秘密

1 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:13
某サイトでやぐちゅーを書かしてもらっている我は竜也です。
ここでは裕ちゃん視点で書かしてもらおうと思います。

よろしければどうぞ。
2 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:14
私には誰にも言えない事がある。

モーニングに入る少し前から症状が出なくなった。

医者には突然いなくなることがある、何かふっきれたんじゃないのか?と言われた。

ちょうどモーニング娘が活動を開始し始め、夢が叶った頃で、そのことが何かのきっかけになって症状が消えた・・・・そう思っていた。

昨日までは・・・・。
3 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:17
昨日モーニングを卒業すると発表した。

そのことが何かのスイッチになったのかもしれない。

会見が終わり家に着くと、なんだか気分が悪かった。

頭が割れそうにいたい。立つのもやっとだ・・。

この症状はここ何年かみられなかった症状。

現れたのだ・・・二人の内一人が・・・。
4 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:19
私は多重人格者。

ということになっているが少し違う。

人格が変わっても意識がはっきりとしているのだ。
ただ止めようとしても止められない・・・無性にそのことだけを求め続けるのだ。

昨日でた人格は・・・甘えたがりで駄々をこねる人格。
つまり子供のような人格。
5 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:21
昨日矢口に電話したのを覚えている。

最近いつでも矢口のことが気になっていた。

気がつくといつも矢口の姿をさがしている。

好き・・・・なんだと思う。

でも矢口に言えるはずがない。


付き合うのは無理にきまってるから・・。
6 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:23
電話の内容は・・やぐちぃ、好き、会いたい、この三つばかりを言っていた。

いつもなら寝ることも仕事のひとつやで、という私と正反対の電話の内容に矢口は驚いていたのを覚えている。

「どうしたの?」

この言葉を何十回も聞いた。

「ふぅ〜」

昨日のことを考えるのはよそう。

暗くなるだけだ。

モーニングのみんなに迷惑はかけられない。
ひとまず今日は病院に寄って行こう。

「急げばなんとかなるやろ」

いつもより早い朝食を取って家をでた。
7 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:24
病院に着くとなんだか懐かしい気がした
無理もないか・・・

先生の質問がいくつか終わり・・

「原因はやはり・・・」

先生が口ごもる

「卒業ですか?」

「おそらく・・それが一番だと」

「そうですか・・」

やっぱり卒業という名のスイッチが作動したんだ・・
私はうつむいてしまった

「また症状が出たら必ず来てください。私も出来る限りのことはしますから」

「ありがとうございます」

私は足早に病院を出た・・少しヤバイかもしれない
8 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:25
楽屋についた時にはもうみんなが集まっていた

「おはよ。めずらしいわね」

圭坊が少し心配そうに聞いてきた

「ちょっと寝坊してしもて・・・・・おはよ!みんな」

「おはよう」「おはようございます」みんな個人個人の返事を返してくれる。

私は一番奥のイスに座る

「ふぅ〜」

・・・間に合ってよかった
9 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:27
「どうかしたの?」

「や、やぐち・・なんでもあらへん。ちょっと寝坊しただけや」

いきなり話しかけられて少し驚いてしまった

「昨日矢口と電話しすぎたんじゃないの?」

矢口がいたずらっ子みたいに言う

「大丈夫やで〜それにしても矢口今日も可愛いな〜」

と言いながら抱きついた

「はなれろ〜裕子!」
10 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:28
・・・・・ん?

じたばたしていた矢口が急におとなしくなった

「昨日からなんか裕ちゃん甘えん坊だね」

昨日の私は私だけど私じゃない!そう叫びたかった。

自然と矢口から手が離れた。

「え・・」

矢口が驚いたみたいに言った
11 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:29
これからどんなことが怒るかわからない・・・・そう思うと恐ろしい

いても立ってもいられなくなった

「・・飲み物こうて来る」

私はそう言い残して楽屋を出た

あの子を・・・矢口を傷つけてはいけない

・・・・・・・距離を置くしか

それしかいい方法が思いつかなかった。
12 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/23(土) 16:33
更新終了です。

ここまで某サイトの方で書いていたので更新が早かったんです。
これからやっていけるかな〜?(笑)

