Letter from …

1 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/02(火) 23:19
はじめまして、かに道楽と言います。
初心者だけど頑張ります。
内容に対して腹を立てる方もいらっしゃるかと思います。
もしそうなったら…ごめんなさい。

2 名前:始まりの合図 投稿日:2004/11/02(火) 23:23
〜1〜

"加護 亜依"

いつからだろう?
ひとりぼっちになってしまったのは。

いつからだろう?
のんと話さなくなったのは。

「いつまでも辻加護のままじゃだめだね。」
なんて言ったのはどっちだったっけ?

一人ぼっちって言ってもずっと一人というわけじゃない。
梨華ちゃんとも話すしよっすぃーとも話す。
矢口さんも飯田さんも五期六期の子とも話す。
ただ前のように、常に隣に感じるものがない。
例えるならそう…

胸にぽっかり穴が開いた感じ。
3 名前:始まりの合図 投稿日:2004/11/02(火) 23:25
〜2〜

×月○×日 8時06分

今日は新曲のPVを撮るためにバスでなんちゃら言う所に向かうらしい。
なんて言ったっけ?
何とか山?
何とか川?
思い出せない。

ボーっと歩いていると目的地にたどり着く。

またいつものバスだ。
心地よくて、苦しいあのバス。
私達が娘。に入ってから今までずっと同じバス。
変わったのは私達。
遅刻ばかりだったわたしも今日は一番乗り。

「おはようございます。」

バスの運転手にとりあえずの挨拶をして、席にむかう。
後ろから三列目の通路を隔てて右側の席。
とりあえずバックを置いて席を取り、お茶を買いにバスを降りる。

覚えてる?のん。
あの日二人でこの席に落書きしたこと。

知ってる?のん。
あの日からずっと、ここに座ってるんだよ。
4 名前:始まりの合図 投稿日:2004/11/02(火) 23:29
〜3〜

”辻 希美”

8時12分

「のんちゃ〜ん、待ってよ!」

MD聞きながらでも充分に聞こえるその声を聞き足を止める。

「もう、歩くのはやすぎ!」

息を切らしているかのような素振りを見せられ、思わず吹き出してしまう。

「マコトが遅すぎんだよ。」

最近はほとんどの時間をこの小川真琴と過ごしている。
向こうも好いてくれているみたいだし何より一緒にいて愉快だ。

でもいつでも考えてしまう。

隣にいるのがあの子ならなんて答えるだろう?

隣にいるのがあの子ならどんな風に笑うんだろう?

隣にいるのが…、あいぼんなら。
5 名前:始まりの合図 投稿日:2004/11/02(火) 23:31
〜4〜

「ちょっと来んの早すぎたね?」

ポケットから携帯を取り出し時間を確認する。
携帯は8時15分を指し示していた。
集合は八時半だから確かに早い。
早すぎというほどでもないが。

「でもこの前遅刻したからこんぐらいしな…」
「あいぼんだ!」

「へ?」

わたしがマコトに聞き返したときには既に彼女はあいぼん、…加護亜依に抱きついていた。

「早いな〜あいぼんは。いつからいんの?」
「ついさっきだよ。今お茶買いに来ただけ。」

そう言って自販機からお茶を取り出す。

「ちきしょう、もう少しで一番だったのに。」
「ふふっ、残念。ちなみにまこっちゃん達二番じゃないからね。
もうわたし、さっき何人かとすれちがったから。」
「え〜!」

(なんだよまこっちゃん達って。わたしはタチかよ。)

なんて考えていると加護と目が合う。

「おはよう。」
「ん?おはよう。」

お互いぎこちない挨拶。

何を照れてるんだろう私は。

6 名前:始まりの合図 投稿日:2004/11/02(火) 23:35
〜5〜

三人でバスへと向かう。
マコトが真ん中になりわたしとあいぼんに話しかける。
直接あいぼんと話すことはほとんどなかった。

5分くらいだろうか?
マコトに対してあいずちを打ちながら考えていた。

むかしどんなことはなしてたっけ?
どんなことでわらってたっけ?
どんな風に…

「バス後ろでいいでしょ?」

マコトに話しかけられてハッとする。

(もうバスに乗ってたんだ。)

バスには加護が言った通り何人か既に来ていて少しガヤガヤ。
加護は乗ってすぐのところにいる矢口となにやら話している。
小川はもう、一番後ろの席に座り、早く来いと催促している。
小川の所に向かおうとしたとき、かわいいデニムのバックが目に入る。

−あのバック!

誕生日にプレゼントしたバック。

『ありがとう。うち、ずっと大切にするわ。』

興奮するとイントネーションが変わって。

その聞きなれないイントネーションが、なんだかくすぐったくて。

(だからって、こんなボロボロになるまで使わなくてもいいのに)

自然と頬が緩む。


「ごめん、そこ座りたかった?」

「あ、あいぼん。」

どうやらしばらくバックを見つめたまま突っ立っていたらしい。
そう見られても仕方ない。

「なに〜、のん、そこ座るの?」

めんどくさいといった感じで小川が話しかけてくる。
席を移ろうとしてるんだろう。荷物をもって立ち上がる。

「ごめんね。わたし、席移るから。」

ニコッと微笑みかけながら加護がそういう。

ほんとに温かい笑顔。
でも知ってるよ、寂しいのを隠すための笑顔だって。


「ごめんマコト。今日はあいぼんと座るわ。」

−えっ!?

って顔でわたしを見てくるあいぼん。
いくらなんでも驚きすぎ。(笑

「やだ?」

答えなんかわかってるのに、少しイジワル。

「ううん。…やじゃないよ」

ほらね。

だって、

ののはあいぼんが大好きで

あいぼんはののが大好きなんだから。

7 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/02(火) 23:41
すいません。今日はここまでです。
なんか不満なところがあったらなんでも言ってください。
悪いところ直しながらできる限りのペースで更新するんで。
ちなみにまだ話は序章です。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/03(水) 07:01
おーいい感じな小説ハケーン。
続き期待してますよ。
9 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/03(水) 16:28
〜6〜

”吉澤 ひとみ”

8時28分

「おはようございます」
「おはようございます」

わたしの横には今、梨華ちゃんがいる。
なぜか?
まぁたまたま集合場所が家から遠くて梨華ちゃん家からめちゃめちゃ近かったから泊まっただけなんだけど。
ただそれだけなのになぜか彼女はウキウキ。
昨日の夜なんか寝かしてくれなかった。
いやいや、変な意味じゃなくてね。(笑
寝ようっていってんのにずっと興奮しちゃって話が終わんなくて。

「今日はバス一緒に座ろうね。」

なんて修学旅行で好きな男の子の隣に座りたがる女の子みたいに。

「え〜?梨華ちゃんうるせーからやだ。」

なんて私はつれない素振り。

結局わたし達がラストで、座る席も決まってたから二人で席に座った。
不平不満を言いながらもわたしは、なんかちょっと嬉しかった。
10 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/03(水) 16:30
〜7〜

8時50分

バスが動き出して十分くらい経過している。
バスって言ってもわたし達+何人かが乗るのがぎりぎりのものだ。
だから車内の様子は手に取る様にわかる。

わたしと梨華ちゃんは後ろから二列目右側の列に座ってる。
相変わらず梨華ちゃんはうるさい。

ひとつ前の席にはめずらしく辻と加護が一緒に座っている。
最近あんま仲良くなかったみたいだけど仲直りしたのかな?
ヘヘッ、なんかこいつらが一緒にいると幸せな気分になるな。

ひとつ後ろはマコトと愛ちゃん。
何だかんだ言って同期と一緒にいるのが一番落ち着くんだろう。
ふたりとも頭を寄せてすっかり寝ているみたい。

その隣はミキティとガキさん。
なんかあんまり一緒にいるイメージないけど意外と仲いいんだなぁ。
ガキさんは寝てるみたい。
ミキティも眠そうでなぜかハンカチで口を抑えている。
みんな疲れてんだなぁ。

その前、つまり私の横は亀井と道重。
このふたりもぐっすり…!?

待てよ!
いくら疲れてるからってこんな事って。
まだ出発して十分しかたってないのに。

ハッとして隣の梨華ちゃんを見る。
寝てる!
さっきまであんなにうるさかったのに。

「辻!加護!」

返事がない。

ドンッ!ドンッ!!

