迅雷の英雄

1 名前:スペード 投稿日:2004/10/15(金) 15:35
どうも、スペードです。
前書いてたものの続きを書きたいと思います。
前スレは"♀ステキな出会い♂"っていう廃棄スレです。
更新は今夜を予定しています。
どうぞお楽しみに…
2 名前:第4話(続きから) 投稿日:2004/10/15(金) 22:28
夜になり、藤本と松浦は城に帰っていった。
吉澤は飯田に連れられて人気のない場所にやってきた。
「こんなとこで何やるんですか?」
吉澤が聞く。
「真なる雷の紋章を使いこなすための特訓だよ。
こないだのヤツはまだまだ威力が低いからね」
「あれでですか!?」
「まあ最低でもあれの倍以上の威力がないと使いこなしたとはいえないよ。
さああまり時間がないからさっさと始めて」
「は、はあ…」
吉澤は詠唱を始めた。
「私にむかって撃っていいよ」
「…じゃあいきます!
ハアァ!!」
吉澤が左手をかざすと手から雷撃がほとばしり、飯田に直撃した。
「あ、あれ?なんで…」
しかし飯田の前に赤い壁が立ちふさがり、
飯田にまったくダメージはなかった。
3 名前:第4話 投稿日:2004/10/15(金) 22:37
「神のかけらにはね、独自の特徴とは別に魔法障壁っていう防御魔法が存在するの。
今くらいの威力なら完全に防げるってわけ」
「へえぇ。じゃあ私にも使えるんですか?」
「まあ練習すればね。
センスもあるし、覚えるのはそう難しくないんじゃないかな。
…とにかく!私の魔法障壁を打ち破るくらいの威力になってちょうだい」
「はあーい…」
その後も何回も挑戦したが、
飯田の魔法障壁を打ち破ることはできなかった。
「とりあえず今日はここまでにしようか」
「そうですね」
村へと戻っていく二人。
4 名前:第4話 投稿日:2004/10/15(金) 22:51
「あの…飯田さんっていったい何者なんですか?
私にこれを渡したり、特訓につきあわせたり」
帰る途中、吉澤は思い切って聞いた。
「うーん…世話好きのお姉さんじゃダメ?」
「…お姉さん?」
おばさんの間違いでは?とツッコみたい吉澤。
「何よぉ。確かに歳は150いってるわよ。でも見た目は20代でしょ!?」
「150!!?そんなに長生き…」
「それ以上いわないの。さっさと帰るよ!」
「はあーい…」

村に戻ってきた飯田と吉澤。
「おい!リーダーと二人でどこ行ってたんだ?」
市井が聞いてきた。
「まあちょっとね…」
「さては…」
「さては?」
「二人でよろしくやってたのかぁ?」
バゴッ!
「いった!リーダー、冗談ですから冗談。
だから右手を構えるのはやめてください!」
5 名前:第4話 投稿日:2004/10/15(金) 23:05
「ところで俺らはいつまでここにいるんですか?」
「今回の騒動が終わるまでよ。
それまではどこに行きたくてもいけないし」
「ふーん、じゃあ俺は適当にナンパでも…」
「適当に何かな?いちーちゃん?」
にこやかにそれでいて凄味のある殺気を放ちながら市井の腕をつかむ後藤。
「あ、あはははは。適当に寝ようかと思ったんだよ後藤くん」
「でもいちーちゃんが寝てる横には知らない女がいるんだよねぇ?」
ビキッビキビキ!
曲げてはいけないほうに関節を曲げていく後藤。
「いっ!ど、どうしてわかったのかな後藤くん。
後学のためにぜひ知りたいな」
最後の悪あがきに最大限の笑顔を見せる市井。
「いちーちゃんの考えることなんてお見通しなんだこのバカー!!」
バキバキ!
「うぎゃああぁぁ!!」
それを横でみていた吉澤が一言。
「近所迷惑…」
吉澤の言ったとおり、この悲鳴でまわりが起きてしまい、
後藤と市井はみんなに土下座で謝ったという…
6 名前:スペード 投稿日:2004/10/15(金) 23:07
とりあえずここまで。
前スレもいっぱい余ってるんで何か書きたいと思ってます。
ファンタジーではないものを…
7 名前:第4話 投稿日:2004/10/18(月) 22:06
翌朝、紺野から渡された書状を藤本に届けにいった市井と後藤。
その帰り道にて
「まったく…なんで俺らがこんなことやらなきゃならねーんだ」
「しょうがないでしょ、いちーちゃん。
今回のことが終わるまではこの国から動けないんだし」
「たしかにな…南方諸島にも帰れないし」
「いちーちゃん、あそこに誰かいるよ!」
「あれは確か…モーニング村の事件の時に近くにいたやつらだよな。
ちょうどいい、確かめてこようぜ」
「ちょっといちーちゃん!今二人しかいないんだよ?」
「2対2ならちょうどいいじゃねーか。
何企んでるか知らねーが、この場でやつらをつぶす!」
「はあ…こうなったら止まんないね」
市井と後藤は村田と大谷に近づいていった。
8 名前:第4話 投稿日:2004/10/18(月) 22:19
「おい!おまえら!何企んでるか知らねーがな、
この市井様がいるかぎりこの国を滅ぼすようなマネは許さねーぞ!!」
走ってくるなりそう叫んだ市井。
「フッ…どなたかと思えばこないだ私と柴田様にこてんぱんにやられたかたがたじゃないですか」
「うるせー!こないだは手加減してやったんだ!
今回は負けん!」
「…いいでしょう。
大谷さん、あなたはこの人の相手を。
私はあのお嬢さんをお相手します」
「…まあいいだろう。退屈しのぎにはなるな」
双剣を抜く大谷。
「だってさ?後藤」
「はあ…あたしまでか…」
そう言いながらもかなりやる気満々であった
9 名前:第4話 投稿日:2004/10/18(月) 22:34
「はっ!!」
ガキィン!ヒュッ!
鋭い連撃を放つ市井。
大谷はそれをなんなくかわす。
(なんだよコイツ…まったく隙がねえ!!)
一方大谷も、
(大見栄きるだけあってなかなかできる…油断ができんな)
大谷が繰り出す変則的な攻撃を捌く市井。
ヒュッ!チッ!
その直後に繰り出した市井の攻撃は大谷の頬をかすめた。
「…認めてやろう」
「はっ!?」
「貴様を私の敵としてな!」
そういって強い殺気を放つ大谷。
今までも殺気を放っていたが今の殺気は別次元のものであった。
「なっ…!?」
「…行くぞ」
ヒュン!
「速い!?くそっ!」
ガキィン!
10 名前:第4話 投稿日:2004/10/18(月) 22:53
一方後藤と村田は市井達から少し離れたとこで戦っていた。
「爆炎撃!」
後藤が火の紋章を発動させる。
「氷塊掌!」
村田が流水の紋章で防ぐ。
(はあ…紋章のランクはあっちが上、これじゃあ勝ち目ないよぉ)
「はっ!」
後藤が足元を見ると足が氷で固まって動けなくなっていた。
「い、いつのまに…」
「詠唱破棄…上級魔術師のスキルです」
「くっ…!」
「さようなら…かわいいお嬢さん」
村田は巨大な氷の槍を作りだした。
「ん…!まだまだあたしは死なないよ!」
後藤が火の紋章を発動させ、炎の矢を村田に放った。
「こんなもの…何!?」
突如まわりに霧がたちこめる。
ドカァン!
呆然としていた村田に後藤が爆撃をぶつける。
11 名前:第4話 投稿日:2004/10/18(月) 23:06
「どうし…て?」
「はあっはあっ…あんた足元に氷を発生させたでしょ?
そのせいでこの場所だけ地面が冷えてたの。
そしてその上を暖かい空気が通れば霧ができるってわけ。
「この場は…あたしの負け、か…」
そう言い残して村田は消えていった。
「ふう…、あ!いちーちゃんは!?」
急いで市井のもとに向かう後藤。
目にも止まらぬはやさで攻撃を繰り出す市井と大谷の姿があった。
「ふっ。村田は負けたか…2対1は分が悪い。
ここは引かせてもらうが…私はまだまだ強くなる。
せいぜい腕をあげることだな」
そういって大谷も消えていった。
「…ふう」
その場に座り込む市井。
「どうしたのいちーちゃん!?すごい汗だよ?」
「…あいつら、マジでやべえ」
12 名前:第4話 投稿日:2004/10/18(月) 23:14
「やばいって?」
「あいつら…特に大谷ってやつ、あいつ人間じゃねえかもしれねえな」
「うん、あたしもそう感じる。
でも村田って人は戦ったかんじ人だと思うよ」
「そうか…あのさあ」
「…何?いちーちゃん」
「…ちょっとやる気出てきたかも」
「あらめずらし。仕事嫌いのいちーちゃんが」
「うるせ!さっさと帰るぞ!」
さっさとモーニング村に戻ろうとする市井。
「あん、待ってよいちーちゃん!」
後藤もそれについていった…。
13 名前:スペード 投稿日:2004/10/18(月) 23:17
今回はここまでとします。
今回のテーマは『二人のライバル』って感じです。
このライバル関係は最後までひっぱります。
ではまた次回…
14 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/19(火) 13:41
更新お疲れ様デス。。。
市井ちゃんに頑張って強くなって欲しいです。

スペードさん、新スレでも頑張って下さいネ!
15 名前:悪天 投稿日:2004/10/20(水) 00:26
更新お疲れさまです。
市井さん血気盛んですね。
でもその熱さも市井さんの魅力ですね。

次回も楽しみにしています。
16 名前:第4話 投稿日:2004/10/20(水) 21:55
戦争から半月、石川は困り果てていた。
原因は今自分のまわりをぐるぐる回るこの二匹の物体、
もとい辻と加護という名の小悪魔である。
「もう!なんで毎日私にひっつくのよ!?」
「だってウチラの母ちゃんやんか」
「誰が母ちゃんよ!安倍さんも笑ってないで助けてくださいよぉ!」
「あきらめるべ。
辻加護におもちゃとして認定されたら飽きられるまで遊ばれるしかないんだべさ」
「そんなあ…」
「そういうことで父ちゃんも呼んできてーな」
「父ちゃん?」
「そんなんよっすぃーに決まってるやんか」
「え!?」
(私が母ちゃんでよっすぃーが父ちゃん…ってことは…)
「あかん、逝ってるわ」
「なら父ちゃんを呼んでくるのれす」
「だめだべさ。よっすぃーは今からなっちのおもちゃだから」
17 名前:第4話 投稿日:2004/10/20(水) 22:15
「なんやつまらんわ。ならどっかから鶏でもとって母ちゃんにプレゼントしよ」「それはナイスれす」
そういって辻と加護はどこかに行ってしまった。
「さーてと、よっすぃーはどこにいるんだべか?」
そういって吉澤を探しはじめる安倍。
石川は、
(ってことはあの二人が私の子?ずいぶん大きいわね…)
未だ妄想中…。

「さーてと、よっすぃーは…いたべさ」
草原におもいっきり寝ている吉澤。
「まったくこんなとこで寝てるなんて不用心だべ」
そういって吉澤の横に座る安倍。
「それにしても…かわいいべさ」
ぷにぷにぷに
人差し指でほっぺたをつっつく。
「…ん」
ドキッ!
「びっ、びっくりしたべさ」
安倍は思わず飛び退いた。
そしてもう一回顔を覗き込むと口がうっすら開いている。
18 名前:第4話 投稿日:2004/10/20(水) 22:37
「なんか…色っぽいべさ」
そしてゆっくりと吉澤に顔を近付けてそして…
(ってなっち何やってるべさ!?キスしようとした?したっしょ?)
テンパる安倍。
そんな安倍の様子も知らずに吉澤は眠る…
その時、
「きゃああああ!!」
とてつもなく高い悲鳴が聞こえてきた。
「なっ、なんだ今の悲鳴!?」
飛び起きる吉澤。
「あ、安倍さん?今の悲鳴は…」
「え?あっ、たぶん梨華ちゃんかと」
「とりあえず行きましょう!」
安倍の手を引っ張っていく吉澤。
「あっ、えっ?うん…」
なんだかうれしそうな安倍。
そして村に戻ると
泣き喚く石川となぜか倒れてる辻加護の姿があった。
19 名前:第4話 投稿日:2004/10/20(水) 22:48
「あっ、矢口!これどうしたんだべ?」
「い、いやあオイラにもさっぱり…」
「ね、ねえ梨華ちゃんどうしたのさ?」
「ひっく…辻ちゃんと加護ちゃんが鶏を…」
「に、鶏!?」
たしかにそこには石川のまわりを走り回る鶏の姿が。
「にしてもこれは…」
辻と加護を見ると棒かなにかで殴られたあとが一つだけ。
「梨華ちゃんってこんなに強かったんだ…」
「オイラでも無理だよ…」
「そこまで鶏が嫌いなんだべか」
「梨華ちゃん…とりあえず落ち着こ?ね?」
石川をなだめる吉澤。
その様子をみて安倍は、
(やさしいし、おまけにかっこいい…。
悪いとこなんてないべさ)
なんてことを考えていた。
20 名前:第4話 投稿日:2004/10/20(水) 23:09
「ところで矢口、仕事は終わったんだべか?」
「ん?ああ…とりあえず議会に話は通ったし、
ゼティマ王国が攻めてきたときは総勢五千の兵が出せるってさ」
「へええ。ってことはゼティマ王国が攻めてきても防げるってわけですね」
その時、
「いたたた…ひどい目にあったのれす」
「ギャグなんやから殴らんでも…」
「そうね、たしかに殴ることはない…ってバカー!!
オマエラのせいでこっちまで耳鳴りがするわ!!」
「だいたいやっていいことと悪いことがあるっしょ!」
「まあまあ矢口さん、安倍さんも落ち着いて」
「さっすがよっすぃー!」
「オマエは反省しろー!」
ボカッ!
「あうっ!」
21 名前:スペード 投稿日:2004/10/20(水) 23:28
今回はここまで。
よっすぃー争奪戦になっちまで参戦しちゃいました。しかも一歩リード。

≫14ミッチー様
いちーちゃんはまだまだ強くなります。
もちろん後藤さんも。
新スレでもよろしくお願いします。

≫15悪天様
私の中ではいちーちゃんは熱いです。
悪天様の作品の続きも楽しみにしております。
生意気にも新スレをたててしまいましたが、
どうぞよろしくお願いします。
22 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/23(土) 01:57
更新お疲れさまデス。。。
石川さん、妄想が激しいですね。
なっちも争奪戦に参加しましたか。
手強そうですネ。
23 名前:第4話 投稿日:2004/10/23(土) 22:52
ビュッ!カン!
田中が矢を放ち、亀井が槍で弾く訓練をしている。
「やるっちゃね、亀ちゃん」
「れいなもなかなか…」
「あれ?二人して特訓かぁ?」
「新垣さん…道重さんはどこに?」
「ほら、あれ…」
新垣が指差した先には目をつぶって立っている道重の姿があった。
「あれ何やってるんですか?」
「いいから見てなよ」
しばらくすると目をつぶったままボーガンを上に構え、矢を放った。
数秒後、一羽のカラスが落ちてきた。
「おおー!」
「最初から何げにすごいんだよねえ…重さんは」
新垣がポツリとつぶやいた。
「あたしも負けられないっちゃ!」
そういって田中は目をつぶって矢を放った。
「あぶなっ!田中ー!どこ射ってんだー!?」
「ごめんっちゃ」
24 名前:第4話 投稿日:2004/10/23(土) 23:16
「ん…?あれは…吉澤さんと安倍さんだ。
何やってるか見にいってみようか」
吉澤と安倍は木刀で技の練習をしていた。
「んじゃあまずなっちからいくっしょ」
そういって安倍は突きをはなつ。
「……?」
それを難なくかわす吉澤。
しかし、
フッ!
吉澤の視界から木刀が消えた。
「え…?」
ドカッ!
「あいたっ!」 なぜか胴に木刀がヒットしている。
「な、なんですか?今のは…」
「へっへー。なっちのひみつっしょ」
「いや、教えてくださいよ。」
「女はひみつを着飾って美しくなるのさ」
「いや、意味わかんないし」
「まあいいから、今度はよっすぃーの番っしょ」
「じゃあいきますよ」
遠くから走ってきて安倍から5メートル手前で木刀を使って高く飛び上がり、
そして、
「はあああ!」
おもいっきり振り下ろした。
ドゴッ!!ミシミシッ
安倍の木刀が砕ける音が響く。
「す、すごい威力だべな…」
「ダメだったか…」
「えっ?これで失敗?」
25 名前:第4話 投稿日:2004/10/23(土) 23:29
「ええ。成功すればこれの倍以上の衝撃があるんですけど…」
「へええ、まあなっちでよかったらいつでも練習に付き合ってあげるっしょ」
「ありがとうございます。安倍さん」
にっこり笑ってお礼を言う吉澤。
「い、いやあべっ別に気にする必要はないっしょ」
顔を赤らめる安倍。
「んじゃあ仕事あるからなっちは帰るべさ」
「はい、また明日…」
(いやああんな笑顔見せられたら帰れなくなっちゃうっしょ)
安倍はかなりテンパっていた。
その様子を見ていた新垣達は、
「…どう思う?」
「見てて歯痒いっちゃね」
「やっぱり私はかわいいなー」
「…亀ちゃん、意味不明だから」
「…ううう、よっすぃー…」
「うわあ!いっ石川さん…。
いつのまにいたんですか?」
新垣達の横には泣きそうで、
肩にネガティブという5文字を背負っていそうな石川の姿があった。
26 名前:第4話 投稿日:2004/10/23(土) 23:39
「あんな童顔女のどこがいいのよお!
私のほうがかわいくてスタイルも抜群じゃない!」
なぜか自信満々な石川。
「まあこれじゃあ石川さんにはなびかないでしょうね…」
とどめをさす新垣。
「うわーん!」
泣きながらどこかに行ってしまった…。
「ま、まあほっといてあげますか…」
「それが正解っちゃね」
「さてと、私たちは魔法の練習をしましょうかね」
そういって三人は広い草原のほうに歩いていった。
27 名前:第4話 投稿日:2004/10/23(土) 23:56
こちらは飯田と市井。
「めずらしいね。お前があたし相手に特訓したいなんてさ」
「リーダー、負けたくないヤツがいるんだ」
「その様子だとかなり切羽つまってるみたいだね」
「ああ…ヤツに勝つためには強くなるしかない!」
「じゃあ…かかってきな!」
(初めてコイツに会った時、
やる気のなさに隠された情熱がみえたけど、
それが今、完全に表に出てきたな。
コイツ…生まれ変わるぞ!)
「いくぜリーダー!」
猛スピードで飯田にむかっていった…。

………………………………
地面に仰向けになる市井。
「はあっはあっ!」
「市井、お前はまだまだ強くなる。
だから…頑張れ」
そういって飯田は村にもどっていく。
「…もちろんですよ」
28 名前:スペード 投稿日:2004/10/24(日) 00:03
とりあえず今回はそれぞれの特訓シーン+αをお送りしました。
≫22ミッチー様。
とりあえずなちよしになりそーな勢いです。
これから石川さんが頑張らないかぎり…

いい加減ひっぱりすぎだなあと思う今日この頃。
とりあえず次回の戦争のネタを考えながらあと何回かこんな感じになると思います。
29 名前:悪天 投稿日:2004/10/24(日) 12:51
更新お疲れさまです。
石川さん、ピンチですね。こちらの戦いにも注目しております。

次回も期待しております、頑張って下さい。
30 名前:第4話 投稿日:2004/10/25(月) 22:18
後藤は村の西にある岩場で新しい魔法の開発をしていた。
「ふう…、今度は実力で勝ちたい…。
そのためには、何か強力なやつが必要…か」
イメージをしてみる後藤。
しかし浮かび上がるのはどれも強力とは言い難いものばかり。
「リーダーに相談してみようかな…」
とりあえず今日はここまでにして、村に帰っていった。

「リーダー」
食事の後、後藤は飯田に声をかけた。
「何?後藤」
「実は…」
………………………………
「なるほど…新しい魔法か…」
「リーダーなら何かあるんじゃないかなって思って」「…ないな」
「ええ!?」
「お前の火炎陣は十分強力だし、
何より紋章を融合させて放つなんて芸当はお前くらいにしかできないからな…」
31 名前:第4話 投稿日:2004/10/25(月) 22:42
「……」
「そう焦るな。焦って完成させてもそれは出来損ないでしかない。
後藤にしかできないことがきっとあるはず。
あたしみたいにね…」
「うん…」
とりあえず寝ることにした後藤。
「…そう、あんたもまだまだ強くなるよ」
後藤の後ろ姿を見ながら飯田はそうつぶやいた。