一週間に一回は更新します。
これからよろしくお願いします。
13 名前:七誌さん 投稿日:2004/10/23(土) 23:06
なんだかおもしろそう・・・・
がんばってください^-^
14 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/26(火) 20:33
少し更新します。
15 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/26(火) 20:34
矢口を避けるのは私には難しかったらしい

矢口を見つけると体が反応してしまう、矢口がいないとつい矢口を探してしまう。

やばいな・・・・・・私
16 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/26(火) 20:35
今日の全ての収録が終わり、帰る準備をする。

いつまた症状が出るかもわからない私は早めに家に帰ろうとする。

けど・・・

「裕ちゃん!」

一番声をかけられたくない相手に声をかけられてしまった。

「な、なんや?矢口」

「裕ちゃん!一緒に帰ろうよ?」

「ご、ごめんな〜矢口。ちょっと急がなあかんねん」

断りたくないけど・・・・・・断るしかなかった。
17 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/26(火) 20:36
「どんな用事?」

「え・・・えーとな・・・・・それはな・・・んーと」

なんでや!なんで今日に限ってこんなに追求してくんねや!

「・・・・・ゆ・う・こ!」   ガバッ!

え?ちょっと・・・・ちょっと待った!
矢口に腕を捕まれて無理やり連行されている

「ちょ!ちょっと!矢口!」

楽屋から出て少し歩いたところで私が言う。

それに対しての矢口の答えは一番聞きたくないもので・・
18 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/26(火) 20:36
「裕ちゃん・・・・昨日から変だよ」

「そ、そんなこと」

「じゃぁなんで今日避けてたのさ!」

叩かれると思うくらいおもいっきり怒鳴られた。

「避けてへん・・・」

自然とうつむいてしまう

「嘘・・・・嘘つかないでよ!!」

やっぱり矢口にはバレとるようやな・・・・・話す・・・・いや、話せるわけないな。

私は顔を上げて矢口の顔を見た。
矢口の頬を何かがつたっていた。
19 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/26(火) 20:37
「矢口お願いやからなかんとって・・・・・わたしが悪かった」

「・・・・・誰が泣かしたんだよ!まったく!」

矢口が目をこすりながら言う

この子は私のためなんかに涙を流してくれている。
矢口には話そう・・・このまま気まずくなっていく方が何倍も辛い。

・・・・・・矢口は私のことどう思うんやろか・・・。

「矢口・・・大切な話あんねん・・・・うち来てくれるか?」

「ゆ、裕ちゃんち?」

「嫌か?」

「全然!嫌じゃないよ!」

そういえばメンバーの誰かを家に入れるのは初めてやな。

「んじゃ行こか」

「うん!」

すぐにタクシーを拾って私のマンションに向かった。
20 名前:我は竜也 投稿日:2004/10/26(火) 20:39
本当に少しでしたが更新しました。

また一週間以内には更新します。
21 名前:七誌さん 投稿日:2004/10/28(木) 21:39
お、いい感じ。
次回更新が楽しみですね。がんばってください。
22 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:08
七誌さん読んでいただいて光栄です。
がんばりますね!

それでは予定より遅れましたが更新します。
23 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:09
アタシのマンションについて矢口が先に部屋に入っていく。

アタシは矢口にちゃんと話せるんやろか?
・・・・・って今さら何言うてんねんアタシは、もう逃げられへんがな。

「裕ちゃん?」

矢口が眉間に指をあてながら言う。

「何もあらへんよ。少し考え事。」

「ふ〜ん。ねぇねぇ裕ちゃん!この部屋に来たの他に誰かいるの?」

矢口が辺りを見わたしながら言う。

「矢口が初めてやな〜他のメンバーは入れたことないわ。」

「ほんとに?」

「ほんま。」

矢口がすごくうれしそうな顔をしている。
・・・・・・アタシはこの笑顔を壊してしまうんやろか
この矢口の笑顔を・・・・・。
24 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:09
「今日泊まっていってもいい?」

矢口がポツリと呟いた。

「ええよ。ええけど、抱きしめて寝んで?」

「あはは。その時は・・・・・・・ね?」

「・・・・・・・はい。」

なんか今矢口の目が光ったかと思ったわ。
あ〜怖いわ〜。
25 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:10
「・・・裕ちゃん話って・・・何?」