前のほうで急に何かを叩くような音がする。

…飯田さんだ。

飯田さんの隣には田中ちゃんが座っている。
やっぱり田中ちゃんは寝ているみたいだ。
飯田さんも限界が近いみたいで窓を強く叩いた後ドサッと倒れてしまった。

「飯田さん!」

そう叫び立ち上がろうとすると、向こうからガスマスクをつけた男が警棒を持って向かってくる。


オイオイ…。これじゃまるで…

− ゴン!!
11 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/03(水) 16:32
すいません。
タイトルがかに道楽になっちゃったけど堪忍してください。
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/03(水) 18:18
これからどうなってゆくのか、期待です
頑張って下さいね。
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/04(木) 01:32
読ませてもらってます。楽しそうですね、期待してます。
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/04(木) 21:00
この転回って・・・とりあえず期待してます。
15 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/05(金) 00:47
〜8〜

”藤本 美貴”

なんかおかしいと思った。
ガキさんが寝たまではよかった。
いくらなんでも寝るのはやすぎってぐらいにしか思わなかった。
で、その後私も眠くなって眠気覚ましに外の空気でも吸おうと思って窓を開けようとしたんだ。

開かない!

こんなはずはない。
いままでだって乗ってたバスだ。
この前は開いただろ!
大体窓が開かないバスなんてあるの?

私が眠くなるってのもおかしいんだ。
昨日は結構寝たのに。

私の脳裏をある映画のワンシーンがよぎる。

ガス!?
まさか!!
そんなはずない。
あんなの映画でしかない。

それでもわたしは疑い深い。
そんなことないと思いながらも最悪の事態に備える。
いやな性格かもしれない。
でもこの性格で助かった経験だって少なくない。

だから、少しでも怪しいものは疑う!

なるべくガスを吸わない様にハンカチで口を抑えた。
16 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/05(金) 00:49
〜9〜

周りを確認したところ、すでに起きているのは私とよっちゃん、それに飯田さんくらいだった。
よっちゃんも何かを感付いたらしくキョロキョロしている。
飯田さんは立ち上がり窓を叩き割ろうとし始めた。

ドン!ドン!!

無理だ。強化ガラスかなんかで出来てるんでるんだろう。
二回叩いた所で力尽き、悔しそうに地面に倒れこんだ。

「飯田さん!」

純粋に心配になったんだろう。
よっちゃんは飯田さんの名前を呼び、彼女の元へ向かおうとしていた。
私ならそんなことはしない。
そんな優しいよっちゃんは好きだけど、こういう状況で感情にまかせて行動するのは良くない。

− ゴンッ!

ほら言わんこっちゃない。


時刻は8時54分

私、藤本美貴以外はみんなぐっすり。
あの映画の通りならこの後誰も知らない様な場所に連れて行かれ、鉄製の首輪でも付けられるんだろう。
そして始まるんだ、あのゲームが。

…チクショウ、くっだらねぇ。

でもこういうのは熱くなったら負けなんだ。
それにうちらは仲間だ。
あんなゲーム、誰も納得するわけない。

でも、もしかしたら…

やがて来るだろう悪夢に寒気を覚えながらも私は、バスの通る道をなんとなく眺めていた。
17 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/05(金) 00:57
今回はここまでです。
突然ですけど色々考えた結果、毎回毎回題目を変えていくのは無理と思ったんで、Letter from …で統一させてもらいます。
すいません。

読んでくれてるみなさんどうもありがとうございます。僕なりにがんばります。
18 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/05(金) 20:41
あいぼん主役と思いきやみきてぃ主役なんかな?
この先の話どう転回してくか楽しみです。
19 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/06(土) 01:47
〜10〜

”矢口 真里”

「…グチさん」

「ん〜、もうちょっとだけ寝かして。」

「矢口さん!!」

「わかったよ〜。おきりゃあいいんだろ。」

眠たい目をこすりながらの起床。

最悪だ、こんなんなら昨日徹夜で桃鉄やるんじゃなかったな。
…しかもひとりでな。

「それにしてもバスの割に寝やすいな。学校の机みたい…
って学校の机かよ!」

やべえ今の乗り突っ込み決まったな。

「標準的な突っ込みですね。」
「…ぅう。きっついなぁ紺野は。」
「いや、きっついのは矢口さんのメイクと服装です。」
「オイッ!言っていいことと悪いことあるだろ!
大体オイラは確かにメイクきついかもしんないけど服の趣味はそんなに…」

なんだ?こんな黒い服きてきたっけか?
うわ〜、黒に赤いリボンが映えるな〜

「って制服かよ!   …どう?」

へへっ、今のは決まったでしょ。
あれ?なんでそんな険しい顔してんの紺野?

「どう?じゃないですよ。おかしいと思いませんか?バスに乗ってたはずが気付いたら教室の中。
しかもご丁寧に制服まで…。」

「岡女の収録なんじゃないの?」
「いや、さすがにあの番組もここまではしないですよ。」

ん〜、まぁ確かに言われてみれば。

20 名前:Letter from 投稿日:2004/11/06(土) 01:48

「…それにもうひとつ、いやふたつおかしな点があるんです。」

なに?と表情ひとつで聞き返す。

「一つ目は腕に腕輪が付いてることです。」

腕輪?
腕に目をやる。

「ほんとだ!なんで?プレゼント?」
「私にはそうは思えませんけど…。かわいくないし」

ほんとだ。かわいくねぇ。趣味ワリ。

「で、二つ目なんですけど。」

−沈黙。

相変わらず険しい顔の紺野。

なんだよ。早く言ってよ。

「…首。」

は?

「触ってみてください、首。」

言われたとおり首元を触ってみる。

−ゾクッ!

一瞬背筋が凍った。

こんなんありかよ。
やっと理解した、紺野の余裕のなさ。
きっと紺野も同じこと感じてんだろう。

これじゃまるで、

バトルロワイヤルじゃねえかよ!
21 名前:Letter from 投稿日:2004/11/06(土) 01:51
〜11〜

しばらく恐怖と興奮で頭がこんがらがってたけど、

「大人であるはずの矢口さんが取り乱してどうするんですか。」

って紺野の言葉でだいぶ落ち着いた。
おいらって単純にできてんだなぁ。

落ち着いてしばらくすると周りが気になり始める。
どうやらメンバー全員がおいら達と同じ格好で席についているみたいだ。
この教室の机の配置は、 机机 通路 机机 通路 机机 となっていて真ん中以外は三席ずつ、
真ん中は四列、つまり20個の机が並んでいる。

おいらと紺野は真ん中二列の一番前の席。
後ろが辻加護。
その後ろ石川吉澤。
一番後ろが小川高橋。

カオリやれいなは左二列の一番前。
っていう具合にバスの座席と同じような並びで座っている。

ちなみに右の二列は誰も座ってない。
なんで置いてあるんだろう?

そんなことをしばらく考えていると、みんなも起き始めたらしくざわざわし始めた。

ふと視線を感じ、紺野の方を見る。
さっきまでとは打って変わり目が潤んで泣きそうな顔。

そうだ、また忘れるところだった。
おいらの方がみんなより年上なんだ。

「心配すんな。」
紺野の頭をなでてやる。

− おいらが守ってやる −
22 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/06(土) 02:01
〜12〜

(…痛って〜)

吉澤ひとみの目覚めは最悪だった。

頭痛

流血

そしてなにより…

「ひとみちゃん!起きて!!ひとみちゃん!!」

頭に響く高音。

「うるさいな。起きてるよ。」

目に涙を溜めて吉澤を見つめる石川。

「心配してくれんのはうれしいけどさぁ。頭怪我してんだから耳もとで大声出すのはやめてよ。」

「ごめん、ひとみちゃん。」

「それと、みんなの前でひとみちゃんて呼ぶのやめてっていったじゃん。」

「ごめんひとみちゃ…、よっすぃー。」

大きくため息をつき周りを見渡す吉澤。
もう全てを理解している。

そして、決心する。

(絶対死なない! 梨華ちゃんも、死なせない!!)
23 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/06(土) 02:05
〜13〜

ガラガラ。

教室の扉が開かれる。
ざわついていた教室が一瞬にして静寂に変わる。
全員の視線が扉から入ってくる人物に向かう。

−つんくさん!−

「お〜、みんな元気でやっとるか〜?」

これ以上ない彼の明るさはこの状況にはどう考えても似つかわしくなかった。

「なんなんですか?これ!」

小川真琴が立ち上がって首輪を指差し抗議する。

「まぁまぁ、順番に説明してくからとりあえず席につけや。」

つんくの言葉とともに教室の扉から軍服の男がゾロゾロと入ってきた。
20人くらいだろうか。
その全員が銃を装備している。

それがなにを示しているのか誰が見ても明らかだった。
立ち上がって大声をあげた小川真琴もおとなしく席に着いた。

それをみてつんくがわざとらしく一度咳払いをして話し出す。

「え〜、みなさん”こんにちわ学園”にようこそ!
ええネーミングやろ、こんにちわ学園。一時間ぐらい考えてつけたんやで。」

冗談を言っているのかもしれない。
だが誰も笑わない。
笑うことなどできる状況ではない。

「ところで、突然やけどみんなにお知らせがあります。」

お知らせと聞いて全員が体を強張らせる。

ガラガラ。

またしても扉が開かれた。

「入って来い。」

つんくがそう言うと、六人の女性が教室へと入ってきた。
24 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/06(土) 02:14
今回はここまでです。