翌日、
「さーて高橋ぃ!アレを練習するわよ!!」
「石川さん…ほんとにやるんですか?」
「決まってるでしょ!さあひみつの練習場へレッツゴー!!」
そういって石川は高橋を無理矢理どこかへつれていった。
「あれっ?梨華ちゃんいないや…。
なら安倍さんのとこに行こうかな」
「なっちがなんだべ?」
「うわあ!あ、安倍さん…」
「ちょっとデートに付き合ってほしいべさ」
「デ、デートぉ!?」
顔が赤くなる吉澤。
「そういうことだべさ。さ、行くっしょ」
安倍は吉澤の手を引っ張っていった。
32 名前:第4話 投稿日:2004/10/25(月) 22:53
安倍と吉澤はフランシスにやってきた。
とりあえずお茶でもと喫茶店に入っていく。
「…どうしたんです?」
「ん?何が?」
「左手、こないだから微妙に震えてますけど」
「……!」
一瞬顔が強ばる。しかし、
「ふう、見透かされてるっしょ。
実はゼティマ王国に妹がいるんだべさ」
「え…?」
「前はなっちを追って騎士団にいたのに、
なっちの妹ってことでまわりから変な目で見られてたんだべ。
なっちはそれを知ってても止めらんなかったっしょ。
それが麻美はいやでしょうがなくって…
それで結局ハロー王国を出ていったんだべさ。
だから…麻美はきっとなっちを恨んでるっしょ」
「………」
33 名前:第4話 投稿日:2004/10/25(月) 23:07
「ねえよっすぃー。なっちは麻美に剣を向けられないかもしれないっしょ。
どうすればいい?麻美はなっちを恨んでる、
でもなっちは麻美を斬ることなんてできないっしょ。
なっちは…なっちは…」
安倍は途中から涙が止まらなくなっていた。
「安倍さん…」
「敵に剣を向けられないなんて、
なっちは4剣神失格っしょ」
「安倍さん…あなたが責任を感じることはない…」
「……?」
「安倍さんを追って入ってきたってことは、
いつかは安倍さんを超えたいって思いがあったはず」
「よっすぃー…」
「だからもしこれから妹さんと戦うことになったら、
それは妹さんが安倍さんを超えたいっていう願望が起こしたもの。
だから安倍さんは、それに応えることを考えればいい…」
34 名前:第4話 投稿日:2004/10/25(月) 23:15
「応える…?」
「そう!妹だからって手加減したり、戦わなかったら、
間違いなく妹さんは怒りますよ」
「…そうだべな。わかった!なっちは麻美の思いに応えるっしょ!!」
喫茶店を出た二人はその後、フランシスの街中を遊び回った。
はじめは沈んだ表情だった安倍も徐々に笑顔が戻っていった。
そして夕方、
「楽しかったべさー!」
「ほんとに、こんなに遊んだの初めて!」
すっきりした笑顔の二人。
35 名前:第4話 投稿日:2004/10/25(月) 23:28
すると突然吉澤は、
「やっぱり安倍さんは笑ってるほうがかわいいです」
「え…?」
顔が赤くなる安倍。
「というより、安倍さんはいつもニコニコしてなきゃ!」
「なんだべそれ!それじゃなっちがいっつも笑ってるバカみたいだべさ!」
「いえ、けっしてそういう意味では…」
「…もう」
そっぽをむく安倍。
「安倍さぁん、機嫌なおしてくださいよお」
安倍に近寄っていく。
「ねえよっすぃー…」
「なんですか?」
安倍は突然吉澤に向き直り、
そして…キスをした。
「ありがとう…」
ビックリして何がなんだかわかってない吉澤。
「じゃ、また明日ね!」
そういって安倍は顔を真っ赤にしながら急ぎ足で帰っていった。
そしてすべてを理解した吉澤は、
「え、ええええ!?」
顔を真っ赤にしてその場に座り込んでしまった…
36 名前:スペード 投稿日:2004/10/25(月) 23:35
とりあえずここまで。
作品の設定上、こうなっちゃいました。
あまり文章表現うまくないですが…。

≫29悪天様、
こっちの戦いはなんかもうこのまま終わりそうです。
石川さんには別の人を考えてます。
超意外なあの人を…

そろそろ戦争書けや!って言われそうです。
とりあえず…頑張ります。
37 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/25(月) 23:52
更新お疲れさまデス。。。
こっちの戦いはこれで決着がつきましたか。
石川さんの相手は誰なんでしょうか?
皆、特訓頑張って欲しいですネ。
次も頑張って下さい。。。
38 名前:悪天 投稿日:2004/10/27(水) 14:36
更新お疲れ様です。

そうですか、こっちの戦いは終結ですか。
石川さんに幸あれと祈っておきます。

次回も頑張って下さいね。
39 名前:第4話 投稿日:2004/10/27(水) 22:18
顔を赤くしながら村に帰ってきた吉澤。
そこにはニヤニヤ顔の中澤が待っていた。
「ただいまー。…なんでそんなにニヤニヤしてるの?」
「何ゆうてんねんこの色男。
なっちとよろしくやってきたんやろ?」
「なっ!!」
頭から湯気が噴き出る。
「モテモテやなぁ、ウチも若い頃は…」
「あたしは全然モテモテじゃないよ!
安倍さん一筋なの!」
「ふーん、じゃあなっちのことは好きなんやな」
「あ…」

こちらはブラス城、
安倍がニコニコ顔で帰ってきた。
「安倍さん…。吉澤さんとのデートはどうでしたか?」
「そりゃーもう大成功…ってなんで紺野が知ってるんだべ!?」
「あなたが最近モーニング村に入り浸りなのを聞けば大体想像つきますから…」
「なっ!!なっちってそんなにわかりやすい?」
「ええ、かなり…」
速答する紺野。
40 名前:第4話 投稿日:2004/10/27(水) 22:30
「なんかショック…」
うなだれる安倍。
「吉澤さんのことはおいといて、
これからの戦い、安倍さんは大丈夫なんですか?」
「よっすぃーに話したらなんかすっきりしたべさ。
したっけなっちは大丈夫っしょ。麻美が相手でもね」
「吉澤さん…不思議なかたですね」
「紺野にはあげないよ?」
「いえ、そういうわけでは…」
「まあ冗談はともかく、これからがこの国の正念場だべ」
「ええ、必ず勝ちます!」
「期待してるべよ?軍師さん」
「完璧です!」
「でたべ紺野の名ゼリフ。
これが出たときは負けないんだべ」
「ふふふ」
41 名前:第4話 投稿日:2004/10/27(水) 22:45
夜になり、吉澤は飯田と魔法の特訓へ、
市井と後藤もそれぞれ特訓を始めた。
そして石川と高橋はというと、
「もう!矢口さん強すぎ!」
「梨華ちゃん達が弱すぎなの!
くやしかったら一発でも当ててみなよ!」
なぜか矢口と一緒に特訓をしていた。
「高橋!アレやるわよ」
「了解やざ!」
スッ…、
「なっ…」
矢口の目には石川と高橋が無数に増えながらこっちにゆっくり歩いてくるように見えた。
「でも、まだまだだね」
フッ!
「えっ?」
石川と高橋の視界から矢口が消えた。
思わず足が止まる。
「ていっ!」
「きゃっ!!」
石川に後ろから膝カックンをする矢口。
「いつのまに…」
「スピードと剣技なら、オイラに勝てるやつはそうはいないからね」
自信満々に言う矢口。
42 名前:第4話 投稿日:2004/10/27(水) 23:00
「でもさっきのはビックリしたよ。
なんなの?アレ…」
「アレは私と高橋による、無音の高速移動術です!」
「へええ、だからオイラの目に無数に見えたんだ」
「アレを使えば敵の目を撹乱させられるんやよー!」
「まだ未完成だけど、頑張って完成させるわまりっぺ!」
「誰がまりっぺだコラ!」
石川の首を絞める矢口。
その動きを見て、
(小動物みたいでかわいいなー。
なんだか花畑の中を走り回る子犬みたい。
そう、私の目の前には花畑が…)
「って死にそうですってば!」
意識が朦朧なのをみて、高橋が必死に止める。
「はっ、イカンイカン。
危うく殺すとこだった」
「ゲホッゲホッ!お花畑が見えましたよ…」
43 名前:第4話 投稿日:2004/10/27(水) 23:14
そしてこちらはフランシスの古城。
藤本は闇の紋章を使いこなそうと魔法の特訓をしていた。
「ハアアア!」
藤本の前に巨大な鎌が出現する。
「すごい…」
こんな魔法使わないにこしたことはないが、
もしもの時に備え、いろんな魔法を試している。
「やっぱりまだ体調よくないかも…。
一旦帰ろう…」
城に帰ると松浦がなぜか鬼の形相で立っていた。
「みきたーん?」
「は、はぁい」
「無茶をするなと何回言えばわかるの!?」
「ご、ごめんなさい…」
一応ここの城主なのになんで怒られてるんだろう…
と思っていてもなかなか口に出せない藤本であった。
44 名前:第4話 投稿日:2004/10/27(水) 23:23
「…準備はできたか?斎藤」
「はっ!明後日には侵攻できるかと」
「村田、大谷は?」
「いつでもどうぞ」
「フッ…」
「なら後はあの方のお手並みを戦場で拝見させてもらおうかな…」
「何せ我々にはどちらが勝とうと関係ありませんからね」
「そう、最後にはすべて塵になるんだからな…」
「……」
「村田、止めようとしてももう無理だぞ。
終末の時計は動きだした。
もう…誰にも止められない」
「わかっております。
私は柴田様の望むままに…」
45 名前:スペード 投稿日:2004/10/27(水) 23:32
とりあえずここまで、
石川さんの相手はこんな人でした。
ようやく次書ける…。

≫37ミッチー様
石川さんの相手が意外といえば意外だし、
普通といえば普通な人になっちゃいましたね。
特訓まだ途中ですが、敵もそんなに悠長じゃないんで…。

≫38悪天様
石川さんには幸があるんでしょうか?
…なんかなさそう。
何せ幸薄キャラが頭にこびりついてますから。
でもなるべく幸せにします。
46 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/29(金) 02:37
更新お疲れさまデス。。。
もうすぐ戦争になりそうですネ。
どんな戦いになるのやら…
楽しみです。
47 名前:第5話 投稿日:2004/10/31(日) 14:13
ブラス城にて、
「やはり来ましたか…」
紺野がつぶやく。
偵察部隊が手に入れてきた情報によると、
ゼティマ王国は明後日五千の兵を五部隊に分けて侵攻するとのことだった。
「どうする?紺野」
矢口が聞く。
「とりあえずここへ全員を集めてください…」


午後になり、藤本達を含め都市部と草原部の主だった人達が集まった。
「さて…ゼティマ王国は五千の兵を五部隊に分けて侵攻してきます。
そこで我々も部隊を五つに分けます」
「具体的にはどうするの?」
吉澤が聞く。
「まず、隊長は矢口さん、飯田さん、中澤さん、吉澤さん、それと…藤本さんにお願いします」
「え?アタシ!?」
「ええ、それから割り振りですが…」

割り振った人材は以下のとおり。
48 名前:第5話 投稿日:2004/10/31(日) 14:31
チーム矢口、
紺野、辻、加護、

チーム飯田、
市井、後藤、田中

チーム中澤、
平家、石黒、新垣

チーム吉澤、
安倍、石川、亀井

チーム藤本、
松浦、高橋、道重


「…とまあこんな感じでお願いします。
あと、三千の兵を五つに分けるんですが、
飯田さん、あなたには一千の兵を預け、他の皆さんには五百の兵で戦ってもらいます」
「………?」
三千という言葉に矢口は釈然としないものがあったが、
あえてこの場では口にしないことにした。
そして散会後、
「紺野、三千ってどういうこと?
こないだは五千って言ってたじゃない!」
「残りの二千については使い道があります。
私の読みが正しければね…」
「そう…」
とりあえず納得した矢口。
49 名前:第5話 投稿日:2004/10/31(日) 14:42
「いよいよですか…」
「うん…。あまり時間ないんだから、
さっさとあたしの魔法障壁ぐらい破ってちょうだい!」
飯田が構える、
「それについてはいい考えが一つあります」
吉澤が言う。
「へええ、じゃあやってみな」
飯田が魔法障壁を作り上げた。
「じゃあいきますよ!」
………………………………
「何…?今のは…」
飯田の魔法障壁は完全に破壊されていた。
「ようやく完成したー!」
(なんて恐ろしい戦闘センス…。
やっぱりアイツの娘だけはある…) 「なーに言ってんだか。
あんなの魔法で破ったとは言わないの!
正真正銘、魔法で破ってみなさいな」
「はあーい…」
やっぱり魔法では破れなかった…。
50 名前:第5話 投稿日:2004/10/31(日) 15:01
「アタシが隊長、ねえ…」
「たーん!」
「たんって何よたんって…」
「みきたんの愛称」
「いや、みきたんですでに愛称だし!」
「まあそんなことはおいといて、
あたし、頑張るから!」
「へ!?」
「たんにあんな紋章使わせないよ!」
「あんな紋章…ねぇ」
たぶん無理だろう、と藤本は思った。
あたしを隊長にした時点で何らかの形で闇の紋章を使うことはほぼ確定的である。
相手はゼティマ王国。
数で劣るこちらが不利なのはあきらかだからだ。
(いざとなったら…使うしかないな)
「たん!聞いてる?」
「はいはい!聞いてる聞いてる」
51 名前:第5話 投稿日:2004/10/31(日) 15:13
「ゲホッゲホッ!」
「ちょ、あやっぺそれ…血!?」
「みんなには黙っててちょうだい…」
「アンタいつからそないなったん?」
中澤が聞く。
「半年ほど…前からよ」
「バカ、なんで言わなかったんよ」
「こればかりは…医者でも治せないからね。
真なる水の紋章は…、根本的にあたしにあわなかった…」
「どうするん?それ…」
「あたしの寿命もすぐ間近、
だからあたしは最後まで戦いたい…」
「あやっぺ…」
「裕ちゃん…あたしより先に…死ぬんじゃないわよ」
「アホか、絶対死なん」
「フッ、それでこそ…裕ちゃんだよ」
52 名前:第5話 投稿日:2004/10/31(日) 15:23
そして二日後、
「さて、福田殿。
準備はよろしいですか?」
「ああ、いつでもいけるさ」
「くれぐれも侮らないでください。
相手は私たちと同じ神のかけらですから…」
「わかってるさ。でも私以上の使い手はそうはいないはず…」
「ええ、福田殿の実力はゼティマ王国一ですから…」
「これに勝てばまた一歩、つんく様の覇道に近づく…」
「だからこそ、勝たねばなりませんな…」
(ほんとはどちらでもいいがな…)
「さ、行きましょうか。
先発隊はすでに山を下っています」
「ああ、行くぞ!」
そして柴田と福田は山を下り始めた…
53 名前:スペード 投稿日:2004/10/31(日) 15:28
とりあえずここまで、
次回ようやく戦争です。


≫46ミッチー様
長くひっぱりすぎて申し訳ありません。
次こそ戦争です。
どうぞお楽しみに…

今回は変則的なメンバー編成にしてみました。
これもストーリーにからんできます。
54 名前:ミッチー 投稿日:2004/10/31(日) 23:58
更新お疲れさまデス。。。
あやっぺに頑張って欲しいです。
紺野さんの読みって何なんでしょうか???
楽しみです。
55 名前:悪天 投稿日:2004/11/01(月) 22:12
更新お疲れさまです。
メンバーも色々と気になる分け方ですね。
次回の戦争も期待しております。
56 名前:第5話 投稿日:2004/11/02(火) 21:22
「ここだよね?亜弥ちゃん」
「うん、確か一千って言ってたけど…」
「あれは一千に見えないやよー」
「ええ、倍はいますね。
魔物も混じってますが…」
「道重さん、よく見えるね。
アタシなんか漠然と敵が見えるだけなんだけど」
「慣れてますから。さて、このメンバーで四倍の兵力差はきついんじゃないですか?」
「それについては大丈夫。
魔物のほうはあたしがなんとかする」
「ダメだよたん!
アレ使ったら死んじゃうよ」
「ああ、あんな大がかりなのは使わないけど、
紋章の力はちょっと借りるよ」
「でも…」
「大丈夫、あのさ…みんなちょっと下がってて」
「え?ええ…」
松浦が兵を全員後ろに下がらせた。
57 名前:第5話 投稿日:2004/11/02(火) 21:44
「…ハアアア!!」
藤本が右手を上げると、藤本の前に巨大な鎌が出現した。
「す、すごい…」
高橋は自分の命がその鎌に狩られるんじゃないかと錯覚をおぼえた。
「大丈夫、この鎌は魔物にしか効果はないから」
両手にもってゆっくりと構え、
そして横に振り回した。
「……みきたん?」
「大丈夫、もう終わったから。
魔物のほうはね…」
「えっ?」
「さ、亜弥ちゃんと高橋さん、それに道重さん、
いきますよ!」
「う、うん…」
兵を進める松浦達。
すると敵にあきらかな動揺があった。
「えっ?魔物の姿がない…」
「だから言ったじゃない終わったって。
さ、一気に蹴散らそう!」「ええ!」
そして藤本達はぶつかっていった。
58 名前:第5話 投稿日:2004/11/02(火) 22:02
チーム中澤、
「さーて、魔物もおるけどどないしよ?」
「あたしにまかせなよ。真なる水の紋章があるし」
「そうですね、神のかけらがあるなら安心…」
そこまで言って新垣は言葉を止めた。
「ガキさん?どないしてん」
「中澤さん、あたし少し列から外れます」
「え?なして…」
「倒さなきゃいけない人が敵の中にいます」
「それって…」
「そういうことですので、行きましょうか」
中澤達は一直線に敵にぶつかった。
(あたしが倒さなきゃいけない人…それは…)
敵の中にその人物をみつける。
(アンタだよ!…小川麻琴!)
新垣が小川にむかって槍をつきつける。
「…こないだの決着をつけたいってわけ。
いいだろう、草原人の前にオマエから片付けてやる!」
新垣と小川は戦場から少し離れたとこに移動した。
59 名前:第5話 投稿日:2004/11/02(火) 22:11
「ここなら余計な邪魔もないし、
決着をつけるには絶好の場所でしょ?」
「フン、今の私をあの時と同じとは思わないことだな…。
私はゼティマ王国に行き、さらに強くなったんだ!」
「はいはい、そう強くなったとかそういうのは勝った時に言いなよ。
負けたらアンタ、惨めだよ」
「…ぐっ、絶対に殺してやる!」
「できるものならやってみなよ、
ま、アンタじゃあたしには勝てないけどね」
新垣が槍を構える。
「我が力、思い知るがいい!」
小川も槍を構える。
そして両者がぶつかった。
60 名前:第5話 投稿日:2004/11/02(火) 22:26
チーム吉澤、
「あ、あれ!もしかして…」
「麻美…やっぱりいたべか」
………………………………
「フッフッフ、みんなこの保田様の美貌に恐れおののいているわね…」
「リーダー、絶対それはないから。
それより…」
「ああ、アンタのお姉さんならいるわよ。
ホラあそこ…」
「お姉ちゃん…絶対に勝つよ」
………………………………
「安倍さん…大丈夫ですか?」
「大丈夫、たとえ妹だからって加減はしないべさ」
「えーっ!?安倍さんの妹があの中に…」
「梨華ちゃん、シャラップ!」
「わう…」
「一対一で決着つけたいんだけどいいべか?」
「ええ!負けないでくださいね。
安倍さんともっとお話したいですから…」
「わかってるべ。なっちは負けないよ!」
そういって安倍は戦場となるであろう地点から少し離れたとこに移動した。
61 名前:第5話 投稿日:2004/11/02(火) 22:35
「お姉ちゃん…」
「麻美…」
しばらく二人は何も言わずに立っていた。
「私はお姉ちゃんを越えるためにゼティマ王国に行ったの。
そして今、それが実現するの!」
「麻美…アンタに私を越せるかい?
なっちは決して低い山じゃないべさ」
「わかってる、でもあたしは…越えなきゃいけない!」
「これ以上…押し問答は無用だべさ」
「ええ、騎士たるもの、問答は剣でするもの…」
「そういうことだべ、麻美。
覚悟はいい?」
「お姉ちゃんこそ!」
「いくべさ!」
刄と刄がぶつかった…
62 名前:スペード 投稿日:2004/11/02(火) 22:41
本日はここまで、
なんか歯切れ悪い感じになりました。

≫54ミッチー様
とりあえずあやっぺの頑張りと紺野の読みは結構先になりそうです。
次回もいろんな決闘を書かなきゃならないんで…

≫55悪天様、
この変なメンバー編成はこれを書きたかったからなんです。
もちろんバランスも考えてますが…
今回は結構戦争長かったりします。
63 名前:ミッチー 投稿日:2004/11/03(水) 13:33
更新お疲れ様デス。。。
今回は、色んな人達の戦いがありますネ。
それぞれに頑張って欲しいです。
スペードさんも頑張って下さい。
64 名前:第5話 投稿日:2004/11/07(日) 22:26
チーム矢口、
「…あれがブラッディーマリーと呼ばれているハロー王国騎士団長矢口真里か…」
後方で戦況を見守る福田がつぶやく。
「まさか剣術とスピードだけであれほど敵を翻弄するなんて、
見事としか言いようがないな…」
「福田様…我々が出ましょうか?」
「ベリーズか…。
お前達の初戦闘には荷が重いかもしれんが、
いいだろう、行ってこい!」
「「「「「「はい!」」」」」」
………………………………
「ハッ!」
ヒュン!
矢口がその小さな体を最大に活かし、
敵を翻弄しながら数を削っていく。
「うちらも負けんで!
くらいや!我が必殺の剣時雨!」
加護がワープの紋章を発動させ、
敵軍の頭上に剣の雨を降らせる。
「ののも負けないのれす!はあっ!!」
辻が大剣を振り回し、衝撃波を発生させる。
この三人の活躍により、
最小の犠牲で敵の数を同数まで減らしていた。
65 名前:第5話 投稿日:2004/11/07(日) 22:41
その時、
「っ!?」
矢口の目の前を複数の矢が通りすぎる。
「「「「「あなたの活躍もここまでです!」」」」」
多方向から同時に声が聞こえてきた。
「…アンタら何者?
子供が来るとこじゃないんだけど」
「「「「「そういうあなたも子供じゃないんですか?
私たちはベリーズ。
福田様直属の護衛隊です。」」」」」
「その福田ってのはこんなガキに守られてんだ。
苦労の絶えない国だねえ…」
「「「「「何を…!!!」」」」」
全員で矢口に攻撃を仕掛けようとするが、
「「「「「な…!?」」」」」
ベリーズの面々の視界から矢口が消え、
全員地面に叩きつけられていた。
「悪いけどオイラはガキのお守りをするのが嫌いなんだ」
矢口は一旦辻達と合流することにした。
66 名前:第5話 投稿日:2004/11/07(日) 22:55
チーム飯田、
「この感覚…」
「どったの?リーダー」
「間違いない、柴田あゆみはここに来る」
「柴田あゆみが来るってことはあの二人も…」
「!?…この殺気、奴だな…。
まったくわかりやすい…」
この前戦った大谷の殺気をいち早く察知した市井。
「こんなにやる気じゃあしょうがないねえ。
リーダー、俺は戦列から離れます」
「…行ってこい。ただし、死なないこと。
これリーダー命令ね」
「フッ、了解!」
市井は戦列を離れた。
「さて後藤、お前はここに残るでしょ?」
「ええ、あの人は戦列から離れてないみたいです」
「それから…あたしの身になにかあったらお前が軍を指揮して」
「え?ちょっと…」
「さ、行くよ!」
67 名前:第5話 投稿日:2004/11/07(日) 23:06
「さて、始めようぜ!大谷さんよぉ!!」
市井が叫ぶ、
「フッ、貴様…少しは腕を上げたか?」
「言うまでもないことだ。
そんなものは戦えばわかる!」
「確かにな…。私と貴様はどこか似ている…。
そう、戦でのみ己を語り、戦でのみ死す。
貴様もそうであろう?」
「一緒にするなよ!
俺には大切な人がいる、帰る場所もある。
だから私はお前に勝つ!」
「いいだろう…。
貴様のその力、私に示してみろ!」
大谷が双剣を抜き、市井に向かっていった。
68 名前:第5話 投稿日:2004/11/07(日) 23:18
チーム藤本、
「はっ!」
藤本が闇を放つ鎌を振り回す。
それだけで敵兵はただの肉塊と化す。
「みきたん不気味…」
「うう、亜弥ちゃんそれは言わないで…」
「二人ともふざけてる場合じゃないやよー!」
「ごめんごめん…。
あ、あれ!?」
さっきまで握っていた鎌がなくなっている。
「くそ!盾魔法…!」
「どういうこと?」
「盾の紋章は光の紋章の下位に属してるんだけど、
二人がかりでやればこのくらいの魔法は封じられる…」
「「そういうことですよ」」
「誰?アンタら…」
「私は三好絵梨香、そしてこちらが岡田唯」
「私たちはゼティマ王国親衛隊。
それも上位に属するエリートよ…」
69 名前:第5話 投稿日:2004/11/07(日) 23:27
「うわ、エリートとか自分で言ってるし…」
「そんなことはどうでもいいのです!
あなたの闇の紋章をよこしなさい!」
三好が藤本に詰め寄る。
それを松浦がふさぐ。
「みきたん…このキチガイはあたしが相手するわ」
「ならあーしはこの変なのを相手するやよー!」
「キチガイ…!?」
「変なの…!?」
「「許せん…!!!」」
「ならかかってきなよ」
「あーしらは逃げも隠れもせんで」
「「いいでしょう…。あなた達から葬ってあげます!」」
三好は松浦に、
岡田は高橋にそれぞれ向かっていった…。
70 名前:スペード 投稿日:2004/11/07(日) 23:34
今回はここまで。
量少ないかな…?