やっぱ気になっとったんか・・・・。

アタシは今猛烈に後悔した。
今から話さなあかんのに・・・・・・泊まっていいよって・・・・・。
矢口がアタシのことどう思うか・・・・・わからんのに。
26 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:18
「矢口・・・そこ座って」

「ここ?」と言いながら矢口がソファーにちょこんと座る。
アタシもその隣に座る。

「今から話すんは・・・・・・ぁう!」

頭が痛い・・・・・・
なんでこんな時に・・・い、今から矢口に話すっていうのに・・・

「裕ちゃん!?」

「だ・・・大丈夫や・・・・だ・・・だい」

「嘘!苦しそうだよ!?」
27 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:22
「矢口・・・・・・ごめん」

「え・・?」

頼む・・・・頼むから・・甘える・・・・甘えたがる方に・・・・・もう一つの方はやめてくれ。
矢口・・・・逃げてくれ、逃げてくれていいから・・・。
28 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:29
大丈夫?裕ちゃん?」

「・・・・・」

「裕ちゃん?」

「・・・・・うっさいな・・。」

「え・・?」

「うるさいっつぅーうてんねん!!」

「え・・・?ど、どうしたの裕ちゃ・・」

「あんた何でアタシの部屋入ってんねん!さっさと出てけや!!」

神様は・・・・アタシを裏切った。
29 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:58
この人格はひたすらキレる。
甘えたがりなんかとは比べ物にならないくらい厄介。

しかもこんな時に・・・・矢口がおる時に・・・・
こんなに残酷なことはない、意識があって・・・矢口を怒鳴っている自分の声が聞こえて・・・・矢口が怯えている姿を見なあかんなんて・・・・。

「裕ちゃん!変だよ!?どうしちゃったの!?」

「変?・・・アタシがか?変なんはあんたやろ!!勝手にアタシの部屋入ってきて!!アタシは一人でおりたいんや!!出てけ!!」

矢口が怯えている姿なんて見たく・・・・怯えてない?!
それどころか不思議な顔してる。
・・・・・・・・なんで、
30 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:59
「・・・裕ちゃん」

「なんや!?はよっ!」

「泣いてるよ・・・・裕ちゃん泣きながら怒鳴ってる。」

へぇ?アタシ・・・・泣いてる?

「泣いてる人が目の前にいるのにほっておけないでしょ!!」

「な、泣いてへんわ!」

矢口がアタシを抱きしめた。

「じゃ目から出てるものは何なの?涙じゃないっていうの!?」

「そ、それは・・・・・ぁう!」

アタシの頭の中で何かがはじけた。
そして・・・・・・・・・
31 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 01:59
「うわ〜ん、やぐちぃ」

アタシの人格は入れ変わった。

「ごめんなさい。ごめんなさい。」

「どうしたの裕ちゃん?いきなり謝ったりして。」

「ごめん矢口・・・ごめんなさい」

「もう・・・」

矢口は抱きしめ続けてくれた。

アタシはそのまま泣き疲れて矢口の腕の中で眠った。
32 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/04(木) 02:02
更新ここまでです。
今週末あたりまた更新すると思います。
33 名前:七誌さん 投稿日:2004/11/04(木) 21:06
更新乙です。
ゆ、裕ちゃん・・・
矢口さん!がんばって!
34 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/08(月) 16:19
朝、そこに矢口はいなかった。

そりゃそうか、怒鳴られて泣かれて・・・・・
迷惑かけっぱなしやんけ・・・。

「何難しい顔してんの?」

「ん?少し考え・・・・・・・矢口!?」

おもいっきり後ろを振り返ると、そこに矢口がいた。

「シャワー借りたよー」

シャワー?なんや風呂入ってただけか・・・・・・・・・って!

「怒ってないん?」

「なにがー?」

「何って・・・・」

矢口がうちの隣に来て腰掛ける。

アタシソファーで寝てもうたんか・・・

「理由があるんでしょ?・・・・・話してくれるよね?」

「・・・・・・うん」

矢口の顔は今まで見たこともないくらい真剣だった。
35 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/08(月) 16:20
「矢口落ち着いて聞いてな・・・・」

「うん」

「アタシな多重人格者やねん・・・・・今とは別に二つの顔がある。昨日の怒鳴りちらしとったんと電話で話した時の我がまま、甘えた・・・・つまり子供のような感じの人格、この二つの人格がアタシのなかにおんねん」

矢口は最初驚いていたが、アタシの手を握って真剣に聞いていてくれる。

「でも・・・・・アタシは普通と少し違うところがあって、人格が変わっても意識がはっきりしてんねん」

「・・・・・うん」

「だ、だからな・・・・きの・・昨日な怒鳴ってる時も・・・や、矢口が・・・・・・お・・怯えてるすが・・・姿もな・・・アタ・・アタシの目に・・焼きついてん・・・・・ねん」

・・・・・・・・・・ガバッ!

