麗しき"ナ"と"ナシ"の華

1 名前:なまっち 投稿日:2005/02/24(木) 00:19

めっちゃ久しぶりに書きたいと思います。
自分的には苦手な短編〜中編が中心になります。
きちんと短くできるか…
(それでも一回のアップは短編的な話で載せたいかな?と)

1つの話間の更新は短いと思いますが、完結して次の短編になると、
少し時間があくかもしれないので、すみませんです。

んで、中心のかぷは、りかれなとか、いしごまとかをリアル系で。

でも、基本的にはみんな好きなんで、色々書いてみたいとも思ってます。

あっエロエロもあるかもしれないので、あしからず。

それではよろしくお願いいたします。
2 名前:なまっち 投稿日:2005/02/24(木) 00:22

1話目は、りかれなで、ちょっと長めになっちゃいました。
いや、かなり長め^^;
だってプロローグまで入れちゃったので…

んで、途中からエロも入っちゃいます。

それではよろしくお願いいたします。
3 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:25



〜プロローグ〜



リハーサル前、舞台に立つ方の主役のみんなはまだまだ緊張感の少ない舞台裏。

それとは対称的な、裏方の主役のスタッフさんたちの緊張感ある声が、
心地よい緊張感へと導いてくれつつある。

それでもやはり、本格的な直前リハが始まらないとわたしたちのスイッチは入りきらないもの。


舞台に立つ主役の面々は、それぞれ自分の時間を楽しんでいる。


楽屋で音楽を聞いていたり、本、マンガを読んでいたりするコ。

空いている時間で学校の宿題を一生懸命しているコ。

ケータリングスペースや、休憩所で色々なものを物色しているコ。

歩き回っているコ。
 
わたしもその一人。
すーっと歩いていると、色々なメンバーの、さまざまな姿を見ることが出来る。
 
4 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:27
もうどれくらいソコにいるのだろう…

さっきからずっと食べ物の前を行ったり来たりしているコンコン。
タカハシもさっきまで一緒に食べ物を見ていたのだけど、もうすでに飽きたのか、
今ではとても幸せそうに目を輝かしているコンノを、
のほほんとした表情で『かぁいぃなぁ』って眺めていた。

コンコンを眺めている、らぶりーもかぁいぃさ。

 
もうどれくらいソコでじゃれあっているのだろう…

顔を寄せ合い、コソコソと仲睦まじげに話し合っているミキティとあやや。

そりゃ、ミキティ、普段はモーニングのメンバーに取られているけどさ…あやや
そう、ハローのツアー中だけさ。ふんっ。

 
もうどれくらいソコで自分の姿を見ているのだろう…

隣で一緒に話していた矢口さんとえりもいつもの事と呆れているのだろうか、
しきりにさゆの袖を『帰ろー』と、クイクイ引っ張っている。

ホントかぁいぃなぁ

5 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:28

 もうどれくらいソコでお昼寝をしているのだろう…

 一緒に寄り添って眠っているよっちゃんとまことのそばでは、
 垣さんがウツラウツラと舟を漕いでいる。

 あぁ倒れるっ!
 ほっ…

 
 もうどれくらいソコで語り合っているのだろう…
 真剣な表情で語っている元モーニングのメンバーと…

 今回のツアーでモーニングを卒業するかおたん
 中澤さん。
 ごっっぁん。
 保田さん。
 あいぼんに、のん。

 あいぼんとのんがお姉さんたちに甘えてる姿を、こうやって見るのも随分と減ったなぁ

 に、しても…
 特別な雰囲気だね。

 わたしや矢口さんでも入れない、同じ道を歩んでいる人だけの空気。

 でも、わたしももうすぐしたら…

6 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:30

もうどれくらいソコでダンスのチェックをしているのだろう…

ホント、努力家なれぃな。

わたしに話しかけてくれたり、笑顔を向けてくれたり、
慕ってくれたりするれぃなはとびっきりにかぁいぃけど、
こんな時の真剣な表情のれぃなはとびっきりにカッコよくなっちゃう。

とてもカッコかわいいれぃなの横顔。
 

れぃな…

 
「あっ」
 
心の呟きが聞えたのだろうか、れぃながわたしに気が付くと、ヘッドフォンを外し、
とびっきりの笑顔を見せてくれた。

 
「いしかわさーん///」
 

れぃなの子供のように無邪気でステキな笑顔と声に、一瞬ドキッと高鳴るココロ。
そんな自分に気が付き、つい苦笑いを浮かべてしまっていた。
 

…この事はナイショ。

だって悔しいじゃん
まだまだ15歳の"おこさま"にさ、胸を一瞬でもときめかしちゃうなんてさぁ
 
7 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:31

 おいでおいでと手を振る。

 わたしの呼びかけにれぃなは嬉しそうにこっちに近づいてきてくれる。
 両サイドでくくられた髪の毛が跳ねているのがかぁいぃ♪。

 まるで、イヌれぃなの尾っぽがぴょんぴょん揺れているみたいだもの


「ねぇねぇ聞いてくださいよっ」
「ん?なーに?」


 開口一番、わたしが呼んだ事など当の昔に忘れてしまったかのようなれぃなの言葉だけど、
 これはいつものこと。

 常にわたしと会ったときにどんな話をするのか、ネタを考えているみたいで、
 どうしてもその事を話したくて話したくて仕方なくなるらしく、ガラっと話が変わる事は多々。

 この事はさゆから聞いたことで、素直に可愛いと感じることが出来た。


 でも、これって…
 わたしに対してまだまだ完全にココロを開いてくれていないって事なのかなぁ
 
8 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:32
 
「もうマンパワー♪のいしかわさんパートばっちしですよっ」
「へーそーなんだぁ
 って…もしかして今わたしのパートの練習してたの!?」

「ううん。今は自分とです。
 でもでも、昨日、夜、やったら出来たとですよーっ///」


 素直に嬉しくなったわたしは、誉めて下さいと言わんばかりにキラキラ目を輝かし、
 わたしを見つめているれぃなの頭をなぜなぜしてあげる。
 

「じゃ、これでわたしが出て行ってもれぃなに任せれば大丈夫だねぇ♪」


「えっ…?」


 れぃなの笑顔がスッと引くのが明らかに分かった。
 そして俯くれぃな。


「そんなこと…言わんでください…」


 微かに聞えた小さな小さな消えんばかりの囁き。

9 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:33

 そっか…
 そうだね…もう、かおたんの卒業まで秒読みになっているこの時期に言うべき言葉じゃなかったよね。
 ただでさえ情緒不安定になっているみんな。
 
 常日頃の強気という鎧を被った、れぃなのガラスのように繊細なココロには…とくに…
 

 そんなつもりで言った訳じゃなかったのに…と、今にも涙を流しそうなくらい揺れているれぃな。


 わたしの卒業で悲しんでくれるのは、正直にいうとホント嬉しい。
 だから…こんな涙を見せてくれるれぃなは、余計に可愛く感じてしまうのかもしれない。
 

 もっとれぃなに慕って欲しい…
 もっとれぃなに甘えて欲しい…
 まだまだこのコたちと一緒に…
 

 でも、もうわたしの卒業も迫っている。
 今月末のかおたんの卒業式が終わると、自分の運命を任せるユニットをこなし…
 そして、必然的にわたしの卒業が最終ステージとなる長期ツアーのリハーサルで、
 否応なしに自分の卒業という現実を突きつけられるのだろう。
 ツアーが始まれば始まればで、それはただただ一生懸命目の前の仕事をこなすだけ。


 そして、長くて短いツアーの果てには…


10 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:33

 か細いれぃなを見ていると、自然と両手を広げ、"胸の中においで"と仕草をしてあげていた。

 でも、れぃなは余計に悲しそうな表情となり、首を横に振って、
 そのままわたしから背を向けてしまう。
 

「ごめんね…れぃなぁ」
 

 わたしのその言葉にも、さっきと同じようにただ首を横に振るだけ。


 ふぅ…
 

 目の前でうな垂れている後輩の前に回り、俯いているれぃなの髪の毛をなぜなぜしてあげる。
 そして、腰を屈め視線を同じ高さにして笑顔をみせる。


 目に涙をいっぱいに溜め込んだ可愛い可愛いイモウト。
 わたしを慕ってくれるイモウト。


「ほらぁ…せっかくのメイクが落ちちゃってるじゃない…」


 ハンカチを取り出し、目じりの涙をそっと拭ってあげる。

11 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:35

 それでもわたしと目が合うと、気丈に表情を作ろうとしているれぃな。
 涙でキラキラ輝いているれぃなの瞳に、今にも惹きこまれそうになる。

 自然とれぃなに見惚れてしまっていたわたしは、
 いつの間にか手首を握られていた事にさえ気付かなかった。

 『ん?』と思い、視線をそこに落とすと、とても震えているれぃなの腕が目に入る。


 どうしたの?


 と、思い視線を戻した瞬間だった。
 さっきとは完全にピントのずれたれぃなの瞳、顔。
 

 自分の焦点を、間近に迫ったであろうれぃなに合わせる間もなく、
 わたしの唇はとても柔らかいモノと触れ合っていた。

 

 !?
 


 激しく高鳴るのは、わたしのココロ。

 力が入らなくなったのは、わたしのヒザ。

 首を精一杯傾げ、キレイに交差させている鼻先は、わたしのほっぺ。

 わたしの腕を掴んでいる左手と反対の右手は、わたしの首筋。
 
12 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/24(木) 00:35



 ホンの少し触れるだけだけど…


 そして、ゆっくりと離れる。
 

「…れぃな…」


 わたしから離れ、小さく肩を震わせているれぃな。
 そして、呆然としているわたしと視線を合わせると、小さく、
 それでもはっきりわたしに届くように言葉を口にした。
 


「れなを…子ども扱いしなかでください」



 目に涙をため、ほほに赤みを帯びたれぃなは、そのまま背中を向け、
 わたしの前から離れていった。
 

 地面にはいつの間にか落ちていたわたしのハンカチが悲しそうに横たわっている。



 そう…まるで…わたしのココロのように…


13 名前:なまっち 投稿日:2005/02/24(木) 00:40

えーっと…短編なら終わらなきゃいけないんですけど、まだまだ続きます^^;

ってか、れぃなの博多弁が難しい…ってか分からない…

それではまたよろしくお願いします。

14 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:33




1〜真の希(のぞみ)は親友と華/どーしてよ?



15 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:34

 "あれ"から、リハーサルも終わって、数時間は経っているけど、
 その間は、もう何事もなかったかのような普段通りのれぃなだった。

 リハの間、いつも目の合うトコロでも、恐る恐るれぃなの方をみるわたしとは対称的に、
 れぃなは笑顔をわたしに向けてくれていた。
 メンバー内で会話を楽しんでいた時も、わたしが話していると、笑顔をわたしに向けてくれていた。


 不思議に思う。

 さっきの"あれ"はれぃなにとってなんでもなかったの?って。


 でも、れぃなは普段から他のメンバーに"くちびる"にキスというスキンシップをしたりしない…

 ううん…わたしは見たことがない。



 はぁ…


 
 本番まで、全員の集合が掛かるまでの残りの時間。
 わたしは一人になりたくて、ついつい人気のないトコロに足を向けていた。
 
16 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:35



 はぁ…



 さっきから何度も零れてしまうため息。
 それと同時に湧き上がるのは、言い様のないモヤモヤと怒り。


 どうして15歳の"おこさま"にホンのちょっとキスされただけで、
 こんなに動揺しなきゃいけないのよっ…って。


 のんとだって、まことだって普通に口ちゅうぐらいできるのにっ
 のんやまことより年下の"おこちゃま"じゃないっ


"れなを子ども扱いしなかでください"


 さっきの言葉がよみがえって来た。
 確かにわたしは完全にれぃなを子ども扱いしてるけど…


 だって、実際に子どもじゃん


 って言うか、ホント子どもと思ってたら、さっきのなんて別に気にしなくてもいいんだけど…
 やっぱり、シチュエーションと、れぃなの表情がなぁ


17 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:36


 子どもじゃなかったし…
 ヤバかったし…


 わたしもやたらね…
 どきどきしたし…



 って…



 はぁ…



「あー梨華ちゃーん」

 わたしが激しく悩み、落ち込んでいる時に後ろから聞えてきた声は、
 とてものほほんとしたマイペース人間の声。
 
 振り返ったわたし。
 『おぅ』と手を挙げる美少女が一人、ふにゃふにゃした笑顔で近付いてきた。
 
18 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:38

 
 年下なのに普段からお姉さんで大人びてるカノジョ。


 でも、そんなカノジョのさっきの仕草は、可愛い子ども。
 でも、そんなカノジョは、少し悩んでいる今のわたしにとっては、ココロを癒してくれる存在。


 まだ私服のお姉さんは、わたしの衣装の裾をクイクイと直すと、ニコッと笑顔を見せた。
 こんなトコでもお姉さんだ。


 でも、普段はカノジョがわたしの事を『おねぇさんぶってる』ってバカにする。


 わたしがモーニングに入る前から憧れていて、今ではとってもいい親友。
 って、それはわたしが勝手に思っているだけで、このコは全くわたしの事を気にも止めてなくて…


 もしかして、カノジョの中だとわたしの格付けはまだ友達なのかも。


 昔はこのコのマイペースぶりと、他人を気にも止めないその性格に随分と悩まされた。


19 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:39


 わたしがどれだけカノジョに構って欲しかったか…
 でも、全然構ってくれない…

 
 その事に悩んでたわたしが激しく落ち込んで…
 泣いたりもして…
 

 ただの友達でいいのに…


 このコに翻弄されている自分がちょっと情けなくなったりもして…
 
 いつだったかな…
 きっかけなんて覚えてない。


 いつしか、敬語も取れて
 いつしか、カノジョの目を見て話せるようになって
 いつしか、カノジョの家に行きたいって言える様になって
 いつしか、カノジョがわたしの事を認めてくれて
 いつしか、何でも言ってくれて


 いつの間にかカノジョは"自然と"わたしのそばにもいてくれるようになったんだよね。
 

20 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:40

 
 カノジョとの距離はとってもいい距離。
 女同士にある友達間の嫉妬もわたしにはなくなった。


 そして、カノジョの卒業で更にわたしは強く変われた。
 変われたわたしで色々なコが慕ってくれるようにもなったと思う。
 

 わたしの事をスキと言ってくれる後輩が出てくるたびに、カノジョも喜んでくれた。
 


 "あのコ梨華ちゃんの事スキだってさー"
 "ちょっとは成長したじゃん"
 "おせっかいしすぎちゃだめだかんね"
 


 カノジョとはステキな距離だと思う。
 ステキなステキな関係。


 話さなくても大丈夫。


 ココロの中で繋がっているステキなカノジョ

21 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:41



 ねっ?

 ごっっぁん♪



 ごっっぁんの瞳がわたしの口元で止まり、不思議そうな表情になった。


 れぃなにキスされた部分がウズク。




 ま、まさかっ!?
 気付かれた?




「太った」


 はぁ?


 思わずずっこけそうになったわたし。
 なぁーんだ、"そんなこと"かぁ…


22 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:42


「写真集撮ってた時って、結構ごとー好みのスタイルだったのにさー」

 "そんなこと"?


「ダメだよ油断しちゃ。ちょー目立っちゃってるよ、アゴのラインがさぁとくに…」

 "そんなこと"? "あご"?


「その衣装だとボディラインはまだそんなに見えないけどさ…」

 "そんなこと"? "ボディライン"?


「あーぁ、腕が太くなっちゃってるしさぁ…」

 "そんなこと"? "腕"?


「うーん…おなかはまだマシかな…」

 "そんなこと"? "おなか"?


23 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:43


「あはっやわらかいねー
 おなか、ぷにぷにしてんじゃん」



 !!



 そ、そんなことじゃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!


 わなわなわなわなわなわな


「日本語??
 ダメだよ。ちゃんとした日本語しゃべんなきゃ」


 ぐっ…このコは…


24 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:44


「擬態語っ!!
 怒りを口で表しているんですっ!!」

「はは…分かってるよ。
 そ、そんなに怒らなくても…」

「怒るわよっ
 可憐な乙女のカラダを触りまくってっ!」

「はは…"オトメ"だって」


 あさっての方を見て、ぺロッと下をだすごっっぁん。


「なにぃーぃ!?」

「あはっ
 あー、でも、そんなに怒ってたら田中ちゃんに嫌われるよ」



 !!



 どうして、このタイミングであのコの名前出しちゃうかなぁ…

 せっかくごっっぁんと言葉で遊んで忘れかけてたのにさぁ
 

25 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:45

 
 急にテンションの落ちたわたし。
 ごっっぁんも、当然気付いたのか、大げさにため息をつくと、
 わたしの手を握って、『歩こう』とクイと引っ張った。


 素直に付いていく。


 久しぶりのごっっぁんの手は、すっごく暖かくて、優しくて…
 わたしのココロは少し落ちついてくれた。


 しばらく歩き、人気のない休憩所につくと、わたしを座らせ、
 自販機でコーヒーを買い、渡してくれた。

 お金を渡そうとすると、『いいから』と手で制して、そのままわたしの隣に座る。


 外の雑踏に随分と近いココには、メンバーはあまりこなさそうなトコロだ。
 音響さんの最終チェックの音が止まる所々で、会場の外からはわたしたちの曲が聞えてくる。


 口ずさむごっっぁん。


 相変わらず上手で、カッコよくて…
 

26 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:46

 
 どれくらいその状況が続いたのだろうか。
 隣にこのコがいるだけで、わたしのココロは、だいぶん落ち着いてくれた。


 そして、コーヒーが半分くらいになった頃、ごっっぁんが口を開いた。


「見ちゃったよ」

 その言葉の意味はすぐに分かった。
 別に気にしてなかったら、冗談で適当に返せるのに…
 

 無理。


「やっぱり"あれ"、気にしてんだ…」

 こく、と頷くと、ごっっぁんが少し苦笑いを浮かべているように感じた。

「結構マジっぽかったもんね…」

 ただ頷くだけのわたし。

27 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:47


「ふーん。こんなに照れてるなんてさっ
 梨華ちゃんって、以外とカワイイんだね
 子どもだよ?」


 少しバカにされたその言葉だけど、今のわたしには何も返せない。
 第一、自分でもそう思ってしまっている。


 どうして"あれ"だけで、こんなに焦ってるのか…


「雰囲気がやばかったんだ?」

 でも…

「辻ちゃんとは結構マジラブシーンちっくな口付けしてるじゃん」

 やっぱりのんとは違う。
 わたしはゆっくりと首を横に振った。

「ふーん…違うんだ…」

28 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/26(土) 00:49


 隣で大きくため息をつくごっっぁん。
 そして、『うん』と一つ頷くと、わたしの方を向き、口を開いた。


「あのさ…一つ聞いていい?」

「?」


 今までのわたしをからかう顔から、少し真面目な表情に、わたしも自然と硬くなる。


 そして、次に聞えてきた質問は、今のわたしにとって一番されたくない質問だったし、
 むしろ逆にわたしがその答えを教えて欲しいぐらいの質問だった。


「ってゆーかさ。
 梨華ちゃんさ、"なに"を"どーして"そんなに落ち込んでんの?」



29 名前:なまっち 投稿日:2005/02/26(土) 00:54

更新2回目。
ちょっと梨華ちゃんのキャラが^^;

ごっちん登場。
二十歳になったら梨華ちゃんとお酒のみに行く約束したって
色々なとこで話すごっちんカワイイ^^
もえー

では、次回、少しの間ごっちんとの会話をお楽しみください。
またよろしくお願いします。
30 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/26(土) 10:32
おもろいっスよ〜。
石川さんをここまで悩ませる田中さん・・・。ぅ〜ん。すごい。
31 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/27(日) 02:57



2〜美しき貴女は高嶺の華/素直さだって必要さっ!


☆1話目。


32 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/27(日) 02:58



"梨華ちゃんさ、どーしてそんなに落ち込んでんの?"



 コンサートの間中もその答えをずっと考えていた。

 もちろんって言うか、当然のごとく答えは出てこなくて…


 モーニングの曲だと、フォーメーション的にれぃなはほとんどわたしのすぐそばだけど、
 今回のハロコンだとそこまで多くない。
 せいぜい2,3曲くらい。
 

 それが幸いなのか、それとも…


 そう、逆に、そのせいなのか、普段じゃアイコンタクトをしないようなトコロでまで、

 れぃなはわたしにアイコンタクトをしてくれた。



 ぎこちない笑顔で返したり、思わず目を逸らしちゃったりしたわたし。


33 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/27(日) 02:59


"梨華ちゃんが動揺しててどーすんのさ"


"梨華ちゃんはさ、後輩たちに対して子供扱いしすぎだからさ"
"思わず田中ちゃんがあんな行動しちゃったのかもよ"


"今までなかったけど、田中ちゃんにとっての新しいコミュニケーションだと思っちゃえば?"


"大丈夫。嫌われてるって分かってたら落ち込む方がいいけど"
"確実に好かれているから、好かれている分に関しては、落ち込む必要なし"


 ごっっぁんの数々の言葉で乗り切ってたけど、たぶん今日のがモーニングのコンサートだったら、
 ミスを連発してたかもしれない。
 


 明日はなんとか…


34 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/27(日) 03:00


 コンサートも終わって、これから、外に食べに行きたいメンバーはメンバーで集まって、
 どこかに食べにいくことになっているけど、今日だけは早めに部屋で休みたかった。


「イシカワはどうする?」


 少し前から振り返って口にした中澤さんの言葉に『イシカワはいいです』と力なく首を横に振る。

 そんなわたしに、『まっ、早めに休んどきやー』と肩をぽんぽんと叩いてくれた中澤さん。

 さすがにわたしの様子が少しおかしかった事に気が付いていたのだろう。
 強要しないのが嬉しかった。


 中澤さんは、今度はわたしのすぐ隣にいたごっっぁんの方を見て『どうする?』と聞いている。 


「んーごとーは…どーしょっかなー」


 いつものんびり考えるごっっぁんは、今日も全体を見渡しながら、『んー』と悩む。

 そんな悩んでいるごっっぁんを見て、わたしは無意識の内に上着の裾をクイクイとつまんでいた。


35 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/27(日) 03:00


 一緒にいて欲しいって気持ちからか、それとも相談にのって欲しいからなのか。
 分からないけど、無意識だった。


 そのわたしの合図に、小さくため息をつくと、『悪いけど、今日はパスでね』と、
 手を顔の前、謝るようなカッコをして、断ってくれた。


「えぇーごとーさん行かないのですかー」


 真っ先に反応したのはコンノ。

 中澤さんの返事より早いその言葉に、隣のカノジョは嬉しそうに笑顔を浮かべる。


 そう。やっぱり後輩に慕われているっていうのは、素直に嬉しいもの。

 自分もシャンとしなきゃいけないと思うし。
 慕ってくれているコの前だとカッコ悪い事はできないし。
 後輩が入ることによって全てがイイ方向に行ってくれたりもする。


36 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/27(日) 03:01


 そんな光景が少し羨ましくなり、わたしはれぃなの方に少し視線を送った。
 一瞬、交わりあい一直線になる視線が、すぐにほどけ、
 れぃなは何とも言えない切なげな表情を浮かべ、俯いてしまった。


 いつもと違う?
 

 そう、普段からよく視線があったりはするのだけど、大抵れぃなは笑顔で返事を返してくれたりする。
 けど、さっきは明らかに違う。
 


 思わずため息が出る。



 やっぱり、わたしがアイコンコンタクトに結構無視したからだろうね…


「いきましょーよぉ」


 隣で聞えてきたコンノの声が、やたら悲しそうだった。
 コンノ同様、今のわたしのココロもチクリと棘が刺さったかのよう…


37 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/02/27(日) 03:02


 コンノに『ごめんね』とまた謝るごっっぁん。


 ごっっぁんにずっと憧れを抱いているコンノにとって、ハロコンで地方に行った時の夜でしか、
 一緒に食べる機会なんてないから、この機会を常日頃楽しみにしていた。


 だから、余計に残念がるコンノ。
 『うー』と悔しそうな声をあげ、隣のタカハシにヨシヨシと頭を撫ぜられている。


 なんだか、とても悪いことをしてしまったような罪悪感がわたしを包む。
 それに加えて、ごっっぁんからも…


「わがままなお姫様のお願いだからーね」
「…」


 ぼそっとわたしの耳元で囁くその言葉に、返す言葉もなかった。


 はい、ごめんなさい。
 ほんっーっと、わがままです…



38 名前:なまっち 投稿日:2005/02/27(日) 03:14

更新3回目。
短いのでA日連続^^;

梨華ちゃんのすぐ隣で踊るれぃなの姿が、梨華ちゃんの卒業で見れなくなるのがさびしい…
左隣後方が多いですよねー…行く度にほんわかできたのに…
前回のハロコンは一緒に登場が少なかったけど、ノウミツだったぁ
☆ぴ〜す♪とか手を握って♪とかが特にもえー^^

次回は、ごっちん以外にも副題とおり美貴様にも登場してもらいます(わら
もち、れぃなも

>>30 名無し飼育さん

ありがとうございますー
おもしろいって言っていただけますと書いてよかったってカンジで嬉しいです^^

あれだけ梨華ちゃんの味方(笑)だったコは類をみなかったんで、
イシカワサンには悩んでもらってます(わらわら

39 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/02/27(日) 16:56
おぉ!結構面白いです!
りかれな、自分にはちょっと珍しいCPですがいけてますね。
続き楽しみです。
40 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:48



2〜美しき貴女は高嶺の華/素直さだって必要さっ!


☆2話目。


41 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:49


「かぁいかったね。コンノ」
「んーまぁね」


 ホテルのわたしの部屋。

 ベットに腰掛け、コンビニで買ってきたパスタを頬張っている時に出てきたフトしたわたしの言葉に、
 目を細めるごっっぁん。

 なんだかその笑顔が妙に幸せそうで、すごく嫉妬心がわたしの中に湧き上がった。
 

 なによなによ。

 わたしは悩んでるってのにー


 思わず皮肉が口からでる。

「なによぉ、その、まるで"自分のモノ"的発言」
「ん…」

42 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:50


 少し不思議そうな表情になったごっっぁんは、『あれ?』と口にすると、
 『聞いてなかったっけ?』と口の中で中途半端に留まったホークをそのままに、わたしの方を見た。

 その言葉に『はぁ?』となるわたし。


「な、なに?」


 そう口では言うものの、今のわたしの頭の中には、"ある"1つの言葉が浮かんでいた。

 今日、わたしの頭の中では"それ"でいっぱいだったその言葉。 



 まさかまさま…



「二人って…」
「うん。付き合ってる」


 …


43 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:51


「嘘…でしょ…」
「うん。ウソ。」


 …


 わなわなわなわなわなわな


「ん?"わな"?"なわ"?」


 かっちーん


「ちょぉぉビックリしたんだかんねっ!」


 激しく揺れるベットのスプリングに、ごっっぁんも少しお尻が浮き上がる。

 『おっと』といいながら、それでも上手にパスタをホークにからめ口に頬張るカノジョに、
 ますますムカッ。 


44 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:51

「もぉぉぉぉ
 それにさっ、ウソ付くなら、すぐに否定しないでよっ」
「後で言ったらマジギレするじゃん」

「ぐっ…」


 そ、そんなこと…
 そんな事でマジギレしないもんっ!


 …


 たぶん…
 
「それに、今の発言おかしい」

 うっ…確かに今のわたしの発言はおかしいけど…

 んーなんだか納得いかない。
 これだけビックリしたわたしの立場は…

 結構ショックだったりもしたんだかんねっ!

45 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:52

「ん…でも…半分はウソじゃないかも…」

 その言葉にわたしの思考は再び停止してしまった。

 うん。もう一度頭の中を整理しよう。


"半分はウソじゃない"


 『付き合ってる』ってのが半分がウソじゃない…?
 って…


「どーいうこと?」
「ん…?」


 食べ終えたパスタのお皿をコンビニ袋に入れ、今度はデザートのプリンに手を伸ばすごっっぁん。
 とても幸せそうにスプーンの袋を開けている姿を見ると、まだまだ話す気はないらしい。


 諦めよ。


 わたしは気になりつつも、シブシブ自分のパスタを色々な疑問と一緒にお腹に入れることにした。


46 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:53


 半分はウソっていう中途半端な言葉が余計分からなくなる。


 っていうか、なにがウソでなにがウソじゃないのか…
 全然思い浮かばない。


 んー


「梨華ちゃんと一緒」
「えっ…?」
「口に、マジキスされた」


 プリンを食べ終えたごっっぁんから聞えてきた言葉に、
 半分まで減っていた自分のヨーグルトの存在を忘れそうになる。

 一瞬、耳を疑ったけど、それは確かに聞えてきた。


「口に…?」
「うん…」


47 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:54

 そんな話、誰からも聞いたことない。
 そりゃ、ごっっぁんとコンノが言わなかっただけだと思うけど、
 誰かに見られてたりしたら、アッという間に噂が広まったりするもの。


 尾ひれなんかが簡単に付いちゃって…
 あんなことやこんなことや…


 ……///
 

「どーして?」
「うーん…」

 しばらくベットの上でスプリングの揺れを楽しむ、おこさまになったカノジョ。

 でも、話そうか話すまいか悩んでいる様子じゃない。
 どのように話したら、わたしの悩みを解決できるか、考えているような気がした。

 さばさばして、あまり他人に干渉しないごっっぁんだけど、メンバーが困っていたりしてると、
 ほっとけない、とってもココロの優しい女のコ。


 でも、表現するのが苦手で…


48 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:54

「ただ…
 ん、"ただ"じゃないや。
 "しっかり"、コクられちゃって…」


 とても懐かしむごっっぁんのその様子は、コンノとの思い出が苦い思い出のように感じられない。

 それに少し羨ましくなる。


「"スキですっ"って、一生懸命言うコンノが可愛くてさ…」


 ゴロンとベットに寝転がり、カノジョは少し目を瞑った。
 その時のコンノの様子を思い浮かべているのだろうか…


「普通に"ごとーもスキだよ"ってサラって言ったら…
 泣きそうな顔になって…"ホンキですっ"って」


 そう言うと、少し苦笑いを浮かべる。
 

49 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:55
 
 "スキだよ"か…
 確かにモーニングでは平気で"スキだよ"って言葉を口にしたり、メールで送ったりするから、
 たぶんサラッと言うと、ホンキで想っているコは絶対に信じられないのだろう。

 それはただの『メンバー愛』で。
 女のコが女のコに言う親愛の情の確認のただソレだけで。
 全く恋愛ではないただの言葉で。

 ホンキで相手のコが、『ライク』ではなく『ラブ』でスキな女のコにとって、
 ある意味サラッと言われるのは、まず『友達のスキ』だから、身に堪えてしまう。


「その後、抱きつかれて、そのまま…口に…」


 そっか…

「意外とダイタンだね…」
「うん…ビックリした」

「でさー
 その後、どーなったの?」


 興味津々なわたしの言葉に、『あぁ』と頷くと起き上がり、髪の毛に手櫛を通す。


50 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:56

「うん。
 コンノが泣いちゃったからさ、何も言わずに抱きしめて一晩寝てあげたら、
 次の日ケロッとなってた。」
「へー」
「"やっぱりごとーさんはカッコイイ憧れの先輩のままでイイです"ってさ」

「へー」


 普段のコンノからは想像できないそのエピソードの数々に、驚きが隠せないわたし。
 

 平気で同性であるごっっぁんに告白できるのがすごいし…

 あっ…平気じゃないか。

 まぁ、でも"後藤真希"ちゃんに憧れて入ってきたコだからね。
 入った当時から雲の上ってカンジに見てたからなぁ…


 逆に、それだから告白できたのかな…


 そして、聞いてイイのか悪いのか、分からないけど、
 ごっっぁんのその時のキモチが無性に知りたくなる。


51 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:57

 そのわたしの気持ちに気付いたのか、『ごとー的には』と口を開いてくれた。

「慕ってくれる可愛いイモウトってカンジだったからね…」
「そっか…」

 わたしと同じであろうキモチに少しホッとする反面、
 もしハロプロの中で、女のコ同士で付き合っているカムアウト的な実例があれば…

 なぁーんて思ってしまう自分。


「それからは何も?」
「うん」

「二人とも全然意識してないよね?」

 わたしの言葉に、『んー』と唸ると、『ホントだね』となんとものんびりした言葉を発するカノジョ。

 まるで他人事のようなその口調に、思わずこけそうになる。


「梨華ちゃんはあれだけ動揺してるのに…」
「うん、まーね…」


52 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:58


 カノジョのその言葉に何も反論できないのは当然。
 今日は、あのコと目を合わせるだけで動揺してしまっているくらいだ。


 れぃながキラキラ目を輝かせて、わたしをジッと見つめてくれる顔が浮かぶ。

 
 わたしを見つめてくれるれぃなをすごいかぁいく感じる。

 愛おしくて愛おしくて…とても嬉しい。

 もし、れぃながわたしの事を見てくれなくなったら…
 それは考えただけでも、辛いと思う。


 はぁ


 もうみんな食べ終わって、そろそろホテルまで戻ってきてる頃だろう。

 あのコも…


53 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:58

 あのコの顔が頭に浮かんでいたそのとき、部屋がノックされる音に、
 わたしのココロは一瞬跳ね上がる。

 二人して顔を見合わせ、『みんな戻ってきたのかな…誰だろ…』と独り言のようなわたしの言葉に、
 ごっっぁんが『うーん』と唸り、代わりにドアの前まで行ってくれた。

 そして、ドアの覗き窓から外を見る。


「ミキティだ」


 そのままドアが開けられると同時に、『やっほー』と、
 楽しそうなミキティの声がわたしのトコロまで届いてきた。

 ミキティの声に、わたしにも自然と笑顔が零れる。


 それでも、ココロのどこかではあのコが来てくれてたら…
 なぁーんて考えてる自分がいて、少し病気だなって。


「おーっす。仲睦ましいお二人さんに、おみやげー」
「おっ、さんきゅー
 入って入って。」


54 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/01(火) 23:59


 入ってきたミキティはわたしを見るなり、開口一番『おっ良かった良かった。服脱いでない。』と、
 何とも返事のしにくい、えっちぃ冗談を口にした。


「そうそう。今から脱がすトコだったんだよね」


 なんて返したらいいか分からず、びみょ〜な笑みを浮かべたわたしの代わりに、
 ごっっぁんが軽くあしらってくれる。


 軽くあしらわれた事に不満そうにホホを膨らますミキティ。

 そのまま、バサッと買ってきたコンビニの袋からお菓子を広げる。
 ペットボトルのお茶と、クッキー系のお菓子が散らばると、満足そうに『うんうん』と頷き、
 ベットに腰掛けようとした。


 ところが、ベットに腰掛けると何かに気がついたのか、『あれぇ?』って不思議そうな声をあげた。
 何か買い忘れてきたのかなと思ったわたしだったけど、続いて聞えてきた言葉に固まる。


「ミキ1人?」


55 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/02(水) 00:00

 一瞬ぽけーっとなるわたしとごっっぁん。
 意味を考え、その意味をしっかり理解すると、2人して噴き出していた。

「知ってる訳ないじゃぁん」

 笑いながらのわたしの言葉に、『田中ちゃんと一緒に来たのに』と呟きながら、
 ドアの方に足を向けていた。
 

 れぃなと!?


 その言葉を聴いた瞬間、わたしはココロは激しく揺れる。
 腰も少し浮き上がる。


 と、そんな動揺したわたしを見たごっっぁんが、
 苦笑いを浮かべ『動揺しすぎ』と頭をコツンと叩いてきた。


 ぐっ
 うぅ…確かに…
 

56 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/02(水) 00:01
 
 ドアを開けて、その陰になっている裏を覗き込むミキティ。
 ドアの陰にれぃなはいたのか、大げさにため息をつくと、『なーんで入ってこなの』と声を掛けた。

「だって…」

 聞えてきた声は、普段のれぃなのしっかりした声ではなく、とても心細い、弱い声だった。
 その後にもう一言何か言っているみたいだけど、こっちまでは聞えてこなくて、
 かわりにミキティがこっちを向いてれぃなの言葉を伝えてくれた。


「"イシカワさん、入っていいですかー"だってさ。」


 その言葉に、わたしは思わずごっっぁんの方を見てしまう。


 『なんでごとーに聞くんだよ』ってカンジでわたしを冷たく見るごっっぁん。
 『早くっ返事をしてあげな』ってわたしの肩をポンッと叩き、合図をしてくる。


 そっか。


 と、れぃなに声を掛けようとしたわたし。
 けど、何故か分からないけど、カラカラになったノドから声が出てこない。


 まるでノドに何かの鍵でも掛かったかのように。



57 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/02(水) 00:01


"入ってきていいよっ"


 って…
 簡単な言葉なのに…
 
 ドアの方を向き、言葉をもう一度発しようと頑張る。
 けど…
 でない…


 涙が出そうになり、思わずごっっぁんの方を見てしまった。


「田中ちゃんっ。
 イシカワさんが、入っていいってさー」

 そんなわたしに業を煮やしたカノジョが、代わりに声をだしてくれた。
 少しホッとなる。
 けど、それと同時に沸きあがる疑問。


 どうして声が出なかったのか…
 どうして…


58 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/02(水) 00:02


 わたしが呼び入れなかったせいか、れぃなは恐る恐るドアの陰から部屋の中に入ってきた。


 とても怯えているようで…
 普段の強い光を感じる瞳ではなく、とても弱い弱い瞳。


 わたしと視線が合うと、すぐに逸らしてしまったほど。


 やっぱりわたしが何回か無視してしまったから…


「ちょっと梨華ちゃん、ノドの調子が悪くて…
 今日一日"ソレ"が原因で、結構調子悪かったみたい…」

 そんなれぃなを見て、慌てて取り繕ってくれたごっっぁん。
 さっきのことだけでなく、今日一日のわたしの対応を庇ってくれたその言葉が、
 わたしにとってとてもありがたかった。

 それは、れぃなにとっても同じだったのだろう。
 その言葉で怯えた様子がスッと消え、ホッとしたかのような笑顔へと変わってくれていた。


 そして、その次に出てきた表情は、とてもわたしの事を心配している表情。


59 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/02(水) 00:03


「大丈夫ですか…?」


 目の前のれぃなが眩しくって…
 緊張してしまって…
 自然と出てくれない自分の笑顔。
 

 笑顔一つ自然と出せないのかって…
 今まで仕事で何を学んできたのかって…
 とても情けなくなったわたし。


 ぎこちなく作った素人のような笑顔でわたしは『うん』と、れぃなに答えた。


 れぃなの後ろにいるミキティは、とても呆れたような表情で、わたしの事を見ている。
 そして、当然、ミキティの隣にいるごっっぁんも。


 冷たい2人の視線がとても痛い。


 れぃなに悪いことをしたなぁと、罪悪感でいっぱいのわたしに、
 更にれぃなの優しさが追い討ちを掛けてきた。


「じゃ、じゃ、れなが温かいノドに良いハチミツの入ったしょうがのジュース買ってきますっ」

「あっ…」


60 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/02(水) 00:04


 『大丈夫だから、いいよ』と、出掛かった声も引っかかる。


 なんだかそんな自分が情けなくて情けなくて…
 後輩にこんな心配までかけさせるなんてて…


「あっ、そんな甘やかさなくていいよ。田中ちゃん」
「そうそう。ごっちんの言うとおりだよ。
 構って欲しいだけだからさ」
 

 いつものミキティのひどい冗談にも、今は何も返せないわたし。


「でも、明日もあると。
 イシカワさんのノド大切なんで」

「外、だいぶん冷えてるよ。
 田中ちゃんが風邪引いちゃうし」


 ミキティの言葉にも『大丈夫。れな強いっちゃ』と元気にそう言い残して、出て行ったれぃな。


 自然と涙が浮かんできた。



61 名前:なまっち 投稿日:2005/03/02(水) 00:17

更新4回目。

ハロモニ。よかー
Vの梨華ちゃんはいつにもましてかぁいかったし^^
せくしーやったし。
エリックを見て(けっしてスーツを見てではない)"いい"っていう梨華ちゃんにもえー
りかエリックとか…書こっかなぁ
って言うか、むかしっから梨華ちゃんは男装のメンバーにめろめろ!?(わらわら…

梨華ちゃんの"変えないの"って言葉に、そっこう"変えます"って言ったれぃなも面白かった^^

ってことで、次回はもうちょっとれぃなを抜いた3人の会話を楽しんでください。

>>39 名無し飼育さん

ありがとうございます^^
自分がそれほど気にならないカプでも面白いって言っていただけますと、ホント嬉しいです^^
これからもよろしくお願いします。
62 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/02(水) 02:06
れいな・・・え〜子やないか・・・・・・
63 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:27



2〜美しき貴女は高嶺の華/素直さだって必要さっ!


☆3話目。

64 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:28


「バカ」
「ばか」
「バカ」
「ばか」


 さっきから両サイド、斜め上空あたり、ステレオのように聞えてくる2人の声に、
 ただただ縮こまっているだけのわたし。


 ねぇ、いつの間にか"かば"って聞えてるよ…

 はぁ
 

 泣き出した時はさすがに2人とも背中をさすってくれて、優しく声を掛けてくれたけど、
 落ち着いてくると、当然だけど、れぃなの心配ばかりになった。

 はっきり理由の分かっているごっっぁんに至っては、『バカ』しか繰り返していない。



 それに引き換えミキティは…


65 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:29

「ばか」

 うっ…
 そういえば同じ…

「も、もうちょっとわたしのキモチも…」
「なにーぃ?」

「…ごめんなさい…」


 わたしのキモチも悟ってよ…


 急にれぃなに口に"ちゅう"されてさっ。
 ビックリしてさっ
 どうしてか分からないけど、テンパってさっ
 コンサート中も悩んでさっ


 『でもさぁ』と恨めしげにミキティを見上げるわたしを見て、ミキティはため息を一つ。
 そのままベットに座り、『知ってる』と一言つぶやくと、ベットに寝転がった。


「えっ?」

66 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:29

「なんだ…知ってたんだ」
 
 驚いた表情のわたしとは対称的に、いつもの顔色を変えないごっっぁんらしく、それだけ言うと、
 今のミキティの発言にも『ふーん』といった感じで頷き、わたしの隣に座った。

「まっつーだ」

 ごっっぁん『そっか』という声と共に示された人物に、
 ミキティは苦笑いを浮かべ、上半身を起こした。
 そして、申し訳なさそうに頭を掻く。

「まぁ色々とおみやげもついた話として、ミキは聞いたんだけどね」
「(まっつー)らしいね」
「で、ふたり、っていうか梨華ちゃんの様子があまりにもおかしかったから…
 まっ別に様子がおかしくなかったら、だだのスキンシップで終わらせるトコだったんだけど。
 さすがに"これ"はね…」

 そう言い、わたしを指差すミキティ。
 

 うっ
 そ、そんなに重症なのかな…


67 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:31

「いーださんや、ヤグチさんからも話を聞いてあげてって」
「みんなにばれてるの!?」

「うーん…
 明らかに様子がおかしいメンバーが若干1名。
 少しソワソワして落ち着きのないメンバーが若干1名。
 みんな、その"2人"に暗に気が付いてて…
 "噂"を聞いてすごく納得ってカンジで…
 亜弥ちゃんがどれだけ広めてるか知んないけど、上の方はみんな知ってると思うよ」

 それだけでも落ち込みそうになるわたしの隣で、『分かる分かる』と妙に納得顔で頷くごっっぁんに、
 さらに追い討ちを掛けられ、沈む。

「で、仕方ないから、ちょくに田中ちゃんに聞いたんだよね」
「で、聞いたら、梨華ちゃんなら、めちゃくちゃに解釈してそうだからって訳か…」


 ひどっ


 ごっっぁんのミキティに続けられた言葉に思わず崩れる。


68 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:31

「うん。
 田中ちゃんも"話したい"って…
 "イシカワさんに無視されとー"ってさ」
「動揺しすぎだよねー」


 ぐっ
 だってさ…


 うーん
 確かにこれだけ動揺してるけどさ。

 っていうか、普通は動揺しないんだ…
 まぁごっっぁんはコンノにされちゃった時、動揺してなかったみたいだけど。


 それでも…
 

 ねぇ
 動揺したっていいじゃないっ


69 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:32

 わたしがあまりにもひどい膨れっ面をしてたからか、ミキティからは
 『こんなわがままお姫様のドコがいいんだか』と、とってもひどい言葉をボソッと貰い、
 ごっっぁんには『ほんとほんと』と、手を叩いて笑われ、納得されてしまったわたし。


 なによなによ


 ますます膨れっ面に拍車がかかる。

「でも…田中ちゃんもかなーり動揺してたよ。」
「あぁ…まぁ、さっきも入ってくる時、結構恐る恐るってカンジだったもんね」
「怒らせてるんじゃないかって」

 ミキティの言葉に『うんうん』とごっっぁんは頷くと、
 『梨華ちゃんが余計に怖がらせちゃったし』と、わたしが呼び入れなかった事を、
 チクリと非難。
 

 膨れっ面が少ししぼむ。


70 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:33

「だって…
 声が出なかったんだもん」
「あの時…
 声が梨華ちゃんじゃなかった時、田中ちゃん泣きそうになってたよ」
「うっ」
「そもそも最初っから入ってこれなくさせちゃってるのがおかしいじゃん」

 追い討ちを掛けるのは、ごっっぁんの言葉。

「だいたい声が出ないのもおかしい」

 更に責めるのは、ミキティの言葉。

「"あれ"だけで、"これ"だけ動揺しているのもおかしい」
「落ち込みすぎてるのもおかしい」

「構って欲しいだけなのかもしれないよ」
「いつもいつも梨華ちゃんの事、純粋に見てんじゃん」
「あれだけ梨華ちゃんに優しいコ、他にいないじゃん」
「いっつも梨華ちゃんの味方だし」
「羨ましいよ」
「あれだけ純に梨華ちゃんの事、慕ってくれるコなんていないよ」

71 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:34

 いつしかれぃなの事になっていた2人の発する言葉に、改めてれぃなに愛されている事を再確認し、
 少しだけアッタカイモノが湧き上がるわたし。

 それでも、幾分責められているように感じられ、ちょっと落ち込む。
 感情の起伏が激しい自分の弱点が簡単に覗かれているような気分にもなり、更に落ち込む。

 最後のごっっぁんの言葉で、わたしは色々な意味でノックアウト寸前まで追い込まれていた。
 そして、完全にノックアウトされたのは、大げさにため息をつき『よーするに』と、
 ミキティがわたしを指差し、ビシッと決め付けた言葉と、ごっっぁんの相槌だった。


「梨華ちゃん。
 キミは"田中れいな"に恋をしてる」

「正解」


 わたしのハートにぐさっと来たその言葉に、わたしは思わず立ち上がる。
 


「ちがぁーうっ」


72 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:35

 ココロのどこかでは、今日一日で微かに出掛かった答えの、一番可能性の高い答え。
 自分自身でその回答に行きかかった頃に、相手から図星をさされたのが悔しかったのか、
 自然と否定の言葉がわたしのノドから出てきた。

「メンバー愛だもんっ」


 少し涙がにじむ。


 そんなわたしを見て、ごっっぁんはわたしの手を握り、もう一度座るように促してくれた。
 呆れたような表情だったけど、今までの長い付き合いで、
 こんな時のわたしの扱い方とかを理解してくれているのだろう。

 今日一番優しい顔でわたしの事を見つめてくれた。
 そして、そっと抱きしめてくれて、わたしが今一番欲しいぬくもりをくれる。
 
 とても暖かくわたしを包んでくれるような優しさ。


 それはミキティからも感じた。


73 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:36


 思わず胸の奥がジンとくる。


 ホントにわたし事を心配してくれているメンバー。
 元々心配してなかったら、どうでもイイって放って置くだろうし。
 こうやってわざわざ話を聞きに来る事もないし。

 だから、この事に対して、素直になってもいいかもってキモチがわたしの中で起こってきていた。

 でも、ココロのどこかで中学生である15歳の少女のれぃなに対して、
 そんな感情を抱いてしまっているなんてっていう羞恥心が起こっていたのも、
 否定してしまった本当の気持ちの内の一つだろう。

 ううん。
 そんな感情を思っている事自体がダメなのかも…
 ただ、メンバー愛のパワーアップバージョンだとか…
 モーニングの中だと、自然の現象だとか…

74 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:36


 そう思っちゃえばいいんだ。


 ポンポンと背中を叩かれ、ぬくもりが放れると、『そーだね』とごっっぁんは立ち上がる。


「こーしよ」


 そして、指を一本びしっと立て、その口から出てきた言葉は、
 今のわたしにとって耐えられるのかどうかとても不安な提案だった。



「命令。今日一晩田中ちゃんと一緒に過ごすこと。」



75 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/04(金) 20:47

更新5回目。
次もじゃっかん短めなので、明日にでも更新できたら…

Mステ見ながら更新。
トークなしかぁ。。。。。。

次回はもうちょこっと3人での会話を。
りかれな中心なのにまだ2人での会話少ない…^^;

>>62 名無し飼育さん

レスありがとうございます。
この中だととびきり梨華ちゃんに優しいってことで(わら
この中…?いえいえ現実でも優しいってことで(わら
そういえば…PJはりか→れなでもえもえだったなー

次もよろしくおねがいしますー
76 名前:なまっち 投稿日:2005/03/04(金) 20:49



!!
名前の欄におはなしの題が……。。。。
凹む。。。。
77 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/04(金) 23:06
更新おつです。62です
2人で一晩過ごす・・・いったいどうなる事やら・・・・・
楽しみにしてます♪
78 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:15



2〜美しき貴女は高嶺の華/素直さだって必要さっ!


☆4話目。


79 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:16

「命令。今日一晩田中ちゃんと一緒に寝ること。」


 一瞬固まるわたし。 


「うそ…」
「ほんと」

 後ろから聞えてきたミキティの『さんせー』がやたら嬉しそうに聞こえてきてるのは…
 楽しんでる…?
 ねぇさっきの優しさは…? 

 真希ちゃんも。
 さっき抱きしめてくれた優しさは…?

 って、でも、"うそ"とは口から出たものの、はっきり言って全くイヤじゃない事は確かだと思う。
 むしろ、この機会に2人の関係…ううん、わたしのキモチをはっきりしたものに出来るのなら、
 それはそれでイイのかもしれない。

80 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:17

 イイ機会。

 ただ…不安がいっぱいなだけ…

 一晩だよ一晩。

 長いよっ
 そんな長い間れぃなと一緒にいて…
 ど、どうにかなっちゃっても知らないよっ!

 って、そんな心配してんだ…わたしの本能は…///

「襲ったらダメだよ」

 うっ…

 そんな危ない思考が頭の中をグルグル渦巻いていた時に、
 ミキティのわたしの緊張をほぐすつもりで言った冗談に絶句する。

 まさに考えていた事に、ぐうの音も出ないわたし。

81 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:19

 顔が半端じゃなく真っ赤になってしまい、
 『マジでそんな事考えてたんだっ』ってますますバカにされたの当然。
 落ち込んでしまったのも当然。

 それでも、精一杯の最後の悪あがきとして…

「で、でも…
 れぃながイヤがるかもっ」
「心配ない心配ない」
「よっちゃんが…」
「強制退去」

 相部屋人まであっという間にどこかに飛ばしてしまったミキティ。
 全てをあっさり否定され、わたしのささやかな抵抗はあっという間に泡と消えた。

「そうと決まれば…」

 腰を浮かしたごっっぁんの手をグイッと握りしめる。

82 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:19

 しかし、それをみたミキティがとても険しい表情になった。
 そして、わたしに呼びかける。

 不安げな表情も入り混じる。
 れぃなの事を思っているのだろう。

「ホンキでイヤなの?」

 ミキティの真面目な表情にわたしは素直に答えるしかなかった。

 それは違うけど…と。

 微かに聞えたわたしのその言葉にミキティは満足そうに頷くと、
 『いこっか』とごっっぁんの肩を叩いた。

「うん。
 梨華ちゃん、楽しんじゃいな」

 ごっっぁんの笑顔に『うん』と頷くと、カノジョは『じゃーね』と腰を上げた。
 そして、最後の確認とばかりに、『いいね?』と聞いてくる。

 わたしは素直に頷いた。

83 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:20

 それを確認した2人は、自分たちの分のお菓子とジュースだけを取ると、部屋から出て行った。

 と、扉から出ようとしたミキティが何かを思い出したのか、立ち止まると、振り返り一言。

「じゃ、田中ちゃんに襲われないようにね」


 えっ…


「いやいや、ビックリしすぎ」
「れぃなもそんなキャラなの?」
「さぁ?
 って言うか、"も"って何気にしつれーだよ」

 なんとも楽しそうなミキティ。

「えっちじゃん…」
「でも、"イシカワさんのカラダって、ほんまに"えっち"とよね"って、言ってたっけなー」
「えっ…」
「思春期、えっちな事に興味津々な年齢の田中ちゃんに要注意ってカンジかなー」

84 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:21

 そ、そういえばれぃなって"そういう時期"真っ只中なんだ…
 確かに、わたしのカラダにも熱い視線を送ってるし…


 あっ、あれは憧れだ。
 そう憧れ。


 わたしみたいなスタイルになりたいって言ってくれたソレだ。
 うん。


 はは…


「一緒にお風呂に入ってあげなー」

 …

 絶対に楽しんでるっ

85 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/06(日) 02:21

 笑いながら出て行くミキティのひどい冗談も、
 冗談に聞えないくらいリアルに感じるのはそのせいかも。
 ごっっぁんの『心配しなくてイイよ』の言葉も全く説得力のカケラもないし…


 あぁ…
 ココロの準備しといた方がいいのかなぁ…


 イヤイヤ、何考えてるのよイシカワ

 相手はお子さまだもん。


 だめだめ


 はんざいだもの。
 はんざい。

86 名前:なまっち 投稿日:2005/03/06(日) 02:39

更新6回目。

梨華ちゃんのラストツアーがとうとう始まっちゃいましたね…
武道館のチケットとれるかな…

そうそう、今回の更新の最初で梨華ちゃんにごっちんを"真希ちゃん"って呼ばせました。
自分の話の中で初です(わら
この前のラジオでも数回呼んでましたけど、どんな時にでるのかわからん(わら
でも、自分的にはこっちの呼び方がかなりスキ。
"真希"がちょっと鼻に掛かって、すごいえっちに聞こえる(自分だけ

次回かられぃなとの一夜になります(わら

>>77 名無し飼育62さん

れすありがとうございますーm(_)m
2人で一晩…むふふ…何も言いません(わら
次回もよろしくお願いします。
87 名前:62 投稿日:2005/03/06(日) 23:15
更新おつかれです。
2人で一晩・・・ホントむふふですなぁ〜♪
楽しみに待ってまぁ〜す。
88 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/03/07(月) 00:57
なぁんか皆様ナイスキャラ☆
この藤本さんと後藤さんの強制的具合が好きです。
そして、次は・・・むふふ♪
89 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:22



3〜麗しきかナ、真の希は美しき貴方との交わリ、それは華やかな宴/おこさまっ!?

☆1話目。


90 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:22

 2人が帰った後、わたしはとても落ち着いて物事を考えられるようになっていた。
 物事っていうより、れぃなの事を。
 

 カノジョの事。


 れぃなと初めてで出会ってからほぼ丸2年。

 あのコは当初からわたしのファンだったって事を公言していてくれてた通り、とても優しかった。
 いつでもわたしの味方だったし、いつでもわたしの為を思って行動してくれてたんだもの。

 すごい嬉しかったけど、わたしへの対応が他のメンバーとは完全に一線を画していたれぃなは、
 わたしにとってとても奇妙な存在に映っていた。

 ここまで優しく接してくれた人がいなかったわたし。
 そりゃみんな優しいけど、れぃなの優しさっていうのが完全に違ったんだもの。

 はっきりいってこんなにわたしの事考えてくれるコと出会った事がなかったから、
 どのようにコミュニケーションを取ったらいいのかわからなかった時期もあったくらい。

91 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:23

 そんなれぃなだったけど、いつかは普通のメンバーと同じように、わたしに冗談を言ったり、
 おちょくったりしてくるものだと思っていた。
 けれど、それは今でもほとんど変わらない。

 五期メンバーや、さゆ、えりは、今だと先輩メンバーと同じようにわたしの事を扱ってくる。
 からかったり、冗談でイジメてきたりって。


 でも、あのコだけはまだ…


 それでも当初とは違って、だいぶんとフレンドリーに話してくれるようになったけど、
 わたしへの優しさだけは相変わらず、変わっていないんだよね。


 さっきみたいに…


 不思議なれぃな。
 いつの間にか、れぃなの優しさは普通の事と認識していたけど、考えてみればおかしな事。
 それでもあのコの優しさはとても嬉しいし、なくなってしまったら…
 それは考えられないし…考えたくない。


 とても不安になると思う。


92 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:24

 即、嫌われているって考えに移って…
 あのコに嫌われていると考えるだけで…

 色々とれぃなの事を考えていたわたしは、ドアをノックされる音でハッと現実に戻された。
 

 頭にモヤが掛かる。
 

 さっきまでの出来事がわたしの頭の中から全て消えてしまったかのような感覚を覚えるも、
 自然と足はドアの方に動いていた。

 帰ってきたれぃなが外にいるから、早く入れてあげなきゃ…って。


 ドアを開けると、
 いつものあのコが、
 いつものカワイイ笑顔で、
 いつもの角度で、
 わたしを見つめ、立っていた。


 ただ違うのは…


93 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:25

 急いで戻ってきたのだろうか、ホホや耳を赤く染め、
 寒さのせいだろうか、目が潤んで見え、
 わたしの感情の変化からだろうか、キレイに見えた。


 さっきとは全然違うようにうつっているれぃな。


「大丈夫ですか?
 コンビニにはなかったんで、ちょこっと他の店に探しに行ってたんです。
 ありましたょ」

 そして、相変わらず心配そうで、わたしの事を心配してくれているれぃなのその声を聞いた瞬間、
 わたしはストンと"何か"が落ちたような感覚に陥った。
 今までココロのどこかに存在していた隙間。
 その隙間にキレイに何かがはまった感覚。


 それが鍵となって、わたしの中の扉が開いたのか…不思議な感覚。

 とても素直にれぃなの事を見つめる事ができそう…
 ううん、実際、カノジョの目を素直に見つめる事が出来たわたし。


94 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:25

 そして、ジワッとにじみ出てきそうになった涙と共に、
 思い切り抱きしめてあげたい衝動にかられる。

 でも、出掛かった手をグッと押さえる。

 だって、それってコドモ扱いだもの。
 その姿が愛らしくて、いとしいけど…我慢する。

「ありがと。寒かったでしょ…入って」

 とだけ、声を搾り出し、れぃなを招きいれた。

 部屋に入ると、さっきまでいたごっっぁんとミキティがいなくなっていたせいだろう、
 急に不安げな表情になり、落ち着きがなくなったれぃな。
 わたしの方を見て、"自分は邪魔じゃないのだろうか…"とでも思っているのか、
 『れな、帰った方がよかですか…?』と、か細い声で囁いてきた。

 その言葉を聞いた瞬間、わたしはれぃなをココまで追い込んじゃったんだ…と、
 激しい後悔の念にかられてしまった。


95 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:26

 ホント、安心させてあげなきゃって、自然と出た笑顔で優しく答える。


「ううん。いてイイに決まってるじゃん」


 その言葉を聞き、ホッとしたのか、笑顔が零れると、本来の目的を思い出したれぃなは、
 慌てて自分が買ってきたモノを取り出し、『飲んでくださぃ』とわたしに差し出してくれた。

 お湯でといで飲む、ノドに優しい専用のそれ。
 れぃなの優しさが詰まったモノ。
 普通だったらなんでもない飲み物だけど、コレだけは違う。

 わたしは感謝のキモチを表現出来ないもどかしさにかられながら、それを受け取った。

 と、一瞬れぃなの手に触れる。
 
 その時改めて外の気温の状態を気付かされた。

 とても冷たくなっていたこのコの手。
 どれだけ外が寒かったかが簡単に想像できるこのコの手。


96 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:27

 わたしは思わず両手で包み込み、『寒かったね…』と、呟いていた。
 そんなわたしの行動にビックリしたのか、驚いた表情でわたしを見つめるれぃな。
 わたしの行動を理解してくれると、嬉しそうにしてくれたものの、
 次第に恥ずかしさが上回ってきたのか、顔を真っ赤に染め俯いてしまった。


 ぁっ…
 ゃばっ


 自分の行動が急に恥ずかしくなり、『ごめんごめん』と言い、手を放す。

「ぁりがとーね」

 照れ隠しのように出たその言葉の後、わたしは『座って』と合図をし、コップを取りにいく。

 部屋においてあるコップの前に立つも、そこにはちっちゃな湯呑だけ。
 うーん…と唸ると、そのまま持って『これしかないや』と苦笑いを浮かべれぃなに示した。
 笑顔のこぼれるカノジョ。

 『れなも飲んでいいですか?』と言い立ち上がると、わたしから受け取り、
 袋を開け、入れてくれた。

「もちろんっ
 これでれぃなが明日風邪でも引いちゃってたら、ミキティに何言われるか。」

97 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 00:27

 肩を竦める仕草のわたしに、『確かにこわかですもんね』と怖そうな表情を浮かべる。
 その顔が余りにも怖そうで、思わず笑ってしまったわたし。

 『笑いすぎです』とほっぺを膨らすも、とっても楽しそう。

 ポットのお湯を注ぎ終えると、まずわたしに差し出してくれた。

 自分の分にも入れたのを確認すると、わたしは口に近づける。
 ふーっと少し冷まし、口をつけると、甘いけどスッとノドに浸透してくれそうな舌触り。
 少しだけノドに通すと、スッと甘い香りが広がり、肺の中まで潤してくれそうだった。
 今日使い切ったノドも癒してくれそうだし。

 心配そうにわたしを見ていたれぃなに、『うん♪ノドに良さそっ』と笑顔で表現。
 わたしの反応に満足したのか、ホッと笑顔を浮かべ、カノジョも口を近づけた。


 この空間
 とても幸せかも…


 湯気の立つ、薄いかんきつ系の色が、自然とココロを癒してくれている今。
 それ以上に癒してくれるのが、すぐそばにいるれぃな。

 今日一日が感情の変化がウソのように、とても落ち着く感覚にこれから一晩浸れそうだもの。


98 名前:なまっち 投稿日:2005/03/09(水) 00:48

更新7回目。

ちょっと短めだったんで、明日も更新したいなぁってカンジで(わら
ツアー、やっぱりラストはザ☆ピ〜スなんですね///
昔れぃなも娘。の曲と言えば?で一番って挙げてましたけど、自分も^^(いっしょ
梨華ちゃんメインの♪I WISH♪も楽しみだし♪いいことある〜♪もめっちゃ楽しみ^^
ただ残念なのが♪愛あらば〜♪がないこと…
い、いきたい…

って事で、次回から本格的にりかれなの会話をお楽しみくださいませ。

>>87 62さん

毎回ありがとうございますm(_)m
むふふ♪は…むふふ…
ただ、これからこれまで書いたのと同じだけ一夜があるのは、ちょっと長いかな…(ぼそ
あっいえいえ。聞かなかった事で(わら
これからもよろしくお願いします〜

>>88 ひろ〜し〜さん

れすありがとうございますm(_)m
キャラがいいって言っていただけると嬉しいです^^
けっこう楽しいキャラにしたかったんで(わら
それでも現実に近いものにしたかったんで
むふふ♪は…すみません今回は全然むふふじゃなかったですm(_)m
次回もよろしくお願いします

99 名前:62 投稿日:2005/03/09(水) 13:15
オツカレッス。
これから始まる2人きりの夜を楽しみにしてます。
これからも頑張ってちょ♪
100 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:40



3〜麗しきかナ、真の希は美しき貴方との交わリ、それは華やかな宴/おこさまっ!?