>>18さん
僕自身誰が主役かハッキリしてません。(笑
だからみんな主役という事で。
25 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/06(土) 20:52
六人て、誰だろう?
楽しみです。がんばってください。
26 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/06(土) 23:04
卒メンだとしたら7人だしな〜
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/06(土) 23:59
なんか楽しそうな作品ですね。
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/07(日) 17:43
今日初めて見つけました!!展開が楽しみです!
29 名前:28 投稿日:2004/11/07(日) 17:44
すみません…sage忘れました。
30 名前:名無し 投稿日:2004/11/07(日) 22:41
初めまして。
何か面白そうですネ。
六人が誰なのか気になります。
31 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/08(月) 01:15
初めて読ませてもらいました。辻加護が良い感じですね。これからどうなるか楽しみです。
32 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/09(火) 01:58
〜14〜

その中の一人に矢口真里が真っ先に反応する。

「裕ちゃん!」

中澤裕子もその一人だった。
気付いたら軍服を着た人間に囲まれ、バスの中。
自分の他には五人。

安部、石黒、福田、市井、後藤。

二人組みを作れと言われたので、自分は安部と、石黒は福田、市井は後藤とそれぞれ組を作った。

組を作ってすぐこの教室に連れてこられた。

「転校生で〜す。みんな仲ようしてやってな。」

そう言うと小声で席に着けと中澤達に指図する。

これで右の二列六席が埋まり全二十席が埋まった。
33 名前:Letter from 投稿日:2004/11/09(火) 01:59
〜15〜

「ええか、それじゃあそろそろ説明を始めるかな。」

つんくの声ひとつひとつに反応する面々。

「まぁ今回みんなに集まってもらったのは他でもない、みんなには今から…」

この場にいる二十人全員が固唾を飲む。
緊張の一瞬。
それに続く言葉は容易に想像できる。

でも言ってほしくなかった。

できるなら嘘だよといってほしかった。

「…殺し合いをしてもらいます。」
34 名前:Letter from 投稿日:2004/11/09(火) 02:02
〜16〜

ざわつく教室。

「嘘でしょ、つんくさん!」

「なんでわたし達が!」

みなの問いかけに対しうざったいといった感じのつんく。
しばらくして思い出したという感じで口を開く。

「あれ、もってこいや。」

軍服にそう指示するとしばらくして大きなバックを手に教室に戻ってくる。

中に何が入っているのかわからないが、教室にはそれが放つ腐敗臭が立ち込めていた。


「みんなこれ見たら信じてくれるんちゃうかな。」

そういうと、つんくはバックを開く。

「いやぁぁーーー!」

真っ先に悲鳴を上げたのは新垣理沙だった。
他の人間もしだいに理解し始める。

…それが、保田圭の死体であると。

35 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/09(火) 02:07
今回はここまでです。
保田さん好きな人すいません。
僕も好きなんですけどね…。

結構見てくれてる人がいて嬉しいです。
がんばります。
36 名前:名無し 投稿日:2004/11/10(水) 00:38
六人だった理由はこれだったんですね。
次も頑張って下さい。
37 名前:通りすがりの者 投稿日:2004/11/10(水) 20:57
来ましたね、バトロワシリーズ、更新がんばってください。
38 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/11(木) 01:54
〜17〜

辻希美は何が起きたか、気付くのが遅かった。
いや、気付きたくなかったのか。

 バッグに詰められた人形?人間?

 頭が割れてて流れるソーセージみたいのと赤黒いどろどろ。

 ガキさんの悲鳴。

 泣きながらゲロを吐く矢口さん。

 「圭ちゃん!!」

 叫ぶ市井さん。

そこでようやく気付く。
保田圭が死んだということに。

 保田さんが死んだ。
 死んだ?
 いなくなっちゃったの?

涙が出る。
頭が混乱する。
胸が焼けるように熱くなる。

 悲しい。
 苦しい。
 憎い。

−ガタン 

椅子から立ち上がる辻。
息が荒い。目が紅い。

軍服全員の銃が辻に向けられる。

「あかんな〜。授業中に席を立っちゃ〜。質問あるなら手挙げなあかんで。」

 もう耐えられない。
 死んだってかまわない。
 殺してやる!
39 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/11(木) 01:55
〜18〜

−ぎゅっ。

走り出そうとした辻。
制服の袖をつかまれ立ち止まる。

「…行かないで。」

 かわいい声。

「のん、行っちゃ嫌だよ。」

 あれだけドロドロした頭が嘘の様にすっきりする。

「ひとりに…しないで。」

 忘れていた。
 まだ死ねない。
 まだ死にたくない。

深く息を吸い込み椅子に座る。
そして彼女の頭を撫でてやり、そっと囁く。

「ごめんね、どこにも行かないから…」

− だから、だからお願い −
 
「泣かないで、あいぼん。」
40 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/11(木) 01:59
〜19〜

**********

「それじゃあルールを説明するで。」

もう誰も反論はしなかった。
保田の死体を見てしまった以上自分達はこの場に置いて何の力も持っていないことがわかった。

「まあ、大体は映画のバトルロワイヤルと一緒や。
見たことないやつ、おるか?いたら手ぇあげてな。」

教室をみわたすつんく。
誰も手を挙げない。 

「おぉ〜みんなみとんのか。だったら話がはやいわ。」

うれしそうに話をすすめる。

「簡単な話が他のやつ殺して最後残ってた奴が勝ちなんやけど…、ん、なんや?」

話の途中で軍服がつんくになにか耳打ちする。

「あっ、ちなみにおまえらだけやと寂しいから。」

そこまで言うと一枚の紙を配る。

「な、なにこれ?」

藤本美貴が思わず声を出す。

「これが今回のゲーム参加者リストや。」
41 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/11(木) 02:05
〜20〜

《メンバー表》

〔安部なつみ、中澤裕子

 矢口真里、紺野あさみ

 田中れいな、飯田香織
 
 市井紗耶香、後藤真希
 
 辻希美、加護亜依

 亀井絵里、道重さゆみ 

 石黒彩、福田明日香

 石川梨華、吉澤ひとみ

 藤本美貴、新垣理沙
 
 小川真琴、高橋愛

 斉藤瞳、村田めぐみ

 柴田あゆみ、大谷雅恵

 あさみ、りんね

 里田まい、みうな

 松浦亜弥、前田有紀

 平家みちよ、稲葉貴子

 ルル、信田美帆

 ダニエル、レフア

 アヤカ、ミカ

 清水佐紀、嗣永桃子

 徳永千奈美、須藤茉麻 

 石村舞波、熊井友理奈

 夏焼雅、菅谷梨沙子〕  
42 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/11(木) 02:06
〜21〜

「全部で46人や。おまえら以外の26人は別の教室におってたぶん今説明受けてると思う。」 

「タイムリッミトは二日や。これ過ぎると首輪が爆発。無理に外そうとしてもボンやからな。
タイムリミットちょっと短いけど、そのかわり禁止エリアってのがないから。」

「でも逃げ出そうなんて考えても無駄やぞ。一応人は住んでたんやけど樹海やからな。
みんなぐっすり寝てたみたいやし帰り道もわからんやろ。
それにもし抜け出せたとしても世界中どこにいようと二日後に首輪が爆ぜてまうって寸法や。」

−ガタン

「なんで私がこんなことしなきゃないんですか!?」

新垣理沙。
まだ幼い彼女には耐えられなかった。
身近な人間の無残な死体。
人が死ぬ事をなんとも思わない人間。
自分よりも幼いキッズの子たちまでがこのゲームに参加させられてる事実。

「わたし達仲間ですよ。他の人殺してまで最後の一人になろうとなんてするわけない!」

勇気を振り絞って言った言葉。
彼女なりの正義、他のメンバーのための正義。

だがつんくから返ってきた言葉は意外なものだった。



「誰も最後の一人になるまでやれなんて言っとらんやろ。」
43 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/11(木) 02:09
間違って一つ上のスペードさんの所に書き込んじゃいました。
ほんと申し訳ないです。
ごめんなさい。 
44 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/11(木) 09:11
削除依頼出そうよ、作者さん
45 名前:名無し 投稿日:2004/11/11(木) 17:23
つんくの言葉が気になる・・・。
46 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/12(金) 11:46
初めて読みました。
続きがすごい気になります。
頑張ってください。
47 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/14(日) 01:11
〜22〜

新垣は混乱した。
最後の一人までやるなんて言ってない?
でもさっきたしか…。
それとも今までのは全部じょうだん?

