守りたい人 参の章
- 1 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 16:55
- 金版、白版で書かせていただいていたkonkonです。
ジャンルはファンタジーです。
前スレ、前々スレはこちらになります。
守りたい人
http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/gold/1086365495/
守りたい人 弐の章
http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/white/1092745656/
それではよろしくお願いします。
- 2 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 16:55
-
再会
- 3 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 16:56
- 「嘘っ!?」
「行き止まり・・・?」
ヒトミ達が道に沿って歩いていくと、そこは行き止まりだった。
特に隠し通路などがあるわけでもなさそうだ。
「ここまできて、こんなのありれすか・・・。」
「来た道は一本道っぽかったけどな、しゃーないから戻るで!」
アイボンとノゾミが引き返していこうとするが、ヒトミは目を閉じて立っていた。
「ヒトミ?」
「さっさと引き返さんと・・・。」
「黙って!」
ヒトミに言われて二人は話すのをやめる。
ヒトミは耳に手を当てて、なにやら集中しているようだ。
- 4 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 16:57
- 「・・・聞こえる、ほんの少しだけど上から何か聞こえる!」
「そうか?うちにはなーんも聞こえんわ。」
「待って、今度はノノがやってみる!」
ノゾミがヒトミの位置まで走っていく。
「百獣擬態、兎聴擬!」
ノゾミが集中して耳をすませる。
『・・・する・・・れば・・・』
『わた・・・らめ・・・』
「ほんとらっ!話し声が聞こえるよ!よーし、百獣擬態、竜人擬!」
ノゾミは両腕に気を集中させていく。
- 5 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 16:58
- 「双竜拳!」
ノゾミが上に向けて、両腕から双竜拳を放つ。
双竜拳は、勢いよく天井を突き進んでいく。
そして、ついには天井を突き破った。
「行くれすよ!百獣擬態、鳥翔擬!」
ノゾミは天井に空いた穴へと飛び上がっていった。
「やっぱあったんだね〜。うさ擬。」
「・・・ヒトミ、つまらん冗談やめや。」
「うぐっ・・・それにしてもノノのやつ、たくましくなったね〜。」
「全くやな。あそこまですごいやつとは思わんかったわ。」
二人はその場で感心していた。
「さって、うちらもいこう!やってやろうぜ!」
「おう!」
ヒトミは足のモーターを利用して壁を滑って上っていき、
アイボンはアイの電影速で、壁を蹴って上っていった。
- 6 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 16:58
- 「行き止まり・・・だよね?」
「この壁・・・ほんとは先に進めたりとか?」
「それはないだろ。」
ケイ達も行き止まりで止まっていた。
「今から戻って間に合うかな?」
「でも、どこかに抜け道なんてあったかな〜?」
ナツミとカオリは、落ち着かない表情で話している。
その時、
「(ん・・・何だ?)」
ケイが何かを感じて周りを見渡し始める。
- 7 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 16:59
- 「どうしたの?」
「・・・下だな。」
「えっ?」
「今、下から爆発音のようなものが聞こえたんだ。たぶん、
下に何かあるよ。ちょっと調べてみる。」
ケイは糸を伸ばして地面に突き刺す。
糸を突き刺した振動によって、地面の強度を確かめているのだ。
「・・・やはりね。だいたい四・五メートル下に、広い空間がある。」
「そこに何があるの?」
「それはわからない。だが、何か強い力を感じる。誰かがいるようだ。」
「ってことは、そこにみんながいるかもしれないんだね!?」
「可能性はあると思う。」
それを聞いて、ナツミは嬉しそうに笑う。
- 8 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:00
- 「けど、どうするの?ここで魔法を使うと、私達も巻き込まれちゃうよ。」
「私がやるよ。」
ナツミが二人の前に出る。
「カオリはフローティングの魔法だけ唱えててよ。何メートルも
落っこちるのはやだからさ。私が下に連れて行くよ。」
「どうするの?」
「私の魔法で下まで行くの。この魔法は私が行きたいところへ行けるんだ。」
ナツミが魔法を唱え始める。
「こっちはいいよ〜。」
カオリの呪文の詠唱が終わったようだ。
「それじゃあ、二人とも私に近づいて。」
そう言われて、カオリとケイはナツミに近づいていく。
「いくよっ!圧縮魔法、テレポーテーション!」
ナツミの魔法により、三人はその場から消えていった。
- 9 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:00
- 「なぁ、ちょっち聞きたいことあるんやけどええか?」
歩いている途中で、アイがアサミを振り向いて聞いた。
「何ですか?」
「さっきタイプがどうのって言ってたけど、ああいうのって顔見ただけで、
見極められるもんなんか?」
アイは興味津々といった感じで、アサミの顔を覗き込むように見ている。
これから先、カオリを守る際に敵のタイプというものが読めれば、
格段に戦闘が楽になると思ったからであろう。
「そうですね〜、大体は雰囲気でわかりますかね。見た感じというよりも、
その人が醸し出す空気から読み取れるんですよ。」
アサミは少し考えてから、そう答えた。
- 10 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:03
- 「それでは、私達で例えるとどうとれる?」
そこにマコトも話しに加わってきた。
「ん〜、簡単に分けると四種類くらいですか。私やマコトやアイ、
それに、ケイや先ほど戦ったリサは、冷静に敵の状況を判断したり、
次の行動を読んで戦うタイプです。ですけど、怒りに身を任せると
自分の力を出し切れないんですよ。」
二人はサイクロプスとの戦いを思い出し、苦笑いを浮かべた。
「逆に、カオリやマリ、リカやアイボンは、怒ると力を発揮するタイプですね。」
「カオリもそうなんか?」
「はい、そうだと思いますよ。」
アイが不思議そうに聞いた質問に、アサミはあっさりと答えた。
- 11 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:03
- 事実、アサミ達は知らないが、サユミとの戦いではカオリの怒りが
呼んだ勝利と言っても、間違いではないだろう。
「そして、ノゾミやナツミ、ヒトミはですね、言い方が悪いですけど、
調子に乗ると強くなるって感じですね。突然の閃きや発想がすごいんですよ。」
「それは言えとるわな。」
アイは何度も首を頷かせた。
アイが以前ノゾミと修行した時には、自分の尋常じゃない豪腕による威力を見て、
自分自身で龍の力を身につけたのだ。
「ん、マキはどれに属するんだ?」
マコトの質問に、アサミは首を少し傾ける。
- 12 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:04
- 「それはですね、私にもわからないんです。どこにも入らないというか、
それが四つ目の無属性型です。あの人は風のように掴みどころが
ないんですよ。きっと、誰かを守りたいという優しさ、人を愛する想い、
それがマキの強さなのでしょうね。」
アサミは嬉しそうに、そして少し恥ずかしそうに、そこまで一気に話した。
「なんや〜、結局アサミの惚気話で終わってもうたか。」
「のっ、惚気てなんていませんよ!」
アイの呟きに、アサミは顔を赤くして大声を出した。
「・・・ついたみたいだぞ。」
アイはしばらくアサミをからかっていたが、マコトの声で真剣な表情に戻る。
「なるほど、こうきましたか・・・。」
アイと同じく、アサミはじっと前の方を見つめる。
アサミ達の道も行き止まりだった。
- 13 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:06
- 「絶対何かあるわな。ちょい待っとってや。」
アイは千里眼を発動させて、周りの壁を見渡し始めた。
「ん〜、三人、いや四人か・・・。」
アイの千里眼には透視能力も備わっており、薄くだが壁の先まで見ることができる。
アイはしばらく見渡していると、右を向いて指を指した。
「この壁の先に、誰かいるみたいやよ。たぶん、四人くらいいると思う。」
「では、私が核融合で・・・。」
アサミが腕を上げたところを、後ろからマコトが肩を掴んだ。
「マコト?」
「二人は怪我をしているんだから下がってな。ここは私がやる。」
マコトも無傷とは言えないが、確かにこの中で一番軽傷なのはマコトだろう。
「・・・それではお願いします。」
「任せるで!」
マコトは壁の前に立って剣を構える。
- 14 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:07
- 「うおぉぉぉっ!」
マコトがクロス・スラッシュを撃ち放つ。
それも何度も連続で撃っていく。
壁は徐々に砕かれていき、何発目かの攻撃で道ができ上がった。
「よし、行くぞ。」
マコトは堂々と歩いていく。
「頼もしいやっちゃな〜。」
「ホントですね。」
前に進むマコトを見て、二人もあとに続く。
「さて、鬼が出るか、それとも蛇が出るか・・・。」
「決まってるわ。蛇やよ。」
「当たり前すぎて、あまり面白くなかったですね。先に進みましょう。」
こうして、三人は出来上がった道を進んでいった。
- 15 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:07
- 更新しました〜。
- 16 名前:konkon 投稿日:2005/01/22(土) 17:09
- 新スレに移りました〜!
仕事が超多忙になってきたので、更新が遅れてしまいました(汗)
ちょっと平日更新が難しくなってきましたので
そこらへんはご了承ください。
でもできるだけ速めに交信したいと思いますので
また何卒よろしくです♪
- 17 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/01/22(土) 23:49
- 新スレ初更新おつかれいな〜^^
なるほど〜。みんなすごいですね〜。
アサミもついにマキの惚気話までしちゃいましたね〜^^
皆は合流できますかね?
- 18 名前:MS 投稿日:2005/01/23(日) 01:37
- 新スレ更新おつかれいな!
最後まで付いていきますよぉ〜!(笑)
みんな無事に合流できればいいな。
続きを楽しみにしてます。
次の更新に期待してます!
- 19 名前:151 投稿日:2005/01/23(日) 11:01
- 新スレ更新おつかれいにゃ。
確かに女の子らしさが出ましたね(笑)
ちょっと引っ掛かる展開だけど
みんな私達のように合流できるかな?
konkonさんも無理しない程度に頑張って下さい♪
- 20 名前:スペード 投稿日:2005/01/23(日) 15:47
- 更新おつかれさまです。
もう3スレ目ですか。
私にはとても真似できそうにないです。
続き楽しみにしています。
- 21 名前:マコ 投稿日:2005/01/23(日) 18:28
- きたぁ。
行進お疲れ様です。
すごい 三つもスレットをたてちゃうなんて(汗)
これからが楽しみです。
さて 道の先には 何があるかな 何があるかな(違)
次も待ってます。
- 22 名前:雨 投稿日:2005/01/23(日) 20:27
- 更新お疲れ様です。
って、みんなすげぇ〜!
こんなことがゲームでできれば・・・。
残りの1チーム、人数的には・・・。
楽しみに次回更新、待ってます。
- 23 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:19
- マキ達は、ひたすら先へと続く道を歩き続けていた。
マキの背中では、マリが気持ちよさそうに寝ている。
「あ、どこかに出るみたいだよ!」
三人の前の方から、ほんのわずかだが光が見えてきた。
その時、
「・・・何かいる。」
マキはリカの腕を掴んで、大きく後ろに下がった。
その直後に、マキ達がいた場所に巨大な爆発が起こった。
爆煙が晴れると、そこには三人の女性が立っていた。
「ここより先へは行かせん!オロチ近衛兵の、このユキが貴様らの相手だ。」
ユキが構えると、ものすごい覇気が伝わってきた。
ユキの手には、怪しげな気が纏っている鎖が構えられていた。
- 24 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:19
- 「ユイ、どう思う?あいつら全然強く感じないんだけど。」
「でもさ、エリカ、他のやつらよりはまだマシじゃない?あんな雑魚達よりかはさ、
ミキ様の妹の方が少しは楽しめると思うよ。」
お互いをユイ、エリカと呼び合った少女達は、冷たい目でマキ達を見つめている。
二人の手には、体に似合わないほどの巨大な鎌と斧を、それぞれ持っていた。
「(くっ・・・強いな・・・。)」
ユキ達の力を、リカは体でそう感じ取っていた。
「あんた達の相手してる暇なんてないんだ。さっさと終わらすよ。」
マキは三人を一度見渡してから、剣を構える。
「マキ、ここは私も・・・。」
「いいよ、リカ。私一人で十分だよ。」
そう言って、マキは背負っていたマリをリカに預ける。
- 25 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:20
- 「でも・・・。」
リカには前にいる三人の力が、少なくとも上級兵士レベルはあると確信していた。
リカは不安そうな顔でマキを見つめている。
「大丈夫だよ。少し下がってて。巻き添えを食らわないようにね。」
マキは優しい笑みで、リカに言った。
「私のこと、信じてくれるよね?」
「・・・うん。がんばってね。」
リカは小さく頷くと、マリを抱いて後ろに下がっていく。
「クククッ、オロチ近衛兵の私達三人と、一人でやろうというのか!?
ミキ様の妹君にしては頭が悪すぎる!」
ユキは大声で笑い始める。
- 26 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:21
- 「ねえ、あんたいい加減黙ってくれない?マリが起きる。」
「フフッ、そのまま永久の眠りにつかせてあげるっ!」
ユイが突然その場から消えた。
いや、超スピードで動いたために、消えたように見えたのだ。
「(速い!)」
思わずリカは、寝ているマリを片腕で抱いて、反射的に武器を構えた。
それほどまでに速かった。
ユイは、まるで死神のように音もなくマキの背後に回り込み、
持っていた大鎌を振り上げる。
マキはそれを横に飛んで避ける。
ユイの振り切った鎌は、深く壁を切り裂いた。
壁の切り裂かれた部分は、徐々に砕け落ち、砂と化して消えていった。
- 27 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:21
- 「私の愛鎌、デスサイズは斬られた者を粉々にかき消す。
いつまで避け続けてられるかな?」
ユイは、次々とデスサイズを振り回していく。
マキはそれを、体を捻らせて避けていく。
「ユイ、あんただけに楽しい思いはさせないよ!叫べ、アースクラッシュよ!」
エリカが離れたとこから斧を振りかぶり、地面を粉々に打ち砕いた。
次の瞬間、巨大な衝撃波が地面を抉りながらマキに向かっていく。
マキは目を細めて衝撃波を見切り、大きく跳んでかわした。
「もらった!我がフレイムビュートの餌食となれ!」
マキが着地した瞬間、ユキの振るった鎖がありえない方向から曲りくねり、
そして伸びて、まるで何匹もの蛇を相手にしているのように、あらゆる方向から
マキを襲っていく。
マキのいたところの地面が砕け散り、すごい爆炎と砂煙が舞い上がった。
- 28 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:22
- 「あららっ、死んじゃったかな?」
「ずるいよ、ユキ!私全然遊んでないのにさ〜。」
「もうぐしゃぐしゃになってんじゃん?」
ユキ達は楽しそうに話している。
「マキ・・・マキーッ!」
リカは泣きそうな顔で、まだ炎に包まれている空間に大声で叫んだ。
「そういえばまだ残ってたんだった。」
「寂しがる必要なんてないよ。他の雑魚共もすぐに後を追わせてあげるからさ。」
エリカとユイの視線が、同時にリカに向いた。
「許さない・・・。」
リカは優しくマリを地面に寝かすと、三人に向けて槍を構える。
- 29 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:23
- 「絶対に許さないんだからっ!」
リカは目に涙を溜めて、猛スピードで走り出す。
「さってと、雑魚に用はないしさっさと殺しちゃおうかな。」
「え〜、ユイはさっき遊んでたじゃん。今度は私にやらせてよ?」
「じゃあ、一緒に殺ろうよ。」
「うん、それならいいよ。」
エリカとユイは、リカに向かって走り出す。
「うわぁーっ!」
リカが銀をいくつもの槍に分解し、それを二人に向けて放つ。
エリカとユイは、冷静に見極めながら槍を避けていく。
「雑魚にしては、なかなか面白いことするね。」
「でも、そんなのが私達には当たるわけないじゃない。死になよ。」
ユイが一瞬でリカに近づき、デスサイズを振り下ろす。
- 30 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:23
- 「くっ・・・。」
リカは後ろに大きく転がって避けた。
「バイバ〜イ。」
「零の突、極!」
ユイが間近まで迫ってきた瞬間、リカは零の突、極を放った。
「なっ!?」
ユイはその強力な衝撃波によって、壁に深く埋まりこんだ。
「ハァッ、ハァッ・・・これで・・・。」
「なかなかやるわね。」
リカが息をつく間もなく、エリカがリカの目の前まで飛び込んできて、
大きくアースクラッシュを振り下ろし、巨大な衝撃波を放つ。
- 31 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:24
- 「ぐっ、くぅぅ・・・。」
至近距離から放たれたために、リカはすぐに避けきれないと判断し、
槍を盾に変えて衝撃波を防いだ。
しかし、あまりの威力に、衝撃波を抑えていたリカの傷だらけの体が悲鳴を上げ、
左肩の傷から血が吹き出した。
「うっ・・・うわぁっ!」
リカはその痛みに耐え切れずに、ついには盾ごと吹き飛ばされる。
「う・・・。」
「フフン、四天王とかはこんな雑魚に負けたんだね。結局四天王なんて、
名前だけの存在だったんだね〜。っつうか、あんたも何やられてんのよ?」
「うるさいな〜。ちょっと油断しただけだよ。」
エリカが振り返った先には、ユイが頭から血を流して近づいてきていた。
- 32 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:25
- 衝撃波を受ける瞬間、ユイは咄嗟にデスサイズで威力を吸収していたために、
ダメージを軽減させていたのだ。
「でもまぁ、雑魚にしてはけっこう粘ったわね。」
「そうだね。私に傷をつけたお礼よ。せいぜいあの世で自慢することね。」
倒れているリカに向けて、ユイはデスサイズを振り上げた。
次の瞬間、
ガッ!
リカの前に飛び込んできた影が、ユイの顔を殴り飛ばした。
「うわっ!」
ユイは、エリカを巻き込んで地面を転がっていく。
「リカ、大丈夫?」
「あっ・・・。」
リカが上を見上げると、そこには不敵な笑みを浮かべたマキが立っていた。
- 33 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:25
- 交信です。
- 34 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:28
- >七誌さんデスさん
みんなすごいです。
もう、めちゃくちゃですw
アサミの惚気話、これがいつかは現実にしてあげたい、
そう思っている今日この頃です(謎)
>MSさん
ありがとうございマックス(笑)
最後まで・・・がんばらせていただきます!
みんな、合流できればいいですね〜w
- 35 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:31
- >151さん
アサミは女の子らしいんですよ♪
まぁ、このあとの展開ではどうなるかは
未定ですけどねw
もっとすごくなってるかもしれないし(謎)
まぁ、マイペースに交信させていただきます。
>スペードさん
早いもんですよ〜(しみじみ)
きっとスペードさんも、あっという間に
次のスレッドにいってると思いますよw
お互いに交信がんばりましょう!
- 36 名前:konkon 投稿日:2005/01/26(水) 04:34
- >マコさん
何があるかな、何があるかな、何があるかは
わからない(マテ
ん〜、まぁ、いろいろとありますよ、きっと。
まだまだ出す予定だけはありますからねw
>雨さん
自分がもっとも思っていることです。
一度でいいからゲームにしてみたい、まぁ、
絶対不可能ですけどね(汗)
もとはゲームっぽいのを考えてて、いつの間にか
こうやって小説を書いてましたw
- 37 名前:151 投稿日:2005/01/26(水) 05:43
- 更新おつかれいな。
すごい時間帯ですねw
さて、物語の方はこう来ましたか、
ちょっと意表を突かれました。
どうなるのかな?
- 38 名前:MS 投稿日:2005/01/26(水) 12:51
- 更新おつかれいな!
ミキ戦の前になんか新たな敵が出てきましたねぇ。
マキにならこんなヤツらへっちゃらですよね?
最後のマキの余裕の表情でなんとなくそう感じました。
次の更新に期待してます!
- 39 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/01/27(木) 16:10
- 更新おつかれいな〜^^
ついにその二人まで登場しましたかぁ〜。
マキとリカってやっぱすごいですね〜。
次の更新に期待です!
- 40 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:46
- 「私のこと信じてっていったでしょ?すぐに終わらすからさ、
リカは後ろで安心して見ててよ。」
マキは軽くリカに笑いかけると、ユキ達に視線を移した。
ユキがあれだけフレイムビュートを振り回したにも関わらず、
マキの体には掠り傷一つついていなかった。
リカは出てきた涙を拭って、マキのことをじっと見つめている。
「ほらっ、怪我してるんだし下がりなよ。マリのこと、頼むね。」
「・・・うんっ!」
リカは血が出ている肩を押えながら、マリのもとへと下がっていった。
「いった〜、やってくれるよね。それよりもユキ、あんた私達のことを
思って、手加減でもしてくれたの?」
「違うよ、ユイ。もう年だから当てられなかったんだよね?」
「う、うるさい!まぐれに決まってんだろ!」
ユキは顔を赤くしながら二人に怒鳴った。
- 41 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:46
- 「ミキ様の妹といい、あいつといい、私に傷をつけるなんて
許せない・・・。そんなわけで、私がやらせてもらうからね!」
ユイが一歩前に出る。
「不意打ちで殴れたくらいで、いい気にならないでよ。今度こそ、
私のデスサイズで粉々にかき消してあげる。」
「あ〜、いちいちうるさいな。あんた達の相手してる暇なんて
ないんだからさ、さっさとかかってきなよ。」
「その減らず口、今すぐ叩けなくしてあげるよ。死んで後悔するのね。」
ユイがまた、超スピードでその場から消えた。
そして、マキの横からデスサイズを振り上げる。
「もらったよ!」
ユイが勢いよくデスサイズを振り下ろした。
- 42 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:48
- 次の瞬間、刺さった地面が砂と化していく。
だが、マキの姿はそこにはなかった。
「えっ?どこに消えたのよ・・・。」
「ここだよ。」
その声は、ユイの背後から聞こえてきた。
ユイが振り向くと、マキが憮然とした表情でユイを見ていた。
「遅すぎるよ。欠伸が出ちゃうね。アイの方がもっと速いよ。」
「こ、このっ!」
ユイがデスサイズを振りまわしていく。
それは、目に写らないないほどの超スピードだった。
しかし、マキはデスサイズの軌道を完全に見切っていて、軽々と避けていく。
- 43 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:49
- 「なっ、いい加減当たりなさいよーっ!」
ユイが勢いよくデスサイズを振り下ろす。
パシッ!
「甘いんだよ。」
なんと、マキは向かってきたデスサイズを、指で挟んで受け止めていた。
よほどの力と、動体視力がなければ不可能なことだ。
それをマキは当たり前のようにやってのけたのだった。
「斬られなきゃいいんだよね?」
「うそ・・・。」
「バイバイ。」
マキは剣を横に一閃させて、ユイの体を切り裂いた。
- 44 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:50
- 「ユイ!貴様ーっ!」
エリカは、体を仰け反らして先ほどよりもアースクラッシュを大きく振りかぶり、
地面を思い切り叩きつけた。
すると、今度は逃げ道がないほどの巨大な衝撃波が、マキを飲み込もうとする。
「粉々に消え失せろ!」
「こんなものっ!」
マキは剣を鋭く振り切って、襲い迫る衝撃波を剣圧だけでかき消した。
「なっ・・・。」
「ノノの力や、リカの衝撃波より全然弱いね。」
「こっ、これで決めてやる!」
ユキが飛び出してマキとの距離を縮め、至近距離からフレイムビュートを振り回す。
マキに様々な方向から鎖が襲い掛かる。
- 45 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:52
- 「いい加減、うざったいんだよっ!」
バーーーンッッッッ!!!
マキは自分の気を解放し、気合だけで全ての鎖を弾き飛ばした。
「ケイの糸に比べたら、怖くもなんともないね。」
「そ、そんな・・・。」
「遊びは終わりだよ!」
マキは一瞬でユキの懐に飛び込み、剣を振り切ってユキの体を真っ二つにした。
「四天王が弱いとか言ってたけど、レイナはもっと強かったよ。あんた達が
束になっても勝てないくらい、すごいやつだった。」
マキは、鋭い目つきで残ったエリカを睨みつける。
- 46 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:52
- 「そのレイナにマリは勝ったんだよ。あんた達なんかより、私の仲間の方が
ずっと強いよ。私の大切な仲間をばかにするな。」
「ぐっ・・・。」
マキの殺気で、その場の空気が凍り付いていくように冷たくなっている。
エリカは、目の前にいるマキに斧を振り上げるどころか、体が竦んで動かなかった。
「うっ・・・このっ!」
エリカはなんとか足に力を入れて、マキに飛びかかろうとした。
「フンッ。」
「なっ、何がおかしいっ!?」
「いや、あまりに滑稽なもんでね。」
マキはエリカの問いに軽く答えると、後ろを向いてリカのもとへと歩み寄っていく。
- 47 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:54
- 「貴様・・・うぉぉぉっ!」
エリカは隙だらけのマキに向かって飛び上がり、アースクラッシュを振りかぶった。
「とっくに終わってることに、気付いてなかったなんてね。」
次の瞬間、
「なっ、何が・・・。」
エリカの体が、突然何等分にも分かれて地面に落ちていった。
「・・・えっ?」
これにはエリカだけでなく、リカも思わず声を上げた。
リカにもマキが何をしたのか全く分からなかった。
いつ、どこでどうやって動いたのか、何も気付かなかった。
一言で言えば、マキは動いていなかった。
いや、動いたのだけど何も見えなかったのだ。
- 48 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:55
- 「相手が悪かったね。」
細切れになって地面に落ちたエリカを一瞥して、マキはリカの
いるとこまで戻っていく。
リカは呆然とマキを見つめていた。
マキは、結局一度も武器を変えることなく、オロチ近衛兵の三人に
あっさりと勝利したのだった。
「マキ・・・いつの間に・・・一体何したの?」
「隙だらけだったから斬っておいた。それだけだよ。」
マキは笑って答えると、再びマリを背負って歩き始める。
リカからしたら、少なくとも戦った三人に隙はほとんど見当たらなかった。
それを、マキは隙だらけと言ったのだ。
「(マキ・・・すごいや。すごすぎるよ!)」
リカはそう思って、嬉しそうに笑ってマキの横に並んだ。
マキはそんなリカを不思議そうに見ながら、先に続いている道を歩いていった。
- 49 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 13:55
- 交信終了!
ではでは、これからハロプロ紺へと向かいます♪
- 50 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 14:01
- >151さん
仕事の都合上、時間帯がずれることがあって、
生活循環が崩れてしまうんですよ〜(汗)
ちょっち不意を突いてみましたw
>MSさん
うぐっ、先を読まれた・・・って当然ですかね。
へっちゃらって言葉が妙に懐かしく感じますが(笑)
マキならば、平気よ平気〜♪でしょうね〜。
- 51 名前:konkon 投稿日:2005/01/29(土) 14:02
- >七誌さんデスさん
当初の予定通り、ハロプロメンツ(自分が知っているメンバー)は
全員出演させるつもりです。
どのような役になるかは決めかねますが(謎)
エッグを抜かしたらあと残っているのは・・・?
- 52 名前:マコ 投稿日:2005/01/29(土) 14:51
- ベリ工ですね(違うかな?)
お疲れです。
復活しました(早っ)
5 6期 まだまだやります。
がんばってください。
僕もがんばります。
- 53 名前:めかり 投稿日:2005/01/29(土) 22:57
- 更新おつかれです。
さすがマキですね。
格の違いを見せつけたと言うか・・・
これからも楽しみにしてま〜す。
- 54 名前:151 投稿日:2005/01/30(日) 03:14
- 更新おつかれいな。
ひゃ〜凄い〜!!!
赤屍蔵人を思い出しました(笑)
大学が春休みに入ったので
私も生活循環が・・・w
- 55 名前:MS 投稿日:2005/01/30(日) 10:32
- 更新おつかれいな。
なんかマキ1人だけズバ抜けて強いですね!
やっぱマキならへっちゃらでしたか。
まぁ、ここで苦戦してたら
あのお方にも勝てないでしょうけど・・・。
次の更新に期待してます。
- 56 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/01/30(日) 20:15
- 同じくおつかれいな〜。
マキってなんかすごい・・・。
気迫もなかなか・・・。
- 57 名前:konkon 投稿日:2005/01/30(日) 23:59
- 道を抜けると、マキ達は広い部屋へと辿り着いた。
「ここにオロチがいるのかな?」
「わかんない・・・。」
マキとリカは立ち止まって辺りを見渡す。
「それにしても、よく寝てるわね〜。」
リカは、マキの背中で寝ているマリに視線を移す。
「そうみたいだね。でも、そろそろ・・・。」
「寝てると可愛いのにさ、普段は口うるさくて傲慢で生意気で、
何とかならないものかしらね〜。」
「何ともならねえよ。」
その声を聞いた瞬間、リカの体の機能が停止した。
マキの背中から、起き上がったマリが顔を上げたのだ。
- 58 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:00
- 「悪いね。もう大丈夫だから。」
マリはマキの背中から飛び降りて、マキに軽く笑いかける。
その直後に、マリはもの凄い形相でリカを睨みつける。
「マ、マリ・・・えっと、今のは・・・その・・・。」
マリはリカの言い訳も聞かずに、剣を引き抜いてリカに向ける。
「リカ、お前がおいらをどう思ってたのかよ〜くわかったよ。
オロチとの戦いが終わったあと、お前を殺す。これが答えだ。
まぁ、おいらも鬼じゃないから半殺しにしといてやる。」
「そんな〜・・・。」
リカは泣きそうな顔で、マキに助けを求める。
だが、マキの表情は先ほどよりも固くなっている。
- 59 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:02
- 「マリ、リカ、ここまでありがとう。」
「へっ?」
「マキ・・・?」
「ここからは・・・私の番だね。」
マキは先の方をじっと見つめている。
その視線の先には、さらにまた一本の道が続いているようだった。
「まさか四天王がやられるなんてね。思いもよらなかったよ。」
その道から一人の女性が歩いてくる。
「よくここまで来れたわね。歓迎するよ。」
「ミキ姉・・・。」
マキ達の前に現れた女性はミキだった。
- 60 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:03
- 「今更何しにきたの?そろそろオロチが復活するんだからさ、
殺されるのをゆっくり待ってればよかったのに。」
「止めにきたんだよ。ミキ姉。」
マキはミキの目を見据える。
「ハハハハハッ!何、あんた達三人でミキを止められると思ってるの?
それとも他のお仲間達と一緒に倒そうとでも思ってたの?」
ミキはその場で大笑いしている。
「どちらにせよありえないわね。ミキを倒せるのも無理だし、
それ以前に他のお仲間はここまでこれないわよ。」
「・・・どういう意味?」
「あんた達は運よく"道"があったけど、他の道は全部行き止まりなの。
だからここまでこれないってわけ。わかった〜?」
ミキはばかにするように話す。
- 61 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:04
- 「・・・フフフッ、ハハハハハッ!」
ミキの話しに、今度はマキが笑い出す。
「何笑ってんの?とうとう頭がいかれちゃった?」
「ミキ姉、一つだけ言っとくよ。私の仲間はね、あきらめの
悪いやつばっかなんだ。そして自分を、仲間を信じている。
だからね、例え行き止まりにぶつかったとしても、行き止まりを
ぶち破ってでも先に進んでいくよ。みんなはくる。私はそう信じている。」
マキはそう強く言い放った。
ドーンッ!
突然、マキ達の右側の地面から、何かが地面を突き破って出てきた。
そのできた穴から、今度はノゾミ、ヒトミ、アイボンが飛び出してきた。
- 62 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:05
- 「あっ、マキ・・・!」
ヒトミ達はマキの元へと向かおうとしたが、すぐにミキの存在に
気付いて武器を構えた。
「オロチは近いってことかな。」
上からカオリ、ナツミ、ケイが浮遊してゆっくりと降りてくる。
ドーンッ!
さらに左の方の壁が壊れて、そこからマコト、アサミ、アイが出てくる。
全員が集まったとこで、ナツミは急いで仲間の回復を始める。
- 63 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:06
- 「へ〜、マキの言った通りだね。」
「でしょ?」
ミキの呟きに、マキは嬉しそうに答える。
「それで?ひ〜、ふ〜、み〜・・・十二人か。ちょ〜っとだけ
ミキでも骨が折れるかな?」
ミキは全員を睨みつけていき、最後にマキを睨む。
「違うよ。ミキ姉とは私が戦う。」
マキが首を振って答える。
「何、あんた一人でミキに勝てると思ってんの?」
「勝てるよ。」
マキとミキの睨み合いが続く。
先に目を離したのはミキだった。
- 64 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:06
- ミキは大きな伸びをしながら後ろへ下がっていく。
ミキは壁によりかかって、剣を地面に突き刺してから腕を組み、
マキを真っ直ぐに見据える。
「だったらテストしてあげるよ。降りてきな。」
ミキがそう言った瞬間、何体もの魔物がミキの前に降ってきた。
十四・五体ほどはいるだろう。
その魔物達は人間の少女のような顔をしているが、感じたことのない
異様な恐ろしい気を纏っている。
そして、獲物をずっと待っていたとでもいうような、不気味なほど
にやついた顔をしていた。
「あいつらは・・・。」
ケイはその魔物達を見て、どこか怯えたような表情をする。
- 65 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:07
- 「・・・知ってるの?」
隣にいたリカが、ケイを心配そうに見つめながら聞いた。
「あいつらは・・・前のオロチとの戦いで、世界の三分の一と・・・
帝国を滅ぼしたやつらだよ。」
「帝国が!?」
「世界の三分の一も・・・。」
「それも・・・たったの五体でね・・・。」
ケイの発言に、誰もが言葉を失った。
「私は運よく生き残ることができたが・・・一体だけでも、
誰も手を出せないほどの強さを持っていた。それが、
あんなにいるなんてね・・・。」
ケイは苦笑しながら魔物達に視線を向ける。
「さって、楽しいゲームの始まりだよ。」
ミキは恐ろしいほど怪しげな笑みを浮かべ、マキ達を見据えていた。
- 66 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:07
- 久々の快速交信ですw
- 67 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:11
- ハロプロ紺行ってきました〜♪
まさか、センター席端の席が超特等席だとは
想ってもみませんでした!
そこで自分の目の前で踊ってくれてた美少女、
よく見たらなんと亀ちゃんだった!
髪を切っていました!!!
これにはマジビビりましたね。
公演ラストで気付いた俺ってアホですかね・・・(汗)
すいません、どうしても言っておきたかったんですm(_ _)m
レス返しに進みます。
- 68 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:15
- >マコさん
ビンゴです!
っつうかバレバレですね(汗)
とりあえず、名前がかぶってない人は全員出したと想います。
ですよね?
まぁ、こんな感じですw
>めかりさん
格の違いがありすぎでしたね・・・。
圧倒的強さ、一度でいいから出してみたかったんです(笑)
また他の誰かも同じようなことをするかも・・・(謎)
- 69 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:18
- >151さん
・・・バレバレですね(汗)
なんかあのキャラ好きなんですよね〜。
でもちょっちやりすぎかもですねw
自分はまた生活が崩れる可能性ありです(泣)
>MSさん
どうなんでしょうかね〜。
あのお方はどのくらい強いのか、自分でも
見当をつけていません(マテ
たぶんすごいことにはなるんでしょうね〜。
- 70 名前:konkon 投稿日:2005/01/31(月) 00:21
- >七誌さんデスさん
世の中そんなもんですw
仲間想いの主人公、いい話しじゃないですか〜(爆)
これこそマキの優しさです♪
マキは素の顔が一番恐いかも・・・(汗)
- 71 名前:めかり 投稿日:2005/01/31(月) 00:26
-
更新おつかれです。
ついに全員集合しましたね。
その上ミキまで登場して、とんでもない魔物たちも・・・
続きが楽しみです♪
頑張ってください。
- 72 名前:151 投稿日:2005/01/31(月) 14:52
- 更新おつかれいな。
にょほ〜、こりゃ大所帯ですね!
どういう戦闘になるのかな?
そしてマキはやはりあのキャラを・・・w
ハロモニでショートえりりん見れました♪
- 73 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/01/31(月) 18:45
- 同じくおつかれいな〜^^
おっ、やっと全員集合ですね!
それにしても・・・12人か〜・・・多いな(笑)
そしてついにのミキ登場・・・でなんか強そうな魔物・・・。
う〜ん・・・大波乱の予感。
- 74 名前:マコ 投稿日:2005/01/31(月) 22:13
- 行進お疲れです。
わーい あたったあたった。
商品は何ですか?(違)
デビルベリ工ですか? それとも ダーク もしくは デス(もういい)
まずい 一人でもそんなに強いベリ工・・・・。
そうぞうしたら・・・・ 何だか・・・・ 9リメンジョンな気分です(意味不明)
どうなるんでしょうか。
がんばってください。
このストーリーのゲームやりたいなぁ。
某業者さん これを ドラゴンクエスト9として(rey)
- 75 名前:MS 投稿日:2005/02/02(水) 16:41
- 更新おつかれいな!
キター!!ミキティの登場ですね!
なんかヤバイ魔物が出てくるみたいで・・・。
マキ頑張れ〜!!
次の更新に期待してます。
- 76 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:08
-
仲間の力
- 77 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:09
- 「あんたの言ってたのってさ、ジックスのことだよね?」
ミキはケイに視線を移す。
「そんなこともあったらしいわね。けど、あの時の魔物達は未完成、
つまりは"不良品"だったんだってさ。」
「不良品・・・?」
「当然よね。一匹とはいえ、たったの三人にやられちゃうんだもんね。
それも、当時はまだ子供だったミキとマキ、あとお父さんもいたっけね。」
「!?」
「・・・。」
仲間達の視線は、一斉にマキを向いた。
マキは黙ってミキを見つめている。
- 78 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:10
- 「まさか自分の町にジックスが襲ってくるとは思わなかったよ。
お父さんは、町を守るためにすぐに飛び出した。ミキ達も
手伝おうとして、お父さんについていった。あの時はまだ
子供だったから、ミキ達だけで勝てるとは思わなかったよ。
それでも、少しでもお父さんの力になりたかった。ジックスは、
想像以上に強かった。ミキはすぐにぼろぼろにされたね。そこで
殺されそうになったミキを助けてくれたのは、マキ、あんただったよね。
ミキは怪我しただけで、大したことは何もできなかった。マキは
お父さんと二人で、ジックスと対等に戦ってた。そして、倒した。
たぶん、それが才能だとかいうくだらないことを、お父さんの頭の中に
植え付けちゃったんだろうね。」
「ミキ姉・・・。」
- 79 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:11
- 「悔しかったよ。マキに負けないように、寝る時間も、遊ぶ時間もなくして、
全てを犠牲にしてでも修行してた。けど、お父さんの目が変わることはなかった。
それがむかついた。だから殺した。それがもう、それだけじゃ足らなくなった。
全てが憎くなった。全てを滅ぼさないと、ミキの中の闇を取り除くことなんか
できないんだよ!」
ミキの叫びに、一瞬だけ部屋に沈黙が走る。
「(ミキ姉、可愛そうな人・・・。)」
マキは悲しそうな表情で、ミキのことを見つめていた。
「フフッ、そんな昔のことはどうでもいいよね。ところで、
ミッシング・リンクって知ってる?」
「・・・人類の進化の過程における、謎の空白部分を表す言葉・・・ですね?」
少ししてから、アサミがミキに答えた。
- 80 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:12
- 「へ〜、頭いいね。その通りだよ。例えて言うなら、人間が猿から
人に進化した過程には何が起こったのか、ってな感じでね。」
「・・・何が言いたいの?」
マキは少し難しそうな顔をして、ミキに聞いた。
「その研究をしていたんだよ。その名をハロープロジェクト、最強の
強さだけを手に入れるために、魔物達の革命を行ったのさ。アヤとミキ、
それに、科学者を超える知能を持つメグミとアユミによってね。そこで
でき上がったたのが、あのメロン・アニバーサリー・ウィルスだった。
んで、それともう一つできたのがあって、前者の作用は潜在能力の覚醒。
そして、もう一つは・・・。」
「ま、まさか・・・。」
アサミは震える声で口に出す。
- 81 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:14
- 「自然の摂理を、打ち砕いたのですね・・・?」
「あなた、本当に頭いいのね。そう、強化させたんじゃない。
進化させたんだよ。ウィルスによってね。そこでできた魔物の
部隊なのがこいつら、ジックスの改良版、ベリーズだよ。
魔物の最終段階って言っても、過言じゃないほどまで進化を遂げた。
さらに、アユミ達の手によって増幅させることにも成功した。
その反動のせいか、こいつらは本能のままに生きるように
なっちゃったからね、言うことを聞かせるのに苦労したよ。」
「・・・神をも恐れぬ行為ですね。」
「少し勘違いしてない?オロチっていうのは、元々は全ての
森羅万象における、神そのものだったんだよ。けど、あまりにも
力が強すぎたために、その力を恐れた大天使達によって、魔界に
封印されたんだ。今となっては俗にいう、破壊神ってやつだね。」
ミキは笑いながら答えた。
- 82 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:15
- 「話しが反れたね。そういえば、そのウィルスはミキとアヤも使ったんだ。」
「!?」
この言葉には、全員の顔が恐怖に青ざめた。
最強になるまでの進化を遂げるウィルス、それを世界を破滅に招こうとした
強大な力を誇るアヤが使ったのだというのだ。
その力があのオロチに反映すること、それがどれだけ恐ろしいことなのか、
聞いただけで全員が身震いをした。
その上に、目の前にいるミキまでもが、ウィルスによって尋常じゃない力を手にしている。
「なるほどね、それであれだけの強さを手にしたんだね・・・。」
マキは小さな声で呟いた。
- 83 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:16
- 「そうだけど、力を限界まで使える分だけ力の制御を行う必要が
あった。そこで、アヤが作った魔の部屋で修行したことにより、
今では潜在能力を自由自在に引き出せるようになった。マキ、
二度とあんたなんかに負けないためにね。」
「・・・。」
「でも、ミキがあんたの相手をする必要はもうない。どうしても
やりたいって言うんだったら、まずはこいつらを倒してみなよ。
頼りになるお仲間さん達と一緒にね。まぁ、勝負は見えてるけどね。」
ミキは顔をにやつかせてマキ達に言った。
「本気でやりなよ。昔と大して変わってないように見えるけど、
力は比べ物にならないほど強くなってるらしいからね。ついでに言えば、
こいつらはあんた達の戦闘データを把握している。勝てるとは
思ってないけど、まぁ、がんばってね〜♪」
- 84 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:17
- 以前に世界の大半を破壊し、誰も手が出せないほどの力を持っていたジックス、
それをはるかに超える強さを持つベリーズ、さらには、その数が十五体もあるために、
仲間達は体を震わせて自信のない表情をしていた。
そこで、
「やるしかないんだろ!だったらやってやるよ!」
「そうよ!私達が絶対に世界を守ってみせるんだから!」
ヒトミとリカが、力強く言い放って前に出る。
それを見た他の仲間達は、気を持ち直して武器を構える。
だが、ヒトミとリカが飛び出すより先に、マキが前に出ていった。
「みんな、ここは私がやるよ。」
「マキッ!?」
「そんなの無理やわ!」
マキは笑顔で仲間達を振り向いた。
- 85 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:18
- 「リカ、マリ、それにみんな、本当にありがとう。みんなのおかげで、
私はほとんど力を使わずにここまでこれたんだよ。」
「マキ・・・。」
「みんな戦って、疲れたり怪我したりしてるでしょ?それにさ、
みんなが私を信じてここまで連れてきてくれたんだ。今度は、
私がその期待に答える番だよ。」
マキは前を向いて進んでいく。
「マキ・・・。」
「ヒトミ、大丈夫だよ。マキはすっごく強いんだからさ。」
マキに近づこうとするヒトミを、リカが優しく引き止めた。
「・・・リカ?」
「信じようよ・・・マキのことを。」
少しの間リカのことを見つめていたヒトミは、その場で立ち止まって
マキを見守ることにした。
- 86 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:19
- 「何、お仲間達に見捨てられちゃったわけ?」
「私一人で十分だよ。」
マキは、ミキの挑発に乗らずに剣を構える。
「(お願い、私に力を貸して!みんなの想いに答えたいの!)」
剣が真希の気持ちに共鳴して光りだす。
「みんなの想いが集った力、見せてあげるよ。」
「あっそ。でもね、ミキは言ったよ。これから始まるのはゲームだってね。」
そう言って、ミキがまた上に手を向ける。
次の瞬間、
「えっ!?」
「何が・・・起きてるの・・・?」
突然、マキの周りにいた仲間達が消えていく。
それと同時に、ミキの前にいたベリーズも同じ数だけ消えていった。
- 87 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:20
- 「・・・ミキ姉、何したの?」
「ツンクの城での戦い、覚えてる?」
睨みつけているマキを面白そうに見ながら、ミキは聞き返した。
「あれと原理は同じよ。一対一で戦って、勝った者だけがここに戻ってこれる。
あんたのお仲間達とベリーズは、ミキの用意した部屋で戦ってるんだよ。」
「そっか・・・安心したよ。死んだわけじゃないんだね。」
「何ばかなことを言ってるの?あんたはここで死ぬんだから、関係ないじゃない。」
ミキは後ろを向いて歩いていき、また壁に寄り掛かる。
「さって、誰からいく?エリカ?それともユリナから・・・。」
「誰でもいいから、さっさとかかってきなよ。」
ミキが指示しようとしたところで、マキがそう口に出した。
「私を、私達をなめないでよ。ミキ姉。」
「ふ〜ん。じゃあ、エリカからでいいや。いきなっ!」
ミキの合図と共に、エリカと呼ばれる魔物がマキに襲い掛かった。
- 88 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:20
- 交信しました〜。
- 89 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:23
- >めかりさん
ここにきてやっと全員集合です。
ここまで長かった〜w
ミキもここからが出番・・・のはずです(汗)
>151さん
大所帯・・・同感ですw
いつの間にかこんなに集まっちゃって、
どうしたらいいものでしょうか・・・(汗)
亀ちゃんショート、思った以上に似合っていて
かなり萌えでした(笑)
- 90 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:26
- >七誌さんデスさん
大波乱です!
に、なるのかな・・・?
それだと混乱するので、ちょいと捻ってみました♪
>マコさん
商品は・・・まぁ、それは置いといて(爆)
やってきましたベリ工です!
ゲームは無理でしょうね〜。
至るところから著作権発動されますよ(汗)
- 91 名前:konkon 投稿日:2005/02/03(木) 21:27
- >MSさん
けっこうこの方を待っておられた方が多いようでw
ミキは〜、どうしよっかな〜(マテ
たぶん危険信号発動されます(謎)
すいませんけど、ゆっくりとお待ちください・・・。
- 92 名前:スペード 投稿日:2005/02/03(木) 23:28
- 更新お疲れさまです。
いよいよクライマックスですな。
それぞれの戦い楽しみです。
- 93 名前:MS 投稿日:2005/02/04(金) 00:29
- 更新おつかれいな。
ミキ戦はしばらくおわづけですか・・・。
きながに待ってます。
全員無事に戻ってきて欲しいです。
次の更新お待ちしております。
- 94 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/04(金) 22:24
- 更新おつかれいな〜^^
アサミってやっぱあったまイイ〜♪
みんなは大丈夫かな・・・。
みんなの無事を祈ってます。
- 95 名前:マコ 投稿日:2005/02/05(土) 12:35
- お疲れ様です。
うわっ いいところで(死)
なんか テレビのアニメみたいに楽しみになっています。
がんばってください。
ps
こんどから 予告をつけてくだ(rey)
冗談です。
- 96 名前:151 投稿日:2005/02/05(土) 13:39
- 更新おつかれいな。
とんでもない研究が進んでいたんですね!
アポカリプス?w
ようやくミキが出てきたと思ったら
ゴールは見えてからが長いようで・・・。
- 97 名前:雨 投稿日:2005/02/05(土) 19:04
- テストが終わったから来てみれば、凄い更新されてる!
しかもかなりの濃密さで。
こりゃ本腰いれないとw(何様だ)
次回、楽しみに待ってます。
- 98 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:05
- 「うわっ!」
マリは魔物に弾き飛ばされて、地面に倒れ込んだ。
「どうしたの〜?アイリはまだまだいけるのに、もう終わり?」
「ざけんなっ!おいらだって、まだまだいけるぜっ!」
マリは起き上がると同時に、アイリに飛び込んだ。
マリは、アイリの二本の刀と火花を散らし合う。
「(なんなんだ・・・こいつは?)」
マリは戦いながらそう思っていた。
アイリの戦い方に、どこか違和感を感じていた。
アイリと会ったことはもちろんない。
だが、過去に戦ったことがある、そんな感覚がマリを混乱させていた。
- 99 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:06
- 「(この剣技、どっかで・・・でも、こいつじゃない・・・。)」
「それそれそれっ!」
アイリが力でマリを押し始める。
「このっ、調子に、のってんじゃねぇっ!」
マリは地面に刀を突き刺して、爆炎陣を放つ。
アイリは二本の刀で防御するが、大きく吹き飛ばされた。
「いったいな〜、もう・・・怒ったよ。」
アイリが刀を持ちながら両手を横に広げると、激しい戦闘によって地面や壁が
砕けてできた岩が、次々と浮かび上がっていく。
そして、それをマリに向けて放っていく。
- 100 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:08
- 「すごいね〜。そんなことまでわかっちゃったんだ。アイリはね、
敵が強いと認めた魔物の力を使うことができるんだ〜。だからさ、
こんなこともできちゃうんだよ。」
アイリが次々と刀を振るっていく。
すると、刀を振るうたびに真空波が出来上がってマリを襲う。
「ちっ、今度はレイナかよ。やっかいだな・・・。」
レイナが相手だと、勝率はほとんど五分五分だ。
そう思いながら、マリは真空波を避けていた。
- 101 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:08
-
キンッ!キンッ!キンッ!
何もない部屋で、剣の重なり合う音が聞こえてくる。
何もないわけではない。
現に、ここでは二人の戦士達が戦っているのだから。
だが、二人の戦っているスピードが速すぎるために、その部屋には何も
ないようにしか映らなかった。
少しして、アイがスピードを緩めて地面に降り立った。
それと同時に、アイの目線に魔物の姿が現れる。
- 102 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:09
- 「お前、めっちゃ速いわな〜。うちのスピードについてこれるなんて、
敵ながら大したもんやわ。名前はなんていうんや?」
「私の名はマイミ。ミキの命令により、あなた達を殺す。」
「なんや、本能で生きてるゆうから好き勝手やっとるんかと思っとったが、
ちゃんと命令聞いとるやつもいるんやな。」
「私の属性は忍者。上の存在には忠実に生きる。それが私の生きがいだ。」
「ほ〜う、うちも忍者なんやよ。同じやわ。」
「でも、私の方が強い。」
「そんなの、やってみなけりゃわからんわ!」
そう言って、また二人は超スピードで剣を重ね合う。
「ハッ!」
マイミがいくつものクナイをアイに向けて放つ。
- 103 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:10
- 「残影剣!」
アイは、一瞬で全てのクナイを叩き落す。
「もらった!」
「!?」
アイがクナイに目がいっている隙に、マイミはアイの背後まで動いていた。
マイミがアイの体を斬りつけた瞬間、アイの姿が消えていく。
「えっ・・・?」
「電影足、お前が斬ったのは残像や。甘いんやよ!」
アイがマイミのすぐ目の前に現れ、マイミの体を突き刺した。
すると、マイミの体が影となってアイの体を縛り付ける。
「これは・・・影縛りの術!?」
「甘かったのは、あなたの方みたいね。」
アイの少し先に、マイミの姿が現れる。
- 104 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:10
- 「これで決める。豪火炎の術。」
マイミがアイに手を向けた瞬間、アイの体が炎の渦に飲み込まれていく。
だが、マイミの表情は変わらない。
まだアイを倒していない、そう本能で感じ取っていたからだ。
「今のは危なかったわ〜。」
その声は、マイミの後ろから聞こえてきた。
マイミが振り向くと、そこには笑っているアイの姿があった。
「・・・どうやって抜け出したの?」
「影飛びの術。影に縛られとるんやから、どうせやから影の中を
移動したんやよ。そんで、お前の影まで移動したんや。」
アイは軽く首を振り回し、マイミを見据える。
「第二ラウンド、いくでっ!」
「・・・望むところよ。私は負けない。」
再び、超高速による激突が始まった。
- 105 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:11
- 「せいっ!」
「ハァッ!」
数本の糸と二本の鞭が重なり合う。
糸を弾いた鞭が、異様な曲がり方をしてケイを襲う。
「ちっ!」
首を振って間一髪で避けたケイは、鞭を気にしながら大きく横に飛んで間を空ける。
「マアサっていったね。なかなか鞭の扱いがうまいもんだね。」
「あなたこそ、私のこの甲殻鞭と対等にやり合うだなんて、
想像以上にやるようですわね。」
マアサは口元に笑みを浮かべ、持っている二本の鞭を弄ぶ。
マアサの鞭にはいくつもの棘がついていて、一度でも体に巻きついたりでもしたら、
体中から血が噴出すだろう。
- 106 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:12
- それを糸で弾いて避け続けられるのは、ケイの弦術ならではのことだ。
逆に言えば、ケイの糸と互角にやりあっているマアサの鞭術も、
超一流といっても過言ではなかった。
「でも、私は負けられないんだ。武人流弦術、二十二式、鳳仙花。」
ケイが腕をマアサに向けると、予めケイが地面にばら撒いていた糸が針と化して、
あらゆる方向からマアサに向かって飛んでいく。
「守の巻、拾二項の六、渦潮の陣。」
すると、マアサの二つの鞭がマアサを軸にして回転し、竜巻を発生させる。
それは、マアサが動かしているのではなく、鞭が自動で動いていた。
「(鞭が独りでに・・・?)」
「この甲殻鞭は、私の意志に同調して動くのですのよ。こんな感じでね。」
全ての糸を弾き飛ばすと、マアサはケイに鞭の柄を向ける。
- 107 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:12
- 「攻の巻、拾五項の拾弐、大蛇の突。」
甲殻鞭の鋭く尖った先端が突き上がり、上からすごいスピードでケイに向かっていく。
「三十二式、羅閃。」
ケイが腕を突き、五本の糸が交じり合って甲殻鞭に向かっていく。
「言いましたわよ。甲殻鞭はマアサの意思で動くってね!」
甲殻鞭と糸がぶつかる瞬間、甲殻鞭が軌道をずらして糸を避けた。
「なっ・・・。」
甲殻鞭はさらに曲がりくねり、ケイの肩を斬りつけた。
ケイの肩から、血が滲み出ていく。
「やるわね・・・だけど、あんたも一つ勘違いしているようね。」
ケイが羅閃を放った方の指を折り曲げる。
直後に、羅閃が向きを変えてマアサに急降下していく。
- 108 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:13
- 「うそっ!?」
マアサは避けきれずに、羅閃が脇腹あたりを掠める。
羅閃の凄まじい威力によって、マアサの脇腹からは血が滴り落ちている。
「あんたの鞭が生きているように、私のドゥイットも生きているのさ。
それも、かなりの暴れん坊なんでね。簡単にはやられないよ。」
「・・・面白いですわね。では、私の甲殻鞭とあなたの糸、どちらが
武器の扱いが上か、勝負しましょうか。」
「どっちが上だと思う?」
「決まっていますわ。」
マアサはケイの顔を見据え、甲殻鞭を握り直す。
「もちろん、強い方です。それこそが、私がここまで生き抜いてきたことを
証明する真理ですわ。」
「真理とは大袈裟な言い回しだけど、間違ってはいないね。」
ケイは口元の笑みを消し去って、目を細める。
「じゃあ、あんたと私、どっちが強いと思う?」
- 109 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:14
- 交信交信〜♪
- 110 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:17
- >スペードさん
もうそろそろクライマックスになる・・・はずです。
まぁ、なぜかどんどんネタが増えていく一方で、
なかなか前に進まないという(汗)
あと数ヶ月で終わらせます!
>MSさん
申し訳ないっす・・・m(_ _)m
予定ではミキ編はもう少し先ですね〜。
予定通りにいけば・・・。
まあ、気長に行きましょうw
- 111 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:20
- >七誌さんデスさん
アサミの知能は国宝級ですからw
本当にもうこの子はすごい子になるんです?
する予定です(笑)
この小説のキーですから♪
>マコさん
そう言っていただけると嬉しいんですけど、
今さら予告編・・・考えときます。
やるべきか一時期悩んだんですけど、今からでは
ちょっと遅いのでは、って感じですけど時間を下さい(汗)
- 112 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:23
- >151さん
アポカリプス・・・?
まぁ、研究者も必要かな〜ってw
先は短いようで長いんですよね〜。
っつか長くなってるんですけどね(爆)
>雨さん
テスト、お疲れさまでした。
濃厚な味が一番ですからね(謎)
本腰上等!気合入れて読んでくださいませ・・・。
- 113 名前:konkon 投稿日:2005/02/06(日) 23:25
- とんでもないミスが発覚しました・・・
99と100の間に、この文章を入れてくださいm(_ _)m
「(この力はっ!?まさか、こいつ・・・。)」
マリは、飛んできた岩を爆発で砕いていく。
岩を砕け散らすと、マリはアイリを見据える。
「やっとわかったぜ。お前の能力、それはおいらが見たり、
戦ったことのある魔物の力を、コピーすることだな?」
「お〜、正解だよ。頭いいね。」
アイリはわざと驚いたような表情を見せる。
「さっきまではミウナ、んでもって、テレキネシスはマイの力だったな。
どうりで、どっかで見たことあるわけだぜ。」
マリは軽く舌打ちをして、アイリを見据える。
- 114 名前:MS 投稿日:2005/02/07(月) 15:32
- 更新おつかれいな。
konkonさん、それくらいのミスはドンマイです!
更新してくれただけでもありがたいと思ってます。
やはり最後の魔物たちだけあって強いですね。
みんな頑張ってほしいです。
次の更新お待ちしております。
- 115 名前:151 投稿日:2005/02/07(月) 19:08
- 更新おつかれいな。
続々と始まってますね〜。
こういう連中だったとは意外です。
アポカリプスってのはバイオハザード
映画版第2段のサブタイトルですw
- 116 名前:雨 投稿日:2005/02/08(火) 16:26
- 更新おつかれいな。
さすがに最後ら辺の敵だけあってなかなかやりますね。
でもここまで来た彼女らなら無問題ですかね。
次回もお待ちしております。
- 117 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/08(火) 19:46
- 同じくおつかれいな〜^^
おお!ついに始まりましたね〜。
皆なら大丈夫ですよ!がんばれ〜
- 118 名前:マコ 投稿日:2005/02/09(水) 21:10
- 面白いです。
最高に面白いです。
いや 最後の最後まで 目がはなせませんね。
がんばってください。
- 119 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 02:58
- 「(なんなんや・・・この異様な気は・・・。)」
「やらないの?ミヤビは別にいつでもいいけど。」
アイボンとミヤビは、まだ一歩も動いていなかった。
対戦相手となるミヤビは、エリとは違う、どこか異質な力を
持っていると、アイボンは本能で感じ取っていた。
アイボンは、警戒しながらどう動こうか迷っていた。
だが、アイボンとは逆にミヤビはつまらなそうに、地面に座り込んでいる。
「めんどくさい。さっさと終わらそ。」
ミヤビは立ち上がると、懐から二本のナイフを取り出した。
それを見て、アイボンは武器を構え直す。
- 120 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:01
- だが、
ブシュッ!
「なっ!?」
ミヤビは二本のナイフを真上に投げ飛ばし、落ちてきたところを
掴まなかったに、ミヤビの両掌に突き刺さったのだ。
ミヤビの手の甲からは、止めどなく血が流れている。
「なんや・・・失敗か?」
「違うよ。これがミヤビの能力、ブラッド・コントロールだよ。」
ミヤビが手を横に振るった。
距離があるものの、アイボンは反射的にしゃがみ込んだ。
その時、何かがアイボンの髪の毛を掠めた。
- 121 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:01
- 後ろを振り返ると、壁に何かで斬られたような跡が、横に大きくついていた。
少し遅れて、アイボンの髪の毛が数本地面に落ちていった。
「もしかして・・・今の血でやったのか?」
「そう、ミヤビの力は血を操るの。こんな感じでね。」
見ると、血がカッター状となってミヤビの手に収まっている。
「ウォーターカッターと同じ原理か。でもな、うちの仲間にだって、
水を操れるやつがおるで。」
「確かに、水と血は同じ液体だよ。でも、血は生物の体内で作り出されるの。
それはミヤビが生み出したということ。水との最大の相違点、血は生きている。」
ミヤビの手から、いくつもの血滴が浮かび上がり、アイボンに向かって飛んでいく。
「おわっ!」
アイボンは素早い動きでそれを避けていく。
アイボンの後ろの壁には、いくつもの血の塊がめり込んでいた。
- 122 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:02
- 「ブラッディ・ガン。これで終わりよ。」
「(まるで弾丸やな・・・一発でも喰らったら終わりや。)」
ミヤビは一呼吸つくと、さらに血を異形の形に変えていった。
その形は、サッカーボール程度の大きさの、でこぼこした血の塊だった。
「ブラッディ・スプレッドガン。」
ミヤビが血の塊を投げつける。
アイボンは、血の塊を避けようと横に飛んだ。
次の瞬間、
パーンッ!
血の塊が割れて、辺り一面に血の弾丸が弾け飛んだ。
- 123 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:03
- 「うわっ!」
さすがのアイボンもそこまでは予測できず、いくつかの弾が体を傷つけた。
ミヤビほどではないが、アイボンの体からも血が垂れていく。
「血はミヤビの一部、ミヤビの意思で自由自在に操れる。」
「くっ・・・随分と身を削った戦い方やな。貧血になるで?」
「その必要はない。」
そう言って、ミヤビは後ろを向いて自分の背中をアイボンに見せる。
そこには、巨大な心臓のようなものがミヤビの背中に張り付いていた。
「造血生物、血種。ミヤビの体は、通常の数十倍の速さで血液が作られる。
ミヤビの血が尽きるより先に、あんたの血を全て抜き取ってあげるよ。」
ミヤビは手に血を集め、自分の身長ほどの長刀を作り上げる。
「ブラッディ・ソード。いくよ。」
「くそっ!やるだけっやたるわい!」
アイボンは、今までの経験からどの技が一番適しているのかを考え出し、
ミヤビに向かって飛び出していった。
- 124 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:04
- 「うぉぉっ!」
ノゾミが大きく拳を振るう。
「当たらないよ。」
だが、それは魔物に避けられてしまい、逆にカウンターで殴り飛ばされる。
「ぐっ・・・。」
「さっきから言ってるじゃん。このチサトにはあんたの動きが丸見えだってさ。」
倒れて蹲ってるノゾミを見て、チサトは鼻で笑う。
ノゾミの体には、いくつもの殴られた痣ができていた。
「百獣擬態、速猿擬!」
ノゾミは立ち上がると、チサトに飛び掛かる。
超スピードで飛び周り、チサトをかく乱していく。
しかし、チサトは全くノゾミに反応しようとしない。
- 125 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:05
- 「こっのーっ!」
ノゾミがチサトの背後に回って飛び蹴りを放つ。
チサトは後ろを振り返ることなく、軽々と横に避ける。
「(なら、フェイントかけてから蹴り飛ばしてやるっ!)」
「・・・なるほどね。」
「百獣擬態、剛熊擬!」
ノゾミは豪腕をチサトの目の前で振り切ると、反転して回し蹴りを放つ。
チサトはそれすらも簡単に避けると、ノゾミの腹に掌低を打ち込んだ。
「ぐっ・・・。」
「出直してきな。」
チサトはその場で回転し、遠心力を使ってノゾミの顔を蹴り飛ばす。
ノゾミは再び地面に倒れ込んで、荒い息を吐き出した。
- 126 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:06
- 「な、何れノノの攻撃が・・・当たらないの・・・?」
「まだわかんないの?頭の悪いあんたでもわかるように、簡単に教えてあげる。
私は人の心が読めるのよ。だから、あんたの動きは丸わかりだってことよ。」
「ノノの・・・動きが読める・・・。」
「わかった?でも、簡単には殺さない。腕を引きちぎって、足を?いで、
内臓がぐちゃぐちゃになるまで甚振って殺してあげる。フフフフフッ。」
チサトは、冷たい笑みをしてノゾミを見つめる。
「それこそが私の楽しみなの。だからこそミキに従っている。早く人間を
殺したくて仕方ないのよ。甚振って絶望する顔、あれほど面白いものはないわ。」
「お前なんかに・・・やられるかーっ!」
ノゾミがチサトに突っ込んだ。
- 127 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:07
- 「無駄だって言ってるのに。早く絶望しなさいよ。」
チサトがノゾミの思考を読んで、タイミングよく拳を振り上げる。
その時、
ガッ!
