きみはペット
- 1 名前:証千 投稿日:2004/12/03(金) 17:09
- ついにやっちゃいました。好評のネタを。
長編にチャレンジしたいと思います。
多少ストーリーは変わりますが、相変わらずあの2人でw
- 2 名前:nana 投稿日:2004/12/03(金) 17:10
- きになりますね。
- 3 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:11
-
雨が降り続く、梅雨の季節。
一匹の犬は、一人の人間に出会った。
犬は初めて人の優しさに触れ、その人を好きになった。
ずっと、一緒にいようと思った。
そんな、犬みたいなやつと、女の子のおはなし。
- 4 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:14
-
目がさめると、温かい部屋の中にいた。
目の前はくらくらするけれど、とてもぬくもりのある匂いがした。
嗅覚の鋭い美貴は、食べ物の匂いと、人の匂いを察知する。
のちに、美貴の大好きな匂いとなる。
「…どこ…」
ぽつりと言葉を発すると、喉が痛い事に気がつく。
雨に打たれたせいなのか、ガンガンとした頭痛、だるさが残っている。
一体、誰の家なんだろう。
その時、キッチンの方から女の子の声がした。
- 5 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:18
-
「…起きた?」
かわいい子だ。
目をこすりながら、美貴は毛布をめくってこくりと頷いた。
にこりと微笑んだその女の子は美貴の元にお粥を持ってきて、もう一度美貴を見る。
ほんのちょこっとだけ、ドキリとした。
「…ありがとう…」
「いいえ。で、大丈夫?」
「う、うん」
「そっかぁ、相当やつれた顔してたから。しかも傷だらけだったし」
確かに、自分の肌を見るとほのかに赤くなっていて切り傷もいくつかあった。
まあ、その事はあとで。
女の子は美貴の右手首に包帯を巻いたらしく、ちらりと目配せした。
美貴は慌ててもう一度お礼を言う。
- 6 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:21
-
「…どうやってここまで…」
「うん?おぶってきたんだよぉ」
「そ、そうなの?」
この小さい体にどんな力が。
明るく答える女の子に、ただ驚く美貴。
「あの、お名前」
「え?」
「あなたの」
「あ、ああ…。みき、美貴だよ」
「みき、ね。あたしは亜弥。松浦亜弥」
白い肌が目立つその女の子は、亜弥と言った。
名前と顔が一致するような、とっても可愛い女の子。
美貴は第一印象で、そう思った。
- 7 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:24
-
「熱…あるみたいだね」
「え…えと…」
「ちょっと、ごめんね」
「…え!?ちょ、ちょっとダメ!!」
亜弥が身を乗り出し、ソファに座る美貴の額に手を近付ける。
美貴はそれをよけようとするが、体に力が入らない。
まずい、そんな事されたら
カァッと体が熱くなって 美貴はぎゅっと目を瞑った
- 8 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:26
-
亜弥が美貴の額に手を当てて、温度を確認した後。
美貴がそっと目をあけると、やっぱり予想してた通り。
亜弥は目を丸くして、美貴の耳当たりを指差す。
ああ、ばれた。
「み、耳…が…い、犬………」
それは人間の耳ではなく。
動物的な、しいて言えば犬の様なふわふわのふたつの耳。
美貴は小さく溜め息をつき、頬を赤くした。
- 9 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:29
-
また嫌われる
美貴は俯いて、しょぼんとした様子で肩を落とす。
それとともに、犬耳も下に垂れる。
それを見た亜弥は、予想外にも頬を緩ませて。
「か、かわいいっ……」
その言葉に反応して、美貴が顔をあげると。
亜弥は嬉しそうに苦笑いして、手をそっと伸ばし美貴の犬耳に触れた。
なにしてるの、この子
なんで、怖がらないの
- 10 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:33
-
さわさわ なでなで
「…っ…かわいい…」
「あ、あの…」
「ちょっとまって、ヤバい可愛い…」
美貴の言葉を遮り、亜弥はひたすら犬耳を触る。
確かにもこもこの毛で覆われている美貴の耳は障り心地がよい。
だからと言って、この耳を見て嫌がる人間は多い筈なのに。
この子だけは 違った
「……気持ち悪い、とか思わないの…?」
「え?」
「だって、だってこれ…」
「んーん、かわいいよぉー。なんか、癒される」
「…は?」
うっとりした亜弥の瞳に、美貴は目を奪われた。
これで、癒されるなんて、初めて言われた。
この人、変だよ。
っていうか、顔、近いよ。