「だから話は最後まで聞かんとあかんちゅうたやろ。」

なに?なんなの?
わけわかんないっ!

「なんと今回は特別、ええか特別やぞ?」

逃がしてくれる?
そうだよね、そうに決まってる。
つんくさんだってわたし達に殺し合いなんてさせたくないに決まって…

「2人一組や。」

教室全員の頭に?が浮かび上がる。

「ただ殺しあうだけやと寂しいやろから二人一組のチームで殺し合いをするんや。」

つんくが話すその口調からは興奮しているのが感じ取れる。

「ええか?説明続けるで。」
48 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/14(日) 01:14
〜23〜

「みんなには爆発する首輪とは別に左腕に腕輪が付いてるやろ。」

腕輪。

「これな、隣の席の奴とペアになってんねん。」

隣。

「だから隣の奴はこのゲーム唯一の味方や。要するに順当に殺しあえば最後残るのは二人や。」

味方。

「ええか。よぉく見とけ。隣に座ってる奴が運命の人や。」

運命の人。

だから一緒に、

人殺ししましょう。
49 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/14(日) 01:19
〜24〜

「さらにや、誰にしよか?う〜ん…新垣!」

ビクッとする新垣。

「ちょっと腕輪外してみぃ。」

いやいやと首を振る新垣。

「大丈夫や。腕輪外していきなり爆発なんて事はないから。」

恐る恐る腕輪を外しつんくに渡す新垣。

「な、腕輪を外しても爆発しない。」

ホッとする新垣。


「…すぐにはな。」

ニタァとするつんく。
それと同時に軍服の男に取り押さえられる新垣。
何か叫んでいるのだが口を抑えられていて何も聞こえない。

「腕輪は首輪と連携しててな。残念やけど外して二十秒で爆発してまうねん。」

時計を確認するつんく。

「すまんな。今回はお前あんまり人気なかったんや。」

ピピッ、ピピッと機械音がなり響く。

「さぁ、カウントダウンや。5、4…」

何もしてやれない。
同じメンバー、仲間が死に直面しているのに誰も、何も。

「3、2、」

軍服が新垣を突き放す。
転んで地面に伏せた感じになる新垣。
急いで起き上がろうとする。

「、1…」
「イヤぁぁぁあ!タスケ…」


− ピー。 −


 嬉しかった、モーニング娘。に入れて。

 楽しかった、みんなと一緒にいることができて。

 ただ一緒にいられるだけで良かったのに…


− ボンッ! −

【新垣理沙死亡 残り45人】
50 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/14(日) 01:24
今回はここまでです。
51 名前:通りすがりの者 投稿日:2004/11/14(日) 01:35
ガキさんが最初に…
しかもタッグマッチ形式、1と2が入れ混じってますね。
更新待ってます。
52 名前:名無し 投稿日:2004/11/14(日) 12:04
新垣さんが死んだって事は、誰かもう一人死ぬって事ですよね?
次回期待。。。
53 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/14(日) 18:15
↑ネタバレ注意でしょーが

容赦ない話の展開が好みです。頑張ってください。
54 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/15(月) 00:46
〜25〜

泣き叫ぶ少女。

爆発音。

倒れこむ少女。

地面に広がる血液。


「理沙ちゃん!」

− 石川梨華。 −

彼女は駆け出していた。

もともと正義感・責任感共に強く、後輩の悩みも良く聞いてやっていた。

 まだ生きてるかも。
 だとしたら、だとしたら助けなきゃ!

− バンッ! −

突然足がガクッと曲がり膝をついてしまう。

 なんで、足が、…熱い!

「梨華ちゃん!」

 どうしたの?なんでそんな顔してんの?ひとみちゃん。

「話の途中に立つなちゅうたやろ、石川ぁ。」

石川の方に銃を向けてそういうつんく。
銃からは煙が出ている様に見える。

足に手をあてる石川。 
ベットリと手に血がつく。

「お前やなかったら殺してたかもしれへんで。」
55 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/15(月) 00:48
〜27〜

「てんめぇ!!!」

吉澤ひとみが立ち上がって殴りかかろうとする。
だが辻の時とはわけが違う。
相手は確実に拳銃を手にしている。

つんくが仕方ないといった感じで引き金を引いた。

その瞬間、吉澤が何者かに地面に押さえ付けられる。

市井紗耶香。

「なにすんすか!市井さん!」

暴れる吉澤。

「おまえが何してんだよ。何してんのかわかってんのか?」

「あいつを殴ってやんだよ!」

大声を張り上げる吉澤。

「なんで?理由は?目的は?」

吉澤とは違い恐いくらいに落ち着いた声で話す市井。

「なんでって、あいつ、梨華ちゃんの足、撃ったんだぞ!」

そう言ってつんくを睨み付ける。
フーッと一息つく市井。

「で、おまえがつんくさん殴ってどうなんの?それで石川の足が治んのか?違うだろ。」

悔しそうに唇を噛み締める吉澤。

「それに、おまえがもし死んだら、怪我した石川誰が守ってやんだよ。」

ちくしょう。小声で吉澤が嘆く。

「な?わかったら席着けよ。石川ももうダイジョブそうだしさ。」

思い出したように石川の方を見る。
石川の足には止血のために黒い布が巻かれていた。
きっと藤本美貴がやってくれたんだろう。
彼女の服の左腕の部分がすっかりなくなっていた。

 ちくしょう。

吉澤はもう一度呟き、渋々と席に着いた。
56 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/15(月) 01:03
今回はここまでです。
読んで下さってるみなさん本当にありがとうございます。
感想書いていただけるとすごく嬉しいです。




57 名前:通りすがりの者 投稿日:2004/11/15(月) 17:16
市井さんホントにクールですね。
よっすぃ〜の言い分も分かりますが市井さんの言い分も…
う〜複雑ですね。更新待ってます。
58 名前:名無し 投稿日:2004/11/16(火) 17:19
≫53
すみません。気を付けます。

市井さんすごく冷静ですね・・・。
次はどうなるんだろう?
59 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/20(土) 03:52
〜28〜

「すまんかった吉澤、石川、今回は俺が悪かった。お前らは一番人気やのに傷つけたらあかんよな?」

本当に悪かったといった感じでつんくが謝る。

「あとほんのちょっとだけやから説明聞いてな?質問がある奴は手ぇ挙げてな。
席立ったら次はないで。」

「え〜っとどこまで話したっけか?あっ、腕輪の途中か。」

「腕輪について補足説明があんねん。ここに新垣の腕輪があるやろ?
あいつが死んでもこの腕輪は藤本のとリンクしてんねん。」

「んで、ん〜と、じゃあ紺野、腕輪外してくれるか?」

誰だって嫌に決まっている。
ついさっき外して死んだのを見た。
腕輪を外すと言う行為は死を示している。

「恐いか?ダイジョブやで。お前まで殺すようなことはせぇへんから。」

それでも下をむいたままの紺野。

「おい早くしてくれんと始まらんやろ。」

手にした拳銃をちらつかせるつんく。

「待ってください!」

手を挙げている矢口。 

60 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/20(土) 03:53
「おいらが外します、腕輪。それでいいでしょ。」

頷くつんく。
心を決めて腕輪を外す矢口。

「これが矢口の。これが新垣のや。外してから二十秒はダイジョブってのはさっき言ったな?」

− ピピッ、ピピッ −

額から滝の様に汗が流れる矢口。

「この二十秒の間に、これ付けろ矢口。」

渡されたのは新垣の腕輪。
だが文句を言っている暇はない。
後五秒か?十秒か?
目を強くつぶり腕輪を付ける。

− カチャ。 −

止まる機械音。
恐る恐る目を開ける矢口。

 生きてる。

「な、ダイジョブって言うたやろ。」

ふーっ。

安心してため息をつく。

「これで矢口は藤本とペアになったって事になるんや。
意味わかるか?つまり、ペアが死んでもうた奴同士でまたペアを作れるちゅうことや。」

「裏を返したら、今のペアが不満やったらそいつ殺して他の奴と交換って事もできるわけや。」

ククッと小さく笑うつんく。

「もうええで矢口それ返して。こっちと付け替えたらええ。」

そういって元の腕輪を渡す。
しばらくして腕輪を付け替える矢口。
新垣の腕輪を受け取るとそれを藤本に渡す。

「いつか必要になるかもしれんやろ。大事にせえ。」
61 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/20(土) 03:57
〜29〜