「わっ!」
ノゾミが地面に躓いて、バランスを崩して前に倒れ込んだのだ。
「えっ・・・?」
全く予期できなかったチサトの拳は、ノゾミの頭を掠めて終わった。
「っと、いっけーっ!」
ノゾミがチサトに頭から突っ込んで、大きく吹き飛ばす。
チサトは腹を押さえながら地面に降り立つ。
- 128 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:08
- 「あれ?ノノは今・・・そっか!心を読まれなければいいのれすね!」
「フン、偶然が起きたから読めなかっただけでしょう。
偶然は、二度も続けて起きないわよ。」
「ノノがわかったていうのは、心が読まれてもわからなければ
いいということれすよ。"あれ"ならばいけるのれす・・・。」
ノゾミは静かに擬態を解く。
「これらけは使いたくなかった・・・。使う気はなかったのれす。れも、
お前みたいなやつには、絶対に負けられない。らから、これれ終わりれす!」
ノゾミの周りから、異様な気が流れていく。
ノゾミ特有の和やかな雰囲気が、徐々に消えていく。
それを察したチサトは、訝しげな表情をしてノゾミを見ている。
「何・・・?」
「百獣擬態・・・。」
- 129 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:09
- 交信しました。
- 130 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:12
- >MSさん
そう言っていただけるとありがたいです。
なぜか一レス分だけ飛ばしてしまったようです・・・。
そうですね〜。
みんなが帰ってこれるようにしたいもんです(謎)
>151さん
やはり今回も自分の設定からずれまくって
こうなっちゃいましたw
自分でも以外だと思ってます(汗)
アポカリプス、自分はある漫画のキャラを
思い出しましたね〜♪
- 131 名前:konkon 投稿日:2005/02/11(金) 03:15
- >雨さん
ん〜、どうでしょうね〜。
今までに書ききれなかったそれぞれの想いを
ここで出してみたいと思います。
無問題・・・それなりには強いものかと・・・(汗)
>七誌さんデスさん
始まりました〜!
当初はなかったはずのゲームですw
いつの間にか出来上がってました♪
>マコさん
ありがとうございます。
最後まで目を離させない、そんな小説に
できればいいんですけどね・・・。
- 132 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/11(金) 11:07
- リアルタイムだ〜^^更新おつかれいな〜
お、ノゾミの必殺技でるか!?
作者さんも最初予定になかったのに
こんなにすばらしいのができるなんてすごいです!
- 133 名前:MS 投稿日:2005/02/11(金) 14:14
- 更新おつかれいな!
血液を操ったり、心を読んだりと、
さらに強い魔物が現れましたね。
ノノの新必殺技・・・どんなのだろう?
次の更新お待ちしております。
- 134 名前:雨 投稿日:2005/02/12(土) 01:08
- 更新お疲れ様です。
敵の能力も特殊なものが増え、手に汗握る攻防に
ハラドキ(ハラハラドキドキ)です。
次回の皆さんの奮闘に期待しております。
- 135 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/12(土) 01:56
- 更新おつかれさまです。
ミヤビの能力、某漫画に出てくるシルクハットのイケテル人の能力ですよね。
読んでいて、こういうのを見つけると、更に面白くなりますね。
- 136 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/12(土) 02:42
- 切り際が巧いですね
続きが気になるところで引っ張ってらっしゃる
気になってしょうがないです
- 137 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/12(土) 15:33
- 旅行気分のQVGA待画満載!!
http://www.i-rank.info/
- 138 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:02
- 「ハァァァァッ!」
「うぉぉぉぉっ!」
目に見えないほどの速さで、槍と棍棒の激しい打ち合いが部屋に響き渡っている。
「あんた、やるじゃないのよ。」
「そういうあんたも、このマイとやりあえるなんてね。」
リカとマイは、先ほどからずっと打ち合いを続けている。
リカは、銀を変化させてマイを急襲しようとしているのだが、
マイの棍棒を防ぐので精一杯だった。
マイもリカの槍捌きについていくのがやっとで、お互いに決定打を狙えずにいた。
マイがリカの顔を狙って、棍棒を突き出した。
- 139 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:03
- 「(ここだっ!)」
リカは槍を振り上げて棍棒を弾くと同時に、銀を空中で分離させて
三本の槍を作り上げる。
「いっけーっ!」
リカの声で、三本の槍が一斉に、三方向に分かれてマイに向かっていく。
「フン、こんなものっ!」
マイが棍棒を振り払った瞬間、
ガガガッ!
マイの棍棒が分裂し、いや、多節棍のように無数に分離して、
それを振り回してリカの銀を叩き落したのだ。
- 140 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:04
- 「なっ!?」
「これはただの棍棒ではない。死を招く武器、羅節混。その名の通り、
阿修羅のようにいくつもの死角から攻められるんだよ。」
そう言って、マイが羅節混を振り回す。
リカが咄嗟に横に避ける。
次の瞬間、リカのいた辺りの地面が粉々に砕け散っていった。
「(速い・・・。)」
「これで決めてやるっ!豪鬼・阿修羅掌!」
マイが勢いよく羅節混を振り回し、目で追えない程のスピードで、
羅節混があらゆる方向からリカを襲う。
- 141 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:04
- 「くっ、ぅぅ・・・。」
リカはいくつもの盾を作って防いでいくが、全ては防御しきれずに、
一節の混がリカの頭を打ち飛ばした。
「いたっ・・・。」
立ち上がったリカの額からは、血が垂れ流れている。
「まだ立つのか。もしこのまま何もしなければ、苦しまずに一撃で
殺してやる。それでも、まだ私とやり合うのか?」
「それはどうも。でもね、生憎だけどこんなの痛いうちに入らないわよ。
みんなががんばってるんだ。私だって負けられないのよっ!」
リカは腕で血を拭うと、銀の形を変え始めた。
- 142 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:09
- 「フレイムボール!」
カオリが炎の塊を魔物に向けて放つ。
「そんなものっ、このマイハ様に効くものかっ!」
マイハが剣を振り切ると、フレイムボールがかき消されていった。
もう一度マイハが剣を振るうと、剣から炎の塊が作り出され、
カオリに向かって飛んでいく。
「(またか・・・。)」
カオリは一度大きく息を吐き出して、フレイムボールで相殺する。
「何か、マコトと戦ってるみたいで落ち着かないや。」
「マコト?あの魔法剣士のことか。フン、このマイハ様とあんなやつを
一緒にするなよ。私の方が断然強いのだからな。」
カオリの言葉に、マイハは胸を張って否定する。
- 143 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:10
- 「いいや、絶対マコトの方が強い。何を根拠にそんなことが言えるのよ?」
「それは、この戦いで見せてやるよ。マイハ様の力をなっ!」
マイハは姿勢を低くして、カオリに向かって走り出す。
「これならどうだっ!メテオ・フレイム!」
カオリは、一気に五つものフレイムボールを解き放つ。
「(魔法剣士の弱点は、一つづつしか魔法を吸収できないこと。
これで終わり・・・。)」
「無駄だっ!」
マイハは、一つ目のフレイムボールを剣で吸収する。
ここまでは、カオリの計算通りだった。
- 144 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:12
- だが、
「うそ・・・。」
カオリの予想が裏切られ、マイハは二つ目、三つ目とフレイムボールを
次々と吸収し、ついには五つ全部吸収してしまった。
「わかったか?魔法剣士を越えた力を持つ、このマイハ様こそが
この世で最強の剣士なんだよっ!」
マイハが大きく剣を振り切った。
すると、剣からメテオ・フレイム分の超巨大な炎の塊が生み出され、
カオリに向けて墜とされる。
「くっ、フレア・ボムズ!」
カオリも巨大な炎の塊を放って相殺しようとしたが、相手の力の方が
上であったために、かき消しきれなかった炎を体に浴びてしまう。
- 145 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:12
- 「うわーっ!」
「フフフフフッ、キャハハハハッ!」
炎を浴びて蹲っているカオリを見て、マイハは大声で笑い出した。
「うぅ、エアー・シューター!」
カオリは自分に強力な風を巻き起こして、炎をかき消した。
「お前程度の力で、マイハ様に勝てると思うのが間違いなんだよ。」
「・・・いちいちうるさいやつだね。その間違いを真実に変えてあげるよ。
魔道士の、私の本当の力を見せてやる。」
- 146 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:13
- 「くそっ!」
ヒトミが魔物を斬りつける。
「無駄だよ。」
ヒトミが斬りつけた魔物は消え失せる。
だが、前には同じ顔、同じ体をした魔物がまだ五体も立っていた。
さらに、そのうちの一体が増殖を始めて、また一体増える。
計六体の魔物が、ヒトミと対峙していた。
「まだまだだね。メグはもっとたくさんいるよ。」
「このっ、何体ぶっ倒せばいいんだ・・・。」
ヒトミは荒い息を整えて、前に立っているメグミ達を睨みつける。
- 147 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:13
- 先ほどから、ヒトミは何体ものメグミを倒している。
時にはレールガンで、時にはレールソードで斬り倒すも、すぐにどれかの
メグミが増殖を繰り出し、六体まで増えてしまう。
ヒトミが思っていたほど、メグミは強いわけではない。
だが、数が数だけに、しかも増えてしまう敵にヒトミは悪戦苦闘していた。
「これがメグの能力、アナザー・マイセルフだよ。六体まで分身を作れるんだ。」
「ちっ、ドッペルゲンガーってのは、見たら死ぬもんだぜ・・・。」
ヒトミは自分の言ったことに苦笑し、向かってくるメグミに対して指を構える。
「うっぉぉぉっ!」
ヒトミは一気に三連発でレールガンを放つ。
- 148 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:17
- それら全てが、それぞれのメグミの急所に当たっていく。
だが、残った三体が増殖を始める。
「マジかよ・・・。」
再び六体となったメグミを見て、ヒトミは大きなため息をついた。
「そろそろ死んでよ。」
六体のメグミが、ヒトミの周りから次々と襲っていく。
メグミの武器はナイフ、ヒトミの場合は胴体と頭だけを守っていれば
致命傷にはならないが、あらゆる方向から襲われているために、
ザシュッ!
「っつ・・・。」
背後から迫ってきたメグミに、浅くだが背中を斬られたようだ。
- 149 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:19
- 「こいつっ!」
斬りつけてきたメグミを、ヒトミはレールソードで真っ二つに切り裂いた。
しかし、またもやメグミの姿が消えていき、前にいたメグミが分裂を起こす。
「マジかよ・・・。」
「フフフッ、メグの力は無敵だもん。あなたでは勝てないよ。」
「(ちっ、どれが本体だ・・・?いや、違う。どれも本体だ。
最初にいたメグミは、全員倒しているはず。なら、どうしたらいい?
必ず手はあるはずだ・・・。)」
「ねぇ、いい加減にあきらめたら?メグには勝てないんだって。」
「フン、悪いな。私はあきらめが悪いんでね。最後まで抵抗させてもらうぜ!」
- 150 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:20
- 交信しました〜。
- 151 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:24
- >七誌さんデスさん
ん〜、要はネタの消化ですかねw
当初はもう、一瞬でマキに殺されるつもりでしたが、
それではベリーズも報われないということでこうなりました。
>MSさん
強いキャラ続出です!
ノノはですね〜、ネタばれになるからいいませんけどw
とりあえずはすごいことをさせるつもりですね〜。
>雨さん
そうですね〜。
ちょっとづつじらしていこうかと(笑)
ハラドキな展開を狙っていきたいと思います!
- 152 名前:konkon 投稿日:2005/02/13(日) 19:28
- >135:名無飼育さん
その人の趣味が殺人だったら半分はたぶん合ってますw
もう半分は某漫画の血を操るキャラをいただきました〜。
面白いといっていただけるのが、何よりの幸せです♪
>136:名無飼育さん
まぁ、次へのお楽しみが増えればいいかなと思いまして、
切り際だけはうまいようです(爆)
本当は引っ張らないと次のネタを描けないと
いう理由もありまして・・・(汗)
- 153 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/13(日) 21:25
- リアルタイムだ〜^^おつかれいな〜^^
むむむ・・・皆強いですね・・・。
ヒトミ達もがんばれ〜
- 154 名前:MS 投稿日:2005/02/14(月) 14:57
- 更新おつかれいな。
この頃更新が早くてうれしいです。
みんな魔物達に苦戦してますね。
みんなが勝てるように応援してます(笑)
次の更新お待ちしております。
- 155 名前:雨 投稿日:2005/02/16(水) 21:53
- 更新お疲れ様です。
いや〜、敵もかなりやっかいですね。
その分勝ち方が気になって仕方ないです。
次回、お待ちしてます。
- 156 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:08
- 「グハッ!」
魔物に殴られて、マコトは地面を転がっていく。
「ぐっ、一体、何が起きているんだ・・・?」
今、マコトの周りを深い霧が包み込んでいる。
それだけなら、マコトにとっては大したことはない。
離れてしまうと敵を捉えることができないが、自分の間合いに
近づいてきたものに対しては、正確に対処できる力を持っている。
だが、マコトを戸惑わせているものはそれではない。
霧の中から、一つの影がマコトに近づいてくる。
マコトは口から出た血を拭って、影を見据える。
- 157 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:09
- 「面白いでしょう?このリサコの力は。」
霧の中から出てきた影、それは、今はチサトと戦っているはずの
ノゾミの姿だった。
口調や雰囲気は全く違う。
しかし、その姿形はまさしくノゾミだった。
「なぜだ?なぜ、お前がノノの姿をしているんだ?」
「言いましたよ。あなたは自らの強い想いによって、自らを
死地へと赴くんですよ。あなたの描く、想いを相手にね。」
「くっ、ふざけるなっ!」
マコトがノゾミの姿をしているリサコに、居合いを放つ。
それよりも先に、リサコはその場から姿を消した。
マコトは次にリサコが出てくるのを待ち、力を溜め込んでいく。
- 158 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:10
- 「問いましょう。あなたにとって最強の魔道士とは誰ですか?」
霧の中から、リサコの声が聞こえてきた。
「(さっきは最も力の強い者、今度は最強の魔道士か・・・。)」
それが誰なのかを思い出し、その直後にマコトは頭を振って、
今想ったことを忘れようとする。
「そうですか〜。私的にはサユミだと思ったんですけどね。」
突然、マコトの真横からリサコが飛び出してきた。
いや、その姿はリサコではなく、
「フリーズ・プレッシャー!」
「ちっ、今度はカオリかよ・・・。」
マコトに吹雪の魔法を放ってきたのはカオリだった。
マコトは剣に風を集めて、吹雪から身を守る。
吹雪が消えたと同時に、カオリの姿も霧に包まれる。
- 159 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:11
- 「問いましょう。あなたが守りたい笑顔を持つ人は、どのような人ですか?」
「(くそ、どうする・・・無だ。無にすれば・・・。)」
マコトは目を閉じて、心の中を空にした。
「無駄ですよ。」
今度は、マコトの背後から声がした。
マコトはすぐに剣を構える。
「守りたい人に剣を向けるんですか?サンライト・プレッシャー!」
マコトに魔法を放ってきた人物は、ナツミだった。
マコトは光の光線を避けると、剣を振りかぶる。
ナツミは、マコトの剣を見て怯えた表情をする。
「ぐっ・・・。」
ナツミの顔が目に入ったマコトは、振りかぶった剣を止めてしまう。
その隙に、ナツミがマコトの懐に飛び込んだ。
- 160 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:12
- 「クスッ、優しいんですね。途中で剣を止めるなんて。
ライトニング・レーザー。」
「ぐぬっ・・・。」
光のレーザーを剣で防御するが、その場から大きく吹き飛ばされた。
「問いましょう。あなたの好きな人は誰ですか?」
「好きな人・・・。」
マコトは荒い息をして、周りを気にしながら立ち上がる。
また背後から影が飛び込んできた。
そこを狙って、マコトは大きく剣を振るう。
「うわっ!」
マコトに飛び込んできたのは、何にも変化していないリサコだった。
リサコはすぐに霧の中に隠れる。
- 161 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:14
- 「つまらない人ですね〜。好きな人がいないなんて。」
「(やはりな・・・何も想わなければ、何も出ない。逆に、
最も強い想いが私の前に現れるのだ。ならば・・・。)」
「あなたに問いましょう。あなたにとって、最強の剣士とは
誰のことですか?」
その言葉のあとに、マコトの前から影が現れた。
「決まっている。私だ。」
マコトが影に向けて、大きく剣を振り下ろす。
「もらったっ!」
自分の姿を斬るのは嫌な気分だが、マコトは気にせずに勝利を確信した。
- 162 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:15
- その瞬間、
ドゴーンッ!
爆発が起こって、逆にマコトが吹き飛ばされた。
霧の中から出てきた影を見て、マコトは顔を強張らせる。
「私の"フェノメン・フェイズ"に隙はありませんよ。あなたの心の奥底にも
消すことのできない、強い想いがあったんですよ。その姿は・・・。」
「・・・まさか・・・。」
「そう、あなたが尊敬して已まない人物、マキ=ゴトウですよ。」
マコトの前に現れたのは、チサトが変化したマキの姿だった。
- 163 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:16
- 「ロック・バスター!」
「このっ、ライトニング・レーザー!」
巨大な岩の弾丸と、光のレーザーがぶつかり合う。
二つの技はお互いの力によって相殺され、ナツミと魔物は目を向け合う。
「くっ、強い・・・。」
「やるわね。でも、この岩操術のモモコ、ミキ様のためにも
絶対に負けるわけにはいかないんだ!ロック・マシンガン!」
モモコは、周りにある岩を次々と弾丸のように放っていく。
「コズミック・シールド!」
ナツミは両手を前に出して光の盾を作り上げ、向かってくる岩から身を防いでいく。
「ならば、アース・クエイク!」
モモコが地面を踏みつけた瞬間、部屋全体が大きく揺れだした。
- 164 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:17
- 「おわっ、たったたっ!」
地面が傾くほどの大きな揺れに、ナツミはバランスをとるのでやっとだった。
その間に、モモコは猛スピードでナツミの懐まで迫っていく。
「ロック・アウル!」
モモコは自分の右腕を岩で包み、それを錐状にしてナツミを突いていく。
「ぐっ、くぅぅ・・・。」
ナツミは攻撃することもできず、ただコズミックシールドで防ぐだけで精一杯だった。
攻めてくるモモコに、全く手の出しようがなかった。
それもそのはず、ナツミはメンバーの中で唯一の非戦闘戦士なのだから。
白魔道士とは、本来ならば仲間の回復や防御、援護射撃が仕事である。
そのために、一対一、特に接近戦の状況は最悪な状況といえるだろう。
ナツミの腕を、モモコの錐が掠めた。
- 165 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:18
- 「っつ・・・ハァッ、ハァッ・・・。」
ナツミは傷ついた腕を押さえながら、後ろに大きく跳んで回復しようとする。
「やらせない!スタラクタイト・プレス!」
ナツミが自身を回復させるよりも先に、モモコが地面に手をついた。
次の瞬間、ナツミの周りからいくつもの巨大な鍾乳石が突き出てきて、
ナツミを突き刺そうとしていく。
「こ、のっ、ホーリー・ストライク!」
ナツミは自分の周りに光の嵐を巻き起こし、鍾乳石を粉砕していく。
だが、
「ここまでだね。」
「うあっ!?・・・ぁ・・・。」
いつの間にか接近してきたモモコが、ナツミの腹に錐と化した右腕を突き刺したのだ。
- 166 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:19
- ナツミがホーリー・ストライクを巻き起こしている間に、
モモコは自ら光の嵐に飛び込んだのだ。
そして、左腕に岩の盾を作り上げ、ホーリー・ストライクを
防御しながら突き抜けたのだった。
ナツミの口と腹から、血が垂れ落ちていく。
「他の魔法を使っている間は、あの光の盾は使えないようね。
それがあなたの敗因よ。」
「フッ、フフ・・・ばれ、てたか・・・。でも、ね・・・。」
ナツミは、聞こえないほど小さな声で呟く。
「これ、を・・・待ってたんだよ。」
ナツミは体を震えさせながら、目の前にあるモモコの顔に腕を向ける。
- 167 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:20
- 「なっ!?」
「サ、サンライト・プレッシャー!」
光の光線が、モモコの顔を打ち飛ばした。
モモコは、大きく吹き飛んで地面に倒れ込んだ。
「ハァッ、ハァッ、接近戦では勝てないとはいえ、あんな無茶は
するもんじゃないね・・・。」
ナツミは穴の空いた腹を治しながら、自分の言ったことに苦笑いをした。
「なる、ほどね・・・。」
モモコがムクッと体を起こす。
顔の至るところから血を流し、それでも闘志を消さずに立ち上がる。
- 168 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:20
- 「私は、負けられないんだ・・・ミキ様の計画の妨げとなる、
あなた達をここから先に行かせるわけには、いかない・・・。」
「・・・ねぇ、一つ聞いてもいいかな?」
ナツミは、モモコの眼を見据えて聞いた。
「何で、あなたはそこまでしてミキ達を守りたいの?それが命令だから?」
「命令など、関係ない。私が生み出された時、アヤ様は笑いながら
"面白いおもちゃができたね"、と言っていた。マサエやメグミは、
私達を"道具"だと言っていた。他の魔物達も、同じような目で私達を
見ていた。別にそれでも私は構わなかった。ただ、命令のままに
動けばいいと思っていた。だが・・・ミキ様だけは違っていた。」
モモコの言葉の後に、周りの岩が震えていく。
- 169 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:21
- 「ミキ様は、私のことを道具ではなく、ミキ様を守る兵士として認めてくれた。
誰も認めなかった私を、認めてくれた。嬉しかったんだ・・・だから、私は
ミキ様を守るために戦う。あの方のためにも、私は負けるわけにはいかないんだーっ!」
モモコの叫びに共鳴するかのように、岩がモモコを包み込んで鎧と化す。
「あらゆるものから攻撃を防ぐ、硬岩鎧。これでもう、あなたの攻撃は
受け付けることはない。正直なところ、あなたを見くびっていた。
しかし、あなたの力を認めた以上は、本気でやらせて頂く。いくぞっ!」
「あなたの気持ちは、よくわかったよ・・・でも、私達も負けられないの!
私達の世界を守りたいの!ここで終わるわけにはいかないんだべさっ!」
- 170 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:21
- 交信で〜す。
- 171 名前:konkon 投稿日:2005/02/17(木) 23:25
- >七誌さんデスさん
むむ、みんな強いみたいです・・・w
もちろん、ヒトミ達にもがんばってもらいますよ♪
これからどうなるやら・・・(汗)
>MSさん
更新・・・速いですかね〜?
昔に比べたら仕事が忙しいものでして、
なかなかね・・・(泣)
まぁ、連休中にでもなんとかしますので、
これからもよろしくですm(_ _)m
>雨さん
自分もよくこんなやっかいな力を書こうと
思ったものだと思いますw
勝ち方〜はめちゃくちゃな理論で勝たせようかと
思ってるので、ご了承ください・・・(汗)
- 172 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/19(土) 17:59
- 更新おつかれいな〜
なんだか皆苦戦しているようで・・・。
マコトもナツミもがんばれ〜。
- 173 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:25
- アサミがいくつもの電気の塊を作り、それを魔物に向けて投げつける。
だが、それらは簡単に避けられていく。
「(・・・当たらない?)」
「フン、そんなものが、このチナミに当たると思ってるのか?」
アサミは、先ほどからカリキュレーションを発動させている。
長い時間戦っていたわけではないが、それなりには先の計算はできている。
しかし、それが無効化されているように、チナミはアサミの攻撃を楽に避けている。
「ハッハーッ!」
チナミが猛スピードでアサミに飛び込んだ。
アサミは横に飛んで、一度間合いを取ろうとする。
- 174 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:25
- だが、
ガッ!
チナミはアサミの次の動きがわかっているように、避けたアサミに
真っ直ぐに突っ込んで、顔を殴り飛ばしたのだ。
アサミは激しく地面を転がっていく。
「・・・。」
体が止まると、アサミは何も言わずに黙って立ち上がる。
「ほう、暗黒闘気を纏っている私の攻撃を受けて立ち上がるとは、
少しはやるようだな。まぁ、それもすぐに終わるのだから、
意味のないことだけどな。貴様の負けは、すでに決まっている。」
チナミは、顔をにやつかせながらアサミに近寄っていく。
- 175 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:26
- 「・・・どうしてですか?」
「フン、我が暗黒闘気に勝るものなど何もない。何よりも、
私には絶対無敵の能力が備わっている。それは・・・。」
「先のことが見える、からですか?」
その言葉に、チナミは顔から笑みを消し去った。
「・・・なぜそう思う?」
「あなたが私の攻撃を避け続けていられることに対して、考えられるのは
私の心を読めるか、先のことが見えるかのどちらかでしょう。ですけど、
私は曖昧な答えというものは嫌いなんですよ。よって、攻撃をする時には
座標、射撃速度、威力等、全てを数値で計算し、確実に狙った場所を
当てるようにしています。あなたが私より先に計算できるとは思いませんから、
まず後者でしょうね。」
「・・・フッ、頭だけはいいようだな。」
チナミは鼻で笑ってアサミを見据える。
- 176 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:27
- 「その通り、私の能力"サトリ"によって、五秒先までの未来が
見えるのだ。それは貴様が"カリキュレーション"を、ここは
貴様の呼び名で、"パーフェクト"と言ってやろうか。それを
使ってどう動こうと、私はお前とは違って確実に先のことが
見えているんだよ。貴様に勝ち目はない!」
チナミは低い体勢をとって、アサミに飛び込んだ。
アサミが迎撃しようと、拳を振り上げる。
「見えていると言ったろっ!」
チナミはアサミの拳を掻い潜り、アサミの腹を蹴り飛ばした。
その衝撃で、アサミは後ろに数歩よろめく。
「ミキに逆らおうなんざ、貴様らは終わってるな。」
「・・・あなたでも、ミキは恐れているんですね。」
それを聞いて、チナミはアサミを睨みつける。
- 177 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:28
- 「フンッ、ミキは悪魔のような強さを持つ女だ。やつに勝とうと
思う時点で間違いなんだよ。貴様らの仲間で、ミキの妹、
マキと言ったか。やつほどばかと言う言葉が似合う人間もいない。
一度はミキに負けといて、また戦いにいく。本物の愚妹だな。」
ピクッ
チナミの言葉に、アサミの眉が釣りあがる。
「だが、ミキはこう私に言った。この戦いが終われば、ここから
出してくれるとな。いくらでも人間共を殺してもいいともな。
だから、貴様はさっさと死ね!」
チナミは両腕に黒い気を溜め込んで、アサミに向けて走り出す。
- 178 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:29
- アサミはメモリーを打ち込んで、目の前に強力な炎の壁を作り出す。
だが、チナミが黒い気を振り撒いただけで炎はかき消された。
「喰らいなっ!」
チナミはアサミに飛び込んで、顔を蹴り飛ばす。
「くっ・・・。」
アサミは地面にうまく着地して、口元の血を拭う。
「メモリーか。それなりには使えるようだが、所詮は無駄な足掻きだ。
そういえば、十年前にもそれを操っていた人間がいたな。」
「えっ・・・?」
アサミにしては珍しく、訝しげな表情をしてチナミを見ている。
- 179 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:30
- 「ある町を殲滅しようとしていた時に、二人の人間が私に刃向ってきた。
確か、片方は武術を、片方はそのメモリーを使っていた。人間にしては
それなりにやるようだったが、そいつらは他の人間を庇って死んだっけな。
まぁ、クズにしてはお似合いの死に方だったな。クククッ、ヒャハハハハ!」
アサミには、その二人の人間が誰なのか、すぐにわかった。
そう、十年前に亡くなったアサミの両親だ。
チナミの笑い声を気にせず、アサミは呆然と立ち尽くしていた。
「ようやく死ぬ気になったか。ならば、ぐちゃぐちゃの挽き肉にして、
あとで他の魔物達にばら撒いて食わせてやるよ!」
チナミは、アサミの頭を掴んで壁に叩きつける。
あまりの威力に、衝撃でアサミの体が壁に埋まり込んだ。
- 180 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:30
- 「ヒャーッハッハッハッハッハ!」
チナミはそれでも止まらずに、アサミの体を笑いながら殴りつけていく。
チナミの体は、暗黒闘気によってどす黒い気に包まれている。
その力は、チナミが立っているだけで地面が砕け散るほど強力だった。
そして、攻撃力はというと、チナミが殴るごとにアサミの体が壁にめり込んで、
後ろの壁が次々と砕け散っていく。
「ヒャハハッ!泣けっ!わめけっ!そして・・・。」
パシッ!
チナミの体の動きが止まる。
アサミがチナミの拳を、掌で受け止めたからだ。
- 181 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:31
- 「なっ!?貴様、まだ動けて・・・。」
パンッ!
アサミがチナミの顔を叩いた。
それだけだった。
その瞬間に、チナミは大きく吹き飛ばされていく。
「ぐっ、な、何をした・・・?」
地面から起き上がったチナミの鼻から、血がだらだらと垂れていた。
「気の使い方がなってませんね。」
アサミは軽く自分の体をはたいて、チナミに視線を向ける。
- 182 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:33
- チナミにあれだけ殴られていたにも関わらず、アサミは平然とした表情をしていた。
「なっ、なぜ貴様は立っていられる!?私の攻撃が効いてないというのか!?」
「いいえ、多少は効いてますよ。」
「多少・・・だと?」
「私は、あなたからダメージを受ける体の部分ごとに、気の流れを分配して
防御していたんですよ。あなたみたいに、気を垂れ流した状態で殴られても、
私には効きませんよ。宝の持ち腐れですね。」
アサミは淡々とした口調で答えると、自分の手からメモリーを外した。
「何のつもりだっ、貴様!?」
「私がメモリーを外した理由は三つあります。一つ目に、
あなたの強さがここまで私の計算とずれているとは、
思ってもなかったからです。」
- 183 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:34
- 「・・・どういう意味だ?」
「そんなこともわからないのですか?あなた程度に、メモリーを
使う必要なんてないんですよ。」
「何っ!?」
チナミは、恐ろしいほど怖い顔をしてアサミを睨む。
一方のアサミは、チナミの殺気を軽々と受け流している。
「あなたも、アイと同じように勘違いをしているようですからね。
"カリキュレーション"とは、メモリーによる情報処理によって、
先の未来を計算するというもの。ここではもう一つの私の力、
"パーフェクト"をあなたに魅せてあげますよ。」
アサミは静かに構えをとる。
- 184 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:36
- 「二つ目に、先ほどの話しで気が変わりました。お母様から受け継いだ
このメモリーを、あなたの血なんかで汚したくありません。お父様から
受け継いだ紺野流、この拳であなたを本気で倒します。」
そこで、チナミの表情が変わる。
アサミの眼の色が、まるで鬼の眼のように紅く輝いていたからだ。
「そして、三つ目、私は両親の敵討ちをするつもりはありませんでした。
復讐は、新たな復讐を生み出すだけ、ですから私は、魔物に対して
復讐心を持ち合わせていませんし、今ここであなたを殺すつもりも
ありませんでした・・・。でも・・・。」
アサミの計り知れない気によって、周りの大気が揺れ始める。
「なっ・・・。」
「お父様やお母様、さらには、私にとって最も大切な人を侮辱した・・・。
それだけは許せない・・・お前だけは、絶対に許さない!本気になった
私の力、思い知るがいい!アサミ=コンノ、参る!」
- 185 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:37
- 更新です・・・。
- 186 名前:konkon 投稿日:2005/02/20(日) 20:38
- >七誌さんデスさん
みんなが大変です・・・。
っつうか十一人だと本編までが長すぎですね・・・。
以後気をつけます。
- 187 名前:MS 投稿日:2005/02/20(日) 22:01
- 更新おつかれいな。
アサミの本気・・・強そうですね。
一人一人の戦いを書くのは大変だと思うので、
無理せず、頑張ってください。
次の更新お待ちしております。
- 188 名前:雨 投稿日:2005/02/20(日) 23:12
- そしてぇ、死n・・おっとっとw
更新お疲れ様です。
ついにアサミの真なる力の発揮ですかね。
次回更新、待ってます。
- 189 名前:桜娘 投稿日:2005/02/21(月) 01:02
- 更新おつかれさまです。
アサミの本領発揮ってとこですか?
「パーフェクト」のアサミを期待してます。
これからも頑張ってクダサイ。
- 190 名前:151 投稿日:2005/02/22(火) 00:46
- 更新おつかれいな。
河口湖の某道場に10泊してきました。
それにしてもこんなに沢山の
能力を考えられるなんて
konkonさんの能力も凄いですねw
- 191 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/23(水) 19:54
- 更新おつかれいな〜^^
おお・・・本気のアサミ=コンノ・・・
「パーフェクト」かぁ〜・・・どんなんだろ〜・・・?
- 192 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:09
- アサミが姿勢を低くして、チナミに駆け出した。
「(ほう、右腕で突き上げるのだな。ならば・・・。)」
チナミは五秒後の世界を見て、アサミの攻撃に対して身構える。
チナミは、アサミの腕が上がるより先に殴りつけようと、拳を振り上げる。
その時、
パンッ!
アサミの速度が驚異的に上がり、一瞬でチナミとの距離を詰めて、掌低を
チナミの顔に叩き付けた。
「むっ・・・。」
その衝撃で、チナミは一瞬だけ体の動きが止まる。
- 193 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:10
- 「紺野流、五拾七式、轢鉄。」
地面すれすれの位置から、勢いよくアサミの腕が振り上がり、
チナミの顎を鋭く突き上げた。
その時のアサミは、チナミの見た五秒後と全く同じ姿勢をしていた。
「ガッ・・・。」
暗黒闘気を体に纏って防御したにも関わらず、たったの一撃でチナミの歯が何本も折れ、
顎の骨にひびが入り、血を吹き出した。
「九拾九式、朧車。」
チナミが落ちてきたところを、アサミは高く飛び上がってチナミの腹に
膝をめり込ませる。
「ゴブッ!」
チナミの口から、さらに血が吐き出される。
- 194 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:11
- アサミはそれでも止まらずに、空中で体を捻らせてチナミの脇腹に
回し蹴りを食らわせ、反転して踵落としでチナミを地面に叩きつけた。
そのとてつもない威力によって、チナミは地面に深くめり込んだ。
降り立ったアサミは、紅い眼でチナミを見下ろしている。
「こんなものなの?話しにならないね。」
ここにきて、初めてアサミの口調が変わっていた。
紅い眼、アサミの口調、それは、チナミを威圧感で包み込むのに十分すぎた。
チナミは、体を震わせながら立ち上がる。
「(なっ、なぜだ・・・?なぜ、こんなにも震えている・・・?)」
チナミが震えていたのは、体の激痛からだけではなかった。
それは恐怖、それを認識するまでにそれほど時間はかからなかった。
少し前に、一度だけ同じような経験があったからである。
- 195 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:12
- 初めてミキに出会った時、その時もチナミは恐怖心で体の自由が利かなくなったのだ。
今のアサミは、ミキと同等の威圧感を持っている、だが二度も人間に負ける、
それはチナミのプライドが許せなかった。
「(先が見えれば、問題ないはずだ・・・。やつの五秒後は・・・。)」
チナミの頭に、五秒後の世界が広がっていく。
五秒後のアサミは、チナミに向かって歩いているようだ。
チナミは足に気を溜めて、超スピードでアサミの目前まで迫る。
「もらったっ!」
チナミが手を手刀の形にして、アサミに向けて突き出した。
「お前に見せてやる。紺野流の真髄というものを。四大秘奥義・壱式、朱雀!」
次の瞬間、気を体中に纏ったアサミが、気の弾丸と化して猛スピードで突っ込み、
チナミを大きく弾き飛ばした。
- 196 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:13
- 「ゴハッ・・・。」
チナミは大量の血を吐き出して、地面に倒れ込む。
アサミは綺麗に着地すると、倒れているチナミを紅い眼で見据える。
そして、悠然とした歩調で、チナミの見た未来通りに、チナミに向かって歩いていく。
「ありえない・・・こんなことありえるか・・・。」
チナミの体を、強力な黒い気が纏い始める。
「(まだだ、やつが私の攻撃を避けられない位置まで近づいてからだ・・・。)」
チナミは、全ての気を右手の掌に集めていく。
アサミがチナミの目前まで迫った瞬間、
「暗黒波動砲!」
チナミの手から、黒い気のレーザーがアサミに向けて放たれる。
- 197 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:14
- 暗黒波動砲は、あまりの凄まじい気によって、辺り一面の地面を抉りながら、
アサミを飲み込もうとする。
この至近距離からでは、いくらアサミでも避けきれないだろう。
「フハハハハッ!粉々に消えて無くなれ・・・。」
「・・・四大秘奥義・弐式、玄武。」
ドゴゥッ!
暗黒波動砲がアサミを飲み込んで、後ろの壁を粉々に打ち砕いた。
だが、チナミは何も言えずに黙り込んでいた。
暗黒波動砲に飲まれながらも、一つの影が消えずに残っているからだ。
- 198 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:15
- 玄武とは、全ての気を体内に押し留めることで、体中の筋肉組織を
一時的に活性化させて、相手の攻撃を防ぐというものだ。
アサミの服は所々が破れているものの、アサミ自身はほとんど無傷に近かった。
「こんなものなの・・・お前の痛みは、この程度のものなのかよっ!」
アサミが気を撒き散らし、暗黒波動砲をかき消した。
「わ、私の暗黒波動砲が・・・。」
「無駄だ。お前の動きは、私には手に取るようにわかるからな。」
「なっ・・・。」
「ハァッ!」
一瞬でチナミの懐まで飛び込んだアサミは、足を高く振り上げて、まるで斧を
振り下ろすように、鋭くチナミの顎を踵で打ち抜いた。
- 199 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:16
- 「ゴボッ・・・。」
チナミの口から、再び大量の血が吐き出される。
その様子を、アサミは憮然とした表情で見下ろしていた。
「なっ、なんれら・・・?なれ先を読んれるわらしがやられるんら・・・?」
顎の骨が砕けたのか、チナミはまともな言葉も話せずにいた。
アサミは表情を変えずに、チナミの手前で立ち止まる。
「私の"カリキュレーション"は、メモリーの応用によってカオス理論に
基づいて計算し、敵の動きを極めることができる。それとは別に、
私のもう一つの力、"パーフェクト"では、敵の動きを私の知能に
当てはめるんだよ。」
「ろっ、ろういう意味ら・・・?」
- 200 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:17
- 「生物の行動範囲は、無限大と言われている。だが、その中でも
完全に実行できるパターンは数えられるほど少ない。だから、
お前がどう動くか、その動きの次は何か、それらを私の知識の
中から見出し、当てはめて先の動きを見極めるんだよ。私の
頭には、億を超える、生物の行動パターンが記憶してある。
その中のどれかにお前の動きを当てはめられれば、私には
お前の五秒後の動きが手にとるようにわかるんだよ。」
平然と言い放つアサミに、チナミはもう何も言えなかった。
「"カリキュレーション"は、主に常識枠外の強さを持つ敵か、
あるいは私でも計算しきれない動きをする敵と、対峙する
時にのみ利用する。その点では、お前はリサの力には
はるかに及ばない。よって"カリキュレーション"を使う
必要は全く無い。あえて言うならば、相手が悪すぎたね。」
- 201 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:18
- 「ゆ、ゆるしれくれ・・・もう、わらしはららかえない・・・。」
「さっきも言ったはずだ。お前だけは、絶対に許さない・・・。
四大秘奥義・参式、白虎。」
アサミの両腕から、次々と光の拳が放たれる。
その速さは、正に神速といっても過言ではなかった。
チナミの目に見えたのは、光の洪水、それ以外に言い様がなかった。
それを見た瞬間に、チナミの体中を激痛が襲った。
チナミは、生きていることが不思議なほどまでに、体中の骨が砕けていたのだった。
「・・・ぁ・・・。」
耐え切れないない痛みで、チナミは声を上げることすらできない。
「これで終わりだ。四大秘奥義・肆式、青龍。」
アサミが限界まで腕に気を溜めて、チナミの顔を殴りつけ、地面に叩きつけた。
- 202 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:20
- 次の瞬間、
ドゴーーーンッッッ!!!
アサミの拳から放たれた巨大な龍がチナミを飲み込み、強力な気の渦が広まっていく。
気の渦が消えたあとには、まるで隕石が降ったあとのように深く
地面が抉れていて、その最も深い穴の中心にアサミは立っていた。
チナミの姿は、跡形も無く消滅していた。
「今度こそ・・・絶対にオロチを倒して、平和を取り戻します。
見ていてください。お父様、お母様・・・。」
アサミは手を強く握り締め、上を見上げてそう誓った。
アサミの口調、眼の輝きが元に戻っていた。
アサミは一息ついて、いつの間にか開いていた扉の中へと進んでいった。
扉が閉まった瞬間、アサミの姿がそこから消えていく。
次にアサミの目に入ったのは、ベリーズのうちの一体と戦っている、
マキの姿だった。
どうやらアサミは、元の部屋へと戻ってこれたようだ。
- 203 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:21
- 「マキ・・・。」
「アサミ・・・よかった、無事だったんだね。」
マキは、アサミを振り向かずにそう言った。
いや、振り向く余裕すらないほどに、魔物がマキを攻めていた。
「待っててください。今私も援護しま・・・。」
「無理だよ。」
「えっ・・・?」
「私のこと、"感じること"ができる?」
マキの質問に、アサミは考えを巡らせる。
「・・・そういう意味ですか。」
「うん。でもね、大丈夫だからさ、私のこと信じて待っててね。」
マキは魔物の攻撃を掻い潜って、一度だけアサミを振り返った。
その顔は、アサミの最も好きなマキの笑顔だった。
「はい・・・。」
アサミは軽く頷いて、マキの戦いを見守ることにした。
- 204 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:21
- 更新です。
- 205 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:24
- >MSさん
アサミの本気、最強です!
一人一人の戦いで自分が混乱しないことを
祈ってがんばりますw
>雨さん
真なる力です。
ちょっちひいきしてるかな?
ってなくらい強いです(爆)
こんな紺ちゃんが自分は大好きです♪
>桜娘さん
本領発揮というよりも暴走気味ですw
パーフェクト、たぶん意味わからない方が多数いるとは
思いますけど、そこらへんは紺ちゃんが強いってことで
まとめちゃってください(マテ
- 206 名前:konkon 投稿日:2005/02/24(木) 03:28
- >151さん
道場ですか〜かっけぇっすね!
自分の能力、ただだらけるってだけかと思ってましたw
微妙にわけわかんない能力もあると思いますけど
ご了承くださ〜い(汗)
>七誌さんデスさん
本気のアサミとなりました〜。
パーフェクト、簡単に言えばアサミには敵の動きが
一番近いのを頭のデータから持ってきているいうことです。
説明下手でごめんなさい(泣)
- 207 名前:雨 投稿日:2005/02/24(木) 14:30
- 更新お疲れ様です。
アサミ、メチャメチャ強い&カッケーっすね。
これからもkonkonさんの思う存分活躍させてください。
次回更新お待ちしております。
- 208 名前:MS 投稿日:2005/02/24(木) 18:39
- 更新おつかれいな。
アサミが最初に終わりましたね。
ホント、アサミカッコイイっすね。
他のメンバーも頑張ってほしいです。
次の更新のお待ちしております。
- 209 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/24(木) 20:52
- 更新おつかれいな〜^^
もうアサミも人間じゃぁございませんねぇ・・・。
もうカッコイイの一言ですよ〜!!!
気力ももうすご・・・。
そしてマキの言葉の意味は・・・・・・?
- 210 名前:151 投稿日:2005/02/25(金) 01:13
- 更新おつかれいにゃ。
つ、強い・・・これがパーフェクト!
道場と言っても肉体系ではなくて精神系です。
家族愛から世界愛まで大変勉強になりました♥
こんごま愛は如何に?w
- 211 名前:konkon 投稿日:2005/02/27(日) 23:57
-
ピッ!
「くそっ!」
マリの頬を、アイリの剣が掠めた。
「惜しい。次は当てるよ!」
アイリは、二本の剣を鋭く、そして正確にマリに向けて突き刺していく。
「(くっ、今度はヘルカイザーかよ・・・。)」
マリはなんとか剣で弾いているが、あまりの速さに避けることしかできないでいた。
マリの体にはいくつもの傷がついていて、動く度に血が地面に垂れていく。
マリがアイリに対応して攻撃しようとするが、また別の魔物の能力に
切り替わってしまうために、反撃の意図を掴めずにいた。
- 212 名前:konkon 投稿日:2005/02/27(日) 23:57
- 「ぐっ、こ、のやろーっ!」
マリが地面に剣を突き刺して、爆炎陣を放とうとする。
それより先に、
「やらせないよ!」
ドォンッ!
「ぐわっ!」
アイリがレイナの風魂を放ち、マリを大きく吹き飛ばした。
マリは、倒れながら何度も大きく息を吐き出している。
「(くそっ、どうしたらいいんだよ・・・?)」
「もらったよん。」
アイリが高く飛び上がって、倒れているマリに剣を突き刺そうとする。
- 213 名前:konkon 投稿日:2005/02/27(日) 23:58
- 「少しは、待ってろよっ!」
マリは剣を振りかぶり、部屋全体に煙幕を張った。
アイリが剣を突き刺したところには、マリはすでにいなかった。
「何、隙をついて攻撃しようとしてんの?っていうか、
まだアイリに勝てると思ってんの?」
アイリは大声でそう言うが、マリは気にせずにアイリの倒し方を考えていた。
「(どうすればいい・・・?どうしたら、おいらはあいつに勝てるんだ?)」
「(力を開放してやろうか?)」
マリの頭に、自分と同じ声が響いてきた。
マリは考えるのをやめて、目を瞑った。
そして、心の中でもう一人の自分と向かい合う。
- 214 名前:konkon 投稿日:2005/02/27(日) 23:59
- 「(もう一人のおいら・・・。)」
「(何を落ち込んでるんだよ?らしくねえな。)」
「(だって、どうしようもないじゃんか!おいらがどう攻撃しようと、
また別の魔物に入れ替わって攻撃してくるんだよ。それに・・・
力を開放するって言ったって・・・。)」
「(へ〜、気が立ってると思ったら、以外と冷静なんだな。わかってたのか。)」
もう一人のマリは、軽く笑みを浮かべてマリを見据える。
「(さっきのレイナと戦って、かなりの力を消耗しちゃってるんでしょ?
今、おいらが力を開放させたら・・・。)」
「(ああ、たぶん死ぬ。)」
マリは、下を向いて黙ってしまう。
- 215 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:00
- 「(忘れてないか?おいらはお前、お前はおいらだっていうことを。)
「(・・・どういう意味?)」
「(確かに、力を開放することはできない。でもな、今までのこの体は、
お前一人で使っていたわけじゃない。おいらも使ってたんだ。だから、
これまでのマリの戦いを、おいらもよく知っている。)」
「(・・・そういうことかっ!)」
「(ああ、力だけが全てじゃないぜ。おいらも共に戦うよ、相棒・・・。)」
マリがもう一人の自分と話していたところで、アイリはマリが姿を見せないために、
つまらなくてイラついていた。
「何で出てこないの?それとも時間稼ぎ?・・・そうだ!」
アイリはレイナの風を使って、煙を吹き飛ばした。
アイリの少し先に、目を瞑って立っているマリの姿があった。
- 216 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:02
- ただ一つの違和感、それは、鬼人化によって真里の髪の色が金に
なっていたのではなく、真っ赤に染め上がっていたことだ。
それ以前に、鬼人化すらも起こしていない。
それでも、真里は先ほどとは違う、異様な雰囲気を醸し出していた。
「へへ、はっけ〜ん!」
それを気にせずに、アイリは猛スピードでマリに突っ込んでいく。
「そ〜れっ!」
アイリが大きく剣を振るう。
マリは目を開けて、後ろに跳んで避ける。
「一つだけ言っておく。もう、お前はおいらに勝てない。」
「・・・クフフフ、何を今更負け惜しみなんか言ってんの?アイリに
勝てるわけないじゃん。そろそろ飽きたし、終わりにするよ!」
アイリは勢いよく飛び出し、レイナの剣技でマリを攻めていく。
マリは少しだけ目を細め、アイリの剣を避けていく。
- 217 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:02
- 「えっ・・・何で当たらないの?」
何度も剣を振り回しているのに、マリに全く当たろうとしない。
それも、マリは剣で弾かずに避けている。
「このこのこのっ!」
アイリはヘルカイザーのように、二本の剣で鋭く突いていく。
時には、ミウナの豪剣も混ぜて振り回す。
それすらも、マリは軽々と避けていく。
「何でよ・・・何でなの・・・?」
「言っただろ。お前の攻撃はもう当たらないってなっ!」
マリが一瞬の隙をついて、アイリの右腕を斬り飛ばした。
「うわーっ!」
アイリは泣き叫びながら、大きく後ろへと下がっていく。
- 218 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:03
- 「おいらには、もう一人のおいらがいる。おいらが見たことのある技を
忘れたり、覚えていないことを教えてくれている。力を貸してくれる。
おいらは一人じゃないんだ。もう、お前には負けない。」
「・・・クッ、フフフッ、このアイリが負けるって・・・
調子に乗るなよっ、このチビがっ!」
アイリが体に風を纏い、そして消えた。
アイリはレイナの能力を使って、風と融合したのだった。
「フンッ!」
マリは、何発かの爆発を周りに起こす。
だが、それにアイリが当たることはなく、ただ爆煙が部屋に
飛び交っただけだった。
- 219 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:05
- 「(レイナはあいつの爆雷弾でやられた。それは、あいつが自分の
周りに機雷を放っていたということだった。でも、レイナはばかだから
それに気付いてなかった。あれには、唯一の死角があったんだよ。
それは・・・。)」
アイリは真っ直ぐにはマリに向かわず、マリの真上まで移動する。
「(ここならあいつは爆雷弾を張ってない!もらった!)」
アイリは急降下してマリを襲う。
「(死ねっ!)」
アイリが元の姿に戻って剣を振るおうとした瞬間、マリはアイリを振り向いた。
「なっ!?」
「丸わかりだよっ!」
マリがアイリの体を切り裂いた。
アイリは、大量の血を吐き出して地面に顔から衝突した。
- 220 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:05
- 「な、何で・・・わかった・・・?」
「おいらが何の考えもなしに、そこら辺に爆発を起こしてたと思ってんのか?
頭を使えば、爆雷弾を使う必要なんてない。周りに起こした爆発による爆煙を、
お前は気付かないうちに運んでたんだよ。それならおいらの目にも見えるってわけだ。
頭のできが違うんだよ。」
「そ、そんな・・・。アイリが、人間ごときに・・・。」
アイリはそこまで呟いて、絶命した。
「さっき言っただろ。一度見た技なら、いくらでも対応する手段はあるんだってな。
っつうか、おいらよりチビのお前が、チビって言うな。」
マリは軽くため息をついて、もう一度目を閉じる。
「(ありがとね。助かったよ。)」
「(・・・気にするな。お前が死んだらおいらも死ぬことになる。
だから助けてやった。それだけだ。)」
それっきり、もう一人のマリは心の中に閉じこもってしまった。
「キャハハハハッ!素直じゃね〜。やっぱあんたもおいらだよ。」
マリは一頻り笑うと、部屋から出て行った。
- 221 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:06
- 更新です。
- 222 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:08
- >雨さん
そんなことを言ってもいいのでしょうか?
そうしたら、ここから先はマキとアサミの
オンパレードになってしまいますよ(笑)
まぁ、まだまだ活躍させるつもりですけどねw
期待していてください。
>MSさん
アサミが最初ですね〜。
まぁ・・・アサミが強すぎたわけでして、とりあえずは
マキと二人だけのシーンもほしかったわけですw
- 223 名前:konkon 投稿日:2005/02/28(月) 00:12
- >七誌さんデスさん
アサミは人間ですよ〜。
それもとびっきり可愛い女の子・・・アサミだけ
めちゃひいきしてますね(汗)
でも可愛いので言いたいんですw
ある意味一番突っ込んでもらいたかったとこですけど、
その答えは次回辺りにでもわかると想います。
>151さん
なるほど、すごいですね〜。
ではでは、パーフェクトも学んできたということですね(笑)
こんごま愛・・・出したいんですけど、まぁ、そのうち?
ではなく、出します!
あともう少しお時間を・・・(汗)
- 224 名前:MS 投稿日:2005/02/28(月) 09:55
- 更新おつかれいな。
アサミの次はマリですか。
もう一人の自分のおかげですね。
次は誰かな?
次の更新お待ちしております。
- 225 名前:マコ 投稿日:2005/02/28(月) 18:59
- 技をコピー(メモメモ)
ってか ストーリーが出てこなくて困ってます。
え? お前じゃない 感想を述べろ? あはは そうですね。
真面目にみんな 強いですね。
ここまで戦闘を再現できるのは すごいと思います。
さて 次は誰が 死後の世界へ旅立つのかな(止めろ)
次の行進お待ちしてます。
がんばってください。
- 226 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/02/28(月) 22:06
- 更新おつかれいな。
マリも強いですね〜。いやもう一人のマリのお陰かな??
それにしても皆強いですね〜。どうなるんだろう???
- 227 名前:雨 投稿日:2005/03/01(火) 16:33
- 更新お疲れ様です。
一人で戦っていても独りじゃない。
こういう二重人格的なキャラ好きです。
お気に入りの人(こんごま)を活躍させまくりたいけど自重する
konkonさんの心中お察しします(笑)
- 228 名前:151 投稿日:2005/03/01(火) 19:44
- 更新おつかれいな。
赤髪カッケー!!
左頬に十字傷があったりして(笑)
お次はどなた? 楽しみにしてます♪
- 229 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 22:51
- 「うぉぉっ!」
「ハァァッ!」
激しく部屋を暴れまわる、糸と鞭。
それらを操る両者は、荒い息を吐き出しながらも、決して
攻撃の手を緩めようとしない。
部屋は原型を留めていないほどまでに、ぼろぼろの状態となっていた。
ケイと対するマアサも、動いているのが不思議なくらいにまで、
体中が傷ついていた。
「二拾五式、濁流!」
ケイが大量の糸を絡め合わせ、束となった糸をマアサに叩きつける。
「守の巻、拾二項の参、布柱!」
二本の鞭が絡み合い、それが縄状となって糸を受け止める。
- 230 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 22:52
- 「ハァッ、ハァッ、まさか、あれを受け止められるなんてね・・・。」
「・・・ふぅ、私も、ここまで弦術を操れる人間がいたなんて、
思いもしませんでしたわ。」
「それにしても、あんたはうちの兵士に欲しいくらいだよ。
すごい鞭術だ。随分と鞭に懐かれてるんだろうね。」
ケイは指から糸を切り離し、新たな糸を作り出す。
「私の能力は"スクランブル"、様々な物と心を交じり合わせて、
会話することができるんですわ。」
「・・・それは素晴らしいことだ。こんな形で出会わなければ、
もしかしたら仲間になれたかもね。」
「面白いことを言いますわね。でも、あなたと戦うことは私の運命、
それに私はあなたと戦うことに対して、後悔はしていませんわ。」
マアサは鞭を元の状態にまで戻して、二本の鞭を前に向ける。
- 231 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 22:53
- 「けど、この子も疲れたと言っていますし、そろそろフィナーレの
時間にしますわ。攻の巻、拾五項の拾五、双大蛇!」
二本の鞭が、超スピードでケイに向けて突き出した。
「くっ、八式、繭玉の盾!」
避けたところで、また自分を襲ってくる。
そう思ったケイは、咄嗟に糸を束ねて盾を作り上げ、二本の鞭を受け止めた。
だが、
「そんなものでは止められませんわよ。」
ボンッ!
二本の鞭は勢いが止まらず、糸の盾を突き破った。
- 232 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 22:54
- 「このっ!」
ケイは目前まで迫った鞭を、盾を作っておいたおかげで鞭のスピードが
落ちていたために、なんとか両手で掴んで受け止めることができた。
「くっ・・・。」
受け止めたのはいいが、棘が刺さってケイの手から血が滴り落ちていく。
「これで、もう終わりだね・・・。」
「フフッ、私の鞭は特別なんですわよ。」
マアサがそう言った瞬間、鞭が回転してケイの手を弾き飛ばした。
「うわっ!」
ケイの両掌から、血が吹き荒れた。
ケイの手は、鋭い棘が回転したために深く抉られていた。
幸いにも、指が切れていなかったことにケイは少しだけ安堵した。
「まだまだいきますわよ。」
マアサが大きく腕を振るって、両側から鞭で襲う。
ケイは、立ち尽くしたまま何もしようとしない。
- 233 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 22:55
- 「(決まりましたわ!)」
「・・・言ったよ。私はもう終わりだってね。」
鞭がケイの首元まで迫った瞬間、鞭の動きがピタリと止まる。
「えっ?何で、何で動かないの!?」
マアサが鞭に意思を込めるが、全く反応しようとしない。
自力で動かそうにも、まるで固まったように動かなかった。
「嘘・・・どういうことなの?」
「武人流弦術、拾四式、鉄鋼弦。それは、いかなるものも
変形させることはできない。」
「・・・?」
マアサには、まだケイが言っていることを理解できていない。
- 234 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 22:56
- マアサは、動かない鞭を強引にも動かそうと振り回す。
それを見たケイは、軽く笑ってマアサを見据える。
「わかってないようだから、教えてあげるよ。二式、蒲公英。」
ケイは、手を前に出して指を鳴らす。
同時に、
ボボボボボボンッ!
鞭が次々と内側から破裂していった。
「なっ!?」
マアサは、目を見開いてその光景を見ている。
鞭の中から何本もの糸が暴れ周り、鞭を斬りつけていたのだ。
最終的には、二本の鞭はほんの十分の一程度まで千切れていた。
- 235 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 22:56
- 「外側は硬い皮で覆われているみたいだけど、中身は案外脆いもんなんだよ。」
「まさか・・・さっき鞭を受け止めた時に・・・。」
「そう、あんたの鞭の中に、私の糸を送り込んでおいたんだよ。
あんたと意思を疎通しているとはいえ、鞭には痛みがないからね。
気付かないのも無理はない。」
ケイは淡々と言い放ち、腕を上に向ける。
「おしゃべりはここまでにしよう。二十五式、流星。」
ケイが腕を振り下ろした瞬間、何百という糸が頭上からマアサを襲う。
「私は、負けませんわよっ!守の巻、拾二項の六、旋の風!」
マアサは、短くなった鞭を上に向けて振り回し、糸を弾いていく。
- 236 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:01
- 全ての糸が降り終わった後には、何本もの糸が突き刺さり血を
噴出しながらも、マアサは地に立っていた。
そして、ケイに向けて走り出そうとする。
「まだ、接近すれば戦え・・・!?」
突然、マアサの体の動きが止まる。
よく見ると、地面から突き出した何十本もの糸が、マアサの体を絡めて固定していた。
マアサの体は完全に固定されていて、唯一動かせるといえるのは口だけだった。
「い、いつの間に・・・。」
「まだまだ甘いな。視界が偏りすぎだ。もっと広い視野を持たないと、
私に勝つことはできないよ。十二式、咢の戒。流星はただの囮りに
すぎない。その鞭では接近してくるのが目に見えてたからね、流星に
紛れて放った咢の戒で、あんたの身動きを止めることにしたんだよ。」
ケイは、マアサから視線を外さずに答える。
- 237 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:02
- 「・・・そこまで計算していたの?」
「計算ではないかな。私にはアサミのような頭脳は持ち合わせてないからね、
長年の戦闘の経験から、導き出した答えだよ。」
一息ついて、ケイは腕を振りかぶる。
「私の勝ちだよ。」
「・・・フフフッ、アハハハハッ!」
突然、マアサが大声で笑い出した。
まだ何か策でもあるのかと思い、マアサを気にしながら周りに注意を向ける。
「フフッ、警戒する必要はありませんわよ。私の完敗ですわ。」
「なら、何がおかしい?」
「私は、待っていたのかもしれない・・・この瞬間をね。今までにも、
様々な敵と戦ってきた。でも、心が満たされることは一度もなかった。
けど、あなたと戦えて、私は心から楽しめましたわ。ありがとう。」
敵であるマアサにお礼を言われ、ケイは多少の驚きを覚える。
- 238 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:04
- 「・・・他に、何か言い残したいことは?」
「特にないですわ。あなたみたいな強い人と戦えて、私は非常に
満足ですわよ。またあの世で会いましょうね。」
「そう・・・さよなら。」
ケイは糸を振るって、マアサの体を斬りつけた。
ケイが咢の戒を外すと、マアサの体が地面に崩れ落ちた。
「・・・悪いんだけど、あんたとはもう会うことはないよ。
私は死ぬつもりはないんでね。」
ケイはそう呟いて、部屋から出て行った。
- 239 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:04
- 次にケイが気付いた時には、元の部屋に戻っていた。
ほんの一瞬だけ、マキがベリーズのうちの一体と、戦っているのが見えた。
なぜ一瞬かというと、ケイが戻ってきたとほぼ同時に、自分の目線より
少し下に影が現れて、そこに目がいったからだ。
現れた影の正体は、マリだった。
マリもケイの存在に気付いて、後ろを振り返る。
「よぉ、こんなに血だらけになっちゃって、そんなに苦戦したの?」
「フン、傷だらけのあんただけには言われたくないね。」
ケイは軽く言い返すと、マキの戦いに視線を移す。
「お二人共、お疲れ様でした。」
横の方から声をかけられた。
二人が振り返ると、そこには真剣な表情でマキを見ているアサミが立っていた。
- 240 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:05
- 「ちぇっ、おいらが一番だと思ってたのにな〜。っつうか、
アサミ、何突っ立てるんだよ?」
「マキの援護はしないの?」
ケイとマリは、アサミに近づいてそう聞いた。
「無理なんですよ。見ていてください。」
アサミは落ちていた石を拾って、魔物に向けて投げつけた。
その石は、魔物に当たることはなかった。
アサミが外したのではなく、魔物の体をすり抜けたのだ。
「ハァッ!?」
「・・・どういうこと?」
マリは声を上げて、ケイは少し驚いた表情をしてアサミに聞いた。
- 241 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:06
- 「考えられるのは、ベリーズの中に空間使いがいるということです。
私達の肉体は確かにここに存在するのですが、位相のズレに
よって精神はマキ達と、別の空間に存在しているんですよ。
したがって、見ることはできても、触ることはできないということです。」
「そんなっ!なんとかならねぇのかよっ!?」
マリは大声でアサミに聞き出した。
「そうですね〜、可も無く不可も無くってとこですか。私が重力の
無限圧縮状態を作り出し、四次元の空間を作り上げれば、恐らくは
マキのいる空間へと戻ることもできます。ですけど、私はあえて
それを行うつもりはありません。」
アサミはゆったりとした口調で、マリにそう答える。
- 242 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:06
- 「どうしてだよ?」
「マキは私にこう言いました。信じて待っててって。ですから、
私はマキを信じます。マキは負けませんよ。」
アサミは、表情に笑みを浮かべてそう答えた。
「それに、見ていればわかりますよ。私が、なぜこうも落ち着いて
いられるかということを。」
アサミの言葉を聞いて、ケイとマリはマキの戦いに視線を移す。
それを少しの間見ていた二人は、何も口に出すことはなかった。
「私達は、今は休みましょう。決戦に備えてね。」
アサミは二人にそう言って、マキを見守っていた。
- 243 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:08
- 更新しました〜。
仕事が久しぶり早く終わった!
っつうか、後浦なつみのライブチケット、取れなかった・・・(泣)
- 244 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:11
- >MSさん
そうですね〜。
マリ特有のもう一人の自分、すごく憧れますw
次は誰にしよう・・・(汗)
>マコさん
ストーリーを描くのに、焦る必要はありませんよ♪
マイペースにご自分が創造して作り上げて、落ち着いたら
書くってのが自分のやり方ですね。
みんな強いです!
>七誌さんデスさん
もう一人の自分、強いですね〜。
いつから存在しているかは自分も知りませんw
同化?というんでしょうかね〜?
- 245 名前:konkon 投稿日:2005/03/03(木) 23:17
- >雨さん
一人だけど独りじゃない、そう言われると
マリってカッコイイですね〜w
ここではまぁ、こんごま愛は落ち着かせていこうかと・・・
すごい悩んでます(汗)
とりあえずはもう片方の小説では甘〜くいこうかと
思ってますので大丈夫ですw
>151さん
金は昔、赤は現在ってとこですかね。
十字傷・・・気付かなかった(汗)
お次は・・・ご想像にお任せします(マテ
ヒントはマキを除いて二期の次は・・・ってとこですかね。
っつかそうなるとバレバレっすね(爆)
- 246 名前:雨 投稿日:2005/03/04(金) 12:38
- 更新お疲れ様です。
今回の戦闘はさわやか(?)でしたね。
アサミの落ち着きっぷりも気になる所です。
次回楽しみにしてます。
- 247 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/03/04(金) 16:43
- 更新おつかれいな〜^^
ケイさん強いですよね〜いや〜すごい!
アサミがどうして落ち着いていられるのか気になるところです。
- 248 名前:151 投稿日:2005/03/04(金) 21:29
- 更新おつかれいな。
こんなに潔い魔物が居たとは驚きです。
敵ながらアッパレというところでしょうか。
武士道を持つ者同士のバトルは爽やかですね♪
- 249 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:04
- 「ウリャッ!」
ザシュッ!