矢口がいきなり抱きついてきた。
36 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/08(月) 16:21
「泣かないで・・・裕ちゃん、矢口・・・大丈夫だから」

アタシは大粒の涙を零していた。

「だって・・・やぐ・・やぐちが怯えてる・・・す、姿・・・アタシの怒鳴り声・・・・で」

「大丈夫・・・・矢口はどんなことがあっても裕ちゃんから離れたりしない!」

「やぐちぃ・・?」

矢口の目は真剣そのもので・・・・・

「だって・・・だって裕ちゃんのこと好きなんだもん!!」

はっきりとこう言った。

・・・・・・・・・・・・・うれしかった。
37 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/08(月) 16:22
でも、矢口の好きとアタシの好きは違う。

矢口はメンバーとしての好きであってアタシの好きとは別のもんや・・・。

「矢口・・・・・ありがと」

「裕ちゃんは?裕ちゃんはどうなの?」

「なんや〜矢口、いつも言うてるやろ?好きやって」

矢口の表情が一瞬曇った。
でもすぐに表情を変えて・・・・・

「違う!矢口が・・・・・矢口が言った好きっていうのは!今の裕ちゃんが言った好きと違う!」

矢口がアタシから離れた。

38 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/08(月) 16:22
ん?どういうことや?アタシの好きと矢口の好きが違う?
いつもアタシはからかうように矢口の好きだと言っている。

だとすると・・・・・その逆やから・・・・・・

「や〜ぐちぃ」

自分の表情がにやけてるのがわかる。

「・・・・・・・・・。」

返事はない。

「やーぐちぃ」

「・・・・・・・・・。」

「もう・・・・・一回しか言わんから聞いとってや。今まで隠してたけど、アタシは矢口のことが好きや。真剣に付き合いたいとも思ってる。アタシには矢口しかおらん!好きや・・・・矢口」
39 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/08(月) 16:23
矢口がおもいっきりこっちを振り返る。
信じられないといった顔で涙を流しながらこっちに走って抱きついてくる。

「ほんと?ねー裕ちゃん?もー一回!もー一回言って!」

「もう・・・・・一回しか言わへんゆーたやろ?」

「お願い!お願い!お願ーい!」

「もう・・・・・・めっちゃ好きやで」

「矢口も・・・・大好き」

アタシ今・・・・・めっちゃ幸せや
40 名前:我は竜也 投稿日:2004/11/08(月) 16:25
なかなか時間ができないので更新ここまでです。
少なすぎてすみません。
41 名前:我は竜也 投稿日:2004/12/08(水) 22:20
「これからも・・・成長し続けるモーニング娘と中澤裕子を応援してください」

アタシは無事卒業することができた。

これも矢口のおかげ

あの日・・・矢口と付き合えるようになってから症状は出なくなった

医者は「また、自分のいるべき場所が見付かったのだとおもいますよ」と言っていた

アタシもそう思う

今目の前で大粒の涙を流してくれている子のそばにいつまでもおりたいと思ってる

「卒業・・・おめでと」

「ありがとう矢口・・・・これからも仲良くしてな」

「・・・・うん」

ほんまに「ありがとう」・・・・矢口・・・



〜完〜
42 名前:我は竜也 投稿日:2004/12/08(水) 22:22
短かったですね・・・

もっと長い予定だったのですがこんなに短くなってしまいました。

次は長編ものを書くつもりです!