- 11 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:36
-
「緊張すると、コレが出るの?」
うん、と静かに頷く。
興味津々な亜弥はずっと美貴の耳を触り続けるもんだから、くすぐったくてしょうがない。
「へぇーっ。いつから?」
ズクン、と響く亜弥の言葉。
言いたく無かった。でも、言わなきゃいけない。
この子なら、聞いてくれるのだろうか。
- 12 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:41
-
俯き加減の美貴を察した亜弥は、とっさに言葉を改めようとする。
でも、もう遅かった。
「ご、ごめん…ヤな事聞いちゃった…よね?」
「や、いいんだけどさ…まあ…」
ちょっと潤目で誤魔化す美貴が、なんとなく愛らしかった。
亜弥の目には、そんな美貴がしっかりと映っていて。
なんとなく、言葉では説明できないような気持ちが混ざっていた。
「もう、美貴行くよ。ごめんね迷惑かけて」
「…え?だって、熱あるのにっ…」
「大丈夫。ホント、邪魔になるよ」
ぱっと亜弥の手から逃れると、美貴は自分の耳を軽くいじった。
その姿が何となく寂し気で。
思ってしまった。
このままだと、この犬(?)がどうにかなってしまいそう。
とっさに 引き止めたくなった
- 13 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:44
-
「ま、待って!」
「…だぁっ、ダメだって…ばぁ…」
亜弥がフローリングから離れ、美貴の腕を掴み、目を目を合わせたその瞬間。
美貴は目を瞑って気を散らそうと思ったものの。
亜弥の瞳には、勝てなかった。
そのうちぴょこっとふわふわのシッポが覗き、美貴はバッとそれを掴んで隠そうとする。
「……だから…美貴、嫌だ…」
「…え?」
「もう、これ以上嫌われるの、嫌なんだよぉ…」
ポタリと、美貴の瞳から流れる涙。
フローリングに落ちた雫を、亜弥は見逃さなかった。
しっかりはえたシッポも、ふわふわの耳も。
手放したく無い。
亜弥は美貴の事を抱きしめて、そう思った。
- 14 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:49
-
「…変なんて、思わないよ。みきたんの事、好きだよ」
「…へ…?み、みきたんって…」
「カワイイでしょ?」
無邪気に笑う、亜弥の笑顔は本物だった。
美貴は、とっても夢中になる。
そのうちに、ずっと一緒にいたいと、思うようになる。
感じとった運命が、美貴には見えた。
この子なら、だいじょうぶなんだ。
この子なら、ちゃんと2人でいられるんだ。
「…あの…さ」
「何?」
「ここに、いてもいい……ですか?」
「……みきたん?」
「…美貴、なんかオカシイや…」
人って、こんな体温だったっけ。
久しぶりに触れた亜弥の体温が、愛しくて堪らなかった。
狂ってるような、初めての感情。
この気持ちが、嘘じゃないなら。
- 15 名前:捨て犬の居所 投稿日:2004/12/03(金) 17:54
-
「…いっしょに、いたい……」
会ったばかりだけれど。会話もあんまり、ないけれど。
でも、一緒にいたい。
「…迷惑、かかる…けど」
「いてよ」
「…え?」
「ちょうど、一人暮らしって寂しいし。みきたんは、あたしのペットって事で」
「…ぺ、ペット…」
違うんだけど、そういうんじゃないんだけど。
また美貴の耳を触る亜弥に、抵抗はできなかった。
あたらしい感情。
あたらしい出会い。
この出会いが、美貴と亜弥を変える事になった。
お互いが お互いを欲して
捨て犬は、飼い主を初めて持ったのだ
- 16 名前:証千 投稿日:2004/12/03(金) 17:56
- やっちゃいました、こんなもの。
犬耳と尻尾は無理矢理です、ハイ。
そして出会いも半端なく無理矢理です、ハイ。
>2様 どうなるか分りませんが…頑張って行きます。
- 17 名前:きまうとご 投稿日:2004/12/03(金) 18:36
- 証千様 新スレおめでとうございます!
月板のほうでもROMらせていただいた
きまとうごです。
こちらの板もがんばってください。
- 18 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/03(金) 19:39
- 更新乙&新スレおめでとうございます!!月板から、っていうか最初からついて来ましたw
美貴様ワンコシリーズ第二弾?の続き楽しみしてます!
これからもついて行きますので頑張ってください。
- 19 名前:プリン 投稿日:2004/12/03(金) 20:08
- あの2人ってあやみき?
それともみきよし?
凄く気になりますね〜!
次回更新も楽しみ待ってます。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/03(金) 20:30
- パクリ氏ねよ。やっちゃいましたじゃーよ
- 21 名前:ななし 投稿日:2004/12/03(金) 22:09
- ↑パクリって言えるの?
