方がちょっと高いんですけどね。ま、いいか。
恥ずかしいけどそれ以上に嬉しさが込み上げてきた。
ふと横を見ると、めっちゃ笑顔で私を見ている藤本さん。私の視線に気付いて、
ボンッ、と赤くなって慌てて目を逸らす。
あ、こんな私でも、照れてくれてるのかナ。
・・・ドキドキ・・・ドキドキ・・・
本当の彼女になれたらいいのに・・・・
- 302 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:11
- 「あの・・・う、腕組んでもいいですか?」
・・・・ドキッ!・・・・・うえぇぇぇ!
そりゃーさ、ずっと思ってたよ?紺ちゃんと腕組んで歩きたいって。
でもさ、今日はまだ初めてのデートだし、いくら何でもちっょと図々しいかなって。
こうして手を繋いで歩けるだけで幸せなんだから。
ま、ね。次があるかどうかわからないけど・・
な〜んてことを、脳天気に考えながら歩いていたら、突然紺ちゃんがこう言った。
びっくりしたけど、できるだけ平静を装って、
「あ、もももも、もちろん!・・・はい!」
どもっちゃった。って、何で「はい」なの?
ダメじゃん・・・・動揺してんのバレちゃったかなぁ。
あ、ヤバい、顔がニヤけてきた。
- 303 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:12
- 荷物を持ち替えて、遠慮気味に腕を絡めてくる。
・・・・ドキドキ・・・・
そっと左を見てみる。
すぐ横には、以外と高い位置にふっくらほっぺ。
・・・あ、美貴の方が身長低かったっけか。でも可愛い・・・・デレ〜・・・
と、急に紺ちゃんがこっちを向いた。
ヤベ・・・慌てて目を逸らす。
遅かった?ニヤけてるの、バレちゃった?
紺ちゃんの腕にキュッと力が入る。左の二の腕にむにゅっと柔らかい感触。
- 304 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:12
- ・・・・・・むにゅ・・・?
ちらっとその感触の辺りを見てみる。
・・!? のぉぉぉぉぉぉぉぉーっ!!
な、な、な?
状況が把握できた途端に、心臓がバクバクバク・・・・破裂しそう。
む、胸が・・・・
紺ちゃんの胸が、美貴の腕に・・・・その、あ、当たって・・・・むにゅって・・・
いゃ〜ん、もう紺ちゃんってば積極的!
ど・・どうしよう・・・
- 305 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:13
- いや、どうしようって、訳わかんないから。
急に歩く足取りがぎこちなくなる。
なに動揺してんだ?天下のミキティがこんな事位で慌てなくたって。
こんな事?何言ってんの。一大事じゃん。
い、いや、静まれ静まれ・・・・・落ち着け。
ここはひとまず深呼吸。
ヒッヒッフゥ〜・・・・・・って、ちがぁ〜〜う!
生んでどうする。
ス〜ハ〜ス〜ハ〜
・・・・・・
- 306 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:14
- ダメ。無理。手遅れ。もう、左腕に全神経が集中してしまった。
一歩毎に伝わってくるムニュッムニュッ、て感覚。
ごめんなさい。美貴はエロおやじです。
あきらめて、逆に感触を楽しむ事にした。
・・・はぁ〜、柔らかいなぁ。
もっと触ってみたいなァ。
いいな、紺ちゃんおっきくて。
ふん、どうせ美貴は貧乳だよ。
でも、形はいいと思うんだけどなぁ。
「・・・・・さん?」
「?」
「藤本さん?」
「あい?」 (うわ、裏返った・・・)
「大丈夫ですか?あの、腕組んでると歩きずらいですか?」
- 307 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:15
- とんでもない。すっごい勢いでブンブン首を振る。
「ぜんっぜん平気だよ。だって、紺ちゃんと腕組んで歩くのが夢だったから」
「えー、何ですかそれ」
横を向くと、紺ちゃんスマイル。
美貴も自然に頬が緩む。(緩んだまま?)
左肩にコトリと心地良い重み。
すれ違う人達の目に、私達はどのように写っているのだろう。
姉妹?・・・友達?・・・それとも・・・・・
- 308 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/21(火) 21:25
-
・ ・ ・ ・ ・ ・
- 309 名前:たまえす 投稿日:2004/09/21(火) 21:26
-
隠します。
- 310 名前:たまえす 投稿日:2004/09/21(火) 21:30
-
本日はここまでです。
次回は、また別のCPが少し登場します。既にネタバレしてますが。
それでは失礼しました。
- 311 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:41
- 外出が嫌いな絵里が珍しく私の家に遊びに来た。
「お茶入れるけん、部屋行っとって」
いつ絵里が来てもいいように、美味しいお煎餅をちゃんと買ってある。
お盆にお茶とお菓子を乗せて自分の部屋へ。
「あれ?」
またおらんし。
猫の生まれ変わりのような絵里は、心地好い隙間を見つける天才だ。
いつもびっくりするような場所に潜りこんではみんなを驚かす。
見た目は、れなの方が猫っぽいって言われるけど。
- 312 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:42
- 「えーりー、おらんと?」
「いるよ〜」
「どこおるん?」
私の声に、仕方なさそうにベッドと壁の隙間から、ひょこり顔を覗かせて。
「あ、また、そんな所で。なんしょーと」
「ん〜、くつろいでるぅ〜」
「はぁ?」
もぞもぞと這い出して。
あー、私の枕を抱いとーし。
ぱふっと枕に顔をくっつけて・・・
「何しょん」
- 313 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:43
- 「ん〜?れーなの匂いがするから抱きしめてる〜」
うわっ。天然なのか、わざとなのか。
顔がかーっと熱くなる。
「れーな、顔赤いよ?」
くっそー、絶対知っててやっとる。
「本人がここおるのに、枕の匂いを嗅がんでもよかろーが」
「あ、そっかぁ」
ぽいっと枕を放り出して、ぱたぱたベッドを降りてきて。
「ちょっちょっ、えーり、こらぁ、止めって」
「ん〜?」
「いや、ん〜じゃなか。何しょーと」
「れーなの事押し倒して抱きしめてる」
「離せって」
- 314 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:44
- 「だって、れーなが匂い嗅いでいいって言ったんだもん」
「押し倒せとは言っとらん」
・・・・チュッ・・・・・
!?・・・はぁ?
「こら、絵里、なんしょーとや」
「れーなにチューしちゃった」
「絵里のアホ」
「あほじゃないもん」
「いいから、早うどかんね」
「じゃあ、今度はれーなね」
「はぁ?」
- 315 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:45
- もぞもぞと私の上から退いて、ペタンとクッションの上に座ると、嬉しそうに
両手を差し出す。
「・・・・・」
「は〜や〜く〜」
「なんね」
「れーなが絵里の事抱きしめる番」
「お茶が冷めてしまうけん」
だんだん絵里の口元がアヒルのように平たくとんがってくる。
・・わかっとーよ。絵里は抱きしめられるのが何よりも好きなことぐらい。
でも・・・・・恥ずかしか。
- 316 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:46
- 「れーなは絵里のこと嫌い?」
「・・・だけん、何でそんな話しになっと」
「抱きしめてくれないんだもん」
あ、また。絵里の目がウルウルしてきた。
絵里はズルか。そんな表情でおねだりされたら、れなが断れんの知っとーくせに。
また今日も、れなの負け。
私より大きい絵里。
不貞腐れて投げ出した絵里の足の上に座ると、思いっきり抱きしめる。
- 317 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:47
- 「わぁー、れーなだぁ」
「他に誰もおらんし」
「んふぅ〜、こんなに愛されて絵里は幸せ者ですぅ」
「はいはい」
「あ〜、れーな素直じゃないなぁ。こんな可愛い子を独り締めできて、
嬉しいでしょ?」
・・そりゃ嬉しいに決まっとろーが。絵里のふにゃけた笑顔は、どんな
美味しい焼肉よりもずっとずっとれなを元気にしてくれる。
「絵里」
「ん?」
「そろそろお茶にせんね、絵里の好きな煎餅買ってあるけん」
「うん。また抱きしめてね」
- 318 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:48
- ・・またそんなことを、恥ずかし気も無く笑顔で言いよるし。
「れーな、返事は?」
そんなん言わんでも、わかっとーくせに。
れなは絵里が大好きだけん。
返事代わりに、ギューっと抱きしめる。
「あははははっ、そっかぁ」
「なんね?」
「いまね、れーなの声が聞こえた」
「何も言っとらんし」
「ううん、今ね、ぎゅーっとしてくれた時にね、『絵里が大好き』って言ってくれたの
ちゃんと聞こえた」
- 319 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:49
- びっくりして思わず体を離して絵里を見詰める。
でも絵里は、すごくご機嫌で。
「な、なんでわかったと?」
「ん〜?わかんない。でも普通に聞こえた」
・・・ドキドキ・・・・
・・自覚無し・・天然不思議少女・・
何でかわからんけど、急に絵里が愛しくなって。もう一度、ぎゅーっと絵里を
抱きしめる。
絵里の首筋から香る甘い匂いを胸一杯に吸い込むと、スゥーッと心が落ち着く。
- 320 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:50
- ・・絵里・・
れなよりもお姉さんの癖に。
子供っぽくて。なんか放っておけん。
すぐ行方不明になりよるし。
何時見ても、ふにゃふにゃしとーし。
気が付けば、れなの気も知らんと、さゆの膝枕で寝とーし。
でも・・・・、でも、れなは絵里ん事が大好きだけん。
オーディション諦めんで良かった。
モーニング娘。になれて良かった。
そして・・・絵里と出逢えて良かった。
- 321 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:52
-
- - - - - - - - - -
- 322 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:55
- 「あははははは・・・ッ、クックックッ・・・」
「うぅ〜・・ひ、酷いです。そんなに笑わなくても・・・・」
「ハァハァ・・・ご、ごめん・・ククッ」
某デパートの食品街。
入った途端、いきなり紺ちゃんのスイッチが入った。
相当広いフロアに数え切れない程のお店が並んでいて。
和、洋、中、イタリアン、フレンチ、タイ、ベトナム・・・・どこにあるのか良く
分からないような国のお料理まで、本当に沢山のお弁当やお惣菜、デザートが所狭
しと並べられている。
- 323 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:56
- もう、かれこれ悩み続けて30分程。
これが他の相手なら、美貴はとっくに切れてると思う。
でも・・・・・。
目をらんらんと輝かせて、まるで花を求める蜜蜂のように、楽しそうに
晩御飯を選んでいる紺ちゃんが可愛いくて。
悩みまくって、やっとメインからデザートまで一通り買い終わって。
よし、行こうか・・・・と思ったら。
出口近くにあるお店で紺ちゃんがフリーズした。
戻ってみると、ガラスケースの中の銀色のバットに盛られたお惣菜達。
その中の一つをじぃ〜っと見詰めている。
「・・・・?」
- 324 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:56
- よく見ると、小さいカボチャを半分に切ってくりぬいた中に、何だろう、
えーっと・・・・
コンソメかなんかで煮たカボチャが詰めてあって、可愛く盛り付けてある。
もう一度紺ちゃんを見ると。あらら、眉をしかめて本気でお悩みモード。
その表情を見た途端、美貴の笑点スイッチがONになった。
ひとしきり笑った後、「すいません、このカボチャのを2つください」
「はい、1600円になります」
この際、全部食べ切れるかどうかは置いといて。
- 325 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 21:57
- だって、あのまま放って置けないじゃん。
ほら、店員さんから袋を受け取る紺ちゃんは、満面の笑み。
美貴も紺ちゃんも、両手に一杯袋を持って。
すっかり日が陰った街並み。
淡い紺色の天空を仰ぎ見ながら美貴の家へ向かう。
いよいよ勝負の時が近付いてきた。
また、こんなデート・・・・したいな。
・・・・できるかな。
あー、駄目だ、弱気になっちゃ。
出来るさ。大丈夫。
- 326 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:00
-
^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^
- 327 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:01
- 「落ち着いたか?」
腕の中でコクコクとうなずくキミ。
久し振りのオフ。何気に一緒にいることが当たり前のようになっている
今日この頃。
でも、今日は波乱のスタートだった。
朝、ものすごい剣幕でうちにやって来て。
暴れるのかと思ったら、黙ってただ泣くばかり。
昨日の収録で私の言った一言が、こんなにも彼女を傷つけていたなんて
思いもしなかった。
- 328 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:02
- いつものように、怒ってる振りをしているものだと思っていた。
だけど、キミは本気で悩んでいたんだね。
朝来た時には、既に目は腫れていて。
夜、ずっと泣いてた?
心が痛い。
結局、いつものように私が謝って。
実際、悪いのはいつも私なんだけど。
なかなか素直になれなくて。キミのパワーに圧倒されて。
でも、もうそろそろ、私もけじめをつけなきゃ駄目かも。
- 329 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:03
- 「ほら、ちゃんとメイク直して出掛けようぜ」
「んぇ?」
「ブレスレット、買いに行こうよ」
ぱっと開かれた目からは、また涙が溢れて来て。でも、すっごい笑顔になって。
「おまえ、泣くか笑うかどっちかにしろよ。器用なヤツだなぁ」
「ングッ、だぁ〜ってぇ、んんっ、もう忘れてると思ってて、でも、あんまし
言うと・・・しつこいって思われるから・・・」
「忘れる訳ねーべ。約束したじゃん。でもさ、やっぱ、どうせ買うんならさ、
時間がある時に2人でゆっくり選びたいじゃん。今日麻琴が来なくても、うち
から誘おうと思ってたし」
- 330 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:04
- かなり前からの約束なのに、ずっと果たせないでいた。今日を逃すと、
またいつになるやら。
「どんなのがいい?」
「ん〜っと、ティファ『☆バシッ』・・ニー、痛゛〜!」
こ、こいつ・・・・
つい、麻琴が言い終わる前に・・手が出た。
「あたー、酷いじゃないですかー、何がいい?って聞くから・・・・」
「バカ。物には限度っちゅーもんがあんだろ」
「冗談なのにぃ・・・」
「うちらがもっと大人になってさ、麻琴がもっともっといい女に
なった時に買ってやるから」
「う、うぅ〜・・」
- 331 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:05
- 「だぁ〜っ、もう泣くな。よしっ、顔洗ってこい。タオルお湯で絞って
しばらく顔に当てとけよ」
「は〜い」
2時間後、勝手知ったる渋谷の某ショップアクセサリーコーナー。
有名ブランドではないが、かなりたくさんの種類のデザインが楽しめる。
「いつも着けられるように、シンプルなのがいいですよね。吉澤さんは
あんまし派手なの好きじゃないし」
「そうだな。でもさ、仕事の時は外そうね」
「え〜〜っ・・・」
「ばか、しょうがねーべ」
「でもぉ・・・」
- 332 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:07
- 「そのかわり、麻琴とデートの時は必ず着けるから」
「ホントですか?」
「信じろって。で、どれにしようか」
「・・・・デート♪」
「ばかぁ、こんなところで踊るな!」
結局、シンプルで可愛いデザインのシルバーのブレスレットに、内側に2人の名前
を入れてもらって。
そのまま着けてお店を後にした。
「何か食おうか。ずっと泣いてたから腹減ったべ」
「オムライス!」
「早ぇ〜なおい。どこか知ってる店あるか?」
「こないだ、あさ美ちゃんに教えてもらったオムライスの美味しいお店が
あるんですよ。行ってみませんか?」
「おっし、まかせた」
- 333 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:08
- 時々、繋いだ2人の腕に光るお揃いのブレスを見ては、嬉しそうにニヤけつつ
私を見上げてくる。
うん、いい笑顔だ。
前方に視線を戻すと。
スクランブル交差点をたくさんの人が行き交う中、一組のカップルにふと目が
止まった。
・・・・あれ?・・・どこかで見たような・・2人。
・・・・・あ!
麻琴を引っ張って、歩道の看板の影に隠れる。
- 334 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:10
- 「どうかしました?」
「ん、ほら、あのカップル見てみなよ」
「え?どれですか?」
「ほら今横断歩道の手前、紙袋持って腕組んでこっちに歩いて来る女の子2人」
「あー、はいはい。でも、それがどうかし・・・・ん?・・・・・・
・・・・・うえぇぇぇ、あさ美ち・・ふがぁ・・モゴモゴ」
「バカッ、声がでけーよ!」
「はぁ〜、隣のサングラスは誰ですかね?」
「判らねー?ミキティじゃん」
「はあぁぁ!・・ふがぁ」
「だから、声がでかいっつってんの!」
「ぷはぁ〜っ、はぁはぁ。あ、あのぉ、あれってまるで・・・・恋人同志じゃないですか」
「だから今朝言っただろ?ミキティには他に好きな子がいるって」
「え?・・・・・それって、あさ美ちゃんの事だったんですか?」
- 335 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:12
- 「麻琴、今自分で何て言った?」
「え、・・・まるで・・・恋人同志?」
「そう見えるだろ」
「えぇ〜、うっそ・・・知らなかった。何時の間に・・・・・はぁ〜、
全然そんな素振り見せなかったから」
「お前鈍過ぎ。でもさ、ほら、見てみな?お似合いだよ、あの2人」
「そうですね」
腕を組みぴったりと寄り添って目の前を通り過ぎてゆく2人。
その姿は、他の何事をも近付けさせないような、まるで、見えないベールで
包まれているかのよう。
雑踏に消えてゆくミキティとこんこんを見送って。
「さて、行こうか」
「はい」
再び麻琴の手を取り歩き出した。
- 336 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/22(水) 22:13
-
・ ・ ・ ・ ・ ・
- 337 名前:たまえす 投稿日:2004/09/22(水) 22:16
-
隠す程の物でもないのですが。
- 338 名前:たまえす 投稿日:2004/09/22(水) 22:19
-
今日はここまでです。
すいません。九州弁は、いっぱいいっぱいです。
もし、お気を悪くされた方がおられましたら申し訳ありません。
それでは失礼しました。
- 339 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/22(水) 22:27
- 更新ありがとうございます。リアルタイムで読みました。
あの猫たち(?)、マジきゃーわーいーー!!(叫
紺ちゃんはイメージにぱったりでちょっとツボでしたw
- 340 名前:たまえす 投稿日:2004/09/23(木) 21:34
- >>339 名無し読者 様
リアルタイムで見て頂けたなんて。でも、UPのペースが遅いの
にも関わらず、お付き合い頂きましてありがとうございます。
猫さん達はどうしてもあんな感じになってしまいます。
紺ちゃんは、やっぱり食い気が(ry
- 341 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:35
- 所変わって、美貴の部屋。
買ってきた物を電子レンジで温めまくって。
あっという間にテーブルの上は埋め尽くされ、部屋中にいい匂いが立ち込める。
レンジが『ピピッ』って鳴る度に、紺ちゃんの顔がパッとMAXの笑顔になる。
結構面白い。
「全部並べると、ちょっと凄いね」
「はい!・・・わぁ〜美味しそう」
その笑顔、ファンの人にも見せてあげたい。
・・・・・・なんてね。
ダメよ。今日は美貴が独り締め。
- 342 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:38
- 「食べよっか」
「はい。頂きます」
昼に引き続き、紺ちゃんペースでゆっくりまったりのお食事タイム。
でも、気が付いた。ゆっくり食べれば、それだけ紺ちゃんの笑顔も
たっぷりと楽しめる事に。
しっかし、一口が小さいねぇ。
他の人だったら絶対突っ込んでるけど。
紺ちゃんならそんなところも、カ・ワ・イ・イ。
結局、1時間以上かけて全て平らげて、デザートも行っちゃって。
2人ソファーに座って、今日一日の余韻に浸る。
- 343 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:39
- 「藤本さん、今日は本当に楽しかったです。私、今までこんな風にデート
したことって無かったから」
「美貴もだよ」
「え〜っ、またぁ」
「ホントに。美貴はね、紺ちゃんとデートするのがずーっと夢だったんだ。
紺ちゃんと2人で腕を組んで歩けたらって、いっつも思ってた」
「そんなァ。でも、何で私なんかと・・・・」
・・・今しか無い。今言わなくちゃ・・・・
ちゃんと紺ちゃんの方に向いて、ちゃんと目を見て。
「美貴はね、紺ちゃんのことが好きなんだ。メンバーだから、とかじゃなくって。
1人の女性として紺ちゃんの事を愛してしまったの」
- 344 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:40
- 「・・・・え・・・あぁ・・・あの・・・・えっと・・・」
突然の告白に、慌ててる。
「冗談とかじゃないよ?何時からかわからないけど、紺ちゃんしか見えなく
なってた。しっかりしてて、頭が良くて、何でも一生懸命で、とっても優し
くて。私に無い物を一杯持ってる紺ちゃんがとても魅力的に見えて。紺ちゃ
んを見てるととても心が安らいで」
今まで抑圧し続けてきた紺ちゃんへの感情が、一気に弾ける。
涙が止まらない。
もっと格好良く告白したかったのに。
「あさ美ちゃん、美貴とお付き合いして欲しい。美貴の彼女になって欲しい。
・・・・分かってる。まともじゃないよね。女同志だもん、おかしいよね。
だから、美貴の気持ちを押し付けたりはしないからさ。覚悟はできてるし、
もしあさ美ちゃんが断っても、モーニングのメンバーとしての今までの2人
の関係が壊れる事はありえないから・・・」
- 345 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:41
- そう言い切って。
紺ちゃんの目からも、涙が溢れてきた。
あぁ、ダメじゃん。泣かしちゃったじゃん。
何やってんだろ、私。紺ちゃんの事、苦しめてる?
「あぁ・・・ご、ごめんね?泣かないで?もう今の話しは忘れていいからさ」
・・・ポスッ・・・ ?
私の肩に額を付けて。
「無茶言わないでください。忘れられる訳、無いじゃないですか」
「ごめん・・・」
- 346 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:44
- ふっと顔を上げると、真っ直ぐに美貴の目を見て。
「私、藤本さんの事、カッコいいなって思ってて、でも、今日デートして、
今まで知らなかった藤本さんの色々な面を見る事が出来て。何時の間にか、
藤本さんに惹かれていた事に気付いて。」
「・・・え?」
「腕を組ませてもらって、歩いている時に思ったんです。また、こうやって
デートしたいなって。藤本さんの彼女になれたらいいのにって」
思い掛けない紺ちゃんの言葉で、ぶわっと涙が溢れ出す。
「あ、あの、本当に私なんかでいいんですか?」
「紺ちゃんがいい。紺ちゃんじゃなきゃ嫌なの」
体を預けてくる紺ちゃんを抱き締める。
- 347 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:46
- もっと言いたい事があるのに、嗚咽になってしまう。
「藤本さんの彼女にさせてください・・・また今日みたいにデートして
ください」
「うぅ〜うっ、んっんぐっ・・・んんんっ・・・・・・・ほ、・・・本当?
・・・うぅっ・・・いいの?・・」
ゆっくりと、しかし、はっきりとうなずく紺ちゃん。
・・・・願い・・・叶っちゃった・・・・
嬉しい。
抱き合ったまま、なかなか涙の止まらない美貴の頭をずっと撫でてくれていた。
めちゃめちゃカッコ悪い。でも、紺ちゃんだけ。紺ちゃんの前なら、自然な美貴
でいられる。
- 348 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:48
- 何とか心が落ち着いてきた時・・・
ん?紺ちゃんが何かゴソゴソ始めた。
何してるの?
「じゃん!」
「?」
嬉しそうに2人の携帯を見せる。
「おぉ、プリクラ!」
「へへっ、どうですか?貼っちゃいました。私のには藤本さんがちゅー
してるやつで、藤本さんのには、私がちゅーしてるやつ」
「ん・・・・いいねぇ」
「ほら、もうラブラブですよ?」
にまっと、ちょっと照れた笑顔の可愛いこと。
- 349 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:49
- 「はぁ〜、参った。紺ちゃんに泣かされちゃった」
「泣かしちゃった」
「ごめんね、ホントはさ、もっと格好いい告白のセリフ考えてたんだ。だけど、
今までずっと胸にしまってた思いが、何かいっぺんに出て来ちゃって。それに、
こんなに早く返事がもらえるって思ってなかったし」
「私、もしかしたら藤本さんの事、前から好きだったのかもしれません」
「・・・・え?」
「今日、一緒に歩いてる時に、ふと思ったんです。何だか私と藤本さんって、
ずっと前から付き合っているみたいだって。すごく自然に感じたんです。
あの・・・私の事、いつ頃から・・・」
「ん、自分でも良く分かんないけど、多分、はっきり紺ちゃんのことが好きって
思いだしたのはね、カントリーに入ってからかな」
- 350 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:50
- 「みんな、藤本さんの事恐がってたりしたけど、私には優しかったですよね」
「紺ちゃんてさ、人を優しくさせる不思議な魅力があるんだよ」
「え、初めてです。そんなこと言われたの」
「メンバーだって気付いてるはず。紺ちゃんが側にいてくれると、なんか安心
できるんだよね。別に何も言わなくてもいい。ただ横にいてくれるだけで落ち
着くんだ。ほら・・」
ぎゅーっと抱きしめると、あっと言う間に紺ちゃんは首まで真っ赤に染まった。
「可愛い・・・・・スキだよ、愛してる」
プクプクほっぺにチュッとキスをする。
「あ・・あの・・その・・あわわ・・えっと・・」
急にあたふたと慌てだす紺ちゃん。
- 351 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:51
- 「ん?なあに?」
「あ、いえ・・・あの、胸が・・・ドキドキが凄くて・・・おかしくなりそうです・・」
「美貴もだよ。てゆーか、紺ちゃんのドキドキが伝わってくるのかな。・・・夢みたい。
ずーっとこうして紺ちゃんとラブラブしたかったんだ」
「あ・・・は、恥ずかしいです」
「どうして?ここには美貴と紺ちゃんしかいないんだよ?でも、・・・そうだね。
ゆっくり行こうね」
「・・・はい」
「でね、紺ちゃんに持っていて欲しいものがあるんだ」
「何ですか?」
「ん、とね、あれ、確かここに入れ・・お、あった。はい!」
「えぇ?!これって・・・あ、あの、いいんですか?」
「うん。いつでもいいよ。美貴がいてもいなくても使っていいから」
- 352 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:53
- 手渡された鍵をすっごい笑顔で見詰めている。そう、紺ちゃんにあげたのは、
この部屋の鍵。
告白して上手くいったら渡そうと思って、作っておいたスペアキー。
「お仕事とか学校とかで、ここに来れる機会ってあまり無いとは思うけど、でも
持っていて欲しい。なんだったら着替えとか持ってきて置いといてもいいし」
「あぁ、・・・・着替えかぁ・・・・って、えぇっ!」
「ど、どしたの?」
「あの・・・・・あの・・・・ですね、私・・・と、泊ったりとか・・・その
・・・・しちゃうんですか?」
またまた急に慌て出す紺ちゃん。
・・・・こりゃー、ホントのラブラブまでの道のりは、かなり険しいかも
しんない・・・(苦笑)
- 353 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:54
- 「紺ちゃんさえ良ければね。いつでも。そりゃーさ、美貴はすぐにでも
ラブラブしたいし、できればずーっと一緒にいたいよ?だけど紺ちゃん
だって心の準備とか必要じゃん。美貴は無理やりなんて嫌だし、紺ちゃ
んのこと大切にしたいから」
「・・・・心の準備?・・・無理やりって・・・・」
あれ?分かってない?
「ん?・・その・・何て言うか・・エッチとかさ」
「・・え・・・っち・・・ふえぇぇぇっ!」
在り得ない位驚いて、口をパクパクしながら後ずさりしてる。
「美貴はね、決していい加減な気持ちでお付き合いしたいって言ってるんじゃ
無いよ?でも、もし紺ちゃんがプラトニックな関係のままでいたいのなら、そ
うする。紺ちゃんが側にいてくれるのなら、それだけで美貴は幸せだから」
- 354 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:55
- 固まったまま目をパチクリしてる。
「ね、紺ちゃんの嫌がることは絶対にしないって約束するから。だから、
恐がらないで」
そう言うと、くて〜っとクッションの上にへたり込んだ。
「あ、あの、ご、ごめんなさい。ちょっとびっくりしただけです。えっと、私、
そう言う事って経験無いですけど、でも大丈夫です・・・・多分。・・・私も
藤本さんとなら・・その・・・いいかなって。あ、あの、そのときは、よろし
くお願いします」
おぉ!
「プッ・・・クスッ」
その時、ふと安倍さんのアドバイスを思い出して。
- 355 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:57
- 「安倍さんにね、断られたら押し倒しちゃえって言われたの思い出した」
「・・・・安倍さん・・・ですか?」
「うん。美貴がずーっと紺ちゃんに片思いしてるのに気付いてくれてね、
相談に乗ってくれたんだ」
「そうだったんですか」
「うん。美貴はバレないように隠してるつもりだったんだけど、バレバレ
だよって言われた」
「はぁ」
「ハロモニ。の収録上がりに急に喫茶店に誘われてね、てっきり仕事のダメ
出しだと思ったら、いきなり、紺ちゃんのこと好きなんでしょ?って。それ
で色々アドバイスをもらって、今日告白する決心がついたんだ」
「安倍さんのおかげなんですね」
- 356 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:58
- 「うん。今日告白するってことをメールで知らせたらね、えっと、ほら」
「え?」
安倍さんからもらった励ましのメールを紺ちゃんに見せた。
「わぁ、ホントだ。私も今日デートしてなかったら、藤本さんへの気持ち
には気付かなかったと思います」
「うん、後で安倍さんにメールで上手く行った事を知らせようと思うの。
きっとね、心配してくれてると思うから」
「あ、あの、良かったら、私から安倍さんにお礼のメールを送りたいんですけど」
「え?」
- 357 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 21:59
- 「ダメですか?だって・・・・私だってすごく嬉しいんです。」
「紺ちゃん・・・・・じゃ、お願いしちゃおうかな」
「はい!・・えっと・・・」
「え、もう打ってるの?」
「はい。だって、早く安心させてあげたいじゃないですか。安倍さん驚きますよ。
きっと」
にっこり微笑んで、ピコピコメールを打つ紺ちゃんを抱きしめながら、心の中で
安倍さんに感謝する。
・・どんなに感謝しても足りない位、感謝してます。だって、おととい安倍さん
に声をかけてもらわなければ、こうして紺ちゃんのことを抱きしめることなん
てできなかった。
- 358 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 22:00
- ・・・安倍さん・・・ありがとう・・・
「ね、何て送ったの?」
「秘密です」
「えぇ〜、いいじゃん教えてよ」
「えっとですね、藤本さんに押し倒されました。責任取って下さいって」
「えぇ?!マジで?」
「嘘です」
「・・・・・・」
- 359 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/23(木) 22:01
-
・ ・ ・ ・ ・ ・
- 360 名前:たまえす 投稿日:2004/09/23(木) 22:03
-
隠します。
- 361 名前:たまえす 投稿日:2004/09/23(木) 22:03
-
今日はここまでです。失礼しました。
- 362 名前:なつまり。 投稿日:2004/09/23(木) 22:09
- お疲れ様です。
同じ板のなつまり。と言います。初めまして。
リアルタイムで読んでました。
みきつぁんとコンコンのCP、新鮮で良いですね。
次回更新お待ちしています。
- 363 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/23(木) 22:44
- >>362
いちいち自分の作品をアピールするのは控えた方が良いのでは…。
- 364 名前:なつまり。 投稿日:2004/09/24(金) 14:49
- >>363
そんなつもりはなかったんですが・・。
たまえすさん、もしそう思われたのなら本当にすいません・・。
- 365 名前:たまえす 投稿日:2004/09/24(金) 22:16
- >>362 名無飼育さん 様
勉強になります。
>>362 なつまり 様
宜しくお願いします。363の件は、言われるまで気付きませんでした。
- 366 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:19
- 慌ただしいスケジュールの中、今日は少しホッと息抜きができるお仕事。
(スタッフの皆さんごめんなさい・・・)
いや、手を抜くとかそういうことじゃなくって、丸一日同じ番組の収録
なんです。
一気に2週+α(コーナーによっては3週分もあったりする)を撮るので、
セットの交換とか機材の準備なんかで、合間にちょくちょく休憩が入る。
ん〜,確かに、休憩が無いと、娘。の収録って何気に消え物とかが多いから、
お腹がちょっと苦しいかも・・・・・。
そんな待ち時間の娘。の楽屋。
テーブルの上は相変わらずお菓子が山積みで。
- 367 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:22
- 美貴は、別の仕事の事で、マネージャーさんと1階のカフェで軽く打ち合わ
せをして。
急いで楽屋に戻ると、長々と寝そべっているよっちゃんにつまづきながら、
彼女の所へ。
あれ、何してんだろ。何かCDを聞きながら小声で歌ってる。
傍にいたおまめちゃんが手招きしてる。
「どうしたの?」
「あさ美ちゃんが歌ってる曲知ってます?」
「へ?」
「いや、さっきからずーっと乗り乗りで歌ってるんですけど、何を聞いてるのか
教えてくれないんですよ。だから、もっさん絡みかなーって」
- 368 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:24
- 「リハのじゃないの?」
「違いますよ」
後ろから小声で歌っている紺ちゃんに近付いて、聞き耳を立てる。
『・・・だぁーいはっけ・・・いーまれっ・・・ダン・・・・こいーをしよー・・
・・はずだよ・・・・れっつ・・・・・いっぱいつーく・・・・・のみらいよ・・・』
・・・はぁ?・・・いや、知ってるも何も・・・・・
「紺ちゃん?」
頭をコツンと叩いて。ぱっと顔を上げて美貴の顔を見た途端、「あっ・・」
っと、イヤホンをスポンと外すと、慌てて手に持っていたCDをバッグの中
に仕舞い込んだ。
- 369 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:26
- 「あ、あの・・・あの・・・」
急にあたふたしだして。
「紺ちゃん・・・今の曲って・・・美貴の・・・・」
ぶわっと音が聞こえそうな位、一瞬で真っ赤になって。
バッグに突っ込んだまんまの紺ちゃんの手を掴んでそっと引き出すと、その手には
・・・・見慣れたジャケットのアルバムが。
「紺ちゃん・・・・・これ・・・・」
「あ、あの、ごめんなさい、私・・・今まで藤本さんがソロの時の曲ってちゃん
と聞いた事無かったんです。で、お付き合いするようになってから、もっと藤本
さんのこと知りたくって。だから買ってきて聞いてみたんです。そうしたら、こ
の中にはまだ私の知らない藤本さんがたくさんいて。色々な発見があってすごく
嬉しくて・・・・・中でも、この曲が大好きなんです。なんか丁度今の私の気分
に合ってて。すごく夢があって、もっと藤本さんと心踊る恋がしたいなって思え
てきて・・・・なんか、胸の中が藤本さんで一杯になって、幸せだなぁって」
- 370 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:27
- 紺ちゃん・・・・・・
知らなかった。
こんなにも、美貴の事を・・・・・・
胸の中で猛烈な感動が一気に膨張した。
やばい。こんな所で泣きたくないのに。
あ・・・・ダメ。
紺ちゃんと付き合い出してから微妙に緩くなった涙腺が思いっきり開放した。
あっという間に涙が溢れ出て来た。
「あ、あ〜・・あの、あの、ごっ、ごめんなさい!」
- 371 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:28
- そんな美貴を見て、大慌ての紺ちゃん。
「あさ美ちゃん、どうしたの?」
新垣ちゃんが心配そうに近寄ってきた。
・・・くっ・・来るなァ〜お豆・・あっち行け・・・
訝し気に美貴を覗き込むなり・・・・・
- 372 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:29
- 「うえぇぇぇぇぇっ!どうしたんですかァ」
その叫び声に楽屋がシーンと静まり返る。
ほら、あっちこっちから近寄ってくる気配。
「お豆?どうしたの?」
・・・梨華ちゃんほっといて・・・
「あさ美ちゃんがもっさん泣かした・・」
「「「えぇ〜っ!」」」
逃げられない。誰か助けて・・・・
- 373 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:31
-
・ ・ ・ ・
- 374 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:32
- 毎度騒がしい娘。の楽屋に、突然響いたお豆ちゃんの絶叫。
部屋中に散っていた暇を持て余した連中が、何事かと集まってくる。
ん?
良く見ると、ペタンと女の子座りをして、どう見ても泣いている様にしか
見えないミキティと、その前で慌てふためいているこんこん。
・・・・・・は?
何なんだ、この在り得ない状況は。
瞬間、おいらの頭脳がフル回転。
・・まず、こんこんが故意に他人を傷つける事は100%在り得ない。しかも、
相手がミキティなら、なおさら。
- 375 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:34
- ・・並み大抵の事じゃ絶対に泣かないミキティが泣いている。
彼女は、暴力とか外的圧力には絶対に屈しない。
・・・と言う事は、内面的な感情が抑え切れずに?
・・こんこんが慌てている。と言う事は、こんこんの言った事が、きっかけ
になっているのは間違い無い。
・・そっか。こんこんが何も考えずに言った言葉にミキティが感激したかなん
かで。その内容が余りに衝撃的でミキティの精神的許容を越えちゃったんだ。
・・・多分。
今日はなっち来てないし。圭織は?
ん?メンバーの一大事に相変わらず読書かい。
- 376 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:35
- と思ったら。
おもむろに読んでいた本からスッと顔を上げると、隣に座って心配そうにして
いる重さんに何か話し掛けて頭をポンポンってすると、おいらを見てふわっと
微笑んで。そして、ゆっくりとうなずいた。
あん?行けってか?・・・しゃ〜ねぇなぁ・・
「こらぁ〜、お前ら集まらなくていいから。何でも無いから。ほら、散れって」
「え、だ、だって美貴ちゃんが泣くなんて・・」
- 377 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:37
- 「こんこんとミキティ、こっち」
周りからの興味タップリの視線が集中する中、娘。の楽屋を後にする。
ミキティは、余程インパクトが強かったのか、手で口を押さえて嗚咽を
こらえている。
脇で心配そうに覗き込むこんこん。
「そこ、ごっつぁんの楽屋に入って。今、誰もいないから」
ミキティをまず押し込んで。
後から入ろうとするこんこんを引き止めて。
「あの、あの、わ・・・私・・・」
「ん、わかってる。中に入ったらちゃんと鍵を締めてね。そしたら、何も言わ
なくていいから、黙ってミキティのことを優しく抱きしめてあげるんだよ?」
- 378 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:38
- 「え・・・?」
「こんこんの気持ちが嬉しくて泣いちゃったんだろ?ミキティはね、不安
だったんだよ。もしかしたらこんこんは、自分の勢いに流されてるだけな
んじゃないかって」
「えぇ?そ、そんな・・・・」
「うん。こんこんはさ、恥ずかしがって、自分からは、あまり面と向かって
自分の気持ちって伝えた事無いだろ。愛してる、とか好きだとか。彼女の言
った事を受けて、私もです・・・みたいにしか言ってないんじゃない?」
「・・・・あ」
「ね?だからさっきこんこんが何て言ったかは知らないけれど、ミキティに
自分の素直な気持ちをストレートに伝えたんだろ?それが嬉しかったのさ。
さ、ほら。何も心配いらないからさ、傍にいてあげなよ。時間になったら呼
びに来るから、それまで・・・・ね?」
- 379 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:39
- 伏せていた顔を上げたこんこんは、しっかりとした目でおいらを見ると、
ゆっくりうなずいてドアの向こうへ消えて行った。
カチャッと鍵の掛かる音を背中で聞きつつ娘。の楽屋に戻る。
途端に、わさっと集まってくる暇人たち。
「矢口さん、どうしたんですか?あんなに泣いてる美貴ちゃんて、今まで
見たこと無いですよ?」
余程驚いたのか、真顔で目が点になってる加護ちゃんと横でうなずく辻ちゃん。
「まりっぺ、大丈夫なんですか?」
あ〜・・・こちらも。八の字になった眉の間に皺が寄ってる梨華ちゃん。
- 380 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:41
- 「大丈夫。全然心配ないから」
「でも・・・・・」
「説明しなきゃ納得できないか?」
大きくうなずく、梨華ちゃん・あいぼん・・おまめ・愛ちゃん・麻琴っちゃん
・田中ちゃん・・・・・etc.