☆2話目。



101 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:40


 全ての時間が早く進んでいっているみたいだった。


 普段だと、メンバーの誰かとゲームで楽しんだり、漫画や雑誌を読んだりしてマッタリ過ごしたり、
 明日のことを考えて、早めに寝たりするのだけど、
 今日はれぃなとテレビの音をBGMに色々と話をするだけでも、同じくらい…
 ううん、それ以上に楽しい時間を過ごす事が出来た気がする。
 

 今日のコンサートの内容。
 食べに行った先のこと。

 いつも話すような内容から。


 わたしのこと。
 れぃなのこと。
 仲が良いメンバーのこと。
 これまでのお互いのこと。

102 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:41


 それに、"遊びに行こうねっ"って約束。
 実際に守られるか分からないけど、出来た約束。


 まことやのんとは簡単に出来るけど…れぃなとは…
 断られると人一倍凹んで、次に誘い辛くなっちゃうわたしの性格上、難しいカノジョとの約束。

 だから、ホンの些細な約束がちょっと嬉しかった。


 今まで散々話してただろうって話題でも、まだまだ話してないことがたくさんあったし、
 もう一度話したいってキモチにもなったし。


 そんな個人的なことに、メディアから流れてくる話題。


 若干関東とは違うテレビの内容だけど、そこから流れてくる小さな話題が、
 どんどんわたしたちの中で広がってくれたりした。


 もうとっくの昔に日付も変わってしまってて、気がついたときには、
 1時を過ぎてしまっていた。

103 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:42

「あっ…ヤバイっちゃ」
「ぅん…さすがに寝なきゃね…」

 れぃなの言葉にわたしも時間の経過を再確認し、周りを少し片付け始めた。
 れぃなも習い、『手伝います』って、一緒に周りを片付け始めてくれる。

 でも、それと同時に眠気も少し襲ってきたのか、少し零れる可愛らしいあくび。

「ぅーん…れなもさすがに眠か…」

 こんな時はさすがにおこさま。
 仕草の愛らしさに思わず笑みがこぼれる。
 
 ところが、れぃなはそうは言ったものの、さっきの言葉とは対照的に、
 いつの間にか、なんだかソワソワして落ち着かない様子になっていた。

 それに気付いたわたしは、何も考えずに聞く。

「どーしたの?」
「ぇ…」

 明らかに挙動不審人物のカノジョは、わたしの呼びかけに、一層目を泳がせると、
 『ぇーっと』と、何かを言いたいけど、言えない、って表情で視線をはずした。

104 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:42

「…?」

 どうしたんだろ…と思った瞬間、ハタと気付く。
 そういえばまだれぃなには"今日一緒に寝よう"って話してなかった事を。


 そっか…言ってあげなきゃ…


 一緒に寝よっか…って。


 ごっっぁんから言われたときは、結構恥ずかしい言葉のように感じていたその一言。
 けど、これまでの時間の共有からか、わたしは自然と言葉が出てきた。

 しかも、ひねる。

「着替え、持ってこない?」

 少し回りくどいわたしのその言葉に、一瞬不思議そうな表情になったれぃなだったけど、
 はっきりとその意味が分かったその時、ソレに気付いた瞬間が分かるくらい弾けた笑顔へ変わった。

「よかですかっ?」

 今にも襲ってきそうな勢いでわたしに尋ねるカノジョをなだめ、『ぃぃょ』と囁き、笑顔で答える。

105 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:43


「じゃ、じゃ取ってきますっ」
「ぅん」


 とても嬉しそうに飛び出していったれぃなに、自然と目を細めていたわたしは、
 安心感からか、ため息を一つつき、パジャマとか寝るための準備を始めた。


 と、そこでフト気付く。


 ぇーっと…お風呂入って…ないよね…わたし…アンド、れぃな


 かぁー///


 一気に頭に血がのぼり、明らかにバクバク心臓が鳴る。
 そう言えば、さっきの"口説き文句"って…お風呂も一緒に入るって事に近いのかも…

"とんとん"

 部屋のノックされる音がし、あのコが戻ってきたことを示した。
 一層高鳴る心臓に、1つ深呼吸。


 れぃなはどう思ってるんだろ…


106 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:44

 少しビクビクしながらドアを開けると、バックだけではなく、
 しっかりと自分の部屋に置いてあったバスタオルまで持ったれぃなの、
 幸せそうな笑顔に出迎えられた。


 あぁ!


 やっぱり…

「しつれーしまーす」
「ど、どうぞ」

 『今更なんですけど』とペロっと舌を可愛らしく出し入ってきたれぃなは、
 空いている奥のベッドの上にバックを置くと、ガサゴソと中を漁り始めた。

 今にも鼻歌が出てきそうなくらい、ご機嫌なカノジョ。

 なんだかそんなれぃなを見てたら、自分が考えていたヤラシイ考えがおかしく思えてきた。
 とっても自然で、"そんな"事を全く考えていない、純粋なれぃな。

 うーん 
 はぁ

 まっ仕方がないっか


107 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:44

 大きくため息をつくと、『れぃなっ』と後ろから呼びかける。

「なんですかー?」

 振り返ったれぃなに、『一緒に入る?』と、我ながら素晴らしいくらい自然なその言葉。
 声の震えなし。
 更に、動揺全くなし。
 うん。表情の引きつりもなさそう。
 よし。
 完璧。

 …の、はずだよね…

「ぇっ?」

 と、言ったきり、しばし沈黙のれぃなちゃん。 
 そして…

「ぃやーん///」

 えっ?

 れぃなは、何とも艶かしく声を出すと、胸の前に両手を持ってきて、
 恥ずかしそうに胸を隠すポーズ。

 そんなカノジョのホホを赤く染め、上目遣いで見つめてくる姿に絶句。

108 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:45

 れぃなのわたしへの冗談って考えが全く浮かぶ間もなく、襲ってくる羞恥心。
 自分で分かるくらい顔が熱くなってる。


 かーっ///


 だってだってだってだってだって
 わたしの考えていることを、れぃなは"そう"受け取ったって事だよねっ


"イシカワさんはわたしのカラダ目的で一緒に入ろうって言ってるとじゃなか?"
"お風呂の中で襲われるとじゃなか?"
"れな、何されっと?"

"イシカワさんってヤラシイっちゃ"


 って、そう思われているって事が、とても恥ずかしくて。


 ただただ混乱するわたしの頭の中では、れぃなが裸になって、わたしとお風呂の中で
 抱き合ってる姿が、エンドレスで浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返していた。

109 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:45

"れぃなぁ"
"イシカワさん…"
"タオル、取って…いい?"
"えっ、でも…恥ずかしいです…"
"ダイジョウブだよぉ"
"や、優しくして下さい…"
"うん。おねぇさんに任せてね…"

 あぁ…コテコテだぁ
 
「…ワさんっイシカワさんっ」

 えっ…?

「ご、ごめんなさいっ
 そ、そぎゃんに真っ赤になるなんて、思っちょらんかったんでっ」
「あ…」

 余計に恥ずかしくなるわたし。
 "おこさま"のえっちぃ冗談に、完全に翻弄され、挙句の果てに、妄想の世界に飛んでいたんだもの。
 二十歳の大人の女が…

110 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:46

「フジモトさんが…」
「えっ…」

 れぃなの口から出てきた名前に、思わず大きくため息がこぼれる。
 それと同時に激しく納得。

「バスタオル持って行きなって…
 イシカワさんが"一緒にお風呂に入ろ"って言ったら…
 さっきのようにって」


 くっそー
 みきてぃめ

 確かにバスタオルは2つあるのに、おかしいなって思ってたのよ。
 それに、れぃなは、そんなキャラじゃないってば。
 ミキティや、よっちゃんみたく、えろキャラじゃないもん。

 わたしのことを純粋に見てくれてるもの。


「絶対仕返ししてやる」
「えっ…」

111 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:46


 メラメラ燃え上がる復讐の炎に、れぃなの少し引き気味の顔が映り、慌てて取り繕うわたし。

「あっ…なんでもないなんでもない」
「そ、そですか」
「うん。それより…
 じゃ…入る…?一緒に…?」
「はぃっ!」

 元気のイイれぃなの返事に、わたしはホッと一安心。

「お湯はろっか」
「はぃっ」

 まぁ、ユニットバスだから、ホントはお湯とか張ったらダメなんだけど。
 たまぁーに疲れとかが溜まった時とかは、張ったりする。
 んで、浸かった後、カラダを洗う時に苦労したりして…
 けど、それでもやっぱりお湯につかったりすると、疲れが取れてくれるからやめられない。

 うーん、ちょっと狭いかな…
 これだけ狭いとね…

 はは…///

112 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:47

 バスタブにお湯を張り、わたしもれぃな同様準備する。

「あと、10分くらかなー」
「あっはい…
 あの…振り向かんで下さいね」 

 服に手を掛けかけたわたしに、上だけ下着姿のれぃなが、恥ずかしそうに声を掛けてきた。
 余りにも恥ずかしそうに言うカノジョが少し新鮮に感じるわたし。

 いつもの恥ずかしさではなく、恥じらいが入っているから?

 下着姿になると、バスタオルを巻き、上手にショーツから脱ぎ始めようとした。
 その動きを見て、『うん』と言い、後ろを向く。


 それでも…なんだかなぁ


「…」


 どうせ今から一緒に入るじゃんっ


 そう思ったとたん、さっきのれぃな(ホントはミキティ)に辱められた自分の姿が思い浮かんできた。
 それと同時に、ジワジワと"えす"のわたしが起きてくる。


113 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:48


 さっきの仕返しだーって
 れぃなが恥ずかしがっている姿を見なきゃって

 
 そりゃもー
 振り返る。


114 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:48

 少しだけカラダを壁に向け、下着を全部外し終えていたカノジョ。
 そして、背中から前にバスタオルを回し、巻き直そうとしている。
 

 あっ
 

 前がはだけ、れぃなの大事な部分を覗かせていた。
 自然とわたしの視線が"ソコ"に行ってしまっていたのは当然なのか、悲しいのか…


 うわぁ


 まだまだ思春期前の少女のように、胸の膨らみは随分と小さい。
 それでも胸のピンクの蕾はしっかりとカタチをなしていて…///


 ゃんっ///
 なにそーぞーしてんのよっ!れぃなーってカンジだぁ


115 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:49

 れぃなの大事な部分に生えそろっているモノも、とても薄く、
 まだ閉じられている割れ目まで見えてしまい、これには焦って、慌てて視線をれぃなの顔に戻す。
 わたしはまるで小学生の少女を見ている感覚を覚えてしまっていた。


 ある意味"はんざい"だよぉ///


 まぁスタイルはスレンダーでカッコイイけど…
 大事な部分は両方とも、やっぱりおこちゃまだぁね



 かぁいぃ///



116 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:49

 なぁーんて思ったその瞬間、そんなわたしが視界の隅に入ったのか、
 れぃなはこっちに視線を持ってくると、わたしとばっちし目を合わせた。

 なかなか決まらないタオルの位置を修正中、
 両手を広げ、ばっちし見えちゃってる状態で固まったれぃな。


「!!」


 しっかり1秒は経過。
 わたしの視線が少し下にずれる。

 と、『ゃっ///』と小さく悲鳴を上げ、慌てて体を後ろに向け、タオルで隠す。
 そして、タオルの端を硬く押し込み、これでもかと固める。


 なによ。
 そこまでして隠さなくても…


 しっかり落ちない事を確認すると、口を真一文字、顔だけこっちに向け抗議の声があげた。

117 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:50

「み、見ないで下さいって言ったじゃなかとですかーっ!」
「どぉーしてよー」
「今、イシカワさん、れなのカラダ見てヤラシか目してたとっ」

 ぐさっ!

 そ、それをエロ目って言うんだよね…
 言われ慣れてるけど…

 れぃなに言われるとさすがに凹むじゃない。

 そんなにはっきり言わないでよねー
 まさに言い訳が全く出来ないくらい図星だけどさっ

「で、でも、女同士だよっ」
「う、うん。
 でも、違うんです。
 あ、あのー、ヤなんですっ」
「?」
「スタイルが…」
「ん…?スタイル?
 スレンダーでイイじゃん」

 わたしの言葉に、一瞬嬉しそうな顔になるも、それでも首をおもいっきり横に振り、
 『コドモやけん』と一言。

118 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:50

 あっ…
 ごめんれぃな。
 さっき少し思っちゃった。
 でも、そんなれぃなのスタイル、わたしは大スキだよ。

 あっ一応、"ろりこん"じゃないとは思うけど…

 そこまでイヤな顔しなくても。
 全然ひどくはないと思う。

 横に広いよりは…

「ペッタンコやし…
 クビレなんてなか…」

 そして、わたしの方を見ると、『イシカワさんのスタイル、羨ましか…』とため息を一つ付く。
 そんな風に言われるのは、ずっと慣れなくて、恥ずかしいけど、
 れぃなに言われると素直に嬉しい。

 れぃなだって、わたしの言葉をそのまま素直に取ってくれたら…
 れぃなのスタイル、わたし、ホントにステキに思ってるよって…その言葉を。

119 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:51


「イシカワさんみたく、ぇっちなスタイルになるには、どうしたらイイのですか?」

 おもいっきりコケそうになったわたし。

 えっちぃ!?

 えっちなスタイルって…

「ぇっちぃ?」
「うんっ」

 大きく首を縦に振る。

 そんな風に言われるのって、ホント恥ずかしいってばっ
 わたしのスタイルってえっちかなぁ
 なんだかわたしがヤラシイみたいじゃない。

 た、たしかにさっきれぃなをヤラシイ目で見てたけど…
 はぁ 

 ため息が自然と出てきたわたしとは反面、カノジョは、キラキラと瞳を輝かせ、
 わたしの返事をまっていた。

120 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:52

 まぁ、よく聞く話なら…

「キャベツをたくさん食べるとって話は…」
「あぁ…でもそれって胸が大っきくなるだけじゃないのですか…?」

 そ、そっか…
 それなら、ミキティに聞いた…

「マッサージとか…」
「!?」

 わたしの何気ない一言に、面白いくらい分かりやすい反応をするれぃな。
 何を想像しているのか、顔を真っ赤にさせ、『えぇー///揉むとぉ?』と、モジモジする。
 でも、そんなれぃなが結構かぁいく、わたしは簡単に母性本能をくすぐられてしまった。

 わたしを上目遣いで見つめるれぃな。

 そんなれぃなを見た瞬間、心臓をぎゅっと掴まれ、引きずり出されそうな感覚を覚えたわたし。
 不思議な感覚。



 まるで…



121 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:52

 あぁでも、たぶん、れぃなと2人だけで、こんなえっちな話ってしたことなかったから、
 カノジョの反応をすごく新鮮に感じてしまうのだと思うけど…
 
「ぃ、イシカワさんも自分で色々とシテるん…ですか…?」

 れぃなも結構、新鮮に感じて、楽しんでいるのか、少しダイタンな質問をぶつけてきた。



 シテる?



 ヤラシイ言葉に聞えるよ…



122 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:53

「揉んだり…とか…」



 ぇ…



 ものすごい挑戦的な瞳をしたれぃな。
 まるでわたしを誘うかのようなれぃな。

「れなも…しょっかなぁ…」

 胸に手を当て、数回持ち上げる仕草をするれぃな。

「して欲しかぁ」

 そして、わたしを見つめるれぃな。


123 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:54



 ねぇ…ワザと…?



 何かわたしの奥の方に潜んでいた神経が切れそうになる…
 ダイタンな言葉と仕草で…

 わたしが子供扱いするから…
 精一杯の強がり?
 挑戦的だよね?
 誘ってるよね?


 ねぇ、れぃな。
 やっぱりえっちなことに興味があるの?


 そんな思考が浮かんでくると、自然とれぃなのさっきのカラダが頭の中に浮かんできた。
 まだまだ小学生のようなカノジョ。



 ソレにものすごい惹かれているわたしは、ヤバイ人間。



124 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:55




 えっちそうな桃色の蕾…
 触りたい…
 口に含んでみたい…




125 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:56




 キレイな、まるで使われてない閉じられた下の蕾…
 触ったら…泣いちゃうかな…




126 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:56




 恥ずかしがるれぃなが見てみたい…
 泣いてるれぃなが見てみたい…
 えっちなコトしてるれぃなが見てみたい…




127 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:58



 自分の血液の動きが早くなる
 おへその下あたりが熱くなる
 目の前にモヤがかかる



 きょとんとわたしを見つめるれぃなは、ホントにコドモのような純粋な表情な少女。
 それが逆にわたしの胸の奥底にしまわれていたアブナイものを引きずり出そうとしてる。


 やばっ


 一瞬、どんどん底なし沼にハマっていってしまいそうな感覚を覚えるわたし。


 ぁ…


 今の状況なら、"なに"しても冗談で済まされるのかも…
 れぃなと2人っきり。
 この部屋に2人っきり。




 れぃながわたしを誘っているんだもん




128 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/09(水) 23:58


 そんな考えが頭の中に浮かぶと、『少し、シテあげよっか』という言葉を口にし、
 いつの間にかれぃなに近付いていた。


 おこさまのれぃなに…


 イタズラかな…?
 れぃなが泣いちゃったらどうしよ…

 あっでも…これは、ミキティのせいだ。
 もし、れぃなが泣いちゃったらミキティのせいだもん。

 だいじょうぶ。
 わたしのせいじゃないや。




 だから…




129 名前:なまっち 投稿日:2005/03/10(木) 00:17

更新8回目。

実際梨華ちゃんのスタイルって羨ましいくらいぇろぃですよね…(せんぼぅ
ちなみに次に自分的にぇろぃって思うのはえり(はは//
ふたりともとくに、ぉへそからぉなかにうえすとらいんに…(へろへろ
りかちゃんのひっぷのらいんもだいすき…(かんぜんにえろおやじ
だめだこりゃ

ほのぼのしたあまぁーいりかれなを目指して一番最初書き始めたのですが…(にがわら
あっ表現的にうわぁって思われたシーンがあればごめんなさいです。

次回………今これ以上自分がしゃべると読んでいただいてる方が引いてしまいそうなので…
ただ一言。お楽しみに。

>>99 62さん

毎回毎回ありがとうございますm(_)m
れすがあるだけで読んでいただいている方がいるって励みになりますんで^^
期待されている物語じゃなかったらすみませんですが、
これからもよろしくお願いします。

130 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/10(木) 20:51
最高です、自分の書きたかった梨華れなの形が...
131 名前:62 投稿日:2005/03/11(金) 02:09

更新ごくろーさまです。
石川さん。だから・・・ど〜なるんですか?
こりゃ〜これからも目が離せません。
132 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/03/12(土) 19:38
なんか石川さん、妄想ワールドにどっぷりじゃないっスかぁ?
なんか、おもろ〜ぃっス。
石川さん、れいなに何しちゃうんでしょうか?
133 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:36



3〜麗しきかナ、真の希は美しき貴方との交わリ、それは華やかな宴/おこさまっ!?


☆2話目。


134 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:37

「…れぃな…」

「ィ、イシカワさ…ン?」

 胸の前で自分を隠すかのように両腕を重ねるれぃなは、わたしが1メートルくらいまで近付くと、
 少し後ずさりをした。

 傍目から見れば、今にも襲い掛からんくらいに瞳を輝かせ近付くアブナイお姉さんと、
 お姉さまに怯え震えている幼い美少女の絵。

 怯えている少女…?

 ぅぅん。
 わたしの目からは怯えている様子は感じられないょ
 むしろ、わたしとの"これから"を期待している眼差し。

 薄い布越しのれぃなの蕾が強く主張しているのが見えるくらいだもの。

 それに気が付くと、わたしのココロにはますます甘いものが広がってきた。

 それと同時に、自分自身、下着に熱い蜜が滲み出さんばかりに染みているのにも気づく。
 そして、胸の蕾も下着に強く押し当てられていることにも。



 これだけれぃなのえっちな表情を見せられると…


135 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:38


 ゃばぃ
 アタマガキレテルヨ…


 今までずっとずっとココロの奥底でブレーキを掛けていた鍵が、
 いつの間にか外れていたのかもしれない。
 さっきまでのコミュニケーションと、顔を真っ赤に染め、
 目を潤ませて…わたしを見つめるれぃなによって。

 距離、数十センチ。
 れぃなの熱っぽい吐息が届きそうな距離。

 わたしを不安げな表情で見上げるカノジョ。

 安心させてあげるために、いつもの笑顔を見せる。
 そして、右手の指先を大きく開いたノドを通して、首筋、ウナジにかけてソッとまわし、
 耳たぶを触ると、そのまま親指でホホのラインをなぞった。
 左手の人差し指では、れぃなのクチビルのラインをそっとなぞる。

 わたしの指の動きを視線で追いかけるれぃなは、吐息が熱くなってり、ぎゅと胸の前のタオルを掴んでいる。
 そして、何かを話そうと口を動かした。
 けど、言葉が聞えてこない。


136 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:39


 だって…

 わたしが塞いだんだもの。


 背をかがめてれぃなのクチビルの感触を奪ったわたし。
 ソフトキッス。
 ディープなのはダメ。
 
 だって、わたしが我慢できなくなって、そのまま押し倒しちゃうかもしれないんだもん。
 そうなったら…
 優しくれぃなを慰めてあげられない。
 タオルを強引に取り上げて…


 泣いちゃいそうだから…


 今でも小さな女のコにキスをしているみたいだもの。

 わたしのクチビルが優しく触れたままのれぃなのソレ。
 ソレに沿わせていた左手を、カノジョの細くて儚くて、今にも折れそうな背中に回す。
 スッと指先で背中の真ん中、背骨に沿ってなぞると、びくっと震えたカノジョ。

137 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:40


 小さな小さなれぃな。
 今のれぃなは特に小さくて…


 背中にまわした左腕で、ぎゅっと力を入れ抱きしめる。
 すっぽりとわたしのカラダに埋もれたれぃな。
 わたしの胸の前にあるれぃなの両腕が、わたしの胸とカノジョのソレに押し潰される。

 思わず手でわたしを押そうとしたのか、片手がわたしの胸に添えられ、そのまま少し押された。


 どくどくと血の流れが速くなる。


 自分の胸が潰される感覚がわかると、一瞬くらっとなったわたし。
 しかし、次の瞬間、れぃなは慌てるようにして、ソコから手を放した。

「ごめっ…!」

 口が動こうとしたけど、そのままわたしの口で塞ぐ。

 わたしの胸に触れ、謝ろうとしたれぃなが面白くて、一瞬笑いそうになってしまったわたし。
 そんなわたしとは対称的に、れぃなからの鼓動が激しく届いてきた。 
 背中に回した左手にも感じるくらいに… 


138 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:41

 塞いでいたクチビルを浮かすと、小さく『ちゅ』と数回ソフトキッスをし、
 れぃなのピンクの可愛いクチビルを舌先でなぞった。

 甘い味がれぃなのソレ。
 ずっと味わっていたいソレ。

 しばらく味わっていると、少し空いたクチビルの隙間から入れたいって思ってきたけど…


 まだダメだょ


 とても震えているんだもの…れぃな

 触れるだけのキスの方がよかったかな…

 普段の強気なれぃなが全く感じられない、コドモの震え。
 その震えが、ますますわたしのココロを高ぶらせてきた。

 わたしより一回りは小さなれぃな。
 カラダ通り、まるで小動物かのようなカノジョは、普段からの従順さにますます拍車をかけ、
 なんでも言うことを聞いてくれそうな、わたしのペットにさえ思えてきた。



 わたしが"どんなこと"をしても許してくれるペットに…



139 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:41

 力を緩め、れぃなの肩に手をおき、少しカラダを離す。
 瞳を潤ませ、ほっぺを高潮させたカノジョは、わたしに見つめられると、恥ずかしそうに俯いた。

 そんなカノジョのうぶな仕草に初恋のような甘いものが溢れるわたし。
 そして、ぞくぞくっとした胸の昂揚感。

 わたしは、イジワルそうな笑みを浮かべた。

「お昼の仕返しだょ」

 その言葉を聞くと、申し訳なさそうに俯き、『ごめんなさぃ』と囁くれぃな。

「じゃぁさ」

 何を言われるのか、怯えた表情し、無意識の内に胸のタオルをぎゅっと握っているカノジョ。
 その手に、自分の手を重ね、『取っていい?』と囁いた。

 驚いた表情をしたれぃなの表情にぞくぞくと震える。


 …ぃな///


 顔を真っ赤に染め、微かに頷き、カノジョの手の握り締める力が緩まった。
 わたしはそれを、"いいですよ"の返事と受け取り、脇あたりに固く押し込まれたタオルの端に手を掛け、
 少し力を入れた。

140 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:42


 空間が出来ると、ソッとほける。


 そのまま端を持ち、スッと広げると、さっきの光景がまた広がった。
 ただ違うのは、片一方の端はわたしが持っていること。
 いつでも剥ぎ取れる。


 視線をゆっくり落とす。


 ツンとした胸の膨らみの先端。
 さっきよりも一層硬くぷっくりと膨らんだ蕾。

 蕾のまわり、肌色から桃色に変わる境界からいっぱいに膨らんだソレ。
 全体の膨らみはコドモのように小さなモノだけど、十分えっちで、わたしにとってソソラレル膨らみ。


 痛いくらいに自己主張しているソレは、れぃなの本心。
 胸もさっきより随分と膨らみを増しているのも本心。


 それでもまだコドモだょね


141 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:43

 そして、下の割れ目の一番上の部分も、上から見るとソレが消えてしまうくらいに膨らんでいた。
 周りも若干赤みを増して膨らみ、それは余計に割れている線を強調し、えっちに感じる。

 随分と昂揚したわたしは、胸の小さな膨らみとは不釣合いなくらい膨らんでいる桃色の蕾に、
 ソッと指の先をあてがい、なぞる。

「ぁっ…///」

 触れるか触れないかくらいに微妙な距離感。
 下から上。
 右から左。
 円を描く。

 わたしの指の動きに合わせて、不規則にカタチを変える桃色の蕾。
 そして、固くなっている胸の膨らみもそれに合わせカタチを変える。
 くいっと押し込むと、強い弾力間に押し返された。

 胸が小さな分、全体に芯を感じられるその強さに、れぃなの表情はアブナイ。


 ホントかわいぃ///


 後から後から襲ってくる快感に…
 戸惑っている表情も…
 今にも泣き出してしまいそうな表情も…


142 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:43

 れぃなのソコって…
 胸が小さな分、直接わたしの刺激が伝わるのかな…

 事実…
 たったこれだけ
 たったこれだけ
 たったこれだけなのに、いつの間にか膝をこすり始めたれぃな。
 ソレを見たわたしは、蕾を摘むと少し引き、持ち上げ、ちょんとはじいた。

「ゃっ///」

 激しく電気が走ったのか、少し崩れそうになりながらも、カラダに力を入れ踏ん張る。
 しっかり感じたソノ感触に、わたしまで熱くなりそう。

 そしてれぃなは、わたしをなんとも言えない切ない瞳で見つめてきた。

 『もっと』と訴えているかのように感じられたわたしは、もう一度触れたい欲望にかられ、視線を落とす。

 すると、わたしの目に、一筋の長い雫が、れぃなの大事に閉じられた部分から、
 流れ落ちそうになっているのを発見した。


143 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:44

 重力に負けそうなりながらも、空中で揺れているソノ"糸"。


 ぁ…


 思わずソレを見つめる。

 れぃなもそんなわたしの視線に気付いたのか、自分でも下に視線を落とし、ソノ状態を見ると、
 恥ずかしさのあまりイヤイヤと首を横に振りはじめた。
 そしてカノジョは、膝を閉じると、自分のタオルを押さえていない左手で割れ目に手をあてがい、
 その"糸"を拭い取ろうとする。

 大事な部分を遮るモノの少ないれぃなのソコに、指が縦に沿うように押し込まれ、くいくいと動かされた。

 指を押し込まれ、れぃなによってグイと広げられたソコ。
 行き場を失った割れ目の中の肉が周りに溢れ出し、イヤラシクわたしの目に晒された。


「…れぃな…」


 イケナイ光景に、ゾワゾワと胸を掻き毟られる感覚に襲われる。



 れぃなぁ
 それってハンザイ



144 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:45

 ソコから少し指を浮かすと、恐る恐る見るれぃな。
 しかし、指先がべっとり湿り、れぃなの大切な部分と繋がっているのが見えると、
 慌てたように再び指を縦に押し込んで、もう一度拭い取ろうとしたれぃな。

 大切な部分を守るかのように割れ目を作る2つの両側のわずかな膨らみが、さらにイヤラシク変形する。



 だめだょ
 そんなことしちゃ
 もっとヤサシクさわんなきゃ

 おねぇさんなら、もっとヤサシク、痛くないように触ったげるょ


 
 れぃなのソノ仕草を見ただけで、イッてしまいそうなくらい、お腹の下が熱くなってしまったわたし。
 自分のショーツがどれだけ濡れているのか、想像できないくらいに。
 ただ、明らかにねっとりと湿っている部分がかなりの広範囲に広がっているのが、
 肌の感触で分かるけど…


 ゃばぃ


 いつ切れて、れいなを押し倒してもおかしくない神経になっているかもしれない。



145 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:46



 押し倒して、イカセル。
 ホントの悦びを教えてあげたい。



 れぃなのアソコを触ってみたい…
 舐めてみたい…



 どんな反応をするの…?


 って…。


 わたしは、ぎゅっとタオルの端を握りしめ、まだ自分の割れ目に手をあてがっているれぃなを無視し、
 タオルを取ろうとした。

「あっ」

 恥ずかしがるから、そのまま肩から掛けてあげようかとも思ったけど、
 羞恥心を更に煽る為、わたしは完全にバスタオルを取り上げ、ベットの方に置いた。


146 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:46

 完全に自分のカラダを覆うものがなくなったれぃなは、
 わたしの全身を舐め回されるかのような視線に、涙を浮かべ、
 両手で曝された大切な部分を隠そうとする。

 右腕で胸の蕾。
 左手で、下の蕾。

 わたしが見てるだけで、どんどん滲み出てきている粘液が、光って見えるソコ。
 また新しく"糸"が引かれつつあるソコを手のひらで覆う。

「見せて?」
「ヤ」

 "いやいや"と首を横に振るれぃなは、今にも泣き出さんばかりの様子だった。

 そんなカノジョの様子に胸が痛くなってきたわたし。
 イヤなの?と、少し切ないキモチが出てきそうになる。

 ところが、次に聞えてきたれぃなの言葉に、スッとココロが落ち着くのを感じた。

147 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:47

「スキな人には、見られたくなかとっ」

 そしてそのまま、まるで自分の晒されたカラダを隠すかのようにわたしに抱きついてきた。
 精一杯背伸びをして、ぎゅっと自分の全てをわたしに押し付け、抱きついてきたれぃな。


 その仕草は、自分のカラダを見せたくない乙女ゴコロ。


「イシカワさんとは不釣合いな自分のカラダがャだっちゃ…」

 その言葉を聞いた瞬間にわたしは、れぃなの普段の気の強さからは想像できない、
 外見どおりの少女で乙女ちっくな部分を垣間見れ、そっか…っと自然と笑顔が浮かんでいだ。


 それと同時に嬉しさも… 


 れぃなのホントのキモチを知り落ち着きを取り戻すと、カノジョの震えている背中をポンポンと叩き、
 『お風呂、入ろっか?』と声を掛けた。

 れぃなは小さく頷くと、わたしから少し離れ、片腕で器用に胸を隠しながら、
 もう一方の手で『バスタオル』を指さし、少しほっぺを膨らます。


148 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/13(日) 03:48

 久しぶりに見た、れぃなのコドモみたいに愛らしい表情に、わたしにも笑顔が浮かんだ。
 そして、タオルを手に取り後ろから回して掛けてあげる。
 
 『ありがとございます』といいながら、タオルを前に。
 自分の大切な部分をしっかりガードできると、ホッとしたような笑顔をわたしに。


 ふぅ


 れぃなのいつものわたしへの笑顔が少し眩しく、
 少し…ぅぅん。随分とえっちな自分が恥ずかしくなってしまったわたし。

 うーん。
 このあとどうしよ…

 れぃなのカラダと、わたしにイジメられた時の反応。
 それから感じるのはやっぱこのコはおこちゃまって事。
 それを考えると…

 わたしって、はんざいしゃ…?
 それとも…ろりこん…?

 どっちにしてもやばぃゃ


 でも…
 もっともっとすすみたぃょ

 もっともっとれぃなの全てをじっくり見たぃ


 だめ…かな…れぃなぁ?



149 名前: 亜あ 投稿日:2005/03/13(日) 03:49

更新9回目。

150 名前:なまっち 投稿日:2005/03/13(日) 04:03
↑失敗///すみません^^;

更新9回目。

お姉さまを壊してしまいました(あはっ
あと、れぃなのふぁんの方お気を悪くされたらスミマセンですm(_)m

次回…もお楽しみに。

>>130 名無飼育さん

ありがとうございます。
これからも"最高です"って言って頂けるように頑張りますんで、
よろしくお願いします。
やっぱり自分も"りかれな"はコレ(わら

>>131 62さん

ありがとうございます。
"だから…"は、こうなっちゃいました(わら
最初のほのぼの感を目指してたのを考えると…ちょっと反省(あせ
でも、これからもこんなカンジでよろしくお願いします。

>>132 ひろ〜し〜さん

れすありがとうございます。
妄想を通り過ぎて、ひどい状態にしてしまいました…^^;
石川さんはこんなんじゃないはずっ!!
ちょっと反省しつつ…
次回もよろしくお願いします。
151 名前:130 投稿日:2005/03/13(日) 06:40
文章が綺麗でうらやましいです
今回のシーンを想像してもエロくなく綺麗に浮かんできます

自スレではいつも梨華に片思いの不憫なれいなを、ここでは幸せにしてあげてください
152 名前:62 投稿日:2005/03/15(火) 10:27
やったぁ〜!サイコーっす♪
こんな梨華ちゃんにれいなちゃんはたまんないっすねぇ・・・・
これからも頑張ってください。
153 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:36



3〜麗しきかナ、真の希は美しき貴方との交わリ、それは華やかな宴/おこさまっ!?


☆4話目。



154 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:37

 目の前、鏡にうつる自分を見ていると、徐々に目が覚めてきたわたし。
 
 完全に頭がアブナイ状態になっていた自分が、落ち着いてくるとすごい恥ずかしくなる。
 結果、れぃなだって泣く寸前までにさせちゃったし…

 はぁ

 最後のアレだと、嫌われてはいないと思うけど…

 それにしても、わたしって…
 ろりこんだっけ

 れぃなのことはホンキでスキなような気がしてきたからオカシクなっちゃったんだと思うけど…

 それとは別に、れぃなのアノおこさまのカラダを見て、
 アレだけイケナイ思考回路になっちゃったんだもの
 
 下のアソコを見た時なんて…
 れぃなのアソコに手を当てる仕草を見た時なんて…

 ゃばっ///

 また思い出しちゃった
 ただのえろおやじだょ

155 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:37

 でも…
 でもさ、れぃながいけないょ
 わたしをあんな状態にさせちゃったんだからさ

 あっ、いけないいけない。
 れぃなのせいにさせちゃ。

 だめだなぁわたしって…

 それに、ここまでひどくえっちじゃなかったはずだし…

 落ち着かなきゃ



 はぁ



 …


 …

 …

156 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:38

「イシカワさん?」

 バスタブに流れ込んでいたお湯を止め終え、髪の毛をアップでまとめながら出てきたわたしに対して、
 れぃなは不敵な笑みを浮かべていた。
 さっきまでの"アノ"れぃなが消え、いつものカノジョになって。

 ん?少しヤな予感。
  
「なーに?」
「脱がんとですか?」

 ぐっ…
 そっか…

 にんまり笑顔のれぃな。

 れぃな、仕返しをするつもりだな。

 うーん。
 さっきのれぃなへの仕打ちを考えると、イヤだなんて言えないけど…
 さすがにこのコの前で脱ぐのは…恥ずかしい…


 ごめん…れぃなぁ

157 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:38

 少し顔を引きつらせてしまっているわたしは、『先に入ってて』とカノジョの背中を押す。
 しかし、押そうとした自分の手に反発力が掛かる。
 それと同様に声からも。

「ヤだっちゃ」

 このぉ

「はいりなさい」
「ヤだっ」
「はいりなさいっ」
「ヤーだっ」

 "ズルイ"と、膨れるれぃな。
 こんな時だけ都合よくおこちゃまになるし。

 くっそー
 とことんだなー

 こうなりゃっ

158 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:39

「やーめたっ
 入らないっと」
「えっ?」
「入らないのっ」

 少しホッペを膨らまし、プイッとあさって方に顔を向ける。

 そんなわたしを見て、さっきまでの元気れぃなが一気にしぼみ、急に落ち込んだ様子のカノジョ。

 明らかにわかるその変化は、感情の変化が顔に出やすい自分と重なってしまう。
 さっきまでの元気の良さが、ホンの些細な一言で一気にどん底まで落とされてしまい、
 落胆の色で一色になってしまう。

 結構頑張っていつでも"ポジティブに"って思っているわたしと…
 意外とれぃなって、似てるのかも…

「そ、そんなぁ」
「入らなーい」
「ご、ごめんなさぃ」

 かぁぃぃ///

 思わず声に出そうになったわたし。
 必死でニヤケそうになるホホと共に押しとどめる。

159 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:39

 しょぼーんとなっているれぃなは、今にも泣き出しそうな表情になり、
 わたしのご機嫌を必死で取ろうとしているのか、精一杯の罪悪感を表情に表そうとしていた。

「ごめんなさぃ」

 ホント、わたしに従順なれぃなだーね

「先に入ってますんで…」

 そう言葉を残すと、どよーんと黒い影の落ちた背を向け、お風呂場の方に足を向けたカノジョ。
 
 ちょっと可哀想だったかな…

 でも、もともと"入らない"なんてつもりは微塵もなかったわたしは、
 れぃなの後ろからソッとついて行く。
 お風呂場で脱ごっかなぁってカンジで、タオルに、洗顔道具をサッとベットの上から取ると、
 その気配で気付いたのか、れぃなが振り返った。

「!
 イシカワさん…」
「仕方ないからね…」

 少し大げさにため息をつきながらのその言葉に、さっきまでの表情はどこへやら、
 いつの間にか、笑顔を咲かせ、わたしの手を取っているれぃな。

160 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:40

「はっやっくっ」
「もぉ」

 ぐいっと引っ張られると、浴室に一直線。
 カノジョはタオルをしっかり守りながら、どばぁっと一気にバスタブへ。
 激しく揺れるお湯の波。

「!!」
 
 と、一瞬の間を置いて揺れるのは、れぃなの『あつっ』の大きな声。
 その声と同時にカノジョがまたわたしの隣に舞い戻ってきた。

「いきなり入るからだよぉ」
「イシカワさん。熱すぎとですよー」
 
 もぉ〜っとホッペを膨らましたれぃなは、
 『年を取ると熱いのがイイのかなぁ』と『はぁ?』と耳を疑う言葉をわたしへ。
 そして、わたしの方をチラッと見る。

 瞬間的に、怖い顔を作る。

「れいなぁっ!!」
「ごめんなさいっと」

161 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:40

 もちろん、ホントに怒るわけがない。
 あんまりわたしに対してイタズラのような冗談を言ってこないれぃなからの、新鮮なアソビ。

 結構距離が近づいているって事なのかな…
 それでも、今まで通りの優しさだけは捨てないでよね、れぃな。

 この言葉のアソビに満足げな笑みを浮かべてわたしを見たカノジョは、
 今度はゆっくりと湯船につかると、そぉーっとお腹辺りまで腰を落とした。

「んー熱かっ」

 浸かれると、"ふふんっどうだっ"と言いたげにわたしを見る。
 そして、バスタブに両肘を付け、カラダを乗り出さんばかりの勢いで、
 わたしの方を興味津々といった具合で見てきた。

 ジャージの上、裾を捲り上げるために手を掛けた姿勢のまま手を止めるわたし。
 
「もぉーそんなに気になる?」
「はぃっ///」

 そんなに嬉しそうに頷いちゃって。
 
162 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:41

 少し苦笑いを浮かべつつも、この狭さから急に気になることが1つ出てきた。

 れぃなとの距離…

「っていうか、近いよっ」

 そう。
 近すぎ。

「そーですか?」
「そりゃもう…」
「でも、さっきの距離に比べたら…」

 そう言うと、挑戦的な瞳でわたしの事を見つめてくるれぃな。


 ふーん


 またさっきの繰り返し…?
 それとも、今度は負けず嫌いれぃなの登場で、負けないつもりなの?

 仕返しのつもり?

163 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:41


 でも、まだ無理だよー
 おこさまだからさっ


 簡単に返り討ちにしちゃうよ?

 だから…我慢しなさいっと。

「そだね」
「えっ?」

 わたしの、さも興味のさいような返事に、虚をつかれたかのような表情になったカノジョは、
 『なぁーんだ』って言うと、少し乗り出した体を湯船の方に埋める。

 そして、ぱしゃぱしゃ水遊び。

 それでも、チラチラとわたしのカラダを見る事はやめない。

 ジャージの上を脱ぎ、上半身だけ下着姿になると、
 バスタブの中かられぃなの大きな溜息が聞えてきた。

164 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:41

「あーぁ。
 そぎゃん、えっちぃスタイルになりたいっちゃ」

 …

「そんな言い方されるとヤラシイじゃない。」


 ん?
 あれ…?


 その言葉に一瞬時間が止まる。
 顔を見合わせる二人の頭の中にはさっきの光景が…

 たぶん、れぃなの頭の中には、"イシカワさんが言わないでくださいよ"ってなってるんじゃ…

 はは…

 二人して苦笑いを浮かべる。
 れぃなも言えないのだね…

「で、でも、ありがと。」
「いえいえ。
 うーん。ホント羨ましいですよー
 でも…ちょっと…」

165 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:43

 カノジョのその言葉に、一瞬ごっっぁんの昼のソレが蘇る。

"太った"

 疑問形じゃない、デリカシーのない断定した言葉。
 乙女心を激しく傷つけたその言葉。

 まさか…れぃなに限って…

 無意識の内に怖い顔になっていたからなのか、
 『なんでもなかとです』と顔を逸らしてしまったカノジョ。
 そんなれぃなを見ると、もしかして、やっぱりごっっぁんと同じ言葉を言うつもりだったのかな…
 なぁーんて思って少し凹む。

 少し凹んでしまったわたしは、心なしか手の動きが鈍くなりつつも、ジャージの下を脱ぎ、
 下着姿になる。

 そこで少し手が止まったわたし。


 だって…


166 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:43

 ココまではいいけど、これから先はホント恥ずかしいんだもん
 これだけ、れぃなが近くで見てるしさ

 手を止め、れぃなをチラリと見ると、わたしをじぃーっと見つめていた。
 れぃなのわたしを見つめるキラキラした瞳。

 少しため息が零れた。

 さっきのれぃなにした事を考えたら仕方ないかなぁ…

 だね

 意を決したわたしは…ブラも外した。
 
「うーん」

 カノジョの唸る声を聞きつつ、外したら外したらで、その開放感に、
 さっきまでの羞恥心が消え、少しホッとなる。
 
 バストライン。
 若干赤くなったラインをソッとなぞり、気休め程度の肌へのイタワリ。

167 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:44

「あぁーぁ。
 ちゃんと出とーっちゃ
 ょかぁー」

 またまた聞えてきたれぃなの声に、苦笑いを浮かべながらも『ありがと』と声を掛ける。
 カノジョは湯船で、自分の胸をタオルの上から触ると、大きくため息をついた。

 そんなほのぼのした仕草に自然と笑顔がこぼれたわたしは、ショーツに手を掛けようとした。

 そこでフト気付く。

 わたしが手を掛けようとしたのと同時に、れぃなの視線がソコに行き、"何か"に気付いたのか、
 顔色がサッと変わり、顔ごと逸らしてしまったことを。

 ソワソワして落ち着きのない様子。

 顔も真っ赤になっている…

 あれ…?
 湯船に浸かったにしてはまだ短い…

 へぇさすがにハズイのかな…?

168 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:44

 そう思ったわたしだったけど、手を掛けショーツのゴムを少しずらした瞬間に"ある"コトに気が付いた。
 自分のソレに気が付くと、サッと血の気が引き、次の瞬間には激しい羞恥心が襲ってきた。

 何も言わずにサッとカラダの向きを変える。

 確認の為、もう一度ショーツを浮かすと、確実にソレは存在した。

 やーばぃ…

 冷や汗をかいたわたし。
 その目には、わたしの茂みの切れ際に存在する割れ目から、
 粘液系の太い糸がショーツへと引かれている姿が見えていた。 
 そして、ショーツのソノ部分は若干イヤラシイ色に変え、ねっとりと湿っている。
 外からでも明らかに分かるその湿り気。

 やばぃょ
 れぃなに気付かれたんだ…

 さっきの"アレ"だけでコレだけ濡らてしまったわたしを…
 自分は触られずに、れぃなにしたコトだけでコレだけ濡らしたわたしを…

169 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:45

 恥ずかしさのあまり、お風呂に入る前から顔が真っ赤になる。

 それと同時に後悔の念が襲ってくる。
 
 さっき自分で気付いてたのに忘れてたのが悔やまれちゃうょ…って。
 
 あぁ…なによりれぃなに気付かれたのが恥ずかしい。

 弱みを握られそうで…
 軽蔑されそうで…

 思われようによっては…嫌われたりも…
 
 れぃなの方を見ると相変わらずそっぽを向いたまま。

 "どう対応しようか"とでも考えているのか…
 それとも、どうイジろうと考えているのか…  

 無意識の内にタオルを手に取ると、体に巻きつける。

 そして恐々ショーツを脱ぐ。
 糸が長く引かれるのが感覚で明らかに分かり、更に羞恥心を煽ってきた。
 膝まで下ろすと、モモの内側に湿り気の残片が現れる。

170 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:45

 一気に足から抜き取ると、なるべく見えないように、
 折りたたみ重ねた服の一番下にソレを隠し、浴槽へ。

 れぃなとは反対側に座り、足を向ける形で向かい合うように湯船に浸かる。

 ふわっと水の中、浮き上がろうとするタオルをしっかり押さえつける。
 まるで、自分の熱くなっていた部分を押さえるかのように。

 わたしの視界の端には、カノジョのタオルの白い姿がゆらゆら目に映ってくる。
 なかなか上げられない顔だけど、2人の間に漂う無言の時間がやけに長く感じる。

 れぃなも何も言ってこない…

 意を決して視線を少し上げ、恐る恐るカノジョの方を見ると、
 そこには自信満々の表情のれぃながわたしを見つめていた。

 や、やばっ

「イシカワさんって…」

 き、きたっ

 れぃなの勝ち誇ったかのような声。

 さっきの仕返しなのね…

171 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:46

「…」

 何を言われるのか戦々恐々と俯いていたわたしだけど、しばらく何も言ってこないれぃな。
 不思議に思い、視線だけあげると、さっきまでのカノジョとは正反対で、
 今度はとても悲しそうな表情をして、わたしを見つめていた。

 そして、やっとの事で口を開いた。

「れなだから…"あぁ"なったのですか…?
 それとも…」

 自分の不安な想いを吐き出すように…

「それとも…」

 繰り返すれぃな。
 そこでやっとれぃなが何を言いたいのか気付いてきたわたし。


 胸に痛みが走る。


「他の人でも"あぁ"なるの…ですか?」


172 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:47

 とても悲しそうなれぃなの瞳に、思わずため息がこぼれる。

 つまり、誰でも濡れちゃうって事…だよね…
 誰でもよかったって事…だよね…

 そんな事を思われちゃったんだ、わたしって。
 目の前のれぃなは、ソレが心配で…

 そっか…

 今日一日だけで、れぃなに対する感情が"甘酸っぱいモノ"へと変化しつつあったわたし。
 今までも、れぃなの事は大切だったけど、どこかで"ダメ"って鍵が掛かってた。

 他のコだって大事な大事なコたちだし…って
 メンバー内で、特別視は出来ないし…って

 でも…
 "付き合う"なんて言葉は"わたしたち"には無理だけど、自然の成り行きなら…

 わたしは今日で確実にソウだと思う…
 れぃなへの感情は…ソウ思う…

 安心させてあげなきゃ…ってココロの中で思うと、自然と言葉が口から出てきた。

173 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:47

「そんなことないよ
 れぃなだからだよ//」

「れな…だから…?」
「そっ"れいな"だからだよ//」

 わたしの普段じゃ恥ずかしくて言えない精一杯の言葉に、
 れぃなはもっと喜んでくれるのかと思ったけど、
 意に反して、カノジョの顔に余り変化は現れなかった。

 あれっ?となるわたし。

 現れたものといえば、少しホッとしたのか、何ともいえない安堵感の表情。
 安心し切って、どっと疲れが襲ってきたのか、脱力感の表情。

 ま、それでも、れぃなのココロの脈動はすごく感じられたし、
 目にもこれまで以上にわたしへの愛情を感じることができし。


 わたしも少し嬉しくなるけど…

 やっぱり…もっと喜んでよっ


174 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:48

「あー
 もしかして、あんまり喜んでない?」

 わたしの言葉に、キョトンとなるれぃな。

 余りにものその無防備な表情に、わたしは少し呆れてしまった。
 しかも、わたしの言葉が聞こえてるのか、聞えてないのか…

 普段のシャンとした姿から程遠いその姿。


 ははっ///


 随分と愛らしい表情に、胸に甘いものが広がる。

 わたしって、れぃなの誘うような表情より、こっちの愛らしい表情の方がスキかも…

 狭いバスタブの中。
 自然とれぃなに近付いていた。

175 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:48

 手を付き、前かがみになると、さっきまで覆っていたタオルが水の中にずれ落ちた。

 全てを曝け出してしまったその一瞬、思わず片腕で両方のトップの部分だけガード。
 グッと押し上げる。

 でも、微妙に見えるか、見えないかの腕の位置。
 れぃなの方を見ると、ホホを高潮させ、わたしの隠されてた部分を見入っていた。

 こんなシチュエーションに、少しわたしのアソコが熱くなる。
 れぃなに見られているこのシチュエーションに。

 そして、この姿勢。
 いつもなら恥ずかしくて、すぐにでもタオルを巻きなおしたいと思うけど、
 今は不思議と気にならずに、むしろ、れぃなを誘うかのように、そのまま微妙に隠し、
 カノジョに近づく。

 恥ずかしがるれぃなを見たいから…
 れぃなが困ってる姿を見たいから…

 わたしは誘う表情を作り、カノジョの揺れている瞳を見つめる。
 泳いでいる目は、わたしの胸に落ちる。

176 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:49

 少し前かがみになり、腕で上に押し上げ、うんとボリュームを増したその膨らみは、
 れぃなにとって魅力的なのか、わたしの顔とを、よりホホを紅潮させ見比べていた。
 さらにわたしの奥に見える茂みの丘の部分にも視線を送り、目を輝かせている。

 コドモのような自分のソノ部分と、大人のようなわたしのソノ部分。
 コドモのような自分のカラダと、大人のようなわたしのカラダ。
 コドモのような自分のボディラインと、大人のようなわたしのボディライン。

 ツバを飲み込む。

 ぎゅっとタオルの端を握り締め、何か口から発しようとするも、
 何もイイ言葉が出てこないのか、パクパク動くのみ。

 表情も、より"おこちゃま"へと変化していた。

「あ、ぁ、ぁのぉ…ぃ、ぃ、イシカさん…」

 やっと出た言葉も、カミカミ。

 そんなカノジョのおこさまぶりに自然と笑顔がこぼれるわたし。

177 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:50

 やっぱりかぁいぃなぁ

 大スキっ
 こんなれぃな///

 いつのまにか、頭をナゼナゼていたわたし。

 すると、これから"ナニ"をされるのか、心臓がバクバクさせていたれぃなの表情が呆れ顔に。
  
 そして、れぃなの頭を撫ぜている腕の下から覗くカノジョの表情を慈しみも込めて見つめていたら、
 見る見るうちにその表情が憮然としたものへと変化していた。

 そして、ほっぺを膨らますと、『おこさま扱いはやめて下さい』と一言。 
 
 あっ…また…

 それでも全然説得力がないのは、当然かな。

 だってかぁいぃんだものっ
 逆にイジメだくなるじゃん

178 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 21:50


 言葉でイジル。


「"おこさま"じゃん」
「ぅっ」

 わたしの言葉に何も反論できないれぃなは、さらに膨れる。
 それでも、カノジョの愛らしさから零れたわたしの笑顔を見ると、この仕草はもたなかったみたい。
 自然とれぃなの顔にも笑顔が浮かんでいた。


 少しえっちな空間だけど、今の二人には丁度イイ空間。
 少しこれからコミュニケーションをとろうよ


 ねっ、れぃな?


179 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/16(水) 22:13

更新10回目。

滋賀に行ったのですが…結構凹んで帰ってきました…
梨華ちゃんの卒業ツアーって分かってはいたのですが、いざ現実で見つめると…
全てが石川さんの卒業を踏まえて…でした。
曲でのフォーメーションで、完全にセンターのシングル曲以外は、端の方に石川さんが…(なみだ
うーん…でも友達は"センターだったよ"って言ってるのですが…
自分では全然物足りなかった…
センターって、エースって、ずっと憧れて見てた分、辛いし…
その分、れぃながぐっとエースポジションに近づいた感もありましたが…
自分的には、石川さんの跡は、れぃなに継いで欲しい…
もうちょっと話したい分は次回に…

次回。ちょっとこれから更新を早めていきたいと思いますんでm(_)m

>>151 130さん

ありがとうございます。
そう言って頂けると自信もわいてきますんで^^
もっと頑張ります^^

あっ、もしかして…この板の下の方で書かれている"200万枚"の方でしょか…?
ぅぅん。その方だと自信があるのですが(わら
いつも可哀想なれぃなをいっつもぁぁって、ガンバッテって(わら
あと、初お目見えの"もも→りか"も(わら
あのコもかなり梨華ちゃんに憧れてましたもんね^^
頑張ってください^^

って、ここまで書いて違う人だったら…(はずかしい

>>152 62さん

毎回毎回ありがとうございます。
最高ですか(わら
ありがとうございます^^
ちょっと心配していたんで(わら

180 名前:130 151捨てペンギン 投稿日:2005/03/17(木) 00:19
確かにれいなってこんな風にいとおしく思えてきますよね。
現実には..ハロモニで「好きなんです」「いつも味方です」ってたった2回の宣言、
それ以後りかれな全くないんですけど、卒コンでは何か絡みはあるのでしょうかね

正解です。あれだけ少ないレスでまさか当てられるとは..
(自分も福井コンで全く同じ事感じました。挨拶順やI WISH、ピースの曲順とか..)
181 名前:なまっち 投稿日:2005/03/18(金) 23:32

>>180 捨てペンギンさん

れすありがとうございます。
やっぱり正解でしたね(にゃ
楽しく読ませていただいてますんで分かりましたょ^^

現実のれな→りかは…一番最初の新メンバー3人での記者会見のときに、
記者さんに「会いたかった人は?」に「石川さん」って答えて、
「実際に会ってどうでした?」で、「惚れました」って答えてたって聞きました^^
あと、ハロモニ。裁判でのマジ切れ梨華ちゃんをかばってたれぃなにももぇー

最初のそのりかれなの3回で自分をこのコに当てはめることが出来て、
一気に石川さんの次にスキになって…
ラストの武道館はどーなんでしょ…
まだ憧れてたら…まともに石川さんの顔は見れないと思いますし、
もう自分の位置を強く意識してたら…気持ちよく送り出せるのかな…?