べつにこういうのはパクりって言うほどのものじゃないような…
自分は楽しみにしてます。
- 22 名前:名無しさん 投稿日:2004/12/03(金) 22:30
- >20
漫画やドラマの内容と違うし、
それを把握してないのにその言い方はないと思う。
気にせずに続けてください。楽しみにしてます。
- 23 名前:名無し 投稿日:2004/12/03(金) 22:31
- 同感です。
作者さん頑張ってください。
楽しみにしてます。
- 24 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/04(土) 00:06
- 最高に楽しみです。
- 25 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/04(土) 00:17
- こっちも同感です。迷わず続き書いてくださいね。
- 26 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/04(土) 11:11
- タイトルのみはパクリじゃないでしょ。
他にもタイトルだけのってごろごろ転がってるじゃん。
- 27 名前:孤独なカウボーイ 投稿日:2004/12/04(土) 11:28
- 白、月とひっつきまわってたどり着きました。もう作者様の作品の虜です(笑)
個人的に、題は同じかもしれませんが設定などが基本的に違うと思うのでパ〇リには値しないかと…。
- 28 名前:ななし 投稿日:2004/12/04(土) 12:04
- タイトルが同じだからってパクリとは限らない。
タイトルはちがくても、中身がまんまパクリのものがゴロゴロしてるだろ。
作者さんファイ!
ついでにスレ違いかもだが、よしみきリクを。
いしよしもいいなぁ〜なんて。石と藤で吉の取り合いとか。
とにかく作者さん好きだぁ!
- 29 名前:wool 投稿日:2004/12/04(土) 12:54
- 初めまして。更新お疲れ様です。
月板はROM専で終わらせてしまい後悔しているので(凹、こちらではちょくちょく感想を書かせて頂きます(嫌
設定的にもCP的にも萌え度MAXです!!とりあえず犬美貴可愛すぎる。微妙に受け身っぽいとこも良い。
次回更新も楽しみにしております。
- 30 名前:証千 投稿日:2004/12/04(土) 16:57
- レスありがとうございました。
自分の説明が至らなかったようで、迷惑をおかけしました。
1の部分で、誤解を招くような表現をしてしまったためだと思っています。
黄板の方でやっていたものを、長編にしようと思いスレを立てた意思です。
パクりをやっちゃいました、というわけでは決してありません。
多少ストーリーは変わる、というのは前回書いたものとは異なるという事です。
間違われても仕方が無かったと存じます。
では、更新は後に。
- 31 名前:ラヴの意味 投稿日:2004/12/05(日) 17:44
-
雨が降ってる
でも、傘がない
入れてくれる、人もいない
ひっそりと目を閉じた美貴は、傷だらけの身体と心を抱えて眠りについた。
ジンジンする傷の痛みも。
もやもやする心の痛みも。
ぜんぶ、消える事は許されない
また、同じ夢を見た。
- 32 名前:ラヴの意味 投稿日:2004/12/05(日) 17:46
-
ピョコンと出た耳を片手でいじり、鏡と格闘する。
グッと力を入れても、耳と尻尾は隠れない。
どうしたものかと何度繰り替えしても同じだった。
亜弥の家の、ペットになってしまった後。
どうにもこうにも、犬耳と尻尾が消えないのだ。
これなら亜弥ちゃんは喜んでくれるけど
かわいいって言ってくれるけど
溜め息をついて、ギュッと耳を抓った。
- 33 名前:ラヴの意味 投稿日:2004/12/05(日) 17:50
-
「いつもなら、すぐ元に戻るんだよ」
「そうなの?」
「うん。力が出ない時とか、緊張した時とか」
「…じゃあ、何で戻らないの?」
そんな事、聞かれても。
亜弥の質問に答えられない美貴は、回想を始める。
今までこんなに長く変化していたのは初めてだし。
目の前にいる亜弥は、興味津々だし。
「にゃは、かーわいー♪」
ま、いっか。
相変わらず犬耳をいじる亜弥に身を任せて、甘える事にした。
飼い主は飼い犬に優しい。
美貴は学んだ。
- 34 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/05(日) 23:44
- 落としても作者が必死こいて上げんだろうけど
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/06(月) 01:45
- 新作発見!!あやみき最高です。続き、楽しみにしてますね!
- 36 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/06(月) 03:19
- みんな大人げないよ
もうやめようよ、そういうの
作者さんもあまり気にせずに
- 37 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/06(月) 07:43
- なぜに落とす必要があるのかわからないのだが
作者さん、頑張って下さい
馬鹿が出ますのでageておきます
- 38 名前:証千 投稿日:2004/12/08(水) 17:44
- 作者です。
皆様には迷惑をかけたと存じまして、一時休載という形にしたいと思います。
自分自身に不行届きな点があったせいです。
放置、と見なされてしまうかもしれませんが、更新は少しづつしていきたいと思っています。
御迷惑おかけ致しました。
白板の方では掲載を続けてゆきます。
次回更新日は随時お知らせします。
- 39 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/10(金) 21:40
- 楽しみに待ってます!
- 40 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/12(日) 12:35
- まじかよ・・・orz
- 41 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/12(日) 16:53
- 復活する日を待ち望んでおります
白の方も、頑張ってくださいね
- 42 名前:。。。 投稿日:2004/12/15(水) 23:59
- 何でオリジナルのタイトルにしなかったんですか?やっぱり目立てば何でもいいんですか?
- 43 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/16(木) 00:58
- そういうコトはいわんでいい。作者様がそう考えたんだからいいじゃん。
趣旨ともあってるし。
- 44 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/16(木) 16:21
- >>42
なんでそんなムキになるの?
