想像・・・

1 名前:きぃつん 投稿日:2005/01/25(火) 18:41
初めてスレたてます。
登場人物はあえて書きません(たぶん)
皆さんで想像してくれれば・・・でもきっとわかりますよ。
でわ、よろしくお願いします。
2 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 18:43

今日も空は青い。
私はいつものように、学校の屋上から空を眺めてるよ。
3 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 18:48
いつも元気いっぱいで、
私があなたに会いに行くと、いつも笑顔で迎えてくれた。
いつもニコニコ話をして、
私が帰る時間になると少し悲しい顔になって。
でもすぐに笑顔に戻る。

あなたが突然学校に行くと言い出して。
私はとても心配だった。
歳が違うから、学校は離れているし、一緒にいられない。
だけど、あなたは笑顔で

「大丈夫だよ。」

って言って。
私は安心してしまったんだ
4 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 18:51
あなたが学校に行ったその日。

放課後になってから、あなたは私が通っているこの校舎の屋上に来て、
2人で空を見た。ずっと手をつないで。
夕焼けになるまで、座るのも忘れたまま。

その時の私は、何もわかっちゃいなかったんだ。
5 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 18:55
ずっと沈黙が続く。
ただただ空を見上げる。そんな時間が過ぎていった。

「ずっと一緒に居れたらいいね。」

突然沈黙を破ってあなたが言った。
私は何のきもなしに答えてしまった。

「いられるよ。」と。
6 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 19:05
私がそう言ったら、あなたはいつもの笑顔を見せた。
だけど、次の瞬間、あなたの手が私からするりと離れてしまった。
あなたは私の視界から急に姿を消した。

下に視点を移すと、あなたが地面に崩れていた。
辛そうな息遣いが聞こえた。

私は一瞬、何が起きたのか理解する事が出来なかった。
ただ、呆然とあなたを見ていた気がするよ。

あなたは立ち上がる事も出来ず、座り込む事が精一杯で、
必死に私の方に手をのばしてきた。

「離れないで・・・そばにいて・・・」

あなたのその声で、私は我に帰った。
私は慌ててあなたに近付くと、弱々しい力で私の腕をあなたが掴んだ。
私があなたを支えると、笑顔を・・・
見た事もない、辛そうな笑顔を見せてくれた。

「ありがとう・・・」

そう言ってあなたの手が私の頬を触った。
私は、気付かないうちに泣いていた。
7 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 19:15
あなたが屋上から運ばれて。
私はふと、前にあなたが行っていた言葉を思い出していた。

『空はね、ずっと私達を見ているんだよ。
 離れる事は決してないの。
 なんかさ、私達2人と似てるよね。なんとなく。
 ねえ、もしも、私がさ、星になってしまっても、ずっと見てるね。
 他のどれよりも、きっと輝いてるよ。
 朝から、お日さまが沈むまでは、雲になって見てるよ。
 絶対他のより大きいよー。
 ちゃんと私のこと、見つけてよ??
 
 周りにはさ、いっぱ〜い仲間がいるし。
 きっと、お互い寂しくなる事なんて、ないよね・・・』

ハッと気がつくと、あなたが私の目の前にいて、
いつもの笑顔で言ったんだ。
8 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 19:16



「大好きだよ。ずっと、いつまでも・・・」



そして、
あなたの姿はすぅーっと、消えてしまった。
9 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 19:21
ドアの向こうからたくさんの白い服を着た人が出てきた。
そして、あなたが遠い世界へ、


2度と会えない世界へ行ってしまった事を告げた。


後からあなたのお母さんに聞いたんだけど、
本当は、いつも無理をしていたんだよね。
私の前では元気な自分でいようと。
笑顔の自分で会おうと。
私が帰るといつも泣いていたって。

学校に行くと言い出したのは、
私ともっと一緒に居たかったからだって・・・
10 名前: 投稿日:2005/01/25(火) 19:25
ねえ、今も見てる??私の事。
私は元気だよ。
毎日笑顔で暮らしてるよ。

私より、2つ年下のあなた。
今この世界に居たのなら、同じ学校の高校1年生。
私はもうすぐ卒業するよ。
あなたと一緒に居たこの屋上ともあと少しでお別れなんだ。

あなたは、今、元気??
私は、ずっと見ているよ。
大好きな空を。


大好きなあなたを・・・
11 名前:きぃつん 投稿日:2005/01/25(火) 19:29
初小説!!
いかがでしょうか。
一応自分の中で登場人物は設定してあります。わかりますでしょうか・・・。
週一回ペースでなるべく更新していきたいと思ってます。
なにぶん学生なもんで・・・
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/01/25(火) 21:55
なんとなく、あの二人かなぁ…と想像。
13 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/01/29(土) 14:54
想像が楽しめてよろしいかと。
更新待ってます。
14 名前:きぃつん 投稿日:2005/01/30(日) 10:22

「デートなんです。」
15 名前:「でーとなんです」 投稿日:2005/01/30(日) 10:25
ああ、どうしよう。
ドキドキが止まらない・・・

私は今、とある駅の前に1人で立っています。
なぜかって??
・・・待ち合わせているんです。
あの人と。
16 名前:「デートなんです。」 投稿日:2005/01/30(日) 10:30
久しぶりの1日オフ。
私は、同期のみんなに勇気をもらいながら、あの人の楽屋へ行きました。
最近また綺麗になったあの人の所に。

「一緒にお買い物しませんか??」

もう少しかわいい言い方があったのかもしれない。
だけど、緊張で頭が真っ白だったんです。

返事はOK。
私は嬉しすぎて、天にのぼる気分でした。
だって久しぶりなんですから。
2人きりでお買い物なんて。

私は今日、この日を目指して
その日から一生懸命仕事を頑張りました。
17 名前:きぃつん 投稿日:2005/01/30(日) 10:30
すいません。
続きはまた後で・・・
18 名前:「デートなんです」 投稿日:2005/01/30(日) 17:30
昨日の夜は、色々服を選んだり、髪型を考えたりして、
準備に費やしました。
結局、自分のお気に入りの服にしたんですけど。

あ〜、たぶん緊張して眠れないな〜と思っていたのに、
いつの間にか眠っていたみたいです。それもぐっすりと。
目はきちんと閉じてます。開いてなんかありませんよ。

とってもイイ夢を見ました。
・・・教えられないんですけどね。ふふふっ。
19 名前:「デートなんです。」 投稿日:2005/01/30(日) 17:35
今日の朝になりました。
テンションが異常に上がってしまって、そわそわ落ち着きません。

「髪よーし。スカートのしわなーし。バックよーし。」

・・・はぁ。この独り言、何回つぶやいたのでしょう。
待ち合わせ時間まであと3時間。
まだまだぜんぜん余裕があります。

あるんですけど・・・

やっぱり落ち着いていられず、
かなり早めに家を出る事にしました。

そして今にいたるわけなんです。
20 名前:「デートなんです。」 投稿日:2005/01/30(日) 17:40
それからずーっと待って、ようやくあと30分となりました。
さっきからちらちらと腕時計を気にしてしまいます。

あの人は、いつも集合時間に間に合わず、遅刻ばかりしていました。
遅刻の回数は、きっとNo1でしょう。
なのでどうしても不安なんです。
こういう時は、いつもギリギリに来てくれるのですが。
・・・やっぱり不安。

待ってる間、今日どう過ごすか考える事にしました。
21 名前:「デートなんです。」 投稿日:2005/01/30(日) 17:46
まずは服を買いに行こう。
あの人はセンスがイイから、選んでもらいたいな。
かわいいのとか、ちょっとかっこいいのとか。
その後はご飯食べに行こう。
今日は、美味しいとこに連れていってくれるらしいし。
すっごく楽しみにしてるんです。
あぁ、2人で話したりしながら、

「あ〜ん」

とかやってみたい!!
・・・ってすいません。興奮してしまいました。
食べるペースは合わせないとなあ。
食べたら、2人でプリクラをとりたいな。
・・・チューとかしたり??
22 名前:「デートなんです。」 投稿日:2005/01/30(日) 17:52
「うふふ・・・」

はっ!!!!
いけないいけない。
今私口に出してましたよね?
あ、知らないおじさんがこっちを見てる・・・
あ〜、目をそらされた。
見られてたんだ・・・あぁはずかしい・・・

それにしてもまだかなあ?
私が妄想の世界に飛んでる間にあと5分、いや、3分なんですけど。
もしかして忘れてたりしてませんよね・・・?
今朝、メールを入れといたんですけど・・・。

やばいです。
不安になり過ぎて泣きそうですよぉ・・・
早くあいたい・・・
声が聞きたい・・・
23 名前:「デートなんです。」 投稿日:2005/01/30(日) 17:58
そのときです。

「お〜い!!!ごめんね〜!!」

私の後ろから、愛しいあの人の声がしました。
こんなに人が多くてもわかりますよ。
その綺麗な声なら。

「いや、ほんっとごめん!!待った?待ったよね??」

息を切らしながら走ってきてくれました。
こめかみから汗がツーッと流れました。

「いいえ、さっききたんです。大丈夫ですよー」

本当は3時間前から来てました。
だけど言いません。
きっと急いできてくれたから。
だからそんなに疲れてるんですよね??