とにかく梨華ちゃんのインフルエンザが心配だぁ
犯人は…まことだね(ぴしゃーり
182 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:34



3〜麗しきかナ、真の希は美しき貴方との交わリ、それは華やかな宴/おこさまっ!?


☆5話目。


183 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:35

 しばらくの間、えっちぃ冗談の応酬を繰り返して和んでいたわたしたち。
 カラダもずいぶんと温まったトコで、お湯を抜いてカラダを洗う準備をする。

 そこで、わたしは立ち上がってバスタオルを巻きなおすと、
 洗面台においてあるマイソープ類を手に取ろうとした。

 うんっと伸びをするけど、届かない。
 少し悪戦苦闘をするわたし。

 すると、そんなわたしを下から見たカノジョが、またまたため息混じりの言葉を口にした。

「ぐっどあんぐる」
「…?…」
「おしりの形もせくしー」


 …っ!

 れぃなの言葉に、はたと気付く。
 
 妙に涼しいわたしのお尻。

 後ろから、自分の大切な割れ目まで覗いちゃうんじゃないかってくらいに、ばっちりと見せてしまっていた。
 って言うか、絶対見えてるっ!!

 気付いて顔が真っ赤になると、タオルの裾をグイッと下げ、
 完全に丸見えになってしまっていた部分を慌てて隠す。

184 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:36

「もぉっ!///」
「ぁーぁ。せくしーアングルだっちゃのにー」

 さも残念そうに抗議の声をあげるカノジョは、乗り出していたカラダを、
 少なくなっていく湯船にクチビルあたりまで沈め、ぶくぶく泡でも残念さを表現。

 今日一日だけでも随分とれぃなの印象が変わってしまったわたし。
 こんなにえっちな冗談を言うコだったんだぁって。

 っていうか、やっぱり思春期真っ只中…ってやつで…
 結構えっちな事に興味津々なのね…ってやつで…
 あながちミキティの言ってた事はウソじゃなかった…ってやつで…
 えろミキティとは結構こういうカンジの会話を楽しんでたのかぁ…ってやつで…

 でも、こっちから言葉で誘うと、一気に引いてしまうカノジョ。


 まぁでも、こんなれぃなでもいっかってカンジじゃん。


 こっちが引いてると、どんどん前に出てきて。
 こっちが出て行くと、さっと引いてしまうカノジョ。


 新しいれぃなだぁね。


185 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:36

「もうちょっと、せくしーショット見たいっちゃ…」

 ますます呆れるわたし。
 でも、れぃなが言うと全然セクスィー聞えないのが不思議。
 コドモの"せくしー"に聞えるもの。

 それでも『ちょっとオヤジ発言だょ』って抗議の声をあげるわたしに対して、
 れぃなは『ホントやけん、仕方なかー』と小さく逆切れし、ほっぺを膨らますと、
 わたしがボディソープをつけてあげたタオルをごしごしと泡立てる。

 そんなおこさまチックなカノジョを見てると、思わずため息がこぼれる。
 っていっても、『仕方がないなぁ』的なため息。
 
 そして、自分のタオルをしっかり泡立て、れぃなに声を掛けた。

「ほらっ、れぃな。
 洗ったげるょ」

 わたしの中で、今のれぃなは完全におこさま。 

「へ…」

 わたしのその言葉を聞いたとたん、
 タオルを楽しそうに泡立てていたカノジョの手が止まった。
 そして、表情がまたいっぺん。

 目が泳いで、せっかく泡立てたタオルをぽちゃんと若干残ってるお湯に落とす。
 
186 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:37
 
 ホントこのコは…
 コロコロ変わるんだぁね//

「遠慮しないでいいょ」
「…してないですけど…」


 えっ?


 …いゃいゃ
 してょ

「ウソですウソです
 でも…」

 恥ずかしがってるけど、スキンシップがしたかったわたしは、
 腰を上げると、『はいはい、あけてあけて』と、れぃなの背中の方にまわる。

 少し腰を上げてもらって、足を伸ばして座ったわたしの足の間に座ってもらった。
 って言うか、恥ずかしがるれぃなを伸ばした膝の間に強引に座らせたってカンジで。 

187 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:37

「あっ、あとでれなも洗ってあげますんで」
「うん。ありがと
 タオル取るよー」
「ぁっ、はぃ…」

 カノジョが頷いてくれた事を確認すると、タオルを取ってバスタブの縁に掛けた。
 そして、十分に泡立ったタオルで優しく擦り始める。

 とっても小さなれぃなの背中を。

「かなーり、ほっそくて、羨ましーね」

 わたしの思わず出た感想に、れぃなは『ぁりがとうございます///』と少しテレ顔。

「でも…ちょっと細すぎだと思いません?」
「んーそっかな…」

 ぐいぐいと洗うと壊れてしまいそうなこのコ。
 優しく優しく。

「そーですよー
 たくさん食べてるんですが…」
「いいじゃん。
 それも羨ましーょ」
「だけん、イシカワさんくらいのせくしースタイルに憧れてるんで」
「そーなんだぁ
 ありがと///
 でも、わたし肉多いよ?」

188 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:38

 少し二の腕の肉を摘んでアピール。
 さらにわき腹やお尻の肉も摘むフリをしてアピール。

「そんな事ないですょ///
 ほんませくしーな肉付きです///
 れなもイシカワさんみたいなお肉欲しか…」

 すごく羨ましそうなれぃなの声に、少し笑ってしまいそうになる。

「うーん。結構、間食せずに運動してると、それほどお肉になっちゃわないもんだからねー」

 少し肩を落とすれぃなは、『そーなんとよねー』って『イイのか悪いのか』と苦笑いを浮かべた。

「んー。左手上げて?」
「あっ、はい」

 れぃなの左手をそっと持ち上げ、わき腹から脇までタオルで擦るわたし。
 すると、それが脇に来たとたん、わたしの手はれぃなの『ゃっははっ』っていう甲高い笑い声と共に、
 弾かれてしまった。

189 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:38

「ちょっとぉ」
「こしょばいですょー」
「ガマンガマン」
「ぁはっ」
 
 れぃなの余りにも、くすぐったそうな声。
 
 そんなカノジョを見て、背中を洗っている時にコドモと錯覚していたわたしだけど、
 より一層コドモの背中を見てる感覚を覚えてしまう。

 わたしより確実に一回りから二回りは小さなれぃな。
 わたしがその気になれば、確実に自分のカラダで包み込めそうだもの。

 今のかぁぃぃれぃなもわたしの母性本能をくすぐりまくりってカンジだーね。

 うんうん///

 両腕を洗い終えたわたしは、少し意地悪そうにれぃなに声を掛けた。

「ほらっ、前も洗ってあげよっか?」

 まるでママのように。
 まぁ、当然、真っ赤になって慌てて"いいとですっ"って言ってくると思うけど…
 
 ちょっと見たいじゃんっ///

190 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:39

「ぁっ…」

 ほらっ
 顔が真っ赤///

「優しくお願いしますね…」

 へっ…?

 今何て言ったの…?

「えっ?」
「もぉ2回も言わせんでくださいよ///
 恥ずいけんっ」

 振り返りざまにれぃなの手が飛んでくる。

「…ごめん…」

 自分が想像していたリアクションが取れず、思わずテンパって謝ってしまったわたし。

 まるで素人。
 凹む。

 そして、少し呆れた顔をしたれぃなに、『イシカワさんから振ってて、そげん照れないで下さぃょー』
 って言われ、それでさらに凹む。

191 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:39

 そんなわたしに気付いたれぃなは、慌てると、振り返り笑顔を見せた。

「こ、今度はれなが洗いますんでっ」
「ぁ…ぅん。」
「また、後でお願いしますねー」

 ちょっと情けない顔を見せてるわたしと場所を入れ替わり、わたしからタオルを受け取ると、
 さっきわたしが取った姿勢をとった。
 そして、優しく背中にタオルを置く。

「あのぉ…バスタオル取ってイイですか?」

 恐る恐るの口調のれぃな。
 やっぱりコドモのれぃなを見れ、簡単にさっきの凹んだキモチが消える、単純なわたし。

 『うん』とだけ言い、脇で固めたバスタオルを取ると、カノジョに渡した。
 手持ち無沙汰な両腕は前に回す。

 それを見たれぃなの『隠しちょるー』の声に、
 『れぃながヤラシか目で見るもんね』って両腕で胸を完全に隠し応酬する。

「ぅっ…なんも言えんっちゃ…」

 勝った

192 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:40

 大人気ない自分に呆れつつも、しばらくカノジョの動きに身を任せた。
 背中を触れるとっても優しいカノジョの手の動きに。

 普段の"れぃな"を感じることができるその優しさに、思わず脱力。

 このまま眠りたいなぁって
 れぃなに埋もれたいって

 若干時間的にも目蓋が重たくなっていたわたしは、少しれぃなにもたれる。
 すると、カノジョは細い細い片手で、わたしの背中を力強く受け止めてくれた。

 そんなれぃなの一生懸命受け止めてくれる姿に安心感を覚えるわたし。
 
 背中から両腕にかけてが洗い終わると、わたしが掛けた体重をそのままカラダで受け止めようとしたのか…
 いつの間にか、わたしの背中は、全体を泡で挟んで、れぃなの柔らかいモノが支えてくれていた。
 柔らかい中にある2つの芯がわたしの背中を少し刺激する。

 そして、わたしの前に回された両腕。
 
 わたしの腕ごと包み込んでくれる。
 
 少し驚いたわたしだったけど、素直に受け止めた。
 れぃなのヌクモリを。

193 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:40

「イシカワさん…」

 れぃなが震えている。

 口調も
 カラダも 
 心臓も

 わたしの背中に触れる小さくて柔らかいモノの中にあった芯は、いつの間にか強く、太く、固く形をなし、
 ソレからは、れぃなの鼓動が激しく高鳴っているのを感じることが出来た。

 腕から、腰、お腹に回される手。
 おへその下あたり、自分が一番熱くなる部分に手が添えられ、
 まるでれぃなに自分の全てを握られている感覚を覚える。

 そして、ぎゅって力を入れ、わたしを抱きしめてくれるれぃな。

 肩口からカノジョの吐息が聞えるくらい、近い二人の距離。
 わたしのほっぺがカノジョのほっぺのヌクモリを感じられるくらい、近い二人の距離。
 カノジョのカラダのヌクモリをわたしの全身が感じられるくらい、近い二人の距離。

194 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:41

 れぃなの甘さで、全身の感覚が痺れそうになっている。


 毒。
 それも、とびっきりに強い猛毒。

 
 危ないょ
 れぃな…
 どうするの…

「ィシカワさん…」

 もう一度耳元で聞えたカノジョのわたしを呼ぶ声に、朦朧となってきた意識の中、
 それでも精一杯お姉さんぶって『どーしたのぉ』と聞く。

「…」

 何も聞えてこない。
 ただただれぃなの激しく打ち鳴らされる鼓動だけが、わたしへの返事をしていた。
 どんどん早くなる鼓動。

 仕方なくまたれぃなのヌクモリを味わうことにした。

 なにか声を掛けてあげたかったけど、それさえ飛ばしてしまうくらいの心地よさが、れぃなのヌクモリにはあった。
 
 あったかいあったかいれぃなのヌクモリを…
 
195 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:41

 しばらく味わっていると、不意によみがえる意識。
 カラダに加わった刺激によってよみがえった意識。

 それは、さっきまでのタオルによる感触から代わった、柔らかい感触だった。

 さっきまでの心地よさとは全く別のモノが浮かび上がってきた。

 れぃなの手にあったはずのタオルはいつの間にか落ちていて、
 ボディーソープがカノジョの手によって広げられていた為に浮かび上がったモノ。

 快感の渦と共に。

 すぐ耳元にあるれぃなの横顔。
 横を見たわたしのほっぺとれぃなの高揚したほっぺがひっつく。

 ここまで顔の距離が近付いたことがなかったわたしとれぃな。

 その柔らかさに、思わず甘いものが渦巻き、昂揚感をおぼえるのはわたし。
 でも、そんなわたしを放って、とても目を輝かせ、わたしの胸の膨らみと蕾、
 そして下の茂みを食い入るように見つめていたのはれぃな。

 まるでコドモのようなれぃなに見られ、激しい羞恥心が襲ってくる。


 コドモに…


196 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:42

 お腹の上を円を描くようにれぃなのヌクモリが動く。
 そのヌクモリの一方ががゆっくりと上へと浸透してきた。

 わたしの膨らみに触れたその時、思わず声が零れる。
 
「れ、れぃなぁ!?」

 一瞬止まる手の動きも、すぐに動き出す。
 
 わたしの背中を押す硬い突起はれぃなの胸の蕾。
 熱いお腹に触れているのは、れぃなの左手。
 胸の膨らみに触れているのは、れぃなの右手。

 まるでその感触を楽しむかのように動いているれぃなの手に、
 ぴったりと自分の胸が吸い付くかのような感覚を覚えた。
 カノジョの指に、カタチを不自然に変え埋もれる火照ったカラダのソノ一部。

「ゃわらかぃ///」

 れぃなの感嘆の呟きが聞こえる中、れぃな自身同様、わたしの一番敏感な蕾がみるみる固く存在感を示してきた。
 カノジョの指によってイヤラシクそのカタチをかえる胸の膨らみ、
 蕾だけがそのカタチをしっかり保ち、触れて欲しそうに強く主張している。
 
 ゃばぃ 

197 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:43

 膨らみの中、色が肌色から桃色に変わる境界。

「ぅぁ///」

 ソコからぷっくりと大きく膨らんだ桃色の部分に指を沿わしながら呟くのはれぃな。
 境界線を押し込み、強い弾力間に弾かれるのを、コドモのように楽しんでいるのもれぃな。
 ちらちらとわたしの顔を面白そうに見つめるのもれぃな。

「ゃらしぃ…」

 そして、言葉の刺激をわたしにぶつけてくるれぃな。
 カノジョの呟きさえ、わたしの気分を更に昂揚させる刺激。

 もちろん言葉だけじゃなくって、物理的刺激も。
 れぃなの指先が動いているのは、膨らみと、蕾の周りの桃色の膨らんでいるトコ。
 全然わたしが触れて欲しい"トコロ"に触れないその動きだけど、
 わたしには逆に焦らされているように感じて、ココロがますます高鳴る。

 左手の動きも、じょじょに下がってきた。
 わたしの茂みに触れるか触れないかの、微妙な距離が余計にヤらしくて、カンジル。

 シャリっとした感覚と共に、れぃなの左手もわたしに侵蝕してくる。

 それでも肝心の部分まではまだ届いてこないれぃなの指先だけど、わたしの本能は素直。
 一気に溢れ出してきた熱い蜜がわたしの"イマ"を表していた。
 
198 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:43
 
 わたしの本能が訴える。

 もっともっと触って欲しい…って
 周りだけじゃなくって、アソコも触って欲しい…って
 手だけでじゃなくって、口でも触って欲しい…って
 もっともっと…って

 れぃなに…って

「れぃなぁ///」
「なんですか?」

 いつにもましてクールなカノジョの口調に、一瞬驚くわたし。
 ソレは自分の立場をイヤでも認識させられそうになった口調。
 そして、次に聞こえてきた言葉に、顔が激しく火照る。

「洗ってあげてるだけですょ?」

 その言葉に思わずれぃなの方に顔を向ける。
 
 れぃなは、わたしと目が合うと、クチビルの端を少し吊り上げ、イジワルな表情へとなった。
 完全に立場が逆転していたわたしとカノジョ。

 コドモのれぃなに…
 遊バレテル

 屈辱感が襲ってくる。

199 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:44

「イシカワさんが恥ずかしがると思って、触らないんですょ」

 
 その言葉に絶句する。

 
 わたしが欲しがっているのが明らかに分かってるれぃな。
 カノジョはそんなわたしを見て楽しんでいるって…感じて。
 恥ずかしさのあまり思わず顔を逸らす。
 
 ほっぺを真っ赤にさせているわたしを尻目に、れぃなの動きはさっきの言葉に忠実だった。

 茂みに少し触れた左手は、そのまま離れ、お尻へ。
 わたしのお尻の柔らかさを楽しむかのようにボディーソープを広げる。
 尾てい骨の下。
 そこから下を触れられると、一気に自分の領域に侵食される感覚を覚えるソコ。
 ゆっくりと指が素通り。

 今にもノドから零れそうになる声をせっかく押し込んだのに、
 次の内腿に滑り込んできたれぃなの手のひらの感触に思わず声が小さく零れる。
 
200 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:44
 
 それに気をよくしたれぃな。
 胸の蕾の輪郭を沿っていた右手の指先を、そのまま脇へと滑り込ませた。

 脇の下のくすぐったい感覚と、お尻と内腿の敏感な刺激。 

「ぁぁ…スベスベしちょるぅ」
「そ、そんなことなぁいっ///」

 性体感に直結している脇の下では、指先で敏感なトコロを擦る動き。
 少し腕を持ち上げ、指で擦りながらわたしの恥ずかしい部分を後ろから覗き込み、見ようとする。

 ある意味、胸や下の大切な部分を普通に見られるより、ソコを直視される方が絶対にイヤなくらいのトコロ。
 ソコに視線を持っていくれぃなの目は、わたしをイジメル"それ"。

 "絶対にイヤっ!"っていう激しい羞恥心と、ソレに濡れてしまっている自分自身への恥ずかしさに襲われ、
 思わず持ち上げられ覗き込まれていた脇を隠すかのように、腕を下ろしていた。

 そんなわたしの行動に笑顔を浮かべるれぃな。
 そして、内腿では上下に手のひらを這わせ、今にも熱い部分を襲ってきそうな昂揚心を煽る動き。

 それらは、わたしの一番熱い部分から、全てを曝け出してしまいそうな快感を生んでいた。
 お腹の底で熱い熱いモノが渦巻き、暴れているくらい…

201 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/18(金) 23:45

 どんどん溢れ出てきている、蜜。
 それとは全く別なモノまで、迸ってしまいそうな感覚も生まれる。

 一番敏感な部分に触れてもいないのに、これだけオカシクなっているわたし。 

 れぃなとの相性が抜群なの…?


 ゃばぃ…


 ねぇれぃな…

 もっと触って欲しぃょ
 口でしてょ
 焦らさないでょ


 れぃなぁ


 完全に一線を越えようょ


 ねぇれぃなぁ


 
202 名前:なまっち 投稿日:2005/03/18(金) 23:49

更新11回目。

またおねえさまを壊してしまいました(わら
一応梨華ちゃんが一番スキなんで、愛あらばってことで許してください(わら

次回からある意味クライマックスへと向かいます(ぉぃ

次回もよろしくお願いしますm(_)m

203 名前:62 投稿日:2005/03/19(土) 00:55
更新おつかれいなです。
れいなぁ〜いいですねぇ〜♪
やられっぱなしの石川さんもまたいいですねぇ〜♪
クライマックスも期待してま〜す
204 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/22(火) 23:57



3〜麗しきかナ、真の希は美しき貴方との交わリ、それは華やかな宴/おこさまっ!?


☆6話目。



205 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/22(火) 23:58



 サワッテヨれぃなぁ
 モットモットメチャメチャニシテヨォれぃなぁ
 ドウシテ、サワッテクレナイノれぃなぁ
 


 れぃなぁ
 れぃなぁ
 れぃなぁ



 イカセテヨれぃなぁ
 コワレソウダヨォれぃなぁ



 …
 …
 …



206 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/22(火) 23:58

 結局れぃなは、わたしの一番触れて欲しい部分には全く触れないまま、
 全身を性体感のように敏感にするだけして、終えてしまった。
 
 意識が朦朧として、涙で潤んでいるわたしの瞳。
 全てのカラダの火照りが全く衰えてくれないまま今に至っているわたしは、
 まるでお預けをされている子犬のように情けない姿をしていると思う。
 ボディーソープに混じって、バスタブの床に透明な粘液を随分と広げてしまっていたし。

 いつの間にか、自分の両手は、ソコがぐじょぐじょに濡れている様子を隠すかのように、
 大切なトコロに覆われていた。
 事実、わたしの両手にも、かなりの量のイヤラシイ液体がつき、
 自分のソコと繋がっているのが感じられるくらいだし。


 その倍以上の量が、バスタブの床に…
 まるでおもらしをしたみたい…


 じゃっかん床に残っていたお湯が、それと交わっているのが幸い。
 床に広がる液体をソレとは気付かれてはいないとは思うけど…

 れぃながそっと立ち上がった。
 わたしの愛液の沼にそっと足を踏み入れる。

 れぃなだって胸の蕾を強く立たせてしまっているのに…わたしと違って…笑みさえ浮かべてる…

207 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/22(火) 23:59

 ソレに悔しさを感じる事も出来ないほど頭がくらくらしているわたしとカラダを入れ替えると、
 自分の両膝を胸の前で抱え込むようにして、わたしの前にしゃがみ込んだ。

 フトモモに潰された胸がイヤラシク形を変えてる中、
 イジメるコトが出来た満足感でいっぱいな表情をしたれぃなが、わたしの全身を見つめていた。
 そして、わたしの表情を見たれぃなの顔色が、面白いように変わる。
 
 わたしを"こんな"姿に出来た恍惚としたオトナの表情へ、
 さらに、わたしを子犬のように愛らしく見つめるコドモの表情へと…

 
 完全に、上から見下ろすれぃな。


 コドモと思っているこのコにこれだけめちゃめちゃにされた屈辱感から、
 わたしは思わずれぃなから視線を外そうとした。


 ぁぁ…


 しかし、わたしの目の前にしゃがみこんだれぃなの、一番大切な部分が完全に曝け出されたその時、
 自然とソコに目が奪われてしまったわたし。

 本能なのか…
 少し悲しくなるけど、それ以上の興味を覚えるから。


 れぃなぁ
 きれぃ


208 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:00

 その姿勢で曝け出されたトコロは、茂みが全く見えず、とてもキレイで…
 甘い蜜が随分と出ていたことが想像できるくらい光っていた。

 羨ましさも入った視線で思わず見惚れていたわたし。
 
 "大人"に近いわたしとは違って…
 まだまだ未成熟なコドモ。
 まるでソノ部分を守るかのように、ぎゅっと閉じているソコ。

 それでも、中心を縦に通っている割れ目を守るように両サイドの花びらの膨らみが大きくなり、
 割れ目の上の方からツンと尖ってしまった蕾が見えてしまいそうなくらいに膨らんで、イヤラシク光っていた。

 周りを守る茂みがほとんどない分、完全に晒されているソレは、まるで小学生のソレ。
 ホッペを真っ赤に高潮させたれぃなの顔も、ツンとした表情をしてるとオトナに感じられるけど、
 今は小学生の美少女そのもの。

 でも、胸がきゅんってなるくらい愛らしく感じられるれぃなだけど、
 ソコの濡れ具合はわたしと遜色はないくらいだ。


 そのギャップととてもイヤラシク感じる…


 どくどくと自分の心臓の高鳴りが聞こえてきそう。


209 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:01

 れぃながむずがゆそうに少し膝をこすり合わせた。
 すると、れぃなの割れている部分から、さらにじわっと粘液が溢れ出す。
 ソレが重力に耐え切れず、れぃなの割れ目を構成する膨らみを伝って、零れそうになる。
 
 そして、れぃなの高ぶりに合わせて伸縮するソコから次の雫が零れだすと、
 ソレは耐え切れず空中に流れ出された。
 空中に漂うソノ糸。
 やがて、バスタブの底と繋がった。

 わたしの視線がソコに集中している事に気付いたカノジョが視線を落とすと、
 れぃなも自分のソノ状態に気付いた。

 一瞬、さっきの部屋でのように取り乱すかなと思ったけど、さっきとは違って、全く動揺なく、
 隠そうともしなかったカノジョ。
 むしろ、自分が感じていた事をわたしに知って欲しいかのように、
 さらに、わたしに見せ付けるかのように、足を少し開いた。

 そして、わたしが食い入るように見ていることを確認すると、手を下ろす。

 そっと自分の指でソノ濡れている部分を触れて…
 自分の指が濡れるのがわかると、割れ目の両側の膨らみにそっと塗りつけるように、触れた。


210 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:01

 なぞるように塗り付けると、続いて、割れ目の中にしまわれている尖がった蕾に指を絡めたいのか、
 割れ目にくいっと指を沿わせ、そのまま沈めた。
 ソレによって押し出された肉。
 さらにその中のイヤラシク尖がった蕾にそっと塗りつける、

 小さくあげた吐息と共にカラダが一瞬震え、じわっと更に溢れ出した蜜。

 
 指に一筋の糸が絡まる。


 その糸だけ拭い取ると、視線を自分のアソコからわたしに戻したれぃな。
 うんっとほっぺを高潮させ、目も潤ませている。
 何とも言えないイケナイアソビをしている表情。
 普段のコドモの表情が消え、とてもえっちな顔つき。


 誘ってる…
 イケナイコトをしたいって言ってる…
 わたしにソコを開いて欲しいの…?
 

 全てを曝け出せないまま、意識が朦朧としているわたしだったけど、
 そのれぃなのしているコトだけははっきり分かり、何とも言えない甘酸っぱいキモチに、アソコが激しく熱くなった。

211 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:02

 そんなキモチに自分自身が消えてしまいそうな感覚を覚えたわたしは、もう一度れぃなの瞳を見つめた。
 いつものカノジョの瞳がわたしを見つめてくれる。

 けど、ソレは、いつも以上に愛しみが込められているように感じた。
 すっごいアッタカイ、れぃなの瞳。
 まるでこれまでわたしに持っていた畏怖感が消え、一人の"大切な人"として見てくれている瞳。

 ココロの距離感が完全にゼロになったかのような感覚も覚える。

 そんなれぃなに、笑顔で返そうとしたわたしだったけど…

 いったいどんな顔でカノジョの顔を見つめているのだろう。

 むくんじゃって…
 周りの景色なんて、微かに映ってるだけ…
 いつにもまして目が細く…
 あっ…エロ目かな…


 はは//


 不思議に思う…
 こんな精神状態ってどんな表情なの…

 少し首をかしげ、れぃなを見つめた。

212 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:03

「…!!」

 すると、次の瞬間、れぃなの顔にいつにも増して笑顔が咲き、キラキラ輝く瞳で弾けた声を上げた。

「かぁいぃっちゃ///」

 そう甘い声を上げると、わたしの両脇に腕を通し、全身で抱きかかえるようにして立ち上がらせようとしたカノジョ。
 れぃなとわたしが初めて正面から密着に近いくらい、接近する。

 れぃなの顔がわたしの首筋あたりで、アタタカク存在し


 …抱きしめてあげたい…


 れぃなの胸の固い蕾が胸のがわたしのいっぱいに膨らんだ胸の下に触れ、一瞬膝が崩れそうになり


 …わたしの固くなっちゃってるソレをれぃなのと触れさせたい…
 …擦り合わせたい…


 頭の中にアブナイ欲望が覗きそうになり


 …コワレソウ…


 体型的にはわたしより一回りは小さいけど、今は何にかけても、とても強く感じられるれぃな。
 そのれぃなが細い腕でわたしを立たせようとした。

213 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:03

 どうしてそうするのかわたしには理解できなかったけど、神経が麻痺して何も考えられない今のわたしは、
 れぃなに密着され、それさえ刺激、思考回路を飛ばされ、素直にれぃなの言うことを聞くしかなかった。

 でも、当然のごとく、膝が完全に震えているわたしは、全く立ち上がれない。

 そんな自分の姿は恥ずかしくて、まともにれぃなの顔も見れないわたし。
 今、れぃなはどんな表情をしているのか…


 怖くてみれない…


 カノジョに何とか支えられながら、バスタブの縁に手をつき、中腰になると、自然に目の前に鏡が目に入ってきた。

 バストアップで映されたわたしとれぃなの姿。
 一人は大人のカラダをしたオンナ。
 もう一人は少女のカラダをしたオンナ。

 2人が、火照ったカラダを密着させているとてもイヤラシイ姿が映っていた。
 明らかにカラダが昂ぶっている様子が分かる2人の少女。
 ボディーソープのツヤが不思議と美しくコーティングしてくれている。

 鏡の中のれぃなが隣にいるわたしとこっちを楽しそうに見比べる。

214 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:04

 鏡の中のれぃなが隣にいるわたしとこっちを楽しそうに見比べる。

 その隣で、ばちっと目と目が合う鏡の中のわたしと、こっちのわたし。
 まるで自分でないかのようなその少女は、全身を真っ赤に火照らせていた。
 ボディーソープのツヤと相まって、いつも以上にヤラシク映る。

 ホホの赤みはそれ以上で、自分で見ても愛らしさを感じられるくらい。
 アップにさせていた髪の毛が数本ばらけ、ホホにくっつくと、不思議な色気もかもし出していた。

 散々イタブらされ、高ぶらされ、普段よりボリュームの増したわたしの膨らみは、今まで一番大きく、
 胸の膨らみの蕾は痛いくらいカタチをなし、これまで自分で見たことがないくらい強く膨らんでいた。

 これほどヤラシイ姿の自分を、鏡を通して生まれて初めて見たわたし。

 思わず目を逸らすと、れぃなが少し笑う。
 そして、立っていられないわたしを、そのままバスタブの縁まで案内してくれた。

 少し強い勢いで腰で凭れるように座るわたし。

 すると、次の瞬間、不思議な感触を覚える。

215 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:05

 その感触は、生温かい液体に近いモノがお尻にかけて伝ったソレ。
 まるでおしっこをしたとき、数滴お尻の方に流れてしまったソレ。

 でも…どろっとしたソレ…

 それに驚き、視線を落とすわたし。

 絶句。 

 わたしの目には、自分の熱く火照ったソノ大切な部分から、ひどく白濁しドロドロっとした液状のものがお尻を伝わり、
 バスタブへ流れ落ちている様子が映ってきたから。

 割れている筋から次から次へと、ひどくゆっくりと流れ落ちるその白濁したモノ。

「ぁ…」

 れぃなも、口もとに手を当て、興味津々といった表情で流れ落ちちているモノを見つめていた。
 でも、れぃな以上に驚いたのはわたし自身。


 うそ…って。


 一瞬信じられなくて、思わず目を凝らす。
 ここまでひどくダシタ事は今まで一度もなかったわたしだから、ソレはホントに信じられなかった。

 ナニ?生理?って思ったほど…
 っていうか、ソレより比べ物にならないくらいひどい。

216 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:05

 でも、確かにソレが存在していた。

 イッたシルシ。

 いつの間にか、イッてたわたし…
 自分でも気付かない間に…

 イッてた事実に気付くと、わたしの中に少しだけ残っていたプライドは、脆くも崩れ去った。
 しかも、流れ落ちているモノをれぃなにじっと見られたって事からも…

 ソレに興味津々なれぃなは、わたしのすぐ足元にしゃがみ込むと、自分の人差し指をソノ白濁色の粘液に埋める。
 そして、スッとすくい取ると、ほっぺを昂揚させ、わたしの顔と交互にソノどろっとした液体を見つめた。

 さらに、目の前、今だに白濁した液体が割れ目に付いて、恥ずかしく晒しているわたしのソコを、えっちな目で見る。

 れぃなと違って大人に近いソコは、両側を囲む膨らみも随分と大きく膨らんで、粘液で光っていた。
 更に外側を構成する膨らみも…
 激しく濡れてしまっているソコは、今でも若干開け、普段なら隠されているトコロも、少し曝け出され、
 中では蕾がパンパンに膨らんでいるのが明らかに分かりそうだった。
 そして、わたしのイヤラシイ部分は少しひくつき、触って欲しそうに存在感を示していた。

 それら全てが、わたしがどれだけれぃなによってめちゃくちゃにされたかを物語っている。
 ううん。
 じっと近くでれぃなに見られていることでさえ、アブナイキモチに…

217 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:06

 まだ継続中のわたしの本能。
 それらを見つめ、嬉しそうに笑みを浮かべるのはれぃな。


 もぉやだぁ///


 恥ずかしさのあまり、涙が出そうになる。

 れぃなに肝心な部分を全く触られずに、イッてしまったわたし。
 コドモのれぃなに…

 しかもわたしから流れ出したモノを指で触れられた…って。
 すっごいバカにしたように見つめられた…って
 これだけハシタナイ姿を…って

 昨日までは、すっごいわたしの事を尊敬して見てくれてたのに…って

 頭を上げられなかった。
 れぃなに顔を見せられなかった。
 
 無意識の内に、膝を閉じ、自分の手でソノ恥じ晒しな部分を隠し、うな垂れるわたし。

 もう、れぃなから何か声を掛けて貰えないと、こっちからは何も言葉を発する事が出来ないくらいに落ち込んでいた。 

218 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:06

 わたしの目に、立ち上がったカノジョのスラッとしたキレイな足が映る。
 そして、大事な部分。
 割れ目のヌメリ。
 内腿を伝って流れ出したのが分かるくらいの雫。
 わたしのさっきの白濁したイッた証を見て、さらに滲み出そうになっているソレ。

 でも、それら全てがわたしをバカにしているように感じられた。

 何か言ってよれぃなぁ
 呆れたの…?
 れぃなが憧れてた先輩ってこんなんだったんだよ…
 こんなわたしを見てケイベツした?

 ゃだょ
 何か言ってょ

 長い長い沈黙。

 何でもいいからさぁ

 そう思い始めた時やっと聞えてきたれぃなの声。

219 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:07

「イシカワさん…とってもカワイイです///
 れな…嬉しいと…」

 見上げたわたしの目に映ってきたれぃなは、いつものれぃなだった。
 いつもわたしを見つめてくれて、いつもわたしの事を慕ってくれていたカノジョ。

 さっきまでのイジメている時の表情が消え、普段のコドモのようなカノジョ。

 れぃなに完全にアソバレ、プライドをズタズタに引き裂かれて、ココロが儚く、脆くなっていたわたしだったけど、
 カノジョの表情が普段のソレになった時、スッと屈辱感が薄らいだ。

 代わりに、れぃなへの愛情が溢れ出す。

 カノジョを見ているだけで、トロケソウになり始めたわたし。


 れぃな…///


 もうすでに、わたしに映る、カノジョの印象が完全に変わっていた。
 これまでのコドモ扱いから、真希ちゃんやミキティ、同期メンバーと同じ感覚。
 それに愛情が加わる。

 ソレを認識した瞬間、これまでとは完全に種類の違う恥ずかしさに襲われ、思わず俯く。
 れぃなの事を意識しての恥じらい。

220 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:08

 さらに、次に聞えてきた言葉に、頭が少しクラッとなる。

「イシカワさんって…カラダ通り、ホント、ヤらしかですね…///」

 せっかく持ち直したわたしだったけど、カッと高揚がよみがえって来た。

 どーしてそんなコト言うのよっ

 れぃなの意地悪にほっぺを膨らませ、抗議の視線を送るわたし。
 そんなわたしを見て、『かぁいぃとー///』と声を上げるのはれぃな。

 そして、ほっぺをつんつんと、柔らかさを楽しむかのような指の動きでわたしを遊ぶ。

 わたしも、もう完全にコドモだぁね。

 れぃなと全てにおいて対等になってしまった。
 立場も対等。
 存在も対等。
 心も対等。

 だけど、えっちは…
 対等になれないかも…
 むしろ…
 逆転だょね…

221 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:08

「れなの…キモチよかったのですか…?」

 まさに同じようなコトを考えていたわたしは、驚きの表情を浮かべていたけど、
 そんなわたしのキモチを全く気付かないれぃなは、少し心配そうな表情をしている。
 
 どーしてそんな事を聞くのだろう…
 アレだけのわたしのカラダの反応を見てたのに…

 それを思い出し、カラダが再び熱くなり始めた。
 れぃなの言葉の返事を、再び体感するはめになり、少し呆れてしまったわたしは素直に頷いた。

「嬉しかぁ」

 れぃなのその言葉に、コドモになっているわたしのココロには、褒められたかのような、
 少し温かいものが浮かんだ。
 幼い頃のようなキモチ。

「イシカーさん、コドモみたいで、かぁぃぃです///」

 れぃなはわたしの頭にソッと手をのせ、普段はわたしがするように、撫ぜてくれた。
 少し湿った髪の毛がれぃなの指に絡みつく。

222 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:09

 れぃなの対応もわたしをコドモとして扱っている。
 まるでママのようなその仕草に、少し笑ってしまいそうになったわたしだけど、
 これまでとは全く違った不思議な安心感に包まれていた。

 しばらく中腰で覗き込むようにしてわたしの髪の毛を撫ぜてくれていたれぃなは、『それじゃぁ』というと、
 上体を起こし、ぐいっとカラダを伸ばし、わたしの背中の上にあるシャワーに手を掛ける。

 一瞬わたしの目の前に接近するれぃなのカラダ。
 その近さに、思わず目を逸らしてしまったわたし。

 どうして今さら…

「洗ってあげますね」

 れぃなのその言葉に、ぎこちない笑顔を見せ、微かに頷くわたし。

 わたしが頷いた事を確認したれぃなは、シャワーのコックを最大まで捻り、一気に開け放った。
 バスタブに打ち付けられう水の勢いで、さっきまでの静けさから一気に開放される。

「ちょっと出しすぎだよぉ」

 わたしの言葉に、れぃなは少し笑顔を見せ、『いいとです』と頷き、それをわたしの目の前、
 自分の手に当て、強さを調節する。

223 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/23(水) 00:09

 激しく水しぶきがあがる。
 まるで自分の欲望のように…

 そしてわたしを見て、さっきのイジワルそうな表情を浮かべた。
 立派なオトナがするえっちな表情。
 わたしをイジメル表情。

 その瞬間、れぃなの考えを全て理解してしまったわたし。
 ぞくっと全身の毛穴が開く。
 

 れぃなぁ///


 その自分の生理現象は、期待。
 さっきまで溜まりに溜まったモノを全て出してしまいたいって期待。
 
 自分でイッたのさえ分からないのなんて、ヤだ。
 イッた瞬間を…感じたいんだもの



 れぃなと…



224 名前:なまっち 投稿日:2005/03/23(水) 00:29

更新12回目。

名古屋にも行ってきました(わら
もう春休みはどこにも連れて行ってもらえないですが(悲しい
大阪は自腹で行かなきゃ…
これだけコンサートに参加したの初(へー

名古屋の一番ラスト、梨華ちゃん、感極まって泣いちゃいましたね…(なみだ
自分ももらい泣きしてしまいました…
顔がくしゃってなってかぁいかったんですが(わら
個人的に梨華ちゃんがえろ目って言ってる目を細めてる表情、大スキなんですょ^^
すっごい優しそうで^^

ぁぁホント武道館に行きたくなってきた…
夏休み、どこにも連れて行ってもらわなくていいからって頼もうかな…

そぅそぅ…れぃなが梨華ちゃんにヒップアタックしてる姿にもえー(わら
そんなれぃなのおしりをぺんぺんって叩いてる梨華ちゃんにももえー(わら

次回…今までの3倍の更新量になりますし、えっちしーんばっかりで物足りないと
思いますが、よろしくお願いします〜

>>203 62さん
ありがとうございます^^
こんなイジメラレテル石川さんも自分、結構スキなんですよー
ゃば(わら
次回を入れて残り2回でこの話は終了ですが、これからもよろしくお願いしますm(_)m

225 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/24(木) 00:53
今回もごちそうさまでした

ヒップアタック...名古屋での話ですか?
226 名前:なまっち 投稿日:2005/03/26(土) 22:55
>>225 名無飼育さん

いぇいぇどういたしまして(わら

ヒップアタック、名古屋の最後の夜です^^
女子かしまし♪のれぃなパートのあと、確かがきさんですよね?
れぃなの最後、石川さんが出てきて並んでキメて、
がきさんパートが始まると、メンバーがステージ右の方に流れる時にしてました^^
滋賀のときは、ビックリして顔を見合わせてってフリを数回繰り返してましたけど、
名古屋のときは、れぃながヒップアタックを数回(わら
梨華ちゃんをどんどんお尻で右に押していって、"もぉ"ってカンジで梨華ちゃんが
客席に背中を向け、れぃなのおしりをぺしぺしって^^
そのあとにビックリして顔を見合わせてってフリを。

でも、そういぇば…去年の秋のツアーのときにも、大阪(滋賀かな?)でれぃなが
隣に来た梨華ちゃんに腰を振ってお尻でぽんって梨華ちゃんのお尻に当ててましたけどね^^

以外なれぃなの仕草にへぇ〜って(わら
227 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:00



3〜麗しきかナ、真の希は美しき貴方との交わリ、それは華やかな宴/おこさまっ!?


☆7回目。



228 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:02

 なにしてくれるの?
 れぃなぁ///

 目の前でシャワーを持つれぃなを見上げ、期待感いっぱいな眼差しをしたわたしを見止めると、
 カノジョは少しイジワルな表情へと変わった。
 
 あれ…?

 もしかしてまた…焦らすの?
 れぃなぁ

 そんなのやめょぉょ

「いきますよ…」
「ぁっ」

 と、れぃなの考えを読む前に、カノジョの言葉と共に、わたしの肩口からシャワーが勢いよく当てられた。
 細かいたくさんの針をさしたかのような刺激が肩から背中へ掛けて襲う。

「っつ」

 痛みで思わず声が出る。

「痛いですか?」
「ぅん、ぃたぃ」

 れぃなの優しさに思わず甘えた口調になってしまったわたし。
 れぃなの表情が緩む。

229 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:03

「じゃぁ///」

 背中にシャワーの口を近づけたまま、カノジョはコックを少し閉めた。
 さっきより随分と心地よいその勢いに、背中の刺激が快感へと生まれ変わる。
 『ぅん…』と、思わず頷くわたし。

 それに笑顔を浮かべたれぃなは、背中の泡からボディソープを洗い落とすため、手を背中に当ててきた。
 そのまま少し押され、『ソコに座ってください』と言われると、わたしはバスタブの縁から、
 床へ腰を落とし、素直に言うことを聞いた。

 膝を曲げ、そのままコドモのようにお尻から床にべったり座り込む。

 完全に言われるがままの状態のわたしを見て、れぃなの表情がまたイヤラシク変わる。
 その表情でさえ、今のわたしにとっては熱くなる原因。

 またカラダの火照りが戻ってきた。

 れぃながゆっくりと背中に沿って手を動かし始める。

 わたしを前から抱え込むかのようなその動きはれぃなに抱きしめられている感覚を覚え
 れぃなとの近い距離は、安心感を覚え
 シャワーの水の強いモノと、れぃなの手による柔らかいモノは、不思議な刺激となってわたしを覆っていた。

「あっ…」

 思わず声が零れる。

230 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:03

 水の音で聞えないと思ったわたしだったけど、れぃなにはしっかりと声が届いていたみたい。
 れぃなを見上げたわたしのすぐそばにカノジョが膝立ちになると、思わず俯いたわたし。
 カノジョはそんなわたしの顔を下から覗き込んできた。

「イシカワさん…」

 若干潤んだれぃなの瞳がわたしの全てを射抜くかのように刺してくる。
 何か高ぶるものをガマンしているかのようなれぃなの表情。

 そして、わたしのことも、全てを見透かしたかのようなれぃなが、ぐっとわたしに近づいた。
 一瞬、"ほっぺにちゅぅをされるのっ?"ってくらいに近づくと、そのまま自分のほっぺでわたしのほっぺにタッチ。

 れぃなのソレに甘いキモチになったわたしに、耳元で甘い声で囁くカノジョ。
 甘い言葉で…

"触ってイイですか…?"…と…

 その声だけで、ぐっと高ぶるキモチ。

 胸の蕾がみるみるうちに形を成してくると、自然と顔にも赤みが帯びる。
 わたしのカラダの反応を見たれぃなは、微笑むと、背中の方に回していたシャワーのノズルを、前に持ってきた。

 そして、横からわたしの左胸の蕾だけに当たるかのように水圧の刺激を与えてきた。
 激しい痛みが走り、思わず声が高く上がる。

「ぃたぁぃっ」
 
 胸を手で覆い隠すわたし。
 それを見たれぃなはわたしの手を握ると、"だいじょうぶですょ"と囁き、そっと胸の前から外そうとした。

231 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:04

 れぃなとアブナイ関係になる前までのコドモのようなれぃなは消え、
 もう完全にわたしをリードしてくれているれぃなの、甘い囁くような口調に、自然と手が落ちる。
 
 もう一度外気に触れたソレ。
 
 ソレを見て、息を呑むわたし。

 一瞬ビックリしたわたしの目に入ってきたのは、ぷっくりと膨れ上がってしまっていたソレ。
 桃の色が若干色を強くし、蕾の周りの肌色から桃色に変わる境界からツンと膨らんでいるソレ。

 ぁ…

 痛みでさえ、快感になるの…?
 わたしって"えむ"かも…

「ほら…ダイジョウブじゃないですか」
「っ…」

 わたしの反応している胸を見て、バカにしたような声を挙げるれぃなに対して、抗議をしようとしたわたしだったけど、
 不意に感じた胸の刺激に別の声があがりそうなった。
 わたしの声を聞く前に、もう一度れぃながシャワーの口を向けてきたその時に。

 さっきと全く同じソレ。
 ただ、自分のはっきりしたカラダの変化を見てしまった今だからなのか、さっきより随分と痛みは引き、
 それ以上に快感が生まれてきていたわたし。

 水圧に弾かれカタチを変えている蕾を見ているだけでもヤバイくらいに昂揚してきたくらい。

232 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:05

 徐々に胸全体に当てられる水圧。
 胸の膨らみがイヤラシク変わるのを楽しそうに見つつ、れぃなは片手でボディソープを取り出すと、
 ソノ液状のモノを器用に手のひらに零し、泡立てずにねっとりと広げた。

 水がわたしのカラダから床を這いずり回っている音がやたら大きく聞こえる中、
 れぃなの手のひらから聞こえる粘液系が擦れるイヤラシイ音が、不思議とわたしの耳に届いてきた。

 その音と、れぃなの仕草に、全身の鳥肌が立ってしまいそうになったわたしは、思わず生唾を飲み込む。

「れぃなぁ///」

 わたしの呼びかけに、笑顔で答えると、れぃなが手を近づけてきた。
 ゾクと震えるカラダ。

 それと同時に、これから邪魔になるであろうシャワーのノズルを下へさげるれぃな。
 そこで、何かを思いついたのか、カノジョはイヤラシイ笑みを浮かべると、ソレを自分の膝で挟むように固定をし、
 その噴出口を膝と膝の間から、わたしの下半身の方に向けた。
 
「ゃっっ!!」

 とたんに今までに感じたことがないくらいに激しい刺激が、わたしの熱くなった大事な部分を直接襲ってきた。

 割れ目の中にも直接当たっているように感じられるのは、わたしの膝の間を激しい勢いで打ち付ける水圧。

233 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:07

 一気に、強い快感の渦がわたしを襲ってくる。
 止まらない刺激に、カラダがくの字に折れそうになった。
 そして、子宮の奥をずんずんと熱いモノが襲ってくる刺激に、
 自分の大切な部分から何かが迸ってしまいそうな感覚さえ覚えた。
 
 おしっこを我慢するかのように、ぎゅっと抑え込む。
 それをやめたその瞬間に、一気に迸ってしまいそうなくらいのナニカが、わたしの割れ目の付近で暴れまわっていた。

 イク感覚とは全く異次元のモノは、遥かにキケンにカンジル…
 ずっと断続的にイッてるようにカンジてるソレは…

 ゃばっ

 今にもコワレテしまいそうになったわたし。

「だぁめぇぇっ!」

 思わず大きな声を出し、コワレソウになっているソコ、自分の下の蕾を両手で覆い隠した。
 間に合わず、微かに零れ出たモノが手のひらに打ち付けられる。

 ぁっ…///

 少しだけだったけど、火照りとは別に、顔には屈辱的な表情が浮かぶわたし。

 はぁ…

 直接襲ってくる刺激は治まったものの、手の甲、内腿に打ちつけられる水圧を感じながら、
 わたしのアソコはまだじんじんと疼いていた。
 
 また、大きく膨らんでいる下の蕾が、覆っている手のひらに触れてしまってもおかしくないくらいに、
 大きく熱くなっていた。
 開かないと見えない蕾が、別に指で開かなくても見えそうなくらいに…
 少しでも手のひらを動かすと、膨らみに挟まれ、強い電気が走るくらいとても敏感にもなっているソレ。
 そんなことってあるんだ…ってくらいに完全に曝け出されてしまっているように感じるソレ。

 ぁ…ぁ…

 まだ少し息が乱れてる。

234 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:08

 そして、落ち着いてくると、しだいに思考回路がよみがえって来た。

 れぃなぁ

 痛みより遥かに快感の方が強かったさっきのれぃなの行動だけど、
 それより、いきなり"痛みを伴うモノ"を直接向けられた屈辱感でいっぱいになってくる。

 ひどぃょ…
 いきなりだょ

 俯いているわたしの目に、今だにれぃなの膝の間から止め処なくわたしを襲っているソレが目に入ると、
 とたんに頭に血がのぼった。

「れぃなっ!」

 さすがに頭にきたわたしがれぃなの方にきっと目をやると、とても昂揚した表情のれぃながわたしを見つめていた。

 ほっぺを真っ赤にし、とても興奮しているかのようなれぃな。

 事実、れぃなの胸の蕾も桃色の部分から大きく膨らんでいるのが分かった。
 小さな胸の中、随分と大きくなった蕾に、わたしの方が恥ずかしいくらい。

 感じているれぃな

 わたしがコワレソウナ表情をしたからなの?
 わたしがイキそうな顔をしたからなの?

 さっきのわたしで"これだけ"興奮するの…?

235 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:08

 恥ずかしげにれぃなを見つめるわたしの視界の隅、スッと何かが近づいてきた。
 それに気付いた瞬間、自分の胸に生アッタカイくて柔らかい感触が襲ってきた。
 小さく声が零れそうになる。

 ぁっ…

 一瞬で何が起こったのか全てを理解したわたし。
 視線を落とすと、思ったとおりだった。

 れぃなのローションでたっぷり光った指先が、
 わたしのぷっくりと膨らんだ桃色のイヤラシイ部分をゆっくりとなぞっていた。

 さっきの激しい快感の刺激ではなくって、れぃなの愛情のこもった優しい刺激。
 自分の両手が前に来て、ボリュームを増したわたしの胸の膨らみの先端を、れぃなの指がイヤラシク動く。

 先端部分を指で摘むと、ローションを塗り込むかのように指先をこねた。

「ぁ…ぃぃ…」

 思わず口から零れてしまった言葉に、れぃなは『ゃらしぃですね…』と囁く。
 れぃなに"そんなこと"を言われ、無意識の内に首を横に振り、"違うょ"と訴えるわたし。
 すると、れぃなは勿体ぶるかのように、スッとわたしの胸から手を放した。

 ぁ…

 欲望でいっぱいになっているわたしの視線が、れぃなの手を追いすがる。
 とても物欲しそうにしているわたしの瞳。

 れぃなのワナなのに、簡単に嵌ってしまっているわたしは、今はただの欲望の塊。

236 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:09

 れぃなが両手にボディーソープを塗りつけているのを見た瞬間に、
 ホッとなると同時に激しく湧き上がる期待感と昂揚感。

 そんな自分にフト気付いたその時、目の前にご飯を置かれ、
 "待った"を掛けられている子犬のように自分を思ってしまっていた。

 自分が"コワレテイル"ように感じると、視線をれぃなから逸らす。

 ナニをしてるの…って
 わたしってこんなにイヤラシかったっけ…って
 理性を働かせなきゃ…って
 わたしのことをキレイに見てくれている人もいるのに…こんなわたし…って
 れぃなだって昨日まではわたしの事をキレイに見てくれていたのに…って

 だけど…
 だけど… 

 だけどれぃなの嬉しそうな笑顔を見た瞬間に無理って分かった。

 れぃなの右手が再び近付いてきたその瞬間に…
 目の前の甘い毒に簡単に侵されてしまい、理性は…すぐに消えてしまった。

「ぁぁ///」

 指先で、根元から盛り上がった桃色の膨らみに、弾力間を確かめるかのように刺激を加えられる。
 れぃなの小さな右手、人差し指と中指の間で、先端の腫れ上がる蕾を挟み込むと、そのままクイと持ち上げた。

 親指では、蕾のぷっくりと膨らんだ根元を擦る。
 そして、手のひら全体ではボディーソープを塗りこむように、下から上へと優しく持ち上げる動き。
 
237 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:10

「っ…」

 自分自身を指で挟まれたまま、上下左右にマッサージされるその刺激は、優しさも感じられて、
 これまでで一番快感と幸せを感じられるれぃなからのアプローチ。

 左手では、お腹にボディーソープを塗り込むかのように、撫ぜられていた。
 あまりない腹筋だから、柔らかく凹む感触に、れぃなの手が楽しそうに這っている。

 そして、時々指に引っかかるおへそ。
 そのたびに声が漏れると、ソコをわたしの性体感の一つと思ったのか、れぃなは指先をおへその中に入れ、
 縦の線にそってゆっくりと上下させた。

「…ぁっ…」

 "ひとりえっち"の時、自分では全くイジラないソコ。
 今までに感じたことがない別の快感がわたしを襲っていた。

 甘いキモチと共に。

 "ひとりえっち"では到底感じることが出来なかった今のコノ甘いキモチ。
 もうぱんぱんに膨れている胸全体が、今のコノ甘いキモチ。

「ぃしかぁさん…かたぃ…///」 

 胸の膨らみの感触に、とても嬉しそうに言葉を発するれぃなは、少しコドモに戻ってる。

 わたしをおもちゃみたいに扱ってるんだもの…
 
 わたしの顔を見て、反応を楽しむと、おへそでアソンデいた左手で反対の胸にも同様のコトを。
 全く同じ状態になってしまっているソレ。

 今度は親指で蕾を転がしながら、押し込む。
 簡単に押し込まれないソレに、満足そうなれぃなは、こっちも手のひらでマッサージを加えた。
 ただ、こっちは強く強くこねる。
 大きくカタチを変えるソレに甘い息が零れそうになる。

238 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:10

 乱暴に回され、少し痛みを伴うけど、慣れるとダメだった。

 快感が二倍以上になったわたしは、アブナイ思考も二倍。 

「イシカワさんの…もっとおっきくシたげるけんょ」

 れぃなの言葉も"アブナク"聞えちゃう…
 ってぃうかぁ…れぃながそんなイケナイ言葉言っちゃだめだょ

 言わないでシテょ
 
 もっと…
 もっと…

 れぃなぁ…口でシテょ

 ただただ欲望でいっぱいのわたし。

 自分の両手で隠し覆っている下の大切な部分が、触って欲しいって訴えている。
 なんとか、自分の手のひらで簡単に刺激を与えられるくらい膨らんでいる下の蕾をイジッてはいないけど…
 いつイジッてもおかしくないくらい…

 ただれぃなの前だもの…
 れぃなの前で自分のソレをイジルなんて、死んでもやらなぃょ

 そんなわたしのアブナクなってる目に気付いたのか、れぃなは自分の膝で挟んでいたシャワーを持ち上げると、
 胸でツヤっぽく光っているモノを洗い落とそうとした。
 針のような刺激に、思わず声があがったわたし。
 
239 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:12

 れぃなぁ///

 ボディーソープを全部洗い落とすと、シャワーのノズルをもう一度自分の膝に挟み、
 さっきと同じようにわたしの下半身に向けた。
 再び軽い刺激が下半身を襲う。

 でも、今はれぃなの方…

 れぃなを期待感でいっぱいの目で見つめると、上体を少し屈め上目遣いで見つめてきたれぃなと目があった。
 カノジョはイタズラっぽく微笑むと、カラダごと顔をわたしの胸に近づけてきた。
 
 手を胸の膨らみの下に添え、わたしを上目遣いで見つめながら、
 右の胸の膨らみに近づけるクチビルと舌。

 ゃ…っ///

 胸の蕾の目の前で、舌を出し、一瞬動きを止めたれぃな。
 イヤラシそうな目で見つめられ、思わずれぃなから視線を外してしまったわたし。

 もう次の瞬間には、ざらっとした生温かい舌の感触が、
 わたしの胸の蕾の一番先端を襲ってきた。

「…ぇ…ぃなっ!」

 自分の手で覆われているソコから新たに溢れ出てきた粘液が、
 自分の手のひらにねっちょりと触れているのが明らかに分かるくらいの興奮の度合い。
 水と混じって、さらに糸を引くのが分かりそうだし。

 そして、さっきまで手のひらを下の蕾に触れない距離においていたのに、
 いつのまにかソレがわたしの手のひらに当たっているくらいにさらに大きく腫れ上がっていた。

 コレって、ココまで大きくなるモノなの…?
 晒されたら、ショーツを穿いてるだけでも、刺激でゃばぃくらい濡れちゃいそうだもの…

240 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:12

 自分自身が不思議になるくらい、れぃなによってカラダが変えられていた。 

 やばぃ
 
 触りたい…
 手で触って、イジリタイょ

 でもだめ

 れぃなの舌先がわたしの桃色の部分を往復する。

「……!!」

 ぁぁぁぁっれぃなっ!