はぁ〜・・・っとタメ息。面倒くせーなぁ・・・
「藤本はね嬉しかったんだよ」
何時の間にか後ろにいた圭織。
「好意を持たれてるのは分かっていても、やっぱり言葉で言ってくれないと
判りずらいじゃん。藤本はね、今まで、どちらかというと、自分の気持ちの
方が強くて、空回りしてるって思ってたんだ。いつも不安に思ってたんだろうね」
- 381 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:42
- 静かに聞き入るメンバーをゆっくりと見回しながら。
「それがね、さっき何気ない会話の中で、多分、紺野は自分が気付かないうち
に、藤本への熱い気持ちが一瞬で伝わるような事を言ったんだと思うの。いつ
も不器用で、なかなか表に、言葉に表さない紺野の本当の気持ちを聞いてさ、
藤本は自分が思っていた以上に愛されているのに気が付いて。その思いがあま
りにも大き過ぎて、一気に溢れちゃったんだよ」
・・・・なんだ・・・・
圭織のやつ、全部判ってておいらに行かせたんだ。
「だからさ、ぜ〜んぜん心配無いからね。それと、2人が戻ってきても、
そっとしておいてあげてね。いい?」
・・・かっけー。圭織、先生みたいだ・・・
「「「はーい!」」」
・・・学校みたいだ・・・
- 382 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/24(金) 22:47
-
・ ・ Intentionally left blank ・ ・
- 383 名前:たまえす 投稿日:2004/09/24(金) 22:48
-
隠します。
- 384 名前:たまえす 投稿日:2004/09/24(金) 22:49
-
本日はここまでです。失礼しました。
- 385 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/25(土) 00:31
- 更新お疲れ様です。
何だかジ〜〜〜〜〜ンときましたよ。
- 386 名前:たまえす 投稿日:2004/09/25(土) 14:46
- >>385 名無飼育さん 様
ありがとうございます。
ちょっとキャラが変わり過ぎていないか心配だった
のですが、そう言って頂けると嬉しいです。
- 387 名前:たまえす 投稿日:2004/09/25(土) 14:51
- あと、前回 >>365 の所でのレス返しでアンカーの番号を間違えていました。
>>362 名無飼育さん 様 は >>363 名無飼育さん 様 の誤りでした。
大変失礼致しました。
- 388 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:02
- 矢口さんに促されて、後藤さんの楽屋へ入る。
薄暗い部屋の真ん中に立ち尽くしているシルエット。
ドアの鍵を締めると、電気をつける。
瞬間、涙に濡れた顔が目に入った。
「嫌、お願い・・・・・電気消して・・・・」
「は、はい・・・・ごめんなさい」
慌てて電気を消す。
・・何も言わなくていいから、黙ってミキティのことを優しく抱きしめて
あげるんだよ・・・
- 389 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:03
- 近付いて、そっと抱きしめる。
頬に触れる冷たい感触。
「ううぅ〜、・・・・んっ、ご、めんね。驚かしちゃって」
何て言っていいか分からなくて、ふるふると首を振る。
しばらくそのままでいると、少しずつ藤本さんの呼吸が静かになってきた。
不意に顔を上げると
「グスッ、かっこ悪いとこ見せちゃった。マジ最低。はァ〜、でも、久々に
思いっきり泣いたよ」
- 390 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:04
- 真っ赤な瞳で。
涙の跡がびしょびしょで。
でも、嬉しそうに笑っていて。
「あ、あの、あの、ごめんなさい」
「ううん、違うよ。紺ちゃんのせいじゃないよ」
「あの、でも、さっき矢口さんに言われて、あの、・・・・私、全然気付いて
なくて、矢口さんに指摘されて、やっと気が付いて」
「え?何て言われたの?」
- 391 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:05
- 「いえ、あの、私が気持ちをちゃんと伝えていなかったから、藤本さんを
不安にさせてたなんて、全然気付いてなくって。本当にごめんなさい。私、
藤本さんの事、大好きなのに。なのに、ずっと悲しい思いをさせてたなん
て・・・うぅぅぅぅっ・・・・」
愛していると思っていたのに、ちゃんと届いていなかったことがショックで。
自分が情けなくって。
・・・・・泣けてきた。
「ちょっ、紺ちゃん、紺ちゃんまで泣かないでよ。大丈夫だから。紺ちゃんの
気持ち、ちゃんと届いてるから」
「んっ、うぅ〜っ・・・っく、・・・わ、私、くぅぅ・・」
「こーんちゃん、ごめんって。美貴はもう大丈夫だから。ほら、紺ちゃんの
気持ち、こんなにたくさん貰ってるから。ほらぁ〜、泣くな」
- 392 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:06
- 復活した藤本さんに、ぎゅ〜っと強く抱きしめられる。
優しい温もりに包まれて。
「こ〜んちゃん」
クイッとあごを持ち上げられて、唇にも温もりが降ってきた。
時間が止まり、心の中がスゥ〜ッと穏やかになる。
暫くして唇が離れ、目を開けると、そこには優しい笑顔。
「ほら、紺ちゃんの気持ち、いっぱい伝わってきた」
- 393 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:07
- あぁ、私やっぱり藤本さんのこと好きだ。
その時、廊下でガヤガヤ話し声。
・・・・?
・・・・『トントン』・・・・
「は〜い」
ドアを開けようとすると、向こうから矢口さんの声。
『あと10分でスタジオ入り。2人とも急いで顔直せよ!』
「はい、ありがとうございます」
『おっし』
- 394 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:07
- 慌てて部屋を出ると、メイク・ルームへ飛び込む。
「あれ?」
「ん?どしたの?」
「え?・・・いやぁ〜、さっき矢口さん、2人とも急いでメイク
直せって言いましたよね」
「あぁ、そう言えば」
「てことは・・・・」
「ん、紺ちゃんも泣いたのバレてたんだ」
「・・・・恥ずかしい・・・・」
- 395 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:09
- 「あははは・・・・・でもさ、娘。の上級生ってさ、何気にみんな凄いよね。
ほら、人の心を見抜く力が」
「あ〜、そうですね。矢口さんはもちろん、飯田さんもそうだし、安倍さんも
保田さんも」
「だから、多分、一番強烈なのが中澤さんなんだよ。美貴は何にも言ってないの
に紺ちゃんの事バレてたし。きっと、何から何まで全部分かった上ですっとぼけ
てるんだ」
「何だか恐いですね。隠し事、できませんよね」
「うん。でもメンバーには隠し事する気もないけどね」
- 396 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 15:09
- 「そうですね」
話しながらも、手は休まず顔を作る。
仕上げはスタジオでメイクさんに直してもらお。
廊下の向こうから、「モーニングさんお願いしまーす」とスタッフさんの
声が聞こえた。
「よし!行くぞ紺ちゃん」
「はい!」
- 397 名前:たまえす 投稿日:2004/09/25(土) 15:14
- 何だか、CPが固定しつつありますが。
これも単に作者の創作(妄想)能力の欠如ということで。
- 398 名前:たまえす 投稿日:2004/09/25(土) 15:17
- 他のCPにも挑戦したくても、方言の壁が高く立ちはだかって
おりまして。今後の研究課題ということで。
- 399 名前:たまえす 投稿日:2004/09/25(土) 15:18
- 今晩、もう少し更新したいと思います。
- 400 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:24
- 「あれ?ごーっちゃん、何してんの?」
「ん〜、なんか楽屋に鍵掛かってて入れないんだよねー」
「はぁ?自分で締めたんちゃうん?」
「ううん、梨華ちゃんかな・・・・いや、鍵なんか持ってるわけないし」
・・・・・あっちゃ〜、ごっつぁん戻ってら・・・・
「おぉ、や〜ぐちぃ〜」
「ぐぇっ・・・・ちょっ、苦しいって。ごめんってば。許してぇ・・・」
「いやや。最近なっつぁんと浮気ばーっかしとるやろ。全然遊んでくれへんし。
たまには幸せ分けてくれてもええやん」
- 401 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:25
- 「分かったから、ごっつぁん助けて・・・・」
「ふっ、そんな事より鍵がさぁ・・・」
「そんな事って何だよ!」
「だって、もう次の仕事にさぁ」
「あ〜、愛を感じるわぁ」
「だからさ、メイク終ってんだからすりすりすんなって。ごっつぁん
ごめんよ、すぐ開けるから」
「ん〜?誰がいるのさ」
- 402 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:26
- 「ちょっとね。『トントン』あと10分でスタジオ入り。2人とも急いで顔直せよ!」
『はーい』
「おっし。・・・・ってね」
「2人・・・・?」
「ん。見てりゃ分かるよ」
と、ばん!と開いたドアから手を取り合って飛び出して行く2人。
「何やねん、あれ」
「青春純愛物語・・・・・」
「へぇ〜、なんや。上手く行ったんか」
「え、裕ちゃん知ってたの?」
- 403 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:27
- 「どーやろな」
「ま、ね。裕ちゃんだからね」
「何やねん、それ」
「ねー、何で美貴ちゃんと紺野が私の楽屋から出てくるのさー」
「詳しくは後で梨華ちゃんから聞いて。それより急ぐんじゃないの?」
「おっ、やばい」
慌てて楽屋に飛び込むごっつぁん。
「やぁ〜ぐちぃ〜、すっきやでぇ〜」
「ゆーちゃんさ、こないだはなっちに抱き付いてたよね」
「だぁ〜って、今日なっちおらへんし」
- 404 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:28
- 「誰でもいいんじゃん」
「違う。矢口も好き。なっちも好き。ええやん、2人で浮気してるんやし」
「裕ちゃん?」
「なぁ〜に、やーぐち」
「何で知ってるの」
「え?何がやの」
「んっと、さ。おいらとなっちのこと」
「そんなん、見てれば分かるっちゅーねん。長い付き合いやないの。
・・・てゆーか、隠してたん?」
「一応、そのつもりだったんだけど」
- 405 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:30
- 「ぜーんぜんそんな風には見えんかったわ。誰が見たってラブラブやん」
「ま、ね。裕ちゃんには無駄だったか」
そのとき、ばぁ〜んとドアからごっつぁんが飛び出して「おっ先ぃ〜!」
と叫びながらエレベーターに消えて行った。
裕ちゃんは、おいらを抱きしめていた腕を離すと
「あんたらはな、支え合って丁度ええねん。お互いめっちゃいい感じやし。それが
回りの連中にも伝わってるんよ。みんなの表情が会う度に優しくなってるからな」
「良く見てるね」
「感じんねん。それに歌もそう。歌い手が愛に満ち足りていれば、聞き手にも何
か伝わるやろ?なっちの歌からは矢口からの愛を感じるし、ごっちゃんの歌から
は石川からの愛を感じる」
- 406 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:31
- 「裕ちゃん」
「ん?」
「ありがと」
「何やの、急に」
「ちょっとね、不安だったんだ。おいら達のせいで、みんなに悪い影響とか
あったらどうしようって。最近、娘。の中で微妙な関係って言うか、こっち
側のカップルが、さ、ほら。増えてきちゃってるから」
「そんなん気にせんでええやん」
「そだね。ちょっと自信出てきた」
「あ〜、オレも愛に満ち足りてぇ〜なぁ〜」
「ハハ、裕ちゃんにはさ、熱いコアなファンがいっぱいいるじゃん」
「しゃ〜ないな。仕事に生きるか」
「L・O・V・E ラブリーゆ〜こ!ゆ〜こ、オイ!ゆ〜こ、オイ!」
「うっさい!」
- 407 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:33
-
「や〜ぐちさぁ〜ん、行きますよ〜」
廊下の向こうからお豆ちゃんの声。
「ほら、未来のリーダーが呼んどるよ、サブリーダー」
「え、何で知ってるの?圭織のあとお豆ちゃんがリーダーだってこと。
まだ圭織とおいらしか知らない筈なのに」
「えぇぇぇっ、マジで?・・・嘘やろ?」
「うん嘘。じゃね、裕ちゃん。ギャハハハハハハハ」
「お前〜、待てコラ、アホやぐちぃ〜」
「ヤーダヨ〜・・・・」
- 408 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/25(土) 20:35
- ・ ・ ・ ・ ・ ・
- 409 名前:たまえす 投稿日:2004/09/25(土) 20:37
- 隠します。
- 410 名前:たまえす 投稿日:2004/09/25(土) 20:38
- 本日はここまでです。失礼しました。
- 411 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/25(土) 21:03
- 更新乙です。
お!未来のリーダーってw(笑
あはっ、やっぱ姉さんっていろんな意味ですごい!(ぉ
- 412 名前:たまえす 投稿日:2004/09/26(日) 23:34
- >>411 名無し読者 様
ありがとうございます。
未来は分かりませんが、若手の中で一番しっかりしているように
見えるのは私だけでしょうか。
姐さんは・・・・好きなんです(笑。
- 413 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:35
- 「にゃーんにゃん」
「?」
「んもぉー・・・・にゃんにゃおーん」
「なんしょーと?」
「えー、ダメかぁ。まだハートが足りないのかなぁ・・・」
「だからなんね」
「んー?れーなにね、愛の告白をしたんだけどなぁ」
「はぃ?」
- 414 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:37
- 「にゃぁ〜んにゃにゃ・・・」
「せからしか・・・・・」
「あははははは」
「・・・・アホ」
「ん〜、・・・アホじゃないもん」
「普通に言えばよかろーが」
「そっか ・・・・んしょ・・」
向かい合うようにきちんと正座をした絵里。
れなの手を握って嬉しそうに満面の笑みで・・・・
「れーな、愛してる」
- 415 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:38
- うわっ・・・・・・
・・・まさか直球で来るとは思わんかった。
一瞬にして顔が紅潮する。
「あーっ、れーなが真っ赤になった」
「・・・・・・・・・」
「れーなは?」
「なんが?」
「だーかーらぁ〜」
「だから・・・なんね」
- 416 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:39
- あ・・・・ほらまた。その顔、ズルかぁ〜もぉ。
「だけん、こんくらいで泣かんでもよかろーが」
「れーなは・・・絵里のこと・・好きじゃないの?」
「ちょー、なん言いよっとや?ほら、えーり、なんも泣かんくても・・・」
「グスッ・・・好き?」
- 417 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:40
- ほとんど脅迫やね。
せーの・・・・おりゃ!
思いっきり押し倒して、力一杯抱きしめる。
「れなは絵里んこと、大好きだけん。そんなん、いちいち言わんでも
わかっとろーが」
「うん・・・・ごめんね」
「・・・・よかよ」
- 418 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:41
- 「梨華ちゃんさぁ」
「はい」
「最近、楽屋の雰囲気も変わったねぇ」
「はい」
「堂々と押し倒されてもねぇ」
「はい」
- 419 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:42
- 「やっぱさぁ」
「はい」
「おいら達の責任かなぁ」
「・・・・・・・」
「なんか言えよ」
「・・・たち、が余計です」
- 420 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:44
-
・ ・ ・ ・
- 421 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:45
- 「道重」
「はい」
「これ、暇があったら読んでみて。結構面白いよ?大丈夫、全然難しくないから」
「はい、ありがとうございます。先週借して頂いた本、もうちょっとで読み終わり
ますよ」
「うん、いい子だね。少しずつでも本とかを読んでおけばさ、必ず将来役に立つか
らね」
「はい。飯田さんに本をお借りするようになってから国語の成績が上がってきたん
ですよ」
「そっか、良かったね」
「はい!」
- 422 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/26(日) 23:49
- ・・そう。ダンス・レッスンやボイトレだけが勉強じゃない。
この子は将来必ず娘。を背負うようになる。
時間ができると、つい遊んでしまうよね。でもね、ほんのちょっとだけ、
読書でもいい。新聞とかテレビのニュースでもいい。
外に意識を向けてみて。
そして、考えてごらん?
そうすればね、将来、何もしなかった人との差に必ず気付く時が来るはずだから。
私がキミにしてあげられるのは、これくらい。
今は私がリーダーだから。
この思いを伝える事はできないけれど。
キミだけを抱きしめる事はできないけれど。
ね。道重・・・・・
- 423 名前:たまえす 投稿日:2004/09/26(日) 23:51
- ちょっと息抜きっぽいショートが2つでした。
- 424 名前:たまえす 投稿日:2004/09/26(日) 23:52
- 連続更新しようと思ったのですが、代々木の昼夜連戦で
体力を消耗しまして。
- 425 名前:たまえす 投稿日:2004/09/26(日) 23:53
- という訳で、本日はここまでです。失礼しました。
- 426 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:01
- しばらく会えないはずだったのに。
仕事が終って帰り支度をしてたら、突然携帯が鳴って。
「真希ちゃん!ツアーのレッスンじゃなかったの?」
「ん〜、終ったよ。早く帰ろう」
「早かったね。帰ろうって、今どこ?」
「もうすぐそこの下に着くから」
「はぃ?こっち来るの?」
「いや、もう着いちゃった。待ってるよ〜」
慌ててバッグをつかんで。
「石川お先です。お疲れ様でしたー」
部屋を飛び出すと、エレベーターへ。
- 427 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:02
- 外へと駆け出すと、タクシーの中から手を振っている、すっごい笑顔の王子様。
私も思わず顔がほころぶ。
「丁度、今終ったところなの。グッドタイミング」
「うん、なんとなくそんな感じがしたからねー、ちょっと来てみた」
「どう?仕上がり具合は」
「うん、ばっちりだよ。あっちゃんとも息はぴったし。でもさ、やっぱし
あっちゃんて凄いわ」
「うん」
「私もねー、かなり頑張って踊ってるんだけどさぁ。かなわないねぇー師匠には」
「真希ちゃんだって」
- 428 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:04
- 「ううん、リハでビデオ撮るじゃん。比べるとさ、やっぱりダンスがね」
「そっか・・・・・」
「化け物だね、あの三十路は。めっちゃめちゃ悔しい。負けないぞーってね。
あっちゃんが一緒で良かった」
「ん?」
「だって、自分より上手い人がいるってことはさ、ごとーもまだまだ負けてられない
ってことじゃん。このツアーで絶対何かを掴んで、もっと上手くなってやるから」
「・・・・うん」
「あたしは30になっても、踊っていられるのかな・・・・」
- 429 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:05
- いつもね、凄いなって思う。
普段の、ぼーっとしている真希ちゃんと、今の様に戦闘モードにシフトしている
真希ちゃん。
まるで別人のよう。
でも、逆にONとOFFがちゃんとしてるからいざと言う時に力が発揮
できるのかな。
多分、今晩は真希ちゃんの家で今日のレッスンの復習に付き合うことになる。
私が真希ちゃんにアドバイスできる事なんて殆ど無いけれど、でも、
私が見てると、身体中にパワーが漲るんだって。
歌う事と踊る事が大好きな真希ちゃん。
大きなお部屋の大きな鏡の前で踊る姿は、まるでステージそのもの。
何度見ても、見惚れてしまう。
- 430 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:07
- 昔、やっぱり真希ちゃんちで練習に付き合わされて。折角二人でまったりしようと
思ったのに、ひたすらダンスを見せられて。
ちょっと不機嫌になって思わず「別に私じゃなくてもいいじゃん」って言ったら。
そしたら真希ちゃん、急に外に飛び出して行っちゃって。
その時初めて、私、何て事を言っちゃったんだろうって気付いたけれど、
その時はもう玄関のバタンって音が。
慌てて玄関を出てみると、暗闇の中を走る足音が遠ざかって行く。
- 431 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:07
- 後を追い掛けて探し回ると、通りかかった公園から泣き声が聞こえてきた。
行ってみると、ベンチで大泣きしている。
いくら謝っても泣き止んでくれなくて。深夜の静かな住宅街に泣き声が響き、
近所の家の明かりがポツポツと点き出して。
なんとか家に連れ帰って、私も泣きながらひたすら謝り続けた。
てっきり、真希ちゃんの気持ちを理解できなかった私に失望して怒っているの
かと思っていたのに。
でもそうじゃなくて。
- 432 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:13
- 真希ちゃんは、自分のわがままで、私を怒らせてしまったと思っていた
んだって。
そんな自分に対して腹を立てていたらしい。
あんな酷い事を言ったのに、それでも私の事を気遣ってくれるなんて。
改めて真希ちゃんの優しさが身に染みて、私が真希ちゃんからパワーを
貰っているように、真希ちゃんも私を必要としてくれているんだって事
を改めて思い知らされた。
コンサート、絶対成功するよ。
- 433 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:13
-
・ ・ ・ ・ ・
- 434 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:14
- 「は〜い、みんな聞いて」
マネージャーに呼ばれていた圭織が、戻ってきて、お決まりの一声。
ざわついていた部屋が急に静まり、みんなリーダーに注目する。
「来週の土曜日の夜ですけど、多分、全員スケジュールは入っていないと
思います。・・・というのはですね、東京でごっちんのコンサートがある
んですけど・・・」
まだ圭織が言い終わらないうちに、勝手に盛り上がるメンバー。
「キャー、見れるの?見れるの?行く行く〜」
「私も〜」
あ、ほら。圭織が不機嫌そう。ヤバイ。
- 435 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:15
- 「お前ら、静かにしろよ。まだ話し終ってないから、最後まで聞けって!」
たまにはサブリーダーらしいこともしておかないと。 ・・・・なんてね。
ちらっとおいらを見て眉毛をピクッとして「まったく・・・・」って顔をすると、
「はい、いいですか?全員で土曜日の夜公演を・・・・・」
「「ぎゃ〜〜、やったぁ〜見れるのぉ〜」」
- 436 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:16
- まったく。何度言ったら・・・
「こらぁ〜、何度も言わせんな!話しを最後まで聞けよ!特にそこの二人!」
・・・怒鳴れば一応静かにはなるんだけどね。でもこの二人、本当に卒業して
やっていけるのか。おねーさんは心配なり。
「はい、全員で見る予定ですけども、もし都合の悪い人がいたら前の日まで
に私に言ってください。いいですか?」
「「「 は〜い 」」」
- 437 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:17
-
・ ・ ・ ・ ・
- 438 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:18
- 私達は時々、お互いに他のハロプロメンバーのコンサートとかミュージカルを
見る機会があります。
もちろん、勉強のためなのですが。
でもちょっと残念なのは、前の方では見る事ができないんです。
しょうがないですけど。
大体、2階席とか、大きな会場だとアリーナとか、スタンドの真ん中辺りとか。
始まって暗転してから、こそっと入るんですけど、周りのお客さん達にはすぐ
気付かれてしまいます。
- 439 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:20
- そりゃー、後ろを振り向いて、娘。とかがずらっと並んでいたらちょっと
びっくりするかもしれませんが、でもね皆さん、ちらちらと後ろを振り向
いたりしないで、ちゃんとステージを見て応援してあげてくださいね。
あ、そうそう。そうやって見に行く時は、もちろん普段着で行きますが、
それぞれ帽子を被っていたりとか、テレビの時と髪型が違っていたりし
ますよね。
だから、気付いたお客さんも案外間違っている人、多いですよ。
耳を澄ますと・・・
「あ、ほらいた。一番端が加護ちゃんで、その隣がののじゃん・・・」
- 440 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:22
- なーんて会話が聞こえてきたりしますが。
残念!
一番端は私で、その隣はお豆でした。のんちゃんとあいぼんは来てません。
・・・てなことが多いです。
チッチッ、まだまだですね。
でも、もし私が最前列にいたら、後藤さん驚くだろうなぁ〜。
一度やってみたいんです。
「ご〜っちん オイ!」って。
「何がオイなの?」
- 441 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:24
- 「あ、あわわ・・・あの、おい、おい・・もが食べたいなーなんて・・・」
「まーた食べ物のこと考えてたんだ」
「はぁ、すいません」
「美貴ちゃんは?」
「マネージャーさんに呼ばれてます」
「そっか。紺野はさぁ、ミキティと上手く行ってる?」
「はい・・・・あ、あの」
「ん?」
「石川さんは、その、後藤さんと・・・」
「うん?」
- 442 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:25
- 「あ、ごめんなさい。何でもないです」
「いいよ?何でも聞いて。私で力になれるなら」
「あの、やっぱり許した方がいいんでしょうか」
「え?何を?」
良く分からなくて聞き返すと、真っ赤になってうつむいてしまった。
・・・・なるほど、そういうことね。
「紺野はさ、美貴ちゃんとどこまで行ってるの? あ、言いたくなければ
言わなくていいよ」
- 443 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:26
- 「え・・・・、フレンチ・キスまで・・・・」
「なぁ〜んだ、結構頑張ってるじゃん」
「?・・・え、だ、だって、チュッてしただけですよ?」
「は?・・・・あ〜、もしかして勘違いしてる?紺野」
「ふぇ?」
「クスッ、あのね、フレンチ・キスっていうのはね、ディープ・キスのことだよ」
「ディ・・・・・・えぇぇぇぇっ、ほ、本当ですか?」
「うん。フレンチって、ちょっと柔らかいイメージがあるのかな。以外と間違え
てる人多いよ」
- 444 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:27
- 「あ、あぁぁぁぁぁ〜・・・・」
急に顔から血の気が引いて、青くなってあたふたしている紺野。
「ど、どうしたの?」
「あ、あの、あの、私・・・あぁ〜どうしよう」
「ちょっと、落ち着いてよ。何なの?」
「私、前にハロプロアワーでやっちゃったんです・・・・・あぁ〜もうダメだァ〜」
「何を?」
「そんなの知らなくて、カメラに向かって思いっ切り・・・・フレンチキス、チュって」
- 445 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:28
- 「いいじゃん別に。紺野がやったんならさ、見てた人だってみんな、
可愛いなって思うでしょ」
「で、でも、はしたない子だって思われていたらどうしよう」
「クスッ、大丈夫だよ。本当のフレンチ・キスのことを知ってる人ならね、
あ、紺野は勘違いしてるなってすぐ気が付くから」
「はぁ・・・・」
「でも・・・・そっか。美貴ちゃんも良く我慢してるね」
「えぇ!やっぱり我慢してたんですか?」
- 446 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:30
- 「ん?だってさ、好きな人と、その・・・そういうことしたいって思うの
は当たり前じゃない?」
「そうですよね・・・・」
「あ、でもね、そうとは言えない場合もあるね。もしかしたらさ、紺野が
側にいてくれるだけで本当に心が満たされているのかもしれないよ?美貴
ちゃんは何て言ってるの?」
「私と一緒にいれるならプラトニックでもいいって。ゆっくり行こうって
言ってくれました」
「そっか。真剣に愛してるんだね、紺野の事」
「すごく優しくしてくれます。でも、でも、私ばっかりで、私からは何も
してあげられなくて」
- 447 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:31
- 「それは違うよ?美貴ちゃんはね、ちゃーんと紺野からもらってる。
美貴ちゃんのこと愛してる?」
「はい」
「だよね。見ていてわかるもん。二人が付き合い出してからね、紺野も
美貴ちゃんもすごく綺麗になった。それはね、ちゃんとお互いの愛を感
じているから。しっかりと受け取っているから、だから変われたんだと
思うよ?」
「そうでしょうか・・」
「そうだよ。ね?美貴ちゃんにだって、紺野の気持ちは届いてるから」
- 448 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:32
- 「そうだといいんですけど・・・・」
「ほらぁ、もっと自信を持て!」
「でも」
「それにね、心配しなくてもそういう時は自然にそうなるからさ。何て言った
らいのかな、お互いの波長が自然にピッて合う時が来るから。焦らなくてもい
いと思うよ」
「石川さんと後藤さんもそうなんですか?」
「ん?そうだなァ、そういう時もあったよ?でも今はね、普通にお互いの
愛を確かめ合う一つの方法になってるのかな」
- 449 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:33
- 「あの、どうすれば・・・・」
「どうって?」
「いや、その、あの時に・・・・」
「エッチのし方?」
「あ〜、ごめんなさい、何でもないです」
「美貴ちゃんに任せればいいと思うよ」
「ふぇ?」
「美貴ちゃんは絶対に優しく愛してくれるから。だからね、紺野は何も考え
ないで、美貴ちゃんだけを感じていればいいんじゃないかな」
「石川さんも・・・・」
- 450 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:34
- 「私もそう。真希ちゃんはね、本当に優しく愛してくれるの。私からして
あげることは殆ど無いけれど、でもね、いつも真希ちゃんは『梨華ちゃん
はそのままでいいから』って言ってくれるの。だからさ、美貴ちゃんだっ
て多分そう思ってるよ」
「り〜か〜ちゃん!」
「あ、まりっぺ」
「何?こんこんのお悩み相談?」
「はい」
「あぁ〜、あの、はいって・・・・石川さん・・・」
「あ、そうだ紺野。矢口さんなら美貴ちゃんの気持ち、かなり分かると思うよ?」
「「???」」
- 451 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:35
- 「え?だって、私とか安倍さんよりはさ、美貴ちゃん側の真希ちゃんや
まりっぺの方がさ、やっぱり同じ気持ち感じてるはずじゃん」
「何?美貴ちゃん側って・・・・」
「いや、ほら、する方とされる方って」
「おいらは?」
「もちろん、する方」
「はぁ?お前見た事あんのかよ」
「はい」
「え゛っ?・・・・い、いつ」
- 452 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:37
- 「いつって。何度かありますけど、ん〜例えば、先週、打ち合わせの合間に、
私、頭が痛くて事務所の会議室の隅で休んでたんですけど、その時、まりっぺ
が安倍さん引っ張り込んでソファーで・・」
「わぁ〜〜、えっ?い、いたの梨華ちゃん・・・」
「だって、いきなり始まっちゃったから、出るに出れなくて・・・・」
「・・・・最後まで?」
「勉強させて頂きました」
「・・・・・・・・ほんとに?」
- 453 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:38
- 「だって、安倍さんの声が大きいからって、ハンカチをくわえさせてた
じゃないですか」
「・・・・・・・」
「まぁ〜〜りぃ〜〜ちゃん、どちたんでちゅか?」
「・・・・あぁ〜、終った。もうダメだ、おいらの人生真っ暗・・・・・
梨華ちゃん、今までありがとう。おいらはもう立ち直れ無い・・・サヨナラ」
「何言ってるんですか、いまさら。でも、やっぱりですね、もう少し我慢した
方がいいですよ。私じゃなくて、もし他の人だったらどうするんですか。我慢
して、久し振りにするエッチも燃えますよ?」
「ん?あぁ〜、ちょっと紺野!大丈夫?」
- 454 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:39
- 「ありゃ〜、白目剥いちゃってるよ。おっ前、まだこんこんには免疫が無い
んだからさぁ、ちょっと考えろよ。もしこんな所をミキティに見られ・・・・」
ガチャッ
「紺ちゃんお待たせ〜・・・・・って、えっ?」
「あっ!ミキティ・・・・」
まあ、大体こんな時は、予想通り悪い方に転がるものでして・・・
「こ・・・・んちゃん・・・・?」
「あ、あのさ、これには・・・・・」
- 455 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:40
- 「矢口さん!梨華ちゃん!一体何したの。私の紺ちゃんに」
「いや、ちょっ、落ち着いて」
「紺ちゃん!どうしたの?あぁ〜、しっかりして」
椅子に、くて〜っともたれかかったまま意識をすっ飛ばした半目で白目の
こんこんを見るなり、隣に崩れ落ちて肩をガクガク揺するミキティ。
キッと振り向いたその表情は・・・・
- 456 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:41
- 一瞬にして、おいらと梨華ちゃんは凍り付いた。
・・今まで何度もミキティの怖い顔は見たけれど、今のは最上級。
本当に怖い時には、声なんか出ない。
嫌な汗が背中を流れ落ちる。
こんこんを抱き抱えたミキティは・・・・
「紺ちゃんをいじめるやつは、例え誰だろうと絶対に許さない」
振り向きもせずに震える声でそう吐き捨てて部屋を出て行った。
- 457 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:42
- 「・・・や・・・矢口さん・・・・」
「・・・はい・・・」
「あの、どうしましょう」
「どうしましょうか」
「ま、まずいですよ」
「はい、そう思います・・・・」
「早く謝らないと・・・・」
「明日の朝刊、3人仲良く一面か?」
「・・・3人で朝刊ならいいですけど、2人仲良く京浜運河に沈んじゃったら・・・」
「そ、そこまでするか・・・・な?」
- 458 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:43
- 「さっきの顔・・・・・見ましたよね」
「・・・・・・・み・・・見た・・」
「まだいるかな・・・」
「とにかく謝らないと」
「怖いけど、行くしかないか・・・」
「お願いします」
「えぇっ!一緒に謝ってくれないの?」
- 459 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:44
-
・ ・ ・ ・ ・
- 460 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:45
- 「紺ちゃん、お願いだから目を開けてよ。 グスッ、うぅぅぅッ、ヤだよ、
美貴を1人にしないでよ。また美味しいもの食べに行こうって約束したじゃん。
わぁ〜〜ん紺ちゃ〜〜〜ん!」
すぐ隣の空き部屋で、失神した紺野を抱いたまま、訳が分からず、取り乱す
美貴。
これだけ大声で叫べば、当然廊下に筒抜けで。ちらほらとギャラリーが
集まってくる。
そしてこんな人も・・・
「おっ、人だかり発見。どれどれ、何が出るかな、何が出るかなぁ〜」
- 461 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:46
- 偶然通りかかった関西人。
「はい、ちょぉ〜〜っとゴメンなさいよ〜、はいはい。ってあんたら一体
何してんの」
「中で誰か泣いてるみたいなんです・・・」
「喧嘩か?」
「いや〜」
「ええから、ちょーそこどきぃ」
ドアの前で耳を澄ますと、中から聞き覚えのあるトーン。
- 462 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:47
- ・・・・藤本やんか・・・・
てことは、・・・・あー、こないだ姐さんが言うてはったあれか?あれやな・・・
「ほら、あんたらは、もうどっか行きぃ。邪魔邪魔。私に任せとき」
ドアの前のギャラリーを追い払って、そっと中を覗き込むと、そこには
紺野ちゃんを抱きしめたまま壊れかかった藤本。
「入るで〜、藤本、どないしたん?何なの?」
「うっ、うぅぅぅ、紺ちゃんが・・・紺ちゃんが・・」
- 463 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:48
- 「ほら、落ち着かんかい、ちょー見してみぃ」
顔の前に頬を近付けて、呼吸・・・・正常
顔を触る・・・暖かい。
唇の色は・・・可愛いピンク。
首筋に指を当てる・・・脈も普通。
「ちょっとえーか、手ぇ離しぃ」
上体を起こして、後ろから羽交い絞めにして・・・・せーの、「えいっ」
「うっ・・・・・うーん」
「紺ちゃん?」
- 464 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:50
- 「大丈夫、何とも無い。た〜だ気を失ってただけ」
「ん・・・・ん?あれ、あ・・・あの」
「こぉ〜〜〜んちゃ〜〜〜ん・・・良かった・・・うわぁ〜〜〜ん・・・」
訳も分からず、涙でぐちゃぐちゃの藤本にむぎゅ〜っと思いっ切り抱きしめ
られて、呆けている紺野ちゃん。
「なぁ、何があったん?聞いてもええか?」
「あ・・・・あぁぁ、あの、あれ?稲葉さん。おはようございます」
「はい、おはようさん。何で気を失ったか覚えてる?」
「あの・・・矢口さんと石川さんの話しを聞いていて、気が付いたら藤本
さんが泣いてて」
- 465 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:50
- 「何のこっちゃ」
・・・コンコン・・
「あのぉ〜、ミキティいます?」
「あ、ほら、来たよ紺ちゃん」
「あ、良かった。気が付いたのね」
二人が近付こうとすると、美貴がサッと前に立ちはだかり、凄い形相で睨みつける。
「紺ちゃんに近付かないで!」
- 466 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:52
- 「ちょーちょー待ちぃーや、あんたら。何なん、一体・・・」
「いや、あの・・・・おいらと梨華ちゃんで下ネタ話しをしてたら、それを
聞いていたこんこんがショックで失神しちゃって・・・・・」
「はい?・・・・そうなん?紺ちゃん」
「はぁ・・・」
「えっ、?何かされたんじゃないの?」
「あー、いえ、あの・・・石川さんにちょっと悩みを相談してたら、矢口さん
が来て、それから・・・あの、何だか凄い話しになって。途中から覚えてない
んですけど・・・・」
「だってよ?藤本は何か勘違いしてんのとちゃうか?」
「うっ、だ、だって、紺ちゃんが・・・・」
- 467 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:53
- 「いや、やっぱりおいら達が悪かった。つい、さ、いい気になってまだ
免疫の無いこんこんの前で、そう言う話をしちゃったから。だから、
ショックで・・・・ね? ごめんねミキティ」
「てゆーか、美貴ちゃんもさ、あんまり紺野に心配掛けないようしなきゃ」
「えっ、な、何を?」
「あぁ〜、あの、あの、石川さんやめてください」
「だめ、言わせて。やっぱりさ紺野もね、不安なんだよ。そりゃーね、
美貴ちゃんに愛されてるのは痛いほど分かってると思うよ?だけど、
いくらプラトニックって言ってもさ、紺野を大切にって言ってもさ、
やっぱり、ちょっとはエッチなことして欲しかったりとかすると思うの」
- 468 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:54
- 「こらこらこら、お前達、ちょ、やめーや。そんなん二人にまかしたった
らええやん。人それぞれ。エッチもそれぞれ。まだこの先、人生長いねん
からな、そんな焦らんでもええんちゃうん」
「あの・・・・矢口さん、さっきはすいませんでした。美貴、てっきり・・」
「いいって。元はと言えば、暴走した梨華ちゃんがいけないんだから」
「・・・・ごめんなさい・・・」
ま、収まったみたいやし。ホンマおもろい連中やなァ。
姐さんから聞いてはいたけど、ヘェ〜、あの藤本がねぇ。
- 469 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:56
- もう、3年以上の付き合いになんねんけど、あの子があんなに取り乱した
のは初めて見たわ。
振り付けを任された時、かなり厳しく指導したけれど、どんなにプレッシャー
をかけても、潰れるどころか逆に食い付いてくる程根性のあるあの子が。
ほんまに紺ちゃんのこと、すっきゃねんな。
大事にしーや。
・・でも、一つ気になることがあんねんけど。
気ぃ失う程衝撃的な下ネタって・・・・・・・どんなん?
- 470 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/27(月) 22:57
-
・ ・ ・ ・ ・
- 471 名前:たまえす 投稿日:2004/09/27(月) 22:57
- 隠します。
- 472 名前:たまえす 投稿日:2004/09/27(月) 22:58
-
本日はここまでです。失礼しました。
- 473 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/28(火) 10:44
- いいですねー。
甘甘ないしごまがよめてうれしいです。
紺ちゃんファイト!
- 474 名前:たまえす 投稿日:2004/09/28(火) 21:58
- >>473 名無し読者 様
どうもありがとうございます。
川o・-・)ノ応援感謝!
- 475 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:01
- 今日は全員揃って午後からダンスレッスンとボイストレーニング。
もちろんみんな真剣で、一日終わればもうくたくた。
みんな思い思いに帰宅の準備をしてる。
明日も朝から仕事。
雑誌の取材、ロケに出る人、ラジオの収録をする人、レコーディング
をする人、イベントの打ち合わせをする人。
できれば早く帰って休みたい。
- 476 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:02
- だけど、その僅かな時間を何とかやりくして愛する人とのひとときを過ごす。
だからほら、先に終ってちっちゃい彼女を迎えに来た卒業生が、ごく当たり
前のように景色に溶け込んでいる。
「藤本さん」
いくら大好きでも、仕事中は別。
だから、終ってほっとした時に見る紺ちゃんの笑顔は、美貴にたくさんの
元気をくれる。
- 477 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:03
- 「紺ちゃん、明日も美貴と一緒だよね」
「はい、またここですよね」
「じゃぁさ、ね、ね、美貴んちの方が近いじゃん」
「は?・・・あーっと・・え?」
「だーかーらー、今晩、来ない?」
「えぇーっ・・えっと、あの・・・」
ん〜〜っ、いちいちリアクションが可愛い。
その時、誰かの携帯が鳴った。
- 478 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:04
- ♪チャンチャチャンチャンチャンチャーチャン
だいーてだかーれーてまたぁー抱いて♪
んはは。梨華ちゃんだ。着メロで相手がモロバレ。歌ってるし。
相変わらずピッチずれてるけど。
あ、矢口さんに突っ込まれてる。
「紺ちゃん、ほら、また漫才が始まったよ」
「あ〜、ホントですね」
・・・・どれどれ、聞き耳聞き耳・・・
- 479 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:05
-
「そりゃ気持ちは分かるけど、おっ前さぁ、抱いて抱かれてって。新曲に
すればいいべ?」
「だって、淋しい時には真希ちゃんに抱かれてるときのことを思い出せって
言ったの、矢口さんじゃ・・・」
うーわっ、うーわっ、梨華ちゃんってば。
何ちゅー事を、またでっかい声で。
ほぉ〜ら、矢口さんに思いっきり突っ込まれてる。
痛そ〜。
- 480 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:06
- 横を見る。
・・・・やっぱり。真っ赤な紺ちゃん。
「こ〜んちゃん、聞いてた?今の」
「知りません聞いてません分かりません」
すっごい勢いでブンブン首を振る。
かっうゎうぃ〜!・・・何て可愛いの!