「じゃあいこっか!」

はい、と手を差し出してくれました。
私はその手をとって

「はい!!」

思いきり返事をしました。
24 名前:「デートなんです。」 投稿日:2005/01/30(日) 18:02

どんなに遅刻しても、あなたが大好きです。
髪の毛、その声、私の手を握っているその手。
全部、全部大好きです。

だから、このさきもずぅっと
一緒にいましょうね。

きっと私の幸せは、あなたとの
デートなんですから。

end
25 名前:きぃつん 投稿日:2005/01/30(日) 18:03
続いて・・・

「宇宙に輝く星」

です。どうぞ!
26 名前:「宇宙に輝く星」 投稿日:2005/01/30(日) 18:08
私達メンバー、今の娘。も卒業したメンバーも含めて。
1人ずつをそれぞれを星に例えてみる。

そう、ここは宇宙。

真っ暗な空間に、
私達、星がキラキラと輝いてる。
ピンクだったり、赤だったり。青もある。
大きさも形もそれぞれで。
大きくてまあるいのもあれば、
ちいさめだけどわっかがついてたり。

もちろん私は一番小さい、
金色のキラキラ輝く星。
27 名前:「宇宙に輝く星」 投稿日:2005/01/30(日) 18:15
それに比べてあなたはとっても大きくて、
あったか〜い、優しい光の星。
まるで太陽みたいな星。
何年間も私を、私達を照らし続けてくれた星。

いまこの輝いてる星達は、
あなたのお陰でキラキラと光っている。
あなたが光をくれているから。
暖かく見守ってくれているから。

・・・たまに変な電波が放たれるけど。
28 名前:「宇宙に輝く星」 投稿日:2005/01/30(日) 18:23
少し外側にあるのが卒業して言ったメンバー達。
あなたのお陰で外へ出ることが出来たメンバー達。
自分で輝けるようになった星。

そして、
あなたの近くにいるのが私達。
あなたに光をもらっている星達。

たまに暗くなってしまう星がある。
だけど、そういう時、
あなたと言う星が、暖かい光で包んでくれる。
29 名前:「宇宙に輝く星」 投稿日:2005/01/30(日) 18:30
心があったまるほんわかした光。
優しさがまじったやわらかい光。

何度もあなたに助けられた。
本当に嬉しかった。
まるで、お姉ちゃんのようで、お母さんのようで。
本当に暖かかった。

でも、あなたが離れていってしまう事になった。

暖かくて、優しい星のあなたが。
いつもそばにいた、あなたという星が。
とうとう今日、離れていってしまうんだ・・・

そして、
これからは私が、
あなたのようにならなければならないんだ。

なれるかな?
あなたみたいな暖かい星に。
優しい星に。
ちょっと変った不思議な星に。
みんなを包み込める星に。
30 名前:「宇宙に輝く星」 投稿日:2005/01/30(日) 18:35
きっとあなたは私という星を、
いつものように暖かい光で包んでこう言うんだ。

「大丈夫。」って。

その一言が私の力に、みんなの力になるんだ。
物凄い勇気が出てくるんだ。
よしがんばるぞ!!って気分になるんだ。

ほら、見てみてよ。
みんなキラキラしてるよ。
全部あなたのお陰だよ。
ありがとう。
本当にありがとう。

これからは1人になるけれど、
私達はずっとここで光り続けて、
あなたの事、応援するよ。

あなたも応援してね。

私、頑張るから。
あなたを目指して頑張るから。

新しい太陽として。
みんなを暖めていくね。
31 名前:「宇宙に輝く星」 投稿日:2005/01/30(日) 18:36

太陽みたいな星。 あなたへ。


卒業おめでとう。そして、

ありがとう。


end
32 名前:きぃつん 投稿日:2005/01/30(日) 18:45
2話分続けてお送りしました。

>>12 名無飼育さん

レスありがとうございます!!
想像されましたか??うれしいです。
これからも是非見てやって下さい。

>>13 通りすがりの者 さん

よろしいですか!?
よかった〜。ありがとうございます!!

ぶっちゃけてしまいますとですね、
私中学生。しかも3年生なもんで。なかなかPC触れないんです。
2月後半からは全く更新出来なくなると思われます。
それまでに、たくさん更新しますので宜しくお願いします!

あ、あと、私が想像したメンバーを、
このスレが終わりになったら載せたいと思ってます。
おたのしみに〜
33 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/02/05(土) 20:14
中学ですか、今は受験の真っ只中で大変な時期ですね。
いつまでも更新待ってるのでまったりと考えてください。
更新まってます。
34 名前:きぃつん 投稿日:2005/02/15(火) 20:46

「なかよし」
35 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 20:49

一面黒い部屋。
・・・ここはどこだろう??
一瞬わからなくなった。


ああ。自分の部屋じゃん。なぁんだ・・・


窓から月が見える。
どうやら雲が隠して光が届かなかったらしい。
紛らわしい事しないでよ。バカ。
36 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 20:50

私は窓から床へと視線を移した。
そこには私の大切な物が2つ。

細くて綺麗な宝物。

すべすべな感触がなんとも言えない宝物。


大切な宝物の、

ふたり。
37 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 20:53

ずっと仲良くいられると思ってた。
ずっと三人で、
仲良く楽しく。
いられるって信じてた。

なのにどうして??

どうしてあんな噂・・・
仲が悪いって・・・なんで??ドウシテ??


それから私達、
食い違うようになっちゃったんだ・・・

38 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 20:55

「あったか〜い・・・」

このぬくもり。
私だけのもの。
絶対誰にもわたさない。

・・・今日楽しかったね。
ひさしぶりにたくさん遊んだ。
やっぱり三人だと盛り上がるよね。

「ねえ、楽しかったよね??」

二人に問いかける。
39 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 20:57

二人は何も答えない。
だけど私、わかるよ。

「そっか〜。やっぱり??私笑い過ぎてお腹痛かったよ。」

あったかい。

「ねえ、私達ずっと一緒だよね??」

あったかい。

「ずっと仲良しだよね??三人でずっと、ずっと・・・」
40 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 21:00

月の光に照らされて。
二人は輝いて見えた。

あったかい。

「見て、三人一緒になったよ。」

混ざりあうワタシタチ。

あったかい・・・

「これで私達いつまでも一緒にいられるね・・・」

あったかい、あったかい、あったかい・・・
41 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 21:02

月の光でキラキラと。
赤いワタシタチが光る。

「なんかさ、私もうすぐ本当の二人にあえるみたい・・・」

赤い。
ワタシタチは完全に混ざりあった。
42 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 21:05

私のカラダからながれる赤。

「ずっと一緒・・・」

赤。赤。赤。。

あたたかいワタシタチの赤は床一面に広がろうとしている。
これで見せつけられるね。
私達の仲のよさ。
みんな何も言わないよきっと。

「あったかい・・・」
43 名前:「なかよし」 投稿日:2005/02/15(火) 21:07

そして私は
黒い世界へ飛び立った。
二人の元へと飛び立った。


赤に染まった私達は

夜空に光るまあるい月にてらされた。



end。
44 名前:きぃつん 投稿日:2005/02/15(火) 21:13
あまり上手く文になってないです。
すいません・・・

>>33 通りすがりの者 様

レスありがとうございます。
今回の話はどうだったでしょう??
稚拙な文ですいません。
まったり頑張ろうと思います。

勉強が追い込みの時期なんで、
三週間ぐらい更新出来ないかも知れません。
ですが、頑張りますので宜しくお願いします。
45 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/02/18(金) 21:23
かなり暗めでしたね、しかもリアルな所がまた背筋がゾッと・・ 冷汗 まったりと更新待ってます。
46 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/03/02(水) 22:09
いつまでも待ってますよー。
47 名前:きぃつん 投稿日:2005/03/12(土) 18:16

「2人きり」


48 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:18

カーン、カーン、カーン・・・
 ザクッ、ザクッ、ザクッ・・・

真っ暗な闇の夜中。
町に奇妙な音が響く。
49 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:21

私はずっと突っ立ったまま。
目の前の人を見つめている。
もう何分も何時間も。

「だー!もう、まだかよー!!」

などと何回も叫んでいる、
ジャージ姿にスコップ、つるはしを持って汗を流し、
何故か道路をほり続けている
目の前のこの人、コイツを。
50 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:27

こんな事になったのは、
そう。
今日の朝の事だ。

ひさしぶりに家に遊びに行ったわたし。
彼女は興奮しているのか物凄い勢いで私に1つの機械を見せた。
手のひらサイズのメーターみたいな物に、液晶画面がついている、
なんだかおもちゃみたいな、四角いもの。

「すごいんだから!!!」

とか何回も何回も言いながら。
私に自慢をし始めた。

「これ、埋蔵金が見つけられるんだって!」
「・・・はい??」

今何て言った??
マイゾウキン??・・・埋蔵金!?
私は一瞬、彼女が本当にバカになってしまったと思った。
51 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:32

「ねえ、頭大丈夫!?熱でもあるんじゃないの??」
「違うって!!本当なんだってばぁ!!」

それでも信用出来ないわたし。
彼女はよし!と手を叩いて、

「今夜実践!!あったかい格好してウチに来い!!」

無理矢理決められ、仕方なく私は従う事にした。
夜、再び彼女の家に向い、ドアを開けた私の目の前に、
つるはし、スコップを持った姿で登場。
・・・本気だった。やっぱりだよこのバカ。
片手にはさっきの機械。

そして今にいたるワケ。
52 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:38

カツーン、カツーン、カツーン・・・
 ジャリッ、ジャリッ、ジャリッ・・・

「ねぇ、まだやるの〜??無理だってばぁ〜」
「だってコレ!光ってるジャン!!」
「そうだけどさぁ・・・」
「絶対あるんだって!!あー、また管出てきちゃった・・・」

姿の見えない相手に向かって話し掛ける。
大きな穴。
穴の横には土とコンクリートの大きな山が出来上がっている。
誰かに見つからないかヒヤヒヤするわたし。
あ、はいあがってきた。

「よし、次はここ!!」
「え、まってよ。穴埋めないの??」
「めんどくさい。」

はぁ。
また私が埋めなきゃならないのか。
なんだかなぁ・・・
53 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:43

「ねえ。なんでそんなの欲しいの??」
「あー??」
「どうしてそれが欲しいのって!!」

汗だらだらで半分体が埋まっている。
私はようやく穴を埋め終えた。
彼女は、穴をほるのに夢中でこっちの話を聞いていない。
まぁ、普段もだけど・・・

「だってさぁー、別荘立てられるじゃん。」
「はぁー??」
「そしたら2人で住めるじゃん。ずっと2人でさぁ。」
「え??」
「いつも2人きりでいられるじゃん。」

なに??
私と2人で暮らしたいからなの??
だから掘ろうって言ったの??