 大きく腫れ上がっている周りの薄い桃色の部分を這いあがると、先端の大きく膨らんだ蕾へと。
 段差の変わり目を、舌の先でなぞる。

 そして、もう一度蕾を舌先で転がすと、はむっと口に含んだ。
 
「きゃっ///」

 自分自身を包まれるようなソノ快感に、思わず出てしまった女のコのような甘い小さな悲鳴。
 わたしのソレを口に含んだままれぃなはホホを緩めた。
 そのまま、転がすかのようにクチビルで擦る。

 ぁぁ…

 ときどき、クチビルで挟んだまま、ソノ隙間、わずかに覗いた蕾を、舌先で突付く。

 ゃ///

 声には出さないけど、れぃなの舌とクチビルの動きに合わせて起こすカラダの変化を、
 れぃなは手に取るようにわかると思うくらい敏感にわたしはカラダを震わしていた。

241 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:13

 れぃなのソノ仕草を上から覗き込むわたし。

 わたしの目にはイヤラシイ光景が映ってきた。

 カノジョのクチビルの動きに合わせ、不規則にカタチを変えるわたしの蕾。

 蕾をぐっと伸ばしては、舌先で絡め。
 クチビルに力を入れては、強い刺激を加え。
 そのたびにイヤラシク変化するソレはれぃなのおもちゃ。

 そしてれぃなは…まるで赤ちゃん。
 
 そんなわたしはいつの間にか、シャワーの水圧を守るために、アソコを覆っている一方の手を、
 れぃなの頭から抱え込むようにして添えていた。

 まるで赤ちゃんのようにわたしの胸の蕾を口に含んでいるれぃなが、舌でアソンデイルように感じられたから。

 とても幸せそうに、わたしの蕾を味わっているれぃな。
 胸に手を添え、もう一方の手を腰に回し、わたしの蕾を一生懸命舐めるれぃな。
 わたしにカンジテ欲しいと思っているれぃな。

 わたしの行動は無意識だった。
 ソレはれぃなの愛らしさと、わたしの中のわずかに残っていた母性本能からの行動。

 れぃなの頭に手を添えたその時、先端の蕾を含んでいたクチビルが、
 はむっと、もう一段下でぷっくりと膨らんだ桃色の部分まで落ちてきた。

 っ///

 クチビルでソコから挟むようにして、桃色の部分をくぃっと持ち上げる。
 そして、ソレ全体を味わうかのように、舌のざらっとした一番広い部分で舐めてきた。

242 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:13

「ゃっ!」

 さっきより一層大きな刺激に、声が上がるわたし。
 その声を聞くと、れぃなは少しスピードをあげ、舌で転がすように桃色の部分に刺激を加えてきた。

「ぁぁぁ…っ…」

 どんどん膨らむ蕾と盛り上がった部分が、
 れぃなのクチビルの中でいっぱいになるのが明らかに分かるくらいに高ぶっているわたし。
 いつしか、わたしのお腹の中では再び熱いものが渦巻き始めた。 

 ゃばぃ

 れぃなぁ
 もっともっと

 より一層固く、膨らんでいるのが手に取るように分かったのか、上目遣いでわたしと目を合わせ、
 確実にイヤラシク澱んでいるわたしの目で、"今のわたし"を理解しようとする。

 少し目を細めるれぃな。

 "わたしの今"を理解すると、相変わらず水圧で襲われ、手のひらで守っているソコに、そっと手を添えてきた。

 これだけ"待ち"をされていたわたし。

 ぐっと昂揚感が増す。
 
 自然と外していた自分の手に代わるように、わたしのソコを覆ってきたれぃなの小さな手。

 自分の手ではなく、他人の手。
 それも、れぃなの小さな小さな手。

243 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:13

 そして、その手のひらに触れるわたしのツンとした蕾。
 大きく大きく膨らんでしまっているソレ。
 生まれて初めてこんなに膨らんでるソレ。

 ソレがれぃなの手のひらに微かに触れる感触は、わたしの全神経を持っていかれそうな感覚さえ覚えた。
 もし、れぃなに直接触れられたり、擦られたりしたら、その時点でイッてしまいそうなくらい感じるれぃなの手。

 微かに触れているだけで感じるれぃなの手。
 覆われているだけで安心感を覚え、嬉しいれぃなの手。

 ただソレだけでカンジル。
 ただソレだけで…

 れぃなって事だけで…

 初めてれぃなの触れられ、一気に子宮付近で激しく渦巻いていたものが、カノジョの手の近くまで移ってきた。
 ぐっとガマンするわたし。

「…っ…ぃなぁ///」

 わたしのれぃなを呼びかける声を聞いたとたんに、すっと胸の蕾が感じていたヌクモリと刺激が消える。
 れぃなは、何かを思いついたのか、すっと上体を上げると、イヤラシイ目でわたしを見つめてきた。

 "何かをしたがっている"れぃなの瞳だったけど、今のわたしは当然のごとく分からない。

 ただ、せっかくすぐソコまで来て治まってしまったアブナイ刺激に、胸を掻き毟られる感覚を覚えるわたし。

 どうしてょ?
 って

244 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:14

 イジワルをするれぃなの瞳を見つめ、訴える。

 そんなわたしに、カノジョはほっぺを真っ赤にし俯くと、ぐっとわたしの大切な部分ごと押し上げ、
 "ちょっと腰を上げてください…"と恥ずかしそうに言葉を口にした。 

 カノジョから何をされるのか考える間もなく、れぃなの言葉と、
 大切な部分を手で押し上げられる感覚に、自然と動かされたわたしのカラダ。
 わたしは素直に言うことを聞き、立ち上がろうとした。

 れぃなに大切な部分を覆われ、より一層震える膝。
 全く感覚を感じることが出来ない膝。
 それを使って。

 ただ、同時に、すっとなくなってしまった水圧に、一瞬、虚空感を覚えてしまったわたし。
 ソレに気が付き、恥ずかしさも覚えてしまう。

 さらにすっと外れてしまったれぃなの手。
 
「ぁ…」

 激しくバスタブに打ちつけれらる水の音の中、一気に外気に曝されたソレ。

 さっき最後に見たときとは比べ物にならないくらいに変化してしまっていたソレからは、
 れぃなの離れた手のひらと繋がっている長い糸が1つ、不思議な光を放っていた。

 その糸と絡まる茂み。
 赤く膨らみ、微かに曝け出された花びらの膨らみと、大きくぷっくりと膨らんだ蕾に光るモノ。

245 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:15

 わたしのコレってこんなに大きく膨らむんだ…って
 手でどけなくても、見えちゃうんだ…って

 普段隠されているものが、曝け出されている。

 れぃなも驚きの表情でソレを見つめていた。

「おっきぃ」

 カノジョの呟きに激しい羞恥心が起こる。
 "普通はコンナノじゃなぃょ"て訴えたいけど、現実にれぃなに見せ付けてしまっているものは、
 大きく膨らんでしまい人の目に晒してしまってるソレ。

 ソコに光るモノ。
 水に流されることなく、存在するモノ。

 れぃなとわたしのソコを繋いでいた糸は重力に負け、れぃなの手のひらからも放れると、バスタブの側面に引っ付いた。

 思わず顔が赤くなる。

 でも…
 恥ずかしいけど…
 そんな恥ずかしさよりも求めるモノ。
 
 れぃなの瞳を見つめる事によって、"もっと"って今の自分のキモチを訴え、
 そのままバスタブの縁に腰を掛け、壁にもたれた。

 そして、れぃなの顔に視線を戻す。

 すると、それを見計らったかのように、わたしの愛液でぐちょぐちょに濡れてしまっている自分の手を、
 れぃな自身のぷっくりと膨らんだ胸の蕾へ擦りつけた。

 そっと手のひらを離すと、れぃなの興奮しきっている可愛らしい桃色の蕾から糸が引かれるのが見えた。

 一気に、ぞくぞくっと震えるわたしのカラダ。

246 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:15

 自分のソレを見て、れぃなもココロが高ぶったのか、今度はわたしの胸の腫れ上がったモノに指先を当ててきた。
 再びよみがえって来た快感に、小さく声が零れるわたし。
 
 微かに聞えてきた声に、わたしに向けてキレイな笑顔を見せると、
 そのまま数回弾力間を確かめるかのように指先でこねてきた。

「ぁっ…///」

 わたしを見つめ、するソノ仕草。
 満足そうに最後にぎゅっと摘むと、その手をそのままわたしの閉じられた膝に手を当ててきた。

「ぃぃですか…?」

 その仕草だけで何をしたいのか理解したわたしだけど、れぃなの行動に少しあれ?と思う。

 今日のわたしと持った関係の、はじめの頃のように恐る恐る聞いてきたれぃなに。

 これまで散々わたしの事をイジッテキタのに…って。
 それとも、それほど、わたしのココに触れるのは緊張するの…?って。

 わたしの顔色を確かめるかのように手に少し力を入れてきたから、恥ずかしいけど、れぃなの為を思い、
 わたしは抵抗することなくスッと膝を開けた。

 全く抵抗なく開いた事にホッとしたれぃなは、少しため息を零すと、ソコを見つめてきた。
 そして、ホホを高潮させ見入るれぃな。

247 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:16

 曝け出されたわたしの大切なモノ。
 割れ目が閉じようとしているけど、ぐじょぐじょに濡れてしまってしまっているソレは、
 ダラシナク桃色の部分を少し見せていた。
 ソレに、子宮まで見つめられる感覚を覚えてしまったわたし。

 薄い桃色がれぃなの目に曝されている。
 恥ずかしさでいっぱいになるも、相手はれぃな。

 れぃななんだもの
 
 膝をあけるコト。
 れぃなをわたしの大切な部分に招き入れるかのようなその仕草に、思わず胸が熱く高ぶり、
 幸せなキモチでいっぱいになる。
 それだけでも滲み出そうになる愛液。

 脈動するココロに合わせ、微かにひくつき、動くソコ。
 ソレに合わせ、滲み出る粘液。

 れぃなぁ///
 
 ゆっくりと、れぃなのカラダがわたしの膝の間に入ってきた。
 そして、ひざまずくと、わたしの全てがカノジョの視界に入っていった。

 真正面から見つめるれぃなのアブナイ視線がわたし自身を射抜いている。

 それは…

 わたしの微かに動くソコの動きを、じっと見つめるソレ。
 滲み出るソレを、じっと見つめるソレ。

248 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:16

 イヤラシイ液体がおしりの方にどんどん流れていく中、れぃなにソレの動きさえ見つめられるように思え、
 なんともいえない甘いモノが込み上げてきそうになったわたし。

 いつまで経っても見つめ続けるれぃなの視線に、粘液の糸がバスタブの床に向かって引かれていった。

 ソレが床につくくらいまで引かれると、れぃなはそっと手のひらを差し出し、受け止めた。
 そして、ソレを親指と人差し指の先で絡めると、わたしの内腿に両手を当てがい、少し押し開けた。
 わたしの大切な部分を。
 
「ぁ…///」

 開かれ、風の通りがよくなったソコ。
 れぃなの感嘆とも取れる呟きが聞えると、思わずぎゅっと閉じてしまいたい衝動にかられたけど、
 それとは対称的な、もうここまで見られたら全てを見て欲しいという欲求にもかられたわたし。
 
 少し緩めた。

 もう完全に開いてしまったわたしの花びらと窪み。
 れぃなの目の前、数十センチの距離。

 緩めたと同時に粘液がじゅくっと零れる。

 自分自身、ソレを見た瞬間、どうしようもない羞恥心が襲ってきそうになった。
 閉じたい…でも…

 ソレを見たれぃなの手が震えているのが微かにわかったわたし。

 とても緊張しているのか…それとも…
 
249 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:17
 
「ぃシカワさん…」
 
 れぃなの、手同様震えた声での呼び掛けが私の耳に届いてきた。
 水の音がひどい浴室だけど、カノジョの声だけははっきり聞える。

 そして、次に呟くれぃなの声は、とってもイヤラシイ言葉。

「舐めても…ぃぃ…ですか…?」
「…!」
「ぅぅん…舐めたぃ…です…」

 真っ赤に染めたれぃなのホホ。
 聞こえてきた言葉は立派なオトナの言葉なのに、ソレを発しているカノジョの顔とカラダはコドモ。

 そのギャップがとてもイヤラシク感じられ、ぞくっと震えるわたしのカラダ。

 でもさ…れぃながそんな言葉を発するのは…だめだょ

「ゃラシイょ…その言い方…れぃながそんなイケナイコト言っちゃだめだょ」

 散々イタブラレテルわたしが言うと説得力なかもしれないけど、れぃなは恥ずかしそうに頷くと、
 "ごめんなさぃ" と呟いた。

 久しぶりに見たれぃなの従順さ。
 甘くなるココロの中、立場が逆なのに…って笑顔が浮かぶわたしは、
 すぐ目の前にあるれぃなの頭を撫ぜてあげると、"ぃぃょ"とれぃなの耳元でトロケタ言葉を、
 精一杯の甘い声で囁いた。

 笑顔が咲いたれぃな。
 
250 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:18

 愛らしい笑顔は、これからわたしのソレをイジメルものじゃなくって、完全にコドモのソレ。
 そして、ごくっと唾を飲み込むと、粘液で光る人差し指を立て、
 恐る恐るそっと花びらに指を触れようとする仕草もコドモのソレ。
 
 そんなれぃなのねっとりと光った指先がわたしの敏感になっていた花びらの膨らみに触れた。

「っ!」

 ホンの少し触れただけなのに、電気が走ったような刺激を感じ、思わずソコに力が入ったわたし。
 力が入る毎に溢れ出てくる粘液に、れぃながそっと触れた。

「…ゃっ」

 窪みの周りの明るい桃色をそっと擦るれぃなは、興味津々といった表情でわたしのソノ部分に見入っている。
 そして、そのまま濡れた指先で。楽しそうにソレをもう一度花びらの膨らみに塗りつけた。

 わたしから大きく聞こえてきた声に、れぃなは目を細めると、
 茂みに隠れんばかりに大きく膨らみ曝け出されている蕾に、指先を近づけた。

 とても震えている指先が少し止まると、茂みに近づけ、触れ、そっと上にどける。
 その動きに合わせ、茂みに絡まっているイヤラシイ粘液がアブナイ音を出す。

 ぁ…

 これまでもれぃなの目に曝されていると思っていたモノだったけど、そのカノジョの仕草に、
 より一層曝された感覚を覚えるわたし。

251 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:18

 しかし、ソレに羞恥心が生まれるも、続いて襲ってきたアブナイ電気が全身に駆け巡る刺激に、
 思わず大きな声が零れてしまう。
 ソレはれぃなの指がわたしの蕾にホンの少しだけ触れた時に生じた電気。
 ホンの少しだけなのに、それが全身を駆け巡ると同時に、一気に快感も生まれてしまった。

 わたしのアブナイ声にれぃなも一瞬びくっと震えると、わたしの顔を見つめる。
 それでも、意味を理解すると、クチビル端を吊り上げ、イヤラシイ笑みを浮かべて、
 再び目の前のおもちゃに手を伸ばした。

「ゃっ…」

 わたしの喘いでいる声と、びくっとカラダを震わす反応も、れぃなにとってのおもちゃ。
 滲み出る粘液もおもちゃ。

 れぃなはまるでおもちゃで遊ぶかのように、わたしのぷっくりと膨らんだ蕾の周りを擦り始めた。
 指の先で絡まった粘液をこすり付け、こねる動き。
 イヤラシク変形する蕾が、どんどん大きくなっているのが手に取るようにわかった。

 完全に摘めてしまうソレは、れぃなの指の中でどんどん膨らみを増す。

 そして、それらから生まれてくる快感の熱くて甘い渦が、すぐれぃなの手のそばで激しく暴れていた。 

 さらに、すぐ目の前、れぃなの吐息が掛かりそうな距離は完全にアブナイ距離。
 その距離に、わたしのキモチの中では、いつ舌の刺激が襲ってくるのかって期待感で溢れそうにもなっていた。

 ぁぁ//
 れぃなぁ///

252 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:19

 カノジョの名前を呼んだ瞬間、まるでれぃなが返事をするかのように、
 わたしの蕾に生あったかいザラッとした感触に包まれた。
 何かが迸ってしまいそうな感覚に、カラダがびくっと震え、思わずれぃなを呼ぶ声が大きくなる。

「れぃなっ///」

 愛液と共に零れた声は、シャワーの激しい音と共に浴室に一瞬こだますると、わたしの激しい羞恥心を覚えさせた。

 押し寄せる快感の波が一瞬引くも、でも、それ以上にれぃなの舌の動きは、
 わたしの頭とカラダをキケンな状態へと導いていった。

 れぃなのクチビルにひっぱられ、舌先で擦られ、カノジョの鼻先があたる茂み。
 吐息がかかり、それさえも刺激になってわたしを襲ってきている。

 まるでアメでも舐めているかのように、おいしそうにソレを舐めているれぃな。

 わたしの粘液がカノジョの鼻先でイヤラシク光っている。
 
 そんなわたしの視線に気が付いたれぃなは、そっと指先をわたしの窪みの近くに添え、
 上目遣いのアイコンタクトだけで聞いてきた。

"指を入れていいですか?"

 って。

 少し顔を浮かせると、カノジョの鼻先、クチビルにわたしのイヤラシイ液体がべっとりと付き、光っていた。

 ぁぁ…れぃな…

 れぃなのソレと、これから襲ってくるモノへの期待感で、ぞくっと震えると、わたしは自然と頷いていた。
 
253 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:19

 カノジョは笑顔を浮かべると、そっと薬指をわたし自身へと埋めてきた。
 
 ソレは…れぃながわたしの中へと入ってきたシルシ…

「ゃぁぁぁぁ…////」

 自分自身を侵食される刺激に、思わず大きく声が上がるわたし。
 そして、思わずカノジョの指をぎゅっと締め付けた。

 痛みじゃない。

 随分と濡れていたソコは簡単にれぃなの指を受け入れたけど、あまりにもキモチよさと、
 ソレに対して少し恐怖が働いたために、第2関節の手前で、無意識の内にぎゅっと締め付けていた。
 
 そんなわたしに締め付けられた指の先を、れぃなはぐっと折ると、内側の壁を擦るような動きをする。

「…っ!」

 手のひらを上に向け、わたしの上の壁を擦りだす動きに、
 自分の熱い液体がカノジョの手のひらに零れ出た。 
 
 れぃなは嬉しそうにそのイヤラシイ液体を受け取ると、親指を折り指先につけ、
 ソレでわたしの蕾を転がした。

「ぁっ…っ…」

 一気に走り抜ける刺激という電気。
 これまでで一番の刺激に、キケンな信号が零れだす。

254 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:20

 カラダの内側と外側から摘まれる感覚を覚えるわたしの蕾。
 カノジョの指の動きに合わせ、零れる熱い吐息と、伸縮するわたしの大切なトコ。
 そして零れ出すイヤラシイ液体。

 全てがわたしのキモチの高ぶり。

「ぁぁ…」

 蕾とわたしの中に与えられる刺激がアブナイところまで来たときだった。
 れぃなの親指の刺激が止まると、突然激しい針を刺すような刺激がわたしの大切なトコロ全体を襲ってきた。

「やっっ!」

 目をぎゅっと瞑り、ぐっと折れるカラダ。

 れぃなにナニをされたのか簡単に分かってしまったわたし。
 無機質な物質の固い感触がわたしのアソコに直接当てられている感覚を覚える。

 うっすらと目を開けると、やはりそうだった。

 シャワーのノズルの口がわたしのソコに押し当てられていた。
 そして、蕾付近、上から下へと向け当てるソノ水圧と、れぃなの指による内側への壁への外へ掻き出す刺激。

255 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:20

 一気にナニカの液体を迸ってしまいそうになる感覚に襲われる。
 おしっこが出てしまいそうになるのを、ぎゅっと抑えつけ、ガマンするわたし。

 激しく出たがっているソレは、ハズカシイモノ。

 絶対にダシチャだめっ
 このコの目の前でダシたくないょっ

 だめだょっ
 だめっ

 やだっ

 断続的に襲ってくる激しい刺激に、わたしはカラダを起こすことも、目を開けることもできないくらいだった。
 ただ分かること。
 それは自分の限界と、れぃなの指の動き。
 れぃなは、ただただ繰り返しわたしの中から熱いモノを掻き出そうとしている。

 ゃばぃ

 れぃなぁ

 だめだょ
 もぅ限界だょ
 
256 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:21
 
 どんどん押し寄せる波は、激しくなる一方。
 抑えつける力が間に合わないくらいの波。

 そして、一瞬だけだった。
 その力が抜けたその時だった。

 わたしの大切なトコから一気に迸るモノ。

「……だめぇぇっ……!」

 少しでもソレが出てしまったら、もうわたしの抑える力は消えてしまった。

 透明な液体が小さな放物線を描き、水とは逆らって飛び出していた。
 激しい勢いで飛び出しているソレ。
 まるでおしっこのようなソレ。

 透明なさらさらした液体。

 ソレがれぃなの手のひらにあたり、激しくシブキを上げている。
 れぃなのきょとんとした瞳が、わたしの飛び出しているモノへと向けられている。

 れぃなぁ

 ゃめてょっ!

「……めてっ…」

 一向に治まらない放物線。
 ソレが出ている間、止め処なく襲ってくる刺激に、頭とカラダがコワレソウだった。
 れぃなの目の前でダシテしまっていることさえにも、コワレソウだった。

257 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:21

 恥ずかしぃょ…
 やめてょ…
 見ないでょ

 汚いょ…
 
 わたしの思いも聞きいれられないまま、れぃなに出ている瞬間をずっと見られ続けたわたし。

 ソコを襲っている刺激と同じくらいに、感じてしまったソノ状況は…
 オカシイ自分。

 そして、完全にソノ液体が出尽くしてしまったその後も、れぃなのシャワーによる刺激が加えられている限り、
 刺激だけは迸っていた。
 自分のソコがナニカを出そうとしているけど、現実では出ていないその状況。
 キケンな今。

 れぃなのシャワーを握っている手を掴むと、限界を訴える。

「…っめ…だめっ…」

 わたしのコワレテイル状況を見て、れぃなはやっとソレをどけてくれた。
 そして、イヤラシイ音を出しながら抜き出されるれぃなの指。
 ねっとりと光っているカノジョの指。

 一気に現実に戻ったわたし。
 じんじんと疼いている大切な部分がコワレテシマッタかのような感覚を覚える。

 少し肩で息をすると、れぃなの方に視線だけを向けた。

258 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:21

 相変わらずきょとんとしたれぃなは、"さっきの意味"を理解していないのか…
 とてもコドモのような瞳でわたしの事を見つめていた。

 腕にまで及んだわたしのさっきのシルシを不思議そうな表情で見つめるれぃな。
 一生懸命わたしをキモチよくさせようとしているカノジョだから…
 ひどかったけど…何も言えないよね…

 わたしは、れぃなの頭に手をおくと、"キモチよすぎたから…ね…"と囁いた。

「イッちゃった…のですか…?」

 恥ずかしさが滲み出る、カノジョのそのたどたどしい言葉遣い。
 
「イッたんじゃないけど…
 あまりにもキモチいいと…さっきみたくデちゃうの…」

 若干ウソだけど、まだ今のれぃなはコレでいいかな…
 知ったら怒りそうだけど…

 れぃなはその言葉を聞くと、ぱっと笑顔を咲かせた。
 そして、今度はシャワーを置き、水を止めると、自分だけで刺激を加えようとしてきた。

259 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:22

 さっきの刺激で赤く大きく膨らんでいる蕾を指先で擦ると、反対の手では、わたしの窪みにそっと指を当てる。
 とろとろの液体が、れぃなの人差し指に絡まると、カノジョを簡単に受け入れた。
 ぬるっと指が吸い込まれると、わたしはガマンをし、今度はれぃなの指を全て受けれようとした。

 カノジョを…

 水の音がなくなり、静けさが大きくなったこの部屋に、イヤラシイ音がさらにイヤラシク響く。
 どんどん奥まで侵食するれぃなの指は、まるでわたしのソコにぴったりと納まるかのようなソレ。
 入り込んでくるたびに、零れそうになる声。
 根元まで納まると、ソノ声を抑えるかのように、ぎゅっとカノジョの指を締め付ける。

 そこまで入ると、れぃなはゆっくりと指の先で奥を掻く。

 指の先で楽しむかのようにゆっくりと動く刺激。
 さっきまでの刺激とは全く別の刺激。
 れぃなの指が動くたびに聞えてくるイヤラシイ音も、わたしへの刺激。

 奥をゆっくりと掻き毟られると、それと同時にねっとりとした粘液も掻き出される。
 そして、その液体は、れぃなの親指を介して、わたしの蕾へと塗りつけられる。

 ひくつき、伸縮を繰り返すソコ。
 内側の壁に指先を擦りつけながら、指の出し入れをされるソコへの刺激はキケンなモノ。

 アブナイ刺激は、いつしか頭もアブナクしていた。

"どこで覚えたのょ?れ…ぃな…"

 頭がキレソウナくらい、れぃなの刺激に溺れているわたし。

260 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:22

「ゃぁぁ…」

 そして、繰り返されるソレに加え、いつしか刺激は胸の蕾にも及んでいた。
 はむっとぷっくりと膨らんだ桃色の部分に、根元かられぃなの生あったかい舌の感覚がすると、
 数回ひっぱられ、カタチを整えられるように舌で転がされる。

 ぐっといっぱいまで伸ばされ、弾かれると、ぷるんと芯がある震えを見せる。

「…っぅっ…」

 いたるところで襲ってくる刺激に、わたしはオカシクなりそうだった。 
 どんどん高ぶるキモチと、震えるカラダ。
 大きく上下する胸。

 激しく熱くなるトコロ。

「れぃなぁ///」

 わたしが喘いでしまう度に、れぃなは刺激を変える。

 胸の蕾への刺激が、また消え、今度は下の蕾へと…

 一瞬だけザラッとした舌の感触に襲われるも、すぐに外れた。
 
 ソレが外れた代わりにくるのは、れぃなの指での大きな刺激。

 指に絡まる粘液のイヤラシイ音が大きく聞えてくる中、れぃなの指に摘まれるぷっくりした蕾。
 痛いくらいに膨らんでいるソレをこねて、その周辺を指先で擦るスピードが速くなると、
 わたしの中、内側の壁を擦る指のスピードも次第に速くなって来た。

261 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:23

 耐え切れずに、ぎゅっとれぃなの指を締め付けるも、それは逆効果。
 より一層わたしに触れる感触が増すと、わたしはアブナイところへと進んでいった。

 一生懸命わたしをキモチよくさせようとしているれぃな。
 不器用な手つきでわたしを刺激するれぃな。
 
 れぃな…

 カノジョを見てると、ぐっと込み上げてくるモノが出てきた。

 子宮の奥から噴き出しそうになっているナニカ。
 ソレがれぃなのすぐ近くで暴れている。

 ソノ動きがれぃなの指の速さに合わせて、大きくなってきた。
 波の速さも…

 もう、自分の中で限界が近い事がなんとなく分かってきたわたし。
 自分だけじゃなくって、れぃなにもイッて欲しいってキモチが沸いてくるも、もう遅かった。

 ぐっと抑え付けるも、少し零れてしまった熱いナニカ。

 ホントにゃばぃっ…///

 ぃっちゃぅ…///

 れぃなっ!!

262 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:23

「れぃなっ///」

 わたしの呼びかけに、カノジョがわたしの方を見てくれた。
 普段のくりっとした瞳が、トロケソウに甘い。
 胸の蕾が痛いくらいぷっくりと膨らみ、れぃなの高ぶりを表している。
 胸全体もぱんぱんに腫れ上がっていた。
 割れ目では後から後から液体が滲み出てきている。

 れぃな自身がカンジテル
 わたしのカラダを触って…
 わたしがミダレテル姿を見て…
 わたしがイキそうになってる姿を見て…

 れぃながカンジテル…

 それも含めて…れぃなが愛しい…

 とってもコドモのように愛らしくて可愛いカノジョ。
 純粋なカノジョ。
 わたしの事を純粋に想ってくれているカノジョ。

 とっても素直なカノジョ。

 カノジョの甘い視線がわたしを見つめてくれる。
 とっても愛されてるように感じられる瞳で…

 れぃなぁ//

263 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:24

 今にもイッてしまいそうなわたしの表情を見て、カノジョが少女のようなカワイイ笑顔で微笑んだその瞬間だった…

 ぁっ…!!

 目の前が真っ白になると、全身を掛け抜ける快感と共に、カラダ全身の力が一気に搾り出されてしまう感覚に陥った。
 思わずぎゅっと目を瞑る。

「…れぇ……ぃなっ…」

 絶頂の誘惑にも負け
 カノジョの優しげな瞳にも負け
 カノジョの笑顔にも負け
 
 ガマンの限界がきたわたしは、早めに動かされているれぃなの指を今までで一番強くぐっと締め付けると、
 お腹の中の熱いモノを全て一気に開放してしまった。

 ぁぁぁぁ…/////

 全身を襲ってくる快感の渦に、小刻みに震えるカラダ。
 ナニカがわたしの中を駆け抜け、外へと飛び出している感覚に、頭がコワレソウになる。
 ソレは、れぃなの指とそれをのみ込んでいるわたしの大切な窪みとの隙間、自分の熱く火照ったソコから、
 バスタブの床へと重力負けて激しく零れ落ちる白濁したモノ。

 わたしの、れぃなによって作られた愛のアカシがカタチになったモノ。

 ソレがぼとぼとと大きな音を出し、わたしの割れ目から零れ出ていた。
 ソノ音がわたしの耳にも届いてくる。

 今まで感じたことがないくらいの時間と、ソノ量、キモチのよさ。

264 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:25


 それはれぃなだったから…?
 カノジョだったから、これだけ高ぶって…
 イッちゃって…
 ダシちゃって…



 ハズカシイ…



 じょじょに治まるソノ感覚と音。

 白濁した液体が全て流れ落ちると、蕾を擦り、刺激してくれていたれぃなの指がそっと離れた。
 そして、抜き取られる指。

 ぁぁ…れぃな…

 恥ずかしさも大きかったけど、不思議とそれ以上に幸せなキモチでいっぱいになっているわたし。

 れぃなにイカサレテ…
 いとおしいれぃな。
 れぃなの全てがいとおしく感じられる。

 ぎゅっと瞑っていた目をそっと開けると、真っ赤に火照らしたれぃなの、潤んだ瞳が飛び込んできた。
 そのれぃなのトロケキッテイル瞳。

265 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:25

 その目がわたしの瞳を捉えたその瞬間だった。
 
 イキ終えたわたしと目があったその瞬間、ナニカをガマンするかのようにぎゅっと目を瞑り、俯いたれぃな。
 そして、わたしが咥え込んでいた指、まだ白濁したモノがついた手で、自分の大切な割れ目をぎゅっと押さえつける。
 ソコからナニカが零れ出てしまいそうになるのをガマンするかのように押さえつける。
 微かに震える肩。 

「ゃぁ…っ…」

 カワイイ声が零れると、もう一方の手でわたしの足を力強く握りしめた。
 わたしはすぐにソノれぃなの腕を握ってあげる。


 れぃなの中で起こっているコト。
 少しでもカンジタイから…


 そしてそのまま震える膝でバスタブの床にしゃがみ込むと、れぃなの背中に両手を回してあげ、
 カノジョをぎゅっと抱きしめてあげた。

 わたしの胸に触れるれぃなの尖がった蕾。
 大きく限界まで膨らんだソレが、れぃなの今。
 自分の割れ目をぎゅっと押さえ付ける仕草が、れぃなの今。

「ぁぁ…ゃだ…っちゃ………デ…ちゃ…ぅ」

 そう呟くとれぃなも、ぎゅっと抱きついてきた。
 わたしの首筋に顔を埋める。

 必死でガマンしているカノジョ。
 ソレは自分のアソコからナニカが出てくるのを、わたしに見せたくない乙女ゴコロ。

266 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:26

「見…なぃ…で…」

 そのまま、わたしのほっぺにれぃなのほっぺがくっつき、れぃなのほっぺのヌクモリを感じた瞬間、
 わたしの胸の中、カノジョはカラダを数回震わせた。
 
 小さくて、カワイイれぃなの背中が震えている。

 カノジョの中で起こっているコト。
 それは、さっきのわたしに起こっていたコトと全く同じコト。
 ソレが今、れぃなの中で起こって、カノジョのカラダの中を駆け巡っている。

 それを考えると、自然と嬉しさが込み上げてきた。
 別にれぃなのカラダを触っていないのに、わたしの反応だけで"こんな状態"になったれぃな。

 わたしの胸の中、最後に一回震わせると、脱力したようにぐったりとわたしに体重を掛けてきた。


 れぃな///


 れぃなの大切な部分を押さえつけていた手が取れると、わたしの目に曝されたモノ。
 ソレは不思議と"しあわせ"を感じるソレ。

 れぃなの手には、わたしがダシタ白濁した液体と、れぃなのダシタ透明な液体とが交じり合っていたから…

 ソレを見た瞬間、無性に嬉しくなったのは…ちょっと恥ずかしい。
 けど、なんだかすごい嬉しく感じられるのは、今のわたしのキモチだょね。

267 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/26(土) 23:27

 れぃなへの、キモチ。

「れぃな…?」

 イッちゃった…んだね…

 女のコって相手のコに対するキモチの高ぶりだけでイケちゃうもんね///

 わたしのさっきのだけでイッちゃったんだね…

「ぃ…っちゃった…の…?」

 わたしの言葉に微かにれぃなが頷くと、自分の胸にはより一層熱くてトロケソウ感情が溢れかえってきた。
 
「…はじめ…て…だから…わからんと…」

 れぃなから聞えてきた言葉に、わたしはさらに強くカノジョの頭をぎゅっと抱きしめていた。

 わたしと目を合わせた瞬間にイッてくれたれぃな。
 わたしの仕草でイッてくれたれぃな。
 わたしの反応でイッてくれたれぃな。

 火照らせ、熱くなってるれぃな。
 わたしの胸の中で小さく息を乱しているれぃな。

 そして、れぃなの手の上で絡まりあっている"わたし"と"れぃな"。
 
 カノジョへの抑え切れない愛おしさを表現できないもどかしさにかられながら…

 わたしは抱きしめた。

 れぃな…

 だいすきだょ


268 名前:なまっち 投稿日:2005/03/26(土) 23:33

更新13回目。

次回、エピローグです。
やっぱり短編〜中編は向いてないのかな…
内容的にはどんどん省けて浅いものなのに、これだけかかったのは…

反省(はぁ

その次からは、"りか⇔れな"ありきの、"えり⇒れな"。
この続きと昔の事をちょっこと書きたいと思います。

269 名前:62 投稿日:2005/03/27(日) 00:47
いやぁ〜とってもよかったです。
れいなの圧勝に見せかけて実は引き分けみたいなところが
より一層ヨカッタです。
短編だろうと中編だろうと良い物は良いんです♪
なのでエピローグ&次作も楽しみにしとりま〜す。
270 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/27(日) 01:01
このエロは素晴らしい
かなり、ヤバイ…
次回作のエロにも期待!
271 名前:なまっち 投稿日:2005/03/31(木) 23:35
>>269 62さん

最後までれすありがとうございます^^
とっても元気になりましたんで(てれ

その言葉も元気になりますm(_)m
ありがとうございます^^

そぅ…実は引き分け(わら
れぃながどれだけ幸せだったのかをちょっと入れてみました^^;
これからもよろしくお願いします〜

>>270 名無飼育さん

えろ、素晴らしいですか(わら
結構力を使い果たしてしまったってカンジで^^;
次はえろえろは入れる予定はなかったんですが、がんばって入れてみます(わら
期待に添えなかったらすみませんですm(_)m

では、エピローグをどーぞ↓
272 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:37



☆エピローグ☆〜/しぁわせの華




273 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:37

 すっと目が覚めたわたし。

 日々のカラダにムチを打つような感覚じゃなく、とても自然に目が覚めた今日。
 不思議とカラダの動きもよさそう…

 少し明るさを感じたいと思い、窓の方を見るも、カーテンの外はまだまだ暗闇。


 ぁれ…?


 わたしの胸の中でシアワセそうに眠るカノジョを起こさないように、
 枕元に置いてある携帯をそっと取ると、時間を見た。

 針はまだ5時前。
 2人一緒に眠りについたのが3時過ぎだから、まだ2時間も寝てないことになる。

 けど、不思議と目覚めはよさそう…

 っていうか、もう一眠りしなきゃ…
 もう少しは寝てもいいし…
 さすがに今日1日持たないょね…


 ぅーんっ
 はぁ


 足だけ小さく伸びをする。

 れぃなに足を絡められているぶんだけ、大きく伸びが出来ないのがちょっと辛いけど…

274 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:38

 カラダを横に向け、片手をわたしの脇を通して背中へ回し、もう一方の手は、わたしの胸を下から添えられている。
 そして、手のすぐ横に顔を押し付け、わたしの胸の中でシアワセそうに眠るカノジョ。
 
 なんだかれぃなにおっぱいをおねだりされている感覚を覚えちゃいそうになるけど、
 不思議とえっちなキモチじゃなくって、ママのようにれぃなを包み込んであげたいキモチ。

 わたしは、自分の背中に回っているれぃなの腕からカノジョを抱き込むように腕を回し、
 反対の手ではれぃなの柔らかいほっぺに。
 気が付いたら、ほっぺをぷにぷにと押したりしてしまったしと、楽しんでいた。

 だって、キモチよい弾力感に、甘いキモチになれるんだもの。


 うーん…なんだかホントしぁわせかも…


 シアワセに浸りながら、もう一度携帯に目を向けたわたし。
 すると、さっきは分からなかったけど、メールが1通来ていた事を示すマークに気が付いた。


 ぁれ…?


 メールの送り主は、ごっっぁん。
 その名前を見て、少し納得する。
 
 カノジョらしいといえばらしいけど…
 心配して…だね…?

275 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:39

 メールBOXを開くと、たった一言…
 シンプルだけど、十分意味の分かるその言葉。

【しぁわせだょね?】

 れぃなとの関係の"願い"、"断定"。
 それらが込められたメール。

 否定は許さないょって言葉が聞えてきそうなカノジョの言葉。
 そして、その言葉だけでも嬉しくなる言葉。


"しあわせ"


 すると、昨日の自分が浮かび、自然と顔が赤くなるわたし。
 そう、わたしのココロの中はソノ言葉でいっぱいだった。

 ぅん、目の前のカノジョが物語ってるんだもの。
 今のわたしのキモチをね…

 あれかられぃなとは、お互いのカラダを洗いあって…
 髪の毛も洗いあって…
 乾かしてもらって…

 夜も遅かったからそれ以上のえっちはしなかったけど…

276 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:39

 ものすごいイイ想い出が出来たってカンジかな。
 あっ…想い出じゃないゃ
 想い出の一つだもん。
 これからもっと創れる想い出の一つ。

 今日からまたいつもの2人に戻るってことは、すでに約束済み。
 わたしとれぃなはアイドルなんだから、"付き合う"のはだめだょって事を言い聞かせるのに苦労はしたけど、
 最後は、納得してくれた。

 不貞腐れたれぃなを、抱きしめてあげて
 
 でも、もともとカノジョだって真面目なコ

 いつでも会えるんだし、いつでもわたしの家に来てもいいって言ってあげ、
 いつでも…甘えていいんだょってことも言ってあげると、"わかりました"って笑顔を浮かべてくれた。

 わたしたちの仕事だと、"恋人同士"って言葉に出すのがだめだからね…って

 でも、バレなかったら大丈夫だから…
 "こんな関係でも"大丈夫だから…
 ナイショって。

 ハニカムような笑顔のカノジョ。 
 
 その笑顔が浮かんでくると、またシアワセなキモチで胸が甘くなったわたし。

 
 れぃなぁ

277 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:40

 わたしはごっっぁんのメールの返事に、素直な自分のキモチを送った。

【今ホントしぁわせだょ☆】

 ちょっとテレるけど、今のわたしだもの。

 と、1分も経たない内だった。
 再び携帯が震える。


 はゃっ


 送信主は当然のごとく、ごっっぁんだった。
 
 シンプルだったけど、十分にキモチが伝わるソノ内容。

【ょかったょ♪
 安心したょ♪
 ぉしぁわせにだょ♪】

 思わず笑顔が零れた。

 携帯を枕元に置くと、もう一度頭から毛布を被りなおす。
 そして、もう一度腕の中にいるカノジョを見つめた。
 
 とってもアッタカイ毛布と、ソレ以上にふんわりしたれぃなのヌクモリ。

 まるで赤ちゃんのようなカノジョ。

278 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:40

 わたしの胸に顔を押し付けるようにして眠るれぃなは、わたしの目にはホントの赤ちゃんのようにうつった。
 わたしの赤ちゃん。
 わたしの娘。
 わたしの妹。

 ぁっ…
 そぅ言ったら怒るかな…?

 でも、かぁぃぃんだもの///

 思わずぎゅっと抱きしめてしまった。

「ぅ…ん…」

 とたんに零れるれぃなの声に、慌てて力を緩めるも、わたしの胸の中、れぃなはゆっくりと目を覚ました。
 目の前にわたしがいることに、一瞬不思議そうな顔をするれぃな。

 そして、次に聞こえてきた言葉に、カノジョの乙女チックな部分がまた垣間見れた。

「夢じゃなかった…と…?」

 思わず笑ってしまったわたし。 
 れぃなの赤く染めたほっぺをつんつんとすると、囁いた。

「そだょ
 夢じゃないょ」

279 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:41

 わたしと目を合わせると、恥ずかしそうに、それでも満面の笑顔を咲かしてくれた。

「ぉはょございます///」
「ん。ぉはょ//」

 わたしは笑顔で応え、ほっぺにちゅっとキッス。
 すると、昨日のことを思い出したのか、ほっぺを真っ赤にさせ、わたしの胸に顔を押し付けてしまったれぃな。

 ぁーぁ…
 昨日あれだけ立場が逆転したのにさっ
 結局、元に戻っちゃうんじゃ… 

「まだ時間はあるからさ…
 もうちょっと寝てぃぃょ」

 そう囁くと、安心させるため、れぃなを胸の中、抱きしめてあげた。

「起こしたげるからさ
 ぉやすみ」

 微かに頷くれぃなは、本当にシアワセそうに、再び眠りについた。

280 名前:麗しきナとナシの華/"おこさま"扱い!? 投稿日:2005/03/31(木) 23:42

 わたしの胸の中で…
 わたしの腕の中で…
 わたしのココロの中で…
 わたしの中で…


 夢の中へ…



 そして、わたしも…

 れぃなのヨロコビに包まれて…
 れぃなのヌクモリに包まれて…
 れぃなのヤサシサに包まれて…
 れぃなに包まれて…


 しぁわせへ…



 れぃなぁ


 れぃな…


 ぁりがと///
 しぁわせだょ///



                          ☆おわり。☆

281 名前:なまっち 投稿日:2005/03/31(木) 23:49

更新14回目。

ってことで1話目は終了しました。
これまで読んでいただきましてありがとうございました。

ちょっと最後のえろは引いちゃった人もいたかもしれないですが、
どれだけ2人がスキ同士かを表現したかったんで、力が入っちゃいました(にがわら

次回からは言ってました通り、背景にれなりかありの、れなえりを。
この続きをいきたいと思います。

だいたい構成は立っているのですが、ちょっとある程度書いてカタチを作らないと辛いので、
少しの間待ってください。

もし短編が書けたらあっぷしたりしますんで…

それではまたお会いできます日を〜
よろしくお願いします〜

282 名前:62 投稿日:2005/04/01(金) 23:42

オツカレさまです。
いやぁ〜2人とも幸せでよかった!
次作も楽しみにして待ってま〜す。
作者さんのペースで頑張ってください♪
283 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/12(火) 00:46
この作品、何か…
いいね〜
284 名前:なまっち 投稿日:2005/04/20(水) 22:56

遅れましたお返事をm(__)m

>>282 62さん

最後までれすありがとうございましたm(__)m
2人はしあわせになってます(w
次回作はちょっと停滞ぎみですが、お言葉に甘えまして
自分のペースで^^;
ありがとうございます。

>>283 名無飼育さん

嬉しいお言葉ありがとうございますm(__)m
次回もそう言われますように頑張りますんでよろしくお願いします。




285 名前:なまっち 投稿日:2005/04/20(水) 23:00

大阪でみた矢口さんが結局最後になっちゃいました…
なんだか最近になってやっと落ち着いて考えられるようになったかな…
めちゃめちゃ悲しいけど…
逆にこれで娘。がものすごい一致団結してくれそうですね
期待して…
この半年で娘。を築き上げてきたメンバーが3人も抜けるなんて…

これから今回の矢口さん関連の短編を書きたいので、矢口さんファンの方と、
男性の方は読まないで下さい。
気分を害されると思いますので。

それでは…

286 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:03



 ☆1〜〜


287 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:04

「"あい"を選らんだのょ
 かっこぃぃょ」

「え…」

 憧れのヒトからの、思ってもいない言葉が聞こえてきたことに、一瞬自分の耳を疑ったれいな。
 大きく目を開き、驚きの表情で、隣のヒトを見やった。

 ウットリとした表情で机に肘をついた美女。
 れいなの憧れのヒトなのに、あまりに突然で、信じられない言葉に、何も言葉を返せなかった。


 ただただ見つめる。


「"あい"だょ」

 また繰り返すその言葉。

「かっこぃぃょねぇ」

 言葉の意味を理解してくると、れいなの胸の中、何か熱いものが込み上げてきた。
 じわじわ湧き出てくる何か。

 そして、それは堰を切ったかのように零れだしてきた。

「ぅっく…」

 鼻をススル。

288 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:05

「え…?」

 ちがいますょ
 ちがいますょ


 ちがいますょ


 じゃ、ぅちらは捨てられたことになるのですか?
 そぎゃんことなぃですょ
 悲しいじゃなぃですか

 突然おそってきた出来事
 突然振って沸いてきたコト
 突然突きつけられた現実

 突然いなくなったヒト

 なにもかも突然

 あまりに突然で頭の中で考えをまとめる暇さえない
 そんな中、週末の準備、覚える量のあまりにもの多さ

 あまりに突然で
 あまりに不条理で

 弱いれぃなの精神。
 ボロボロに崩れた自分のココロを、一生懸命目の前のやるべきコトに向けるコトによって立て直し
 やっと現実をきちんと受け入れかけた時だったのに…

289 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:05



 それなのに…



 隣の憧れのヒトの口から聞こえてきた言葉に、れぃなのココロの中、自然と拒否反応がでていた。
 いつもは、隣の憧れのヒトの言葉は絶対。

 何も反対する気にもならないのに。


 それなのに…


 れいなのつぶらな瞳。
 自然と涙が出てきた。

「れぃな…」

「ぅっく…れぃなたち…捨てられた…くっ…と…ですか…?」 

 やっとのことでソレだけ言うと、れいなはレッスン場を飛び出した。
 

290 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:06



 ☆2〜〜



291 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:07

 自分たちのココロの中に空気のようにあった精神的な柱が。突然消えた。
 
 すっと。

 自分たちにココロの準備をさせる暇もなく、掻き消えた柱。

 あまりに突然すぎて、現実を理解する暇もなかった。
 ただただ全員呼び出されて
 現実を突きつけられて
 話し合って

 そして、リハへ。
 
 時間のある限り閉じ込められて

 そんなときに聞いた憧れのヒトからの言葉。

 れいなの中では、娘。のメンバーのコトを一番に考えてくれて、ケジメでのコトだと思ってたのに…
 それなのに

 憧れのヒトから聞いた言葉は、まるで、"娘。"ではなく"あい"を選択したかのような言葉。 
 考えも及ばなかった。
 考えたくもなかった。

 そのこと。


292 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:08


 そのこと。


 裏切られたキモチ。

 廊下の片隅、しゃがみこみ、小さくなり、肩を震わせて泣くれぃな。
 
 どれくらい泣いたのだろう。
 もうとうの前に休憩時間は終わっているはず。
 でも、動く気にもなれない。

 いつの間にか涙も消え。
 込み上げてくるものも消え。
 思考も消え。

 そんなときだった。
 
「たなぁかー」

 れぃなの背中を温かい声が包んできた。
 それと同時に、ココロの中に、少しヌクモリが零れる。

 いつも明るく。
 冗談で元気をくれて。

 同じ先輩から一歩後ろに立って、コドモたちみんなを見守るようにいてくれた先輩。
 そして、これからはれぃなたちを引っ張っていってくれる先輩。

293 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:08

 その先輩がれぃなの肩に手を置き、"ょっこらっしょっと"と大げさに声を出して隣に座ってきた。
 れぃなは自然と肩に凭れる。

 しばらく、自分を包み込んでくれる先輩に自分の身を任せた。

 
 これから将来、身を任せるかのように。


 そして、その先輩から聞こえてきた言葉に、自然と頷く。

「梨華ちゃんがさ…一番辛いんだょ」

 れぃな自身、そのコトは分かっていた。
 あぁでも言わないとやってられないコトさえ。

 どれだけれぃなの憧れの先輩が、慕っていたか。
 頼りにしていたか。

 時には姉のように。
 時にはじゃれあうナカマのように。
 時には傷を舐め合うように。

 そんな2人が羨ましく、れぃな自身痛いほどさっきの言葉の意味は分かったけど…

294 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:09

 それでも納得は出来なかった。

 憧れの先輩の言葉は、切れ味の鋭い刃物のように、れぃな自身を傷つけたから。

「ょしざゎさんも…そぉ思っちょーですか…?」
「ん…ぅち?」

 小さく頷く。

「そ、だなぁ…
 ま、あの先輩はちっちゃいけど、ぅちらの事は人一倍考えてくれてたからね…」

 先輩の言葉に、れぃなは少し救われた。
 れぃな自身が望んでいた言葉に。

 そして次の言葉に聞き耳を立てた。
 
「きっとぅちらのコトを心配してさ…」

 悪影響を及ぼすから…?

「自分が付き合ってたら、"リーダーが付き合ってるならぃぃゃ"なぁーんって思ったりとかされたらさ…」

 そんなコト思わんですょ

「ん…ま、あのヒトなりにね…ケジメってやつで…」

 これだけみんなに大きな穴を残してですか…

295 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:10

「でもさ…」

 でも…

 これまでの言葉を全て否定するその言葉に、少しれぃなのココロの中に、不安が零れだした。 
 そして、頭の中の思考も消える。

「もし…
 もし、あのヒトがシアワセを考えて…」

 同じ…?
 
 痛みが走る。
 無意識のうちに強い口調で隣の先輩の腕を握り締めた。

「ちがいますっ!」

 大げさにため息をつく先輩。

「"もし"だょ"もし"
 でもさ、タナカはさ…
 シアワセになって欲しくないの…?」

 絶句。

 何も言葉が出ないれぃな。

 そりゃ、シアワセになってくれるのが一番いいけど…
 それ以上に…ぅちらのコトを…

 再び涙が出てきた。

296 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:10

「やっぱり…モーニングより…"あい"を取ったと…ですか…」

 またため息をつく先輩は、"どーしょーもねーなぁ"と呟くと、これまで以上に真剣な表情へとなった。
 そして、口調の、これまでの優しい口調から、少し強い語気へと。

「両極端だょ、タナカは」
「そんなぁ…」
「全てのコトを総合してさ…一番自分にとって満足のいく決断だょ」

 自分にとって一番の…?

「け・じ・め」

 ケジメ…?

「もちろん娘。のコトが一番に決まってんじゃん。
 聞くまでもないょ。
 それょりさ…認めてあげな…?
 誰にも出来ない決断をしたんだからさ…」

 確かにれぃなの中、カッコイイってキモチも出ていたけど、それ以上に襲ってきていた悲しみが上回っていたから、
 素直に認めるコトが出来なかったのかもしれない。

 激しい悲しみによって

297 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:11

「悲しいけどさ…
 不安だけどさ…」

 大きな存在のセンパイに包まれ、背中をさすられ、少し落ち着いてきたれぃな。
 それと同時に、一番近くて、一番影響のある自分たちがソノ決断を認めてあげないと…
 せっかく大きな決断をしたのに、ソレを認めてくれないっていうのは、一番悲しむ。



 そう…認めてあげないと…



「ぁ…ほら…きたょ」

 その言葉が聞えてくると、れぃなからヌクモリが離れた。
 そして、立ち上がると、目の前で心配そうに2人、れぃなを見つめ立っていたヒトの肩を、ぽんぽんと叩いた。
 いつの間にか、2人のそばにいたれぃなの憧れの先輩。

「キミのコドモは大変だったょ」

「ぅん…
 ごめん…れぃな…」

 目を潤ませ、申し訳なさそうに立っている憧れの先輩。
 
298 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:11
 
「れぃなのキモチも考えずにヒドイコト言っちゃって…」

 れぃなは"そんなコトないです"と、自然と首を横に振り、憧れの先輩と瞳を合わせると、思いっきり胸の中に飛び込んだ。
 ぎゅっと抱きしめて欲しいとばかりに、胸に顔を押し付ける。
 そして、思いっきり息を吸い込むと、あと3週間も味わえない憧れの先輩のカオリを、胸いっぱいに抱きしめた。
 
 ただ、安心感と、その"先輩のヌクモリ"から再び思い出したからか、れぃなの瞳、涙が零れだしていた。
 その涙を見て、れぃなを胸の中に、同じく涙を流す先輩。

「あっ…みんな…」

 2人を温かく見守っていた先輩の声に、2人がそっちの方を見やると、メンバーのみんなが揃い、立っていた。
 目を赤く腫らしたメンバーもいる。
 7人のメンバー。
 みんな合わせて10人のメンバー。

 憧れの先輩がれぃなから離れ、みんなの方にカラダを向ける。
 そして、"みんな"と呼びかけると、手のひらを下に向け、前に差し出した。

 すると、全員が自然と集まり、1つの輪になる。
 やがて、中心で手を合わせあった。

299 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:12

 ホンの数日前とは違って、1人少ない円。
 中心のニンゲンも違う。
 イヤでも認識する現実。

「ょっすぃー…」
「ぅん」

 リーダーがれぃなの憧れの先輩の言葉に頷くと、メンバー全員が目を集中させてきた。
 れぃなも憧れの先輩から視線を移し、言葉を待つ。

「これから…」

 このグループにとってここ半年で柱が2本抜けてしまった。
 れぃながこのグループに憧れるまでに作り上げたメンバーが。
 そして、もうじきにれぃなの憧れの人も。

 今までで一番といってもいいくらいの正念場だけど、危機感をもったメンバーは1人1人が強い力を発揮すると思う。
 そして、その力が1つに集まると、これまで以上の輝きに覆われるに違いない。


 ぅぅん。
 しなきゃ。
 

300 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:12

 廊下に大きな声が響いた。

「小さいよっ!!」
 
 再び声が響く。

「まだまだっ小さいっ!!」
「泣くなよっ!」
「みんな泣きたいんだから」
「もういっかいっ!」

 その輪が崩れたとき、みんなが1つになっていた。

 そして、ミチを歩き出す10人。
 涙をぼろぼろに流しているメンバーもいる10人。
 これから全てのヒトの運命を握っている10人。

 一番先頭を歩くヒトの肩を叩く、もうじきグループを出て行く先輩。

「ょっすぃー…頑張ったね…」

 一番大きな声を出し、そして、一番涙を流している先輩。
 それはこの瞬間だけだった。

「これからもね…」

 これから先は今回のコトで涙を見せることはないはず。

 みんなを、グループを引っ張るため。
 弱さを見せないため。
 これまで先輩が作り上げてきたモノを壊さないため。
 その約束のため。

 これからも走り続けるため。


301 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:13



                            ☆ はじまり ☆



302 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:14



                            ☆ はじまり ☆






303 名前:☆☆☆ 投稿日:2005/04/20(水) 23:14



                            ☆ はじまり ☆






304 名前:なまっち 投稿日:2005/04/20(水) 23:22

こんかいの矢口さんのことについて書いてみました。
矢口さんふぁんの方と、男性の方は読まないで下さい。
気分を害されると思いますので。

登場人物とか風景とか…などなど…すごいあいまいに書きましたんで、
けっこうわからないことが多いとおもいますが(にがわら
ある意味"れぃな"の言葉はわたし自身のキモチ。
ある意味"憧れの先輩"の言葉はメディア。

まさか石川さんが卒業する前に、これだけ衝撃を受けるなんて…
たぶん石川さんが一番辛いと思うのですが…

P.S.→
石川さんの卒業関係を卒業までに書きたいと思っていたのですが、全然進みません。
変な短編ばっかしを書いちゃってます(にがわら
今回のことで完全に止まっちゃいましたし…
次回は…
前回の最後に"続き"といってましたが、中編でアンリアル系を書くかもしれません。
めっちゃめっちゃ流動的ですみませんです(ごめんなさい

305 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/04/21(木) 21:51
純粋な疑問で、けして批判とかではないのですが。

なぜわざわざ小さな「ぃ」とか「ょ」とか「ぅ」とか使うのでしょうか。
せっかくの内容も、この意味のよくわからない文字の使われ方のせいで
読みにくさやとっつきにくさが出てしまっててもったいない気がします。
あえてこれらを使っているのにはなにか理由があるのですか?
306 名前:62 投稿日:2005/04/21(木) 22:07

更新オツカレで〜す
今回のは娘の中の1つの風景としてよかったと思います。
今後も作者さんの書きたい感じで頑張って行かれたら良いと思います。
次作も待ってま〜す♪
307 名前:なまっち 投稿日:2005/04/23(土) 01:13

今日の石川さんめっちゃめちゃカワイカッタ…ってか、キレイだったぁ(いつもキレイです)
やぐっつぁんの脱退跡初だったので、みんなどんなカンジか心配ですっごいどきどきして見てたけど、一安心…
表情は硬かったけど…れぃなが笑顔が少なかったなぁ…
ま…一安心…だし、石川さんのカワイイ姿が見れてシアワセに(はぁ〜
自称、髪を挙げて気合入れてる姿より、やっぱりあんな石川さんの方がスキ☆
エンディングの恥ずかしそうにテレテレ姿が…ぁぁぁ…にやけが止まらなぃ…

>> 306 62さん

そう言って頂けると嬉しいです。
ありがとうございます〜
これからもこんなカンジで書きますので(にがわら

今回のは、ひとつの風景として描きたかったので、そう言っていただけますと嬉しいです。
次回作は…なんとしても梨華ちゃんの卒業までに描きたいって…気負いすぎてなかなか(あせあせ
もうちょっとお待ちください〜

>> 305 名無飼育さん

そうなんですか…
そう感じられたなら失礼しました(ごめんなさい

一応…意味ありで使ってはいたのですが…
まぁ、最初はただただ自分たちが使ってるメールからヒントだったのですが…

で、意味などを…

308 名前:説明です(失礼しました 投稿日:2005/04/23(土) 01:14

基本的に情景描写には使用していないつもりです。
人物のセリフ、人物の心情露呈に使用してまして…

一応…前回は完全に"梨華ちゃん"が語り手でしたので、ところどころに入ってましたが、今回は三人称(?)でして、
でもれぃなの心情露呈をところどころに入れてますので、そこでは使ってます。

で、実際の意味は…自分が聞こえる女のコの言葉を忠実に表現したり、感情を表現したりしているのです。

たとえば…
「ぅん」っていう返事は…
ほとんどの女のコは「うん」と両方の言葉をきちんと発音しているように思えなくて、「う」はほとんど発音せずに、
「ん」を強く発音しているように聞こえます。
そこで「ん」だけ書くと余計に分からなくなってしまうので「ぅん」と書いてます。
それに本人がハキハキしたトコロを表現したいときは「うんっ」ってカンジで「ぅ」を使わずに書いてます。

「ぅぅん」は…
「ううん」は…「う」「ん」が同じ大きさに聞こえると発音の最後が下がって聞こえ、否定しているように思えなくて、
「ぅぅん」と「ぅ」が小さいと、「ん」が大きくなり否定に聞こえると思って使ってます。
309 名前:説明です(失礼しました 投稿日:2005/04/23(土) 01:15

「〜だょ」っていう言葉は…
上に同じく、だいたい聞いてると「よ」はあまり聞こえず小さく聞こえるので「〜だょ」と書いてます。
あと、相手に対して優しく諭したいときや、自分に自信がなく言葉が小さくなってる時などにも使ってます。
疑問系で後ろが上がっているときは「〜だよ〜」とか使ってます。

さらに、「〜だょね」と書いてるときは、大抵の女のコはどちらかと言えば相手に聞く疑問系なので、
「ょ」から「ね」と言葉を大きくすることで、「?」できちんと聞くんじゃなくって、
小さく「ね」にアクセントを表現して、ほんの少し疑問系として表現してます。
他にも同意を求める「〜だょね〜」や、「〜だょねっ」にも。

「れぃな」は…
「れいな」って発音でも、れぃなをメンバーが呼んでるのを聞くと、
真ん中の「い」がほとんど聞こえなくて「れな」って聞こえたり、
真ん中の「い」を言わずに「れーな」って聞こえたり、
真ん中の「い」がわずかに聞こえて「れぃな」と聞こえたりと…
その中でも一番自分が聞こえるのが「れぃな」で…
どんなメンバーが呼んでも「い」がはっきり聞こえず…
現に自分も「れいな」の「い」を強く発音するのが面倒で「れぃな」ってカンジで呼んでいるような気もします。

あとは「ぇり」とか「さゅ」とかも同じカンジです。
「えり」は「り」が強く聞こえ、「さゆ」は「さ」が強く聞こえます。

「ぃぃょ」は…
だいたい「いいよ」って女のコが言う時、すっごい優しく聞こえるので、小さく優しさを表現して小さくしてます。

「ぅち」は…
これは発音からです。

310 名前:説明です(失礼しました 投稿日:2005/04/23(土) 01:16

「ぁ」は…
何かに気付いたときとかに使いますが、小さく聞こえるか聞こえないかくらいに発音してるときに使ってます。

他にも…
「かわいぃ」「かわいぃゎ」は惚れ惚れほっぺが真っ赤ってカンジで
「お願ぃ」「ごめんなさぃ」は甘えるカンジで語尾を下げてる様子で

「ぉはょ」は「おはよう」の挨拶で
大抵「はよ」って言ってません?