≫63ミッチー様
今回はいろんな一騎打ちがあります。
作者の中で混乱しないように気を付けてますが…

最近更新バラバラだな…。
まだまだ先は長いのに大丈夫か?自分…
今回飯田さん及びよっすぃー大活躍予定です…。
71 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/08(月) 10:18
更新お疲れ様です。
いつも楽しく読ませていただいてます。
えっとキ○ガイは書いちゃいけませんよ。
72 名前:ミッチー 投稿日:2004/11/09(火) 00:54
更新お疲れさまデス。。。
飯田さんの身に何か起こるのでしょうか?
続き楽しみです。
73 名前:第5話 投稿日:2004/11/10(水) 21:59
チーム中澤、
「はっ!」
ガギィン!
小川が猛然と攻めかかる。
「…くっ、重い…!」
新垣は防戦一方である。
「さっきまでの勢いはどうしたよ!?
このままだと死んじまうぜ!」
「…調子に乗るな!」
ヒュン!
「ふっ、遅い!遅いわ!」
ガン!
新垣の槍が上に弾かれ、胴ががら空きになる。
「なっ…」
「終わりだ…」
ガッ!
小川が立っている地面が突然隆起した。
「何!?」
「こんなんで終わりにしないでちょうだい!」
新垣が土の紋章を発動させたのだ。
「ふん、こんな程度で…」
小川にむかって2メートルほどの大きさの岩が降ってきた。
「くっ…」
かろうじて躱すが次々と岩は降ってくる。
「こざかしいマネを…。奴はどこへ消えた?」
74 名前:第5話 投稿日:2004/11/10(水) 22:17
そこでふと気付く。
新垣がどこかへ隠れたのではなく、
小川の視界が岩によって邪魔されているのだ。
「まさか奴はこれを…」
ドゴッ!
すると小川の目の前の岩が砕けて無数のつぶてになり、小川に襲い掛かる。
「うおっ!」
カンカンカン!
なんとか全て防ぐ。
「この程度の戦術で…」
フッ!
小川のまわりが急に暗くなる。
ふと上をみると、
「なっ…!」
さきほどの3倍はあろうかという岩が降ってきた。
ドゴッ!!
「はあっはあっ…」
なんとか躱す小川だったが、
スッ…、
首筋に冷たいものがあたる。
「……!!!」
「私の勝ち、だね…」
「バ、バカな…」
「だてにあたしもあのリーダーと三年も一緒にやってきてないからね…。
どうする?続ける?」
「…くそ!」
小川は槍を捨てた。
75 名前:第5話 投稿日:2004/11/10(水) 22:30
チーム吉澤、
「さて、安倍さんも行っちゃったし、
あたし達も戦わなきゃ!
ちょっと不利だけどなんとかなるでしょ!」
「そうだね、私もいるし」
「……」
「何?なんで黙るのよっすぃー!」
「いや、梨華ちゃん今までたいした活躍してないし…」
「たしかにそれは当たってますね。
何せ石川さんですから」
「よっすぃーはまだしも亀井まで…。
こうなったらあたしが向こうの大将倒すわ!」
「え?ちょっと梨華ちゃん…?」
「あれが敵の大将ね!行くわよ!」
「あーあ、行っちゃった…」
「吉澤さん、止めたほうがいいんじゃ…」
「ま、梨華ちゃんならなんとかなるでしょ。
梨華ちゃんが本気だしたらあたしでも捕まえられないから…」
「でもあの人数ですよ?」
「しかたない、あたし達も行くか…」
76 名前:第5話 投稿日:2004/11/10(水) 22:46
「誰?あそこでものすごくがんばっちゃってる子は…」
「敵デショ?あきらかに」
「ふーん、ならこの保田様の出番かしら」
「あら、後ろからもなんか来てマースヨ!」
「うーん、あたしが倒すしかないわ」
保田は石川の方に走っていった。
「大将が動いた…、やっぱり梨華ちゃんじゃ不安かも」
「じゃあ急ぎましょうよ!
ってか石川さん突っ込み過ぎ!」
「あそこまで行くと助けるの大変だよね…」
「はあ…」
………………………………
「はっ!せいっ!」
石川が敵を次々と薙ぎ倒していく。
「へーえ、少しは戦えるみたいね。
あんた達じゃ無理だわ。下がってなさい。」
兵達が下がっていく。
そしてその場には石川と保田だけが残った。
77 名前:第5話 投稿日:2004/11/10(水) 22:56
「助かった!あれなら大将は梨華ちゃんに任せて、
あたしらは敵を倒せばいいや!」
「了解!じゃあ行きましょう!」
………………………………
「あんたが敵のリーダー?」
「いいえ。私たちのリーダーはあそこですよ」
「ふーん、まあいいわ。
それなりに楽しめそうだし。
名前を聞いておこうかしら」
「石川梨華です!」
「石川ねえ…。あたしは保田圭。アンタを倒す女よ」
「あら、あたしは負けませんよー!」
「…なんか寒いわよ、アンタ…」
「ひどーい!」
「フッ、まあいいわ。かかってらっしゃい!」
78 名前:第5話 投稿日:2004/11/10(水) 23:14
安倍なつみVS安倍麻美、

ビュッ!
安倍のするどい袈裟斬りを麻美は難なく躱す。
「ふーん、少しは腕を上げたんだべね」
「あら、こんなもんで驚かないでよ」
カッ!
「速っ!危なかったべさ」
「まだまだ!」
ギィン!
「なーんてね、なっちにはこんなの余裕っしょ!」
「え?」
ヒュッ!
「こんなもの!…えっ?」
フッ!
麻美の視界から剣が消えた。
ズバッ!
「うっ!」
麻美は膝をついた。
「無双流、幻影刃…!」
「どうして…?」 「それはなっちの秘密」
79 名前:第5話 投稿日:2004/11/10(水) 23:27
「…あたしは負けない!」
麻美が立ち上がる。
「麻美…。いいべさ、かかっておいで」
安倍が構える。

麻美が突きの構えで向かってきた。
「麻美…、やみくもに向かうだけじゃなっちには勝てないべさ」
麻美の突きを冷静に躱し、拳で首の急所を突いた。
「うっ!」
気絶する麻美。
「なっちに勝ちたかったら…もっと強くなるといいべさ」
そういって安倍は麻美をかついで戦場を後にした…。
80 名前:スペード 投稿日:2004/11/10(水) 23:33
今回はここまで。
なんかわかりにくいとこ多そう…

≫71名無し飼育さん様
すいません…、キ〇ガイは書いちゃダメでしたね。
以後気を付けます。

≫72ミッチー様
飯田さんの身に何が起こるかはしばらくお待ちくださいませ。
しばらく一騎打ちがつづくもので…
81 名前:ミッチー 投稿日:2004/11/11(木) 17:18
更新お疲れ様デス。。。
石川さん、突っ走っちゃってますネ。(笑
次も楽しみにしてます!
82 名前:悪天 投稿日:2004/11/13(土) 10:17
更新お疲れさまです。
石川さん、相変らずのぶっ飛び具合ですね。
ガキさんはカッコよかったです。
次回更新も楽しみにしております。
83 名前:第5話 投稿日:2004/11/15(月) 22:08
チーム飯田、

ワアアアア!!
刄と刄、人と人、そして魔物が交錯する。
しかし一方が完全に押されていた。
飯田、後藤、田中らが奮戦するも、
五倍の兵力差はどうしようもなかった。
現在の兵力はチーム飯田が800で、
チーム柴田が4500である。

「くっ、やはり差がありすぎる…」
「どうしよう?」
敵を薙ぎ倒しながら会話をする飯田と後藤。
「しかたない、一旦下がるよ!」
「了解!」
飯田達は兵をまとめて退却を始める。
当然相手も追ってくるが、
「後藤!火の紋章を!」
「わかってますって!
火炎障壁!!」
炎の壁が敵の前に立ち塞がる。
「こざかしい奴らだ…」
柴田が真なる風の紋章で消火する。
しかしその間に飯田達はかなり後退していた。
「柴田様、ここは一旦兵をまとめましょう。
我々の圧倒的有利にはかわりありません」
斎藤が言う。
「そうだな…」
柴田が軍をまとめ始めた。
84 名前:第5話 投稿日:2004/11/15(月) 22:22
「さてリーダー、どうするんですか?」
後藤が尋ねる。
「しかたがないね…。
アレを使うしかないか…」
「アレって何さ?」
「この真なる火の紋章の力を100パーセント近く解放する」
「それって…、かなりやばいことになるんじゃなかと?」
田中が言う。
「ああ。
だからもうちょっと下がってて」
言われたとおり兵をさらに後退させる。
(ごとーが心配なのはリーダーだよ…)
「さて…」
まわりに人がいなくなったのを確認すると、
「我が右手に宿りし真なる火の紋章よ!
我、汝の大いなる力を欲す!
出でよ!神竜!!」
詠唱が終わると飯田の右手が輝き、
同時に空が赤い光を放ちだした。
85 名前:第5話 投稿日:2004/11/15(月) 22:39
「これはいったい…?」
柴田は突然のことに動揺を隠せずにいた。
「柴田様!あれを…!」
村田が空の一点を指差す。
そこからは神のかけらを所有する柴田でさえ、
恐怖を感じるほどの生物が舞い降りてきた。
始祖の紋章を作ったのが人間の神であれば、
始祖の紋章を砕き、それを神のかけらとしたのがこの神龍である。
つまり神龍が相手では神のかけらでさえ赤子同然なのだ。
「ふ、ふふふふ。
まさか奴がここまでの使い手とはな…。
具現結晶か…」
「具現結晶?なんです?それは…」
斎藤が尋ねる。
「神のかけらの究極魔法だ…。
一部の紋章は召喚術もできる。
真なる火の紋章は神のかけらの中でも実力はトップクラスだからな。
しかし具現結晶は最低50年の修業を必要とするらしい…」
「そんなことよりどうするんです?」
「あれをまともに相手にする気はない。
逃げるぞ」
そういって柴田は村田と斎藤を連れ、
三人でどこかへ消えてしまった。
86 名前:第5話 投稿日:2004/11/15(月) 22:49
一方市井と大谷もこの異変に戦いを中断していた。
「これは…?」
「柴田様の魔法ではないな…。
村田にあのような魔法があるとは思えないし、
敵の魔法か…」
大谷は冷静に分析していた。
「大谷よ…」
すると大谷の前に柴田達三人があらわれた。
「柴田様…。これはいったい…?」
「敵の魔法だ。
我々はこれ以上無理をする必要はない。
引き上げるぞ」
「はっ」
「それからそこのお前!」
「なんだよ」
「飯田圭織に伝えておけ!
貴様の紋章はかならずいただくとな!」
そう言い残して柴田達は消えていった。
「勝手なヤツ…。それよりリーダー達が心配だな…」
市井もその場を後にした。
87 名前:第5話 投稿日:2004/11/15(月) 23:05
「こ、これがリーダーの実力…?」
後藤は目の前にいる飯田圭織に恐怖を感じていた。
子供の頃から魔法が得意で国境警備隊でも魔法では誰にも負けなかった。
魔法で勝つことが後藤のプライドになっていたが、
先日柴田あゆみに負け、
村田めぐみにかろうじて勝ったものの、
今また飯田圭織によって後藤のプライドが崩壊しようとしている。
「ごとーの19年間はなんだったの…?」
「後藤」
はっとして顔を上げると、
「お前はお前の最善と思うことをやれ。
それだけだ」
そういう飯田の全身からは大量の汗が吹き出ていた。
「リーダー…!それ…」
「具現結晶の副作用、かな…。でもこれで終わり!」
飯田が右手を強く握り、前に突き出す。
敵の前に神龍が立ち塞がった。
その大きさはおよそ30メートルといったところか。
そして神龍は口から火を吹き、
そして空へと飛んでいった。
88 名前:第5話 投稿日:2004/11/15(月) 23:23
神龍が飛び去った後には、魔物と敵兵の焼死体が散乱していた。
しかしそれは前線部隊の話、全体の兵力は未だ三千も残っていた。
「はあっはあっ…。
くそ、これが限界…」
ドサッ!
飯田が前のめりに倒れる。
「ちょっとリーダー!?」
後藤が起こそうとするが、まったく返事がない…。
「後藤さん!残った兵が向かってくるっちゃ!」
「く…!どうすればいいの?」
完全に迷っている後藤。
その時、
「そんなもん決まってるだろーが!!」
普段はヘタレだが、今の後藤にとっての救世主、
市井紗耶香が戻ってきた。
「いちーちゃん!どうしよう…。
リーダーが…」
「後藤!お前はリーダーを安全なとこに連れていけ!
敵は俺がくいとめる!」
「う、うん…。
いちーちゃん…、ありがとう…」
「バーカ、泣くんじゃねえよ。
俺はお前の涙が嫌いだ」
「うん!」
後藤は飯田をかついで去っていった。
89 名前:第5話 投稿日:2004/11/15(月) 23:39
「さーて、大見栄きったは良いものの…、
どうしようかね?あれ…」
「市井さん、何も考えてなかったと?」
「ああ!」
さわやかな笑顔で答える市井。
普段なら全員で袋叩きにするところだが、
この絶望的状況においては一筋の希望といったところか。
「市井さんらしいっちゃね…」
田中にも笑顔が出てきた。
するとそこに、
「よかった…どうにか間に合いました」
紺野がやってきた。
「あら軍師、どうしたよ?」
「敵がここに兵を重点的に置くのは読んでいましたから、
兵を連れてきたんですよ」
「えっ!?マジ!?」
「マジですよ。ほら…」
紺野の後ろからはおよそ2000の兵がついてきていた。
「これで2800対3000…。
この勝負、勝てるぜ!」
市井が言う。
「やる気出てきたっちゃ!」
「さあみなさん!行きますよ!!」
紺野が大声で叫ぶと、
ウオオオ!
味方の士気は最高に上がり、
そしてそのまま敵に向かっていった…。
90 名前:スペード 投稿日:2004/11/15(月) 23:49
今日はここまで、
ここで注意!
今日出てきた神龍、
あれをドラ〇ンボールの○ェンロンと勘違いしないでください(笑)

≫81ミッチー様、
石川さんは私の中では永遠の暴走キャラです。
ハロモニの影響が…

≫82悪天様、
今回のガキさんの戦い方は一回書いてみたかったんです。
なんかかっこよさげだったもので…
91 名前:ミッチー 投稿日:2004/11/16(火) 17:11
更新お疲れ様デス。。。
飯田さんの神龍カッコイイですね。
市井ちゃんも、いざという時は頼りになるネ!
92 名前:第5話 投稿日:2004/11/18(木) 21:48
チーム矢口、

「さっきのはいったいなんだったんれすかね?」
「さあ?あのでっかいねーちゃんあたりがなんかやらかしたんとちゃう?」
「うーん、ここで考えててもしかたないし、
さっさと敵をかたづけるよ!」
「そやかて団長、敵さん逃げてまっせ」
「あれ?ほんとだ…」

「まったく…、神のかけらが相手とは知っていたが、
まさか私でさえ使えない具現結晶まで使えるヤツがいるとは…。
柴田の奴、帰ったら問い詰めてやらんと…」
福田はさっさと引き上げていった…。

「なんやあっけない。
ほな他のとこでも応援にいこかー」
「ああ、どこが一番やばそうかねえ?」
「よっすぃーのとこは安倍さんがいるし、
やばいとしたら藤本さんのとこじゃないれすか?」
「うーん、確かに…じゃあそこへ行くか!」
93 名前:第5話 投稿日:2004/11/18(木) 22:05
チーム藤本、

「うわっ!」
「きゃっ!」
松浦と高橋が同時に吹き飛ばされる。
「「私たちがあなた方のようなできそこないに負けるはずがないでしょう?」」
「ううっ…この人達強い…。
やっぱりあーしらじゃあ…」
「愛ちゃん!そっから先は言わないの!
勝てないと思ったら絶対に勝てないよ!」
「うん!そうやね!」
ゆっくりと立ち上がる二人、
「「まったく…無駄だと言うのがまだわからないんですか?」」
ゆっくりと向かってくる岡田と三好。
「あ…、いいこと考えた!」
突然高橋が声をあげた。
そして、
スッ、
「これは…!肢曲…?やつらがこんな高等技をもっているとは…」
二人の目には高橋が無数に写っている。
94 名前:第5話 投稿日:2004/11/18(木) 22:16
「でも、こんなのは全部倒せばそれまでよ!
なにせこの中に本物がいるのは間違いないんだから!」
岡田と三好は二人がかりで本物の高橋を探す。
選別方法はもちろん一人一人攻撃して確かめる。
「亜弥ちゃん!今やぁー!」
一番後ろにいた本物の高橋が声をあげる。
するといつのまにか二人の後ろに回り込んでいた松浦が、
「我が右手に宿りしユニコーンの紋章よ!その力を解放せよ!」
ユニコーンの紋章を発動させ、
二人に巨大な衝撃波をくらわせる。
「「そんな…私たちエリートが、なぜ…?」」
「そんなの決まってるでしょ?」
戦いの様子をみていた藤本が言った。
「あんたたちより亜弥ちゃん達のほうが強かった。
ただそれだけよ…」
95 名前:第5話 投稿日:2004/11/18(木) 22:28
「みきたーん!あたし達勝っちゃったよぉー!」
松浦が抱きついてくる。
(亜弥ちゃん…む、胸があたってますがな…。
ってイカンイカン!!今は戦争中…)
おもわず遠くの世界にいきそうなのを自力で止めた藤本。
「どしたんですか?藤本さん」
「な、なんでもないよ…」
「あのーみなさん?私の存在を忘れてません?」
「あっ…」
「重さん…」
「完全に忘れてたやよー」
「ううっ、こんなにかわいいさゆのことを忘れるなんて…」
「「「ご、ごめんなさい…」」」
「いいえ、ゆるさないわ!
罰として道重さゆみはかわいいを一人三十回復唱!」
「「「ひ、ひえええ!」」」
藤本、松浦、高橋の三人はなぜかその場で道重さゆみはかわいいを三十回も復唱させられた。
ただ一人松浦は心の中で自分のほうがかわいいと思っていたようだが…
96 名前:第5話 投稿日:2004/11/18(木) 22:41
チーム吉澤、

石川対保田は、若干保田が押し気味に戦いを進めていた。
「ふふ、なかなかやるじゃないの」
「はあっ、はあっ、そういうあなたこそ…」
「でもね、あたしはこんなとこじゃあ負けないのよ」
フッ!
「えっ!?」
「じゃあね、なかなか楽しかったわ」
保田が石川の後ろから剣を振り下ろす。
しかし、
スカッ!
「はっ!?」
「スピードじゃあチャーミー石川は負けませんよー!」
「…ますます寒いわよ、アンタ…」
「ひ、ひどーい!よっすぃーに言い付けてやるう!」

ぶるっ!
「吉澤さん、どうしました?」
雑魚を蹴散らしながら亀井が聞く。
「今ものすごい悪寒が…」
「??ところで石川さんは大丈夫なんですかね?」
「ああ、梨華ちゃんなら心配ないよ。
梨華ちゃんが本気になったらマジで寒…、
いや、強いから」
「…吉澤さん、今素で間違えましたね」
「だって梨華ちゃん寒いんだもん…」
97 名前:第5話 投稿日:2004/11/18(木) 22:54
「さあーて、チャーミー本気出しちゃうぞ!」
「…今度は寒いうえに腹立つわ…」
ひゅん!
「なんて言ってる場合じゃないわね、
さっきよりスピードが上がってる」
シュッ!
眼前にせまったトンファーをなんとかかわす。
「スピードも上がったぶん、威力も上がってるんだろうな…」
なんとか攻撃を試みるがまったく当たらない。
「チャーミーが本気になればこんなもんです!」
「まったく…スピードじゃあ勝てないかもね。
でも…」
ガァン!
「ぎゃん!」
壁に頭をぶつけて倒れる石川。
「アンタ寒いうえにバカでしょ…?」
「うううっ、いいもん。
よっすぃーに言い付けてやるぅ!!」
そういって石川は一目散に逃げ出した。
「はあ…なんか疲れた…神のかけらはもういいわ」
保田も兵をまとめてゼティマ王国に帰っていった…。
98 名前:スペード 投稿日:2004/11/18(木) 23:00
今回はここまで、
仏検が近いもので…。(フランス語検定、略して仏検)
みなさんは仏検?なんぼのもんじゃい!!って感じでしょうが…

≫91ミッチー様、
飯田さんの神龍は構想上、一人で行う攻撃としては最強の力を持ってます。
なんかこういう最強キャラがほしかったもので…
99 名前:ミッチー 投稿日:2004/11/20(土) 00:13
更新お疲れ様デス。。。
道重さんと松浦さんおもしろかったっス!
あと、石川さんも寒・・・面白かったです。
100 名前:悪天 投稿日:2004/11/23(火) 10:41
更新お疲れ様です。
さすが重さんってとこですね。
石川さんもさすがの寒さです。