歌のタイトルとかもらったの他にもいっぱいあるじゃん。
単純に不思議なんだけど。
- 45 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/17(金) 03:56
- >>42
なんちゃらの壁だね。
- 46 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/17(金) 21:17
- この作品だけに言える事じゃないかもしれんがな
タイトルで読者の意として興味をそそられるだろう?
実際、期待してるし。
作者様、頑張ってください。
- 47 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/18(土) 00:44
- てゆーか話自体面白くない。
あやみきだから読者がついてるだけじゃないの?
- 48 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/18(土) 02:21
- >>47
はい?あんたは何様ですか?
名無しだからって何言ってもいいなんて思わないように
…そんな自分も名無しなわけだがorz
作者さん、スレ汚しスマソ
復活心待ちにしてますよ
- 49 名前:孤独な名無し 投稿日:2004/12/18(土) 12:56
- >>47
そんな事いうなよ。
話がおもしろくて前の板から付いて来た私はどうなるんだ!?
この作者さんの話はあやみきの中でもおもしろいとおもうぞ。
作者さん復活カモンナ
- 50 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/18(土) 14:08
- >>47にいちいちレスすんな。
そんなヤシは放置で。
ってか自分もじゃねーか!(笑)
- 51 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/24(金) 04:24
- 続き読みて〜…(泣)
- 52 名前:証千 投稿日:2004/12/28(火) 18:18
- レス、ありがとうございました。
久々の更新です。
- 53 名前:ラヴの意味 投稿日:2004/12/28(火) 18:18
- 多分、このコンプレックスは生まれつきなんだと思う。
何時頃からとかぜんっぜん記憶がないのもそのせい。
耳の記憶だけじゃない。
美貴がどこでどうやって生まれたとか。
親は誰とか。
誰も知らない。美貴も、周りの人も。
施設に預けられて、この耳がばれないように日常を送ってた。
しだいに時が経つにつれて、その耳の事も忘れてたんだけど。
ある日から、制御がしにくくなった。
- 54 名前:ラヴの意味 投稿日:2004/12/28(火) 18:19
-
気持ち悪い
そら、そうだけど。
考えてもみたら、すごく気味悪い。
だって人間から犬の耳出てるんだよ?正直気持ち悪いでしょ。
よりによって、信頼してた、っていうより。
大好きだった、人に言われたら。
今でもその人の言葉を思い出すと、ピンッと耳やら尻尾が出てくる。
だから必死に、思い出さないようにしてる。
でも、だめだね。
- 55 名前:ラヴの意味 投稿日:2004/12/28(火) 18:19
-
こうして亜弥ちゃんの傍にいると、どうしても。
いくら亜弥ちゃんが嬉しそうな顔をしていても、忘れられなくて。
けど、諦めるのはもっといやだから。
- 56 名前:安心の居場所 投稿日:2004/12/28(火) 18:20
-
「………」
ひとりになった広い部屋で、リモコン片手にテレビに没頭する。
目が覚めると、亜弥はどこにもいなかった。
慌ててばたばた駆け回るが、亜弥はいない。
亜弥ちゃん、ひとりでどこか行っちゃった。
美貴は、置いて行かれた。
そんな想像だけが心に蠢く。
涙が出そうになる涙腺を押さえて、ただ呆然とテレビを見続けた。
- 57 名前:安心の居場所 投稿日:2004/12/28(火) 18:21
-
そして、亜弥はと言えば
「…どーしよぉ」
みきたん、ひとりで何やってるかな。
やっぱり、書き置きしておけばよかった。
コンビニの品物を陳列しながら、次々と溜め息をつく。
早朝のバイトがあるということを、美貴には告げていなかったのだ。
勝手に外にでも出たりしたら、大騒ぎになる。
ま、そんなことないか。
みきたん、案外臆病そうだから。
意外にもあっさりと決断した亜弥は気を取り直し仕事にかかる。
果たして本当に、大丈夫なのだろうか。
- 58 名前:安心の居場所 投稿日:2004/12/28(火) 18:21
-
わんっ
「!?」
冷蔵庫をあさっていると、突然テレビの方から犬の泣き声が。
急いで画面を見にいくと、可愛らしいポメラニアンの子犬。
って、何反応してんだ。
犬の性というものか、同士を見つけると体がうずく。
完全に犬化してる、美貴。
冷蔵庫には何もない、空っぽ。
朝食を作ろうと思っても材料もなにもないのだ。
「……亜弥ちゃぁん」
泣きたい思いで亜弥の名を呼んでも、返事はない。
ぺたりとフローリングに座り込んだ美貴は、重く溜め息をついた。
- 59 名前:証千 投稿日:2004/12/28(火) 18:24
- 今日の更新は以上です。
長らくお待たせしてすいませんでした。
作文の欠陥があったと自覚しています、申し訳ありませんでした。
これからはひっそりとsage更新でいきたいと思います。
こちらのスレはまた来年に更新致します。
28様のよしみきリクは白の方で承りたいと思います。
リクエスト希望、ありがとうございました。
- 60 名前:名無し読者 投稿日:2004/12/29(水) 16:24
- キタキタキター!!待ってましたよw
続き楽しみしてますので更新頑張ってくださぁい。
- 61 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/01(土) 00:55
- 年明けに更新確認しました!