・・・ちょっとうれしいじゃない・・・
54 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:48

でもさあ、知ってる??
埋蔵金見つけても色々手続きとかしなくちゃいけないんだよ??
いろーんな書類とか書かなきゃいけないの。
しかもさ、あんたほってるの、道路じゃん??
別荘たてる前に逮捕されるよ??
・・・わかってないよね。きっと

結局見つからないまま日がのぼってきた。
人に見つかるとヤバいって事で、帰る事にした。
隣からなんかブツブツ聞こえてくるけど。
気持ちだけでじゅうぶん嬉しいから。
もうこんな事考えないでほしい。本当に。
55 名前:「2人きり」 投稿日:2005/03/12(土) 18:50

私達が去った後には、穴だらけの道路があった。
そこにはピコーンピコーンと光を放つ
四角い機械が1つ。

「あ!!機械おいてきた!!」

やっぱりバカだ。


end
56 名前:?u?Q?l?《?耶 投稿日:2005/03/12(土) 18:53
>>45>>46 通りすがりの者 様

ようやく更新出来ました。
待っててくれてありがとうございます。本当に嬉しいです〜
これからは、週1ペースで更新して行きたいと思ってますので!!
57 名前:きぃつん 投稿日:2005/03/12(土) 18:54
上の書き込みは私です。
まちがえたぁ〜・・・
58 名前:名無し読者 投稿日:2005/03/13(日) 18:45
待ってました!今回も面白かったです
今回の二人は…あの二人だと想像してます、マジボケとマジレスの…違うんかなー
いつか明かして下さいね
でもまだたくさん作者様の作品を見たいからバラしは当分先でいいです(笑)
59 名前:きぃつん 投稿日:2005/03/19(土) 20:53


「約束」

60 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 20:55

ねえ、わかる??
今私が何を考えているか。

ねえ、わかる??
今私がどういう気持ちか。

ねえ、ねぇってば・・・

61 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 20:58

仕事を終えた夜。
自宅へ帰って来た。
疲れたままの体でボーッとご飯を食べる。
茶わんも洗わずに部屋へ行く。
電気をつけずに、かわりにテレビの電源をつけ、
それをただボーッと見る。


悲しくて、頭が真っ白だから。


何をしようとも思わない。
ご飯の味も覚えていない。
テレビの内容もわからない。
ただただ画面を見つめ、
その光が視界に入ってくるだけ。
62 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:00

私に隠し事しないでね??
いつも私にいっていた言葉。

何かあったら一番に教えてね??
いつも私が聞かされていた言葉。

約束ね・・・
決まり文句のようにいつも私にいった言葉。
63 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:03

どれくらい時間がたったとか、全然わからない。
ボーッと何もしないで座っている。

私にいつもいってた事、
あなたは守ってくれなかったんだね。

一番に教えあうっていったじゃない。
何も知らなかった。
私、何も聞いてなかった。

私って噂は信じない人だから。
そんな事ないって思ってたのに。

信じてたのに・・・
64 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:04

私の手の中には携帯電話。
着信を待っている携帯電話。
返信を待っている携帯電話。
65 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:06

朝からずっと待ってる。
何もかえって来ない。


今何してる??
今どこにいる??
今、誰といる・・・??

66 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:09

ねえ、わかる?
今私が何を考えているか。

『わかるよ。私の事でしょ??』

ねえ、わかる?
今私がどういう気持ちか。

『わかってるよぉ。私と同じでしょ??』


・・・・・・
67 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:11

ねえ。
いつもならそう答えてくれるじゃん。
ふにゃっとした笑顔で言ってくれるじゃん。
いつも当ててくれるじゃない。

68 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:13

ねえ、私の事考えてる??

ねえ、私の事好き??

ねえ、私より好きなの??

ねえ、大事な物は何??

ねえ、ねえってば・・・


どうして答えてくれないの??
わたし、ちゃんと約束守ってるじゃない。
あなたとだけの・・・

69 名前:「約束」 投稿日:2005/03/19(土) 21:13



ねえ、ねえってば・・・



end
70 名前:きぃつん 投稿日:2005/03/19(土) 21:17
>>58 名無し読者 様

ありがとうございます。
そうですね〜。きっとそうですよ・・・
この作品は、複数のカプをあてはめたんですけど。
さて、どうでしょう??
スレの最後に明かしますので、お楽しみにw
71 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/03/20(日) 17:56
更新お疲れさまです、そしてありがとうございます。待ち侘びてましたよ更新。うーん、一作目はあの口調からしてあの二人かな?っと想像。似たもの同士という感じがあったり。 二作目はちょい迷ったりしましたが多分あの人と言う感じで想像、少しゾクッとした面もありましたね。 CPも楽しみにしてます。 次回更新待ってます。
72 名前:きぃつん 投稿日:2005/03/27(日) 20:33


「甘えてもいいですか?」

73 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:35

「大人っぽくなったね。」

最近よく言われるようになったこの言葉。
ちょっと嬉しく感じる。
でも、なんだかちょっと、う〜ん、複雑な感じ。
74 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:38

本当は、心は子供なんじゃないかと自分では思う。
誰かに甘えていたいし、わがままだって言いたいし。
頭もあんまり大人の思考は持っていない。
難しい事言われてもあんまわかんないし、
意味の違う事も言っちゃったり。

だけど、なぜか大人だって言われる。
しっかり者だねって言われる。
75 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:40

どうしてなんだろ??
本当は、まだまだ子供なんですよ?

そりゃあ、ツッコミ役になったり、
同期とか年下といるとまとめちゃったりするけどさ。

もっと、甘えていたいのに・・・

76 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:43

・・・。ほら、また言われちゃった。
いつも一緒にいる、
ちょっと年上の彼女に。

「ホントしっかりしてるよねえ。私より年上みたい!」

ちょっと笑いながら。
まあ冗談のつもりで本人は言ってるつもりだろうけど。
なんで??
ちょっとまとめてみようかな〜と思って仕切っただけだったのに。
77 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:44


なぜだか悲しくなって
涙が溢れてきた。

78 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:46

「え?えっちょっと〜、どうした〜?」

突然泣き出した私に戸惑う彼女。
めったに泣かないからなぁ。
弱さを見せるようでイヤだから。

「もう、しょうがないなぁ〜。よしよし。」

とかいいながら、
私を抱きしめてくれた。
頭を撫でてくれた。
79 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:48


彼女の腕の中はとてもあたたかくて、
とても安心出来る空間だった。

80 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:50

たま〜に、お姉ちゃんって言われている彼女。
本当は、本当は・・・
ずっと私も言ってみたかった。
いつか言おうって思ってたりしてた。

今なら、言えるかなぁ・・・?

私は泣いたまま、彼女の腕の中で、つぶやいてみた。
81 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:53

「お姉ちゃん・・・」

小さい声で言ったのに、気付いたのか、彼女は腕にぎゅうっと力を入れた。
私も背中に手を回してぎゅっとした。

なんかちょっと楽になった気がした。
なんかちょっと恥ずかしくなった。
なんかちょっと・・・嬉しくなった。
82 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:57

なんだよ〜。
やっぱり私より大人じゃんか。
ちょっとくやしい・・・

ゆっくりと顔をあげると、
微笑んで私を見てきた。
そっと私のほっぺに触れて、涙を拭ってくれて。

「妹が増えちゃったよ。ははっ」

あ、
やっぱり聞こえてたんだ。
うわ、ちょっと、ハズい!
かーっと、顔が熱くなっていくのがわかった。

83 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 20:59

「あ〜!顔まっか!あはは!まっかまっか!!かわい〜!」

そう言って私をまたぎゅっとする彼女。
笑って楽しんでるとこ、子供みたい。
大人なんだか子供なんだか。
やっぱり私がしっかりしなきゃいけないのかなぁ?
84 名前:「甘えてもいいですか?」 投稿日:2005/03/27(日) 21:01

でも、また言ってもいいかな?
甘えたくなった時、
寂しくなった時、
泣きたくなった時。
抱きついて言いたいなぁ。

お姉ちゃんって。


end。
85 名前:きぃつん 投稿日:2005/03/27(日) 21:08
更新終了です!
今回のCPは、私の大好きなCPです。
作品のなかにも多くあてはまると言う・・・
ひいきしてごめんなさい。

>>71 通りすがりの者 様
待ってくれてありがとうございます!
とても嬉しいです。
上に書いた通り、最初の作品も、実は今回のCPだったり・・・
違うCPも何組か入るな〜と思ってるのですが。
とにかく頑張って全CPが物語に入るようにしてます。
これからも読んで下さいね。
来週は更新出来ないかもです・・・
86 名前:名無し読者 投稿日:2005/03/27(日) 23:49
やった!更新きてた!お疲れ様です。
贔屓上等!全然オッケーです。
自分もたぶんこのCPが一番スキなもので…当たってれば、多分(笑)
87 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/03/29(火) 01:20
更新お疲れさまです。 ちょっと意外なあの人かなーと想像、違ったらあの人かなーとダブル想像(^^)v まったりと 次回更新待たせて頂きます。
88 名前:きぃつん 投稿日:2005/04/10(日) 21:46


「サクラ色の恋。」

89 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 21:49

「うはは〜!!!」

たいしておかしくもないのに自然に出てくる笑い声。
まあ、いつものことだってメンバーには言われそうだけど。
気分が浮かれてしまう。
それはたぶんきっと、
春だから、なんだと思う。
90 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 21:52

ライブのリハの合間、こっそり2人で抜け出してきた。
今の季節は桜が咲いているから2人だけでお花見しようって。
この間約束したから。
お弁当も何もない、本当に花を見るだけの。

ジャージ姿でプラプラとあるく。
91 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 21:55

「あったかくなったな〜。」
「そうですねぇ。半袖でも大丈夫ですもんね〜。」

ポカポカ陽気。
太陽の光が葉っぱの隙間からちらちらと私達を照らす。
癒されるなあ〜。
カメラ、持ってきてよかったぁ。

カシャッ、カシャッ
デジカメで次々と撮っていく。
お!綺麗な横顔・・・

カシャッ!
92 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 21:59

「ん??あ!!今撮った!?」
「あ、ばれちゃいました?きれいだったからつい。」

ベシ!!