- 481 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:07
- 「ね〜ね〜、お泊りしようよ〜。折角持ってきた着替えだってあんまり
使ってないじゃん」
しばらくモジモジしてたけど、よしっ、とおもむろに携帯を取り出すと・・・・
「あ、私。今終ったんだけど、今晩、藤本さんの家に泊まらせてもらう
ことになったの。はい。うん、大丈夫。ちょっと待って、今代わるから」
「え、え?おかあさん?」
「はい!」
うわ・・・・すっごい笑顔・・・
「もしもし、あ、どうも今晩は藤本です。・・・・あ、いえ、とんでもないです。
・・はい・・・いえ、こちらこそ・・・はい、・・・はい・・・お預かり致します。
失礼します」
- 482 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:08
- 携帯を紺ちゃんに返す。
「じゃ、・・・はい。おやすみなさい」
「ちょ〜っと、いきなり代わらないでよ、心臓止まるかと思った。ほら」
思わず紺ちゃんの手を取り、美貴の胸に押し付ける。
「あーほんとだ。ドキドキ凄いですよ・・・・あっ、ご、ごめんなさい」
真っ赤になって、慌てて手を離す紺ちゃん。
- 483 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:09
- ・・・・あ。
無意識とは言え、自分のした事に気付き顔が火照る。
「で、でもさ、おかあさん以外とあっさりしてるんだね」
「藤本さんだからですよ」
「え、何で?」
「私、少しずつお母さんの事、洗脳してるんです。藤本さんの事が好きに
なるように」
「は?洗脳?」
「はい。毎日帰ると、藤本さんのことを話すんです。すっごく優しくていい
人なんですって」
- 484 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:10
- 「マジで?じゃあそんなお母さんの期待に答えて、今晩はゆっくりと
一緒にお風呂入って、一緒に寝ようね」
「あわわ、あの、あの、それはちょっ・・・」
「大丈夫。美貴が優しく可愛がってア・ゲ・ル!さ、早く帰ろ?じゃ
藤本上がりまーす。お疲れ様でしたー」
「えぇ〜!あ、あの・・・お先に・・・あ〜〜」
- 485 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:11
-
・ ・ ・ ・ ・
- 486 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:12
- 「今日はどうする?」
「いいですか?」
「当たり前じゃん、何だよ、遠慮してんのか」
「そーいう訳じゃないですけど。でもあんまりしょっちゅう行くと、お
家の人に図々しいって思われるんじゃないかって・・・」
「そんなん思うわけねーじゃん。うちの親だって楽しみにしてるのに。
明るくて楽しいいい子ねって。お母さんなんか、麻琴連れてくと、子供
が増えたみたいって、マジ喜んでるんだから」
- 487 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:13
- 「本当ですか?」
「それがさ、おかあさん、女の子が欲しかったから・・・とか言いやがって
・・・・俺も女だバーロー」
・・「じゃ藤本上がりまーす。お疲れ様でしたー」
・・「えぇ〜!あ、あの・・・お先に・・・あ〜〜」・・
「あらら。ほら、こんこんもお持ち帰りされちったし、うちらも行こう」
「は〜い、じゃおじゃましまーす。・・・・ん、違った、お先に失礼しまーす」
- 488 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:16
-
・ ・ ・ ・ ・
- 489 名前:たまえす 投稿日:2004/09/28(火) 22:25
-
ちょっと休憩。 今回の更新でラストとなります。
少し多いですが、おしまいまで一気に行きます。
- 490 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:26
-
途中、コンビニに寄っておやつを買って。
「お邪魔します」
「はい、どうぞ〜」
「お湯溜めちゃうから部屋行ってて」
「はい」
お風呂のセットをしながら、いけない妄想が始まる。
・・・くぅ〜〜っ、♪紺ちゃんとお風呂〜♪
・・・・ムフッ・・・じゅる・・・、あ、よだれが・・・・
- 491 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:28
- ・・ ・・ ・・ ・・ ・・
なんだか楽しそうな鼻歌が、バスルームから聞こえてきます。
ご機嫌な藤本さん。
でも、正直言って私は不安です。
だ、だって、あの嬉しそうな藤本さん、見ました?見るからにヤル気満々
じゃないですか。
・・・・あぁ〜っ、私ったら何て事を。ヤル気だなんて・・・
でも・・・・でも、やっぱり、そう言う事に興味はあったりもするんです。
好きな人と、その、キスしたいとか、あの、それ以上の・・・キャー
・・・あ・・ごめんなさい。
そういうことしたいって思うのって普通じゃないですか。
でも、いざとなると、怖くなって。
おかしいよね。
- 492 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:29
- だから、今日こそは、ちゃんと受け入れようって密かに決心してるんです。
「紺ちゃん、はい、タオルとバスタオル。お湯、すぐ溜まるから。行こ?」
「はい」
「えっ?」
「ど、どうかしましたか?」
「え、い、いやぁ〜、何で今日は嫌がらないのかなぁ〜って」
「あ、あの、恥ずかしいですけど、でも、今日は一緒に入るって決めたんです」
「ほんと!?やったぁ〜、え、でも、またどうして?」
「だって、こんなに藤本さんが私の事を思ってくれてるのに、私、逃げ回って
ばかりで卑怯じゃないですか。私ももう17ですし藤本さんならきっと優しく
してくれると思って」
- 493 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:30
- 「紺ちゃん・・・・ありがとう!」
・・嬉しい。紺ちゃんは紺ちゃんで、真剣に美貴とのことを考えてくれて
るんだ。感動。
思わず抱きしめる。
『ピピピピピ・・・』
「あ、お湯溜まった。行こ?」
「はい」
別に、紺ちゃんの裸は初めて見る訳じゃ無いんだけど。自分から誘って
おいて何なんだけど、2人っきりってかなり恥ずかしい。
しかも、今回は下心全開。正直、やばい。
どこまで我慢できるものやら。
- 494 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:31
- ちゃっちゃと自分が脱ぎ終わると、背中を向けて静静と上手に隠しながら
脱いでいる紺ちゃんの後ろ姿を視姦する。
悔しいけど、スタイルいいんだよなぁ。
みんなもそう思わない?
ほら、ウエストなんかバッチリくびれてるし、胸はしっかりあるし。
足は細いし。腹筋だって割れてるんだよ?
全体的なバランスがとってもエロ(ry・・・・。
・・・略してないじゃん・・・
- 495 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:32
- あのポワ〜ンとした顔からは想像できないナイスバディ。
へへぇ〜・・・・・美貴のものだかんね。
誰にもあげない。
・・・あ、やべ・・・よだれ出ちった。
ん?何モジモジしてんだろ。
あれ?流石にショーツ取るのは恥ずかしいのか・・・・
「ね、美貴が脱がしてあげよっか?」
「や、や、止めて下さい。大丈夫ですから」
- 496 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:34
- 「そっか。ねぇ、何もさ、そんなに必死になって隠さなくってもいいじゃん。
美貴は、好きな人の裸、見たいもん。紺ちゃんの事好きなんだもん。紺ちゃん
の生まれたままの姿見たい」
うらめしそうに上目使いで美貴を見ていた紺ちゃんは、ギューッと目を閉じる
と、胸を隠してた手を下ろして、ショーツを脱いだ。
羞恥心が最大になっているのか、全身がピンクに染まっている。
「紺ちゃん・・・綺麗。本当に綺麗だよ」
「・・・・・恥ずかしい」
「よし、ほら入って、はい、紺ちゃん頭洗うでしょ?」
「はい。今日は汗一杯かいたから」
- 497 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:34
- 「おし!美貴が洗ってあげる。ここ座って」
「あー、じゃ、お願いします」
シャワーで一度流してから、シャンプーを手に取り、最近少し明るめに
なった茶髪を泡立てていく。
「紺ちゃんてさ、昔っから癖っ毛なの?」
「はい。凄く嫌でした。ストレートの子が羨やましくて」
「美貴もね、何もしないとくるくるなんだよ?でも、気にした事なかったな」
「いつもそのまま来ますよね」
- 498 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:35
- 「そ。怒られるけどね。紺ちゃんの癖っ毛って可愛いと思うよ。なにも
全部必死に伸ばさなくても、ちょっといじるだけでいいかもよ」
シャカシャカシャカ・・・・
「ん〜、そうですか?なんか、気になっちゃって」
「紺ちゃんの髪って以外と柔らかいね。あ、お客さん、痒いところはあり
ませんか?」
「あはは、懐かしい。昔、床屋さんで聞かれたことある」
「一応聞いておかないと。はい、流すよ」
優しくシャンプーの泡を落としていく。
- 499 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:36
- 「普通にリンスしちゃっていい?」
「はい。お願いします」
「さ〜て、次は体いきますか」
「あ〜、あの、か、体は自分で・・・」
「ん、じゃ背中だけね。はい、あっち向いて」
泡立てたスポンジで首筋から下へ。
白くてキメの細かい肌。
でも、今はほんのりピンク色。
やべ。本気で欲情してきた。
- 500 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:37
- 「はい。じゃ、こっち向いて」
「あ、あ、あの、あの・・・」
「ん?やっぱり、・・・・・今日はパス?」
「ごめんなさい!ごめんなさい・・・」
「いいって。はい。ちょっと場所替ってもらっていい?美貴も頭洗っちゃう」
スポンジを手渡して。がーっと洗髪。あっという間に完了。体もわしゃわしゃ
と洗い終わって。振り向くとまだ泡だらけの紺ちゃん。
苦笑しつつ湯船に浸かる。
- 501 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:38
- 「紺ちゃん、早くおいでよ」
「は、はい」
空いたシャワーで泡を落とすと、あまり大きくないバスタブに、タオルで
前を隠しながらゆっくりと向かい合うように入ってきた。
「ねー、そんなに思いっきり隠さないでよ。美貴が恥ずかしくなるじゃん。
女同志なんだし」
「で、でも・・・」
「そっか。でもさ、恥じらうってことはさ、美貴のことをそういう対象と
して見てくれてるってことだよね」
- 502 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:39
- 「・・・・・ごめんなさい」
え?涙?
「ど、ど、どうしたの?」
「あの、あの、今日こそは、って決心した筈なのに。何で許せないんだろ・・・」
「紺ちゃん、何言ってるの。こうして一緒に入ってくれたじゃん。」
「で、でも」
- 503 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:40
- 「美貴はね、恥ずかしがって慌ててる紺ちゃんって、めっちゃ可愛いと思う。
もしいきなりスポーンって裸になって抱きついてきたら、きっと引くと思うし。
(そう言えば、前にやられたっけ、ハローのいきなり大将に)心配しないで。
美貴はね、そのままの紺ちゃんが好きなの。ね?前にも言ったじゃん、
ゆっくり行こうって。こうして紺ちゃんと一緒に過ごせるだけで幸せなんだよ?」
「う、うっ・・・うぐっ、・・・」
あ〜、本格的に泣きだしちゃった。ちょっと急ぎすぎたかなァ。
反省しつつ頭を撫でてあげる。
「ごめんね、もう無理に誘わないから。泣かないで」
ふるふると首を横に振る紺ちゃん。
「ん?」
- 504 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:41
- 「・・うぅっ、何でそんなに優しいんですか・・」
「い、いやぁ、何でって聞かれても・・・・」
「・・・グスッ、藤本サンッ!」
いきなり、ガバッと抱き付いてきた。
うっほっ!・・・・い、いかん、落ち着け・・・
ただでさえ狭いお風呂。密着度100%。
・・・柔らかい・・・ って、お〜い!
「嫌じゃないです」
「え?」
「嫌じゃないですから、誘わないなんて言わないでください」
「うん。言われなくたって誘っちゃうけどね。ほら、顔、見せてよ」
- 505 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:42
- 少し体を離して、顔を覗き込む。
「ほら、恋人と過ごすひとときは笑顔じゃなきゃ」
ほっぺをぷにぷにしてみる。
「エヘ」
可愛い・・・あのハンバーグ事件の時みたい。本物〜〜って分かった時の
笑顔そのまんま。
紺ちゃんのうなじで指を組んで・・・・そっと引き寄せて・・・・
「愛してる・・・」
・・・・・ちゅっ・・・・・
- 506 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:43
- その夜は、ベッドで抱き合って眠った。
・・え?キス以上はしてないよ。本当に、ただ抱き合って寝ただけ。
半目同志だから他人が見たらキモイだろーな・・・・
ぎゅってしたら、ドキドキが伝わってきた。おやすみのちゅーを何回もして
あげて。
優しく伝わってくる紺ちゃんの愛に包まれながら、何時の間にか寝ちゃって
ました。
- 507 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:44
- 夜中にふと目を覚ますと、美貴の腕の中でクークーと規則正しい寝息が
聞こえる。
紺ちゃんを起こさないようにそっと抱きしめ直す。
その時、今まで感じた事のないような、凄い幸福感が胸の中にキューン
と込み上げてきて。
美貴って、いつからこんなに泣き虫になったんだろう。
・・・私の紺ちゃん・・・大切にするから。
・・・絶対に大切にするからね。
- 508 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:45
- 正直、今日こそは・・・・なーんて密かに考えてたけれど、でも、
紺ちゃんの温もりを感じているだけで胸が一杯になっちゃって。
急ぐ必要なんて無いよね。
ゆっくり歩いて行こうね。
2人で手を取り合って。
- 509 名前:immoral conduct 投稿日:2004/09/28(火) 22:46
-
immoral conduct おしまい
- 510 名前:たまえす 投稿日:2004/09/28(火) 22:47
-
・ ・ ・ ・ ・
- 511 名前:たまえす 投稿日:2004/09/28(火) 22:56
- 全編通して駆け足での更新でしたが、今回初投稿ということで、こちらの
板をお借りして貴重な経験をさせて頂きました。
誤字、脱字、コピーミス、また、内容の整合が取れていなかったりと読み手
の方にご迷惑をお掛けしましたことをこの場をお借りしてお詫び致します。
最後までお付き合い頂きましてどうもありがとうございました。
- 512 名前:たまえす 投稿日:2004/09/28(火) 22:57
-
なお、ラスト部分にプチエ○があるので、一応、sageのままにて終わらせて
頂きます。
- 513 名前:なつまり。 投稿日:2004/09/28(火) 23:09
- お疲れ様です。
もう完結ですか、なんかあっという間でしたね。
寂しい気もしますが・・。
本当におもしろかったです。
次回作品お待ちしております。
- 514 名前:たまえす 投稿日:2004/09/29(水) 22:19
- >>513 なつまり。様
色々と勉強になりました。また精進して投稿したいと思います。
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
- 515 名前:名無し読者 投稿日:2004/09/30(木) 04:10
- 完結お疲れ様です。
本当、面白かったです。終わったらちょっと寂しいですが(オイ
続編(ryとか新作とかあったらまたまたついていきますので頑張ってください。
- 516 名前:たまえす 投稿日:2004/09/30(木) 06:37
- >>515 名無し読者 様
不肖、私ごときに勿体無いお言葉を頂き感激しております。
少し欲張り過ぎてしまったため読みずらかったと思います
が、またいつか挑戦したいと考えていますので、その時は
宜しくお願い致します。ありがとうございました。
- 517 名前:名無しさん 投稿日:2004/10/09(土) 11:23
- 完結おめでとうございます
できればいしごまの馴れ初め部分が読んでみたいなと思ったりしました
- 518 名前:たまえす 投稿日:2004/10/09(土) 20:45
- >>名無しさん 様
お付き合い頂きまして、どうもありがとうございました。
馴れ初めですか。実を言うと、前半のいしごまの部分だけで2年
近く温めていまして。投稿の決心をしてから、6期を加えたり、
卒メンを修正したりしました。
だから、最近あまり見掛けない様な、いしごまになったのかな
と、思っています。
本当はいしごまで締めたかったのですが、突然の業務命令によ
り今月一杯出張となったため、急遽ストックしてある分だけを
うP致しました。
暫くは、資料に埋もれてパワーポイントと戦う日々となるため
続編もままなりません。ですが、また機会を見て挑戦したいと
思っています。
- 519 名前:たまえす 投稿日:2004/11/05(金) 23:05
- 取り敢えず完結したとは言え、折角立てたスレもまだかなり余って
いるので、性懲りも無くもう少し行ってみようと思います。
タイトルは変わっていても、中身は進歩がありません。しかも今度
はストックが無いので、相当間隔の開いたまったりとした更新にな
りますが、もしお付き合い下さる方がおられましたら宜しくお願い
致します。
- 520 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:06
- 昨日、仕事が終わって、夜遅くに家に帰ってから学校の勉強をして。
寝たのが2時頃でした。
今朝は5時起きで8時にスタジオ入り。
でも、頑張れる。全然辛くなんかない。
カメラ・リハーサルが終ってランスルーまでの待ち時間。
やっぱり目蓋が降りてきて。
今寝ちゃうと、生放送だから顔が腫れちゃったらやばい。
・・・・・・でも・・・・
- 521 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:08
- 睡魔と戦いながらこっくりこっくりしてると、
「紺ちゃん、我慢しないで寝ちゃいなよ。今日はスペシャルだからまだ
時間あるから」
藤本さんが心配そうに顔を覗き込んで。
「今、真希ちゃんリハーサルやってるから楽屋空いてるよ?ここじゃ
うるさいでしょ。行ってきたら?起こしてあげるからさ、無理しちゃダメだよ」
後藤さんと一緒のお仕事で、終始ご機嫌の石川さん。
いくらあの二人が卒業したとはいえ、やっぱりにぎやかで。
- 522 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:09
- 「すいません。じゃ、ちょっと行ってきます」
ふらつきながら立ち上がって。
「じゃ、美貴も・・・・」
ついて来ようとする藤本さんを。
「ミキティ」
「・・・はい?」
後ろから飯田さんが呼び止めた。
「今の紺野、本当に寝とかないと持たないから。だからね、
寝ている隙にイタズラしようなんて、考えちゃダメだよ?」
・・・・崩れ落ちる藤本さん。
- 523 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:09
- 「飯田さん!いちいち人の心を読むの、やめてくださいよー」
・・・・そんなこと考えてたんですか?
「キャハハハハハハハッ、真っ赤だよミキティ、ほんっとにさぁ・・・・・」
お約束の矢口さんの爆笑を聞きつつ、娘。の楽屋を出る。
ふらふらと廊下を歩いて後藤さんの楽屋へ入る。
すいません後藤さん、お休みなさい・・・
座布団の上に横になる。
途端に、記憶が途切れた。
- 524 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:11
- ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
- 525 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:12
- 「・・・あん、真希ちゃんダメだよ、紺野が起きちゃう・・・」
「梨華ちゃんが声出さなければへーき」
「・・・・・・?」
「あ、・・・・・・あん・・・あん、あっ・・・」
・・・・夢?
徐々に意識が覚醒してくる。
目を開けて、辺りを見回す。
あ、後藤さんの楽屋で寝てたんだっけ。
- 526 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:13
- 「・・んんんっ、あん・・あんっ・あっあっ・・・・」
え?何?
座布団の上に座り直して、後ろを振り返る。
「!!♯凸∞〆§△♀凹塔カ!!」
見ちゃいけない!・・でも、目が釘付けになって離れない。
衣装の上半身がはだけた石川さんの豊かな胸を、後ろから
後藤さんが・・・・・・。
・・・・す、すごい・・・・
- 527 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:14
- 石川さんはすごく気持ち良さそうに、顔を紅潮させて。
あ、・・・・キスした。・・・・・・・!
あれがディープ・キス・・・・
うわぁ〜、あんな風にするんだ。
クチュクチュしてる。
あぁ、見ちゃいけないのに。
きっと今の私の目は皿のようになってるはず。
- 528 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:14
- 体が熱くなってくる。
頭の中がボーッとなってきた。
気付いたら、座布団の上に正座していて。
目の前で行われている愛の営みに集中していた。
少し褐色がかった石川さんの肌の上を、真っ白い後藤さんの
手が、指が、しなやかに舞い踊る。
・・・・・綺麗・・・・・・
- 529 名前:Usual days 投稿日:2004/11/05(金) 23:15
- あっ、後藤さんの手が下の方に・・・・
「あん、真希ちゃん・・・・紺野が・・・・あ?」
「ふぇ?」
・・・・目が合っちゃった。
「キャャャャャャ〜〜!」
ボーッとしている頭の中で、石川さんの悲鳴が遠ざかっていく・・・・・
そこで記憶が途絶えた。
- 530 名前:たまえす 投稿日:2004/11/05(金) 23:23
-
こんな感じで、のっけから微妙なプチエ(ry なので、
sageっぱなしで行きたいと思います。
- 531 名前:たまえす 投稿日:2004/11/05(金) 23:24
-
ちょっと隠します。
- 532 名前:たまえす 投稿日:2004/11/05(金) 23:25
-
今日は、ここまでです。それでは失礼致しました。
- 533 名前:名無し読者 投稿日:2004/11/06(土) 08:26
- 更新乙です!わ〜い、新作だぁw
紺野さん、いいところなのになんで…(バカ
めっちゃ楽しみしてますので頑張ってください。
- 534 名前:名無しさん 投稿日:2004/11/06(土) 21:06
- いしごまの続きを読みたかった・・・w
こんこんいいところで起きるなんて
続き楽しみにしてます
- 535 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:36
- 「・・・ミキティさ」
「はい?」
「もうそろそろこんこん起こしてきたら?」
「あれ?さっき梨華ちゃんが・・・・まいいか、じゃちょっと行ってきます」
「普通に起こせよ〜」
「ちょ、そんな変態扱いしないでくださいよ」
「別においらは、ふ・つ・う・にって言っただけだろ?何をしようと
思ってたんだよ」
「くっそ、またはめられた・・・・・」
「カワイイよ、みーきちゃん」
「安倍さんに言い付けるかんね」
- 536 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:37
- 「そう言えば、こないだなっちが言ってたなぁ」
「え、・・・な・・・何ですか?」
「ん?藤本って、いつになったらこんこんのこと押し倒すんだろって」
「な!な!何ちゅーことを」
「でもさ、ホント良く我慢してるよね。おいら、ミキティがこんなに
プラトニックな人って思わなかった」
「一体、美貴は何もんなんですか」
「ん?ふじもん」
「はァ?」
「ギャハハハハハハ」
- 537 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:39
- 紺ちゃんと付き合い出してから、突っ込みの甘くなった美貴のことを、
いつものように矢口さんがからかう。
まともに相手をしていると、いつまででもいじられるので、とっとと
逃げだすことにする。
・・・えーと、ごっちんの楽屋、どこだっけ・・・
とその時、梨華ちゃんの悲鳴が聞こえた。
- 538 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:40
-
「ど、ど、どうしたの梨華ちゃん」
「だから言ったのにィ、紺野が起きちゃうって」
「だって、ちゃんと寝てるじゃん、ほら」
「違うの、今、起きてたの!目が合ったもん」
「だって、寝てるし・・・・・」
「あぁ〜、どうしよう、また気絶しちゃったんだ。早く起こさなきゃ。
また、こないだみたいに美貴ちゃんが・・・・」
・・・・ガチャ
- 539 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:42
-
「今の悲鳴・・・どうしたの?紺ちゃんそろそろ起きろー・・・・って、え?」
「あ」
「んぁ」
「あ゛〜〜っ、紺ちゃん?ちょっとどうしたの」
「あ、いやぁ〜、何と言いますか・・・」
相変わらず、半目で白目をむいたまま失神している紺ちゃんを抱き寄せて。
「ごっちんさ・・・・何してんの?」
「いゃ、・・・ちょっと揉んでるというか、感触を楽しんでいるというか・・・・」
- 540 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:43
- 「・・・ 梨華ちゃん?」
「え?」
「大きいのはわかったからさ、上、着てくんない?」
「あ!あぁ〜っ・・・」
「・・・・まさか、二人でしてるとこ、紺ちゃんに見せたの?」
「い、いや〜、止めてって言ったのに、真希ちゃんが・・・・」
「ん〜?だって寝てるじゃん」
「だから、寝てたはずなのに、気が付いたら座布団の上に正座してて
・・・・私と目が合った途端に気絶しちゃって・・・・」
「・・・・・見せたんだね」
「・・・・・」
「・・・見せたんだ」
「ごめんなさい」
- 541 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:44
- 「お願いだから、紺ちゃんに刺激の強い事するの止めてよ。美貴だって
必死に我慢してるのに」
「何で我慢するのさ」
「え?」
「ミキティさぁ、紺野も本当は、して欲しいんじゃない?」
「そりゃー美貴だって紺ちゃんとラブラブしたいさ。でも、前にも一緒
にお風呂入った時に泣かれちゃって。もう紺ちゃんの涙は見たくないか
ら・・・・」
「そっか。やっぱしあれだよ。普段からもっとスキンシップしてあげて
さ、肌の触れる感触に段々慣らして行かなきゃ」
- 542 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:46
- いつものポーカーフェイスで淡々と語るごっちん。
「うん・・・」
「紺野だってさ、興味はあるんだよ、やっぱ。だけどこの子はさ、今ま
でそういうことってほとんど知らなかったんじゃん?迷ってるんだと思
うよ?今、心の中で」
「そうなのかな・・・・」
「大丈夫。ミキティの愛がさ、きっと紺野の心を溶かす日が来るから、
だから、ゆっくり愛してあげなよ」
「うん。ありがと」
- 543 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:47
- ごっちんの言葉の意味をかみしめながら、気絶したままの紺ちゃんを
抱きしめる。
「可愛いね、紺野って」
梨華ちゃんが優しい表情で覗き込む。
「うん」
さっきまで、何してたか知らないけれど。
でも、耳が真っ赤になっていて、目の周りが上気してピンクのパンダに
なってる梨華ちゃん。
- 544 名前:Usual days 投稿日:2004/11/06(土) 23:48
- しかし、何時見ても梨華ちゃんの胸って凄いよなぁ。パンパンに張ってて。
少し位美貴にも分けてくれてもいいのにな。
でも、紺ちゃんも結構・・・
触ってみたいけど、でも・・・純粋無垢な紺ちゃんを汚したくないって
いう気持ちもあって。
結局、いつも抱きしめてキスをするだけ。
それでいいんだって、自分に言い聞かせながら。
- 545 名前:たまえす 投稿日:2004/11/06(土) 23:56
- >>533 名無し読者様
ありがとうございます。
こんなに早くレスを頂けるなんて思っていなかったので、
びっくりしました。
紺野さんは、空気の読めないところが良いところ・・(w
- 546 名前:たまえす 投稿日:2004/11/07(日) 00:01
- >>534 名無しさん様
ありがとうございます。そして・・ホントごめんなさい。
恐らく今後も寸止めが多々あるかと・・・
- 547 名前:たまえす 投稿日:2004/11/07(日) 00:02
-
本日はここまでです。失礼致しました。
- 548 名前:名無し読者 投稿日:2004/11/08(月) 11:37
- 続編だ!続きが楽しみです。
- 549 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 20:56
- 「・・・・・だからさぁ、もうおいら、見てるのが辛くて。何とかしてあげら
れないかな」
「う〜ん、そうだなぁ、でもさ、ああやって二人で考えながら、悩みなが
らさ、少しずつ築き上げて行った愛の方が、しっかりとしてゆるぎない
ものに育つんじゃないかな」
「でもさ、ミキティ、相当我慢してるよ?」
「ん、だからさ、本当にくじけそうになった時は、なっちたちがそっと支
えてあげればいいんじゃない?今、なっちたちがさ、ああしろこうしろっ
て言ったって、結局は本人達の思うところにしか落ち着かないと思う」
「・・・・・・・うん・・」
- 550 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 20:57
- 「藤本が優しすぎるのかな。なっち、藤本に謝りたい」
「え、何で?」
「ん?だってさ、初めはさ、何てぶっきらぼうで常識の無い子だろうって
思ってたさ。ただ見た目の印象だけで。あんなに心の綺麗な優しい子なの
にさ。今、すごく恥ずかしい」
「それはなっちだけじゃないと思うよ?おいらだってそう。6期で入るって
聞いた時、つんく♂さん、おかしくなったんじゃないかって思ったもん。だ
けどさ、本当のミキティのこと、見抜いてたんだね」
「うん。いきなり圭織に突っ込み入れたのには驚いたけど」
- 551 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 20:58
- 最近、なっちと合うと、なぜかこの二人の心配ばかり。
おいらだって女の子だから、二人の気持ち、痛いほどわかる。
でも、恐らくミキティはもう限界かなって感じに見える。
紺ちゃんは今、すごく満ち足りてるはず。
その先の世界をまだ知らないから。
だからミキティだって、抱きしめるだけで満足そうな、幸せそうな、純な
紺ちゃんに、もう一歩踏み出せないで、葛藤してる。
- 552 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 20:59
- 「なっち・・・・・」
「ん?」
「どっちに声を掛けたらいいんだろ」
「そーだなぁ、もう少し我慢しない?」
「え〜、あのさ、ミキティがさ、時々すっごい切なそうな目をしてこんこん
のこと見るんだよ。おいらさぁ、もうホント泣きそうになるんだ」
「そっか」
- 553 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:00
- 「うん。分かるんだよ、どっちの気持ちも。きっとね、二人ともお互いに、
もう一歩踏み込んでくれるのを待ってるんじゃないかな。ミキティはさ、
本当は欲しいんだけど、でも大切にしたい気持ちが邪魔してる。こんこん
だって、ミキティが欲しがってるのって、分かってると思う。何かきっか
けを探してるんじゃないかな」
「ん、でもさ、こればっかりはさ、やっぱりもうすこし様子を見てみない?
矢口の気持ちもわかるけどさ。もう少しだけ、ね。我慢しよ?」
「うん・・・・でもさ、グスッ・・・なんか可哀想で・・・何とかならない
のかなぁ・・・」
「ほら、矢口が泣く事ないしょ?おいで」
「・・・ん、なっちぃ・・・」
「優しいね、矢口は」
- 554 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:01
-
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
- 555 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:03
- 「真希ちゃん」
「ん〜?」
「見られちゃったね」
「ん〜」
「いや、・・・ん〜って、ねぇ」
「ん〜」
「ちょっと、真希ちゃん!聞いてるの?」
「ん〜?いいじゃん、別に・・・・」
「大丈夫かなぁ、紺野・・・本当に壊れちゃったかと思った」
「梨華ちゃんのおっぱいがそんなにショックだったのかねェ」
- 556 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:04
- 「違うわよ!もぉ〜、エッチなことをしてたのがショックだったの。
前なんか、まりっぺとエッチの話しをしてただけで気を失ったん
だから」
「じゃーさ、今度はもっと凄いの見せてあげようか」
「・・・・え?」
「ん?紺野をうちに呼んでさ、そんでもって、たっぷりとラブシーンをさ。
梨華ちゃんのイクところとか・・・」
「『バシッ☆』・・・ばかぁ〜〜っ!」
「いってぇ〜・・・だってさ、梨華ちゃんのイク時の顔ってめっちゃいい顔
してるからさ。その後の余韻に浸る表情なんて、最高に綺麗じゃん。あの顔
を見せればさ、紺野だって、エッチっていいものなのかなって思うんじゃな
いかなって・・・・」
- 557 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:05
- 「人が真面目に心配してるのに。大体、そんなことしたら美貴ちゃんに
殺されるわよ!もう知らない!寝る。おやすみなさい!」
「え?あ〜、あのさ、り〜かちゃん、そんな・・・ねぇ、・・・ほら、まだ寝る
のって、ちょっと早くないかなぁ〜・・・・なんて。・・・・・・やっほ〜、
何か忘れてませんかぁ?・・・・もしも〜し、真希ちゃんですよぉ〜」
「・・・・Z Z Z z z z z z z・・・」
「・・・・ね、・・・寝ちゃったの?梨華ちゃん?」
「・・・ z z z z z z・・・」
「もしもし亀よ〜 ・・・・ うさぎさん?・・・・・」
「・・・ z z z・・・」
- 558 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:06
- 「梨華ちゃん・・・・・わかった。グスッ・・・ウゥッ・・・ごめんね
・・・・・おやすみ・・・グスッ・・」
・・・・うそ、泣いちゃった?ちょっと可哀想だったかな・・・・
「ごめん、真希ちゃん!」
慌てて真希ちゃんの方に寝返りを打つと・・
そこには・・・・すっごい笑顔の真希ちゃん。
「あ〜、やられた」
- 559 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:07
- 「そんな、やられたなんて、人聞きの悪い。まだこれからなのに」
「え・・・・」
「いいの?このまま寝ちゃって」
「・・・・いじわる」
「いや、梨華ちゃんの調子が悪かったりしたら、やっぱ良く無いじゃん。
無理はして欲しくないから」
「・・・・真希ちゃん、お願い・・・頂戴・・・・・」
「ん・・・可愛いよ、梨華ちゃん・・・愛してる・・・」
「・・・・あ・・・・・んっ・・・」
そして夜は更けていくのであった。
- 560 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:10
-
_ __ _ __ _ __ _ __
- 561 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:11
- 「藤本さん」
「あ、紺ちゃんお疲れ。身体、大丈夫?」
「はい。やっぱり、さっき寝ておいて正解でした。お陰で調子良かった
ですよ。・・・あの、・・・あの、さっきは・・・」
「やめよ、紺ちゃん。もういいじゃん。あれは全部美貴が悪かった
んだから。でも、もうあんなこと、絶対にやめてね?美貴、本当に
人生終ったかと思った。紺ちゃんはさ、やっぱり紺ちゃんだよ。ね?」
「はい。本当にごめんなさい」
- 562 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:12
- ・・・・・・・・
そう。リハーサル前に気絶しちゃった紺ちゃん。
まったく。あの二人のアホさ加減には呆れて物も言えない。
いくら楽屋だって言ってもさ、紺ちゃんが寝てるのに、目の前で
するかなァ。
あの後、前に稲葉さんがやってたのを真似して気合を入れて。
気が付いた途端、睨む美貴にびびって紺ちゃんに平謝りの
梨華ちゃん。
- 563 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:13
- 何も見ていないと言い張る紺ちゃん。
でも、顔は真っ赤になっていて。
「紺ちゃん、ちっちゃいけどさ、美貴ので我慢してね。後でいっぱい見
せてあげるから」
「はい。楽しみにしてます」
「え?」
・・・た、・・・楽しみにって・・・・・?
「あははははは、大丈夫だよ、愛さえあればちっちゃくたって・・・
・・・・『バキッ』・・あぅ」
- 564 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:14
- 人事みたいに爆笑するごっんに右ストレートをお見舞いする。
「わぁ〜っと、ちょーっと、私の王子様に何するのよぉ、
・・・真希ちゃん大丈夫?」
「痛って。・・・・だって自分で言ったんじゃん・・・・」
「美貴だって、人に笑われれば傷つきます!・・・・なんで美貴だけサ
・・・・ブツブツ・・・」
ふと、この面子の中で、(ry のサイズが美貴だけ仲間外れなこと
に気づいてちょっとブルーになりかけたとき、紺ちゃんにギューッと
抱きしめられて。
- 565 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:15
- 「藤本さん、私は藤本さんのことを愛してます。それだけじゃ不満
ですか?」
「え?」
どうしちゃったの?普段は恥ずかしがってそんなこと言わないのに。
リアクションができずに固まった美貴のほっぺに・・・・
・・・・チュッ!
っとキスをして、にっこり微笑む紺ちゃん。
ぶわぁ〜〜っと、一気に顔が火照って熱くなる。
- 566 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:16
- 「あれれ、ミキティ?もしかして・・・・照れてる?」
・・・・・くっそ〜〜、何も言い返せねぇ・・・・
「美貴ちゃんさ、ぜーんぜん心配する事なんて無いんじゃない?
チャーミーにはすっごいラブラブに見えるんだけどなぁ。ね、紺野」
「ラブラブですよね?ダ〜リン!」
・・・!・・・ダ・・・・ダ〜リン?
うわ、めっちゃ笑顔・・・・・
- 567 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:17
- 「ね、紺ちゃん、やっぱりおかしい。頭とか打たなかった?それとも、
美貴の気合の入れ方が悪かった?・・・しっかりしてよ、大丈夫?」
「ハニーって呼んでくれなきゃ・・・嫌」
目が点になって顔を見合わせてる梨華ちゃんとごっちん。
「わぁ〜っ、やっぱり変だ。ね、しっかりして!・・・・どうしちゃったのよ〜、
紺ちゃん、判る?私の事・・・ねぇ〜ってば」
黙って美貴を見てニコニコしてる。
・・ど・・・どうしよう、紺ちゃんが壊れちゃった。やばい、もうすぐリハー
サル・・・取り合えずマネージャーさんに・・・・
- 568 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:18
- ふと横を見ると、壁沿いをドアに向かって音も無く這って行く二人・・・・・
なんだかやり所の無い怒りが込み上げてきた。
「待てゴルァ!紺ちゃん壊しといて逃げるの?」
「あ、・・・・あ〜・・・ねぇ・・・エヘヘ」
「元に戻してよ。いつもの紺ちゃんを返して!」
つい叫んでしまった。悔しくて涙が出てくる。
笑顔の紺ちゃんを抱きしめたまま、目に渾身の力を込めて二人を
睨みつける。
- 569 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:18
- 楽屋内の空気が止まった。
その時。
「『ガチャ』 おーい、お前ら何やってんだよ、もうすぐ集合だって・・・
・・・え?・・・・どうしたの?」
痺れを切らして呼びに来た矢口さん。
ただならぬ空気を感じたのか、4人を交互に見まわして。
「ははぁ〜、石川!おっ前、またやったな?ミキティ、紺ちゃんは?
大丈夫?」
- 570 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:20
- 一瞬で空気を読んでくれたちっちゃい先輩の問い掛けにふっと気が緩んで、
さらに涙がダァ〜っと出てきた。
「ほら、泣いてちゃ判らないって。どうしたんだよ」
「紺ちゃんが・・・・壊れちゃった・・・」
「はぁ?ごっつぁん、何したの?」
「ん〜、紺野が寝てる隙に梨華ちゃんといちゃついてたら、・・・・
何時の間にか起きてて・・・・その、見られちゃって・・・・
気絶したって感じ・・・」
「・・・・で?」
「うん、美貴ちゃんが、『えいっ』ってやって起こしたんだけど、それか
らちょっと・・・・」
「ちょっと、何?」
「言う事が変なんです」
- 571 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:21
- 「こんこん?大丈夫?」
「はい」
「何とも無いみたいだけど?」
「紺野、この人は誰?」
ごっちんが美貴のことを指差して・・・・・
「愛しのダ〜リン」
色気たっぷりに身体をくねらせて答える紺ちゃん。
「え゛?マジで?」
「ね、おかしいでしょ?目を覚ましてから、ずっとこんな感じなんです」
- 572 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:22
- 笑顔の紺ちゃんを見て、しばし絶句するやぐっつぁん。
気を取り直すと、
「時間がないから、こんこん?次の質問に答えて」
「はい」
「おし。元祖天然癒し系と言えば?」
「安倍さん」
「じゃあ、かみかみMCと言えば?」
「安倍さん」
「イモと言えば?」
「安倍さん」
「最後に、おいらのハニーは誰?」
「安倍さんです」
- 573 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:22
- 「全問正解で合格!大丈夫。ほら、時間が無いから梨華ちゃんは
こんこん連れてスタジオに行って。ごっつぁん、ミキティの涙押さ
えてメイク直してあげて。おいら先に行って時間稼いでおくから」
「あいよ〜」
ドタバタと走り去る三人を見送りつつ、ごっちんに顔を直してもらう。
ハロプロ・メンバーの中でも、ごっちんのメイク技術はぶっちぎりの一番。
道具からして、プロのメイクさんと同じ物を使っている。ブラシだけ
でも十数本。
- 574 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:23
- 一口にメイクって言っても、その時々で、ステージとか衣装とかのマッチ
ングによって随分変わる。
でも、ごっちんは、さっさっと手際良く、美貴の顔を元通りに直していく。
「はい、できたよ〜。完っ璧」
「ありがと。じゃ、行って来るね」
「あ、ミキティ」
「ん?」
「ごめんね、こんこんのこと・・・」
「うん、大丈夫だと思うけどね。じゃ」
本当は、ものすごく不安。
リハーサルはまだいいとして、本番の歌の途中でおかしなことを
しちゃったら・・・・
- 575 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:25
- 生放送だから、取り返しのつかない事になる。
スタジオの前室でメンバーと合流して、ランスルーの順番を待つ。
「次、モーニング娘。さんスタンバイお願いします・・・・」
うわ、来ちゃった。
でも、美貴の心配をよそに、全く普通に歌う紺ちゃん。
「はい、オッケーです・・・・」
また本番までの間、楽屋での待ち。
- 576 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:26
- 「紺ちゃん・・・」
「はい」
「大丈夫?」
「あ、あの・・・ご、ごめんなさい!」
「え?」
「私、石川さんとかに、藤本さんが我慢してるんじゃないかって言わ
れて、あの、それに時々リアクションが薄いって言われるし・・・
だから、私が石川さんみたいにセクシーになれたらいいのかなって、
ちょっと思って。でも、やっぱり無理でした。ごめんなさい」
「それじゃ、さっきのは演技?」
- 577 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:26
- 無言でうなだれたままの紺ちゃん。
脳裏に張り付いていた、言い様の無いもやもやした不安が払拭され
て、緊張が解け安心した途端に涙が噴出した。
「あ、あ〜、ご、ごめんなさい!すいませんでした。あの、あの、私が悪
かったんです、だから、あ〜・・・ごめんなさい・・・」
またしても大慌ての紺ちゃん。
別に怒ってる訳じゃない。
- 578 名前:Usual days 投稿日:2004/11/08(月) 21:27
- 紺ちゃんにあんなことをさせてしまったのは、美貴のせい。
自分でゆっくり行こうって言ったくせに。
先を焦った結果、紺ちゃんを不安にさせてしまった。
何やってんだ、私。
悔しくて、情けなくて。バタバタと膝の上に雫が落ちる。
・・・・最悪・・・・
- 579 名前:たまえす 投稿日:2004/11/08(月) 21:31
- >>548 名無し読者 様
どうもありがとうございます。
- 580 名前:たまえす 投稿日:2004/11/08(月) 21:31
-
隠します。
- 581 名前:ROM読者 投稿日:2004/11/08(月) 21:36
- 今回はここまでです。次回は、週末頃の更新になると思います。
それでは失礼致しました。
- 582 名前:たまえす 投稿日:2004/11/08(月) 21:47
- ↑自分のHNを間違えました。気にしないでスルーしてください。
- 583 名前:てこ 投稿日:2004/11/09(火) 13:30
- 続編キタ〜━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
かおさゆも進展してほすぃ〜。
これからも頑張ってください。
- 584 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 22:58
- 生放送本番前の緊張感が漂う楽屋。
さすがにハロモニ。とは違って、ちょっとピリッとした雰囲気で、心なし
か、いつもより静か。
そんな中、突然、こんこんの平謝りするハイトーンな声が響いた。
・・・今度は何だぁ?