ミキティわんこかわいそう…
- 62 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/03(月) 17:32
- 早く亜弥ちゃんと会わせてあげて下さい…(泣)
- 63 名前:wool 投稿日:2005/01/05(水) 01:42
- あけおめですっ。
白板と共に、こちらも影ながら見守っておりましたー(コソコソ
めっちゃ楽しみにしてます!!しかし、マイペースに無理なくと願っていますので。
- 64 名前:12号 投稿日:2005/01/06(木) 09:04
- ヮ〜イ更新してる!この小説大好きです!!がんばってください
- 65 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/13(木) 00:10
- こっちの更新もお待ちしております…
- 66 名前:安心の居場所 投稿日:2005/01/22(土) 16:07
-
気のせいだろうけど、何故か犬耳になると眠気が襲ってくるんだ。
だからウトウトしてる間に、ソファの上がベッドに変わってた。
移動した覚えは無いのに。身体が勝手にふわふわ浮くわけないのに。
亜弥ちゃんがいない間、美貴、寝てただけだっけ。
そうだ、亜弥ちゃん
忘れてたわけではなかった美貴だが、がばっと起き上がり亜弥を探した。
人がいるような温かさは残っているけど、肝心の匂いがしない。
- 67 名前:安心の居場所 投稿日:2005/01/22(土) 16:08
-
「…帰って、きたのか」
なんとなく、ホッとした。
一人になると必ず嫌悪感と孤独感が沸き上がってくるが、ストーブが付いているのを見た瞬間に溜め息をつく。
安心の息とは言えないが。
今自分がベッドにいるのも、きっと亜弥が運んでくれたのだろう。
恐らく同じ程の体重だろう、重い筈なのに。
- 68 名前:安心の居場所 投稿日:2005/01/22(土) 16:09
-
『美貴』
「…誰っ」
思いきり耳を立て後を振り返るが、当然のように誰かがいるはずもなく。
少し開けられた窓からぴゅうと風がすり抜け、カーテンをかすかに揺らしているだけだ。
美貴、と確かに誰かが呼んだ。しかしそれは、幻聴に過ぎない。
幼い頃に触れた優しさが、蘇ってくるような。そんな心地になった。
柔らかく眠る美貴を抱きしめ、子守唄を歌ってくれた思いでの人。
- 69 名前:安心の居場所 投稿日:2005/01/22(土) 16:10
-
「……――カオリ」
キリキリと頭痛が襲い、美貴は目をつぶり布団に潜り込んだ。
はやく、はやく亜弥ちゃん。
- 70 名前:安心の居場所 投稿日:2005/01/22(土) 16:10
-
フニフニ フニフニフニ
フニフニ フニフニフニ
指がくるくると耳をくすぐり、美貴の眠りを妨げた。
微かに目をあけると、嬉しそうに微笑み美貴の髪をさらりと撫でる誰かがいた。
「みーきたん。ごめんね、留守番させて」
「…あ……」
「お昼も食べてないよね?あちゃ、作っておけばよかった」
「……」
もう ひとりにしないで もう こわいのはいやだよ
- 71 名前:安心の居場所 投稿日:2005/01/22(土) 16:11
-
「…たん?」
ぼろぼろとこぼれる雫は、ベッドのシーツを次々と水玉に彩った。
音を立てずに涙する美貴はとても、哀しそうに映る。
「ごっ、ごめんね?泣かないで」
「ちっ…がう」
「…みきたん?」
「こっわかった」
おぼつかない口調で、亜弥に強く抱きついた。
一人になることを思い出させてしまったと気付いた亜弥は、慌てて美貴の髪を撫でる。
それでも美貴の涙は止まらなかった。
- 72 名前:安心の居場所 投稿日:2005/01/22(土) 16:18
-
誰もいない空間 いやだ こわいんだ
『…っうぁぁぁん』
ただ泣き明かしたあの時の事が、美貴を不安にさせたきっかけだった。
そのきっかけとは、美貴の中に居る「カオリ」が原因でもある。
気持ち悪い
「亜弥ちゃぁん」
亜弥はただただ、美貴を抱きしめ続けた。
かける言葉が見つからない。それだけでは、なかったけれど。
- 73 名前:証千 投稿日:2005/01/22(土) 16:24
- だいぶ遅い更新で申し訳ないです。
書き溜めてあったのですがごちゃごちゃになり一度リセットしてやり直してました・゚・(ノД`)・゚・
また日が空いてしまうかもしれませんが、しばらくお待ち下さい。
>60様 待っていて下さりありがとうございました。
ひたすら駄文ですがどうかおつき合い下さい。
>61様 年末に更新したんだっけな(ヲイ
日が空いてしまい申し訳ございません。ワンコを待って頂いてありがとうございました。
>62様 甘々な二人には結構遠いかもしれませんが…
頑張ります。
>63様 お心づかい、大変嬉しく思います。
ありがとうございました。
>64様 そのお言葉が励みになります…ありがとうございます。
>65様 更新が滞り、御迷惑おかけしました。
白の方にばかり向いてしまいましたね、申し訳ないです。
えーとこちらの板では明けましておめでとうございますw