次回更新も楽しみにしています。
101 名前:第5話 投稿日:2004/11/23(火) 21:38
その後市井達は紺野の知略、
市井の武勇で三千の敵を蹴散らすことに成功し、
中澤隊も新垣が小川を捕らえ、
石黒が真なる水の紋章を発動させ、
敵を完全に翻弄させた。
隊長を失った隊は無駄な抵抗をすることなく、
素直にハロー王国に投降した。
この戦いで兵力は七千に増えた。

「…あたしの出番は?」
と吉澤がつぶやく。
「それをいったられいなもないっちゃ!」
「こんなにかわいいさゆのことを忘れるなんて…」
「絵里もー!」
「それをいったらウチなんか今まで戦闘シーン一回もないっちゅーねん!!」
「まあまあねーさんそう言わんと。
あっちゃんなんて名前しかでてへんねんから」

…ホンマすんません。
102 名前:第5話 投稿日:2004/11/23(火) 21:54
「…リーダー…」
「…ん」
モーニング村に戻り、
飯田をゆっくりと休ませる。
「…ごとー、もっと強くなれるよね?」
「…ZZZ」
「後藤!出かけるぞ!」
市井がでかい声で話し掛ける。
「ちょっといちーちゃん!
リーダー寝てるんだから静かにしてよ!」
「あ、わりぃ。
しっかしよく寝るね。三日目だろ?」
「まああんな魔法使ったらああなるよ。
むしろ生きてるのがすごい…」
「なあ…実際みてないんだけどどんな魔法だったんだ?」
「なんか空から龍が降りてきて、
火をどばーっと吹いていったの!」
「そ、そうか…」
103 名前:第5話 投稿日:2004/11/23(火) 22:10
ブラス城にて、
「あれ?紺野どうしたんだ?」
「まこっちゃんの処分を検討中です。
前回は騎士団員ということで国外追放に留めましたが、
今回はそうはいきませんから」
「やっぱり処刑だべか?」
「…やむをえないでしょうね」
「そんな…なんとかならへんの?」
「小川しゃんを処刑したらいけないのれす!」
「そんな甘いことは言えないんです!!」
「「!!」」
「いいですか?まこっちゃんは草原部の人間を憎んでいます。
このまま許してもまた私たちの敵になるでしょう。
それに…我々の軍規を乱すことになるのですから…」
「「「「……」」」」
黙り込む一同。
そこへ吉澤がやってきた。
「こんにちはー!!安倍さんいますか?」
「よ、よっすぃー…」
「ごめんなさい今会議中…
そうだ!」
「どうしたの?紺野…」
「吉澤さん、ちょっと…」
「なんだべ紺野、やっぱりよっすぃーのことが…」
「違います!まこっちゃんを改心させる方法が見つかりましたよ!」
104 名前:第5話 投稿日:2004/11/23(火) 22:21
「…あさ美ちゃん…」
「まこっちゃん…今から吉澤さんと戦ってもらうよ」
「えっ?」
「憎いんでしょう?草原人が…」
「ああ…」
「だったらいいよね?さ、この槍をもって…」
小川に槍をつかませる。
「吉澤さんもいいですよね?」
「別にいいけど…」
「よっすぃー、ほんとにいいんだべか?」
「うん、そこまで憎いんなら、
相手になってあげるよ」
「でもよっすぃー…」
「大丈夫、あたしは負けないですから」
吉澤も剣を抜く。
「じゃあ構えて!」
チャキ…
お互いに構える。
「始め!」
105 名前:第5話 投稿日:2004/11/23(火) 22:32
「うおおお!」
ヒュッ!
小川が連続で突きを繰り出す。
(速いけど正確さがない…)
吉澤はそれを全て余裕で躱す。
「はあああっ!!」
さらに速度を速める。
「…飽きた」
ガン!
吉澤は突きの軌道を完全に見切り、
上に払い除けた。
「なっ…!」
ドカッ!
胴ががら空きになったところに蹴りを加えた。
吹き飛ばされる小川。
「ぐっ…こんなバカな…」
「アンタの技にはね…悲しみしかない!」
「知ったふうな口を聞くな!
オマエなんか…!」
106 名前:第5話 投稿日:2004/11/23(火) 22:44
「…もういいでしょ?
ほんとはもう…両親が死んだのは草原人のせいじゃないって気付いてるんでしょ?」
「う、うるさい…!!私は草原人が…」
「小川ぁー!!」
バシッ!
「…団長!」
「オマエのしてることは復讐でも報復でもない!
ただの逆恨みだー!」
「…!!」
「矢口の言うとおりだべ…!」
「安倍さん…」
「あたしが何か言えたもんじゃないけど、
復讐のために戦っても…今度は自分が復讐の的になるよ」
吉澤も続ける。
107 名前:第5話 投稿日:2004/11/23(火) 22:52
「…こんなあたしを…許してくれるの?」
「オマエに償う気があるんならな」
「同じく」
「まったく手間のかかる部下だべ」
「まったくや」
「あいぼんも人のこと言えないれしょう?」
「いや、辻さんもです」
「団長…、みんな…ごめんなさい」
小川は膝をついて謝った。
「いいか、オマエには明日からしっかり働いてもらうからな!」
「…グスッ、はいっ!」
108 名前:スペード 投稿日:2004/11/23(火) 23:02
今回はここまで、
なんか変な感じになっちゃいました。

≫99ミッチー様
この三人は我が道を行く!って感じなんですよね。
わたしの偏見ですが…

≫100悪天様
石川さんの寒さ、重さんのナルシストさはやはり外せません!(笑)

以上!この作品まだ中盤なのに、
次の作品のネタを考えちゃうダメ作者スペードでした。
(ちなみにそのネタもファンタジーだったりする)
109 名前:konkon 投稿日:2004/11/24(水) 01:24
交信お疲れ様です♪
真琴が改心して、これでようやく揃いましたね。
>108
よくわかります。すごくよくわかります!
けどそこまでなかなか進まない、難しいですね〜
小説っていうのはw
110 名前:ミッチー 投稿日:2004/11/25(木) 17:17
更新お疲れ様デス。。。
飯田さん、大丈夫なんでしょうか?
それにしても、吉澤さん強くなったネ。
111 名前:第5話 投稿日:2004/11/28(日) 22:30
「…またこの夢か…」
過去に何度も見た夢。
人が騒めく音が聞こえず、風のそよぐ音もない。
そして暖かさも、寒さも何もない世界。
飯田は今夢の中にいた。
真なる火の紋章を宿してから何度も見た夢。
争い続ける人間に失望した神が定めた法が全てを支配し、
人が全ての自由を奪われる夢。
この夢は神のかけらを宿した人に神が警告しているんだと飯田は解釈している。
「これ以上争いを増やさないためにも柴田あゆみを止めなきゃ…」
112 名前:第5話 投稿日:2004/11/28(日) 22:42
モーニング村にて、
「さて高橋!今から新しい魔法を練習するわよ!」
「どんな魔法にするんですか?」
「あたしの水の紋章と高橋の風の紋章で台風を起こすとか…」
「なんかそれっていやな予感が…」
「いいからやるのー!!」
「はいはい…」
「いくわよー!えい!」
「たあっ!」
石川が水の紋章を、高橋が風の紋章をそれぞれ発動させた。
「…あれ?」
「い…石川さん…後ろ…」
石川が後ろを振り向くと台風とまではいかないがかなりおおきな竜巻が起こっていた。
「あのさ高橋…これって…」
「やばいやよー!」
竜巻はまっすぐモーニング村にむかっていった。
113 名前:第5話 投稿日:2004/11/28(日) 22:52
「おい…あれって…」
「あれは竜巻っていうんだよーいちーちゃん」
「アホか!竜巻ぐらい知っとるわ!
でもあれちょっと不自然じゃないか?」
「誰かの魔法じゃないの?たぶん梨華ちゃんあたりかな」
「いやそんなことよりあの竜巻、
まっすぐこっちにむかってるよな…」
「んあ、そうだねえ」
「アホー!!のんびり言うなー!
あっちにゃまだリーダーが…」
「あ…」
「後藤!お前の魔法で止められないか?」
「んあ…無理。でかすぎだし」
「ここまで来る過程ででかくなったんだな…」
114 名前:第5話 投稿日:2004/11/28(日) 23:03
「安倍さぁん!なんかでかい竜巻が…」
吉澤はというと安倍に膝枕してもらっていた。
「あれ?あっちってモーニング村の方じゃないべか?」
「あれ?ほんとだ…」
「んー残念。今日のデートはここまでだべな」
「うーん…」
「また今度ね!早く村に戻るべさ!」
「はい!」

………………………………

「やっぱりまっすぐモーニング村に向かってるよ!」
「いったいなんでこんな…」
「よ、よっすぃー!!」
「あれ?梨華ちゃん…どうかしたの?」
「ははーん、さては梨華ちゃん…やらかしたべな?」
「……はい…」
「面目ない…です」
遅れてやってきた高橋も謝った。
115 名前:第5話 投稿日:2004/11/28(日) 23:19
「なんでいきなり竜巻が…」
「まあ梨華ちゃんあたりがやらかしたんじゃない?」
「それより大丈夫なんでしょうか…」
「まああとで梨華ちゃんに説教しなきゃね…」

………………………………
「ちょっ後藤!あぶねーって!」
「でもあの中にはまだリーダーが…」
「あたしが何よ」
「あれ!?起きてたんですか?」
「うん。ところであれ何?」
「どっかのバカが起こした竜巻」
「ああそう」
右手をあげて真なる火の紋章を発動させる。
すると目の前にあった竜巻が一瞬にして消えた。
116 名前:第5話 投稿日:2004/11/28(日) 23:30
竜巻が消えたので村に戻る飯田達。
「あちゃー、建物めちゃくちゃだよ…」
「おい、あれ…」
市井が指差す先には怒鳴る矢口と小さくなっている石川の姿があった。
「だいたいオマエはなー!…」
「まあまあ矢口さん、安倍さん、怪我人がいなかったんですからもうその辺で…」
「いーや!怪我人がいなくても建物とか直すのにお金がかかるんだべ!
だから簡単に許すわけにはいかないべさ!」
「す、すいませぇん!」
「まったく…」
ここで吉澤が一言、
「はあ…これから大丈夫なんだろうか…」
117 名前:スペード 投稿日:2004/11/28(日) 23:37
今回はここまで、
ネタ考え中の為、コントに走りました(笑)

≫109konkon様
レスありがとうございます。
とりあえず全員そろいました。
これからどうしようかな…

≫110ミッチー様
吉澤さん、だいぶ強くなりました。飯田さんとの特訓のおかげです。
まあ主役ですから(笑)

まあこんなペースでこれからもよろしくお願いします。
118 名前:ミッチー 投稿日:2004/11/29(月) 18:39
更新お疲れさまデス。。。
やっぱ、石川さんはアホだね(W
面白かったっス。
119 名前:第6話 投稿日:2004/12/02(木) 22:02
ゼティマ王国の首都ハイランドにて―

「ぐああああ!!」
「…あなたの真なる土の紋章、
確かにいただきました」
「柴田…!貴様それで何をする気だ!?」
「ふふふ、あなたの知る必要のないことですよ」
柴田が真なる風の紋章を発動させる。
すると福田のまわりに真空波が発生した。
ザシュ!
「ぐっ!貴様…」
「せめてもの情けで命はとらないでおきましょう。
何せもうすぐ全員が死ぬんですから。
あなたも…、私も…」
「何…?」
120 名前:第6話 投稿日:2004/12/02(木) 22:11
「おっと、つい口がすべってしまいましたな。
止めたければ止めてみなさい。
あなたにできるならね…」
「くっ…」
「今まで神のかけらに頼ってきた人がどこまで抵抗できるか見物ですな…。
あ、そうそう。
先の戦いで戦死した兵士、借りていきますよ…」
「…!まさか貴様…!」
「ふふふ、あなたの考えることで正解ですよ」
「貴様それでも人間か!?死者を弄ぶなど…」
「人間か、だと…?
お前なんかに何がわかる!
真なる風の紋章の器としてだけに生まれてきたこの私が…!」
「器…?もしかして私と同じ…」
121 名前:第6話 投稿日:2004/12/02(木) 22:18
「同じ…?もしやあなたも…?」
「…ああ、私も真なる土の紋章の器としてだけに生まれてきたんだ…」
「…!!
まあいいでしょう、
あなたの境遇が私と類似していようが私は止まりませんよ。
私は…この運命を変えてみせる!!」
「いったい何を…」
「では、失礼しますよ」
そういって柴田は消えていった。
「くそ…奴め!
いったい何を考えてるか知らないが、
止めるしかないな…。
しかし真なる土の紋章を奪われるとは…。
ともかくつんく様に報告しないと…」
122 名前:第6話 投稿日:2004/12/02(木) 22:26
モーニング村にて、

「ちょっくらみっちゃん家に行ってる間に…、
何してくれとんじゃ石川ぁー!!」
「ううう、ごめんなさぃ…」
村の惨状を見て瞬時に石川のせいだと判断した中澤。
矢口と安倍からようやく解放された石川をとっ捕まえて説教を始めていた。
「はあ…今度は母さんか…」
「石川さん…悲惨や」
「一部は高橋さんのせいでもあるっちゃ」
「そうなんだけどね…、なんか説教しやすいんじゃない?」
「損な性格だな…」
「まったくだね、いちーちゃん」
123 名前:第6話 投稿日:2004/12/02(木) 22:36
「はあ…これからどないすんねん!
家無くなっとんぞ!」
「うーん…思い切って藤本さんのとこに移動しない?」
「え?ああ…それはええかもしれんな。
ほら、あっちにしてみたら人口が増えたらうれしいやろうし一石二鳥やん!」
「ってことで梨華ちゃん!藤本さんにその旨を伝えに行ってちょうだい!」
「えええ!?あたし?」
「当然やん!誰のせいや思っとんねーん!」
「高橋もだよお!」
「ガタガタうっさいわ!!だったら高橋連れてさっさと行けや!」
「え!?あーしも?」
「さ、行きましょ高橋!」石川は強引に高橋を連れていった。
124 名前:第6話 投稿日:2004/12/02(木) 22:47
フランシス古城にて、

「…なるほど、わかりました!」
「え?ほんとに?」
「ええ、一応住むスペースは空いてますし、
中澤さん達には一部屋貸せますよ」
「よかったぁー」
「やったぁー!これで堂々と吉澤さんにアタックできるわ!!」
「なんだってー!?よっすぃーは渡さないんだから!」
バチバチバチ!
松浦と石川が睨み合う。
(亜弥ちゃん…)
ショックで泣きそうな藤本、

でもアンタ達、吉澤さんは既に相手いますから!!残念!

……つい取り乱しました。

はたして藤本に春は来るのか?

そして柴田の計画とは?
125 名前:スペード 投稿日:2004/12/02(木) 22:51
今回はここまで、
さーて、大体話がつながった…。

≫118ミッチー様、
はい、石川さんはアホなんです。
バカとは別な次元ですな。
私にはそう見えます。

波田陽区ネタでしたが、
かなり不発だった気がします(苦笑)
126 名前:ミッチー 投稿日:2004/12/04(土) 14:37
更新お疲れ様デス。。。
波田陽区ネタ、ちょっと面白かったです。

柴田さんの計画って・・・。気になる。
127 名前:konkon 投稿日:2004/12/06(月) 23:28
んあ〜、チャミラブってすごいけど
梨華っちが混ざるとやっぱ大変なのね〜w
っつかよっすぃ人気者♪
柴ちゃんどうする!?
次も期待してま〜す!
128 名前:第6話 投稿日:2004/12/07(火) 21:51
「うっううう…」
吉澤達の引っ越しが終わった日の夜、
藤本は右手に強烈な痛みを感じていた。
「また…おまえか…」
『ふふふふふ。
そうさ、私はお前の心の闇を察知するとあらわれる』
頭の中から声が聞こえる。
「心の闇…?」
『そう!闇の紋章は本来悪意のある人間にしか宿せないのさ!
前のご主人様は人がよかったからなぁ』 「私には悪意があると…?」
『悪意ってのは多かれ少なかれ誰にでもある。
怠惰、憎悪、欲望、そして…嫉妬』
ビクッ!
最後の嫉妬ということばをきいて藤本は動揺せずにはいれなかった。
「どうしてそれを…」
『私はもはやあなたの一部なのですよ?
だから吉澤ひとみが憎たらしいということなんかすぐにわかります』
129 名前:第6話 投稿日:2004/12/07(火) 21:58
「私は別に…」
『いいんですよ?強がらなくても…。
憎いなら殺せばいいじゃないですか』
「黙れ!お前の口車になんか…。
う、うわああああ!!」
ドサッ!
右手の痛みがさらに激しくなり、
藤本は気絶した。
『おや?気絶してしまいましたか。
ふふふふふ。せっかくだからご主人様の願いをかなえてあげましょう』
藤本はゆっくりと立ち上がり、
剣を握って吉澤の部屋にむかった。
130 名前:第6話 投稿日:2004/12/07(火) 22:06
「ふう、明日はまた安倍さんに会える!
こないだは梨華ちゃんのせいでゆっくりできなかったからなあ」
吉澤はというと、明日安倍に会えるということで興奮して寝付けずにいた。
「明日会ったらどこいこうかな?
買い物にでも…」
キィッ、
「?誰!?」
「……」
藤本は無言で部屋に入ってきた。
「あれ?藤本さん。
こんな夜中にいったい…」
吉澤が藤本に近づくと藤本はいきなり剣を振り回した。
ブン!ドカッ!
「!!?ちょっと藤本さん!?」
131 名前:第6話 投稿日:2004/12/07(火) 22:14
「……死ね!」
武器を持っていない吉澤に藤本は次々と攻撃を繰り出す。
が、いかんせん狭い部屋なので、
ガキッ!
剣がベッドに突き刺さってしまった。
「くっ、とりあえず部屋から出よう!」
吉澤は藤本が剣を抜いている間に部屋を飛び出した。
「それにしても藤本さんがどうして!?」
とりあえず城の外へ出た吉澤。
後から藤本も追ってきている。
「くそ!こうなったら戦うしかない!」
武器庫から剣を取出し、藤本が出てくるのを待った。
132 名前:第6話 投稿日:2004/12/07(火) 22:23
少しして、藤本も城の外へ出てきた。
「!?目の焦点が合ってない。
ってことは操られてるの!?」
ヒュン!
藤本が鋭い突きを繰り出す。
「くっ、早い!」
なんとか弾きかえす。
剣ではかなわないとみた藤本は右手を挙げた。
すると右手から巨大な鎌が出現し、
それをおもいっきり振り回した。
「うわ!!
鎌から出た真空波をかわそうとしたが、
避け切れずに足を負傷してしまった。
これを好機とみた藤本は間合いを詰めていく。
133 名前:第6話 投稿日:2004/12/07(火) 22:34
「これで終わりだ!!」
吉澤の首筋目がけて鎌を振り下ろす、
「くっ!」
ヒュン!!
鎌をなんとかしゃがんでかわすと、
そのまま後ろへ引き下がる。
追い打ちをかけるように藤本は今度は胴目がけて鎌を振る。
吉澤はそれをジャンプしてかわし、
そのまま鞘を足場に高く飛び上がった。
「ごめんね、藤本さん…」
飛び上がった状態から真なる雷の紋章を発動させ、
自らが手にしている剣に雷を落とした。
「魔法剣!雷牙!!」
ドゴッ!!
藤本の左肩にみねでおもいっきり打ち付けた!
「ぐあっ!!」
藤本は左肩を押さえてそのまま気絶した。
「いったい何があったっていうの…?」
134 名前:スペード 投稿日:2004/12/07(火) 22:44
今日はここまで、

>>126ミッチー様、
柴ちゃんの計画については本人が少しずつバラしてます。
波田陽区は今私が最も好きな若手芸人です。
載せた理由はそれだけだったり(笑)

>>127konkon様
よっすぃーは昔からモテるイメージが強いです。
なにせ男前ですから。
石川さんは一生懸命なバカのイメージがなぜかついてます(笑)
135 名前:悪天 投稿日:2004/12/08(水) 22:46
更新お疲れ様です。
まさしく“闇”ですね。
今後どんな展開を迎えていくのか楽しみです。
次回もがんばってください。
136 名前:ミッチー 投稿日:2004/12/10(金) 01:38
更新お疲れさまデス。。。
吉澤さん危機一髪!って感じですネ。
“闇”に呑まれたら怖いですネ。
137 名前:第6話 投稿日:2004/12/13(月) 21:45
この騒ぎを聞いてまず松浦が駆け付けてきた。

「ちょっ、みきたん!大丈夫!?」
藤本に声をかけるが返事がない…。
「松浦さん…」
吉澤が説明する。

「…どういうことなのかさっぱりわかんない…」
「やはりこうなってしまったか…」
「飯田さん!どういうことです?」
「闇の紋章は強力な分人の闇を増大させてしまう。
前の継承者もたびたび闇に屈することがあったからな」
「闇に屈するとああなるってわけですか…。
何かいい方法はないんですか?」
「まずこうなってしまった原因を知らないことには何も解決しようがない。
これは本人に聞くしかないな」
「そうですか…」
138 名前:第6話 投稿日:2004/12/13(月) 21:56
しばらくして藤本が目を覚ました。
「う、うーん…」
「!!」
おもわず身構える吉澤。
「大丈夫だって、一旦寝たら元に戻ってるから」
「そ、そうですか…」
「あれ?たしか私は…。
あ!吉澤さん!大丈夫ですか?」
「ん、とりあえずね」
「み、みきたん…。よかったよぉー!!」
藤本に抱きつく松浦。
「亜弥ちゃん…!!痛っ!」
藤本が左肩を押さえる。
「あ…、おもいっきりやりすぎたかな…」
「ふぅ、それより二人っきりにしてやれ」
「わかってますよ!いくらなんでもそこまで鈍くありません!」
藤本と松浦を残して吉澤達は城に戻っていった…。
139 名前:第6話 投稿日:2004/12/13(月) 22:05
翌朝、
廊下で松浦とすれ違う。
「あ、吉澤さん!昨日は…」
「お、亜弥ちゃん!昨日はあれからどうしたの?」
「どうしたって…」
「いい雰囲気だったじゃないのさ。
あたしをダシにして…」
「え!?そ、そんな…」
松浦が顔を赤らめる。
「ははーん、やはりな…。
あたしを好きってのはウソで、
ほんとは藤本さんのことが好きなんでしょ?」
「そんなこと…」
「あるね。観念しなさい」「…はい」
「うん、よろしい!
ってことで行ってらっしゃーい!」
「へっ!?ど、どこへ?」「もちろん藤本さんのとこへさ。
ハイさっさと行く!」 吉澤に押し出されながら松浦は藤本の部屋の前に着いた。
140 名前:第6話 投稿日:2004/12/13(月) 22:14
コンコン!
「はーい!」
「や、やあやあみきたん景気はいかが?」
不自然な笑顔で松浦が部屋に入ってくる。
「ど、どうしたの?亜弥ちゃん」
こちらの対応もなんか不自然だ。
「「………」」
沈黙がつづく。
「「あ、あのさ!」」
「み、みきたんからどうぞ!」
「いや、亜弥ちゃんから…」
「「…好きです!」」
「「はへ!?」」
「亜弥ちゃんも!?」
「みきたんも!?」
「だって吉澤さんのことは!?」
「いいんだよ、だってあたしは始めからみきたんのことが…」
「亜弥ちゃん…」
ゆっくりと松浦に近づいていく…。
141 名前:第6話 投稿日:2004/12/13(月) 22:24
その時扉の外からこんな声が聞こえてきた。

『おい!押すんじゃねえよ!』
『何言ってんのさ!こうしないと聞こえないじゃん!』
『そうだべ!まったく…』
『いちーちゃんが独り占めしようったってそうはいかないんだからねー!』
『若いっていいなー…』
『飯田さん、年寄りじゃないんだから…』
ガチャ!
『『『『『『あ…』』』』』』
扉の外には市井、矢口、安倍、後藤、飯田、吉澤の姿が…。
「これはこれはみなさん?ご機嫌麗しいようで?」
この時の藤本の笑顔を後に市井はこう解説した。
『今まで出会ったどんなヤツよりも強くて恐ろしい殺気を感じた』と。
真昼の城に六つの悲鳴が響いたのはきっかり30秒後であった…。
142 名前:第6話 投稿日:2004/12/13(月) 22:36
そのころ石黒は一人ある場所にいた。
「ここにいればかならず柴田あゆみはやってくる。
その時こそヤツを倒し、この世界を救う!」
星は消滅する直前に一際大きな光を放つという。
今の石黒はまさに消えゆく将星であった。
柴田あゆみ。
彼女の計画を止める。
今彼女を突き動かしていたのはそれだけであった。
「圭織、真里…、あんたたちは長生きしなよ…。
間違ってもすぐにあの世に来ないように…」
143 名前:スペード 投稿日:2004/12/13(月) 22:42
今日はここまで、
最近週刊誌のような更新になってきました。
忙しいもので…。
>>135悪天様、
闇の紋章についてはちょこちょこいろんな話を出すつもりです。
今回みたいにオチをつけたりして。
>>136ミッチー様、
吉澤さん危機一髪!まさにそうです、吉澤さんのコンセプトは強いながらも危なっかしいですから。

次回はなるべく早く更新します。
144 名前:ミッチー 投稿日:2004/12/14(火) 19:34
更新お疲れさまデス。。。
藤本さんよかったネ!!