「いっだ〜〜〜!!何するんですか!」
「こっぱずかしいこと言うからだよ!」

あぁ、顔真っ赤だ。

早足で歩く先輩。
先輩・・・ってあまり言わないけどさ・・・
私の、憧れの先輩。
大好きな、好きで好きでたまらない先輩。
93 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 22:06

ピタッ
1つの木の前で止まった。
フワフワと花びらが目の前で舞っている。

満開の桜。
一面サクラ色の空間・・・

「さくらいろ〜はつ〜こい〜の〜いろね〜♪」
「・・・何歌ってんの?」
「さくら組の歌ですよ。」
「知ってるよ!」
「そうですよね〜。1番知ってますよね〜。」

さくら組の「さくら満開」。
先輩が歌ってた曲。
凄く綺麗で、白い肌に似合ってたな〜。

「もう〜あ〜なた〜い〜がい〜のひとは〜めにも〜う〜つらないみ〜た〜い〜♪」

歌詞の通り。
もうあなた以外の人は見えない。
先輩に夢中なんです。
94 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 22:09

「どうしてくれるんですか!」
「は!?なに?突然・・・」
「綺麗すぎるんですよ!」
「はぁ〜??」
「私以外の人も好きになっちゃうじゃないですか〜!!」
「あのねぇ・・・」

苦笑いの先輩、ダダをこねる私。
そっと肩を抱かれた。

「私はお前だけのもの、お前も私だけのものだよ。」

そっと耳もとで囁かれた。
95 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 22:12

「・・・あー!!恥ずかしい!!なに言わせるんだよ〜!!」

大声で騒ぎ出した。
本当に恥ずかしそう。

「かっこいいですよ!!大好きで〜す!!」
「うわ!!」

ぎゅーっと抱きついた。
こういうところ、かっこいいなあ。
やっぱり憧れちゃう。

「あ。もう時間だ。戻ろー」
「はーい」
96 名前:「サクラ色の恋。」 投稿日:2005/04/10(日) 22:16

私達の時間は限られている。
幸せの一時もその限られた時間のなかでしか存在しない。
私達の自由な時間って少ないんだ。


また、来られますかね?
きっとまたここに来れるよ。2人でね。


サクラ色の恋。
私達は来年も見られる気がする。

ね?先輩!!


end
97 名前:きぃつん 投稿日:2005/04/10(日) 22:22
更新終了です!
ストックが無くなってきてちょっと焦ってます・・・

>>86 名無し読者 様

ひいきいいですか??よかった〜
これからもこのカプが多く登場すると思います。
どうしてもこのカプに集中しちゃって・・・
他も好きなんですけどね。

>>87 通りすがりの者 様

お言葉に甘えてちょっと遅く更新してしまいました。
いつもレスありがとうございます。
本当に、支えになってるんです。
マイペースですが、飽きないで下さいねw
98 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/04/11(月) 06:38
更新お疲れさまです。 これはやっぱりあの二人だと想像。 この二人が出てくる作品も多いので自分的には嬉しいです。 次回更新待ってます。
99 名前:きぃつん 投稿日:2005/04/17(日) 20:41


「ワタシタチ」

 
100 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 20:43

私はいつからここにいたんだっけ?
私達はいつからこの部屋にいたんだっけ?


私達って、なんだっけ・・・?

 
101 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 20:46

毎日毎日、同じ事のくり返し。
与えられた仕事をして、ご飯を食べて眠って。
この小さな部屋と、仕事場と、それをつなぐ廊下が私達の生活の場。

まるでロボットのように、
自分の意思を無視して。

ずっと前から今日まで
私達はこうやって過ごしてきた。
 
102 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 20:50

1つの部屋に2人ずついれられて、
真っ白な部屋に小さなドア1つ、小さな窓が1つ2つ。
ベットが1つだけだから2人で抱き合って眠る。

2人で協力しあって笑いあって。
たまに泣いたり怒ったり。でも楽しい毎日だった。

・・・そう。
「だった」なんだ。
もう、そんな事は過去の思い出になってしまった。

103 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 20:52

いつからだったっけ?
あなたが笑わなくなってしまったのは。
無邪気で、かわいくて、
キラキラした目を細めて笑った、あなたはどこへいってしまったの?

どうしてそんなに悲しそうなの?

 
104 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 20:57

仕事場から戻る時、たまに他の部屋の中が見えたりする。
ドアが開けっぱなしにされている時だけ。
みんな開いてる事にすら気付かない。
やっぱりみんな私達のように2人部屋で。

窓を見ながら肩を寄せあって、
「空、広くて綺麗で、青くて・・・」
とずっとつぶやいている2人もいれば、
手をつないでずっと歌い続けている2人もいた。

いつからみんなこんな風になってしまったんだっけ?
誰ひとりとして笑顔を見せなくなったのはいつ?
あなたも、それぐらいだったっけ??

・・・
思い出せない。
どうしても思い出す事が出来ない。
どうして?なぜ?
これが「普通」だから?
 
105 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 21:00

今日も同じ風景が窓から見えてきた。
2人で夕日を見る。
綺麗だとか、感動したとか、そういう気持ちは一切起こらない。
ただ2人で日が暮れるのを見るだけ。


ふと隣を見ると、
やっぱり悲しい顔をしたあなたが私を見つめていた。
あなたの瞳にうつる私。

やっぱり笑っていなかった。

 
106 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 21:04

自分の気持ちが殺されていく。
考える事を禁じられた。
こうやって思ったり、考えたりしているだけで、
私はまだみんなのように「普通」にはなってないだろう。

そうだよね?
違うかな??

楽しさ、嬉しさ、怒り、寂しさ、悲しさ・・・
色んな感情があったはずなのに。
今私が感じられるのは
寂しさと悲しさだけ・・・
あなたもそうなのかなぁ・・・
 
107 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 21:07

・・・・・・
暗い暗い夜になった。
部屋の電気をつける。
ただでさえ白い部屋が、電気をつけて更に白さがます。
いつもそう思う。
気がおかしくなりそう。

部屋を見ないようにしながらベッドへ腰掛ける。
あなたの隣へと座る。
いつもの定位置。

あなたはさっきから私を見つめてるね。
どうしたの?
なにかを訴えているの?
どこか痛い?苦しい?

どうして泣いているの??

 
108 名前:「ワタシタチ」 投稿日:2005/04/17(日) 21:12

私はあなたが笑ってくれればいい。
それだけでいいの。
ねえ、笑ってよ。
それだけで私の世界は変わるんだよ?
嬉しくなれるし、楽しくなれる。
きっと、私も笑えるようになる。
そんな気がするんだけどなぁ・・・


今日も1日がすぎていく。
明日もがんばろう。明日こそ頑張ろう。
あなたの笑顔を思い出させるために。
私の世界を変えるために。

また、同じ1日がすぎていく。


end
109 名前:きぃつん 投稿日:2005/04/17(日) 21:18
更新終了です!
あ−、何でこういう雰囲気だらけになっちゃうんでしょうね?
くらっぽいっていうかなんというか・・・

>>98 通りすがりの者 様

いっぱい想像してくださ〜い!
想像っていうのは外す事はありませんからね。
個人の自由ですから、
私が思ったのとは違うほうがすごくためになるというか、私自身もあ〜そうかって思えますから。
このスレが終わる時、もしよかったら教えて下さいね。
110 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/04/18(月) 07:05
更新お疲れさまです。 今度のはかなり難しく想像(^^;かなり今の自分の思考と被り、すごく興味深かったです。 いいですね、最後に答え合わせなどをさせて頂ければ幸いです。
111 名前:きぃつん 投稿日:2005/04/24(日) 22:08

 
「きいろ×貴色」

 
112 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:11

ん・・・えーっと??
ここはどこ?
私は誰?・・・ってそれはわかるけど。
ここは何なんだ?
全く分からないんだけど。
自分から来たっていう覚えもないし・・・

私の周りを埋め尽くす黄色いタンポポのはな。
まるで黄色いじゅうたんみたい。
 
113 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:14

「だれかー!!いないの−!?」

叫んでみても誰からも返事が帰って来ない。
・・・もしかして、誰もいない??

「やだ!!ねえってばぁー!!!」

怖くなってさっきよりも大声で叫んでみた。
しぃーん
やっぱ誰もいない??
 
114 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:19

「ばあっ!!」

!!!!
「ぅぎゃぁぁぁぁっ!!!!?」
「うわ!失礼じゃない??私だって私!!」
「えっ!?詐欺!?わ、私お金ないです!勘弁して下さい〜!!」

突然後ろから声をかけられて慌てた私は、
「私私詐欺」だと勘違いして意味の分からない言葉を早口で叫んだ。

・・・ん??ちょっとまてよ?
どっかで聞いた事ある声だ。
あ!!

「なんだー!!もうびっくりしたー!」
「はははっ!」
「どこにいたの?っていうかここどこ??」
「うんとね〜。えへっ」
 
115 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:23

楽しそうに笑いながら私の前へ出て来た。
クルクルと回りながら。

「ここは私。私の心の中なんだよ。」
「・・・??」
「これは夢。きっと2人とも同じ夢を見てるよ。」
「夢?」
「うん。夢。」

ニコニコと笑って、本当に楽しそう。
そっか夢なんだ。

そう思うとなんだか私まで楽しくなって来た。
一緒にクルクル回ったり、追いかけっこしたりした。
うーん、たまにはいいかもね。こういうの。
 
116 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:27

「はははっ!楽しいね!」
「でしょ?だって私だもん!」
「はははっ!」
「もう少しでもっと楽しい事が起こるよ。ほら!」
「なんだろ?」

隣の彼女が指差した方向を見てみる。
・・・おぉぉ!?
なんだこれぇ!

「すごい!すごぉいね!!」
「ふふっ!」

ぶわっとタンポポが綿毛になって向こうからこっちへと飛んでくる。
黄色いじゅうたんから白いじゅうたんへ早変わり。
雪が降ってるみたい。
綺麗・・・
 
117 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:31

「あ、あれ??」
「へへっ」

白いと思ってたらいつの間にか黄色に戻っていた。
まだフワフワと綿毛が飛んでいるけど。
私の足元は黄色いタンポポ。

「どういうこと??」
「言ったでしょ??ここは私の心の中。
次々に新しい気持ちが生まれるから、こうやって綿毛になってみんなに伝えていくんだよ。」
「ほう。」
「イイでしょ。私のタンポポ。」
「うん。とってもきれい。」
「へへへ!」
 
118 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:32

しばらく2人で何回かその瞬間を見ていた。
なんかあきない。
このままずっと見ていてもイイな〜なんて思った。
綺麗だぁ・・・

 
119 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:35

・・・・・・
「う、う〜ん??あれぇ??」

気がつけば私の部屋にいた。
きちんとベットにはいって寝ていた。

「ほんとに夢なんだぁ」

物凄いリアルだった。
あの綺麗なタンポポ。白い綿毛。

「ふふふっ」

なんだか楽しい。
夢の中の気持ちがまだ頭の中に残っているみたい。
 
 
120 名前:「きいろ×貴色」 投稿日:2005/04/24(日) 22:37

もう私の心にはたくさんのタンポポが咲いているだろう。
あなたのタンポポ。
そして私のタンポポ。
きっと今までよりもっともっと、お互い大きな花を咲かせているだろう。

楽しい、凄い楽しい。
今度私も彼女を私に招待しよう。

私の中のタンポポ畑に。


end
 
121 名前:きぃつん 投稿日:2005/04/24(日) 22:42
更新終了です!