ヒトミがメグミの首を斬り飛ばした。
直後に、その首のなくなったメグミは消え、また別のメグミが増殖を始めた。
「あ〜、もう、これで何体倒したと思ってやがる・・・。」
「今ので十五体だよ。」
ヒトミの呟きに、一体のメグミが答える。
「・・・それはどうも。そんなこと教えるくらいなら、弱点くらい
教えてくれてもいいんじゃねえか?」
「弱点なんてないよ。メグの力は無敵だからね。」
また別のメグミが答える。
- 250 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:05
- 「じゃあ何か、お前を倒せるやつはこの世にいないっていうのかよ?」
「メグを倒せる存在は、たぶん三つだと思う。」
「一つ目はアヤ、あの力にはさすがのメグも勝てない。」
「二つ目はミキ、あの人と戦ったことはないけど、本能が勝てないって
言ってる。だから従う。怖いから。」
「三つ目はサキ、ベリーズのリーダーだよ。あの子には、
メグでも勝てない"特別な力"がある。あれだけは苦手。」
四人のメグミが、順々に答えていく。
「ちっ、ごちゃごちゃとうるせぇやつだな。でもなんとなくは
わかったぜ。お前の倒し方をね。」
ヒトミは頭を掻きながら、それぞれのメグミを見渡していく。
- 251 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:06
- 「さっきも言ったよ。メグに勝てる要素をあんたは持ってない。」
「だから怖くない。メグの勝ちだよ。」
六体のメグミが、次々とヒトミに向かって飛び込んでいく。
「よっとっ!」
ヒトミはモーターを起動させ、後ろに滑って間合いを空ける。
「何、逃げてればメグに勝てるってことなの?」
「ちげぇよ。こうするためだよっ!」
ヒトミは全員の位置を確認して、指に力を溜め込んだ。
次の瞬間、
ドドドドドドッ!
ヒトミの指から、六発のレールガンが一瞬で、連続で放出された。
- 252 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:07
- 「なっ!?」
メグミは反応できず、レールガンは全員のメグミの急所を貫いた。
まさに、ヒトミにしかできない最高の射撃といえるだろう。
全員が倒れこんだのを確認して、ヒトミは大きく息を吐き出した。
「へへっ、やっとこれで・・・。」
「これで、何?」
「!?」
声のした方を見て、ヒトミは目を見開いて驚いた。
一体のメグミが立ち上がり、また再び増殖を始めたのだ。
「驚いたよ。一気に六人全員連続で倒すなんてね。」
「考えは間違ってなかった。でも、それでもメグは倒せないよ。」
「メグは、0コンマ1秒もあれば増殖できる。」
「所詮は無駄な足掻きだよ。」
六人のメグミが、ヒトミの周りを囲んでいく。
- 253 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:08
- 「(ちっ、レールガンを使うエネルギーも、ほとんど使い切っちまった・・・。
あと、打てても数発ってとこか。どうする・・・。)」
ヒトミはメグミの攻撃を避けながら、冷静に考えていた。
ヒトミの頭には、先ほどのメグミの言動でただ一つだけ、
メグミを倒せる方法を思いついていた。
だが、それは一種の賭けでもあった。
同時に、アサミとの約束も破ることでもある。
それは、自分の死に関わるということ。
さらには、これをもし外してしまったら、勝てる望みは完全に絶たれてしまう。
「やるしか・・・ない。」
「もらったよ。」
横から襲ってきたメグミに反応できず、ナイフがヒトミの首を掠める。
「いって〜・・・。」
ヒトミの首から、血が垂れていく。
- 254 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:09
- 「(危ねぇ、あと数ミリずれてたら、頚動脈が切れてたぜ・・・。)」
「残念。次は当てるよ。」
メグミが六方向から、一斉にヒトミを襲う。
「これが、最後の賭けだ!」
ヒトミは両腕に限界まで力を溜め込む。
「ATフィールド、全開!」
ヒトミが両腕を大きく広げた瞬間、
ドォンッ!
ヒトミの周り一帯にフィールドが張られ、六体のメグミを全員弾き飛ばした。
その直後に、ヒトミはレールダッシュの応用で高く飛び上がる。
「(アサミ・・・悪いんだけど、約束を破るよ・・・。)」
- 255 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:09
-
・・・・・・・・・・・・・
「なるほどね・・・そういうことですか。」
「うん。」
ヒトミが改造されて、少し経ってからの話しである。
ヒトミが両腕でレールガンを試し打ちしたところ、違和感を感じたのでアサミに
見てもらおうと、アサミの部屋に訪れたのだ。
「そうですね、これから言うことだけは、絶対に守ってください。レールガンは、
決して両腕で同時に撃たないでください。」
「どうして?」
- 256 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:10
- 「レールガンが打ち易くなったからといって、あなたの生命エネルギーを
削っていることには、変わりないんです。レールガンは、強力な分だけ
狙いを定めることはおろか、気を溜めることすら容易ではありません。
ですけど、そこはあなたの強い精神力によって、指に気を溜めて、
レールガンを発射することが可能となっているんです。そこまでいいですか?」
「うん。でも、何で両方同時だといけないの?」
ヒトミは、まだアサミの言っていることを理解できずに、首を傾げて聞いた。
「問題は、エネルギーの分配にあるんです。それだけの精神力を両手で放つために、
一体どれだけのエネルギーを消費するのか、恐らくは体が持ちませんよ。
もしこれを破れば、腕が壊れるだけではなく、命を落としかねません。」
「そっか・・・わかったよ。約束する。」
・・・・・・・・・・・・・・
- 257 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:11
- 「あれ?どこに消えたの?」
六体のメグミ達は、ヒトミの姿を見失って周りを見渡している。
「あっ、あそこにいた。」
一体のメグミが、上空にいるヒトミを指差した。
その瞬間、
「究極奥義、フリーダム。」
ドゥッ!
ヒトミの六本の指から、同時に六発のレールガンが放たれた。
そのレールガン全てが、六人のメグミの頭部を打ち抜いた。
ヒトミが地面に着地する。
それでも、今度はメグミが一体でも立ち上がることはなかった。
- 258 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:12
- 「よっし、私の勝ちだ!"同時"に全部倒せばいいんだろ。」
ヒトミは、全てのメグミをほんの僅かなズレもなく、同時に倒したのだった。
一瞬でも増殖させる時間を与えないうちに倒せばいい、そう思いついた。
それをヒトミは、六人全員の急所だけを狙い、一人で実行したのだ。
この射撃能力の高さ、いや、実行に移すまでの勇気こそが、ヒトミの最大の武器だった。
それが、ヒトミに勝利を呼び込んだといってもいいだろう。
ヒトミは、何度も腕を回しながら歩き始める。
その時、
「うがぁぁぁっっっ!!!」
ヒトミの体を、もの凄い激痛が走った。
- 259 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:14
- それはまるで、初めて体にアルティメット・アーマーを付けた時のような、
耐え難い痛みだった。
痛みの感じるはずのない両腕が、恐ろしいほどの激しい痛みを訴えている。
その痛みにどうしようもなく、ヒトミは地面を転がり回っていた。
しかし、今度は脱力感に襲われて、転がることすらできなくなってきた。
体の生命エネルギーを使いすぎたために、ヒトミの力が一気に抜けたのだ。
「いっつ〜・・・もう、絶対使わねぇ・・・。っつうか、
なんつうものを造ってもらったんだろ・・・。」
ヒトミは、苦笑しながら立ち上がる。
力が入らなくてよろよろと、そして、微妙に涙目になりながらも、
なんとか足に力を入れて扉へと歩き始めた。
- 260 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:15
- 交信です・・・。
- 261 名前:konkon 投稿日:2005/03/07(月) 23:18
- >雨さん
さわやか〜ですね。
まぁ、性格は違うけどレイナみたいなキャラに
してみたかったんですよね。
彼女も強い敵と戦いたい病にかかってましたw
>七誌さんデスさん
ケイちゃん、強かったです♪
アサミについては、まぁ、マキの戦いまで?っつうか
中間地点までお待ちを・・・(汗)
>151さん
武士道っていいですね〜w
お互いを理解し合う、何かカッコイイです!
クールな強さがケイにはお似合いかとね・・・。
- 262 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/03/08(火) 11:01
- 更新おつかれいな〜
ヒトミ〜〜〜!!!どうなる!?
アサミの喋り方はもう貫禄ですな。
- 263 名前:MS 投稿日:2005/03/08(火) 13:01
- 更新おつかれいな。
ケイに続いてヒトミが勝ちましたね。
この調子で他の仲間も勝っていってほしいです。
次の更新お待ちしております。
- 264 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:37
- 「このぉっ!」
「無駄だっ!」
リカの槍を、マイが羅節混で大きく弾いた。
「四の突、連!」
リカは一度距離をおいて、銀を分散させて無数の槍を作り上げ、
それら全てをマイに向けて放つ。
「無駄だと言っている!」
マイが羅節混を分離させ、全ての槍を叩き落していく。
「だったらっ、参の突、捻!」
今度は、リカは槍を捻り、高速回転を起こして竜巻を放つ。
「くだらん。豪鬼・流撃波!」
マイは羅節混を一本の混に戻し、気を溜めて鋭く突き出した。
すると、混から放たれた気の流れが捻を貫き、リカをも吹き飛ばした。
リカは勢いよく壁にぶつかり、地面に倒れ込んだ。
- 265 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:38
- 「"流動"の力を持つ、この私に敵うわけがなかろう。羅節混と
この力があれば、お前の力を打ち破るのは容易いものだ。」
「ぐっ、ぅぅ・・・。」
リカの体は、マイの攻撃によって至る所が腫れ上がり、血が流れていた。
すでに、瀕死といっても過言ではない状態だった。
それでも、激痛で体を震わせながらも、リカは槍を支えにして立ち上がる。
「もういい。もう立つな。」
余裕からか、マイは構えも取らずにリカに近づいていく。
「次の一撃で終わらせてやる。だからもう抵抗するな。」
「フフッ、けっこう、いいとこあるじゃない・・・。」
「そういう意味じゃない。つまらなすぎるんだよ。お前の相手はな。」
マイは憮然とした表情で言い放つ。
- 266 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:38
- 「弱すぎる。お前は"弱い"から、戦っててもつまらないんだよ。」
「私が・・・弱いですって・・・。」
「そうだよ。私はもっと強いやつと戦いたいんだ。血が騒ぐような、
私を満足させるようなやつと戦いたいんだよ。」
「私は、弱くない・・・強くなったんだ・・・。」
リカは、下を向いてぶつぶつと呟いている。
今のリカには、マイの言葉も聞こえていなかった。
それほどまでに、リカは怒りに満ち溢れていた。
「私は、弱くなんかないっ!強いんだーーーっ!」
ゴォォォォッッッッ!!!
突然、リカの体から強力な覇気が飛び出した。
その覇気だけで、マイは後ろに吹き飛ばされる。
- 267 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:39
- 「な、何が起こってるんだ・・・?」
マイは訝しげな表情をして、リカのことを見ている。
リカは体の痛みを忘れたかのように、とてつもない気を放っている。
「私を怒らせたこと、死んで後悔するのね。」
リカの鋭い眼光が、マイを睨みつけた。
先ほどまでとはまるで別人のように、リカの気が膨れ上がっていた。
「・・・面白い。勝負だっ!」
マイは軽く口元をにやつかせ、リカに飛び掛かった。
「うぉぉぉっ!」
マイが素早い突きを繰り出していく。
それをリカは、目を細めて軽く体をずらして避けている。
- 268 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:39
- 「何っ!?」
「遅いんだよ!」
リカは槍を地面に突き刺して、その反動を利用して高く飛び上がり、
マイの顔を蹴り飛ばした。
「ちっ・・・。」
マイは口から出た血を拭って、羅節混を分裂させる。
「死ねっ!豪鬼・阿修羅掌!」
マイが流動の力で羅節混を振り回し、あらゆる方向からリカを攻める。
「もう、見飽きたよ!」
リカは銀を伸ばし、振り回して羅節混を弾いていく。
「なっ!?」
「ハァッ!」
リカは羅節混を全て弾くと、伸ばした槍をマイに向けて横から振るう。
- 269 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:40
- 「ちぃっ!」
マイは素早く羅節混を戻し、リカの槍を受け止める。
直後に、槍が羅節混にぶつかった部分から折れ曲がり、フレイル状になって
マイの首に巻きついた。
「くっ・・・。」
「ハァァァッ!」
リカは銀を勢いよく振り切って、マイを壁に叩きつけた。
「くそ・・・。」
マイは頭から血を流しながら、近づいてくるリカを睨みつける。
「何なんだよ、この力は・・・?なぜそれだけの傷で、ここまで戦える・・・?」
「ねぇ、あんたってさ、努力ってしたことってある?」
リカは立ち止まって、マイに向けて聞き返した。
- 270 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:41
- 「私は弱かったよ。みんなよりも、弱かった。だからこそ、
強くなろうとここまでがんばってきたのよ。」
リカは気付いていた。
魔道士であるナツミとカオリを除く、他の仲間の誰よりも
自分の力が劣っていることを。
自分の村を守るために、ひたすら鍛えてきた。
だが、母親が病気になるまで一度も村を出たことがなく、実戦経験が
少ないリカは今一つ力が劣っていた。
生死をかけた戦闘ほど、本当の強さが生まれてくるものである。
そういった意味では、他の仲間達は幾度も死線を乗り越えてきたのだった。
リカと同じように、あまり町から出なかったアサミでさえも、
シャルウィーの町はリカの村とは比べ物にならないほどに広く、
そのため魔物に襲われやすかった上に、町の誰よりも前線で魔物と
戦ってきたために、アサミは真の強さを心得ていた。
- 271 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:42
- そこでリカは、帝国兵でありつつ、最も多く様々な死線を乗り越えてきた、
ケイに指導を頼み込んでいた。
ケイは一切の妥協は許さず、そして、修行というレベルではなく、まさに地獄と
いっていいほどの試練であった。
それもそのはず、ケイが数年かけて磨き上げてきた技術を、たったの数日で
身に付けなければならなかったのだ。
本気で死にそうになった時もあった。
それでもリカは、あきらめずに必死になって修行してきた。
強くなるために。
それを否定されたリカの怒りは、計り知れないものであった。
- 272 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:43
- 「私が今まで積み重ねてきたもの、それが今の私の支えになっている。
あんた程度に負けてたら、ケイに顔を見せられないわ。」
「・・・調子に乗るなよ。豪鬼・流撃波!」
マイが立ち上がり、リカに向けて鋭く羅節混を突き出した。
「壱の突、寸!」
リカは向かってくる羅節混に飛び込み、槍を突き出した。
ドゴーンッ!
「ぐっ・・・。」
凄まじい衝撃のあと、吹き飛ばされたのはリカだった。
リカは激しく地面を転がっていく。
- 273 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:45
- 「これで決めてや・・・。」
マイが飛び出そうとしたその時、自分の体に違和感があることに気付く。
「うわーっ!わ、私の腕が・・・。」
羅節混を持っている感触、いや、右腕が肘から先が無くなっていたのだ。
傷口からは、大量の血が噴出している。
「あんたの後ろだよ。」
リカの声で後ろを向くと、マイの右腕がはるか後方に落ちていた。
「な、何をした・・・?」
「私が放ったのは、ただの寸じゃない。裏当てで放ったのよ。」
リカは地面から起き上がって、マイの疑問に答えた。
- 274 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:50
- 「ど、どういう意味だ・・・?」
「私達のデータを知ってるんじゃなかったの?それとも裏当ては、
零の突、極でしか使わないとでも思ってた?裏当ては私の奥義の
一つなのよ。打点と力点をずらすことで、任意の場所に力を直接
ぶつけることができる。私は羅節混を通じて、あんたの右腕に
直接衝撃波をぶつけたってことよ。」
リカはそこまで話すと、銀を変形させる。
マイは慌てて左腕だけで、羅節混を構えた。
「終わりよ。弐の突、伸!」
リカの槍が、マイに向けて急速に伸びていく。
「うぉぉっ!」
マイが大きく羅節混を振り上げ、リカの槍を弾いた。
- 275 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:50
- その瞬間、リカの銀が砕け散っていった。
砕けた銀は、マイの周りを囲むように浮いている。
「えっ!?」
「裏・零の突、滅。」
分散した銀が槍の形を作り上げ、それを捻って高速回転を起こし、
それら全てを同時に、至る方向からマイに向けて放つ。
「くっ、なめるなーっ!」
マイは羅節混を分離させ、それを左腕だけで振り回し、迫ってきていた槍を全て叩き落した。
「この程度で、私を倒せると思って・・・。」
ドゴンッ!
マイの体を、感じたことのないほどの強烈な衝撃が走った。
- 276 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:51
- そして、二度と感じることはなかった。
その衝撃で、マイの体中の骨が粉々に砕け、マイの体は完全に
機能しなくなったのだから。
「ゴブッ!」
マイは大量の血を口から吐き出して、地面に崩れ落ちた。
「私の本当の武器は、槍じゃなくてそこから生み出される衝撃波なのよ。
それも、これだけの数の槍から放たれれば、その力は数十倍にもなる。
あんたなんかに、私の銀は止められないわ。」
リカは一つため息をついて、銀を元に戻す。
「私、強くなれたよね・・・。」
誰に言うでもなく、リカは上を見上げてそう呟いた。
- 277 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:51
- 更新・・・です。
- 278 名前:konkon 投稿日:2005/03/10(木) 21:54
- >七誌さんデスさん
ヒトミ、どうなるんでしょうね〜?
そこら辺はアサミが考えてくれるはずですw
アサミは敬語、これは常識です(嘘)
>MSさん
他の仲間、勝てるかな・・・?
ちょっちネタがキレ気味です(超汗)
まぁ、ちょっち時間はかかるかもしれませんけど
なんとか仕事の合間縫って考えます(マテ
- 279 名前:MS 投稿日:2005/03/11(金) 15:48
- 更新おつかれいな。
最初の頃に比べたらリカは強くなりましたね。
ネタ切れ気味ですか・・・。
時間はいくらかけてもいいですから、
ゆっくり焦らず頑張ってください。
次の更新お待ちしております。
- 280 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/03/11(金) 21:54
- 更新おつかれいなー
リカは強くなるましたね〜。
てか作者さんすごいですね〜あんなにたくさん技考えれるなんて・・・。
最後まで読ませていただきます(ビシッ
- 281 名前:151 投稿日:2005/03/12(土) 10:42
- 更新おつかれいにゃ。
やっぱりヒトミは体張ってますねー!
アサミも大変だw
リカはこういうキャラだったのかぁ。
ああ麗しきかな、師弟愛。
- 282 名前:雨 投稿日:2005/03/12(土) 13:33
- 更新お疲れ様です。
リカ、凄いですね〜。
ケイの修行、想像しただけでも・・・ブルブル
やはりこの人が一番努力とか根性が似合うような気がします。
次回更新、慌てず騒がず待っております。
- 283 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 14:52
- 「ブラッディ・ガン。」
「ちぃっ!」
ミヤビの指先から放たれた血の弾丸を、アイボンは横に飛んで避ける。
血の弾丸を避け終わると、アイボンは超スピードでミヤビに接近して剣を振るう。
それをミヤビは、血の剣で受け止める。
「せやっ!」
アイボンの剣が、ミヤビの肩を斬りつける。
「フン。」
ミヤビは肩から出ている血も気に止めず、アイボンに剣を突き出した。
「くっ・・・。」
アイボンは後ろに飛んで、ミヤビの剣を避ける。
- 284 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 14:53
- 「はずしたか。次は当てる。」
「こいつ・・・何であれだけの傷で、まだ動けるんや?」
アイボンが斬りつけたのは、これが初めてではない。
肩だけでなく、腕や足、幾度もミヤビの体の至るところを斬りつけていて、
ミヤビは体中が血に染まっていた。
だが、それでもミヤビは平然とした表情で立っている。
その状態が、アイボンを混乱に陥らしていた。
「ならば、これで決めたるわっ!」
アイボンは、勢いよくミヤビに向かって突っ込んだ。
そして、大きく剣を突き出した。
それを見て、ミヤビはブラッディ・ソードを盾の形に変える。
- 285 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 14:54
- 「ブラッディ・シールド。」
「無駄やっ!」
アイボンが放ったのは、リカの壱の突、寸だった。
衝撃波が血の盾を突き破り、アイボンはその勢いのままミヤビの
懐に飛び込んで、腹に剣を突き刺した。
「へ〜、ミヤビのブラッディ・シールドが破られるなんてね。
あんたって、思ったよりもすごかったんだね。」
「なっ・・・。」
ミヤビの腹からは血が止めどなく溢れ出し、すでに下半身を紅く染めている。
それでも、ミヤビの表情は変わらない。
むしろ、体から血が出ていることに、喜びを感じているようにも見える。
ミヤビが拳を大きく振り上げる。
- 286 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 14:55
- 「くそっ・・・!?」
アイボンは、ミヤビの体から剣を引き抜いて下がろうとしたのだが、
血が固まって剣を引き抜くことができない。
「喰らいなよ。」
ドゴンッ!
ミヤビの拳がアイボンの腹に深く埋まり込み、大きく吹き飛ばす。
「ゴホッ、うぐぁ、ぁぁ・・・。」
「ブラッディ・アクティベイト。血を急激に活性化させることで、
強力な力を得ることができる。血にはこんな使い方もあるんだよ。」
地面に叩きつけられたアイボンは、大量の血を吐き出して悶絶していた。
- 287 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 14:57
- ミヤビは、やはり表情を変えることなく、自分の腹に刺さっている剣を
無造作に引き抜いた。
その瞬間に、さらに血が溢れ出ていく。
「ミヤビの通り名を教えてあげる。"不死身のミヤビ"。ミヤビには、
痛覚というものが存在しない。そして、どれだけ出血していようとも、
すぐに血が作り出されるから死ぬこともない。」
「くっ・・・化け物かよ・・・。」
アイボンは、腹を押さえて体を震わせながらも立ち上がる。
先ほどの衝撃で、アバラの骨が悲鳴を上げている。
アイボンの表情は、痛みで引き攣ったままの状態だ。
「それが最後の言葉だなんて、あんたにはお似合いかもね。」
ミヤビはアイボンの剣、漆黒剣をアイボンに投げつけた。
- 288 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 14:59
- 「このっ!」
アイボンは少しだけ横に飛んで、素早く手で漆黒剣を掴み取った。
直後に、
ドッ!
「うぁーーーっっっ!!!」
ミヤビの五本の指から何メートルも大きく伸びた剣が、アイボンの
左腕に突き刺さった。
アイボンが剣から自分の左腕を引き抜くと、血が噴出して地面に垂れていく。
「ブラッディ・シュート。本当は心臓を狙ったんだけど、ちょっと
ミスっちゃったみたいだね。でも、これで左腕は使えない。」
ミヤビは軽く笑みを浮かべて、再び腕を振り上げる。
- 289 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:00
- 「アヤでも、ミキでもない、本当の最強はこのミヤビなんだよ。
誰にも"真似"できない、この力こそが最強の証だ。」
その言葉を聞いて、アイボンは軽く眉を吊り上げる。
「誰にも・・・真似できない、やと・・・?」
「これで決めるよ。ブラッディ・シュート。」
ミヤビが腕を突き出すと、指先から血の剣が急速に伸びてアイボンを襲う。
アイボンは、血に濡れた右手を一度だけ見て、ブラッディ・シュートに目を向ける。
アイボンの目の前まで迫った瞬間、
「えっ・・・?」
驚きの声を上げたのはミヤビだった。
ブラッディ・シュートを、アイボンはなんと右手の指一本で受け止めていたのだ。
いや、指についた血が硬質化していて、ブラッディ・シュートの
衝撃を受け止めたのだった。
- 290 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:02
- 「・・・なるほどな。自分の血やから、意外と簡単に操れるもんなんやな。」
「血を・・・操れるだと?・・・フン、まぐれに決まってる。」
「うちに真似できんもんなどないわ。それよりも、早く剣を
切り離したほうがいいで?」
「何?・・・そ、そんな・・・。」
アイボンの指先に触れているブラッディ・シュート、それが、
剣先から徐々に砕けていたのだ。
ミヤビが指から切り離した直後に、血の剣が粉々に砕け散った。
「な、何をした・・・?」
「うちの血を、お前の血の剣に混ぜ合わせたんや。どうやらうちの血は、
魔物の中でも特別な竜人の血らしいんやわ。やから、拒絶反応を
起こしたんやろ。お前の血やなくて、うちの血がね。」
アイボンは、口元をにやつかせてそう答えた。
- 291 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:04
- 「大量な武器があれば強いわけやない。要は使い方がうまいかどうか、
それが本当の強さや。こんな感じでな!」
アイボンが血で濡れた右腕を振り切った。
いくつもの弾けた血が、弾丸のようにミヤビを襲う。
「くっ・・・。」
ミヤビは素早く横に飛んで、弾丸を避ける。
「言ったやろ、どれだけうまく操れるかってな。」
直後に、ミヤビが避けたはずの血の弾丸が急に反転し、
ミヤビの背後から襲い掛かる。
「ぬぉっ!?」
全く気付かなかったミヤビの体を、弾丸が貫いていくつもの穴を空けていた。
ミヤビは体中から血を溢れさせ、完全に血まみれとなっていた。
- 292 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:05
- 「どうしたよ?血を操れるからって勝ち誇るんやったら、こんくらいの
ことはやってほしいもんやな。エリは今のを軽々とこなしてたで。」
「ちぃっ、なめた真似を・・・。」
「血を出しすぎやないか?顔色悪いで〜。」
「フン、こんなもの、痛くも痒くもない。だが・・・。」
ミヤビの体から流れている血が、ミヤビの目の前に巨大な球体となって作り出される。
「私の力を使われるほど、侮辱的なこともない。」
「別にいいやろ〜。うちが誰の技を使おうと。」
「ふざけるな。血の使い手はミヤビ一人で十分だ。」
ここにきて、初めてミヤビの表情が変わる。
それは、自分の技を使われたという、怒りに満ちた表情だった。
- 293 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:07
- 「消え失せろ。ブラッディ・スネイク!」
血の球体から巨大な蛇が生み出され、アイボンに向かって飛んで行く。
「漆黒剣よ、主の声に答え、真なる龍を呼びださん。焔惑龍。」
漆黒剣から、強力な炎が生み出され、それが巨大な龍の形を作り上げる。
「(やつが焔惑龍を出そうとも、左腕を使えない今では・・・。)」
「(あいつの力のほうが強いやろな・・・)」
今のアイボンとミヤビ、今使える焔惑龍とブラッディ・スネイクでは、
ミヤビの力の方が強いとお互いが認識していた。
そこで、
「でもな、血にはこんな応用もできるんやで。」
アイボンはまた別の策を練っていた。
「邪悪なる闇精霊、シェイドよ。我が血と混じりて力を生み出されよ。」
アイボンが、血のついた右手を焔惑龍に触れる。
すると、当然ながら血が瞬時に蒸発されていく。
同時に、焔惑龍の炎の色が青ではなく、黒く染まっていく。
- 294 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:09
- 「最強最悪の魔龍、邪王・炎殺黒龍波!」
アイボンの剣から、黒い龍が飛び出していく。
そして、炎殺黒龍波は一瞬にしてブラッディ・スネイクを蒸発させて、
ミヤビをも飲み込もうとする。
「そんな・・・うそだ・・・。」
炎殺黒龍波がミヤビを飲み込んだ瞬間、
ドゴゥゥゥゥゥ!!!
天井を突き抜けるような、黒い火柱が立ち上がった。
火柱が消えたあとには、何一つ残っていなかった。
「血の契約、自分の血を触媒として、悪魔の力を借りたんや。
言ったやろ、力やなくて使い方やって・・・っつ!」
戦闘が終わって、自分の肩から血が出ていることに気付く。
同時に、足がふらついて地面に倒れ込んだ。
「あかん、貧血になりそうやわ・・・もう、この技は使えんな。」
アイボンは、肩の傷を癒しながら歩き始めた。
- 295 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:12
- >MSさん
リカは少しづつつよくなってますね〜。
ありがとうございます。
できる限り更新のペースを変えないように努力します!
>七誌さんデスさん
ん〜大体は自分がこうしたい、ああしたいっていうのを
出せるだけ出してるって感じですかね(汗)
そのためにも微妙な矛盾点が・・・。
そこら辺は気にせずにです(マテ
- 296 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:14
- >151さん
体を張るのがヒトミですからw
アサミは大変?これも計算通りでだったりして(謎)
彼女は完璧ですから♪
リカとケイ、一時期はまった師弟愛の再来です(笑)
- 297 名前:konkon 投稿日:2005/03/14(月) 15:17
- >雨さん
自分もそう思います。
修行っていうとなんだかんだでこの二人って
感じがするんですよね〜。
ケイの修行は容赦ないでしょうね〜(超汗)
レス返しミスです。
レスの無駄遣いして申し訳ないです・・・m(_ _)m
- 298 名前:MS 投稿日:2005/03/14(月) 16:39
- 更新おつかれいな。
アイボンのその新しい技は・・・アレっすか。
その技は知ってるんで詳しくは言いませんが。
アイボンがその技使っているところが、
なんとなく想像つきました。
次の更新お待ちしてます。
- 299 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/03/14(月) 21:50
- うお〜更新おつかれいな
アイボン強いっすな〜www
皆がんばれーって感じですw
- 300 名前:桜娘 投稿日:2005/03/16(水) 00:57
-
更新おつかれさまです。
アイボンスゲェー強い!!
みんなどこまで強くなるのか、これからも楽しみにしてます。
- 301 名前:151 投稿日:2005/03/16(水) 18:16
- 更新おつかれいな。
右に同じくアイボン強っ!!
この人もかなりオリジナリティが
出てきましたね☆
- 302 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:41
- 更新します・・・けど今回の対決はちょっと残酷なので
心臓の弱い方?は読まない方がいいかもですね・・・。
結果だけ言えば、ノゾミの勝利です。
では、どうぞです。
- 303 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:41
- 「何・・・?」
「・・・狂獣擬。」
チサトは、ノゾミの醸し出す雰囲気に顔を顰める。
ノゾミは手を前に垂らし、上半身を下げている。
そして、荒い息を何度も吐き出して、体を震わせていた。
「ウッ、ウォォォォォーーーーーッッッッッ!!!!!」
突然、ノゾミが両手を広げて背中を仰け反らせ、部屋に衝撃を走らせるほどの
大声で叫び出した。
その声はすでに人間のものではなく、エリザベスのような獣に
近い叫び声だった。
「ぅぅぅ・・・。」
ノゾミがゆっくりと頭を下げる。
その時、ノゾミの眼光にチサトの姿が写った。
- 304 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:42
- 「わけわかんない。でも、どうせだからもう少しだけ力を出してあげる。」
チサトの力が、急激に増していく。
「今までは、"50%"しか力を出してなかったんだよ。ここからは"80%"、
今更何をしようと無駄なんだよ!」
チサトは猛スピードでノゾミに飛び込み、顔を殴りつける。
「ほらほらほらっ!何かしたいんじゃないのかよ!?」
チサトは、次々とノゾミの体を殴りつけていく。
対するノゾミは、無抵抗に殴られている。
「これで沈みなっ!」
チサトが大きく拳を振り上げる。
直後に、
「えっ?」
ノゾミの姿が消えた。
- 305 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:45
- チサトの目には、そう映ったのだ。
ノゾミはへばり付くように地面にしゃがみ込み、そこから大きく飛び上がり、
チサトを肩で突き飛ばした。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!」
ノゾミの二度目の雄叫びが、部屋に地響きを与える。
「ちっ・・・。」
着地したチサトは、ノゾミが向かってくる気配を察して構える。
同時に、ノゾミの思考を読み取った。
「何よ、これっ!?」
思考を読んだチサトは、大声で驚きの声を上げた。
- 306 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:46
- 次の瞬間、
ズバッ!
チサトの左腕を、ノゾミが爪で斬りつけたのだ。
チサトは全く反応できなかった。
恐るべき超スピードだった。
チサトの左腕から、血が噴出していく。
腕を押さえる間もなく、ノゾミが振り返ってチサトを睨みつける。
「こいつ・・・何なのよ・・・。」
ノゾミは四つん這いになって、深く腰を下げる。
その姿は、まさに肉食獣を思い出させる、ただ敵を滅殺するという
本能そのものだった。
- 307 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:49
- ノゾミは周りを飛び回って、チサトを混乱させていく。
先ほどまでは、ノゾミがかく乱するという思考を読み取ることが
できたからこそ、反応できた。
だが、チサトが今のノゾミの思考を読んだところ、
「(殺すっ!殺すっ!殺すっ!殺すっ!殺すっ!殺すっ!殺すっ!・・・。)」
それだけだった。
考えも何もない、ただ、殺意のみでチサトを追い込んでいた。
「・・・いい加減、むかついた。ぬんっ!」
チサトが力を振り絞った瞬間、チサトの体中の筋肉が、
異様なほどにまで膨れ上がっていく。
その力だけで、地面に巨大な亀裂を生んだ。
- 308 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:50
- 「フハハハハッ!私の本当の力は、敵の思考を読み取る"心眼"だけではない!
どんな攻撃も受け付けないこの強靭な肉体、全てを破壊できるこの力、
それこそが私の武器なんだよ!もうお前の攻撃なんか効かないよ。
そして・・・。」
本気を出したことで、チサトの五感も敏感になってきている。
速すぎて見えなかったノゾミの姿が、今では捉えることもできる。
チサトはノゾミの動きを見極めて、飛び込んできたところを左腕で
防御したと同時に、右腕で殴りつけようと判断する。
「(フン、丸見えなんだよ。ここだっ!)」
目の前に現れたノゾミが、チサトに向けて拳が振るわれる。
チサトは左腕で防御しようと構える。
- 309 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:52
- ここまではチサトの狙い通りだった。
そう、ここまでは。
ゴキッ!メキメキッ!
チサトの体は、本気を出して強靭な体質になったにも関わらず、
ノゾミの計り知れない腕力によって、チサトの左腕が折れたのだ。
そして、衝撃で大きく吹き飛ばされる。
「なっ・・・!?」
痛みよりも先に、混乱が頭の中をかき乱した。
チサトの理解を超えている。
- 310 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:53
- 「(何で・・・こいつは、こいつは・・・。)」
徐々に混乱から、恐怖へと移り変わっていた。
パワー、スピード、そして殺意、今のノゾミは完全に獣の化身となっていた。
さらにノゾミは、チサトの周りを飛び交って、隙があれば飛び込んで豪腕、
時には爪を振るって、チサトを追い詰める。
「(うっ、うそだ・・・体が震えて・・・怖い?この私が・・・?)」
今までに、人間を恐怖させることが喜びだったチサトは、
まさか自分が恐怖にかられるとは、思ってもなかった。
ノゾミの左腕が、チサトの左足を深く抉る。
「うぁっ!ぅぅ・・・。」
チサトは、その場から逃げようと後ろを振り返った。
直後に、ノゾミがチサトの目の前に現れ、顔を掴んで地面に叩きつけた。
- 311 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:55
- 「ぐっ・・・。」
それでチサトの恐怖は終わらなかった。
むしろ、ここからが始まりだったのかもしれない。
ノゾミがチサトの腹の上に乗りかかり、マウントポジションを取ったのだ。
「こいつっ!」
ノゾミから離れようと、チサトはまだ使える右腕でノゾミの顔を殴りつけた。
ノゾミはほんの僅かに揺らぐだけで、大した反応は見せない。
ノゾミはチサトの右腕を掴み取り、立ち上がって足で右肩を押さえて、
強引にも引っ張った。
ゴキッ!
「うぁぁぁぁぁぁっ!!!」
それによって、チサトの右腕の間接が外れた。
それでも、ノゾミは止まらずに右腕を引き続ける。
- 312 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:56
- チサトの呻き声が、先ほどからずっと途絶えずにいる。
そして、
ブチッ!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
チサトの腕を、ノゾミは力で引き千切った。
ノゾミはチサトの腕を放り捨て、泣き叫んでいるチサトの顔を睨みつける。
「ぐぁぁぁっ、モガッ!」
チサトの声に嫌気が差したのか、ノゾミはチサトの口を狙って
何度も踏みつけていく。
一度踏みつける度に、歯が折れ、顎の骨が砕け、血を吹き出していく。
ようやくチサトの声が止まると、再びチサトの腹に乗り掛かる。
- 313 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:57
- 「ウォォォォォッッッッッ!!!!!」
ゴッ!
ノゾミは叫びながら、チサトの胸を両手を重ねて叩き付けた。
何発も何発も、繰り返して殴りつけていく。
「・・・・ぁ・・・ぉ・・・ゴハッ!」
胸骨が砕け、チサトは口から大量の血を吐き出した。
撥ねた血が、ノゾミの顔にもかかる。
それが気に食わなかったのか、今度はチサトの顔を殴りつける。
「うがっ!ハァ・・・。」
チサトがどれだけの苦悶の表情を作ろうと、ノゾミは殴るのをやめなかった。
- 314 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:58
- チサトの頭には、すでに何も頭に浮かんでいなかった。
ただ一つだけ想うことがあるとしたら、拷問としか呼べない容赦のない
攻撃から逃げたくて、すぐにでも死にたかった。
それでも、強靭な体となったチサトはノゾミの恐るべき攻撃力でも、
簡単に死ぬようなことはなかった。
もし、初めから本気を出してノゾミを倒していたら、ノゾミを怒らせなければ、
チサトを恐怖が縛り付けることもなかったのだろう。
十数発目というところで、チサトの頭蓋骨が砕け散る音が聞こえた。
それがチサトの最期だった。
それを知らずに、ノゾミは死んでいるチサトの体中を抉り続ける。
いくつもの血飛沫が、ノゾミの体を濡らしていく。
- 315 名前:konkon 投稿日:2005/03/18(金) 23:59
- しばらくして、狂獣擬が解けてノゾミの思考が働き出す。
さっきまでチサトだった物を見た瞬間、ノゾミは吐き出しそうに
なってその場から離れた。
ノゾミは涙目になって、少し離れたところからチサトを一回だけ見た。
チサトの体は部分的に千切り離され、中身は全て抉り取られていた。
「ノノは・・・ノノは・・・。」
ノゾミは、途中まで口に出してそこで止めた。
ノゾミは徐に血で濡れた服を破り捨て、濡れてない部分で自分の胸に巻き付ける。
理由は二つ、服についた血が固まってしまうと、身動きがとりにくくなること。
そしてもう一つ、こちらの方がノゾミにとって大事であろう。
自分が血に濡れた姿を、仲間達に見られたくなかったからだ。
「・・・。」
ノゾミは溢れ出る涙を拭いながら、部屋を出て行った。
- 316 名前:konkon 投稿日:2005/03/19(土) 00:00
- 更新です・・・。
- 317 名前:konkon 投稿日:2005/03/19(土) 00:05
- >MSさん
アイボンの技、たくさんの人が知っているでしょうね〜。
いろいろと突っ込みたいとは思いますが、そこら辺は
創造しやすかったということでお許しを・・・(汗)
>七誌さんデスさん
アイボンも強くなりましたよ〜♪
何でも真似できて頭の回転が速いアイボン、
なんとなく惹かれちゃうんすわ〜w
>桜娘さん
ん〜これ以上強くでき、る、かな・・・?
まぁ、ぼちぼち強くしてあげたいと思いますw
>151さん
確かにキャラ的にはオリジナリティがあるものの、現実では
パクリまくりっていうのがなんとも・・・(超汗)
大体は思いつきですけどね(爆)
- 318 名前:MS 投稿日:2005/03/19(土) 23:20
- 更新おつかれいな。
この拷問?は敵だけどかわいそうだなと思いましたね。
ノゾミの力(腕力)って強いっすっね。
この新しい技は強いのはいいんですが、
理性?を失ってしまうのが難点ですね。
次の更新お待ちしております。
- 319 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/03/20(日) 21:58
- 更新おつかれいな
ノノ・・・なんかこれだけは敵に少し同情してしまう・・・。
理性を失ってるのはきついっすねー。
- 320 名前:151 投稿日:2005/03/21(月) 05:30
- 更新おつかれいな。
konkonさんは高い表現力をお持ちですので
二人のファンの人は読まないほうがいいでしょうねぇ。
エヴァの某シーンを思い出しました。
- 321 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:45
- 「おぉ、お疲れさん。」
次にノゾミの目に入ったのは、すぐ目の前にいるヒトミ、リカ、アイボンの姿だった。
少し先には、マキの戦闘を見ているアサミ達の姿がある。
それを見たノゾミは、一瞬だけ安堵したがすぐに暗い顔をして俯いた。
「ノノ、どうしたん?何かあったんか?」
アイボンが心配そうな顔をして、ノゾミの顔を覗き込んだ。
その様子に気付いたヒトミとリカは、黙って二人を見ている。
「ノノって・・・何なのかな・・・?」
「・・・ノノ?」
「この戦いが終わったら、もうノノには近づかない方がいいれすよ・・・。
ノノは・・・化け物なんれす。何れも殺してしまうような、そんな、
化け物なんれすよ・・・。」
ノゾミは、泣きながらそう呟いた。
- 322 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:46
- 自分の自我がなくても、チサトの惨い死に方を見れば自分がどれだけの
ことをしたか、ノゾミはよく理解していた。
「もしかしたら、みんなも殺して・・・。」
「なぁ、ノノ、うちって何なんや?」
ノゾミの言葉の途中で、アイボンはそう聞いた。
「うちは魔物、それも最上級の魔族らしいんや。それなのに、今はこうして
みんなでオロチを倒そうと戦ってる。さて、これってどう思う?」
ノゾミは、アイボンの言っている意味がわからなくて、ただアイボンの顔を見ていた。
「うちらがなんやろうと、関係ないやろ。うちらは仲間、
それだけでええやないか。ノノはノノやろ。ノノが何者で
あろうと関係ない。ノノが仲間を殺そうとするなんて、
そんなことありえへんわ。うちはそう信じてる。」
「私も信じてるよ、ノノ。」
リカが優しくノゾミを抱きしめた。
- 323 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:47
- 「ノノはさ、ちょっとだけ暴れん坊で、いたずら好きで、大食らいで欲張りで、
でもすっごく優しくていい子だよ。そんなノノを、私は大好きだよ。」
「そうだぜ。うちらに何かあったらノノが助けてくれるだろうし、
ノノに何かあったなら、その時はうちらが絶対に助けるよ。
うちらは大切な仲間じゃん。」
ヒトミは優しくノゾミの頭に手を置いた。
「ふぐ・・・ふぅぅ・・・。」
「それはアイボンにも同じことが言えるよ。」
ヒトミは、もう片方の手でアイボンの頭を撫で付ける。
「何かあったら、父ちゃんもいるし、母ちゃんもいるんだから、
いくらでも頼りにしてこい!」
「・・・父ちゃんって、自分のことか?」
「当然!ちなみに、母ちゃんはリカね。」
ヒトミは笑って答える。
- 324 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:47
- 「ほらっ、みんなのとこに戻ろう。こんな戦いさっさと終わらして、
みんなでどっかに遊びに行こうぜっ!」
「おうっ!」
「・・・うん!」
アイボンは元気に、ノゾミは涙を流しながらも、笑顔で頷いた。
ノゾミは、二度と狂獣擬を使わない、そう心に決めつけた。
これからもずっと、この大切な仲間達と共にいたいから。
ノゾミもヒトミ達と一緒に歩き出した。
「お〜、チビッ子達、無事だったか!」
近づいてきたヒトミ達に気付いたマリは、勢いよくアイボンとノゾミに抱きついた。
「のわっ!」
「ったく、大袈裟やな〜。」
嬉しそうに笑っているマリを見て、アイボンとノゾミも口元を緩ませる。
- 325 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:48
- 「っつうか、自分が一番身長低いやないか。」
「マリの方がチビれすよね。」
「・・・むかつく〜、おいらをなめんなよ!いつかはお前らの
身長抜いてやるんだからな!」
マリのありえない言葉に、アイボンとノゾミは噴出した。
「「絶対無理。」」
「二人してハモるんじゃねぇ!何気に傷ついてるんだからな!
生意気なチビッ子共め、帰ったらお仕置きしてやる!」
そう言ったマリの顔にも、笑みが零れていた。
「ケイ・・・。」
リカの声で、ケイはゆっくりと振り返る。
- 326 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:50
- 「無事だったか・・・。」
「うん・・・すごい強かったよ。でも、ケイにたくさん教えてもらったから、
なんとか勝てたよ。ぎりぎりだったけどね・・・。」
リカは苦笑して、ケイの次の言葉を待つ。
「全くだね。もっと綺麗な勝ち方を覚えたら?」
「・・・。」
確かにケイよりも重症だが、それなりに負傷しているケイに言われたくない、
そう思いながらも、リカは小さいため息をついた。
「少しは自信を持ちなさいよ。あんたは強くなったんだから。」
「えっ・・・?」
何よりも聞きたかった言葉を聞いて、リカは顔を上げる。
- 327 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:50
- 「私があんたを鍛えたのよ。強くなって当然じゃない。あんたは私の試練を
乗り切った。本当に、強くなったわよ。身も心もね・・・。」
「ケイ・・・。」
「お疲れ様。よくやったわね・・・。」
ケイは恥ずかしそうに、呟くようにそう言った。
「・・・うん!」
それを聞いて、リカは嬉しそうに頷いた。
オロチを倒すために、ここまで強くなった。
だけどそれだけではなく、その中にはケイに認めてほしかったという、
もう一つの理由もあったかもしれない。
それが開放された今、リカは喜びに満ちていた。
- 328 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:51
- 「(やってやる!この調子でオロチもぶっ倒してやるんだから!)」
そんな気持ちが、リカの心の中で強く渦巻き出していた。
「アサミ・・・。」
ヒトミは、少し情けない声でアサミを呼びかけた。
「・・・ベリーズに勝ったのにそんな顔をしているとは、もしかして
使われたんですか?私との約束を破って。」
アサミは、表情を変えずにヒトミに向き直った。
その表情は、少し怒っているように感じた。
アサミの顔を見て、ヒトミは一歩下がる。
そんなヒトミを気にせずに、アサミはヒトミの腕を点検し始める。
- 329 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:51
- 「やれやれ、無茶をなさるから、これではあと少ししか持ちませんね。
この調子では。かなりの機障を起こしていますよ。」
「ごめん・・・。」
「この腕では、持ち堪えたとしてもこの戦いが終わるまで、って
とこですね。そのあとはどうするつもりなんです?」
「・・・。」
アサミの問いに、ヒトミは下を向いてしまう。
「・・・冗談ですよ。それだけ敵が強かったということですからね。
これも計算のうちです。この戦いが終わったら、新しい両腕を
作ってあげますよ。完璧です。」
アサミは笑顔でそう言った。
- 330 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:52
- 「ありがとう・・・。」
「それより、マキのことではなく自分の体を心配しているなんて、
どういった心境なんですか?」
「マキなら心配いらないっしょ。私は・・・。」
「ブルー・クリムソン!」
ドゴゥゥゥゥッ!!!
突然、部屋の中心部で熱気と冷気の渦が発生した。
それに反応して、アサミとヒトミ、いや、全員がそちらに向き直った。
その渦に、一体のベリーズが巻き込まれて、粉々に散っていくのが見える。
渦が消えると、そこには一つの影が残っていた。
- 331 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:53
- 「これで二体目、次の相手は?」
ベリーズを吹き飛ばした張本人、マキは自信に満ちた表情でミキを見ていた。
「相変わらずすっげぇな〜。もう二体も倒したんだ。」
「ええ。でも、あなたはわかっていたのですか?ここまでマキが
ベリーズを倒すことを計算して・・・。」
「私に計算なんてできるわけないっしょ。ただ、私は
マキを信じてる。それだけさ。」
ヒトミの言葉に、アサミは多少の驚きを覚える。
「アサミには悪いんだけど、今までマキと一番一緒にいたのは私なんだ。
だから、マキがどんな気持ちで戦っているかもよく知ってるし、
誰よりも信じられる、そう思わせてくれるやつなんだよ。マキはね。」
「・・・初めて、少しだけあなたが羨ましいと思いますよ。」
「大丈夫、アサミならいけるよ。自信を持ちなって。」
ヒトミはアサミにウインクしてみせてから、マキに視線を移した。
アサミは少しだけ顔を赤くして、マキの戦いを見つめていた。
- 332 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:53
- 更新です・・・。
- 333 名前:konkon 投稿日:2005/03/23(水) 21:57
- >MSさん
ん〜、敵に同情しちゃいますね〜。
ノゾミの力はメンバー1ですからね♪
半端ではないでしょうね〜。
>七誌さんデスさん
そうですね〜。
属性的にはマキのサクリファーみたいな感じですね。
理性がないから強くなるっていう感じでもありますけどね。
>151さん
前々から思ってましたけど、本当にすごいですね〜。
まさにその通りです。
初号機&某ゲームキャラを混ぜて暴走させたら
こうなりましたw
- 334 名前:MS 投稿日:2005/03/23(水) 22:57
- 更新おつかれいな。
なんかあらためて「仲間っていいな」と思いました。
みんなマキを信じてるんですね。
久々にアサミの女の子っぽいところが見れ気がしました。
次の更新お待ちしております。
- 335 名前:151 投稿日:2005/03/24(木) 19:06
- 更新おつかれいな。
なんか懐かしさを覚えるお話しでした。
仲間はいいねぇ。心を潤してくれる。
リリンの生み出した文化の極みだよw
- 336 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/03/25(金) 14:48
- うお〜マキ強ぇ〜!!
ヒトミも・・・いろいろ良かったなw
アサミは・・・やっぱりですね〜www
- 337 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:41
- 「ハッ!」
「くぅぅ・・・。」
アイがマイミの剣に弾き飛ばされる。
「もらった!」
「ハァッ、ハァッ、ちっ・・・。」
アイは、マイミの剣を転がるようにして避ける。
ここまで超スピードで戦ってきた二人の死合に、少しづつ変化が見えて始めていた。
マイミの剣技に、アイが押され始めていたのだ。
「豪火炎の術。」
アイのいた所を、豪炎が渦巻き出す。
アイは、寸前でなんとかそれから逃れる。
- 338 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:42
- だが、
「遅い。」
ザンッ!
「うぁっ!」
それほど深くもないが、アイが背中を斬られたのだ。
「こ、このっ!」
アイが気力を振り絞り、マイミに剣を振るった。
しかし、マイミはすでにそこからいなくなっていた。
足に力が入らずに、アイはその場にへたり込んだ。
背中だけでなく、アイの体にはいくつもの斬り傷がついていた。
- 339 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:44
- 途中まではほぼ互角だったのだが、長時間チャクラを使い続けていたために、
アイのスピードがマイミについていけなくなってきていた。
「無駄よ。誰にも私のスピードには勝てない。私は疲れというものを、
感じることがないから。」
アイは声がした方を振り向く。
そこには、今までアイと同等の超スピードで動き回っていたにも関わらず、
全く微動だにしていないマイミの姿があった。
逆にアイは、何度も大きく息を吐き出して、状態を整えようとしている。
「ハァッ、ハァッ、どういう、意味や・・・?」
「私の能力は"無"。私には、体力というものが存在しない。だから、
あなたとは違って体力が減ることはなく、永久に超高速の速さで
動き続けることができる。」
「ほ〜・・・すんごい、能力を持ったやつも、おるもんやわ・・・。」
アイは苦笑いを浮かべて立ち上がる。
- 340 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:45
- 「それにしても、そんなすごいやつがミキを慕っておるとはの〜。
ミキにもお前みたいなやつがいて、幸せもんやな・・・。」
「・・・何を言っているの?」
マイミは、訝しげな表情でアイを見ている。
「ほやから、ミキを慕って・・・。」
「慕う?何でそんなものが必要なの?」
マイミの疑問に、アイは口を開けて呆然としている。
「私達の関係は、ただの主従関係。私にはやりたいと思うことがない。
気まぐれにミキに従っているだけだ。仮にミキが死んだとしても、
私はまた別の誰かの下につく。それだけだよ。別にミキでなくてもいい。」
「何でや・・・ミキを守りたいから、お前は戦っているんやないんか!?」
アイは、声を荒げてマイミに聞いた。
- 341 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:46
- 「わからない。何でそんなものが必要なの?言われたことを忠実に
やり抜くだけ、それが忍びよ。一切の感情はいらない。」
マイミの言葉を聞いて、アイは俯いてしまう。
「違う・・・忍びは、忠義はそんなもんやない・・・。」
「どちらでもいい。私はあなた達を殺せという、任務を遂行するだけ。」
マイミが超スピードでアイの目前に迫る。
「任務、完了・・・。」
マイミは、アイに向けて剣を振りかぶる。
マイミが剣を振り抜いた瞬間、アイの姿が消えた。
「・・・?」
「お前に、二つだけ教えてやるわ・・・。」
マイミが声の方を振り向くと、少し先の方にアイが立っていた。
マイミには、アイの動きが全く見えなかった。
- 342 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:47
- 「(私が捉えられなかった・・・?もう動けないのでは・・・?)」
「一つ目に、忍びは本当に慕いたい者のために生きるんやよ。誰よりも
信頼ができて、自分にとって必要だと思える、だからこそその人の
ために生きていく、それが本当の忠義やよ。そして・・・。」
アイの言葉の途中で、マイミが超スピードでアイの背後に回り込み、
首を狙って剣を振るった。
その瞬間、再びアイの姿が消える。
「二つ目に、うちは速さだけなら誰にも負けたことがないんやわ。」
マイミの頭上にアイが現れて、マイミの肩口を浅くだが斬りつける。
「ちっ・・・。」
マイミはアイの姿を確認して、一度距離を置いた。
そこで、マイミの顔が少し険しくなる。
アイのチャクラを溜め込んだ足元が、もの凄い輝きを帯びていたからだ。
- 343 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:50
- 「それは・・・?」
「主のため、カオリのためなら、うちはどんなことでもしてみせる!
それが例え、諸刃の剣であろうともね。」
アイが超スピードでマイミに迫る。
その時、
「なっ・・・。」
マイミには、アイの姿があまりにも速すぎたために、三人ものアイが
襲ってくるように見えた。
「ハァッ!」
「くぅ・・・。」
マイミは二人のアイの剣を防ぐことができたが、残りの一人が脇腹を斬りつけた。
「(残像・・・?何なの・・・このスピードは・・・。)」
「まだまだいくやよっ!」
さらに急激な速さを増して、今度は一気に五人にまで増えたアイが飛び掛かる。
- 344 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:51
- 「くっ、ぬぅ、ぅぅ・・・。」
先ほど同様に、二発までは受けきった。
だが、他の三人のアイが、それぞれ腕、足、胸を斬りつけていた。
「これで、終わりやよ!」
アイの速さが、限界を超える。
凄まじすぎる速さなために、残像が異様な増殖を魅せ、七人ものアイがマイミを襲う。
「(よ、避けきれない・・・。)」
ブシュッ!
一瞬にしてマイミの体中が斬り刻まれ、血が噴き出した。
マイミは、地面に仰向けになって倒れていく。
- 345 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:52
- 「瞬速剣技、鳳凰の舞。お前の負けやよ。」
地面に降り立ったアイは、マイミを振り向かずにそう言った。
「ぐっ・・・絶対に守り抜くという強い意思、それが、あなたの力?」
倒れながら、マイミはアイに聞いた。
「ほうや。うちはカオリの笑顔が大好きやからな。そのためならば、
うちはどんなことでもやってやるわ。」
アイはゆっくりとマイミに近づいていく。
「・・・自分の足を代償としても?」
アイは、ゆっくりと歩きたいわけではない。
限界を超えてまで足に負担をかけたために、脚の筋肉組織が強烈な痛みを訴えているのだ。
それは、勝ったのに顔を引き攣らせているアイを見れば、誰でもわかるだろう。
- 346 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:53
- 「当たり前やわ。これからもずっと、カオリのために、カオリと共に
生きていきたいから。うちにとって、一番大切な人やから。」
「・・・あなた、名前は?」
「アイ=タカハシやよ。」
「そう・・・守りたい笑顔、か・・・。」
「もし、生まれ変わった時にまた同じように忍びをやるんならば、
今度は自分が本当に好きなやつのために生きるのを、お勧めするで?」
「・・・例え生まれ変わったところで覚えていないだろうし、私が忍びを
やっているとは思えない。今の私に教えたところで、それも野暮というもの。」
「ほうか・・・。」
アイは、少し残念そうな顔でため息をついた。
- 347 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:54
- 「でも・・・もし、私が覚えていたのであれば、その時は考えてみないこともない。
あなたのような人にとって、大事な人なら私も・・・。」
「マイミ・・・。」
「さぁ、行きなさい。扉がそろそろ開く。あなたの勝ちよ。」
マイミが目を瞑ったのを見て、アイは振り返って扉に視線を向ける。
「・・・じゃあな。」
「ええ・・・。」
アイはそれだけ呟くと、震える足で歩き始める。
「(そういえば、一度だけあったかな・・・。)」
薄れゆく意識の中で、マイミの頭を走馬灯のようなものが駆け抜けた。
それは、アヤと話して笑っているミキの笑顔だった。
その顔は、とても優しそうで、その時のみだがマイミの心の中を支配した。
- 348 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:56
- もう一度見てみたい、今なら心の底からそう思える。
それがわかっていたのならもしかしたら、マイミが気付いたのは遅すぎた。
「(本当は、私も心のどこかでそう思っていたのかもしれない・・・。
あとは、気持ちの問題か。それが私の敗北を表している。今はもう
叶うことのない・・・だけど、答えが見つかった気がするよ。
それだけでもよかった・・・。礼を言うよ、アイ=タカハシ・・・。)」
マイミが死んだために、扉が開いていく。
アイは、一度だけマイミを振り返る。
「・・・またな。」
二度と会うはずのないのに、アイはなぜかそう口に出していた。
アイは自分の言っている矛盾点に気付き、首を傾げる。
それでも、なぜかはわからないけどまた会える、そんな気がしていた。
- 349 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 16:56
- 更新〜ですね〜。
- 350 名前:konkon 投稿日:2005/03/27(日) 17:01
- >MSさん
仲間っていいですよね〜♪
アサミの可愛いところをもっと放出したいのですが、
シリアルな面がなくなってしまうのでなかなか出せず・・・(汗)
>151さん
懐かしい反面、ちょい強引な点も・・・。
文化の極み、今からでも載せていいですか(笑)
っつかDVD見たの最近なんですよね〜。
>七誌さんデスさん
マキの強さの放出はもう少しお待ちを・・・(超汗)
なんとなく四期を和ませてみました♪
アサミ・・・どうしてあげればいいでしょうか(爆)
- 351 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/03/27(日) 21:00
- あっはは〜どうしよう!
リアルタイムで見つけちゃったなぁ〜(興奮中)
それにしてもアイってすっごいね〜・・・
そんなにカオリのことを・・・(オイ
いや〜愛の力とは素晴らしいものです♪
- 352 名前:MS 投稿日:2005/03/28(月) 00:07
- 更新おつかれいな。
アイVSマイミのいい戦いが見れてよかったです。
『絶対に守り抜くという強い意志』それがアイの強さなんですね。
次はどんな戦いが見れるかな?
次の更新お待ちしております。
- 353 名前:雨 投稿日:2005/03/28(月) 21:35
- 更新お疲れ様です。
やはり「これだけは他人に負けない」というものがある人は強いですね〜。
現実に自分も欲しい・・・
もちろん、そこまでして守りたい人もw
次回更新お待ちしております。
- 354 名前:151 投稿日:2005/03/29(火) 19:11
- 更新おつかれいな。
強い! 肉体は心の道具に過ぎない
と言わんばかりの強さですね。そしてミキ・・・
見たのが最近という事は
これからも出る予感?(笑)
- 355 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:18
- 「マキが、相手・・・だと?」
「そういうことですわ。これであなたに勝ち目はありませんよ。」
マキと化したチサトが、マコトに向けて飛び出した。
口調こそ違くても、声、姿、全てがマキだった。
「エクスプロージョン!」
「くっ!」
マコトは素早く後ろに下がって、爆発を避ける。
「遅いですよ!シルファリオン!」
マキは一瞬にしてマコトに近づき、マコトの体にいくつもの傷をつける。
深い傷はないものの、傷口から少しづつ血が滲み出る。
「ちぃっ、ハァッ!」
「おっと!」
マコトが放った居合いを、マキは横に飛んで避ける。
- 356 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:19
- 「ちぃっ、ハァッ!」
「おっと!」
マコトが放った居合いを、マキは横に飛んで避ける。
「なかなかタフな体ですね。ならば、メル・フォース!」
マキが強力な風を巻き起こし、マコトを吹き飛ばす。
「ぐっ・・・。」
「もらいましたわ。フォーリング・プラズマ!」
マコトの頭上から、巨大な雷が振り落ちる。
「うぉぉっ!!」
マコトは剣を上に翳し、雷を吸収する。
「へ〜、あれを防げましたか。では、ブルー・クリムソン!」
マキが炎の弾と冷気を、マコトに向けて同時に放つ。
- 357 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:20
- 「フン、なめるなよっ!」
マコトは剣から雷の弾を放ち、炎の弾を相殺する。
さらには、向かってくる冷気を剣に吸収する。
「返してやる!」
マコトは、剣からレーザーのような吹雪を放つ。
それをマキは、顔をにやつかせて見ている。
「効きませんよ。ルーン・セイブ。」
マキが軽く剣を振るっただけで、吹雪は一瞬にして消え去った。
「面白いくらいに強いですわね。この体は・・・こんなにも体が
軽いなんて、今までにない強さです。本当に素晴しい・・・。」
「調子に乗るな。」
マコトが猛スピードで飛び出し、マキに向けて剣を振るう。
- 358 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:20
- ルーン・セイブでは、物体を斬ることはできない。
それを知っているからこそ、マコトは吹雪を放ったのだ。
だが、マコトが剣を振るった瞬間、マキの姿が消える。
「私も知ってますよ。この剣が"斬れない"ということはね。」
マキの姿がマコトの真横に現れる。
マキの剣は、すでにルーン・セイブではなく、シルファリオンに変化していた。
「エクスプロージョン。」
「ぐっ・・・。」
マキが放った爆発に、マコトは吹き飛ばされる。
「それそれそれっ!」
「ぬぅぅ・・・。」
マキはいくつもの爆発を起こし、マコトを後方へと力で押していく。
- 359 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:21
- 「終わりですっ!」
ドゴーンッ!
マコトは巨大な爆発に飲み込まれ、大きく後ろに吹き飛んで倒れ込んだ。
「言ったでしょう。あなたが最も"強い"と認めている者です。
あなたでは、このマキ=ゴトウと化した私には勝てませんよ。」
マキの姿のまま、チサトがマコトに近づいていく。
「・・・ない・・・。」
「・・・?」
あと数歩というところまで近づいた時、マコトの呟きが聞こえてきた。
その声は小さすぎて、チサトは聞き取れなかった。
- 360 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:21
- 「今、何か言いましたか?」
「ベリーズの力が・・・なんて・・・ない・・・。」
「えっ?」
突然、マコトが今まで何事もなかったように起き上がる。
「ベリーズの力は、こんなものなのか?マキの力がこの程度だなんて、
そんなことありえない。あいつは、もっと強い!」
マコトが猛スピードでチサトに飛び込み、剣を振るう。
チサトは大きく下がって、マコトの剣を避ける。
「何を言ってるんですか?現に今、あなたは私にやられているじゃないですか。」
「"やられている"で済んでいる時点で、お前はマキの力に及んでないんだよ。」
「何を言っているのか、意味がわかりませんね。これで終わりにしましょう。」
チサトがシルファリオンに変化させ、超スピードでマコトを襲う。
- 361 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:22
- 「風よ、我に力を与えよ。」
マコトは体に風を纏わせて、マキと同等のスピードで走り出す。
マキの超高速の凄まじい斬激を、マコトは全て弾き返していく。
「ハッ!」
「くっ・・・。」
途切れたところで、マコトが力でマキを吹き飛ばす。
「どうした?マキの力はその程度なのか?それなら簡単に受け止められるな。」
「このっ、これならどうですか!?」
マキが剣をグラビティ・コアに変えて大きく振りかぶり、
マコトに向けて勢いよく振り下ろす。
それをマコトは避けようとせず、あえて受け止めた。
- 362 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:23
-
ドォン!
衝撃で、地面にマコトの足がめり込んだ。
それでもマコトは、マキの剣の力を受け切った。
「嘘・・・。」
「本当のマキならば、私が攻められた時点ですでに勝負はついていたぞ。
弱いんだよ。強い想い、それこそがマキの真の強さだ!」
マコトは剣を弾くと、至近距離から居合いを放つ。
避け切れなかったマキの肩から、血が噴出していく。
「ぐぅぅ・・・。」
ダメージが大きすぎるのか、チサトの体が元に戻る。
- 363 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:24
- 「マキの力は、人を愛し、人を守り抜くための想いだ。その想いが
ないお前に、マキの力を使いこなせるわけがない。」
「・・・そうですか。よく、わかりましたよ。」
チサトは血が出ている肩から手を離し、再びマキの姿に戻っていく。
「でしたら、想いの籠もることのない、ただ殺意のみで戦う、
この剣ならば使えるということでしょう?」
マキの剣が、徐々に変化していく。
「あれは・・・。」
「そう、あなたが最も恐れている修羅の剣、サクリファー。終わりです!」
マキがもの凄い勢いで剣を振り切った。
その瞬間、マキの剣から高速の居合いが放たれる。
- 364 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:25
- 「言っただろう。お前には想いが足りないと・・・。」
パンッ!