よく見ると、だめぽポーズで肩を震わせ泣いているミキティと、その
肩を抱いて、ひたすら謝り続けるこんこん。
またかよ。・・・まったく、お前達は・・・
- 585 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 22:59
- リハーサル前の状況を考える。
気絶して意識が戻ってから、セクシーになった振りをしていたこんこん。
見事に騙されていた3人。
本気で心配して、リハーサルの時も、カメラ割りを無視してずっとこん
こんを目で追っていたミキティ。
そして、今のこの有様。
ミキティがこんこんのお芝居に気付いたのか、それともこんこんが嘘
に耐え切れずに打ち明けたのか。
ま、いずれにしても。
- 586 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:00
- こんこんの行為に怒っているのか。
それとも、そこまで追い込んだ自分を責めているのか。
・・・さて、どっちだろう。
ミキティなら、人を恨むよりも自分を責めるはず・・・・
静まり返った楽屋内に、ミキティと、こちらも泣き出してしまったこん
こんの嗚咽が染みわたる。
・・・梨華ちゃんは・・・いない。
ちっ、ごっつぁんの楽屋は使えないか。
どうしよう。
- 587 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:01
- その時、垣さんと目が合った。
ん?
はっと気付いたように立ち上がると、部屋を飛び出して行った。
数秒して息を切らせながら戻ってくると、真っ直ぐおいらのところへ
走ってきて。
「後藤さんしかいません。大丈夫です」
一瞬びっくりしたけど、気を取り直すと
「おし、手伝って」
「はい!」
興味津津の視線を浴びながら二人を連れ出す。
- 588 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:02
-
「『コンコン』ごっつぁん、悪いけど・・」
「オッケー、早く」
「垣さんサンキュー、部屋に戻ってて」
「はい」
「やぐっつぁん、ミキティのことお願い」
「わかった」
ごっつぁんはこんこんを抱きかかえて座らせると、何やら話し始めた。
さてと・・・・
- 589 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:03
-
「ミキティ、いい?取り合えず落ち着いて」
折角直したメイクも凄い事になっちゃって。
「・・・・ごめんなさい」
恋をしている時って、感受性がちょっと過敏になり過ぎる。
「紺野があんなことをしたのはね、藤本に、もっと自分のことを好き
になってほしかったから。こんこんの気持ち、わかるよね?」
小さくうなずくミキティ。
「ちょっと勘違いしていただけ。自然な紺ちゃんが好きなんだよね?」
「・・・でも・・・美貴が・・」
- 590 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:04
- 「違う。誰のせいでもないよ。こんこんがお芝居をしたのは、藤本の
せいなんかじゃない。いい?誰も悪くない。お互いに理解しようと
してるじゃん。好きな人をもっと知りたい。好きな人に、もっと好
きになってもらいたい。ただそれだけ。ミキティはいい恋愛してる
と思うよ?たまに考え過ぎちゃうけどさ、それが恋ってもんでしょ」
顔を上げて、じーっと天井を見据えてる。
「頑張れ、藤本!」
ふっと視線が降りてきて、輝きの戻った瞳がおいらを見詰める。
「ありがとうございました。もう大丈夫です」
「おっし!じゃ、メイクさんに謝って、直してもらってこい。それじゃ
ごっつぁんの手には負えないだろ?」
「そんなにひどいですかぁ」
- 591 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:05
-
「今、鏡は見ないほうがいいよ。今度はミキティが気を失うから」
「アハハ、自分の顔でですか」
「ほら、早く行ってこい」
「はい、あの、紺ちゃん、お願いします」
「分かった」
勢いよくドアから飛び出して行く。
・・・・さて。
振り向くと、ごっつぁんがOKサイン。
- 592 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:06
- 「サンキュ。悪いけどさ、また頼んでいい?」
「もちろん」
もうこんこんの前髪を上げてヒンで止め、肩にタオルを乗せて、
道具を開いてる。
・・・早!
「じゃ、お願いね」
「あいよ〜」
はぁ〜、これから本番なのに、緊張どころじゃないや・・・・
- 593 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:08
- 娘。の楽屋に戻ると、ふっと顔を上げた圭織に軽くうなずいて。
いつものように微笑みが返って来る。
・・・あのさ、たまには圭織も行けよ・・・
でもなぁ、前はこの役目、圭ちゃんがやってたもんなぁ。
「矢口さん・・・」
こちらも心配そうな垣さんにサムアップを返す。
「垣さんありがとね。でも、さっきおいらの考えてたこと、良く分
かったね」
「これでも塾長ですからねぇ」
- 594 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:08
- 「でも、あんな短い時間でよくごっつぁんに説明できたね」
「私、説明なんてしてませんよ?」
「え、だって、ごっつぁんさ、二人を連れて行くの知ってたみた
いじゃん」
「いえ、私もびっくりしたんですよ。さっきですね、後藤さんの
楽屋に行って、ノックしてから覗いたら、後藤さん、私の顔を
見るなり、『いいよ、早く連れておいで』って。何にも言って
ないのに」
思わず苦笑い。
- 595 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:09
- まぁ、確かに普通の人よりは、おいら達って洞察力が鍛えられている
かもしれないけど。
ホント、感じちゃう時ってあるんだ。
ん〜、全部じゃない。肝心な部分はわからない。
だって、人の心が全部読めちゃったら、人生つまらないよね。
・・・・はぁ〜、疲れた。
- 596 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:10
- あ、梨華ちゃん帰って来た。
「あれ?何かあったんですかぁ?」
流石に微妙な空気は感じるらしい。
「梨華ちゃん、どこ行ってたの?」
「緊張しちゃって、ちょっとおトイレ・・・・」
・・・・あっそ
「あれ?美貴ちゃんは?あ、紺野もいない。怪しい〜」
「梨華ちゃんは幸せでいいね。思いっきり火種をまき散らしておいてさ」
- 597 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:11
- 「え〜、何ですかそれ〜。私何かしましたか?」
高橋といちゃってたお豆ちゃんがニヤニヤしながらまた近付いてきて、
「石川さん、今頃後藤さんは、あさ美ちゃんと仲良くしてますよ」
あ〜あ、こいつも火付け娘か・・・
梨華ちゃんの目が、ピキッと吊り上がる。
「ち、ちょっと見てくる・・・」
あっと言う間に飛び出して行った。
- 598 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:13
- 「こらぁ!垣さん、余計なもめごと起こすなよ。今から泣かれたら本番
までに修復できないだろーが」
「だぁ〜いじょうぶですってぇ」
「だって、梨華ちゃん結構嫉妬深いよ。それにせっかく収まったのにさ、
またこんこんのこと巻き込んだら可哀想だろ」
「あさ美ちゃんなら、もうすぐ戻ってきますよ」
こちらも笑顔で垣さんの後ろからパタパタ這ってきた高橋。
「?何で分かるの?」
「いま、あさ美ちゃんからメールが来てぇ。メイク直してもらってる間、
ず〜っと石川さんとののろけ話しを聞かされっぱなしやて。耐えられ
んから、石川さんにこっちゃ来るよに伝えてって・・・」
「あはは・・・アホくさ。」
- 599 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:14
- 「あ、来た来た。ポンちゃん、こっちこっち」
垣さんに呼ばれて申し訳無さそうにおいら達のところに来たこんこん。
「あ、あの、さっきはすいませんでした」
ホント、真面目なんだよね。
「お、気にすんなって。ほら、立ってないで座りなよ」
「はい・・・」
「何だ元気無いなぁ。そんなにごっつぁんにいじめられたの?」
「え?」
- 600 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:15
- あらぁ〜、耳が赤くなって。
「・・・愛ちゃんのおしゃべり」
「先に言ったの里沙ちゃんやってぇ」
「まぁまぁ、石川さん行ったでしょ?」
「・・・・・・・・」
「あれ、何で赤くなるのさ」
「え、だ、だって・・・・」
「どーしたの?」
- 601 名前:Usual days 投稿日:2004/11/12(金) 23:17
- 「あの、だって石川さん、楽屋に飛び込んでくるなり、その・・・・」
「あ〜っ、もうじれったい。それじゃ次の3つの中から選んで下さい。
1.石川がごっつぁんに抱きついてキスをした。2.石川がごっつぁん
に押し倒されてキスをされた。3.いきなり始まった。さぁ、どれでしょう?」
「あの・・・・あの、2番と3番でお願いします」
「うぇ〜〜、・・・ホントに?」
「ありゃ〜・・・」
・・・・バカだ、あいつら。
- 602 名前:たまえす 投稿日:2004/11/12(金) 23:22
- >>583 てこ様
ありがとうございます。
気にしておられるCPについては、またいつか登場させようと
思っています。
- 603 名前:たまえす 投稿日:2004/11/12(金) 23:24
-
--- Intentionally left blank ---
- 604 名前:たまえす 投稿日:2004/11/12(金) 23:25
-
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 605 名前:名無し飼育 投稿日:2004/11/13(土) 00:32
- はじめてレスします。
好きなCPばかりで続編はじまって嬉しいです。
密かに…新高が気になっています(w
- 606 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:04
- 本番直前に、マネージャーさんにどやされながら、メイクさんを
引き連れたまま前室に飛び込んできた藤本さん。
心配していたメンバーに平謝りでちょっと可愛そう。
原因は私なのに・・・・
その後、無事に放送も終了して、今日のお仕事はこれでおしまい。
楽屋での反省会も終って、みんなそれぞれ帰る準備をしている。
- 607 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:05
- 「でさ、これからどうする?うちに来る?」
「はい。お邪魔します」
「ほんとに?キャー!」
「明日、学校なんで、朝早めに帰りますけどいいですか?」
「あ、そっか。それじゃきついね。やっぱやめとく?」
「あの・・・・あの・・・」
「ん?」
「もっと・・・一緒に・・・いたいです・・・」
「・・・・こ、紺ちゃん」
- 608 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:06
- 「梨華ちゃんさ」
「はい」
「聞いてたよね」
「はい」
「いつも思うんだけどさ」
「はい?」
「何でさ、ミキティがこんこんの家に行っちゃダメな訳?」
「そんなこと無いと思いますけどねぇ」
「だよね。絶対ミキティの選択肢にはさ、自分が動くってのが
欠落してるよねぇ」
「はぁ。美貴ちゃんが行けば、紺野の家の人だって安心できる
と思うんですけどねぇ。あ、もしかして、怖いんじゃないですか」
- 609 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:07
- 「ね、梨華ちゃん聞いてみてよ」
「え、何で私が聞くんですかぁ?言い出したの、まりっぺじゃん」
「いや、だって、おいらが聞くとさ、なんか押し付けてるみたいに
思われるから」
「それは日頃の行いじゃないですか」
「なんだと?おいらがいつ押し付けるような事言った?」
「あ、ほら、早くしないと紺野が家に電話しちゃう」
「じゃあ、ジャンケンで・・・・」
「何を言ってるんですかサブリーダー。ほら早く!」
・・・・余計な事言っちった。
- 610 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:08
- でも、いつもこんこんにばっかり負担が掛かっているような気がする。
こんこんは気付いてないかもしれないけれど。
「美貴ちゃん、まりっぺが話しがあるって」
あっちゃ〜・・・・い〜し〜か〜わ〜・・・
「え、何ですかぁ、矢口さん、美貴に話しって・・・」
「悪魔」
「チャーミーは天使です。ほら、早く」
「覚えてろよ」
「いーから」
- 611 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:09
- 梨華ちゃんに背中を突き飛ばされて。
「だ、大丈夫ですか?ちょっと、梨華ちゃん可哀想じゃん・・・で?」
「あ、う、うん。あのさ、立ち入った事なんだけど、ミキティってさ、
こんこんの家に行ったこと、ある?」
「えっ?」
「あ、ごめん。さっきの話し聞こえちゃって。こんこんが朝早いんならさ、
ミキティがこんこんの家に行けばいいのにって、ちょっと思ったからさ。
ごめん、ホント余計なお世話だった。話しはそんだけだから・・・・」
- 612 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:09
- 「・・・・・そっか」
「へ?」
「そうですよねぇ」
「はい?」
「うんうん、矢口さん!」
「な、・・・何?」
「さっすが 、年の功!」
「・・・・・・・・」
「紺ちゃん紺ちゃん、電話するの待って!」
タタタッと、こんこんの所に戻ったミキティ。
聴力のゲインをMAXにして聞き耳モードへ移行する。
「あのさ、美貴が紺ちゃんちに行ってもいいかな」
「え、ホントですか?」
- 613 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:10
- 「うん、もし迷惑じゃなければ。そうすればさ、美貴は紺ちゃんの
学校の行く時間に一緒に出れば間に合うし、紺ちゃんも美貴ん
ちから行くよりもさ、ゆっくりできるじゃん」
「あの、あの、いいんですか?」
「うん。紺ちゃんさえ良ければ」
・・・おっ、こんこんが、すっごい笑顔になったぞ・・・
・・・しっ、静かに・・・
「やったァ〜、お母さんが喜びますよ」
「へ?」
「え、いや、いつもですね、言われるんですよ。あなたばっかり泊り
に行ってないで、たまには藤本さんにもうちに来て頂いたらって」
「ほんと?」
「はい。じゃ早速電話しますね」
- 614 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:12
- 片手でスチャッと携帯を開いて。
「もしもーし、あ、私。・・・うん、今から帰る。それでね、藤本さん
連れていくから。・・・え?ホント、うん。・・・あ、軽くお願いし
ます。・・・え?・・・うん、お・と・ま・り。エヘ、はい、じゃ」
・・・ピッ。
・・・梨華ちゃん、エヘだって・・・
・・・しーっ、聞こえないから・・・
「おかあさん、何だって?」
「すっごい喜んでますよ」
「マジで?」
「はい。うちのお母さん、藤本さんの事、大好きなんです。洗脳
の効果、出てきてますよ」
「地味なマインドコントロールをした甲斐があったねぇ」
- 615 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:13
- 「振り付けのビデオとかお母さんも一緒に見るんですよ。それで、
美貴ちゃんて可愛いし、歌が上手ねって。すっかりファンになっ
てますよ」
「ホントに?あ〜、ドキドキする。彼女の親に初めて会う気持ち
が、今やっと分かった。・・・どうしよう、紺ちゃん!緊張するぅ〜」
「頑張って、ダーリン」
「ね、一緒にお風呂したりとか、一緒に寝たりしたらさ、やっぱ
怪しまれるかな」
「さぁ〜、大丈夫だと思いますけど・・・」
「だよねだよね。やたっ、紺〜ちゃんと一緒の金曜日〜、あなぁ〜
たーとお風〜呂入っちゃうもんね〜」
「あわわ、声が大きいですよ〜」
- 616 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:15
-
・・ ・・ ・・ ・・ ・・
- 617 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:16
- 「・・・あれぇ〜、歌ってるよ、梨華ちゃん・・・」
「はい、ご機嫌ですねぇ」
「・・・あれで良かったのかな」
「・・・知りませんよ」
「え、今更逃げるの?」
「私はただ、相づちを打ってただけじゃないですか」
「・・・でもさ、あの二人はさ、このまま可愛いカップルでいて
欲しいな」
「明日の朝ご飯は、御赤飯になるといいですよね、矢口さん!」
「・・・そーだなぁ。・・・・って、え!?ちょっと梨華ちゃん、何でそ
んな事知ってるの」
「そんな事って?」
「ちょっと待て。お前、誰に聞いた!」
「え〜?何の事だかチャーミーわかんな〜い。さぁ〜て、帰ろう
かなぁ・・・」
- 618 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:17
- 「なっちと圭織しか知らないんだから、どっちに聞いたのか吐け」
「いいじゃん、どっちでも。どうせバレちゃってるんだし」
「・・・他にも誰か知ってるの?」
「いえ、私だけみたいですけど」
・・・はぁ〜・・・
「ま、梨華ちゃんには現場見られちゃってるし。でも絶対喋るなよ?」
「あんな事、言える訳ないじゃないですか。でも、いい話だと思う
んだけどな。なんか可愛いじゃないですか」
「・・・でもさぁ」
「はい」
「なっちのお母さんの御赤飯ってさ」
「はい」
「甘かったんだよね・・・」
「はい?」
- 619 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:18
- 「おいら、甘い御赤飯って知らなくてさ、びっくりして吹きそうに
なって・・・」
「北海道はそうらしいですね」
「ミキティは北海道だから大丈夫か」
「どっちも北海道ですけど・・・」
「でもさぁ」
「はい」
「何かおいらと梨華ちゃんだけさ、寂しくないか?」
「あ、気付いちゃいました?」
「何気にさぁ、みんなくっついてるよね・・・」
「じゃあ、寂しい者同志で慰め合います?」
「嫌だ。何でこんなキモいやつと」
「そんなこと言っちゃって。ホントは好きなくせに、も〜素直じゃな
いんだから」
- 620 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:19
- 「わっ、バカッ、胸を押し付けんなよ。分かったから」
「チャーミーのこと、ス・キ?」
「はい、好きです。ごめんなさい・・・」
「じゃ、お持ち帰りしちゃおっかなぁ〜」
「あ〜〜〜、助けてぇ〜・・・ごめんなさい、許してください・・・」
「まりっぺ、・・・好きだぞ!」
「わかったから放せって」
「嫌ですぅ〜。あ〜、いい抱き心地」
「マジきもいって、おかぁ〜さぁ〜ん、助けてぇ〜」
と、その時。
「うるさ〜〜い!二人とも早く帰りなさい!」
キャーキャーじゃれ合っていたおいらと梨華ちゃんの後ろから、
キーンと通る怒鳴り声。
- 621 名前:Usual days 投稿日:2004/11/16(火) 21:20
- 条件反射で背筋がピキッと伸びる。
そぉ〜っと振り向くと、そこには腰に手を当てて仁王立ちの重さん。
「あ、さゆ・・・・ごめんなさい」
「・・・重さん、怖い・・・」
「あ、あの、そう言えって、飯田さんに言われました」
「「へ?」」
その後ろから、にっこり笑顔の圭織。
「梨華ちゃん、帰ろっか」
「そうですね。笑顔のうちに・・・」
- 622 名前:たまえす 投稿日:2004/11/16(火) 21:27
- >>605 名無し飼育 様
ありがとうございます。宜しくお願い致します。
気にされているCPについては、最大の難関が立ちはだかって
おりまして。勉強不足で申し訳ありません。
- 623 名前:たまえす 投稿日:2004/11/16(火) 21:35
- またしても仕事の都合により、次回の更新は未定となります。
勝手ばかりで申し訳ありません。
あと、もしレスを付けて頂ける場合には、他の作者様のご迷惑に
ならないようにsageで頂けると幸いです。宜しくお願い致します。
- 624 名前:たまえす 投稿日:2004/11/16(火) 21:36
-
今回はここまでです。それでは失礼致しました。
- 625 名前:名無し読者 投稿日:2004/11/19(金) 10:37
- のんびり待ってますよ
- 626 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:39
- 「ま〜た矢口さんと石川さん怒られてるね」
「しかも、重さんにやよ」
「でもさ、ああやって気持ちを紛らわせてないと、やっぱり寂しいんじゃないかな」
「ほやの。いつも近くに好きな人がえんから。あっしはひってもんに幸せもんやよ」
「愛ちゃん」
「ん?」
「卒業、しないよね」
「ほんなこと、自分では決められんから・・」
「・・・そうだよね・・・」
- 627 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:40
-
「しゃーない、梨華ちゃん、寂しい者同志で帰るとするか」
と、そのとき・・・・
バンッと勢い良くドアを開けて入ってきた王子様。
「梨華ちゃんお待たせ〜、帰るよ〜」
「は〜い。じゃ、まりっぺお先に。みんなお疲れ様でした〜」
・・・ごっつぁん、先に帰ったと思ってた・・・
「石川の裏切り者〜、何だよ、結局おいら一人かよ!」
・・・うぅ〜〜なっちぃ〜、寂しいよ〜・・・
- 628 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:42
- 「・・・絵里」
「ん〜?」
「れな、ちょー行ってくるけん」
「どこへ?」
「やぐっつぁん」
「どうするの?」
「寂しか時って、ちょこっと声ば掛けて貰うだけで気が紛れるっちゃなかね」
「そうだね」
「れなも、最初ん頃はやぐっつぁんにそうしてもらったけん」
「うん。じゃ絵里も行く」
せーの
タタタタタタタタッ・・・・おりゃ〜!
- 629 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:43
- 「グエッ・・・・お〜〜〜いっ、何なんだよお前ら!」
「やぐっつぁんのこと慰めに来たっちゃ」
「はぁ?」
「一人になんかしませんよ?」
「あ〜、・・・おいら、そんなに寂しそうだった?」
「・・・あの、会えんとですか?」
「ん、ま・・・・ね、・・・・って、えっ?誰と?」
「そんなぁ、誰とって。安倍さんとに決まっとーやなかですか」
「何で?」
「あれぇ?もぉ〜嫌ですよぉ、今更とぼけるんですかぁ?いっつもラブラブ
じゃないですか」
「・・・・いやぁ、・・・ほら、お友達だから・・」
- 630 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:44
- 「やぐっつぁん!」
「は、はい」
「そんな嘘つかんくてもよかです。れなは素直なやぐっつぁんが好きだけん」
「安倍さんと一緒のときの矢口さんって、す〜っごく可愛いですよぉ。あ、いつも
よりも、もっとって意味で。エヘヘ」
「だけん、やぐっつぁんと安倍さんがうらやましかとです」
「田中ちゃんと亀ちゃんだってラブラブじゃんか。いっつも楽屋でさぁ、堂々と
押し倒したり押し倒されたり・・・」
「ちょー待って、それは絵里が・・」
「え〜、れーなじゃ〜ん」
「お〜い、おいらを慰めにきてくれたんじゃ無いのかよ」
- 631 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:46
- 「おっ、いけん、では、改めて・・・・やぐっつぁん♪」
「やーぐちさん♪」
「・・・な、何?」
「「だぁ〜い好きぃ」」
「おわ〜〜っ、おめーら・・・グェッ・・・」
・・・思いっきり抱き付かれてますよ、矢口さん・・・
・・うん、矢口って、癒し系のペットと同じでね、ハロプロの
アニマル・セラピー役に丁度いいの・・・
・・・でも、絵里とれーなが慰めに行ったんじゃ・・・
- 632 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:47
- 「二人の愛を、い〜〜〜っぱいあげますからね?」
「・・・ぶっ、おい〜・・・うぷっ・・・ちょっと待て」
「ちょー、逃げちょったら愛をあげられんちゃなかですか」
「・・・あらら、いっぱいキスされてますね・・・」
「・・・あはは、いきなり唇にいっちゃったね。あ、道重、もうそろそろ
お迎えが来るんじゃない?」
「そうですね。でも、あの二人、どうしましょうか」
「ん、大丈夫だよ。あ、ほら来た」
楽屋に入ってきたマネージャーさん。
「亀井、道重、田中、迎えが来てるから・・・って、こらぁ、何をやってるの。
騒いでないで早くしなさい!」
「じゃ、飯田さん、お先に失礼します。お疲れ様でした」
「はい。お疲れ様。またね」
「は−い」
- 633 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:49
- 「あー、ずるい〜、れーなの方が一回多い。絵里もあと一回するぅ・・・」
「ほら、亀ちゃん早く帰らなきゃ」
「え〜・・・」
「わーった、ほら、『チュッ』・・・」
「あ〜、ずるかぁ〜もぉ、れなはやぐっつぁんから、ちゅ〜してもらっとらんけん・・・」
「≪怒゛≫二人ともいい加減にしなさい!」
「「あ゛〜〜〜〜」」
恰幅のいいマネージャーに腕を掴まれて、スルズルと引きずられて行く
田亀コンビと、三人分の荷物を抱えて後を追う重さん。
- 634 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:50
- 「ちょ〜っと圭織、見てないで助けてよ」
「だって矢口、嬉しそうだったじゃん」
「・・・まぁ、ちゅーは嫌いじゃないけどさぁ」
「じゃいいじゃん、こうして娘。の伝統が継承されて行くんだからさ」
「どんな伝統だよ。でもさ、あいつら普段どんなちゅーをしてるんだろ。
亀ちゃんなんか、かなりねっとりしてたけど・・・・」
「あはは、裕ちゃんのキスとさ、どっちが良かった?」
「いやぁ〜〜、おいら、あんまりねちっこいのはちょっと・・・」
「ふ〜ん、ねちっこいのは、なっちの時だけか・・・」
「あ・・・・・」
- 635 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:52
- 安倍さんの名前が出た途端、いきなり真っ赤になった矢口さん。
「あれ、何でぇ?今さらそんなに赤くなんなくても。ホント可愛いね、矢口は」
「・・・そ、そんなこと言うんならさ、圭織だって重さんとどうなってるのさ」
そう矢口さんが聞いた途端、ボンッと真っ赤になって。明らかに動揺している
飯田さん。
・・・ありゃ〜・・愛ちゃん愛ちゃん、矢口さんとうとう言っちゃったね・・・
・・・ほやのぉ・・・
・・・みんな気になってるのに、怖くて聞けなかったことをさ・・・
・・・ほやけど、飯田さん・・・どうすんのやろ・・・
- 636 名前:Usual days 投稿日:2004/11/19(金) 23:54
- 「え〜〜〜〜っ、なぁ〜〜んでぇ?ちょっと待ってよ。何でさ、かおが
道重とどうにかなるのよ」
「ふぅ〜〜ん、何でも無いのなら、何でそんなに赤くなってるの?何で
そんなに慌ててるの?」
「だってさ・・・・」
「だって・・・何?」
「・・・だって・・・・だってさ・・・・・」
・・・あれ、飯田さん、何かおかしいよ・・・
・・・ほんまやざ。どうしたんやろ・・・
「・・・圭織・・・・どした?・・・大丈夫?」
「・・・だって、うぅっ・・そんなことさ、グスッ・・言える訳、無いじゃない」
「えぇ?・・・ちょっ、何で泣くの。・・・ね、かお?」
・・・あ〜〜、やっちゃたよ矢口さん・・・
・・・地雷、踏んでしもーた・・・
- 637 名前:たまえす 投稿日:2004/11/19(金) 23:58
- >>625 名無し読者様
ありがとうございます。今後もかなり不規則になりますが
宜しくお願い致します。
- 638 名前:たまえす 投稿日:2004/11/20(土) 00:00
-
社長、ごめんなさい。大切な会議中に、PDAで圭織を泣かして
しまったのは私です。(藁
- 639 名前:たまえす 投稿日:2004/11/20(土) 00:01
-
本日はここまでです。失礼致しました。
- 640 名前:名無し読者 投稿日:2004/11/20(土) 08:29
- 更新乙です。田亀キャワ!
飯田さんはどうしたのか気になります。頑張ってください。
- 641 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:23
- 「あ〜、梨華ちゃん、浮気した!」
「な、なんでよ。私は真希ちゃんだけですからね。どうしたのよいきなり」
「だって最近さ、梨華ちゃんウルトラマリン使ってなかったじゃん。なのに
何で匂いがするのさ」
「スペシウム光線ビシィ〜〜って?」
「そうそう、必殺技でねぇ・・・・・・って、違〜〜〜う!それウルトラマンだから。
それに、光線じゃなくて、香水の話!」
「わ〜い、乗り突っ込みだぁ」
「もぉ〜〜、怒ってんだからね」
- 642 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:24
- ···真希ちゃんは香水を集めるのが好き。限定品・・・とか見つけると、
つい買ってきちゃうらしい。お部屋の棚には、可愛い小ビンが並んでる。
だからって訳じゃないけど、香りにも敏感で・・・
「違うの。さっき楽屋で真希ちゃんのことを待ってる間にね、まりっぺが
寂しそうだったから、一緒に遊んでたの」
「あ〜、やぐっつぁん・・・・寂しそう?」
「うん。だって、みんなカップル同志でくっついちゃってるのに、まりっぺ
だけ一人じゃない。自分じゃそんなこと言わないけどさ、やっぱ寂しい
じゃん?」
「・・・・あ、そっか。なっち、東京にいないんだっけ・・・」
「うん。だからね、じゃれてたら少しは気が紛れるかなって・・・」
- 643 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:25
- 「そっか」
「うん」
「・・・ごめんね」
「ううん」
「そりゃ寂しいよね。でもさ、そんな時間も必要だと思うんだけどな」
「え〜、嫌だよ・・・」
「ん、ほら、良く言うじゃん。会えない時間が愛を育てるってさ」
「あ〜、それ分かるかも。目をつむれば君がいる・・・って?」
「んはは、梨華ちゃんそんな古い曲、良く知ってるねぇ」
「へへっ、郷デッス!」
「・・・似てないから」
「ひっどぉ〜い、でもさ、そっか、そうもしれないね。私も、目を閉じれ
ばいつでもどこでも真希ちゃんに会える」
- 644 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:27
- 「Everyday everywhereってね」
「何それ?」
「ツアーで稲葉あっちゅんが歌ってくれてる歌。もう、めっちゃ泣ける
んだ、これが。じーっと聞いてるじゃん、ファルセットでシャウトさ
れちゃったりした途端にさ、ジワ〜ってくるんだよねぇ」
「へぇ〜、真希ちゃんさ、また千秋楽に泣くんでしょ・・・」
「泣かないもん」
「うそうそ。ぜ〜ったい泣くよ?アンコールとかのMCでさ」
「むぅ〜っ、泣かないってば」
「じゃあ賭ける?」
「何をさ」
「そーだなぁ、欲しいコートがあるんだけどな」
「あ、それならOK。でも、泣かなかったら買わなくていいんだね?
もしプレゼントしたくなっても・・・」
「え・・・・・それは困る。・・・ん〜、じゃあ、そーだなぁ・・・」
- 645 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:28
- 暫く悩んでいた梨華ちゃん。突然、ピンッと何かひらめいたらしい。
「そうだ!もし千秋楽で泣いたら、来年の春ツアーの時に着ぐるみ
着て歌って」
「着ぐるみぃ〜?・・・・何の?」
「何か思いっきり間抜けなやつ、例えば・・・ニワトリとか。それも、
ちっちゃいカリメロみたいなやつ」
「え、だって梨華ちゃん鳥嫌いじゃん。それに、カリメロはニワトリじゃないし・・・」
「生きて無ければへーき。真希ちゃんが着れば可愛いじゃない。
それ着てね、しかも真面目に歌うの。おっかしくない?」
「泣かないもん」
「いいじゃん、泣いたって。私、好きだな。素直に会場のお客さんの
声援に感激できる真希ちゃんが。ステージを支えてくれるスタッフ
さん達に心から感謝できる真希ちゃんが」
「・・・恥ずかしいよ梨華ちゃん・・・」
- 646 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:29
- 「本当に真希ちゃんてさ、いいファンと素敵なスタッフに恵まれてると
思うよ。ほら、ごっちんコール凄いし。曲の間でちょっと衣装早替えし
たり、水分補給をしてる間にさ、すぐごーっちんって。しかも凄いまと
まってるんだよね。普通さ、ちょっとずれてたりバラバラだったりする
じゃん。でもさ、真希ちゃんのファンてホントまとまってるよね。しか
も、スタッフさんまで一緒になって」
「・・・うん。だから頑張れるんだ。みんな、ちゃんと私のことを見ていて
くれる・・・会場全員で一つになれるから・・・・・やっぱ、泣くかな・・・」
「・・・真希ちゃん・・・好き・・・」
「・・・梨華ちゃん・・・おいで・・・」
「・・・ん・・・んっ、・・・・あっ・・・」
「あっ、忘れてた」
「な、何よ、いい感じだったのに」
「え、だってさ、もし私が泣かなかったら、って話をまだ決めて
ないよねぇ」
「・・・・あ」
- 647 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:30
- 「もし泣かなかったらねぇ・・・・そーだなぁ」
ニヤつきながら私のことを、上から下までゆっくりとながめて。
ニマ〜ッと、不敵な笑みを浮かべた真希ちゃん。
「前にさ、ベランダでしたことあったじゃん」
「えっ、・・・ま、・・・また?」
「ん?違くて。今度はね、本当に外でしたいねぇ。やっぱ昼はヤバイから、
夜にさ、海の見える公園とかで愛し合うのって、いい感じじゃん?」
「風邪引いちゃうわよ!」
「全部脱がなくたってできるし・・・でも、やっぱし暖かくなるまで
待ってさ、まっぱがいいねぇ」
「・・・・・・・・・」
- 648 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:31
- 「いいじゃ〜ん、海に向かってさ、具も心も、あ違った・・・身も心も全開に
なって・・・・・沖の船から見えちゃうかもねー、なんて・・・」
「・・・もう、お馬鹿ぁ!何て事考えるのよ」
「・・・え、何って、エッチなことを・・・・」
「・・・知らない。おやすみ!」
「だってさぁ・・・・こないだ梨華ちゃんだって、ベッドより
良かったって言ってたじゃん」
「・・・・・・・・・」
「絶対燃えると思うんだけどなぁ」
「・・・・・・・・・」
「なんだったら、そこの公園でもいいけど」
「・・・・・・・・・」
「じゃーさ、百歩譲ってベランダにしといたげる。その代わり、昼間ね♪」
「・・・・・・・・・」
- 649 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:32
- 「ねーねー梨華ちゃ〜ん、取り敢えずさぁ、今日はノーマルでいいからさぁ」
「・・・・変態・・・」
「あ、それってちょっと酷くない?こんな変態でも愛してくれてるじゃん」
「考え直そうかと思ってマス」
「私はね、梨華ちゃんと一緒にこうしているだけで・・・ほら、こんなに・・・」
背中を向いている私の手を掴むと、真希ちゃんのパジャマの中に誘導していく。
「ち、ちょっと、真希ちゃん!」
「ん〜〜?」
「な、何を・・・」
手を抜こうと指を動かすと・・・・
- 650 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:33
- ・・・くちゅん・・・
「・・・あっ・・ん」
「・・・え?」
「んもぉ〜、いきなり・・」
「・・・真希ちゃん、もしかして?」
手を布団から出してみると、指先がぬらっと妖しく光っていた。
「ね、梨華ちゃんが欲しいって言ってるでしょ?」
「真希ちゃん、ごめんね、欲しかったんだね」
「うん、お腹が空いちゃった。食べたいな」
「うん、どうぞ召し上がれ」
- 651 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:34
-
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- 652 名前:Usual days 投稿日:2004/11/23(火) 15:36
- 「へぇ〜、梨華ちゃんも、おもろい事考えるやん」
「絶対泣かないもん」
「ごっちん、そのアイデア、頂かへん?・・・」
「はい?」
「どーせその賭け負けんねんから、千秋楽に一発いっとこか」
「泣かないもん!何さ、あっちゅんまでさぁ・・・」
「可愛いや〜ん。お客さんだって、スタッフさんだって、めっちゃ喜ぶ
と思うで。最後にちょこっとサービスしてもええんとちゃう?・・・
可愛いごっちん、見たいなぁ〜・・・・」
「・・・あっちゅんもやるんなら・・・」
「おっ、当たり前やん、そんな美味しいこと、ごっちんだけにやらすか
いな。やったるでぇ〜、まかしとかんかい!」
···ノリノリの稲葉さん。まさか、 マ ツ x x サンバでボケることになろ
うとは、この時は知る由も無かった・・・
- 653 名前:たまえす 投稿日:2004/11/23(火) 15:41
- >>640 名無し読者様
ありがとうございます。田亀コンビはイメージ的に行き過ぎか、
とも思いましたが、気に入って頂けて嬉しく思います。
リーダーは・・・どうしましょう(w
- 654 名前:たまえす 投稿日:2004/11/23(火) 15:44
- 仕事で忙しいと言いつつ、何故か桐生の千秋楽に出没していました。
後藤さん、感動をありがとう。
- 655 名前:たまえす 投稿日:2004/11/23(火) 15:45
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 656 名前:名無し読者 投稿日:2004/11/25(木) 11:04
- いしごまラブラブでいいねぇ。
- 657 名前:名無しさん 投稿日:2004/11/27(土) 01:05
- 石川さんと後藤さんのエロカップルが好きですw
- 658 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 20:54
- あの後、マネージャーに追い立てられるように、半ベソ状態の圭織を連れて
楽屋を後にして。
心配する高橋と垣さんを宥めすかして帰して。
さて、どうしよう。
さっきのおいらの一言が触雷したのは明白だけど、訳が分からん。
取り敢えず話しがしたい。
「圭織、この後は帰るだけ?」
見上げると、こくこく肯いている。
「圭織のとこ、寄ってもいいかな?」
「・・・うん・・・・」
お、話す気になったか。
- 659 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 20:56
- 勝手に突っ走り始めようとする憶測を払いのけつつ、タクシーに乗る。
車内に溢れる色鮮やかな都心のネオン達。
万華鏡のような光の洪水に映し出される圭織の美しいシルエットを
眺めながら、どうしたものかと考える。
楽屋でも現場でも、ふと気付くと、自然に寄り添っているメンバー達。
さすがに、スタッフさんとかその他関係者のいる前では控えている
ので、仲の良いメンバー同志にしか見えないだろうけど。
でも、いつも一緒にいると、色々な組み合わせが楽しめる。
どうしようもないバカップルの石川とごっつぁん。
人にセクハラかますよっすぃ〜を、いつも怒りながら追い掛け回して
いる麻琴。
こんこんと一緒にいるだけで表情がとろけてる、普段と全然違うミキティ。
- 660 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 20:57
- 傍目にはまるで会話が噛み合っていないのに、何故か息がピッタリ。
でも実は垣さんの尻に敷かれている高橋。
甘えん坊の亀ちゃんに懐かれて、本当は嬉しいくせにそっけない振り
をしている、見ていてとても微笑ましい田中ちゃん。
そんな中でも、異色の・・・・ん〜〜、カップルのような、違うような
二人が、圭織と重さん。
正直、良く分からない。
でも、空き時間とかに、田亀コンビとじゃれていたかと思えば、何時の
間にか読書をする圭織の隣に座っている重さん。
あまりに微妙なので、他のメンバーも不思議に思ってはいるものの、
確かめる事ができなかったらしい。
- 661 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 20:58
- 圭織には説教されたくないもんね。相変わらず長いから。
別にベタベタしている訳じゃ無し、いちゃいちゃしている訳でも無し。
普通にメンバーとリーダーなんだよね。
じゃ、何でくっついてるの?
あ〜、他のやつらがみんなくっついてるから、残った者同志で。
いや、やっぱりおかしい。
だってさ、娘。だけだったら梨華ちゃんだっておいらだって一人だろ?
なのに、どちらかと言えば、一番懐きずらそうな圭織にって、ねぇ。
「・・・矢口」
「ん?」
「着いたよ」
「お、いけね。ボーッとしてた・・・」
- 662 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 20:59
- 圭織の後に付いてマンションへ。
「そう言えば、圭織の家って初めてだね」
「うん。あんまし来た人いないよ。かおの秘密基地」
「・・・基地なんだ・・・・・すげー。お邪魔しまーす・・・」
「どうぞ」
綺麗に片付けられた、落ち着いた色調の大人な雰囲気の室内。
梨華ちゃんとは大違い。
まったく・・・あいつときたら、美的感覚も音痴なんだから。
・・・あ、今のは不適切な発言でした。
でもね、やっぱコーディネートはこうでねーと!
「矢口どしたの?」
「あー、いやぁ、素敵な部屋だなって思って、感心してた」
「ふふっ、そこ座ってて。ちょっと着替えてきちゃう」
「うん」
- 663 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 21:00
- ソファーに腰を下ろして辺りを見回していると、でっかいテレビの横に、
いくつかの写真立てが置いてあるのに気付いた。
近寄ってみると、ちっちゃい愛犬に頭をかじられて、めっちゃ笑顔の圭織。
もう一つ、ワイキキの青い海をバックに、いい感じで寄り添う二人。
今まで気付かなかったけど、重さんて、背が高くてスタイルもいい、
八頭身美人なんだね。圭織とのツーショットが、すげーカッコいい。
いつもポワ〜ンとした感じだから、そういうイメージってちょっと
持ち辛いけれど。
いいなァ・・・
あと何年後かにはきっと、もの凄い美人になるね。
あ〜、金もいらなきゃ女もいらぬぅ〜、あたしゃも少し背が欲しい〜
「矢口はそのままの方がいいよ。だって可愛いもん」
「・・・・へ?」
- 664 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 21:00
- 驚いて振り向くと、何時の間にか、お茶を乗せたトレーをテーブル
に置いている圭織。
「どうぞ」
「お、サンキュ」
「圭織ってさ、心が読めるのはなっちだけかと思ってたけど、おいら
のも分かるの?」
「ん?メンバー全員のが、分かったり分からなかったり。こいつの心
を読んでやるーって集中しても、殆ど分からない。何も考えていない
時に、すぅーっと頭の中に言葉が聞こえてくるの」
「それじゃ、楽屋なんかうるさいでしょ」
「はは、楽屋は何もしなくてもうっさいじゃん」
- 665 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 21:03
- 「それもそうだね。でも、凄くない?うちのリーダーはサイコキネシスって」
「何それぇ〜、人を化け物扱いしないでよ。矢口だってそうでしょ?