これからしばらくは、春の植物ネタが続くでしょう・・・
冬に書きためたのがあるんで・・・

>>110 通りすがりの者 様

難しかったですか?
私も実はハッキリとしたカプは決めてないんです・・・
自分ももっと研究していきたいと思います。

来週からは更新が不定期になるかもです・・・
122 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/04/25(月) 21:29
更新お疲れさまです。 この時期にぴったりの想像が出来たと自分で納得(苦笑 そういえばこの前この花と同じモノが道に咲いてました、種が飛んだ風景はとても綺麗でした。(シミジミ はっ、( ̄□ ̄;)つい自分の思考の中に・・。(恥 次回更新待ってます。
123 名前:きぃつん 投稿日:2005/05/08(日) 21:29


「いちご」

124 名前:「いちご」 投稿日:2005/05/08(日) 21:31

真っ赤なんだよ、いちごってさぁ。
まあ、知ってるよね?それぐらい。
甘かったり酸っぱかったりするけどさ、
でも、おいしいんだよね〜。

何の話がしたいかって?
まあきいててよ。
 
125 名前:「いちご」 投稿日:2005/05/08(日) 21:36

あれだよ。
いちごみたいに、人もそれぞれってコト!!
色んな性格とかあるじゃない?
例えば、
・ノリがいい
・ぼけてる
・おとなしい
・常にはじけてる
・元気
・ツッコミ体質
・アホっぽい
・おっとり
・落ち込みやすい
・・・とかね。
それぞれが個性っていうもんじゃん?
ひとりひとりの味じゃん??
126 名前:「いちご」 投稿日:2005/05/08(日) 21:37

だからさ。
大丈夫だよ。
自分なりの表現でいいんだって!
いちごみたいにどんどんおいしくなっていけばイイの!!
 
127 名前:「いちご」 投稿日:2005/05/08(日) 21:40

ほら、泣かないでよ。
私が泣かしたみたいじゃない。
よ〜し!ご飯おごってあげるから食べにいこ?
も−、こんな細いうでして〜。
いっぱい食べなさいね?

そのままでいいんだよ。
自然の味が一番なんだから。


end
 
128 名前:きぃつん 投稿日:2005/05/08(日) 21:40
もうひとつ。


「桜の子」

 
129 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 21:43

いつも見ていた。
学校の帰り道。
途中にある原っぱ、1本の桜の木。
制服姿の1人の女の子。
花びらがふわりと舞う中。
いつまで咲いてるのかな〜とか思いながら。
 
130 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 21:46

春のにおいがした。
草のような、土のような、お日さまのような。

ふわり

別のにおい、花の香りがまじってくる。
いつもの場所で
とっても優しい香り。
安心するあったかい香り。
 
131 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 21:48

広い原っぱ。
何もない原っぱ。
真ん中に桜の木が1本。
ピンク色が満開だ。

いつも立ち止まって眺める。
大好きな桜の木。

そして1人の女の子。
セーラー服のかわいい女の子。
長くて黒い髪が綺麗な女の子。
 
132 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 21:53

毎日かわらぬ風景にはいっている女の子。
ひらひらと舞う花びら。
ただ立っているだけ。
なのに桜より気になってしまうぐらい綺麗で。

ふわふわと髪をなびかせている。
とても優しい表情。やわらかい笑顔。
どこの誰だか分からない。
一回も会話なんてした事がない。
だけど、きっと私もそのこもきっとお互いが存在を認めていた。
 
133 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 21:55

ある日雨が降った。
春の長雨。
桜の木は、あの子はどうしているのだろうか。
授業なんか聞かないで、ただ早くあの原っぱに行きたい気持ちでいっぱいだった。


早く行かなきゃ・・・

早く会いに行かなきゃ・・・

 
134 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 21:58

バシャッバシャッバシャッ・・・

傘もささずに全速力で原っぱまで走った。
足に跳ねる泥もきにせず。

待ってる、きっと私を待ってる。

私はそう思った。
確かではないけれど、そう思った。
その思いが手伝って、私の足は自然に動いていた。
 
135 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 22:01

雨の中、ようやく辿り着いた。
いつものあの優しい花の香りはなく、雨と土の混ざりあったにおい。

桜の木は、
あのピンク色はほとんどなく、土の上に悲しそうにくっついていた。

ザーザーと雨の音。
もう緑色の葉っぱしか残っていない桜の木。

・・・いた。
セーラー服のあの女の子。
こっちを見ていた。
 
136 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 22:05

「あの・・・」

声をかけようと思った。
だけど、その前に先に言葉が聞こえて来た。
頭の中に直接響く、かわいい声。


ありがとう
 ありがとう・・・

やわらかい笑顔で微かに口を動かして。
同じ言葉だけをずっと私に言っていた。

そして雨に紛れるように、すぅっとどこかへ行ってしまった。
ふわりと、あの子がつけていた赤いスカーフだけが残った。

 
137 名前:「桜の子」 投稿日:2005/05/08(日) 22:07

今でも原っぱを通ると思い出す。
ピンク色の中に1人の女の子。
来年の春にまたあえるかなぁ。
そんな期待を持って。
今度こそ話が出来たらいいな。
名前を聞こう。友達になろう。


桜の似合うセーラー服の女の子。
また、会おうね。


end

 
138 名前:きぃつん 投稿日:2005/05/08(日) 22:13
更新終了です。
先週出来なかった分をあげてみたのですが、短い!!
一週分ぐらいしかない・・・

>>122 通りすがりの者 様

あ、見ましたか?
実は作者も、あの風景に感動して書いたものなんです。
何度見ても綺麗なんですよね。わかりますよ・・・
春の植物シリーズ、そんな感想もまってますよ〜。

では次回更新も頑張ります・・・
139 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/10(火) 23:01
更新お疲れさまです。 相手がなんとなくあの人かな?と想像・・・。 今日は少し雲があってなんだか変わった世界に見えました。 もうすぐ梅雨ですねぇ。 春はなんと言っても甘っぽさがあって好きなんですよねぇ。 次回更新待ってます。
140 名前:きぃつん 投稿日:2005/05/15(日) 21:13
すいません、テスト期間中なんで、水曜あたりに一作かかせて頂きます。
呼んで下さっている方、ご了承くらさい。
141 名前:きぃつん 投稿日:2005/05/18(水) 21:50


「大人の味?」

142 名前:「大人の味?」 投稿日:2005/05/18(水) 21:53

「おいしいね、すっごくおいしいねこれ!」

うん、そうだねって、何回言うんだろうかこの子は。
甘いもの大好きな私達。
あんこを口の端につけながら、
1つ、2つ、3つ・・・
どんどん箱からお腹の中へ入れていく。

143 名前:「大人の味?」 投稿日:2005/05/18(水) 21:55

「苦いけど甘いのって大人っぽいよね!」
「そ、そうなの?」

パクパクモグモグ。
口を動かしながら語りだした。
って言うか食べ終わってから話しようよ。
・・・言っても聞かないんだけどさ。

144 名前:「大人の味?」 投稿日:2005/05/18(水) 21:59

「小さい時ってさ、ほらやっぱ甘いものが好きだから。
ここに置いてあってもね、ピンクの桜餅とかおはぎとか。そういうのが嬉しいでしょ?」
「あー、まあねえ。」
「だからお母さんとか緑色のヨモギがはいったお餅食べてるのみて、
見た目が苦そうだから、大人なんだな〜って思ってた。」
「ふぅん。」

・・・あぁ、全部食べてしまった。
ひと箱12個入り。私は4つしか食べていない。
たべすぎだから。ふつうに。
 
145 名前:「大人の味?」 投稿日:2005/05/18(水) 22:02

「自分もこれが食べられたら大人なんだ!って決めてて。」
「へ〜」
「それでね、ある日食べてみたら、すごくおいしいの!
やっと大人になれたんだ〜って嬉しかったな〜。」

ニコニコしながら箱をたたんでゴミ箱に入れている。
私はその間にお茶を入れておく。

ずずっ
はぁ〜・・・
 
146 名前:「大人の味?」 投稿日:2005/05/18(水) 22:04

「おいしいね。」
「うん。おいしい。」

雰囲気はまだまだ子供な感じだけど。
まあ、これでいいんじゃないのかな?

「うん!」

ゆっくりと大人になっていけばいいんだよね?
2人でヨモギ餅を食べてお茶を飲みながら。


end

 
147 名前:きぃつん 投稿日:2005/05/18(水) 22:09
短いですが更新終了です。

>>139 通りすがりの者 様

今回はちょっと分かりずらくしてみようかな〜なんて ・・・
作者はこれっぽっちも思っていませんでしたw
ただ書いてみたらなんと自分でも相手が誰だっけ?と思うようなものに・・・
次回で春の植物シリーズは終わりになります。
只今「梅雨」や「雨、台風」を題材に書いております。
楽しみに待っててくれると嬉しいです。
でわ〜
148 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/19(木) 22:06
更新お疲れさまです。 なんかこの雰囲気が似合いそうな二人かなぁと想像。 なんか唐突に気付いてしまったんですけど、想像と言うより予想的なものに変わった感じがします。(アセ 自分も同じく訳分かんなくなる時があるので。   でも作品は拝見させて頂くので、頑張ってください。 次回更新待ってます。
149 名前:きぃつん 投稿日:2005/06/19(日) 17:58
更新が止まってしまっていてすいません(汗;
学校の行事とか体調を崩したりでなかなか出来ないんです・・・と言い訳してみます・・・
今週中には出来たらイイな〜と思っています。
尚、予定していた春の植物シリーズは季節にあってないので、来年にでもこのスレがまだあったらあげたいなと思っております。

今までのまとめです。

「空」>>2-10   「デートなんです」>>14-24
「宇宙に輝く星」>>25-31   「なかよし」>>35-43
「2人きり」>>47-55   「約束」>>59-69
「甘えてもいいですか?」>>72-84
(春の植物シリーズ)
「サクラ色の恋。」>>88-96   「ワタシタチ」>>99-108
「きいろ×貴色」>>111-120   「いちご」>>123-127  
「桜の子」>>128-137   「大人の味?」>>141-146

でわ。
150 名前:名無し読者。。。 投稿日:2005/06/21(火) 23:58
前作品を復習させていただきつつ、またーり待ってます
151 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/22(水) 06:20
そうだったんですか、それでは一回目からまとめて見て次回更新をまったりと待たせていただきます。
152 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/18(月) 17:14