迫ってきた居合いを、マコトは剣で弾いてかき消した。
「そんな・・・。」
「剣には想いがある。そして、サクリファーにも想いがある。
マキの想いを認めたからこそ、サクリファーはマキに力を貸したのだ。
それに・・・。」
そこまで話すと、マコトは剣を鞘に収める。
「・・・どういうつもりです?」
「居合いは、放てればいいっていうほど簡単なものではない。
お前に本当の居合いというものを見せてやる。目に見えぬほどの
速い斬撃、それが居合いだ。」
「ふ〜ん、速い斬撃でしたら、私にもできますよ。シルファリオン!」
マキが超スピードでマコトに飛び出す。
- 365 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:28
- 同時に、
「いたっ!」
マキは突然頬に痛みを感じ、それに伴って血が垂れ流れていく。
触ってみると、斬られたような痕がついていた。
「えっ・・・?」
マコトは動いていない。
マコトの射程範囲に入ったわけではないし、居合いを喰らったわけでもない。
マキ、いやチサトには、何が起こったのか全くわからなかった。
「な、何を・・・?」
「どうした?続けていくぞ。」
チサトはマコトの動きを凝視して、何が起きたのかを見極めようとする。
- 366 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:28
-
ズバババババッ!
「うぁぁぁぁっ!」
一瞬のうちに、マキの体中に斬り傷ができて、血が噴出していく。
チサトには、やはり何も見えなかった。
押さえきれない痛みによって、マキの姿がチサトへと戻っていく。
「限りなくゼロに近い、瞬速の居合い、その名もゼロ・スラッシュ。
この技こそが、真の居合いだ。」
マコトは動いていなかったわけではなかった。
超速で鞘から剣を引き抜くことで、目で見切れないほどの速い居合いを放って、
チサトの体を斬り刻んでいたのだ。
- 367 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:30
- 簡単にできるものではない、言葉通り、マコトにしか出せない究極の技だった。
「私の、力が・・・。」
「・・・終わりだ。」
マコトのゼロ・スラッシュが、チサトの胸を大きく斬りつけた。
チサトは、血を噴出させながら地面に倒れる。
「人は、想いがあるから戦える。信念無き者が、信念のある者を
倒せるわけがない。それにしても・・・。」
マコトは、至る所から血が出ている右腕を凝視する。
あまりにも速すぎる居合いを使ったために、右腕が技に耐え切れなかったのだ。
「・・・フン。」
マコトは血の出ている右腕を何度か振るって、剣を鞘に収めた。
- 368 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:30
- 更新しました。
何気にややこしい・・・。
- 369 名前:konkon 投稿日:2005/03/31(木) 21:35
- >七誌さんデスさん
お〜リアルタイムですか!?
やられた〜(違)
アイの場合は恋愛感情というよりも、メンバー愛みたいな
そんな愛の方が合いますね。
>MSさん
いい戦いになりましたね〜。
当初の予定と大違いw
こんなさわやかバトルもたまにはいいのではと
思います。
>雨さん
自分も同感です(汗)
自分だけの武器、誇れるものが何かあれば・・・
まぁ、そのうちなんとかなりますでしょうw
>151さん
どうでしょうね〜(謎)
ミキの笑顔も大好きです♪
って自分の意見は置いといて、とりあえずそろそろ出番ですね。
めちゃくちゃにガンガンにやるのは当たり前〜ってな感じですw
- 370 名前:MS 投稿日:2005/04/01(金) 01:22
- 更新おつかれいな。
マコトの新技きましたね!
でも使うとその反動がくるからそこが問題ですね。
次はどんな戦いが見れるかな?
次の更新お待ちしております。
- 371 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/04/01(金) 12:39
- 更新おつかれいな〜^^
いや〜マコトは強いですね〜。
新技登場!!みたいな(笑)
マキは本当に強いんだとわかりました〜^^
- 372 名前:めかり 投稿日:2005/04/02(土) 02:20
-
更新お疲れさまです。
マコト強〜い!それにカッケェー!!
いや〜よかった。渋いマコトがとてもよかったです♪
今後も頑張ってくださ〜い
- 373 名前:151 投稿日:2005/04/04(月) 12:23
- 更新おつかれいな。
渋い! 渋すぎる!!
燻し銀ってやつですね〜。
マキが気になるw
- 374 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:11
- 「このぉっ!」
「無駄だっ!」
カオリが放った魔法を、マイハは簡単に剣で吸収していく。
そして、吸収した魔法をカオリに放ち返していく。
「ちっ、それなら・・・。」
返された魔法を魔法で相殺して、カオリはマイハに手を向ける。
「これでどうかしら?」
突然、マイハの周りに無数の氷の矢が出来上がっていく。
「なるほどな。サユミの得意呪文、メビウス・ジェイドか・・・。」
「これでっ!」
全ての氷の矢が、一斉にマイハを襲う。
- 375 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:12
- だが、
「このマイハ様をなめるなよっ!」
マイハが剣を上に向けた瞬間、マイハの体が光の球体に包まれていく。
メビウス・ジェイドが光の球体に当たった瞬間、次々とかき消されていく。
「それは・・・。」
「そう、ミキのルーン・セイブ、封絶空間の応用、その名も吸引空間だ。
ミキのようにかき消すのではなく、私に迫る全ての魔力を吸収できる。
この"魔封剣"の使い手の私に死角はない!お返しだ!」
マイハの吸収したメビウスジェイドが、次々とマイハの前に作り出されていく。
その無数の氷の矢が、一斉にカオリを襲う。
「くっ・・・。」
カオリは、慌てて魔力を手に溜め込んでいく。
- 376 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:13
- 「(これで逃げ場はないだろう。やつがここで使う魔法は、
"あれ"しかない。さぁ、撃ってこい・・・。)」
マイハは怪しげな笑みをして、カオリの次の動きを待つ。
「やられてなるものかっ!ギガ・クラッシュ!」
カオリがギガ・クラッシュを解き放ち、氷の矢をかき消していく。
それを見たマイハは、自らギガ・クラッシュに飛び込んだ。
「なっ!?」
「これを待っていたぞっ!」
マイハがギガ・クラッシュに剣を突き刺した。
剣がギガ・クラッシュを吸収しようと、大きな唸りを上げている。
「私の魔法が、負けるてたまるか・・・。」
「うぉぉぉっ!」
二つの力が均衡して、もの凄い火花が散っていく。
- 377 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:14
- そして、ついにはマイハの剣がギガ・クラッシュを吸収しきった。
「うそ・・・。」
「・・・クックック、ハーッハッハッハッハ!」
マイハは、顔に手を当てて大声で笑い始めた。
「見たか!?私に魔道士が敵うはずないんだよ!今この剣には、
貴様の放ったギガ・クラッシュの魔力が溜め込まれている。
これが何を意味するかわかるよな?」
「ちっ・・・。」
カオリは軽く舌打ちして、後ろに一歩下がる。
「逃げ道があると思ってるのか?今の貴様には魔力を溜め込むことが
できない!これで終わりだなっ!」
そう言って、マイハがギガ・クラッシュを放つ。
ギガ・クラッシュは、地面をも破壊しながらカオリに迫っていく。
- 378 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:15
- 「ヒャハハハハッ!まさか自分の技で殺されるとは、思っても
なかっただろう?ここで私に殺されることを、光栄に・・・。」
「ハァ、あんたってばかでしょ?」
「何っ!?」
思いがけないカオリの言葉に、マイハは怒りを顔に表す。
「私が何も考えないでギガ・クラッシュを放ったと思ってるわけ?」
カオリの言葉を理解できず、マイハは顔を顰める。
「わからないようなら教えてあげる。」
「!?」
マイハは、驚愕の表情でカオリの右手を見ている。
カオりの右手に、魔法の剣が作り上げられていたからだ。
- 379 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:15
- 「切り裂けっ、コズミックセイバー!」
カオリが大きく剣を振るった瞬間、
ズバァッ!
剣から放たれた魔法の衝撃波が、ギガ・クラッシュを切り裂いた。
「な、なぜ、貴様が魔法を使える!?魔力を溜め込めるまで、
まだ時間がかかるはずだ!」
「いちいちうるさいわね。そんなこと、あんたなんかに言われなくても
わかってるわよ。まだ左手には魔力を溜め込めないよ。」
「左手・・・まさか!?」
マイハの驚きの表情を見て、カオリは軽く笑みを浮かべる。
- 380 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:16
- 「そう、左手だけでギガ・クラッシュを放ったのよ。圧縮魔法を
片手で放つのは、さすがに難しかったけどね。」
「うっ、うそだ!そんなデータを私は知らない・・・。」
「私達は、戦ってる最中でも進化し続けるのよ。データは
ただのデータしかない。戦うことで、私達は進化し続けるんだよ。
それがわからないあんたなんかに、私は絶対に負けない!」
コズミックセイバーが消えて、今度は光の弾がカオリの右手に収まる。
「終わりだよ!極大宇宙魔法、エーテリオン!」
カオリの手から、光の弾が発射される。
エーテリオンは、もの凄い速さでマイハに向かっていく。
「フン、だったら、今度はこれを返してやるっ!」
マイハは素早く構え直し、剣でエーテリオンを押え切ろうとした。
- 381 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:17
- エーテリオンが剣に触れた瞬間、
パキッ!
マイハの剣が、粉々に砕け散ったのだ。
「そんな!?まさか、まさかーっ!」
マイハは、エーテリオンの光に飲み込まれていった。
「やっぱあんたってばかだよね。セオリー通りだよ。ギガ・クラッシュを
放ったんだから、そんな短時間で魔力を吸収できるわけないじゃん。」
「き、貴様・・・。」
エーテリオンによって体中が火傷に覆われながらも、マイハはまだ生きていた。
- 382 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:18
- 「あ〜あ、あれで終わってればよかったのに・・・。」
「ククッ、魔法剣士のこのマイハ様には、魔法に対する抵抗力が
並外れて優れている。その程度の魔力で終わるとは大間違いだ!
私はまだ戦える!」
「・・・無理よ。あんたはもう、死んでいる。」
「何を言って・・・うぁぁぁぁ!!」
突然、マイハは胸を押さえて奇声を上げた。
「熱い!熱い!胸が、熱い・・・。」
「エーテリオンの真の恐怖は、これからよ。」
「な、何が起こって・・・ぐぁぁぁっ!」
まともに話すことさえできずに、マイハは地面を転がり回る。
- 383 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:19
- 「エーテリオンは、対象となる者の核に入り込み、内側から徐々に
砕け散らしていって、最後には・・・。」
「うぁぁぁっ!!」
マイハの体が勢いよく光り出し、マイハの体を包み込んだ。
「全てを無へ還す。」
直後に、強烈な光が部屋を包み込んだ。
光が消えたあとには、マイハの体は跡形も無く消滅していた。
「ふぅ・・・。」
急に力が入らなくなって、カオリは地面に座り込んだ。
「いっけない、魔力を使いすぎたかな・・・。こんな戦い方してると、
"あの子"に怒られるかもね。」
自分を大切にしてくれている忍びを想って、カオリは口元を緩める。
同時に、座り込んでいる暇はないと思い、扉に向けて歩き出した。
- 384 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:20
- 更新・・・です!
- 385 名前:konkon 投稿日:2005/04/04(月) 22:25
- >MSさん
新技ですね〜。
もうちっと具体的な表現ができればいいのですが、
自分ではこれが限界です(汗)
お許しを・・・
>七誌さんデスさん
ここにきて、新技に頼りまくってますねw
んなわけでカオリはちょいと頭を捻らずに
持ち前の強さでってことで・・・(謎)
>めかりさん
渋いマコト・・・どう考えても五郎さんに
なってしまう・・・(爆)
マコトも強くなりましたね〜♪
>151さん
マキの強さまで、あとちょいですかね〜(汗)
あともうちょいで・・・めちゃくちゃになります(謎)
まぁ、自分もまだ中途半端にしか考えられてませんけどね(マテ
- 386 名前:MS 投稿日:2005/04/05(火) 07:57
- 更新おつかれいな。
マイハ戦は比較的、相性が悪い者との戦いでしたね。
いや〜、カオリがここまで進化するとは思わなかったです。
あのすごい魔法まで使ってたし・・・。
次の更新お待ちしております。
- 387 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/04/05(火) 17:22
- 更新おつかれいな〜(^-^)
まさかカオリの口から某アニメの名台詞が聞けるとは(笑)
なかなかカオリもやってくれますね〜
にしても・・・みんな強すぎ( ̄□ ̄)!!
- 388 名前:konkon 投稿日:2005/04/08(金) 23:55
- 「ん、戻ってこれたんか。」
次にアイが目を開けると、少し先に仲間の姿が見えた。
元の部屋に戻ってこれたことを確認して、軽くガッツポーズを作る。
直後に、目の前に影が現れる。
影が形を成していき、それはマコトの姿を映し出した。
「お、お疲れやわ〜。」
アイは笑ってマコトに声をかける。
その声で、マコトはゆっくりと振り返る。
「お前も勝てたか・・・。」
「ニシシ〜、当然!うちが負けるわけないやろ。」
そう言って、アイはマコトと手を叩き合わせる。
- 389 名前:konkon 投稿日:2005/04/08(金) 23:57
- 「あと戻ってきてないのは・・・。」
「ナツミだけだね。」
その声を聞いて、アイとマコトはそちらに視線を向ける。
「カオリーッ!」
「おわっ!」
アイは嬉しそうな表情で、カオリに飛びついた。
バランスを崩しそうになりながらも、カオリは優しくアイを抱き止めた。
「よかった・・・ちゃんと帰ってこれて・・・。」
「そんな、大袈裟だって。とりあえず、みんなのとこへ戻ろう。」
カオリは笑顔でそう言うと、アイと共に仲間のところへと歩き始める。
「まだ、ナツミが戻ってきていない・・・。」
マコトの呟きを聞いて、カオリは振り向いた。
- 390 名前:konkon 投稿日:2005/04/08(金) 23:57
- 「そうみたいだね。まぁ、あの子はもともとトロイからね〜。」
「心配じゃないのか?」
「心配?そんなことする必要はないよ。」
「・・・なぜそんなことが言える!?親友なんだろ!?」
普段のマコトでは、ありえないくらいの怒声でカオリに言った。
「だって、ナツミは・・・。」
「白魔道士だから、って言いたいの?」
マコトは黙って頷いた。
「親友だからこそ、知ってるんだよ。白魔道士であろうとなかろうと、
あの子は誰よりも強い想いを持っているんだよ。」
「カオリ・・・。」
「私はあの子を信頼してるからね。何が起ころうと、誰が相手だろうと
あの子は絶対に負けないよ。絶対にね・・・。」
- 391 名前:konkon 投稿日:2005/04/08(金) 23:58
- 「ハァッ!」
「くっ・・・。」
モモコの振り下ろされた拳を、ナツミは後ろに跳んで避ける。
ドゴゥゥゥッ!
モモコの恐るべし腕力によって、地面に深い穴を空ける。
もしまともに当たれば、ナツミの体は一瞬にして肉の塊となるだろう。
「このっ、サンライト・プレッシャー!」
光の光線が、モモコの至るところを直撃する。
だが、岩に包まれたモモコにはダメージらしいものは与えられていない。
- 392 名前:konkon 投稿日:2005/04/08(金) 23:58
- 「何度やっても無駄よ。この硬岩鎧を装備した私には、もうあなたの
攻撃は喰らわない。」
「・・・。」
ナツミは、何も言わずにモモコを見据える。
先ほどから何度攻撃をしようと、モモコにダメージを与えられずにいる。
それだけ、モモコの硬岩鎧は頑丈だった。
対するモモコは、ナツミの攻撃を喰らわないために攻撃のみに専念できる。
ただでさえ白魔道士というハンデを負っているナツミは、必死になって
避けることしかできなかった。
「(もう、"あれ"しかない・・・。)」
ナツミは両腕に魔力を溜め込んで、限界まで圧縮していく。
「ロック・マシンガン!」
モモコの指先から放たれる岩の弾丸を、ナツミはぎりぎりのところで避けていく。
決して、コズミック・シールドを使うことなくである。
- 393 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:01
- いや、使うことができなかった。
これから使おうとしている魔法は、強力すぎるために精神を維持することが難しい。
そのためにも、他の魔法に頭を回している余裕がなかった。
「っつ!」
いくつかの弾が、ナツミの体を掠めて血が垂れていく。
ナツミの足が、そこで止まってしまう。
モモコは、その瞬間を見逃さなかった。
「もらったーっ!」
モモコの右腕での渾身の一撃が、ナツミを襲う。
「ハァァッッ!!」
ナツミは、溜めていた魔力を右腕だけに集中させる。
すると、ナツミの右の掌を強力な光が包み込んだ。
そして、その右手を向かってくるモモコの右腕に差し出した。
- 394 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:03
- 次の瞬間、
ドゴゴゴゴゴッ!
「うわーーーっっっ!!!」
硬岩鎧に包まれたモモコの右腕を、粉々に砕け散らしたのだ。
モモコの右腕から、血が噴出していく。
「ぐぅ・・・この力は!?」
「圧縮魔法、シャイニング・フィンガー。触れた者を粉砕する、
白魔道士の最強技だべ。」
ナツミは、右腕を振り上げてモモコに飛び込んだ。
「これで!」
「ぐぬっ・・・。」
モモコが後退するよりも、ほんのわずかに先にナツミが飛び込んだ。
そして、光の右手をモモコに叩きつけた。
- 395 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:03
- だが、
パンッ!
「えっ・・・?」
モモコに触れるよりも先に、ナツミの右手から光が消えていた。
「うそ・・・。」
モモコ以上に、ナツミは驚愕の表情をしていた。
あまりにも強すぎる力のために、長時間放出することができなかったのだ。
「ぬっ、うぉぉぉっ!」
「やばっ・・・。」
ドゴンッ!
まだ使える左腕で、モモコがナツミの脇腹を殴りつけた。
ナツミは地面に大きくバウンドして、その場に蹲る。
- 396 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:04
- 「ゴハッ!あぐぅぅ・・・。」
大量の血を吐き出して、それでもナツミは立ち上がってモモコに視線を向ける。
殴られるより先に後ろに跳んだために、直撃だけは免れたようだ。
「まだ・・・このくらいじゃ、やられないべさ・・・。」
「それは、私にも言えること・・・ミキ様を、守るんだ・・・。」
モモコは血が吹き出ている右腕を、強引にも岩で押えて止血する。
「回復はさせない!いや、これで決めてやる。スタラクタイト・クラッシュ!」
部屋全体からと言っていいほどまでに突出した大量の鍾乳石が、
ナツミの周りを囲んでいく。
すでに逃げ場はなく、あらゆる方向から鋭く尖った鍾乳石がナツミを襲う。
ドドドドドドッッッ!
いくつもの鍾乳石が、ナツミのいたところを粉々に粉砕した。
もしその場にナツミがいたのなら、いや、何者であろうと確実に死を迎えただろう。
- 397 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:05
- 「ハァッ、ハァッ、これで・・・何!?」
完全にナツミを倒したと思ったモモコは、後ろから感じる強力な
魔力に気付いて、すぐに振り返る。
そこには、自身を回復させているナツミの姿があった。
「どっ、どうやって、あの一瞬であそこから抜け出せたの・・・?」
「戦闘データはあっても、"これまで"の私達のデータを持っている
わけではないんだね。圧縮魔法、テレポーテーション。これは、
私の行きたいところへとワープする魔法なんだ。さすがに
この部屋からは、出られないみたいだけどね。」
ナツミは、軽い笑みを浮かべてそう答えた。
- 398 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:06
- 「・・・どういうつもり?」
「何のこと?」
「私のすぐ背後にワープして、シャイニング・フィンガーを使えば、
すぐにでも私を倒せたはずだ。なのに、どうして・・・。」
「・・・圧縮魔法っていうのはね、魔力を集中させる分だけ、
大量の精神力を使うんだ。そのためにも、時間がかかっちゃうから
連続して使うことはできないんだよ。」
それを聞いて、モモコは何も言わずにナツミを見つめる。
鎧に包まれているために表情はわからないが、どこか不思議そうな顔を
しているように感じた。
- 399 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:07
- 「何?」
「あなたって、変わってるわね。そんな弱点を私に話すなんて、
何を考えているの?」
「・・・嫌いじゃないからね。誰かを守りたいって想う気持ちを持つ、
あなたのことがさ。私にも、あなたの気持ちがよくわかるから。」
少し考えて、ナツミは呟くようにそう答えた。
「・・・そう言われたところで、私は手加減はしない。」
「それは私も同じだべ。負けられないんだよ・・・。」
「そう、負けられないんだ・・・今度こそこれで決める!」
モモコの岩に包まれた左腕が、異様なほどまでに膨れ上がっていく。
その大きさは、モモコの何倍までにも膨れ上がっている。
- 400 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:08
- 「私の最後の技だ。ロック・バースト!」
モモコの左腕がナツミを押し潰そうと、いや、飲み込もうといわんばかりに、
もの凄いスピードでナツミに向かって膨れ上がっていく。
それをナツミは、魔力を溜めながらじっと見つめている。
「(テレポーテーションで逃げる・・・?いや、逃げたところで
同じことを繰り返す、それじゃ魔力を無駄にするだけだべ。
それに・・・。)」
ナツミは魔力を解放して、右手にシャイニング・フィンガーを作り上げる。
「(相手は自分の命を賭けてまでして、私を倒そうとしているんだ。
だったら、私もそれに答えなきゃ・・・。)」
例え敵であろうとも、敵の私情をも自分のことように考える、その優しさこそが
ナツミの本当の強さといえるだろう。
- 401 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:09
- 右手にシャイニング・フィンガーを保ったまま、左手を前に差し出す。
すると、左手からも光が放たれ、弓の形を作り上げられる。
その弓の中心部に右手を付けて引くと、光が矢の形となっていく。
モモコの左腕が目前まで迫った瞬間、
「シャイニング・アロー!」
ナツミの手元から、光の矢が放たれた。
ドゥゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!
勝負はほんの一瞬でついた。
シャイニング・アローは、モモコのロック・バーストを砕け散らしていき、
さらには硬岩鎧を突き抜けてモモコの胸を貫いた。
- 402 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:12
- 「ガハッ・・・。」
硬岩鎧が粉々に砕かれ、モモコは地面に倒れ込んだ。
ナツミは、倒れているモモコに歩み寄っていく。
「私の・・・負けだ・・・。」
ナツミが近寄ってきたことに気付いたモモコは、呟くようにそう言った。
その時、水滴が自分の顔にかかったことに気付いた。
ぼやけた目でナツミの顔を見上げると、ナツミは泣いているようだった。
「何で、泣いて・・・いるの?」
「・・・わかん、ない・・・。」
「あなたは、優しいんだね・・・戦う相手があなたで、よかったよ。
私は、あなたと戦えたことを・・・誇りに思う。」
モモコは、ほんの微かにだけ微笑んだ。
- 403 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:14
- 「・・・ごめんね。」
ここの部屋からは、一人しか出ることができない。
そのために、敵である以上、ナツミにはモモコを回復させることは
できなかった。
そんな自分の遣る瀬無さに、ナツミはただ泣いていた。
「どうか、ミキ様・・・負け、ないで・・・。」
それだけ呟いて、モモコの言葉は途切れた。
そして、二度と続くことはなかった。
「こんな戦い・・・早く終わらせたいな・・・。」
溢れ出る涙を拭って、ナツミは開かれていく扉を振り返った。
「(マキ、あなたならこの戦いを、終わらせられるよね・・・。)」
- 404 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:15
- 今日はここまでです。
- 405 名前:konkon 投稿日:2005/04/09(土) 00:18
- >MSさん
そうですね〜。
相性最悪の戦いでしたけど、カオリの勝ちですw
相手が魔物だと、あの魔法もここまですごいんですね〜♪
>七誌さんデスさん
気付きましたかw
どうしても誰かに言ってもらいたかったんですよ(爆)
みんな強い強い・・・当初に作り上げた小説よりも何倍もの
強さに仕上がってます(汗)
- 406 名前:雨 投稿日:2005/04/10(日) 00:22
- 更新お疲れ様です。
なっち・・・
「守りたい」という思いは同じでも、勝者は一人なんですね・・。
次回更新お待ちしております。
- 407 名前:MS 投稿日:2005/04/10(日) 22:34
- 更新おつかれいな。
同じ想いで戦っている2人。
適を回復させてあげられない無力さ見たいなのを感じました。
ようやくマキ以外終わりましたね。
次はいよいよ・・・ってまだか。
次の更新お待ちしております。
- 408 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/04/11(月) 13:13
- 更新おつかれいな〜
う〜ん・・・敵だけど同じ目的を持っている・・・か。
なんだかこの戦いは感動ですね。
あと・・・はマキだけですね。
- 409 名前:konkon 投稿日:2005/04/12(火) 23:52
- ナツミが部屋から出ると、元の部屋へと戻ってこれた。
仲間の姿が目に入り、ナツミは笑顔で駆け寄っていく。
「遅くなってごめんね。」
「おかえり〜。」
「心配かけさせないでよ。」
仲間達は、笑顔でナツミを迎え入れる。
「今回復してあげるから・・・ってあれ?」
ナツミが仲間達を見渡すと、血が服についたりしているのだが、
傷らしい傷はそんなに見当たらなかった。
「みんなすごいな〜、ほとんど無傷で勝ったんだべか?」
「違うよ。アサミがアイとアイボンに頼んで、大きい傷だけは
癒してもらったんだよ。」
「いくらナツミでも、一人で回復するのは大変だからってね。」
リカとヒトミが、ナツミの問いに答える。
- 410 名前:konkon 投稿日:2005/04/12(火) 23:53
- 「あなたの力は、今後も大変重要ですからね。今のうちに魔力を
溜めておかないと、オロチを倒せないかもしれませんから。」
アサミは、戦っているマキから視線を外さずにそう答える。
「んじゃ、体力の回復だけでいいんだね。そういえば、マキは?
まだ戦ってるの?」
ナツミは最初に近くにいたマコトを回復させながら、戦闘によって
暴風が渦巻いている、部屋の中央に視線を向ける。
「ええ。これでもう三体目、いえ・・・。」
「ばかな!このユリナが、押されているなんて・・・。」
「終わりだよ。サクリファー!」
マキは、ユリナが振り翳した巨大な爪を力で粉砕する。
さらには、ユリナの胸を大きく切り裂いた。
- 411 名前:konkon 投稿日:2005/04/12(火) 23:55
- ユリナはバランスを崩し、地面に崩れ落ちた。
「三体を倒しました。」
アサミの呟きに、ナツミは呆然としてマキを見ていた。
ミキは先ほどから、マキではなくナツミに視線を向けている。
「(マイミに続いて、モモコまで負けたか・・・。)」
ミキは一度だけ口唇を噛み締めて、残っている魔物を振り向いた。
「サキ、あとはあんただけだよ。早く行きな。」
「・・・。」
「サキ。」
「うるさいな〜。そんなことわかってる。」
サキは一度舌打ちをしてから、ミキを睨みつける。
- 412 名前:konkon 投稿日:2005/04/12(火) 23:59
- 「あんたなんかに言われなくたって、やってやるよ。人間共は、
私一人で殺してやるっていってんだろ?すっこんでろよ。」
「・・・何?ミキに喧嘩売ってるの?」
「だったらどうするよ?」
ミキとサキが睨み合う。
その瞬間、大気が震え、強力な気が部屋を飛び交う。
その力は、精神のずれによって感じるはずのない、アサミ達にまで
達するほどだった。
先に視線を外したのはサキだった。
「とりあえずは、あんたとの決着は後回しにしといてやるよ。まずは
こいつらを殺してやる。それにしても、一匹も倒せないなんて
使えないやつらだな。」
サキはわざとらしいため息をついて、首を振り回す。
- 413 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:00
- 「あんたなら、マキを倒せるっていうの?」
「当然だろ。他のベリーズと一緒にするな。オリジナルの
この私が、人間ごときに負けるかよ。」
ミキの言葉に、サキは鼻で笑ってマキを見据える。
「あんたで最後だね。」
「そうだよ。あんたにとって、私が最後に戦った者になるからね。」
サキは、両手に異様な気を纏ってマキを睨む。
「オリジナルって言ってたね。どういう意味?」
「以前にオロチが復活した時に、ジックスという殲滅部隊があった。
その時の生き残りということだ。他の四体は、無様にも人間ごときに
殺されたがな。さっきあんたが殺したユリナも、そのうちの一体だった。」
「・・・どうりで、なんとなく見覚えがあったんだよね。さっきの
ユリナっていうのが、私の町を襲ったうちの一体だったってことだ。」
- 414 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:01
- 「せっかく蘇ったのに、二回も同じ相手に殺されるなんてな、
とんだお笑い者だ。そのせいかずいぶんと自信があるようだけど、
一つだけ教えてやる。」
「何?」
「ベリーズは、一体につき通常は特殊能力を一つしか持っていない。
まぁ、二つの力を持っていながら、殺られたばかもいたけどね。」
チナミのことを思い出し、アサミは軽くため息をついた。
「だけど、この私には前から持っていた空間を操る能力とは別に、
もう一つの力を持っている。ミキ、あんたにも私のその力を
見せてやるよ。ベリーズ最強と呼ばれる、私の力をね。」
「ふ〜ん。」
ミキは、特に興味なさそうに相槌を打つ。
ミキはベリーズ全員の力を、全て把握していたわけではなかった。
ベリーズがどんな力を持っていたところで、ミキとアヤに敵うわけがない、
そう思っていたから。
- 415 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:03
- サキが空間使いということだけは、以前にアユミに聞いた記憶が
あったので、それだけは知っていた。
そして、マキとアサミ達との空間をずらさせた。
しかし、サキのもう一つの力、そこまではミキも知らなかった。
「今ここに・・・我が僕となりて、天から舞い戻れ・・・。」
サキはぶつぶつと呟きながら、紺色に近い気を両手に包み、
そこから気が四方に分かれて玉のように丸まっていく。
それが、徐々に人の形を作り上げる。
そして、
「なっ!?」
「うそでしょ・・・。」
「そんな・・・。」
それを見た仲間達の中から、どよめきの声が聞こえてきた。
- 416 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:06
- 「アサミ!早く空間を解除して!」
「は、はい!」
アサミにしては珍しく、慌ててメモリーを押して空間を戻そうとしている。
「私の力は"ネクロマンサー"、死霊を操ることができる。ここに
復活させた、"四天王"のようにね。」
そう、サキが蘇らせたのは、先ほど倒したはずのエリ、リサ、
サユミ、レイナの四天王達だった。
「さぁ、いきなさい。標的はあれよ。」
サキがマキを指差したと同時に、四天王達はマキに襲い掛かっていく。
レイナが超スピードでマキに飛び込んで、凄まじい剣技でマキを攻めていく。
マキはレイナの剣を紙一重で避けていき、一瞬の隙をついて剣を振りかぶる。
その時、一つの影がマキを覆った。
- 417 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:06
- マキは素早く後ろに飛んだ。
ドゴォォォォンッッ!
上空から飛び掛ってきたリサの両腕が、地面を粉々に砕け散らしたのだ。
「マキッ!」
「やばいよ、早く助けないと・・・。」
「アサミ、まだなの!?」
「わ、わかってます!」
アサミは、目で追えないほどの速さでメモリーを押していく。
アサミの手前には、時空の歪みが出来上がっており、それが徐々に広がっている。
「あと、少しなんです・・・。」
アサミの額には、大量の汗が浮かび上がっている。
あまりにも強力な重力を起こしているために、アサミは体力を
大量に消耗していたのだ。
- 418 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:09
- それでも、アサミはメモリーを押し続ける。
仲間達は、マキを気にしながらもアサミを黙って見ていた。
その間にも、四天王達はマキを襲い続ける。
攻めてくるリサを剣で斬り飛ばし、レイナの剣を剣で受け止めて、
同時に蹴り飛ばす。
直後に、今度はエリのフェニックス・フェザーと、サユミの
メテオ・フレイムがマキを襲う。
フェニックス・フェザーを横に飛び続けて避け、メテオ・フレイムを
ルーン・セイブでかき消していく。
マキが止まったところを、単発じゃ倒せないと判断したのか、レイナの風が、
サユミの魔法が、エリの特殊魔法が、リサの起こす自然現象が、同時にマキに
向けて放たれる。
- 419 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:09
- 「くっ・・・。」
ドドドドドドッッッッッッ!!!
巨大な爆発と衝撃が、マキのいた元を吹き飛ばした。
もの凄い砂煙が部屋を覆う。
「マキッ!」
「アサミ・・・。」
「ハァッ、ハァッ、わかって・・・ます。」
アサミは荒い息を吐き出して、重力の歪みに目を向ける。
「(あとは、元の世界へと接続できれば・・・えっ?)」
アサミは、あることに気付いてメモリーを打つのをやめる。
- 420 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:10
- 「アサミ、どうしたの?」
「・・・時空がずれています。少しづつ、ずらされているんです。」
アサミの呟きを、誰も理解できなかった。
それに気付いたアサミは、周りにいる仲間達に視線を向ける。
「私達とマキの時空の歪みを訂正したかったのですが、ほんの僅かですけど、
時空が流れているんです。そのために、メモリーによって時空を元の
世界に繋げても、またずらされてしまってるんです。そのために、
マキのいる時空に戻ることができません・・・。」
「そんな・・・。」
そうは言ったものの、それでも、マキを助けたい一身でメモリーを打ち続ける。
念入りに何度も計算をし直し、また重力の歪みを作り出す。
「(絶対に手はあるはず・・・どうしたいいの・・・。)」
アサミは考えながら、ひたすらメモリーを打ち続ける。
その時、砂煙の中心から強力な風が起こり、砂煙を吹き飛ばした。
- 421 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:13
- 「アサミ、無理しなくていいよ。私に任せて。」
アサミにそう声をかけたのは、砂煙が消えて出てきたマキだった。
マキにはいくつかの傷がついているものの、平然とした表情で立っていた。
「マキ・・・。」
「大丈夫だよ。あれは四天王であって、四天王じゃないんだから。
レイナの本当の力を見てたから、私にはわかるよ。」
「何が言いたいわけ?」
それまで黙って戦闘を見ていたサキが、マキを睨んで聞いた。
「確かに、技も力も四天王そのものだよ。でも、強さっていうのは
心・技・体の全てが揃ってこそ、真の力が発揮されるんだ。技と体が
あっても、心のない四天王には私は負けないよ。」
「何を強がりを・・・もう、さっさと殺しなさい!」
サキの命令で、再び四天王達がマキに飛び掛かる。
「心に宿る私達の想い、真の力ってやつを見せてあげるよ。」
マキは剣を構え、向かってくる四天王達を見据えた。
- 422 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:14
- 更新です!
ちょっち遅れてよっすぃおめ!\(^_^)/
加入して五年、時代の流れを感じる今日この頃・・・。
- 423 名前:konkon 投稿日:2005/04/13(水) 00:19
- >雨さん
勝負の世界では、勝者はただ一人、そう考えると
悲しい戦いでしたね。
なっちの想いが報われるのでしょうか・・・?
>MSさん
いよいよマキの登場です!
そして、ついにミキも登場しました!
どうしましょうと悩んでいる今日この頃ですw
>七誌さんデスさん
誰かのために戦っている、こういうキャラも
敵の中にはいてもいいのでは、ってな感じでしたね♪
そして、最終決戦突入です!
まぁ、あと一人残ってますけどねw
- 424 名前:マコ 投稿日:2005/04/13(水) 02:12
- キター
四天王復活 れいな復活(うるさい)
そして マコも復活(してません 大汗)
面白いことになってきましたね。
四天王をまとめて相手にできるんでしょうか。
次の更新お待ちしています。
- 425 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/04/13(水) 15:02
- 更新おつかれいな〜w
っとぉ!?リアルタイム!?(五月蝿い
アサミも大変だぁ・・・マキは・・・あの人数を相手にしてすごいですね。
さーてとベリーズの能力はすごいぞぉ(笑)(笑うな
- 426 名前:MS 投稿日:2005/04/13(水) 23:56
- 更新おつかれいな!
ミキティ登場に少しテンション上がっちゃってますw
四天王相手はいくらマキでもキツイですなぁ・・・。
もう頑張ってとしか言いようがないです。
次の更新に期待してます。
- 427 名前:151 投稿日:2005/04/14(木) 01:57
- 更新おつかれいにゃ。
魔道士二人も無事に合流できたみたいですね。
そしていよいよ主人公!
諸事情によりチェックが遅れますけど
更新がんばって下さいませ♪
- 428 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:42
- レイナとリサが、ものすごいスピードでマキに向かっていく。
真希は後ろに下がって、レイナ達の攻撃を避ける。
次の瞬間、真希がいた地面に巨大な亀裂が走った。
さらに二人は、剣とジェノサイドブレードをマキに向けて振りぬいていく。
マキは、それらの攻撃を何度か身をひねって避けたあとに、剣で一閃した。
だが、レイナとリサはそれより早く後ろに避けて、マキの周りを
高速スピードで駆け回る。
「本気でいくよっ!フォーリング・プラズマ、スパーク・ウィップ!」
マキの剣の剣先から、雷が放出されずに真っ直ぐに伸びていく。
「ハァッ!」
マキはその雷をまるで鞭のように、レイナとリサのスピードを追い越す、
まさに閃光と言っていいほどの速さで振り回していく。
- 429 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:44
- 周りを囲っていたレイナとリサは、マキの雷についていけずに
何発もの電撃を喰らって吹き飛んだ。
「鞭術か・・・。」
ケイは、マキの戦い方を見て目を細める。
エリがマキに向けて、巨大な真空波を放つ。
「当たらないよ。サクリファー、ルシファー・クロウ!」
マキは真空波が自分に当たるより早く、恐ろしいほどに速い居合いを放って、
真空波を相殺した。
「すごい居合いだ・・・。」
それを見たマコトは、感嘆の声を上げた。
今度は、サユミが巨大な炎の塊を放ってきた。
マキは避けようともせずに、剣を構え直す。
- 430 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:45
- 「アイゼン・メテオール、エナジー・ストリーム!」
マキの剣に、気の塊が突き刺さったような感じで剣に滞留していく。
「突き破れ!」
マキが剣を振り抜くと、気の塊がサユミに向けて放出された。
それはサユミが放った炎の塊を貫通して、サユミに向かっていく。
サユミは、エナジー・ストリームを相殺しようとさらに炎の塊を放つが、
それすらも突き破ってサユミを吹き飛ばした。
「ノノの天竜拳みたい・・・。」
ノゾミは口を開けて驚いていた。
エリ、レイナ、リサの三人は、正面から当たっても勝てないと悟ったのか、
三方向に別れて周りからマキに向かって飛び込んだ。
- 431 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:45
- 「エクスプロージョン、スプラッシュ・ボム!」
マキが剣を地面に叩きつけた瞬間、マキの周りで爆発の嵐が起きる。
飛び込んだエリ達は、爆発に巻き込まれて大きく吹き飛んでいった。
「爆炎陣かよっ!」
マリは驚いて声を上げる。
しかし、リサだけは爆発をものともせずに、マキに突進してきて腕を振るう。
マキは難なく避けると、リサの首を斬りつけた。
だが、リサの首にはかすり傷程度しかついていなかった。
リサは止まらずに、マキに向けて剣と化した腕を振るっていく。
「メル・フォース、インパクト・ウインド!」
マキはリサの攻撃を後ろに飛んで避けると、超スピードで突っ込んで
剣でリサの首を突く。
- 432 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:46
- その衝撃は、風の力を利用した計り知れない程の威力により、
リサの首は吹き飛んで胴体が地面に崩れ落ちた。
「壱の突、寸・・・。」
リカは眉間に皺を寄せて苦笑している。
奥の方から、エリとサユミが数え切れないほどの光と闇の弾を放っていく。
「ルーン・セイブ、バニッシュ・ウォール!」
マキが剣を前に向けると、マキの前に透明な壁ができて弾を全てかき消していった。
「ATフィールドまでかよ〜!」
ヒトミはあきれた顔をしながら声を上げた。
魔法が止まったと同時に、レイナが風と化して背後からマキに突っ込んで、
マキの体を斬りつけた。
その直後に、斬りつけられたはずのマキの姿が消えていく。
レイナが斬りつけたのは、マキの残像に過ぎなかったのだ。
- 433 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:47
- 「シルファリオン、ディスアピア・トレイス!」
レイナが立ち止まっていると、後ろから声が聞こえた。
レイナが振り返った瞬間、マキがレイナの横を風のような速さですり抜けた。
その次の瞬間には、レイナは体中が切り刻まれて地面に落ちていった。
「電影速や・・・。」
アイは目を見開いて呟いた。
エリが光を体に纏って、マキに向けて突っ込んでいく。
エリが通ったあとには、地面が深くえぐれていた。
まともにぶつかればただではすまないだろう。
「ブルー・クリムソン、アカシック・バスター!」
マキは二刀の剣を同時に振るった。
マキの前で、炎と冷気が消えずに入り混じり、光の鳥となって
エリに向かって飛んでいく。
アカシック・バスターは、光ごとエリを弾き飛ばした。
- 434 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:48
- 「なんか・・・。」
「うん、融合魔法みたいだね・・・。」
「ものまねのレベルを超えてるわ・・・。」
ナツミ、カオリ、アイボンもその場で感心しながら呟いていた。
他の四天王が攻めている間に、サユミは魔法を両腕に溜め込んでいた。
そして、サユミの手から極大宇宙魔法、グランシャリオンが放たれた。
グランシャリオンは、 地面をも飲み込みながらマキに向かっていく。
ルーン・セイブでかき消すだろう、誰もがそう思っていた。
だが、マキはここで想像も付かない行動に出る。
「グラビティ・コア、アトラクト!」
突然、サユミの体がマキに吸い寄せられるように飛んでいく。
そのスピードは、グランシャリオンを追い越すほどだった。
- 435 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:48
- サユミがグランシャリオンを追い抜き、マキの目前まで迫った瞬間、
「セパレイト!」
その次の瞬間には、今度はマキから引き離されるように、
サユミは吹き飛ばされる。
サユミが吹き飛ばされたすぐ後方、そこには、サユミが放ったグランシャリオンが迫ってきていた。
サユミは避けきれず、グランシャリオンに飲み込まれていく。
獲物を飲み込んだグランシャリオンは、徐々に小さくなって消滅した。
「斥力と引力ですか・・・そしてあの思いがけない発想力、すごいですね。」
アサミは、マキの戦いを嬉しそうに見ながらそう口に出した。
「ハァッ、ハァッ、あと、一体・・・。」
マキは荒い息を吐き出して、ただ一体だけ残ったエリに視線を向ける。
先ほどの衝撃で、エリはミキの目前まで弾き飛ばされていた。
- 436 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:50
- エリは体が動かないほどの傷を負っており、まともに立てずにいた。
それでもエリは、体を震わせながらも立ち上がろうとする。
「エリ・・・。」
ミキは一度目を瞑り、エリに剣を向ける。
次の瞬間、
ドゴーンッ!
ミキが起こした爆発によって、エリの体が粉々に散っていった。
「(エリ、それにレイナ、サユミ、リサ、安らかに眠りなよ・・・。)」
ミキは一度ため息をついて、サキに視線を向ける。
サキは、信じられないといった表情でミキを見ている。
- 437 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:51
- 「ちょっと、あんた何考えてんのよ!?」
「あれだけの傷を負ったエリが、マキを倒せるわけないでしょ。
だったら、あんたが出た方が手っ取り早いじゃん。それとも、
サキはマキと戦うのが怖いっていうの?」
ミキは、サキを挑発するようにそう言った。
「・・・こいつらを殺したら、次は絶対あんただからね。」
サキはもの凄い形相でミキを睨みつけると、マキに視線を向ける。
「あんな"玩具"共を倒したからって、いい気になるなよ。
私を怒らせたことを後悔させてやる。」
サキが手を上に向ける。
- 438 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:52
- その瞬間、
「「えっ?」」
最初に気付いたのは、マキとアサミだった。
マキはアサミ達の気を感じ取り、アサミはマキの気を感じ取ることができた。
そう、結界が解けたのだ。
「何のつもりなの?」
「めんどくさいから、一気に始末してやるんだよ。」
サキが上げていた手を下ろす。
すると、マキ達、いや、部屋全体を真っ暗な空間が包み込んでいく。
「私を本気にさせたらどうなるか、きっちりと教えてやる。」
サキは空間が広がっていくのを見て、異様なほどにまで顔をにやつかせていた。
- 439 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:52
- 更新しました。
- 440 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 19:55
- 矢口の脱退、これは自分にとってもものすごい衝撃でしたけど、
この小説は今まで通りに続けさせてもらいます。
そして、矢口にはこれからもがんばってもらいたいです。
モー娘のメンバーがどうなってるかが心配です・・・。
- 441 名前:konkon 投稿日:2005/04/16(土) 20:00
- >マコさん
お久しぶりですね。
四天王戦はこのようになりました。
また出てくるかもしれないので、その時は
また応援してやってください。
>七誌さんデスさん
ベリーズの力は強いぞぉ♪
この発言は間違ってませんよw
一番大変なのは、マキじゃなくてアサミかもしれませんね(汗)
>MSさん
ミキ姉はここから登場です!
あと少しで彼女力が・・・ネタバレになっちゃいますので
今日はこの辺でご勘弁をw
>151さん
マキの登場です!
やっとマキが書ける!な〜んてよくわかりませんけど
微妙にテンション上がってます(笑)
- 442 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/04/17(日) 20:04
- 更新おつかれいな〜。
おぉ。ベリーズは一体何を考えてるか・・・。
マキとアサミは気付いたんですね。
次は最終決戦の前の「最終決戦」ですね♪(意味わからん
- 443 名前:マコ 投稿日:2005/04/17(日) 20:07
- 読みました。
このようになりまして(汗)
でも すばらしいですね。
僕もやらないと。
よーし 今週中に更新するぞ おおっ(誰とやっている)
どうやら 昨日のコンサート会場で 新リーダーの吉沢さんが このできごとについて話したらしいです。
そして これからの娘。を応援して欲しいことも伝えているみたいです。
その一方で 矢口さんへの署名活動もおこなわれています。
この小説もがんばってください。
今の娘。のためにも。
次の更新お待ちしています。
- 444 名前:MS 投稿日:2005/04/19(火) 17:36
- 更新おつかれいな。
マキの発想力はすごいっすね。
ミキティにも少しは良心みたいなのを持っているのかな?
ベリーズラスト・・・どうなるのかな?
次の更新お待ちしております。
- 445 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:39
- 「な、何、これは・・・。」
「わかんない・・・。」
何が起こったかわかっていない仲間達は、挙動不審に周りを見渡している。
アイはその空間が落ち着かなくて、一歩前に踏み出そうとした瞬間、
体が異様な体制で浮かび上がる。
「なっ!?なんや、ここは!?」
アイだけでなく、マキやアサミ達も時空のズレによって、
宙に浮かび上がっている状態だ。
「ここは、私が作り出した四次元の世界だ。どいつもこいつも、
さっさと殺してやる。てめぇらまとめて葬ってやる。」
「・・・無理だよ。」
マキの言葉に、サキはマキに視線を向ける。
- 446 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:39
- 「はぁ?」
「あんたじゃ無理だよ。私を殺すことはね。」
「・・・何なんだよ。お前達は、どこまで私を侮辱すれば
気が済むんだよ!?うざってぇんだよ!」
サキの体から異様な気が放出され、空間中に飛び交っていく。
マキは、黙ってサキを見ている。
「まずは、てめぇから殺してやる!」
サキがそう叫んだ瞬間、
「!?」
突然、サキの姿が消えたのだ。
暗い空間と同化したように、姿が見えなくなったのだ。
- 447 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:42
- 次の瞬間、
ピシッ!
「・・・。」
「マキッ!」
マキの頬から、血が滴り落ちていく。
アサミ達は、何が起きたのかすらわからなかった。
サキがどこにいるか、何をしたかもわからない。
辺りに気を配りながら、身構えることしかできなかった。
ただ、マキだけを除いては。
マキは、頬から血が垂れ落ちていようと、その場から全く
動こうとしていなかった。
- 448 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:43
- 「アイ、何か見える?」
「・・・いや、無理やわ。何も見えん・・・。」
「(くそっ、爆発を起こすにしても、この部屋は広すぎる・・・。)」
「(私の糸にもかからない・・・どうなってるの?)」
「アサミ、結界は張れないの!?」
「いえ、先ほど私達の周りに作ったのですが・・・ほんの一瞬しか
かかりませんでした。今は、何も反応してません・・・。」
「どういうことなの?」
「・・・つまり、この空間に存在しないんですよ。一瞬ということは、
恐らく空間を自在に飛び回れるということです・・・。」
アサミ達は、それぞれの想いで対策を練っている。
それでも、サキに対する対応がままならないでいた。
さらに、今度はマキの足に傷ができて血が垂れていく。
- 449 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:43
- 「ちっ・・・。」
「マキ・・・。」
アサミはマキを庇おうと、前に足を動かそうとする。
だが、体を動かす度に空間が歪み、思うように動くことができない。
メモリーを使って空間を戻そうにも、先ほどと同様に簡単にできるとは思えない。
あまりにも特殊すぎる能力に、手の出しようがなかった。
次の瞬間、
ビシッ!
「つっ・・・。」
「マキッ!」
マキの腕から、血が噴出した。
- 450 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:44
- それほど深くもないようだが、血が垂れ流れていく。
衝撃で手から剣が離れてしまい、剣が宙を漂っていってしまう。
「何、このまま殺されるつもりなの?」
そう言ったのは、敵であるはずのミキだった。
ミキはこの異様な空間であろうと、平然とした表情でマキを見ている。
その顔はどこか、苛立っているようにも感じる。
「ミキに殺されることよりも、サキに嬲り殺されるのを選ぶわけ?」
「・・・どっちもごめんだよ。」
そう言って、マキは静かに目を閉じた。
「周りのお仲間さん達を気遣って、自分一人に向かってくるように
挑発してるからだよ。って、聞いてないか。」
ミキは、軽く笑って話すのをやめた。
- 451 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:45
- ミキの言葉を聞いて驚いていたのは、仲間達だった。
サキの本来の力を出させないために、挑発したものだと思っていたが、
まさか自分達に被害を出さないために、そのようなことを言ったとは
思ってなかったからだ。
アサミがマキに視線を向けると、マキは微動だにせずにその場に止まっている。
完全に集中しているのがわかる。
その異様な気に、アサミ達もミキも何も口に出さない。
「・・・そこだっ!」
完全に音が遮断された空間の中で、突然マキが拳を作った右腕を横に振るった。
ガッ!
鈍い音と同時に、空間が元の部屋へと戻っていく。
直後に、サキが勢いよく地面を転がっていく。
- 452 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:46
- どうやら、どのようにしたかはわからないが、マキがサキの顔を
殴りつけたようだ。
アサミはマキの元に駆けつけようとしたが、すぐに立ち止まる。
「どうしたの、アサミ?」
訝しげな表情をして、リカがアサミに聞いた。
「・・・また、私達との空間がずらされているようです。」
「えっ!?」
「恐らく、サキが生きているか、もしくは空間を元に戻さなければ、
マキのいるところへはいけないようです・・・。」
アサミの言葉に、リカ達は黙ってマキに視線を向ける。
「やれやれ、やればできんじゃん。」
ミキは、近くに落ちていたマキの剣を拾い上げる。
- 453 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:46
- 「ほらっ!」
シュッ!パシッ!
マキの剣を、ミキがマキに向けて投げつけたのだ。
それをマキは、上手く手で掴み取る。
「・・・どういうつもりなの、ミキ姉?」
「よくわかったよ。サキじゃマキには勝てない。だから、ミキが
あんたとやるよ。かといって、剣がないから負けたなんて
言い訳されたくないし、ミキは絶対にマキには負けない。
それだけよ。」
「ふっ、ふざけるな・・・。」
ミキとマキの話しを聞いて、サキが起き上がって口を挟んだ。
サキは鼻から出ている血を押さえながら、ミキを睨みつける。
- 454 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:48
- 「こいつは、こいつらは私が殺すんだ・・・。邪魔をするなら、
ミキ、まずはてめぇから殺してやろうか!?」
「・・・面白いじゃん。あんたのことは前々から気に食わなかったんだ。
ミキに勝てるって、そう思われてることがね。他のベリーズみたいに、
大人しくミキに従わないしさ。ミキの方が強いのに。」
「笑わせるなよ!誰が誰より強いって!?なめてんじゃねえぞ!
てめえの力なんかより、私の方が強いんだ!」
部屋の中に、先ほどよりも異様な気が漂っていく。
それは、四天王を蘇らせた時よりも強力な気だった。
「・・・仲間割れ?」
「そんなのじゃないよ。ミキは仲間だなんて思ってないし。
ちょっとした"ゴミ処理"をするだけ。」
カオリの呟きに、ミキは笑って答える。
- 455 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:49
- 「その減らず口もここまでだ!」
サキの周りの気から、無数の魔物の形が作られていく。
「なっ・・・。」
「"あいつら"を復活させただと・・・?」
サキの周りに蘇った魔物達、それは先ほど倒した数体のベリーズだった。
そして、さらにベリーズの魔物が復活を遂げていく。
それでもミキは、少しでも表情を変えることはなかった。
「予定変更、マキは下がってなよ。これから面白いのを見せてあげるよ。」
それを聞いたマキは、特に何も言わずに剣を下げて後ろに下がっていく。
ミキは自分の剣を地面から抜き取り、剣を肩に置いた。
「この、ミキの"力"をね。」
- 456 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:49
- 更新しました。
- 457 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:56
- >七誌さんデスさん
マキとアサミは・・・ですから(謎)
本当はベリーズには最終決戦も何もなかったんですけどねw
当初は復活した四天王の代わりに、即効で全員
死んでもらうはずでしたww
>マコさん
このようですw
そうですね、矢口の件についてはもう触れません。
彼女には彼女らしく、これからもがんばってほしいです。
>MSさん
ミキティがどのような感情を持っているか、
それは今後の彼女の戦いでわかると思いますよ。
マキの戦い方は仲間の力、それをどうしても
やりたかったんですよね〜♪
ベリーズラスト、どうなるんでしょうか!?(マテ
- 458 名前:konkon 投稿日:2005/04/21(木) 23:57
- 諸事情により、次の更新は少し遅れます。
よって、緑版もしばらくは更新不可です・・・。
たぶんGWには復活すると思いますので
その時はまたよろしくです。
- 459 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/04/22(金) 18:29
- 更新おつかれいなー
おぉ〜ついに出てきましたか〜。
更新を待ってますよ!作者殿!GWまで待ちます!
- 460 名前:MS 投稿日:2005/04/24(日) 22:36
- 更新おつかれいな!
うおおお!!!ミキティかっけぇーー!!
最後の台詞に思わずしびれちゃいましたw
次の更新期待してます!
- 461 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:23
- 最初にミキに飛び出したのは、マアサとマイだった。
マアサの振るう二本の鞭と、マイの羅節混がミキを襲う。
ミキは、華麗な動きで鞭と混を避けていく。
サキの周りには、他にも数体のベリーズがいるのだが、なぜか動こうとしない。
「ハッ、四天王で力を使いすぎちゃったわけ?二体しか操れないんだ?」
ミキは怪しげな笑みをして、襲いくる鞭と混を避けながらサキを見た。
「ハン、勝手に言ってろよ。これで十分なんだよ。わかってないな、
なぜ私がベリーズを復活させたと思う?」
「他に使えるのがいないからでしょ。確か一度復活させた者は、
二度と蘇らせることができない、それがネクロマンサーだよね?
だから、四天王を蘇らせることはできない。」
ミキは一度後ろに跳び引いて、そう答える。
- 462 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:24
- 「相変わらず博識なことだ。確かにそれもある。だがな・・・。」
シュンッ!
マアサの操る鞭が異様な動きをして、ミキの首元を襲う。
「ちっ!」
ミキは首を素早く振って、間一髪で鞭を避ける。
その直後に、マイの混が猛スピードで目の前まで迫ってきていた。
ミキは咄嗟に剣を横にして防ぐ。
だが、あまりの力に大きく後ろに吹き飛ばされる。
「へ〜・・・。」
ミキは上手く着地して、マアサとマイを交互に見つめる。
- 463 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:26
- 「何、あの力は・・・。」
「・・・リカ、気付いたか?」
「うん・・・私と戦ったときより、強くなってるみたい・・・。」
この二体と戦ったケイとリカ、二人はこの異常な強さに疑問を抱いていた。
先ほど戦ったときよりも、パワーやスピードがはるかに増している。
「わかったか?ベリーズは、みんなてめえに対する強い憎しみを抱いて
死んでいった。自由に人間共を殺せなかったという強い恨みと試練、
その怨念がこいつらを強くしている。まぁ、魂が反抗しているから
二体までしか操れないが、その力は四天王に勝るとも劣らない力だ。
特にマアサとマイ、そいつらはミキやアヤとずっと戦いたがっていた。
てめえもここで終わりだよ!」
マアサとマイが、それぞれの武器を振り回していく。
- 464 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:27
- 「ねぇ、何でマアサとマイは、ミキと戦いたかったと思う?」
ミキは、鞭と混を避けながらサキに聞いた。
「ハァッ?てめえを殺したかったからに決まってんだろ。」
「違うよ。マアサもマイも、ミキを殺したかったんじゃない。ミキと、
強い者と戦いたかっただけ。でも、ミキは相手にしようとしなかった。
その理由、あんたにわかる?」
マイの混が、ミキの首元を狙って伸びてくる。
タンッ!
「!?」
目で追えないほどのスピードで迫っていたマイの混、そこでミキは、
なんとそれ以上のスピードで羅節混の上に飛び乗ったのだ。
- 465 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:28
- 「答えは簡単、ミキが強すぎるから。」
ミキが混から飛び降りたと同時に、マアサの鞭が左右からミキに迫る。
「それを今から教えてあげる。ブルー・クリムソン、灼爛焔炎!無氷天声!」
ミキは二本の剣で鞭を弾いた。
その瞬間、片方の鞭は燃えて塵となっていき、もう片方は凍り尽きて砕け散っていく。
さらには、炎と氷が鞭を辿っていき、マアサの体を凍らせて炎で燃やし尽くした。
ふいをついて、マイが混を振り回して豪鬼・阿修羅掌を放つ。
あらゆる方向から、混がミキを襲っていく。
「当たらないよ。メル・フォース。」
ミキが剣を上に向けると、強力な風がミキの体を包み込んで混を弾き飛ばす。
羅節混を戻したマイは、今度は豪鬼・流撃波を放つ。
- 466 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:30
- 「当たらないって言ってるでしょ。縮滅砲!」
ミキは勢いよく剣を前に突き出した。
その瞬間、巨大な風の塊が流撃波を飲み込んで、マイを粉々に打ち砕いた。
「ミキってさ、手加減するのって苦手なんだよね。だから相手に
しなかった。もし戦ってたら、今みたいに殺しちゃってたからさ。」
「くっ、このーっ!」
マイミが超スピードでミキに迫り、剣を振るっていく。
少し先では、メグミが六体に分裂して今にもミキに飛び掛かろうとしている。
「どれだけ速くたって、サクリファー、飛烈翔!」
マイミの剣を避けたミキは、飛び上がると同時に剣を振り上げる。
マイミは剣で受け止めるが、力で大きく上に打ち上げられる。
その凄まじい衝撃によって、マイミの剣には大きな亀裂がはいっていた。
- 467 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:31
- 「(マイミ、あんたは悪い子じゃなかったんだけどね・・・。)」
マイミが落ちてきたところを、ミキが壊れかけた剣ごと叩き斬った。
「空中に浮かしちゃえば、いくら速くても関係ないよね。あんたは
嫌いじゃなかったけど、どのような形であれ、ミキと敵対するなら
容赦はしない。」
六体となったメグミが、六方向から同時にミキに迫る。
メグミのナイフがミキの首元まで迫った瞬間、ミキの姿が消える。
「シルファリオン、瞬獄殺!」
まるでミキも分身したかのように、あまりにも速すぎるスピードのために、
何人ものミキがメグミを斬りつけていくように見えた。
メグミも斬られた際に増殖しようとするが、増殖する速さを超えるスピードで
斬られているので、ついにはミキは全てのメグミを斬り倒した。
- 468 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:32
- 「メグミはよくわかってたよね。ミキの力を、ミキの怖さを、
だから言うことをちゃんと守ってた。あんたと違ってね。」
ミキは口元を吊り上げて、サキを見下ろした。
「ねえ、あんたが戦いなよ。誰かに頼って生きてるようなやつが、
ミキは一番嫌いなんだよ。エクスプロージョン、流爆!」
ミキは剣を振るって、爆発の塊をサキに向けて放つ。
その爆発を、マイハが前に出て剣で吸収する。
「調子に乗るなっ!ミキ、てめえを殺すのに、私が手をかける
必要なんかないんだよ!」
マイハが剣に吸収した流爆を、ミキに向けて放つ。
それをミキは、さらにでかい爆発を放ってかき消した。
直後に、自らの血を剣としたミヤビが、ミキに飛び込んできた。
- 469 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:33
- 「"ブラッド・コントロール"か、確かに血を操るなんてミキには
真似できないね。けど、真の最強はあんたなんかじゃない、
このミキだよ。爆炎舞!」
ミヤビの剣から逃れたミキは、爆発を起こしてミヤビを吹き飛ばす。
マイハは、体から出た血を武器と化そうとするが、それすらもミキが
剣を振るって爆発を起こし続け、全てを打ち砕いていく。
そして、最後にはミヤビの体が粉々になるまで爆発を起こしていた。
「いかに不死身の異名を持とうとも、粉々にされちゃったら
どうしようもないよね。そして・・・。」
剣を振り被って向かってくるマイハを見て、ミキは軽くため息をついた。
「最強の剣士だとかぬかしてる、あんたが一番笑えたよ。魔力を吸収して
はね返す、それしか脳がないんだもんね。」
マイハが振るう剣を、ミキは軽々と弾いていく。
- 470 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:34
- 「アイゼン・メテオール、魔力を必要としない普通の剣なら、
あんたは何もできないでしょ。ちょっとした特殊能力がミキを
上まわってるなんて思ったら、大間違いだよ。」
ミキはマイハの剣を大きく弾くと、マイハの体を真っ二つに斬りつけた。
「さってと、お次はどなたかな?」
ミキは楽しそうな表情をして、ベリーズ達を見渡していく。
「こっ、こいつらならば、いくらてめえでも対応できないだろ!」
次にミキに飛び込んだ二体のベリーズ、それは未来が見える"サトリ"の力を
持つチナミと、心を見通す"心眼"のチサトだった。
どちらの力にせよ、先の動きを読む力がある。
さらには、この二体はそれぞれ暗黒闘気に強靭な肉体という、
恐るべし力を秘めている。
- 471 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:35
- それには、いくらミキでも簡単には勝てるわけがない、少なくても
苦戦はするだろう、誰もがそう思っていた。
ミキ、そしてマキを除いては。
チナミとチサトが、左右からミキに向けて拳を振るっていく。
それをミキは、軽々と避けていく。
「な、なんれなの・・・?」
「(カリキュレーションを使える・・・?いえ、そんなことは
不可能なはずです・・・彼女は一体、何をしたんでしょうか・・・?)」
この二体と戦ったノゾミとアサミは、不思議そうな顔でミキを見ている。
「なっ、何でだ!?未来が見えるのに、心が読まれているはずなのに、
何でてめえに当たらないんだ!?」
「わかってないな〜。読まれてないからに決まってるでしょ。」
ミキはチサトの拳を首を振って避けて、サキに冷たくそう言った。
- 472 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:41
- 「ルーン・セイブ、精神制御。ミキの心を読むっていうなら、心の中を
封印すればいいだけ。もちろん何も見えないんだから、ミキの未来を
読むこともできるわけがない。」
「・・・ルーン・セイブだと?笑わせるな!だとしたら、てめえは
剣を使えねえだろ!素手でそいつらを倒そうっていうのかよ!?」
「(確かに、本当に素手で戦うとしたら・・・。)」
「(中途半端な力れは、絶対に倒せないれす・・・。)」
アサミとノゾミも、その点だけはサキと同じ意見だった。
「ミキを甘く見すぎてない?ミキに不可能はないよ。」
ミキは後ろに跳んで、少し距離を置いてから淡々とした口調で言い放つ。
「剣が使えなくたって、ミキは強いんだよ。」
「(そう、ミキ姉の"本当の力"は、ここからだよ・・・。)」
マキはミキから視線を外さずに、心の中でそう思っていた。
- 473 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:41
- 更新です。
GWということで、その前に更新してみましたw
- 474 名前:konkon 投稿日:2005/04/28(木) 22:45
- >七誌さんデスさん
ついに登場です。
やっとミキを書けますよ〜♪
これからが正念場ですね!
>MSさん
ミキティは、本当にカッコイイです♪
微妙に自己主張が強いのがなんとも・・・w
まぁ、過去にいろいろとあったものでして、
ここからが自分的にも難しくなりそうな・・・(汗)
- 475 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/04/29(金) 20:26
- 更新おつかれいな〜
ミキ姉強い!!!さすが・・・。
ベリーズも歯が立たないって感じですね。
- 476 名前:MS 投稿日:2005/05/01(日) 21:59
- 更新おつかれいな!
ミキティ強いっす!!
みんな(マキ以外)が苦戦したベリーズを簡単に倒しちゃうなんて・・・。
しかもミキティの本当の力って一体なんでしょう?
次の更新に期待してます!