石黒さんは、何をする気なんでしょうか?
145 名前:悪天 投稿日:2004/12/15(水) 21:20
更新お疲れ様でした。
僕も石黒さんの動向が気になります。
次回更新を楽しみに待たせていただきます。
146 名前:第6話 投稿日:2004/12/19(日) 22:15
石黒の部屋にて―
ガチャ、
「あやっぺー?」
飯田がやってきたが部屋には誰もいなかった。
「あれ?何これ?」
部屋の真ん中にある机の上には一枚の手紙があった。

‘圭織へ、
直接言ったら止められるから手紙にしました。
私は柴田あゆみを止めます。
ヤツが何を考えているか、正直わかりません。
でも少なくとも神のかけらを欲しているのは確かです。
147 名前:第6話 投稿日:2004/12/19(日) 22:26
私の持ってる真なる水の紋章、
圭織の真なる火の紋章、
そして吉澤の真なる雷の紋章、
これらは必ず渡してはなりません。
だから私は命をかけて柴田あゆみを倒し、
今回の騒乱を沈めるつもりです。
それから―――’

手紙を読んで飯田は血相をかえて部屋を飛び出した。
「…バカ、なんだってこんなことを…。
早く探さないとあやっぺが…」
城を出た時、吉澤とすれ違った。
「あれ?飯田さーん?今日は修業は?」
「それどころじゃないわよ!
あやっぺがいなくなったの!」
「え、えええ!?」
「とりあえず矢口と市井と後藤を連れてきて!」
「は、はあ…」
148 名前:第6話 投稿日:2004/12/19(日) 22:36
30分後、
城の入り口に四人が集まった。
「リーダーぁ、迷子探しじゃないんだからウチラを呼ばなくたって…」
「ただの迷子じゃないっての!
下手すればこの国が滅びかねないほどの大事よ!?」
「それならもっと人を呼んだほうが…」
「他じゃ足手纏いなの!
だからこのメンバーが最良なわけ」
「ふーん、とりあえずなっとくできたけど、
石黒さんがどこに行ったかあてはあるの?」
「うん、こっからさらに北へ行った山の奥に祭壇があるの。
そこには昔、真なる水の紋章が封印してあったから」
「で、そこにいると。
じゃあ早く行きましょう!」
「ああ!」
飯田達は急いで出発した。
149 名前:第6話 投稿日:2004/12/19(日) 22:43
北の山に向かう途中、
「ところでなんでいなくなったって…」
「部屋にこんなのが置いてあったからね」
飯田がみんなに手紙を見せる。
「オイラにも見せてー!」
矢口が手紙を掠め取る。
「…この字!まさか…」
(お母さま……?)
「どうかしたのか?」
「ううん、なんでもない。
早く行こう!」
矢口はどんどん先に進む。
その後ろ姿を見ながら、
「まさか…感付いたのか?」
「何が?」
後藤が聞いてくる。
「いや、なんでもない」
150 名前:第6話 投稿日:2004/12/19(日) 22:50
北の山に辿り着いた一向、
しかしそこには魔物の姿があった。
「あたしのカンが当たったわね。
あやっぺは間違いなくここにいる」
「ああ、あの中に何度も感じた殺気があるからな」
市井が言う、
「もういいかげん決着つけてーな、
ってことでここは任せなよ!」
「…いいのか?」
「ああ、よゆーっすわ!
とりあえず雑魚はね」
「死ぬなよ…」
立ちふさがる敵を倒しながら市井を残して先に進んでいった。
「さてと、俺の新必殺技、試してみるかな!」
151 名前:第6話 投稿日:2004/12/19(日) 23:06
祭壇の入り口までやってきた四人、
しかしそこには、
「村田めぐみ…!!」
矢口が言う。
「あら、私のことを知ってるなんて、博学ですわね」
「まあ名前程度はな…。
ウチの情報網をなめないでよね」
「なんでこんなとこにいるのさ!」
「ほんとは私も中に入りたかったですけど、
この中に入れるのは真なる水の紋章の資格者、
あるいは神のかけらの継承者しかいないんですよ」
「じゃああたしと矢口さん入れないじゃん!」
「心配ない、矢口なら入れるはず」
「えっ?あたし?」
とりあえず入り口に入ろうとする矢口。
すると何の抵抗もなく入れた。
「あれ、本当だよ」
「なんか疎外感…」
後藤がうなだれる。
「せっかくですんで、こないだの続きといきますか?」
村田が聞くと、
「んあ、いやだ」
ガクッ、
みんなしてずっこけた。
「ごっちん、そこはやっとくべきじゃあ…」
152 名前:第6話 投稿日:2004/12/19(日) 23:12
「だってこんなとこで戦う必要ないじゃん!」
「つべこべ言わずにさっさとやる!」
飯田が言うと、
「はーい…」
後藤を残して三人は中に入っていった。

「お母さま…、無事でいて…」

もう一度手紙を見る、
そこには―

‘それから、娘にはこの紋章を宿させないでください。
真里にはこんな思いをさせたくないから――。’
153 名前:スペード 投稿日:2004/12/19(日) 23:17
今回はここまで、

>>144ミッチー様、
石黒さんの行動はまだ謎が多いです。
こっからあの三人かなり大変な目にあいます。

>>145悪天様、
石黒さんは次回出ます!
その時に石黒さんの行動の全てを明らかにしようと思います!
154 名前:ミッチー 投稿日:2004/12/20(月) 18:30
更新お疲れさまデス。。。
何かまた大きく動きだしましたネ。
次回期待。。。
155 名前:第6話 投稿日:2004/12/25(土) 22:28
そのころブラス城では―
「団長はどこへ行ったんでしょうか…」
紺野が一人で城のまわりをうろうろしていた。
「やっぱりお前だったのか紺野…」
「!?」
振り返るとそこには金髪の女性がいた。
「………!斎藤…さん…。あなたが…どうして…!?」
「久しぶりね。師匠の葬式以来かしら」
「……あなたが殺したんじゃないですか!」
「そうよ。
あの時は苦労したわぁー。
何せいつもあなたが護衛にいたからねぇ」
「………」
156 名前:第6話 投稿日:2004/12/25(土) 22:55
「しょうがないから他の人と見張りを変わった時を見計らって殺しに行ったんだけど、
なかなかうるさいジジイだったわよ」
「……」
紺野は何も言わずに立ち尽くしている。
「お前は紺野には一生勝てんとか言っちゃってさー。
確かにお前は昔から天才的だったもんねえ。
軍学でも、武術でも」
「…何が言いたいんですか?」
「だからどちらが上か決めようってのさ。
次の戦いでね!」
157 名前:第6話 投稿日:2004/12/25(土) 23:11
「フッ…」
紺野が軽く笑みを漏らした。
「何が可笑しい!」
「何を言うかと思えばそんなことですか…」
「そんなこと…だと!?」
「今まであなたが仕掛けてきたであろう戦、
それら全てに私は勝っているんですよ?。
もう半分勝負は決まってるようなものではありませんか」
「…今までは手加減してやってるんだ!
本気を出せばお前など…」
「なら、今からやってみます?
最近戦ってなくて退屈だったんですよねー」
そう言いながら紺野は指をパキパキと鳴らす。
「ふん、お前を殺すのに、柴田様の手なぞ借りる必要はないわ!
こいつらで十分よ!」
斎藤が手をかざすと、辺りに十体の魔物があらわれた。
158 名前:第6話 投稿日:2004/12/25(土) 23:24
「昔から変わりませんねぇ。
人を頼る癖、いい加減直したほうがいいですよ」
「くっ…!
お前達、やっちまいな!」
そう言い残して斎藤は消えていった。
「さて、久々にやりますか!」
紺野が右手を構える。
すると右手から電撃が出てきた。
「雷掌…!」
向かってくる魔物に一回ずつ触れていく。
すると魔物はかなしばりにあったかのように動かなくなった。
「さて、これでよし!」
すると今度は両手を構えた。
「我が両手に宿りし雷と水の紋章よ!
その力を解放せよ!」
159 名前:第6話 投稿日:2004/12/25(土) 23:35
すると魔物達の上空に小さな雷雲があらわれ、
そして魔物達に雷雨が降り注いだ。
「「ぎゃああああ!」」
魔物達は断末魔の悲鳴をあげ、
雲が消えた後には魔物達が黒焦げになっていた。
「ふう、私はこないだの石川さん達みたいなことはしませんよ!」
「あ、いたいた紺野さーん!」
「あ、麻美さん…」
「あっちでいいってば!
あなたも私もあさみでしょう?」
「まあそうなんですけど、結局あなたはこれからどうするんですか?」
「騎士団に戻りたいです…」
「まあ安倍さんがいいって言うなら私は止めませんよ。
ともにがんばりましょう!」
「はいっ!」
160 名前:第6話 投稿日:2004/12/25(土) 23:46
再び北の山にて―

「いったいどこに…」
三人は辺りを見回しながら奥へ進んでいく。
「あ、あれは!」
飯田が指さした先には青い巨大な龍がいた。
いや、暴れ回っていると言うべきか。
「あれはたしか海龍王…!
あやっぺの具現結晶がなんで暴れてるの?」
「と、とりあえず止めないと!」
「そうね。
ここはあたしと吉澤で止めるから、
矢口は先に行っててちょうだい!」
「う、うん…」
矢口は一人先に進んでいく。
すると開けたとこに出た。
そこには―
「お母…さま…?」
地面に倒れている石黒と、
「もう来たのか…」
体に少し傷があるが平然としている柴田の姿があった…。
161 名前:スペード 投稿日:2004/12/25(土) 23:51
今日はここまで。
年末忙しいからこれが年内ラストかも…、

>>154ミッチー様、
毎度レスありがとうございます。
とりあえず私の体力が続くかぎり更新しつづける予定です!


ではまた次回…
162 名前:konkon 投稿日:2004/12/26(日) 05:13
紺ちゃんかっけぇ!
これを待ってたんですよ〜w
続き待ってます。
163 名前:ミッチー 投稿日:2004/12/26(日) 17:16
更新お疲れさまデス。。。
あやっぺどうしたんだろう???

スペードさん、ムリせずに頑張って下さいネ。
164 名前:第6話 投稿日:2005/01/02(日) 22:47
矢口が到着する30分前―

待ち構える石黒のもとに柴田あゆみがやってきた。
「やはり来たな…」
「…あなたが真なる水の紋章を?」
「ここにいるということはそういうことだ…」
「素直にお渡し願えませんかな?」
「いいよ…。ただし…」
「ただし?」
石黒が右手を構える。
「お前の命と引き替えだ!」
右手がまばゆい光を放ち、
おさまった時には一匹の青い巨大な龍が石黒の前に現れた。
「やはりあなたも具現結晶を…。
しかもこれは…!」
「海龍王リヴァイアサン…」
165 名前:第6話 投稿日:2005/01/02(日) 22:59
「文献にしか存在しない龍がなぜ…」
柴田がしばし茫然としていると、
「いけ!」
石黒の掛け声のもと、リヴァイアサンが柴田に向かってゆっくりと歩み寄ってきた。
「くそ!烈斬風!」
柴田が真なる風の紋章を使ってかまいたちを起こすが、
リヴァイアサンの吹き掛ける吹雪の前にかき消されてしまった。
「ぐあっ!!」
その吹雪はかまいたちをかき消すだけでなく、
柴田までをも吹き飛ばした。
「こ、こんなはずでは…」
左手で口を拭う。
すると、
「血が…!私の血が…」
明らかに動揺をみせる柴田。
166 名前:第6話 投稿日:2005/01/02(日) 23:13
「はあっはあっ…」
一方石黒も自らの限界を感じていた。
「まいったねこれは…。
私の体はこんなに弱っていたのか…。
だがあと少し…それで全て終わり…!?」
突然胸を押さえる石黒。
「ゲホッ!ゲホッ!」
口から大量の血があふれ出る。
「あ、はは…ダメだこりゃ」
ついには膝をつき、前のめりに倒れてしまった。
「リヴァイアサン…あたしの最後の命令よ…。
あなたに近づく敵を全て…倒しな…さい…」
その命令が届いたのか、柴田への攻撃を一層強めるリヴァイアサン。
「そう…、これで…いい…あとは…圭織が…なんとか…するから…大丈夫だ…」
「真里…あんたたちが治める世を…見たかっ…た……」
石黒の目から光が消えた。
167 名前:第6話 投稿日:2005/01/02(日) 23:22
「!?あれは…」
石黒が倒れていることに気付いた柴田は、
なんとかリヴァイアサンの攻撃を躱し、
石黒のもとへと駆け寄った。
「…!死んでる…。
とにかく紋章をいただこう」
柴田が左手を前に出す。
すると石黒の右手が輝き、
真なる水の紋章は吸い寄せられるように柴田の左手へとおさまっていった。
すると後ろからやってきていたリヴァイアサンが突然向きを変え、
あさっての方向へ歩きだした。
「残念でしたね…あと一歩で殺せなくて!
アハハハハ!
アーッハッハッハ!!」
柴田の高笑いは風とともに辺りに響き渡った…。
168 名前:第6話 投稿日:2005/01/02(日) 23:33
北の山入り口にて―

「ギャアアアア!」
魔物の断末魔の悲鳴が響き渡る。
「今のでラストって言いたいけど…」
魔物達の死体の中に一人立ち尽くす人物を見ながら市井が言う。
「やっぱそういうわけにはいかねーか!」
その人物はいきなり市井にむかって刀を振り下ろす。
「おせーよ!」
あっさりとかわす市井。
「また、腕をあげたな…」
その人物こと大谷雅恵が声をかける。
「とーぜん!進化する天才、市井さやかですからー」
「くだらん…」
ズルッ!
「くだらんってあんたねぇ…」
169 名前:第6話 投稿日:2005/01/02(日) 23:41
「まあいいや、そろそろ終わりにしてやるよ…」
「「お前の人生をな!!」」
ガキン!
(力ではヤツが上…スピードでは俺が上か…)
戦いながら市井はそんなことを思っていた。
戦局をみると確かに大谷が力で押し、
市井がそれをいなすといった感じである。
「このままやっても不利だし、
こっちから仕掛けてやる!」
170 名前:第6話 投稿日:2005/01/02(日) 23:52
「いくぜ…!裂空斬!」
ブオン!
市井が離れた位置から刀を振り下ろすと、
真空波がものすごい速さで大谷にむかっていった。
「なっ…」
これをなんとか躱した大谷だったが、
躱した先に待っていたのは市井の刄であった。
「ぐあっ!!」
胴を押さえ、うずくまる大谷。
市井がとどめをさそうと刀を振り下ろす!
しかし、
フッ!!!
振り下ろした先に大谷の姿はなかった。
「くっそ逃げられたー!!」
辺りを探すが時すでに遅し、
大谷はすでに遠くに消えていた…。
171 名前:スペード 投稿日:2005/01/03(月) 00:00
今日はここまで、

あけましておめでとうございます!

>>162konkon様、
うちの紺ちゃんがかっこいい…!
私の印象は才女とぷくぷくほっぺしかありませんが何か?
ってのは冗談でこれからもよろしくお願いします。

>>162ミッチー様、
あやっぺファンに石投げられそうな展開にしちゃいました。
展開上ほんと申し訳ないとしかいいようがないッス。
172 名前:悪天 投稿日:2005/01/03(月) 00:26
更新お疲れ様です。
市井さん、相変わらずですね。
ここの市井さん、すごく好きです。

今年もまた楽しませてもらいます。よろしくお願いします。
次回も頑張ってください。
173 名前:konkon 投稿日:2005/01/03(月) 00:27
あけましておめでとうです!
ついに柴ちゃんの手に水の紋章が・・・
さてさてどうなることやら、続き待ってま〜す♪
174 名前:ミッチー 投稿日:2005/01/04(火) 04:24
更新お疲れさま&あけましておめでとうデス。。。
あやっぺ無念…。
市井さんも惜しかったネ。
あと少しだったのに…。
175 名前:第6話 投稿日:2005/01/11(火) 22:04
後藤対村田

「んー、ごとーもそろそろ本気を出そうかなー」
後藤がのんびりした口調で言う。
「あら、こないだは手加減していたのかしら?」
「ごとーはまだまだ成長期ですからー」
「フッ、では見せてもらいましょうか!」
村田が流水の紋章を発動し、
無数の氷の矢を作り出し後藤にむかって発射した。
後藤は右手を構え紋章を発動させた。
「フッ、火の紋章程度でこれが…!?」
シュウウウ!
あれだけあった氷の矢が一瞬で消えた。
「どういうことです?いくら魔力が高くてもここまでの威力はでないはず…」
「普通の火の紋章ならね。
でもこれなら…!」
そういって後藤は右手を見せた。
176 名前:第6話 投稿日:2005/01/11(火) 22:15
「それは…!!」
村田は後藤の右手に装着されている紋章を見て驚いた。
「烈火の紋章…。それと左手にも…」
「旋風の紋章…!?馬鹿な!
上級の紋章を二つもつけるなんて…!」
「使ってる間に進化したんだよねー」
「くっ!」
「いくよー!!火炎陣!」
後藤は烈火の紋章と旋風の紋章を発動させた。
すると雪山であるにもかかわらず村田のまわりが炎につつまれた。
「きゃあああ!」
流水の紋章で防いだものの、
かなりのダメージを負った。
177 名前:第6話 投稿日:2005/01/11(火) 22:30
「すごっ…!」
後藤はこの威力に驚いた。
というのも本人もこの二つの紋章を発動させたのは初めてだったからだ。

「はあっはあっ…」
村田のもとに後藤が歩み寄る。
「一つだけきかせてください…。
あなた達はいったい何を企んでるんです?」
「…世界の破壊、とでもよろしいですか?」
「なっ…!」
「そう、この世の全てを破壊し、無に帰す。
これが柴田様の計画…」
「ふざけないで!そんなこと許されるはずが…」
「一つだけ教えてあげましょう。
世の中綺麗事だけでは解決しないんです…」
そう言い残して村田は消えていった。
「…どういうことだろう…」
178 名前:第6話 投稿日:2005/01/11(火) 22:45
飯田、吉澤対リヴァイアサン

「来るよ!防御の仕方は覚えているよね?」
「はい!魔法障壁ですよね」
「わかってんじゃない、ってくだらない話してる場合かー!!」
その時吉澤達にむかって強烈な吹雪が吹き掛けられた。
吉澤達は魔法障壁で防ぐ。
(センスいいな…たった一週間でマスターするなんて)
「こんなとこじゃあ飛び上がることもできないしなぁ…」
リヴァイアサンの攻撃を躱しながら反撃の糸口を探す。
しかし巨大な割に素早く、攻撃が届かない。
飯田も遠くから真なる火の紋章で攻撃するが、
吹雪にかき消されてしまう。
179 名前:第6話 投稿日:2005/01/11(火) 22:56
「くっそー!!」
攻撃が当たらないことに苛立った吉澤は接近戦を挑もうと間合いを詰める。
「吉澤!」
飯田が止めようとするが間に合わなかった。
ドシュ!!
リヴァイアサンの爪が吉澤の体を貫く。
「か…は…!」
ドサッ!
そして吉澤は地面に倒れてしまった。
「吉澤ぁー!!」
飯田が駆け寄ろうとするがリヴァイアサンが前に立ちはだかる。
「くっ!!」
なんとかして吉澤のもとに行きたいが、
今はそれが不可能である。
「なんとかしないと…」
180 名前:第6話 投稿日:2005/01/11(火) 23:06
「…ここは?」
吉澤が立っているのは果てしなくひろがる草原であった。
「あたし、死んだの…?」
リヴァイアサンと戦って致命傷を負ったところまでしか記憶にないが、
この光景をみれば自分は死んだと思わざるをえなかった。
「そっか…」
吉澤はしばらくその場に座り込み呆然とした。
「母さん、梨華ちゃん、
矢口さん、飯田さん、そして…安倍さん…。
先に逝っちゃってごめんなさい…」
吉澤の目に涙が浮かぶ。
「まったく手間のかかる…」
「!?誰?」
吉澤が振り向くと一人の旅人風の男が立っていた…。
181 名前:スペード 投稿日:2005/01/11(火) 23:17
今日はここまで、