ってカンジで、これらの言葉は、ヒト関わりのセリフや心情露呈に使って、実際に聞こえてくる発音や
その時の感情を表現したいとこから書いてます。

こんなカンジですが…
最初から言わないと分かんないですょね(にがわら
すみませんでした
次からはちょっとは分かっていただけましたら嬉しいのですが…
これからも呆れずに読んでやってください(ごめんなさい

でも、実際に読んでいただいているかたがいることがわかって嬉しかったりも…(てれ

ps→
ただ、今回の話では三人称主体で「れいな」を使ってたのに、途中から「れぃな」って書いちゃってましたね…(はずかしい
すみませんでした(ごめんない
頭がぽけぽけしてたんですね…
311 名前:305 投稿日:2005/04/23(土) 03:48
すごく丁寧な説明をありがとうございました。
なるほど、そこまでのこだわりがあったのですね。
意味のない乱用と決め付けて意図を読み取れなかった自分が悔しいくらいです。

それらを踏まえて読み直すと、違った風に読めました。文字の使い方にも納得です。
なまっちさんの作品に対する思い入れの程が伝わってくるようにすら感じました。

これからも楽しみにしています。がんばってください。
長文で失礼しました。
312 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/05(木) 00:40
更新、待ってます
313 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/08(日) 20:22
上に同じ。更新待ってます!
314 名前:なまっち 投稿日:2005/05/08(日) 23:59

>>311 305さん
 いえいえどういたしましてです。
 そこまで言って頂けますと、少しテレます(にがわら
 またまた読んで頂きましてありがとうございました。
 これからも、ヨロシクお願いいたします。

>>312 313 名無飼育さん、名無飼育さん
 スミマセンです。
 そうやって言って頂きますと、気合が入ります^^
 ありがとうございます。

 それでは…まず、昨日の私事を失礼いたします。

315 名前:なまっち 投稿日:2005/05/09(月) 00:00

梨華ちゃんの卒業式行ってまいりました…ってか、行けました(お父さんありがと)

とうとう卒業しちゃいましたね…(涙
今まで経験した中で会場は一番盛り上がってましたが…
めっちゃ泣いてしまいました…

寂しすぎます…

まだ考えられないです…
石川さんのいない娘。が…

コハルちゃんを紹介してる時、
最高に決まってる、リーダーの父ちゃんよっちゃんとサブリーダーの母ちゃん梨華ちゃんって感じだったのに…
とぉちゃんとかぁちゃんで娘。の5期6期7期のコドモたちを引っ張って欲しかったなぁ
靴下脱ぎっぱなしでしかる梨華かぁちゃん(ほんわか

今回ばっかしはつんくさんを恨んでますょ(にがわら

れぃなの贈る言葉で、れぃなが威勢よく「おめでとうございます」と言った後、
泣き出しちゃって、れぃなの近くに駆け寄って"れぃなぁ"って感じの石川さん、ょかったぁ(もぇ? 从*;´ヮ`;*)(*^▽^*)
まぁれぃなは順番を待ってる時から涙を随分と拭ってましたが…

でも、そういえば、飯田さんの時といい、矢口さんの八王子の時といい、弱いんですね…れぃな
(自分がれぃなのイメージを間違って認識してるだけなんでしょうね…)
「I WISH」」では石川さんより早く涙ぐんで、「大阪 恋の歌」では一人涙と格闘しながら歌ってましたし…
自分の記憶の中では歌で涙ぐんでいたのはれぃなと石川さんだけかな…

石川さんへの贈る言葉では、美貴さまが可愛かった(ぽゎ
それにあんな風に泣いちゃうなんて、想像してなかったなぁ

そういえば…「藤本美貴さま お仕置き きぼんぬ」…武道館の夜がものすごかったんで初めて分かりました(わら
それまで聞き取りにくかったんで(にがわら
ちょっと今自分の中でブーム(わら
めっちゃリピート再生されてる…

なるほど…だからみなさん"美貴さま"なのね

316 名前:なまっち 投稿日:2005/05/09(月) 00:02

はぁ…
ほんと寂しい…

やっぱり梨華ちゃんパートはコハルちゃんかなぁ
出来ればれぃなに…なぁんてのは勝手ですね…

ので…(?)
やっと本題です(毎回、私事に使って申し訳ないです

まだ自分の中だと石川さんは卒業していない(卒業出来ていない)ので、
前回の続き(一応ストックは大分できてはいるのですが…)ではなく、
前にちょっこと言ってましたアンリアルで中編を書きたいと思います。

わがまますみませんです(ごめんなさい

若干長めになるかもしれませんが、よろしくお願い致します。

それでは…

从*´ヮ`*)ノ<えい
\(*^▽^*)<えい
从*´ヮ`*)人(*^▽^*)<おー

从*´ヮ`*^▽^*)

317 名前:春の歌 投稿日:2005/05/09(月) 00:04




  『春の歌』



318 名前:春の歌 投稿日:2005/05/09(月) 00:05




  第1話。 田中れいな



319 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:06




 1 〜



320 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:06


 季節の変わり目。
 新しい生活が始まる節目。


 その直前のこの瞬間は、みんなのココロが高鳴り、新しい生活、新しい出会いにココロトキメクもの。
 色々な出会いにも。


 そして、別れもまた出会い。


 春。


 春のヌクモリが随分とヒトのキモチを緩めている今日。

 冬の間は背を縮め、肩を小さくし、手をポッケに入れ、小さく小さくなっているイキモノ。
 それなのに、この季節になると、とても心地よい気温と湿度に誰もが何に対しても開放的になってしまうのだろう。


 そう、この少女もまた。


321 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:07


"行けなくなったの…"


「はぁ?」

 思ってもいなかった言葉が聞えてきた事に、思わず大きな声がでてしまった少女。
 普段のきりっと大きな瞳がさらに凛々しく目の前の空間を睨み付ける。

 小さなカラダと、ほっそりとしたスタイルは、思春期の少女からは羨ましがられ、
 その活力に満ちた表情からは、とても活発な印象を人に与えそうだ。

 キレイに整った顔と、その落ち着いた振る舞いから、普段から大人びて見えるけど、一度表情が崩れ、笑顔が浮かぶと、
 歳相応というより、さらに幼く見えるくらいに無邪気な表情を浮かべる女のコ。
 カノジョの名前は、田中麗奈。

 中学生になると同時に東京に出てきた少女れいなは、強い西方独特の地元の言葉を発する事以外はごく普通の女子中学生だ。
 ただ、抜きん出たその美少女ぶりは、強く人目を奪うが。

 当然のごとくか、大きな声を挙げたことに周りの視線が少し痛くカノジョに刺さってきた。
 しかも、顔の美少女ぶりとは相反し、少々乱暴な口調。
 ハチ公くんの視線まで痛い。


322 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:07


 そんな自分を取り囲む状況に気が付くと、少し表情がコドモのように崩れる。
 そして、もともと小さな背中をさらに丸め、声もさらに小さくし、電話口から聞こえてくる相手に地元の言葉で怒りをぶつけた。


「どげんしたと?」
『ごめんね。
 さゅが熱出しちゃったみたぃ…
 一緒についてあげたぃノ…』


 れいなは大きくため息をついた。
 
 耳元に聞こえてきたシンユウの申し訳なさそうな声。
 理由が理由だけに、何も言えない。

 カノジョのクラスメートであり、シンユウでもあるえりとさゆ。

 さらにえりとさゆは幼馴染で、いつでも一緒、本当の姉妹のように仲がいい2人。
 生まれた頃から一緒に育ってきただけに、今でもときどき一緒にお風呂に入るってくらいに仲がイイ2人。


 今日ばっかりは仕方なかぁ


323 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:10


 そう割り切るも…
 
 せっかく昨日れいなとさゆが無事に中学の卒業式を終え、同じクラスメートとしてのさゆとれいな、
 そして、れいなにとってさゆ繋がりのシンユウの1つ上の高校1年生のえり、
 出会ってから3年間一緒に楽しんできた3人。

 随分と前から、春休みに入ったその日に渋谷に遊びに行こうって話になっていて、
 れいなとしては楽しみにしていただけに、これから始まる春休みの出鼻をくじかれたカタチになり、
 すごく残念なキモチでいっぱいになる。
 せっかく、卒業のお祝いにおばあちゃんからたくさんお小遣いを貰ってたのに。

 小春日和がとてもキモチよく感じられたのに、半減してしまった。
 もう一度大きくため息をつくと、ここにいても仕方がないとばかりに、足を駅の方に進め始めたれいな。

 ストレートミディアムの柔らかい髪質。
 左でアップにさせた髪の毛が少しカワイク跳ねる。


「しかたなかとね…」
『ホントごめんネ』
「ぅん。さゅは大丈夫?」
『ぅ〜ん…38度くらいの熱があって、咳が少し出てるくらいかなぁ』


324 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:10

 それを聞き、さゆの容態も気になるも、今も一緒にいるように思える2人が、羨ましく感じられるれいな。

 駅構内に入るところ、自分の横をすれ違う、少女の集団。
 これから渋谷の街で楽しむことが明らかにわかり、さらに寂しさが襲ってくる。

「れぃなも行こっか?」
『ん?うつっちゃったら悪いから…ぃーょ』

 少し凹まされる。


 2人の邪魔をするなってことけんょぉ


 立ち止まると、渋谷の改札口に向けられていたカラダの向きを変えた。


"邪魔"


 "邪魔"っていっても、れいながハブられているというわけではなく、
 たださゆとえりの2人が、2人だけで恋人同士のようにマッタリと時間を過ごしたいという事だと
 理解している。

325 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:11


 カノジョがそう思うのは、一応それなにの理由があった。

 いつだったか、さゆの家に行こうとして電話したら、さゆのお母さんからえりの家に行ったって事を聞き、
 えりに何も連絡を入れずに、突然遊びに行ったことがあった。

 驚かせようとして2人が一緒にいた部屋にいきなり入ったら、さゆがえりを膝枕していたのだ。
 ただ、それだけならまだ別に何とも思わなかったのだけど、
 見られたときの2人のリアクションがやたらとアヤシかった。

 慌てたようにさゆがえりを起こすと、えりは第3ボタンまで外れたブラウスの前をぎゅっと握り、
 さゆは大きく捲れたミニスカートの裾を慌てて下ろしたのだ。

 そして、"ぃ、いつきたの?"って聞えてきたえりの口調からは、明らかに動揺の色が見えていた。
 
 それ以来、一緒にお風呂に入っているって聞いていた日常の事でさえ、アヤシク聞えてしまうれいなだった。
 そう、同じ年齢のれいなだから、今の年齢のコがどんなコトに興味を持つかくらい簡単に分かる。

 一緒にお風呂に入ったら、当然相手の色々なトコに興味を持つのは普通。


 アンナコトやコンナコトやイケナイコトや…


326 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:12

 でも、それ以上に、単に寂しさも感じていた。

 寂しさというのは、やはりシンユウと思っている2人から、カンケイを聞いていないから…


 そりゃこっちが聞かんから言わんだけかもしれんけどさっ
 そげん隠さんでもぇぇと

 ぁ〜ぁ


 別に、れいなにとってそんなアヤシイカンケイはケイベツの目で見たりはしない。
 それ以上に、シンユウの2人から何も聞いていない方が寂しいだけである。

 いつしかれいなの目に入ってきたオーロラビジョンでは、ファッション誌の紹介がされていた。
 
 ホントなら今頃3人一緒にショッピングを楽しんでいるのに…

 そう思うと、寝込んでいるさゆには悪いけど、余計に2人が羨ましく感じられてきた。
 
 スクランブル交差点の赤信号が目の前の入り、立ち止まる。 

327 名前: 1 〜 投稿日:2005/05/09(月) 00:12

「じゃ、またさゅが治ったら遊ぶとょね」

『んん…ホントごめんネ?』
「ぃぃょぃぃょ」

『じゃじゃさゅが治ったら連絡するネ』
「んー、わーったょ」

 携帯を切ると、大きく今日三度目のため息を吐き出した。
 それと同時に交差点の信号が切り替わり、足を進める。


 仕方なか…
 今日はとことんれぃなの趣味で行くっちゃ…


 目の前の109の2号館の入り口はそのまま素通りすると、北へ、ずっと原宿の方に歩き始めた。


328 名前:なまっち 投稿日:2005/05/09(月) 00:15

って事で『1〜』は終了しました。
題名の『春の歌』は完全にパクリですね(にがわら
でも、個人的には『春』にしたかったのですが、
やっぱりスキなんで、単純に…と歌詞も近くなるので
『春の歌』にしちゃってます。

これから少しの間更新は早目で行きますので、ヨロシクお願いいたします。


329 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/09(月) 00:57
ワ〜イ、更新されてる
エロ、期待してます
330 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/09(月) 07:07
更新お疲れさまです。 今後に期待を膨らまします。 次回更新待ってます。
331 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/09(月) 21:27
大乱舞して喜んでます。
次回も頑張ってくださいね。
332 名前:なまっち 投稿日:2005/05/10(火) 22:53

レスありがとうございます。
元気になりますね^^

一週遅れのハロモニ。でもう見れないと思ってた从*´ヮ`*^▽^)ツーショトが
見れてシアワセになれましたし(ほんわか
って言っても、某同人誌さまのサイトにて書かれていた激もぇもぇ田石絵にて、
あるかもって妄想…ぃぇぃぇ、想像はしてましたが(あせ

ぁぁ…シャッフルに期待从*´ヮ`*^▽^)

>>329 名無飼育さん
 レスありがとうございます。
 えろ…ぇぇぇっと…しばらくはちょっとご期待に添えられないと思います…(すみません
 でも、頑張ります(きあい
 これからもヨロシクお願いいします。

>>330 通りすがりの者さん
 ありがとうございます。
 期待に添えられますように、頑張ります(ょしっ
 内容はわかりませんが、更新だけは二日に一回で行きます(だんげん?
 これからもヨロシクお願いいたします。

>>331 名無飼育さん
 ありがとうございます。
 そこまで喜んでいただけますなんて(てれ
 ますます気合いが入りますし、凹んだキモチが減ります^^
 これからもヨロシクお願いいたしますね。

って事でいきます。
333 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:55




 2 〜




334 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:56

 自分のお気に入りのアイドルの、発売したばかりのCDを手に、満足感でいっぱいなれいな。
 さっきまでの凹んだ気持ちが、少し和らいでくれた。


 さて、次は…
 

「ぁのー」
「…?」

 足取りも軽いそんなカノジョが突然声を掛けられたのは、タワーレコードを出て数分も歩いた頃だった。

 いつもの"アレ"だなと一瞬で気付くと、そのまま無視をし、足を速める。

 ここ渋谷で声を掛けられるのは日常茶飯事。
 大抵、ナンパかスカウト。

 渋谷に1度遊びにくると、最低5〜6人には声を掛けられる。
 多い時には二桁いく時もあるくらいだ。

 初めの頃は、少し立ち止まり愛想笑いで話をしたり、軽く笑顔で会釈をして逃げたりしてかわしていたが、
 慣れてて来るとただ鬱陶しいだけ。
 足早に、急いでいるとばかりに駆ける。

335 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:56

「ごめんなさぃ…」

 まだ付いてくる声。


 あれ…?
 そういえば…


 と、気付いたれいな。

 駅前ならまだしも、ここで声を掛けられる事は滅多になかった。

 さらに、普段聞えてくる声は、野太い声、さわやかな声なのに、
 そんな声とは明らかに違う声は、女性のそれだった。
 少し鼻に掛かるハスキーヴォイス。

 女性と気付くと、れいな自身を完璧に覆っていた鎧が、軽く緩む。
 そして、足のスピードも緩めた。

「あっ…止まってくれた」

 実際には止まってはいないのだが、なんとも嬉しそうに声をあげた女性は、
 れいなの前に回りこむと、笑顔を見せる。
 カノジョの顔を少し覗き込み、しっかり見ると、"うわぁ、やっぱちょぅ可愛いヮ"と思わず声が零れ、
 "ちょっといいですか?"とばかりに、道のど真ん中にいたれいなの肩をかるく押すようにして、
 端に寄せた。

336 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:57

 ブラウンのカジュアル系ストレートミディアムヘアーが似合い、とてもキレイな顔立ち。
 一見見ると美少女系だが、意外とボーイッシュで、ある意味美少年系って言ってもいい女性が、
 満面の笑みを浮かべ立っていた。

 スレンダーなスタイルは、カジュアルなパンツルック系がとてもカッコよく似合いそうだが、
 ミニのスカート系をはいても服装に負けないくらいにスラッとしたスタイルをしてカワイク見えそうだ。

 いわゆる、最近流行りのカッコカヮイイ系ってやつだ。

 後輩には慕われ、年上からは可愛がられ、同級生からはモテるれいなでさえ、少し見惚れてしまう女性。
 容姿以外、さばさばしたざっくばらん的な仕草からも、年下の女のコからは、
 カッコイイ"お姉さま"感覚でかなり慕われていることが容易に想像できそうだ。

 れいなの中、少し残っていた鎧という壁が完全に外れてしまった。

「まじ可愛いぃヮ」
「ぇ?」

「ぃゃぃゃ、ょかったょかった」

 どうして声を掛けられたのか分からないカノジョが、不思議そうな表情をして見つめると、
 声を掛けてきたお姉さんは、"今ちょっと撮影中なんですょ"と申し訳なさそうに口を開いた。
 そして、視線を自分の手元に落とし、少し"何か"をアピール。

337 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:57


「ぇっ…?」


 れいながつられてお姉さんの手元を見ると、ハンディカムカメラが下から自分に向けられていた。

 さっき外れた鎧がもう一度覆いはじめる。


 もしかして、えっちでヤバイやつ…?


 れいなの頭の中に、その考えが浮かぶと、少し身構える。
 ただ、そのまま"ごめんなさい"って言って、逃げてもよかったのだが、目の前の、
 あまりにもカッコカヮイイお姉さんに興味を覚えていたれいな。
 恐る恐る口を開く。

「なんですか…?」
「ちょっと撮影をしてて…」
「はぃ…」

 少し沈黙。
 "早く言ってよ"とばかりにクチビルを突き出したれいなは、"むぅ"っと少しカラダを揺する。
 そんなカノジョのコドモらしい仕草に、お姉さんは一瞬"あれっ"といった表情を浮かべるも、
 れいなの美少女ぶりが随分と気に入っているみたいだ。

338 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:58

「ま、待ってね」

 とにかく逃げないように祈っているようにも見える。

「内容なんですが…」
「はぁ…?」

「ぁのぉ…キレイなお姉さんとかに…興味あります?」

 ヤバイ事でも言われないのかと、そわそわしていたれいなだったが、聞えてきた内容に、一瞬唖然となる。
 ある意味、"ヤバイ事"なのだが、自分が思っていた事じゃなかったのが、
 逆にカノジョの鎧をもう一度崩し始めた。

「キレイな…おねぇさん…?」
「そ、なんですょ」

 満面の笑みのお姉さんは、営業スマイルとばかりに、れいなを見つめていた。
 期待を込めた瞳で…


 ぅ〜ん
 なーるほどぉソッチ系?


339 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:58

「キレイなお姉さんと、ちょこっと"ちゅぅ"なぁ〜んってコトを…」

 れいながちょうど気付いたそのとき、本当の撮影の理由がお姉さんの口から聞えてきた。


 キレイなお姉さんとキスさせるとょね…


 こんな事はれいなにとって初めてだった。
 これまではただただナンパか、芸能界への誘いとか、えっちなビデオへの誘いとか…

 まぁ、ある意味"これ"も"それ"だったが、れいなの考え方は、女のヒトとキスをするだけなら、
 ホントのキケンなビデオではないっていう考え方だった。

 それに、さゆとえりとのコトもあったから、100%イヤっていうのはなかった。
 むしろ、ホントにれいなのタイプのお姉さんとだったら、興味があるといってもよかった。

 事実、カノジョも街中でキレイなお姉さんに時々目を奪われたり、
 テレビの中の"世界"で活躍している、いわゆるアイドルという女のコたちにも、興味があるくらいだから。
 まさに今もハマッてるアイドルがいるし。
 また、れいな自身もアイドルに負けず劣らず的な容姿をしていることから、
 "れぃなの外見からは想像できないね"と、友達から言われたこともある。

340 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:59

 ま、それは関係ないにしても、頭の芯から"ソレ"に対して否定を持っているわけではなかった。


 キスくらいなら…


「会ってみてヤだったら帰ってもらってもいいんで…」
「ん〜ん…」


 キレイなお姉さんかぁ


 れいなの中では、それほど拒絶の方向にいっていないのが、さっきからじっと考え込んでいるれいなを見て、
 お姉さんの方は、少し心配をし始めたみたいだ。

 そわそわし、どうしても逃げて欲しくないって願いが、顔に滲み出ているくらいに。

「キミのタイプのお姉さんを探すし…
 もちろん顔を隠すし、それに…これだけ出すよ…」

341 名前:2 〜 投稿日:2005/05/10(火) 22:59

 そう言うと、お姉さんは3本ほど指を立てた。

 一瞬意味が分からず呆気に取られたれいなだったが、
 理解をするとさらに落ち着いた考えができるようになっていた。
 完全に相手より立場が上になっている事からも。

「万のくらいだけど
 ホントはまだいけないんだけど、キミがちょぉカワイイから…」


 そっか…
 お姉さんも困っとるけんし…

 じゃいっかな…


「じゃぁ…好みのおねぇさんじゃなかったら拒否ってもいいですか?」
「うんっもちろんっ」

 れいなの言葉に、ほっとしたような笑顔を浮かべたお姉さん。
 とても無邪気な笑顔を浮かべるこのお姉さんが、
 こんな仕事をしているというギャップが、少し奇妙にうつったれいなだった。



342 名前:なまっち 投稿日:2005/05/10(火) 23:07

今回のお話に近いビデオさんはたぶんホントにあると思いますょ(?
友達がホントに声を掛けられて、ちょっとネタとして参考に…(もちろんすぐ逃げてます

あっ…ホントに知っておられる方、あまり突っ込まないでくださいね(にがわら

それでは失礼します。

343 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/11(水) 07:15
更新お疲れさまです。 ・・・( ̄□ ̄;) 少し続きが気になってます。 次回更新待ってます。
344 名前:なまっち 投稿日:2005/05/12(木) 22:56
>> 343 通りすがりの者さん
 レスありがとうございます。
 もしや…知っておら(もごもご
 もっと続きが気になってもらえますように頑張りますんで、
 これからもよろしくお願いします。

345 名前:3 〜 投稿日:2005/05/12(木) 22:57




 3 〜



346 名前:3 〜 投稿日:2005/05/12(木) 22:58

 一緒に北の方に歩きながら、簡単な説明を受けたれいな。

 少し北に行ったトコにある代々木体育館の奥の駐車場の中に、
 撮影用のキャンピングカーを置いてあって、その中で撮影をするそうだ。
 
 撮影はキスだけ。
 それ以上は絶対に"なし"なので、安心して欲しいって事も言われ、随分と信頼できそうなお姉さんに、
 カノジョ自身もココロを覆っているものが緩んできていた。
 あと、スタッフは3人だけど、その現場には自分だけが入って、これからの撮影も自分だけで行うらしい。
 さらに、男性は1人もいないという事も付け加えられ、少し安心感も生まれる。

 お姉さんは、よくこのあたりで撮影の為に素人さんをスカウトしているそうで、
 仕事の中身を考えずに自分の好みで声を掛け、いつもセンパイに怒られたりもしているって話には、
 れいな自身笑顔が浮かんでいた。

 さらに、ナンパに関して、結構高い勝率を挙げているって話には、納得の表情も浮かべてしまった。

 
 これだけカッコイイ人やけんね…


347 名前:3 〜 投稿日:2005/05/12(木) 22:59

 ここまで少しだけ話し、受けた印象だけでも随分とステキな人に思えてきたれいなは、
 少し疑問に思うことが一つ。
 それは、どうして、こんな仕事をしているのか、という事。
 何か深い事情があるのか、それともこのお姉さん自身がただ単に女のコがスキなだけなのか。


 こげん仕事をしとるだけでも、少し印象が悪く見えんのに…


 そんな事を思っていたれいなの左手に、代々木体育館が見えてきた。
 春の日差しに銀色の壁面が反射し、眩しさのあまり一瞬目を逸らしてしまいそうになったれいな。
 今にもセミの鳴き声が聞えてきそうな錯覚を覚える。

 そういえば、フト思うれいな。
 れいな自身、ここには一度だけ来たことがあった。
 自分の大スキなアイドルのコンサートで来たことがあるだけだが。

 外観からは想像出来ないくらいに古い内部がやたらとれいなの中、印象に残っていた。


「ぁ…そだそだ。」


 お姉さんの言葉に、銀色の壁から視線を戻す。


348 名前:3 〜 投稿日:2005/05/12(木) 22:59


「どんな人と"ちゅぅ"したぃ?」
「ぇ?」


 突然の質問に、カッとほっぺが高潮するれいな。
 少し目が泳ぐと、お姉さんが"そんなにマジメに取らなくてぃぃょ"と笑顔を浮かべ、
 ぽんぽんとれいなの頭を撫ぜてきた。


 む…


 そんなお姉さんの仕草に、コドモ扱いをされたと感じたれいなが、ぽっぺを膨らます。
 すると、お姉さんは"かぁぃぃね"とまたまたコドモ扱い。


「カワィィ系?カッコィィ系?キレィ系?」


 指を立てながら数えると、他にもないかなと宙に視線を向けるお姉さんに、れいなは少し考える。

 れいな自身の好みとすれば、キレイ系だけど、
 少しカワイイ系が混じっている方がどっちかといえばタイプとなる。
 さゆやえりは外見からみるとカワイイ系だが、どちらかといえばもうちょっとキレイ系になった方が、
 れいなとしてはスキだった。

349 名前:3 〜 投稿日:2005/05/12(木) 23:00


「ん…カヮキレィ系…?」
「ぉ…」


 れいなの言葉に、お姉さんが頷くと、"ちょうど、ぃぃコがぃるんだょね"と携帯を取り出した。

 さっき聞いた話によると、もうすでに数人キープはしているとの事だから、
 その中の誰かかに連絡をいれているのだろうか。
 一言二言話すと、すぐに携帯を切った。
 そして、また何かを思い出したのか、"そぅそぅ"とばかりに、れいなの方に視線をむける。


「名前は…何…かな?…」
「れ…」

 一瞬言葉に詰まる。


 本名を教えていいのか…


 少し悩んだれいなに、笑顔を見せたお姉さん。

「本名を聞きたかったんだけどなぁ」
「…本名かぁ」

350 名前:3 〜 投稿日:2005/05/12(木) 23:01

「ぅん
 とりあえず、撮影の時にも聞くから、そのときは当然本名なんていらないけど…
 さっきミキが聞いたのは、"プライベートで"ってヤツだょ」


 "ミキ"


 自然と出た名前は、お姉さんが自分自身を呼ぶ時のものだろう。
 たぶん本名だろう。

 れいな自身も、自分の事を呼ぶときは名前をそのまま呼んだりしている。
 それは、シンユウのえりとさゆも同じで、いつの間にかカノジョ自身がうつっていたものなのか、
 カノジョがうつしたものなのか、はたまたテレビの中の"世界"にいるれいなの大スキなアイドルの癖が
 自然と出ているのか…

 今となっては分からなくなっていた。

 れいなは、お姉さんが本名で呼んでいたから、
 自分もとりあえずプライベートで聞いたきたお姉さんに本名を名乗ることにした。

351 名前:3 〜 投稿日:2005/05/12(木) 23:02

「麗奈」
「れぃな?」
「はぃ」

 もう一度れいなの名前を口ずさむと、お姉さんがキレイな笑顔を浮かべた。

「カワィィ名前だね」

 余りにもキレイな笑顔、れいな自身の顔が赤くなるのが明らかに分かり、思わず顔を逸らし、ため息。
 これまで普通の中学生だったカノジョの中の"世界"だと、自分と関わりを持ってきた大人は、
 せいぜい先生だった。
 それも若い先生ではなく、ある程度年齢のいった先生。

 これほど若くてキレイで、カッコいいオトナの女の人とは話したことがなかったため、
 何にかけても不思議な昂揚感がれいなの中を渦巻いていた。

 そう、耳に届いている木のザワメキが、まるでカノジョのココロの中のように揺れていた。
 そしてこれからの期待感にも…


352 名前:なまっち 投稿日:2005/05/12(木) 23:04

更新終了。

ちょこっとづつですが…(にがわら
ちょこっとなので、明日も更新したいです

それでは失礼します。

353 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/13(金) 00:13
この小説、なんかワクワクするね〜
354 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/13(金) 16:17
何やら心配してるのは、私だけかなぁ?(笑)
ミキティに誘われたこの仕事…怪しいような…
次回も楽しみにしてます
355 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/13(金) 20:02
更新お疲れさまです。 知ってるような知らないy(ry さっきの表情は何分人間が出来てなくて、ぶっちゃけて言うとそんな関k(ry と、とにかく作者様、頑張ってください。 次回更新待ってます。
356 名前:なまっち 投稿日:2005/05/14(土) 01:18

>> 353 名無飼育さん
 まじですかっ?
 ありがとうございます。
 自分の中では心配していたので(ほっ
 次回もヨロシクお願いいたします。

>>354 名無飼育さん
 ぎくっ(あせ
 ぃぇぃぇ…そんなことありませんょ(はは…(あせ
 『春の歌』では第1話だけじゃなくって、先のことも想像していただけますように心がけてます(はぃ
 っていっても、実はなぁーんにも考えてなかったりして…
 ぃぇぃぇ。これからもヨロシクお願いします^^ 

>>355 通りすがりの者さん
 ありがとうございます。
 なるほど…(ほぉ…
 って、自分も人間が出来てなくて、
 前のお話では大好きな石川さんをろりこんにしたあげく、
 あんなことやこんなことや…
 こんな作者ですが、これからもヨロシクお願いします。

357 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:19




 4 〜



358 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:20

 左手に見える大きな代々木体育館を通り過ぎると、
 キャンピングカーのようなバンが止まっているのがれいなの目に入ってきた。
 窓には銀色に反射するフィルムが張られていて、真っ黒に覆われているよりかは、
 不思議とオシャレに見えてしまい、可笑しく感じてしまったれいな。


 中やとヤバィことやっとぉのに…


 "ぁれだょ"と言い、こっちを見たお姉さんに、頷く。

 白い大きなバン。
 まるでれいなが毎日通学に使っている都内を走る低い床のバスくらいに大きなその中には、
 トイレやシャワー室など一式完備されているそうだ。
 売られていたキャンピングカーを買い、少し撮影用に改造したものらしい。

 お姉さんはそれだけ話すと、"もう一度まわし始めるね"と言い、再びカメラをれいなの方に向けた。


 少し強張るホホ。


359 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:20

 そして、隣のお姉さんとの距離にも緊張感を覚えた。

 お姉さんとはさっきまでとほとんど変わらない距離で歩いているのだけど、
 やっぱりこれから起こるコトを想像すると、
 これまで感じた事がないくらいの、緊張感に襲われるのだろう。


 たとえ"一回きり"の出会いの相手の人とはいえ…


 思い返してみれば、れいな自身、これまで他人と普通に口にキスすらしたことがなかったのだ。
 女のコなら、親愛の情みたいなもので、プリクラを撮ったりする時などは、
 キスくらいしてもおかしくなかったのだが、マネならまだしも、実際には恥ずかしくてした事がなかった。


 それなのに、いきなりディープキス。


 "よくこぎゃんコトまで思い切った事ができるもやね"としみじみ感じていたれいな、
 いつの間にかバスの中にまで通されていた。

360 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:20

 白基調の、柔らかい部屋の中。
 ソファーがおかれ、その前にはすでに脚立に置かれたカメラもセットされていた。

「そこに座っててくれる?」

 お姉さんはそう言うと"ちょっと待ってて、呼んでくるから"と、奥の部屋へと入っていった。

 れいなは、周りをきょろきょろ見回しながらも、腰を掛ける。
 ぐっと沈むソファに、バランスを取ろうと、思わず力を入れた。

 しっかりと座れると、改めて、ソファの柔らかさを感じようと、腰をぐっと沈め、
 さっきの続きとばかりに、視線を漂わせた。

 すると、真っ先目に入ってきたのは、左奥に見えるベッドと、大量に置かれた替えのシーツ。


 思わず顔が赤くなる。
 

 そこまではイかないとは分かっていても、やっぱり想像してしまう。

361 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:21

 視線を右手に移すと、今度は冷蔵庫や電子レンジが見え、そこはキッチンのように感じられた。
 さらに入り口の近くにはドアが2つあり、おそらくそこがトイレとシャワー室なのだろう。
  
「へぇ…」

 このまま生活できそうな車に、れいなから自然と感嘆のため息が零れていた。
 

 こんな車もあるとょね…


 唸るれいなの左手側、カチャというノブが擦れる音と共に、再びお姉さんが入ってきた。
 そして、その後ろから付いてくる女のコ。
 
 いや、もう女性と言ってもいいくらいだ。
 ミキと名乗ったお姉さんと同じくらいの年齢の人。

 その人の顔をしっかりと視界に捕らえると、一瞬息をのむれいな。
 瞳が一層揺れた。

 そのまま自然と、入ってきた女性のキレイでとっても優しげな温かい瞳に吸い込まれていった。

362 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:21

 現在の一般的な女性に多い、色の入った髪の色より黒に近い艶やかなストレートミディアムヘアー。
 両サイドに下ろされた、さらさらの髪の毛が揺れている。

 そして、まだまだ成熟していないれいなのほっそりとした子供っぽさの残った体型とは対称的に、
 女性的な凹凸がはっきり存在する、同性が見ても羨むようなステキなスタイルをしている。
 ノースリーブと少し短めのスカートから覗く、まるで人に見せつけるかのように存在する腕と足は、
 健康的な褐色であり、活発さと、運動神経の良さが伺われるが、
 対称的にお嬢様的な上品な顔立ちをしている美少女だ。
 また、"キレイな美女"というよりかは、若干"カワイイ女のコ"と言った方がぴったりである。

 1つ1つのパーツが整っている顔の中でも、常に笑顔を絶やさないのか、とても優しげな目が印象的である。

 まさにれいながさっき言ってた通りのタイプの女の人の登場、いや、れいなの理想の女性の登場に、
 れいなはただただほっぺを赤く染め、女の人を見つめる事しかできなかった。


"惚れた"


 上手な言葉は浮かばないが、シンプルな一言は"それ"。
 それ以外の言葉では、言い表せないが、れいなにとってその言葉だけで十分に感じられた。

363 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:22

 すると、れいなと視線をあわせた女の人が笑顔を一つみせる。

 それに、さらに表情が変わるれいな。
 さっきまでのキレイな人っていう印象から、カワイイ少女といってもイイくらいの笑顔、
 恥ずかしさのあまり思わず視線を外してしまった。

 これだけキレイな人をれいなはテレビの中でしか見たことがなかった。


 ぁりえん…


 そう感じたれいなは、カメラの準備をしていたミキのお姉さんに思わず呟いていた。


「…プロの人…ですか?…」


 吹き出す2人のお姉さん。

364 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:23

 ミキのお姉さんは"素人さんだょ"と笑うと、"タイプ?"と逆に聞き返してきた。
 こくこくと頷くれいな。


「ょかった」


 準備をしつつ、"座って"と軽くれいなのタイプのお姉さんに手で合図する。

 れいなのタイプのお姉さんが"じゃぁ…"とれいなのそばに寄ると、れいなの鼻孔を甘いカオリがついてきた。
 そして、すらっとした生めかしい健康的な足が目の前にくる。
 視線を逸らさないと、って思うれいなだったが、それさえ出来なかった。

 スカートの裾を上手に押さえながら、上品に座る仕草も、まさに顔立ちにぴったり。
 全てに見惚れてると、クッションが沈むのを感じた。

 すぐ真横の、肩が接触しそうなくらいの距離感に、れいなの胸の中、
 激しく高鳴っているのが明らかにわかった。

365 名前:4 〜 投稿日:2005/05/14(土) 01:26


 お姉さんに気付かれんかな?


 れいながそう思うのも無理はないくらいに、心臓が高鳴っていた。

「タイプって言ってくれて、ぁりがと」
「ぁ…」

 初めて聞くお姉さんの声。
 そのお姉さんから聞こえてきた声は、まさに女のコといってもイイくらいにカワイイ声だった。


 まるでテレビの"世界"のヒト。 


 さらにほっぺが赤く染まると、ミキのお姉さんには"ミキとは対応が全然違うじゃん"と呆れられ、
 隣のお姉さんには、くすくすと笑われてしまったれいな。

 そんな2人のお姉さんに、さっきまでの赤みとは別の赤みがれいなのほっぺを染めていた。


366 名前:なまっち 投稿日:2005/05/14(土) 01:28

更新終了です。

相変わらずじわじわと進んでおります…

それでは失礼します。

367 名前:名無しさん 投稿日:2005/05/14(土) 21:19
キレイなお姉さんって・・・?ミキさん、かっこいいです(>_<)!
368 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/15(日) 23:32
更新お疲れさまです。 うぁっ( ̄□ ̄;) なんか凄くこっちが照れてしまいます。 田中チャンもそんな(ry (自分いつもこんなんですね。) 次回更新待ってます。
369 名前:なまっち 投稿日:2005/05/16(月) 01:09
>>367 名無しさん
 みきさんは確実にかっこいいです(きっぱり
 生で見たときまっさきにカワイイってよりカッコイイって感想でしたもん(ぅん
 キレイなお姉さんって…頑張って色々と書いてみたのですが…
 もうちょっと分かりやすいように書かなきゃいけないですね…(はんせい
 これからもヨロシクお願いします。

>>368 通りすがりの者さん
 ありがとうございます。
 ぃぇぃぇ自分もそんなんなんで(にがわら
 それでは、毎度のことながら、少しですが(にがわら
 これからもヨロシクお願いします。

370 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:09




 5 〜



371 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:10

「じゃぁ名前から…」

 準備が終わると早速とばかりにミキのお姉さんがれいなにふってきた。


「ぇ…?」


 準備の間も隣のお姉さんとまともに話せないくらい緊張して、俯いてばっかりだったれいなは、
 当然のごとく何も考えていなかたため、目を泳がせていた。
 そんなれいなの様子にミキのお姉さんは、"始めちゃってるから"と笑顔を浮かべる。

 そして、"もぅ一回ね"とまるで自分が悪いかのように、顔の前で謝るそぶりをした。
 さすがに自分が悪いと感じたれいなも自然と言葉が出る。


「すみません」


 謝るれいなに二人のお姉さんが"ぃぃょぃぃょ"と手を振ると、ミキのお姉さんが"始めるね"と、
 再びれいなに名前を聞いてきた。

372 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:10


 名前…


 少し考えるれいなだが、いざとなると何も浮かんでこない。
 浮かんでくる名前といえば、ただただ"えり"と"さゆ"の名前だけ。
 こんな時に自分のボキャブラリーのなさが疎ましく思えてしまう。

「ぇり…です」


 "ごめんぇり"とココロの中で謝る。


「ぇりちゃんね。かわぃぃ名前だね」
「はぁ…ぁりがとうございます…」

 さっき名前をカワィィと言ってくれた時とは違い、少し事務的なニュアンスで言葉を発したミキのお姉さんは、
 今度はれいなの隣のお姉さんに名前を聞く。

 思わず身を乗り出して名前を聞いてしまいそうになったれいなだったが、
 考えてみれば本名を名乗る訳がないと気づき、少し凹む。

373 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:11


「マキです」


 ところが、その名前を聞いた瞬間、思わず隣のお姉さんを見つめいてしまっていた。
 

 運命…


 れいなの中でそんな言葉が浮かぶ。

 ただ、そうはいっても、その名前に過去、何か運命を左右するような特別な出来事があった訳ではない。
 単純に、れいなが大スキで憧れているアイドルと同じ名前だっただけである。
 それでもれいなにとって、ほとんど一目惚れに近いくらいにステキな隣の人。

 運命を感じてしまっていた。

「じゃ、今度は年齢も教えてくれる。」
「ぇ?」

 考え込んでいたれいなはもう一度聞き返す。

374 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:12

「年齢教えてくれる?」
「ぁ…15です。」
「えっ?」

 その瞬間、部屋の中が凍り付いたかのような雰囲気に覆われた。
 当然、それは二人のお姉さん。
 相反して、れいなだけはその空間にも気付かず、また俯き、何かを考え込んでしまった。


 そして数秒続く沈黙。


 そこでやっと場の空気に気付くれいな。
 不思議そうな表情になる。


 どうしてこぎゃん空気に…


 お姉さんを交互に見つめていると、ミキのお姉さんが"マジかぁ"と頭を掻くと、俯いてしまった。

「ホントに中学生だなんて…」

375 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:12

 そこでやっとれいなは気付いた。
 単純に歳を言ってしまったからだ。
 考えてみれば、確実に犯罪。


 ちゃんと考えて年齢をいっとけば…


「どうするの…?」

 マキと名乗ったお姉さんが不安げな表情を浮かべ、ミキのお姉さんに言葉を掛ける。
 その瞬間、れいなを少し不思議な淋しさが襲ってきた。

 れいな自身少し意味は分からなかったが、単純に今のキモチを言葉で表すと、壁?

 年齢の壁。

 マキのお姉さんの口調から、れいなの年齢になると対象年齢から外れてしまっているように、
 感じてしまったのだ。


 このまま"さようなら"…かな…?

376 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:13

 いつの間にか、マキのお姉さんと口づけをしたいと願っていたれいなにとって、
 今の空気は"寂しさ"以外何者でもなかった。
 マキのお姉さんの言葉に、じっと考え込んでいるミキのお姉さん。


 ウソ言わんと…


「ぃぃ?」
「わたしは…別に…構わないょ」

 その言葉が隣から聞こえ、少しココロに光が差し込んだキモチになったれいなは、
 慌てて顔を上げると"ホントは18なんですょ"と笑顔を浮かべる。

 れいなの笑顔に、2人のお姉さんは吹き出すと、顔を見合わせて"仕方がないね…"とばかりに、
 笑顔で了解を出した。

377 名前:5 〜 投稿日:2005/05/16(月) 01:13

「ま、ミキ的にはキミは大歓迎だから、ょかったょ」

 そう肩を竦めると、再び"気を取り直して"とれいなに年齢を聞いてきた。
 今度はしっかり"18歳"と答えると、お姉さんの答えに聞き耳を立てた。

「ハタチです」


 5歳…
 

 れいなの頭の中に浮かんだ数字。
 2人の年齢の差だ。

 れいなにとってハタチという年齢は想像の出来ない年齢である。
 そして、ハタチ以上は何歳でも同じ人に見えてしまうくらい大人の年齢。

 この人はその年齢。

 距離間をすごく感じてしまった。

378 名前:なまっち 投稿日:2005/05/16(月) 01:14

更新終了です。

じわじわと…

それではまたヨロシクお願いします。

379 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/16(月) 09:29
れいな、キャワイイ!
次回も楽しみにしてます(次回、エロかなぁ?笑)
380 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/17(火) 18:20
更新お疲れさまです。 やっぱグッときますね。 でも壁があればあるほどやりがいがあると言うものです。(ワケワカラン 次回更新待ってます。
381 名前:なまっち 投稿日:2005/05/17(火) 23:27
>>379 名無飼育さん
 れすありがとうございます。
 れぃなはきゃわぃぃです从*´ヮ`)
 えろ…えろ…えろ…えろ…
 さて、どうなるのでしょうか…从*´ヮ`*^▽^*)…かな…?

>>380 通りすがりの者さん
 ありがとうございます。
 そう言っていただけますと嬉しいです^^
 壁…ぃぇぃぇ確かに壁は高い方がぃぃもんですょね…
 高すぎると挫…(そんなことはありません
 ょし、挫折しないように頑張ります(あらためてきあい
382 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:28




 6 〜



383 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:28

 名前、年齢を聞かれた後に、女の人とのキスの経験などを聞かれたれいなだったが、
 自分のことよりも隣のお姉さんの答えの方が気になって仕方がなかった。

 当然"ない"れいな。
 少し雑に答えては、隣のお姉さんの答えに聞き耳を立てる事の繰り返し。

 そんなれいなの耳に届いてきた答え。

 ホントの答えなのかどうかも分からなかったが、お姉さんの答えは"キスなら"したことがあるそうだ。
 それも"お酒の席"とのこと。

 べろべろに酔ってしまった友達に、強引に熱いクチヅケを受けてしまったとのコト。

 ある意味プリクラを撮る時にした"ちゅう"くらいに普通のことなのかもしれないけど、
 たった"それ"だけなのに、れいなの小さな胸に鋭く痛みが走ってしまっていた。


 ャだ…


 お姉さんが女の人とキスをしている姿を思い浮かべるだけで。

384 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:29

 そして、"それ以上"は"ない"との答えには、少し安心感をも覚えてしまっていた。
 
 だが、次の瞬間には、そんな自分に少し呆れそうにもなってしまったれいな。

 "今日だけ"の出会いであるお姉さんの事に対して、これだけ一喜一憂させてしまっている自分のココロの中。
 それが不思議であり、奇妙でもあり、考えてみれば、どこか自然でもあった。
 このお姉さんとの出会いが…運命のように感じてきていたれいなにとって。

 ところが、次にココロの中を覆ってきたモノは、別の不安。

 それは、当然のことであり、この世界だと自然のことでもあるのかもしれない。
 

 異性交遊。


 でも…男の人とは…ぁるんじゃ…
 あぁ…こぎゃんにキレイなヒトなら…


385 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:29

 そう、"たまたまナンパされた"これだけキレイな人だったら、男友達の1人は2人。
 その中からカレシくらい。


 でも…男の人と一緒にいるなんて…
 絶対にャだ


 感情の浮き沈みが激しくれいなを襲っている中、突然お姉さんに"じゅぁ"と手を握られたれいな。
 心臓が跳ね上がる。

 いつの間にか、始まっていたのだ。

 隣を見ると、潤んだ瞳で、れいなの事を見つめているキレイなお姉さん。
 そして、少し微笑み自分を見つめるお姉さんとは違う感情ながらも、見つめ返すコドモのれいな。

 れいなの中での理想のヒトが目の前で、自分の事を見つめてくれている。
 もうそれだけで、頭の中が真っ白になってしまっていた。

 今は、自分の事だけを見つめてくれている…

 シアワセな甘いキモチも溢れそうになっていた。

386 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:30

 そんな蕩けそうなくらい熱くなっているれいなを見て、お姉さんが優しげに言葉を発した。
 とても優しげで、とても感情がこもってて…

「かわぃぃね」

 お世辞かもしれなかったけど、れいなにとってその言葉だけでも、今までで一番嬉しく、
 そして、甘い言葉だった。
 自分の事を"カワイイ"と言ってくれることでさえ。

 そう、キレイなカタチをした薄い唇から発せられた言葉の一つ一つが、
 れいなのココロの中を激しいヤリとなり襲っていた。
 優しい瞳の視線の一つも、また同じ。 


 見つめられるのが恥ずかしいから…目を逸らしてしまいたい…
 でも…見ていたい…


 れいなの中で渦巻く不条理な葛藤とは関係なしに、肩に置かれる手。 
 その手に呼応するかのようにお姉さんの手に自分の手を重ねる。

387 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:30

 温かい手のヌクモリ。

 そして、お姉さんの顔が少し近付く。


 されるっ!


 思わずぎゅっと目を瞑るれいな。
 そんなれいなの仕草に、お姉さんのくすくすと笑うカワイイ声が、耳元に届いてくると、
 自分の奥手な部分をお姉さんに見せてしまったような気がし、羞恥心が襲ってくる。
 

 ャだ…


 れいながうっすらと目を開けると、それを見計らったかのようにれいなはほっぺを指でぷにぷにと突付かれた。
 熱くなっているほっぺに、お姉さんの温かい指先が触れる。

「ホントかわぃぃね…」

388 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:31

 かっと顔に赤みが帯びるのがわかると、もうどう対応したらいいのか完全に分からなくなってしまっていた。
 完全に頭の中が真っ白になるというのは、正に今の状態だろう。
 目は泳ぎ、ただただお姉さんの潤んでいる、優しげな瞳を見つめる事しかできなくなっていた。 


 これから、どぎゃんコトが起こると…
 恥ずかしい…

 コドモの下着見られたくなか…
 あぁ…でもブラしてきてよかったと…


 恥ずかしい…


 ぎゅっと抱きついて、顔を埋めて、真っ赤になってる顔さえ見られたくないってなっている今のれいな。
 思考もおかしな方向へと向いていた。


 もぅ…どうにでもなれ…


「ぃぃ…?」
「…はぃ…」

389 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:32

 れいなが頷くと、お姉さんが再び顔を近づけてきた。
 鼻先が当たるくらいの距離になると、首を可愛くかしげる。

 その仕草でさえ、れいなにとってはココロが甘くなるモノ。


 ぁ…


 そして、ゆっくりとクチビルに触れる柔らかいモノ。
 軽く触れるだけのソレだったが、れいなにとっては特別なモノ。


 ファーストキス。


 生まれて初めて他人にクチビルを許したその瞬間。
 生まれて初めて他人にカラダ(口の)の中を許したその瞬間。
 
 その記念の瞬間をこのお姉さんに許してしまったれいなにとって、
 このお姉さんの存在が一気に大きく膨らんできてしまった。

390 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:33

 甘い存在。
 ステキな存在。
 憧れの存在。

 言葉は違えど、れいなの中に存在しつつある感情は明らかだった。

 そのお姉さんの柔らかいものが、れいなと触れ合っている。
 
 そして、ゆっくりと舌先が触れてくる。
 そして、少し空けたクチビルの隙間に入り込んでくる。
 そして、れいなの舌と触れるお姉さんの舌先。

 そして…信じられないくらいに高ぶるキモチ。
 
 そして…カラダが熱くなる。
 そして…襲ってきた不思議な恥ずかしい感覚を…隠そうとする。

 そして…シアワセなキモチに包まれるれいな。
 そして…

391 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:33


   从*´ヮ`*^▽^*)

392 名前:6 〜 投稿日:2005/05/17(火) 23:34


   从*´ヮ`*^▽^*)


393 名前:なまっち 投稿日:2005/05/17(火) 23:38

更新終了です。

楽しみにされておられた方、すみませんです(なにが?(にがわら
もうちょっとお待ちくださいませ(なにを?(にがわら

次回で第1話は終了になります。
そのまま引き続き、第2話に入ります。
ペースもしばらくはこのままでいけそうな予感です(?

それでは、これからもヨロシクお願いいたします。
失礼します。

394 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/18(水) 09:46
更新、お疲れ様でございます
焦らし、上手いっすねぇ(笑)
395 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/18(水) 19:51
( ̄□ ̄;)・・・(固 つ、ついに一話終わりですね。 このペースで頑張ってください。 次回更新待ってます。
396 名前:62 投稿日:2005/05/18(水) 21:30
更新おつかれです。
ごぶさたしてます。
新作も2人が良い感じですね。
これからも期待大で待ってま〜す。
397 名前:なまっち 投稿日:2005/05/20(金) 00:00
>>394 名無飼育さん
 ありがとうございます。
 もぉ焦らしまくりですょ(にがわら
 これからも焦らし焦らしで(はは…;
 いぇいぇ、そんなことないはずなんで、これからもヨロシクお願いいたします。

>>395 通りすがりの者さん
 ありがとうございます。頑張ります(はいっ
 結構いい具合に話しが頭の中でまとまっているので、もうしばらくは行けそうです(はい
 これからもヨロシクお願いいたします。

>>396 62さん
 お久しぶりです(ほっ…ょかったぁ
 この2人は…从*´ヮ`*^▽^*)…だいすきなんで^^
 今回のお話しも、ヨロシクお願いいたします。
398 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:03




 7 〜



399 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:03

 順調に全てが終わり、満足げなミキのお姉さんが二人に"ありがとうね"の言葉を掛ける。
 微かに頷くれいなの隣では、れいなのファーストキスのお相手であるお姉さんが、
 少しだけ乱れた服の裾を直していた。


 そして、れいなは…


「キミ、初めてだったんだー」

 今のれいなにとっては、ミキのお姉さんの言葉も全く上の空となっていた。
 ただ何か言われたら頷くだけ。


 そう…今のれいなの頭の中には、隣のお姉さんの事だけしか浮かんでいなかった。


 甘くて、熱くて、蕩けそうなお姉さんとのファーストキス。
 長いようで短く、恥ずかしいようで嬉しく、不思議なお姉さんとのファーストキス。

 ファーストキスをされただけで、相手の人の存在感が、これまでより数倍あがるとは聞いたことがあるけど、
 ウソだと思ってた。

400 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:04

 たかが、ファーストキス。

 でも、今日でその認識はいっぺん。
 確実に、一目惚れに近いくらいのお姉さんの存在が、さらに格上げされてしまった。
 れいなの中で。
 
 後に残っているモノは…もっとこのお姉さんにキスをして欲しいという感情だけであった。

 結局、お姉さんとは本当にキスだけ。

 途中、お姉さんに胸に手を添えられた時は、心臓が張り裂けそうなくらいに高鳴り、
 ノドから飛び出してしまいそうになっていた。
 
 痛いくらいに膨らんでいた胸。
 恥ずかしいくらいに熱くなっていたれいなの大切な部分。
 お姉さんの背中に回された、れいなの手のひらに触れる刺激的な柔らかいお姉さん。

 柔らかいお姉さんの胸。
 自分の、コドモの様に硬い胸に触れる、お姉さんのボリュームのある胸。
 それでもしっかりと芯が感じられる刺激的なお姉さんの胸。
 
401 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:04
 
 ほっぺに添えられ、撫ぜられるお姉さんの指先。
 その先に電気が走っているのではないかと感じるくらいに刺激的なお姉さんの指先。

 熱く、絶妙に動き、れいなを侵食してきたお姉さんの舌先。
 ファーストキスにしては、刺激的すぎるお姉さんの舌先。


 それら全てにれいなは感じていた。


 まだまだ"そういう部分"に関して奥手だったれいなの中で、自分のカラダの中での反応の理解は曖昧だったが、
 確実に自分のカラダで起こった高ぶりの理解は随分と進んでしまった。


 後で、自分の下着を見るのが怖いくらいに…


「大丈夫…かな?」

 少し苦笑いを浮かべたミキのお姉さんに肩をぽんぽんと叩かれ、ハッと気が付いたれいな。
 もうすでに隣のお姉さんは帰る準備、メイクを直していた。

 それを見て、慌てて自分も準備を始める。

402 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:05

 少しだけ乱れた服装を直すと、ポーチから鏡を取り出し自分の顔を見る。

 まだまだ顔の火照りが治まっていない自分の顔は、ひどく変わったように見えてしまっていた。
 どう変わったかは分からないが、普段見慣れた自分の顔とは明らかに違っていたのは確かだった。

 リップだけを直す。
 なんだか、お姉さんと触れ合っていた部分を上から消してしまいそうな感覚を覚え、
 一瞬躊躇ってしまったれいなだった。

 パチンと鏡を閉じると、再びれいなの目に隣のお姉さんのメイクを直している姿が入ってきた。

 さっきまで、自分とクチヅケをしていたお姉さん。
 キレイなお姉さん。
 一目惚れのお姉さん。


 もう、お別れのお姉さん。


 その瞬間に、無償に寂しさを感じてしまったれいな。
 最初から"たった一回だけの出会い"とは分かっていたけれど… 
 
403 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:05
 
 大きくため息をつく。

「どーしたの?」

 ミキのお姉さんの言葉にも、力なく首を横にふるれいな。

 もう一度大きくため息をついた。
 れいなの中、こんなに激しく、強く出ている感情は、はっきり言って生まれて初めてだった。


 今のれいなの中を占めている感情は…


 ただただ、もっとお姉さんのコトを知りたい…


 もうそれだけだった。


「それじゃ…」


 ャだっ!!