では、更新します。
43 名前:エピローグ 投稿日:2004/12/08(水) 22:24
この世は、エデン(地球)・天界・魔界の3世界からなっている。

かつて神が作り上げた最高の存在。熾天使ルシフェルが死に魔界はエデンを狙って炎帝・氷帝・雷帝を送り込んだ。

そのことが天界にも知れ渡り、もう黙っておけない天界はエデンを守るため何名かの天使を送り込もうとしていた。
44 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:25
「裕ちゃん!」

「もう矢口〜みんなの前ではその名前呼ばんとってっていうてるやろ〜?」

「もう!ケチ!せっかくお祝いに来たのにさー」

「そうか、ありがと。でもアタシが熾天使っておかしない?」

「全然おかしくないよ!むしろ裕ちゃんしかいないよ!」

「ふふ、ありがと。でもみんなの前では裕ちゃんはあかんで!ルシフェル様って呼ばな怒られるで」

・・・・・・・・・・ガバッ!

「はぁ・・・はぁ・・・夢か」

毎日見る夢、それはあの日から・・・・・・そう裕ちゃんが死んだ日から。
楽しかった頃の夢を毎日みてしまう。
きっと明日も・・・・・・・考えるのはよそう

「もう起きなくちゃ」
45 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:26
今日は四名の天使が上層部に呼び出しを受けている。
矢口もその一人で、今から向かうところ。

「他の三人は誰なんだろう?」

そんな疑問を思い浮かべながら上層部に向かう

着いた所に熾天使様がいた。

「圭ちゃん!」

「お!矢口!早いね。」

「まーね。熾天使様からの呼び出しだからね」

「そうね。でも矢口!みんなの前ではコードで呼ぶのよ!怒られちゃうわよ!」

「はーい。ラファエル様」

「よろしい」

圭ちゃんと少し話しをしていると、みっちゃんとなっちとあやっぺが集まってきた。
46 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:26
「おはよ!矢口!」

「おはよ!なっち」

この素敵な笑顔の熾天使はなっち。
コードはガブリエル。

「おはよ」

「おはよ!あやっぺ」

この少し悪そうな顔の熾天使はあやっぺ。
コードはウリエル。

「やぐっつあんは相変わらず本名で呼ぶんやな〜怒られてまうで!」

「みんなの前ではちゃんと呼ぶように努力してるよ」

この少し変わった口調(なんでも裕ちゃんとエデンに行った所の地方の方言なんだそう)の熾天使はみっちゃん。
コードはミカエル。

そしてさっきのお姉さんみたいな熾天使の圭ちゃんをあわせて、天界最強の四大天使様。
47 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:27
「今日はなんで第九階級の矢口が呼ばれたの?」

「・・・・他の三人が着いてから話すわ」

みっちゃんが少し曇った顔で言った。

矢口にだって大体見当はついてる。
最近エデンが危ないって噂聞くから・・・・多分そのことだろう。

裕ちゃんがいた頃は魔界の奴らがたまに悪さをするぐらいで平和だった。
裕ちゃんという大きな存在が天界と魔界の決定的な差だったから。
でも裕ちゃんがいなくなったくらいで魔界の奴らは動かないだろう・・・・・・多分他になにか・・・・
48 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:27
「矢口?矢口!!」

「へぇ?な、なに?」

「おいおい、もう三人も来たから話を始めるって言ったのよ!聞いてなかったでしょ?」

あきれた顔で圭ちゃんが言った。

「ごめん・・。」

あたりを見ると紺野、高橋、小川の三人がいた。
なーんだ紺野と高橋と小川だったんだぁ。

「それじゃ話を始めます」

みっちゃんがいつになく真剣な顔つきで話始める。

「今から話すことは本当のことだ。心して聞いてくれ。一ヶ月前ルシフェル様が亡くなったという話を発表したと思うが、あれは確かではない!」

え・・・死んでない?裕ちゃんが??
49 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:28
「そ、それは本当なの!!?」

「矢口・・・落ち着いて最後まで聞いてくれ」

「落ち着いてなんかいられないよ!裕ちゃんは生きてるの!?」

「矢口!!」

圭ちゃんが怒鳴った

当たり前だ、みんなの前で取り乱して話を中断させて・・・

「・・・・・すみませんでした」

深々と頭を下げた。

「いや、こちらもいきなりですまないことをした。」

「では、続きを話す。本当のところルシフェル様は行方がわからなくなったんだ。亡くなったと報告したのは議会の決断のもとだ。行方がわからないと報告すると、魔界の奴らを疑うものがでてくる。そうなると・・・・戦争がおこるからな。」