「腕輪の説明はこれで終わりや。ここまでなんか質問あるやつおる?」

一人手があがる。

「お、なんや道重?」

落ち着いた様子の道重。
年相応とは言えない落ち着き。

「だいたい判ったんですけど、禁止エリアなしでどうやって二日以内に殺しあうんですか?」

驚いた顔のつんく。
今日始めて見せたものかもしれない。
そしてしだいに顔がほころぶ。

「ええ質問やな。まず武器の説明してからでもええかな?」

しずかに頷く道重。

「出て行くときに一人ひとつ、まぁ生活に必要なもの一式と、武器が入ってるバックを渡す。」

「気になる武器の内容やけど、重火器、刃物、鈍器、様々や。そんなかに二つだけこれが入っとる。」

少しサイズの大きい携帯電話のようなものをポケットから取り出すと皆に見せる。

「これは腕輪、首輪に反応する、言わば探知機や。」

「緑のが生きてる人間、赤は死んでる人間や。」

画面一杯に45個の緑の点と一つの赤い点が浮かび上がっている。

「んで道重の質問に対する答えやけど、今回のゲームはこの探知機が鍵を握る。」
62 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/20(土) 03:58
「これは相当広い範囲、相当詳しく調べる事が可能なんや。
 これ持ってる奴が敵を探して殺しに行く。
 そこで殺し合いが起こる。
 勝ち残った方が探知機を手にし、他を殺しに行く」

「順調に行けば最後は探知機を持った奴同士の戦いになるっちゅうことや。」

「こんな感じでええかな道重?」

またしても落ち着いた表情で頷く道重。

「最後に出発の仕方や。
全部で45人おる訳やけど、それぞれペアで同時に出てって、次のペアが出んのは十分後や。質問は?」

誰も手を挙げる事はない。
脳裏をよぎるのは諦めか?決心か?

「よしそれじゃあそろそろ始めるかな。」

ついに、

「記念すべきゲーム開始を飾るのは…、」

始まる。

「中澤・安部ペア!」

11時52分

− バトルロワイヤル開始 −
63 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/20(土) 04:14
今回はここまでです。
しばらく間あいてしまってすいません。
なにかと忙しくて…。

>>57 通りすがりの者さん
感想ありがとうございます。
一応誰が主役とも思えるくらいにそれぞれキャラを立たせられたらいいな、と思ってます。

>>58 名無しさん
全然謝ることないです。
読んでくれてありがとうございます。
64 名前:名無し 投稿日:2004/11/21(日) 14:31
こういうリンクのしかただったんですネ。
次回期待。。。
65 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/21(日) 20:47
おっ、更新されてますね。
ついに始まりますか。
これからどうなるのか楽しみです
66 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/23(火) 23:51
〜30〜

”吉澤 ひとみ”

12時54分

「もう…すぐだね。」

梨華ちゃんが心配そうにそう言う。
前の石黒・福田ペアが出発してから二分が経つ。
覚悟はしていたもののいざ自分達の番となると訳が違う。

 でも決めたんだ。

 梨華ちゃんを守るって。

「さあそろそろやで。」

二人で立ち上がる。

ギュッと手を握ってくる梨華ちゃん。

強く手を握り返す。

強く、強く、離さない様に。
67 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/23(火) 23:53
〜31〜

普通なら三分くらいでこの校舎を出られるだろうか?
足が痛いだろう梨華ちゃんの事を考えてゆっくり歩く。

「もうちょっと速くてもダイジョブだよ。」

小さく頷き少し歩く速度を上げる。

すぐに出口に着く。

扉を開ける。

「なにこれ?」

見渡す限り緑、緑、緑。
日光すら通さないんではないかという木々の集まり。

ガサッ。

誰だ!?

「どうしたの?ひとみちゃん。」

「…誰か、いる。」

緑だらけの空間に緊張が走る。

バックの中から武器を探す。
周りを見たまま、隙を作らないように、手探りで。

これは…、

白い鞘と柄、

日本刀。

ぎこちない構えだが仕方ない。
殺されるかもしれないんだから。

「梨華ちゃん、後ろ隠れて。」

精神が研ぎ澄まされる。

一人、二人。

待ち伏せてたのか?

すぐに動き出さないということはなにか飛び道具で狙っているのか?

ガサッ。

− 来るッ! −

ビュンッ!!
68 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/23(火) 23:57
〜32〜

キーンッ!!

鳴り響く金属音。
足元に落ちる一本の矢。

ボウガンか!?

たまたま受け止めることができたが次はどうかわからない。
少し前に出て様子を伺う。
汗が目に入るが気にしている暇はない。

ガサガサッ!

「ひとみちゃん、後ろ!」

なんで、後ろからッ!?

今度はボウガンじゃない直接!

振り下ろされる何かを刀で受け止める。

ギィーーン!!

重いッ!!斧だッ!

相手は…、石黒さん!!

「いまだ!明日香!」

しまった!!忘れてた。相手は二人、ボウガンもある!!

− 死ぬのか!? −

ビュッ。
69 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/24(水) 00:04
今回はここまでです。
更新のペースは遅いし更新の量は少ないしでダメダメですね。
もっとがんばります。

70 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/24(水) 23:04
こんなところで切るなんて殺生やで〜
71 名前:名無し 投稿日:2004/11/25(木) 17:21
この二人はやる気なんですね。
続きが気になる・・・。
72 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/29(月) 19:52
〜33〜

…あれ、なんで?生きてる?…まさか!?

サ〜ッと血の気が引く。

「梨華ちゃん!!」

石川の方を見る。

「美貴ちゃん!!」

藤本美貴。
石川を助けたのか?
右腕に矢が刺さっている。

よかった。梨華ちゃんは無事だ。
丁度いい、このまま梨華ちゃんを危険にさらすわけにはいかない。

「ミキティ、梨華ちゃんを。」

石黒を蹴り引き離す。

「…頼んだ!!」

石川を連れて走り出す藤本。

よかった。これで心置きなく、

戦える!!
73 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/29(月) 19:54
〜34〜

***********

もう五分くらい経っただろうか?
激しい打ち合い。
三十秒に一回のペースで放たれる矢。
慣れていない環境に精神力が激しく消耗する。
気持ちの差もある。
相手は自分を何が何でも殺そうとしている。
だが自分は相手を、なるべくなら傷付けたくなかった。


カツッ。

(まずい!!つまずいた!)

小石につまずく吉澤。

容赦なく振り下ろされる斧。

ザンッ。

刀が吉澤の手から離れ、地面に突き刺さる。

絶対絶命。

斧を振り上げる石黒。

(もうだめだっ…。)

ドン!!

「うわぁぁああ!!」

噴水のように血が噴出す。
顔が血で濡れる吉澤。
だが血を噴出しているのは吉澤ではない、石黒!