「黒いキオク」

 
153 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:17

この雨の長い季節。
私の幸せで、でも悲しかった日常を思い出す。

冷たい部屋の、四角い窓から見える雨。
あの頃と変わらぬ暗さ。
次々と溢れる思い出。


あなたと私の最後の日。

 
154 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:19

・・・・・
ザーザーザーザー
梅雨の季節。
私は1人で買い物に出かける。
お気に入りの傘で近所のスーパーへ。
週に一度の買いだめの日。
両手に袋をぶら下げて、同じ道を戻る。
 
155 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:24

「ただいまー」

マンションのドアを開けて叫ぶ。
いつものように返事はない。
奥へと続く廊下を進み、リビングへ。
どさっと荷物を置き、キッチンの冷蔵庫へ適当に詰め込む。
買ってきたものの中からお茶を取り、2つのコップに注ぐ。

ピンクと水色の綺麗なガラスのコップ。
こぼさないよう慎重にお盆にのせて、リビングを出る。
 
156 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:27

コンコンッ
ドアを静かに叩いて中に入る。
普段2人で寝ている、
あまり、物の少ない彼女の部屋。

「・・・おかえり」
「ただいま。なんもなかった?」
「うん。」

ベットにうまる小さな愛しい彼女。
雨の日は具合が悪い、と一日中寝込んでいる。
ジッと何かに耐えるように眠り続ける。


彼女は病気だった。

 
157 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:35

本来ならば元気に学校へ通っている年である。
だが、彼女が外に出る時と言えば、病院に行く時だけ。
日に当ると動けなくなるぐらい調子が悪くなるし、雨の日はだるくなってしまうから。

医者によると、胸にある臓器を患っていると言う事だった。
いわゆる心臓病。
出逢った、小さな頃は知らなかった。
幼かったからなのか。
思えば思いきりはしゃいだり、走ったりはしていなかったのに。
初めて苦しんだ彼女を見た時、その時初めてしったんだ。

「お茶持ってきたけど、飲む?」
「うん。」

日に日に細くなっていく体を、壊れないように優しく支えて起き上がらせ、
ピンクのコップを口に当ててやる。
ゆっくりとそれを飲んでいく。
口の端から何滴かこぼれ落ちた。
 
158 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:39

長い髪が顔にかかって青白い顔を更に暗くさせる。
切ってあげようか、聞いた事があった。
だけどそれを拒否した。

私と同じくらいがいいから。と。
一緒がいい、一緒じゃなきゃヤだ。と泣きながら嫌がった。

「・・・ありがと」
「もういいの?少ししか飲んでないじゃない。」
「いいの。もうだるい。」
「そっか。」

彼女を寝かせてやると、すぐに目を閉じて眠ってしまった。

まだ雨は止みそうにない。

 
159 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:41

そしてその翌日。
私と彼女が永遠に別れる日。

いつものように、静かな1日が過ぎるはずだった。
窓から外を眺めて、2人で話をして、眠る彼女を見つめて・・・

彼女の一言がなければ。

 
160 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:46

「ねえ、あのさ」
「?なに??」

彼女の髪をとかしてあげている時だった。
私の手をとめて、ジッと目を見つめた。

「私のこと好き?」
「えっ・・・何?突然。」
「好き?」
「うん。好きだよ。大好き。」
「・・・そう。じゃあ、私のお願い聞いてくれる?」

寂しそうに、せつなそうに微笑んで見つめ続ける彼女。
私はそれに答えてやる。

「聞くよ。なに?」


「私を、殺して?」

 
 
161 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:52

私を殺して?
コロシテ?コロス??

私が、彼女を殺す??

「なんで!?」
「もうつらいんだ。苦しいんだもん。私、生きてくの嫌になっちゃった。」
「ヤだよ!なんで殺さなきゃならないの?治してもらえばいいじゃない!」

涙がこぼれていく私の目。
ジッと見つめる彼女の目。

「もう、あなたと一緒に居たくない。」
「なっ・・・!?」
「だから、殺して?」

彼女の目からも涙がこぼれた。
162 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 17:57

ザーザーザーザー
雨の音が聞こえる。
私は右手に、光る銀色を握った。

「じゃあ、ね。」
「うん。」

グッ
彼女が患っている所に、右手のそれを当てて、思いきり力を入れた。
リアルに伝わる、あたたかさ。

「ぁっ・・・」

ゆっくりと引き抜く。
沈み込む彼女のからだ。

「・・・ゴメンね・・・ありがと・・大好き、だよ・・・」

最後の彼女の言葉。
 
163 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 18:01

ザーザーザーザー
ピチャッピチャッ・・・

気付くと私は裸足のまま、赤に染まったまま外に出ていた。
何もかも忘れてしまいたかった。
彼女のことも、愛していたことも。

手に残るものは、忘れる事を許してくれなかった。
164 名前:「黒いキオク」 投稿日:2005/07/18(月) 18:07

・・・・・
あれから数年がたつ。

私は囚われの身。であった。
しかし、それが今日、解放される。

彼女が書いていた手紙が発見された。
私に向けたものだった。

私が殺さなくても、もう長くはなかった事や、
好きという気持ち。


私はあなたの元にいきます。
まだこんなにも愛しているから。
殺したくても殺せなかった気持ちを伝えに。
待っててくれているよね?


右手に握る光る銀色を、私の胸にさした。


ザァーーーッ・・・

また、雨が降り出した。


end
 
165 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/18(月) 18:16
更新すると言ってから、またあいてしまいまして(汗
すいません。。

>>148
>>151  通りすがりの者 様
 
更新しました!
まってくれてありがとうございます!
これからは気をつけますんで・・・えぇ。
よければ、また読んで下さい!

>>150  名無し読者。。。 様

復習期間が長くて申し訳ありません!
しかもまとめが見づらくて、本当にすいません!

明日か明後日に、今回の作品の番外編、もっと昔のことを2本載せたいと思っています。同じカプと、違うカプ&同じカプがでるものです。
お楽しみに?
166 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/18(月) 18:24
更新お疲れさまです。             うぁー(Τ□Τ)痛い!! 痛すぎますよ! でもなぜか次回を期待する自分(ェ 次回更新待ってます。
167 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/21(木) 14:55


「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」

 
168 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 14:56

「ねえねえ、これなんていうの〜?」
「これ?」
「うん!!」
「これはねえ、」

「てるてるぼうずっていうんだよ」

 
169 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 14:59

雨がザァザァふってきた。
いやだなあ。
せっかく遊ぼうと思ってたのに。
まどが雨でぬれてお外が見えないよぉ。

「ね〜なんであそんじゃだめなの?」
「カゼひいちゃうでしょ??こないだもお熱だしたじゃない。」
「え〜!やだ〜!!」
「ダメだよぉ・・・」
「わ〜〜〜ん!!!」

ちっちゃなかのじょが泣き出した。
 
170 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:02

「泣かないで?」
「や〜だ〜〜〜!!!おすなばであそぶって言ったもぉん!」

近所のこうえんできのうあそべなかったからあそぼうねって約束した。
でも、雨がふっちゃったからどうしうようもないのに・・・
ちっちゃい子はこれだから・・・

「いこ〜よ〜!!」
「だめ!」
 
これのくりかえし。
 
171 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:04

「じゃあ、いいことおしえてあげる!」
「いいこと?」
「うん。ちょっとまってて?」
「わかったぁ!」

私はティッシュのはこを持ってきて、たくさん丸めた。

「まだ?」
「まだまだ。」

その上からきゅっとティッシュをかさねてひもでしばる。
なかなかいい出来。
 
172 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:10

「はい、できたよ!」
「これなぁに?」
「えへへ」
「ねえねえ、これなんていうの〜?」
「これはねえ、てるてるぼうずっていうんだよ。」
「てるてるぼーず?」
「うん。」

もう1つ作って、手にもたせた。

「雨がふりませんようにっておねがいするんだよ。
もう雨がふっちゃってるから、はやくやみますようにっておねがいするの。」
「すごいね!」
「うん。」
「これって、おねがいごとなんでも聞いてくれる?」
「う〜ん、どうだろうね。きいてくれるかもね。」
「じゃあもっといっぱいつくろ〜?」
「うん。」

キラキラと目をかがやかせて、いっしょうけんめいつくってる。
かわいいな。妹みたい。
 
173 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:14

「うわぁ!いっぱ〜い!!」
「うん!すごいね、がんばったもんね!」

ティッシュの箱がからっぽになるまで作った。
たくさんころがるてるてるぼうず。

「おねがいしなくちゃ。なににするの?」
「え〜っとねえ、う〜ん・・・」

「おともだちがほしい!」
「え・・・」
「だって、おともだちいないんだもん。
ず〜っとおへやの中にいるから、お外あまり行かないし」
「そっか。じゃあ、いっしょに私もおねがいするね!」
「うん!!」

まだまだふっている雨。
まどにいっぱいぶらさげる。

174 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:18

「「おともだちがたくさんできますよ〜に!」」

りょうてを合わせていっしょうけんめいおねがいする。

「あと・・・」
「まだあるの?」
「ずっとふたりでいっしょにいられますよ〜に!!」

ちっちゃなかのじょはまたいっしょうけんめいおねがいごとをした。
私もいっしょにおねがいした。

「かなうといいね」
「い〜ね!」

たくさんのおねがいごと。
きっとかなえてくれるよね?
 