めっさ遅い。ほんとにすんませんでした。
- 74 名前:名無し読者 投稿日:2005/01/23(日) 20:59
- 良かった。ぎゅってしてあげて下さい。
- 75 名前:wool 投稿日:2005/01/24(月) 19:20
- うはー、更新お待ちしておりましたよー。
美貴わんこに限らず、犬人間に異常に反応してしまうのって何故ですかね?(知るか 何かを擽られます。
- 76 名前:名無し読者 投稿日:2005/04/09(土) 02:27
- 保全
- 77 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/03(火) 02:22
- まだかなあ
- 78 名前:名無し読者 投稿日:2005/06/05(日) 00:31
- はあ
- 79 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/22(水) 16:51
- 待ってます
- 80 名前:証千 投稿日:2005/08/13(土) 02:40
- …えー生存報告です。
詳しくは白の方へ飛んでください。あんま詳しく書いてませんが。
こちらのスレは特に更新が亀になってしまってるのでできるだけ優先したいと
思っとります。
とりあえず「いきてるよ」とだけ伝えたかった…
- 81 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/13(土) 18:05
- 待ってました!作者さんがんばってください!!
- 82 名前:証千 投稿日:2005/08/24(水) 00:14
- 白からお引っ越しでこちらのスレ一本で進行させて頂きます。
本編の方も書きつつ…今は短編でお許しを。
半年程前に書いたのかな?みきよしを。
- 83 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:15
- 久しぶりに友達の美貴を誘って、外食に行く事にした。
大学生活二年目にしてやっと不規則な生活リズムに慣れて来た
あたし達は、たまには外食でパァ−ッとしたいねと前から計画していた。
お互いバイトやらなにやら用事が詰まっていて、やっとこで彼女の
大好きな焼肉を食べに行こうということになったんだ。
- 84 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:15
-
「おにーさん、レバ刺五人前と生ビールね」
「はいよー」
巷では知れた焼肉店で、美貴と来るのは初めてだった。
席に案内された途端彼女の胃袋はフルに活動中らしく、いきなりレバ刺し
と来たもんだ。
ビールもチューハイも滅多に口にしないあたしは底無しの美貴を見て
あっけらかんとするばかり。
これが美貴のペースなんだと、忘れていた時間を取り戻しつつあった。
「よっちゃん何頼んだの?」
「あー、ウ−ロン茶」
「相変わらずお酒弱いんだ。ちょっとくらい飲めばいいのに」
「どーしてもダメなんだよね〜。身体が拒否するっつーか」
「アレルギー?」
「精神的なね」
白い泡を上唇にのせて、美貴は面白そうに笑った。
相当な飲ん兵衛だから今夜は何杯行くだろうか。カウントは片手だけじゃ済まないだろう。
レバ刺しが来るまで、美貴は少しそわそわしてた。
どうしたの?と尋ねれば「久しぶりだから」と凄く嬉しそうに笑う。
なんか、貧乏臭い奴。生活にはそんなに苦労してないだろうけど、最近は色々疲れてるんだそうだ。
泡が殆どなくなったジョッキを口につけて、赤い舌を出して美貴はそう言った。
- 85 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:17
-
「あれ、公然ワイセツだって。恥ずかしくないのかなぁ〜」
「人前でのキスが?」
「そうだよ!あーもー思い出しただけで身体がカユい!」
「フッハハ、そりゃただの嫉妬と違う?」
「えっ」
五人前の皿が綺麗になって行くうちに、美貴のボルテージは上がって行くようだった。
ただ単に日常の会話をしているのに、彼女の口調には波がある。
何か嬉しい事があった時には楽しそうに笑い、酒もハイペースになるし。
だけど今のあたしの面白可笑しいツッコミに対して、美貴はあんまり良く思わなかったみたい。
目を丸くして、じゅうじゅうと音をたて美味しそうに食べられるのを待っている
カルビを箸でつまんだ。
何動揺してんの?と痛い所を突いてみると、酒のせいに誤魔化して顔を赤くする。
- 86 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:18
-
テーブルに肘を付いてそのカルビを一口で行くと、凛とした瞳であたしを睨む。
そんなに気にいらなかったのかと思うとまた可笑しくて可笑しくてしょうがない。
というか、この藤本美貴という生態をよく知っているあたしが、こうやって彼女を
おちょくる事自体とても危険な事なんだけど。
レンアイとか関係なく、さっきはキスの話し。曰く接吻について少しフッたんだよ自分から。
なのに、何で顔を赤くする必要があるんだ?