「あれ〜?心臓狙ったのに。」

そこにある緊張を一瞬でぶち壊す眠そうな声。
後藤真希。
隣には市井紗耶香がいる。
2対1が2対3に変わる。

「ちくしょおおおお!!!」

石黒が走って森の中に逃げ込む。
逃げようとする石黒に追い討ちをかけようとする後藤。
だが市井にそれを妨げられる。

「あ〜あ、逃げられちゃった。いちーちゃんのせいだかんね。」

「殺す必要はないだろ。あれで改心してくれるかも知れないし。仲間は多ければ多いほどいい。」

面倒くさそうな顔をする後藤。

「だからさっき言ったでしょ。みんなで仲良く脱走なんてゴトーはしたくないって。」

「丁度いいや。よッすぃーにも知らせたくて探してたんだよ。よっすぃーは親友だから。」

にっこり微笑む後藤。

「わたし後藤真希は力の限り、」


「殺し合いをします。」
74 名前:Letter from … 投稿日:2004/11/29(月) 19:56
〜35〜

「なんでだよごっちん!じゃあなんでうちのこと助けたりしたんだよ。」

「勘違いしないでよ。別に助けたわけじゃない。戦う決意も無いのに殺しちゃったらつまんないでしょ。」

「なに言ってんだよ、後藤!!」

市井の方に向き直る後藤。

「市井ちゃんはどうするの?ゴトーと一緒にみんなを殺すの?それともゴトーの事、止めるの?」

「そんなの決まってる!殺し合いなんてさせない、お前にも死んで欲しくない!」

少し考え込む後藤。

「じゃあ決まりだね。今からいちーちゃんも私の敵。」

「なんでだよ!考え直せ後藤!」

「五秒数えるからその間に二人ともゴトーの視界から消えて。でないと戦闘開始とみなすから。」

「後藤!!」

「5・4・3…」

「やめろ、後藤!!」

「逃げましょう市井さん!」

「2・1…。」

「市井さん!!」

市井の胸倉を掴む吉澤。

「ごっちんの気持ちわかんないんすか!?」

「チクショウ!!」

森のほうへ走り去る市井と吉澤。

深い森に一人。
天を見上げ、ため息をつく後藤。

「…ごめんね、いちーちゃん。」
75 名前:かに道楽 投稿日:2004/11/29(月) 20:05
今回はここまでです。

>>70 名無飼育さん
ごめんなさい、しかも五日も間開いちゃいました(汗

>>71 名無しさん
やる気満々ですね、彼女達は。今後も続きが気になってもらえるよう頑張ります。
76 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/30(火) 21:37
ごっちん恐い…。
このあとどうなるんでしょう。
77 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/03(金) 11:46
最後のセリフが気になる…
78 名前:名無し 投稿日:2004/12/04(土) 15:18
どうなってるんだ!?
恐いぞ、ごっちん!
79 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/05(日) 23:23
〜36〜

"藤本美貴"

************

藤本美貴は石川梨華を連れ民家に隠れていた。
走っているときは気付かなかったが傷ついた腕がズキズキ痛み出す。

「大丈夫?美貴ちゃん。」

心配そうな顔で藤本の顔を覗き込む石川。

「ダイジョブだよ。こんなのほっときゃ治るって。」

今度は怒った顔。

「ダイジョブな訳ないでしょ!ちゃんと血止めて、消毒して。」

そう言うとテキパキと消毒液や包帯をバックから取り出す。

「…。」

ふと石川の腕が動きを止める。

「どうしたの?梨華ちゃ…。」

一瞬時が止まった。
石川が手にしている物、ピストル!

(忘れていた、彼女は…敵なんだ!)
80 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/05(日) 23:24
〜37〜

ふふっ。

身構える藤本を見て笑い出す石川。

「こんなの私使えないからあげる。」

そういってそれを藤本に差し出す彼女。

(なにを言ってるんだ?私は敵なんだよ。)

「それにひとみちゃん、私のこと美貴ちゃんに任せるって言ってた。」

(なんで、なんでだよ。)

「ひとみちゃんが信じてんのに私が信じないわけにはいかないもん。」

(なんでこいつら揃いに揃って、)

「それに美貴ちゃん優しいし、いざというとき頼りになるもんね。」

(…バカなんだよ。)
81 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/05(日) 23:26
〜38〜

「美貴ちゃんはカバン、何入ってたの?」

「あぁ、まだ鞄なか見てないや。ちょっと待ってね…」

ガサゴソ。

(−これは…!)

「探知機だ。…良かった、よっちゃん生きてるみたい。」

「…。」

「あれ?どうしたの梨華ちゃん。すごい喜ぶと思ったんだけどな。」

「死ぬわけないもん。」

「はい?」

「ひとみちゃんが私のことほっといて死ぬわけないもん!」

いや呆れるよ。この人には。
お姉さんぶってみたり、いきなり子供みたいになったり。

そういうところ、嫌いじゃないよ。
でもなんかムカつくからいつもの様に言ってやるんだ。

「キショ!!」
82 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/05(日) 23:38
〜39〜

************

後藤真希は一人歩いていた。
深い森の中を拳銃を手にし、退屈そうに。

だがその退屈な散歩も終わりを告げる。

「とまれ後藤。」

声がする方向を向く。

−石黒彩。

さきほど受けた傷を治療したのだろう。
肩には包帯が巻かれていた。

「探したよ後藤。なんでかわかるか?」

さぁ?と首をかしげる後藤。

「お前に撃たれた傷がなぁ、疼くんだよ。」

かなり力んでいるのか、包帯に血が滲む。

「お前を殺せってなぁ!!」

相手は二人。絶体絶命。

だがそれでも後藤の表情は退屈そのものだった。
83 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/05(日) 23:40
〜40〜

「動くなよ後藤。お前を殺すのなんて簡単なんだ。」

「でも簡単には殺さない。この肩の痛み、百倍にして返してや…。」

−ガチャ。

一瞬にして銃を石黒の方に構える後藤。

「貴様!!わかってんのか?!お前と私の一対一じゃないんだぞ!明日香がボウガンでお前の頭を…」

銃を構えたまま石黒の方に向かっていく後藤。

「動くなって言ってんだろ!!」

それでも歩み寄る。一歩、二歩。

「チッ、明日香撃て!!」

−ビュン!

鋭い矢先が標的を捉える。


「うぁああああ!!!なんでまたワタシガぁぁあ!!」

矢が刺さったのは石黒。今度は逆の肩に。

「チクショウ、ゴトウはどこに…。」

石黒の真下。身を低くしている。

(すんでの所で避けたって言うのか!?)

理解できなかった。目の前の少女がボウガンより早く動いたこと。
そして何より既に彼女が自分の相棒、福田明日香に銃口を向けていることが!

−ドンッ。

「ウッ!」

福田の呻き声。

(なぜこんなことになった?わたし達のほうが有利だったはず。なぜ?)

ガチャ。

銃口が石黒の額を捉える。
一瞬だが石黒の瞳に後藤の表情がうつる。
冷たい微笑み。
無力な石黒を笑っているのか、人を殺すのを楽しんでいるのか。
いずれにしろ『アイドル後藤真希』はもうそこにはいなかった。

「バイバイ。」


−ドンッ。



【石黒彩、福田明日香死亡 残り43人】
84 名前:かに道楽 投稿日:2004/12/06(月) 00:02
今回はここまでです。

>>76 :名無飼育さん
>>78 :名無しさん
後藤さんは今回も恐いです。

>>77 :名無飼育さん
いろいろ複雑なんです、心が。

85 名前:名無し 投稿日:2004/12/07(火) 14:54
ごっちん、やり手だね。
石川さんと藤本さんのシーンは、何故か心が休まりました。
次回期待。。。
86 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/08(水) 00:41
ごっちん恐え〜!
このままどんどん殺しちゃうんすか?
更新楽しみにしてます。
87 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/11(土) 23:50
〜41〜

***********

どこまで行っても深い森。
中澤裕子は歩きつかれて座りやすい岩で休憩をとっていた。

「さっきから結構歩いとんのに、誰もおらんな。」

言葉を発したのがしばらくぶりに感じられる。
喉がカラカラだ。
水を取ろうとバックのチャックを開ける。

バッ!!

その手を急に掴まれる。

「!!なっち。なんやねん、急に。ビックリするやないの。」

安倍なつみ。
このゲームでただ一人の仲間。
彼女ももうずっと口を開いていなかった。
ここへ来て第一声。

「それ、なっちのだから。」

…。

「そっか、ごめんな。うちのはこっちやな。」

(なんやねん、それくらいええやろ。)
88 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/11(土) 23:51
〜42〜

今度はきちんと自分のバックから水を探す。

ガサゴソ。

「なにこれ?」

一番初めに見つけたのは水ではなかった。
服の様なもの。だが形状が普通のそれとは違う。
添付されている説明書を読む。

(防弾チョッキ!?)