メンバーが困っていたりする時にはさ、ほら、いつかの藤本の時み
たいに、ちゃーんと分かってあげられるじゃん」
「あれはさぁ、おいらは自然に分かるんじゃなくてね、自分の持って
る情報の中から必死に考えて分析をして答えを見つけてるのね。だ
からさ、もし間違っていたらって思う事もあるし・・・」
「でも、いつも当たってるじゃん」
「たまたまだよ。だからね、いつもなっちと話してるんだ。きっと、
圭織みたいに澄んだ綺麗な心を持っている人にだけ、神様が特別な
能力を与えて下さったんじゃないかって」
「でも、そのきっかけをくれたのは、圭ちゃんとなっちなんだよ。
ほら、あの時・・・」
「そっか。でもさ、自分の事って分からないの?」
「ぜーんぜん」
- 666 名前:Usual days 投稿日:2004/11/28(日) 21:05
- 「だから悩んでるんだもんね」
「別に・・・悩んでないもん」
「ごめんね、さっきさ、気に障るようなこと言っちゃって」
「ううん、大丈夫。このままでいいの。・・・このままで」
「このまま?」
「うん」
「これ以上は聞かない方がいいのかな・・・」
しばらくカップを持ったまま俯いていた圭織は、ふっと顔を上げて
髪をかきあげると、ゆっくりと話し始めた。
- 667 名前:たまえす 投稿日:2004/11/28(日) 21:10
- >>656 名無し読者様
ありがとうございます。最近、実際のカラミがあまり見られないのが
残念ですが。
- 668 名前:たまえす 投稿日:2004/11/28(日) 21:15
- >>657 名無しさん様
ありがとうございます。
シリアスに行こうと思っても、いつのまにか・・・(ry
- 669 名前:たまえす 投稿日:2004/11/28(日) 21:16
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 670 名前:名無し読者 投稿日:2004/11/28(日) 21:17
- リアルタイムでドキドキしながら読みました。
こういうのいいですね。友情、っていうかメンバー愛?って素晴らしい。
飯田さんのお話、気になります。続き待ってますんで頑張ってください。
- 671 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:48
- 「私はリーダーでしょ?だから、特定のメンバーだけを特別視する訳
にはいかないしょ?」
「・・・そうかなァ」
「だってさ、そんなところを他のメンバーが見たらさ、絶対に良くは思
わないと思うの。何であの子ばっかりって、やっぱ思うじゃん」
「だから気持ち抑えてるの?」
「・・・わかんない」
「でもさ圭織、何気にいっつも一緒にいるよね。写真とかDVD撮影の
時だって、ツーショットは無くても、二人が並んでること多いよね」
「別に意識してる訳じゃ・・・」
「うん、自然なんだよね。・・・あのさ、もう他の連中だって気付いてるよ?
きっとそうなのかなって。だけどさ、ほら、どっちがどうなのかってのがさ、
見てて全く分からないの。ただなんとなく一緒にいるだけでさ。何とも不
思議な関係なんだよね」
- 672 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:49
- 「それでいいの」
「圭織ってさ、女性同志ってのは無いのかと思ってた。ちょっとね、以外だった」
「ちょっと待って、だって道重とは何にも無いよ?あの子には何も言ってな
いし、何もしてないし・・・」
「そんな事分かってるって。そうじゃなくって、圭織の気持ちがさ、・・・・ね。
何も気持ちが無かったらさ、さっき泣かなかったよね」
「矢口はさぁ、私にどうして欲しいの?」
「本当の気持ち。胸の中に隠している本音が知りたい。圭織ってさ、昔から
人前では本当の気持ち隠すよね。でもたまに、耐え切れなくて出てきちゃう。
そう、丁度今のように」
「出してないもん」
「ほら、隠してる」
「・・・あ」
- 673 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:50
- 「言いたく無いのなら、もう聞かない。おいらが聞いても、何も力にはなれ
ないかもしれない。もしかしたらね、圭織は誰かに聞いて欲しいのかなっ
て、そう思ったから。ごめんね・・・」
もう一度、ちょっと突き放して反応を見てみる。
リーダーとして頑張るには、かなりの自己儀性を伴う。
娘。のお仕事の時は、メンバーをまとめなければならず、また、守らなけれ
ばならないために、日々奮闘している。
自分の事は後回し。毎日メンバーが、如何に楽しくお仕事に取り組めるか
を考えて、裏方に徹している。
言い換えれば、孤独な立場なのかもしれない。
人前で絶対弱音は吐けない。多感な時期の女の子達の中で、少しでも弱い
部分を見せようものなら、一気に不信感が爆発してみんなバラバラになって
しまう。
- 674 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:52
- でも、おいらは知ってる。圭織がどれだけ陰で一人で泣いていたのかを。
彼女がプライベートな時間を、あまり他の子と共にしない理由。
昔、裕ちゃんから言われた事がある。
・・・あの子は今、リーダーとしての責任に押し潰されそうになってる。全部
自分一人で背負い込もうとしてる。そんなんあかんやん。矢口、あなたが
しっかり圭織を支えてやらなあかんねんで・・・
リーダーを交代してから、何度も裕ちゃんは相談を受けていたらしい。
ボロボロに泣きながら電話をしてくる圭織の相談相手になり、時には
激を飛ばして気合を入れ、時には優しく包み込んで。
電話では強気な元リーダーを装いながら、実は共に涙していたらしい。
そんな頃、うたばん収録中に、中居さんの意地悪な振りで動揺した圭織を
助けようと思っておいらが言った一言が、かえって心を刺激してしまって、
号泣しているシーンを全国放送されてしまった事もあった。
- 675 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:52
- 「・・・可愛いの」
「へ?」
「すっごく可愛いの」
「重さん?」
「うん・・・・あ、みんな可愛いんだよ?でもねなんか違うの・・・・」
「・・・好きなんだよね?」
「うん。でもね、恋愛の対象っていうよりは、もしかしたらの妹の感覚の
方が近いかもしんない」
「そうなんだ・・・」
「うちの妹とは全然違うけど、でも何でだろう。ほら、今まで私って、結構
若い子から怖がられてるのかしんないけど、なかなか懐いてくれなかっ
たっしょ?でもね、あの子は自然に隣に来てくれるの」
「やっぱりさ、重さんも圭織のこと、お姉さんみたいに思ってるのかもね」
- 676 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:54
- 「矢口と裕ちゃんみたいになれたらいいなって」
「え?」
「ん、ほら、最初はさ、ものすっごい怒られてばっかでさ、この先どうなっ
ちゃうんだろって思ってたけど。でも気が付いたら、反省会の時なんか、
何時の間にか裕ちゃんの膝の上に座ってさ、頭ぐりぐりされて嬉しそうに
『やめろよ裕子〜』・・とか言っちゃって。正直うらやましかった。なん
かいいじゃん、そういうのって」
「そんなこともあったね。でもおいらは小動物扱いだから。ハナちゃんの方が
上だったりするんだから」
「あはは、ホントおっかしいよね。何でも茶色い小さなふわふわしたもの
を見るとさ、『ハナちゃ〜〜ん』って」
「うん、バカっぽい」
···そっか。ちょっと深読みしすぎたのかな。見た通りのまんまだったんだ。
- 677 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:55
- 「ね、何でさっき泣いたの?」
「あのとき?いきなり矢口があんなことを言うからさ。別に隠そうとか思ってた
訳じゃないんだけどさ、あの子の事をそういうイメージで見て欲しくなくって、
なんか急にわーってなって。・・・大切にしてあげたいの。心の王子様に出会
える日まで・・・」
「そっか・・・ごめん圭織。おいらが・・・」
「ううん、やっぱさ、聞いて欲しかった。みんながね、ちらちら見てるのは気付
いてたし、誤解している子がいるのも判ってた。全然隠す事じゃ無いのにね。
これからもさ、残り少ないけれど、こんな関係でいたいの」
「優しいね、圭織は」
「矢口、今日は本当にありがとう。なんかスッキリしたよ」
「やめてよ、お礼なんて。ただのでしゃばりなだけだから」
- 678 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:56
- 「あっ、そうだ!」
「はい?」
「ちょっと待ってて」
そう言い残して、隣の部屋へ消えると、しばらくして、何か大きな薄っぺらい
包みを持って戻ってきた。
「これをね、矢口にプレゼントしようと思っててね、書き上げたんだけどさ、
なかなか渡せなくって。ちょっと大きいけれど、持って帰れるかな、んしょっと」
「なあに?それ」
「圭ちゃんが卒業する時にさ、ほら、微妙な距離だったなっちとかおのことを
心配してちゃんとお互い分かり合えるようにって、話す機会を作ってくれてさ」
「あー、はいはい」
- 679 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:57
- 「それで、その日の夜に家に帰ってから、もう嬉しくて。今までの誤解やもやもや
が全部すっきり無くなって。それでその時の気持ちを書いてみたの。それから、
ほら、矢口がなっちに告白してすぐの頃、3人で喫茶店に行ったじゃん」
「うん」
「あの日、家に帰ってからね、その時の絵をちょっと手直ししてね。どうしても矢口
にあげようと思って。・・・はい、これ」
「おいらに?」
「うん、見て?」
覆われている白い布を取り去ると、1枚のキャンバスが表れた。そこには・・・
溢れんばかりの光の中で、ギリシャ神話の女神のような白い装束を身にまとい、
まるで天使のように自愛に満ちた微笑を浮かべているなっち。
その隣には、なっちの微笑を一人占めするかのようにしっかりと手を繋いで中を
舞うおいらの姿。
- 680 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:58
- 「圭織、・・・・これって・・・どうして・・・」
「どうかなぁ、絶対気に入ってくれると思ってさ」
気に入るも何も・・・今のおいらの心の中を、そのまんま切り取ったような1枚の絵。
やっぱり凄いや・・・圭織って。
・・・やばい。なっちへの思い、圭織の気持ち。色々な思いが胸に押し寄せてきて。
涙が・・・堰を切った津波のように溢れ出てきた。
「・・・かおりぃ・・・」
スッと立ち上がると、おいらの横に座り直して手をそっと握ってくれて。
「良かった。気に入ってもらえて」
落ち着くまで、肩を抱いていてくれた。
- 681 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 22:59
- 「これ、なっちに見せてもいい?」
見上げると、にっこりと微笑む大きな瞳。
「二人のために書いたんだもの。是非なっちと二人で見て欲しいんだ」
「ありがとう。一生大切にするからね」
「うん」
「圭織、今度はさ、重さんのこと書いてあげなよ」
「来年の7月13日までには完成する予定なんだけど・・・ね」
「あ?・・・・あぁ〜、なるほど。また余計なお世話だった・・・おっ、いけね。
帰らなきゃ。」
「・・・矢口」
「ん?」
- 682 名前:Usual days 投稿日:2004/11/30(火) 23:00
- 突然、大きな圭織の腕の中にすっぽりと抱かれて。
「どうもありがとう。これからも助けてね」
「当たり前じゃん。お互いにさ、助け合って頑張ろうよ。例え卒業したって
変わらないよ。大切なおいらの仲間なんだからね」
返事は無かった。
ただ、圭織の温もりだけが、優しく感じられた。
- 683 名前:たまえす 投稿日:2004/11/30(火) 23:05
- >>670 名無し読者様
リアルタイムありがとうございます。
ご期待に沿えているかどうか不安ですが、こんな感じに
まとめてみました。如何でしたでしょうか。
- 684 名前:たまえす 投稿日:2004/11/30(火) 23:09
- 年の瀬も迫り、色々と慌しくなって参りました。
なかなか次回の更新のお約束もし難い状況ではございますが、
少しづつでも時間を作って、行ってみようと思っています。
- 685 名前:たまえす 投稿日:2004/11/30(火) 23:10
-
今回はここまでです。それでは失礼致しました。
- 686 名前:たまえす 投稿日:2004/12/03(金) 09:41
- 昨今の情勢に鑑み、当分の間、更新を見送りたいと思います。
引き続き応援していく気持ちに変わりはありませんが、当スレ
のメインCPの一人が活動停止という状況の中、どのように盛
り上げても、違和感を感じざるを得ない方もいらっしゃると考
えます。
自分としましては、静をもって見守りたいと考えておりますの
で、どうかご理解下さいますようお願い申し上げます。
- 687 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/04(土) 10:03
- リアルだとつらいですね。
更新ゆっくり待ってます。
- 688 名前:〜 そよ風 〜 投稿日:2004/12/06(月) 19:46
-
番組の収録が終わり、次の仕事へ向かうためテレビ局を後にする。
タクシーを待っていると、幼稚園くらいの子供が保母さんらしい
女の人と手を繋いで歩いて来るのに気付いた。
かわいいな。・ ・ ・ ・私にもあんな頃があったのかな・ ・ ・
などと考えていると、ふと、子供と目が合った。思わず、笑顔になる。
すると、その子もにっこりと微笑み返してくれた。
なんだかとても気持ちいい。
- 689 名前:〜 そよ風 〜 投稿日:2004/12/06(月) 19:47
-
しばらく目で追っていると、じーっと私を見ていたその子は、はっとした
ように、急に手を振り出した。
「???」
不思議に思いつつ手を振り返すと・・・・・
「先生、なっちだよー、ほらーなっちー」って言いながら、握っている先生
の手も一緒に振り回してる。
・・・ わーっ、あんなちっちゃい子でも気付いてくれるんだー。
嬉しくなって思わず思いっ切り手を振り返した。
あ、タクシー来ちゃった ・・・・
- 690 名前:〜 そよ風 〜 投稿日:2004/12/06(月) 19:49
- もう一回「バイバイ」って手を振ってからタクシーに乗り込み運転手
さんに行き先を告げる。
振り返ると、まだあの子はこっちに手を振ってくれていた。
走り出したタクシーの窓を急いで開けて、見えなくなるまで手を振り
続けた。
・・・どうもありがとう。なっち、がんばるから・・・
心の中で、思いっきり大声で叫ぶ。
とても爽やかな気持ちが胸一杯に広がっていく。
まるで、そよ風が通り過ぎた時の様に。
- 691 名前:〜 そよ風 〜 投稿日:2004/12/06(月) 19:50
-
おしまい
- 692 名前:たまえす 投稿日:2004/12/06(月) 19:56
- >>687 名無し読者様
お察し頂きましてありがとうございます。
堪え切れずに、ちょっとだけ応援ショートをUPしました。
- 693 名前:たまえす 投稿日:2004/12/06(月) 20:09
-
それでは失礼致しました。
- 694 名前:Usual days 投稿日:2004/12/09(木) 21:56
- 今日も疲労を抱えたまま帰宅する。
部屋に荷物を置いて、ハァ〜ッ・・・と、タメ息を一つ。
まるで残業疲れのサラリーマン。
この年齢でどうなの?ってかんじだけどね。
年末年始のお仕事は、とにかく忙しい。
はっきり言って、めちゃくちゃなスケジュール。
都心を走る電車の如く、ダイヤグラムに隙あらば
もう一本突っ込もうって状態。
上着を脱ぎながら、そぉ〜〜っとケージをのぞき込む。
反応無し。もう寝てるの?
- 695 名前:Usual days 投稿日:2004/12/09(木) 21:57
- 休む時間が欲しい。寝る時間が欲しい。
とても、自分の時間など作れる状態じゃない。
学校、テレビの収録、雑誌の取材、写真撮影、ハローのレッスン、
etc・・・
でも、私だけじゃない。辛いのはみんな同じ。頑張るしかない。
そう、一番辛い思いをしているはずの、あの人の分まで。
きっと、他のメンバーだって口には出さないけれど
・・・・・思いは同じはず。
ベッドに座って一息。携帯を開いて、いつものように
ピコピコとメールを打つ。
「今、家に着いたところでっす。ビビちゃんは
先に寝ちゃってた。つまんな〜い。
明日も頑張ろうね。オ・ヤ・ス・ミ。チュッ」
- 696 名前:Usual days 投稿日:2004/12/09(木) 21:59
- 着替え終わってしばらくボーッとしていると、携帯がメールの
着信を知らせた。
カシャッ・・・ピッ・・ピッ・・・ん?
メール受信 : 愛ちゃん
件名 RE:お疲れ!
本文 「 ・・・_| ̄|○ 」
はぁ?・・・・・なにこれ?
疲れ過ぎて言葉も出ないってか?
相変わらずなんだからぁ。
愛してるよ、チュッ・・・くらい打てないのかねぇ。
でもまぁ、愛ちゃんらしくていいけどね。
よし! 明日も頑張ろっと。
- 697 名前:たまえす 投稿日:2004/12/09(木) 22:06
- ちょっと隠します。
- 698 名前:たまえす 投稿日:2004/12/09(木) 22:06
- 更新を見送ると言っておきながら、結局書いてる意志薄弱な私。
でも、あまりお気楽能天気路線もどうかと思い、ちょっと静かに
モノローグしてみました。
- 699 名前:たまえす 投稿日:2004/12/09(木) 22:07
- 今日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 700 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/13(月) 11:22
- 更新速くてうれしいです。
がんばってください。
- 701 名前:Usual days 投稿日:2004/12/15(水) 22:19
- 「今日のやぐっつぁん、テンション高いね」
「全然心配すっこと、えんやったかもしれん」
私と愛ちゃんでそんな事を話していると、隣で聞いていた石川さん
がぼそっとつぶやいた。
「・・・・平気じゃないよ・・・」
「「・・・え?」」
二人そろって同時に石川さんの方を向く。
石川さんは前をじっと見詰めたまま
「平気なわけないじゃん。本人以上に辛いんだよ。でもさ、みんなの
前でそんな態度見せられないじゃん。我慢してるんだよ」
そう言って、向こうでボケボケの亀に思いっ切り突っ込みを入れてる
やぐっつぁんの方に顔を向けた。
- 702 名前:Usual days 投稿日:2004/12/15(水) 22:21
- 「そんな矢口さんのこと、みんなちゃんとわかってる。だからほら、
あの子達だって」
あらら、今度は田中ちゃんにキスを迫られて逃げ回ってる。
「矢口さんだってね、あの二人がさ、寂しさを紛らそうと気を使って、
自分にちょっかいを出してくれてることくらい、分かってるのよ」
いつもの寒い石川さんとはまるで別人。
とても柔かな眼差しで、ふざけ合う三人を見ている。
「梨華ぢゃ〜〜ん、だじげでくで〜」
亀とれいなをぶら下げたままズルズル這ってきたやぐっつぁん。
- 703 名前:Usual days 投稿日:2004/12/15(水) 22:22
- 「もぉ〜まりっぺったら、今日もモテモテでいいですねぇ」
「だぁ〜〜、何でこんなやつらにモテなきゃならんのじゃ〜」
「なぁ〜んば言いよっと。ほーら、観念して早うチュー・・・」
「え〜、絵里が先だぁ〜ってぇ」
と、圭織の横からトコトコやって来た重さん。
「お、重さんちょっとこいつら何とかしてくれよ〜・・・」
「はい。えりりんもれいなも離れなさい。矢口さん困ってるでしょ」
「「え゛〜」」
最近、バックに飯田さんの影が見え隠れしているせいか、
渋々離れる二人。
- 704 名前:Usual days 投稿日:2004/12/15(水) 22:23
- 「はぁ〜、助かった。サンキュー」
「で、矢口さん」
「ん?」
「さゆみんにも、ちゅーして?」
「「「はぁ〜?」」」
「れなが先っちゃ」
「絵里が〜」
····あらら。三人に押し倒されてるし。
「わぁ〜った!わかったから。してあげるからさ、順番に一人づつね」
「最初はグー、ジャンケン・・・・・」
あれ〜、早かったな。今じゃんけん始めるの・・・
「やったァ、い〜やっほう・・一番田中れーな行きます」
「はい・・・・・・ちゅっ・・・」
- 705 名前:Usual days 投稿日:2004/12/15(水) 22:24
- 「二番、さゆみん行きまっす」
···あ、やっぱりやぐっつぁん、飯田さんのことちらちら見てる・・・
···ほやね、でも、飯田さん怒ってえんよ。
ん、笑ってるやん・・・・
「あ、あのさ重さん」
「はい(はあと)」
「目、閉じてくれないと、しずらいから・・・」
「うふっ、はい、お願いします」
「ん、じゃあ・・・・ちゅっ」
「やったぁ」
「はぁ・・・じゃ亀ちゃんほら」
「キャメイのキスで癒してあげますよ?」
「はいはい、・・・・ちゅ・・・・・ん?んんんん?・・・ん゛〜〜〜〜っ」
···あ〜あ、やっちゃったよ、あのアホ亀・・・
···ありゃ〜、ほやけど、どこで覚えるのやろ・・・
- 706 名前:Usual days 投稿日:2004/12/15(水) 22:25
- がしっとやぐっつぁんの顔を両手で押さえて深々と口付ける亀ちゃん。
初めは手足をバタバタして抵抗してたけど、そのうちに目がトロン
として静かになって、身を任せちゃってる。
「え〜〜り、ちょー、何しよーと!」
···あ、れーなが怒った・・・
···必死に亀のことをひっぺがしてるし・・・
「ハァ〜、ありがと、亀ちゃん。癒されたよ」
「んふ、いつでもキャメイがいやし・・・あ〜〜〜っ・・・・・」
れーなに引きずられるようにして外に連れ出されて行った亀ちゃん。
···大丈夫かな、無事だといいけれど
···ほやね
- 707 名前:たまえす 投稿日:2004/12/15(水) 22:28
- >>700 名無し読者様
どうもありがとうございます。
- 708 名前:たまえす 投稿日:2004/12/15(水) 22:35
- 相も変わらずの駄文ですが、こんなところで悩んでいても
どうなる訳でも無いので、少しずつですが更新したいと思
います。
- 709 名前:たまえす 投稿日:2004/12/15(水) 22:36
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 710 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/16(木) 11:17
- れなえりが気になりますね
- 711 名前:Usual days 投稿日:2004/12/17(金) 22:02
- 「まりっぺ?」
「・・・・・・」
「大丈夫ですか?」
「・・・・・・うん・・」
「うそ、ちょっと変ですよ?ぼーっとしちゃってるし」
「・・・梨華ちゃんさ」
「はい」
ふっと、顔を上げた矢口さんは、目に涙を一杯ためていて。
「え?ちょっと、どうしたんですか?」
他のメンバーに聞こえないように、こそっと
聞いてみる。
- 712 名前:Usual days 投稿日:2004/12/17(金) 22:04
- 「・・・亀井ちゃんのキスがさ・・・・・・そっくりだった・・・・」
「へっ?・・・・あっ、・・・あ〜〜・・・・え?・・・うそ・・・
そんなに上手だったんですか?」
「はァ〜、・・・れいなに悪い事しちゃった。後で謝らなきゃ・・・」
「でも、どっちかって言うとまりっぺの方が襲われてたみたいだった
ですけど」
「ううん、突き飛ばしてでも止められたのに。・・・でも、おいらつい・・・」
「大丈夫ですよ。あの二人、最初からそうするつもりだったんでしょ?」
「気を使ってくれてるのは判ったし、嬉しかった。でも・・・・田中ちゃん、
怒らせちゃった。そりゃ怒るよね、好きな人が目の前で他の人と本気
のキスしてたらさ・・・」
「じゃあ、今度は私が相手しますよ」
- 713 名前:Usual days 投稿日:2004/12/17(金) 22:06
- 「ばぁ〜か。それこそ、ごっつぁんが逆上して何をしでかすか分かん
ないだろーが」
「・・・あ・・・・やっぱり、止めときます・・・」
「ダメだなァ。おいら、みんなに心配掛けてるし」
そう呟いて、またうつむいてしまう。
「元気出しましょうよ。気持ちはみんな同じですから」
「・・・・そうだね」
「「「「そうだよ!」」」」
何時の間にか回りを取り囲んでいたメンバー達。
- 714 名前:Usual days 投稿日:2004/12/17(金) 22:07
- 一斉にみんなに抱き付かれて、あっと言う間にちっちゃい体が
見えなくなった。
その上から、かおりんがみんなを包んで。
「みんな仲間じゃん?思いは一緒だよ、ね?」
ジワッと目頭が熱くなる。
・・・ ほらね、まりっぺ。あなたは一人じゃないよ。
そう、・・・・・・あの人も、ね。
こぼれる涙を見られたくなくて、思わず後ろを向いた時、少し開いた
ドアの隙間から、そっと重なる2つの影が見えた。
- 715 名前:たまえす 投稿日:2004/12/17(金) 22:13
- >>710 名無し読者様
かなり分かり辛いと思いますが・・・
描写力不足なのは自覚しています。スイマセン。
- 716 名前:たまえす 投稿日:2004/12/17(金) 22:16
- 隠します・・・
- 717 名前:たまえす 投稿日:2004/12/17(金) 22:16
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 718 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/18(土) 15:21
- いろいろ検索しててここにたどり着いていっきに読ませていただきました
ここはいろんなCP満載でいいですね
私は特によしまこが大好きなのですが小説ではマイナーなので、
ここでこの2人の話が読めるのがもう凄く嬉しいです。
ここのまこっちゃん健気で可愛いです では次の更新楽しみにしてます
- 719 名前:Usual dais 投稿日:2004/12/21(火) 21:31
- 「プニプニプニ・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ムニュムニュムニュ・・・・・・」
「・・・・あのぉ」
「・・ん?」
「何をやってるんですか、さっきから」
「ん、最初はつっついた。2度目はつまんだ。次は・・・・」
「いや、そうじゃなくって。止めて下さいよ、一応気にしてるんですから。
特に、わざわざプニプニとか言いながらされると余計に傷付きます」
「だってさ、最近自分のお腹、つまめなくなったから。今、暇だしさ、取り
敢えず麻琴の腹でもいじっとこうかな・・・と」
「どうしてそうなるんですか。暇なら、愛の一つでも囁いて下さいよ」
「誰に?」
「わ〜〜たしに決まってるじゃないですか!他に囁く相手でもいるんですか?」
「ん〜、そうだなぁ・・・・」
「だから、考えないで下さいってば」
- 720 名前:Usual dais 投稿日:2004/12/21(火) 21:33
- 写真撮影の順番待ち。何組かペアになっての撮影。
久々にヘソ出しの衣装を着た私を見て、微妙な反応の関係者の人達。
·····酷い。
私だって、それなりに頑張ってるんだから。
そりゃー、太ったのは自分が悪いんだけどさ。
安倍さんだって、のんちゃんだって、親分だって痩せられたんだから、私だって。
あ、飯田さんと矢口さんが帰ってきた。
「次、新垣と高橋だって」
「「はい」」
- 721 名前:Usual dais 投稿日:2004/12/21(火) 21:35
- 「ぷよぷよぷよ・・・・・」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜〜、吉澤さん!」
「まこっちゃん、何怒ってんの?」
「聞いてくださいよ〜、吉澤さんが、ずぅ〜っと私のお腹の肉で遊んでるん
ですよ。酷いと思いません?」
ヤレヤレって顔の矢口さん。
「・・・・まこっちゃん」
「あい?」
「・・・アホ?」
「なぁ〜んでですかぁ、セクハラですよ、セクハラ」
「・・・はぁ〜、・・・・あのさ、よっすぃ〜に構って貰って嬉しいのは分かるけ
どさ、うざいから他人を巻き込むなよ。そういう地味な喜びはね、しみじみ
二人だけで分かち合ってくれ」
- 722 名前:Usual days 投稿日:2004/12/21(火) 21:37
- 「あららぁ〜〜、この状況のどこが嬉しそうに見えるんですか。私、いじめら
れてるんですよ?」
「ほぉ〜、それじゃさよっすぃ〜、代わりにおいらのこと触ってイタズラして
いいよ、カモ〜ン」
「ま、マジっすか?・・・じゃ、早速・・・」
「『バシィ〜ッ』・・いってぇ〜、なぁにすんだよ麻琴」
「私はお腹を触られたんです。今、矢口さんのどこを触ろうとしました?」
「いやほら・・・・・お腹を・・・・」
「何でそんな高い位置にお腹があるんですか!どう考えたって胸じゃないですか」
「あ〜、背がちっこいから。麻琴と同じ位置に手を伸ばしたら、間違えちゃって」
「こらぁ、ちっこいって言うな!」
- 723 名前:Usual days 投稿日:2004/12/21(火) 21:38
- 「···飯田さん?」
「··ん?」
「···小川さんと吉澤さんって、いつもケンカしてるみたいですね」
「··本当はね、もっと普通にいちゃいちゃしたいの。でもね、二人とも恥ずかし
がり屋さんだからさ、照れ隠しであんな風にしかできないんだよ。もっと素直
になればいいのにね」
「···ホントは仲良しなんですね、さゆみと飯田さんみたいに」
「········」
- 724 名前:Usual days 投稿日:2004/12/21(火) 21:40
- 「れーなれーな」
「ん、何ね」
「見て見て飯田さんが。ほら真っ赤」
「・・・本当や、なしてあげんなっとーと?」
「ん〜?わかんな〜い・・・あ、さゆが何かしたんじゃない?だって、
隣ですっごい満足そうな顔してるよ」
「あん二人、一体どげんなっとーとやろか」
「れーな?」
「ん?」
···チュッ!
「な、な、なんばしょっと」
「あはははは、れーなも真っ赤になったぁ」
「もう絵里なんか知らん」
「ま〜たまた、素直にならなきゃ。ほら言ってみて?もっとキスを頂戴って」
「なんば言いよっと。こっすい事しよってから」
「何それぇ?」
「あぁ〜んもぉ〜、ほんま知らん!」
- 725 名前:Usual days 投稿日:2004/12/21(火) 21:41
-
「麻琴?」
「何ですか」
「ほら怒るなよ〜〜」
「だぁ〜ってぇ、何でやぐっつぁんの事を本気で触ろうとするんですか」
「ばか、本気な訳ねーじゃん、うちが本気なのはお前だけだって」
「・・・ほんとに?」
「当たり前じゃん。今晩来るか?」
「・・・・うん」
- 726 名前:Usual days 投稿日:2004/12/21(火) 21:41
- 「梨華ちゃんさ」
「はい」
「やっぱりさ」
「はい」
「おいら達だけさ、なんか寂しくないか」
「そうですね・・・あの、まりっぺ?」
「ん?」
「石川で良ければ・・・その・・好きにしていいですよ?」
「梨華ちゃん・・・いいの?」
「・・・まりっぺなら」
「じゃ、遠慮無く・・・」
- 727 名前:Usual days 投稿日:2004/12/21(火) 21:45
- 「次、石川さんと吉澤さんお願いしますって、え?・・・
ちょっとやぐっつぁん、何やってるんですかぁ?」
「ん?梨華ちゃんがね、『私を好きにして』って言うからさ。
落ち着くんだよ、梨華ちゃんの背中・・・」
「やぐっつぁん、ひっで似合ってますよ?そのおんぶされてる姿」
「いしかー、ほら行くよ〜」
「はーい。ちょっと待ってよ、よっすぃ〜」
「こらぁ〜、おいらを下ろせ〜」
「あれ?誰か今、喋りました?」
「いいから、ホラ早く」
背中に矢口さんをおぶったままの石川さんの腕を掴んで部屋を出て行く
吉澤さん。
「お〜〜い、マジで降ろせってぇ〜・・・」
矢口さんの悲痛な叫び声が、通路の彼方へ遠ざかって行った。
- 728 名前:たまえす 投稿日:2004/12/21(火) 21:51
- >>718 名無し読者様
どうもありがとうございます。検索しずらいタイトルですみません。
まこっちゃん、あの明るさがいいですね。かしましの歌詞の通りだと
思います。
- 729 名前:たまえす 投稿日:2004/12/21(火) 21:56
- 今年も冬至を迎え、いよいよあとわずかとなりました。
本当に時の経つのは早いと思う今日この頃です。
- 730 名前:たまえす 投稿日:2004/12/21(火) 21:56
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 731 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/24(金) 16:04
- やぐっちゃん元気出せー!
- 732 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:37
- 「あさ美ちゃん、どしたのこれ」
次の撮影の衣裳に着替えているとき、里沙ちゃんが右のバスト
の下側を指差して。
「え?何?」
見ようとしたけど自分では胸が邪魔して見えない。
鏡で見てみると、ブラのほんの僅か下側に、2cm程の横長のアザ
がはっきりとついていた。
「何だろう・・・これ」
「覚えが無いの?どっかにぶつけたとか、衣裳で擦れたとか」
「ううん、・・・・・ない」
- 733 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:38
- すると、隣で着替えていた石川さんが
「どうしたの?」
アザのことを話すと、一目見るなり
「紺野、本当に覚えが無いの?恥ずかしくて隠してるだけじゃないの?」
「ふぇ?・・・・いや、本当に分からないんですけど・・・・・恥ずかしいって、
何でですか?」
すると石川さん、おもむろに衣装を脱ぐと、
「ほら、これを見て?」
ブラを少しずらして、右の乳房の下側を指差した。そこには、色は少し
濃いけど、あさ美ちゃんのと同じ様なアザが輪郭に沿って幾つか付い
ていた。ブラをすると隠れる位置に。
- 734 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:39
- 「あ、同じだ・・・・それ、どうしたんですか?」
石川さんは慌てて戻すと、頬を赤く染めて
「ん?・・・・これね、キスマーク・・・」
「え?キスマークって、あの・・・唇の形にチュッて・・・」
「知らないの?これはね、んっとね、お豆ちょっと腕貸して?
後でメイクで隠してあげるから、ここにちょっと付けるよ」
そう言うと、私の腕の内側に唇を付けて、キューッと吸って。
唇を離すと、同じ様な形のアザが浮き上がってきた。
「ね?これはね、恋人と愛し合う時にね、自分の溢れる思いを相手
の身体に残したいって思うじゃない。自分が愛した印って感じなの
かな。ほら、自分だけの恋人だから、ほかの誰にも分からない印を
付ける事で、ちょっと自己満足に浸れるじゃない」
- 735 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:41
- 「・・・・はぁ・・・愛した印・・・・えぇ?ででも私・・・・そ・そ・そんなこと
何もしてな・・・・・・・・・あっ」
「「え?」」
「あ゛〜〜〜っ」
急に赤くなってあたふたと慌て出したこんこん。
「ね、ちょっとどうしたの?」
石川さんが動揺するこんこんを椅子に座らせて。
「あの、あの、昨日・・・・藤本さんが泊りに来てくれたんですけど、夜
遅かったからお風呂入ってすぐ寝ちゃったんです。・・・・えっと、その、
一緒に寝たんですけど、朝起きたら私のパジャマのボタンが半分外れてて、
でも、気付いた時は藤本さんはまだ寝ていたから、暑くなって自分で外し
たのかなァ〜って思ってたんですけど・・・・まさか」
そこまで聞いて、私も石川さんも納得。
もう疑う余地無し。
あさ美ちゃんは寝る時にはブラを着けないから・・・・・
寝ている間に、藤本さんが悪戯したんだ・・・・・
- 736 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:42
- 何て言っていいか分からなくて言葉に詰まっていると、あさ美ちゃんは
突然立ち上がって、猛然と衣装を着替え出した。
「あの、・・・・紺野?・・・・ほら、美貴ちゃんだって・・・・」
「ズルイです。卑怯です。そんなのイヤです」
と、そこへまたタイミングの悪いことに、2回目の撮影が終って、衣裳を
替えに藤本さんと矢口さんが戻ってきた。
「あはははははっ、もぉ〜、矢口さんったら、あんな顔する事ないじゃ〜ん。
美貴、笑いこらえるのに必死だったんだから」
「こらえてないじゃん、笑ってんじゃん、それも思いっきり。おいらの顔が
おかしいってか?あーそうさ、どうせおかしいさ」
「ちょっ、そうじゃなくってぇ・・・・クククッ」
あ〜あ、何も知らずに脳天気なトークをして・・・・
- 737 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:44
- 「こ〜んちゃん、次は一緒だよね」
いつものように、真っ先にこんこんのところへ掛け寄る藤本さん。
「次は全員一緒ですから」
振り向きもせず、強い口調で即答するあさ美ちゃん。
流石に藤本さんも矢口さんも異変に気付いたらしい。
「紺ちゃん、どうしたの?」
「どうもしません!」
そのまま目も合わさずに、部屋を出て行ってしまった。
「えっ?ち、ちょっと紺ちゃん待ってよ・・・」
訳が分からず後を追おうとする藤本さんを、石川さんが制止する。
「ちょっと離してってば」
「美貴ちゃん・・・・ちょっと・・・いい?」
「だって紺ちゃんが・・・」
- 738 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:45
- 「あの、藤本さんは・・・・」
「豆!」
見かねて私が聞こうとしたら、石川さんに止められた。
「紺野の事で話があるの。ちょっと来てくれる?」
「なに?どうしたの?」
そのまま石川さんは藤本さんと部屋を出て行ってしまった。
「お豆ちゃん、一体何があったの?」
矢口さんと二人きりになった部屋の中で、さっきのことを全て話した。
流石の矢口さんも下を向いたまま頭を抱えている。
「・・・・あっのバカ、どうせやるんなら、もっとバレにくい所に付け
りゃいいものを・・・・石川もまた余計な事教えやがって・・・ったく」
「すいません、私がそんなのって知らなくて、気付かなくて教え
ちゃったから・・・・・」
「垣さんのせいじゃないって。気にすんな」
- 739 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:46
- 「でも、でも、これであの二人が別れちゃったりしたら・・・私・・・・」
「お、随分ナメたこと言ってくれるじゃん。あいつらの愛はね、これ位
のことで壊れるほどヤワじゃない。むしろ、これをきっかけにして、
より深まると思うよ?」
何で矢口さんにはそんな風に思えるのか、私には理解できなかった。
親友に取り返しのつかない事をしてしまったという罪悪感が込み上げてくる。
涙が止まらない。
「ほら、泣くなよ」
「エグッ、ウゥ〜ック、ヒック・・・・わ・・ウグッ・・私が・・・・余計な事を
言ったから・・・・あさ美ちゃんが・・・」
「優しいね、お豆ちゃんは。さ、ほら着替えて、大丈夫だからさ」
「でも、だって・・・・」
「こんこんはね、怒ってなんかいないよ。ビックリしただけ。ただ、気付
いてから心の整理がつく前に藤本に会っちゃったからさ、ついあんな
態度を取っちゃった。だからしばらくは引っ込みがつかないだろうけど
ね。でもね、心が落ち着いてさ、さっきの石川の話を思い出せば、きっと
藤本の気持ちも理解できると思うの」
- 740 名前:Usual days 投稿日:2004/12/27(月) 01:47
- 「そ・・・グスッ・・そうだと・・・ウッ、いいんですけど・・・・」
「だってさ、考えてみ?『あなたは私だけのもの』っていう印だよ?嬉しく
ない?ただのイタズラなんかじゃない。ほんの小さな痣かもしれないけ
どさ、そこには愛する人への気持ちがギュ〜〜〜ッて詰まっるんだから。
それにね、藤本は真剣なんだよ。紺野もね。でもお互いにもう一歩が踏
み出せない。だけどさ、こればっかりは外野がどうこう言う問題じゃない
から、こういう機会にお互いに歩み寄って行くしかないんだよ」
私の隣に腰かけて、髪を撫でながら優しく語りかけてくれる矢口さんの
視線は、ずっと遠くを見詰めていた。
まるで、今は会う事さえ許されないあの人を見詰めているかのように。
- 741 名前:たまえす 投稿日:2004/12/27(月) 02:01
- >>731 名無し読者様
ありがとうございます。
どんなに忙しくても、やっぱりこの時期には絡みがあるはずなのに。
本当に寂しいです。
- 742 名前:たまえす 投稿日:2004/12/27(月) 02:02
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 743 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/28(火) 10:00
- 矢口さんやさしいなぁ
- 744 名前:名無し読者。 投稿日:2004/12/28(火) 23:04
- 更新お疲れ様です ここは更新早いですね
718のレスを書いた者ですが同じ名前の方がいるので最後に。を付けました
やっぱここのよしまこ微笑ましくて和みますね
らしさが出てて大好きです
- 745 名前:Usual days 投稿日:2004/12/28(火) 23:05
- 「ねぇ梨華ちゃん、紺ちゃんどうしちゃったのよ。何であんなに怒ってるの?ねぇ何で?」
「美貴ちゃんが付けた印に気付いちゃったのよ」
「何それ、美貴が付けた?・・し・・る・・し・・って・・・え?」
あ、思い出した?
さっきまでの美貴ちゃんのきつい眼差しからスーッ、と力が抜けて、急に視線が泳ぎ出した。
あ、動揺してる。
ほら、目が潤んできた。
「・・・・・・・・うそ」
あらら、叱られた子犬みたい。しっぽを丸めて耳もペタンてしてるように見える。
- 746 名前:Usual days 投稿日:2004/12/28(火) 23:06
- 「・・・・・・・・やっぱりね。昨日、紺野のところに泊ったんだよね」
「・・・・うん」
「こっそり、つけちゃったんでしょ?」
「・・・・うん」
「しょうがないよ。その気持ち、良く分かるもん。ただね、場所が悪かったね」
「・・・・ちゃんと隠れるところにつけたと思ったのに・・・」
「あのね美貴ちゃん、私も経験あるの。真希ちゃんと付き合い出した頃に。
やっぱり同じ様にブラの下側にアザを見つけてね、真希ちゃんを問い詰め
たら、夜に私が寝てる時に、こっそりキスマークを付けたって。ザ☆ピース!
の衣裳だったから横から丸見えで、しかも気付いたのが生放送の後だよ?