「ねえ、気まずいって思ってるでしょ」
「そんなことないですぅー。焦げちゃうから食べてよ」
「キスが公然ワイセツならガイジンさんはみんなそうだべ。だから日本の文化ってあたしあんま好きじゃないんだ」
「…美貴の話、そんなに面白かったの?」
「フフッ、まあね。美貴が照れてるのがおもれーから、もうちょっと語りたいな」
「バカ、照れてなんかないよ」
「スキあり」
ふてくされたように目を逸らしたスキに、残っていたレバ刺しを箸で全部すくいとった。
食べたかったわけじゃない決して。ただ、からかってやりたかった。
明らかに怒ったような顔をして、あたしの胃に流れたレバ刺しを返せと訴えている。
無茶な話だと笑って交わすとさっきの話はどこへやら、美貴は唇を尖らせて新しい肉を焼き始めた。
アルコールはまだ効いていないらしく、まだシラフの余裕顔。
- 87 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:18
-
「キッスねぇ〜。美貴も可愛い事喋るんだねやっぱり」
「…っまだ言ってるし。あれはただ不快に思ったから、面白くしてよっちゃんに話しただけだってば」
「わーってるよ。そういうバカップルを見てるとストレス上昇そして日々疲労のカタマリになるんだね」
「そうそう。わかってんじゃん」
「そりゃーそうだ。美貴の事だからね」
「ああ、それミキの名前代えて色んな人に言ってるんだ」
「あっちゃーバレた」
段々と、美貴の頬がピンク色に染まって行く。酔いが回って来た証拠だった。
あたしはウーロン茶に口付けているだけなのに、美貴のテンションに飲まれそうで
意識を手放すのが久しぶりに怖かった。
トロンとした酔っぱらい独特の瞳があたしにいろいろと投げかけてくる。もちろん声には
出せない事も、あたしにはわかっていた。
その中にあたしはどんな風に映っているのか、ふと問いかけたくなった。
衝動的な感情をウーロン茶と一緒に流し込むと美貴は残りの肉を焼き始めて
うまそうに頬張った。
- 88 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:19
-
「よっちゃんは平気だろうけど、美貴はそういうのヤだよ」
「はっ?」
「だってさ…キスって好きな人でするもんだけど、誰かに見せつけるもんでもないじゃん」
「……おい、自分で掘り返してるぞ」
「違う!なんか自分で言った事だからまた気になっちゃったの」
「フーン。美貴はそういうカタブツなんだな、やっぱり」
その瞳に吸い込まれてしまう前に、あたしは少しの抵抗を見せた。
近くにあった布巾で口を拭って腹一杯になったところでギブアップの姿勢に入る。
ただ目の前にいる美貴の存在に、あたしは不思議と違和感を覚えていた。
- 89 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:19
-
「…どういうこと?」
「さてはファーストキスもまだだろう。あたしなんかと飲んでるってこたぁそーゆことだろ」
喧嘩売ってるのとは違うと思う。目を逸らして、違う場所を見続けた。
うるさい客の声や威勢の良い青年店員の声が耳を劈いて、居心地が悪くて仕方がなかった。
あたしは何かに呪われたみたいに、ブツ切りになった自分の考え事を頭に浮かばせる。
なに、してんだろう。
これじゃまるで美貴に酷い事言ったみたいになった。
おそるおそる前を向いてみると、箸を置いて俯き気味の彼女がいた。
最低っていうか、低レベルな罵りをしたのかもしれない。
美貴の反応は無い。あたしの無気力な溜め息と、じゅう、という肉に焦げ目が付く音だけが残された。
- 90 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:20
-
「悪かった。ゴメンね」
「…いいよ、気にするつもりないし」
「あの、無神経な事今さら聞くけどホントにしたことなかったりする?」
友達のくせにあたしは、美貴と腹を割って話す濃い内容を持っていなかった。
知る事も今までは求めてなかったし、あっちもその気はなかったんじゃないか。
なのにあたしは、こんなプライベートまでずかずかと上がり込もうとしている。
美貴はあたしを許して、こんなことまで言わせてるのか。
ちらっとあたしを見上げて、美貴は小さく頷いた。
本当に、本当にキスもまだ?ってことはその先もないってことなんだろう。
あたしはそれが一切信じられなかったし、あんまり信じたくないことだった。
あたしが持っていた彼女へのイメージや脆い理想なんてものが、音をたてて崩れて
消えた気分になったからだ。
大人の女だと、誤解してたんだ。
- 91 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:20
- 泣かしてしまうかもしれないと、あたしに動揺の波が押し寄せた。
こいつは案外崩れやすいから。あたしのこんなバカな質問でくだけてしまうようなやつだ。
とっさにあたしは、場違いと思われる事を思ってしまった。
抱きしめて、瞳を覗いてやりたい。
甘い声もいつもの笑顔もすべて、手にしてみたい。
これは魔法かなにか、自分では解けなかった。テーブルをこえて美貴の
前髪をといてやると、あたしの中身はシェイクされたようにビリリと何かの衝撃を受けた。
こんなのアリか?と神様に問いたかった気分だけど、びくんと身を引いた美貴の
肩を抱き寄せた瞬間、そんな不安は打ち消された。
友達だから、聞きたく無かったのか。
恋人じゃないから、無神経にあたしは尋ねることが出来たのだろうか。
その答えが見えたのは、美貴の柔らかな唇に触れた瞬間だった。
甘いハチミツのような匂いと鼻腔をくすぐる首元から香る香水は、あたしの
不可解な欲を満たすには十分すぎるほどの材料になっていた。
彼女のファーストキスはあたしが奪ったということになる。しかも準備も段取りも無しに
衝動にかられて唇に触れてしまった。
- 92 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:21
-
恋の罪に問われてもおかしくない。美貴は、今のあたしをどう思うんだろうか。
- 93 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:21
-
「よっちゃ…」
「…ん?」
「今の、取り消して…」
「…え」
「なんで、なんにも言わないでそういうこと…ミキ、そういうのされてもぜんっぜん…っ」
― ― 嬉しくない?