改めて知らされる。
今、殺し合いというゲームの最中にあるということに。

ただ一つの救いは二人一組ということ。
少なくとも彼女、中澤裕子はそう思っていた。

−ガチャ。−

仲間であるはずの安倍なつみが、拳銃を頭に突きつけてきているのに気付くまでは…
89 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/11(土) 23:53
〜43〜

「それ、なっちに頂戴。」

「は?」

「それ、防弾チョッキでしょ?頂戴。」

安倍の態度には正直頭にきていた。だが彼女に対してキレても仕方ないということも分かっていた。

「別にええけど、そんなん突きつける必要ないんとちゃうの?」

「こうしないとそれ持って裕ちゃん逃げちゃうでしょ?」

何を言っているのか理解できなかった。
彼女が何を考えているのかわからなかった。

「なんでやねん。うちらはペアなんだから逃げるわけないやろ。」

ククッ。

なぜか笑い出す安倍。

「もしかして裕ちゃん、この先ずっとなっちと一緒にいるつもりだったの?」

「あたり前やろ。このゲーム、やる気になってる奴おるやろうし、二人で行動しないと危険やもん。」

あははっ。

今度は腹を抱えて笑い出す。

「ばかだなぁ裕ちゃんは。生き残るのはなっち一人で充分だモン。」

「は?」

「だから荷物全部置いてどっか行ってよ。とりあえず殺しはしないよ。ペアだもんね。」

可笑しくてたまらないといった感じで話す安倍。

「早くしてよね。時間もったいないから。」

*************
90 名前:Letter from … 投稿日:2004/12/11(土) 23:55
〜44〜

”辻希美”

************

「ふぅ、ここで隠れてればしばらくはダイジョブでしょ。」

「…うん。」

「しっかしホントにあるんだね、こんな洞穴。」

辻と加護はスタート地点からしばらく離れた所にある洞穴に隠れていた。


「寒いから焚き火しよっか?」

そういうと辻はテキパキと枯れ木を集め、火を起こす。
普段はバカにしか見えない彼女もどこか頼もしく見える。

だが…

「なんでそんな隅っこにいるの?あいぼん。」

この洞穴に来てからずっと隅でひざを抱えてうずくまっている加護。

「こっち来なよ。暖かいよ。」

うずくまったまま首を振る加護。
しばらく待ってもなかなか動かない。

辻は彼女の気持ちをわかってあげてるつもりだった。
恐怖、絶望、怒り。
自分もそうだからきっと彼女もそうなんだろう。
何も言わずに彼女に毛布をかけてやり隣に座る。
何を言うでもなく、ただ隣に。

すると僅かだが聞こえる啜り泣く様な声。
何も言わずにぴったりと体を寄せて、優しく手を握ってやる。

するとギュッと手を握り返し、震えた声で話し始める。

「うち、アカン子やねん。」

黙って話を聞いてやる辻。

「つんくさんが、このゲームは二人一組やって言ったとき、嬉しかった。心のそこから。ののと一緒や、って喜んでもうた。」

手を握る力が強くなる。

「みんなと殺しあいせなアカンのは変わんないのに、喜んでもうた。ののと一緒にいられるならそれだけで良いって、みんな大切な仲間なのにそんな風に思ったんや。最低やろ?」

ふと辻は立ち上がると閉じていた口を開く。

「じゃあ、ののもアカン子だね。」

そういうと加護をそっと抱きしめる。

「ののもあいぼんと一緒で良かったと思ってる。」

くすぐったかった。まじめな気持ちで人を抱きしめるのが。

「今だってすごい幸せ。」

くさい台詞を口に出すのもあまり得意じゃない。けど、ホントの気持ちだから…

「大好きだよあいぼん。」
91 名前:かに道楽 投稿日:2004/12/12(日) 00:01
今回はここまでです。
92 名前:名無し 投稿日:2004/12/14(火) 19:26
なっちも恐いよ〜。
裕ちゃん頑張れ!
93 名前:591 投稿日:2004/12/18(土) 00:19
のん・・・なんだか男前やん
94 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/25(土) 03:32
いやぁおもしろいっす。
ほんと主役級がたくさんいますね。
ぶっちゃけた話、作者さんのお気に入りは誰なんですか?
更新待ってます。
95 名前:Letter from … 投稿日:2005/01/28(金) 00:45
〜45〜

***********

「あれ〜。結構あるいてんのに誰にも会わないね。」

「うん。でもみんな隠れてるのかもよ?もしかしたら本気で殺しあいしようとしてる人がいるかもしれないんだし…。」

「いやそれはナイでしょ。そんなこと考える奴いないって!」

小川真琴と高橋愛はとにかくメンバーのみんなと合流しようと歩き回っていた。
誰もこんなゲームには参加しようとなんかしないと信じて疑わない小川に比べ、
高橋は疑い深い。いや当然と言えば当然なのだが。
他のメンバーを探そうと言い出したのも小川の方からだった。
高橋は確かに仲間を増やしてなんとか脱出しようと言う案には賛成だったが、みんながみんな信用できるとは思えなかった。

「お〜い!!誰か〜!いないのぉ〜!?」

大声で叫ぶ小川。
小さくため息をつく高橋。

返事はない。

(おかしいな、まこっちゃんがさっきから何回も叫んでるのに一回も反応がない。もしヤル気になってる人がいたら狙われてもおかしくないのに…。もしかしてホントに誰もいないんじゃ…。)

高橋の考えは当たっていた。現在時刻は14時55分。
彼女達が教室を出たのが13時22分。
隠れながら歩いていれば別だが、堂々としかも大声まで出して誰にも会わない(殺されない)可能性など皆無に等しい。

ではなぜ誰にも会わないのか?
それは彼女達は他のメンバーとは別の出口から出てしまったからである。
廊下には出口の方向が矢印で示してあったのだが二人とも気付かなかったのである。

「だぁれぇかぁ〜!!いないの〜?返事してよ〜!」

(もぉ、なんでこんな間抜けな子とペアになったんやろ?)

そう言う自分も矢印を見逃す様な間抜けであるということに高橋は気付いてなかった。
96 名前:Letter from … 投稿日:2005/01/28(金) 00:47
〜46〜

「あ〜、もう疲れちゃった。」
「そうだね。ちょっと休もっか?」

一時間半歩き続け、初めてとる休憩。
張り詰めた緊張がとけ、少し眠くなる。
ウトウト…。

「あぁ〜ぁぁあああ!!!!」

ビクッ!!

「ヒィッ!!な、なに!?どうしたのまこっちゃん?」

「ミテミテェ、ヌンチャク!面白いんだけど!」

ヌンチャクを振り回しはしゃぐ小川。

「そ、それだけ?それで、あぁーって叫んだの?」
「うん、そうだよ。だってこれ面白いよ。アチョー!」

…はぁ。

本日二度目のため息。

もぉ、やだっ!
97 名前:Letter from … 投稿日:2005/01/28(金) 00:48
〜47〜

「これがあたしの武器なのかな?」

そう高橋に聞きながらヌンチャクを振り回す小川。

ブンッブン。

「そう…だと思うよ。」

ブンブン、ブン。

「愛ちゃんは武器、なに入ってたの?」

「ん?あ、見てみるよ。」

ブンブン。

「…いやぁぁあああああ!!」

ブンッ…ゴン!

「うわイテェ!なんだよ愛ちゃん、頭当たっちゃたじゃん、ヌンチャク。」

「ここここ、コレッ」


「なにこれ?本物?」

高橋の武器、サブマシンガン。

「ちょっと、貸して。」

「ダメだよ、危ないってまこっちゃん。」

「ダイジョブだって、本物なわけないよ。」

カチッカチ。

「…ほら弾出ないじゃん。」

ホッと胸を撫で下ろす高橋。
だが次の瞬間、

(誰か、いる!!)

その場の空気が変わったのを敏感に感じ取る高橋。

どこにいるのかはわからない。だが、誰かが−
98 名前:Letter from … 投稿日:2005/01/28(金) 00:53
〜48〜

**********

「ここらへんでいいですかね…。」
「すげー、大豪邸だな!」
「…ですね。でも…」

怪訝そうな顔つきで辺りを見渡す少女。

「なんだよ、どうした?」
「やっぱりおかしいですよ、矢口さん。」
「ん、なにが?」

紺野あさみと矢口真里は、矢口が言うように、大豪邸といっても差し支えない場所にいた。

「こんな所にこんな家あるのは不自然ですよ。」
「あぁ、まだそこにこだわってんのかよ。考えたって仕方ないじゃん。」
「よく考えたら樹海で人住んでないはずなのに学校がある時点でおかしさに気付くべきでしたね。」
「だからもうそれ以上考えんなっ…っておまえなにあさってんだよ!」
「…。」

一階、二階、三階と所狭しとかけまわる紺野。

「おい!いきなりどうしたんだよ!もう矢口若くないんだから階段とかヤバイんだかんな!」
「矢口さん。いい知らせと悪い知らせがあります。どっち聞きたいですか?」

考え込む矢口。

「…いい知らせ。」

「ですよね。実は…脱走、できるかもしれません。」
99 名前:Letter from … 投稿日:2005/01/28(金) 00:55
〜49〜

「おまえまじで言ってんの!?」
「はい、真剣です。」

あまりの衝撃発言に矢口は口をぽかんと開けたまま。

「でも推測です。あくまで私の予想が正しければです。」
「推測でもなんでもいいよ!可能性があるならなんとかなるって!」

「…ですね。なんか矢口さんに言われるとホントに何とかなる気がします。」
「で、どうやって脱走すんの?みんなも一緒に逃げれんだろ!?」

こくりと頷く紺野。

「でもその前に悪い知らせを…。」

そういうと部屋の右上隅を指す。
100 名前:Letter from … 投稿日:2005/01/28(金) 00:57
〜50〜

「これって!!」

「そう、監視カメラです。この家だけでも18箇所。多分森の中にも無数に存在しますね。
…しかも私の予想通りなら盗聴もされてるはずです。」

「じゃあまずいじゃんかよ脱走の話なんかしたら!あの軍服の人達来ておいら達殺されちゃうかも。
首輪爆発させられるかもしんないし!」

ふふっと笑う紺野。

「そのどちらもないですよ。盗聴も盗撮もおそらくただなんらかのメディアに流すためだけに存在するんだと思います。」

「そんなのわかんないだろ。」

「いやわかるんです。思い出してください。理沙ちゃんが死んだとき、石川さんが怪我したときつんくさんが言ってたこと。
たしか今回は人気なかったとか一番人気とか言ってたはずです。」