真希ちゃんのキスマークを全国放送しちゃったわよ」
「それで梨華ちゃんは許せたの?」
「ん?私の怒りはね、欲しかったピンクのワンピースに化けちゃった」
「・・・・・・・・」
- 747 名前:Usual days 投稿日:2004/12/28(火) 23:09
- 「その時もね、今の美貴ちゃんと同じ様に、ブラに隠れる場所につけたつもりだったのにって」
「うん・・・・・何でかな」
「あのね、わたしもその時はたまたまブラをしないで寝てたんだけど。それで仰向け
に寝るとね、柔らかい胸の人って横に流れちゃったりして、アンダーの境目って分
かりずらいと思うの。しかも暗い中でしたわけでしょ?」
美貴ちゃんの顔から血の気が引いていく。
「・・・・梨華ちゃん・・・・どうしよう・・・・私・・・」
「紺野だって美貴ちゃんの気持ち分かってるはずだから。たださ、ちょっと急なこと
だったから驚いたんじゃない?どうしたらいいか考える前に美貴ちゃんが帰ってき
ちゃったし。ああするしかなかったんだよ。大丈夫だよ。慌てないでさ、紺野にも
ちゃんと考える時間をあげて?」
「大丈夫かな・・・・・・」
「平気だよ。だって、美貴ちゃんの愛は本物だもの」
「謝った方がいいかな・・・・」
「紺野が受け入れてくれる時が来たらね。今は何を言ってもダメだと思う。感情の高
ぶりが治まってからじゃないと」
「・・・・・・そうだよね」
- 748 名前:Usual days 投稿日:2004/12/28(火) 23:10
- 見ていて痛いくらいに猛省している美貴ちゃん。
なんだか可哀想。
「大丈夫だって。ほら、行こう」
「・・・・・・うん」
部屋に戻って衣裳を着替えたあと、全員が撮り終るまで待つ間、ずーっとしょんぼり
として。
いつものツッコミキティの片鱗もない。
「ねぇまりっぺ、あれじゃ美貴ちゃん可哀想だよ」
「ん〜、でもさぁ、こればっかりはこんこん次第だしなぁ・・・・二人で乗り越えて
もらうしかないと思うんだけど」
その後全員での撮影も終って、それぞれのスケジュールに散って行った。
- 749 名前:たまえす 投稿日:2004/12/28(火) 23:12
- >>743
ありがとうございます。
矢口さんも、もうすぐリーダーですが、頑張って欲しいと思います。
- 750 名前:たまえす 投稿日:2004/12/28(火) 23:17
- >>743 名無し読者様
ごめんなさい。アンカーだけで、お名前忘れてました。
- 751 名前:たまえす 投稿日:2004/12/28(火) 23:24
- >>744 名無し読者。様
ありがとうございます。マルチカップリングの不規則持ち廻り状態となっているため
今度いつ登場するかは分かりませんが、この二人はずっとほのぼのしていて欲しいと
思っています。
- 752 名前:たまえす 投稿日:2004/12/28(火) 23:25
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 753 名前:Usual days 投稿日:2004/12/31(金) 23:56
- なんでだろう。今までだって我慢できてたのに。
それなのに昨日の夜、いつものようにベッドの中で紺ちゃんを抱きしめて、
寝顔を見ていたら。
何だか急に意味も無く、紺ちゃんが離れて行ってしまいそうな気がして。
凄い不安に襲われて、美貴に繋ぎ止めておかなくちゃって思って。
我慢できずに、つい魔が刺してしまった。
結局あの後、一言も交わせないまま別れてしまって。最後まで一緒のお仕事
だった梨華ちゃんが、ずっと優しい言葉を掛け続けてくれたけど、美貴の心は、
どん底まで落ちていた。
おうちに帰ってからメールをしても返事もこない。
一人のお風呂がとても空しくて。
あ〜あ、やっちゃったよ藤本美貴。
そりゃ、怒るの無理も無いよね。
卑怯だよね。
- 754 名前:Usual days 投稿日:2004/12/31(金) 23:58
- 髪を乾かしながらも涙は乾く気配すらなく、止めど無く流れ続ける。
やっぱり美貴には、紺ちゃんとの純愛なんて無理だったのかな・・・・・
片思いで終らせておけば良かった。
勝手なわがままで告白して、紺ちゃんを巻き込んで。
悪い事しちゃったな。
別れた、なんて安倍さんに知れたらどうしよう。がっかりするだろうな。
色々と心配して協力してくれた娘。やハローのメンバー達にも。
一体、美貴は何人裏切れば気が済むんだ。
僅かに紺ちゃんの移り香が残る枕を抱きしめていた時、携帯がメールの
着信を知らせた。
反射的に携帯に飛び付いて、メールを開く。
- 755 名前:Usual days 投稿日:2004/12/31(金) 23:59
- 受信メール:亜弥ちゃん
件名 :おっひさぁ〜
本文 :ところで・・たん、今家 にいる?
「はぁ?」
・・・・出たよ、いきなり大将。何なんだよ、こんな時に・・・・
送信メール:亜弥ちゃん
件名:Re:おっひさぁ〜
本文:いるよ
直後にまた着信。
メール受信:亜弥ちゃん
件名 :Re:Re:おっひさぁ〜
本文 :じゃ、泣いてないで早く開けてよ
「・・・・・・・は?」
まさかと思いつつインターホンのモニターをONにする。
・・・・のわっと!
いきなり映った亜弥ちゃんの左目のドアップ。
慌てて涙を拭うと、玄関に走ってロックを外す。
- 756 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:01
- 「ジャ〜ン!呼ばれて飛び出てこんばんみ〜、突然ですが松浦参上!」
ありゃ〜、入ってくるなりシツレンジャーの決めポーズ。
真夜中だっちゅ〜のに、こいつのテンションはどうなってるんだろう・・・
「呼んでないっつーの。亜弥ちゃん、どうしたの?いきなり。びっくりするじゃん」
「ニャハハ、まだ突っ込む元気、残ってたんだ。最近ぜーんぜん遊んで
くれないからさ、夜這いを掛けちゃおうと思ってやってきました」
「何もこんな夜中に・・・」
「夜にやるから夜這いなんですぅ。ホントはね、仕事終って速攻で来たから、
1時間前には来てたのさ。だけど説得するのに手間取っちゃってねェ」
「・・・・・は?・・・説得?・・・誰を?」
「たんのきゃっわゆ〜いお顔をそんなにボロボロにしちゃった犯人」
「・・・・え?」
すると亜弥ちゃん、玄関のドアを開けて外に向かって誰かを呼んだ。
- 757 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:03
- 「ほら、こっちおいでよ。へーきだからさ」
「誰?」
「ほ〜ら、大丈夫だから」
「!!!」
うつむきながら亜弥ちゃんに引っ張り込まれたのは・・・・・
「紺ちゃん!・・・・亜弥ちゃん、どうして・・・」
「夜這いを掛けに来たってのはホント。でもね、先客がいたのさ。あのね、
紺ちゃん、たんが帰ってくるずっと前から待ってたんだって。今日の事を
謝りたくって。でも、何て言っていいか分からなくって、入ってこれなかった
んだって」
「えぇ?・・・どうして・・・・」
「お仕事が終ってぇ、なぁ〜んにも考えないで迎えに来てたお母さんに荷物
預けて真っ直ぐ来ちゃったらしいよ。だから携帯も合鍵も無かったんでしょ」
- 758 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:05
- 「バカッ、こんな寒いのに風邪でも引いたらどうすんのよ!」
「たん!怒らないでよ。紺ちゃん、下のベンチで、一人でずっと泣いてたんだよ?
それも理由を聞いたら、どっちかと言えば悪いのは、たんの方じゃない。なのに、
美貴ちゃんにあんな態度取っちゃって会わす顔がないって」
・・・・紺ちゃん
「ダメじゃん、こんな優しい彼女を泣かしちゃ。ほら紺ちゃん、たんの顔見て
ごらんよ。美貴たんもね、紺ちゃんのこと考えながらずぅ〜〜〜っと泣いてた
みたいよ?ひっどい顔だよね」
そう言いながら亜弥ちゃんはそっと紺ちゃんの背中を押してくれた。
お互い何も言えずに抱き合って。
あぁ、紺ちゃんだ。こんなに冷えちゃって。
震えてるじゃん。
もう、カッコ悪くたってなんだっていい。
思いっきり抱きしめて思いっきり泣いた。
- 759 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:08
- どれ位二人で泣いたろうか。ふと気付くと、もう亜弥ちゃんの姿は消えていて。
悪い事しちゃった。今度、ちゃんと埋め合わせするから・・・・・
「紺ちゃん、ほら入って。こんな冷えちゃってるじゃん。今お風呂用意するからね。
美貴もさっき入ったばっかりだからすぐ沸くから」
「あ、あの・・・・あの、本当にごめんなさい。私・・」
「待って紺ちゃん、悪いのは美貴だから。紺ちゃん怒るの当然だから。誰だって
あんなことされたら怒るから。だから・・・」
「私、怒ってなんかいなかった。逆に嬉しかったんです。ただ、・・・その、そういう
ことを美貴ちゃんがしてくれたってことを、他の人から聞いて知ったのが、とっても
恥ずかしくて。ついあんな事言っちゃって」
・・・なんだ、怒ってたんじゃないんだ・・・
そう分かって安心した途端、また涙腺が一気に決壊した。
今日一日で、一体どれ位の涙を流したろう。溜めておいたら面白かったかも。
- 760 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:09
- 「あぁ、あの、あの、ごめんなさい、・・・グスッ、私があの・・・・」
「紺ちゃん、今日は絶対に譲らないよ。悪いのは美貴だからね。だから、ちゃんと
謝らせて?」
「嫌です」
「へ?」
「だって、あの、悪い事なんてしてないじゃないですか。もし、黙ってキスマーク
を付けたのがいけないのなら、私だって、藤本さんが寝ている時に何度もキスし
ました」
「えっ、・・・・・ホント?」
「だって、好きなんですもの。しょうがないじゃないですか。だから、いつも美貴
ちゃんが寝た後に会えない時間の分だけ先にしておこうって思って、こっそりキス
してました。だからもし、その・・・・知っていたら、私だって美貴ちゃんのこ
と、全身キスマークだらけにしていたと思います」
- 761 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:10
- ・・・そうたったんだ。紺ちゃんって、寝てても目が開いてるから、油断してた・・・
でも、なんでそんな可愛いことを言うかなァ・・
紺ちゃんの顔を見る。
あぁ、美貴の大好きなキラッキラしてる紺ちゃんの垂れ目。
潤んだ瞳に吸い寄せられるように・・・・
・・・・・キス・・・・・
・・・バカだなァ、こんなに美貴のことを思ってくれてるじゃん。もう不安になんか
ならないよ。
そんな暇があったら、もっともっと美貴の愛を紺ちゃんに伝えなくちゃ。
- 762 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:12
- ピピ・・・ピピ・・・ピピ・・・
「あ、お風呂入っておいでよ。身体冷えきってるから。温かい飲み物用意してお
くからね」
「はい」
紺ちゃんをバスルームに押し込んでから、着替えを取りに部屋に戻った時、
携帯にメールの着信があるのに気付いた。
受信メール:亜弥ちゃん
件名:お幸せに・・・
本文:今度紺ちゃんのことを泣かせた
りしたら、絶対に許さないからね。
そこんとこ夜露死苦!
藤本美貴親衛隊長 松浦亜弥
・・・親衛隊長が頭を脅迫してどーすんだよ・・・
ふと、リアルオーディションの時のトップク姿を思い出した。
メルパルクホールの2階席から・・・・亜弥っぺ頑張れ・・・って思いながら見たっけ。
クスッ、ほとんど親心だったなァ。
- 763 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:14
- 送信メール:亜弥ちゃん
件名:Re:お幸せに・・・
本文:今日は本当にどうもありがとう。
ごめんね、折角来てくれたのに。
やっぱり美貴は、亜弥ちゃんが
いないと、何もできない子なん
です。今度、ちゃんと御礼する
からね。 (^ ^)/~
・・・ピッ・・・・と、送信。・・・・・ん?
てゆーか、何で紺ちゃんを泣かすと、亜弥ちゃんが怒る訳?
紺ちゃん専用の引き出しから着替えとパジャマを出してバスルームへ。
「こーんちゃん、着替え置いとくからね」
「あ、ありがとうございます」
・・・クスッ。
何度やめてって言っても、出て来ちゃう敬語。
美貴ちゃんって呼んでくれたかと思うと、藤本さんに戻ったり。
びっくりしたときゃ出ぇ〜てぇ〜く〜るぅ〜・・・愛ちゃんの訛りみたいやよ〜。
- 764 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:16
-
受信メール:美貴たん
件名:Re:お幸せに・・・
本文:今日は本当にどうもありがとう。
ごめんね、折角来てくれたのに。
やっぱり美貴は、亜弥ちゃんが
いないと、何もできない子なん
です。今度、ちゃんと御礼する
からね。 (^ ^)/~
・・・バーロー、人の気も知らないで。
御礼だぁ?何がいい?って聞かれたら、美貴たんが欲しいって、私の本音
を言ってやろうか。
今日、本当に夜這い掛けに来たんだからね。
もし、マンションの前で泣いている紺ちゃんに気付かなかったら。
もし、気付かない振りをして・・・・・。
一瞬、耳元で亜弥ビルが囁いたのはホント。
でもね、あそこで紺ちゃんが泣いてるってことは、絶対に美貴たんも泣いて
るって分かるから。
- 765 名前:Usual days 投稿日:2005/01/01(土) 00:18
- やっぱりさ、いくら届かない思いの相手でもさ、好きな人には笑顔でいて欲
しいじゃん。
それにさ、紺ちゃんみたいな優しい子、嫌いになんかなれないし。
だから、私はこのままで、美貴たんの親友でいい。恋人よりも気が楽だし。
その方が一緒にいられるから。
・・・・御礼かぁ。何がいいかなぁ・・・・・
一日でいいから、美貴たんとデートさせて欲しいって、紺ちゃんに頼んで
みようかな・・・・・
・・・なぁ〜んてネ。
あれ、何で私、泣いてるんだろ。
- 766 名前:たまえす 投稿日:2005/01/01(土) 00:23
-
更新中に年が明けてしまいました。という訳で、謹賀新年!
新年一発目の更新はここまでです。それでは失礼致しました。
- 767 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/01(土) 01:05
- 更新お疲れ様です。
まさか、松浦さんの気持ちがそういうことだったとは!
これからますます目が離せないですね〜
これからも頑張ってください。
おまけ・・・あけおめ!
- 768 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/01(土) 08:18
- 新年一発目の更新乙です。
あやみき大好きなんで続き激しく気になります(涙
そして、あけおめ!今年もついていきますので頑張ってください。
- 769 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/01(土) 20:42
- まっつー・・・
- 770 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:33
- お湯につかると、冷え切って硬直していた身体が少しずつ解けていく。
張りつめていた、心とともに。
私がつまらない意地を張ったせいで、こんなにも美貴ちゃんを悲しま
せてしまった。
メンバーも、きっと心配してる。明日、みんなに謝ろう。
松浦さんにもちゃんとお礼言わなくちゃ。リハーサルで会えるよね。
・・・でも、松浦さんって、何で美貴ちゃんの事をあんなに良く知ってる
んだろう。だって・・・・
「美貴たんなら、絶対に自分が悪いって思っている。ぜーったいに紺ちゃん
に腹を立ててなんかいないよ。だって今、美貴たんは何をしてると思う?」
「・・・分かりません」
「紺ちゃんと同じ」
「ふぇ?」
- 771 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:35
- 「あのね、美貴たんもね、泣いてるよ今頃。自分の悪戯で紺ちゃんを怒らせちゃっ
たと思ってものすご〜く落ち込んじゃってると思う。美貴たんのね、紺ちゃんを思
う気持ちって半端じゃないんだよ。だからかなァ、いつも自信満々の美貴たんもさ、
紺ちゃんの事となると、ホント弱気になっちゃうんだよね。だからね、紺ちゃんが
広〜〜い心で美貴たんの愛をバッチリ受け止めなきゃダメだよ。受け止めるの得意
じゃん。頑張れGOLEIRO12番!」
「あ〜、キーパーが止めるのはボールだけなんですけど・・・」
「も〜、いいじゃん何だって。ボールみたいにさ、一緒にPIVOの6番の気持ちも
しっかりと受け止めなさい!ちゃんと捕まえておかないと、取っちゃうからね」
・・・・取っちゃう?・・・・
・・・・あれ、もしかして・・・・やっぱり松浦さんは・・・・
「『コンコン』・・・紺ちゃん、大丈夫?ぬるくない?」
「あ、はい大丈夫です。もうすぐ上がりますから・・・・・」
「うん。中で寝ちゃダメだよ?」
「はーい」
- 772 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:37
- ・・・松浦さん、やっぱり美貴ちゃんの事、好きだったんだ。
え?・・・・それじゃどうしてあんなに一生懸命に私の事を心配してくれたの?
さっきの松浦さんの言葉に、嘘は無かった。本当に心から私の事を心配
してくれていた。
・・・・どうして・・・・
その時、以前石川さんが話してくれたことを思い出した。
「・・・好きな人、とか、好きな物をさ、大切に思う気持ちが愛だよね。
好きな人を自分のものにしたいって思うのとは、ちょっと違うと思うの。
お互いの気持ちが分かり合えればいいけど、そうじゃないことの方が多いじゃん?
例え自分の思いが届かなくてもね、好きな人が幸せであって欲しい。その人が
幸せならそれでいい、って愛もあると思うの。
前はね、そんなの違う。そんなの嫌だって思ったけどさ。でも最近ね、そう考える
ようになったんだ。
- 773 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:38
- いつかは真希ちゃんだって彼氏ができて結婚すると思う。そんなの嫌だよ。
できれば考えたく無いよ。
でもさ、今のままで一生添い遂げられるとは思っていない。
もしそうなった時、私は真希ちゃんを止めたりしない。それで真希ちゃんが本当に
幸せになれるのならば。
辛いけど。いっぱい泣いちゃうと思うけど。
好きな人が幸せでいてくれるなら、その方がいい・・・・・」
・・・・好きな人が幸せなら・・・・
・・・あ・・・あぁぁぁぁぁっ・・・・松浦さん、私のために・・・
そんな・・・・そんなのって・・・
さっき、松浦さんはどんな気持ちで私を励ましてくれたの?
私、なんて残酷なことをさせてしまったんだろう。
松浦さんの気持ちに気付いた途端、何が何だか訳が分からなくなった。
- 774 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:39
-
・ ・ ・ ・ ・ ・
- 775 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:39
- 沸いたお湯をポットに移す。
・・・紺ちゃん遅いな・・・
その時。
「ウワァァァァァーッ、」
・・・えっ?
突然、紺ちゃんの叫び声。
慌ててバスルームへ走る。
「紺ちゃん!入るよ?」
ドアを開けると、
「ウワァ〜ック、ヒック・・ワァァァァ・・・・」
バスマットにへたり込んで錯乱状態。
- 776 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:41
- 「ちょっと、紺ちゃんしっかりしてよ、どうしたのよ」
どうしちゃったんだろう、さっきまで平気だったのに。
泣きじゃくる紺ちゃんをバスタオルでくるんで暖まっている部屋に連れて行く。
「紺ちゃん紺ちゃん、ほら落ち着いてよ、ねぇ、どうしたの」
ボロボロに泣いている紺ちゃんをバスタオルごと抱きしめる。
「分かんないよ、ね、言ってくれなきゃ分かんないってば。どうしたの?」
以前、やっぱり同じ様にお風呂で半狂乱になった事があったけど、その時は
大きなゴキちゃんが犯人だった。
・・・・でも、今日はちょっと様子がおかしい。
「あさ美ちゃん!しっかりろって!」
ちょっと強めにどついたら、ビクッとしておとなしくなった。
- 777 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:42
- 「ね、お願い、教えてくれないかな。何があったの?美貴にも言えない事なの?」
口をへの時にぎゅっとむすんで涙を流している紺ちゃんの顔をそっと持ち上げる。
「うぅぅっ、わ・・・・・・わ、たし・・ック」
「うん?」
「ま・・つ・・ウゥゥ、・・・・」
「え?・・・・亜弥ちゃん?どうしたの?亜弥ちゃんに何か言われたの?」
こんなに興奮している紺ちゃん、初めて見た。
「んんぅ〜、わ、私、松浦さんに酷いことを・・・・」
「うん、良かったら話してくれない?」
ゆっくりと背中をさすりながら落ち着くのを待つ。
「・・・ヒック・・・ヒック・・・あの・・・あの・・・」
「ん?」
「ングッ・・・松浦さん・・・藤本さんの事・・・好きなんです・・・・」
「は?」
・・・何を今更・・・
- 778 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:43
- 「あの、なのに私、気付かなくて、そんなの知らなくって、でも松浦さん、
私のことを心配してくれて・・・・・なんて酷い事を・・・ウゥゥゥ・・・・」
「あ〜のさ、紺ちゃん、そんな事で泣いてたの?」
「そ、そんな事って何ですか!そんな簡単に言わないで下さい。松浦さんは藤本
さんの事が好きなのに、なのに、付き合ってる私の事を本気で心配してくれたん
ですよ?私、松浦さんにどんなに辛い思いをさせてしまったんだろう・・・・。」
「ごめん、違うの。亜弥ちゃんが美貴のことを真剣に思ってくれてる事、知ってたよ。
でもね、美貴は紺ちゃんを選んだの。美貴の気持ちはね、亜弥ちゃんだって分かっ
てくれてると思う。じゃなかったらさ、あの子なら力づくでも美貴のことを奪おう
とすると思うよ」
「・・・・じゃ、どうして・・・・」
「ん?それはね、亜弥ちゃんの優しさだよ」
「・・・優しさ?」
- 779 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:45
- 「そ。さっき、紺ちゃんがお風呂に入った後にね、亜弥ちゃんからメールが来たんだ。
んっとね、ほら」
ピピッとメールフォルダを開いて、さっきの親衛隊長のメールを見せた。
「・・・わ・・たしを・・・泣かせたら・・・・・?」
「許さないってさ。ね?これが亜弥ちゃんの本心だよ」
「・・・・うぅぅぅぅ・・・」
「ほらぁ、泣くなよ」
「・・・グシッ、・・・・でも・・・・でも・・・」
「もし、美貴がね、いい加減な気持ちで紺ちゃんと付き合ってたら、紺ちゃんが
亜弥ちゃんの立場だったらどう思う?」
「例え好きな人でも、いえ、好きな人だからこそ、それは許せないと思います」
「だよね。じゃ逆に本気で愛し合ってたら、どう?」
「え・・・・悔しいけど、でも好きな人が幸せな・・・ら・・・・あ!」
「ね。それが今の亜弥ちゃんの気持ちなんだよ。美貴はそれを知っているから、
亜弥ちゃんのためにも、美貴のためにも、紺ちゃんを絶対に大切にするって決
めたんだ」
「・・・・うぅぅぅぅ・・・・・・グシッ・・・」
- 780 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:46
- 「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、泣き止んでよ。これ以上紺ちゃん泣かせたら、美貴はホント
に亜弥ちゃんにシメられちゃうからさ。怒るとめっちゃ恐いんだから」
「・・・藤本さん」
「ん?・・・おわっと!」
いきなりガバッと抱き付かれて。
「・・・愛してます・・・」
・・・分かってくれたかな・・・
自然に顔が近付いて・・・・・
しばしの静寂が訪れた。
「・・・あの、紺ちゃんさ」
「はい」
「ちょっと言いにくいんだけどさ」
「何ですか?」
「美貴・・・・欲情してきた」
「はい?」
- 781 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:48
- 「だってさ、その格好で愛してるってキスされちゃったりしたら・・・」
「え、そのかっこ?・・・・」
「・・・・いや、ほら・・・まっぱ・・・・」
「・・・・!・・・キャ〜〜〜ッ」
タタタタタタタッ・・・・・・パタッ。
・・・あ。
・・・しくった。
・・・マジしくった。
しれ〜っと、あのままベッドに運んじゃえば良かった。
はァ〜・・・・どうしてこう、いっつも詰めが甘いかなァ。
バスルームに行って見ると、中に閉じ篭ってる。
- 782 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:49
- 「あのさー、風邪ひいちゃうからさ、早く出ておいでよ」
「何であんな事言うんですか」
「何でよ〜、今更恥ずかしがる事無いじゃ〜ん。もう寝ようよ〜」
「そ、そんなストレートに言わなくたって・・・」
「へ?・・・・あ、いゃ〜、そうじゃなくてさ、もう2時過ぎてるしさ、本当に
寝ないと明日やばいよ。・・・・あ、今日か・・・」
「・・・・あ、あの・・・出ますから、あっち行ってて下さい・・・・」
・・クスッ。
「わかった。早くね」
仕方なく部屋に戻ると、インスタントの葛湯を入れる。
・・・・あ、やっと来た。
「はい。暖まるよ。熱いから気を付けてね」
「あ、ありがとうございます・・・・・アチッ」
- 783 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:51
- 「あははは、ほーら慌てない」
「・・・ズズッ、あ、甘〜い」
「でも、美貴と紺ちゃんの方がもっと甘いよね」
・・・あれ、真っ赤になって・・・
「可愛いなァ。・・・こ〜んちゃん、好きだぞ!」
そして、いつものようにベッドに潜り込んで紺ちゃんを抱きしめて。
ものの数分で、紺ちゃんの規則正しい息使いが眠りに落ちた事を知らせる。
なんだかハードな一日だったなぁ。おうちに帰って来た時は、本当に終ったと思った。
そっと、紺ちゃんの胸に手を添えて。
・・・今度は悪戯じゃなくて、正々堂々と愛したいな。
「・・・ん、・・んんっ・・」
・・・やばい・・・起きた?
・・・・・・寝言か・・・・・
- 784 名前:Usual days 投稿日:2005/01/04(火) 23:53
- いつも思うんだけど、目、乾かないのかなぁ。
・・・これで寝てるんだもんね。
「ん〜・・」
ビクッ!・・・・あれ・・・・夢でもみてるのかな・・・
「・・・ご・・めんなさい・・・松浦・・さん・・・・」
・・・・紺ちゃん・・・・
やべ、涙が出てきた。
何でそんなに優しいの・・・・
亜弥ちゃんに恋人が出来るまでは、この呪縛は解けないだろう。
でも・・・謝らなくていいよ。
紺ちゃんのその優しい心、亜弥ちゃんにもちゃんと伝わってる筈だから。
ね、亜弥ちゃん。
- 785 名前:たまえす 投稿日:2005/01/05(水) 00:00
- >>767 名無飼育さん様
ありがとうございます。
このスレの性質上、やむを得ない選択ということでこんな感じに
なりました。
- 786 名前:たまえす 投稿日:2005/01/05(水) 00:07
- >>768 名無し読者様
あやみき推しの方にはちょっと辛い展開になってしまった
にも関わらず、温かい励ましを頂きありがとうございます。
- 787 名前:たまえす 投稿日:2005/01/05(水) 00:17
- >>769 名無し読者様
本当にすいません。松浦さん好きなんですよ?代々木スペシャルのTシャツ
を着て仕事に行くほど。でも、こういうシュールな感じもありかな、なんて
仕事初めの日に仕事をしないで言い訳を考えていました。(w
- 788 名前:たまえす 投稿日:2005/01/05(水) 00:18
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 789 名前:Usual days 投稿日:2005/01/09(日) 23:10
- 今日も疲労困憊で帰宅する。
精神力だけで繋ぎ止めている毎日。
ゆっくりと時間を掛けて風呂で疲れを癒した後、冷凍庫から氷を取り出すと、
ボリボリ食べつつ部屋に戻る。
ノンカロリーの精力剤。
ぺたんと床に座ると、もう一度氷を口に放り込んで、いつものようにキャビネット
の上に立てかけられた絵を眺める。
圭織にもらった絵。
なっちと一緒に見て欲しいという圭織の願いは、まだ叶っていない。
「・・・・・・なっちぃ・・・・」
寂しい。・・・・・でも、我慢しなきゃ。
- 790 名前:Usual days 投稿日:2005/01/09(日) 23:11
- 事務所、テレビ局、ライブ会場などで会う事はあるが、事務とかマネージメント
のお手伝いで走り回っていて、とても話せる状況ではない。
夜も、恐らく殆ど寝ていないのだろう。
せめてもの慰めは、娘。で培ったアイコンタクトで、廊下ですれ違うほんの一瞬
でも、多少の意志の疎通ができること。
・・・なっち、大丈夫?・・・
・・・うん大丈夫だよ。心配しないで・・・
ぼーっと絵を見ているうちに、ふと、あることに気付いた。
・・・溢れんばかりの光の中で、ギリシャ神話の女神のような白い装束を
身にまとい・・・って
・・・あれ、ちょと待って・・・この絵のなっちの装束って・・・
・・・うちらの新曲の衣裳じゃん・・・
- 791 名前:Usual days 投稿日:2005/01/09(日) 23:12
- ・・・・は?
え?・・・・だって・・・圭織、この絵を書いたのって、圭ちゃんの卒業する
ちょっと前って言ってたよね・・・
1年半も前じゃん。
じゃ、何で?・・・・どうして?
しかも、多分、圭織の娘。最後の曲。
考えているうちに、言い知れぬ不可思議な感覚に襲われて、全身が総毛立つ。
どうしてもつじつまが合わない。
理解不能な状況に混乱して、あまりの恐怖に涙が吹き出してきた。
・・・圭織・・・恐いよ・・・
枕を抱きしめて震えていると、携帯がメールの着信を知らせた。
突然の着信音に心臓が飛び跳ねる。
- 792 名前:Usual days 投稿日:2005/01/09(日) 23:14
- 受信メール:圭織
件名 :恐がらないで
本文 :いきなりゴメンね。今、寝ようとしたら
急に矢口の泣き声が聞こえたの。
かおタンはバケモノじゃないゾー。
とってもプリティでしょ?だから恐がら
ないで。大丈夫だからね。
また明日、頑張ろうね。じゃオヤスミ。
・・・・グスッ・・・・あのさぁ、励ましてるつもり?
こんなメールを送ってくる事自体が、既にバケモノだっつーの。
・・・あ〜ビックリした。
ん?・・・ちょっと待てよ?
てことは・・・もしかして、おいらがいつも寝る時にベッドの中でイケナイ
妄想をしてるのも・・・・・・
・・・バレてるの?
いつも朝会う時に、ふわっと優しく微笑んで挨拶をしてくれる圭織は、全部知ってたの?
ふと気付くと、先程までの恐怖心は、いつの間にか猛烈な羞恥心へと変化していた。
「いやぁぁぁぁぁ〜」
・・・今度こそもうダメだ。明日、休もうかなァ・・・
・・・って考えてることも・・・バレてるのかなァ・・・
- 793 名前:Usual days 投稿日:2005/01/09(日) 23:15
-
〜 クスッ、いまさら何言ってるんだろ。手遅れだよ、矢口。オヤスミ 〜
- 794 名前:たまえす 投稿日:2005/01/09(日) 23:19
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 795 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/11(火) 11:52
- 飯田さん…さすが
- 796 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/15(土) 02:19
- 更新お疲れ様です。
矢口さんのイケナイ妄想が気になる…
次回の更新待ってます。
余談ですが、飯田さんがラジオで、自分の娘にしたいのは、道重さんだと言ってました。
飯田さんもすごいが、作者さんもスゲ〜!
- 797 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 13:54
-
翌朝、垣さんと愛ちゃんは早々とリハーサル・ルームに来ていた。
いつも元気な垣さんだが、今朝は全く元気が無い。
そこへ、これまたいつもより早く矢口が入ってきた。
「おはよ、愛ちゃん垣さん、早いねェ」
「「おはようございます」」
「あれ?お豆ちゃんどうしたの?元気ないね」
「・・・・・・」
「どうした?」
「あのぉ、里沙ちゃん、昨日の事をひっで気にしててぇ。ほやからどうしても
こんこんに謝らんといけんて・・・・」
「だから、こんなに早く来たの?」
うなづく愛ちゃん。
- 798 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 13:55
- 「そっか。こんこんいつも早いからね。実はさ、おいらもちょっと気になってね。
多分平気だとは思うんだけど。でも、垣さんは優しいね」
「・・・・だって、私のせいで、あさ美ちゃんと藤本さんが・・・・」
「大丈夫だって。もし、まだ昨日の事を引きずってるようなら、おいらが何とか
するからさ」
「・・・でも・・・」
「おっはよ〜」
「おはよ〜ございますぅ」
「・・・・って・・・あれ、どしたの?」
麻琴の手を引っ張って入って来たよっすぃ〜。
その後、ゾロゾロとメンバーが入って来るけれど、ミキティとこんこんは来ない。
「ちょっと遅過ぎるよね」
「しかも、二人揃って。ヤバくない?」
誰かのヒソヒソ話が聞こえる。
- 799 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 13:56
- 今にも泣き出しそうな程、意気消沈しているお豆ちゃん。
集合時間まで、あと少し。
「・・・うぅ、・・・グスッ・・・・」
あ、泣き出しちゃった。
「お〜い泣くなよ、お豆ちゃんのせいじゃないから」
「垣さん、遅刻なんてよくある事じゃん、もうすぐ来るって」
「・・・ほやけどあさ美ちゃん、一度も遅刻したこと、えんねゃもん・・・」
「高橋、いらん事ゆーなっての」
・・・しゃーねェなぁ・・・
携帯を取り出した。
と、その時。
- 800 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 13:57
- バァ〜ンと勢い良くドアを開けて飛び込んで来た二人。
「ハァハァ・・・ングッ・・・紺ちゃん・・今、何時?」
「ハァハァ・・・今、丁度9時です。間に合ったですね」
「良かったァ〜・・・あ〜ヤバかった。でもさぁ、いつ目覚まし止めたのかなァ」
「鳴ったの全然気付かなかったですけど・・・・」
「やっぱり、もっと強烈なの買わないとダメかなァ」
「でも、今のもかなり強烈に爆発しますけどね・・・」
「音だけで駄目なら・・・」
「クレイモアでも仕掛けときますか?」
「何だか良く分かんないけど、どっちかっつーと、逆にそのまま目が覚めなく
なりそうじゃん?」
一方、目が点になっている他の面々。
- 801 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 13:58
- 「お〜い、お前ら・・・」
「はい・・・・って、あれ?みんなどうしたんですか?」
見回して、冷ややかな視線を浴びていることに気付いたのか、抱き合ったまま
呆けている。
「え?・・・・だって、セーフですよセーフ。ねぇ紺ちゃん」
「はい、ギリギリでしたけど」
・・・・んだよ。思いっきり元に戻ってるじゃん。
あ〜あ、アホクサ。
「ほら、垣さん、だから大丈夫だって言ったろ」
「ウッ・・・・ウゥッ・・・・ウェ〜〜〜〜〜ン」
張り詰めていた緊張が解けたのか、思いっきり泣き出した。
「あ・・・・あのぉ・・・・もしかして・・・・美貴達、何かしちゃったんですかねェ・・・・・」
- 802 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 13:59
- 広い部屋に垣さんの泣き声が染み渡る。
愛ちゃんが必死になだめてるけど、相当悩んだ分、解き放たれたものは大き
かったらしい。
そっと圭織がお豆ちゃんの前にしゃがんで、話しかける。
「垣さん。良かったね、美貴ちゃんとこんこんが仲直りしててさ。ちゃんと垣さんの
気持ちが届いたんだよ。心から友達の事を心配してあげられるその優しい気持ち、
とっても嬉しかったよ。どうもありがとう」
事の次第をやっと把握したバカップル。
恐る恐る近付いて、一生懸命に謝っている。
あ〜、こんこん、なにも土下座までしなくても・・・・・
ミキティ・・・・子供じゃないんだから、いないいないバァ〜って・・・・どうなの?
ってゆーか、謝って無いから。
- 803 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 14:00
- 「良かったですね、まりっぺ。丸く治まったみたいで・・・・」
・・・・こいつ・・・・
「梨華ちゃんさぁ、何を人事みたいに言ってんだよ。大体、お前が余計な事を
教えるから、こんな騒ぎになったんだろーが、あ〜ん?少しは垣さんを見習えよ」
「へ?私、何かしましたっけ・・・・」
・・・・あ゛〜〜・・・・
呆れていると、圭織がやってきた。
「石川」
「はい?」
「これ、なあに?」
すっごい笑顔で、梨華ちゃんの首の横をちょんと指差して。
- 804 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 14:02
-
「へ?・・・・あ!・・・・あぁ〜〜真希ちゃ・・・」
真っ赤になって、脱兎の如く部屋を飛び出して行った。
「あははははははっ、リアクション早かったねぇ。何も付いてないのにさ・・・ッククク」
圭織の小気味の良いイタズラに、思わず爆笑する。
「キャハハハハハッ・・・はぁ〜〜〜っ、お腹がイタイ〜助けてぇ〜・・・・
でも、あいつら、良くそんな暇あるなァ、ちゃんと寝てるのかなぁ」
「矢口、ゴメンね昨日」
「え?」
「驚かしてさ」
「あ〜〜〜」
「かおもね、なんでかは良く分かんない。たまたま偶然だよ。だから衣裳合わせ
の時ね、すっごいビックリしたもん」
「・・・そうなんだ。でもさ、おいらの考えてる事って、みんな分かるの?」
- 805 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 14:03
- 「ううん、前にも言ったじゃん。分かったり分かんなかったり。聞こうとしても
聞こえない。昨日はね、別の四人の泣き声も聞こえてきてね、ちょっと寝不足」
「誰?」
「ん?まァいいじゃん、治まったようだし・・・」
そう言いながら、ふっと顔を上げた圭織の視線の先には、嫌がる垣さんに抱き付
いてキスをしまくるミキティと、引き離そうとしてる愛ちゃんとこんこん。
「お豆に、こんこんに、ミキティ?・・・高橋も泣いてたの?」
「ううん」
「じゃ三人じゃ・・・・」
「もう一人別にいたの。あの子たちのために泣いてくれた子が。自分を儀性にして
まであの子たちの事を考えてくれた子が。でもね、ごめんね矢口・・・・」
「うん・・・・そっか。わかった」
「みんないい子ばっかりだよ。世の中にはさ、自分の事しか考えないような
人がいっぱいいるのに、ハローの仲間はみーんないい子ばかり」
- 806 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 14:04
- ・・・ハローの仲間?じゃ、もう一人って、娘。じゃないんだ・・・誰だろう・・・
あの二人が仲のいいメンバーって。
昨日の事を、うちら以外に誰が知ってるか・・・・
いや、いない。
身近にいて異変の探知能力に長けてるのは。
裕ちゃん?・・・いや〜、この程度じゃ放置でしょ。
圭ちゃん?・・・速攻でおいらに電話が来そう。
・・・圭織、いい子って言ったよね。下の子か。
ごっつぁん?・・・あ〜、それどころじゃなかったか。昨日の夜は,お取り込み中・・・
・・・・OGじゃない。
- 807 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 14:05
- こんこんと仲良し・・・・みうな?・・・微妙〜、そこまで立ち入れるかな。
ミキティと仲良し・・・・・・・・あ!
亜弥ちゃんか。でも、どうして分かったんだろ。ミキティから言う訳無いでしょ。
「矢口・・・」
「へ?」
圭織に思考を遮られた。
「やめよ?もういいじゃん、そっとしておいてあげようよ。ね?」
・・・・忘れてた。
「そだね。あっやばい、着替えなきゃ。先生来ちゃう・・・・おーい!みんな
早く着替えなきゃ。ほらほら動けぇ〜!」
「「「は〜い」」」
- 808 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 14:07
- 「あ、矢口・・・」
「ん?」
「だからね、矢口が寝る時に何を考えてるかなんて、ぜ〜んぜん知らないからね」
後頭部を殴られたような衝撃とともに、その場に崩れ落ちた。
・・・やっぱり、休めば良かったかなァ・・・
− − − − − − − −
「ねぇ、れーなれ−な」
「何?」
「さっきポンちゃんの言ってた、くれい・・・何とかってなあに?」
「クレイモア?」
「そうそう、それ」
「M18A1対人地雷のこと。中にちっちゃい鉄の球が一杯入っちょって、
爆発すると60度の角度で前方50m位まで飛び散るけん・・・・て、絵里は
そげんこと知らんくてもよか!」
- 809 名前:Usual days 投稿日:2005/01/15(土) 14:08
- 「れーな?」
「・・・・」
「何でそんな事、知ってるの?」
「え?・・・あ〜・・・今、れなに村田さんが降臨しとーと・・・・」
「そうなんだ。でも、しょ〜もないオヤジギャグはやめてね」
「ちょっと絵里、こないだ、かおのギャグは面白いって言ってくれたのに、
ホントはしょ〜もないって思ってたんだ」
「あ、飯田さんが食い付いちゃったじゃん。どうすんのー?」
「・・・・逃げろ!」
「こらぁ〜、待てぇ〜・・」
- 810 名前:たまえす 投稿日:2005/01/15(土) 14:11
- >>795 名無し読者様
交信歴は長いですから・・・
- 811 名前:たまえす 投稿日:2005/01/15(土) 14:20
- >>796 名無飼育さん様
> 矢口さんのイケナイ妄想が気になる…
恐らく、ご想像の通りかと・・(自主規制中・・
>飯田さんがラジオで、自分の娘にしたいのは、道重さんだと言ってました。
本当ですか。全て妄想の産物なので、自分で鳥肌立てています。(怖!
- 812 名前:たまえす 投稿日:2005/01/15(土) 14:20
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 813 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/22(土) 11:21
- やぐっちゃんこれからはちょっと抑えようね
- 814 名前:Usual days 投稿日:2005/01/23(日) 17:44
- ・・・ちょっと早めに終ったお仕事。
ツアーの合間、ホッと一息つける時間。
今晩は久し振りに真希ちゃんちにお呼ばれ。
これまた珍しく早めに終って、一足先に帰宅しているはずの真希ちゃん。
そりゃーね、本当はオフの日を一緒にしてもらって、ちゃんとデートしたいって
思うけど。
でも、そんな贅沢は言っていられない。
いつ何がどうなるか分からない、この世界。
頂けるお仕事は、ちゃんとやらなくちゃ。
急いでタクシーに飛び乗る。
〜♪〜
・・・あ、電話だ。
- 815 名前:Usual days 投稿日:2005/01/23(日) 17:46
- ・・・・え?