404 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:06

 ミキのお姉さんの言葉に、激しい拒否反応が起こる。
 自然とカラダの向きが変わると、後は勢いだけだった。

「番号とメアド、教えてくださいっ!」

 完全に、無意識の行動。
 はっと気づくと、2人のお姉さんは、きょとんとれいなを見つめていた。

 そんな2人のお姉さんの反応に、自分の仕出かした行動が恥ずかしいモノである事に、
 徐々に気が付いてきたれいなは、自然と視線を落とすと、"ごめんなさい"と呟いていた。


 恥ずかしい…
 まるでナンパゃ…


 しかも、これだけ年上のヒトに対して…
 しかも、たった一回出会ったヒトに対して…
 しかも、たった一回キスをしたヒトに対して…


 軽い女って思われちゃゃろか…

405 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:07


「へ〜かゎぃぃね…」


 真っ先に聞こえてきたのは、ミキのお姉さんの呟く声だった。
 それには、結構驚きが入っていたものの、それでも軽蔑などの負の感情は入ってなく、
 れいなにとって少し安心できるものだった。
 そして、肝心のお姉さんは…

 なかなか声が聞こえてこない事に、徐々に不安が襲ってきたれいな。
 顔を見たいとは思うものの、どうしても怖くて見れなかった。

 もし顔を上げた瞬間、"ごめんなさい"なんて言われそうで…
 "ホントはコドモに興味はないの"なんて言われそうで…


 怖い…


 長い長い沈黙がれいなを襲ってきていた。
 あまりにも長い沈黙。

 どれくらい長かったかは、分からないが、れいなにとって永遠とも思えるほどの時間。
 とうとう耐え切れず、恐る恐る頭を上げた。

406 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:07


 ゆっくりと顔をあげるれいな。


 お姉さんのキレイな足。
 お姉さんの柔らかいピンクのミニスカート。
 お姉さんの上品な白いノースリーブのトップス。

 そして、お姉さんのステキな笑顔。 

「…!」

 その笑顔は、これまでの笑顔とは完全に違っていた。

 これまでの他人を見つめる、どこか壁のあった笑顔から、
 シンユウや家族に見せるような柔らかい本当の笑顔へと。
 れいなにとって太陽のようにステキな笑顔へと。


 お姉さんは手を差し出した。

407 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:08

「ホントは"イシカワリカ"って言うの。
 よろしくネ」
「ぁ…」
「果物の"ナシ"に、"華やか"の"華"って書くの。」
「石川、梨華…さん…」

 自分にとって本当に大切な言葉のように、大事に呟くれいな。
 そして、梨華は大きく頷くと、"あくしゅ、しようょ"と満面の笑みを浮かべ、れいなの手を取った。
 とっても温かい梨華の手を、恐る恐る握るれいな。

 れいなの中、まだ信じられないといった感情が占めていた。
 それでも、自分の名前をしっかりと口にした。

「田中麗奈…って言います。
 "れいな"って呼んでください。」
「うんっ!」

 梨華の笑顔に吸い込まれるれいな。


 夢のような出来事。

408 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:08

 少しムリかもしれないという感情に向かっていた分、信じられなかった。
 ホントに嬉しくて…


 そして、思わずれいなの目に涙が浮かんでしまっていた。


「えっ」

 お姉さんの驚きに似た声が聞えると、次の瞬間には、れいなはヌクモリに包まれていた。
 これまでのどんなヌクモリよりもシアワセに感じられるヌクモリ。

 お姉さんにが"大丈夫?"と、れいなの背中を優しく包んでくれていたのだ。

「はぃ」

 お姉さんの胸の中、見上げると、潤んだ瞳、お姉さんの笑顔を見えた。
 涙のせいで、ある意味余計にキレイに見えるお姉さんの笑顔。
 
409 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:09
 
 そう

 れいなにとってあまりにも眩しい梨華の笑顔。
 出会ったばっかりで何も知らない梨華の笑顔。


 ただ…


 まだまだ完全に、自分だけに、向けられたものではないが、今だけは、自分だけに向けられている。

 それは、まず第一歩の成功のアカシ。
 細いけど、確実に出来た"繋がり"。
 
 れいなの中で、これから先、この人との関係がどうなるのか全く分からなかったが、
 確実にこの春休みが楽しいものへと変わったことは確かだった。 

 そして、この春休みの目標も決まったことは確か。

 今は手を握るだけだが、それ以上の関係。
 まるでさゆとえりのような関係。
 女同士だけど、ステキな関係。

 それが目標。

410 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:11


 まっ、憧れのお姉様と、可愛いイモウトでもイイといゃ、ぃぃっちゃけどね


「羨ましい…」
「…ぇ…?」

 突然聞こえてきたミキのお姉さんの、あまりにも羨ましそうな声に、れいなと梨華は声に出して笑ってた。

 そんな梨華の、また違う笑顔にも、れいなはシアワセを感じた。
 そう、この笑顔を共有した今の瞬間だけは、確実に二人が一つになっていたから。

 なかなか出来ない共有の時間…
 でも、いつか…
 スキな時にいつでも共有したい…
 この一目惚れのヒトと…

 田中れいなは想う。

 明日を。


                         ☆第1話。☆


411 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:11



                         ☆田中れいな。☆


412 名前:7〜 投稿日:2005/05/20(金) 00:12


                         ☆おわり☆


413 名前:なまっち 投稿日:2005/05/20(金) 00:15

ってことで、第1話。終了です。
毎回毎回読んでいただきましてありがとうございました。
まだまだ、続きそうなので…(悪い癖が…長くなりそう…

これからもヨロシクお願いいたします。
それではまた明後日の夜に。
414 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/20(金) 01:28
これって「麗しきナとナシの華」の続編(ってか、前段階の)お話ですかね?
いずれにしても、話の不思議な魅力にハメられてしまった…

なまっちさん、責任とってくれますよね?(笑)
415 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/20(金) 21:27
ぷはぁー( ̄□ ̄;) 第一話終了しましたね。 更新お疲れさまです。 前よりも大分更新が早いので、かなり嬉しい限りです。(ダレッ  次回更新楽しみに待ってます。
416 名前:なまっち 投稿日:2005/05/21(土) 23:47
>>414 名無飼育さん
 ありがとうございます^^
 ハマっていただけましたか(ょしっ
 このままドツボまで…(ぃぇぃぇ
 これからもよろしくお願いいたします。

 今回のは「麗しきナとナシの華」の前段階のお話しではないです(すみません
 最初は続きを書くとか言っていたのですが…(あせ
 まったくつながりのないお話ってことでヨロシクお願いします。

>>415 通りすがりの者さん
 ありがとうございます^^
 ちょっと一度が少ない分、更新回数は頻繁に、息もつかせぬように…(なぁんて…
 ってことで、それでは第二話もヨロシクお願いいたします。

417 名前:春の歌 投稿日:2005/05/21(土) 23:48




  第2話。 石川梨華




418 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:49




 1 〜




419 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:51

 若者の街であるここは、夕方になってからが本番である。
 昼間とは、また違った人間の行き来が激しくなり、不慣れな人間にとってはそれだけでも疲れたりする。
 慣れた人間にとっては、この雰囲気が好きらしいが。

 この街でアルバイトをしている石川梨華は、前者である。

 春の暖かい日差しが少し翳り、肌寒さに襲われ始めた頃、石川梨華はバイト先のカフェの裏口を出た。
 
 少し前に比べると、随分と日の昇っている時間が長くなっていた。
 もう18時前なのに、まだ明るさが残っているくらいだから。

 あっという間に変わる季節に、自分の感覚が付いていかないような気にさえ襲われる。

 空を見上げると、最近毎日と言っていいくらいに見れるキレイな夕日が目に入ってきた。
 バイト先のカフェの裏口の小路から大通りまでの少しの間見えるこのキレイな景色に、
 ココロを落ち着かせるのは、最近の習慣と言ってもいいくらいだ。

420 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:52

 ところが今日に限ってなかなか落ち着いてくれないココロ。
 そのいつもの感覚が崩れる。


 もう暑いかなぁ…


 派手で露出の激しい服装を、普段から余り好まない梨華は、肌を大きく覆われた服の袖口を摘むと、
 ぱたぱたと空気を送り込む。
 ひんやりとした空気を感じることが出来ると少し落ち着いたキモチになれた。

 少し落ち着くと、毎日の習慣である、携帯を取り出し開く。
 画面を見ると、着信はないものの、メールが3件届いていた。


 誰かなぁ…


 歩きながらメールを見たり打ったりするといった器用なことが出来ない梨華は、大通りに出る直前に、
 立ち止まるとボタンを押した。
 ま、だいたい梨華の頭の中で数人の人物が浮かんでいたのだが。

421 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:52

 一件目に表示された画面の本文の【TO:】の部分には【中澤さん】と表示されていた。
 毎日一回は必ず送られてくる"報告的"なメールは、送られ始めた頃からほとんど変わらない文面構成だった。

【今日はスムーズに終わって、早めに送り出したから。】
【自分が帰る頃までには帰ってると思うし。】
【辻加護にも会えて機嫌よく帰ってったわ。】
【あと、昼食は13時前にコンビニの魚類の弁当を軽く食べさせただけで、お腹は空いているはずやから、】
【しっかりしたの食べさせたってなー】
【明日は、ちょっと遅めで11時前。】
【じゃ、よろしく】


 そっか…


 すると、次のメールの送り主が自然と想像がついてしまった梨華。
 【次へ】のボタンを押すと、案の定、想像した通り同居人の名前だった。

 軽く笑顔が浮かぶと、内容に目を通す。

422 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:53

【今日は早めに終わったょ〜】
【んだから、晩御飯作ったげるょヾ(^o^)】
【だから寄り道せずに、早く帰ってきなさぃ(´∧`)】

 カノジョにしたらたくさん絵文字が使われている事に、機嫌の良さを感じることができた。
 "中澤さん"からのメールに書いてあった通り。
 ホントにイイ事があったんだ。

 梨華はほっとすると、一つため息をついた。

 機嫌が悪いときは、今日は何時に帰るといった内容だけで、絵文字もない。

 でも、今日は結構ご機嫌らしい。
 しかも、久しぶりに手作りのご飯を作ってくれるらしいし。

 同居人の笑顔が浮かぶと、自然と梨華の表情も柔らかいものへとなっていた。
 
423 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:53
 
 カノジョとの同棲は梨華が15歳の、高校に入る頃からだ。
 普段、家事全般を梨華がしている。
 同棲を始めた次の年の秋くらいからは家事全般を任せられることになり、料理を作り始めて、
 今年の1月で20歳になったばかりとキャリアは長いものの、如何せん梨華自身が不器用な分、
 まだまだ苦手の分類に入る。
 
 決して一般的なレベルから言って、梨華の料理が下手と言う訳ではないのだが。

 比較の対象が悪い。

 そう、それに引き換え同居人は、本人自身、自信があるだけ、カノジョが作るご飯はなかなかのもの。
 ご飯の域を超え、立派な料理といってもイイくらいだ。

 小学生の頃、両親が居酒屋を経営して、お手伝いを頻繁にしていただけあって、基礎は完璧にできている。

 両親、姉妹を中学生になる前に事故で亡くし、親戚に預けられてからも、よく作っていた、
 と言うか、作らされていただけあって、かなりの腕前である。

424 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:54

 作らされていたというのは、いつの頃か、本人の口から少し聞いたことである。

 中学生の頃の本人は、家族を亡くした直後ということもあって、少し表情を失っていたこともあり、
 預けられた親戚の人にとっては可愛げがなかったらしく、あまり歓迎されていなかったらしい。
 それが原因でイジメ、虐待を受けていたこともあり、家事なども全て押し付けられていた、
 とも言っていた。

 それ以上は語らなかったし、梨華としても聞きたくなかった内容だったから、聞いていないが。

 しかし、当時梨華の中、カノジョのイジメられていたという事実は、暗に気付いていたのかもしれない。

 中学3年間同じ部活の仲間であり、いつの間にかシンユウになっていたカノジョの、余りにも淋しげで、
 "家に帰りたくない"という様子が垣間見えたこともあったり、
 更に、何度かカラダにアザらしきモノを見てしまった時もあったからだ。

 住まいが神奈川県の梨華が、通っていた東京の私学の中学から、同じく私学の高校に進学が決まり、
 親の許しもあり1人暮らしをする機会があったのだが、その時、一学年下のカノジョを誘ったのだ。

425 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:54

"1人暮らしするんだけど…"
"ぁはっ そーなんだー"
"ぅん…"


"ぃぃなぁ…"


"2人で住んでも、全然ダイジョウブなくらいにおっきな部屋なんだぁ"


 意味をはっきり伝えると、嬉しそうに笑顔を咲かせ、頷いたカノジョ。
 全てから開放されるという安心感が生まれたのだろう。
 笑顔の後には、涙も零れていた。

 その頃から、カノジョと梨華の同棲が始まった。
 そして、必然のようにカノジョも梨華を追うように同じ高校に入学をした。

 ただし、カノジョの高校生活は1年もなかったのだが。

426 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:55

 とにかく、カノジョの料理の腕はいい。
 実際に、カノジョと同棲し始めた頃は、頻繁に作ってくれてて、
 随分と梨華の舌を満足させてもらっていたくらいだ。

 今でも、早い時間に帰ってこれたり、仕事がお休みの日で、疲れも少ない時は、
 色々とバラエティーに富んだモノを作ってくれるカノジョ。
 それを考えただけでも梨華は、かなりお腹が空いてきてしまった。

 さらに、いつもカノジョを待って、同じ時間に眠る日が多い中、
 久しぶりに今日の夜は自分も早めに眠ることが出来そうな予感がし、その部分でもほっとなった。

 少しご機嫌になった梨華は、最後の一件のメールに目を通そうとした。
 真っ先に目に入ってきた【TO:】の部分に書かれた名前を見て、思わず笑顔が零れた。

【TO:田中れいなちゃん】

 それと同時に、なんだか分からないが、胸の中に甘いものが広がるというか、
 不思議な感覚も覚えてしまっていた梨華。

427 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:55

 こんな不思議な感覚は生まれて初めてと言ってもいいくらいだった。

 まるで自分のコドモを持ったかのような感覚。
 親戚の小さなコを見るかのように、母性本能をくすぐられるような感覚。

 それプラス、カノジョの愛くるしさと、自分を下から見つめるキレイな瞳には、
 ドキリと胸を震わせてしまった瞬間もあった。

 その2つが交じり合った不思議な感覚が、今、梨華の胸の中を占めていた。

 カノジョとの出会いはつい昨日だった。


 "たった一度だけ"と思っていた出会いだったのに…


 ただ…
 初めてカノジョを見た瞬間に、これまで出会ってきた女のコの中でも、
 確実にカワイイと感じる事が出来たカノジョ。


 自然と望んでしまっていたくらいだ。
 

428 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:56
 
 さらに、普段から男性に苦手意識を持っていた梨華にとって、自分と似たカノジョのあまりにもの初々しさ、
 純粋さに、少し胸を甘くさせてしまたのは、事実だった。

 "番号とメアドを教えてください"と言われた瞬間には、カノジョの行動力にビックリしてしまったが、
 その後の恥ずかしそうな仕草には、恥ずかしながら男のような思考を覚えてしまったくらい。

 また、カノジョの外見も…

 可愛さ。
 愛くるしさ。
 自分を見つめる潤んだ瞳。
 コドモのようなカノジョ。
 それとは正反対な強い意志を感じさせる表情。

 これらのコトにも、胸をかき乱されてしまったのだ。

 ただ、梨華にとって、全てがタイプであるカノジョだったが、如何せん年齢が年齢であった。
 聞いた瞬間には、カノジョに対しての一線を越える行為に"犯罪"の言葉が浮かんでしまったくらいだから。

429 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:57

 そんな5歳も離れているれいなと、こうやって昨日からメール交換をしていること自体、
 少し不思議な感覚だった。

 普段からメールで伝えることすら苦手にしている梨華は、他の同年代の女のコと比較して、
 確実に友達の数は少なかった。

 ま、カノジョの置かれている"立場"というものが、自然と"そのように"させていたのかもしれないが。
  
 昨日、午後からバイトが入っていたため、メールアドレスと番号を交換してから、
 すぐれいなと別れたのだが、その後からメール交換は始まっていた。

 名前、年齢、趣味、どの辺に住んでいるのか、学校の名前といった一般的な自己紹介が、
 全てがれいなのリードで進められていった。

 さすが、現役の女子中学生だけあって、れいなのメールは顔文字や、同じ携帯会社であることから絵文字、
 さらにいわゆるギャル文字に近いものまで使われていた。

 ただ、そこまでひどいギャル文字は使われておらず、
 むしろ素直にカノジョ同様カワイイと感じることができるメールだった。

430 名前:1 〜 投稿日:2005/05/21(土) 23:57

 少女らしいと言えるそのメールから、きりっとしている時のカッコいいカノジョの外見とは違い、
 笑顔を浮かべた時のカワイイ外見に近い、少女チックな性格が窺い知れそうだった。

 余談だが、見た瞬間に、"ぅゎ…"と少しでも思ってしまった梨華。
 次の瞬間には、年をとってしまったかのような自分の反応に、少し凹んだりもしていた。

 そんな梨華のココロを知ってか、知らずか、れいなは次から次へと愛くるしいメールを梨華へ送ってきてくれた。
 
 やはり純粋に"楽しい"という感情と、カノジョとのメール交換が"嬉しい"という感情だけは、
 梨華自身の中でも分かっていたことは、確かだった。


 昨日から携帯にくるメールを見るのが楽しみになってしまったくらいだから…


 うきうきするキモチを抑え、メールの内容に目を通す梨華。


 これからの帰り道、何度もれいなからのメールに笑顔を浮かべていた。


431 名前:1 〜 投稿日:2005/05/22(日) 00:04

更新終了です。

そういえば…第1話では…
石川さんのヘアースタイルは、マンパの(^▽^)ユニフォームバージョンでの
石川さんってカンジを想像していただければ(あれは一目惚れだぁ
れいなは、今よくしてるヘアースタイルですね从*´ヮ`)(かゎぃぃ

それでは失礼します。
432 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/05/22(日) 01:27
なまっちさんの書く田中さんって、
なんか物凄〜く可愛らしいですよねぇ。
なまっちさんの書くりかれな、大好きです!
433 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/05/22(日) 01:29
ごめんなさい!!
↑、ochiしちゃいました!!!
434 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/22(日) 14:22
更新お疲れさまです。 田中ちゃん可愛いですね。            石川さんの気持ちが分かる気がするなぁ(ェ 次回更新待ってます。
435 名前:なまっち 投稿日:2005/05/24(火) 01:34
>>432 ひろ〜し〜さん
 ありがとうございます^^
 石川さんと一緒のときはとくにかわぃく書きたいと思ってましたんで、
 そういっていただけますとホントうれしいです^^
 これからももっとスキになってもらえますように頑張ります(きあい

>>434 通りすがりの者さん
 ありがとうございます^^
 実際にれぃなにめっちゃ好かれたら…誰でもなっちゃいますょね(はは
 寝てるれぃな、めっちゃきゃゎぃかったですね…(まだキャプ画しかみてない…
 めっちゃ抱きしめたくなっちゃうくらい从*´ヮ`*)。。。
 あ…そろそろツメタイ風?を吹かせようと思いますが、
 これからもヨロシクお願いいたします。

436 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:35




 2 〜




437 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:36

 電車を降りると、周りの景色はすでに薄暗くなっていた。
 会社帰りの疲れた足取りの人が、梨華の隣を足早に駆け抜ける。

 なんだか一緒に歩いていると、こっちまで疲れそうな感覚を覚えるから、梨華は少し歩みを緩める。

 駅前の大通りは、もうすでに街灯が明るく照らしていた。

 途中、いつも晩御飯の素材を買いに寄るショッピングモールの横に差し掛かるも、今日は寄らずに通り過ぎた。
 今日はおそらく同居人が買ってくれているだろう。

 カノジョはそういう人間。
 一端自分で料理を作ると言い出すと、材料などは必ず自分が揃えないと気が済まない性格である。

 ただ、料理に関しては細かいが、それ以外の点に関しては、細かい部分を見せず、
 人に対して、人一倍気遣いや優しさを持っているカノジョ。
 そう、普段のカノジョは、とても優しく梨華にも接してくれている。


 それは昔の酷い過去からなのか…
 また、その過去からなのか、時々ひどく梨華に甘えてくるときもある。


438 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:36

 数本目の路地に入ると、そこから周りの景色は一気に高級住宅街へと変わってしまった。

 それらの高い塀に囲まれるかのようにまっすぐ視線の先、高層マンションが梨華の目に入ってきた。
 自然と最上階、もうすでに同居人が帰ってきているであろう部屋に視線を送る梨華。

 ところが、意に反して電気は灯っておらず、ベランダの光だけが微かに窓を灯していた。


 あれ…?
 まだかなぁ…


 マンションの前に到着すると、木々、淡い大理石に覆われたフロアが梨華を迎え入れた。
 足元から高い音が耳を突くなか、自動扉をくぐり、左の郵便ボックスの部屋に向かう。

 もう同居人が取っているとは思っていたものの、やはり部屋に明かりがついていなかったのが気になり、
 梨華は一応見ることにした。

 鍵で郵便ボックスを開けると、案の定郵便物が残ったままだった。

 一つため息をつく。

 同居人がまだ帰っていないという事実に結びついたからだ。
439 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:37

 郵便物を見ると、一つ荷物の不在届けが目に入ってきた。

 夕刊のスキマにあるそれをひっぱりだし、見る。
 差出人には梨華の母親の名前があった。

 思わず笑顔が零れる。

 そういえば昨日、"食べ物や服を送ったから"と電話をかけてきたのだ。
 "一昨日に長電話をしたのだから、わざわざ電話をかけなくてもメールでいいのに"と言う梨華に対して、
 絶対に電話の方が早いと言い切る母親。
 確かに梨華の不器用さは母親から来ているのかもしれないと、フト梨華は思ってしまった。
  
 宅配ボックスの横に立つと、備え付けられている窪みに手のひらをいれる。
 数秒後、梨華の静脈が登録済みの人物と一致し、低い金属音と共に、ひとつ扉が開いた。

 小さなボックスが開くであろうと思っていた梨華の予想に反して空いたのは、少し大きめのボックス。
 
 中を見ると、大きなダンボールが入っていた。


「入れすぎだょ…ママ…」


440 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:37

 やたら大きな荷物に悪戦苦闘しながら、マンションへの入り口の自動扉の横のインターフォンの前に立つと、
 先ほど同様、窪みに手のひらをかざし、中へと入った。

 すると、梨華を涼しい風が包む。

 自然とココロが落ち着いた梨華。
 今日の最高気温の事を考え、管理人さんが軽くエアコンを入れてくれているのだろう。

 もうすでに閉まってある管理人室の前を通り過ぎると、エレベーターのボタンを押す。

 運悪く3台とも稼動中だった。

 あまりにも重い荷物に、一つ大きくため息をつく。

「ママ、ナニ入れてるのょぉ…」

 そう呟いたものの、何となく中身は想像がついた。

 "いつも着ているものだけでイイ"と言うのに、余計に服を入れ、
 "食べれる分だけでイイ"と言うのに、余計にお菓子やらを入れ、
 季節の変わり目、体調を崩さないようにと余計に薬も入れてくれたのだろう。

 母親というものは、そういうものである。

441 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:38

 数分してやっとエレベーターが到着した。

 端に寄り、中から降りてくる人を通す。
 出てきた人は、全く知らない人。
 当たり前と言えば、当たり前である。

 都心のど真ん中、超高級高層マンションのココには、500世帯が住むのだから、
 全く近所付き合いなんてものもない。
 隣人の顔すら見たことがなかった。
 
 ただ、それが梨華たちにとっては都合がよかったこともあった。
 
 そのため、ちょうど梨華が大学に入る頃、先進的な技術を盛り込んだ、
 完璧なセキュリティーを備えた新築として、当時売り出され始めたここに、住み始めたのだ。
 
 エレベーターに乗り込むと、最上階36階のボタンを押す。

 一気に掛かる重力。

 もうだいぶん慣れたが、ここに引っ越してきた当初は、毎回毎回耳が痛くなり、困ったものだった。
 同居人と、一緒に耳を押さえて乗った事さえあった。

442 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:38

 1分後、やっと到着すると、一番奥の自分たちの部屋まで、明るい大理石の廊下を歩く。

 玄関の前にたつと、宅配ボックス同様、とりあえず手のひらを差し入れる。
 カチッと鍵の開く音をした後に、あたふたと鍵を取り出し、二箇所の鍵を開ける。

 計三箇所の鍵を開けないと入れないことになるのだが、さすがに忘れ物をして急いでいる時などは、
 鬱陶しくなるものだが、安全には替えられないのだろう。

 行儀が悪いとは知りつつも、ドアを半分足で開くと、玄関の明かりがともった。
 
 足元を見ると、"あれ"となる梨華。 
 そこにはしっかりと同居人のカジュアルシューズが揃えておかれてあった。

「帰ってきてるんだ…」
 
 そう呟くと、奥に目をやった。
 しかし、外から見えてた通り、部屋に明かりは感じられなかった。

 手前の自分の部屋には入らず、1つ扉を開け、ダイニングキッチンに足を入れた。

「ん…?」

 自動で明かりが点かないということは、やはり同居人が帰ってきていたことになる。 

443 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:39

 壁際で光る電気のスイッチを押し、電気を点けると、右億にあるリビングのソファーに、
 黒い影が小さくうずくまっている姿を見つけた。


 その姿を見て、"やっぱり"と思わず微笑んでいた梨華。


 キッチンテーブルに大きな荷物を"ょっと"と声を出し置くと、部屋へと足を踏み入れ、電気を点ける。

 小さなコドモのようにカラダを丸め、ソファに身を埋めている美女。
 真剣な表情をしている時は、カッコよさを感じ、笑顔を浮かべると可愛さを感じられそうだ。
 ストレートロングのさらさらの髪の毛が、キレイなウナジからホホ、顔にかかっていった。

 ショートパンツから伸びるすらっと長い足をキレイに折りたたみ、
 タンクトップから覗く大きく膨らんだ胸を抱えるかのように寝っている。

 自分とは違い、色白でスレンダーなカノジョに思わず見とれてしまいそうになっていた梨華。
 何度見ても見惚れてしまいそうになる。

 そして、カノジョの美しさに自然と感嘆のため息を零していた。
 
444 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:39
 
 しばらく眺めているも、梨華の帰宅に気付かず、なんとも無邪気に眠りについている同居人。


「…ごっちん?」


 小さくカノジョを愛称で呼ぶ。
 一瞬カラダが動くも、目は覚めない。
 ため息をつくと、再び呼んだ。


「こらっ
 後藤真希ちゃん
 風邪引いちゃょ」


 カノジョの名前は後藤真希。

 梨華の同居人であり、"今日は料理を作る"とメールで断言していたカノジョは、
 梨華とは違いごく普通の大学生ではなかった。

 特殊な職業に従事している。
 おそらく、この日本でカノジョの名前を知らない人間はいないといってもいいくらいであろう。

445 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:40


 後藤真希。


 その職業は"アーティスト"であるも、その容姿などからアイドルとして認識されいる部分もあった。

 真希は、梨華と同棲を始めた一年後の夏に、何の気なしに受けたテレビにおけるオーディション番組にて、
 見事にグランプリを獲得し、デビューの切符を手に入れた。

 その後、テレビが本人のデビューまでの道を追い続けるうちに、徐々に人気が出、
 さらに、デビュー曲の楽曲の良さから、見事初登場オリコン1位を獲得。
 
 そして、順調に売り上げの伸ばし、デビュー曲にしてミリオンを達成したのだ。

 その後に出した曲も、ミリオンヒットを達成し、レコード大賞、紅白を獲得、
 デビューわずか半年にして、一気にトップアーティストの仲間入りとなった。

 世代、男女関係なく人気のあるカノジョは、一時は国民的人気を手に入れていたものの、
 最近ではその人気も落ち着いたものへとなっている。
 

446 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:41
 
 梨華が、ホホに掛かる髪の毛をそっと掻き揚げた。


「ん……ん…」  


 うっすらと目を開ける真希。
 
 一瞬、明るくなった天井を不思議そうな表情で見るも、すぐ近くにいる梨華のその姿を見止めると、
 自然とホホを緩めた。

「ぉかえり」
「ん。ただぃま」

 梨華の笑顔に、1つ頷くと、起き上がろうとした。


「ぁ」


 と、その時、何かを思い出したかのように小さく声をあげた真希。

「…?」

 不思議そうな表情を浮かべた梨華を視界に入れると、真希のその表情はみるみるうちに、
 まるでコドモが拗ねたかのように、不貞腐れたものへとなっていった。

447 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:42

 明らかに変わったその表情に、梨華は意味が分からない。


 何かしたかな…


「ど、どーしたの…?」

 梨華の表情に、本人が何も気付いていないと認識すると、真希は床に転がっていたリモコンを手に取り、
 おもむろに壁に掛けられたテレビの電源を入れる。

 その画面は真っ黒だったが、次に真希がボタンを押すと、DVDの再生が始まった。

 すると、テレビから、どこかで聞いたような声が、梨華の耳に届いてきた。

『ホントは"イシカワリカ"って言うの。
 よろしくネ』

「えっ!!」

 大きく梨華の心臓が跳ね上がる。
 自分の声をテレビから聞くことなどない梨華にとって、自分の声は聞き慣れないが、
 まさにそれは梨華本人の声だった。
 
448 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:42
 
 そして、画面には、若干低い位置からだが、梨華と、もう1人、表情を崩した美少女の姿が映し出されていた。

『ぁ…』
『果物の"ナシ"に、"華やか"の"華"って書くの。』
『石川、梨華…さん…』

 余りにビックリした瞬間というのは、何も声に出ないのだろう。

 まさに、真希がグランプリを獲得した時以上に頭の中が真っ白になっている梨華。
 現状が分からず、ただただ混乱している。
 
 いつの間にか画面では、美少女が嬉しさの余りか、少し涙を零すシーンが映し出されていた。
 それを見た梨華が慌てたように、カノジョを抱きしめている。

 2人の美少女の抱き締め合う姿が映し出されてるこのシーンは、
 ある種の誰もがぼーっと見惚れてしまうほどの、美しさを感じることが出来たのだが、
 そこが映し出された瞬間、梨華がいきなり真希からリモコンと取り上げようと、手を伸ばした。

449 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:43

 突然の梨華の行動に、目を丸くする真希だったが、そこは運動神経が梨華より勝るぶん、
 さっと手をどけると、立ち上がった。

 もう一度取り上げようと、腰を上げようとした梨華だが、まさに腰が抜けているといってもいいのだろう。
 立ち上がれない事に気が付くと、諦めたのか、床にべったりとコドモのように座り込んでしまった。

「止めなさぃ…」

 普段のお母さんのように諭す梨華とは違い、弱弱しい梨華。
 今にも泣き出しそうな表情なのに、それでも言葉が命令形なのは、負けず嫌いといった性格や、
 真希に対しての保護者意識が残っているのだろう。

 そんな梨華を見て、真希はため息をつくと立ち上がり、テレビのサイドからDVDを取り出すと、
 ケースに入れ、そして、冷たい口調で言葉を発した。

「今日も会ったの?」

 梨華は答えない。

「メールも交換してるの?」


450 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:52




 ☆ 〜 ☆




451 名前:2 〜 投稿日:2005/05/24(火) 01:52




 ☆ 〜 ☆




452 名前:なまっち 投稿日:2005/05/24(火) 01:52

更新終了です。

ってか遅っ…ねむ…

次回もヨロシクお願いいたします〜

453 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/05/24(火) 13:57
ぇ?!続き気になる気になる!!!
なまっちさぁん。また気になるとこで止めないで・・・(汗
私としては石後も大好きなんで、余計に気になりますッッッ!!!
454 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/24(火) 17:14
更新お疲れさまです。 うぁっ( ̄□ ̄;)!!かんなり気になります! しかも理由は如何に? 次回更新待ってます。
455 名前:七誌 投稿日:2005/05/24(火) 20:38
気になる展開に目が離せませんね。
もし、宜しければ作者さんの前作を教えていただけないでしょうか?
次回も、楽しみに待っています。
456 名前:なまっち 投稿日:2005/05/26(木) 00:11
>>453 ひろ〜し〜さん
 れすありがとうございます^^
 いしごま好きなんですか?自分も実は大好きなんですょ^^
 れぃなが出てくるまでは(ぃぇぃぇあせ
 それでは、どうぞ続きです。

>>454 通りすがりの者さん
 ありがとうございます^^
 続きは、どう思われるのか心配ですが…どうぞです(↓
 これからもヨロシクお願いいたします。

>>455 七誌さん
 れすありがとうございます^^
 前作ですか…前作はこのお話しが終了してからでいいでしょうか?
 そんな作者ですが、これからもヨロシクお願いいたします。 
457 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:12




 3 〜




458 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:13

「メールも交換してるの?」

 真希が近付いてくると、腰を屈めるようにして、座り込んでいる梨華を覗き込んできた。

 相変わらず少し怒ったような顔をしている真希。
 しかし、それは本当に怒っている顔ではなかった。
 
 少し拗ねているだけ。

 カノジョは時々こんな表情を梨華にする。
 たいてい、自分が思い通りに行かない時に使う表情だ。

 普段から仕事場や人前では全くそんな素振りを見せない真希だったが、
 梨華にだけはどうしてもわがままを言ってしまう。

 やはり、中学生から一緒にいることが多く、さらに真希にとって高校に入る前から同棲を始めた2人。
 すぐにデビューをし、これまでの生活から一変、目も回るくらいに忙しくなってしまった真希にとって、
 ずっと炊事洗濯、身の回りの世話をしてくれている梨華は、母親に近い存在と言ってもいいのかもしれない。

 ひどく疲れて、機嫌が悪い時に八つ当たりしても、怒らず優しく受け止めてくれるのが梨華。
 上手くいかず落ち込んで帰ってきた時にも、寝ずに待ってくれているのが梨華。
 拗ねたら、優しく構ってくれるのが梨華。

459 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:13

 そんな梨華には自分の全てが見せられた。

 そして、今がまさにその状態である。

 しかし、梨華にとって、普段なら、"どーしたの?"って優しく諭すように話しかけるのだが、
 今日ばっかりはそうはいかない。

 一番見られたくないと思っていたカノジョに見られたのだ。
 しかも、"絶対に"知らないと思っていたのに。
 普通の女のコなら見得ないと思っていたのに。

 真希のその表情を見ているうちに、普段ならカワイイと感じることができるカノジョの拗ねた表情が、
 何故だか無償に腹が立ってきた。
 見る見るうちに梨華の表情が膨れっ面へと変わっていく。

 そして、梨華の表情を見て、真希が"どうして怒るのか"といった表情をした。


「なにさ」

「どーしてごっちんが持ってるのょ…」
 

 梨華の言葉に、真希は屈めていた腰を上げると、テレビを地上波に切り替えた。
 天気予報が流れ始める。

460 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:14


「"みきてぃ"しかいないじゃん…」


 梨華の頭の中には、このビデオを撮った本人の顔しか浮かびようがなかった。


 みきてぃこと、藤本美貴。

 高校のクラスメートであり、さばさばした性格と、その抜群にキレイなプロポーション、
 さらに、美少年に見紛うくらいにキレイに整っている顔。
 運動神経抜群に、容姿抜群と、当時からやたらと後輩の女のコにモテていたカノジョは、
 性格は厳しく、梨華とは真反対だったが、不思議と梨華との接触を拒むことなく、
 梨華とは親友に近い存在であった。

 そのため、必然的に学校で友達のいない真希が梨華と一緒にいることから、
 真希とは学年の違う美貴も、真希とも一緒にいることがあったのだが。

 そんな美貴からここ半年、梨華はよく頼まれごとをしていたのだ。


 それは、ビデオへの出演。


461 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:15

 ビデオといっても、いわゆる世間一般で言われている"アダルトビデオ"というやつである。
 
 それ専門に扱う会社の、数多くジャンルがある中、"女性同士の絡み"を扱う部門で、
 美貴は先輩の誘いもあり、短大の在学中にアルバイトをしていた。

 アルバイトをしている間に、そこで働くことに興味を持ち始めた美貴。

 いつの頃からか、カワイイ女のコがスキになり、女性同士の絡みを撮ることが趣味となり、
 何の気なしに素人のキスシーンだけを撮ったビデオを、会社で働く先輩に見せたところ、
 なかなかウケがよかったらしく、それに気をよくした美貴が、それ以来頻繁に撮っていたのだ。

 そして、数本持っていった頃、そこの先輩から売り物として撮ってきて欲しいと頼まれ、
 "業界の人"を使ってもいいからと、会社の資金まで持たされたのが、ちょうど半年前だった。

 卒論が忙しくなり始める頃、ナンパにも時間を掛けることが出来ず、
 手っ取り早く片方の女性を"その世界の人間"にするのが一番よかったが、
 なるべく資金を減らしたかった美貴は、友達でもある梨華に"素人として"格安で頼んだのだ。

 普段から梨華の容姿などを高く評価していて、さらに梨華の性格も考慮に入れていたのだろう。

 頼まれた梨華も、余りにも真剣に頼む美貴の姿、"キスだけ"という本当に限られた事、もちろん顔はNG、
 相手が女性であるという事、たった数十分の"それ"だけで万単位のお金を貰えるという事に惹かれ、
 ついつい頷いてしまった。

462 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:16

 そう、今住んでいるこの高級マンションのお金は全て真希がキャッシュで支払ったことから、
 何か真希にとって困った事があった時のために、少しでも貯金をしておきたいという思いもあったのだ。

 また、人から頼まれると、イヤと首を横に触れない梨華。
 それが梨華の弱い部分でもあったが、逆にそのイヤと首を触れない部分が人当たりをよくし、
 バイト先のカフェではマスターからも信頼を得ていたのだから、
 仕方がないといえば仕方がなかったのかもしれない。
 
 それらの理由が重なり、美貴の頼みについつい首を縦に振ってしまっていたのだ。

 そのアルバイトの中、昨日の相手がれいなだった。

 そして、今真希が見ていたのは、まさにその時のモノであった。


「どーして、ごっちんが持ってるのって聞いてるのっ」


 美貴の性格は分かっていた。
 カノジョの性格からいうと、梨華に何も言わずに真希に見せたりするはずはないと思っていた。
 そのあたりからも、美貴は年下の女のコから慕われる原因だということも分かっていたくらいだ。

463 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:16

 梨華の少し強めの口調に、真希はため息をつくと、ソファの上に胡坐をかき、どかっと座り込んだ。

 バツの悪そうな顔をしはじめた真希に、梨華はさらにきつく言葉を掛ける。


「みきてぃはそんなことしないっ」
「みきてぃから…貰った…」

「うそっ」


 断定する梨華の言葉に、真希は俯くと、もう一度ため息をついた。

 テレビからは、やたらと楽しげなCMソングが流れていた。
 頻繁に変わるCM。

 それとは対称的な、梨華の強い瞳。
 その瞳に押されつつある真希の瞳。

 そして、19時、テレビから聞えてくるCMの音がバラエティ番組の楽しげなテーマソングに代わった頃、
 真希が呟いた。

464 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:17

「渡してって…」

 掻き消えるくらいに小さな声だったが、梨華には聞えた。


「勝手に…見たんだ…」


 梨華の責める声に、こくと一つ頷いた真希。
 背中が随分と小さくなっていた。

 真希がひどく反省しているように思えた梨華は、膝立ちで近付くと、下から覗き込んだ。

「どーして…?」

 梨華の言葉に、真希は何も言わずに、ただ首を横に振った。
 そして、微かに呟く。

「今までの分も…」

 一瞬真希の言っている意味が分からなかったが、はっと気が付いた。

465 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:17

 当然と言えば、当然である。
 今回だけ、美貴が渡してくるという事は、おかしいと言えばおかしい。

 これまでも美貴は、真希経由で、梨華に渡そうとしていたのだ。
 それは、真希で止まり、いつも見ていたということになる。

「信じられない…」

 思わず呟く梨華。
 言い様のない怒りが込み上げてくる。

 色々と辛い事を経験しているカノジョに対しては"抑えなきゃ"っていうキモチも、今は薄くなっていた。

 そして、真希を非難の目で見つめていると、あることを思い出してしまった。
 それと同時に、顔色が青くなる。

 これまで梨華は、昨日を合わせて計6回、美貴の要望でビデオに出た。
 最初の予定だと、全てがキスのみとの話だったが、たった一回だけ、梨華はカラダをひどく触られた事があった。

 服の裾から手を入れられ、ブラを外されたり。
 スカートの下から手を入れられ、ショーツの上からだが、梨華の大切な部分を触られたり。

 ただ、すぐに美貴が止めてくれ、その時点で終了はしたのだが。

466 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:18


 そのシーンまで見られたとなると…
 もしかして…


「何枚…持ってるの…?」

 怒りを押し殺し、真希に尋ねる。

 俯いていた真希は、不思議そうな表情をして顔を上げる。
 数秒考えた後、小さな声で答えた。

「6枚…」

 頭の中が真っ白になった梨華。
 真希の答えから、確実にカノジョに"その時"のを見られたという事になる。

 見られたくないコに見られた。
 家族のような存在の真希に見られた。

 愕然とした。
 羞恥心が襲ってくる。

467 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:19

 不条理だが、それなら、"出なければいい"という考えに、梨華は及ばなかった。
 どうせ赤の他人には見られるものなのに、と大らかに許せなかった。
 ただただ、怒りが込み上げてくる。

「何で勝手に見るのよっ!」

 梨華の高くて強い声が、部屋に反響する。
 そして、次の瞬間には、梨華の胸に熱いものが込み上げていた。

 これまで見たことのない梨華の剣幕に、真希は呆然と梨華を見つめていたが、
 梨華の瞳から大粒の涙が零れるのを見ると、顔色が変わった。
 

「最低っ!!」


 涙声で真希に怒りをぶつける梨華。
 しっかりと真希を睨み付ける。

 真希も梨華を見つめるが、その瞳の色は弱かった。
 今にも消えてしまいそうなくらいに弱い瞳。

468 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:19

 いつもの真希のモノには完全に見えなくなっていた。


 しばらく2人の視線が交じり合っていたが、ある瞬間、ふっと真希の黒目から光が消えたことに梨華が気付いた。
 

「ぇ…」

 そして、それに気付いた次の瞬間、真希の瞳から大粒の涙が零れ落ちていた。
 そのまま声をあげ、泣き始める。


 呆然となる梨華。


 まるで小さな小学生のコドモが泣くかのように泣いている真希。
 声をあげ、大粒の涙を流し泣く真希。
 しゃくり上げて泣く真希。
 

 手の甲でしきりに自分の涙を拭っている。


469 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:20

 そんな真希の様子に、はっと"何か"を思い出すと、慌てたように真希に駆け寄った。
 そして、カノジョの頭に手を回すと、自分の胸の中にぎゅっと抱きしめた。

 強く強く抱きしめる。

 最近は全く"出てこなかった"から、つい忘れてしまっていた"事実"。
 全てを思い出した梨華に、激しい罪悪感が襲っていた。

 さっきまでの怒りは、梨華の中、完全に消えていた。

 梨華はただただ言葉を呟き、背中をさすってあげる。
 まるで自分の事を責めるかのように。

「ごめんね、"真希ちゃん"」

 梨華の言葉に、真希もカノジョの背中に手を回した。
 そして、泣き続ける。

「ごめんね、"真希ちゃん"」

 自分の胸の中、"ままぁ"と声をあげ泣く真希をぎゅっと抱きしめてあげ、ただ"ごめんね"を繰り返した。


470 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:20


 ☆ 〜 ☆


471 名前:3 〜 投稿日:2005/05/26(木) 00:20


 ☆ 〜 ☆


472 名前:なまっち 投稿日:2005/05/26(木) 00:24

(*´Д`)(^▽^)

更新終了です。

また次回もヨロシクお願いいたします。
473 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/26(木) 07:08
更新お疲れさまです。 ごっちんの過去になにかあったんでしょうか? というか・・・あったんでしょうねぇ。 次回更新待ってます。
474 名前:なまっち 投稿日:2005/05/28(土) 00:52

>> 473 通りすがりの者さん
 ありがとうございます。
 ごっちんの過去までは今のところ語る予定はないのですが、もしかしたら…
 もうしばらく梨華ちゃんとごっちんの夜をどうぞ。
 これからもヨロシクお願いいたします。
475 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:52




 4 〜




476 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:53


 二重人格。


 真希は世間一般ではそう呼ばれている人間の一種である。
 専門知識のない梨華は、詳しい事はわからないが、ある時テレビの特集番組でフト知ったことがあった。

 真希の"その"事実に気付いたのは、真希がデビューをして1年後。
 まさに真希にとって絶頂であり、寝る間もないくらいに働かされていた時期だった。

 ちょうどコンサートツアーも終了し、新曲も発売後、テレビ、ラジオ番組の出演もひと段落ついたこともあり、
 その日は数ヶ月ぶりにオフをもらい、真希は昼から外に出かけたのだ。

 ところが、梨華には19時には帰るとメールが来ていたのだが、その時間になっても真希は帰ってこなかった。

 数度携帯に電話するも、全く出る気配のない真希。
 メールを送るも、返信はなかった。


 あとから聞けば、ただ携帯を落としただけで、ずっと探していただけったのだが、
 それを聞いたのは次の日だったのだ。


477 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:53


 とにかく、その時は知る由もなかった。


 こんなことは梨華にとってカノジョと出会ってから初めてだったし…
 カノジョは他人にひどい迷惑をかけることだけはしない人間だったし…
 普段は甘えている梨華に対しても、連絡だけは入れていたのだし…

 そして、心配し始める梨華をよそに、時間だけは23時になっていた。
 連絡がないことと、携帯に全く出ないことに、余りにも心配した梨華は、
 とうとうマネージャーである中澤に連絡をしてしまった。

 初めてとはいえ、こんなことがあると、真希が翌日こっぴどく叱られることは分かっていたが、
 まだ高校生でもある梨華自身、1人ではどう行動してよいのか分からなかったからだ。

 中澤も真希に連絡を入れるも、全く繋がらない事に心配し始めると、24時を過ぎた頃、
 真希を探しに出かけた。

 毎日毎日疲れているカノジョ、どこかで倒れていないか
 誰か悪いヤツに乱暴されてやしないか


 ただただ梨華は心配をしていた。


478 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:54

 そして、中澤とこまめに連絡をとりつつ、時間が26時を回った頃だった。
 ひょっこりと、何もなかったかのように真希が帰ってきた。

 帰ってきた時は、ただただ"よかった"と安心したのだが、カノジョの"どうして心配するの?"といった態度、
 事務所の方も総動員で探してくれていたのに、そのことに対して罪悪感を感じさせないカノジョの言動、
 それらにキレた梨華が、思いっきり真希をはたき、叱ったのだ。

 本当の理由なんて知らなくても、"真希には日々のストレスがすごい溜まっているんだから"と、
 梨華にはそこまで思ってやれなかった。

 最初、呆然として、ほほを押さえていた真希だったが、次第に"痛み"を理解してくると、
 カノジョの瞳が大粒の涙を浮かべ始めた。
 そして、何かが切れるかのように泣き始めたのだ。

 普段の真希からは全く想像できないくらいに泣いている姿を、あっけにとられて見ていた梨華だったが、
 カノジョの様子が余りにもおかしいことに、次第に怖さも感じてしまっていた。

 そんな時、真希が帰ってきた事を聞いた中澤が駆けつけてくれた。
 ほっとした梨華だったが、中澤も真希の様子を驚いた表情で見ているしかなかった。

479 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:54

 中澤が"後藤"と呼びかけても返事をしない真希。
 梨華が"ごっちん"と呼びかけても返事をしない真希。

 しかし、梨華の方を見つめ、"まま"と呼ぶ真希。

 そして、梨華が"真希ちゃん"と呼びかけると、返事をした。

 おかしな現実に2人の頭の中はパニックになりそうになっていた。

 目の前には、涙が止まると、普段より随分と素直で、
 目がコドモのようにトロンとさせて、地面にべったりと座り込んでいる真希がいる。

 そして、すごい眠たそうに目を擦り、梨華に抱きつくと、胸に顔を埋め涙を拭い、
 次には、ソファで膝枕をせがむように梨華を急かすと、そのまま膝の上、眠ってしまった。

 次の日からちょくちょく専門病院に連れて行き見てもらうと、1ヵ月後、
 世間でいう"二重人格"と診断されたのだ。

 梨華にとって信じられなかったが、それが現実だった。

 おそらく、中学生の頃、虐待を受け、ひどい痛みに逃げるすべとして身に着けたのかもしれないというのが、
 原因として挙げられた。

480 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:55


 カノジョの名前は"真希ちゃん"


 梨華の事を"まま"と呼び、とても甘え、中澤には"おばちゃん"と呼び、からかっている。
 そんなカノジョの年齢は7歳。

 性格は素直で、無邪気で、とてもココロ優しいが、
 出始めてからしばらくはほとんど泣きじゃくっているだけである。

 カノジョが登場するのは、梨華にひどく叱られたときだけである。
 そして、梨華が優しく抱きしめてあげ、背中をさすってあげると、落ち着きを取り戻し、
 しばらく経つと眠ってしまう。

 やがて、次に目を覚ましたときには、主人格である後藤真希に戻っているのだ。

 カノジョが登場するとき、それはひどく不安定な時。
 そして、梨華が叱る時。
 だから、これまで全て梨華がそばにいた。

 つまり、仕事場では出たことがないということになる。

481 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:55

 カノジョはこれまで7回ほど梨華の前に登場した。
 今日で8回目。

 "真希ちゃん"が出始めた当初は、夜も寝れないくらいに悩んだが、
 前回に集中した時期に、全てを受け止めることができた。

 変わりなくカノジョと接する。
 ただ、それだけしか梨華には出来なかった。

 でも、受け止めると決めてからは、キモチが変わったのだろう。

 ちなみに、この事実は中澤と梨華しか知らない事実である。

 その後は、梨華自身も落ち着き、真希も落ち着き、いつの間にか梨華の中で忘れかけていたのだが…
 そう、最近は全く出ていなかったから。

 梨華は、自分自身に悔まれて仕方がなかった。


 どうしてあそこまで…


482 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:56

 真希を寝かしつけると、梨華はテーブルの上に置いてあった荷物を持ち、自分の部屋へと入った。
 途中、キッチンに置かれていた、出来上がった料理類を見た瞬間には、
 カノジョへの罪悪感に、ひどく涙が零れてしまった梨華。

 真希はただただ"嫉妬"をしていたのだと思う。
 自分の世話をしてくれて、愛情をかけてくれている梨華が、
 誰か知らない女のコと仲良く連絡先の交換をしているのが面白くなかったのだろう。

 もし、女のコとキスしているのがイヤなら、これまでも見ていたというのだし、
 その時に、今日みたいに言ってきたと思うが、真希は今日初めて言ってきた。
 れいなとのDVDで。

 しかも、悪いことに、れいなから連絡先を教えて欲しいというお願いに、
 きちんと答えて、連絡先を教えているシーンまで映っていたのだから。


 おそらく、それに嫉妬したのだ。


 現に、真っ先にそのシーンを見せたのだし。

483 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:57

 真希の嫉妬は、一般的によくある、女のコ同士の嫉妬心。
 シンユウが他の女のコと仲良くしていると、嫉妬心で覆われてしまうという、それである。

 真希もそれだろう。
 特に、カノジョは独占欲が強い女のコだ。
 特にデビューをしてからは、それが顕著になった。

 そして、中学生の頃の冷たい記憶から、色々なものに愛されたいと願っている。

 梨華は大きくため息をついた。
 時間はすでに20時を回っている。

 携帯を取り出すと、履歴から中澤の名前を探し電話を掛けた。

 数回のコールの後、普段より若干テンションの高い中澤の声が電話口から聞えてきた。
 おそらく、早く帰れた今日は、ゆっくりとお酒でも飲んでいたのだろう。

「ぁの…」
「んー?どないした?」

 西方独特のイントネーションで答える中澤に、梨華を小さく"真希ちゃんが…"とだけ言葉を発した。

484 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:57

「えっ?」

 その瞬間、明らかに中澤の様子が変わったのが分かった。
 前回"真希ちゃん"が出てきたのは、随分と前だったが、その時のインパクトが強すぎた分、
 すぐに理解したのだろう。
 普段、真希のことを"ごっちん"と愛称で呼ぶ梨華のその言葉だけで。
 そして、梨華の雰囲気だけで。

 中澤は、"そっか…"と呟くと、次には大きくため息をついた。

「今は?」
「寝かせてます…」
 
 今にも泣き出しそうな梨華。
 ベッドに腰を掛けた。

「イシカワは…大丈夫か?」
「ぁ…はぃ…」
「行こっか…?」
「ぃぇ…大丈夫です…」

 どうして"真希ちゃん"が出たのかなど、それほど深く理由を追求しないのが、梨華にとってありがたかった。

485 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:58


 普段から、どれだけ梨華が真希のことをイモウトのように思って世話をしているのか、分かっているからだ。
 梨華にも随分とストレスをかけてしまっていると、思っているからだろう。

 中澤は、"明日は少し早めに行くから"とだけ言い残し電話を切った。

 そして、そのままぼぉっとベッドの上に座っている梨華。
 

 しばらく経つと、立ち上がり、キッチンに向かい、真希の作ってくれた料理類を全て冷蔵庫に入れ、
 軽くシャワーを浴びると、さきほど寝かしつけた真希の部屋へと足を運んだ。


 そして、不安そうに眠っている真希を再び抱きしめてあげると、一緒に眠りについた。


486 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:58


 ☆ 〜 ☆


487 名前:4 〜 投稿日:2005/05/28(土) 00:59


 ☆ 〜 ☆

488 名前:なまっち 投稿日:2005/05/28(土) 01:00

更新終了です。

次回からまた雰囲気をちょっとづつ戻していきます。

489 名前:ひろ〜し〜 投稿日:2005/05/28(土) 21:19
更新、お疲れさまでございます。
真希ちゃんの子供っぽさに萌えたのは私だけでしょうか。笑
次回も、ものすごく楽しみに待ってます☆
そしてなるべく後藤さんも登場させてくださいまし。
490 名前:なまっち 投稿日:2005/05/29(日) 23:45

>>489 ひろ〜し〜さん
 れすありがとうございます^^
 もぇて頂けましたか(ぅれしぃ☆
 少しの間後藤さんの登場はございませんが、
 またのちほどきちんと登場していただきますんで(きっぱり
 これからもヨロシクお願いしますね^^

491 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:46




 5 〜




492 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:47

 翌朝、いつもより早めの7時前に目が覚めた梨華。
 昨日は21時?半には眠っていたから、久しぶりに随分と眠ったことになる。

 一度も目が覚めなかったことから、真希があれから一度も泣き声をあげなかったのだろう。
 少しほっとなる。

 ご機嫌斜めなときは、頻繁に起きて泣きだしたり、ぐずついたりと大変な時さえある。
 そんなときは抱きしめてあげるくらいしか梨華にはできないが、それでも真希は十分らしく、
 いつのまにか梨華の胸に顔を埋めるようにして、"ままぁ"と寝言を言いつつ、
 シアワセそうに再び眠りについてくれる。

 そんなときの真希は、普段のさばさばしたり、拗ねたりすることの多いイモウト的なカノジョとは違い、
 随分と愛らしく素直で可愛らしく、本当の娘のように感じられるのだ。
 
 まだ自分の腕の中で眠っている真希を起こさないように、腕をどけると、起き上がった。
 そして、布団を掛けなおしてあげる。

 シアワセそうに眠るカノジョの姿を見ていると、昨日の出来事が夢の中のモノに思えてきそうだった。

493 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:47

 少し跳ねているカノジョのキレイな髪の毛を整えてあげると、そっとキッチンの方へと向かった。
 キッチンにおいてあるテレビの電源を入れると、ちょうど"目覚ましテレビ"が映し出された。

 ダイニングキッチンに置いてあるテレビは朝しかつけないこともあり、
 日々の習慣からか、フジテレビに固定してある。

 リモコンで少し音量を落とすと、机の上に置いていた携帯に目を通す。

 メールが2件来ていた。
 一つは確実に想像はつく。

 ある意味昨日の出来事のうちの一つの原因でもある女のコ。
 かといって、本心からいうと、梨華にとってこれからのカノジョへの対応を変えたくはなかった。


 真希が嫉妬するから連絡を取らないとか…


 真希のことを第一に考えている梨華であったが、その点だけはどうしても考えられなかった。
 自分でも不思議だったが。


 どうして、コドモであるカノジョにここまで…


 ただ、おそらく隠すことだけは確実だった。

494 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:48

 メールボックスを開けると、案の定れいなだった。

 内容は、昨日、家に帰るまでに、出てきた話題の一番最後、梨華のバイト先の話だった。
 "今何をしているのですか?"から始まったれいなとのやり取りの間に、
 これまでバイト経験したことのないれいなが、色々と聞いてきたのだ。

 ちょうど区切りがよかったその一番最後。

【明日石川サ☆ンのバイト先に遊びに行ってィ→とデスか?(*^O^*)/】
【ん→ゃ(×_×)ぃきた→ぃ(*≧O≦*)/】
【ふりふりの姿見たぃとデス。。。(´ヮ`)】
【かぁぃぃやろな→o(><)o】

 相変わらずれいならしいメールに、昨日、真希にあんな事をしてしまい落ち込んだ梨華の胸、少し温かくなった。


 今日かぁ…


 さすがに昨日の真希とのやり取りがあり、カノジョの事を考えると、れいなと会うなんて事は気が引けてしまう。
 しかし、ココで"ダメ"だなんて言ってしまうと、それはそれでれいながひどく悲しむような気もする。

495 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:49

 大きくため息をついた梨華。

 何とも表現しにくい葛藤。

 そして、次には少し焦りもおぼえはじめた。
 "早めにメールを返してやらないと"って。

 このメールは【21:42】にきている。
 さすがにすぐ返信してもいいくらいに簡単な内容なのに、なかなか返ってこないことに、
 もしかしたら梨華が迷惑に思っているのではないかと、れいなが勘違いしているように思えたのだ。

 悩んだ挙句、結論は


 バイト先に来るくらい…


 真希と出会うなんてことは有り得ないと思った梨華は、"遅れてごめん"って感じの謝罪の言葉を最初に入れ、
 "きていいよ"と打ち込んだ。
 そして、最後に一応といった形で、具体的な行き方と、"分からなかったら電話して"の旨を打ち込み、
 送信ボタンを押した。
 自分にしては精一杯の絵文字を使って。

496 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:49

 続いて画面に表示された名前をみて、思わず"へぇ〜"と言葉を漏らした。


【TO:紺野あさ美ちゃん】


 珍しいと言えば珍しい、このコからのメール。

 梨華のバイト先の後輩であるこのコは、最近のコにしては珍しいくらいに純粋な女のコだ。
 北海道の田舎で、中学を卒業するまで純朴に育ったこともあるのだろう。
 学年でもトップクラスの頭のよさから、東京の方に進学してきたのだ。

 顔立ちにしても、女のコ誰もがヌイグルミみたいにカワイイと認めているカノジョは、上京して今年で丸二年。

 お金が必要なカノジョは、普段から毎日のようにバイト先に顔を出していた。

 だから、"今日も会うから別にバイト先で話してもいいのに"と梨華は、
 カノジョからのメールを珍しく思ったのだ。

497 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:50

 そんなあさ美は、実は"後藤真希"の大ファンである。
 それは、本人も友達に公言している。

 また、ファンクラブに入り、東京でコンサートが開かれるときは、全ての公演に参加するくらいだ。
 もし、チケットが取れなかった時は、ネットオークションで落としたり、それでも取れないときは、
 最終手段として、梨華に頼んでくることもしばしばであった。

 もちろん、梨華が真希と同棲しているなんて事実は、公表していないが。
 ただ、友達が事務所の関係者で、チケットなら手に入りやすいし、
 関係者用のチケットなら確実に手に入れられるということを、カノジョに教えているのだ。

 これまで数回チケットをあげたことがあった。

 もちろん、事務所としても大歓迎らしい。
 全盛の頃でも、やはり男性のファンが多かった真希。
 そんな中、女子高生のカリスマ的な存在に仕立て上げたかった事務所としては、
 女性、とくに小中高の女のコのファンの獲得が望まれていたこともあったのだろう。

 梨華には、"どんどん頼まれて"と中澤から言われているくらいだ。
 さらに、グッズなんかも相手のコが望んでいたら言って欲しいと頼まれていた。

498 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:50

 ここ最近は"それ"がとくに顕著で、全盛の頃の1万人規模の会場から、最近の3千人規模の会場になってからは、
 とくにファンの間でチケットの確保が難しくなり、ファンクラブで取れなかった女のコなんかは、
 手に入れることすら出来ないくらいだ。


 チケットかなぁ…


 そういえば、春休み最後、そしてこのツアー最後となる2週間後の週末の土曜と日曜、
 真希が東京でコンサートを開く事を思い出した。
 そろそろチケットが配布され、ネットにも並び始めたのだろう。

【たかいですっ!!(×o×;;】
【1階の一番後ろで1万超えてるんですよっ!!(ノ゜0゜)ノ】
【ありえないですょ(/o\)】

 やっぱり…

 具体的には書いてなかったが、おそらく今日バイト先で出会ったら頼まれるだろう。
 人に頼まれごとをされると素直に嬉しい梨華は、妙に嬉しくなった。

 さらに、これだけ真希が好かれている事を再認識できて。

499 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:51

 "用意してあげよっか?"という内容のメールをあさ美に返信する。

 すぐに"お願いしますっ"って返ってくるかな…

 そう思いつつ梨華は、携帯をリビングのテーブルの上に置くと、キッチンの方へ足を向けた。

 キッチンの中に入ると、冷蔵庫の中に入れてあった、昨日真希が作ってくれていた料理を出す。
 ラップを取りつつ、火にかけようかと思案する。

 そう、カノジョの料理は冷めてもおいしいのだ。
 逆に、温めてしまうと美味しくなくなってしまう時さえある。

 と、その時、携帯にメールの着信を知らせる着うたが流れた。

「はゃ」

 思わず笑顔が浮かぶ。
 続いて、またまた着信。

「はゃ」

500 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:51

 見に行こうかと思うも、とりあえず料理の準備だけを優先した。
 しばらく考え込むと、とりあえず朝食に食べやすいものだけを残し、後は夜にと、冷蔵庫に戻した。

 結局朝食としては、ご飯にお味噌汁、お豆腐、オムレツを半分、ポテトサラダを半分にしたものだけにした。

 お茶に、とお湯を沸かし、お味噌汁に火を通す。
 オムレツは、少し迷った挙句、"怒るかなぁ"と思いつつもやっぱりレンジに入れてしまった。

 時間だけは慎重にセットする。

 そこまで済むと、テレビでは芸能ニュースが始まっていた。

 それが始まる頃に、毎日真希を起こしている。
 よっぽど前の日が遅かった日以外は。

 真希の部屋のドアをあけると、カノジョはまだ眠っていた。
 ただ、さっき掛け直した布団が少し乱れていることから、眠りは浅いのかもしれない。

501 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:52

 一晩中付けっぱなしになっている加湿器を止めると、真希のそばに膝をついた。
 
 さすがに昨日のことがあるから、梨華は少し緊張している。
 一度眠りにつくと、これまでは直っていたから、心配する必要はないものの、やはり。

 梨華は、ゆっくりと揺すった。


「ん……」


 少し反応を見せた真希に、呼びかける。


「ごっちん…?」

「ん…ぁ…?」


 梨華の"ごっちん"との呼びかけに、しっかりと返事が返ってきたことに、梨華はほっと胸を撫で下ろした。
 朝には"戻っている"とは分かっているものの、しっかりと反応が返ってこないと心配なのだ。