「死んでいる可能性もあるってことですか?」

当然の疑問をぶつけてみた。
50 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:28
みっちゃんは少し考えた後、

「先に用件を話させてもらう。噂を耳にしていると思うが、魔界の奴らがエデンを狙って刺客を送り込んでいる。知っていると思うが私達階級が高い者は簡単にはエデンに降りられんのだ。そこで君たち四人でエデンに行き刺客らを倒してきてほしい。矢口がリーダーで明日一番で向かってもらう。」

「わかりました。」
四人同時に言った。

「ではもう下がってよい。明日一番でまたここに来てくれ!それから矢口ちょっと。」

みっちゃんが矢口を呼んだ。
他の三人は先に帰っていった。

「姐さんの件についてやけど・・・・今まで黙っててごめんな。」

「ううん、さっきは矢口も取り乱してごめん。」

「矢口・・・」

圭ちゃんが話しかけてきた。

「多分、裕ちゃんは生きてるよ。ううん、生きてる!必ず生きてる。だって」

「それはうちから話すわ」

みっちゃんが話を止めて・・・・・みんな真剣な表情になる。
51 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:29
「姐さんがいなくなった日にうちら四人は姐さんと話をしとったんや。あの頃うちらはまだ四人とも智天使やって熾天使やった姐さんと話をする機会が何べんもあったんや。その時の姐さんの問いは・・・もしエデンをほったらかしにしたらどうなると思う・・・いつもとは違う真剣な問いにうちらは真剣に答えた。裕ちゃんも真剣に話をしてた。」

「みっちゃんたちはどう答えたの?」

「矢口ならどう答える?」

あやっぺが真剣な眼差しで聞いてきた。

「矢口は・・・エデンがつぶれちゃうと思う。エデンが危ない時天使が助けにいってるしね」

「なっちたちもみんな同じ意見だったよ」

なっちが笑顔で答えた。

「裕ちゃんも同じだった。」

圭ちゃんが呟いた。

「最後にうちは・・・・「なんか今日はえらい真面目ですね。」って言うたら姐さんは「アタシにもわからんよ」ってすごい悲しそうな顔で答えたんや。その後、姐さんは用事が出来たから・・・・・っていうて家のほうに戻ってったんや」

「それが裕ちゃんがいなくなった前日・・」

圭ちゃんが付け加えた。
52 名前:第一章 天界 投稿日:2004/12/08(水) 22:29
みっちゃんも圭ちゃんも矢口も・・・・・うつむいた。

「みんな元気だそうよ!悲しいことだけど!」

「裕ちゃんは生きている確立のほうが何倍も高い。」

「あっやぺ!先に言わないでよ!」

なっちとあやっぺのやり取りを見ているとなんだか笑えてきた。

「そうだよ!裕ちゃんは生きてる!」

矢口は出来るだけ声を張り上げて叫んだ。
裕ちゃんに届くように・・・・。

「まぁ〜姐さんが死ぬはずないわ」

みっちゃんも元気が戻ってきた。

「矢口、明日から頼むわよ・・・・少しでも階級上げて裕ちゃんに見せ付けてあげなさい」

圭ちゃんも・・・・みんな希望に満ちた顔つきだった。
53 名前:我は竜也 投稿日:2004/12/08(水) 22:33
更新終了です。

第一章はここまでです。

一応階級の説明を・・・・

第一階級・熾天使 (約一〜四人がこの階級)
第ニ階級・智天使 (約十人がこの階級)     
第三階級・座天使 (約五十人がこの階級)
第四階級・主天使 (約百人がこの階級) 
第五階級・力天使 (約五百人がこの階級)
第六階級・能天使 (約千人がこの階級)
第七階級・権天使 (約五千人がこの階級)
第八階級・大天使 (約一万人がこの階級)
第九階級・天使   (約一億人がこの階級)

天使の階級が上位の方には本名とは別にコード(名前)があたえられる。

こんな感じです。

では、また。
54 名前:我は竜也 投稿日:2004/12/11(土) 22:35
この前言い忘れてましたけど、矢口s視点です。

では、更新します。
55 名前:第二章 旅立ちの朝 投稿日:2004/12/11(土) 22:36
「熾天使になったのって裕ちゃんが初めてだよね?」

「ん?そうらしいな〜今まで誰一人としてなられへんかったらしいな。」

「・・・・・・やっぱり裕ちゃんってすごいね」

「ふふ。ありがと。・・・・・矢口もしな〜・・・」

・・・・・・・・・・ガバッ!