やわらかく掴んだ手首を解かれて、何となく拒絶された事が悔しかった。
美貴の声は掠れててよく聞こえなかったけど、思ってる事はわかった。
怖がらせたモトはあたしにあって、かならずしも美貴が喜ぶ事じゃなかった。
キスくらいで、と容易く思っていたわけじゃないけど彼女は明らかに、今起こった
出来事を受け止めたくないみたいだった。
- 94 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:22
-
キスが、したい。
そう思ったのは、今目の前にいる美貴のことが好きだからだと
言わなきゃいけないんだ。
あたしは、ずっと我慢してここまで作ってきたのだろうか。
それとも、一緒に居過ぎて気付かなかっただけだろうか。
「…あたし、さ。何で今、美貴にキスしたんだかわかんなくなっちった」
「…だからっ」
「でも、したかった。美貴と、キス、したかった」
もう一度触れたいと、感情が暴れ出した。抑え切れずにもう一度、
あたしは美貴の甘い唇と重ねた。
もう二度と泣かしたくないと、美貴の気持ちの良い髪をといてそう思った。
- 95 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:23
-
焼肉の件以来、あたしは美貴以外と外食に行くのを止めた。
また、あの雰囲気が蘇りそうであたし自身何を仕出かすか予測出来ないし、
いちいち嫉妬されちゃこっちの身が持たない。
ファーストキスを頂いたのはとても喜ばしい事なんだけど、おかげであたしの
行動範囲はとても狭くなった。
どこへ行くにも彼女の目が光ってあたしを離さない。というより、あたしも
離れないけど。
- 96 名前:接吻 投稿日:2005/08/24(水) 00:23
-
「外でチュウとか嫌いじゃなかった?」
「よっちゃんだったら、いーの。ね、しよ…」
「はいはい、お姫様」
美貴のしなやかな腰を抱く度に、胸の奥が何とも言えない気持ちで満たされる。
彼女じゃないと、またあたしが相手をしなければ釣り合わない。
恋は人を変える。強制的に、きっと人を変えてしまうものだ。
あたしはそう信じて、また美貴の唇を欲しがるんだ。
そう。ずっと、永遠に。
FIN
- 97 名前:証千 投稿日:2005/08/24(水) 00:26
- 最近は自分の中であやみき寄りのみきよしフィーバーが押し寄せています。
サクサク更新出来易いのはみきよしなんですけど(マテ
あやみきも頑張って書きます。
…保全とかして下さった方、本当にありがとうございました。
今読み返してみると糞な文章にも関わらず待っていて下さった方がいて
涙がちょちょ切れます・゚・(ノД`)・゚・
- 98 名前:証千 投稿日:2005/08/24(水) 00:27
- 吉澤さんって本気と書いてマジに藤本さんの事好きだと思う今日この頃。
同士募集(激マテ
- 99 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/24(水) 00:33
- リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
美貴様乙女だよ美貴様。作者様のみきよしを久しぶりに見る事が出来て
興奮気味です。乙でした!
- 100 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/08/25(木) 11:46
- 更新乙です。
いいですねぇ〜このみきよし。
同士に参加希望ですw
- 101 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/25(木) 20:57
- きみパペット面白いです!
- 102 名前:名無し 投稿日:2005/09/15(木) 23:12
- 君はペットの続きを、本当に楽しみにしてます。
マイペースで、頑張ってくださいませ。
- 103 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 05:26
- 突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
- 104 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/28(水) 13:52
- 待ってます!
- 105 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/19(木) 01:15
- 待ってますよ
- 106 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/27(金) 23:44
- 続きめっちゃ待ってます
- 107 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/05(日) 03:55
- きになるなぁ
- 108 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/02/10(金) 23:52
- まだまだ粘って待ってます
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