まさか。
何か約束をしている日のこの時間に来る電話って、大抵ドタキャン。
お仕事だからしょうがないけど、でも・・・嫌。
ううん、まだ決まった訳じゃないじゃない。
気を取り直して、携帯を出す。
当然、真希ちゃん専用の着メロで。
〜そっめてーあげぇるぅ〜はっなや〜かぁ〜な〜いろ〜
これ、大好き。
何がいいって、[抵抗せずに好きになりなさい]って。凄くない?
- 816 名前:Usual days 投稿日:2005/01/23(日) 17:47
- 他の人なら、・・バカじゃない?・・って思うけど、真希ちゃんに言われるたら、
「はい」って言っちゃうよね。
え?何で新曲じゃないのかって?だって、最近の真希ちゃんのシングルって、
別れる曲ばっかりじゃない。
ちょっと前、「梨華ちゃ〜〜〜ん、新曲もらったよ〜〜」って、持ってきてくれたMD。
まだレコーディング前で、ボーカルはつんく♂さんの声。
その時は、なんだか悲しい曲だね・・・程度にしか思わなかったけど。
出来上がったCDを聞かせてもらった時。
恋の終焉を切々と歌い綴る真希ちゃんの世界に一瞬にして引き込まれて。
もしかしたら、私達にもいつかこんな日が来ちゃうのかなって思ったら、とっても
悲しくなっちゃって、わんわん大泣きしちゃって。
困り果てて、右往左往しながら必死になだめてくれる真希ちゃん。
- 817 名前:Usual days 投稿日:2005/01/23(日) 17:48
- 折角の新曲なのに、何で素直に喜んであげられないんだろうって、そんな自分
にまた悲しくなって。
「・・・・きっとさ、つんく♂さんも、こういうさ、女の子なら誰でも共感できる
部分に訴えたかったんだと思うんだ。だから、一番女の子らしい梨華ちゃんが泣い
てくれたのならこの曲は成功だと思う」
そう言って抱きしめてくれた真希ちゃん。
その後、悲しい思いをさせた分の埋め合わせって、いっぱいいっぱい愛してくれた。
・・・・・・あ、電話に出なきゃ。
「ビッ・・・もしも〜し」
『ご免、梨華ちゃん』
「へ?・・・な・・・何?やっぱり、またドタキャンとか・・・」
『ううん、それはない。今、家から』
- 818 名前:Usual days 投稿日:2005/01/23(日) 17:50
- 「じゃ、何で謝るのよぉ」
『怒らないで聞いてくれる?』
「ん〜、内容によるかも・・・で、何?」
『あ・・・あのね』
「うん」
『あの・・・さ、お風呂、先に入っちゃった・・・』
「・・・へ?」
『だって・・・・その、今日仕事で大汗かいちゃってね、待ってたかったんだけどさぁ、
風邪引いちゃいそうで・・・その・・・』
・・・クスッ。
可愛いよね。そりゃ〜ね、真希ちゃんとのお風呂って、すっごい楽しいよ?
何回一緒に入っても、胸はドッキドキ。
- 819 名前:Usual days 投稿日:2005/01/23(日) 17:51
- 優しく洗ってもらいながら、耳元で「可愛いよ、梨華ちゃん」・・・なーんて。
キャ〜〜〜〜!
『ごめんねぇ〜・・・あの・・・やっぱ怒った?』
あ、いけね。
「怒ってなんか無いよ。真希ちゃんに風邪引かれる方が嫌だもん。今タクシー
でそっち向かってるから、もうちょっと待ってね」
『はァ〜・・・良かった。またさ、もう知らない、なーんて言われたらどうしようかと思った』
「私はそんなにわがままじゃありません!」
『じゃ、待ってるよ〜〜・・・ピッ・・ツーー』
あ。
切られちゃった。また軽く流されたし。
私って・・・・わがままなのかなぁ。
- 820 名前:たまえす 投稿日:2005/01/23(日) 18:17
- >>813 名無し読者様
ありがとうございます。
やぐっちゃん、もうしばらくの我慢です。
- 821 名前:たまえす 投稿日:2005/01/23(日) 18:17
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 822 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/24(月) 13:42
- いしごまは相変わらず仲がいいですね
次はラブラブシーンが見られるかな?
- 823 名前:Usual days 投稿日:2005/01/25(火) 23:09
- ・・・ピッと。
んはは、ちょっとわがままなところも可愛いんだよ。
さてと。
「おかぁーさーん、梨華ちゃんもうすぐ来るよー」
「じゃ早く支度しなさい」
「はぁ〜い」
何日か前、久々に家で家族揃って夕食した時に、もしかしたら、今週梨華ちゃん
が来るかもって言ったら。
私の事はそっちのけで。みんなして、やれパーティーだとか、ご飯は何がいいとか。
食材とかイベントグッズの調達分担まで始まって。
お姉ちゃんに、当然ケーキは真希が作るんでしょ?って言われて。
「はぁ?何でケーキなんて、そんな話しになってるのさ・・・」
- 824 名前:Usual days 投稿日:2005/01/25(火) 23:10
- そしたら、全員の動きがピタッと止まって。
「あなた、まさか・・・・忘れてる訳じゃないよね」
お母さんに言われて。
「・・・?・・・・何をさ」
「「「「梨華ちゃんの誕生日」」」」
・・・・・・・あ。
「・・・本当に忘れてたの?」
正直、曜日感覚がぶっ飛んでた。
うちらのお仕事って、日にちが行ったり来たりするから。
- 825 名前:Usual days 投稿日:2005/01/25(火) 23:11
- 例えば、某テレビ局で歌収録をしました。でも番組のオンエアーはCDリリース後
なので、1ヵ月先です。
と、こんな感じで。毎日、頭の中でカレンダーが行ったり来たりしていて。
だから時々、誕生日を本気で忘れられて、寂しい思いをするメンバーが出て来たりする。
決してわざとハブろうとか思っている訳じゃない。自分の誕生日さえ忘れてる事もある。
でも、スタッフさんとかが、仕事上がりに突然ケーキを持ってきてくれて、みんなで
お祝いしてくれたりして。
・・・・「へ?」・・・・みたいな。
ADさんとか、寝る時間も無いほど忙しいのに。なのにみんな笑顔で祝福してくれて。
こんな生意気な小娘にさえ細かい心遣いをしてくれる気持ちが嬉しくて。
今まで何回泣いたことだろう。
- 826 名前:Usual days 投稿日:2005/01/25(火) 23:13
- 「ねぇ、なにケーキにするの?」
・・・おっといけない、トリップしてた。
「梨華ちゃんだからやっぱり苺白玉ケーキ?」
「何それ」
「いや、取り敢えず梨華ちゃんの好きな物をくっつけてみました」
「ケーキに白玉ってどうなのさ」
「だって、何と合わせて食べても美味しいって、梨華ちゃん自分で歌ってるじゃない」
「・・・・・は?」
「白玉大好き・・・・って」
「な・・・・お母さん、何でその歌知ってるの!」
- 827 名前:Usual days 投稿日:2005/01/25(火) 23:14
- 「真希ちゃんのMDに入ってたわよ?」
「あ〜〜っ、また私の部屋に入ったでしょ」
「うん。これ借りた時にね、テーブルの上に置いてあったから」
良く見ると、何気にはいているのは私のジーパン。
「まぁ〜たぁ、黙って持ってくのは借りるって言わないの。大体さぁ、いっつもいつも・・・・」
「あぁ、一緒に置いてあった梨華ちゃんの写真集見せてもらったけど、本当に綺麗
になったわね」
あ。それ、ちょっと嬉しいかも。
ちょっと機嫌が直りかけた時。
- 828 名前:Usual days 投稿日:2005/01/25(火) 23:15
- 「でも、何箇所か頁のくっついてる所があったけど・・・・何でかなァ・・・・」
・・・・・んぁ?
「あ〜・・・何でだろ〜ねェ・・・・」
ごまかそうとしたその時。
「めくる時は、ちゃんと指ぐらい拭けよ・・・・(コソ〜リ)」
後ろで呟いたお姉ちゃんの一言に・・・・
『ガラガラガシャ〜ン』
・・・・・思いっきりコケた。
- 829 名前:たまえす 投稿日:2005/01/25(火) 23:21
- >>822 名無し読者様
スミマセン。ここ最近、なかなか妄想する時間が無くて・・(言い訳
- 830 名前:たまえす 投稿日:2005/01/25(火) 23:22
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 831 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/25(火) 23:54
- 久々の石川さんと後藤さん、相変わらずかわいいですね。
続き待ってます。
- 832 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/26(水) 11:28
- 後藤家面白いですね。
続き待ってます。頑張ってください。
- 833 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:36
- 「ねねー、ケーキは何にすんの〜?」
「どうしようかねぇ・・・」
「いちごがいい〜」
「チョコだってば〜」
「違うもん、ねねはフルーツタルトが得意なんだよね・・・」
・・・・・言いたい放題のおチビさんたち。
「あ〜〜ごめんねぇ・・・主役は梨華ちゃんなんだよねぇ」
「じゃ、やっぱりいちご白玉ケーキが・・・・・」
・・・・お母さんまで。
「あのねぇ、やっぱりケーキはいちご&その他のフルーツで、白玉は
別にデザートでいいでしょ」
- 834 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:37
- 「やった〜、いちご〜!」
「大きいいちごがいい!」
「ケーキも大きいのがいい!」
・・・・・・だからねぇ
「大きい型ってあったっけ?スポンジ用の」
「20センチ位のならあるけど」
「それじゃちっちゃくない?」
「十分でしょ」
「え〜、だってハタチだよ?ハタチ!折角のめでたい節目に20センチは無いでしょ?」
「二十歳だから20センチでいいじゃない」
「ショボイって」
相変わらず、私を置いてけぼりにして勝手に盛り上がるお母さんとお姉ちゃん達。
- 835 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:38
- 「ちょーっと、いい加減にし・・・・」
「あぁ〜、ある!」
「へ?」
「型」
「だから、無いって・・・・」
「鍋。外輪鍋。あれなら40センチ位はある。底もまっ平らだし・・・取っ手も外れる」
「ちゃんと焼けるの?」
「そんなん知らん」
「すっごい無責任。でもさ、オーブンに入るかな」
「さあ。キッチンのビルトインなら入りそうだけど。試してみる?どこにしまったっけ」
「たしか、納戸に・・・・」
「よし、探せ!」
「おーっ!」
- 836 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:39
- 「・・・・あ、あのぉ〜、何でそんなに盛り上がってんのさー」
「何を言ってるの、真希ったら。梨華ちゃんよ?梨華ちゃん。せっかく大事な日
を後藤家で迎えてくれるっていうのに、気合を入れなくてどうするの」
「あ〜、でもお店は・・・」
「お休み」
「え・・・・いいの?」
「真希ちゃんの大切な人だもの」
・・・・・!
「・・・・・は?」
「真希ちゃんの愛する人のためだもの。心からお祝いしてあげたいじゃない」
・・・またいきなり、何てコトを言うかなァ・・・・
思い掛けない母の言葉に、ぶわっと熱いのが込み上げてきた。
「ほーら。泣いてないで準備しようよ。みんなで喜ばせてあげよう」
「・・・・うん」
- 837 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:41
-
〜さてさて、そして前日の夜。
帰宅してみると、何やら家の奥が騒がしい。
何事かと行ってみると、白くモヤっているキッチンの中で、盛り上がっている我が家の女衆達。
「ただいま〜。何なの、この煙は」
「お帰り。・・・・ん?薄力粉を混ぜる時にね、気合入れてふるいを振り過ぎた・・・」
「・・・・はぁ・・・・ん?もう焼いてるの?」
「こんなでかいスポンジ焼いた事ないから。明日もし失敗したら間に合わないでしょ?」
オーブンを覗き込む。
・・・・・すっげ。
- 838 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:42
- 「もし上手く焼けたとしてさ、これ、横に切れるの?」
「パパがね、俺に任せろって言ってたわよ」
「は?お義兄ちゃんて、そんなのやった事あるの?」
「さあ」
「さあってねぇ・・・・」
「案ずるな妹よ。この世の中、通らばリーチ!根拠無し」
「・・・・・」
「あははは、やっぱ保険で小さいのも焼いとく?」
- 839 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:45
- 結局、予想に反してお母さんが山勘でセットした焼き時間が見事的中。
型から出す時に縁が崩れたけど、クリームで修正可能。
横に切るのも、これまたお義兄ちゃんがどこから持って来たのか、長〜〜い
柳刃包丁で綺麗に切ってくれて。
母の特命により愚弟が調達してきた見事ないちごも間に合って。
ホイップするそばからクリームの味見をしまくるチビさん達を追い払いつつ
デコレーション。
最後にチョコのプレートにメッセージを入れて・・・・・・
「できた!パチパチパチ・・・・」
なぜか、みんなで拍手。
「・・・ちょっと、これすっごくない?」
「真希、あんた歌手なんかやめてパティシエになれば?」
「売れるね、これ」
- 840 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:46
- 「ダメだもん。梨華ちゃんに食べてもらうんだもん」
「じゃ、半分売ろうか。FC限定ごっつぁん手作りケーキ!」
「全然足りねェ〜・・・・」
「じゃ、出品するか」
「アホ。落札される前に痛んどるわ」
「じゃ、質問欄から即決希望額とメルアドを・・・・」
・・・・・また始まった。
「・・・・あの〜、取りあえず冷蔵庫に入れた方がいいかなァ〜なんて・・・・」
「おっ!そーだ。ほら、そっち持って。真希ちゃん、冷蔵庫開けといて」
「あーい」
・・・・・パタン。
「「「疲れたァ〜」」」
- 841 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:53
- 〜 そして・・・やっと823の6行目の続きとなります 〜
「あんた達なにやってんのさ」
玄関のモニターの前に張り付いて、外の様子をうかがっているチビたち。
「来た来た〜〜・・・・あ、行っちゃった・・・・」
「あ、今度こそ来たァ〜・・・また行っちゃった・・・・」
車が通るたびに絶叫している。
「うっさいよ。タクシーだから、普通の車で騒ぐな」
「「「キタ〜━━━━━(゚∀゚)━━━━━ 」」」
「だからねぇ・・・・って・・・・・ん?」
みんな笑顔でモニターを指差して・・・・
- 842 名前:Usual days 投稿日:2005/01/29(土) 21:55
- 「ほら・・・・梨華ちゃん」
「・・・・・!」
自然に頬が緩んでくる。
「よし、みんなでお出迎え!」
「「「おー!」」」
ダダダダダダァ〜〜、
「こらぁ、廊下を走るなァ〜」
お姉ちゃんが後ろで怒鳴ってるけど。
先頭は、お母さんだったりする・・・・・
- 843 名前:たまえす 投稿日:2005/01/29(土) 21:58
- >>831 名無し読者様
ありがとうございます。
つい調子に乗って、かなり脇に逸れていますが・・・。
- 844 名前:たまえす 投稿日:2005/01/29(土) 22:01
- >>832 名無し読者
ありがとうございます。
スーパーデフォルメもいいところですが、どうせなら
楽しい方がいいかなと。
- 845 名前:たまえす 投稿日:2005/01/29(土) 22:07
- 本日はここまでです。
週明けから一ヶ月ほど出張となります。その間、もしかしたら
全く更新不能となるかもしれませんが、ご了承願います。
それでは、失礼致しました。
- 846 名前:たまえす 投稿日:2005/01/30(日) 05:03
- >>832 名無し読者様
844で呼び捨てになっていました。申し訳ありません。
- 847 名前:たまえす 投稿日:2005/01/31(月) 01:13
- 飯田さん卒業おめでとう。
一面のタンポポ畑が白い綿毛に変わっていく中での
夢の中、とても素敵でした。
- 848 名前:名無し読者 投稿日:2005/02/04(金) 23:31
- 梨華ちゃんの反応が楽しみですね
- 849 名前:Usual days 投稿日:2005/02/06(日) 08:47
- 「2860円です・・・はい、3千円お預かりで140円お返しです。ありがとうございました」
··よっと。
「う〜んっと」
タクシーを降りると、曲がった腰を伸ばしつつ玄関へ。
インターホンを押そうとした時、ふと嫌な予感がして一歩後へ下がる。
『バ〜〜ン!』
勢い良く開いたドアが、鼻先をかすめる。
「・・・・・」
ひょこっと顔を出したのは・・・
「いらっしゃい、梨華ちゃん。さ、どうぞ入って」
···え? おばさん・・・
「今晩は。おじゃまし・・」
入ろうとした時。
- 850 名前:Usual days 投稿日:2005/02/06(日) 08:48
- 「り〜か〜ちゃ〜ん!『バフッ、バフッ、バフッ』・・うっ・・」
またも飛び出してきた体当たり3連発。
「早く早くぅ〜」
手を引っ張られて、お尻を押されて・・・
「ちょっちょっと慌てないで、逃げないから」
「嘘だぁ、こないだ来た時もさ、ねねのお部屋に入ったっきり出て
こなかったもん」
「だから今日はねねより先に梨華ちゃんのこと捕まえにきたんだもんね」
「もんね」
「あ〜・・・そうだったっけ?」
「こ〜らあんた達、梨華ちゃん困ってるじゃん」
あ、真希ちゃん・・
「だぁ〜ってぇ、梨華ちゃんと遊ぶんだもん」
「いいから早く中に入れてあげて。梨華ちゃん、お仕事終わったばかりで
疲れてるからね」
「「「はぁ〜い」」」
- 851 名前:Usual days 投稿日:2005/02/06(日) 08:50
- そのままリビングに引きずり込まれたけど、おばさんに助けてもらって。
「梨華ちゃん、先にお風呂入っちゃって」
「はい。・・じゃ頂きます」
真希ちゃんのお部屋から着替えを取って、バスルームヘ。
··クスッ、なんだか自分の家みたい。にぎやかでいいな。
『カチャッ』
「キャッ」
「あたしだよ〜」
「もぉ、驚かさないでよ」
「ちゃんとカギ閉めなきゃ襲われちゃうよ〜」
「誰が襲うのよ」
「ん?あ・た・し」
「・・・ちょ、真希ちゃん、何してるの?」
「わかんない?梨華ちゃんの服を脱がしてま〜っす」
- 852 名前:Usual days 投稿日:2005/02/06(日) 08:51
- 「自分で脱げます」
と、言ってはみたものの。
なんでこんなに脱がすのが上手なんだろう。あっという間にすっぽんぽん・・・・
「あの・・・」
「じゃ、ゆっくり入ってね。ごはんの準備しとくからさ」
「・・・へ?」
「ん?」
「あ、いや〜・・」
ちょっと期待をしちゃった自分が恥ずかしくて。
「あらら。り〜かちゃん、夜はまだまだこれからだよ?慌てない慌てない」
- 853 名前:Usual days 投稿日:2005/02/06(日) 08:53
- 「はあぅぅぅ・・・・」
勘違いして痛いほどに立ってしまった乳首を、指先でツンツンされて。
「シィ〜ッ、声が大きいから。しょうがないなァ、じゃちょっとだけサービスね。
声、我慢してね」
「え?」
スッ、と腰に手をまわすと、左の乳首(右よりも感度が高いんです・・・)
をパクッと口に含み・・・・
「ん・・・・ん〜〜〜あぅ〜〜ン・ン・ン・ン〜」
柔らかい舌でグリグリとこねくり回されて。
それだけで、身体中に電気が駆け巡る。
加えて、脇腹をしなやかな手が、絶妙なタッチで動き回る。
「ひぁぅぅぅぅぅぅ・・・あ・・ん・あん」
- 854 名前:Usual days 投稿日:2005/02/06(日) 08:56
-
「ねーねー、おかあさーん」
キッチンで準備をしていると、我が子達がパタパタやってきて。
「こら、真希姉ちゃんを呼んできてって言ったでしょ?」
「ん〜、あんね、お風呂でね、梨華ちゃんが苦しそうに唸ってるの」
「へ?」
「んっとね、『あぅー』とか、『ひぁぅぅ』って。ねー」
「ねー」
·····あのバカども・・・・・我慢するっちゅーことを知らんのかい・・・・
- 855 名前:たまえす 投稿日:2005/02/06(日) 09:08
- >>848 名無し読者様
ありがとうございます。
ちょっと時期はずれになってしまいましたが・・・
まだ、暫くはかかりそうです。
- 856 名前:たまえす 投稿日:2005/02/06(日) 09:11
- 本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 857 名前:名無し読者 投稿日:2005/02/06(日) 09:36
- 更新乙です。後藤家、やっぱ面白いなw
続き楽しみしてます。頑張ってください。
- 858 名前:たまえす 投稿日:2005/02/06(日) 10:08
- >>857 名無し読者様
び・・・びっくりした。チェック早過ぎです。
まだ出張中ですが、内緒で一時帰宅ついでに少し更新しました。
また新幹線の中でネタ書き頑張ります。
次回更新は、早くても一週間後となります。
- 859 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:30
- 「しゃーない、私呼んでくるから」
「おー、頼んだ」
忍び足でバスルームへ。
ドアのレバーに手を掛けた時、中から・・・・・
押し殺してはいるが、隠しようも無い梨華ちゃんのハイトーンな喘ぎ声が
聞こえて来た。
「・・・・・・ゴクッ・・・」
···ち・・・・ちょっとだけ・・・
···って、お〜い、なに考えてんだ。相手は自分の妹だろーが。
しゃーねーなァ・・・・ごめん、梨華ちゃん。
すぅぅぅぅーっと、息を吸い込んで。
「真希〜〜っ、んなとこで摘まみ食いしてねーで、こっちを手伝え〜〜!」
『ガラガラガシャ〜ン・・・・・・ドタッ』
···ったく。大袈裟にコケてんじゃねーよ・・・
- 860 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:32
- 「・・・・痛」
「あぁ、真希ちゃん大丈夫?」
「いててて・・・ご免、梨華ちゃん。続きは後で、ね?ごめんね」
「・・・うん」
「ほら、入って」
「・・・・歩けないよぅ」
「あ〜、つかまって・・・・よっ・・・大丈夫?」
「・・・・うん」
プリプリのお尻をひと撫ですると、バスルームを出てキッチンへ。
「ちょっと、あんな大声で言わなくたっていいじゃん」
「あんたがつまみ食いしてる間に、こっちもつまみ食いを始めちゃったのよ。
早くしないと始める前に無くなっちゃう」
「・・・・いや、摘まみ食いって・・・」
フライドポテトとウインナーを両手に持ち、ダイニングを闊歩するチビッコギャング達。
「あぁ〜、ダメじゃん先に食べちゃ・・・・」
「へぇ〜んだ。ねねだって摘まみ食いしてたくせに」
- 861 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:33
- ·····んぁ?
「してないって」
「うっそだぁ。梨華ちゃんと、なにか食べてたんでしょー?」
「コラッ、あんたたち、いい加減にしないと一緒に唐揚げにしちゃうよ」
「え〜、なんでねねのことは怒らないのー?」
「あのねぇ、真希姉ちゃんは、梨華ちゃんとなんか食べてたんじゃなくて、
梨華ちゃんを食べてたの!」
「ち、ちょっとお姉ちゃ・・・」
「そっかぁ、じゃあしょうがないや」
···って、納得すんのかぃ〜・・・
- 862 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:34
- ···ドキドキ・・・
広いお風呂でゆったりと身体を伸ばしながら、寸止めを食って高鳴っままの
心を鎮める。
···はぁ〜・・・もうやだ、真希ちゃんったら。
どうしてくれるのよ。もうちょっとだったのに・・・
···クスッ、でも、こんな楽しい誕生日も悪くないな。
独りっきりのお部屋で、じっとメールの来るのを待っているより。
例え忘れちゃってるにしても、傍にいてくれる方がいい。
···ちょっと悔しいけど。
- 863 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:34
- 『ポーン』
ん?インターホン・・・
「はーい」
『ご飯できたよ〜』
「はーい、いま出まーす」
そう言えば、お腹空いた。
真希ちゃんちって家族が多いから、のんびりしてると、あっという間に・・・・
大変。早く行かなきゃ。
- 864 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:36
- 「ほら、梨華ちゃん出てくるから迎えに行って」
「「「あーい」」」
パタパタパタ・・・・
「ねー、やっぱあの背中の羽根はいらなかったんじゃない?」
「何言ってるの。かわいい天使に導かれて登場するなんて、生誕祭にふさわしいじゃない」
「え?うちって、いつからクリスチャン?」
「まぁまぁ、単なる親バカの自己満足ということで・・・」
「あ〜、そんな事言っちゃうんだ。折角さ、真希の可愛い彼女のためにこうして・・・・」
「お〜い自分ら、漫才してへんで、はよスタンバイしーや」
「え?お母さん、何で関西弁?」
- 865 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:37
- 急がなきゃ。
真希ちゃんの部屋に飛び込んで、速攻で髪を乾かして、ポニーテールにして。
一応、家族の前に出られる程度に顔を整えて。
よし!
部屋の照明を落としてドアを開けると・・・
あれ?真っ暗。何で?
スイッチどこだっけ・・・・
と、その時。
『ポキッ・・ポキポキッ・・・』
「え?」
- 866 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:38
- 廊下にピンクの淡い光が灯って。
ふわっとした柔らかな光の中に三人の天使の姿が。
「え?・・・何?」
「梨華ちゃんこっち」
スゥ〜ッと動き出したサイリュームの光に導かれるようについていく。
照明の落とされたダイニングに入ると、スッと椅子を引いてくれて。
「はい、どうぞ座って」
「あ、ありがとう・・・・・」
いつもと違う雰囲気に、思わず硬直する。
ポッ、と小さい炎が灯ると、次第に数が増えて行く。暗闇に丸い輪郭が縁取られて。
「あ、あぁぁぁ・・・・」
- 867 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:40
- 「それでは、梨華ちゃんのバースデーパーティーを始めます。・・・真希よろしく」
「はーい。今日、めでたく梨華ちゃんの20回目のお誕生日を迎えることができました。
この世に生を授けて下さった神様と、こんなに可愛く生んでくれたママ、立派に育てて
くれたパパ、ついでに遊んでくれたラッキーにも感謝します。どうもありがとう」
そう言ってくれた真希ちゃんの言葉に。
感激で身体が打ち震えて、丸い炎に浮かび上がったみんなの笑顔が一瞬でぼやけた。
「せーの!ハッピバースデートゥーユー・・・・・ハッピバースデー ディア梨華ちゃ〜ん、
ハッピバースデートゥーユー」
「おめでとー梨華ちゃん」
「イェーイ、ヒューヒュー」
「ほら、火、消して?」
「ウッ・・・グスッ・・・うん・・・ウゥゥゥ・・・」
- 868 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:41
- 「ほら、せーの!」
····ふうぅぅぅぅーっ・・・・
「おーっ、すっげー肺活量・・」
「『ゴスッ』・・・うっさいよユウキ」
「痛って〜、なにすんだよ姉ちゃん」
「おめでとー」
「二十歳だよハタチ」
「大人じゃん」
「かっけー」
「わーい、おばちゃ『ゴンッ』・・・プギャ〜」
「おねーさんだろ」
夢のような光景に、しばし茫然として。
全く予想もしてなかった。
ズルイよこんなの。
「じゃ、電気つけるよ〜」
- 869 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:44
- パッ、と明るくなったテーブルの上には、大きなケーキとすごい御馳走。
そして何よりも嬉しい真希ちゃんと、家族全員の心からの笑顔。
嬉しくて、涙が止まらない。
「これ梨華ちゃん専用だから、全部使っていいよ?この子たちの力作なの」
お姉さんが笑顔で指差した先には・・・・
BOXティッシュ。足元には屑入れ。
どちらにも、『泣き虫梨華ちゃん専用』って書いてある。
「あは、・・グスッ・・・あの、あの、うぅぅ・・・どうもありがとうございますぅぅ・・」
「このケーキね、ここにいる全員で作ったんだ。みんなでね、梨華ちゃんに喜んで
ほしいからって。なんたって、買ってきたいちごを全部使っちゃったからねェ」
- 870 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:45
- 「ちょっと欲張りすぎた?こぼれそうだったからゼリーで固めちゃった」
ケーキ屋さんの広告になりそうなくらい、素敵な、ゴージャスなデコレーション。
「ほら、義兄ちゃん、出番だ」
「崩すなョ」
大きなケーキが、手際良く切り分けられていく。
「梨華ちゃん、大丈夫だよね・・・」
「はい?」
「じゃ〜ん、シャンパンだよ〜ん」
「えぇ?」
「これ、うちのダンナが探してきたんだ。私はこんなの買ってもらった事ないのにねー」
「だって、梨華ちゃんだから」
「何よそれ・・・パパね、隠れチャーミーファンだから。ほら、梨華ちゃん、ここ見てごらん」
「いちきゅーはちご?」
「1985年ものだよ。梨華ちゃんが生まれた年に作られたの」
「わぁ〜すごい、ありがとうございます」
「えへへ・・・・」
- 871 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:47
- 「なに赤くなってんだよエロおやじ。。・・・・あぁー、これ、クリュッグじゃん。どこで
こんなの手に入れたのさ。いつも発泡酒しか飲んでないのに」
「いーじゃないか」
「良くねーって。これ、めっちゃ高いじゃん」
「何で未成年のお前がそんなこと知ってんだ?」
「うっさいよお前達。スポンサーは母ちゃんだからね。未成年は飲むべからず!」
「「えぇ〜、なぁ〜んでよ、ちょっと待ってよ」」
「・・・なーんて、嘘ぴょ〜ん。今日は特別に許す。ほら、早く栓抜いてよ。乾杯しなきゃ」
「じゃ、梨華ちゃんに抜いてもらう?」
「義兄さん途中まで抜いてあげれば?」
「おし。よっと、・・・キコキコ・・・『ボンッ!』・・・あ」
- 872 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:48
- カコ〜ン
「いってぇ〜」
「んはは、日頃の行い・・・」
「うっさいよ真希ちゃん」
「あ〜あ、パパみたいなドジがいるから、いつもここからのネタにされるんじゃない」
「ごめんごめん・・・・」
「悲しい時〜・・・・」
「いや、やらなくていいから」
その後、乾杯して、わいわいみんなで楽しくお食事して。
天使さん達が祝福のキスをしてくれて。
どさくさに紛れようとしたお義兄さんには、真希ちゃんの右ストレートがクリーンヒット。
まるで映画のストーリーのよう。本当に夢のようなひととき。
満腹のお子様達は夢の中へ突入して、こちらもスパークリング効果でふらつき出した
パパと一緒に強制退去。
ユウキくんは呼び出しがきてお出かけ。
- 873 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:49
- 残った女衆でデザートの白玉を堪能していると・・・・
「じゃ、そろそろやるか」
「おし!」
「?」
「真〜希ちゃん、ちょっといらっしゃ〜い・・・」
「なに?」
おねーさん達と一緒に、部屋の外に消えた真希ちゃん。
少しして外から・・・
「え〜、ち、ちょっと待ってよ、ありえないからぁ〜」
「うるさいよ、言う通りにしなさい」
「嫌だぁ〜〜〜っ、ぜ〜ったいいやぁ〜」
「暴れるんじゃない。ほら、堪忍しぃーや、愛する梨華ちゃんのためだから」
「死んでも嫌だぁ〜」
「じゃ殺っとく?」
···ドスッ・・・・・ウッ・・・
何やら訳の分からない会話が聞こえてきた。
- 874 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:52
- 「はーいお待たせ。私達から梨華ちゃんへのプレゼント。まぁ、今さらって感じも
するけどね、改めてよろしくお願いしますって気持ちを受け取っちゃってください」
「・・・・はぁ・・・」
「ジャーン!・・・・あれ?ほら、はよ来い」
お姉さん達に引きずられるように入って来た真希ちゃん・・・・・・・え?
「不束者ではございますが、今後ともよろしくお願いいたします・・・って、
あんたが言わんでどーする」
純白で可愛いひらひらのレースがついたネグリジェを着た(着せられた?)真希ちゃん。
大きなリボンでぐるぐる縛られて。
真っ赤になってうつむいちゃって。
「・・・あ・・・・え?・・・・プ・・レゼント?」
「そ。梨華ちゃんにね、可愛がって欲しいんだ。私達の大切な妹を。受け取って
もらえるかな」
- 875 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:53
- 「・・・・はい、もちろん喜んで」
そっと近付いて、抱きしめる。
「梨華ちゃ〜ん、恥ずかしいよぉ・・・・・もう泣きそう・・・うぅぅ・・・」
「どうして?今までで一番嬉しいプレゼントだよ?可愛いよ、真希ちゃん」
いつもと立場が逆。こんなに照れて真っ赤になった真希ちゃんなんて、見たこと無い。
「真希はいい格好しぃーだから、梨華ちゃんの前ではさ、あんまし自分の弱い
ところって見せてないでしょ。女の子な部分とか」
「・・・・・はぁ・・・いや、そんなことは・・・」
「この子ね、梨華ちゃんとなかなか会えない時って、何してると思う?」
「え・・・何って別に・・・」
「ちっちっちっ、分かってないね。梨華ちゃんに会えない日はね、寂しくて寂しく
てしょうがなくてね、梨華ちゃんの写真集見ながらね、独りエ・・・・」
「わぁぁぁぁーっ、ちょっ、待って・・なんでそんな・・・ふがぁ・・・モゴモゴ・・・」
- 876 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:55
- 「お後よろしく・・・」
「お、サンキュ・・・・梨華ちゃんの写真集を見ながらね、独りで慰めてるんだよ?
梨華ちゃ〜ん、会いたいよ〜って半ベソかきながら」
「えぇ?・・・真希・・・・ちゃん?」
「・・・・もうやだ・・・信じらんない・・・」
床にうずくまってしまった真希ちゃんを見下ろして。
「この子ね、本当はね、梨華ちゃんに抱かれたいんだと思うの。でも、格好いい
王子様でいなくちゃいけないって、勘違いしてるのよ。梨華ちゃんだって、たま
には真希にしてあげたいって思うでしょ」
「・・はい、思います」
「そんな時はね、遠慮しないで、してあげればいいのよ。ね?」
「はい!・・・あ、でも・・・その・・・」
「ん?」
「あの、いつも先に・・・・その、・・・で、終った時には力が抜けちゃって・・・・」
「ふ〜ん、そんなに上手いんだ。何時の間に・・・・」
- 877 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 00:57
- 「ねー、もういいじゃん、やめようよ、趣味悪いから・・・・」
「あんたはちょっと黙ってて。梨華ちゃんからね、真希に欲しいって言ってごらん?
きっと、まだまだこの子が隠してる部分、いっぱい見れると思うよ?」
「・・・お姉ちゃん、もういいから・・・・」
「もう一つだけ。いつかは別れなくちゃいけないって不安、あるよね?正直なところさ」
「・・・・・はい」
「それ、全く心配ないと思う」
「・・・・・え・・・・でも」
「今のこの子には梨華ちゃんしか見えない。恐らく、この先もずっと。身内であなた達の
関係を否定する人間もいない。みんな応援してる。本当に自分に必要な事は何かを良く
考えてみて?本当の心、素直な気持ちを大切に。ね?受け取ってくれるかな、二十歳の
あなたへのプレゼント」
- 878 名前:Usual days 投稿日:2005/02/13(日) 01:00
- お礼を言いたいのに、涙でお姉さんの顔が見えなくて。
私の肩に顔をうずめて、震えながらしゃくりあげてる真希ちゃんを抱きしめて
必死にうなずく。
「良かった。さ、ほら二人ともお部屋へ行った行った」
「・・・グスッ、・・・で、でも、後片付け・・・・」
「そんなこといーから」
と、キッチンの方から・・・
「お、まだ飲み足りないのか!」
「うわ、やばい。ほら、母さんが軍事介入しないうちに、ね」
「はい、じゃ・・・ありがとうございました。おやすみなさい・・・真希ちゃん、いこ?」
「・・・・ん」
「はぁ〜・・・・いいな、若いって」
「はいはい、じゃ二人でさ、スッピンでプリクラでも撮りますか?」
「「・・・・ありえね〜」」
- 879 名前:たまえす 投稿日:2005/02/13(日) 01:03
- 次回の更新も、早くて1週間後になります。
それでは、失礼致しました。
- 880 名前:満腹名無し。 投稿日:2005/02/13(日) 18:22
- いつもROMさせて頂いてます。
こちらの、いしごま特にごっちんが面白すぎて壺に入ってます。
続き、楽しみに待ってます。
- 881 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/14(月) 00:44
- 更新お疲れ様です。
自分、後藤家の家族構成がイマイチわからないんです。
もし、よろしければ簡単に説明していただけないでしょうか。
- 882 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:25
- 「見せたの?」
「見せてません」
「見せたんでしょ?」
「見せて無いって言ってるじゃないですか」
相変わらず騒がしい楽屋内。
突然、よっすぃ〜と麻琴が言い争いを始めた。
原因は分からないけれど、こいつらの揉め事は、犬も食わない系が
ほとんどなので、しばらく放置して観察することにする。
「じゃあ、見られたんでしょ?」
「・・・そりゃー、もしかしたら・・ちょっと位は・・見られたかも・・」
「ほらぁ」
「しょーがないじゃないですか!」
「はぁ〜?しょうがない?」
「じゃ、どうすれば良かったんですか」
「そんなやつ断われよ」
「無茶苦茶なこと言わんで下さいよ」
- 883 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:26
- ・・あ〜、梨華ちゃんが動いた。・・・まだ止めるの早いよ。
「ちょっと、どうしたのよ」
「な、何でもねーよ」
あ、ほら。よっすぃ〜が気まずくなって、出て行っちゃった。
・・・まだまだだね。
あ、なんか圭織の気持ちが、ちょっと分かったような気がする。
もしかしたら、いつも圭織はこんな気持ちでおいらのことを見てたのかな。
・・・タヌキ傍観者も世代交代か。
ん?ちょっと待てよ。
・・・サブリーダーって・・・・
・・・ダメじゃん。
- 884 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:28
- 声を掛けた途端、出て行ってしまったよっちゃん。
残された麻琴は・・・・
「うぅ・・・グスッ・・・吉澤さんのばかぁ・・・」
可愛そうに、涙ぐんでる。
胸に抱いているのは、自分の写真集。
「どうしたの?」
「・・・やっと出来たから・・せっかく見てもらおうと思ったのに・・・」
元気の無い弱々しい声。
「うん」
「あのぉ、表紙を見てぇ・・・うぅぅ・・」
「何か言われたの?」
写真集を手に取って表紙を見てみる。
うん、なかなかどうして可愛いじゃん。
でも、アングルが・・何気にセクシー?
- 885 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:30
- 「カメラマンにパンツ見せたろって」
「・・・・・は?」
「グスッ・・・そんなこと言われたって」
「それだけなの?」
泣きながら頷いてる。
アホか。水着着てるに決まってるじゃん。
いい歳こいて、カメラマンさんに嫉妬だなんて。
「麻琴、待っててね。とっちめてくるから・・愛ちゃん、ちょっとお願い」
「あ〜い」
心配して来てくれた高橋に麻琴を任せて、ひとみちゃんを探しに部屋を飛び出した。
何処に行ったんだろ。
フロアのラウンジに行ってみる。
スタッフさんが数人。
- 886 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:31
- 「あの、よっすぃ〜来ませんでした?」
「いや、こっちには来てませんよ」
「そうですか、ありがとうごさいます」
てことはエレベーターにも乗ってない。
・・・階段!