「はぁ・・・はぁ・・・夢か」

あの後裕ちゃんは何て言ったんだっけ?
・・・・・・って今日はエデンに行く日じゃん!

「早く用意しないと!」

エデン・・・・もう二年くらい前に親友と一度だけ行ったことがある。

次はいつこの家に戻ってくるのだろう。
56 名前:第二章 旅立ちの朝 投稿日:2004/12/11(土) 22:37
「・・・・・行ってきます。」

少し足早に家を出た。

もうすぐ上層部に着くという所に圭ちゃんが一人立っていた。

「圭ちゃん!」

「お!矢口・・・・しばらくの間会えなくなるね」

圭ちゃんが寂しそうにそう言った。

「・・・・・そうだね。でもすぐに帰ってくるよ!」

「うん・・・・がんばってこい」

「うん・・・・圭ちゃんは上層部に行かないの?」

「・・・・・・すぐ行くよ」

「ん?先行ってるよ?」

圭ちゃんは無言のまま頷いた。
57 名前:第二章 旅立ちの朝 投稿日:2004/12/11(土) 22:38
あたしは上層部に向かった。
上層部に着くとみっちゃんとなっち、それからあやっぺがいた。

「おはよ!矢口!」

「おはよ!なっち!」

なっちは笑顔で出迎えてくれたけど、みっちゃんとあやっぺは後ろで難しい顔をしていた。

「どうしたの?みっちゃんとあやっぺ」

なっちに尋ねてみた。

「今さっきちょっとヤバ目の気を感じたみたいで・・・・・それより圭ちゃん見なかった?」

「え?圭ちゃんならあっちで・・・」

バフーーーーーーン!!

さっき圭ちゃんがいた場所がものすごい音とともに光った。

「やぐっつぁん!先にエデンに行って!紺野達は間に合わんわ!先ずは紗耶香んとこへ!!」

みっちゃんにエデンに通じる穴に勢いよく押し込まれた。
58 名前:我は竜也 投稿日:2004/12/11(土) 22:40
これだけで二章目終わりです。

次は圭ちゃんの様子を・・・
59 名前:第二章 another story 再会 投稿日:2004/12/11(土) 22:41
矢口は翼を広げて上層部の方に飛んでいった。

「・・・・・矢口がんばりなよ」

・・・・・・・。
アタシは後ろに誰かいるのを感じた。

「・・・・・誰!?」

アタシはおもいっきり後ろを振り返った。

唖然とした。

「裕・・・・」

「少しみん間に大きなったなぁ・・・」

そこにいたのは大きくて綺麗な純白の翼を持った裕ちゃんではなくて・・・・・漆黒の翼の裕ちゃんだった。
60 名前:第二章 投稿日:2004/12/11(土) 22:41
「圭坊・・・・エデンに」

「矢口だよ」

「・・・・・・・・そうか」

「行かせられないよ」

「・・・・・・・・どうしてもか?」

「どうしても」

不思議と怖くはなかった。
白い翼じゃなくても裕ちゃんは裕ちゃんだから・・・・

わたしを殺さないと思ってたから

「・・・・・圭坊・・・」

裕ちゃんの姿が消えた。
61 名前:第二章 投稿日:2004/12/11(土) 22:42
「・・・・・っん!」

首を捕まれて持ち上げられる。

「・・・・風・・・の力・・よ・・・・魔・・・風・・撃・・・・クロウバ!」

風が集まってカマイタチがルシフェルを襲った。

「あんた・・・・こんな力でアタシに喧嘩売ったんか?」

殺される・・・・初めてそう実感した。
風の最大級の呪文をまともに受けても無傷で立っている。

勝てる気がしない・・・・
これが一瞬にして堕天使を256匹殺した裕ちゃんの力・・・・

「・・・・・・っん!」

「死んで償え!ナパーム・デス!!」

急激な痛みと共に意識を失った。
62 名前:我は竜也 投稿日:2004/12/11(土) 22:45
圭ちゃん編終了です。

今日の更新はここまでです。
次は第三章に入っていきます。

では、また。
63 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/19(日) 03:14
更新お疲れ様です。
圭ちゃん・・・

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