- 477 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:13
- チナミが暗黒波動砲を放つ。
暗黒波動砲は、地面をも砕きながらミキに向かっていく。
「な〜に〜、ルーン・セイブの能力を知らないわけ?」
ミキが右手で剣を振るっただけで、暗黒波動砲はかき消される。
その瞬間を狙って、チサトがミキの背後から拳を振るう。
剣を変える時間はない。
サクリファーにも変えていないミキでは、チサトの力を止められるはずがない。
「殺ったか!?」
それを見て、サキは口元を緩める。
「甘いよ。」
ミキは左手でチサトの拳を弾くと、その左手で手首の返しだけでチサトの顎を打ち抜いた。
そして、回し蹴りで大きく吹き飛ばす。
- 478 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:13
- 「なっ!?」
「ミキが強いのはRAVEが強いからじゃない。ミキが強いからRAVEも
強くなったんだよ。」
そう言って、ルーン・セイブのままチナミに向かって走り出す。
チナミは、ミキの顎を狙って足を高く振り上げる。
「遅いよ。」
ミキは体を横に反らして避けると、反転してチナミの顔に裏拳を叩きつける。
「よっ、ほっ、それっ!」
チナミが怯んだ隙に、胸に肘、腹に膝をめり込ませ、前蹴りで後ろに蹴り飛ばした。
まさに電光石火の速さだった。
チナミとチサトは、ふらつきながらも立ち上がる。
かなりのダメージが、足にきているようだ。
- 479 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:14
- 「そうそう、このくらいで倒れないでよ。やっとテンションが
上がってきたところなんだからさ。」
ミキが嬉しそうに笑っている時、アサミは訝しげな表情をして、
ぶつぶつと独り言を言っていた。
「(なぜ、あれほどのダメージを与えられているのでしょうか・・・?
少なくとも、ミキに私以上の力があるとは思えないし、それに
チナミは暗黒闘気を纏っているはず・・・それはよほどの力を
ぶつけないと、貫けるはずがありません・・・。では一体・・・?)」
「ミキ姉は天才なんだよ・・・。」
その声で、アサミは頭を上げる。
マキがアサミを振り向いて、優しい笑みを浮かべる。
- 480 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:15
- 「ミキ姉はね、アサミとは異なるけど、気の使い手でもあるんだよ。」
「ですけど、ミキには全く気を感じませんよ・・・?」
「それもそのはず、ミキ姉の体術では体外に気を放出しないからね。」
「・・・?」
マキの言葉には、さすがのアサミも首を傾げていた。
「どういう意味ですか?」
「気には二つの力があるんだ。アサミやノノのように、体外に気を
放出させて、敵を吹き飛ばす力。そして、体内に気を直接送り込んで、
内側から破壊する力があるんだ。その応用は"裏当て"に似てるかな。」
「そうなんだ・・・。」
それを聞いたリカは、軽く頷いた。
- 481 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:17
- 「そして、ミキ姉には剣技だけでなく、私にはない武術のセンスも
あるんだ。いや、武術だけなら恐らく、地上最強だよ・・・。」
「地上最強・・・。」
「チナミに至っては、力をぶつける瞬間にルーン・セイブの力で
暗黒闘気を消し去り、すぐに気を蓄えてぶつける。その力は、
ほんの一瞬しか放出をしないために、気を感じることも難しいんだよ。
そんなことができるなんて、本当に天才だよ。ミキ姉はね・・・。」
マキは、最後だけ呟くようにそう言った。
「ですけど、あなたも同じように気を操ることができるんですよね?
だって、ミキはあなたと同じ"ゴトウ家"の・・・。」
アサミの言葉に、マキは静かに首を横に振った。
- 482 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:18
- 「違うんだよ。ミキ姉は、ゴトウ家の技を引き継いではいるけど、
"血"は継いでないから。また別の力を持っているから。」
「えっ・・・?」
「だから、私はずっとミキ姉に憧れてた。私にはない力を持っていたから。
だったら、私は私で身に付けられる力を付けようと思ったんだ。ミキ姉が
武術で最強なら、私は剣で最強を目指そうと思った。だからこそ、あんな
悲劇が起きちゃったのかもね。ミキ姉は、"真実"を知らなかったから・・・。」
そう言って、マキはミキに視線を戻す。
振り返る直前に見たマキの目は、すごく悲しそうにアサミは感じた。
その目に気付いたのは、戦っているミキを除いてアサミだけだっただろう。
マキの話しを聞きながらも、他の仲間達はミキに視線を向けていた。
いや、見惚れていたと言った方が正しいのかもしれない。
- 483 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:19
- ミキは、舞っているかのようにチナミとチサトの攻撃を避けて、
流れるようにして綺麗に技を決めていく。
まるで、マキがツンクと対峙したときのような、一言で言うならば、
美しいとしか表現できなかった。
ミキを恨んでいるサキでさえも、ミキの動きを呆然として見ていた。
「そろそろ飽きたし、終わりにするかな。」
ミキはチナミの蹴りを跳んで避けると、その足に自分の足を絡みつかせ、
勢いよく身を捻っていく。
ボキボキボキッ!!
チナミの足は、複雑骨折と言っていいほどまでに折れ曲がっていた。
- 484 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:20
- さらに、
ゴキャッ!
チナミが倒れたところを、もう片方の足に膝を叩きつけて骨を砕いた。
「これでまともには動けないでしょ?あとは・・・。」
背後から迫るチサトの手刀を、ミキはしゃがんで避けるとチサトの
顎に左手で掌底を突き上げて、右手で首に手を当てる。
「バイバイ。」
次の瞬間、
ボンッ!
チサミの首が吹き飛んだ。
- 485 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:21
- 頭を失くした体は、前に倒れていく。
剣を元に戻したミキは、まだ生きているチナミの首を斬り落とした。
ミキが休む間もなく、アイリがミキに向けて剣を振るった。
ミキは後方回転で後ろに逃れると、ミキのいた元に雷が落ちた。
「フォーリング・プラズマ・・・なるほどね、ミキにとっての
最強の敵は、マキってことね。ふ〜ん、よかったじゃん。
ミキも心のどこかで、あんたのことを認めてるってことだよ。」
ミキは軽い笑みをマキに向ける。
そう言った直後に、ミキの目前にもう一人のミキが現れ、剣を振り下ろす。
ミキは、横に跳んで剣から逃れる。
剣が振り下ろされた瞬間、巨大な爆発が起こった。
- 486 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:22
- 「エクスプロージョンね、リサコの能力か。ミキが想う最強は誰か、
ってとこかな。だからミキの姿に変化した。でも・・・。」
マキの力を使うアイリと、ミキに変化したリサコが同時に襲う。
そして、何発もの大爆発が鳴り響いていった。
「フハハハハッ!これでやつも終わりだろう!」
サキは、高笑いをしてミキのいた場所を見ていた。
爆発による煙が、少しづつ消えていく。
そこから出てきたのは、
「なっ・・・。」
「所詮は偽者、全然力を使いこなせてないね。」
あれだけの爆発がありながら、ほとんど無傷に近いミキの姿だった。
- 487 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:22
- んあ〜、更新です〜。
- 488 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:24
- いつの間にか、梨華っちの卒紺が一週間を
きっていた〜!
一番気になるのは、卒業の日に紺ちゃんの誕生日、
これって一体どうなるのでしょうか・・・?
とりあえず、昼紺だけど土曜日が楽しみです!
近況連絡終了、レス返しに戻ります(汗)
- 489 名前:konkon 投稿日:2005/05/01(日) 23:28
- >七誌さんデスさん
ミキ姉さん、強すぎっす・・・(汗)
まぁ、中ボス前のラスボスって感じですかね(謎)
これでもまだまだ実力の一端ですw
>MSさん
ん〜、みんなが苦戦したのが嘘みたいなくらい強いですw
完全にキャラを独立させてますね(汗)
好みの問題?ん〜、続きがかきにくいです(爆)
- 490 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/05/02(月) 15:47
- んぁ〜更新おつかれいな〜(謎)
なんか話が重い・・・。
でもまぁ・・・中ボスの前のラスボスなんで大丈夫かな?(謎謎)
続きも待ってます〜。
- 491 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:19
- 「何でだよ・・・てめえらの力を使ったというのに、何で・・・。」
「だから言ってんじゃん。力を使いこなせてないってね。」
ミキはそう軽々と言い放つ。
アイリとリサコは、跡形も無く吹き飛ばされたようだ。
「ちっ、てめえらもいけっ!」
ベリーズの一体、ユリナがミキに向かって飛び出した。
その時、突然周りの岩が浮遊し始める。
そして、ベリーズのうちのもう一体、モモコの体を包み込んでいく。
硬岩鎧に包まれたモモコも、ユリナの後ろからミキに向かって突進していく。
「(モモコか。あんたとだけは、やりたくなかったんだけどね・・・。)」
ユリナの長い爪が、閃光の速さで振るわれる。
それより先に、ミキは上に飛び上がっていた。
- 492 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:20
- 「閃光の爪、ライトニング・クロウか。まぁ、当たらないと
意味ないけどね。グラビティ・コア!」
ミキが猛スピードで落ちていく。
ユリナは爪で防御するが、ミキは爪ごとユリナを叩き斬った。
ミキは、向かってくるモモコに視線を向ける。
その目は、他のベリーズの時とは違って、少し悲しげに見えた。
「やるしか、ないか・・・。」
ミキは剣を持ち直す。
モモコがミキの目前まで迫った瞬間、
「えっ・・・?」
ミキは、初めて驚いた表情をした。
モモコは、手を広げて無防備の状態で止まったからだ。
- 493 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:22
- 「何っ!?どうした!動きやがれ!」
サキは声を荒げて、気を操ってモモコを動かそうとする。
それでも、震えながらもモモコの体はそれ以上動こうとしない。
モモコの魂が、サキの命令を拒否していたのだ。
今なら、モモコが硬岩鎧を纏いながらも、ミキの力ならば
すぐにでも殺すことはできる。
「(ミキ様・・・私を、殺して・・・。)」
「モモコ・・・。」
話せるはずのないモモコの声が、ミキにだけは聞こえたような気がした。
「・・・ありが、とう。」
ミキは、誰にも聞こえないように呟いた。
ミキは一度剣を強く握り締め、モモコに剣を向ける。
- 494 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:24
- 「・・・圧壊球。」
ミキの剣から放たれた黒い球が、モモコの体を包み込んだ。
その刹那に、モモコの体が内側から弾き飛ぶようにして、
粉々に消え去った。
「(あの世で会おうね・・・。)」
ミキは、心の中でそう呟いた。
「ちっ、使えないやつだ。」
ピクッ!
サキの言葉で、ミキの眉が吊り上る。
- 495 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:28
- 「だが、まあいい。データは十分集まったよ。調子に乗ってベリーズを
倒してたようだけど、てめえは自分の力を私に見せてただけなんだよ。
これで、てめえは・・・。」
「うざいんだよ・・・。」
サキの言葉を遮って、ミキが呟くようにそう言った。
先ほどまでの余裕の表情が消え、徐々に怒りに満ちた表情へと変わっていく。
「・・・いい加減、てめえが戦いやがれ!」
ミキの怒声と共に、今までに感じたことのないほどの強力な覇気が、
ミキの体から溢れ出していく。
「なっ、何だよ、この力は・・・。」
ミキから迸る恐ろしい殺気によって、サキの体がガタガタと震えだす。
- 496 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:29
- 「遊びは終わりだ。フォーリング・プラズマ、雷光剣!」
ミキが剣を振るった瞬間、
ドドドドドドッッッ!!!
ミキを中心に、雷の渦が辺り一面を吹き飛ばしていく。
「なっ!?くそっ・・・。」
サキは反射的に空間移動をして、その場から逃れる。
マキはルーン・セイブで雷から身を守る。
アサミ達は、空間がずれているので巻き込まれることはないだろう。
だが、残ったベリーズ達は雷の餌食となって燃え尽きていった。
雷が鳴り止むと、部屋全体が崩壊した状態となっていた。
- 497 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:30
- もし、サキの空間のズレがなかったとしたら、マキの仲間の中でも
誰かが死んでいたかもしれなかった。
災い転じて福と成すとは、まさにこのことだろう。
マキは、黙ってミキを見ている。
しかし、ミキは目を瞑っていて、マキのことを気にしていないようだ。
「空間移動術、一瞬にして敵に近づき、死角から攻めることができるって
いうのは、レイナの風化と似ているところがあるかな。けど・・・。」
「なっ・・・。」
突然サキがミキの目の前に現れて、突然バラバラになって地面に落ちていく。
アサミ達には、何が起こったのかわからなかった。
それ以前に、ミキは全く動いていなかった。
マキがエリカを斬りつけた、それと同じだとリカはすぐに思った。
- 498 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:31
- 「今・・・何したの?」
「出てきた瞬間に、二回・・・斬ったんだと思う。」
「いや、三回・・・やないか?」
動体視力のいいヒトミも、千里眼をしていたアイでさえも、
ミキの斬撃を全ては見切れなかった。
「五回だよ。」
マキはミキから視線を外さずに答える。
マキだけは、ミキの剣の太刀筋を捉えられていた。
「ミキのデータを取れたって?ばかばかしい。ミキはまだ本気を
出してない。それに、どこが絶対無敵の技なんだか、一瞬しか
現れないなら、その一瞬のうちに斬ればいい。さっきマキが
殴りつけたようにね。余裕じゃん。」
ミキは平然と言い放ち、後ろに下がっていく。
- 499 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:31
- サキが死んだことで、マキとアサミ達の空間が元に戻る。
だが、誰一人として動けずにいた。
後ろを向いていながらも、ミキの殺気が強すぎて、仲間達の体を
完全に縛り付けていた。
「アヤ、お願い。」
『OK〜。ミキ、あと12%だよ。遊ぶのもほどほどにね。』
「わかってる。」
『んじゃ、いっくよ〜!』
次の瞬間、ミキの体が光り始める。
そして、ミキの減っていた体力が完全回復していた。
ミキは振り返って、マキに視線を向ける。
マキとミキの視線が重なり合う。
- 500 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:34
- 「(マキ・・・あのままじゃやばいよね!)」
マキは少なからず、戦闘に影響が出てしまうだけの怪我を負っている。
ナツミはマキを回復させようと、一歩前に踏み出した。
その時、突然部屋中に地震でも起こったような大きな衝撃が走った。
そのせいで、ナツミは足を止めてしまう。
「・・・今のは?」
「オロチの心臓の鼓動だよ。オロチが復活するまで、あと少しってことよ。」
マキの呟きに、ミキが答える。
「絶対に止める。」
「・・・今のあんたにそれができるっていうの?」
「やってみせるよ!」
マキは、超スピードでミキに飛び出した。
- 501 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:35
- その直後に、冷気、炎、雷、風、と次々と強力な技が、二人の
周りを覆い尽くしていく。
今では、完全に二人の姿が捉えられないでいた。
それでも、アサミ達はマキを信じて見守るしかなかった。
どのくらい経ったのだろうか、巨大な爆発を最後に二人の動く気配が消えた。
そして、爆煙が消え去ったあとにアサミ達が見たのは、
「そんな・・・。」
「う、うそでしょ・・・。」
「マキ・・・マキーッ!」
ぼろぼろになって倒れているマキと、その倒れているマキの首筋に
剣を当てている、大して怪我を負っていないミキの姿だった。
「ちっ、くだらない・・・。」
ミキはマキを見下ろしながら、そう呟いた。
- 502 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:35
- 更新しました〜。
- 503 名前:konkon 投稿日:2005/05/04(水) 01:37
- >七誌さんデスさん
んあw
マキとミキの話しは少し難しくなりますね〜。
それにけっこう重いです(汗)
まぁ・・・ゆっくりといきましょうw
- 504 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/05/06(金) 15:25
- んぁw(ヤメイ
更新おつかれいな〜。
Σ(・ω・ノ;)ノミキ!?なんだよぉそれぇ・・・(誰
うゎすっげぇ・・・。
ネタバレになるのでこれ以上は言えないよぉ。
続き楽しみにしてます!
- 505 名前:151 投稿日:2005/05/06(金) 17:48
- 更新おつかれいにゃ。
こ、これは・・・アサミ達の気持ちが良く分かります。
強すぎる者を観ると絶句してしまうものなんですね。
「感想も書けないのが感想」みたいな(笑)
こりゃあどうなってしまうんでしょう?
- 506 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:49
- 先ほどまでの爆音がまるで嘘だったかのように、部屋の中は静まり返っていた。
誰一人動かない。
いや、動けずにいる。
マキがここまで簡単にやられるとは思ってもいなかった上に、ミキにしたらいつでも
マキを殺すことは可能だからだ。
「ミキが待っていたのって、こんなものだったんだね。」
ミキが小さく呟いた。
「この程度で、ミキを止めようとしてたの?」
ドゴッ!
「ゴフッ!」
ミキがマキの腹を蹴りつけた。
マキは、蹴られた衝撃で地面に血を吐き出す。
- 507 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:50
- 「あんたが一番強いと思ってたから、ミキはマキを待っててあげたのに、
つまらないよ!くだらなすぎるんだよ!」
ミキは、倒れているマキの体を何度も踏みつけていく。
「ゴフッ!ガハッ、ぁ・・・。」
ミキが踏みつけるたびに、マキは苦悶の表情をして血を吐き出していく。
「このっ・・・。」
マキが蹴られているのを見ていられず、ヒトミは飛び出そうとした。
その時、
『まだです!行ってはいけません!』
ヒトミの頭の中に、直接声が聞こえてきた。
その声は、アサミの声だった。
それが聞こえた他の仲間達も、思わずアサミを振り向いた。
- 508 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:51
- 『こちらを見ないでください。マキとミキから、絶対に目を
離さないでください。今私は、空気の波長を通じて、直接
皆さんの鼓膜に振動を与えて話しています。』
それを聞いて、他の仲間達はマキ達に視線を戻す。
『この欠点は、私しか話すことができないことです。そのため、
皆さんは私の言うことを黙って聞いてください。ミキは、
今まで戦った誰よりも強いです。ですから、一瞬の隙を
狙うしかありません。それまで、耐えてください・・・。』
アサミは、しっかりした口調で仲間達に伝えた。
しかし、ヒトミは見た。
マキに視線を戻す際に、アサミの体は小刻みに震え、怒りと悲しみに
満ちた表情をしていたことを。
- 509 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:52
- アサミは口唇を思い切り噛み締めて、口元から血を流しながらも、
ミキに蹴られているマキの無残な姿を、見ることから耐え続けていた。
『勝負はほんの一瞬だと思ってください。その時の合図は、私から
皆さんに送ります。いいですか?』
アサミは一度だけ仲間達に視線を向ける。
仲間達は黙って首を頷ける。
『まずはですね、ヒトミ、あなたの・・・。』
アサミが仲間達に作戦を伝えていると、ミキは蹴るのをやめてマキの首を
片手で掴み上げる。
「焦りすぎだったね。アヤのことが気がかりで仕方ないんでしょ。
・・・ふざけるなよ。今は誰と戦ってるんだよ!?ミキを見ろよ!
ミキだけを見ろよ!あんたもくそ親父達と一緒で、ミキの存在を
認めないつもりかよ!?」
ミキの叫び声が、部屋中に響いた。
- 510 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:53
- 「傷を負った体でミキに勝てると思ってんの?アヤと戦うための
余力を残したままで、ミキに勝てると思ってんの?もういい、
せっかく少しは認めてあげようと思ってたのに、あんたも
結局は他のやつらと同じだったんだね・・・だから、ミキは
自分だけの世界を創る。その世界にあんたなんかいらない。
さっさと死になよ。」
ミキはマキの体を地面に放り出し、剣を振り被る。
「サヨナラ、マキ。」
『ヒトミ、今です!』
「よっしゃーっ!」
ヒトミの指から、ミキに向けてハイパーレールガンが放たれる。
- 511 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:54
- 「ちっ!」
それに気付いたミキは、剣で横に弾いた。
それとほぼ同時に、アイが超スピードでミキに迫っていた。
「もらったわ!」
「なめるなーっ!」
アイとミキが、同時に剣を振り切った。
しかし、
「どわーっ!」
ミキとアイでは力の差が歴然としていた。
ミキの計り知れない力が、アイを大きく後ろへと吹き飛ばした。
直後に、
「壱の突、寸!」
リカの放った衝撃波が、ミキを飲み込もうとしていた。
- 512 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:54
- ミキは軽く横に跳んで避ける。
そこに、マリが爆風を利用した猛スピードで飛び込んでいた。
「爆破鬼人剣!」
「そんなものっ!」
二人の剣が重なり合った瞬間、巨大な爆発が起こった。
だが、ミキはマリの剣に後ろに押されながらも、力でマリの爆発を防ぎ込んでいた。
ミキには、ダメージらしいものは見当たらない。
「なっ・・・。」
「フン、喰らわないよ。」
マリの驚愕の表情を見て、ミキは口元をにやつかせる。
「このーっ!」
マリの援護に入ろうと、リカがミキに飛び出した。
- 513 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:55
- 「邪魔だって言ってんだろっ!」
「うわっ!」
「くっ・・・。」
ミキが開放した気合だけで、マリとリカは大きく吹き飛ばされた。
「消えな。エクスプロージョン、流星爆!」
ミキが剣を振るうと、いくつもの爆発が二人に降り注いでいく。
ボボボボボンッッッ!!!
「・・・。」
爆発が鳴り終えた後、ミキは二人のいたところを見て目を細める。
- 514 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:56
- リカは銀を盾にして爆発から防いでいて、防御のできないマリの元では、
「武人流弦術、二拾七式、弦結界。それは、いかなるものも
立ち入ることはできない。」
マリの前にはケイが立ち塞がっていて、ケイが放ったいくつもの糸が、
網目状となって二人の周りを覆い尽くし、爆発を防いだのだ。
「悪く思わないでね。あんたと違って、私達はチームで戦っているんだ。」
「そういうことだよっ!」
ケイが糸を外した直後に、マリが爆発を起こして部屋中に煙幕を張る。
ミキは、慌てることなく冷静に周りに気を配る。
「煙に紛れてミキと倒そうってか、やれるもんならやってみなっての。」
ミキは前方に気配を感じ、剣を構える。
- 515 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:57
- だが、
「(後ろからも?違う・・・周り一体からミキに向かってきている。
人、じゃない。魔法だな。これは確か・・・。)」
「いっけぇーっ!」
ミキに向けて放たれたもの、それはカオリのメビウス・ジェイドだった。
無数の氷の矢が、あらゆる方向から一斉にミキを襲っていく。
魔法が放ち終わって煙幕が消えた後には、ミキのいた場所、
そこには光の球体が見えた。
ミキのルーン・セイブ、封絶空間だ。
「無駄だよ。この状態なら、魔法は効かないよ・・・。」
「魔法でなければいいのですね?」
「!?」
ミキの封絶空間、その中にアサミが飛び込んできたのだ。
- 516 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:57
- 「ハッ!」
「くっ・・・。」
アサミの拳をミキは掌で受け止めようとしたが、力で後ろに吹き飛ばされる。
「・・・やるねぇ。でも、どうして封絶空間の中に入ってこれたの?
封絶空間は、魔法はおろか、魔力を持つ者だけでなく、体内に力を
宿っている者も入ることはできない。それは、あんたの"気"も
例外じゃなかったはずだけど?」
「紺野流では、一時的に体の中で気を圧縮させて、完全に無の状態にまで
消すこともできるんです。それならば、例えあなたほどの実力者で
あろうとも、あなたに気配で気付かれることもなければ、封絶空間の
中に入ることも可能なんですよ。」
そう言って、アサミはミキに向けて飛び込んだ。
- 517 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:59
- 「四大秘奥義・参式、白虎!」
アサミの超高速の乱打が放たれる。
しかし、チナミを倒した時とは違い、神速とまではいかないスピードだ。
ミキのルーン・セイブによって、気の放出ができないためだ。
そのせいか、アサミの突きをミキは片手で弾くか、横にずれて避けている。
「気も使えないのに、なかなかやるよね。でもっ!」
ミキは突きを避けると反転して、アサミに右の裏拳を放つ。
アサミは咄嗟に防御しようと、右腕で抑えようとする。
「甘いよ!」
ミキは裏拳を当てずに、アサミの右腕に自分の右腕を絡み合わせる。
そして、自分の元に引き寄せて遠心力を利用し、左の肘をアサミの脇腹に当てる。
「くっ・・・。」
アサミは腹に力を入れて、衝撃を抑えようとした。
- 518 名前:konkon 投稿日:2005/05/06(金) 23:59
- だが、
ボキッ!
アサミは後ろに大きく突き飛ばされた。
地面に倒れる際に、アサミは口から血を吐き出した。
「ぐっ・・・。」
「アサミッ!」
アサミの体に外傷はない。
それなのに、アサミの脇腹の骨が折れたのだ。
アサミは口から出た血を拭って、よろめきながら立ち上がる。
- 519 名前:konkon 投稿日:2005/05/07(土) 00:00
- 「ずいぶんと頑丈な体だよね。ミキの腕がいかれちゃうとこだったよ。
それでもミキには関係ないんだけどね。直接内部に気を当てれば、
どれだけ体が硬かろうと壊すのは簡単なんだよ。」
「さすがは・・・マキが天才というだけありますね・・・。」
アサミは軽く笑ってミキを見据える。
「・・・何を笑っているの?」
「確かに、私とあなたがこれ以上戦ったとしても、私では
勝てないかもしれません。でも・・・。」
ミキは黙ってアサミの次の言葉を待つ。
「私の役目は、あなたに勝つことではありませんから。私達の"勝ち"です。」
- 520 名前:konkon 投稿日:2005/05/07(土) 00:00
- 更新しました〜。
紺ちゃん、誕生日おめでとうです!!
- 521 名前:konkon 投稿日:2005/05/07(土) 00:03
- ん〜、とうとうこの日がやってきましたね。
梨華っち卒業まであと一日切りましたね・・・。
これからも彼女にはがんばってもらいたいものです!
さてさて、今日の昼紺のためにも自分は早く寝ます。
長くなりましたけど、レス返しに移りま〜す。
- 522 名前:konkon 投稿日:2005/05/07(土) 00:06
- >七誌さんデスさん
ん〜、ミキは強いですね〜。
こうなったらもうアサミの出番ですね(謎)
まぁ、これでも一応は中ボスですから笑えますw
>151さん
感想も書けない、できれば書いてくださいよ〜(爆)
ミキパワー全開ですね♪
まだまだ面白くなる予定です・・・(汗)
- 523 名前:MS 投稿日:2005/05/09(月) 08:07
- 更新おつかれいな!
いや〜、ホントにミキティ強いっすねぇ〜!
1対複数なのに余裕じゃないですか!
まだ本気も出してないし・・・恐ろしいですね・・・。
アサミの役目・・・何だかわかった気が・・・これ以上は言いませんが・・・。
次の更新お待ちしております!
- 524 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/05/09(月) 18:00
- 更新おつかれいなぁ〜
ミキは強いですねぇ;。複数を相手にしてるのに・・・。
そして・・・アサミの言葉の意味は一体・・・?
次回も楽しみにしてます。
- 525 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:46
- ミキには、アサミの言っている意味がわからなかった。
ミキは、一度だけアサミ達のいる位置を確認する。
もしアサミの言っていることが正しいのだとしたら、アサミ達の目的は
マキを助けることだろう。
確かに、マキとの距離はアサミ達によって大分離されている。
それでも、アサミ達よりも先にマキの元へと戻って、殺せる自信がある。
この中で一番速いとしたら、ミキを除けばアイだ。
それは、これまでの戦いを見ていたミキにはわかっていた。
しかし、アイはミキよりも少し離れた位置にいる。
そのために、誰よりも速くマキに近づけるのは、紛れも無くミキだった。
テレポーテーションが使えるナツミにしても、連続では使うことができない。
次の圧縮魔法を放つまでに近づければ、殺すことは容易なことだ。
現段階では、一番有利なのはミキのはずだった。
- 526 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:47
- 「(でも、何かがおかしい・・・。)」
アサミ達の位置を確認した時、ミキはどこか違和感を感じていた。
もう一度だけ、アサミ達を睨むように見渡していく。
「(・・・8・・・9・・10、一人足りない?)」
それに気付いたミキは、勢いよくマキのいるところを振り返った。
その時、
ドゴンッ!
「百獣擬態、土竜擬!」
突然、マキの目の前の地面が噴出して、その中からノゾミが飛び出してきた。
ノゾミは、土の中を潜ってマキの元まで近づいていたのだ。
さすがのミキも、地面の中にまでは気を配ることができなかった。
- 527 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:48
- ノゾミはマキを肩に担いで、ナツミの元まで走り出す。
「ちぃっ!」
ミキはシルファリオンに剣を変形させて、ノゾミに向かって走り出そうとした。
ボボボボンッ!ガガガッ!
ミキの目の前に、カオリの魔法とケイの糸が飛んできて、地面を粉々に破壊する。
「行かせないよっ!」
「うざったいんだよっ!ブルー・クリムソン、双龍!」
ミキの二本の剣から、巨大な炎と冷気の龍が飛び出した。
二匹の龍は、アサミ達を飛び越えてノゾミに向かっていく。
ノゾミの背後まで迫った瞬間、二つの影が双龍の前に飛び込んだ。
- 528 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:49
- 「やらせはしない。」
「これでどうやっ!」
二つの影は、アイボンとマコトだった。
アイボンはエリのテイク・オーバーで炎の龍を吸い込み、
マコトは冷気の龍を剣で吸収していく。
「邪魔するなって言ってるだろっ!メル・フォース、真空烈波!」
ミキが剣を振るった瞬間、いくつもの真空波が発生してノゾミに向かっていく。
アイボンとマコトは、双龍を消し去っている途中だ。
ノゾミが首だけで後ろを振り返ると、避けきれないほどの大量の真空波が、
すぐ背後まで迫ってきていた。
- 529 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:50
- 「(ろうしよう・・・マキらけれも助けなきゃ・・・。)」
「ノノ、止まるなやっ!」
「ここはうちらがなんとかするからっ!」
横からアイとヒトミの声が聞こえた。
アイはノゾミの傍まで駆け寄ると、今度は真空波に向かって飛び出した。
ヒトミは、ノゾミと真空波の間に滑り込む。
「アイ、ヒトミ、お願い!」
ノゾミは、二人を信じてすぐに前を向いて走り出す。
「マキはやらせんでっ!鳳凰の舞!」
「フリーダム!」
神速で飛び出したアイは、何人もの残像を作り出し、次々と
真空波を叩き斬っていく。
さらには、ヒトミの六本の指から放たれた六発のレールガンが、
正確に真空波を打ち抜いていく。
- 530 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:51
- 「ナツミッ!」
「任せてっ!」
ノゾミはナツミの元に到達すると、マキを地面に寝かせる。
ナツミは寝ているマキの胸元に手を当てて、回復を始める。
「このっ!」
「行かせませんよっ!」
走り出そうとしたミキの前に、アサミ、リカ、マリ、ケイの
四人が立ちはだかる。
「ちっ・・・。」
何度目かの舌打ちをして、ミキはアサミ達を見据える。
少し後ろにはカオリ、マキを回復しているナツミの前にはヒトミ、ノゾミ、
アイ、アイボン、マコトの五人が、マキを守るようにして構えている。
ミキは一度ため息をついて、髪を掻き毟る。
- 531 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:52
- 「(すごい統率力だな。ミキを陽動してマキから距離を離し、マキの
元にはモグラと化したおチビちゃん、それならミキも気付かないしね。
それで、万が一の保険として、回復しているマキを守るために数人を
後ろに配置、なかなかやるもんだね。それを実行させたのは・・・。)」
ミキはじっとアサミを見つめる。
「これを考えたのってあんたでしょ?」
「・・・何でそう思います?」
「だって、マキを蹴ってた時にそのグローブを弄ってたじゃん。
けど、その後何にも起こらなかったし、だったら他の何か、
仲間に指示を与える行動を起こしてたってことじゃない?
でないと、こんなにうまく動けるもんでもない。」
ミキの言葉に、アサミは何も言えなかった。
ほんの僅かな動きも見逃さない、もの凄い洞察力だ。
- 532 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:54
- 「なるほどね、人間で例えるとしたら、マキがあんた達の心臓だとしたら、
あんたは頭ってとこかな。ミキですら持ってない力、それをあんたは
持っている。殺すには惜しいと思うけど、逆にそれが脅威となると思う。
ある意味、マキより先に殺すべきだったかもしれない。」
ミキは大きく剣を振り上げる。
「メル・フォース、超突風!」
ミキが剣を振った瞬間、
「ぐっ・・・。」
「キャッ!」
「おわーっ!」
ケイ、リカ、マリの三人が、その場から大きく後ろに吹き飛ばされていく。
ただ一人、アサミだけを残して。
- 533 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:55
- 「ブルー・クリムソン、灼爛焔炎!無氷天声!」
ミキが二本の剣を振るうと、誰かを襲撃するわけでもなく、アサミと他の
仲間達の間に、強力な炎と冷気の壁が作り上げられる。
「!?」
「アサミッ!」
「これで誰も入ってこれない。よくわかったよ、あんたを殺せば
統率を崩せる。だから、まずはあんたから死んでもらうよ!」
そう言って、ミキは超スピードでアサミに飛び掛かった。
アサミは、ミキがマキに向けて技を放っている間に、メモリーを
打ち込んでカリキュレーションを発動させていた。
ミキの動きまではなんとか計算できた。
だが、パワーやスピードに至っては、アサミの計算ですら読み取ることが
できないほどの、次元を超えた未知の領域に達している。
- 534 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:56
- しかも、先ほどの衝撃でアサミは脇腹を痛めている。
そのために、ミキの攻撃を避けることしかできなかった。
他の仲間達が助けようにも、炎と冷気の壁が邪魔して援護に向かうことができない。
「(あと五発・・・。)」
アサミは、限界まで右腕に気を溜め込んでいた。
ミキの振るう剣を、全てぎりぎりで避けていく。
ぎりぎりといっても、避け切れているわけではない。
致命傷を負わない程度だが、体にはいくつもの傷がついていた。
「(三発・・・二発・・・。)」
「終わりにするよっ!フォーリング・プラズマ!」
「(ここですっ!)」
ドゴーンッ!
ミキが落とした巨大な雷が、アサミの体をまともに飲み込んだ。
- 535 名前:konkon 投稿日:2005/05/09(月) 23:59
- アサミを倒したと思ったミキは、一息ついて剣を下げる。
その瞬間、雷を振り払ったアサミがミキに飛び込んだ。
フォーリング・プラズマを食らう瞬間に、アサミは四大秘奥義・弐式、玄武を
発動させて、雷から耐え切ったのだ。
そして、アサミが導き出したカリキュレーションでは、ミキがアサミを倒した、
そう安心しきっているこの瞬間だけが、唯一見つけたミキの隙だった。
「秘奥義、無式、焔甌!」
アサミが放った拳が、ミキの顔を捉えた。
はずだった。
しかし、現実にはアサミの拳は、ミキの顔からわずかに右に逸れていた。
いや、ミキが避けたのだ。
アサミの怪我もその理由となるだろうが、異常とも呼べるほどの恐るべき反射神経だった。
それでも、避け切れなかったのか、ミキの頬から血が垂れていた。
「危なかったよ。あと少しで当たるところだった。」
ミキは、アサミの右腕を右手で掴み取る。
- 536 名前:konkon 投稿日:2005/05/10(火) 00:05
- 「くっ・・・。」
「まさかミキが傷をつけられるなんてね、でもね・・・。」
ボキッ!
「うぁぁっ!」
ミキがアサミの右腕に気を送り込み、骨を折ったのだ。
アサミは体を震わせて跪く。
「何でだろ、このような場面じゃなくても、あんたとはいつか
どこかで、出会ってたような気がする。さっきからマキと
同じ空気を感じてたんだ。面白いよね、運命ってさ。」
「・・・。」
「まぁ、どうでもいいんだけどね。あんたも強かったよ。
でも、ここまでだね。サヨナラ。」
「(マキ・・・。)」
アサミに向けて、ミキが剣を振り下ろす。
- 537 名前:konkon 投稿日:2005/05/10(火) 00:06
- その瞬間、
ドゥゥゥゥゥゥッッッッッ!!!!!!
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
閃光が炎と冷気の壁を貫いて、ミキの体を吹き飛ばしたのだ。
「くっ、何・・・?」
ミキは訝しげな表情をして、閃光が飛んできた方向、いや、突然現れた
アサミの前にいる者に視線を向ける。
「ここまでだよ、ミキ姉。」
「あぁ・・・。」
「ただいま、アサミ。」
マキは軽くミキを見据えた後、アサミに優しい笑みを向けた。
- 538 名前:konkon 投稿日:2005/05/10(火) 00:06
- 更新しました〜。
- 539 名前:konkon 投稿日:2005/05/10(火) 00:09
- >MSさん
ミキティは強いですよ〜。
そして、ある意味ここからが本番なんです。
ミキティの本気って一体・・・(汗)
>七誌さんデスさん
アサミの言葉の意味はこうなりました〜♪
やっぱり才女って言葉が一番ですねw
複数対ミキまともにやったら勝ったのはどっち!?(爆)
- 540 名前:めかり 投稿日:2005/05/10(火) 03:22
-
更新お疲れ様です。
よかった〜よかったです。
それにしてもミキティ〜の強さはスゴイとしか言いようがないです。
これからも更新がんばってください。
楽しみにしてま〜す♪
- 541 名前:MS 投稿日:2005/05/10(火) 08:03
- 更新おつかれいな。
アサミはそこまで計算してたなんて・・・。
自分の想像をはるかに越えてました。
マキも復活したし今後どうなるのか楽しみです。
次の更新お待ちしております。
- 542 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/05/10(火) 20:53
- 更新おつかれいな〜
アサミもすごい・・・ってかミキはそれ以上か・・・
もう既に人間の域を超えてますね・・・すっげぇ・・・
そして・・・この後がわからなくなってきた・・・。
- 543 名前:151 投稿日:2005/05/11(水) 23:38
- 更新おつかれいな。
おお〜カッケー! 痺れるぅ〜!
これは名ゼリフですね♪
- 544 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:05
- 「マキ・・・。」
「アサミ、立てる?」
マキはアサミに手を差し伸べる。
右手が動かないため、アサミは左手でマキの手を取る。
「ミキ姉、少し時間をもらうよ。」
マキはアサミに肩を貸して、仲間の元へと下がっていく。
「・・・何をなめたことしてんだよっ!」
ミキが猛スピードでマキに飛び込み、巨大な爆発を起こした。
「すぐに終わるから、少しだけ待っててよ。」
「!?」
その声を聞いて、ミキは前を向いた。
爆発の起こった少し先、そこにマキとアサミの姿があった。
ミキには、マキの動きが見えなかった。
- 545 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:06
- 「こっ、のー!」
ミキは高く飛び上がり、重力を利用してマキの真上から剣を振り下ろす。
だが、
「えっ?」
驚きの声を上げたのは、またもやミキだった。
ミキの剣を剣で防いだ。
しかし、剣の響きあう音どころか、手応えさえ感じなかった。
ミキが使った力を、マキは全て受け流していた。
「ハァッ!」
マキが勢いよく剣を振るう。
ミキは剣で防いだが、力で大きく後ろに吹き飛ばされる。
マキは、ミキを一瞥してから仲間の元へと足を向ける。
- 546 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:07
- 「ふざけんなよ・・・何でミキを見ようとしないんだよっ!
ミキは、ミキは・・・。」
『ミキ。』
頭の中に、直接アヤの声が聞こえてきた。
同時に、ミキの体が回復していく。
『ミキが本気を出せば、勝てないことはないでしょう。』
「アヤ・・・。」
『大丈夫だよ。落ち着けばわかるでしょ?後ろを向いていながらも、
さっきからマキが迸る気が、全部ミキだけに送られていることを。』
ミキは一度大きく息を吐き出して、マキから出ている気の行方を探った。
確かにアヤの言うとおり、ミキに送られてきていることを感じ取った。
- 547 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:08
- 『遊ぶのはもうやめにしなよ。でないと、足元すくわれるよ?』
「そんなことありえないけどね。まぁ、ありがとう、アヤ。」
『はいは〜い。』
ミキはフッと笑って、力の解放を始める。
「ナツミ、アサミをお願い。」
「うんっ!」
ナツミのところまでアサミを連れてきたマキは、集まってきた
仲間達を見渡していく。
「みんな、本当にありがとう。私、わかってなかったよ。みんなの気持ち、
それに、ミキ姉の気持ちもね・・・。だから、私一人でやらせてくれないかな?」
マキの言葉に、他の仲間達は顔を顰める。
ミキの強さを身を持って知っているからだ。
- 548 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:09
- 先ほどのマキの戦いを見ていても、絶対にミキに勝てるとは言い切れない。
それほどの強さをミキは持っている。
「みんなには、アヤを止めて欲しいんだ。オロチが復活するまで、
もう時間がないんだ。」
「でも・・・。」
「我が侭なのはわかってる。それでも、これだけは譲れないんだ。
ミキ姉を救えるのは、妹の私だけだから・・・。」
「マキ・・・。」
アサミが心配そうな顔でマキを見上げる。
「大丈夫だよ。終わったらすぐに行くからさ。」
マキは、優しくアサミの頭を撫でる。
- 549 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:10
- 「そっちは頼むね。」
「・・・わかりました。ちゃんと約束守ってくださいね!」
「うん、任せてよ。」
マキは笑顔で頷くと、ミキの元へと歩み始める。
ミキから数メートル離れたところから、マキはじっとミキを見据える。
「ごめんね、ミキ姉。」
「・・・?」
マキの言葉に、ミキは不思議そうな表情をする。
「誰よりもミキ姉のことを認めてたのに、私が一番ミキ姉のことを
わかってると思ってたのに、本当は一番わかってなかったよね。
私、ミキ姉の気持ちに答えるよ。ここからは、本気でいく。」
マキの体から、強力な気が放出されていく。
- 550 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:11
- 「・・・ったく、初めからそうすればよかったんだよ。」
ミキは、軽く笑ってマキに剣を向ける。
その時、アサミ達がアヤへと続く道へと走り出したことに、ミキは気付いた。
「行かせると思ってんの?」
ミキがアサミ達に向かって走り出そうとする。
しかし、マキが立ち塞がって剣を構える。
「ここで死ぬんだよ!」
「させない!」
二人がぶつかり合った瞬間、
ガガガガガガガッ!
まるで、マシンガンを撃ち放っているような速さの、金属音が響き渡った。
- 551 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:12
- 恐らくは、全ての斬撃を見切れた者は、戦っているマキとミキだけであろう。
二人の剣が重なり合うたびに、部屋中に衝撃が走る。
仲間達は、その衝撃を抑えるだけで必死だった。
二人は交差した直後に、振り向いて剣を構え直す。
「へ〜、少しはやるみたいね。」
ミキの頬から一筋の血が垂れていく。
「今度は負けないよ、ミキ姉。」
そう言ったマキの頬からも、血が垂れていた。
ドゴーンッ!!
少し遅れて、突然二人の周りの地面に亀裂が入り、地面が砕け散っていく。
- 552 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:13
- 「なっ、何が起きたんだ!?」
「・・・ものすごく巨大な力と力の拮抗のために、行き場を失くした
力が暴走して、地面を粉々に打ち砕いたんだよ。」
マリの問いに、ケイが呟くように答えた。
ミキと対等の力を持っている、マキならばやれる、そう確信することができた。
「早く行って!世界を守るんでしょ?」
マキが仲間達に向かって叫ぶ。
「ここは任せるわ!」
「絶対にこいよ!」
「最後やっ!やったるで〜!」
仲間達はアヤへと続く道を駆けていく。
だが、ミキは動けなかった。
マキからのプレッシャーが、先ほどよりもはるかに強くなっていたからだ。
- 553 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:13
- 一瞬でも隙を見せた方が負ける。
それほどまでの、次元のレベルの戦いだった。
そのために、ミキはアサミ達を黙って見過ごすしかできないでいた。
「マキ、後でね!」
ヒトミが最後にマキに向けて言葉を投げかける。
「アサミのこと、よろしくね。」
「ばか、自分でなんとかしろよ。私らにはマキの代わりはできないんだからさ。」
ヒトミはそれだけ言って、走り出していった。
「自分でなんとかしろ・・・か。そうだよね。」
「仲間想いなんだかそうでないんだか、ね。そういえばさ、
さっき頭撫でてたのってあんたの彼女?」
「違うよ。彼女にしたい子かな。」
アサミが聞いたら失神してしまいそうなことを、マキはさらりとミキに答えた。
- 554 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:14
- 「なんだったらもう少し時間あげてもよかったのに。二度と
会うことはないんだからね。」
「私は負けないよ。そして、アサミを守るんだ。」
マキはミキの目を真剣に見据える。
「まあどうでもいいや。ここじゃなんだから、おもしろいところに
連れて行ってあげるよ。」
「おもしろいところ?」
「そう、あんたの最後にふさわしいとこへとね。」
ミキが手を上げると、マキとミキの姿がその場から消えていった。
少ししてから、マキとミキは広い闘技場のようなところへと出た。
周りには誰もいなくて、完全に静まり返っていた。
- 555 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:15
- 「観客はいないけど、ここなら思う存分暴れられるね。」
「・・・ここは?」
マキは周りを見渡しながら聞いた。
「ここは、本来は魔界の魔物達が戦うコロシアムだよ。オロチの
見世物としてのね。オロチの復活祭の代わりに、あんたをここで
殺してあげるよ。」
ミキは薄く笑いながら答える。
「さてと、死ぬ準備はできた?」
「できないよ。みんなが私を信じてここまで連れてきてくれたんだ。
負けるわけにはいかない。私はみんなと一緒に帰るんだ!」
「ふん、そういうことはミキに勝ってから言いな!いくよ!」
ミキはマキに向かって駆け出した。
対するマキも、剣を構えて走り出した。
二人がぶつかり合った瞬間、大気が震えるほどのものすごい衝撃が走った。
- 556 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:16
- アサミ達がついた部屋には、ワンピースを着た一人の少女が上を向いて立っていた。
「あと少しだったのにな〜。ここまできちゃったんだね。」
ワンピースの少女、アヤがアサミ達を振り返る。
前回とは違い、鮮血を思わせるような赤いワンピースだった。
「残念だな〜、オロチが復活する前にここまで来ちゃったら、
死んじゃうからオロチの力を見せてあげることができないな〜。
フフフッ。」
アヤは怪しげに笑う。
「あんたの野望はここまでだよっ!」
「そうだよ。この世界はあなたに滅ばせたりなんかしない!」
カオリとナツミがアヤに向かって叫ぶ。
- 557 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:17
- 「フフッ、あんた達程度でアヤヤを止められると思ってるの?」
「そんなのやってみなきゃわからんやろ!」
「そうれす!ノノ達を甘く見ない方がいいれすよ!」
アイボンとノゾミが飛び出そうとしたその時、アサミが二人を手で制した。
「アサミ!?」
「・・・最後に一つだけいいですか?」
アサミは悲しそうな顔でアヤを見つめる。
「もう・・・やめませんか?」
「・・・アサミ、無駄やで。」
「こんな戦い、私達も・・・あなた達も悲しいだけです。争いは、
悲しみと憎しみしか生み出さないんです。」
アイの言葉も聞かずに、アサミは話し続ける。
「もう戦いたくないんです。あなたの苦しみを、別の方法で
消してあげたいんです。ねえ、もうやめましょう・・・。」
アサミは、下を向いて涙を流しながら説得する。
- 558 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:18
- 「何・・・別の方法って?」
「それは・・・これから考えていこうと思って・・・。」
「はいはい。死ぬのが怖いからそうやって言っておいて、結局何もしないんでしょ。」
「違います!私は・・・。」
「だいたいアヤヤをこういう風にしたのは誰よ?人間なんて誰も信じない。
アヤヤにはミキだけがいればいいの!あとは何もいらない。」
アヤの両腕に魔力が溜まっていく。
「みんな殺してやるの。この世界の王となって、人間はオロチの
恐怖にどうしようもなく怯えながら死んでいくの。アヤヤは、
誰にも止められないのよ。」
アサミは涙を拭ってアヤを向き直る。
「・・・わかりました。私達があなたのことを絶対止めてみせます!
あなたに世界を滅ぼさせたりしません!」
アサミの力強い言葉に、仲間達が武器を構える。
「フン、愚かな人間共よ。アヤヤの力で跡形も無く消し去ってあげるわよ。」
- 559 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:19
- んあ〜更新しました。
M20斬ったかもw
- 560 名前:konkon 投稿日:2005/05/12(木) 22:23
- >めかりさん
ミキティは最強です。
対するマキはどうするのでしょうかね〜。
どうしたらいいと思います?w
>MSさん
アサミの計算はですね・・・自分が書く小説全てを
計算しているようです(汗)
マキも復活しました〜♪
>七誌さんデスさん
アサミ、すごい!
ミキティ、すごい!
そして、ご安心ください。今後の展開は自分もわかりませんから(爆)
>151さん
んっと・・・かっけぇっていうのはわかりますけど、
名ゼリフ・・・どれでしょうか(汗)
- 561 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/05/13(金) 20:43
- 更新おつかれいな〜。
うぉぉ!ついに始まりますか!やっほー!(何
アサミの必死の説得も・・・っと、これはネタバレですかね;
続き待ってます!どうなるんでしょう?;
- 562 名前:151 投稿日:2005/05/14(土) 01:24
- 更新おつかれいな。
さぁ、ついにこの時がやってきましたね。
悲劇に終止符を打つことが出来るのでしょうか?
名ゼリフってのは>>537の下から二行目ですよ。
ゾクゾクしちゃいました(笑)
- 563 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:42
-
姉妹
- 564 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:43
-
ギンッ!ギンッ!ギンッ!
闘技場に、剣が重なる音が響いている。
そのスピードは、目に見えないほどの超スピードである。
そして、剣圧だけで壁や地面を破壊できるほどの、凄まじいパワーだった。
二人は一度足を止めて、黙って視線を交わす。
「まだ力を抑えてんでしょ?なめてんの?」
「そう簡単に力を見せたら、後でミキ姉にあっさりとやられちゃうでしょ。
そういうミキ姉だって、まだ力を隠してんじゃないの?」
「バレてたか。でもね、そろそろ本気でかかってきなよ。全力のあんたを
殺してこそ、ミキのこの気持ちは安らぐんだ。」
ミキの言葉に、マキは小さくため息をついた。
- 565 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:44
- 「そっか・・・わかったよ。その代わり、ミキ姉も本気できなよ。
あとで後悔しないようにね!」
「フフン、面白いこと言うようになったじゃん。だったら見せて
あげるよ。ミキの真の力をね!」
ミキが力を解放した瞬間、恐ろしいほどの気がマキを包み込んだ。
大気が震え、大地が砕け、闘技場がミキの気に耐え切れずに崩壊を始める。
何よりも殺気の強さが半端ではない。
普通の人間では、目を合わせただけでも死ぬかもしれない。
「・・・いくよ。」
マキは優しく剣に話しかける。
そして、マキも力を解放していく。
- 566 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:46
- ただ見ているだけでは、何も変わってないように見える。
ミキのように激しい気を出しているわけではない。
だが、どこかマキの雰囲気が変わったようにミキは感じ取っていた。
二人は同時に走り出す。
「エクスプロージョン、流星爆!」
ミキが剣を振るうと、マキにいくつもの巨大な爆発が降り注ぐ。
マキは冷静に見極めながら、大きく横に跳んで爆発から逃れていく。
「フォーリング・プラズマ、スパークウィップ!」
剣に帯電した雷を、マキが閃光の速さで振り回す。
「そうだよっ!それでいい、全力できなよっ!」
ミキは恐るべき動体視力で、全て紙一重で避けていく。
- 567 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:47
- 「メル・フォース!暴風!」
ミキが巨大な竜巻をマキに向けて放つ。
「サクリファー、ルシファー・クロウ!」
マキの居合いが、竜巻を相殺した。
その直後に、二人は同時に走り出して剣を振るう。
「喰らいなっ!」
「ハッ!」
二つの剣が重なり合い、大爆発が起きる。
その爆発は、マキを避けるようにマキの周りで爆発が起きた。
ミキは違和感を感じて後ろへ下がる。
「・・・何でミキの爆発があんたに当たってないの?」
マキは一息ついてミキを見つめる。
- 568 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:48
- 「エクスプロージョンの中心を打ったんだよ。だから、私に当たる
爆発が無効になって、残った爆発が起こっただけなんだ。」
「めんどくさいことするね。シルファリオン!」
ミキが超高速でマキに向かっていく。
「シルファリオンとメルフォース、融合。エア・ダッシュ!」
マキは風の力を使い、ミキと対等のスピードで剣を打ち合っていく。
「ぐぅっ!」
「おぉっ!」
マキの力に押されて、ミキは後ろへと後退する。
力だけならマキに分があったのだ。
「くっ!調子に乗るな、飛燕斬!」
「いくよっ!ツイスター・ドライブ!」
二人は重なり合った瞬間、一瞬でいくつもの剣を振るっていた。
- 569 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:48
- 「ちっ・・・。」
「っつ・・・。」
ほんの一瞬のうちに、マキとミキには無数の傷跡が体中についていた。
「まだまだっ!フォーリング・プラズマ、雷網!」
ミキがマキに向けて雷を落とす。
マキは大きく後ろに飛んで避ける。
だが、雷は地面に帯電してマキに迫っていく。
「グラビティ・コア、重力プラス!」
マキが足元に剣を突き刺して地面を砕き、帯電した雷の行き場を無くす。
「少しは頭を使うってことね。なら力で押すまで!双龍!」
ブルー・クリムソンの二本の剣から、巨大な炎の龍と冷気の龍が
マキに向けて放たれる。
「デュアル・セイブ。」
マキが二本のルーン・セイブを両手で構える。
- 570 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:49
- 「いくらルーン・セイブでも、ミキの双龍は止められないよっ!」
龍はすでに目の前まで迫ってきている。
マキは目を閉じて、神経を集中させる。
「・・・ここだっ!」
マキは目を開けて、二匹の龍の口にそれぞれ突き刺した。
直後に、龍は風に吹き飛ばされるように消えていった。
マキは、以前ケイが言っていた原型を保つための流れ、その中心を
突き刺して双龍を消し去ったのだ。
「こっ、これならどう!グラビティ・コア、重力弾!」
ミキの剣から黒い球体が生み出され、猛スピードでマキに向かっていく。
「そんなものっ!ルーン・セイブ!」
マキが重力弾を斬りつけようと、剣を振り被る。
- 571 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:50
- しかし、
「かかった!はじけろっ!」
マキが斬るよりも早く、ミキが重力弾に手を向ける。
次の瞬間、重力弾がその場で消え去った。
それと同時に、マキに何倍もの重力がのしかかる。
「ぐっ・・・。」
ミキは重力弾をはじけさせたことにより、一定の空間に重力がかかるようにしたのだ。
その空間の中にいるマキは、剣を地面に刺してなんとか立っている状態だった。
「くそっ!グラビティ・コア、重力マイナス!」
マキは自分の周りの重力を下げて、空間から飛び引いた。
「これで避けられないでしょっ!フォーリング・プラズマ、雷光剣!」
マキが着地したと同時に、四方八方から雷の嵐が降ってきた。
すでに逃げ場はないほどに、雷がマキを襲っていく。
- 572 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:51
- 「まだだよっ!ルーン・セイブとメル・フォース、融合。
ルーン・フォース!」
マキは自分の周りに風を巻き起こし、雷は風に当たった瞬間消えていった。
その隙を狙って、ミキが超スピードでマキに斬りかかる。
「うぉぉっ!」
「ハァァッ!」
二人が剣を重ねる度に、あたり一面が衝撃によって吹き飛ばされていく。
「エクスプロージョン、スプラッシュ・ボム!」
マキの周りで大爆発が起こり、目の前にいたミキは爆発に飲まれていく。
「喰らうかっ!ブルー・クリムソン、真繭月氷!」
ミキが青の剣を振るった瞬間、ミキの周りを次々と氷の氷柱が出来上がって、
爆発の嵐を防いでいく。
- 573 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:52
- 「終わりだよっ!天魔焔!」
ミキの赤の剣から、まるでマグマのような、全てを跡形もなく
溶かしつくす炎が放たれる。
「なっ!?」
天魔焔はマキを飲み込んで、地面を深く溶かしきった。
「ふぅ、終わったね・・・。」
「まだ終わってない!」
「!?」
突然、ミキの目の前に一つの影が現れた。
天魔焔に飲み込まれたマキは、シルファリオン、ディスアピア・トレイスによる
残像に過ぎなかったのだ。
「サクリファー、ヘル・ブラスト!」
マキの周りに強力な気の渦が広がり、ミキを大きく吹き飛ばした。
- 574 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:53
- 「ガハッ、ミキは・・・マキには負けられない・・・もう、
負けたくないんだーっ!フォーリング・プラズマ、麒麟!」
ミキが剣を大きく振り上げる。
次の瞬間、
「うわぁぁぁっ!」
マキの足元から、巨大な雷の獣が現れてマキを飲み込んだ。
マキは体中を雷に焼かれ、それでも倒れずに強い眼差しでミキを見ていた。
「う、うぉぉぉっ!」
「ぐ、うわぁぁっ!」
二人とも、ほとんど立っているだけでやっとの状態だった。
だが、お互いに負けられない理由がある。
肉体はとうに限界を超え、二人はその気持ちだけで立っているようなものだった。
それでも、二人は気力だけで剣を振るっていた。
そして、この悲しい対決にも徐々に終わりが近づこうとしていた。
- 575 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:54
- 更・新・で・す。
- 576 名前:konkon 投稿日:2005/05/15(日) 23:58
- >七誌さんデスさん
ついに最終決戦が始まりました〜!
ここからもまだまだ長いかもですぞ(謎)
まぁ、あとちょいで終わるのは確かですけどねw
>151さん
そうですね〜。
悲劇から始まったこの戦い、どのようにしようかと
色々と考えてます(汗)
たぶん、その名ゼリフは今後も使われ(ry
ネタバレはしません(爆)
- 577 名前:151 投稿日:2005/05/19(木) 00:27
- 更新おつかれいな。
凄い! 凄すぎる!!
留まるところを知らない戦いですね。
ってゆーか、konkonさんの発想力も
留まるところを知らないようで(笑)
- 578 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:24
- 「邪魔よ!」
「うわっ!」
「ぐっ!」
アイとアイボンが超高速で飛び込んだところを、アヤの魔法に
よって吹き飛ばされる。
「「フェニックス・アロー!!」」
カオリとナツミの融合魔法により、巨大な炎の鳥がアヤに襲い掛かっていく。
「デス・フレイム!」
アヤの左手から放たれた巨大な赤黒い炎が、フェニックス・アローを相殺する。
「天竜拳!」
「セイッ!」
ノゾミが天竜拳、さらに時間差でマコトがクロス・スラッシュを放つ。
- 579 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:24
- 「こんなもの!」
アヤは、天竜拳をクロス・スラッシュに向けて弾いてかき消した。
その直後に、ヒトミのハイパーレールガンとリカの槍が、
アヤの目前まで迫っていた。
「くっ!」
アヤは横に飛んでそれらを避ける。
「ここだっ!」
アヤが着地したところを、ケイの糸が地面を伝ってアヤの真下から突き出して、
腕や足に絡ませて動きを奪う。
「何っ!?」
「爆発波!」
「これで終わりです!」
マリの爆発とアサミの核融合による二重の大爆発に、
アヤはまともに飲み込まれていく。
- 580 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:26
- 徐々に爆煙が晴れていき、そこには一つの人影が立っていた。
「ここまでやってくれるとはね・・・。」
あれだけの爆発を受けたにも関わらずに、アヤはなんともないように立っていた。
さすがのアヤも傷を負ったのか、ところどころに火傷のようなものはあった。
「あれだけの爆発でもあんだけのダメージかよ・・・。」
「無傷ではないことがわかっただけ、よしとしましょう。
無敵ではないんですから。」
アサミは冷静に分析している。
その時、アヤは掌を地面につけた。
それを見たアサミは、直感で何かがくると感じて、誰がどこにいるのかを
周りを見渡して瞬時に把握し、メモリーで自分の思考を伝えていく。
- 581 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:27
- 『皆さん、アヤの技がきます。ケイ、あなたは糸で弦結界を、
リカは銀で盾を作り、ヒトミはATフィールドを張って、
近くにいる仲間を守ってください。』
「本物の爆発はね、こういうのを言うのよ。エクス・バースト。」
突然、部屋全体を巻き込むような、いくつもの爆発が荒れ起こる。
逃げ場がないほどまでに、爆発の嵐が止めどなくアサミ達を襲っていく。
どれだけの爆発が起きたのか、部屋の原型はすでになく、至る所が
粉々になっていて、爆煙が部屋を覆っていた。
「フン、アヤヤに勝てると・・・。」
「思ってますよ。」
「!?」
爆煙の中から、アサミが凄まじいスピードでアヤに向かって飛び込んだ。
- 582 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:29
- 「四大秘奥義・肆式、青龍!」
アサミの拳から、巨大な気の龍が放たれる。
「くっ!」
アヤはそれに押されながらも、青龍を真上に弾き飛ばした。
「アサミッ!」
少し遅れて、爆発から逃れた他の仲間達も、アサミに駆け寄っていく。
アヤはアサミをじっと見つめる。
弐式、玄武で身を守ったにしても、爆発によって服が破れた痕すら残っていない。
「あなたの技は当たってませんよ。ランダムに起こる爆発、
エクス・バースト。それでも、あの爆発にもちゃんと順序と
いうものがあったんですよ。それをカリキュレーションで
見極めたということです。」
アヤの考えを察したアサミは、そう答えた。
- 583 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:34
- 「約束したんです!みんなで帰ろうって。私達は、絶対に
負けられないんです。」
「・・・どうでもいいけどね。あんた達はここで死ぬんだから。」
次の瞬間、アサミは反射的に大きく後ろに飛び引いた。
直後に、真上から放たれた鋭い斬撃が、アサミのいた元に巨大な亀裂を生んだ。
アサミが上を向くと、四体の魔物が振り降りてきた。
一体は、鬼を思わせるような角を生やし、まるで獣を思わせるような
獰猛な瞳をしている、両手に炎を灯った大男だった。
一体は、薄いベールを体に纏う、どこか寒気を感じさせる美しい女性である。
一体は、持っている杖に雷を走らせている老人である。
そして、アサミを襲ったもう一体は、全身を鎧で装備している、
巨大な薙刀を持つ兵士だった。
- 584 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:35
- 「随分と苦労しているようだな、我が主、アヤよ。」
「さっさと終わらせて、世界を滅亡させるんじゃなかったの?」
「ふ〜む、いくらアヤでもそうもいくまい。なかなか力を
持った者達だからのう。」
「・・・面白い、世界の滅亡の前に少しは楽しめそうだ。」
突如現れた魔物達を、アヤは軽く睨みつける。
「別にあんた達を呼んだ覚えはないけどね。でも、どうせだから
究極の絶望を味あわせて上げなさい。四天王の力を持ってね。」
そう言って、アヤは高らかに笑う。
「四天王って、エリ達のことじゃなかったの?」
「いや、エリ達はオロチを守るためだけに存在する四天王や。
あいつらは・・・魔界の四天王、四大魔神や。」
ヒトミの疑問に、アイボンは苦笑いを浮かべて答える。
- 585 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:37
- 「魔界を支配する、神と崇められる者達や・・・。」
「はい、私も以前に宝物庫にあった書籍で見たことがあります。
地獄の火炎によって全てを滅する、豪炎のイフリート、周りに
あるものを凍らせて、死の国を作り上げる、極冷のシヴァ、
風神のレイナと対等の位置にいる、雷神のラムゥ、あらゆる者を
一閃していき、殺戮の限りを繰り返す惨殺者、閃光のオーディーン、
どれも最強の魔物です。」
「レイナと同じ・・・ってことは、あいつらと同レベルってことか。」
「もしくはそれ以上、ということでしょうね。」
マリの言ったことに、アサミはあっさりと首を頷ける。
「簡単にいうわな〜。」
「嘘をついたって仕方ないですからね。ですけど、皆さんの
力なら勝てますよ。完璧です!」
「とはいってもね〜・・・。」
魔物から放たれる強力な覇気を感じて、リカは少し情けない声を出した。
- 586 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:38
- 「リカ、私の計算が少しでもズレたことはありましたか?」
「・・・ない。」
「大丈夫ですよ、あなた達は強いですから。あきらめなければ、
負けることはありません。自信を持ってください。」
アサミは明るい表情で、仲間達にそう言った。
「フン、やってやるよ。」
「誰が相手だろうが、ぶっ倒すまでだよっ!」
「その意気ですよ。では、あまり時間もありませんので、一体につき
二人で戦ってもらいます。ケイとマリはイフリート、リカとヒトミは
シヴァ、ノノとアイボンはラムゥ、オーディーンをアイとマコトに
お願いします。カオリとナツミは、後方から援護をお願いします。」
「ちょっと待って、アヤはどうするの?」
「アヤとは、私が戦います。」
仲間達は、驚きの表情でアサミを見つめる。
- 587 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:40
- 「私は、皆さんを信じます。皆さんも私を信じてください。」
「・・・そう言われちゃ、任せるっきゃないやよ。」
「アサミ、がんばるべっ!」
「はい♪皆さん、いきますよ。では、散!」
アサミ達は、同時にそれぞれの相手に向かって飛び出した。
アサミは、アヤに向かって猛スピードで走り出す。
「アヤヤに一人だけ・・・?調子こいてんじゃないわよっ!」
アヤの両手に、計り知れないほどの魔力が溜められていく。
アサミは体内の気を開放させていく。
同時に、アサミの眼が紅く変色していく。
「跡形も無く消し去ってあげる!」
「アヤ、私はあなたを倒す。オロチを滅する、"三勇士"の名にかけてね。」
- 588 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:43
- 一体、二人はどれだけの剣を重ね合わせたのだろうか。
闘技場の中は、すでに壊滅状態だった。
地面は粉々に砕け、壁はひびだらけとなっており、何もかも壊れ尽くしていた。
それほどまでに、二人の闘いは凄まじかった。
二人は体中から血を流し、息は大きく乱れ、それでも向き合って戦っていた。
一進一退の攻防、それが少しづつだが、二人の戦いに変化が見え始めていた。
「ハァッ、ハァッ、これで!メル・フォースとサクリファー、融合!