>>172悪天様
私の書く市井ちゃんは全部こんなキャラかと、
他のイメージが薄いもので(苦笑)

>>173konkon様
レスありがとうございます!
これからどうなっていくかはこれからの展開にご注目ください。

>>174ミッチー様
私的にはもうすこしあやっぺにがんばってもらいたかったですが、
設定上こうなりました。
市井ちゃんはまだまだ活躍します!!
182 名前:スペード 投稿日:2005/01/12(水) 00:58
一つ訂正です。

>>177
「…世界の破壊、とでもよろしいですか?」を

「世界の破壊、とでも言えばよろしいですか?」
に訂正します。
申し訳ありません。
183 名前:ミッチー 投稿日:2005/01/13(木) 01:04
更新お疲れさまデス。。。
後藤さん、すごい成長しましたネ。
吉澤さんはどうなったんだろう?
気になります。
184 名前:第6話 投稿日:2005/01/17(月) 22:05
「あなたは誰?」
とりあえずその男に尋ねてみる。
「私か?そうだな…。
おまえのもつ真なる雷の紋章の化身とでも言っておくか…」
「?」
「私のことはいい。
それよりもおまえ、早く現実世界に戻ったほうがいいぞ」
「え?」
「早くしないと圭織…、
おまえの仲間が危ないんじゃないか?」
「!!」
(今、圭織って言った…。なんで飯田さんのことを知ってるの?)
「たしかに戻りたいけど…、
戻り方がわかりません」
すると男は呆れて、
「やれやれ…、ほんと世話の焼ける。
右手、前に出しな」
185 名前:第6話 投稿日:2005/01/17(月) 22:14
言われたとおり右手を前に出す。
すると、何もないはずの右手が光を放ち、
辺りを包んでいった…。
「これは!?」
「どうもおまえは紋章の使い方がうまくない。
だから左手から右手に紋章を移動させたのさ。
これでちょっとは戦えるようになるはず…」
「は、はあ…」
「さ、これで勝てるだろ?さっさと行きな!」
男が右手を前に突き出すと、
突然吉澤のまわりが光につつまれ、
その空間から消えてしまった。
「がんばれよ…。
我が娘、ひとみ…」
186 名前:第6話 投稿日:2005/01/17(月) 22:25
「あれ?ここは…」
目を開けるとそこにはリヴァイアサンと必死に戦っている飯田の姿があった。

「傷が治ってる…。
とにかく飯田さんを助けないと!」
吉澤は全速力で飯田のもとに駆け寄る。
「よ、吉澤!?あんた無事だったの!?」
「は、はあ…。とりあえずここは私に任せてもらえませんか?」
「え?ちょ、ちょっと…」
飯田が止める間もなく吉澤はリヴァイアサンに近づいていく。
リヴァイアサンは吉澤にむかって吹雪を吹き掛けるが、
「もう、見切った!」
吉澤は驚異的な跳躍で上空に飛び、
真なる雷の紋章の力を纏った剣をリヴァイアサンにむかって思いっきり振り下ろした!
「魔法剣!雷牙!!」
リヴァイアサンもなんとか躱そうとするが、
避けきれずに右腕を切り落とされた。
187 名前:第6話 投稿日:2005/01/17(月) 22:35
「ギャアアアア!」
リヴァイアサンは右腕を押さえのた打ちまわっている。
吉澤はさらに真なる雷の紋章を発動させ、
刀に雷の力を集めた。
そしてそれを鞘に納め、
ゆっくりと構えをとった。
「…………今だ!」
吉澤は刀を鞘に納めたまま、リヴァイアサンに突っ込んでいく。
そしてリヴァイアサンとぶつかる刹那、
吉澤は刀を抜いた。
「雷龍滅牙斬!!」
「こ、これは…!」
そのあまりの速さにさすがの飯田も目で追いきれなかった。
188 名前:第6話 投稿日:2005/01/17(月) 22:47
「ギャアアアア!!」
リヴァイアサンが断末魔の悲鳴をあげて崩れ落ちる。
「…ふう」
ゆっくりと刀を鞘に納める。
「…あの動き、ほとんどあいつのもの…」
突然リヴァイアサンの死体が光を放ち、
中から一人の女性が姿を現した。
「あやっぺ…あんたやっぱり…!」
『ごめんね圭織…やっぱり全部あんたに委ねることになっちゃった…』
「勝手すぎるよ…。あんたも迅雷の英雄も…」
『真里のことはあんたに任せたから。
それから吉澤、あんたは強いよ。
間違いなくね。
でも、道を踏み外さないで!』
「…はい!」
『じゃああたし、行くわ』
そう言い残して石黒は消えていった。
189 名前:スペード 投稿日:2005/01/17(月) 22:51
今日はここまで、

>>183ミッチー様、
今回はだいぶ話の核心に迫る内容だった気がします。
次回は残りの視点、
つまり矢口さんと柴田さんの登場です!
190 名前:ミッチー 投稿日:2005/01/18(火) 17:28
更新お疲れさまデス。。。
よっすぃ〜すげぇ!!
いやー、格好いいネ。
続き楽しみにしてます。
191 名前:第6話 投稿日:2005/01/28(金) 09:53
「ずいぶん遅かったな…」
「お前は…!!」
柴田に歩み寄ろうとしたその時、
柴田のすぐそばにあった石黒の体が光を放ち始めた。
「お母さま!?」
光はだんだん大きくなり、
光が消えると石黒の体も消えていた。
「どういう…こと?」
「死んだのさ、お前の母親はな」
「………!」
膝を着き、うなだれる矢口。
「騎士団長というのも案外脆いものだな…。
これであと二つ…」
そう言い残して柴田はどこかへ消えていった。
192 名前:第6話 投稿日:2005/01/28(金) 10:05
「あ、いた!矢口さーん!」
十分後、吉澤達がやってきた。
「あの…!」
吉澤が話し掛けようとしたが飯田に止められた。
「矢口、帰るぞ」
「………いやだ」
「はっ!?」
「私はずっとここにいる!」
「矢口さん…」
事情がわかっているため、何も言えない吉澤。
すると飯田が、
「矢口、ちょっと立って」
「………何?」
ゆっくりと立ち上がる矢口。
すると、
ドゴッ!!
「がっ!!!」
矢口の鳩尾に思いっきり拳を沈めた。
「ちょ、ちょっと飯田さん…!」
「吉澤、連れて帰って…」
「え?はい…」
193 名前:第6話 投稿日:2005/01/28(金) 10:16
気絶した矢口を背負って山を下りる吉澤。
「んあ?よっすぃー、やぐっつぁんどうしたの?」
山の入り口で後藤と市井に会った。
「間に合わなかった…」
「そうか…」
その言葉だけで全てを理解し、
吉澤と一緒に帰り始める市井。
「ちょっとよっすぃーにいちーちゃん!
ごとーにもわかりやすいように説明してよ!」
「後でな…」


一方祭壇では、
「どういうことだ…?」
飯田が今回のことに考えをめぐらせていた。
「なぜヤツはそこまで紋章にこだわる?
アタシ達ならともかく、さっきは矢口を殺す絶好の機会だったはず…。
でもそれをしなかった…。
どうでもいいということか?」
194 名前:第6話 投稿日:2005/01/28(金) 10:26
とりあえず矢口をブラス城に連れていき、
吉澤達は本拠地に戻った。
「あ、よっすぃーだ!
おかえりぃー!」
安倍が笑顔で出迎える。
「おいおい、俺たちにはあいさつナシかい?
相変わらずあついねえお二人さんは」
市井が皮肉を言う。
「ごめんねー、なっちー。いちーちゃんバカだから。」
「そこにバカは関係ねーだろ!!
しかもお前のほうが成績わりーじゃねーか!」
なんとか暗い雰囲気を消そうと漫才を始める二人。
そんな二人は置いといて、
「よっすぃーなんかあったの?
暗いよ?」
「正確にはあたしじゃなくて矢口さんなんだけど…」
「矢口?矢口になんかあったのかい?」
「実は…」
195 名前:第6話 投稿日:2005/01/28(金) 10:35
「そっか…、石黒さんが矢口のお母さんで、亡くなっちゃったんだ…」
「それで矢口さん取り乱しちゃって…。
とりあえず今はブラス城にいますけど…」
「わかったべ。
これから城に戻るから、後のことはよろしくね。
よっすぃー」
「はい…」
安倍は馬に乗り、ブラス城に向かっていった。
「さて、と…」
吉澤がふと横に目を向けると、
「なんでやねん!」
「あはははは!」
いつのまにか漫才が辻と加護に替わっていて、
石川以下多数がギャラリーを作っていた。
「っていうか、漫才大会かよ…」
196 名前:第6話 投稿日:2005/01/28(金) 10:46
「あ、安倍さん…」
廊下で紺野とすれ違う。
「矢口は?」
「部屋にいますけど…」
「そう…」
「あの、私もついていきましょうか?」
「いいの、二人で話がしたいから」
「そうですか…」
足早に矢口の部屋に向かう安倍。
「やぐちー。入るべさ」
ガチャ!
部屋に入ると、矢口は泣き腫らした顔でベッドにうつ伏せになっていた。
「矢口…」
「………何?」
「事情は大体聞いたべ。
でも、これからの戦いとは…」
「関係なくないよ!
お母さまは死んだんだ!」
「矢口…」
「なんで騎士団長やってんだろ、おいら…」
「ああ、その通りだべ。
なんで矢口のような人が騎士団長やってんだべか…」
「……」
197 名前:第6話 投稿日:2005/01/28(金) 10:54
「なんの為に騎士がいると思ってるんだべ?
人々の安全を守るために騎士がいるんだべ!
そんなこともわからないんだべか!?」
「………」
「騎士である以上、甘えは許されないんだべ。
矢口はみんなの命を背負ってるんだから。
仲間の命も、奪った相手の命も…」
「………」
「自分がどうしたいか、しばらく考えるといいべ。
甘える人は騎士団にはいらないべさ」
そういって安倍は部屋から出ていった。
「なっち…」
198 名前:スペード 投稿日:2005/01/28(金) 10:58
今日はここまで、
テストの為なかなか更新できませんでした。
申し訳ございません。

>>190ミッチー様
よっすぃーすごい…
ちょっといきなり強くさせすぎたかなって感じが…(苦笑)

これからは更新ペースを上げようと思いますのでよろしくお願いします。
199 名前:ミッチー 投稿日:2005/01/31(月) 16:43
更新&テストお疲れ様デス。。。

矢口さんガンバレ!って感じっス。
柴田さんの行動が気になるな・・・。
200 名前:第6.5話〜それぞれのデート!?〜 投稿日:2005/02/04(金) 23:02
吉澤ひとみの一日はとある行動から始まる。

「まずい!そろそろ梨華ちゃんが来る…。
まったく毎日毎日…」
そう言いながら天井裏に隠れる。
きっかり一分後、
「よっすいぃぃぃぃー!!
あれ?またいない…。
まったく照れ屋さんなんだからん」
(いや、照れ屋さんって意味不明だから。
さて、このまま外に出るか)
天井裏をほふく前進で進む吉澤。
安全なところをみつけて飛び降りた。
201 名前:第6.5話〜それぞれのデート!?〜 投稿日:2005/02/04(金) 23:15
「あれ、よっすぃーじゃん」
「ああ、ごっちんか」
天井裏から着地したところで後藤と遭遇した。
「ねえ、いちーちゃん知らない?
今日はデートしようって言ったのに」
「市井さん?どこ行ったろ?
またナンパかな?」
「…もしそうなら殺すよ」
そういう後藤の声はいつもより半オクターブ低かった。
「そ、そう…」
(こ、恐!!)
「なんならごとーもよっすぃーと浮気しよっかなー。
よっすぃーかっこいいし」
そういって腕を絡める。
「は、はは…」
終始タジタジな吉澤。
その様子を遠くから観察する二つの影ありき。
「スクープや!後藤はんはよっすぃーが好きやねんな!」
「これを市井さんと安倍さんにバラせばおもしろいのれす!!」
202 名前:第6.5話〜それぞれのデート!?〜 投稿日:2005/02/04(金) 23:24
なんとか後藤を振り切って外まで出てきた吉澤。
すると、
「よーしーざーわー!!!
てめ、人のものに手ぇ出そうたぁいいどきょーじゃねーか!」
鬼のような形相をした市井の姿が、
「は!?」
(ついに頭がイカレたか?
はっ!さてはさっきのを誤解したんじゃ…)
「ち、違うんです!私は別に…」
「人がナンパしてる隙にするとは言語道断!!
このいちー様が成敗してくれる!!」
「いや、あんたナンパしてたんかい!!」
「問答無用!おりゃああぁ!」
市井が双剣を抜いて襲い掛かる。
「とりあえず逃げよう!!」
203 名前:第6.5話〜それぞれのデート!?〜 投稿日:2005/02/04(金) 23:39
逃げている途中で安倍を見つける。
「あ、安倍さぁん!!助け…」
そこまで言って表情が固まる。
「あ、安倍さん?」
「…よっすぃーの………裏切り者ー!!」
そういって安倍も襲い掛かってきた。
「は、はあぁぁ!?」
前に安倍、後ろに市井、完全に挟まれた吉澤。
その様子を草むらからのぞいている辻加護は、
「あかん、おもしろすぎる」
「限界なのれす。プクク」
二人で笑いを堪えていた。
「裂空斬!」
市井が真空波を飛ばす。
なんとか躱す吉澤。
しかし当たった岩が完全に崩れ落ちた。
「殺す気かあぁ!!」
「ああ、死ね!」
「なっ……!」
すると後ろから、
「烈火閃!!」
炎の矢が飛んでくる。
「あ、あの、お二人さん…?
これは完全に誤解なんですが」
「「ああ!?」」
「まったく聞かないのね…」
204 名前:第6.5話〜それぞれのデート!?〜 投稿日:2005/02/04(金) 23:50
そのときかすかに笑い声が聞こえた。
「あ、あいつら…」
「こらあ!!いちーちゃん何してんの?」
「ご、後藤…」
「実は…」


「へっ!?じゃあなっちの勘違いだったのかい?」
「ええ…」
「さーてそこのお二人さん?
どういうことか説明してもらおうかな?」
市井が二人をとっ捕まえる。
「え、えへへー!」
「えへへじゃないっしょ!!」
すると吉澤が、
「……古より伝わりし浄化の雷…」
「え?ちょっとよっすぃー?」
「い、いや、吉澤くん、いちーが悪かった!!」
「そうそう!ナンパしてたいちーちゃんが悪いから!」
「「「だからそれだけは…!!」」」
市井、辻、加護は懇願する。
205 名前:第6.5話〜それぞれのデート!?〜 投稿日:2005/02/05(土) 00:02
しかし、
石川の迷惑な目覚ましに始まり、
後藤の色仕掛け、市井の暴走等、
どれもかなり吉澤のイライラを増長させていた。
加えて辻加護のいたずらまで加わってはもはや我慢の限界だった。
「落ちろ!!天雷!!」
巨大な雷が降ってきた。
「「「ぎゃー!!」」」
「なんでごとーまでー!?」

「さ、安倍さん行きましょ!」
「う、うん…」
安倍は吉澤にひっぱられてどこかへ行ってしまった。

「なぜなっちだけ平気なの…?」
「あれが愛の力かな。…さていちーちゃん?
帰ったらお仕置きだからね?」
「はい…」
それから四人は真っ黒な状態で本拠地に戻っていったそうな。
206 名前:スペード 投稿日:2005/02/05(土) 00:11
今回はここまで、

>>199ミッチー様、
私も矢口さんがんばれー!って感じです。


なんかペースあがりません!
でも週一は外さない!
これがポリシー!
ではまた来週ー!
207 名前:ミッチー 投稿日:2005/02/07(月) 00:21
更新お疲れさまデス。。。
よっすぃ〜災難だったネ(W
面白かったっス。
208 名前:第7話 投稿日:2005/02/17(木) 21:56
石黒彩が死亡してから半月がたったころ、
ハロー王国に一通の手紙が届いた。
ブラス城会議室にて、
「ルビークで事件が!?」「ええ、どうやら魔物を率いた一団が村を占拠したようです」
「んで、指揮官が誰かわかるか?紺野」
「仮面をかぶっているということから…」
「柴田あゆみか…」
飯田が言った。
「罠じゃねーの?」
市井があくびをしながら言う。
「だからといって放ってはおけないし…。
私たちが行くしかないでしょう」
「少数でですか!?せめて百人くらいは…」
209 名前:第7話 投稿日:2005/02/17(木) 22:12
「いや、わざわざ罠にかかりに行くんだ。
私たちならいざ知らず、他の兵を連れていってはいざというとき逃げられなくなる」
「でも…」
「紺野…、お前の懸念もわかるが…、もし万が一私の紋章が奪われてもまだ吉澤がいる。まだ勝機はあるさ」
「え!?あたしも連れてってくれないんですか?」
「当たり前だのクラッカー!!」
「…は?」
「…つ、つまり、罠にかかるのにそんなに人数はいらないってこと!」
210 名前:第7話 投稿日:2005/02/17(木) 22:26
翌朝、早くに城を出た六人。
「さて、行くわよ!」
「ホント久しぶりにこのメンバーで行くなあ!」
「久しぶりにさゆの出番なの」
「いや、重さんあたしも久しぶりだから」
「なにゆっとーと?れいなが一番久しぶりとや」
「出たな久しぶりトリオ!」
「いちーちゃん…。その言葉あの三人には禁句だよ…」
その三人をみると市井にむかって武器を構えている。
「い、いや、久しぶりの出番が俺を血祭りにあげることなの?」
「「「それもいいかも」」」
「なんでやねん!!」
211 名前:第7話 投稿日:2005/02/17(木) 22:53
そうこうしている間にルビーク近辺に辿り着く。
「たしかに魔物もいるんだけど…」
「「「「「「弱〜い!!」」」」」」
「これも罠か…」
魔物の死体を見ながら言う。
「まあ油断は禁物だな…」
「お、あれって…」
村の入り口を見ると、複数の魔物と戦っている女性がいた。
「とにかく助けるぞ!!」
言い終わる前に道重が、
「牙連閃!!」
目にも止まらぬ速さで矢を連射した。
それらは女性に当たる事無く魔物達を絶命させていた。
「って重さん!!俺等に出番をよこさんかい!!」
「みんなが遅すぎなの」
212 名前:第7話 投稿日:2005/02/17(木) 23:02
「大丈夫か?」
「は、はい…」
「何があったの?」
「わかりません…。いきなり魔物が襲ってきたので…」
「他の村人は?」
「みんな近くの洞窟に連れていかれました。
私一人が最後まで戦っていたんですが…」
「あんた…名前は?」
「ソニンといいます。」
「そう、あんたはとにかくハイランドまで言ってこの状態を国王に報告しな!」
「は、はい!…あの、あなた達は?」
「これから村人を助けに行く」
「みんなを…よろしくお願いします」

そういってソニンはハイランドにむかって歩きだした。
そして飯田達も村人を助けに近くの洞窟へ入っていった。
213 名前:スペード 投稿日:2005/02/17(木) 23:05
更新終了!
悩んだあげく、なかなかうまくまとまりませんでした。
でも最後までやります。
214 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/18(金) 00:20
更新お疲れ様です。
やっぱりここの市井さんはいい味出してますね。
次回も楽しみにしています。
215 名前:ミッチー 投稿日:2005/02/18(金) 01:11
更新お疲れ様デス。。。
飯田さんのギャグ古いっすネ(w
次回期待。
216 名前:第7話 投稿日:2005/02/26(土) 23:19
「それにしても重さんずいぶん強くなったねぇ」
「ふふふ、進化する美少女なの」
「どっかのバケモンみてえ」
「市井さん後で蜂の巣にしてあげる」
「じょ、冗談だから…」
どんどん奥に進んでいく。すると大きな空洞のようなところに出た。
「変だな…」
「何がです?」
「ここまでまったく魔物が出てこない…」
「これも罠ってことですか?」
すると一行の後ろから、
「まあそんなところですかね」
「「「「!!」」」」
217 名前:第7話 投稿日:2005/02/26(土) 23:28
「柴田あゆみ…!!」
「おや?予想していたことではありませんか?」
「ああ。そして俺たちがすることはあと一つ」
市井が双剣を構える。
「ほう、それは?」
「お前を…殺すことだ!!」
猛スピードで柴田に向かっていく。
市井の剣が捉えたと思った刹那、
「うっ!!」
突如おきた風で後ろの壁まで吹き飛ばされた。
「いちーちゃん!!」
「貴様…!!」
218 名前:第7話 投稿日:2005/02/26(土) 23:38
巻き起こった風は一向にやむ気配はない。
「用があるのは真なる火の紋章だけです」
「はいそうですかとそう簡単に渡せないよ!!」
新垣が土の紋章を発動させる。
人の頭ほどある石が無数に宙に浮き、
それを柴田にぶつけようとするが、
風がそれを許さない。
「無駄ですよ!」
風はさらに勢いを増していく。
「「「「「うわあぁぁぁ!!」」」」」
そして飯田以外全員が吹き飛ばされてしまった。
飯田は真なる火の紋章を使ってなんとか防いだものの、
圧倒的に不利な状況である。
219 名前:第7話 投稿日:2005/02/26(土) 23:48
「はあっはあっ、なぜ私の風が…」
「力は五分といったところかな」
「柴田様!!今お助けいたします!」
後ろからあらわれた村田がある紋章を発動させた。
「それは…!!」
村田が使ったのは真なる水の紋章、
しかし手に装着されているわけではない。
「我々の特殊技術があればこのように装着できなくとも使えるのです!!」
「馬鹿な…!ぐっ!!ぐあああああ!!」
飯田が右手をおさえて苦しみだす。
そして風がおさまったとき、飯田の右手から真なる火の紋章はなくなっていた。
「はあっはあっ、これでよし」
220 名前:第7話 投稿日:2005/02/26(土) 23:56
「………」
「フフフフ、紋章さえなければあなたなど只の…」
ザワッ…
その時飯田をとりまく風が変わった。
「なっ……!!」
長くたれた髪の間から見えた飯田の目に、
柴田は圧倒されていた。