502 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:52


「朝だょ」

「ん〜ん…もぅちょっとー」


 布団を剥ぎ取る。


「ゃだ
 もぅちょぃ」

「だめだょ」


 梨華から布団を奪う真希。


「こらっ」


 いつも通りのやり取りに、梨華の表情は自然と柔らかいものになっていた。


503 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:52


 ☆ 〜 ☆


504 名前:5 〜 投稿日:2005/05/29(日) 23:53


 ☆ 〜 ☆


505 名前:なまっち 投稿日:2005/05/29(日) 23:55

更新終了です。

次回からしばらくの間、後藤さんから離れます。
そして、石川さんのバイト先をお楽しみくださいませ。

506 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/05/30(月) 20:25
更新お疲れさまです。 ごっちんにはそんな過去が・・・でも自覚の無い人は数多いかもしれませんが、居るんですよね。 そういった特殊なヒト・・・。 石川サンだけの特権ですね。 ちょっと羨ましい(ムニャムニャ 次回更新待ってます。
507 名前:なまっち 投稿日:2005/06/01(水) 00:53
>>506 通りすがりの者さん
 れすありがとうございます^^
 今のごっちんは、ある意味石川さんの独占(おっと…これ以上は…
 これからはまたしばらくほのぼの系で進みたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
508 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:54




 6 〜




509 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:54

 中澤が普段より早めに家に来てくれたこともあり、いつもより早めに出れた梨華。
 今日はバイト先までの道のり、ずいぶんとゆとりを持てていた。

 ただ、それ以上にほっとしたのが、真希の様子。

 真希も随分と機嫌がよく、普段よりもかなり優しく梨華に接してくれていたのだ。
 また、わがままもなく、随分と可愛らしく甘えてきたりもした。

 さらに、明日の夜から仙台の方にツアーコンサートで行くこともあり、
 今日も夜は早いらしく、晩御飯を、昨日同様作ってくれるらしい。

 そんなこともあり、随分と機嫌もよく、バイト先に到着した梨華。
 バイト先までくると、もうすでに真希のことは頭の中から消えていた。
 "消えていた"というか、消すようにしている。

 そう、カノジョは同じ"世界"に住んでいる人間ではないから、カノジョのことを考えてしまうと、
 話題に出てきたときに、何かボロを出してしまいそうになるのが怖いためだ。

 とくにココでは、カノジョの話題がよく出てきたりする。
 そのため、バイト先などに来ているときには、なおさら真希のことを"知らない"ようにしている。

510 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:55

 梨華は、バイト先の中世風の建物の前に立つと、時計を見た。
 すると、ゆっくりと来たのに、うんと急いでいる日とほとんど変わらない時間で来てしまった事に、
 普段はどれだけ精神的に負担を強いているのかと、少し凹む。

 誰かきていないのかなと、入り口に近付いた。
 表に"☆くろーず☆"のプレートがかけてある事から、まだ誰も来ていないようだ。
 すぐ隣の小路から裏に回り、少し小さな裏口から中に入ると、手探りで壁にある電気を探る。

 屈んで入ったぶん、人間の感覚というのはおかしくなるのだろう。
 ここでアルバイトを始めて数年になるが、これまで一度も、一回で探し当てたことがなかった。

 もちろん、今日も。

 小さくため息をつくと、改めて探す。

 10回くらい余計に壁にタッチをしてから、やっと廊下に明かりがともってくれた。
 廊下をまっすぐ進んだ所にあるカーテンの奥、店内に入る。

 とりあえず電気と空調を点け、"☆くろーず☆"を"☆じゅんびちゅう☆"に代えると、
 奥に戻り、裏口から入ってすぐに右手にある更衣室に入った。

511 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:55

 つい数ヶ月前リフォームをしたばかりであり、それまで少し薄暗く古く感じる部屋が、
 随分と明るくモダンに見えるようになった。
 外観のおとぎ話にでてくるような木造建築からは想像できないくらいに明るく、モダンといえよう。
 更衣室だから、それほどキレイにしなくてもよかったのだが、ここで働く人はみんな女のコだったため、
 どうしても更衣室兼休憩室のココは、自然とみんながいて気持ちのいい場所である必要があったのだ。

 テーブルの上においてある"石川"と書かれてある袋を持ち、奥にあるロッカーをあける。
 そこに、自分の荷物を置き、持っていたビニール袋をやぶり、服を取り出す。

 梨華の手に、明るい衣装が取り出された。

 ここのマスターの趣味といってもいいその衣装は、まるでアニメの世界の、
 いわゆるメイド服といってもいいくらいにふりふりの衣装だった。

 淡いワインレッドのブラウスとおそろいのフリルのついたミニスカート。
 ミニスカートは膝上20〜25cmが規定になっている。

 そして、ウエストをぎゅっとしばりスカートのフンワリ感を強調させ、
 さらに、胸元を大きくあけ、アンダーバストからぐっと押し上げ胸を強調させる純白のエプロン。
 ウエストと肩のラインにあるリボンがひとつのアクセントになっている。

512 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:56

 あと、首にはピンクの細いリボンのついたカチューシャ、
 頭には大きなフリルのついたヘアバンドが用意されている。

 また、もちろんといってもいいが、白いショーツまで用意されている。
 いわゆる見せパン用に。


 カワイイ。
 確かにカワイイのだが…


 いかんせん完全に趣味の世界。
 これが目的で数多くの女のコがアルバイトを申し込みにくるのだが、ほとんどのコが落とされている。
 今働いているコは、ある意味強烈な競争率の中、採用してもらったと言ってもいいくらいだ。
 
 それを考えると、不満を言ってると、落とされた女のコに何て言われるか。
 恥ずかしいなんて贅沢を言っていられない。

 っていっても、梨華自身、おそらくイヤではないのだろう。
 この衣装で、やっぱり自分が可愛くなれるのだし。

513 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:56

 カジュアルトップスを脱ぐとブラウスを着て、ミニスカートを付ける。
 デニムを脱ぐと、ショーツを3枚はく。

 鏡の前でショーツが見えるか見えないかぐらいに調整していると、ノックの音が聞こえた。


「どーぞー」


 ノブが擦れると音と共に、ぎぃっと木製のドア特有の音がすると、
 1人のスレンダーな美少女が"ぉはょございまぁーす"と入ってきた。
 
「ぁらっ、ぃしかーさん。はょございます。」
「ぉはょ」

 奇妙なイントネーションながらも、きちんと挨拶をし、さらに再び挨拶をしたカノジョ。
 梨華の顔を見ると、満面の笑みを浮かべた。
 その美少女の笑顔に、自然と梨華も笑顔で返す。

 艶やかなロングヘアーに、大きな瞳が印象的な美少女。
 とても純朴そうなカノジョは、とても美しく、誰が見ても思わず見惚れてしまうほど、
 可愛らしくキレイに整った顔立ちだ。

514 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:57

 大きな瞳に見つめられると、誰でも顔を赤らめてしまいそうな美少女。

 黙っているととてもキレイで大人びて見えるが、カノジョが一度口を開くと印象はいっぺん。
 北陸地方独特の方言を強く使い、その余りにも幼く感じられる話し方は、
 誰もが笑顔を浮かべてしまうくらい愛らしく感じられる。
 そう、カノジョの名前通りに。


 高橋愛。

 笑顔を見せている時の外見は、まだまだ中学生と言ってもいいくらいに感じられるが、
 来月から梨華と同じ大学、学部学科への入学が決まっている。
 
 今はお金を貯めるために、毎日と言っていいくらいにバイト先に顔を出していた。


「ぁ…ちょうどよかった…」


 梨華の言葉に"なんですか?"と振り返った。

515 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:57


「どぉ?」


 スカートの裾を持つ梨華に、"ん〜"と考え込むと、
 "もうちょっと見せられますょ"と妙なイントネーションで答える。
 そして、梨華に近づくと、スカートのゴムの部分を折り返し、スカートの裾を上げた。


「だ、大丈夫?」


 "見えてない?"と、心配そうな梨華をよそに、にっこりと"だぁいじょうぶ"と微笑む愛。

 さっさと服を脱ぐと、梨華のまだ心配そうな表情をよそに、
 下着姿のままテーブルの上に置かれていた袋から服を取り出し、さっとブラウスを着、スカートをはいた。
 余りにも大胆に行動する愛の、スレンダーでカッコイイスタイルに思わずほほを赤らめる梨華。
 そんな梨華をよそに、愛はスカートのゴムを大胆に内側に織り込む。
 そして、ショーツは、梨華みたいに3枚もはかず、2枚だけ。

 エプロンにカチューシャ、バンドをぱっぱとつけると、あっという間に準備完了。

516 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:58


「はゃ」


 鏡の前、呆れた様子の梨華の後ろか鏡を覗き込むようにして、自分の姿を確認した。
 

「ょしっ」


 と、一瞬で満足したのだろう、自分の服を片付けようとたたみ始めた。

 すると、何かを思い出したかのように、"そだそだ"と呟く。

「ぃしかーさん?」
「ん…なぁに?」

 やっとスカートの位置が決まったのか、エプロンを手にした梨華は、愛の方を振り返った。

「こんちゃんからメールありました?」

「こんこん?」
「ぁ゛ぃ」

 愛の言葉に梨華は、今朝のメールを思い出した。

517 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:58


 "こんちゃん"、"こんこん"こと紺野あさ美。
 今朝梨華にメールを送ってきた女のコのうちの一人。
 
 あの後、しっかり"お願いしまぁす"とメールだけは届いていたのだが。

「"チケット高すぎ"ってきたょ」

 梨華の言葉に愛は、"ぅちにも来ましたょ"と、声に出して笑った。

「頼んでませんでした?」
「ぅん。"取ってあげよっか"って送ったら、"お願いします"ってそっこー来たょ」

「さすがこんちゃん」

 と、愛がもう一度笑ったときだった。
 ドアがノックされる。

 すると、梨華と愛が顔を見合わせた。

518 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:59


「噂をすればってやつだーね」


 梨華の言葉に愛は頷くと、"えーよぉー"と声を大きくだした。
 キレイで透き通った声が部屋に響く。

「ぉはょぅ。あぃちゃん」
「はょぉ」

 ドアが開いて、入ってきた女のコ。
 愛の"キレイ"という印象より、真っ先に"カワイイ"という印象を受ける美少女。
  
 少しふっくらとした可愛らしい顔立ちとは対照的に、とてもほっそりとはしているものの、
 まだまだ思春期真っ只中の年齢とは不釣り合いなくらい女性的でステキなスタイルをしている。
 
 そして、優しげにとろん目じりの下がった瞳と、人に知的な印象を与える雰囲気が印象的な美少女だ。

 カジュアルウェーブが掛かっているロングヘアーは、身につけているワンピースやカーディガン、
 知的な印象と相まって、とてもお嬢様的である。

519 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 00:59

 また、愛より一つ年下のあさ美を取り巻いている空気は、お嬢様的な雰囲気を相まって、特に遅い。
 その原因が一番だろうが、愛より一年年下なのに、全てに対して対称的に大人びているように感じられる。


「ぁ、ぉはようございます。」


 鏡の前に立っている梨華の姿を見止めると、笑顔を浮かべた。
 そして、少し真剣な表情で梨華の近くまで寄ると、カノジョの手をひしっと握り、
 "ヨロシクお願いしますねっ"と梨華の目を見つめる。
 

「ぅ…ぅん…」


 余りにも可愛らしい瞳に見つめられ、思わずほほを赤らめながら頷く梨華。


「ょかったぁ」


 ほっとしたように笑顔を浮かべたあさ美を見て、愛は、"に、してもさ"と声を出した。

520 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 01:00

「土曜の夜と日曜の昼は取れてるんやろ…?
 ぅちと一緒に行くんやん?」

 愛の言葉に、"ちがぁぅの"と大げさにため息をついた。

「"夜"がいいのっ」
「"夜"ねぇ…」

「一番盛り上がるんだから」
 
 愛にそうびしっと指を立ててこたえると、テーブルの上においてある袋をとり、奥のロッカーの前へと行った。
 バックを置くと、ふと何か思い出したかのように、梨華と愛の方を振り返った。
 そして、さも当然のごとく、"もちろん、愛ちゃんの分もお願いしますね"と声を出した。

「わかったょ」

 と、鏡の前でエプロンをつけている梨華が笑いながら答えるのとは対称的に、少しため息をつく愛。

 愛にとっては2公演参加するだけでも十分なのだが…
 どちらかといえばCDやDVDやグッズや生写真にお金を使いたいし。

 さらに、"後藤真希"とは別のものにもハマッていたのだ。

521 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 01:00


 "宝塚"


 "宝塚"が大好きな愛は、一年間に数度、"遠征"と称して、関西や名古屋方面にも行っていた。
 だから、余計にお金が必要にもなる。

「じゃ、"ごっちん"の夜に行くから、春休みのうちに、一緒に宝塚に行くからね」
「"ごとうさんっ"!」

「ぅ゜…ごとうさん…
 と、とにかくゃ、宝塚なっ」

「おーさか?」
「ひょうごっ!!」

 2人のやり取りに笑顔を浮かべながらも、梨華の興味は目の前のエプロンをカワイク着こなすことに、
 移っていた。
 そう、れいながくるのだから…と、気合が入る。

 けど…アンダーバストから胸をあげるのだが、自分好みのキレイなカタチにはなってくれないのだ。

「難しいなぁ…」

522 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 01:01

 この衣装になってから、もう半年経ったが、相変わらずこの部分と、
 スカートの丈だけは誰かに見てもらわないと自信がない梨華。

 あさ美に見てもらおうかと、カノジョの方をみると、まだ愛と宝塚について討論中だった。

「もぉ、もぅすぐ宝塚で"宝塚"やらへんくなるんやょ」

「へぇ…"宝塚"でやらなくなったら、"宝塚"じゃなくなるんじゃ…」
「むっきーっ!!」

 愛の叫び声に、梨華はしばらく見てもらうことは諦めると、再び鏡の前でエプロンと格闘をすることにした。

 とりあえず今日外に出るメンバーである3人は出揃っていた。

 少し心配にはなる個性のもつ3人だが、このカフェの中でも絶大な人気を誇る3人なため、
 今日は一日中目も回るくらいに忙しくなるだろう。

 ただ、本人たちには、自分たちに人気があることを意識はしていないのだが。


523 名前:6 〜 投稿日:2005/06/01(水) 01:01


 ☆ 〜 ☆

524 名前:なまっち 投稿日:2005/06/01(水) 01:04

更新終了です。

しばらくほのぼの系♪でマイペースマイペース♪で行きます^^
っていうか、これまでどおり行きます(ってことで…
それでは、また次回よろしくおねがいいたします。
525 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/01(水) 01:33
更新乙です☆
カワイイ衣裳ですねぇ(≧∀≦)
でも、ショーツ3枚は暑そうだなぁ(笑)
526 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/02(木) 12:27
 更新お疲れさまです。 ごっちんは本当に有名人なんですね。 紺ちゃんなんて一筋っというオーラが出てて可愛いです。 次回更新待ってます。
527 名前:なまっち 投稿日:2005/06/02(木) 23:44

>>525 名無飼育さん
 ありがとうございます^^
 ショーツ3枚は、ここでの石川さん"らしさ"ってことで(わら
 かわいい衣装を着てるみんなをモウソウしてくださいませ^^
 次回もヨロシクお願いいたします。

>>526 通りすがりの者さん
 ありがとうございます^^
 そうなんです。有名人なんです^^
 こんちゃんはかなり一筋ですょ〜
 ある意味ごまこん。結構スキなCPです(わら
 これからもヨロシクお願いいたします。
528 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:46




 7 〜




529 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:46

 お昼の忙しい時間が一段落し、世間一般で言うティタイムまでは少し余裕のある時間帯になったこともあり、
 三人とも少しずつ交代で休憩を取る事にした。
 
 この時間を使って、マスターも出かけていることもあり、さらにキモチに余裕が生まれる。

 とは言っても、マスターが厳しく、いるだけで緊張する人間というわけではない。
 
 むしろ、傍目からみれば、このカフェのマスターが誰か分からないように感じる事ができるような人物であった。

 年齢は梨華とは3歳しか違わないのだが、高校卒業とともにこの世界に入り、本人の容姿や、性格、
 料理の腕前、サポートしてくれる周りの人間の能力の高さから、数年で独立をし、
 すぐに巷でも有名なほど流行るお店にまで創り上げてしまったくらいの腕の持ち主である。

 ただ、そんなマスターも、普段梨華たちと接するときは、全く同等の立場になっている。
 むしろ、カノジョの精神年齢を推測すると、あさ美より幼いといってもよいくらいに感じられるのだ。

 従業員からおちょくられたりしていることもしばしばあるくらいに。

 だから、今、マスターがいないから余裕が生まれているというのは、言い過ぎかもしれない。
 
530 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:47
 
 そんなマスターが出かけてから、時間が20分は経とうとしていた。

 そして、それは、あさ美が奥に入り、休憩していたときだった。
 そろそろれいなが来てもおかしくない時間帯となっていたため、若干そわそわしていた梨華は、
 突然の訪問者に、スタンディングチェアーから思わず腰を上げる。

 隣では普段通りに愛が"いらっしゃいませぇー"とカワイイ声をあげる。

 梨華も一緒に声をあげようとしたが、お客様だと思った梨華の目の入ってきたのは、
 少しラフなカッコをした美貴だった。
 
 梨華の姿を発見すると、にっこりと笑顔を浮かべ、手を上げた。

 普通の女のコだったら、その瞬間にぽっとホホを赤らめ、
 俯いてしまいそうなくらいにカッコいい笑顔だったが、今の梨華には関係なかった。

 見た瞬間に、言いたいことが山ほどココロの中に沸きあがった梨華。

 隣でホホを赤らめている愛をよそに、ぱっと血相を変えると、美貴のそばまでずかずかと寄り、
 今にも掴みかからんくらいの表情でカノジョの名前を呼んだ。

531 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:47


「みきてぃっ!!」


 あまりの剣幕に、少したじろいだ美貴は、"お客さんが見てるょ…"と、周りを指差し、梨華を宥める。
 その仕草に、梨華が周りをきょろきょろ見渡すと、少しビックリした表情のお客さんが、
 2人の様子を不思議そうな顔で見ていた。

 お嬢様的な容姿、性格だと評判だった梨華の剣幕に呆気に取られている一方、
 一部には、少しショックを受けた様子のお客さんも。

 慌てて笑顔を繕うと、美貴の腕を掴み、愛に"ちょっとだけごめん"と言い残すと、
 奥へと、美貴を引っ張り込んだ。
 余りにも剣幕に、なされるがままの美貴は、普段のカノジョからは想像できないくらいに、
 素直について行った。

 あさ美が、今いるスタッフルームからさらに奥。
 裏口まで連れて行く。

 裏口の壁にまで引っ付くと、そこでやっと梨華は振り返り、美貴を睨み付ける。
 が、余り怖くないのだが。

532 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:48

「な、なんだよっ」
「どーも、こーもないわよっ!」

「分かんないんだけど…」
「もぉ、みきてぃさ、渡したでしょ!」
「ぇ…
 何を?」

 ごく当然の疑問である。
 梨華の主語のない言葉に、美貴は不思議そうな表情で聞き返した。

 意思の通じてくれない美貴に、梨華は大きくため息をつくと、"ごっちんにだょ"と囁く。

「ぇ…」

 そこで、やっと梨華が何を言わんとしているのか理解をした美貴だった。
 が、次の瞬間には、その表情はみるみる内に不機嫌なものへとなり、そして、解せない表情を浮かべていた。

「な、なによ」

 美貴の表情に、今度は梨華がたじろぐ。
 性格的に男のコである美貴に、女のコである梨華は当たり前のように弱い。
 怖い表情を作られると、竦んでしまうのだ。
 
533 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:49
 
 それを隠すかのような精一杯の強がりの表情の梨華に、美貴は言い放った。


「"梨華ちゃん"が"渡して"って言ったじゃん」


 わざわざ"梨華ちゃん"と"渡して"の言葉を強調した美貴の言葉を、梨華は一瞬理解できなかった。


「ぇ゛…?」


 余りにも突然の内容に、思わず間抜けな声をあげる梨華。
 理解出来なかったが、しっかり一分間かみ締めると、その意味を理解しはじめた。 


 わたしが…言った…?


 反芻するその言葉をもとに、梨華は一生懸命記憶の糸を手繰り寄せる作業に入った。
 もし、本当に梨華自身が言った言葉となると、それはそれで大変な事になる。

 一生懸命思い出そうとする梨華。

 しかし、それは30秒もかからず、頭の中にしっかりとした景色としてうつっていた。
 その時のセリフ、美貴の様子、周りの様子から、全てがはっきりと。

534 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:49

"ごっちんの事務所って意外と近いんだょね"

"へー、そーなんだぁ"
"結構会うんだょね"

"じゃぁ"あれ"ごっちんに渡しといてぃぃょ"


「ぁ…」


 顔が青ざめる。

「思い出したかっ」

 勝ち誇った様子の美貴とは対照的な梨華の様子。
 落ち込む様子がはっきりと周りにも伝わってくるくらいだ。

 そのままがっくしと膝を落とすと、膝を抱え込むかのように地面に座り込んでしまった。

 余りにもの落ち込みように、さすがに美貴も少し同情が生まれたのか、
 一緒にしゃがみ込むと"何言ったの?"と梨華に話を聞いてきた。

535 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:50

「ごっちんに見られて…
 サイテイって…」
「ごっちんに…?」

「かなりキツメにいっちゃったの…」

 昨日、"真希ちゃん"を出してしまった時点で、かなり反省した梨華だったが、
 もし、この自分の勘違いがなければと思うと、余計に悔やまれてならなかった。

「見たってのはごっちんらしくないけど…
 まっ、言っちゃったもんは、仕方ないよっ」

 さすが、さばさばした性格で楽観的な美貴らしい言葉。
 美貴は1つため息をつき、"さて"と立ち上がった。

「ごっちんだって、そんなに気にするようなタイプじゃないし」

 確かに、今朝の真希の様子はもう気にしてなかったけどさ…

「梨華ちゃんが落ち込んでると、ごっちんまで落ち込んじゃうからさ」

 その美貴の言葉に、梨華は少し救われたようなキモチになれた。
 小さく笑顔を浮かべると、"起こして"とばかりに美貴に手を突き出す。

536 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:50


「キモぃから」


 さっさと後ろを向き、お店の方に戻る美貴。
 差し出した手の行き場を失った主は、だらんと落とすと、自力で立ち上がった。

「ょっこらしょ」

 と、普段より大きめに声を出す。


 少し安心かなぁ…


 原因は自分にあり、ごっちんが悪かったのではないという部分に関してはそう思えた梨華だった。

 と、そう思い、美貴の後ろ姿を見ているときに、フト思い出した事が一つ。
 もう一つ大事な事があったのだ。

 再び顔が青くなると、張本人の名前を呼ぶ。

「みきてぃっ!!」
「なぁにさ」

537 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:51

 またまた大きな声を呼ばれたことに、少し機嫌が悪そうに振り返った美貴。
 そんな美貴の様子に一瞬口が噤むも、背に腹は変えられぬとばかりに、一言言った。

「帰って」

「はぁ?」

 当然と言えば当然のリアクションである。
 一気に目つきが鋭くなると、"意味分かんないんですけど"と、大げさにため息をついた。


「お願い…
 "れいな"が…くるの」


 一瞬身の周りの人間を頭に浮かべた美貴。
 しかし、誰か分からず、"だれ?"と聞き返しそうになったその時、1人の少女の顔が浮かんだ。
 
 すると、みるみる内に表情にイヤラシイ笑みが浮かぶと、"やだ"と一言言い放った。

 カノジョのイジワルな笑顔に、梨華の表情が泣きそうなものへとなった。
 このまま美貴とれいなが鉢合わせになってしまったら、梨華にとってサイアクの事態となる。

538 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:51

 そのまま会話をし、梨華と美貴が友達であること。
 さらに、れいなの前にも数回こういうビデオに出ているという事実を知られたら、
 カノジョの純粋そうな性格からすると、確実に幻滅されかれないと思ったからだ。


「どぉしてょ…」
「ってか、しっかり連絡とってんじゃん
 もう会うんだー」


 思わず顔に赤みが掛かる。


「自分で選んだだけあるね」
 

 美貴のイジワルな言葉に、何も言えない梨華。
 

 一昨日の様子を思い出す。

 美貴からの連絡を待ち、いろいろぶらついていた時、たまたま駅前を通りかかった梨華。
 そのとき、れいなが人と待ち合わせをしている様子を見てしまったのだ。
 カノジョの余りにもの可愛らしさに、自然と足を止め、眺めていた。

539 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:52

 いくら眺めていても飽きないカノジョ。
 少し不機嫌そうな表情になっているカノジョもまたよかった。

 自然と梨華のココロにシアワセなものがわいてしまっていた。


 まるで真希がいじけている時のように…
 まるで真希に甘えられている時のように…
 

 そして、思いついた事が1つ。

 これまで美貴に対してこんな事を頼んだ事はなかったのだが、
 その時は自然と美貴に連絡を入れてしまっていた。


 "お願いなんだけど…"


 どうせキスをするんだったら…
 一目見て、このコとなら…と

 まさか、本当に美貴がナンパに成功して、連れて来るなんて思ってもいなかったが。
 このときばっかりは、美貴のナンパの腕にしきりに関心してしまった梨華だった。

540 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:53

 美貴の前、その時の自分の心情を思い出す。

 何も言えない梨華。

 普段の負けん気の強さも、全く出てこなかった。


「帰ってょぉ…」


 弱く言う梨華に、美貴は"ゃだょ"と言い、"あのコ、美貴のタイプでもあるしー"とさらっと言ってのけた。


「そんなぁ」

「って言うのは、ウソなんだけど」


 これ以上からかうと、本当に泣き出してしまいそうな表情の梨華に、さすがに悪いと感じたのか、
 美貴は少し笑顔を零す。

541 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:54


「ま、黙っててあげるから、カノジョがきたらメール入れてよ。」
「どーしてょ?」

「どんな様子か見たぃ」


 思わず悩む。

 本当にそれだけなのかどうかも怪しいが、それでもサイアクの事態が避けれるなら。
 そう考えると、梨華は自然と頷いていた。

 梨華の返事に美貴は満足そうに頷くと、にっこりと笑顔を浮かべる。


「よしっ
 じゃ、きゅ〜とな愛ちゃんと、かゎぃぃこんちゃんに会っとこうかなー」


 そう言葉を残し、美貴はさも自分の居所とばかりに、スタッフルームに入っていった。

 中からは、あさ美の嬉しそうな黄色い声が聞え、次には、どっかイヤラシイトコでも触られたのだろう、
 悲鳴が聞こえてきた。


542 名前:7 〜 投稿日:2005/06/02(木) 23:54


  〜 ☆


543 名前:なまっち 投稿日:2005/06/03(金) 00:04

更新終了です。

明日お美しい石川さんの手に触れたかったのに(えろおやじ
行けない…せめて日曜ならなぁ…

ちょっと凹みつつ、失礼します。
それでは、また次回よろしくお願いいたします。
544 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/03(金) 20:20
 更新お疲れさまです。 ついに田中チャン登場でしょうか? あの場面にはそんな裏があったんですね。 次回更新待ってます。
545 名前:なまっち 投稿日:2005/06/05(日) 01:13

石川さんはやっぱりカッコイイですね。。。(´ヮ`)
ってか、あの衣装はぇろすぎですょ…(/o\)
ぁ石川さんのスタイルがぇ(もごもご…ぃのか…
元気になったので、はりきって更新です^^

>>544 通りすがりの者さん
 毎回毎回ありがとうございます^^
 それではついに…
 ぃぇ、ちょっとですが、れいなが登場します(にがわら
 これからもヨロシクお願いいたします〜

546 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:14




 8 〜




547 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:14

 時間だけは刻々と時を刻んでいた。
 梨華の緊張したココロを落ち着かせる暇もなく。

 これまで、梨華も幾度となく緊張してきたが、アルバイトの初日くらいに、今、心臓が早く動いてしまっていた。
 そして、どうしてこれだけ緊張するのか、考える間もなく、時間は15時をさす。

 お客さんが急に多くなり始め、普段通りのカラダの動きに、少し緊張感も薄らぎ始めたその時だった。

 扉を引き、入ってきた少女がいた。
 
 梨華の緊張の原因であるはずのその少女を見た瞬間、
 なぜだか自然と梨華の表情も柔らかいものへとなっていた。


 れいなだ。


 一昨日出会った時は、左サイドのトップで1つ髪の毛をくくってアップさせていたカノジョだったが、
 今日は両サイドに下ろし、アクセサリで髪の毛を少し耳にかけ、後ろへと流し、少し大人の雰囲気を作っていた。

 ただ、そのアクセサリは随分と可愛らしい星型をしたものだったが。

548 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:15

 服装も、一昨日とは違い、薄紫のトップにカーディガン、ミニスカートに、少し高めのブーツを履き、
 実年齢より少し大人の雰囲気を見せていた。

 れいなの愛らしさに、思わず見惚れてしまいそうになっていた梨華の隣、いつもどおりの愛の声を聞き、
 はっと目を覚ますと、レジのそばで表情を強張らせ、きょろきょろ見回すカノジョのそばに近寄っていた。

 途中でれいなが梨華に気が付くと、ぱっと笑顔を輝かせた。

 そして、梨華と視線がぶつかると、その表情はみるみるうちに恥ずかしげに俯き、顔を赤く染め、
 そのまま、あまりにも短いスカートから伸びるすらっとした足に目がいくと、慌てて目を逸らした。

 前の時とほとんど変わらないそのリアクションに、梨華に少し余裕が生まれる。


「いらっしゃいませ」


 愛と並ぶと、声を合わせる。
 そして、両手をお腹の位置に添え、深くお辞儀をした。

549 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:15


「ぁ…はぃ」


 戸惑った様子のれいなに、にっこりと、営業用ではない本当のスマイルを見せる。
 そして、愛と向かい合うように、道を開け、"どうぞ"と店内に招き入れた。

 今までこんなトコロを経験したことがないのだろう。
 れいなは。

 ま、当然といえば当然であるかもしれない。

 普通の女のコなら、一般的なカフェに入るだろう。


「ぇ…っと…失礼します」


 と、れいなのなんとも間抜けな返事を聞きながら、愛にエスコートされるれいなの後ろから梨華はついていった。

 一番奥の、スタッフルームに近いテーブルに座ってもらうと、愛がオシボリを手渡す。
 梨華は、テーブルの真ん中にあるキャンドルに火を灯す。

 明かりを灯すのが目的ではなく、ほんの微かにカオリの入ったキャンドルで、癒しの効果を狙ったものである。

550 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:16

 そして、愛がカワイイ声で挨拶をした。

「本日は、当店にお越しいただきまして、ありがとーございます」
「こちら、当店のメニューとなります」

 梨華がメニューをれいなに手渡すと、カノジョの手が少し震えているのが、分かった。


 緊張してるのかな…


 そう思うと、梨華は腰をかがめ、自然とれいなの手に自分の手をかさね、表情を崩す。
 れいなが梨華の手と自分の手を交互に恥ずかしそうに見比べた。


「きてくれて、ぁりがと」


 その言葉にれいなは嬉しそうに頷くと、梨華の耳元、"かわぃぃですょ"と笑顔を零した。
 素直に嬉しいその言葉。
 これまでもお店のお客さんから言われてきた言葉だけど、そのどんな言葉よりも嬉しいその言葉。

551 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:16


「ぁりがと」


 梨華は照れ隠しのように愛の方を振り返ると、"あとは任せて"と小声で伝えた。
 それを聞き、"ぅん"と笑顔の愛は、"ごゆっくりどうぞ"と言葉を残し、指定の位置に戻って行った。

 そして愛は、あさ美と小声で何かを一言二言話すと、二人してこっちを振り返り、妙な笑顔を浮かべた。

 まるで冷やかしのような表情に、少し憮然とした表情を浮かべる梨華だったが、
 後ろから聞えてきたれいなの、"キレイなコですね"の言葉に、思わず表情を崩した。


 "コ"


 まるで自分と同い年か、年下かのような言葉。


「4月から、わたしと同じ大学だょ」

「ぇ…?」


 当然のように驚いた表情を浮かべると、梨華と愛を交互に見比べ、"失礼いたしました"と笑った。
 れいなの笑顔に、自然と梨華にも笑顔が零れる。

552 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:17


「ここ分かりにくいトコだけど、ょく分かったね」

「ぇぇ。
 そりゃもぅ、イシカヮさんに会うためですもん」


 そのれいなの言葉に、声を出して笑う梨華。


「ホント、かぁぃぃですもん」
「もぉ…コドモが大人をからかっちゃダメだょ」


 その梨華の言葉に、少し悲しそうに苦笑いを浮かべたれいな。
 何かを話そうとは思っているのだろうが、何も言葉が出ない。

 妙な沈黙に、梨華は笑顔を繕って、"何か飲む?"と聞いた。 


「おごりだょ」
「ぃぃですよっ」


 れいなの言葉に、ゆっくりと首を横に振る。

553 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:18


「おごらせてょ」


 そう梨華が優しく言った時、向こうで愛がお客さんに呼ばれているのが目に入ってきた。
 そして、入り口の方では、さらに数人のお客さんが入ってくるのが目に入ってきた。


 少し忙しくなりそう…


「また後でくるから、決めといてね」
「ぁ…はぃ…」

 もっと梨華と話したかったし、一緒にいたかったのだろう。
 寂しそうな表情を浮かべながらも、頷いてくれたれいなを見て、
 梨華はさっと立ち上がり、入り口の方へと向かった。

 そこからは大変だった。

 時間的にもティタイムと重なったため、後から後から人が入ってくると、外には列が作られ始めた。
 忙しい時間帯とは分かってはいたものの、れいなを見て少し落ち着いてしまっていた梨華のココロ。

 忙しさにカラダが追いついていかない時もしばしば。

 ちらちらとれいなの方を見て、目が合うと笑顔で合図をしてあげるくらいしかできなかった。

554 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:19

 そこから30分もたった頃、いっぱいになった店内、人の出入り、注文も一段落したした時を見計らって、
 れいなのそばにいってあげた梨華。


「ごめんね」


 と、声を掛けると、れいなはニッコリと笑顔を浮かべ、大きく首を横にふる。


「カッコよくってかわぃぃイシカワさんの姿見れたし、よかったですょ」


 その言葉に、思わず顔が赤くなると、"上手だね"と照れ隠しのような言葉で返した。
 "ホントですもん"の言葉に"ぁりがと"と答えると、そういえばと、まだ何も聞いてなかった事を思い出し、
 注文をきいた。


「何飲みたい?」
「ん…全然分からんとです…」


 そうしかめっ面をして言うと、メニューを指差した。

 コドモらしいれいなの仕草に、"しかたないなぁ"と母性本能をくすぐられる梨華。
 それを隠すかのように、どれどれと手元を覗き込んだ。

555 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:20

 メニューは日本語だが、確かにこのカフェは専門的な種類が数多く揃えているだけあって、
 単純にコーヒーだけでも20種類、果実系のジュースだけでも30種類、
 紅茶系も10種類あり、それぞれその中から選ばなければいけないのだ。


 選んであげよっかなぁ…


 そう思うも、カノジョの好みを全くしらない梨華。
 少し考えた挙句、甘さ、味、他にも、ミルクの量などを軽くレクチャーしてあげることにした。

 単純な説明だけど、れいなはとても楽しそうに、嬉しそうに梨華の説明を聞いてくれていた。
 それだけでも、こっちまで嬉しくなってしまいそうなれいなの笑顔。

 ときどき"これ知っとぉ"と嬉しそうに声をあげるれいなは、やっぱりコドモに思えた。
 カワイイ自分のコドモのように。

 そして、真希みたいにカッコいい一面が多いとばかり思っていた梨華にとって、
 少し新しい発見をしたような気持ちになり、単純に嬉しくもなってしまった。

 結局れいなは、甘めのカフェ・モカと、ティラミスを選んだ。

556 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:21

 "ぅん"と梨華は頷くと、立ち上がる。

 そして、深くお辞儀をした。

「ありがとうございます。
 それでは、お待ちくださいませ。
 失礼いたします。」

 事務的なあいさつをし、注文と届けようとしたとき、ふとれいなが思い出したかのか、
 申し訳なさそうに口を開いた。

「ぁの…」
「なぁに?」

「ここで勉強とか…しても…ぃぃですか…?」

 れいなの言葉に、"ぃぃょ"と笑顔をみせる梨華。

 よくココで勉強をするコもいるくらいだから、特別悪いことではなかった。
 むしろ、これでれいなが暇をもてあそぶ時間が少なくなり、ほっとなる一面もあったし。

 まだまだ忙しい店内。
 梨華は安心し、再び仕事へ戻っていった。


557 名前:8 〜 投稿日:2005/06/05(日) 01:21


 〜 ☆

558 名前:なまっち 投稿日:2005/06/05(日) 01:25

更新終了です。

次回で第2話。は終了です。
のんびりのんびりとじわじわとですがこれからも進みます。
これからもよろしくお願いいたします。

そういえば…けっこう誤字脱字が多いですね…すみませんです。
あと…メールで差出人に【TO:】なんて書いちゃいましたけど、
【FROM:】ですよね…恥ずかしい…(誤字脱字は気をつけます(いまさらかょ
559 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/05(日) 10:05
 更新お疲れさまです。 ホントに少量でたが、田中チャンの姿を久しぶりに見れてよかったです。 そりゃあ自分でも間違えますよ。 つい先日まで自分と同じくらいだと思ってましたから(アセ 次回更新待ってます。
560 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/06(月) 19:56
誤字脱字どんま〜い
内容がいいからOK
561 名前:なまっち 投稿日:2005/06/07(火) 01:14

>>559 通りすがりの者さん
 すみませんありがとうございます^^
 そういって頂けますと、ちょっとは安心(ほ…
 でも、これからは頻繁に見直してから…
 "同じくらい"…?年齢…?(スミマセン意味が…
 あ…れぃなと石川さんは、これからはちょっとづつですが…(にがわら
 これからもよろしくお願いいたします。

>>560 名無飼育さん
 そうですか?^^
 うれしぃ^^
 たんたんと進んでいるんで、内容がいいって言っていただけますと、
 ほっとしますし、嬉しいです(ょし
 これからもよろしくお願いいたします。

 
 
562 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:15




 9 〜




563 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:16

 あと少しでもう下がっても大丈夫な時間になっていた。
 この時間になると、立ちっぱなしだった今日一日の疲れが、一気に消えてくれそうな感覚を覚える時間。
 わくわくしたキモチになれる時間。

 帰ったらごっちんの晩御飯が食べれるんだし
 それに、今日はれぃなと途中まで帰る約束までしたんだし

 そう思うだけでも、疲れがさらに消えてくれそうだった。


 お客さんを送り出した後、スタンディングチェアーに腰を掛けると、あさ美が梨華に小声で話しかけてきた。


「ちらちらイシカワさんのコト、見てましたょ」
「そ、そぉ?」


 主語はなかったが、明らかに分かったその内容。

 横目で見る。
 一瞬、こっちを見ていたのかなぁと思ったが、しっかり見ると勘違い。
 梨華の目に映るカノジョは、相変わらず勉強に打ち込んでいた。

564 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:16


「はぃ
 なんだか、じっと見惚れてる姿、かぁぃかったですょね」

「へぇ」


 あさ美の言っている内容に、梨華のほほには、自然と赤みが帯びてきた。

 そう、慕われているというのは、素直に嬉しいもの。
 最近だと、あさ美や愛からは慕われているようには、感じられたが、
 それでも仲のイイ先輩で、尊敬の壁と止まっていたような気がしていた。

 それが、れいなでは完全に違うように感じられた。
 どう違うのかは、梨華の中、説明は出来なかったが、確実に思えた。


「ちょっとお話してきてぃぃですか?」 


 そんな梨華を知ってか知らずか、のん気な口調であさ美は梨華にそう告げると、
 楽しそうにれいなのそばに歩いていった。

 梨華の返事を聞かずに話しに行ったあさ美は、完全にプライベートモード。

565 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:17


 普段、このカフェでは、こういう風に個人的に話しかけるということは禁止にしている。

 男の人には話しかけないというのが、ここでの規則だった。
 特別な常連さんにも、世間話的な話をすることも禁止してある。

 他のお客さんに嫉妬心を生ませないためのマスターなりの配慮。

 その代わり、雰囲気だけはしっかりと感じてもらい、キモチよく帰ってもらうということで、
 マスターが選んだカワイイ女のコにメイドとして、おもてなしをさせているコンセプトのカフェとなっている。

 ただ、女のコだけは別であった。
 こちらから積極的に話し掛けてもいいことになっている。
 ま、余りにもどっぷりと話し込むというのは、当然ながら禁止だが。

 あさ美はれいなの前の席に腰を掛けると、何かを話し始めた。

 最初は少しビックリした様子のれいなだったが、しだいに笑顔が零れるようになると、
 手を叩いて笑っている姿までみれた。

566 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:17


 驚いている表情。
 笑顔を浮かべている表情。
 真剣な表情。


 そのどれもが梨華にとって新鮮なものにうつっていた。
 カノジョの全てが。


 ところが、次第にその姿をどこかで見たことがあるように感じつつあった。
 そして、今のれいなを見ている時の自分のキモチも、昔どこかで感じていたコトも。


 素の表情における、キリッとしているものの憮然ととも取れる表情。
 また、表情を崩したときの、少女のようなステキな笑顔。

 カノジョを見ていると自分のコドモを持ったときのような、甘いキモチ。
 守ってあげたいって思う、甘いキモチ。


 どこかで…


567 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:18

 そして、気付いた。
 そう、その雰囲気がどこか真希にも似ていることに。
 それは、暗に梨華のココロの奥底、いつのまにか、そして、自然と気付いた。

 今の真希を見ている雰囲気。
 真希と出会った頃のようなキモチ。


 その2つに。


「ぃしかーさん?」

「なに?」


 奥から出てきた愛が、梨華の隣のスタンディングチェアーに腰を掛けると、
 あさ美とれいなの方を眺めながら笑顔を浮かべた。
 
「かゎぃぃコですね」
「ぅん」

 自分の事ではないのだが、なぜだか何度言われても嬉しいその言葉。

568 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:18

 これからのカノジョとの関係は、どんな風に、どんな方向に向かっていくのか、全然想像がつかないが、
 それでも梨華にとって確実に感じる事が1つあった。


 それは…


 カノジョは真希と一緒。
 真希と同じくらい自分と一緒に時間を過ごしていきそうな予感。
 そんな予感が梨華の胸の中、生まれていた。


「ぁ…そうぃゃ…藤本さんが…」


 その名前を聞いた瞬間、青ざめる梨華。
 そう、完全に忘れていたのだ。

 れいながきたら連絡を入れるという約束があったのに、完全に忘れていたのだ。

 約束を破ると怖い美貴。

 背筋にぞっと冷たいモノが走った。

569 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:19


「"ぜったいに話しかけてやる"って言ってましたょ」
「げ…」


「次会った時が楽しみって、楽しそぉに帰って行きましたけど…」


 やっぱり…

 せっかくシアワセな気分に浸っていたのに…


 こりゃしっかり頼み込まないと…
 焼肉10回かな…


 とにかく、れぃなの前で会うときは、偶然で、2回目ってコトにしてもらわなきゃ…
 ぅん…そだ

570 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:20


 バイトを終え、今日一日随分と楽しめた梨華は、美貴を避けるかのごとく足早に、
 そして、シアワセそうにれいなと一緒に帰路に着いた。
 

 れいなとの会話を楽しみながら…

 れいなの笑顔に胸を甘くしながら…

 れいなの瞳に吸い込まれながら…


 そして、真希の晩御飯を楽しみにしながら…

 真希と過ごせる喜びを感じながら…


 石川梨華は想う。


 明日を。


571 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:20


                        ☆ おわり ☆


572 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:21


                        ☆ 第2話。 ☆


573 名前:9 〜 投稿日:2005/06/07(火) 01:21


                        ☆ 石川梨華 ☆


574 名前:なまっち 投稿日:2005/06/07(火) 01:25

第2話。終了です。
これまで読んでいただきましてありがとうございました。

第3話は少し主人公さんが変わります。
これまで出てきていない?ヒトを。

今回は少し少なかったので、明日も更新したいかなぁとか思いつつも、
マイペース♪マイペース♪主義なら明後日の更新です(ぉぃ

第3話。もよろしくお願いいたします。
それでは、ありがとうございました。
575 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/06/07(火) 05:59
更新乙です。
あぁ・・・どうなっていくんだ・・・いしかあさんは・・・
576 名前:なまっち 投稿日:2005/06/08(水) 23:20

>>575 名無飼育さん
 ありがとうございます^^
 ある意味究極の選択なみに悩みますね…自分なら悩む(きっぱり
 これからもよろしくお願いいたします〜
577 名前:【春の歌】 投稿日:2005/06/08(水) 23:21




 第3話。 姉妹




578 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:22




 1 〜




579 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:22


 都心から外れ、新宿まで在来線にして20分の距離にあるこの緑多き閑静な住宅街は、
 バブル全盛のころ、開発時から人気があり、モデルルームのオープンと同時に予約が殺到し、
 その日の内に全ての家が予約で埋め尽くされたくらいの場所であった。

 数ヵ月後の数十倍から数百倍の競争率の中、みごと狭き門を潜り抜けた人たちは、
 その時のキズナだろうか、東京の山の手としては意外なほど近所付き合いがよいところであった。

 区画内では、お互い知らない人間はいないといっても良いくらいだ。


 そんな住宅街であるココも、完成からちょうど17年。
 そろそろ、どの家も新しくリフォームされ、再び17年前に感じた新鮮な家並が再現されつつあった。


 この閑静な住宅街のうちの一軒。


 ベージュ主体の明るいモダンな2階建ての家の裏口から、春の暖かい朝、1人の少女が出てきた。


580 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:23

 ストレートミディアムショートのさらさらした黒い髪の毛がホホに掛かっている。
 全体的に整ったキレイな顔立ちの中、切れ長の目が美しい、正統派お嬢様系の美少女だ。
 優しげな瞳が印象的である。
 
 春、暖かいとはいえ、褐色をした健康的なスレンダーなスタイルを包むのは、
 短いショートパンツと、タンクトップのみ。
 カワイイおへそを服の隙間から覗かせていた。

 上半身に下着はつけていないいないのだろう。
 キレイな胸のカタチと、その蕾が微かに姿を見せている。
 健康的な男子が見ると、思わず目を点にさせてしまうようなカッコをした美少女だ。


 その美少女の名前は、亀井絵里。
 そう、れいなのシンユウである"えり"だ。


 普通の女のコなら、そのまま外には出れないカッコなのだが、これから訪れる場所は、
 今のえりにとって関係ないのだろう。
 自分の姿を他人に見られることに恥ずかしさを覚えることもなく、細い指を口元に持っていき、
 可愛いらしい口から、"どうしてだろ…"という言葉を呟くだけだった。

 しきりに何かを考え込んでいる。

581 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:24

 自分の家の台所にある裏口から出たえりは、自分の家の庭の中、目の前にある隣の家とを結ぶ扉に手を掛ける。
 一瞬、リフォームされた家とは正反対の、開くのかどうか疑問に思うくらいに古い扉なのだが、
 少し古い音を発しながらも、きちんと扉は開いた。

 そして、そのまま潜り抜けると、相手先の庭にある裏口のドアをノックした。

 すぐに返事が聞え、扉が開く。
 庭の中とはいえ、とても無用心なことだが、あまり関係ないようだ。


 顔を覗かせた女性が、えりの顔を見ると、にっこりと顔をほころばせ、
 "おはよう"と声を掛け、中へ招き入れた。


 笑顔を浮かべるえり。
 さっきまでの思考は中断したようだ。


582 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:24


「おはょ」


 まるで自分の母親に対するような挨拶の仕方は、他人には少し奇妙に映るかもしれない。
 そう、他人から見れば、この女性とえりの関係は親子のように映るのだろう。
 が、実際は他人である。

 しかし、絵里は生まれた当初からこの女性にお世話になっていたのは事実だ。
 ある意味、えりが生まれてから数年は、共働きだった本当の母親よりは随分とお世話になっていたようだ。

 "…ようだ"というのは、物心ついた頃には母親は会社を辞め、専業主婦になっていたため、
 それ以前にお世話になった記憶は、曖昧にしかえりの中に残っていなかったからだ。

「まだ寝てるから、起こしてあげて」

「ぅん」

 キッチンに入ったえりは、そのままそこを通り抜け、出た先にある廊下をまっすぐ進んだ。
 そして、一番奥、玄関に近いところにある2階へ上がる階段から、この家の2階へとあがった。

583 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:25

 上がりきって一番最初にある部屋は通り過ぎて、二番目にある部屋の扉の前に立つ。

 "のっくだょ〜"と書かれたボードがあり、しばし佇む。
 どうせ気付かないことは分かっていたが、念のため、と申し訳程度に軽くノックをした。

 数秒たつも、当然のごとく返事はない。


 さてどうしようか…


 そう思案したえりは、数秒後にはにっこりとイタズラ少女のような笑みを浮かべると、
 どぉ〜んと勢いよく扉をあけ、"さぁぁぁぁゆぅぅぅ"と声をあげながら、
 部屋の右奥に置かれたベットに向かってダイブをした。

 大きくきしむベット…
 と、1人のうめき声をあげる少女。

「ぃたぁ…ぃ…」

 この部屋の住人からしたら、迷惑この上ない起こされ方なのかもしれないが、
 確実に少女が目覚めてしまったのだから、起こし方としては仕方がないのかもしれない。

 ただ、えりのイタズラなだけだが。

584 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:26


「病人…だょ」

「どれどれ」


 えりは少女の額に自分のほっぺを当てると"ふむふむ"と頷いた。

「ぅん、だぁいじょうぶだぁ」

 自分ホホに"いつもの"体温を感じることができたえりは頷いた。
 昨日の時点で治っていたから、最初から大丈夫とは思ってはいたが、少女の"甘え"に付き合ってのこと。

 そして、布団を剥いで自分ももぐり込みむと、ひとしきり自分の真下で呻いていた少女を抱きしめた。

 やがて満足したのか、上半身だけ起こす。
 そして、ベッドに腰掛けるように座りなおすと、まだ眠そうに瞳をこすっている少女の髪の毛を、
 優しく手串でといでやった。


「はょ」

「ぅ…ん…」


 えりに身を任せる少女。
 カノジョの手の動きがキモチいいのか、うっすらと瞳を開けると、シアワセそうに笑顔を浮かべた。

585 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:27

 そして、えりの服装を見ると"起きたトコなの?"と呟いた。

「ぅん」

 "そっか"と呟くと、上半身を起こし、えりの左隣に一緒に座るようにしてベットに腰を掛けた。
 再び目を眠そうに擦る。
 
 まだまだ幼げな少女のような、愛らしく可愛らしい顔立ちをした少女。
 大きくつぶらな瞳がとても印象的である。
 また、ふわふわしたロングヘアーが少女の愛らしい顔立ちを余計に、幼く、あどけなく見せていた。

 ただ、そのスタイルの方はというと、いっぺん。
 えりのスレンダーなスタイルとは違い、思春期にかかり、
 成熟し始めた丸みを帯びた女性的なスタイルをしている。
 身長もここ数年で一気に伸び、えりを追い越してしまっていた。
 
 今、そのカラダを包んでいるのは、上下おそろいのピンクのパジャマである。
 スタイルは女性らしいとはいえども、カノジョの顔立ちによく似合い、余計に少女を幼く、愛らしく見せていた。

 そして、ベッドもピンク。
 机もピンク。

586 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:30


 また、壁にはアイドルのポスターが所狭しと貼られていた。
 美少女が2人がほほを寄せ合い、愛らしい表情を浮かべているポスターやらが。


 彼女たちのコンセプトは一卵性双生児。
 双子のような2人。

 サブコンセプトは"アブナイ関係"。


 また、そんなアダルトなコンセプトとは全く生反対である容姿は、キャラクターマスコット的に愛らしく、
 青年の男子より、幼い少女たちの方に人気がありそうだ。

 そして、"そこ"にこの少女の幼げで、おとめチックな性格も垣間見えそうだった。


 少女の名前は道重さゆみ。
 えりと同じく、れいなのシンユウである"さゆ"こと"さゆみ"だ。
 一昨日まで病気で寝込んでいた少女。

587 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:30


 さゆみより1学年先に生まれたえりと、えりの8ヵ月後に生まれたさゆみ。
 1学年違えど、物心がついた頃には、もうすでに2人一緒にいたこともあり、
 自然と姉妹のような関係となっていた。


 甘えるのが得意なさゆみは、1年お姉ちゃんであるえりに、コドモの頃から常に甘えていた。
 えりも、どちらかと言えば、甘えるのが得意な方なのだが、さゆみの前だと、
 どうしても"しゃきっとしなきゃ"と、妙にお姉ちゃんぶってしまう。


 それがときどき空回りを生んでしまったりもしているのだが…


 そして、そんな甘え上手で、のんびりした空気を生んでいる二人の間に入り、
 しっかりとまとめるのが、最年少であるれいな。

 妙なバランスの中、3人の関係は不思議なほど、うまくいっていた。

588 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:31

 さゆみは1つ小さく可愛らしいあくびをすると、毎日の習慣である枕元の携帯を取り、眺めた。
 少しして、小さく首をかしげる。

 その仕草だけで何か理解したのだろう。
 えりが"れぃな?"と尋ねる。

「ぅん…」
「きてない?」
「ぅ…ん…
 きてるんだけど…
 ちょっと…」

 言葉を濁すさゆみに、"やっぱり…"と頷くと、ベットから立ち上がった。
 思ったとおりだったのだろう。
 そして、再び細い指を口元にもっていくと、"ぉかしぃょね"と呟いた。

「ぇりは、返信ないの?」
「ぅーん
 …ぃ…がぅ」

「あるんだぁ」

 首を振り"あるけど…"と言葉を濁すと、さゆみの方を振り返って、少し切なそうに口を開いた。

589 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:32

「今までと違って…そっけなぃ」
「ぁぁ…確かに…そっけなぃ…ょね…」

「ぅん…」

 そう頷くと、再びさゆみの隣に座るえり。
 そして、"報告"をした。

「今日、ままとお出かけだって」

「ぇ…」

 特別おかしいことではなかったのだが、さゆみの頭の中にも少し疑問が浮かんできた。

「今日"も"…」
「そ」

 れいなは時々母親と出かけることはあったが、一ヶ月に数度くらいである。
 それが、昨日、今日と連続となると、少し変に感じられた。

 "ぅ〜ん"と2人して声をそろえ、考え込む。

590 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:32

 と、しばらくすると、えりが何かを思いついたのか、いたずらっ子のような笑顔を浮かべた。
 その瞬間に、イヤな予感を覚えるさゆみ。

「…どーしたの…?」

 さゆみの真正面からじっと見つめると、満面の笑みで"びこう"と、
 カノジョの口からは不釣り合いなくらい怖い言葉を、口から発した。

「"びこう"…?」

 一瞬言葉の意味が分からなかったさゆみが、首を傾げ聞く。

「そ」

 えりは頷き、再び立ち上がると、さゆみの前をくるくると円を描くように歩いた。
 さゆみが言葉の意味を知らないと知ってか、もったいつけるえりの言動。

「今日は、昼からままとお出かけって言ってたから…」

 そして、真正面にくると、びしっと指をさゆみに突き出し、宣言した。
 
591 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:33

 
「れぃなの後を、刑事さんのように、つけるのだっ」


 少しだけイヤな予感が的中してしまったさゆみだった。
 普段は優しいえりだったが、1つイタズラを思いついてしまうと、
 相手のことを考えずに行動してしまうタイプだった。

 そして、相手を怒らせても、人懐っこそうな笑顔で、簡単に許してもらう女のコだ。

 こんなとき、普段なら、れいなが止めに入ったりするのだが。
 今日はさすがに相手が当の本人であるから、到底無理な話であろう。

 おそらく、れいなにバレたりすると、カノジョを怒らせるのは確実である。


 ただ…
 それでも、大スキなお姉ちゃんのえりの言う事なら…


592 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:33


「じゃ、善は急げだね」


 頷いたさゆみを見て、えりは楽しそうに笑顔を零した。


「ぁ…でも、先にお風呂入りたぃ」


 今日一日せっかく勢いよく出かけたかったのにと、小さくため息をついたえりだったが、
 さゆみの"一緒に入ろぉ"の言葉に、"仕方がなぃなぁ"と言いながらも、嬉しそうに頷いていた。


 愛する妹には弱いお姉ちゃんであった。


593 名前:1 〜 投稿日:2005/06/08(水) 23:33


 〜 ☆

594 名前:なまっち 投稿日:2005/06/08(水) 23:37

更新終了です。

第3話。マイペース♪で始まりました。
全7話。です。

しばらくはこの2人のほんわかぶりをお楽しみください。
ちょっと現実ときゃらは違っちゃってますが(にがわら

それでは、これからもよろしくお願いいたします。


595 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/09(木) 07:01
更新お疲れさまです。 ちょっと意外な人物登場でしたが、これもなかなか良いです。 説明不足でしたね、年の事です。 しかも自分のほうがかなり年下なんで・・・。 次回更新待ってます。
596 名前:なまっち 投稿日:2005/06/11(土) 00:06

>>595 通りすがりの者さん
 ありがとうございます。
 一応一番最初には登場はしておりましたが(にがわら
 これからもよろしくお願いいたします。

597 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:07




 2 〜




598 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:08

 えりとさゆみの住んでいる街から、駅にして2駅。
 距離にして自転車で15分くらいだ。

 お互い、駅に近い場所に住んでいるが、2駅くらいの距離ってこともあり、
 普段、雨の日以外は、自転車で家を行き来したりしている。

 駅を利用するときといえば、ショッピングで渋谷や原宿に出かけるときぐらいだ。
 大抵は渋谷で待ち合わせなのだが、もし、タイミングよく同じ電車に乗ることがあったときなどのために、
 一応指定の車両に座わることにもなっている。

 準備に時間がかかってしまった2人だったが、お昼までには随分と時間を残したまま、
 れいなの家の最寄の駅に到着していた。
 さすがに自転車でれいなの家に行ってしまったとして、れいなが電車で出かけた場合に、
 自分たちの自転車の置き場にこまってしまうだろうとの考えだった。

 駅の前で待つか。
 れいなの家の近くで待つか。

 普通なら悩むところだが、2人の顔は笑顔。

599 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:08

 そう、自分たちの自転車のこと以外は何も考えずにここまで出てきてしまっていた2人だったが、
 それ以上のことはあまり気にならないようだ。
 ただただ、久しぶりに一緒に出かけられて嬉しいというキモチも先行してしまっているのだろう。

 仲良く手を繋いでいるその姿は、まさに姉妹と言ってもいいくらいだから。

 それでも、一応これからの事を考えないと進めない。


「どうしょ…」


 さゆみの言葉に、えりは"ん…"と考え込んでしまった。
 普段から大抵れいながえりたちの家にくることから、この前ココに降りたのは昨年の暮れになってしまっていた。
 そのため、れいなの家に行くまでの時間をつぶせる場所をほとんど覚えていないのだ。