デモンズ・ブレス!」
「くぅぅ・・・。」
マキの剣から放たれた強力な風の塊が、ミキを大きく吹き飛ばした。
「ハァッ、ハァッ、何で、なの・・・?潜在能力を使ってるミキが
・・・ハァッ、ハァッ、押されてるなんて・・・。」
ミキは荒い息を吐き出して俯いた。
- 589 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:45
- 「潜在能力なんて、関係ない。・・・ハァッ、ハァッ、空気の流れを
読むんだよ。心を無にして、流れに身を任せるんだよ。そうすれば、
見えないものが、少しづつ見えてくるんだよ・・・自然と道はできるんだ。」
「うっ、うるさい!」
「復讐心や憎悪じゃ、何も生み出さないんだよ。ミキ姉。」
マキはブルー・クリムソンに剣を変えてミキに向ける。
「ショットガン・アイス!バーニング・ホイール!」
無数の氷の飛礫と炎の大車輪が、同時にミキを襲う。
「ルーンセイブ、封絶空間!」
ミキの周りを光の球体が囲み、氷と炎をかき消していく。
「そんなものミキには・・・なっ!?」
光の球体の中にまで、マキが突っ込んできたのだ。
- 590 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:45
- 「ハァッ!」
「くっ!」
マキの鋭い一振りを、ミキはなんとか転がって避けた。
かすったのか、ミキの頬から一筋の血が流れている。
「何でなの・・・?絶封空間の中には、魔力を持つものはいかなるものも、
この中には入ってこれないはず・・・まさか!?」
「そう、これはアイゼン・メテオールだよ。他の剣では入れないけど、
何も魔力を持たないこの剣なら入れると思ったんだ。」
ミキが驚いている間にもマキは攻めていく。
「デュアル・エクスプロージョン!」
「ちぃっ!」
マキは二本の剣を華麗に振るっていく。
- 591 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:46
- その動きには、全くといっていいほど無駄がなく、ミキは防ぎきれずにいた。
何度目かの爆発で、ミキが吹き飛ばされる。
「こ、のっ!なめんじゃないよっ!流爆!」
ミキが爆発の塊をマキに向けて放った。
「ボム・トルネード!」
マキの放つ爆発の竜巻が、流爆をかき消してミキを飲み込んだ。
その瞬間、
ボボボボボンッッ!
ミキの元で、爆発の嵐が起きた。
「ガハッ、ミキだって、融合さえ使えれば・・・。」
ミキは血を吐き出して、自分の剣を睨みつける。
- 592 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:48
- 「何でだよ・・・これだけ力を込めてるのに、何でミキの剣は
融合できないんだよ・・・くそっ!」
ミキは勢いよく剣を地面に突き刺して、そう叫んだ。
「ミキ姉には・・・無理だよ。」
マキは、呟くようにミキの問いに答えた。
「・・・何よ、ゴトウ家に選ばれた、あんたしか使えない技だって
言いたいの?どうせミキには才能なんか・・・。」
「・・・違うんだよ。ミキ姉には、できるわけがないんだ。剣の融合、
後藤流、混合劉気。それは、ゴトウ家の血を継いでいる者にしか
できないから・・・。」
マキの言っている意味がわからなくて、ミキは顔を顰める。
「なっ、何を言ってんの?それじゃ、ミキは・・・。」
「教えてあげるよ。本当は、ミキ姉は・・・。」
次のマキの言葉を聞いて、ミキは呆然とした表情でマキを見つめていた。
- 593 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:48
- 更新です。
- 594 名前:konkon 投稿日:2005/05/19(木) 23:51
- >151さん
いえいえ、そんなことないですよ。
そろそろ留まり始めてます(汗)
この戦いも・・・もう少しで終わりますw
- 595 名前:マコ 投稿日:2005/05/20(金) 23:42
- 久々来ました。
そしたら・・・・ うおー かなり楽しいことになってますね。
四天王の名前に若干覚えがあったりしますけど(汗)
その強さを知っているからこそ これからが楽しみです。
どうやって倒してくれるんでしょうか? 続きが楽しみです。
- 596 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 21:49
- 「どういう・・・意味よ?ミキが、ミキがなんで・・・。」
「・・・本当だよ。ミキ姉は、"フジモト家"の生き残りなんだ。
ミキ姉が"フジモト"の名を継いだのは、偶然じゃなかったんだよ。」
「なっ、何を根拠にそんなこと・・・。」
「・・・藤本流、掌握気孔波、ミキ姉が使っている、相手の体内に気を
流し込む技の名前だよ。それが使えることが、何よりの証拠なんだ。」
マキは呟くようにそう答える。
「ユウコから聞いたんだ。お父さんとは戦友だったみたいで、
よく私達の話しをしてたみたいだよ。」
ミキを見据えて、マキはゆっくりと話しを始める。
- 597 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 21:50
- 「ハァ?ユウコって、あのユウコ=ナカザワのことでしょ?前の戦いで
オロチを封じ込められるほどの者が、お父さんと戦友?昔のミキに
殺されるくらい弱かったお父さんが・・・。」
「確かに、お父さんは戦ってないよ。前の戦いでは、指揮官として
仲間達を統率してたんだよ。けど、本当は違うんだよ・・・。
お父さんは、弱かったんじゃない、戦えなかったんだ。」
マキの言葉に、ミキは首を傾ける。
「"フジモト"の名が、何で悪魔を意味するのか、ミキ姉は知ってる?」
「・・・オロチを復活させようとした者だからでしょ?なら、
ミキにぴったりだと思って、ミキはフジモトの名を奪った。」
「少し違うよ。当時のフジモト家頭首は、オロチを復活させようと
していたんじゃないんだ。オロチの力を奪い取ろうとしたんだ。
"三勇士"として、オロチを倒すためにね。」
- 598 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 21:56
- 「"三勇士"?」
「私とアサミ、そして、ミキ姉のことだよ。ゴトウ、コンノ、フジモトの名は、
オロチを倒せる唯一の力を持つ者達なんだってさ。感じなかった?アサミと
戦った時、他の人とは別の力を感じたでしょ?」
「ちょっ、ちょっと待ちなよ!じゃあ、何でミキがフジモト家の
生き残りだって・・・。」
「私が生まれる少し前に、当時のフジモト家頭首は、いつ復活するか
わからないオロチを完全に滅するために、魔界へと向かったんだ。
そこで、オロチとある契約を行った。オロチを復活させる代わりに、
オロチから力をもらおうとしたんだ。封印されたままでは、オロチは
倒せない。そこでフジモト家頭首は、オロチから封印を解くだけの
力をもらった。その力を持って、オロチを倒そうと思ってた。でも、
オロチの力は強力すぎて制御ができなかったんだ。」
マキは一息ついて、ミキの顔を見つめる。
- 599 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:01
- 「結局、オロチを復活させることはなかったんだけど、オロチを
倒せずに元の世界へと戻ってきた。しばらくして、親友である
お父さんはフジモト家のある町へと向かったんだ。そこでは、
ある事件が起こってしまっていたんだ。お父さんが町に近づいた時、
町は燃えていたの・・・。」
ミキは、納得がいかない感じで話しを聞いていた。
「血の暴走、オロチの力が強力すぎて、力に飲み込まれたんだ。
フジモト家頭首が町を襲い続けていた。それをお父さんは
止めようと、フジモト家頭首と戦った。それぞれ、ゴトウと
フジモトの名を持つ最強同士の戦い、手加減なんてできるわけが
なかった。結果は・・・相打ちだった。フジモト家頭首は、
胸を貫かれて死んで、お父さんは背中の骨が砕かれたんだ。
そして、動くことができても、二度と戦うことはできなくなった。」
- 600 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:03
- 「大きなダメージを受けながらも、お父さんは村人がまだ生き残って
いないかどうか、村の中を調べていた。その時、ある家の中から
赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。その家は、フジモト家だった。
入ってみると、お母さんは殺されていたけど、赤ん坊はベッドの
上で泣き叫んでいた。その時に唯一生き残った赤ん坊こそが
・・・ミキ姉だったんだよ。」
「・・・。」
「その後、ミキ姉はゴトウ家の子として育てられてきた。私の姉としてね。」
「・・・はっ、勝手にゴトウ家として育てといて、結局はミキの
存在を認めない、フジモト家だから認めなかった。結局、何が
したかったのよ?お父さんに認められたかったミキは、一体、
何だっていうのよ・・・。」
- 601 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:04
- 訂正です。
村ではなく町でお願いしますm(_ _)m
- 602 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:05
- 「お父さんはね、ミキ姉が大人になって、お父さんが真の力を認めた時、
真実を伝えようとしてたんだ。そして、ミキ姉にフジモト家の再興を、
してほしかったんだ。ミキ姉ならできると信じてたから・・・だから、
わざと冷たい言葉をぶつけて、ゴトウ家頭首をあきらめさせようとした。
フジモトの名を受け継いで、オロチを倒してほしいと思ったから・・・。」
「ぐっ・・・ばっ、バッカじゃないの?何でそんなこと遠まわしに
伝えようとしたの!?ミキなんて、どうでもいいからでしょ!」
「何で・・・そんなこと言うの?お父さんは、まともに体が動かないのに、
ミキ姉の勝負を受けたんだよ・・・。絶対に敵わないと知ってて、殺される
覚悟でミキ姉の気持ちを受け取ったんだよ・・・何でわかってくれないの?
わかってあげようとしないの・・・?」
「うるさい・・・。」
- 603 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:07
- 「ユウコはね、お父さんを残してたった一人で、あのオロチに
立ち向かったんだよ!自分自身の力を失ってまでもそうしたのは、
いつかまたオロチが復活する時、私達に倒してほしかったから
なんだよ!だから、私達に力を与える人が必要だったから、
ユウコは一人でオロチと戦ったんだ。ミキ姉・・・お願いだから
わかってよ・・・もう、誰も失いたくないんだよ・・・。」
「うっ、うるさーーーーいっ!!!!」
ミキがサクリファーに変えて、マキに飛び込んだ。
ドゥッ!
「ぐっ・・・。」
マキはなんとか剣で押さえたが、大きく吹き飛ばされた。
- 604 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:08
- そこに、さらにミキが剣を振り被ってきた。
マキもサクリファーに変えて、ミキの剣を受け止める。
「あんたに何がわかるのよっ!?ミキがあの時欲しかった言葉は、
そんなのじゃないっ!別に本当の家族であろうとなかろうと、
ただ、ミキは"強くなった"って、それだけでいいから、お父さんに
褒めてほしかっただけなんだよっ!それなのに・・・。」
「ミキ姉・・・もうやめよう。」
「はっ!?何、あんたがミキに同情してるのっ!?」
「違うっ!私は・・・ミキ姉と、こんな戦いはもうしたくないんだよ。」
「何を言ってんのよ。今更もう遅いのよっ!」
「まだだよ!今ならまだ・・・。」
そこで、マキは気付いた。
ミキの目から、止めどなく涙が溢れ出ていた。
- 605 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:10
- 「ミキはミキの世界を創る!悲しみも苦しみもない、ミキが望む
世界を創り上げるんだ!」
「わかったよ・・・私はミキ姉に勝つ。そして、ここに置いて
いこうよ、全ての怒りと悲しみをね・・・。うぉぉぉっ!!!」
マキの体から、最大限まで気が放出されていく。
ミキはミキで、さらに腕に力を込める。
二人の凄まじい力がぶつかり合い、大地が震え、大気が裂けて、
風が暴走し、衝撃で周りのあらゆる物が消滅していく。
「ぐっ、くぅぅ・・・。」
「ふぅぅ、ぁぁぁ・・・・。」
しばらくの間は二つの力が拮抗していたが、しかし、次の瞬間、
ビキッ!
「「!?」」
マキの剣に、罅が入ったのだ。
同時に、ミキの剣にも亀裂が入っていた。
- 606 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:11
- それでも、二人は全く離れようとしない。
ほんの一瞬でも引いた方が負ける。
「(ミキ姉を救いたいんだ・・・お願い、力を貸して!)」
「このぉっ!!!」
「うっ、うぁぁぁぁぁっっっ!!!」
パキンッ!!
ミキの剣が折れたのだ。
マキの剣は、罅だらけになりながらも、なんとか繋がっている。
「(終わった・・・。)」
ミキの剣が折れた瞬間、マキは力を抜いてしまった。
- 607 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:11
- それがいけなかった。
このままで終わるわけがない、相手があのミキなのだから。
ミキは剣が折れた瞬間に、剣を放り捨てて両手でマキの剣を挟んだ。
「なっ!?」
「ハァァァァッッッ!!!」
パキャンッ!
「あっ・・・。」
マキの剣も、粉々に砕けていった。
ミキが剣の内部に気を送り出し、剣を破壊したのだ。
- 608 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:13
- 「死になよ。」
ミキが飛び上がり、マキに向けて蹴りを放つ。
「まだまだぁっ!」
マキも剣を投げ捨てて、ミキの蹴りに拳を突き出した。
パァンッ!
衝撃で二人の体が吹き飛んだ。
二人とも無様に倒れるようなことはなく、体制を立て直して向かい合う。
「いくよ、ミキ姉!」
「剣のないあんたなんか、ミキの敵じゃないよ。思い出させて
あげるよ、ミキがどれだけ強かったかをね。」
- 609 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:13
- 更新です。
- 610 名前:konkon 投稿日:2005/05/24(火) 22:15
- >マコさん
お久しぶりですね〜。
記憶にあると思うけど、そこら辺はお気になさらず(汗)
本当にどうなることやらって感じですね。
まぁ、そのうち登場するでしょうw
- 611 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/05/27(金) 17:00
- 更新おつかれいな&久しぶりです!
最近ちょっと私用で来れなかったもんで・・・(言い訳
・・・コホン。感想・・・;;;
ついにミキの過去が明かされましたね。
アヤも強そうだし・・・でもみんななら大丈夫ですよね!;
- 612 名前:151 投稿日:2005/05/28(土) 00:53
- 更新おつかれいな。
おおっ! アヤヤ戦は意外な展開に・・・
ミキ戦も意外な展開になってきましたね。
マキはピンチかな?
- 613 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:09
- 「ほっ!」
バババババッ!
一瞬にして、いくつもの蹴りがマキの顔に襲い掛かる。
マキは首を振って蹴りを避けていく。
「ハァッ!」
ミキの顔を狙って、マキは拳を横に一閃させる。
ミキは上半身を下げて拳を避けると、体を下げた勢いを利用して前転し、
踵落としをマキの頭部に落とした。
それをマキは、両手で防御して防いだ。
「・・・?」
ミキは違和感を感じて、一度後ろに跳び引いた。
- 614 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:10
- 「さっきといい今といい、何であんたにミキの気が当たってないの?」
ミキは、体のどこにでも接触した部分から、気を放出して当てることができる。
それは今の蹴りも例外ではない。
内部に直接気を与えるために、そのダメージは半端なものではない。
しかし、マキは完全に耐えていた。
「私とミキ姉、ゴトウ家とフジモト家では気の使い方は違うんだ。
お父さんは、それぞれ別の使い方を私達に教えてたんだよ。
ゴトウ家である私には、剣は攻、気は防、って教わってたんだ。
体の中に気を押し留めることで、ミキ姉の力を防ぐことができる。
そして、フジモト家であるミキ姉は・・・。」
「剣は防、気は攻、だったね。でも、ミキの戦いには"守る"という
言葉は必要なかったから、剣も攻、で強くなってきた。先に敵を
殲滅すればいいだけだしね。」
ミキは淡々と言い放つ。
- 615 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:12
- 「でも、それだと守りたい人を守れない。」
「そんな考えで、ミキに勝てると思ってんの?」
突然、ミキの姿が消える。
同時に、
ゴッ!
「ぐっ・・・。」
マキの脇腹に、ミキの回し蹴りがめり込んだ。
気で防御していなかったら、確実に骨が砕かれていた。
「ほらほらっ、遅いんだよ!」
徐々にミキのスピードが、果てしなく上がっていく。
- 616 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:12
- シルファリオンを使っているわけでもないのに、マキの視界には何人ものミキが
飛び掛ってくるように見えていた。
まるで豪雨のように、ミキの蹴りがあらゆるところから降り注ぐ。
「身の程ってものを知ったら?マキがミキにけんかで
勝てたことなんて、今まで一度もなかったでしょ?」
「ぐっ、くぅぅ・・・。」
「ミキが修行している間に、才能があるからってのんびりとしてた
あんたなんかに、このミキが負けるわけがないっ!」
ミキは左足を高く上げ、マキの顔目掛けて振り落とす。
パシッ!
超高速で振り下ろされたミキの左足を、マキが掴み取った。
- 617 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:14
- 「えっ・・・?」
「・・・やっと、スピードに慣れてきたよ。」
マキは左足を掴み取ったまま反転し、ミキの顔を裏拳で殴りつけた。
「ガハッ!くっ・・・。」
ミキは口から血を吐き出して、マキを睨みつける。
「私は、ずっとミキ姉に憧れてたんだ・・・。」
「・・・?」
「昔から剣術を教えてくれたり、けんかなんかもしたりして、
一度も勝てたことはなかったけどね。それなのに、もっと
強くなるって言って、何度も家を飛び出してたよね。」
「・・・何が言いたいわけ?」
マキの言っている意図が掴めず、ミキは少しイラついているようだ。
- 618 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:15
- 「私だって、少しでもミキ姉に近づけるように修行してたんだよ。
森の中で野生の魔物と戦ったり、川の激流の中で剣を振ってたり、
ミキ姉が強くなるなら私はそれ以上に修行して、いつかはミキ姉を
超えられるように、私なりにずっとがんばってきたんだ。」
「ハッ、自慢話はあの世で仲間達にしてあげなよっ!」
「今日こそ私は、ミキ姉に勝つよ!」
次々と振るわれる拳と蹴り。
ミキの右足の爪先がマキの側頭部を蹴り飛ばす。
マキの左拳がミキの胸に食い込む。
ミキの踵落としがマキの脳天を直撃する。
マキの手刀がミキの顎を打ち抜いた。
ぼろぼろになった顔で、二人は決して目を反らさずに、殴り合いを続けていく。
- 619 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:16
- 「ゴホッ!」
血を吐き出し、先に地面に膝をつけたのはマキだった。
その隙を狙って、ミキは前に飛び出した。
ドゴッ!
「ガハッ・・・。」
マキの腹に、ミキの足の爪先が深くめり込んだ。
ミキは倒れかけたマキの髪を掴んで、さらに顔を蹴り飛ばす。
「っつ・・・ハァッ、ハァッ、力を、使いすぎたかな・・・。」
そう言ったミキの脚からは、無数の血が滲み出ていた。
なんといっても、ミキの技は華麗に振舞える足技だった。
- 620 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:17
- 昔に父親やマキと対戦した際にも、その足技によって勝利を手にしている。
ミキは気を放出する力、それをスピードに変換することで、限界を超えた
力を発揮していた。
そして、完璧なまでの足技をその脚から生み出していたのだ。
しかし、力を使いすぎてミキの脚が悲鳴を上げていた。
「ぐぅぅ・・・ミキは、ミキは負けられないんだよっ!」
「わ、私だって・・・。」
マキはふらふらと立ち上がる。
それでもミキは、容赦なく鋭いハイキックをマキの側頭部に決めた。
マキの体が大きく吹き飛ばされていく。
「ぁ・・・。」
そこで、マキは意識を失った。
- 621 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:17
-
・・・・・・・・・
「ここは・・・?」
気が付くと、そこはどこかの平野だった。
マキは、その場所に見覚えがあった。
マキ達家族三人で、ベリーズの一体と戦った場所だ。
ドゴーンッ!
その音に反応して、マキは振り返った。
そこにはなんと、今さっき思い出した光景が目の前で繰り広げられていた。
まだ幼い頃のマキとミキ、そして、当時のゴトウ家頭首がユリナと戦っていた。
- 622 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:18
-
ガキンッ!
「ぐぅぅ・・・。」
ユリナの爪に、父親が吹き飛ばされる。
まともに体を動かせないために、衝撃を抑えきれなかったのだ。
「お父さん!このぉっ!」
幼いマキが、ユリナに向かって剣を振るった。
それをユリナは、右の爪で弾いて左の爪で幼いマキを襲う。
「やめろっ!」
マキはユリナの前に飛び出して、手を伸ばした。
しかし、マキの体は透けてユリナの体を掴むことができない。
- 623 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:19
- 「えっ・・・?そうか、これは私の思い出だから・・・。」
「マキッ!」
横から飛び込んできたミキが、ユリナの爪を剣で受け止めた。
しかし、力に差がありすぎるために、ミキの剣が弾き飛ばされる。
「このーっ!マキは、このミキが絶対に守るんだからっ!」
ミキは右手をユリナの右腕に、左手を脇腹に当てる。
ボキッ!ゴキャッ!
ミキの気が、ユリナの右腕と脇腹の骨を折ったのだ。
ユリナは喚きながら、左の爪でミキの胸を斬り裂いた。
- 624 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:20
- 「あぁっ!」
「ミキ姉!」
さらに爪を振り被ったところを、幼いマキの剣が押さえる。
そして、幾度か剣を振るってユリナを追い詰めていく。
ユリナは骨が折れた痛みで逃げ出そうとして、後ろを振り向いた。
その時、父親の手から投げられた剣が、ユリナの足に突き刺さった。
その拍子でユリナは前に倒れる。
「マキッ!止めだ!」
「よくも、ミキ姉をーっ!」
幼いマキは、ユリナの首を斬りつけて絶命させた。
「へへっ・・・やったね、マキ・・・。」
「ミキ姉!」
倒れているミキに、幼いマキは駆け寄っていく。
- 625 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:21
- 「ミキ姉!大丈夫!?痛くない!?」
「大、丈夫だよ・・・マキが無事なら、ミキは別にどうでも・・・。」
「よくないよ!ミキ姉、お願い!死なないでよぉ・・・。」
「マキ・・・泣かないでよ。ミキは、あんたのお姉ちゃんだから、
あんたを、絶対に守るから・・・。」
遅れてミキの元へと駆け寄った父親が、ミキを背負って町へと走っていく。
「そうだよ・・・これが本当のミキ姉だよ・・・。」
町へと向かっていく三人を、マキはじっと見つめていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 626 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:21
- 更新です。
- 627 名前:konkon 投稿日:2005/05/28(土) 13:25
- >七誌さんデスさん
お久しぶりですね。
ミキの過去、めちゃ混乱を招きますよね。
うまく説明できんでごめんなさい(汗)
まぁ、大丈夫かどうかはなんとも言えませんわw
>151さん
以外・・・ですかね〜?
まぁ、改善前に比べたらめちゃ変更されてるんで
以外といったら以外ですよねw
マキは・・・ピンチっぽいですね(謎)
- 628 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/05/30(月) 21:07
- 更新おつかれいな〜
ミキとマキの・・・なんか凄いですねぇ;
もう凄いしか言えません;
マキにがんばってもらわないと;
- 629 名前:151 投稿日:2005/06/01(水) 19:58
- 更新おつかれいな。
どどどうなってしまうんでしょう?
この姉妹は・・・
アヤヤがボス格ではないかと
勝手に思い込んでいました(笑)
- 630 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:01
- 目が覚めたマキは、ゆっくりと体を起こす。
気付くと、すぐ目の前にまでミキが迫ってきていた。
「ん、まだ生きてたんだ。けっこうしぶといね〜。」
「ミキ姉・・・目を覚ましてよ!」
マキの左拳が、ミキの顔目掛けて振るわれる。
それをミキは、横から右手で掴み取った。
「落ちなよっ!」
ゴキャッ!
ミキの右手から放たれた気が、マキの防御していた気を突き破って、
左腕の骨を粉々に砕いた。
- 631 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:02
- それでもマキは、苦悶の表情をせずにミキを睨みつけた。
そこで、ミキは初めてマキに恐怖した。
「なっ・・・。」
折れたはずの左腕が、ミキの右腕を掴み取ったのだ。
そして、マキの右腕に強力な気の渦が巻き起こる。
融合させる力、それがゴトウの力だ。
マキが融合させた力、それはマキ自身の気の力に、今ミキから受けた気を
消化させずに、右腕に送り込んでいたのだ。
「いい加減に、目を覚ませーっ!」
ゴキッ!ゴッ!
マキの渾身の力で放たれた右ストレートが、ミキの防御した左腕を突き破り、
さらにその勢いでミキの顔を殴り飛ばした。
- 632 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:03
- 「お願いだよ・・・昔の優しかったミキ姉に、戻ってよ・・・。」
マキは、出てきた涙を拭ってミキを見つめる。
「もう、無理なの・・・?もう、私達は、あの頃の私達には
二度と戻れないの・・・?」
押さえても止まらない大量の涙が零れ落ちて、地面を濡らしていく。
「ウガッ、あぁぁ・・・。」
ミキは折れた左腕を押さえながら、痛みで悶えていた。
「(何で・・・何でミキが、こんなに痛い思いしなきゃいけないの?
力が、力があれば何でも手に入るのに・・・ミキにもっと力を・・・。)」
偶然なのか必然なのか、ミキの倒れた位置の近くに、ミキの折れた剣があった。
その剣をミキが拾うと、刀身を闇が包み込んで剣が出来上がる。
- 633 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:04
- 「第十の剣、ダーク・ランデブー!」
ミキがもの凄い速さでマキに向かっていき、剣を振り下ろす。
すぐに危険を察して、マキもまたすぐに剣を拾い上げる。
「死ねっ!」
「くぅぅっ!」
なんとか折れた剣で押さえるが、その力はサクリファーの時よりも凄まじく、
マキは押えるだけでやっとだった。
「消えな。」
「!?」
突如ミキの剣を覆っていた闇が散開して、マキを吹き飛ばす。
「くっ・・・。」
マキはうまく着地をして剣を構える。
- 634 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:04
- その瞬間、
ブシュッ!
「うあーっ!」
マキの体中から血が噴出した
その痛みに耐え切れず、マキは思わずしゃがみ込んだ。
「あらら、あんたには闇は合わなかったみたいね。」
ミキは笑いながらマキを見下ろす。
「このっ・・・ゴフッ!」
マキが必死に立ち上がろうとした直後に、今度は口から大量の血を吐き出した。
「む・・・胸が、痛い・・・。」
マキは、心臓を握り潰されるような痛みを感じた。
- 635 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:06
- 「ミキの闇を喰らったが最後、体中の至るところを突き破り、
そして、心臓をいたぶりながらじわじわと死んでいくの。」
「うぐっ・・・。」
あまりの痛みに、マキは胸を押さえて蹲る。
そこへ、ミキが剣を高く振り被る。
「これで終わりだね。死ねっ!」
「ぐっ・・・。」
ミキの剣が振り下ろされる。
ズキンッ!
「うわぁぁぁぁっっっっ!」
「・・・?」
突然のミキの叫び声に、マキは顔を上げる。
- 636 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:07
- ミキは、剣を離して右手で頭を押さえ、ずっと叫び続ける。
「ぐぅぅ・・・マ、マキ・・・。」
ミキは震える声でマキを呼びかける。
その時のミキの目は、マキが慕っていた時の目をしていた。
「・・・ミキ姉?」
「マキ・・・ミキを、殺して・・・。」
「!?」
「ミキは、もう、だめ・・・もう、抑えられないよ・・・。」
マキは、不思議そうな表情でミキを見つめる。
「マキの話しを聞い、て、わかったんだ・・・。ミキは、
力を、欲しすぎたあまりに、ミキの中に、流れている、
"フジモト"の血が、オロチの力を与えられた、お父さんの
血が、ミキの中に、も、宿ってるの・・・暴走、してるの・・・。」
- 637 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:10
- 「そんな・・・。」
「だから、お願い・・・もう、誰も殺したくないよ・・・ミキには、
止められないの・・・マキ、ミキを殺して・・・。」
「や、やだよっ!ミキ姉、そんなこと、できないよ・・・。」
「マキに、しかできないよ。マキにしか、殺してほしくない・・・。
お願いだよ、マキ・・・これ以上、誰も殺さないためにも、
あんたがやるしか、ないんだよ・・・。」
「でも・・・。」
「世界を、好きな子を守るんでしょ?ミキのためにも・・・
ミキを殺してよ。時間がない・・・ぐっぅぅぅ・・・。」
再び、ミキは頭を押さえて苦しみだした。
- 638 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:11
- 「早く、ミキを、殺せ・・・ぅぅぅあああっっっ!!!」
「ミキ姉!」
「・・・バ〜カ!」
「!?」
ミキの目が、復讐と憎悪に満ちた目に戻っていた。
ミキの体から溢れ出た闇の衝撃波が、マキの体を飲み込んだ。
「あがっ!うぁぁ、ぐっ、くぅっ・・・。」
先ほどできた傷跡から、さらに血が吹き出ていく。
ミキは高笑いをしながら、落とした剣を拾い上げる。
「キャハハハッ!お涙頂戴のヒューマニズム、本当にあんたって
ばかだよね、マキ。ミキの言葉を信じて、のこのこと近寄って
くるんだからさ。」
「ちっ、違う・・・。」
マキはゆっくりと立ち上がる。
- 639 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:12
- 「さっきまでの、ミキ姉は、本当のミキ姉だったよ・・・。」
「ふ〜ん、どうでもいいよ、そんなことはね。それよりも、
あんたの体はもってあと三分ってとこね。ミキに殺されるか、
そのまま死んでいくか、そのくらいなら選ばせてあげるわよ。」
「この・・・闇を解く方法は・・・?」
「方法は二つだけ、一つはミキが死ぬこと、もう一つはミキ自らが
消し去ることね。まあ、どっちもありえないけど。」
「そっか・・・。」
マキは悲しそうな顔でミキを見据える。
「私も、本気を出すよ・・・私にも守りたい人がいるから・・・。
ミキ姉の気持ちに、答えたいから・・・。」
マキの剣が、眩しい程に光っていく。
そして、折れた部分から光が放射され、光の剣が出来上がる。
- 640 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:13
- 「第十の剣、コスモ・ノヴァ。これで終わりにしよう・・・。」
「ミキに殺されることを選んだってことね。お望みどおり、
殺してあげる!」
マキとミキが同時に走り出す。
そして、同時に剣を振るった。
「うぉぉぉぉっ!」
「うわぁぁぁっ!」
ものすごい強烈な光と、全てを飲み込むような真っ黒な闇が交差する。
光と闇が混ざり合い、二人を包み込んでいった。
- 641 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:13
- 更新です。
- 642 名前:konkon 投稿日:2005/06/01(水) 23:16
- >七誌さんデスさん
もはや次元を超えた戦いになってしまったので、
表現するのが難しい・・・(汗)
まぁ、二人の戦いはゆっくりとお待ちくださいw
>151さん
ん〜、どうなることやらって感じですねw
たぶん、その考えは間違いでもないと思いますよ。
ただ、ちょっと出番が少なかったまででして(爆)
- 643 名前:めかり 投稿日:2005/06/02(木) 22:16
- 更新おつかれで〜す。
マキとミキ、いったいどうなるのか?
楽しみにしてますよ〜♪
- 644 名前:151 投稿日:2005/06/03(金) 20:58
- 更新おつかれいな。
イタタタタッ!
いよいよ決着が・・・
- 645 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/06/04(土) 13:03
- 更新おつかれいな。
はぅぅ・・・なんか辛い勝負になってきましたね・・・。
次回いよいよ決着がつきますね・・・。
- 646 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 22:58
-
ケイ・マリ対イフリート
- 647 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 22:59
- 「ぐぉぉぉっ!」
イフリートが、強力な炎を二人に吹きかける。
「武人流弦術、二拾七式、弦結界。」
ケイは冷静に自分とマリの周りに糸を張って、炎から身を守る。
「喰らえーっ!」
「なんのっ!」
飛び出したマリの剣と、イフリートの拳が重なり合っていく。
「こいつっ!」
隙をついて、マリが剣を大きく振り被って飛び出した。
「ハーッハッハッハ!なかなか楽しませてくれる!ならば、
私も本気を出そう。地獄の火炎、死蝶炎!」
「(・・・何かくるっ!)」
マリの援護をしようと、横に回り込んだケイは咄嗟に糸を放つ。
- 648 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:00
- ケイの放った糸は、イフリートではなくマリの腕に絡まった。
そして、思い切り自分の元に引き寄せる。
「おわっ!」
マリが糸に引き寄せられた瞬間、
ゴゥゥゥゥッ!
イフリートの周りの地面が、炎によって跡形も無く溶け出した。
もしほんの僅かにでも遅かったら、マリは炎に溶かされていただろう。
「何だよ、ありゃ・・・。」
「跡形も無く焼き尽くす、豪炎、ね・・・。」
「さぁ、俺をもっと楽しませてくれよ!」
イフリートの背中から、炎でできた蝶のような羽が生えていた。
- 649 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:04
- その羽を羽ばたかせ、炎を体に纏ったまま二人の元に飛んでくる。
イフリートが通るだけで、地面に炎が走っていた。
二人は左右に横に飛んで避ける。
その直後に、二人のいたところにイフリートの拳が振り下ろされて、
地面の奥深くまで燃やし尽くした。
「ちぃっ、ケイ、どうするよっ!?」
「・・・止めるしかないだろ。武人流針術、飛影。」
針と化した糸を、ケイがイフリートに向けて投げつける。
しかし、イフリートの体に届く前に、糸は粉々に燃え尽きてしまった。
「ハッハーッ!」
イフリートは狙いをマリに絞り、猛スピードで飛び出した。
- 650 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:05
- 「このぉっ!」
マリはいくつもの爆発を放つが、全て炎によって無効化されてしまう。
イフリートは勢いを止めずに、マリを大きく弾き飛ばした。
「ガハッ・・・。」
「マリッ!」
弾き飛ばされたマリは、炎に包まれながら地面に叩きつけられた。
「これでまず一匹だな。あとはお前だけだ。」
そう言って、イフリートはケイを振り向いた。
「・・・フン、ばかなことを言うな。」
「何?どういう意味、ぬぉっ!」
イフリートの背中に、巨大な爆発が降り注いでいく。
- 651 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:06
- 「私の相棒は凶暴なんでね。その程度では死ぬことはない。」
「誰が、凶暴、だっての・・・。」
マリは、荒い息を吐き出して文句を言った。
「フハハッ、どれだけの爆発を起こそうとも、死蝶炎を使う
俺には、どんな攻撃も効かんぞ!」
爆発の嵐に巻き込まれたはずのイフリートは、全くの無傷だった。
ケイは一度ため息をついて、辺り一面を見渡した。
「マリ、息を止めていろ。」
「・・・?」
ケイの言っている意味がわからなかったが、マリは大きく息を吸って止める。
「武人流弦術奥義、禁弐式、死界の弦。」
ケイが両腕を上げると、予め辺り一面に散りばめた何百という糸が、
ケイ、マリ、イフリートの三人の周りを超高速で回り始める。
- 652 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:08
- さらに糸の回転が上がり始め、三人の周りに竜巻が発生する。
「ぬぐっ、くっ・・・。」
ケイの両腕から、血が噴出した。
あまりにも膨大な精神力を使っているため、ケイの体が耐えられないのだ。
「フン、何をしようとしているかは知らんが、これで終わりに・・・何!?」
イフリートの炎の羽が、徐々に消えていく。
今ではほんの僅かにしか、炎は出ていない。
「竜巻の中心がどうなっているか、知らないのか?回りの竜巻を
起こす風が凄まじい余りに、外からの空気が入り込めないんだよ。
そのため、お前はもうまともに炎を出すことができない。
その名の通り、この中は死の世界なのさ。」
ケイは、薄く笑みを浮かべて答える。
- 653 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:09
- 「あんまりしゃべってると、空気が無くなるぜ。さっさと終わらすぞ!」
「空気が完全になくなるまでに、あと五分といったところか。
それまでにケリをつける。」
マリとケイは、前後から同時に飛び出した。
「ちぃっ、貴様らごときに炎なんぞいらんわ!」
マリが剣で斬りつけ、ケイが糸を振り回す。
イフリートも応戦するが、やはり二人の攻撃の方が素早いので、
次々とイフリートの体に傷がついていく。
それでも、イフリートの体は硬くて決定打は与えられない。
「爆破鬼人剣!」
「ちぃっ・・・。」
猛スピードで飛び出したマリの剣を、イフリートは上に跳んで避ける。
- 654 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:11
- 「へへっ、これで終わりだ!」
「何っ!?」
「空中では避けれないだろう。二十五式、流星。」
ケイが手を振り下ろした瞬間、イフリートの上から何百という
無数の糸が降り注ぐ。
「くっ・・・。」
「爆雷弾!」
「これで決める!」
さらに、マリは剣を上に向け、ケイは糸を振り被る。
「貴様ら・・・調子に乗るなよっ!魔熔炎!」
イフリートの両腕が淡く光り出す。
- 655 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:12
- その直後に、
ゴォォォォッ!!
「うわぁぁぁっ!」
「ぐぬっ・・・。」
突然、ケイとマリの下の地面が噴出し、巨大な火柱に二人は飲み込まれる。
ほぼ同時に、
ドドドドドッ!
「ぬぉっ・・・。」
イフリートの体に、いくつもの糸が突き刺さっていく。
- 656 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:13
- 「くぉぉっ、あっち〜な〜・・・。」
「ちっ、この状態でも炎を出すとは、さすがは四大魔神と呼ばれるだけある・・・。」
なんとか炎から逃れた二人は、降り立ったイフリートに視線を向ける。
「ほう、あれで生きているとは、なかなかやるな。糸使いは瞬時に自分に
糸を纏って防御し、小さい方は爆発術なだけに、炎の耐性がついていると
いうことか。アヤが苦戦するだけのことはある。が、この程度でこの俺を
倒せると思ってたのか?」
イフリートの体にはいくつもの糸が刺さってはいるのだが、貫いているという
わけでもなく、少しだけ刺さっているような感じだった。
血も僅かにしか滲んでいない。
対するケイとマリは、魔熔炎に焼かれて無数の火傷を負っていた。
今の炎によって、ケイの集中力が途切れてしまい、嵐が止んでしまう。
- 657 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:15
- 「さて、そろそろ余興は終わりにしようか。なかなか楽しかったぞ。」
イフリートは両手から炎を出して、余裕の表情で二人を交互に見つめる。
「・・・だとさ、マリ。」
「ああ、おいらも疲れたし、終わりにするか。」
マリがイフリートに拳を向ける。
その瞬間、
ボボボボボボボンッッッッ!!!
「ガアッ!これは・・・。」
突然、イフリートが爆発の渦に飲み込まれていった。
- 658 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:17
- 「ゴフッ!俺の中で・・・爆発が・・・?」
「おいらの爆雷弾は、お前に放ったんじゃない。ケイが落とす糸の
先端に仕掛けたんだよっ!」
「どれだけ体が硬かろうと、内側からダメージを与えればいいことだ。
これはミキに習ったものだけどね。」
ケイは自嘲気味にそう言った。
「ぬぐぅ・・・ぉぉ・・・・。」
痛みに耐え切れず、イフリートがバランスを前に崩す。
その瞬間を、二人は見逃さなかった。
- 659 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:17
- 「粉々に砕け散れ!」
「闇へと帰れ。ここはお前達のいるべき世界ではない。」
マリの剣とケイの振るう糸が、イフリートの体をズタズタに斬り裂いた。
「こ、この、俺が・・・。」
イフリートの体は、砂と化して消えていった。
「おいら達の、勝ちだっ!」
「これもアサミの計算通りか。まぁ、それでもいいだろう。」
マリは拳を突き上げて、ケイは一息ついてからお互いに顔を合わせる。
そして、二人は軽く拳を突き合わせた。
- 660 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:18
- 更新です。
- 661 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:21
- 汐留エコ・ウィークエンドに行ってきました〜。
もう少しFCの人を優遇できないもんかと思ったけど、
久ぶりに肉眼で見れたので、すごい満足でした♪
紺ちゃん、愛ちゃん推しの自分ですけど、どういうわけか
れいなばっかり目がいっていたのはなぜ・・・?
一人言終了、レス返しに参ります!
- 662 名前:konkon 投稿日:2005/06/05(日) 23:25
- >めかりさん
さってどうなってしまうんでしょうね〜w
自分的には、う〜ん・・・バッドエンド気味の
ハッピーエンド?よくわかんないです・・・(汗)
>151さん
確かに痛いですよね〜。
何でこうなったんだろう?
自分でもわかっていないこの現状(謎)
>七誌さんデスさん
ん〜、決着はもう少しお待ちを・・・(汗)
ストーリーを順序よくいきたいので、先にこちらの戦闘に
入らせていただきました。
- 663 名前:151 投稿日:2005/06/07(火) 23:25
- 更新おつかれいな、のサブリミナル効果ですか?w
このコンビは「正統派の戦士」みたいな
雰囲気が最高にカッケーですね!!
明後日のどっちの料理ショーでの
コンビネーションにも期待します(笑)
- 664 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/06/09(木) 15:56
- 更新おつかれいなー
なんか二人ともカッケー!ですね(笑
う〜ん・・・こっちの戦いも見所あるな〜・・・
- 665 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 22:50
-
ヒトミ・リカ対シヴァ
- 666 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 22:51
- 「ハァァッ!」
リカの伸ばした槍が、シヴァの胸を貫いた。
「うぉぉっ!」
ヒトミのハイパーレールガンが、シヴァの頭を吹き飛ばす。
しかし、
「終わり?」
シヴァの体が、一瞬にして再生してしまった。
「ヒトミ、どうする?」
「どうするったって・・・どうしよう?」
二人がどれだけ攻撃をしようとも、シヴァの体はすぐに復活してしまう。
以前リカが戦った元皇帝のように、どこかに核があると思って体中を
槍で突き刺したが、それでも再生してしまっていた。
- 667 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 22:51
- 「今度はこっちの番ね。」
シヴァが手を向けると、いくつもの氷の矢が飛んでくる。
それを、リカは槍を振り回して叩き落し、ヒトミは腕で弾いていく。
「そんなものっ!」
「当たらないみたいね。なら、これでどうかしら?」
氷の矢が止まると、今度は強力な吹雪が放たれる。
「くっ!」
「ATフィールド!」
リカは銀の盾を作り、ヒトミはATフィールドで身を守る。
「面白いわね。いつまで持ちこたえられるかしら?」
「くそっ・・・!?」
全ての物理的でないものから身を防げるATフィールド、
それが吹雪によって凍り始めていた。
- 668 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 22:53
- しかも、リカの銀に至っては有機物、直接銀で吹雪から防御しているために、銀の盾は
ATフィールドよりも早く凍ってきている。
「絶対零度を超える冷気、極冷。それを操るのが四大魔神、
極冷のシヴァよ。私に凍らせられないものはない。」
「くぅぅ・・・。」
「死になさい。」
シヴァの手から、巨大な氷の塊が放たれた。
ヒトミがリカを守るより先に、氷塊が銀の盾を砕き、リカの体を弾き飛ばした。
「ガハッ・・・。」
「リカッ!」
「ヒ、ヒトミッ!」
シュッ!パシッ!
吹き飛ばされながらも、リカが何かをヒトミに投げ渡した。
- 669 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 22:55
- 「リカ・・・てめぇっ!」
ATフィールドが凍り尽きる前に、ヒトミはモーターを全開まで上げて、
レールダッシュでシヴァの目前まで迫る。
「喰らえっ!レールキャノン!」
ドゴンッ!
レールガンの元となるヒトミの生命エネルギー、それを弾けさせる衝撃を利用した
強烈なボディブローが、シヴァの腹部を貫いた。
シヴァの体が罅だらけになっていく。
それでもシヴァは、なんともないような表情をしている。
- 670 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 22:55
- 「だから何?これくらい、別に・・・。」
「まだまだーっ!フリーダム!」
ヒトミの指から放たれた、六本のレールガンがそれぞれ両腕、両足、
首と頭部を貫いた。
それでもヒトミは止まらない。
「再生しちまうなら、再生できないくらいにまで粉々にしてやる!
ダブル・ガトリングガン!」
ガガガガガガッ!
ヒトミの六本の指から、次々と弾が発射されていく。
弾が当たっていく度に、シヴァの体が砕け散っていく。
- 671 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 22:57
- ダブル・ガトリングガンが放たれたあとには、シヴァの体の破片が辺り一面に
散りばめられていた。
「ハァッ、ハァッ、これで、もう・・・。」
ガッ!
「くっ・・・何だ!?」
ヒトミの頭に、何かがぶつかった。
それは、元はシヴァの体であった破片だった。
シヴァの破片だった氷の塊が、次々と宙に浮き上がっていく。
「もう一度言うわ。私の名はシヴァ、魔界に降臨した四大魔神の
一人なのよ。あなた達程度に私を倒せるわけないわ。」
どこからか、シヴァの声が聞こえてきた。
- 672 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 23:00
- 「くそっ・・・。」
「終わらせてあげる。死の旋律。」
氷の塊が、周りからマシンガンのように降り注ぐ。
ヒトミはすぐにATフィールドを張って防御する。
だが、余りの力と数にATフィールドが貫かれ、いくつもの氷の塊が
ヒトミの体に突き当たっていく。
「ガハッ!グッ、ぅぅ・・・。」
ヒトミは血を吐き出して、地面に倒れた。
シヴァの氷の破片が一箇所に集まり、体が元に戻る。
シヴァは、ヒトミの胸に刃物と化した氷の腕を翳す。
「死の瞬間が私は好きなのよね。あなたのような綺麗な子は、
どんな死に顔を見せてくれるのかしらね?」
シヴァは、無表情のままヒトミを見下ろした。
- 673 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 23:02
- 逆に、絶体絶命の危機にも関わらず、ヒトミは顔をにやつかせる。
「何がおかしいの?」
「・・・ヘッ、あんたみたいなブスに見せたい顔なんてねぇよ。」
「ぐっ、今すぐ死になさい!」
シヴァは怒りの表情をして、ヒトミの胸に腕を振り下ろした。
その瞬間、
ドクンッ!
「ガァ・・・。な、何が・・・?」
突然、シヴァの動きがピタリと止まった。
- 674 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 23:03
- 「ったくよ〜、おせぇよ、リカ。」
ヒトミは寝たまま後ろを振り向くと、そこには傷口を手で押さえている
リカが立っていた。
「仕方ないでしょ。見つけるのに苦労したんだから。」
「なっ、何をした・・・?」
「やっぱり気付いてなかったみたいね。」
シヴァは苦悶の表情をして、リカに視線を移す。
そこで、ヒトミは力任せにシヴァの体を蹴り飛ばした。
「さっきのレールキャノンは、あんたにダメージを与えたかった
わけじゃない。あんたの体にリカの銀を埋め込んだのさ。」
先ほどリカがヒトミに渡した物は、一つの小さな銀の欠片だった。
それを、レールキャノンの際にシヴァの腹の中に埋め込んだのだった。
- 675 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 23:05
- 「どれだけ再生しようとも、どこかに核が存在するのは間違いなかった。
だから、ヒトミにあんたの体に銀を埋め込んでもらって、体の中の
至る所を探し続けてたってことよ。」
「そ、そんなこと、一言も言って・・・。」
「当たり前でしょ。私がヒトミに渡したのは"意思の銀"、私が
伝えたい者だけに自分の意思を伝えることができるのよ。
まさか、核が指先程度の大きさしかない上に、自由自在に
操れるなんて思ってなかったけど、ようやく捉えたよ。
あんたの核をね。」
「やっ、やめ・・・。」
「バイバイ。」
シヴァの体の中に入っているリカの銀が、シヴァの核を握り潰した。
- 676 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 23:06
- その瞬間、シヴァの体が消滅した。
ヒトミは上を向いて、リカの顔を見据える。
「へへっ、私達、四大魔神に勝っちまったぜ!」
「あのねぇ、誰がシヴァの体を粉々にしろって言ったわけ?
もしあのまま元に戻らなかったら、私達殺されてたのよ。」
「まぁ、いいじゃねぇかよ。あのまま復活しなかったらそれはそれで
よかったわけだし、結果的にはうちらは勝ったんだからさ。」
「それもそうね。ヒトミに頼んだ私が悪かったわけだしね。」
「何だよ、それ〜!」
リカは、寝ているヒトミの体を引き起こした。
目が合うと、二人はどこかおかしくて笑い始めた。
- 677 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 23:06
- 更新です〜。
- 678 名前:konkon 投稿日:2005/06/09(木) 23:12
- >151さん
まさか、そんなことが起こっていたなんて・・・。
そういえば、冬のハロプロ紺でもれいなばっか見てたかも(汗)
二期のこのコンビ、実は大のお気に入りですw
>七誌さんデスさん
なんといっても武人二人組ですからね、
できるだけかっこよくしてみました〜♪
できるだけ面白い戦いができるようにがんばります(汗)
- 679 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/06/11(土) 18:37
- 更新おつかれいな〜。
やっぱりこの二人ですね〜。
流石!って感じのコンビネーションです。
次は誰が出てくるかな?
- 680 名前:151 投稿日:2005/06/11(土) 18:59
- 更新おつかれいなれいなれいなw
このコンビもやってくれますね〜!
金属にも魂が宿ってるという感じでしょうか。
- 681 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:48
-
アイボン・ノゾミ対ラムゥ
- 682 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:50
- 「そらっ!」
ドドドドドッ!
いくつもの雷が、アイボンとノゾミに降り注ぐ。
「くっ・・・。」
「こっ、のーっ!」
雷を避けたと同時に、ノゾミの拳から天竜拳が放たれる。
しかし、ラムゥは杖で軽々と弾く。
「ほっほっほっ、その程度ではわしは倒せんよ。」
二人がいくら攻撃しようとも、全て杖で往なされてしまっていた。
ノゾミの力でも、アイボンの魔法も効かない、二人はどうにも対処できずにいた。
- 683 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:51
- 「くそっ・・・。」
「ノノ、そう熱くなるなるなや。」
飛び出そうとしたノゾミに、アイボンはそう言った。
「うちを信じろ。絶対になんとかしたるから。」
「アイボン・・・。」
「ノノ、よく聞けよ。これからな・・・。」
アイボンは一通り作戦を伝えると、ラムゥに向かって飛び出した。
「せやっ!」
ドゴーンッ!
アイボンは、マリの爆発をラムゥに放つ。
- 684 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:53
- ラムゥは杖で爆発を防ぐ。
それでも構わず、さらに連続で爆発を放っていく。
「まだまだーっ!」
「ほっほ、元気なのはいいことじゃが・・・ほれっ!」
ラムゥの杖から雷が飛び出して、アイボンを飲み込んだ。
「うわぁぁぁっ!」
「調子に乗るとこうなるぞい。覚えておくのじゃよ。」
「ぐっ・・・今やっ!ノノッ!」
ドゴンッ!
「何じゃとっ!?」
突然、ラムゥの背後の地面が噴出した。
- 685 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:55
- アイボンが爆発を放っていたのは、ノゾミを隠すための目くらましに過ぎず、
ノゾミは土竜擬によって地面を掘り進み、ラムゥの背後まで回り込んでいたのだ。
ラムゥを殴りつけようと、ノゾミが大きく踏み込んだ。
その瞬間、
バシュッ!
「うわぁぁぁっ!」
「ノノッ!?」
ノゾミの体中に電気が走り、体が動かなくなる。
よく見ると、ラムゥの周りの地面に、雷が網のように帯電していた。
アイボンは、この技に見覚えがあった。
- 686 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:56
- 「なっ、何でお前がそれを・・・。」
「何か勘違いをしておるようじゃな。"雷網"はミキの技ではなく、
このわしの技なんじゃよ。わしがミキに教えたのじゃ。」
そう言って、ラムゥは動けないノゾミをアイボンに向けて弾き飛ばした。
アイボンは抑えきれず、ノゾミと一緒に地面を転がっていく。
「これで、終わりじゃっ!爆雷砲!」
ラムゥの杖から、巨大な雷のレーザーが放たれる。
「(くそっ・・・魔法が間に合わん・・・。)」
今の二人では避けようがないほどまでの、凄まじいスピードで向かってきていた。
目前まで雷が迫ってきた時、二人の前に一つの影が飛び込んできた。
そして、雷のレーザーを両手で受け止める。
- 687 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:57
- 「大丈夫、二人とも?」
目の前に現れた影、カオリは笑って二人を振り向いた。
「カオリッ!?平気なんか・・・?」
「ん〜、けっこう痛い・・・でも、安心してね。絶対に守るからさ。」
あまりの威力に、カオリの両手からは血が吹き出ていた。
それでも、カオリは二人を守り続ける。
爆雷砲が止まると、カオリは片膝をついて腕を垂らした。
「ほう、わしの爆雷砲を防ぐとはのう・・・。お主が初めてじゃ。」
「なめんじゃないわよ。このくらいじゃ私達はやられはしない。」
カオリはラムゥを睨みつける。
その直後に、カオリの後ろからノゾミが飛び出した。
- 688 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:58
- 「ノノッ、頼むで!」
「任せて!」
「カオリが守ってくれた。今度はうちらの番や。」
アイボンは、魔力の開放と悪魔との契約を同時に行う。
その間の時間を稼ぐために、ノゾミはラムゥを攻め続ける。
「このぉっ!」
「ちっ、元気な子供じゃ。じゃが、手加減はせんぞっ!」
ラムゥはノゾミの拳を避けると、杖に雷を纏わせて、ノゾミを横に弾き飛ばした。
「うわぁぁっ!」
弾かれた瞬間、ノゾミの体を電気が走り抜けた。
「そろそろ寝る時間じゃぞ。大人しくそこにいろ。」
「・・・そうれすね。アイボンッ!」
その言葉に、ラムゥはアイボンを振り返る。
悪魔の力を得たアイボンの両腕には、薄黒い炎が纏っていた。
- 689 名前:konkon 投稿日:2005/06/13(月) 23:59
- 「いったれやーっ!邪王・炎殺黒龍波!」
アイボンの両手から、巨大な黒い炎の龍が放たれた。
炎殺黒龍波は、もの凄い勢いでラムゥに飛んでいく。
「ぬぅ・・・こんなすごい技を持っておるとはのぅ。だが、
まだまだ甘いんじゃよ!」
ラムゥの杖に強力な雷が帯電していく。
そして、その杖で炎殺黒龍波を押さえつける。
「くっ、ぬぉぉぉっ!」
「なっ!?うちの技が・・・。」
「雷神の力、甘くみるなよ。雷の力によって、磁力を操ることも
可能なのじゃよ。それを利用して、わしの力をもってすれば、
あらゆる攻撃を防ぐこともできるってわけじゃ。おまけに、
こんなこともできるのじゃよ。」
ラムゥは、空いた手でノゾミに向けて雷を放つ。
- 690 名前:konkon 投稿日:2005/06/14(火) 00:00
- ノゾミは咄嗟に両手で防御するが、なぜかダメージを受けていない。
目を開けると、ラムゥの雷がノゾミの体に纏わり付いていた。
ラムゥの手とノゾミの体が、雷で繋がっている感じになっている。
「何れすか、これ・・・?」
「こんなものいらぬわ。仲間の攻撃で死ぬがいい。」
ラムゥが杖をノゾミに向ける。
すると、炎殺黒龍波が向きを変え、雷を辿ってノゾミに向かっていく。
「うそやろ・・・ノノッ!避けろーっ!」
「無駄じゃよ。わしの雷から逃れることはできん。」
徐々に炎殺黒龍波がノゾミに迫っていく。
だが、なぜかノゾミは動こうとしない。
- 691 名前:konkon 投稿日:2005/06/14(火) 00:01
- 「アイボン、さっき自分で言ったこと、忘れたんれすか?」
「・・・?」
「ノノは、アイボンを信じる。信じてるからっ!」
炎殺黒龍波がノゾミの体を飲み込んだ。
「ノノ・・・ノノーーーッッッ!!!」
ドゴォゥゥゥゥゥッ!
巨大な黒い炎の渦が広がっていく。
アイボンとカオリは、呆然とした表情で炎の渦を見ている。
「ほう、もの凄い炎じゃな。魔界でも滅多に見られる
ものではない。あれでは何も残らな・・・むっ?」
炎の渦が消えたあと、そこには一つの影が残っていた。
それは、両腕に赤黒い炎を纏っているノゾミの姿だった。
- 692 名前:konkon 投稿日:2005/06/14(火) 00:02
- 「呼びましたか、アイボン?」
「ノノ・・・。」
「いくれすよ。百獣擬態、魔竜擬!」
ノゾミは猛スピードでラムゥに向かって走り出す。
「小癪な真似を、跡形も無く消し去ってやるわい。爆雷砲!」
ラムゥが巨大な雷のレーザーを放つ。
それを見て、ノゾミは左手を大きく振り上げる。
「こんなものっ!」
防ぎようが無いほど強力な、ラムゥの巨大な雷のレーザー、
それをノゾミは左手だけで横に殴り飛ばした。
「何じゃとっ!?」
ノゾミは勢いを止めず、そのまま真っ直ぐに飛び込んだ。
ラムゥはすぐさま杖で防御体制に入る。
- 693 名前:konkon 投稿日:2005/06/14(火) 00:03
- 「お主がどんな攻撃をしようとも、わしには何も効かんわ!」
「ノノらけじゃない。この拳には、アイボンの力も混ざってるんれす!」
ノゾミの右拳が、さらに赤黒く燃え上がっていく。
「邪王・炎殺黒龍拳!」
バキッ!ドゴンッ!
「ガハァ・・・。」
体重を乗せたノゾミの拳が、杖を、磁力を突き破って
ラムゥの腹を殴り飛ばした。
ラムゥは、後ろに吹き飛んで壁に深く埋まり込んだ。
- 694 名前:konkon 投稿日:2005/06/14(火) 00:04
- 「わしが、負けるのか・・・このわしがーーーっっっ!!!」
突然ラムゥの体を黒い炎が包み込み、ラムゥは燃え尽きていった。
ノゾミは力を解いて、二人の元へと駆け寄っていく。
そこでは、アイボンがカオリの手の治療をしていた。
二人は心配そうにカオリの顔を見つめる。
「もう大丈夫だよ、ありがとう。それにしても、二人の力はすごいね・・・。
これは、私とナツミの融合魔法よりもすごいかもね。」
「ほんとにっ!?」
「当たり前や。うちらは、最高のコンビやもんね。」
そう言って、アイボンはノゾミと肩を組んでVサインを作る。
そんな二人を、カオリは優しい笑みを浮かべて見つめていた。
- 695 名前:konkon 投稿日:2005/06/14(火) 00:04
- 更新です。
- 696 名前:konkon 投稿日:2005/06/14(火) 00:08
- >七誌さんデスさん
お馴染みの二人ですけど、ここでの小説の
コンビは初ですかね?
やっぱりこの二人は出さないと始まりませんよね〜w
>151さん
やばい、151さんのサブリミナル効果が・・・(爆)
そうですね〜。何事にも魂は宿るってな感じですね。
なんだかんだで仲のいい二人組みです♪
- 697 名前:151 投稿日:2005/06/14(火) 19:22
- 更新おつかれいな。
おおっ懐かしい技が、と思ったら
こんな事が可能なんですね!
凄い! 凄すぎる!!
- 698 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/06/15(水) 22:47
- 更新おつかれいな〜
やっぱこのコンビは最強ですかね?
この二人は切っても切れない関係ですね。
- 699 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 22:58
-
アイ・マコト対オーディーン
- 700 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 22:59
- 「フンっ!」
「ぬぉっ!」
「ちっ・・・。」
オーディーンの振るう薙刀を、アイは跳び引いて避ける。
マコトもなかなかオーディーンには近づけない。
オーディーンの振るう薙刀の速さは、その名の通り、まさに閃光といっていいほどの
速さな上に、衝撃だけで壁を砕くほどの力を持っている。
アイの速さをもってしても、飛び込むよりも先に斬り付けられるだろう。
避けることですら、ぎりぎりの状態だった。
「ハァァッ!」
マコトがいくつもの居合いを放つ。
オーディーンは閃光の速さで薙刀を振るい続け、居合いをかき消していく。
- 701 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 22:59
- どれだけ速い居合いを放つにしても、距離があれば見切られる。
それはゼロ・スラッシュにしても同じことだ。
しかし、うかつに近づくとオーディーンに斬られてしまう。
マコトは考えた末に、オーディーンに向かって飛び込んだ。
「甘い!」
「ぐぬぉぉ・・・。」
オーディーンの放つ衝撃波が、マコトを吹き飛ばした。
「マコトッ!くっ・・・。」
一瞬の隙、アイがマコトに視線をやった瞬間に、今度はアイに向けて
薙刀を振るい、力で吹き飛ばす。
「このっ!」
せめて居合いを見切られない距離まで近づこうと、マコトは再び飛び出した。
- 702 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:00
- その時、
「マコト、くるなやっ!」
突然、アイが大声でマコトに叫んだ。
立ち止まったマコトは、じっとアイの顔を見据える。
アイもまた、マコトの顔を見つめている。
「アイ・・・?」
「マコト、"あとで"頼むで。」
アイはニッと笑うと、オーディーンを振り返る。
「どうした?もう終わりか?」
「ヘンッ、まだまだいけるやよっ!」
そう言って、アイはオーディーンに突っ込んだ。
超速で振るわれる薙刀を、アイは全て寸前で避けていく。
- 703 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:01
- 「鳳凰の舞!」
アイは超スピードによって何人もの分身を作り出し、オーディーンを取り囲む。
そして、全てのアイが同時に飛び込んだ。
「もらったわっ!」
「甘い!」
ヴォンッ!
薙刀を振るった瞬間、オーディーンの周りを光が包み込み、
その光が散開してアイの体を吹き飛ばした。
「ガハッ・・・。」
今の衝撃で、アイが口から血を吐き出した。
- 704 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:02
- 「アイッ!」
「だ、だめやよ。マコトは、動かんといてや・・・。」
それでもアイは、マコトを動かさない。
「面白いやつだな。一人で某と戦いたいと言うのか?」
「別に、一人でやりたいわけやないよ。ただ、そこに勝てる要素が
あるからってだけ、お前にも教えといてやるわ。」
「クククッ、魔界の覇者である四大魔神、この閃光のオーディーンに
勝てると言うのか。やれるものならやってもらおうか。だが、某の
本気の力を見ても、同じことを言えるかな?全てを薙ぎ払え、光の裁き!」
ドドドドドッ!!!
一瞬の閃光に包まれて、アイのいた元の地面にいくつもの亀裂が入っていた。
- 705 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:02
- 「いつつ・・・危ないやないかっ!」
「何?」
アイは、オーディーンの斬撃を全て避けていた。
一撃もまともには喰らってはいないものの、それでも衝撃による
傷はいくつもついていた。
瞬速を誇るアイのスピードでも、完璧に避けることは難しかった。
「ぬぅ、某の技を避けるとは・・・。」
「うちに当てようなんて、10年早いわ!」
「小娘が、殺してやる!」
オーディーンは、さらに薙刀を振り回し、あらゆるところからアイを攻める。
アイは千里眼とその持ち足を生かして、薙刀を避けていく。
しかし、アイのチャクラが切れかかってきていた。
突然、アイの足が縺れてしまい、動きが止まってしまう。
- 706 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:03
- 「もらった!」
「やばっ・・・うわーっ!」
オーディーンの攻撃を受け止めきれず、アイは後ろに吹き飛ばされた。
「アイッ!」
吹き飛ばされたアイの体を、マコトが抱き止める。
「大丈夫か、アイ?」
「こんくらい、平気・・・とは言えんやざ。」
ダメージに加えて、膨大なチャクラの使用により、アイの足が震えている。
この状態では、しばらくは歩くことも難しいだろう。
「悪い、マコト・・・。少しは力になれたんかな?」
「十分だ、お前はよくやった。あとは私に任せろ。」
アイを座らせると、マコトは猛スピードで前に飛び出した。
- 707 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:04
- 「今度はお前か。さぁ、掛かって来い!」
オーディーンの薙刀が、次々とマコトに襲い掛かる。
マコトはなんとか薙刀を防ぐものの、衝撃波が剣を突き抜けて、
確実にマコトにダメージを与えている。
「ぐぅぅ・・・。」
「どうした?守ってばかりでは某には勝てんぞ?」
アイは二人の戦いをじっと見ていた。
そこへ、後ろからナツミが駆け寄ってきた。
「アイ、大丈夫?」
「見ての通り、ぼろぼろやわ・・・。」
アイは苦笑いを浮かべて、ナツミを振り向いた。
ナツミはすぐに回復を始める。
決して、マコトから視線を外さずに。
- 708 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:05
- 「マコト・・・回復が終わったら、すぐに助けないとね。」
「その必要はないやよ。」
アイの言葉に、ナツミは不思議そうな表情をする。
「どういうこと?」
「そろそろマコトの番や。うちらの手助けはいらんっちゅうことやわ。」
「これで決めてやる!」
マコトに向けて、オーディーンが横から薙刀が振り被る。
パキャンッ!