この場にいるものをすべて殺す
まさに鬼神のような威圧感である。
「ふ、まあいくらあがこうが所詮悪あがき。
何もかも無駄だと知るべきです」
そう言い残して柴田達は去っていった。
221 名前:第7話 投稿日:2005/02/27(日) 00:09
「リーダー!!大丈夫…」ようやく戻ってきた市井達が声をかけようとしたが、あまりのオーラに声をかけられなかった。
「あ、ああおまえらか…」「紋章は!?」
「奪われた」
「そんな…」
「それよりも村人達を助けないと」
さらに奥へ進み、村人達を救出することができた。
村人達を連れて来た道を引き返していく。
しかし、先程柴田達と戦った空洞までくると、ある光景が見えた。
「う、うそ……!」
「ホントって言ってる場合かー!!」
「うちら殺すのにそこまでするかい普通?」
一行が見たのは空洞を埋めつくさんばかりの強力な魔物達であった…。
222 名前:スペード 投稿日:2005/02/27(日) 00:11
更新終了!!
これからも週1でがんばります!!
223 名前:ミッチー 投稿日:2005/02/28(月) 16:11
更新お疲れ様デス。。。
柴田さん、やるねぇ・・・。
次は、どうなっていくのでしょうか?
224 名前:第7話 投稿日:2005/03/02(水) 21:05
「数はおよそ五百ってところかな…」
「うちらだけなら逃げられなくもないけど…」
「村人達を放ってはおけない…」
「ヤツもそれを知っているからやったんだと思うの」
「とにかくやるしかないよ」
「でも村人達はどうするの?」
「それなら心配なかと」
そういって田中は何やら詠唱を始めた。
「守護方陣!!」
ピィン!!!
村人達の前に緑色の透明な壁が出現した。
「こ、これで村人が傷つけられる心配はないっちゃ…。ただし…」
「ただし?」
新垣が尋ねる。
225 名前:第7話 投稿日:2005/03/02(水) 21:13
「れーなはそれにかかりきりになっちゃって戦うことはできなくなるっちゃ」
「じゃあ五人でやるしかないか…」
「一人あたま百匹ってきつくない?」
「うん、きつい」
「って言ってるそばから来たよ!!」
後藤が指差す先には斧をかざしてまっすぐ走ってくる魔物の姿があった。
「たしかに言ってる場合じゃねーな」
「やりますか!!」
飯田達も魔物に向かって駆け出していく。
226 名前:第7話 投稿日:2005/03/02(水) 21:25
「うらあ!!」
市井の剣が一閃する。
辺りにいた魔物は一匹二匹と首と胴が離れていく。
「せい!!」
新垣の槍も破壊力の点では市井に劣らない。
「ふっ!!」
道重の矢は魔物の肉体を貫き、別の魔物に突き刺さるほどの威力である。
「これでどう!?」
後藤の魔法は洞窟内ということであまりおおがかりなものは使えない。
しかし、威力を集約する技術を取得ているので攻撃力の点で何の問題もなかった。
227 名前:第7話 投稿日:2005/03/02(水) 21:33
さて、飯田はというと、
「こんなにダメージが深いとは…」
動きにいつものキレがなかった。
それもそのはず、

真なる風の紋章と真なる水の紋章、
これら二つの紋章の攻撃をまともに受けて無事でいるはずがなかった。
しかも魔物はほとんど飯田を狙っている。
「これはやばいな…」
この状況を察知した市井はなんとか飯田を助けに入ろうとする。
しかし魔物達の強さになかなか助けに入れない。
228 名前:第7話 投稿日:2005/03/02(水) 21:45
「くそ!!」
飯田も気力でなんとか奮戦する。
しかし圧倒的な数の差はどうにもならなかった。
ついに魔物の爪が飯田の右腕を捉える。
「ぐっ!!」
よほど強い魔物だったのだろう、
飯田が思わず剣を離してしまった。
「リーダー!!」
数秒後に起こるであろう光景を見たくないのか、田中が目をそらす。
「ぎゃあああ!!」
しかし聞こえたのは魔物の断末魔の悲鳴だった。
その魔物には見たことのない剣が突き刺さっている。
いったい誰が?
229 名前:第7話 投稿日:2005/03/02(水) 22:01
「フッ情けないわね…、我が永遠のライバルともあろう人が…」
「何が永遠のライバルだ…」
「「「「「や、保田の圭ちゃーん!?」」」」」
「誰が保田の圭ちゃんよ!!」
「なんであんたが…」
「仕方ないでしょ?命令なんだから」
「命令?誰の?」
「私のよ…」
「あんたは…!」
「ゼティマ王国神官長、福田明日香様よ」
「「「「「「「ちょっとー!!あたし達を忘れないでくださいよ!!」」」」」」」
叫ぶベリーズ+ミカ
「あのさ来てもらって悪いけど戦闘中なんだ今」
「だから来てやったんでしょうがー!!
ああ、もうさっさと片付けるわよ!!」
そういって先程魔物に刺した剣を引き抜く。
「この人数なら、いけるんじゃねえ?」
「んあ、ちょっと敵も減ってるし」
「ってことでさっさと片付けましょ!!」
そして一同は再び戦闘体勢にはいった。
230 名前:スペード 投稿日:2005/03/02(水) 22:08
更新終了!!
>>223ミッチー様、いかがでしたでしょうか?
ようやくクライマックスにむけて下準備ができたところです。

先程倉庫にいった作品を確認したところ、
矢口さんの顔文字になってました。
この場を借りて管理人さんに御礼申し上げます。
231 名前:ミッチー 投稿日:2005/03/03(木) 10:11
更新お疲れさまデス。。。
圭ちゃんやるじゃ〜ん!!
飯田さんが心配です。
232 名前:第7話 投稿日:2005/03/07(月) 22:31
「私のもとにひざまずくがいいわ!!」
言いながら保田は剣を振る。
「ひざまずくも何も…、死んでんじゃねーか」
「気分の問題じゃない?」
戦いながら会話をする市井と後藤。
福田は福田で真なる土の紋章の代わりに装備している大地の紋章を使い魔物を倒していく。
ベリーズは向かってくる魔物を一斉掃射を浴びせていき、
気が付けば魔物は全滅していた。
233 名前:第7話 投稿日:2005/03/07(月) 22:49
「はー、疲れた」
市井がその場に座り込む。
「何言ってんのいちーちゃん。
後半さぼってたでしょ」
「ちっちっち、甘いな後藤くん。
市井様にはあんなの役不足だぜ」
「ほう…なら次は一人でやってみるか?」
「リーダー!!冗談だって!!」
「あれだけ動いてよくあんな口が動くわね…」
「まったくだ。
しかしあれほどの逸材が国境警備隊に埋もれていたとはな。
しかも六人も…」
「さて、帰るぞ」
「じゃああたし達も連れていってもらおうかな」
福田が言う。
「「「へっ?」」」
「あれ、言ってなかった?。
私たちはハロー王国と同盟し、
柴田あゆみを捕らえよって命じられて来たのよ」
「はっ!?」
234 名前:第7話 投稿日:2005/03/07(月) 22:55
「ずいぶん急な話だな」
「ま、しかたないでしょ?残された紋章はあと一つ…」
「そうだった!こんなとこで談笑してる場合じゃない!」
「吉澤のヤロー大丈夫なんだろうな…」
「オマエと違っておかしな行動はしないから大丈夫とは思うが」
「ちょ、リーダー!!それはないっしょー!」
「「「「あははははは!!」」」」
「笑うな!そこ!!」
235 名前:第7話 投稿日:2005/03/07(月) 23:07
その頃吉澤は…

「あの…」
「「「「「何?」」」」」
「暑苦しいんですけど…」
石川、高橋、安倍、辻、加護に抱きつかれ息もままならない吉澤。
「仕方ないでしょう。
あなたを守るためですから」
紺野がさらっと言う。
「だからって…抱きつくなー!!」
五人をはねのける吉澤。
「あははは、しょうがないべさ」
「ちょっとあーし外の空気吸ってきます」
高橋が部屋から出ていく。
「はいはいとりあえず今日はおやすみー!!」
しばらくしてから夜も遅いという理由で全員を外へつまみだした。
236 名前:第7話 投稿日:2005/03/07(月) 23:16
「ふう、あつかったやざ」外に出て夜風にあたる。
「しかしまだ戦争は終わらないんかな?」
「あなたが協力してくれればすぐに終わりますよ」
「?」
高橋の目の前にあらわれたのは金髪の女性、斎藤瞳であった。
「あなたは…?」
「なに、怪しいものではありませんよ」
(何…この感じ、体が動かない…)
高橋はだんだん自分の意識が薄れていくのを感じた。
「はい、捕獲完了!」
高橋が最後に聞いたのは後ろからの声であった。
237 名前:第7話 投稿日:2005/03/07(月) 23:24
「……!!」
翌朝、吉澤の部屋のドアには一枚の貼り紙が。


高橋愛は預かった。
返してほしくば一人でメロン山脈中腹の小屋に来られたし。
仲間を連れた場合、命の保障はないと思え。

急いで城内の中を探すが、やはり高橋の姿はない。
「くそ!!」
とりあえず身仕度をし、みんなに見つからないように裏口から城を抜け出していった。
238 名前:スペード 投稿日:2005/03/07(月) 23:30
更新しゅうりょーう!!

>>231ミッチー様
飯田さん、実は軽傷だったんです。
そろそろ次回作を考えながらどんどん更新していこうと思います。
239 名前:ミッチー 投稿日:2005/03/08(火) 01:07
更新お疲れさまデス。。。
斉藤さん卑怯だぞ!
吉澤さんが危ないですネ。
大丈夫なんでしょうか???
240 名前:第7話 投稿日:2005/03/12(土) 23:25
城から出発して半日後、
指定された場所に辿り着いた。
中にいたのは大谷と斎藤であった。

「約束どおり、一人で来たか」

「高橋を返してもらうよ」

「ふん、こんな小娘に用はない」

そういって高橋を突き飛ばす。
「俺達が用があるのは貴様だけだ!」

大谷が剣を振りおろす。

しかし、吉澤には太刀筋が完全に見えていた。

ガン!!

簡単にいなすとがら空きになった胴に拳をたたき込んだ。
241 名前:第7話 投稿日:2005/03/12(土) 23:50
「ばかな…!」

「これが実力の差ってやつ?」

ヒュウ!!

その時室内に風が舞った。

「ずいぶんとてこずっているようだな…」

「おまえは…柴田あゆみ!!」

「おまえに顔を見せるのは初めてだったな…」

風がさらに強くなる。

「あなたが風でくるならあたしは…」

バチッ!

吉澤のまわりに強力な電気が漂う。
242 名前:第7話 投稿日:2005/03/13(日) 00:03
「ふっ、その程度か…」

柴田がさらに風を強める。

「くっ、なんで…!?」

これで終わりとばかりに突風を巻き起こす。

「ぐあぁぁ!!」

吉澤が右手をおさえてうずくまる。

「あっけないな…」
紋章を奪った柴田がいう。
「おまえはそれでいったい何を…!?」

「これから死ぬ人に言うことはありませんよ」

そういって三人は小屋をあとにする。
「ま、待て!」
吉澤も後を追うが、
「こ、これは…!!」
小屋の外には多数の魔物が蠢いていた。
243 名前:第7話 投稿日:2005/03/13(日) 00:13
「よ、吉澤さん…!」

「逃げられない、な…」

吉澤は剣を抜く。
しかしどこか力を感じない。
吉澤が剣を一閃、二閃としても、
いつものような技のキレがなかった。
逆に魔物の攻撃に苦戦している。
高橋もそんな吉澤をフォローに行きたいが、
なかなか近寄れない。
そして吉澤が魔物に後ろをとられてしまった。
そして勢い良く爪を振り下ろす。
244 名前:第7話 投稿日:2005/03/13(日) 00:21
しかし倒れたのは魔物のほうだった。

太陽に反射して輝く一振りの剣。
そこに現れたのは…。

「や、矢口、さん…?」
「自分を見つめ直すための旅が仲間を助ける旅になるとはね…」

「紋章を奪われたんだね?」
「はい…」
「さ、とりあえず倒すよ!」
そういって剣を握りなおす。
「矢口さん、立ち直ってる…」
245 名前:スペード 投稿日:2005/03/13(日) 00:26
更新終了!!
矢口さんふっかーつ!!
ってことで。

あ、森板で新作始めました。
よかったら見てみてください
246 名前:ミッチー 投稿日:2005/03/14(月) 00:14
更新お疲れさまデス。。。
遂に全部やられましたね。
吉澤さん、頑張れ!
247 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 12:33
「つ、強い・・・」

魔物達が一斉に矢口に攻撃を仕掛けようとした刹那、
魔物の体が宙に舞った。

毎日のように飯田と剣の修業をしている吉澤でさえ、

目で追うのが精一杯であった。

「これがブラッディーマリー・・・」

「カクテルかよ!!」

高橋がどこかで聞いたようなツッコミを加える。

「何してんの?早く帰ろうよ」

矢口が先に行こうとする。

「ああ、待ってよ矢口さん!」
吉澤て高橋も後を追った。
248 名前:第7話 投稿日:2005/03/19(土) 12:41
城に戻ると安倍と中澤が入り口で待っていた。

「おかえり、よっすぃー」

「あ、安倍さん・・・」

恐ろしいほどの笑顔で迎える安倍。

「だからぁー、城から出るなっつったやんかこのボケェー!!」
「ご、ごめんなさい・・・」

安倍と中澤に外で説教され、

中に入っても紺野と飯田に説教される吉澤。

この日の説教は4時間に及んだという・・・。
249 名前:第7話 投稿日:2005/03/19(土) 12:49
「結局全部取られちまったな・・・」

「こんなんやったらこのガキベッドに縄で縛り付けとくべきやったわ」

吉澤の頭を叩きながら中澤が言う。

「済んだことを言ってもしかたありません。
それに吉澤さんの行動も敵の行動も計算ずくです」

だったらさっきの説教はなんだったんだと吉澤は思う。

250 名前:第7話 投稿日:2005/03/19(土) 12:58
「ハロー王国の南部に古代人の遺跡があるのは知ってますか?」

「ああ、だがあそこは・・・」
「普段は人が入らないはずの遺跡。
でも最近人が出入りしていることを国中に放った私の手の者が確認しています」
「まさか・・・」

「柴田あゆみに間違いないそうです」

「ならば早く行かなければ・・・」

「だがあそこは天然の要塞。
簡単には落とせないはず」
251 名前:第7話 投稿日:2005/03/19(土) 13:04
「兵の数なら心配いらん」
横から福田が口をはさむ。
「ゼティマ王国からもうすぐ援軍五千がくる」

「これで併せて一万、あとは下準備ですね!」

「しかし福田さん、やつらは何のために紋章を奪うんですか?」
紺野が尋ねる。

「破壊神を呼び出すのだそうだ。
そのために五行の紋章すべてを儀式に使うと」
252 名前:第7話 投稿日:2005/03/19(土) 13:14
「じゃあ紋章を奪い返せば・・・」

「やつらの計画は失敗するってわけだ」

「なら戦争とは別に別動隊が必要ってことですね」

「別動隊のメンバーは紋章組か・・・」
「でも真なる水の紋章は・・・?」

「それは・・・、矢口さんしかいませんね」

「へ?オイラ?」

「お前しかいないな・・・」
「わかった、やるよ」

こうして各自戦争の準備に入った。
253 名前:スペード 投稿日:2005/03/19(土) 13:16
更新終了ー!!

最初タイトル入れるの忘れたッス。

いよいよ最終局面?
254 名前:ミッチー 投稿日:2005/03/20(日) 02:42
いよいよクライマックスですか?
楽しみにしてマス。。。
255 名前:第8話 投稿日:2005/03/27(日) 00:14
「「「ええっ!?」」」
今度の作戦についての紺野の説明に一同は困惑した。
「主力のほとんどを森に隠すって…?」
「おいおいそれじゃーまずいんじゃねーの?」
当然の疑問である。なにせハロー、ゼティマ連合軍は合わせても一万、
魔物はおそらく倍はいるであろう。
「十面埋伏の計、か…」
飯田がポツリとつぶやいた。
「なんです?リーダー、十面埋伏の計って」
市井が尋ねる。
256 名前:第8話 投稿日:2005/03/27(日) 00:25
「あらかじめ主力部隊を複数に分けて隠し、敵が通りかかったら背後、または側面から襲い掛かるの。それを時間差でやれば敵は実力を発揮できずにジ・エンドってわけ。でもこの計略は…」
「そう、本来この計略は自分の領地に侵攻され、しかも自軍有利で大将首を取りたいときに行うトドメの計略なんです。しかしそれはあくまで人間対人間の話、相手の軍師もまさかこんな策を使うとは思わないでしょう」
257 名前:第8話 投稿日:2005/03/27(日) 00:35
「でも背後とか側面からってことは十分ひきつけなあかんってことか?」
中澤が尋ねる。
「ええ、ひきつける部隊はできるだけ長く時間を稼ぎ、そして兵を失わずに私のいる本陣付近まで下がる必要があります」
「時間を稼ぐって?」
「普段なら十分時間をとって兵を隠すんですが、今回は時間がありません。ひきつけと同時進行で行います」
「完了の合図はどうすんだよ」
「狼煙はまずいしなぁ…」
「そこは石川さんと高橋さんの出番ですね…」
258 名前:第8話 投稿日:2005/03/27(日) 00:44
「え、あたしたち?」
「ええ、あなたたちのバカがつくほどの速い足、それから隠密行動がこの作戦のカギになります。すべての埋伏が完了したら私に知らせにきてください」
「は、はい!」
「石川さん、バカって言われたことに反応しようよ…」
「さて、ひきつけ部隊ですが、ここは堅実な安倍さんに二千の兵の指揮を取ってもらいます。わかっているでしょうが、くれぐれもめざましい活躍は無用です」
「わかってるべさ」
259 名前:第8話 投稿日:2005/03/27(日) 00:52
「さて、伏兵部隊ですが、八千の兵を東に二つ、西に二つの計四つに分けます。指揮はそれぞれ中澤さん、市井さん、藤本さん、保田さんに取ってもらいましょう」
「おおっ!」
「道重さんには戦況を完全に把握するため、私と一緒に本陣にいてもらいます」
「はーい」
「以上が今回の作戦の概要です。各々準備を怠らないように」
これで作戦会議は散会となった。
260 名前:スペード 投稿日:2005/03/27(日) 00:56
更新終了!

いやぁー下準備って長いねぇの一言です

>>254ミッチー様
このペースならこの作品もあと2、3ヵ月かと…
次回作検討中であります!

ではまた来週ー!!
261 名前:ミッチー 投稿日:2005/03/28(月) 01:19
更新お疲れさまデス。。。
今更だけど、紺野さんすごいね。
次回作も頑張って下さい。
262 名前:第8話 投稿日:2005/04/03(日) 22:20
翌朝、南部の遺跡へと兵を進める紺野達、
本陣を戦場が見える高台へと移した。

「いいですか、あの原野を戦場の中心としてもらいます。そこから左右高くなっているところがあるでしょう?各軍、昨日指示を出したところに伏せてもらいます」
「じゃあなっちは準備が整ったら兵を原野に進めればいいんだべ?」
「そういうことです。おそらく今日ここに進軍することは斎藤さんも読んでいるでしょう。あの方は間違いなく私の首を取りにくる。その時がチャンスです」
263 名前:第8話 投稿日:2005/04/03(日) 22:27
こうして各軍、指示された場所に移動を開始した。

その時、紺野の手の者が報告にきた。
「異形の者…?」
「は、はい。魔物ではなく、人の形をしているのですが、何やら様子がおかしくて。数はおよそ二万ほどです」
「わかりました。一応頭に入れておきます。」
二万ならなんとか勝てる、ただ異形であるというのがひっかかっていた。
「人ではなく、魔物でもない…」
264 名前:第8話 投稿日:2005/04/03(日) 22:35
「紺野さーん!」
その時、石川と高橋が報告にやってきた。
「埋伏完了しましたー!」
「では石川さん達も安倍さんの軍に入ってもらいます」
「はーい!」
気付くと石川達はいなくなっていた。
そうだ、負けるはずはない。これほどに優れた将、兵がいる。
そして私がいる。負けるはずはない。
しかし紺野の一抹の不安は消えなかった。


265 名前:第8話 投稿日:2005/04/03(日) 22:41
安倍は軍の先頭にいた。
おそらくこれが最後の戦いになるだろう。その戦いの主軍に選ばれたことはうれしい。しかし自分の指揮で勝敗が決まる。
敵を打ち払うなら全力を尽くせばいい。しかし今回はちがうのだ。
全力を尽くして善戦すれば紺野の作戦は足元から崩れてしまう。
「お姉ちゃん」
「あ、麻美?どうしたべ?」
「震えてるんじゃないかなーって」
266 名前:第8話 投稿日:2005/04/03(日) 22:49
「バカ言ってるんじゃないべさ」
「目が笑ってないよ」
図星である。
「………たしかになっちはいつまでも副団長でいつも援軍や後方支援ばかりだったべ。でも今は違う。安倍なつみとして、一人の将として、この戦いに勝つべさ!」
「いい台詞なんだけど訛ってると迫力ないよ」
「いいの!なっちは訛ってるほうがいいってよっすぃーが言ってるんだから」
「のろけかよ…」
やれやれ、と肩をすくめる麻美。
気付くと安倍の緊張は解けていた。
267 名前:スペード 投稿日:2005/04/03(日) 22:50
更新終了!!
なんだこの展開?戦争前のはずなのに…
268 名前:ミッチー 投稿日:2005/04/04(月) 01:43
紺野さんの、一抹の不安が当たらなければイイんですけど…。
どうなるんでしょうか。
269 名前:第8話 投稿日:2005/04/17(日) 21:58
「やはり来たな…」
進んでくる敵を眺めながら斎藤がつぶやく。
「言っておくが私はあいつしか相手にしないからな」
大谷が斎藤を睨む。
「ならば私もそうしましょうかね。こっちはあなた達がいれば大丈夫でしょう?」
「まったく勝手なものよね」斎藤の後ろにいる女性、岡田と三好が言った。
「まあそう言うな。こいつらに軍の始期などできんからな」
270 名前:第8話 投稿日:2005/04/17(日) 22:13
「そろそろやるぞ」
斎藤が右手をかざす。



ボコッ!
「なっ!!」
地面から手が伸びてくる。
それも一つ二つではなく、何百何千と現れた。
「わっ!ちょっ、こんなの聞いてないべさ!!」
「当然でしょ?こんなん言うわけないじゃん」
「言ってる場合かー!!」
やがて手だけではなく、顔、そして全身が出てきた。
「こ、これって…」
安倍達が見たもの、それは人と呼べるものではなかった。人だった、と言うべきか。
「ゾ、ゾンビ…?」
顔が崩れている者、臓物が垂れ下がっている者、半身がない者もいた。
「ど、どうすんのさ!!」
「一旦下がるよ!」
271 名前:第8話 投稿日:2005/04/17(日) 22:18
「ずいぶん簡単に下がったものだな」
「何かを誘っているのでしょうか?」
「たぶん伏兵だな。…しかし伏兵と知っていればまったく問題はない」
「では主力を進めます」
岡田と三好が出ていく。
「ここが貴様の墓となるのだ!紺野あさ美!!」






272 名前:第8話 投稿日:2005/04/17(日) 22:25
前線はもはや大混乱であった。しかも主力が迫っている。
このままでは本陣陥落も時間の問題である。
「まさか死者を使うとは…」
紺野が呆然となる。
「これを読めなかったのは私の失態。もはやこの戦に勝ち目は…」
そこまで言って口を止める。
それは自分のすぐ隣からすさまじいオーラが出ているからだ。
見ると道重が弓を持っている。



273 名前:第8話 投稿日:2005/04/17(日) 22:33
「紺野さん、まだ勝ち目があるうちからそんなことは言わないでほしいの」
「でもここからどうやって!」
「まあさゆにまかせて」
道重が弓を構える。
そして目を見開く。
その目は人の目をしていなかった。
それは獲物を仕留める鷹の目、まさにそれであった。
そして目に見えない速さで矢を放ち続ける。
しかしそれは矢ではない。
細い棒状の光、それが次々と流星のように戦場に降り注いだ。
274 名前:第8話 投稿日:2005/04/17(日) 22:39
「な、なんだべこれ!?」
無数の光が降り注いだ次の瞬間、ゾンビ達の頭に光が突き刺さっていた。
「こっちの陣から降ってきたけど…」
「まさか重さん!?」
石川が言う。
「もはや化け物レベルですね…」
今の攻撃で敵が半数にまで減っていた。
「な、なんにせよこれで作戦が遂行できるね」

275 名前:第8話 投稿日:2005/04/17(日) 22:44
「紺野さん、これで負けたらさゆ本気で怒るの」
と言い残して道重は眠ってしまった。
「…私もまだまだ修業が足らないですね」
道重の規則正しい寝息が聞こえてくる。
「さあ、これからです!」
紺野が気合いを入れ直した。
276 名前:スペード 投稿日:2005/04/17(日) 22:45
更新終了!