175 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:22

パァッ・・・
「うわぁ!!おひさま!」
「雨やんだね!」
「おすなば〜!」
「よし。いこう!!」


・・・・・

黒いセカイに入り込む前。
大切な時を思い出しました。
昔の楽しかった時のこと。
もう、あんなに幸せな時は感じる事が出来ません。
もう二度と戻る事なんて出来ない。

だって、もうこんなに
セカイが黒い。


end
 
176 名前:「黒いキオク〜てるてるぼうずの日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:22


 
177 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/21(木) 15:23


「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」

 
178 名前:「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:25

わたしたちはなかよし。
ずっと生まれた時からいっしょなんだもん。
大人になってもずっといっしょ。
大人になってもずっと大好き。
 
だってあったかいんだもん。
 
179 名前:「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:28

きゃあきゃあきゃあきゃあ
わたしたちと同じぐらいの年の子が公園ではしゃいでる。
楽しいもん。私も同じ気持ち。
小学生になっても、やっぱり楽しいものは変わらない。

「ね〜!いっしょにトンネルほろうよ〜!」

私に向かってかけられる声。
大好きな子の大好きな声。

「うん!!」
「はやくぅ〜!」
 
180 名前:「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:32

「そっちからほってね。私こっちからほる!」
「うん」

向かい合ってざくざくほる。
いっちばん砂場が好き。
さらさらのかんしょくが大好き。

「またかみのけくるくるだ。」
「だって・・・」
「ふんすいでお水かぶるからだよ。」
「あっついんだもん。」

生まれ持ってのくせっ毛。
ぬれるとすぐクルンッてなっちゃう。
でもね、いいんだ。

「かわいいね。」

って言ってくれるから。 
 
181 名前:「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:37

「ねえ、いっしょにやってもいい?」

頭の上から女の子の声。
たぶん、知らない子。

「いいよ!一緒にやろう!」

私の答えじゃなくて、この子の返事で決まっちゃった。
なんかかわいい2人だ。
私たちと同じくらいか、上ぐらいの、目がぱちってした子と、私たちより年下な感じのちっちゃい子。

「おしろつくりたい!」

ちっちゃい子が言った。
目がぱっちりしてる子は、やっぱり

「いいよ!つくろうか!」

私たちと同じ。
大好きなんだって目でニコニコ返事をしてた。
182 名前:「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:42

さっきまでふってた雨で、おくの方はしめってて固まりやすいんだよって教えてた。
お城はその2人でだんだん大きくなっていった。

「トンネル、後ちょっとだね。」
「うん、思いっきりほろう!」
「「せーの!!」」

ザクッと2人で手を土の中に入れた。
あたたかくてやわらかいものが私の手にあたった。

「あ!つながった!」
「ほんとだ!やったね!」

大好きな子の手だった。

「あったかいね。」
「??うん?」
「手。」
「え?あ、私の手?なんだ!この中がかと思ってえ〜?って思ったよ!」
「すきだよ。」
「わたしも!」
 
183 名前:「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:46

お城を作っている2人は、顔を泥だらけにしながらてっぺんを作ってた。
私たちも一緒に作った。
ちっちゃい子はとても嬉しそうにいいよ!っていってくれた。

「できた!!できた〜!!!」
「うん、じょうず!」

ちっちゃい子は、目のぱっちりした子に甘えてほめてもらっている。
なんだか姉妹みたい。姉妹なのかな?

「ねえ、おともだちになってくれる?」

ちっちゃい子がニコニコ言ってきた。
だから私も

「いいよ」

ってニコニコしながらお返事した。
よかったね。と大好きな子と、目のぱっちりした子が言った。

184 名前:「番外編 黒いキオク〜あたたかい日〜」 投稿日:2005/07/21(木) 15:50

・・・・・

「こんな事があったよね〜。」
「懐かしいね。」

あれから、もう10年経つ。
あの子達とはあれから何回か遊んだけど、もう会ってはいない。

「何してるかな〜?」
「きっと私たちみたいに幸せだよ。」
「そうだといいね。」

幸せで居て欲しい。
あのキラキラの笑顔、ずっと輝いていて欲しい。


だって、あの2人もあたたかかったから。


end
 
185 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/21(木) 15:57
ニ話、更新しました〜!
なんだか、手で直に打ったので、おかしくなってる気もしないでもないんですが・・・(汗
このニ話の中にヒントが隠されているんですけど、わかりましたか?
これで予想じゃなくて、想像になる・・・ハズ。(弱気

ダメですね・・・想像じゃないですよね、なんか。
何が想像なのか、自分でもわからなくなってきてます・・・(ヲイ
これからもこんな雰囲気のまま続くと思われますが、どうか、飽きずに読んでやって下さい。

 
186 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/21(木) 16:02

>>166 通りすがりの者 様

毎回レスありがとうございます!
本当に嬉しいです〜!
痛い、痛めですよね。
丁度これを書いている時に雨がふっていて、たぶん風景が暗かったのだと思われます。
雨と聞くと暗めの話が大量に思い付くんです。
次回は明るめの話なので、安心して下さいww

では、日曜更新します(たぶん
不定期になっていますが、ご了承下さいませ。。
 
187 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/21(木) 19:28
更新お疲れさまです。 過去編は良い思い出として残りますね(・・。) でも時々悪いことも(エ 次回更新待ってます。 実は自分も書くことにしました、かなりグロですが、探してみてください。
188 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/24(日) 14:15


「憧れの人」

 
189 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:18

今日はつぼみがまた大きくなりました。

もう少しで咲きそうですよ。

あなたのは、どうですか??

もう、咲いているのかなぁ・・・


「ふぅ。」

ノートをパタンと閉じ、ため息をついた。
ジッと目の前の物を見つめる。

変わらずしゃんと立っている
ひまわり。

「何日会ってないんだろうね・・・?」
 
190 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:23

夏。
ものすごくあっつい日。
私は1つの種を貰った。
それはとても身近にあるもので、家になんかたくさん、もう山ほどあるもので。

シマシマの種。

どうして私なのかわからなかったけど、一緒に育てようと言われた。
もちろん私は嬉しかったし、育てる事は楽しいし、引き受けた。

そして、毎日観察日記をつける事を約束した。
毎日欠かさずつけるって。
 
191 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:27

仕事が終わって家に帰ると、それをすぐ鉢に植えた。
お日さまの光を当てるとイイらしいから、窓のそばにおいた。

はやく咲きますように。

そう願いながらお水をあげた。
お母さんは珍しいね、なんて言いながら後ろから見ていた。

それから数日後。
小さなかわいらしい芽が出てきた。

私はすぐに電話をかけた。

『じゃあ、見に行ってもいいかな?』

そう返されて、私は元気よく

「はい!」

と答えた。
 
192 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:30

どんどん育つ。
葉っぱも大きくなった。
茎も太くなった。
つぼみが出た。

そのたびに私は電話をした。
するといつも彼女の方のひまわりの事も話してくれた。
嬉しそうに、楽しそうに。
私は、とても幸せな気分だった。

 
193 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:35

「ねぇ、さみしいねぇ〜?」

あれだけほぼ毎日会話をしていて、こいつに会いに来てくれてたのに。
最近は電話をかけてもちょっとだけで切ってしまうし、
会う事なんてなくなっていた。
忙しいのかなぁ。
お母さんはそうなのよ。なんて適当に答えを返してきたけど、
私は淋しいです。

「おやすみ。」

ひまわりに挨拶をしてから電気を消して目を閉じた。

 
194 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:39

・・・・・・

「ん、んぅ〜・・・」

朝日が眩しい。
開けっ放しにしていた窓から涼しい風が入り込んでいる。

お水あげなきゃ。
そう思いながら起き上がって窓を見るといつもと感じが違う事に気が付いた。

「・・・あ?わっ!うわぁ〜!!」

ふわっとカーテンがういた。
 
めのまえには、
大きくて、黄色の花。

 
195 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:42

咲いた とうとう咲いた!
嬉しくなって、すぐに電話をかけた。

プルルル・・・

『もしもし?』

ずっと聞きたかった声が眠そうに聞こえてきた。
朝、弱いですもんね。

私は素直に今の気持ちを伝えた。
すると彼女は

『じゃあ、今から行ってもいいかな?』

と答えた。
 
196 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:48

よく考えると、この花は私の大好きな花。
そして、彼女も大好きな花だったんだ。

私の事、考えてくれていたんですね?

とても幸せな気持ちになった。
幸せすぎて涙が出そうですよ、もう。

ピンポーン
「はーい!!」

私は元気に返事をして玄関に向かった。

ひまわりが風にゆられ、太陽の光でキラッと光った。
もう淋しくないよ。
そう言っているように思った。

今日のノートはきっとたくさん書いてしまうだろうなぁ。
ねぇ、だって会えるんだもん。
私の大好きな人に。


end
 
197 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:50
 
198 名前:「憧れの人」 投稿日:2005/07/24(日) 14:51
 
199 名前:きぃつん 投稿日:2005/07/24(日) 14:56
更新しました!
ちょっと気分的に隠してみました。
これからもそうしようかな・・・

>>187 通りすがりの者 様

みつけましたよ〜
ちょっと違う名前でレスしてみたんですけど、バレバレですねw
ROM専のなんですけども。

次回更新までまた間があきます。
台風の話をかこうと思っています。。
 
200 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/07/28(木) 08:16
更新お疲れさまです。 バレました?{汗 名前は違いますがやっぱり分かりますね(^o^; 次回更新待ってます。
201 名前:きぃつん 投稿日:2005/08/28(日) 17:49


「あたたかい1日」

 
202 名前:「あたたかい1日」 投稿日:2005/08/28(日) 17:55

『今後も十分注意して下さい』

テレビでアナウンサーが言っていた。
どう注意したらいいんだろう?
天気なんて変えられないし、せいぜい飛ばされないようにするだけだろう。

『この後も台風の情報をお伝えしていきます。』

そりゃどうも助かります。
まあ、外に出ない私たちにはあまり関係のない事なんだけどね。
停電にならなければいいです。

「すごいね〜、窓が滝みたいだよ〜」

なんてのんきに外を眺めている私の恋人。
私は料理中だからそんなのきにしない。

「川ができたらどうしようね〜?」

なんだか心配してないように聞こえますが?
203 名前:「あたたかい1日」 投稿日:2005/08/28(日) 18:02

「そんなに降らないでしょ?もうここの地域過ぎそうなんだし。」
「え〜つまんない」

なんで?今心配してたのに。
もしかして楽しんでるんだろうか?
いくらのんきでも有り得ない思考の持ち主だ。

「あ、いいにお〜い」

話が急に変わった。
まったく、マイペースなんだから。
・・・私も人の事は言えないんだけどさ。

「もう少しでできるよ。」
「わーい!グラタングラタン!!」

ねえ、おかしくないですか??
まだ夏も終わってないのにグッツグツのグラタンが食べたいだなんて。
しかも私に作らせておいて自分は外ばっかり見て。
長年の付き合いだけど、こういうとこ好きじゃないなぁ・・・