マコトに薙刀が振るわれた瞬間、薙刀が弾かれた。
いや、マコトの居合いが薙刀を弾いたのだ。
- 709 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:06
- 「何!?」
「ハァッ、ハァッ、もう、お前の攻撃は当たらない!」
「ぐっ、まぐれで当てられたからって、いい気になるなよっ!」
キンッ!パキャンッ!ガキンッ!
「言っただろう。当たらないとな。」
オーディーンの振るう超速の斬撃、それをマコトは全て居合いで弾いていた。
直接剣で受け止めなければ、衝撃波が伝わることもない。
「ぐっ、ぬぅぅ・・・なぜだ?なぜ某の攻撃が当たらん!?」
「フン、アイがなぜお前の薙刀を避け続けていたと思ってるんだ?
私に勝機を導き出してくれるためだったんだよ。」
アイはわざとオーディーンに近づき、自らが囮となって薙刀を振るわせていたのだ。
- 710 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:07
- それは簡単に捉えられるほどの力や速さではない。
だから、アイは何度もその斬撃を避けることで、マコトに目を慣れさせた。
そして、見極めさせた。
「なめるなよっ!光の裁き!」
オーディーンが大きく薙刀を振り被る。
その瞬間、
ドンッ!
薙刀を持つオーディーンの腕が、後ろに吹き飛んだ。
オーディーンの斬撃よりも先に、マコトがゼロ・スラッシュを放ったのだ。
- 711 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:08
- 「なっ・・・。」
「光の裁き、まさに閃光の速さだ。確かに避けるのは不可能に近いが、
それまでの予備動作が大きすぎる。ならば、私のゼロ・スラッシュの
方が先にお前に当てられる。」
たったの一度しか見てない技だったが、マコトは完璧に見切っていた。
一瞬の隙すら見逃さない洞察力、それこそがマコトの最大の武器だった。
「ば、かな・・・。」
「終わりだ。ハァッ!」
マコトの放ついくつものゼロ・スラッシュが、オーディーンの体を斬りつけていった。
「あ、ありえん・・・四大、魔神が、負けるとは・・・。」
オーディーンの体は、後ろに崩れ落ちていった。
マコトはアイの元へと戻っていく。
- 712 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:09
- 「ニシシ、勝ったわな。」
「ああ、お前のおかげだ。」
「な〜に言うとんやざ。二人で勝ったんやよ。」
アイは笑って、マコトに向けて親指を立てる。
それを見て、マコトも笑みを浮かべて親指を立てて返す。
「マコト、本当によかったよ・・・無事に終わったんだね。」
ナツミはすぐにマコトの回復を始める。
「ナツミ、他のみんなは・・・?」
「これで、四大魔神は全部倒したよ。あとは・・・。」
パァンッ!
突然の衝撃音で、ナツミ達は音がした方を振り向いた。
「紺野流、百壱式、虚砲。」
そこには、後ろに吹き飛んで地面を派手に転がり回っているアヤと、
両掌を前に突き出しているアサミの姿があった。
- 713 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:10
- 更新ですよ〜。
- 714 名前:konkon 投稿日:2005/06/19(日) 23:13
- >151さん
懐かしい・・・ですか?
このような技も可能、というかノノの場合は
何でもありですw
>七誌さんデスさん
本当は二人の力を合わせて炎殺黒龍波を打とうと
思ってたんですけど、直前になってやめましたw
まぁ、なんたってWですからね〜♪
- 715 名前:151 投稿日:2005/06/21(火) 18:41
- 更新おつかれいな。
和風なバトルも良いですね♪
二人揃ってTRUE LOVE!
懐かしいというのは黒龍波の事ですw
- 716 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/06/22(水) 15:07
- おぉっ更新おつかれいな〜
この二人もなかなか良いねすなぁ。
さてと・・・あとはあのお方だけですな。
- 717 名前:konkon 投稿日:2005/06/24(金) 23:56
- 「うぉぉぉっ!!」
「ハァァァッ!!」
眩いほどの光と、漆黒の闇がぶつかり合う。
マキもミキも、体力が限界を超えていた。
この一撃で、全てが決まる。
「殺すっ!ミキが絶対に殺してやるんだからっ!」
「・・・。」
徐々にだが、闇が光を押し始める。
「マキ、今すぐに殺してあげる!」
「ミキ姉・・・。」
何もない深い闇に包まれそうになりながらも、ミキの声がやけに
大きく響いていた。
- 718 名前:konkon 投稿日:2005/06/24(金) 23:57
-
『お願い・・・もう、誰も殺したくないよ・・・』
『マキに、しかできないんだよ。』
『世界を、好きな子を守るんでしょ?ミキのためにも・・・』
先ほどのミキの言葉、そして、ミキとの思い出が蘇ってくる。
それと同時に、大切な仲間達やアサミの顔も思い浮かんできた。
「ミキ姉・・・サヨナラ。」
ズバァッ!
マキの剣の光が急激に膨らんで、闇を斬り裂いた。
ミキの体が後ろに倒れていく。
- 719 名前:konkon 投稿日:2005/06/24(金) 23:59
- 「ガハッ・・・。」
倒れたミキに、マキは慌てて駆け寄っていく。
ミキの体は、右胸から左の脇腹にかけて深く斬りつけられていた。
傷口からは大量の血が流れている。
マキに気付いたミキは、軽く笑みを浮かべて上を見上げる。
「マキ・・・ありがとう・・・。」
「ミキ姉・・・。」
マキは剣を置いて、ミキの前にしゃがみ込む。
「わかってたんだ、昔から、わかってた・・・ほんとは、
ミキでは、マキに勝てないってことを・・・。」
「そんなこと・・・ない・・・。」
マキの言葉に、ミキは首を横に振る。
- 720 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:00
- 「それが、事実なんだよ。けど、ミキも認めてほしかった・・・
だからあんたが羨ましかった。でも・・・同時に、マキを
憎いと思ったこともある・・・。」
「・・・。」
「ミキ、ばかだよね・・・ミキが強くなりたかった理由って、
本当は、マキを守るためだったのに、ね・・・。マキを、
ずっと苦しめてた。ごめんね・・・。」
ミキは顔をずらして、マキを視界に入れる。
マキの目から零れ落ちる涙に、ミキは少し目を細める。
「何で・・・勝ったあんたが、泣いてんのよ・・・?あんたは、
正しいことを、したんだよ・・・。ミキ、なんかのために、
泣く必要なんて、ないんだよ・・・。」
「だって、ミキ姉は・・・ゴフッ。」
突然、マキが血を吐き出した。
- 721 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:00
- 闇の力により、再び心臓に激痛が走ったためだ。
それでもマキは、涙を拭ってミキの顔を見つめ続けている。
「ミキを・・・殺さないの?」
「・・・嫌だよ、殺せない・・・殺したくないよ・・・。」
「死ぬ、よ・・・?」
「・・・。」
ミキは、何も言わずに折れた剣をマキに向ける。
その直後に、
「あれ・・・痛みが消えた?・・・ミキ姉がやったの!?」
マキの体に入っている闇を、ミキが吸い出したのだ。
ミキは横を向いて、マキから視線をはずす。
- 722 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:01
- 「ゴフッ!ぐっ、ぁぁ・・・。」
今度はミキが、苦しそうな表情をして大量の血を吐き出した。
「ミキ姉!」
「くっ・・・フフッ、今までのつけが、まわってきたみたい・・・。」
「・・・。」
「それに、してもさ・・・マキは、変わってないね。あんたは、
昔からそうだったよね・・・自分、のことを、後回しにして、
よく泣いて・・・優しすぎるんだよ。自分に、関係のない
他人が死んでは、悲しんで・・・うちで飼ってた、ペットが、
死んでは泣いて・・・そんな感情、ミキには、わからなかった・・・。」
「ミキ姉・・・。」
「ゴフッ!ゴホッ、ぐぅ・・・。」
ミキがまた血を吐き出した。
- 723 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:03
- 「ミキ姉!早く戻ろう!ナツミの力ならまだ助かるよ!」
「本当の姉妹じゃ、ないのに・・・あんたのこと、殺そうと、
思ってたのに、まだ、ミキ姉って、呼んでくれるんだ・・・。」
「そんなの、関係ないよ!ミキ姉が例えなんであろうと、血が
繋がってない他人だったとしても、私にとってのお姉ちゃんは、
ミキ姉だけだよ・・・。」
「マキ・・・。」
「それよりも、早くここから出ようよ!でないと・・・。」
「ハァッ、ハァッ、言ったでしょ・・・ここからは、一人しか
出ることが、できない・・・。」
「そんな・・・嫌だよ!ミキ姉の力なら、なんとかなるでしょ!?」
ミキがこの世界に連れてきたのだから、元の世界に戻ることも造作のないはずだ。
マキはそう思っていたのだが、ミキはこう言った。
- 724 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:05
- 「たぶん・・・ね。でも、ミキの中に流れている、オロチの血は、
このまま放っておくわけには、いかないんだよ・・・この、
呪われし力は、絶やさなきゃ、いけない・・・それに、
四天王達や、モモコは、こんなミキを、命を懸けて、守って
くれようとした・・・ミキだけ逃げるなんて、できないよ。
そんなこと、したく、ない・・・。」
「そんな・・・。」
「誰かを、想う力か・・・だから負けたの、かな・・・」
ミキは、昔の優しい笑みを浮かべた。
「ミキにも・・・守りたい、人が・・・いたんだけど、ね・・・。」
「うぅ・・・。」
マキの顔は涙でぐしゃぐしゃだった。
その時、マキの顔に一度だけ涙を拭うように、ミキの手が軽く触れた。
- 725 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:06
- 「マキ・・・本当に、ありがと・・・。」
「ねえ、ミキ姉ってば!やだよ、私を一人にしないでよ!」
「あんたには・・・仲間が、いる・・・一人じゃ、ない・・・。」
「・・・やだよ、死んじゃだめだよ・・・昔約束したじゃん!
私を守ってくれるって約束したじゃん!」
「そっか・・・ミキは・・・約束破って、ばっかだね・・・
ごめ・・・ん・・・。」
「ミキ姉・・・。」
「マキ・・・ミキの、最後のお願い・・・アヤを、救って・・・
あげ、て・・・。」
マキの顔に触れていたミキの手が、力無く地面に落ちていく。
「(アヤ、さよならだね。守ってあげられなくてごめんね。
でも、ミキはずっとアヤのこと・・・。)」
ミキはゆっくりと目を閉じた。
- 726 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:08
- 「(・・・大好きだったよ。)」
「うっ、うわーーーっっっ!!!」
マキはその場で泣き叫んだ。
直後に、ミキの姿が徐々に消えていく。
いや、マキが世界を移動していたのだ。
次に目を開けた時には、元の部屋へと戻っていた。
マキは、しばらくの間は伏せて泣いていたが、手に剣を持って立ち上がった。
「何だろ・・・嫌な予感がする。」
マキは、激痛で動かない体を叱咤して走り始める。
体を動かす度に血が垂れていくが、今のマキにはそれを気にする余裕すらなかった。
何か最悪な事態が起こるような、そんな胸騒ぎを感じていた。
部屋を出るときに、一度だけ自分達のいた場所を振り返る。
「(今まで、本当にありがとう・・・バイバイ、ミキ姉。)」
溢れ出る涙を拭って、マキは再び走り出した。
- 727 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:10
- 更新しました。
あと十回くらい・・・かな?
- 728 名前:konkon 投稿日:2005/06/25(土) 00:14
- >151さん
和風ですね〜?
黒龍波はアイボンVSミヤビでも放ちましたよ♪
そういえば、この二人って以前にもコンビ組んでましたね・・・
完全に忘れてました(汗)
>七誌さんデスさん
あのお方は次の回で出るでしょうね〜。
そして、いよいよ最終決戦に突入です!
仕事がなければ早めに更新したいです(汗)
- 729 名前:みか 投稿日:2005/06/27(月) 11:32
- 皆さんはこう思ったことありませんか?
一度でいいから綺麗な女を自分の欲望のまま動かしたい...
それは男性なら誰もが思っていることだと思います。
そんな欲求叶えてみせます!!
http://hansokuwaza.net/feel/?adcode=zzweb4
- 730 名前:151 投稿日:2005/06/28(火) 20:20
- 更新おつかれいな。
。・゚・(ノД`)・゚・。
物語は終点に近付いてきましたね。
どうなっちゃうんでしょう?
- 731 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/06/30(木) 17:57
- 更新おつかれいなです・・・
なんか涙が出てきました・・・(・A;ホロッ・・・
そして物語はどんどん終わりに近づいていきますネ。
- 732 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:13
-
アサミ対アヤ
- 733 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:13
- 「ぐぅぅ・・・。」
突き飛ばされた後、立ち上がったアヤは血を地面に垂らしながらも、
アサミを睨みつける。
「まだやるの?」
「このっ、アヤヤが負けるかーっ!」
アヤが手を前に向けた瞬間、地面をも溶かし尽くすような炎と、
いくつもの氷柱の嵐がアサミに襲い掛かる。
「無駄だって言っているのに・・・。」
特に慌てた様子も見せずに、アサミは両手を前に出した。
すると、炎も氷も跡形も無く消え去った。
「なっ・・・。」
「驚くようなことでもないと思うけど?自然の摂理だよ。」
アヤの驚愕の表情を見て、アサミは淡々と答える。
- 734 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:14
- 「真空によって炎を消し去り、氷を電気分解した。それだけだよ。」
「なっ、何でメモリーを押しても無いのに、そんなことができるのよっ!?」
その言葉に、アサミは一息ついてアヤを見据える。
「紅麗眼。それは、一時的にだけど私に限界まで力を与えてくれる。
そして、その能力はメモリーを付けた時にこそ発揮されるんだよ。
メモリーに私の知識を繋ぎ込み、瞬時に自動で元素魔法を使える
ようにできる。でも、あまり長い時間は使えないんでね、そろそろ
終わらせてもらうよ。」
真の力を発揮することができる紅麗眼、それを発動させるにはいくつかの制約があった。
一つは、今アサミが言っていたように、長時間の使用はできないこと。
体が紅麗眼の力に耐え切れないためだ。
- 735 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:15
- また、紅麗眼を発動させるには、力を溜め込む時間が必要となる。
その時、アサミは戦うこともメモリーを使うこともできない。
今回は発動できたが、ミキの時に発動させられなかったのは、
マキを救うためにメモリーを使用することで限界だったからだ。
だが今回に至っては、気を開放して紅麗眼を発動させる間、近くの仲間に
守ってもらえる上に、敵と戦うことだけに専念できる。
全てを終わらすために、アサミは再び紅麗眼を発動させたのだ。
「くっ、ならこれでどう?ネオ・バースト!」
アヤの体を中心に爆発の渦が広まっていく。
周りにある物全てを消滅させながら、徐々にアサミを飲み込もうとする。
「これであんた達も・・・。」
アヤが言い終わるより先に、アサミがアヤに手を向けた。
その瞬間、一瞬にして爆発が消え去った。
- 736 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:15
- 「なっ・・・。」
「私の知能を甘くみないでほしいな。分解すればいいだけのこと。
私に魔法は効かない。」
アサミは淡々とした口調でそう言い放つ。
「このっ!」
アヤは両手に魔力を溜め込んで、アサミに向かって飛び出した。
「計算も間に合わないほどの、至近距離なら・・・。」
「重力制御・・・壱式、朱雀。」
ドゴンッ!
「ゴハッ・・・。」
アヤには、何が起こったのか全くわからなかった。
空中に弾き飛ばされた、それを認識したのは地面に倒れてからだった。
- 737 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:17
- 重力を無視したアサミの朱雀、それはまさに神とも呼べる速さだった。
そんな威力をまともに腹に喰らったアヤは、しばらくの間はまともに
呼吸すらできずにいた。
「紺野流とメモリーの力が混ざり合う時、私は真の力を出すことができる。」
「あぐっ、ぁぁぁ・・・。」
「まだ続ける?」
アサミは、紅い瞳のまま蹲っているアヤを見下ろした。
「もうやめよう。あなたでは勝てない。」
「ふざけ、ないでよ・・・私は、絶対にオロチを復活させる・・・。」
「そう・・・わかった。」
一度解いた構えを、アサミは再び構え直す。
- 738 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:19
- 「ライトニング・トライデント!」
ドゴーンッ!
突然、アサミの真下から光の渦が発生し、アサミを飲み込んだ。
それは辺り一面をかき消し、天井までも突き抜けるほどの威力だった。
「これで、死んだわね・・・。」
アヤは光の渦を見ながらにやけていた。
その直後に、ライトニング・トライデントが消え去った。
そして、そこにはほぼ無傷のアサミが立っていた。
「嘘でしょ・・・アヤヤの技を喰らって、生きてるなんて・・・。」
アヤの魔法は、一つ一つが軽く世界を破壊しつくせるほど強力だ。
それが、アサミには全く効いていなかった。
- 739 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:20
- 「言ったはずだよ。今の私には、あなたの攻撃は効かないってね。
何かくると思ったから、弐式、玄武で防御して、その瞬間に
ライトニング・トライデントを粒子に分解したんだよ。」
「ぐっ、これならどう!デス・メロディ!」
アヤが何人にも増幅し、右手に恐ろしいほどの魔力が溜め込まれて光りだす。
恐らくは、ナツミのシャイニング・フィンガーと同等、いや、それ以上の
力が右手に溜め込まれているのかもしれない。
少しでも触れるようなことがあれば、忽ち喪屑と化すだろう。
アサミは黙って増殖したアヤを見つめている。
「消えなさい!」
アサミに向かって、何人ものアヤが右手を翳して飛び込んだ。
- 740 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:21
- 「空気抵抗マイナス・・・参式、白虎!」
パァンッ!
一瞬にして、全てのアヤが吹き飛んでいく。
アサミの神速の拳が、分身したアヤを全部殴り飛ばしたのだ。
ダメージを受けたアヤが、一人に戻っていく。
それと同時に、アサミは飛び出した。
「地に携わる大気よ、我が拳に集え・・・肆式、青龍!」
アサミの拳から、巨大な龍が放たれる。
「くっ、このっ・・・。」
アヤは青龍を弾こうとする。
だが、先ほどの青龍とは大きさがはるかに異なり、力で押さえつけられる。
- 741 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:22
- アヤが青龍に飲み込まれた瞬間、
ドゴーーーーンッッッッ!!!
半端ではないほどの爆発音と共に、凄まじい砂煙が宙を舞う。
しばらくして砂煙が消えると、アサミの先の方には、何かが地面から噴出したような、
超巨大な穴が空いていた。
その中から、瀕死の状態となったアヤが、地面に這い蹲るようにして出てきた。
体中から血を流して、右腕はおかしな方向に曲がっていた。
それでもアヤは、異様なほどの執着心からか、アサミを睨みつける目は死んでいない。
「ゴホッ!ガバッ・・・。この、私が・・・。」
「(あと少しで紅麗眼が解ける。でも、そろそろ他のみんなも・・・。)」
「アサミッ!」
四大魔神を倒した他の仲間達も、アサミの傍まで駆け寄っていく。
- 742 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:22
- 「アヤ、ここまでだよ。終わりにしよう。」
「(つ、強い・・・オロチに力を注ぎ込んだとはいえ、アヤヤがここまで
やられるなんて・・・もしかしたら、ミキと同じくらいかもしれない・・・。
オロチが復活するまで、あと7%・・・それまで、アヤヤは負けない。
ミキと約束したんだから、絶対に、負けられな・・・えっ!?)」
アヤが頭を抱えて座り込む。
「そんな・・・うそだよそんなの・・・なんて・・・。」
「・・・?」
アサミ達は首を傾げながらも、アヤから目を離さない。
「嫌だよ・・・がいなきゃ・・・何も始まらないじゃない・・・。」
アヤの目から涙が零れていく。
- 743 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:23
- 「二人だけの世界を作るって・・・約束したのに・・・何で、
何でミキが死んじゃうのよ!?」
「・・・マキが勝った・・・。」
アサミは一瞬だけ笑顔になる。
が、その表情はすぐに崩れることになる。
「嫌だよ・・・そんなの嫌だーーーっっっ!!!」
突如、アヤの体が光りだしていく。
そして、禍々しい気が部屋中に充満していく。
「何・・・この力は・・・?」
「うっ、気持ち悪い・・・。」
「みんなっ!」
アサミ達が戸惑っている中で、マキが勢いよく部屋に飛び込んできた。
- 744 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:23
- 「マキッ!」
「ひどい傷じゃない・・・。」
「そんなことより、早くここから出るよ!なんか、嫌な予感がするんだ・・・。」
マキが大声で叫ぶ。
「けど・・・アヤはどうするの?」
「わからない・・・でも、ここにはいちゃいけない気がするんだ。
だから早く!」
「・・・わかったべ。みんな、私の近くに集まって!」
マキの言うことに応じて、ナツミが仲間を自分の元へ集める。
「いくよっ!テレポーテーション!」
ナツミが魔法を唱えると、部屋からマキ達の姿は消えていった。
ただ一人、アヤだけを残して・・・。
- 745 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:24
- 更新です。
- 746 名前:konkon 投稿日:2005/07/01(金) 23:26
- >151さん
書いていくたびにどんどんと悲しい対決になってしまうのは
なぜでしょう・・・?
次で物語は最終章となります。
>七誌さんデスさん
そこまで感動していただけるなんて、すごいありがたいです。
あと少しで物語は終わります。
それまでは、どうかお付き合い願います。
- 747 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/07/02(土) 11:56
- 更新おつかれいなですっ
いや〜・・・アサミ、前とは比べ物にならないほど強くなりましたね。
もうなんていうか・・・むちゃくちゃ強い☆(ぇ
けどー・・・なんか悲しい気持ちにもなりますね・・・
アヤとミキ・・・マキとミキ・・・とか。
こうなったら最後まで見ましょう!待ってます!
- 748 名前:151 投稿日:2005/07/02(土) 13:28
- 更新おつかれいな。
アサミにこんな能力があったんですね。
強い! これじゃアヤヤも押される訳だ・・・
戦闘は悲劇を生み出すものだから
仕方ないですけど、あとは愛ですよ愛!
- 749 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:42
-
守りたい人
- 750 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:43
- マキ達が現れたのは広い平野だった。
少し先にはモーニングの洞窟、そして、後ろの方にはミラクルナイトが停まっている。
「それで、どういうことなの?マキ。」
ヒトミがマキを振り返って聞いた。
マキは、ナツミに回復してもらいながらヒトミを振り返る。
「アヤに異変が起こったのはなんなの?あの力は何?」
ヒトミの問いに、マキは一息ついてから仲間を見渡していく。
「・・・たぶん、オロチが完全復活したんだと思う。」
「えっ!?」
「まだ時間があるはずでしょっ!?」
マキの答えに、仲間達は顔を見合わせる。
- 751 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:43
- 「アヤとミキ姉は惹かれ合ってたんだと思う。そこで私が・・・
ミキ姉を殺した。その反動で、アヤの中に眠っていた力が
オロチの力と共鳴して、完全復活を遂げたんだと思う。」
「そうだったんですか・・・。」
「ごめんね、説得できなかったよ・・・。」
マキは悲しそうに仲間達を見つめる。
「・・・マキは全然悪くないよ。」
「そうだよ。自分が正しいと思ったことをしたんでしょ?」
「・・・うん。」
「でしたら、マキの責任ではありませんよ。どちらにせよ、
オロチは倒さなければいけないんですからね。」
アサミの口調が戻っていた。
マキが気付くより先に、アサミの体が元に戻っていたのだ。
- 752 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:44
- 「アサミ・・・ありがと。」
マキは出てきた涙を拭って、洞窟の奥にある山の一角を見据える。
「・・・くる!」
マキの言葉に、全員がそちらに視線を向ける。
次の瞬間、
ドゴォーーーン!!!
山がまるで火山が吹き出たように、内側から大爆発が起こった。
そして、中から巨大な魔物がこちらに向かって歩いてくる。
それは一匹の巨大な龍だった。
しかし一匹ではない。
その龍には、体に八つの首がついていた。
単純に言えば、八匹の龍が一体化した感じであった。
しかも、その大きさは普通の龍の数倍はでかかった。
- 753 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:46
- 赤い龍がマグマを吹き出して、辺り一面を溶かしていく。
青い龍が吹雪を吹き出して、山を丸ごと氷で覆い尽くす。
黄色い龍が叫ぶと、周りに雷を落として燃やし尽くしていく。
緑の龍が叫ぶと、いくつもの木々が生えていき、一瞬で一つの森が出来上がる。
茶色の龍が叫ぶと、巨大な地震が起こって大地が割れて砕け散っていく。
灰色の龍が風を吹き出して、巨大な竜巻を巻き起こしていく。
白い龍が光線を吹き出して、山を一つ消し去ってしまう。
黒い龍が作り出した黒い球体に当たった山は、木や大地がまるで死んだように灰となっていく。
ほんの一瞬のうちに、いくつもの山が消し飛んでいた。
- 754 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:46
- 「なんなんや・・・あれは・・・?」
アイボンの呟きに答えられる者はいなかった。
いや、誰もがわかっていたが口には出せなかった。
それがオロチなのだと。
さらにまた、いくつもの山々がかき消されていく。
「あれが・・・オロチか・・・。」
「倒せっていうんか・・・あんなものを?・・・」
マキ達は呆然としていた。
オロチの強さは予想を遥かに超えていた。
「ん・・・アイ、あなたの千里眼でオロチの背中を見ていただけませんか?」
「背中に何かあるんか?」
アサミの疑問にアイが聞き返す。
- 755 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:48
- 「何か・・・人がいるように見えるのです。」
「・・・分かった。ちょっと待っとってや。」
アイが千里眼を発動させて、オロチの背中を見る。
「あれは・・・アヤや!アヤがオロチの背中に立っとる・・・いや違う、
何か腰の辺りまでオロチに埋まってる感じやな。」
アヤの体は、オロチの背中に立っている状態から、オロチの背中から出ている
触手のようなものに、腰まで巻き付かれている状態であった。
「・・・皆さん、私の話しを聞いてもらえませんか?」
アサミはゆっくりと話し始める。
- 756 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:49
- 「私の計算では、私達がまともにぶつかって勝てる可能性は・・・0%です。」
「えっ!?」
「あの一匹の龍には、最低四人はいないと倒すことは不可能でしょう。
私達は十二人ですから、単純計算で三匹、多くて四匹が限界です。
その間にも他の龍とも戦うことになるでしょうから、まず勝ち目はありません。」
「じゃあ・・・このまま殺されるのを待ってるしかないっていうの?」
リカは泣きそうな顔でアサミに聞いた。
「・・・皆さんの命、私に預けてもらえませんか?」
「えっ・・・?」
アサミの発言に、全員が目を見開いて驚いた。
「このままいくと、私達に勝ち目はありません。私に考えがあります。
ですから、私に命を預けてください!」
アサミは真剣な目で叫ぶ。
- 757 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:49
- 「・・・アサミのその考えなら勝てるのか?」
ケイがアサミに聞く。
今まで数々の戦闘に打ち勝ってきたケイでさえも、不安そうな表情をしている。
「少なくとも・・・0%ではなくなります。」
「なら乗ったわ。このまま死ぬんはごめんだしね。」
「アサミになら任せられるよ!」
「皆さん・・・では聞いてください。これから話す私の作戦は・・・
ある意味とても残酷なものです。もしかしたら死んでしまうかもしれない、
助けられないかもしれない、それをやっていただくことで、オロチを倒せる
可能性を導き出せます。」
「それは・・・どんな作戦なの?」
マリが恐る恐る聞いた。
- 758 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:51
- 「私がこれから指名する人は・・・あの龍一匹と、一人で戦ってもらいます。」
「!?」
誰も何も言えなかった。
あの龍一匹でも世界を滅ぼすことは十分可能であろう。
それと一人で戦えというのだ。
「カオリ、ケイ、マリ、リカ、ノゾミ、アイボン、アイ、マコト、
あなた方にこの仕事をお願いしたいと思います。」
「・・・。」
誰も返事をしようとしない。
「勝ってほしいとは言っていません。とにかく引き付けて
ほしいのです。・・・お願いします。」
アサミが深く頭を下げる。
- 759 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:52
- 「・・・アサミが頼むことじゃないよ。」
「何もせんで死ぬよかはマシやよ。」
「やるしかないんだろ。やってやるぜ!」
「・・・引き付けるだけでいいんでしょう?」
「死なない程度にがんばるわ。」
「負けないのれす!」
「任せておけ。」
全員から返事を受け取ると、アサミは笑顔で頷いた。
「ナツミとヒトミは、皆さんの援護に回って頂きたいと思います。」
「わかった!」
「どうすればいいべさ?」
ヒトミとナツミを見て、アサミは一つ首を頷ける。
- 760 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:54
- 「全員の姿が確認できるところから、戦いを見守っていてください。
そして、もし誰かが窮地に陥ったときは、ナツミのテレポーテーションで
回復に向かってあげてください。回復している間は、ヒトミがナツミを
守ってあげてください。」
「「OK!!」」
そこまで話すと、アサミがマキを振り返る。
「そしてマキ、あなたがアヤを討ってください。」
「アヤを?」
「オロチを倒すことは不可能です。ですから、アヤを止めることに
全てを賭けましょう。私がアヤのところまでお連れします。」
「だったら、ナツミのテレポーテーションで連れて行った方が、
速いんじゃないの?」
カオリの問いにアサミは首を振る。
- 761 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:56
- 「魔法では無理なんです。ユウコの話しでは、オロチの背中の周りには
バリアがされているようで、全ての魔法を無効にしてしまうとのことです。
そして、何者も入ることができない・・・。」
「じゃあ・・・どうやって入るつもりなの?」
「・・・私がバリアを消してみせます。このメモリーならば、
バリアを分解して中へと入ることも可能なはずです。オロチが
ここの平野まで降りてきたときが勝負です。最後の戦いです。
私を、信じてもらえますか?マキ・・・。」
アサミが真剣な顔でマキを見つめる。
マキはふにゃっと笑ってアサミを抱きしめる。
- 762 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:56
- 「マキ・・・?」
「私はアサミを信じてるよ。疑ったことなんて一度もない。」
マキがゆっくりとアサミを離す。
「そして、みんなも信じてる。」
マキが仲間達を見渡していく。
「これからみんなに三つだけ約束してほしいんだ。」
「三つもあるんかいな。」
アイボンは苦笑しながらマキを見る。
「一つは絶対に最後まであきらめないこと。一人でもあきらめたら、
この作戦は成り立たないからね。」
「そりゃそうや。」
「確かだな。」
アイとケイが頷く。
- 763 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:57
- 「二つ目は、この先にはミラクルナイトがある。だから、絶対に
ここで決着をつけるよ。」
「マキ・・・。」
「あれは私達の夢でもあるからね。壊させるわけにはいかないよ。」
マキはアサミにウインクして笑いかける。
「そして三つ目、絶対にみんなで生きて帰ろうね!」
「おーっ!」
マキの言葉に、仲間達は腕を上げる。
オロチはすぐ目の前の平野まで降りてきていた。
「それじゃあ、いくよっ!」
マキの合図と共に、マキ達は一斉に散らばっていった。
- 764 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 21:57
- 更新です。
- 765 名前:konkon 投稿日:2005/07/04(月) 22:01
- >七誌さんデスさん
アサミ、確かに最初の設定よりもめちゃつぇぇ・・・。
戦いとは悲しいものですね〜。
でも、そろそろ彼女達の戦いも終わりとなります。
その時までは、応援してやってください!
>151さん
悲劇続きのこの作品(汗)
そうですよね〜。
愛あらば〜、みたいな感じでいきたいもんですねw
- 766 名前:151 投稿日:2005/07/04(月) 22:06
- リアルタイムで更新おつかれいな。
とうとうこの時が来てしまったんですね。
この圧倒的な戦力差。うむむ・・・
- 767 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/07/05(火) 15:57
- 更新おつかれいなです。
とうとう来て欲しくない時が来てしまったんですね。
みんなのアサミへの信頼は素敵ですね。
最後の戦い、私も応援したいと思いますっ!
- 768 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:09
- マリが向かった先は青い龍だった。
「ちっ、マジでこんなでかい龍とやり合えっていうのかよ・・・。」
マリは辺り一面に吹雪を放っている龍を見て、大きな溜息をついた。
マリが溜息をつくのも無理もないだろう。
その龍は、顔の大きさだけで十メートルほどはあり、首の長さは数十メートルにも及ぶ。
マリがぶつくさと言いながら、剣を龍に向ける。
「爆発波!」
マリが青い龍に目掛けて爆発を起こす。
青い龍がマリに気付いて吹雪を放つ。
「爆風速!」
マリは爆発を足元に起こして、その爆風を利用して横に大きく跳んで吹雪から逃れる。
山を氷付けにするほどの吹雪だ。
少しでも喰らったら、一瞬のうちに固まってしまうだろう。
- 769 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:11
- 龍が、今度はマリを睨みつける。
すると、マリの周りを逃げ道がないほどの氷の矢が覆っていった。
「・・・なんちゅう数だよ。」
氷の矢が、四方八方から一斉にマリを襲う。
「爆炎陣、全開!」
マリを中心に大爆発が起こり、氷の矢を次々と砕いていく。
しかし、砕いてもなお氷の矢は増え続けていく。
「うおぉぉぉぉっ!」
マリは気力を振り絞って、さらに爆発の範囲を広めていく。
爆発が消えたあと、マリが肩で大きく息をしながら立っていた。
氷の矢を砕け切れなかったのか、マリの体中に擦り傷ができていた。
そして、一本の矢がマリの左腕を貫いていた。
青い龍は憮然とマリを見ている。
「勘弁してくれよ・・・早く終わらせてくれ・・・。」
マリは服の一部を破って貫かれた左腕に巻きつけ、再び青い龍と向かい合った。
- 770 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:12
- 白い龍が光の光線を吐き出してくる。
「エアーシューター!」
カオリは風を纏って、風を利用してそこから飛んで回避する。
光線が地面に当たった衝撃で、カオリは空高くまで吹き飛ばされる。
「くっ!」
なんとかバランスをとって体制を整える。
だが、
「!?」
気付いた時には遅かった。
白い龍が首を振ってカオリに突撃した。
- 771 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:12
- 「うそっ!」
カオリは風をかき集めて防御する。
「うあっ・・・・。」
さすがに受け止めきれずに地面に強く叩きつけられる。
カオリが脇腹辺りを押えながら大量の血を吐いた。
「ゴホッ・・・う・・・。」
内臓を強打したらしく、カオリの吐血は止まらない。
それでも、必死に立ち上がって白い龍を睨みつける。
「わ・・・私達は・・・負けられない・・・。」
カオリは魔法の詠唱を唱え始めた。
- 772 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:12
- 「ハァッ!」
アイが自分の元へと伸びてきた木の枝を斬り裂いた。
アイが向かった先は緑の龍だった。
緑の龍はいくつもの木々を生やしていき、それらの枝や根が次々と
アイに向かって斬りつけてくる。
「こんだけ木がたくさん生えてけば・・・温暖化防止にちょうどいいわ・・・。」
アイは冗談を言いながら木を斬りつけた。
アイのスピードは恐らく地上最速だろう。
あらゆるものを一瞬で斬りつけることができる。
しかし、そのアイのスピード以上に木々が生えて凶器となり、
アイに襲ってきているために、避けることすら困難となってきていた。
「くっ!」
伸びてきた枝を横に飛んで避ける。
次の瞬間、上から伸びてきたつるが刀を持っている右腕を縛り付けた。
- 773 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:13
- 「ちっ!」
刀でつるを斬ることもできずに、その間にも木々が剣と化してアイに迫ってくる。
「うちをなめんなやっ!火とんの術!」
アイはなんと、左腕を自分の右腕に向けて火とんの術を放った。
「うっ・・・ぉぉっ!」
アイを縛り付けていたつるを、右腕ごと燃やした。
さらに、アイの周りを覆っていた木々を燃やし尽くす。
しかし、アイ自身も酷い火傷を覆っていた。
右腕はすでに皮膚が焼けて黒こげとなっている。
「へへっ・・・うちの術って強力やな・・・。」
アイは自分の右腕を一瞥して、緑の龍へと向かっていった。
- 774 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:13
- 「くぉっ!」
黒い龍がいくつもの巨大な闇の弾を撃ってくる。
それをアイボンは電影速で避けていく。
その闇の弾は地面に当たれば灰と化していき、木々に当たればすぐに枯れていく。
もしそれがアイボンに当たれば、一瞬で死を迎えるだろう。
「(召喚したら的が大きくなるだけか・・・やっかいな敵さんや。)」
アイボンは避けながら掌に力を溜めていく。
「ちっ!」
アイボンが高く飛んで闇の弾を避ける。
その直後に、さらに闇の弾が飛んできた。
アイボンは体を捻って避けようとしたが、足を掠ってしまう。
- 775 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:14
- 「うぁっ!」
掠った足から、徐々にアイボンの体が石化していく。
「ハァッ!」
アイボンは予め溜めていた気を自分の胸に押し当てる。
すると、下半身まで石化した体が元に戻っていく。
「ふ〜、ナツミの光魔法覚えとらんかったら死んでたで。」
止まることなく、黒い龍が闇の弾を放ってくる。
「・・・生きて帰れたらええがな・・・。」
アイボンは一度大きく深呼吸して、黒い龍を睨みつけた。
- 776 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:14
- 「武人流弦術二十二式、鳳仙花!」
嵐のように降ってくる雷を避けながら、ケイは何本もの糸を硬直させて上に放っていく。
雷は針と化した糸に向かって降り注ぐ。
避雷針の原理を応用したのだ。
しかし、雷の威力が強すぎるため、糸を突き抜けて地面に帯電していく。
帯電した雷は、止まらずにケイを襲っていく。
「(繭玉の盾じゃ防ぎきれないか。ならば・・・。)」
ケイは糸を自分の周りで回転させていく。
「五式、山嵐!」
ケイを中心に竜巻が起こり、雷をかき消していく。
- 777 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:15
- だが、
「!?」
ケイに一発の巨大な雷が直撃した。
黄色の龍は台風の目、つまり竜巻の中心に雷を落としたのだ。
「うわぁぁぁっ!」
ケイはしばらくの間痙攣していたが、自分の胸を殴って無理やり立ち上がった。
「ハァッ、ハァッ、普通なら、死んでるね・・・。」
ケイは雷を喰らうほんの一瞬のうちに、繭玉の盾を作って
ダメージを軽減させていたのだ。
それでも計り知れないダメージによって、もうフラフラの状態だ。
「やれやれ・・・やるだけやってやるか・・・。」
ケイはよろよろと黄色の龍に向けて歩き出した。
- 778 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:15
- 赤い龍が、レーザーのような強力な炎を吹いてくる。
「風よ、我に力を与えよ!」
剣に風を纏わせて、マコトは大きく横に跳んで避ける。
炎が通ったあとは、地面を抉っって後方数十メートルにわたり、
跡形もなく燃え尽きていた。
「こんなの喰らったら終わりだな・・・。」
さらに赤い龍が炎を吹き出してくる。
今度はマグマのような炎で、岩や木々を溶かしながら向かってくる。
「ちっ!」
マコトは近くの大岩から高く飛んで、崖の上まで移動した。
- 779 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:16
- そこへ巨大な炎の弾が飛んでくる。
崖ごとマコトを吹き飛ばそうとしているのであろう。
「ぐっ、解放!」
剣を地面に突き刺して、纏わせていた風を解放する。
「もってくれよ、吸収!」
マコトは炎の弾を吸収していく。
だが、あまりの強さに吸収しきれず剣にひびが入る。
そして、吸収しきれなかった炎をまともに喰らって吹き飛ばされる。
「う・・・く・・・。」
マコトは両腕に大きな火傷を負いながらも立ち上がる。
「まだだ・・・まだいける・・・。」
マコトは強い眼差しで赤い龍を見据えていた。
- 780 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:16
- 茶色の龍が、耳が壊れるほどの大きさで吼える。
「のわったったーっ!」
直後に巨大な地震が起きて、ノゾミはなんとかバランスをとっていく。
さらにノゾミの足元が割れていき、ノゾミは底の見えない穴へと落ちてしまう。
「やばっ!」
ノゾミはなんとか壁に手を伸ばして落ちるのを防ぐ。
「百獣擬態、速猿擬!」
ノゾミは器用にも壁を登って地面に到達する。
茶色の龍がノゾミが出てきたのを確認すると、また吠え出した。
すると、いくつもの大岩がノゾミに向かって降ってくる。
「うそれしょ・・・。」
ノゾミはなんとか避けていたが、そのうちの一つがすぐ目の前まで迫ってきていた。
- 781 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:17
- 「竜人擬、双竜拳!」
ノゾミは岩に向かって双竜拳を放って粉々に砕く。
「どんなものれ・・・!?」
安心したのも束の間で、双竜拳を溜める時間もないままに、
茶色の龍が真上から突っ込んできた。
ノゾミは防御したが、余りにも威力があるために、地面に押し潰されていった。
数メートル下まで地面を突き進んだ後に、茶色の龍は首を上げていく。
ノゾミは潰れた地面に貼り付けられていた。
「くっ・・・。」
ノゾミは必死に起き上がろうとするが、左腕が動かない。
左腕が曲がるはずのない方向に曲がっていた。
完全に折れてしまっているようだ。
「うっ、・・・うわぁぁっ−−!!」
ノゾミは泣きながらも根性で立ち上がる。
「みんなれ帰るんれす・・・ノノも負けないれす・・・。」
ノゾミは動かない左腕を押えながら、茶色の龍の元へと走り出した。
- 782 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:17
- 灰色の龍が巨大な風の塊を放ってくる。
「零の突、極!」
リカが銀で強力な衝撃波を放って相殺する。
「(よし、あと数発は撃てるかな・・・。)」
今度は何発もの真空波が、あらゆる方向からリカに向かって襲ってくる。
それをリカは、身軽に避けたり銀を盾にして防いでいく。
「まだまだいけるわよっ!」
リカがそう叫んだ瞬間、
ゴォゥゥゥッ!
リカの体が浮いた。
- 783 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:17
- 「!?」
灰色の龍が起こした強風によって、体の軽いリカはほんの少しだが浮いてしまったのだ。
それによりバランスを崩したリカに、いくつもの真空波が放たれていく。
「キャーッ!」
リカは避けきれずに体中を深く斬られてしまう。
さらに、強風を起こしてリカを崖まで吹き飛ばす。
「うっ・・・。」
勢いよく崖に叩きつけられた衝撃で、リカは気を失った。
- 784 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:18
- 更新です〜。
- 785 名前:konkon 投稿日:2005/07/08(金) 22:20
- >151さん
本当にリアルタイムでしたね。
書き終えて更新したらレスが入ってるもんだから
びっくりしましたw
圧倒的・・・ですね。
>七誌さんデスさん
アサミの絶対の自信がなければできませんね。
きてほしくないとき・・・更新取りやめ希望ですか?(泣)
できれば最後まで続けたいです、ハイ(汗)
- 786 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/07/09(土) 00:17
- 更新おつかれいなぁ〜
みんな手強いっすな。
さすが最後の決戦ですなぁ・・・
- 787 名前:151 投稿日:2005/07/09(土) 18:02
- 更新おつかれいな。
かかかか怪獣だぁ〜!!!
圧倒的というかなんというか、
これじゃあ喧嘩になりませんねぇ・・・
- 788 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:12
- 「ん・・・生きてる?」
次にリカが目を覚ましたのは、ほんの数秒後かそこらだった。
それでも死んでないのは奇跡としかいいようなかった。
先ほどまで激痛が走っていた傷が、ほとんど消えていた。
「大丈夫だべか?」
「ナツミッ!?」
リカのすぐ目の前には、天使の笑顔を持つナツミの顔があった。
さらに前の方では、ヒトミがATフィールドを張って二人を風から守っている。
「そっか、二人が助けてくれたんだね。ありがとう!」
「まだやれる?」
「もちろん!」
リカは、銀を手にして灰色の龍に向ける。
- 789 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:13
- 「弐の突、伸!」
リカの銀が何十メートルと伸びていき、灰色の龍の目に突き刺さる。
灰色の龍からしたらゴミが入ったようなものだろうが、引き付けるには十分だった。
「ナツミ、ノノのとこへ行くよ!今度は彼女が危ない!」
「分かったべっ!リカ、あと少しだからがんばってね!」
「うん!ありがとう!」
テレーポーテーションで消えていった二人を見送ると、再び灰色の龍と向き合った。
「さって、今度はそう簡単にはやらせないからね!」
リカは銀を構えて、灰色の龍に向かっていった。
- 790 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:13
- 「今しかないね。」
「ええ、これが最後です。」
マキとアサミは、オロチから少し離れたところで仲間達を見守っていた。
そして、周りの龍が引き付けられている今が最大のチャンスだろう。
「紅麗眼、発動。」
アサミの眼が紅く変色する。
そして、手を上に上げる。
「重力制御・・・空気抵抗マイナス・・・風力上昇・・・。」
アサミはメモリーのボタンを押し続ける。
「行きます!」
アサミは二人の周りに結界を作り上げ、マキと共にもの凄い勢いで
空中に上昇していく。
ある程度まで上昇すると、その体制のまま止まる。
- 791 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:14
- 「マキ、話しがあります・・・。」
アサミがマキを振り返らずに話し始める。
マキからはアサミの後姿しか見えないので、表情まではわからない。
「私はマキのことが好きです。」
「アサミ・・・。」
「それが是にしろ非にしろ、この戦いが終わったら答えてくださいね。」
アサミが笑顔でマキに振り返る。
そして、すぐにオロチに向き直る。
「・・・いいよ。この戦いが終わったらね。」
「はい!」
アサミとマキは、猛スピードでオロチの背中へと向かっていく。
- 792 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:14
- あと少しというところで、横から巨大な氷の氷柱が襲ってきた。
マリが青の龍を完全に引き付け切れなかったようだ。
それが、アサミのすぐ目の前まで迫ってきている。
このスピードでは避けることができない。
「しまっ・・・。」
アサミが目を瞑った瞬間、いくつもの光の閃光が氷柱を粉々に砕いていった。
マキは閃光が飛んできた方を見てみると、マリを守っているヒトミの姿があった。
恐らくは何発ものハイパーレールガンを放って、氷柱を壊してくれたのだろう。
「助かった、のですか・・・?」
「うん、ヒトミに感謝しなきゃね。」
「そうですか・・・今度は私の番ですね。」
バリアの前まで近づくと、アサミが両手をバリアに付ける。
- 793 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:16
- その瞬間、激しい火花が飛び散っていく。
「アサミ!」
「私でも、このバリアの性質はわからないんですよ。ですから、
ここは私の精神力の勝負ですね。」
アサミの両腕の血管が切れて、皮膚を突き破って血が吹き出ていく。
すでにアサミの両腕は血で赤く染まっていた。
「アサミ、もういいよ!腕が使えなくなるよ!」
マキはアサミのことを止めようと肩を掴んだ。
しかし、それでもアサミは離そうとしない。
「あと少しなんです・・・絶対にあなたのことを、私がアヤのところまで、
連れて行きますから・・・。」
あまりの威力に、メモリーが少しづつ破れていく。
- 794 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:16
- 「うわぁぁぁぁっっっ!!!」
アサミの叫びと共に、バリアに大きな穴が開いていった。
「これで・・・入れますね・・・。」
アサミがふらついて前に倒れそうになったところを、マキが後ろから抱き止めた。
「無茶しすぎだよ。あまり、心配させないでよ・・・。」
「・・・はい。」
「それじゃ、行くよ!」
マキがゆっくりとアサミの体を離す。
その直後に、
ボンッ!
開いたバリアの穴から何かが飛んできて、アサミの体を吹き飛ばした。
「アサミ・・・アサミーっ!」
アサミは結界から飛び出して、オロチの上から転がるように落ちていった。
- 795 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:17
- 「くそっ!」
マキは結界から飛び降りて、アサミを追おうとした。
その瞬間、全ての時間が止まったように動かなくなった。
仲間達も、オロチすらも止まっていた。
もちろんマキも動けない。
『聞こえますか、マキ。』
「もしかして・・・RAVEなの?」
この声は耳ではなく、どうやら脳に直接届いているようだ。
『早くお行きなさい。今オロチを止められるのは、あなたしかいないんですよ。』
「そんな・・・アサミのこと放っておけないよ!」
- 796 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:18
- 『マキ、落ち着いて聞いてください。アサミが開けた穴は、すぐにでも
修復されてしまうでしょう。そうしたら、もう手の打ちようがありません。
今しかないんです。アサミだけではありません。仲間達が、マキのために
命をかけてくれたからこそ、ここまで辿りつくことができたんです。
最後はあなたの番です。この戦いを終わらせてください。』
「でも・・・でも、アサミは・・・。」
『アサミのことを思うなら尚更ですよ。早くこの戦いを終わらせて、
彼女のところへと向かうことが、あなたにとっても彼女にとっても、
最も望むことではありませんか?』
「・・・そうだね。わかったよ。アサミなら大丈夫だよね・・・
私、まだ答えを出してないんだから!」
『そうですよ。彼女を信じてあげてください。』
「それじゃ・・・あと少しで終わるから、力を貸してね!」
『はい。任せてください・・・。』
- 797 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:18
- 全ての時間が動き出す。
見ると、バリアが修復されてきている。
マキは急いでバリアの中へと飛び込んでいった。
オロチの背中に降り立つと同時に、アヤの手から強烈な光がマキに向けて放たれた。
「みんな、いなくなっちゃえーーっ!」
「うぐ、ぅ・・・。」
マキはコスモ・ノヴァを発動させて、なんとか防ぎきった。
そう思っていた。
だが、
ブシュッ!
「うぁっ・・・。」
恐らくは、ミキのダーク・ランデブーと似たような性質なのだろう。
マキの体中から血が噴き出した。
- 798 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:19
- 「ぬぐっ、ぅぅ・・・。」
血だらけになりながらも、マキは体を震い立たせる。
「何で、あなたはあきらめないの?」
アヤは、不思議そうな表情でマキを見つめる。
「わ、私には、守りたい人が、いるから・・・。」
「そう・・・なら、全てを消してしまえば終わるよね。これで、
あなたも終わるのよ。メモリーズ・イレイザー。」
アヤの手から、オロチの背中を覆いつくせるほどの、超巨大な闇の弾が
マキに向かって落とされる。
「う、うぉぉぉっ!」
マキは気力を振り絞り、闇の玉を剣で受け止める。
「私は、負けられないんだ・・・。」
しばらくは受け止めていたが、徐々に押されて片膝をついてしまう。
光が闇に飲み込まれ、マキは闇の弾の中へと消えていった。
- 799 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:19
- 更新です。
- 800 名前:konkon 投稿日:2005/07/11(月) 23:22
- >七誌さんデスさん
最後の決戦、みんな大苦戦ですね〜(汗)
あと五回くらいで終わりますw
>151さん
怪獣です(爆)
想像した中でも一番の怪獣です(謎)
喧嘩どころか、遊ばれてるのかも・・・w
- 801 名前:151 投稿日:2005/07/14(木) 18:41
- 更新おつかれいな。
やっぱりアサミは男らしいですね(笑)
マキ・・・どうなってしまうんでしょう?
- 802 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/07/14(木) 23:55
- 更新おつかれいな〜
う〜ん・・・なんともいえない展開・・・
マキはどうなっちゃうんでしょう?
- 803 名前:マコ 投稿日:2005/07/19(火) 22:11
- またまたお久しぶりです。
うわぁ なんだか大変な大魔王ですね。
この先が楽しみです、 早k(あせらせないでください)
それでなんですが ちょっとここで相談で。
この小説を 僕のサイトで公開したいのですが もし良ければデス。
娘。の小説を集めているわけではないのですが この話がすごく大好きなので おもいきって相談してみました。
- 804 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:10
- 「ここはどこなの・・・?」
マキは、闇の中を彷徨っていた。
周り一帯が闇に包まれていて、出口がどこにも見当たらない。
「くそっ・・・早くアサミ達を助けなきゃいけないのに・・・。」
しばらく歩いていると、マキの目の前に巨大な映像が映し出された。
それは、初めてヒトミと出会って笑い合った時の映像だった。
「何でこんなものが・・・?それにしても、懐かしいな・・・えっ?」
今見ていた映像が、薄くなって、最後には消えてなくなった。
「ヒトミの映像が消えて・・・えっ?ヒトミって・・・誰?
えっ、ちょっ、今の誰だったの!?」
マキは混乱し始めていた。
ヒトミの姿が思い出せない。
それどころか、ヒトミの存在が頭の中から消えていたのだ。
- 805 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:11
- 今度は、マキの両隣にリカとノゾミの映像が映し出される。
そして、消えていく。
マキには、何がどうなっているのか、全くわかっていなかった。
「何っ!?何なのよっ!?今のは・・・誰なの?私、知ってるはずなのに、
どうして思い出せないの!?」
同じように、周りに次々と仲間達の映像が映し出され、次々と消えていく。
誰と出会って何をしてきたのか、誰と戦ってきたのか、なぜ旅に出たのか、
なぜ自分がここにいるのか、何もかもが消えていく。
アヤも、そしてミキの存在、いや、家族の存在すらマキの記憶から消えていく。
最後に、マキが最も愛していた少女、アサミの映像が映し出される。
「アサ、ミ・・・。わ、私は・・・。」
マキが何かを言う前に、アサミの映像までもが消えてしまった。
マキの周りが、再び闇に包まれる。
- 806 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:12
- 「"私"は、誰なの・・・?どうして"私"はここにいるの・・・?」
マキは、小さく呟いた。
自分の存在理由すら、マキの頭の中から失われてしまっていた。
「わかんない、わかんないよ・・・。私は、何なの・・・?」
マキは思わず座り込む。
「もう、疲れたよ・・・。眠りたい・・・。」
目を閉じようとしたその瞬間、、マキは気付かなかったが、
右腕にはめているブレスレットが光り出した。
『な〜にやってんだよ。マキ。』
背後から誰かの声がした。
その声は、マキがもっともよく聞き覚えのある声だった。
「ヒ、ヒトミ・・・?」
マキは後ろを振り向いた。
そこには、ヒトミだけでなくアサミを除いた十人の仲間達が立っていた。
- 807 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:13
- 思い出してきた。
マキの記憶が、徐々に戻り始めていた。
『私達は、ここにいるだろ?』
『マキに出会ったから、私達はここにいるんだよ。』
『マキがいなければ、何も始まらなかった。』
『この戦いを終わらせよう。』
仲間達の言葉を、マキは呆然として聞いていた。
「そうだよ・・・そうだよね。みんなを守りたいから、
私はここにいるんだ。」
『最後まであきらめんなよ、マキ=ゴトウ。私達も手伝うからさ。』
『そうですよ。あなたなら、やってくれると信じてますから。』
今度は、マキの目の前にアサミが現れる。
- 808 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:14
- 「アサミ・・・。」
『まだ終わっていません。みんなで一緒に帰るって、約束しましたよね?』
「うん・・・約束したよね・・・。」
『マキ、これで最後ですからがんばってください。私はいつもあなたの傍にいます。
私達は、いつでもあなたの力になりますから。』
「そうだよね、私は・・・私は、一人じゃないんだよね。
私達は、絶対に負けられないんだ!」
ヒトミ達はマキの背中に手を重ねていく。
そして、アサミは手で剣に触れる。
直後に、真っ暗な闇が消え去って、マキを光が包み込んだ。
- 809 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:15
-
ドゴーーーンッッッ!!!
突然、天まで届くような巨大な光が包み込んだ。
闇の玉は一瞬にして消え去った。
アヤは、訝しげな表情をしてマキの方を見ている。
「何・・・?何が起きてるの?」
徐々に光が消えていく。
いや、マキのいた場所だけは、未だに光り輝いている。
そこには、十枚もの光の翼をつけたマキが立っていた。
マキの剣は、目を眩ますほどの強烈な光を発している。
- 810 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:15
- 「終わりにするよ。コスモ・ノヴァ、エターナル・ウイング。」
「何よそれ・・・もう、何もかも消えちゃえーっ!」
アヤが、次々と強力な魔法を放っていく。
それらは、マキが翼を羽ばたかせるだけでかき消されていった。
「うわぁーっ!」
魔法が効かないと知った上で、アヤはいくつもの魔法を放っていく。
「もう・・・終わりにしよう。」
「何よっ!あんたなんかにアヤヤの気持ちなんか・・・。」
「確かに、私にはわからないよ。でも、ミキ姉に頼まれたんだ。
アヤを救ってくれってさ・・・。」
「!?」
「そうでなくても、こんな悲しい戦いは、もうたくさんなんだよ。
アヤ、お願いだから、もうやめてよ。オロチを止めて・・・。」
マキは、悲しげな表情をしてアヤにそう言った。
- 811 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:16
- 「・・・無理よ。」
「アヤ!」
「アヤヤは、我が身を捧げることでオロチの復活を早めたの。
オロチを殺すのなら、アヤヤも死ぬことになる。逆に言えば、
アヤヤを殺せばオロチは消える。」
アヤの言葉に、マキは絶句した。
「オロチを止めたかったら、アヤヤを殺しなさいよ!」
「そんな・・・。」
「アルティメット・ウエポン!」
アヤが全てをかき消す気の渦を作り上げる。
それが、徐々にマキに迫っていく。
- 812 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:17
- マキの心の中で、様々な想いが行き交っていた。
自分を助けてくれた仲間達の力、自分を愛してくれているアサミの気持ち、
そして、マキは決心して前を向いた。
「・・・いくよ。」
マキが翼を羽ばたかせ、アヤに向かって猛スピードで翔んでいく。
全てを滅ぼす超破壊的な力、アルティメット・ウエポン。
だが、それすらも今のマキには無意味であり、気の渦を斬り裂いて
アヤに飛び込んだ。
「これで、決まりだっ!」
マキがアヤの体を斬りつけた。
アヤに巻きついていた触手が外れ、アヤは血吹雪を放ちながら、
オロチの背中に倒れていった。
- 813 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:18
- オロチが止まる。
オロチの体が少しづつ塵と化していく。
アヤは体から血を流しながらも、表情を変えずに空を見ている。
「なんでアヤヤが負けたの?」
アヤは、マキを見つめながら聞いた。
「何であなたはそこまで強くなったの?」
「・・・さっきも言ったよね。私には、守りたい人達がいるから・・・
その人達を守れるならば、私はどこまででも強くなる。」
「まぁ、別にいいけどね。ミキのいない世界なんて、作ってもつまんないし。」
「アヤ・・・。」
アヤは悲しそうな表情で空を見つめている。
「今度生まれ変わった時はさ・・・友達になろうね。」
その言葉に、アヤはマキを見上げた。
- 814 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:19
- 「・・・なれると思ってるの?」
「なれるよ・・・絶対になれるからっ!」
マキは涙を流しながら、そう声を上げた。
「・・・なれたらね。」
アヤは笑って答えた。
その時の笑顔は、今までに見たことがないほど、綺麗で優しい笑顔だった。
アヤは、本当は自分のことを分かってくれる、友達が欲しかったのかもしれない。
ミキとの関係は、友達というよりも、もっと別の関係にあったと思うから。
「(ミキ・・・。)」
『何?』
突然返事を返されて、アヤは目を開ける。
そこには、笑っているミキが手を差し出していた。
- 815 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:20
- マキはアヤを見つめている。
恐らくは、いや、確実にマキには見えていないのだろう。
『お疲れ様だね、アヤ。よくがんばったよ。』
「ミキ、アヤヤは・・・。」
『話しはあとで聞いたげるからさ、一緒にいこう。』
「・・・うん!」
アヤは、最後にマキを見上げる。
「バイバイ・・・。」
「・・・サヨナラ。」
アヤは空に手を上げて、ミキの手を握り締めた。
すると、アヤの体が光に包まれて消えていった。
「・・・アサミッ!」
アヤのことを見送ると、マキはオロチの背中を駆け下りて、
アサミの元へと向かっていった。
- 816 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:20
- 更新しました〜。
- 817 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:22
- 何かいろいろあって更新遅れてしまって
申し訳ないです・・・。
あとたぶん五回くらいの更新で終わるので、
読んでくれている方はあともう少しだけ
お付き合いください。
ではではレス返しに移ります。
- 818 名前:konkon 投稿日:2005/07/20(水) 21:25
- >151さん
男らしい・・・ですか?
自分の中ではおもいっきり可愛い女の子と
なっておりますw
まぁ、そこら辺は後ほどってことですかね(謎)
>七誌さんデスさん
本当ですよね〜。
自分で書いてて混乱してきちゃって、結局この形で
落ち着きましたけど・・・まぁ、そんな感じですw
>マコさん
すごくありがたい話しなんですけど、めちゃくちゃ
色んなとこから著作権が発動されて大変ですよ!
もしですけど、そのうちリメイクするつもりですから
その時になんかどうですか〜?
- 819 名前:マコ 投稿日:2005/07/20(水) 22:21
- まえのレスで sageるのを忘れまして 申し訳ありませんでした。
なんだか ラストシーン、 とっても泣けてしまいました。
やはり 完全な悪は 存在しないと言うことでしょうか。
更新おつかれいなです。
残りもがんばってください。
そうですね、 リメイクが決まったら そのときに サイトで公開させていただきますね。
- 820 名前:151 投稿日:2005/07/20(水) 23:50
- 更新おつかれいな。
う〜ん、まさに究極のバトルですね。
恐ろしい魔法でした。そして(略)
4日ほど留守にしますが、
おもいっきり可愛い女の子のアサミを
楽しみにしてます(笑)
- 821 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/07/21(木) 15:42
- 更新おつかれいな〜
おぉ〜とっても感動しました!
なんといってもみんな良い人なんですねっ!
そしてみんなの友情・・・完璧です!
- 822 名前:スペード 投稿日:2005/07/21(木) 23:02
- 更新お疲れさまです。
いよいよ終わりに近づいてきましたか。
なんか淋しいような気がします。
最後まで、頑張ってください!
- 823 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:22
- 「アサミ!」
マキがアサミの元へと駆け寄ると、すでにそこにはナツミの姿があった。
ナツミがいたことで安心したが、どうやら様子がおかしい。
「ナツミ?」
マキは近寄ってナツミに声をかける。
「なんで・・・なんでよ・・・。」
ナツミは涙を流しながら、アサミの体に手を当てている。
しかし、アサミに当てている手からは微かな光しか出ていなかった。
ナツミが回復をしたと思われたアサミの体は、まだ傷だらけのままだった。
意識は完全にないようだ。
- 824 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:23
- 「・・・ナツミ?」
「あと少しなのに・・・魔力が・・・切れちゃったみたい・・・。」
ナツミが泣きながら答える。
無理もないだろう。
モーニングの洞窟にきてからは戦いの連続、さらに仲間の回復を努め、
そしてオロチとの戦いでは、テレポーテーションを何度も使っていた。
今まで魔力が持ったことさえ奇跡に等しい。
「それじゃ・・・アサミの回復はできないっていうの・・・?」
「・・・。」
マキの呟きに、ナツミは何も答えられない。
- 825 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:24
-
『アサミ=コンノと申します。よろしくです。』
『宇宙に向かうための飛空挺、ミラクルナイトです。
この船で宇宙へ飛び立つのが私の夢なんです』
『怖くて仕方ない・・・死にたくない、 戦いたくないんです・・・』
『あの、その、あまり撫でないで下さいよ・・・』
『そ、そ、そ、そんなことありませんよ!すごく嬉しかったんで、
それで・・・。』
『完璧です!マキ、今回は私に任せていただいてけっこうですよ。』
『私を、信じてもらえますか?マキ・・・。』
『私はマキのことが好きです。』
- 826 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:25
- 笑っているアサミ、泣いているアサミ、怒っているアサミ、強気なアサミ、
照れているアサミ、真剣なアサミ、様々なアサミの表情が、マキの頭の中を駆け巡る。
「待ってよ・・・アサミ、起きてよっ!戦いは終わったんだよ!
私達の未来は、これからなんだよ!」
マキは、ナツミをどかしてアサミの肩を揺さぶり始める。
「アサミッ!目を覚ましてよっ!ねぇ・・・。」
「ちょっ、マキッ!」
「そんなの嫌だよっ!だって、私、まだ答えを言ってないんだよっ!
聞いてくれるんでしょっ!ねぇ、アサミってばっ!」
「マキッ!」
ナツミが強引にもマキの手を離させる。
マキは怒りとも悲しみともいえない表情で、体を震わせながら
アサミの顔を見つめている。
- 827 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:26
- 「私、アサミに助けてもらってばかりだったんだよ・・・。」
「マキ、お願いだから、落ち着いてよ・・・。」
「何もしてないんだ・・・私、何もしてあげられな・・・?」
そこで、マキは一つの考えを思いついた。
「ナツミ・・・他人の生命力を使うってことはできないかな?」
「えっ・・・?」
ナツミは、アサミからマキの顔に視線を移す。
「私の残ってる全ての力を、アサミの回復に回してあげたいの。
できるよね?」
「・・・できると思うけど、でも、今のマキじゃ・・・。」
「いいんだよ。アサミが助かるならね。」
マキはナツミの言葉を遮って話していく。
- 828 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:27
- 「アサミだけは助けたいんだ。そのためだったら、私なんかの命・・・。」
コンッ!