なんせ最近忙しくて…。
遅くなるかもですが、勘弁してやってください。
277 名前:第8話 投稿日:2005/04/22(金) 22:52
その後、紺野の作戦どおり敵を深く誘い込み、撃破することに成功した。
斎藤は捕えたが、大谷、村田は行方不明である。


――――さて、一方吉澤達
「あ!あった!」
「これで全員の紋章を取り返せましたね」
「しかし見張りもいないとは不自然だな」
「もう必要ないとか?」
「あるいはそうかもな」
278 名前:第8話 投稿日:2005/04/22(金) 22:58
「はあっはあっ…」
「いちーちゃん、もうすぐ追いつくよ」
市井と後藤は遺跡の中にいた。
もちろんあの二人を追うためである。
「ここまでくれば邪魔はいねえ。本気でやってやるぜ!」
「建物は破壊しないでよ?」
「それは俺の台詞だー!!」
「最後までうるさい奴らだな」
「「!?」」
かつては祭壇だっただろうその場所に大谷と村田はいた。
279 名前:第8話 投稿日:2005/04/22(金) 23:03
「もはや柴田の考えることなどどうでもいい。俺が望むのは貴様との決戦だ!」
剣を市井につきつける。
「上等だ。これで終わりにしてやるよ…」


「………」
「みんなのために、あなたを倒すよ、村田さん!」
「いいでしょう。そこまで死を望むなら…」





280 名前:第8話 投稿日:2005/04/22(金) 23:11
「ずいぶん来るのが遅かったな…」
遺跡の最深部に、柴田はいた。
まわりには緑、赤、青、黄、茶色の光が舞っている。
「全ての力は揃った。あとは破壊神が舞い降りるのみ!」
「馬鹿な!」
飯田が驚きの声をあげる。
「紋章を取り返したのに何故?」
「私は紋章を欲したのではない。紋章のエネルギーを欲したのだ。五行の紋章は全て揃えば爆発的な力を生む。お前達の紋章は役にたったぞ」
281 名前:第8話 投稿日:2005/04/22(金) 23:17
「ふざけるな!!破壊神なんて呼ばせるか!」
吉澤が叫ぶ。
「もう遅い。お前にも感じるだろう?破壊神のオーラが」
「そんな…」
「時は満ちれり!」
ピカッ!
強烈な光があたりをつつむ。
光が消えると巨大な影が吉澤達を覆いつくしていた。



282 名前:第8話 投稿日:2005/04/22(金) 23:23
「これが破壊神…?」
「で、でかい…」
しばし呆然となる一同。
「こんなの倒せるのかよ…」
「あきらめるな!ここで負けたら全てがなくなってしまう。それでもいいのかよ!?」
吉澤が檄をとばす。
「誰もあきらめるなんて言ってないよ」
「フッ当然…」
「さあ、これで終わりにしてやる!」
四人が武器を構えた。



283 名前:スペード 投稿日:2005/04/22(金) 23:27
更新終了!終わるまでこっち優先にします。

一応次回作のネタはできてます。ファンタジーで。
森のはちょっとしたラブコメみたいなのでどちらもがんばります!
次回作は絶対長編になるはず。



284 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/23(土) 00:03
はじめまして。実は毎日チェックしてます…作者さんの大ファンです!
話がすごい展開になってきましたね…毎日がドッキドキラブメール気分です
次回作も楽しいにしています!
作者さんのペースでがんばってくださいね!更新おつかれさまでした。
285 名前:第8話 投稿日:2005/04/26(火) 22:04
「ふふふふふっ。ようやく本気を出せる相手に巡り合えたな」
「はっ?」
「ハアアアアアッ!!」
大谷のまわりの空気が震える。
「マジッ!?」
まばたきをした直後、大谷すでに人ではなくなっていた。
伝説や逸話に出てくる悪魔といったところか。
「はあっ!!」
市井が剣を突き刺す。
ガィン!!
しかしその鋼の肉体に刄が食い込むことはなかった。
286 名前:第8話 投稿日:2005/04/26(火) 22:11
「なっ!!」
これには市井も驚いた。
なんという強度であろうか。
市井の双剣は脆いわけではない。むしろ強度としては最高レベルである。その剣ですら傷ひとつつかない。
「こりゃあどうすっかな…」
「独り言を言うほど余裕があるのか?」
ビュン!!
「うおっ!!」
顔面すれすれを剣が通過する。
そこに意識が集中したせいで下に気が回らなかった。
287 名前:第8話 投稿日:2005/04/26(火) 22:17
ドスッ!!
「がはっ!!」
市井の脇腹にこぶしが食い込む。
肋骨が数本は折れただろう。
もちろん常人なら絶命していたはずだ。
市井の鍛え方も普通ではない。
「ゲホッ!重っ!」
なんとか起き上がるものの動きは格段に悪くなっていた。
(長期戦は不利、か…)
288 名前:第8話 投稿日:2005/04/26(火) 22:22
「なら、いちー様の本気を見せてやるよ!!」
「おもしろい!かかってきな!!」
お互いの剣がぶつかり合う。
市井には幾度も戦って大谷の欠点が見えていた。
双剣を装備しているが、攻撃が右一辺倒になる時がある。そこをつくしかないと市井は考えていた。
十合、二十合、三十合。
だんだん右が主体になる。
289 名前:第8話 投稿日:2005/04/26(火) 22:30
「今だ!!」
右の袈裟斬りを左でいなし、そこに右をたたき込む。
思惑どおり、右手から剣が落ちる。
「連塵剣!!」
塵をも消し飛ばすような双剣の連撃が大谷を襲う!
ガガガガガッ!
しかし大谷の鋼の肉体に阻まれる。
しかし衝撃までは防げない。
290 名前:第8話 投稿日:2005/04/26(火) 22:42
「ぐっ!」
市井も肋骨の痛みに必死で耐えている。
「これで終わりだ!!閃空衝烈破!!」
下から突き上げるような斬撃を繰り返す。すると大谷の体が徐々に浮き上がっていった。
ピシッ!
何かにひびが入る音がする。
「ま、まさかこの俺が…!」
ピシピシピシピシッ!!
ひびが入っているのは大谷の体だった。
そして市井が下に叩きつけるような斬撃を繰り出すと、
パキィ!!
「ぎゃあああああっ!!」
大谷の体は地面にぶつかった瞬間粉々に砕け散った。
「安らかに眠れ…なんてな!いててて…」
291 名前:スペード 投稿日:2005/04/26(火) 22:45
更新終了!
まずは市井VS大谷編決着です!

>>284名無し飼育さん様、
私のファンですと!?
ずいぶんとめずらしい…
ありがとうございます。期待に答えれるよう頑張ります!





292 名前:ミッチー 投稿日:2005/04/27(水) 02:00
更新お疲れ様デス。。。
市井ちゃんすげー!
続き楽しみにしてます。
293 名前:第8話 投稿日:2005/05/08(日) 22:33
「我が呼びかけに応えよ!四神召喚!!」
村田の周りに4体の魔物が現われた。
「あっ、ずるーい!!」
「私はこんなところで負けるわけにはいかないんですよ。ひとつだけ言っておきますがもうあなたの魔法は私に届かない」
「へえ…じゃあくらってみな!」
後藤が烈火の紋章を発動させる。
しかし、4体の魔物の内の2体が水の紋章と風の紋章を使ってかき消した
294 名前:第8話 投稿日:2005/05/08(日) 22:39
「嘘っ!!」
「さらに!!」
残りの2体が土の紋章と火の紋章を発動させた。
「よ、溶岩なんて落とすなー!!」
巨大な溶岩が後藤に迫る。
間一髪で躱すと今度は旋風の紋章でかまいたちを起こす。
しかし土の壁に阻まれてしまった。
295 名前:第8話 投稿日:2005/05/08(日) 22:55
「言ったはずですよ。あなたの魔法はもう効かない」
「しょうがないなー。これあまり使いたくないんだけど」
「いったい何を…?」
「後藤もね、使えるようになったんだよ。具現結晶」
「なっ……!」
「極楽浄土より出でし炎の鳥よ!今ひとたび現世に舞い降りよ!」
空から一筋の光が降り注ぐ。そこから炎を纏った鳥が舞い降りた。
296 名前:第8話 投稿日:2005/05/08(日) 23:10
「まさか本当に具現結晶を…」
「いくよ!鳳凰天駆!!」
鳳凰が上空から猛スピードで向かってくる。
魔物達が紋章を使って防ごうとするが全てかき消されてしまった。
「まさか四神が…!」
「そこから!鳳凰天翔翼!!」
地面すれすれまで降下してから旋回して村田に突撃する。
「きゃあ!!」
防ぐ手立てもなく村田は簡単に弾き飛ばされた。
297 名前:第8話 投稿日:2005/05/08(日) 23:24
「これで後藤の勝ちだね!」
「まだ…私は…!」
よろよろと立ち上がる。
「ちょっとその体でどこへ行くの!?」
「柴田様は…私が護る!!」
そう言い残して村田は消えた。
「後藤!」
「いちーちゃん!」
「この後どうするか…」
「いちーちゃん、悪いけど後藤寝るからおぶってってくれる?」
そういって後藤は眠ってしまった。
「か、勝手なヤツだな…。まあ惚れた弱みか…」
後藤を背中に乗せて市井は遺跡を脱出した。
298 名前:スペード 投稿日:2005/05/08(日) 23:25
更新終了!!
あと何回で終わるかなぁ…。
299 名前:第8話 投稿日:2005/05/11(水) 22:23
「はっ!」
吉澤の刀が、
「せやっ!」
矢口の剣が、
「ふんっ!」
飯田の剣が、
「おりゃっ!!」
そして福田の術が破壊神をとらえる。
しかしそれらの傷は左手から放たれる青い光によってすべて修復されていた。
300 名前:第8話 投稿日:2005/05/11(水) 22:35
「くそっまたか…」
「何度やっても回復されてしまう…」
「しかも魔法力が無尽蔵ときたもんだ」
福田が肩を落とす。
「なんかいい作戦ないですかね飯田さん?」
「誰か一人が囮になれば左手は落とせる。だが…」
「誰が囮になるんですか?」
「囮になって生きていられる可能性が最も高いのは私だろうな」
「それって自画自賛?」
破壊神の右手から放たれる炎の矢を躱しながら矢口が冗談を言う。
301 名前:第8話 投稿日:2005/05/11(水) 22:44
「ヤツを倒すのはオマエ達3人しかできないことだ」
「どうして…?」
「それは…」
その時、大きな地響きとともにマグマが噴出した。
「どうやら破壊神の召喚のせいで地上も崩壊に向かっているらしいな」
「そんな…」
「ガタガタ言ってる暇はないやるぞ!!」
飯田が剣を構え、破壊神に突っ込んでいく。
302 名前:第8話 投稿日:2005/05/11(水) 22:57
体格差5倍以上も違う相手に単身相手にするのは普通なら無謀としかいいようがない。
しかしこの時の飯田は死力をつくしてその無謀を成功させ、千載一遇のチャンスを作り上げた。
(これで…私の役目は…終わったな)
「はあっ!!」
矢口が一気に跳躍し、左腕を斬り落とす。
そして福田が土の術で足元を固め、
「これでどうだー!!」
吉澤が雷を纏った刀を胴めがけて斬り付ける。
「グギャアアアアア!!」
破壊神は倒れ足元からポロポロと崩れていった。
303 名前:第8話 投稿日:2005/05/11(水) 23:04
「か、勝った…」
「やっっったぁー!!」
「フッ…」
3人は思い思いに喜びを噛み締める。
「あれ?飯田さんは?」
辺りをみると倒れている飯田の姿があった。
「い、飯田さん!!」
3人はすぐに駆け寄る。
手をみるとなぜか皺だらけになっていた。手だけではない。足も、顔も…。
「どうして…?」
「こうなることはわかっていた。オマエ達が勝つことも、私がここで死ぬこともね」
「えっ?」
304 名前:第8話 投稿日:2005/05/11(水) 23:12
「私は…幸せだったなぁ。150年の間に3度も良い仲間に巡り合えた。そして最後は世界のために、か…」
「馬鹿なことを言わないでください!」
「いいんだ。自然の摂理に反することは世界を破滅に追いやる。今回のようにな」
「飯田さん…」
「じゃあね。いろいろ楽しかった」
眠るように、飯田は息を引き取った…。
305 名前:スペード 投稿日:2005/05/11(水) 23:13
更新終了!!計算したら後二回!
306 名前:名無し読者 投稿日:2005/05/12(木) 16:27
うわぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁ!!!
えらいこっちゃ…

ますます目が離せませんね!
がんばってくださいね。最後まで応援してます!
更新お疲れ様でした
307 名前:ミッチー 投稿日:2005/05/12(木) 20:24
更新お疲れ様デス。。。
ついにあと2回ですか・・・。何か寂しいですネ。
頑張ってください。
308 名前:第8話 投稿日:2005/05/18(水) 21:46
「そんな馬鹿な…破壊神が負けるなんて…」
「これであなたの野望もすべて崩した!」
「ふふ、この私が負ける?――そんなこと許さないからな!」
ゴゴゴゴゴ!!
「な、なんだ?」
「神殿が、崩れる!?」
「みんなここで死ねばいいのさ!アハ、アハハハハ!」
柴田は狂ったように笑い続けた。
ヒュン!
「ハッ?」
その背中に矢口の剣が突き刺さる。
「母さんと、飯田さんの仇だ。死ぬまでの間、自分が何をしでかしたのかよく考えてみるんだな」
309 名前:第8話 投稿日:2005/05/18(水) 21:52
「まずい!ここもあまりもたないぞ!!」
福田が出口に向かって駆け出す。
吉澤は柴田の様子が気になって後ろを振り返ったが、倒れているためにどんな表情をしているかはわからなかった。
「あっ!!」
出口まで一気に走ってきた3人だが、出口は巨大な岩で完全にふさがれていた。
「くそっ!!こんなところで!!」

310 名前:第8話 投稿日:2005/05/18(水) 21:58
その時、
ピシッ!
「えっ?」
岩に亀裂が入る。
そして、
「うおりゃあああ!!」
ドゴォン!!
気合いとともに岩は粉砕された。
「まったく最後まで世話の焼ける連中だぜ!」
「それ絶対いちーちゃんが言う台詞じゃない」
全身誇りまみれの二人。
「あれ?リーダーは?」
後藤が尋ねる。
311 名前:第8話 投稿日:2005/05/18(水) 22:06
「それは…」
3人の表情が曇る。
市井はそれで全てを理解したようだ。
「さっとりあえず出ようぜ!」
「えっ?だからリーダーは!?」
「いいんだよ!リーダーは残ってお、し、ご、と」
そういって後藤を無理矢理押し出す。
「あいつ…」
「すげえ、な…」
市井には飯田がどうなったかわかっているのだろう、と3人は思った。
それをわかっていながらこんなときでも明るく振る舞う。
飯田はそれができる市井を副リーダーとしておいたのだろう。
312 名前:第8話 投稿日:2005/05/18(水) 22:10
もし自分が死んでもコイツがいればチームは崩れることはない。
普段はふざけているが、不思議と人は離れていかないのだ。
「っと関心してる場合ではないな。脱出脱出」

ちいさな光が差し込む。
五人はそこに向かって走っていた。





313 名前:第8話 投稿日:2005/05/18(水) 22:16
「…田様………柴田様!」
自分を呼ぶ声がして体を起こす。
背中の痛みは頂点を越え、もはや麻痺してきた。
一歩一歩、死が近づいているのが柴田にははっきりとわかった。
「どうしておまえがここに…」
神殿も、すでに半分が崩れている。
「最後まで、お供いたします」
「もういいのだ。おまえまで死ぬことはない」
柴田が右手を差し出す。
「…………?」
村田がその手をとる。
314 名前:第8話 投稿日:2005/05/18(水) 22:25
すると手から光が溢れだし、村田の右手に紋章がつけられた。
「おまえが、これをどこかへ封印してくれ。そして天寿を全うせよ。これが私の最後の命令だ」
そして最後の力を振り絞って村田を強制的に外へと放り出した。
「ふふ、死とはこんなものか…」
視界に闇が迫ってくる。体も半分は闇に呑まれているだろう。
「人は生き、人は死ぬ。ただ、それだけの、こと…」
そして闇が自分の体全てを呑み込んだとき、


自分が、笑ったのがわかった…。
315 名前:スペード 投稿日:2005/05/18(水) 22:26
更新終了!!

ようやく次回ラスト!!
316 名前:ミッチー 投稿日:2005/05/19(木) 22:15
更新お疲れ様デス。。。
ついに次回ラストですか・・・。
何だか寂しいですね。
次回も頑張ってください!
317 名前:エピローグ 投稿日:2005/05/21(土) 22:37
「はぁ〜、なっちは長期休暇とってよっすぃーと旅に出ちゃったし。そのよっすぃーはここに悩みの種残していきやがった…」
その悩みの種とは…。
「まりっぺー!!」
「だからまりっぺ言うな石川ぁー!!」
「またまたぁ〜、ほんとは言ってほしいくせに〜」
「キショッ!ありえないから。そして抱きつくなー!!」
その様子を見ていた紺野は。
「はぁー。矢口さんも素直じゃないんだから…」
318 名前:エピローグ〜市井編〜 投稿日:2005/05/21(土) 22:45
「しっかしいきなり親衛隊長って言われてもねえ…」
「まあいちーちゃんの実力なら当然じゃない?」
「まあいっか、これで首都に行けるし。ナンパもし放題…」
「いちーちゃん?コロスよ?」
「じ、冗談です…」
「やっぱり後藤さんが最強なんじゃあ…」
新垣がボソッとつぶやく。
「れーなはどっちでもいいっちゃ」
「さゆが一番かわいいに決まってるの!」
「「はっ?」」
319 名前:エピローグ〜藤本編〜 投稿日:2005/05/21(土) 22:55
「本当にいいのみきたん?」
「いいんだ。こんなものは必要ないと今回の戦いで良くわかったから」
紋章を海に向かって放り投げる。
海に沈んだか、それとも途中で消えてしまったか、いずれにせよ紋章見えなくなった。
「さっ、帰ろう。戸籍を完成させなきゃ」
「そうだね。入ってきた人たちのがまだだし」
二人は城に向かって歩き始めた。
320 名前:エピローグ〜吉澤編〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:06
ここはハロー王国の東にある大海。
船が一艘、東に進んでいた。
「ねえよっすぃー、これからどこ行くの?」
「うーん…、宝探し?」
「疑問形にされても困るべさ。なんかあてあるの?」「ない!」
「………」
「………」
「と、ともかく!おもしろそうなことがあったら適当に巻き込まれるということで!」
「よっすぃー、旅に行こう!って言っといて行き先まったくないんだべか…」
安倍はかなり呆れていた。

船は太陽の下快調に進んでいた……。
321 名前:スペード 投稿日:2005/05/21(土) 23:11
終わりです。

約8ヵ月の間ご愛読いただき、ありがとうございました。
次回作もファンタジーですが、読んでいただけたらうれしいです。
では次回作で、もしくは森板でお会いしましょう。
322 名前:ミッチー 投稿日:2005/05/25(水) 01:25
おつかれさまでした。
きちんと仕上げて下さってありがとうございます。
最初から最後まで、楽しませていただきました。
次回作も、頑張ってください。
323 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/25(水) 22:23
連載終了、おめでとうございます。
そしてお疲れ様でした。
安定した更新でしたので、安心して読むことが出来ました。
次回作でも頑張ってください。

Converted by dat2html.pl v0.2