「確かに…言ってたな。」

「誰が生き残るか、賭けの対象になってるのかもしれなせんね。だとしたら無駄に殺したりはしない。それに…」

「それに?」
「やっぱり。ありました。」
「おい!無視スンナよ!パソコンがどうかしたのかよ!」

紺野の手元には部屋で見つけたのかノートパソコンがある。

「ゲームなんですよ、これは。逃げたら逃げたでメイクドラマなんですよ。」
「は!?何言ってんだよ?おい!紺野!!」

紺野の肩を掴み自分の方に向き直らせる。

!!

「お前…その、目…」
101 名前:かに道楽 投稿日:2005/01/28(金) 01:14
今回はここまでです。

すいませんしばらく留守にしてしまって。パソコンバグッちゃってたんで…。

>>92 名無し さん
裕ちゃんには頑張ってもらうつもりです。

>>93 591 さん
ここののんちゃんは男前です。あいぼんラブです。

>>94 名無飼育さん
おもしろいと言って貰えるとお世辞でも嬉しいです。
お気に入りは…、う〜ん誰だろ?(w

少しづつ更新して行くんでこれからもみなさんよろしくおねがいします。
102 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/30(日) 20:36
おお!更新してる。
愛ちゃん、まこっちゃん、ドジですね(w
それとは正反対に意味深な紺ちゃん…、気になる。
103 名前:名無し 投稿日:2005/01/31(月) 17:00
をー!!更新されてる〜!
また気になる所で止めちゃって、イジワルですネ(w
それぞれどうなってるのか、すごく気になります。
104 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/31(月) 22:26
ひさびさ更新ですね。
次の更新を楽しみに待ってますぜ!
105 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/01(火) 03:09
そうだね
106 名前:bucchan 投稿日:2005/02/24(木) 19:30
初めて読みました。 すごくおもろくてハマりました。
続きを楽しみにしてます
107 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/02/27(日) 20:24
更新されてる! 目?目がどうしたんでしょうか?気になるところです。次回更新待ってます!
108 名前:Letter from … 投稿日:2005/02/27(日) 22:26
〜51〜

**********

「どうしたの?」
「シィ。静かにして、誰かいる。」

「ウソ!やったじゃん!おーい誰なの?いるんでしょ?」
「ちょっ!まこっちゃん、ダメだって!」

−クスクス

(えっ!?)

「おもしろ〜い。二人とも。」

(なに?なんで?いつこんな近くに?)

気付いたときには高橋達の背後にその少女はいた。

「アヤヤだぁ!良かった!わたし達ね、仲間探しててね…」

(ダメだよ、まこっちゃん。なんかおかしいよ。)

暗がりで表情がよく見えない。

(いやだ、恐い。体が動かない。言葉も…出ない。)

「あれ?パートナーは?アヤヤは確か…前田さん?」

「あぁ、ちょっとね♪」

微笑む松浦。顔をあげる。差し込む光に照らされキラキラ輝く彼女の瞳。だが…

(!!)

「どうしたの?目が…」

(目が!黒目が紅いっ!!)
109 名前:Letter from … 投稿日:2005/02/27(日) 22:27
〜52〜

**********

「あぁ、これですか。」
「これですか。じゃねぇよ!おまえ目、真っ赤だぞ!しかも、なんか…えぇ!?」
「そうですね。私もさっき鏡見たときは驚きましたよ。でも良く見たら綺麗じゃないですか?」
「…まぁ、綺麗っちゃ綺麗だけど…。」

彼女、紺野あさみの瞳は寝不足の時などになる充血とは違い、普段色の変わることのない黒目が紅く変色していた。

「なんかものすごく頭が冴えてるんです。こうなってから。それに、力もみなぎってる。」

そう言ってその場にあった万年筆を片手でぐにゃりとおりまげる。
ギラギラ目を輝かせながら話す紺野を見て矢口は少し恐怖を感じた。

「…まるで覚せい剤だな。」

「さすが矢口さん。おそらくその通りです。
寝ている間に何か覚せい剤の様なものを飲まされたんですよ、わたし達は。
筋力と反射神経、思考能力が大幅にアップしてます。それに、ものすごい興奮状態。
全てこのゲームをより面白くするためには必要不可欠なものです。」

「…でもおいら、全然興奮してないし目も黒いまんまだぞ。」
「薬っていうのは体の外の物、異物に対する効力の少ない、年齢の低い人間のほうが早く効くんですよ。」
「ん〜…なるほどな…。だとするとまずいな。急がないと大変なことになる。」
「ですね。急がないと…」
110 名前:Letter from … 投稿日:2005/02/27(日) 22:28
〜53〜

*********

「目が赤いよ!大丈夫?アヤちゃん?」
「大丈夫だよ♪それよりその銃貸して…。」
「いいけど…ただのおもちゃだよ。弾も出ないし。」

スッとマシンガンを松浦の方に差し出す小川。
(駄目だよ。やっぱりなんかおかしいよ。)
特にこれといった確証はなかった。だが高橋の第六感が危険信号を発していた。

「…ダメ!駄目だよ!まこっちゃん!!」
「へ?」

振り向く小川。その手にもうマシンガンはない。

−パラララ−

「いやぁあああああ!!!」
111 名前:Letter from … 投稿日:2005/02/27(日) 22:29
〜54〜

それは一瞬の出来事だった。
小川真琴が高橋愛の方に振り向いたほんの一瞬。

「まこっちゃぁん!!いやぁあ!なんで!?なんでだよっ!!!」

小川の体には無数の穴があき、体から、口から、おびただしい量の血を噴出していた。

「ホント間抜けだねまこっちゃん。安全装置外さないと引き金引いても弾は出ないよ♪」

ニコニコアイドルスマイルで淡々と話す松浦。

「そう言えばさっきの質問に答えてなかったね。前田さんはねぇ、殺しちゃった♪
だってねぇ、アヤのパートナーはミキタン以外ありえないもん。
ミキタン以外ゼーイン殺して二人で優勝するんだ♪…って二人とも聞いてる?」

小川を抱きしめたままうずくまって動かない高橋。

「あれ〜、もしかしてまこっちゃんもう死んじゃった?やっぱり銃の方が簡単に殺せるね。前田さんの時は大変だったよぉ、これだったから。」

そう言ってベットリと血の着いたアーミーナイフをどこからか取り出す。

「でも銃は弾勿体無いからこれで殺そう♪バイバイ愛ちゃん!」

少女の手には不釣合いのナイフが高橋に向けて振り下ろされる。

− ッ!? −
112 名前:かに道楽 投稿日:2005/02/27(日) 22:33
結構読んで下さってる方が多いみたいで嬉しいです。
なかなか更新できなくてすいません。部活が忙しくて…
なるべく頑張るんでよろしくお願いします!
113 名前:名無し 投稿日:2005/02/28(月) 16:20
むむっ!?また気になるところで終わってる・・・。
かなり気になるぞ!
無理せず頑張って下さい。。。
114 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/03/03(木) 07:35
高橋さんピンチ! 次回更新待ってます。
115 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/07(月) 18:58
気付いたら更新されてる!
期待してるんで頑張って下さい。
116 名前:K坊 投稿日:2005/03/10(木) 00:03
をぉぉ!!
すんげぇ!!亜弥さん、カッケー!!
楽しみにしてるので頑張ってください!!
117 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/23(土) 21:32
まってるよ
118 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/04(水) 11:10
いつまでも待ってるんで頑張ってください!
119 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/09(木) 21:35
待ってます
120 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/09(木) 23:03
待ってます☆
121 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/16(火) 18:15
作者さん生存報告お願いします
122 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 22:55
作者死亡
123 名前:爽快者 投稿日:2005/08/23(火) 23:55
まだま〜だ待ってますよぉ

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