マキが話し終える前に、誰かが頭を小突いた。
マキが振り返ると、そこにはあきれた表情をしているヒトミが立っていた。
「ったくさ〜、どこまでも馬鹿だよね。あんたってさ。」
「・・・ヒトミ?」
「本当よ。アサミがいなきゃマキが苦しむみたいにさ、
アサミにとってもマキが必要なんだよ。」
後ろから歩いてきたリカが続く。
- 829 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:28
- 「アサミのことを想ってるのは、マキだけじゃないよ。」
「そういうことやよ。」
カオリとアイも近寄ってくる。
「私にとっても大切な仲間だ。」
「仲間を想う気持ちはみんな一緒だよ。」
ケイとマリも続いて向かってくる。
「何もマキ一人で背負うことじゃない。」
「みんなでやればいいことやろ。」
「ノノ達らって、アサミのことが大好きなんれすから!」
マコト、アイボン、ノゾミもマキ達の元へと歩いてきていた。
- 830 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:29
- 「みんな・・・ナツミ!」
「うんっ!」
マキの差し出した左手を、ナツミが右手で握る。
そして、マキからヒトミへと次々と手を握っていく。
マキ達は、ナツミとアサミを囲むように見守っている。
「みんなの力、少しずつだけど分けてもらうよ!」
ナツミの左手に、眩しいほどの光が集まっていく。
徐々にだが、光がアサミの体の傷を癒していく。
それとは反面、周りを囲んでいる仲間達の顔は苦しそうだった。
残りが底に近い体力を吸い取られているのだ。
誰もが立っているだけでも辛い状態だった。
- 831 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:29
- それでも誰も手を離そうとしない。
そんな状態が続く中、ナツミの手の光が次第に消えていく。
アサミの体は、ほとんどの傷が癒えていた。
それでも、アサミは目を開けようとしない。
「アサミは・・・どうなの?」
「・・・体が動く程度には、回復はできたはずだべ。これでも戻らなきゃ・・・。」
「大丈夫だよ・・・。」
マキはしゃがんでアサミのことを抱きしめる。
「絶対にアサミは戻ってくるよ・・・。絶対に・・・。」
マキが抱きしめていても、アサミの体が動くことはなかった。
- 832 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:30
- 更新です。
- 833 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:35
- ハロプロ紺、二日連続昼だけ参戦してきました〜♪
会場の雰囲気、ポスター等のトレードしていてわかったことは、
れいなの人気が石川、ごっちん、あややを抜いて
一位だったのはなかなかすごいと思いました。
最近自分がライブに行って誰に目がいくか(娘内)
愛ちゃん>=れいな>=ミキティ>=紺ちゃん>=その他w
名前変更した方がいいのだろうか・・・?
さて、ライブ日記もこの小説では最後です。
うざいと思っていた方、ごめんなさい!
レス返しに移りま〜す。
- 834 名前:konkon 投稿日:2005/07/24(日) 19:42
- >マコさん
そうですね〜。
色々と歯車が噛み合わなくって、悲しい結末を迎えるという、
そんな小説になりましたね。
本当の悪は、そうはいないんでしょうね〜。
>151さん
究極の魔法、最後の最後まで予定になかった技ですけど、
こういうのもありかな〜みたいな感じでしたねw
可愛いアサミ・・・どうしよ〜(超汗)
>七誌さんデスさん
そう言っていただけるとありがたいです。
最高の友情を、みたいなラストが描きたかったんです。
ミキティもアヤヤもいい人です♪
>スペードさん
そろそろ終わってしまいますよ〜。
まぁ、まだ別の小説も控えているんでやることは
残りまくってますけどねw
あともう少しだけ、お付き合いください!
833の付け足し
紺ちゃんもその他のみんなも大好きですよ〜♪
- 835 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/07/25(月) 18:39
- 更新おつかれいな〜
みんなのアサミを想うその心・・・まさに完璧です!
なんか一瞬涙が出そうになりました・・・。
本当にみんなの友情は素晴らしいデス。
ナツミも限界までがんばって・・。
続きを待ってます!
- 836 名前:151 投稿日:2005/07/26(火) 22:57
- 更新おつかれいな。
仲間はいいねぇ。心を潤してくれる。
リリンの生み出した文化の(ry
アサミに愛を!
- 837 名前:マコ 投稿日:2005/07/26(火) 23:38
- お疲れ様です。
そうですか、 みんなの力を・・・・。
素敵な結末をきたいしています。
仲間ってすばらしいですね。
- 838 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:25
- 「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・。」
アサミは走っていた。
綺麗な花が満面に咲いている、まるで天国のような場所なのだが、
今のアサミは必死になって、そこをひたすら走り続けていた。
「逃げても無駄ですよ。」
すぐ目の前に影が現れる。
アサミは足を止めて、その影を見据える。
その影が徐々に形を成していき、背中に羽を生やした少女となった。
一見天使にも見えるのだが、その姿には合わない巨大な鎌を手にしている。
「・・・あなたは、一体何者なんですか?ここはどこなんですか?」
アサミは、息を整えながらその少女に聞いた。
- 839 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:26
- 「私の名はコハル。ここは生と死の境界線、デッド・ラインです。
普通はくることのない場所ですけど、稀にここへ赴く者もいるんです。
私はそのような者達に、安らかな死を与えし者です。」
「・・・生き返る、方法は?」
「残念ですけど、今だかつてありませんでしたね。」
コハルの言葉に、アサミは口を閉ざした。
「もう逃げないほうがいいですよ。ここで私に殺されなかった人達は、
地獄へと墜とされることになっています。そのために私がいるのです。
あなたは天国にいける、それでは不服ですか?」
「私は・・・生きたいです。大切な人達と共に、生きていきたいんです・・・。」
アサミは、震える口調でそう答えた。
- 840 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:27
- 「先ほども言った通り、生き返れる方法はないのです。
あきらめてもらえませんか?」
「・・・。」
「死は苦痛ではないですよ。すぐに安らかな眠りにつくことができます。」
そう言って、コハルはアサミに近づいていく。
そして、手にした鎌を振り被る。
アサミはその場を動こうとしない。
「あなたは十分に戦いました。もう眠りなさい。」
「マキ・・・。」
アサミの体に、鎌が振り下ろされる。
キンッ!
「えっ?」
コハルの鎌を、誰かが受け止めた。
コハルは、目を細めて目の前に現れた影を見据える。
- 841 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:28
- 「大丈夫、アサミ?」
「あ・・・マキ・・・。」
アサミは、涙ぐんで目の前に立っているマキの名を呼んだ。
マキは空いている手で、アサミの頭を撫でつける。
「アサミ、行くよ。みんなのところに戻ろう。」
「待ちなさい。あなたはどのような方法でここにこれたのです?
そして、あなたが今やろうとしている行為がどのようなものか、
それをわかっているのですか?」
コハルは、マキとアサミを交互に見つめて聞いた。
「もし、彼女を生の世界へと連れて行くようなことをしたら、
それは時代を狂わすこと、すなわち神の怒りを呼び起こす
行為なのですよ?そんなことをしたら・・・。」
「関係ないね。」
コハルの言葉を遮って、マキは不適な笑みでそう言った。
- 842 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:29
- 「アサミを守れるのであれば、私はどこにだっていける。
アサミの笑顔が見れるなら、例え神様だろうと悪魔だろうと、
相手になるよ。」
「マキ・・・。」
「じゃ、そういうことだから。」
マキは光の翼を広げ、アサミを抱きしめて飛び上がった。
「くっ、なんとしてでも止めないと・・・!?」
コハルも飛ぼうとしたのだが、誰かが羽を掴んで止めていた。
振り向くとそこには、二人の女が立っていた。
「なぜ、あなた達までここに・・・。」
「行かせてやりなよ。でないと、殺すよ?」
「・・・。」
コハルは、羽を掴んでいる者の顔をじっと見つめる。
その者もまた、不適な笑みを浮かべてコハルを見ている。
- 843 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:30
- 「あなたは、本当は優しい人なんですね・・・。」
「別に。そんなのあんたには関係ないじゃん。」
「・・・今回だけですよ。」
そう言って、コハルはそこから消えていった。
「どうしてこんなことをしたの?」
「ん〜、まぁ、最後に一回くらいは、"姉"らしいことでも
してあげようと思ってね。さて、用事も済んだことだし、
行こうか?」
「うん。」
その者達は、笑いながらデッド・ラインから消えていった。
- 844 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:31
- マキとアサミは、ひたすら上を目指して飛んでいる。
そこで、先ほどからアサミの体が震えていることに気付いた。
「どうしたの、アサミ?」
マキは優しくアサミに聞いた。
「マキ・・・私は・・・。」
アサミは、マキを強く抱きしめる。
「すごく、怖かった・・・死にたくなかい、まだ生きていたいんです・・・。」
「うん、もう大丈夫だから。」
マキもアサミの体を抱きしめる。
「ありがとう・・・本当に、ありがとうございます・・・。」
「大丈夫、アサミのことは私が絶対に守るからさ。
あっ、そろそろ着くよ。」
アサミが上を見上げると、そこには光の輪を作り上げている、
仲間達の姿があった。
「アサミ、帰るよ。みんなのところにね。」
「はい・・・。」
そうして、マキとアサミは光の輪の中に飛び込んでいった。
- 845 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:32
- 「・・・ん。」
アサミがゆっくりと目を開ける。
最初に目に入ったのは、マキの顔だった。
「アサミ・・・。」
「・・・マキ・・・。」
アサミは、マキに強く抱きつかれながら周りを見渡す。
周りには、泣きながら、それでも笑顔でアサミ達を見ている、
仲間達の姿があった。
「よかった・・・本当に、よかった・・・。」
マキは泣いているようだった。
そんなマキの頭を、アサミは優しく撫でてやる。
そして、仲間達を順々に視線を移していく。
- 846 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:33
- 「皆さんの想い、私まで届きましたよ。本当にありがとうございました。」
アサミは軽く頭を下げる。
「よかった〜。」
「うんうん!」
「アサミ・・・。」
「無事帰ってこれたんだね・・・。」
「・・・うむ。」
「全く嬉しいやね。」
「心配させやがってさ〜!」
「うちはアサミのこと信じてたで!」
「それはみんな同じでしょ。」
仲間達は涙を流しながら、アサミを迎え入れる。
- 847 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:33
- 「・・・おかえり。」
「・・・ただいまです!」
泣きながらも笑って言ったマキの言葉に、アサミは元気に返事を返した。
「終わったんですね・・・。」
アサミがそう呟くと、マキはゆっくりと頷いた。
「うん・・・終わったんだよ。」
「マキ、帰りましょう。」
「・・・そうだね・・・みんなで帰ろう。」
マキはアサミを抱き起こして、仲間達と共にミラクルナイトへと歩き出した。
- 848 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:34
- 更新です〜。
あと・・・三回かな?
- 849 名前:konkon 投稿日:2005/07/28(木) 21:37
- >七誌さんデスさん
完璧です!
この言葉、もう少し多く使いたかったです・・・。
友情ってやっぱりいいもんですね〜♪
>151さん
未だにカオル君にはまってます(爆)
アサミには友情愛?
それとも・・・?
どうしよ〜(汗)
>マコさん
幸せな結末となりまし・・・た?
あとちょいなので、なんとかします(超汗)
- 850 名前:マコ 投稿日:2005/07/29(金) 20:23
- キターーーー。
コハルキタ〜〜〜〜。
いきなり悪役 しかもこれが初ではないでしょうか(と勝手に推測)
あと3回ですか、 がんばってください。
ps
前に1枚のスレッドを無駄にしてしまうと言う失敗をしてしまったのが どうも気になってしかたないので・・・・。
夏休み明けから 完全復活した光と闇をやりたいと思ってます。
ただ、 まだまだ準備不足なので 完全になったら また報告します。
- 851 名前:151 投稿日:2005/07/31(日) 00:13
- 更新おつかれいな。
この人の登場も間に合いましたね!
そして名ゼリフ逆バージョンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
愛の形はkonkonさんのお好きなようにw
- 852 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/07/31(日) 01:57
- 更新おつかれいな〜。
おっなんとまぁ、思ってもみない流れで;
私的には結構好きですねぇ・・・(何が
「完璧です!」もっと使ってやってくださいw
- 853 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:50
-
答え
- 854 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:53
- オロチを倒してから二日後、シャルウィーの町の公園は、祭りで賑わっていた。
マキ達がオロチを倒したとの報告を受け、町の人々は歓喜に包まれてすぐに騒ぎ出した。
その祭りの主人公達は、もちろんオロチを倒したマキ達であったが、
全員が重症のために町の人々が気を利かせて、みんなの体力が戻ったら
始めるとのことで今に至る。
公園では、歩くことができないほどにたくさんの人と、ありったけの
食べ物や酒で埋もれていた。
「お〜お〜、何一人で飲んでんだいBABY?」
ヒトミが、木に寄りかかって酒を飲んでいたマコトに話しかける。
ヒトミは笑顔でジョッキをマコトに向ける。
- 855 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:54
- 「マコト、今までお疲れさん。」
「・・・ああ。ヒトミもな。」
カチャン
二人は軽くジョッキを合わせる。
「一人で飲んでたってつまんないっしょ?どう、どっちが飲めるか勝負しない?」
ヒトミが酒を持ってマコトと向かい合う。
「・・・おもしろい。」
マコトは微笑してヒトミと目を合わせる。
「おっ、乗ってくるとは思わなかったぞ。」
「なら聞くなよ。」
「ヘヘッ、マコトもやっぱり変わったよな〜。」
「・・・まぁな。」
マコトは、口元に笑みを浮かべて答える。
- 856 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:54
- 「よっしゃ、そこら辺のことはまたあとで話すということで、
始めるよっ!よーい、ドン!」
マコトとヒトミは、持っていた酒を一気に飲み干した。
「お、最初の勝負は互角ですかね♪さって次は・・・。」
ヒトミが次の酒を探そうと周りを見渡した。
しかし、いつの間にか大量の酒が二人の前に置かれていた。
周りには、何人ものギャラリーが集まっていた。
恐らく二人の勝負に興味を持ち出して、酒を用意したのだろう。
「こりゃ〜、期待に答えなきゃね!」
「ふん、私は負けん。」
そうして、二人は必死になって酒を飲み続けた。
- 857 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:55
- 「さあさあ、皆さん集まって〜!」
ノゾミとアイボンは、公園の中心で周りの人々を手招きして呼んでいる。
それに興味を持ち出した何人もの人達が、二人の周りに集まっている。
「さってこれからノゾミ=ツジと〜、」
「アイ=カゴによる、」
「「イッツ・ア・漫才・タイム!!」」
「「「(何で漫才だけ日本語なんだ?)」」」
観客達はそう思ったが、そこで突っ込む者はいなかった。
「さって、これからみんなにうちらが本物の漫才とはどういうものか、
教えてってあげるわ〜。」
「そうれす。漫才とはれすね、とっても綺麗になるんれす!」
「そうそう、めちゃくちゃ綺麗になる、ってそりゃ洗剤やっ!」
アイボンが鋭い突っ込みを入れる。
- 858 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:56
- 「あれ?手を上げて喜ぶんれしたっけ?」
「嬉しい時にはこれやな〜、ってそりゃバンザイやっ!」
「悪いことはしちゃいけませんよ。」
「捕まらなきゃええんや、ってそりゃ犯罪やっ!」
「アイボン、そんなことを思ってたんれすね・・・。」
「いや、冗談やからっ!ええか、本当の漫才っつうのはな、
うちみたいなことを言うんや!」
「・・・?」
「そりゃ天才やっ!ってそう突っ込めや〜!」
「アイボン、無理があるれすよ。」
「なんでやねんっ!」
二人は初めてとは思えないほどのコンビで、周りの人達に笑いを呼び起こした。
オロチからの恐怖から逃れることができたためか、人々は二人の漫才を見て
ずっと笑っていた。
- 859 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:56
- 「ん〜、やっぱこれに限るわ!」
アイは木に寄っかかって座りながら、酒のつまみをひたすら食べ続けていた。
アイは酒よりもつまみにしか興味がなかった。
「アイ〜、ん〜、か〜わいい〜!」
アイは、突然横から誰かに抱きしめられた。
顔を赤くして酔っているナツミだった。
「ちょっ、ナツミ!酔いすぎやって!」
「ん〜、そんなことないべさ・・・。」
なんとかナツミを離そうとするが、全然離れる素振りが見られない。
「ナツミ〜、どこ行ったのよ〜?」
少し先から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
- 860 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:57
- 「ここにおるわ。」
「ああ、アイと一緒だったんだ。」
アイの元へとやってきたのはカオリだった。
「よかったわ、カオリはまだ酔って・・・。」
「ナツミは寝ちゃったか。仕方ない、アイ、ちょっと聞いてよ〜。
みんながね、カオリのことが変だっていうんだよ〜。あとさ、
カオリがちょっとぼーっとしてたら交信中だって!ひどくない?
それにね・・・。」
「(自分のことをカオリって・・・ってことは、また始まるんか・・・。)」
アイの経験論、カオリは酒に酔うと自分のことをカオリと呼ぶ。
そして、延々と長い時間、説教だか愚痴だかよく理解できない話しを始める。
- 861 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:58
- 「だいたいね、あなたお酒飲んでるの!?」
「いや、うちは酒に興味ないし。それに・・・。」
「いいから飲め飲め〜!」
カオリは持っていた酒を、強引にもアイに飲ませる。
「うえ・・・もう、ちょっ、聞けやっ!うちはまだ飲める年じゃないんやよっ!」
この世界では、飲酒に対する年齢制限はない。
だが、酒が嫌いなアイは言い訳をするために、咄嗟に嘘をついた。
「・・・いいな〜、若いって。カオリなんてね、この年で結婚してないからってね、
おつぼね係りとか言われちゃったんだよ〜。それでね、この間なんかね〜・・・。」
「(勘弁してくれ〜・・・。)」
その後、カオリのくだらない話しを、何時間と聞かされるはめになったアイであった。
- 862 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 21:59
- 「たまにはいいかもね。」
ケイは、酒を片手に賑わう人達を見て回っていた。
「平和だな・・・。」
自分達の手で世界を守れたことを改めて実感し、喜びに浸っていた。
その時、
「ケイ!飲んでんのかよ〜!?」
後ろから誰かに抱きつかれた。
ケイが後ろを振り向くと、泥水状態となっているマリが見えた。
「そうよ〜!こんな日は飲むのが一番だわっ!」
さらに、横からリカが足をふらつかせながら、ケイに抱きついてくる。
「ハァ・・・ほら、あんた達離れなさい。」
ケイが掴まっている腕を振りほどくと、二人はおぼつかない足でケイを見上げる。
- 863 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 22:00
- 「何だよ〜、全然飲んでないくせにさ!」
「あんた達よかは飲んでると思うけど?」
「その割には酔ってないじゃな〜い!」
「私は強い方なのよ。」
二人の質問にあっさりと答えて、ケイは歩き始める。
「あ、こらっ!逃げるなよ〜!」
「ちょっと待ちなさ〜い!あっちにお酒がまだたくさんあるんだから〜!」
二人はケイの両腕をそれぞれ掴んで離さない。
「やれやれ・・・付き合ってやるか。」
ケイは仕方なしにといった感じで、それでも笑って二人に引っ張られていった。
- 864 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 22:00
- 更新です。
ラスツーかな?
- 865 名前:konkon 投稿日:2005/08/01(月) 22:05
- >マコさん
ん〜、コハルは悪役のつもりはないのですけど・・・。
あと少しです。
どんなラストにしよっかな〜♪
>151さん
最後の最後でぎりぎでしたよ(汗)
まぁ・・・彼女の性格はまだわからんので一話のみですけど
とにかく出したかったんですよね〜w
愛の形は・・・では、やりたいようにやらせてもらいますよ(謎)
>七誌さんデスさん
期待を裏切りましたか〜・・・やったーっ!(爆)
完璧です、あと何回使えるかな・・・ってここでは
もう無理ですね(泣)
また次の機会にでも完璧の荒らしをやってみますねw
- 866 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/08/02(火) 21:36
- おぉみんな楽しそうですなw
マコトは・・・いい意味で性格変わりましたね(苦笑
あと何回完璧が聞けるんでしょうねぇ?w
ラスツー、がんばってください!
- 867 名前:151 投稿日:2005/08/03(水) 21:13
- 更新おつかれいな。
まさにRPGのエンディングって感じですね(笑)
いやっほう懐かすぃ・・・
さ〜て、お二人さんは?
- 868 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:07
- マキは一人、研究所の屋上で手摺りに寄りっ掛かって、町の様子を見ていた。
何かを見つめているわけでもなく、ただぼーっとしていた。
「ここにいらっしゃったんですか?」
アサミが後ろからやってきて、マキに話しかける。
マキはゆっくりとアサミを振り向いた。
「こんな所にいないで、あなたも町で楽しんできたらいかがです?」
「ん〜、もう少ししたら行こっかなってね。アサミこそ行かないの?」
「私はマキと一緒に行こうと思ってたんですよ。」
アサミはマキの手前まで歩いていって、あと一歩というところで止まる。
「別にいいじゃん。私がいなくてもさ?」
「私はマキと一緒にいたいんです。」
アサミが真剣な目でマキを見上げる。
- 869 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:09
- 「そっか・・・ありがとう。」
マキは、アサミから視線を外して空を見上げる。
「アサミにはさ、いつも助けてもらってばっかだったね〜。」
「そ、そんなことないですよ。」
「アヤと戦ってた時にさ、私は負けそうになって半分あきらめかけてたんだ。
アヤの想像以上の強さに、手が出せなかった。でもね、アサミが、
みんなが力を貸してくれたんだ。最後まであきらめない力をもらった。」
「私達がですか?」
アサミは手を顎にやって思い出す。
「うん。あの時にアサミ達が力を貸してくれなかったら、今もこうして
アサミと話すことは、できなかったかもしれない。」
「・・・きっと、私達のブレスレットが力を貸してくれたんですよ。」
「ブレスレット?」
マキは、自分の腕についているブレスレットに目をやる。
- 870 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:10
- 「ええ、私も助けられましたよ。あの世に連れていかれそうなときに、
マキが助けてくれました。そして、仲間達が私を生の世界へ
導いてくれました。お礼が言いたいのはこちらのほうですよ。」
「そうなんだ・・・君が力を貸してくれたんだね。ありがとう。」
マキは自分のブレスレットを優しく撫でる。
「私、アサミに出会えて本当によかったよ。」
マキの言葉に、アサミは顔を赤くして照れていた。
「ところで、何か悩み事ですか?」
アサミが思い出したようにマキに聞いた。
「・・・考えてたんだ。これから先のことをね。」
「そうだったんですか・・・。」
「戦いが終わってからずっと考えてた。私なりの答えを出すためにね。」
マキはアサミを優しく抱きしめる。
「マキ・・・。」
「私の出した答えはね・・・。」
- 871 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:10
- 「ここは・・・?」
「どうやら地獄への入り口みたいだね。」
目が覚めたミキとアヤは、周りを見渡した。
そこは洞窟のような中で、どこかへと続く道の途中のようだ。
片方は行き止まりで、もう片方は奥の方に大きな扉が見える。
「それにしてもさ、案外やられるの早かったよね。もうちょっと
かかるかなって思ってたんだけどさ。」
「・・・うるさいな〜。」
アヤはふてぐされて頬を膨らます。
「まあ、アヤはなんとなくこっちにくると思ってたよ。」
「何、アヤヤじゃ世界を滅ぼせなかったっていうの?」
「うん。だってミキがいないんだもん。」
アヤは一つ溜息をついて、ミキに顔を近づける。
- 872 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:11
- 「あなたの妹って、どういう頭してんのよ?今度生まれ変わったら、
友達になろうなんてさ!」
「・・・あの子らしいよ。」
「どうせアヤヤは地獄にくるんだから、生まれ変わることなんて
あり得ないのに・・・でも・・・。」
「でも?」
「う、嬉しかった・・・かな。」
「・・・そっか。」
アヤの言葉に、ミキは口元を緩める。
「あ〜あ、アヤヤ達の世界、創れなかったか・・・。」
「まぁ、これはこれでいいんじゃない?」
「何で?」
アヤは首を傾げて聞き返す。
- 873 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:12
- 「あっちの世界はマキ達にあげてもいいじゃん。それよりもさ、
こっちの世界の方がやりがいがあって、楽しそうじゃない?
ミキ達の望む世界にね。」
「あ〜、そういうことね。」
「地獄だったら悪いやつしかいないし、殺すことも死ぬこともない。
これなら、マキも文句は言わないでしょ。ってか聞こえないけどね〜。」
ミキは笑ってアヤに手を差し出す。
「今度は守るよ。アヤとの約束をね!」
「うんっ!」
アヤは嬉しそうに手を握り返して、二人は地獄へと向かって歩き出す。
- 874 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:13
- 「考えてみたんだけどさ、今度は四天王とかベリーズも、本当の仲間に
してあげるのもいいかもね。」
「そうだね〜、レイナなんか退屈しなくて済むんじゃない?
地獄には強いのがいるんだろうからさ。」
「逆にサユミは悲しがってんじゃないの?可愛い服が着れない!とか言ってさ。」
「ニャハハッ、それはありえるね〜!」
二人は笑いながら扉に近づいていく。
その時、扉の前にいくつかの影が現れた。
ミキはすかさず剣を構えるが、その面々を見て剣を下ろした。
「お疲れ様です。ミキ様、アヤ様。」
ミキ達の前に現れた者達は、オロチ四天王の四人と、ベリーズのモモコだった。
- 875 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:13
- 「ミキ達も負けちゃった。ところで、まだ中に入ってなかったの?
しかも、何でそんなにぼろぼろなのよ?」
ミキは不思議そうな表情で四天王達を見つめる。
モモコを除く四人は、特に怪我をしていたわけではなかったのだが、
服や髪が切れていたり乱れていた。
また、周辺の壁や地面には、いくつもの大きな穴が空いていた。
「エリ達も入ろうかと思ったんですけど、先ほど何体かのベリーズ達に
対戦を申し込まれたもので、戦ってたんですよ。まぁ、軽〜く絞めて
あげましたけどね♪」
「よく言うわよ。もう、大変だったんですよ。エリを暴走させないように、
サユ達だけでなんとか追い払ったんです。」
「エリが暴走したら、誰にも止めることができないですからね。」
エリ、サユミ、リサの順に答える。
ミキとアヤは、苦笑いを浮かべて顔を見合わせる。
- 876 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:15
- 「ミキ様、アヤ様、今後はどのようになされますか?いかなる命令にも、
エリ達は応えてみせます。」
「エリ、敬語はやめてよ。オロチは死んだんだから、ミキ達との
関係はもう、主従関係じゃないんだよ。」
「ですけど、オロチ様の力はお二人の中に存在してますから、
エリ達の主人には変わりありませんよ。」
「そうかもしれないけど、その態度はやめてほしいな。」
ミキの言葉に、エリは悲しそうな表情をする。
「では、エリ達は用済みということですか?」
「そういう意味じゃなくてさ・・・今度は、その、"仲間"として、
ミキ達に手を貸してくれないかな?」
「ミキ様・・・ありがとうございます!」
「ほらっ、敬語はやめるって言ったばっかじゃん。」
また敬語を使うエリに、ミキは優しく微笑んだ。
- 877 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:16
- 「へ〜、じゃあ、私もミキって呼ばせてもらおうっと!」
「ミキ・・・か。言い慣れないものだな。」
サユミとリサは、すぐに対応する。
そこで、レイナだけが黙っていることにミキは気付いた。
「レイナ、どうしたの?」
「・・・ミキ"姉"。」
「へっ?」
「どっか寂しそうな顔してるけん、レイナはそう呼ばせてもらうっちゃ。
それとも、レイナじゃ不服とね?」
ミキは一瞬呆けた表情をしたが、すぐに笑って首を振った。
「そんなことないよ。ありがとう、レイナ。」
ミキはレイナの頭を軽く撫で付ける。
そのあと、先ほどからじっとミキを見つめている、モモコと視線を合わせる。
- 878 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:16
- 「モモコ、他のベリーズ達はどんな感じ?」
「はい、私とマイミ以外のベリーズ達は、先ほど四天王達に地獄に
放り込まれたので、きっと中で暴れているでしょう。マイミは
なぜか、ここでは見ていません。あの子も死んだはずですが・・・。」
「なるほどね。まぁ、マイミはたぶん、あっちの世界に戻れるよ。」
「どういう意味〜?」
横で話しを聞いていたアヤが、ミキに聞いた。
「あの子は善悪の区別がつかなかった。だから、まだやり直せるんだと思う。
マイミは生まれ変われるってことだよ。」
「ふ〜ん。」
納得したのかしてないのか、アヤは曖昧な返事をした。
- 879 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:18
- 「まぁ、これからもよろしくね、モモコ。」
「はいっ!」
モモコは、嬉しそうに元気な返事を返した。
そして、ミキは再びアヤに手を差し出した。
アヤは黙ってミキの手を握り返す。
「マキに教わったんだ。守る力がどれだけ強いかってね。だから、
ミキはもっと強くなるよ。アヤを、仲間達を守れるように、
もっと強くなってやる。」
「ミキ・・・。」
「それじゃ、行くよ。」
「うん。」
ミキとアヤは手を繋いだまま、仲間を連れて地獄へと入っていった。
- 880 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:19
- 本編終了です!
ついに次回が最終回となります!
あ〜、ここまで長かったw
感想はまた改めて書くということで、
レス返しに移ります。
- 881 名前:konkon 投稿日:2005/08/05(金) 02:22
- >七誌さんデスさん
仲間っていいですね〜。
平和な世界で楽しく生きて、そんな感じで
書かせてもらいました。
ここでの、完璧です!はおあづけっぽいですかね〜(汗)
>151さん
お二人さんはぼちぼちこんな感じですw
それにしても、RPGはここ数年やっていなかったので、
エンディングをどうすべきか・・・今更悩んでますw
とにもかくにも、ラストに向けてがんばりますね♪
- 882 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/08/06(土) 21:10
- 更新おつかれいな〜
う〜ん・・・ミキとアヤ、良かったですね。
他の子達も・・・
マキは一体どういう答えを出すんでしょうか?
最終話、楽しみに待ってます!がんばってくださいね!
- 883 名前:151 投稿日:2005/08/07(日) 01:15
- 更新おつかれいな。
どちらの世界も自分達なりに
生活しているんですね〜。
しっかし良い所で切りましたねw
最終回がんがって下さいませ♪
- 884 名前:konkon 投稿日:2005/08/15(月) 23:53
-
エピローグ 〜三年後〜
- 885 名前:konkon 投稿日:2005/08/15(月) 23:54
- 「いい天気〜、気持ちいいね〜。」
「うん。」
リカとヒトミは、チャーミー村からそう遠く離れていない、
景色のよい丘へときていた。
ヒトミは、ケイが皇帝に代わったことで、帝国兵としての呪縛から
抜け出した今、今度は静かに暮らしたいと思って、リカのいる
チャーミー村に住むことにした。
今日は二人でゆっくりしようとのことで、丘の上の野原で横になっている。
「やっぱ平和が一番よね。」
「うん。」
「これからもずっと続くといいね。」
「うん。」
「ヒトミさ、さっきからうん、としか言ってないね?」
リカが気になって横を振り向く。
- 886 名前:konkon 投稿日:2005/08/15(月) 23:55
- 「・・・リカ。」
「な〜に?」
「私さ、守るよ。この先何があっても、この村を絶対に守るから。
みんなが、この世界が好きだから。だからさ・・・。」
「・・・うん。」
リカはゆっくりと頷きながら聞いている。
「今は寝かせて。おやすみ〜。」
ヒトミは、そう言ったと同時に寝てしまった。
「ちょっ、何で寝ちゃうのよ〜!」
リカは起き上がってヒトミの腕を掴む。
アサミの話しでは、両腕と両足は動かせることはあっても、
神経はないために何も感じることはないらしい。
- 887 名前:konkon 投稿日:2005/08/15(月) 23:55
- たとえヒトミがリカに手で触れたとしても、何も感じないということだ。
リカは少し寂しくなってヒトミの髪を触る。
ヒトミは寝ながらも少しくすぐったそうに笑う。
今度はヒトミの頬を軽く撫でる。
「ん・・・。」
それでもヒトミは起きない。
しかし、リカは笑顔でヒトミの顔を見つめている。
「まあ、これだけ気持ちいいんじゃ仕方ないか。私も寝〜ようっと。」
そう言って、リカもヒトミに並んで眠りについた。
- 888 名前:konkon 投稿日:2005/08/15(月) 23:56
- 「ったく、何でうちがこんなに持ってかなきゃならんのや・・・。」
アイは大量の資料を手に抱えながら、城の廊下を歩いている。
あと三十分ほどで、周りの町の偉い人達も含めた大きな会議が始まるのだ。
アイはぶつぶつと文句を言いながら歩いていた。
その時、
「大変だーっ!」
前の方から、数人の兵士が叫びながら走ってきた。
「どうしたんや?」
アイは、一人の兵士を呼び止めて聞いた。
「カオリ姫が脱走しました!」
「またか・・・。」
アイは何度も経験しているために、すでに慣れてしまっていた。
できることなら慣れたくない、そのアイの願いが叶う日はくるのだろうか・・・。
- 889 名前:konkon 投稿日:2005/08/15(月) 23:58
- 「しゃ〜ない、屋上行って上から探してみるわ。これ、会議室に頼むで。」
「お願いします!」
アイは大きな溜息をついて、上を見上げた。
兵士に持っていた資料を渡すと、近くの窓から身を乗り出す。
そして、足にチャクラを溜めて、城の壁を歩いて屋上に向かっていく。
アイが屋上につくと、カオリが塀に寄っ掛かって、町の景色を眺めているのが見えた。
一つだけ、アイは嘘をついていた。
本当は、カオリが屋上にいることを確信していたのだ。
「やっぱりここにいらっしゃったんですか。カオリ姫、あと三十分程で
会議が始まってしまいますよ。」
「二人の時は違うでしょ?」
カオリは微笑んでアイを振り向いた。
- 890 名前:konkon 投稿日:2005/08/15(月) 23:59
- 「全く、カオリは昔からここが好きやもんね。絶対ここにいると
思ったがし。」
「だってさ、綺麗なんだもん。」
アイはカオリの隣まで歩いて町を見つめる。
夜の街はたくさんの明りがついていて、星のように輝いていて綺麗だった。
「そういえばさ、うちの城の門番を守ってる兵隊さんがね、
うちの城に子供を連れてきてたんだよ!アイは見た?」
「いや、事後処理が終わらんで、ずっと部屋におったわ。」
「それでね、その子が超可愛いの!あのね・・・。」
そこから、カオリの無駄に長い話しが始まった。
これから会議もあるので、アイは適当に頷きながら、カオリを
どう説得しようかと考えていた。
その子供の名前を聞くまでは。
- 891 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:00
- 「うん、オロチを倒して少ししてから産まれたんだってさ。それでね、
大きくなったら私を守ってくれるんだってさ。アイと一緒にね。」
「ほうか・・・"また"、会えるんやな。」
アイは、口元を緩めて星を見上げる。
「また?アイ、まだ会ってないんじゃなかったの?」
「いや、ああ・・・そういえば、カオリは何でここが好きなんやざ!?」
カオリに気持ちを悟られないように、アイは素早く話しを変えた。
「ここにくるとさ、私達が世界を守ったんだって思えてね、
嬉しくなるんだよね。最近忙しすぎてこれなかったからね。
たまには見たいなって思っちゃったのよ。」
「カオリ・・・。」
「そうだよね、ごめんね。心配かけちゃったし、もう行かなきゃね。」
カオリは寂しそうに町の夜景から目を離す。
- 892 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:01
- 「・・・あと十分やよ。」
「えっ?」
「あと十分はここにいてもええわ。その代わり、十分たったら
急いで会議の準備に向かうで。もし間に合わなかったら、
その時はうちも一緒に怒られたるわ。」
アイは、カオリに顔を向けずにそう言った。
「アイ・・・ありがとう。」
カオリは優しくアイの頭を撫でる。
「べ、別に気にするなや。」
アイは赤くなった顔を見られないように、カオリから顔を反らす。
それからほんの十分の間だけ、二人は町の夜景を楽しんでいた。
- 893 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:03
- 「・・・というわけです。よろしいですか?」
「わかったべさ・・・。」
世話係から、ナツミは仕事のスケジュールを聞いていた。
「あ〜、たまには遊びに行きたいべ・・・。」
ナツミは聞いたことをなんとか頭に埋め込んで、愚痴を言いながら
自分の部屋へと向かう。
ナツミもカオリ同様に、オロチを倒し終わった直後から、姫としての
仕事に追われる生活をしていた。
出かける準備が終わってふと廊下の窓から外を見ると、中庭で城の
兵士達が剣の素振りをしていた。
そして、それを一人の少女が丁寧に教えている。
「そうだ、一緒に連れてってやるべさ!」
ナツミはテレポーテーションをして、兵士達の元へと向かう。
- 894 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:06
- 「やっほー、調子はどうだい?」
ナツミが天使の笑顔で兵士達に声をかける。
兵士達は、デレデレしながらナツミに挨拶をする。
「マコト、一緒にきてほしいんだ。」
兵士達に剣を教えていた少女はマコトだった。
魔物から町を守るという役目を終えたマコトは、特に行くとこも
することもなかった。
そんなマコトにナツミが声をかけて、ホウラン城へと誘ったのだ。
「どこへ行くんだ?」
「ん〜、南の町へちょっとお使い行かなきゃいけないんだって。
んで、何人かの兵士を連れてけって言われたけどさ、マコト一人
いるほうがよっぽど頼りになるんだよね。だからさ、一緒にきてくれないかい?」
「それは構わないが、もう少し話す場所を考えろ。」
「へっ?」
マコトが兵士達に目を向けたので、ナツミもそちらに視線を移す。
- 895 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:08
- ナツミの言葉を聞いて、兵士達は落ち込んで暗い表情をしていた。
ナツミは苦笑いを浮かべてマコトを振り向いた。
「・・・ごめんなさい。」
「ハァ、少し待っていてくれ。」
マコトは落ち込んでいる兵士達に渇を入れて、いくつかの指示をしてからナツミの元へと戻る。
「それじゃ、行こうか!」
ナツミはマコトと共に、馬車で南の町へと向かう。
その間、ナツミはずっと仕事の愚痴を言っていた。
マコトは、外を向いて黙って聞いている。
「・・・っていうことなんだよね〜。今日もお使いだし、参っちゃうわ。
たまには遊びたいべさ・・・。」
ナツミが寂しそうに言う。
その言葉に、マコトは顔を上げる。
- 896 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:08
- 「・・・ならばサボるか?」
「ほえっ!?」
確かにナツミはサボると聞いた。
それをマコトの口から出たことが、とても不思議で仕方なかった。
「お前はがんばりすぎだ。たまには休むことも必要だろ。」
「・・・。」
「それとも、まじめにお使いをしてくるか?」
ナツミは笑顔で首を振る。
「ううん、たまにはサボっちゃおう!その代わり、マコトも一緒だからね♪」
「当たり前だ。私はナツミを守るためにきてるのだからな。」
マコトはフッと笑って頷いた。
「それじゃさ、海行こう!海!行っくよーっ!」
騎手にばれないように、ナツミはマコトの手を取って、
テレポーテーションで海へと向かっていった。
- 897 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:09
- 「さってと、次はどこへ行きたいんや?」
「そうれすね〜・・・。」
アイボンとノゾミは、ワンダーランドに乗って世界中を旅していた。
ノゾミは森の中で暮らしていたために、世界がどうなっているのかを知らなかった。
そこで、アイボンには特にやりたいことがなかったので、世界を周ってみたいという
ノゾミの要望に付き合うことにしたのだった。
「もうだいたい回ったと思うで。あとはどこに行きたいんや?」
「ん〜、特に考えてなかったれすね。」
ノゾミは首を傾けて悩んでいる。
「それじゃ、今度はうちの頼みを聞いてもらえんか?」
アイボンは真剣な目でノゾミを見つめる。
「もちろんれすよ!アイボンはノノのお願いを聞いてくれたんれす。
次はノノが叶える番れすよ!何れも言ってくらさい!」
ノゾミは笑顔でアイボンに聞き返す。
- 898 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:11
- 「ノノ、シャルウィーの町で、うちらがコンビ組んで町の人達
笑わせたん覚えてるか?」
「ん〜、そんなこともあったれすね〜。」
「そこでな、うちらでまたコンビ組まんか?」
「ノノとれすか?」
「そうや。まさか初めてうちと組んで、あそこまで笑わすことが
できる人間がいるとは思わんかったわ。ノノとならやれる、
そう思ったんや。あの時はあの町の人達しか笑わせられんかったから、
今度は世界中の人間笑わせたろうと思うてな。」
「お〜、いいれすね!コンビ組むのれす!」
「よっしゃ、決定やな!コンビ名は、そうやな〜・・・
笑い(WARAI)の頭文字取って『W』でいくか。」
アイボンは嬉しそうにそう言った。
- 899 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:11
- 「いいれすよっ!れも、リーラーはノノれすからね!」
「なっ、まぁええわ。そんじゃ『W』出陣や!世界中の人間笑わせたるで〜!」
「お〜!」
「(わしは入らんのか・・・。)」
ワンダーランドはその話しを聞いて、小さく溜息をついた。
それを二人が気付くわけもなく、背中ではしゃいでいた。
「まずは、あの鍛冶屋の金髪のおばちゃんからやな。前は睨みつかれて
まともに話すこともできんかったけど、今度はちゃんと笑わせたるで〜!」
「そうれすよっ!ノノもがんばって突っ込むのれす!」
「いや、ノノはボケやろがっ!」
アイボンはノゾミに鋭い突っ込みを入れる。
そして、顔を合わせて笑い合った。
こうして二人は、再び世界中を回りながら、人々に笑顔を降りまいていった。
- 900 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:12
-
コンコン
「どうぞ。」
「失礼します。」
皇帝の部屋に、一人の兵士が入っていく。
「ダンスサイトの町の護兵の準備、整いました。」
「そうか。分かった。」
資料を見ながら、ケイは軽く頷いた。
ケイは、皇帝としての仕事を着々と進めていた。
オロチを倒してからの事後処理を、的確な指示で次々と終わらせていた。
闇の世界となって、魔物によって受けた被害は半端なものではなかった。
- 901 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:13
- 世界のほとんどが平和な世界に戻りつつあったが、それでもまだ
混沌としている町も数多くあった。
完全なる平和な世界へと戻すために、ケイはひたすら仕事をこなしていた。
「あの、お聞きしたいのですが・・・。」
「何?」
ケイは、資料から目を離して兵士を見据える。
「三日ほど前から司令官の姿が見えないのですが、どちらへ行かれたのでしょうか?」
「ああ、司令官なら北の洞窟に住み着いている、魔物の残党狩りに向かわせているよ。」
オロチが消えて空間トンネルは存在しなくなったが、魔物達が闇の
世界へ帰る前にトンネルは消えてしまったらしく、まだいくつかの
魔物達がこの世界に残っていた。
それが、まだ平和を取り戻しきれない一つの課題でもあった。
- 902 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:14
- 「ええっ!?一人でですか!?」
「そうだよ。」
「ですが、あそこには大量の魔物が溜まっているんですよ!
大丈夫なんですか!?」
「心配いらないよ。私の計算ではそろそろ帰って・・・。」
ドタドタドタドタッ!
廊下の方から、明らかにも走っている音が聞こえてくる。
バタンッ!
「ただいま〜!」
入ってきた少女を見て、ケイは小さなため息をついた。
- 903 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:15
- 「・・・廊下は走るな。部屋のドアはノックしろ。」
「は〜い、次からは気をつけます。」
「とりあえず、おかえり。」
「ヘヘッ、マリ=ヤグチ、ただいま帰りました〜!」
マリはわざとらしく敬礼をして、ニカッと笑う。
マリはオロチとの抗争が終わった後、ケイと共に帝国兵となった。
自分の力で世界を救いたい、それがケイと出会ったことでのマリの信条となった。
実力があり、ケイに劣らない指揮がとれるマリは、あっさりと
司令官の位まで辿りついた。
「ほらね、心配いらなかっただろ。」
「はっ、はい、失礼致しました。」
兵士は慌てて敬礼をして、部屋から出て行った。
- 904 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:15
- 「どうだった?報告がまだだけど?」
「んっとね〜、とりあえず戦う意思のない魔物は様子を見ることにして、
近くの町にいる兵士に任せてきた。凶暴な魔物は、仕方ないけど倒してきたよ。」
「そっか。お疲れ様。」
ケイは軽く笑うと、持っていた資料を机に置いた。
「私の方の仕事も一段落ついたし、明日はどこか連れてってあげようか?」
「マジ!?んじゃ、うまいもんが食べれるとこがいい!焼肉がいいな〜!」
「わかった。それじゃ、帝国の情報を最大限に使って調べてあげるよ。」
「いいのかよ〜、皇帝ともあろう者がそんなことでさ?」
「いいなら別にいいけどね。私一人でうまい焼肉でも食べに行くから。」
「嘘です!ごめんなさい!よろしくお願いします!」
マリはすぐに頭を下げる。
「分かったよ。これから会議があるからあんたもついてきな。
話しはそれからだよ。」
ケイはマリの頭を軽く叩いて、二人は部屋を出て行った。
- 905 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:16
- 「どうやらエンジンに問題があるようです。少し見てきていただけませんか?」
「わかりました。」
「私は研究室の方にいますので、何かありましたらそちらへ連絡してください。」
「はい。」
アサミは的確に整備士の人達に指示を出していた。
今、アサミはミラクルナイトの調整を行っているのだ。
アサミは一息ついてから、研究室へと歩いていく。
「ん〜、二ュートロン・ジャマ−・キャンセラーが使えれば、
宇宙を飛ぶことも可能なんでしょうけど、この星のことを
考えると、核エネルギーを使うわけにもいきませんよね〜・・・。」
アサミはぶつぶつと呟きながら研究室に入ると、アサミは椅子に
座って天井を見上げた。
「皆さんは、今頃どうしているのでしょうかね〜?」
アサミは少し寂しそうに独り言を呟いた。
「マキ・・・あなたは今、何をしているのですか・・・?」
アサミは目を閉じて、三年前のことを思い出していた。
- 906 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:19
-
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「私の出した答えはね、今はアサミと付き合うことはできないんだ。」
「・・・そうですか・・・。」
アサミは、泣きそうな顔をしてマキから離れる。
「アサミが考えているのとは逆だよ。私はまだ、
アサミと付き合える資格がないんだ。」
「そっ、そんなことありませんよっ!」
マキはゆっくりと首を振る。
「今の私にはさ、足りないものがたくさんあるんだ。やりたいことも、
夢も何も持ってない。そんなの嫌なんだ。アサミとはね、対等に
付き合っていきたいんだ。」
「わっ、私は別にそんな・・・。」
慌てているアサミに、マキは優しい目でアサミを見つめる。
- 907 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:20
- 「アサミには、ミラクルナイトを造り上げるっていう、大きな夢がある。
私も自分の生きがいを見つけたいんだよ。そうでなければ、アサミと
付き合っていく自分を認めたくない。」
マキは、アサミの顔を見つめながら話し続ける。
「私ね、世界を見て周ってこようと思うんだ。この世界でいろいろなとこを
自分の足で立って、目で見て、聞いて、経験して、理解して、本当に自分が
やりたいことを見つけてきたいと思う。それが見つけられたらさ、絶対に
アサミのとこへ戻ってくるよ。約束する。」
「・・・あなたは、本当に強い人ですね。」
アサミは笑顔をマキに向ける。
「それでいて我がままで、鈍感な上に不器用だし、単純で・・・。」
アサミはマキの顔に手を伸ばして、マキの頬を優しく撫でていく。
- 908 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:21
- 「ハハッ、言いたい放題だね。」
「でも、私はあなたのことが好きなんです。」
アサミの目から涙が零れていく。
「本当は・・・すごく寂しいんですからね!あなたがいなくなると
思うと、私・・・私・・・。」
「・・・ごめんね。」
マキはアサミの涙を優しく指で拭う。
「私は、ずっとここで待ってます。・・・行ってください。」
「・・・うん・・・ありがとう。」
それからしばらくの間、二人は強く抱き合っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
- 909 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:22
-
ピー!ピー!ピー!
通信機の音で、アサミの思考は停止された。
「どうかしましたか?」
『少し問題が起こってしまいまして・・・申し訳ないのですが、
こちらへきてもらえませんか?』
「分かりました。すぐにそちらへ向かい・・・!?」
突然、アサミは何かを感じて窓の外を振り向いた。
アサミが気で感じ取れる範囲ではない。
それでも、アサミの知っている何かが、あるいは直感みたいなものが、
アサミに緊張感ともとれるような危機感を訴えている。
「(この感じは・・・まさか!?)」
「あの、アサミ様・・・?」
「緊急事態です!市民を家の中に非難させてください!」
アサミは通信機に向かってそう叫ぶと、研究室を飛び出した。
- 910 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:22
- シャルウィーの町から少し離れた平野に、アサミは立っていた。
上を見上げると、一匹の龍が舞い降りてきた。
それは、ワンダーランドと同等の大きさを持つ、白金の龍だった。
アサミがじっと見つめると、龍がアサミを振り向いた。
「貴公がアサミ=コンノか。」
「あなたは・・・何者なんですか?」
「我の名はプラチナドラゴン。オロチの力を受け、アヤとミキの
意思を継ぎし龍よ。」
アサミが感じた気とは、以前に戦ったオロチの邪悪なる気だった。
オロチは滅びたはず、そう思ったアサミは真っ直ぐにプラチナドラゴンを見つめる。
- 911 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:23
- 「どういうことですか?オロチは死んだはずです。」
「簡単なことよ。オロチは復活する前に、自身の一部の力をこの世に残すのだ。
そこで生まれたのが我だ。これはアヤもミキも知らぬことだがな。」
「そんな・・・。」
「実に、ここまで成長するのに三年もの月日を経ることとなった。
ようやくこの世界を滅ぼすことができる。」
「・・・なぜですか?あなたの主はいないのですよ?」
「言ったであろう。我はアヤ達の意思を受け継ぐ者だと。人間は、
小さく脆弱なくせに弱い者には威張り散らし、狡猾で自分勝手な
生き物だ。そのような者達を生かしておいて何となる?初めに、
我はオロチを倒した十二人の戦士を倒し、そして世界中の
人間を滅ぼすのだ。まずはアサミ=コンノ、貴公からだ。」
プラチナドラゴンの周りに、いくつもの気が圧縮された塊が作り上げられる。
- 912 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:25
- 次の瞬間、その塊がレーザー砲のようにして、アサミに襲い掛かる。
アサミは、予め溜め込んでおいた気をすぐに解放する。
「くっ、紅麗眼発動!」
アサミは紅麗眼を使い、レーザーの軌道を見切って素早く避けていく。
だが、余りの威力に衝撃波がアサミを吹き飛ばしていく。
なんとか体制を立て直しつつ、アサミは一瞬の隙をついて大きく拳を振り上げる。
「四大秘奥義・肆式、青龍!」
アサミの拳から、巨大な気の龍が放たれる。
プラチナドラゴンと同等の大きさ、当たればただでは済まないだろう。
「さすがはオロチを倒した者よ・・・だが、ハァッ!」
プラチナドラゴンの口から放たれた衝撃波が、青龍を貫いてかき消した。
- 913 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:25
- 「オロチ程の力はないとはいえ、この程度ではやられはせん。」
「(どうする・・・?鍛錬は怠っていなかったはずですけど、
まさかこれほどの強さとは・・・。)」
今の一発で、アサミの攻撃手段は無くなってしまった。
メモリーは、オロチのバリアを消す際に破れてしまい、
使い物にならなくなってしまった。
そのため、アサミには空中の敵に対する技を持ち合わせていない。
レーザーを避けながら、アサミは必死になって倒す方法を考えていた。
アサミはいくつものレーザーを避けていたが、ふいに死角から
放たれたレーザーに気付くことができなかった。
アサミが振り向いたときには、すでに目の前まで迫っていた。
- 914 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:27
- 「(くっ、間に合わない!弐式、玄武!)」
玄武で防御するも、アサミは大きく弾き飛ばされてしまう。
「これで終わりだ。」
アサミが気を持ち直して立ち上がったときには、四方八方から
レーザーが迫ってきていた。
すでに逃げ道はない。
「しまっ・・・。」
アサミは思わず目を瞑る。
ドドドドドッ!
もの凄い爆音が続いていく。
しかし、アサミには全くダメージはなかった。
- 915 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:27
- 目を開けてみると、アサミを光のカーテンが包み込んでいた。
そして、少し先には一人の少女が立っていた。
腰まである長い髪を靡かせた少女が、ゆっくりとアサミを振り向いた。
「えっ・・・あ・・・。」
「大丈夫、アサミ?」
「マ、マキ・・・?」
アサミには、今自分の目の前にいる少女の存在が信じられなかった。
三年前とは容姿が変わり、以前よりも断然綺麗になっていて、
それでいて昔と変わらない笑みを浮かべている少女、マキを
目を見開いて見ている。
「少しだけ待っててね。すぐに終わらすからさ。」
アサミから視線を外し、マキはプラチナドラゴンを見据える。
- 916 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:28
- 「ぬぅ、我の攻撃を受けきるとは・・・。」
「コスモ・ノヴァ、レイ・ウイング。あんたの攻撃は効かないよ。」
「こしゃくなーっ!」
再びプラチナドラゴンの周りに球体が現れて、そこからレーザーが放たれていく。
だが、マキは光の翼を仰ぐだけで、レーザーを全て弾き返した。
「これが、アヤを倒したマキ=ゴトウの力か・・・。」
「言ったでしょ。無駄なんだよ。」
「ぬ、ぬぉぉっ!」
プラチナドラゴンが、猛スピードでマキに突進していく。
「アサミを傷つけた罪は重いよ。これで決める!」
マキは光の翼を広げて、プラチナドラゴンに飛び込んだ。
- 917 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:30
- 交差した瞬間、
ズバァッ!
「ガハッ・・・。」
プラチナドラゴンの体中から血が吹き出て、地面に崩れ落ちていった。
対するマキは、全くの無傷で地面に降り立つと、プラチナドラゴンに近寄っていく。
「なぜ、それほどの力を持ちながら、この世界を滅ぼそうと思わない・・・?」
「私は、今ある平和なこの世界が好きだから。この世界と、愛する者が
守れるだけの力があれば、私はそれだけで十分だよ。」
「この世界が好きだと・・・?人間などという愚かな生物が存在するから・・・。」
「そんなことない。」
プラチナドラゴンの言葉を遮って、マキは否定した。
- 918 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:32
- 「私はね、今まで世界中を旅してきたんだ。アヤの意思を継いでるから、
あんたもそう感じるのかもしれない。でもね、そんな人はほんの一握りに
過ぎないんだよ。この世界に存在するたくさんの人達は、平和を、世界を、
仲間や大切な人を愛して生きているんだ。だからさ、みんながみんな、
ひどい人間だなんて思わないでよ。」
「だが、そのせいでアヤは心に深い傷を負ったのだぞ・・・。」
「分かってる。だから、私は背負うよ。あの子のように悲しい運命を
辿らせないように、誰もが笑って過ごせる世界にできるように、
私ができることなら、やるだけやってみせるよ。」
マキは、プラチナドラゴンに微笑みかける。
- 919 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:33
- 「そこでさ、あんたにも協力してほしいんだ。」
「協力・・・だと?」
「人間と魔物が共存できないと思っているから、あのような悲劇が
生まれたんだ。だから、私はそれを壊したい。魔物だって、人間と
仲良くなれるはずなんだ。そして、それは人間にも同じことが言える。
まだこの世界にはたくさんの魔物が残ってるんだ。けど、悪い魔物ばかりでは
なかった。きっと、一緒にこの世界で生きていけるはずなんだ。
そこで、あんたに魔物達に呼びかけてほしいんだ。力を合わせて、
一緒に仲良く生きていこうってさ。」
「・・・今まで貴公等を殺そうと思っていた我にか?」
「信じなければ、何も始まらないよ。あんただって人間のことを知れば、
たぶん私の言っていることがわかってくれると思うから。」
プラチナドラゴンは、じっとマキのことを見つめる。
- 920 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:34
- 「もしかしたら、他の人間を殺すかもしれんぞ?」
「そうなったら、私はあんたのことを倒さなければならない。
でも、もうたくさんなんだ。無駄な殺し合いはしたくない。
だからこそ、あんたに頼んでるんだ。」
「フッ、面白い人間もいるものだ・・・そのように考えたことなどなかった。」
プラチナドラゴンは、ゆっくりと飛び上がっていく。
「いいだろう。貴公の考えに我は乗ろうではないか。そして、
後に人間と魔物が共存できる世界にしよう。」
「うん。よろしくね。」
のろのろと去っていくプラチナドラゴンに、マキは手を振って見送った。
そのあとに、マキはアサミを振り向いた。
アサミは、涙目になってマキを見つめている。
- 921 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:36
- 「マキ・・・。」
「久しぶりだね、アサミ。」
「マキ・・・マキーッ!」
アサミは勢いよくマキに抱きついた。
アサミは、マキの胸で泣き始める。
今まで押し殺してきた感情が、一気に溢れ出てきたのだ。
「会いたかった・・・ずっと、会いたかったです・・・。」
「・・・遅くなってごめんね。」
マキは、アサミを優しく抱きしめる。
少しして、泣き止んだアサミは顔を上げてマキを見つめる。
「答えは、出たのですか?」
アサミの質問に、マキは軽く首を頷けた。
- 922 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:37
- 「・・・うん。見つかったよ。」
マキは、優しく笑って答える。
アサミはマキの顔を見つめる。
「いろんなところを周って、様々な経験をして、たくさんの人々に
出会ってきたよ。みんな、誰かを守るために生きている。友達や家族、
愛する人のために、一生懸命生きているんだ。私はアサミを守りたい。
私にできることなんてたかが知れてるかもしれないけど、私にだって
できることはあるはずだから、私は・・・アサミのために、生きていきたい。」
「マキ・・・。」
「大好きだよ。アサミ・・・。」
「んっ・・・。」
マキはアサミの口唇に、そっと口付けた。
- 923 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:38
- 一瞬だけ、驚きによる抵抗があったものの、アサミはすぐに受け入れる。
しばらくして、マキが口唇を離すと、アサミは赤くなった顔でマキの顔を見上げる。
「私、バカだからさ、三年も時間がかかっちゃったけど、きっとその過ごした
時間にだって、何か意味はあるはずなんだ。アサミのためにできること、
この世界のためにできること、私なりに見つけて、がんばるよ。」
「フフフッ、あなたは変わってませんね。」
「そっかな〜?少しは成長したと思うんだけどね。」
「いえ、優しいあなたのままでいてくれて、すごく嬉しいのです。」
「アサミ・・・これからはさ、ずっと一緒にいようね。」
「はい・・・。」
マキとアサミは、手を繋いで歩き始める。
- 924 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:39
- 「他のみんなはどうしてるのかな〜?」
「そうですね〜。半年ほど前に、ケイとマリが町の状況を把握するために、
私の町に寄ったことがありましたね。お二人とも、全然変わってませんでしたよ。」
「そうなんだ〜。みんながんばってるんだね。」
「はい。そうだ、やっとあなたもこの街に戻ってきたんです。
この際ですから、皆さんを集めてパーティでも開きませんか?」
「いいんじゃない?久しぶりに、みんなに会いたいな。」
マキとアサミは、話しながらシャルウィーの町まで歩いていく。
シャルウィーの町に入る手前で、アサミは駆け足で町の中に入っていく。
そして、入り口で止まるとマキを振り向いた。
マキもまた、アサミの意図を理解して、口元に笑みを浮かべながら歩み寄っていく。
あと数歩というところで、マキは立ち止まってアサミと向き合う。
アサミは嬉しそうに手を差し出す。
マキも笑顔で手を伸ばす。
- 925 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:39
-
「おかえりなさい、マキ。」
「ただいま、アサミ。」
- 926 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:40
-
THE END
- 927 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:41
- 更新終了です!
これでこの話しは終わりです。
読んでくれた方々、本当にありがとうございました〜!
- 928 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:48
- >七誌さんデスさん
マキの答えはこのようになりました。
十回くらいエピローグを変更して、結果的にこうなりました(爆)
今までご愛読ありがとうございました!
随分と最初の方から読んでいただいて、毎回レスをくれたことが
すごい力になりました。
感謝の気持ちで一杯です。
緑とは別に小説を書くようなことがあれば、また読んでやってください。
- 929 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:52
- >151さん
最初の設定ではなかったんですけど、やっぱり六期メン達にも
出番が欲しかったので、最後に追加しました♪
151さんにもすごく力をもらいました。
確か、一番多く読んでくれてましたよね?
アサミ辺りからの登場ということで、何分初投稿なもので当時は
レスをいただいて、もの凄く嬉しかったのを覚えています。
もちろん、今でも十分すぎるほど感謝感謝の気持ちで一杯です♪
今まで本当にありがとうございました〜!
- 930 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 00:54
- 最後のレス返しが終わったということで、もう少しだけ
感想を書かせてください。
いや〜、初めて小説というものを書いてみたのですけど、
もの凄く難しかったです(汗)
他の皆さんの描写がどれだけ上手かったか、自分はこれから
もっと勉強します・・・。
最初はこんなゲームがあったらいいな〜なんて思ってることから
小説を書いてみようということになったのですけど、
何か思った以上に長くなって、当初の二倍くらいになったかなw
あとは仕事さえなければもう少し早く更新できたのに・・・
すいません、ただの言い訳ですねm(_ _)m
それでも読んでくれた方には、心から感謝しています。
また他の小説でお会いしましょう・・・たぶんねw
ご愛読、本当にありがとうございました〜♪
- 931 名前:とーさん 投稿日:2005/08/16(火) 19:14
- 半年前に見つけてずっとROMしてました。
登場人物すべてに個性があり、シナリオも
「完璧」!でした。
作者様には大変ご苦労様&お疲れさまでした。
楽しい&素晴らしい作品に出会えて本当に
良かったです。
- 932 名前:konkon 投稿日:2005/08/16(火) 19:59
- 最後の最後まで誤字がありました・・・
890の最後の行にこの分を足してくださいm(_ _)m
「あ〜、また会いたいな。"マイミ"ちゃん。」
「ふ〜ん・・・"マイミ"やとっ!?」
アイは普段以上に目を見広げて、カオリに聞いた。
- 933 名前:151 投稿日:2005/08/17(水) 00:52
- 完結おつかれいな。
これぞ「愛と平和」、「LOVE&PEACE」ですね!
私も生き甲斐を探している途中だったりするんですけど、
案外近くにあるのかもしれませんね。
なんにせよ皆全て幸せで良かった♪
アサミ辺りからの登場というか、初期スレの>>151が
私なんですよ。完結するまではほとんどレスしない主義
だったのに、いつの間にか毎回のように感想を書きたくなっちゃって
こんなに沢山の感想を書かせてもらった小説は初めてです!
これも何かの縁ですね。またどこかでお会いしましょう♪
書きたい事は山ほどあるのですが長くなるのでこの辺でw
一年以上に渡る長い間楽しませて頂いて、ありがとうございました♥
- 934 名前:マコ 投稿日:2005/08/17(水) 03:11
- 新しい命の始まりが含まれるとは・・・・。
さすがです、 がっちりRPGの結末を(偉そうですみません)
更新 本当にお疲れ様でした。
それと すばらしい小説をありがとうございました。
とてもすばらしい小説だったと思います。
- 935 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/08/17(水) 13:24
- 完結おつかれいなです!!
こんなにハマった小説は初めてかもしれません。
仲間のその後、新しい命、そして、幸せな二人・・・。
感想を言おうと思ったらすっごく長くなっちゃうんで少なめに。
マキはやはりマキのままでしたね(?)。
みんなそれぞれ幸せそうでよかったです。・・・ネタバレかな(汗
とにかく、とても素晴らしい小説でした!
こんなに皆を虜にさせちゃった作者さまは罪ですね!(マテマテマテマテ
では、最後に。
完結お疲れ様でした!!そして、ありがとうございました!
- 936 名前:雨 投稿日:2005/08/17(水) 20:21
- 以前何度かレスして、またROMってた者です。
完結お疲れ様でした。これだけの登場人物・バトルがあり、それらを全部消化できている点が本当に凄いと思いました。
思えば僕が娘。小説の世界に引き込まれる原因となる作品でした。
うまく纏まりませんが、こんなに面白い小説を読ませていただいて有難うございました。
- 937 名前:川o・-・) 投稿日:川o・-・)
- 川o・-・)
- 938 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/08/20(土) 17:07
- この二人は・・・もしや・・・w
- 939 名前:証千 投稿日:2005/09/01(木) 15:25
- あわわわ、大変失礼致しました!
>937はスレ違いです…作者様、読者の皆様お目汚し申し訳ございません。
削除依頼出しておきます。すいませんでしたorz
- 940 名前:七誌さんデス 投稿日:2005/09/01(木) 19:12
- あらそうでしたかw
- 941 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:17
- 突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
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