チーンッ
「「できたぁ!!!」」

こういう所で声がそろってしまうのも嫌。
食べ物に反応し過ぎなとこ、すっごい似てるって言われるから。
 
204 名前:「あたたかい1日」 投稿日:2005/08/28(日) 18:08

「あっついから気をつけてね。」
「わかって・・・あっち!!」

だから言ったのに。
もう少し落ち着きなって。
グラタンは逃げないよ。

「お芋いっぱいだね〜」
「うん。」
「ん〜!!!!おいっし〜!!」
「よかった。」

外は大荒れだって言うのにほんわかした雰囲気がこの家中にただよってる。
グラタン選んで正解だったかもね?
・・・あなどれない。

それにしてもおいしいな〜。
自分で作ったのと思えない!
がんばって本読んだおかげだ〜。

「ねぇ、冷めちゃうよ?」
「う?」
「だからさ、もうちょっとペースあげないと・・・」
「おいし〜っ!」
「聞いてない・・・」

だあから、私マイペース人間なんだって。
知ってるでしょ?
205 名前:「あたたかい1日」 投稿日:2005/08/28(日) 18:18

ゆっくり自分のペースで食べ続けて、気がつけば外の様子は静かになっていた。
雨は小降りになってる。

「ほら、川になんてならなかったでしょ??」
「つまんないなぁ。もっとザ〜って降ってよ〜」

食器を片付けて、2人でお皿洗い。
片付けは手伝ってくれるの。
ここは好き。

「ん?」
「いや、なんかこういうのっていいよね。」
「なにが〜?」
「まったりしてる時間って言うのかな。こうやって2人でいるとあたたかいの。」

性格とか、ペースが一緒なのもあると思うけど、私はこの2人でなきゃこういう空間を作れないと思う。
仲間とか、他の付き合ってる子達見てるとそんな感じ。
例えば、同期のあの2人はツッコミとボケって言ってるけど両方ともボケ、みたいな。
先輩もそんな感じで、こんなまったりした2人、いないもの。

「ね、好きだよ」
「なんだよぅ。突然言われると恥ずかしいじゃんか〜。」
「すき??」
「好きだよ〜。」
 
206 名前:「あたたかい1日」 投稿日:2005/08/28(日) 18:23

私は、やっぱり付き合ってよかったって思う。
じゃなきゃ安心出来る人がいなかったと思うから。

台風だって嵐だって、一緒にいたらそんな事忘れちゃうような。
さっきまでゴーゴー言ってた風の音。
1人でいたら怖くて震えてたと思うもん。

「ね〜今日はずっと一緒にいてくれる?」
「もっちろん!」

心があたたかくなる。
ねえ、愛してるよ。
誰よりも愛してます。

ほかほかの笑顔の私の恋人さんっ


end
207 名前:「あたたかい1日」 投稿日:2005/08/28(日) 18:25

208 名前:「あたたかい1日」 投稿日:2005/08/28(日) 18:25

209 名前:きぃつん 投稿日:2005/08/28(日) 18:31
なんだか間開いたくせに短いな〜・・・

>>200 通りすがりの者 様

レスありがとうございます。
今回のはほのぼの系になりましたよ〜
でもまた次回痛い系になってたり・・・

やっと200越えた・・・
まだまだ不定期更新は続きますが見捨てないで下さい・・・
210 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/08/30(火) 10:12
更新お疲れさまです。
まったりですねぇ。

この調子でマッタリと次回更新待ってますよぉ
211 名前:きぃつん 投稿日:2005/10/02(日) 13:41
もうすっかり秋になってこの話題もあわないんですが;;
台風バナシですよ。
更新しないからこういう事になるんだよ自分。。。
212 名前:きぃつん 投稿日:2005/10/02(日) 13:42


「なりきり」

 
213 名前:「なりきり」 投稿日:2005/10/02(日) 13:44

今年も大型の台風がどーだのとか、何名が亡くなって遺族がどーだとか。
そんな話題があった。

思ったんだけどさぁ、
台風って嫌われるだけじゃない?
なんかヤじゃない?

とうわけで、台風になった気持ちを考えてみたわけ。

 
214 名前:「なりきり」 投稿日:2005/10/02(日) 13:50

自分でゴーゴーって言う声を出してみて、
庭のホースで雨みたく、勢いつけて周りにまき散らした。
扇風機を延長コードに繋げて近くにもってきて、『強』にして自分から出てるように位置を変えてみて。

もう自分はびしょぬれなわけ。

でも止めないでクルクルまわってみたりしたんだ。
台風ってクルクルまわってる気がしない?
あ、しない?
私はしてると思ったんだもん。
…すねてないよ。

それでね、1時間続けた。
ほんとはもっとやってみたかったけど寒くなったからやめた。
風邪ひいたらヤじゃん?
 
215 名前:「なりきり」 投稿日:2005/10/02(日) 13:55

今度は着替えて、ソファーに座って気持ちだけを考えてみた。
人が逃げてくのとか、家にこもってる感じを思い浮かべてさ。

もし、その台風がね好きになっちゃった人が居て、その人が逃げてくのをさ
……台風は人を好きにならんって?
好きになるんだよ。

その人もね、ヤダねーとか言いながら友達と家の中にはいっちゃうの。
せつないよねぇ。
でも自分って台風だからさぁ、それが仕事じゃん?
仕方ないじゃない。
悲しくなってやめた。
涙出そうになったんだもん。
 
216 名前:「なりきり」 投稿日:2005/10/02(日) 14:01

私、台風じゃなくて良かったって思う。
可哀想とかじゃなくて、なんかこう…きっと耐えらんないよ。
何もしてないのに、いや、洪水とか土砂崩れとか起こしちゃうけどさ、
人殺しちゃったりするんだよ?
ヤじゃない??

「うん、分かった、分ったからさ、落ち着きなよ。」
「ほんとに分かってる〜?」
「分かってるって。さ、買い物行かなきゃ。」

こんな事も出来ないんだよ〜
やだな、台風の日常ってなんなんだろうね?
季節がすぎたらなくなっちゃうじゃん。
その間って何を考えてるんだろうね〜?
 
217 名前:「なりきり」 投稿日:2005/10/02(日) 14:04

「あぁ、もううるさい!口ふさぐよ!!」
「ごめんなさい。」
「よろしい。」

こんな関係もヤだけどね。
1回だけは台風になってみてもイイかな〜……

「お前、あの世にいきたい?」
「いや!!遠慮しときます!」

こんな私達、どう思います??
台風さん。

このままでいいとかって思ってません??


end

 
218 名前:「なりきり」 投稿日:2005/10/02(日) 14:06

 
219 名前:「なりきり」 投稿日:2005/10/02(日) 14:07
 
220 名前:きぃつん 投稿日:2005/10/02(日) 14:13
更新終了です。
今回はかなり分かりやすいような・・・気もしないな!(ぇ
終盤に出てくる相手役は限られると思うのですが・・・たぶん。

>>210  通りすがりの者 様

今回もまったりにしましたよ〜。
更新もまったりなんですけどね。
次回は必ず痛い系です。もうウズウズするんですよ、自分痛いの好きなんで。(ヲイ
カプは1年たった時に1回公開しようと今思い付きました。

では、次回まで・・・
221 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/10/03(月) 08:31
更新お疲れさまです。
その手できましたか、そうですね、確かにそんな事を何となく考えたりしますね。

次回更新待ってます。
222 名前:きぃつん 投稿日:2005/11/13(日) 16:43
1ヵ月ぶりの更新です。
223 名前:きぃつん 投稿日:2005/11/13(日) 16:44


「夜月」

 
224 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:45
 
寒い冬の夜。
河川敷で、川に映る月を見てる。
少し着なれない黒いワンピースを着て、白いストールを肩にかけて。
端から見たら結構怪しい人かな。
…風邪ひきそう。

ゆらゆらと川が波打つのに合わせてキラキラと輝く月。

ここで見た、思い出の光。

夜の中に溶け込みたくて。
楽しかった日々を思い出したくて。
何も知らなかった日々を悔やみたくて。
近くにいるように感じたくて。
225 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:46
 
……なんて。
らしくないって笑われそう。
きっと大口開けて笑うんだろう。
そのあとは決まって疲れて眠っちゃう。


この光はどうしてこんなに切ないの?


そういったあの子。
どうしてだろうね。
今でも分からない。
でもあの時とはチガウ切なさ。
それは隣にいるはずのあの子が居ないから。
226 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:47
 
私の茶色く長い髪が風でオドル。
約束の同じ色、同じ長さ。
あれから1つも変えてない。
居なくなってから、変えてない。

昨日夢であったあの子は。
変わらぬキラキラした笑顔だった。
もしかしたらここにいるかもと思って。
……会えるわけ無いんだけど。
227 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:48
 
この場所ね、だんだん汚くなってるんだよ。
キラキラな光も薄くなってく。
きっと悲しむんだろうね。
ヤダヤダっていうんだろうね。

また一緒に見たかった。
ここに来たかった。
でも、それは無理で。
一緒に来た時だって無理矢理きたんだから。
ごめん、無理だって分かってたのに約束しちゃって。


分かってたんだよね。
自分で、ここに来る事はもう出来ないかもって分かってたんだよね?


 
228 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:49
 
あぁ、ほんと。
どうしてこんなに切ないのかな。
白い息が空に向かってのぼっていく。
月を囲むいくつもの星達。
今日は半月。
ウサギは一匹しか居ない。
私と一緒。
隣には誰も居ない。
独り。
229 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:49
 
ウサギさん。
私の好きな人、大好きで愛してた人ね、
前に死んじゃったんだ。
冷たかった。
いっつも温かかった小さな手が冷たかった。

寂しいよ。
でもね。あの子の方が寂しいと思うんだ。
だから月を見に来たの。
お互い寂しくないようにって。
忘れないようにって。
230 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:50
 
ウサギさんは寂しくない?
一月に何回かしか会えないんだよ。
 
231 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:50
 
…寒くなって来た。
じゃあ、私は帰るね。
また今度来るから。
そん時は2匹で迎えてよ。
232 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:51
キラキラした月が川に映る。
痛いぐらい綺麗。
ウサギさん、話聞いてくれてありがとう。


バイバイ。


end
233 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:53
 
234 名前:「夜月」 投稿日:2005/11/13(日) 16:53
 
235 名前:きぃつん 投稿日:2005/11/13(日) 16:57
部活の帰りに橋から見た景色に感動して、その帰ってる途中で思い付いた話です。
田舎に住んでいて得する事もあるんだな〜と思った瞬間でした。
冬に近い秋ってなんだか切なくなりますよね…

>>221 通りすがりの者 様

大分お待たせしてすいません。
他の作者様の作品とかは見てたりしてたんですけどね…;;
何作かまだあるので年末まで更新は頑張ります。
236 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/11/17(木) 07:00
更新お疲れさまです。
良いですねぇ、多分あの子達かな、と想像・・・
少しはかないものでした。
次回更新待ってます。
237 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:16
突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
238 名前:きぃつん 投稿日:2006/02/13(月) 21:56
すいません、いきてます。
最終更新からもう3ヵ月たつ…
テスト前期間中にちょっとでも更新しようと思います。

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