還元する白
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/18(土) 01:50
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友人宅に行った際、妹君に教えてもらった話がネタ。
漫画なのかゲームなのか、タイトルも聞かなかったから
(聞いたかも知んないけど憶えてないから)わかんないんだけど、
元ネタはあるそうです。だからsage進行でお願いします。
原作探してはいるんですが、被ったりしてやばかったら誰か教えて下さい。
ストーリーは妹嬢から一通り聞いたのをベースに味付け、
キャラの心情はかなり改変してあります。多分。
(聞いただけだからちゃんと知らない、スマソ)
取り敢えず、みんな理屈っぽい。
主人公は石川で、後藤、4期がメインで話は進みます。
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/18(土) 01:53
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人々は祈る。
世界の終末を回避することを。
圧迫する生活から開放されることを。
真摯な祈りに、この世で最も穢れの無い、神聖なる生き物が答える。
…たったひとつ。
この世でただ一人を消し去ることで、願いは全て叶うだろうと。
- 3 名前:Alea jacta est. ―― 賽は投げられた 投稿日:2004/09/18(土) 01:55
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「空から降るあの白の名は。」
- 4 名前:Alea jacta est. 投稿日:2004/09/18(土) 01:58
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***
瞼を持ち上げると、低く重い薄灰色の空がいっぱいに広がっていた。
焦点が定まり始めた瞳に時折何か、冷たいものが触れる。
……………………白い
…白い、 ?
身体をやんわりと、冷たく濡らす感触から背中を起すと、
手に触れたそれは音も無く消えていった。
- 5 名前:Alea jacta 投稿日:2004/09/18(土) 01:59
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「…………………………………………………梨華ちゃん」
「…………?」
「…目、やっと覚ましてくれた。大丈夫?」
「………………………」
自分の前に立つ、この人は誰だろう。
…どうして、誰なのかわからないんだろう?
「………あたしのこと、誰だかわかんない?」
再び口を開くその人の言葉に、肯いて良いのかどうかも
判然とせず黙っていると、そっか、と、どこか安堵の情を
含んだような言葉が吐息とともに齎された。
- 6 名前:Alea jacta 投稿日:2004/09/18(土) 02:03
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「………あなた、は………どなた?」
取り巻く白に音を奪われる中、発した声は酷く大きなもののように思われた。
同時に、私は自分が声の出し方まで忘れていなかった事、
本来言葉を発する能力を持っているという事を認識する。
「…そうなんだ」
目の前の人物の返答は回答と呼ぶには余りにもお粗末なものだ。
全く、これでは埒が明かない。
…そんな評価を下している自分は案外冷静なんじゃないか。
普通はこう、もっとパニックになるだろうに。
記憶を無くしたんだから。
…ここまで思考してようやく思い至る。
――嗚呼、私、記憶喪失なんだ。
やっぱりというか意外にというか、記憶を無くす以前の自分像を
覚えていないのでなんとも言えないが、それなりに焦っているんだな、私。
でもこんな脇道に逸れたような事ばかり考えてしまうんだから、そうでも無いのかな。
どっちだろう。それを判断する材料の一切を、私は今持っていないんだけど。
どっちにしろこのままではキリが無いな、と思った瞬間、
暫く私を見つめたまま硬直し続けていた眼前の人がまた口を開いた。
- 7 名前:Alea jacta 投稿日:2004/09/18(土) 02:05
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「本当に、ホントに忘れちゃったんだ。あたしのこと」
「………あの」
「いいよ」
「?」
会話になっていない。
もう一度声を掛けようと口を開いたら、まるで合わせるみたいに
相手の声帯から音が発せられた。
「……いいよ。梨華ちゃんが忘れちゃっても。
あたしの事全然憶えていなくても……………………何があってもさ。
それでも、あたしは梨華ちゃんと一緒に居たい。
…梨華ちゃんの傍に、居たいから。」
- 8 名前:Alea jacta 投稿日:2004/09/18(土) 02:08
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あなたがそう言いながら、あまりに優しく微笑むものだから。
そのままこの白に攫われてしまうんじゃないかと、私は漸く初めての恐怖を心に抱いた。
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/18(土) 02:20
- =閑話休題=
あれ?タイトル部分が途中からキレてら…;
長い作文なんて中学校以来の気がする。
読み辛いのも笑って許してやって下さい。
更新は月1以上で頑張ります。
(元ネタの登場人物名(?)を載せておきます。探しても探しても見つからないもんで;;)
げんとう(厳冬?) ピンク 隊長 白鳥 黒鳥 神
ただの呼び名だという説も有るんですが。
妹嬢も聞いた話らしくて、にっちもさっちも…_| ̄|○
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/09/18(土) 08:24
- 雰囲気があって面白そうですね。
元ネタ・・・ちょっと記憶に引っかかるような気がしますが、でも、違うのかな?
とりあえず、期待してます。
- 11 名前:見守る影、二つ。 投稿日:2004/09/21(火) 00:33
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「あ、記憶無くしてる。やっぱさすがに『アレ』は、いくら死なんいうても身体に負荷
かかりまくったんやろうねぇ」
「…そうれすね」
「まあ、憶えていてもろくな事あらへんしー、今のうちにさっさと済ませてしまえば
あっさり片付くんとちゃう?」
「…それは」
「何?何か文句ある??これでご主人様が戻ってくるんなら、それでええやないの!」
「………………………でも」
「ぐじぐじうっさいわ!もう、やっぱしばらく会うの止めん?今回の結果が出るまで、
一先ずお別れしようや。」
「あ」
「じゃ、来ても会わんからなー」
遠くなる羽音の方へ向かって手を伸ばすが、触れたのは彼女の羽と同じ白でも、忌まわしき
雪の方だった。残された少女はすぐに溶けてしまうそれをそっと両手で包み、呟いた。
「…ごめんなさい。みんな。」
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