上か下か。
上はスタジオ。別の番組の準備してた。
下か。
エレベーターに飛び乗る。
1階で降りて辺りを見回すと。
・・・いた。
カフェのパーテーション越しに見える金髪。
つかつか近寄って、一発お見舞いしようと手を振り上げかけて、異変に気付いた。
「ひとみちゃん?」
椅子にもたれて俯いたまま、じ〜っとコーヒーを見詰めている。
- 887 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:33
- 「またやっちゃった」
「え?」
「麻琴・・・泣いてた?」
「うん」
「はぁ〜、ダメだなぁ。何やってんだあたし・・クソッ」
隣に腰掛けて。
「分かるよ、よっちゃんの気持ち」
「・・・うん」
「でもね、麻琴、初めてだったんだよ。一番最初に見て欲しかったんだよ。
可愛いねって、言って欲しかったのよ」
「・・うん」
「ね、戻ろ?」
「・・・恐いよ」
「何言ってんの」
「許してくれるかな・・・」
- 888 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:34
- 「当たり前じゃない。いまのあなたたちを引き離すものなんてあるわけ
無いじゃない。バカなこと言ってないで、ちゃんと謝ろ?」
「梨華ちゃん」
「ん?」
「・・・ごめん」
「謝る相手が違うでしょ。ほら、いこ?」
手を繋ぐと、そのまま引っ張って3階へ戻る。
楽屋口まできた時、急に立ち止まったひとみちゃんに腕を引っ張られた。
「お願い、呼んできてよ梨華ちゃん」
・・・まったく。
「わかった。そのかわり、ちゃんと謝るのよ」
「うん」
そっと中に入ると、同期に囲まれた麻琴のところへ。
- 889 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:35
- 「・・心配すっことえんて。大丈夫やよ」
「マコが可愛いから恥ずかしくて照れてるだけなんだよ、きっと」
「あれは吉澤さんの気持ちの裏返しだよ。いつもの事じゃん。
まこっちゃんがね、可愛いって言ってるのと同じだからさ。
元気出しなよ」
・・・お、こんこんとお豆の分析・・・鋭いじゃん。
「麻琴、ちょっといい?」
心配そうな3人に大丈夫、と微笑んでから沈んでる麻琴を連れ出す。
・・・あれ?いない・・・
見回すと、ラウンジから顔を出してる。
「麻琴さ、よっちゃんが恥ずかしがりでやきもち焼きって、良く知ってる
じゃん。あんな人前で見せられたらさ、照れてああなるって想像がつくで
しょ?もう、いい加減慣れなきゃ。いちいち怒ってたら、身が持たないよ?」
- 890 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:37
- 「分かってるんですけどぉ、でも・・・」
傍目には、とても微笑ましいんだけど。
・・やっぱり、女の子だったら素直に可愛いねって、言って欲しいよね。
しかも、ある事情のために、ずぅ〜〜っと先延ばしになっていて、やっと
できた写真集。
「ほ〜ら、ドォーンとよっちゃんの胸に飛び込んじゃえ」
そっと背中をおしてあげると、そろそろと近づいて。
・・・そして、お互いに吸い寄せられるように抱き合った。
- 891 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:39
- 「・・・ごめん」
「・・・うん」
「ホントはね」
「・・・うん」
「楽しみにしてた」
「・・・うん・・グスッ」
「今日、来れる?」
「・・・うん」
「一緒に見よう」
「・・・うっ・・うぅ・・」
「ごめんな・・・泣かしてばかりで」
「・・うっ・うっ・」
「愛してる・・・」
- 892 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:40
- ・・あっ、ちゅーした・・
・・え?まりっぺ・・何時の間に・・
・・やっぱ心配な訳ですよ、リーダーとしては・・
・・そうですよね。あの二人は・・・
・・いや、梨華ちゃんが余計な事してんじゃないかって・・
「はぁ〜?何でですかぁ?」
・・ばか、隠れろ!・・
慌てて楽屋のドアを開けようとしたら・・
『ドタッ!バタバタ・ギャ〜・イッテェー』
・・・ハァ〜、まったく。
ドアを開けてみると・・・
重なり合って倒れ込んで呻いてる出歯亀ども。
- 893 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:43
- 「おまえら、何やってんだ?」
「エヘヘ・・・ち、ちょっと・・ねぇ」
「いや、ほら、どうなったかなぁ〜って」
「そ・・そうそう・・・あは、あははは」
・・・うぅぅぅ〜・・・・・
「あ・・・やぐっつぁん、プルプルしよる。どげんしょったと」
「うさちゃんピ〜ス!」
「コラァ〜〜ッ、お前達ー!」
「「逃げろー!」」
・・フゥ〜・・結局、いつになっても娘。の楽屋って変わらないのよね。
以上、チャーミー石川でした〜。チャオ〜!
- 894 名前:Usual days 投稿日:2005/02/19(土) 20:50
-
・・・梨華ちゃんさ、そのキャラまだ引っ張るの?
・・・チャーミーは永遠ですから。
・・・そうなんだ・・・
- 895 名前:たまえす 投稿日:2005/02/19(土) 20:52
- >>880 満腹名無し。様
いつもお付き合い頂き、ありがとうございます。
描写力に乏しいので、読み苦しい点も多々有ろうかと思いますが、
そう言って頂けると嬉しいです。
あと、出来ればレスはsageで頂けると助かります。
- 896 名前:たまえす 投稿日:2005/02/19(土) 20:54
- >>881 名無飼育さん様
ありがとうございます。
キャラクター的にはフィクションですが、家族構成はリアルと
お考え下さい。
- 897 名前:たまえす 投稿日:2005/02/19(土) 20:58
- 本日はここまでです。
それでは失礼致しました。
- 898 名前:名無し読者 投稿日:2005/02/23(水) 23:00
- チャーミーは不滅です
- 899 名前:たまえす 投稿日:2005/02/26(土) 14:55
- 程良く下がってきましたので、後藤家続編から更新いたします。
若干のエ○シーンがあるので、守備範囲でないと思われる方はスルーして
下さい。
- 900 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 14:57
- 「真希ちゃん、泣かないでよ」
「・・・グスッ、ひどいよ・・・姉ちゃん達・・・あんなかっこ悪いこと言わなくたって
いいじゃん・・・」
「どうして?かっこ悪くなんか無いよ。私、すごく嬉しいの。そんなにも私の事を
思ってくれてたんだって。だってさ、会えない時に普通でいられたらさ、なんか
悔しいじゃない」
「むぅ・・・・」
「私もね、一緒だよ?前にね、矢口さんに教えてもらったの。真希ちゃんが卒業
したばっかりの頃ってね、私、寂しくて泣いてばかりだったの。そのときにね、寂
しい時、不安になった時はね、真希ちゃんに抱かれてる時のことを考えてごらん
って。静かに目を閉じて、いつも真希ちゃんがどんな風に愛してくれてるかを、ど
んな優しい言葉をささやいてくれたかを思い出してごらんって。そうするとね、何時
の間にか不安なんか消えちゃうよって」
「・・・・うん」
「ね。それからはね、寂しくても我慢できるようになったの。真希ちゃんがね、優し
く愛してくれたときのことを思い出すとね、体が温かくなってね、とっても幸せにな
れるんだよ?」
「梨華ちゃ〜ん・・・・・」
「ん?」
「ごめんね・・・・グスッ・・本当は私、カッコいい王子様なんかじゃない。梨華ちゃん
がいないと寂しくっておかしくなりそうなただの弱い女の子・・・」
- 901 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 14:58
- 「今さら何言ってんの。かっこいい真希ちゃんも、優しい真希ちゃんも、可愛い真希
ちゃんも、そして弱い真希ちゃんも。全部合わせて真希ちゃんじゃない。私はそんな
真希ちゃんだから・・・・好きなの」
「うぅぅ・・・・梨華ちゃん、梨華ちゃん・・・」
ちっちゃい子みたいに私の胸に顔をうずめて泣いてる真希ちゃん。
そっと頭を抱いて、髪を撫でてあげる。
可愛い。お姉さんの言った通り、確かにこんな真希ちゃんて、今まで見たこと無いかも。
「これからはさ、私にももっと甘えてね。私も、いっぱいい〜〜っぱい甘えちゃうからね」
「・・・・ん」
「真希ちゃん、可愛い・・・」
「・・・恥ずかし・・・」
そっと顔を上げた上目使いの真希ちゃんが、めちゃめちゃ可愛くて。
・・・・・・キス。
ちょっと涙でしょっぱい唇に舌をスッと差し入れると、ごく自然に迎え入れてくれて。
真希ちゃんの気持ちが絡めた舌先から熱く伝わってくる。
キスだけで、こんなに気持ちいい。
手探りでネグリジェのボタンを外して袖を抜くと、そっとベッドに押し倒し、しばらく
キスを堪能する。
- 902 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 14:59
- なんて滑らかな舌触りなんだろう・・・
フッ、と唇を離して、真希ちゃんを見る。
薄目を開けて、まだ少し開いた唇から舌がチラチラ見え隠れ。
「ん・・・・もっと欲しいの?」
無意識だったのか、はっと目を開くと、ボンッって音が聞こえそうなほど真っ赤に
なって、顔をそむけてしまった。
目の前には、真っ赤に染まった大きな右の耳。
耳たぶにチュッとキスをすると、身体がビクッと反応した。
そのままついばむと、ズルズルと頭を引っ込めようとする。
「だーめ、逃げちゃ・・・・」
・・・パクッ・・・
「あぅ・・・」
真希ちゃんの耳って一口で食べるにはちょっと大きくて。
ペロペロしながら、反対側の左耳からうなじの方へ指でさわさわ。
唇を耳から首筋に少しずつ下ろして行って、うなじの手は背中に滑らせながら
ブラを外して。
- 903 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:00
- 透き通るような真っ白な真希ちゃんの肌に、しばし見とれる。
「・・・や・・・・恥ずかしいよ・・・・」
んふ・・・
柔らかくて、仰向けになると控えめになってしまう胸に両手を添えて、そっと
感触を確かめてみる。
マシュマロみたい・・・・ふわふわ。
付き合って何年も経つのに私、真希ちゃんの、こんなことすら知らなかったんだ。
・・・・いままで甘えてばかりでごめんね・・・・
先端に触れると、ビクッとして、身体をよじって逃げようとする。
「ごめん・・・痛かった?」
ちょっと考えてから、首を横に振る。
そっか。真希ちゃんて、するのは慣れてるけど、されるのはほとんど経験が・・・・
いつも私にしてくれるようにしちゃダメなんだ。もっと優しく・・・・
そうだ。私と付き合い初めた頃の、あの真希ちゃんのタッチ。
- 904 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:01
- 指の腹でそ〜っと先端に触れてみる。
「・・・あ」
両方の頂きにくるくると親指を滑らせながら、残りの指で乳房から脇腹を刺激
すると、真希ちゃんの身体が、ビクッ、ビクッって反応する。
ダンスレッスンで鍛え上げられた、全く無駄な贅肉の無い身体。
のけぞった時の首筋が、とても色っぽい。
次第に、白い肌が桃色に染まり初めて、時々呼吸が小刻みになって。
大丈夫かな・・・・
かなり確かな指触りとなった先端をそっと摘まんでみる。
「もし痛かったら言ってね」
これ、いきなりギュッてしたら、絶叫するほど痛いんだよね・・・・・前に自分で
試したことがあって。涙がちょちょ切れて、部屋を転げ回ったっけ。
最初はゆっくりと優しくこね回して反応を見てみる。
「・・・ウッ・・・ンッ・・・・アァ・・・アウッ・・・」
お、いい感じ。
- 905 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:02
- も少し強めに・・・
「あぁぁぁぁっ・・・」
ビクッ!
やってる私が驚いた。
こんな真希ちゃん、見たこと無い。
でも、なんか嬉しい・・・
リズミカルにクニュックニュッと繰り返す。
感じてる真希ちゃんの表情をじーっと見ていたら、私の体の中も熱くなってくる
のを感じた。
「ンンンンーッ、・・・アァァァァッ・・ハァハァ・・・アゥッ・・・・」
・・・真希ちゃんて、どっちの方が感じやすいんだろ。
右手を離してみる。
「ハァ・・ハァ・・・」
ん?
今度は、逆に左手を離して右手で左の乳首をこねくり回して・・・
「アウゥゥーン・・・アァァァッ・・・」
やだ。私と一緒じゃん。
- 906 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:03
- では・・・・
左をぱくっと口に含むと、舌でぐりぐりと転がし、右は指でつまんでこね回す。
息使いがさらに激しくなってきた。
さらに押し付けるようにして速くしてみる。
「あぅぅ・・・・ちゃ・・・り・・・かちゃ・・・あぁぁぁ・・・待って・・・や・・はぅぅ・・」
え?待ってって、どうしたの?
一時中断・・・・
「真希ちゃん、大丈夫?」
「ハァ・・・ハァ・・・・・ングッ、ハァ・・・苦しかった・・・」
「えぇ?ご、ごめんね、痛かった?」
「違う・・・はぁ〜・・・息が・・ケホッ、できなくて・・・・ケホッ・・・死ぬかと思った・・・」
「ごめんね、強過ぎた?」
目を合わすと、恥かしそうにすぐ逸らしてしまう。
いやぁ〜〜ん、カ・ワ・イ・イ。
- 907 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:04
- 「ま〜きちゃん、教えてくれなきゃ分かんないよ。ちゃんと気持ち良くしてあげたいの」
「・・・恥かしいから・・・大体、何で梨華ちゃん、着たままなのさ・・・しかも、思いっきり
電気つけっぱなしでさ」
「え?・・・あ〜、で、でも真希ちゃんだってさ、電気消してくれたのって最初の頃だけ
だよ?今は明るいお部屋で思いっきり恥かしい格好させるじゃない。『梨華ちゃんの
ピンク舐めちゃお〜』とか言いながら。それに、まだ胸をいじってただけだよ?」
「むぅ・・・・」
あれ、黙っちゃった。
「ね、続き・・・・しよ?」
「・・・・暗くしようよ・・・」
「嫌。だって、私は真希ちゃんと違って初心者だからさ、間違って変なところに突っ込
んじゃったら嫌でしょ?」
「え〜、・・・間違ってもいいからさぁ、せめてスタンドだけにしようよ・・・・梨華ちゃ〜ん
お願いだからさぁ」
「じゃね、お部屋の電気は消すから。ベッドの上だけ残して」
「・・・いじわる」
ポチッとお部屋の電気を消して、ベッドの明かりも少し落として。
「これでいいでしょ?」
- 908 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:05
- 「脱いでくんなきゃやだ」
「え〜、・・・なんかね、私が脱いだ途端、立場が逆転しそうで・・・」
「梨華ちゃん・・・・今日はね、私はプレゼントなの。だからね・・・・あ〜恥ずい
・・・・その・・・してもらうって決めたから・・・」
本当に恥かしがる可愛い真希ちゃんの言葉が、私のハートを直撃した。
色気も素っ気も無い、相変わらずの中学ジャージを脱いで。
良く考えたら、真希ちゃんの見てる前で、こうして自分で下着を取るのって、
始めてかもしれない。
恥かしいのはお互い様。 思い切って・・・・
「梨華ちゃん・・・・すごい・・・綺麗・・・」
「・・・すごく恥かしいんだけど・・・」
「はい、じゃそこでゆっくり回って」
「え〜っ、何で・・・」
「お願いお願いおーねーがーい〜。ね?ぐるぅ〜ってさ。いつもさ、いきなり襲い
かかってたから、こうしてしみじみオールヌードを鑑賞した事って無いじゃん」
ベッドの上にちょこんと正座して、大きな瞳をキラキラ輝かせて。
「り〜か〜ちゃ〜ん、ねぇ、早くぅ〜」
- 909 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:06
- 負け。やっぱり私の負け。
あんな可愛い顔でおねだりされたら。
「や、やるよ?」
めっちゃ笑顔でうなずいてる。
まァ・・・・衣裳だって、時には裸よりも恥かしいやつがあるもんね。
昔ダンスレッスンで教わった通りにスローターンを決める。
出血大サービスで2回転。
・・・おっし、決まった。・・・って、・・・あれ、反応無し?
真希ちゃんを見ると、ぽわ〜んと口を半開きにして固まってる。
「真希ちゃん、どしたの?」
「・・・ダメだ・・・」
「えぇ?駄目だった?」
- 910 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:07
- すると、ゆっくり首を横に振りながらベッドから降りてきて。
「梨華ちゃんじゃなくて、私がダメ」
「どうして?」
「梨華ちゃんが綺麗すぎるから。梨華ちゃんの身体が、いやらしすぎるから・・・・」
「・・・・どういうこと?」
「欲情した」
「・・・は?」
「だから先にさせて。もう無理。絶対に無理。我慢できない。欲しい。
梨華ちゃんが欲しい。後でちゃんと梨華ちゃんにもさせたげるから。
だから、お願いだから・・・」
「ち・・・ちょっと、何で泣いてるの?」
私の太股に縋り付いて頬ずりをしていた真希ちゃん。
ふっ、と見上げた顔は、涙に濡れていた。
「うぅぅ・・・・だって、約束したから・・・今日は我慢し・・ヒック・・・梨華ちゃんに
してもらわなきゃって・・・でも、我慢できなくって・・・・気持ち抑えようとしたら
・・・なんか涙が・・・・あは・・・・ごめんねェ・・・・」
- 911 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:09
- 心をギューッて掴まれたような気がした。
こんなにも自分を欲してくれる最愛の人。
私、ここまで何かを欲しいって思ったこと、あっただろうか。
真希ちゃんの手を取ると、ベッドの脇まで誘導して。
そして、自然に出た言葉。
「真希ちゃん・・・抱いて?」
ゆっくりとベッドに沈めてくれて。
そして、本当に私の事を慈しむ様に、甘く優しく時に激しく、思う存分愛してくれて。
とても素敵な二十歳の初夜となりました。
・・・結局、攻守を入れ替わることは叶わず。
でも・・・・やっぱり私、抱いてもらう方がいいかな。
真希ちゃんの腕の中で、ずっと幸せを感じていたい。
やっぱり、あなたは私の王子様。
愛してるよ、真希ちゃん。
- 912 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:15
-
翌朝。
コソコソと、何やら怪しい動きをしている人影を見つけて後をつけると・・・
「真希、あんたこんな朝っぱらから何やってんのよ」
「あ!お姉ちゃん・・・・・あ〜・・・いや、ちょっと洗濯を・・・・」
「梨華ちゃんは?」
「お仕事に行っちゃった。あ、そーだ、皆さんによろしくお伝え下さいって。
ものすっご〜〜っく喜んでた。やって良かったねぇ」
「忘れてたくせに・・・・・」
「うっ・・・・」
「そう言えばさ、あれからどうだった?」
「・・・・・・・・え?」
「とぼけるんじゃないよ。ちゃんと抱かれたのかって聞いてるの」
「あ〜・・・・いゃ〜、美味しく頂いちゃいました」
「やっぱり。あの後、姉さんと言ってたんだ。絶対我慢できないだろうって」
「・・・・だって・・・・ねェ・・・」
「ま、しゃ〜ね〜な、あたしだって借りたい位だから。可愛いよね。大切にしろよ?」
「わかってます」
- 913 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:17
- 「で・・・・・何を洗ってるの?」
「んぁ?・・・・エヘヘヘ・・・ちょっとねー」
「シーツ・・・とか?」
「おっ、ピンポ〜ン」
「あんた、お漏らしでもしたの・・・・」
「いやぁ〜、したというか・・・させたというか・・・」
「あ〜、吹いちゃった」
「そりゃ〜もう思いっきり・・・」
「マットレスまでいってるんじゃないの?」
「ん、大丈夫。シーツの下にペット用のトイレシートを敷いといたから」
「賢いじゃん」
「まーね」
「初めからヤル気満々だった訳だ」
「やめてよ、そういう言い方。まるで変態みたいじゃん」
「フッ、何を今更・・・・でも、おしかったなァ」
「何が?」
- 914 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:17
- 「出品したら儲かったかも」
「何を?」
「ん?梨華ちゃんの潮吹きシーツ!」
「バカじゃん、どっちが変態なのさ。バ〜カ」
「あ、あんなにネタを仕込んで協力してやった姉ちゃんに、バカとは何だ?バカとは」
「うっさいよ」
「あ、一つお願いがあるんだけどな」
「どーせろくなことじゃ無いんでしょ」
「梨華ちゃんをさ・・・一晩だけ貸してよ」
「はぁ?ありえないから。何で可愛い妹の彼女を・・・・」
「いや、梨華ちゃんて、マジでかなりキテるよ。昨日、本気で覗きに行こうかと思ったし」
「・・・うちに連れてくるの、もうやめるわ」
「何でよ。・・・・あ、じゃあ、貸してとは言わないから・・・・・混ぜて」
「はい?」
「いや、一緒にならいいじゃん・・・」
「・・・信じらんない」
- 915 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:40
- 「梨華ちゃんの写真集に糊付けしちゃったのって、実は私だったりして・・・」
「はぁ〜?何て事すんのさ。・・・そーだよ、良く考えたら、あたし、片手しか使わ
ないもん。くっつく訳無いから」
「え?何で両手でしないのさ。まだまだ青いなぁ真希は。そんなんで、良く
梨華ちゃんは満足してるね。」
「ほっといてよ。技より愛なんですぅ。それより写真集、買って返してよね。」
「いいじゃん、あんたあの写真集10冊位持ってるんだから」
「あれは保存用なの!もう絶対、うちには呼ばないから」
「ちゃんとおもてなししてあげるって」
「誰がこんなケダモノのいる家になんか」
「おっ、言ったな?お前だって狼の血を引いてるんだぜ?」
「私は可愛い子羊でっす!」
「ほぉ〜、梨華ちゃん食べたくせに何が可愛い子羊さ。美味しく頂いちゃったんだろ?」
「あ・・・・っと、・・・うぅぅぅぅ・・・」
「やぁ〜い、言い返せねーでやんの。フッ・・・血は争えないゼ」
- 916 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:42
- 「ねぇ愛ちゃん、今日の石川さん何だかおかしいよね。いつも朝はテンション
低いのに、今朝は来てからずぅ〜っとニャニャしてるし」
「ほやね。さっきなんかぁ、ロマンチック浮かれモードのサビだけリピートしな
がらスキップしてたで」
だれがどう見てもおかしい石川の奇異な行動を見ながら、憶測をふくらます
メンバー達。
でも、その中の何人かは、無論理由などお見通しな訳で・・・・
「あ、今度はそっと口づけてギュッと抱きしめてになりましたねぇ。どうして美貴
ちゃんの曲ばっかりなんですかね」
「ん?美貴のって、以外と可愛い恋愛の曲が多いじゃん」
「でも、どうしちゃったんだろ・・・」
「紺ちゃん・・・理由を知りたい?」
「え、知ってるんですか?」
「もちろん。昨日は誰の誕生日?」
「石川さん」
「じゃ梨華ちゃんはさ、その大切な記念日を誰と過ごしたと思う?」
「え、でも・・・美貴ちゃん、昨日はお仕事で一緒だったんじゃ・・・」
- 917 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:43
- 「夜だよ、夜」
「あっ、・・・じゃあ・・・・」
「・・・もっと聞きたい?」
「いぇ、いいです・・・・・」
「あれぇ〜、何でまた、そんなに真っ赤になっちゃって。こ〜んちゃん、
何を想像しちゃったのかなァ〜」
「なっ、何でも無いです」
「うそうそ。美貴にも教えて?」
「・・・うぅ、い・・・言える訳・・・無いじゃないですか」
「あ〜、美貴にも言えないようなヤラシイ事を想像してたんだ」
「知りません!」
ぷーっとほっぺをふくらませて背中を向けてしまった紺ちゃん。
んもぉ〜、可愛い〜っ!
そのまま背中から抱きしめる。
- 918 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:44
- 「こーんちゃん」
「あの・・あの・・・は、恥かしいじゃないですか・・・」
美貴にだけ聞こえる程の小さい声。
恥かしいとか言いながら、前にまわした美貴の腕にそっと手を添えてくれる。
でも、髪からちょっと覗いた耳は、真っ赤。
「ね、知ってる?」
「な、何ですか・・・」
「もうすぐね、美貴の誕生日なんだよ」
「も、もちろん知ってますよぉ」
「・・・美貴ね」
「はい」
「欲しいプレゼントがあるんだ」
「えぇ?・・・あの・・・あの・・・おこずかいで買える範囲で・・・・
- 919 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:45
-
「紺ちゃんが欲しいナ・・・」
・・・・・あれ?
リアクション無し?
と思ったら、身体が小刻みに震え始めて。
美貴の手に、ポタポタと雫の落ちる感触。
・・・・え?
「紺ちゃん?」
顔を覗き込むと・・・・・
口をキュッと結んで、声を出さずに涙をこぼしている。
「えぇ?ち、ちょっと・・・あ〜、ごめん。ごめんね?悪かった。また美貴、調子に
乗っちゃって・・・・ホントごめん。ね?泣かないで、もうあんなこと言わないって
約束するからさ」
- 920 名前:Usual days 投稿日:2005/02/26(土) 15:48
- 「あ、こんこんが泣いちゃった。どうしたんですかね・・・」
「いいからほっとけって」
「え、・・・でもぉ」
「麻琴にはさ、悲しくて泣いてるように見えるのか」
「いや、わからないじゃないですか・・・・ん?」
「お、気付いたか?良くみてみな、ミキティの手をしっかりと胸に抱いてるだろ?
ミキティがさ、よっぽど嬉しい事を言ってくれたんじゃないか?あ〜熱い熱い・・・・」
「そっか・・・よっしざわさ〜ん、私にも、熱くなるような囁きとか・・・・無いんですかぁ?」
「バカ・・・よせよ、こんなところで・・」
「えぇ〜、聞きたい聞きたい〜」
「ふっ、しょうがない奴だなァ。・・・・麻琴・・」
「・・はい(うるうる・・)」
「・・・腹減った!」
「うっ・・・・ばかぁ〜〜〜っ!」
- 921 名前:たまえす 投稿日:2005/02/26(土) 15:52
- >>898 名無し読者様
ありがとうございます。
益々輝きを増す石川サンから目が離せません。
- 922 名前:たまえす 投稿日:2005/02/26(土) 15:52
- 隠します。
- 923 名前:たまえす 投稿日:2005/02/26(土) 15:54
- 本日はここまでです。
次回の更新は2週間ほど後になる予定です。
それでは、失礼致しました。
- 924 名前:名無し読者 投稿日:2005/02/27(日) 17:57
- 甘いです。。。
読みながら顔がとろけそうな甘さです(^^)
- 925 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/28(月) 15:18
- 未だにウブな紺野さんがステキ過ぎ!
- 926 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:23
- 相変わらずバカップルの花咲く控え室の隅っこで、人間ウォッチング
を楽しんでいる。
アホみたいに独りで浮かれてる梨華ちゃん。聞かなくても、昨日何が
あったかバレバレ。
亀ちゃんのベタなラブラブアタックをうっとうしがる振りをして、実は嬉し
くてしょうがないれいな。
よっすぃ〜のボケに本気で怒ってる麻琴。
かいがいしく高橋の世話?を焼く垣さん。
人目をはばからずこんこんを抱きしめて鼻の下を伸ばしまくっているミキティ。
うん、なんか落ち着く。
これがリーダーってもんなのかねぇ。
・・・・かなりちっちゃくなったけど。
そんなおいらの隣には・・・・
何故か嬉しそうにちょこんと座っている重さん。
・・・・・・?
- 927 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:24
- 「重さん?」
「はい!」
お、いい返事。
「何でそんなに嬉しそうなの?」
「えっ、何で分かったんですか?」
「いや、何でって、めっちゃ嬉しそうな顔してるから・・・」
「はぁ〜、やっぱり私って、素直だからすぐ顔に出ちゃうんですネ」
恐らく、何の疑いも無くそう思っているのだろう。
ここまで徹底してると、かえって可愛い。
「いい事でもあったの?」
「はい!今度のオフの日が飯田さんと一緒なんです。それで、うちに遊びに
おいでって、さっき誘ってもらったんです」
- 928 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:25
- 「おっ、良かったじゃん」
「はい!」
本当に嬉しそう。
ん?
いきなりミキティが謝りだした。
・・・・またかよ。
ちょっと観察。
ははァ、殺し文句を言ってまた泣かれたな・・・
こんこんの涙に過剰反応し過ぎ。
てゆーか、この二人ってさ、この状態ですっかり落ち着いちゃってるけど
・・・どうなってんの?
近いうちに、ちょっと探りを入れてみるかな。
- 929 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:26
- 「矢口さん?」
重さんに腕をツンツンされて。
「ん、どした?」
「大丈夫ですよ」
にっこり笑顔で・・・・
「・・・・へ?」
「あの二人は大丈夫って、飯田さんが言ってますよ?」
「・・・・そ・・・そう・・・」
「はい!」
・・・・ん?ちょっと待て。おかしくないか?
- 930 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:26
- ・・・言ってます?過去形なら、『言ってました』・・・だろ?
大体、誰がどうしたなんて、おいら一言も口に出してないし。
そう言えば、圭織の家に行く話も、さっき誘ってもらったって・・・・
今日は朝早かったし、圭織には会っていないはず。でもって、重さんが
携帯を使っていた様子は無かった。
ここに来てから、ずっとおいらの隣にいるし。
・・・鳥肌が立って来た。
隣を見てみる。
ちょっと首を傾げて、どうしたんですか?って顔をしている。
・・・・可愛い・・・・
どうやら、あまり深く考えない方がいいらしい。
伊達にいつも圭織の隣にいた訳じゃなさそうだ。
- 931 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:28
- 大丈夫、と言われても・・・・気になりだしたら止まらない。
こんな時に限って早く上がれたりして。
こんこんを愛垣コンビにさらわれて、ちょっと不貞腐れ気味のミキティに
恐る恐る声を掛けてみる。
「み〜きちゃん!この後、予定ある?」
「無性に焼肉を暴れ食いしたい気分なんですけど」
あ〜・・・やっぱ、ご機嫌斜めだし・・・
「・・・あ・・・あのさ、それは止めといた方が・・・」
「どうしてですか?」
・・・それ以上ナイスバディになったら・・・なーんて・・・
言える訳ねーだろ!
「いやぁ〜・・・もし良かったらさ、ちょっと付き合ってもらえないかなァ〜
・・・なんてネ。焼肉じゃないけど、お茶とケーキなら・・・」
「行きます!」
・・・早っ!
「オッケー。じゃ、行こうか」
そっと、ポケットの中で携帯のメール送信ボタンを押す。
- 932 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:28
- 前からの約束とか何かで、体良く紺ちゃんを、愛ちゃんとお豆にさらわれて。
また紺ちゃんを泣かしちゃって、ちょっとブルーになっていた時、矢口さんに誘われた。
ダメ出しでもなんでもいいや。気が紛れるもん。
ちっちゃいけど、歩くのが速いんだよね。
置いて行かれないように、一生懸命に付いて行く。
そのうち、ビルの間の狭い階段を降りて・・・あれ?この喫茶店・・・確か・・・
「いらっしゃいませ。いつものお席でお連れ様がお待ちです」
「マスター今晩は。お世話になります」
・・・お連れ様?
奥の方を覗くと、いつもの席で思いっきり手を振っているあのひと。
「遅いぞ矢口」
「ごめんごめん、これでも急いだんだよ、ね?美貴ちゃん」
「え!美貴ちゃ・・・あ、はい・・・えっと」
「ほらぁ〜、座って座って」
- 933 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:30
- 「あ・・・あの、いつの間に・・・・」
「ん?どした?」
「あ、いや・・・何でも・・」
「へ〜んなの。 なあに?言ってみそ?」
「あの、てっきり矢口さんのダメ出しタイムかなァ〜って思って・・・」
「あ〜、矢口がリーダーになったら厳しくなった?」
「いや・・・そんなことは・・・」
「ねー、おいら優しいよね、みーきちゃん」
「あっはは、やーぐちぃ、そーいうのを脅迫って言うんだべさ」
「何だと?」
・・・あー、なんか・・・前に安倍さんに連れてきてもらったときは
・・・紺ちゃんとのことを心配してくれて・・・
え?・・・じゃあ、今日も・・・なの?
- 934 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:30
- 「失礼致します」
マスターがお茶とケーキをテーブルにセットしてくれて。
「どうぞ、ごゆっくり」
「はーい、どうも。・・・へへっ、来た来た、今日は何かな?」
・・・あ、そっか。オーダーはお任せなんだっけ。
「あ、こーれはおいらも一発で判った」
「・・・うん、ブレンドじゃないね、そのままだ。でも、浮かんでる花びらは何だろ」
薄い紫の中に、一ひらの花びらが浮かべてある。
一口頂いてみる。
ふわぁ〜っと、ラベンダーの香りに包まれた。
「ホントだ、ラベンダー・・・いい香り・・・」
「うん。さて、今日はわからねーぞ。誰のイメージなんだろ」
「また花言葉ですかね」
「そうだと思うんだけど、ここにいる三人には、ちょっと当てはまらない
気がするんだよね。それに、この花びらが・・」
- 935 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:31
- 「失礼致します、如何がですか?」
何時の間にか現れたマスター。
ティーポットをコトリとテーブルに置いて。
「あ、マスター、今日は誰のイメージですか?このラベンダーと花びら・・・」
すると、美貴の方を見てちょっと微笑んで。
「この思いが藤本様の心に届きますように、と願っている方がいらっしゃると
お見受け致しまして、花言葉とこの花のイメージする地方に掛けてみました。
そしてフロートは浜茄子の花びらを砂糖漬けにしたものでございます。では、
ごゆっくりどうぞ」
「あの・・・美貴、やっぱり良く分かんないんですけど・・・」
・・・え?
びっくり眼で、唖然としている安倍さん。
「なっちぃ・・・」
矢口さんの涙声にはっとして。
そして、美貴を見て微笑んだ。
その瞳には、うっすらと涙が浮かんでいて。
- 936 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:32
- 「ラベンダーの花言葉はね、あなたを待っています。ラベンダーのイメージ
が強い地方は北海道。そして、浮いているハマナスは北海道の道花。
わかる?藤本・・・」
隣の矢口さんは、目を真っ赤にして涙をこらえてる。
「なっち達の言いたかった事、全部マスターに持っていかれちゃった
・・・いやぁ〜まいった」
「あ・・あの・・・」
「おっ前、まだわかんねーのか?ラベンダーはこんこん。ふわふわ浮いてる
ハマナスがミキティ。・・・こんこんがね、ミキティのことを待っているよって言
ってるの。ふわふわ迷っていないで、しっかり私をつかまえてって・・・はぁ〜
・・・何でおいらまで泣かなきゃいけないのさ・・・・グスッ・・・ミキティさ、今日
こんこんのこと、泣かしたろ?」
「はい」
「あの時、何て言ったの?」
「え゛?・・・あ、いやぁ〜・・・その・・・」
「今更隠さなくてもいいべさ」
- 937 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:33
- 「美貴の誕生日のプレゼントに・・・紺ちゃんが欲しい・・・・って」
「やっぱり。ミキティはさ、慌てて謝ってたけど・・・あれはね、こんこんは嬉しく
て泣いちゃったんだと思うの」
「は?」
「は、じゃなくて。こんこんはね、ミキティのその一言を待っていたんだよ、きっと」
「いや、だって、今までだって・・・」
「はっきりと欲しいって言った事、ある?」
「・・・それは・・・」
「ほら。ここでね、紺野の涙に驚いてなーんにもしなかったら、また何も
変わらない。このままで」
「そんなもんなんですかね・・・・」
「何もね、いきなり押し倒せとか、最後まで・・・とか言ってるんじゃないの。藤本
だってさ、紺ちゃんが気持ちを真っ直ぐに伝えてくれた時、嬉しかったよね?」
「はい」
- 938 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:34
- 「何て言ったらいいかな・・・こう、構えないでさ、普通に、気持ちに正直に本音を
そのまま伝えてさ、お互いに。やる気満々で来られたら、やっぱり恐いよ、そりゃ。
でもね、間違い無く待ってるの。どうして欲しいか、なんてね、多分、紺ちゃん自身
にだって分からない。でもさ、もう一歩、勇気を出して踏み込んでみたら?」
その時ふと、前に安倍さんからもらったメールを思い出した。
『なっちの勇気を全部藤本にあげる。素直な気持ちを忘れずにね』
・・・素直な気持ち・・・
そうか、忘れていたのかもしれない。
「あの・・・そうかもしれません。紺ちゃんを大切にしたい、って思う気持ちが
ずっと心にあって。でも、そう思うあまり、美貴自信が臆病になってたのかも
しれません」
「うん。その気持ちは大事。臆病になるのもわかるさ。でもさ、ちょっと聞こえにくい
けど、紺ちゃんの心の声に耳を傾けてみて?藤本には聞こえるはずだから」
「はい」
- 939 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:35
- 横からスッと矢口さんがハンカチを差し出した。
・・・え?
「ほら、ハマナス美人が大無しじゃん。涙を拭けよ」
自分が泣いていることに全く気付かなかった。
どうして美貴の周りの人達って、こんなに温かいんだろう。
ふとカウンターの方を見ると、マスターがグラスを拭きながらこちらを
見て微笑んでいた。
- 940 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:36
- ミキティにバレないよう、こっそりマスターにOKサインを送ると、カウンター
の中からウインクが返って来た。
・・・なっち、大成功!かなり効いてるよ。でもさ、マスターまで巻き込んじゃって、
ちょっと悪い事したかなァ・・・
・・・そんなことないしょ。矢口のメールもらってから事情を話したらね、喜んで
お手伝いしますって言ってくれたさ・・・
・・・でも、良くハマナスなんてあったね・・・
・・・うん、それなっちも驚いた。もしかしたら、マスターには分かってたのかもね・・・
・・・怖っ・・・でもさ、うちら結構いい演技してたよね・・・
・・・矢口、マジで泣いてたしょー・・・
・・・演技だってぇ。何でドラマとか来ないかなァ、いい仕事するのに・・・
・・・いやぁ〜・・・ちっこいからなァ〜・・・
・・・ちっこいって言うな!
- 941 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:37
- 次の日の午後、コンサートのレッスンに向かう。
昨日の帰り際、泣いちゃった事を謝まろうと思ったら、愛ちゃんとお豆に拉致られて。
ファミレスに飛び込むと、何を勘違いしたのか、思いっきり慰めてくれて。
でも、一生懸命に気を使ってくれるその気持ちが嬉しくて、本当の事は言えなかった。
・・・チョコレートパフェ・・・美味しかったなァ・・・
あ、だから今日こそは謝らなきゃって思って、ちょっとだけ早めに来てみました。
「お、こんこん、相変わらず早いね。今日はおいらが一番だと思ったのに」
「あ、おはようございます、私も今来たところです」
「うそ、もう着替えてるじゃん。おいらも着替えてくるから」
「はーい」
・・・カッコいいなァ、矢口さん。ファッションセンスっていうか、コーディネートが
いつも完璧。おとな・・・って感じ。
それに引き換え私は、まだまだ子供・・・
どうすれば早く大人になれるんだろ。
美貴ちゃんの気持ちに応えてあげられるような・・・
- 942 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:38
- 「おっはよー」
あ。
「おはようございます」
「おはよー紺ちゃん。・・・あれ?紺ちゃんもジャージで来たの?」
「え、あ・・・いゃ〜・・・」
「キャハハハッ、んな訳ねーだろ!一緒にすんなって」
あれ、矢口さんもう着替えたんですか。
「ひっど〜い、全然おかしくないよねェ、このジャージ。むしろ、かなりイケて
ますよ?ね、紺ちゃん」
「はぁ・・・」
「ほら、困ってるじゃん」
「あ・・・いえ、カッコいいと思います」
「ねー。ほらぁ」
「あぁ〜アホクサ。バカップルは放っといて、おいらはストレッチでもするか・・・」
「バカ・・・ひど〜い、可愛い恋人同志じゃないですか、ねェ紺ちゃん。
ギューってしちゃお」
- 943 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:39
- いきなり、思いっきり抱きしめられた。
カ〜ッと顔が火照る。
「あれれ、紺ちゃん真っ赤だよ?可愛い。好きだよ・・・」
は?
「あわわ・・・あの、あの・・・えっと・・・」
あまりの恥かしさに何と答えていいか、上手く言葉が出てこなくてジタバタ
してみるけど、強く抱きしめられていて・・・
さらに耳元で・・・
「愛してるよ・・・チュッ」
左耳にふわっと温かい吐息を感じてゾクッとしたと思ったら、耳たぶを吸われて・・・
まるで感電したように全身に電流が流れて・・・
- 944 名前:Usual days 投稿日:2005/03/08(火) 22:40
- 「きゃあぁ〜・・・ちょっと・・・ごめん紺ちゃん!ね・・・起きてよ・・・お願い
だから・・・紺ちゃんてばぁ〜・・・」
「バ〜カバ〜カ、余計な事するから。まだお昼過ぎだぜ?それに場所を
考えろよ。ほっとけばそのうち気が付くだろ?いくら素直な気持ちったっ
てさぁ、何もいきなりすることないじゃんか」
傍に行ってみる。もうこんこんの気絶には慣れっこになっちゃって、この
程度では驚かなくなった。
「やっぱり微妙に目は開いてるんだよなぁ・・・ほら、こうして下から見るとさ、
ホント起きてるみたい。目が乾いたりとかしないのかな」
それでも慌ててるミキティ。
「矢口さぁ〜ん・・・ど・・・どうしよう・・・」
・・・まったく・・・
- 945 名前:たまえす 投稿日:2005/03/08(火) 22:43
- 924 :名無し読者 様
ありがとうございます。
喜んで頂けて、嬉しいです。
でも・・・ちょっと微妙な甘さではありますが。
925 :名無飼育さん 様
ありがとうございます。
ベタかもしれませんが、そっち方面に積極的な紺ちゃんは、ちょっと
想像の域を超えています。
本日はここまでです。それでは失礼致しました。
- 946 名前:たまえす 投稿日:2005/03/11(金) 17:35
- 次スレを立てました。続きはこちらで更新致します。
http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/flower/1110290810
- 947 名前:Usual days 投稿日:2005/06/13(月) 21:09
- 言われた通りに横向きに寝かせると、キッチンへ走ってアイスパックを取ってきて、
そっとおでこに当てる。
「グスッ・・・やったわよ。・・・ママどうしよう、真希ちゃん死んじゃったら
・・・私・・・・・ワァ〜〜ン」
「梨華!しっかりしなさい!いい?肩を叩きながら名前を呼び続けなさい。5分して
も気付かなかったら、真希ちゃんのマネージャーさんに連絡して病院の手配をして
もらいましょう。救急車を呼ぶかどうかはマネージャーさんに任せた方がいいわね」
「・・・うん・・・うぅっ・・グスッ、真希ちゃん!起きてよ、お願いだから。
・・・ 嫌だよ、目を開けてってば。私・・・・もう嫌がったりしないから、何
でも真希ちゃんの好きなようにしていいから・・・このまま・・・これが・・・
これが最後なんて・・・ヤダ〜〜〜ッ」
ママに言われた通り、耳元で呼び続けて。
でも、全然反応が無くて。
「お願い・・・・起きてって言ってるじゃない。・・・いつもみたいに、梨華ちゃ〜ん
って優しく呼んでよ。可愛いねって言ってよ。・・・・わかった。海辺でも公園でもど
こでも好きなとこでエッチしていいから・・・・もうエロおやじなんて言わないから、
だから・・・・・・うぅぅぅ・・・」
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