 すぐ近くに、駅前のロータリーががよく見渡せるファーストフードのお店があったはずなんだけど…

 きょろきょろ見回すえり。

600 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:08

 そして、ここはお姉ちゃんに任せようと思うも、1人何もすることがなくなって、
 寂しくなってしまったさゆみも、とりあえず周りを見回す。
 すると、駅前のロータリーにあるバス乗り場のベンチが目に入ってきた。

 えりの手をぐいとひっぱる。


「座ろょ」
「ぁ…ぅ…ん…」


 引っ張られるようにしてついて行くえり。
 その間もきょろきょろと周りを見る。

 さゆみは、ベンチに座るとほっとしたのか、バックから280mlのペットボトルに入ったお茶を取り出した。
 さっき出る前に母親に入れてもらったばっかりだったから、まだまだ温かい。
 両手で包み込むようにして持つと、ヌクモリを感じ、自然と落ち着く。


 まるで…
 ぇりみたいだぁ…


601 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:09

 さゆみはえりが大スキだった。

 物心がついた頃には、常にえりに手を引っ張られて、どこかに遊びに行っていたという思い出が、
 さゆみの頭の中、たくさん残っている。

 大切なうさちゃんのお人形をどこかに忘れてしまったときは、夜遅くまで探してくれて。
 男のコにいじめられた時は、相手のお父さんに言いつけてくれて。
 一緒に遠くまで行って、道に迷ってしまい、さゆみが泣きじゃくっているときも、
 泣くもんかと歯を食いしばってさゆみの手を引っ張ってくれて。
 イヌに追っかけられたときは、石っころで撃退してくれて。
 涙を流しているときは、温かく包んでくれて。

 さゆみは、そんなえりが大スキでいつでも甘えたいと思っている。
 ところが、最近はどうもおかしい。

 外だとそっけないのだ。
 そう、人の前だと、それほど甘えさせてくれない。

 どうしてだか、さゆみの中では分からないが、それが、最近のさゆみの不満だった。

602 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:10


「ぇりぃ」
「ん…」


 目の前で相変わらずきょろきょろしているえりの、服の袖をつまむさゆみ。

「どっか入らないの?」

 小腹が空いてきたこともあり、どこかのお店に入りたくなってきたのだ。

「ん…確か、マックがすぐ見えるトコにあったはずなんだけどぉ」

 きちんと探してくれているんだぁ、仕方なぃなぁ、と思ったさゆみは、少し遠くに視線をやった。
 ちょうど、そっちの方はれいなの家がある方向。

 春休みに入ってから一週間近くなるから、もう随分とシンユウの顔を見ていないことになる。

 さゆみはれいなも大スキだった。

603 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:10

 泣きながらも一生懸命引っ張ってくれるえりとは違い、小さいカラダながらも、
 余裕でぐいぐい引っ張ってくれるれいなは、さゆみの中でとても頼もしい存在であった。

 自分より生まれが遅いということは、当の昔に忘れてしまったくらいに。

 いつでもはっきり物事を言い。
 いつでも強気で。
 そして、いつでもカッコ良くって。


 会いたいなぁ…


 と、そう思ったときだった。

 ふとさゆみの目に、ちょうど顔を思い浮かべていたヒトの姿が入ってきた。
 まだまだ小さくうつるだけだったが、雰囲気ではっきりとれいなだということは分かった。

 あまりのタイミングの良さに思わず声が零れる。

「ぅゎぁ…」
「ん…?」

604 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:11

 さゆみの声に、えりが不思議そうな表情をした。
 そして、さゆみが何かを視線を奪われていることに気が付くと、そっちの方に視線を送った。

 とたんに顔色が変わる。

「さ、さゆっ」

「ん…?れぃなだょ」
「がぅ」
「違わないょ」
「ちぃがぅってば
 隠れなきゃっ!」

 そういうと、まだ嬉しそうにれいなをチラチラ見ているさゆみの手を握り締めた。
 そして、周りを見回し、隠れるトコがないかを探す。

 幸い、駅の入り口、改札の左横にある売店の陰の方に少し奥ばった空間が存在した。
 そこなら、れいなが来て、改札を通り駅の構内に入る道から外れ、見つからないだろう。

 急いで売店の奥までさゆみを引っ張った。

605 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:12

 隠れると、えりはそっと顔を出し、れいなの様子を見る。
 さゆみも見たそうにしたが、カノジョは単純にれいなの姿が見たいため、えりは"ダメ"と一言、言い放つ。
 顔を出すと、見つかりそうだから、と。


「もぉ」


 不満そうな声を零すさゆみの頭を撫ぜてあげると、再び顔を出した。

 ゆっくりと近付いてくる少女。

 そこで一瞬疑問に思うことが1つ。
 その少女の服装だった。


 もしれいなだとしたら…おかしい…


 そして、顔が見える距離になると、はっきりと分かった。
 駅のロータリーに入ってきた女のコは、やはりれいなだった。

606 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:12

 すると、さっきの疑問が再びえりの頭の中を駆け巡った。

 そう、れいなは、これまでえりが見たことがないくらいに可愛くキレイ系の服を着ていたのだ。

 これまではどちらかといえばラフで、少年的な服装が多くて、今、着ているようなブラウス、
 柔らかいミニスカート系なんて一年に数回しかなかった。
 ましてや、まさに今身につけているものは全て、
 これまでえりが見た事がないくらいにカワキレイ系のモノばっかりだった。

 さらに、色までかわっていた。
 れいなの好みであるブラウンや黒系から、少し明るく薄い色の入ったものになっていた。
 
 また、ヘアースタイルも。
 れいなが大スキなサイドでアップに止めるのではなく、髪の毛を下ろし、
 可愛いアクセサリのアクセントをつけていた。


 れいなのイメージじゃない…


 率直な感想。
 
607 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:13

 そして、顔つきも違った。

 今まではいつでもキリッとした強気なカッコいい表情をしていたのだが、
 それがどこか柔らかくなっている。

 少女のような、女のコのような。
 そして、キレイにもなっている。


「んんん」


 れいなから顔を隠すと、思わず唸ってしまったえり。

「どーしたの?」

「"れいな"じゃない」
「うっそだぁ」

608 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:13

 えりの前から覗き込んださゆみ。
 見てすぐに"ぁれ"と声を零した。

 そして、えり同様の反応を見せた。

「…じゃなぃ…かも…」
「でしょぉ」
「キレイになってる…」

 えりは大きく頷くと、指先を口元に持っていき、考え込んでしまった。

 何かを考える時のえりの癖なのかもしれない。

 今日はもうすでに何度もこの姿を見てしまったさゆみは、
 普段はあまり頭を使わないえりが大変だなぁと素直に思ってしまっていた。


609 名前:2 〜 投稿日:2005/06/11(土) 00:13


 〜 ☆


610 名前:なまっち 投稿日:2005/06/11(土) 00:17

更新終了です。
600かぁ…(しみじみ

少しストックが少なくなってきたので、ちょっとマイペース♪間隔をあけたいと思います。
それに、間隔をあけたら誤字脱字も減ってくれるはず(にがわら

それでは、これからもよろしくお願いいたします。
611 名前:なまっち 投稿日:2005/06/11(土) 00:19

おっと…そういえば前回で全7話。とか言ってしまいましたが、
第3話。が全部で7回って事です。
ばかばかですみません。

では。
612 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/11(土) 13:56
更新お疲れ様です。
やっぱりあの二人の目には違うんですねぇ。
田中チャンの今後が楽しみです。
次回更新待ってます。
613 名前:なまっち 投稿日:2005/06/14(火) 01:08

>>612 通りすがりの者さん
 ありがとうございます^^
 やっぱりこの3人は一緒じゃないと(わら
 ちょっとれいなの影は薄くなってますが(にがわら
 これからものんびりとですが、着実に進みますので、よろしくお願いします。

614 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:08




 3 〜




615 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:08


 えりが予想した通り、新宿方面の普通に乗ったれいな。
 普段、えりやさゆみとの待ち合わせにしている車両に乗ったというのも、
 日々身についた無意識の行動なのだろう。
 
 えりとさゆみは1つ後ろの、さらに進行方向から一番後ろの席に腰を掛ける。

 週明けの平日、お昼前とのこともあり、列車内の乗客は、普段乗り慣れた祝日なんかより随分と少なく、
 そして、若い人ばっかりだった。
 春休みに入ったばかりの学生といったところだろう。

 れいなは、カノジョお気に入りのアーティストの音楽を聞きながら、何か雑誌を取り出すと眺めていた。
 この姿は、普段通学のバスの中での様子と同じである。

616 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:09


 しかし、明らかに違うのは…


 やっぱりカノジョ自身の変化だろう。

 一週間前に見たときのカノジョとは、まるで違う雰囲気を持っているように感じられたからだ。
 ただ、最初見たときは驚きだけが、えりの胸の中にあったが、次第にえりの胸の中に覆ってきた感情があった。


 それは、寂しさ。


 この前から、今日までの間に、れいなに何があったのか…
 どうして、ここまで変わってしまったのか…

 自分たちは何も知らない。

 その寂しさは、さゆみも同じだった。

 れいなを見ることが出来たときは、久しぶりに見れて、ただただ嬉しいという感情だけだったが、
 電車に乗ってからは、次第にえりと同じく、寂しさに襲われていた。

617 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:10

「新しくお友達が出来たのかなぁ…」

 さゆみの寂しそうな口調に、自然とえりはさゆみの手を握った。

「…違うとは…思うけど…」

 そして、弱い口調ながらも否定をする。
 
 友達が出来たくらいで、ここまで服装を変えるはずがないし…
 それより…

「じゃぁ…」
「…?」

「…ボーイフレンド…とか…」

 言葉を選んださゆみ。
 まさにえりもその言葉が浮かんでいたときのその言葉は、なぜだか不思議とショックの小さな言葉だった。


"カレシ"


 って言葉は、えりにとっても少しキツイ。
 その言葉を選んでくれたさゆみに少し感謝のえり。

 それっきり2人は黙り込んでしまった。

618 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:10

 そして、周りの景色がどんどん変化していくなか、電車はやがて、超高層ビル群の街の中を走っていた。
 スピードが緩まってくる。
  
 この路線の終着駅である新宿。

 そこは、今の2人の心情に追い討ちを掛けるかのような街並み。

 えりはあまりこの街が好きではなかった。
 ただ、普段行かないからと言われれば、それだけなのかもしれないが。

 自分たちの住んでいる街に比べて、緑がカケラも見えないというのも1つの原因かもしれない。
 そして、歩く人は、日々仕事に追われ、ゆとりも持てないサラリーマンの人。

 ただただ目的地に向かって歩いているその人たち。
 ただただお金のために生活をしているその人たち。
 お金のためなら、平気で小さなコを利用する人たち。

 その人たちと一緒に歩いていると、こっちまで疲れてきそうだからだ。

 1つため息をつくと、隣で手をしっかり握ってくれている不安げなさゆみに"だいじょうぶ?"と聞かれ、
 "さゆに心配かけるなんて"と、笑顔を作り頷いた。

 ここを通るとき、いつもさゆみも不安げな表情を浮かべる。
 姉妹のような2人にとって、街の景色の好みも同じなのであろう。

619 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:11

 えりは、れいなを視界から外さない程度の距離を保ちながら、ついていった。

 普段なら、そのまま山手線に乗り換えて、渋谷方面に行くのだが。

「原宿かなぁ…」

 さゆみの言葉に、"どぉだろ…"と呟くも、たぶんここまでくれば原宿か渋谷で決定であろう。
 
 案の定、ホームに降りたれいなは、渋谷方面の山手線、一番前の車両に乗りこんだ。

 そこで再び疑問に思うことが出来たえり。
 渋谷や原宿で、れいな1人で2日連続で行くような場所なんてあっただろうか…と。 

 れいなはここに来るときは、絶対にえりかさゆみが一緒だった。

 そのれいなが…

 さき程と同じく、えりとさゆみは隣の車両に乗り込む。
 ただ、今度は人が随分と多くなったこともあり、れいなが降りる瞬間を見失わないために、
 一番近い場所に乗り込んだ。

 乗り込んで2駅目。
 2人が想像した渋谷ではなく、原宿でれいなは降りた。

 この位置に乗って、原宿で降りるとは思っていなかったえりとさゆみ。
 原宿でショッピング以外に行く場所で一番に思いつくのは、アイドルショップ。
 そう、原宿に行くと、まず最初にアイドルショップを適当に巡るのだ。

 ただ、この一番前の車両に乗るということは、渋谷の方で降りることを想像していた。
 それなのに、降りたのは原宿。

620 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:11


 そのまま一番近くの階段を上り、改札を出ると、表参道の方に足を向けた。


 やっぱり


 竹下通りの方には足を向けず、途中にひとつだけあるアイドルショップも素通りをし、
 さらに、普段入っていくようなショップも全て素通りをしたれいなは、どんどん進んでいった。

 人の波と反対に進むから、はぐれないように、とは思うものの…
 いかんせん、のんびりと行動の遅いさゆみとえりは、足早についていくのがやっとの状態だった。
 さらに遅いさゆみは、必死でえりの手を掴んで、ついて行こうと頑張っている。

 れぃなってこんなに早かったんだぁ…

 どれだけ普段れいなが、自分たちに歩調を合わせてくれていたか。

 こんな場所で、こんなカタチで知ろうとは、思いもよらなかったえりとさゆみであった。

「はやぁいょ、ぇりぃ」
「さゅ、置いてかれちゃうょ」

「ぅ…」

 どこまで進んだろうか。
 もうはっきり言って、えりは覚えていなかった。
 自分たちがどこまで真っ直ぐに進んで、どこで曲がって…

 かろうじて5回曲がったような記憶はあるのだが。

621 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:12


 もうれいなと一緒じゃないと、帰れなぃょ…


 そう思いはじめた頃だった。
 れいながゆっくりと足を止めた。

「ぁ…」

 そして、左手にある建物を見上げると、嬉しそうにその中へと入っていった。

 駅を出て15分。
 えりとさゆみにとってはもっと長い距離を歩いてきた感覚だったが、たったそれだけの時間であった。

 2人は、顔を見合わせると、ゆっくりとその建物に近付いた。 

 れいなの足を踏み入れた場所。

 近代的で、デザインに優れたオシャレな建物が多く並ぶこの通り。
 この辺りしては随分と不釣り合いな建物に、れいなは入っていった。
 とてもうきうきした足取りで。 

「…?カフェ…?」

 さゆみの言葉に、"そんな感じかなぁ"と呟く、えり。

622 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:12

"そんな感じ"

 最近のカフェはオープンカフェが流行っているが、それは外から見るだけですぐに分かる。
 しかし、ここは、建物自体は一目見ただけでは、何をしているのか分からないような建物だった。

 かろうじて看板で分かるくらいだろう。

 この建物の上、屋根の部分に看板が立てられていたが、しゃれた言葉なのか、
 英語でもない言葉がぐにゃぐにゃと書かれていた。

 えりやさゆみにとってこれまで見たこともない文字。
 ただ、微かにわかったのが"CAFE"のように読める言葉だけだった。

 他に置いてある看板としては、ドアに"あいてるょ"と書いてあるプレートが掛かっていた。
 "開いているのなら、ちょっと入ってみよう"、そう思えるくらい可愛らしいプレート。

 そして、外観もそう。
 その建物は、鉄筋の外装ではなさそうだ。
 いや、おそらく内部は鉄筋なのだが、外装だけは木造の雰囲気を残している。
 
 それはまるでおとぎ話に出てくるかのような建物であった。
 そう、その建物から想像できる言葉は…"工房"。

 中で何かを"創っている"ように感じられる場所、工房。
 自然と足を踏み入れてしまいたくなるような場所。

「かぁぃぃ建物だね…」

 さゆみの言葉に、素直に頷くえり。

 まさにその言葉通りの感想をえりも持ったからだ。

623 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:12

 しばらく2人はほんわかなキモチになりながら、その建物を眺めていた。
 そして、先にさゆみが口を開いた。

「はいろっか…?」

 その言葉に、えりは素直に頷いた。

 ここまできておいて帰るわけにはいかないだろう。

 これまたえりの素直な感想。

 むしろ、このまま帰ったら、逆に何しにここまで来たのかって事になってしまうと感じたからだ。

 そう、ここまで来たことによる収穫といえば、ただシンユウの様子が一変したことのみ。
 そのことに、ただ寂しさを覚えただけで帰るというのも、おかしな話であろう。

 さらに…今入らなかったら、この春休みはれいなと会えない予感さえ覚えた。
 また、これから先ずっとれいなはここに通いそうな予感も覚えたから…

 えりは、さゆみの手をぎゅっと握り締めると、扉に手を掛けた。


624 名前:3 〜 投稿日:2005/06/14(火) 01:15


 〜 ☆

625 名前:なまっち 投稿日:2005/06/14(火) 01:16

更新終了です。

それでは、また次回よろしくお願いいたします。

626 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/15(水) 07:21
更新お疲れさまです。 ついに本拠地へと潜り込みましたね。 この三人が対立・・・? 次回更新待ってます。
627 名前:なまっち 投稿日:2005/06/17(金) 01:04

>>626 通りすがりの者さん
 毎回毎回ありがとうござます^^
 ある意味ココがこれからも本拠地となっていきます。
 対立は…さゆみ、えり<<<<れいなの力関係なので(にがわら
 次回もヨロシクお願いします。
628 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:05




 4 〜




629 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:05

 恐る恐る扉を開いたえり。

 後ろには、さゆみがぎゅっとえりの腰に手をまわし、ぴったりと引っ付いている。
 まるで、お化け屋敷に入るように。

「いらっしゃいませぇー」

 びくびくしていた2人を出迎えたのは、とても透き通った可愛らしい女のコの声だった。
 まるでテレビのアニメの世界のように愛らしい女のコの声。
 そして、右にならんだ植木鉢に植えられた針葉樹の道。
 さらに、その奥に、声の主であろう女のコと、すらっと長身の女性。

 その2人が、えりとさゆみを出迎えてくれた。
 
 一瞬虚をつかれたような表情になってしまった2人だったが…


「ぅゎぁ…」


 女のコを見て、2人の口から感嘆のため息が零れた。

630 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:06

 ストレートミディアムのさらさらな黒い髪の毛がキレイな、まだあどけない表情を浮かべる美少女。
 これまでテレビの中でしか見たことがないくらいに、キレイでカワイイ美少女は、にっこりと笑顔を零した。
 おっきな瞳がきらきら2人を見つめ、思わず2人ともホホを赤らめ俯いてしまった。

 そして、その少女の身を包むのは、淡いワインレッドのふわふわのミニスカートとブラウスに、
 胸を強調させたふわふわのエプロン。
 とてもキレイなすらっと長い足が、惜しげもなく見せ付けていた。
 申し訳程度にしか存在しないミニスカートも、大きなフリルのついたヘアバンドも、
 小さなカワイイリボンのついたカチューシャも、全てがまるでアニメの"世界"。
 
 そう、まさにメイドの言葉がぴったりで、見事に衣装に負けていない美少女。


 そして、もう1人は、スラッとした高い身長に、艶やかなストレートロングヘアーの美女。
 さっきの美少女とは対称的に、とても大人のキレイな女性だ。

 こっちの人は、最初の美少女とは違い、全てのふわふわがなく、おとなし目でカッコいい服。
 ミニスカートから伸びる足は、えりやさゆの腰近くまであり、
 思わず一緒に立ちたくないとまで思ってしまったくらいだ。

 まさにウェイトレスの言葉がぴったりの美女。

631 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:06

「いらっしゃいませ」

 2人の美女と美少女は並ぶと、お腹の前に手を添え、深くお辞儀をした。


「ぁ…はぁ…」


 思わず、えりもお辞儀をする。
 さゆみの方は、まだえりの後ろでぴったりと寄り添い、顔を赤らめ見ているだけであるが。

 そんな怯えている様子のさゆみに、2人の美女と美少女はにっこりと笑顔を見せると、
 "どうぞ"と、真ん中に道を空けるようにしてえりとさゆみを招き入れてくれた。


「はぃ…」


 さゆみをひっぱるようにして、入る。
 
 美女が、えりの前をエスコートするカタチで、道案内をしてくれると、外観とぴったりの少し神秘的な、
 のんびりした空気と、黄色く明るい部屋に通された。

632 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:07


 あまり大きくない店内。

 平日の昼前にもかかわらず、それでも店内はいっぱいだった。
 男の人から女の人まで、ほぼ均等といっていいくらいだ。

 丸い木製の円のテーブルと、オシャレな彫刻の施された椅子が広げられている。
 その椅子には、ふんわりとしたクッションが添えられ、長時間座っても大丈夫なように作られていそうだ。

 右奥にバーカウンターがあり、そこには1人のまだ高校生と言ってもいいくらいに愛らしい顔立ちの女性が、
 料理を作っていた。
 案内をしてくれた美女と同じ衣装を着ている。

 バーカウンターの左隣には、カーテンがしかれ、スタッフルームに入る通路が見える。


 そして、さらに左に目をやると…れいながいた。


633 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:07


 椅子に腰を掛け、その前では、えりとさゆみを案内してくれた美少女と同じカッコをした女の人が座り、
 れいなと楽しそうに話をしていた。

 美女というよりかは、どちらかといえばキレイでカワイイ顔立ちをした美少女といってもいいくらいだ。
 ミディアムヘアーに柔らかくウェーブをかけた少しお嬢様の雰囲気に、さらに整った顔立ち、
 優しげな瞳でこっちも思わず見惚れてしまいそうなくらいに、笑顔がステキなお姉さんだ。

 椅子から伸ばされた足は、すらっとキレイなカタチをし、自分のスタイルに自信のあるえりでさえ、
 お姉さんのスタイルには負けを認めてしまいそうだった。


「かゎぃぃ…」


 後ろからさゆみの感嘆の呟きが聞える中、えりの頭の中では色々な考えが浮かんでいた。


 もしかして…
 あの人…?


 と、思った瞬間だった。
 れいなと一緒に話していたお姉さんが、こっちを向くと、お客さんとして気付いたのか、
 立ち上がり、深くお辞儀をしようとした。
 それと同時に、れいながこっちに目を向ける。 

634 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:08

「げ…」
 
 そして、びっくりした表情を浮かべると、店内におもいっきり響く声をあげた。

「えりっ!!
 さゆっ!!」

 びくっと震える、えりとさゆみ。

「どげんしておっとーよっ」

 店内にれいなの大きな博多弁が響く。
 一瞬店内が静かになる。
 お客さんの視線が一点に集まってきた。

「ぁちゃぁ…」
「どうしょ…ぇりぃ…」

635 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:08

 当然見つかることを覚悟で入ってきたのだが、いざ見つかると、れいなに何を言われるのか。
 それプラス、人から視線を集めてしまい、背中を小さくしてしまったえりとさゆみ。

 道を案内してくれた美女と美少女は、一瞬不思議そうな表情を浮かべていたものの、
 えりとさゆみがれいなの友達と理解すると、さらに柔らかい笑みを浮かべた。
 
 そして、美女は、えりとさゆみの背中に手を添えるようにして、れいなの方に導いてくれた。

「かゎぃらしいお客様だと思ってたのょ」

 美女の言葉に、2人は思わず顔を赤らめてしまった。
 他人にカワイイと言われたことはあったが、これだけキレイなヒトに言われたことがなかった2人にとって、
 さすがに気恥ずかしかった。

「れぃなのお友達だったんゃぁね」

 愛らしい声の美少女の言葉に、えりは頷く。 

636 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:09

 れいなの前に案内されると、カノジョと一緒に話していたお姉さんがえりとさゆみに向かって深くお辞儀をした。

「ぁ…」

 間近でみると、息を呑むくらいにキレイでカワイイ女のヒトだった。
 思わず今日2度目の感嘆のため息が零れる2人。
 柔らかいウェーブのヘアースタイルと、カワイイ笑顔は、まさにテレビの世界のヒト。

 えりの腕にカラダを押し付けるさゆみの胸の鼓動が、かなり早く脈打っているのを感じることができたくらいだ。


 そして、れいなは…

 そのお姉さんの横顔をぼーっと見惚れている。
 これまでえりが見たことがないくらいに柔らかい表情のれいな。


 やっぱり…れぃな…


 そう思ったとき、れいなが、えりとさゆみの方を見た。
 とたんに、顔色が変わる。

 絶対に、怒ってるっ!
 謝んなきゃ!

637 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:09

「ごめんっ!」

 えりに続いて、さゆみも"ごめんね"と頭を下げた。
 ところが、怒っていると思ったえりだったが、もう一度顔を上げた時に見えたれいな本人は、
 なんとも言えない複雑な表情を浮かべ、えりとさゆみを見ていた。
 
 その表情はそこまで怒っているようには見えず、少し嬉しそうにも見える。

「ぁ…れ…?」
「なぁんょ」

「怒って…なぃ…?」

 えりの言葉に、大きくため息をつくと、"怒るわけなかぁ"とぷいっと横を向いた。

「かぁぃぃね」

 となりのお姉さんの言葉にれいなは顔を赤らめると、さも嬉しそうに笑顔を浮かべた。
 そして、自分を指差し、コドモのようにふにゃとした表情。

638 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:09

「れぃなのことですかー?」
「ん…れぃなのお友達さん」

 とたんにれいなの表情がどん底まで落ち込んだ。
 そして、不貞腐れた表情を浮かべる。

「ウソウソ
 れぃなのコトだょ。
 かぁぃぃょ」

 また笑顔になるれいな。

 隣に立っているお姉さんの言葉に、ころころと表情を変えるれいなを、
 えりとさゆみは不思議そうな表情で見つめていた。
 
 こんなれいなは、出会ってから初めて見たといってもよかったくらいだった。

 いつでも強気で、キリッとした表情をして、ぐいぐい2人をひっぱっていくれいなは、
 これだけコドモの表情を浮かべるなんてことはなかった。

639 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:10

 それなのに、今のれいなは、まるでこのお姉さんに構って欲しいかのごとく、表情を変えていた。

 そう、えりとさゆみと一緒にいたれいなは、のんびりした2人を引っ張るため、
 自然と誰にも甘えている姿を見せていなかったのだ。


 そっか…


 えりは呟いていた。
 もうすでに、えりの中では、確信にまで至っていた。

 れいなはこのお姉さんが目的。
 だから…

 えりは、当初、本当のことを知ると、れいなが遠くに行ってしまいそうと感じて、
 自分自身が少し落ち込むかなぁと思っていたが、不思議とそんなキモチはわいてこなかった。

 むしろ、"このお姉さんなら仕方がないか"というキモチにまでなっていた。



640 名前:4 〜 投稿日:2005/06/17(金) 01:10


 〜 ☆


641 名前:なまっち 投稿日:2005/06/17(金) 01:16

更新終了。

先がふわふわウェーブの石川さんは、♪大阪恋歌♪のMステのときのイメージです。
れぃなはストレートに下ろして今とか^ヮ^。。。
愛ちゃんも同じくストレートに下ろしてるイメージかな。
ふわふわウェーブもよかったんだけど(あせ

それでは、次回もよろしくおねがいいたします。

642 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/18(土) 00:00
更新お疲れさまです。 そりゃあ誰だって思ってしまいますよ。 それに似合う人なら尚更(モゴモゴ 次回更新待ってます。
643 名前:なまっち 投稿日:2005/06/19(日) 03:05

>>642 通りすがりの者さn
 れすありがとうございます^^
 ホント似合いますょねぇ(はぁ…しみじみ
 これからもよろしくお願いしますね^^
644 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:05




 5 〜




645 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:10

「忙しいから、簡単に紹介するっちゃね」

 えりとさゆみが名前だけを言った後、れいなはそう言うと、このカフェで働いている人を軽く紹介してくれた。


 えりとさゆみをここまで連れてきてくれた長身の美人のお姉さんは"飯田圭織さん"。
 同じく、可愛い女のコを"高橋愛さん"。

 ただ、愛は、お客さんに呼ばれ、深くお辞儀をすると、"失礼します"と、呼ばれたお客さんの所に行き、
 圭織も、梨華に"もうちょっとぃぃょ"とだけ言うと、同じく持ち場の方に足を運んだ。
 やはり忙しいのだろう。
 すぐにお客さんに呼ばれている姿がえりの目に入ってきたし。


 そして、奥のバーカウンターで色々と準備をしている人が、ここのマスターである"安倍なつみさん"。
 他にも、今はいないが、今日の夕方から入ることになっている"紺野あさ美さん"がいるとのこと。


 さらに、これはれいなの隣にいる、まだれいなの紹介のないお姉さんが"れぃなは会ってないけど"と、
 教えてくれた女のコが1人。

 今日の夕方から入る女のコで、"嗣永桃子ちゃん"というコがいるとのこと。
 驚いたことに、そのコは、れいなとさゆみの2コ下の年齢だそうだ。

646 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:10

「もうバイトしてるとですか…?」
「ぅん
 安倍さんの親戚でさ。
 一度遊びにきたら、結構気に入っちゃってね
 この4月から2年生なの」

 中学生からバイトをしているという事実に、驚いてしまった3人。

「ホントかゎぃぃコでさ、人気もあるょ」

 思わず"へぇぇ"と言葉が零れる。

「ぁのぉ」

 と、一瞬の間が出来たときだった。
 れいながそのコについて、まだ何か聞きたそうなそぶりだったが、先にさゆみが口を開いたのは。
 れいなの隣に座っているお姉さんの方を向いて、申し訳なさそうに。
 
「お名前を…」

 さゆみの言いたい事は、えりにもはっきりわかった。
 そう、まだ、れいなから紹介を受けていないのだ。

 今もれいなと一緒に話しているが、具体的な名前すら聞いていない。
 聞いていないというか、むしろ、教えたくなさそうな雰囲気さえ感じられた。

「ぅ…」

 えりが、れいなを見ると、少し不満そうな表情を浮かべている。
 そんなれいなを見て、隣のお姉さんは苦笑いを浮かべると、"石川梨華です"と頭を下げた。

647 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:11

「ょろしくね」

 と、にっこりと笑顔を浮かべる。

 その笑顔に、さゆみは少し恥ずかしそうに俯くと、"さゅって呼んでください"と小さく言葉を口にした。

「ぁ…
 ぇりって呼んでください」

 さゆみの言葉に、えりも慌てて自分の愛称を教える。

「ぅん
 えりとさゆだね」
 
 そう言うと、"れぃなのお友達はかゎぃぃコだねぇ"としみじみ呟き、そっと立ち上がった。
 愛と圭織に遠慮もあるのだろう。
 "そろそろ働かなきゃ"と少し衣装を整える。

「衣装もかぁぃぃですけど、石川さんもかぁぃぃですね」

 ホホを赤らめ呟くさゆみの言葉に、梨華はにっこり"ぁりがとね"と頭をなぜなぜすると、
 "ごゆっくりどうぞ"と持ち場に戻っていった。   

648 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:11

「キレイな人だね」

 えりの言葉に、れいなは微かに頷くと、大きくため息をつく。
 そして、体重を椅子の背もたれに掛け、大きくのびをした。

「久しぶりだね。」

 何ともいえない不安げな表情のれいなだったが、えりがその理由を聞く前に、
 先にさゆみが嬉しそうに口を開いた。

「ゃね」

 えり自身も、れいなにいっぱい聞きたいことや、話したいことがあったが、いざとなると、
 何から話したらいいのか、全く出てこなかった。

「もぉ大丈夫と?」
「うんっ
 暇で暇で仕方がなかったんだょ」

 どうしてココにいるのか。
 どうしてあのキレイなヒトと話しているのか。
 あのヒトは何者か。
 どんなきっかけであのヒトと知り合ったのか。
 ココは何なのか。
 この一週間ずっとココにいたのか。

 山ほどれぃなに聞きたいコトがあるのに…

649 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:11

 そんなえりとは対称的なのはさゆみ。

「そう言えばさぁ…ここってなに?」

 性格にも表れる、余りにもストレートなさゆみのその質問に、れいなは一瞬きょとんとなる。
 そして、次の瞬間には吹き出すと、"やっぱ、さゅゃね"と笑顔を浮かべた。
 思わずえりにも笑顔が浮かぶ。

「ここは…
 れぃなも説明してって言われると、よぉ分からんけど…まぁ見たカンジそのまんまっちゃね」
「見た感じ…
 メイドさん?」

 さゆみの言葉に、"ん…"と唸るれいな。

「イシカヮさんは、そげんコンセプトとか…言っとったと…」

 確かにそんなカンジだ、とえりは思う。
 ここで働いている女のヒトは、みんな可愛かったり、キレイだったり、着ている衣装も、
 かなりカワイイものだったりと、まさにメイドに見えるくらいだったからだ。

 現に、一番最初に見たときのイメージはメイド。
 対応を受けたときのイメージもメイド。

 最初はビックリするかもしれないけれど、慣れると居心地はすごいイイかもしれない。
 ふとそう思ってしまったえり。

650 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:12

「れぃなって…こういうトコ、スキだったの?」

 さゆみの言葉に、今度はえりが吹き出す。
 いつものさゆみの雰囲気に、えりの口は普段の軽さを取り戻した。

「がぅょ」

 代わりに答える。

「違うコトが目的だょね」

 れいなを見て言うえりの表情は、いたずらっ子のように楽しそうな笑顔を浮かべていた。
 普段から、中々、からかうコトの出来ないれいなより、今は立場が上に立っていることもあるのだろう。

 そして、完全に図星をさされたれいなは、えりとさゆみの前では、カノジョには珍しく、顔を赤らめ、
 何も言えずに"知らんょ"とだけ答えた。

「違うコトって?」

 "やっぱり気付かないんだぁ"と、いつも通りのさゆみを可愛く感じると、イモウトの頭を撫ぜてあげ、
 "知らなくてぃぃょ"と答えてあげる。

651 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:12

 しかし、1人コドモ扱いをされたさゆみは、ぷくっと膨れると"なにょ"とれいなの方にカラダを乗り出した。

 仲間はずれはイヤなもの。

 ところが、れいなもれいな。
 2人の視線を集めるも、こんなことはやっぱり自分の口からは言えないのだろう。
 れいなは、えりの方を見ると、"何とかするっちゃ"と瞳で訴えた。

 でも、はっきり言えば、えりだってこの話題はもっともっと知りたい。

 なんとか、上手に聞き出せないだろうか…

 と思ったその時、梨華が大きめのトレーの上に、透明なグラスに入った色とりどりのジュースと、
 サンドウィッチ、ポテトを手に、近付いてきた。

 見た目だけでも重そうなのに、手馴れた様子で片手に持ち替えると、"はぃどーぞ"とテーブルに置いた。
 れいなが嬉しそうに、"ぁりがとぉございます"と言うと、グラスをそれぞれの前に、
 そして、いっぱいサンドウィッチとポテトの乗ったお皿を真ん中に置いた。

652 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:13

 不思議そうな顔をするえりとさゆみを見て、梨華は笑顔を浮かべ、さゆみの頭に手をおいた。

「わたしのおごりだから、遠慮しなくてぃぃょ」
「そ、そんなっ。」

 思わず立ち上がるえり。

「悪いですよっ」

 そんなえりを見て、梨華はにっこりと微笑むと、ほかほかポテトを一口ぱくっと可愛い口に頬張った。

 そして、"ぉぃし"と言い、えりの方に再び笑顔を向けた。

「これでわたしが食べたから、わたしのだね
 だから、わたしがお金出すから、食べてぃぃょ」

 そう言うと、笑顔でえりの肩をぽんぽんとたたき、"遠慮せずにどぉぞ"と持ち場に戻っていった。

 有無を言わせぬ雰囲気に、さらにそこまで言われると、えりはもうそれ以上何も言えなかった。
 また、れいなが笑顔を浮かべているのを見ると、自然と納得してしまっていた。

 そう、こういう時、れいなが真っ先に断ったりするはずなのだが、そのれいなが何も言わないというのは、
 梨華がそういう性格なのだろうと、えりは理解した。

 カッコよさまで感じられるくらいの梨華にれいなは視線を送りながら、口を開いた。
 
「ぃぃよ」

 そして、まだ不満そうなえりの顔をみて、れいなは目の前のポテトにぱくつきながら笑顔を浮かべた。

「来るといつものコトっちゃょ」

653 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:13

 れいなによると、最近来るといつもおごってくれてているとのこと。

 最初の頃は、さすがにれいなとしても悪いから、出るときになつみにお金を渡したりしていたのだ。
 しかし、お金を渡すと、梨華と一緒に帰るときに必ず何かをおごってくれたそうだ。

 結局れいなは一日でほんの少しだけお金を使ったことになる。
 そして、お金を払った日は必ずそうなるらしい。

 一度"どうしてそこまでおごってくれるのですか?"と聞いたことがあったらしいが、
 梨華としては"カワィィコにはおごるりたくなるの"と、それだけだった。

 それ以来、れいなは素直に梨華のごちそうを頂き、その後に一緒に帰るときに、
 どこかで軽くおごり返すということを繰り返しているとのこと。

 れいなとしても、色々な繋がりを持つことが出来て、さらに梨華と一緒にいる時間も増えるとのことから、
 それは嬉しいのだろう。

 本人は口にしないが。

「へぇ…」

 さゆみの羨ましそうに"ぃぃなぁ"と呟く言葉に、とても嬉しそうに微笑むれいなは、
 本当にシアワセそうだった。

 そのれいなの嬉しそうな笑顔を見ながら、ちょうどお昼前、お腹が空き始めたえりとさゆみも、
 満面の笑みで、目の前のれいなのシアワセの詰まった食べ物にぱくついた。
 

654 名前:5 〜 投稿日:2005/06/19(日) 03:13


 〜 ☆


655 名前:なまっち 投稿日:2005/06/19(日) 03:15

更新終了です。

もう1人登場人物が増えます(にがわら
これからも、ヨロシクお願いいたします。

では。
656 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/19(日) 18:48
更新お疲れさまです。 おぉっ( ̄□ ̄;)!! ついにキッズのあの子が!少し嬉しかったりも(エ 次回更新待ってます。
657 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/19(日) 18:48
更新お疲れさまです。 おぉっ( ̄□ ̄;)!! ついにキッズのあの子が!少し嬉しかったりも(エ 次回更新待ってます。
658 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/19(日) 18:50
更新お疲れさまです。 おぉっ( ̄□ ̄;)!! ついにキッズのあの子が!少し嬉しかったりも(エ 次回更新待ってます。
659 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/20(月) 06:56
すみません、ホントにすみませんm(__)m トリプルでやっちゃいました。 決してわざとではないので、ホントにごめんなさい。
660 名前:なまっち 投稿日:2005/06/21(火) 00:41

ごっちんと初握手。ってか、生まれて初の握手。
石川さん…ごめんなさい…握手から、し終わって数時間はごっちんの方が…
とっても温かかったなぁ(ほんわか
コンサでは目があってどきってしますけど、どきどきどきどきどきってかなりココロにダメージを受けた(×_×)
もし娘。としたら、立て続けにダメージ受けて、途中で倒れそうだぁ
あ…途中まことを挟んで回復(もごもご

>>656-659 通りすがりの者さん
 わざとじゃないって分かりますょ^^
 全然おっけーです○
 れすありがとうございます^^
 ついでに、今回は初登場です(おたのしみに
 やっぱりきゃらが↓みたく(にがわら
 それでは、これからもよろしくお願いいたします。

661 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:42




 6 〜




662 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:42

 やはり3人集まると、時間などはあっという間に過ぎてしまうもの。
 ましてや、一週間ぶりとなるとなおさら。

 話したいことがお互い山ほどあったこともあり、もうすでに時刻も16時を回っていた。
 単純に5時間近く話しっぱなしだったことになる。

 さらに、その間も、暇を見つけては、梨華たちが話し掛けてくれたりと、
 一息をつく間もなかったくらいだった。

 そして、久しぶりに原宿まで出てきたえりとさゆみがショッピングをしたいという話になり、
 そろそろ2人だけで出ようかと話になった頃だった。
 お店の雰囲気が一気に騒がしくなったのは。

 お店の扉が開き、新しくお客さんが入ってきたのかと思ったえりが、そっちの方に視線をやると、
 けたたましい足音を響かせ、走り込んできた少女が1人。
 一瞬目が点になるえり。

 さゆみとれいなも、えり同様目を丸くする。

663 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:42

 柔らかいストレートミディアムの髪の毛。
 前髪をトップで1つにまとめると、後ろに崩し、全体をとても可愛らしく流している。
 そして、そのヘアースタイル同様、とても愛らしい顔つきをしたお嬢様的な美少女だ。
 
 ただ、その雰囲気とは対称的に、ばたばたと駆け込んでくる姿は、小さいカラダ、
 思春期前のコドモのようにスレンダーなスタイル同様、活発さを伺える。

 あっけにとられるお客さんと、笑顔を浮かべるお客さん。
 どちらかと言えば、笑顔の人が多いくらいだった。

 その少女は、バーカウンターに体当たりをするようにして止まると、大げさに頭を下げた。
 それと同時に、カワイイ声がお店中に響いた。

「遅れてすみませぇぇんっ!!」
「こらっ謝るよりも、走っちゃだめっ」

 なつみが、さわがしい少女の頭を軽くコツンとすると、少女は外見どおり愛らしくぺろっと舌を出した。

「ごめんなさぁぃ」

 少女は、なつみに"早く準備しなさぃ"と諭されると、もう一度"ごめんなさぃ"と謝り、
 奥のスタッフルームの方に入ろうとした。

 ところが、何かを発見したのか、立ち止まる。
 その視線の先には、お客様にお飲み物をだしたトコロで立ち止まって、微笑んでいた梨華の姿があった。

664 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:43

 そして、梨華と視線があうと、とびっきりの笑顔を浮かべた少女。
 可愛く"いっしかぁゎさぁぁん"と声をあげると、おもいっきり梨華の胸に飛び込んだ。 

 一瞬ぐらつくも、その少女をしかっと抱きとめた梨華は、
 とても嬉しそうに"はぃはぃ"と胸の中にぎゅっと抱きしめた。

「ももっ!」

 なつみの少女を呼ぶ声に、"ぁ〜ぁ"と、さも残念そうに声をあげると、最後に名残り惜しそうに胸に顔を埋め、
 やがて満足をしたのか、顔を上げると梨華のほっぺに可愛らしく"ちゅ"と口付けをし、
 奥のスタッフルームの方に入っていった。
 コドモのように愛らしいキスに、梨華も自然と笑顔になっていた。

 そんな梨華とは違い、ただ驚いているえり。
 まるで嵐のように入ってきて、嵐のように去って。

「もしかして…」

 スタッフルームに入っていった騒がしい少女の後姿の残像を追いかけながら、えりが呟いた。
 すると、さゆみも頷く。

「ももこちゃんって、あのコだょね…」

 先ほどなつみが少女を"もも"と呼んでいたことを思い出す。

 また、えりやさゆみがまだ見ていないのはあさ美と桃子だったが、あさ美はれいなが見ていたから、
 れいなが知らないコなら、桃子になる。
 そう思ったえりとさゆみが、れいなの方を見やった。

665 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:44

「ねぇ…れぃ…な…?」

 思わず口をつぐむさゆみ。
 まさに、それ以上声が出ない、いや、声を掛けられないといった状態かもしれない。
 それはえりも同様。

「ぁの…」

 再びれいなに声を掛けるも、何も返事は返ってこない。
 当の本人であるれいなは、ただただ再び働き始めた梨華の姿を睨み付けているといった状態だった。

 普段のきりっとした表情を軽く飛び越え、見慣れているえりやさゆみでさえ怖く感じる今のれいな。

 それはまさに…


 嫉妬…?
 じぇらしー…?


 その言葉がぴったりに感じられた。


 れいなでもこんな感情持つんだ…


 それがえりの中で沸き起こった素直な感想だった。
 そう、普段のさばさばしたれいなは、さっきのようなスキンシップに、女同士の嫉妬なんて感情を持つなんて、
 想像もしていなかったのだ。

666 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:44

「れぃなぁ…もしかして…」
「なんっ!?」

 さゆみの言葉に、きっと睨みつける。
 怯えるさゆみ。


「ご、ごめん…」


 そんなれいなとさゆみの姿に、えりは苦笑いを浮かべると、
 とばっちりを受けてしまった可愛いイモウトのさゆみの頭を撫ぜてあげた。

「かわぃそぉ」
「なぁんよっ」

「あのももこちゃんへの対応は、相手がコドモの対応だょ」
 
 れいなの話の内容を無視し、えりは意見を言う。
 その言葉に、れいなは俯くと"わかっちょぉ"と肯定するも、再び顔を上げたれいなの表情には元気がなかった。

「けど、サイアクって思った」
「誰に?」

「ゎからぁんょ」

 えりは"ふ〜ん"と小さく言葉に出すと、体重を椅子の背もたれ?に掛けた。

667 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:45
 
 しばし3人の間に沈黙がおとずれる。
 そして、それを破ったのは、さゆみの能天気な明るい声だった。

「あっ、でも"あれ"だっ」

 さも自分が大発見をしたかのように声をあげたさゆみに、2人の視線が集まる。

「どーしたの?」

 えりの言葉に、さゆみは自分の発見を誉めてと言わんばかりに、目を輝かせた。

「ももこちゃんもれぃなも年齢は2つしか違わないよっ
 ってことはぁ…れぃなだってももこちゃんと同じように甘えられるんだょね」

 初めからあまり期待はしていなかったが、やはり抜けているさゆみらしい一言に、笑顔が浮かぶえり。
 しかし、それとは対照的に、れいなは少し考えると、素直に大きく嬉しそうな声をあげた。

「そっ、そっかっ」

 少し考えれば穴のあるその意見。
 普段なら真っ先にツッコミを入れそうなれいななのに…
 それだけ、動揺しているのだろう。

668 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:45
 
 そんなれいなをみて、えりの呆れた声が上がった。
 
「むしろ、れぃなだって"ただ"のコドモと思われてもおかしくない年齢ってことにも…なるょね…」

 そして、ごんっと大きな音を立て、テーブルに突っ伏したれいな。

「そゃった…」

 曇ったれいなのそんな言葉が聞こえてくると、えりが声をあげた。

「もぉ、さぁゆっ」
「ぇ?」
「余計なこと言わなぃのっ」

 "なぁぁんでよっ"と抗議の声をあげると、膨れるさゆみ。

「今のはぜぇぇったい、ぇりのせいだょ」
「なコトないっ」

 本来なら、ここで"どっちもどっち"と、びしっと決めるのはれいなだが、
 もう完全に自分の世界へと入り込んでしまっていた。
 
「ゃっぱ年齢の壁ゃろか…」

669 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:46

 そんなため息まじりに、暗く言葉をれいなが発したときだった。
 お客さんに飲みモノを出し終わり、少し手があいたのだろう。
 梨華が、えりたちに笑顔で話しかけてきた。

 お互い拗ねあっていたえりとさゆみは小さく笑顔を浮かべ、
 れいなは何とも言えず憮然とした表情で梨華から少し視線をはずす。

 そんなれいなに不思議そうな表情を浮かべた梨華だったが、えりとさゆみの笑顔に自然と笑顔で返すと、
 "さっきのコだょ"と、口を開いた。

「ももこちゃんですね?」

 えりが答える。

「そっ」

 "かゎぃぃコですよねぇ"と言うさゆみが、椅子の背もたれに体重をかけ、羨ましいとばかりにため息をついた。
 
「へぇ…さゅがかゎぃぃって素直に認めるのって、珍しいょねぇ」

 えりの言葉に、さゆみが"そぉんなことないよぉ"とクチビルを突き出した。

670 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:46

 そう、さゆみは自分が一番"カワイイ"と思っているコだけに、
 なかなか人を"カワイイ"と言わないコなのである。
 そのさゆみが、今日梨華に対して"カワイイ"と言ったことでさえ珍しいのに、2回目の呟きに、
 思わずびっくりし、出てしまった言葉だった。

 また、そう言えば、もう随分と長い間"カワイイ"と言ってもらっていないことをフト思い出してしまい、
 少し寂しさも覚えてしまったえりであった。

「さゅだってかゎぃぃょ」

 梨華の言葉に、"ありがとうございます"と笑顔を浮かべると、"そだっ"とまたまた何かを思いついたのか、
 梨華の手をひしっと握り、潤んだ瞳で見つめた。

「ど、どしたの…?」

 少し驚きつつも、しっかりとさゆみの目を見つめる梨華。
 そんな梨華に恥ずかしそうにほっぺを赤らめるも、さゆみはしっかりした口調で言葉を口にした。

671 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:46

「みなさんステキなヒトだし…
 かゎぃぃし…
 衣装もかゎぃぃし…」

「ぅ…ぅん…」

 少しイヤな予感を覚えたえり。

「さゆみ、ココでアルバイトしたいですっ!」


 うわっ…
 やっぱり…


 思わずうな垂れる。

 ところが、目を丸くし、驚きの表情でさゆみを見つめているれいな、うな垂れるえりとは対称的に、
 梨華は笑顔を浮かべると"安倍さんに聞かないとわかんないけど、ぃぃと思うょ"とさゆみの頭に手を乗せた。

672 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:47

「ちょ、ちょっとイシカワさんっ」

 いきなりのさゆみの言葉に驚きを隠せないえりは、簡単に受け入れようとしている梨華に抗議の声をあげる。
 しかし、梨華は優しそうに笑顔を浮かべ、首を横に振った。

「中学生の頃にアルバイトすると、ぃぃ経験になるょ」
「そ、そんなぁ」

 えりとしては、可愛いイモウトにアルバイトなんてと思っての言葉。
 しかし、そんな姉の思いなどかって知らずなのか、梨華の言葉に、嬉しそうに笑顔を浮かべているのはさゆみ。
 そして、出遅れたと後悔の表情のれいな。

 ただ、そんなれいなも次の瞬間には声を大きく訴えた。

「れぃなもっ!」

 れいなの言葉にも、梨華は笑顔で"聞いてみるね"と頷いた。
 
「はぁ…」

 ただ1人大きくため息をつくのはえりだった。
 それでも、えりもイモウトが心配なため、"じゃ、ぇりも頼んでくださぃ"とため息をついた。


673 名前:6 〜 投稿日:2005/06/21(火) 00:47


 〜 ☆


674 名前:なまっち 投稿日:2005/06/21(火) 00:50

更新終了です。

次回で第3話。は終了です。
また新しいコを主人公に第4話。を始める予定です。
もちろん舞台はここですが、少し動かしていきますので、
色々な展開を想像していただければと思っております。

それでは。
675 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/22(水) 06:47
更新お疲れさまです。 ( ̄□ ̄;)そ、そんなお言葉を作者様からもらえるなんて・・・ホントにすみませんでした。 来ましたね、キッズ!しかも最初からなんという事を。 田中チャン感情が溢れでてます(・・; 次回更新待ってます。
676 名前:なまっち 投稿日:2005/06/23(木) 00:48

>>675 通りすがりの者さん
 れすありがとうございます^^多謝です^^
 キッズのこのコには、出るたびにこれからもれいなを煽って頂きます(わら
 今回で第3話は終了ですが、毎回毎回ありがとうございました。
 れすがあるたびに元気になれましたんで^^
 では

 
677 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:50




 7 〜




678 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:51

 太陽が少し沈んだ頃、えりとさゆみは仲良く腕を組み、渋谷の駅の方へと歩いていた。

 久しぶりのショッピング。
 さゆみの気に入ったアクセサリを買ってあげたえりに懐いているイモウトの姿に、えりは満足感でいっぱいだった。

 そして、今日の色々な出会いにも。

 これだけ色々なヒトに出会ったのは、生まれて初めてだった2人。

 これまでは自分の身の回りの大人だけだったのに、今日だけで少し年齢の高い同姓のヒトと出会えたのだ。
 それだけでも、不思議な感覚だった。

 そして、随分と自分たちが成長したような錯覚さえ覚えていた。
 初対面のヒトと、あれだけ普通に話せたり、普段の行動範囲を軽く超えてしまっていたりと。

 アルバイトをするなんてことは、これまで一度も考えたことがなかった。
 というか、そういう習慣さえなかったのだ。

679 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:51

 結局、アルバイトをしたいという3人は簡単に受け入れてもらえた。
 ただし、親の承諾がないとムリとの話だったが。

 少々拍子抜けしてしまったえり。

 いくら梨華が簡単に"ぃぃょ"と言っても、なつみから言わせると中学を卒業したばかっりの人間なんて、
 それほど信用できるとは思えないだろうと、えりは想像していたのだ。

 しかし、なつみは意外なほど簡単に"ぃぃょ"と笑顔を見せてくれた。

 そして、あと2週間もすれば梨華と愛の大学が始まり、あさ美が受験の年に入ったりなどし、
 確実に入ることの出来るヒトが制限されそうだったことがもあり、その点はちょうどよかったと、
 笑顔を見せながらなつみは理由をあげてくれていた。

 さらに、マスターであるなつみは、ひどく3人の容姿やら個性やらを気に入ったらしく、
 圭織や梨華には"バイトに入る回数減らしちゃうから"と言い、2人を焦らせるような冗談まで飛ばしていた。

 それにはれいなが焦り、"それだけはやめて下さい"と必死で頭を下げていたが、
 そんなれいなの姿が"可愛い"と、えりやさゆみは素直に思ってしまっていた。

 そう、れいなのこれまで見たことがなかったくらいに可愛い姿が見れたことにも、大満足だった2人。

 そして、この春休みを随分と充実した日々を過ごせそうな感覚さえ覚えていた。

680 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:52

「れぃなってあれだけカヮィィ一面あったんだぁ」

 フト思い出したかのようなさゆみの言葉に、えりは微かに頷いた。

「イシカワさんだょね…」
「ぅん…」

 れいなが梨華と一緒にお話をするという事にシアワセを感じているという事を、
 はっきりとカノジョの口から聞いたわけではなかったが、今日のれいなの仕草や、
 口ぶりからみると明らかだった。

 そう、今日はなんとなく"そんな素振り"でえりやさゆみも話を振っていたのに、
 れいなは否定することなく話を合わせてきたから。

 さゆみの口から聞えてきた言葉に、驚くえり。
 えりは、いつまでもコドモであるさゆみがきちんとそんな風に気付いていたとは思っていなかったのだが、
 さっきの口ぶりだと普通に気付いていたことになる。

 いつまでも純粋で、"恋"なんて言葉を知らないと思っていたさゆみだったが、
 いつの間にかそういう感情を理解する年齢になっていたことに少しの驚きと、寂しさを感じていた。

681 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:52

「しすこんだなぁ…」

 思わず呟いていたえりの言葉を聞き取れなかったのか、さゆみは顔を近づけてきた。

「なぁに?」

 余りにもの近い距離に、一瞬どきっとなるココロ。
 しかし、次の瞬間には、自分のココロの中、呆れかえっていた。

 いつの頃からか、えりは純真無垢なさゆみの瞳に見つめられるダメだった。
 そして、いつの頃からだろうか。

 自分たちのカラダの変化に、自分の感情の変化が追いついていかなくなったのは。
 さゆみの大人へ変化したカラダに、興味を覚えてしまっていたのは。
 さゆみのスキンシップにカラダを熱くしてしまっていたのは。
 さゆみといると胸を甘くしてしまっていたのは。 

 そして、それを隠すかのように、甘えたらダメと言ったのは。

「はぁ…」

 思わずため息を零してしまっていたえりの横顔を、さゆみは不思議そうな表情でみつめていた。

682 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:53
 
「あのぉ…ちょっとスミマセンっ」

 と、えりが一人落ち込んでいたときだった。
 横からフト声を掛けられたえりとさゆみ。

 なんだろうと思い、声を掛けてきた女性の方を見る。


「ゎ…」


 見た瞬間に、息を呑んでしまった2人。
 あまりにものキレイでカッコいい女性が2人のことを目を輝かせて見つめていた。

 スレンダースタイルに、ブラウンのカジュアル系ストレートミディアムヘアーに、キレイな顔立ちのお姉さん。
 今までこれだけ一目見てカッコいいと思ってしまったヒトを見たことがなかった2人。

 今日はなんでこんなにキレイなヒトとばっかり会うんだろう…

 フトそんなコトを思ってしまっていたえりとは対称的に、さゆみの中ではこの女性のカッコよさに、
 ただただ心臓がばくばく言わせていた。

683 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:53

 お姉さんは、2人でしっかりと恋人つなぎで繋がれている手と、ひしっとカラダを寄せ合っている様子と、
 2人の表情などなどを見ると、さらに目を輝かせた。

「ゃっべぇ…まじミキ好み…」
「は?」

「ゃ、ちょ、ちょっと撮影しているんですよー」

「げっ…」

 お姉さんがその言葉を発したその瞬間に、えりはさゆみの腕をぐいっとひっぱると、走り出した。

「ちっ」

 後ろで"逃げたか…"と言うお姉さんの呟きを聞きながら。

 そして、普段ではこれだけ早く歩くことなど出来ないくらいのスピードで。
 れいなも真っ青なくらいのスペードで逃げる。

 ただ、隣のさゆみはしっかりついて来てはいるももの、"ゃだっ"とばかりに、随分と体重を後ろに掛けていた。
 そう、さゆみはまださっきのお姉さんの方を名残惜しそうに振り返りつつ、"ばぃばぃ"と手を振っていたのだ。

684 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:53

「はぁ…」

 ほっぺを赤らめているさゆみに呆れつつ少し早さを緩めた。

「どぉ〜してよぉ」
「ゃばぃって」
「ちょぉカッコいいヒトだったょ」

 早歩きで歩くえりは、"そぉゆぅ問題じゃぁないっ"と、隣で不貞腐れた表情のさゆみの頭をコツいた。

「たぁぃ」

 カワイイ妹を守るためとはいえ、大変だぁ…

 とはいえ、結局は自分だけがさゆみを独占出来ることに、シアワセを感じるえり。

 えりとさゆみは2人一緒にいれることにシアワセを感じつつ帰宅についた。
 今日のことを考えながら。

 明日を想い。

685 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:54


                             ☆ 第三話。 ☆


686 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:55


                             ☆ 姉妹 ☆


687 名前:7〜 投稿日:2005/06/23(木) 00:56


                             ☆ おわり ☆


688 名前:なまっち 投稿日:2005/06/23(木) 01:00

ってことで、第3話。終了です。

まだまだ書けるのかな…
ま、次回からは…心機一転新しいすれで始めようと思います。
もちろん黄色。
黄色って言えば"石川さんの色"って思えて、どうしても黄色で書きたいと思います。

それでは失礼します。

689 名前:通りすがりの者 投稿日:2005/06/23(木) 21:13
更新お疲れさまです。 いよいよスタートですね、題名が少し意味有りげ(?な感じです。 そういえばこの二人って?・・・(ムニャムニャ 黄板でいつまでも待ってますよ。 次回更新待ってます。
690 名前:なまっち 投稿日:2005/06/29(水) 01:14

>>689 通りすがりの者さん
 ありがとうございます^^
 この2人もホントすきなんですよ(´ヮ`)
 ホントはちょっときゃらが反対の方がしっくりくるのかもしれないですよね…(?
 でも、顔立ちからはこっちの方が…勝手な主観です(にがわら
 結構はやめに?戻ってまいりましたが、次でもヨロシクお願いします。

それでは次のすれへ…

691 名前:なまっち 投稿日:2005/06/29(水) 01:15


 〜 ☆


692 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/14(木) 12:48
テスト期間かな・・・
あげ
693 名前:なまっち 投稿日:2005/07/15(金) 01:14
>>692 名無飼育さん

あ…?
もしかしてお待ちでした…(にがわら
失礼しました。
実は次のアドレスは書いてなかったのですが、すれは立ててたのです(あせ
待っていただいていたヒトがいたのに、すみませんでした。

↓です。テスト期間は終わりましたが、そんなの関係ないくらいに
ハロプロに染まっていた作者です(にがわら
そんな作者ですが、これからもヨロシクお願いします。

http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/yellow/1119975457/-100

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